宗教法人等に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 246 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1995/11/29
会議録
○委員長(佐々木満君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十八日、岡部三郎君及び橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として馳浩君及び阿部幸代君が選任されました。 また、本日、益田洋介君が委員を辞任され、その補欠として大森礼子君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐々木満君) 宗教法人法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久世公堯君 質問に入ります前に、一言申し上げたいと思います。 昨夜、本委員会の理事懇が終わりまして、理事会を開催するために委員長及び理事が会館の委員長室を出ようといたしましたときに、平成会それから衆議院の新進党など数百名が委員長室を包囲、閉鎖をいたしまして、委員長、理事を五時間半にわたって監禁いたしました。(発言する者多し) これは、まさしく暴挙と言わざるを得ず、言論を暴力によって阻止しようとしたものであり、人道上も断固として許すことができないと思います。(発言する者多し) 私ども参議院は良識の府と言われております。その良識の府である参議院にとってまことにゆゆしき問題であります。(発言する者多し)このような言論を暴力によって阻止しようとする暴挙に出た人々に対し、反省を促したいと思います。 なお、委員長に申し上げたいと思います。 言論の府におきまして暴力に訴えて行動するがごときことは、厳に慎んでいただきたいと思います。また、既に理事懇や理事会におきまして決められた事項につきましては、淡々として実行に移していただきたいことを切望いたします。 それでは、宗教法人法の改正につきまして御質問を申し上げたいと思います。 今回の改正につきましては、今までもたびたび言われておりますように、オウム事件を契機といたしまして、宗教法人をめぐる社会情勢、また宗教法人自身の実態の変化に対応いたしまして、宗教法人制度の適正な運用を図るための必要最小限度の改正であると私は理解をいたしております。 ところで、衆議院の速記録を私も一応読ませていただきましたけれども、信教の自由に対する侵害であるとか、国家権力の不当な介入であるとか、宗教法人に対する統制の強化であるとか、そういう今回の改正の趣旨を理解していない意見や批判がいろいろございます。(発言する者多し) 私は、参議院におきましては衆議院のようなことはないと思ったわけでございますが、参議院の本会議におきましても、国家による宗教法人の管理監督の方向に向かうとか、宗教法人を国家の日常的な監視のもとに置くとか、文部省に思想警察の役割を担わせようとすると、こういうような意見がいろいろと言われているわけでございます。(発言する者多し) 私は、宗教法人法の現行制度も、また今回の改正法も非常に信教の自由というものを尊重した緩やかなシステムの法律だと思っております。(発言する者多し)
○委員長(佐々木満君) 御静粛に願います。御静粛に願います。
○久世公堯君 例えば、民法法人と比較をいたしましても、許認可ではなくて認証である。あるいは、ほかの公益法人の多くが学校教育法等も含めまして監督庁でありますのに、宗教法人法の場合は所轄庁でございます。また、宗教法人の場合の役員には、ほかの公益法人に見られるような監事というような制度はございません。また宗教法人審議会において、認証しない場合は必ずかける、あるいは不服審査の手続のときもこれをかける。非常に細かい配慮がなされております。(発言する者多し) さらに、この法律は非常に不思議な法律でございまして、政令もなければ省令もございません。なぜないかと私も疑問に思ったわけですが、国会で審議をする、法律にできるだけ多くを載せようじゃないかと、ここまで配慮をしている。これは別の意味において私は問題があると思いますが、そこまで配慮をしている法律だと。(発言する者多し)私は、そういう意味において現行法もまた改正法も両方とも非常にやわらかな緩やかなシステムになっている、このように思いますけれども、改めて今回の法律改正の趣旨を簡潔に御説明を総理にお願い申し上げたいと思います。
○委員長(佐々木満君) 委員長からお願いを申し上げます。 重要な法案の審議を行っておりますので、どうぞ委員初め皆様、御静粛にお願いを申し上げます。御静粛にお願いを申し上げます。
○国務大臣(村山富市君) 騒然としておったものですから、質問が聞き取れない点もあったので、あるいは答弁しかねる面があったかと思いますけれども、お答えを申し上げたいと思います。 宗教法人法が他の法律に照らしてみて非常に緩やかな仕組みになっておる。これは、お話もございましたように、この宗教法人法が監督、取り締まるという法律でなくて、何よりも信教の自由というものを大事にする、あるいは政教分離の原則をしっかり守っていこうと、こういう前提に立って、自主的に宗教団体が公益法人としての活動ができるような物的基礎を保障していこうと、こういう性格のものであるために私は特段の配慮がされておるものだというふうに思っております。 ただ、お話もございましたように、この宗教法人法ができて四十四年経過しているわけです。その間には、日本の国というのは随分変化してまいりました。これはもう経済も変わりましたし、社会も変わりましたし、一口で言えば道路、交通も整備をして非常に環境も変わってきたわけです。そういう社会環境がうんと変わってきたにもかかわらず、四十四年間、今お話がございましたような緩やかな形でもって法律がつくられてきておるということから考えてみて、今度のオウム事件といったようなものが一つのきっかけになって、宗教法人法のあり方はこれでいいんだろうかというようなことが国民の間でも議論されるようになった。 なるほど考えてみますと、例えば所轄庁のあり方についても、全国的に展開されているような宗教団体の活動に対して、一つの都道府県だけが認証して所管するというようなことについてもやっぱり矛盾があるのではないかというようなことが指摘をされましたので、これは宗教団体の信教の自由が保障され、政教分離の原則も守られながら、本当に透明度を高く民主的に、世間の皆様もなるほどあの宗教団体はそういう活動をしておるのかということがある程度わかってもらえるような、そういう活動というものがいいんではないかというようなこともございまするし、同時に、所轄庁としても行政上の認証をした以上は責任があるわけですから、その責任も、そういう前提を踏まえた上で最低限果たせるようなものにするためにはどういう改正をする必要があるのかというようなことから、今度の改正案はあくまでも前提というものをしっかり保障した上で最低の改正をしようというので私は提案をしているものだというふうに御理解をいただきたいと思うんです。
○久世公堯君 ありがとうございました。 ただいま総理が御答弁されましたような今回の改正の趣旨に照らしながら、私は改正に当たっての何点かの問題、従来余り衆議院や参議院において問題になっていないような問題につきまして御質問を申し上げたいと思います。 その第一点は、所轄及び所轄庁についてでございます。 一昨日でございましたか、平成会の方の質問を聞いておりますと、所轄とは管轄をすることだ、管轄というのは権限によって支配をすることだ、そして、弾圧という言葉は使いたくないけれども、何かそれらしいような文言でございました。 所轄という言葉は、これは私は総括とか統括という意味と違う。もともと所轄という言葉は日本の法律の中で使っているのは非常に少ないわけでございます。例えば、内閣と人事院の関係、あるいは独禁法における内閣総理大臣と公正取引委員会との関係、あるいはまた地方自治体の場合でございますと知事と教育委員会、知事と公安委員会、そういう何と申しますか、一方が上級機関とは認めながら、他方は相当程度その上級機関から独立をしている、そういうときにのみ所轄という言葉を使うのが法令上の一般的な定義でございます。 私が若いころに、かつて法制局長官をやられました佐藤達夫さん、あるいは林修三さんからこの所轄の意味について、ちょうど傘を差しているようなものだと。例えば所轄庁というのが傘を差している、その傘の中に入っているんだ、直接引っ張っている、そういうような関係じゃないんだと、こういう御説明を聞いたことを記憶いたしております。したがいまして、一昨日御質問されたのとは全く意味が違うんです、さっきも申しました非常にやわらかい関係だと。 それで、所轄庁の意味につきましては、役所の場合でございますから、そのもとから発してはおりますけれども、多少管理をするとかそういうような意味にも使われております。そこで、先ほど申し上げましたように、例えば学校教育法では監督庁と使っている。しかし私立学校法においては所轄庁と使っている。同じような意味において、宗教法人法においては所轄庁と使っている、私はこのように理解をしているわけでございます。 文化庁、文部省におかれましては、今度は所轄の宗教団体がふえることになると思います。たしかあと数百ふえるというふうに伺っておりますが、政府委員いかがでございますか。
○政府委員(小野元之君) この改正が認められました場合に、今、都道府県知事が所轄していらっしゃる宗教法人がほかの都道府県内に境内建物を持っておりまして、それが文部大臣所轄になるわけでございます。私どもとしては正確な数字は把握できていないわけでございますけれども、おおよそ数百であろうというふうに考えております。
○久世公堯君 二番目には、私は、この宗教法人法の現在の制度と改正法、この「所轄庁」のところなんですが、従来は包括法人、被包括法人それから単立の法人、こういうシステムになっておりまして、改正法はそれに加えて境内建物が他の都道府県にある場合というふうなことを加えているのでございますが、こちらからいただきました冊子によりましても、要綱を見るとはっきりわかるんだけれども、法律の大事な部分を見ると一体これは何が書いてあるかよくわからない。 私もこの新旧対照表というところを見まして一生懸命にこの五条の規定を読んだんですが、どこがどうつながっているのかわからない、こういう感じが強いわけでございます。もし、この法律がいよいよ公布になって新聞などに全文が出ますと、国民の人もよくわからないし宗教団体の方もよく読めない、こういう気がするのでございます。 大体、第一項の方は都道府県知事が所轄庁である宗教法人、第二項の方は文部大臣が所轄庁である宗教法人が書いてあります。この二項は一号、二号、三号と分かれておりますが、それについてこういう場合だということを政府委員から御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(小野元之君) お答え申し上げます。 第五条第二項で、文部大臣所轄になります宗教法人が三号にわたって書いてあるわけでございます。非常にわかりにくいという御指摘で、大変申しわけないと思うのでございますけれども、まず第一号は「他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人」ということでございまして、この第一号は、包括法人、被包括宗教法人、単立法人、この三種類ございますけれども、そのすべていずれを問わず、とにかく他の都道府県内に当該法人が境内建物を備えておるというものについては文部大臣の所轄になるというのが第二項の第一号でございます。 それから第二号は、法文上は「前号に掲げる宗教法人以外の宗教法人であって同号に掲げる宗教法人を包括するもの」。少しわかりにくい表現でございますけれども、第二号は包括の宗教法人を指しているわけでございまして、そして当該包括宗教法人自体はほかの都道府県内に境内建物を持っていないわけでございますけれども、その包括宗教法人が包括しております被包括の法人、その被包括の宗教法人がほかの都道府県内に境内建物を備えておる、そういった包括宗教法人を第二号で規定しているものでございます。 それから、第三号でございますけれども、これは「前二号に掲げるもののほか、他の都道府県内にある宗教法人を包括する宗教法人」とございますが、これは第三号も包括宗教法人でございます。そして、当該宗教法人自体、それからその下にあります被包括宗教法人もほかの都道府県内に境内建物を備えていない場合でございますけれども、被包括宗教法人が包括宗教法人があります都道府県とは別の都道府県内にある。ですから、被包括の法人をほかの県に持っておる包括宗教法人、この三つが文部大臣所轄になるということで、第五条第二項に掲げてあるものでございます。
○久世公堯君 皆さんよくおわかりいただけたでしょうか。小野さんのような一番の専門家が御説明してもなかなかわかりにくい。私も事前に何回かお聞きしまして、今の説明を聞いてまあまあわかったなと。 そこで、いよいよ新聞に報道するときには、新聞社の方がよくわかってこれは書いてもらいたい。そうでないとわからない。しかし、要するに何が書いてあるかというと、一言で言えば、現在の制度でございます包括法人と被包括法人の関係を残したまま、今回の法律の改正の趣旨、すなわちほかの県に境内建物を備える宗教法人の所轄庁が文部省なんだと、こう書いてある、これが要点でございまして、そんな大きな変化ではございません。法律というものは、書くとあのように難しくなるものだということをつくづく感ずる次第でございます。 そこで、私はもう少しこれをわかりやすく考えたいと思いまして、具体的な例を挙げさせていただきますので、政府委員の方から、それは一体包括なのか被包括なのか単立なのか、今度の法律によって特に変わる場合、それを特に御指摘願いたいと思います。最初に全部例を挙げまして、一つ一つ御説明を賜りたいと思います。 伊勢神宮、東照宮、伏見稲荷、それから鎮守の森の神社、それから曹洞宗と永平寺及び総持寺、それからこれらの末寺。 それから、例えば永平寺とか総持寺は曹洞宗の大本山ですから、本山とか大本山とか総本山、そういうものの宗教法人法上の位置づけ。 それから、浄土真宗の本願寺派、西でございますね、それと本願寺。それから真宗大谷派、これは東でございますが、これと東本願寺。それから、それぞれの末寺との関係。 それに日蓮正宗と大石寺の関係、及び大石寺の末寺との関係。それから、大石寺は日蓮正宗の総本山でございますが、総本山との関係。それから、日蓮正宗と創価学会及び創価学会の支部との関係。それに大石寺と創価学会との関係。そして、創価学会の支部というのは、これは境内建物でございましょうから、千ぐらいあるんでしょうが、これは宗教法人法上の法人格を持っているかどうか。 これを一つずつ御説明を賜りたいと思います。 まず、伊勢神宮、東照宮、伏見稲荷、鎮守の森、これについて御答弁願います。
○政府委員(小野元之君) 初めにお断り申し上げますが、私どもの方で所轄していない法人につきましてははっきりわからない部分がございますので、間違っている場合があると大変その法人に失礼になりますので、その点はお許しを賜りたいと存じます。 まず、伊勢神宮でございますが、伊勢神宮は神社本庁の被包括宗教法人でございます。この伊勢神宮が今回、法改正がなされた場合に所轄が変更になるかどうか、ここはちょっと私どもの方で今正確にわかっておりません。 それから、東照宮でございますが、東照宮さんは単位宗教法人で、県知事所轄の法人でございます。この法人も、所轄の変更があるかどうか、ここははっきりいたしておりません。当該法人の方は、ないだろうというふうに御回答されているようでございます。 それから、伏見稲荷大社でございますが、これも単立の宗教法人でございまして、知事所轄の法人でございます。伏見稲荷さんも、所轄の変更は私どもとしては未確認でございます。法人の方は、ないだろうという御回答だと聞いております。 それから、村の鎮守のような神社さんでございますが、これはほとんど神社本庁の被包括宗教法人でございます。恐らく所轄の変更はほとんどないというふうに私どもは思っております。
○久世公堯君 それでは次に、曹洞宗と永平寺及び総持寺及びこの末寺、それから本山、大本山、総本山の宗教法人法上の位置づけ、お願いいたします。
○政府委員(小野元之君) 曹洞宗さんは包括宗教法人でございまして、文部大臣の所轄でございます。 それから、永平寺さんは曹洞宗の被包括宗教法人でございます。永平寺さんは曹洞宗の大本山ということでございます。これは知事所轄の法人でございます。永平寺さんが所轄の変更があるかどうか、これも私どもは確認ができておりませんが、法人の側は、所轄が変更になるのではないかという御回答でございます。 それから、総持寺さんでございますが、これは曹洞宗の被包括宗教法人でございます。曹洞宗の大本山でございます。これは知事所轄でございます。これも所轄の変更は未確認でございます。法人の側は、ないだろうという御回答と理解をいたしております。 それから、永平寺や総持寺の末寺でございますが、これは曹洞宗の被包括宗教法人というふうに理解をいたしております。
○久世公堯君 それでは、浄土真宗の本願寺派西と本願寺、それから真宗大谷派東と東本願寺、それぞれの末寺との関係、お願いします。
○政府委員(小野元之君) 浄土真宗本願寺派でございますが、これは包括宗教法人で文部大臣所轄でございます。 それから、いわゆる西本願寺さんでございますが、これは浄土真宗本願寺派の非包括宗教法人でございます。浄土真宗本願寺派の本山というふうに言われております。これは知事所轄の法人でございます。西本願寺さんにつきましては、所轄の変更は未確認でございます。法人の側は、変更になるのではないかという御回答だと聞いております。それから、西本願寺の末寺でございますが、これは浄土真宗本願寺派の非包括宗教法人でございます。 それから、東本願寺派の真宗大谷派でございますが、真宗大谷派は包括宗教法人でございまして、文部大臣の所轄でございます。東本願寺さんは昭和六十二年に真宗大谷派と合併されておりますので、法人格はないというふうに理解をいたしております。この東本願寺さんの末寺でございますが、これは真宗大谷派の非包括宗教法人であるというふうに理解をいたしております。
○久世公堯君 それでは、最後でございますが、日蓮正宗と大石寺及び末寺、総本山との関係、日蓮正宗と創価学会及び創価学会支部との関係、大石寺と創価学会との関係、創価学会支部の宗教法人法上の位置づけ。 以上、お願いします。
○政府委員(小野元之君) 日蓮正宗さんは包括宗教法人でございまして、文部大臣所轄でございます。それから、大石寺さんは日蓮正宗の非包括宗教法人でございます。日蓮正宗の総本山というふうに理解しておりますが、大石寺さんは知事所轄でございます。この大石寺さんにつきましては、所轄の変更があるかどうかは私どもは未確認でございます。法人の側は変更になるのではないかという御回答だと承っております。それから、大石寺の末寺でございますが、これは日蓮正宗の非包括宗教法人でございます。 それから、創価学会さんでございますが、創価学会さんは、単立の宗教法人でございまして、知事所轄の法人でございます。この創価学会さんが法改正になった場合どうなるかということでございますが、所轄の変更について私どもは未確認でございます。 それから、日蓮正宗と大石寺の関係でございますが、宗教法人法上の関係はないというふうに理解をいたしております。 それから、創価学会さんの支部でございますけれども、これは独立した団体ではなく、法人格を持っていらっしゃらないというふうに承知をいたしております。したがいまして、創価学会さんにつきましては、創価学会という宗教法人格のみだというふうに承知をいたしておるところでございます。
○久世公堯君 ただいまお聞きいただきましたように、今回の法律改正というものは、世俗的な部分といいますか、宗教上の問題じゃないんです。専ら行政上の必要性から二府県以上にまたがるものは文部大臣が所轄をするということで、お寺の大きさとかそういうこととは全く関係がないというのを今の御説明で大体おわかりいただいたと思うわけでございます。 そこで、文化庁から宗教年鑑というものが出されております。また、各都道府県におきましては、これは東京都の場合はこんなに厚いわけです。こういう宗教法人名簿というものが出ております。所轄庁というのは当然にそういうことをやるわけでございますが、文部省・文化庁は、同時に指導的な役割、この宗教法人を所轄しておりますので、この宗教年鑑には直接の所轄庁にかかることと若干そうでないものと両方が書かれております。 私は非常にこれはよく編集されておると思うんですが、創価学会を含む単立の宗教団体の欄にはわざわざ注釈がついておりまして、単立宗教法人は約五千余りあるけれども、比較的照会の多い宗教団体を参考のために掲げたものとして若干の数が掲載をされております。これはどのように照会をしたのかちょっと伺いたい。 それから、この中を見ておりますと、例えば、単立宗教法人である靖国神社、伏見稲荷、創価学会、それからいわゆる統一教会、エホバの証人、こういうのがたくさん書かれているわけでございますが、このエホバの証人も正式な名前はものみの塔聖書冊子協会というのだそうでございます。 一つ伺いたいのは、どういう照会をしたのか。 それから二つ目には、オウム真理教と幸福の科学も単立法人と思われますが、なぜ抜けているのか。 それから、創価学会のところを見ますと、教師の数と、それから会員、信者の数、これはほかは全部書いてあるんですけれども、靖国神社は書いてありませんが、これはある意味においては全国民が信者とも言えるわけでございますが、創価学会のところは未報告になっているわけでございます。これはどういう理由が、そのあたりを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) お答え申し上げます。 この宗教年鑑は、私ども文化庁といたしまして、各宗教法人の皆様方の御協力をいただきまして作成させていただいているものでございます。したがいまして、お話のございました各都道府県知事所轄の単立の宗教法人でございましても、比較的文化庁に問い合わせがあるとか、あるいは照会が多いといったものにつきましては、それぞれの宗教法人に文書でお願いを申し上げまして、協力をいただいた上で掲載をさせていただいているというものでございます。 御指摘ございましたオウム真理教、幸福の科学につきましては、一時掲載するということでお願いしたわけでございますけれども、協力が得られなかったということで掲載をいたしておりません。 それから、創価学会さんにも御協力いただいているわけでございますけれども、教師数、信者数につきましては御報告をいただけなかったということで、その点は掲載をしていないものでございます。
○久世公堯君 先ほどの個別の問題、あるいは今の宗教年鑑の問題は、要するに、先ほど申しましたように、今回の改正による所轄庁の規定というのは、宗教団体というのはそれぞれ歴史と伝統があります、しかも税法その他の特権も得ております、そういう実態にかんがみ、その所轄についてはいわゆる一般の行政のルールに従うと。一つの都道府県の中のものは知事に、二府県にまたがるものは文部大臣ということを定めたものだと私は思います。 宗教も社会的に影響するところが大きいから行政のルールを守らなければいけない、こういうことだろうと思いますが、文部大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(島村宜伸君) おっしゃるとおりでございます。
○久世公堯君 それから、ちょっとここは関係外でございますが伺いたいんですが、今度はいろんな台帳を、今までも備えつけておりますが、それを報告することになりますが、例えば境内建物について書く場合に、外国にある施設につきましての規定は一体どうなるんでしょうか。対象外になるのでございましょうか。 ただ、最近、外国に支部を設けたり、外国に対する布教が非常に行われております。これ自身は非常にいいことだと思うのでございますが、それと宗教法人法の関係があるのか全くないのか。あるいはしかし、そういうものは載せる方がいいのか、そのあたりをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 今回、法改正によりまして境内建物に関する書類というものをいただくことになるわけでございますけれども、外国の地には、当然のことでございますが、日本の宗教法人法は及ばないわけでございます。したがいまして、法律にきちっとした形での境内建物というものになるかどうかはいろんな議論があると思うわけでございますけれども、財産目録という観点で、仮に外国の地にそういった日本の法人が所有権を認められるという国があって、それが法人として財産で認められますれば、それは財産目録の中に記載をされるということはあり得るというふうに考えております。
○久世公堯君 実は、地方公共団体との関係をお聞きしたいんですが、これは時間が余りましたらお聞きすることで後回しにいたしまして、今回の法改正、附則にいろいろ書かれておりますが、公布をし、それからその間、公布からやるべき若干のことがあって、それから施行する。施行も一年以内と書いてありますが、なるべく早く施行してもらいたいと私は思うんです。 この法改正に伴う所轄庁の変更手続、これは全国的に活動し、数多くの境内建物を所有する宗教団体がかなりあるわけでございますが、これはこの所轄庁を変更するということになるわけでございます。かなり時間がかかるのかかからないのか。附則二項には公布の日から六カ月以内とされておりますけれども、それで十分でございましょうか。また、届け出るのは、境内建物の名称、所在地、面積だけでいいのか。そういう関係についてまず第一点お聞きをしたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 改正法の附則第二項におきまして、改正法の公布日において他の都道府県内に境内建物を備えておられる宗教法人については、その旨を都道府県を通じまして文部大臣に届け出ていただくということにしておるわけでございます。 したがいまして、この法律が公布になった時点で、私どもとしては通達等でその旨を各県あるいは各宗教法人にお知らせして、そして、現在は知事所轄の法人であってもほかの都道府県内に境内建物を持っておられるという宗教法人については、その旨を知事を通じて文部大臣に届けていただくということをお願いしております。その場合に、六カ月以内にお願いするということでございますが、この届け出につきましては、境内建物の名称、それから所在地及び面積、こういったものを記載した書類で比較的簡単な書類でございますので、六カ月以内でお届けいただけるというふうに私どもは理解をしております。 それから、この届け出は所轄庁の変更が円滑に行われるようにするためのものでございまして、境内建物の所在を確認するための書類として必要最小限のものをお願いするというふうに考えているわけでございます。 〔委員長退席、理事松浦功君着席〕
○久世公堯君 既に何回も言われておりますように、宗教法人法の改正に伴いまして所轄がえになったとしても一々認証の必要のないことは当然のことでございます。 さて、今、小野次長から御説明になったことでございますが、先ほども申しましたようにこの法律には政令もなければ省令もない。委任省令は今さらできませんから、実施政令というものをおつくりになるかどうか。 また、本法附則の二十三項によりますと、後から質問いたしますけれども、小規模な宗教法人の場合につきましては、これは宗教法人審議会の意見を聞いて文部大臣が定めると書いておりますが、これは文部大臣の告示でおやりになるのか。いずれにしても政省令がない。普通の法律はあるのが常識でございますが、これは実施政令ならつくれるわけでございますけれども、そのあたりはどうお考えでございますか。
○政府委員(小野元之君) 現行の宗教法人法におきましては、登記の手続規定であるとかあるいは民法等の準用規定、それから解釈規定等もできるだけ法律の中に取り入れるという建前をとってございます。政令やその他の命令に委任すべき事項、手続等についてもできるだけ法律の中に規定をすると、現行法はその建前をとっておるわけでございます。 この趣旨は、法律でできるだけ規定をするということを明確にいたしまして、宗教団体の方々の便宜を図るということとともに、宗教行政事務の円滑に資するということをねらいとしたものというふうに考えております。 したがいまして、現行の宗教法人法におきましては政令とか省令といったものが制定されていないわけでございますけれども、これは法制度上、法体系上、政省令が規定できないというものではないわけでございます。 ただ、今回、この法律の基本は維持をするということが法改正の原則でございますので、御指摘ございました小規模法人の基準となります収入額の範囲、これにつきましては文部大臣が定めるということでございますが、これは経済状況等の変動等もございますし、小規模法人への配慮ということで適時適切に定められるように文部大臣の定めというふうにしておるわけでございます。 それからもう一点、この改正法の施行日を法律の公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定めるということにしておりますけれども、それ以外の事柄等につきまして、現在のところ直ちに政令とか省令というのを定めようということは考えていないところでございます。
○久世公堯君 施行に関することで非常に問題で、国民の皆さん方は大変知りたいと思っている一つだろうと思いますが、この前、関根議員が質問になりました。一会計年度の収入の額が寡少であり、文部大臣が宗教法人審議会の意見を聞いて定める額の範囲にあるときには云々と、こういう規定があるわけでございます。この前の御答弁を聞いておりましたが、関根さんの御郷里の氏子総代とか鎮守の森とか、そういうお話がございましたけれども、どうもまだ漢としております。これを私は速やかに、法律が公布になったらすぐにでも宗教法人審議会を開いて、ぜひこれを決めていただきたい。そうでないと国民の間に不安があると思います。 ただ、私が頭の中で考えて、こんなのはどうだろうかと私の考えている案を申し上げますので、それについてどうお考えか、感想をお聞きしたいと思います。 なかなか金額を示すのは私もよくわかりません。そういう鎮守の森の神社とか、あるいは普通の町や村にある神社とか、都市にある神社とかお号とか、どのくらいのものかよくわかりませんが、例えば、一つは宗教法人の中で公益事業、すなわち美術館を持っているとか、あるいは学校を経営しているとか幼稚園を経営しているとか、あるいは収益事業をやっているとか、駐車場をやっているとか不動産の貸し付けをやっているとか、そういう法人は除外といいますか、そういうことを行っていない宗教法人、これが一つ。 それから第二番目には、専任職員がいない宗教法人、あるいは家族だけで運営をしている宗教法人、あるいはよく町や村にあります、学校の先生だけれどもお盆のときにバイクでけさを着てお経を上げにいく、そういうような兼業で町中でまじめにやっている宗教法人、そういうグループ、これが小規模な一つの目安じゃなかろうか。 それからもう一つは、規模の小さい宗教法人、これが一体何百万円なのか一千万円なのか、そこはよくわかりません。これは、小規模企業者についていろいろ税制上の特例もございますから、そういう一般の小規模事業者というような物差しもあるんだろうと思います。ひとつ今のうちからそれをよくお考えいただきたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか、文部大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) 大変貴重な御意見でございますので承っておきます。また、私も考え方としてはほとんど同じ考えに立っております。
○久世公堯君 この宗教法人法、それこそ昭和二十六年以来、いろんな行政不服審査法とかそういうものができれば宗教法人法を変えておりますけれども、主体的に変えるのは今度が初めて。ですから、今度の改正は非常に最小限でございますが、文化庁の事務当局はさぞや大変だったろうと思います。聞くところによりますと、かなりほかの課からも応援部隊が来て法律を作成し、そして国会の審議に当たったと承っております。 さて、いよいよこの宗教法人法ができますと、その予算とか人員とか組織とか、そういうことは一体どのようにお考えでございましょうか。また、きのうかおととい、平成会の方の御質問にもありましたように、私もこの宗教法人の研修の冊子を見せていただきましたが、全国を五ブロックに分けて、そして都道府県関係者も集め、同時に宗教法人も集めて本当に親切に研修をしている、そういう実態も承りました。そうすると、行政改革の時代ではございますけれども、ある程度の拡充も必要かと思うわけでございますが、そのあたりをどうお考えでございましょうか。
○政府委員(小野元之君) 今回の法改正でございますけれども、所轄庁の区分の変更に伴いまして、複数の都道府県で活動を行っていらっしゃる宗教法人、単立の宗教法人等が文部大臣所轄になるわけでございますけれども、こういった所轄庁の変更に伴いまして事務量の増大が私ども文化庁としても考えられるわけでございます。 そういったこともございまして、所轄庁がこの改正法のもとできちんと責任を果たしていくというためには、この事務量の増大に伴う必要な人員体制の整備ということも私どもは考えなければいけないと思いまして、八年度でございますけれども、予算要求でお願いをしておるところでございます。 それから、御指摘のございました宗教法人の方々あるいは各都道府県の担当者の方々、こういった方々に対する研修につきましても充実を図る必要があるというふうに考えておりまして、これも概算要求の中に研修会の充実のための所要の予算をお願いしておるところでございます。
○久世公堯君 ちょっとついでにお聞きしたいんですけれども、これは文部大臣と文化庁長官、文化庁が所管をされるにはいろんな歴史的な推移があったことは私も存じておりますが、教育と宗教、文化と宗教、そういうような関係の中において文化庁が所管されるんだろうと思いますが、例えば国会でございますと、当然外局の長が各局長と並んでほかの省庁では政府委員になっております。国会の答弁もされております。ところが、文化庁長官と国税庁長官、またほかに二、三あったかもしれませんが、それは一体どういう理由なんでございましょうか。
○政府委員(小野元之君) まず、いわゆる宗務行政を文化庁で行っている経緯でございますが、これにつきましては、戦後、宗務課は最初の時点では社会教育局に置かれておったわけでございますが、その後、大臣官房、それから調査局の所管になっていたことがございます。 そして、昭和四十一年に文化局を設置されたわけでございますが、この時点で宗務行政を担当する宗務課につきましては、文化現象に関するものだという理解のもとに文化局の所管になったわけでございます。その後、現在の文化庁が昭和四十三年にできたわけでございますけれども、この文化庁の設置に伴いまして宗務課は文化庁に所属するということになっておるわけでございます。 文化庁は、国家行政組織法上の文部省の外局でございます。もちろん文部省の長である文部大臣が全体の所掌事務を統括されるわけでございますけれども、文化庁長官は大臣の監督のもとに文化庁に属する所定の事務を行うというものでございます。 私も政府委員の任命については詳しく承知していないわけでございますけれども、文化庁の所掌事務は大変幅広うございますし、対外的にも国内におきましてもさまざまな儀式その他の重要な事項もあるわけでございます。現在のところ長官がそういった表の面での文化行政を担当なさる、内部管理といいますか、法律事項とかそういったものは現在の時点では次長が主として携わらせていただいておるというふうに私は理解をしております。
○久世公堯君 どうも若干疑問にも思いますが、次の質問に移らせていただきたいと思います。 宗教法人に伴う行政体制、今でも都道府県でかなりの仕事をやっているわけでございます。現在でも地方交付税で措置がされていると承っておりますが、この宗教法人法の改正、単に逆か皇言いますと都道府県知事から所管が移っていくわけでございますが、同時に貸借対照表とかこういう提出の書類というものも見なければいけない、送付をしなければいけない。いろんな事務も重なると思いますが、そのあたり、地方交付税上の措置と申しますか、財政的な問題を自治省としてはどのようにお考えになっておられますか。政府委員・財政局長にお願いをいたしたいと思います。
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。 現在、宗教法人に関する事務につきましては、通常各都道府県の総務部の文書関係の事務を担当する課で所管をしている場合が多うございます。したがって、その経費につきましても、普通交付税には「その他の諸費」という費目があるわけでありますが、その中の総務費の細節の文書広報費で措置をいたしております。 職員につきましても、文書広報事務にかかわる職員の中で算定をしているということでございまして、具体的には人口百七十万人の標準団体で文書広報事務の職員が三十五人ということでありまして、これは各都道府県の実態等ともおおむね見合っているところでありますから、そういう措置をいたしているところでございます。 この宗教法人法の改正に伴って、御指摘がありましたように、書類の受理などの事務が新たに生ずるというようなことでございますので、そういった関係の事務経費につきましても、今後文部省当局とよく協議をした上、事務量の増大等の状況に適切に対処できるような措置をしていかなければならないと思っております。
○久世公堯君 今回の宗教法人法の改正は国民からも大変期待をされている面がございますので、いよいよこれの執行というのは文部省もまた地方公共団体も、ともに国民の期待にこたえられるように十分な体制のもとに行っていただきたいと思うわけでございます。 そこで、国と地方公共団体の関係でございますが、宗教法人の所轄庁が文部大臣であるのと都道府県知事であるのと、これは本質的に私は何ら変わらないと思います。ただ、昭和二十六年の宗教法人法の制定のときにも、たしか提案理由の中に、「宗教団体は、全国の都市、農漁村、山間僻地に至るまで、あまねく存在しこという、こういう文言が書かれております。非常にある意味においては地域性が強い。ですから、一県のもののみは都道府県知事が所轄庁になる。同時に二府県にまたがるものは、これは宗教上の内容ではなくて行政のルールに従って今回改正をしたんだと。 しかし、この機関委任事務、最近は地方分権の大きな流れがございますけれども、機関委任事務というのは、今各省庁はやたらに機関委任事務にしたがる。この中には、本当は機関委任事務じゃなくて団体事務というものもかなりあると私は思うんです。その点、この宗教法人法による文部大臣と都道府県知事の機関委任事務というのは、私が自分で考えておりますのは、戦前からずっと一貫した本物の機関委任事務なんだと。といいますのは、戦前に宗教団体法というのがありました。あのときにも地方長官という規定が置かれております。これはほかならぬ今の機関委任事務そのものだろうと私は思います。 そういう意味においては本質的な機関委任事務なんだから、そこはしっかりとやってもらわなければいけない。同時に、宗教団体、宗教法人は、地域的なものだから地域にも非常に関係が深い。どうかひとつ国も地方も、これだけ国民から期待を寄せられている宗教法人法の改正に当たって、十分な体制と、ある意味においては厳格に、ある意味においてはこの法律が真綿で包むような非常に丁寧な措置をしているやわらかい関係、それを十分わきまえて運用に努めていただきたいと思うわけでございます。 今回の参議院における審議、衆議院でも若干議論されておりますが、参議院におきましてはここ三日間、特に政教分離の問題をめぐって憲法二十条の解釈問題がございました。 南原繁という方がおられました。この南原さんは余り本を書いておられない方でございますが、昭和十七年に「国家と宗教」という本を岩波書店から出しておられます。この著書を久しぶりにひもといてみたわけでございますが、政治学者あるいは政治史学者として著名であり、この「國家と宗教」という本は私は不朽の名著だと思っております。 この著書によりますと、これは中世から近世にわたるカトリック主義とプロテスタント主義、いわゆるカトリシズムとプロテスタンティズム、国家と宗教の関係というものを論ずる場合にこの二つの類型についてどう考えるか。この書物によりますと、プラトンの復興、プラトンの理想国家なりキリスト教の神の国、そしてカント哲学、そういうふうに移って今日に至る歴史が書かれているわけでございますが、この前、関根さんがここで言っておりましたように、国家と宗教との関係はある意味においては葛藤の歴史であったわけでございます。それは、宗教から国家を守る、そこに政教分離のもともとの発祥があったんだろうと思います。極めて西欧の歴史、これがそれを示するものだろうと思います。 そこで、我が国におきましても戦前戦後を通じて政教分離につきましては歴史があるわけでございますが、憲法二十条は、これまた関根議員が指摘をされましたように、マッカーサー憲法、その原文がありまして、それに由来するところはもう既に御高承のとおりでございます。 そして、戦後五十年がたったわけでございます。今回の宗教法人法の改正、先ほど村山総理がおっしゃいましたように、何よりも社会、経済の実態が変わり、宗教の実態もまた変わって広域化してまいりました。また、新しい宗教法人というのも出ております。どちらかといいますと古い宗教、特に仏教の場合においては、もともと各家には何々宗というのがあった。それに対して新しい宗教は、国民を指導する新しい理念を持っておられる。例えば在家主義仏教、古くからの出家による仏教ではなくて在家主義の仏教、家で先祖の供養をみずから行う仏教、そういう主義を唱えている立派な宗教団体もあるわけでございます。国民の宗教観についても変わってきております。社会の実態も変わり、宗教そのものも変わっている。そして、国民も二十一世紀に向かって宗教というもののあり方を論じているのが今日だと思います。 したがいまして、私は、憲法というのはやはり一国の一番の中枢でございますので、これは容易に変えてはいけないという原則もあるだろうと思います。大出法制局長官もたびたび答弁をされました。内閣法制局というところは昔から、かたくなに憲法の解釈を守る、そういういい伝統とともに若干固執をされるという面もあるわけでございます。きょうはあえて大出長官にお聞きしませんけれども、この憲法二十条、私は、社会が変わり宗教も変わる、その中において憲法解釈もおのずから変わるべきだし、変わらなければいけないと思っているわけでございます。 そこで、前々から官房長官も御答弁され、また総理も再々答弁をされております。そして、官房長官もおっしゃいましたように、大変これは重大な問題ですから、事憲法の問題だから、皆さんの論議、それから世論、国民の立場、そういうものを踏まえて慎重に検討してひとつ政府の見解を出したいという趣旨のことを何度も御答弁いただいたわけでございますし、総理からもまた御答弁を賜ったわけでございますが、最後にもう一度官房長官に、この参議院における三日間の論議を踏まえて、ひとつこれについての考え方といいますか、方向性をお示しいただければありがたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 久世先生からの御質問にお答えいたします。 先生が御質問にお立ちになるということでよく経歴その他を調査いたしましたが、大学でよくやられておりますし、大学の先生でもありますし、その道の専門家であるということを十分承知しております。 御案内のように、関根委員あるいは尾辻委員からも激しくお話がありました。また、野党からは白浜委員以下同じような御質問がございました。今おっしゃったように、憲法は極めて重い、すべての法律の中枢である、したがってめったに解釈の変更というものはでき得ない。だから、今までは一体どうなのかということも、私もお話を申し上げましたように、相当の期間をかけて勉強していかなきゃならぬだろうというふうなお答えをいたしました。 したがいまして、かつての金森さんの発言なりあるいは春日一幸さんの発言もお話がありましたので、そういう点も全部ひもといて見てまいりました。現在では、総理が言っておられますように、この二十条の一項前段については、信教の自由の保障、そういうものについて国の機関が国権行使の場面において宗教に介入し、または関与することを排除する趣旨と解しておるというようなお話がございました。 したがいまして、この問題については、今お話がありましたように、世代も変わる、国民の考え方もある、また国会での十分な論議というものを踏まえてもっともっと勉強して、間違いのない、皆さん方から理解されるようなことを考えておりますが、現在では、総理がお話しになったとおりに、我々としては現憲法の趣旨を守っていこう、こういうふうに考えております。総理の御答弁と軌を一にしておるというふうに御理解をいただきたいと思っております。
○久世公堯君 ただいま官房長官から御答弁を賜りました。私どもきのう、おとといと承りました御意見と同じだと思いますが、官房長官は今、相当の期間をかけてと。相当のというのは役人がよく使う言葉なのでございますが、これは、官房長官の場合はなるべく早くというふうに私は理解をさせていただきたいと思います。 何よりも今、宗教法人法の改正で改めて憲法二十条の問題というものを私どもは議論しようとしているわけでございます。そして、この宗教法人法の改正は、冒頭総理がおっしゃいましたように、社会経済の実態が変わっている、国民も変わっている、そして既に戦後五十年の歴史がけみしている。そういう前提に立って宗教法人法の改正を今、国会に出して、その場において憲法二十条の大きな原則が議論されている。そして、官房長官もおっしゃいました。国民の声も世論もよく聞く、国会の論議というものも十分検討して慎重に検討するとおっしゃいました。そのとおり理解をさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手) —————————————
○理事(松浦功君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、馳浩君が委員を辞任され、その補欠として太田豊秋君が選任されました。 —————————————
○鎌田要人君 私からは、がらりと目先を変えまして、まず第一に、宗教法人審議会が昭和三十三年答申を出されたのでございますが、この答申についてお伺いをいたしたいのでございます。 と申しますのは、この昭和三十三年答申の要点といたしまして私が手に入れましたのはわずか半ページの項目書きだけのものでございます。それで、この答申についてお伺いしたいのでございますが、この要点を見ておりましても今度の法改正をほうふつとさせるものがあります。そこで、この昭和三十三年答申についてまずお伺いいたしたいと思うわけでございます。 事務的な問題が多いと思いますので、大臣はしばらくお聞きになっていただきまして、事務当局、文化庁の次長さんの方と私と問答いたしますので、その後で御感想をお伺いいたしたいと思います。 まず、答申とありますからには諮問があったと思うのでございますが、その昭和三十三年の諮問、これをお伺いいたしたいのでございます。また、そういう諮問を必要とするに至った客観情勢についてもお伺いいたしたいのでございます。
○政府委員(小野元之君) お答えを申し上げます。 三十三年の答申でございますけれども、これにつきましては、昭和三十一年の十月六日に当時の清瀬一郎文部大臣から諮問をしているわけでございます。 この諮問に至ります経緯といたしましては、当時も宗教法人のさまざまな活動に対して新聞等でさまざまな批判もあったようでございます。そういったことに関連いたしまして国会でも御論議がなされたというふうに伺っているわけでございますけれども、そういう宗教法人のさまざまな活動等について、昭和二十六年にできた宗教法人法でございますけれども、この昭和三十一年の時点におきましても改正等を、制度改善を考えるべきではないかという論議があったというふうに理解をしているものでございます。 具体的な諮問でございますが、「宗教法人法における認証、認証の取消等の制度の改善方策について」ということで文部大臣から諮問しております。これには理由がついてございまして、昭和二十六年以来運営されてきたけれども、現今の社会事情、運営の経験、そういったものを勘案し改善すべき余地があるということで、当時、問題点を三つ掲げてございます。 一つは、規則それから規則の変更、合併、解散等の認証でございますが、こういった現行制度、それからこれに関連する調査、報告等について検討する必要があるかどうかというのが一点でございます。それから二番目が、認証の取り消しの現行制度について検討する必要があるかどうか。それから三番目に、その他現行制度について検討すべき事項があるかどうかということで、かなり幅広く昭和三十一年時点で諮問をしたというものでございます。
○鎌田要人君 そうしますと、今私はさらに重大だと思うんですが、この当時、認証制度の改善を中心とした諮問ということにお伺いしてよろしいのでございますか。
○政府委員(小野元之君) 実は、この諮問を受けまして、答申自体も十一項目にわたりかなり幅広い答申なわけでございます。そういうことで、認証だけが大きな課題であったということではないと思われますけれども、いずれしても、幅広く三十一年の時点で宗教法人法の改善方策といいますか、そういったものについて諮問がなされたというふうに理解をいたしております。
○鎌田要人君 この私が持っております資料によりますと、昭和三十二年の答申は、認証、公告、責任役員制度の建前については今直ちに改める必要はないが、運営上の事項等について次のような改善点があるとして十一項目の改善点が掲げられておりますが、これは間違いございませんね。
○政府委員(小野元之君) 御指摘のとおりでございます。
○鎌田要人君 そうしますと、それが直ちに法制化されないで、今度御提案になっておる宗教法人法の改正案を見ますと、昭和三十三年でございますから、ことしは昭和七十年、実に今から三十年以上前の答申が今ようやく日の目を見ようとしておると、こういうふうに考えられるんです。 それで、もう少し私にしゃべらせてください。この十一項目の中の一から六ないし七までのところはほとんど手が触れられておらないと考えでいいですか。
○政府委員(小野元之君) この三十三年の答申でございますけれども、この時点で審議会としてはこういった答申が出たわけでございますけれども、当時の社会状況、それからさまざまな宗教法人の実情といったものもございまして、この答申自体はこの時点で法制化がなされていないわけでございます。そういった意味におきまして、御指摘ございました一から七までの項目でございますが、それぞれ改善といいますか法律改正といったような形での改善はなされていないところでございます。
○鎌田要人君 その点は事務方でございますから深く追及することはやめまして、この十一項目の中で、「宗教法人審議会の機構を改めること。」、それから「宗教法人に対する調査及び報告の取扱いを明確にすること。」、それから十項目めの先ほど問題になりました「包括宗教法人の所轄を改めること。」、それから十一、「被包括関係の廃止に関する取扱いを適正にすること。」、こういった重大な提言がなされておるわけです。しかも、この答申が今度の改正に直接結びついておると、こういうふうに考えていいんですか。そこのところを事務的にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 与謝野文部大臣当時、宗教法人審議会に今回の制度改正について検討をお願いしたわけでございますけれども、その時点でも昭和三十三年にこういう答申が出されておりますということは審議会にも御報告を申し上げているところでございます。その昭和三十三年の時点で審議会として改正すべきだという答申を出されておるわけでございまして、これはそれ以降一つの意味では宿題という形になっておりましたので、こういったものももちろん念頭に置きながら審議会においてはいろいろ審議をいただいたというふうに理解をしております。 その意味で、御指摘ございました第八項の「宗教法人審議会の機構を改めること。」、それから第九項の「宗教法人に対する調査及び報告の取扱いを明確にすること。」、それから十番目の「包括宗教法人の所轄を改めること。」、こういったことにつきましては、この答申が出ました時点と現在の時点におきましてはもちろん社会状況、宗教法人の実態といったものも違っておるわけでございまして、このままということではございませんけれども、これに関連した事項については今回の審議会の報告、それから改正法案の内容等について一部取り入れさせていただいておるというものでございます。
○鎌田要人君 それで、当時は、三十三年ですから、三十七年前のことですから、あなたはもちろん役人にもなっておられなかったころでございますから、こういうことをしつこく聞くのはあるいは見当違いかもしれませんが、特にこの答申の「包括宗教法人の所轄を改めること。」、それから「被包括関係の廃止に関する取扱いを適正にすること。」、これはその当時の、昭和三十三年当時の答申が生きていると考えていいんですか、それとも今度の報告がこの主軸になっていると、こういうふうに考えていいんですか。そこのところをもう一遍お伺いいたします。
○政府委員(小野元之君) 昭和三十三年に出された審議会の答申でございますけれども、これはもちろん答申という形で出されたわけでございますから、そのこと自体は生きておると私は考えております。 ただ、今回、法改正をお願いしております宗教法人法の一部改正法につきましては、これももちろん参考にしたわけでございますけれども、ことし開かれました宗教法人審議会、現在の宗教法人審議会が九月二十九日にお出しいただきました報告、これが具体的な内容でございまして、その内容を忠実に法制化しておるというのが現状でございます。
○鎌田要人君 あなたに言ってもしょうがないんですが、審議会の答申というのをそんなに簡単に軽く扱われることはいけませんよ。これは審議会の委員さん方が一生懸命それこそもう自分のこととしてやっておられるわけですから、その答申を三十七年間もほったらかして今度形を、私はその答申の趣旨も十分酌まれておるという回答を期待したんですが、それはいけませんね。それを一つ注意を申し上げて、次の質問に移ります。 そこで、今度の、平成七年の宗教法人審議会の報告についてお伺いをいたします。 まず第一に、昭和三十三年は答申でございましたね、諮問を受けての答申。今度は報告ということでございますが、この間の事情あるいは前回の答申との異同についてお伺いをしたいのでございます。
○政府委員(小野元之君) 今回、宗教法人審議会におきまして宗教法人制度の見直しの審議をお願いしたわけでございますけれども、この審議の検討に当たりましては、当時の時点でございますが、宗教法人法の改正を必ずしも前提とするものではないけれども、できるだけ幅広く御審議をいただきたいということで前与謝野文部大臣から要請をお願いしたわけでございます。そして、審議会におきましては、こういった文部大臣の要請を受けて審議、検討を行って、その結果を報告として取りまとめていただきまして大臣に提出されたものでございます。 今回は諮問、答申という形ではございませんけれども、今回の報告につきましては、法七十一条二項に言っております認証その他、審議会の権限に関連する事項ということで文部大臣の検討要請を受けまして、建議の一形態でございます報告という形で審議会としての御結論をいただいたものでございます。
○鎌田要人君 そこで、今度の改正案に織り込まれた答申の事項についてでございますが、まず第一は宗教法人の所轄のあり方についてでありますが、この点につきましては先ほどの同僚久世議員の御質問に尽きるので、私からはただ一点だけお伺いをいたしたいと思います。 それは、この包括宗教法人の所轄を改めることということにつきまして条文が非常に読みづらい。これも久世さんから話があったとおりでございますが、この第五条の第二項中の一号から三号までがおわかりの方は本当に少ないんじゃないかと思います。私も先ほど久世さんの質問を聞いておりまして、どの法人がどれに当たるのか、どの宗教法人がどれに当たるのか具体的に示せと言われると、これはおれは困っちゃうなという気持ちが起こりますね。 この点につきまして、例えば今問題になっておりますオウム真理教、まあこれはもう解散を命ぜられましたから一応問題がありませんが、例えばオウム真理教をこの一号、二号、三号で読むとすればどれに当たるのでございましょうか。
○政府委員(小野元之君) 御指摘ございましたオウム真理教でございますが、オウム真理教は単立宗教法人だと思いますけれども、他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人ということで、第一号の法人だというふうに理解をいたしております。 〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
○鎌田要人君 そういうふうにこの一号、二号、三号というのを一々あなた方に聞かないとどれに当たるのかわからぬという法律の条文というのはまさにお上の法律の条文でありまして、民間の我々にわかりやすい法律をつくられることを考えられるべきですよ。それを一つ苦言として呈しておきます。 そこで次に、情報開示のあり方、あるいは設立後の活動状況の把握のあり方、あるいは収益事業の停止命令等に関する報告徴収、質問、こういった等の規定を新設することとされておりますが、これと、先ほど申しました昭和三十三年答申の項目九に「宗教法人に対する調査及び報告の取扱いを明確にすること。」とありますね、それとの関連はどうでしょうか。 といいますのは、三十三年の答申の趣旨を三十七年たった今日こういう形で取り上げようとしておられるのか、それもあわせてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 御指摘ございました今回の改正の部分でございますけれども、御指摘ございましたように、三十三年の答申では、「宗教法人に対する調査及び報告の取扱いを明確にすること。」ということで、当時の時点といたしまして、所轄庁は宗教法人の業務及び事業に関して報告を求める、あるいはそういった報告について実情を調査することができるよう明記することということが三十三年の答申では指摘をされておるわけでございます。もちろんその時点におきましても、「ただしその実施に当っては、宗教団体の宗教上の事項にわならないことは当然である。」ということを付しながらも、そういった調査や報告の取り扱いを明確にするということを三十三年の時点で宗教法人審議会は答申されておるわけでございます。 もちろんこういったことを踏まえまして、今回の法改正におきまして、所轄庁が毎年度財産目録や収支計算書等の財務関係書類等を御提出いただくということをお願いしているわけでございますけれども、その趣旨はまさにこの三十三年の答申にも同じ考え方があったと。三十三年と現在では事情等も違うわけでございますけれども、現在の審議会においてこの第九項を十分お踏まえになった上で、現在の報告徴収あるいは質問権といった部分、それから毎年度の財産目録、収支計算書等の提出、そういったものを今回の改正法の中にお願いしているというふうに理解をしているものでございます。
○鎌田要人君 それであなた方は非常に結構だと思うんですよ。信教の自由ということを大事にされる、それを役所として非常にお守りになっておられる。それが、やや私なんか、こう言っちゃ変ですが、役人の先輩からしますと、少し文部省が小さくなり過ぎているんではないか。調査、報告というのは当然胸を張ってやられるべきことなんですよ。それはここからちょっと後ろの人たちと意見が違うのかもしれませんが、宗教法人は治外法権じゃないんですよ。日本国の行政の中において、政治の中において……(「何を言っているの」と呼ぶ者あり)何を言っているのとおっしゃいますが、あなた方のおっしゃっていることを聞いていると治外法権としか見られない。そういうことを我々は非常に心配しているんです。 宗教法人といえども国政のもとにあるということを、そのことをちゃんと教えてやるべきだ。その中で調査とか報告とかということについてもう少し、例えば宗教法人審議会の許可を得て調査をするとかそういう条文は私は不必要だと思うんです。それほど日本国民は、またあなた方はファッショじゃないはずだ。そのことを特に私は申し上げまして、皆さんの奮起を要望したいと思います。 何か所感があったら。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人を治外法権にしてはいけないということは御指摘のとおりでございます。 今回、オウムの事件で宗教法人法が必ずしも十分ではないということが明らかになったわけでございますけれども、その点を踏まえまして、私どもといたしましては、信教の自由に最大限の配慮をしつつ、しかし必要最小限度、所轄庁として必要な例えば報告をいただく、認証後の活動状況の把握をする、それから所轄のあり方の問題、それから収益事業の停止命令等に関する報告徴収・質問権といった形で、最小限度でございますけれども、少なくともこれだけの規定は所轄庁が責任をきちんと果たしていく上で必要だというものにつきまして審議会の報告をいただき、法改正の中身に盛り込んでお願いしておるところでございます。
○鎌田要人君 次に、信者その他の利害関係人の範囲の問題です。 これにつきまして不明確であるという批判がありますが、この言葉は既に現行法の例えは三十四条、四十四条、こういったところで信者その他の利害関係人という言葉は使われておりますね、それは間違いないですね。 それで、現行法の中に用いられている言葉を今度お使いになられて、それについていろいろ不明確だとか言われておることについて、皆さん方の事務的な御見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(小野元之君) 委員御指摘ございましたように、信者その他の利害関係人という言葉は今回初めて使うものではございませんで、既に宗教法人法の中に規定があるものでございます。したがいまして、信者その他の利害関係人の概念自体はそれぞれの条文で規定があるわけでございますけれども、この閲覧請求権が認められる信者その他の利害関係人につきましては形容詞といいますか限定がついているわけでございまして、正当な利益があり、不当な目的でない、この二つの条件がかぶさっておるわけでございます。 そういう意味で、信者その他の利害関係人は、御指摘ございましたようにほかの条文にも、財産処分の公告等についても、公告の対象になる信者その他の利害関係人といった形で既にあるわけでございまして、私どもとしては必ずしも不明確なものではないというふうに理解をいたしております。
○鎌田要人君 次に、これは官房長官にお伺いしたいのでございますが、オウム真理教の信者の社会復帰の問題、これについてでございます。 オウム真理教の信者の人で、いわば迷妄に目が覚めて、それで社会復帰したいと。ところが、その人に対する世間の目はそれは冷たいですわね。ほんまものか、ほんまに改俊したのかどうかわからぬぞという気持ち、そういう気持ちを初めとしまして、これから社会復帰していくのにいろんなトラブルがあるということは、これは予想されるところですね。 その場合に、例えば職業を紹介してあげるとか、あるいは教育関係でいろいろ社会教育も含めてしてあげるとか、そういった縦の系列の対応の前に、そういう人々に対しまして、これは私は市町村だろうと思うんですが、市町村で全般的な、あなたはそういうことだったらこちらへ来なさい、あなたはこういうことだったらこちらへ来なさい、そういう指導も含めまして市町村が第一義的にはそういうことをしなけりゃいかぬのじゃないかと、そういうことで考えておるのでございますが、この点につきまして官房長官の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 先生の御質問にお答えいたします。 今お話がありましたように、オウム真理教をめぐる事件、教団を脱会して社会復帰をしようとする方々あるいは子供さんの状況、世間は冷たい、御指摘のとおりでございます。だから、また教団に帰るかというような事態にならないように我々は配慮していかなきゃならぬ、当然だと考えております。 そこで、六月に、内政審議室長を長といたしまして、関係省庁の局長を中心にして対策委員会を持っております。ちなみに、警察庁、法務省、文化庁、厚生省、労働省、建設省、自治省、こういう方々にお集まりをいただいて連絡会議をつくり、山梨県等からの要望もございますので、それぞれ職の問題とかあるいは更生の問題とか、一つ一つに温かく対応して、世間は冷たいということでなしに温かく迎えていこうと、こういうふうな考え方で今日まで五回にわたって議論をし対応をしておるところでございます。
○鎌田要人君 この点につきましても、言葉は適当でございませんが、罪を憎んで人を憎ますという気持ちで慎重に御配慮をお願い申し上げたいと思います。 それからもう一つ、これは法務大臣にお伺いいたしたいのでございますが、今度の宗教法人法の一部改正法律案に関連いたしまして、破防法の改正をすりゃいいじゃないか、それで足りるという御意見があるようでございます。(「七九%ある」と呼ぶ者あり)七九%あると後ろの方で言っておることも事実でございますが、七九%か二〇%か〇%か知りませんが、私は、宗教法人法の改正と、それからやはり破防法の改正が、共産党の皆さん方が昔の共産勢力の撲滅のために破防法というのがあったということであれば、それにかわる法律でもいいんです。要するに、オウム真理教というのが非法人格、法人格を持たないで民間の宗教団体として活動する余地は十分あるわけですね。そういうものに対して、やはり絶滅をさせるということが必要だと思うんです。 そういう意味では、宗教法人法のこの改正は改正として当然行われるべきだと。これは先ほど言いましたように、宗教法人法を改正せいということで、今日の宗教法人法の改正へのいわば原型的なものが昭和二十三年に言われているんですね。それを三十七年間もほっておいた。これは私は世間一般、日本国民全般の責任でもあると思うんです。でありますから、私は、昭和三十三年の古めかしい答申を引っ張り出して延々とやったのはその気持ちがあったんです。 それはそれといたしまして、破防法あるいはそれにかわるべき法律で今のオウム真理教を、極端なことを言いますと国民の迷妄の対象から排除したい、そういう気持ちが私は非常に強いものですから、この点についてどうお考えか、法務大臣の御意見をお伺いいたしたいと思うのでございます。
○国務大臣(宮澤弘君) 御承知のように、ただいま宗教法人法に基づきましてオウムについては裁判所から解散命令が出ておりますが、係争中でございます。解散命令が確定をいたしましてもオウム真理教が任意団体として行う活動まで規制をされるわけではございません。 仮に破防法ということを考えますと、破防法による解散指定の処分というものが確定をいたしますと、その効果は、当該団体の構成員等が団体のためにする行為というものが禁止をされるわけでございます。 破防法はそのような効果を持っておりますが、申し上げるまでもなく、破防法の適用につきましては国民の基本的人権にも関係をする問題でもございますので、法と証拠に基づいて厳正かつ慎重に判断されるべきものだと思っております。 私といたしましては、この問題についてできるだけ早く結論が得られるように努めてまいりたいと思っております。
○鎌田要人君 破防法の関係について法務大臣が非常に慎重な御姿勢であることは、それはそれとして私は評価いたしますが、やはり問題は、オウム真理教のようなこういう問題が今日国民の間に非常な重圧になっておる。それを排除するためにはありとあらゆる法律の手段を使い、もちろんその背景にありますのは国民の良識という問題でありますが、この混沌とした世の中の世相を見ますとそうばかりも言えない。だから法律の手段としてもやるだけのことはやるべきだ、そういう意味で申し上げた次第でございます。 以上で私の質問を終わります。
○委員長(佐々木満君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時三十分開会
○委員長(佐々木満君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下栄一君 平成会の山下でございます。平成会を代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。 参議院における宗教法人法の改正論議が二十二日の本会議趣旨説明、代表質問からスタートしたわけでありますけれども、極めて異常な、また異様な雰囲気の中で行われております。 審議の冒頭から特定宗教団体の攻撃、ねらい撃ちをするような質問が続いております。審議スケジュールについても、二十二日の委員会の趣旨説明を委員長の職権で強行いたしました。我々は、これにつきましては不信任案を出しまして抗議したわけでございます。また、昨日も委員長の職権で委員会を散会せずに休憩とし、与党は参考人問題の採決を強行する構えを見せたのであります。このような与党の数を頼んでの強権的な国会運営に対し、昨日も強く抗議し、今ここで改めて強く抗議するものであります。 改正案の中身につきまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。 昨日も、我が会派の魚住議員からも改正点の中の一つでございます提出義務につきまして質問がございましたけれども、時間の都合で途中で終わっておりますので、残りの部分を少しさせていただきたいというふうに思うわけでございます。きのうも質問があったわけでございますけれども、担当の方の答弁が非常に中途半端な答弁内容でございましたので改めてさせていただきます。 要するに、現行法で宗教法人に対して備えつけ義務を課している書類、これを所轄庁に提出させる義務、これが今回改正点の一つになっておるわけでございますけれども、現行法では提出義務を定めなかった理由があると私は思うわけでございます。 〔委員長退席、理事松浦功君着席〕 あえて信仰の自由、信教の自由を守るというこの観点から所轄庁に提出義務を課さなかったと、このように理解しておるわけでございますけれども、現行法で提出義務を定めなかったのはなぜか、このことについて大臣にお聞きしたい、このように思います。
○政府委員(小野元之君) 現行法で提出義務を定めていないのに今回なぜ定めるのかという御質問でございますけれども、現行法で書類の提出、備えつけを義務づけておるということはあるわけでございますけれども、それを所轄庁に対して提出義務はないというのは御指摘のとおりでございます。 これは、立法当時、昭和二十六年の時点の状況でございますけれども、この時点におきましては、規則の変更でございますとか合併、任意解散の認証、それから一定の登記事項の届け出等、こういったものが現行法で規定として設けられておるわけでございますけれども、そういった規定によりまして認証後の宗教法人の実態把握についてはこの時点においてはこれで足りる、実態の把握がある程度できると。そして、二十六年当時の時点におきましては、こういった今定められております権限を適正に行使することが可能であるというふうに考えまして提出を義務づけていないものでございます。 したがいまして、この書類を新たに義務づけるから、そのことが信教の自由を侵害するということではもちろんないわけでございます。
○山下栄一君 文部大臣、十一月一日からですか、その前の十月三十一日から衆議院でも本会議からスタートいたしまして、今回の法改正の論議のやりとりはもう繰り返し行われてきているわけです。 それで、この改正案の提出の最高責任者である文部大臣も、この法改正を実現するためにさまざまな勉強もし答弁に備えておられたと、こういうふうに思うわけでございますけれども、僕もこの二十七日から聞いておりまして、肝心なことになると専門家に答えさせると、こういうふうにおっしゃるわけですよ。法改正案の最高責任者として、専門家になんというのはおかしいと私は思うわけでございます。大事なことは専門家に答えさせる、そういうのじゃ困るわけでございまして、私の質問につきましては大臣からお答えいただきたい、このように思うわけでございます。 今回、宗教法人に備えつけの書類の提出義務を課した目的、何のために提出させるのか、このことについて、大臣、お答え願いたい。
○国務大臣(島村宜伸君) 初めに申し上げておきますが、私は確かに宗教法人法の改正案を提出するにつきましては私なりの勉強はさせていただいておりますけれども、文部大臣の仕事というのはそればかりではございません。例えば、私は、就任以来、もう北海道だけでも三回行っておりますし、全国各地かなりいろんなところを飛んで歩いております。いじめの問題もありますし、教育改革の問題等もございますので、細部にわたり、あるいはより専門的なことについては、いわば審議会のいろいろな御審議の経過等をよく踏まえて承知いたしております文化庁次長に御答弁させる方が礼にかなう、こういう意味も含めて、私の方はそういう場合には文化庁次長から答弁させている、この点をまず御理解いただきたいと思います。 それから、今回、いわば備えつけ書類を提出していただくということは、これも今まで再三いろんな答弁にも出ておることでございますけれども、今は、例えば収益事業の停止命令とか認証の取り消しとか、あるいはまた解散命令の請求等、七十九、八十、八十一条と法は規定してございますけれども、その実態の把握が全くできないというのが現実でございます。 それで、この法は、制定当初は宗教法人も規模も小さかったし、いわばそれぞれの地域で御活動いただくというのがほとんどでありましたから、そういう意味では当初はそれでよかったかもしれませんが、今日のように、これだけ世の中が変わり、宗教法人の実態も変わり、広域化してきて複雑化してくれば、当然所轄庁としてはある程度の実態把握をしておく必要がある、そのことによって今回は、この備えつけ書類の御提出を願うということが例えば宗教法人審議会の御報告の中にも出ている、こういうことでございます。
○山下栄一君 先ほど、専門家としての文部大臣、宗教法人法の改正案については私は専門家であると思うわけでございまして、それについては大臣から答えてほしいと、このように申し上げたわけでございますが、詳しく知っている事務当局から答えさせるのが、私はいろいろとほかにも仕事がある、礼儀を失すると、こういう発言があったわけですけれども、事務当局の方じゃなくて法改正の最高責任者からお答えいただく、これが私は礼儀であると、このように思うわけでございます。 今回のこの臨時国会の文部省所管の法案はこれ一つでございますから、今のところ。したがいまして、改正案提出の最高責任者としてしっかり答えていただきたいと、このように思いますので、よろしくお願い申し上げたい。 実態把握のために、状況はもう変わった、実態把握をする必要が出てきた、そのために備えつけの書類を提出させるんだと、こういう御答弁でございますけれども、ということは、現行法では今まで全く認証後は掌握をしてきておらないと、こういうことですか、大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) 備えつけ書類の義務づけはあっても閲覧権等を持たないということは御存じのとおりですね。したがって、知るすべがなかったということがあります。 それから、今ほどのお話でございますけれども、議事録としてきちんと残る、そのことをもとにまた質問や、あるいは時には究明をされることもあるわけでございますから、無責任な答弁はできないわけです。そういう点も御理解いただきたいと思うし、これは国会の、今までの議会の運営の中にも決してまれなことではないわけであります。
○山下栄一君 無責任な答弁は困るわけでございます。責任ある答弁を大臣からお願いしたいと、こういうことでございます。 それで、閲覧するすべもなかったというお話でございますけれども、文部省みずからが、都道府県の認証事務の担当の方からこういう場合はどうですかという質問があったときに、その回答として、例えば宗教法人の了解が得られれば報告を徴したりあるいは事情を聴取することができると、このように昭和四十一年に文部省が既に都道府県からの質問に対して回答をしているわけでございます。 それに基づいて、その宗教法人の了解を得て報告を徴収したり、また質問をしたり、現地に行って確認したり、そういうことを通して今までも文部省はやっておられるわけでございまして、認証をして以後何も実態把握も掌握もすべて全然やってこなかったということではないわけです、現行法でも。この点についてはどうですか。昭和四十一年に既にもう文部省は回答されておるわけですよ。大臣、答えてくださいよ。
○政府委員(小野元之君) 昭和四十一年の時点で、御指摘ございましたように、これは秋田県の総務部に対してお答えしたものでございますけれども、所轄庁として規則の適正な運用について指導監督の責任があるということで、宗教法人の御理解が得られれば、同意を得た上でいろいろお聞きをする、あるいは資料をいただくということはもちろんできるわけでございます。ただ、これは同意が得られればという前提は、もし同意が得られなければ、所轄庁としては知りたいと思っても、それは資料を得ることができないわけでございます。 現行法で、先ほども御答弁申し上げましたように、規則の変更をいたしますときでございますとか、それから一定の登記事項の届け出があるとき、こういった場合、非常に限られておりますけれども、認証後若干の情報が得られる機会はあるわけでございます。
○山下栄一君 だから、この認証事務、宗教法人として認証した後、現行法でも実態把握のすべもあったし、既にそのような通達ももうやっているわけでございまして、そんなもの全然掌握できてない、すべもないということはないわけで、その辺の大臣の認識を変えないかぬわけですよ。今もうできているわけやから。 大臣、宗教年鑑は御存じですか、宗教年鑑という本は。どうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 承知いたしております。
○山下栄一君 これはどこが発行し、どこがそういう調査をし、本になっておるわけですか。大臣、どうですか。
○政府委員(小野元之君) 宗教年鑑につきましては、午前中の御質疑もございましたけれども、私どもの方で宗教法人にお願いをいたしまして一定の事項について御回答いただいて、それを書類としてまとめてオープンにしておるものでございます。
○山下栄一君 文化庁の担当から、そういう各宗教団体の信者数とか教会数とか教師数とか、そういうことを具体的に問い合わせをやっているわけでしょう。実態把握の努力をやっているわけです。だから、現行法も実態把握のすべがあるわけですよ。全くできないことはないわけですよ。それをしっかり確認せなだめですよ、大臣、それは。 その次です。提出させてそれをどうするのか。全国十八万、今回文部省所管はふえると思うんですけれども、各宗教法人から備えつけの書類を、収支計算書、財産目録等を提出させてそれをどうするのかということです。何のために提出させるのか。どうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 文部省であれ地方自治体であれ、所轄庁という立場に立てば、一たび認証を与えれば法人格を与えたという責任があるわけですね。したがって、ある程度の実態把握は必要だと、こういうことでございます。
○山下栄一君 今さっき言いました。ある程度の実態把握はもう既にやっているわけですよ、さまざまな形で。宗教年鑑をつくるための実態把握もやっているし、そして任意の報告徴収もできますよ、質問もできますよ、現地へ行って確認もできますよということを文部省は回答しているわけだから、ある程度の実態把握はやっているじゃないですか。 これを提出させて、文部省の文化庁の役所に積んでおくわけはないと思うんですよ。そうでしょう。それを、いろいろと問題点が見つかったと、指導したくなるわけですよ。だから、具体的にそれを集めて、たくさんの書類をどうされようとするわけですか、大臣。
○政府委員(小野元之君) 財務関係書類等について提出を義務づけるということをお願いしているわけでございますけれども、その趣旨は、宗教法人がその目的に沿って活動しておられるということを所轄庁として継続的に把握をする、そして宗教法人法を適正に運営することができるようにしようという趣旨があるわけでございます。これによりまして、所轄庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、任意でお答えいただける場合はもちろんできるわけでございますけれども、拒否なさればそれは全くできないわけでございます。 そういうことでございますので、宗教法人が認証後、毎年度その目的に沿って活動しておられるということを継続的に把握できるということで、所轄庁が責任を果たしていく上で最小限度必要な改正であるというふうに考えているところでございます。
○山下栄一君 様式についてもどういう形で報告させるのか。統一的なものでやるのか、それとも各宗教法人の報告のそれぞれのやり方で報告させるのか、その報告の様式ですね。大臣、お答えください。——大臣、だめですよ。何遍も繰り返し質問している内容なんだから、逃げたらだめですよ。大臣、答えてくださいよ。
○国務大臣(島村宜伸君) せっかくの御要望ですけれども、質問通告も何もなさらずにいきなり細かい点をいろいろつかれても、こちらも責任ある答弁ができません。通常の方々は皆さんそういうことをあらかじめ、責任ある答弁を求めるために質問通告をなさるわけでございまして、この点だけは御理解をいただきたい。
○理事(松浦功君) 小野文化庁次長。
○山下栄一君 いいですよ、もういいですよ。(発言する者多し)私は答弁求めてませんから、大臣答えてくださいましたから結構です。
○理事(松浦功君) いいんですか。
○山下栄一君 結構です、いいです。 こういう質問は初めてと違いますねん。もう今までも何回もされているんですよ。だから答えなだめですよ。 提出させてどうするのかということで、国政調査権と役所の守秘義務との問題があるわけでございます。これについても既に衆議院等でも質問があったわけでございますけれども、この基準がはっきりしてないわけです。議会の国政調査権とそして役所の守秘義務とどちらが優先するのかという基準もはっきりしていない。大きな問題点の一つでございます。 これを例えば各党の都合で、多数を頼んでと言ってもいいと思いますけれども、党利党略で、国会の方で国政調査権を発動して各宗教法人の実態を質問したときに、これを文部省の方でどういう基準で答えさせるのかということですね、それについてお答え願いたいと、このように思います。
○政府委員(小野元之君) 提出いただいた書類のそれにつきまして、もちろん所轄庁といたしましては公務員でございますから守秘義務があるわけでございます。これに対して、国政調査権でそれを提出せよということがあった場合どうなるのかという御質問でございますけれども、今回の宗教法人法の改正によりまして、所轄庁に提出される書類の内容につきましては、公務員の守秘義務によって保護されるべき秘密に属する場合があるというふうに考えております。 一方で国政調査権に基づく要請があるわけでございますけれども、これにこたえて職務上の秘密を開披するかどうかということにつきましては、守秘義務によって守られる公益、それと国政調査権によって得られるべき公益、この二つの公益があるわけでございますけれども、これを個々の事案ごとに比較考量することによって決定すべきものというふうに考えているわけでございます。 したがいまして、今回の法改正によりまして、提出を求める書類の中身について、国政調査権に基づいてこれを出せという御要請があった場合の取り扱いでございますけれども、これは個々の事案ごとに判断すべきものだというふうに考えております。一概に言えないわけでございます。 ただ、一般論として申し上げれば、これらの書類の内容が秘密に属するというふうに認められる場合には、これを開披するということは控えざるを得ない場合があるというふうに考えておるところでございます。
○山下栄一君 だから、個々の状況によって国会の場に明らかにする場合としない場合がある、それは文部省で決めるんだと、こういうことでございますから、極めて基準が明確でない、大きな問題である、このように思うわけでございます。多数を占める与党の都合でどうにでもなる、こういうふうな実態が明らかになったと、このように思うわけでございます。 次に、文部省の場合は、今回の法改正に備えて、提出させるその書類に対応するために担当職員の方の増員を既に予算で要求されておる。五人ふやすんだというふうな備えをされておるわけでございますけれども、都道府県の場合は、これは同じように事務量が膨大にふえてくる、こういうふうに思うわけでございます。こういうことは当然きちんと役所間の連絡体制で備えがされておるのではないかと、こういうように思うわけでございますが、自治大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(深谷隆司君) 今回の宗教法人法の改正によりまして、例えば地方自治体から文部省に所轄が移るところもあります。そこは逆に事務量が減るわけであります。あるいは宗教法人が提出する財務関係の書類等々が今度は出てまいりますから、そういう新たに生じる事務量増というのは予定しなければなりません。したがって、今回の法改正の結果、それぞれの地方公共団体で具体的にどのように事務量がふえていくのか、これを今後の状況をきちっと見守って判断をしていく必要がございます。 いずれにしても、それぞれの地域によって事情が違うわけでありますから、各地方公共団体におきまして必要な事務量を勘案の上、適正な職員配置を行うようにすべきだと、こう思っています。
○山下栄一君 自治大臣、例えば文部省の場合は、既に現在四百弱の包括法人ですけれども文部省所管になっているわけです。今回、法改正で文部省の所轄の宗教法人数がふえるわけですね、約千ぐらいと言われておりますけれども。ところが、都道府県によりますと、現在もう既にその県に宗教法人が非常に膨大にある、そういう県もあるわけです。 余り細かいことでございますので申しますけれども、愛知とか新潟とか兵庫とかが多いわけでございます。例えば新潟県であるならば八千を超える。八百じゃなくて八十じゃなくて八千でございますけれども、宗教法人がある。それを専任一人でやっている、こういう実情があるわけです。見たらもう明らかに、これはこういう備えつけ義務だけで提出させるわけですから、そんなたくさんの、若干それは減るでしょうけれども、それは五百か六百は文部省に移ると思いますが、全国の数ですから、新潟県においても八千からそんなに激減するわけではないわけでございまして、それを一人でやっている、専任の方は。明らかなことなんですよ。 そのように各都道府県の実態をこれから考えてと、そういうのじゃ対応できぬわけです。中央はきちっともう対応しているわけでございますし、五人増員している。もう既に予算措置もせないかぬ状況になってくるわけですよ。どうですか、それ。
○国務大臣(深谷隆司君) 委員の御質問の趣旨は、定員管理をきちんとやれよ、それで賄えるのかという話ではないかというふうに私の方で受けとめます。 申し上げるまでもないことでありますけれども、ほっておいても黙っていても事務量というのは複雑多岐な社会情勢から考えますとふえてまいります。そういう中で、定員をふやしてはならないというのが今日の原則でございまして、我々といたしましてはどうやって定員をふやさないで対応するかということに全力を挙げています。 そういう意味では、スクラップ・アンド・ビルドという原則を守っていく、つまり配置転換等々を行うことによって定員管理をきちんとしながら対応していく、そういう姿でなければならぬと思っております。
○山下栄一君 だから、今回の改正は行政改革の流れに逆行する改正なんですよ。 それで、大臣、財産目録とか収支計算書を出させるわけですよ、提出義務があるわけですから。新潟県の場合も出させる。それも膨大な数の、何千という書類が出てくるわけです。それをそのままほっておくわけにいかぬわけでしょう、毎年提出させるわけですから。それだけでも大きな倉庫をつくらないかぬという。どう整理するかということがあるわけです、一人の専任でやっているわけですから。だからそれは全然実態に合わないことをやろうとしているというふうに私は思うわけです。どうでしょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 私が今申し上げたように、この宗教法人法の改正がなくても、いろんな国民の要望が多いものですから一般的に事務量がふえていく、しかしそのたびに定員をふやしたのでは大変だぞというのでスクラップ・アンド・ビルドの原則で定数をふやさないようにしておこうと、今私はそう申し上げたので、その私の言葉から行政改革に反するなんという答えが出てくるはずがないので、どうぞ素直に人の話を聞いていただきたい。 地域によってさまざまな事務量の違いが生じます、例えば文部省に所管が移ったところは減るわけですから。だから、地域の実情に応じてさまざまに変わっていきます。具体的に出てきた事務量に応じてそれぞれの地域でそれらを勘案して、いわゆる定員の配置がえであるとかそういう形で補っていくようにしていただきたいと、こう申し上げているわけで、この分を数をふやせと言っていることは全くないわけで、できなくはありません、可能です。
○山下栄一君 要するに、全国で何百という宗教法人の移管が、文部省に移るわけです。何百の単位ですと。新潟県の例で言いますと八千を超えるものが既にある。文部省に移管する宗教法人が全部新潟県としましても、七千を超えるものが残るわけです。七千を超える宗教法人から提出書類を出させるわけですよ、毎年。だから全然仕事の量からいって無謀な実態なんです。具体的にそんなものをイメージして考えてください。どうするんです、こんな膨大な書類を。一人の職員しかいないという実態に合わないことをやっているわけだ。 だから、私が言いたいのは、これは全部毎年実態把握すると言っているけれども、そんな気はさらさらない、初めからねらい撃ちをして特定の宗教団体だけを見るんだ、こういう発想としか考えられないわけですよ。大変大きな問題である、私はこのように思うわけでございます。
○国務大臣(深谷隆司君) 宗教法人法の改正の目的は別にあると、答弁した私に言われても、それは所管が文部大臣でありますから筋が違います。 それからもう一つ大事なことは、国としてやらなければならないことというのは、数が足りないのではないかという前提でやめればいいという筋合いのものではないのであります。必要なことはやらなければならない。しかし定員管理はきちんとしなければならない。その場合にどうするかということになれば、スクラップ・アンド・ビルドのそういう方法で全国の皆様、地方自治体の協力を得て配置転換等で賄っていかざるを得ない、そのように指導していきたいと考えていると申し上げているんです。
○山下栄一君 これはもちろん文部省所管でございます。だけれども、今申し上げた都道府県の事務量の増大にかかわることだから定員の問題も出てくるわけです。そういう協議もされていると思うんです、当然のことですから。これからそんなものやると言うたかて、もうすぐ始まるわけですから、だからそういう極めていいかげんな準備しかできていない、このように私は思うわけでございます。 じゃ、きちっと文部省から、自治省と地方交付税の予算措置も含めましてそういう協議をされたんですか、どうですか。
○政府委員(遠藤安彦君) 交付税のお話が出ましたので私から御答弁をさせていただきたいと思いますが、こういう法律が通りますれば、やはり事務量の増減という問題がありますので、今御審議中でありますので確定的な議論はいたしておりませんけれども、文部省の要望その他については聞いておるところでありますが、法律その他の動向がはっきりしました段階で、先ほど自治大臣が御答弁したような線に沿ってきちっと交付税措置をしてまいりたい、かように思っております。
○山下栄一君 法案の動向を考えて準備すると。だけれども文部省は既に予算もされているわけですから、この辺の協議はしっかりやってなきゃおかしいわけですよ。基本的に非常に拙速なそういう準備しかされていない、こうとしか言いようがありません。 附則二十三項につきまして御質問いたします。 この提出義務につきまして、小規模法人については提出の免除がある。ただし、たとえちっちゃい規模でも収益事業をやっている場合は、これは収支計算書の提出義務がある、こういうことになっているわけです。附則二十三項というのはこう書いてある。公益事業以外の事業を行わない場合は、一会計年度の収入の額が少ない額として文部大臣が定める額の範囲内にあるときは、収支計算書の作成を免除すると、こう書いてあるわけです。 この附則二十三項の問題でございますけれども、小規模法人につきまして負担を軽減させるためにこういう免除を設けている。小規模法人は出さなくてもよろしいと、小規模法人に配慮したそういう規定になっているわけです。ところが、先ほど申しましたように収益事業を少しでもやっておればこれは出さなきゃいかぬわけです、たとえ小規模であろうと。 ということは、実態をどれだけ調査されたかわかりませんけれども、規模の大小にかかわらず収益事業を、例えば境内の中に自動販売機を置いてあるとか、それからまた公衆電話を置いてあるとか、そういう小さいお寺もあるわけでございます。そういうところは出さないかぬわけです。そうですね、大臣。
○政府委員(小野元之君) 収益事業を実施なさっておられる場合でございますと、これは税法の関係で経理をきちんとしなければいけないことがあるわけでございます。そういった関係で、仮に規模が小さくていらっしゃっても、そういう収益事業を実施しておられるところであれば、それは既に収支計算書をおつくりになっているはずでございますから、それは備えつけがなされていると思うわけでございまして、それをお出しいただくということでございまして、特に大きな負担をおかけすることにはならないであろうということから、収益事業を実施しているところについては、小規模であってもお出しいただくということとしているわけでございます。
○山下栄一君 だから、先ほども申しましたように、これは宗教法人がたくさんある中で、要するに一定の金額が全然決まっていません。本来こんなものは、法改正を出すわけですから、一番大事なところを、どこのどの段階から免除をされるのかということが全然実態がわからないままに、それは後から決めますというふうな形で法案が出されてきているわけです。これは極めてこの法改正案の不備であると私は思うわけでございます。 先ほど申しましたように、収益事業を少しでもやっておればこれは提出義務がある。だから、負担を軽減させる配慮をする装いをしながら、だけれども小規模法人の中で、先ほども一つ例を挙げましたけれども、少しでもこういう自動販売機等を置いてあればこれは出さないかぬようになるわけです。だから、何かたくさんの宗教法人が免除されるように思うけれども、これは小規模法人であったとしても報告義務を課せることになる、このようになってしまうわけです。これは非常にごまかしの配慮である、このように私は思うわけです、収益事業を少しでもやっておれば出さないかぬわけですから。どうですか、大臣。大臣、答えてください。
○政府委員(小野元之君) 今回の小規模法人の方々で新たに収支計算書をおつくりにならなければいけないということは事務上の御負担もあるであろうということで審議会の中でも御意見がございまして、そして今まで全く、例えば神主さんもいらっしゃらない、御住職がいらっしゃらないお寺であるとか、今までそういうきちんとした処理ができないところにとっても新たに大きな義務を課すというのは問題があるということで、配慮すべきだという御指摘があったわけでございます。 一方で、この収支計算書の作成というのは、基本的には本則の方では義務づけをしておるわけでございまして、特段の事由があるといいますか、そういった事務の困難であるところについて附則で例外措置をしているわけでございます。 収益事業を実施していらっしゃるところは、先ほど申し上げましたように、税法の関係で既に区分経理等もなさっておるわけでございまして、収支計算書をおつくりになっているわけでございますから、その写しをお出しいただくというだけでございまして、そんなに大きな負担をお願いすることにはならないというふうに考えているところでございます。
○山下栄一君 そんなに大きな負担をかけないというようなことは実態調査しなきゃわからぬわけです。じゃ、どれだけ実態を出されたんですか、日本全国十八万の宗教団体、どうですか、大臣。これきちんと実態を出されてからの法改正案ですか、どうですか。なぜ負担がそんなに軽くなる、少ないなんて言えるんですか。
○政府委員(小野元之君) これは国税庁さんのお調べでございますが、宗教法人のうち収益事業を行う宗教法人の数というのは明らかになっておりまして、平成六年度で一万七百七十八件というふうになっております。 〔理事松浦功君退席、委員長着席〕
○山下栄一君 これは、ある一定の限度以上の収入のあるところだけが税務報告するわけでしょう。この法律はそんなのじゃないわけです、金額の制限なしに、少しでも収益事業をやっておれば出さないかぬわけですから。ごまかしちゃだめですよ。 だから、小規模法人といいながら、少しでも収益事業の収入があれば報告手続も出てくるわけです。一見何か負担が軽くなるような装いをしていますけれども、多くの宗教法人に網をかけるようなこれは例外規定である。これは実態を本当にどれだけ掌握したか極めて疑問の法改正内容である、このように私は思うんですけれども、大臣、答えてください。
○国務大臣(島村宜伸君) 再三申し上げてきたことですが、いわば我々の法改正に当たって、宗教法人審議会に御検討願っていろいろ御検討いただいた審議委員の皆さんの中には十一名の宗教法人の代表者がおられる。それも五つの宗教団体の代表者の方がそれぞれ代表として加わって御審議願っている。宗教の実態はだれよりもよく詳しいはずの方々が長い時間をかけて、わずか三点に絞って徹底的な御審議を願ったという結果を踏まえてのものでございますから、その点は十分配慮がされていると、こう考えます。
○山下栄一君 大臣の御答弁は常にそこに戻ってくるわけですよ。だけれども、大臣が本当に信頼されている宗教法人審議会の審議の結果はこれだと、こうおっしゃいますけれども、これも大きな問題ですけれども、その宗教法人審議会のメンバーが半分もこの報告の内容に疑義があると、こういう抗議をされているわけですよ。都合のいいときだけ宗教法人審議会の権威あるとか言うけれども、文部大臣が任命した宗教審議会のメンバーが審議をもう一回やってもらいたいという、そういう強い抗議が出る報告なんですよ、これは。都合によって答弁を変えているわけですよ、大臣。 だから、おかしいとこの宗教法人審議会のメンバーが言っているわけですから、それをそういう都合のいいときだけ権威ある専門家が審議した報告だから信頼せいと、私も信頼するんだと。だけれども、非常に内容的には納得されていないメンバーが半分もいらっしゃるわけです。これはだれが任命したんだ。文部大臣が任命したわけですから、責任を持たなきゃだめですよ、それは。それで、なおかつこの小規模法人の問題は宗教審議会の意見を聞いてから決めますという。これは意見を聞くだけですからね、聞いて、文部省が勝手に告示で金額の基準を決めるという、そういうことになっているわけです。 だから、一つ一つ今回の法改正案は非常に恣意的な内容といいますか裁量権の余地のある内容である、このように私は断ぜざるを得ない、このように思うわけでございます。 報告徴収・質問権の問題に移りたいと思いますけれども、これは例外的な現行法における所轄庁の権限といたしまして、七十九条、八十条、八十一条の収益事業の停止命令とか認証の取り消しとか解散請求の問題につきましては取り消し権限もあるしという、そういうことですね。 それについて肝心のそういう権限はあるけれども、所轄庁は報告徴収また質問の権限を与えられていない、だから今回改正するんだということでございますけれども、これはもともと、この宗教法人法は昭和二十六年に制定された法律でございますけれども、しっかり理由があって、そういう取り消し、解散請求もできる権限を所轄庁に与えながら、あえて信仰の自由の観点から、基本的な人権の根幹にかかわる自由を守るためにそういう報告徴収とか質問権を規定しなかった、こういう背景が私はあると思うわけでございます。 これは法の不備でこういう権限を与えながら報告徴収・質問権を与えなかったと、こういう御認識でしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法制定当時と今日では社会も変化し、宗教法人の実態も大きく変わったということはお認め願えると思います。 そして同時に、例えばオウムの事件にしても、サリンの事件が起きてすぐ慌てて騒ぎ始めたのではなくて、その前からいろいろオウム真理教という宗教法人の活動についてはうわさなどを私などもかなり耳にいたしておりました。しかしながら、実態把握ができない。 例えば、所轄の問題もあり、あるいは報告も何も受けておらない、備えつけ書類の閲覧権も持たない。こういう中で放置されたことがやはりオウム事件の遠因の一つになっていることは事実だと思います。こういうことを放置しておったのでは、私は法で治める法治国家でなくて、いわばほったらかしたままの放置と言われても仕方がない。この際、国としても責任ある対応をする必要がある、そこで最小限度の法改正をお願いしている、こういうことでございます。
○山下栄一君 大臣は、昭和二十六年の宗教法人法制定の過程といいますか、どういう流れで、この宗教法人法の制定というのは極めて慎重な、時間をかけて、審議を経て、準備もして、打ち合わせもしてつくられた法律であると、私はそのように思っております。決して拙速につくったものではない。 当時の状況をどれだけ大臣が御存じかなと思うんですけれども、営利法人で、営利団体で宗教法人の認証を得て、そして非課税の収入を得ていたという、そういうえせ宗教法人といいますか、実体は商店であったりとか、そういう実態が当時あったわけですよ。だから、こういう権限を取り消し、そういういいかげんな宗教法人は収益事業取り消しとか、また認証取り消しとか、こういう権限が与えられたわけです。だけれども、あえて報告徴収とか、それから質問権というような調査権とか、戦前のものは与えなかったわけです、所轄庁に。理由があるわけです。先ほど申しましたような理由から、信仰の自由を守らないかぬという観点から、そういう権限を与えながら報告徴収・質問権を与えなかったわけでございます。理由があると思うわけでございます。 それを今回、似たような状況にもかかわらず、この八十条、八十一条の取り消し権とかまた解散請求権を、ある権限に伴う報告徴収・質問権をあえてつくるという、そういう法改正をやるということは、これは大臣、宗教法人法のもともとの条文、現行法に欠陥があったと、こういう認識ですか。もともとの法律に不備があったんだと。どうですか。
○国務大臣(島村宜伸君) 少なくも現行の宗教法人法では宗教法人に対する所轄庁としての責任を負いかねると、こう判断していることは事実であります。
○山下栄一君 先ほど冒頭申しましたように、実態把握を現行法でもいろいろやっているわけですよ。やっているわけだけれども、これは認められませんか。——認めないと。じゃ、現行法は全く現状把握できないということですか。どうですか、大臣。
○国務大臣(島村宜伸君) 不備と言われながらも、所轄庁としては最善の努力をして宗教法人の実態というものの把握に努めていることは事実であります。しかしながら、それでは所轄庁として今の宗教法人法で責任ある対応ができるかといえば問題がある。その不足を補う最小限の改正が今回お願いしている改正案であります。
○山下栄一君 今、大臣は、昭和二十六年の法律は法の不備があったんだ、不備にもかかわらず、できる範囲で現状把握と、今そうおっしゃいましたね。——そうおっしゃいましたよ。だけれども、先ほども申しましたように、確認をする手段は今でも既にあるんだ、現行法でもあるんだと。当時は、制定の趣旨から権限は与えたけれども、取り消し権も与えたけれども、宗教法人を管理監督したらだめだと、こう言うから、あえてそういう質問権とか報告徴収権というのを与えなかったわけです。そういう信仰の自由といいますか、基本的人権にかかわる極めて大事な法の中身なのでという観点から、質問権、報告徴収権を所轄に与えなかったという背景があるわけでございまして、不備じゃないんです、これは。ひとつしっかり勉強していただきたいと、このように思うわけでございます。 じゃ現在、具体的に解散請求を文部省が行った例、去年で結構ですけれども、どれぐらいあるんですか。
○政府委員(小野元之君) 八十一条の解散命令請求でございますけれども、これにつきまして、平成六年度で二十八件ございます。これはいずれも都道府県知事の所轄法人でございまして、いわゆる休眠法人でございます。過去十年間これらにつきまして少しずつやってきたわけでございますけれども、平成五年度が十七件、平成六年度が二十八件ということで、この規定を適用しているところでございます。
○山下栄一君 だから、今でも解散請求をやって解散を具体的にさせているわけですよ、去年も二十八件。(「休眠法人だから」と呼ぶ者あり)だから、休眠法人だということが八十一条に書いてあるわけですから、それをちゃんと現状を把握する、今でも実態把握できる方法があるから休眠法人と認定して既に解散をさせているわけでございます。だから現行でもできるわけですよ。 では、オウムの場合は法改正をしなかったら解散請求できないんでしょうか、現行法では。
○政府委員(小野元之君) オウムについての解散命令請求でございますけれども、これは衆議院、参議院でもいろいろ御議論があったわけでございますけれども、東京都としては把握する手段がないということでございまして、なかなか資料が得られなかったわけでございます。そして、警察や検察の御協力をいただいた上で解散命令請求を出すことができたということでございまして、現行の宗教法人法では必要な情報なりデータというものが集められないという実態があったわけでございます。
○山下栄一君 今、大臣も答弁を聞いておられたと思いますけれども、ということは、あのようなオウムの犯罪、それは今回の法改正で文部省の所轄できちっと解散請求できるような体制になると、こういう御認識でしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 宗教法人法は本来規制とか取り締まりを目的とするものではありません。したがって、今回の法改正でオウム真理教事件のような事件の再発を防止できるかと言われても、それは困難だと答えざるを得ません。 しかしながら、従前と違うことは、これからは宗教法人の実態というものを継続的にある程度把握できるわけでありますから、その意味ではいわば対応もしやすいわけでありますし、また同時に、法七十九、八十、八十一条に該当する疑いがあるというときには宗教法人審議会にお諮りして、そして質問権を行使したりあるいは報告を求めることができる、こういうふうに変わるわけですから、その意味では従前とは大きく違うものになることだけは事実であります。
○山下栄一君 だから、これを改正しても、そういう捜査機関みたいな、そんなような犯罪事実というのは掌握できないわけですよ。 もともとこの法律の現行法というのは、そういう八十一条一項一号にあるような公共の福祉に反するようなことを起こすような宗教法人については、検察官等の解散請求によって裁判所がきちっとやるというふうになっているわけです。だから、別にあえて所轄庁にそのような権限を与えること、それは刑法に基づいて警察とかまた検察の観点からきちっとそういう掌握を任じているわけでございまして、所轄庁にしゃしゃり出て新たな権限を与える、もともとそういうことを求めていないんです。先ほどおっしゃったように、こういう改定したかて犯罪事実を捜査できるようなそのような掌握はできないとおっしゃっているわけですから、要らないわけです、こういう改正は。 では、八十一条一項一号、これは現行法における解散請求事例、解散命令請求ができる事例というのは犯罪事例以外に何か考えられるんでしょうか、それ以外にあるんでしょうか。
○政府委員(小野元之君) 八十一条の一項一号でございますが、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたということでございますから、これは恐らくほとんどの場合、犯罪行為といったもの以外には余り事例がないのではないかというふうに考えられます。
○山下栄一君 大臣、聞いておられましたか、今の答弁。だから、現行法でも解散命令請求するための体制がちゃんとあるわけです。八十一条一項一号にもございましたように、犯罪捜査機関できちっとこれはもうそれに基づいて検察官も請求できるわけですから、任せたらいいわけです。残りの二号から四号というのは休眠法人のことですから、これは先ほど申しましたように現行の現状把握の体制でできるわけです。また、それに基づいてもうやっていた、休眠法人は先ほど去年も二十八件あったと言っていましたから、現行法でちゃんとやっているわけです。 だから、したがいまして、解散命令請求を出すための報告徴収や質問権というのは全く要らないという、そういう事実になってくるわけです。それはお認めになりませんか。
○国務大臣(島村宜伸君) 私とあなたの根本的な考え方のずれは、昭和二十六年当時と現在とは社会が大きく変化しているということや、宗教法人の実態も極端に変わってきているということの認識の違いだと思うんです。 私は、昭和二十六年当時ならあるいは今の法律でよかったのかもしれないし、あるいは戦前の暗い過去の反省に立った面もあったとは思いますが、少なくも現状の社会の実態やあるいは宗教法人の実態を考えますと、今回お願いしているいわば最小限の法改正はぜひとも必要と私は考え、ぜひともこの改正案を成立させていただきたい、こう願っておるところであります。
○山下栄一君 これは昭和二十六年の話じゃなくて、この八十一条の解散命令できる体制というのは今もあるということです。一項一号は犯罪捜査機関できちっとこれは解散命令、今回もオウムの事件で実際にやっているわけです、現行法で。解散命令請求やっているわけです、できているわけです。二号から四号というのは休眠法人の関係ですから、現行の現状把握の体制で今もやっているわけです。去年も二十八件あったわけですから、今の体制でちゃんとできるようになっているわけです。新たに報告徴収とか質問権は全く要らない、こういうふうに大臣、認識を変えなきゃだめですよ。だから、これはもう要らない、そういうふうに私は確信するわけでございます。今の答弁の内容で明らかになった、私はこのように思うわけでございます。 きのうも議論ございましたけれども、この報告徴収とかそれから質問をするときは宗教審議会の意見を聞いてと、こういうふうになっているわけでございますけれども、これは単なる手続を踏めばよい、宗教審議会の意見を聞くだけだと、これは。宗教審議会できちっと検討されて、全員一致なのかわかりませんけれども、そういうことを宗教審議会でやってよろしい、こういうことがあればできる、こういうことでしょうか。意見を聞くということの意味です。
○政府委員(小野元之君) 七十八条の二の規定によります報告、質問でございますけれども、昨日も御質問ございましたけれども、宗教法人審議会の意見を聞いて行うわけでございます。昨日も御論議ございましたけれども、私どもといたしましては、仮に宗教法人審議会がそういった報告徴収や質問をすることは必要がないという御判断があれば、その判断は尊重しなければいけないというふうに考えておるわけでございます。 いずれにしても、こういった審議会の意見を聞くということで、所轄庁が恣意的な感じで宗教法人に対していろいろ報告や質問を求めるということではなくて、手続的にもきちんと審議会の意見を聞くという最大の配慮を行った上で、今この法律の規定の改正をお願いしているわけでございまして、ぜひとも御理解を賜りたいと思うところでございます。
○山下栄一君 じゃ、宗教審議会の意見がだめだということであれば文部省は質問しない、報告徴収もしない、こういうことですか。
○政府委員(小野元之君) 昨日も御論議ございましたけれども、私どもとしては審議会の意見は尊重するというのが建前でございます。
○山下栄一君 尊重するということは、聞く場合もあるし聞かぬ場合もある、こういうことですか。大臣答えてください。大臣にお願いします。宗教審議会の意見を聞くというのはどういうことですか。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会に諮問いたしまして御意見を聞くわけでございます。私どもとしては宗教法人審議会の判断に従いたいというふうに考えております。
○山下栄一君 今、明快におっしゃっていただきました。従いたいということは、宗教審議会がだめだと言えば報告徴収、質問しない、こういうことであろうと、そう理解したいと思います。 この疑いがあるときという、こういう法律の八十一条の該当の事項の疑いがあるときにはそういう措置ができるという、そういう法の中身になっておるわけでございますけれども、この疑いがあるかどうかの判断はどこがやるんでしょうか。
○政府委員(小野元之君) これは所轄庁が判断するものだと考えております。
○山下栄一君 ということは、文部省が質問したいときに質問する、質問できるときは文部省の裁量でどうにでもなると、そういう恣意的な判断が働くということですか。
○政府委員(小野元之君) この七十九条、八十条、八十一条、これらの事態というのは、通常の宗教法人がきちんと運営なさっている場合であれば七十九条、八十条、八十一条には該当されないというのが通常でございます。したがいまして、七十九条、八十条、八十一条は、特別の場合、収益事業の扱いがおかしいとかあるいは解散命令請末に該当している疑いがあるという場合でございますから、かなり問題がある場合というふうに考えざるを得ないと思うわけでございます。 そういう場合でございますけれども、一応この判断をいたしますのは所轄庁でございまして、しかし所轄庁が恣意的に行うというのでは問題があるという考えもございましたので、宗教法人審議会の意見を聞くということで、宗教関係者も入っていらっしゃいます審議会が公正な立場で御判断いただくということで、手続的にもそういった所轄庁が暴走することがないように保障しておる規定だというふうに理解をしております。
○山下栄一君 審議会の意見を聞くということにつきましても、またこの疑いがあるかどうかの判断も文部省が勝手にやるということですから、これは文部省に裁量権を非常に多く与える、そのような非常に信教の自由を侵害するおそれの強い法改正案である、このように言わざるを得ないと思うわけでございます。 質問を終わります。(拍手)
○猪熊重二君 宗教法人法の改正に関して村山総理は、この宗教法人法の改正は信教の自由を尊重しているんだ、またこの改正は宗教法人に対する最小限度の規制であって憲法上何ら問題になる余地はないと、このようなお立場でいろいろ御答弁されております。 私は、この宗教法人法が直ちに憲法に違反するかしないかというふうなことの前に、非常に憲法に違反するおそれもあるんじゃなかろうかというふうな立場から総理にいろいろお伺いしたいと思います。総理は社会党の委員長であられるし、それから恐縮ですが、橋本通産大臣と武村大蔵大臣にもお出ましいただいて、この憲法と宗教法人法の関係についてお伺いしたいと思います。 私が今から申し上げることは、私が申し上げることが正しくてそれ以外の考えが間違いだとか、そんなことで申し上げるつもりはありません。 〔委員長退席、理事松浦功君着席〕 まず、信教の自由についてお伺いしますが、御承知のとおり日本国憲法においては、基本的人権として第三章に自由権、平等権、社会権、国民の基本的権利が各種規定されております。 この自由権について二つの種類の自由権があるんだということが一応憲法上言われております。一つは内心の自由の問題であり、一つは人身の自由の問題である。同じ憲法の保障する自由権という言葉の中にあるとしても、人身の自由はその侵害が外から見える。何びとにもそういう事態が起こり得る。これに対して内心の自由は、その自由を持つ人間にとっては非常に個別的な大切な命にもかえがたいものであったとしても、すべての人に通ずる普遍的な問題じゃない。また、内心の自由の侵害は外からの侵害に対して何びとの目にも明らかであるというふうな侵害じゃない。 人身の自由は、例えばアメリカにおいて黒人を白人のお巡りさんが五、六人で、警棒だか何だか知りませんが、棒でたたいている。この姿を見れば何びとにも人身の自由の侵害で許しがたいということがわかる。しかし、内心の自由はまさにその当人にとっての自由であって、第三者が侵害する、そのようなものが外から非常に見えにくい。そういう意味において、内心の自由は人身の自由に優越する権利であって、ガラス細工のように非常に弱い、壊れやすい内心の自由を国政の上で最も尊重しなきゃならない、大切にしなきゃならない。これが憲法学者のほとんどの人が言っておられることなんです。 思想の自由内心の自由、学問の自由、信教の自由という、こういう内心の自由は国政の上において最も尊重しなければならない。行政権だけでなくすべての国家権力のもとにおいて内心の自由は大切にされなければならない。非常に壊れやすい権利だ、侵害されやすい権利だというふうに言われておりますが、この件に関しての総理のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(村山富市君) 内心の自由というのは心の中の話です。ですから、基本的人権として、個人が心の中にどのような思いをしようと、どういう信仰を持とうと、それは個人の基本的権利として保障されなければならぬ、これは当然の話だと思うんです。これは、客観的に見れば人間にはやっぱり強弱がありますから、したがって、今言われるように非常にもろいものになる場合もあるし、強いものになる場合もあると私は思います。 しかし、それは社会的に制度として、そういう個人の信仰の自由とか、これは内心のものですね、心のものを大切に守って保障していくということがある意味では社会的な責任であるし、あるいはまた政治の責任ではないかと、私はそういうふうに考えています。
○猪熊重二君 それから、この信教の自由を中心とするような基本的人権の問題と政治原理としての民主主義の問題、これについてまたお考えをお伺いしたいと思います。 日本国憲法も他の諸国の憲法と同じように、人権宣言的側面と国家の基本組織法としての側面と両方持っております。この人権宣言的側面において規定されている基本的人権は、人によって違いますけれども、天賦人権と言われている。天賦人権ということは、天が賦与したものがその人権なんだ、法によってつくられたものじゃない。憲法によって初めて創設された権利ではなくして、憲法前の天賦人権ということが言われている。 これに対して、今の日本国憲法における国家の基本組織に関しては国民主権原理をとっている、民主主義原理をとっている。民主主義というのは、究極においては多数決原理に帰着する。なぜ民主主義が多数決に帰着するか、民主主義は相対主義だからなんです。民主主義は相対主義であって、Aの意見も正しいかもしれぬ、Bも正しいかもしれぬ、しかしどれが正しいという絶対的基準がないから、やむを得ぬ選択肢として多数決原理を持ってくる。 ですから、基本的人権の問題と政治原理としての民主主義原理、多数決原理とは直接的には相反するんです。もし、多数決原理によって基本的人権を制限し、否定することができるとすれば、これは天賦人権じゃない。要するに、人権の問題は、民主主義原理である多数決原理によって決定することはできないはずなんです。もし、多数決原理で、ある基本海権利を、少数者の権利を否定することができるとするならば、少数者は常に少数であるがゆえに多数に負けるんです。やらないうちからわかっているんです。 このような意味において、基本的人権は多数決原理とは別個な原理によって保障され、そして運用され、国家の施策の上においても単に多数決だからというわけにはいかないということ、この辺のことについて、何という論理だというお考えであるか、総理のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(村山富市君) 質問の趣旨がわかり得ない点が若干私もあるので、質問に対して適正に答弁をできるかどうかというのはわかりませんけれども、我が国の憲法というのはおっしゃるように主権在民ですね。その主権在民を支えていく土台として、制度として民主主義制度を採用しておるというのが我が国の憲法の基本ではないかと思うんです。その国民主権というものをどう内容的に位置づけていくかという意味で基本的人権が、思想・信条の自由とかあるいは信教の自由とか、言論・結社の自由とか、そういう基本的な権利に基づくものとして、国民主権を裏づける内容としてそういうものが保障されてきておると、私はそう思うんです。 そこで、個人の思想・信条の自由という基本的権利と民主主義との関係ですね、これはある意味では、冒頭にも申し上げましたように、その基本的権利をどう制度的に保障していくかという意味で民主主義制度が採用されておる、こう私は思うんです。しかし、今おっしゃるように、これは絶対というものはあり得ないわけですから、したがって公でもって物事を決めようとする場合に、民主的なルールに従って多数決で決めるという場合もありましょうし、多数決で決めることが個人の人権を著しく侵害していくという場合には、これは多数決で決めるものではないと。 例えば、国会で今、議員立法で臓器移植法案が出されておって審議されておると聞いておりますけれども、こういう臓器移植のような法案を扱う場合に、党議で決めて、それでやっていいのかどうかというような議論があるように聞いております。 私はそういう意味でケース・バイ・ケースで、多数決で決め得るものと、決めた方が妥当であると思うものと、そうではなくて、個人の自由というものを尊重してその採用はすべきではないという場合とあると思いますから一概には言えないのではないかというふうに思いますけれども、基本的な考え方としては、基本的人権を保障する制度として民主主義制度が私どもは今考えられる範囲では最良の方法ではないか、民主主義も尊重すべきであると、こう考えております。
○猪熊重二君 橋本通産大臣と武村大蔵大臣に、今回の宗教法人法改正案を提案した、提案したのは内閣ですけれども、その与党の代表というか最高責任者というか、こういうお立場において、今回の宗教法人法と信教の自由、あるいは基本的人権の日本国憲法における位置づけとか、このようなことについての所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) こうした問題について私は必ずしも専門家ではありません。しかし、今、委員が総理を相手に論戦を繰り広げられておりました信教の自由、まさにこれは内心の自由という意味では、思想・信条の自由あるいは良心の自由と同様に、個人として見ればこれは絶対的な重みを持つ基本的な大切な人権の一つであると私は考えます。 そして、その上に立ちまして、今、委員からは憲法と宗教法人法についてのお問い合わせがございました。私は、宗教法人法という法律は、信教の自由、そして政教分離の原則というものを基本にしながら、宗教法人の自由と自主性、同時に責任と公共性、その二つの要請を骨子として全体が組み立てられているものと考えております。 例えば、宗教法人法の第一条第二項、「憲法で保障された信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。従って、この法律のいかなる規定も、個人、集団又は団体が、その保障された自由に基いて、教義をひろめ、儀式行事を行い、その他宗教上の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない。」とございます。そして、私が申し上げるまでもなく、この宗教法人法において法人格を与えるために必要な要件としては、それぞれの宗教法人が独自の教義を持たれていること、その独自の教義に基づいた信者の教化育成をしておられること、そしてその教義に基づいた儀式行事が行われていること、これが要件として定められているように思います。 こうした点を考えましたとき、私は今回、宗教法人法の改正で御審議をいただいております内容というものは、このような現行制度の基本を変えるものではない、そのように認識をいたしております。
○国務大臣(武村正義君) 信教の自由等をめぐってお尋ねをいただきました。いろいろ議論を聞きながら感じておりますが、いずれにしましても、これはおっしゃるように内心の問題が基本であります。信教の自由というのも結局は信仰の自由が基本にあると。これは教義を信ずるということであろうかと思いますし、あるいは神様、仏様も含めて絶対者を信ずるという気持ちも当然含まれておりますが、そういう信仰の自由の保障が基本でありますし、信仰の自由にかかわるさまざまな活動、いわゆるこれが宗教活動でしょうか、その活動の自由も保障されていると、こういうふうに私は認識をいたします。これは憲法のプリンシプルでございますから、これを損ねることはもちろんいけませんし、むしろこういう信教の自由がより生き生きとこの国で実現していけるような条件をつくり出していくというのが私どもの責任だと思っております。 そういう視点から見れば、今回の宗教法人法の改正は、率直に言って必要最小限の妥当な改正だと新党さきがけとしては判断をして、全面的に賛成の立場でこの論議に参加をしているものであります。 率直に言って、これだけ長い月日が流れて、午前中の久世委員さんの質問も聞いておりましたが、世の中も変わりましたし、宗教法人そのものも大きく変わりました、数の面でも質の面でも。そんな中にはさまざまな宗教法人も出てきて、あげくの果てには今回のオウム真理教のような、全く目を覆いたくなるような反社会的な犯罪的な活動を宗教法人を舞台にして展開をするようなものまで生まれてきた。私ども税の立場で見ておりましても、答弁いたしておりますように、宗教法人をかたる、営業のために宗教法人を買収したりして巧妙に使い分けをして金もうけに走っている例もございますし、また昨日の霊感商法の例のようなああいう行為も一部ございます。 ほとんどの宗教法人がまじめに信仰の道で御苦労いただいているはずでありますけれども、一部にはそういうものが出てきていて、そのことに政治が目をつむっていていいのか、今回まさしくオウム真理教によって我々は目を覚まして必要な最小限の改正をここでやらせていただきたいというふうに判断をいたしている次第でございます。
○猪熊重二君 総理、それから通産大臣、大蔵大臣、御答弁いただいてありがとうございました。 それでは、文部大臣に宗教法人法の問題についてお伺いします。 宗教法人法は、一口に言えば、宗教団体に法人格を付与することを目的とした法律、こういうことになっております。ただ、この間、どなたか知りませんが、質問だか何だか、やじというのか不規則発言であるか知りませんが、そんなにうだうだ言うんなら宗教法人やめたらいいじゃないか、宗教法人の認証をやめたらいいじゃないかというような御意見もどこかありました。確かにそれも一つの考え方でありましょう。 しかし、宗教法人法で宗教団体に法人格を付与するということは、その宗教団体にとって世俗的取引世界における便宜を付与すると同時に、その取引の相手方においても法人化しているということが非常に便利なことなんです。ですから、取引社会において、ある団体に法人格を付与するか付与しないか、付与しなくても世の中にそう支障はないか、あるいは法人格を付与した方が全般的取引の中において世の中で便利だなという観点、いろんな観点から法人格を付与すると、こういうことになっているわけです。 ですから、宗教団体に法人格を付与して宗教法人とする道を定めたこの宗教法人法は、まず第一義的には、宗教団体の世俗的側面における取引主体としての権利能力付与という意味において宗教法人の便宜ではあるけれども、同時に社会的取引主体として相手方に対しても非常に便利なシステムというか制度というかそういうことになっているわけです。 それで、宗教法人法は、宗教団体に宗教法人格を付与するためにどういうことを予定しているかというと、宗教法人になろうとする団体に規則を作成しなさいと。その規則を認証する仕事を文部省の所掌事務としているんです。ですから、国がこの宗教法人法に関与する唯一の道であり、それ以外に方法はない道が宗教法人の規則の認証なんです。 文部省の設置法を見ても、宗教法人の規則の認証をすることという職務権限がある。しかし、それ以上に宗教法人を指揮しなさいとか指導しなさいとか監督しなさいとかという条項はないんです。ここのところをよくわきまえるというか理解しておかないと、宗教法人法の根本が何であるかということについて非常に誤解を生ずるおそれがある。 宗教法人法の主務官庁は文部省である。それは具体的には何があるかといったら、職務権限としては宗教法人の規則の認証をすることだけなんです。(「解散もあるよ。解散請求もあるよ」と呼ぶ者あり)それは宗教法人の規則を認証し、その団体が法人登記をして法人として成立した、成立した後それを解散するかせぬかは裁判所の仕事なんであって、文部省の仕事じゃないんです。余計なことを言われても困る。 私が言いたいことは、文部省の所掌事務として今のような規則の認証は規定されているけれども、それ以外に文部省にも他の省庁、いかなる国家事務分掌の省庁においても宗教団体に対する監督、指導あるいは調査、そのような介入を認めている規定はないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 最後のところが少し私はわかりにくかったのですが、いわゆる宗教法人法は、なるほど宗教団体の目的達成に資するための宗教団体に法人格を付与することを目的としております。 そして、そのための認証だけであるというお考えをお示してありますが、私は、そのことは少しく違うのではないか、そしてまた、裁判所にいわばその是非の判断云々ということもちょっと見解を異にするところであります。それは、一々これは裁判に訴えてその是非を問うということ自体であるとすれば、私はそうでないのではないか。 言うなれば、いわば宗教法人の側としても法人格を得るということで社会的にある種の権威あるいは税制上の優遇等々が得られるわけでありますから、当然に宗教法人の公共性に対応した公正な管理運営を確保する責務がある、私はそう思います。 そして、宗教法人の管理運営について法律に所要の規定を置きその適正を図るという意味におきましては、所轄庁としても、いわば法人格を与える、認証をするというだけが所轄庁の仕事でなくて、その後の適正な管理運営を見守るといいましょうか所轄するといいましょうか、そのことの責任は当然にあると私は考えます。
○猪熊重二君 私が質問したことがあるいは言葉が足りなかったかもしれません。というのは、文部省設置法には宗教法人の規則を認証することに関することなんです。ですから、そういう意味では、規則を認証することに関連する事項については文部省の所掌事務の中に入っております。 ただ、私が申し上げたのは、そういう認証に付随する、認証に関連すること、そのことは文部省の権限だけれども、この認証とは全く無関係な権限は規定してないと思いますと、こういう趣旨だったんです。その辺は、関することの範囲をどのくらいと考えるかという解釈の問題ではあります。 それからもう一つは、今大臣が税法のことをおっしゃられました。私は、税法のことをこの宗教法人法の論議の中に持ち込んでくることは非常に論議が混乱すると思うんです。 なぜかといえば、この宗教法人にどのような課税上の措置を講ずるかというのは国税、地方税の税の問題であって、憲法の優遇の問題はありますけれども、優遇するかせぬか、どの範囲にしようかどうしようか、それは税の問題であって、宗教法人法の本質問題とは無関係だ。それをこんなにもらってこんなにもうけているのだから、ああだこうだという議論をされてもちょっと筋が違う。これは余計なことなんですけれども。 それから、ちょっと質問が、いろいろ時間的な問題もあって通告も不十分で、あるいは答えにくかったらそうおっしゃっていただいて結構なんですが、総理あるいは各大臣の御答弁が、この宗教法人法は何も憲法上問題ないと、こうおっしゃられますけれども、信者の問題について私は非常に憲法上疑義があると思うんです。これはどういうことかというと、宗教団体においてどのようなものを信者とし、信者をどのように教化育成し、どのように処遇するかというのは教義的側面において全くその宗教団体の自由です。 例えば、ある宗教団体における教祖なり指導者なり長老とかいろいろありますけれども、その聖職者と信者との関係において、お前を信者にしてやるとか、私の弟子にしてやるとか、このくらいいろんな教義がわかったら弟子にしてやるとか、もうお前は自分以上に力がついたからあっちへ行けとか、あるいはお前はだめだから破門するとか、要するにその宗教団体において聖職者と信者というものの関係は、極端に言えばその教義に基づく、その教義いかんによってはその聖職者の自由なんです。これが先ほど申し上げた民主主義のような原理と違うところなんです。 ですから、その宗教団体において信者をどのように処遇するかというのはその宗教団体の自由の根幹であるにもかかわらず、今回の改正法においては、信者に対していろんな帳簿なり書類の閲覧権を認めている。私は、宗教団体が信者に帳簿の閲覧権あるいはいろいろな書類の閲覧権を認めることがいいとか悪いとか申し上げているんじゃありません。信者にどれだけのことをするかせぬかということを決めるのは、まさにその宗教団体の自治の根幹じゃないかということを申し上げたいんです。法律が介入することじゃないと私は思うんです。この辺をどのように考えるか。国が、信者にはこれだけの権利を付与せよとか、あるいは信者をこう取り扱わなきゃならぬとかというふうなことは、介入するととはできない。 現在の宗教法人法のもとにおいて信者という規定が、先ほどどなたかもおっしゃいましたけれども、ずっといろいろ条項があります。しかし、今までの信者の条項は、信者に宗教団体の行う公告を受けるというような受け身だけの、特別にその信者に具体的、個別的権利を与えるような意味における信者じゃないんです、今までの現行法の信者は。今回のこの条項で言う信者には個別的、具体的な権利を与えているんです。よろしいでしょうか。今までのは単に信者、利害関係人に公告しろ、ああそうかい、見ましょう、見ましたよとか、見ませんよとか、それだけのことなんです、今までの現行法の信者の概念は。 ところが、今回は個別的に、具体的に帳簿閲覧請求権という権利を認めている。このような権利を法によって信者に付与するということは、宗教団体にそのような義務を課するということ、このことは信教の自由の根本から考えて非常に憲法に違反する疑いが大きい、私はそう思いますが、総理、文部大臣の所見を伺いたい。
○国務大臣(村山富市君) 私は、今の宗教法人法が今度仮に改正された場合、信者の扱い方が違うのかと、基本的には違わないと思います。 ただ、少しあなたと違うのは、宗教団体の性格によってまたこれはいろいろ違いますから一概には言えないと思いますけれども、信者の方が正当な理由があって、しかも利害関係があって、そして不当でないことがわかった場合に、宗教法人がどうぞ見てくださいということはある意味では当然のことではないか。これは、団体自体の民主的な運営とそれから透明度を高めて社会的な信頼を高めていくという意味でも妥当なことではないか。私はある意味では当然のことだというふうに理解いたしております。
○国務大臣(島村宜伸君) 前段、総理が申されたことは私もほぼ同じ考えてあります。 問題は、信者に個別的・具体的権利を与えると、こうおっしゃいますけれども、これ自身、宗教法人のいわば特殊なそれぞれの性格に応じて宗教法人がその信者を決める、こういうことになっておるわけでありますから、例えば、何かこうであるということをこちらが勝手に規定する、こういうものとは違いますので、私はあなたの御指摘とは少し考え方は違います。
○猪熊重二君 それは私と同じじゃ法案出せないから、それは同じじゃ困る。ただ、この問題は考えておいてください、将来、裁判所においてこの法律の憲法的違法性が争われるときが必ず来ると私は考えています。 次に、時間がないものですから、利害関係人についてお伺いします。 利害関係人に対して書類や帳簿の閲覧権を認めている。いろいろ限定はありますよ、限定はあるけれども認めている。 それで、法務大臣、ずっとお座りでお気の毒でございましたけれども、私が法務大臣にお伺いしたいのは、この法律で言っているような、利害関係人程度と言うとおかしいですけれども、利害関係人のような法的立場にある人間に対して、一般商事会社においてこのような利害関係人に書類や帳簿の閲覧権を認めているか認めていないか、これが一つ。 もう一つは、いわゆる一般の公益法人においてこの程度というかこのレベルというか、この改正法が考えているような意味での利害関係人に、今申し上げた書類の閲覧だとか帳簿の閲覧だとか、こんなことを法規上認めているのかいないのか、お答えいただきたい。
○国務大臣(宮澤弘君) 一般の商事会社につきましては、株式会社なり有限会社なりによってそれぞれ帳簿閲覧についての条件なりなんなり違うと思っております。それらと、それから民法法人のことも含めまして政府委員から答弁をさせたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 現行法の内容の問題でございますので私の方からお答えさせていただきますが、株式会社につきましては、これは、会社が毎決算期に作成いたします貸借対照表、損益計算書等の基本的な計算書類や株主総会議事録につきましては、五年間本店に備え置いて、株主、これは会社の所有者でございますが、そのほか会社の債権者はいつでもこれを閲覧できるという制度がございます。 なお、民法の規定する公益法人については、御指摘のような書類の閲覧請求権という規定は設けられてございません。
○猪熊重二君 文部大臣、要するに世の中に存在する一般の公益法人すべてですよ、財団法人、社団法人、私は不勉強で何万あるか何十万あるか知りませんが、このような一般公益法人には、この宗教法人法が規定しているような利害関係人の書類、帳簿閲覧請求権を認めていないんです。それから私立学校法にしろあるいは労働組合法にしろ、一口に言えばよそ様のそんな利害関係人なんという方々にこのような権利を認めていない。宗教法人にだけなぜこのような利害関係人に対し書類や帳簿の閲覧権を認めるのか。 しかも、書類、帳簿といった場合に、事業の経過を記載した報告だとか、あるいは財務関係的に言えば損益計算書だとかあるいは帳簿まで見せろというんです。帳簿までといったら、要するに日々のあらゆる金銭の動きまでが出てくる。出てくるのがいい悪いじゃないですよ。なぜそれを利害関係人なんという、一般債権者だとかあるいはその宗教法人に損害賠償請求しようという債権者だとか、こんな人に見せなならぬ。 いや、すべての法人にそういうのを見せてもらえば、私ごとを言って失礼だけれども、私は弁護士だから非常に便利だわい。みんな、すべての法人について、おい見せろ見せると何か言ってきて、だれでもとっとっとっと。一口に言えば、家庭で言えば台所の中のものまで全部見せることと同じになる、結果的に。なぜ宗教法人にだけこういうふうな利害関係人の書類、帳簿閲覧請求権を認めたのか。これが一点。 そして、もしこのような取り扱いを宗教法人にだけすることは、団体処遇上の憲法の法のもとの平等原則にも反する可能性がある。この二点目。 これについて文部大臣の御意見を。
○政府委員(小野元之君) 民法法人や学校法人について閲覧請求権がないのになぜ宗教法人に認めるのかという第一点の問題でございますが、民法法人につきましては、主務官庁に対して広範な監督命令権、検査権が認められているわけでございます。そして、一般的な指導監督に服するということもございますし、内部の監査体制というのも確立しておるわけでございます。 それから、学校法人でございますけれども、学校法人につきましてはその設置する学校の設置についての認可がございます。それから学校法人自体の認可ももちろんあるわけでございますし、それから学校法人設立後の寄附行為の変更の認可など所轄庁による関与といいますか、その制度もきちんとしておる。それから、内部監査等の制度が整備されているという点があるわけでございます。 一方で、宗教法人につきましては、その自由と自主性を尊重して、所轄庁による関与ができるだけ少なくなっておるということは先ほど来お話が出ておるところでございますけれども、それだけに、自由と自主性を尊重するというだけに、その運営の民主性、透明性が特に求められておるわけでございます。 そういった趣旨から、今回の法改正は、閲覧について正当な利益のある信者その他の利害関係人について、不当な目的でない場合に閲覧を認めるということでございまして、これは宗教法人の運営の民主性、透明性を高め、その適正な管理運営に資するということを目指しておるものでございます。したがいまして、ほかの法人等についてそういったものがないことが法のもとの平等に反するということではないというふうに考えております。
○猪熊重二君 あなたの今の答弁は私の質問に対して何も答えていない。私が質問したのは、宗教法人に対する所轄庁の調査だとか、あるいは所轄庁がどれだけその実態を把握するとかせぬとか、そんなことを聞いているんじゃない。 私が聞いているのは、第三者である利害関係人に対して、なぜこのような権利を宗教法人の場合にだけ限って認めたのかということを聞いているんです。これを宗教法人にだけやることは、先ほど私が信者の問題で申し上げたけれども、法のもとの平等というのは、何も個人の法のもとの平等でなくして、法人間の取り扱いも平等にせにゃならぬ、この平等原則に反する可能性があると申し上げているんです。 なぜ利害関係人にそんな権利を認めるのか、一般公益法人について認めていないのに。今、次長が言ったような、一般公益法人に対してはいろいろ監督しています、指導しています、指揮監督があります、報告徴収があります、それでしっかりしているんですと。しっかりしているということと、所轄庁がどれだけ把握しているかしていないかという問題と、この団体の、法人の資産内容を第三者である利害関係人に開示するという、開示じゃないわな、これは請求権なんです。請求するべき義務を負担するかせぬかという問題とは全然別の問題だ。これは非常に重要な問題で、またいろいろ検討してください。 私が言いたいのは、こんな法人の平等原則に反するようなことは後々問題になりますよということを指摘しておきたいんです。はっきり申し上げて、衆議院が通ってきて、ここへ来て何を言ってもどうということない、法案の成否としては。だから、私は国民の権利を守るという意味において、憲法を守るという意味においていろいろ申し上げているつもりなんです、ばかになって。そこのところはよく理解してください。 もう時間がありませんから、最後に、七十八条の二による宗教法人に対し報告を求め、または質問をする場合に、質問される相手方である宗教法人に対して所轄庁はどういう理由で調査するのか。もっと換言すれば、法文の文言で言えば、「次の各号の一に該当する疑い」について告知して質問し調査するのか。こういう「次の各号の一に該当する疑い」の事実について何にも告知することなく質問し調査するのか、これを伺いたい。 なぜかといえば、宗教法人にとって所轄庁が何々について聞きたい、何々について報告求めたいと言ったときに、何にも言わぬで何々についてと言うと、事業者が、税務署が来ると、何しておるんだ、何聞かれるんだと、こう心配するのと同じように、何聞かれるんだか何だかわけがわからぬと、これではいたずらな不安や困惑を宗教法人に与える。ですから、質問し調査するときには、こうこうこういうことについて疑いがありますのでこの点に関してということを告知するかしないか、それを伺いたい。
○政府委員(小野元之君) 法第七十八条の二第一項の、「次の各号の一に該当する疑い」の場合のお尋ねでございますけれども、これは具体的にそういう事例があった場合に、個々具体的のときに判断するしかないと思うのでございますけれども、いずれにいたしましても宗教法人審議会に事前にお諮りをすると。その時点で、こういった事柄があって、そしてこういったことについて報告を求めます、あるいは質問いたしますということは、宗教法人審議会の意見を聞くことはそのとおりでございます。 そして、それを経た上で宗教法人に対してどうするかということでございますが、いずれにいたしましても、報告を求める、あるいは質問をするということでございますから、どういったことについてどうと、この点について例えば第七サティアンがあってこの中にサリンがあるんですかというような、ある程度具体的なことを示さなければ質問もしにくいわけでございます。 したがいまして、常にその理由を告知するということができるかどうかはわからないわけで、個別の事例によらなければならないわけでございますけれども、通常の場合でございますと、なぜそういうことを聞くのかということは宗教法人の側からも聞き返すということは当然あると思うのでございます。そういった意味におきまして、相手方からきちんとした御報告をいただく、あるいはきちんとした回答をいただくというためには、できるだけそういった理由を示すということは望ましいことであろうというふうに考えております。
○猪熊重二君 望ましいんじゃなくして、ぜひそのようにしていただきたい。 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○前川忠夫君 日本社会党の前川でございます。 実は、私もこの宗教法人法の特別委員会に参加をするに当たって社会党の参議院の執行部の皆さんに、私がなぜメンバーに入ったんですかとお聞きをいたしましたところ、文教委員会のメンバーやあるいは地方行政委員会のメンバーやさまざまなこの種の法律に詳しい経験豊かなメンバーの方がたくさんおられるんですが、実は今、御案内のように宗教法問題は大変国民の関心の高い問題であります。そういう意味では国民の視点といいますか、一般的な町の人たちのような感覚といいますか、そういう視点でこの問題をどう考えたらいいのか、そういう意味で私などもメンバーに入ったようであります。 多少素人っぽい質問をさせていただくかもしれませんし、あるいはこれまでの議論をお聞きしておりまして、かなりの部分については解明をされていますので、ダブる部分についてはできるだけ省略をするつもりですけれども、なかなか私が理解しにくい部分、場合によっては繰り返しの質問が出るかもしれません。お許しをいただきたいと思います。 今申し上げましたように、大変国民の関心の高いテーマでありますから、そういう意味ではできるだけ冷静な議論を私もしたい。これは、きょう委員長、今交代をされておられますけれども、昨日は大変委員長御苦労をされました。もちろん、きょうの平成会の皆さん方にも言い分は多分あるんでしょう。しかし、できれば、こういう委員会という場がある、あるいはその委員会の運営について御相談をする理事会あるいは理事懇談会がある。そういう場の中でできるだけ、国民の皆さんから見ても、ああなるほど今こういう議論をしているのか、どうもあしたからこういう議論が始まりそうだという議論ができるように、委員長には大変御苦労をかけますが、ひとつそういう運営の中で国民の疑問にしっかりこたえてやっていただきたい、このようにまず委員会の運営を含めてお願いを申し上げておきたいと思います。 そこで、宗教法人法の議論のポイントに入る前に、最近、宗教法人といいますか、宗教団体と言った方がいいんでしょうか、事件が大変多発をしております。もちろん、直近ではオウムの問題が大変大きな議論になりました。この十年ほどをさかのぼっても、まさに枚挙にいとまがないぐらいさまざまな宗教絡みの事件が実は多発をいたしております。 そういう中から、さまざまな世論調査をやりますと、やれ宗教というのは怖いものだ、場合によってはさわらぬ神にたたりなしなんという世俗的な言葉もあるくらいに、国民の間に宗教に対する不信感というものが芽生えてきている。私は、別に宗教を毛嫌いしているわけでもありませんので、大変そういう世論を気にいたしております。 そこで、最近の世論調査の中で、この宗教法人法の改正についてはもう大体八割を超える皆さん方が賛成をしておられる。今の宗教に対する国民の皆さん方のいわゆるマイナスイメージといいますか、それは例えば非常に金もうけに熱心だということが一つあります。それから、オウムの場合もそうだったのかもしれませんが、非常に強引な布教活動をする、あるいは政治に対して少しかかわり過ぎるんじゃないかというような批判もアンケートの中には実は出てまいっておるわけです。 私は、こういう国民の側から見た、いわゆる宗教に対する、あるいは宗教法人と言ってもいいのかもしれませんが、こういう不信感なりあるいはマイナスイメージというもの、こういうものについて行政の側からこれをただす責任というのはあるんじゃないか。としますと、これまでさまざま議論をしてきましたけれども、今度のこの宗教法人法の改正案がどの程度の、今幾つか申し上げましたが、効果があるのか、この点について文部大臣に所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 今回の改正につきましては、オウム真理教事件が一つの契機となったことは事実でありますが、宗教法人法制定以来、社会が大きく変化しました。 例えば、経済の規模も名目GNPてたしか八十七倍になっておりますし、交通手段も発達しました、陸路、空路すべてであります。さらには、都市化が進みましたし、それから家庭の状況あるいは家族とのつながりの関係も随分変わったように思います。情報通信機能も変わったわけであります。これらを背景にして、宗教法人の活動も昭和二十六年制定当時とは大分趣を異にいたしまして、非常に広域化してまいりました。 ところが、例えば所轄の問題一つとりましても、当初は地域で集中的にやっていた単立の法人が今では全国規模で行動し、場合によっては世界をまたにかけて布教活動をなさっている。こういう面もあるわけでございまして、実態が大きく変化したことから、今までの要するに現行法では実態にそぐわなくなってきた。これがまず第一点であります。 そして、今回の改正が実現すれば、宗教法人の管理運営における少なくも民主性、透明性が高まるということが一つ指摘できると思います。 それからもう一つは、毎年度、所轄庁に関係書類が提出されることから、宗教法人のいわば実態といいましょうか、これを継続的に把握しますし、また宗教法人の不法行為を防止することに資するということははっきり申し上げられると思うのであります。 また同時に、宗教法人の管理運営の民主性、透明性が高まること、あるいは国民の皆さんが持っておられる宗教法人に対する不安感、不信感を解消するためにも、将来的にこれは必ず今までとは違った結果をあらわしていくと、こう信じております。
○前川忠夫君 長年この法律が事実上手をつけられないで来たわけですから、いきなり改正をして、まさに大改正をというのはなかなか困難だというのはわかります。 しかし、先ほど申し上げましたように、国民の皆さんから見ますと、今の宗教の問題については、それぞれが例えばお正月になれば神社仏閣へ行ってお参りをする、結婚式は神式であったり仏式であったりあるいはキリスト教であったり、さまざまに日常の生活の中に宗教というのが結びついているわけです。 そういう意味で、宗教に対する不信感とかさまざまな問題について払拭をする努力、これはやっぱり行政に求められていると思うんです。私は、信教の自由についてはまさに守られなきゃならない大原則だと思います。ただ、これまでの議論もそうですが、かつての戦前のいわゆる宗教弾圧のようなこと、あるいは戦後この宗教法人法ができたときにも、宗教はできるだけさわらないように、あるいは難しいことはできるだけ自主性に任せてと、どうも政府自身が及び腰でこの問題について長年取り組んできたその弊害が今ここに出ているんじゃないかというふうに私は思うんです。 もちろんこれまでも議論の中で私もお聞きをしております。もう既に、昭和二十六年の制定以来、世の中も変わりましたということはわかるんです。ところが、放置をしていたことが逆にそういう不信をもし招いているとすると、今回の改正は私はこれで基本的には賛成をしていきたいというふうに思っていますけれども、たくさんの問題が残るわけです。 こういう問題について、文部省としてはこれからの扱いについてどうお考えになっているのか、その点ちょっとお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 今般の宗教法人法の改正の御審議をいただく過程では、例えば認証の問題をなぜ取り上げなかったんだ、あるいは財産保全の問題が欠けているではないか、いろいろございます。 そこで、たしか昭和三十一年の検討の際には十一項目にわたったと、こう承知いたしておりますが、八十九条から成り立っております宗教法人法、いわば所轄の問題と情報開示と活動報告の把握の問題、三点に絞られて宗教法人審議会で御検討いただいたと、こういうことでございます。 したがって、私自身が文部大臣の立場であっても、あるいは一政治家の立場であっても、なぜこんな物足りないものにしたんだというおしかりも正直言ってございます。それから世間では、これは文部省の所管の範囲ではないわけですが、税法の問題になぜ踏み込まなかったか、こういうおしかりもたくさんございます。 そういう事々含めて、私たちの立場から申せば、宗教法人法に関する例えば認証のあり方やいわば財産保全の問題等につきましては、先生方のグループの方にもそういう御指摘が多いわけでありますが、これからの検討課題として当然残るんだろうとは思います。
○前川忠夫君 よく言いますように、泥棒が入ってから縄をなうとか、犯罪のように起きてから犯人を捕まえることは、これは簡単なんです。最近の宗教絡みの事件というのもどうもその嫌いがあるわけです。もちろん、法律ですべてを網羅して絶対なんというものはできないというのは僕は十分承知をしているつもりなんですが、ぜひこの審議を通じて出された意見というのは文部省としてもしっかり踏まえていただいて、これからの議論の中に生かせるようにひとつしていただきたい。 そこで、これまでの議論の中でどうしても、私も必ずしもプロではないですから、素人なものですから、ちょっとわかりにくい部分がありますのでお聞かせをいただきたいんですが、公益法人としてのいわゆる宗教法人、これについては第二条で幾つかの項目があって目的が明示をされていますね。この問題について、特に政治活動との関係で今までさまざま議論がありました。 この問題について、これは政教分離との関係等もあったわけですけれども、村山総理もあるいは文部大臣も、宗教法人が政治活動を行うということを予定していないというお答えが何度かされているんですね。この予定していないという言葉の使い方というのは、これは法律的な用語なのか、もし予定していないことをやったらどうなるのか、宗教法人としての資格がなくなるんじゃないかと私どもは単純に考えるんです、御答弁との関係で。どうなんでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 私がお答えすればいいんですが、これらについてはその道に専門的に詳しい人間から正確なお答えを。
○政府委員(小野元之君) お答え申し上げます。 先ほどお尋ねございました総理も予定していないという御発言でございますが、これは宗教法人が政治活動を行うことを主たる目的としてやるということについては予定をしていないというふうに私は発言されたと記憶しているのでございます。 政治活動自体は公共の利益に奉仕するといういわゆる公的性格を持っているものでございます。したがいまして、この委員会でもたびたび出ておりますように、宗教法人が政治活動を行うこと自体は何ら問題はないわけでございまして、憲法二十条一項後段に言う政治上の権力の行使に当たらない限りもちろん許されるということでお話が出ておるわけでございます。 そういった意味で、宗教法人が政治活動を行うことは宗教法人法において禁止をされておるということはもちろんないわけでございまして、ただ、それを主たる目的として行うということは法律の規定からいって予定をされていないという御答弁があったというふうに思っておるところでございます。
○前川忠夫君 その辺の言い回しが非常にわかりにくいんです。 といいますのは、あらかじめ宗教法人として認証してもらうときに、主たる目的が政治活動なんという届け出をするところは多分ないですね。それで、認証を受けますわね。ところが、実際の宗教活動はそっちのけにして、政治活動をやったり別な金もうけをやったり、そういう団体が出てくる可能性というのはあり得るわけです。この場合は一体どういうことになるんでしょうか。 私は、法人が税制上のさまざまな優遇を受けていない任意団体であれば何も文句を言うことはないんですよ。名前がたまたま宗教団体みたいな名前になっていたって構わない、そんなことは。法人としての認証を受けながら、しかも認証を受けるときには、きちっと宗教法人登記のためのさまざまな手続を踏んで認証を受けるわけです。ところが、受けてしまえばもうこちらのものよということになるんでしょうか。 これはこれまでも議論がありましたように、例えば具体的な犯罪行為があれば解散命令が出ますよというお話がありましたけれども、そこまで行く前の段階、つまり犯罪行為とまでは言わないけれども目的とは違うことをやった場合にどうなるんでしょうかという部分についてさまざまな疑問があるんですよ。 もう少しわかりやすくちょっと説明していただけますか。
○政府委員(小野元之君) 御指摘ございますように、宗教法人といいますのは本来宗教活動を行うことが期待されているものでございます。したがいまして、宗教法人が法二条に規定しています宗教団体の目的を著しく逸脱する、そういった行為をしたという場合には、ぎりぎりの場合になりますと法の八十一条第一項に言う解散命令事由に該当するといった場合も最悪の場合には考えられないではないわけでございます。 そうではなくて、そうではない限りにおいてといいますか、宗教法人が、宗教活動を行うのが主たる目的でございますけれども、それに付随してあるいは一定の時期に政治活動を行うということは宗教法人法上何ら規制をされていないものでございます。
○前川忠夫君 この辺の部分が多分今度の宗教法人法の改正の中で、所轄庁がどういう形でかかわれるか、あるいはかかわっちゃいけないのか、さまざまな部分で恐らくこれはこれから先も実は議論になる部分だというふうに私は思います。 そこで、これは素朴な質問の仕方をしますので、できれば大蔵大臣、今お見えですから大臣にもちょっとお伺いをしたいんです。 例えば、宗教法人は宗教活動に関する税は免除をされていますね、非課税扱い。それから収益事業についても軽減措置がとられている。一般的に考えて、例えば法人格をとっていない場合、これは当然のことですが、何をやっても、本来所得税であったり法人所得税であったりあるいは固定資産税であったり、さまざまな税を取られますね。ところが、法人になったことによってそれが免除をされる、あるいは減免をされる。この部分は、つまり法人であるがゆえの部分について、今私が申し上げたのは、例えばオウムのようにああいうお金の集め方をした、あれが結局人殺しのために使われたわけですね。裏返して言うと、もし宗教法人じゃなくてしっかり税金を取っていたらあんなことは起きなかったかもしれない。裏返して言いますと、あの部分に関して言えば国民の税金と同じことになるんじゃないかという解釈を私は持つんですが、大臣、これは間違っているでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) そうですね、非課税措置になっておりますから、税を課していないというのは、見ようによっては逆に補助金、奨励金を出しているという理解の仕方もあるわけでございます。そんな意味で、公益法人全体の問題でもありますが、なかんずく宗教法人に限って議論をしてみましても、現在の収益事業に該当しない資金が非課税になっているということも一つの論議の対象になり得ると私は思っているわけであります。しかし、宗教法人だけを取り出して議論するのは大変難しい。これは諸外国も調べてみますと、どの国も公益法人全体の中で規定をしているようでございます。 きのう、峰崎委員の質問にもお答えしましたが、戦後シャウプ勧告が出たときには、むしろ今のアメリカ等のように免税制でやるべしというシャウプ勧告であったようでございますが、免税制というのは原則課税です。そして、宗教活動に関するものだけは個々に非課税措置にする、免税にするという考え方。日本はもう収益事業以外は全部非課税、こういう形でずっと来たところに、今御指摘のような、大変わかりやすいテーマとしてはオウム真理教のああいう社会をひっくり返すような犯罪行為、反社会的行為の資金まで非課税になっているという矛盾を生み出しているということでございます。
○前川忠夫君 素朴な感じとしては、税が免ぜられている、その免ぜられている部分は、逆に言えば私どもが納めているような税金と全く同じものだというふうに一般的には私たちは解釈をするわけです。 となりますと、そういう扱いを受けている、これはもちろん宗教法人とは限らないかもしれません、いわゆる透明性といいますか、あるいは情報の開示といいますか、そういうものはやっぱりしっかりやる責任が私はあると思うんです。もちろん、その情報開示あるいはさまざまなその報告というものが、これまでも議論をされてきましたようにどういう使われ方をするのか、その報告なりあるいは閲覧なりそういうものがどういう便われ方をするのかにさまざまな配慮が私は必要だと思います。必要だと思いますけれども、これは私は宗教法人とは必ずしも言いませんけれども、法人である以上、少なくとも第三者から見てもなるほどと言ってもらえるようなものでなければならない、少なくとも税金の一部だという考え方に立ては私はそうあるべきだというふうに考えます。 したがって、この問題については、先ほど大蔵大臣がお答えになりましたように、もちろんこれからの大変重いテーマに私はなると思いますので、その辺の透明性というものをぜひ明らかにしてほしい。 ここでお答えいただかなくても結構なんですが、実は新聞のアンケートの中に、宗教活動の中でお布施についても税金を課すべきだという人が八三・六%いるんですね、これは日経新聞の調査なんですが。それから、宗教活動や財務内容について国や自治体に調査権限を持たせるべきだと思いますか、九六・二%なんです。というくらいお金の問題については皆さんシビアなんです。一般の国民の皆さんがぎりぎりの生活をしているわけですね。何かわからないところで金が使われている、場合によってはおれたちの税金かもしれない、これに対する怒りでもあるんですね。この辺はひとつしっかり受けとめて、特に課税上の問題についても透明性を高めるような議論をこれからぜひお願いしたいというふうに考えております。 そこで、これまでもさまざま議論になった点でありますので、そう多くのことを申し上げるつもりはないんですが、実は信教の自由と政教分離の問題についてであります。 昨日あるいは一昨日の議論の中でも、政府としての統一見解を出そうと。従来の考え方に近いものにどうもなりそうな感じがしておりますけれども、私は、法人格を持つ以上、宗教法人がさまざまな税の優遇を受けるということであれば、例えばこれまでの議論のように、国からの一切の介入はまかりならぬと。だけれども宗教法人は、何をやってもいいとまでは言いませんけれども、双方向ではなくて一方通行というのはこの種のものにはあり得ないんじゃないか、必ず双方向に、権利と義務と言うとちょっと言い方が適当ではないかもしれませんけれども、私はそういう関係があると思うんですね。 そういう意味で、私は今度の議論の中で、国は介入はしていかないけれども、宗教法人は先ほどもありましたように政治活動をやることを妨げるものではないと。その範囲の問題について、どこまでなんだという限度を国民の側から見ると明らかにしてほしいというふうに思うんじゃないでしょうか。 実は、私どもの同僚議員であります佐藤道夫さんが十二月八日の週刊朝日にこんなことを書いておられます。先ほどもお会いをして、引用するけれども構いませんかということで御了解をいただいておりますので申し上げます。 政治が宗教の世界に立ち入ることはできないが、宗教が政治の領域に乱入しても政教分離の原則に抵触しないということになっている。それなら、もはや政教分離ではなくて、政治の宗教不可侵の原則というふうに読みかえるべきではないかというような指摘をされておられるわけです。もちろん、さまざまな文脈の中からこういうあれは出てきています。それから最後に、「ある宗教団体の大勢の信者たちが、一団となって国会や地方議会に進出し、やがて議席の過半数を占め、宗教団体の命じるままに自分たちの政策を次々に実現していくのは明らかに政治上の権力の行使そのものである。」という見方をされております。 これは、今の国民の皆さんから見て、恐らくなるほどなという方が大半だと私は思うんです。問題は、その線引きをどこにするかというのがわからないからもやもやするんですね。そういうふうに私は思うんです。私もこの意見については基本的に全く同調できるんです。そういう意味では、できるだけ早い時期にこういうもやもやを解消する努力を政府はしなきゃいけないと思います。 そうでなければ、いわゆる宗教法人がさまざまな、(発言する者あり)私は宗教法人が政治活動をしてはいかぬと言っているんじゃないんです。問題は、その限度がわからずに議論をするところに国民の不安があるんだったら、それはどこかで、もちろん信教の自由とか、あるいは政治上の思想・信条の自由とか、さまざまな問題がありますよ。ありますけれども、それに対するきちっとした答えが出ていないところにこういう議論が私は出てくるんじゃないか、できればこれは明確にすべきだと。今後の課題としてぜひ検討に値するテーマじゃないかということを私は申し上げておきたいと思います。 そこで、これから法案が成立をいたしますと具体的な施行ということになるわけですが、幾つか施行に当たっての問題点といいますか感じている点をお聞かせいただきたいと思うんです。 一つは、審議会の中でも宗教情報センターを設けたらどうかという指摘が実はあったと思うんです。宗教の問題というのはなかなか、もちろん一方に偏するわけにいきませんから、事実関係、さまざまな調査をしてその情報を提供すると同時に、宗教上のさまざまな、例えばトラブルがあった場合に相談に乗れるような機能になるかどうかわかりませんが、そういうものであろうというふうに私は考えているわけです。これは私はこれからの文部省の取り組みとしては非常に大事なテーマじゃないかというふうに思うんです。 そこで、今文部省で出されている白書ですね、宗教法人絡みのページというのは一ページぐらいしかないんですね。これは国民の人すべてが見ているとはもちろん言いませんけれども、何かあったときに、文部省の所管だな、どんなことを今、現状について考えているのか、見ているのか、あるいは分析しているのかと見るわけですよ。そういうものが提示をされて国民の皆さん方に提供されることが、やはり一つは開かれた宗教に対する双方向の信頼関係に私はつながっていくというふうに考えるんですが、この情報センターのこれからの設置の見通しとかあるいは構想等がありましたら、できればお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(島村宜伸君) 情報センターにつきましては、たしか前々内閣でしょうか、その当時からこういう御指摘があり、それなりの検討があったように聞いておりますが、具体的なことにつきましては正確を期するために文化庁次長から答弁いたさせます。
○政府委員(小野元之君) 宗教法人審議会の報告にございます宗教情報センターの設置の問題でございます。 現在、国民の宗教に関する関心は非常に高いわけでございまして、宗教に関する情報を提供してほしい、あるいは宗教の問題でいろいろ悩んでいるから相談に応じてほしい、いわゆる消費者センターの宗教版といったようなものを国民の多くの方々がぜひつくってほしいという要望が強いということを私どもは承知いたしております。 宗教法人審議会におきましては、そういった国民の要請が強いということもございまして、宗教家を初め、弁護士の方々あるいは心理学者の方々、学識経験者の方々など、そういう関係者が連携協力をいたしまして、自主的に設置する形での宗教情報センター、こういったものをつくるよう検討する必要があるという提言を御指摘のように審議会がしておるわけでございます。 このセンターは、民間で自主的に設置なさるということが大事なことだと思うわけでございますけれども、私ども文部省といたしましても、平成八年度の概算要求の中におきまして、こういった宗教情報センターがどういった形になればいいのか、あるいはどういうものを目指せばいいのかといった構想等について研究をしてまいりたい、さまざまな情報の収集等も行ってまいりたいということで、調査研究に関する経費を財政当局にお願いしているところでございまして、こういった検討は積極的に進めてまいりたいと思うわけでございます。
○前川忠夫君 審議会の方でもさまざまな議論を経てこういう提言をされているわけですから、ぜひ実現をするようにひとつ御努力をいただきたいと思います。 そこで、審議会の問題についてちょっとお伺いをしたいんですが、今回の報告で審議会の定員を十五名以内から二十名以内にふやしたいという報告がされて、私どもは承知をしておるんですが、この審議を通じまして、審議会の委員からさまざまな意見があったという御指摘がありました。それは多数の方がおられるわけですから、いろんな意見の方がおられると思うんです。 そこで、今度の法改正で各法人に対する質問権が所轄官庁に与えられて、それについては宗教法人審議会に諮ってということになっていますね。新しい仕事といいますか、新しい役割といいますか、分野が審議会の方に課せられておると思います。これまでの審議会、さまざまな役割分担と言うとおかしいんですけれども、エリアがあったと思うんですね。少し性格が変わるのかどうか、その点ちょっとお聞かせください。
○国務大臣(島村宜伸君) 御承知のように宗教法人に対するいろいろな国民の側からの御要請もありますし、また世界の宗教法人に対するいろいろな対応の仕方についても、それぞれの対応をなさっていることについては参考になる部分が多いわけでありまして、こういうことをもっと広い意味で研究もしなきゃいけないし、特に複雑化してきた宗教法人その他については、より専門的な学識経験者等にも御参加願う必要があるということから、今回二十名になると私は承知をいたしております。 ただ、ひとつこの機会をおかりして申し上げたいんですが、よく七名の方の反対云々というお話が出ますけれども、これは、実は特別委員会を審議会の意思でおつくりになって、五つの宗教団体の代表者から一人ずつが選ばれて、学識経験者三名そろって、八名で特別委員会でいろんな内容の検討がなされた過程では全く変な混乱がなかったわけであります。 しかも審議会が、総会であれ特別委員会であれ、それが終わりますと、その議事についての記者ブリーフを行ったことは御報告したとおりであります。よく議事録を公開せよと申されますけれども、この議事録につきましても、実はかなり詳しい記録を委員の方にお配りして、それの御検討も願っているわけでありますから、委員の方はそれをお持ちのはずなのであります。内容的には非公開を原則にしておりますから、これは遵守しなければなりませんけれども、したがって我々に全くやましいものはないし、またこの審議の過程でいろいろな混乱があった事実もないということだけはぜひ、せっかくいい御質問をいただいているのでこのことを申し添えさせていただきます。 〔理事松浦功君退席、理事尾辻秀久君着席〕
○前川忠夫君 今、大臣からそのように答弁をいただいたんですが、それでも、私もかつてさまざまなほかの審議会や何かに参加したことがありますので、どうも審議会が所轄官庁の隠れみのになっているんじゃないかという指摘というのはよくあるんですよ。 ですから私は、宗教法人審議会についても、今度の法改正でいわゆる質問権という新しいテーマがふえるわけですから、審議会の構成だとか人選だとかさまざまな部分についていろんな意見があるわけですから、十分配慮すべきだというふうに考えております。ぜひその辺は、もちろん人選ですから難しいのを十分承知しながら私も言っているんですけれども、配慮をしていただきたい。 といいますのは、先ほどから申し上げていますように、今度の法改正で全部の問題がもう一件落着したということであればいいんですけれども、これは反対意見の皆さんを含めましてさまざまな意見があるわけですよ。そうすると、また宗教法人審議会の中で議論しなきゃならぬということになると思うんですね。 その際に、それは文部省で考えて何でもできればもちろんいいんですけれども、これは審議会で議論をしなければいけないとなると、またぞろ審議会とは何ぞや、審議会ではこうだった、ああだったという議論になるというのはぐあいが悪い。審議会そのものの権威を失墜させることにもなるし、文部省にとっても僕は好ましいことではないだろうというふうに思いますので、ぜひその辺については御留意をいただきたいというふうに、これは要望として申し上げておきます。 そこで、これもまさにこれからのテーマということになるんですが、もちろん今度の法案が成立をした後ということについては、先ほどから申し上げておりますように、宗教法人法だけではございませんけれども、例えば税制の問題ですとか、あるいは先般から議論があっているように、例えばオウムのような事件が起きた、解散請求をして、今裁判をやっています、その間に財産がどんどん処分されていく、財産保全の問題とかさまざまな問題が私は残っていると思うんです。 そういう問題については、当然これは院の中で議論をして決めることでしょうけれども、特別委員会をこのまま継続するのか、あるいは新しい年度、次の通常国会ということになりましょうか、通常国会の中で別な角度で委員会を設けるのか、私は必要だと思うんです。 と同時に、今の審議会のテーマとは別にさまざまな問題について、宗教学者であるとかあるいは宗教家であるとか、あるいは最近さまざまなところで、例の霊感商法ももちろんそうですが、被害者を救済するための弁護団とかさまざまな活動をしておる方がおられますね。そういう方々にも参加をしていただくような形で、広く国民的な意見を吸収できるような、将来的な、宗教と政治のあり方も含めまして、審議をする、あるいは意見交換をする、あるいは調査をするような調査会のようなものをつくるお考えがないかどうか。できれば私はそれはやっていただいた方がいいんじゃないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 宗務課でこのことをずっといろいろ検討してきておりますし、いろんな御要望も寄せられているところでございますから、今までの経過等について文化庁次長から御報告させます。
○政府委員(小野元之君) 御指摘ございました宗教団体その他についていろいろ実態調査もすべきではないかと、私どもも実はそれは必要なことだと思っておるのでございます。 現在の宗教法人制度ができまして四十数年が経過したわけでございまして、社会の状況も大きく変わっております。今回、法改正をお願いしておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国内外の宗教団体等をめぐる諸状況についていろんな調査研究を行う必要もあると思うわけでございます。 それから、宗教全般にわたる情報の収集あるいは提供、こういったことも考えていかなければいけないと思うわけでございまして、平成八年度の予算におきまして、大蔵省にお願いしているところでございますけれども、例えば宗教と社会とのかかわりに関する調査研究といったようなものもぜひ実施をしてみたいということでお願いをしておるところでございます。私どもといたしましても、そういった点、幅広くさまざまな検討、研究をしていきたいと思っているところでございます。
○前川忠夫君 まだ時間が残っているんですが、最後に私の意見を申し上げておきたいと思います。 先ほど世論調査のお話を申し上げましたが、文部省から出されている日本の宗教法人の資料を見ていますと、各団体の信者の合計は二億一千万強ですか、多分神社にお参りをしただけの人までが入っているんだろうと思うんです。わからないですからね。にもかかわらず、宗教法人法を今度の問題については改正すべきだというのが圧倒的多数だと。この差というのが私は大変気になるわけですよ。 私は今度の法改正というのは、いわゆる信教という心の問題とかそういう問題ではなくて、むしろ法人としての管理上あるいは運営上の問題だというふうに最初から説明をいただいています。私たちもそうであってほしいし、またそうだというふうに確信をしていますけれども、それでも心配をされている方がおられるわけですね。これは、そういう法人あるいは団体の役員をやっている方だけではもちろんないと思いますけれども、そういう方々の心配だろうと私は思うんです。そういう意味で、私はこのことが逆に一般の信者の方にまで不安を与えるようなことがあってはならないと。 私は、出身が労働組合なものですから、もちろん経験をしたわけではありませんが、戦前の労働運動に対する弾圧だとか、言論、思想あるいは信教を含めましてさまざまな弾圧というものも書物やあるいは人づてに聞いて承知をしているつもりです。 今度の問題が信教の自由を侵すのじゃないかというさまざまな議論がありました。もちろん、私どもはその問題については非常に過敏になってさまざまなチェックをしてまいりましたし、あるいはこれからもしていかなければならないというふうに考えています。このことが国民の皆さんから見て、政治の場できちっとそういうところまで議論をされて、なるほどと言われるような議論を最後の締めくくりとして私はやっておかないといけないんじゃないかというふうに考えています。 そういう意味で、これは委員会の方にお願いをしておきたいんですが、最初に申し上げましたように、もちろん私はいろんな意見があるのは当たり前だと思います。そういう意見をしっかりと吸収をして、特に私はだれがどうのこうのという意味じゃありません。反対をしている方あるいは賛成をしている方、この委員会には参加していない、外で参加をして意見を言いたいという方々の意見をしっかり聞く場というものをできるだけ早く持って、そういう意見も参考にしながら最後の締めくくりをするということに私はすべきだと思います。 それは、もちろん参考人の問題もあるでしょうし、あるいは公聴会の問題もあるかもしれません。それらの問題についてできるだけ早く結論を出さないと、ただ議論が長く延びるということがいいわけではありませんから、ぜひその辺をこれからの委員会の、特に理事会等の議論の中で詰めていただきたいということを最後に申し上げまして、少し時間を残しましたが、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○有働正治君 私は、本日は特に社会的責任があります公益法人たる宗教法人の幾つか具体的な行為につきまして、それが社会的に責任ある公益法人たる宗教法人にふさわしい行為なのかどうかという問題について質問したいと思うのであります。 ただし、私は総理にも見解を求めると要望していますし、ちょっと早まった関係で、総理がお見えになるまでお待ちいただくか、何かちょっとしていただければ。
○理事(尾辻秀久君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕 〔理事尾辻秀久君退席、理事松浦功君着席〕
○理事(松浦功君) 速記を起こしてください。
○有働正治君 私は、本日は特に社会的責任があります公益法人たる宗教法人の幾つかの具体的な行為を取り上げまして、その行為自体が社会的責任ある公益法人たる宗教法人にふさわしい行為であるのかどうか、具体的な事例を通じて御質問したいと思います。また、税問題も取り上げさせていただきたいと思います。 まず、文部大臣にお尋ねいたします。 宗教法人は社会的に大事な存在であります。そして、法律によりまして税法上を含めまして社会的保護を受けている公益法人でもあるわけであります。そういう点からいいまして、宗教法人はそれにふさわしい行為が当然求められる、また社会的規範も守るというのは当然のことと考えます。 したがって、社会的に指弾されるようなことはやるべきでないというふうにも考えるわけでありますが、この点について文部大臣、お願いします。
○国務大臣(島村宜伸君) お答えいたします。 宗教そのものの存在は人の心を安定させ、国民一人一人の生活に定着し、大変大きな役割を果たしていると、そう認識いたしております。 このようなことから、宗教法人の宗教活動には公益性が認められ、他の多くの公益法人とともに税制上の優遇措置が講じられるなど、社会的に保護を受けていることは御指摘のとおりであります。宗教法人も法令に従った行為をしなければならないのは当然のことでありまして、法八十六条はこのことを規定いたしております。 多くの宗教法人は公益的な真摯な活動を続けておられると私どもは受けとめておりますが、各宗教法人が社会から寄せられている期待、役割を一層自覚し、社会的な批判を浴びることのないようにその責任を果たしていくべきだと、そう考えております。
○有働正治君 総理についても、この点につきまして、この間の本委員会の答弁でも、宗教団体あるいは宗教法人は、本当の意味で国民の皆さん、庶民の皆さんからなるほどと納得されるような、そういう公正公平な宗教活動が求められていると、当然の御発言もなされているわけでありますが、これらの点について改めて基本的見地を伺います。
○国務大臣(村山富市君) 今、文部大臣からも答弁がございましたけれども、宗教団体に公益法人としての法的資格といいますか、を認証するわけですから、公益的な役割はあるという意味で公益法人としての認証をしているわけです。したがって、公益に反するような、社会から指弾されるようなそういう行為があってはならないというのは当然のことだと思います。そんな意味では、だれが見てもまともな宗教活動というものをしっかりやっていただくということが大事ではないかというふうに思います。
○有働正治君 以上の見解を前提に、私は創価学会につきまして、以下に挙げる具体的な事例について、これが今おっしゃられましたふさわしい行為が、あるいは社会的批判との兼ね合い、公益法人との兼ね合いから見てどうなのかという具体的な問題をお尋ねします。 それに先立ちまして、まず大蔵省に事実確認をいたします。 創価学会本部のあります東京新宿信濃町の本部あるいは別館の周りに大蔵省の所有地があると思いますが、どこらあたりにあるのか、そこは道路なのか何なのか、事実関係を求めます。
○説明員(斎藤徹郎君) お答えいたします。 御指摘のとおりですが、創価学会本部と本部別館の間、それから本部別館の北側、それから本部別館と第二別館との間などに国有地が存在しておりまして、これは一般の通行の用に供する道路として利用されているところであります。
○有働正治君 一般の通行に供する道路として国有地がある、いわば天下の公道、国有財産としての道路があるという問題であります。一般市民、住民が往来できるはずであります。(地図掲示)場所を具体的に、信濃町駅周辺の、これは後で土地、建物の課税の問題について、実は別館、第二別館、この通りであります。青い道路は区道であります。区道に面した公道としての国有地であるという問題ですね。これはもう明白であります。ところが、これが天下の公道としての往来ができるようになっているかどうか、こういう問題であります。 私も先週末、国勢調査とのかかわりで現場確認いたしましたが、創価学会の手で「私道に付き通り抜けご遠慮下さい」との立て札、標識が置かれて通行禁止措置がとられているわけであります。 ここに私は写真を持ってまいりました。(写真掲示)「私道に付き通り抜けご遠慮下さい」と。実は立っているのは私であります。それと、新宿の我が党の区会議員さんであります。そこの立っている道路が国有地で、公道であります。その公道の上に「私道に付き通り抜けご遠慮下さい」と、堂々とこういう標識が書かれ、そこにガードマンらしき人物が立って通行を制止すると、こういう事態であるわけであります。 天下の公道、これが私道扱いされていること自体、こういうのがさきに言われました公益法人たる立場から見て果たしていいのかどうか、社会的批判を受けてはいけないとおっしゃられた答弁から見てどうなのか、その点ふさわしい行為と考えられるのかどうか、大蔵大臣、お願いします。
○国務大臣(武村正義君) 私どもも調査をいたしまして、御指摘のような事実があったことを確認させていただきました。現在はその看板はもう撤去されておりますが、少なくとも国有地でございますし、これが道路としてその用に供されている土地でございます。その国有地に対して「私道に付き」云々というのはどう考えても正しくありませんし、適当ではありません。今後、厳しく国有財産の管理の上で適正な管理に努めていかなければならないというふうに思っております。
○有働正治君 これは、私が指摘した結果、今週になって撤去されたということであるわけでありますけれども、撤去させたからということですべてオーケーというわけにはいかないのであります。天下の公道なんであります。 と申しますのは、そう甘いものじゃないんです、これは。実はこの問題、「私道に付き通り抜けご遠慮下さい」と、これは例えばことし、月刊誌の三月号、この中でこの問題が公然と大問題として指摘されていたんです。それはもう本当に大特集ページが組まれまして、私はここに持っていますけれども、その中でこの問題も指摘されて、天下の公道が通れないようになっていると、天下公知の大問題として指摘されていた。つまり、ことしの三月、月刊雑誌で指摘されていたにもかかわらず、今日この方まで「私道に付き通り抜けご遠慮下さい」と確信犯としてやられていたんですよ、確信犯として。したがって私は、大蔵省に、撤去しましたから云々というだけでは済まされない。 天下の公道をいつからいつまで、どういう目的で私道扱いしていたのか、これについて大蔵省は黙認していたのかどうなのか、あるいはどういう対応をしたのか。そういう点についてどう指導して、今後どういうふうに対応すると当事者の創価学会は対応したのか、きっちり調べて私に御報告願いたい。 そうでないと、質問のときだけ、国会で問題になるからといってちょっと撤去する。私はけさの時点でも私の秘書に現地に行って確認させてまいりました。いろいろガードマンらしき人が、事実上通れないようなそういう状況もあるんですよ。天下の公道をそういう扱いが行われるというのはいけないわけで、厳重な調査を求めます。
○説明員(斎藤徹郎君) お答えいたします。 ただいま……(発言する者多し)
○理事(松浦功君) お静かにお願いします。
○説明員(斎藤徹郎君) ただいま御指摘をいただきました国有地につきましては、これは昭和二十三年に財産税の物納によりまして大蔵省が引き受けた財産でございまして、物納以前から道路として一般の通行の用に供されていた財産でございまして、現在も道路として使われているということでございます。 ただいま御指摘のように、立て札が設置されておったということでございまして、国有財産の管理上、第三者が私道である旨を表示しておくということは適当でありませんので、設置者に対しまして撤去の申し入れを行ったところでありまして、現在撤去されているというところでございます。 全国にたくさんの国有地がございまして、それは台帳で管理をしているわけでありますが、このような御指摘を受けまして、我々も一層国有地の管理には適切な処置をしてまいりたい、このように考えております。
○有働正治君 今後、国有財産の管理を厳格にやっていただくよう大蔵大臣にも厳しく要求しておきます。 同時に、ここにはいろんな問題がございます。実は、天下の公道の往来者がすべて見通せるところに監視カメラが設置されているのであります。(写真掲示)これも私は写真を撮ってまいりましたけれども、ここにあるのが監視カメラなんです。ここが監視カメラで、国有地の公道が、そこは真っすぐな道ですから一直線がすべて見通せる、こういう非常にいい場所に確かに設置してあるんです。医道から国有地の公道に入っていくと、ここからばあっと見える状況になっているんです。 それで、そこの通りにはワンボックスカーがあるんです。通りますと、常時置かれていて、そこからどっと人が出てくるんですよ。それで、その人が出てきて我々を監視して、トランシーバーで連絡し合うんです。そして、ここの前を通って角を通りますと、先週のことなんです、これは先週撮ったんです、現場確認のため。そうしますと、ここの持ち主の入り口から別のガードマンが出てきて、トランシーバーを持って私どもにくっついて、そしてまた連絡をとって、ずっと信濃町の駅構内の中まで何人も私どもを監視しながら追尾するんです。 こんな天下の公道を、国民、地域住民の人たちも本当に恐ろしいところだという、そういうことで訴えが出された経緯もあります。次々にガードマンらしき人が何人も出てくるんですよ。(発言する者多し)そんな甘いものじゃないんだよ。そして、次々にトランシーバーでやりながら追尾する、こういうことがやられているわけであります。天下の往来、住民の日常生活にも支障、重大な脅威とプライバシーに対する侵害だと、住民の訴えも出されているわけであります。 そういう点で、地域住民の生命、財産を守る自治大臣・国家公安委員長として、この点を先ほどの宗教法人にふさわしい行為と考えられるかどうか。そして法務大臣、その点どうお考えになるのか、御見解を簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(深谷隆司君) まず、御指摘のようなカメラを構えて通行人を常時映し出しているということに対しては、今日の法律の上でこれを禁止するということは容易なことではありません。しかし一般論として、道路上で理由もなく通行人を制止したり、つきまとったり、妨害するような行為は道交法違反であり、軽犯罪に触れる可能性はございます。 いずれにいたしましても、法律にのっとった対応を警察としてはしなければならないと思います。
○国務大臣(宮澤弘君) お尋ねの件でございますが、一般論として申し上げますれば、プライバシーにかかわる問題につきまして侵害を受けたということがございますれば、侵害を受けた者から申し出がございまして、それに応じて人権侵犯事件等として事実関係を調査し、事案に応じた適切な対応をするということになっております。
○有働正治君 創価学会におきまして、例えば我が党の場合、宮本顕治議長宅の電話盗聴などもありましたけれども、自分の立場、見解に批判的な人に対して尾行したり、脅迫したり、暴行行為等々の行為が相当訴えられ、私どもにも意見が届けられているわけであります。 その一つの事例を挙げます。 それは、かつての創価学会の顧問弁護士でありました山崎正友氏に対する二十四時間の監視、尾行、脅迫等の行為であります。山崎氏から本年三月十五日、赤坂警察署に告訴状が持っていかれているようであります。 告訴の事情の中で本人が記しているところによりますと、山崎氏は元創価学会顧問弁護士でありましたが、創価学会より昭和五十五年に恐喝罪で告訴され、平成三年二月から平成五年四月二十七日まで栃木県内の刑務所で服役していると、本人もその旨記しています。そして出所以来、尾行、見張り、とりわけ平成五年秋の国会での証人喚問申請以来、この満三年にわたって殺すぞとの脅迫電話、尾行、威迫、地方出張を含め三百六十五日、二十四時間そうした状態に置かれている。そこで、業務への障害、自由の剥奪、身の危険などからついに告訴状を赤坂警察署に持っていったと、こういうことであります。 私どもは、山崎氏から、毎日数台の車で尾行されているとの情報を得まして、山崎氏に国会方面に来ていただき、本当かどうか確かめることにしたわけであります。十一月二十二日午後一時ごろ、参議院議員会館の前で、議員面会所との間の公道の中で、山崎氏の乗ったタクシーと、それを尾行する三台の車が目撃されました。白いセダンと黒いボックスカーで、ナンバーは、白いセダンの方が足立三三の八四六二、黒いボックスカーの方は練馬三三ら五二五六と、これも赤旗の写真部が写真を撮ることに成功いたしました。(写真掲示)明白な証拠に基づいて私は言っているわけであります。現代の民主的な法治国家で、しかも事もあろうに国会議事堂の前で白昼公然どこうした行為が行われているということであります。 さらに、十一月二十四日午後七時ごろ、また尾行されているとの連絡がありまして、もう一度国会の前を走っていただいた。私は、ちょうどこのとき国会の議員会館にいましたので、すぐさま現場に出かけ、直接私も目撃いたしました。目の前に本当に追尾されているんですよ。白いセダン、土浦三三は七八〇一、こういう車なんです。赤坂警察署の捜査官も尾行車を確認しているはずであります。 国家公安委員長、車のナンバーもはっきりしているわけでありますから、だれの車がきっちりお調べいただきたい。
○国務大臣(深谷隆司君) 捜査に関する具体的なお話でありますので、担当局長より答弁させます。
○政府委員(野田健君) お尋ねの事案につきましては、本年三月十五日、山崎氏が警視庁赤坂署を訪れ、最近不審な車がつきまとい、追尾されるなどの嫌がらせを受けているので脅迫罪、威力業務妨害等で告訴したいと相談を受け、本人から詳しい事情もお聞きしたところでありますけれども、告訴事実を疎明する資料の整備を行っていただく必要から、再度また来署していただくようお願いしているところであります。告訴に必要な疎明資料等が整備され、告訴の要件を整えた段階で受理したいと思っています。 なお、警察といたしましては、現在までのところ明らかな犯罪の嫌疑を確認するに至っておりませんけれども、相談も受けましたことであり、告訴の有無にかかわらず、刑罰法令に触れるような行為があれば適切に対応してまいりたいと思っております。
○有働正治君 山崎正友氏及びその知人が尾行された車の一覧リストを私は持っています。平成六年二月以来、品川五三ね四五二五、以下全部車両ナンバーございます。これだけでも三十数台あるんですよ、こういうこと。そして山崎氏は、もともと私が監視、尾行などの創価学会の幹部だった当時、総元締めをやっていた自分が言うから間違いないということを言って、運転手の数名は学会本部の防衛部隊とも言える人物だということまで指摘しているわけであります。車のナンバー等々も明白であります。私も、先ほどお示ししましたように、証拠写真その他も明白に撮ったわけであります。 したがいまして、国家公安委員長、法に基づいて必要な措置を、断固たる措置を求めるわけであります。これは国家公安委員長として答弁いただきたい。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま刑事局長が答えましたように、この件については一たん事情を伺っておりますが、再度お越しをいただいて厳密に話を伺うことにいたし、仮に刑法に触れることであれば適正な、厳正な処置をすべきだと思っております。
○有働正治君 総理、私はいろいろ具体的な事案を挙げました。公益法人としての行為としてこの点どうなのかという問題意識から私は今問題提起をしているわけであります。いやしくも社会的批判や社会的指弾があってはならないということを冒頭に御答弁なされたわけですけれども、この点についての感想なり、対応について積極的な対応を求めるわけであります。
○国務大臣(村山富市君) 具体的な事実関係は私は承知いたしておりませんから、したがってコメントは避けたいと思いますけれども、しかし一般論として申し上げれば、私は、御指摘のような行為がもしあるとするならば、それはふさわしいことではない、公益法人として社会的に指弾をされる行為ではないかというふうに思います。 これは、この宗教法人法の改正案を審議する際にも、一番強調して皆さんが御議論になったのは基本的人権の尊重ということですね。したがって、その基本的人権を侵すような行為というものは、これはやっぱり社会的にふさわしいことではないと言わなければならぬと思います。
○有働正治君 次に、私は、きのう我が党の橋本議員も提起いたしました、宗教法人法に基づく本来の用に供していない施設等での固定資産税の非課税問題、この問題を取り上げたいと思います。私どもは固定資産税を政党として払っている。選挙の公平という点でこの点どうなのかという立場から述べているわけであります。 まず、事実関係を求めます。私は創価学会本部のある東京信濃町を例にしたいと思います。法務省に聞きます。 私は、新宿の党の区議団、専門家の御協力を得まして、信濃町で創価学会所有の土地をすべて登記簿から確認いたしました。ここにその書類全部を持ってまいりました。大変手間がかかりました。その一つ一つの地番、地目、面積を私は摘出いたしまして、私の調査として法務省にお示しし、私どもの調査が間違いないか調査結果の確認を求めたわけであります。 つまり、この地目、信濃町十五の二あるいは何丁目何番地と、十五の二は宅地で八十四・四七平米、十五の三は宅地で百四・八二、あるいは信濃町十九の一は境内地で九百四十二・〇〇平米と、これを全筆数調べて、私の調査として法務省に確認を求めたわけであります。 その結果、法務省として、私の調査、事実関係、間違いなかったかどうか。私の調査を集計すると、信濃町の創価学会所有地は地目別でそれぞれ何筆で何平米なのか、簡潔に結論だけ教えていただけないかと。
○政府委員(濱崎恭生君) ただいま御指摘のように、委員から事前に新宿区信濃町十五番の二以下三十二番の三十八までの合計百十五筆の土地登記簿を見せていただきまして、その登記簿で確認させていただきましたところ、その総面積は合計百十五筆で二万九千八百三十六・五二平米、地目別に申しますと、宅地が七十四筆で一万二千五百二十四・九八平米、境内地が四十筆で一万七千二百三十九・五四平方メートル、公衆用道路が一筆で七十二平方メートルであるということを確認いたしました。
○有働正治君 私の調査結果と合致いたします。 そこで、時間も限られてまいりましたから、きのう来、橋本議員も提起いたしましたが、合計すると約三万平米、約三ヘクタールの所有地です。その中で境内地は一般に非課税で宅地等は課税されているわけでありますが、この住宅地図に、創価学会の土地がどこにあって、非課税地、課税地、境内地を非課税地として色をつけました場合こういうふうになるというのがこの地図。(地図掲示)赤が非課税地、ピンクが宅地等ということで、かなり大規模になるということがわかります。 それで、自治省の固定資産税の算出の仕方に基づいて、専門家の協力を得て、私も大学では数学でありますからかなり厳密にやったつもりでありますが、固定資産税がどれくらいになるかというと、境内地だけ、しかも土地だけに限って見ますと一億二千万円になります。 次に、私どもは全国一千カ所と言われるそういう施設、建物等の課税額がどれくらいになるか少し知りたいと思いまして、北海道、東北、関東、中部、中国、四国、九州の各ブロックから一つの創価学会文化会館を選び出しまして、自治省公認のやり方で、土地について十一カ所、十四万三千四百平米について固定資産税推計一億二千九百万円。こういう施設が選挙活動の拠点となっていたりすることは明白でありますから、自治大臣、本来の目的に供しているかどうかという立場から、税の公平、課税について厳格な対応、これを求めるわけでありますが、いかがでありましょうか。
○国務大臣(深谷隆司君) 宗教法人につきましては、たびたびお答え申し上げておりますように、専らその本来の用に供する境内建物及び境内地が非課税の対象になるわけであります。ですから、その非課税の対象地が他の目的のためにほとんど使われているという状態であれば、当然非課税措置は正しくないわけでございます。 これらの判断につきましては、本来市町村で判断します。この場合、二十三区でありますから東京都でございます。適切な判断をするように指導したいと思います。
○理事(松浦功君) 時間です。
○有働正治君 じゃ、終わります。
○理事(松浦功君) この際、暫時休憩いたします。 午後四時四十分休憩 —————・————— 午後四時五十二分開会 〔理事松浦功君委員長席に着く〕
○理事(松浦功君) ただいまから宗教法人等に関する特別委員会を再開いたします。 佐々木委員長から委員長辞任の申し出がございましたので、私が暫時委員長の職務を行います。 委員長の辞任の件についてお諮りします。 佐々木委員長から、文書をもって、健康上の理由により委員長を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
○理事(松浦功君) 御異議があるようでございますので、佐々木委員長の辞任を認めることに賛成の方の御起立をお願いいたします。 〔賛成者起立〕
○理事(松浦功君) 起立多数。よって、辞任を許可することに決定いたしました。 これより委員長の補欠選任を行います。 つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか。
○渕上貞雄君 私は、委員長に倉田寛之君を推薦することの動議を提出いたします。
○理事(松浦功君) ただいまの渕上君の動議に賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○理事(松浦功君) 起立多数。よって、委員長に倉田寛之君が選任されました。 どうぞ御登壇をお願いいたします。(拍手) ————————————— 〔倉田寛之君委員長席に着く〕
○委員長(倉田寛之君) ただいま皆様の御推挙によりまして委員長の重責を担うことになりました倉田寛之でございます。 甚だ微力でございますけれども、皆様の御指導と御協力を賜り、公正で円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(倉田寛之君) 理事の辞任についてお諮りいたします。 尾辻秀久君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に上杉光弘君を指名いたします。 —————————————
○委員長(倉田寛之君) 宗教法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。
○本岡昭次君 まず、外務省に伺います。 オウム真理教事件は多くの死者、負傷者を伴う大事件となりました。こうした事件をもっと初期の段階で把握することができないか真剣に私たちは考えなければならないと思います。だからといって、現行宗教法人法に管理監督権を与えてという方策は、信教の自由を根本的理念とする現行法としてとるべきではないと私は考え、別の対応について議論をしたいと思います。 その意味での対応の参考になるものの一つに、欧州議会が一九八四年に採択した議決の中にカルト決議十三項目がありますが、外務省に確認をしていただきたいと思います。
○政府委員(浦部和好君) 先生御指摘のように、一九八四年五月二十二日の欧州議会の決議においてかかる決議がなされております。 この決議は、宗教団体に与えられる保護のもとで活動している新たな団体による法の侵害に対し、EC、当時のECでございますが、の一つの機関でありました欧州議会としての考え方を表明したものと、かように理解しております。
○本岡昭次君 法務大臣にお伺いいたします。 日本国憲法は、国民のすべてに基本的人権の保障をしています。これは宗教界においても同様であります。オウム真理教事件に関して警察当局が全力を挙げて対応していることに敬意を表するものでありますが、ただ、刑事事件としての対応の前に、私は政府として、人権問題として、基本的人権というものが個々人にどのように守られているかということについての対応というものがあるべきではないかということを考えます。 例えば、本人の意に反して収容、拘禁、暴行、子供の教育権侵害、薬物の不当投与、面会の拒否など、これらは一つ一つ人権侵害の事例であります。オウム真理教事件を見ても、またいろいろな宗教団体、あるいはまたそのほかの団体が事件を起こす前には、私が言いましたような人権侵害というものが必ずあるわけであります。ここで問題をきちっと把握するか放置するかということによって私はその後の対応が変わってくる、このように考えているものでありますが、法務大臣としてはいかがお考えでございますか。
○国務大臣(宮澤弘君) お尋ねの件につきましては、恐らくいろいろな対応があろうと思います。 おっしゃいましたように、入信をいたします場合に本人の自由意思によって入信をしているかどうか、そこに何らかの強制が加えられているかどうかというような問題もございましょうし、あるいは子供の入信につきまして、この場合に親の親権行使ということがどこまで許されるかというようなことがあると思います。 でございますので、一方においては信教の自由ということがございますけれども、宗教活動につきましてもおっしゃいますような基本的人権というものが前提とならなきゃいけない、守られていかなければならないと思っております。 特定の人が、法律上、正当な手続によらないで自由を拘束されるというような場合には、これは御承知であろうと思いますけれども、人身保護法の規定によって、人身保護法を適用することによりまして現在でも救済は図ることができるわけでございます。制度としてはそういうことになっておりますが、おっしゃいますように、やはり宗教活動の前提としての人権の擁護という観点ということは非常に重要な観点であるというふうに考えております。
○本岡昭次君 先ほど外務省の方で確認をいただきました欧州議会のカルト決議十三項目というものが、今、法務大臣のお話しになった事柄と深くかかわっております。その十三項目の中の幾つかをここで申し上げてみたいと思うんですが、宗教団体の信教の自由というものと個人が持つ基本的人権というものとのかかわりをこのように述べております。 「青年に達していない者はこ、これは未成年ということですね。二十歳未満の者は「団体の構成員となることにより、その生涯の進路を決定するような長期にわたる正式参加を行うよう強要されてはならない。」とか「団体加入後に家族及び友人との接触が認められなければならない。」、あるいはまた「教育の課程を開始した構成員は、その修了を妨げられてはならない。」、また「以下の個人の権利は尊重しなければならない。 妨害されずに団体を離れる権利 直接に又は手紙若しくは電話で家族及び友人と接触する権利法的又はその他の、中立の意見を求める権利 随時医療の手当てを求める権利」、あるいはまた「物乞い又は売春等、特に資金調達に関して、何人も法を破るよう教唆されてはならない。」、あるいは「構成員の家族からの電話の呼び出し及び手紙は、即座にその構成員に回されなければならない。」、「新規加入者に子供がいるとき、団体は、子供の教育及び健康を促進するため最善を尽くすとともに、子供の幸福が危険に曝されるような環境を回避しなければならない。」、こういうようなことがずっとここに述べられているわけです。 だから、宗教団体は、信教の自由ということでその活動そのものは保障されている。しかし、その構成員の個人的権利の今言いました個々のかかわりは、今のようなことをしっかり守らなければこれはオウムのようなことになりますよということをここで、議論を一九八四年のその段階でやっているわけなんですね。 だから私は、宗教法人法を改正して、オウム事件のような再発を直接に防げなくとも何か効果があるのではないかという事柄に対して、そうじゃない、もっと別の基本的人権からの切り込みというものをきちっとやることが必要ではないかということを私は考えるのであります。 そこで、法務大臣どうでしょうか。こうした個人の人権を日常的に守っていく権限と能力を持った人権擁護制度、またその制度に基づく機関、そういうふうなものをつくって、そしてオウム事件のような事件防止をするということを私は考えるべきではないかということを思うんです。法務省に人権擁護委員会とか擁護組織とかいうものが現在ありますけれども、これは極めて貧弱など言ったら怒られるかもしれませんが、こうしたことに対応できるような権限と能力を持っていないと、私はこう見ています。 いろんな危機管理ということが今言われます。予測できそうにもない自然災害の地震でも何とか予測しよう予測しようとやっておるんでしょう、事前に察知できないかと。だから、こういうオウム真理教のような事件に至るまで、こうした個々の細かい人権侵害が行われているというところをきちっと押さえて対応していけばこういうことにならないんではないかということを思うんですが、どうでしょうか。 人権問題に非常に日本の政治は弱いんですよ。この際、そういうふうな問題に踏み込んでいくということをひとつお考えになりませんか。法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤弘君) 基本的人権を擁護するということは、我が国憲法の重要な柱の一つでございます。また、民主主義の基本であると思います。 それから、先ほどお話もございました、私も申し上げましたように、信教の自由なり宗教活動の自由ということはもちろんございますけれども、しかし、それが基本的人権を無視したり基本的人権をじゅうりんしていいということでは決してないと思います。 法務省といたしましては、一つは先ほどもお話がございましたが、基本的人権というものが国民生活の基礎でございますので、そういう考え方、思想の普及、徹底ということに努力をいたしているつもりでございますし、また同時に、個別の基本的人権の侵害の事例というものが生じました場合には、それを受けまして、それについての是正措置等について、今もお話がございました人権擁護委員等がせっかく努力をいたしているところでございます。 今の御提案はそれ以外のと申しますか、それに加えて特別の何か機関ができないか、こういうお話でございますけれども、これは今のところは御高見を承ったということで私は御理解をいただきたいと思います。
○本岡昭次君 いや、御高見って、私はそんな御高見なんぞ言ったつもりはないんですけれども、みんな不安なんですよ。不安なんですよ、一番の問題は。 だから、その不安を未然に防止するというのは、例えば風邪を引く前にのどがおかしくなるとみんなうがいをするんです。同じように、特に子供がいろんな状態に置かれるんですよ。強制的に拘禁されたり、親と面会できなかったり、家へ帰ればまたそれを強引にさらに強制的に宗教団体に持っていくとか。だから、そういう段階を放置せずに、やはりきちっと対応できるものを。 今の人権委員会とかああいう擁護委員の機能ではできませんよ、そういう権限とか機能を持っていない。だから、これはそういう人権というものにきちっと対応できるものを、御高見じゃなくて、法務大臣をやっておられる間にぜひともこれを。行政改革で新しいものをつくるべきではないとかいうふうな議論もいっぱいあります。しかし私は、この人権問題というのをそういう形できちっと押さえていく法務省に僕はなっていただきたいと思います。御高見拝聴じゃなくて、もうちょっと前向きの御意見をひとつ出していただけませんか、こういうときにこそ。
○国務大臣(宮澤弘君) 今お話しの中でも行政改革云々というようなお話もございました。そういうこともございますので、今ここで直ちにお説のような新しい機関なり機構なりをつくるということについて検討を進めるというような御答弁を申し上げる立場にはないと思います。 しかし、先ほど来しばしば申し上げておりますように、人権の考え方の思想を普及徹底すること、それから、現に人権侵害が行われた場合にはそれに直ちに対応していくということについては、今回のオウムの問題につきましても、おっしゃいますようにこれは基本的に必要なことであるという認識は十分持っておりますので、その面でせっかく努力をしていきたいと思います。
○本岡昭次君 きょうは議論は法務大臣とはこの程度にさせていただきます。また改めて深めたいと思います。 文部大臣、どうでしょう。この宗教問題については、未成年の子供たちがいろんな形でかかわっていくんですよ、学生とか生徒。そういうことも含めて、現行の宗教法人法をこういうふうに改正することによって国民のさまざまな不安とかということは解消されるんではないと、こう思うんです。そういう点で文部省も積極的に子供の人権を守るという立場でかかわるべきだと私は考えます。いかがでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 御高承のとおり、教育を受ける権利は、憲法、教育基本法に規定されている極めて重要な権利であります。いかなる信仰を持とうとも、保護者は子供に義務教育を受けさせる義務があると、こう規定しております。また、何びとも子供の就学を妨げることは許されないと、これも同じくであります。 子供たちの就学を確保するためには、保護者に対する粘り強い説得が実は必要でございます。状況によっては広く関係機関とも連絡して取り組む必要もあるわけでございますが、文部省としては今後とも、子供の適正な就学が確保されるよう、関係省庁とも連絡しながら指導してまいりたいと、こう考えます。
○本岡昭次君 答弁は大変不満ですが、仕方がありません。 終わります。(拍手)
○国井正幸君 新緑風会の国井正幸でございます。 ごらんのとおり、大変緊迫した感じを私は受けるわけでございます。こうした中で質問をさせていただくわけでございますが、私の質問が本日最後だ、これが終わった後何かあるんじゃないかと、こういうふうなことをみんな心配しているというふうに思うんです。そういう意味では、倉田新委員長におかれましても民主的な運営で、みんなに安心してやってもらえるような運営をぜひお願いしたいというふうに思うところでございます。 それでは、昨日の質問に続いてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 昨日、時間がなくて途中で終わったわけでございますが、私は、なぜそんなに急いでこの法改正をやるのかと、こういうふうなことを伺ったわけでございます。その小野文化庁次長の御説明の中で、国民の世論は宗教法人法の改正を望んでいる、非常に高い率で改正をすべきだと、こういうふうな世論調査というか、世論をそういうふうに受けとめていると、こういうふうなお答えがあったわけでございますが、少なくとも九月二十九日の段階で何を根拠に改正をすべきだとお考えになっているわけでございましょうか。
○政府委員(小野元之君) 私が昨日お答え申し上げましたのは、当時の新聞の世論調査等によりましても、非常に高い率で宗教法人法の改正をすべきだという意見が強かったというふうに私は記憶をいたしております。 そして、審議会におきましても、特別委員会を八回、総会を五回ということで、特に特別委員会の先生方は夏休みを返上なさいまして一生懸命御論議をいただいたわけでございます。こういった時点におきまして、ぜひとも二十九日の時点で報告を出していただく、そしてそれを受けて具体的な法改正に取り組むべきだというふうに私としても考えておりましたので、その旨申し上げたところでございます。
○国井正幸君 最近、特に佐賀の補欠選挙等を含めて、衆議院でこの法案の議論がなされてきて、私は世論の関心も相当高まってきたというふうには思っておりますけれども、少なくともこの時点で、言われるほどのそういうふうな高い率があったというふうには私は思っておりません。見解の違いかもしれませんが、私はそのように考えております。 それでは、中身の問題に入っていきたいというふうに思います。 改正法案の第二十五条の部分に「財産目録等の作成、備付け、閲覧及び提出」の項があるわけでございますが、その第三項に、「宗教法人は、信者その他の利害関係人」に対して、途中省略しますが、「正当な利益があり、かつ、その閲覧の請求が不当な目的によるものでないと認められる者から請求があったときは、これを閲覧させなければならない。」、こういうふうな中身があります。そして、宗教法人審議会の報告の中でも、宗教法人に何らの関係を有しない者まで含めるのは適当でないから信者なり利害関係人だと、こういうふうなことで出ているわけでございます。 この中で信者あるいは利害関係人、これはどういう人を指すのか、そしてまただれが信者なり利害関係人というふうに認めるのか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(小野元之君) お答え申し上げます。 「信者その他の利害関係人」でございますけれども、正当な利益があり不当な目的でないといった場合に、法二十五条二項の備えつけ書類の閲覧を請求できるというふうにこの法律では定めてございます。 信者につきましては、各宗教団体の特性や慣習によりましてさまざまな呼び名で呼ばれているわけでございます。そして、信者かどうかの判定というのは、当然のことでございますがその宗教法人がなさるということでございますが、一般的には信者というものにつきまして、この二十五条二項の閲覧を請求できる正当な利益がある信者その他の利害関係人の信者につきましては、一つといたしまして、寺院の檀徒や神社の氏子などのうち、法人と継続的な関係があってその財産基盤の形成に貢献している者、こういったものが考えられます。また総代など、法人の管理運営上の地位が規則等で定められている方、それから三番目に宗教教師など、法人と継続的な雇用関係にある方、こういった方がここで言う信者に含まれるというふうに私どもは理解をいたしております。
○国井正幸君 具体的な話でお聞かせをいただきたいというふうに思います。 オウム真理教の仮谷さんの事件にも大変関係があるわけでございますが、例えば私がどこかのある宗派の信者になった、そして私が多額の寄進をしたというふうに仮定をさせていただいて、私の個人的な私有財産を寄進する、その場合、私の妻あるいは子供、そういう者については利害関係人というふうに見られるんでしょうか。
○政府委員(小野元之君) 今の例でございますが、具体的な法律上の正当な利益があり、かつ不当な目的がないというものと言えるかどうかということが出てまいるわけでございます。 今おっしゃったのは、仮に、奥様が信者ではなかったけれども、じゃ利害関係人の方に入るかどうかということになると思うのでございますけれども、利害関係人の例といたしましては、債権者や保証人など、法人と取引等の契約関係にある方、それから法人の行為により損害をこうむった方、あるいは包括・被包括の関係にある宗教法人、こういったものが私どもとしては主な例だというふうに考えておるわけでございます。 具体的に仮に先生がある宗教法人に対して寄進をずっとなさっておられて、その関係で私は先生は当然ここで言う信者その他の利害関係人に含まれると思いますけれども、奥様の立場がどうかというのは、その宗教法人との関係をもう少し見させていただかなければ断定できないのではないかというふうに思うわけでございます。
○国井正幸君 私が質問をしていることに全然答えていただいていないというふうに思うんです。 例えばオウム真理教の仮谷さんの事件に関しては、いわゆる兄弟の方がオウム真理教に対して大変な寄進をしたり、そういうことをしている。兄としてそういうのを見ていられない。こういうこと等があって事件に巻き込まれたんではないかと、私は報道の中でそういうふうに承知をしているわけでございます。 言うなら、例えば私が寄進をした。それは名義上も私の財産であっても、家族、親族、こういう者は余り寄附されたんじゃ困っちゃう。こういうふうなことがあった場合は私はむしろ利害関係人になり得るんではないかと、こう思っているわけですが、今の答えでは全然私の質問に答えていないというふうに思うんです。もう少し明確に答えてください。
○政府委員(小野元之君) 正当な利益があるかどうかということになるわけでございますけれども、もちろんこれは最終的に宗教法人が御判断なさる問題でございますけれども、仮に私が宗教法人の側にいたという立場でございましたら、今のような例でございますと、ここで言う具体的な書類について閲覧を請求できる立場にあるのではないかというふうに思っております。
○国井正幸君 例えば、私の家内が利害関係人だと、こうなった場合、その家内の親とか兄弟もいるわけですね。これじゃ嫁いで大変な苦労しちゃうんじゃないかと、そういうことを心配する親兄弟なんかも私はいると思うんですが、そういう場合はいわゆる利害関係人になるのかならないのか、この辺いかがでしょうか。短く言ってください。
○政府委員(小野元之君) 個別の例でございますが、私は先ほど奥様の場合と、こう申し上げたのでございますが、これは生活をともになさっておられて、仮に先生が寄進なさったことで家計に影響がもちろんあるわけでございますし、そういったことが法律上の正当な利益として、例えば御主人が寄附なさったお金がどうなっているのか、この宗教法人に対して寄進をなさったことが奥様のお立場としてその生活に影響もあるわけでございますから、例えば相続権の問題であるとかあるいは遺産の分与の問題等が将来生じた場合に、それは具体的な財産権の問題として法律上の利害関係が生ずると思いますので、そういった場合であればここで言う閲覧を請求できる立場に私としてはあるのではないかと思うわけでございます。
○国井正幸君 私がなぜこういうことを聞いてきたかと申しますと、この利害関係人というのは大変不明確な規定になっていて、いわゆる手づる式にどんどんどんどんなっていく可能性が非常に強いだろうというふうに思います。そして、特に宗教というものについては、信じる者としては大変ありがたいことでありますが、信じない者からすれば何のことはない、こういうふうなものであるわけです。したがって、その価値観が非常に違うわけですね。 そういうことを考えると、この利害関係人というのは、信じている者からすればそんなことを言ってくれるなと、こういうことになっても、信じない者からすればそんなことはない、こういうことでいろいろ問題を起こすことになるだろうというふうに思うんです。際限がないだろうと私は思います。 そういう意味では、先ほど来むしろ宗教法人なり宗教団体が決めることだと、信者とは、あるいは利害関係人とは、第一義的にはと。こういうふうなことであるとするなら、これらについては、法律的に見せる見せないなんということをやるよりも、その宗教団体の自治に任せるべきなのではないか、私はこういうふうに思うわけでございます。 それから、時間も非常にないわけでございますが、いわゆるにせ信者や、あるいは悪意を持った、あるいは作為的な方が入り込んできた場合、これらを防ぐ措置というのはあるんだろうか。これから来年になるといわゆる会社の総会シーズンがやってくるわけでございまして、総会屋等の事件というのも数多く報じられているわけです。会社の情報を開示させたり会社の経営内容に立ち至ったりして金品をおどし取ろうといういわゆる総会屋の事件があるわけでございますが、これらについて警察庁の方で、どの程度の件数があるか、簡潔にお答えをいただければと思います。
○政府委員(野田健君) 最近における総会屋の検挙件数及び検挙人員につきましては、平成五年は二十七件七十名、平成六年は三十二件五十七名、本年は九月末現在で二十九件三十九名という状況にありますが、このうち商法第二百九十三条ノ六に規定する株主の帳簿閲覧権等をめぐる事件といたしましては、総会屋らが都内所在の株式会社の社長に対して、三%以上の株主になれば臨時総会の開催や役員の選任要求、営業帳簿の閲覧もできるんだなどと脅迫し、所持している株を高値で買い取るよう要求して一億数千万円を喝取しようとした事案について、本年六月に警視庁が恐喝未遂容疑で検挙したことを把握しております。 いずれにしろ、刑法に触れるような状況があれば断固取り締まってまいりたいと考えております。
○国井正幸君 三%以上持っている者についてもいろいろそういうふうなことが行われているわけでございまして、今度はある意味ではだれでも見られる、こういうふうなことも考えられますので、この辺については十分歯どめ措置を講ずることが必要ではないかというふうに思います。 私も、もういっぱい聞きたいことがあるんですが、時間もない、こういう状況でございますから、十分この問題については時間をかけて慎重に審議していただくようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○委員長(倉田寛之君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十九分散会