農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/12/06
会議録
○委員長(鈴木貞敏君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査のうち、平成八年産米の政府買い入れ価格に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○服部三男雄君 自民党の服部でございます。 新食糧法に基づく新たな制度がこれから動き出すわけでありますが、農業というのは、言うまでもなく国民に必要な食糧を供給するという極めて大事な基幹的な産業であります。しかも、それは非常に自然等の影響を受けやすいという本来的な性格を持っておりますので、経済的合理性ばかりではなかなかいかない。しかし一方では、労働という観点から見ますと、技術と創意工夫によって自然に働きかけることで大きな成果も得られるというメリットもあるわけでございます。 時代はだんだん変わってきまして、飽食の時代と言われておりますが、そういうことで農業従事者の間にどうも自信が持てないような、そういう環境もないわけではないわけでありますけれども、これからの農業経営の担い手を確保するということは大事でありますし、そういう観点からも、新しい制度のもとでの運用というのは、我が国農業や農村の健全な発展に資するように配慮していくことが国家行政の責務と言わねばならないと思うわけであります。 こういう観点に立ちまして、今回の特に生産調整の問題でありますが、営農の意欲というものに十分配慮して、今後も稲作経営に明るい展望が持てるような内容にならなければならないと思います。その点について、まず農水省の考え方をお聞きしたいと思います。
○政府委員(日出英輔君) 今回の新しい生産調整対策でございますが、先生も御案内のとおり、自主流通米の需給なり価格の安定を図るというような点での生産調整の実効性の確保という問題と、もう一つは新食糧法の理念でもございますが、市場原理の導入なり生産者の主体的な取り組みの重視といった、この二つの考え方を踏まえながら、従来以上に生産者の営農の意向を尊重する必要があるというふうに考えているわけでございます。 といいますのは、やはり自主流通米の需給なり価格を安定するということになりますれば、生産者みずからがそういった意識に立たなければ、認識に立たなければいけないということでございますし、あるいは極力強制的な、あるいは一律的な手法をなくして生産者が生産調整に取り組むということでありますれば、当然のことながら生産者自身の主体的な取り組みが大事になってくるわけでございます。 そういう意味で、今回の生産調整目標面積の決定に当たりまして、生産者の意向を十分聞くということ、あるいはこの過程で共補償なり地域間調整を十分行うといったようなこと、あるいは生産調整目標面積が未達の場合の翌年度への上乗せ措置の廃止でありますとか、補助事業の不採択措置といった、こういったことについての廃止も含めてこの新しい生産調整対策を進めていき、これによりまして生産者の営農の意向を十分酌んでいく、こういうふうにしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○服部三男雄君 平成八年度の政府買い入れ米価の決定が具体的スケジュールに上がってまいりました。今回の決定は、いわゆる新食糧法施行後初めての決定でありまして、その決定に上りまして今後の食糧行政の方向というものを国民に示すことになるわけでございます。 ということは、政府としても、今後とも稲作農業を発展させる努力を続ける姿勢はやっぱり明確にしなければいけないし、そういうことによって農業従事者の不安というもの、新制度のもとの不安というものを一掃することができるわけでありますから、農業者の要望というものを十分配慮した算定方法というものを示さなきゃいかぬと思うわけでありますので、その点についての農水省の見解を明らかにしてください。
○政府委員(阿部修君) 新しい食糧法のもとにおきましては、自主流通米が制度的にも実態的にもお米の流通の中心となるというようなことでございまして、政府買い入れ米価につきましては、この自主流通米の価格が反映されたものとするというようなことを基本といたしまして、あわせて生産コスト等を参酌いたしまして、お米の再生産を確保するということを旨として設定していくことというふうにしておるところでございます。 これは基本的な考え方でございまして、こういった基本的な考え方のもとにおきまして、実際の政府買い入れ価格の算定のあり方につきましては、十一月の初めに米価審議会において基本的な考え方が取りまとめられたところでございます。 今、我々鋭意いろいろ作業をしておりまして、この具体的な算定方式なり、それから米価の水準につきましては、今後各方面の御意見なり御論議を踏んまえながら、あさっての米価審議会にお諮りいたしまして、新食糧法の規定に従って適正に決定してまいりたいというふうに考えております。
○服部三男雄君 今、生産コストの問題も御答弁ありましたが、旧食管法から今度の新食糧法に変わるということになりますと、経過の問題があるわけですね。制度が変わったからごろっと変えるというわけにもなかなかまいらないわけでありまして、特に今までの米価の決定については、昭和三十五年以降、生産費所得補償方式というものがあって、生産者、農業者の所得確保に十分な配慮がなされてきたのでありますけれども、やっぱり新食糧法の施行のもとでも、この所得確保という考え方は引き続いて行われるべきだと思うわけであります。そういう意味で、今御答弁あったように、生産コスト等の生産条件を参酌するということは重要な答弁だろうと思います。 したがいまして、今度の米価決定に当たりましても、生産コスト等の生産条件、物価動向というものを十分配慮するとともに、生産者の経営努力による生産性向上のメリットを、やっぱり努力に応じて生産者に還元する方向も十分検討されるべきではないかと考えますので、答弁をしていただきたいと思います。
○政府委員(阿部修君) 生産性向上部分の還元の話でございます。 この件につきましてはいろいろな議論があることが実態でございまして、農業者にそれを還元しろというのはもちろんでございますけれども、一方の考え方といたしましては、そういった生産性向上につきましては消費者に還元すべきだというような意見もあることは確かでございます。 いずれにいたしましても、この具体的な算定方式なり米価の水準でございますが、これは今後各方面の御論議を踏まえながら米価審議会に諮りまして、適正に決定してまいりたいというふうに思っております。 なお、現在私ども検討しておる方式でございますが、これは生産性向上をストレートに価格に反映するということではございませんで、その生産コストの変動率につきまして一定のウエートをかけていくというようなことも今検討しておるところでございまして、そういうような方式をとれば、生産性の向上につきまして生産者に対して一定の配慮と申しましょうか、ストレートにそれを反映するというものではなくなるというようなことも今検討しているところでございます。
○服部三男雄君 新食糧法のもとで、政府買い入れ米価の決定の大きな要因が自主流通米の価格の動向、要するに需給の原理に大いに影響される、反映されるようになってくるというのは確かにそれは避けられないことだろうと思います。 一方では、先ほどもちょっと触れましたように、単なる市場原理だけではなかなか農業というのは律し得ない。自然環境の変化というのは、特にここ数年凶作、豊作の波が大きいという現象があらわれてまいりました。あるいは自然環境が今までと変わったんじゃないか、トレンドが変わったんではないか、地球温暖化という問題もあるんでしょうけれども、どうもそういう傾向も見られないわけではない。そうしますと、例えば最近、ここ二、三年は自主流通米の入札価格というものはやや低落傾向というんでしょうか、特に昨年のように豊作の年には当然需給が緩和しますから低下傾向にならざるを得ない。ところが、一昨年となりますと、これは大凶作でありまして、すべての自主流通米の価格が高騰いたしたことがありました。米不足というようなことも騒がれたわけでありまして、まだ記憶に新しいところであります。 ただいま申し上げましたように、稲作農業はそういう自然環境に非常に左右されやすい、気象変動によって直ちに豊凶現象を起こすというようなことを考えますと、いわゆる工業生産のような価格動向とは一律には同じように言えないだろうと思うわけであります。 そこで、政府買い入れ米価に需給動向はストレートに響くということだけじゃなくて、生産者の経営の安定という観点から、また一方では豊凶の波の大きさから来る消費者の不安というものを解消するというような観点からも、いろんな要素が加味されてこなきゃならぬわけでありまして、そういう点について今後政府としてどういうように対応されるのか、これは明確な御答弁をいただく必要があるんではないかなと思います。
○政府委員(阿部修君) 政府買い入れ価格への自主流通米の価格の反映の仕方でございますが、今我々検討しておる中で出ておる案でございますが、一つは直近時の自主流通米の価格を直接的に反映させるというような観点から、前年どことしの当年で、単年で比べるというようなこともあるわけでございますが、一方、そういったことでありますと、今先生も御指摘ございましたように、作が振れますと自主米の値段も大きく振れるというようなことでもあるわけでございまして、その自主米の中期的なトレンドを反映させるというような観点から、これを移動三年平均で比較したらどうかというような考え方もあるわけでございます。 そういった考え方があるわけでございますが、御指摘のような価格の安定性という面にも十分配慮いたしまして、さらに論議を進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
○服部三男雄君 今までの旧食管時代の政府買い入れ米価の決定というのは、昭和三十五年以降、方式が確定しておりました、生産費所得補償方式と。簡単に言えば、農家の所得確保についてのある程度の基準があったわけです。ところが、自主流通米の価格によって、それは三年平均移動説をとったとしても、やっぱり農家は今後新食糧法のもとでどういうふうに米価が確定されるのかというような不安感を持つんですよね。そこへもっていって、農業の将来に対して、例えば新規就業者の数を見てもわかるとおり、余り魅力がないという、若者を引きつける魅力がないということで、余計に農業の将来に対して不安を感ずる。そういう新しい制度への移行に伴う不安と、もともと潜在的にある不安というものがありますから。それはやっぱり食糧安全保障あるいは冷戦崩壊後の総合安全保障、特に国土保全というようなことを考えますと、農業の重要さというのはこれは今まで以上に高まってきている。 となると、国家としてやっぱり農政の長期的な展望というものをある程度具体的に出してあげる必要があるんではないかというように考えられるわけでありまして、特に先ほどの米価の三年平均移動説の考え方もあるようでございますが、農水省として、農産物需給の長期的な見通しとそれに対してどういう施策を講じていくかということ、ある程度長期的ビジョンも出していく必要があるんではないかと思いますので、その点について大臣から基本的な御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) ただいま委員の御指摘のとおりでございまして、私どもも平成十七年を目標とする十カ年の農産物の需要と生産の長期見通しというものを今月中に公表して閣議決定をしたいものだと、こう思って鋭意農政審議会において議論していただいているところでございます。 長期見通しは、委員御指摘がありましたとおり、農民が将来を見通しつつ経営の方向を見定める際の重要な参考になるものでありますから、ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う新しい国際環境のもとで、農業者が将来の農業経営に意欲を持てるような方向を示したい、こう思って、今真剣に取り組んでいるところであります。なおまた、これとあわせまして、農業・農村・食料について新しい意識に立った農業基本法をつくるべく今検討しているということを申し添えさせていただきます。
○服部三男雄君 終わります。
○高橋令則君 平成会の高橋でございます。 初めに、今回の米価問題について質問させていただきますが、今の服部先生の御質問と重複する面もございますけれども、お許しをいただいて順次質問をさせていただきたいと思います。 私も農業行政にかつて携わったことがございますし、また農家出身でございますので、農業・農村に非常に強い関心を持っております。我が国の農業・農村の持つ重要性については、これは今も昔も変わらないというふうに思っております。 しかしながら、そうは申しましても、重要性は変わらないとしても、農業・農村のあり方といったものは時代の言うなれば社会経済万般のさまざまな変化に対応して変わっていかざるを得ない。しかしながら、農業の場合は土地とか、それからまたさまざまな自然条件の問題など、非常に社会情勢の変化に即時的に対応しにくいというふうな言うなればタイムラグというんですか乖離というか、そういうものが生じやすい特質を持っているのではないか。それが今回問題となっている農業の上にさまざまな影を投げかけておる要因ではないかなというふうに思っているわけでございます。 したがって、今後のさまざまな対策も言うなれば今後の農業はかくあるべきだというような理想を掲げつつも、やはり農業の持っている特質、歴史的な経過といったものも考えながら、一足飛びに飛ぶというのではなくて、やっぱり一歩一歩着実な現実対応ということも十分念頭に置いたような対応、政策あるいは行政が必要ではないかというふうに私は思っております。 以上のような認識を持っているものでございますが、そういうことを前提としながら、今回の政府買い入れ米価問題を中心にして質問をさせていただきます。 まず、平成八年度の政府買い入れ米価決定に関します政府のこれまでの取り組みの経過と、そして今後どのようになるか、こういうことについてお尋ねをいたしたいというふうに存じます。
○政府委員(阿部修君) 新しい食糧法のもとにおきます政府買い入れ米価の算定のあり方でございますが、まず、米価審議会の下で小委員会というのを設けまして、八月以降、五回にわたる検討を重ねていただいた次第でございます。そして、十月三十一日でございますが、ここの小委員会の報告書というような形で取りまとめられまして、翌十一月一日でございますが、米価審議会の御了承を得まして農林水産大臣に建議されたというような経緯がございます。 この本報告でございますが、ちょっとかいつまんで申しますと、主に新制度のもとにおきますお米の流通と価格の形成、それから新制度のもとにおきます米価政策のあり方といった基本的な事項をまず整理いただきまして、その上で政府買い入れ米価の算定のあり方につきまして基本的な方向づけがなされたものであるというふうに私ども考えております。 また、先月の二十九日に米価審議会の委員懇談会がございまして、ここにおきましても算定方式等の論議が行われまして、きょうも米価審議会においてさらに深めた議論が行われているというような状況でございます。 この八年産の政府買い入れ米価の具体的な算定方式なり米価水準につきましては、あさっての八日の米価審議会に諮りまして、関係者の御意見、御論議を踏まえながら新食糧法に基づきまして適正に決定していくというようなことでございまして、そういうような段取りを考えております。
○高橋令則君 次に、今回の米価決定の基本となります旧食管法下における政府米のとらえ方、そしてまた今度の新食糧法における政府米のとらえ方、こういったものが大きく変わってきたわけでございます。その明確な位置づけの見方と申しますか、考え方と、それからまた、それに対する価格決定の持つ意味合いといったものは、やはり当然ながら新法と旧法では違っているというふうに思っております。それが今回の米価決定の底にあるものだろうというふうに思っております。 この件について大臣から御所見をお願いします。
○国務大臣(野呂田芳成君) 委員よく御案内のとおり、旧食管法では米は全量政府が管理いたしまして、したがってその価格は生産費や所得補償方式により決定をしておりました。 しかし、新しい食糧法では、制度的にも実質的にも今度は自主流通米が主体になりまして、政府米は備蓄等の特定の政策目的のもとでの機能を有することになりますので、そのことを踏まえまして、まず価格決定に当たっては自主流通米の価格動向を反映させること、それから生産コスト等の生産条件を参酌すること、それから米生産を確保することを旨として決めていくと、こういうことになっているわけでございまして、現在そういう趣旨に基づいて算定方式のあり方について米審にも諮り、きょうからその審議が始まっている、こういうことでございます。
○高橋令則君 今大臣からお話がございましたけれども、現在検討中ということでございますけれども、この算定方式いかんというのは、当然ながら非常に関心が高いわけでありまして、その中でもこの二つの要素、特に自主流通米の動向等の反映のあり方、そしてまた生産条件及び物価その他の経済事情の参酌のあり方いかん、この二点についてどのように配慮し、どのようにとらえていくかということが大事ではないかというふうに思っているわけでございます。 自主流通米の動向等につきましては、価格変動率、この要素としてさまざまなとり方があるようでございますし、また生産コストに関連します後者の問題につきましても、期間のとり方、費用のとり方、そしてまた対象農家のとらえ方、単収のとり方等によっても大きく変わってくるというふうな点がございます。こういった点につきまして、どのように現時点で考えておられるか、お尋ねをいたしたいというふうに存じます。
○政府委員(阿部修君) ただいま御指摘になりました自主流通米なり生産コストの動向の反映のあり方でございます。 これは大変いろいろ広範な議論があるわけでございますが、ちょっと例示で申し上げさせていただきますと、まず自主流通米の価格の動向の反映のあり方でございます。その場合に、その比較期間をどうとるかというような議論が大きな問題としてあるわけでございます。前年と当年を一年、単年でいわば自主流通米の値段の変化をとりまして、それを政府米に反映させるというような方法。それに対しまして、もうちょっと長期と申しましょうか、中期的なトレンドを反映させるというような観点から移動三年平均で比較するというようなこともあるわけでございまして、さらに個々の点につきましても議論を進めていく必要があるというふうに考えております。 それから、生産コスト等の生産条件、それをどういうふうに反映させるかというようなことでございまして、これもよく似たような議論があるわけでございます。比較期間のとり方でございまして、直近年とその前年で単年で比較するというような考え方もございますし、もうちょっと中期的なトレンドを反映させるというような観点から、移動三年平均によるというような議論がありまして、この点につきましてもさらに議論を深めていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。 いずれにいたしましても、鋭意検討を進めまして、具体的な算定方式なり米価水準につきましては、今後各方面の御意見、御論議を踏まえながら、八日の米価審議会に諮りまして、新食糧法の規定に従って適正に決定してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○高橋令則君 これからの問題、これから御検討いただくということでございますけれども、やはりそれらの費用のとり方あるいは期間のとり方等々については、その市場実勢に直に影響させるというのは一面いいようでございますけれども、そうではなくて、やっぱり農家あるいは消費者の中長期的な安定的な対応を望むというふうな点からしますと、より安定性を求めるといった点にも重点を置いて御検討をいただく必要があると思いますので、そういうふうな点で進めていただくことを要望しておきたいというふうに思います。 それから、生産性向上分について農家の方から非常に強い要望があるわけですね。さまざまないろんな努力をしてそしてコストを下げる、下げた分は費用の低減というような形で、コストの低減という形で、何と申しますか、米価が下がってくる。これでは努力したかいかないじゃないかというような面があります。 しかしながら一方、我が国の置かれているさまざまな国際的な内外の条件、消費者の動向等からすれば、それだけの論法でもいかないというふうな議論はありますが、いずれにしても生産性向上分の扱いをどうするかということは、やはり非常に大きな問題だと思うんですね。したがって、この点についてのお考えをお聞きしたいというように思います。
○政府委員(阿部修君) 生産性向上の還元の問題につきましてもいろいろな議論がございまして、一つは、それは生産者の方に還元していくべきだというような議論、もちろんあるわけでございます。また一方では、そういった生産性を向上した分は消費者にも還元していくべきだというような意見もあるところでございます。 いずれにいたしましても、今から具体的な算定方式なり米価水準を検討していくわけでございますが、私先ほど申しました、今検討しております算定方式と申しましょうか、それにおきましては、その生産性向上分をストレートに価格に反映するというようなことではなくて、生産コストの変動率につきまして一定のウエートをかけていくというような方式を検討しておるところでございます。そういう方式をとりますれば、生産性の向上につきまして生産者に対しまして一定の配慮が行われるというようなことになるというふうに考えておる次第でございます。
○高橋令則君 ぜひともその点を十分配慮した算定をしていただきたいと思います。 それからまた、基本的に言いますと価格の変動率、価格の分野、いわゆる自流米の価格の変動率を中心としたそちらのとり方、それから生産コスト等の変動率、それぞれ出たもののこの両者をどのようにあんばいするかということが大きな問題だと思うんですね。 平成六年産米の場合ですと、○・四五に〇・五五だったかな、何かそんな比率だったかなと思うんですけれども、ちょっとそれは定かではありませんけれども、これについて従来の考え方、そしてまた今回の検討されている考え方についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(阿部修君) この算定方式におきます自主流通米の価格の変動率と生産コストの変動のそれぞれをどういったあんばいと申しましょうか、ウエートでやっていくかという議論でございますが、これにつきましてもいろいろな意見があるわけでございます。例えば、両方ともフィフティー・フィフティーと申しましょうか、一対一というように均等にウエートをつければという考え方がありますし、また、生産費調査におきます粗収益と支払い生産費の割合が大体十対八でございますから、そのウエートで自主米と生産コストのウエートづけをすればいいのではないかというような考え方があるわけでございまして、これにつきましてもさらに議論を深めていく必要があるというふうに考えております。
○高橋令則君 このウエートの置き方というのが非常に重要な問題だと思うんですね。 それで、自主流通米の動向等を考えるということは、新食糧法の基本であり新しく入ってきた非常に大事なことだとは思います。しかしながら、これはまさに新しく入ってきたことでございまして、先ほど前段、私、基本認識を申し上げたように、やはり理想を高く掲げつつも、これを現実に即して軟着陸させるというためには、それなりの配慮が必要だと思うんですね。したがって、原則、何と申しますか、需給動向が大事だと言いながらも、そちらにウエートを置き過ぎて、そして農家の再生産意欲をそぐということでは、やはりこれはソフトランディングと言えないのではないか。 ですから、このウエートの置き方につきましては、生産費それから物価その他の経済事情といった論点、先ほど申し上げた生産コストの変動率等の計算において、十分こちらにウエートを、お考えをいただいて御検討をいただくことを私は要望を申し上げておきます。 それから次に、この新食糧法施行の第一の課題が生産調整の実施であったわけでございまして、生産調整は現行より十万七千ヘクタールの強化というふうなことで先般決定をし、そして各県におろされたわけですね。これはさまざまな事情から平成八年度から三年間はフィックスするというふうなことで、そのまま固定するというようなことで進められるということで承知をしておりますが、なかなかこの消化は大変なことではないかと。そしてまた、うまくいきますとまさに価格を支える、そして農家が安心して再生産できるというふうなことにつながるでありましょうし、さもないと価格の下落を招くというふうな、この生産調整の握るかぎ的な役割というのは非常に重要だと思うんですね。 したがって、農家サイドに今回の生産調整に進んで協力をしていただく、積極的に参加していただく、あるいはやむを得ないかもしれませんが、そういうふうなことで農家の参加意欲を喚起し、そして生産調整の実効性を高める。そういう観点からも、この米価決定の隠そういった要素を考えるべきではないかというふうな考え方がありますが、これについてはいかがですか。
○政府委員(阿部修君) 新制度におきましては、生産調整を的確に実施するというようなことを通じまして、お米の全体需給の調整をきちんと図っていくというようなことが非常に重要な課題になっておるわけでございます。 したがいまして、政府米でございますが、これは備蓄等の特定の政策目的のもとで買い入れをするわけでございますが、こういった政府米につきましても、この生産調整を実施するという重要な課題にかんがみまして、生産調整に参加して全体のお米の需給の安定に寄与しているという生産者の方々から買い入れるというようなことにしておるところでございます。 しかし、この政府米は備蓄の運営というような特定の目的のための買い入れでありますから、また自主米を含めました米全体の生産調整を実効あらしめるというふうな面におきます政府買い入れ米価の役割というふうに考えますと、地域的にもまた個々の生産者も区々でございまして一定の限界があるというような状況でございまして、そういった状況を踏んまえますと、この生産調整全体の仕組みにおいてその実効性を確保していくということが必要ではないかというふうに考えまして、先般、新生産調整推進対策大綱骨子を決定したところでございます。
○高橋令則君 大臣にお尋ねをしたいんですが、この政府買い入れ価格の決定は非常に今回注目されているわけでございまして、新食糧法の円滑な実施を図るという観点等からいたしまして、我が党としては院で決議を上げて、そして生産者、消費者に安心感を持たせるべきではないか、そういうふうな考え方を持って進めておりましたが、諸般の事情でそこまで至らないわけでございます。 内容的に申し上げますと、平成八年産米の政府買い入れ価格については、新食糧法の円滑な実施のために、需給動向等を反映させつつ、備蓄に必要な政府米の確保と生産調整の実効確保にも配慮し、少なくとも現行価格とすべきと、すべきであると我が党は考えておりますが、これについての御所見を賜りたいというふうに存じます。
○国務大臣(野呂田芳成君) 平成八年度産米の政府買い入れ価格につきましては、現在その決定に向けて与野党における議論もいただきながら、関係方面と鋭意調整を進めておるところでございます。委員御指摘のような御意見があることはもう十分承知しております。 いずれにしましても、具体的な算定方式及び米価水準につきましては、本日、委員から御発言があったことも念頭に置きまして、今後各方面の御意見、御議論を踏まえながら、八日の米価審議会に諮り、新食糧法の規定に従って適正に決定していくことと考えております。
○高橋令則君 ぜひよろしくお願いを申し上げたいというふうに存じます。 それから、若干米価と直接的にならない問題でありますけれども、米価に関連する間接的な対策と申しますか、そういった点について少しお尋ねをいたしたいというふうに思います。 その一つは、米の備蓄問題に関連しての農業倉庫の整備対策についてでございます。 これはもう団体サイドで非常に強い要望があるわけでありますけれども、今回特に、いわゆる政府米が備蓄中心になったというふうなところから、従来の農業倉庫が十二カ月単位を基本にしていた、それが一年備蓄してそれから放出するというようなことで、サイクルとしては十八カ月に延びるのかな。そうなりますと、現在保有している低温倉庫が、これは産地それから消費地いろいろあるわけですけれども、全体として足りるのかな。仮にまた、足りるとしても鮮度の問題とかさまざまな点から考えて、産地倉庫の場合、特にどうなんだろうな。それからまた、倉庫の大きさの問題、その配置の問題に関連してもあるわけですが、カントリーエレベーターのような非常に大きなもの、そういう問題もあります。 そういう大小取りまぜた配置の問題とか、それから地域的な問題とか、さまざまな問題があるようでありますけれども、こういったものについて、この農業倉庫の今後の備蓄米を含めた米の質を落とさないというふうな点を考えながら、どういうふうに考えておられるか。そしてまた、もし整備を要するというならば、これについてどのような対策をお考えになっているか、この点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(阿部修君) お米の備蓄に関連した農業倉庫についての御質問でございます。 まず、新しい制度のもとにおきましては、お米の備蓄につきましては百五十万トンの確保を基本といたしまして、それで豊凶変動に機動的に対応し得るように一定の幅で五十万トンぐらいをもって運用しておるというようなことを数字的には考えておるわけでございます。これを保管する場合は原則といたしまして全部低温保管を行うというふうに考えておるところでございます。 そうしますと、低温保管の現実の低温倉庫の収容力でございますが、これは準低温も入りますけれども、日本全体で大体約四百九十万トンが確保されております。そのうち、夏場と申しましょうか、七月から十月までのお米の需要量が大体百六十万トンぐらいというふうにいたしますと、それを差っ引きました約三百三十万トンぐらいというのが低温倉庫を利用できるというようなことでございまして、マクロと申しましょうか、全国的に見ますと備蓄なり調整保管の実施に当たりまして数字的には支障がないというようなことでございます。 ただ、この低温倉庫の状況でございますが、先生御指摘になりましたように、地域によって均等ではないわけでございまして、いろいろな差異があるというようなところでございます。また、倉庫も古い倉庫があるようなところにおきましては建てかえも順次進んでおるというような状況でございます。 この低温化するための整備ということにつきましては、倉庫資金、倉庫の建設等の低金利融資制度でございます近代化資金というのが整備されておりまして、農業倉庫の低温化に当たりましてはこれらの制度を活用して進めることが望ましいというふうに進めておるところでございます。
○高橋令則君 やはり政府米用の保管期間が延びるということによる質の劣化をできるだけ食いとめて、しかも評価を落とさないということが今度は流通に行って非常に大きく影響すると思うんですね。ですから、今の倉庫対策についてはマクロで、適宜全体の升では間に合っているとしても、やはり相当きめ細かく対応していかないと、処分の問題、値崩れの問題とかさまざまな問題に波及してくると思いますので、ぜひもう少しきめ細かく見ていただいて、そして対策が必要であればとっていただきたい、このように思います。 それからまた、これは答弁要りませんけれども、かつて相当前ですけれども私の地元で、玄米をすっちゃって真空パックをして保管しておいて、それで販売に向けても品質が落ちないということで自慢しておるというんですか、非常に好評であるというふうな例がありました。私が農政部におった当時ですから二十年以上前ですけれども、まだ使っているというようなことも聞いておりまして、そういうふうな保管の仕方もあるのかなと思いますので、これは全部に行き渡っているわけじやありませんけれども、保管形態についてもさまざまなありようがあるのかなというような感じがしておりますので、あわせて御参考までに申し上げておきたいというふうに思います。 それから次に、米の生産農家にとっては米価決定はできるだけ現行水準維持もしくは高くしていただければいいということになるわけですけれども、実際には、服部先生もおっしゃいましたように、昨今の状況からして先行き残念ながら低落傾向が避けられないというふうな見方もあります。その場合、農家が意欲を持って米づくりに取り組んでいくために何が一番大きく念頭におもしになってあるだろうなというふうに考えてみると、それはやっぱり、一つは今まで農家が持っている既存債務の負担問題なんです。 ウルグアイ・ラウンド対策の一環として、農家負担軽減支援対策資金というものができました。平成七年から十二年までの六年間に三千億というふうなことで、五%を超える制度資金については救済する、借りかえを認めるというふうなことで措置をされました。 しかしながら、一つには五%でも高いやという声があるんです。それからもう一つは、枠の問題としてこの三千億で間に合うのかなという声があります。それからまた、率直に言って大体抱えておる負債なんかは残念ながら質のよくないものもあります。そうなりますと、いわゆる信用基金のバックアップがなければなりません。したがって、この農業信用基金協会に対する出資の増強というふうなことで保証枠の拡大につながるような対策も必要ではないかと思うんです。 私は、今回措置をされた対策資金について、これはこれで高く評価をいたしますけれども、この既存の制度のままでの枠の拡大、そしてまた信用保証枠の拡大の問題、それからもう一歩進めて、さらにこれを改善するような長期的と申しますか、お考えがないかどうか、それをお尋ねしたいと思います。 それからもう一つは、さまざまな米の生産基盤整備が行われております。いわゆる大規模区画の整備といったものは先行き避けられないわけですし、これに取り組まなければなりませんが、一方では農家の負担は、いろんな措置はありながらもやはり農家個々にとっては非常に大きな問題でございます。したがって、これに対する公共負担を拡大するということがこれからの米づくりの基盤整備、いわゆる我が国の米生産の経営意欲をそがないための大きな要件ではないかと思っておるわけであります。 平成六年から、水田の持つ多面的な機能を考慮した投資効果の算定というふうなこともされるなど、さまざまな工夫を行われておることは承知をしておりますが、それをさらに拡大して公共負担のあり方についてもっと突っ込んで、そして将来のこれからの米生産基盤の円滑な推進に資していくというお考えがないかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) 既存債務の借りかえの問題でございますけれども、先生御指摘のように、UR対策の一環といたしまして、農家の負担を軽減しようということで農家負担軽減支援の特別資金の創設ということと、それから自作農維持資金、それからいわゆるスーパーL資金と言っておりますけれども、農業経営基盤強化資金、これの融資内容の改善を図ったところでございます。 この措置は、今御指摘のように、負債の借りかえをしようということを目的といたしまして、したがいまして金利水準につきましてもかなり思い切った内容としてございます。 ちなみに申し上げさせていただきますと、金利水準につきましては、利子助成を行うことによりまして、農家負担軽減支援特別資金それから自作農維持資金につきましては二・五%、それから農業経営基盤強化資金につきましては二・○%ということで、現在の制度資金という中におきましてはぎりぎりの水準まで引き下げたところでございます。これによりまして意欲のある農家の方々の経営支援ということを強力にバックアップしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 今お話がございました枠の問題でございますけれども、農家負担軽減支援特別資金、これは単年度で五百億の枠がございます。それから自作農維持資金につきましても四百億、それからスーパーL資金につきましては、当初五百億でございましたけれども補正でさらに二百億追加、七百億というわけでございまして、かなりの枠の余裕がございますので、この中で精いっぱい農家の方々の御要望にこたえていきたいというふうに考えております。 それから、今御指摘の農家の方々がお借りになりますときの信用補完措置ということが極めて重要でございます。そういう意味で、来年度予算におきましても県の信用基金協会に対します助成、これを拡充いたしておりまして、農家の方々の資力不足あるいは担保不足ということの中でそれを補完するこの信用補完措置ということをきちっとしていきたいというふうに考えております。 当面、今後のことも御指摘ございましたけれども、できあがってまさに今実行に移している段階でございますので、その実施を十分に果たしていきたいというふうに考えているところであります。
○政府委員(野中和雄君) 土地改良事業の農家負担の問題でございますが、この問題につきましては従来から、国営事業の償還方法の改善でございますとか、あるいは償還金の繰り延べ措置でございますとか、あるいは地方財政措置の充実など、さまざまな措置を講じているところでございます。 さらに、これに加えまして、ウルグアイ・ラウンドの農業合意を受けまして、お話しのように私どもも土地改良を将来に向けて大いに拡充をしていかなければいけないというようなことでございまして、これに関連をいたしましてこの負担を軽くいたしますために、事業につきましては特に緊急性の高い整備を短期集中的に実施するというようなことで事業効果の早期発現を図っていくというようなこと、それからさらには、例えば担い生育成型の圃場整備などでございますけれども、補助率につきましても従来以上にがさ上げをしたもの、あるいはその一部につきまして無利子資金を活用することによりまして農家の負担をさらに一段と下げるというような措置を講じております。 また、既に着工している地区につきましても、農地の利用集積に取り組みます地区につきましては負担軽減にかかります助成金を交付する、さらには自由化開運作物の作物地区に対する償還金の繰り延べ措置、繰り延べ措置は従来からございますが、これについても拡充をするというようなことで、近年におきまして思い切った大幅な負担軽減の措置をとったところでございます。 したがいまして、現在これらの措置をできるだけ活用いたしまして、農家負担の軽減に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○高橋令則君 農水省の御努力に敬意を表します。引き続きお願いを申し上げたいと思います。 ただ、地方団体の立場からしますと、例えば農家負担の一〇%なら一〇%、それが足りない分は単独で埋めなきゃならぬということで毎回苦労するわけであります。率直に言って、農水省のしかるべき方からは、単独でこのぐらいはやってほしいというふうな文書まで昔は来たんですが、そういうことで財政当局は苦労する。一方で、自治省に言っても、それについては単独だから財政措置はないというのが今までのあり方だったわけです。私は、ぜひ今御答弁があった点に踏み込んださまざまな工夫をしていただいて、農家の負担軽減、そしてまた地方財政といったことも考えながら御努力をお願いしたいというふうに思います。 それから、最後でありますけれども、米穀の需給といった点からするとそう大きくないのかもしれませんけれども、米の消費拡大、そしてまた米を中心とした日本型食生活の定着、こういった点が米の生産、消費、そしてまた当面問題になっております米価の問題、これに大きく影響すると思うんです。 したがって、そのためにこれまで実施をしてきた学校給食用物資、その中でも米穀関係に関する助成、これを維持して、これからの子供たちに米のありがたさというんですか、おいしさというんですか、それをきちんと植えつけていく。米飯給食を後退させないということが大事ではないかと思うんです。 その点についての農林水産省のこれからのお考えをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(阿部修君) 先生今御指摘になりましたように、米飯学校給食でございますが、これは大変重要なことでございまして、お米の消費拡大というだけではなくて、長期的な観点から日本型の食生活をきちんと普及定着させていくために大変重要なものであるというような考えております。 昭和五十一年からこれはもう実施されておるところでございます。八年度以降の学校給食用の米穀に対する助成措置でございますが、こういった米飯学校給食の意義、さらには新しい食糧法におきます自主米なり政府米の役割をも踏まえまして、財政当局とも十分協議しまして効果的な措置の確保に努めてまいりたい、検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○高橋令則君 財政当局は大変厳しいというふうな話も流れておりますので、精いっぱい御努力をお願いしたいと思います。 終わります。
○谷本巍君 まず、大臣に新しい制度を維持するということとの絡みで、新米価等をどのようにお決めになるのかについての所信について伺いたいと思います。 新年度の備蓄計画のうち、政府米をもって充てるべき数量が百七十五万トンということになりました。一俵六十キロ一万六千三百九十二円で買い入れ中でありますが、現在の状況を見てみますというと、政府が買い入れる数量が百二十万トン、自主流通米が四十万トン、そして残りの足りない十五万トン、これはまた自主流通米で上積みをしようという方向であるやに伺っております。 大臣、約三分の一が自主流通米からのUターンなんですよ。大臣も御承知のように、政府米に比べて自主流通米の方が高い。高く売れるものを政府米の方にUターンするわけでありますから、その分というのは計画流通米の中の自主流通米でもって均分負担をしていく、つまり値引きをしていくというような形になるわけですね。 そういう状況があるということだけじゃなしにもう一つの問題は、これからどういうぐあいに決まっていくのか。調整保管の問題にしても農家負担がどうなってくるか。この農家負担も計画流通米の自主流通米でもって負担をするということになるわけです。さらにまた、これまで標準価格米の全国配送ということで政府はきちっと全国配送をやってきましたね。今度は自主流通米でそれをやろうというわけでしょう。自主流通米のコストだってふえていきますよ、運送費が。そのほか計画流通助成がどんなふうになっていくかといったこと等も含めて見ていきますというと、ひょっとするとこれは計画外米の方が計画流通米の自主流通米よりも高かったという結果が出る可能性がある。そういう結果になりましたら、これは新しい制度が第一年度にして壁に突き当たる、崩壊状況になっていく可能性が出てくるというような条件がそこにあるわけであります。 でありますから、これから決める政府買い入れ米価というのは一万六千三百九十二円以上でなければならないし、そしてこれから行われるであろう助成、ここのところもしっかりやらないと新しい制度はもちません。大臣の決意のほどを伺いたいのです。
○国務大臣(野呂田芳成君) 八年度の政府買い入れ数量につきましては、これまでの自主流通米と政府米の集荷状況を踏まえまして、生産者団体と綿密な協議の上に設定したものであります。その円滑な集荷を図るために、生産者団体と協力しながら自主流通米と政府米の均衡集荷に努めてまいりたいと思っております。 新しい食糧法のもとでは、言うまでもありませんが、自主流通米が制度的にも実態的にも米流通の主体となるのでありますから、法律の趣旨でも価格決定に当たっては自主流通米の価格動向を反映させること、生産コスト等の生産条件を参酌すること、米の再生産を確保することを規定しているわけで、私どもとしてはそういう基本路線に沿って決めてまいりたいと思います。 具体的な米価水準につきましては、きょうの各委員の皆さん方の御意見、あるいは各層の御意見、そして米審の御意見によりまして決めてまいりたいと思っておりますが、私といたしましては、今委員御指摘のとおり、新しい法律になって大変過酷なことになってきたということは絶対にやるべきじゃない。先ほども御意見がありましたが、旧法と新法の間に断絶がないようなソフトランディングをさせなきゃいかぬ。いずれにしても、生産意欲を失ったりすることのないように、農民が安心して、生産者が安心して営農できるような価格を実現するように最大限の努力をしたいと、こう思っております。
○谷本巍君 大臣、もう一つ端的に伺っておきますけれども、政府が決める備蓄計画、そしてそこの中に政府米というのがかなりの量を占める。その買い入れを可能とする米価水準にしなきゃいけませんよということを私は申し上げているんです。その点はどうですか。
○政府委員(阿部修君) 備蓄のための買い入れでございますけれども、八年産の買い入れ数量につきましては、これまでの政府米なり自主米の集荷状況があるわけでございまして、それを踏まえましてずっと生産者の方々と協議をしたところでございます。この目標、この前の十一月に出しました生産出荷の指針にうたわれております集荷目標につきましては、自主米と政府米をバランスよく集荷していこうということで生産者団体とも十分話しておる、今そういうことで進めておるというような状況でございます。
○谷本巍君 食糧庁の事務当局の方ね、新法と旧法は違うんですよ。旧法の場合には、それは農家に対して買い入れ義務をちゃんと課してある。そして、全量管理なんですよ。政府が買い入れる米は事実上の無制限買い入れでもって下支え価格という性格を持ったものであったというような状況があったわけですね。今度の場合はその下支え価格というのを取り払ったんですよ。部分管理になってきているんですよ。そういう状況のもとで、政府でもって集めた買い入れる数量が少なかったから自主流通米でどんどんUターンさせてくれというやり方というのは、新法のもとでそれをこれから先もやっていきますというのは暴挙に等しいですよ。 そうじゃなしに、政府が備蓄で必要とする米は米できちっと買い入れることが可能な価格にしていかなきゃだめですよ。どうなんですか。
○政府委員(阿部修君) 先ほどちょっと申しましたように、買い入れ数量でございますが、これは別に、えらい強権的と申しましょうか、そういうようなことで買い入れるというようなことではございませんで、生産者団体とも十分協議をしてこの数字をつくったものでございまして、今後も実際の実務に当たりましても当然のことながら生産者団体と十分協議しながら集荷をやってまいりたいというふうに思っております。
○谷本巍君 もう一度聞きますけれども、いいですか。 正規流通の自主流通米価格、計画流通と計画外流通を比べてみて、結果として計画外の方が高かったという結果にならぬようにしなきゃこの制度は維持できないんですよ。そこのところはどうなんですか。はっきり答えなさいよ。
○政府委員(阿部修君) 確かに、計画外と計画流通米を比べまして、この制度におきましては計画流通米が流通の大宗を占めるというようなことを考えておるわけでございまして、そういったための計画流通米の確保というようなことには、もちろん奨励金というようなこともありまして……
○谷本巍君 含めてね。
○政府委員(阿部修君) ええ、含めまして、そこのところには全力を注いでいかなくてはならないと。 先生おっしゃいましたように、計画外米の方が多くなるというようなことになりますと、この新しい制度そのものがもう崩れていくわけでございまして、決してそういうことのないようにやってまいりたいというふうに思っております。
○谷本巍君 大臣ね、大臣も御存じだろうと思いますけれども、例えば経済同友会の文書の中に、新制度が始まったら、最初は計画流通米と計画外米と大体五分五分になるだろう、二年目になれば七、三に逆転していきますよ、三年から先はどうするんだ、自主流通米価格形成センターを米穀取引所にかえるような研究でもしたらどうなんだ、こういうことを言っていますよ。 そういうふうにならないようにどうするかということが新制度維持の最大の課題ですよ。それからしますと、計画外米の方が高かったという結果にならぬように全力を挙げていただきたい。このことは大臣にも再度お願いをいたします。いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 経団連だか経済団体だかどこだか……
○谷本巍君 同友会です。
○国務大臣(野呂田芳成君) 同友会ですか、よくわかりませんが、いろいろな見方があろうかと思います。 私どもは、この百五十万トンを決めて、自主流通米と政府米のバランスをとるに当たっては生産者団体と何回も協議をしながら自信を持ってこれを決めたわけであります。ただ、委員御指摘のような問題が起こらないように、政府買い入れ米がきちっと集まるような適切な値段については十分留意してまいりたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○谷本巍君 その点はもう強くお願いを申し上げておきたいと存じます。 続いて、算式問題について若干伺いたいと存じます。 まず、基準価格のとり方の問題であります。 これについては、例えば自主流通米の実勢価格をとりますということでいった場合でも、全銘柄を対象とするのか特定銘柄を対象とするのか、あるいはまたそれとは別に従来の政府買い入れ米、これを取り入れるという方法もあるでしょうし、それからまたいつの時点からスタートしていくかというその時期のとり方等々いろいろあるだろうと思いますが、私の側からお願いを申し上げておきたいのは、法の条文からしますと、素直に申し上げてやっぱり自主流通米価格というふうに読み取ることができるんです。 それから、もう一つ念頭に置いてほしいと思うことは、先ほど申し上げた備蓄米、政府米の予定数量がきちっと確保できるようにするとともに、生産調整参加者の皆さんに対してやっぱりコストを補償し得るような発想に立った価格決定をしていただきたいというぐあいに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(阿部修君) まず、算定方式におきます基準価格のとり方の件でございますが、先生御指摘になりましたように、これについてはいろんな議論があるわけでございます。現行の米価にすべきだというような意見もございますし、もっと低いものにしろ、もっと高いものにしろといろんな議論があるところでございまして、今のところまだ結論が出ているわけではございません。さらに論議を深めていく必要があるというふうに思う次第でございます。 それから、生産条件の参酌ということで、生産コストを補償するようにすべきではないかというような御指摘もございました。この法律に書いてございますように、自主米の価格を反映することを基本といたしまして、生産コスト等を参酌いたしまして、米穀の再生産を確保することを旨として設定していくというような精神があるわけでございます。 いずれにしましても、具体的な算定方式にどういう要素をとっていくかということともこの議論は非常に絡み合うわけでございまして、そういった具体的な一つ一つのエレメントをどういうものをとるのか、さらに具体的な米価水準というようなものにつきましては、今後も十分に各方面の御意見、御論議を踏んまえまして八日の米価審議会に諮りまして、新食糧法の規定に従って適正に決定していくつもりでございます。
○谷本巍君 その場合の生産条件の反映のさせ方の問題ですけれども、これについてもいろいろ問題点があると思うんです。 例えば、一定の基準価格をとって、それからその後の変動指数を掛けて、そしてまた生産条件については生産費の動向を反映させていくというようなことをお考えになっているやに聞くことが多いのであります。 ところが、そういう指数化方式のやり方でやっていった場合、これから先というのは物価と労賃が上がらぬ時代だと言われているわけですから、生産費の動向でいいますというと、例外の状況はありますけれども、専ら時間短縮の分だけが大きく出てくるという可能性が強いわけであります。つまり、生産費が下がる、それがもろに反映されてくる。ですから、基準価格に対してさらに生産条件の反映というのが指数化方式でやっていきますというと下げ要因になっちゃうんですね。そう保いうことでは政府米の確保はできませんよ。 だから、政府米が確保できるような算式にするためには、基準価格は基準価格できちっと決める。これに対して、例えばコスト補償という立場で試算米価を出しておいて、そしてそれよりも基準価格が下がる場合には算定をもう一度再検討するとか、あるいはまた、これまでも話が出ておりましたように、指数化方式でやるというのならば例えば生産性向上のメリット、これを還元する手法を講じて下げ要因にならないようにしていくとかいったような工夫をしませんと政府に米が集まらぬような米価になる可能性があるんです。しかも、指数化方式というのは一たん決めてしまったら後から非常に変えにくいんですよね。 でありますから、その辺のところも考慮に入れながらひとつ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(阿部修君) 生産条件の反映の仕方でございますが、これも今いろいろな議論があるところでございます。 今、先生御指摘になりましたように、確かに物価、労賃が上がらず時間の短縮だけが進むというようなことになりますと、当然生産費のコストはマイナス、下へ向いてくるというようなことになることは明らかなことでございます。そういった場合、これが生産性の向上というような別のことにもなるんじゃないかと思うんですが、そういったふうに進んでいく場合は。その場合の、それを先生はメリット還元とおっしゃったわけでございますが、このメリットの還元をどうすべきかという議論が常にあるわけでございまして、それは生産者の方に全部還元すべきだという議論から、一方の極にはそれは消費者に還元すべきだという議論もいろいろあるわけでございます。 それで、私ども今検討しております方式でございますが、自主流通米の価格の変動率と生産コストの変動率にそれぞれウエートをかけるわけでございます。そういった面でこの生産コストの変動率の方を考えますと、そこにストレートに生産性向上部分が出るということではなくて、ウエートをかけますものでその分がマイルドになるというようなことにはなろうかというふうに思っておるわけでございます。
○谷本巍君 ちょっとそれだけじゃこれはもうどうにもしょうがない場合が多いですよということだけ申し上げておきます。 最後に、大臣、ちょっと伺っておきたいんです。 政府買い入れ米価を決めましたら、一たん決めたら雨が降ろうがやりが降ろうが一切変えません、変更いたしませんという方針であるやに伺っておるんですが、これはちょっと私は無理なんじゃないかと思うんです。 といいますのは、これは一年前に決める買い入れ価格なんですね。そして、仮に生産調整一〇〇%やりました、たまたま天候が悪くて不作になりましたというような状況が出てきた場合、一体どうなるのだろうかということであります。そうなりますと、備蓄米を放出していかなきゃならぬわけですよね。大臣、備蓄米を放出していかなきゃならぬわけですよね。政府備蓄米をどんどん出しちゃうというと、今度はストックがなくなってくるというような状況になっていきます。果たしてそういう状況の中で引き続き消費者米価の安定が期し得るのかということになってくると、これはやっぱり問題です。 でありますから、そういう点では、例えば不作になった年などについては価格について再検討を行うといったような配慮があってしかるべきだと思うが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 政府買い入れ米価につきましては、通年一本制が望ましいということで主張してきているわけでありますが、新しい法律は五十九条の第五項で「農林水産大臣は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、政府買入価格を改定することができる。」、こうなっておりますので、そういうときは果敢にひとつ見直しを検討したいと思っております。
○谷本巍君 終わります。
○須藤美也子君 私どもは今、全国各地で日本の米と農業を考えるシンポジウムを開いております。これまで六千人を超える農業関係者の方々と懇談してまいりましたが、この中で自主流通米の暴落や減反拡大のもとでこのまま米づくりを続けていけるのか、こういう強い不安が出されております。 そこでお尋ねいたしますが、政府買い入れ米価の算定の基本的考え方の中に、市場価格を反映させながら価格の安定的運営を図るという点があります。既に自主流通米は、新潟魚沼コシヒカリ、岩船コシヒカリを除いて、基準価格に比べて軒並み限度いっぱい、六%から七%値下がりをしております。多くの銘柄米は二万円をほとんど割っている。仮渡金で二千円から三千円も安くなっています。 新潟のある農業者はこうおっしゃっていました。その方は二十五町歩、二十五ヘクタールをつくっている農家の方ですが、今回異常気象で減収した上に米価が下がって一千万円の減収になったとおっしゃっていました。 大臣、こんな状況のもとで価格の安定が図られるのか、再生産を確保することができるのか、この点お尋ねしたいと思います。
○政府委員(阿部修君) 政府米の買い入れ価格でございますけれども、新食糧法におきましては自主流通米が大宗を占めるわけでございますが、この自主流通米の価格が需給事情に応じて変動するというようなことになるわけでございまして、政府米の買い入れ価格につきましても、自主米の価格動向が反映されたものにするというようなことが全体のお米の価格の体系を整合的にしていくというような観点から適切というような考え方がとられておるわけでございます。 この場合に価格の安定というような法の要請があるわけでございますが、このためにはどうしてもまず第一に自主流通米の価格の安定を図っていくというようなことが必要なわけでございまして、そのために三つのツールを、大きく言って三つの手法をこの新食糧法におきましては考えておるわけでございます。一つは、日本の全体のお米の需給のバランスを確保するというようなために生産調整を円滑に推進する。それから二番目は、大豊作が来たり大凶作が来たりというようなことに備えまして備蓄を持っておる、それから調整保管を適切に実施していくというようなこと。さらには計画流通制度というようなことで……
○須藤美也子君 済みません、時間がないんですけれども。
○政府委員(阿部修君) どうも済みませんでした。 そういう計画流通制度で安定性を図っていくということにしております。
○須藤美也子君 急がせて済みません。 新食糧法でも生産コスト及び物価その他の経済事情を参酌してとありますが、六年度産米で、あれは大豊作だったんですけれども、六十キロ当たり、農水省の発表でも全算入生産費が全国で一万八千四百十九円。しかし、現在の生産者米価は一万六千三百九十二円です。十九年前と同じ価格。ことし就職した娘さんの初任給が手取り十二、三万円。夫婦二人で農業をやって娘さんの給料よりも安い、こういうふうに言われました。 労働者の賃金はこの間二倍に上がっています。政府の統計で見ても、七〇年代は労働者の賃金に対して六一%だった農業所得が九三年には三二%に落ち込んでいます。生産費も補償されないような米価で再生産を確保することはできないということはこの間の、例えばことし発表された農業センサスで、この五年間で四十万戸も農業から撤退しでいっている。ますますやめていく農家の方がふえていくのではないか。 この立場から、価格の決定に当たり、大臣に強く申し上げたいことは、生産費を償い再生産を確保し、農民が生産意欲を持って農業をやれるような、私ども最低限二万円の要求をしておりますが、この点についてはきのうも申し入れをしましたし、そのお立場でぜひ大臣からも農民の大多数の声を反映させていただきたいと思うんですが、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。大臣にお願いしたいんですけれども。
○政府委員(阿部修君) 食管法のもとにおきましては、いわゆる生産者米価につきましては生産費及び所得補償方式というような方式でやってまいりまして、これは家族労働費は都市均衡労賃に評価がえするとか、そういった要素の積み上げでやってきて、それはそういった方式の中で適正に算定してきたところでございます。ところが、この新食糧法のもとにおきましては自主流通米が流通の大宗を占めるというようなことでございまして、政府米の価格につきましてもこういった自主流通米の価格が適切に反映されたものとするというようなことを基本といたしまして、あわせて生産コストも見ていくというようなことをして決定していくようなところでございます。 いずれにいたしましても、具体的な算定方式なり米価の水準につきましては、今後各方面の御意見、御論議を踏まえながらあさっての八日の米価審議会に諮りまして、法律の規定に沿いまして適正に決定してまいりたいというふうに思っております。
○須藤美也子君 時間がないので、次に生産調整の問題についてお尋ねいたします。 ことし発表されました減反面積七十八万七千ヘクタール、この面積は水田面積の約三分の一の面積であります。農村では今、踏んだりけったりの農政だ、こういう点で大変怒っています。とりわけその中でも問題なのは、これまで血のにじむ思いで転作をしてきた減反面積を、今度は潜在的作付面積の見直し分七万二千ヘクタール、加工用米三万八千ヘクタール、合わせて十一万ヘクタールを減反面積にカウントしない、こういう問題であります。しかも、この十一万という面積は来年輸入されるミニマムアクセス五十一万トンに相当する面積であります。閣議決定では、ミニマムアクセス前は国内の稲作農家に影響を与えないと。これはミニマムアクセスのあれではないんだと、こうおっしゃるかもしれませんけれども、実際には大きく影響を与えているんじゃないですか。農村では、これはミニマムアクセスではないんだ、こういうふうには決して受けとめていません。 輸入しながら米をつくるな、これではだれが考えても納得いかない。こういう点でお尋ねいたしますが、食管制度のもとでは安いながらも価格が補償され、全量買い上げの補償がありました。しかし、今回は減反すれば価格の補償と全量買い上げの補償に対して政府が責任を持つのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(阿部修君) 新しい制度におきましては旧制度と変わりまして、前の制度におきますと無制限に政府が買い入れるというような規定があったわけでございますが、新しい制度におきましては一定の備蓄に必要な数量を政府が買い入れるというようなシステムになっております。 したがいまして、先ほどから繰り返して恐縮でございますが、政府米の価格を安定するというようなことにつきましては、まずお米全体と申しましょうか、自主流通米の価格なり需給をきちんと安定させて、それを反映させた形で政府米の価格を形成していくというようなことになるわけでございまして、需給調整というのが大変重要な役割を果たしていくというふうに考えております。
○須藤美也子君 時間がありません、四十二分までですから。ちょっと答弁が長かったので。 最後に、こういう減反政策の押しつけはやめていただきたい、このことを申し上げて質問を終わります。
○国井正幸君 これまでも皆さんから随分いわゆる政府買い入れ米価のあり方についていろいろ御質問があったわけでございますが、私もこれに関連して御質問させていただきたいというふうに思います。 とにかくもう八日に米審を開いて諮問する、こういうふうなお話を承っておるわけでございまして、私はこの中で、政府買い入れ価格というのが農業者にとってもやっぱり安心をして営農に励めると、いろいろそういうことは書いてあるわけですけれども、そして再生産の確保が図られると、こういうことが非常に大切だろうというふうに思うところでございます。 先ほど来お聞きをしていますと、基準のとり方ですね、自主流通米の価格を参酌するとかいろいろおっしゃっていただいているわけなんですが、とにかくもうあさって諮問するというふうなことで、もちろん米審の議論というのは尊重するということはこれは当然だというふうに思うんですが、政府として原案を出していく段階で、何かお話を聞いていると何だかわかったようなわからないような感じを受けるんです。それだけに大変難しい問題を含んでいるというのは私もよくわかりますけれども、その辺のいわゆる安心をして生産者が営農に取り組める、こういう観点から見て、特に基準のとり方、この辺についてもう少し踏み込んだお話がいただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(阿部修君) 御質問の御趣旨は、基準価格に自主流通米の価格の変動率と生産コストの変動率を掛けていくんですけれども、その基準価格をどういうふうに考えているのかというような御趣旨と理解したんですけれども、これは先ほどちょっと申しましたように、いろいろな議論がまだある段階でございます。例えば、例を申し上げますと、今の米価一万六千三百九十二円でございますが、それをとったらいいというような議論もございますし、一方ではあの価格には五百五十一円の調整額が組み込まれておるからそれを引いて基準額にしたらいいというような議論もあるわけでございまして、いろいろな議論があるというような状況でございまして、まだまとまっておりません。
○国井正幸君 なかなかわかりにくいわけなんですが、もう一つの観点は、政府米を買い入れる場合、これまでもお話しになったわけでございますが、生産調整の実効を確保するというのは私はこの新食糧法を定着させる上でも大変重要なことだというふうに思っております。 そういう意味合いから見ていきますと、生産調整自体は生産者みずからの問題だと、こういうふうなことで言われておりますけれども、しかし政策誘導をする必要があるというふうに私は思います。そうでないと、私も随分選挙区なんかを回っておると、どうも生産者の自主性を尊重し、というところだけがひとり歩きをしているようでありまして、私は生産調整をきちっとやっていくというのは大変難しい課題だというふうに実感をしているわけでございます。 そういう意味からすると、いわゆる生産調整をやった者から政府米は買うんだと。そのときに買ってもらった生産者から見れば、ああやっぱり政府で買ってくれたのはありがたい、そういう魅力ある価格というもので設定をする必要が私はあるというふうに思うんですね。その辺についていかがでしょうか。
○政府委員(阿部修君) 先生御指摘のように、この新食糧法におきましては生産調整が極めて重要なことでございまして、それをきちんとやっていくというようなことが重要なわけでございます。 したがいまして、政府米につきましてもそういった生産調整に参加している生産者から政府米は買うというようなことを考えておるわけでございます。それで、生産調整をきちんと実施していくというようなことにつきましても、やっぱりこの政府米の価格だけではなかなか生産調整はできない、限界があるわけでございます。と申しますのは、政府米の地帯というのは区々ばらばらでございまして、そういった限界があるというようなことでございますので、生産調整をきちっと実施していくという面から考えますと、生産調整全体の仕組みの中でそれを確保していく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○国井正幸君 さらに、要望を含めてということになるかと思いますけれども、いわゆる計画流通助成金ですね、これも大変なかなか難しい問題だというふうに思っております。私はやはり米の安定生産、安定供給と、こういうふうなかね合いでこの計画流通助成金もできているんだろうというふうに理解をしているところでございますけれども、ぜひこれについては、今過剰基調にあるわけですから生産調整をする、こういうことが一つの大きな政策の目標になるだろうというふうに私は思いますので、その目的に沿ってやはり支出がされることが重要なのではないかというふうに思っておりますが、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(阿部修君) 計画流通助成でございますが、新しい制度におきまして計画流通米が大宗を占めていくというような姿を実現していくためにも重要なことであるというようなことで、その助成のあり方につきまして現在検討しているところでございます。具体的なあり方につきましては、予算編成に向けまして、生産調整との関連も含めまして今検討しておるというような状況でございます。
○国井正幸君 最後になりますけれども、これはお答えいただかなくても結構ですし、あるいは大臣の御決意のほどをお聞かせいただければというふうに思うんですが、直接この米価の問題とは関係ありませんけれども、今、住専の問題が大変大詰めの段階に来ているわけでございます。 これまで大臣の御発言等については私も十分承っておるわけでございますけれども、ぜひ大臣、いわゆる金融機関の社会的な責任あるいは社会正義というもの、これを貫くような観点で私はぜひ母体行の責任というものをきちっと明確にさせて、やっぱり国民から見てもああなるほどなと、こういうふうなことでこの問題の処理に当たっていただきたいというふうに思うところでございますので、大臣の特段の御尽力をこの問題に対してお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 一々ごもっともな御指摘でございますので、そういう意を体しまして真剣に問題の解決を図りたいと思っておりますのできれば今週中ぐらいに大蔵大臣ともゆっくり話し合ってみたいと、こう思っております。
○島袋宗康君 我が国の農業は農産物の市場開放などにより厳しい局面に立たされております。日本農業の理想像についての政府の確固たる政策がどうもはっきりしないというふうなことが言われておりますけれども、例えば新食糧法を制定、施行して、米作農家の自主性を尊重するような政策を掲げながら、一方では生産調整を拡大強化して半強制的な方法で実効を確保するというようなやり方で果たして一貫性があると言えるのであろうか。私は疑問を持たざるを得ません。 そこで、政府は米作を初めあらゆる農業分野について日本農業の理想像をどのように描いておられるのか、農林水産大臣の率直な御意見を承りたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 御指摘ではございますが、今倉庫には持ち越し在庫が既に百六十万トン、来年は二百二十万トン近くの在庫が予想されております。生産者の自主性ということで自由につくられるということになればこれはもう大変な米の過剰を起こして、結果的には自主流通米が七、八割を占めるという中で、自主流通米の価格が大変落ち込むという懸念があります。 また、その動向を反映させるという政府の買い入れ価格についても影響がなしとしない、こういうことでありますから、私どもはやっぱり計画的な生産調整が結果的には生産者のためになる。こう思いまして、したがってやる以上は適切な値段で、生産調整に協力していただいた人の米は買うし、また生産調整につきましては五万円の助成を維持しながらさらに共補償で二万に上げまして、条件が整えば十アール当たり七万受けられる制度を講じた、そしてさらに、調整水田を維持しながら共補償も適用するというふうに大変改革を加えたつもりであります。生産者団体の皆さん方からは、今度の生産調整につきましては大臣百二十点だと思っているというお言葉もあったということをちょっと御理解をいただきたいと、こう思っております。 今の御指摘の問題については、私どもは、農業。農村が二十一世紀に向けて持続的に発展をしなけりゃいかぬ、こういうことから、将来にわたって我が国の経済社会における基幹的な産業または地域として農業・農村というものを次世代に受け継いでいく義務がある、こう思っております。 そこで、平成四年に発表しました「新しい食料・農業・農村政策の方向」で示されておりますように、経営感覚に富んだ効率的で安定的な農家がこれから大宗を占めるような農業構造をきちっと確立していきたい。そういうことで、六兆百億の中でスーパーL資金を初めいろんな各般の政策を講じているところであります。また、農村地域が住みやすく活性化されるということを志しまして、これもウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策に示された具体的な施策を中山間地に意を用いつつ的確に進めてまいりたい。 それからまた、生産者の皆さんが将来の農業経営に意欲を持てるような生産の方向を明示したいということで、平成十七年までの十カ年計画を今月末に発表して閣議決定をする予定であります。農産物の需要と生産の長期見通しというものでありますが、こういうものも発表してひとつ方向づけをしたい。さらにまた、農業・農村あるいは食料というものに触れた新しい基本法の制定に向けて今検討をしているところであります。
○島袋宗康君 質問をちょっと変更いたしまして、時間の都合で申しわけないんですけれども、実は沖縄県の農林水産物の本土市場への参入、いわゆる輸送ですね、それに関して、その輸送費のコスト低減を非常に図らなくちゃいけないという問題が今起こっております。したがいまして、沖縄県の農林水産業の振興の上で極めて重要じゃないかというふうにとらえております。 そこで、一点お尋ねいたしますけれども、聞くところによりますと、輸送用コンテナに関しては政府の助成の対象になるということが言われております。沖縄県はいわゆる花卉とかそういったふうなものを輸送するためのチャーター機を最近使って本土に輸送しております。したがって、コンテナ輸送に対しては政府の助成があるわけですけれどもチャーター機に対しての助成がないので、それを何とかチャーター機に対しても助成する必要があるんじゃないか。そうすれば、沖縄の亜熱帯でできるいろんな特産物が非常に安くあるいはまた早く本土に輸送ができるというふうな体制ができ上がりますので、これは非常に沖縄県としても重要なことではないかということで、あえてこのことについて、いわゆるチャーター機に対する助成対象をひとつ検討していただけないものかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(鈴木久司君) 花卉などのように非常に販売単価の高いものにつきましては航空機を利用しているという例があるというふうに伺っておりますが、一般的に私どもとしましては、案出荷施設の整備などの生産流通の合理化のための施設助成につきましては、各種の事業において助成をしているところであります。 ただ、一般論としまして、チャーター料のようなものにつきまして助成をできるかどうかということにつきましては、大変難しい問題があるというように思います。御指摘の点につきましては検討をしてみたいと思いますが、非常に難しい問題があるということを御理解いただきたいというふうに思います。
○島袋宗康君 これは初めての私の提言でありますけれども、大変難しい問題があるということはどういった難しいものがあるかということはよくわかりませんけれども、コンテナ輸送の場合にはできるわけですから、それと同様にチャーター機で非常に早く、しかも本土に輸送するというふうな体制は沖縄県にとっては非常に重要なことでありますから、ぜひ省として検討していただいて、これが早目に実現できるようにお願いをしておきたいというふうに思います。 それから、沖縄の農業の問題については、第一次産業就業者が五万二千人おりますけれども、その第一次産業で八百五億円、そのうち農業関係は六百三十一億円で二%というふうなことで、第一次産業就業者は五万二千人おるにもかかわらず、わずかその所得については二・六%というふうに、全国平均に対しても農業所得は六二%しかないというふうな状況でありますので、そういった県内のいわゆる農業所得に対してももっと引き上げる必要があるのじゃないかというふうなことも考えられますけれども、やはりそういった今申し上げましたような施策を講じてもらわないと、いわゆる第一次産業の県民所得はなかなか上がってこないというふうなことが言えるのではないかというふうに思っております。 たくさん言いたいことはありますけれども、時間の都合で申し上げられませんけれども、やはり農林水産省として沖縄県のいわゆる農業振興についてどのような位置づけをなさって、これからどういうような展望を持って沖縄の県内の農業政策というものを打ち立てていかれるおつもりなのか、その辺について大臣の御所見をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 沖縄は我が国で唯一の亜熱帯地帯でございますから、この気象条件、風土を生かした特色ある農業を進めることが私は一番肝要じゃないかと思っております。 したがいまして、サトウキビの生産性の向上とか品質の向上を一段と進めなければいけないと思いますし、あるいは冬春季の野菜とか花卉とか熱帯果樹とか草地畜産のような、そういう亜熱帯地方に特に適した農業に力を入れて活性化を図っていくべきであると思っております。 私どももそういう方向で沖縄につきましては特段のひとつ力を入れなければと、こう思っておる次第です。
○島袋宗康君 ぜひ沖縄の農業振興のために御尽力いただきたいというふうに要望して、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(鈴木貞敏君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三分散会