農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/10/31
会議録
○委員長(鈴木貞敏君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 去る十月五日の本会議におきまして農林水産委員長に選任されました鈴木貞敏でございます。 我が国の農林水産業を取り巻く環境は非常に厳しく、こうした中、国民への食糧の安定供給等を使命とする農林水産業を所管する農林水産委員会の委員長に就任いたしまして、その職員の重さを痛感しているところでございます。 本委員会の運営に当たりましては、委員の皆様の御協力を賜りまして、公正かつ円滑に行ってまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。(拍手) —————————————
○委員長(鈴木貞敏君) 皆様既に御承知のとおり、前委員長大塚清次郎君は、去る十月三日、逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈りしたいと存じます。 御起立をお願いいたします。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕 —————————————
○委員長(鈴木貞敏君) 黙祷を終わります。御着席をお願いいたします。 —————————————
○委員長(鈴木貞敏君) 委員の異動について御報告いたします。 去る八月十四日、高木正明君が、また十月二日、石井一二及び福本潤一君が委員を辞任され、その補欠として佐藤静雄君、北澤俊美君及び高橋令則君が、選任されました。 また、大塚清次郎君の逝去に伴い委員が一名欠員となっておりましたが、去る五日、私、鈴木貞敏が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木貞敏君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木貞敏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鈴木貞敏君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 先般、本委員会が行いました農林水産業の実情調査のための委員派遣につき、派遣委員の報告を聴取いたします。 第一班の報告をお願いいたします。服部三男雄君。
○服部三男雄君 第一班派遣報告をいたします。 委員派遣の御報告を申し上げます。 去る九月四日から六日までの三日間にわたり、佐賀、長崎両県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。派遣委員は、故大塚前委員長、都築理事、三浦委員、それに私、服部の四名でございます。 以下、その概要について御説明申し上げます。 最初に、佐賀県に参りました。 佐賀県では、平地率が高く基盤整備も進んでいるなどの恵まれた条件のもとで、米を中心とする農業が営まれております。八年連続日本一の耕地利用率を初め、モチ米の集荷数量、二条大麦の作付面積、ハウスミカンの栽培面積と収穫量、和牛枝肉格付の最高位率などが全国一位を誇っております。林業では、林道密度と人工林率が全国のトップクラスにありまして、水産業では養殖ノリの生産量と生産金額がともに全国二位であります。 しかし、農林水産業のいずれも国際化の進展、後継者不足、高齢化等の進行等、多くの深刻な問題を抱えており、その対策の確立が急務となっております。 本県で受けた主な要望は、新たな米管理システムの確立、麦の生産振興対策の充実、土地改良施設の管理に対する助成事業の創設、林野公共事業の積極的推進、漁港・漁村の整備促進、ノリ養殖協業化の推進等でございます。 以下、視察先の概要を申し上げます。 最初に、諸富町におきまして、農協のカントリーエレベーターを視察いたしました。ここの特徴は、火力を使わない方式による自然に近い乾燥、荷受け・乾燥・貯蔵一体型の省力システム、徹底した自動化等でございました。施設導入の結果、専任オペレーターの採用と相まちまして、効率的な施設運営、処理能力の向上による適期刈り取りなどが可能となったとのことでございます。 次に、北茂安町におきまして、建設中の佐賀揚水機場を視察いたしました。この地方では、農業用水をクリークから取水しておりますが、塩害の発生等問題が多いため、安定的な用水確保を目指して筑後川下流用水事業が着手されました。このような揚水機場は用水を筑後川の堰から取水するためのもので、同事業の一部として来年四月に字成する予定でございます。 次に、発掘時に邪馬台国がと騒がれました吉野ケ里遺跡を訪ねました。ここは弥生時代の環濠集落跡で、朝鮮半島で発達した米づくり文化を取り入れた村が国の中核集落として発展していく姿をたどることができます。現在、広大な歴史公園を建設中でございました。 次に、有明海に面した鹿島市の浜漁港において漁港修築事業を視察いたしました。この地域では、漁業集落と漁港が川で分断されており、漁業活動に不便を来しております。事業は両地区を結ぶ連絡橋を建設するもので、来年度中に完成する予定などのことでございました。 次に、同じ鹿島市におきまして、農協のミカン選果場を訪ねました。この地域で生産される優良ミカンは、祐徳ミカンのブランドで高値取引されており、それを支えているのがこの選果場でございます。この施設は、高性能の汎用選果施設と品質保持のための低温予冷保管施設の一体的整備により、消費者ニーズに対応したきめ細かな商材づくり、選果時における果実の損傷防止、自動化による作業の合理化を可能にしたとのことでございました。 次に、太良町で建設中の広域農道を視察いたしました。この農道は、ミカン等の農産物を大型トラックで輸送するためのものであります。完成すれば、現在輸送上の阻害要因となっております長崎本線の踏切や狭いガードを通過しなくてもよくなり、流通の合理化や農村環境の改善に役立っため、地元の大きな期待を集めているとのことでございました。 佐賀県を辞しまして、長崎県に入りました。 本県は、多くの離島や半島から成っており、地形は複雑で急傾斜地が多く、大消費地からも遠い等、農業にとって不利な条件を抱えております。しかし、そうした中にあって、ビワ生産量の全国一位を初め、バレイショ、ミカン、イチゴ、乾シイタケ、肉用牛などの生産量が全国の上位を占めております。林業は、必ずしも盛んとは言えませんが、環境保全などに貢献しております。一方、水産業は、生産量、生産額ともに全国二位を誇る本県の基幹産業であり、離島等の地域社会の維持発展にも重要な役割を果たしておりました。 しかし、本県におきましても、農林水産業を取り巻く情勢は、担い手の減少、高齢化の進行、国際競争の激化など、極めて厳しいものが認められます。 本県で受けた主な要望は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の推進、国営諌早湾干拓事業の推進、雲仙岳噴火災害対策の拡充、韓国及び中国漁船の操業秩序等の確立、国連海洋法条約批准に伴う漁業の維持・発展対策の推進、東海・黄海資源管理機構の創設、漁港・漁村の総合的整備、国立水産研究機関の移転充実等でございました。 以下、視察箇所の概要を申し上げます。 まず、諌早市で国営諌早湾干拓事業を視察いたしました。この事業は、諌早湾の湾奥部を堤防で締め切って農地と調整池を造成し、大規模で生産性の高い酪農などの近代的な農業を実現するとともに、高潮等の防災にも役立てようとするものであります。事業の完了は平成十二年を予定いたしておりますが、今後の予算の確保が課題とのことでございました。 続いて、長崎市内の新長崎漁港に参りました。ここは市内の中心にあった旧漁港が手狭になったこと等を契機として郊外に新設されたもので、平成元年から供用が開始されております。全国有数の規模を持つ近代的な漁港であり、水産関連施設の整備とともに、都市づくりや水産・海洋環境研究ゾーンの形成などが一体的に行われているところに特徴がございます。今後の課題は、臨港道路の建設、研究機関の拡充移転等であるとのことでございました。 次に、大村市に参りました。ここは大村湾に面する県下有数の農業地帯でございます。急傾斜地が多く経営規模も零細ではありますが、農業所得は県平均を上回っており、水稲を中心に野菜、ミカン、花卉、茶、肉用牛などの複合経営が行われております。 以上が佐賀、長崎両県における調査の概要であります。 なお、両県からの要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げる次第でございます。 最後に、今回の調査に当たりましてはお世話になりました方々に厚く御礼を申し上げますとともに、本派遣の団長を務められました故大塚前委員長の御冥福を衷心よりお祈り申し上げまして報告を終わらせていただきます。 以上でございます。
○委員長(鈴木貞敏君) 次に、第二班の報告をお願いいたします。青木幹雄君。
○青木幹雄君 第二班の委員派遣の御報告を申し上げます。 去る九月四日から六日までの三日間にわたり、北海道におきまして農林水産業の実情を調査してまいりました。派遣委員は風間理事、菅野委員、須藤委員、国井委員、それに私、青木の五名であります。 まず、北海道の農林水産業の概況について御説明を申し上げます。 本道では、豊かな土地資源を背景として、若い専業的農家を主体に大規模で生産性の高い農業を展開しております。また、米や牛肉など多くの農畜産物が全国一の生産量を上げており、農業粗生産額では十年連続で一兆円に達して全国の約一割を占めるなど、我が国最大の食糧供給基地となっております。なお、近年は夏野菜、切り花、飲用向け生乳の道外出荷が急増しております。一方、農産物の輸入自由化、担い手不足や高齢化の進行など多くの問題を抱えており、本道では当面の課題として、担い手対策の推進、クリーン農業の推進、ゆとりある農業経営の確立、農村活性化の推進に取り組んでおります。 次に、林業についてでありますが、本道の森林面積、その蓄積は、それぞれ全国の約二割を占めております。木材関連産業の出荷額は道内製品出荷額の一六%を占めており、本道の基幹産業として位置づけられております。また、近年はその公益的機能の発揮が求められております。一方、本道林業をめぐる状況は、木材価格の長期低迷など非常に厳しく、担い手の育成、確保が急務となっております。 水産業につきましては、本道は周辺に好漁場を擁していることなどから、生産量、生産額とも全国第一位を誇っております。しかし、国際的な漁業規制や資源水準の低下、漁業就業者の減少や高齢化など、本道水産業をめぐる情勢は大変に厳しくなってきております。 本道からの主要な要望事項は、新しい農業・農村基本法の制定、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の円滑な推進、新食糧制度の円滑な推進、治山事業の推進、森林整備の促進、北方四島周辺海域での安全操業の実現等でありました。 以下、北海道で視察いたしました箇所について順次その概要を申し上げます。 まず、上川支庁管内に参りました。 同管内の農業は、本道の中核的な位置を占めております。近年、野菜や花卉の生産が増加しており、野菜の生産額は全道第一位となっております。また、酪農や畜産が中山間地域を中心に行われており、その規模は年々大きくなってきております。このほか、ファームインやファームレストラン、観光農園などへの取り組みも多く見られます。 同管内では、まず愛別町で肉牛経営を行っている有限会社入谷牧場に参りました。同牧場の経営主は、動物たんぱく源としての肉牛に注目し、新規就農して以来、自費で海外へ勉強に行くなど積極的な経営を展開してきております。完熟堆肥の使用や採草地の無農業化などクリーン農業に取り組んでおられます。さらに、直営レストランを開業し、牧場で肥育した牛肉を提供して消費者の声を経営に反映させているとのことであります。なお、輸入自由化に対抗し競争力をつけるために、飼料価格の引き下げ、ワクチンの内外価格差の是正、肉用子牛生産者補給金制度における交雑種の分離を要望しておられました。 次に、上川町で大規模酪農経営を行っている農事組合法人大雪牧場に参りました。同牧場では、フリーストールシステムの導入や搾乳部門への専業化など生産性向上とコストの低減を図っております。しかし、輸入自由化や乳価の低迷などの影響もあり、多額の負債が経営を圧迫しているとのことでありました。また、今後の課題として、農家負債の軽減、価格の安定、安定した生産の確保、担い手確保のための所得の向上を要望しておられました。 次に、比布町の北海道立上川農業試験場に参りました。同試験場は、きらら三九その開発を行ったところであります。現在は、極良食味米の早期開発を初め、耐冷品種の開発、減農業や激化学肥料等のクリーン農業にかかわる研究などに取り組んでいるとのことであります。 次に、空知支庁管内に参りました。 同管内は、全国でも有数の稲作地帯であり、水稲の作付面積は全道の四四%を占めております。また、近年は野菜や花卉などの収益性の高い作物を取り入れた複合経営を行う農家が増加しております。さらに、北空知地区では「元気村こだわり米」を掲げ、ブランド化を図っております。 同管内では、まず深川市で稲作と肉牛の複合経営を行っている農家に参りました。この農家は、コスト低減のため自費で大区画圃場を整備したということであります。また、地方維持向上のため肉牛を導入しており、堆肥を利用した安全でクリーンな農業に取り組んでおられます。さらに、通勤農業を実践しているとのことであります。 次に、月形町で稲作と花卉の複合経営を行っている農家に参りました。この農家は転作作物としてハウスを導入した花卉栽培に取り組んでおられます。また、若くして地元の花卉生産組合の組合長を務め、地域の中心的活動をしているなど、意欲的に花卉生産に取り組んでおられ、将来は稲作をやめ、花卉を専門に経営していくという考えであるとのことでございました。 次に、石狩支庁管内の北海道立道民の森に参りました。道民の森は、自然との触れ合いなど、森林に対する道民の多様なニーズに対応した森林総合利用の場として、基本計画に基づき施設整備が進められております。整備地域は当別町、月形町管内の道有林約一万一千ヘクタールであり、施設整備に当たっては、できるだけ手を加えないことを基本理念としているとのことでありました。なお、昨年は約二十万人が来園したとのことであります。 最後に視察しましたのは、千歳市のサケのふるさと館であります。同館は、人と川とサケの触れ合いをテーマに、サケ等の生態を観察しながら水産資源保護の意識高揚等を図るとともに、自然に親しみを持つ社会教育の場となっております。 以上が北海道における農林水産業の概況であります。 なお、旭川市及び札幌市において関係諸団体から農林水産業の振興を求める要望を聴取いたしました。つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。 最後に、今回の調査に当たって特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝の意を表しまして報告を終わります。
○委員長(鈴木貞敏君) 以上で派遣委員の報告を終了いたしました。 なお、ただいまの報告にありました現地の要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたします。 —————————————
○委員長(鈴木貞敏君) この際、野呂田農林水産大臣及び一井農林水産政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。野呂田農林水産大臣。
○国務大臣(野呂田芳成君) 先般、農林水産大臣を拝命いたしました野呂田芳成でございます。 農林水産業は、申すまでもなく我が国の国民にとって欠くことのできない食糧の安定供給や国土や自然の環境を保全するために極めて重要な役割を担っております。また、農林水産業の健全な発展や農山漁村の活性化なくして我が国の経済社会の調和のとれた発展はございません。 私は、不敏な者でございますが、農林水産業の責任者としてその責任の重さに思いをいたし、農林水産業がただいま申し上げたような機能を十分に発揮することができますよう、誠心誠意職務に精進したいと思います。 委員長を初め委員の皆様方の御鞭撻と御支援を心からお願い申し上げ、一言ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)
○委員長(鈴木貞敏君) 一井農林水産政務次官。
○政府委員(一井淳治君) 農林水産政務次官を拝命いたしました一井淳治でございます。 我が国の農林水産行政は、幾多の重要な課題を抱えておりますが、野呂田大臣を補佐いたしまして、全力を傾けて諸課題に当たりたいと存じております。 委員長を初め委員各位の御支援のほどをお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(鈴木貞敏君) これより農林水産政策に関する調査について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○服部三男雄君 自民党の服部でございます。 数点にわたってお尋ねしたいと思います。 まず、いわゆる新食糧法についての関係でございますが、いよいよこの新食糧法の施行に当たるわけでございまして、先般、政令、省令が明らかになりまして、あすから施行となります。 昭和十七年から五十年の長きにわたりまして米の流通管理を行っておりましたいわゆる食管法、食糧管理法はその使命を終えて廃止されることになりますが、政府による米の全量管理や厳格な流通規制等を内容とした食管法と異なりまして、今度の新食糧法は稲作生産者の自主性というものを尊重しまして市場原理の導入や規制緩和の推進を盛り込んでおります。生産現場では、この新制度のもとで、従来同様、米の需給や価格の安定が図られるかどうか、これが最大の関心事となっておるわけであります。 この新食糧法の新制度におきましても、需給調整を図ることが基本と聞いておりますが、きょうは新制度における需給、価格の安定対策について若干質問を行います。 まず、この新制度が円滑に機能するかどうかは、米の全体需給の調整を図ることが必要になってまいりますが、このことは生産調整が円滑に推進できるかどうかにかかっているわけでございます。この問題は、農家、農業従事者、関係者にとっても非常に関心の深い問題であります。 新たな生産調整対策について、どのような方向で御検討なさっているのかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(日出英輔君) お尋ねの新食糧法下での新しい生産調整でございますが、先生御案内のとおり、四十六年から生産調整が計画的に行われてきている中で、今回は初めて新食糧法下の生産調整ということでございます。 今、具体的にまだ詰めを続けているところでございますので、その内容につきまして具体的にお話ができる段階ではございませんけれども、いずれにいたしましても、自主流通米の時代の中で、この自主流通米の需給が若干だぶっきぎみになってくる、あるいはことしの十月十五日現在の作況、先生御案内のとおり一〇二ということでございまして、これもまた若干自主流通米の需給が過剰基調のままで続く、こういう傾向がはっきりしているわけでございます。 そこで、今私どもがいたしたいのは、当然のことながら、新食糧法で書いておりますような全体需給の調整という意味で、生産調整をきちんとやっていくというようなことでどういう手法があるのか、例えば生産調整の手法その他でございます。 それから二つ目が、その中でも新食糧法の一つの理念といたしまして、生産者なり地域の意向を極力踏まえながら行っていく。これを手続的にどういうふうに表現してやっていくのかという問題でございます。 それから三つ目が、新食糧法では政府買い入れの対象としては、生産調整実施者からしか買わないということでございます。こういう意味で、政府買い入れの手続と生産調整の手続をどういう形で関連させながらやっていくのか。これは現場で当然大変大事な重要な問題になってまいります。 それから、その次に大きなのが生産調整助成金をどういう形で構成していくかということでございます。生産調整助成金につきましては、生産調整を機動的に行っていく、特に需給が、転作が強化される局面でございますので、機動的にそういったものに取り組めるようにするという問題。あるいは新政策で言っております望ましい形態を育成していく観点、こういったものをどう取り入れてやっていくのかといったような課題が結構随分ございます。 これを今一つずつ内部で詰めながら、生産者団体あるいは地方公共団体等の関係者の意見も聞きながら検討を進めているところでございます。
○服部三男雄君 新しい制度ですから、今までのやり方とは違いますから、慎重にがつ関係者の意見をよく聞いて調整をお願いしたいと思うところでございます。 先ほどは全体需給の調整について尋ねたわけですが、ここ数年天候不順というのか、暑過ぎたり寒過ぎたりが続きまして、どうも今までと天候が変わってきたのかなという気がするわけですが、稲作は自然物ですから毎年の天候に左右される部分が大きいということは避けられないと思うわけでありまして、このような年々の豊凶変動というものにどのように対処するかということは、新旧制度ともに大事だろうと思うんですね。 それで、新食糧法においてこれらの備蓄及び民間の調整保管が制度化されておりますが、その具体的な運用方針というものも、これも極めて大事だろうと思うので、御検討をしていただいていると思いますが、今明らかにできる部分があればしていただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ただいま備蓄あるいは民間の調整保管についてどのような運用方針をとっておるかというお尋ねでございますが、まず新制度におきましては、やはり米の需給の調整、それから価格の安定を図るということが重要でございまして、そういう中で備蓄制度を法律ではっきり位置づけまして、国民にお米を安定的に供給していこうということにしておるわけでございます。 その場合の備蓄の運営でございますが、やはり備蓄ということになりますと、基本的には政府が責任を持って対応すべきであるというふうに思っております。しかしながら、自主流通米が実際には米流通の主体、中心ということになりますので、その自主流通米の流通を担っております自主流通法人、その自主流通法人におきましても自主流通米の安定供給を図っていくために一部民間備蓄を実施するということも考えておるわけでございます。 そうした場合、では備蓄の水準はどの程度になるかということでございますが、これにつきましては先生今お話がございましたように、最近のいろんな不作の状況とかあるいは過去における不作の経験、そういったものを踏まえまして、平均的な不作が連続して起こっても対応できる、円滑な需給操作が行えるというような水準はどの程度がいいだろうかということでいろいろ検討いたしまして、民間備蓄を含めて百五十万トンを基本に考えていこうということにしております。 しかしながら、豊作、あるいは不作ということもあるかもわかりませんが、一般には豊作によりまして需給に変動がどうしてもございますので、そういった場合にも機動的に対応できるようにということで一定の幅、五十万トン程度をもちまして運用をいたしたいというふうに思っております。 それで、この備蓄したお米につきましては、一年間保管をいたしまして、主食用なりあるいは加工用等に売却するということを基本にしていきたいと思っております。今後、関係方面とも十分調整の上、適切に運用していきたいと思っておるところでございます。 それから、次が調整保管でございますが、豊作になりますと備蓄数量がただいま申し上げました基本とする水準である百五十万トンを超えるということもあるわけでございますが、そうした場合には、生産者側におきましても一定数量を在庫として保管する、いわゆる調整保管するということで需給の調整を図っていこうというふうに考えております。 具体的には、自主流通法人が自主流通計画というものを定めますが、その場合に一定の幅の中で政府が備蓄をする、五十万トンという幅の中で政府が備蓄の積み増しを行いますが、その積み増しと自主流通法人による調整保管を適切に関連づけまして行っていこうという方向で現在検討をしているところでございます。
○服部三男雄君 今のその自主流通米の価格の問題なんですが、これは農家にとっては大変重要な問題でありまして、最近の入札結果を見ますと、現在の自主流通米の価格は弱含みのようでございまして、また先日発表された作況調査でも指数は一〇二、去年に続いて豊作の見込みでございます。そうしますと、このまま推移しますと米の価格が低下するおそれも出てくるわけでありまして、あすから施行される新食糧法のもとでの価格安定対策についてどのような方法をとることができるのか説明を願います。
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生お話しのように、この七年産米の自主流通米価格の動向でございますが、確かに弱含みで推移をしてきております。今まで三回入札取引を行っております。我々も、価格が下がりまして落札残、落札ができない、そういう玉も出るのではないかということで心配をしておりましたが、今のところ何とか全量を落札しておるところでございます。 それで、十月二十七日に行われました第三回目の取引の結果を見ますと、新潟の魚沼とか岩船のコシヒカリ、これは非常に人気が集中いたしまして価格が上限価格に張りつくということでございましたが、その他の銘柄につきましては市場価格は基準価格を下回りまして下値価格に近い、そういう水準であったことは事実でございます。これも作況が一〇二というような、全体の需給の状況を反映したものであるというふうに考えております。 我々といたしましては、先生お話しのように、今後暴落というようなことがあってはいけないわけでございますので、その辺には十分これから意を用いていかなきゃいけないと思っております。 それで、新食糧法のもとでの価格の安定はどうするかということになりますが、これは全体的には生産調整をいかに円滑に実施するかということでございますけれども、現時点に起こっています豊作というようなことで米が余ってくるということでございますと、備蓄制度あるいは調整保管を適切に運用していかなきゃいけない、そういうことによって余った米を市場に出さないように隔離していくというようなこと。それから、計画流通米制度というのができたわけですが、その流通制度のもとでの安定流通の確保を図っていくことによって価格安定を図っていかなければいけないと思っております。 したがいまして、十一月には今後の需給の見通しなどを明らかにする指針を策定することにしておりますが、それまでに今後の需給の見通しあるいは価格動向などを総合的に勘案いたしまして、どの程度の備蓄量にするか、調整保管の数量はどの程度にするか、さらには当然のことながら八年産米の生産調整の規模などについても検討して、結論を出していきたいというふうに思っておるところでございます。
○服部三男雄君 新制度ですから、過去の経験を踏まえて適切にやっていただきたいと思います。 大臣に、これからの新食糧法の円滑な施行に向けまして、やっぱり農家の新制度に対する不安というものを払拭するとともに、国民に対する主食の安定供給というものが最大の問題になるだろうと思うわけでありますので、大臣に就任されて、その御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 申すまでもありませんけれども、新しい食糧法の目的は需給と価格の安定にあります。と同時に、今委員から御指摘ありましたように、施行に当たりまして農民の不安を払拭することが大変大事な問題であると考えております。 そこで、新食糧法の円滑な施行、定着に当たりましては、ただいま食糧庁長官から話がありましたとおり、七年産米の作柄の状況を踏まえまして、生産調整や備蓄、調整保管の仕組みなど、新制度の運用について鋭意検討を行っているところでございますが、十一月中に生産者の営農活動に資するための生産及び出荷に資する指針を策定する所存であります。 いずれにしましても、今後は新しい食糧法の円滑な施行、定着に万全を尽くす所存でありまして、これによりまして農家の不安を払拭することに十分留意いたし、主食たる米の安定供給に努めてまいる所存でございます。
○服部三男雄君 新食糧法関係はその程度にしまして、次に来月大阪でAPECの会議が開かれます。そのAPECにおける農林水産分野の取り被いについて質問をいたしたいと思います。 このAPEC大阪会議では、昨年のボゴール宣言でうたわれた貿易・投資の自由化を具体化する行動指針の策定が行われることになっておりますが、この行動指針を取りまとめるに当たりまして農林水産分野をどう扱うかということについて非常に懸念がございます。申し上げるまでもなく、七年余にわたる厳しい交渉の結果合意されたガット・ウルグアイ・ラウンド合意というものについて非常に農家の間で不安があるわけでございまして、その合意が本年から実施に移され、国際環境の変化に農林水産業がどう対応していくかということで、農林水産業者は各自それぞれ真剣に取り組んでいるところであるだけに、APECの農林水産分野の取り扱いというのは非常に政治問題にもなりかねないと思うわけであります。 御承知のとおり、APECは十八の国と地域がメンバーとなって、経済の発展段階や社会制度が大きく異なっているだけに、貿易・投資の自由化に当たりましては、我が国における農林水産分野のように各メンバーがそれぞれ困難なところを抱えた上で一堂に会するわけでありますから、行動指針取りまとめに当たってはこうした分野について特別な配慮を払って、各メンバーがそれぞれの合意内容を実行可能なものとするということは重要ではないかと考えるわけであります。それについての大臣のまず基本的なお考えをお伺いしたいと思うところでございます。
○国務大臣(野呂田芳成君) この問題につきましては、私どもは日本の農業を取り巻く情勢が極めて厳しい環境にあるということを各般にわたりまして主張してまいりました。そして、私どもはこれからもウルグアイ・ラウンド農業合意というものを堅持してまいりたいと思っております。 私どもが各国に対して主張しております農業合意の大事なところは四点ございまして、農林水産物については一体として処理したい、ウルグアイ・ラウンド実施期間中はそれを着実に実施したい、実施期間以降はWTOの交渉にゆだねる、それから二〇一〇年以降の自由化の問題については約束できない、こういうことを明確に主張してきたわけでございますが、今後も我が国のこういう立場が堅持されるように明確に主張してまいりたい、こう思っております。
○服部三男雄君 もう一点、APECの関係でお尋ねしたいと思うんです。 この十一月の非公式首脳会議に各国が自主的に実施する措置を持ち寄るというふうなことが話になっておりますけれども、いわゆる当初の措置が政府部内で検討されているかどうか。検討されていると聞いておりますが、それがあるのかどうか。 それから、ウルグアイ・ラウンド合意はまさに本年より着手することになっておりまして、また近年の円高傾向が定着したこともあり、海外からの農林水産物の輸入というのは年々ふえ続けております。日本は最大の農林水産物の輸入国になってきております。こうした中において、農林水産物についてその前倒し実施を行うべきではないと考えているのでございます。一部の熱帯産品について検討なされているというのは報道されておりますけれども、多くの農林水産業者はこうした事態に大変な不安を抱えております。それだけに、ここで大臣の明確な基本方針というものをお聞かせ願いたいと思うところでございます。
○国務大臣(野呂田芳成君) 当初措置の前倒しの問題につきましては、現在政府部内でも検討されているところでございます。しかし、ただいまもお話がありましたとおり、ウルグアイ・ラウンド農業合意は七年にわたる血のにじむような努力の結果合意に達したものでありまして、私どもはこれを着実に実施することが最大の使命である、したがって農業合意を超えたような対応は極めて難しいし、そういう考えもないということを明確に主張してまいりました。これからもそういう方針を堅持してまいりたいと思いますが、現実に関税の引き下げと円高によりまして輸入が激増いたしましてセーフガードを発動しなければいけないような事態に立ち至っており、この間も豚肉につきましてセーフガードを発動したばかりであります。 委員御指摘のとおり、十分そのことに留意しながら今後も対応してまいりたい、こう思っております。
○服部三男雄君 以上で終わります。
○風間昶君 平成会の風間でございます。 先ほど、大臣のごあいさつを伺ったわけでございますが、まさにあすから新食糧法が施行されるわけですけれども、何点かお伺いしたいと思います。 さっき備蓄と調整保管の運用の問題についての食糧庁長官からのお話がございましたけれども、私の把握で、備蓄と調整保管というのは、米過剰が起こった場合あるいは米不足が起こった場合ということでいうと技術的には同じようなことではないかというふうに思うんですけれども、あえて調整保管というふうに言うのはなぜなのか。つまり民間備蓄でもあるわけですから。その辺のところのちょっと備蓄と調整保管の考え方というのを教えていただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) まず備蓄の方は、これは法律にも位置づけられておりますが、米の安定供給、これを図るためには、いろいろ不作であるとかいうようなことでどうしても安定供給が図れないというようなことがあっては困るわけでございますから、常日ごろからといいますか、そういうような形で一定の米を備蓄して持っておる。したがって、その持っておる量は基本的には百五十万トン程度をいつも持っているようにひとつしていきましょうということがまず備蓄の基本的な考え方でございます。 それから次に、そうではありますけれども、例えば豊作というようなことになりますと非常に米がたくさん出て、需要をオーバーする程度に米ができてしまう。そうすると、その余剰分をどういうふうにして市場に出さないで隔離しておくかという方法として、備蓄といっても百五十万トンにそのほか五十万トンの余裕を持って運用していこうというふうに考えておりますので、その際に備蓄とそれから民間の調整保管、これは民間が主体的に保管をしていこうというふうに考えておるわけですが、そういう豊作時には民間の調整保管というものも考えて、両方を組み合わせてひとつ数量調整をやっていこう、こういう考えでございます。
○風間昶君 わかったようなわからないような感じなんですけれども、要するに、備蓄は政府備蓄と民間備蓄があって、調整保管は民間備蓄ではないんだけれども余ったものを機動的に対応する、隔離するということなんですか。
○政府委員(高橋政行君) もし需給がうまくいっておれば調整保管とかそういうのは必要ないわけです。それで、例えば不作になった場合に全然手持ちがないということになりますと米の安定供給に支障が生ずるわけですから、常に百五十万トン程度のものは持っておりまして、それで米が不作になった場合にはその百五十万トンから供給をしていこうということで、米の安定供給ということをまず第一に考えておるのが備蓄と考えていただいたらいいんじゃないかと思います。 それから、調整保管の方はそうではなくて、米が余ったときにその米をどういうふうに数量調整するかということの一環として民間でそのお米を保管しておくというものでございますから、性格としてはまるで違うというわけでございます。
○風間昶君 何かよくわからないんですけれども、ちょっと後でまた説明を受けたいと思います。 次に、ミニマムアクセス米、MAの輸入予定について、国別の内訳が今現時点でわかっていれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ミニマムアクセスは、本年度、玄米換算でございますけれども、四十二万六千トン入れるということを国際的に約束しておるわけでございます。それで、今その約束を果たすために九月と十月の二回いわゆる入札をしたところでございます。九月が八万トンの入札を行いまして、国別にはアメリカが三万トン、それから豪州が三万トン、タイが二万トンでございます。それから、十月に第二回目の入札をしておりますが、そのときは十万トンでございまして、国別に申し上げますと、アメリカが五万トン、それから豪州が三万トン、タイが二万トンという状況でございます。 今ちょっと間違えたかもわかりません。もう一回申しますと、第二回目は十月に行いまして合計で十万トンでございます。アメリカが五万トン、それから豪州が二万トン、タイが三万トンでございます。
○風間昶君 さらにこれから三十万トン入ってくるということだと思いますけれども、先ほども話が出ておりましたように、作況指数がことしは一〇二、どうやら来年夏には米がまたかなり余りそうだという予測ですけれども、特に今のミニマムアクセス米を国内消費ができない場合にはどのように処理するのかということが一点。 それから、その際の価格や売り先は今後検討していくのでしょうけれども、その決める基準はたくさんあるの。でしょうけれども、大事な基準は何か。 そして三点目に、援助国というか、援助を希望している国からの要請があったときに、備蓄している量を上回った場合にどのようにしていくのか。その三点を教えていただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ミニマムアクセス米についての御質問でございますが、我々といたしましては、ミニマムアクセス米の輸入につきましては、国内での需要というようなものをいろいろ関係団体からも聞きながら、そういった需要を踏まえて輸入はしていかなきゃいけないと思っております。売却につきましても、原則といたしましては、主食、加工用などに売却をいたしますとともに、一定量、現在十万トン程度というふうに考えておりますが、それは備蓄にも充当していこうというふうに考えております。 これをもう少し具体的に申し上げますと、国内米で対応できないような加工用途へ充当するとか、それから特に最近では、輸入の米粉調製品と言っておりますが、これが非常に増加してきておるわけでございまして、これが安い米が供給されていくということであれば代替できるのではないかということで、この輸入米粉調製品需要への代替供給ということとか、あるいは現在特定米穀によって供給されている加工用需要への代替とか、そういったいろいろな用途をこれから検討していかなきゃいけないというふうに思っております。 また、備蓄に回したものにつきましても、備蓄に回しますと、これは一定期間保管しておりますので、またその処理が難しくなるわけでございますが、当然そうしたものは一定期間経過後援助用等への売却も検討するということはあり得るというふうに思っております。 それで、最後にちょっと話題になった点、若干正確に御質問をとらえていないかもわかりませんが、いずれにしろ米の備蓄水準は、先ほど申しましたように百五十万トンの確保ということを基本にしてやっておるわけでございます。それで、食糧援助に当たりましては、こうした備蓄の基本水準を考慮しながら、備蓄米の中から国内需給に支障を生じない範囲でやっていくということを検討するということになろうかと思います。 しかしながら、備蓄米の食糧援助への活用ということになりますと、これは途上国からの援助要請を踏まえて行うことが当然でございますし、また食糧援助に関する国際ルールというのがございまして、WTO協定とかFAOの余剰処理原則というようなことで、援助そのものが援助先の国の農業の発展を妨げないとかいろんな条件があるわけですが、そういった原則との関係にも十分配慮しながら、今後関係省庁などとも連携をとりながら検討を進めていきたい、このように思っているところでございます。
○風間昶君 わかりました。 次に、流通への新規参入の取り扱いについて。 新食糧法が施行されますと、農家そのものあるいは農協がみずから米を売る自由を得て、販売競争が激化するんじゃないかというふうに思います。北海道でも四千六百五十一店の小売店があるんですけれども、恐らく三倍ぐらいふえるんではないかということが予測されています。その結果、一たん膨らんだ店舗が急激に過当競争で淘汰されちゃって、数千店ぐらいが姿を消すんではないかという心配があって、新食糧法以前からの小売店が生き残れるのは何店ぐらいになるのかということでは随分心配があるわけです。 特に、高齢の小売業者あるいは後継者のいない業者、また小売業者の中でも米だけを扱っている専業店に対して、商行為というか商売の活性化を含めた支援策をそうなった場合に考えているのか、端的に教えてください。
○政府委員(高橋政行君) 確かに、今回の新食糧法の眼目といいますかその大きな一つは、流通段階の活性化を図りまして消費者の選択の機会の増進を図ろうということで、一定の要件を充足しますれば小売店への新規参入というものも可能になるということで、今まで許可制でしたが登録制というものに変えたところでございます。 そういった中で、今まで既存の小売業の皆さん方は一生懸命に仕事をやってきていただいておるわけでございますが、そういった皆さん方が新制度に円滑に移行して乗っていっていただかなきゃいけない。そういう中で経営の体質強化あるいは設備の高度化ということを推進していく必要があると思っております。 そういう観点から、現在、例えば施設資金に対しましては特別の利子助成をするとか、どういうことかといいますと、経営の高度化とかあるいは販売力の強化ということで、精米機とかあるいは店舗の改造とか、そういうような設備のための資金につきまして利子補給をするとかあるいは税制措置といたしましても、そういった高度な機械を導入した場合には税制上の特別措置、これはメカトロ税制というようなことで言っておりますが、そういうような措置をとるとかあるいは経営改善指導を強化するための支援措置をとるとかというようなことを行っているところでございます。
○風間昶君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 この不景気の時代こそ農業はチャンスじゃないかというふうに思うんです。そして、言葉は悪いですけれども、高齢化農村ほど若者にとってはまたチャンスではないかと。引退する農家の土地を引き継いで農業選択に喜びと誇りを感じていける、そういう農政を展開していかなきゃならないのではないかという意味での新農政だと思います。 そういう意味で新規就農促進について若干伺いたいんですが、北海道農業会議のもとに農業青年人材銀行という、グリーンバンクと言っているんですけれども、ここで新規就農相談、農業体験実習相談を行っていて、年々相談者がふえているんです。特に体験実習の相談者に実際に新規就農者が多いという例があるんですけれども、これは道府県で言うと、農業以外の人たちをリクルートする施策としてある担い手センターなんでしょうかそれと同じことだと思うんですけれども、要するにことしから始まるというふうに聞いておりますけれども、始まるに当たって実態上どのくらい今指定しているのかということが一点。 それからもう一つは、道府県が設置主体のこれまである農業大学校の今年度の入学者と昨年卒業した数のうち農家出身でない人たちの割合、数だけでいいですけれども、教えてください。
○政府委員(日出英輔君) 就農促進につきましては、本年二月に施行されました青年の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法に基づきまして今事務を進めておるわけでございます。 若干つけ加えますれば、こういった就農支援につきましては、農林水産省は平成二年ごろからかなり体系的な支援策を年次的につくってきたわけでございます。特に就農前の対策、研修、そういった技術的なものを習得する問題、あるいは就農時におきます農地なり機械等をなるべく経営に影響ないような形で取得できる問題、あるいは就農後の経営安定というような手法、こういった各般の施策を先ほど申し上げましたように平成二年ごろから整備してきたわけでございますが、抜けておりましたのがこういった青年就農者に対します資金の貸し付けの問題でございました。 一つずつ申し上げますと、これにつきましては今三十六県で青年農業者育成センターの指定済みでございます。これは既存のいろいろな法人を活用して指定するのが圧倒的に多うございます。 それから二つ目のお尋ねでございますが、これとは別に県農業大学校入校者の中で非農家の割合でございますが、近年少しずつふえてまいりまして、平成七年の入校者二千三百四十二人の中で非農家の割合が二二・四%ということになっております。
○風間昶君 ありがとうございます。そのように簡単に答えていただければ大変ありがたいと思います。 これからの農政の基本、まさにこれは経営感覚にすぐれた農業経営者の育成にあるというふうに思うわけですけれども、そういう意味で今までどちらかというと、これは聞いた話ですからきちっと証拠固めしてないんですけれども、農業大学校にしてもあるいは担い手センターにしても、農業の技術面での指導、相談は結構多いんだけれども、新たに農地を取得する際の手続だとか、あるいは農業経営に必要な農業簿記などについては農業そのものに対する興味だけではマスターし切れないと思うし、そういう意味では経営向上のための研修内容やカリキュラムをしっかりしなきゃならないのじゃないかというふうに思うんです。 それで、通告してないんですけれども、個人の新規就農だけじゃなくて、集団とか株式会社の参入についても私は農水省として検討していくべき時期に来ているんじゃないかというふうに思うんですけれども、これは通告していませんので、次の機会に質問します。基本的な考え方を一回議論していきたいと思いますので、ちょっとまた後ほどやりとりしたいと思います。質問でなくて注文にしておきます。 それじゃ、時間が余りありませんので、最も関心が高い住専問題について、時間がないので入り口のところだけでも断片的に質問をさせていただきたいと思います。 十月二十五日の日本農業新聞によりますと、住専の日本ハウジンクローンから母体行が五百億円の融資回収を行っていたという問題で、農林大臣は記者会見で、「法律的には間違った行為ではないだろうが、母体行が優先的に返済を受けて、知らん顔をすることはフェアな態度ではない」というふうに不快感を表明したというふうに報道されております。 大臣に伺いますけれども、これは間違いないですか。
○国務大臣(野呂田芳成君) そのとおりでございます。
○風間昶君 ということは、この住専問題の議論の出発点である再建計画について、まだ有効であるという大臣の認識のもとに発言されたものというふうに私は理解しているわけですけれども、そういう大臣の御見解であるにもかかわらず、再建を断念したり、あるいは処理のスキームを話し合っている今となっては再建計画は失効しているというふうに思わざるを得ないわけであります。まさに母体行が五百億円を回収したというのはもう背信行為であるというふうに私は思うわけです。 そこで、大蔵省の方に来ていただいておりますので二つ。 この再建計画は生きているのかどうか、有効性があるのかどうかということが一つ。もう一つは、この背信行為と思う母体行の五百億円回収、この点について大蔵省の御見解を伺いたいと思います。
○説明員(振角秀行君) 大蔵省の金融会社室長の張角でございます。私の方から二点答えさせていただきたいと思います。 まず第一点の方は住専の再建計画は現在でも有効かという点でございますけれども、これにつきましては、九月下旬に住専の七社に関しまして、母体が整理を含む再建計画の抜本的な見直しという方針を表明したところでありますけれども、現状ではその具体的な内容は決定されているわけではないというふうに承知しておるところでございます。したがって、住専各社におきましては、現在のところ九月末の利払い実行を含めましてすべての通常業務の対応を行っておるところでございまして、現在でも有効というふうに考えているところでございます。 第二点の日本ハウジンクローンの五百億円の回収問題につきましてでございますけれども、そういうことで現行の再建計画は有効だということでございますので、日本ハウジンクローンの現行再建計画におきましては、そういう母体による資金繰り上の支援がもともと盛り込まれておりまして、またこの計画上ニューマネーについては優先弁済を行うという取り決めにもなっておるというところでございます。 いずれにしましても、こうした再建計画と借入金の返済問題については関係当事者間で話し合っていくべき問題だと考えておりますし、再建計画の見直しについても、きょうを含めまして関係当事者間で現在話し合っているところというふうに認識しているところでございます。
○風間昶君 住専の貸出先であります不動産業者に、土地流動化策を含めた処理をさせていくのかどうかを大蔵省に伺いたいと思います。
○説明員(振角秀行君) 住専から借り入れを行ってきているいわゆる債務者でございますけれども、それについては約定どおりの利払い等を行うに至っていないところが少なからずございまして、それが住専各社の経営悪化につながっているところと我々承知しているところでございます。 住専各社とそういうような個別の債務者との取り引きは基本的には当事者間の問題であり、また債務者の現況もさまざまであるというふうに理解しておりますけれども、一般論としましては、住専としても今後ともそういう不良債権回収についての回収努力というものは引き続き行っていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○風間昶君 じゃ、追い打ちの質問で二ついいですか、大蔵省さんに。 住専の七社について会社別に小まめに異なった処理を考えているのかどうかが一つ。 それから、十二月にこの結論を出すということが言われておるわけですけれども、そうした場合、その処理方針のスパン、期間をどのぐらいを目途にしているのか教えてください。
○説明員(振角秀行君) 二点、御質問ありましたのでお答えします。 まず、住専の処理方針の話でございますけれども、そのうち七社を個別にいろいろ考えているのかということですけれども、住専問題については現在の不良債権の中で象徴的かつ緊要な問題となっておりまして、その早急な解決が国内のみならず諸外国からも要請されているというふうに我々は思っているところでございまして、とりあえずの今後の対応につきましては、母体農協系統を初めとしました貸し手金融機関、住専自身など当事者の真剣な話し合いが重要だというふうに考えておりまして、先ほども少し申し上げましたように、きょうも含めまして三回の話し合いが現在行われているところでございまして、我々としましては当事者間の真剣な議論を強く促すということを当面やっていきたいというふうに思っております。現時点で大蔵省として特段の構想というのは持っておりません。
○風間昶君 じゃ、十二月に結論を出すということについての後段の質問は。
○説明員(振角秀行君) これは先ほども申し上げましたように、住専問題は早急な解決が国内のみならず諸外国からも要請されているというふうに考えておるところでございまして。大臣も国会におきまして当事者間の真剣な議論を強く促すとともに、年内に処理策は固めていきたいという決意を申し上げているところでございまして、我々としても農水省ともよく連絡をとりつつ年内の解決を目指していきたいというふうに思っている次第でございます。
○風間昶君 この不良債権問題でも住専問題がやっぱり最大かっ深刻だというふうに思うわけですが、農水省として完全母体行責任の主張に変わりはないのか、農水大臣に再度確認しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) その前に、ちょっとさきの問題に関連して整理をしておきたいと思います。 率直に申し上げまして、母体行側は再建計画の実施が困難だ、そこで会社を整理したい、こういうことをこれまでの会議ではっきり言ってきたところであります。ところが、みずからに対する返済についてだけは再建計画に沿って優先返済を受けたということは、どう考えてもこれは身勝手な話でありフェアな話じゃない、こういう意味で私がそう申し上げたということをひとつ御理解いただきたいと思います。 それから、ただいまの質問につきましては、住専ができた経緯、それから性格、つぶさには申し上げません、委員が御承知のとおりであります。 それからまた、経営が何で破綻したかという原因、それに対する母体行の責任、それからまた、二回にわたる再建計画で母体行が責任を持って対応すると言った、そういった再建計画の経緯、こういうものを考えれば我々はぎりぎりまで母体行が責任を負うことは当然のことである、こう思うのであります。一部に農協系統の経営状態を理由に公的資金を安易に入れようという考え方もありますが、私どもはそういったものをダイレクトに農協系統に入れることについては全く納得いたしておりません。筋違いの議論であると思っております。 いずれにしましても、農協系統の信用事業にいささかも累を及ぼさないようにきちっとこの問題の解決を図ってまいりたい、こういう決意でございます。
○風間昶君 ありがとうございました。 これは次の機会にまたやらせていただこうと思います。大蔵省さん、ありがとうございました。 次に、水産問題について、国際海洋法条約の批准と一緒にお伺いしたいと思います。 水産庁ですが、これからの漁業は徹底した私は資源管理が必要であろうかというふうに思うわけです。 北海道にシシャモというのが、十五センチぐらいの小さな、産卵のときだけ川に上がってきて、産卵の前に川口付近で漁をするため統計上の分類は沿岸漁業になっているんですけれども、北海道の日高の特産のシシャモが四十年代は百から七百トンぐらいとれておって、五十年代は百トンをずっととっていて、六十二年は九十一トン、六十三年は五十二トン、平成元年に十五トン、平成二年に一トンしかとれなくなって、平成三年から六年まで四年十カ月禁漁をいたしまして、ことしの十月に解禁にしまして、五十五トン、つまり六十三年ですから七年前の漁獲高に戻ったんですね。ようやく平常時の半分ぐらいのところまで回復したんですけれども、しかし来年も再来年も漁をすればまた禁漁にしなきゃならないぐらいになると思うんです。 そういう意味で、資源の管理というものを徹底してやらないと、私は北海道だけじゃなくてこの水産業が恐らく地球の最後のたんぱく源になるんじゃないかというふうに思いますので、そういう意味からすると、資源管理の観点から、今までどちらかというと、統計学的に遠洋だ、沖合だ、沿岸だという業態別の分類でやってきたんですけれども、私はむしろ魚種別に分類したような資源管理のあり方というのをきちっと議論してつくっていかなければならないんじゃないかというふうに思うんですが、その点が一点です。どうでしょうか、その点。
○政府委員(東久雄君) 今、先生お話しのとおり、これからの漁業というのは資源をいかに有効に利用していくかということ、またその資源の限界の中でどういうふうに漁業体制をとっていくかということが最も重要なことだと思います。 差し当たって今シシャモの例が挙げられました。そのほかに最近では秋田のハタハタが有名でございます。このように従来から実は国、都道府県、漁業団体等の関係者が一体になって、まずできるだけ話し合いの中で地先の資源が枯渇しつつあるものを中心にいわゆる資源管理型漁業というものの推進を図っておったところでございます。 それがまた、御承知のとおり、世界的にも国連の海洋法条約が発効するという状態の中で、我が国といたしましてももう少し広い形での資源管理ということが必要になってくるだろうというふうに考えておりまして、現在その検討を行っておるところでございますが、その場合の管理方法といたしましては、今お話しのとおり、資源管理の実効を上げるということでは魚種ごとに管理することが必要ではないかというふうに考えております。どのような管理体系をとるか、どのような魚種をとりあえず対象とするかというようなことを含めまして、現在関係者の御意見を聞きながら検討しているという状況でございます。
○風間昶君 ありがとうございます。同じ考え方に立てそうですね。 次に、海洋法条約の批准について、時間が余りありませんので難しい部分があるかと思うんですけれども、外務省の方においでいただいておりますので、よろしいですか。 三点、質問だけぽんぽん言います。 東経百三十五度以西の日本海及び東シナ海には漁業水域の設定はなかったわけですけれども、今回の海洋法条約に言うところの排他的経済水域として設定していないのかどうかというのがまず一つ。 それから次に、中国と韓国との関係で、排他的経済水域の適用関係はどうなるのか。 それからもう一つは、排他的経済水域の設定のない地域あるいはあったとしても適用がない国との関係でも、持続可能という観点からいくと、排他的経済水域と同様に漁獲可能量を算出する必要があると思うんですけれども、条約ではその辺の取り決めをどうするのか。 この三つ、端的にお答えください。あと三分しか質問時間ありませんので、その辺よろしくお願いします。
○説明員(高田稔久君) 先生御質問の国連海洋法条約でございますけれども、政府といたしましては国連海洋法条約を早期に締結したいと考えておりまして、具体的には明年、平成八年の通常国会に提出することを目途に現在政府部内で所要の準備を進めておるところでございます。 排他的経済水域をどのように設定していくのかという御質問につきまして、先生御指摘のとおり、我が国は現在漁業水域に関する暫定措置法により、原則として距岸二百海里または中間線までの漁業水域を設定しておりますけれども、黄海、東海、東海に隣接する太平洋の一部及び日本海西部には漁業水域を設定しておりません。排他的経済水域の問題につきましては現在政府部内において検討を進めておる段階にございまして、御指摘の問題も含めまして、さらに検討を進めてまいる所存でございます。 それから、韓国、中国との関係でございますけれども、御指摘のとおり、現在韓国及び中国両国民に対しましては、漁業水域における外国人規制措置の適用除外を行ってきておるところでございます。 他方、昨年十一月に発効しました国連海洋法条約等を背景に、韓中両国国民に対しまして漁業水域暫定措置法上の規制を適用すべきである等の御意見があることは承知をしております。今後、韓国及び中国と漁業に関する協議を進めていくに当たりましては、このような関係者の御意見をも念頭に置きまして、また我が国周辺への韓中両国漁船の展開状況、それから両国水域へ出漁している我が国漁船への影響及び現在の日韓、日中漁業秩序との関連、さらには日韓、日中関係全般に与えます影響等を総合的に勘案いたしまして検討を進めてまいる所存でございます。 それから、排他的経済水域との関係で漁獲可能量をどう決定するのか、三番目の御質問がと思いますけれども、国連海洋法条約第六十一条で、沿岸国は自国の排他的経済水域における生物資源の漁獲可能量を決定する旨が規定されております。我が国といたしまして海洋法条約を締結し排他的経済水域を設定いたします場合には、右規定との関係が問題になってくるわけでございます。 既に申し上げましたとおり、我が国といたしまして、排他的経済水域の設定問題につきまして現在政府部内で検討中でございますけれども、御指摘の漁獲可能量の決定の問題を含めまして、今後関係省庁とさらに検討を進めてまいりたいと思っております。
○風間昶君 終わります。
○常田享詳君 私にとりましては今回初めての質疑でございます。そういう点で、どうしても確認をしておきたい問題四点、新食糧法、APEC、住専問題、農業基本法についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 なお、先ほど来の質問と重複する部分があろうかと思いますが、再度確認をするという意味もございますので、お許しをいただきたいと思います。 最初に、新食糧法についてお伺いいたします。 第一点目は、新食糧法のもとで生産調整は果たして実効性を持ち得るかどうかという問題についてであります。 同法では政府買い入れの対象が生産調整実施者に限られているので、一応政府買い入れ米の契約の確実性と買い入れ価格によるインセンティブにより生産調整の達成を図ろうとしているのであります。 そこでお尋ねでありますけれども、政府買い入れ米の価格をインセンティブが働く水準に設定し得るのかどうか、そしてその根拠はどこにあるの。か、お尋ねをするところであります。 次に、同法では政府買い入れは備蓄機能に限定されているのでありますから、その量は既に備蓄されている量と売却予定量によって決定されることになるのであります。したがって、生産調整実施者全部が政府買い入れの対象となるわけではなくなるわけでありまして、これでは政府買い入れが必ずしも生産調整のインセンティブとして働くとは言えないのではないかと思うのでありますが、いかがでありましょうか。 ただいま申し上げましたように、このような危惧があるわけでありまして、生産調整を実効ならしめるための措置を講じる必要があると思うのであります。生産調整助成金の水準を相当高目に設定することが不可欠だと私は思うのであります。少なくとも現行を上回らなければならないと思うのでありますけれども、いかがでありましょうか。 また、地域の営農振興と生産調整の関係を踏まえれば、体系的にそのような視点を踏まえたものにする必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。 以上、まずお伺いいたします。
○政府委員(高橋政行君) まず第一は、政府買い入れ価格と生産調整との関係ということではなかろうかと思います。 この点に関してでございますが、新制度におきましては、生産調整を的確に実施していって需給の調整を図るということ、これが最重要課題になっておることは今先生がお話しになったとおりでございます。そういった生産調整の重要性ということにかんがみまして、これは備蓄等という特定の政策目的のもとで買い入れる政府米につきましても、生産調整に参加をして全体需給の安定に寄与しているそういう生産者から買い入れようということにしておるわけでございます。しかしながら、お話がございましたように、やはりこれは備蓄目的ということでございますので、自主流通米を含めた米全体の生産調整を実効あらしめるという点では、政府買い入れ米価の役割というのは数量的にもそれから地域的にも生産者別に見ましても一定の限界があるというふうに考えております。 それでもう一つは、二番目の御質問でございますが、そういう意味で政府買い入れは生産調整のインセンティブとしては働かないんじゃないかということでございますが、新制度では備蓄で百五十万トン、そのほか一定の幅五十万トンで運用するということを言っておるという意味では数量に一定の限度はあるわけでございますけれども、政府買い入れを生産調整実施者から行うということでございますので、先生がおっしゃるように万全ではないかもわかりませんが、我々はやはり一定の効果はあるものというふうに考えておるところでございます。
○政府委員(日出英輔君) 生産調整の実効性確保という問題でございますが、生産調整は先生御案内のとおり、昭和四十六年から四半世紀やっているわけでございまして、今食糧庁長官から御答弁ありましたように、政府買い入れと生産調整のリンクという世界での実効性の確保の問題のほかに、当然のことながら生産調整そのものの中での実効性確保ということは大いに工夫されなきゃいかぬということは御案内のとおりでございます。 私どもは、この実効性確保につきましては、やはり総合的な観点から生産調整の仕組みが実効性確保のあるようにするということが大変大事だと思っておりまして、先生お話しのような生産調整助成金のあり方の問題のほかに、当然のことながら生産調整目標面積を地域別、例えば市町村別あるいは生産者別に数字が決まる過程で、例えば十分に地域間調整なんかが行われているかどうかという問題、あるいは生産調整の手法が生産者にとってとりやすいものになっているかどうか、特にこれから転作強化の過程でできるだけ多くの方々がこういった生産調整に参加していただくための手法に助成がそういう形になっているのかどうか、こういった問題が当然ございまして、そういう意味で目標面積の設定の問題、助成の問題、政府買い入れとの関係、それから今申し上げましたような生産調整の手法の問題等々、総合的な観点からそれぞれ実効性確保のあるようなものにしていかなきゃいかぬというのがまず基本的な考え方でございます。 それからお尋ねの助成の話でございますが、この助成につきまして、私どもは自主流適時代の本格的な生産調整としては初めての生産調整でございます。そういう意味で、きちんとした助成体系をつくるということが一大眼目でございますが、ただ今回そういう意味でいいますれば、特に生産者団体等は今までややもすれば一律的な、あるいは強制的など言うとちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、そういった生産調整が地域なり生産者の自主性を重んじた生産調整になっていくので、だから例えば助成を手厚くと、こういった議論も出るわけでございますが、一方で同じ理由で助成を少なくしろという議論も出てきている状況でもございます。 そういう意味で、私どもは必要な助成は確保するという観点でこれから財政当局とやってまいりたいと思いますが、助成につきましてはこれまでいろいろ地域に応じた、先生お話しのような地域営農という観点からの議論等々で一つの体系がございます。こういった体系を現場で使いこなしていかないとうまくいかないということもございますので、そういった面での目配りも当然にしていかなきゃいかぬと思っております。ちょっとまだ具体的にお話を申し上げる時期でもございませんが、基本的にはそういう考え方でやっていきたいというふうに思っております。
○常田享詳君 次に、適切な政府買い入れ米価格算定方式とは何かということについてであります。 新食糧法は米の価格形成に市場原理を導入することになっておるわけでありまして、したがって自主流通米価格は当面低下の傾向をたどる可能性があるわけであります。そうすると、政府買い入れ米価格が歯どめなく低下する危険性が生じるわけであります。また、同法では再生産を確保できる水準という考えになっているのでありますが、これを担保するためにも、また生産調整を実効あらしめるためにも適切な政府買い入れ米価格設定の方式が求められるわけであります。 そこでお尋ねをいたします。 これらのことを防ぐため下限価格を設定するというお考えはないのかということ、またどのような方式を考えておられるのか、お尋ねをするところであります。
○政府委員(高橋政行君) 今回の新制度におきます政府買い入れ米価でございますが、これは今回の新食糧法におきまして、自主流通米が米流通の主体となるということを踏まえて、自主流通米の価格動向が反映されるものとするということをまず基本としております。それからあわせて、生産コスト等を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として設定していくというふうに規定をされておるわけでございます。 したがいまして、まず何よりも自主流通米を中心とした米の価格の安定を図らないと、この自主流通米の価格が反映されるということになりますから、自主流通米の価格の安定を図っていくことが必要であるというふうに思っております。 したがいまして、そのためには、生産調整の円滑な推進であるとか、あるいは豊作に備えた備蓄とか調整保管を適切に運用いたしまして、数量調整をしっかりと行っていくということが必要であろうというふうに思っておるわけでございます。また、年間を通じた計画流通米の流通が計画的に行われるというようなことでの安定流通の実施が必要であるというふうに思っておりまして、こうした制度を適切に運用することによって米全体の価格の安定を確保していくことではないかというふうに考えております。
○常田享詳君 下限価格の問題は。
○政府委員(高橋政行君) 我々といたしましては、先ほど申しましたように、自主流通米価格の安定を通じた米全体の価格の安定ということを目標にしておるわけでございますが、仮にその価格の低下傾向が続くということで、全体として再生産の確保が困難となるということも考えられるという御意見もあるわけでございますが、そうした場合、生産コストの参酌に当たってそういった事情を考慮しなきゃいけないんじゃないかという考え方もあろうかと思います。 その場合、じゃ御指摘のようなコストを参酌して下限価格を設定するとした場合に、その水準をどう考えるかということになろうかと思います。その水準については、そういう場合には米が過剰な状態であるというわけでございますので、特に生産刺激的になってはならないという要請も当然あるわけで、そういった場合の水準の位置づけをどうするかということではなかなか難しい問題があるのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、我々の基本的な考え方といたしましては、全体需給のバランスを確保する、そして数量調整をしっかりやっていくという措置を効果的に運用していくということが一番ではないかというふうに考えております。
○常田享詳君 それでは、さらに今後の委員会でまた議論を深めさせていただくとして、進めさせていただきます。 もう一点だけ、新食糧法でお尋ねをさせていただきます。 新法の施行は、民間による調整保管において系統農協に大きな負担を負わせるものとなるのではないかという問題があります。民間の調整保管は、その量が少ないと価格維持機能を果たせないので意味を持たないことになるのであります。一方、価格維持のために相当量の調整保管をするには巨額の資金を必要とするのであります。この費用負担は生産調整実施者を含む計画流通米出荷者がすべてかぶるということになります。この結果、生産調整者はもちろん、系統農協はハイリスクを負うことになるのであります。調整保管した結果としての古米化による価格リスクを生産者と業者が負うこととなるのであります。 そこでお尋ねいたしますが、負担を軽減するため、必要な助成措置を講ずるべきと考えますが、いかがでありましょうか。また、講ずるべきとお考えならば、どのようなものが考えられるか、お尋ねをしたいと思います。 さらにもう一点。平成七年産米の作況は一〇二のやや良であり、したがって平成八年十月末には約二百二十万から二百四十万トンの繰越在庫が発生すると思われるのであります。これでは民間備蓄を調整保管する費用負担が重くなり過ぎるのであります。 そこで、お尋ねいたします。 平成七年度米の需給対策として、政府備蓄の積み増し、すなわち政府買い入れ米の量をふやすべきだと思いますが、いかがでありましょうか。もしそうするとするなら、どれくらいの量を考えておられるのか、お尋ねをするものでございます。
○政府委員(高橋政行君) 調整保管に伴います負担の問題でございますが、調整保管は、米が余剰、過剰といいますか、そういう供給過剰の状態になった場合に自主流通法人が必要な数量の米穀を市場から隔離して保有するということで自主流通米の販売環境をよくしてあげましょう、それによって価格の安定を図ろうと、こういうものでございます。そういった中で、負担軽減をすべきであるという御意見もありますし、また一方、調整保管は当然その利益を第一義的には生産者サイドも受けるのであるから、生産者サイドにおいてそういった費用を負担すべきであるという考え方もあるわけでございます。 いずれにいたしましても、我々これから調整保管の仕組みをどうしていくかということを詰めたいというふうに思っておりますので、その中でその助成、支援のあり方につきましても予算編成に向けまして十分検討してまいりたい、こういうふうに思っております。 それからもう一点の政府買い入れ数量を、つまり備蓄数量ということになろうと思いますが、どの程度考えていくのかというお話でございます。 それで、この政府買い入れ、つまり備蓄でございますが、これは民間備蓄も含めまして備蓄の基本数量は百五十万トン、それから一定の幅五十万トンの中で運用をするというふうに考えておるわけでございますが、この備蓄につきましては在庫見通しが今後どうなるかということですが、それが百五十万トンを超えた場合には、その超える部分について先ほど言いました備蓄が一定の幅で運用することになっておりますが、その政府備蓄をどのぐらい積み増しするか、それから自主流通法人が調整保管でどのくらい持ってもらえるかと、両方をどういう分担割合といいますか、にしていくかということで両者を関連づけていきたいというふうに現在考えております。 したがいまして、以上のような考え方に立って、今後ことしのお米の計画出荷米の出荷がどの程度になるのか、それから需給の見通しがどんなふうになるかということを見きわめながら十一月下旬には指針を策定することになっておりますので、その際には七年産米の政府買い入れ数量につきましても検討いたしまして適切に設定をしていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
○常田享詳君 それでは次に、APEC大阪会議について農林水産大臣にお尋ねいたします。 先ほどこの質問がございましたので、簡単にお答えいただければ結構かと思います。自由で開かれた貿易及び投資に関する行動指針の作成に当たって農業への特別な配慮を行うのかそれとも例外なき自由化を貫くのか、先ほど日本政府のスタンスのお話がございましたけれども、この大阪会議の見通しについてお尋ねをしておきたいと思います。 あわせて、例外なき自由化を唱える一部の参加国の発言は、APECの行動原理である協調的、自主的行動に反するものであります。APECは交渉の場ではなく協調の場というAPEC設立の精神に反するものであると私は考えるのでありますけれども、農林水産大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) APECの自由化の進め方につきましては、包括性の原則は維持しつつも、二つの問題が大事だと思います。 一つは、我が国の農林水産業が抱えるような困難な問題をそれぞれの国が持っております。こういうものについて柔軟性を認めるべきだということが一つであります。 もう一つは、今委員から御指摘ありましたように、完全自由化を貫けという、これはケアンズ・グループが主体でありますが、彼らの主張もありますし、同時に、韓国や中国やチャイニーズ・タイペイのように、また我が国もそのとおりでありますが、各国のそういうセンシティブな問題については柔軟な取り扱いをせいという主張もあるわけであります。 ですから、議長国としての我が国の立場は、こういう両方の主張をあわせて調整して実行可能な案をつくることが議長国としてのリーダーシップである、こういうふうに考えます。 そこで、ただいまお話がありましたように、APECは交渉の場だとは委員御指摘のとおり私ども決して思っておりません。これはそもそも自主性とコンセンサスをベースにした会議でありますから、いわばフォーラムでありますから、それが法的拘束力を持ったウルグアイ・ラウンド合意よりもなお前に出るようなことはこれは許すべきじゃない、こういう方針を貴いてまいりたいと思っております。
○常田享詳君 時間がございませんので、先へ進めさせていただきます。 住専問題についてお尋ねをさせていただきます。このことにつきましては、農林水産大臣並びに大蔵省にお尋ねをしたいと思います。 まず、大蔵省にお尋ねをいたします。 住専悪化の要因は不良債権の増大でありますけれども、先般一部公表された大蔵省の立入調査においては母体行からの紹介案件も多数含まれているということであります。住専問題を解決するに当たっては、そのような事実関係を明らかにし、責任の所在やその大きさを明確にする必要があると思うのであります。 なぜならば、もし多数の紹介案件があったとし、さらにそれが意図的な不良債権あるいは不良債権化の懸念される案件の押しつけであれば見逃すことのできないものであるからであります。したがって、大蔵省はそれらの実態について公表すべきと考えますけれども、いかがでありましょうか。
○説明員(振角秀行君) 今のお尋ねに対してお答えさせていただきたいと思います。 一般的に金融機関に対する調査につきましては、対外的な開示というのは前提にしておらないのですけれども、今回の住専会社の経営問題に対する世の中の関心の高さ、あるいは住専問題の位置づけの重さということにかんがみまして、大蔵省としては可能な限りの範囲で開示に努めているところでございまして、既に立入調査によって把握されている不良債権額等につきましては、八社合計ベースでございますけれども、既に九月十四日と十月十八日の二回にわたって公表しているところでございまして、その内容につきましては、住専の不良債権につきましては約八・四兆円、そのうちロスとなる懸念のあるものについては六・三兆円等の数字をお示ししているところでございます。 先生の御指摘は、それ以上にわたって個別の会社についてもよく開示すべきじゃないかということかと思いますけれども、個別会社の経営内容につきます事柄につきましては、従来から守秘義務等の問題もありまして、そこは御容赦いただいているところでございまして、先生の御指摘は重く受けとめなきゃいかぬと思っておりますけれども、具体的な内容について申し上げることについては差し控えさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
○常田享詳君 平成五年二月以降取りまとめられた住専七社の再建計画については、既に公表されているように、大蔵省、農水省間で、大蔵省は農水系統には今回の措置を超える負担をかけないよう責任を持って指導していくとの覚書が交わされております。また、平成七年八月十九日付の新聞報道によれば、大蔵省と農水省の幹部が農水系統に対して計画がきちんと実現されれば、元本ロスが生じることもなく、関係者にさらに負担をかけない、母体行から銀行局に対して、再建計画に沿って責任を持って対応していくとの文書が提出されたとされているのであります。 このような一連の枠組みを考えれば、大蔵省が言うように、保証ではないとか再建計画の今後を縛るものではないとか等、文言の表面だけをとらえた見解は妥当とは言えず、むしろこれら一連の枠組みは関係金融機関と行政における住専問題に係る基本的認識の合意であり、その合意の趣旨は第二次再建計画自体にとどまるものではなく、今後の解決方向を通して基本となっていくものと考えるのでありますが、農林水産大臣の御見解はいかがでありましょうか。 なお、大蔵省にお伺いいたします。 母体行の提出した文書の公表を行うべきと思うわけであります。母体行から銀行局に対して提出した書類の公表ということでありまして、ちまたでは大蔵省や母体行は覚書や母体行の文書は法的に効果はないと主張していると聞きますけれども、もしそのような主張が正しいのであれば、母体行の文書、母体行の役員派遣の実態等すべての事実関係を明らかにし、国会の場で証明すべきではないかと私は考えるのでありますが、そういう面で公表すべきではないかと思うわけでありますが、大蔵省の御見解をお聞きいたします。
○国務大臣(野呂田芳成君) 住専問題の解決のためには、委員御指摘のとおり、この両省間における覚書の趣旨を基本として解決を図っていくべきだという御指摘はそのとおりであると私どもも思っております。 今もお話がありましたが、覚書には、住専の再建については再建計画に沿って母体行が責任を持って対応していくということ、あるいは大蔵省は農協系統にはこのたびの再建計画時の金利減免の措置を超える負担をかけないよう責任を持って指導していくということ等が書かれております。その後、これが契機となって再建計画の合意形成につながり、そして債権回収の動きを見せておりました農協系統側が回収を思いとどまってぎりぎりの協力をしたという経緯があります。 私どもは、こういう経緯を十分踏まえながらこの問題の解決を図っていかなければいけない、こういうふうに考えております。
○説明員(振角秀行君) 先生のお尋ねの点でございますけれども、母体行から銀行局に提出された文書などを開示すべきじゃないかということだと思います。 母体行から銀行局あてには文書は出されております。その趣旨は、再建について全関係金融機関一致しての支援を踏まえた上で、金融システム安定化の観点から再建計画に沿って責任を持って対応していく所存であるという内容となっておりますが、覚書につきましては、両省間の文書でございますので両省間が合意すれば公表できるということで、今回議論に資するために公表しておるのですが、これは民間会社の文書でございますので、我々からはちょっと公表するというわけにはいかないものでございますので、今は趣旨の内容ということで御勘弁をいただきたいというふうに思っておるところでございます。 以上であります。
○常田享詳君 これら住専の問題につきましては、最終的には公的資金を導入するかどうかというところにつながっていくわけでありまして、国民の税金を使うわけでありますから、大蔵省としてはやはり国民が納得できるような資料を、実態をみっちりと国民に理解していただけるような資料を出すべきであって、それを出されないから国民は不信感が高まっていくのでありまして、このことを強く申し上げておきたいというふうに思います。 最後に、新たな農業基本法の策定についてお尋ねをいたします。 農林水産大臣にお伺いいたします。 WTO体制という国際環境のもとで新たな食糧・農業・農山漁村政策を展開しなければならない局面にあって、二十一世紀を展望した新たな農業基本法の策定が急がれると私は思うのであります。 その根拠は、まず第一に、世界的人口の爆発的増加に伴い予測される食糧需給の逼迫に備えるため、基礎的食糧については国内自給を基本とする食糧需給の安全保障体制を確立すること。二番目として、国内的には食と緑の供給、国際的には農業生産資源の最適な利用を実現するため日本農業の持続的発展を目指すこと。三番目に、農村の各種の生活基盤を整備するとともに、一極集中を是正し都市と農山漁村が共生する地域社会を創造することで国土の均衡を図ること。特に、中山間地域の農村は集落崩壊の危機が訪れかねない極めて厳しい状況にあり、新しく農業基本法を策定するに当たってこのことに十分留意する。 以上のような点を考慮して、私は一日も早く新たな農業基本法の策定を急ぐべきであるというふうに思うわけでありますが、農林水産大臣の前向きの御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 御案内のとおり、農業基本法は昭和三十六年に制定されて以来大変年月を経過いたしました。この間、大きく経済社会情勢は変化いたしましたし、国際化の進展も著しいものがあります。御指摘のとおり、そういう面から農業基本法を見直すべきだという意見はほうはいとしてあります。ウルグアイ・ラウンド農業合意の関連対策大綱におきましても、新たな農業基本法の制定に着手すべきだということの指摘を受けております。 そこで、私どもとしてはこれまで資料の収集や問題点の摘出等につきまして鋭意検討を進めてきましたが、この九月に私の相談の相手になってくださる斯界の権威者で研究会をつくりまして、今鋭意その整理をしていただいている次第でございます。 ぜひひとつそれを早急にまとめていきたいと思いますけれども、しかしながら、農業基本法というものはそんなに頻繁に見直すべきものじゃございませんので、これはやはり生産者はもちろんでございますが、国民全体のコンセンサスを得ながらつくっていかなきゃいかぬ。そういう腰を据えた慎重な検討も一方において要求されるわけでありますから、私どももそういうことをひとつ考えながら、ゆっくり、しかしできるだけ急ぎながら頑張っていきたいというのが私の心境でございます。 基本法についてはそのとおりでありますが、同時に、法律と同じように大事なことは、十カ年ぐらいの農産物の需給と生産の見通しをつくって、きちっと農民が不安を感じないようにやっていこう、こういうことで、これにつきましては間もなく発表できる段階に来たということをあわせまして、御指摘のとおり一生懸命頑張っていきたいと思っております。
○常田享詳君 ありがとうございました。 冒頭に申し上げましたように、私にとりましてきょうは初めての質疑であります。最後に農林水産大臣に要望させていただきます、質問ではございませんので。 農林水産大臣もお読みになったと思いますが、今大変注目を集めておりますレスター・R・ブラウンの「飢餓の世紀」という本がございます。その中で食の危機管理を急げということが言われているわけであります。その十六章「ただちに地球食糧安全保障を」という中で、 国際社会は指導力と指針を提供することができるが、人々の運命を決定するのは各国政府である。政府は国内資源の大部分を配分し、人口政策と農業政策を策定し、資源の分配方法を決定する。国際食糧援助も利用できるだろうが、たとえそれを現行水準の数倍に増やしたとしても、需要に比べれば取るに足らないだろう。 ここでありますけれども、 結局は、政府だけが自国民を養うことの責任を担うことができる。 というふうに書かれております。私は大変感銘を受けました。 こういったことで、今日本が抱えている農業問題、非常に危機的状況にあると思います。農林水産大臣、一層の御健闘をお願い申し上げます。 以上で終わります。
○委員長(鈴木貞敏君) 午前の質疑はこの程度といたしまして、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 ————◇————— 午後一時一分開会
○委員長(鈴木貞敏君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続きまして、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○阿曽田清君 平成会の阿曽田でございます。 初めての質問であり、かつまた先輩議員からもうすべて私が取り上げておる問題、大体言い尽くされております。重ねて質問することになるかと思いますが、お許しをいただきたいと存じます。 本日までで食糧管理制度を閉じるということになるわけで、あすからが新食糧法の施行ということでございます。このことは、まさに五十有余年食糧管理制度のもとで日本の米づくりがなされてきたわけでありますが、これからは新食糧法のもとでの米づくりということが始まるわけであります。大変な方向転換であるわけでございますが、米づくりは果たしてどうなるのかと不安な言葉をよく生産者の方々から聞くわけであります。 特に、私は熊本でございまして、西南暖地でもございます上に、特に水田地帯は日本一のイグサの地帯でもあり、かったばこの生産地帯でもあります。そういう観点からいたしますと、どうしても後期の作物という形になってしまっておりまして、自主流通米が非常にウエートが低い産地でもございます。それだけに、今回の新食糧法の施行に当たっては、極めて皆さん方深刻に受けとめておるというのが実情でございます。 したがいまして、この新食糧法の取り組みいかんによっては、手法を間違えれば日本農業の将来を左右する、そう言っても過言ではなかろうかと思います。単なる食糧という観点だけでなく、農業者、農村の崩壊さえも引き起こしかねない、それほど大事な問題だろうと思いますので、万全の対応を講じていただきたいと存じます。 それをうまく持っていくためには、最も大事なのは、生産調整のいかんにかかっておるのではなかろうかと思います。そのことが価格安定、需要と供給の安定につながることでありますが、生産調整の実効を確保せしめるには、一番の問題はやはり助成金ではなかろうかというふうに思います。生産者の意向が反映され、あるいは全員参加のもとで生産調整が実施されるということが一番望ましいわけでございます。地域においてそれぞれ知恵を出し、あるいは共補償をしながらでもやっていこうというそういう意欲もあるわけでございますが、それにこたえた対応というのはやはり助成金のいかんにかかっておろうかと思いますので、大臣のその決意をまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) あすからいよいよ新しい食糧法が施行されることになりましたが、これまでの間、生産者団体や各党の皆様方に大変な御協力を賜りましたことに対し、改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。 今、委員から御指摘がありましたとおり、生産調整の実効を確保することが新しい食糧法のポイントであることは御指摘のとおりだと存じます。 現在、生産調整の具体的な仕組みについて農林省としても鋭意取り組んでいるところでございますけれども、基本的には要約すると三点ばかり大事な要素があろうかと思います。 一つは生産目標についてでありますが、全体需給の調整を図るということを基本としながら、極力生産者や地域の意向を踏まえて調整した上で決定してまいりたいということでございます。二点目は、生産調整実施者につきましては、政府買い入れの対象とするということ等、必要かつ適切な助成制度を講じたいということであります。そして三点目は、生産者が取り組みやすいような多様な生産手法を確立したい、こういうことであろうかと思います。 こういう措置を講じながら生産調整が真に実効あるものになるように、私どもとしても精いっぱい努力を重ねたいと思っております。
○阿曽田清君 大変ありがたく存じますが、四十六年から稲作転換対策というのが行われ出しまして、その時点で、スタートしたときに反当たり三万円以上の奨励措置がなされておるわけであります。今度の新食糧法のもとでの生産調整のいわゆる助成金というのは、やはり導入段階で生産者の方々が協力し得るような単価、むしろ正直者がばかを見ることのないような形の単価設定に押さえていかないと、私は調整達成ができなくなってくるという心配をいたしますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 と同時に、今大臣からお話がありましたように、備蓄米の配分についても、生産調整と整合性を持たせた形で備蓄米も配分するというふうに承ったわけでありますが、そのようなことで解釈してよろしいかどうかということと、先ほど言いました助成金の問題については、私自身例えば水田にトウモロコシを植えたりあるいは牧草を植えたりという形でした場合に、共補償等をやって、その協力する人も大体の線というのは私は三万五千円ぐらいは最低要るんじゃなかろうかなというふうに思うんですが、なかなかまだこれから大蔵省との詰めもありましょうけれども、どのような考えのもとで助成金等の創設を考えておられるか、その二点お聞きをいたしたいと思います。
○政府委員(日出英輔君) 生産調整助成金の話でございますが、先生お話しのように、昭和四十六年度、計画的に生産調整が始まった年は十アール当たり三万二千円でございました。その後、最高額としますと六万円まで上がってまいりまして、この後実は行財政改革の中で転作奨励金からの脱却ということが言われまして、こういった期をかえるたびに助成金の額が減額されてきたということは事実でございます。 今、私どもはこの十一月の中旬ごろまでに転作対策の骨格みたいなことを決めなきゃいかぬと思っておりますが、これはいわば助成単価を決めるということで、そういう意味で言いますれば、この助成単価をどういうふうに決めていくかということになるわけでございますが、ただ、助成単価は、これまでの四半世紀の中で、要するに基本額をむしろ減らして加算的なものをふやしていくという形で出てまいりました。そういう意味で言いますれば、この助成単価はいろいろな加算の全体の結果として平均的な単価が出てくるわけですが、問題は幾つかのオプションみたいなこういったものをどのように地域で選択するのかということによって助成額が違ってくるわけでございます。 端的に申し上げますれば、県別のこの助成金単価の格差というのは、実は最高額と最低額では、最低では県別で見ましても五倍程度の開きがございます。私どものルールからしますと、最高五万円まではできるようになっておりますが、今申し上げましたように幾つかの長い経緯の中でこういった助成金単価の選び方についてかなり地域格差が出てきております。そういう意味で、全体的な単価をどうこうするという議論ももちろん先生のお話のようにございます。 もう一つは、やはりそういったやりやすいもの、選択しやすいものを上手に助成金単価の中から選びまして、地域で農協なり市町村なりが一体的に取り組んでいくというやり方がないと、ある意味では手取り額的な感じからしますとしっかりしたものが出てこないという、こういうこともあるわけでございます。 そういう意味で、助成金単価をどういうふうに決めるかということと、それから今申し上げましたように、これをどのように選択してもらうかということを両面から、今現場にどういう指導をするか検討しているところでございます。
○阿曽田清君 前段の生産調整面積割り当てと整合性を持たせた形で備蓄米の配分もしていただけるんでしょうねということへの御確認を。
○政府委員(高橋政行君) 生産調整の面積配分と政府の買い入れ数量との関係をどう考えるかということでございます。 御承知のように、備蓄は百五十万トンの水準を基本とするということで、政府の買い入れはこの備蓄に必要な数量を買い入れるということにしておりますので、そういう意味では政府の買い入れ数量にはまず一定の限度があるということではございます。それで、じゃ、個々の生産者ごとにその政府の買い入れ数量は具体的にどういうふうに設定するかということでございますが、これは生産者がどれだけ自分が売るかという申し出を踏まえまして決めていこうと、さらに米の実収高がおおむね明らかになりますときにその過不足を調整するという、そういう二段構えでやっていくようにしておるところでございます。そういう意味では、生産調整面積の配分数量、それと政府買い入れ数量の設定というのは直接リンクはしておりません。 しかしながら、先ほど申しましたように、生産者の申し出を踏まえまして政府買い入れ数量を決めるというふうにしておりますので、その意味では生産者の意向が反映されて政府買い入れを行うというふうな仕組みになっておるところでございます。
○阿曽田清君 リンクされていないということでありますけれども、今まで生産調整で大変大きな負担をこうむって実施してきたところ、割と緩和されているところ、これはいつも論議になるところだと思いますけれども、今までそういう米づくり地帯で大量の減反政策に協力してきているところはおのずから自主流通米へ売り込んでいくという努力がなかったのも事実でありますし、過去の経過からいたしまして大変な努力をしてきているわけでありますから、今度の備蓄米については生産調整とある意味では私はリンクして対応することが公平だというふうに思うわけでございますので、どうぞひとつその点よろしくお願いをいたしたいというふうに思います。 次に、政府米の買い入れ価格について、備蓄米でございますけれども、お尋ねいたします。政府買い入れ価格が価格全体の下支え機能を持つという意見もありますが、私は下支え機能を必ず持つとは考えられないわけであります。むしろ、自主流通米の平均価格という位置づけになってしまうのではなかろうかなということを逆に危惧するわけでありますが、それだけに今回の買い入れ価格、いわゆる価格決定は極めて重要であろうと存じます。 価格決定に当たっては、自主流通米価格形成センターでの価格の動向の反映、そして再生産確保等を勘案して決定するということでありますが、このことは極めて抽象的で、私自身どれくらいにおさまるのかよく理解できません。生産者が納得するきちんとした算定方式をもってあらわすべきだと考えますが、いかがなものでしょうか。加えて、再生産を確保することのできる価格というのは何を指して言うのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) 今度の新制度のもとにおきます政府買い入れ価格は、今お話のございましたように、自主流通米が米流通の主体を占めるということで、自主流通米の価格の動向を反映させる、その自主流通米の価格というのは、自主流通米価格形成センターで形成されている価格ということになろうかと思っております。 それからさらに、新法では、生産コスト等を参酌しなさいということで、米穀の再生産を確保することを旨として設定しなさいということでございますので、この生産コストをどういうふうに参酌するのかということがございます。 これにつきましては、現在どういうような算定の基本的な考え方をしたらいいのかということにつきまして、米価審議会の小委員会で議論をしておっていただきまして、近々に結論の取りまとめをしてもらうということで今予定をしておるところでございます。 それで、我々といたしましては、そこではまだ基本的な考え方しか示されませんが、それを受けて具体的に例えば価格の動向はどうとるのかそれから生産コストはどういうようなものを反映させていくのかということにつきまして、具体的な算定方式といいますか方式、それから特に八年産米の価格をどうするかという具体的な水準でございますが、そういうものについて検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○阿曽田清君 またそういう時期になりましてから御議論をさせていただきたいと思いますが、時間がありませんので先に進ませていただきます。 住専の問題、また重ねての質問になりますけれども、基本的な方針をお伺いいたしたいと思います。 私は、住専が設立された経緯、性格、その後の運営、管理等からして、すべて母体行そのものであると思います。したがって、母体行にすべて責任があると確信をするわけでありますが、二十九日の新聞に、公的資金二段階導入が大蔵、日銀で検討されていることが報道されていました。内容は、政府保証や日銀の特別融資による資金繰りを中心とした支援と、債権が回収し切れなかった場合に財政資金を投入するということであります。母体行と農林系金融機関との責任度には触れておりませんで、今後の協議に任せることとなっております。 大蔵サイドから非母体行に一兆円の負担をさせるとの報道がテレビでありましたが、大蔵省がこのようなことを考えているとすれば大問題であると私は思うわけでありますが、先ほどから大臣の極めて明快なそして信頼すべく御答弁があっておりますが、重ねてこの大蔵省並びに今回の新聞情報等につきましてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) この問題の処理につきましては、母体行がぎりぎりの責任を負うべきであるという委員の御指摘については全くそのとおりでございまして、私どももそういう方針で強く臨んでいきたいと、こう思っておるところでございます。 ただいま後半の方で一部報道に載った記事に基づいての御質問がございましたが、私どもは今のところさようなことにつきましては一切伺っておりませんので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○阿曽田清君 次に入らせていただきますが、農業労働災害保険制度、特定農作業従事者、この問題についてお尋ねをいたします。 昭和四十年に特別加入制度が発足いたしまして、平成三年に改正され、特定農作業従事者に係る制度が新設されたところであります。しかしながら、現状の農業経営及び農作業事故の実情を照合した場合、農業労災保険の加入資格の要件や労働災害の業務の認定拡大や業務上外の認定基準が必ずしも農業の実質的動向に即しているとは言えません。 今後、新農政を推進する上でも、雇用労働力を活用した農業経営の展開は欠かせないところであります。安心して働ける農業環境の整備はもとより、農業後継者の確保のためにも、より充実した農業労災保険制度の改正が必要であると存じます。 例えば、危険性を伴う作業だけでなく、自宅から圃場、あるいは圃場から自宅までの通勤災害、あるいは圃場内で起きるすべての事故、業務災害等に適用を広げていただけないものか。さらに、農業も三Kと言われるように、極めて重労働であります。同じ作業を連続してしなければなりません。そういうことから、腰痛やあるいは関節神経痛、いわゆる農夫症と言われる職業病を持つ方々が非常に多いわけであります。そういう業務上外への適用を講じていただくことはできないかということをお聞きするわけであります。 勤労者と同じように、農業者の方々も勤労者並みの水準が受けられるように御配慮いただきたいと思うわけでありますが、御答弁をお願いいたした。いと思います。
○説明員(谷義為君) ただいまの御質問でございますが、労働省におきましては、平成三年度の制度改正によりまして、特定農作業従事者にかかわる特別加入を新設する等、作業の危険性や災害の発生状況にかんがみまして、労働者に準じて保護する必要性が高いと考えられますものにつきましては特別加入することができるよう必要な措置を講じてきたところでございます。今後とも、この制度の適切な運営に努めてまいりたいというふうに考えております。 それから、災害性の腰痛の問題が出ましたのですが、御質問の農作業に起因する腰痛につきましては、一般的には災害性腰痛と非災害性腰痛が考えられます。それで、災害性腰痛につきましては、特別加入者が農作業場におきまして動力機械を用いて行う作業、牛、馬等に接触する作業等の一定の危険を伴う作業を行う場合に発生したものにつきましては、労災保険の適用対象としているところでございます。 しかしながら、非災害性腰痛につきましては、一定の危険性が高い作業について特別加入を認めているという趣旨にかんがみまして、労災保険の補償の対象と現在はしていないというところでございます。 以上でございます。
○阿曽田清君 説明はよくわかりますが、危険性を伴うものだけについて適用ということでは安心して農作業に従事できないんですよ。畑で働いておっていつ足にけがをするか、あるいは竹やぶでけがをするか、転んで頭を打つかそういうのもわからないわけでありますから、どうぞひとつ圃場内における事故等については業務災害という認め方をしていただきたい。 同時に、通勤で軽トラで運んでいきながら事故に遭うというのもよくあるものですから、そういうものまでやっぱり同じ、特別加入であったにしても労災保険適用の中に入っているわけでありますから、内容の充実は一般勤労者に等しいくらいまでは水準を高めていただきたいなというふうに思うわけでございます。 どうぞ農林省におかれましても、労働省の方の審議会あたり等にも強くその点要望していただいて、後継者の方々が、我々も二十一世紀に向かって勤労者と同じような生活環境、就業環境ができているんだというのも大きな励みになりますので、どうぞひとつ労働省並びに審議会等に強く御要請をいただきたいというふうに思います。 なお、どれくらい特別加入者がいらっしゃるかなと思って調べてみましたら、これは農業関係だけじゃなくて大工さんあるいは左官さんやら、いろんな特殊技術を持っている方々を含めまして十三万六千人しか入っておられません。農業者数というのは全国で四百四十万人いらっしゃいますから、それは十三万六千は全部農業者というわけじゃありませんけれども、内訳わかりませんでしたから、仮に全部農業者だったといたしましても三%しか入っておられない。 ということは、内容がまだ乏しいというのが一つの理由ですし、二つ目には、農林省も労働省も対象者に対してこういう制度があるということも周知徹底されていないんじゃなかろうかなというふうに思いますので、いい制度にしていただいてよりPRしていただくと加入者は非常に高まっていくんじゃなかろうかな、そのように思いますので、労働省並びに農林水産省におかれましても、末端へのPR、啓蒙運動も続けていただきたい。 そのためには、先ほど申し上げました、内容がより充実していかなければ、せっかくPRいたしましても加入者は高くならないということになりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、農家の負債対策についてお伺いをいたします。 昨年の十二月、WTO法案と新食糧法案が決定をいたしました折、ラウンド対策として六兆百億円の農業関連対策費が約束され、向こう六年間、新しい事業をするために、従来の農業予算とは別枠として実施することになったところであります。 私は、ラウンド対策は、いわゆる自由化によって打撃を受ける農家に対する救済対策がないのが一つ驚いたところでございまして、あのラウンド対策の合意になりましたときの関連対策の趣旨に、「我が国農業・農村に及ぼす影響を極力緩和するとともに、農業・農村を二十一世紀に向けて持続的に発展させる」ということが記されております。打撃を受ける農民への政策ではなく、農家経営体を育成する方向のみのラウンド対策としか思えてならないのでございます。いわば認定農家や担い手農家の規模拡大や競争力の強い農家育成に重点が置かれてしまっておりまして、それはそれなりに評価をいたすわけでありますが、苦しい農家に対する救済対策というものが見出されておりません。 そこで、現在、農家の固定化負債はどれくらいあるのか、調査されておられますれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) 農家の負債につきましてはなかなかとりがたい面がございますが、農林水産省の農家経済調査等によりますと、一般的な販売農家、これ平成六年三月末でございますけれども、販売農家で見て、借入金が二百六十万円ということでございます。 ただ、これにつきましては、専業農家なり、それから第一種兼業農家、あるいは中核農家等、農業経営の規模、それから内容によってはかなり違いますけれども、押しなべて平均して申し上げれば、今申し上げたとおりでございます。
○阿曽田清君 固定化負債というのは延滞が生じた時点の農家を指すわけでございまして、農林省でその数字を押さえられていないというのは、やはり弱い、苦しい農家というものをどうしようかということに思いをはせておられないんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけであります。 農協におきましては農家のいわゆる信用評価表をつくっておりまして、A、B、C、Dというランクづけをいたしております。A、Bというものはまずまず農業で専業として生計が成り立って安定しておる。Cクラスはその中に心配をし、場合によってはこれは経営指導並びにいろんな手だてが要るというのがC農家。D農家はもういよいよ倒産という農家であります。 これからしますと、A、Bについては支援をしていくけれども、C、D農家はもう知りませんよといったような感じをこのウルグアイ・ラウンドから受けるわけでございます。このC、D農家の実態をよく把握していただいて、そしてやはりその苦しい農家あるいはリタイアする農家、さらにはこのまま踏ん張っていくにしても何らかの手だてがなからぬとやっていけない農家と、いろいろとC、D農家にはあるわけでございます。ですから、このC、D農家の対策を講じていただくことによって私は農村が元気づいてくるだろうというふうに一面思うわけでございます。 現場を申し上げますと、D農家の方にいよいよ延滞もかさんでしまうのでもう支払い命令を下して清算をしようとしたときに、その方はみずからの借金でつぶれていくのは、もう倒産するのはやむを得ないけれども、それに連帯保証をしている方々もともになって整理をしなければならないというような事態が現実でございますから、そういう方々の荷をおろしてやるということが、連帯保証のもとでつぶれていく、ともに清算しなければならなくなっていく方々を何とか支えて、生きていけるという工面をしてやることが私は農村に元気を見出してくれるもとになるんじゃないかなと思うんです。 そのような固定化負債農家の中で、連帯保証とつぶれていく方と、その手だての仕方がおのずから出てくるんじゃなかろうかなと思うんですけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) 農家の負担には今御指摘のようにさまざまなものがあるかと思います。そういう中で、やはり農家の負担によりましては返済が非常に困難だというような農家もおられます。あるいはまた、今後の経営を展開していく上で徐々に返していけるという農家もおられると思います。そういう意味で、今回のウルグアイ・ラウンド対策の中で、先ほどおっしゃいました六兆百億円の中で、農家負債問題が非常に重要だという認識を私ども持っておりまして、六年間で六千億の融資枠を確保してございます。 その中で、三つほどありますけれども、一つは従来の系統資金を借りかえていくもの。それから、公庫資金等でございますけれども、自作農維持資金等において対応すべきもの。それから、スーパーL資金と言っておりますけれども、非常に低い金利の中で対応できるものということで、いずれにいたしましても、従来の農家が持っております負債を借りかえするという意味で、従来にないかなり思い切った対策を講じているところでございます。かつ、その資金につきましても、農家負担軽減支援につきましては二・五%、それからスーパーL資金と言っておりますけれども、農業経営基盤強化資金につきましては二・○%ということで、政策金利といたしましてはぎりぎりのかなり低い水準のもとで、かつ十五年でありますとか二十五年でありますとか、そういう長期のもので対応できるという道を開いているところでございます。 したがいまして、これから、今おっしゃいましたように、意欲のある農家経営ということで、この改善をバックアップするということでこういう資金を御活用いただきまして対応していただきたいというふうに考えているところでございます。
○阿曽田清君 先ほどありましたように、A、Bランクに属する農家群の方々は、今局長のおっしゃっている制度で元気がついていけるんですよ、プロパー資金あたりを借りかえて。ところが、C、D農家というのは、どちらかというともう延滞をしている方々というのが主力でございますから、そういう延滞農家までもその制度が利用できるということであればいいんですけれども、なかなか基準が厳しゅうございまして、事務段階でなかなか上がっていきづらいと。 こういうのが実態でございますので、そういうもう一歩踏み込んで、かわいそうだというようなそういう農家も幾つもC農家、連帯保証の中でつぶれていかなきゃならぬという方々もいらっしゃいますものですから、そういうところまでもう一歩踏み込んだ負債対策をひとつ知恵を出していただければなというふうに思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 最後になりますが、時間がございませんので、今度のウルグアイ・ラウンド対策の中で大変喜ばれておりますのが農道、それから広域農道に対する予算のつけぐあいというのは大変ありがたく存じます。もっと箇所数をふやしていただくということはできないかというのが一点であります。 二点目は、農急遽が揮発油税の目的税でできることになっておりますので、できれば、農免道が一番人気が高いんですけれども、この農免道の箇所なり予算なりをウルグアイ・ラウンドの基盤整備事業の方からも特別対策として向けることはできないものでしはうかどうでしょうかということで、これはちょっと時間のやりくりの中で申し上げて、御答弁を用意されていないかと思いますけれども、お答えできるものであればお答えしていただきたいし、なければ要望にかえたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 農道等が大変地域の活性化のためにも、あるいは農業の生産性向上のためにも大切であるということはもうお説のとおりであります。 ただ、箇所数をふやしますと、限られた予算の中では今度は進行年次が遅くなるという問題もありましてなかなか難しい問題でございますが、六兆百億の中でこれを目に見える格好で活用していくためにはお説のようなことも大事だと思いますから、十分検討させていただきたいと思っております。
○阿曽田清君 ありがとうございました。
○谷本巍君 新食糧法の政省令が閣議決定されまして明日からスタートすることになりました。この政省令がどう運用されていくのか、またこれからつくられるであろう通達等々の策定に向けての政府の考え方について若干伺ってまいりたいと思っております。 初めに、当面する生産調整について伺います。 生産調整の手法の多様化ということで、例えば、水張り減反については昨年実験的に実施したが、ことしも引き続いてやっていきましょうという考え方である旨お話は伺っておるのでありますが、また団体側からは、さらに直播、有機栽培、レンゲ水田等々を初めといたしまして、対外援助米、青刈り、えさ米の問題、さらにはまた備蓄機能田等々の提案がされておるところであります。現在検討中と伺っておりますが、概況的状況はどんな状況なのでありましょうか。
○政府委員(日出英輔君) これから生産調整を円滑に推進していくためには、先生お話しのように、生産調整手法を多様化するという必要があるわけでございます。 本年度六十八万ヘクタールの生産調整、追加的な転作八万ヘクタールを加えまして六十八万ヘクタールの転作を行ったわけでございますが、初めて導入いたしました調整水田はこの中で三万ヘクタールに上るわけでございます。新しい対策におきましても調整水田は引き続き導入していきたいと思っておりますし、また、活用の仕方についてはもっと幾らか大きな工夫の余地があるように思います。 そういう意味で、現場でどういう形で活用していただくのかというのを含めまして調整水田の議論をしているわけでございますが、そのほかに、先生幾つかお挙げになった中で、例えば有機米あるいは直播といったようなことで、これはその地域で減収が確実であるというようなものでございますが、そういったものも試験的にこういった生産調整手法の中に取り入れていくということを今できないだろうかという検討を実は急いでいるわけでございます。 ただ、この生産調整の手法につきましては、これまでも二十五年やってまいりました中で、特に私どもが非常に悩んでおりますのは、生産調整であるかどうか、したかどうかという現地の確認、これは市町村が行うわけでございますが、この確認がきちんとできませんとなかなか生産調整手法にならないというもう一つ悩みがございますので、この辺も踏まえながら今検討を急いでいるところでございます。
○谷本巍君 そこで大臣に伺いたいのであります。 水張り減反もそうですけれども、今話が出ました直播、有機栽培あるいはまたレンゲ栽培にしても環境保全にかなった手法なんです。これからの農政の基礎に据えていかなきゃならぬのは、やっぱり環境保全にかなう持続可能な農業づくりということと、もう一つ大事なことは、全体として食糧安全保障の手法にかなったものを積極的に取り込んでいくということだろうと私は思います。 この点は、生産調整のやり方にしてもそうなのでありまして、こうした問題というのはこれからの農政の基本ともかかわってくる問題でありますので、ひとつ大臣も積極的にその辺指導していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 地球的な規模で環境保全が叫ばれている中で、農業は最も環境と調和のとれた産業である、こういうふうに思います。委員御指摘のとおり、これからの農業はそういった環境保全型の農業を持続していく必要が何よりも大事である、こういうふうに思います。 そこで、私どもとしては、平成四年度から環境保全型農業推進のための計画的な取り組みをしておりまして、都道府県や市町村段階における環境保全型農業の推進の指導、実践について着手したところであります。それからさらに、平成六年四月から環境保全型農業推進本部を省内に設置いたしまして、その積極的な推進の強化を図ったところでございます。いずれにしても、大変大事な御指摘でありますから、十分意を注いでまいりたいと思います。 なおまた、私は、日本の穀物自給率がたった二二%という先進国で最も貧弱な自給率しか持っていないという点から、御指摘のとおり、食糧の安全保障という点にもっともっと積極的に取り組んでまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○谷本巍君 その点は、大臣、薦とお願いを申し上げておきたいと存じます。 生産調整で、この多様化問題と同時にもう一つ大事なのは、行政と関係団体が一体的になってこれを推進するということだろうと思います。 この新法では、第一種の出荷取扱業者を従来許可制であったものを今度は登録制にしている。登録要件にしても、十戸の農家以上から米が集荷できて、総量で言うと二十トン以上集荷できればそれでよろしいと。言ってみるならば、ちょっとした大きな米作地帯でしたらだれでもその資格は取得できるというような格好にしようとしているわけであります。 これまで、一部のやみ業者で申し上げますというと、農家に対して生産調整はやるなと、おれたちは全量買い取ってやるよと、そのかわり値段は一割引きとか値引きでもって売ってくれというような例というのはかなりあったんです。これは、新法でこの種の例がふえていく可能性というのがかなりあると見ていかなければなりません。しかも、量販店がそういうことをやり出したら、これは生産調整は成り立ちませんよ。土台から崩壊をしていかざるを得ません。 そういう事態にならないように、通達それから行政指導等をもって当たっていくというぐあいに食糧庁は言ってきておられるのでありますが、その内容について簡潔にひとつお答えをいただきたいのです。
○政府委員(高橋政行君) 新制度のもとにおきましては、生産調整の円滑な推進によって全体需給の調整を図るということは、これは何といっても必要なことでございます。 このために、生産者から計画出荷米の売り渡し等を受けまして、その出荷を取り扱うことによりまして、計画流通制度の一端を担っております第一種登録出荷取扱業者、この業者につきましては、生産者団体と同様に地域ぐるみで取り組みます生産調整に関しやはり所要の役割を担っていただくということがどうしても必要ではないかと思っております。したがいまして、第一種登録出荷取扱業者の生産調整関連業務につきましては、こういった趣旨を新食糧法の施行通達に盛り込むことといたしたいと思っております。 具体的には、生産調整の円滑な推進のための協議会等への参加であるとか、あるいは生産調整の事前調整活動から実施状況の確認に至る一連の生産調整関連業務の具体的内容、役割分担、そういったものにつきましては、さらに詳しく生産調整対策の大綱を決定いたしますので、その後に出します関連通達の中で明確に規定いたすことにしております。
○谷本巍君 これはきのうの日本経済新聞でありますが、見出しで言いますと、「コメ自由化まだ不十分 新食糧法は過渡的措置」と。中身でちょっと紹介しておきますというと、「減反では「スーパーと栽培契約を結んだので、来年度の減反には応じられない」という農家も出始めており、変革スピードは速い。」と。あといろいろなことを言っておりますけれども、やっぱり完全な自由化体制というぐあいにしたいという側がどう見ているかということをこれは端的に示しています。 ですから、全量管理の時代でしたら割と行政はやりやすいのだが、部分管理に移行していくわけでありますから、締めるところはぴしっと締めていきませんとこの法律はもたない、そういう性格を持った法律だと私は思います。 でありますから、今、長官がお答えになったこと、これはきちっとやっていただきたいと思うし、さらにここで具体的な要望を二つだけ申し上げておきたい。 一つは、推進協議会の中に商系の皆さんにもきちっと参加をしていただくということだけではなしに、配分であるとかあるいは確認作業等へきちっと参加をしていただいて、実際に手伝ってやっていただく、お客様じゃなくて。これをひとつお願いしておきたい。 それから二つ目は、誓約書ぐらいひとつ出してもらうといったようなことぐらいも検討してもらえないかということを申し上げておきたいのだが、いかがでありましょうか。
○政府委員(高橋政行君) まず、我々といたしましても、先ほど申しました生産調整関連業務と申しますのは、各地域に協議会というようなものを設置して、そこで生産調整について円滑な推進を議論していただくというふうに考えておりますが、そういった場にも商人系の皆さん方も参加してもらえるようにしたいと思っておりますし、あるいは面積の決定に当たっての事前調整、あるいは途中での計画の策定指導であるとか実施状況の確認であるとか、そういうようなことにつきましてもしっかりと書き込んでいきたいと思います。 それから、こういったことの指導でございますが、我々といたしましては、各県それから市町村にも徹底を図ることによって指導の実は十分に上げられるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○谷本巍君 誓約書ぐらいひとつ出してもらうようにしてみてはどうなのか、そうしたことも検討してほしいというぐあいに申し上げましたが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) 我々、誓約書というところまでは現在のところ考えておらなかったわけでございますが、市町村段階に至るまでの指導の徹底ということを通じて、今申し上げましたような業務をしっかり出荷取扱業者にやっていただくようにしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○谷本巍君 しっかりやっていただきたいといっても、きちっとした一定の縛りがないとうまくいかないという場合もあるわけですから、その辺のところも含めてひとつ検討いただきたいと思います。 次に、生産調整の面積についての都道府県別配分について伺いたいと存じます。 飯米農家は対象にしてくれとか、あるいは米作地で言いますというと傾斜配分ですね、これを守ってくれといった声等々があります。 同じ米作地帯で見てみますと、例えば北海道を例に挙げますというと、かつてはここは政府米の主産地でありましたが、最近は自主流通米の最大の主産地に変わってきているという状況がある。さらにはまた、北海道の場合は稲作主業農家が非常に多い、この点も他の県と違った点であります。そして、規模拡大も進み、低コスト農家の占める比重が他の都道府県よりも非常に大きい。ところが、この北海道の生産調整の面積割り当てが何と三九%なんです。いろんな府県の皆さんから面積配分の話を随分伺ってまいりましたけれども、どうも北海道はこれひど過ぎるなというのが実は私の印象であります。 やっぱりこの機会に、新しい法律に基づいた新しい生産調整のスタートをしていく際に、きちんと配分の公平が確保できるようなそういう視点に立ってひとつ工夫願いたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(日出英輔君) 生産調整目標面積の都道府県別配分の具体的なやり方につきましては、先生今お話しのように転作率がかなり高いところではある種の過重感といいましょうか、そういうものがございまして、これを極力低くしてくれ、こういうところは先生お挙げになりましたような北海道のほかに都府県の中でも何県もございます。 一方で、低い転作率のところにつきましては、おっしゃるように傾斜配分を守ってくれといったようなことでそれぞれ実は実情がございまして、ある種の方向が違った方向で出てくるわけでございます。 私どもの方といたしますれば、当然のことながら新しい対策は今までのような一律的な、あるいは言葉を選ばないで申し上げますればやや強制感もあったようなところを極力直して、生産者なり地域の自主性ということを基本にした形で経済的な形の中で誘導していくと、こういうことを考えているわけでございまして、もちろん都道府県別の配分、あるいはさらには市町村別、生産者別を含めて、この目標面積の配分というのは非常に大事な位置づけになってくると思っております。 ただ、二十五年やってきました中で、今お挙げになりました北海道で言いますと、最高四九%まで上がったものを徐々に下げてきた。私どもは、ある意味では政策的に下げてきたというふうに言っていいかと思っておりますが、そういう努力の中で、ただいま全国平均が二四%程度のところで北海道は三九ということでございます。 私どもとすれば、そういったようないろいろな各地の要望もございますし、今までの二十五年の経緯もございます。一挙に都道府県別の配分について全部やり直して、根っこからというわけにもなかなかまいらないところは御理解賜りたいと思います。 いずれにしましても、これから集中的にこの配分についてのいろんな議論をしていただきまして、この中で各方面でいただきました議論を整理しまして、この配分についての考え方をきちんといろいろ出しながら、数字の最終的な決定をしていきたいというふうに思っております。
○谷本巍君 生産調整の最後のところで、大臣に助成問題について伺いたいと存じます。 話を伺ってまいりますというと、大蔵省はいまだに生産調整奨励金からの脱却といったような考え方が残っているというお話であります。全量管理のもとでも、生産調整の一〇〇%達成というのはこれまで行政も何回も四苦八苦しながらやってきたのであります。今度は全量管理が解かれる、そしてペナルティーも廃止された。そして、先ほど言った例で言いますというと、一種出荷取扱業者にしても、従来のやみ屋さんでもそれになることができるような状況が生まれてきたというような状況ですから、やっぱり助成金誘導型でやっていきませんと、どうも生産調整は非常にやりにくいんじゃないのかというぐあいに思います。 しかも、面積は拡大しなきゃならぬ。現行の水準は、一時から比べますというと四分の一の水準になっている。面積を広げるときには、何といいましょうか、高単価の転作というか、そういうものも取り込んでやらなきゃならぬわけでありますから、結局大蔵との交渉でもって生産調整の成り行きが決まっていくのじゃないのかという気がしてならないのであります。 この新法の骨格をなすのは生産調整の成否でありますから、新年度でこれがつまずきますと、これはもう後は事態収拾が非常に難しくなっていくわけでありますから、助成確保についてのひとつ大臣の決意なるものをお聞かせいただきたいのです。
○国務大臣(野呂田芳成君) 新食糧法のもとで生産調整を実効あるものにするためには、やはり御説のとおり生産調整の助成制度を充実させることが非常に重要な課題の一つである、こういうふうに私どもも認識しております。 したがいまして、現在その作業を急いでいるところでありますけれども、さらに生産者団体、地方公共団体等の関係者の意見を十分お伺いするとともに、今後財政当局とも積極的に折衝しながら、必要かつ適切な助成制度の確立について頑張ってまいりたい、こういうふうに思います。
○谷本巍君 助成の問題については、また最後の部分で大臣に伺いたいと思います。 先に進ませていただきます。 次は、自主流通米価格形成センターについてであります。 長官、私の方もできるだけ手短に質問いたしますので、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思います、お尋ねする事項がたくさんありますので。 新しい法律の政令はセンターの売買参加者に一定の要件を満たす第一種登録出荷取扱業者と登録小売業者に新たに参加の道を開くというようなことにいたしました。長官、この項は運用に当たっては慎重には慎重を期してほしいんですよ。これを無差別にやっていきますと、上場数量がふえる、したがって回数もふえる、そして指標価格形成の場がいつの間にか米穀取引所的性格なものに変わっていくという可能性を含んでいるからであります。さらに、小売やそれからまた単協などを入れた形でもって取引をやっていきますというと、そこで実現された価格なるものが果たして指標価格としての卸売価格と言えるのかどうかといったような問題さえ出てくるわけであります。つまり、小売や単協の参加というのを、無制限というのか、限度を超えてやり出しますというと、新法が定めた指標価格形成センターなるものが自己否定になっていく可能性が高いということであります。 でありますから、一定の要件というのはどういう要件を定めようとしているのか、運用についての考え方、簡潔にひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生からもお話がございましたように、価格センターの入札取引につきまして、流通ルートが多様化したということで、一定の要件を満たす第一種登録出荷取扱業者とそれから登録小売業者の参入を認めるということで必要な規定を整備したところでございます。 さすれば、一体全体どういう参入要件にするかとかそれから時期はどうするかとかという問題があるわけでございますが、センターの業務、民間の商取引に係るものでございますから、その円滑な運営を図る上で、やはり何よりも当事者である売り手、買い手の皆さん方の理解のもとに方向づけをしていかなきゃいけないというふうに思っております。 それで、この場合、七年産米については既にもう入札取引が始まっておりまして、これはもう九月からやっておるところでございますし、それから今回いろいろと規制緩和がされましたが、そういった動向が一体どうなるのかということももう少し見きわめていく必要があると思っております。したがいまして、八年産米の入札取引から新規参入を実現するという方向で考えておりまして、今後、センターにおける円滑な入札取引の見地に立ちまして、具体的な参入要件についても関係者と十分に調整してそれで決めていきたいというふうに思っております。
○谷本巍君 そうしますと、長官、指標価格形成の場というのを変質させるようなことは絶対にないというふうに伺っておいていいんですか。
○政府委員(高橋政行君) 法律におきましても、この自主流通米価格センターというのは自主流通米の取引の指標とすべき適正な価格の形成を図るというふうに書いてありますし、そう位置づけられておるわけでございますので、我々これから具体的な運営の方法を議論いたしますときにはこのことをしっかりと踏まえてやっていきたいというふうに思っております。
○谷本巍君 くどいようですが、重ねてもう一つだけ指摘をさせていただきますと、単協の参入というのをやりますと、これはやり方にもよりますよ、ちょっと多目にやっていきますというとこれは共販体制の崩壊、そういう状況をつくっていく。運賃にしましても金利にしましても、保管料等の共同計算のシステムがそれによって崩れていくからであります。これまでのことで言いますというと、農協の共販体制というのがあって共補償も含む生産調整体制が築かれてきたんですね。それが崩れるということなんです。ということは、新法の大目的にしている生産調整をきちっとやろうという基本どころも否定しかねないという問題点も含んでいるわけであります。 大型単協を参入させたいという考え方については、例えば新潟県でいうと魚沼のコシだとかあるいはまた村土地方のコシだとかそういうものを直接上場していくのにはといったようなお考えもあってのことやに伺ってまいりましたけれども、だったとすればこれは現行制度の地区別区分上場をやればいいんですよ。やれるんですよ。 でありますから、そうした点も含んでひとつきちっと当たっていただきたいということをお願い申し上げ、そしてこの問題のもう一つの問題として、センターの運営については上場数量、それから回数、値幅制限等々、指標価格形成の場として一定の限界といいましょうか、そこのところをわきまえた運営をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生からお話がございましたとおり、我々、法律に定められましたこのセンターの役割ということは十分踏まえなければならないと思っておりますし、またこの制度の安定性ということも配慮していかなきゃいけないというふうに思っております。これまでの経験、実績の上に立ちまして、今後十分論議をして決めていくという態度が必要であるというふうに思っております。
○谷本巍君 自主流通米価格形成センターの最後に伺いたいのは、取引指標の基準価格の設定についてであります。 最近行っていますのは前年度の最終取引価格の底値、または年間の平均というようなことで新たな年度のスタートをしておるのでありますが、果たしてこれが今の時代に現実的なのかなという点について私疑問を持っております。 というのは、以前の米の作柄でいいますというと四年ぐらいの刻みといいましょうか、それで変動してきているという経過がありました。ところが、最近はそれが非常に短縮されたところか、史上最大の凶作の翌年に史上第二位の大豊作がやってくるといったような状況になってきているわけでありますから、しかもそれはどうも異常気象の時代に入ってきたのではないかと思われる節が高いわけでありますから、そんな点を含めますと、やっぱり前年度の最終回の底値ないしはまた年間平均というのはちょっと非現実的になってきたなと。例えば過去三年間とかそういったようなとり方をしないというと法律が目的とする価格の安定というのとは違ったものになっていきはしないのかなというふうに思いますが、その点ひとつ検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) 入札取引におきます基準価格に関係してでございますが、これは六年産までは今先生からお話がございましたように三カ年の指標価格の加重平均ということで三カ年平均をとってきたところでございます。しかしながら、本年この辺についていろいろ議論がございました。というのは、一つは直近における需給動向や品質評価がより的確に反映されないのではないか、また前年産価格との連続性に欠けるということで端境期の流通が円滑に行われないというおそれがあるんではないかというような議論がなされまして、見直しをしてはどうかということになったわけでございます。 その結果、前年産の最終回または前年産の指標価格の加重平均ということを基準にして定めましょうということになったわけでございます。そのときも、前年産の最終回のその価格どんずばりで決めるのはおかしいのではないか、やはりそこには少しの考慮事項がいろいろあってもいいんじゃないかということで、需給事情その他の経済事情も参酌して定めようということにしたわけでございまして、我々としては今後の運用を見守っていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、基準価格につきましては、売り手、買い手関係者が今後の取引上の運営実態を見ながら必要に応じて検討していくということも必要なことでございますので、十分そういった立場に立って指導をしていきたいと思っております。
○谷本巍君 次に、政府買い入れ価格の問題について伺います。 時間がなくなってきておりますので、前置きを抜きにして申し上げます。 米価審議会の小委員会の検討状況、これを踏まえながら考えてみますと、どうも指数化方式的な形でもって算式をまとめたらどうなのかという意見が有力視されるというし、それを前提としますとどんな算式が想定されるか。私が思うには、基準価格というのを決めて、そしてこれに自主流通米の需給価格の動向を指数化したものを掛けていく、そしてさらに生産費の動向についてはその指数を掛けていくというような算式になっていきはしないのかという気がしてなりません。 私はそうなるだろうというふうに見当をつけている見当が間違いだったらありがたいのでありますが、もしそういう形のものが仮につくられるとすると、長官が先ほど言われておったコスト反映というものと似て非なるものになっていくだろうという気がいたします。 といいますのは、コスト指数というのは、物価、労賃が上がる時代と下がる時代と違ってくるんですね。物価も賃金も上がらないという時代になってきますというと、このコスト指数というのは専らマイナス要因として働いてくるんです。 新法づくりの過程の中における論議を振り返ってみますというと、需給価格ではこれは生産調整の取り組みを促すということにはならぬと、やっぱりコスト補償的価格にしなきゃしょうがないじゃないかという議論があって、そういう状況の中で、需給価格を基本としながらも参酌事項として生産条件を加味し、そして再生産の確保が可能な価格にしていくんだというぐあいになってきたわけです。つまり、下げ要因としての生産条件の参酌といったような考え方はこれまでの論議の中には全くなかったんです。 でありますから、この際お願いをしておきたいのは、コスト確保を含めた再生産の確保、そういう理にかなった算式を考えていただきたいということを申し上げておきたいのだが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) 新制度下における政府買い入れ米価につきましては、現在米価審議会の小委員会におきまして算定の基本的な方向づけ、まだ具体的にはどういう算定にするかということまでは決まりませんが、基本的な方向づけということで取りまとめていただいておるところでございます。 その中でいろいろ出ている意見としては、できるだけ客観的な算式、そういうものにしていくことがいいんじゃないかというような議論は出ていることは事実でございます。我々といたしましては、これから政府買い入れ米価の具体的な算式あるいは仕組みをどうしていくかということについては、今回の小委員会ではそこまでは踏み込んでおりませんので、そういった検討、方向だけでございますので、そういう方向を踏まえまして、関係方面の御意見も伺いながら価格決定に向けまして十分にその内容を詰めていきたいというふうに思っているところでございます。
○谷本巍君 長官、なぜコストを補償し得る水準でなければならないのかということですけれども、これは新しい法律の性格からすると、私はそうならざるを得ないと思うんです。例えば食管法の場合でしたら農家に対して売り渡しの義務を課している。したがって、買い入れ価格はコスト補償をうたわなければならないというような関係にあると言われてきましたね。じゃ、新法の場合はどうなのか。生産調整実施農家が政府へ米の売り渡しを予定した、出来秋になって不作で自主流通米価格が上がった、そういう状況の中でも当初の表示価格でもって売らなきゃならぬような仕組みにしているわけでしょう。そうであってみるならば、やはりそこにはコスト補償という概念がなければだめだという点ははっきりしております。 それからもう一つ申し上げておきたいのは、豊作の年には黙っていても政府に米は集まってくるんですよ。ところが、肝心なのは不作の年ですね。不作の年にも政府が備蓄を行っていく上で一定量が確保できるようなそういう状況にしていかなきゃならぬ。そのためにはやはりコスト補償といったような考え方というのが入った米価でなければ理に合わないと私は思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) ただいまお話がございました政府の米の集まり方と価格との関係でございますが、我々の今後予想するところでは、例えば不作というような場合には当然全体として米が足らないということでございますので、政府が持っております備蓄米も供給せざるを得なくなるというような意味におきましては、そのときには百五十万トン備蓄を持っているとすればそこの中からも放出していかなければいけないというようなことになろうかと思いまして、いわゆる百五十万トンの基本線がそのときには確保できないというか、少なくなる。それで、次の生産のときにそれを復元するような計画を立てていくということではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、我々はこのコストの面の参酌をどのようにしていくかということにつきましては米価審議会の小委員会での御議論も踏まえ、今後具体的な算定方式を定めていく場合によく検討をしていきたいというふうに思っております。
○谷本巍君 次に、米価審議会の問題について伺いたいと存じます。 九月二十九日の閣議決定である「審議会等の透明化、見直し等について」の文書を読んでみますというと、各種審議会の人選問題については、当該省庁出身者は原則として任命はしない。やむを得ず任命する場合は、会長等に選任をしないといったようなことが述べられております。またさらに審議会の公開問題について触れておりまして、そしてまたその中では、さらに議事録の公開なども行う。そして、運営の透明性の確保に努めていくんだといったようなことが述べられております。 それからしますと、米価審議会の場合は会議は非公開である、議事録も発表しないというような扱いで来ておりますし、さらにはまた委員の任命でいいますというと、農林水産省のOBだけじゃなくて、大蔵省を初め主たる関係官庁のOBの皆さんなども審議委員に学識経験としてずらりと顔を並べておられるといったような状況等々があります。 九月二十九日の閣議決定を受けて、一定の見直しが必要になっているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野呂田芳成君) 米価審議会の所掌するところは、国民の主食であり我が国の基幹産業であります米麦についての価格決定という、消費者にとっても生産者にとっても大変大事なものを決める役割を担っているものでございます。 審議会を取りまとめる会長は、したがって理論的にも実務的にも精通した人でなければいけない、そしてまた、一方の立場に立たないで中立公正に会議を取りまとめる人でなければいけない、そういう人が任に当たることが適切であると考えております。 したがいまして、今後委員の改選や会長の互選の際には、こういうことも考慮に入れながら、一方、閣議決定は尊重されるべきでありますから、それも踏まえつつ適切なあり方について真剣に検討してみたいと、こう思っております。
○谷本巍君 大臣、二十九日のこの閣議決定を機械的に米審に適用したらいいだろうとは私自身は思っておりません。 例えば、私もかつて米価審議委員を長い期間やらせていただきましたけれども、農林水産省出身のOBの方で、言ってみるならば、僕ば昭和二十四年の米審の設立時期からずっと知っておりますから、歴代米審会長じゃこの人が一番すばらしいなと思うような農林省OBの審議会長だってあった経験があるわけであります。ですから、私は機械的にやれとは申し上げてはおりませんけれども、しかし閣議決定が言っていることはなるほどと思うようなところが多いわけでありますから、その点ぜひひとつ配慮しながら御検討いただきたい、こう思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) ちょっと答弁漏れがあったようですからつけ加えておきたいと思います。 私が慎重という言葉をあえて入れましたのは、今委員御指摘のような事情もありますし、閣議決定の中でも「やむを得ず省庁出身者等を一般の審議会の委員に任命する場合においては、特別の事由のない限り、当該一般の審議会の会長等に任命又は選任しない。」と、こうありますが、先ほど私が申し上げたような事情から、特別の事由に当たる要素がないかどうかということについて、まだ閣議決定の特別の事由というのが実際ははっきりしておりません。ですから、この取り決めた衝にある者と十分折衝しながらやっていきたいという意味も含めて申し上げた次第でございます。 それから、御質問には議事の非公開の問題もございましたが、先ほど申し上げたとおり、米麦価の決定ということは大変生産者、消費者の利害にかかわる重要な問題であります。そこで、審議の場で各委員の自由闊達な発言を確保したい、こういうことで実は米価審議会令の五条で非公開ということを法令で定めがあるのでございまして、それに従ってやってきたと、こういうことは米価審議会委員をなさっていただいた谷本委員にはよく御承知いただいているところでございます。 しかしながら、我々としても、なるべく会議の透明性を確保したいということで、会議終了後は議事の概要について直ちに記者会見で説明するなど、透明性を確保するために努めてきたわけでございます。しかし、改めて閣議決定という大変大事な御指示がおりましたから、できればひとつ要旨の公開等は、非公開でやる場合にでも要旨の公表ぐらいはしろと閣議決定で書いてありますから、要旨の公表について実施したい、こういう方針で今審議会とも協議している次第でございます。
○谷本巍君 大臣、この問題は時間がなくなったから余り申し上げることはできませんけれども、例えば議事録の公開ですか、透明性を言うならね、そのぐらいのことはきちっとやっぱりやらなきゃしょうがないこと等があるわけでありますから、ひとつ十分なる御検討をお願い申し上げておきたいと思います。 もう一つ、暴落対策を伺いたかったんですが、時間がなくなってしまいました。最後に、大臣にもう一度財政対策について所見を伺いたいと存じます。 全量管理を廃止しまして自由化のような状況にしていけば、音やった間接統制のようなやり方があるし、それから生産調整に不足払い制度などをかみ合わせたような形でやるという方法もあります。これでやりましたら膨大に金がかかるんです。これまで行革審などに対して農林水産省の幹部の皆さんが何と言ってきたか。それは自由化すればするほど政策費はかかりますよと、それでいいんですかということを言ってこられた。私もそれはそのとおりだろうと思います。それにしても、この新食糧法というのは上手に国家管理の手法を残しながら、実に安上がりで上がるような仕掛けでやっていますね。しかし、今までよりはそれは緩めた分だけ財政負担はかかるはずですよ。 例えば、全量管理下の生産調整あるいはまた正規流通の確保ということにしたって、全量管理時代より金をかけなきゃうまくいかないですよ。ですから、その辺をきちっと踏まえていただきたいということ。つまり、新食糧法がうまくやられていくかどうかというのは、これはもう金次第だと言ってもいいように思うんです。 ウルグアイ・ラウンドは米に始まり米で終わったわけですね。そして公共事業費等で言うならば、六兆百億の事業費を積み上げたんですよね。実はあのときに米の管理問題についての財政負担を議論すべきであった。残念ながらこっちの方がきちっとまだ用意ができていなかったから一緒にやれなかったという経過があったわけであります。 ともかくも、シーリングの枠組みにとらわれておったんじゃ、これは新法をうまく運んでいくことはできません。でありますから、これはもう与野党も含めて財政対策については政治レベルでもって大蔵と話し合いをしていかなきゃならぬ、そういう状況に私はなっていると思うのです。 ぜひ大臣、そのために私どもの先頭に立っていただきたい。その決意をひとつお聞かせいただきたいのです。
○国務大臣(野呂田芳成君) 今大変大事な御指摘、御助言をいただきました。いろいろな措置をやるために財政支出の確保は不可欠なものでありますから、私どもも財政当局と真剣に折衝を重ねて確保したいと思いますし、委員の皆様方におかれてもよろしくひとつ御助力を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。
○須藤美也子君 まず最初に、大臣にお尋ねしたいと思います。 漁業も林業も衰退の一途をたどって、そして今また日本農業の大黒柱である米までも輸入自由化にさらされる、こういうもとで日本農業はかつてない重大な岐路に今立たされている、このように考えます。 そういう中で、せんだって秋田に行きました。大臣の地元でありまして、大臣は朝日新聞のインタビューに答えてこうおっしゃっています。国民の主食だけは自由化してはならないのではないか、そしてさらに、六年間で再交渉したい、このように述べておられます。この点については我が党と一致しているわけであります。しかし、問題はこれをどう実行するかだと思うんです。 大臣、主食である米をWTO協定から外すためにどのような対策を考えていらっしゃるのか、まずその点についてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 大変大事な問題でございますから、少しだけお時間をいただきたいと思います。 今、輸入国は絶えず輸入義務を提供する義務を条約等で負わされております。しかし、輸出国家は輸出について一切義務は付せられておりません。食糧が困っても輸出しない自由があるということに我々は着目しなければいけないと思います。したがって、この食糧問題は輸出国の論理だけで片づけられることは極めてこれは不公平な取り扱いである、私はまずこの点について改めて言うべきじゃないか、こういう片務的な条約は改めるべきだと、心から実はそう思っております。 もう一つは、国連の推計によりましても、西暦二〇〇〇年に人口は六十二億、西暦二〇五〇年には百億に達すると言われております。しかしながら、一方においては農地は十三億ヘクタールしか地球の上にありません。専門家の推計でも、どんなに頑張っても三億ヘクタールこれからふやせるかどうかだと言われております。そうしますと、平均して一人当たり二百十キロぐらいしか穀物が配給できないだろうという推計もあります。 そういう時代にありまして、我が国の食糧自給率は平成三年、平成四年は二九%、平成五年は二二%という先進国で最低の自給率でございます。また一方、毎年地球の上で農地が砂漠化していくのは六百万ヘクタールでございまして、日本の農地の一・二倍の農地が毎年毎年砂漠化しているという惨状でございます。 そういうことを考えれば、私は、この主食だけは自給しておくことが大事だ、こういう趣旨でこの六年間に再交渉すべきだということを言いました。その趣旨は、ウルグアイ・ラウンドでは六年目に七年後以降の問題について再交渉するということが決められておりますから、六年間にそういうことをやると言った意味は、六年目にそういう折衝を、私がこれから六年間農林大臣をやっていられるかどうかわかりませんけれども、とにかくやっていようがいまいが、私はそういう再交渉を強力に推進したいという自分の信念を吐露した次第でございます。 そしてさらに、二カ月前に豪州やニュージーランドと閣僚会議がありましたが、その際でも私は、輸出国側の論理だけ主張するのはどうも納得できない、だから主食については私どもはもともとウルグアイ・ラウンドから外すべきだという信念を持って主張しているので、さらにウルグアイ・ラウンドを飛び越えてAPECで自由化や関税の引き倒しを要求するようなことには絶対納得しないという信念を吐露して帰ってきた次第でございます。 これからもFAOとかいろいろな機会がありますから、ひとつぜひ自分の信念を吐露してまいりたい、ぜひひとつ委員の御支援もお願いしたい、こう思っている次第でございます。
○須藤美也子君 大変心強い答弁だと思うんですけれども、主食は一〇〇%自給、WTO協定から米を外す、そういう立場に立って交渉をするということなんですが、WTO協定の第十条に改正の条項があります。先ほど大臣がこの六年間大臣をやっているかどうかわからないというような話でしたが、やはり政府みずからがこの立場で再交渉すべきではないか、このように、先頭に立って米をWTO協定から外すということをやっていただきたいというふうに思うんですが、重ねてその点を要請したいと思います。 時間がありませんので、次に新食糧法について、とりわけその中の米価について質問したいと思います。 これまでも答弁がありましたけれども、あすから新食糧法が実施されます。しかし、答弁にもありましたように、既に自主流通米は基本価格で大幅に下がっています。これで価格の安定が成るのかどうか、この点について御答弁いただきたいんです。
○政府委員(高橋政行君) 自主流通米価格の最近の状況でございますが、これは今、委員御指摘のように、最近の入札の結果を見ますと、一部、まあ魚沼のコシヒカリとかそういうものは上限に張りつきましたけれども、そのほかの銘柄のものについては下限の近くに行ったというようなことで、最近の作柄がやや良であったというような需給事情を反映した結果であるというふうに思っているところでございます。 我々、いずれにいたしましても、この自主流通米の価格が安定いたしませんと国の米価全体の安定がないというふうなことになりますので、これにつきましては先ほどから何回か述べたかもわかりませんが、全体需給につきましては生産調整をしっかり推進し、そのほか備蓄あるいは調整保管を円滑に運用することによりまして価格安定を図っていくようにしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○須藤美也子君 せんだって、またこれも秋田に行ってきたんですけれども、秋田の調査では、あきたこまちが今年度の仮渡金で一昨年よりも三千円引き下げられています。こういう中で規模を拡大した十ヘクタールの規模拡大農家が、このままだと規模を拡大したけれども三百万円の減収になる、このようにおっしゃっていました。もう農業はやっていけない、おれの代で農業はやめる、こういう農業からの撤退を考えているんです。そういう中で新食糧法は、米価の引き下げと減反の拡大で、再生産を確保するどころか農家の生産意欲を奪っているのが現状ではないのでしょうか。 このことについて予算委員会での有働議員の質問に対して大臣は、「農民が生産意欲を失うようなことは絶対にさせたくない、こういう強い信念で臨みたい」と、こういうふうに答弁なさっておられるわけですが、どうお考えでしょうか。地元の秋田のことですから、ぜひ大臣から答弁していただきたいと思うんです。
○政府委員(高橋政行君) 我々といたしましては、今、先生からお話がございましたように、農家が生産意欲を失ってはいけない、そのためには新食糧法のもとにおきましても価格の安定、需給の安定、これはやはり主要な目的ということで考えておるわけでございます。 そのための方策としては、やはりいかに米の数量調整、需給調整をして、それで需要に合った供給をしていくということによって価格を安定させようという方策をとることにしておるわけでございまして、我々といたしましては、そのための備蓄とか調整保管とか、そういうような措置を通じまして価格を安定させて、農家が安心して営農をしていただけるようにしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○国務大臣(野呂田芳成君) 具体的な政策につきまして今、長官からお話し申し上げたとおりでございます。重ねて申し上げますが、私としては、農民が生産意欲を減退することのないように最大限の努力をしてまいりたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。
○須藤美也子君 ちょっと新食糧法の第三節五十九条に「自主流通米の価格の動向その他の米穀の需要及び供給」云々とありますけれども、このその他の米穀の需給、この中にはミニマムアクセス米、輸入米、ブレンド米も入るんですか。
○政府委員(高橋政行君) 法律には何が入るかということは書いてございませんが、我々、現在そういうものが入るというふうに考えておりませんし、また、今まで米価審議会の小委員会で議論をしていただいておりますけれども、そのような議論は出ておりません。
○須藤美也子君 それじゃ、その他のところにはミニマムアクセス輸入米とかブレンド米は入らないんですね。いいんですね、ここで確認して。
○政府委員(高橋政行君) ミニマムアクセス米に関係してのことでございますが、ミニマムアクセス米を輸入することによりまして、例えば国内生産に影響を及ぼすということがないようにしていかなきゃいけないというふうに思っておるわけでございます。この点につきましては、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意を受け入れる際に、閣議了解で、ミニマムアクセス米を受け入れることによって生産調整を強化することはしないというようなことも言っておるわけでございまして、我々としてはそういう方針で臨むことにしておるところでございます。
○須藤美也子君 そうであれば大変結構なわけですけれども、私どものいろいろな計算によりますと、生産費を賄う米価、農家が生産意欲を持つ、再生産できる米価は最低限でも二万円というふうに考えております。 この二万円を下支えにして米づくりの農家経営を安定的に進めていきたいというふうに考えておりますが、この最低限二万円の価格についていかがでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) 新制度のもとにおける政府買い入れ米価をどういうふうにしていくかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますが、米価審議会小委員会で算定の基本的な方向づけを議論していただいているところでございます。 それで、その算定のあり方の議論といたしましては、まず一つには、やはりこれからは自主流通米が主体になりますから、そういった需給動向を反映した価格形成というものが必要であろうということで、自主流通米価格の動向の反映のあり方がまず一つでございます。それからもう一つは、生産条件、生産コストといったようなものの参酌のあり方をどうするか。それから三つ目には、この二つの事項をどう関連づけるかということを中心にして議論がなされておるわけでございまして、我々といたしましては、そうした議論の検討方向も踏まえて関係方面の意見を伺いながら、十一月下旬の価格決定に向けて十分にその内容を詰めてまいりたいというふうに思っておりまして、現在その水準について申し上げる段階にはございません。
○須藤美也子君 新農政で農水省が指導なさっている他産業並みの労働時間、約千八百時間とか二千時間、そして所得は大体米どころで八百万円ですね。山形の場合は一人当たり五百万、従事者を入れると一千万というふうに基本計画はなっています。 この所得の算定基準は、九二年の米価、山形でいえば二万二百八円を基準にして新農政の所得の割り出しをしている。当然そうなれば新農政のこの基本計画の所得が九二年米価の二万円を上回っているわけですから、もし下がった場合はこの新農政を見直す必要があると思うんです。でないとすれば、最低農水省が指導して進めているこの認定農家づくりの所得、あるいは他産業並みにするにはやはり最低限二万円以上の米価が必要だと思うんですが、矛盾していると思いませんか。いかがでしょうか。
○政府委員(高木勇樹君) ただいまお尋ねの新政策の関連でございますが、委員御承知のとおり、これにつきましては、いわゆるこれから二十一世紀に向けて効率的、安定的な経営体、こういうものが生産の大宗を担う農業構造を実現していこうということであります。 今御指摘のような目標を掲げておるわけでございますが、このような経営体が実現されていけば、コストとしては四割前後下がるということを私どもは目標にしているわけでございまして、したがって、具体的な米価水準ということとは必ずしも結びつきませんけれども、そういう安定的、効率的な経営体を育成していくことによってそういったコスト削減が実現できるということ、それを目指して私どもウルグアイ・ラウンドの農業合意関連大網による政策を今一生懸命やっているということであります。
○須藤美也子君 であるとすれば、農水省の新農政で描いて農民にこれだけの所得になりますよと、そう示しているその計画書というのは、所得は確保されないんだ、現実的には所得は確保されないというようなことを意味するわけですね。そういう矛盾をはらんでいるということですね。
○政府委員(高木勇樹君) 今御説明いたしましたように、効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う農業構造というものを実現していくということでございまして、その過程でコストが今申し上げたように四割程度下がる、引き下げられるということ、そのためにいろいろな施策を今打っているわけでございます。したがって、そのような過程を経て実現された効率的、安定的な経営体というのは、新政策で目指す所得なりを実現できるというふうに考えているところであります。
○須藤美也子君 これでいろいろ言い合っても平行線だと思うんですが、やはり今の農業の状況からして最低限二万円は必要だと、これが圧倒的多数の農民の声であるということを一応強く皆さんに要請しておきたいと思います。 もう一分間で、最後に異常気象による被害対策について要請したいと思うんですが、十月二十五日に作況指数が発表されまして、先ほど来答弁の中にも今年度は一〇二というような答弁がありましたが、そういう中で秋田は九一、山形は九二、新潟は九四であります。 先日、山形、秋田に調査に行きましたけれども、秋田では戦後最悪の被害だと、このように話しております。農協中央会の方は、被害による米の減収は約二百億円、さらに米価引き下げで百億円、三百億円の減収になる、地域経済にも大変な影響を与えるというようなことをおっしゃっておりましたけれども、その中で、大至急こういう被害を受けた農家の救済として共済金の早期支払いを行うこと。さらには、申告しなかった農家、これは見た目美人だと現地の人は言っていましたが、見たときはそんな被害があるというふうには思わなかったと、稲穂は金色に輝いている、そういう中で申告しなかった農家がたくさんいます。そういう申告しなかった農家に対して特別な救済対策をとること、このことを強く要請を受けてきたんですけれども、その点についてお答え願いたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) まず第一点の、被害を受けた農家に対します共済金の早期支払いの件でございますけれども、現在、損害評価を迅速、的確に行うということで、共済金の支払いを早期に行えますよう農業共済団体等を指導しているところでございます。したがいまして、今後の被害の実態等を踏まえまして、遅くとも年内には共済金が支払われますよう対処してまいりたいというふうに考えております。 それから、農作物共済の損害評価の点でのお話でございましたけれども、これは御案内のとおり、農家からの被害申告に基づきまして収穫前に実もの状態で農地一筆ごとに行うということを原則としております。したがいまして、既に収穫の終わってしまっている場合には共済事故による筆ごとの減収量を確認することができませんので、農業共済で対応することは非常に困難というふうに見ております。ただ、これ以外につきましても金融措置でありますとかそういうことがございますので、現地の実情に応じた対応ということについては対応してまいりたいというふうに考えております。
○国井正幸君 新緑風会の国井正幸でございます。 いよいよあしたから新食糧法の施行が予定されるというふうなことで、これまで多くの委員の皆さんから質問を出されたところでございますけれども、今、農業者やあるいは生産者団体など米の生産あるいは流通にかかわっている多くの方々が大変な実は不安を抱いておるというふうに私は思っております。 と申しますのは、新食糧法の趣旨では、新たな情勢に対処をするために、「今後とも米穀の需給及び価格の安定を図ることを基本としつつ、生産者の自主性を生かした稲作生産の体質強化」云々と、こういうふうなことがうたわれておるところでございますが、要は農家の皆さん方からすると、うまいことを言って政府が一歩身を引いちゃったんじゃないか、こういうふうな感じで実は受け取っている方も多いわけでございます。この制度が本当にうまく機能するのかどうか、こういうことに対しても大変な不安を持っているわけでございます。この制度を本当に実効性のあるものにするためには、これまでも質問で出ておったと思いますが、生産者あるいは流通業者、消費者等が一体となって事に当たることはもちろんでありますけれども、政府も積極的にぜひ対応をすることが肝要だろう。 そこで、お尋ねをしたいというふうに思いますが、私はやはり、これも皆さんが言っていることでもありますが、この新食糧法が成功し得るかどうかというのは、計画生産と計画流通が表裏一体の関係として本当にうまくいくんだろうか、こういうことに尽きるんではないかというふうに思っております。さきに発表されたことしの米の作況指数も一〇二というふうなことでございます。そういう面からすると、生産調整をむしろ強化しなければならないような局面も今予測されるわけでございますけれども、この生産調整をいかに実効性のあるものにするかということが大変重要だというふうに思うわけでございます。 そこで、実効性の確保というふうなことで、例えば政府米の買い入れについては生産調整を実施した人から買い入れをするとか、いろいろあるわけでございますけれども、これらの具体的な実効性を確保するための措置としてどんなことを考えているのか。私はぜひここの中ではめり張りをつけないとやっぱりだめなんではないかというふうに思うのです。そういう意味でこの実効性確保の措置として考えられておる項目等についてまず挙げていただければというふうに思います。
○政府委員(日出英輔君) 生産調整の実効確保についてのお尋ねでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、実効性確保につきましてはいろんな手段を総合的に使っていく必要があるというふうに思っているわけでございます。 その第一番目が、生産調整目標面積の決定に至るまでの生産者なり地域の意向を踏まえたそういった決定でございます。これにつきましては、全体の面積以上にこれをやっていきます場合に、県別あるいは市町村別、さらには生産者別の数字を決めますときには地域間調整その他も含めましてきちんとした数字を決めていく、これが実効確保の第一番目の前提だと思っております。 次に、先生もお話しのように、生産調整実施者につきまして政府買い入れの対象とする、あるいは生産調整助成金を交付するということでございます。生産調整助成金につきましては、当然のことながら極力多くの方々が参加をした生産調整をするという意味での問題、あるいは今後望ましい経営体を育てていくという観点、こういったいろいろな観点を含めてでございますけれども、そういった生産調整助成金の交付でございます。これが二番目でございます。 三番目が、生産者がより取り組みやすいような生産調整手法の多様化という問題だと思っております。ことしいたしました調整水田、さらには幾つかの手法を組み合わせまして生産者がより取り組みやすいようにするといったような点があると思っております。 おおむね分けてみますと、今申し上げましたような大体三つの方向からの議論を今いたしているところでございます。
○国井正幸君 先ほど来、いわゆる政府買い入れ価格等について今米審でやっているとかいろんなことを言われているわけでございますけれども、先ほどの答弁を聞いていて私つくづく感じるんですが、実効性を確保するという意味からも政府買い入れ価格というのはやはり生産者から見てメリットのある価格じゃないと意味をなさないのではないかというふうに思うのです。例えば生産調整に協力した方から政府は買いますよとこう言ってみても、その買ってくれる価格というのがメリットがなけりゃ何ら農家からすれば意味をなさないとというふうな部分もありますので、そういう面ではそれは自主流通米の実勢価格というんでしょうか、こういうものも当然参考にされなくちゃいけないというふうに思いますが、そのほかに先ほど来言われているように生産費の問題もあるでしょうし、さらには政策誘導をしていって生産調整をうまく機能させる、そういう意味合いもやはり込める必要があるんではないかというふうに思っております。 さらにそのほかに、補助事業の問題です。これらについても、いわゆる生産調整が達成されておる市町村あるいは地域というものと、それをやらないあるいは達成できないというところとかこういうものについては、ある意味では生産者の自主性を尊重しとか云々かんぬん言ってみても、これまでいろいろ大変な労力と費用を突っ込んでやってきてもなかなかこの生産調整というのは難しい部分があったわけでございます。そういう面では、実効性を確保するという意味では、その生産調整をみんなで守った、実施をした、こういう地域等についてはやはり補助事業なんかについては優先的に採択をする、こういうふうなことも必要なんではないかというふうに思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(日出英輔君) 補助事業と生産調整の実効確保の関係でございますが、先生御案内のとおり、昭和六十二年から生産調整の達成というのが補助事業の採択要件になるということがございました。これはある意味では、実効確保措置としてはかなり強力なものでございましたが、一方でかなり一律的なあるいは強制感も出たことはございました。 このために、昨年、この新食糧法のもとでの生産調整のあり方を議論した農政審議会では、今申し上げました補助事業の採択要件として生産調整の達成ということを挙げることについては見直すようにという議論がございました。私どもはこれはそういったような趣旨で検討いたしておりますが、一方、先生お話しのように、生産調整を達成したところと達成していないところで、補助事業をやりますときに、当然のことながら生産調整を達成したところの方に優先的に配慮されるべきである、こういった優先採択と言われている部分につきましては、これは今申し上げましたような強制感などとまでは言い切れないものがございますので、これについては今後とも残した形で運用していくのが必要ではないのかなということで今関係者の意見を聞いているところでございます。
○国井正幸君 言うなら、格好のいい言葉で済ませるんではなくて、やはり私は実効性を確保するという意味では十分、優先採択とかそういうことで正直者がばかを見ないように、みんなで協力してやろうということですから、そこがうまく機能するようにぜひ政策誘導をしていただきたいというふうに思います。 次に、生産調整を進める上で最も基本となることについて伺いたいというふうに思うんです。生産調整の実施計画やあるいは目標面積の設定、あるいは都道府県なり市町村そして個々の生産農家への配分、さらには実施状況の確認等いろいろあるわけですよね、これをやっていくということになりますと。これについて一体だれがどのように責任を持って行うのかということが非常に大切なことだというふうに思うんですね。協議会をつくるとかいろんなことが言われておりますけれども、最終的にはどこできちっと責任を持ってこれを進めていくかということが非常に大切だと思うんです。そのときに行政あるいは生産者団体などそれぞれが担うべき役割はあるというふうに思うんですが、その辺の考え方について、特に行政としてどのように思っているか、お伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(日出英輔君) 全体的な需給調整を図っていくという責任は当然政府にあるわけでございますが、これは先生のお尋ねはむしろ地域段階での生産調整の責任といいますか主体的な責任を問われているんだろうと思います。 私どもは、今まで、特に昭和六十二年からの水田農業確立対策の前期対策から行政と生産者団体が一体的に推進するんだということを標榜してきたわけでございます。 実は、新食糧法下におきますこの生産調整、先ほども御答弁申し上げましたように、いわゆる本格的な自主流通米時代の中での生産調整としますと初めてでございます。端的に申し上げますれば、昨年の八万ヘクタールの追加的な転作もいわばそういった自主流通米時代の生産調整のはしりだったと思っておりますが、今回が本格的に取り組む第一年度だと思っております。そういう意味で、実は自主流通米につきましては、生産者サイドが適切なそういった生産、あるいは先生のな言葉をおかりするとすれば計画生産あるいは計画調整、こういったものが生産者サイドになければこれはうまくいかないことは事実でございますが、一方で米の経済の地域に及ぼす影響等を考えますと、当然地域の行政主体の支援というものがないとこれが進まないということも事実だろうと思います。 私どもはまだこれにつきまして大きな対策の骨格を決めておるわけではございませんが、やはり行政と生産者団体が一体的になって生産調整に取り組んでいく必要があるということは、当然今回の新しい対策でも骨組みになっていくと思っております。ただ、例えば生産調整目標面積の事前の調整でありますとか、あるいは地域間調整でありますとか、共補償の運用でありますとか、こういうことにつきましては、いま一歩生産者団体のやっぱり主体的な取り組みというのが大事じゃないかというふうには考えております。
○国井正幸君 これまでも議論の中で出ていたわけでございますが、そういう意味では生産者団体等も十分な役割を担ってもらわなくちゃならない。そのときにはやはり十分な予算措置を講じるということもこれまた必要なことだというふうに思いますので、そういう意味で政府にあっても、先ほどの大臣の御答弁にもありましたとおりでございますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思うところでございます。 時間がありませんので、最後に住専の問題をちょっと聞かせていただきたいというふうに思います。 実は、住専問題につきましては、私はさきの本院の決算委員会の中でもこの問題についてお伺いをしたところでございますけれども、どうしてもやっぱり納得し得ないような状況がありますので、その点についてお伺いをしたいというふうに思います。 大蔵省にお伺いをしたいというふうに思うわけでございますが、四十八年の金融制度調査会において、国民の住宅取得を促進するために育成をすることが望ましいとされまして、大蔵大臣の直轄会社となった住宅金融専門会社がバブル期において当初の設立目的を大きく逸脱をして運営されてきたわけであります。そして、社長や会長など経営の最高責任者を大蔵省のOBの方が占めておったと、しかも大蔵大臣の直轄会社として運営状況等について報告をとっていたというふうに思うんですね。 これについては、銀行局長通達中に掲載されているわけでございますが、住専の代表者あてに住宅金融会社の実態調査についてということで報告書もとることになっているわけですね。そういう意味からすると、いわゆるどういう運営がされていたかというのは、大蔵省は十分これは承知をしていたんではないか。その承知をしている中で明らかに認可をしたときの設立目的と大きくずれたような運営がなされていたというふうに私は思うわけでございますが、この辺について知っていたか知っていないか、あわせてどういうふうな指導をしてきたかということが非常に重要だと思いますので、その点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(五味廣文君) 住宅金融専門会社、おっしゃるとおり、個人向けの住宅ということが当初設立されましたときに、そういったところへの金融というのを基本にして運営をするという目的で、主としてそういうことでやりたいということで設立をされてまいりましたけれども、その後、民間金融機関の住宅ローンヘの姿勢の積極化でございますとか、あるいは住宅金融公庫自体が相当にやはり個人の住宅の取得ということへの積極的な関与を始め、またそういった資金手当ても財政投融資の方でできるようになったというような事情もございまして、その後、バブル期の前あたりからでございますけれども、住宅金融専門会社、個人の住宅だけでなくて個人の住宅を手当てをいたします宅建業者など宅地開発や住宅を建設する会社の方へ、事業者向け融資と俗に申しますが、そちらの方へ大分その運営の基本をシフトをしていったということでございます。 同時にまた、貸し付けの規模も大分大きなものになっていったということでございますが、そのこと自身は全体としての国民の住宅需要に対応いたしますためのそれぞれの金融機関ごとの役割、それからどの機関がどういう役目を果たすと一番能率的かというようなことから、それぞれ経営判断と政策判断によっておのずとそういったすみ分けがなされてきたものであろうというふうに考えております。 もちろん、そうした貸し付けのウエートの推移などは私どもも届け出等からあるいは立入調査もその後いたしておりますので、心得ておったところではございます。
○国井正幸君 このバブルの中でいわゆる総量規制あるいは三業種規制があったわけですよね。そういう中で、総量規制の中においても土地が非常に高騰する、こういうふうなことで不動産向け融資等について規制をすると、こういうふうなことになってきたわけですけれども、このときに住専は対象外にされてきたわけですよね。しかし一方で、そういうふうな三業種規制等を行ってきた中でも、いわゆる母体行を通じて住専がどういうふうな経営形態を行ってきたかということについては十分承知をしていたんではないかというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○説明員(五味廣文君) お話のございましたいわゆる不動産向け融資の総量規制通達、平成二年の三月に出ておりますけれども、御指摘のとおり住専というのはこの総量規制通達の対象にはなっておりません。これは、通達の内容が特定業種、ここでは不動産でございますけれども、特定業種向けの融資量を調整してくださいという、大変にこれは民間の経営主体にとっては厳しい内容の通達ということになりますので、こうした制限を政府の方から民間の経営に対して課するということでありますならば、その対象というのは余り広くとるわけにはまいりません。したがいまして、ここではその通達の対象機関というのは、あくまで預金者から預金をお預かりしているという意味で、免許を得て初めて経営ができるという免許業種に限るということにしたわけでございます。 それが総量規制通達でございますが、そういう意味ではこの住専というのは、もちろんほかのノンバンクも全部そうでございますけれども、こういうものは総量規制通達の外ということで、これはそういうことで民間の経営活動、企業活動に対する制約を課するという意味ではこうした限定に特に問題はなかったんではないかと思います。 それから、三業種規制ということで、これは要するにその通達を出しましたときに不動産向け、建設業向け並びにノンバンク向けの貸し付けについて、いわゆる三業種について報告を出しなさいということを民間金融機関向けに出しておるわけでございますが、系統金融機関に対しては総量規制通達は出しましたが、この三業種についての報告を求めるという通達は出しておりません。これは、農協と申しますのは会員制協同組織でございますので、そういった運営の適正を期するという観点から、こうした不動産業や建設業に対する貸し付けは昭和四十九年から既に届け出を出していただいておりましたのと、それから、ノンバンクに対する貸し付けは、これは法律上員外規制がかかっておりますので、これは当然それを守っていただく。また、住専につきましては、これも別途年二回貸付限度額の報告をいただくということを既にやっておりましたので、屋上屋ということになってはかえっていけませんので、あえてこの時点で報告というものはいただかなかったということでございます。 これが三業種規制、総量規制の経緯でございますけれども、そういった経緯の中で貸し付けにつきましては報告を見てはおりましたけれども、農協系の住専への貸し付けというのは大変に伸びてきておった、あるいはそれをどう考えるかということになりますと、これはやはり各金融機関が住専に対する貸し付けというものをそれぞれ住専の事業計画なりあるいは信用力なりというものをいろいろな観点の材料から御判断になってお貸しになったんであろうというふうに考えておりまして、やはり民間の経営主体の御判断であるというふうに考えております。
○国井正幸君 もう時間もないですから最後にしたいというふうに思いますが、聞いたことに答えていただければ私は結構なんですが、最後に私の考え方を申し上げたいというふうに思うんです。 土地等が値上がりする中で政策誘導としていわゆる総量規制なり三業種規制というものが行われてきて、しかも当初の住専の設立目的からその途中において大きくその運営の仕方が違ってきたと。住専七社というふうに言われていますが、実は八社あって、農林系の協同住宅ローンについては当初の目的をそのままやってきていると、おおむねやってきている、そしてほかの七社が著しくその経営形態を変えたというふうに思っているわけでございまして、この間についてやはり大蔵省としても大蔵大臣の直轄の会社として十分指導監督する義務もあっただろうし、そういうことが必要だろうというふうに思います。 そういう意味で私は、大臣がこれまで再三答弁しておりますように、ぜひ農協経営に重大な影響を及ぼさないように、しかも、本当に一般国民から見ても預けた方と預かった方でどちらが悪いのかといえば、やっぱり預かった方がきちっとすることが当たり前の話ですから、そういうことができないとこれは金融の秩序というものも立ち行かないというふうに思いますので、ぜひ農林大臣、大臣の強い姿勢でこの問題については対処をしていただきたいと、このことをお願いしまして私の質問を終わります。
○島袋宗康君 まず、沖縄県の漁民の安全操業問題についてお尋ねしておきたいと思います。 昨年の夏ごろから与那国島近海で台湾の艦船が軍事演習を開始し、これによって漁民の操業が脅かされていると。台湾の射撃訓練は週に四日ほどの割合で実施され、訓練時間は月初めに通達されるようでありますが、急遽変更する場合もあって、与那国漁船が台湾の軍艦と遭遇する場合もあるというふうな状況で、非常に不安を抱いて出漁しているという状況でありまして、時にはその出漁を見合わせる場合もあるというふうなことで、非常に甚大な影響を与えているということでございます。 そこで、水産庁にお尋ねいたしますけれども、水産庁としてこうした実態をどのように把握しているか、その辺についてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(東久雄君) ただいま先生の方からお話しのとおりでございまして、平成六年七月ごろからこの軍事訓練が開始されまして、毎月通報が来るという形で継続的に行われていると。本年二月だけはちょっとなかったようでございますが、継続的に行われ、ほぼ週に四日、御指摘のとおりで、ほぼ午前五時から八時、それと午後十時半から午前一時、時間が多少日にちによって違うわけでございますが、その間の訓練ということでございます。 しかも、この訓練区域が従来台湾側がやっていた訓練区域よりちょっと北に上がったために、我が国の、特に沖縄、与那国島周辺の漁業にとって影響が出たということでございます。 その影響につきまして、今沖縄県当局の方から聞き取っているところでは、与那国の町の漁協所属の漁船に限って調査したものでも、やはり一本釣り漁業等で約三割がその地域で漁獲されている。ただ、時間によってそこへ入ることができるということもございますし、その漁船が他の地域での漁業をやるということもあり得ますので、これがすぐ影響ということではないと思うんですけれども、もう少し具体的な影響の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。 なお、この件については、台湾というのは国交がないものでございますから、財団法人交流協会からあちらの亜東協会の方に中止または訓練区域の移動の要請をやっておるところでございます。
○島袋宗康君 この問題の解決のために与那国町議会の新里議長ら十二名の議員が本年八月三日に上京し、外務省や水産庁に対して強く問題解決のために当たってほしいというふうなことを申し入れていると思います。政府の対応がやはりちょっと問題があるのではないかと。水産庁の野崎振頭部長は、二回ほど台湾側に申し入れているがらちが明かないというふうな答えであったようであります。国交がないのでやりにくい面もあるが、外務省のしかるべきレベルに話し、訓練時間をずらすとかあるいはまたそのほかの面について同趣旨の努力を約束したというふうなことであります。 そこで、水産庁と外務省の担当者はこの要請にこたえるために台湾側とどのような折衝を行ってきたのか、外務省と水産庁ともに御答弁願いたい。
○説明員(大島賢三君) 現状を御説明申し上げます。 先ほど水産庁長官の方からお話がございましたように、昨年七月から今まで台湾が海上射撃訓練をやっていない新しい水域で始めました、そういう情報がございましたので、昨年七月の時点で直ちに、この区域は日本の近海に非常に近いところである、付近の漁船の操業あるいは船舶の航行に影響を与えるおそれがあるということで、まず訓練の具体的内容について台湾側に照会をいたしました。 それに対しまして、八月後半でございましたけれども、台湾側の窓口機関であります亜東関係協会から説明がありまして、この区域は与那国近海の領海よりも五海里近く離れておる、各種の射撃時にはその区域の中部あるいは台湾側に寄った方で実施をしているので、日本側には余り影響はないはずであるというとりあえずの返事がございました。 しかしその後、今、先生からお話がございましたように、沖縄県東京事務所あるいは沖縄県から外務省の方にも事態の改善についていろいろお話がありましたので、水産庁とも検討しました結果、本年一月に日本側の台湾との窓口機関であります交流協会を通じまして台湾側に申し入れました。 すなわち、この海域は与那国漁民を初め近くの漁民にとって非常に重要な漁場である、射撃訓練によって大きな経済的損失を受けている、あるいは受けるおそれがあるという点。それから、船舶の航行、漁船の操業の安全を確保することが非常に難しくなるので気をつけてほしいということ。それから、もっと海域を南方に移すなり、あるいはそのほかの海域に変更するように申し入れを行いました。これは本年の一月でございます。さらに、二月にももう一度同様の申し入れを行っております。 以上申しました点に加えて、訓練の中止も含めて申し入れ、さらに万が一船舶あるいは我が国の国民が被害をこうむるようなことがありまする場合には、一切の損害または損失について請求する権利を留保するといったような点も含めまして申し入れました。 こういった一連の申し入れに対しまして台湾側から、ことしの四月でございますけれども、一応先方の回答ということで、当該の射撃訓練水域は国防上必要である、この区域を使用する際には航空路でございますとか海運路線あるいは操業の実態等を考慮してこの区域の中央から西側、すなわち台湾側寄りの海域でやっているといったような配慮はしているつもりである、それからもちろん関係方面に公的に公示、通知をして不慮の事故を防止するような配慮もしておりますといったようなことも含めて説明があり、訓練の中止とかあるいは他の訓練区域への移動については国防上の必要から同意できないので、どうか理解を願いたいという返事が四月にございました。 しかしながら、なおただいまも水産庁の方から御説明がありましたように、影響が具体的にあるということでございますし、台湾側はそれなりの配慮はしていると申してもやはり与那国に非常に近い海域でございますので、外務省としましても沖縄県さらに水産庁とよく実情を踏まえ検討しまして、事態が改善されるように引き続き台湾側と話をしてまいりたいと思います。 以上でございます。
○島袋宗康君 御説明で理解はできますけれども、問題は安全操業というものが非常に困難になっている、そういうふうな地域で、またただでさえ沖縄県の空というものは米軍基地の問題がありまして、戦闘機が行き交って時には墜落事故も起こるような事態もあるわけです。 そういうところで、さらに与那国の近くでまた軍事演習を行うというふうなことについては県民はもう我慢できぬわけですから、それはもう即時中止というふうな方向でぜひ折衝をしていただきたいというふうに思いますけれども、もう一度その辺についての御説明をひとつ承りたいと思います。
○政府委員(東久雄君) 残念ながら、公海上の訓練というのが一般的に行われるということがあるものですから、まず事故を起こしちゃいけません、ので、私の方はまず通報が来たらすぐに連絡をとって事故のないようにという対応をいたすことは当面必要でございます。 それに、先ほど外務省の方からお話ししましたとおり、中止、訓練区域の移動ということはまだ強く求めていくべきだろうと思いますけれども、訓練が長期化しているという状況、それからこれは我々はちょっとはかり知れないところがございますけれども、やはり台湾、中国との関係の問題というようなこともあるんじゃないかと推測をしておりまして、これが長期化するという段階でどういう申し入れをさらに当面でもやっていくべきか、これは地元の漁業関係者の方並びに沖縄県ともよく打ち合わせて対応していきたいというふうに考えております。
○島袋宗康君 軍事演習ですから簡単にはおさまりはっかないと思いますけれども、これはあらゆる外交ルートを通じて、沖縄県もその面については非常に協力をしていただいてぜひ中止されるような方向で頑張っていただきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。 そこで、農業問題で基幹作物のサトウキビ問題について伺います。 九四年産から導入された品質取引の実施などによって今厳しい環境に沖縄のキビが置かれている。こうした中で、去る十月十九日に九五年産サトウキビの生産者価格が現行のトン当たり二万四百十円に据え置くことが決定した。この価格決定に対して、現地の生産農家からは非常に不満の声が上がっております。 そこで、こうした農民の不満に対して農水省はどのように受けとめておられるのか、この価格決定についてどのような合理的根拠があるのか、その辺の説明を願いたいと思います。
○政府委員(鈴木久司君) サトウキビの価格につきましては、糖価安定法に基づきまして、農業パリティー指数に基づいて算出される価格を基準としまして、これに物価その他の経済事情を参酌して再生産を確保することを旨として算定をするというようになっております。 具体的には、平成七年産の価格につきましては農業パリティー指数、生産費は下がっているわけですが、サトウキビが沖縄県における地域農業において代替性のない基幹的な作物である、また地域社会の維持のためにも不可欠な作物である、こういったようなことを総合的に勘案しまして、前年同額の据え置きというようにしたところでございます。
○島袋宗康君 今期は品質取引元年というふうなことになっておりまして、生産農家は例年以上に意欲的に取り組んだわけでありますけれども、台風の襲来、長雨、暖冬異変などが重なって生産量、品質ともに落ちてしまっております。 生産農家を初め関係者にとって不本意な結果になってしまっておるわけでありますけれども、全生産量は三十四年ぶりに百万トンを切っている。さらに、品質取引による糖度区分では沖縄の平均糖度が十三・一度であり、約四割が基準糖度十三・七度を大幅に下回っていると。 そこで、生産農家の間では基準糖度帯の設定が高過ぎるとして基準糖度の見直しを強く求めているわけであります。この切実な要望に対して農林水産大臣はどのようにお考えであるか、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(野呂田芳成君) 平成六年度からサトウキビの品質取引を導入するに当たりましては、沖縄県の生産事情等を最大限に考慮しまして、農家手取りが減少しないように基準糖度帯の設定に配慮したところであります。 今も委員からお話がありましたとおり、六年度については三度にわたる台風の襲来等によりまして農家手取りは前年度の手取りに達しなかったわけでありますけれども、本年度につきましてはかなり生育も順調に推移しております。また、品質取引が六年度からスタートしたばかりであることにかんがみ、今回は基準糖度帯はそのまま維持したところであります。 いずれにしましても、基準糖度帯の変更につきましては、本年度以降の推移をもう少し見きわめさせていただいて慎重に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○島袋宗康君 糖度帯の問題については、品質取引元年というふうなことで非常に県民また農家にとって重要なことになっておりますので、ぜひ機会があれば改善をしていただきたいというふうに要望しておきます。 そこで、今回の価格決定に当たって焦点になったのは品質取引を考慮した農業共済制度の整備であったわけであります。結論として九七年度から暫定的な対策として特例導入することに最終決着したわけでありますけれども、前述のように厳しい品質取引に当たっての基準糖度が高ければ当然に共済制度への影響も大きいと考えられるわけであります。その点についてどうお考えなのか。 また、制度の実施までには二年の期間があるが、現在、制度を実施するに当たっての準備状況、さらに制度の構想について御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(堤英隆君) サトウキビにつきましては、今御指摘のように平成六年産から砂糖分の含有量によりまして品質を評価するという品質取引に移行してございます。したがいまして、今回の平成七年産の生産者価格の決定に当たりましては、このような取引実態に対応した農業共済の運営の本格実施ということで、これにつきましてはデータの蓄積状況を見ながら引き続き検討を行うということとともに、暫定的な対策といたしまして、平成九年産から一定のデータの蓄積をもとに特例措置を講ずるということにされたところでございます。 この特例措置の具体的な内容につきましては、現在、鹿児島県それから沖縄県の県当局と、それから農業共済団体とともに検討をしているところでございますが、同じ甘味資源作物でございますてん菜で実施いたしました特例措置が一つの参考になるのではないかというふうに見ております。 御案内のように、てん菜につきましては、大きな災害により著しく糖度が低下しました場合に、その糖度に応じて収穫量を調整する損害評価の特例措置を実施いたしておりますので、そういうことも参考にしながら検討を深めたいというふうに考えておるところでございます。
○島袋宗康君 沖縄県はサトウキビの収穫面積、生産量は六、七年前から急速に減少して、深刻な事態になっております。詳しいことは時間の都合で申し上げられませんけれども、甘味資源審議会が本年七月十四日、サトウキビ生産振興総合対策の積極推進など七項目の建議事項を決定し、当時の大河原農林水産大臣に提出しておるようであります。 そこで問題なのは、具体的にどのような施策で対応し、それがいつまでに実行して完了するかということが問われていると思います。そうでなければ単なる作文にしかなりませんので、これらの諸点について具体的に御説明を願いたいというふうに思います。
○政府委員(日出英輔君) 今お尋ねは、甘味資源審議会におきまして、特に生産の面で生産性なり品質の向上あるいは生産の安定を図るとともに、効率的、安定的な経営体を育成すると、こういった点についてのお話だろうというふうに思います。 これにつきましては、私どもの方も、サトウキビにつきましては特にてん菜との関係もございますので、一層生産性の向上なり品質の向上に努めていただくという観点で、この建議を踏まえまして、一つは収穫機の普及によります機械化作業体系の確立てございます。これは大変てん菜に比べますとおくれておりますので、これを実は急いでおるわけでございますが、おかげさまでようやく沖縄県で言いますと六年産でちょうど二二・九%の機械収穫率まで参りました。かなり順調に機械収穫が伸びてきております。 それから二番目に、こういった機械との関係でございますが、農業機械銀行の整備等によります作業受委託を通じた農作業の支援体制の確立てございますが、これにつきましても沖縄県で平成六年度末十二カ所農業機械銀行が設置されておるわけでございます。これはすべてサトウキビに関係しているものでございます。 それから土づくりを基本といたします高品質、安定生産技術あるいは高糖多収性の優良品種の普及でございますが、これにつきましても近年、優良品種の普及につきまして、特に六年産ではそういった優良品種の普及がかなり進んできているということもございますので、今先生御指摘のように、ある程度サトウキビの生産につきましてもそういったものが順調に進んでおるわけでございますが、まだまだてん菜との比較その他考えますと、これを私どもは県内農業団体と一緒にもう少し加速化していくという必要があろうかと思っている次第でございます。
○島袋宗康君 時間がありませんから要望だけ。 復帰して二十三年目、そしてまた県民所得が七〇%前後でありますから、その辺を勘案しながら、やっぱりサトウキビが基幹作物でございますから、そういったような意味でぜひこの七項目の審議会の答申を即時実施されて、沖縄の糖業が安定した価格設定に基づいて安定されるように、農家が安心して生産できるように、ぜひ御尽力願いたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(鈴木貞敏君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十八分散会