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134回国会参議院1995/11/08

国民生活・経済に関する調査会 第1号

発言数
11
登壇者
4
会派数
1
開催日
1995/11/08

会議録

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十月二日、武田節子君、平野貞夫君、海野義孝君及び水島裕君が委員を辞任され、その補欠として片上公人君、魚住裕一郎君、木暮山人君及び小林元君がそれぞれ選任されました。     ―――――――――――――

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に片上公人君を指名いたします。     ―――――――――――――

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) 今期の国民生活・経済に関する調査会の調査項目について御報告いたします。  調査会の調査項目の選定につきましては、理事会の協議によることとなっており、本調査会設置以来、理事懇談会を中心に協議してまいりました。その結果、本日の理事会において、今期の調査項目を「二十一世紀の経済社会に対応するための経済運営の在り方」と決定し、豊かな国民生活の実現を目指して調査活動を行うことに意見が一致いたしました。  委員の皆様御承知のとおり、我が国は、国民のたゆまぬ努力により、国内総生産が米国に次ぎ世界第二位となるなど、戦後五十年の間に目覚ましい経済的発展を遂げてまいりました。  こうした中で、我が国の経済社会の構造には、少子・高齢化、経済活動等の国際化、技術革新・情報化等の変化が見られ、その変化は二十一世紀に向けてより一層加速するものと思われます。このような経済社会の構造変化は、若年労働力の減少、産業の空洞化、金融システムの不安定化、情報格差の拡大を招くなど、経済及び国民生活に多大な影響を及ぼすものと考えられます。こうした影響を是正し、我が国経済の安定的発展と国民生活の充実を図るため、経済社会の構造変化に適切に対応できる経済運営が求められております。  本調査会といたしましては、公正で活力がある経済社会と豊かで安心して暮らせる国民生活の実現を目指して、少子・高齢化、国際化、情報化に適切に対応するための経済運営のあり方について検討してまいりたいと考えておりますので、理事並びに委員の皆様方の格別の御協力をお願いする次第であります。よろしくお願いいたします。     ―――――――――――――

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) それでは、国民生活・経済に関する調査を議題とし、二十一世紀の経済社会に対応するための経済運営の在り方に関する件のうち、まず経済の現状と経済計画について経済企画庁から、次いで財政の現状と二十一世紀に向けての課題について大蔵省から、順次説明を聴取いたします。  最初に、経済企画庁より説明を聴取いたします。経済企画庁澤田調査局長。

澤田五十六経済企画庁調査局長

○政府委員(澤田五十六君) それでは、お手元に手書きのもので図表一「鉱工業生産の回復局面比較」という四、五枚のとしたものと「主要経済指標の最近の動き」という冊子があると思います。まず初めに、私の方から経済の現状につきましてお話ししまして、後、土志田計画局長の方から経済計画についてお話ししたいと思います。  それで、この手書きの方の「鉱工業生産の回復局面比較」というのを最初に見ていただきたいと思います。この冊子で大づかみに今の経済の現状がどういうところにあるかというのを見ていただきまして、後でこの「主要経済指標の最近の動き」で、特に最近のところにスポットを当ててお話ししたいと思います。  それでは、図表一というのを見ていただきたいと思いますが、鉱工業生産が景気の動向を一番敏感に反映いたします。そういうことで、鉱工業生産の動きを過去の景気回復局面と比較してこの図は示してございます。それで、そこに手書きで書いておりますけれども、第一次石油ショック後とか第二次石油ショック後、円高不況後、ミニ調整後という四つの過去の景気回復局面の鉱工業生産の上昇の仕方を見たものであります。  今回の回復局面は、その中に太い実線で書いたものが今回の様子でございます。それを過去と比較していただきますと、特徴が三つほどございます。  一つは、一〇〇と書いたところが景気の谷ですけれども、そこからずっと四半期がたつにつれてこれが上ってきておりますけれども、今回はこの上り方が非常に緩やかであった。普通は四・四半期目あたりからずっと上の方に加速して上っていくんですけれども、今回はテンポが速まらなかったという特徴が一つございます。  それから二つ目は、その景気の緩やかな上昇が横ばいとなって、それから下がっている。つまり、景気が足踏みし、さらに弱含みになっているというのが見てとれるかと思います。それが二番目の特徴でございます。  さらに、その先が点々で示してございますが、これがまだ実績では出ていない予測指数によるものですけれども、回復の兆しが十月ごろから出始めている。こういうのが今の局面を大ざっぱにとらえたものでございます。  まず第一番目に、そもそも回復過程がなぜ緩やかだったかということですけれども、これは端的に申しまして、大体過去の回復局面におきましては設備投資の回復というのが加速してくるわけでございますけれども、今回はその加速というのが起こっていないということが第一番目の特徴でございます。  それからさらに、緩やかな景気回復が足踏みから弱含みになったということですけれども、これは二つ原因がございまして、この辺は次の二ページ目の図表二というのをごらんいただきたいと思います。これは主要な需要の項目の推移をずっと時系列的に並べたものでございまして、斜め線を施した部分がいわゆる不況期でございます。一番右の方の不況が今回のバブル崩壊不況で、その斜め線を過ぎたあたりから回復に向かっておるわけでございます。  今回緩やかだった理由というのを先ほど申し上げましたけれども、民間企業設備投資という黒い丸を結んだ線を見ていただきますと、これが斜め線の不況を過ぎた後、少し下がった後少し上向きの感じは出ているんですけれども、上り方が非常に緩やかであるというのが見てとれると思います。ずっと左の方に移っていただきまして、すぐこの前の円高不況の終わりました八七、八年のところを見ていただきますと、この黒丸を結んだ線がぐんと上がっているのが見ていただけるかと思います。それから、その左が第二次石油ショック不況の後でございまして、やはりこの黒丸を結んだ線がぐんと上り調子になっているというのが見ていただけるかと思います。さらにその左がミニ不況の後の回復期ですけれども、これもやはり上の方に向かっているということで、この設備投資の加速がまだ今回は起きていないというのが緩やかな原因であるというのが見ていただけるかと思います。  それがさらに弱くなった理由は、今度は白丸を結んだ線、これがいわゆる公共投資でございますけれども、これがバブル崩壊不況を出た後上昇していたわけですけれども、だんだん垂れ下がってきている。一巡しましてこれが弱くなってきたと。それともう一つ、細い実線がございますが、これが住宅投資でございますけれども、これも最初のうちは増加していたんですけれども、だんだんジグザグして弱くなっている。つまり、住宅と公共投資が一巡して、まだ設備投資が加速する前に弱くなったというのが景気が足踏みから弱含みになった一つの理由でございます。  二つ目の理由は、皆さんも御承知の、ことしの三、四月に急激な円高が起こりまして、それとほぼ軌を一にしてアメリカ経済が減速いたしまして輸出が弱くなってきた。こういうことで、今回の景気が、緩やかな回復から足踏み、さらに弱含みというふうになったという状況がおわかりいただけるかと思います。  そういうことで、この弱くなった景気をさらに立て直していくためには、設備投資の回復を加速させる、それによって所得の増加を起こして消費をふやして、自律的に投資、消費がふえていくという過程に持っていくということが大事になっておるわけでございます。  それで、その設備投資の加速のためには大事なことが三つございまして、三ページの方を見ていただきたいと思います。  まず、設備投資を製造業と非製造業に分けますと、製造業の方は比較的回復しているんですけれども非製造業の方が弱いという現状がございますが、製造業は回復しかけているといってもまだ十分な回復になっていないわけでございます。これを加速させるためにはどうすればいいかということを考える材料を提供したのがこの図表三でございまして、製造業の設備投資は製造業稼働率と密接な関係にあるというのをこの三ページの図で見ていただけるかと思います。  稼働率が点線で示してありますけれども、点線が上がってくると製造業の設備投資であります実線の伸び率も高まる、こういう関係になっております。そして、そのターニングポイントとなるのが、線を真ん中に引いてありますけれども、稼働率が九〇ぐらいのところを超えるようになってきますと設備投資の伸び率もプラスになって加速してくるというふうな関係がございます。つまり、ある業種で設備投資を行いましてそれが他の業種の生産を増加させるわけですけれども、稼働率が低い場合にはその業種の稼働率を上昇させるのに終わってしまうということでございまして、稼働率が高くなってくると他の製造業のところでも設備投資を誘発していく。  つまり、投資が投資を呼んでいくという過程になって、これで投資の加速が起こるわけでございますけれども、今回の場合は深い谷からの回復であったので、まだその九〇というレベル、右端のところですけれども到達していない。しかし、だんだん近づいていっているので、設備投資の回復はある程度上向きになってきているというのが見てとれるかと思います。  したがいまして、この稼働率を上昇させるためには、公共投資等を中心に総需要の増加というのを維持していくことによって稼働率水準を順々に上げていって設備投資の加速を導いていくというふうなことから今回の大幅な景気対策がとられた一つの大きな根拠になっておるわけでございます。  それから、非製造業の方は、次の四ページの方を見ていただきたいと思いますが、設備投資が弱い三つの原因が大ざっぱに言いますとありまして、一つは今言いました製造業の稼働率がまだ低いということ、それからバブルの後遺症から不良資産等の重荷がまだ残っているということが二つ目、三つ目は円高に伴ういわゆる空洞化現象がございます。  この空洞化現象の別の側面を見たものがこの交易条件というものでございまして、三つグラフがございますけれども、具体的には一番下のグラフで見ていただくとわかりやすいかと思いますけれども、「産出物価(販売価格)」と書いてあります。これがいわゆるデフレ的現象と呼ばれているやつで、販売価格が下がって利益が出にくいという側面でございますが、円高は逆に仕入れ価格の方をさらにそれ以上に下げることができるというメリットを持っておりまして、販売価格の低下以上に仕入れ価格を下げて利益を出すことができるというのが円高の大きなメリットでございます。  この両者の比率を出したものが一番上のグラフの「交易条件」というものでございまして、これが上の方に上がっていくとその業種にとって利益が出やすい構造がある、こういうことでございまして、この三本あります線の実線を見ていただきますと、製造業全体の交易条件ですけれども、一番左端の八五、六年の円高のところを見ていただきますと、これがぐんと上がりました。このぐんと上がったということは、つまり利益が出やすい交易条件が現出しまして、これをもとに平成好況というのが実現されたわけでございます。今回の場合も、九一年以降から、八五、六年ほどのような急激な形ではございませんけれども、交易条件がじわじわと上がっております。したがいまして、企業にとっては利益が出やすい構造があるわけでございます。  この製造業全体を輸出型のものと非輸出型のものに分解してほかの二本の線が出ておりまして、輸出型の産業は点線で示してあります。これで見ていただきますと、輸出型の産業、いわゆる機械工業でございますけれども、これは交易条件は全然よくなっていない。それにもかかわらず今景気がいいというのは、アジア等を中心に市場の拡大、内需の掘り起こしをやることによってこうした産業はある程度の景気回復を享受しているわけでございますが、逆に上の方にございます非輸出型の産業、これは一点鎖線でございまして、これは交易条件がぐんと上がっていますので利益が出やすい環境が整えられていると。  これは製造業についてこういう非輸出型のものを出しておりますけれども、大体非製造業も非輸出型でございますのでこれと同じようなパターンをたどっていると考えることができるわけでございます。そうすると、こういった交易条件という観点から見ますと非製造業は活動に有利な状況があるにもかかわらず現実の経済活動は活発でない。  それはなぜかと申しますと、大きく言って二つあるかと思います。一つは、バブルの後遺症、不良債権等の重荷が製造業以上に非製造業にかかっている、それから二点目は、いろんな規制が非製造業には多く存在しておりまして、この有利な状況を生かした活動が自由にできないような環境があるということで、非製造業の振興のためには不良債権の解決ということと規制緩和等の構造対策というのが非常に重要な役割を持っているということがおわかりいただけるかと思います。  以上で大づかみの景気の状況をお話しいたしましたので、もう一つの冊子の方の「主要経済指標の最近の動き」では、今のような背景を頭に入れていただきまして、最近の動きはどういうふうになっているかということを見ていただきたいと思います。  もう一度復習しますと、景気の現段階は緩やかな回復が足踏みになって弱含みになっている、これがいかにして再浮上してくるか、明るい動きはどういうふうにしてつながってくるかというところが現下の問題であるわけでございます。  それで、まず四ページの方から学期いただきたいと思います。ここに一番最新時点の四-六月期の国民所得統計速報が載せてあります。たくさん数字がありますが、この中で二点だけ注目していただきたいことがございます。  上から六行目に「民間企業設備」という欄がございます。それの真ん中ごろから右の方を見ていただきますと、六年の七-九月期から四期続けてこの民間企業設備投資というのが前期比でプラスになっております。つまり、設備投資がそれまでのマイナスから前期比でプラスに転じて緩やかな回復になっているというのが見ていただけるかと思います。  それから第二点目は、その三行下の「公的固定資本形成」、いわゆる公共投資と呼ばれるものでございますけれども、それの右から三番目あたりから見ていただきますと、十-十二月期、一-三月期はマイナスということで、一巡した後弱くなっていたわけですけれども、この四-六月期からまたプラス二・三%というふうになってきておりまして、公共投資が回復する勢いをまた出してきております。その二点をこの表では確認していただきたいと思います。  それから、次に六ページの方に進んでいただきまして、四-六月期以降の個人消費の動きを見ていただきたいと思います。真ん中より右のところの七月、八月、九月といったような数字を眺めていただきたいと思いますけれども、消費は緩やかな回復というふうな基調の中にあるかと思います。緩やかな回復ですから弱い指標、明るい指標、入りまじっております。  一番上の「世帯当たり消費支出」というのは家計調査の数字でございますけれども、それの二段目の数字を見ていただきますと、マイナス一・一、マイナス○・三ということで、前年比まだマイナスがついているということでやや弱目の指標です。それに対しまして次の欄の百貨店の売り上げ、これは九月で○・五%のプラスということで、それまでのマイナスからプラスになってきた、やや明るくなってきた。  それから、消費の中でも割がしいいのは耐久財でございまして、百貨店より二段下、三段下あたりの自動車や家電の売り上げを見ていただきますと、前年比でそれぞれ割と高い伸びになってきているということで、耐久財は非常によろしいということが見てとれるかと思います。  しかし、消費全体で見ますとそんなに勢いが強いわけではありませんで、緩やかな回復傾向というのは、例えば下から二段目の「現金給与総額」の伸びで九月を見ていただきましても一・二%というふうな低い伸びでございます。それが消費の動きでございます。  それから、住宅の方は次の九ページの方のグラフに移っていただきたいと思います。  これはグラフで住宅着工件数を見たものですけれども、グラフの中で一番上が住宅着工の総戸数でございまして、これを見ていただきますと、春ごろからずっと減少していたわけですけれども、このところ底を打ってちょっとはねる感じも出ているというふうなことで、ずっと減少してきたんですけれども増加の気配も出てきたということでございます。  これはなぜかと申しますと、金融緩和をずっと行っておりまして、その金融緩和を受けまして民間資金による住宅建設が進んできているというふうなこと、それから兵庫県において震災復興の住宅が高い伸びになってきている、こういったようなことがこの下げどまりの動きを出してきておるわけでございます。それが住宅でございます。  それから、設備投資の方は次の十ページの一番上の表を見ていただきたいと思います。  一番上の表で、一番上の欄が全産業ベースの話でございます。これで真ん中ごろから右の方を見ていただきますと、ことしの四-六月の実績というのが二・四%のプラスということで、七-九は若干その反動もありましてマイナスになりますけれども、十-十二月、一-三月の計画はそれぞれプラスになっておりまして、緩やかながらも回復の動きが出ている。年度トータルで見ますと、真ん中ごろに七年度計画の三・三%というふうなことで、設備投資は緩やかな回復の動きが見られるということでございます。  それから次に、十二ページの方に移っていただきまして公共投資のところ、四-六月は先ほど言いましたようにプラスになってきております。七月以降の右の三カ月のところを見ていただきますと、七月以降もプラスの数字がふえてきておりまして増加基調にあるということかと思います。若干八月、九月で着工と請負のところにマイナスの数字がありますけれども、国の方は順調にふえております用地方の方が統一地方選の影響その他で若干出おくれておりますけれども、その後肉づけの補正等がなされておりますので、これも増加基調を続けていくというふうに考えることができるかと思います。  それから次に、十四ページの方に移っていただきまして、以上のような需要動向を受けまして生産や出荷や在庫がどうなっているかということですが、真ん中の七-九月というところの括弧内の数字を見ていただきたいと思います。  一番上の生産がマイナス二・三、それから二段目の出荷がマイナス二・八ということでマイナスがついております。これは、先ほど申しましたように景気が弱含みになっている、七-九月に一番弱い状況があらわれているということを端的に示したものでございまして、ひところ見られました住宅の弱さ、それから輸出が弱くなってきているというふうなことを反映したものでございます。そうしたことを受けまして、在庫もプラスの一・〇というふうになっておりまして、例えば鉄鋼とか化学とか、一部業種で在庫を減らすための在庫調整が行われている、こういうふうな状況で、七-九月期が一番景気が弱くなっている時期というふうに見てとれるわけでございます。  それから次に、十六ページの方に進んでいただきまして、企業の方の業績でございます。  まず、一番上の収益の表の一番上の全産業のところを見ていただきますと、右の方の数字ですけれども、七年度九・四%ということで、今年度は増益の形になっております。そうした中で、ここ最近の景況感というものの移りを二段目の数字で見ていただきますと、やはり一番上のところが全産業でございますが、七-九月期マイナス八というふうに、悪いと見る企業が七-九月ふえたわけでございますけれども、十-十二月期はややマイナスが減る、一-三月の方はプラスになっていくということで、これから回復を期待する向きがふえてきているというのが見てとれるわけでございます。  さらに、今度三段目の中小企業の方の動向を見てみますと、一番上の欄が売り上げ、二番目が見通し、三番目が利益、こうなっているわけですけれども、七月、八月あたりがマイナスが一番大きくなっておりまして、それからややマイナスが減るような動きが出ておりまして、これからやや明るい方向へ向かうかなというふうな感じが出ておるのが見ていただけるかと思います。  それから、次のページの一番上に利益の表が出ておりまして、六月ぐらいの円高だった時点と八、九月の円安に修正された後の利益の見通しを見ていただきますと、いずれも上方に修正される動きが出ておりまして、こういったのがこれからの明るさにつながっていくことが期待されるわけでございます。  それから、少し飛んでいただきまして二十一ページの方の雇用のグラフを見ていただきますと、景気の弱い動きを反映いたしまして、このグラフの下の方の有効求人倍率、細い実線がございますけれども、ずっと下がってきておりまして、最近月では○・六という低さにまで到達しております。それから、完全失業率は一番上の太い実線でございまして、ここのところ三・二%という既往最高水準のところに張りついておりまして、雇用は厳しい状況が続いているということが見ていただけるかと思います。  それから最後に、輸出入の状況を次の二十二ページの下の段の右側のグラフで見ていただきますと、まず輸出でございますが、二月あたりから六月あたりにかけて横ばっていたわけですけれども、七月以降これが下向きの感じになっておりまして、アメリカ経済の減速とか円高の影響が輸出にあらわれて弱くなっているというのが見ていただけるかと思います。輸入の方は、これまでの円高を受けまして、上の点線ですけれども、上向きの感じでずっと増加基調であるわけですけれども、これもやはり六、七月ごろあたりから何となく伸びが鈍化している感じが出ておりまして、やはり景気の弱さが輸入の伸びが鈍化するという形であらわれているかと思います。  以上見ていただきましたような指標を総括いたしまして、二ページの方に今の状況をまとめた表現が載せてございます。  右側の「十月月例」というところを見ていただきますと、「我が国経済の最近の動向をみるとこというところから始まりまして、設備投資は緩やかな回復という明るい動きですけれども、住宅が弱かったこと、輸出が横ばいから弱含みになっていること、それから在庫が高まっていて一部業種で生産が弱含み、生産調整が行われているというふうなことで、その下二行目あたりで、総体判断ですけれども、「我が国経済においては、景気は足踏み状態が長引くなかで、弱含みで推移している。」、こういうことでございます。  しかしながら、先ほどからお話ししていますように、このままどんどん弱くなるということではなくて明るい動きもございます。まず、為替とか株式が円安とか株高になってきている、それから公共投資がふえている。さらに、下の「政策態度」の欄の方に移っていただきまして、九月二十日の対策をやりました、さらに下の四行ほどで金融の緩和もありますというふうなことで、こういうことが重なり合いまして現在見られている明るい芽を景気回復につなげていくような段階にある、こういうふうなことでございます。  以上で景気の状況のお話を終わります。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ありがとうございました。  次に、経済企画庁土志田総合計画局長。

土志田征一経済企画庁総合計画局長

○政府委員(土志田征一君) 総合計画局長の土志田でございます。新しい経済計画の進捗状況について御説明をさせていただきます。  お配りしてございます資料が資料一から六まであるかと思いますが、現在、新しい経済計画につきましては経済審議会におきまして御審議をお願いしているところでございます。  資料一をごらんいただきますと、これまで現状に至るまでの簡単な経緯を書いてございます。  まず、一のところにございますように、本年の一月十九日に村山総理から経済審議会に対しまして、「二十一世紀に向け、地球社会の発展に寄与しつつ、自由で活力があり、国民が豊かに安心して暮らせるとともに、国内外に開かれた経済社会を創造するための長期経済計画いかん。」、こういうような諮問が出されております。  これに基づきまして、二のところにございますように、後ほど内容につきましてはさらに御説明をさせていただきますが、経済審議会のもとに以下四つの部会と二つの小委員会を設けまして審議を続けていただいているわけでございます。その過程で、各部会、小委員会も中間報告を出していただきましたが、経済審議会全体といたしましても六月十三日に中間取りまとめを行っていただいたところでございます。  これを受けまして、経済審議会、夏は地方へ行っていただいて地方の御意見を聞いていただく、あるいは私ども事務局といたしましてはパソコン通信その他で一般の方からの御意見をいただく、こういうことをしました後、秋に入りまして具体的な施策あるいは具体的な姿についての御検討を進めていただいているところでございまして、最終答申は十一月末を目途にして現在御審議が続いているところでございます。  そこで本日は、これまでの経済計画、それから今回の六月段階の中間取りまとめ、その後の御審議の状況について御説明をさせていただきます。  資料二をごらんいただきますと、これまで我が国の経済計画は十二本ございます。したがいまして、今回は十三番目のものであるということでございます。これまでの最新の経済計画は、平成四年六月に決定されました生活大国五カ年計画でございます。  それに対しまして、資料三をごらんいただきますと諮問文がございます。諮問文の「説明資料」のところをちょっとごらんいただきますと、生活大国五カ年計画は生活者重視の経済社会変革を進めるとともに内需主導型の経済成長を定着させるということで政策が考えられてきたわけでございますけれども、計画策定後約三年の動きを見ておりますと、内外経済情勢が大きく変化してきているわけでございます。  世界の動きも非常に急速でございまして、アジアを中心にした新興経済が発展する、それからウルグアイ・ラウンドの終結、WTOの創設、さらにAPECというような動きがありますし、また地球環境問題への対応も差し迫った課題となってきているわけでございます。同時に国内的に見ますと、国内ではバブル崩壊、円高の進行ということで、戦後二番目というような計算になりますか、長期景気後退を経験することとなったということでございます。  生活大国五カ年計画では、計画期間の平均的な経済成長の見通しを三カ二分の一%程度ということで見ておったわけでございますけれども、三年間の平均はおよそ〇・二%という形になっておりまして、ほとんどゼロ成長である、こういうような状況であるわけでございます。  また同時に、暮らしの面で言いますと、内外価格差が拡大して国民が生活の豊かさを実感できない大きな要因になっておりますし、また国際的な変化の中で産業、雇用の空洞化の懸念、こういったような構造的な問題が出てきている。さらに、長期を考えますと少子・高齢社会というのが現実のものとなってきている。そういう状況でございます。  そこで、こういった生活大国五カ年計画を策定したときに予想されなかったような大きな変化があるわけでございますので、そういった変化を踏まえて将来の姿を考えてほしい、こういうのが諮問の考え方でございまして、一番下にございますように「平成七年度を初年度として平成十二年度(西暦二〇〇〇年度)を最終年度とする新しい長期経済計画の策定を求めるもの」と、こういう背景でございます。  そして諮問は、先ほど申し上げましたように一つの要素は地球社会の発展に寄与するという要素、それから自由で活力があるという要素、国民が豊かで安心して暮らせるという要素、それで地球社会の発展に寄与しつつということと国内外に開かれたということ、大きく見ますとこういった三つの要素で今後の経済社会を考えていただきたい、こういうような諮問でございます。  そこで、資料四でございますが、ただいま申し上げましたような諮問に応じまして経済審議会では四つの部会と二つの小委員会を設けていただきました。企画部会というのは全体の経済の姿その他を御議論いただくところでございます。自由で活力ある経済部会と豊かで安心できるくらし部会と地球社会と我が国の役割部会の三つ、これは諮問でお示ししましたそれぞれの要素に対応して部会を設けていただいたわけですが、今回は特に次代を担う人材小委員会と高度情報通信社会小委員会、この二つの小委員会は特別に重要な問題であるということで別途御検討をお願いしているわけでございます。経済審議会で人材の問題というのをこういう形で取り上げるというのは、そういう意味では非常に久しぶりであるということが言われているわけでございます。  こういった体制で御検討いただきまして、資料五をごらんいただきますと、六月にそれまでの御検討の結果を中間取りまとめということでまとめていただきました。基本的な考え方につきましては、現在最終取りまとめの段階に近づいておりますけれども、この中間取りまとめのときと考え方の点ではそれほど大きく違わないのではないかというふうに思っておりますので、二ページ以下、どういう考え方で中間取りまとめがなされたかということをざっとごらんいただきたいと思います。  まず、二ページの「基本的考え方」では、先ほど申し上げましたような産業、雇用の空洞化の懸念とか、あるいは本年に入りましてからの大震災やサリン事件というようなことから我が国社会の安全に対する不安、こういったいわば現象形態があるわけでございますが、これをここでは「戦後五十年の歴史を支えてきた経済社会システムに生じてきたひずみがもたらしたもの」と。言いかえますと、これまでの経済社会システムが時代の変化に対応できていない、それがひずみというような形であらわれたのではないか、こういう理解の仕方でございます。  したがいまして、方向は、こういった経済社会システムを根本から見直して新しい経済社会システムの理念に沿って変革を促していくということを考えております。  その場合の理念をここでは三つ掲げてございますけれども、「市場原理に立脚した、個人、企業の自由な活動と自己責任の確立」、「意欲と能力に応じた社会参加と多様な生き方の選択」、「国際社会への主体的参加と地球環境との調和」、こういったような理念で新しい経済社会システムを構築していったらどうかということでございます。  同時に、具体的に変革をしていく場合には経済社会の大きな流れということを踏まえなければならないわけでありまして、その点を、最後にありますように「二十一世紀経済社会の特徴」ということで「少子・高齢社会」と「よりグローバル化した社会」、高度情報通信社会」と、いわばどういう政策なり行動をしようとしても大きな流れとしてこういったものは無視できない、それを前提として考えていかなければならないということとしてこういった三つの特徴を挙げているわけでございます。  そこで、三ページ目へ参りまして、具体的な経済社会システムの変革の方向というのをまず六つの方向にまとめてございます。六つの柱になっております。  第一の柱は、「市場原理に立ち国内外に開かれたシステムの構築」ということでございまして、ここでは規制緩和の問題、新規事業展開の問題、あるいは労働市場の整備、さらには情報開示とかディスクロージャーというような問題を取り上げております。  二番目の柱は、「老若男女共同参画社会の構築」ということで、いわば女性や高齢者が社会に参画をしていくための環境整備、さらにその大きなもとになる労働時間の短縮、また自由時間の活用の点で特に最近の大きな流れでございますボランティアの活用、こういったようなことを挙げております。  三番目の柱は、「安全で安心できるくらしの仕組みの実現」ということで、ここでは大きく福祉の分野で自助、共助、公助の適切な組み合わせを考えていくということと大震災の経験をもととした災害時の対応、こういったことを取り上げております。  四番目の柱は、「文化、生活環境、有限な資源、環境保全に配慮した社会の構築」ということで、文化の重視の問題と住宅、住環境の問題と社会資本整備、それからごみゼロ社会といったような問題を取り上げております。  四ページ目へ参りまして、五番目の柱といたしまして「バランスのとれた国土利用の推進」ということで、首都機能の移転それから地方分権、さらに地方経済の国際化、海外への事業展開支援、また地域の活性化に資する農林水産業の展開というような重点施策を挙げております。  六番目の柱は、「世界への積極的参画と貢献」ということで、特に貿易・投資の枠組みづくりに積極的に参画するとか、地球環境の保全へのリーダーシップの発揮とか、あるいはAPECへの積極的な役割といったようなそういったものをここでは挙げております。  これが六つの変革の方向でありますが、そのもとになる基盤として「人材の育成」と「科学技術の創造」と「情報通信の高度化」というのを挙げておりまして、人材の育成では、能力開花型社会をつくっていかなければいけないと。特にここでは、学校だけではなくて家庭や地域における教育の役割の増大ということを挙げております。  二つ目の発展基盤は科学技術でございますが、科学技術創造立国の構築ということで新規産業をつくっていく上での技術の重要性を指摘しております。  三番目の柱は高度情報通信社会の構築でございまして、最近インターネットというようなものも非常に急速に普及をしております。新しい社会というときに高度情報通信社会というのはひとつ重要なビジョンではないかということで御検討いただいたところでございます。  最後の五ページ目に、どんな道筋が考えられるかということで簡単にここでは例示をしてございまして、まず景気の着実な回復というのが第一段階、第二段階としては経済社会システムの変革によって内需主導型成長を実現する、こういうことを考えておりまして、それが同時に地球社会との調和ある発展にもつながっている、こういう定性的な道筋を描いております。  今申し上げた中間取りまとめにつきまして地方で御意見を伺う、また民間から一般の方の御意見を募集するということで、大きな御意見が二つございまして、一つは足元の景気を何とかしなければ中長期の話は考えられないのではないかという御意見、それからもう一つは経済計画はできるだけわかりやすく具体的につくってほしい、この二つの御意見があったわけでございます。  前者につきましては、これは九月二十日の経済対策という形で具体化したわけでございまして、これによって景気回復が着実なものになるということが、私ども経済計画の方に携わっている者から見ましても、まずは第一の基盤ではないかというふうに思っております。  それから、わかりやすく具体的にという御注文が多々ございまして、秋に入りましてからの部会での御審議では、特に重点的にお願いをしておりますのは、具体的にという分野で申し上げれば、今最後に申し上げた経済の中期的な発展の道筋というものを数量的にお示しをするということで御議論をいただいております。単純に一言で言えばマクロフレームを決めるということでございますが、経済の姿を定量的に明らかにするということでございます。  それから二番目には、今御説明いたしました中間取りまとめの三ページ目の(1)の①の最初に書いてございますが、「規制緩和の更なる推進、そのための高コスト構造是正のための行動計画」、高コスト構造是正のための行動計画をつくるという努力を現在しております。一応十の分野を選びまして、具体的に高コスト構造を是正し、その分野を活性化するためにはどういう目標を立ててどういう対応策をとっていったらいいかということを取りまとめるという作業をしております。  十の分野と申しますのは、物流の分野、流通の分野、エネルギーの分野、電気通信の分野、農業生産、住宅、公共事業、それから金融サービス、基準・認証、輸入手続といったような分野でございます。これらの分野につきまして、できれば具体的な目標を掲げ、それに対する対応策をまとめようということで現在御審議をお願いしております。  それから、具体化の三つ目の分野といたしまして社会資本の整備目標というのを取りまとめをいただいております。生活大国五カ年計画のときにわかりやすい生活の整備目標というのをおつくりいただいたわけでございますが、それをさらに発展拡大させて、暮らしの分野からさらに広く社会の発展基盤、先ほど申し上げておりますような情報通信、高度情報化のための発展基盤、社会資本というような分野につきましてもわかりやすい整備目標が掲げられるようにということでおまとめをいただいております。  それ以外に、今最後にお配りしております資料六、ちょっとお時間がありませんが、この豊かで安心できるくらし部会の報告が昨日まとまりまして部会長から公表されたわけでございますが、これに関連いたしまして、こういった施策を実行していった場合、二十一世紀での暮らしはどんな姿になるんだろうかといったような姿を、ここには添付してございませんが、最終報告の本体にはいわば付録というような形でお示しをしているところでございます。  さらに、今一生懸命やっております作業の中には、これから経済面でどういう分野が成長していくかというそういったこともお示しして、現在経済界で非常に先行き不透明である、閉塞感があるというような状況に対しまして、こういった新しい分野がこれから成長していくんだと、そういうような情報提供をさせていただこうかと。それもまた今回の経済計画で自由で活力がある経済社会をつくるということの一助にはなるのではないか。そういった幾つかの点で御要望にこたえて具体的な作業を進めておるところでございます。  新しい経済計画の最終答申、十一月末を予定しておりますが、全体の考え方は先ほど申し上げた中間取りまとめの考え方と基本的にはそれほど変更がないかと思っておりますが、一点だけ、この中間取りまとめのときは「経済社会システムの変革」と、システムの変革というような言葉を使っておりますが、やはり一般の方々の御意見を伺ってみると、システムの変革というような言葉は非常に抽象的でなかなか一般の方の身近に感じられないというような感想もございましたので、何かもう少しわかりやすい表現に変えられないか、そういうようなこともお考えをいただいて取りまとめをしていただこうというふうに思っております。  私からの御説明は以上でございます。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ありがとうございました。  次に、大蔵省より説明を聴取いたします。大蔵省伏屋主計局次長。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 主計局次長の伏屋でございます。  お手元の「財政の現状と二十一世紀に向けての課題」という資料を用意させていただきましたので、これに基づきまして御説明申し上げたいと思います。  最初に、「平成七年度一般会計歳出歳入予算の概要」でございますが、これは当初予算ベースでございます。  平成七年度の一般会計予算におきます歳出は、そこにありますように総額で七十兆九千八百七十一億円でございます。このうち国債費は、いわゆる国債の利払いと元本の償還の分でございますが、十三兆二千二百十三億円ということで全体の一八・六%、約二割弱を占めているわけでございます。それから、一般会計の歳出から国債費、地方交付税交付金などを除いたものを一般歳出と言っております。四十二兆一千四百十七億円で五九・四%でございますが、ここが社会保障、文教及び科学振興費、公共事業関係費等の内容を持っているものでございます。  歳入の方でございますが、一般会計予算におきます歳入の七五・七%に当たります五十三兆七千三百十億円が租税及び印紙収入でございます。残りのうち公債金収入が十二兆五千九百八十億円ございまして、一七・七%を公債金収入に依存しているわけでございます。これは当初予算でございますが、七年度の場合、その後一次補正、二次補正をいたしました結果、現在総額は七十九兆三百八十四億円になっておりまして、今申し上げました公債金収入の割合一七・七%は二五・五%に上昇しているのが現状でございます。  次に、「わが国財政の歩み」という資料を用意させていただいております。  これまで我が国は景気の循環等に対応いたしまして機動的な財政対応を行ってきたわけでございます。例えば、その下の方にございますが、第一次石油危機後の景気後退に対応して、財政は、上の方にございます建設公債の大量発行による公共事業の拡大及び特例公債の発行等によりまして積極的な景気対策を行いまして我が国の経済と国民生活の安定に努めたわけでございます。  さらに、第二次石油危機後におきましては、五十三年七月のボン・サミットにおきまして提唱されましたいわゆる機関車論に基づきまして、日本、ドイツが世界経済の牽引車となるべく積極的に財政支出を拡大したわけでございます。  このような機動的な財政政策の効果もありまして、我が国の経済は諸外国に比べまして比較的早い時期に石油ショックによる悪影響を克服いたしまして、経済は高度成長軌道から安定成長軌道へと移行したわけでございますが、他方我が国の財政は急速に悪化いたしまして、昭和五十五年を財政再建元年とする財政改革の厳しい道のりを歩むこととなったわけでございます。  その後のマイナスシーリングの導入などをてこといたしまして、厳しい歳出の見直し、懸命の増収努力、また国鉄、食管等の改革を初めとする行政改革の推進によりまして、我が国財政は平成二年度には特例公債依存体質からの脱却を果たしました。その後も特例公債が累増しない体質を目指して行財政改革に取り組んできたわけでございますが、税収の大幅増がありましたバブル期におきましても過去に積み上がりました公債残高を減らすには至らなかったわけでございます。  我が国の経済は、先ほど経済企画庁の方から御説明のあったような景気の現状でございまして、本年九月に十四兆二千二百億円に上ります規模の経済対策を策定いたしました。公共投資を中心とした内需拡大策等を内容とするものでございます。これら経済対策を含めまして我が国の財政は景気の変動に機動的に対応してきたわけでございますが、今申し上げましたように財政事情は極めて悪化しているわけでございます。  連年の公債発行に続きまして累次の経済対策や阪神・淡路大震災への対応などのための公債の増発もありまして、右の上の方を見ていただきますと、公債残高が六年度末には二百兆円を突破いたしまして、七年度末には二百二十一兆円に達する見込みでございます。増嵩いたします利払い費のために政策的経費が大きく圧迫されるなど、財政は構造的にますます厳しさを増しているわけでございます。  また、二百二十一兆円もの巨額の公債残高に係ります元利払いは、現在及び将来の世代の重い負担となるわけでございます。とりわけ特例公債残高の累増は、後世代に資産を残さず、負担だけを負わせるという問題が多いわけでございます。  そこで、次の三ページを見ていただきますと、これは毎年の「公債発行額と公債依存度の推移」でございます。  今申し上げましたが、我が国はこれまでも財政改革を推進いたしまして公債依存度を引き下げるよう努力してまいりましたが、依然として歳入の多くを多額の公債発行に依存しているわけです。しかも、今御説明しましたように、最近の経済情勢のもとでは、公共事業など景気に配慮した諸施策を実施するためにやむを得ない措置として大量の建設公債の発行を行ってきたわけでございます。その結果、平成七年度は、そこにございますように公債依存度は二五・五%まで急速に上昇してきているわけでございます。  次の「公債残高の推移」という図がございます。  今申し上げましたように、連年の公債発行により、公債残高がこの図にありますように年々増加の一途をたどってきておるわけでございますが、平成七年度末の公債残高は二百二十一兆円になるものと見込まれているわけでございます。現在及び将来への大きな負担となるわけでございます。  そこで、見ていただきますと、ちょうど昭和六十二年が百五十一兆八千億の残高でございました。平成三年が百七十一兆六千億の残高でございます。平成七年度が約二百二十一兆ということは、昭和六十二年から平成三年度までの四年間に百五十一兆八千億から百七十一兆六千億と、約二十兆残高がふえておるわけでございます。その後の平成三年から平成七年の四年間は百七十一兆六千億から二百二十一兆円ということで、約五十兆円の残高がふえておるわけでございますので、残高の増加ペースも非常に高まっているわけでございます。  その次に、「利払費及び利払比率の推移」という表が次の五ページにございます。  平成七年度におきます補正後予算の状況で、利払い費はそこにありますように約十一兆四千億となっておりまして、その四角の中に囲って書いてありますが、一般会計歳出の中で一四・四%を占めているわけでございます。これは、これまでの連年の公債発行によりまして公債残高が極めて大きなものとなっていることから生じているわけでございます。  その次に、六ページでございますが、一般会計歳出の中で一般歳出等の占める割合の推移ということで表がございます。一般会計歳出の中で、先ほど御説明いたしましたいわゆる政策的な経費、社会保障関係費ほかの政策的な経費である一般歳出の割合の推移を見てみますと、昭和五十年から平成七年までとってみますと、上の方の国債費が四・九%から一八・六%と増大した影響を受けまして、下の政策的な経費である一般歳出は、昭和五十年度に七四・四%であったものが平成七年度には五九・四%と大幅に低下しているわけでございます。  今後急速に進展する人口の高齢化などを考慮いたしますと、財政の対応力の回復を図ることが引き続き緊要な課題となっているわけで、この図を見ていただきましてもわかっていただけるように、国債費がいわゆる政策的な経費を圧迫しているという現在の財政事情は、今言いましたような、今後対応力の回復という意味で課題を抱えているわけでございます。  次に、七ページでございますが、これは税収の表でございますが、このような財政の構造的な厳しさに加えまして、平成六年度の決算におきまして税収が四年連続して減少しております。下の方に書いてございますが、平成二年度の六十兆一千億をピークといたしまして四年間連続で税収が減少しているわけでございます。我が国の財政をめぐる事情は、その意味でも一段と深刻さを増しているわけでございます。  そこで見ていただきますと、平成六年度の税収は五十一兆三百億ということで、これは昭和六十三年度の五十兆八千二百六十五億円とほば同じ水準でございます。約七年前と同じ水準になっているわけでございまして、六年度の、最初に申し上げました税収の歳入に占める割合でございますが、これも上の折れ線グラフにありますように六六・八%にまで低下してきているわけでございます。ちなみに、平成二年度のピーク時は八三・八%でございますので、一五ポイント以上歳入に占める税収の割合が低下してきているということでございます。  こうした厳しい財政事情のもとで、次の八ページでございますが、各年度の予算編成におきまして講じてまいりました特例的な財政削減措置も含めまして、今まで御説明しましたいわゆる公債の残高のほかに、今後一般会計が繰り戻しを行う等の適切な処理を行う必要があるという措置を「今後処理を要する措置」として整理いたしまして国会にも提出させていただいているわけでございますが、この「今後処理を要する措置」は、そこにありますように「国民年金特別会計への国庫負担金の繰入れの平準化」等以下ございます。  これは、3の「日本国有鉄道清算事業団長期債務」というのもあるわけでございますが、さまざまな性質のものが含まれているために、これらを合計して一つのものとして考えることには問題があると考えているわけでございますが、あえてこの表の数字を単純に合計いたしますと、平成七年度に通常国会に提出した時点でこの合計が約四十二兆円ということになるわけでございます。なお、1の(5)は、先般の第二次補正予算におきまして決算調整資金への繰り戻しを行ったところでございます。  さらに、平成七年度当初予算提出後の事情といたしまして、六年度の二次補正予算それから平成七年度の一次補正それから二次補正、いわゆる阪神・淡路震災対策、円高対策等のために、建設公債に加えましてやむを得ない措置として特例公債を発行せざるを得ない、さらに深刻な状況に立ち至っているわけでございます。  次に、これを諸外国と比較するということで、九ページを見ていただきますと、「財政事情の国際比較」というのがございます。フローベースとストックベースということで分かれておりまして、公債依存度、これは我が国の場合は約五年前に一〇・六%であったのが、先ほど御説明いたしましたように第二次補正予算後で二五・五%に上昇しております。主要先進国をずっと見ていただきますと、アメリカが一〇・三、イギリスが一七・九、ドイツが一四・三、フランスが一七・六ということで、日本の場合の現在の七年度二次補正後の公債依存度の水準がいかに諸外国に比べて高い水準にあるかということを御理解いただけるかと思います。  いま一つのフローベースの指標といたしまして、先ほども折れ線グラフで御説明いたしましたが、歳出総額の中で国債に係る利払い費の占める割合というものを見ていただきますと、九〇年度が一六・七、九五年の平成七年度二次補正後で一四・四。アメリカは一五・五%、イギリスが六・九%、ドイツが一一・五%、それからフランスが一四・一%でございます。その意味でも、やはりこれも諸外国と比べまして一、二を争う水準にあるということが言えるかと思います。  さらに、右のいわゆる残高ベースといいますかストックベースでの指標を比べてみますと、これは国の場合で、国の長期政府債務残高の対GDP比でございます。それぞれ国の規模は違うものですから、単純に長期政府債務残高は絶対額を比べるだけでは必ずしも比較にならないものですから、一応分子に長期政府債務残高というストックの数字、分母は国の経済規模ということで、フローですがGDPを置きまして比率を出しまして比較したものでございます。  日本の場合は、平成七年度二次補正後で五九・一ということで、五年前からかなり大きく上昇してきている、四六・三から上昇してきているわけでございます。同じものを諸外国と比べますと、アメリカが六〇・二、イギリスが四三・七、ドイツが二三・四、フランスが二〇・六でございます。アメリカに次いでこの水準も極めて高い水準にあるということが言えるかと思います。  なお、これは私どもの試算でございます。試しに計算してみましたのが一番右の国の長期政府債務残高の国税収入との対比、何倍あるかということでございます。いわば毎年の国税収入の何倍の債務残高があるかということでございまして、九〇年の三・二倍から、ここのところ急速に上昇いたしまして、平成七年度、一九九五年度は、日本の場合は五・一倍、国税の約五年分の債務残高があおということでございます。これは、アメリカは五・二倍、イギリスが一・七、ドイツが一・九、フランスが一・二でございますので、これを見ていただきますと、公債依存度、それから歳出総額に占める利払い費、いわゆる利払い費比率、それから国の長期政府債務残高のGDP比、国税収入との比較、いずれを見ていただきましても極めて高い水準にありまして、日本の財政赤字は諸外国に比べましても一、二を争う厳しい状況にあるわけでございます。  なお、ちょっとここで、資料はないわけでございますが、これは右側の欄は国だけでございますが、国、地方を合わせましたベースの一般政府の財政収支の対GDP比というものもございます。これで見ましても、いわゆる双子の赤字が問題とされたころの米国の場合のGDP比での財政赤字の倍の今や七%を超える水準となっているわけでございまして、その意味でも深刻な状況かと思います。  したがいまして、先般、ことしの五月のIMFの報告に、日本は財政政策の機動的な活用によりまして財政状況は極めて悪化してしまっている、したがって一九九六年には財政再建に再び取り組む必要があろうという報告での指摘を受けているわけでございます。  次の十ページを見ていただきますと、これは先般十月七日のいわゆるG7、七カ国蔵相・中央銀行総裁会議の声明でございます。  そこにありますように、一は、これはG7でみんなで会いました、会合したという趣旨のことが書いてあるわけでございますが、二のところに、読まさせていただきますと、「ほとんどの国において、経済成長の継続及び雇用の拡大のための条件は整っており、インフレは十分抑制され、または下降していることに合意した。過去数か月のうちに発表され、また実施された建設的な金融・財政上の政策措置、及び四月の会合以来の為替相場の大きな流れは、経済見通しの改善に貢献してきている。」と。三のところで、「持続的なインフレなき成長を引き続き政策目的とすべきであることに合意した。持続的かつ確固たる景気の拡大は、雇用の創出、対外不均衡の縮小、金融市場の安定につながるであろう。」と。いわば、三のところまでは一般的なことが声明されておるわけでございます。  ポイントは四でございまして、読まさせていただきますと、「大臣及び総裁は、いくつかの国においては、財政赤字削減につき顕著かつ持続的な進展が見られ、その他の国においても包括的財政赤字削減策が既に開始され、又は近い将来開始されようとしていることを認識した。」と。個別の国の名前はないわけでございますが、「いくつかの国」とか「その他の国」という中にそれぞれの国が想定されているわけでございます。「彼らは、また、それぞれの国において、貯蓄を促進し、より高い投資水準を支え、長期の成長見通しを向上させるために、中期的に更に大幅な財政赤字削減が不可欠であることを強調した。」と。先進諸国各国とも財政赤字削減がこれからの経済政策の中で不可欠であるということを強調しているわけでございます。  なお、ここには資料はございませんが、いわゆるEU、ヨーロッパのEU諸国が通貨統合を目指しておりまして、そのマーストリヒト条約におきましては、各国が経済・通貨統合の最終段階へ移行するための経済的条件の一つとして、一つは財政赤字はGDP比の三%、それからいわゆる債務残高はGDPの六〇%を超えないことを求めているわけでございます。これは国と地方を合わせた数値でございます。それをいわば各国にEUの統合への最終段階の条件として求めているわけでございます。  これを我が国に当てはめてみますと、OECDの推計によりますと、日本における一九九五年の国及び地方政府の財政赤字は七・六%、先ほど言いましたEUの条件であるGDP比の三%に対して日本は七・六%。社会保障基金を除いて七・六%で、仮に社会保障基金を含むといたしましても四・一%ということでございます。したがいまして、この水準から見ていただきますと、我が国の財政が今のEUの通貨統合の条件と比べても大変な状況にあるということを御理解いただけるかと思います。  こういう状況の中で、今後の財政としてあるべき姿ということを考えてまいりますと、最初の方にも申し上げましたように、やはり財政の対応力の回復が大事でございます。一つには、急速に進展する高齢化の問題がございます。いま一つは、中長期的展望に立った着実な社会資本整備の要請ということがございます。それから、ODAを初めといたしまして国際社会における我が国の責任の増大などがございます。我が国の財政に対する内外の要請が増しつつある中で、財政が適切にその本来の機能を果たせるよう、早急にその対応力を回復する必要性が高まっているということが言えるかと思います。  用意させていただきました資料での御説明は以上でございます。

鶴岡洋平成会

○会長(鶴岡洋君) ありがとうございました。  以上で各省庁からの説明聴取は終了いたしました。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時三十一分散会

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