中小企業対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/10/23
会議録
○委員長(二木秀夫君) ただいまから中小企業対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、平田健二君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正孝君が選任されました。 —————————————
○委員長(二木秀夫君) この際、通商産業大臣、通商産業政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。橋本通商産業大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 引き続き通商産業大臣を務めさせていただくことになりました橋本龍太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 御承知のとおり、中小企業をめぐる景況は、為替相場が円高是正の方向に動いてきているとはいえ、いまだ経営が好転するまでには至っておらず、四半期ごとに調査している中小企業の業況判断も四期連続して悪化しているなど、累次の円高などの影響により、その多くは依然として厳しい状況に直面しております。 このような中で引き続き切れ目ない景気対策を講じつつ、中小企業の経営基盤の安定強化によりその先行き不透明感を払拭していくとともに、中長期的な視点に立ってその構造改革に向けた努力を支援していくことが必要であります。 このため、政府としては、九月二十日に過去最大規模の経済対策を決定し、中小企業対策として約一兆二千五百億円の貸し付け規模を追加するとともに、平成七年度第二次補正予算において、中小企業対策の補正予算規模としては過去最大の二千七百六十八億円に上る予算を確保し、思い切った対策を講じることといたしております。 私は、中小企業の方々が先行きに明るい見通しを持って、持ち前の機動性、創意工夫を発揮して現下の構造変化の波を乗り切っていけるようにすることが、我が国経済社会の活力を維持、強化する上で不可欠であるとの基本認識に立ち、引き続き中小企業対策を担当する通商産業大臣としてその職員を全うすべく最大限努力してまいる所存であります。 今後とも、委員長を初め委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○委員長(二木秀夫君) 大畠通商政務次官。
○政府委員(大畠章宏君) このたび通商産業政務次官を拝命いたしました大畠章宏でございます。 私は、中小企業担当政務次官として橋本大臣を補佐し、そしてまた加藤政務次官と力を合わせて中小企業行政の推進に全力で取り組む所存でございます。 委員長を初めとして委員の皆様方の格段の御指導と御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(二木秀夫君) 加藤通商政務次官。
○政府委員(加藤紀文君) 私、このたび通商産業政務次官を拝命いたしました加藤紀文でございます。 大畠政務次官ともども橋本大臣を補佐し、中小企業政策を初めとする通商産業政策に全力を傾注してまいりますので、二木委員長を初め委員各位の格別の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、あいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○委員長(二木秀夫君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業信用補完制度は、中小企業者の信用力、担保力を補完し、その事業資金の融通を円滑にすることを目的とし、信用保証協会が債務保証を行い、これについて中小企業信用保険公庫が保険を引き受けるものであり、保証債務残高は平成七年八月末現在で二十七兆円を超える規模に達しております。 最近の中小企業をめぐる依然厳しい経済環境等を背景として、特に資金繰りが悪化している中小企業について担保不足等が顕在化してきております。一方、経済構造改革を推進するためにも、中小企業の新事業開拓の支援を強化していくことが急務となっております。 こうした状況を踏まえ、担保不足に陥っている中小企業の資金需要に十分に対応するとともに、資金調達が困難な新事業の開拓を支援することにより、中小企業の経営基盤の強化及び構造改革を推進するため、緊急に信用補完制度の拡充を図ることとし、本法律案をここに提出した次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、付保限度額の引き上げであります。 中小企業に対する事業資金の融通の一層の円滑化を図るため、物的担保を必要としない保険である無担保保険につきましては、現行二千万円の付保限度額を三千五百万円に、無担保・無保証人による保険である特別小口保険につきましては、現行五百万円の付保限度額を七百五十万円に、新事業の開拓に要する費用に係る保険である新事業開拓保険につきましては、現行一億五千万円の付保限度額を二億円に、それぞれ引き上げることとしております。 第二に、特別小口保険の付保の対象となる者の拡大であります。 無担保・無保証人による保証の一層の推進を図るため、現在、原則として、従業員五人以下の小企業者を対象としている特別小口保険の対象者を、従業員二十人以下の小規模企業者に拡大することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(二木秀夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○今泉昭君 平成会の今泉でございます。 最初に、橋本大臣がこのたび自民党の総裁として御就任されましたことにお祝いを申し上げたいと思います。今後の活躍を祈念じたいと思います。 限られた時間でございますので、おおよそ五点につきまして御質問申し上げたいと思います。 まず、大臣に、一般的な考え方になるかもしれませんけれども、我が国の中小企業の産業、社会における役割について信念をお聞きしたい、かように考えております。 御存じのように、これまで我が国は世界がうらやむようなすばらしい経済発展を遂げてきたわけでございますが、その経済発展を支えてきた大きな一つの柱として中小企業の存在ということが言われておりました。もちろん、我が国の経済発展の三種の神器の中には入っておりませんでした。いわゆる企業内労働組合があるとか、あるいは年功賃金制度があるとか、そういうような三種の神器と言われるようなものに加えて、私はこの中小企業の存在というものが我が国の経済発展に大きな役割を果たしてきたのではないかと思うわけであります。 と申しますのは、中小企業は規模が大変小さいわけでございますので、ある意味では社会に個々の組織としてはそう大きな影響も被害も与えないという自由さもございました。そういうところから、中小企業のいわゆる経営者はパイオニア精神に基づきまして、無謀と言えるほどの物事に対する挑戦、パイオニア精神を発揮して産業の改革に取り組んできたという姿があったと思います。そして、ある程度新しい道筋ができた段階において大企業がその技術力や資本力や人的資材を使いまして、中小企業が敷いた路線をむしろ大企業が今度は取ってかわるという姿、これの繰り返しが我が国の産業の姿ではなかったかと思うわけであります。この姿がいわゆる我が国の産業のダイナミズムというものを引っ張っていったのではないかと思うわけであります。 たまたまことしの経済白書に、我が国の経済のダイナミズムの復活を求めてという副題がついておりますけれども、まさしくかっての我が国の中小企業のその力を期待しての意味合いもあるのではないかというふうに私は大変興味深く実は見ているわけでございますが、そういう意味で、この中小企業の果たしたこれまでの役割をもう一度発揮できるような社会体制、行政指導というものが大変重要なのではないだろうかというふうに思っている次第でございます。 また、中小企業は、かつて我が国は何回も経済構造の転換の経験をしてまいりました。エネルギー源でいうならば、石炭から石油にかわるときの産業構造の転換におきましても大変な摩擦がございました。あるいはまた、いわゆる重厚長大から軽薄短小と言われるような構造転換がございました。そういうときの常に礎になってきたもの、ある意味では犠牲ということもあるかもしれませんけれども、そういうときにいろいろなショックアブソーバー的な役割、そういうものを果たしてきた陰には我が国の中小企業の存在があったのではないかと思うわけであります。 したがいまして、最近よく空洞化によって、円高によって我が国の産業が海外に逃げていくということが言われております。そして、アジアの大変な経済進出というものが脅威だと言われておりますけれども、我が国とアジアとの違いの最大のものは健全なる中小企業があるかないかの違い、これはアメリカとの違いにも言えると思うわけであります。 アメリカにおきましては、中小企業は日本に比べまして決して多くはないわけでございまして、我が国の大企業がアメリカに行っても、海外に行ってしまえばただの人になるように、大企業の活動を支えるような中小企業がアメリカにないということを見ましてもおわかりのように、我が国の力というのは大企業が大いに力量を発揮できるような中小企業が存在をしていたということに我が国の経済の発展のこれまでの大きな要因があったというふうに考えているわけでございます。 さらにまた、よく大臣がおっしゃいますように、中小企業は我が国の総事業所の九九%を占める。従業員も四千五百万人近くいて七十数%を占める。大変大きな社会的な影響力を持っているという意味でも当然そうだろうと思うわけでございますが、改めて、そういう考え方を持っております私の考え方に対しまして、大臣の所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、私は委員がお述べになられた考え方、ほとんど違いがないという気持ちでお話を拝聴しておりました。 私どもが中学から高校のころ、たまたま私の友人に東通工という大変小さな会社に関係する御両親を持つ友人がおりましたが、そのころ現在のソニーをその東通工という小さな会社の上に重ね合わせた方はほとんどなかっただろうと私は思います。同様に、今、日本をリードするような産業界の中で高名な企業、本当に中小企業どころか零細企業からスタートしてこられたものがたくさんあることはもう委員もよく御承知のとおりであります。 しかも、それらの企業を支えているいわばすそ野の部分に当たる、俗にすそ野産業という言い方を、これは失礼かもしれませんがよくいたしますけれども、支えている中小企業の存在がなかったとするならば、私は現在の日本を代表する企業の幾つかは到底ここまで成長してこられなかっただろうと思っております。そして、それが示すように、中小企業というのはまさにその持ち前の機動性あるいは創意工夫という能力を発揮しながら今までしばしば構造変化の波を機動的に乗り切ってこられました。そして、それは新しいフロンティアを開拓する担い手としての役割を私は大きく果たしてこられたと思っております。 それだけに、現在非常に厳しい経済環境の中にありましても、中小企業というものが将来に対して活力を維持し続けること、同時に創造性に満ちた活発な事業活動というものを展開していかれること、そしてそれを支えるような役割を我々はできるだけ進めてまいりますけれども、その活動というものが市場に活力と同時に革新をもたらしてくれること、これを我々としては心から願っている次第であります。
○今泉昭君 実は、中小企業をめぐる我が国の経済環境、社会環境が今大変厳しくなっているわけでございまして、かって中小企業といえば、御存じのように多産多死の産業として有名でございました。すなわち、次から次へと新しい中小企業が起こってくるけれども、それと同じような数の中小企業が実は厳しい競争力の中でつぶれていく、多産多死の産業の代表的なものであっただろうと思うわけです。 ところが、最近は、中小企業の社会における状況を見てみますと、多産多死ではなくして少産多死の状況が大変続いているわけでありまして、それだけ中小企業をみずからの手でつくり出していこうという魅力のない分野、大変厳しい分野、規制がある分野というような受けとめ方が大変されているのではないだろうか、こういう危惧を私自身はしているわけでございます。 御存じのように、一時何だかんだと言われましたアメリカの産業が急激にこのところ回復している裏面には、ベンチャー企業を中心とする中小企業の大変な活力のある活動が目立っているわけでございまして、これに比べて我が国の場合は逆な現象が出ているということに大変私は危惧の念を持つわけでございます。 そういう意味で、現在中小企業が特に直面をしている課題というんでしょうか、こういうものについてお伺いをし、それに対して具体的にどのような点を重点的に解決していこうという施策をお持ちなのかということをお聞きしたいと思うわけでございます。 例えば、幾つかの課題があると思うのであります。ここ三年ばかり続いております長期にわたる不況の中で、なかなか企業の経営が思わしくなくて倒産が拡大をしている、この倒産を防ぐということを課題にするのかどうか。 あるいはまた、円高によりましてどんどん海外にまでも中小企業が転出をしなきゃならない、展開をしていかなきゃならない、こういう状態が起きているわけでございまして、これは明らかに国内におけるところのコスト高によって競争力が低下をしているということである。だから、そのコスト力の低下を防ぐためのいろいろな行政措置をとることによって国内の空洞化を防ぎ、中小企業に元気を与えようとする施策をとるのか。 あるいはまた、特に最近は、バブル崩壊以降、銀行の不良債権問題をめぐる状況の中で中小企業に対する資金の貸し出しというのは大変厳しいわけでございます。人に対して貸すのではなくして、その裏にある不動産、資産に対して貸すものですから、最近のように不動産価格が大変下落をしていますと、なかなか金を貸そうとする銀行がないわけでございます。そういう資金問題を中心とした対策を打つのかどうか。今回のこの法案もその中の一部ではあろうと思うのでありますが。 あるいはまた、最近は特に高齢化が進んでおりますが、この高齢化の影響を一番受けている産業というのは中小企業産業でございます。若手労働者はやはり大企業に魅力がございますから、なかなか三K職場であると言われている中小企業には行こうとしない。たまたま昨今の就職難ということで多少動きは違っているとはいいましても基本的にはその流れは変わらないわけでありまして、当然中小企業は高齢者ばかりを抱えている。加えまして、特に親企業、大企業からのいわゆる押し出し人員を受け取らなきゃならない。特に窓際族を無理やりに押しつけられる。こういうこともございまして、大変な高コスト構造に悩んでいるわけでございますが、そういう対応策にメスを当てるのかどうか。 あるいはまた、これからの産業の成長の柱が情報化、情報通信産業であるとかあるいはハイテク産業であるとかあるいはまた医療福祉関係であるとかといろいろ言われているわけでございますが、それらの新しい分野に向けて転出するためにはやはり大変な費用もかかるわけであり、人材も必要なんであります。そういう面に中心を置くのかどうか。 あるいはまた、先ほどのお話にもございましたように、日本の経済構造の転換ということの中で中小企業全体の今までの位置づけを変えて、別な形でこの中小企業全体を一つの産業の方向に誘導していこうとするのかどうか。 さらにはまた、角度は全然違いますけれども、中小企業の分野で働く労働者は大企業に比べまして大変条件の悪い職場で働いていることは事実であります。一般的に言って、賃金もいろんな条件も大体大企業の六割程度の水準でしか働き得ていない、こういう状況でありまして、そういう意味で全く中小企業に魅力がない。こういう状況の中で魅力のある職場にするための援助策に力を入れていくのか。いろんなやり方があると思うんですが、特に当面の対策といたしまして、重点的に考えていらっしゃる施策についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今、委員がさまざまな角度から提起をされましなどの問題も問題としての軽重は本質的にはない、中小企業に対してそれぞれに対する対応策が必要だと思っております。しかし、あえてその中でもし何か一つに絞り込めと言われますなら、私はやはり資金面が一つの大きな問題点であろうと思います。それは、一つは円高、今多少落ちついてはまいりましたが、円高という為替の動きの中における中小企業者の苦しみというものを我々は何とかしたいと思い続け、今日まで努力をしてまいりました。 ちなみに、私が通商産業大臣として本院で初めて御答弁を申し上げましたころ、輸出型の中小企業の調査をさせていただきましたときに、昨年の七月時点でありますが、中小企業の対ドル採算分岐点は大体百十二、三円というところでありました。本年の三月時点で、急速に円高が進行し始めた時点、同じ調査をいたしましたときは百十円だったわけであります。そして、本年の八月二十九日、多少小康状態を取り戻した中でまた調査をさせていただきましたとき、対ドル百八円までそのレートというものは改善されておりました。私は、それだけの中小企業者の努力というものに対しては本当に敬意を表します。しかし、現在の為替の水準が安定したとは言いながら、採算分岐点をはるかにまだ超えているものであることは変わりはありません。 そうなりますと、やはり問題の大きな部分は一つは資金であります。今国会において補正予算を御審議いただきましたわけでありますが、その中に既往の政府系金融機関からの借り入れに対し高金利時代のものに対する減免措置を講じましたのも、ある意味ではそうした視点からの私どもの考え方を示した一つであります。 また、本日御審議をいただこうとしておりますこの信用保険法における付保の問題にいたしましても、現状を踏まえてみると我々はこうした措置が必要だと考えております。 また同時に、廃業率が新たに業を起こす方々の数を超えている状況の中で、いわゆるベンチャービジネスというものが成立いたしますためには立ち上がりにおける資金というものを我々は工夫しなければなりません。なかなか従来の日本の発想の中では、実績のない新たにスタートをしようとする業種に対しての資金供給には問題があります。このしばらくの間、金融当局とも折衝し、証券市場の改善を求めたり、そうした努力をしてまいりましたのも、我々としてはこうした点について意を払ってきたからであります。また、政府系金融機関に対しベンチャービジネスというものに対する金融措置を工夫させてまいりましたのもそうした考え方の一つでございます。 しかし、問題はそれだけではありません。先ほど委員も御指摘になりましたように、親企業が海外に転出をした結果、ついていき得た、それだけの体力を持っていた中小企業は引き続き仕事ができましても、国内に取り残されました下請には仕事が途絶えるという問題はあります。こうした受注難にどうこたえるか。 さらに、流通規制の緩和等がある。これは普通、規制緩和というのは喜ばれる方向に働くものでありますけれども、現在流通規制の緩和などは逆に価格破壊という現象で、消費者にとっては利益になることでありましても、それぞれの段階における経営者あるいはその従業員にとっては非常に厳しい状況も生み出しております。これらを軟着陸させるためにその構造変化をどうしていけばいいのか、これも我々として忘れられる課題ではございません。大店法の改正問題でしばしば私が煮え切らない答弁といってしかられます原因も実はその辺の思いが、私の考え方もなかなか一つにし切れない、本音でお答えを申し上げるならばそうしたものがございます。 ですから、私たちは、やはり今大事なことというのは、思い切った内需拡大によって日本経済全体が景気回復に向けた足取りを着実なものにしていく。そして、その中で中小企業の経営基盤の安定強化というものを図りながら、それも一つの手法ではうまくいきません。今回労働省と共同して法案の御審議を願っております雇用関係の法律もございます。こうしたものを含めて幾つかの施策を組み合わせながら、中小企業の皆さんの持っておられる先行き不透明感というものをどこまでぬぐっていくことができるか、そして長期的な視点に立って構造改革の中でみずからの道を探していただくことができるか。私どもはそうした意欲のある中小企業の方々を支援しながらこの時代を乗り切っていきたい、そのように考えておるところであります。
○今泉昭君 私の質問する時間がなくなってしまいましたので、実はもっとたくさん質問したかったんですが、もう一点だけ簡単にちょっと追加をさせていただきたいと思うんです。 これは労働省とも関係がある問題だと思うんですが、御存じのように、中小企業対策というのは政府がこれまで大変な御努力によりまして大変いろいろな施策をとっていただいております。その中で一つだけ大変欠ける点があるんじゃないかと思うんですが、あの分厚い資料集を見ましても、労働対策というのはもう二ページぐらいのぺらっと書いてある程度なんでございます。 と申しますのは、中小企業は社長が一人何役もやっているわけですね。社長、営業部長、それから技術部長、販売部長、人事部長もやっているわけであります。そういうことをやっているものですから、人事面に関する問題というのは一番最後に取り扱われるんです。ところが、企業を支えるのは、やっぱり企業の最大のパートナーは人でございます。その人をどのように育てるか、どのように指導するかという面が一番欠けていると思うわけであります。 通産省の団体にはいろんな補助金が出まして、中央会とか商工会とかあるいは工団連とかいろいろございまして、そこで指導はされておりますけれども、これはいずれも経営の立場に立った指導が中心になっているわけです。したがいまして、そこに働く人たちのいろいろな苦労とか労働条件とかというのは一番最後に取り残されてしまう。これが経済的な面だけではなくして労働条件がおくれている理由の一つじゃないかと思うんです。 九七年には既にもう時間短縮の例外措置が撤廃される準備になっておるはずでございまして、そういう条件を整えるためには、そういうものを取り扱う、いわゆる経営の立場に立って取り扱うのではない、労働団体の代表も含めた第三セクター的な指導機関というものをつくって指導していくことが今後の中小企業に活力を与える一つの大きな要因になるんではないだろうかというような気もいたしますので、できましたならばそういう点も今後検討していただきたい。 お答えいただきますと時間がなくなりますから、要望だけにとどめておきたいと思います。
○渡辺孝男君 平成会の渡辺孝男でございます。 本日は、中小企業信用保険法の一部改正案及び政府の中小企業対策について、橋本通産大臣初め通産省・中小企業庁に対して、短い時間ではございますが、質疑をさせていただきたいと思います。 まず最初に、今回審査に付されております中小企業信用保険法について質問させていただきます。 資料によりますと、平成六年度の信用保険の利用状況を見ますと、全体で前年度比九六・九%、特に特別小口保険の利用状況が前年度と比較しまして八六・九%と大きく落ち込んでおります。 そこで、第一の質問ですけれども、こうした大きな落ち込みにもかかわらず、今回特別小口の付保限度を七百五十万円に引き上げる改正を目指しておりますけれども、その根拠についてお答えいただきたい。 それからもう一つ、関連しておりますので、ほかの普通保険、それから無担保保険の方もやはり同じような傾向を持っておりますけれども、そういう保険利用状況の変化を当局としてどのように考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(新欣樹君) 特別小口保険を中心といたします保険の利用状況についてのお尋ねでございますが、平成四年度から七年度までの保険利用状況というものを全体として見てみますと、平成四年度は対前年度比金額ベースで一一・六%、それから平成五年度は同じく二七・七%というような伸びで来たところでございます。 特に、平成五年度につきましては、平成五年の五月に中小企業信用保険法の一部を改正いたしまして、普通保険、無担保保険、特別小口保険などの付保限度額を引き上げでございます。この付保限度額の引き上げに伴って保険利用の実績もまた伸びたものであろうということも認識をしておるところでございます。 一方、御指摘のように、平成六年度でございますけれども、五年度の利用に比べまして保険利用が減少しております。特別小口保険につきましては九割を切るというような状況でございます。全体としましても、御指摘のように九六・九%ということでございますが、これは中小企業の資金需要自体が一般的に停滞をしていたということの影響でございまして、保証協会への保証申し込み自体が減少をしておったという状況でございます。 ただ、本年度に入りまして再度保険利用が増加に転じでございます。特に無担保保険、特別小口保険、例えば本年の五月ですと、対前年度同月比でいきますと、無担保保険で一二三・二%、あるいは特別小口保険で一三五・五%ということ、あるいは六月でも無担保保険は一一四・三%、特別小口保険一四四・一%と非常に高い伸びを示してございます。これは中小企業自身の担保力といいますか信用力、これが非常に落ちてきておるので、特にこういった部分についての需要が大きいということだろうと思います。 したがいまして、結果として付保限度額の上限に近い保証債務の残高を有している企業の数あるいは保証債務残高の割合というものが高まってきてございますので、付保限度額の引き上げを図ることとしたところでございます。
○渡辺孝男君 今回の七百五十万というような上げ幅でおおよそ効果が認められるだろうという考えでございますね。 二番目の質問に移らせていただきます。 同じく、今回の改正で付保限度額が引き上げられました新事業開拓保険に関連しまして質問させていただきたいと思います。 新事業開拓保険は、平成六年度で一三〇・七%と他の保険とは対照的に利用額が大きく伸びております。しかし、件数自体は横ばいのようで、この新事業開拓保険は利用に当たって条件が具体的に設定されておりまして、中小企業にとっては非常に利用しにくい、あるいは非常に拘束された利用しかできないのではないか、それが件数が横並びになっているというのが多少関係あるのかどうかそのように考えておりますけれども、その辺の考え方はいかがでしょうか。 新事業開拓保険を含めまして、新しい中小企業の発展に向けましてどのような対策が今後考えられるか。先ほども質問にありましたけれども、いっそ思い切った弾力的な運用というものが必要になるんじゃないか、件数をふやすような対策が必要なんじゃないかというふうに考えますけれども、橋本通産大臣の見解がいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 通産省といたしましては、従来から信用保証協会に対しまして中小企業の立場に立った保証を行うように適宜指導を行ってまいりました。また、本年の五月、改めて緊急円高・経済対策の実施などに当たりまして、担保徴求の弾力化など適時適切な保証などが図られるようにという指導を特にいたしてまいりました。 今、委員が御指摘になりましたような問題点を含めまして、私どもはこれから先もこうした措置によって、新しい事業のための債務保証あるいは無担保の債務保証というものを初めとした信用保証制度の一層の利用が図られますような適切な対応というものを心がけてまいりたい、そのように考えております。御指摘は大事に受けとめさせていただきたいと思います。
○渡辺孝男君 では、次の質問に入らせていただきたいと思います。 本年九月二十日の経済対策における中小企業の構造改革の推進に関連しまして大臣の方に御質問させていただきたいと思いますけれども、今回の経済対策の中に、都道府県の財団等を窓口にして地域の創造的事業活動を行う中小企業の資金調達を支援するために新たな直接金融スキーム、創造的中小企業創出支援事業、仮称ですけれども、が提示されております。 私は山形県の米沢市に住んでおりますけれども、例に漏れず地域産業の停滞と雇用不安が大きな問題であり、今般の産業の空洞化がさらにそれに暗い影を宿しておるわけであります。それに対しまして、山形県としてもイノベーションランド山形というような政策を掲げて頑張っておるわけですけれども、各県も同じようにそういう対策を考えておられると思うんですけれども、国の政策と自治体の施策との一層の連携というものが非常に大切であると考えますけれども、その点に関しまして大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは委員の御指摘のとおりでありまして、新規事業の支援というものを考えます場合に、やはり地域産業の特性に十分配慮しながら政策展開をしていくことが非常に重要だということは我々もそう考えております。 こうした観点から、中小企業庁として本年四月に施行いたしました中小企業創造活動促進法を中心にして、都道府県と一体となりまして新規事業支援施策を現在も行っているところでございます。また、今度第二次補正予算におきまして創設させていただきました創造的中小企業創出支援事業というものにおきましても都道府県と協力した施策実施を予定しておりまして、これは自治体の協力がなければうまくいくものではありません。引き続きこれから先も地域産業の特性に配慮した産業政策というものを展開してまいりたい、そのように考えておるところでございます。
○渡辺孝男君 三番目の項目の質問に入らせていただきたいと思います。 昨年の六月の産業構造審議会基本問題小委員会の報告書には、二十一世紀に向けまして成長が見込まれる十二産業分野が示され、その中の一つとして福祉用具が医療機器とあわせて掲げられております。急速に進む二十一世紀の少子・高齢化社会におきましてこの医療・福祉サービスへのニーズが非常な勢いで高まっている。その反面、医療・福祉関連産業は、その産業としての基盤の脆弱さ、未熟さや社会的な需要システムの不備などによりまして産業化が立ちおくれている、そのように言われております。 本日は、中小企業に依存していると考えられます。そういう福祉用具、介護機器などの産業化について、要介護者を私自身これまで医療の中で多く見ておりましたので、そういう観点で少し質問させていただきたいと思います。 現在の福祉用具・介護用具産業の実態について御報告をお願いしたい。特に、この産業に占める中小企業の位置やそれから比率についてお聞きしたい。あわせまして、現在政府が講じております支援策についてもお伺いできればと考えております。よろしくお願いします。
○政府委員(渡辺修君) 福祉用具産業に関します産業実態並びに各種支援策についてのお問い合わせでございます。簡単に御説明申し上げたいと思います。 御指摘のように、福祉用具の関連産業でございます。その実態につきましては、中小企業が中心になっておりますけれども、現在公式の統計資料というのはございませんで、それの実態の詳細について把握することがなかなか難しいのが現実でございます。 そうした中で、例えば車いすだとかあるいはベッドといった非常に身近な日常生活用品機器でございますけれども、こういったものについてやや狭い意味の福祉用具の産業になりますけれども、これの市場規模が大体千四百から千五百億ぐらい、こういうふうに言われております。しかも、その大部分は中小企業の皆様方がこれについて生産をし、さらに大変重要な役割を果たしておる、こういう分野でございます。 ちなみに、一例で申し上げますと、いわゆる車いす、これは日本車いす工業会というのがございます。これには約二十八社の企業が参加いたしておりますけれども、そのうちの二十七社が中小企業である、こういったような実態でございます。そういう意味で、中小企業の皆様方の果たしていただく役割はますます大きくなってくる、かように考えております。 これの支援策でございますけれども、平成五年十月、御案内のように福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律というのが制定されました。この法律に基づきまして、平成五年から、NEDOという組織がございます。ここを中心にいたしまして、福祉用具の実用化開発を行う企業に対しまして各種の技術開発の助成を通産省として行ってきております。 例えば、家庭用入浴介護支援ソフトの開発、これは電気では非常に水があって危のうございますので、水圧を利用してリフトが上下するようなそういう介護技術用具を開発するとか、そういった都合三十社、二十八件について今日まで開発を行ってきておる、こういう実績がございます。 さらに、平成七年からはこの支援を抜本的に強化しようということで、私どもの機械情報産業局内に医療機器・福祉機器産業化のためのプロジェクトチームを設立いたします。ここを核にいたしまして取り組んでおりまして、先般の二次補正予算におきましても、福祉用具の評価基盤整備事業ということで一億強の予算を計上させていただいた、かような状況でございます。 さらに、全国に幅広くおります中小企業の皆様方にこの福祉用具の関連の啓蒙普及を図っていただく、そういう意味で健康福祉用具産業化フォーラムという、実は本日これを組織いたしまして、五十六社の参加を仰ぎまして協議会を発足させました。こういったものを核にいたしまして全国で産業化を盛り上げていこう、かような施策を展開しておるわけでございます。
○渡辺孝男君 最後に、時間もなくなりましたけれども、そういう福祉介護産業に対する通産大臣の今後の展望などを、短い時間ではありますけれども、お伺いいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) たまたま私の父親は肢体不自由者でございまして、私が物心つきましたころにはまだ松葉づえを使って特殊な靴を履かなければ自力で行動できない状態でありました。晩年はステッキだけで行動できるようになりましたけれども。その当時からこうした問題、私なりに気をつけて見てきたと申しても過言ではないと思います。ところが今、母がほとんど寝たきりの状態になりましてもう数年たちました。そして、当初実は、父が自分で努力をしておりました時代に比べて関係する機器がこれほど発達したのかと、母が倒れました直後は正直そんな印象も持ちました。ところが、時々うちに連れて帰ってまいりますたびに、やはり医療機関の中で使いました場合には、いわばプロの方々が使われますために非常にスムーズに使える機器が、自宅で家族が使おうとしたときいかに使いつらく操作に問題があるものか、あるいは建物の構造等に非常に影響されるものかということを合いや応なしに改めて感じております。 それだけに今、委員が御指摘になりましたようなよい、しかも安い福祉機器というものを開発し、それを市場に提供していくためには、私は行政としても今以上に非常に苦労をしていかなければならないであろうと思います。 今、局長の方から御答弁を申し上げましたように、通産省としての努力はさまざまな角度から行ってまいりました。むしろ、これから先はそれを利用される立場の方々あるいはその間に介在される医療機関あるいは福祉施設等の方々、そうした方々の声をいかにうまく受けとめながらその開発に生かしていくかということが大きな課題になるであろうと、こう思います。 けさも省内で議論をしておりましたが、むしろ積極的に厚生省を初めとした関係各省との連携を深めながら、その中でよりよいものをつくり出す努力をしていきたい、そのような思いを今私個人といたしましても、また通産省としても持っておりますということをお答えにさせていただきたいと思います。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
○齋藤勁君 社会党の齋藤勁でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 大臣、大変お疲れだと思います。総理もトンボ返りであり、大臣もイギリスの四極通商会議、大変ハードスケジュールであろうと思います。後ほどその辺につきましても一、二お伺いさせていただきたいと思います。 本特別委員会は、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の審議をしているわけでございますが、今回のこの改正はさきに発表され、今補正予算案も可決をいたしましたけれども、九月二十日の経済対策が全体的なフレームとして骨格になっていることは言うまでもないというふうに思います。そういった意味で、この経済対策、このことを前進させていくということ、もちろんこの信用保険法の一部改正については賛意を表する立場の中で何点かお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 過日もう可決をいたしました補正予算の中にもございました。私は神奈川を選挙区としておりまして、初めて当選をさせていただきました。偶然この委員会にも石渡先輩もいらっしゃいますし、西川委員もいらっしゃいまして、今期当選者三人実はいるわけでございまして、私だけが神奈川神奈川と言うわけでもございませんけれども、私はさらに横浜に住んでいるわけでございますが、この横浜、川崎という大都市の中でも繁華街と言われる商店街のくしの歯の抜けたような状態というのは非常に残念な状態でございます。 今回そういったようなことで、空き店舗対策ということについて施策が講じられました。大変時宜を得た施策だというふうに評価をさせていただきます。消費者にとりましても不便でございますし、商店街の活性化あるいは地域経済、大変このことについての悩みになるわけでございます。とりわけ、この間は後継者がなかなか困難だ、あるいは総合的に企業が転出をしてしまっているということがこの背景にございます。また、大店舗法等の大店舗のそれぞれの侵食等もあろうと思うんです。 改めてお伺いさせていただきますけれども、今度のこの空き店舗対策制度の意義づけについて、その概要をお伺いさせていただきたいというふうに思います。
○政府委員(井田敏君) 空き店舗につきましてのお尋ねでございますが、近年の消費者ニーズの多様化あるいは高度化あるいは大店法の規制緩和等を背景といたしまして、小売業におきまして大変競争が激化しております。この結果、全国各地の商店街で、御指摘ございましたように空き店舗問題が大変深刻化しているわけでございます。 空き店舗が発生いたしますと、いわゆる業種そろえが崩れる、寂れたイメージが出てくる、こういうことから商店街全体の集客力が低下することになりまして、これを放置いたしますと商店街が崩壊してしまうおそれもありますし、ひいては商店街を地域の顔といたしております地域社会全体が深刻な影響を受ける、こういう懸念が非常に強いわけでございます。 こういう状況にかんがみまして、私ども、組合あるいは個々の中小小売業者が商店街に発生いたしました空き店舗をいかに有効に活用していただけるか、このための助成策を今回の七年度第二次補正予算案において計上したわけでございます。 具体的な中身でございますが、主に二つございます。 一つは、中小企業事業団が行います高度化無利子融資制度を拡充いたしまして、組合等が商店街にできました空き店舗を活用いたしまして新しく店舗を改造しよう、あるいは店舗を新設しよう、あるいは共同の施設を整備しよう、こういう際に、従来でありましたら二十名以上の事業者によることを条件にいたしておりましたが、今後は五名以上が集まりますと、こういう事業に取り組むことができるというふうにしたわけでございます。 二点目は、中小企業金融公庫等の融資制度、これをさらに拡充いたしまして、商店街に発生しました空き店舗に新たに出店しようとする、こういう中小の小売業者に対しましてかなり低い金利の融資制度を設けることにしたわけでございます。
○齋藤勁君 今回、中小企業事業団あるいは中小企業金融公庫等を通して空き店舗の有効活用をされていくということでございます。 なお、今回の資金面ということですが、あわせてその資金面も非常に大切なわけで、そういった意味での施策については先ほど申しましたように私は賛意を示しますが、どういう商店、どういう店舗が入っていくかという、そういったケアもやはり同時に対応していかなきゃならないと思いますので、そのことについてひとつまた総合的な施策として講じていただくように要望させていただきます。 なお、この制度がいつスタートを目途に今検討されているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(井田敏君) 補正予算が成立させていただきましたので、直ちに活用ができることになっております。
○齋藤勁君 直ちにというのはどういう、月日で言っていただけますか何月からとか。もう今でもよろしいわけですか。
○政府委員(井田敏君) 補正予算が成立した日以降、いつでも使える状況になっております。
○齋藤勁君 非常に待望している制度だと思いますが、ぜひPR等を怠らずに、ああこういう制度ができたんだと、本当は活用したかったんだけどというようなことがないように、そごがないように、このことにつきましても要望をさせていただきたいというふうに思います。 次に、いわゆるストックオプションについてお伺いさせていただきます。 かねて私も、この導入についてやはり積極的に早く日本が取り入れるべきだという考え方を持っておりまして、今回の経済対策の中で取り入れるととについても非常に喜ぶべきことだというふうに思います。既に予算委員会等で議論をされている部分もございます。 企業家が意欲を持って知識、技術力を発揮していく、そしてそのことが企業に活力を与えていくということ、そしてまた利益を与える企業家自身も利益を得るということ。ただ、このことを導入してもネックになっていくのが現行税制制度であるという実は理解をしているんですが、この現行税制制度についての問題点、そのための施策並びにアメリカの場合はこういうふうにしていますよということについて、この制度について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(横川浩君) ストックオプション制度にかかわります税制につきましては、役員等がストックオプションの権利を行使いたしますと、現行税法上におきましては、その時点における株式の時価と権利行使価額、これはあらかじめ定められたかなり低い額になるわけでございますが、この差額が経済的利益とみなされまして、この金額に対して所得課税されることになります。それからさらに、株式の売却時点におきまして、譲渡価格と権利行使時点の時価との差額に対しまして譲渡益課税がなされるものと考えられます。 お尋ねの米国の状況でございますが、米国におきましては奨励型ストックオプション制度というのが存在をいたしておりまして、税法上の一定要件を満たした場合には権利行使時点で非課税、売却時点において譲渡益課税が行われていると聞いております。 それで、今後どうするかというお尋ねでございますが、現行税法上のもとにおきましては、権利行使時点におきまして現金収入がないにもかかわらず課税されることとなるわけでございまして、この納税資金を捻出するために株式売却を行わざるを得なくなる場合があることなどから、ストックオプション制度の魅力が減殺されるおそれがあるのではないかと感じておる次第でございます。 こういったような観点から、平成八年度の税制改正要望といたしまして、まず権利行使時点での所得課税を株式売却時点まで繰り延べること、それから株式売却時点におきまして売却価格と権利行使価額との差額に対し譲渡益課税を行うこと、この二点を内容といたします特例措置の創設を通産省といたしまして要望をいたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、税制の中立性、公正性というものを前提といたしながらも、新たに導入するこのストックオプション制度が効果を上げますように対策を考えていくことが必要であると考えておりまして、八年度税制改正の議論の中で税制当局と調整を図っていきたいと思っております。
○齋藤勁君 平成八年度の税制改正がやはり大変重要になるというふうに思います。そういう上で、きょうは通産省を中心にした質疑をしているわけでございますが、過日の予算委員会で大蔵省の答弁、そして引き続きまして村山総理大臣からその税制改正に向けましての答弁がございます。今御答弁ございましたように、中立公正というのは前提だけれども、せっかくそういう制度を導入するわけですから、二律背反性のところがありますけれども、しかしここはやっぱり工夫して効果が上がるような対策というものを考えていく必要があるということを総理大臣は答弁しているわけですね。 ですから、税制改正の中で必ずやるということで総理大臣が答弁をしているというふうに受けとめておるんですけれども、改めて、総理が答えて通産大臣にというのは大変失礼かもわかりませんが、通産大臣としての税制改正に向けましての決意についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは本当に総理の御答弁で尽きておるわけでありますけれども、あくまでやはり税制というものは中立性、公正性というものを前提としなければなりません。しかし、せっかくストックオプション制度をつくりました以上、そのつくった意味が生きなければどうにもなりません。 今、審議官からも御答弁を申し上げましたように、私どもはその問題意識を持ちまして税務当局との間で議論を行っていきたい、そしてやはりせっかくつくりました制度が生きて使われる状態にしていくために全力を尽くしたい、そのように考えております。
○齋藤勁君 ここ最近新しい企業家の数がともかく減っているということで、深刻だということで大臣もさまざまなところで発言されて、そのことが施策に盛り込まれているというふうに私も受けとめておりますが、このことが有効性あるようになお税制改正へ向けて格段の御努力をぜひお願いしたいというふうに思います。 残る時間も少なくなりました。この残る時間で通産大臣に四極通商会議の感想を述べるというのは大変失礼な時間帯になってまいりましたけれども、この四極通商会議、イギリスから本当のトンボ返りでございまして本当に御苦労さまでございました。改めて、帰ってきた上で、今会議の主要テーマ、課題、それからそのテーマを話し合ったけれどもこうでしたと、そういうようなことについてまず所感、感想についてお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の四極貿易大臣会合におきまして、大きなテーマとして申し上げなければならないものは、WTOがスタートをした現在、ウルグアイ・ラウンドで未解決のままに残った問題をどうとらえるかこれがまず一つの議題でありました。 同時に、今各地で始まっておりますさまざまな形での地域統合というものが、果たして今後WTO体制というものを強化していく上でプラスになる部分とマイナスになる部分と一体その比率はどうなんだろう。これは非常に難しいテーマでありましたが相当の時間を割いたと、こう申し上げてよろしいかと思います。 一つは、そのWTOについて残っております問題で、基本電気通信などの分野がございます。これにつきましては、四極としても一層の努力を傾注していくことでお互いの足並みがそろってまいりました。ただ、海運のように今回も議論が集約できなかった部分はございます。あるいは貿易と投資といった新たな課題について今後これらを議論していくことの必要性とともに、いかにWTOの中にこうした課題を持ち込んでいくかというのももう一つのテーマでありました。 ただ、貿易と例えば環境、あるいは貿易と労働といったように他の問題と関連してくるために、議論はしたけれども終結させなかったという種類の問題もございます。同時に、それぞれの国内における規制とか制度というものがマーケットアクセスに対して非常に大きな影響を持っている。そして、その貿易問題の視野を拡大していくという必要性からいくならば、現在、これは日本がもともと言い出したことでありますけれども、OECDで行っております規制制度改革の検討作業について説明をすると同時に、各国の同意を得るというところにまでこぎつけました。 その地域統合につきましては、さまざまな形態がありますために一つの集約されたものにはなっておりません。しかし、地域統合というものが閉鎖的になりました場合、それは世界経済の上に大きな支障を来す、これは共通の視点でありましたし、私の方からは特にAPECというものが開かれた地域主義というものを持って動いていること、そして本年議長国としての日本がどんな考え方で、これは主としてEUに対しての説明になったわけでありますけれども、議長国として行動していこうとするか、そうした点についての説明を申してまいりますとともに、WTOにおける多角的自由貿易体制へのプラスの面が、開かれた地域主義という運営で進められる限りにおいて大きくプラスしていくというような点を私の方からは申し述べてきた次第でございます。 これにあわせまして、多少時間をお許しいただきますけれども、カンター・アメリカUSTR代表との論議の中では、自動車交渉のフォローアップ等を含めまして、米国を初めとする諸外国からの対日輸出の増加、同時にこれが我が国の経常収支黒字の減少につながっていく、こうした点についての議論とあわせまして、今後残る他の問題についても議論を継続していくといった内容の話し合いをいたしました。 また、EUのブリタン副委員長との間におきましては、全体として良好にEUと日本との間は推移をいたしておりますが、新しくEUが幾つかの国を中に迎え入れました結果、関税等で問題が起きております。そうした点について解決につながる方向での話し合いができたことを非常に喜んでおりますし、国際経済発展という視点から日米、日欧といった二国間関係だけではなく、日米欧というものが協力しながら問題解決に当たっていくことの重要性というものをお互いに確認をした。 非常にラフな拾い上げ方でありますけれども、そのような結果になろうかと存じます。
○齋藤勁君 今回、四極通商会議の前の報道等で、私ども関心がありましたけれども、いわゆる中国のWTOの加盟問題というのが非常に課題だったということで、意思統一できなかったんです。できなかったということはわかるんですが、その事情もありますが、日本の役割、中国を加盟させていくという日本の役割はどう持たれるかお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この問題は非常に大事な問題の一つでありましたけれども、必ずしも余り長い時間をかけての議論ができなかったテーマでございます。 そして、四極ともに中国をWTOに迎え入れていくことの必要性、これについてはどの国も異論はございませんでした。同時に、中国経済というものに非常に踊りがありますために、ある部分では途上国であるけれども既にある部分においては先進国になっている部分を持っている、そうした中国経済のいわばばらつきというものをどう評価していくか、これによって大分各国の考え方に違いがありまして、それ以上の議論はできませんでしたけれども、集約をしていこうとした場合には、その中国経済の現況というもの、同時に途上国という立場で中国が行っておりますさまざまな措置をどこまで許容するかといったことが今後問題として議論の中で大きくなっていくのではなかろうか、そのように判断をいたしております。 我々としては、中国をやはりWTO体制の中に積極的に迎え入れていく必要性というものを強調しつつも、その先進国の部分、途上国の部分、分けて対応しなければならないのではなかろうかそのような考え方を述べてまいりました。
○西山登紀子君 法案に関連いたしまして、まず最初に運用上の問題についてお聞きをいたします。 今回の改正は、我が党もかねてより限度額を引き上げるということを要望してまいりましたので、一歩前進だというふうに評価をしているわけです。 ところで、提案理由は、「中小企業に対する事業資金の融通の一層の円滑化を図る」というふうにしているわけですけれども、それでは実際はどうかということで見てみますと、一件当たりの平均の保証引受額、これを見ますと限度額を大幅に割り込んでいるわけです。例えば、九四年度で見ますと、普通保険では保証引受額は、限度額が二億円であるのにその一〇%に満たない千八百九十二万円です。無担保保険では限度額の二五%程度、五百二十万円ということで、特別小口でやっと五割強の二百六十九万円、この傾向というのは近年続いているわけです。ここの落差が大きいことが私は非常に気になります。もちろん、みんながみんな限度額まで借りるというわけではないわけですけれども、この落差というものが大変気になるわけです。 限度額を引き上げましても運用の面で必要以上に審査が厳しいとか無担保でも担保を要求されるなどのそういう厳しい運用を行えば今回の改正の意味が半減する、こういうふうなことにもなりかねないと思うわけです。私は京都なんですが、中小企業の方と懇談をいたしましたけれども、例えば担保の評価が非常に厳しい、また手続が非常に長くかかる、こういうふうな御意見も伺ってきました。 全国信用保証協会連合会というのが昨年十一月に第四回目の信用保証制度に対する中小企業者・金融機関の意識調査というのを行っているわけですが、これは大変立派なものだと思います。そこでは、制度そのものは大変よい制度だ、こう言われる方が八割を超えているわけですけれども、しかし現行制度や信用保証協会に対する改善を求めるという要望の中で一番強いものは何かといいますと、無担保保証の限度拡大、これはいいわけです。そして、保証人の条件緩和、保証料の引き下げ、審査期間の短縮、こういうのが上位を占めているわけです。大きな負担感がなくて手軽に借りたいと、大変困っている中小企業が借りやすいというような状況にあるのかどうか、こういう点でも耳を傾ける必要があると思います。 そこでお伺いいたしますけれども、今回限度額を引き上げるという改正がなされるわけですけれども、より運用面で借りやすいように、中小企業の発展、救済を主眼といたしました今回の改正でございますので、十分な配慮を期待したいというのが一点。 そしてまたい今回特別小口の対象者が小企業者から小規模企業者へ拡大するんですけれども、そのことで零細な自営業者への融資がしにくくなる、保証がしにくくなるのではないかという心配の声が出ているわけですけれども、そのような心配はないかどうか確認をしておきたいと思います。
○政府委員(藤島安之君) 第一問の方でございますけれども、中小企業信用保険法の運用の問題で、手続あるいは保証人のとり方の簡素化、迅速化を図るべきではないか、こういうお話でございます。 先ほども大臣の方からお答えさせていただきましたように、従来から通産省の方では、全国にあります信用保証協会に対しまして中小企業者の立場に立って保証を行うよう指導してまいりました。この五月には、四月十四日に決定されました緊急円高・経済対策の実施等に当たりまして、さらに各地域、各業種の実情を十分考慮して、保証と手続の迅速化あるいは担保徴求の弾力化等を行うよう通達を出したところでございます。今後ともそういった中小企業者の立場に立った保証が行われますように、今回の法案の改正を契機に一層の指導をしてまいりたい、こういうふうに考えております。 それから、第二番目のお尋ねでございますけれども、今回の法律改正におきまして、特別小口の対象者の範囲を、製造業でございますが、従来の従業員五人以下の小企業者から従業員二十人以下の小規模企業者に拡大するということによりまして従来の小企業者が不利をこうむらないかこういう御心配でございました。 私どももそういう点を十分考えていろいろ検討したものでございますが、結論から申しますと、そういうことはあってはならないし、そうならないであろう、そういうふうに私どもは思っております。そういうふうに保証協会に指導してまいりたいと思っております。 ひとつ数字を申し上げさせていただきますと、既に七つの協会で自主的に小規模企業者についても無担保無保証で保証を実施しております。そのような場合でもそういうことが起きていないので大丈夫ではないかと思っております。また、そういうことがないように指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○西山登紀子君 よろしくお願いいたします。 次に、京都の西陣問題について少し伺いたいと思うんです。 ことしの三月に、第十四回目の西陣機業調査、こういうのが出されました。これは三年ごとに京都府、京都市、西陣織工業組合が共同して行う調査であります。 今回、とりわけこの調査で初めて西陣織の国外生産状況というのが調査されたわけですけれども、国外生産をしている企業は二十二社、扱っている企業は十社ある。七割の企業が中国に進出しているわけですけれども、帯地が五割を占めているということなんですけれども、問題は、現在外国産の帯地がどれだけ輸入されているかという通関統計がありません。つまり、この絹製の帯ですね、私きょう持ってまいりました。これが西陣織の帯です。(資料を示す)とてもきれいなものです。見事なものです。この帯地が、実際は品目番号六二一七というんですけれども、ベルトという品目番号で登録がされているために逆輸入がどれだけされているかという実態が把握できません。正確な実態が把握できないためにそれに的確な対策がとれない、こういう状況でありまして、京都の府議会、市議会ではたびたびこのことが問題になってきて政府に要望が続いていたと思います。 そこで、大蔵省来ていただいていると思うんですけれども、今後このベルトを帯その他というふうに特記をしてくれないかということで通産省の方から要望が出されていると思うんですけれども、ぜひそのように実態を把握して早く改善をしていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○説明員(塚原治君) 通関統計の品目細分を規定いたしました輸出入統計品目表につきましては、毎年これの見直しを行っております。通関統計品目細分の新設につきましては、物資所管省庁からの要望などを勘案いたしまして、通関統計に新規に掲上する必要があるかどうか総合的に判断しているところでございます。 現在、来年一月実施を目途に、お尋ねの絹製の帯なども含め、所管省庁からの要望などを踏まえながら何を特掲すべきかについて鋭意検討を進めているところでございます。
○西山登紀子君 この帯がベルトという品目とは大変おかしなわけでございますので、ぜひ早く改善をしていただきたいと思います。 最後に、時間が少なくなりましたけれども、大臣にお伺いしたいと思います。 十月六日に京都府議会で、「海外生産された帯・帯地の原産国表示義務化に関する意見書」というものが超党派で採択をされたわけでございます。その部分を少し紹介したいと思うんです。「五百有余年の歴史を誇る織物産地西陣は、生糸輸入一元化政策に伴う糸高等による国内和装需要の減少、一部企業の帯地国外生産による技術の流失、更に粗悪品を含む輸入品の増大による和装品に対する消費者の信用失墜等からこ「今や存亡の危機に直面している。」「よって、政府におかれては、消費者に正しい製品情報を提供するために、海外で生産された帯・帯地について」「原産国の表示を義務付けられるよう強く要望する。」ということで、総理大臣、大蔵大臣、通商産業大臣、公正取引委員長あてにこういう意見書が採択されているわけです。 私は、この意見書というのは大変道理があるもっともな意見書だというふうに思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 御指摘があるということで調べてみました。 そうしますと、その原産国表示というものについて原産国の表示を義務づける法律そのものがございません。しかし、関連のある法律として公正取引委員会の所掌する不当景品類及び不当表示防止法がありまして、この法律によりまして原産国の不当な表示が禁止されております。 ところが、問題は、原産国の定義を決めております公正取引委員会事務局長通達というのがございますが、帯及び帯地は衣料品の中で外衣というところに分類されておりまして、その商品の実質的な変更をもたらすような行為というものが縫製となっておりまして、製織、織った方ではなく、織った原産国というのは何ら実は規制の対象になっていないわけであります。 むしろ、私は今回初めて知りましたが、通産省の事務当局としては公正取引委員会に対してこの通達の改正を要望してきておりました。今後とも必要に応じて公正取引委員会と十分相談をしていきたい、そのように思います。
○国井正幸君 新緑風会の国井正幸でございます。 今、産業の空洞化の危機というのが叫ばれてもう大変久しいわけでございますけれども、特にこうした中で私どもが憂慮しなければならないということは、仕事をやめる人、いわゆる廃業率が、新たに業を起こそうとする人の割合、起業率といいましょうか開業率といいましょうか、これらを上回っているという現状があるわけでございます。 こうした中にありまして、中小企業あるいは広く我が国経済を活性化させるというふうな意味で大変重要なものにベンチャー企業の育成というのがあるのではないかこういうふうに思うところでございます。政府においてももろもろのベンチャー企業支援措置を講じられておるというふうには思いますけれども、本日はベンチャー企業の支援に関する問題等についてお伺いをしたいというふうに思います。 ベンチャー企業が直面している課題は幾つかあるというふうに思うんですが、まず第一は金融面の問題があるのではないかというふうに思います。例えば、中小企業庁の調査によっても、ベンチャー企業の創業者の五六・七%に当たる方々が、その創業時に資金が十分に確保できなかった、こういうふうにアンケートに答えているわけでございます。その理由としては、六八・八%の創業者が担保条件あるいは保証条件が大変厳しかった、こういうふうなことを言っているわけでございます。したがって、こうした条件をいかに緩和していくかということが大変重要だというふうに思うわけでございます。 最近、この問題の一つの打開策といたしまして、知的財産権をいわゆる担保として融資をしようではないかこういう動きが出ているわけでございます。通産省においても知的財産権の担保について支援策を講じようとしているというふうに思うわけでございますが、その概要について、時間もありませんので、ひとつ簡潔にお答えをいただければと思うところでございます。
○政府委員(横川浩君) 御指摘のとおり、新しい事業をやっていかれようという方が成長いたしますために円滑な資金の供給が必要でございますけれども、こうした新規事業者の方々は往々にいたしまして不動産などの有形資産が乏しいことから、その有する知的財産権を担保といたしまして資金を調達することが考えられるわけでございます。 知的財産権の担保化を促進いたすために、通産省におきましては、現在、学者や実務家などを交えまして知的財産権の価値評価手法及び特にコンピューターソフトウエアを担保といたす場合の諸論点について検討を行っているところでございます。 通産省といたしましては、今申し上げました検討を進めますことを含めまして、新規事業者への円滑な資金供給のために知的財産権の担保化の促進に取り組んでまいる考えでございます。
○国井正幸君 今もお話ありましたいわゆる知的財産権価値評価手法研究会ですか、これらがあるようでございますけれども、知的財産権の担保というのは不動産などの担保とは大変大きく異なるんではないかというふうに思います。例えば、今一億だったら一億のこれは価値があるというふうに評価をされておっても、いつ新しいそれを上回る価値のあるものが出てきて陳腐化してしまうかわからない、こういうふうなことで大変に見通しが立てにくいというふうに思うところでございます。 そんなことでありますけれども、最近、第一勧業銀行なんかでも、新聞によりますと、こうした問題に対処するためにソフトウエア卸業者のソフトバンクなどと業務提携をした、こういうふうに伝えられているわけでございまして、確かにこの価値を見抜くということが私は大変重要なんではないかというふうに思います。そういうことでありますので、ぜひ先ほどの研究会、これらについても精力的に進めていただきたいというふうに思います。 時間もないので次に進ませてもらいたいと思うんです。 一つは、そういう形で担保としてとりますね、知的財産権ということで担保をすると。その会社がうまくいけばそれでいいわけですが、倒産をする、こういうふうなこともないとは言えないと思うんですね。それは、そのソフトだったらソフトに価値がないということではなくて、価値はあるんだけれども経営がうまくいかなくて倒産をした、こういうふうな場合もあると思うんですね。そうした場合、金融機関が担保をとって、とったままではどうしようもないわけですね。これをやっぱり売るというか処分をしなければいけないというふうに思うわけでございまして、やはりそうした市場というものをつくり上げていくということがないと、いわゆるベンチャー、ベンチャーとこう言ってみてもなかなか難しいんではないかと思うんですが、この辺についてはいかがでしょうか。
○政府委員(横川浩君) 先生も今お触れになりましたとおり、この知的財産権を将来に何が起こるかなかなかはっきりしないところで評価をしていくというのは難しい点があるわけでございます。 そういう意味でいろいろな形での評価の考え方というのがあるわけでございますし、先と言われましたように、既に若干の銀行におかれまして知的財産を担保とした現実の貸し付けをやっておられるケースもあるわけでございます。いろいろなケースを考えまして、私どもといたしましてもさらにこの問題についての検討を進めていきたいと思っております。
○国井正幸君 最後に、ぜひ大臣の御所見をお伺いできればというふうに思っておるんですが、ソフトウエアの担保についてはその価値を洞察する能力を持つ人材の育成というものが不可欠だろうというふうに思うところでございます。 しかしながら、ソフトウエアの種類というのは千差万別でたくさんあるというふうに思うんですね。それから、評価をするというのは大変に高度な専門知識がないとなかなか評価もできないんではないかというふうに思います。このようなエキスパートを一般の金融機関がそれぞれみんなそろえて持つことというのが本当にできるのかどうか大変難しい部分があるのではないかというふうに思います。 また、現在行われ始めております一般金融機関からのベンチャー企業への融資は、いわゆる大変にリスクを大きく伴って、しかし見返りがそれほど大きくないというふうに思うんですね。そういうことでありますから、そのリスクの一部を政府が裏打ちをするといいましょうか、負う形で促進が図られているというふうに思うんですが、これだけでは長く続かないんではないかというふうに私は思っております。 そういう意味では、やはり特定の分野で相当に眼力があるといいましょうか、確かな見る目を持った人材を育てるということとあわせて、そういうベンチャーキャピタルがハイリスクでハイリターンでそれなりに回収もできる、こういうふうなことを前提としてやはり活躍していくような形というのが最終的には私は必要なんではないかというふうに思います。 そういう意味で、ベンチャーキャピタルの育成というものとそれから確かな人材の育成というものがこれはどうしても不可欠だろうというふうに思うんですが、この辺について大臣の御所見があればお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から御指摘のありましたような視点を考えますたびに、私は非常に今悔いておることがございます。 実は、第二次臨時行政調査会の当時、特殊法人の整理統合を図りました時点で、当時通産省が主管しておりました特殊法人のうち中小企業投資育成会社を、確かにその時期には扱い件数が非常に減っておったこともありまして、全部特殊法人から民間に移しかえてしまったわけでございます。今これほどベンチャービジネスの育成というものが大きな課題になるこの時点において中小企業投資育成会社を特殊法人として持っておりましたならば、現在苦しんでおりますさまざまな対応策のうち相当程度がこれによって対応できたのではなかろうか。その意味では、当時行政改革に関連いたしました一員として先見性のなさを実は悔いております。 しかし、それはそれといたしまして、今、委員から御指摘がありましたような、特にハイリスク、ハイリターンという概念が従来我が国の市場には必ずしも十分あったとは申せません。店頭市場等におきましてもなかなか資金調達が困難、また上場までに時間がかかるということが我が国の大きな欠点でありました。アメリカのNASDAQ等を見ましても我々はそうした感じを非常に強くしておったところであります。 最近におきまして主管当局が随分そうした点については工夫をしてくれまして、多少の風穴はあいてまいりました。しかし、投資家そのものの中に依然としてハイリスク、ハイリターンというものに対する警戒感があるということはやはり事実であろうと存じます。そして、そうした点を考えますときに、委員が今御指摘をいただきましたような評価のプロと申しますか、こうした者を育成していく、あるいはある程度中立的な機関でこうした業務が行える工夫をするというのは非常に大切な視点であろうと私も思います。 よい御注意をいただいたことに感謝をし、今後どのような対応ができるか事務方の諸君にも工夫をしてもらいたい、そのように思っております。
○国井正幸君 よろしくお願いします。
○委員長(二木秀夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(二木秀夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(二木秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十一分散会