大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/10/18
会議録
○委員長(片山虎之助君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二日、友部達夫君及び加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として猪熊重二君及び益田洋介君が選任されました。 —————————————
○委員長(片山虎之助君) この際、大蔵政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。梶原大蔵政務次官。
○政府委員(梶原敬義君) 先般大蔵政務次官を拝命いたしました梶原敬義でございます。 時局並びに職員の非常に重大さというものをひしと痛感しておる次第でございます。微力ではありますが一生懸命頑張りますから、先生方、委員各位の皆さんの御指導、御鞭撻を賜りますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○委員長(片山虎之助君) 引き続きまして、佐田大蔵政務次官。
○政府委員(佐田玄一郎君) ただいま御紹介にあずかりました、このたび大蔵政務次官に就任いたしました佐田でございます。 財政事情は大変厳しい折でございます。梶原政務次官ともども一体になりまして、とにかく努力をしていきたいと思います。委員各位におかれましては、今後とも御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。 —————————————
○委員長(片山虎之助君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、租税及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(片山虎之助君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。直嶋正行君。
○直嶋正行君 委員派遣について、その概要を御報告申し上げます。 今回の委員派遣は、去る八月二十九日から三十一日までの三日間にわたり、石川県及び富山県に参りました。派遣委員は、片山委員長、石川理事、牛嶋理事、峰崎理事、西田委員、佐藤委員、海野委員、吉岡委員及び私、直嶋の九名であります。派遣地におきましては、北陸財務局、金沢国税局、金沢国税不服審判所及び日本たばこ産業株式会社金沢支店からそれぞれ管内の概況説明を聴取するとともに、北陸の金融機関との意見交換を行ったほか、若鶴酒造を初め地場産業を視察してまいりました。 以下、調査の概要について申し上げます。 まず、北陸地域の経済状況等についてであります。 北陸財務局の管轄区域は、石川県、富山県、福井県の北陸三県でありますが、その面積は一万二千六百十九平方キロメートルで全国の三・三%、人口は三百十万八千人で全国の二・五%、県内総生産は十一兆五百五十七億円で全国の二・五%となっており、全国のほぼ三%の経済規模を形成しております。 産業構造の特色としては、江戸時代各藩ではぐくまれ、引き継がれた伝統産業が根づき、発展しております。代表的な伝統的工芸品としては、今回視察いたしました石川県の金沢箔や富山県の井波彫刻、家庭配置薬を初めとして、九谷焼や輪島塗、加賀友禅などが全国的に高いシェアを誇っております。 次に、金融面についてであります。 北陸管内の地元金融機関は、薬などの伝統産業や北前船などで蓄積された資本をもとに展開したものであります。預金の全国に占める割合が二・七%であるのに対し、貸出金が一・八%とやや低くなっておりますが、これは、地元経済の資金需要が比較的少なく、資金が管外に流れて運用されているためとのことでありました。なお、北陸地方の土地柄や県民性を反映して、中小金融機関の経営は堅実を旨としており、バブルの最盛期においても、各機関とも堅実な業務運営を行った結果、不良債権の影響も比較的軽微にとどまっております。 次に、税務行政についてであります。 北陸管内の平成六年度の徴収決定済み額は、一兆二百十二億円と、全国に占める割合は二%であり、対前年度比で三・五%の減収となっております。これを税目別に見ますと、源泉所得税と申告所得税の落ち込みが大きくなっておりますが、管内においては、利子・配当所得の占める割合が高いこと、譲渡所得の減少率が小さいことなどで、全国平均と比較すると小幅な減収にとどまっております。一方、酒税につきましては、管内には小規模ながら比較的ブランドイメージの強い酒造メーカーが多数存在することもあり、対前年度比で一九・七%の高い伸び率となっております。 一方、平成六年度の国税不服審査請求の発生件数は二十二件、前年度からの繰り越しが二十一件あり、このうち十四件を処理し、二十九件が未処理となっております。これを税目別に見ますと、申告所得税に係るものが十八件、法人税に係るものが九件、相続・贈与税に係るものが五件となっており、特に、相続税事案においては土地の評価に係るものが大半を占めております。なお、近年、税務の国際化、広域化などで処理困難な事案が増大する傾向にあるとのことでありました。 次に、たばこ事業についてでありますが、平成六年度の販売数量は六十二億本、販売金七百十億円と、全国に占める割合はいずれも二・四%となっております。北陸管内のたばこ消費の特徴としては、タールの含有量が少ない軽いたばこが売れていること、東京、大阪に次いで比較的価格の高いたばこの販売実績が全国三番目であることなどが挙げられます。一方、平成六年度の塩の販売数量は、国内塩が一万九千トン、輸入塩が二万二千トンとなっており、輸入塩の割合が全国平均より高くなっております。 北陸の金融機関との意見交換におきましては、地方銀行、第二地方銀行及び信用金庫の各代表者から、地域経済の現状、資金需要の動向等について意見が述べられました。具体的な意見、要望としては、企業のリストラを側面から支援する意味で税制面を含めた政策対応が必要であること、低金利下での郵便貯金への資金シフトに対しては定額貯金の商品性見直しが必要であること、官業である郵便貯金や日本開発銀行は本来の姿である民業の補完に徹すべきことなどが出されました。 最後に、視察先について簡単に紹介いたしますと、まず日本たばこ産業株式会社金沢工場は、明治三十八年に金沢たばこ製造所として操業を開始したのに始まり、現在では、二交代制をとり、一分間に五千本の紙巻きたばこを製造する最新鋭の設備機械等を導入し、製品の品質向上と生産性の向上に取り組んでいるとのことであります。なお、当工場は、昭和四十七年からアメリカのマールボロファミリーのライセンス生産を行っております。 若鶴酒造株式会社は、創業が江戸文久年間にさかのぼるなど古い歴史を有する会社であり、現在では、清酒のほか、しょうちゅう、ウイスキー等の製造・販売、キリンビール、キリンレモン等の卸販売、北陸コカ・コーラボトリング株式会社等の経営など、事業の多角化に努めております。なお、清酒に対する課税をワイン並みに引き下げるよう酒税制度に関する要望が出されております。 さらに、薬の広貫堂は、旧富山藩の薬の反魂丹役所が廃止された後、それを引き継いで明治九年に操業を開始したのに始まり、現在では、最新鋭の設備を有する工場で、昔ながらの反魂丹を初め四百品目に及ぶ製品が製造され、これを古い伝統を持つ行商の販売ルートなどで、国内はもとより、海外数カ国にまで市場を開拓しております。 このほか、純金箔や銀箔等を生かした商品開発を展開している金箔の箔座、昭和四十二年に着工し、十年の歳月と七十七億円の事業費をかけて昭和五十二年に開通した白山スーパー林道、白川村や上平村とともに世界遺産条約に基づく世界遺産への申請を行っている平村の相倉合掌集落、二百年余の伝統を誇る井波彫刻の粋を集めた作品が展示されている井波彫刻総合会館を視察し、視察箇所は全体で七カ所に及びました。 以上、概略を申し述べましたが、今回の派遣におきまして調査に御協力いただきました関係行政機関及び事業所の方々に対しまして、この席をかりまして厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。
○委員長(片山虎之助君) 以上をもって派遣委員の報告は終了いたしました。 —————————————
○委員長(片山虎之助君) 次に、平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例等に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の理由、その内容を御説明申し上げます。 先般、さきに決定されました経済対策を受けて、平成七年度補正予算(第2号)を提出し御審議をお願いいたしておりますが、当該補正予算における決算調整資金への繰り戻し、経済対策の関連経費等に必要な財源を確保するため、平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理についての特例を定めるとともに、平成七年度における公債の発行の特例に関する措置を定める必要があり、本法律案を提出した次第であります。 以下、その内容について御説明申し上げます。 第一は、剰余金処理の特例であります。 財政法第六条第一項におきましては、各年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を翌々年度までに公債または借入金の償還財源に充てなければならないとされておりますが、平成六年度の剰余金につきましては、この規定は適用しないことといたしております。 第二は、特例公債の発行等についてであります。 平成七年度の一般会計補正予算(第2号)により追加される歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定等による公債のほか、当該補正予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができること等としております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容でございます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(片山虎之助君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○直嶋正行君 平成会を代表しまして、今趣旨説明のございました法案について、大蔵大臣を初めとする政府の御見解を問いたいと思います。 まず、大蔵大臣にお尋ねしたいのでありますが、これは昨日の予算委員会でもちょっとお聞きをしたんですが、時間がなくなりましてお聞きできなかったものですから、改めて確認の意味でお聞きをしたいと思うのであります。 きのうの予算委員会で、特に国債整理基金の定率繰り入れ等、いろいろやりくりをしながら特例公債を出さない方針でこれまで大蔵省はやってこられたわけでありますが、今回の補正予算でも二千億強の特例公債の発行になっておるわけでありますが、例えば平成六年度の剰余金等を活用すればこの特例公債の発行を回避する手だてもあったと思うのであります。きのう大臣は答弁の中で、研究投資とか、いわゆる建設国債の対象とならないものについても重要であるので、今回は臨時緊急的措置として発行に踏み切ったと、このようにお答えをいただいたわけであります。しかし、先ほども申し上げたとおり、剰余金を充当すれば特に特例公債を発行しなくても済んだんではないか、このように思うわけであります。 特に平成七年度の当初予算において、この平成五年度の決算不足分への対応は、たしか平成八年度まで繰り延べができるように法律処理をされていたわけであります。確かに平成六年度の剰余金が出るかどうかということは、決算を締めるまではわからない。それで、剰余金が出たので五年度の穴を埋めましたと、こういう説明も成り立つわけなんですけれども、昨日はちょっと橋本通産大臣にもお聞きをいたしましたが、むしろ今度の経済対策では、とにかく赤字国債を出すということが、やはり一つのメッセージであり、また同時に、政府が本当に積極的に経済対策を実践をするんだと、こういう姿勢を示す意味でもそういう必要性があったんではないかなと。 この間の一連の動きを見てみますと、八月のたしか初めであったと思いますが、為替市場における日米の協調介入というのがありました。それからその後、公定歩合を〇・五%に引き下げる。それから、この間来予算委員会で議論されておりました不良債権問題にさまざまな対策を検討し始める。そして今回の財政出動。こういうふうに一連の流れを見ますと、このことは、よくないという意味で申し上げているんではなくて、やはり国際協調を保っていく上で、いわゆる特例公債を発行していく、あるいはその国際協調を保つためにもこの発行が必要じゃなかったのかなと、こんなふうにも思うわけであります。 私の記憶では、この数年間の大蔵省の姿勢というのは、何とか特例公債をこれ以上出さないで、いわゆる公債残高がもう二百兆円を優に超える水準になっているわけでありますから、何とかこれを出さずに、そしてこの不況を乗り切っていく。その上で、景気回復後の税収とか、あるいは昨年来議論されたいわゆる消費税の税率アップ、こういうものによる増収に期待をして財政を立て直していく。おおむねこういう流れでお考えになっておられたんではないかと思うのでありますが、どうもここのところへ来てその方向が、方針が転換をされたんではないかと、このようにも受けとめられるわけでありますけれども、こういった点について大臣の所見をお伺い申し上げたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃっているとおり、大蔵省としましては、バブル期に特例公債の発行をやめることができて、その後は、万難を排して赤字国債、特例公債の発行は回避すべし、そういう基本姿勢で今日まで財政運営に当たってきたことは事実でございます。今もなおその基本は変わりはないわけでございます。しかし、本会議でも申し上げてまいりましたように、まことにやむを得ざる措置、異例の措置として今回も特例公債の発行に踏み切らざるを得なかったのであります。 決して国際的な公約はおろか私どもの記憶では、アメリカを初め国際的な期待とか要請は全くあったとは自覚しておりません。事実、そういうものはなかったと思うんです。いずれにしましても、特例公債を発行したことでアメリカ等が高く評価するという、そんな言葉は今まで聞いておりません。私ども、財務省とかG7の関係者の間からはそうであります。 振り返りますと、既に去年の税制改革におきましても、減税先行でございましたから、後行する消費税の充実とのギャップをどうするかという中で特例公債の発行に踏み切っているわけでございます。これは一定の財源を前提にした特例公債と言えるかもしれません。そしてこの三月に、地震にかかわる補正予算措置におきましても、これも年度末ぎりぎりの財政状況の中で目をつぶりましたから特例公債を発行せざるを得ませんでしたし、また五月、六月の第一次補正予算におきましても一部特例公債を認めておりました。そういう意味では、ここのところ、去年から四回になりますか、大変このことを残念に思っております。 ただ、振り返りますと、きょう御議論いただきますこういう決算剰余金の扱いもそうでありますが、昨年の当初予算編成におきまして、やりくり算段という言葉もございましたように、さまざまな財源措置を講じざるを得なかった。約六兆円余りというように記憶いたしておりますが。 そういう状況でやってきた我が国の財政でありますが、いよいよ十二月に入りますと来年の予算編成が始まりますが、これまた、こういうやりくり算段の可能性もほとんどなくなってきました。今までNTTの財源を当てにしながら決算調整資金への対応をしてきたわけですが、もうその財源も消えました。そういう状況でありますから、いよいよそういうやりくりといいますか財源措置も非常に厳しくなってきている中で来年の予算の歳入歳出を見詰めなければならない、そんな状況に来ておるところでございます。 答えの基本は、決して意図的に特例公債発行を考えたわけではありません。予算委員会でも申し上げましたように、情報、研究等の分野を含めて、どうしてもやはり一般財源といいますか建設公債が充当できない事業で、しかもこの時期、この国のこれからを考えると、大変大事な予算を盛り込んでおりますために特例公債を決断させていただいたと思っております。
○直嶋正行君 なかなか大蔵省のお立場としては明快にお話しされるのは難しいのかもしれません。私自身は、例えばよく為替の協調介入とかこういう話が出ますが、例えば為替一つとっても、本当にそういうものを協調介入の実を上げようとすれば、やっぱりその背景に国際的な意味での政策協調がベースにないと、本当は幾らやったってこれは効果がないというふうに思っています。ですから、決してどこに言われてやったとかそんなことを申し上げているんじゃなくて、そしてそういう国際的な、例えばG7等でのある程度の政策協調みたいなことを私は決して否定をしているつもりではありません。そのことは一言申し添えておきたいと思います。 それで、今の大臣の御答弁の中にもございましたが、ここのところ税制改正だとかあるいは補正等でいわゆる赤字国債がしばしば発行されてきたわけであります。それで、さっき申し上げたように、これまでの大蔵省の基本路線から見ますと、立て続けにそれとは異なる対応をせざるを得なかったといいますか、そういうことになるんじゃないかと思うのであります。 今お話にもありましたが、これまで国債整理基金のやりくりだとか、そういうものを初めとしていろんな手段を講じてこられた。しかし、どうもそれももう弾が尽きたといいますか、なかなか難しいと。そういうことを考えると、ちょっとけさの新聞にも載っていましたが、私は平成八年度予算について非常に心配するわけであります。もう大幅な赤字国債の発行というのは不可避ではないかな、大幅なといいますかかなりの金額の赤字国債の発行というのは不可避ではないかなというような感じを持っておるんですけれども、平成八年度予算についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 私自身は、国会の審議にかまけてもおりますが、概算要求後の予算編成をめぐる骨格についての状況認識がまだできておりません。新聞の方が先行しておるような感じがいたします。今の段階ではまだ、各省庁要求の数字を念査しながら事務的にはもう作業がどんどん毎日始まっているわけでありますが、全体を締めてどういう状況になるのかまだ見えてきておりません。 ただ、今御指摘のように、特別な財源措置の方法が大変窮屈になってきていることは紛れもない事実でございますから、歳入歳出の万一ギャップが出てまいりますと、そのギャップに対する対応をどうするかということが大変大きな予算編成における課題だというふうに思っておるところでございます。今の段階でどうこう、決意とか見通しまで数字を申し上げる状況でないことはひとつ御理解いただきたいと存じます。
○直嶋正行君 それで、これからのことを考えました場合、たしかきのうも大臣、きのうというか、きのうもそうですし、おとといもそうかもしれませんが、予算委員会の中で、特に国債発行、国の借金の問題について、限界を超えているというような感じがするというような御答弁をたしかなさいました。 率直に今の危機感をおっしゃったんだと思うんでありますが、こういう財政の状況になってまいりますと、限界を超えているというお言葉にあったように、その限界というのはどこだという、例えば大蔵省の中期財政目標として見ますと、国債依存度五%という目標がありますよね。しかし、今それは一種の下限目標になってしまっていて、むしろこういう情勢下で言うと、現在の財政状況をきちっととらまえて考えると、もうこれ以上はやっぱりだめなんだという、むしろ上の方の歯どめみたいなものをきちっと整理する方が時宜に合っているんじゃないかとも思うんでありますが、この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) なかなか明確な歯どめの手段といいますか特に国際的にも常識になっているようなそういう物差しがあるわけではありません。 ただ、国際比較をしてみましても、GDPに対する国債の現債高といいますか、過去の借金の総額二百二十一兆、あるいはこれに地方債、地方の債券まで含めますと、日本の場合は対GDPで八八%を超えてしまいました。アメリカが六〇%台ですし、あと主要先進国は大体五、六〇%前後でございますから、日本だけがぐんと突出して、GDPも大きいんですけれども、それに対してはもう九〇%近い、イコールにだんだん近づいているということでも、これは物差してはありませんが、比較した場合に単純明快に日本の借金の額がぐんぐん大きくなっている、異常に大きくなっている。私たちは、だから超えていると言わないで超えつつあると、つつというふうに申し上げたんでありますが。 どっちにしましても、財政審が言っております公債依存度は、これは平成十二年度の目標で言っているわけですが、財政規模に対して五%前後が望ましいと言っていますが、今年の二次補正を入れた公債依存度は二五%、その五倍という非常な公債を発行してこうした措置をとっているということで、過去の累積した国債のボリュームと、今年一年に限っても、予算に対して発行させていただいた公債の量、どちらもやはり通常の考え方からすると非常に大きいということを認識せざるを得ません。
○直嶋正行君 そういう状況で考えますと、例えば今回の補正で発行されました特例公債なんかも、償還を考えたときにはちょっと気が遠くなるような気がするんですけれどもね。 以前にこういう国債残高の議論をしたときに、結局これが積もり積もってどんどん国の借金がふえていったら最後はどうなるんだろうという議論をしたこともありますが、そのときは、結局本当にそれをけりをつけようと思えば、何らかの大増税をやるか、もう超インフレにでもなって一種の踏み倒しですか、こういう状況にでもならないと本当に解消できないんじゃないかという、これは冗談話なんですが、そういう話もあるぐらいなんですけれども、これからの国債償還のめどというのはどのように考えておられるんでしょうか。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 今先生が御指摘されましたように、特例公債の発行は後世代に利払い費等多大な負担を残すわけで、そういう大きな問題があるわけでございますが、今回は景気対策のために財源面におけるやむを得ざる緊急の措置としてお願いしているわけでございます。 おっしゃいますように、巨額の公債残高を抱えまして財政の体質は構造的にますます厳しいものになっているわけでございまして、その意味で、今回の補正予算におきまして発行する公債につきましても、今先と言われた償還財源をどうするのかと。その償還に係る国民全体としての負担のあり方でございますが、これにつきましては、先般の財政制度審議会の会長の談話におきましても、「様々な観点から真摯な検討がなされなければならない」という御指摘を受けているわけでございます。 私どもといたしましても、今後こうした真摯な検討が行われることを期待させていただいているわけでございますが、いずれにいたしましても、公債の償還のための財源というのはいかなる形でありましても結局は国民の皆様に支えていただく以外にないわけで、その具体的な方法につきましては、歳出歳入両面にわたりまして、国民各層の御意見とか国会での御議論等を十分踏まえながら今後考えてまいりたいということでございます。
○直嶋正行君 今の御答弁の中にあった財政審会長のコメントなんですが、大変慎重な言い回しなんですけれども、読みようによっては、というよりもむしろ慎重な言い回しの中でこれからの増税をいろいろと示唆されたような気もするんです。もちろん税制をどうするかという議論はこれからいろいろやっていかなきゃいけないかもしれませんが、その前にやっぱりもう一方のいわゆる歳出の削減といいますか、あるいは効率的なお金の使い方といいますかそういう面の努力も必要だと思うんですね。 そういう面で見ますと、例えばこれは大蔵省の出されたものでことしの一月に出されたペーパーの中に、これは平成七年度予算をつくられたときのものだと思うんですが、「今後の財政改革の進め方」という中で、余り歳出の削減という部分について大きなボリュームで取り上げてはいらっしゃらないんですが、一、二行、例えば「歳出項目全般にわたる徹底した見直しなどを通じ、公的部門の歳出規模の増大を極力抑制していく」と、こういう表現があります。 しかし、こういったことは実際には具体的に言うとどういうことをおやりになっておられるのか、ちょっとわかりづらいんですけれども、御説明いただきたいんです。
○政府委員(伏屋和彦君) 先生が今御指摘されましたように、本年の一月に提出いたしました「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」におきましては、国と地方を通じた行財政改革を強力に推進し、歳出全般にわたる制度・施策の徹底した見直しに努める必要があるとの考え方をお示ししたところであります。 これは、歳出面にわたりまして、個々の項目につきまして、それぞれの持っております制度の根本にさかのぼった見直しとか、いろんな施策がありますが、その施策の優先順位の厳しい選択といった徹底した洗い直しを行っていくなど、あらゆる努力を傾注する必要があるというぐあいに受けとめておるわけで、またその趣旨をこれは書いたものと考えております。 実際に具体的にどういう歳出削減措置を講じていくかということ、これは各年度の予算編成過程で対応していくわけで、まさに八年度予算につきましても、現在各省からの要求をいただいておりまして、徹底した歳出の洗い直しを行いまして限られた資金をどうやって重点的、効率的に配分していくかという作業に取り組んでいるところでございます。
○直嶋正行君 今のような御答弁なんですが、例えば財政審なんかで歳出削減リストというのを出されていろいろと議論されておりますね。ああいうものというのは実際にはどういうふうに反映されるんでしょうか。あるいは、予算編成はそういう基準を念頭に置いて、実際に実務的にはそれをベースにして各省庁の査定を行うと、こういう理解をすればよろしいんでしょうか。
○政府委員(伏屋和彦君) 今、先生が御指摘されましたように、財政制度審議会の中でも、例年、歳出の削減合理化等に関する特別部会というのが設けられておりまして、その特別部会におきまして、個々のそれぞれの歳出分野の有します問題点のうち特に重要と考えられる点を中心にいたしまして審議会の方でヒアリング等が行われまして、歳出のあり方とか、まさに削減合理化等についての諸問題について審議が行われておるわけでございます。 その審議の結果は毎年年末に財政制度審議会の報告という形で取りまとめられておりまして、私ども財政当局といたしましては、そこでの御指摘を真摯に受けとめまして、編成されます翌年度予算が報告の趣旨に沿ったものになるよう鋭意努力しておりまして、また、年が明けますと審議会部会にもフォローアップを御報告申し上げているところでございます。
○直嶋正行君 今の点なんかもまた議論をしていきたいなと思いますが、今お話しになったようにいろいろ歳出を切り詰めていくと、一方で大きな借金があるわけですから。それからこれからの税制のあり方も議論しなきゃいけない、こういうことなんですが、やっぱり将来のことを考えますと、大臣、ひとつここで発想の転換というんですか、あるいは抜本的にやり方を変えていく必要があるんじゃないかというふうに思うんです。 例えば、これは端的に言いますと、よく言われる官と民の役割の見直しみたいなことですね。これまでずっと戦後五十年、日本はいろんないわゆる公的機関でさまざまなことをやってきました。しかし、今全体的に見ると経済も国際化していますし自由化の方向にもある。民間の力も随分ついてきました。そういう中で見ると、これまで公的な部門でやってきたものをある程度民間あるいは準公的なものに移していくという努力をすることによって、要は財政負担を軽減をしていく、こういう目でいろいろと検証していかなきゃいけないんじゃないかなと、こう思うわけであります。 今、まさに行革とかあるいは規制緩和と言われていることも同様の似たような側面を持っていると思うんです。そういう意味でいうと、例えて言うと小さな政府といいますか、できるだけ小さな政府にして財源を効率的に使えるような、そういう方向に持っていくべきじゃないかと。 これは私の経験でも、例えば行革の話をしますと、省庁の皆さんから割合よく出てくる声は、いや、行革をやっても余り財源になりませんよというようなお話、声が結構出てくるんです。私は、それは本当は違うんじゃないかなと思うんです。 例えば、この間の例をちょっと挙げますと、自民党の選挙で一人の候補者の方が郵政三事業の民営化を提案されているいろ議論になりました。これに賛成か反対かということはちょっと別にしましても、やっぱり何かそういう視点が要るんじゃないかと。 だから、今まで国がいろんなことをやってきましたが、例えば教育とか福祉とか、そういう国民生活に密着した部分も含めて国がどこまで関与していくのか、かかわっていくのか、こういうことをもっと見直していって、そこまで見直す中でグランドデザインをかいていかないと、今これだけの二百二十兆円という大きな借金を抱えた中でこれからの財政を、しかもこれからますます福祉等にお金が要るわけでありますから、そういう中で高齢社会に対応しようとすると、さっきお話されたような努力は努力としてやるにしても、そういう発想の転換をして財政というものを見直していく必要があるんじゃないか、このように思うんですけれども、ちょっと大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおりであります。 不肖私もこの予算関係の仕事を預かりながら、特に不良債権等にまつわる金融問題や為替の急激な変動に対する対応にこの一年追われてまいりましたが、この財政という一点だけを眺めるとこれからの大蔵大臣は大変だなと、私のことじゃないです、将来です。この国の財政の責任を預かる人はますますいよいよ大変だなと私は思えて仕方がありません。私どもが結果的には公債をふやす予算措置をとらざるを得なかった。十数年そうですが、その集約が先ほど申し上げたようなことでございますだけに、もはやもう逃れるすべはありません。 何回も申し上げているように、公債依存度も大事ですが、当該年度で貴重な、ことしですと五十三兆円ですが、国民の税金のかなりの部分がもう過去の借金に充当せざるを得ない。ことしざっと三割ぐらいがそれになりましょうか、元利償還に。これが三割が三割五分、四割と上がっていきますから、せっかくそのときの国民の皆さんの税負担が、その負担した国民のサービスに使われない。もう過去に使っちゃったものに優先充当せざるを得ない状況になっていくわけですから、その矛盾もひしひしと感じているわけであります。 結局、おっしゃったようにインフレなんということは、ちょっとこれは政策じゃありませんが、論外ですが、単純に言えば歳出を大幅にカットするか、歳入を大幅に充実するか単純化すればこの二つの道しかないわけで、歳出のカットもおっしゃるとおりです。 民間へ譲っていくという方法も、過去も行われてきましたし、なおそういう努力も必要でありますが、制度の根底にまでさかのぼった厳しい見直しをしようという表現を使っておりますが、制度の根底ということは、もう法律改正してでも歳出をやっぱり見直していきたい、カットするものはカットしていかざるを得ないということを表現しているわけであります。 一般的にはまず行政のむだを省けとおっしゃいます。これは今でもたくさんむだがありますから、むだを省くのが第一です。余剰なものを削り取るのは大事ですが、これはそんな何兆円になかなかなりません。そうすると、国民サービスで国民が喜んでいただいている、期待しているものをやはりカットせざるを得ない、金がありません、こういう事態に立ち至っているということであります。まあえらい言い過ぎておりますが、わかりやすく言えばそういうふうに私自身は認識をしながらこの深刻さを痛感いたしている次第であります。
○直嶋正行君 もう一点ちょっと大臣にお考えをお聞きしたいんですけれども、今、国の議論をしていますが、地方も今大変なんですね。一連の最近のいろいろ支出を見ていますと、やはり従来国が担ってきたものをかなり地方に、例えば公共事業にしても地方の単独事業というのはふえていますし、この十年間ぐらい見ると、国の一般会計と地方財政の伸び率を見ますと、十年前の一九八五年を一〇〇とした場合に、国は一三五、ここのところ九〇年代に入ってから大体一般会計は横ばいなんですね。地方はそれが一六三まで九五年ですと行っています。そういう意味でいうと、やはれ地方のウエートというのはどんどん高くなってきています。 そういう面でいうと、これは財源なんかも含めて、今まさに地方分権でいろいろ議論されているところだと思うんですが、やはり地方の役割というのをもう一回、あるいは国と地方の関係というのをもう一回整理する必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、これは大蔵省の所管ではありませんが、財政担当大臣としてのちょっと御見解を承れればと思います。
○国務大臣(武村正義君) これも大変大事な問題でありますが、幸い地方分権推進法が通って、今分権計画の議論が進められているところでございます。権限だけを分権するんでなしに、財源も地方に移譲しなければならないということに当然なってこようかと思っておりますが、それでも、地方財政だけの視点で見ても、もう百二十兆円という地方債の現債高でございますから、このレベルで見ても大変厳しくなってきておりまして、そういう状況の中で、やはり国も一体になって地方の問題、財政問題も含めて、先ほど来申し上げているようないわば国、地方を通ずる財政の再建、そのための行革というテーマにまず真剣に取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
○直嶋正行君 最後に一点、ちょっとこれは大臣にお願いがございます。 さっきのお話の中にもございましたが、国民から税金をいろいろと集めてくるわけでありますが、私、実は税務署の関係の方といろいろとおつき合いがございまして最近よく話を聞くんですが、ここのところ例えば消費税が導入されたり地価税があったり、またこの数年振り返りましても所得減税で戻し説とかいろんなことがありました。簡単に言いますと、ひところに比べると税務署職員の事務量というのが物すごくふえてきておるわけですね。 今、実は一つ何か問題があるんだそうですね。というのは、五年前に商法が改正されまして、株式会社の資本金の最低が一千万円にされたらしいんですね。それから有限会社の場合はたしか三百万円。五年間の暫定期間を置いて、この暫定期間が来年の三月末で切れるんですが、まだその最低資本金を充足できない企業というのが五十万社ぐらいあると言われているんですよ。経営者もそういうことを知らずにほかっている人もいますし、小さな企業が多いですから。ところが、暫定期間が切れますと、法的にはそこはもういわゆる株式会社じゃなくなったり有限会社じゃなくなったりするわけです。 今、税務署の人たちが心配しているのは、そういうことが現実に今五十万件もありますから起こってくると、例えば税務調査なんという量が膨大にふえてくるんじゃないかと。要するに、経営者は意識していない中で法的には株式会社がなくなるということになるといろんな混乱が起きてくるんじゃないか、こういうことも言われているんです。 いずれにしても、今行革で非常に人員のところが厳しい御時世なんですが、さっきも大臣がおっしゃったように一生懸命国民の大事な税金を集めてくる。こういう御時世ですからいろんな苦労もあると思うんです。それから事務量もふえておるこういう状況を考えると、税務署とか、それから大蔵省の関係で申し上げますと税関ですね。今すごく海外渡航者もふえてきておりますし、やっぱり相当忙しいみたいですから、そういうところは人員の面できちっと御配慮をしていただく必要があるんじゃないかと、こんなふうに思っておりまして、この点は一点お願いを申し上げておきたいと思います。
○政府委員(若林勝三君) 先生ただいま御指摘いただきましたように、最近の税務行政を取り巻く環境を見ておりますと、課税対象が増大しているとか複雑化するというようなこと、さらには不正手口が非常に巧妙になってくる、さらに経済取引が国際化する等々、いろいろ質、量ともに非常に難しい状況になってきておるわけでございます。 こんな状況の中で、国税庁といたしましては従来から事務運営の合理化、効率化というものにも当然努めるということでございますから、なお必要になる定員につきましてはその確保に努めてまいったわけでございますが、これからもそういった事務運営のまず合理化、効率化の努力をさらに続けてまいりますが、税務の困難性とか歳入官庁としての特殊性というものを踏まえまして、厳しい財政事情ではございますけれども、国税職員の増員につきましては関係方面の御理解が得られるように今後とも一層努力してまいりたいと思っております。
○直嶋正行君 終わります。
○牛嶋正君 平成会の牛嶋でございます。 平成会に与えられた時間は七十分でございますが、今、直嶋委員が四十分使われましたので、私、残りの三十分で、直嶋委員が御質問になりましたこれからの財政運営のあり方を中心に、できるだけ重複部分を避けて御議論をさせていただきたいと思います。 先ほどからいろいろな財政構造あるいは財政運営を比較する場合の指標が議論されております。国際的に各国の財政状況を比較するためにも幾つかの指標を使って我々は比較をするわけですけれども、私がいつも用います指標といたしましては、一つは赤字国債と申しますか、特例公債が発行されているかどうかということを一つの基準にあるいは指標に使っております。いま一つは国債依存度でございます。そして三番目は国債費比率、これもやはり重要な指標かと思います。そしていま一つは国債残高の対GDP比率でございます。これらの数字の最近の推移をたどっていきますと非常に心配されるような傾向が見られるわけです。 〔委員長退席、理事石川弘君着席〕 きょういただきました参考資料の二十ページを開きますと、そこには数字の推移が出ております。例えば公債依存度を見ますと、平成三年は九・五%でありました。これは、平成二年に赤字国債の発行がゼロになりまして、いよいよ財政の健全化というふうなところで、その健全化の一つの目標として国債依存度五%というのが掲げられた年であります。ところが平成七年は、補正後で見ますと二五・五%というふうな数字にまでなっております。 また、先ほど申しました国債費比率でございますが、ここ一、二年二〇%以下でございましたけれども、来年度予算では二〇%を超えるというのが必至であります。 また、公債残高を見ますと、平成三年は三七。七%でありましたけれども、平成七年には約四五%になる。先ほど大臣もおっしゃいましたように、これに地方債を入れますと大変な比率になるわけであります。 こういうふうに幾つかの指標を取り上げて見てまいりますと、我が国の今の財政状況というのは非常に大変な状況、危機的状況にあると言ってもいいのではないかというふうに思います。 〔理事石川弘君退席、委員長着席〕 それに加えて心配なのは、今回の剰余金の処理の特例等の法律にも見られますように、ここ一、二年財政運営を振り返ってみますと特例の連発でございます。いわばこれは場当たり的な財政運営というふうなことになるわけであります。こういう状況を見ておりますと、果たして今財政運営の基本方向というのはどういうところに置いておられるのか、どこに目標を置いておられるのかというふうなことが心配されるわけであります。 私は、財政運営にはもう少し規律を取り戻していかなければならないと思いますし、はっきりした方向づけをしなければ大変な事態に陥るだけではなくて、先ほどから言われておりますような、いろいろな改革を進めるに当たりましてもそれはなかなか進んでいかないのではないかというふうに思うわけであります。 このことと関連いたしまして、私、今、昭和五十年代後半の財政運営の状況を思い起こすわけでありますけれども、あの当時の財政状況というのは、今の財政状況よりもある意味ではもっと深刻な状況であったわけです。例えば、赤字国債の発行額というのは毎年相当な額を発行されておりました。それでも何としても赤字国債をゼロにするというふうな目標を掲げて、それに向かって私はいろいろな手だてが講じられたのではないかと思っております。第二臨調のときの行政改革、さらには、予算編成に当たりましてはゼロシーリング、マイナスシーリングというふうな一つのはっきりした財政運営の方向づけをされたわけです。私は、当時は、そういう意味では非常に財政運営が前向きに行われておりましたし、そしてまた一定の規律もあったというふうに思っております。 そういうふうに考えますと、今の状況を振り返った場合に、やはりここでもう一度財政運営の方向づけをきちっとして、そして規律を取り戻さなければ大変な状況になるのではないかと思うんです。 昭和五十年代後半と今の状況を比較してなぜこういうふうに違うのかということですが、私は、置かれている財政運営の目標の違いにあるのではないかというふうに思っております。当時は、先ほど申しましたように、ともかく赤字国債をゼロにする、こういう国民にも非常にはっきりした目標が掲げられていたわけであります。 今、財政再建の目標はどこに置かれているんですか。国債依存度五%という目標が財政の中期展望で掲げられております。これは、国民の側から見てこの目標の必然性というのは余り感じられないんです、なぜこういう目標が財政目標として掲げられているのかと。しかも、先ほどの議論にありましたように、今の状況では到底実現しそうもない目標であります。仮に実現したとしても、これは国民にとりましては、それでもって財政状況がどのように健全化されたかというふうなことについては理解できません。 まず、この国債依存度五%の必然性についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(伏屋和彦君) お答え申し上げます。 今、先生が御指摘されましたように、平成二年度までは、我が国の財政はいわゆる特例公債依存体質から脱却するという目標を掲げて努力を重ねたわけでございます。その平成二年のときに特例公債からは脱却し、次の中期的な目標に何を掲げるかということで当時財政制度審議会でいろいろ審議が行われまして、そのときにありましたのは、まさに先ほど先と言われました公債依存度の話が出てきたわけでございます。建設公債、特例公債も含めまして、中期的な財政運営の目標といたしまして、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げるとの努力目標が示されました。ではその公債依存度の具体的水準はどういうことかといいますと、その当時五%を下回る水準ということが言われたわけでございます。 この五%というのはどういう考え方かといいますと、この水準のめどとされておりますのは、いわゆる公債の残高が累増しない、ふえないというためには、各年度の新規に発行されます公債の発行額が各年度の公債のネット償還額を下回れば、要するに発行額が償還額を下回れば残高はふえないだろうということで、当時五%を下回るという水準を一つの努力目標とされたわけでございます。現在もその意味ではこの努力目標を続けて、先般の財政制度審議会でも、やはり今後の中期的な財政運営を行っていくに当たってはなおこの努力目標が適切であるという御指摘を受けておるところでございます。 先ほど先生が言われましたように、別の目標というか財政体質をあらわす指標もあることはございます。例えば国債費率とか公債残高のGDP比率とかいうものもございます。さまざまなものがあることは承知しておりますが、これらの指標は、財政構造の硬直性を端的にあらわす反面、どうしてもその時々の金利の情勢とかGNPの伸び率などによりましてその指標がいろいろ動く、大きく左右されるわけでございます。 したがって、毎年度の予算編成の具体的指標としてはやはり用いにくい面もあるものですから、そこは公債依存度ということで現在は、歳入全体に占める公債収入の割合を示す指標ということで、いわば簡明かつ一義的でもございまして、毎年度の財政運営の指標として適していると考えておるわけでございます。当然のことながら、公債依存度だけじゃなくて、やはり国債費比率や公債残高のGNP比も十分注視しながら予算編成、さらには財政改革を進めてまいらなきゃならないわけでございます。 そこで、先ほど先生の言われました基本的な方向、今現在何かと言われますと、最初例説明した話に戻りまして、やはり公債の発行が次の世代への利払い費、元利ともに負担になることから、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げるという努力目標を現在も目指しているということで御理解いただきたいと思います。
○牛嶋正君 僕は、財政目標が財政運営していく場合の規律あるいは方向性を与える場合、条件としてはその目標が実現可能性を持っている、こうでないとそれはなかなか財政運営の方向づけにはなっていかないのではないかということですね。 それで、平成三年に、一応平成二年で赤字国債を解消して次の財政再建の目標あるいは健全化の目標をそういうふうに掲げられましたけれども、当時の経済構造と、それからバブルが崩壊した後の現在の経済構造は非常に大きく変わっているわけですね。その当時の経済構造で立てられた目標を今の経済構造のもとで実現できるかというと、これは絶対不可能だというふうに私は思っております。 そうだとしますと、今の経済構造に合った目標をやっぱりもう一度きちんと立てる必要があるのではないかと思うんですね。私は、大きく経済構造が変わった側面、財政運営の面で関係するのは二つ側面があると思っております。 一つは、バブル以前の我が国の経済構造は、マクロ的な構造で申しますとやはり貯蓄よりも投資が、それは景気の局面によって若干変動しますけれども、相対的に貯蓄よりも投資の方が大きかった、言うならばインフレギャップを含んだ経済構造であったというふうに思っております。 ところが今はどうでしょうか。設備投資の低迷がずっと続いているわけですね。言うならば貯蓄の方が投資よりもずっとオーバーしているわけでありまして、いわばデフレギャップを含んだ経済構造であります。そうしますと、そのデフレギャップを何で埋めるか。公共投資で埋めざるを得ないわけですね。その場合に、国債依存度五%というふうなことは維持できるでしょうか。私の計算では、少なくとも今の状況で一二、三%というのが一つの私の計算の結果として出てきております。 もう一つは、実質成長率と名目成長率の乖離がこれまでは二、三%ありましたけれども、今はとんとゼロですね。税収を計算する場合にこれは大変なことであります。 こういうふうな経済構造の変化を考えますと、やはり今ここでもう一度実現可能な財政運営の目標を掲げる必要があるんではないか。そうでないと、先ほどから私が繰り返し言っておりますような一つの前向きな財政運営の姿勢なんて出てこないと思いますよ。いつでもやっぱり特例措置ばっかりやって、後ろ向きの財政運営しかできないんではないかというふうに思います。そして、今私が申しましたように国債依存度一二、三%といたしますと、先ほども御説明ありましたように残高は累増していくわけですよ。これは避けられないと思います。 そうだとしますと、私は、ここで改めて対GNPに対する国債残高の比率にある上限を設定する、あるいは国債費比率に上限を設定する、そういう歯どめを今きちっとっくる必要があるんではないかというふうに思うわけですけれども、これについて大蔵大臣のお考えを。
○国務大臣(武村正義君) 例えば今おっしゃった国債残高とGDPの関係で上限と言うなら、もう上限を超えているかもしれませんね。だから、これでストップする、さらにこれを減らしていくという目標になっていきますと、それじゃもう来年の予算は国債なしでやるかと。そんなことは不可能でございまして、その辺に深刻さがあるわけでございます。 公債依存度についての先生の御見識も、私どもも大いに参考にさせていただきたいと思っています。もう五%は極めて非現実的ではないかということで一二、三%という御指摘をいただいたのかとは思っています。 過去、戦後を振り返りましても、積極財政論、そして健全財政論と言うんでしょうか、国債の発行などを含めて財政が経済政策として積極的に出動をしても、景気がよくなったり経済が拡大することによってその借金は将来税収によって返済ができるんだと、こういう論理が積極財政論だと思うのであります。 しかし、ずっと見てまいりますと、なかなか一たん膨らんだ歳出は好況のときに抑えられない。同時にまた、好況のときに増税をお願いするかというと、これはとてもなかなか企業も含めてそう簡単には応じてもらえない。なかったということでしょうかね。そういう意味では、積極財政論者のおっしゃったとおりにはその後の経緯は運んでいないというふうにも言えるわけであります。 ですから、今この四年続きの不況の中で、四、五十兆円とも言われておりますが、かなりたびたび経済対策を講じながら公債残高を大幅に累増させてしまったわけでありますが、では景気がよくなればこれを償還できるだろうか。自然増収も、八%とか十何%の経済成長があればやや余裕が出てまいりますが、二%台とか三%という昨今の状況の中ではそんな大きな期待は持てません。 そういう中で、おっしゃっていただいたことは私も全く同感でありますが、この国の財政をどう変えていくか、あるいは再建をしていくかということは、大変しんどいといいますか、本当に今までの感覚で、常識で言えば不可能に近いぐらい難しいことであるだけに、非常な決意が必要になってきているというふうに言わざるを得ません。 今、赤字公債をゼロにしたというのも、やっと平成二年で当該年度の特例公債をゼロにしたというだけで、過去数十兆円も赤字国債がたまっているわけですね。当該年度たまたま非常な努力で公債依存度を五%にしたとしても、それは大変なことですけれども、それはその年度の財政措置でありまして、もう二十何年ぐらいになりますかね、三木内閣から始まった建設国債も同じでございますから、昭和四十年から見ましても、過去三十年の国債が累増して今日の事態を招いているわけであります。 背景としてはいろんなことが言えると思いますが、もちろん国民の、経済のレベルアップの中で公的なサービスあるいは社会資本をもっと充実してほしいという強い要求があり、政治がそれにこたえてきたということが基本でありますし、あるいは経済に対して財政が積極的に何回も出動していった、いわばケインズの考え方に沿って景気対策の手段として財政が使われてきた。今回もそうであります。あるいは国際的な背景で、内需拡大とかそういう要請から財政を積極化していった面もあるわけですが、そういうさまざまな事情の中で今日の結果を生み出していることを認識しながらも、問題は、この現実をどう見てどうこれから将来に向かって大きな改革を目指していくかということではなかろうかというふうに思っております。
○牛嶋正君 今、もう限界を超えているんじゃないかというふうにおっしゃいましたけれども、私は限界がどこなのかということをもっと、先ほど申しました経済構造の変化を十分に考慮して検討し直す必要があるんじゃないかということです。 今おっしゃいましたように、四年間も不況が続いている。それじゃいつになったら我が国の経済は回復するんでしょうか。私は、ひょっとしたらこういう状態でずっと行くんじゃないかと思います。そのあたりをもっとやっぱりきちっと検討しなければ、私は財政運営の基本方向なんて出てこないんじゃないかと思いますね。 毎年、中期財政展望を発表されます。この前提は今の経済計画、五カ年計画の名目五%の成長率で計算されているわけでしょう。そんなものを納税者が見てそういった中期展望を信用するでしょうか。 私は、これからの経済というのはどのあたりまで実質成長率が望めるのか、また努力したらどこまで実質成長率を高めることができるのか、そのあたりの基本的なところをもっと検討しなければならないんじゃないかと思います。そして、そういうデフレギャップを含んだ経済構造の中で、しかも二百二十兆という国債残高を抱えているわけです。この経済をどういうふうに運営していけば我々がある程度の期待を持てるような成長率を実現することができるのか、私はもう少しこのあたりを基本的に検討していただきたいなと思うんですよ。 聞きますと、財政制度審議会ではそういう問題をぽちぼち検討され始めているようですけれども、そのあたりの経過を御説明いただきながら、今の私の問題についての大臣のお考えをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(伏屋和彦君) 今、牛嶋先生が言われましたまず経済の姿というのは大事でございまして、これはいわば新しい経済計画ということで、これからの経済の姿がどうなっていくんだろうということは、現在、経済審議会において御審議をいただいているところでございます。その経済の今後の展望というものと財政というものが大きくかかわってくる面は否定できないと思います。 そこで、今御指摘がありましたように、財政制度審議会におきましても今般、我が国の財政事情の構造的な厳しさが一層深刻さを増している、根本的な取り組みを図っていかなければ取り返しがつかなくなることが憂慮されるほどになっているという会長談話の認識のもとで、審議会の中に基本問題小委員会が設置されたわけでございます。 この小委員会におきましては、将来の世代に大きな負担を残さないよう財政の対応力を回復することの重要性等につきまして審議していくこととされておりまして、既に審議が始まっているわけでございます。まさに先と言われましたようにこれからこの委員会でも、我が国の現在及び今後のまず経済、それから財政状況を踏まえた上で、他方で財政政策に期待される役割が何であろうか、あるいは二十一世紀の高齢化社会を展望した上で、財政バランスの回復の必要性とか、公債発行のコストをどう考えるかといった問題につきましてこれから議論が深まっていくものと承知しております。
○牛嶋正君 私は、拙速を避けてそこのあたりは少し時間をかけて御議論を願いたい。そして、それに向かって財政運営の方向づけができるような目標というものをきちっと私は時間をかけてやっていただきたいと思います。 その間、財政運営の規律をどういうふうに取り戻していくのかということですけれども、私は、もう既に決められているルールをやっぱりきちっと守ることではないかと。その一つといたしまして、国債整理基金の繰り入れ制度ですね、これは幾つかの繰り入れのルールが決められておりますけれども、少なくともこのルールは守る、そしてもう今後はそれに対して特例措置は講じない、こういうふうなやっぱり気構えを示さなければ、なかなか財政運営全体についての方向づけというふうなものは我々が感じることは難しいんではないか、こんなふうに思いますが、最後にその点についての大臣の御決意をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 私も先生と同じようにというかそれ以上の深刻さを認識しながら、私は財政改革という表現を使ったり、言葉は違いますけれども、おっしゃる財政規律、歳入歳出のしっかりした考え方を持って予算編成、予算執行に当たっていかなければならないというふうに思っております。 定率繰り入れ等の具体例がございましたが、いずれにしましても、バブルのときにNTTの株の売却が行われて、これが大変大きな財源になったわけですが、そのかなりについては、いろんな条件で、有償資金としてこれを回しながら対応してきたわけであります。それをここ二、三年どんどん回収して、そして財源対策に使ってきた。これは一面でありますが、もはやそのNTTの株にかかわる財源もなくなったということであります。 そういう中で、昨年と違ってことしは、ある意味では正直にいくということでもありますが、許される妥当な財源対策は講じていいと思っておりますけれども、無理をしないで真正面からこの歳入歳出の問題も見詰めていかなければならないと、私自身はそう思っております。
○吉岡吉典君 大蔵大臣に、法案の前に一つお伺いしておきたいことがあるんです。 それは、八月三十日、木津信用組合と兵庫銀行問題の談話の中で、兵庫銀行の新銀行くの業務移転に際しては全員雇用を終了する、つまり解雇ですね。そして必要な人員だけより低い賃金で雇用するということまで述べられております。これによって労働者の中ではいろいろな雇用不安が生まれております。 大体、こういう問題というのは労使間で決めるのが原則だと私は思います。それを、大蔵大臣が談話でそういうことを示すということは、大蔵省はこういう労働条件まで労使間に任せないで介入していこうということなのかどうなのか。そうだとすれば、これは明らかな違法な介入であり、越権行為だと私は思うんです。 こういう労働条件を労使間の協議で決めるという原則についての認識を含めて、何で談話であんなことまで言っているのか、大臣、あなたの談話ですから大臣にお伺いします。
○国務大臣(武村正義君) 確かに、兵庫銀行が破綻をしたときの私の談話の中に、今御指摘のような、従業員についても銀行の清算に伴い雇用関係は終了するという部分がございますし、また、従業員については兵庫銀行の賃金水準より低い水準において必要な人員を再雇用すると、こういう考え方を述べております。 こういう異常な、大きな金融機関の破綻という事態の中で、再建をどうしたら図れるか。私ども、兵庫銀行については、兵庫県唯一の地方銀行として、名前も中身も相当変わっていきますけれども、再出発をしていただくのが一番いいという判断をして、一たんこれは破綻して終わるわけです、幕を閉じるわけですが、改めて新しい装いで再出発していただく。そういう意味で雇用関係も一たん終了するわけです。 そして、新たに新銀行が雇用を行うわけでありまして、そういう中で、十年間かかって兵庫銀行の残った債務を新銀行は必死で処理していかなければなりません。大変重い荷物を背負って出発をするわけでありまして、したがって配当もなしという方針も明示しておりますし、当然、経営の中で人件費についても一定の厳しい方針で再出発をしていただきたいということを明らかにしたところであります。 労使の雇用関係そのものに直接介入するという、そういうものではありません。
○吉岡吉典君 あなたね、企業を受け継ぐという場合、全員解雇なんか当たり前だというふうにお考えかもしれませんけれども、営業権を譲渡するという場合、企業の経営の何を引き継ぐかというのは、人も含めて経営体全体を引き継ぐというのが当たり前のことですよ。 それから、異常な、破綻した事態だとおっしゃるわけですけれども、そういう事態でも、解雇問題あるいは賃金水準というのはやっぱり労使間の協議でやる。労使間の協議抜きの決定というのは無効だというのは、これは最高裁の判例まで出ているんですよ。ですから、異常だからこういう談話を出すということが許されるという考え方は重大な誤りだということを、きょうはこれは本論じゃありませんから、私は申し上げて、やっぱり労使間で協議すべきものへ大蔵省が介入するというふうなことはないようにしていただきたいと思います。 それでは赤字公債の問題ですが、今ずっと実態を論議されてきました。私はそこで一つお伺いしたいんですが、今の赤字公債発行の状態というのをどういうふうに認識なさっているか。私は、七五年以来赤字公債を発行していない年はもうほとんどない状態というのは、赤字国債発行というのが常態化している、こう思うんです。そしてそれは、財政法の原則から外れた事態が続いている、こういうことだと思いますけれども、大臣どうですか。
○政府委員(伏屋和彦君) 今、先生が御指摘になりました財政法の考え方で言いますと、財政法は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と定めまして、いわゆる非募債主義の考え方を原則としているわけでございます。ただし、ただし書きにおきまして、公共事業費、出資金、貸付金の財源については例外として建設公債の発行を認めているわけでございまして、その意味では、特例公債は財政法上に根拠がないということで、特例措置として立法措置をお願いしているわけでございます。 先ほど先と言われました特例公債の発行でございますが、これは利払い費等の負担のみを次の世代に残しまして、また、一たび発行いたしますと財政体質の歯どめなき悪化につながりかねないという大きな問題がございますが、最近の特例公債発行は、一つは税制改革に係る一時的なものとして、また阪神・淡路大震災による被害に対する対応、もう一つは景気の先行きに生じている不透明感を払拭しなければならないと、景気対策等のためのいわば財源面における臨時緊急の措置としてやむを得ないものとして考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○吉岡吉典君 主要国の国債依存度の現状をちょっと報告してください。
○政府委員(伏屋和彦君) 予算の中における公債依存度ということかと思いますが、我が国の場合は二五・五%にこの補正後で公債依存度がなるわけでございますが、アメリカは一〇・三、イギリスは一七・九、ドイツは一四・三、フランスは一七・六ということで、我が国の公債依存度は主要先進国中最も悪化している状況にございます。
○吉岡吉典君 そういう状態で、しかももうずっと出しているのを、一時的なものだとか臨時緊急のものだという説明は、私これは成り立たないと思うんです。もう常態化していると、そうだというふうに思わないんですか。
○政府委員(伏屋和彦君) ただいまの依存度の場合は建設公債と特例公債両方を合わせたものでございますが、最近におきます特例公債につきましては、先ほど御説明いたしましたように、税制改革に係るいわばつなぎ的な意味での一時的なものとか、阪神・淡路大震災に対する対応とか、今回の景気対策への対応ということで、私どもとしては臨時緊急の措置ということで御理解いただきたいと思っておるわけでございます。
○吉岡吉典君 こんな論議をやっていたってしょうがないんですけれども、どうこれを改めていくかという問題は、大臣は財政改革が必要だと。私は財政のあり方の根本的な転換が必要だと思いますけれどもね。 その際、どういう方向でこういう財政状況を乗り切るかという場合、最近論議になっている問題の一つとして、新型公債の発行ということが盛んに論議されている。新聞報道によると、与党三党でも新型公債の発行について合意があったのか検討するということなのかということが報じられたことがありますけれども、そういう新型公債の発行というようなこともお考えになっているかどうか、お伺いします。
○政府委員(伏屋和彦君) 新型国債、新型公債の意味、内容が必ずしも一義的に明確にされているわけではございませんが、仮に先ほど先生が御指摘になられた財政法の考え方を初め財政制度の基本的な考え方を変えてまで、これまでは公債対象とされていない経費を公債対象としてその財源を公債で貯えというような御提案、御意見、仮にそういう御意見であれば、それはやはり事実上、建設公債原則を放棄することになるわけで、そういう意味で新型国債に名をかりました特例公債を発行することにほかならないということになりますものですから、私どもといたしましては極めて問題が大きいのではないかと考えているわけでございます。
○委員長(片山虎之助君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉岡吉典君 私は、剰余金処理特例法案に反対の討論を行います。 本法案は、第一に、本年度第二次補正予算の歳入不足対策として赤字国債の発行を行おうとするものであります。 今回の赤字国債の増発は、総額十四兆円という大型景気対策の財源のためですが、景気対策のためなら赤字国債もやむを得ないというのなら、赤字国債発行の歯どめは既に失われたに等しいのであります。これを含めて九五年度新規国債発行額は二十兆円を上回り、その結果、公債依存度は二五%台、発行残高は二百二十兆円を突破するという事態となります。これについての償還の見通しは全くなく、結局消費税の増税など、すべて国民へしわ寄せされることは必至であります。 本法案は、このほか、剰余金処理の特例をつくり、九四年度の剰余金を決算調整資金に繰り戻していますが、これも隠れ借金の後始末にすぎません。 以上の理由から、本法案には反対いたします。
○委員長(片山虎之助君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(片山虎之助君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山虎之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会