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134回国会参議院1995/11/30

宗教法人等に関する特別委員会 第6号

発言数
299
登壇者
24
会派数
7
開催日
1995/11/30

会議録

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十九日、佐々木満君、本岡昭次君及び国井正幸君が委員を辞任され、その補欠として坪井一宇君、椎名素夫君及び小島慶三君が選任されました。  本日、和田洋子君が委員を辞任され、その補欠として都築譲君が選任されました。     —————————————

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 宗教法人法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 オウム真理教事件は、二十四名の死亡者と三千九百四十名の犠牲者を出すという前代未聞の大事件となりました。地下鉄サリン事件などで私たち地元の東京都民は無差別の殺りくに震えおののいたのが実情ですが、一方、オウム真理教の宗教法人認証を東京都知事が行ったという複雑な心境にもありました。わずかな間に熊本県、山梨県、神奈川県を初めとして被害は拡大していき、全国の自治体から約四百件の意見書や陳情書として東京都知事あてにオウム真理教の解散を求める動きがほうふつとして沸いておりました。特に東京都出身の私、議員といたしましては非常に責任を痛感して今日まで参ったのが実情であります。  この中で、犯人検挙による教団撲滅への努力と犠牲者の対策、再犯防止策の模索へと、焦燥感募る中で関係者の努力が今日まで続いております。幸い、仮谷さんの拉致殺人事件を契機に、警察庁の一挙の捜査で事件拡大を防止し、裁判所による解散命令が出されたことにいささかほっとしているところでありますが、即時抗告などの教団の抵抗もあり、深谷公安委員長が答弁いたしましたように、捜査はまだ六合目。サリンの何倍も強力なVXガス四十リッターが行方不明であると言われたり、あるいは指名手配十五名の検挙もいまだであります。大阪APECは必死にクリアできましたが、何かが起きなければよいがと祈る思いであります。  オウム事件は、関係の薄い地域におきましては、かつて私たちが湾岸戦争をテレビで劇映画ふうに見ていたごとくと似ているような気もいたします。だが、オウム事件は漫画チックだとか劇画風という希有の猟奇事件では全くありません。治安から宗教のあり方まで社会全般に警告をし、いつフラッシュバックで事件が再発するかわからない予兆の大事件ともとれるのであります。私たちはこれを生きた教材にして、宗教界の協力のもとに何としても再発を防止しなければ、犠牲になられた方々も浮かばれないことでありましょう。  その意味で、いかに現行の宗教法人法が無力であり、いや、罪つくりの面さえあったかを、実際現場で体験したささやかな立場から検証を試みまして、今回の法改正による正しい宗教の発展とカルト事件の防止が重要かを順次お尋ねしてまいりたいと思います。  そこで、オウム真理教の事件、何回も当委員会でも、あるいはまた国会全般に出てまいりましたし、テレビ等でも報道されているところでありますが、当時、私は認証を行いました東京都の現場の自民党の幹事長をしておりまして、非常に苦慮した立場にございました。  そこで、順次お話をしてまいりますが、実は、この十月三十一日にアメリカの上院の政治活動委員会・大量破壊兵器の世界的拡散に関する公聴会が開かれまして、手元に資料が届いたところであります。これの中で、要約をいたしますが、特にアメリカの議会におきましてオウム真理教の事件が非常に明細にわたりまして取り上げられております。  この中を一部御紹介いたしますと、  同法の施行以来、約二十万の宗教団体が認証を受けており、単純計算ではその信者数の合計人数は日本の人口を七千万人も上回っている。これらの宗教団体の多くは法律を遵守し、また尊敬を得ているが、免税の「営利」活動を行っている組織や自分たちの政党を支配している組織があるにもかかわらず、政府はこれらのいずれの組織の活動も監督できないでいるのが実情だと、こういうふうに公聴会では言われております。  また、オウムに関しましては、「宗教法人の認証を得ることを重要な優先課題にしていたことがわかっている。そのためにオウムはこ東京都や文化庁でのピケを初め「攻撃的なロビー活動を展開していた。」が、「こうした活動は「スキャンダラス」なものであり、他の宗教組織の性格から完全に外れたものであった」と、カルト宗教としての特徴を挙げておりまして、「この奇妙な日本の法律がオウム教団発展の重要要因となったとする意見」が多くあった、こう言っております。  そして最後に、オウム教団が「宗教法人として保護されるようになったことで、教団は政府の干渉を受けないという自信を強め、坂本弁護士の殺害を決断した」と見られる。「また、殺害後も政府の反応がなかったことが、日本国内で敵に対して露骨により恐ろしい攻撃をしかける大胆さを教団に与えてしまったと指摘する声もあった。」と、こうなっております。  そしてなお、資料といたしまして、オウム教団が認証を受ける前と認証を受けた後どう変化したかという数字が追ってありますが、例えば純資産で見ますと、平成元年オウム教団が持っていた資産は四億三千万である、そして七年後、地下鉄サリン事件発生のことしては一千億円になっていると言っております。四億三千万から一千億円に。そして信者の数も、昭和五十九年二十人から、ことし平成七年全世界で五万人になっていると言われております。日本では約一万と言われております。事務所は、昭和五十九年日本にたった一カ所であったものが、ことし平成七年世界六カ国で三十カ所、日本におきましては全国で四十カ所、東京都内で十カ所、アジトに至っては数え切れないほどと、こういうデータさえありまして、いかに日本の宗教法人法、また憲法二十条の歯どめというものが効き過ぎているかということの指摘をアメリカの議会が行っていることは注目に値することではないかと思っております。  ここでオウムのことに関しまして戻りますが、御案内のとおりオウムの麻原教祖でありますが、昭和五十七年、今から十二年前に薬事法違反で逮捕されておりますが、その二年後に教団を渋谷区の桜丘、東京都内で布教を開始いたしました。この後に阿台宗で宗教法人のノウハウを勉強いたしまして、六十一年、東京都に対しまして宗教法人を設立したいという相談に来ておりますが、私たちの知る限りにおきましては、このときは不動産登記がなされた物件すらないというような貧相な状態でありました。  そして、翌年六十二年二月、教団はオウム神仙の会を設立し、八月にオウム真理教に名称を変更いたしまして、その都度何回か東京都に相談に来ております。  で、翌年六十三年四月でありますが、事件が起きる前の年、もう既に教団に対しての苦情が多く出ておりました。私たちはそれを察知しておりましたが、八月に教団は静岡県の富士宮市に富士山総本部を建設しております。そして十月に教団は最終的に形式を整えまして、本拠地を世田谷区赤堤に移して東京都に設立の相談に来たのが表に出た行動の最初であります。  このとき麻原教祖は、既に教団の内部で認証が取れそうだという話をしたものでございますから、信者の親から東京都に対しまして二十数件に及ぶ認証を与えないでほしいという苦情や反論が既に寄せられておりまして、警視庁におきましてもいろんな事件の苦情が寄せられておりました。それがもう認証の一年前であります。  年が明けまして六十四年に、東京都は、申し入れは非公式でありましたけれども、現地調査に入りました。宗教団体としての実態把握、それから主に経理関係についての調査、それから江東区の亀戸に移りました三月以降は宗教法人活動の実態調査、出家制度についての質問、ありとあらゆることをやってまいりましたが、三月になりましてから教団は、東京都に対しまして認証申請書を出してきたわけであります。  ここで、これを受理いたしますと三カ月以内に認証を与えなくてはいけないという法的な要件が整ってしまうものでございますから、私たちといたしましてはこれは非公式でありましたけれども、議会筋から東京都に預かり処分にさせることにいたしました。預かり処分にいたしましたところ、教団はデモをかけてまいりまして、二百数十名の信者を東京都庁内でデモ行進させたり、あるいはまた、行政部や知事公舎、副知事、行政部長、指導課長などの事務室に認証を求める電話を数百本、正確には二百八十一本人れてまいりましたし、自宅には数え切れないほどの電話が入りまして圧力をかけてまいりました。そして、東京都はやむを得ず五月に申請を受理したわけであります。  このときに、ここのところが重要なんでありますが、既に教義にも問題が出ておりました。それは、教義は文書としては整っておりました。これは当然十四条一項にのっとるように指導してきた嫌いも各自治体にございましたので、そういう条件は整うわけでありますが、問題は、例えば麻原教祖の説法会だとかあるいは出版物などで教義そのものを見ておりますと、一番問題になったのは出家制度でありました。未成年の子供たちを拉致して親に会わせないとか、それから血のイニシエーションなどもやっておることがわかっておりましたし、またいろんな事件が入っておりました。それから、実は北川石松代議士が大阪からわざわざ都知事を訪ねてくれまして、この教団を認証させると大変だよと、こういうお話もございまして、これは大変に私たち参考になりました。  それから、私たちといたしましては申請書を受理いたしましてからただ惰眠をむさぼっていたわけではありません。信者の家族から入信に伴うトラブルについての苦情が多数ありましたので、この事実関係をまず調べておりました。  それから、申請書につきましては書類上の不備がないことが確認されておりましたけれども、今申し上げた教義の問題、それから都内の警察署及び教団の主要支部が存在する八道府県まで出かけてまいりまして、県庁及び所轄警察署で苦情などの事実関係、違法行為の存否などを全部調べてまいりました。いかに機関委任事務といいながらも、常時は四名の宗教法人係しかいないんでございますが、全力でこれを阻止しようということで、法律的な根拠がない聞き込みの調査までやってまいりました。こういうことをやってきたわけでございますけれども、現実には条件が整い、そしてだんだん我々は追い込まれていきました。  しかも、六月一日になりまして教団が不作為の違法確認訴訟を提起いたしました。これが問題であります。それで、私たちは文化庁や弁護団とも相談をしたのでございますが、結局、今の法律では形式的な確認の不作為ということで負けるだろうと、裁判は。しかも、それ以上に突っぱねてやりますと、窓口の職員まで損害賠償の請求をするぞとおどしをかけられておりました。  私たちは、ほかの事例では、言ってみればおかしい教団を認証しないような努力をしてきた効果も出ておりました。例えば、統一教会のダミーであります天地正教という教団があります。ここはもう最初から霊視商法などでおかしいことはわかっておりましたので、東京都は認証を与えないように努力した。それで結局、向こうは急ぐものでございますから、北海道に行きまして簡単に認証を取ってしまった。こういうような実例が現にございます。  私たちといたしましては、とにかくやれることは全力でやろうとやってきたわけでございますが、御案内のとおり、青島知事が解散請求をほのめかしただけで、知事公舎に当時の自民党の幹事長の田中晃三という都議会議員の名前をもって爆弾を仕掛けた郵便物を届けて、結局ああいう、まかり間違えば人命が陥れられるような事件さえも後々起きていることでもおわかりのとおり、どういうプレッシャーがかかってきたか。そして、どうしてこれを防ぎ得なかったか、認証を出さざるを得なかったか。これはまことに厳しい現下の状況でありまして、このことをもってすら法の不備ということがいかに重要なテーマになっているかということがおわかりをいただけるわけでございます。  そこで、いろいろオウム真理教のことについて述べてまいりましたけれども、文部大臣、文部大臣も東京都選出の国会議員の先生として、今まで我々は、文部大臣に御就任いただく前からこういう苦衷を述べて、そしてカルト教団の社会に及ぼす悪影響について御相談してまいったところでございますが、このオウム真理教の事件に端を発する今回の法律改正に至る大臣の御心境をまず冒頭で御開陳いただきたいと思います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) オウム真理教事件という国民を驚愕させ、ある意味では大変な犠牲者を出した事件、私たちもかなりの部分で勉強させていただいたつもりでありますが、今、保坂委員のいろいろなお話を伺って改めて認識を深めることができました。さすがに都議会自民党のリーダーとして御活躍いただいたその見識にまず敬意を表するところでございます。  印象ということでございますが、私は正直言って現行宗教法人法の規定ではこういう事件をまた再発させるおそれもあるなと思います。認証に至った経緯等についてはまだ御質問にお答えをいたしますけれども、少なくも認証せざるを得ない現行の規定という中から苦しい判断をされたということも、当時の事情を調べる過程でも知り得たことでございます。  今後は、こういうことについて所轄庁として何らかの対応ができるような法の整備というものはやっぱり必要なんであろう、私はそういうふうに考えております。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 ただいまオウム真理教事件のてんまつをるる述べてまいりました。私に与えられた時間のかなりの部分を割いてお話を申し上げましたのは、現場でいかに苦しもうと、そして四十七都道府県がその窓口として、所轄庁として努力しようと、また文化庁がどう御指導いただいても、私たちはこういうオウム教団みたいな教団の、狂信的なカルト教団みたいなものの認証を防ぐことができなかったということをまずおわかりいただきたいのであります。  そこで、認証についてお話を申し上げて文化庁の御答弁をいただきたいのでございますが、認証につきましては、ただいま申し上げましたように準則主義でありまして、確認行為でありますから、言ってみれば、条件が整っていたり手続が間違っていなけりゃこれは出さざるを得ないということになっておりますが、私たちは少なくとも認証の直前まで反社会的な行為やそういうことはわかっていたんですね。わかっていても、結局は信教の自由という大原則を私たちは認識せざるを得ないので認証を出してしまったわけでございますけれども、そういう点では代理事務の限界というものを感じるという都道府県の声を聞いておりませんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 東京都からも私どもはこの認証の経緯についてお話を伺っているわけでございます。先ほど保坂先生、本当に詳しく御説明いただきましたように、東京都知事も本当に真剣に対応されたということは私どももそのとおりだと思うわけでございます。  御指摘ございましたように、現行の宗教法人法は十四条一項で、所轄庁として規則を認証するに当たりましては、当該団体が宗教団体であること、それから当該規則が宗教法人法その他の法令の規定に適合していること、それから設立の手続が宗教法人法十二条の規定に従ってなされていること、こういった要件を一応満たしておるということになりますればその規則を認証する、こういった形での決定をしなければいけないとされているわけでございます。  そういったこともございまして、お話にございましたように、不作為の違法確認の訴えをするぞとか、あるいはいろんなことを通じて、とにかく早く認証しろということを厳しく迫ってきたわけでございます。オウムの実態につきましては東京都でもいろいろお調べいただきましたし、信者からもさまざまな苦情が寄せられておりました。どうもおかしいということは担当官の方も本当に真剣に悩まれたと思うのでございます。  今回の宗教法人審議会の報告にもございますように、認証につきましては、例えば現行法規の運用の中で対処できる点は厳正に対処すべきだということも指摘をされております。  それから、私どもも国会で御答弁申し上げておりますように、認証の時点で著しく公共の福祉を害する行為を行っているということが明らかな場合、こういったものに関しては、たとえ書類上の要件がそろっていても認証しないということで、厳しく対処していかなければいけないというふうに思うわけでございます。今回の法をお認めいただきますと、そういった点も含めて各都道府県と十分相談をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 宗教法人法の立法趣旨のことでお尋ねしたいのでございますけれども、信教の自由あるいは政教分離の原則に配慮しつつ、宗教団体の法律上の能力といいましょうか、法人格を付与する目的が宗教法人法である。そしてさらに、宗教法人法によって活動を担保された教団は、本来、教義を広め、儀式を行い、及び信者に対する教化育成をするということのいわゆる聖の部分と、主として財産の管理、維持運用などを図る俗の部分があって、これは聖俗分離しているというのが同じように大原則と、こう私たちはとっております。  認証の中で、仮に今御答弁があったようなお話を総合しますと、例えば八十一条一項一号のような解散時の解散命令事由ですね、これをひとつ援用すればいいじゃないかと言われますが、ならば、この八十一条一項一号というのは今回初めて適用して裁判所が解散命令をしたわけでございますが、これは既に聖の部分に踏み込んだ、言ってみれば俗の部分から離れた判断を裁判所もした、要するに公益に反すると。未成年の拉致事件やいろんな事件があった。たまたま今回は刑事事件が立件されようとしておりますけれども、少なくとも聖の部分に踏み込んだ判断を裁判所がしたということになると、聖俗分離という原則はある意味では非現実的になってきたんじゃないでしょうか。その点、御見解を求めます。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この聖と俗の問題でございますけれども、宗教法人法は宗教法人としての管理運営面、いわば俗の面での管理運営を適正に行うという観点から法律自体が成り立っておるわけでございます。御指摘ございました聖の部分について所轄庁が関与すべきでないということは、もう私どもそのとおりだと思うわけでございます。  ただ、聖の部分と申しましても、例えば殺人行為であるとか著しく公共の福祉を害する行為を行っているというようなことが仮にあるとすれば、それが明らかであるということであるならば、宗教団体であることを確認するというのが宗教法人の認証の時点での最大のポイントでございますけれども、その宗教団体としての基本の部分が例えば殺人などの著しく公共の福祉を害する行為を行っているということが明らかであるというような場合であれば、原則として聖の部分に立ち入らないというのはもうそのとおりなのでございますけれども、そういった著しく公共の福祉を害するというような場合には、そういったことについては認証しないということで臨むのが私は当然だと思うわけでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 いや、そこがポイントなんですよ。  今回は、平成元年に認証を与えて、事件が起きたのは六年、七年ですよ。わずか五年間にこういうふうにオウム教団が発育してしまった。その間を私たちは見ることができなかったわけです。ここを言っているわけですよ。これが今度の法の改正のように見られれば、あるいは質問権などがきちんとしていればはっきりとそれは防ぐことができる。今度の法律の改正が、あたかもオウム教団のようなああいうカルト的な教団を防止することはできないということを希望しているようなやじが飛ぶけれども、全くおかしい。そういうことに期待してこの法律の改正の準備がされてきたということを、背景を言っているわけでございます。  例えば今回の場合も、殺人事件が起きたから八十一条の一項一号を適用したと言いますけれども、起きなければいつまでも、わからなければいつまでもなんでしょうか。例えば八十一条の一項一号は、著しく公共の福祉に反することが、事実が明白に認められることと、こうなっているんですけれども、著しく公共に反するというのはどういうことなんだ。明白に事実を認められるというのは、我々はそんなに、東京都が資料もないのに立件できるような資料を持ち得ませんよ。そしたら唯々諾々として今日まで来ざるを得なかった、そういう法律の不備を本当に痛いほど痛感するんです。  ここでお尋ねいたしますけれども、もう一つ、認証の判断基準を明確にすべきじゃないかという声がかねてから起きていますが、一体今まで認証を行わない場合というのが現実にあったんでしょうか。それと、判断基準を明確にするために今後宗教法人審議会にこれをテーマとして検討してもらうおつもりはありませんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 従来におきましても、各都道府県段階では認証をしないという例はございました。これは宗教団体性が確認できないという観点でそういった認証をしないという処分をしておるわけでございます。いずれにいたしましても、この認証の基準といいますか認証の基本的な考え方、これは行政手続法が公布をされましてある程度そういった審査基準なり留意事項といったものをオープンにしなければいけないということで、文化庁といたしましても次長通達で、行政手続法が施行されたことに伴いましてこの宗教団体性の確認の具体的な判断基準の留意事項を示しているわけでございます。  今後とも、そういった点につきましては、宗教法人審議会の報告にもございますように、現行法の運用を適正に行っていくという努力をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 宗教法人審議会はこれからも続いていくわけでありますからぜひ具体的に取り上げていただきたいと思いますが、それまでの間、文化庁もそうでありましょうけれども、とにかく慎重な審査が必要であるというような案件が出てきて準則主義でどうしようもないところにまで陥った場合でも、例えば建築確認のように、三週間の限定でありましても申立人の了承さえ得ることができるならば保留ということも認められているわけです。  そこで、慎重な審査に非常に時間を要するというような場合は、私たちはオウムの件では文化庁にも聞いたわけですけれども、結局これは答えようがないということで最終的には認められなかったんですが、認証の保留処分ということを現実にすることはできませんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 御指摘のように、認証の申請があった場合に、これに対して十分慎重に審査をしなければいけない。受理をいたしますと三カ月以内に結論を出さなければいけないわけでございます。そういったことがございまして、先生の方から認証の留保処分というのができないかというお尋ねでございます。  この点でございますけれども、正式の書類が完備した書類として申請が出てくるということであれば、これは受理せざるを得ないわけでございますけれども、通常の場合、行政庁の方は正式の書類が出てくるように実は申請者側に対してかなりいろいろ条件あるいは書類の様式等を指導いたしまして、現実問題として申請者の便宜のためにかなりな努力をしているのが事実でございます。  しかし、現実にこういった公共の福祉に反することを明らかにやっているおそれがあるような宗教教団が認証を持ってきた場合にはある程度、この留保処分はできないと私は思うのでございますけれども、受理するにふさわしい正式な書類がきちんと出てくるかどうかといった点については、法律に従って厳密な審査を行うということは私は現在の法律の建前の中でもできると思うのでございます。  あるいは、宗教教団に対して疑問点があれば厳しくその点を追及しできちんとした形で出すことを審査していく、そういう窓口におきまして申請の手続を、もちろん行政手続法に触れるようなことはできないわけでございますけれども、さまざまな努力をして、現実問題として本当に公共の福祉に反するようなものが最終的に認証されないようにするための努力を行うということは私は可能ではないか、そういった点は私ども窓口担当者としても考えていかなければいけないのではないかと思うわけでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 今の認証の最後のところが非常に重要だと思うのですね。  それではもう一つ、現行法でできるかできないかをお尋ねしたいんです。都道府県と文部省は同一の視点から問題を扱う、そういう差異はないという当然な御答弁をいただいてきたわけでございますけれども、都道府県の与えられた条件というのは非常に限られているわけです。もちろん、法にのっとっているということに関しては国と変わらないわけですけれども、それじゃ何のスタンダードも持っていないんだろうか、基準も、ということなんです。  例えば、東京都におきましては昭和三十二年の宗教審議会の答申の精神を先取りいたしまして、あの中に出ておりましたところの、例えば宗教活動を数年間にわたって現実に行っているかどうかという確認をするとか、あるいは礼拝堂などの主たる境内用地が言ってみれば現実的にその教団の所有物件になっているかどうかの確認だとか、その礼拝堂に信者が自由に入れるかどうかとか、そういうスタンダードを内規的に持っているわけです。だけれども、これはちょっと考えようによれば行き過ぎですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 御指摘ございました東京都としてそういった内規をお持ちだということを私どもは承知をいたしております。これは行政手続法に基づきまして文化庁では通達をしているわけでございますけれども、これは審査基準、判断基準で留意事項だということでお示ししているのでございます。  文化庁が示しております基準の例では、法二条に規定する主目的のための宗教活動を行っているかどうかについて、例えば過去三年程度の宗教活動の実績、それをきちんとやっていらっしゃるかどうかを確認する。それから、単位宗教法人というものについては、礼拝施設を備えているということにつきまして、こういった礼拝施設の不動産などの財産がほかの部分と分離独立した当該団体自身のものであるかどうか、それから団体として永続性がきちんと担保できるかどうかといったような点についても検討することということを留意事項で示しております。  それから、この礼拝施設について現地を確認する、あるいは当該団体のということをやっているわけでございますけれども、それから御指摘ございました公開性の確保についても検討するということで審査基準の留意事項としてお示しをしているわけでございます。  東京都においてもそのようなものがあるということでございまして、これはもちろん適正なものだというふうに考えておりますけれども、この宗教法人の認証の事務は国の機関委任事務でございますので、私どもといたしましてもこの文化庁の審査基準の例、これは留意事項でございますけれども、こういったものを十分参考にしてほしいということを各県にお願いしているところでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 よくわかりましたけれども、例えばオウム教団なんかは平成元年の八月二十九日に法人登記を結局しているわけですね。八月にして、十一月四日にはもう坂本弁護士の拉致事件を起こしているんですよ。この背景には、一年以内に何かしでかしてしまったら取り消しの根拠になるからという焦りがあったとも言われているんですね。それだけに入り口がいかに重要かということもぜひぜひ、出口と入り口をしっかりとめておく、その中間がなくていいというわけじゃありませんけれども、今度の法律の改正で中間がしっかり見られるわけですから、少なくとも中間と出口が明瞭になってきた以上は、問題は入り口の検討もやっていただきたいと思うわけです。  そして、所轄庁のことに話は移ってまいりますけれども、例えば大きな教団は今度は国だから、小教団などは、問題を含んでいない教団は地方自治体が窓口になればいいと簡単にお思いでしょうけれども、今の時代、昔と違いまして交通網が整備されたり、情報網が、マルチメディア社会に入ってあらゆるニューメディアが誕生して、昔のように教祖やあるいは開祖の御意見があるいは説法が大勢の中間の幹部の信者の口を伝えて広く教義を広めていくというような、そういう時代ならば境内用地を幾つも持つことによってそこが全国の、あるいは広く宗教活動をする拠点になるんでしょうけれども、今の時代ですからね。  例えば、具体的に申し上げれば、幸福の科学なんというのは本社一個あれば、本屋さんがあればそこで売ってくれるわけですから、出版物は。そして、VTRを見れば、オウム真理教もそうでしたね、VTRを見れば教祖の声がじかに入ってくるんですから、それで耳にはCDでマインドコントロールできるような操作もできるわけですから。そういうような時代になってくると、単に所轄庁が地方自治体だからあるいは国だからといって、その取り扱いが易しくなったと、地方自治体が。そんなことは決してない、むしろそこに問題がある、こう思うわけなんです。  このことからいって、例えば境内用地のみで区分を明確にするというのはちょっと無理なんじゃないか。例えば、本堂が東京都にあって墓地が埼玉県や千葉県にあった場合は、現実には境内用地は一件となっているわけです。それで、所轄庁は東京都になりますけれども、こんなことが現実的にあるわけですから、所轄庁の問題も結局は私は、機関委任事務の限界も申し上げましたけれども、最終的には国が全部見るべきじゃないかと。全部の教団、十八万余の教団を国が見て、そして旅券法のようにまず都道府県が窓口になって上げていきなさいと。そして、問題点がないところを都道府県だけに預けておいて、問題があるところだけは国がいつでも質問などができるようにしておいた方が、本当はあしき教団の発生だとか教団が悪い方向に流れることを防ぐことが実際にできる所轄庁の区分にならないだろうか、こう思いますが、御見解を求めたいと思います。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) いろいろ示唆に富んだ御指摘をいただいておるわけでございますけれども、今回、所轄庁の決定を境内建物ということに一つの判断基準として出しておりますのは、宗教活動が具体的にほかの県に及んでいるかどうかといったことを判断する、その場合に信者がよその県にいらっしゃる、あるいは布教活動をよその県でやっておられるといったようなことも一つの判断基準になり得るわけでございますけれども、仮にそういったものを判断基準といたしますと、どうしても所轄庁が宗教法人の宗教活動に介入のおそれが出てきてしまう。そういったおそれが出てこないで、しかも二県以上にまたがって広域的に活動をしておられるということをどう判断すべきかということで審議会でも十分議論が行われたわけでございますけれども、最終的には活動を客観的、外形的にとらえることができるもので判断をすべきだということで、やはり境内建物というもので判断するのが最もよいのではないかということで、今回、境内建物をほかの県に持つものについては文部大臣の所轄でお願いしたいというお願いをしているわけでございます。  御指摘のように、マルチメディアも進んだり、あるいは通信手段等もいろいろ進んできておるわけでございます。確かにこの法律をお認めいただきますれば、文化庁もそうでございますけれども、各都道府県自身の事務ももちろん若干ふえますし、あるいは所轄庁としての役割も大切になってくるわけでございますので、それぞれ充実した体制を組まなければいけないわけでございます。そういった活動範囲が交通手段や通信手段の発達によってさまざまに広がっていくのは事実でございますけれども、私どもとしては現時点で全国的な活動をしているかどうかという判断基準としてはやはり境内建物といったもので考えるのが最もいいのではないかということで、その内容で法案をお願いしているところでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 外形的な条件でやらざるを得なかったということもよくわかります。しかし、精神として、そう言っては恐縮でございますが、小規模の宗教団体は都道府県に任せたよと言われますけれども、そこからまた心配をする教団が芽生えないように、ひとつ御指導のほどを伏してお願いしたいと思います。  それから、あわせて国の努力について何点がお尋ねしたいのでございますけれども、昭和三十三年の答申、これが現実的に現在精神としてどう位置づけられているのかお尋ねしたいのであります。  ということは、当時もう既に宗教団体は十八万に至っておりました。昭和三十一年に諮問をしたわけでございます。三十三年に答申を出したんですが、十八万に及んでおりまして、事件が今日と同じように起きていたわけです。それを受けて清瀬文部大臣が諮問をして、三十二年に答申が出るわけですけれども、現実的には今日の法律の改正案につきましては随分とこれが生かされているような気がするわけです。これが、その後、三十七年間何をしてきたかということをお尋ねしたい。  それからもう一つ、これは手厳しくなりますが、平成五年十二月九日の私たち参議院の予算委員会におきまして、片山議員から赤松文部大臣に速記をとめてまで政府の御見解を求めたわけでございますけれども、細川政権としては当時これは非常に重要な問題であって、もう検討をしているけれども、御質問の趣旨からいっても急いでやろうと、こう言われた。平成五年十二月九日ですよ。これが何もなされないで今日まで来たがゆえにオウムが大きくなったとは言い切れませんけれども、とにかく寸秒を争うような勢いでオウム真理教がばかな方向はかな方向へ向かっていったわけですよ。そういうことを考えますと、やはり法律の改正は今日遅きに失している感があるのではないかとさえ思うのでございますけれども、細川政権以来、現在の新進党の前身である各政党も当時絡んでいたわけでございまして、研究していたというなら、どういう研究をされたのかお尋ねをしたいと思います。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) まず第一点目の昭和三十三年の宗教法人審議会の答申でございます。  これをその後どういうふうに扱ってきたのかということでございますが、これは昨日以来御答弁申し上げておりますように、宗教法人の運営上の事項等について改善すべき点があるということで、十一項目にわたりまして幅広く提言がなされておるわけでございます。ただ、この提言につきましては、当時の社会や宗教界の状況といったものも今日とは異なっていたということ等もございまして、法改正には至っていないわけでございます。  文化庁といたしましては、当時はもちろん文部省でございますが、この答申の趣旨を踏まえまして、宗教法人の管理運営の適正を期するための施策をやらなければいけないということで、研修会を充実していく、宗教法人の実務研修会というものを充実していって、そして法人の事務処理能力の向上、それから所轄庁の事務処理能力の向上といったことも研修、研究を続けてきたところでございます。  そういう意味では、三十三年の答申、確かに今日まで中身が法律のような形では具体化していないわけでございますけれども、私どもとしてはその中で研修等に取り入れるべき点は取り入れてきたつもりでございます。  それからもう一点、平成五年の宗教法人制度研究調査会、赤松大臣のときに設置したものでございますけれども、これがどういう中身なのかということでございますが、御指摘のように、平成五年十二月に国会等で御指摘がございまして研究会を設けたところでございます。これは、文化庁の部内に文化部長をキャップといたしまして研究会を開いてきたところでございます。設置以来、八回の会議を持ちまして、宗教法人制度についてこれまで各方面から指摘されておりましたさまざまな事項について検討を行ってきたわけでございます。  これは行政部内での研究会でございまして、この研究会の結果が具体的に今回の法案の中に入っているということではもちろんないわけでございますけれども、私ども宗教法人審議会の事務局も担当しているわけでございまして、行政としては常日ごろから宗務行政の適切を期するための研究をしなければいけないわけでございまして、そういった面で私どもとしてもこの研究をきちんと行ってきたところでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 いろいろ法の不備から始まりましてお尋ねしてまいりましたし、また政府の努力につきましてもお尋ねいたしました。被災地の救済、あるいは警備の強化、あるいはまた脱会者の救済、情報収集機関をどう設置してもらいたいか、問題は尽きませんけれども、とにかく今までいろいろ各委員からも問い合わせがあったところでありまして、御答弁もいただいてきたところでございます。  要するに、今日のこの宗教法人法の改正、あるいはまた全国国民の八割以上の方々が私たちの動きを見ている、こういうことを肌で感じながら今日質問に立っておりますと、結局は反社会的な破壊的なカルト教団に話は尽きてしまうんだ。こういうものさえ許さなければ、私たちは宗教法人の存在も高く評価しておりますし、またそれの御指導も仰ぎたいと思っている立場であります。  こんなに手紙が来ているんです、私どものところへ。頑張れと、とにかくみんな国民が見ていると、こんなに来ているんですよ。  それで、簡単で結構ですけれども、カルト教団というのはどういう性格を持ち、どういう怖さがあるのかちょっとわかりやすく説明していただけませんか。時間がありませんので、簡単で結構です。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 宗教学の説によりますと、カルトというのは教団という意味のようでございますけれども、自発的な集団でございまして、いまだ教義や組織が未成熟である、カリスマ的な指導者に率いられた熱狂的な宗教団体を指すというふうに聞いているわけでございます。  カルトについてはアメリカ等でも盛んに研究が行われているわけでございますけれども、特に破壊的なカルトといったようなものについては、その活動が閉鎖的で異端的、反社会的で大変危険な運動を行う可能性があるというふうに今理解をしているものでございます。    〔委員長退席、理事松浦功君着席〕  これにつきましては、欧米でも、信教の自由や政教分離の原則との関連などから、法令によってカルト的なものに対して制限を加えることができるかどうか、いろいろ御論議があるようでございますけれども、現在の時点では法令での制限には消極的だというふうに聞いておるわけでございます。  我が国におきましても、カルトの問題は非常に難しい問題でございますが、文化庁といたしましても今後の慎重な検討や研究をしていかなければいけないということで、所要の予算等もお願いをしておるところでございます。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 そういう危険な教団に実は、恐らくやじが飛ぶでありましょうが、創価学会もカルト教団と見られているんですよ。(発言する者多し)アメリカ社会では全くオウム同様に見られている。独善、排他、危険な存在。  例えば、これはこの間中島議員からもお尋ねがありましたけれども、アメリカのタイムの十一月二十日付の記事の中にはこうやって池田学会会長と、「ザ・パワー・オブ・ソウカガッカイ」という記事の中に何とこうやってこの間の東村山の朝木市会議員の写真まで載っていまして、こういう事件が創価学会の中に存在するということを指摘しているわけですよ。  そして同時に、例えばエホバの証人のように子供たちが交通事故で死にそうでも輸血をさせなかったような事件がありましたね。ああいう狂信的なところは、親の権利で子供の命を奪うことはないんですよ。それでもこういうカルト教団は平気で行う。しかも、教祖の指示なしで、場合によっては信者そのものが具体的な変な事件を起こすことは山とあるんです。(発言する者多し)  これは十一月二十七日の「東村山・朝木市議変死事件 真相糾明へ、遂に市民一万二千人が立ち上がる」という記事なんです。このカルト教団独特の犯罪行為を、実は創価学会が疑われているんですよ。そこが問題だ。  私は、事件が創価学会が全部やったという立件はできませんよ。しかし、疑われているということに対して答える責任があるんではないかということを私はお尋ねしているわけなんですね。(発言する者多し)

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) 御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 委員長、やじが飛びますけれども、私は公明党に対してこのことを言っているんじゃない……(発言する者多し)

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) 御静粛にお願いします。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 創価学会だからね。創価学会に対して言っている。  この朝木事件に対しては、数々のおかしなことが展開しておりまして、数々のおかしな事件が展開しておりまして、そして現実的には御存じのとおり自殺、他殺の両面から捜査をしているという、そういう公安委員長の答弁があった。(発言する者多し)  そこで、刑事局長、この事件の捜査というのはどの辺まで今進んでいるかお尋ねしたい。

野田健警察庁刑事局長

○政府委員(野田健君) お尋ねの事案については、平成七年九月一日午後十時三十分ごろ、東京都東村山市本町所在の六階建て店舗兼マンションの一階ごみ集積所において東村山市議会議員朝木明代氏が同マンション上階より落下した状態で発見され、病院に搬送された後死亡したもので、現在、警視庁において所要の捜査態勢のもとであらゆる可能性を視野に入れ、自殺、他殺両面からの捜査を進めており、早期に捜査を遂げ、総合的な判断をしたいと思っております。

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) ちょっと待ってください。  速記をとめてください。    〔速記中止〕

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) 速記を起こして。(発言する者多し)御静粛に願います。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 委員長。

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) ちょっと待ってください。  ただいまの件につきましては、後刻速記録を調査の上、適当な措置をとることにいたします。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 大分紛糾をしておりますけれども、しかし紛糾をするというのは、例えば坂本事件のときもそうだった。プルシャが落ちていてそれに気がつかなかったという痛みを今感じていますね。私は今度の朝木事件が何もなくそのままいけばいいですよ、自殺で。しかし、これが本当にある種の団体の圧力や何かで他殺だったらばどうするんですか。こういう事件が頻発をしているということが、もし明瞭になったら大変なんだ。  そこであえてお尋ねいたしますが、この殺されたと言っている朝木という東村山の市会議員の娘さんと夫、そして同僚の市会議員が創価学会の解散請求を現実的に出したわけですよ。その中でいろいろ理由が述べられておりまして、こういう中で創価学会が既にこういう疑いを……(発言する者多し)

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) 御静粛に願います。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 世界から、日本から持たれているということからすれば、そろそろきちんとしなくちゃならないと。日本の政治を動かすような力まで持った政党を持ち、そして同時に発展を続ける八百万からの会員がいる創価学会がこのことに答えないで、このまま時間を経過していくなんということはあり得ない、そういうことを私は申し上げているんです。  そこでお尋ねをいたしますけれども、この亡くなった朝木という市会議員が遺書とも言うべく残していったいろんなことがあるんです。例えば、この亡くなった年に事件が十何件起きている。  例えば、これも言われておりますけれども、草の根集会に出席をしようとした田参議院議員に対しまして、平成会の大久保参議院議員がこんな会に出ないでくれと要請をしたとか、何で李下で冠を正すのかというような事件が起きている。  しかも、お万引き事件という事件が起きまして、この件も私は公正を期すために学会が出している「潮」の記事も読みましたけれども、いろんなことが書いてありますよ。いろんなことが書いてあって、「万引きと自殺……この二つが転落死をめぐる騒ぎの構成要件」だとも書いているし、アリバイ工作が崩れたとも書いているし……(発言する者多し)

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) 御静粛に願います。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 そして同時に、「むしろ万引きを働くような自制心のない性癖が、地検出頭を控えての不安から衝動的な行動に走ったとみるのが、より常識的ではあるまいか。」とか、いろいろ書いてあるんですよ。  しかも問題なのはこの中で、こう書いてある。「彼女の転落死は警察の捜査で自殺と断定された。」とこの記事は書いてあるんです、「潮」の記事は。まだ断定していないんですよ。断定したと書いてある。こういう……(発言する者多し)国家公安委員長が断定していないと言っているじゃないですか。そういうことを、このミステリアスな事件が単純な偶発的な事件ではなくて計画された事件であったら大変なことだと、このことを私たちは申し上げ、そういうカルト教団的な体質が体質としてもし創価学会にあるようだったらば大変なことだなと私は思って今日この質問をしているわけであります。  さらに続けますが、この同僚の矢野市会議員か暴漢に襲われまして前歯を折るような重症を負ったとか、あるいはこの人が前後からトラックで固められましてつぶされそうになった。恐怖の中からもそのナンバーを見たらば、残念ながら車が学会員のSという人の所有であることもわかったとか。  要するに、これは週刊誌で書いてあったとか何とか言いますけれども、そういうことがこれだけ黒白のもとにさらされるような、週刊誌や報道機関に取り上げられながら、国会で私たちはこの問題に触れることができないというのはおかしいと思うのでございます。  刑事局長、これは自殺と断定したのかどうか、その点についてもう一回お尋ねしたいと思います。    〔理事松浦功君退席、委員長着席〕

野田健警察庁刑事局長

○政府委員(野田健君) 現在、自殺、他殺、両面からの所要の捜査を進めているところでありまして、その結果を踏まえ総合的な判断をしたいと思っております。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 自殺とか他殺というのは、かなり傍証といいましょうか、推定の部分もあることは事実ですよ。しかし、もしその推定の部分があるとしたならば、この人は死ぬ日のお昼に東京都庁に宗教法人法の改正を求める陳情書というのを現実に出してきて、ここにあるんですよ、東京都庁に出してきている、お昼ですよ。そして、夕方帰って、二日後の高知の反創価学会シンポジウムに出るためのレジュメをワープロに打ちまして、またそれを消さないままに行方不明になった、そういう事件なんですよ。  ですから、これはいろんな、今申し上げたような事件から申し上げますときな臭い部分が非常に多い。こういうことを考えますと、私はこのことについてどうしても、創価学会が疑われているんですよ、起こしたとは言っていないですよ、疑われている以上は疑われた側が、PL法じゃないけれども、しっかりと答えをしないと、大きな力を持ちそして大きな信者が頼りにしている教団が疑われているわけでありますから、このことからしても私はこの問題を簡単に済ますことはできないような事件だと思うわけでありますが、委員長、お取り扱いについていかにお考えでございましょうか。(発言する者多し)

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 保坂君のただいまの委員長に対する問いにつきましては、理事間で協議を申し上げます。(発言する者多し)  傍聴人に申し上げます。傍聴人はお静かに願います。(発言する者多し)  委員席もお静かに願います。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 私は、この事件を単なる推測で申し上げているんじゃないんだ。というのは、いろんな事件の中からこの事件が起きているということからすれば、点と点を結び線と線を結んで面になりかけているから、このことについて核心の事件として無視できませんよと私は申し上げている。  この朝木という市会議員はなかなか敵が多い議員だった。ということは、与野党ともにこの人を敵に回すような状況があった。それは、歳費の値上げを認めないで二期八年にわたって歳費を八百万返してしまったとか、そういうこともありまして扱いにくい議員だと思われていたこともあるんですよ。しかし、現実的には、やはりこの人の人生の最終局面は創価学会と対決していたことは事実なんです。このことをもって死因の一つだとするならば、これは大変なことだなということを考えるわけです。  例えばこういう事件があった。市議会と学会の癒着を明瞭にして突っかかった。それから、東村山市の生活相談課の人が学会の方だったらしいんですな、それで、いろいろ脱会者が相談に行っても相談しにくいとかそういうことがあって突っ込んだとか、あるいは学会と業者の癒着を言ってしまったとか、いろいろパンドラのふたをあけてしまったんです、正直言って。  そして、ここにきわめつきは昨年の六月に、創価学園の二年生の子供がいまして、その人が創価学会をやめたので創価学園もやめなさいと先生から言われた、これはもうゆゆしき人権上の問題だということで、親の代理人になって、子供の代理人になって親権者の親と一緒に出かけていって学会と交渉したり、言ってみればそういうことがつながっているだけに、さらに数えれば十何件、二十個ぐらいあるんですよ。そして、最後にはTBSの「ニュースの森」が二週連続で取り上げたり、あるいは田中金脈が結局はこれで決まったという文春ですよ、文芸春秋でさえも取り上げたんですよ。  そういうことになりますと、要するに社会的な信用のあるメディアがこれを無視して、イエローペーパーだとかあるいは、二流三流のメディアが取り上げたんではなくて一流のメディア、しかもアメリカにおいてはタイム誌までこれを取り上げてやってきたということになると、週刊誌は事件の立件にはなりませんよ。なりませんけれども、国民が今疑問に思っていることをいみじくもメディアが敢然と取り上げてきたわけですよ。  こういうことを、私は単なる推測で発言するんだとか言われちゃ困る。今、参議院の中島議員を初め、あるいはまた私どもの関根理事、すべての皆さん方が創価学会の問題について、やはりこういう不明瞭な点があるからそろそろ明白にしないとまずいんじゃないですかと何度も質問しましたね。私はそのうちの一つとして今この問題を取り上げているんですよ。  ですから、私はあえてまた申し上げたいのでございますけれども、このことによって日本の政党を襲断するという見方もありますけれども、私たちによれば、政治活動の一環として、仮に百歩譲ってみても結構なんですけれども、そういうポリティカルパワーまで持つに至った事実上の創価学会の代表であり、また現在教祖とも言われております池田名誉会長、SGI会長の参考人としての出席をあえて求めたいと思いますが、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 保坂君のただいまの発言は理事会で協議いたします。

保坂三蔵自由民主党・自由国民会議

○保坂三蔵君 時間がなくなりましたので、次は税制問題などにつきまして楢崎先輩からの御質問がありますが、最後に、創価学会の教義の根本をなすと言われた日蓮正宗大石寺から非常に厳しい池田元会長あての訴訟が今日起こされたことは御存じでございましょうか。  これは、日蓮正宗の代表であり、また法主であるところの日顕法主を、アメリカのサンタモニカ市におきましてSGIの本部のあるところでこの事件が起きまして、性的スキャンダル、売春行為だとか、そういう記事を事もあろうに聖教新聞に載せたということでかっかとして怒って、このことについて黒白をつける、捏造記事であったと。こんな破廉恥法主というような記事で、即刻退座を要求する大報道に及んだということはおかしいという訴訟が起こされた。  このことが事実ならば、こういう問題も一教団の関係ではなくて、創価学会はここの信徒教団なんですから、ここの中の教義に基づいて東京都は認証を与えたんですから、そういうことにすれば根本が崩れている。朝木市会議員の夫、娘が起こした創価学会の解散命令申立書、これもそっくり同じなんですよ、内容的には。  こういうことを考えますと、最後に申し上げたいのでございますけれども、大変に創価学会と同じような大きな力を持つ立正佼成会がかつて昭和三十一年に読売事件というのを起こしまして、それで読売新聞の白石という記者が解散請求をしたんですよ、訴訟。しかし、訴訟の途中ですよ。まだ係争中ですよ。その途中に、衆議院の法務委員会が当時の庭野教祖、今は開祖でございますけれども、庭野氏を国会に参考人として呼んだ、お招きしたと。そうしたら、ちゃんと出てこられたんですよ。そして、答えまして、教団が発展していく途上にはいろんなことがある、いろんなことがあって、それをやゆされたり疑われているのは教祖として大変不徳のいたすところだと。直すところは直して、そしてこれからも平和な国家建設のために宗教界の一員として頑張っていくという決意をとうとうと述べられた。それで、そのことを契機にして、その直後に解散請求は取り下げられ、そして立正佼成会は正しく大きな教団として発展してきた、こういう経緯があるんです。  だから、私はあえて言うわけじゃありませんけれども、何度も何度もお出ましをいただきたいと思いましても、物理的な力で阻止をして、参考人としての参議院への召喚についておこたえいただかなかったり、だんだん閉鎖的、排他的、そして闘争的になられていくこと自体が疑われているんです。そういうことからして、秋谷会長だとか池田名誉会長がゴーというサインを出さなくても、狂信的な信者はやっちゃうんですよ。これがカルト教団の怖さなんです。そういうことを考えて、マインドコントロールにかかりかけている八百万の人々を救わなくちゃならぬ、私たちは。  そういうことから考えましても、どうぞ委員長におかれましては、今回の委員会で何度も何度も提案されましたことで、これは末梢的な現象ではございませんで、私も魚住氏と参議院を戦って、ともに世の中のためにやっていこうと誓い合った仲ですよ。忍びませんよ。鈴木知事を一緒に担いできた経緯もあって、公明党を弾劾するような気持ちはさらにない。しかし、であるがゆえに、疑われているところをしっかりと見せるように、恐れ入りますが、学会員というお立場をもしお持ちであるならば、その学会の代表たる池田名誉会長にお出ましをいただくような積極的なひとつ御支援をお願いして、質問を終わります。(拍手)

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 自由民主党の楢崎泰昌でございます。  きょうは宗教法人と税金とのかかわりを中心にお尋ねを申し上げていきたい、かように考えている次第でございます。ぜひ雑音が入らないで質問が完了できますようにと思っております。  第一は、宗教法人法において宗教団体に対し法人格を付与している、そのことについての意義をお聞かせ願いたいと思います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法の目的は、宗教団体に法人格を与え、宗教法人が自由でかつ自主的な活動をするための物的基礎を確保することにあります。  このため、宗教法人法は、信教の自由と政教分離の原則を基本として、宗教法人の責任を明確にするとともに、その公共性に配慮を払っており、自由と自主性、責任と公共性の二つの要請を骨子として全体系が組み立てられているところであります。このような宗教法人法により法人格を与えられた宗教法人が税制上の優遇措置を得ているのは、その行う宗教活動について他の公益法人の公益活動と同様に公益性が認められることによるものと考えております。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 今、文部大臣が仰せになりましたように、この宗教法人法において宗教団体に法人格を与えている。それは、いわゆる心の中の問題とは別に、世俗の世界において経済活動が可能になるように、また有効になるようにということで、あえて宗教法人に法人格をお与えになったんだと思います。  その中で、物品の購入であるとかあるいは不動産の購入であるとか、あるいはその他の経済行為、金融行為であるとか、もろもろのものがあると思いますが、私は税制の上で大きな問題点を法人格付与ということでやっておられるというぐあいに考えているものでございます。  もちろんのことながら、法人格を与えなければ経済行為ができないというわけではありません。いわゆる民法三十四条の人格なき社団というような形でいろいろな経済活動ができる。しかし、それは法人格がないがゆえにいろいろな利便がそこに欠けているというようなところが問題点であろうというぐあいに考えているわけです。  そこで一番大きいのは、宗教法人が建物等を取得なさるときに、不動産登記ですね、第三者に対する対抗要件もあるという法規定ですけれども、それが法人格でできる。もし法人格がなければ個人の代表者の名前でやらなきゃいかぬというようなところがもちろん非常に大きなポイントであろうと思いますが、同時に、先ほど文部大臣言われましたように、税制上のもろもろの特典を法人格を与えることによって付与されているということが一番大きな問題だと思います。  大蔵大臣おられますので、ちょっと自治大臣があれですから、自治省関係は政府委員に聞きたいと思いますけれども、どんな特典が法人格を付与されることによって与えられているんでしょうか。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 国税関係について申し上げます。  宗教法人を含みます公益法人等全体に対する措置として税制上は扱われておりますが、まず収益事業についてのみ課税が行われるという点が一般の営利事業と異なります。また、そこに適用される税率は、収益事業から生ずる所得ではありましても、一般よりも低い二七%という軽減税率が適用されるということでございます。また、みなし寄附金の制度がございまして、これもほかの営利事業とは異なる取り扱いとなっております。いずれも、公益法人等ということで宗教法人も含めて全体に措置されております。  そのほか、公益法人等が受け取る利子配当につきましての源泉所得税の扱いあるいは事業目的達成のために供される土地等に対する地価税等におきましても、公益法人の特性から取り扱いを異にしているということでございます。

佐野徹治自治省税務局長

○政府委員(佐野徹治君) 地方税の課税の取り扱いでございますけれども、法人住民税それから法人事業税にございましては、基本的には国税に準拠いたしておりまして、収益事業を行わない場合には非課税として、収益事業を行う場合には課税することとされております。  それから、固定資産税、不動産取得税にありましては、境内建物及び境内地のように宗教法人が専らその本来の用に供するものにつきましては非課税とし、その他のものにつきましては課税するといった取り扱いがなされているところでございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 私は、今もお話を承りました、随分多くの恩典が宗教法人に与えられているなという感想を持ちます。もし宗教法人法による法人格が付与されないならば、要するに人格なき社団ということになれば、これらの税法は一体どうなるでしょうか。  委員長、それからもう一つつけ加えさせていただきたいんですが、私はこの質問は非常に大事だと思っているんです。要するに、宗教法人法で帳簿、書類の開示を行うということ、それと税との関係をこれから議論したいと思っているんですけれども、先ほど来、新聞記者席に衆議院の先生方がお座りになって、私はこの話は全部新聞記者の方に聞いてもらいたいと思っているんです。ぜひ御注意願いたいと思います。

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。  委員長から申し上げますが、傍聴席は御静粛に願います。  なお、本委員会室におきましては記者席が指定されておりますので、記者席にお座りの記者以外の方は席を速やかにおあけいただきたいと存じます。(発言する者多し)

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 委員長、いまだにおいでになるようですから、整理をお願いしたいと思います。(発言する者多し)

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午前十一時十八分休憩      —————・—————    午前十一時四十二分開会

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 再開をいたします。  委員長から、委員会室の場内整理について申し上げます。  第一委員会室で合意をされております指定位置以外は座らないでいただきたい。一般傍聴席についても一般国民のために供するものであるので同様にいたしたいと存じます。壁側の席につきましては各党共用といたします。  なお、申し添えますが、傍聴人の方々は不規則な発言をしないように再度お願いを申し上げます。  楢崎君。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 委員長の場内整理についての御配慮を深く感謝するところでございます。  質問を続けさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、法人格を法人法によって与えられることによって大きな税制上の特典がございます。  さて、それらの特典は今述べていただいたとおりなんですけれども、この宗教法人法で特別の法人格を宗教法人として与えられておりますが、もし宗教法人法によって法人格が与えられていないとすれば、税の世界においてどういうことになるのかということをお尋ねしたいと思っております。  税法について、余り長くなるといけませんが、逐一聞いていきたいと思いますが、法人税は、法人格を宗教法人が与えられていないとすればどうなりますか。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 人格なき社団であって宗教法人でない姿であれば、法人税の課税は収益事業から生じた所得だけに課税するという意味では宗教法人等の公益法人と同じですけれども、そこに適用される税率は軽減税率ではなくて一般法人と同じ税率が適用になります。また、みなし寄附金の仕組みは人格のない社団には適用がないといったような違いがあります。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 大変な差が、法人格を与えていただくことによって税制上の配慮がなされている。  これは収益事業について今申されましたけれども、収益事業以外でも実は所得が生じる場合には全部課税になるということだと思います。  次に、所得税についてお伺いします。  宗教法人は多大の資産を持っている団体もあります。これを運用しておりますけれども、現在非課税になっているというぐあいに思いますが、その点ほどうなりますか。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 宗教法人等の公益法人等という定義をされる法人につきましては、収益事業という範囲内だけの課税の規定になっておりまして、この収益事業の範囲が法令上三十三決めてございます。そこに当たらない限り課税にはならないということでございます。  また、所得税の世界でのお話だとすれば、これは法人ですので宗教法人については一切かかりません。また、宗教法人と、あるいは公益法人と人格なき社団との所得税上の違いを申し上げれば、源泉所得税の課税の仕方が違ってくるということでございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 違っているなんて簡単に言っていますけれども、大変な減税を行っているんですよ。今、源泉所得税というのは大体二割、預金も有価証券も、それから信託も全部二割の源泉所得税。配当もそうですね。それが全部なくなっちゃうんです。法人格を付与されているからそれらが免税になっているということを忘れちゃいけません。さらに、余り多くの項目を聞くとあれですが、登録免許税についても同じですよね。  それから、さらにいきますと、自治省、来ていますね。自治省の一番簡単なのは固定資産税、それから不動産取得税なんかはどうなりますか。

佐野徹治自治省税務局長

○政府委員(佐野徹治君) 固定資産税、それから不動産取得税についてでございますけれども、これは宗教法人が宗教本来の用に供するということが地方税法に規定されております非課税の要件でございますので、法人格がなくなりました場合には、これは非課税規定に該当しなくなるということでございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 一つ聞き漏らしましたけれども、法人でない宗教団体が宗教上の理由をもってお布施を受けている、そのような場合には、もし人格なき社団だったとすれば、それはどうなりますか。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 法人格を持たない、いわゆる人格なき社団としての宗教団体がお布施を収受した場合には、これは収益事業ではございませんので課税になりません。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 今の現行法を聞いているんじゃないんです。解釈として、人格なき社団の場合、そういう宗教法人があるとすれば課税関係はどうなりますか。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 人格のない社団である宗教団体につきましては、人格なき社団全体に共通した制度としまして、収益事業についてのみ課税することになっております。したがって、お布施は収益事業には入りませんので課税になりません。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 どうも収益事業という言葉を使うものだからちょっと混乱をしちゃうんだけれども、収益事業じゃなくて、宗教団体というのはそもそも仕事をしているんじゃないんだ、所得を生み出しているわけじゃないんだと。所得がないんだからそれは課税されないんだということだと思います。  そのように大変な金額の減税の、あるいは軽減税率の恩典を受けているんですね。宗教法人全体でどれくらい減税されていますか。

若林勝三国税庁次長

○政府委員(若林勝三君) 我々、課税した結果についての統計はございますけれども、そういった形での集計はいたしておりません。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 集計はされていないとしても、何千億あるいは何兆という巨大な金額になる減税を行っているんだと思います。この軽減税率というのは、実は民法上の法人がイコール非課税団体というわけじゃないんです。現行法でもって制限列挙をされているんですね。これこれの公益法人、これこれの公益法人、そして宗教法人ももちろん入っていますけれども、そのような制限列挙の上で非課税ということになっているんですね。それはなぜそういうぐあいになっているんだろうか、その基本的な考え方を述べてください。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 民法の三十四条に「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ」云々という規定がございまして、いわゆる公益法人等という考え方が民法のもとに置かれておるわけでございます。したがいまして、こういう公益法人等につきましては公益的な活動を行っているという認識のもとで、民法上の公益法人、それから特別法で今や定められております宗教法人あるいは学校法人、社会福祉法人、それからそれらに類するものが法人税法の別表の第二という形で整理されまして同等の取り扱いをさせていただいております。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 今述べられましたのは、いわゆる公益法人、すなわち福祉とか文化あるいは学術、基礎的な科学技術であるとか、そういう公益性の高いもの、そして特に心の問題を扱う宗教法人というようなものが、実は金もうけのためにやっているんじゃないので、財政的にはこれを優遇しようという考え方から特別の減税措置ができているんですね。  税という世界は世俗的な世界ですから、実は宗教法人はこのグループに属しているんですね。しかし、よく考えてください。これらの団体は全部公益法人として収支計算書をつくり、財産目録をつくり、かつ貸借対照表をつくって、それぞれの機関、団体が開示をし、そして報告をしているんですね。これらの公益法人のグループで、財務諸表をつくらないでしかも無税の適用を受けている、軽減税率の適用を受けている、そういうところが今あるかどうか、大蔵省、答弁してください。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 個別のことにつきまして私は承知しませんが、制度上は収益事業を行っている場合には毎年申告書を提出します。この錐随曹ノは書類をつけていただくことになっておるということでございますので、仮に収益事業を行っていなければ申告書に書類がついてこないと。宗教法人がどのような書類をつくっているかということにつきましては、税法上は承知しておりません。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 今御答弁があったように、この公益法人グループというのは、税法上の特典を受けるに際してすべて財務諸表をつくり、かつそれを報告しているというぐあいに認識をしているんです。宗教法人だけがやっていないんです。(「収益事業をやってないところもある」と呼ぶ者あり)収益事業をしているのが大半だからね。黙って聞いてください。ですから、宗教法人が無税の特典を受けるんだったら、当然のことながら財務諸表等々をつくり、かつ備えつけで、そして閲覧をさせ、そしてなおかつ監督官庁に報告をするということは当然の措置である。すなわち、税の世界からいえば、宗教法人というのは何ら自分の中身を開示せずに無税、軽減の措置を受けているというぐあいに考えられるんですが、文部大臣、いかがですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 少なくとも現行法ではそういうことが認められている、こう思います。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 仰せのとおりでございます。  税の世界からいえば、今回の改正は当然で、遅きに失した、今まで何やっていたんだというような感じがするが、いかがでしょうか。大蔵大臣、答えてください。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 今回の改正は、まさしく文部省が宗教法人法のあり方の立場から必要最小限の妥当な改正をおまとめになったと、こういうふうに認識をしておりまして、それ以外の行政の立場からもいろいろ希望はあるのかもしれませんが、必ずしも文部省以外の行政の立場も踏まえてまとめられたものではないというふうに認識をいたします。  しかし、それにしましても今回の最小の改正が、今後行政全般にある程度宗教法人の実態を開示いただくことによって、間接的でございますが、何らかの効果が出てくるという期待は持っている次第でございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 いや、そういうことを聞いているんじゃないんです。全然、財務諸表も何にも出ていない。何にもわかんない。それを平気で今まで無税だとやっていたんですね。それについての反省はありませんか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 昨日も御答弁を申し上げましたが、その点になりますと私も反省といいますか、公益法人、宗教法人を含めた公益法人の課税のあり方については今の姿でいいのだろうかという問題意識は強く感じている次第でございます。  御承知のように、特に日本でありますが、収益事業についてはきちっと三十二の項目まで挙げながら、報告も受けてチェックをしておりますが、宗教法人の会計全体、これはもう私全部知りませんが、ある団体になれば巨大な会計があって、その一部に収益事業があるわけですね。この一部だけをきちっと国税は対応している。しかし、大半はお布施等の非課税の分野、この大きな分野はアンタッチャブルになっているという状況であります。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 今、大蔵大臣が言われたように、現行法上はそうなっているんですね。  しかし、私が申し上げていますように、無税の世界にいる、あるいは軽減税率の世界にいる、それは政府の方から一種の補助金をもらっているのと同じなんですよ。恩恵を受けているんですよ。そのときに、何やっているかさっぱりわからぬと。  ほかの公益法人を見てごらんなさい。ちゃんと財務諸表をつくって、それを監督官庁に報告しているんですね。監督官庁に報告をしているということは、国民に対して報告をしているということですよ。そういう世界の中にあって、無税なりあるいは軽減税率というのが行われている。  しかし、宗教法人についてはそれが一切今まで行われていないということが私は税法上おかしいんじゃないかというような感じがしているんです。補助金をもらっているなら、それらしくきちんと財務諸表をつくり報告をする。  私は、今度の宗教法人法の改正で、財務諸表を備えつけ、なおかつ所轄庁に報告をするというのはいろんな側面があると思います。宗教活動の側面を実は財務の点から見ているんですね。活動方針、活動報告を受けるというわけじゃないでしょう。  しかし、財務の面からその報告を受けるということは、これ金銭にかかわることですから、私は、単純に文部省が活動方針、活動状況を見るために報告を受けるのじゃなくて、税の世界から見れば当然に今まで行われるべきことを行っていなかった、それを補てんするんだという観点が従来議論の中では欠落をしているんじゃないかという意味であえて御指摘を申し上げる次第でございます。  いずれにしても、宗教法人が財務諸表をつくるというのは税の世界においては必要だということを強調しておきたいと思います。  そこで、今度は宗教法人と税のかかわり合いでございますが、それについて実は四、五日前の報道で、読売新聞が世論調査をいたしました。正確に申し上げますと、「宗教法人には、寄付やお布施に税金がかからないことや、駐車場経営などの事業収入に対する税金が軽減されるなど、優遇措置が認められています。あなたは、この優遇措置について、当然だと思いますか、納得できないと思いますか、それとも、一概には言えませんか。」という世論調査をしています。  「当然だ」、優遇措置を認めるのは当然だというのが八・五%です。「納得できない」六〇・一%、十人のうち六人は納得できない。六〇%を超えれば国民の大多数だと思わなきゃいかぬ。「一概には言えない」というのは二八・七%でございました。先ほど主税局長が御答弁になったように、実はこれは税制の専門家が答えているわけじゃなくて国民の一般の人が答えているわけですから、納得できないという答えにはいろんな意見が入っていると私は思います。私なりに解釈して幾つかの質問をしたいというぐあいに思います。  その中に、恐らくお布施が無税なのは甚だもってけしからぬというような極端な意見も入っているんですが、先ほど主税局長が答弁されたように、お布施が宗教活動として本来の目的に使われていればそれは当然無税だと。なぜならば、そこに所得が生じないからであるということですね。我々の中でも、何とか会、何とか会というのをこしらえまして会員を集め、会費を集めて、そしていろんなパーティーをやる。そういうのは所得が生じませんから、それは税の世界では無税なんですね。そういう意味でおっしゃっているということになると多少問題はあるんです。あるんですが、私なりに解釈してみまして、国民の方のいろんな不満をこれから五点挙げていきたいというぐあいに思います。  第一点は、俗な言葉で申しますと、お布施をちょろまかして飲み食いに使っているじゃないのというのから始まるんですね。  要するに、先ほど申し上げましたように、確かにお布施は無税でありますけれども、実はそれが個人の所得になっていく場合があるわけですね。職員がおられます。その職員に給与を払います。それは当然所得税がかからなきゃいかぬと思っています。一般の所得税とほとんど同じなんですね。同じなんですが、実は国民の皆さん方から見ると宗教法人は非常に恣意的な使い方をしているじゃないかというような感触が残っていると思うんです。  国税庁、おいでになりますか。国税庁は法人の職員の給与その他についてどのような調査を一般的になさっておるか、おっしゃってください。

若林勝三国税庁次長

○政府委員(若林勝三君) 宗教法人の場合でございましても職員等に給与等の支払いは行われるということがございます。そういうことにつきまして、源泉所得税の観点から、これは収益事業とはまた違った調査を別途させていただいております。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 例えば宗教団体の役員がその会の経費の中で私的な使用を行う、私の使用ですね、私的に使うという場合にはどうなるんですか。

若林勝三国税庁次長

○政府委員(若林勝三君) 宗教法人の代表者、また職員等が宗教法人から例えば物品その他の資産の譲渡を受けるとか用益の提供を受けるとか、何か経済的な利益を受けておるという場合につきましては、それは給与として課税されることとなります。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 それでは、宗教法人の役員が宗教団体のこしらえた居宅をみずからの用に供している、その場合にはどうなりますか。

若林勝三国税庁次長

○政府委員(若林勝三君) 宗教法人がその役員とか使用人に対しまして土地ないし家屋その他の資産を貸し付けるというような場合でございますが、通常の対価を徴収してそういう貸し付けが行われておるということでございますと課税関係は生じないわけでございます。例えば、これらの資産を無償ないしは低い価格で貸し付ける、そしてこれが私的に使用されておるというようなケースがございますと、その通常の対価相当額と実際に徴収しておる使用料との間につきましては、とれは役員または使用人の給与所得ということで課税されることになるわけでございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 若干旧聞に属していますが、新聞に出ているのであえて実名で申し上げますけれども、創価学会の池田会長が施設を私の用に供していると、信濃町の御邸宅だと思いますが。それについて、これは新聞の記事を読んでみますと、宗教法人創価学会の池田大作名誉会長が新宿区信濃町の学会第二別館を賃料を払わないで個人の居宅として使用していた。国税当局は名誉会長の個人所得として調査しようとしたところ、創価学会側でそれを修正申告したので処理を認めたと、こういうぐあいにありますが、このような場合は当然課税されるわけですね。

若林勝三国税庁次長

○政府委員(若林勝三君) 個別にわたることについては答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、今、委員御指摘のようなケースを一般的に申し上げますと、先ほど答弁させていただきましたように、土地や家屋等を借り受ける、そしてそれが無償であれば、その無償と実際の経済的価値との差額については給与所得になりますし、逆に一定の賃料を払っておるということであれば課税関係は生じない、こういうことでございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 私の仄聞するところ、その池田邸は池田大作氏が家賃を払い、それを創価学会は収益事業として処理し、そしてそれについて固定資産税を払っているというぐあいに仄聞をしております。これは先ほど申されたように個別の事案になりますから御回答は要りませんが、宗教というんでしょうか、公益法人の本来的な目的以外に使っている場合には固定資産税はいかがになるんでしょうか。

佐野徹治自治省税務局長

○政府委員(佐野徹治君) 地方税法の規定でございますけれども、宗教法人につきましては、宗教法人が専らその本来の用に供する境内建物、境内地は非課税とされておりまして、それ以外の固定資産については課税されるということでございます。その施設が宗教本来の用に供しているかどうかというのは、これはあくまでも宗教法人の各施設の実態を見まして各市町村において判断されているものでございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 私は最近ある話を聞きました、というよりも新聞に載っていました。  この新聞は、創価学会に関してなんですが、新聞に出ているので実名でやらせていただきますけれども、総敷地面積五万四千七百四十六平米、一万六千五百坪にもなる、何と甲子園球場の一倍半ある面積のところに創価学会の施設があると。その施設は実は地元では池田先生の別荘と言われているものである。地元でちゃんと調べてみると、地元の方の証言ですけれども、池田さんは年に一、二回ほど宿泊するだけで、その他のところは全然使用されてない。  実は、創価学会会館には池田専用の施設があるということが盛んに週刊誌で言われていますね。しかし、それは創価学会の施設の中につくられているものなんですが、これは何と創価学会会館の施設以外のところに独立してあるんだそうです。伊東市にある、東海センターという名前がついているんだそうですね。これも新聞に書いてあるんですけれども、池田さんしか使わないというのは、それもそのはずだと、五分ぐらい離れたところに創価学会伊東平和会館というのがあって、実は礼拝その他の宗教的な儀式、集会は全然そこで行われたことがない。池田さんが泊まりに行くだけだ、そういう施設なんだというぐあいにこの新聞に書いてあります。  私は個別の事案を云々するわけではありません。個別の事案を云々しているわけじゃないんですが、そのような状況にあれば当然課税関係が生じるんではないかと思います。国税庁、ちょっと答弁してください。

若林勝三国税庁次長

○政府委員(若林勝三君) 先ほども御答弁申し上げましたように、個々人の役員等が法人から施設や家屋等の提供を受けるということであり、それが私的に使用されておるということで、それに対する賃料等が支払われなければ、それは所得として課税されることになりますし、賃料として支払われれば課税問題は生じない。いずれにいたしましても、個々のケースごとにそれが実態的にどういうものであるかということを十分判断していくことが必要であろうかと思います。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 これはいずれにしても個別の問題でございますから、当然国税庁としてはすぐに判断を示すことはできないと思いますが、一般論としてそうであるならば、やっぱりそういう問題に注意していただくということが、国民が宗教と税金とのかかわり合いについて納得ができないというようなことの一つの原因になっているということを申し上げておきたいと思います。  それからさらに第二点は、宗教法人の施設が非常に豪華であると。華美とは言いませんが、立派過ぎるんじゃないかというようなことが言われています。それも恐らく国民が納得できないことの一つだというぐあいに思います。  例えば、某宗教団体では一カ所に施設を集中しています。ところが、それは礼拝施設という、宗教法人という名前のもとにおいて固定資産税を全然払ってない。それから事業税も払ってない。ところが一定の地域に大きな集団として土地を所有して建物を建てている。それは廃棄物の処理も要るでしょう。いろんな経費がかかってくるんですね。所得税というのは応能税制であると言われています。法人税は応益である。ところが、地方にでんと構えて、まあ例えて言えば中央線の某駅の近くですね、ああいうところにでんと大きな施設を構えていても、何ら住民税を払ってないじゃないかというような問題点も第二点として指摘されるんじゃないかというぐあいに思っております。  第三に、無税のお金で政治活動をしているんじゃないかという問題です。  これは、実はアメリカ、ドイツなんかと大分日本の制度が違っていまして、日本の場合には、実は宗教団体は政治活動にお金を出していいというぐあいに現行法上なっているように思います。  自治省来ていますか。宗教法人が宗教活動ができる、すなわち政党に対して献金ができるということはどういうぐあいになっているか、教えてください。

谷合靖夫自治省行政局選挙部長

○政府委員(谷合靖夫君) 宗教法人あるいは宗教団体でありましても、会社あるいは労働組合それ以外の団体といたしまして、その前年の経費の額に応じまして、政党、政治資金団体あるいは政治家の資金管理団体に対し一定の制限の範囲内で政治活動に関する寄附ができる、こういうふうになっております。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 要するに、宗教団体は政治団体に対して献金もできるし、さらに宗教活動をやるための経費も支出できるんですね。  私は大変不思議に思っているんです。そのお金は、今、一般の会社と同じようにと言われました。一般の会社はそれは無税でないんですよ。寄附金になっちゃうんです。そうすると、一般の会社は同じ社会的存在だというけれども、実はちゃんと税金を払った後に政党に寄附をしているんですよ。政治活動をやっています。政治活動をやると人件費がかかるでしょう、それから旅費もかかるでしょう。そうすると、それも全部経費に落ちないんですね。経費に落とす必要もない、まあ本当は落としているんですけれども。  いずれにしても、一般の会社ではそれは有税の世界になっているんですね。どうして宗教法人は無税のお金を政党活動のために使うんでしょうか。それをちょっと大蔵大臣、おかしいと思いませんか。無税のお金を使っているんですよ。(発言する者多し)

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 確かに宗教法人を含めた公益法人と政治のかかわりについては、日本はおっしゃるようにそうなっているわけですが、諸外国、アメリカ、ドイツ、イギリスなどを調べてみますとかなり違います。国によって多少違いがありますが、この三つの国は、大きな方針としては宗教団体が政治活動をする場合には非課税の措置の対象にしないと、大まかに言えばそういう方針であります。そこが日本とかなり大きく違う。  日本は、政治資金規正法の中に、今自治省の答弁がありましたように、その他の団体ということで、宗教法人等いわゆる公益法人も含めて、会社、労働組合以外からも政治献金が一定額受けられる仕組みになっております。これをアメリカやドイツはむしろ禁じている。そして、税務当局がさらに、そういう政治活動をするような団体に対しては非課税対象にしないという大変厳しい措置をとっているわけであります。単純に言えば、政治活動をすればもう非課税の措置はもらえないというそういう状況であることに比べますと、日本は認められているということで大変大きな違いを感じます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 大蔵大臣は理解ある、あるいは現行の制度に足を乗せて答弁されていますけれども、今言われたように、税の世界から見ると、アメリカの税制というのはこう書いてあるんですね。「団体の活動の実質的部分が、法律制定に影響を及ぼすために、宣伝活動をする、さもなくばそれを試みようとすることにあってはならず、団体は、公職へ」の候補者を支援するために(又は反対するために)選挙運動に参加または介入をしてはならない。」、政治活動の禁止ですね。  というのは、これは何も全然政治活動をしていかぬというんじゃないんですよ。政治活動をするんだったら免税措置はやめますよと。いいですか、政治資金というものは政治活動そのものですから、これに出すんならば先ほど申し上げたような数々の特権は差し上げられませんよということを言っているんです。  さらに、ドイツの税制について申し上げますと、「助成又は扶助により、第一次的に自己の経済目的が遂行されず、かつ次に掲げる要件が存在する場合に、当該助成又は扶助は、非営利的になされるものとする。」。その中で、「当該団体の財産をこ、要するに非営利、非課税の世界ですね、その財産を「定款に定める目的のために限り、使用することが出来る。構成員及び社員は、当該団体の財産から利益持分、及び構成員及び社員としての性質においてその他の出捐をも受けてはならない。」。それからが大事なんです。「当該団体は、その財産を政党への直接・間接的な支持や促進のために使用してはならない。」。もう一遍言いますよ。「当該団体は、その財産を政党への直接・間接的な支持や促進のために使用してはならない。」。  だから、非課税でなければやってもいいよ、非課税ならばやっちゃいけないよというのがアメリカとドイツの税制なんです。  その税制の違いの中で、私は憲法二十条の統一見解が政府から出ることを望んでいますけれども、そのときにやっぱりこういう条項を頭の中に入れてどういうぐあいに物事を考えていくのか。少なくとも、税制と政党法あるいは公職選挙法等々とは違うんだからいいんだというようなことではなくて、それらはリンクしているんだということをはっきり頭の中に入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) ただいまの御質問に関連しまして二点申し上げたいと思います。  一点は、各国の例を御説明いただきましたが、宗教法人のみについてそのような規定を設けている国はないということでございまして、宗教法人も含みますけれども、いわゆる慈善団体一般につきまして政治活動との関係を規定している。したがって、宗教法人だけの政治活動云々ではないということが一点。  それから、ドイツのお話がございましたが、ドイツでは、政党法の中で政党が公益法人等から政治献金を受領すること自体を禁止しております。税金を払っていてもこれはいけないことだと思います。つまり、政党法で禁止した上で税法上の手当てで裏打ちしているという関係になっております。  以上の点を補足いたします。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 現行法において、宗教法人が政党活動をし、それに政治資金を出せるということはそのとおりでございましょう。しかし、私はあくまでも、宗教法人が無税の金を収受して、それを政治活動に使うのは適法であるということは税の世界から見ていかがなものであろうかということを感ぜざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。  次に移ります。  四点目は、事業収益の運用資産というものが宗教法人に多大にあるということをうわさされており、週刊誌その他で書かれています。一説には、一兆円を超え二兆円に造らんとする金額が運用されている、そういう話がございます。  私は、この公益事業グループで資産の運用をやっているものがたくさんあるわけですが、例えば厚生年金基金、健康保険等々、同じグループで資産を運用してその資産を公益事業に使っております。これはまさしく公益事業を遂行するために資産運用をしているんですから、これについての課税関係というのはちょっと考えられないと思いますが、結局、宗教法人その他幾つかの団体に適用する問題だと思いますけれども、それらの団体が余裕資金として持っているんですね。あるいは将来における建設資金かもしれません。しかし、それが余りに巨大に上っている、すなわち兆を超えるような財産を運用しているということでは、とても運用資金、将来のための資金とは言えないというぐあいに思っているんです。そういうものの課税関係を一体どうするんだと。  これは政府の税制調査会あるいは与党の税制改革提案でも、この点が問題である、将来検討さるべき問題であるというぐあいにされていますが、大蔵大臣、いかがでございましょう。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) この問題は、御指摘のとおり、私どもも一つの問題点だという認識でおります。収益事業のあり方の中で四点を指摘しておりますが、その中に、いわゆる金融資産収益に対する課税の是非、あるいはあり方も真剣に政府税調も与党税調も御議論をいただいているというふうに思っている次第でございます。その結果を見て政府としては判断をさせていただきたいと存じます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 いずれにしてもこの問題は、兆を超えるような資金が運用益としてごろごろ出てくるなんというのは、どうも公益法人の性格、あるいは公益法人の性格としてこれを減免している制度から見ますと、甚だ行き過ぎている問題ではないかというぐあいに思います。  今、大蔵大臣が言われましたように、宗教法人と税制とのかかわりがいろいろ言われておりますが、大蔵大臣は、いやこれは検討していただいていますと言うけれども、実のことを言うとこれを検討すべきなのは大蔵省なんですから、そこの点ははっきりさせていただきたいと思います。  ついでに、五番目の問題として、収益事業について二七%というのはひどいじゃないの、ほかの企業と一緒にしたらどうだ、それからみなし寄附金を二七%もやっているというのはおかしいねと。みなし寄附金を除くと実のところは税率が二〇%ぐらいになっちゃうんですね。そういうのも随分優遇し過ぎじゃないの、こういう意見が相当あると思います。それが国民の六〇・一%が納得できないという問題になってきているんだというぐあいに思いますが、大蔵大臣の現在のお考えはいかがでございましょう。

薄井信明大蔵省主税局長

○政府委員(薄井信明君) 宗教団体を含む公益法人等の課税の問題の中の一つの課題としまして今のみなし寄附金制度の問題がございます。一昨年、それまで三〇%まで許されていたものが二七%に縮められておりますが、これをさらに縮小する方向を含めて今議論させていただいているところでございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 もう十二時半ですからやめますが、最後に大蔵大臣にお伺いしたいんですが、大蔵大臣は総理大臣と会われて、法人の税制について再検討すべきである、あるいは強化をすべきだと、新聞を見ますと大蔵大臣は大変勇ましいことを言っているように書いているんですね。強化すべきだとか、いろんな新聞に書いてありますが、大蔵大臣の御真意はいかなるものですか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) いろいろ楢崎議員から含蓄のある御意見を承りました。  私も、今回こういう宗教法人法の改正の論議の中で、改めて宗教法人を含めた我が国の公益法人等に対する課税のあり方について勉強をさせていただいているわけであります。そういう勉強の過程で問題意識として、この点は総理とも意見が一致するわけでありますが、現状に対して一定の問題意識を持ちながら真剣な、より改正の方向で、いい方向に向かっていくという方向で進めていかなければならないというふうに思っているわけであります。  大変幅のある深いテーマでございます。昨日も議論がございましたように、例えば憲法二十条後段の「いかなる宗教団体も、国から特権を受けこという条文がございますが、この特権をめぐってそもそも包括的にといいますか、収益事業以外は我が国は非課税という措置をとっていることにも議論が及んでいるわけであります。そしてまた、収益事業のあり方については、先ほど来御答弁を申し上げているような四点の問題意識を持っておりますが、しかし収益事業以外のお布施等にかかわる非課税という、この憲法二十条の特権も含めた非課税措置というものが包括的に認められていることの是非も諸外国の制度等も勉強しながら検討をしなきゃならないというふうに思っております。  ただ、この秋、間もなく来年の税制改正をめぐっては一定の集約をしなければならないわけでありますが、この年末の議論だけですべての問題に明快な答えを見出すのはなかなか難しいだろうと。とりあえずは収益事業四点を中心にして党も政府も真剣な議論を詰めていただいて、その中でやはり結論が見出せるものは来年度の改正で取り組んでいこうと。その他の問題、もっと大きな非課税措置云々の問題はさらに引き続いて真剣に勉強をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。

楢崎泰昌自由民主党・自由国民会議

○楢崎泰昌君 いずれにしましても、今、特権というお話が出ました。要するに、そのような特権をいただいているわけですから、宗教界もこの宗教法人法に規定するような帳簿の整備であるとか報告であるとか、当然私はなすべきだというぐあいに思っているところであります。税の世界からいえばむしろ奇異に感ずる、今回行われるのは実に妥当な改正であるというぐあいに思っているところでございます。  宗教法人と税との関係についてはなお多くの問題があると思いますが、政府に対しても十分な検討をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手)

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十四分休憩      —————・—————    午後一時四十三分開会

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 平成会の直嶋でございます。  今回提出されております宗教法人法について、また関連する事項について幾つかお尋ねをしたいと思います。  まず最初に、宗教法人審議会について文部大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、今回の審議会の報告の中で宗教法人審議会を五人増員して二十人以内にする、こういうことになっておりますが、この目的をまずお尋ねしたいと思います。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 現行法では、宗教法人審議会の委員は十人以上十五人以内というふうに定められているわけでございますけれども、法制定後、今日までに大きく社会も変化しておるわけでございます。それから、宗教法人の実態にも変化が生じておるということもございまして、この審議会は宗教法人の規則の認証等の行政処分や不服審査を調査審議するという審議会でございますけれども、これらの案件について従来にも増して慎重な判断が求められているということがございます。  それから、今回の法改正によりまして、新たに所轄庁が報告徴収や質問を行う際には前もって審議会の意見を聞くといったような事務もふえるわけでございます。こういった場合、宗教法人をめぐる複雑多様な事象が審議会に諮られるということもございます。そういうこともございまして、審議事項もふえてきた、かつ複雑多様化しておるということに対応いたしまして、審議会として幅広い角度からの検討をしていただきたいということがございますので、現在の委員に加えまして五名を増員するということでお願いしておるところでございます。    〔委員長退席、理事松浦功君着席〕

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 今、趣旨の御説明があったんですが、法律によりますと、この宗教法人審議会の委員は現行法では「宗教家及び宗教に関し学識経験がある者のうちから選ぶと、こういうふうになっているわけでありますが、今回の五名の増員について、これ文部大臣お答えいただきたいんですが、この規定によりますと、今度の報告でも「学識経験者等の委員を増員したというような表現も入っておるわけですが、宗教家か宗教に関する学識経験者というのが法律による委員の規定だと思うのでありますが、どちらを増員されようというふうにお考えですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 現在、十五名の委員のうち十一名が宗教関係者、宗教家の方々でございます。そういったこともございまして、むしろ今回の増員につきましては学識経験者の増員を基本的にしていくということを考えておるところでございます。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 今の学識経験者を中心に増員したいと、こういうことでよろしゅうございますね。  巷間、一部報道なされていますのは、今回の審議会の委員数の増員の枠を使って各宗教団体の代表をふやす、そのことによって宗教団体に法案の賛同を求めるといいますか、そういうねらいがあるんだというふうな趣旨の報道がなされているわけでありますが、そうではなくて学識経験者をふやすと、こういうことでよろしいわけですかね。  続きまして、審議会の内容といいますか、これからのあり方についてちょっとお伺いしたいと思うわけであります。  政府が九月二十九日に出されました閣議決定の中で、今後審議会の透明性を高める、行政の透明性を高める、それから行政の簡素化・効率化という観点から審議会についてはできるだけ、特に一般審議会についてはできるだけ公開をしていく、こういうふうにされているわけであります。ただ、この宗教法人審議会は、いわゆる行政の不服審査等も入っているということで、どちらに該当するかということは判断難しいわけでありますが、それと今までこの審議会の議事録の公開をめぐっていろんな議論がありますが、きょうはそのことじゃなくて、今後この宗教法人審議会の審議について大臣は公開をされるおつもりがあるのかどうか、お伺いをいたします。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。  宗教法人審議会の所掌事務の中核は、行政処分である認証や不服審査等の調査、審議にあるわけであります。これらに関連して制度問題についても取り扱うことができるわけでありますが、この場合においても個々の宗教法人の事例に触れるときがあり、プライバシーの保護や、特に中立、公正な発言の確保の観点から審議会全体として閣議決定の適用の対象外とされているところであります。  一方、審議会の運営をできる限り透明なものにしていくことも重要な課題でありまして、このため宗教法人審議会のこのたびの審議につきましても、その会議の終了の都度記者クラブに説明するなど、国民の意識の高まりにも対応していくところであります。今後、宗教法人審議会が新たに開かれ、行政処分等以外の事柄を審議する場合の議事の公開をどのようにするか、これは閣議決定の考え方も踏まえ、今後の課題として審議会の御判断を参考にして考えたいと思うわけであります。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 私は、ぜひ文部大臣にお願いをしておきたいことがあるのは、今回の九月二十九日の閣議決定、確かに宗教法人審議会は閣議決定の対象外だということかもしれませんが、もう一つ目的としてあるのは、審議会をできるだけ効率化し、簡素化しよう、公開をすることによって行政を透明にするだけではなくて審議会そのものもできるだけ簡素化しようと。だから、似たような審議会はもうつくらない、一つの審議会でできるものはできるだけやっていく、あるいは分科会とか部会等も活用していく、こういうふうに言われているわけです。これからそういう方向になっていきます。  そうすると、これは一般的にも言えることなんですが、審議会で審議することは逆に言いますといろんなことが入ってくる。今の宗教法人審議会もまた検討される項目がふえるわけなんです。あれもこれもその中に入ってくるわけです。そうすると、一般審議会は公開だけれども、それ以外のはそうじゃないということになっていくと、実は行政の透明性という問題と審議会の効率化という問題には相矛盾する点が出てくるわけです。  したがいまして、私がお願いしておきたいのは、やはり公開し得るものについてはできるだけ公開をしていく、こういう姿勢で今後とも宗教法人審議会についてもぜひ対応していただきたい。審議会の皆さんの意見を聞くということも一つの方法かもしれませんが、そうではなく、やはり大臣みずから決断もし、対応していただきたい、こう思うわけでありますが、いかがでしょう。短くて結構です。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 先般行われた、本年四月以降の宗教法人審議会の議事録、この公開についていろいろ言われたところでございますが、ただいまお話ししたように、審議の終わった都度記者にブリーフを行うことをいたしましたが、先般、私はここの参議院の宗教法人特別委員会でもお答えしたように、議事録は全く一切合切外に出さないということではなくて、委員の方々にはその会議の後、それをまとめた抄録をお渡しして、内容に間違いがないか、その御検討もいただいているところでございます。  そういう意味で、我々は何か表に出すことがまずいということでこれを非公開にしておるわけではなくて、そもそも審議会が非公開という今までの経過もあり、かつ審議委員の皆様方の信義の上にも立ってこれを公開しないということをやっているわけでございます。その点は御理解いただきたいと思います。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 今の御答弁はわからぬこともないんですが、問題はやっぱりきちっとルールをつくっていくということが大事なんですね。ですから、その都度判断しながらということではなくて、一つの決めをぜひしていただきたい。  それで、審議会の関連でもう一点ちょっと大臣にお伺いしたいんですが、これは衆議院の審議の中で出たことなんですが、今回の宗教法人法については宗教法人審議会に文部大臣が諮問をしてその答申を受けた、そういうものではないと。この議論の中で出ておるのは、何か大臣が審議会にお願いをして検討してもらった、ですから出てきたものも答申じゃなくて報告だと、こういう議論があるんですけれども、今回の宗教法人法はやっぱりそういう形で、諮問ではなくて文部大臣が依頼をして検討してもらったということになるわけですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) これも再三御答弁申し上げているんですが、必要的諮問事項ではないわけなんです。例えば文部大臣が判断をして、それで法改正をお願いするという形に運ぶこともできるわけであります。しかしながら、やはり事柄の性格上、宗教法人審議会に御検討をお願いしたということでございます。その際、与謝野前文部大臣はこういうふうに言っております。「宗教法人法の改正を必ずしも前提とするものではありません。  しかしながら、国民の広い関心も配慮され、できる限り幅広く、かつ可能な限り精力的な御審議をいただき、早期に考え方の取りまとめをお願いしたい」、こういうふうにお願いしている。  私は、今になって考えますが、いろいろ国会でこれだけ激論が闘わされる現実を見ますと、当時、与謝野文部大臣が、いわば宗教法人の代表者十一名、学識経験者四名から成る宗教法人審議会にこの事柄の検討を依頼したということは非常に的を射ていた、こういうふうに感じております。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 実は文部省の事務局の方にもお聞きしたんですが、ちょっと私はそこら辺が腑に落ちないのは、要するに、本来この宗教法人審議会というのは行政組織法八条に基づく審議会ですよね、いわゆる八条審議会ですね。間違いありませんか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 御指摘のとおりでございます。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 そうすると、諮問ではなく、要するに検討してもらうというようなことが、これは法律の建前からいって可能なんでしょうかね。一体これはどういう性格の審議会のお願いなんですかね、私はちょっとそこがよくわからないんですよ。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会でございますけれども、第七十一条の第二項に設置規定があるわけでございますが、「宗教法人審議会は、文部大臣の諮問に応じて宗教法人に関する認証その他この法律の規定によりその権限に属せしめられた事項について調査審議」する、これが一つでございます。それからもう一つその後に、「及びこれに関連する事項について文部大臣に建議する。」という条項が第七十一条第二項にあるわけでございます。  今回の検討要請は、先ほど大臣から御答弁いただいたとおりでございますけれども、文部大臣からの検討を要請したということでございます。そして、これに対して審議会としては、この七十一条第二項に言います「建議」の一形態として報告ということで報告をお出しになったものでございます。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 これはそうすると、正式に諮問をしないんだけれども、宗教法人審議会から報告の中に改正として出てきた、今回の法律改正は。そういう理解でよろしいわけですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 文部大臣から検討要請を行いまして、それに対して審議会として御審議をいただきました。その結果を報告として取りまとめて大臣に御提出いただいたものでございます。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 これだけ重要な法案が正式諮問ではなくて、しかも、確かにさっき文部大臣が答えられたように、前与謝野大臣のお願いの仕方は、宗教法人制度について議論してくださいと、こういうお願いをあいさつの中でされていますね。しかし、これだけ重要な法案が審議会の中から、法律改正をしようという所管大臣の判断がないにもかかわらず出てきて、建議ですからそれはいいんですが、法案が出されるというのはこれは極めて異例なことじゃないんでしょうか。どうでしょう、大臣、お答えいただけますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 余り繰り返されても失礼かと思って申し上げなかったんですが、この宗教法人法、昭和二十六年制定でございまして、社会も変化したし、宗教法人自体の活動の実態なども非常に大きく変わっております。そういう意味では、もう昭和三十年代の当時から改正に対するいろんな御意見が出ていたくらいでありまして、それが今日においては、これはオウム真理教事件などがきっかけになったことは事実でありますけれども、やはりこれを検討もしない、あるいはまた何ら改正もしないということで通っていく段階ではないと常識的に私も考えます。  したがいまして、必要的諮問事項でないので、私自身が仮にそういう法改正に対しての案をつくってお諮りすることもできますが、与謝野大臣が四月の時点で審議会の皆さんの御意見を伺ったというのは私は非常に当を得ていたと、こうさっき申し上げたところであります。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 だから、私は本当は逆じゃないかと思うんです。やっぱり、所管大臣が決断をして、それをきちっと審議会に諮って、その上で法改正というものはなされるものだと思うんですが、ちょっとおかしいんじゃないかと思うんですが、どうですか。平行線ですか、これは。——わかりました、もう結構です。ただ、やっぱり所管大臣としての責任からいえば私はそうだと思いますので、そのことはちょっと申し上げておきたいと思うんです。  今回のこの宗教法人法を見まして、私も議員になってからちょうど三年たつんですが、その体験も踏まえて申し上げると、最近いろいろ政府から出てくる法律というのは、これはもう審議会の話じゃなくて法案の話でございますが、こういうことが大体言えるんじゃないかと思うんです。要するに、結構法律の中にあいまいな表現が多くて、一般論としてもそういう傾向があるんですね。例えば、細部は政省令で決めるとかいう法律の組み立て方というのは結構多いんですね。  ところが、私はこれは非常に問題があると思うんです。というのは、国会の審議というのはやっぱり法律を審議するわけですから、そうすると、要は具体的かつ肝心の部分が法案審議の中で十分されない、そういう可能性があるんです。結構そういう法律というのは最近目につくんです。ですから、本来は例えば政省令に落とし込むことであっても、例えばこういう質疑の中で大臣みずからが具体的な考え方をお述べになって、その上で議論をする、少なくともそういうことは必要じゃないかなと思うんですけれども、これは一般的な見識ということで、ちょっと大臣のお考え、私が申し上げたことがどうかということをちょっと。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 一般論としての私の考えをお聞きになりましたので私からお答えしますが、これは法律できちっと決めた方がいいという場合と、やはりそのときそのときによって、例えば経済状態がいろいろ変わるとか、社会が変化するとか、そういう都度一々法改正の対象になるようにしておくのがいいのか、場合によって政省令でこれをいわば定めるようにしておいた方がいいのか、やっぱりケース・バイ・ケースでいろいろあると思うんですね。  したがいまして、それらの判断をして、そして国会でお諮りいただき、これが認められるか否か、こういうことになるわけでありますから、私はやはりそれなりに十分——今回の法改正に当たっての役所の皆さんの対応なんかを見ておりますと、大変な思いをしてやっぱりあらゆる角度から検討して、お願いするまでにはいろんな手間暇がかかりますね。そういう事々を経ておりますので、決して軽々に、例えば何かごまかしをするとか適当な手かげんでやるとか、そういうものを初めから予定してないというか、初めから全く考えていない、極めて真摯なものだということを改めて痛感しているわけであります。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 大臣は極めて真摯なものだというふうに今お答えになりましたが、例えばきのうの夕方の質問で信者の定義の話がありましたね。あれも何かよくわからないうちに議論が終わっちゃったわけです。そういうことがあるんですね。  例えば、これも何回も出ていますけれども、一つ例を挙げてちょっと申し上げますと、今回の改正案でいわゆる収支報告等の書類を報告する義務を宗教法人が負うということ、ただ、小規模法人についてはその対象にはしないと、こういうことなんですが、じゃ、どこから以下の人が、要するに何を指して小規模法人というんだという基準がないんですよ。この間のやりとりからずっと見ていましても、例示的にこんなのはまあとか、こういう話はありますが、具体的なメルクマールはないわけですね。  これは衆議院で我々の同僚議員も同じことを何回もお聞きしているんですけれども、しかし全国に宗教法人が十八万ですか、非常に多数あるわけですね。そうすると、この法律がどういうところに対象になるのかということは、これは私たちが国会で議論をする上で非常に重要なことだと思うんですね。そして、どういう方たちがこの対象から、例えば収支報告を例に挙げれば、出さなくて済むのかと、これは非常に重要な部分だと思うんですね、法案にとってみれば。結局、具体的にそのことがいろいろ影響していくわけでありますから。しかし、それについて明確な基準がないんです。出されていないんですよ。後で宗教法人審議会にお諮りしますという話なんです。私はこれは大変な責任逃れだと思います。どうでしょうかね。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人にもいろいろな形態がありますし、それぞれの法人の特性というのはやっぱりありますよね。その場合に、例えば信者はどこからどういう範囲まで指すといっても、これは正直言ってまさに千差万別だろうと思います。それを、中に入り込んで、全部内容を精査してそれを決めていくということはいろいろ困難が伴うんではないか。したがって、例示としては私は御答弁申し上げました。  お互いに理解ができる一つの例としては、例えば神社にしても仏閣にしても、要するに神主さんが幾つもかけ持ちの神社もありますし、あるいは仏閣にしても、お寺の関係でもそういうことですが、お坊さんがかけ持ちの例も私たち数多く知っております。そういう場合に、それを一つ一つ全部の収支報告を出せということはいささか困難ではないか、こういうことは判断できるわけです。  問題は、要するに規模が小さいという、その小さいか大きいかの判断をどこに置くのか、こういうことになりますと、にわかにこうだということは言いがたいので宗教法人審議会にお諮りする、こうしているところであります。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 これは、非常に難しい部分があるのはそのとおりなんですよ。だから、判断しづらいから宗教法人審議会にお諮りをするということではなくて、むしろ言えば宗教法人審議会にお諮りをして、結論を出した上で法案をつくるべきだ、私はそう思うんですけれども、どうでしょうね、大臣。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) この点、もう少し詳しく御説明する方がいいかと思いますから、政府委員から御説明させます。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 今回の収支計算書の提出を義務づけるということでございますけれども、審議会の中におきましても、規模の小さい宗教法人について余り過大な負担を強いるのはいかがなものかという御意見もかなりあったわけでございます。審議会でそのような意見もございましたし、そういったことを踏まえまして、法律の条文では、先ほど来御論議いただいておりますように、収入の額が寡少である宗教法人については、当分の間、その作成を免除するという規定になっておるわけでございます。  これは、額の範囲を数字的に具体的に規定しておりませんのは、収入の額の範囲につきましては、社会経済状況の変化や宗教法人の実態等を踏まえ、宗教関係者の意見も聞きながら適時適切に定めるということが妥当であるということで、しかも「収入の額が寡少である」という委任の内容が法律上明確であるということから委任を置いているところでございます。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 私の質問にちゃんと答えてくださいよ。これは判断の問題を聞いているんです。そういう基準をきちっと出した上で法案を出すのか、今お話があったように、基準は出さずにとりあえず法案だけ出して後で決めるのか。国会は国民の前で議論しているわけです。ですから、基準が正しいかどうかというのはやっぱりきちっと国民の前で議論すべきだと、私はこう申し上げているんです。大臣、答えてくださいよ。あんなの経過説明ですから全然関係ないですよ、あんなのは。もういいです。いいですか。大臣、答えてくださいよ。(発言する者多し)

松浦功自由民主党・自由国民会議

○理事(松浦功君) 御静粛に願います。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 収支計算書の作成義務の免除についての寡少な額の範囲でございますけれども、審議会におきましても具体的な数字は報告の中に入っていないわけでございます。そして、宗教法人の収入の実態や規模の小さい宗教法人の運営の実態、それから宗教法人の事務処理能力の実態等を総合的に勘案いたしまして、法律をお認めいただいた後に宗教法人審議会の意見を聞いて決めるということとさせていただいているところでございます。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 ああいう同じような、しかも質問に答えないような答弁はもうやめさせていただきたい。委員長、お願いします。ちゃんと私の質問に答えてくださいよ。どちらをとるんですかと、こういうふうに聞いているんですよ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 審議会にかけて、またそれを法案にしてお諮りするということよりは、やはり社会経済の変動に応じて対応するためには、一々これを法案化してお諮りする必要はないと判断いたします。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 私、もし大臣が今お話しになったようなとらえ方をされていると、これはもう非常に大きな問題だと思いますよ。これは本当に十八万の宗教法人の方が自分たちにどういう影響が出るかということを心配されているわけですよね。ですから、それは難しいんですよ、どこで線を引くかというのは。だから、そういうことをきちっと調べた上で決めて、それを国会で議論して正しいかどうかということをやるべきだと思うんですね。  例えばこの収支報告書は、これは出さなければ一万円の過料が取られるんですよ、この一万円が高いか安いかは別にして。つまり、出さなければ過料を加えますよという罰則規定が先にあるんですよ。しかし、その過料を加える、おたくは出すべきですよという基準はないんですよ。罰則だけ先に決まっているんですよ、この法律の中では。  これは法律の立法論として考えたときに、ちょっと法制局長官にお聞きしたいんですけれども、いわゆる罪刑法定主義という考え方がございます。これは憲法三十一条の決めたいわゆる適正手続といいますか、つまり何人たりとも法律によらずに懲罰を受けることはない、簡単に言いますとそういう規定なんですが、今回のこれは過料ですから、行政罰なんですが、法律のつくり方としての基本的な考え方は、たとえ行政罰であってもやはりきちっと、こういうケースはこういう過料を加えますよという立て方をすべきだと私は思うんですけれども、長官いかがでしょうか。

大出峻郎内閣法制局長官

○政府委員(大出峻郎君) 一般に罪刑法定主義といいますのは、犯罪及びこれに対する刑罰は法律で定めなければならないということであろうかと思います。しかし、これは犯罪及びこれに対する刑罰をすべて法律そのもので定めなければならないというふうにするものではなくて、構成要件の一部について合理的な範囲内で具体的な内容を下位の法令等に委任をするということも罪刑法定主義に反するものではないというふうに考えられるわけてあります。  本件の問題につきましては、過料と関連する規定でもあるわけでありますけれども、法律の委任によって文部大臣が定めるものは、収入額が寡少であるいわゆる小規模法人の一会計年度の収入額の範囲であることが法律上明確に規定されており、罪刑法定主義の精神から見ても問題はないというふうに理解をいたしておるところであります。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 せっかくの御答弁ですけれども、私はやっぱりちょっとおかしいと思うんですよ。  それで、もう一つお聞きしたいんですが、きのうも議論ありましたが、宗教法人法というのは政省令がないんですよね。たしかこの間の答弁も、普通は、例えば法律に書いてなくても政省令、これも法規範ですから規範にうたうということができるんですが、この法律は政省令がない。この間の答弁でも、それはできるだけ法律の中にきちっと入れて、そしてそのことによって宗教団体の便宜を図りたい、こういうお答えがあったわけであります。  しかし、全然そうじゃないですよ。基準なんて一番大事な部分が入ってないんです。しかも、政省令もない。こういうまさに政省令をつくらないなら、法律の中に入れなきゃいかぬじゃないですか。法律の中にしかも過料が入っているわけですよね。これは、法律の立て方、立法の仕方としては極めて異例な、あってはならない立て方じゃないか、私はそう思うんですけれども、どうでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 宗教法人法に政省令がないというのは御指摘のとおりでございまして、昨日も御答弁申し上げておりますが、この審議会報告の中にも、小規模法人の規模の基準でございますが、「文部大臣が宗教法人審議会の意見を聞いて定めることとするのが適当である」というふうに審議会からも報告をいただいておりまして、そういった趣旨をこの法律の中に入れさせていただいておるわけでございます。  この収支計算書の作成義務の免除でございますけれども、原則は作成していただく、ただし小規模法人で御負担をかけるのは余りにもお気の毒だといったようなところに対して免除をしておるわけでございまして、本則はあくまでも作成していただく。作成していただいたものを備えつけていただいて、備えつけていただければそれを御提出いただくということになるわけでございます。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 これは押し問答になるかもしれませんのでもうやめますが、これは一つの例なんですが、この間来の議論から何回もありますように、結局大事な部分が抽象的でよくわからないんですよ。具体的に国民にいろいろ影響を及ぼす部分について審議会で検討しますと、こういうことになっているわけですね。これは本当に法律の問題としては、法律のあり方としてはおかしな法律だということは重ねて申し上げておきたいと思います。  次の質問に移りたいと思いますが、まず最初に法務大臣にお伺いしたいと思うんですが、これはもう近場の状況を含めて簡潔にお願いしたいんですけれども、何回も議論に出ておりますが、いわゆるオウムに対する破防法の適用について、これは今どういう状況なんでしょうか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) 破防法は、申し上げるまでもなく、公共の安全を確保いたしますために暴力主義的破壊活動を行った団体を規制する法律でございますが、同時に国民の基本的人権に関連をいたしますので、厳正かつ慎重な対応が必要だと思っております。  そのような体制のもとに公安調査庁において検討を続けてきておりますが、現在はあらゆる問題について最終的な検討をいたす段階に来ているというふうに承知をいたしております。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 この問題に関する政府の答弁が、ずうっと検討中、検討中といってもう九月ぐらいから二、三カ月。今、最終段階だというふうにおっしゃいましたね。(「今や詰めの段階」と呼ぶ者あり)とか詰めとか、いろんなお話があるんですけれども、どうなんですか、もう近いんですか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) ただいま申し上げましたように、最終的な検討の段階にあるというふうに承知をいたしております。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 これは文部大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、この間来の議論を聞いていますと、ちょっと見にくいかもしれませんが、ここにある新聞の世論調査が書かれています。村山総理も文部大臣も、宗教法人法の改正について八〇%の国民が賛成している、だからやるんだ、こうおっしゃっています。同じ調査で、オウムに対して破防法を適用すべきだと、これが七九%、これも八割なんですよ。  大臣の御発言は、もうとにかく世論重視だ、国民の皆さんの意向を体してと、こういうことなんですけれども、あなたは破防法の適用についてどう思われますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私の担当は宗教法人法の方でございまして、破防法の方は私の所管外でございますから、これに対するコメントは差し控えたいと思います。  ただ、私と総理が八〇%以上の世論調査云々ということを言い続けてきたではないかと、こうおっしゃいますが、今回の読売新聞の調査は、御承知のようにこれは十一月二十三日の調査ですね。ということは、衆議院の宗教法人に関する特別委員会の審議が終わった段階でいわば実施されているわけでありまして、国民の皆様も今回の改正案についての知識、情報は相当お持ちであると、こう考えて間違いがないと思います。  その意味で、六月の読売新聞、七月の東京新聞、九月のNHKの世論調査でも一貫して八割以上の国民が法改正を望んでおり、十一月に行われた読売新聞の調査でも八割を超える支持があるということは、今回の改正案が改正を望む大多数の国民に御納得いただいていると考えるわけであります。  なお、宗教法人法と破防法は全く趣旨、目的の異なる法律でありまして、私としては所管外の破防法の適用問題についてはコメントを遠慮したいと思います。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 手続だとかそういうことを聞いているんじゃなくて、大臣のお考えを私はお伺いしたんですよ。文部大臣だから、これは所管大臣があっちにいらっしゃるからというのはわからないことはありませんが、逆に言いかえれば、内閣というのは連帯して日本の行政に対して責任を負うわけですよね。当然閣議だっていろいろ議論されるわけでしょう。ですから、やっぱり大臣は大臣のお考えがあってしかるべきだと、こう思うんです。  しかも、今、宗教法人法の話をさかのぼった世論調査の数字を挙げておっしゃいましたが、念のために言いますと、九月のある世論調査では八六%、十月のこれは別の新聞社ですが、宗教法人法の賛成五六、しかし破防法を適用すべきだというのは七二%。高いんですよ、ずっと。  世論を大事にされる大臣としてはどうでしょ一つ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法の御審議を願う過程では、これは国民の皆さんは内容を御存じなくて支持しているんだというふうな御指摘が非常に多かったわけであります。しかし、それは今私が御説明いたしましたとおりでありますが、私も閣僚の一員ですから、破防法に関してまるっきりこれを避けて通るとか、あるいは関知しないという姿勢があるとすれば、私は、所管外であっても当然に私の意見を述べることになるんだろうと思います。しかしながら、これはもう極めて真剣に御検討いただいているということがむしろ私の方が詳しくそのことはわかるわけでございまして、専門的に御検討いただいているものを所管外から云々することを御遠慮申し上げたいと、こう申し上げたわけです。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 それでは、今度は角度を変えまして法務大臣にお伺いしたいと思うんです。  今回のこのオウムの事件なんですけれども、今、宗教法人法による解散命令、これは文部大臣の所管かもしれませんが、しかしこれもまだ確定していなくて、いろんな資産隠しが問題になっていますね。それから、仮に破防法の適用をされても、これはあくまで行政措置でありますから、例えばああいう犯罪を防止する、再発を防止する、防止するという観点で見たときには破防法は役に立たないわけですね。オウムそのものはいいですが、ああいう同種類の犯罪を別の者が起こすということについて言えば役に立たない。  それで、まずそういった点についてひとつお伺いしたいのは、さっき私が申し上げたいわゆる資産隠しの問題、財産保全の問題、これはきのうも議論がありましたが、被害者救済ということで言いますと非常に緊急性の高いことだと思うんですよ。私はこういうものこそ、あのサリン防止法をつくりましたが、私も法律知識は余り詳しくありませんから具体的にここがいいということは言えませんが、例えば特別立法でもいいし既存の法律の改正でもいいと思うのでありますが、本当は内閣としては一番先にそういうものをつくって対処すべきじゃなかったのかな、こう思うんですけれども、法務省でそういうことは検討されたことはございませんか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) ただいま財産保全措置についての特別立法についての御質問だと思いますが、現行制度のもとにおきましても個々の債権者が裁判所に申し出をいたしまして仮差押命令を得て財産保全を図ることができる、御承知のとおりでございまして、オウム真理教の財産につきましても現に一部でそのような措置がとられております。  そこで、特別立法の問題でございますけれども、法人一般について見ますと、法人の監督のあり方でございますとか法人の解散手続のあり方でございますとか、それから他の財産保全手続との整合性というような問題がございますので、なお特別立法については慎重な検討が必要ではないか、このように考えております。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 確かに仮差し押さえという手段はあるんですが、これはやっぱり限界があると思うんです。  ちょっとその点で、今の財産保全の問題も含めてということになると思うんですけれども、法務大臣と公安委員長にお尋ねしたいんですが、このオウムの事件というのは、サリンなんかもそうでしたが、例えば今の日本の法律のあり方とか、あるいは警察の捜査体制とかそういうものも加わってくるのかもしれませんが、法律で言えば、法律のあり方についてやっぱりいろんな問題点を投げかけていると思うんですよ、日本の法体系のあり方について。  よく言われるのは、日本の法律というのはいわゆる個人中心に、例えば刑事訴訟法とか刑法なんかを見ても個人に対する犯罪あるいはそういうものを中心に法律が成り立っていて、例えば今回のオウム事件のようなもの、こういう組織的な犯罪にはなかなか対応が難しい法律になっている。こういうことが時々専門家なんかからも指摘があるわけなんですけれども、そういう視点で見た場合のお二人の大臣の所感をお伺いしたいと思うんです。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(深谷隆司君) 今、委員御指摘のように、オウム真理教事件というのは、本当にかつて日本で起こるとは想像できないような、そういう宗教団体に名をかりたテロ集団であった。そのために、例えば狂信的な信者は尊師と称する者のマインドコントロールで全く自主的な行動、みずから判断をするということができない状態に追い込まれて、それが数々の犯罪を生んだ。こういうことは今まで本当に予期していなかったことでございます。しかし、現実に起こったわけでありますから、またこれからも起こり得る可能性というのはあるわけでありますから、私たちはサリン法を制定させていただきましたように、早急にあらゆる角度から対策を練っていかなければならぬと思うんです。  そこで、警察の捜査体制をこのような集団組織によるテロ行為等々を起こすような可能性のある団体に対して、例えば情報収集であるとか科学的な分析だとか、さまざまな問題を含めて総点検しなければならないというので、ただいま組織の改正も含めて何らかの要請を出すべく仕事をしている最中でございます。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) お尋ねの集団的な組織的な犯罪に対応する措置でございますが、現行刑法におきましても、団体の構成員につきまして共犯規定というようなことによりまして犯罪の実行者ばかりでなくて関与した者を処罰することが可能でございまして、当面は現行法制というものを十分に活用することが必要だと思います。  しかし、お尋ねのような、今までになかったような集団等による犯罪に着目した特別立法というようなお尋ねだったと思いますが、これにつきましては、現在我が国において発生をしております組織的な不正、違法行為の実態を見守り、また外国におきましてもそういう制度もあるところもあるようでございますので、そういうことも調査研究をいたしまして、どのような措置が有効かというようなことを種々の角度から慎重に検討していかなければならないと思っております。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 今の法務大臣の御答弁を伺っていまして、検討していかなければならないということなんですが、やっぱり相当時間がかかるしということになるんですか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(深谷隆司君) 例えば警察関係で組織について今具体的に要求を出しているものがございますから、この際、せっかくのお尋ねですから申し上げますが、例えば、広域捜査に関する指導調整機能の強化策として特殊犯罪捜査の総括あるいは調整、現地指導に当たる刑事局の政令職を新設しよう、あるいは有毒物質使用事件等の担当として刑事局捜査第一課特殊事件捜査室を設置するとか、あるいは治安問題に関する調査研究能力の向上策として警察大学校警察政策研究センターを新たに設置するとか、テロを行うおそれのある集団にかかわる情報収集の強化策として警備局公安第一課特殊組織犯罪対策室を設置する、以上のようなことを今要求しておりまして、これはそんなに時間がかかることではない。  つまり、警察の体制といたしましては、この予期せざる出来事を大きな教訓として、きちっと捜査ができるようなそういう状況を一日も早くつくり上げたい、そう思っているところてあります。    〔理事松浦功君退席、委員長着席〕

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 警察の体制というよりも、私はむしろ法的な整備を今議論申し上げているつもりなんです。  それで、もう時間がありませんから最後に一点だけお二人にお伺いしたいんですが、アメリカにRICO法というのがあります。これはまさに組織犯罪のための法律なんですが、これは簡単な資料なんですが中を見ますと、ちょっと私なんかもうついていけないなという部分もあるんですけれども、例えば、こういうものに対する現時点での法務省及び警察の評価といいますか、どういうふうに思っておられるか、この点を最後にお二人にお伺いをして終わりたいと思います。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(深谷隆司君) RICO法という法律は、アメリカにおいて主としてマフィア対策でつくられたものでございます。これらの中身は、委員御指摘のように、例えば刑罰にいたしましても、あるいは民事にかかわりますけれども、裁判によって解散命令を出すとか、さまざまなそういう組織集団に対応する具体的な対策が盛り込まれているわけであります。日本の風土に合うかどうかは別として、極めて組織集団対策としては有効な手だてでございますので、大変参考になるという受けとめ方をしております。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) 刑事局長から答弁をいたさせます。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 今、国家公安委員長からも御答弁がございましたように、大変広範囲な規制と、また多岐にわたる制裁方法を持っておる法律でございまして、私ども、現在いわゆる組織犯罪対策というような切り口で国内立法として種々の検討をしていることは先ほど法務大臣から御答弁したとおりでございます。そういった検討の材料の一つとしていろいろと参考になる事項はございますけれども、日本の法制度全体との兼ね合いで直ちになじむかどうか、この辺はいろいろと検討していかなきゃならない問題を多々含んでいると思います。ただし、立法の参考の一つとして検討してまいりたいと思っております。

直嶋正行平成会

○直嶋正行君 それぞれお答えがあったわけでありますが、私は、やっぱりオウム事件等を考えますと、それから非常に国際化が進んでいますから、これは、ああいう宗教の皮をかぶったテロ集団ということではない、例えばほかの種類の組織犯罪というのにも多分これから日本はやっぱり対応できる体制をつくっていかなきゃいけないと思うんですね。  そういう点で考えると、先ほど来お答えがございましたけれども、非常に難しい問題も多々あることは私も理解はしていますが、ちょっと対策が遅いんではないかなというふうに思うわけであります。ぜひ日本に合ったそういう組織犯罪対策法を早急に、これは被害者救済も含めて御議論をいただきますようお願いをして、質問を終わります。(拍手)

大森礼子平成会

○大森礼子君 平成会の大森礼子でございます。新人ですけれども、国会議員の基本に忠実にやりたいと思います。  今回のこの特別委員会は、宗教法人法の改正についての特別委員会でございます。この法人法の改正内容について文部大臣は、非常にささやかな改正であるとおっしゃる。必要最小限であるとおっしゃる。常識的な改正だとおっしゃる。しかし、実際、条文そのものを見れば、非常に多くの不明な点があると私は思います。ですから、この機会に、まずどんな法律なのか、これを明らかにする必要があるわけですから、その点について質問させていただきたいと思います。  まず最初に、改正案七十八条の二の「報告及び質問」の項なんですけれども、ほとんど文部省にお尋ねいたします。小野さんよろしくお願いいたします。  七十八条の二で、「所轄庁は、宗教法人について次の各号の一に該当する疑いがあると認めるときはことあるわけなんですけれども、まずこの「疑い」というのはだれの判断によるのか、これは所轄庁ですから文部大臣あるいは都道府県知事、こういうことでよろしいでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 所轄庁でございますからそのとおりでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 次に、どうやってその疑いを得るに至ったかという過程なんですけれども、場合によってはその提出書類から知り得ることもあると思います。ただ、あれだけのものを集めまして、かぎつきのロッカーに積んでおくだけということはないと思いますから、きっとそこら辺からもわかるんだろうと私は思います。そのほかに、疑いを持つに至った動機というものは何でもいいんでしょうかということです。  なぜこんなことを言うかといいますと、さっきの午前中の委員会で週刊誌の記事、何か特定の名前を出しまして、殺人の疑いがあるとか、こういう話になったわけなんですね。週刊誌を題材にして、これは刑事事件としては証拠が明らかでないのにセンセーショナルに疑いがあるという言い方をする、そういうものにすぐ国会議員が飛びついてしまうということも私はおかしいと思うんですけれども、しかし一応これでも疑いと言うわけですから、例えば週刊誌とか新聞報道とか、そういうものから得た情報で疑いを持った場合でもよろしいんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 法改正が認められますと、毎年度、財産目録等の財産関係の提出書類をいただくわけでございます。そういった書類を私どもに見させていただいているときにそういう疑いを持つということもあるかと思います。  それから、新聞等でさまざまな事件がございまして、そういったことがこれらの条項に該当する疑いがあり得るというふうに判断されるような新聞記事等が出るという場合もあろうかと思います。  それからさらには、関係省庁あるいは都道府県知事でございますけれども、そういったところから、この宗教法人についてこういった法律違反の状態があるとか、あるいはこういった情報があるのではないかといったような情報が入るということもあろうかと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、そういったこの各号に該当する疑いがある程度はっきり認められるという場合に所轄庁が判断をするというふうに理解をいたしております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 今のお話を伺いますと、皆さん聞かれたと思うんですけれども、疑いというのはどこから出てきた場合でも一応それに該当するということでありまして、質問権発動、それから報告のきっかけ、この改正案ですといろんなところから起こり得るということをまず確認しておきたいと思います。問題はないのかどうかです。  それから次に、「この法律を施行するため必要な限度においてこという限定があるんですけれども、例えば八十一条一項一号、解散事由ですけれども、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。」、こんな場合ですと、文部省はどこら辺まで質問とか報告徴収をされるんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 御指摘ございました八十一条の一項一号でございますが、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる」ということでございますが、これは刑法違反等で犯罪行為の疑いが非常に強いという場合でございます。  もちろん、文部省や各都道府県知事、宗教法人の所轄庁の事務を担当している部局はそういった刑事捜査権等はないわけでございます。したがって、そういう強制的なものはもちろん、強制的な関係で情報は得られないわけでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、非常に疑わしいということがある程度明確になったということでございましたら、その旨を宗教法人審議会に理由と事項等を示して御判断を仰ぎ、その結果を尊重しながら具体的な報告徴収あるいは質問に及ぶということになるわけでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 そうすると、結局、法令の違反事実を明らかにする手段としても行使されるということでよろしいわけですね。要するに刑事事件になるわけなんですよ、この一号というのは、今まであなたがお答えになっているように。  そうすると、この条文にあります「当該宗教法人の業務又は事業の管理運営に関する事項に関しことの関係なんですけれども、結局、犯罪捜査という言い方は悪いんですけれども、そういう犯罪事実について質問、それから報告徴収することも、今言った「宗教法人の業務又は事業の管理運営に関する事項に関しこと、これに関連してくるということでございましょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 所轄庁は警察当局ではございませんので、犯罪行為自体の問題についてとやかくというのは非常に難しいわけでございますが、この条文にもございますように、「当該宗教法人の業務又は事業の管理運営に関する事項に関して、報告等を求めるということでございます。  例えば、収益事業が目的外に使われておるということであれば、そういったことについての財務会計の状況について報告を求めるということもありましょうし、目的を逸脱している行為があるということであれば、そういった行為の態様や目的との関連性を把握するための財務会計の状況等について報告を求める、あるいは質問をするということもあり得ると思うのでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 何でこの一号を持ってきましたかといいますと、今、小野次長答弁されましたけれども、そういうことになるんだろうと思います。  ただ、文芸春秋十二月号に、島村文部大臣が「宗教法人法改正反対派に告ぐ」と、何とか事件みたいなタイトルですけれども、こういうものを書かれておる。これは文部大臣とありますから、前回と違いまして文部大臣として書かれたんだと思うんです。読ませていただきました。びっくりしました。  ここで報告徴収権及び質問のところについて、文部大臣はこういうふうに書かれているんですね。私、読みますから。「現状ではオウムのような団体に解散命令の請求をしようにも、その解散事由を確認する手段すら、所轄庁にはないのです。これでは宗教法人法そのものの運用が実際にはできないこと、こうおっしゃった後で、一号の法令違反に関して、この条文を引きまして、こういう条文があると。「ところが、現在の法律のままでは」こういう疑いが生じたとしても「何にも調べることができない。」。この後の接続詞が大事なんです。「だから今回のオウムの解散請求でも所轄の東京都からはほとんど資料は出せずじまいで、結局、警察、検察の資料が裁判で使われるということになってしまいました。」と。その後でまた接続詞が来るんです。「しかし」と、「宗教法人法で定められている以上、本来、私どもが認証を与えた責任者なんです。」と、こういう書き方なんです。  文部大臣、これよくわからないんですけれども、要するに、オウム事件で解散請求するのに検察とそれから警察の資料を使った、これが残念だという御趣旨なんですか。本来、文部省が、所轄を文部省に移した場合ですけれども、やれたのにやれなかったのは宗教法人法が不備だったせいだと、こういう御趣旨なんでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 最初に申し上げておきますが、この「反対派に告ぐ」云々という見出しは私の書いたものではありません。  それから、今の話は、現実にオウム事件についてはいろんな情報を私たちも聞いてはおりました。しかし、検察庁はこういうことをいろいろ調査できるかもしれませんが、所轄庁としては現行法では何も知ることはできないと、こういう意味でございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 タイトルは文部大臣がつけたんじゃないと。サブタイトルの「新進党、学会はどうしてこうまで反発するのか」、これも違うでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私の考え方からいたしますれば、今回のこの改正案にどうしてこんなに反対されるのかという気持ちがあることは事実でございます。  ただし、そういう発言があったかどうかは、ちょっと前ですからね、この取材も。

大森礼子平成会

○大森礼子君 はっきり申しまして、あのような重大犯罪なんです。評論家も百年に一度起きるか起きないかの犯罪ですよと言っているんです。村山総理だって、犯罪史上類を見ない極めて凶悪な犯罪と言っているんです。  そしてこの前、十一月九日の法務委員会で、法務省の則定刑事局長にお聞きしたときに、率直に申しまして今回の捜査で判明したような事実は捜査当局において把握していなかったのが現状でございます、そういう意味で、これだけの大きな広がりを持って、かつ反復継続して行っているという認識がオウムに関しまして必ずしも十分でなかった、これを反省材料としてちゃんとやっていきますと、こういうお話があったんです。捜査機関ですら、あそこまで大きくなるまで防ぐことができなかったんです。捜査権限があるんです。検察庁もこう言っているんです。  文部省は捜査権限がないんですから無理なんですよ。ですから文部大臣、所轄の責任だ責任だとおっしゃるけれども、そんなに責任を感じなくていいんですよ、だれも思っていないから。(「やさしいね」と呼ぶ者あり)いや、私は本当に思いますよ。何か、責任だ責任だといって、だからどうしようか、法を変えなきゃいけないというんだけれども、できるわけないんだから、はっきり言って。  それから、犯罪捜査というのはそんな簡単なものじゃないの、(「生意気言うな」と呼ぶ者あり)生意気言うようですけれども。それはおわかりでしょう。だから、それほど責任を感ずる必要はない。むしろ国民の多くは、学校のいじめ問題とか、あるいはこのオウムでも、何でああいういい大学を出た人がオウムに走ったのか、教育は大丈夫だったのかと、こういうふうに言っているわけです。むしろ、この本来の行政の場面で私は文部省に頑張っていただきたいと思います。以上です。  それじゃ次に、戻しますけれども、小野次長さんにまたお尋ねします。質問の相手なんですけれども、「当該宗教法人の代表役員、責任役員その他の関係者」と、「その他の関係者」というのはこれは定義はどうなるんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) これは、質問の相手方でございますが、当然でございますが、代表役員それから責任役員等は法人の管理運営の責任の立場におありの方でございます。  宗教法人でございますので、そういった代表役員の方が常にその事務所にいらっしゃるということではない場合もあり得るわけでございまして、例えば総務部長さんでございますとか総務課長さんでございますとか、そういったその法人を代表して管理運営について一定の権限を持っていらっしゃる方、そういった方に対して質問をするということがこの七十八条の二の質問を実効あらしめるということになると思いますので、そういう権限を持っていらっしゃる方が「その他の関係者」に該当するというふうに理解をいたしております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 それを聞いてあれだったんですが、というのは、法令用語辞典なんというのを見ますと、利害関係人と関係人について説明が出ている。これは「関係者」になっていますけれども、その関係者というのを非常に広い意味で使っているわけなんですね。「広く職業上の権限に基づいて他人の行為に干与することができる者をも含み、利害関係、事業上の関係その他当該案件に何らかの関係を有する者を総称する場合が多い。」と、この法令用語にしますと非常に広くなってしまうわけなんです。  ただ、今お聞きしますと、そうすると小野次長さんあれですか、この「その他の」の使い方なんですけれども、今の御説明ですと、代表役員、責任役員、それに準ずるような、類するような地位の方ということでよろしいですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 例えば、先ほど御質問ございました八十条第一項の事項に該当しているかどうかという場合でございますね、この場合に、私どもの方はもちろん犯罪捜査をするわけではございませんから、個人の刑事法違反をどうこうというのではなくて、その行為が法人としての行為であるかどうかを把握するために、例えば議事録を見せていただくとか法人の関係者に質問させていただくということになるわけでございます。  したがいまして、その場合でも代表役員や責任役員の方に、例えば、所轄庁として御質問したいということを申し上げれば、それでは法人としては総務部長でお願いしたいとか、あるいは事務局長でお願いしたいとか事務総長でお願いしたいとか、そういう一定の権限を持った方に対して報告を求めたりあるいは質問をするということでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 今「その他の関係者」と、非常にわかりにくいわけなんですけれども、「その他の」とあります、ほかでも出てくるわけですけれども。これも法令用語の意味としてはその前に出てくるものに類するようなというふうに書いてあるわけなんですけれども、その解釈に従って、小野次長が今お答えになったのは代表役員、責任役員、それに準ずる、類するような地位の人ということでよろしいわけですね。  そうしますと、確認なんですけれども、七十八条の二には質問の相手、それから立ち入るときの同意を求める相手、それから身分証明書を提示する相手として「代表役員、責任役員その他の関係者」とあるわけですけれども、これは意味内容は全部一緒ということでよろしいわけですね。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 御指摘のとおりでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 次に、七十八条の二の二項なんですけれども、「報告を求め、又は当該職員に質問させようとする場合においてはこ「宗教法人審議会の意見を聞かなければならない。」とあるわけなんですけれども、これは必ず聞かなくてはいけないということでよろしいですね。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 必要的諮問事項であるというふうに理解をいたしております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 そうしますと、審議会の意見を聞かないで、つまり二項の手続をとらないで報告を求めたり質問権を行使したりしたら、それは違法な行為になるんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 質問したり報告徴収する場合の事前手続として、法律上審議会に諮問をするということを決めておるわけでございますから、その手続を欠いておるということであれば、それはこの条項に反しておるということになると思います。

大森礼子平成会

○大森礼子君 反しているということはわかるんですけれども、違法と評価されるのかどうか。違法なのか妥当でないのか不当なのか、意味が違うわけですから、違法となるのかどうか、そこら辺を明確にお願いします。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 法律上そのように「意見を聞かなければならない。」と書いてあるわけでございますから、それをしないで行った行為は違法になるというふうに考えております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 そうしますと、ついでになるんですが、三項の関係で審議会に示された報告徴収事項、それから質問事項、これは審議会に意見を聞くわけですけれども、実際に求めた報告事項、それから質問事項に食い違いがあった場合、はみ出しちゃった場合、こんな場合もやはりそういう違法という問題が起きるんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この条項、「報告を求め、又は当該職員に質問させる事項及び理由を宗教法人審議会に示して、その意見を聞かなければならない。」と規定されておりますので、審議会に諮った事項以外のことを聞く、あるいは違う理由で報告を求めたりするというのはこの第三項に違反になるというふうに考えております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 確認しますけれども、違法ということでよろしいですね。小野次長、違法ということでよろしいですね。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この第三項に反しておるという意味で違法だと思います。

大森礼子平成会

○大森礼子君 そうしますと、やっぱりこれは慎重に行わなくてはいけないわけですから、適法手続によらなくてはいけない、行政に関することでも。  そうしたら、もしこういう審議会で今得たような手続を経ないで報告徴収とか質問とかされた場合、これは求められた側、聞かれた側というのは拒めるんでしょうか、拒んでも過料の制裁とか受けないんでしょうか、どうなんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 法律によりまして報告を求め、または質問する場合には宗教法人審議会の意見を聞かなければならないというふうにされているわけでございますから、その手続を経ないで報告を求めるあるいは質問するという場合には、宗教法人の側はこれに従う義務はないというふうに考えております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 私の素朴な疑問はそこから起こるんですけれどもね。  そしたら、質問を受ける例あるいは報告を求められた側というのは、確かに質問に来られる人は身分証明書を携帯して提示する、それはわかりますよ、文部省の人だなということは。だけれども、審議会の手続がきちっととられたということは報告を求められた側、それから質問を受けた側はどうやってわかるんでしょうかと、これが素朴な疑問なんです。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) これは具体的な報告徴収なり質問の仕方にもよるわけでございますけれども、この七十八条の二の権限として、この七十八条の二に基づきまして質問をしたり報告を求めるということであれば、当然その担当職員は相手の法人に対して、こういうことをお聞きしますが答えてほしい、なおこれは何月何日に宗教法人審議会に諮っておりますというようなことは、通常のやりとりの中で恐らく明らかになるであろうと思うのでございます。  ただ一点、実はこの宗教法人と所轄庁の関係でございますけれども、宗教法人法では所轄庁の側に一般的な調査権あるいは質問権というのはないわけでございますけれども、相手方の宗教法人に協力していただく、相手方の協力を得ることによって任意でお尋ねをするという場合はもちろんあるわけでございます。任意でお尋ねをする場合については、もちろん相手方の協力があるわけでございますから、この七十八条の二に基づく報告、質問というもの以外に、例えば宗教年鑑なんかをつくるときにいろいろお聞きをしていることもあるわけでございますので、そういったこの法律の権限として行う行為以外に、宗教法人の協力を得て一般的にいろいろ報告をいただいたり質問をさせていただくということは、もちろんこの条項とは別にあり得ることでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 協力があったら聞けるなんて当たり前じゃないんですか。だから、これまでも宗教年鑑ができたわけでね。  今おっしゃったから言うんですけれども、今回何もできなかったというんですけれども、例えば、心配だったらオウムの所轄が東京都であっても、ちょっと上九一色村がどうなっているか聞きに行ったら別によろしいわけでしょう。だから、何もできなかったできなかったとおっしゃる前に、何かできることはなかったのか、具体的に何をやったのか、これをまず私は検証すべきだと思います。  それで、十月二十三日に上九一色村へ行ったんです、新進党で。そしたら、所轄の窓口ですけれども、山梨県の私学文書課の課長さんに聞いたんですよ、所轄の窓口の方に苦情とかありましたかと。強制捜査の前の段階ですけれども、区切って聞いたら、一件もありませんでしたと。そしたら、文化庁は何か言ってきませんでしたかと言ったら、五月ですか、六月ですか、一回問い合わせがありましたと。五月ですね、審議会の後の時期ですから。それで、問題事例とか施設とか、そういうことについて問い合わせがありましたと。それまで問い合わせがなかったということなんです。これは話をしているその席に新聞社の方もおられましたので、ちゃんとその日から聞いたことなんです。だから、あっちへ行ってたらい回しとかと言われているけれども、確かに県庁でいろんな窓口はあるでしょうけれども、宗教法人を担当する窓口にはなかったと。これをもう一度確認しておきたいと思います。  それで、今、口頭で説明するということでしたね、小野次長さんの。だけれども、例えば審議会に求めた報告事項、質問事項とそれが合っているかどうか、あなた方は当事者側になるんですから、一応審議会は第三者的といってもそこまでの公平性はないわけだから、やっぱり不安なわけですよ。  それで、申しわけありませんけれども、ここのところあの審議会以来やっぱり私たち不信に陥っておりませんか、審議会について。また会長辞任になるんじゃないかとか、そういうことがあるんです。だから、何かそれをわかるようにする。書面に例えばいましたという会長の判こを押すとか、そういうものがないとやっぱり宗教法人が不安じゃないんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 具体的な報告を求めたり質問したりする場合の手続についてのお尋ねでございますけれども、もちろんそれは口頭でお話しする場合もあり得ると思いますし、それから詳細に報告を求める場合、項目を文書でお示しして報告を求めるということもあろうかと思います。  もちろんその場合に、当然のことでございますが、宗教法人側にできるだけ誠実な回答、誠実な返事なり報告を出していただきたいということもございますから、所轄庁の側としては、審議会にきちんと諮ったことをお示しした上で項目やあるいは報告徴収事項を明確に示してお願いをするというのが望ましいというふうに考えております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 それね、文部省を信頼してくださいとおっしゃるんだけれども、国民と行政というのはそういう関係にないんですよ、歴史的に見ても。法治国家、法によって治める、これは行政権の乱用を抑えるためのことなんです。それから、議会制民主主義というのもなぜできたかというと、行政権の乱用を抑える、こういう政治制度なわけですね。  だから、やっぱりこういう場合でも、その質問に対しては答えなかったりしたら過料を取られるわけでしょう、聞かれた側は。幾ら一万円でも、何かこれずっと一万円のままですけれども、取られるわけです、答弁しなかったということで。それだったら当然所轄側も、文部省じゃありませんけれども、やはりそういうものの手続を経たということを何らかの形で明らかにしないと不公平だと思いますけれども、いかがでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この七十九条、八十条、八十一条の疑いがあるという場合でございますが、確かに、これらの条項への疑いがある場合の法人というのは若干通常の運用をなさっている法人ではない法人である場合が多いと思うわけでございます。  そういう場合に、相手方がきちんと回答していただく、できるだけ正しい報告を出していただく、質問にきちんと答えていただくということを期するためには、所轄庁の側もできるだけその質問事項あるいは報告徴収事項を明確にお示しして、相手方に理解を求めて、そして正しい答えなり報告をいただくという努力をすべきだというふうに思っております。できるだけ相手方にそういう安心して答えていただける状況といいますか、所轄庁に本当のことをきちんと報告いただけるような状況をつくるための努力はしていかなければならないというふうに考えております。

大森礼子平成会

○大森礼子君 だから、所轄庁を信頼して安心して答えてもらうためにも、そういうきちっとした手続を踏まなきゃいけないんじゃないかというのが私の主張なんです。やはり手続をきちっとして、いろいろ問題あるんですから、私はこれは明文、何かやっぱり書面を示さなきゃいけないとか、審議会の手続をちゃんと経て適法な質問なんだという、これを示すべきだと思います。これがないのは私はやはり法律の不備ではないかというふうに思います。  次に信者、ごめんなさい、改正法二十五条三項、閲覧請求権なんですけれども、今信者と出たのは、「信者その他の利害関係人」、これをちょっと言おうとしたわけなんですよ。  それで、これもう何度も何度もこの定義聞かれていますでしょう。だけれども、「信者その他の利害関係人」、この定義もう一回だけ教えてください。    〔委員長退席、理事松浦功君着席〕

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 法二十五条第三項の「信者その他の利害関係人」についてのお尋ねでございます。  まず、信者でございますけれども、信者の定義につきましては、各宗教団体においてさまざまな名前がございます。それから、宗教団体の特性や慣習によりまして個別にも判断しなければいけない事項だと思うのでございます。したがって、この信者について定義はございませんが、宗教法人が判断していただくということ、宗教法人が判断するということになっているわけでございます。  ただ、一般的に信者と申しますのは、例えば寺院の檀徒でございますとか、あるいは神社の氏子、総代、宗教教師等、こういった者をいうというふうに考えておるところでございます。  それから、「その他の利害関係人」でございますけれども、このその他の利害関係人と申しますのは、宗教法人に対して法律上の権利義務関係を有する者であるというふうに考えておるところでございます。しかも、この閲覧請求権でございますが、それに対して正当な利益があり、かつ不当な目的でないという今二つの縛りがかかっておるわけでございまして、正当な利益を有する……

大森礼子平成会

○大森礼子君 それはいいです。  これ、私もわかっているんです、何回もいろんなところで見ているから。ただ、小野次長の答弁、いつも信者はと言いながら、こういうのが正当な信者でございますとか、この要件は信者その他の利害関係人であること、それから正当な利益を有すること、不当な目的でないこと、これ三つ要件でしょう。その要件を入れまぜて言うから、もともとの形が、信者その他の利害関係人、よくわからないんですよ。そして今、信者はとおっしゃった。その他の利害関係人と分けてずっと説明されているでしょう。これは何か理由があるんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 最終的には利害関係人ということでございまして、信者は、信者その他の利害関係人と言っておりますように、信者その他の利害関係人と一言で申し上げているんでございますけれども、その前段階のその信者の定義については先ほど来申し上げているとおりでございます。  そして、最終的には利害関係人というところでございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、その宗教法人と法律上の利害関係を持っている立場にある方ということでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 何言っているんだと思われている方もいるかもしれませんけれども、今までの小野次長の答弁聞いていると、信者その他利害関係人と、この答弁なんですよ。わかります、わからない。信者その他利害関係人と信者その他の利害関係人というのは、「の」が一つ違うんだけれども意味違うんですよ。立法するときはここまで気をつけなきゃいけない。だから、そこまでわかっているのかどうかが物すごく気になったんです。だから、いつまでたっても信者その他利害関係人、何かわからなかったんですよ。  今、小野さんおっしゃったけれども、要するに信者というのは例示でしょう。例示なわけですよ。その他の利害関係人の中に、信者イコール含まれるということでしょう。信者アンドそれからその他の利害関係人じゃございませんでしょう。うなずいておられるから確認しているんですけれども。だから、やはり答弁するときには、これ立法作業の答弁なんですから、正確にしていただきたいと思うんです。  それで、そうしますと、信者が利害関係人の例示というのはわかる。利害関係人の定義というのはないんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 利害関係人というのは、まさに宗教法人との間に法律上の利害関係を有する者でございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 そうじゃないんですよ。定義というのは、それに具体的事実を当てはめて、その法律に該当するかどうか判断する基準でしょう。だから聞いたんですよ。  例えば法令用語辞典見たらわかるんですよ。一つの例として、例えばこういう説明の仕方しているんですよ。一般に「「利害関係人」というときは、主として第三者の行為又は公の機関がする処分によって」、よって、因果関係、「自己の利益を害されるおそれのある地位にある者をいいことか、確かにそれはそうなんですけれども、いろんな説ありますけれども、一応当てはめて、それであなたが言う債権者とかそれから信者とか、これは共通してなきゃおかしいでしょう。だからやっぱり、狭い広いはあってもここで言う利害関係人は何なのか、立法趣旨から考えて、これしてもらわないと、ああそれでこういう信者が入るのかと、ほかのその他にはこういうのが入るのかとわかるわけなんだから、定義づけができない、これは当事者適格決めるわけですから、こんな法律ないですよ。利害関係人、全然定義づけられないんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この利害関係人でございますけれども、これは委員会でもたびたび御説明申し上げておりますように、債権者や保証人など宗教法人と取引等の一定の契約関係にある者、それから宗教法人の行為により損害をこうむった者、それから宗教法人同士の包括・被包括関係にある宗教法人、こういったものが利害関係人としては考えられるわけでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 私は、信者とは利害関係、信者も入るわけなんだから、そうしたら、今あなたが述べたその他利害関係人の共通項、これは一体何なのかなということ、それを知りたかったんですよ。これがわからないんです、この言葉からは。  それから、次なんですけれども、今の御説明でも何で債権者とか保証人が入るのかなと私はやはり理解できません。例えば、宗教法人法にも法人の不法行為とあるんですけれども、民法四十四条にも同じく法人の不法行為という規定があります。宗教法人法の方では、要するに閲覧請求権、認められると債権者になっちゃうんですけれども、民法の方ではそういうのがないんですよね。そうしたら、何で公益法人の中で宗教法人法だけ債権者に閲覧請求権を与えるのか。これはやはり私は憲法十四条違反だと思います。合理的理由、この前、きのうでしたか、おっしゃっていましたけれども、納得できない理由だと思います。この点指摘しておきます。  それから、もう時間がないからあれですけれども、宗教法人は、信者その他の利害関係人の範囲、これを決められるんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 法律にその規定があるわけでございまして、この閲覧請求権を認めるかどうかということについては宗教法人が判断するわけでございますから、正当な利益があり、不当な目的でない信者その他の利害関係人かどうかということは宗教法人がお決めになる事柄でございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 そうしたら、今全部含めておっしゃったんですけれども、信者その他の利害関係人に当たるかどうか、それから正当な利益があるかどうか、それから不当な目的でないかどうか、これは宗教法人側が決められるということでしょう。  それで、またここでよくわからなくなるんですよ。例えば信者一つとっても、宗教法人が一義的に決めるんだとか、あるいは最終的に決めると、こういう言い方もするんですよね。この説明がわからないんです。そういう説明だったら、この改正案で閲覧請求できる信者というものを法律みずから規則かなんかで決める、そういう権限を付与しているとか、そういうことになるんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この閲覧請求を認めるかどうかということでございますが、これは宗教法人が会計書類等を作成して事務所に備えつけをするわけでございます。その備えつけ書類の一部について閲覧を認めるかどうかということに関してこの条文を設けたわけでございまして、そもそも宗教法人が事務所にそういった財務関係書類を備えつけるということは、ただ備えつけるだけでどなたにもお見せしないということではないわけでございまして、正当な関係者に対してはそれをお見せするために備えつけるというのが本来の備えつけの意味だと私は思うのでございます。  現行法ではそれについてどういった方に閲覧を認めるのかということが明確でございませんので、今回法改正をいたしまして、正当な利益があり、かつ不当な目的でない信者その他の利害関係人、これはもちろん宗教法人が判断される方になるわけでございますけれども、そういう一定の方にこういった書類等の閲覧を認めることによりまして宗教法人の民主的な運営あるいは運営の透明性を高めていくということに役立つと思うものでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 ここにいつも何かだまされておる気がするんですよ。これ、だから悪用されませんか、いや、大丈夫ですよ大丈夫ですよと。信者その他の利害関係人も宗教法人が決められるんですよと。利害関係人も入るわけですね。  正当な利益と判断できますよ、不当な目的についても判断できますよと。判断できるけれども、争いになって裁判になっちゃったら負けるかもしれませんよということでしょう。全然宗教法人で決められるということないじゃないですか。あなたが言っている一義的とか最終的とは、人が来ますわ、そこを見せてと言って。そこで、見せるか見せないか決めなきゃいけない。どちらか判断しなきゃいけませんよ、ずっといてもらうわけいかないんだからね。判断できる、事実上判断できるって言っているにすぎないじゃないですか、事実上でしょう、あなたの言う判断は。何か最終的に決めることができるというけれども、どういう法的効果があるんですか、何か法律的に意味ある効果が出てくるんですか。そこをはっきりさせてください。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この法律の規定によりまして宗教法人は一定の方に閲覧を認めるということになるわけでございますけれども、宗教法人がこの方については例えば不当な目的があるあるいは正当な利益がないということであれば断れるわけでございまして、そもそも事務所に財務関係書類等を備えつけるということは、ただ備えつけることに意味があるわけではございませんで、それを利用して参考にする方のための便宜に供するというのが本来あるわけでございます。  したがって、その見せるべき方の範囲をこの法律で定めているわけでございますので、宗教法人がどなたに見せるかを決められる、そういうものでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 私が質問している意味がわからなかったらわかりませんと言ってください。時間が惜しいんだから。時間をたっぷりくれないから。こんな大事な条文の審議は後回しじゃないですか。こんなままで通していいんですか。  今言ったのは、文部大臣もおっしゃるんだ、信者その他の利害関係人は宗教法人が決められるんですから、正当な利益も決められるんですから、それから不当な目的も、だから安心ですよと、こういう言い方をされるでしょう。そうしたら、宗教法人側は、ああそうか、それだったら大したことはないなと思うじゃないですか、文部省なんかが言ったら。  ところが、裁判にいって負けるかもしれないんだったら、結局は宗教法人側に信者その他の利害関係人は何なのか、正当な利益は何なのか、不当な目的というのはどうして見破るのかとか、これをきちっと教えてあげないと判断できないじゃないですか。言っていることがわかりますか。  だから、あなたが言う一義的に判断できるとか最終的に判断できるとか、まやかしじゃないですか。あなたの答弁は国民をだましているよ。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 法律の条項の解釈でございますけれども、不当目的でございますが、宗教活動を行うこと以外の目的で、例えば宗教法人を買収することを目的として、あるいは得た情報をそういった買収に利用しようあるいは第三者に提供することを目的として財務関係書類閲覧を請求する、こういったものは不当な場合に入ると思いますし、それから宗教法人を誹謗中傷するための資料を得るということを目的として資料を求める、あるいは得た資料を第三者に提供することを目的として特定の書類を見せろといったような場合、こういった場合は不当目的に当たるわけでございます。  もちろん先生御指摘ございましたように、法律関係というのは、争い事件になれば最終的には裁判所が決めることがあるわけでございますけれども、そういったことにならない限りは、これは不当な目的あるいは正当でないということで宗教法人が判断できるわけでございますから、しかも見せる書類というのは、事務所に備えつけてそもそもどなたかに見せることを前提に備えつける書類でございますから、その範囲の中で閲覧を認めるわけでございますから、そんなに宗教法人の方が御心配になることはないのではないかと思うのでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 あなたね、優秀な官僚の方をつかまえて申しわけありません、後で私とあなたのやりとりの議事録をよく読んでください、全然食い違っているから。  いいですか、宗教法人が判断できるとか、そうしたら宗教法人が、じゃ、うちがこういうふうに決めたら、それは争われても裁判でひっくり返ることはないのかなと、こうして安心できるわけでしょう。幾ら法人側で決めてもいいですよといっても、それは事実上来たときにイエスかノーかどっちかやります、それは当たり前なんですよ。やっぱり一義的に決めるとか最終的に決められるとか、何か宗教法人側の決め方が、あなたこれは当たりませんと断ったときに、後で向こうが裁判に持っていっても、宗教法人はこういうふうに決めたんだということを裁判の中でも考えてもらえる、これがあって初めて意味があるわけでしょう。イエスかノーか言えるけれども、後で裁判でひっくり返るかもしれませんよというのだったら安心できませんよ、そんなの。こんなことがわからぬとしたらおかしいと思いますよ。(「おかしくないよ」と呼ぶ者あり)いや、おかしくないというのは具体的事実がわからないのですよ。そうしたら、順番に言うから。  それから、もうちょっと聞きますけれども、正当な利益というのですけれども、この正当な利益というのは、よく信者と正当とごちゃごちゃにまぜて言うんだけれども、正当な利益といったらどういうものなのか、また定義になっちゃいますけれども、これもう一度言ってください。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 正当な利益でございますけれども、これは当該書類、閲覧書類を見せるという場合の、その書類を見ることについての法律上の正当な利益を有する者というものでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 私、まじめに聞いているんですよ。いいですか。あなた方がつくった宗教法人法というのはお寺さんが見るでしょう、宗教法人はみんな、どんな法律になったのかな、これに従わぬといかぬと言って。中には、この前自民党の先生方がおっしゃった鎮守の森の神主さんとかいろんな方がいらっしゃるわけですよ。そういう人にもわかるように言ってあげなきゃいけないでしょう。正当な利益と言ってもわからないわけですよ。説明してあげるとしたらどういうふうに説明してあげますか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この条項の解釈につきまして先生からおしかりをいただいているわけでございますけれども、私は、法律に規定していることの概念といいますかその意味を御説明申し上げているわけでございまして、ぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。  まさに、正当な利益といいますのは、例えば見せてほしいという書類が財産目録であったり収支計算書だったりさまざまなものがあるわけでございますけれども、その書類を見るについて法律上の正当な利益がある。なぜこの財産目録をその方が見せると言わなければいけないのか。そのことについて法律上の正当な利益があるかどうかということを申し上げているわけでございますから、それはぜひ御理解を賜りたいと思うのでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 だから、宗教法人が判断するというんだけれども、そうしたら、閲覧者が来たら、正当な利益かどうか宗教法人が判断できるというんでしょう。正当な利益というものがわからなかったら、お寺さんとか神社さんに判断できないじゃないですか。それさえも示すことができないんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) この備えつけ書類の具体的な中身がそれぞれ違うわけでございますけれども、その書類を見るについて正当な利益を有するかどうかということが問題になるわけでございまして、先生のお気持ちはわからないではないわけでございますけれども、私どもの方としては個別の問題で、例えばこういうケースでこの書類を見るのがどうかということについて、それが法律上の正当な利益があるかどうか、そこのところを宗教法人にもちろん御判断いただくわけでございますが、さまざまな事例がございますので、ある程度の例示は私どもできるだけ示したいと思いますけれども、最終的には個別の、例えば信者の方と宗教法人との側でどんなことが問題になっていて、なぜその書類を見なければいけないのか。その書類を見た後でどう使われるのかということ等については、宗教法人が見せろというふうに来られた場合にいろいろお尋ねになって、そういうことであれば正当な利益があるし不当な目的でもないと、それじゃお見せしましょうということで事務所備えつけの書類をお見せするということでございますから、本当にそんなに御心配は要らないのではないか。  私どもとしても、できるだけそういった事例をお示しいたしまして、宗教法人の方々が御心配にならないようなある程度の事例はお示しいたしますけれども、いずれにしても個別具体的なものでございますから、すべてを示すというのは非常に難しいということを御理解賜りたいと思うわけでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 いや、私はあなたの答弁を聞いてますます心配になりますよ。信者その他の利害、これも本当はあいまいなんですよ、利害関係なんという言葉自体が。それから正当な利益、これ自体もあいまいなんだ。私は民法でどのくらいあるかなと思ったら本文になかったですよ、正当な利益という言葉は。附則のところで一個出てきた。  ついでに言いますと、不当な目的というでしょう。こんなものは普通出てこないんですよ。不当な目的がどんな場合に出てくるかといったら、例えば相手が、請求者が不当な目的の場合には請求を拒否できるという、ちょっと形は違いますけれども、こういう形で規定しであるものは調べたら四つあったんです。その判断主体は、例えば住民基本台帳等ですから、市町村長とか通産大臣とか、全部こういう公の機関なんです。私人がそういうものを判断するというのはなかったんですよ。なぜか、やっぱりこれはプロでないと、公の機関が同じ業務を反復継続しているし、だから判断できることなんですよ。私人にこんな不法な目的かどうか、これは無理なんですよ。そうすると、信者その他利害関係人もはっきりしない、正当な利益もはっきりしない。抽象的でしょう。不当な目的、これもはっきりしない。どうやって宗教法人がこれを判断するんですか、閲覧しにきたときに。これを私は言っているんです。  例えば最後の縛り、不当な目的でないこと、これを判断しなきゃいけない。そうすると、これまであなたはもう言っておられるからこれを引用すると、例えば宗教法人が一般に公開していない情報を情報屋に売るような場合でも、これも一つはまりますね。それで、そういう人が来たときに、宗教法人がどうやってそれを見破れるんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 不当な目的について、例えば法律の規定としては、住民基本台帳法であるとか戸籍法であるとか、さまざまな法を私どもの方も一応調べはいたしましたのでございますけれども、この不当な目的というのを入れましたのは、閲覧請求について、いわゆる総会屋的な方がまさに法人を害する目的で見せろというものに対して、宗教法人はきちっとした論理で断らなければいけないということをもちろん考えたわけでございます。その場合に、まさに正当な利益があって不当な目的がないという、正当な利益があるという前段の縛りと、それから後段の不当な目的という縛り、両方かけまして、宗教法人がいたずらに御心配になることがないように条文上の配慮をしたつもりでございます。  ただ、不当目的ということが、それは普通のお寺のお坊さんにはそう簡単にわからないではないか、正当な利益もわからないではないかということは、確かにそういう部分があると思いますので、私どもとしてはできるだけこういう事例をお示しするといいますか、具体的な事例等についてお示しをして、なるべくそういった御心配がなくなるように配慮はしたいと思うのでございます。

大森礼子平成会

○大森礼子君 これから配慮するんだったらこれまでに配慮してほしかったですよ。こんなに急いでつくることはないんですよ、こんな不備な法律を。  それで、不当な目的を持っている者が閲覧に来るときに、不当な目的という看板を掲げてくるわけじゃないんですから、わからないでしょう。不当な目的を持っている者はそれを隠そうとして来るんですよ、隠してくるんですよ。適用を受けるのは素人の国民なんですよ。素人にはわからないんですよ、これは。どうやって判断するんですか。できる場合もあるよ、もちろん。ありますけれども、相手が上手に来た場合に。こういう法律をつくるときには、こういう具体的場面を、お寺さんと閲覧請求者がぶつかったときにどういうふうにお互いが判断するか、いい解決法になるのかと、ここまで考えなきゃいけないんですよ。  それで、もしそこで向こうが上手に隠して不当な目的を見抜けなかったら、相手は情報を得てしまうんですよ。不当目的が達成されてしまうんですよ。ああそんな目的だったかと後でわかっても遅いんですよ。そのときには情報がどんどん外へ出てしまう、悪用されてしまう。回復不能ですよ。いいですか、この閲覧請求権というものは管理運営の適正のためだというけれども、このままだと逆に混乱を起こして宗教法人の管理を不適正な保ものにしちゃうんですよ、私が言いたいのは。  それから、さっきの不当だというんだけれども、不当という言葉について辞書を引きました。定義の定めがある場合は少ないが、何が不当かを判定することはそう簡単ではないと、こういうふうに法令用語辞典には書いてあるんですよ。こういう不明確なものをあなた方はいっぱい入れているんですよ。  それで、債権者は債権譲渡もあるんですから、代理だってできるわけなんですから、どんな人が来るかわからないんですよ。怪しいなと思っても証拠がなかったら、確証がなかったら、断った場合、例えば相手が裁判すると言われたときにこちらは裁判に応じなきゃいけないんですよ。弁護士費用だってかかるんですよ。いや、今与党の議員さん笑ったけれども、いいですか、田舎のお寺、これは小規模法人関係ないんだから、合弁護士費用、着手金御存じですか。田舎で三十万とか五十万かかるんですわ。これが一つの法人にとってどれだけ大きな負担になるかという、これがわかるかどうか、これが国会議員だと思うんですよ。全然わかっていない、与党は。全然わかっていないよ。  こうなると、本来は見せるべきじゃないと思うんだけれども証拠がない、そうすると見せざるを得ないと。見せた後も悪用されるんじゃないかと思うと。こうやって宗教法人を進むも退くもできないような進退両難の立場に置くんですよ、下手に運用されたら。だから私は、これはむしろ宗教法人の中のいろんな規模があるんですから、適正な運営という、逆の結果を出すと思いますよ。こんなの庶民だったらわかるんですよ。案外議員を何年もやっているとそういう庶民感覚がなくなるんですよ。  いずれにしましても、一つ言いたいのは、宗教法人というのは信者をたくさん教化育成したいわけです、広げたい。広げると、こういうあれがありますと萎縮効果があるんですよ。そもそも宗教活動というものを萎縮させてしまうと。これも憲法二十条の信教の自由の侵害になると私は思います。平成会が反対するのはこうだからなんですよ。(「被害妄想」と呼ぶ者あり)ああ何とでも言いなさい。  最後に、皆さんに聞いていただきたいものがある。昭和二十六年三月二十四日の衆議院文部委員会議録というのがあります。これを読んで感動しました。この宗教法人法について要するに反対か賛成かの討論、渡部さんという委員の方がこうおっしゃっているんです。  この方は、宗教法人法はとてもいい、よくできた現行の宗教法人法と言われているんだけれども、それでも反対しているんですよ。その理由は、第一に、この法案によって宗教団体が不公平な処遇を受けるような規定があるということです。例として挙げているのが、礼拝の施設を持つ、これが条件になっている。礼拝の施設を持たない宗教団体だってある、そういうものを疎外してしまうと。だから反対しているんです。  それから、こういうことも言っておられます。  ことに宗教人にとって警戒しなければならないことは、この法案の中には、宗教の統制ないし干渉、つまり政治による宗教への関与を憂えしめるような条項が多々あるということであります。たとえば認証者が文部大臣であるということでありますが、と。文部大臣は審査委員会を選任するんだからいいと言うんだけれども、将来大臣がかわったような場合には、その大臣の意思や行動を規定するのは、文部大臣の公約ではないのでありまして、それは明らかにこの法文自体であるということを、われわれは銘記しなければならぬわけであります。と。  そして、八十一条の一ないし二号について、公共の福祉とか逸脱しとか、こういうあいまいな基準にすると、要するにその判断を政府にされると宗教法人にとって危険であると、こういうことも指摘されております。そして、政府の基本的な政策や、政府の見解に反するような宗教団体の活動は、許されないという結果にならざるを得ません。この点、最も宗教人として警戒しなければならぬと、こういうふうに指摘しておられます。そして、人類の救済が、宗教の本来的な使命とされているわけであります。その結果、宗教的な精神は、ときとして、しばしば時の政府の基本的な政策にも反し、その予期にも反し、これに抵抗し、あるいはこれを越えて力強い社会的な活動をしなければならぬ場合があるのであり、また世界の歴史は、古今を通じて、時の政府のはげしい干渉と弾圧のもとで、しかもその精神とその使命とを貫くために、非常におびただしい清い血を流したということを示しております。少し飛んで、もし宗教的な精神がほんとうに自己を貫いて行くためには、時の権力に対して、このような歴史的な事実を、今後もとらざるを得ない場合が多いでありましょう。そうして、もしも宗教的な精神がその精神を失った場合には、宗教そのものはすでに死滅するのであります。  もしも宗教が、時の政府の基本的な政策や希望に従わなければ存在を許されない、その活動を許されないというようなことが、法案の中にみじんでもあるとするならば、私は反対すると。 こういうことで反対しておられるんです。二十六年なんです。もう時間がありませんからすぐやめます。昭和二十六年の国会議員の方の反対の意見なんです。    〔理事松浦功君退席、委員長着席〕  社会が変わったという、四十四年たったら変わりますよ。社会が変わったんじゃないんですよ。基本的人権というものに対する国会議員の意識が変わったんだと私は思います。だから、平成会は反対いたします。  なお、この渡部委員というのは共産党の方であります。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表いたしまして質問をさせていただきたいというふうに思います。  大変法律的な、細部にわたる大森委員の質問でございました。私の方は市民感覚と申しましょうか、市民的立場に立って、今大変国会に注目をしております国民の、市民意識の立場に立って幾つか政府、所管大臣等にお尋ねさせていただきたいというふうに思います。  この宗教法人法一部改正が参議院の方に付託をされまして、冒頭の本会議で趣旨説明を大臣がされた後、私は社会党・護憲民主連合を代表いたしまして幾つかの点につきましてたださせていただきました。おおむねその点につきまして、幾つかもうこの特別委員会でも議論が続いているところでございますので、そこら辺についても自分自身も整理をさせていただきながら、以下お尋ねさせていただきたいというふうに思います。  それにしましても、やはりただいままでの、とりわけ、委員の方々の御質問を伺っていても、なぜ今回宗教法人法を一部改正することに至ったのかということについてどの党の方も前置きでやられますけれども、この基本的な立場、スタンスというのをやはりきちっと押さえるということが何よりも大切ではないかというふうに思っております。  私は、この二十二日の本会議におきまして、このオウム真理教による一連の事件を契機として、国民は、宗教法人は一度認証されると外部から全くその実態が把握できなくなるのはなぜかという疑問がありますということ、さらに、お布施の名目で集めた非課税の巨額な資金が凶悪犯罪に使われていたことへの怒りを感じているということ、そして、オウムに限らず、専ら収益事業を行う団体、詐欺的商法の横行、そして脱税、宗教法人自体の売買など、宗教法人の不祥事も相次いでいる。さらに、税の優遇を受ける以上、経理をオープンにすべきだ、そしてみずからの公益性を明らかに示すべきだ、宗教法人法にも不備があれば見直しを行うべきだというのが大勢の世論であるということ、これが大前提であるということについて、これにこたえることが政治の使命だと、こういう実は見解をたださせていただきました。  総理大臣からもそれらにつきまして、文部大臣もるる答弁がございますけれども、昭和二十六年以来の制定からの経過について同じように総理大臣からのお答えがございました。ともかく、宗教法人がその目的に沿って活動しているかどうか、所轄庁が継続的に把握をしていく、所轄庁として責任を適正に果たすことができるようにするということ、宗教法人の管理運営の民主性、透明性を高め、真に信教の自由を保障することで必要最小限の改正をするということで、これは国民世論にこたえるということですということであります。これは、政府がずっと答えることは。私は質問と政府答弁両方を言っているわけでございます。  これは週刊誌ではなくて、日本の三大新聞あるいは経済新聞の幾つかの社説が、ここもう何カ月にわたりましてこの宗教法人法を考えるということで宗教と社会のあるべき姿、もうたびたび出ております。  九月十九日付の日経によりますと、「宗教法人の情報開示促す法律改正を」、あるいは九月三十日付の毎日新聞、「透明度を深めるのは当然」だという見出し、同じく二十三日の読売新聞の社説におきましても、「宗教法人の透明性を高めよう」、十月に入りましても「透明で自律的な宗教法人を」、そして「宗教法人法で議論尽くせ」等々ございます。これらは、私は、新聞社の社説というのは大変多くの読者、国民の意を酌んで、実はそれぞれの社が責任を持って見解を述べているということで、いつも注目をさせていただいているところでございます。  したがいまして、まさに私は、今回の法改正の提案が、さまざまな市民、国民が持つ疑惑をやはり積極的に受けとめ、こたえていくということでの最低限の法改正であるということについて、もう既に答弁があるところでございますので、まずそのことについて改めて整理をさせていただきたいというふうに思います。  その上で、税制、そして閲覧制度、帳簿類の備えつけ等、これは言ってみれば公共性とか透明性、これらについて具体的に明記をしていこうということだというふうに思います。  とりわけ、この宗教法人に対する税制論議につきましては、午前中の楢崎委員、そして私どもの先般の総括質問での峰崎委員、私自身も本会議でこの税制問題について指摘をさせていただきました。早速、総理あるいは大蔵大臣が今回の宗教法人等公益法人の課税の適正化ということで前向きに答えられ、みなし寄附金等について、次期ということで来年度の税制改正に最大限間に合わせていきたいということで、これらについては緒についたというふうにまず私は受けとめさせていただきたいというふうに思います。  その上で、さらにこの透明性の問題で、今ございました二十五条、信者等の閲覧の問題、これらについて触れさせていただきたいというふうに思います。  その前に、これも私が本会議で指摘させていただいた内容でございますけれども、一九五八年、昭和三十三年の宗教法人審議会の答申に対してこたえられなかったということについて、これも昨日、自民党の鎌田委員から大変長きにわたりまして指摘がありました。今回法改正をお願いしております宗教法人法の一部改正についてはということで、今度は形としてその答申の趣旨も十分酌まれているという回答を期待したんだけれども、そうではなかったというような答弁だったというのが非常に残念で、注意を申し上げておきたいというふうに言われておりました。  私は、この注意という言葉に加えて、やはり政府のこの間の長期にわたりしてこなかったということについて、るる努力はあったと、長きにわたりいろいろあったと思うんですけれども、やはり今回の法改正が最低限でということならば、この長期にわたる期間、少なくとも政府の所管大臣として、国民に対してその責任問題と申しましょうか、そのことについてどうお考えなのか、まず冒頭伺いたいと思います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) ただいま御指摘がありましたように、現在、私は所管大臣といたしまして、今までの宗教法人法は、今御指摘があったように昭和三十二年の答申以来そのまま放置されたことが正しかったのかどうか、やはり政治が勇断を持って時代に即応した法の改正をすべきではなかったんだろうか、この点については率直に私もそのように考えます。  しかしながら、当時の社会や宗教界の実態というのは今日とは大分異なっておったこともまた事実でございまして、法改正には至らなかった。その後、宗教法人の管理運営の適正を期するための施策等の充実を図っていくこととし、文部省では、宗教法人の事務能力の向上や管理運営の適正化に資するため、研修の充実等は図ってきたところであります。しかしながら法改正には至らなかった、これが現実です。  その後、四十年近く経過いたしまして、社会状況、宗教法人の実態も大きく変化いたしましたし、制度が実態に合わない面が生じており、国民からもその見直しを図るべきであると。特にオウム真理教事件を契機として、この声は、最近の高い世論調査に見られるように、国民の意思をもはや無視していたらまさに政治、行政の怠慢を問われるところでありますので、今回、法改正をお願いしているところであります。  その意味で、文部省としては宗教法人審議会の報告を尊重し、信教の自由と政教分離の原則を遵守しつつ、宗教法人制度のより適正な運用を確保するため、宗教法人法について最小限の改正を行う必要があると考えているところであります。  なお、昭和三十三年から確かに長い時間が経過しておりますが、私としては今回提出した法案について速やかに御審議いただき、ぜひとも今国会で成立させていただきたい、こう考えているところであります。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 これだけ議論していることですから、憲法上、信教の自由等を慎重に議論をしなきゃならないという大変重要な法律だと思います。  ただ、やはり国民の声というのは、今日なぜということについて、長きにわたりということがあるわけで、ずっと島村大臣が文部大臣じゃないから、過去私はそうではなかったということについて責任はないわけですけれども、ここであえて申しわけなかったとか何かという、私そのことを聞くつもりはございませんけれども、やっぱり国民に、長期にわたりましたということについて、今次最小限改正を提案しておりますけれども、なぜということについて、やっぱりずっとつきまとっていますので、これはそういう所信というのは、私にというより国民に政府として、きょうは総理大臣いらっしゃいませんけれども、そんな気持ちも含めて大臣いかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私も委員と全く同じ考えてあります。事実私は、政治家としてはその良心に従った言動をいたしてきたつもりであります。  しかし、そうはいってもこのまま放置しておったのでは、まさに法で治める法治国家でない、いわゆる放置自転車の放置国家になってしまうと、こう申しておるところでございます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 そこで、たびたび来、この税制問題で宗教法人法、この宗教法人法の第一条でございます。現行法の宗教団体が法人となり得る根拠でございます。この法律は、もう言うまでもなく、宗教団体に法人格を与え、そして、宗教法人が自由で自主的な活動をするための物的基礎を確立させる、このことだというふうに思います。  さらにもう一つ、私は宗教法人の責任を明確に押していくということ、そしてその公共性に配慮することも忘れてはならないんだという、このことがやはり基本的な現行法の体系の柱だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) そのとおりであると考えます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 言ってみれば、宗教法人は宗教団体に経済的な安定性を与えるものだと、その公益性ゆえに公益法人として認めて税の優遇がされているということで、先ほど来の税制の議論があったというふうに思います。  そして、この法人のさらに認証の仕方でございますけれども、宗教法人の場合は、所轄庁がこれはもう言うまでもなく法的要件の充足を認証する、これになっていくわけですけれども、言ってみれば、許認可主義ではないですよということで、準則主義をとっているということだというふうに思います。言ってみれば、法律の定める要件を具備する社団及び財団が設立行為を全うすることによって直ちに法人格を取得する、こういうふうに理解をして、準則主義をとっている法人の認証なんだと、宗教法人の場合は。こういうふうに理解させていただいているんですが、よろしいですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 御指摘のとおり、宗教団体であること、規則が宗教法人その他の法令の規定に適合していること、設立の手続が宗教法人法の規定に従っていること、この三つの要件を、いわば客観的要件が整っていれば認証を決定しなければならない、こんな感じでございます。  先ほど、たしか保坂委員の御質問の際に披瀝されましたけれども、この考えがありますと、仮にいろいろな問題があるからといって認証を滞らせていますと、ほかの都道府県で簡単に認証を得てしまうというようなことも起きるわけでありまして、やはりこういう点は問題だったのではないかと思っております。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 これは衆議院でもこの辺についてはきちんと整理立てをされてきているというふうに思いますが、とりわけ私は、以下若干まだ伺いますけれども、例えば法人である会社の設立は、国からの恩典やそれから特権なども付与に意味しないことは言うまでもないと思うんです。  ところが、宗教団体の場合は、今準則主義をとりまして、この事実確認であって、法人の認証をしているということで、法人となれば自動的に優遇税制を受けられる、こういうことで、ですから宗教法人に優遇税制があるということは、法人だからということもあるでしょうが、とりわけこの公共性のためで、だから少なくともその実態もまさに公正でなければならないということがまずこの宗教法人法の法律の体系上の目的から来る位置づけだというふうに私は思っているところでございます。  そういうことで、私はこの公共性ということに立ちますと、先ほど来の税制度の問題もございますし、そして開かれた形と申しましょうか、国民、市民に開かれた形、とりわけ今回、いろいろ過去にも、例えば閲覧問題で裁判上で争点になって争われた部分についても具備をされてくるということについて、そういう意味では大変前進をしているというふうに私は評価をさせていただきたいというふうに思っております。  そこで、これは昨年、平成六年三月二十三日、東京高裁でございますけれども、「宗教法人である寺の檀信徒が宗教法人法二五条二項に規定する会計帳簿等の閲覧・謄写請求権を有するとされた事例」ということで、私の手元に実は判決の内容がございます。  時間の関係もありますからずっと読むことはできませんが、要は宗教法人であるお寺さんの檀信徒が寺院に対し会計帳簿等の閲覧謄写を求めた、権利能力なき社団である檀信徒会に対してもその会計帳簿等の閲覧謄写を求めたけれども、檀信徒にはこれら会計帳簿等の閲覧謄写の請求権がないとしてこれを退けた原判決を取り消し、檀信徒の請求を一部認容したものであるということ。これはかつてそれと反対に定めた規定がないことをということで東京高裁の昭和六十三年九月二十八日、やはり控訴審で判決が出ているということで実は対立している。しかし、こちらの方が至近な判例でございます。言ってみれば賛成をしているわけでございますけれども、とにかくこれは閲覧について認めるということ、さらには謄写についても、場所等の問題もございますけれども、これは判例として出ております。  したがって、私は、かつてこの同じ東京高裁であってもそうではなかったと、認めていないと、今回は認めたということで、いろいろ背景上、壇信徒、いろんな関係はあるかもわかりませんが、結論的にこういうことが今回の宗教法人法の改正によって位置づけられていくということ、こういうふうに受けとめたいんですけれども、よろしいでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 閲覧請求権につきまして、御指摘のとおり、東京高裁の判決が二つございます。お話がございましたように、六十二年のものは寺院の檀信徒について備えつけ書類の閲覧請求権を否定いたしておりますけれども、平成六年三月のは、先ほどのお話にございましたとおり、寺院の壇信徒について備えつけ書類の閲覧請求権を肯定したものでございます。  私どもとしては、こういった二通りの判決もございまして、この点をやっぱり明らかにする必要があるということも今回の審議会で議論になった部分なのでございますけれども、最終的にはこの法二十五条第二項の備えつけ書類の閲覧請求を認めると。もちろん、正当な利益があり、かつ不当な目的でない信者その他の利害関係人でございますけれども、こういった判例上の争いに終止符を打つものだというふうに考えておるところでございます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 ということで、法廷で争われた信徒とそうではないということで、今の説明で、今回についての法改正で要件として備わっていくということについて、私は積極的に受けとめさせていただきたいというふうに思います。  そこで、同じ法改正の中に、これも質問の中でいろいろ述べられたのには入っておりますが、ぜひ御答弁もいただければなというふうに思います。それはいわゆる過料でございます。過料が事務所備えつけ書類の見直し、所轄庁への提出、二十五条関係で、現行法では二十五条に規定する書類、帳簿の作成もしくは備えつけを怠り、または同条第二項各号に掲げる書類、帳簿に不実の記載をしたときは、宗教法人の代表役員等を一万円以下の過料に処することになっているが、これは八十八条ですが、新たに備えつけが義務づけられた書類を作成しなかったときや、書類の写しの提出義務、第二十五条四項を怠ったときなどにも同様の罰則を設けることとしている。  いずれにしましても、この一万円の過料というのが、この法改正ではそのままになっておりますね。二十六年ですか、制定したときの資料なんですけれども、八十八条、八十九条の罰則が一万円以下の過料、八十八条が軽過ぎるという質問もあった。ということで、このときにもこの過料が低いかということについての議論があるんですけれども、これについては、今度の審議会とか、その審議会以降の論議の過程の中で何か対象になったものなんでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 過料が一万円、非常に安いのではないかという御指摘だと理解するわけでございますけれども、この宗教法人法八十八条に定めます過料の額は一万円以下ということで、御指摘のように法律の制定以来この金額を上げてはいないわけでございます。  ただ、これは過料ということでございます。額は寡少でございますけれども、宗教法人にとりましては、こういった過料を科せられるということはやはり大変不名誉なことでございます。過料をかけられるというのは非常に不名誉なことでございますので、金額は少ないわけでございますけれども、この規定があることで大きな抑止力、抑制力になっていると私どもとしては考えているところでございます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 なければいいわけですから、むしろ。  ただ、制定以来変わらないということについて、幾らがいいかということは議論になりますからこれ以上私も言いませんけれども、例えば今回の法改正で、七十九条、八十条、八十一条に関する所轄庁の報告徴収及び質問、これは審議会に示して意見を聞いて、そして所轄庁が行くわけですけれども、求めにもかかわらず報告をせず、もしくは虚偽の報告をし、または所轄庁職員の質問に対して答弁をせず、虚偽の答弁をしたときは宗教法人の代表役員等を一万円以下の過料に処することができると。いろいろやることと結果のペナルティーというのが随分何か格差がある。しかし、それは御答弁で、社会的にそういうのは不名誉なことだといえば、一万円のペナルティー以上のものが科せられているんですよというふうに受けとめざるを得ないというふうに思いますが、これはやっていてもしょうがないので、この程度にしておきたいというふうに思います。  言ってみれば、ここの体系上の問題、公共性、税制のいろいろみなし寄附金制度についても今度手を加えていくわけでございますが、法のもとの平等、そしていわゆる税制措置の優遇、そして宗教法人の公益性、公共性を見ますと、公益に寄与しているということであるわけですから優遇を受けたい、しかし関与はだめですよということでは、社会的な通念上許されないことだというふうに思いますので、私はそのことを申し上げさせていただきまして次の質問に、項に入らさせていただきたいというふうに思います。    〔委員長退席、理事松浦功君着席〕  次に、いわゆる財産保全措置でございます。これも先ほど質疑もございました。そして、私もこの二十二日の本会議で指摘をさせていただきました。今回の改正案で大変残念なのは、解散命令に伴う財産保全措置が盛り込まれていないということであります。他の公益法人と異なって、宗教法人の場合は裁判所が解散命令を行うため確定までに時間がかかるということです。  そこで、先ほど来もオウム真理教のいろいろ議論もございました。オウム真理教に対しまして家宅捜査をいろいろしているわけですね。サリンの実験をした棟等がございますが、今、政府でどこの省庁かというのはなかなかよくわからないんですけれども、オウム真理教の財産というのはどの時点でどれだけあったというふうに把握をしているかということで、言ってみればその後の財産移動、財産隠しについて危惧するから聞くわけでございますけれども、東京、山梨、熊本あるいは横浜にもございます、全国トータルしてこの財産についてはどういうふうに把握をされていますか。

杉田和博警察庁警備局長

○政府委員(杉田和博君) オウムの所有いたします不動産は現時点においては約三十億でありまして、そしてその他これまで教団に対してなされたお布施の総額、これは百数十億と承知いたしております。ただ、現金等については、現在とのぐらいあるかはこれは把握をいたしておりません。  なお、教団の財政でありますけれども、やはり布施の収入が大幅に減っておる、さらにまた訴訟の費用が大変かさんでいるということから、大変に逼迫をしておると承知いたしております。現在、上九一色村や富士山総本部におりました信者、これが東京や大阪でアルバイト等をして働いておるという実情にございます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 何年何月現在幾らあってというのは、今この質問ではそんなに必要ないんですけれども、例えば、いつの時点で幾らで、最新のはこのぐらいだという数字上の変化というのはお示しいただけるんですか。

杉田和博警察庁警備局長

○政府委員(杉田和博君) ここ数年で布施等は大変ふえておりますので、何年いつごろにどうだったかというのは今の時点では承知いたしておりません。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 とりわけやはり財産移動が気になるところです。これはもう他の委員の方々もるるいろんな指摘をされているというふうに思います。  とりわけ、九月九日付の毎日新聞に「消えた七億円と金塊」という大きな見出しで、さらに二十三日付でも「資金の流れはまだ闇の中」と。富士宮市の教団富士山総本部を家宅捜索しているうちに現金七億円と金塊が見つかった、さらにその後富士山総本部の大型金庫三個が現金ごとなくなった。最初に行ったときにはあったけれども、九月六日、「教団金庫番の女性幹部を犯人隠匿の疑いで逮捕した際、総本部を捜索したが、カネと金塊は消えていた。その行方は判明していない。」と、これは新聞の記述でございます。  ここに特段興味があるわけじゃないんですが、非常に大きな金額と金塊だということなんですね。そういうことなんでしょうか。

野田健警察庁刑事局長

○政府委員(野田健君) 静岡県富士宮市所在のオウム真理教の富士総本部第一サティアンに対する本年三月二十二日の最初の捜索、これはいわゆる仮谷さんの拉致監禁容疑事実で実施したものであります。その際、金塊と思われるものを発見しておりますが、差し押さえるべき対象物となっていなかったことから、これを押収しておりません。  その後、同富士総本部に対しては数次にわたり捜索を関係都県警察において実施しておりますが、五月初旬ころまでは同所に金塊と思われるものがあったのを確認しておりますけれども、その後金塊と思われるものの所在については承知しておりません。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 余り金塊金塊とやりたくないんですけれども、ちょっと今思いましたのは、私も実物を見たことがないんですけれども、よく刻印とかどこの国だとかなんとかというのがあるようなことを聞いたことあるんです。見たことがあると、それからその次はなかったということなんですが、見た方は国産だったのかどこだったのかというような、そんなことはおわかりなんですか。

野田健警察庁刑事局長

○政府委員(野田健君) 外見的に見ますと金塊と思われると。いわゆるインゴットでありますけれども、押収して分析等いたしているものでありませんので、金塊と思われるものと申し上げた次第であります。  刻印があったかどうかについては、手元に資料を持っておりませんので、ちょっと今わかりません。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 今、質疑の中でふと思いまして、どこの刻印なのかなと。出家信者、在家信者いろいろいますが、信者から大変多額な金品を取り、それを金塊にかえたというようなことなのか、あるいはまたどこかから金塊を持ってきた信者がいるのかどうか、大変興味のあるところだというふうに思います。いずれにしましても、また後ほどこの財産隠しについては伺わさせていただきます。  次の同じ項でございますけれども、指摘をさせていただくところに移ります。  私は、この解散命令に伴う財産保全措置が盛り込まれていないということで、宗教法人法には明確な規定がないということで大変残念だ、さらに特別立法を含めて法改正に向けて関係省庁の検討を急ぐべきだと、こう本会議で指摘をさせていただいています。きょうも文部大臣、法務大臣に御出席いただいています。結語としては実は同じようなお話でございました。島村大臣からは、関係省庁とも連携を図りつつ慎重に検討されるべき課題であると。それから宮澤法務大臣からも、慎重な検討を要する問題であるというふうに言われております。慎重に検討するというのはいいんですが、これは時間的な点もあろうと思うんですね、やはりあったものがなくなっていくというふうになります。  とりわけ、これは宮澤法務大臣からの答弁の中でも、個々の債権者らが裁判所の仮差押命令を得て財産保全を図ることができる、それから、オウム真理教の財産に対しましても現に一部でそのような措置がとられたというふうに聞いておりますということですが、そこで法務大臣にお伺いいたします。  現に一部でオウム真理教の財産に対してもそのような措置がとられたと聞いておるという答弁だったんですが、具体的にどういうような措置がとられたというふうに把握をされていますか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) そのとおりに私は理解をしております。具体的なお話でございますので政府委員から答弁をいたさせます。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) 私、民事局を所管する立場でございますが、民事局といたしましては、そういった問題についてはとりわけ調査をする立場にございませんので、新聞報道等によって承知している範囲内でそういう事実を承知しているということでございます。申しわけございません。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 そこでは手間取るつもりはなかったんですけれども、本会議で宮澤法務大臣が、オウム真理教の財産に対しましても現に一部でそのような措置がとられたと聞いておりますというお答えにしては、大臣は具体的なあれについては政府委員の方とおっしゃったんですけれども、その程度なのかね。そういうことで答弁されたということになりますと、例えば何々新聞ということで今私は社説なんかを言っているんですけれども、この辺はもう少し何か親切な答弁があってもいいんじゃないですか。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) まことに申しわけございませんけれども、私、民事局の所管の立場として承知しておらないわけでございまして、その限りで、私の立場からは申し上げられませんことをお許し願いたいと存じます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 これは文部省関係の方、わからないですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) まことに申しわけございませんが、私どもの方も所轄庁でないので、そのことははっきり確認はしておりません。ただ、そういった仮差し押さえ等が行われているということは聞いております。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 そこが本論へ入っていくところじゃないんで、その程度にしなきゃ当面はしょうがないと思います、答えるべき方がいらっしゃらないので。まあ野党じゃないので、与党ですから。  それで、要は私は、この財産保全の新たな立法措置を慎重に検討されるべきだ、課題だということについて、これをもっと積極的にということで言っているわけなんです。  現実に、霊視商法訴訟、茨城県の本覚寺あるいは福岡県の統一教会、これが和解とか裁判例で具体的にこれはございます。これが現実にこのような市民レベルで、宗教法人に対して市民から多額な返還の訴訟が起きて、長期にわたって、そして和解にしている事例とか、それから裁判所が支払いを命令している事例がある。現実に起きている事例ですね、これ。こういうことがあるからこそ私は、このオウムは現実的にもう白昼、白昼と申しましょうか、テレビ、新聞で本当に財産異動だということでありますから、大変大規模なわけですから、そういう意味で、私は新たな立法措置に結びつけたいということで、現実の事例として話をしておるんです。  たまたまこの茨城の本覚寺は五億円支払いで和解をした。新聞の見出しは「オウム布施返還に援軍」という、この記述まであるんですね。これは平成四年十一月二日に第一次の訴訟、そしてことし、平成七年五月三十一日に当事者間で和解になっております。約二年半、結果的には訴訟の取り下げをしているんです。  それから、統一教会、世界基督教統一神霊協会ですか、これは福岡献金訴訟、これは霊感商法に関するもので、福団地裁が献金額に慰謝料を含めた計三千七百六十万円の支払いを命じた。そして、先ほどの本覚寺については和解にしているわけでございます。  そういう意味で、私は、このような実態について、解散命令を行うまで時間がかかっていくということで、解散請求の時点で財産異動の凍結を行ってもいいのではないかというようなことまで思います。新たな立法措置について、再度、本会議に続きまして宮澤法務大臣にお伺いしたいと思うんです。  これはやはり緊急の課題であるということ。法務大臣として、これは文部大臣にお答えいただくより、法律をつかさどる法務大臣の見識、見識と言うと失礼ですね、この見解、このことがやっぱり一番大切だというふうに思いますので、新たな立法措置についてさらに積極的な答弁というのを私は期待したいんですけれども、いかがでしょうか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) 立法措置につきましては、本会議でも御答弁を申し上げましたけれども、いろいろな難しい問題がございますので、それで私はあえて「慎重な検討を要する問題である」ということを御答弁申し上げたわけでございます。  この種の問題は、先ほど幾つかの事例をお挙げになりましたけれども、申し上げるまでもなく本来民事の問題で、当事者間で解決をされるべき問題でございます。したがって、法務省が直ちに行政的な措置を講じるというわけにはまいらないことは御理解いただきたいのでございます。しかし、これは個人の権利の救済に関する重要な問題でございますので、法務省といたしましてもできるだけそめ解決に協力をしてまいりたい、できることがあればできるだけ積極的にお手伝いをいたしたい、こういうふうに考えております。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 市民のお手伝いをしたいという法務大臣の御答弁でございますけれども、これはやはり法制度上の問題なんですよ。時間がかかりますよ、かかっていますよということで、さらに私は司法の、裁判所の具体的事例で被害者の請求を認める和解が続いているということを受けて、私はもっと前向きにこの法制度を整備すべきではないかと。専門家にお聞きすればいろんな困難な点はあるんじゃないかというふうに思いますけれども、ともかくこの霊視商法訴訟で茨城県の本覚寺の例、あるいは福岡県の統一教会の例、これは最近の事例でございます。  その新たな立法措置に踏み込んでいく。あしたとかあさってとか、今ここで検討しますとは本会議で答弁したことですからなかなかできないにしましても、前向きな姿勢を感じ取れるような何かないでしょうか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○国務大臣(宮澤弘君) 十分な問題意識を持ってこれから考えていきたいと思います。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 ぜひオウム真理教、とりわけもう本当に財産異動というのはどんどんどんどんしていると日々国民というのは見ているわけでありまして、その傍らで、たまたまきょうは答弁側の方で、現に一部財産保全のための債権者の裁判所の差し押さえの事例について、具体的な事実についてこの中では明らかになっておりませんが、そのためにも一日も早く私は制度を確立するために格段の努力をお願いしたいというふうに思います。  とりわけ、今の答弁は所管大臣でございますけれども、本会議での文部大臣の答弁も、宗教法人審議会においても解散命令制度のあり方は検討すべき項目の一つには掲げられていたんだ、しかしながら、なかなか複雑で検討にはかなりの時間が必要だったということで優先的課題から違った項目になったということなんですね。  ですから、これで一つこの参議院の審議が終わり、一つのスケジュールというのがピリオドを打っていくということで、私は新たな道筋として、ぜひ次の課題としてこのことについて文部省としても取り上げていくということでの決意について伺いたいと思います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 自分で言うのもなんですけれども、私は何でも前向き積極的な人間だと思っております。そういう意味で、先ほど来いろいろ御質問や御提言を伺っておりますと、非常に私は考えにおいて一致するものを感じます。当然このことに関しての問題意識は持っておりますので、これから私の力の及ぶ限り前向きに取り組ませていただきたい、そう考えます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 この財産保全措置の質問の冒頭に七億円と金塊の話を出して、そして捜査に入って、その時点はあったけれどもなくなってしまったということを、今そういう財産保全で債権者が仮差押請求を出したというその人の気持ちになりますと、やっぱりいたたまれないと思うんです。  御答弁は結構なんですが、ぜひそういう気持ちを酌み取っていただきまして、なおかつ、たまたまオウムということで非常に多額なお金と金塊という例を出しましたけれども、たくさん全国にはこの例があるということでございます。その一例として霊視商法のお話をさせてもらいましたし、統一教会の支払い命令についても具体的事例として私は指摘をさせていただいたわけでございまして、前向き積極的な政府の取り組みをお願いしたいというふうに思います。  それからもう一つ、財産保全措置と同様に、いわゆる信者であった人が信者でなくなった、そしてこれは成人の場合とそれから未成年、子供たちの年齢によっていろいろ違うと思うんですが、このメンタルケアの必要性というのは今私は大切なことだというふうに思います、このオウム真理教に対して。心の部分でございますから大変難しい部分もあると思います。ですから、この部分では政府とかあるいは地方公共団体がどう具体的にやればいいのか、私も具体的な指摘というのはなかなかできない部分なんですが、今こちらにいらっしゃいます文部大臣、法務大臣に、このメンタルケアの必要性についてということの所管なのかどうかということについても今わからないんですけれども、これについては議論されているか、あるいは検討されているか、検討しようとしているか、伺いたいと思います。

小林敬治文部省体育局長

○政府委員(小林敬治君) お答えいたします。  これまでに保護されましたオウム真理教関係の子供たちがきょう現在で百十二人おります。その中には、既に保護者や親族、養護施設等に引き渡されまして元気に学校に通う者が八十四名ございます。なお、小中学生の学齢相当の者が八十七人でございますので、ほとんどが既に通学をしているという現状にございます。  しかし、子供によりましては、長期間にわたって学校教育を受けていない者もおり、年齢相当の学力がなかったり、基本的な生活慣習が身についていない、あるいは心の健康問題を抱えている者もあるというふうに聞いているところでございます。  そのため、文部省におきましては、保護された児童生徒の心の健康問題等につきまして、教育委員会、学校、児童相談所等が相互に緊密に連絡をとり合ったり、子供と保護者に対し面談を行うなど、関係機関との連携による対応を行うよう御指導申し上げてきたところでございます。  また、既に通学している児童生徒につきましては、担任の先生や養護教諭を初め、必要な場合には学校医などの専門家の協力もいただいて、学校全体として取り組むように御指導申し上げているところでございます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 私も具体的な事例についてまだ把握をしていないんですが、民間ボランティアでこういうメンタルケアの部分について何か受けとめているような、そんな組織というのかグループというんでしょうか、今たまたま文部省ですから児童とか生徒の部分なんでしょうけれども、そういうような団体があるとかなんかというのは御存じですか。

小林敬治文部省体育局長

○政府委員(小林敬治君) 今回のケースの場合には私ども承知をいたしておりませんが、阪神・淡路大震災の際には、臨床心理士の方たちがボランティアとして大活躍をしたというふうな報告をいただいております。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 総括質問のときの方がこれはよかったのかなという気がするんですが、大臣、今度のオウムの問題は、いろいろ各省庁間の連絡、いろんなことがございますよね。宗教法人法は文部省だとか、それから警察の関係、いろいろございますけれども、政府の中にオウム対策とかなんとか省庁間を横断的に協議する機関、対策機関というのは、あって私が失念しているのか、そういうのはあるんですか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) オウム真理教問題につきましては、内閣官房を中心に各省庁で、信者のアフターケアの問題、あるいは信者の就職の問題、それから警察関係の課題、あるいは厚生省、文部省それぞれの立場でオウム真理教問題対策の連絡会議がございまして、例えば山梨県の方からいろいろな御陳情を聞いて、それに対してそれぞれ各省でできる範囲で対応していくということを現在やっておるわけでございます。  さまざまなオウムの問題につきましては、各省庁でそれぞれの立場から対応していかなければいけない部分があるわけでございまして、政府全体の立場でそれは取り組んでおるところでございます。

齋藤勁日本社会党・護憲民主連合

○齋藤勁君 内部ですからなかなか外に見えてこないのかもわからないんですけれども、いろいろ連携づけがこれから必要だと思いますので、ぜひ十分連携づけていただいて対応していただきたいと思います。  時間もなくなりましたから最後にしますが、私は、過日、二十二日の本会議におきまして、衆議院の方では公聴会あるいは参考人等がとれなかったということだけではないんですけれども、冒頭述べました社説等で、国民世論もじっくり中身の議論をしてほしいと、必要に応じてやっぱり公聴会あるいは参考人という、これは本当に民意だというふうに思います。私どもも、公聴会をやって広く声を聞くということ、そして私どもの党も具体的な参考人の方々をやっぱり国会にお呼びして議論を深めよう、こういうことで実は考えて名会。派と今話し合いに入っているというふうに受けとめさせていただいています。  これは政府の方の答弁は必要ございませんけれども、ぜひ私はこういった方向で国民に理解していただくように、数々の公聴会、そしてまたそれぞれの関係者、責任者の方に参考人としてこの場へ来ていただいて、そして深め合っていくということ、そういうことでこの宗教法人法の一日も早い改正を望ませていただきたいというふうに思います。  終わりたいと思います。ありがとうございました。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。  今回の宗教法人法改正案に対して我が党は賛成であります。しかし、反対ないし危惧の念を抱いておられる方が宗教界におられるので、その疑念を晴らす意味で質問をしたいと思います。  日本キリスト教会大会靖国神社問題特別委員会と同人権委員会から私どものところにも要望書が寄せられています。内容を紹介してみますと、宗教法人法の「運用は、信教の自由、政教分離の原則に徹してなされるべきものであります。今回の「改正」案のような監視・調査の要素の強調はこ「「信教の自由の確保」という点からの逸脱であると考えられます。」とした上で、「今回の「改正」が、将来にわたって禍根を残すことになることを恐れるものであります。」と述べています。  私は、直接日本キリスト教会大会関係者にお会いしました。お話を伺ってみたんです。その中で明らかになったのは、戦後五十年たった今も、五十年前までの日本の侵略戦争と国内の暗黒支配、宗教と宗教者への弾圧の記憶が本当に生々しいということなんです。  御承知のように、戦前は思想・信条の自由、信教の自由が侵害された暗黒の時代でした。最も猛威を振るったのは治安維持法であり、日本共産党やその支持者だけではなく、自由主義者も弾圧され、検挙された方の数は約七万五千。そのうち、獄死を初め病死など、命を失った方の数は一千数百名と言われています。キリスト教を初め宗教者も治安維持法で弾圧を受けました。  私がお尋ねしたところでは、ホーリネス系教会のお話を伺うことができたのですが、キリスト再臨の教義を理由に弾圧を受けています。主の再臨のとき、天皇がキリストによって裁かれることは国体変革の危険思想と見られだからだと言います。教会では、特高警察臨席のもと、礼拝のときにまず最初に天皇と宮城礼拝を強要されたと言います。    〔理事松浦功君退席、委員長着席〕  日本キリスト教歴史大事典で調べてみました。一九四一年、この年に治安維持法が改悪をされて、「国体ヲ否定シ又ハ神宮若ハ皇室ノ尊厳ヲ冒涜スベキ事項ヲ流布スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シタル者又ハ結社ノ役員其ノ他指導者タル任務ニ従事シタル者ハ無期又八四年以上ノ懲役」、こういう文言が加わったわけです。全国で二百七十五のホーリネス教会が解散させられ、被検挙者百三十一名、起訴七十一名、実刑十四名、獄死された方七名という犠牲者が出ています。キリストと天皇とどちらが偉いかなどと質問され、天皇と答えなければ治安維持法違反、まさに心の自由が奪われていたんですね。  文部大臣に聞きたいのですが、今から思えば本当にひどい話だと思いませんか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 大変暗い、むなしい時代であった、ことだったと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 国家神道は民衆を服従させる重要な手段とされ、日本国内ばかりか朝鮮神社、台湾神社などなど、日本の征服地域の各地に神社がつくられました。これも文部大臣は御存じのことと思います。  こうした歴史の記憶に対し、今回の改正は信教の自由を侵害するものであっては絶対にならないと思いますが、文部大臣、どうでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 今回の法改正は、何度も申し上げますように、信教の自由、政教分離の原則を基本として、そしてその土台に立ってこの法改正を判断しておりますので、御懸念のようなことはないと私は確信いたします。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私は、戦後の歴代の政府が日本の侵略戦争に対する反省を示してこなかったことも、こうした不安がなくならない原因になっているんだと思うんです。  戦前、国家神道が国教的地位を与えられ、国民の信教の自由や思想・言論の自由が抑圧されて軍国主義体制が進められたというこの歴史的反省に立って、憲法の政教分離と信教の自由の原則が確立されたのではなかったでしょうか、文部大臣に伺います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) おっしゃるとおりでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 次に、宗教法人法改正案についての質問に入ります。  戦前の宗教団体法というのは、その第十六条で「宗教団体又ハ教師ノ行フ宗教ノ教義ノ宣布若ハ儀式ノ執行文ハ宗教上ノ行事ガ安寧秩序ヲ妨ゲ又ハ臣民タルノ義務ニ背クドキハ主務大臣ハ之ヲ制限シ若ハ禁止シ、教師ノ業務ヲ停止シ又八宗教団体ノ設立ノ認可ヲ取消スコトヲ得」と定めており、宗教の教義や儀式、行事を直接規制の対象としていました。  実際、法制定当時の政府の説明も、「若シモ宗教団体或ハ教師等ガ、教義ノ上カラ我ガ国ニ於テ神社参拝ヲ拒ムヤウナ、或八人ヲ参拝サセナイヤウナ著シモサウ云フ不料簡ナ真似ヲスルヤウデゴザイマスレバ、ソレハ明カニ安寧秩序ヲ素ス者デアルこ、こういうものでした。  この宗教団体法と宗教法人法の根本的な違いはどこにありますか、文部大臣、お願いします。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 戦前の宗教団体法でございますけれども、昭和十四年に制定されたものでございます。これは宗教団体の地位及びこれに対する保護監督の関係を明確ならしめる、そしてその健全な発達並びに教化機能の増進を図るということを目的として制定されたものでございます。文部大臣に宗教団体に対する監督、調査、認可の取り消し等の権限が規定されているなど、非常に強い監督規定が置かれていた法律でございます。  現在の宗教法人法は、先ほど来御論議がございますように、こういった宗教団体法のような強い監督規定は全く置いておりません。認証制度を設けまして、法令に適合している場合には認証をするという建前で成り立っておりますし、責任役員制度、公告制度などを規定しておりまして、憲法の定める信教の自由と政教分離の原則にのっとって、法人の自由と自主性を尊重する、そして責任と公共性にも期待する、こういう法体系になっておるわけでございます。  両法律の根本的な違いでございますけれども、宗教団体法の時点では、旧憲法下での信教の自由にももちろん制限があったわけでございまして、戦時体制下にできたということもございます。現行法は、そういったことに深く反省を加えまして、信教の自由を初め基本的人権の尊重を柱とした新しい憲法のもとで制定されたものでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 つまり、戦前の宗教団体法というのは、宗教上の教義、それから礼拝、儀式または行事など、そこにも国家の介入があったということです。  それで、戦後の宗教法人法というのはそれは一切ないということですね。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 戦前の反省にかんがみまして、新憲法のもとで、宗教団体の自由と自主性、さらには責任と公共性を基本として成り立っておる法律でございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 宗教法人法の基本的性格に関してもう一つ、法の制定時にさかのぼって伺いたいことがあります。  会議録によると、当時の天野国務大臣はその説明の中で、  この法律の目的といたしますところは、宗教団体に法人格を与え、宗教法人が自由で、かつ自主的な活動をするための物的基礎を獲得させることであります。これがためには、あくまでも信教の自由と政教分離の原則を、基本としなければならないと考えます。それとともに、宗教法人の責任を明確にし、かつその公共性に配慮を払うこともまた忘れられてはならないのであります。このような趣旨から、この法律案は、常に自由と自主性、責任と公共性、この二つの請を骨子として、全体系が組み立てられてあるのであります。と述べています。政府委員もその説明の中で、この法案の目的は、  宗教団体の財産権の主体性を明らかにすることであります。これがためには、あくまでも信教自由の原則、ひいてはそれが国政との関係において生ずる政教分離の原則を十分に考慮しなければならないと考えます。このことは、自由の尊重とともに、責任の明確化と公共性の配慮ということが必要となつて参るのであります。と述べています。  この考え方は、現在の政府も変わりありませんね。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 今回の法改正に当たりましては、宗教法人審議会におきましても、現行宗教法人法の基本は維持するということでございまして、先ほどお話がございました天野大臣の提案理由説明、それから政府委員の提案理由補足説明をお述べになりましたけれども、そういった精神は全く変わりがございません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 所轄庁についてなんですけれども、審議の中で政府委員が、例えば、  所轄庁は、この法の運営につきましては、当然責任がある関係上、ここに解散事由として、解散命令の理由として挙げてある法令の違反とか、公共の福祉に反するとか、あるいは特定の恩典を与えて宗教活動を全からしめておるゆえんのものを逸脱する、あるいは宗教法人が民法の一種の公益法人の性格を逸脱する、こういう向きのものにつきましては、公益性という角度から申しまして、所轄庁も十分な関心を必要とするわけであります。 と説明しています。つまり、宗教法人法は制定のそのときからノーサポート・ノーコントロールではないということが明らかだと思うんです。宗教法人の公共性と責任、所轄庁の責任と関心を求めていたんですね、文部大臣に伺います。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) ノーサポート・ノーコントロールというのがどのような趣旨であるか必ずしも明確でないという場合もあるわけでございますけれども、御指摘ございましたように、宗教法人法は、宗教団体の目的達成に資するため宗教団体に法人格を与える、そして先ほど来お話がございますように、自由と自主性、責任と公共性、この二つを柱として成り立っているものでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 今回の宗教法人法の改正は必要最小限のものと説明がされています。法の基本的性格の大事な側面、つまり第一条は「この法律のいかなる規定も、個人、集団又は団体が、その保障された自由に基いて、教義をひろめ、儀式行事を行い、その他宗教上の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない。」と定めていますが、これが脅かされるのではないかという危惧が宗教関係者の中にはあります。例えば、改正案によって作成と備えつけ、所轄庁への提出が義務づけられた収支計算書や、同じく今回の改正案で盛り込まれた質問権、閲覧権の規定で宗教活動の内容に踏み込まれないかという心配です。  そこで伺いますが、収支計算書により伝道、布教の具体的内容まで調査され規制されることはありませんね。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 今回、法改正でお願いしております例えば収支計算書の提出をお願いするわけでございますけれども、この中には例えば宗教活動収入あるいは宗教活動支出といったような科目が当然入ってくると思うわけでございます。ただこれは、私どもがお願いしております趣旨としては、一会計年度におきます総体としての収支の状況が計数で記載されればいい、一会計年度におきます総体としての収入の状況を把握できればいいということでございまして、個別の宗教活動あるいは信教の自由に関する部分について、そういったものを特に求めるというものではございません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 収支計算書を提出させるに際して、例えば附属書類という形で個々人のお布施の額などそういうものを提出させるようなことも当然ありませんね。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) あくまでも収支計算書という形で一会計年度におきます総体としての収入を計数でいただくというものでございます。  そして、なお、念のためでございますけれども、この提出資料をいただく二十五条の規定には第五項の規定がございまして、「所轄庁は、前項の規定により提出された書類」、収支計算書等を取り扱う場合でございますけれども、「宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。」という規定も置かれているわけでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 質問権や報告を求める権限についてはどうでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 質問をする場合、それから報告を徴収する場合、先ほど来御論議に出ておりますけれども、七十九条、八十条、八十一条に関して疑わしいという場合にそういったことを行うわけでございますけれども、この場合におきましても、七十八条の二の第一項でございますが、当該宗教法人の業務または事業の管理運営に関する事項に関し、宗教法人に対し報告を求め、または質問させることができるということがあるわけでございます。  この規定についてはなお第四項がございまして、先ほど申し上げましたと同じように、「報告を求め、又は当該職員に質問させる場合には、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。」という規定も置かれておるわけでございまして、これらの規定は所轄庁として当然十分留意して対応しなければならないものというふうに考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 次に、税務行政との関係についてです。  宗教法人というのは税制上優遇されていて僧侶なども潤っていると思われがちですが、約十八万四千もの宗教法人の中には零細なものがたくさんあろうかと思います。実際、私の地元の埼玉県内の農村部にも高校教師を定年退職した方が無給で住職をやり、奥さんに月々たった五万円の給与を渡すのが精いっぱい、こういう例があります。こういうお寺にも予告なしに突然税務署の職員が来るというんです。また、お寺に対する税務調査の中には、住職や家族の預金通帳はもとより、過去帳まで見せるように求められる場合があるといいます。過去帳というのは、明治時代はもとより、それ以前からの亡くなって埋葬された方の名前や年齢や家族や法名などが書いてあって、個人のプライバシーにかかわるものですから、見せるわけにはいかないのに閲覧を強要されるといいます。  一部の巨大宗教法人が政党支持、選挙活動を行いながら施設が非課税という、こういう不公平を正すのは当然です。しかし、私が紹介したような横暴で不当な税務調査が今回の宗教法人法改正によってさらに強められることがあってはならないと考えます。  文部大臣、どうですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 私は税務行政の担当でないので、実は今お話を伺って驚いております。そういうことはあるのかなと信じがたいぐらいの気持ちでございますが、我々が今回改正をお願いしている宗教法人法は全くそういうことを意味するものでないということだけは申し上げておきたいんです。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 国税庁、今の文部大臣のお答えをどう受けとめますか、当然だと思いますが。  じゃ、文化庁、答えますか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 私ども税務当局ではございませんけれども、この宗教法人法には八十四条で「宗教上の特性及び慣習の尊重」という規定がございます。これは「国及び公共団体の機関は、宗教法人に対する公租公課に関係がある法令を制定し、若しくは改廃し、又はその賦課徴収に関し境内建物」等の範囲を決定し、もしくは調査するといった場合に、「法令の規定による正当の権限に基く調査、検査その他の行為をする場合においては、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。」という規定も八十四条にあるわけでございます。  こういった点、当然国税当局も御承知だと思いますから、そういう配慮をなさっておられるというふうに思うところでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 今回の宗教法人法の改正が不当、横暴な税務調査のために悪用されてはならないということ、当然であるということを確認したいと思います。  最後になりますが、私のお会いした日本基督教会大会の関係者は、戦前の宗教と信仰者への弾圧、歴代政府の侵略戦争への反省のなさと並んで、オウムを口実にした破防法適用が口にされ出したこと、このことを今回の法改正に当たって本当に不安になる理由として挙げておられました。  国民の言論・思想・結社の自由を侵害し、制定当時も国民の大きな反対運動が起こり、四十三年間一度も団体規制が適用されなかったのが破防法です。その適用は断じてならないということを申し添えて、質問を終わりたいと思います。(拍手)

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。

椎名素夫参議院フォーラム

○椎名素夫君 参議院フォーラムの椎名素夫でございます。  余り長い時間をいただいているわけじゃないので、二点だけお伺いしたいと思います。  一つ目は、宗教法人審議会について伺いたいと思います。  この宗教法人審議会は今までも非常に重要な役割を果たしてきましたし、また、これからは政府の質問権あるいは報告を求める権利というようなことで、ある意味ではますます重要な意味があるかと思います。  宗教法人審議会の現在のメンバーは十五人であるということですが、まず確かめておきますが、これは文部大臣が任命をなさるということですね。今の委員数は十五人ということですが、このうち十一人までが宗教関係者だということを承っておる。このつり合いについて文部大臣はどうお考えになりますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 一般の審議会等との比較においては著しくバランスを欠いて、いわば利害関係の方々がかなりのウエートを占め、パーセンテージを占めている、こう思います。そういう意味では、いろいろ御指摘もいただくところではございますが、今後いろいろ宗教法人のあり方その他につきましては審議会のウエートはますます増すばかりでありますし、またいろいろな学識が問われる面もございますので、これからのまた検討課題である、こう考えております。

椎名素夫参議院フォーラム

○椎名素夫君 それで、今度この十五人を二十人にふやされるということでありますが、普通、審議会その他の諮問委員会というもののメンバー構成というのは、例えば中労委などを挙げてみると、労使と公益委員が三分の一ずついるというようなことで、この宗教法人審議会ですか、決して宗教だけのためにあるんじゃない、国民全体のために働くということでありますので、この二十人のメンバー、学識経験者とおっしゃるけれども、宗教法人の持つさまざまな角度がありますね。税制の問題とか、いろいろあります。  そういうことから考えて、学識経験者でよく言われることは、宗教の権威であるとかいうようなニュアンスを持って報道されたり書かれたりすることがありますが、私は必ずしもそういうことであってはむしろならないんじゃないかと思うわけです。  この二十人にふやして、あるいは組みかえなさるかもしれないこれからの構成について、文部大臣はどうお考えか伺いたいと思います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(島村宜伸君) 先ほども少しく申し上げたところでございますが、まことに貴重な御意見と私も承らせていただきます。

椎名素夫参議院フォーラム

○椎名素夫君 それから、今は文部大臣が任命なさる。これから先、この委員会でも大分議論がありましたけれども、質問をしたい、あるいは報告を求めたいというときに宗教法人審議会の……(発言する者あり)

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 静粛に願います。

椎名素夫参議院フォーラム

○椎名素夫君 意見を聞かなければならないということですね。意見を聞かなければならないということは、その意見を尊重しなきゃいかぬということのようですが、しかしそうだからといってそのとおりにするということが法律で義務づけられているわけではないというような認識を持っておりますけれども、その宗教法人審議会が言ったことと実際に行われることが食い違ってきますような事例が多くなると、国民の目から見てこれは一体どういうことかというようなことになるかと思うんです。  そのためには、宗教法人審議会に非常に信頼感がなきゃいかぬと思うんです。文部大臣が任命なさるわけですから、すべてが文部大臣に任せられてしまう。あとはその審議会が独自に動くということになってしまうというのは少し困ったことになりはしないか。  今の制度ではもちろんこれは国会承認人事じゃありませんけれども、これから本当に広い範囲の問題を取り扱うこういう審議会というものは、その大事においてやはり国会に御相談の上任命をなさるというようなことにするお考えはありませんか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 御指摘ございましたように、これからさらに審議会の役割が重要になってくるわけでございます。  五名増員ということでございまして、私どもといたしましては、学識経験者の委員をさらにふやす。特に、さまざまな判断をお願いしなければいけないわけでございますので、例えば社会学あるいは心理学、あるいは行政法あるいは私法、そういった分野にお詳しい方であるとか、宗教法人の実務に関する分野についてお詳しい方であるとか、そういった学識経験者で立派な方を委員として増員した場合にはお願いをしたいという気持ちがあるわけでございます。  ただ、この委員につきましては、先ほど来お話にございますけれども、文部大臣が任命するということでございます。それからもう一つは、宗教界の意見をある程度正確にきちんと反映をしなければいけないということもございまして、現在、日本宗教連盟の加盟団体でございます五つの団体から候補者の推薦もお願いしておるところでございます。  そういったこととのバランスも兼ね合わせながら、その選任方法については今後より適切なものになるように検討していきたいと思っておるところでございますが、国会に御承認をお願いするというようなことについては現在のところ考えてはいないところでございます。

椎名素夫参議院フォーラム

○椎名素夫君 これは宗教法人審議会だけでなしに政府承認人事の審議会その他もいろいろありますけれども、大体お任せになってしまって、簡単な略歴か何かいただいて、一体どういう考えでその審議会に参加されるかというようなことは全くわからずによく任命が行われるということがある。これは何とかひとつ、今そういうお考えはないということでしたけれども、お考えを願うべきことではないかというふうに考えますので、ぜひ御考慮をお願いいたします。  それから、次の質問ですが、少し基本的なことを伺いたいと思います。  宗教法人がなぜ公益法人になるのかということなんですが、いろいろ考えてみたんですけれども、宗教があって、宗教団体があって、そこがそこの信仰あるいは教義に従って何か社会的に公益性のある活動をしたいということで、そのために公益性が出てくるのか、あるいは宗教だと言ってしまえば、その存在自体が公益性を持つということになるのか。いろいろ考えてみたんですが、この宗教法人法の建前からいくと、ある必要条件が満たされていれば認証は与えられる。ということは、宗教であるということ、それから宗教法人法にある要件が整えば自動的に公益性が与えられる、こういう仕組みになってしまっているわけでしょうか。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) 宗教法人の公益性とは何かというお尋ねだと思うわけでございますけれども、御承知のように、宗教法人は宗教活動を行うことを主たる目的とするものでございます。  大臣からも御答弁申し上げておりますように、宗教は人々の心を安定させる、あるいは日本の精神文化を向上させる、そういったことに不可欠の存在であると思うのでございます。  神社、寺院、教会等、我が国におきますいろんな宗教があるわけでございますけれども、こういった宗教法人の存在は国民一人一人の生活に深く定着しておりまして、大きな役割を果たしておるというふうに考えるところでございます。  こういったことから、宗教法人の宗教活動、そういったものにやはり公益性が認められる、宗教法人の宗教活動自体に公益性があるというふうに考えておるところでございます。

椎名素夫参議院フォーラム

○椎名素夫君 人々の心に安定を与える、あるいはさまざま社会のために役に立ちたいというようなことは、宗教にかかわらずそういう方々はたくさん日本の中に私はあると思うんですね。しかし、あえて宗教を名乗らないということになると、そういう公益活動をやろうと思うと、法人格を得ようと思ったら社団なり財団なりを組織してやらなければいかぬという仕組みになっておりますね。  そうすると大変なんですよ。財団なり社団なり、許可を得なければ法人格が与えられない。大抵の場合、人格なき法人、法人格なき社団というようなことの、ある程度実績があるかないかというようなことから始まりまして、非常に要件がきついというだけでなしに、これが法人になった後も所轄官庁に全体像を常に報告し監督されるというような差がありますね。そうすると、よくわかりませんが、宗教だと名乗っていらっしゃる団体と本当にいい意図を持って公益活動をやる団体とには明らかにその待遇において差があると私は思う。その差は一体どういうふうに正当化されるのか伺いたいと思います。

小野元之文化庁次長

○政府委員(小野元之君) いわゆる民法三十四条の公益法人の例示の部分にも、祭祀、宗教といったものは言葉の上では出てきておるわけでございます。  宗教法人につきましては、先ほど来御論議ございますように、宗教団体であることということが認証の場合の重要な要件になっておるわけでございます。この宗教団体として宗教団体に必要な要素をそれぞれ備えておるということが必要なわけでございまして、そういった観点で、宗教法人法は認証という形で法人格を付与するという建前になっておるわけでございます。  一方、民法の公益注入でございますが、先生御指摘ございましたように、一般的な監督権があり、主務大臣等の監督には服するわけでございます。宗教法人においては、信教の自由を尊重する、それから政教分離の原則をきちっと守るということが宗教法人法の基本にあるわけでございますから、民法の公益法人と比べますと監督の度合いが、監督といいますか、そのような一般的監督権はないわけでございますけれども、最初に申し上げましたように宗教活動自体に公益性がございますので、認証を受けることで宗教法人になれば公益法人等の一つとして税制上の優遇措置等が与えられる、このような仕組みになっておるものでございます。

椎名素夫参議院フォーラム

○椎名素夫君 法律の建前上そうなっているわけでしょうけれども、多くの宗教法人は本当に自分たちの社会における役割をきちっと自覚してやっておられるということは間違いないと思います。しかし、そうでないような疑いを持たれることが間々ある。そのときに、今私が申し上げたような宗教者、信者の方も、あるいは宗教に関係のない方も非常に善意を持った日本国民である、その間に幾分差があるということですね、取り扱いに。これは私はこれから先もぜひ研究をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  今度のこの改正ですが、必要最低限とこう言われておりますね。最低限であることは間違いないんですが、私の個人的な感想を言えば、必要までいっているのかどうかということが幾分問題が残っているんじゃないかという私は気がいたします。  ぜひそういうことで、この法案の帰趨いかんにかかわらず、まだこれから先、本当に基本的な問題から始まって、宗教の問題をさらに我々は論議をしていくということが必要であるかと思いますので、要望をしておきます。  終わります。(拍手)

倉田寛之自由民主党・自由国民会議

○委員長(倉田寛之君) 暫時休憩いたします。    午後五時十分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕

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