厚生委員会 第1号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/10/31
会議録
○委員長(今井澄君) ただいまから厚生委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二日、和田洋子君が委員を辞任され、その補欠として山本保君が選任されました。 また、去る十一日、石渡清元君が委員を辞任され、その補欠として高木正明君が選任されました。 また、本日、木暮山人君が委員を辞任され、その補欠として戸田邦司君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(今井澄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(今井澄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に大島慶久君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(今井澄君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(今井澄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(今井澄君) この際、森井厚生大臣及び長勢厚生政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。森井厚生大臣。
○国務大臣(森井忠良君) おはようございます。厚生大臣に就任いたしました森井忠良でございます。健康や福祉という国民に最も身近で重要な厚生行政を担当することになり、日々その責任の重大さを痛感いたしているところでございます。 私は、これまでの国会議員としての活動の中で長く厚生行政の分野にかかわってまいりましたが、就任いたしまして改めて厚生行政の重要性、幅の広さを認識いたしたところでございまして、このたび就任をいたしましたことを契機に、もう一度初心に返って、身を引き締めて全力で取り組む決意でございます。 我が国は、二十一世紀の本格的な少子・高齢社会の到来を目前に控えておりますが、その一方で、現在、日本経済を取り巻く環境はまことに厳しい状況にございます。 このような中で、経済社会の活力を維持しながら、一人一人が心豊かに安心して暮らすことができる長寿社会を築いていくことが強く求められているわけでございます。 こうした国民の皆様の御期待にこたえていくために、社会保障制度の基盤強化に積極的に取り組んでいく必要があると考えております。 具体的には、介護を必要とする高齢者がいつでもどこでもスムーズに介護サービスを利用できる新たな高齢者介護システムの構築や、昨年十二月に策定いたしましたエンゼルプランに基づく緊急保育対策等五カ年事業などの子育て支援対策の着実な推進が課題であると認識をいたしております。 さらに、障害者の自立と社会参加を促進するための具体的目標を明示いたしました新障害者プランの策定や、産業構造の変化等に対応できる長期的に安定した制度を確立するための公的年金制度の一元化、あるいは少子・高齢社会にふさわしい良質かつ適切な医療の効率的な確保等、諸施策の充実を図っていくことが重要であります。 エイズ訴訟につきましては、裁判所からの早期の救済を図るべきとした和解勧告の趣旨を重く受けとめ、十月十七日、和解の席に着くことを裁判所に対して回答したところでございます。 本裁判が係争中の間にもなお多くの患者の方々が亡くなっておられること、あるいは闘病生活を送っていらっしゃる方がおられることはまことに心の痛む思いでございまして、今後、早期解決に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。 今井委員長を初め、委員の皆様方には日ごろから厚生行政の推進に格段の御尽力をいただいているところでございまして、この場をおかりいたしまして厚く御礼申し上げますとともに、今後とも御理解と御協力、御指導をいただきますようお願いを申し上げまして、私のごあいさつといたします。
○委員長(今井澄君) 続きまして、長勢厚生政務次官。
○政府委員(長勢甚遠君) 先般、厚生政務次官に就任いたしました長勢甚遠でございます。健康や福祉という国民に最も身近で重要な分野を担当し、日々その責任の重さを痛感いたしております。 厚生行政は、二十一世紀の本格的な少子・高齢社会に向けて、経済社会の活力を維持しながら、一人一人が心豊かに安心して暮らすことができる福祉社会を築いていくという大きな使命を担っております。 私も、大臣を補佐し、誠心誠意努力してまいる所存であります。 委員の皆様方の御理解と御協力を申し上げ、簡単ではございますが、私のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。 ―――――――――――――
○委員長(今井澄君) 次に、社会保障制度に関する調査を議題といたします。 まず、先般当委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。石井道子君。
○石井道子君 先般の委員派遣につきまして御報告申し上げます。 去る九月十一日から十三日までの三日間、今井委員長、釘宮理事、栗原理事、石渡委員、塩崎委員、木暮委員、西山委員及び私、石井の計八名によりまして北海道の保健医療・福祉に関する実情を調査してまいりました。 本調査団は、北海道より保健医療・福祉の実情についての概況説明を聴取した後、関係諸施設を視察いたしました。 まず、北海道の概況説明から御報告いたします。 第一は、保健医療行政についてであります。 北海道では、医療技術の進歩や保健活動の充実などにより、道民の健康水準は向上しておりますが、人口の高齢化の進展に伴いまして、成人病、難病及び老人性の精神障害などの疾患は増加傾向にあります。 このため、保健所による地域保健活動を推進しながら、成人病の予防対策や難病患者への対策の充実、さらに「寝たきりゼロ北海道作戦」の展開など、道民の健康づくりのための施策に力を入れております。しかしながら、医療施設の地域的な偏在の解消がなお大きな課題とのことでありました。 第二に、福祉行政について申し上げます。 北海道では、高齢化の進行が全国平均より速い上、出生率は全国平均を下回っております。 そこで、高齢化・地域福祉対策の推進のため、平成五年度に作成した「北海道高齢者保健福祉計画」に基づき、市町村の高齢者福祉施策の推進を支援するとともに、北海道の単独事業として、冬期の出稼ぎ等により在宅介護が受けられない老人には三カ月間のショートステイ事業を試みるなど、独自の取り組みを行っているとのことであります。 また、障害者福祉、児童・母子福祉等の充実についても道内の実情に即した施策を進めているとのことでありました。 なお、概況説明に際しまして、当厚生委員会に対し厚生行政全般にわたる要望がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。 次に、視察先の概要について御報告申し上げます。 一日目は、最初に道庁の説明の後、遺伝子治療で目下注目を集めております北海道大学医学部附属病院を視察いたしました。 大正十年に設置された同病院は、現在、病床数八百八十三を数え、北海道における医療の中心的な役割を担っております。 今回行われている遺伝子治療は、遺伝子の異常により重症の免疫不全に陥った男児の免疫機能を回復させるため、遺伝子を操作するものであります。 同病院においては、担当助教授から遺伝子治療の実際につき、スライドによる説明を受けるとともに、治療室の設備等を見学いたしました。その後、担当者と率直な意見交換を行うことができました。 遺伝子治療については、最先端の医療として研究の発展が望まれる一方、厳格な安全性の確保はもとより、医の倫理の問題も避けては通れません。また、治療技術の大部分を外国に依存していることも今後解決すべき課題であると痛感いたしました。 続いて訪ねました西円山病院は昭和五十四年に開院された病床数九百四十二の特例許可老人病院であります。 同病院は、介護力強化病院として基準を上回る看護体制のもと、看護アセスメント方式を導入した「高齢者ケアプラン」の実施により、慢性病を持つ高齢者の医療で実績を上げているとのことであります。 札幌市内を一望できるすばらしい環境のもと、高齢の入院患者に対して細やかな配慮の行き届いた施設であると思われました。 二日目は、まず、市民一人当たりの医療費が全国第一位の三笠市を訪ねました。 同市は、北海道のほぼ中央に位置する人口一万六千人ほどの市であります。最盛期には六万人余りであった人口が炭鉱の閉山で激減いたしました。このため、現在の高齢化率は市全体で二七%、国保加入者だけで見ると五二%と他の地域に先んじて高齢社会が現実のものとなっております。これが医療費を高額にしている主な原因とのことであります。 このような苦境を乗り越えようと同市では平成五年に「ふれあい生きがいの里」構想を策定し、福祉サービスの充実を目指すとともに、総合的な都市振興策を打ち出し、過疎化問題の解決に取り組んでおります。 次に、町立としては全国で唯一の介護福祉士養成学校であります夕張郡栗山町の北海道介護福祉学校を視察いたしました。 お話によりますと、同校の入学志願者の倍率は全国の平均を上回っておりますし、また卒業者に対する求人状況も全国各地の施設から引く手あまたで、既に五百人を超える卒業生が道内外の福祉施設等で活躍中であるとのことであります。 町立百年の記念事業として、二十一世紀の超高齢社会を支えるマンパワーの養成をこの小さな町からスタートさせたという関係者の熱意に感銘を受けた次第でございます。 続いて、空知郡栗沢町の北海道立福祉村を訪れました。 同施設は北海道が昭和五十四年に重度の脳性麻痺の障害者が生きがいを持って生活できる村づくりを目指して開設したものであります。入所者は二百六十九名で、豊かな自然のもと、自由な雰囲気の中で、織物、木工、印刷などの作業に熱心に従事しておりました。 また、この栗沢町は障害者が行動しやすいよう段差のない車道、歩道を整備するなど、町全体でノーマライゼーションの推進に取り組んでおり、私どもも実地にその様子を見学する機会を持つことができました。 最終日は国立登別病院を視察いたしました。 同病院は戦前の大湊海軍病院分院を母体に昭和二十年に国立登別病院として発足したものであります。しかし、近年、その経常収支は大幅な赤字であり、昭和六十一年に発表された政府の国立病院・療養所の再編成計画においては、地元への委譲の対象病院となっております。現在、委譲先等を含めた検討が行われているとのことでありました。 豊富な温泉を利用した機能訓練棟でリハビリの様子を見学し、同病院が地域住民の健康を考えた新しい医療構想の中で適切な役割を果たし、一日も早く健全な運営に戻ることを強く願った次第であります。 以上が調査の概要でありますが、今回の調査に当たりまして特段の御配慮をいただきました北海道及び訪問先の関係者の方々に心から御礼を申し上げ、私の派遣報告を終わらせていただきます。
○委員長(今井澄君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいまの報告の中で要請のございました現地の要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(今井澄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○委員長(今井澄君) 次に、社会保障制度等に関する調査について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 おはようございます。自由民主党の清水でございます。このたびは大変厚生行政に明るい森井大臣をお迎えいたしまして大変心強く存じております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず、大臣に早速お尋ねを申し上げたいわけでございますけれども、保健、医療、福祉と厚生省の所管は非常に国民生活に密着して広いものがございます。そして、これらのサービスを提供する人の確保問題というのは非常に大きな問題でございます。大臣の免許あるいは知事の免許、たくさんの職種の方々が働いていらっしゃるわけでございます。そして、最近では量だけでなくてそれぞれの職種の質的な向上ということがどうしても問われてきているわけでございます。 特に、看護とか介護の分野で働く人というのは、二十一世紀に向かって、先ほど大臣もおっしゃいましたように、非常に需要が高まってまいるわけでございますけれども、従来この分野には女性が非常に多く働いておりまして、勤続年数も短く、若年労働力で支えてきたという実態がございます。 しかし、少子時代に入りまして、従来のようなパターンを繰り返していたのでは後継者がなくなる、あるいはサービスの内容も低いものになってしまうといったような問題があるわけでございまして、こういった分野の仕事をやっぱりもっと魅力のあるものに、そして働きがいのあるものに変えていかなきゃならないというふうに思っている次第でございます。 これらの職種の人材確保に対します厚生大臣の取り組みについて、まず初めにお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 高齢者等に対する保健医療・福祉サービスの提供に当たっては、サービスを担う人材の確保が御指摘のように不可欠だと考えております。 このため、従来から、平成四年に制定されたいわゆる福祉人材確保法、さらには看護婦等人材確保法に基づきまして、福祉人材センターの全都道府県への設置を初め、総合的な人材確保対策を行ってきたところでございます。 昨年末に策定されました新ゴールドプランにおきましては、人材確保の目標数を決めておるわけでございまして、ホームヘルパー十七万人、寮母・介護職員二十万人、看護職員等十万人、OT・PT一万五千人などでございまして、これらを設定いたしまして人材確保対策を介護基盤の支援施策の重要な柱として位置づけてきたところでございます。 具体的には、介護の担い手の中核となる介護福祉士の養成施設の整備、看護職員や理学療法士、作業療法士の需給見通しに基づく計画的な養成、ホームヘルパー養成・研修等の充実による資質の向上、勤務時間の短縮等による職場環境の整備などの施策を講じることによりまして、新ゴールドプラン等に必要な人材を確保すべく、人材確保対策のより一層の推進に努めてまいりたいと考えているわけでございます。
○清水嘉与子君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、看護婦制度の問題につきましてお伺いをしたいというふうに思います。 昨年の十二月に厚生省の少子・高齢社会看護問題検討会から一つの報告が出されたわけでございますが、その中で准看護婦の問題につきまして、これは養成を停止すべきという意見と継続を前提に制度の改善を図るべきだという意見と両論併記になったわけでございます。 最近、マスコミにおきましてもこの問題を大きく取り上げているわけでございますけれども、その論調を見ますと、おおむね、准看制度の抱えているさまざまな問題あるいは矛盾点を指摘して、この制度を廃止することを支持するといった意見が多いというふうに思います。 厚生省におきましても、今月の初めに准看護婦問題調査検討会という検討会を設置して、そして准看問題の検討に入ったというふうに伺っておりますけれども、まずこの調査検討会の設置の趣旨についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 今、先生お触れになりましたように、昨年の暮れにまとめられました少子・高齢社会看護問題検討会の報告の中でこの准看の問題についても触れられているわけでございますが、この報告書の結論としては、准看護婦学校・養成所等の実態のまず全体的な把握を行い、関係者や有識者あるいは国民の参加を得て速やかに検討して結論を得るべきであるという御意見でございました。 この提言を受けまして、先ほどお触れになりました准看護婦問題調査検討会というものを設けたものでございまして、メンバーについては学識経験者あるいは医療関係者、看護関係者等に参加をいただいております。
○清水嘉与子君 そういたしますと、この検討会で学校・養成所の調査をとりあえずする、そしてその結果が出ました後引き続き制度のあり方についても検討なさるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(谷修一君) 先ほどもちょっと申しましたように、まず実態についての調査を行いたいと。それで、その調査の結果を踏まえて全体的な問題について議論を改めてお願いをしたいと考えております。
○清水嘉与子君 この准看護婦の問題というのは、昭和二十六年に准看制度が議員立法でできたわけでございますけれども、できたときからもうこの廃止が関係者から唱えられていた問題でございます。 日本の新しい看護制度ができたのが昭和二十三年、そこで新しい教育が始まったわけでございますが、その看護婦がまだ全然定着しないうちにこの准看の問題が出てきたと。GHQの指導等を受けて看護制度ができて、余りにも従来の形よりも高過ぎるというようなことで現場の方々からの御意見があって准看制度といった制度ができたわけでございますが、これができたということによりまして現場が非常に混乱をしてきたというような問題があるというふうに思います。 しかし、そうはいいましても、厚生省でもいろいろこの問題につきましてかねがね検討会も持たれたり何やらいたしておりましたけれども、このたびのように准看制度そのものを取り上げて検討しようというところまでいけなかったという長い背景がございます。 このたびこうした形で取り上げられることになったというからには、やっぱり何かそこに大きな時代的な背景、あるいは看護婦の状況が変わってきたものがあるというふうに思うのですけれども、その辺につきましてお教えいただきたいというふうに思います。
○政府委員(谷修一君) 准看護婦制度の経緯については、今、先生お触れになったとおりかと思いますが、直接的なきっかけは先ほど申しましたような昨年の暮れにまとまりました検討会での報告が一つの契機でございます。 現在の看護婦あるいは准看護婦問題をめぐる状況の変化ということに関して申し上げれば、この制度が創設をされました昭和二十六年当時の女子の高校進学率というものは三七%程度でございましたけれども、平成六年現在では九七・五%ということで、社会全体の高学歴化が急速に進展をしているということが一つあろうかと思います。 また、看護婦の国家試験の合格者数は、昭和二十六年当時は年間約千四百人といったようなものでございましたけれども、平成七年には四万人を超える大幅な看護婦の供給の増加が見られると。 また、全般的に医療の高度化あるいは専門化というものが急速に進展をしている中で、医療関係職種の質の向上ということが指摘をされてきているといったようなことが全体としてのこの問題の背景としてあるというふうに認識をしております。
○清水嘉与子君 長い間厚生省がこの問題に直接手をつけることができなかった大きな理由は、今、局長言われましたように、医療制度の充実に伴います看護需要の急増、そしてそれに供給体制が追いつかなかった、つまり看護婦の不足がずっと続いていてとても准看の問題に手が触れられなかったということがあったというふうに思うのです。しかし、どうも最近、全体に景気が悪いということもあるのかもしれませんけれども、看護婦不足の様子が随分変わってきたというふうに私も思うんです。 まず、厚生省が平成三年に策定されました看護職員の需給見通し、これは今進捗状況はどうなっておられますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 平成三年に作成をいたしました看護職員需給見通しの達成の状況でありますけれども、全体として申し上げれば順調に推移をしているというふうに認識をしておりまして、一応目標年次であります平成十二年には、その当時設定をいたしました需要と供給のバランス、百十五万九千人という数字でございますが、その数字で均衡するのではないかというふうに見込んでおります。 ただ、この需給見通しにつきましては、平成三年十二月時点での医療需要というものを前提にいたしておりますので、今後新たな例えば高齢者の介護システムといったようなものが導入をされるような場合には、改めてこの看護職員の需要というものに変化が出てくるという認識はいたしております。 やや具体的な数字でちょっと申しますと、私どもが持っておりますのは、実績としては平成五年まででございますが、平成五年時点でのこの需給見通しによります数値は九十一万四千人でございますが、平成五年の実績といたしましては、九十二万二千人余の看護婦さんが就業しているというのが平成五年時点での実績でございます。
○清水嘉与子君 需給は大体うまくいっているんじゃないかという見通しだそうでございますけれども、実際に看護職の七三%が病院の勤務者でございます。そうしますと、看護婦の不足というのは専ら病院の問題ということでとらえてきたわけでございますが、さっき局長も高度医療に対応する看護職の問題を言われましたけれども、確かに看護婦は採用するけれども准看護婦はもう余り要りませんよというような病院が最近多くなっているというふうに聞いているんですね。 そこで、卒業生の病院への就業状況から見ましてそういうことが果たして言えるかどうか、その辺いかがでございましょうか。
○政府委員(谷修一君) 現在、全体としては御承知のように平成五年で八十六万八千人の看護職員の方が全国の医療機関に就業されておりますが、そのうちの四十八万一千人が看護婦、それから三十八万七千人が准看護婦の方でございます。 病院・診療所についての内訳はちょっと手元に資料がないので後ほどまた御報告をさせていただきたいと思いますが、平成七年度の新卒者のうち就業した者の割合ということで申しますと、看護婦は卒業者約四万一千人のうち新卒の就業者が三万七千人、約九割の方が就業されている、一方、准看護婦の方は卒業者約二万七千人のうち就業者が一万八千人ということで約六五%の方が就業されているというような状況になっております。
○清水嘉与子君 就業している実態を見ますと、大体公立病院ですとか大きな規模の病院についてはかなり看護婦の充足状況がよくなっているというのが実態でございます。 厚生省の需給の見通しを見ますと、平成十二年には病床一〇〇対四八・二まで改善されて、これでほぼ需要が満たされる、こういうふうに書いてあるわけでございますが、既に平成五年の調査におきましても、国立大学で病床一〇〇対五二、公立て五三、日赤では五六というふうにもう厚生省の見通し以上に充足されてきている。これは恐らく一般病院での医療の高度化、看護の需要の高まりということによってそうなっているんだろうというふうに思いますし、果たしてこれで大体充足したところまでいったのか、またさらにこれから必要になってくるのかということはあると思うんですが、これはぜひ個別にまた高機能病院の看護婦のあり方というものについては御検討いただきたいというふうに思うんです。 ただ、それともう一つの問題としては、やっぱり中小の民間の病院なんですよね。この准看の問題というのはむしろ中小の民間の病院の問題でもあるわけでございますのでこの辺についてちょっとお伺いしたいんですが、日本の病院病床の五五%を占めております医療法人では、さっきの一〇〇対四八・二というのが医療法人では三一・二、個人では二九・四というふうに非常に格差がございます。公立病院なんかに比べたら大変な格差でございますし、また医療法の基準さえ満たしていないところが医療法人で約二〇%、個人病院で二五%もあるというような実態ですし、またいわゆる付き添いの廃止といったこともままならないという病院もまだ実態としてあるわけでございます。 新しい看護体制ができて、いわゆるその他病院、その他看護の病院がだんだんに新看護体系に移行しているというふうに聞いてはおりますけれども、やっぱりこういった診療報酬でちゃんと看護婦さんを置けるような形に持っていってもらうということも必要だと思いますけれども、厚生省といたしましても、先ほど来大臣がお話しくださいました人材確保法案等をつくって、そして中小の病院あるいはなかなか看護婦が集まりにくい病院に対して特別な施策をしていらっしゃるというふうに思うんですが、この辺についての実効が上がっているかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 看護婦を十分に確保できない、あるいはできていない医療施設に対する対策ということでお答えをさせていただきたいと思いますが、今お触れになりましたような中小病院の看護婦確保を含めました看護職員確保対策につきましては、看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づきます基本的な指針を基盤に総合的な対策を進めてまいっております。 具体的には、離職の防止、あるいは就業の促進、養成力の拡充、資質の向上といったようなことをそれぞれの施策に応じてやっているところでございます。また、医療機関につきましては看護婦等確保推進者の設置を図るということで指導をいたしておりますので、そういう観点から今後とも引き続き看護職員確保対策ということで進めてまいりたいというふうに考えております。 なお、先ほど先生お触れになりました需給見通しに関連いたしまして、平成五年は確かに見通しよりも実績は上回っているということは申し上げたとおりでございますけれども、これはまだ一年限りの数字でございますので今後平成六年、七年の状況というものを見なきゃいけないということと、平成五年がなぜ見通しよりもかなり上回っているかということの理由の一つとしては再就業者数が見込みよりも多かった、あるいは退職による減少数が見込みより小さかったということが一つの要素として考えられておりますので、つけ加えさせていただきます。
○清水嘉与子君 次に、准看護婦の問題といいますとどうしても養成の問題があるわけでございますけれども、少子・高齢社会看護問題検討会におきましても現行の准看養成所の運営については改善すべき点があるというふうなことが指摘されておりますし、またことしの八月に総務庁から出されました行政監察におきましても入学要件の設定の仕方など問題があるというふうなことが指摘されているわけでございます。 そこで、厚生省ではこの准看護婦養成所の問題をどんなふうに、どういうところが問題だというふうにとらえていらっしゃるか、そしてまたそれをどのように行政指導を行っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 今、具体的にお触れになりました准看護婦養成所の運営の問題につきましては、ことし総務庁の行政監察結果に基づく勧告が行われておりまして、その中におきましても、准看護婦養成所の生徒は、就労を前提として、職場をやめると学校も退学せざるを得ないような状況にある、そういうケースが指摘をされております。また、准看護婦養成所の生徒が医療機関で就労している場合に有資格者と同様の行為を行っているケースがあるというような指摘がされているところでございます。 私どもといたしましては、こういったような指摘も踏まえまして、各都道府県の知事あてに准看護婦養成所に係る問題点の改善ということにつきまして通知を出して、その改善につきまして指導の徹底を図ったところでございますが、今後ともこういったような問題のケースにつきましては適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○清水嘉与子君 この准看護婦の養成というのが、先ほど局長もおっしゃいましたけれども、制度ができたときには中卒の人がたくさん得られた、しかし今は本当に中学校を卒業してそのまま就職するという人も非常に少のうございますので、准看養成所に入ってくる人の九六%が高卒以上の人であるというような実態があるわけでございまして、今の法律の実態と合わなくなっている、現状が合わなくなっているというのはやはり大きな問題ではないかというふうに思います。 また、今おっしゃいましたように、学校に入ると同時にどこかに就業しなきゃいけない、そこに通いながら資格を取らなきゃいけないというような問題もやはりもう今の時代には合わなくなってきているのかなという感じがしているところでございます。ぜひこの辺については、後ほどまた調査をしてくださるというふうに伺っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思うわけでございます。 次に、この准看護婦の問題、いわゆるセカンドレベルの看護婦の問題というのは、これは日本だけの制度じゃございません、幾つかの国でこういった制度を持っているわけでございますが、非常に象徴的なのは、イギリスが最近いわゆるセカンドレベルのエンロールドナース、この養成をやめる計画を進めて、そして現在だんだんにレジスタードナースに変えるという方向を出したというふうに伺っているわけでございますけれども、なぜイギリスでこういった問題が起きてきて、そしてまたどんな手順でこの廃止をしようとしておられるのか、そのことについてもしおわかりでしたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(谷修一君) イギリスにおきます准看護婦、エンロールドナースという言い方がされておりますが、これにつきまして私どもが承知している範囲でお答えをさせていただきたいと思います。 イギリスにおきましても、准看護婦の養成というものは、第二次大戦下の看護婦の不足への対応として一九四三年から開始をされたというふうに承知をしております。 一方、イギリスにおきましては、「プロジェクト二〇〇〇」という報告書が一九八六年にまとめられておりますが、その背景といたしましては、地域や在宅で看護できる資質の高い看護婦の養成について検討することが求められてきたということ。また、一九八六年当時のイギリスにおきます看護婦数が約二十三万人、准看護婦数が約二十万人といったような状況の中で、看護教育を全体として三年にする、また准看護婦教育を廃止して看護教育の一本化を図る。一方、准看護婦については、看護婦への転換を促進するために特別の課程、いわゆるカリキュラムを設定いたしまして看護婦への試験受験資格を付与するといったようなことを進めているというふうに承知をしております。なお、看護婦への転換を希望しない者については、従来どおり准看護婦として働くという道が残されているというふうに承知をいたしております。 なお、現時点で最終的にどういうふうになっているかということについては十分に承知をいたしておりませんが、その転換課程、転換のためのカリキュラムについてはかなり多様なカリキュラムで対応するようにしているというふうに理解をいたしております。
○清水嘉与子君 イギリスの例というのはかなり日本にも参考になるのではないかというふうに思うのです。准看制度をすぐそのまま廃止というのでなくて、まず養成から廃止していく、そして、今まで准看だった方々を看護婦にどんどん転換していく、特別なコースをつくって転換していくというやり方、これはかなり参考になることだというふうに思うのです。検討会の結論でどういうふうな形になるのかわかりませんが、仮に准看護婦制度を日本におきまして改正するにいたしましても、制度そのものを一気に廃止することは私はできないというふうに思いますし、准看として働きたいという人のためにはやはり准看護制度が残るのは当然だというふうに思うのです。 しかしその一方で、今働いている准看の方々が何とか看護婦に進める道を、今は進学コースがあるわけでございますけれども、これは二年なり三年なり学校に通って、身分を離れて資格を取らなきゃいけないわけでございまして、イギリスでも随分、何といいましょうか、はしごをそれぞれの経験に応じてかなり広くしているというふうに伺っておりますので、そのことをやはり考えていかなきゃいけないというふうに思うのです。 これは私たちも前からお願いをして、厚生省にも御検討いただきまして、ことしから一部通信教育を認めていただきました。ところが、通信教育の課程はどこの学校も今まで手を挙げていない、来年もどうも手を挙げそうもないということでございまして、今の厚生省が示している通信教育の課程ではとてもではないけれどもできないような基準なんですね。それはもう各学校が責任を持ってやらなきゃならないような基準でございます。そうじゃなくて、先ほどもおっしゃいましたように准看で働いている方が約三十九万、そして家庭にいて准看の資格を持っている方々を数えたら物すごい数になるわけでございまして、各学校の責任においてそれをするのではなくて、やっぱりもっと大規模にこの制度を考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うわけです。 一部には、この制度の方針が決まらなければ手はつけられないんだということもあるかもしれませんけれども、非常に中小の民間の病院にたくさん准看がいるということを考えますと、やはり早く何とかこの道を開いてあげるということも大事なことでございまして、通信教育をとにかく開こうというところまでいったわけでございますから、通信教育だけじゃないと思います、もっといろんな形があると思いますが、そういったことについて何とか今からでも前向きに検討を並行して進めるべきではないかというふうに思うのですが、この辺いかがでしょうか。
○政府委員(谷修一君) 先ほど来御議論をいただいておりますように、准看護婦の問題をどうするかということは別にいたしまして、准看護婦から看護婦への教育課程の機会をできるだけふやしていくということは必要だというふうに私どもも認識をしております。 そういう意味で、先ほどお触れいただきましたように通信教育という制度も設けたわけでございますが、今のところまだ実績が出ていないというようなことが実態でございます。准看護婦の進学機会をできるだけ拡大をするという方向で検討してまいりたいというふうに思っております。
○清水嘉与子君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 それから、もう一つの問題なんですが、今、老人病院あるいは介護機能病院等におきましては看護婦とそれから介護者が一緒に働いているわけでございます。国公立の病院ではもう七、八割が看護婦でございまして、ここには看護婦と准看護婦、補助者でいいというふうになっていましても、実際には看護婦が非常に多うございます。ところが、老人病院等では看護婦と介護者、あるいは看護婦と准看護婦と介護者という組み合わせで今仕事をしているわけでございますが、将来のことを考えますと、やはり看護婦と介護者のチームで働くという姿がどうしてもここに見られるんじゃないかというふうに思うわけです。 現にそういうことで診療報酬も見ているわけでございますが、今、老健施設でありますとかあるいは特養で働いている介護職員の方々、こういう方々は三年業務の経験をいたしますと介護福祉士の国家試験を受けられる、ところが老人病院に働いている介護の方々にはこれの資格が与えられないというようなことで非常に現場で困っている状態が出てきております。 老人病院にいたのでは資格が取れないから、じゃ特養に行こうとかあるいは老健施設に行こうというようなことが現実に起きておりまして非常に困っておりますし、また老人病院の現場からいきますと、どうしても看護婦と介護の方がいなけりゃ仕事ができないというような事態になっているわけでございまして、何とか老人病院で働いている介護者の方々に介護福祉士の国家試験の受験資格を与えていただきたい。これは前からお願いしているわけでございますが、これはいかがでございましょうか。
○政府委員(佐々木典夫君) 介護福祉士の関係は社会・援護局の方で所管をいたしておりますので、私の方から御答弁させていただきます。 今、先生のお話にもございましたとおりなんですが、現状の考え方は、介護福祉士試験の受験資格といたしましては、介護実務の範囲につきまして、特別養護老人ホームの寮母であるとかあるいは老人保健施設の介護職員のように、介護業務を行うことが施設基準等において明確に位置づけられているものをその対象として制度を仕組んできたというような経過がございます。 実情から見ますると、老人病院やあるいは療養型病床群の看護補助者等につきましては、介護業務を行う者かについて法令に明確に位置づけられていないというような状況もございますし、また従事している業務の内容がさまざまであるというふうなことも考えられます。 そういったようなことからこれまで受験資格を認めてこなかった扱いなわけでございますけれども、この点につきましては先般の行政監察結果に基づく勧告でも指摘をされているところでございまして、今、先生のお話のあった実情もございます。そんなことを思いますと、私どもは検討すべき事項であるというふうに認識しているところでございます。 今後、老人病院等の看護補助者の業務の実態を把握しました上で、介護業務に従事していると認められる者につきましては、御指摘の趣旨を踏まえ、検討をしたいというふうに考えているところでございます。
○清水嘉与子君 ぜひ実態を見ていただきたいというふうに思います。何ら変わることなく仕事をしているわけでございまして、何か資格も取れる、医療機関の中で介護福祉士という資格で働けるかどうか、またそれは別の問題かもしれませんけれども、そういうチャンスが与えられるとやっぱり励みになります。先ほど人材の確保の問題を大臣も大変大事なことであるというふうにおっしゃいましたけれども、そういう面で、今非常に福祉と医療が一緒にならなきゃいけないと言いながらそんな壁があるわけでございますので、ぜひその辺について現場の声をよく聞いて御検討いただきたいというふうに思っております。 それから、准看の問題の最後でございますが、先ほどの調査検討会の今後のスケジュールをぜひお伺いしたいわけでございます。一体いつごろまでに結論を出されるのか、そしてその結論をみんなに公表していただけるのか、ぜひその辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、当面の課題といたしましては、まず実態調査をするということで、検討会の中にこの調査のための小委員会をつくっていただいて、具体的な調査内容あるいは調査項目というものを決めていただきたい。 予定としては、できれば本年度中には調査は実施をいたしたいというふうに考えております。その調査結果に基づいて、それ以降具体的な内容について検討をしていくというようなことで考えておりますので、もちろんこの検討会の全体の結論というものは公表をしていくものだというふうに考えております。 なお、調査の問題につきましては、まだ具体的な調査項目が決まっておりませんが、調査結果につきまして公表という方向で検討会の中で御議論をいただきたいというふうに思っております。
○清水嘉与子君 准看の問題につきましていろいろお話を伺ってまいりましたけれども、いろんな実態に合わなくなってきている問題が出てきていると。そしてまた、看護婦に対する要請もまた変わったものになってきているという実態でございます。 ただ、准看養成所についてはマイナス面ばかり指摘されておりますけれども、かなり年齢の高い方がこういうところに入ってきているという点は、どういう背景の方が入ってきているのか、やはり子育てが終わり、あるいはほかの仕事をしていたけれども何か資格が取りたくて准看養成所に入ってきたというような方もあるわけでございますので、ぜひこの実態を調査していただきたい。なかなか調査もできなかったのが今までの現状でございますが、幸い医師会の先生方もこれの調査をすることについては前向きに賛成していらっしゃるというふうに伺っておりますので、ぜひ本当にその実態を踏まえての検討が始まりますように心から願っているところでございます。 次に、厚生省が今考えておられます看護大学校のことにつきましてちょっとお話を伺いたいと思うのです。 今、国立病院でも看護大学校をつくろうという動きが見えてきて、ことし具体的に予算要求がされているということでございます。看護大学校及び看護学校の在り方に関する検討会が今開かれていて、近く報告がまとまるというふうに伺っておりますけれども、既にこの概算要求も大蔵省に出されているわけでございますから、まずその構想、どんな構想でつくろうとしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) 現在、国立病院には全国で百二十二校の附属看護学校が設置されております。こういう状態でございますけれども、今いろいろお話の出ましたように、医療が高度化、専門化してきているということで看護の分野におきましても、特にまた国立病院の看護の分野におきましても高度化、専門化が必要とされておるところであります。 それで、私どもその必要性というようなものを分析してみたわけでありますけれども、国立病院で持っております看護学校、この看護学校の実際の看護婦さんを養成する先生、教官の質の向上、こういうことが必要だと言われております。また、国立病院に勤務いたします幹部看護婦、幹部になる看護婦さんの養成が必要である。さらには、昨今、国際医療協力というようないわゆるニードも出てまいりまして、これに従事される看護婦さんの養成というようなことも必要だと、こういうふうに考えられております。 また、医療の高度化というものを端的にあらわすものでありますが、ナショナルセンターというような高度な先進医療を展開する場、あるいは難病等に対応いたしました専門看護につきまして研究を進めなければならない、こういうようなことが言われておるところでございます。 こういう新しいニーズ、潮流を踏まえまして、今、委員御指摘のように、現在、厚生省保健医療局に看護大学校及び看護学校の在り方に関する検討会というものを設けさせていただきまして、いろんな角度から御議論をいただいておるところでございます。
○清水嘉与子君 今、保健医療局が検討会を持っているということは、これはもう大学校を特会でやろうというふうな方針でやっていらっしゃるのかというふうに思うのです。厚生省設置法によりますと、看護婦の養成は国立病院あるいは国立療養所に附置されるという形になっております。そういたしますと、四年生の大学校でありながら何とかかんとか病院附属看護大学校というふうな形になる、こういうことも考えられるわけでございまして、これではちょっとやはり問題ではないかというふうに思っているわけでございます。 ほかの省庁でも大学校を持っている省庁は幾つかあるわけでございますが、それはそれなりにきちんと設置法を持って運営しているわけでございまして、やはりこの辺はきちんとした位置づけを持ってやっていただきたい。当然のことながら、厚生省が持っ大学校でございますから、学位授与機構に合致するような条件をそろえて、その資格がもらえるような形になるんだろうと思いますけれども、そこまでぜひやっていただきたい。そうでなければ余り意味がないんじゃないかというふうに思うわけでございます。私はむしろ一般会計でやってもいいんじゃないかなというくらいに思っているわけでございますが、看護婦のとにかく一五%も厚生省が所管しているということを考えますと、大学だから文部省に行けというわけにいかないのが現状だと思います。 そんなことで、ぜひ厚生省らしい看護大学校をつくっていただきたいと思うわけでございますが、大臣、この件につきましてぜひ御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 今、局長からも申しましたけれども、近年の医療の高度化、あるいはまた技術的にも相当たくさん課題を抱えているわけでございますから、この際やはり看護教育のレベルアップというのは私も御説のように必要だというふうに判断をいたしております。 今御指摘がありましたように、検討会で検討していただいておりますけれども、私の胸の中には、例えば学生にとってみればもう悲願だというふうに受けとめておりますので、これは今役所で議論はしておりますが、私としては前向きに検討していきたい。そして、今、先生御指摘のように、もっと立派な看護ができる体制をつくっていく必要があるというふうに考えております。
○清水嘉与子君 大変力強い御発言をいただきましてありがとうございます。 これは、大蔵省に私ども行きましても、本体の病院・療養所の統廃合の問題を今やっているわけで、その附属の看護学校については後回しだ、こういうふうな主張になるんですね。しかし、看護学校を病院の附属のままで置いてきたことがやっぱり問題なのであって、それはむしろ切り離しできちんとした養成をすると。国立の病院・療養所だけの看護婦ではないというふうに思うので、ぜひその辺についてよろしくお願いをしたいというふうに思います。 それから、もう一つの点はらいの問題なんです。らい予防法の問題でございます。 らい予防法の廃止を含めた問題が今急に展開されてきております。らいが非常に感染力が弱くもう治療できる病気であるということがわかっているにもかかわりませず、らい予防法によりまして隔離中心主義を続けてきたことに対しまして、患者さんからもあるいは医療人からも、たくさんの方から問題を提起されてまいりました。しかし、これまでほとんどそのことが改正もできずに今日までまいりました。 今、らい予防法見直し検討会、厚生省に置かれた検討会が検討しているというふうに伺っておりますけれども、この進捗状況と今後のスケジュール、一体何を検討して、そしていつごろ検討を出されるのか、そしてその検討を受けて厚生省はどんな対応をされるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) ハンセン病という疾病が感染をしても発病することはまれであって、また仮に発病いたしましても現在の医療技術をもってすれば早期発見と早期治療により治癒する病気である、こういう状況になっております。したがいまして、らい予防法につきましては、事実、私どもも実情にそぐわない面が生じている、こういうふうに考えております。 また、昨年の十一月に国立療養所長連盟、それから本年の一月には全国ハンセン病患者協議会、さらには本年の四月に日本らい学会と、関係の団体から矢継ぎ早にらい予防法の抜本的見直しということを求める声明が出されたところであります。また、こういった見解も踏まえまして、本年の五月に、厚生省の委託事業により実施をしておりますハンセン病予防事業対策調査検討委員会から、らい予防法の抜本的見直しについての検討を求める報告書の取りまとめもいただいたところであります。 こういう点を踏まえまして、本年七月、厚生省内に患者団体の代表者も含みます有識者から成るらい予防法見直し検討会を設置させていただきまして検討を開始したところでございます。現在まで、患者団体との意見の交換などを含めまして五回の会議を重ねております。鋭意御検討をいただいておるところでございまして、今後さらに数回御検討をいただいた上で年内にも報告書を取りまとめていただきたい、このように考えているところでございます。
○清水嘉与子君 今御検討なさっているところだというふうに伺っておりますが、今までいろんな、所長連盟でもそうですし、それから大谷委員会でも出されておりますのは、らい予防法の廃止、そしてハンセン病患者さんの今後の措置についての特別措置法をつくるべきだというような報告が出されているというふうに思います。 正式にはもちろん今の検討会の方針が出されてから決定されると思いますけれども、患者さんたちにお話を伺いますと、らい予防法の問題は本当に間違っている問題で早く直してほしいと。自分たちが今平均年齢七十歳、そしてもう三十年も四十年も入所生活を余儀なくされてきた方々が七〇%もいるというような状況の中で、本当に人権を無視してきた状況でございます。しかし、じゃ今らい予防法がなくなったからもう保護しないということになってしまったら、全く生活が成り立たないわけでございまして、その辺についてぜひ温かい配慮をしていただきたい。当然のことと思います。 このらい予防法が、本当に法律が必要なくなったからやめるのか、あるいはこの法律が間違っていたからやめるのか、こういうスタンスによって大分対応が違うというふうに思うんです。私は、らいがこんな隔離主義をしなくてもよかったにもかかわらず今日までこういう法律を持ってきたということに対して、やはり間違いだったのじゃないかというふうな立場でおります。 そういう意味におきまして、当然国の責任におきまして生涯にわたって患者さんが自立できるように十分な配慮をしていただきたいということをお願いしたいわけでございます。そして、そのためには当然特別立法が必要になるわけでございましょうから、それはぜひやっていただきたいし、また本当に優生保護法などにああいった条項がありますが、これもぜひ早急に直していただきたいというふうに思うわけでございます。また、国立療養所十三カ所のほかに、もう百年もの長きにわたりまして外国の宗教家によります民間のらい病院が今日まで経営されております。その方々も、このらい予防法がなくなった後、当然同じような国に準じた措置をしていただけるのではないかと思っておりますが、そのこともぜひお願いをしたいというふうに思うわけでございます。 お願いばかり申し上げましたが、私、もう持ち時間がなくなりましたものですから、最後に大臣にお願いしたいんです。 ほとんどの日本人というのは、自分たちがこんなに自由を謳歌できる時代になりましたのに、こういうハンセン病の患者さんたちが人権を奪われ、そしていわれなき差別に苦しんできたということをほとんど知らないというふうに思うんです。余りにも遅い措置だと思いますけれども、しかしぜひ早期のらい予防法の廃止、そして特別措置法の準備をしていただきたいし、長い間苦しんでこられた患者さんたちの希望を十分反映して、特に「人にやさしい政治」というのをスローガンに掲げていらっしゃる村山内閣を支えていらっしゃる森井大臣でございますから、この辺につきまして温かい御配慮を、血の通った配慮をしていただきたいというふうに思うんですが、その辺について最後に大臣からお言葉をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 御指摘のように、らい予防法につきましては、私はもう役割を終えた法律だというふうに思っております。どうして今までずっと残っていたのかというのが不思議に思えるぐらいでございますが、一方、考えてみますと、まだ療養所等に六千名近い方が入っておられまして生活をしていらっしゃるというこの事実も見落とすことのできない大事な問題でございます。 局長も答弁いたしましたように、今検討会で検討してもらっておりますが、私としては、今御指摘の趣旨に沿って、できれば来年の通常国会に厚生省としての明確な対応を御提案申し上げたいというふうに思っております。
○清水嘉与子君 どうもありがとうございました。 終わります。
○中島眞人君 九月二十八日の決算委員会の中で厚生省関係のことにつきまして御質問をさせていただきました。その中で、大臣から私ども新人でありながらもお約束をいただいた数々の御答弁を後で振り返ってみますと、大変重みのある御答弁をいただいた、さすが福祉に強い厚生大臣だというふうに後から敬意を申し上げていたわけでございます。 さてそこで、この前も申し上げましたけれども、老人介護の問題、各種団体の間で大変な御論議が今沸き上がってきていることも事実ですし、同時に全国知事会が社会文教調査委員会、十二県で調査委員会を開きまして何回かの御論議を重ねてまいりました。全国知事会の社会文教調査委員会がつくられました資料を私も取り寄せまして勉強したのでありますけれども、率直に言って、先ほどは大臣に敬意を申し上げたんですけれども、厚生省が論議をしても少なくとも内容が明確になっていない、どのような制度になるのか極めて不安だと、こういう結論でございまして、幾ら真剣な論議をしてみても、厚生省のサイドから中身が出てこないんだからこれ以上論議をしてもしょうがないじゃないか、当分休憩だ、こういう全国知事会の動きも実はあるわけです。 そこで、お聞きをいたしますと、老人保健福祉審議会は年内には答申を出したいと。同時に、予定では十一月中にいわゆる地方公聴会も計画をしていると。そして大臣は、この前もおっしゃいましたように、来年の通常国会にはいわゆる介護保険の問題、介護システムの問題を通常国会に出したいんだという御意思を申されました。 厚生省のサイドにお聞きすると、大臣のおっしゃるとおり来年の通常国会には法案を出したいんだというんですけれども、ともかく私ども国会におりまして、介護保険の総論では賛成なんです。率直に言って、介護費用を国民全体が公平に補う、いわゆる介護の社会化という点は、私は新しい高齢化社会にとっては大変すばらしいことだというふうに思うんですけれども、しかし中身が老人保健福祉審議会の答申を待って、待って、待ってと。そして、医師会から始まって社会福祉協議会から健保の連合会から、あるいは労働組合の団体までいろんな意見が出てきておる。ところが、当事者である厚生省からは、それに対する幾多のいろんな問題に対して、いや審議会の答申を待って、待ってということだと。私も地方の政治に携わってきた経過があるんですけれども、どうも役所というのは、一遍に出すと風当たりが強いから審議会を風当たりにして審議会に小出しにひとつ出させて、そしてそれからそろそろ出てこようというのが大体従来の官僚の、役所のスタイルなんですね。 しかし、これは僕は介護制度の問題というのはやっぱり国民総参加、総世論形成の中でつくられていかなきゃいけない、そういう考え方を持ちながら、大臣、この介護システムの問題についてどのようなスケジュールでどのような方策で進めていくのか、まず大臣からその決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 先生かねがね非常に御関心を持っていただきまして、私も感謝をしているところでございます。 先般も申し上げましたけれども、新たな高齢者介護システムのあり方について検討を進めております老人保健福祉審議会におきまして中間報告をいただきまして、その趣旨は高齢者介護問題を解決するために高齢者介護サービスが福祉と医療に分立している現行制度の見直し、公的責任を踏まえ適切な公費負担を組み入れた社会保険方式のもとで総合的、一体的にサービスを提供する新しい高齢者介護システムについて具体的に検討を進めていく必要があるというものでございまして、これは先生御指摘のようにまだ極めて抽象的でしかも中間的な報告でございます。 したがって、この中間報告を取りまとめた後に、老人保健福祉審議会におきまして具体的な制度案の基本的考え方の取りまとめに向けまして議論の効率化を図る観点から三つの分科会をつくっておりまして、介護給付分科会、制度分科会、基盤整備分科会、この三つでありますが、機能分担をしてそういうふうに議論を早めていただいておるわけでございまして、中間報告に示された論点について一層の掘り下げた議論をお願いしておるわけでございます。 新たな高齢者介護システムの基本的枠組みにつきましては、これら三つの分科会で御検討をいただきまして、老人保健福祉審議会の総会においてさらに御議論をいただき、申し上げましたようにできれば年内を目途に取りまとめをお願いしたいと思っているわけでございます。御指摘がありましたように、年内にまとめれば来年の通常国会にはぜひとも出したいということも御理解をいただいておきたいと思うわけでございます。 制度のあり方につきましては既に幾つかの関係団体が考え方を示しておりますことは御指摘のとおりでございますが、いずれにいたしましても高齢者介護問題は国民にとって密接な問題でございまして、新たな高齢者介護システムの実現には国民各層の御理解と御協力が不可欠でありますので地方公聴会もやっていただくことにいたしたわけでございます。さらに関係団体や国民各層の御意見を幅広く伺いながら検討を進めてまいる所存でございます。 厚生省から先に物を言えとおっしゃるわけでありますが、今申し上げました三つの分科会で厚生省はある意味で事務局的な仕事をさせていただいておりまして、委員の皆さんに直接何か申し上げることはありませんけれども、議論のスムーズな展開につきましては十分に私といたしましても協力をさせていただきまして、早く取りまとめができますようにこれからも努力してまいりたいと思っております。
○中島眞人君 大臣、大臣は大臣におなりになったからそういうふうな慎重発言だと思うんですけれども、大臣も福祉専門の議員であっていらっしゃったときには私が言っている意味は十分おわかりになり、議会の場の中でもそういう発言をなさっておっただろうというふうに思います、立場上そういうことなんですけれども。 例えば、十一月に公聴会をやるといったって、国会議員がよく知らないものを地方の関係者がどうやって公聴会で意見を述べるんですか。もっと端的に言えば、社会保障制度審議会の勧告の中に要点が幾つかありますよ。「介護サービスの給付は社会保険のシステムになじむと考えられる。」、これを受けているわけでしょうね。次に、「公的介護保険は、民間介護保険と異なり、強制加入によりすべての」、だから国民皆加入保険ですよ、このねらいは。そして、次に社会福祉。ここで問題になるのは、厚生省が従来措置費で賄っている特別養護老人ホームとかそういう福祉施設も、これは従来の制度を新しい介護制度の中へ持ち込んでいくんですよと。そして、保健・医療施設の介護費用の部分をも負担するんです。ですから従来の保健・医療関係のものの中でもセパレートしてこちらの中へ入れていくんですよと、こういうことをはっきりうたっている。そういう問題点の仕組みですから、新たなる医療と介護のいわゆる柱をつくろうとしているわけでしょう。そういうことですね。 そうすると、もっと端的に言えば、措置費で賄っている面ということになると、措置費の現行の状況というのは、国が五割で地方が五割といういわゆる負担率の割合があるわけです。だから、そういう問題も受けて審議会で御論議をいただこうというわけですから、厚生省としても事務局じゃなくてかなりの強い腹づもりとビジョンと一つの目標というものを厚生省自身が持っていなければ、ただ事務局で取りまとめだけですよということでは、御納得いただきたいと言いましても国会議員の私どもは納得できませんね、それじゃ。一つのこういう方針でいくんだと、やっぱり高齢化社会の中でこういう方向しかないんだと、国民が全部参加していくんだという、そういう一つの目標。 審議会の答申をいただいて、まとまったら通常国会へ出してまいりたいというのでは厚生省は余りにもほかに気兼ねをし過ぎているんではないですか。
○政府委員(羽毛田信吾君) お答えを申し上げます。 この公的介護保険制度、先生大変重要なことだという御認識のもとで厚生省として今既にこういう考え方で具体的に進めるんだということをきっちり掲げる中で国民の議論を受けるべきであるという御主張をいただきました。御主張はよくわかるわけでございますし、私どもとしてもこの課題が一面大変急ぐといいますか、高齢化社会を考えれば急いで取り組まなければならない課題であるということはそのとおり認識をいたしておるわけでございますが、しかしながら介護保険、一面におきまして、先ほどのお話にもございましたように、福祉と医療の世界それぞれでやられてきたものを再編成して、この際抜本的に一つの大きな新しい社会保障制度を打ち立てようという大きな制度の変革でございます。 したがいまして、これはもちろん国民的な関心事でもございますし、また国民各層に影響するところも大きい事柄でございますから、一面急ぐとはいいながら、いきなり厚生省としてこういう方向に持っていきますというよりは、先ほど大臣からも申し上げましたように、分科会という形の中でそれぞれの項目を御議論いただいて、それぞれについて十分な国民的な御議論をいただく中で構想を固め、そして改めてまた国民的な御議論を仰ぐという一面慎重な取り組みをいたしておるということでございます。 そういった中での一つとして今例示でございました公費負担をどうするかという事柄につきましても、先生御指摘のとおり、従来医療の世界、いわゆる医療保険という形の世界でやられてきた部分と、それから福祉の世界の中で措置という形でやられてきた部分とございます。そういったものを再編成するということでございますので、当然一つの大きな方向として老人保健福祉審議会でも適切な公費負担を組み入れた社会保険方式という方向が出ております。そこで、適切な公費負担ということの中身、具体論につきましての話になるわけでありますが、これにつきましても先ほどの審議会の分科会で鋭意検討をいただいております。 そういったことを踏まえまして、私どもとしましても、先生御指摘の老人福祉制度でありますとか老人保健制度における公費負担の役割等も勘案しながら、最終的には適切な水準となるように検討をいたしてまいりたいということでございます。 現在はそういう段階で御検討いただいているというところでございます。
○中島眞人君 わかるんだよ、慎重に慎重にと。慎重に慎重にだけれども、介護システムの介護保険というのは、これは日本の福祉体系を大きく変えていくことなんだよ。厚生省はみんなの意見を聞きながらも結構です。しかし、柱になることだけははっきり打ち出していかなきゃいかぬと思うんです。 全国知事会の十二県の専門員会でやっておる中でこういうアンケートが出ております。「「新たな高齢者介護システム」を社会保険方式によるシステムとすることについて、」、社会保険システムが適当と思うというのは十県あるんです。だから、厚生省の大臣が言っていることにその方向で行きましょうと言っているんですよ。しかし、「「新たな高齢者介護システム」における国、都道府県、市町村の役割分担について、」、おおむねすべての県が次の役割分担で一致。国、都道府県、市町村の役割分担を明確に国がリードしてくださいと言っているんですよ。言っているんです。 それと同時に、答申の中にもこういうことがある。例えば、国保のように市町村が保険者になっていくという格好に自動的にいくような形になると、「市町村人口に占める高齢者の割合が不均等である上に市町村間に財政力格差があることが、提供される介護サービスの質・量の格差につながらないよう、広域調整や市町村間の連携に力を入れるとともに、財政力格差を緩和するための支援策も具体化されるべきである。」ということははっきり答申の中にあるわけですよ。 だから、この答申を受けたのは厚生省なんですからせめて細かな内容については――いろいろな問題があります。わかりますよ。わかるけれども、公的負担はどうするのか、保険者というものについては国、県、市町村の割合というものをどうしていくのか、そういう問題くらいは責任ある厚生省がやっぱり一つの意見を出していかないと。だから、知事会ではもう論議やっても意味がない、厚生省の方から何も意見が出てこないんだからやってみても、当分休憩だということで、せっかく意欲を持ってやってきたのを知事会では福祉審議会から答申が出るまでやめようやと、こういうことになっているんです。 ですから、そういう面については公に言えないならば、例えば知事会、町村会あるいは全国町村議長会、こういう直接かかわっていくセクションの方々と密接に、一番不安感を持っているのはやっぱり――国はいいんですよ、やりましょうと。やりましょうといったって、現在の国保でさえ命がけで、いわゆる国保会計なんというのは各町村にとってみるとそれは大変なことですよ。第二国保になっちゃ困りますよというのが各地方の一つの悩みなんですよ。 そういう点を言ってみても答弁は同じ繰り返しだろうと思いますけれども、少なくとも大臣、来年の通常国会に法案を出しましょうというのなら、各審議会の答申も結構でしょうけれども、やっぱり国の政治の責任を持つ国会レベルでも十分に論議ができるような、十分に内容がわかるような資料提供を私は委員長から厚生省に強く求めていただいて、次の質問に移りたいと思います。 委員長、よろしくお願いいたします。
○委員長(今井澄君) 了解しました。後ほどまた理事会に諮って……。
○中島眞人君 では次に、私はかねがね高齢化と少子化に代表される日本の特徴ある社会の中で、言うなればエンゼルプランという一つの基本政策があるわけでありますが、厚生省は七年度から緊急保育対策等五カ年事業というのを実施した。その内容というのは、産休・育休明け入所予約モデル事業、低年齢児保育促進事業、開所時間延長促進事業という三つの事業なんです。 昨日の新聞を見ますと、今年度から緊急保育対策等五カ年事業を実施したわけですが、昨年度の厚生省九四年調査では長時間・低年齢児保育施設がふえてきたと。これは大変結構なことだと思うんです。ただ、ふえるに当たりまして、地方においては低年齢児保育促進事業あるいは乳児指定保育所等々の問題は、例えばある一定の児童数がいないと補助対象にならないのではないかという懸念が実はあるんですけれども、その辺について、例えば低年齢児保育、産休明け保育モデル事業、時間延長型保育、これについてそれぞれの傾向とそういう不安に対する御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) 先生御指摘のとおり、今年度から緊急保育対策等五カ年事業を厚生省は始めたわけであります。そういった中で、いわゆる特別保育事業と呼ばれている延長保育等についてさらに充実をしていく、こういうことでありますけれども、これに当たりまして国庫補助の対象にするということなわけでありますが、ある程度やはり対象人数というものにつきまして一定規模以上ということを実は条件として国庫補助をすることにいたしておるわけであります。 例えば、時間延長型の保育サービス事業でございますと対象児童数はおおむね六人以上ということでありますし、それからまた乳児保育の指定保育所でございますと乳児が三人以上入所しているということを条件といたしております。また、産休あるいは育休明けの入所予約モデル事業ですと乳児が三人新たにことし、これはことしから始まったわけでありますが、十月一日以降入所できる体制にある、こういったようなある程度の人数を一応要件といたしまして現在国庫補助の対象にしている、こういうことでございます。
○中島眞人君 子供が少子化時代を迎えている、そういう中で女性の社会進出ということがある。そういう中で低年齢児保育、ゼロ歳児の産休明け保育モデル事業というのがありましても、昨今よく調査をしてみますとやっぱり子供が少ない。せめてこの子を自分の母乳を与えて、そしてお乳が離れるまでは私が育児休暇をとって育てようと、こういう傾向はふえつつあると思うんです。それよりは私は時間延長型保育に女性の職場進出ということの中で必要度が高まってきておると思うんです。 そこで、確かにこういう基準も設けた、補助対象も設けた、門戸を広げましたよというけれども、率直に言ってこれは都市型には合うかもしらぬけれども農村型には、地方ではこの基準まで達するのは大変だということ。御理解できますか、そのことを。例えば、農山村へ行って、時間延長型保育で六人以上ないと基準対象になりませんよということになりますと、これは六人以上というのは大変だろうと思うんですよ。 その辺、これは都市型のタイプであって、いわゆる農村型、地方にはこれは基準に達するには大変だよという感じが素朴な意見として私はあると思うんですが、それをどうお感じになりますか。
○政府委員(高木俊明君) 確かに先生おっしゃいますとおり、今御指摘ございました時間延長型の保育サービス、おおむね六人以上ということでありますが、これはなかなか地方では集まらないという声を耳にいたします。 国庫補助という格好で行いますものですからある程度まとまった規模ということを条件として行ってきておるわけでございますけれども、やはり実態に見合った形で制度ができておりませんとこれは実効が伴いませんから、そういった意味で私ども、ただいま先生の御指摘の点も踏まえまして、こういった点につきましてそれぞれの地域の実情に見合ったきめ細かい対策といいますか、そういった形の基準というものがつくれないかどうか、そういった面についてさらに工夫をさせていただきたい、このように考えております。
○中島眞人君 ぜひひとつこれは取り組んでください。地方で例えば五時で終わっちゃうと、女性の社会進出という問題の中で、僕はこの時間延長型保育の六人以上というのは地方へ行くとなかなか大変だろうと思うんですよ。ですから、これは地方の各県と連絡をとって実態を早急に、せっかく緊急保育対策等五カ年事業というのを今年度から実施したわけですから、実施して一年たってからということでなくて、お年寄りも大事にするんだけれども、やっぱり少子化時代の子供も大事にしていくんだという我が国の福祉対策の一環として、ぜひこれは緊急に地方と連絡をとって対応をひとつ急いでいただきたい。お約束をしてください。 次に、実は私は先週に日比谷の野外音楽堂へ行ってまいりました。そこでは目の不自由な方々の私たちの職場が侵害をされるという悲壮な叫びの集会がございました。 目の見えない方々というのは、はり、きゅう、あんま、マッサージの方々です。はり、きゅう、あんま、マッサージの資格は御存じのように各都道府県で知事によって資格試験をしておったんですけれども、その試験は厚生省に今度は移管をされる。言うなればあはき法という法律の中でかなり厳しいはり、きゅう、あんま、マッサージの資格試験が行われる。 実はその中でカイロの問題。カイロというのはどういうことかというと、整体師、整体療術ですね。アメリカなんかにはあるんだろうと思うんですけれども、この方々の資格はどうかといいますと、資格養成学校は何もない、そしてこれの資格試験も何もない。ところが、はり、きゅう、あんま、マッサージは三年、目が不自由でありながらも、あるいは視覚障害者でない方もこれはなっておりますけれども、そういう方々が一心不乱に勉強をして三年、五年の修学をして、それにさらに厚生大臣の国家試験を経ている。やっている内容はどうかというと、言うなれば強い資格試験の中で資格を要請されている。 ところが、カイロの方はどうかといいますと、見たら驚いちゃった。何の資格試験もないのに、腰痛、肩こり、神経痛、ストレス、自律神経失調症に効きますよとあるんですね。「腰痛・肩こり・疲労回復・骨盤・脊椎をやわらかく矯正する。」、こういうのが大々的に新聞で広告されているんです。聞きますと、こちらの方へ行くお客さんの方が多いんだそうです。 厚生省の中に薬事法というのがありますね。これはがんに効きますよ、しかし許可なくやった者は薬事法違反で捕まる。薬の方はそんなに厳しいんだけれども、こういう資格がない人が「腰痛・肩こり・疲労回復・骨盤・脊椎をやわらかく矯正する。」、こういう広告は厚生省でどうなんですか、私よくわからないからお聞きするんですけれども、違反なんですか、違反でないんですか。
○政府委員(谷修一君) カイロプラクティックにつきましては、平成三年に都道府県に対しまして専門家の意見を踏まえました通知を出しまして、カイロプラクティックの対象とすることが適当でない疾患あるいは危険な手技等の取り扱いについての指針を示しております。 その中で、いわゆる誇大広告の問題につきましても、がんの治癒等の医学的な有効性をうたった広告、これらにつきましてはあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律または医療法の規制対象となるということで具体的な取り扱いを示しておりまして、それに基づいて関係者の指導を行っているということが現状でございます。
○中島眞人君 後で見てください。例えば「歪んだ脊椎は、こんなにたくさんの病気の原因になっています。」、そしていろいろ病名が、病名があるんですよ、これを治しますと。これは誇大広告という範疇なのか。私は資料の提供を受けましたから読んでいるうちに怖くなっちゃった、全く資格も何もない人に脊椎を治されて、本当に治ったのかどうか、だれが責任をとるのかという問題を考えると。これはどうこう言う問題じゃありませんけれども、やっぱりこういう問題というのは秩序をはっきりしていかなきゃいけないんじゃないか、こう思うんです。 特に、そういう形の中で視覚障害者、はり、きゅう、あんま、マッサージをやっている方々にとってみると、私どもは三年、五年の養成期間を経て厳しい試験を経たのに全く何の養成も受けずに、こんなことが許されていいのかという、そういう不満を、不信を持っているということもぜひひとつ受けとめていただきたい、こんなふうに思うんです。 さらに、この問題について、例えば厚生省としては何回か通達を出したことも私も聞いていますけれども、今後この問題についてどう取り組んでいくのか、ちょっとお聞きをいたしたい。
○政府委員(谷修一君) このカイロプラクティックあるいは整体術等と称しまして多様な医業類似行為が行われているわけでございますが、あんま、はり、きゅう、マッサージ、いわゆるあはき法あるいは柔道整復師以外の医業類似行為につきましては、これらの法律によりまして何人もこれを業としてはならないと規定されておりますが、ただこの規定に違反する行為というのは、昭和三十五年の最高裁の判決によりまして、人の健康に害を及ぼすおそれのある医業類似行為に限られるというふうに解されております。 カイロプラクティックあるいは整体術等と称しまして行われている行為のうち、個々に見て人の健康に害を及ぼすおそれがあるというふうに判断されるものにつきましては厳に取り締まりを行っているところでございますし、また先ほどもちょっと触れました平成三年の通達によりまして都道府県に対して取り扱いを示し、具体的にその内容等を示しているわけでございます。 例えば、対象としてはいけない疾患ということにつきましては、出血性、感染性の疾患、リューマチ、心疾患、あるいは椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、側わん症等、明確な診断が行われているものについてはこの療法の対象にすべきではないということ、あるいは、先ほどもちょっと申しましたけれども、一部の危険な手技の禁止ということで、頸椎に対しまして急激な回転動作を行うスラスト法というような危険な行為は禁止をする必要があるということ、また誇大広告についての指示等も行っているところでございまして、今後ともこのような考え方に基づいて必要な対応を図ってまいりたいというふうに思っております。
○中島眞人君 私は、この問題については、はり・きゅう・マッサージ師、同時にカイロで療術なさっている方々、お互いにこういう問題が論議されてきますとあれですから、はっきり厚生省として、今おっしゃったように病名がついているものについての療術をしちゃいけないということについて、はっきり区分が国民にわかるようにする努力をしていただきたい。問題が出たからこうするんじゃなくて、この部分については、今おっしゃった話を聞いて私もよくわかりましたけれども、病名があるものについて療術をしてはいけない、そういうふうなこと等をやったり、誇大広告とかそういうふうな問題についてはもう一回やっぱり、国民の健康という問題にかかわる問題ですから、カイロの方々もやっぱり自信を持ってやれるような一つのあり方、指導も厚生省としてはおやりになってもらいたいということを要望申し上げ、またこの問題については今後の経緯の中で関係当局とよく打ち合わせをさせていただきたいと思います。 そこで、私は山梨県でございますけれども、念願でございましたオウム真理教の解散命令が出されました。その中で、厚生省、厚生大臣、オウムに直接関係ないんだけれどもなという思いをお持ちかもしれませんけれども、ことしの四月十四日、山梨県は児童福祉法に基づきまして子供たちを強制保護いたしましたね。これは山梨県では五十三名だったんですけれども、全国的にはもっと多かっただろうと思いますし、その保護された子供たちはその後どういうふうな状況にあるのか、ここら辺についてまず状況をお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) オウムの教団の児童でございますが、これまで一時保護を児童福祉法に基づいてやってまいりました。合計で百十二名ほど一時保護を行ったわけであります。 現在の状況でありますが、その後児童相談所が中心になりまして親族とも話し合いながら親族に引き渡した児童が五十六名ございます。それからまた、やはり養護施設等の施設に入所することが適当であるということで施設に入所した児童が五十一名でございます。まだなお一時保護の状態で処遇をどうするかということで検討しておる子供が五名、こういうような状況でございます。
○中島眞人君 この問題は関係する都道府県では、子供の人権という問題等もあり、例えば私も山梨県の中央児童相談所で聞いてみますと、五十三名をお預かりした、そしてそこには毎日のように信者が押しかけてきた、その中で警察にも警備をお願いし、数十日間警察の警備の中でやった、職員にしてみると大変な思いだった、こんなことがあっていいのかと思う気持ちでしたということを言っているわけであります。 しかし、私はこういう問題が、私も山梨県にいた人間ですから自分に、天に向かってつばするようなことは申し上げたくないんですけれども、例えば強制捜査ができて初めて子供がいるということがわかったのか、その前から子供たちが就学をしなくてあの中にいるということがわかっておったのか、この辺についてはどうなんですか。
○政府委員(高木俊明君) 私ども、今回の一時保護でございますけれども、きっかけとなりましたのは、警察の捜査によりましてそこに保護にかける子供がいるということが発見され、そして警察からの通報が児童相談所長にありまして、児童相談所長が警察の方に一時保護を委託する、こういうふうな格好で収容した、こういうことでございます。
○中島眞人君 私ども政治に携わったり、またそういう行政に携わっている方々にとってみれば、例えば昨日も決算委員会がございまして私の同僚の岩井さんからも話が出たように、建築基準法なんかがもっと前に手が入ることができたのではないか、役所も反省をしなければいけないのではないか。あるいは政治家としても、これらの問題の相談を受けた例も実は私どもあるんです。例えば、出家してしまった、財産をあれされて何とかしてくれぬかということの相談を受けたこともあった。そういうときに、なぜ我々も含めてもっと勇気を持ってああいうカルト集団に対して私どもは腰を上げなかったのだろうか。やっぱりこれは政治に携わる者、役所も大きく反省をしなきゃいけなかったというふうに思うんです。 そういう中で、例えば現在一時保護が五名、施設入所の子供たちが五十一名いらっしゃいますね。この子たちは強烈なカルト集団であるオウムの教えを受けている子供たちであります。この子供たちに対して、どうなんですか、厚生省保健医療局長にお聞きをしたいんですけれども、こういうマインドコントロールを解く手だてのような一つのマニュアルはあるんですか。
○政府委員(松村明仁君) 宗教に基づくマインドコントロールを受けた方、信者の方だと思うんですが、こういった方のマインドコントロールを御本人が解きたいというような御意思がある場合はいろいろ可能なことも考えられますが、御本人の意思がない場合にはなかなか難しいのではないかと考えております。したがって、まだそのマニュアルというようなものはないんじゃないかと思います。 ただ、非常に過酷な信者生活ということ、信仰生活といいましょうか、こういった過酷な生活でありますとか、あるいは修行が非常に過度だと、こういうようなことから精神疾患あるいは身体疾患を実際に引き起こした方、こういった方々には精神保健センターでありますとか保健所、あるいは当然医療機関、こういったところで医学的なケアが行われる、こういうことでこれは普通の医療の中で十分にやっていく、そういうシステムはございます。
○中島眞人君 時間がありません。厚生委員会は永遠に続くわけでありますからまた場面場面で、これらの問題はやっぱり必要であり、また対応していかなければならない問題だと思います。 特に、カルト集団はオウムだけではないという認識を私は持っております。そういう中で、例えば未成年の子供たちが親の遺産相続書、私の遺産相続はこの教団へ寄附しますなんというような問題も相談を受けている例は私ども政治家の中にはいると思うのでありますので、そういう問題を受けた中でこれらの問題に対応していくシステムも特にアメリカあるいはフランスなどでは……
○委員長(今井澄君) そろそろまとめてください。
○中島眞人君 わかりました。 そういうことで今後ともこの問題については突っ込んだひとつ取り組みをお願いし、私の質問を終わります。
○委員長(今井澄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩といたします。 午前十一時五十一分休憩 ――――◇――――― 午後零時五十分開会
○委員長(今井澄君) ただいまから厚生委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障制度等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○長峯基君 本日は、医薬品の問題を中心として御質問をしてみたいと思います。よろしくお願いいたします。 十月二十九日、一昨日の朝刊に水俣病に関しまして、公式発見から四十年目で「水俣病救済 事実上の決着」、「苦渋の「賛成多数」」という活字が並びました。地方において公害行政に携わった経験を持つ者として心の痛む思いで受けとめました。戦後五十年の決算というには余りにも痛ましい事件であります。人命や健康はお金で解決できるものではありませんが、決着という言葉に言いようのないむなしさを禁じ得ないのであります。 本日は、エイズ訴訟について厚生大臣にまずお尋ねをしたいと思います。 輸入血液製剤でエイズウイルスに感染した血友病患者が損害賠償を求めている裁判で、東京地裁と大阪地裁が和解を勧告したことは御案内のとおりであります。 まず厚生大臣に、裁判所の和解勧告をどう受けとめ、今後どのような姿勢で和解交渉に臨もうとしておられるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(森井忠良君) 御指摘がございましたように、今月の六日に東京地裁並びに大阪地裁、両地裁からエイズ訴訟に関しまして和解勧告が出されました。東西の地方裁判所が同じ日に、ほぼ同じ時刻に和解案をお出しになったということは、それなりに私は裁判所としてはいろいろお考えがあってのことだと思うわけでございまして、そういう意味で、和解勧告につきましては厳粛に受けとめまして、政府部内で謙虚に検討いたしました。 裁判所の所見及び和解案につきまして全体として厳しいものと受けとめておりますが、裁判所が示した和解の枠組み、すなわち法的責任の存否の争いを超えて広く社会的、人道的見地に立って早期に救済すべきとしておりまして、その考え方に基づきまして具体的な和解案が提示されていることと総合的に判断いたしまして、大筋において受け入れることができると考えまして和解の席に着くことにいたした次第でございます。 これは一つの決断でございました。裁判所の期限は今月の二十日でございましたけれども、私といたしましては期限を待たず十七日に、三日ほど早かったわけでございますが、裁判所に対しまして和解の席に着くことを正式に回答いたしたわけでございます。 本裁判が係争中の間にも相当数の血友病患者の方々が亡くなっていらっしゃいます。報道によりますと、五日に一人ぐらいの割合でお亡くなりになったのではないかと言われておりますが、さらに闘病生活を送られていらっしゃる患者の方々のことなども考えますと本当に心の痛む思いでございまして、こうした患者の方々が置かれている状況にかんがみまして、本件の解決を長引かせることは何としても避けたいというふうに考えた次第でございます。 明日、十一月一日からでありますが、裁判所に当事者が個別に呼ばれる形で和解の話し合いが始まる予定でございます。今後の和解の話し合いにおいては、裁判所の主導のもと、裁判所の和解勧告の趣旨、すなわち法的責任の存否の争いを超えて広く社会的、人道的立場に立って早期に解決を図るべきとしている点でございますが、その点に沿って早期解決に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えている次第でございまして、皆様方の御支援を心からお願い申し上げる次第でございます。
○長峯基君 厚生大臣の決断を評価したいと思います。微妙な時期でもございますので、この問題についてはこれ以上触れません。 次に、エイズ対策についてどのように取り組んでおられるのか、お伺いをしたいと思います。 エイズの蔓延は世界的にも深刻な状況にあり、特にアジア諸国において急増傾向にあるのであります。我が国においても、爆発的な流行を防ぎエイズが個人や社会にもたらす影響を最小限にするために、エイズ対策はますます重要になっていると思うのであります。 そこで、エイズ対策の目標、重点課題、取り組み状況についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) 我が国におきましてもエイズ患者・感染者が増加を続けておりまして、エイズ対策は重要なものであると認識をしておるところであります。 エイズ対策の基本は、まず、国民が正しい知識を持つことによって感染を予防いたしますとともに、患者・感染者の方々に対する差別、偏見を除去することにありまして、厚生省といたしましては、厚生大臣を本部長とするエイズストップ作戦本部を中心にパンフレットやポスターの作成など、省を挙げて啓発普及活動に取り組んでいるところでございます。 また、平成六年度に西暦二〇〇〇年までのエイズストップ七年作戦というものを策定いたしまして、我が国におきますエイズの流行阻止などを目標に掲げ、治療体制の充実、研究の推進、国際協力の推進、正しい知識の普及啓発など総合的な対策を講じており、平成七年度におきましては約百十億円の予算を計上したところでございます。 今後とも、我が国におきますエイズの流行を阻止し、社会や個人にもたらす影響を最小限にするために、きめ細かな啓発普及活動の推進など総合的な対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○長峯基君 関連して二、三点伺いたいと思います。 まず、一番最近のエイズサーベイランス委員会の報告によりますと、これは平成七年七月一日から八月末までの間でありますけれども、平成四年九月の委員会の報告以来二番目の患者数ということであります。九十八名。しかも日本人が非常に多い、それから国内での感染が非常に高い、しかも二十代三十代で七十名の約八割を占めている、このようなサーベイランス委員会の一番最近の報告があるわけでありますけれども、この報告に対してどのように理解をしておられるか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) エイズにつきましては、今申し上げたようないろいろな対策を総合的に講じているところでありますけれども、じわじわと患者・感染者がふえてまいりまして、さらに努力を傾けなければならない、このように考えているところであります。
○長峯基君 最近非常にふえてきたと数字で示されているわけでありまして、私も大変危機感を覚えておりますが、ぜひ積極的な対策をお願いしたいと思います。 次にもう一点、診療体制の問題でありますけれども、厚生省は拠点病院を各都道府県ごとに選定しているということでございますが、今三十八府県、百八病院、私の資料に間違いかなければそのように聞いております。 ただ、東京と大阪府ではまだ決まっていないということでありますけれども、これはどのような理由であるのか、そしていつ決まるのか。国立病院等が率先して受け入れ体制をつくるべきだと、こう思うのでありますけれども、一番大事なところで欠落しているような気がいたしますが、御答弁を求めます。
○政府委員(松村明仁君) エイズの感染者・患者の方々が安心して医療を受けられる体制といたしまして、私どもは、今、委員御指摘のように、エイズの拠点病院というものの整備を進めております。御指摘のとおり、現在まで三十八府県で百八の医療機関が選定されておるところであります。 またさらに、御指摘のとおり、残念ながら現在東京都あるいは大阪府というところではまだこの拠点病院の発表がなされていないのも事実でございます。東京都におきましては、近日中にも拠点病院の選定がされる予定と聞いております。また、大阪におきましては、大阪府エイズ医療体制推進協議会を設置いたしまして、医療機関を特定して正式に依頼中であると伺っておりまして、私ども厚生省といたしましても、一刻も早く拠点病院の選定がなされるよう重点的に働きかけておるところであります。また、御指摘の国立病院も率先してこういった拠点病院に受けるように、こちらの方も督励をしておるところでございます。
○長峯基君 関連して、性教育について二、三点、文部省にお伺いしたいと思います。 ある女子高校生を対象にしたアンケート調査で、性知識は何によって得られましたかという質問に対しまして、週刊誌三〇・六%、友人三〇・三%、テレビ二〇・五%、教師五・○%という調査がございます。 学校における性教育はどのように行われているのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(北見耕一君) お答え申し上げます。 学校における性教育は、まず発達段階に応じた性に関する科学的な知識を与えるということと、それから人間尊重と男女平等の精神に基づき男女の人間関係をどう形成していくかという人間としての生き方及びそれに基づく判断力をみずから身につけていくということを指導することとしているわけでございます。 具体的に、性に関する指導といたしましては、学習指導要領におきまして、小学校では教科体育で思春期の体つきの変化、それから特別活動で初経指導などを取り扱うこととしております。また、中学校では教科保健体育において二次性徴、道徳で男女の人格尊重、特別活動で性的な発達への適応などを取り扱うこととしているわけでございます。さらに、高等学校におきましては保健体育で思春期、結婚と健康、教科家庭で母性の健康と生命の誕生、特別活動で男女相互の理解と協力などを取り扱うこととしているわけでございます。 また、文部省といたしましては、学校におけるこのような指導の充実を図るという観点から、教師向けの指導資料、例えば生徒指導における性に関する指導といったものを作成、配付いたしまして指導の充実に努めているところでございます。
○長峯基君 エイズ問題をどうやって解決していくかという大変大きなキーワードがやっぱりこの性教育にあると私は認識をいたしております。フリーセックスだとか売春だとかいろいろ社会問題でございますが、そういうもののツケといいますかしっぺ返しというか、そういうものがこのエイズ問題にも含まれているというような気もいたします。 それで、ただいまの文部省の御答弁でございますけれども、それは指導要領がそうなっているというだけのことでありまして、アンケート調査でも見られるように、ほとんどその指導はなされていないと私は思います。 実は、宮崎県の大変熱心な産婦人科の先生がおられまして、アンケート調査をなさっておりますが、学校の先生に対して学校における性教育は必要と思うかと。必要だと思うという答えが八六・一%でございます。それじゃ、その学校の先生に性教育を受けたことがあるかという問いに対して、あるとお答えになった方が二五・九%、ないという方が七四・一%。教師の中でも性教育を受けていないという実態が出ております。また、教師に対して性教育をしたことがあるかという問いに対して、あると答えた人が三一・六%、ないと答えた人が六八・四%。これは女子高校でございますけれども、そういうことでございます。 つまり、保健体育の先生とか養護の先生だけに任せている。そして、現場の先生方のお話を聞きますと、学校の管理職、校長とか教頭、こういう方が性教育に熱意を持っておられるところは割がし養護の先生や保健体育の先生も一生懸命なさいますけれども、校長や教頭が情熱がないとほとんど性教育は実際には行われていないということでございます。 それで、耳鼻科とか眼科とか内科とか小児科とか、学校には校医というのがおられるわけでありますけれども、私はぜひ産婦人科の先生を校医として登用していただきたい、予算の要ることでありますけれども。そして、専門的な話を恥じることなく子供たちにやはり教えていくべきではないかというふうに思っております。 現況と対策について文部省にお伺いしたいと思います。
○説明員(北見耕一君) 学校医の状況でございます。 現在、学校医につきましては小学校で全国で約五万九千人、中学校では約二万八千人、高等学校では一万四千人の学校医が配置されているところでございます。 その内訳、専門の診療科目の内訳を見ますと、内科それから眼科……
○長峯基君 いいですよ、細かいことは。産婦人科のことだけ答えてください。
○説明員(北見耕一君) 失礼いたしました。 産婦人科につきましては、小学校で四・八%、中学校で六・九%、高等学校で八・〇%程度ということになっております。 近年の我が国の疾病構造の変化に伴いまして子供たちの健康問題も複雑多様化しているということもございまして、心の健康問題、あるいは性に関する悩みといった専門的な知識に基づく指導を必要とする場合も多いということが指摘されているわけでございます。特に、性教育あるいはエイズ教育を適切に行うというためには、産婦人科医等の専門家による指導、支援が重要であるということも認識しているわけでございます。ただ、どの診療科の医師に学校医を委嘱するかということにつきましては、基本的に各学校の地域の実情あるいは生徒の実態に応じて各学校で決めるということになっておりますので、そういった性に関する指導や思春期の問題が重要であるという点にも考慮いたしまして学校医の委嘱が行われるように指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから、エイズ教育につきまして文部省では、例えば小中高等学校の子供たちに対しまして教材を作成して配付する、あるいは教師用の指導・資料の作成、配付、教職員の研修といったような事柄を行っております。 今後とも、こうした施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○長峯基君 そういうことはわかっていますから。要するに、校医として産婦人科の先生方をお願いする意思があるのかどうかということを聞いているんですから、それに答えていただきたい。もう結構です。 寝た子を起こすという議論もありますけれども、もうみんな起きているんですよ、今。それほど知識は豊富でありますから、やっぱり正しい性教育をするというには今の学校の先生方ではなかなか恥ずかしさ余ってできないというところもありますので、これは産婦人科の先生方がぜひそうすべきだと、こういう御意見があるわけでございますから、積極的にお取り組みをいただきたいと思います。 次に、規制緩和問題について数点お伺いをしたいと思います。 規制緩和に関連いたしまして、市販の風邪薬で重い副作用、三年間で四十二件、新聞でこういう報道がございました。風邪薬、軽く考えがちでございますけれども、全く市販されている風邪薬に同じように入っている成分で視力障害あるいは角膜移植をした例もある、こういうニュースが出ておりますが、この件につきまして厚生省の方でその実態とどのような指導をされたかということについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(荒賀泰太君) 先生よく御存じのことでございますが、一般向けの風邪薬に使用されております鎮痛解熱成分といたしましては、アスピリンとかアセトアミノフェン等がございまして、従来から安全性が高いものとして幅広く使用されております。一方、これらの成分を含みます製品で、極めてまれではありますが、重い皮膚障害やショック、ぜんそく発作などの副作用が起こることがございまして、一般用医薬品の風邪薬及び解熱鎮痛剤によると思われますショック、あるいは皮膚・粘膜・眠症候群、中毒性表皮壊死症、ぜんそく発作の誘発などの副作用例が今お話にありましたようにこの三年間で四十二例報告されております。 これらの副作用が疑われます症例の過半数が特定の医薬品あるいは食品などに対しまして過敏症やあるいはアレルギーの経験がある方々でございまして、医薬品の使用に当たりましては安全性に十分注意を払う必要がありますことから、厚生省としては風邪のシーズンを控えまして、本年九月二十一日に該当する医薬品の添付文書の「使用上の注意」の改訂を製薬会社に対して指示をいたしました。 この「使用上の注意」の改訂内容としては、次の人は服用しないことという項を新たに設けまして、この薬で過敏症状を起こしたことのある方、あるいはほかの風邪薬、解熱鎮痛剤でぜんそくを起こしたことがある人は服用しないということを追記いたしましたし、また服用中あるいは服用後に次のことに注意をするという項がございますが、これにじんま疹とか冷や汗、息苦しさなどがあらわれた場合、あるいはぜんそくがあらわれた場合等を追記いたした次第であります。 また、あわせまして製薬団体の協力を得まして、消費者に対しましてテレビコマーシャルで薬剤とか食品によるアレルギー、またはその経験のある方は購入や使用に当たって薬剤師等に相談するよう字幕などで注意を促す、また日本薬剤師会、全日本薬種商協会などを通じまして薬局や店頭で販売の際に必要な服薬指導を行うよう徹底をする、また製薬企業の協力を得て店頭に購買に当たって相談を促すポスター掲示を行うなど、本副作用についての詳細な情報を薬局等に提供をするということで注意の徹底を図っておるところであります。 今後とも、医療機関や薬局等からの一般用医薬品の副作用情報の収集に努めまして、的確な対策を講じてまいりたいと考えております。
○長峯基君 この薬害という問題、先ほどエイズでもちょっと触れましたし、今店頭にある風邪薬でこのような副作用があると。 また、昨日、これはダナゾールという東京田辺製薬の子宮内膜症治療薬でありますけれども、新聞報道によりますと、脳血栓を起こして死亡例が報道されているわけであります。次から次にこのような問題が起こってくる。そして、今日までの薬によるいろいろな中毒、死亡事故等、コラルジルから始まりまして、ストマイ、クロロキン、ペニシリンショック、サリドマイド、アンプル風邪薬、キノホルム、次から次にこういう問題が起こっているわけであります。 どうして防げないかというようなことがもうそろそろ厳しく問われなければいけないと思うのでありますけれども、この新聞報道によりましても、「薬害の土壌変わらず」、こういう見出してございます。医薬品に携わる者として大変責任を感じるわけであります。 それで、薬害を繰り返さないためにも、薬の製造・販売の承認、副作用情報の収集・伝達の方法、こういうものを一遍見直すべき時期に来ているのではないかというふうに思います。 実は、新聞報道、これが本当に正しいかどうかわかりませんが、「厚生省医薬品適正使用推進室は」という談話が出ております。これが本当にそのとおりであるかどうかわかりませんが、「重大な副作用を報告しなければならないのは当然だが、報告さえすればそれで責任が免れるものではない。チェックできなかった本省も反省すべきだろうが、企業にはもっと商品の安全管理に責任を持ってほしい」、こういうコメントが出ております。 つまり、メーカーが製造をする、そして厚生省が許可をする、そしてそれが医薬品として流通するわけであります。患者さんもお医者さんもみんなこの薬で病気が治ると期待を込めて服用する。そして、その薬害のために死に至るような副作用が出る。非常にこれは残念なことでありますので、もっと厳しいチェックが必要ではないか。あるいは副作用の情報システムというものをもう一遍考える必要があるのではないかというふうに考えますけれども、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(荒賀泰太君) 昨日のダナゾールの副作用の報道、先生今お話しのとおり、一九九〇年、平成二年の六月に発生をした死亡症例を東京田辺製薬株式会社が厚生省あての報告をしていなかったわけでございます。薬事法上は、副作用が疑われる死亡症例のような重篤な症例については従来から、当時は三十日以内に報告することが義務づけられておりましたが、このような事態は極めて遺憾であるというふうに考えております。 事実関係全体については今調査をしておりますが、これまでのところ、収集された副作用情報について、社内できちんと厚生省に報告をするという体制が不十分であったのではないかという問題意識を持っておりまして、厳重な指導が必要であるというふうに考えております。また、今回の死亡症例を含めまして、ダナゾールの副作用について改めて専門家の評価を求めまして、使用上の注意の改訂を指示する等、厳正な対応を早急に進めてまいりたいと考えております。 またさらに、今般の事例にかんがみまして、医薬品のメーカー全体に対しまして、副作用情報の収集及び報告体制の再点検の強化等について改めて指導を徹底してまいりたいと考えております。 また、この医薬品全般につきまして、その安全性を確保するために、現在、医薬品安全性確保対策検討会を設置して議論をしていただいておりまして、今お話がございましたように、医薬品の治験の問題、それから承認審査の問題、市販後の使用に至る総合的な安全性の確保対策について検討していただいておりますので、この検討結果を踏まえて、制度の見直しを含めて強化を図ってまいりたいと考えております。
○長峯基君 つまり、厚生省が許可してメーカーから報告を受ける、そこに重点が置かれますと、これはメーカーというのはやっぱりその商品に企業生命をかけているわけですからなかなか報告がおくれるということはあると思うんです。ですから、大きな病院ですとか、あるいは病院の薬剤部であるとか、やっぱりそういうところから第三者的なといいますか、公正な報告がタイムリーに来るようなシステムをやっぱりつくっていくということが一番大事で、幾らメーカーに使用上の注意を義務づけ、報告をしなさいといってもなかなかそれは難しい面があるのではないかと私は思いますので、ぜひ積極的にお取り組みをいただきたいと思います。 続きまして、規制緩和小委員会というのが行革の方でございまして、風邪薬やビタミン剤や医薬品をコンビニで売りなさいというか、もうまさにこういう暴論というか、私に言わせると全くナンセンスな議論。このような副作用の問題があるにかかわらず、テレビで宣伝しているからいいじゃないかというような発想があるわけでありますけれども、そもそも医薬品というものはテレビ等で宣伝をして消費拡大を図るような、そのようなものではない。病気にかかった人が必要最小限度の薬を飲むことによって病気を治療する、そのための医薬品でありますから、こういうものをテレビ等で宣伝をしてどんどん売り上げを上げていく、そういうものではないと私は思っております。 そういう意味では、コンビニで医薬品を売るなんということはもう全然論外だと思いますけれども、厚生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 私も全く同じ考え方でございまして、コンビニ等で医薬品を販売するということにつきましては、仮に政府の規制緩和等の場で議論になったとしても、厚生大臣としてはそれを認めるわけにいきません。極めてこの問題については私は厳しい態度で臨みたいというふうに思っております。 もう釈迦に説法になりますけれども、厚生省が行いますもろもろの規制というのは、これは社会的な規制でございまして、国民の命や健康にかかわることで最小限の規制をしているわけでございますから、いわゆる経済的な規制とはこれは質を異にするというふうに私は考えておりまして、今後ともそういう形で私なりに全力を尽くしてまいりたいというふうに考えます。
○長峯基君 あわせてもう一点お伺いしますが、民間企業による病院経営という問題も積極的にやるべきであるという規制緩和小委員会の意向であります。 これは医療法に、御案内のとおり、営利を目的として病院とか診療所は開設してはならない、つまり金もうけのために病院を開設してはならないということがもう明確に記載されているのでありますけれども、この規制緩和小委員会の意見に対して厚生大臣はどのようにお考えか、あわせて確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 営利法人による医療機関経営というのは、これはもう当然のことでありますけれども、やるべきでないというふうに判断をいたしております。
○長峯基君 それでは、大分ムードが悪いようでございますけれども、規制緩和小委員会等の事務局はお見えでございますか。 この規制緩和小委員会でいろいろと議論になったこと、これは公開が原則であると。実は先日、開かれるということでちょっと顔を出したいと言いましたら、だめです、席がありませんと、こういうことでもう国会議員も大した権限はないんだなと私は思いました。マスコミや何か三十社ぐらい入れるけれども、絶対発言はしないから話だけでも聞かしてくれと言うんですけれども、シャットアウトでありました。 この規制緩和小委員会の性格、権限、そしてそのメンバーはどのような基準で選ばれるのか、そしてなぜ医療問題とか医薬品問題を議論するのに全員素人で専門家が入っていないのかについてお伺いいたします。
○説明員(田中順一君) 行政改革委員会は、その設置法に基づきまして、その大きな仕事の一つといたしまして規制緩和の実施状況の監視をやらせていただいております。 委員会といたしましては、本年四月にその専門的な調査検討を行う規制緩和小委員会を本委員会の長、委員長決定によりまして設置をいたしたところでございます。 小委員会では、規制緩和の推進に関しまして国民の意見、要望を踏まえまして重点的な検討を行い、その調査検討の結果を親委員会でありますところの行政改革委員会に報告をするということになっております。 先ほどから御議論いただいております医療関係の規制緩和項目につきましては、規制緩和小委員会で四月から御議論をいただきまして、国民の意見、要望を踏まえ、小委員会といたしまして規制維持の意見と規制緩和の意見を対峙させて広く国民的な議論をお願いしたいということで個別項目として取り上げた四十六項目の中の二項目の御指摘でございます。したがいまして、現段階でまだ小委員会の結論が出ている段階ではないということは申し上げておきたいと思います。 それで、お尋ねでございますが、小委員会のメンバーにつきましては、行革委員会の本委員会の委員、これにつきまして委員長の指名により二人入っておりまして、それから行革委員会委員長が委嘱をいたしました参与十四人、計十六人で構成をされております。参与につきましては、規制緩和の問題についての幅広い識見と専門的な知識を有する方で、かつ国民的視点から判断できる方を委員会で人選し、委員長から委嘱をしたということでございます。 御指摘のとおり、医療関係の専門家の方は入っていらっしゃいません。その点につきましては、何分にも先ほど申し上げた基準でもって委員長が委嘱をされた人事でございますので、事務局の方でこれにつきまして云々することは差し控えさせていただきたいと存じますが、いずれにいたしましても当委員会の任務を全うするのに足りるメンバーであるというふうに私どもは受けとめております。 もとより、小委員会におきましては、その運営に当たりまして、国民の意見、要望を反映させる、消費者、納税者の立場に立って国民の意見を反映させるとともに、先ほど来御指摘の専門性の確保という観点につきましては留意していただいておりまして、必要に応じまして関係省庁等に対するヒアリングを行うほか、関係団体を含めた公開ディスカッションを行っております。 答弁が長くなって恐縮でございますが、先ほど先生から御指摘のとおり、先般先生からのお申し越し、大変御無礼にもお断り申し上げたわけでございますが、全くキャパシティーの問題で、小委員会の小委員長決定によりまして、狭いところでの公開ディスカッションでございますので、小委員会の審議状況を幅広く国民に知らせることが可能な方で、特定の個人、団体の立場に限定をされない者という観点からマスコミ関係者を対象とするという小委員長決定に基づき御返事させていただきました。大変恐縮でございました。 それで、いずれにいたしましても、先生御指摘の医療・医薬関係につきましても、所管省庁でいらっしゃいます厚生省や関係団体との公開ディスカッション、これは実は十月十九日にやらせていただきましたけれども、医療関係の専門家からのヒアリングを随時やらせていただいておりまして、先ほど来御議論の副作用の問題等もそのディスカッション等を通じてお話をいただいておるところでございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げた小委員会の審議状況の段階でございます。小委員会では、十一月の末、今後の審議状況によりますが、十一月末を目途に小委員会の報告を取りまとめられ、これが本委員会に参りましたら本委員会で十分な御議論をしていただきまして、両議院で就任に当たりまして御承認をいただきました五人の委員の責任でもってしかるべき意見を内閣総理大臣あて提出いたしたい、そのように考えております。
○長峯基君 もう参事官と幾ら議論をしても一緒ですからまた別な席に譲りたいと思いますけれども、ぜひこの問題については厚生大臣が責任を持って対処をしていただきたいと思います。 時間も余りありませんので、医薬分業についてお伺いをいたします。 大体、医薬分業という言葉は日本しかないと。外国はもう医薬分業は当たり前でありまして、医師が処方せんを出し、薬剤師が調剤をする、これはもう当然のことであります。いまだに分業が進んでいない国は日本と韓国、台湾、タイ等でございまして、ヨーロッパ諸国は十三世紀から医薬分業が行われております。 これはおもしろい話があるんですけれども、元の厚生大臣、どなたとは言いません、厚生省の方はこの話は御存じと思いますけれども、ヨーロッパの方に何か視察をされた折に御病気になられました。ホテルにドクターを呼んだ。そうしましたら、ドクターが処方せんを書いて、秘書の方かだれかが町の薬局まで行って薬をとってきたと。これは不便だなということで、ある会合で、薬剤師会の会合でか、薬剤師会の幹部の方が厚生省を訪問なさったときに、日本の医薬分業はいいですね、病院の隣に薬局がある、ヨーロッパに行ったらこういう処方をいただいて薬局まで買いに行かなきゃなりませんでした、こんな医薬分業は不便ですよというようなお話を公的な席でなさったという話があるのであります。 厚生大臣は医薬分業についてどのようにお考えになっておられるか、簡単で結構でございますが、御答弁お願いします。
○国務大臣(森井忠良君) 医薬分業は国民医療の質の向上や医薬品の適正使用に資するという観点から望ましい仕組みであると考えておりまして、厚生省としてもその推進を図っているところでございます。 医薬分業は近年着実に進展しておりますけれども、それは複数の医療機関からの薬剤の重複投与を避けたり、飲み合わせの副作用を防ぐことができる、あるいは患者は処方せんにより薬剤の名前を知り、薬剤師による丁寧な説明を受けることができる等々の医薬分業のメリットがあるわけでございまして、そのメリットをこれからも発揮して広く国民に受け入れられることが重要だというふうに認識をいたしております。 医薬分業のメリットが発揮されるためには、患者が常にかかりつけにしている薬局を育成し、このようなかかりつけ薬局を中心とする面分業体制を確立することが重要でございまして、地域の実情に即して医薬分業を計画的に進めることが必要と考えております。 このため、厚生省といたしましては、面分業体制の確立に向け、必要な薬局数の設定、医薬分業推進のための必要施策等を内容とする医薬分業計画の策定指針を検討してまいる所存でございます。 医薬分業は、申すまでもありませんけれども、より良質な医療の提供に資するものであり、今後とも関係者の御協力を得ながら適正な医薬分業が全国的に一層進展し、地域医療に貢献できるように私としても努力してまいりたいと思っております。
○長峯基君 時間が余りありませんので、ちょっと質問を割愛させてもらいます。 そこで、先ほどちょっとお話を申し上げましたけれども、日本においてはいわゆるマン・ツー・マン分業、病院の隣に薬局をつくる。あるいは門前薬局、大学病院あるいは国立病院、大きな病院の真ん前に薬局をつくる。しかもそれが企業がつくり、薬剤師会がつくり、個人がつくるというように処方せんを目指して乱立してくる、こういう状況があるわけでありまして、これはやっぱり異常な事態だと。ただ、医薬分業が定着していく過程においてはやむを得ないかなという気もするのでありますが、厚生省としては今後面分業に向けてどのような指導をしようとしておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(荒賀泰太君) ただいまのマン・ツー・マン分業とかあるいは門前薬局のような特定の医療機関からの処方せんのみを受け付けるということにつきましては、この医薬分業のメリットが十分に発揮されないものというふうに考えておるわけでございます。このために、この門前薬局に対しましては、これまでも調剤報酬の低減措置等を実施してきておりますが、今後とも特定の医療機関と経済的あるいは構造的、機能的につながりのある場合には厳しく対処する方針でございます。 また、中医協におきましても、医薬品の適正使用を促進するための診療報酬のあり方の一環として、門前薬局に対する対応も含め審議されているところでございます。 厚生省といたしましては、今後医薬分業の質の向上を図るということが重要であると考えておりまして、かかりつけ薬局の育成、あるいはかかりつけ薬局を中心とする面分業体制の定着に向けまして計画的に取り組みまして、関係者の御協力も得ながら、適正な医薬分業が全国的に一層進展するように努力をしてまいりたいと考えております。
○長峯基君 医薬分業についてあと一点お伺いしたいのでありますけれども、平成六年度は八つの国立病院が日本全国でほとんど一〇〇%に近い院外処方せんを出したと。そのために、これは厚生省の御指導でありますけれども、分業率が二〇%を超した、日本で初めて二〇%を超したということでありまして、三〇%に達するともう大変なことになる、受け入れ体制の方もなかなか難しいようでありますが、そこら辺のところを今後全国的にどのように考えておられるのか、また国立病院の今後の院外処方せんの計画というものについてお聞かせいただければありがたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) 国立病院におきましても院外処方せん発行の推進を図っております。平成元年度よりこのためのモデル病院というのをつくりまして、特に院外処方せんの発行推進を図っております。 今、委員が御指摘のように、平成六年度におきましては、院外処方せん発行の一層の推進を図りますために八つの施設で原則として院外処方せんを発行する完全分業、完全と申しましてもいろいろな条件がありますので一応七〇%以上、こういうことでこの八つの施設におきましては一応完全分業を実施したところでございます。こういったことでモデル病院の院外処方せんの発行率といいますものも、平成元年度には九・二%であったんですが、平成六年度には三〇・三%まで伸びてきております。 今後とも、こうしたモデル病院等を中心といたしまして、国立病院におきます院外処方せん発行の一層の推進を図ってまいりたいと思います。
○長峯基君 時間がございませんので最後の質問にしたいと思いますけれども、薬剤師教育の改善についてお尋ねをいたします。 厚生省の二十一世紀の医薬品のあり方に関する懇談会の報告書によりますと、教育問題について、医師については医薬品、薬剤師については医療に関する教育研修が不十分である、MRの教育研修体制の不備等教育研修に問題がある、また臨床薬学、臨床薬理学、薬剤疫学、薬物動態学、医薬品情報学等医薬品の適正使用と関連の深い領域における学問的研究の立ちおくれが問題であると指摘をされております。 今の薬学教育ではどうかなと、教育期限の延長等も検討されていると聞いておりますが、この問題は時間がございませんので文部省の方だけちょっと御答弁をいただきたいと思います。簡単で結構です。
○説明員(木曽功君) お答えいたします。 先生御質問の臨床薬学教育の充実改善の問題でございますが、この問題につきましては文部省としても非常に重要な問題というふうに認識をしております。 このため、専門家から成る薬学教育の改善に関する調査研究協力者会議を平成五年に設けまして検討を進めてきているところでございます。この中で医療薬学を重視したカリキュラム改革が非常に重要であるということ、また大学院の整備を進めるなど薬学教育の改善充実を図ることが重要であるというふうに中間まとめで提言されております。 いずれにいたしましても、年限問題につきましては、教育上の観点、カリキュラムの内容等非常に検討すべき問題が多く、またそれ以外にも行財政の問題等、数々の問題がございます。いずれにいたしましても、これらの問題につきまして慎重に検討する必要があるというふうに思っております。 以上でございます。
○長峯基君 厚生省、文部省も薬剤師教育の改善の重要性については一致していると思うのでありますが、教育年限の延長も含めて建設的な協議を続けていただきたいことを要望して、質問を終わります。
○山本保君 新進党の山本保です。私は、実は昨年まで厚生省に勤めさせていただきまして子供の福祉の関係をやらせていただきましたが、このたび愛知県から当選させていただきました。これからも児童福祉またお年寄り、障害者の福祉のために尽くさせていただこうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。 そこで、きょうは子供の問題についてでございますけれども、時間のこともあり、私は特に恵まれない子供たちについて、少し細かい話になるかもしれませんが、行政的な対応また改善をお願いしたいという諸点についてお聞きしたいと思っております。 まず最初に、福祉行政全般の方向というようなことについて、できれば大臣にお願いしたいと思っておるわけでございます。 といいますのは、まさに憲法二十五条が定めておりますように、「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」というこの条文をもとにして発達してきた我が国の福祉行政でございますけれども、きょう午前中の大臣のごあいさつにもございましたように、心豊かに安心して生きていく権利、またその人が生きがいを持って生きていく、こういうようなもっとより高い権利追求というようなことに変わってきているんじゃないかと思うわけでございます。 また、私の専門の子供の方から申し上げますと、例えば子どもの権利条約などにも、子供たちがマキシマムに、最大限に発達していく、発展していく、こういう権利が新しく定められたところでございまして、現在、より積極的な子供の福祉また家族に対する福祉政策の向上ということが課題になっております。 まず大臣、子供の数が減りつつあり、また家族形態が大幅に変化している現在、どのような方針で子供の福祉に対してこれから進められていくのか、簡単で結構でございますが、お願いいたします。
○国務大臣(森井忠良君) 少子化の進行等に対応いたしまして、次代を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを積極的に展開することが重要な課題であるというふうに認識をいたしております。 このため、昨年末、厚生、文部、建設、労働の四大臣で保育、雇用、住宅、教育等、多様な分野にわたる御存じのエンゼルプランを策定いたしましたところでございまして、その着実な実施に現在努めているところでございます。このエンゼルプランを受けまして、厚生省といたしましても緊急保育対策等五カ年事業を策定いたしまして、児童健全育成対策、母子保健対策の推進等を進めているところでございます。 今後とも、関係省庁と連携をとりながら、総合的な子育て支援施策を進めてまいる覚悟でございます。
○山本保君 どうもありがとうございます。 ぜひ推進をしていただきたいと思いますし、余分なことかもしれませんけれども、一般に子供の健全育成といいますと社会や国家のための人材形成というような観点が非常に強調されまして、これは確かに教育基本法などにもそういう考え方があるわけでございます。ただ、児童福祉といいますのは、それとはまた別に、子供本来の力を信じ、その方を伸ばしていく、またその子供を育てる親御さんを支援するという観点が非常に重要なものでございますので、どうぞその辺についてもお心配りいただきたいと思っております。 続きまして、きょう文部省の方にも来ていただいておりますので、ここでは、特に学校における諸問題が最近起こっていると伺っておりまして、受験戦争や、また画一的な教育がその原因ではないかとも考えられるわけでございますけれども、どのような問題があり、どんな対応をされているのか、かいつまんでで結構でございますが、お話しいただけますか。
○説明員(加茂川幸夫君) お答えをいたします。 現在、学校教育が抱えております問題は各種あるわけでございますが、とりわけ憂慮すべき事態と受けとめておりますのは登校拒否の児童生徒数が年々増加をしておる傾向にあることでございます。速報値でございますが、平成六年度間で三十日以上学校を欠席した児童生徒数は小中学校を合わせて約七万七千人に上るなど、憂慮すべき事態になっておるわけでございます。 また、いわゆるいじめ問題につきましても、昨年末大変痛ましい事件が起こった後なお数が減っていない。もしくはいじめが関係したと考えられまする自殺の報道等ございまして、これも私ども憂慮すべき事態だと受けとめておるわけでございます。 登校拒否、いじめの問題、いずれの問題の解決につきましても、学校、家庭、地域社会が一体となって取り組む必要があると考えておりまして、特に学校におきましては深い児童生徒理解に立って、一人一人の子供が生き生きと、しかも充実した学校生活を送ることができるような指導に努めてまいりたい、そういった学校の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○山本保君 ぜひ、子供たちが楽しい、また充実した学校にしていただきたいと思っておるわけでございます。 今お話しになった中で、まずきょうは登校拒否について少しだけお伺いしたいと思っておるわけでございますけれども、厚生省の方ではどのような対応をされているのか、お願いいたします。
○政府委員(高木俊明君) 登校拒否の子供の数というのは近年増加傾向にあるわけでございます。厚生省としましても、適切な対応が必要であるということで現在までいろいろな対策を実施しておるわけでありますけれども、とりわけ児童相談所あるいは養護施設などを活用いたしまして、例えば大学生のボランティアを児童の家に派遣していろいろ悩み事を聞いたり、あるいは相談に乗ってあげる、そういったような事業、あるいはまた児童相談所の一時保護所というのがございますけれども、こういったところに宿泊をしまして生活訓練等を行う、こういったような事業をやっております。 また、情緒障害児の施設におきましては、家族ともども家族療法というような形で指導を行うというようなこともやっておりますし、またさらに養護施設におきましては不登校児につきましての指導というのを行っております。 また、そのほか県レベルにおきまして、関係機関で構成しますひきこもり・不登校連絡会議というようなものを設置していただいて地元における対策というものを進めていただく、こんなようなことを実施しているところでございます。
○山本保君 新しい対策がいろいろ出てきている、それについて努力されているというふうに伺いました。 そこで、一つだけ、ちょっと御注文といいますか、お願いがございます。それは、今お話の中にありました情緒障害児の、正式には情緒障害児短期治療施設と言われている施設でございます。児童福祉法の中でも最も新しい施設で、またこういう問題に対する一番専門性の高い施設でございますが、なかなか設置が進んでおりません。 しかし、実はこの法律を見ますと、法律の中にこの施設がおおむね十二歳未満の児童を対象とすると書かれておって、先ほど文部省の方からもお話ありましたように、中学生というようなことを法律条文からは入れない、こういうところに問題があるんじゃないかという気がするわけでございます。 これについて見直しを御検討いただいているのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(高木俊明君) 情緒障害児の短期治療施設でございますが、今おっしゃいますように、法律ではおおむね十二歳未満の児童を対象とした施設ということになっておるわけでございます。 ただ、実態としましては、現在、中学生の方の入所というのが非常にふえておるわけであります。また、その中でも中学生が六割ぐらい占めておるわけでありますが、こういった実態を踏まえまして、この施設のあり方につきましても検討が必要だということで、昨年の二月に中央児童福祉審議会の部会で御検討いただいた結果の意見具申をいただいておるわけでありますけれども、この年齢要件も含めまして見直しを検討してはどうかということでございます。 ただ、まだそのほかの点につきまして、必ずしも一致した形の意見具申ということになっておりませんので、私どもとしてはこの施設のあり方について今後引き続き検討していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山本保君 何か厚生省が合法的にといいますか、違法行為をやっておるというようなことになってしまうのかもしれませんのですけれども、子供たちのために許されるとは思いますから、ぜひここは柔軟にもっと積極的に対応していただきたいと思っております。 次に、もう一つ、古い施設でございます教護院という施設が明治三十三年に感化法という法律によってでき、ことしでちょうど九十五周年でございますけれども、この施設、時間もありませんのでちょっとこちらで説明させていただきますが、今の法律によりますと、不良行為をなし、またはなすおそれのある児童を入れるというふうに書いてございます。ここだけ読みますと、何か非常に悪いことをした子供を罰則的に入れる施設である、言うならば少年院よりももう少し軽い子供を入れるところであろうというようなイメージがつきまとっておりますけれども、歴史的に見ましてもこの施設は児童福祉施設のまず基本ともいうべき施設でありまして、家庭に問題があり家庭的な環境がよろしくなかった子供たちがいろいろな問題を起こした、であるからゆえに家庭の愛情をまず第一に与えようではないか。また、この子たちは社会適応といいますか、社会の中に自立していくというところで失敗しているのであるから具体的な社会的な自立の訓練、教育を行おうではないか、本来こういうふうにつくられた施設のはずでございます。 なかなかその辺が、この表現も含めて、もう既に九十五年前のといいますか、正確にはこの不良行為云々は明治四十年代にできておりますけれども、しかしこういう古い形で残っているということについて私は改正をお願いしたいと思っているわけですが、いかがでございますか。
○政府委員(高木俊明君) 教護院につきましては、今、先生がおっしゃいましたような経緯でできておるわけでありますが、基本的には生活指導あるいは学科の指導、職業指導、こういったものを通じて児童が健全な社会生活を営むのに必要な人格の形成等を図るということでございます。 ただ、今日、教護院の実態等を見ますと大分変わってきておるわけでございます。子供が自立したきちっとした社会人に育つように、こういったような観点から教護院についてもやっぱり考えていく必要があるだろうというふうに思いますし、今後私どもとしましてもそのあり方も含めて検討していきたいというふうに考えております。
○山本保君 まさに現在でいえば、正式な施設ではありませんけれども、自支援助ホームというようなものを民間の方が一生懸命やられているわけでして、まさに教護院というのはそういう意味での自支援助ホームであるというふうに性格づけをきちんとすべきではないかと思っております。 ただ、今お話ありましたように、先ほどの施設とも絡めて施設全体の位置づけというのが非常に難しいということで時間がかかるというお答えだと思いますが、実は教護院にはもう一つ教護院だけに非常に特徴のある、また時代おくれの規定がございます。それは教護院では学校教育を行うことができないことになっておりまして、そのかわりに教護院長が教育を行ったその結果は学校の卒業と全く同等の効果を持つという法律がございます。これは昭和八年の少年教護法という法律ができたときにできた、もう既に六十二年前の条文がそのまま入っております。 考えてみますと、六十二年も前、まだまだ学校教育全般が整備が途中であり、また幅広い教育、多様な教育というものはまだ望むべくもなかったときに、教護院に対して、当時の教護院のすぐれた状況に着目してだと思いますけれども、その子供たちに同等の教育を与えるということを当時文部省がやられたと。私はこれは英断であると思いますけれども、しかしその条文だけがずっと残っておりまして、今はどうなったか。今ほとんどの子供が学校教育を受ける状況になっているのにかかわらず、教護院においてはこの条文があるがゆえに学校教育を受けられないということになっておるわけでございます。 この辺についても私はぜひ早急な見直しをやっていただきたいと思うわけでございますが、これについてはいかがでございますか。
○政府委員(高木俊明君) 教護院における学校教育の問題でありますけれども、現在、例えば教護院の中に分校の形あるいは分教室の形で学校教育を受けるということは現実には幾つかの教護院で行われておるわけでございます。ただ、そういった形をとっていないで、教護院の中でそれぞれ学科指導の中で教育をしているというところも多いわけでございますけれども、私どもとしましては、教護院においてもやはり学校教育というのをできるだけ受けられるようにしていく必要があるだろうということで、かねてからそういった方向で指導をしてきておるわけでございます。 ただ、現実にはやはりそれぞれの教護院の中における子供の状況、あるいはまたそれぞれの県における教育委員会等々の関係機関との関係、こういったものとの調整も必要でございますし、そういった意味では関係者の理解を得ながら実現に向けて努力をしていきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
○山本保君 これを実現するのにさまざまな問題があるということはおっしゃるとおりだと思いますけれども、今問題となりますのは、子供の教育を受ける権利とか子供の人権という思想がこれほど皆さんに認められてきたときにこういう法律条文があって、つまりこのような子供たちに教えられるような技術がないわけでもない、またそういう場所がないわけでもない、全く六十二年前の状況につくられたにすぎないわけでございます。こういう法律を変えるというような、法的な枠組みを変えるということでございますので、ぜひまずその方針を明らかにした上で、細かいことについては文部省ときちんと一緒に協議していただくのが筋ではないかと思うわけでございますが、大臣、どうでしょうか、このことについて所感をお願いします。
○国務大臣(森井忠良君) 非常に傾聴に値する御意見だと思っておりまして、古い条文が残っていることについては私もきょう伺ったわけでありますから、さらに十分な検討をさせていただきたいと思います。
○山本保君 ありがとうございます。法律改正のことですから大臣にお聞きしたわけでございます。 それでは、次に移らせていただきまして、今度は一般的に家庭に恵まれない子供さんに対する対応について、そのプロセスについて少し細かいことを御質問させていただきます。 特に、最近新しい問題としまして、家庭における保護者による児童の虐待というものが新聞などでよく報道されるわけでございますけれども、この辺につきまして厚生省ではどのような実態をつかみ、どういう対応をされているのか。よろしくお願いします。
○政府委員(高木俊明君) 児童の虐待の問題でありますけれども、これは私どもとして直接的に把握しておりますのは、児童相談所等における相談という格好で接するわけでございますけれども、そういった意味で見てみますと、近年かなり増加傾向にございます。平成六年度の全国の児童相談所で取り扱った件数が約二千件近くでございまして、例えば平成二年ごろと比較いたしますと八割近い伸びが見られます。現実には、これは相談件数でございますから、実態はこれを相当上回る状況にあるんじゃないかというふうに認識をしておるわけでございます。 そういった意味で、厚生省としましては、児童の虐待のための対策、これをいろいろ講じていかなきゃならないということで考えておるわけでございますが、例えば現在やっておりますのは、養護施設等におきまして、それぞれ家庭における在宅支援というようなことで、それぞれの虐待問題等について関係機関と調整を図りながら対応していくというようなことをやっております。また、来年度に向けましては、虐待関係につきまして若干予算要求もさせていただいている、こんな状況でございます。
○山本保君 これは局長よく御存じだと思いますけれども、まだまだ虐待というものが実は定義自体も余りはっきりしておりませんで、各県ごとの発生というものを見ましても差があるなど、またこういう現場で担当しておられる方のお話を聞きますと、電話相談などを受けてもまず八割以上、大半は育児不安というものであってそれほど、手厚いといいますか、緊密な人間関係で安心をしていただければ大体大丈夫なんだと。ただ、ほんの少しだけれども、非常に危ない、繰り返し身体的また性的な暴行をするというような例があると言われておりますので、どうぞこの辺についてもこれからもきちんとやっていただきたいと思うわけでございます。 そこで、一つ具体的なお話ですが、東京や大阪、また最近では愛知県に虐待防止といいますか、そのための電話相談や、またいろいろアドバイスをするような民間の運動ができております。これらについてぜひ厚生省としてはその意味、効果を理解していただいて、御協力また応援をしていただければと思っておりますので、これは今お願いということで申し上げます。 次に、このような子供さんたちに対しましてどういう対応をするかというときに、私は日本の児童福祉の基本は非常におもしろいといいますか、親に対してきちんと支援をするというものであると思うわけであります。ただ、実際にはこれまで一番困っている子供の保護だとか収容ということが非常に重要になって事実上なかなか難しかったかもしれませんが、最初に大臣おっしゃいましたように、まさに子供の数が減ってきて家庭問題となったときに、ぜひこれから家族に対する支援という観点を充実させていただきたいと思っているわけであります。 それに関連してお聞きしますが、まず子供さんを保護し、そして施設に入所させる、きょう午前中にも中島先生の方からお話ございましたが、それとの関連でございますが、この場合、親の意に反してこういう入所措置をとってはならないという条文がございますが、これについて厚生省はどのような運用といいますか実際を考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(高木俊明君) やはり、子供の場合には親権者である親御さんとの関係というものは非常に大事でございますから、そういった意味で子供を保護する等につきましても、当然親権者である親とも十分話し合いをしながら適切な対応をするということが一番妥当だろうというふうに思うわけでございます。 ただ、児童福祉法はそういった中でやっぱり緊急性がある場合等については親の承諾等と関係なく一時保護することはできますし、あるいはその際、また引き続き親のもとに帰すことがどうも適当ではないという場合には、家庭裁判所の承認を得まして施設等に保護することができるような手だてがございます。 いずれにしましても、やはり児童が幸せに育つという意味では親御さんとの関係、家庭との関係、これが最も大事でございますし、その関係を考える場合に、強制的に切り離すとかそういうようなことよりも、十分親御さんの理解を得て、そして対応していくということがベストだと思っておりますので、この問題についても私どもそのような観点から従来から対応してきたところでございます。
○山本保君 ただ、実際に現場の声などを聞きましたときに、例えば先ほど触れました教護院入所というようなときに、実際には悪いことをしたのだから当たり前だろうというようなことで、親にも本人にも何もわからないままに、気がついたら教護院の門の中にいたというような例も間々聞くわけでございます。 といいますのは、以前から厚生省のこの条文についての解釈などを見ておりますと、反対があったらとってはならない、反対がなければとってもいいんだというような意味でとられるような表現がございました。親に説明する場合、詳しく説明すればするだけ親としてはいろんな疑問点が出てくるわけで、それを説明しなければなりませんのに、当初から反対が出ないようにしようというような説明であれば全く福祉の本義にもとるのではないかと思うわけでございます。ぜひこの場合の説明というのを、一般的に現在進められているのを見ますと、費用の点であるとか、またはどういう類型の施設に入れるかという程度の説明というふうになっております。こうではなくて、その子供さん一人一人の今後の処遇方針、処遇内容等について具体的に説明するようなことをお願いしたいと、ひとつここでお願いを申し上げます。 次に、先ほど局長もおっしゃいましたけれども、強制的にでも、親の意に反してでも裁判によって入れることができるわけでございますが、ただこれは家庭裁判所の承認によるわけでございまして、児童福祉としての本来のサービスとはちょっと異質なサービスでございます。その場合、児童福祉としての本来のサービスは何かといいますと、子供さんをしっかり育て上げることであり、同時にその親御さんに対する支援をきちっとすることでございます。 特に、子供が施設に入った場合、入れてしまえばおしまいというような感覚がなきにしもあらずでありまして、こういう親に対する支援というのは児童福祉法の二十七条一項二号に、保護者に対する指導、表現はちょっと古いですけれども、そういう条文がございまして、都道府県が責任を持って親に支援をするという条文がありますのに余り使われていないようであります。 この辺について、まず二十七条の二号措置についてどの程度使われているか、おわかりでございましょうか。もし御存じでしたら数字を挙げていただければと思うんですが。
○政府委員(高木俊明君) 具体的に二十七条一項二号に基づいた保護者に対する指導というような形でのデータはちょっと手元にございません。 ただ、実態としまして、児童相談所における児童の状況等につきましては常時その把握をし、またその場合に必要な親御さん、保護者に対する指導というものは非常に重要でありますから、そういった意味で児童相談所も親に対する指導というものも当然織りまぜながら対応しているわけでございまして、具体的な件数を数え上げたわけではありませんけれども、現実にはそういう格好の指導が行われているというふうに理解をしております。
○山本保君 実は、児童相談所がこういう場合行うサービスとしては二種類ありまして、言うならば一つは親の任意に任せて、どうぞ相談に来てくださいという形のサービスと、また今申し上げていますのは、これは知事の権限できちんとその内容についていろんなシステムをつくって、そしてまあ言うならば強制的でありますけれども親に対してサービスをする、こういう二つの方式があるわけですけれども、私が注意しておりますのは後の方の方式がほとんど使われていない。 これに対して現場からは、これは行政処分であるから非常に強圧的、強権的なイメージがあるので使いたくないというような文章もあるわけでございますが、これなどは明らかに取り違えでありまして、まさに親に対してそういうサービスをするということが枠組みが決められるわけであって、その中身自体が強権的であるとかお説教であるということは全然違うことでありますのに、そのことがどうも取り違えられているようです。 ですから、私はぜひお願いしたいのは、施設に入っている子供は当然もとの家庭へ復帰しなければならないわけですから、入っている子供については基本的にその親に支援をするこの二号措置をとっていただきたいということ。また、先ほどオウムのお話がございましたが、例えば五十数例保護者等へお帰しになった、こういうような場合は、当然ある一定期間帰ってからその親に対して、また児童に対して児童相談所は責任を持って、極端に言えば毎日のように通ってその状況を把握しなければならないんじゃないかと思うわけです。 これは新聞記事とかまた専門家の話を聞きましても、出したくなかったのに出した、一月たって行ってみたら親子ともいなかったとか、また虐待が繰り返されていたというようなことがあり、このことが一般的にはだからもっと早く親権をとめるようにすべきだという議論がされるようになるんですけれども、しかしそこはちょっと筋がまた違っておって、そのときこそまさに児童福祉司がこの二号措置をきちんととってやるべきではないかと考えているわけです。 そのことはそういうふうに申し上げますが(実はもう一つここで具体的にちょっとお伺いしたいのは、この二号措置がとりにくい理由の一つに、法律条文を見ますと、この二号措置を実際に行う人は児童福祉司さんなどの公務員とそれから児童委員という民生委員さん、これだけに限定されておりますので、言うならば非常にお忙しい方たちがそのように毎日行くようなことはとてもできないということから逆に使われないということじゃないかと思うわけです。 地域にはもっと福祉の専門家がおられます。特に、入所していた、または入所している場合などはその施設の施設長さんとか乳児院の院長さんとか養護施設の施設長さんとか、またはベテランの職員であるとか、こういう方がたくさんおられますのに、法律上はこれが全然出てこない。私はこういう方たちにぜひ家庭支援の参加、協力をいただくような法的な何か対応をお願いしたいわけですが、いかがでございますか。
○政府委員(高木俊明君) 今、先生の御指摘はごもっともでございまして、私もやはりこういった児童の問題を考える場合に、ただ児童相談所も相談に来るのを待つだけじゃなくて、積極的に出ていって、そしていろんなアドバイス、指導等を行っていく、これが非常に重要だろうと思います。 その際に、今おっしゃいましたように、例えば養護施設を初めとして、あるいは児童委員とかいろいろございます。そういった児童関係の方々がそれぞれ連携をとりながら、そういった意味ではダイナミックに対応していくということは非常に重要になってきておると思いますし、とりわけ先ほど来出ております登校拒否の問題とか、あるいは虐待の問題もそうでありますけれども、こういった問題についてやはり手を差し伸べていくといった意味では相当幅広い関係者の協力がなけりゃできませんから、そこら辺のところの連携を十分とりながら対応できるような方向というものを関係者ともども今後相談をしていきたい、こんなふうに考えております。 ただ、それを法的にどう位置づけていくかということについてはこれまた別途いろいろな検討を行わなきゃならないと思いますし、まずは実行においてきちっとした対応をしていくということが先決じゃないかというふうに考えております。
○山本保君 どうぞよろしくお願いいたします。 そこでもう一つ、もう一押しお願いしたいんですが、実は今何度も出てきましたように、まさに局長がおっしゃったようなそういう仕事を民間の方も含めてグループでやっていく、この場合に、実はキーパーソンともいうべき中心の専門家が児童相談所におられる児童福祉司さんという方でございます。一千名以上の方がおられるわけでございますが、なかなか大変な仕事だと思います。 考えましても、この方たちは子供の育成や問題解決の専門性、親に対する指導という専門性、また今のいろんな専門の多様な方たちに対するコーディネート、リーダーシップというような専門性と非常に高い資質、また実務経験が要求されるのではないかと思っておるわけですけれども、これは児童福祉法十一条の二にその資格が書いてございますが、どうも非常に古いんじゃないかと思っておるわけでございます。 この児童福祉司さんの現状について、どのような状況なのか、お示しいただけますでしょうか。
○政府委員(高木俊明君) まず、先生は専門家でございますからいろんな観点からお考えだと思いますが、現在の児童福祉司の資格、これはまさに児童福祉法の十一条の二に列挙されておるわけでございます。それぞれ一定の資格要件を付しておるわけでありますけれども、その中で最後の方に、例えばそれぞれの資格要件に準ずる者、そして児童福祉司として必要な学識経験を有する者というような条文等もあるわけでございまして、そういった意味ではもうちょっときちっとした資質というものを要求したらどうかというお尋ねじゃないかと思いますが、この辺につきましては、私ども現行法が実態に合っていないということの認識はございませんで、むしろ現実に働いておる児童福祉司の方々の資質の向上をどうやって常に図っていくかというふうな問題として考えておるわけでございます。 そういった意味では、きちっとした研修をやっていくなり、そういったような対応をこれから充実していかなきゃいけないというふうに考えておりまして、この資格要件そのものを今直ちに改めるということは考えていないわけでございますけれども、御趣旨につきましては十分理解できますので我々もその線に沿って努力をしていきたい、こんなふうに考えております。
○山本保君 結論まで先に出していただいてお礼を申し上げますけれども、この状況について児童相談所長さんたちの会の資料も見せていただきましたら、その約半数を超えるぐらいの方が大学で教育学や心理学を勉強したという資格でなっておられると。 これはきょうも午前中、清水委員の方からもいろいろお話があったと思いますが、この法律ができましたのは昭和二十二、三年のころでございまして、その当時大学でそういう勉強をされた方というのと、これだけ高学歴化が進んできた現在、そういう資格では、今で言うならば当然大学院程度を受けているような方でなければだめなんじゃないかと思うわけでございます。 ですから、ぜひここでそういう意味での法改正をお願いしたいし、また先ほど申し上げたような実はデスクだけでできるような仕事ではないわけでございますので、まず実務経験というものについても厳しく見ていただくというようなことを、この資格だけではありません、ほかにも児童相談所長さんなどもございます。児童福祉関係また福祉関係の職員の資質の向上という面でぜひ総合的な見直し検討をしていただければと思っておるわけでございます。 それで、今、最後に研修のことをおっしゃいましたが、そういう法改正ができる前にやるべきこととすれば研修をしなければならないわけですけれども、この福祉司さんは県の職員ということになりますから各県で研修していただく。私は、厚生省としてどういう授業内容といいますか、科目について何時間ぐらい必要であるというような標準といいますか、モデルというものを示すということが必要じゃないかと思うわけです。 実際いろいろ聞いてみますと、三日程度で終わっている県もあれば一月やっているというところもあったりする。児童福祉司さんといっても、ダウン症の子供を見て、一体この子は何ですかなどと言ったということも聞くわけでございます。きょうのお話の中にありました一番中心の方たちでございますので、厚生省として研修の概要について示すということについてはいかがでございますか。
○政府委員(高木俊明君) 身分的には都道府県の職員ということになるわけでありますが、まさにおっしゃいますように、それぞれ充実した研修、またそのガイドラインといいますか、そういったものを厚生省としても考えていく、これは大事なことだと思いますので、私どもとしても検討をさせていただきたいと思っております。
○山本保君 そこで、この分野についての最後の質問といいますか、最後の問題になるわけでございますが、既に先ほど局長がおっしゃられましたように、このように手厚くまた親のために、子供のために一生懸命児童福祉司がサービスをしたとしましても、やはりオウムの問題などで、または虐待を繰り返す親というようなことからどうしてもそれを認めない、または確信的にそう思い込んでいる、子供の福祉を侵害しているとは思えない親というのがあるわけでございまして、こういう場合、児童福祉法では児童相談所長が家庭裁判所に対して親権喪失の宣告を請求することができるというふうに定められているわけでございます。 この辺について、どの程度それが使われているのか。お聞きしましたら、どうも福祉の方で知っているということでございますが、局長、お答えいただけますでしょうか。
○政府委員(高木俊明君) 児童相談所長が親権喪失の宣告を請求することができるようになっておるわけでありますが、昭和六十年ごろからこの十年ぐらいの間を見てみますと、全体として九件ほどその請求をいたしております。 それで、その中で現在まで私どもが把握して承知しているものとしましては、承認が得られた件数が合計六件となっております。ただ、三件が承認が得られなかったかどうかということについては、申しわけありませんが正確に把握しておりませんが、状況としましては今申し上げたような状況でございます。
○山本保君 そこで、法務省の方にお聞きしたいわけでございます。 昨年、一昨年と同僚の浜四津議員の方から、この親権喪失という概念といいますか定義が、親権というのは非常に幅広いものであり、こういうものをまた喪失というような、いかにも永続的に永遠に永久的にというようなイメージ、実際にはそうじゃないわけですが、しかしこういうものはなかなか使いづらいのではないかと。例えば、一定期間のみ停止させるというふうなことは法律的に可能ではないか、またそれを検討というお話があったときに法務省の方からは検討したいというお話があったと思うんですが、どうなったでございましょうか。
○説明員(小池信行君) 委員御指摘のとおり、現在の親権喪失の制度は永久的、絶対的なものではございませんで、親が親権喪失事由がないようになった、そういうふうに態度が改善された、子供を監護する資格を回復したというふうに認められた場合には取り消しがいつでもできるわけでございまして、この制度を適切に運用すれば親権を過度に制限することなく子供の保護を図ることができるというふうに考えております。 御指摘の一時的な制限、停止の制度でございますが、これは恐らく現在の親権喪失の制度はそのままにしてもう一つ別の体系の制度をつくったらどうかと、こういう御指摘かと思いますが、そうなりますと、この二つの制度の関係をどうするのか。特に、今は親権喪失の事由は親権の乱用とそれから著しい不行跡でございますが、その一時的な停止にふさわしい事由というのをどういうふうに構成するのか、これはかなり難しい問題がございまして、この辺につきましては慎重な検討が必要であろうというふうに考えております。
○山本保君 もう時間が来たようでございますが、今お話ありましたように、確かに難しい問題だと思います。私、いろいろ教えていただいております前東大の米倉教授などは、この条文だけで最も厳しい喪失が定められている以上、それに至るまでの一定期間については当然この法律は解釈上できるんじゃないかという説をとっておられるようでございます。ただ、いろいろその辺は難しいということはお聞きしておりますので、どうぞその辺についてもぜひ積極的にまた検討いただければと思っております。 以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○水島裕君 私は医学界ではかなりの古株でございますが、議員としましては全くの新人でございますので、ひとつよろしくお願いいたします。それから、きょうの審議が今後のよりよき厚生行政にぜひつながってほしいと念願しておりますので、お答えはどうぞ実行につながるよう、前向きに簡潔にお願いしたいと思います。 それでは、アップ・ツー・デートのことから始めたいと思いますが、エイズ訴訟ということになります。これについては本国会でも随分取り上げられましたので私は簡単にしたいと思いますが、私はかつて八年間中央薬事審議会で働かせていただいた経験がございますので、そのことも踏まえて一、二発言させていただきたいと思います。 医薬品を承認しましたり、またはそれを取り消したりというのは大変難しい。特に今回のようにある決まりを超えていろんな人の意見を聞いて決めるというのは大変難しいということはよくわかっております。ほかの人に比べますと私は厚生省のいろんなことに理解ができる方でございますが、それでも今回の事件と申しますのは、血液製剤の認可、加熱、非加熱の問題でございますが、非常に問題は多かったというふうに思っております。いずれにしましても、このような非常に大きな惨事を引き起こしたわけでございますので非常に重大だと思います。ですから、厚生省はひとつ強い反省の念を持ちまして、謙虚にまた厳粛に和解のテーブルにぜひ着いていただきたいと思います。また、これは関係しました製薬会社についても同様でございます。 それから、私はあえて医師の責任を申し上げたいと思います。もちろん、今回の行政にかかわり合った医師、あるいは他の学識経験者もそうでありますが、血友病を診察していた医師も私は何らかの責任をやはり感じていただきたいと思います。私も、今回の事件とは何ら直接関係はございませんけれども、かって業務行政にも携わったことのある者として、また臨床医の一人として、今度のことを知れば知るほど大変患者さんには申しわけないというような気持ちでいっぱいでございます。 質問も重複を避けるために血液製剤についてのみお伺いしたいと思います。 血液製剤というのは、HIVばかりではなくて肝炎ウイルス、あるいはほかのいろんな未知のウイルスとかいろいろ関係がございますので、この血液製剤の安全確保対策というのは大変大切だと思います。 医学的にもいろんなことが考えられますけれども、荒賀業務局長、厚生省ではどのようなことをお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(荒賀泰太君) 血液製剤につきましては、先生よく御承知のとおり、これはヒトに由来する特別な医薬品でございまして、血友病等の治療に不可欠なものである一方、医学等の最新の知見に基づく安全対策を講じましても完全にウイルス感染等の危険性を排除できない、そういった特殊性を持っているわけでございます。 この血液製剤の安全性の確保対策といたしましては、血友病患者の血液製剤によりますエイズ感染被害の発生を契機にいたしまして、これまでは一つは血液製剤の国内自給の向上に取り組んできておりまして、平成五年には凝固因子製剤の自給をおおむね達成したところでございます。また、肝炎やHIV等のウイルスに対する検査を充実してまいりました。さらに、検査で排除できないウイルス感染を防止するための唯一の方法でございます問診の充実を本年七月から実施したところでございます。 今後さらに検討すべき対策といたしましては次のものを考えておるわけでございます。第一は、血液製剤に関します国内外の情報の収集・提供体制の整備を図ってまいりたいと考えております。第二といたしましては、緊急な対応が必要と考えられます場合の血液製剤の情報提供、回収等の迅速な対応を検討してまいりたいと考えます。また、第三といたしましては、血液製剤の安全性の一層の向上を図るための検査方法の向上でありますとか、あるいは代替製剤等の開発を促進してまいりたいと考えております。 今後とも、血液事業の適切な運営に努めまして、血液製剤の安全性の確保に最善の努力をしてまいりたいと考えております。
○水島裕君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 それでは、臓器移植法案に移りたいと思います。これも重要な案件だと思います。 結論から先に申しますと、私は少しでも早く成立するように、あるいは少しでも多くの人が賛成してもらえるように、話し合えるところは話し合って、一部手直ししてでもこの法案を成立さすということが必要じゃないかと思います。 なぜ成立することが必要かと申しますと、言うまでもなく一部の患者さんの命を救うためには脳死移植というものが絶対に必要でございます。それから、一九九二年の調査ですが、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの合計で脳死移植の数が一万四百ぐらいでございますが、同じ科学技術水準を持ちます日本がそのときはゼロ、それ以後もゼロでございます。また、そういうこともありまして日本から今までに約百人ぐらいの人が外国に脳死移植を受けに行っているということからももう十分おわかりいただけるわけであります。 それではどこを話し合ったらいいかと申しますと、一つが脳死は死であるという問題でございますが、私は医師でございますので脳死が人の死であるというふうに考えておりますし、法案で脳死も人の死ということで全く私個人としては問題がないわけでございますが、慎重派の方々の御意見、感情というのも非常にわかるところがございますので、法案の解釈にやはり一工夫必要なのではないかと思います。 私は、それよりも話し合いが必要なのは家族のそんたくという部分だと思います。脳死状態というのは非常にパニックでございまして、私も臨床医でございますので十分その辺はわかるわけでございますが、そういうときに患者さんも医師の方も脳死についていろいろ説得を受けたり相談するというのはこれは大変酷で難しい問題でございますので、私はやはりドナー本人の意思を尊重するというのが一番だと思います。そのためには、次にも申し上げますカードシステムというようなことを発展させましてスムーズに脳死移植がいくようにするのが第一ではないかと思います。 これは議員立法でございますけれども、この法案をまとめられました森井厚生大臣、何か一言ございますでしょうか。
○国務大臣(森井忠良君) 先生御指摘のように、臓器移植法案につきましては衆議院で審議中でございますが、まだ衆議院を通過するめどが立っておりません。私も非常に心配をしているわけでございます。 もう経過は御存じのとおり、脳死臨調が一定の結論を出しまして、それを受けて臓器移植について取り組むという閣議の決定がございまして、また国会におきましても衆参両院議員によります各党協議会というのをつくりまして、最終的にまとまったのが臓器移植法案でございます。 各党協議会等で議論をいたします場合も確かにさまざまな意見がございました。もっと議論をしようということも含めまして意見はございましたけれども、去年の四月十二日に衆議院の方に提出をして今日に至っているわけでございます。 私の場合は、去る八月八日に入閣をしたものでございますから、今まで提案者の筆頭であったわけでございますが、今外されておりまして、内閣の一員ということになっておりまして、気持ちは焦りながらも、法案の内容について、あるいは審議の仕方について私の口からこうしてくださいということを申し上げる立場にないわけでございまして、ぜひ御理解をいただいておきたいと思います。 ただ、厚生省といたしましては、なるべく早くこの法案を成立させていただきたいと思っておるわけでございまして、もう御存じのとおり、先進国の中で臓器の移植ができないのは残念ながら我が国だけでございます。そして、現実の問題として、患者さんは国内でできないものでありますから、それこそ涙の出るような努力をされて、多額の費用を使って海外で手術を受けていらっしゃいまして、相当高い成功率を見ていることはもう先生御案内のとおりであります。ところが、海外へ出るといいましても、今、国によってはもう外国人まで手が回らない、自国の国民だけだという国もふえてきておりまして、大変私も心配をしておるわけでございます。できるだけ早く衆議院でも審議をして結論を出していただきますようにお願いをしたいと思っております。 たまたま明日、愛知県で衆議院の厚生委員会の第一回目の公聴会をやっていただけるようでございますが、皆さんの御支援もいただきましてこの法律がなるべく早く成立てきますように、また私としても厚生省でできる限りのお手伝いはさせていただきたいというふうに考えておりますので、御理解のほどをお願いいたしたいと思います。
○水島裕君 十の項目についてお話ししたいと思いますので次に移らせていただきます。 次は、カードシステムについてでございます。 ただいまの移植のドナーカードのほかにも医療の分野では緊急に情報を知りたいという場合がたくさんございます。ちょっと考えましても、血液透析とか、あるいはインシュリンを打っている糖尿病の人とか、あるいはステロイドを飲んでいるぜんそくの人等々でございまして、薬の飲み合わせなどもそれに入ると思います。こういう情報を正確に記憶して正しく活用するためには恐らくこのICカードというようなものしか考えにくいんじゃないかと思います。 ただ、こういうICカードというものを国民に便利で実用してもらう、それでできる限り多くの人が携帯するということを考えていきますと、免許証とかクレジットカードあるいはテレホンカード、そういう機能をあわせて持つようにするといいのではないかと思います。 いずれにしましても、私は完全なものとか複雑なものをねらうよりも便利で必須のもの、それでできるだけ皆が使えるものを早く実用化するということが必要じゃないかと思います。プライバシーとかコストのことについても何とかなると思いますので、自治体ではこれはやっておりますけれども、全国規模とかあるいは省庁を越えていろいろ御相談しながら、この辺はどの程度進んでいるのでございましょうか。谷健政局長にお願いいたします。
○政府委員(谷修一君) 今お触れになりましたカード、具体的にはICカード等の普及を図る観点から、昨年の七月に保健医療カードシステムガイドラインというものを厚生省から各都道府県にお示しをしております。この中で、個人が自分の診療歴あるいは投薬歴等の記録をICカードという形でもって疾病管理等に役立てる、そういったような観点からこの保健医療カードシステムというものを進めているわけでございますが、今、先生ちょっとお触れになりましたように、ことしの十月現在で全国の二十その地方自治体において何らかの形で導入をし、試験的に行われているというのが実態でございます。 一方、医療機関側での受け入れ体制ということにつきましては、厚生省におきましては兵庫県の姫路市を中心にした地域におきましてこのICカードを含めた保健医療情報システムの基盤整備のための研究開発というものを行っております。 今後、この情報化の時代に対応すべく研究開発などを通じましてこのICカードの普及に努めてまいりたいと思っております。
○水島裕君 ありがとうございました。 それでは、次に移りまして、私は医薬品とか難病の研究あるいは診療を専門にしておりますので、そちらの方に移らせていただきます。 現在、日本人の平均寿命というのは世界一でございまして、昭和の初期に比べると二、三十歳長くなっているわけでありまして、これは大変インパクトのあることでございます。 なぜこういうことになったかと申しますと、衛生環境の改善というようなこともありますけれども、私は抗生物質を中心とするすぐれた医薬品の開発が最もそれに貢献していると思いますので、国会では医師とか薬が評判悪いようでございますが、やはり薬というのも非常にうまく使えば役に立つということでございます。 私どもシンクタンクを持っておりまして、そこでこういう画期的な医薬品というのはどこで開発されたかと調べてみますと、残念ながらこれはすべて欧米のものなのでございます。 そして、もう一つ日本で問題なのは、画期的なものはないけれども、例えば鎮痛消炎剤とか血圧の薬とかそういうものを調べてみますと、欧米に比べて二、三倍数が多いわけですね。ですから、非常にまねのものが多い。特に一番問題と思いますが、全く同じもの、後発品、いわゆるゾロ品と言っておりますが、そういうのがある物によっては三十も四十もあるわけでございます。 これまでは随分欧米の恩を受けたわけでありますけれども、これからは国際貢献という意味でもすぐれた医薬品の開発を進めていかなければならないわけでございますが、そのためには業務行政を変えていくということが大変重要ではないかと思っております。 それで、質問でございますけれども、第一は現在ありますオーファンドラッグ法、これは今申し上げたことからいっても非常にいい法律だと思いますので、今後引き続きいい、すぐれたものを指定していただきたいというのと、同時にオーファンドラッグに当てはまらないもの、つまり患者数が多いものであっても極めてすぐれているものに関しましてはオーファンドラッグ法に準じて審査のスピードアップとか薬価にメリットをつけるとか、そういうことを考えていくべきではないかと思います。 それに関しまして、現在厚生省の中では創業ビジョン委員会というものをおつくりだと思いますので、その見通しについてもお伺いしたいと思います。
○政府委員(荒賀泰太君) ただいまお話しのオーファンドラッグにつきましては、平成五年十月から制度を設けまして開発の支援を行っております。優先審査を実施して審査期間の短縮を図っておるわけでございます。 それから、画期的な新薬、これは適応疾病が重篤でありまして、既存の治療法に比べまして有効性、安全性が医療上明らかにすぐれている医薬品につきましても、オーファンドラッグと同様、優先審査の対象といたしまして審査期間の短縮を図っておるところでございます。 これまでこれについての該当例はございませんが、先生御承知の臓器移植患者に免疫抑制剤として使用されておりますプログラフ、FK506はオーファンドラッグとして優先審査をされたわけでありますが、このような医薬品でもし適応患者数が多い場合には、これは画期的な新薬として優先審査の対象となるものでございます。 この新薬の薬価の設定におきましては、平成三年の中医協協議に基づきまして、画期的な医薬品について加算を行うなどの措置をとっておるところでございます。また、今後の新薬の薬価設定のあり方につきましては、中医協の場で御検討いただいておりますので、その議論を踏まえて適切に対処していきたいと思っております。 また、お尋ねの創業ビジョン委員会でございますが、画期的な新薬が継続的に開発できますように、研究開発について幅広い観点から検討を今始めております。十月二十三日に第一回会合を開催いたしまして、来年春ごろには報告の取りまとめをお願いしたいと思っております。 今後、国によります先端技術の評価の推進でありますとか経済的なインセンティブのあり方等、画期的新薬の開発促進のための具体策につきまして検討を進めて、その中で優先審査の範囲の拡大とかあるいは薬価基準と研究開発の関係につきましても議論をしてまいりたいと考えております。
○水島裕君 時間の関係で、ゾロ品を抑えたらいいかどうかというのはまた後日お伺いすることにいたしまして、次は臨床試験についてお尋ねしたいと思います。 臨床試験というのは、ただいまのすぐれた医薬品を世に出すためにもぜひ必要なばかりではなく、このごろはいろんな社会問題にもなっておりますし、また来月行われる国際協調会議、ICHの場でもいろいろ取り上げられるわけでございます。この臨床試験をどうしたらいいか、今後はどういう方向にしたらいいかということに関しましては、厚生省と我々治療医学をやっておる者と意見が総論ではほとんど一致していると思いますので、個々のことについて三つばかりお尋ねいたしたいと思います。 そういうことをやっておりますのは、今開かれているんですけれども、臨床薬理学会の委員会でまとめているわけでございますが、その一つとして、今後臨床試験は会社がもっと主体性を持つべきではないか。なぜかと申しますと、医薬品の有効性、安全性というのは最終的に会社が責任を持つわけでございますので、もっと自主性を持ってプロトコルの作成とか、いろいろデータあるいは報告書というのを今後だんだん会社の方に移していって、医師はそれを指導する、あるいはサジェスチョンするというのがいいのではないか、それでないといつまでも会社の責任が中途半端になってしまうということがあります。 第二番目は、やや細かいことですけれども、日本の臨床試験と外国とを比べてみますと、日本はやたら大学とかいろんな病院が参加しまして一施設でちょこちょこと少数例をやるというので、外国からはこれは科学的ではないと言われていることがどうなっているか。 第三点が一番問題かとも思いますけれども、きちんとした臨床試験をやるためには患者さんに、仕事を休んだり、あるいは学校を休んだり、あるいは交通費を使って余計に来てもらったり、いろいろ経済的負担をかけているわけでございますけれども、そのことについて我々は今ほとんど何もしていないわけなのでございます。ですから、お礼というのはよくないかとも思いますが、少なくとも経済的な負担をかけないで済ますように何か工夫はないものかと。 その三点についてお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(荒賀泰太君) まず第一点目の治験担当医師について会社が主体性を持って選ぶべきではないかという御質問でございますが、現行のGCP、医薬品の臨床試験の実施に関する基準におきましては、先生御承知のとおり、治験総括医師という者がございまして、治験実施計画書の作成等治験実施の中心的な役割を果たしておるわけでございまして、この中で治験担当医師の選定にも関与をしておるわけであります。現在検討しております医薬品安全性確保対策検討会におきましても、この治験総括医師の業務が多岐にわたり過ぎておる、GMPに規定されている業務を十分果たしていないのではないかという意見もございまして、この治験総括医師の役割、位置づけを見直すべきとの議論が行われておるわけでございます。 また、先ほどお話のございましたICHで検討されておりますGCP案におきましても、臨床試験の実施主体は治験依頼者、すなわちメーカーである旨の規定がなされておりまして、治験担当医師の選定もメーカーが行うようにされておるわけでございます。 このような状況から考えますと、将来的には治験の実施に対する責任は製薬企業、メーカーが負うことになると思いますが、治験総括医師が中心的な現状から一気に移行するということはなかなか困難がございます。企業の治験管理体制の整備とか人材の育成が進みまして、医療機関におきましても製薬企業からの依頼を直接受け入れる状況が整備されてきて実現可能となるというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、この検討会の検討結果、ICHのGCPに関する検討結果に基づきまして、治験に対する製薬会社の責任のあり方、あるいは業務内容の見直しというものを行ってまいりたいと考えております。 それから、二点目の治験の問題点として一施設当たりの患者数が少ないということでございますが、我が国の治験におきましては、欧米に比べますと、先生御指摘のように、数多くの医療機関が参加する一方で、一医療機関当たりの症例数が三ないし四例という少ない傾向が見られております。このために医薬品の特性というものが十分評価しにくいのではないかという問題が指摘されておるわけでございます。このため、厚生省では、新医薬品の臨床評価に関する一般指針というものを平成四年六月に定めまして、医療機関当たりの最低の症例数として一部十名以上、これは治験薬群十名、対照群十名でございますが、それを示したところでございます。今後とも、適正な臨床評価が可能となりますように、一般指針に基づく治験の実施につきまして指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。 それから、治験に参加していただく患者さんに対します経済的負担等の問題でございますが、現在のGCPにおきましては、被験者、患者に対する謝金とかチケットなど経済的なメリットを与えることについての特段の定めというものはしておらないわけでございます。この医薬品安全性確保対策検討会におきましても議論がなされておりまして、被験者に対して何らかの経済的なメリットを与えることについては、今お話のありましたように、治験による患者の負担増加部分に対して弁償すべきという意見と、それから倫理上好ましくないのではないかという意見の両論が出されておるわけでございます。 今後、幅広く関係方面の御意見も伺いながら、検討会においてさらに議論されることになると考えておりますので、その議論を参考にいたしまして慎重に検討をしてまいりたいと考えております。
○水島裕君 項目が多く、慌ただしくて恐縮でございますけれども、いずれにしましても日本の臨床試験はレベルアップしなければならないということで、一つの考え方としては医師国家試験などにGCPなどの臨床試験関連の問題をたくさん出していただくとすぐ解決しそうでございます。すぐということでもない、徐々にでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(谷修一君) 医師国家試験につきましては、御承知のように医師として備えるべき基本的な知識及び技術の範囲について、医師国家試験の出題基準というのを設けております。この出題基準そのものは社会情勢の変化なり医学、医療の進歩に即して常に見直しをしていくというのが基本的な考え方でございます。 今お話のございました臨床試験あるいはGCPについての出題をしたらどうかということでございますが、現在臨床疫学あるいはインフォームド・コンセントという広い範囲の中でそういうものも多少は含まれておりますが、ただ私どもとしては、何といいますか、一種の年前教育との関係も見ながら今後検討してまいりたいと思っております。
○水島裕君 その年前教育ですけれども、これはやはり臨床薬理学を教えないといけないわけでございますと、その臨床薬理学講座があった方がいいわけでございます。これは文部省の方だと思いますけれども、日本には多分まだ四つしかない。イギリスはこの間聞きましたら全部あるということでありますので、文部省の方としても臨床薬理学講座をふやすおつもりがあるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
○説明員(木曽功君) お答えいたします。 現在、医療現場において薬物療法の重要性が増大するとともに、技術革新により薬理活性が非常に強く、適正な使用方法によらないと副作用の発生する可能性の高い医薬品や使用方法の複雑な医薬品が増加していることから、臨床薬理学の教育研究を行うことは非常に重要であるという認識を文部省としてもしております。 先生御指摘のように、現状としては講座として置かれているものが国立、公立て四講座しかないということでございまして、あと寄附講座という形で四講座でございます。 こういう形でございますので、今後その充実に努めていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○水島裕君 ここで日本の医学研究で少し規制があってやりにくいということを申し上げたいと思ったんですけれども時間がございませんので、ヘルシンキ宣言とかそういうものにのっとって行われればもう少し臨床研究がしやすくなるのではないかと。また次回にでも御質問をしたいと思います。 それから、もう一つぜひ御検討いただきたいのは、これはイギリス、アメリカでもそうなんですけれども、ある製薬企業が持っている医薬品などをいろいろ研究したいと思ったときは通常手に入るわけなのでございますね。日本ではそういうものが厚生省の指導でお渡ししてはいけないということに現在のところなっておりますので、その辺もひとつ今後研究していただければと思います。 それでは難病の研究と診療ということで、研究の方からいきたいと思いますが、ハードの面がやはり日本ではまだもう少し不足しているのじゃないかと思います。国立がんセンター、国立循環器センターなど、国としてのいいセンターがあって診療、研究をやっていることは御存じだと思いますけれども、そのほか難病の特定疾患、アレルギー、糖尿病、それから老人性痴呆、こういうことについては大規模なセンターはまだないわけでございます。ですから、国としてこういうものを建てていただければいいわけでございますけれども、そうじゃなければ助成をするというようなことで、これについてもまた時間の関係で次回お尋ねしたいと思いますが、ぜひ一つだけお伺いしたいことは、御存じかもしれませんけれども、私どもが設立運営しております聖マリアンナ医大の難病治療研究センターは、年間大体十億ぐらいの資金が研究運営にかかっているわけでありますが、それが一言で言いますと民間の資金でやっているわけでございます。 それで、厚生省からも準大型の難病の研究センターというふうに認めてもらっているわけでございますので、今後国立あるいは私立を問わず、あるいは大学、大学病院あるいは一般病院も問わず、そういうところに民間の資金を利用して建物も含めた冠講座あるいは冠センターというものをつくっていく、こういう民間の協力も得て立派なセンターをつくるということになりますと国の予算もそれほどかからないでよい研究ができるようになると思いますので、そういうフレキシブルな何かお考えあるいは予定がおありかどうか、松村局長にもお伺いいたします。
○政府委員(松村明仁君) 委員の御指摘のような国立病院・療養所におきます国立の建物といいましょうか、そういう施設と、それからまたこれに民間資金による研究センターの併設というようなことはなかなか今のところ難しい面もございます。 民間の資金を研究に導入するという御提案につきましては、研究事業の推進にとって大変示唆に富んだものであると考えられますが、国には財政法とか会計法とかいろいろな諸規定がございますので、今後十分検討してまいりたいと思っております。 ありがとうございました。
○水島裕君 ぜひよろしくお願いいたします。 あと、できれば二つぐらいのテーマについてお伺いしたいわけでございますが、一つが難治疾患を中心とした診療の問題、特に患者側に立った御質問をさせていただこうと思います。 患者さんが大学病院、大病院にしろ個人病院に行くにしろ、その病院にどういう専門家がいるかというのが患者さんにとっては非常に重要な情報になるわけでございます。それが診療科名の標榜ということになるわけでございます。昭和五十三年まで議員立法あるいは医道審議会でもって三十三の診療科目を決めていらっしゃいますが、その後十七年間ふえてないわけでございます。私はこの辺で幾つかふやした方がいいと思うんです。 どういうものをふやせばいいかと申しますと、一つが患者数が非常に多くて患者さんが標榜科を希望しているということが第一。診断が比較的簡単で間違えない。それから第二が治療にある程度の専門知識が必要であるということでございます。 私の専門に近いところで考えてみますと、これは専門に近いから例として申し上げるので、専門に近いところを要望しているというわけではないので誤解のないようにしていただきたいと思いますが、リューマチとかアレルギーとか糖尿病といったものが挙げられまして、これらはそれぞれの学会でもって認定医もつくっているわけであります。患者団体も強く要望しているわけでございます。私が顧問をしておりますリューマチ友の会、これは二万一千人友の会の会員がおります日本のリューマチの患者の団体でございますが、三十年間ずっとこの標榜を言い続けているわけでございます。ですから、この辺で何とか患者さんのために幾つか標榜科をふやしたらどうかと思います。 また、こういうことが進まないのは何がネックになっているのかということを考えるわけでございます。標榜科が多くなりますと、とのお医者さんが標榜するかということにいろいろ問題があると思いますけれども、私は差し当たり自由標榜にしまして、それで数年のうちに医師会と医学会がよく話し合ってこの問題を決めていったらと思いますが、特に今後の予定などにつきまして健政局長からお答え願いたいと思います。
○政府委員(谷修一君) 御指摘の診療科名あるいは標榜科の追加の問題につきましては、現在医道審議会の下に診療科名標榜専門委員会というものを設置いたしまして検討をしていただいております。 それで、年内を目途に現在専門委員会では今まで御要望いただいている関係団体等からのヒアリングをまず行いたいというふうに考えております。そのヒアリングを受けた結果を踏まえて専門委員会としての意見の取りまとめを行っていくというのが現在のスケジュールでございます。 なお、広告できる診療科名、標榜できる標榜科名の追加が仮に行われた場合については、診療科名の自由標榜という考え方は今後とも堅持をしていきたいというふうに思っております。
○水島裕君 そうすると、今のままでいきますと来年ぐらいは何とかなりそうでございましょうか。
○政府委員(谷修一君) ヒアリングまでのスケジュールはことしいっぱい一応決めておりますが、それを踏まえて来年に入って具体的な意見の取りまとめを行うということで、そこの終わりの部分はまだちょっとはっきりいたしておりません。
○水島裕君 ぜひよろしくお願いいたします。 それでは、最後に将来に向けて少し明るい話題でも提言させていただきたいと思います。 いわば医学のディズニーランドに当たるようなメディカルランドというのをつくったらどうかというのは私ばかりではなくて何人かの方がおっしゃっていますけれども、私のメディカルランドの目的あるいは機能というのは次の五つでございます。一つが歴史も含めた医学の全部がわかる博物館のような機能を持っているもの。それから第二が、これから二〇一〇年になりますと郵政省でも先ファイバーのネットワークができるそうでございますから、そういうネットワークの中枢。それから三番目が、もちろん血圧、血糖とか普通の検査もできるわけですけれども、コンピューターでもって自動診断ができる、それから自分の病気に対する知識も何かぽっと押せば全部出てくるようなもの。それから第四番目が療養相談。五番目がリハビリテーションも含めた健康法とか治療法がそこに行けば指導してもらえる。時間があれば申し上げたいんですけれども、これは考えるといろんなおもしろいことがあります。 そういうものをつくりますと、例えば目的の二のところで述べましたが、ネットワークをうまくつくりますと、例えば離島にいましても大都会と同じようなレベルの医療が受けられる、あるいは地方にいましても、同じように移植をしたいというときはいいドナーが見つかるといったらあれですけれども、ドナーを探すことができる、そういうふうに公平、公正な医療ができると言うことができると思いますし、それから何よりもそこに行くと楽しみながら国民の医学とか医療の知識のレベルアップができるというようなことがございます。 こういうのを国立にするかあるいは第三セクター方式にするか、いろいろな考えがあると思いますけれども、それについて何か御意見がございましたらお願いいたします。
○政府委員(谷修一君) 今御提案のあったメディカルランド、先生の御提案ですと五つの機能を持っているということでございますが、各種の医療情報のネットワークあるいは検診等の機能についてはそれぞれ対応する施設なり施策は私どももやっているつもりでございますが、そういったようなすべての機能を持った総合的な施設ということにつきましては、今、先生もお触れになりました設置主体の問題、あるいは運営の形態の問題等、幾つかの問題点がまだこれから整理をしなきゃいけないというふうな感じがいたしますが、先生の御提案につきましては慎重に検討してまいりたいと思っております。
○水島裕君 ちょうど時間になりましたので、もう一つ本当は高齢者対策と保健の問題でWHOなんかの言っております生涯現役というような考えとか、そういうことを疾病予防対策にいろいろ生かしたいというようなことをお話ししてまた御質問する予定だったんですけれども、時間が来ましたのでこれにて終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
○田浦直君 私は新進党の田浦直でございます。被爆者医療行政について二、三お尋ねをしたいというふうに思っております。 大変残念なことですけれども、去る二十八日にフランスが第三回の核実験を行ったわけでございます。私ども被爆者といいますのは、地上で広島と長崎、二つが被爆県ということで非常に核という問題に対しては過敏な気持ちを持っておるわけでございます。 〔委員長退席、理事栗原君子君着席〕 しかし、こういうことで、一回目のときも二回目のときも大変抗議をしてまいったわけでございますけれども、平然として第三回目の核実験も行われたということで、激しい憤り、それとどうしてもしょうがないのかなというふうな無力感、そういったものが胸の中に去来をしておるようなところでございます。私どもは被爆者ですから、ぜひこの核あるいは核戦争、そういったものを廃絶したいという使命感みたいなものを持っているんですね。私どもが訴えていかなければならないというふうな気持ちを持っておったわけですけれども、なかなかそれがうまくいかないというふうなことで、第三回の核実験も行われたということでございます。 私は厚生大臣に率直にお尋ねをしたいと思うんですけれども、この第三回の核実験が行われたということで大臣はどういうふうな御感想を持たれたか、率直なところをお聞かせいただければというふうに思います。
○国務大臣(森井忠良君) これは外交問題でございますから厚生大臣が発言すべきではないとも言えますけれども、今、先生御指摘のように、これは被爆者の援護対策を預かっている厚生大臣としてやはり申し上げなければならぬと思うわけでございまして、二度ならず三度までやられたということにつきましては、率直なところ激しい憤りの気持ちを持っております。これは率直な気持ちでございます。 もともと私どもとしては、この地球上から核兵器をなくす、核兵器廃絶を目指して、外交分野においてもあるいは国連の場においてもそれぞれ政府として頑張っているわけでございますが、申し上げましたように三度にわたって国際世論を無視して核実験を強行されたことについては、私は何ともやりきれない気持ちでございます。 したがって、申し上げましたように、核実験の強行については、我が厚生省といたしましても被爆者の皆さんの援護対策を預かる立場から極めて遺憾であると申し上げておきたいと思います。
○田浦直君 実は私、けさ新聞をずっと読んでまいったわけですけれども、もうどの新聞にもこの核実験のことは何も書いてないんですよ。二十八日ですからわずか三日しかたっておらないわけなんですね。第一回目の実験のときには、それはそれはもう激しい抗議運動が行われましたし、マスコミも随分この問題を取り上げたという記憶があるわけです。そういう意味からしますと、何かもう、風化したというのはちょっと大げさですけれども、ならされてしまってきているんじゃないかというふうな気がしてならないわけなんですね。 私どもも一生懸命抗議はしていきたいと思いますけれども、政府の方でもぜひ、第四回の核実験は行わせないような、そういうふうなかたい決意をひとつ決めていただきたいというふうに私はお願いを申し上げたいと思っておるわけでございます。遺憾の意を表するとかあるいは駐日フランス大使を呼んで抗議をする、こういったことでは恐らく第四回の実験は食いとめ得ないんじゃないかなというふうな危惧を私はしておるわけでございまして、その点重ねて大臣によろしくお願いを申し上げたいと思っております。 私は長崎のこの原爆、私自身も被爆者なんですけれども、被爆地域についての是正をお願い申し上げたいというふうに思っております。 現在は爆心地から南北に約十二キロ、東西に約七キロが被爆地域に指定をされておるわけでございます。しかしながら、爆心地からの距離あるいは被爆の状況等からしますと、指定されている地域と同じ条件下でありながら指定を受けていない地域があるわけでございまして、地域間に不均衡を生じておるところでございます。それらが長い年月、もう五十年という年月がたっているわけですから、未指定地域の関係住民は高齢化して、依然として放射能に対する不安と健康障害による苦しみの中で生活をしておるという状況でございます。この不均衡を是正し、健康管理等の措置を講ずることは緊急かつ重要な問題であり、長崎県民にとっては切実な願いでございます。 そういった意味で、これまで何回も陳情をして是正をお願いしてきておるわけでございますけれども、現在の厚生省の被爆地域に対するお考えをお願い申し上げたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) 原爆被爆地域の見直しにつきましては、地元の方々に強い御要望というものがあることは存じております。しかしながら、私どもこの見直しにつきましては、科学的、合理的な根拠がある場合に限定して行うべきと、こういうふうに考えておりまして、これがこれまでの政府の一貫した立場でございます。 長崎の被爆地域の拡大の問題につきましては、長崎県及び長崎市が設置いたしました長崎原爆被爆地域問題検討会によりまして「長崎原爆残留放射能プルトニウム調査報告書」というものが平成三年に提出されております。この報告書に関しまして専門家から成る検討班を今度は厚生省に設けまして科学的評価を進めてまいりましたが、平成六年の十二月に発表されました同検討班の報告書によりますと、指定拡大要望地域においては残留放射能による健康影響はないとの結論が得られているところでございます。 こういう経過がございまして、これらの点を勘案いたしますと、長崎の被爆地域の拡大を行うことは非常に困難であると考えておるところであります。
○田浦直君 今、科学的な根拠がない、あるいは合理的な根拠がないという御発言がなされたと思うんです。 この被爆地域というのは、三十二年に指定を受けまして、昭和四十九年あるいは昭和五十一年に地域拡大をしておるわけなんですね。そのときに私どもは、それならばそのときの地域拡大は本当に科学的に、あるいは合理的な根拠で拡大されたのかというふうな疑問を持っているわけです。私どもは、そうでなくして、行政的に、あるいは政治的な配慮もあってそういう拡大をしたのじゃないかなというふうに思っておるわけですけれども、そのときの拡大の根拠についてお尋ねを申し上げたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) 今御指摘の昭和四十九年及び五十一年の地域拡大に際しましては、原爆投下当時の風向きや、あるいは既に指定をされております地域との均衡等も考慮して地域指定を行ったものでございます。 なお、その後、被爆地域の指定のあり方につきまして、昭和五十五年に取りまとめられました原爆被爆者対策基本問題懇談会におきまして、今申し上げましたような科学的、合理的な根拠のある場合に限定して行うべきであるという考え方が示されました。その後の被爆地域の見直しについては一貫してこの方針によって臨んでおるところでございます。 〔理事栗原君子君退席、委員長着席〕
○田浦直君 ちょっと、四十九年と五十一年の拡大は何によってとおっしゃられましたか。
○政府委員(松村明仁君) 原爆投下当時の風向きや、あるいは既に指定されている地域との均衡等も考慮して地域指定を行ったと、このように考えております。
○田浦直君 そうしますと、その根拠が科学的な合理的な根拠であるというふうに認識してよろしゅうございますか。
○政府委員(松村明仁君) その当時の被爆地域の指定につきましては、原爆放射線の影響に関する科学的知見がやや乏しかった、こういうこともあります。また、原爆による被害の広がり、あるいは長崎市周辺の地形上の特性、行政区域等を考慮して、爆心地から平地で連続している行政区画を中心として被爆地域の指定を行ったものであるということでございます。
○田浦直君 行政区画で拡大しているというところもあるんですね。私は、五十五年に基本懇からの報告が出て、それ以後はもう科学的、合理的な根拠がなければ受け付けないんだという言い方にはちょっと納得できないんです。 それは、例えば、初めに述べましたように、この今の地域は南北に爆心地から十二キロなんです。東西には七キロということになっておるわけですね。しかしながら、これはちょっと科学的なことになりますけれども、原爆が長崎の上空五百五十メーターで炸裂して、その原爆雲は東の方に流れていっておるわけなんですね。ところが、その東の方は七キロしかない。南北の方は十二キロというのはどうしても理解できないんです。 したがいまして、そういうふうな、合理的でないというふうな意味でもぜひ是正をしていただきたいというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(松村明仁君) 私が今申し上げましたのは、四十九年、五十一年の当時の地域拡大の考え方を申し上げたわけでありますが、その後、いろいろ科学的知見の集積等もございまして、現在におきましては、原爆の放射線について、爆心から同心円上に広がったものの、爆心地からおおむね三キロメートル以遠には到達していないという科学的知見が確立されているところでございまして、被爆地域の拡大につきましては、現在は原爆放射能による健康影響という観点から科学的な根拠が必要ではないかと、こういうふうに考えておるところであります。
○田浦直君 今、被爆地から三キロの範囲とおっしゃられましたですね。あのチェルノブイリというところで原子炉が爆発したときには三十キロ四方をみんな立ち退きにしたんですよ、ソビエトにおいては。日本というのはもっと私は科学的に理解が進んでおるというふうに思うんです。七キロでもどうかな、十二キロでもどうかなというふうな気がするんですね。先ほど述べましたように、原子炉は地上で爆発する。原子爆弾は五百五十メートルの上空で爆発しているんですよ。したがって、範囲はもっと広がっておらなければならないと思うんです。 私は、その基本懇の報告を盾にとってどうしても地域拡大を認めないという、そのかたくなな姿勢がどうしても納得いかないんです。これは報告ですから、法律でも何でもないんですよ、報告ですからもう少し柔軟に考えてやることができないのかなと思うんですけれども、それについていかがでしょうか。
○政府委員(松村明仁君) 今チェルノブイリの例を引かれましたが、確かにチェルノブイリの事故は地上で起こりました。そういうことではありますけれども、この放射線の被曝というものにつきましては、その原因となった放射性物質の放出の程度あるいは状況等によりいろいろ被害の程度が異なるものでありまして、チェルノブイリのものを必ずしもすぐ利用するというわけにはいかないと、このように考えております。 ちなみに、一説によりますと、チェルノブイリの原発事故におきましては広島原爆の五百個分に相当する放射性物質が流出したと、こういうふうに言われてもおりまして、その事故の内容、あるいは先ほど申しましたように放射線の被曝についていろんな状況がございますので、私どもはチェルノブイリの問題については、そういうことは大いに参考にはいたしますが、即チェルノブイリと広島、長崎の問題が直結するとは考えていないところであります。 そういうことで、後段の、委員会の報告ではないかということでございますが、先ほども申しましたように、この委員会は専門家によりましてまず長崎県・市の検討会、それからそれをまた厚生省の方でさらに検討を加えました。そういう検討を加えた結果、指定拡大の御要望のある地域においては残留放射能による健康影響はない、こういう結論を今得ておるところでありまして、私どもはこの点を勘案いたしますと被爆地域の拡大を行うことは甚だ困難であると、このように考えておる次第でございます。
○田浦直君 もう原爆が落ちてから五十年たっておるわけですね。それを平成三年に調査して影響力がないというような結論はちょっとおかしいのではないかと思うんですね。 このときの調査の方法を私も調べてみましたけれども、未耕地の表土ゼロから十センチの泥をとってその放射能を調べたと書いてあるんです。五十年間たっているんですよ。雨も降れば風も吹く。木の葉も動けば土も動く。たった表土十センチの土地をとって、そしてプルトニウムが残って――残っておるんですよ、残っておるけれども大した影響はない、それはちょっと言い過ぎではないかなというふうに思うんですね。五十年昔のことがその検査で本当にわかるんですか。私はそういうことは言えないんじゃないかなというふうに思うんですね。 私どもの長崎県民の方からすれば、何かとにかく、もう拡大はしたくない、もうすべてノーだというふうなことを言うために何かそういう理屈をおっしゃられているような気がしてならないんですね。私は、行政はそうあってはいけないんじゃないか、可能性があるなら住民にあるいは県民に対して役に立つようなことをしてあげる、そういう気持ちを持たれるということが必要なんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今の調査の結果を本当に一〇〇%信用してそういうふうにおっしゃられるのかどうか、その点をちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) 御指摘のような科学的な御意見につきましては、長崎県あるいは長崎市が実施いたしました先ほどの残留プルトニウム調査と申しますものが被爆後確かに相当期間経過した後実施されたということはもう御指摘のとおりでございます。 そこで、調査の実施に当たりましては、その点についても十分な配慮を行ったと聞いております。すなわち、実は被爆から比較的早い時期に調査が行われた地区のデータというものをもとにいたしまして、原爆投下後相当の期間を経て調査したことに伴ういわゆる誤差でございますが、この誤差を補正するということもしておりまして、専門的な立場から適切な調査方法がとられておる、このように判定をされておりまして、申しました調査結果については、時間はたっておりますけれども、そういうファクターも入れて検討をしたものだと、このように考えております。
○田浦直君 私は、そういう数字を少し訂正するとか、そういったことで五十年前の再現ができるというふうには考えられないんですね。 しかし、それはそれといたしまして、東の方にはやはりプルトニウムが出ておりますね。南北の方には余り出ておらない。しかし、その出ておらないところが今被爆地域になっているんですよ。その矛盾はどういうふうに考えられますか。
○政府委員(松村明仁君) 先ほど来申し上げておりますように、初期の地域指定というものの過程におきましては、残念ながら科学的知見がやや乏しいということもありましてこのようなことになっているのではないかと考えております。
○田浦直君 それではその未指定地域の住民としては納得できないですよ。だって、出てないところを指定しておいて、幾らかでも出ているわけですから、こちらの方は。皆さんの方は影響はないとかなんとか言うけれども、こっちの方が出ているんですよ。そちらの方が指定を受けていない。これはやはり行政上の不公平ではないですか。
○政府委員(松村明仁君) 現在、新たに地域指定をするという場合には、昭和五十五年にお話がありましたように、科学的、合理的な知見に基づいて行う、こういうことを一貫して私どもはとっておりまして、そういうことから考えると新たな指定ということにつきましては難しいと、このように申し上げておるわけであります。
○田浦直君 いや、それは皆さん方の考えなんですよ。地域住民にとってはそういうことではないと思うんですよ。皆さん方は、五十五年以降はもう認めませんよ、今までのはもう仕方がないですよと。ここの未指定地域におった人にとってはそんな行政上の不公平はないと思いますよ。だから、科学的に言うなら本当に出ているところを指定してあげるべきであって、もうもらったところはそのままで、もらってないところは、地域指定を受けてないところは認めませんよというのでは、こちらの方がプルトニウムは出ているわけですから、それは納得できないんじゃないかなと思うんですよね。住民にとってはそういうふうに思うと私は理解できるんですが、それについてはいかがですか。
○政府委員(松村明仁君) 実は昭和五十五年の原爆被爆者対策基本問題懇談会というものの報告があるわけでありますが、「科学的・合理的な根拠に基づくことなく、ただこれまでの被爆地域との均衡を保つためという理由で被爆地域を拡大することは、関係者の間に新たに不公平感を生み出す原因となり、ただ徒らに地域の拡大を続ける結果を招来するおそれがある。被爆地域の指定は、科学的・合理的な根拠のある場合に限定して行うべきである。」と、こういうことを昭和五十五年に各界の方々の英知を集めまして十分に検討をした結果こういう報告書をいただいております。私どもの行政はこの報告書の精神に基づいて一貫して行われておると、こういうことになるわけでございます。
○田浦直君 いや、私は局長のおっしゃられていることはわかるんですよ、五十五年にそういう基本懇の報告が出ているということは。じゃ、その未指定地域の住民はもう捨て去りになるわけですか。五十五年基本懇の報告が出る前の住民が科学的根拠がなくても指定を受ける、五十五年基本懇が出たらもうその後は一切認めない、これでは不公平ではないですか。まして、こちらの方に原子雲が流れてプルトニウムも放射能も残っているわけなんです。私は、だからこれはそこに住んでいる住民からとってみれば非常に不公平だという気持ちは否めないと思うんですね。それについて私は行政上の不公平があるのではないかと、こう申しているわけです。お尋ねをします。
○政府委員(松村明仁君) 先ほど来申し上げておりますように、科学的な調査をした結果、指定拡大要望地域においては、長崎原爆の放射性降下物の残留放射能による健康影響はないと、こういうふうに言われております。 したがいまして、これを均衡を保つという面から仮に指定いたしますと、先ほど申しましたように、昭和五十五年の報告に見られるような状況になると、こういうことで私どもは昭和五十五年のこの報告の精神に基づいて行政を進めておる、こういうことでございます。
○田浦直君 今おっしゃられた基本懇の「これまでの被爆地域との均衡を保つためという理由で被爆地域を拡大することは、関係者の間に新たに不公平感を生み出す原因となり、ただ徒らに地域の拡大を続ける結果を招来するおそれがある。」と、今そうおっしゃられましたですね。 私は、長崎県議会あるいは市議会、町村議会から、一県一市六町、それぞれの議会で今後それ以上の拡大を要求することはないという議決をして、今度は厚生省の方にお願いに来ているというふうに思っておるわけですね。この議決をとるのには実は大変な苦労があったんです。行政区域の中にも、十二キロなら十二キロで切るとどうしてもはみ出す地域がある、そうすると指定を受けられない人が残るということで、その方々については県やあるいは市町村で何とかするからということでお願いをして、議会で議決をして今持ってきているということなんですね。 私は、そういうふうな大変な御苦労を長崎県でもやっておられるということから、もうぜひ厚生省においてもお考えをいただきたいというふうに思うんですけれども、それについてひとつ何か御意見があったらお聞きしたいと思います。
○政府委員(松村明仁君) 長崎の地元の方々には先日も厚生省を御訪問いただきまして繰り返し御要望をいただいておりまして、御要望の内容が少し変更されたということは私どももよく存じております。 しかしながら、繰り返しでまことに恐縮でございますが、被爆地域の見直しについては、科学的、合理的根拠がある場合に限定して行う、こういう私どもの一貫した立場でございますので、ぜひともここのところを御理解賜りたいと思います。
○田浦直君 もう時間ですから最後にしたいと思いますけれども、その科学的、合理的な根拠というのが一つの言葉になってひとり歩きしているわけですね。私が述べているのは、科学的、合理的な根拠でやるなら、すべてそうしてやらなければ逆に不公平感が県民の間に出てくる。したがって、今指定を受けている地域よりも受けてない地域の方が放射能が残っているというのがこの前の平成三年の調査でも出ているわけですから、それはひとつ重視してやっていただきたい。そしてまた、議会でもそういう決議までして今度は上ってきておるわけですから、そこはひとつ配慮をしていただいて、これは先ほども述べましたけれども、法律でも何でもないわけですから、解釈の仕方によっては考えられるわけですね。だから、情けのあるというか、そういうふうな行政をぜひお願い申し上げたいと思います。 時間が参りましたから、これで終わらせていただきたいと思います。
○朝日俊弘君 社会党の朝日でございます。 きょうは二つの大きな問題に分けて御質問をさせていただきたいと思っています。 まず前半、薬剤エイズ訴訟問題についてお尋ねをいたします。 この問題については既に何人かの先生方からも御質問あるいは御意見がございました。多少重複する部分もございますが、ちょうどあすから具体的な和解協議が始まるというときでもございますので、私なりに問題を整理して幾つかお尋ねをしたいと思います。 まず冒頭に、大臣が裁判所の和解勧告が出された直後からこれを積極的に受けとめ、かつその早期解決に向けて連日御努力されていることに敬意を表したいと思います。 その上で、あすからいよいよ具体的な和解協議が始まるわけでございます。改めて大臣の問題解決に向けての御決意のほどをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 今月の六日に、けさほども申し上げましたが、東京地裁と大阪地裁が同じ日の同じ時刻に和解勧告をお出しになったということにつきましては、それなりに裁判所の決意のほどというものを私は感じているわけでございます。 そして、勧告の内容は率直なところかなり厳しいものがございます。過去の薬害から比較をしますと、例えば国が四割を補償しろというふうなことについてはかってなかったわけでございますから、三分の一が最高でしたけれども、今度は四割を負担しなさいというふうなことが言われておりまして、これは中身は厳しいなという率直な感じを受けましたけれども、今申し上げました両地裁の一致した意見ということを私は重く受けとめたわけでございます。したがって、少し早かったんですけれども、二十日の締め切りを三日ほど早めて十七日に和解勧告に応ずるという返事をいたしたわけでございます。 その間も患者の皆さんが次から次へと亡くなっていらっしゃるという現実がございます。そしてまた、闘病生活中の方々も常に死の影におびえながらの毎日だろうというふうに私は感じております。そうしますと、もうこの問題でいつまでも、例えば従来の訴訟のパターンからいけば、地裁で片づかなければ控訴して高裁、高裁で片づかなければ最高裁という従来のパターンがあるわけでございますけれども、やはりそういったことは避けるべきでありまして、一刻も早く解決をさせた方がいいということから判断をいたしたわけでございます。 私どもとして、先ほど言いましたように、和解の勧告案というのはかなり厳しいと認識をいたしておりますけれども、言われておりますように、裁判所は、法的責任の存否の争いを超えて社会的、人道的立場に立って解決をしなさいという趣旨も入っているものでございますから一定の決断をさせてもらったということでございまして、繰り返し申し上げますけれども、委員各位のこれからの御支援を心からお願い申し上げたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 ただいま大臣から改めての御決意をお伺いしたわけですが、ぜひこの問題、厚生省全体として問題解決に向けて誠意ある態度と最大限の努力を払っていただくように私からも強く要請をしておきたいと思います。 当面、私自身もあすからの和解協議に向けて各関係者の努力を注意深く見守ってまいりたいと思いますが、とりわけ私ども国会の責務として重要なことは、二度とこのような事態を招かないための再発防止対策に関する積極的な検討、そしてそれらの結果を踏まえた具体的な施策の実行について機会あるごとにきっちり点検をしておく必要がある、こういうことではないかというふうに私は思います。 そのためには何よりも、なぜ今回のような不幸な事態を招いてしまったのか、例えば薬剤の安全性確保に関して従来の法律や制度そのものに不備や問題点がなかったのかどうか、さらには血液製剤のチェック体制などについて行政上の不十分さや再検討すべき課題がなかったのかどうか、これらの点については今後、私ども国会を含めて、率直かつ真摯な自己点検と相互点検の作業が極めて大切であるというふうに私は思っております。 そこで、これまで厚生省としてどのような検討をされ、あるいは今後どのような方向で検討をされようとしているのか、主なポイントに絞った形でお聞かせをいただきたいと思います。 その際、二度と同じようなことを繰り返さないためにも、関係する必要な資料や情報の公開が必要だと思いますが、この点についてもあわせてその考え方をお伺いしたいと思います。
○政府委員(荒賀泰太君) この医薬品の安全性の確保対策につきましては、昭和五十四年に薬事法を改正いたしまして、この法律の目的に、医薬品の品質、有効性及び安全性を確保することを明記いたしたわけでございます。また、医薬品による保健衛生上の危害の発生あるいは拡大を防止するために必要な場合の緊急命令に関する規定を新たに設けまして、また、医薬品の承認の取り消しとか回収等の規定の整備を行いました。さらに、再審査、再評価制度を設けるなどの措置を講じてきたところでございます。 一方、その後血友病患者の方々が血液製剤によりましてエイズに感染した問題につきましては、エイズそのものが当時未知の病原ウイルスによる感染症であることや、医学等の最新の知見に基づく安全対策を講じましても完全にウイルス感染等の危険性を排除できない、そういった面液製剤の特殊性があるものの、結果的に被害の拡大を避けることができなかったことについてはまことに残念であると考えております。 この問題の重要性について改めて真摯に受けとめまして、今後血液製剤の安全性を向上させていくために、一つはいかにして国内外の情報を文献等を通じましてより迅速、的確に収集をしていくのかという点、また二点目はいかにして収集された情報を医療機関等関係者に対してより適切に提供していくのか、第三点はこの収集された情報を踏まえて被害の拡大を防ぐためどのような対策を講ずべきか、こういった点を課題として受けとめておりまして検討していきたいと考えておるわけでございます。 また、医薬品一般の安全性対策につきましては、臨床評価ガイドラインの整備等を通じまして承認審査を充実したところでございます。また、市販後対策として、再審査、再評価制度を導入しますとともに、製薬メーカーや医療機関、薬局を通じまして副作用情報を収集・提供する体制を整備しているところでございます。さらに、現在医薬品安全性確保対策検討会におきまして医薬品の治験から承認審査、市販後の使用に至る総合的な安全性確保対策を検討しているところでございまして、この検討結果を踏まえて制度の見直しを含め安全確保対策の強化を図っていきたいと考えております。 それから、この審議会等の検討内容の公開でございますが、これにつきましては再発防止の観点や透明な行政運営の観点から必要であるというふうに認識をしておりまして、個人のプライバシーあるいは企業秘密等非公開とすることが適当な場合もございますけれども、可能な限り資料や情報の公開に努めてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 今お聞きしますと、再発防止という観点から考えていきますと幾つかのレベルに分けての検討なり対策が必要だというふうに思います。 実は、つい先ほど水島先生からも御指摘があったわけですが、私自身も今回の問題があの血液製剤によるウイルス感染であった、こういうことに着目した検討も一つの次元の問題として必要ではないかというふうに思います。先ほどもお話がありましたように、人の血液を原材料としているわけですから、血液製剤に関しては、HIVのみならず、新しいウイルスの可能性も含めて常に感染のリスクがある、そういうふうに考えるべきだからであります。 そこで、とりわけ、幾つかの段階での検討が必要だと思いますが、血液製剤の安全確保対策に関して、厚生省としてこれまではどのような対策を講じられ、また今後どのような対策を講じていこうとされているのか。その際、原材料としてそのまま血液を輸血に使うということもあるわけですから、血液の必要かつ適切な量の確保と品質管理、あるいは安全性確保対策を徹底するためにも日本赤十字社を中心とする血液事業あるいは血液行政の充実、実施上のきめ細かな改善策が今後も引き続き必要であるというふうに考えています。この辺についてあわせてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(荒賀泰太君) 血液製剤の安全性の確保対策といたしまして、血友病患者の血液製剤によりますエイズ感染被害の発生を契機にいたしまして、これまで日本赤十字社等の協力を得まして、一つは、血液製剤の国内自給の向上に取り組んできました結果、平成五年には凝固因子製剤の自給をおおむね達成したところでございます。また、肝炎やHIV等のウイルスに対する検査を充実してまいりました。さらに、検査で排除できないウイルス感染を防止するために、本年七月より問診を充実させたところでございます。また、問診の際の献血者のプライバシーの保護を図りますために、日本赤十字社に対し、問診室の整備のための国庫補助として本年度第二次補正予算におきまして約一億円を計上したところでございます。 今後さらに検討すべき対策として次のものを考えておるわけでございます。 第一は、血液製剤に関する国内外の情報の収集・提供体制の整備でございます。具体的には、外国を中心にいたしましてウイルス感染症の発生情報を文献等を通じてより迅速、的確に収集をいたしますとともに、情報を医療機関等関係者に対して提供する体制を整備することでございます。 第二といたしましては、緊急な対応が必要と考えられます場合の血液製剤の情報提供、回収等の迅速な対応でございます。具体的には、問題の生じた血液製剤につきまして血液製剤メーカーや医療関係者に周知をいたしますとともに、血液製剤メーカーに対して製剤の回収や代替製剤への転換を指導し、その場合に優先審査や治験の簡素化を図ることといたします。また、緊急輸入といった迅速な対応につきまして法律的な側面の検討をしていきたいと考えておるところでございます。 第三点は、血液製剤の安全性の一層の向上を図るための検査方法の向上、代替製剤等の研究開発の促進でございます。具体的には、感染をより早期に把握できる検査法の開発や人の血液を用いない製剤や人工血液の研究開発の促進を図るものでございます。 一方、日本赤十字社におきましては、第一に国及び地方公共団体とともに、献血思想の啓発等によりまして献血者を確保することによりまして、輸血用の血液製剤については昭和四十九年以降すべて献血により供給をいたしております。また第二は、昭和六十一年からは四百ミリリットル採血及び成分採血の導入によりまして、輸血の安全性を高めますとともに、貴重な血液の有効な活用が図られておるところであります。また第三は、みずから血漿分画製剤の製造、供給を行っておりまして、日赤において平成三年から第Ⅷ因子の製造を開始いたしました。 今後、本年六月の血液問題検討会の提言を踏まえまして、日本赤十字社におきましては次の対応をとることとしております。第一点は、問診の実効性をさらに高めるためにマニュアルの作成とかあるいは担当者の研修を行う。それから第二点は、国内外の輸血に伴う感染症等の発生状況を的確に把握、解析をし、そしてこれを踏まえた検査や問診方法の改善を行うこと。第三点は、検査結果を過去の献血時のものとあわせて評価して判定することによりまして、肝炎等に関する安全性をさらに向上させることができないか検討することでございます。 今後とも、血液事業の適切な運営に努めまして、血液製剤の安全性の確保に最善の努力をしてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 どうもありがとうございました。 きょうは時間の関係もございまして問題の一端についてしかお尋ねできませんでしたが、今後とも相互に点検し合う、こういう立場で引き続き考えていきたいというふうに思います。厚生省としても、それぞれの段階における再発防止対策の強化に向けてぜひ取り組みを強く要望しておきたいというふうに思います。 それでは、もう一つの全然別の課題に移りたいと思います。 御承知のように、七月四日に社会保障制度審議会の勧告が出されました。この勧告は、一九五〇年勧告以来の社会保障制度の発展過程を中間的に総括し、本格的な高齢社会が到来する二十一世紀に向けて現行社会保障制度の枠組みの再編成、再構築を求めたものであり、その意味では画期的な内容を含んだ勧告であると私は評価をしております。せっかくの機会でございますから、この際二十一世紀を目指す社会保障体制の再構築に向けての厚生省の決意をお伺いするとともに、その基本的な考え方についてお尋ねしたいと思います。 なお、委員の皆様方には先ほど配らせていただきました勧告のPR版パンフレットを資料として配付させていただきましたので、ぜひ御参照いただきたいと思います。 そこでまず第一点、医療保険制度の問題でございます。 つい先日、平成六年度における健康保険の収支決算見込みが報告されておりました。これを見ますと、とりわけ政府管掌保険の財政状況が急速に悪化している、いずれも相当な赤字決算の状況を示しているということでございます。改めてこの時点で健康保険財政の悪化の傾向が何に起因するとお考えなのか、そしてそれらをどう分析して、このような傾向に対して、厚生省としてどのように受けとめ、今後対処されようとしているのか、ぜひお伺いをしたいと思います。 もっとも、医療保険制度のこれからのあり方については既に関係する医療保険審議会においても検討が進められているというふうに伺っております。しかし、その中で、例えば健康保険制度の給付率や利用者負担のあり方の見直しなどについても言及されているというふうに伺っております。そこで、医療保険審議会における論点等についてもあわせてお聞かせいただければというふうに思います。
○政府委員(岡光序治君) 医療保険の財政状況、平成六年度のぐあいでございますが、政府管掌健康保険は約二千八百億円の大幅赤字決算になりました。これは昭和五十五年度以来十三年ぶりの赤字となった前年度からさらに赤字が拡大したものでございまして、また健康保険組合につきましても半数以上の健康保険組合が赤字決算でございまして、経常収支で見た場合に総額で八百十五億円の赤字になりました。過去、例えば昭和六十二年度とか昭和六十三年度に赤字が出ましたが、この場合には二億円とか八億円でございまして、そういう意味では大変多額の赤字になりました。 この理由でございますが、端的に申し上げまして、高齢化の進展等に伴いまして医療費が増大をしている一方で、経済基調が変化をいたしまして保険料収入の伸びが非常に低い、これがその原因だと思っております。ちなみに、大ざっぱな数字でございますが、平成六年度の国民医療費の伸びは五・四%、国民所得の伸びは一・四%でございました。こういった傾向は今後とも続くのではないだろうかというふうに予想しております。 そういう中で、私どもとしましては皆保険体制はどうしても維持をしていきたい、そしてこの制度の効率的な運用を図りたいというふうに考えておりまして、この医療保険制度に対する国民の信頼を今後とも確保していきたい、この点が最も大切なことであるというふうに認識をしております。 審議会での審議状況でございますが、こういう状況でございますので幅広い観点から御審議をいただいております。八月四日に論点を整理してもらう関係から中間取りまとめをいただいておりますが、そのポイントを申し上げますと、まず医療費の適正化を行えと、それでも国民所得の伸びを上回って国民医療費が増加をする場合には保険料とかあるいは国、地方公共団体のいわゆる公費負担あるいは給付の見直し、あるいは患者負担のあり方、こういったことについて総合的に検討するように、こういう指摘がされております。 それからまた、具体的な検討課題といたしましては、新しい介護システムの創設が今検討されておりますが、それと医療保険制度をどういうふうに関連づけるか。それから給付のあり方、あるいは政府管掌健康保険では中期財政運営方式をとっておりますが、こういう中期財政運営のあり方が今後そのまま進められるものかどうか、こういったことも含めて全体的に見直しをしろ、こういう指摘を受けております。 こういう指摘を受けておりますので、私ども、こういう個々の問題につきまして現在掘り下げた御議論をこの関係審議会で行っていただいておりますが、冒頭申し上げましたように、国民の信頼を維持するということがとても大切でございますので、国民の方々に広く情報提供しながら、幅広い御議論をいただいて具体的な対応策について煮詰めてまいりたいというふうに考えております。
○朝日俊弘君 それでは、次に新たな高齢者介護システムの問題についてお尋ねをしたいと思いましたが、時間が迫っています。そして、午前中にも同じ問題について取り上げられました。せっかくおいでになって答弁いただかないのは申しわけないんですが、多分これから審議会で検討しますという話になると思いますので省略をしたいと思います。ただ、この新しい介護保険制度の導入に際しても、やはり国民にどの程度の負担をどんなふうに求めていくのかということが一つの論点になっていることは間違いないと思います。また、この点が国民の皆さんの大きな関心事の一つであるということだけ確認をさせていただいて前に進みたいと思います。 以上、医療保険制度の問題及び新たに導入が予定されている、検討されている介護保険制度の問題について、特に国民の負担のあり方を中心にお尋ねをいたしました。と申しますのは、医療の分野にせよあるいは介護の領域にせよ、本格的な高齢社会を支える社会保障体制の再構築を進めていくに当たって、いかにして必要かつ安定的な財源を確保していくか、この問題がいや応なしに今後の大きな争点の一つになるものというふうに考えているからであります。 ところで、国民の負担のあり方を検討する場合に留意しなければならないことは、租税と社会保険料を合わせた国民負担率についてあらかじめ一定の上限数値目標を設定し、ひいてはその数字だけがひとり歩きをしてその範囲内で負担のあり方を論ずるような、いわば逆立ちをした議論がこれまでに多過ぎたのではないか。そのため、ややもすれば安易に自己負担もしくは利用者負担の引き上げを求めるような方向に論議が流れがちであった、この点は私どもも含めて反省すべきではないかというふうに感じております。 そこで、改めて冒頭に紹介いたしました社会保障制度審議会の勧告を引用しつつ、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 この勧告では、たとえ社会保険料や租税といった公的負担が増大したとしても、社会保障制度が充実されるならば、個人負担が軽減されることとなる。逆に公的負担を抑制すれば、個人負担や企業負担が増大する。 本来、社会保障に係る公的負担、すなわち社会保険料と社会保障公費財源は、望ましい公的給付の水準と利用者負担金などの私的負担とを併せて考慮し、選択・決定されるべきものであり、公的負担だけが前もって給付水準と切り離されて数量的目標として決定できるわけではない。と極めて明確に指摘をしております。 この部分の指摘は、私は大変重要な意味を持っていると考えます。従来、しばしば用いられてきた国民負担率という概念そのものに疑問を投げかけるとともに、あらかじめその上限数値目標を定めた上で社会保障制度のあり方を論ずるような考え方を改めるよう求めたものと私は受けとめています。 大臣はこの点についてどのようにお考えでしょうか。大臣の御所見を伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 先般の社会保障制度審議会の勧告においては、少子・高齢化や低成長経済への移行等の社会経済の急速な変化に対応いたしまして、二十一世紀の高齢社会にふさわしい社会保障体制への再構築の必要性を指摘していると考えております。 また、勧告におきましては、社会保障制度の理念を明らかにするとともに、改革の基本的方向を介護問題などを含め具体的に明示しておりまして、今後の社会保障政策のあり方を考える上での基本的な指針となるものと認識をいたしております。 国民負担率につきましては、行革審の累次の答申におきましてその目標が示されているところでございまして、政府としてはそれを尊重するとの方針を確認してきたところでありますけれども、制度審の勧告における議員御指摘の、本来、社会保障に係る公的負担、すなわち社会保険料と社会保障公費財源は、望ましい公的給付の水準と利用者負担金などの私的負担とを併せて考慮し、選択・決定されるべきものであり、公的負担だけが前もって給付水準と切り離されて数量的目標として決定できるわけではない。という御指摘でございましたけれども、これは貴重な意見として私も認識をしているところでございます。 国民負担率は、平成五年度におきまして三七・○%でございますが、今後高齢化等の進展に伴いまして増加していかざるを得ないという認識を持っております。 厚生省といたしましては、給付と負担の公平の確保、制度運営の効率化、公民の役割分担等により適切な給付を適正な負担のもとに実現していきたいと考えているところでございます。
○朝日俊弘君 ありがとうございました。
○栗原君子君 社会党の栗原君子でございます。私は時間が短いものですから、一問一答をやっておりますと大変時間がなくなってしまいますので、二、三問ずつ質問をし、そして答弁をいただきたいと存じます。大きくは三点について御質問をいたします。 まず、第一点でございますけれども、在日韓国・朝鮮人の旧日本軍傷痍軍人・軍属の戦後補償について質問をいたします。 一九四二年、海軍軍属としてマーシャル群島で勤務中、重傷を負い右腕を失った旧日本軍属の在日韓国人鄭商根さんが年金請求却下の処分取り消しなどを求めた訴訟の判決が去る十月十一日、大阪地方裁判所でありました。大阪地裁は、国籍や戸籍がないことを理由に在日韓国人戦傷者への年金支払いを拒否している援護法について、法のもとの平等を定めた憲法第十四条に違反する疑いがあるとの判決を下しました。 本来なら一九六五年の日韓請求権で解決していなければならないものでありますけれども、法の谷間になっている件でございます。戦後五十年たった今もなお正当な補償を受けることのできない在日韓国人の皆さんに人道的立場から立法による救済措置を図ってほしいと思います。 まず第一。初めに、鄭商根さんが第四項症に当たるとした場合、障害年金を受給できたとしたら、これまで受け取れたであろう年金額の累計はどのくらいになりますか。 二つ目。日本の軍人・軍属としてさきの大戦で死亡、負傷した韓国人、朝鮮人の数はどれぐらいになりますか。 三点目。大阪地裁判決後、厚生省の佐々木典夫社会・援護局長は談話を発表されました。その中で局長は、今後判決内容を詳しく検討し、関係省庁と相談すると言われています。今この大阪地裁判決の内容をどのように受けとめられておりますか。また、関係省庁とはどのような御相談をなさったのでありましょうか。 以上、三点について御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(佐々木典夫君) 三点お尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。 まず最初の、大阪地裁原告の鄭商根さんが四項症に当たるとした場合に、これまでの年金額はどのくらいになるかという点でございます。 お尋ねの点で、仮定の話でございますので仮定計算で機械的にやってみたわけでございますが、第四項症と申しますのは、「腕関節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタル者」というところに該当するというふうな受けとめをいたしたわけでございますが、昭和二十七年四月の法施行当時から平成七年十月分までの累積で四千八百八十八万円余というふうに仮定計算をされるところでございます。障害年金の額でございます。四項症に相当する戦傷病者に支給される障害年金の額ということで仮定計算をいたしますと、今申し上げた数字になろうかと思います。 それから、日本人の軍人・軍属としてさきの大戦で死亡あるいは負傷された韓国あるいは朝鮮の人の数でございますが、さきの大戦におきます朝鮮半島出身の旧日本軍人・軍属数につきましては約二十四万人というふうに私ども把握をいたしております。このうち戦没者数、亡くなられた方は約二万二千人であると把握をいたしてございますが、戦傷病者につきましては把握をいたしておりません。 それから、大阪地裁の判決内容をどのように受けとめておるか、あるいは関係省庁とどんな相談をしているかというお尋ねでございますが、今お話がございましたが、十月十一日の大阪地裁の国籍要件訴訟判決を受けまして、私より、憲法第十四条違反を理由として本件却下処分の取り消しを求めることができないという国の主張は認められましたが、判決理由中には国側の立場と必ずしも一致しない点があるやにも見受けられることから、今後判決の内容を詳しく検討し、関係省庁と相談してまいりたいという旨の談話を出させていただきました。 正確に今申し上げたとおりなのでございますが、実はそのときの問題意識は、詳細な検討の時間のいとまがございませんでしたが、さっと見る限りで、判決理由は、日韓請求権・経済協力協定の締結後におきましては、日韓両国のいずれからも在日韓国人に対する補償の道が閉ざされたにもかかわらず、これらの者を援護法の対象外としていることは憲法十四条に違反する疑いがあるとしているわけでございますが、この点につきましては、韓国との間では日韓請求権・経済協力協定によりまして、韓国人の補償の問題は在日韓国人を含めて法的には完全かつ最終的に解決済みとなっているという、協定についての我が国政府の解釈の全面否定につながるというふうに考えられたところでございます。 それから、平成四年の四月でございますが、台湾出身元日本兵の恩給法、援護法の国籍条項に関する最高裁判所の判決がございますが、これは国籍条項が違憲となる理由はないという判示であったわけでございますが、これとも異なる判断というふうに思えました。したがって、この問題につきましては、政府といたしましては重大な問題であるというふうな認識をいたしましたので、事これは条約の解釈の基本にもかかわる話でございますから、厚生省といたしましては外務省、法務省等とも慎重に相談する必要があるというふうな認識をしたところでございます。 とりあえずそんな認識をいたしましたが、判決の内容を精査する、よく分析、評価する、政府のこれまでの考え方との違い等をよく詰めてみる、そしてその後の訴訟への対応を慎重に相談したいと、こんな趣旨で談話を出させていただいたところでございます。 今の受けとめを申しますれば、厚生省としましては、先ほど申しました韓国との間では、日韓請求権・経済協力協定によりまして韓国人に対する補償の問題は在日韓国人を含めて法的に解決済みとなっていると承知をいたしておりますので、援護法の国籍要件の撤廃は極めて困難な問題であると考えているところでございます。 なお、大阪地裁国籍要件訴訟判決につきましては、十月二十日に原告により控訴がなされましたので、今後控訴審においてどのような対応をしていくか、引き続き法務省、外務省等関係省庁とよく相談をして対応してまいる考えでございます。
○栗原君子君 今、在日でいらっしゃる戦傷病者の方というのは私は人数は大変少ないと思います。一九六四年に帰化したら認めるということを政府が言いましたときに十七人中十五人が帰化をされまして、二人しか残っておられなかったわけでございます。今日でもそんなに大勢の人数ではなくて、二けたいらっしゃるかどうかなというぐらいではなかろうかと。あとは日韓請求権協定によって日本政府はすべて解決したというようなことを言っております。 それとまた、在日の韓国人は補償の対象にはなっていないということを韓国の政府では言っているわけですから、日本政府と韓国政府の法の谷間に置かれている方でありますので、もう皆さん高齢化していらっしゃるわけでございますから、ぜひ人道的な立場で高度な政治判断によって解決をしていただきたいと思います。 それから、戦傷病者の方の却下したものについては把握をしていないということでございましたが、実はここへ私は遺族年金とか弔慰金についての却下の通知書を持っておりまして、(資料を示す)これにはきちんとどれだけ却下をしたということが番号が打ってあるわけでございますから、わからないことはないであろうというようなことを思ったわけでございますが、時間がないのでこの件についてはまだ改めて質問もさせていただきたいと存じます。 次に、厚生省が国費百二十三億円を投入いたしまして、例の日本遺族会に運営を委託することを前提に進めております戦没者追悼平和祈念館一仮称)でございますが、これについてお伺いをさせていただきたいと思います。 第一は、戦没者追悼平和祈念館(仮称)企画検討委員会は平成六年に発足をいたしまして、今年九月二十二日に座長見解を出しまして終了したわけでございます。この間、十人の委員の中で四人の皆さんが辞任をされておられます。残られた六人の委員の中で三人は官僚のOBである、そしてグラフィックデザイナーの方があり、それから遺族会の副会長さんがあるという状況でございまして、歴史家は全くいないという中で座長見解が出されたわけでございまして、この見解そのものに疑問が残るのではなかろうかと、これが第一点。 それから第二に、座長見解では、運営に関する調査、審議が必要となることから、当委員会は終了し、新たに運営に関し調査、審議を行う有識者から成る会合を設けることが適当であるとしています。祈念館は本年十二月には着工するということが言われておりますけれども、有識者の委員会はいっできるものでございましょうか。企画検討委員会のようなああいったトラブルの心配はないものでしょうか。また、歴史の専門家などを含めました幅広い人たちが集まるような委員会になる自信があるものかないものか、これをお伺いいたします。 それから三点目は、歴史観に関するものについてはアジア歴史資料センターで処理すればいいということが九月二十七日の新聞で大臣のコメントとして報道されておりますけれども、このアジア歴史資料センターというのはまさにまだ影も形も見えないという状況の中で、こことのかかわりというのはどのようなものになるのか、これについてお伺いをいたします。 それから四つ目に、地元の理解、これがまず第一でございますけれども、どのようになっておりますのでしょうか。十分な理解がなされているものかどうかということをお伺いいたします。 災害時の生命、財産を守るために、地元では避難場所確保に関する陳情というものが区議会に出されているわけでございます。それから、地元の富士見とか神保町の地区町会連合会でもこういった反対運動が起きているわけでございます。くの字形の建物が悪いという以前の問題として、形を変えればいいというものでなくして、あの場所はとにかく避難場所として残してほしい、そういうことを地元の要望として強く出されているわけでございますが、これらについて御答弁をいただきたいと存じます。
○政府委員(佐々木典夫君) 四点ほどお尋ねがございましたので、順次お答えを申し上げます。 まず、戦没者追悼平和祈念館の企画検討委員会の委員の辞任についてでございますが、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設が円滑に進むような方策を検討中に一部の有識者の方が辞任をされたわけでございまして、私どもは大変残念に思っているところでございます。 この施設につきましては、今日まで十年にも及ぶ期間、いろんな角度から検討が積み重ねられてまいりました。今回の見直しは、平成四年八月、歴史学者も参画された戦没者遺児記念館基本計画案検討委員会、八木哲夫座長でございますが、において取りまとめられました基本構想に沿って、その具体化を図る過程において関係各方面からの御要望や御意見を踏まえ、施設の性格については基本的に変更することはなく基本構想の一部見直しが行われたものでございます。 なお、辞任をされた有識者の方の御意見につきましても、それを踏まえ事業内容の一部を見直したところでございます。例えば、展示でなくて、資料あるいは情報の収集、それから検索機能を重視すべきであるといったようなお考えをお持ちの方があったわけでございますが、そういう点は見直しの中に生かしているところでございます。 それから、運営に関し調査、審議を行う有識者から成る会合でございます。新たな有識者から成る会合につきましては、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の趣旨、性格、形状、それから事業内容に関する検討を終えましたので、今後はまず関係者の御理解を得つつ着工のための準備作業を急ぐこととしたいと思っておりますが、またあわせて、平成十年春ごろの開館に向けまして新たに運営に関する調査、審議を行う有識者から成る会合を設ける必要がありますので、今後委員の人選を進め、できるだけ早期に開催できるように努めてまいりたいと考えております。 それから三点目に、アジア歴史資料センター(仮称)と戦没者追悼平和祈念館一仮称)との関係についてのお尋ねがございましたが、アジア歴史資料センターとの関係につきましては、私どもの担当いたします戦没者追悼平和祈念館(仮称)の方が戦没者遺族の援護施策の一環として主に戦没者遺児を初めとする戦没者遺族の経験した戦中戦後の国民生活上の労苦に係る歴史的資料、情報を収集、保存し、後の世代に戦中戦後の国民生活上の労苦を知る機会を提供しようとするものでございます。 他方、アジア歴史資料センター(仮称)の設立検討のための有識者会議からの提言によりますると、アジア歴史資料センターは、日本とアジア近隣諸国等との間の近現代史に関する資料及び資料情報を幅広く偏りなく収集し、これを内外の研究者を初め広く一般に提供することを基本的な目的とする施設であるとされているところでございます。 それぞれ検討が進められておるわけでございますが、したがって、今申しましたようなことから、二つの施設はその設置の目的なり基本的な性格を異にするものでございますので、それぞれ独自の施設として事業計画を進めるべきものであると私どもは考えているところでございます。 それから四点目に、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設に当たっての地元住民の理解が大切であるという点でございますが、私どもも当然そう思っておりまして、当初の計画段階で四回にわたって説明会を開きまして地元の御要望等をお聞きし、見直しに反映したところでございます。 見直し結果をよく御説明し、御理解いただけるよう今後も努めてまいりたいと考えておりますが、若干申しますと、特にこれまで地元との話し合いの際の要請事項は、例えば一つには電波障害を解消してほしい、二つには風害の影響の調査をしてほしい、あるいは三つ目には車両の出入り口の変更、原案では靖国通りから入るとなっておったんですが、それから四点目には景観との調和を図ってほしいといったようなことがあり、なお極めて近く防災上の配慮というようなことも出てまいっているところでございます。 私どもとしましては、例えば今申しました点につきましては、電波障害でありますれば現状どおりに手当てをしていくということでやってまいりまするし、それから風害の影響の調査につきましては、前のデザインのときのシミュレーションがあるわけですが、改めて見直し後のデザインについて目下シミュレーション調査を実施中でございまして、適切な、問題の生じることのないような対応をしたいと当然思っております。 それから、車両の出入り口等につきましては、今回の見直しの中で、靖国通りからでなくて目白通りから入られるようにするというようなことにいたしました。 このほか、景観との調和等につきましては、高さ五十九メートル十階建てでございましたのですが、これを四十五メートル七階建てに修正いたしましたほか、デザインにつきましては専門家の検討を煩わせ、周辺環境との調和に最大限の配慮をしていただいた形状というふうに受けとめてございます。具体的には、例えば二階部分にピロティー、広場を設けるといったような点の配慮がなされているところでございます。防災上の配慮についても、当然のことながら十分な手当てをしていくという考え方で臨んでいるところでございます。 以上のようなことをやりながら、なお今後十分御理解いただけるよう努めまして着工の準備に当たってまいりたいと考えているところでございます。
○栗原君子君 地元の皆さんのことも十分に考慮されながら、よろしくお願いをいたします。 次に、私は放射線影響研究所、いわゆる放影研の移転問題についてお伺いをしたいと思います。 広島県、それからまた広島市が長年要請しています移転問題でございますが、建物は大変もう古くなりまして四十四年ということでございます。私も先般見に参りました。大変老朽化しております。水道管などは内部が腐食をいたしておりますし、赤さびが出てくるとかあるいは雨漏りがひどいとか、そういった状況でございます。 こんな中で、九二年に立派な移転新築基本構想が完成しておりますけれども、いまだにこれは放置されたままでございまして、全く見通しも立っていないという状況でございます。このことについて。 それと二つ目に、職員の定数の削減が大変ここは進んでいるわけでございまして、長崎の放影研の放射線生物学部などは、もうこれは廃止になりまして、九三年の職員定数は四百三十四人でございましたけれども、九六年には三百三十一人にされるということでございます。 今日、被爆者は残念ながら大変ふえております。それは、フランスあるいは中国の核実験、あるいはチェルノブイリの原発事故などによりまして被爆者はふえているわけでございます。世界じゅうから核がなくならない限り、放射線の人体に与える影響を研究することは必要なわけでございますから、世界の被爆者のために貢献できるセンターの役目を持つ放影研がリストラでその余裕すらなくなるということは大変残念な思いをいたしているわけでございます。 いずれにせよ、この移転問題をいろいろ議論していただく中で、運営費が日本とアメリカの折半でなされている、これが大きな障害にもなるのではなかろうかと思います。かつて、昭和五十五年三月二十七日に、森井大臣は当時の野呂厚生大臣に対して折半の問題を厳しく指摘されておられますけれども、これらも含めましてこの放影研の移転問題についてどのようにお考えでございましょうか、お伺いをいたします。 最後に森井大臣から先ほどの三点について所見を一言お伺いできればと思います。
○政府委員(松村明仁君) 私の方から移転計画の問題とリストラのことにつきまして御答弁を申し上げます。 財団法人放射線影響研究所につきましては、昭和五十年の日米交換公文に基づきまして日米両国が共同して運営に当たっているところでございまして、その運営費につきましても日米両国で折半負担をしているところであります。 放影研の移転につきましては、厚生省としてはこれまで放影研や地元の方々あるいは米国政府など関係者と協議し、その円滑な実施に向けて努力をしてきたところでございますが、御指摘のように、平成五年九月、米国側より米国政府の財政事情により移転経費の予算計上ができない旨の表明がございました。このため、これまでたびたび米国側担当者と直接協議、要請を行ってきておりますが、現段階では米国側は当分の間、移転費用の支出は困難であるとの姿勢を崩していないところでございます。私どもといたしましては、放影研の移転実現に向けまして、引き続き米国側に働きかけを行ってまいりたいと思います。 それから、合理化のことでございますが、放影研の合理化につきましては、コンピューター等の機械の導入によりまして業務の効率化を図りつつ業務に支障を来さない範囲で退職者の不補充を実施するとか、あるいは効率化の観点から組織編成の見直しを行うという観点、これらの観点から実施しているものでございまして、合理化により雇用不安や研究活動のおくれが生ずることはないものと考えております。 今後とも、合理化できるところは合理化を図りまして、放射線影響研究所の研究活動に支障を来すことのないように十分に配慮してまいりたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 私からも、三点にわたって御質問がありましたから、かいつまんで御答弁申し上げたいと思います。 一つは、放影研の問題でございます。 今度の被爆者援護法では、法律の中に放影研の位置づけを明確にいたしましたことは御存じのとおりでございまして、また附帯決議もいただいておりますから、それをしっかり踏まえてやっていきたいと思います。 それから、放影研の果たす役割については、調査研究で非常に重要性を持っていると私は思っておりまして、かねがね放影研の調査研究を支援してまいる立場でございまして、今もその気持ちに変わりはございません。 御指摘がありましたように、これは日米交換公文に基づきまして日米折半という費用負担の形になっておりますが、年来の私の主張でございまして、本来ならこれはアメリカさんのお世話にならなくても全額我が国で負担をするのが正しいのではないか、調査の対象も被爆者でございますし、やはり日本側で思うような調査研究をしていくべきだと。 理由はもう明確でございまして、御存じのとおり世界初の被爆国でございますので、被爆者対策のことを考えますと今もその気持ちは変わりませんで、費用は我が国で持ってもいいと思っておりますが、外交的には日米交換公文によりまして折半ということになっております。ただ、最近円高になってまいりまして、アメリカ側の負担もやや滞りがちということがございました。 先ほど局長からも御答弁をいたしましたように、移転についても残念ながらアメリカ側から経費が出ないというふうな問題点はございますけれども、ようやくアメリカ側も費用負担については移転を除いては折半を守るということでございますから、私ども当面は見守っていきたいというふうに考えております。 それから、例の援護法におきます国籍要件でございます。これもさかのぼりますと、同じ日本人であった人がなぜ援護法の対象にならないのかということで、かなり前から私も指摘をしてまいりました。 しかし、先ほど局長が答えましたように、戦後の枠組みを既に我が国としても決定いたしておりますし、御指摘がありましたように、私の場合は何とかこれが実現できる方法はないかということで考えてみました。御指摘のように、対象人員が少ないとおっしゃいますけれども、これはやってみないとわからないわけでありますが、そう少ない人数じゃないという感じもするわけであります。在日だけじゃなくて、在韓のそういった方々も、障害を持っていらっしゃる方については補償も何もしておりません。韓国政府は亡くなられた方について三十万ウォンの弔慰金をお出しのようでございますが、それ以外は手つかずでございます。 ましてや、朝鮮民主主義人民共和国にいらっしゃる方もありますし、当然台湾の方、それから日本軍に雇用された中国の方等も考えますと、影響は果てしなく広がってくるということでございまして、戦後処理の問題は私の直接の所管ではありませんけれども、裁判所で指摘をされた憲法十四条の法のもとに平等という点から見れば政策の問題とも書いてあるものでございますから、私も検討はしてみましたけれども、残念ながら今申し上げましたような結論になったということでございます。 それから、平和祈念館につきましては、先ほど局長が答弁をいたしましたように、もうここまで来ましたから後ずさりもできないわけでございまして、できるだけ親しまれるような施設にしていきたいというふうに考えております。
○栗原君子君 終わります。
○西山登紀子君 まず、大臣にお伺いいたしますけれども、十月から精神障害者の手帳制度がようやく発足をいたしました。これは大変歓迎をされているわけです。ところが、身体障害者には鉄道とか航空運賃の割引などの経済的負担軽減の措置がとられているわけですけれども、精神障害者にはこの制度は適用されていません。これは法の平等適用に反しまして、精神障害者に著しい不利益な扱いになるのではないかと思うわけです。 大臣も御承知のとおり、全会派一致で成立をいたしました障害者基本法第二十三条には、すべての障害者とその扶養者の経済的負担の軽減というものを規定しているわけです。この条文からいいましても、実務的な研究課題はあろうかと思いますけれども、現行の福祉措置はひとしくしかも早急に適用すべきではありませんか。大臣に基本的なお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(森井忠良君) 精神障害者につきましては、平成五年に成立した障害者基本法で身体障害者や精神薄弱者と同様の障害者として明確に位置づけがされたところでございまして、本年には精神保健法を改正して精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に改めまして、精神障害者保健福祉手帳の創設も図ったところでございまして、まさに御指摘のとおりでございます。 この手帳は、手帳の交付を受けた方に対して関係機関の協力により各種の支援策が講じられることを促進し、精神障害者の福祉の向上を図ることを目的としており、現在のところ通院医療費の公費負担や生活保護の障害者加算、税制上の優遇措置などが既に手帳により受けられることになったわけでございますけれども、今後身体障害者や精神薄弱者の手帳の場合と同様な支援策が講じられるように厚生省としても関係方面に協力をお願いしたいと思っております。 現状は、御指摘のように、身体障害者は精神薄弱者の皆さんから見るとかなりそういった意味での便宜措置がまだ実現をしておりません。厚生省としてはこれから努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○西山登紀子君 十月二十六日でしたか、厚生省は各省庁に文書で申し入れをしておられると思うんですけれども、そのとおりですよね。
○国務大臣(森井忠良君) そのとおりです。
○西山登紀子君 積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 精神障害者の自立と社会参加の上からも大変重要なことだと考えますので、ひとつ大臣、閣議でも積極的に御発言いただきまして進めていただきたいとお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(森井忠良君) 閣議がどうかは別にいたしまして、既にやっております。したがって、御趣旨をこれからも生かしていきたいと思いますが、船路もあるわけでございます。 精神障害者の場合は、御存じのように、手帳を受け取らない方も、受け取らないといいますか、要らないと言われる方もいらっしゃいます。それから、手帳を持っていらっしゃる人も写真は張ってほしくないというふうなことがございまして、実際にやる場合にはまだ問題が残されているということだけは御理解をいただいておきたいと思います。
○西山登紀子君 次に、妊産婦と新生児の救急のための周産期医療体制の確立についてお伺いいたします。 我が国の母子保健は妊産婦の死亡率を除けば世界のトップクラス、こういうふうになっているわけです。これは大変結構なことなんですけれども、まだ改善の余地があります。厚生省からいただいた資料によりますと、平成五年で妊産婦の死亡は九十一人、新生児の兄上しは二千七百六十五人、こういうふうになっています。出産の陰でこんなにも多くの女性が亡くなり、新生児が亡くなっているということを私は重く受けとめました。 京都で最近NICUとPICUを開設された病院を訪問しましたけれども、そこの専門家のお医者さんのお話では、この死亡数は半減できる、半分にできる、周産期医療体制を整備すれば本当に半減が可能である、こういうふうな御示唆をいただいたわけです。この先生はアメリカに留学をされていたわけですけれども、我が国の周産期医療体制というものは、アメリカと比較いたしますと残念ながら十年おくれているとおっしゃっていました。 とりわけNICU、PICUというのは本来一体のものとして整備されていかなければいけないものなんですけれども、日本ではそれがアンバランスでございまして、PICUが極端におくれていると。ここに日本の妊産婦死亡率が高い原因の一つがあるともおっしゃっていたわけです。NICUとPICUを合わせた周産期体制の整備を急ぐ必要があると考えます。 大臣、そこでお聞きいたしますけれども、厚生省の委託研究でございますハイリスク児の総合的ケアシステムに関する研究というのがあるわけですが、その報告では、各地域は人口約百万人、出生約一万を一つの周産期医療圏と考えて、地域内の各周産期医療施設が協力をして周産期医療システムを確立することが適当である、その中核になるのは重症な妊婦や新生児を収容し治療を行うセンター施設の整備が必要だ、このような報告をされているわけですけれども、厚生省はこういう研究報告の趣旨を生かしまして今後どのようなシステムの確立を目指されるのか、大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森井忠良君) 周産期医療の充実は、次代を担う子供たちが健やかに生まれ育つ環境づくりにおいて極めて重要な課題であると私も認識をいたしております。 このために、周産期医療につきましての研究の成果や周産期集中強化治療室、御指摘がありましたPICU等の施設が地域的に不足しているという現状を踏まえまして、総合的な周産期医療システムの確立に向けて今後都道府県とも協議をしながら整備に努めてまいりたいと思っております。
○西山登紀子君 私が住んでいる京都はその点残念ながらおくれております。 京都府医師会の最近の報告では、母体の搬送または良好な管理下での迅速な新生児の搬送が適切に行われ、高度医療可能な施設で出産、新生児管理を行えれば、これらの指標、つまり死亡率は確実に減少すると結論づけているわけです。この結論というのは各県に共通すると思います。 とりわけ急がれますのは情報の集中管理と搬送の体制です。概算要求では五カ所ふやす、そういうシステム化に対する予算化を概算要求でなさっているわけですけれども、もっとふやしていくべきではないかなと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(高木俊明君) 周産期の医療体制を確立するということは非常に重要であるということでございまして、私どもも急がなければならないというふうに考えておるわけでございます。 そういった意味で、先ほどお話のございました研究の成果を踏まえまして、来年度、情報システムを含めた総合的な周産期医療システムを構築していこうということで考えておるわけでございます。今後、人口百万に一カ所程度は整備をしていくという方向で、まず来年度を初年度ということでございます。何とかその実現に向けて予算の確保に努めてまいりたい、このように考えております。
○西山登紀子君 全国百カ所で五カ所となりますと、単純計算でいけば二十年かかるというようなことになるわけで、これは非常にもっと急いでいただく必要があるだろうと思います。 ところで、この医療分野というのは明らかに今不採算です。施設の投資もかなりかかりますし、報告書によれば、一味当たり年間六百万から一千万の赤字だというふうに述べているわけです。概算要求ではPICUわずか三施設に補助を試みるというふうになっているわけですけれども、この運営費の補助をぜひ強めてほしいと思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(高木俊明君) この総合周産期医療センターの運営費でございますけれども、なかなか採算面で厳しいという問題がございます。そういった意味で、この運営費の確保ということがやはり重要な課題だというふうに考えておりますので、私どもその予算の確保に全力を尽くしたいと思っております。
○西山登紀子君 ぜひ積極的にお進めいただきたいと思います。 次に、エイズの問題についてお伺いしたいと思います。 十月六日に東京及び大阪の地裁の和解勧告が出されました。 私は、東京と大阪の原告、それから弁護団の方々とお会いをいたしまして、意見と要望を伺ってまいりました。いずれも和解勧告に当たっての所見については、提訴から六年、光が見えた、生きる希望が見えてきた、こういう評価と同時に、全面解決に向けて、現実の医療や生活上の不安、恒久対策についての具体的な要望も出されました。この点については後ほどお伺いをしたいと思います。 そして、何よりも強く望んでおられますことは、国が所見を尊重して、責任を認め謝罪をすること、生きているうちに厚生省は誠意ある謝罪をと、こういうことでございました。国の対策のおくれが悲惨な被害拡大に至ったことは否めないと所見は国の責任を厳しく指摘をしている点、先ほど来の大臣の御答弁の中からも厳しく受けとめているというようなお言葉があったわけですけれども、大変厳しい指摘をしているところです。 そこで、大臣にお伺いいたしますが、この所見の第一項、それから第二項、第三項、これを尊重し、そして第四項に沿って、責任の所在の問題を含め、当然和解協議の席に臨まれると思うんですけれども、決意のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(森井忠良君) 裁判所はその所見において、国は「感染被害を早急に救済すべき責任を果たすべきである。」、また「深甚な反省の意が表されて然るべきであると考えられるけれども、」と指摘をしているところでございまして、先生御指摘のように私もこの点について重く受けとめているわけでございます。 明日、十一月一日から裁判所に当事者が個別に呼ばれる形で和解の話し合いが始まる予定でありますけれども、こうした裁判所の指摘も踏まえ、責任や謝罪の問題についても和解の話し合いの重要なテーマになるものというふうに考えておるわけでございます。 今後の和解の話し合いにおきましては、裁判所の主導のもとで、裁判所の和解勧告の趣旨、すなわち法的責任の存否の争いを超えて広く社会的、人道的立場に立って早期に救済を図るべきであるという点でございますが、そういった点に沿って早期解決に向けて全力を尽くしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○西山登紀子君 和解協議のテーマには責任と謝罪の問題も入ると、このように大臣がお考えであるというふうに受けとめました。 それで、大臣は、衆議院の答弁でもそうですけれども、本当に気持ちとしては何でもやりたいというふうに繰り返し原告の悲惨な状況に理解を示している御発言もございました。私もそのお気持ちは大変必要だと思うし、大事なことだというふうに思っています。 しかし、国会でたびたび問題になっているんですけれども、私本当に納得できないことがあります。エイズ研究班でどのような論議がされたのか、その会議録、そして配付された資料をなぜ提出しないのかということなんですね。討議内容とか配付資料については確認できないという、そういう一点張りの答弁です。国費を使い、しかも国民の命にかかわるエイズの実態解明を急ぐ必要があった、そのために設置された非常に大事な時期の研究班なんです。研究班の記録はない、資料は保存されていないというようなことで国会と国民に内容が報告されない、こういうことでは済まされないと思うんですね。 こういうことが常識で通用するというふうに大臣はお考えでしょうか。
○政府委員(荒賀泰太君) エイズ研究班の資料についてのお尋ねでございますが、エイズ研究班は御承知の昭和五十八年六月に血液研究事業といたしまして、エイズに関する学術的な研究を目的として設置されたものでございますが、議事録は作成をされておりません。その運営管理については研究班の班長にゆだねられておりまして、正式の審議会のように厚生省が事務局を務めましてすべての配付資料を用意する、そういうような性格のものではなかったわけでございます。 厚生省といたしましては、本研究班の資料をくまなく探したわけでございますが、残念ながら現在保存されていないところでございます。
○西山登紀子君 私は、厚生委員も長いことやっておられた大臣に本当にこういうことが常識で通用するかというふうにお聞きをしたんですけれども、大臣、どうですか。もう一度大臣にお伺いいたしますけれども、大臣はお答えできませんか。
○国務大臣(森井忠良君) 今、局長が答弁をいたしましたように、私としてもないというものを改めて出せというのもこれは言えない話でございまして、荒賀局長もかなり探したようでありますけれども、私のところへの報告は探したがありませんでしたということなので、もうそれ以上は言えないということを御理解いただきたいと思います。
○西山登紀子君 国民は納得しないと思いますね。 ところで、この和解勧告の直後の十月九日に、NHKの教育テレビが「エイズ薬害訴訟・行政責任はどう問われているか」というものを放映いたしました。大臣も厚生省も当然ごらんになっていることと思います。私が資料配付をお願いいたしました資料をぜひごらんいただきたいと思います。もちろん御存じのことばかりです。当時放映をされましたその画面から読み取ることができるものを私の方で資料としてつくらせていただいたものでございます。 そのNHKの「エイズ薬害訴訟・行政責任はどう問われているか」という番組の中で、ナレーションはこういうことを言っております。 これは一九八三年六月の第一回エイズ研究班の席上で厚生省がメンバーに配布した資料です。アメリカの政府機関が血液や血液製剤に関連してとった対応策のマニュアルや実態調査なとが詳細に報告されています。こうした資料には血液製剤の危険性やエイズがウイルス性の感染症である可能性が強いことなどがはっきりと示されていました。こういうナレーションが流れる中、映像で映し出された資料は八枚、タイトルは「後天性免疫不全症候群の米国における経過と対応」、資料の内容、映像から再現できるものをここに記したわけですけれども、一九八二年七月、「CDC(米国防疫センター)はFDA、NHF一米国血友病財団)と対策を協議」、こういうのが読み取れるわけであります。「血友病患者をエイズから保護するための」というタイトルも見える。血友病に関する「第九因子の投与」というような言葉も読み取れるわけでございます。 さらに重要なことは、この報道で当時の生物製剤課長郡司さんは大変な証言をしています。八三年六月二日付でアメリカのトラベノール社からエイズ患者の血液が混入していた製剤を日本へ送ったという報告が来たと。この報告はどこにも発表されなかった。こういうインタビューを受けて、なぜ発表しなかったのかという問いに郡司氏は、「私が個人的に判断することはありません」と答えています。これは非常に重大だと思うんです。この答弁は厚生省上層部と協議をした結論だということを示唆するものではないでしょうか。この報道がそのとおりであるならば、一九八三年当時、厚生省が血液製剤とエイズとの危険性について予知できなかったという主張に大きな疑惑がわいてくる重大な報道です。このような資料が存在するはずです。ぜひ提出をしてください。
○政府委員(荒賀泰太君) ただいまお尋ねのNHKが放映した資料につきましては、厚生省としてエイズ研究班の資料であることの確認はできていないところでございます。 先ほど申し上げましたように、エイズ研究班の資料につきましては、十年以上も前のことでございまして、保存されておりません。裁判の過程におきましても原告側から釈明を求められましたが、国として確認できないという回答をしておるところでございまして、提出をすることができないことを御理解いただきたいと思います。
○西山登紀子君 私は、今の御答弁では非常に不誠実な御答弁だというふうに思います。 この映像というのはNHKが全国に報道をした映像でございます。NHKがうその報道をしているというふうにおっしゃるのでしょうか。この映像がはっきりと示しておりますように、研究班の資料は配付されており、存在をしているはずです。国会が提出を要求すればそういう資料が国会に提出されると国民が思うのは私は当たり前だと思うんですね。放映されて既に二十日以上たっています。どうですか。国会に提出される、国民がそのようなことは提出されて当たり前だ、こんなふうに思うんじゃないですか。どうですか。
○政府委員(荒賀泰太君) この件については、先ほど来御答弁申し上げておりますように、厚生省として本研究班の資料をくまなく探したわけでありますが、残念ながら見当たらないということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○西山登紀子君 今、委員の方もおわかりのとおり、本当に資料がないの一点張り、全国に放映されてもなおそういった事実について覆い隠そうとする、そういう態度について私は本当に許せないと思うんですね。被害者も国民も本当に痛切に願っていることは、二度とこのような悲劇が起こらない、そのための真相の解明です。一体だれが、またどんな理由でこうした恐ろしい過失を犯したのか、このことを明らかにせずして薬害防止の根本的な対策は立てられません。国会としても非常に責任があると思うんですね。 厚生省はもうずっと裁判の中でもこの求釈明を要求されている資料の提出に応じておりませんし、確認できないというような不可解な回答を続けております。しかし、厚生省がどのように繕おうとも、所見は被告らには原告らのエイズ感染について重大な責任があるというふうに明記をしておるわけでございます。 さらに、所見の後のマスコミはすべてと言っていいぐらい、例えば毎日では「責任を認め国は謝罪を」、朝日は「エイズ薬害 国の責任指摘」、日経は「被害拡大、国に責任」、読売は「「国の対応に遅れ」指摘」としている。このように一般のマスコミも国の責任ということには明確に指弾をしているわけです。 委員長にお願いをしたいわけですけれども、国会としても、当委員会としても真相を明らかにする責任があると私は思うんです。ぜひ真相究明のための資料の提出及び集中審議を行うことをお考えいただきたい、お取り計らいをいただきたいと思います。
○委員長(今井澄君) 委員長としては、理事会に諮りまして今の問題は検討させていただきたいと思います。
○西山登紀子君 それでは、次に被害者の医療の問題でお伺いしたいと思います。 まず、医療費の負担の軽減の問題です。 被害者の医療費というのは無料なんですけれども、原告の方にお伺いいたしますと、差額ベッド代が高くて被害者を苦しめているということがわかりました。 関西では、国公立病院で血友病のエイズ患者が受け入れられずに、私立の病院で入院する場合が非常に多いわけです。一カ月の個室料が十八万から二十万円するわけですが、相部屋でいいというふうに言いますと、それはもう入院を断られてしまうということで、病院の側もエイズに対する偏見が強いためにどうしても個室の利用を勧めざるを得ないという状況がありまして、十八万から二十万の負担が大変だ、こういう要望をお聞きしたわけでございます。厚生省が通知を出したということも聞いているんですけれども、実際には何の役にも立っていない、こういうこともお伺いいたしました。せっかく延命の希望が出てきたのに、これでは負担が大きい、延命の夢を持たせてほしいと訴えられたわけです。恒久対策の中身にもかかわることですけれども、五日に一人が亡くなる、このように非常に厳しい現実があります。 格差がある各県の国公立病院での患者の入院、治療の保障、そして差額ベッド代の解消など、和解協議の成立する以前にも直ちに改善すべきだと考えますが、どうですか。
○政府委員(岡光序治君) 先生からも御指摘がありましたが、差額ベッドの徴収の点でございますけれども、私どもは指導通知を出しておりまして、いわゆる差額ベッドを徴収できるというのは患者側の希望がある場合に限られております。したがって、治療上の必要からそういうベッドに入院をさせたような場合には患者負担を求めてはならない、こういうことにしておりますので、私どもその状況に違反をするような事例がございましたら都道府県を通じて指導をしてまいりたいと思います。 なお、こういった重症患者で常時受け入れを必要とするような人につきましては特別の加算をしておりますし、またエイズの感染者あるいは患者の受け入れのための入院について、一日二百点の加算をするとか緩和ケア病棟の入院対象にするとか、そういう特別の措置をしておりまして、いわゆる入院受け入れの条件は整っているんじゃないかと思います。 そういったことにもかかわらず、差額ベッドを取って、しかも患者が希望しないのに差額ベッドを取るということでありましたら、これは私どもの指導方針とは違っておりますので、個別に適切に対応したいと思っております。
○西山登紀子君 今のお話を伺っていますと、被害者の実態を本当にわかっていらっしゃるのかなと私は思います。今も申し上げたように、本来エイズというのは感染経路というのは非常に限定されたものでありますし、相部屋でいいんですよ。しかし、相部屋にできない今の社会的な偏見があるじゃないですか。その現実をちゃんと見るべきだと思うんです。だから、相部屋でいいというふうに言っても、それでは入院をお断りいたしますと言われれば行くところがない、そういうふうな現実があるということを厚生省はもう少し実際によく御調査をいただきたいというふうに思います。 所見の中には、被害者というのは死亡に至るまでの病態は極めて悲惨である、しかも極めて不当な社会的差別にさらされていて、原告らが何ら落ち度もないのに、悲惨というほかないような死に至る苦痛を甘受せざるを得ないことは決して容認できない、容認できないというふうに所見は述べています。ましてや経済的な苦痛など与えるべきではありませんよ。それは即座に開始すべきだ、急いでできるだけの手を打つべきだ、このように思いますけれども、もう一度御答弁をお願いいたします。
○政府委員(岡光序治君) 実情をよく確認いたしまして対応いたしたいと思います。
○西山登紀子君 最後に、大臣にお伺いいたしますが、恒久対策についてはもちろん和解のテーマです。それについて私は原告の方からお伺いいたしました。何が一番恒久対策として御心配がお伺いいたしますと、二次感染や三次感染の場合もいつ発病しても患者本人と同様に救済が受けられるようにしてほしいという要望があったわけです。つまり、夫亡き後の妻に、子にもしものことがあればと話されたわけです。原告が奥さんとともに訴えられた。この言葉を大臣、重く受けとめていただきたいと思います。 このほかにもさまざまな要望が出されているわけですけれども、和解協議の席上でこういった問題につきましても誠実に対応していただきたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(森井忠良君) 誠実に対応してまいりたいと申し上げたいと思います。 今お話がありましたように、恒久対策についてはこれから和解の話し合いをいたします場合に大事な項目の一つでございます。今御指摘のような問題も含めて恒久対策の話し合いをすることになるかとも思うわけでございます。 なお、東京地裁の和解案でありますが、二次感染、三次感染者についてはその感染原因の証明を待って本和解の対象とするというふうに記載をされております。御参考までに。
○西山登紀子君 ありがとうございました。 その場合、いつ発生してもという御心配、この点もよろしくお願いいたします。 終わります。
○委員長(今井澄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時八分散会