決算委員会 第3号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/12/11
会議録
○委員長(浦田勝君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る五日、本岡昭次君及び武田邦太郎君が委員を辞任され、その補欠として末広真樹子君及び国井正幸君が選任されました。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成四年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成五年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成五年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成六年度一般会計予備費使用燃調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平帝六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成六年度特別会計予管総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成四年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書、平成五年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書、以上十四件を一括して議題といたします。 まず、これらの説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。
○国務大臣(武村正義君) ただいま議題となりました平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外十一件の事後承諾を求める件の大要並びに平成四年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書及び平成五年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書の事後承諾を求める件の概要につきまして御説明を申し上げます。 まず、平成四年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、平成五年三月十日から同年三月二十五日までの間において使用を決定しました金額は七百三十九億円余であります。 平成四年度各特別会計予備費予算総額二兆四千六百一億円余のうち、平成五年三月二十三日から同年三月三十一日までの間において使用を決定しました金額は三百八十二億円余であります。 平成四年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成五年三月三十日に経費の増額を決定しました金額は三千百四十八億円余であります。 第二に、平成五年度一般会計予備費予算額一千五百億円のうち、平成五年四月二十日から平成六年三月二十五日までの間において使用を決定しました金額は一千百十三億円余であります。 平成五年度各特別会計予備費予算総額二兆四千八百二十四億円余のうち、平成五年十月一日から平成六年三月二十九日までの間において使用を決定しました金額は一千四百九十二億円余であります。 平成五年度特別会計予算総則第十三条の規定により、平成五年九月十日から平成六年三月二十九日までの間において経費の増額を決定しました金額は九百四十二億円余であります。 第三に、平成六年度一般会計予備費予算額一千五百億円のうち、平成六年四月十一日から平成七年一月十七日までの間において使用を決定しました金額は四百三十三億円余であります。 平成六年度各特別会計予備費予算総額二兆七千六百七十九億円余のうち、平成六年十二月十二日に使用を決定しました金額は十二億円余であります。 平成六年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成六年九月九日から同年十二月九日までの間において経費の増額を決定しました金額は百二十六億円余であります。 次に、平成四年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書及び平成五年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成四年度におきましては、予見しがたい租税収入の減少等により、一般会計の歳入歳出の決算上一兆五千四百四十七億円余の不足が生ずることとなりましたので、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定により、当該決算上の不足額を補てんするため、決算調整資金から同額を一般会計の歳入に組み入れて平成四年度の一般会計の歳入歳出の決算を行っております。 この決算上の不足額は、決算調整資金に関する法律施行令第一条の規定により計算しました額でありまして、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定の適用前における平成四年度の一般会計の収納済み歳入額六十九兆九千二百十二億円余が平成四年度の一般会計において財政法第六条に規定する剰余金を全く生じないものとして算定した場合に得られるべき歳入の額に相当する額七十一兆四千六百五十九億円余に不足する額に相当する額であります。 また、この決算上の不足額の補てんにつきましては、決算調整資金から一般会計の歳入に組み入れる際の決算調整資金に属する現金がなかったので、決算調整資金に関する法律附則第二条第一項の規定により、当該決算上の不足額に相当する額を国債整理基金から決算調整資金に繰り入れた後、同資金から一般会計の歳入に組み入れております。 なお、この国債整理基金から決算調整資金に繰り入れた額一兆五千四百四十七億円余に相当する金額につきましては、決算調整資金に関する法律附則第二条第三項及び第四項の規定により、平成六年度予算に計上して一般会計から決算調整資金に繰り入れた後、同資金から国債整理基金に繰り戻しております。 また、平成五年度におきましては、予見しがたい租税収入の減少等により、一般会計の歳入歳出の決算上五千六百六十三億円余の不足が生ずることとなりましたので、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定により、当該決算上の不足額を補てんするため、決算調整資金から同額を一般会計の歳入に組み入れて平成五年度の一般会計の歳入歳出の決算を行っております。 この決算上の不足額は、決算調整資金に関する法律施行令第一条の規定により計算しました額でありまして、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定の適用前における平成五年度の一般会計の収納済み歳入額七十七兆一千六百四十八億円余が平成五年度の一般会計において財政法第六条に規定する剰余金を全く生じたいものとして算定した場合に得られるべき歳入の額に相当する額七十七兆七千三百十一億円余に不足する額に相当する額であります。 また、この決算上の不足額の補てんにつきましては、決算調整資金から一般会計の歳入に組み入れる際の決算調整資金に属する現金がなかったので、決算調整資金に関する法律附則第二条第一項の規定により、当該決算上の不足額に相当する額を国債整理基金から決算調整資金に繰り入れた後、同資金から一般会計の歳入に組み入れております。 なお、この国債整理基金から決算調整資金に繰り入れた額五千六百六十三億円余に相当する金額につきましては、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律第四条の規定により読みかえられた決算調整資金に関する法律第二条第三項及び同条第四項の規定により、平成七年度補正予算(第2号)に計上して一般会計から決算調整資金に繰り入れた後、同資金から国債整理基金に繰り戻しております。 以上が予備費使用総調書等についての事後承諾を求める件の大要及び決算調整資金からの歳入組入れに関する調書の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(浦田勝君) 以上をもちまして説明の聴取は終了いたしました。 それでは、ただいま説明を聴取いたしました予備費関係等十四件及び平成四年度決算外二件、平成五年度決算外二件のうち、皇室費、国会、会計検査院、内閣、総理府本府、大蔵省、経済企画庁、国民金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の決算を便宜一括議題とし、審査を行います。 —————————————
○委員長(浦田勝君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(浦田勝君) 速記を起こしてください。 —————————————
○委員長(浦田勝君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐藤泰三君 自由民主党の佐藤泰三でございます。 ただいま議題となりました予備費関係及び決算調整資金につきまして質問に入ります前に、一言申し上げたいことがございます。それは、議題とたっています予備費等のうち、平成四年度一般会計予備費(その2)外五件は昨年の百二十九国会に提出され、その他案件も本年一月召集の常会に提出されたものであり、国会審議が大変におくれております。 参議院におきますこれまでの予備費審査の状況を見ますと、平成三年十二月には昭和六十三年度(その2)外十三件をまとめて審議しており、平成五年五月には平成二年度(その2)外十一件をまとめて審議いたしております。予備費はなぜこのようにためて審議されるのか非常に疑問に思うところでございます。 平成三年十二月の審議の際、我が党の石川弘先生が賛成討論の中で、予備費に対する国会の事後審査が大変遅延しているので、遅延したいように我々も含めて関係者の格段の努力と配慮を強く要望すると述べておりますが、この趣旨はその後の予備費審査には生かされておらないように思います。 そこで、予備費の所管大臣であります大蔵大臣にお伺いいたします。 政府は、予備費等の事後承諾案件を衆議院に提出した後は国会に任せっきりで、その審議促進には動いていないのではないかと感じられるところでございます。予算とか法律案の場合は早期議了を種々のルートで働きかけてまいりますが、予備費については、もう使ったことだということでしょうか、政府側も審議促進に余り熱心ではないように見受けられますが、大蔵省の本音はどうなっているのでございましょうか。大蔵省の本音をまずお伺いいたします。
○政府委員(林正和君) ただいまの先生の御質問でございますが、国会の運営等にかかわる問題でございまして、私どもからコメントすることは差し控えたいと存じますが、私ども予備費につきましては円滑な御審議を一日も早くお願いしたい、御承諾をいただきたいと御要望を申し上げる次第でございます。 なお、私どもとしては、御審議を求められればできるだけ審議に御協力するということはこれは言うまでもないことでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○佐藤泰三君 そこで、この予備費はこれまで衆議院に先に提出されており、参議院が審議促進を願っても、衆議院から送付がなければ審議に入るわけにはまいらないわけでございます。その結果、ますます国会の承諾がおくれるというこれまでの悪循環が考えられます。 そこで、このような事態が続くならば、今後は予備費の事後承諾は参議院の先議とならないのかどうか。法律上は予備費の参議院先議は別に禁じられていないと伺いますが、大蔵大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) このことも政府側がお答えする筋のものではないと思いますが、国会運営、さまざまな課題を毎国会抱えていただいておりますが、いずれにしましても、済んだことだからということで決算の審査、審議がおくれるようなことがあってはならない、そういう前提で政府としても精いっぱいの努力をさせていただきたいと思っている次第でございます。
○佐藤泰三君 ただいまお伺いしましたけれども、法案や予算案は大体時間どおりいっておる、どうして予備費がおくれるのか、その点に何だか温度差が感じられるんですけれども、その点やはり法案や予算案と同じように、国民の目から見まして二年間もしていないということは非常に異常に受け取れますので、いかがでございましょうか。
○国務大臣(武村正義君) おくれていることに対する感想としては、私も全く同感であります。 なぜおくれているのか、どうしたらいいのか、主としては、逃げるわけじゃありませんが、国会の責任、国会の問題でありますだけに、政府としては直接この問題にコメントは差し控えさせていただきたい。おくれることはいいとは思っておりませんし、政府は政府の立場で精いっぱいの努力が必要だという認識を持たせていただきます。
○佐藤泰三君 平成三年の石川弘先生の討論もございましたけれども、今後このように積み残しが二年もたないようにひとつともども努力しなきゃいけないと強く要望しますし、我々も決意するところでございます。 次に、国連の平和維持活動、PKO関連経費への予備費使用が平成四年度以降固定化しておりますが、我が国の国際貢献を考えますとき、年度当初に予見できるものは総理府あるいは外務省予算に計上すべきものと考えておりますが、その実情はどのようになっておりましょうか。 また、予見し得ないものは、年度途中でPKO参加部隊を派遣する必要があるとき、我が国の国際貢献を果たすためにも予備費を積極的に活用すべきものであり、今後そういう事態の増加が予想されるならば予備費の増額を検討すべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(伊藤康成君) 総理府の方からPKOの関連予算につきまして先にお答えさせていただきます。 もう御承知のとおりでございますが、PKO活動と申しますものは、国連等からの要請に基づきまして、それを受けて閣議決定をいたしまして実施計画ということになるわけでございます。したがいまして、閣議決定がございますれば予算編成時に次の年度の分の予算を当初予算に計上するということは当然できるわけでございまして、従来もそのようにやっております。 例えばカンボジアの場合ですとかモザンビークの場合ですとか、いずれも複数年度にわたっておりますので、二年度目の分につきましてはできるものは当初予算に計上しておる、こういうことでございます。 ただ、実際問題といたしまして国連からの要請というのは必ずしも予算編成のタイミングと合うわけではございませんので、その場合には予備費を使わせていただいている、これは総理府が特に計上させていただいている、こういう実情であることを御説明申し上げます。
○佐藤泰三君 調べてみますと、予備費の当初計上額は昭和五十五年度から据え置きになっており、既に十五年以上を経過しておりますが、一般会計総額に占める比率は、昭和五十五年度が〇・八二%、平成七年度は〇・四九%に低下しております。国会を召集して補正予算審議を待っておれないような事態もございます。予備費制度が生きていくためには、阪神大震災の経験、あるいはPKOを初めとする国際貢献の要請に的確に早急に対応するため予備費の増額を検討すべき時期に到達しているんじゃないかと考えますが、関係省庁並びに大蔵大臣から再度御答弁をお願いいたします。
○政府委員(林正和君) 先生御案内のとおり、予備費は、財政法第二十四条に基づきまして、予備費として相当と認める金額を歳出予算に計上しているところでございます。 予備費として相当と認める金額がどの程度がにつきましては、これは予備費が予見しがたい予算の不足に充てるという性格上、もともと特別の基準があるわけではなくて、一般会計の予算規模に対する計上割合、ただいま先生から御指摘ございましたが、そうしたものや、あるいは流動的な諸般の情勢等を総合的に勘案いたしまして相当と認める金額を計上しているところでございまして、その結果として、先生御指摘のように昭和五十四年度以降三千五百億というところで計上しているところでございます。 今後とも、諸般の事情また財政事情は非常に厳しゅうございます。こういうところも考えながら所要の額を計上するように努めてまいりたいと思います。
○佐藤泰三君 終わります。
○景山俊太郎君 自由民主党の景山俊太郎でございます。 まず、ことしは大蔵省をめぐるいろんな問題が噴出をいたしましたが、その中の一つであります大和銀行問題についてまず伺いたいと思います。 この問題を契機にいたしまして、大和銀行はアメリカ業務からの撤退を余儀なくされました。他行との合併話が持ち上がるなど、金融システムの再編への動きが加速していると言われております。一方、大蔵省の金融行政のあり方にもいろいろ問題があるということで、現在議論がなされておると思っております。 とりわけ、大和銀行米国支店を実際に検査されながら、一九八四年から十一年間にもわたって不正経理が発見できなかった大蔵省の検査能力の欠如も指摘されております。もちろん、こういう問題が起こるということはだれも気がつかなかったかとは思いますけれども、銀行の海外業務に対します大蔵省の検査はどういうような体制で行われているのか。また、大和銀行に関しまして十一年間も不正を発見できなかったのはどういうふうにお考えか、そのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 邦銀の海外支店検査の実施につきましては、国内における検査との一体検査を原則といたしまして、毎年数回、一回当たり通常三、四名の検査官が二週間程度の期間に三ないし六の拠点の検査を実施しております。また、海外検査に際しましては、限られた期間内に現地の銀行監督当局との意見交換を求められることなどから、一支店の検査については時間的な制約がございます。 このため、まず国内の本店におきまして、海外支店の資産内容の健全性、本店の海外支店に対するコントロール体制等につきまして極力事前に検査を実施いたしまして、現地では本店における検査結果との整合性についてのチェックを中心に検査を実施するなど、効率的な検査に努めているところでございます。 ところで、御指摘の大和銀行の件でございますが、大蔵省の大和銀行ニューヨーク支店に対する検査は一九八九年二月と一九九四年五月に行われまして、支店の業務運営、管理体制等についてそれぞれ厳正な検査を行っているところでございますが、今回の件は簿外の取引で、残高証明書の偽造を行うなど隠ぺい工作が巧妙に行われていたものでございまして、発見できなかったことはまことに残念に思っております。 金融検査は、まず相手方の協力を得て行う任意の検査でございまして、犯罪捜査のために行うものではなく、また個々の事務処理自体を網羅的に調べ上げて個別の不正発見を主眼とするものではございませんが、今後の金融検査におきましては、内部事務管理及びリスク管理の検査に一層重点を置くとともに、チェック項目の整備を図るなど、その充実に努めてまいりたいと考えております。
○景山俊太郎君 きのうの日本経済新聞にもちょっと詳しいことは書いてありますけれども、金融機関に対します検査、監督の充実方策というのは非常に急がれると思っております。 今回の事件の反省を踏まえまして、大蔵省内に特別委員会を設置したり、金融機関に対する検査、監督、こういうものを検討しておられるということでありますが、具体的にはどういうふうにお考えになっているか、まとまっていればお聞かせを願いたいと思います。連立与党のプロジェクトチームも、大蔵省以外で検査をしないと公正な検査など期待できないと、こういうふうな意見も出ているようでありますが、その点について伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 今回の大和銀行問題に関連いたしまして、十一月十日に公表いたしましたところの「今後大蔵省として対応すべき課題」を検討するため、十一月十三日に大臣官房長、銀行局長、国際金融局長等から成ります委員会を発足させたところでございます。 この委員会におきましては、第一に外国金融監督当局との一層緊密な情報交換の促進、第二に銀行の内部管理体制等に対する監督の充実、第三に金融機関における不祥事件の取り扱いの適正化、第四に海外拠点に対する検査の充実を中心に鋭意検討を進めているところでございまして、年内には成案を得まして、その結果を公表したいと考えております。
○景山俊太郎君 巷間聞きますのは、何か金融庁構想などもあるやに聞いておりますが、この点はいかがですか。
○政府委員(西村吉正君) 金融機関の監督、検査をめぐる行政のあり方についていろいろな御意見のあることは承知をしておりますが、私どもは与えられました任務を今の体制で一生懸命に実行してまいりたいと心を新たにしておるところでございます。
○景山俊太郎君 ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 次に、最近の財政状況についてお伺いをしたいと思います。 まず、六年度決算についての大蔵省の認識について伺いたいと思います。最近の我が国の財政は非常に税収の落ち込みが続いております。平成四年度の決算では一兆五千四百四十七億円、五年度決算では五千六百六十三億円の歳入欠陥が生じるなど極めて深刻な状態が現出をいたしております。 六年度決算におきましては六千七十六億円の純剰余金が生じておりますが、二次補正予算におきまして八千百六億円の特例国債を発行しております。この点を考えますと、六年度において歳入欠陥の状態が続いていると考えられるのでありますが、大蔵省の御認識についてまず伺いたいと思います。
○政府委員(林正和君) ただいま先生から御指摘ございましたように、二年間続いて決算上の不足が出ましたが、平成六年度におきましては剰余金が出てまいりました。しかし、いずれにしましても税収は前年度をずっと下回っておりまして、全体として見ますと財政事情は非常に厳しいというような、基本的にはそういう認識でございます。
○景山俊太郎君 次に、七年度の税収の落ち込みの要因について伺いたいと思いますけれども、平成三年から六年まで四年連続で税収が対前年度減となっております。本年度の税収もまさに楽観を許さない状態であります。大蔵省が十二月一日に発表した税収動向によりますと、十月までの税収累計額は対前年度比で四・三%の減少となっております。特に、所得税、法人税の落ち込みが著しいのであります。 こうした税収の落ち込みが続いている要因を、大蔵省、どういうふうに分析されておりますか。
○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。 平成七年度の税収の見通しにつきましては、ただいま御指摘がございましたように、平成七年度の第一次補正後の予算五十三兆六千億から三兆円程度落ち込むと見込んでいるところでございます。 七年度を通した税収がこのように補正後の予算額を下回ると見込まれる要因でございますが、所得税と法人税について申し上げますと、まず源泉所得税でございますが、一つは、公定歩合がことしに入りまして二度引き下げが行われておりまして、利子に対する所得税というのはそれに比例的に減ってくるものでございますから、この税収への影響が出ているということがございます。それからまた、賃金と雇用の伸びでございますけれども、これが当初の見込みを下回っている状況が続いているわけでございます。それから法人税でございます。中間決算なんかを見ますと、大法人について経常増益が見込まれますけれども、中小法人の業績の回復は芳しくない。あるいは、昨年末から本年の前半にかけまして円高とかいろいろございました。景気の足取りが鈍く、鉱工業生産、出荷が弱含みで推移しているということなどが挙げられようかと思います。
○景山俊太郎君 ところで、これも大きな景気動向に、または税収等にも影響すると思いますけれども、今、住専の問題が非常に議論されております。年内には方向性も出されるというふうに思っておりますけれども、まず住専問題に対する大蔵省のきょう現在のいろいろ御検討された結果について伺わせていただきたいと思います。 それから、私はこの問題は非常に住専母体行に責任がある、こういうふうに認識をしておりますけれども、その第一に、その融資の実態というものが明らかにできれば本日教えていただきたいと思います。 それから第二に、ロス資金が六割程度出ると言われておりますが、その内容についても、もしあれば教えていただきたいと思います。 それから、責任の所在というのは、初めにを言いましたように住専母体行にある、こういうふうに認識しておりますし、大蔵省の指導にも非常に私は責任があると思っておりますが、その点についても伺いたいと思います。 それから、我が国の金融システムに対する内外の信頼をまず早急に回復すべきであると思います。こういった問題がいろいろ出てきますとなかなか信頼回復というわけにいきませんが、早急に回復すべきと思いますけれども、そういった点につきまして大蔵省当局の御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 住専をめぐる問題につきましては、その解決に向けまして、大蔵省はこれまでいわゆる母体及び貸し手の金融機関の間の協議等を通じた当事者間の合意形成を促進してまいったところでございますが、その議論も踏まえながら、行政として所要の検討を進めてきているところでございます。 今月の一日には与党の方からこの問題に対する基本的なガイドラインというようなものが示されまして、そういうことを機会にいたしましてこの問題にもさらに鋭意取り組んでいるところでございますが、大蔵省といたしましては、農水省と緊密に協議しつつ、処理案の作成について、これは何といっても当事者間の問題ではございますが、行政としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、この住専をめぐる問題は現在の不良債権問題の中で象徴的かつ緊要な問題でございまして、我が国の金融界、国民のみならず世界の各国からも注目されておりまして、その解決が求められているところでございます。大蔵省においては、我が国金融システムヘの国際的な信頼回復のためにも早急に問題解決のめどをつける必要があるとの認識のもと、年内に、それもできるだけ早く問題解決のめどをつけるべく、強い決意を持って取り組んでいるところでございます。 な菊、御指摘のございました住専の貸し付けのうち六割程度がロスになるという御指摘でございますが、私ども、先般立入調査をいたしました結果においても、御指摘のように住専八社の貸付金十一兆四千億のうちロスとなる懸念のある部分は約六兆三千億円ございます。これは約五五%に相当するわけでございますが、その個別の貸出先につきましては、個別会社の経営内容たいしは民間当事者の取引に関する事柄でございますので、公の場において申し上げることは御遠慮させていただきたいと存じます。 なお、御指摘の母体行の責任が重いという点に関しましては、住専の設立に関し母体の金融機関が人的、資本的に関与していたのは事実でございます。ただ、法律的に申しますと、住専は母体の金融機関とは別個の人格であるとともに、住専の経営に対する母体金融機関の関与の度合いも住専八社それぞれに、またその時代その時代によってもかなり異なっていたものと承知をしております。 いずれにいたしましても、このようないろいろな住専の過去の経緯なりその性格を当事者がよく相談をいたしまして、また私どももその解決に力を注ぐということで、一日も早くこの問題の解決にめどをつけたいと考えておるところでございます。
○景山俊太郎君 融資実態とかロス資金の内容については言えないというふうにおっしゃいまして、今までずっといろんな会が行われて、その場でも言えなくて、きょう言うわけにいかぬというふうにおっしゃるのはわかりますけれども、やはり我々としてはこの問題を早く解決して、そして国際的な信用も回復し景気もよくする。そういう中で私は、その内容というものをやっぱりディスクロージャーする必要があるのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、どうですか。 それから、私は母体行また大蔵省にもこれは大きな責任がある、こういうふうに思いますけれども、やっぱりそれはきちっと認識をして、そして解決することは解決する。だれに責任があるというようなことではとても私は解決できないと思います。だから、解決するためには大蔵省が腹をくくって、また母体行が腹をくくってきちっとやることが私は国民に対する信頼を得ることじゃないのかなと、こういうふうに思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(西村吉正君) 貸出先のディスクロージャーの問題でございますが、私ども、ディスクロージャーという点につきましては国民の皆様からも最近非常に強い御指摘を受け、最大限の努力をしてまいっておるつもりでございますが、今後も引き続き努力をしてまいりたいと存じます。 ただ、個別の貸出先ということになりますと、これはいろいろな契約関係を、政府が知り得た情報を明らかにするということについてはおのずから制約もございますので、その点については御容赦願いたいと思いますけれども、いずれにしてもそのような御指摘があるのは、このような大きなロスが生じているということにつきまして、やはり回収というものについてもっと努力をすべきではないか、実態を明らかにしろという御指摘は恐らくその回収努力を一層強くするようにという御趣旨がと存じております。 私ども、信用組合の問題につきましても住専につきましても、この資金の回収ということについて今までよりも一層の努力をしなければいけないということを強く認識いたしまして、そのような対応策も今後検討してまいりたいと考えております。 なお、住専につきまして、大蔵省の責任あるいは母体行の責任という御指摘がございました。大蔵省の金融行政につきましても、この住専は昭和四十年代後半に個人住宅というものに対する融資を充実するために公の性格を持った金融的な組織として設立されたものでございますが、その後の経済情勢、金融情勢の推移に必ずしも適切に対応し得ていたかどうか、そういう点について私どもの行政が十分対応し得ていたかどうかという点については反省をすべき点もあろうかと思います。また、そのような中で経営のバックにおります母体行として、会社の経営方針というものについてどのような指導をしていくべきであったかという点についていろいろな御指摘のあるのもよく承知をしておるところでございます。 いずれにしても、そのような行政、経営の責任にある者、しかしまたお金を貸した側というものも、全体的にこの問題にどのように取り組むべきかということを今鋭意関係者の間で協議を進めておるところでございます。
○景山俊太郎君 時間がないから先に進みますけれども、やっぱり何といっても監督官庁である大蔵省がしっかり責任を持ってやっていただくことをひとつ期待をいたしております。 次に、こういった経済状況であるとか税収が非常に減額している、修正をしなくてはいけない、第三次補正予算の編成についてありやなしや、その点につきまして、また減額修正をいたしますと特例公債の追加発行が必至ではないかと考えられますけれども、けさの新聞ですか、景気浮揚対策もこれに合わせてやることも新聞に出ていたようた感じがいたしますが、こういう点いかがでございますか。
○政府委員(林正和君) 七年度の税収動向につきましては、先般、大蔵大臣から財政事情の公表の際にお示しいたしましたように、補正後予算額は約三兆円程度落ち込むものと見込まれます。 予算の歳入見積もりに変動が生じました場合、それをもって直ちに補正予算を編成する義務が生ずるものではございませんが、場合によって、税収減のための三次補正といったものも検討せざるを得ないと考えております。
○景山俊太郎君 八年度の予算編成の枠組みについてまず伺いたいと思いますが、武村大蔵大臣は、去る十一月十四日に財政の緊急事態宣言を発し、八年度の歳入歳出動向から見て、歳入と歳出のギャップである要調整額は十兆円を上回るものと試算し、そのため特例公債の発行は不可避であるとの認識をお示しになりました。そして報道によりますと、次年度の国債発行額は建設国債と赤字国債を合わせまして二十兆円に迫るという見方もなされております。 大臣は、こういう状況を踏まえて、財政改革に取り組むため、歳出全体の洗い直しを徹底し、制度の根本、法律の根本にまでさかのぼって見直さざるを得ないという旨を表明されておりますが、八年度予算の大蔵原案内示、例年ですと十二月二十日ごろでありましょうが、まさに間近に迫った現在、その基本的な枠組みにつきましてどうなっているか、お示しをお願いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) ことしもはや十二月を迎えておりまして、私どもの役所では、来年四月から始まります新しい年度の予算編成作業が大詰めを迎えております。大体スケジュールとしては、十五日には与党三党の予算編成大綱、税制大綱も同時に発表されます。そして、十九日には政府の予算編成方針、二十日には大蔵省原案内示、そして各省大臣折衝も含めて二十四日には調整を終えて、翌二十五日の午前中に閣議決定と、こんな運びを基本にしたがら、いよいよ山場に差しかかっているわけであります。 先般、八年度予算編成をめぐる財政の状況をあえて発表いたしましたのは、大変厳しい状況といいますか、我が国の財政が年々悪化をして容易ならざる事態に立ち至っている、このことをまず予算編成の前に率直にやはりディスクローズしていく必要があるんではないか、今まで隠してきたということではありませんけれども、わかりやすく説明を申し上げる必要があるんではないか、そんな気持ちがあったからでございます。 率直に申し上げて、一定の過程で歳入歳出のめどを立てようとしておりますので、最終の数字はその時点でも定かではありませんが、それでも大まかに税収を中心とした歳入の展望とそれから歳出の展望を重ねてみますと、約十一兆五千億ぐらいのギャップが出てくるという事態であります。 これをどう埋めていくか。昨年度まではどちらかというと、昨年も実は七兆ぐらいのギャップが最終残ったわけですが、やりくり算段とか隠れ借金などという表現も使われますが、隠れ借金ではありません。全部予算委員会に出して詳細に説明を申し上げて、それで御承認をいただいていることではありますけれども、しかし、わかりにくいという意味では隠れ借金というふうな御批判も受けているわけでありますが、やりくり算段といったらばやりくり算段には違いありません。 去年だって七兆円も特例公債を発行してぼんとその差を埋める道はあったと思いますが、しかし、何としても過去の特例公債の経験を振り返りますと、一たん発行すると特例公債、赤字国債というのは、これはもう際限がありませんから何もかも充当が可能でございます、人件費でも。建設国債は建設事業だけと枠をはめておりますが、こっちはあらゆる事業に拡大していきますから、予算が足りなきゃ赤字国債でやればいいじゃないかとどんどんどんどん膨らんで、大変な努力をしてやっと特例公債の発行をゼロにしたという十数年の苦い経験を持っているわけであります。それだけに、特例公債はぎりぎりまで回避しよう、こういう気持ちが強くございまして、むしろ年度間のやりくりとか特別会計間のやりくりとか、そういうことで措置をした方がベターだという判断で、昨年はそういう措置をとらせていただいた。 しかし、いよいよことしはそれがさらに広がってきておりますだけに、もはやそういう措置を続けることはよくない、むしろこのギャップを明らかにしながらどうするか、そのことを国民の皆様にも語りかけながら今年度の最終予算案をつくらせていただきたいという決意でございます。 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○景山俊太郎君 今いろいろ詳しくお話をいただいたわけなんですけれども、最近の経済対策、何回もやってきたわけでありますが、国債発行額が非常に増加をいたしております。さきの第二次補正予算の成立後の本年度の国債発行予定額は二十兆円を超えて、国債依存度は二五%台となり、七年度末における国債発行残高は二百二十兆円に達する見込みと言われております。その内容について今大蔵大臣もおっしゃったわけでありますが、また他方、国債整理基金の残高が非常に減少しておる。来年度の国債償還に支障を来しかねない状況になっていることを考えますと、我が国の財政は非常に今後大変だ、こう感じております。 こうした国債の累増と依存体質の悪化から脱却するために、大蔵省当局に財政健全化に取り組むその方策について何か妙案があれば伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(林正和君) 先ほど大臣から御説明ございましたように、大変厳しい状況でございます。ただ、先生御指摘のようになかなか妙案というものもございません。結局、歳出面から申しますと、歳出全体を洗い直すということはもとよりでございますが、平常であれば優先すべき分野についても制度の根本にさかのぼって見直さざるを得ない場合、あるいは当面倒辛抱をいただかなくてはならない場合というものも出てこようと思われます。引き続きさまざまな工夫ができないか検討することも必要かと存じます。 さらに、高齢化の進展など今後の状況を考えますと、この厳しい財政事情が景気の回復に伴いにわかに好転するということは困難ではないかと思われますので、基本的には中長期的観点から行財政が果たすべき役割あるいは守備範囲、こういうものを見直していくということが避けることのできない課題だろうと思っております。 いずれにしましても、すべての財政支出は現在また将来の国民の負担になるということでございます。後世代に多大の負担を残さないよう、公債依存度の引き下げに向けた地道な努力を重ねていくことが重要だと存じております。
○景山俊太郎君 大蔵大臣の先ほどのお話の中にもありましたけれども、いろいろやりくり算段をされて随分御苦労されているわけなんですが、しかし、非常に専門的でもありますし、国民にはわかりづらい面もあります。特に隠れ借金という言葉で言われておりますけれども、国債費定率繰り入れとか、自賠責再保険特別会計からの借り入れとか、一般会計承継債務の償還延期、こういったようなことで隠れ借金というふうなことが言われていますが、その内容をもう少しわかりやすく説明をしていただければと思います。
○政府委員(林正和君) 先生からいわゆる隠れ借金、こういう御指摘ございましたが、私ども、これまで厳しい財政事情のもと各年度の予算編成におきまして講じてきた特例的な歳出削減措置も含めまして、今後国が繰り入れを行う等の適切な処理を行う必要がある措置を、今後処理を要する事項ということで整理をしておりまして、通常国会に提出した資料の中で各措置の七年度末における残高をお示ししているところでございます。 確かにこういうことはテクニカルな面もございますし、いろいろ御批判があることは十分承知しておりますが、こうしたそれぞれの措置につきましては、国会での御審議で御説明する、あるいは先ほど申し上げましたように資料として国会へ提出する、あるいはパンフレット等を通じまして国民各層に御理解をいただくように努めてきたところでございます。
○景山俊太郎君 次に、国税の徴収について伺いたいと思います。 国税の収納の公平性の確保の観点から、滞納状況、申告漏れ、公益法人課税等についてでありますが、国税の滞納額を見ますと、四年度末二兆五百十六億円、五年度末が二兆三千二百八十億円、六年度末が二兆四千九百八十億円とたっております。六年度末は過去最高となっております。これは、年度内の新規発生滞納額に比べ、差し押さえ物件の公売等、整理ができた額も少なく、滞納額が累増しているものであろうと思います。 滞納の整理が進まない点ほどういうふうな状況ですか、御説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(内野正昭君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、国税の滞納残高は年々増加しておりますが、これは新規の発生滞納額が処理額を上回って発生しているためでございます。 私ども滞納残高の処理につきましては、できるだけ厳正に処理すべく、公売等も通じまして処理促進を図っておりますが、なかなか難しいところがございまして、年々の新規発生滞納額に追いついていかない状況にございます。
○景山俊太郎君 それでは、消費税の滞納について伺いたいと思います。 平成元年に消費税が導入されて以来、おおむね滞納発生割合は非常に増加傾向にあります。最近三年間の新規発生滞納額を見ますと、四年度は三千八百九十一億円、五年度は四千五百九十七億円、六年度は四千三百六十九億円で、発生割合は五・四%、六・一%、五・九%とたっております。 国税当局は、消費税の滞納が発生する要因をどういうふうに見ておられますか。
○政府委員(内野正昭君) お答えいたします。 消費税の滞納の原因につきましては、景気ですとか各企業の営業状態ですとか、さまざまな事情によりまして資金繰りに窮し、納付できない場合等が考えられます。
○景山俊太郎君 消費税は、事業者にとって消費者からの預かり金的な性格の税金であります。本来、滞納があってはいけないものだと思います。 景気回復のおくれから企業の資金繰りが悪化したり、当面の資金繰りに消費税が回された可能性もあると指摘されている面もありますが、消費者から預かった消費税が適正に納付されず企業の事業資金等に流用されるたらば、消費税への消費者の信頼というのはやっぱり失われていくんじゃないかと思います。ひいては、税制に対する不信感にもつながりかねない。ましてや、九年の四月から消費税率を五%に引き上げるということになりますれば、より一層厳正な対処を求め、消費税に対する信頼というものも求めていかなくてはいけないと思いますが、この点につきまして大蔵大臣のお気持ち、御所見を伺いたい。
○政府委員(内野正昭君) 私ども国税当局といたしましては、国民の消費税に対する感情、今先生から御指摘がございましたけれども、こういった点を考慮いたしまして、消費税の滞納に対しましては厳正に対処してきているところでございます。 すなわち、従来から納税者に対する広報、指導等により、消費税の新規滞納発生の未然防止に努力をいたしますとともに、滞納となりました消費税につきましては、大口悪質事案に対しまして要員を重点的に投入する、あるいは必要に応じまして滞納発生後速やかな保全措置を講ずるなどしまして、滞納者の個々の実情に即した厳正、的確な処理を行っているところでございます。 今後とも消費税滞納の未然防止及び滞納整理の一層の促進に努めてまいりたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 数年前、消費税が大変た国民的論議の中で、一面また厳しい批判の中で誕生いたしまして、しかし、その後定着が進んでいると思っておりますが、それにしましても、そういう中で仕方がない、やむを得ないというあきらめも含めて御協力をいただいている国民も少なくないわけでありますだけに、滞納ということに対しては一段とやっぱり厳しい目を向けていかなければならない。ほとんどの国民大衆の皆さんにお払いをいただいている税の中で、その中間に立つ中で滞納が見られることを大変残念に思いますし、そのことには一段と厳しい姿勢を打ち出していかなければならないと思っております。
○景山俊太郎君 次に、法人税の収納対策ですが、これまで国税、とりわけ消費税につきまして今触れたわけでありますが、法人税の申告漏れについて伺います。 昨年七月から本年六月までの調査によりますと、法人のうち何らかの問題があったものは十三万三千件あったようであります。申告漏れの所得金額は一兆五千五億円に上っております。申告漏れの中で悪質なケースがある不正脱漏所得は五千億を超えていると聞いております。近年、法人数が増加する一方、企業活動の国際化とか機械化、会計処理システムの高度化等、法人の事業内容、経理内容が複雑多岐、多様化しております。 こうした状況の中で、国税庁は法人税の収納に対してどういう指導をなさっておりますか。
○政府委員(内野正昭君) お答えいたします。 私ども国税当局といたしましては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じまして資料、情報の収集に努め、個々の納税者の申告内容を総合検討することによりまして、調査必要度の高い法人を的確に調査対象に選定いたしますとともに、悪質な不正を行っていると思われる法人や、事業規模の大きな法人に対しましては、相当な日数をかけまして徹底した調査を行っているところでございます。 その内容につきましては、先生、先ほど御指摘がございましたような事績になっております。 今後とも、的確な調査の実施に努める一方、指導の充実にも配慮をいたしまして、適正、公平な課税の実現に努めてまいりたいと思います。
○景山俊太郎君 公益法人の課税について伺います。 公益法人とは財団法人、社団法人、最近の宗教法人、学校法人等があります。公益法人が営む公益事業については非課税で、収益事業から生ずる所得に対してのみ課税されます。また、利子等の金融資産収益についても、収益事業に属するもののみ課税されることになっております。 五年度の公益法人の所得申告数は一万九千五百件、所得金額は二千百二十億円であるわけですが、その課税実態について国税庁は実地調査を行ったと承知をいたしておりますが、その内容を説明していただきたいと思います。この一年間で千六十の法人を実地調査されて、その中で七百六十四法人から百十八億九千百万円の申告漏れが見つかった、こういうことも聞いておりますが、内容についてお話をいただきたいと思います。
○政府委員(内野正昭君) 公益法人等につきましては、税法上の収益事業を営む場合には法人税の納税義務がございますほか、国内において課税資産の譲渡等を行う場合には消費税の納税義務があり、また給与等を支払う場合には所得税の源泉徴収義務がございます。 したがいまして、公益法人等に対しましては、各種資料、情報の収集に努めまして、法人税、消費税の納税義務や源泉徴収義務のある公益法人等を的確に把握しまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査を行うことなどによりまして、その課税の適正化に努めているところでございます。 その際、法人税の観点からは、種々の活動から生じます所得が公益法人等に帰属するのか、または他の関係者に帰属をするのか、公益法人等に帰属する所得につきましては収益事業と非収益事業との適正な区分が行われているかなどに重点を置きまして、深度ある調査を行っているところでございます。 また、源泉所得税の観点からは、給与所得等として課税されるべきものが課税漏れとなっていないかなどに重点を置いて調査を実施しております。 公益法人等に対する調査の結果は、先生御指摘ございましたように、平成六事務年度におきまして法人税の実地調査の対象としました公益法人等は千六十件、その調査の結果、更正決定等を行ったものは七百六十四件、把握しました申告漏れ所得金額は約百十九億円、追徴いたしました税額は二十億円となっております。 また、平成六事務年度の源泉所得税の調査等の対象といたしました公益法人等は三千八百四十八件、その結果、非違がありましたものは二千八百六十八件、追徴いたしました税額は三十八億円となっております。 公益法人等に対しましては、執行面での適正かつ厳正な対処が要請されていることを踏まえまして、今後ともなお一層の課税の適正化に努めてまいりたいと思います。
○景山俊太郎君 次に、宗教法人の課税実態と実地調査の内容及び不正経理の実態について伺います。 公益法人の中で宗教法人の五年度の申告件数は一万五百八十四、所得金額は四百三十六億円に上っております。国税庁はそうした宗教法人についても課税実態の実地調査を行ったと承知しておりますが、その結果はどうでありましたか。また、その中で把握された不正経理の実態についても説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(内野正昭君) お答えいたします。 宗教法人につきましても、先ほど御答弁申し上げましたように、公益法人等の中の一形態でございますので、各種資料、情報の収集等に努めまして、課税上問題があると認められる場合は、実地調査を行うなどによりまして課税の適正化に努めているところでございまして、その際、法人税の観点から、また源泉所得税の観点から、それぞれ深度ある調査を実施しているところでございます。 宗教法人に対する調査の結果を申し上げますと、平成六事務年度に法人税の実地調査の対象といたしました宗教法人は三百八十一件、その調査の結果、更正決定等を行ったものは三百二十一件、把握いたしました申告漏れ所得金額は二十八億円、追徴した税額は五億円となっております。また、平成六事務年度の源泉所得税の調査等の対象といたしました宗教法人は二千三百七十七件、その結果、非違がありましたものは千八百二十八件、追徴いたしました税額は二十三億円となっております。
○景山俊太郎君 これは調査したのでしょうから。 それではもう時間がありませんので、公益法人に対する優遇税制の見直しの検討について伺いたいと思います。 宗教法人を初めとする公益法人に対する課税の不公平感の原因として、普通の場合は法人税三七・五%でありますが、二七%の軽減税率やあいまいな収益事業分野と公益事業分野の範囲、あるいは公益事業分野における利子等の金融資産に対する非課税、みなし寄附金に関する特例等の点が指摘されております。 政府は、こうした公益法人に対する優遇税制の見直しを検討する意向があると伝えられておりますが、特にどの点を軸に見直して進められるのか、伺いたいと思います。
○政府委員(尾原榮夫君) お答え申し上げます。 宗教法人を含む公益法人等に対する課税のあり方、これにつきましては、政府税調あるいは与党の税調を含めましてさまざまな検討課題が出されているところでございます。今お話しございましたように、一つは軽減税率、収益事業の範囲をもっと拡大できないか、金融資産収益に対する課税のあり方をどうするか、あるいは寄附金の損金算入の限度枠の特例をどうするか、さらには収支報告の課税当局への義務づけを行ったらどうかというような点が検討課題とされているところでございます。 これらの問題につきましては、現在十二月十五日の政府税調の答申あるいは税制改正大綱に向けまして、まさに精力的な議論が行われているわけでございますが、今申し上げましたように、寄附金枠の特例の問題あるいは収支報告制の導入を初め、今申し上げました検討課題について議論が現在なされているところでございますので、その審議結果を踏まえまして適切に対処していきたいというふうに考えております。
○景山俊太郎君 最後ですが、私、大蔵大臣には四、五年前にお会いしたことがあります。それは私がまだ島根県議会にいるときでありまして、大蔵大臣は自民党の有力議員として政治改革について訴えにおいでになりました。我々は自民党の大変な理論家が来たと思って歓迎をいたしまして、そして小選挙区制についてそのお気持ちを聞いたわけなんです。 その後時間もたってまいりまして、私はその当時、地方議員としては中選挙区制がいいんじゃないか、こういうことを当時述べたことがあります、お忘れであろうと思いますけれども。いずれまた、私は大蔵大臣に小選挙区制、中選挙区制、選挙制度についていつかお話を伺わせていただきたい、こういうふうに思っております。大蔵大臣のますますの御発展を願って、終わらせていただく次第であります。ありがとうございました。
○委員長(浦田勝君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時二十分休憩 —————・————— 午後一時五十五分開会
○委員長(浦田勝君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件のうち、皇室費、国会、会計検査院、内閣、総理府本府、大蔵省、経済企画庁、国民金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の決算及び予備費関係等十四件の審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○武田節子君 平成会の武田でございます。 初めに、第四回世界女性会議に関連した問題についてお尋ねいたします。 ことしは、日本にとって戦後五十年、女性が参政権を得て五十年、国連が創設されて五十年を迎えており、人権問題、女性の地位向上に向けて大きな節目となっております。 官房長官は、北京会議におきまして、首席代表として、一つ、女性のエンパワーメントの重要性、二つ目、女性の人権の尊重、三つ目、男女間、政府とNGO及び国境を越えたパートナーシップの促進の三点について演説をなさいました。男女が対等にパートナーシップを実現する男女共同参画社会を実現するためには大変重要な視点であると理解しております。 しかし、反面、官房長官の演説を伺って大変むなしい感を否めなかったのが実感でございました。と申しますのは、官房長官の演説の内容と我が国の実態が余りにも乖離していることでございます。 例えば、女性のエンパワーメントの重要性については、そのかぎは女性の意思決定への参画であると訴えておりますが、しかし、我が国の最高意思決定機関である内閣には女性閣僚が一人もいないという現実でございます。しかも、最近の傾向として必ず閣僚の中には女性が登用されてきており、それが定着する傾向にありました。しかし、村山内閣でこれが絶たれてしまいました。これは、男女共同参画社会づくりに政府みずからが逆行の最たるものであると言わざるを得ません。 野坂長官の演説に先立って行われました外国人記者会見では、欧米の記者団の中から、途上国の女性を支援するにはまず自国の男女平等の実現が必要だ、日本には女性の大臣は一人もいないではないかという厳しい批判の声も報道されております。全く残念でございますし、また恥ずかしい限りでございます。村山総理も官房長官も、本当は女性の人権や男女の共同参画ということを余り理解していらっしゃらないのではないかというふうに危惧するものでございます。 また、従軍慰安婦問題について、国民的な償いを行うための活動を開始したところである旨を演説されておりますけれども、現実はとてもとても国民的な参加と言えるほど盛り上がるとは言えません。言行不一致も甚だしいものではないでしょうか。 今回の北京会議で行動綱領、北京宣言が採択いたされましたけれども、二言で申し上げれば、行動の時代に入った、結果重視の時代に入ったと言えるのではないかと思っております。北京会議を受けて、我が国の女性にいかに信頼され、そして実効性ある施策を進められるのか、御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野坂浩賢君) 武田先生にお答えをいたします。 おっしゃっておりますように、内閣に女性の閣僚がおいででないということは率直に認めざるを得ないと思っております。しかし、お説にありますように、男女共同参画社会をこれから真摯に進めていかなければならぬ、そういうふうに考えております。 あの改造の際に、十分た時間を持っておりませんでしたために、結果的に現在のような姿になりました。今後、十分御意見を徴して配慮してまいりたいと考えております。 私は、北京の第四回の世界女性会議に出かけたことは事実であります。約五万人の皆さん方がお集まりになって、熱気あふるる討論がされたということも十分承知をして、大きな感動と感銘を覚えたことも率直に申し上げたいと思っております。 私は首席代表の演説の中で、先生がおっしゃっておりましたように三つの問題を取り上げたわけであります。先生の御指摘によれば、演説と内容は違うんじゃないか、大きな乖離が現在存在しておるんではないかと。先生の著書である「オバサンは怒ったゾ!」というのもよく読ませていただきました。そういうことを考えてみて、具体的にこの問題を実現していかなけりゃならぬということを深く考えておるところでございます。 私どもは、あの会議終了後に日本に当時の事務局長であったモンゲラ女史がおいでになりまして、いろいろと懇談をする機会を得ました。国連総会において、女性に対する暴力撤廃に関する決議案を我が国は提出をし、今月の五日に第三委員会で採択をされたところであります。これは十二月の、今開かれようとしております国連総会においても必ず採択されるものと確信をしております。女性に対する暴力の分野での国連婦人開発基金の活動強化は、そのための基金の設立の可能性について検討するように強く日本側から要請をしておるところでございまして、先生の意見に沿うものであろうと、こういうふうに確信を持っております。 また、お話がありました男女共同参画社会の審議会におきましては、北京で採択された行動綱領を十分に頭の中に入れて、二十一世紀を展望した男女共同参画社会のビジョンについても、来年の夏の答申を受けて具体的に進めてまいりたいと考えております。これらの国内の行動計画については必ず策定をして、具体的に実行してまいりたいと思います。 私は最後に申し上げたい。 参議院の本会議で、扇千景さん、林寛子さんから私に対して質問がございました。多くの男性の皆さんがここにおいででありますが、女性問題はただ単に女性の問題ではないと。男性が女性問題に関与してこそ女性問題は解決をし、本当の意味の男女共同参画社会実現のためには男性の関与がより必要であるということを、私は北京の第四回女性会議に出てしみじみとそう感じておりますので、ただ単に女性だけの問題としてではなくて、「オバサンは怒ったゾ!」というあの本とおりに男性の諸君に呼びかけていただきますように心から先生にお願いして、答弁にかえます。
○武田節子君 ありがとうございました。男女共同参画社会をつくるために、男性の再教育にもぜひお力を入れていただきたいと思います。 次は、北京会議が始まる前に政府は行動綱領案に対する対処方針を作成されましたけれども、九月十六日付の朝日新聞では「内容はなぜか「極秘扱い」で、参加した国会議員への説明もほとんどなかったしと報道され、また政府代表のNGOメンバーにも全く関与できなかったということでございました。しかし、大臣は代表演説の中でパートナーシップの強化を訴えられていらっしゃいます。 今後、我が国の男女共同参画社会の推進に関しましては、NGOとの連携、意見交換が活発に行われることは極めて大きな意義があると認識いたしておりますが、なぜ極秘扱いにされたのか、その理由をお聞かせください。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えを申し上げます。 秘密にしたではないか、なぜ公表してNGOの皆さん等の意見を聞かなかったか、こういう趣旨の御質問だったと思います。 第四回の世界女性会議の対処方針作成に当たりましては、第四回の世界女性会議国内委員会NGO部会、民間の有識者を初めNGOの方々の意見を聞く会を催しました。これを開催して、十分に意見を聞いて、それをいわゆる方針として載せた。そして、NGOの方々の意見というものを反映することこそが男女共同参画社会の一つの大きな要因であろうと、こういうふうに考えたわけであります。 したがって、開催をしてそういう意見の集約をいたしましたが、世界会議におきましては、政府間の交渉の場もありますのでその点については伏せていかたければならぬ、こういうことが考えられるわけです。APECでも同じような方法をとったわけでありますが、交渉という事柄の性質上、公表でき得ない点については公表しなかったということで御理解を賜れば幸いに思います。 以上です。
○武田節子君 ありがとうございます。 現在、婦人問題企画推進本部が設置され、女性関係施策の推進が行われていますけれども、多くの女性から、勧告権や縦割り行政の弊害をチェックできる権限のある法律をつくって、予算もふやすという実力あるナショナルマシーナリーを設けてほしいという熱い要望がございます。法的根拠に基づく機関の設置を求めますが、いかがでしょうか。 また、現在三年間の期限つきで設置されております男女共同参画審議会につきましても、行動計画の作成、点検、推進を図る上におきましても存続が必要であります。 なお、審議会の内容についても公開すべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えを申し上げます。 男女共同参画社会の形成の促進、これは内国の重要な課題であります。今、景気と同じように何が問題なのか。それは、雇用であり福祉であり教育等、多くの省庁にまたがる問題であります。したがいまして、政府全体としては総合的に進めていくことが極めて重要であるという認識をしております。 縦割り行政ではだめなんだ、だからどういうふうにするか、こういう観点から、昨年夏には、従来の婦人問題の企画推進本部のメンバーは事務次官でございましたが、それを今度は、より共同参画社会の時代というものはつくり上げていかなければならないし、早急にやるということが大切であると。したがって、本部長は総理大臣にして、副本部長としては内閣官房長官である私がやっております。したがいまして、男女共同参画推進本部というものは非常に重いという意味で、縦割り方式ではなしに政府全体が挙げて取り組むべきことであるというふうな認識にしておるところであります。 したがいまして、御期待に沿うように本部の機能を十分に発揮し、審議会等におきましても、宗教法人の改正法案でもいろいろと議論がありましたように、原則として我々は公開をして、皆さんのお知恵を拝借してスムーズに、しかも力強くこの共同社会をつくっていくために全力を挙げてまいりたいと考えております。 以上です。
○政府委員(平野治生君) 大臣の御答弁のほかに、ただいま先生の御質問の中に、男女共同参画審議会が九年の三月までになっているけれども、それを存続すべきかどうかという御質問があったかと思います。 御承知のように、現在、男女共同参画審議会におきましては、先ほど大臣の御答弁にもございましたとおりに、二十一世紀を展望した男女共同参画社会のビジョンづくりということで、来年夏の答申を目指して今審議をしていただいているところでございます。 そのビジョンの審議に当たりましては、当然のことではございますけれども、男女共同参画社会づくりに向けての取り組み体制ということを考えているわけでございまして、その一環としてこの審議機関をどうすべきかということも検討されているわけでございますので、その審議会の答申を受けまして、政府といたしましてもそれをどうするかということについて対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから、公開のことでございますけれども、大臣が原則公開ということをおっしゃっていただいたわけでございます。さきに、九月二十九日に閣議決定があって、審議会の運営の透明化ということを言われたわけでございまして、その後、男女共同参画審議会におきましては、十一月二十七日に総会がございまして、その趣旨に沿っていろいろ議論をされました。 その中で、議事録の公開ということも閣議決定に書いてあるわけでございますけれども、その点についても、そういうことをやっていこうということを総会の意思として決定していただきましたので、今後議事録の公開というふうにしていきたいと思っております。 ただ、会議への傍聴みたいな話も実は内部で随分議論されたのでございますけれども、これは総理府の会議室でやっておるわけでございますけれども、その会議場が非常に狭いということもあってそれは非常に難しいと、そういうこともございますので、議事録の公開ということで運営の透明化をなお一層図っていきたいということで今やっているところでございます。
○武田節子君 官房長官の大変御理解ある御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 次に、従軍慰安婦の問題について質問させていただきます。 戦後補償問題の解決に積極的だった社会党委員長の村山内閣が、戦後五十周年の戦後処理問題の大きな柱であります重要課題として、平成七年度政府予算に事業費等補助金として四億八千万円を計上し、いわゆる元従軍慰安婦を対象に一時金支給などの事業を行う女性のためのアジア平和国民基金を設立させました。 これに関連して少々お尋ねいたしますけれども、一時金の支給といってもその額をどのように定めるのか。一律支給にするのか、各自の生活水準に合わせるなど格差を設けるのか。募金の目標額は立ててあるのか。そして、対象者の人数の把握や元従軍慰安婦本人や支援団体からの要望聴取などを行っての意向の確認ができているのかをお伺いいたします。
○政府委員(平林博君) ただいまの武田先生の御質問にお答え申し上げたいと思います。 一時金の支給につきましての額の算定基準あるいは支払い方法等、ただいまお話のございました諸点は、アジア女性基金の方で今鋭意検討中でございます。 発足してから、八月十五日から本格的な活動が行われておりまして、順次募金も進み、また理事会、運営審議会あるいは呼びかけ人の会等が活発に開かれておりまして、今お尋ねの点についての議論が行われておるわけでございます。今後、各国の事情あるいは募金の進捗状況、そういうものをもう少し把握してみませんと、この額の算定基準、支払い方法あるいは募金の目標額自体もまだはっきりと決めない方がいい、もう少しいろんな事情を調べ、また募金の状況を見たがら決めたいと、こういうふうな意向と聞いておりますが、いずれにしましても真剣に関係者が考えているところでございます。 また、人数の把握を含めましてこれから事業をどう実際にやっていくかということにつきましては、年が明けてから、逐次対話のためのミッションを基金の関係者が組織しまして関係国に送っていろんな実態を把握する、こういうようになっております。 結論として申し上げますと、ただいまのようないろいろな御質問につきましては、年が改まりましてから逐次判明していくものというふうに考えております。
○武田節子君 村山内閣が打ち上げましたこの国民基金事業の設立についてはさまざまな声が上がっております。その源はただ一点、国家責任をあいまいにしたまま民間による基金で謝罪を済ませるという点でございます。 例えば、呼びかけ人を依頼した当初の三木元首相夫人の反応や日本赤十字社から事務局役を断られた経緯にも明らかでありますし、大口募金先を期待している財界にも同様の見解があります。 その一つは、政府の公式見解は、賠償責任問題はサンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約で解決済みとされているわけですけれども、この従軍慰安婦の存在自体が正式に明らかになったのは平成二年になってからですから、賠償責任は解決済みとされる条約締結時にはこの従軍慰安婦は認識されておりません。したがって存在していなかったわけです。これで解決済みとするのは理論的には無理があるのではないでしょうか。この点いかがでしょうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) 私からまず初めにお答えをします。 先生はすべてのことを承知して御質問になっておることはよくわかっております。 いわゆる従軍慰安婦の問題を含めて、さきの大戦にかかわる賠償とか、財産とか請求権の問題につきましては、我が国としては関係する条約等に従って誠実に実行しておるつもりでございます。ただ、国と国とで解決ができておるわけでありますが、今先生から御指摘があった従軍慰安婦の問題等が女性の名誉と尊厳を傷つけておる、そういうことを考えてまいりますと、政府は平成六年八月三十一日の総理談話においても深くおわびを申し上げておる次第でございます。改めて表明して、政府の平和友好交流計画と相まって、この気持ちを国民の皆さんに分かち合っていただくために、国民参加の道をともに探求してまいった次第でございまして、総理がアジアを訪問された後、表明されたような姿でございます。 先生にはその間の事情をよく御認識いただきたいと思っておりますが、今、外政審議室長がお答えを申し上げましたように、呼びかけ人の方々に呼びかけていただき、ただ三木総理の奥さん等はそのようにおっしゃっているということも十分重く受けとめております。 したがって、我々は、女性のためのアジア平和国民基金、普通アジア女性基金と申し上げますが、発足をして、経済界の皆さんや労働団体の皆さん方に御協力をいただいて、十二月八日にようやく財団法人としての資格を得ました。そして、一億一千万以上集まって、日本の国民の皆さんに深い理解と、我々はあのような事態の中で深い悲しみ、苦しみを経ていただいた皆さんに、協力をして、国と国との条約関係は終わっておるけれども、余りにも女性の尊厳を傷つけた、そういう意味を持ちまして積極的にこれに対応してまいっておる次第でございます。その間の事情を十分に御理解いただきまして、アジア女性平和基金に対して積極的に皆さんも応援していただきますように心からお願いを申し上げる次第でございます。 以上です。
○武田節子君 平成六年八月二十一日の総理談話及び同年十二月七日の与党戦後五十年問題プロジェクト報告を何回か読み返してみましたけれども、どうしても文脈が短絡的との感を否めません。 言わんとしていることを要約しますと、我が国として心から深い反省とおわびの気持ち、この気持ちを国民の皆様に分かち合っていただくため、幅広い国民参加の道を探究、政府は基金に対し拠出を含め可能な限り協力を行う、となります。どうしても文の意がつながりません。心からの深い反省とおわびの気持ちの主体者は一体だれなのか。その主体者が当然反省とおわびの気持ちを行動としてあらわすべき筋合いのものであり、以下に続く文脈では主客転倒していると思います。つまり政府が、国が主体者、中心者として償いとしての行動をとるべきであり、国民は可能な限り協力すべき筋合いのものであります。 出だしは、国として反省と責任があって、次に国民にも分かち合っていただくと、国民を引き合いに出したと思ったら今度は政府は可能な限り協力を行うと、いつの間にか主体者の座から姿を消して、国民を主体者としてその陰に隠れてしまいました。この民間基金事業に対し、関係各国や支援団体から沸き上がっている非難の声も実はこの一点にあると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) 見方はいろいろあろうと思っております。このアジア平和国民基金につきましても、御承知のように総理大臣の各個人に対する謝罪文、あるいは傷ついた皆さん、療養中の皆さん、そういう方々には当然として国のお金を拠出いたします、面倒を見ますと。あるいは歴史資料センターのようなものについては十分政府が考えてまいりますと。 ただ、個人個人の問題については、国の条約で一応の決着がついておるという状態では済まされない。そのためには、国が前に出るわけにはいかぬから国民基金という、民間基金ではなしに国民基金であるという意味合いも十分御了承いただいて、国を挙げて、また政府も、隠れるというようなお話がございましたが、隠れるというようなことはなしに、できるだけ総理大臣から謝罪文も提出をして皆さん方のお気持ちを、何といいますか、和やかにしていただくといいますか、「怒ったゾ」というようなことも先ほどは言いましたけれども、できるだけの努力をして皆さんの期待にこたえるように最大の努力をしてまいりたい、こういう発想であるということを十分に御理解賜りたいと思います。
○武田節子君 最後に、時間がございませんので御答弁いただかないで、官房長官へのお願いということで申し上げたいと思います。 最後に、このような忌まわしい犯罪を犯した当事国としてその記録を公開すべき一つの具体策として、この事業計画の中にある、歴史資料を整えて歴史の教訓とするこのアジア歴史資料センターの設立の計画によって、私はこれは世界全体の教育面に幅広く浸透させるという教育の点が重要だと考えております。 この観点から、警視庁資料の慰安婦渡航証明書、自治省資料の朝鮮・台湾総督府に関する内務省資料、防衛庁防衛研究所業務日誌の従軍日誌数千冊、陸上自衛隊衛生学校資料は、慰安婦制度は性病防止を理由に導入された経緯がありますので、関連資料がある可能性は高いと思われます。法務省、外務省の資料としては戦犯裁判資料等々、こうした未公開資料を政府は調査し公開をしていくべきだと思います。 どこまで情報を公開するのかとの考えもあるでしょうが、やはり現在は知る権利や情報公開が主流を占めている時代と言えます。ましてやこの元従軍慰安婦問題は、まさに強制的、強権的性犯罪、性暴力、性的奴隷制度であることは既に明白でございます。こうした我が国の歴史上犯してしまった最大の恥部ともいうべき事実の歴史資料をむしろみずから進んで公開して、後に続く世界の青少年に後世への戒め、教訓とすべきです。そして、それにとどまらず、こうしたみずからの行動はアジア近隣諸国との信頼関係強化や元慰安婦の方々へのこちら側のおわびの心を伝える一助にもなると思います。 どうぞ、官房長官にはこの点をしっかりお取り上げいただきたいことを御提案申し上げて、私の質問を終わります。
○国務大臣(野坂浩賢君) 先生の御意見は重く受けとめてまいりますが、プライバシーを傷つけないように十分配慮して進めてまいりたいと考えております。
○武田節子君 ありがとうございました。
○牛嶋正君 私は、平成会の牛嶋でございます。 きょうは不良債権の原因と行政指導について、主として大蔵大臣と大蔵省に御質問をさせていただきたいと思います。 けさの御質疑にもありましたように、我が国経済にとって金融システムの健全化は財政再建とあわせて緊急の課題であるというふうに思います。しかし、今進められている信組、銀行の破綻処理及び住専の不良債権の処理に当たりましてあいまいな決着を見れば、当面の危機的状態を脱することはできるかもしれませんけれども、金融システムの健全化にほど遠く、また今後の経済・財政運営に少なからぬ影響を及ぼすものと、こういうふうに考えます。 それだけに、この問題の処理につきましては厳正な姿勢で臨んでいただかなければならないわけでありますが、きょうは私は、質問の時間も非常に限られておりますので、処理スキームの問題については別の機会にいたしまして、バブル期の銀行等の融資状況をもう一度振り返りながら不良債権の発生の原因について二、三御質問をさせていただきたい、こんなふうに思っております。 多くの預金者から預金を預かり、預金者にかわって資金の借り手に貸し出しを行っていく銀行の金融仲介者としての役割を想定いたしますときに、預金者保護の立場からも有効に資金を生かし、元本返済の確実なところに融資することは銀行が守らなければならない鉄則であるというふうに思います。それにもかかわらず、現在の信用不安の最大原因であります不良債権は、額において非常に膨大なものになり、また個々の銀行等について見ましても、債権残高の不良債権比率が五〇%を超える、そういう金融機関が多く存在するわけであります。 〔委員長退席、理事大木浩君着席〕 この間に土地の価格の下落があったといたしましても、融資に当たっての審査能力に全く欠けていたと言わざるを得ないわけであります。問題は、なぜ我が国の銀行がそういった審査能力を十分に持ち得なかったのか、これが私は大きな問題であり、これからの金融の健全化を考えていく場合にもこれは重要な問題であるというふうに思います。 まず最初に、大蔵大臣に、今申しました十分な審査能力を持ち得なかった理由についてどういうふうにお考えなのか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 我が国の金融機関の貸出額の総量は、たしか七百兆円前後だと思いますね。それに対して、先般発表をいたしました不良債権三十七兆数千億でございますから、たしか一部信組のように半分を超えているところがありますが、全体ではそういう位置づけで御判断を賜りたいと存じます。 それから、なぜ貸し出しにおいていわば土地本位制といいますか、土地担保に傾斜をしてしまったのかということも含めてお尋ねでございますが、本来やっぱり融資の基本は人と事業だと言われております。しかし、日本には土地神話といいますか、土地は絶対下がらない、上がるものだという、これは国民的な神話と言っていいのかもしれませんが、特に戦後そんな考え方が日本の社会全体に浸透をいたしておりまして、およそ金融の専門家の集団である銀行が安易にそんな神話を信じて、土地さえあれば担保する、担保率も高めていってというふうなことは、今にして思うと大変間違っていたと言わざるを得ません。 しかし、個々にはそれなりにきちっと審査をしながら当時の関係者も融資を判断したと私は思いますけれども、結果として今振り返りますと、土地に甘かった、その土地が神話が崩れて暴落をするという事態に直面をして、今こういう大きな苦しみのさなかにある、こんなふうに認識をいたしております。
○牛嶋正君 今、土地本位制とかあるいは土地担保主義というふうなお話がありました。私もやはりそこに問題があったというふうに思っておりますので、この点についてさらに御議論をさせていただきたいと思います。 土地の担保主義が融資先を決定したりあるいは融資額を決定する、その場合の有効な判断基準であるためには、私は三つの条件が前提になければならない、こんなふうに思います。 その三つの条件の第一の条件というのは、金融市場全体が非常にタイトでありまして、貸し手市場を形成しているということであります。そういたしますと、貸し手市場でありますから、銀行側で融資先の順位づけも容易に決定することができるわけであります。 第二番目の条件は、今大臣がおっしゃいましたように、地価が上昇し続けるということであります。そして、地価は下がらないという土地神話が成立していることが第二の条件だろうと思います。 そして、第三の条件は、金融機関がその規模、形態によりましてすみ分けがなされていて、例えば都市銀行間あるいは地方銀行間の競争、横の競争はあるけれども、都市銀行と例えば信用金庫、あるいは地方銀行と信用組合、この縦の競争というのはそれほどシビアでないというふうな状況が第三番目の条件として私は考えられるのではないかというふうに思っているわけであります。 我が国においてこの三つの条件がそろって成立しておりましたのは高度成長から低成長へ移行する昭和三十年代、四十年代、そして昭和五十年代の前半ごろまでではなかったかというふうに思っております。その間、我が国の金融市場におきましては銀行の優位性が非常に続くわけでございます。 今、日本銀行の調査統計局が発表しております経済統計年報を見てみますと、その金融機関別の資金量のうち、銀行勘定の推移を見ますと、今申し上げました期間というのは大体全体の五〇%を銀行勘定は占めているわけです。これが五十年代に入りまして徐々に低下をいたしまして、現在では三五%ぐらいまで落ち込んでいるわけであります。いわば先ほど挙げました三つの条件のうちの第一の条件と第三の条件が昭和五十年代に入りまして、バブルの前ですけれども、少しずつ崩れていくわけであります。 まず、第一の条件、金融市場が貸し手市場であった。そこから借り手市場に移っていくわけですけれども、私はその要因といたしまして幾つか挙げることができます。その一つは、高度成長から低成長へ移行するんですけれども、しかし個人貯蓄も含めまして我が国の貯蓄率は非常に高水準でずっと維持していきます。そしてさらに、二番目の要因といたしましては、企業の多くは財務状況が非常に改善されまして、それまでのようにもちろん銀行から融資を受けますけれども、自己資本による調達率もずっと高まっていくわけであります。そして、第三番目の要因とい、たしましては、輸出が順調に伸びまして経常黒字が増大いたしまして全体的に金余りの状況が生まれてくる、こういうことが想定されるわけであります。 そういたしますと、先ほど申しましたように、金融市場が貸し手市場から借り手市場になる。そうしますと、銀行の方が融資先に順位をつけるのではなくて、むしろ借り手の方が銀行を選択する、こういうふうな状況が徐々に生まれてまいります。そうなりますと、銀行側はやはり審査能力を高めていかなければならないわけでありまして、融資先の収益性やらあるいは元本償還能力、いわゆる信用度を厳密に審査する必要が出てきたわけであります。それにもかかわらず銀行等は土地担保主義にずっと頼っていくわけでありまして、ここにバブルが発生する大きな要因があったのではないかというふうに私は思っております。 そこでお尋ねするわけですが、大蔵省は銀行の業務内容を検査されますけれども、その場合に個々の銀行の融資基準もその検査項目の中に含まれているのかどうかということ。それからまた、含まれているといたしまして、土地担保主義について何か指導をされてきているのかどうか。この二点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(西村吉正君) 金融検査を行います場合に個々の銀行の融資基準、融資基準と申しましてもそれが文章になっておるものもございましょうし経営者の方針というようなものもあろうかと思いますけれども、そういう広い意味におきまして銀行がどのような考え方で融資に臨んでおるかということは検査の対象になるわけでございまして、健全な融資基準に基づいて経営をしているかということは銀行検査の際に検査官が経営者にその都度問いただしているところでございます。 その中で、土地担保主義という点についてどのような考え方であるかということでございますが、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、かつて銀行が土地を担保として、その地価の上昇というものに信頼を置いて仕事をしてきたということは御指摘のとおりでございますけれども、バブルの崩壊以後そういうような方針が必ずしもうまくいっていないということで、銀行界におきましても不動産融資のあり方、不動産金融のあり方というものについて勉強をする機会がございました。その結果、平成四年の三月に不動産金融研究会、これは銀行協会の中に設けられた組織でございますが、そこにおいてレポートを出しまして、現在では、銀行界ではこのような考え方に沿って不動産金融というものを進めているというふうに考えております。
○牛嶋正君 それでは、時間もありませんので次の第三の条件についてお尋ねしてまいりたいと思います。 高度成長から低成長期を通じまして、私は、金融の自由化が始まるまでは先ほど申しましたように金融機関の規模別、形態別のすみ分けがなされておりまして、特に中小の金融機関をある程度保護していくというふうな政策がとられてきたと思います。それは、大蔵省では言っておられませんけれども、我々は護送船団方式というふうに呼んでいるわけで、ちょっとやゆ的な意味合いも込めて言っているわけであります。 この護送船団方式によりまして、私は、今申しました五十年代の初めごろまでは我が国の金融システムというのは非常に安定であったというふうにみなすことができるわけであります。しかし、その護送船団方式と呼ばれる大蔵省の金融行政の姿勢というものにはかなり保護的な性格が含まれていたというふうに思います。そのために、個々の金融機関というのは審査能力の強化に対しましてそれほど努力を払わずに土地担保主義にずっと頼ってきたんではないか、こういうふうに私は思うわけであります。 しかし、昭和五十年代の半ばごろから金融の自由化が始まってまいります。そうなりますと、先ほど申しました金融機関の形態別それから規模別の間でも縦の競争がだんだんと強くなってくるわけでありまして、中小の金融機関にとりましては非常に厳しい金融環境がだんだんとつくられていくわけですね。そうなりますと、ここでも私はもう一度個々の金融機関が強力な審査能力を持たなければならなかったのではないかと思うんですけれども、後から振り返ってみますと、この期間店舗数をどんどんふやしておりますけれども、何かそれにとどまっておるのではないか、こういうふうに思うわけであります。 これに関連いたしまして、まずお尋ねしたいんですけれども、先ほど私が申しました護送船団方式、これを大蔵省はどういうふうに解釈されておられるのか。それからもう一点、金融自由化とその護送船団方式との関係、金融自由化によって護送船団方式が修正されていくのかどうかということですね。それからもう一つ、金融の自由化とともに、先ほども私指摘いたしましたように、特に中小の金融機関にとりましては審査能力の強化というのが要求されたんですけれども、そういう指導を大蔵省はなさったのかどうか。 この三点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 護送船団方式という御指摘でございますが、その言葉が適当であるかどうかは別といたしまして、私ども行政に当たりまして二つの考え方というものを常に念頭に置いて行政に当たっております。 一つは、銀行というものは、公共性あるいは安定性というものが他の企業、産業以上に求められるものであるという点でございます。しかしながら、他方におきまして、やはり銀行といえども私企業でございますので、企業性とかあるいは効率性というものもあわせて追求されなければなりません。私どもは常々銀行行政に当たりましてこの二つの基準、公共性、安定性という側面と、企業性、効率性という側面のバランスをいかにとっていくかということに腐心しておるわけでございまして、今御指摘の護送船団方式という御批判は、恐らく公共性、安定性という側面に余りにも力点を置き過ぎるとバランスを失する、そのような御批判を受けることになるのではないかという点であろうかと思っております。 私ども、今御指摘の昭和五十年代中ごろ、あるいは六十年代前半に金融自由化というものを極めて速いスピードで進めてまいりました。これは進めざるを得ないような背景があったということもあったわけでございます。例えば金利の自由化は、昭和六十年以降ステップ・バイ・ステップで進めまして昨年完了したわけでございますが、九年間の過程を経て完了いたしました。 他方、業務の自由化に関しましても、いわゆる金融制度改革ということで、昭和六十年以降、金融制度調査会等で検討を重ねた結果、平成四年には金融制度改革法を成立させていただきまして、いわゆる証券、銀行間の相互乗り入れ等の措置がとられたわけでございます。 その中で、審査能力等との関連と申しますか、現在反省を迫られている問題との関連でございますが、この今申しました金融の自由化、国際化あるいは証券化という過程が、残念ながら日本経済のバブルの発生、崩壊の時期と重なりまして、私どもといたしましては、この自由化、国際化、証券化というプロセスを粛々と進めることができなかった面があったのではないか。そういう点を反省すると同時に、現在その収拾に当たっているわけでございますが、このような収拾の中でも金融の自由化、国際化ということに逆行しないように十分注意をしながら行政を進めていかなければならない、このように考えているところでございます。
○牛嶋正君 このように見てまいりますと、三つの条件のうち残ったのが第二の条件、土地神話でございます。 この土地神話が続く限りは、土地担保主義に基づいて融資を行いまして、仮に不良債権化しても回収は可能である、元本の返済は可能であるということは言えるのではないかと思いますね。恐らくそこに、銀行は融資をしていく場合に土地担保主義にずっと頼っていった。しかし、今度は二つの条件が崩れているわけですから、この第二番目の条件をもう守り抜かなきゃいけないわけであります。ここに私はバブル発生の大きな問題があったんではないかと思うんですね。すなわち、それを守るためには土地の流動化を図らなければならない。そうしますと、融資をする場合もやはり不動産を中心、土地を中心に都市を優先して融資をしていく。そうすることで土地神話を守っていく。そういったかなり危険な構造がそこに私は生まれていったのではないかと思います。 地価がどういうメカニズムで決まるかは、これはまた議論をいたしますと大変でございますけれども、このバブルのときの地価の上昇がずっと進んでいく過程ではっきりしていったことは、もともと土地が持っている実質的な価値といいますか、それは恐らくその土地の生産性によって決まるというふうに思いますけれども、そういったファンダメンタルズな価値からだんだん乖離していくわけですね。ですから、融資が仮にとまってしまいますと、そして地価の上昇がとまりますと、今度は反転してその実質的な価値まで下落するだろう、その乖離を埋めるような形で下落するだろうということは当然考えられたことであります。これがバブルのメカニズムであり、バブル崩壊でもあるわけであります。 その場合に、実際に平成二年に総量規制を政府は行うわけでありますけれども、それに伴いまして、すぐそれに引き続くような形で地価の上昇がとまり、そして下落に転じていくわけであります。 このことに関連いたしまして、もう最後、時間がございませんので私二点お尋ねしたいんですけれども、もう少し総量規制のタイミングが早ければ実際の地価とそれから実質的な価値との乖離というのはそんなに広がらなかったわけですから、したがって今見られるような不良債権もある程度抑えることができたのではないかということでありまして、このタイミングについて大蔵省はどうお考えになっているかということであります。 そしてもう一つは、総量規制を行われるときに住専を外されたわけですね。このことが住専の今の非常に大きな傷跡を残しているわけですね。なぜ外されたのか。 この二点についてお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。
○政府委員(西村吉正君) 御指摘のように、いわゆる総量規制は平成二年三月二十七日に銀行局長通達として発しておるわけでございますが、実はこれをさかのぼります約四年間の間にも、すなわちそれはバブルの発生の時期であったわけですけれども、たびたび土地関連融資の規制について、規制と申しますか、慎重に扱ってほしいという銀行局長通達を四回にわたって発しておるわけでございます。 土地融資の自粛をたびたび銀行界に対してお願いをしたところでございますが、なかなか土地融資の増勢というものがとどまらないということでいろいろ世の中からも御批判がございまして、最後に、平成二年三月にいわゆる不動産融資規制という、列島改造後の事態に対応して発したと同じような措置を通達として発したわけでございます。 御指摘のように、これがもっと早かったらどうだという問題はいろいろ御指摘を受ける点はございますが、それ以前にたびたび融資に関する自粛通達というのを出していたということも御認識いただければと存じます。 第二に、いわゆる総量規制通達の中でなぜ住専を外したかということでございますが、この点については多少誤解があるのではないかと存じます。すなわち、当時、融資規制という極めて強い措置をとるということについては、逆に規制緩和だとかあるいは自由化という観点から御批判があったわけでございます。 私どもといたしましては、住専を含むいわゆるノンバンク、住専も一種のノンバンクでございますが、そのようなものについては銀行、信用金庫というような預金を預かっている金融機関とは規制の強さが違う。したがって、私どもといたしましては、預金を預かっている金融機関についてはこのような強い措置をとることはお許しいただけるであろうが、ノンバンク、住専というようなものに対してはこのような強い措置を直接とることは適当ではなかろうということで、そこに一線を設けたということでございます。 しかしながら、預金を預かる金融機関がノンバンクに対してお金を貸す場合にはこの総量規制の中で報告をしてほしいという形で、違った形で自粛を求めるような措置はあわせてとってまいったところでございます。
○牛嶋正君 またこの続きをやりたいんですけれども、後がつかえておりますのでこれで終わらせていただきます。
○寺澤芳男君 平成会の寺澤芳男です。 きょうは宮崎経済企画庁長官にいろいろお伺いをしたいと思います。 宮崎長官は、経済企画庁事務次官を終えてから、民間のシンクタンクのトップとして、あるいは非常に著名なエコノミストとして、また各国の事情にも非常に通暁されておられる長官でありますので、忌憚のない御意見を御披露していただければ大変にありがたいと思います。 まず、経済成長率の見通しに関しての御質問なんですが、十二月四日に七月から九月期のGDPの統計が発表されました。年率換算の成長率が〇・六%。経済企画庁では、九五年度の実質成長率の政府見通し二・八%の達成は困難ではなかろうかという御判断をなさっているようであります。今年度は恐らく一%を下回る成長率になるのではなかろうかと私は思っております。 今年度のこのような結果を受け、現在、政府内では九六年度の経済見通しの策定作業の真っ最中だと思います。来年度の実質成長率について、今国会、村山首相はせめて二%台に乗せたいと答弁なさっておられます。また、宮崎長官は講演会で二%程度と発言なさったと報道をされております。 宮崎長官にお尋ねいたしますが、九六年度の実質成長率はどのぐらいになるとお考えでしょうか。
○国務大臣(宮崎勇君) 九六年度の経済成長率についてお尋ねでございますが、ただいま先生がお述べになりました七−九の国民所得統計をもとにしながら、その他の要因を勘案して、予算編成と並行して来年度の経済見通しを行っているところでございます。したがいまして、現在の段階では何%というふうに詳しく申し上げられない、大変申しわけなく思っております。 足元の経済でございますけれども、今お述べになりましたように、七−九の瞬間の年率の成長率がわずか〇・六%ということでございまして、私ども月例経済報告では、このところ景気は足踏み状況を続けているという表現をして今日の状況を説明しております。 これから先、十−十二月、一−三月と多少上向きましても、今までの経緯あるいは政府がこれまでやってまいりました経済対策の効果がすべて年内にあらわれるのではないというようなことを考えますと、政府の当初の見通しの二・八%の実現は困難でございます。恐らく、先生が御指摘のように、かなり見通しより低くなるのではないかと思っております。一%を下回るかどうかは別にいたしまして、私どもも一%程度というふうに思っております。 〔理事大木浩君退席、委員長着席〕 それを受けまして、八年度でございますが、これまでいろいろ経済対策をやってまいりましたその効果が上がってくるということを期待しておりますし、それ以前には日本銀行が公定歩合を下げておりまして、金利は非常に低位で推移をしております。恐らく今後とも金利は低位に推移すると思われますし、同時に、このところ円が一時よりは比較的安定をしておりまして、しばらくの間こういう状況が続いていくのではないかと思っております。 また、個別に足元の経済を見ますと、全体としては足踏み状況で強くはありませんけれども、個人消費と設備投資には既に動意が見られておりますし、しばらく低下を続けておりました住宅投資も、下げどまりから若干上向いてきたかなというような感じでございます。したがって、そういうことを前提にいたしますと、政策運営いかんによりますけれども、来年度の経済成長率は九五年度の実績見込みに対して一%程度上乗せて考えてもいいんじゃないか。先ほど村山総理の二%台に乗せたいというお話を引かれましたけれども、おおむねそういうことになっていくのではないかと思っております。 ただし、中期的に私どもが考えております三%にいくのは、九六年度は多少無理ではないかと思っております。
○寺澤芳男君 政府の経済見通しは、民間の事業活動あるいは投資計画の一つの指針となります。特に一昔前までは非常に大きな影響力を持っておりました。最近では、民間のいわゆるシンクタンクが非常に優秀になってまいりましたので、政府の経済見通しの権威も若干薄れてまいりました。 平成四年度の政府経済見通しにおける経済成長率、見通しが三・五%で、終わってみたら○・六%だった。平成五年度、見通しが三・三%で、終わってみたらマイナスの〇・四%だった。平成六年度が、政府の見通しが二・四で、終わってみたら〇・六だった。ちなみに、この政府の二・四%の見通し、大和総合研究所では○・六%の見通しを立ててずばり的中をしているわけであります。この政府の経済見通しが、過去三十年間三十六回中、誤差が一割以内だったのは五回であります。 もちろん、これをぴたりと当てるのは至難のわざであります。しかし、最近では民間のシンクタンクの方が非常に誤差が少ない。もちろん政府の見通しには景気を誘導する、いわゆるアナウンス効果というものもお考えではなかろうかと思います。しかし、これほどまでに見通しと実績の差が開いてまいりますと、むしろ民間の経済活動を混乱させます。景気回復に悪い影響を及ぼしてくるんじゃないかと思いますが、長官の御意見はいかがですか。
○国務大臣(宮崎勇君) 先生御指摘のように、過去の政府の経済見通しと実績を比べてみますと、実績がたまには上向いたり下向いたりという実績を示しておりまして、特に近年では予想を下回った実績が多いわけであります。その点につきましては、政府としましても厳粛に受けとめなければいけないと思っております。 ただ、今御指摘になりました民間の研究機関の経済予測と政府の経済予測は性格が違いまして、民間の場合には単なる予測というとちょっと語弊がありますけれども、予測でございますが、政府の場合にはある程度政府の政策意図をはっきり反映させた見通しでありまして、それによって経済運営の指針にしようということであります。もちろん市場経済における経済見通しですから、計画経済のようにこれを絶対民間が守らなければいけないとかというような性格ではございませんし、当然のことながら内外環境というのは予測を超えていろいろのことが起きますので、これをしゃにむに実行しなければいけないということではありません。 しかし、それにしましても、実績と予測が大きく乖離するということはいろいろの方に迷惑をかけているという点もありますので、これからはできるだけそういう点を反省いたしまして、わかりやすく、そして指針になり得るような実現可能な見通しを作成していきたいと思っております。
○寺澤芳男君 経済は生き物であります。一年前の経済予測というか成長率の予測に全く実態がそのままについてくるということは非常に難しい、私はそう思います。私は、十月の参議院の本会議で二・八%はどうも無理のようですねと御質問申し上げたら、「本年度後半には着実な景気の回復を期待しております。」というのが長官のお答えでありました。 経済の見通しに関して重要なのは、極力正確に国民に発表することではないでしょうか。そのためには年に数回、例えば四回、そのときの経済の実態をつかんで修正をしていくというようなことも一案かと思います。過去にはいわゆる世界同時不況と呼ばれた八二年十月に実質成長率を下方修正したということもあったということを聞いておりますが、長官の御意見いかがですか。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 先ほど、私が参議院の本会議で先生の御質問に対して、今景気は悪いけれども、年度の後半に景気がよくなってくるでしょうということをお答え申し上げました。私は今でも、先ほど御引用になりました先ごろ発表された七−九の国民所得統計にあらわれたところが経済の一番悪かった時点だと思っておりまして、年度後半には確実に回復が始まるものと思っております。 それにしましても、年度当初の政府の見通しの二・八%というのは実現不可能で、先ほどお答え申しましたように大体一%程度になるのではないかと思っております。政府の見通しが変わるということは、ある意味においては見通しをつくった者の責任ではありますけれども、いろいろ予見し得ざる内外の環境の変化があったということも否定できないかと思います。そういう状況に応じまして例えば御指摘のように四半期ごとに経済の見通しをやっていくということは一つの考え方でございまして、民間では現に四半期ごとに情勢の変化に応じて見通しを改定しております。 ただ、政府の見通しと申しますのは、年度を通じて経済運営をこういうふうにやっていこうということの指針を示しているわけでして、余りにも頻繁に改定をするということはいかがかというふうに思っております。 ただ、非常に大きく乖離してなおかつそれを硬直的に守っていくということは、政策発動のタイミングをおくらせるということにもなりますし、ひいては見通しに対する信頼感も失わせることになりますので、その点は十分にこれから考え直していきたいと思います。
○寺澤芳男君 政府の経済見通しは、政府の政策運営、さまざまに利用されておりますが、特に重要なのは税制、税収の見積もりとの関係だと思います。当委員会で今審議しております平成四年度の一般会計税収決算額は、予算額に比べて当初八兆円、補正後でも三兆円を上回る減収となっております。また、平成五年度も対当初で七兆円、補正後で一兆五千億円を上回る減収となっております。 なぜこれほど巨額の歳入欠陥が発生したのか。もちろん毎年度の税収見積もりは、単純に名目経済成長率から算定するものではなく、個別の税目ごとのこれまでの課税実績も考慮されております。しかし、両年度の政府の経済見通しは余りにも高過ぎました。これが歳入欠陥の大きな要因となったことは明らかであります。 政府経済見通しの策定については、税収見積もりを担当する財政当局との妥協として無理やりに高目に設定されるということが指摘されてもいます。 去年九月、当決算委員会は、平成三年度の決算についての警告決議を行っております。その第一項目は、「政府は、今後、可能な限り正確な経済見通しの策定に努めるとともに、有効な資料の収集や適切な見積り方法により、税収見積りの精度向上に更に努力すべきである。」とあります。 経企庁は、この決議をどのように受けとめられ、そしてできる限り正確な経済見通しを策定するために具体的にどのような改善措置をとっておられるでしょうか。
○国務大臣(宮崎勇君) 先生御指摘のように、平成六年九月十六日にこの委員会で御決議がありました。経済見通しについては「可能な限り正確な経済見通しの策定に努める」ことということで、これはただ単なる注意じゃなくて警告ということで、大変深刻、重大に受けとめております。 これまで経済見通しが実績と離れたいろいろの原因はありますけれども、先ほど申しましたように、今後はできるだけいろいろ注意をいたしまして指針になり得るような見通しをつくりたいと思っております。 なお、税収等の関係につきましては、年度の初めに経済見通しとの関係で税収の予測をされますけれども、税務当局はそれとは別に実際の経済と接触した部面で税収の推移を見ておりまして、その点については特にそごがないと思っております。
○寺澤芳男君 我が国は資本主義経済体制、そして市場経済の立場をとっております。それにもかかわらず経済運営を国がやっていく、行政がやっていくという経済企画庁、エコノミック・プランニング・エージェンシーと。大変いろんな外人にどういうところなのかということを聞かれるわけですが、一見、計画経済をやっているのかもしれないような印象を非常に強く与える企画という、プランニングという言葉がいまだに使われております。 この間、十一月二十九日に戦後十三番目の中期経済計画が出されました。日本にこのような社会主義計画経済国家のような経済計画があること、これも考えてみれば非常に奇妙なことであります。実際、資本主義国、G7で経済を計画するという意味の行政庁は、日本の経済企画庁とイタリアの予算経済企画省だけだと思います。また、中期経済計画を立てるのはやはり日本とイタリア、そしてフランスぐらいだろうと思います。 宮崎長官は、資本主義市場経済において経済企画庁があることの意義、経済計画を策定することの意義をどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 日本と同じように計画という言葉を使っている国は、今先生御指摘のようにイタリアもございますし、あるいはフランスもあります。それから、経済全体ではございませんけれども、公共投資の長期計画というようなことでイギリスは大蔵省がつくっておりますし、同じく計画とは申しておりませんけれども長期的な見通しをドイツの場合ですと経済省がつくっております。 先ほど経済見通しについて、これは政府の経済運営の指針になるガイドラインだということを申し上げましたけれども、経済計画も私どもはそういうふうに考えております。つまり、日本は市場経済でございまして、あくまで経済の主体は民間経済であります。また、この経済を引っ張っていく主導者も民間経済であります。しかし、政府は何もしなくていいかというとそうではございませんで、内外環境が将来にわたって非常に変化をする時期ですから、そういう情報をもとにして、日本の経済は中長期的にどういうふうに向かったが一番いいだろうかという可能性をいろいろ探った上で一つのビジョンを描くというのが計画の役割だと思っております。したがって、そのビジョンに従って民間が行動するかどうかということは全く民間の自主的な判断によるところであります。 また、経済というのが最近領域が非常にふえておりますので、政府としては、例えば社会資本、これは全部ではございませんが、基本的な社会資本の整備ですとかあるいは社会保障制度の整備については政府が責任を持ってやらなければいけないということで、その点についても経済計画は一つのよりどころになるというふうに考えております。決して全体主義国家あるいは統制国家のようにすべて政府が律するという性格のものではございません。
○寺澤芳男君 私は、現在の日本経済について大変な危機感を持っております。今のような、先ほども同僚委員から話が出た護送船団方式あるいは官主導の日本の経済構造がもしこのまま変えることのできないものであるとしたら、非常に厳しくなった国際競争で日本は勝っていけない、そのように非常に危機感を持っております。 幸い経済企画庁長官の宮崎さんは民間の苦労もよく御存じの長官でありますので、日本経済のこれからの先行き、あくまでも民主導型の経済、そして官はダイナミックな民の経済ができるような環境づくりをするという視点に立って、ぜひ御活躍をしていただきたいと衷心からお願い申し上げます。 経済企画庁というのがもし非常に大事な官庁として残るのであるとすれば、私はやはり生活者としての国民の立場に立つ、これは経済企画庁しかない、そういう意味で経済企画庁というのが国民生活局を核として他の省庁の一部を合併させて国民生活省という、これを創設する法案を新進党では現在出しております。経済企画庁の国民生活者を守るという意義、あわせて新進党の行革についての宮崎長官の所感を賜りたいと思います。
○国務大臣(宮崎勇君) 先生が冒頭にお話しになりましたように、日本経済は大変な危機に立っているわけでして、これから経済社会のシステムを変えなければ十分に対応ができないというふうに考えております。そういう一環としまして、構造改革を進めなければいけない経済計画を作成したわけでございますけれども、その経済計画の中で一つ強調しておりますことは、国民一人一人が豊かな生活を実感できるような経済社会をつくるということでございまして、今先生が御指摘のように、私どもその線に沿って一生懸命やっていかなければいけないという覚悟を新たにした次第であります。 それで、それとの関係で新進党の行政改革と申しますか、具体的に経済企画庁の国民生活局をほかの同じような仕事をしている官庁と合併したらどうかということでございます。新進党の行革の案は大変参考になりまして、いろいろこれからも勉強させていただきたいと思いますが、今の経済企画庁の国民生活局という点について申し上げますと、やや実施部門的なところと総合調整的なところを一緒にして考えるというのは私はいかがかというふうに思っております。 経済企画庁自身、実施的なものを持っておりますけれども、全体として総合調整官庁の役割が大きいわけでして、今日のように非常に価値観が多様化し、またそれに対していろいろの行政が縦割り行政になっている段階では、総合調整というのは大変重要な役割を果たしているというふうに思いますので、国民生活の点についてもやはり総合調整官庁である今の国民生活局の形態が最適だと私は考えております。
○寺澤芳男君 宮崎長官の御健闘をお祈りして、私の質問を終わります。
○筆坂秀世君 私は、世界にも大きな衝撃を与えた大和銀行の巨額損失事件についてお伺いをしたいと思います。この事件が単に罪を犯した井口被告一人の犯罪ではなしに、大和銀行そのものが厳しく責任を問われるべき事件であるということは、事の経過から見て明白だと思います。 そこで、まず大蔵省に幾つか確認をしたいと思うんですけれども、大和銀行の責任について大蔵省はどう認識をしているか。 一つは、まず、井口被告が十一年間にわたって十一億ドル、約一千百億円、これだけの巨額損失を出しながら、大和銀行の説明を仮に信用したとしても、この間にこれを発見することができなかった大和銀行側の管理責任というのは、これはもう明白だと思うんですけれども、いかがでしょうか。経過はいいですから、結論だけでいいです。二十四分しかないものだから。
○政府委員(西村吉正君) 御指摘のように、井口被告によって今回の不祥事が起こったということは、大和銀行の内部管理において問題があったということは御指摘のとおりでございます。
○筆坂秀世君 それが一つ今の時点で明らかになっている大和銀行の責任ですよね。 さらに重大なのが、この井口被告の犯罪を知って以降の大和銀行の対応だと思うんです。これはニューヨーク連邦地検の起訴概要を読みますと明白ですけれども、井口被告から告白文なる手紙を当時の藤田頭取が受け取って、大和銀行がそれ以降やったことは何か。これを見てみると、幾つか挙げてみますと、まず告白文を書いたコンピューターディスク、これを破壊するように言う。要するに証拠をなくせということです、証拠隠滅です。 二つ目には、七月三十一日ごろ、ニューヨーク支店はアメリカ連邦準備理事会、FRBに対し資産と負債の報告書を提出しているけれども、このときにも売却された六億ドルの米国債があるかのように記載をして報告している。虚偽の報告を、この犯罪を知った以降もやっている。 三つ目には、さらに悪質なのが、大和銀行が巨額損失を隠すために井口被告に対し、米国債の顧客に対する利払い、国債を預かっているお客さんに対する利払いのためにバンカーズ・トラストにある米国債、これを売却して、そしてそれがあたかもニューヨーク支店の国債であるかのようにして利払いに充てる。井口被告がこれは繰り返しやってきたことです。この繰り返しやってきたことを大和銀行は知って以降も井口被告にやらせる。 これはどこから見ても、少なくともこの七月二十日以降の大和銀行がやったことは、井口被告個人の犯罪ではなしに、文字どおり組織ぐるみの違法行為、犯罪だと、こういう認識は大蔵省は持っていますか。
○政府委員(西村吉正君) 今回の大和銀行の一連の事件につきましては、まず第一に大和銀行の元従業員が不正行為を行っているということは事実でございますし、また銀行自身が不適切な業務運営を行っていた事実もあるということは御指摘の面もございます。 このような点について大和銀行が米国の金融監督当局から厳しい措置を受けるに至ったことはまことに遺憾でございますが、しかし、今御指摘のいろいろな事実につきましては、現在大和銀行がアメリカの司法当局に起訴されているところでもございますし、訴訟にかかわる事柄でもございますので、現時点でこの点に関するコメントをすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○筆坂秀世君 今、前段のお答えで不適切な業務運営ということを言われましたね。これは十一月三日の大蔵大臣談話でも同じ表現が使われています。じゃ、この不適切な業務運営というのは何を指しているの、具体的に。
○政府委員(西村吉正君) 九月の十八日に報告があった以降も、かなり昔の出来事ではございますが、ダイワ・トラストという子会社に関する運営について不適切な業務運営があったということは私どもも認めているところでございます。 ただ、先ほど御指摘の点につきましては、今訴訟において争われているところもございますので、コメントは差し控えると申し上げたわけでございます。
○筆坂秀世君 そうすると、事件がわかって以降大和銀行がやったことについては、大蔵省としてはまだ全く認識していないということ、認識はしているけれども裁判で争っているから今言うのは差し控えたいということ、どっちか。
○政府委員(西村吉正君) 私どもが大和銀行からの報告あるいはその後の検査等によりまして認知しておる事実もございますし、またアメリカにおいて起訴をされて争われている事実もある。いろいろな事実、問題点があるということでございます。
○筆坂秀世君 つまり、それ以降も大蔵省がつかんでいることもあると。だから、かつての問題だけで不適切な業務運営をやっていると言ったわけじゃないわけですよね、大蔵大臣の談話で。大臣、どうなんですか。
○国務大臣(武村正義君) そこは直接的なコメントは控えるというのが私どもの方針でございまして、少なくとも過去、それよりもさかのぼりますが、ダイワ・トラストの処置は不適切であるというふうに認識をいたしております。
○筆坂秀世君 随分口がかたいんですけれども、少なくとも大和銀行は行員の不正行為、そして不適切な業務運営、これについて深刻な反省をしなきゃいかぬ立場ですよね。これはどうなんでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 今回の事件に関しまして、大和銀行自身といたしましても、非常に遺憾なこととして反省をしておることは私どもも承知をしております。
○筆坂秀世君 ところが、それがそうじゃないんですよ、あなたがどういうふうに承知されているのか知らないけれども。 私、十一月三日に大和銀行の新しい頭取が部店長にあてた、行内限り、対外秘となっている大和銀行のニューヨーク支店の事件についての文書を入手しましたよ。いろんなことが書いてあるけれども、何と言っておるか。 この事件というのは、従来より申し上げているように、井口被告の不正取引により被害をこうむったのは唯一当行であり、当行のお客様のどなたも損失をこうむっていない。井口被告の起こした損失の隠ぺいに加担したと言われていることについては、当行の上層部は、井口被告の不正取引と損失を隠すべきだという一切の考えを排斥し、きっぱりと拒否したというのが事実と信じていますと、これこの中に書いていますよ。これは行内限り、対外秘、頭取から部店長殿、当行米国拠点の順次全面撤退、米国検察官による起訴、経営改善指針及び業務改善命令についてと題する文書ですよ。 つまり、被害者は大和銀行ただ一つだというんです。だれにも迷惑かけていないというんですよ。けしからぬ話じゃないですか。株主だって損害の賠償を求めて提訴しているじゃありませんか。 大和銀行では、リストラ一年間六百人、今九千六百人ぐらいいる行員を六百人ぐらい減らす、九千人体制だと言っていたのが、この事件があって七千人体制にするというんです。従業員は大変ですよ、労働者は。 あるいは、これ一千百億円で発覚したからよかったけれども、もっと行っている可能性だってあるわけでしょう。だから当然顧客にだって迷惑をかけている。ところが、唯一当行が被害者というんです。国会だって大蔵省だってみんなそうでしょう、金融システムそのものだって。これが大和銀行の認識ですよ。 しかも、けちなことを書いているんです。我々は損失を隠すべきだ、不正取引隠すべきだという一切の考えを排斥し、きっぱりと拒否したというのが事実とまでで終わっていたらいいんだけれども、信じていますというんだ、ここだけは。もしそれがばれたときには、またこれトカゲのしっぽ切りでしょう。新しいニューヨーク支店長だとか、そのあたりに責任をおっかぶせようというんです。上層部は知らなかったという。これが皆さん大和銀行のあれですよ、これだけの大事件を起こしながら。 大臣、こんな大和銀行の態度を結構な態度だと言えますか。
○国務大臣(武村正義君) どういう経緯でその文書がお手元にあるのか定かじゃありませんが、今回の大和銀行ニューヨーク支店の事件については、大和銀行みずからも極めて深刻に受けとめているはずだと私は思います、信じます。ただ、預金者には迷惑をかけないようにしているということを少し強調したのではないかと、今の御紹介を拝聴してそんな感じを持ちました。
○筆坂秀世君 全然問題にならないと思う。唯一当行が被害者だと言っているんですよ。唯一大和銀行だけが被害者だと言っているんですよ。そうでしょうかね。
○国務大臣(武村正義君) その文書の表現を基本にして余りやりとりしたくありませんが、察するに直接の被害者という意味で言ったのかもしれませんね。一々かばうつもりではありません。
○筆坂秀世君 ともかくこういう文書があります。私、別に適当な文書をつくって言っているんじゃないんだから、でっち上げて。大和銀行を調査してくださいよ、本当にそうかどうか。だって、被害を受けたのが大和銀行だけなんというばかな話はないでしょう、そんなばかな話は。少なくとも、もしこれが事実ならこれは大変な問題ですよ。あの井口被告の犯罪が見つかったときも、直ちに大蔵省は調査しなかったんだから、今度ぐらい直ちにやりなさい。どうですか。
○政府委員(西村吉正君) 御指摘の文書が、全体がどのような文脈になっておるのか私もつまびらかには承知はしておりませんけれども、私は今回の事件に関しまして大和銀行自身遺憾なこととして反省をしておられるというふうに考えております。
○筆坂秀世君 だったら、私が今言ったのが事実としても、十分反省しているというふうに大蔵大臣はおっしゃるんですか。これが事実としても、大和銀行はもう十分反省しているとおっしゃるんですか。
○国務大臣(武村正義君) これがとおっしゃって、その文書を前提にお答えするのは避けさせていただきますが、いずれにしましても大和銀行はこれだけの大きな問題を起こし、また世間、世間というよりも世界に対しても大きな問題を起こしているわけでありますから、深刻な反省をしているというふうに私も思っております。
○筆坂秀世君 調査をするということも約束できないの。だめだよ、そんなんじゃ。大蔵省の責任だって問われているんだよ。
○政府委員(西村吉正君) 御指摘のような文書があるかどうかということをそれでは調べさせていただきます。
○筆坂秀世君 さらに重大なのは、この隠ぺい工作とニューヨーク連邦地検が起訴している内容ですよね。これと大蔵省はかかわりないのか、これに大蔵省の責任は全くないのかということです。 銀行局長に聞きますけれども、八月八日に大和銀行の白金寮に行かれていますよね。報告じゃなくて内諾、内の話というらしいですけれども、その中身。言い方はどうでもいいですよ、ここでどういう話をされたんですか。どういう話をというよりも、そのときに井口被告の告白文は銀行局長は見たんですか。
○政府委員(西村吉正君) 八月八日に私が大和銀行の頭取にお会いした際には、頭取から、ニューヨーク支店の行員から米国債取引で大きな損失を生じさせたという趣旨の手紙を受け取ったけれども、真偽のほどが明らかでないので、現在内容の確認を始めたところである、事態の把握に努め、状況がわかり次第報告したいというお話でございましたので、私の方から、早急に事態の把握に努め、状況がわかり次第御報告願いますと申し上げたところでございます。 なおその際、井口被告の手紙は私は拝見をいたしておりません。
○筆坂秀世君 私、これだけの大事件の話を、しかも相手だって頭取でしょう、こちらだって銀行局長ですよ。まさにトップ同士の話ですよ。真偽がよくわからぬ話で、うそかまことか全くわからぬ、こんな話で何で頭取がわざわざ銀行局長と会うんですか。仮にその説明を信じたとしたって、真実に限りなく近いから頭取だって銀行局長に言ったんでしょうが。 私は、何で銀行局長が告白文を見なかったのかと、そのときに。頭取に、一体どんな告白文が来ているんですか、見せてくださいと言うのが当たり前じゃないですか。あなた方は銀行を監督しているんですよ、銀行からピールを飲ませてもらうのが仕事じゃないんだから。監督するのがあなたの仕事じゃないか。何でそのとき告白文を見せてくださいと言わなかったのか。
○政府委員(西村吉正君) 大蔵省は、従来より職員の不祥事件の処理に当たりましては、まず金融機関自身が実態の解明を行いまして、その調査結果の報告に基づきまして改善指導を行うという手法をとってまいりました。 また、その書状には告白が含まれているものの、頭取がニューヨークヘ出張したときにいろいろと説明を受けたという旧知の職員から受け取った私信であるとの御説明でございましたので、頭取という高い地位にある方がそのような御説明をしておられる以上、その場で手紙そのものをお見せ願いたいということまでは求めなかったものでございます。
○筆坂秀世君 じゃ銀行局長、そのときの、当時の藤田頭取の銀行局長への話というのは一番肝心なことを落としていたと思いませんか。それとも、きちんと正直にその時点で藤田頭取が言えることをあなたにおっしゃったと思いますか。
○政府委員(西村吉正君) 頭取という責任ある立場の方のお話でございますので、私は信頼を申し上げてお話をお伺いいたしました。
○筆坂秀世君 いや、今どう思っているかです。そのときどう思ったかじゃなく、今どう思っているかを聞いたんです。今どう思っているんですか、そのときの話を。私はそのことを聞いたんだよ。
○政府委員(西村吉正君) そのときは頭取のお話自身も、なお調査をした上で、実態を解明した上で詳しい報告をしたいということでございましたので、私もそのように受け取ったわけでございます。
○筆坂秀世君 大事なことを答えないんだ、今どう思っているかということ。答えられないんでしょう。だって井口の告白文というのは、一千百億円損害を与えたというのはごく一部分です。四回にわたって井口告白文というのが出ているけれども、その大半は何かといえば、どうやって隠すか、こうやれば一千百億円の損失を隠すことができる、隠ぺい工作のやり方をるる書いたのが井口告白文の主要な内容なんですよ。主要な内容はそこにある。 だから、あなたは見ていないと言うけれども、もし見ていたとすれば井口告白文どおりにやれば大和銀行は大変な隠ぺい工作をするということは容易にわかったことなんだ。もし藤田頭取がそのとき、見せないけれどもあなたにそれ宣言わなかったとしたら、一番大事なことを言ってなかったということになるんですよ。だから、今の時点になってあなたが言うことは、藤田頭取はあのときに肝心なことを言ってくれなかった、井口がこうやれば隠ぺい工作ができるということを教えてくれなかったと言うべきなんです。 何でそれをおっしゃらないのかというと、八月八日に会談をやりますわね、銀行局長と。それ以降ですよ、大和銀行が次々と隠ぺい工作をやっていくのは。 まず、八月十七日ごろから二十一日ごろにかけて、バンカーズ・トラストからなくなった顧客勘定の証券と同額の米国債を購入し、そしてバンカーズ・トラストの口座に送る、これはあなたとの会談以降です。二つ目、八月三十一日ごろ、ニューヨーク支店が保有していた米国債を売却したと見せかけるためのにせの取引、これも銀行局長と会ってからです。三つ目、九月七日ごろ、にせ取引を隠すためのうその記述の書簡を出す。四つ目、八月十五日ごろ、経営幹部の許可のもとでの、さっきも言いましたが井口被告によるバンカーズ・トラスト口座による米国債の売却等々です。 つまり、銀行局長と藤田頭取が会って以降、大和銀行は調査なんかやってはいないんです。調査なんかしなくったってほとんどつかんでいたんです。やったことは、その不正な事実をいかに隠すかというために苦心惨たんやっていたんです。これが事の経過ですよ。 私も余りきついことは言いたくないけれども、これを見れば、一体八月八日の銀行局長と大和銀行頭取との会談は何だったんだと。大和銀行がその後隠ぺい工作する。従来もそれをやってきた。前のときには十一年間見つからなかった。だから、今回もうまくやるから大蔵省は黙認してくれと言われたんじゃないかとこれは疑わざるを得ないですよ、事の経過を見れば。事実アメリカの連邦準備理事会への報告がおくれたわけでしょう。そして、大蔵省は一体何をやっているんだとアメリカから批判がきたんじゃないですか。 これは本当に重大な疑惑ですよ。あなたは、答弁やればそれは否定するでしょうよ。否定するでしょうけれども、事の経過を見れば明らかですよ。重大な疑惑を持たれても仕方がない。いかがですか。
○政府委員(西村吉正君) いろいろ御指摘がございましたが、私はその手紙を拝見していないということは事実でございますし、そのような隠ぺい工作をするような相談をしたというような事実は一切ございません。 私どもは従来から、かような銀行の内部管理上の問題、今回の問題が単に内部管理上の問題であったかどうかということについて現在訴訟で争われていることは承知をしておりますけれども、当時の御説明どおりの内部管理上の問題ということでございましたら、私どもは従来からまず経営者の責任において実態を解明し、その上で行政上の措置をとるということは従来からやってきた手法でございまして、私どもが隠ぺい工作に加担するとか、そのようなことは一切いたしておりません。
○筆坂秀世君 もう時間が来ましたので、官房長官、せっかくいていただいたのに、ちょっと時間がなくなりましたので申しわけありません。終わります。
○末広真樹子君 国債発行と赤字問題からお聞きしたいと思います。 平成四年度は一兆五千億円の赤字、そして五年度決算では六千億円の赤字が生まれ、国債整理基金からの昭和五十六年以来の穴埋めが行われております。そしてさらに、国債の残高は今年度二百二十兆円を超し、来年度に至っては二百四十兆円を超えると言われております。 そこで質問でございます。今年度一般会計においてさらに補正予算がありそうだと午前中の質疑でお答えでございましたが、またまた第三次補正予算によって赤字国債の発行があるのではないでしょうか、お答えください。
○政府委員(林正和君) 今年度におきましては税収が約三兆円程度下回るということを先般大臣から公表させていただいたところでございますが、これにつきましては、特例公債を発行する場合、その規模等についてまだ現在検討しておるところでございます。したがって、今年度新たにどの程度追加発行するか、今検討しておるところでございます。
○末広真樹子君 ここ十年ほど国家予算に占める国債費は二〇%前後と変わらず、国家財政を圧迫し続けております。これまでの隠れ借金を整理して赤字国債の負担が一層大きくなるようでございますが、日本の国旗日の丸は白地に赤丸でございます。このままいけば日の丸は全部赤字一色になるんではないかと大変心配をしております。歳入が減少するならば、歳出を極力抑えるのが物の道理ではないかと思うのです。 それでは、国家的プロジェクトヘの財政支出についてお聞きしてまいります。 長良川河口堰の建設につきましては、国家的大事業として既に約一千五百億円が、そのうち国費として六百七十一億円が支払われております。治水、利水両面からのむだがダムをひっくり返してむだになるわけでございますけれども、多方面から指摘されているところです。 私も河口堰の見学に行ってまいりました。なぜ橋にしなかったのでしょうか、物すごい交通渋滞の場所です。一本土では車が通れません。その下に巨大なるお化けが存在するんです。そして、ダムもさりながら、ダムのわきに大理石のトイレがあるんです。何なんでしょう。それもたった一つ。二人三人、急いでいるときには何の用にもならない。それが上から下まで大理石なんです。だれのための何のためのトイレなんでしょうか。私はびっくり仰天いたしました。 さらに、私の地元の名古屋市水道局は、まだ使いもしない、かつ十分水の供給は確保されているにもかかわらず、この長良川からの水を使う費用を見込んだ水道料金の値上げ案をさきの市議会に上程いたしました。これから長良川からの水を名古屋市ほかへ引く導水事業にどれほどの費用が必要なのでしょうか、そしてその水の必要性がどれほどあるのでしょうか。下流の水はひどく汚れており、その水の浄化の費用、安全性も問題があると思います。その点いかがお考えでしょうか。
○説明員(竹村公太郎君) お答えさせていただきます。 本年七月六日より、河口堰は全ゲートを操作しての本格運用に入りました。河口堰の目的であります潮どめ、つまり伊勢湾から塩水が川の上流へ押し寄せてくるということにつきまして、河口堰で潮どめが一〇〇%効果を発揮し、二点につきまして早速その効果が出ております。 第一点は、治水上、いわゆる洪水対策上でございますが、いわゆるマウンドと呼ばれる中州の撤去工事、これがスタートしました。従来、マウンドで潮がとまっていたわけでございますが、ところが洪水のときに大変それが邪魔になるという中州でございます。この撤去を河口堰で潮がとまったことによって無事に安心して行えるという状況になりました。約二百万立米の砂を三年間で撤去していきたいと思っております。 なお、マウンドしゅんせつだけではなくて上流域の河川改修工事、マウンドしゅんせつをずっと待ち望んでいました上流部の河川改修工事にも本格的に着手いたしました。このために、長年洪水に悩まされ、少しでも洪水の水位が下がってほしいと望んでいる長良川沿川の方々に大変喜ばれているというのが現在の状況でございます。 もう一点、利水、水の利用でございますが、長良川河口堰本格運用によりまして、河口堰上流の水が塩水から真水に変わりました。そのことによって私ども生活の営みで使える水になったわけでございますが、三重県の四日市及び鈴鹿市を中心として北伊勢工業用水がこの真水を安心して取水できるようになっておりまして、現在まで、八月二十五日から十一月三十日まで約一千万トン以上の水を長良川の水からとれるようになっております。 先生も御承知のように、ことしの夏は猛暑でございまして、現在まで中部地方にはまとまった水がございません。現在でも渇水の態勢を私どもしかざるを得なく、いわゆる長い渇水状況に見舞われております。この中で長良川河口堰は早速大きな効果を渇水の緩和に発揮したということを地方の新聞記事等でも報道されているところでございます。 私ども、今後、環境面で御心配される方が多々ございますので、十七名の学識経験者を中心といたしましたモニタリング委員会の御指導を得ながら、環境についての追跡調査をきちんとやっていきたい。その調査の内容及びデータの公表、公開は徹底して行っていきたい。そして、環境面で御心配している市民団体の方々も含めて私ども丁寧に御説明し、この河口堰が地域に喜ばれる事業であったということを皆様方が理解できるように私ども今後とも最大限の努力をしていく所存でございます。
○末広真樹子君 理解するころでは、愛知県民は物すごい導水事業費のための高負担を強いられて、水もおちおち飲めぬような状態になっているんじゃないかと思います。長良川河口堰の問題に明らかなように、当初の計画の必要性が滅じても、治水から利水への必要性を何とかこじつけて、これからもむだな導水事業の費用を使い、またそのツケを国民へ、県民へ回すような施策はやめていただきたいと思います。 さて、同じたぐいの経過をたどりそうな国家事業に愛知万博があります。閣議了解も近いと聞いております。この計画は一九八八年、バブルの全盛期に生まれたものなのです。二兆円を超すと言われる国家プロジェクト。地球環境を守ろうというのが全人類の願いなのに、なぜ大規模開発型の万博を天然林海上の森を壊してまでやろうとするのか。国家の……(「天然林じゃないよ、そこは」と呼ぶ者あり)天然林でございます。国家の意義はどこにあるのか、まずお聞かせください。
○政府委員(林正和君) 愛知県におきます万国博覧会の開催につきましては、先生御案内のとおり、その必要性、妥当性について幅広い観点から検討を行うということで、平成七年度の予算におきまして国際博覧会予備調査費二千万が計上されているところでございます。
○末広真樹子君 一千九百万じゃないんですか。
○政府委員(林正和君) 予備調査費二千十七万二千円でございます。 先生御案内のとおり、この調査委員会の検討報告が出ましたので、私どもこれも踏まえまして、その万国博覧会の開催の妥当性の有無、財政負担等も含めまして、現在通産省等といろいろ議論をさせていただいているところでございます。
○末広真樹子君 環境庁、通産省におきましては、環境保全のために御尽力を願っております。しかし、今図らずも先に御指摘がございましたが、万博問題で環境保全とともにもう一点論議されなければならないのが財源と財政問題でございます。 まず財源です。地元負担金が明確にされていないことは大きな問題です。これを明確にしないで閣議了解なさるというのでしょうか。 次に財政の問題です。通産省並びに県は出費を明確にしないまま経済効果を八兆円とはじき出しております。こういうのをいわゆるとらぬタヌキの皮算用と言うのではないでしょうか。万博がもたらす経済効果とは一体何なんでしょうか。 ここにこういう例がございます。一九九二年、二十数年ぶりの大型万博と言われましたスペインのセビリア万博、皆様も御記憶にあると思いますが、国家予算の十分の一をつぎ込んでその経済効果に期待しました。しかし、万博後に待っておりましたのは不況、インフレ、失業者。ホテルも万博用に二十軒建てましたが、約半数が既に倒産。万博用につくったモノレールはとまったままでございます。つまり、国を挙げての大事業で、万博跡地を学研都市として活用すべく一種の大きなかけに出たんですが、物の見事に外れたわけでございます。 理由は何でしょうか。時代が変わったのです。当初の計画したときより実施されたのが十何年後だったために時代が変わったんです。世界じゅうが大きな変革に見舞われているのです。日本も例外ではありません。産業も政治も世界との交流の仕方もあらゆる局面でチェンジ、変革を抜きに語ることはできないんです。 もちろん、政府を初め大蔵大臣もこの激しい変わり方に日夜厳しい対応を迫られ、御努力をいただいているところではございますが、ちまたではリサイクル運動というのが活発でございます。牛乳パック、空き缶、さまざまなものが再利用されて、また家庭で不用になったものをお互いに交換するページが新聞に載ったりしております。この庶民の知恵を、何十兆という国の財産を預かり、次々と補正予算を組んで赤字国債に頼っている大蔵省はどのような目で見ていらっしゃるのでしょうか。二兆円を超す万博という大型プロジェクトの財源並びに経済効果についてお伺いしとうございます。
○国務大臣(武村正義君) ことしの春は東京の都市博をめぐって大変な論議になりました。都知事選挙もその焦点になりまして、青島知事が大胆に都市博を中止するという決断をされました。そんな後、愛知万博の問題がいよいよ閣議決定をしなきゃならない状況を迎えているわけであります。 私に限りませんが、私ももう当初からこの問題については二点指摘をしておりまして、一つは、瀬戸のあの広大な緑の山林を使うということでありますが、環境上本当に問題はないのか。全くないとはもちろん聞くまでもなく言えないわけでありますが、しかし環境上どういう問題があるのか。これは環境庁を中心に真剣にお詰めをいただいてきて、最近の報告によりますとかなり大きく修正をしていこうということのようであります。 もう一点は、これは決まりますと国が主催をするということになりますので、愛知県ではありません。大蔵大臣でありますから、それだけにやはり財政の責任者として、これがたえ得るかどうか、それだけの価値があるかどうかという点については事務当局に厳しく指示をおろしまして、大蔵省主計局はこの問題にかなりシビアな論議を展開してまいりました。 まだ最終の報告は聞いておりませんが、当初の事業規模からすると、二兆円ということは聞いていませんが、たしか二千何百億ぐらいを、これはとらえ方が、直接の会場にかかわる経費と、この際その周辺の道路、河川等を整備しようと。これは住宅団地等でもそうですが、大規模なプロジェクトを展開する場合はそういう公共事業のある程度優先配分という措置がありますが、これは外しております。しかし、万博に直接かかわる事業というのは、たしか千何百億ぐらいにかなり圧縮をして、それを民間と地方とそして国と三者でどう分担するかということであろうかと思っております。 国家財政としては、冒頭おっしゃっていただいたように大変厳しいというか、容易ならざる事態を迎えている中で、末広先生からおしかりを受けることのないよう、厳しい中でありますだけに最小限の経費で有効な活用ができるかどうか、そこは最後まで真剣に考えてまいりたいというふうに思っております。
○末広真樹子君 しかるなんてとんでもない。国民の皆様とともに、私はやはり日本の国家の財政が健全であり続けてほしいと願っております。 次に、万博に対する世界の変化というのを見てみたいと思います。 二〇〇五年に愛知県と同じく開催を希望している都市に、御承知のようにカルガリーがございます。ここは古くなった公園を整備しまして、冬季オリンピックのときにつくった設備をもう一度再利用するのです。 もう一件、二〇〇〇年に万博開催を決定しておりますドイツのハノーバーでは、パリのBIEで承認されました二年後に住民の反対運動が起こりまして、行政は反対派の意見を熱心に聞き、その結果、やるかやらないかということで住民投票が行われました。その結果、約五一対四九という非常に際どい差で推進を決定いたしました。ただし、その内容は既存の施設を使って行うという、非常に堅実かつ質素なものでございます。 そこで質問です。世界では、既存施設を再利用、リサイクルして再び使命を与えてよみがえらせる、知恵と工夫と文化的創造活動を万博に託しているんです。もちろん、環境最優先です。投資を少なく、リスクを低く、人類の英知輝く試みであるべき万博ではないのでしょうか。都市博を中止させた都民の気持ちもこのようなところにあると思いますが、いかがでしょうか。 国家財政の危機を宣言されました大臣に、閣議了解の凍結を含めたお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 当然のことでありますが、最少ぎりぎりの経費は一体どのくらいなのか、そこを見詰めてまいりたいと思いますし、民間の負担がどういう程度になるのか、残ったシェアを国と地方で分け合うと、こういうことになろうかと思っております。 もしやる場合は、最少の経費で有効な催し物にしなければなりませんし、またリスクとおっしゃいましたが、確かに環境等のそういう問題、全く問題がないとは私も思いません。どれだけ修正しても環境上問題は多少残ると。それも最小限にやはりリスクを抑えるように精いっぱいの知恵を働かせなければならないと思っております。まだ閣議としては議論になっておりませんが、私自身はそういう姿勢で最後までこの問題に対処させていただきます。
○末広真樹子君 大変力強いお言葉をありがとうございます。 さて、こういう巨大開発に大金をつぎ込む一方で、人々が飢えと寒さと孤独と不安と闘っている大震災への補償はどうなのでしょうか。これまでの大規模災害に対する政府の補償は十分であったとは言えません。とりわけ、未曾有の災害となりました阪神大震災についてはなおさらのことでございます。 あの大震災で同時に両親を亡くした子供たちが八十八人いらっしゃいます。片親を亡くされたお子様は百三十人以上いらっしゃいます。子供たちにとっては、生きていく上での一生の問題でございます。不安な余り心を凍らせることのないように、温かなケアと施策をお願いしたいと思います。 私は、震災のさなかにちょうどこの本を書いておりました。一瞬、子供たちはどうなるのかしらと。それで、文部省と厚生省に同時にお電話いたしましたら、お互いに譲り合いの御返答が返ってきました。一民間人として、私当時まだ国会議員じゃございませんから、できることはこの本の印税をその子たちのために使ってもらう、そう判断しまして、そのようにこの本はさせていただいております。 どうか、国の方でもっと大きな施策を取り組んで、心の里親についての取り組みというのを行ってあげていただきたいと思います。子供がひとりで、だれのサポートも受けないで生きていくというのは大変なことなのではないかと思います。 それとともに、住宅を失った人の被害は甚大でございます。仮設住宅の問題とともに、これらの人々の住宅復旧の課題はとても重たいものです。 そこで質問ですが、住宅復旧の一つの方法でございました地震保険、その補償が極めて低く、建物で一千万円、家財では五百万円でありました。それも全壊でないともらえないんです。四分の三じゃもらえないんです。冷淡です。そこで、その上限を来年一月より建物で五千万円、家財で一千万円に引き上げることで保険制度の見直しを行おうということであります。 見直しの観点、その内容をお聞きするとともに、これまで地震保険には加入することの少なかった、しかも阪神大震災でより被害の多かった低所得者層が加入できるような保険制度が必要かと思われますが、その点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(福田誠君) お答えいたします。 今御指摘のように、阪神・淡路大震災等を契機といたしまして、各界から地震保険制度の見直しに関する御要望をちょうだいいたしまして、私どもこれらを検討した結果、来年一月から引受限度額の引き上げあるいは家財損害認定方法の改善などを行うことといたしまして、そのために必要な関係政省令の改正等の所要の措置を講じたところでございます。 具体的には、今御指摘ございましたように、商品性の内容改善ということで、引受限度額につきましては建物現行一千万円を五千万円に、家財につきまして五百万円を一千万円にそれぞれ引き上げることとしております。 それから、お尋ねの家財でございますが、現行は建物が壊れておりませんと家財が壊れた場合でも支給されなかったわけでございますが、そういうことで建物の損傷度をもとにする現行の認定方式を、今回、家財そのものの損害に着目した方式に改めることといたしております。また、家財につきまして半損の場合には、現在、保険金額の一〇%しか支払われておりませんが、これを文字どおり五〇%に引き上げるということにいたしております。 そのほか、地震保険の普及拡大に向けた新施策につきましても、業界を挙げて実施することといたしております。
○末広真樹子君 それでは、お聞きしました低所得者層に対してはいかがなんでしょうか。保険金を払うのも日常の生活にちょっと支障があるというような方はどういたしましょうか。
○政府委員(福田誠君) 十分なお答えになるかどうか存じませんが、現行の地震保険制度自体が、地震保険に関する法律によりますと、あくまで被災者の生活の安定に寄与するということが第一義となっております。 したがいまして、限られた民間及び国の財政力を広く薄く多数の被災者救済に用いるべきであると考えられておりまして、今回の改定につきましても、消費者ニーズの特に高かった引受限度額の引き上げと家財の補償内容の充実に対応する改定を行うこととしておりまして、とりあえずまだまだ地震保険の普及が不十分でございました点についてできるだけ積極的に加入をしていただこうというふうに考えております。
○末広真樹子君 突然追加して申しわけございませんでした。 高齢化社会に向かっての福祉財政などもっとお伺いしたかったのですが、時間になりました。皆様どうもありがとうございました。
○国井正幸君 新緑風会の国井正幸でございます。 きょうは、今大変大詰めを迎えているというふうに伺っておりますが、住専の処理の問題に関しまして、主として大蔵大臣にお伺いをしたいというふうに思います。 新聞等の報じるところによりますと、十二月八日ですか、先週の金曜日に農林水産大臣とこの住専問題の処理等に関して会談をした、こういうふうなことが報じられておりますけれども、会談の中身というのはどんなものだったんでしょうか。それから、合意に達したんでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 会談は初めてでありましたが、全体についてそれぞれの立場から意見を申し上げまして、与党三党でおまとめをいただいたいわゆるガイドラインといいますか、この方針を踏まえて解決案をつくっていきましょうということが一つであります。いま一つは、この七社の不良債権の回収のための受け皿機関を設置していきましょうと、この点は合意ができました。さらに、必要が起こった場合は何らかの国の財政措置を考えるということも合意をさせていただきました。 以上三点でありますが、一番大事なのは、バードンシェアリングとも言いますが、住専があって、これを設立した母体行があり、そして多くのこの住専に金を貸した金融機関が存在するわけです。この中の一角に農協系統があるわけですが、この責任割合をどうするかというところまでは具体的に話は及びませんでした。
○国井正幸君 バブルの発生と崩壊の中で、金融機関もそれぞれたくさん世の中にあるわけですが、大なり小なり不良債権を抱えているというふうに言われておるわけでございます。しかし、一般論としての金融機関の審査能力とかあるいは債権保全措置とか、これはいろいろ問題あると思うんですが、ただ私はこの住専の問題というのはそれらとは全く違った性質を持っているというふうに思うんです。 これは私も農林水産委員会で農水大臣にも話をしてきているんですが、やっぱり母体行の責任というのは極めて重大だというふうに私は思っているんです。 なぜ住専問題がこうも大きく発生したんだろうか、なぜこの住宅金融専門会社がこういう大量の不良債権を持つに至ったのか、その辺は大臣の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 背景にはバブル経済がありますが、それ以前からいわゆるサラリーマンを中心にした住宅ローンという課題が出てまいりまして、昭和四十年代半ばでありましょうか、その当時は一般の金融機関は余りこれには目を向けなかった中で、勤労者に対する住宅ローンを中心にしたサービス事業があっていいではないかということから住専が生まれてきたわけであります。その後、このことに一般の金融機関も目を向けて仕事を始めるという事態になってきたこともありましてか、そしてバブルという状況もあって住専みずからが、サラリーマンの個々のローン、住宅の取得に対して金を貸すだけでなしに、その一歩先を見て土地を買って宅地を造成する事業に融資を始めたということであります。 特に、この分野がバブルの中で大変大きく膨らんで今回のような大変残念な状況を迎えている、こんなふうに認識をいたしております。
○国井正幸君 よく住専七社七社というふうに言われておりますけれども、住専は八社あるわけです、協同住宅ローンを含めて。特に今問題になっているのがいわゆるその七社なんですよ。銀行なりあるいは生保系なりを含めてこの七社が特に問題を起こしている。 私もそれなりに調べてみますと、今大臣がおっしゃったように、この七社が特にやっぱり設立目的から大きくずれてきたんではないか。一社の協同住宅ローンは、当初の目的に沿って今も経営されているわけです。これはそんなに問題は起こしていない。この七社だけが経営目的を大きく外れた。 しかも、この住専をいわゆる大蔵大臣の直轄会社にした。そのときに、金融制度調査会等の答申によって、これから育成することが望ましいんだ、国民がみんな住宅を持ちたがっている、それに対して融資をするというのが必要なことなんだ、そういう会社であるからこれから育成をするのが望ましいからというふうなことで大臣の直轄会社にしてきた。 ところが、実際やっていくと非常に順調な伸びを示して、それで一時は大変な高利の配当をその資本関係にある母体行等についても配当をしていた。しかし、事業が順調に進んでいくということの中で、こんなにもうかるんなら、あるいはこんなに需要があるんなら、親が子供の仕事をとってしまって、じゃ私も直接やろうか、こうなってきて、行き場を失って、そして不動産とかあるいは建設業とかそういう部分に行ってしまったのではないかと私は思っているんですよ。また、そのときはバブルの時期でありますから資金の需要というのも非常に旺盛であった。だからどんどんそういう借りたいと言うところに貸してしまった。 ここに私は最大の問題があるのではないかというふうに思うんです。そういう意味では、当初の設立目的から大きくずれていったというのは私は大蔵省としては知っていたのではないかというふうに思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 御指摘のように、住専が設立されました四十年代の後半から五十年代の初めにかけましては、国民の住宅需要に対する充足の手段としてこのような金融機関の育成が望ましいという考え方があったことは事実でございます。 その後、大臣が先ほど答弁をいたしましたような事情でこのいわゆる住専が少し事業の重点を変えていった。それが七社のみに関するものであるか八社全体に関するものであるかということは別にいたしまして、住専の主たる分野が必ずしも個人住宅ローンでなくなったということは、御指摘のような点があろうかと思います。 そのような点に関しまして行政当局も、住専は預金取り扱い金融機関とは異なるものでございますけれども、住専の急激な事業者向け融資への傾斜に十分な指導を行い得なかったという点について、金融制度調査会の中間経過報告においても御指摘を受けているところでございます。
○国井正幸君 そういう意味で、本来そういう目的があって大臣の直轄会社にしたということなわけですから、非常に重要だと、こういうふうなことで直轄会社にしたわけですよね。これは非常にそれによって信用も高まった。そういうことの中で、しかもそれが目的から大きく外れていった。これはそういう目的を持って設立されたものなんですから、それをきちっと行政指導するというのは私は大蔵省の極めて重大な責任だと、そこができなかったということは。私はそう思うんですよ。 それと、いろいろ新聞等のあれによりますと、経営をしていく中で資本面あるいは人事面、さらには資金の調達を含めて経営面全般にわたって母体行と大変に密接な関係にあったことは、これはもう周知の事実なわけですよね。 しかもその中で、例えばこれは朝日新聞の八月二十日に出ている記事なんですが、「母体行の紹介数多く」というんですね。それで「「肩代わり」の例も」ということで、「経営が行き詰まっている住宅金融専門会社(住専)が抱える不良債権の中に、住専の設立母体となった金融機関(母体行)が持ち込んだ取引が数多く含まれていることが、住専の内部資料でわかった。母体行自身では貸しにくい案件を、住専に肩代わりさせた例も多いという。」というんですね。こういうのが一つあります。あと、細かくこれいろいろ出ているわけです。 さらには、これは八月四日付の朝日ですが、「主張・解説」というところにあるんですが、「住専破綻だれが招いた」、こういうふうなことで、この記事にもあるわけです。「銀行の無節操」というふうなことで、「銀行が住宅ローンを奪っていく。だから業者への貸し付けを増やさざるを得ない。特に住友銀行は登記簿を調べ、抵当がウチに入っている物件を探しては、ローンの借り換えを勧めている」。これは日本住宅金融の当時の庭山さんという社長が怒りをあらわに語っているというわけですね。 こういうことで、自分では貸しにくいような案件を自分の子会社である住専に課して、しかもあげくの果てにその貸した先から自分のところでは預金をとっている、こういうことなんかも報じられているんですね。この辺についてどうでしょうか、大蔵省ではこういうふうな実態というものを把握しているんでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) まず初めに直轄という御指摘がございましたが、直轄というのは必ずしも大蔵省が極めて密接な行政指導をしておるという意味ではございませんで、住専はいわゆる預金を受け入れております金融機関ではございませんので、銀行とか信用金庫のように密接な指導を日ごろ行っておるものではございません。いわゆる広い意味でのノンバンクの一種でございますが、ただ、通常の貸金業者につきましては都道府県知事に監督というか指導を委任しておるのに対して、住専については全国的な事業展開をしておるのであえてそのような委任をしておらないという意味で大蔵大臣がその指導に当たっている、こういう意味でございます。 なお、ただいまいろいろ御紹介がございました母体行の融資の紹介あるいは肩がわりという問題でございますが、恐らく中にはそのような案件もあろうかと思います。また他方におきまして、住専の側が当時融資の案件に非常に困っておりまして、住専の側から紹介を依頼したというようなものもございます。 住専七ないし八社、それぞれ基盤が違いますので事情も異なりますけれども、ただいま御指摘のような案件もありますし、また他の違った事情の案件もあるということで、私どもいわゆる母体の紹介ということについても先般調査をさせていただいたところでございます。
○国井正幸君 直轄会社だから云々というんじゃないけれども、しかし、これは大臣が指定をする直轄会社としての位置づけがあるわけです。 さらには、私もこういうことは余り言いたくないけれども、言うならば住専七社の設立当時の社長ですね、この七社中六社は大蔵省のOBの方ですからね。さらにはいわゆるバブル期ですね、そのときの大蔵省出身の社長というのは七社中三社、そして会長というのは七社中四社。今になったらどうなっているかというと、社長は七社中一社で、私どもが率直に感じるところによると、うまいところは大蔵省で食って大変になったらもう逃げちゃった、こういう感じを受けるわけですよ。そういう意味で、OBが行っているわけですから情報の行き来というのは当然あるというふうに思うのはごく当たり前のことだと思いますが、こればかりやっていても仕方ありませんから先に行きたいと思うんです。 今、先ほど大臣の答弁にありましたように、いわゆる大詰めの段階ですよね。私は、この住専の処理については、一つは社会正義というのが貫かれるような解決策というのをぜひとつてもらいたいというふうに思います。 それからもう一つは、先ほどもありました大和銀行を含めて金融機関に大変な信用の失墜があるわけですよ。私どもがなけなしの金を持って金融機関へ預金に行けば、そのときはたった一枚の紙をくれるわけです。しかし、我々が一たんお金を金融機関から借りるということになれば、印鑑証明を出してくれ、あるいは保証人をつけろ、さらには抵当物件を出せと、こういうことになっているわけですよ。しかし、それでも国民が銀行に行って一枚の紙をもらって、それを大切にしまっておくというのは、これは銀行というのは踏み倒しとか何かはしない、だからその信頼があって初めて私は成り立っているんだというふうに思うんですね。それをやっぱり守るというのが私は大切なことだと。借りたものは返すというのが当たり前ですし、約束をしたことは守るということが私は当然だというふうに思うんですよ。 そういう意味で、これは平成五年の二月三日でしょうか、大蔵省の銀行局長と農林水産省の経済局長の覚書というのがあるわけですね。この当時は、農協系統はもう金を返してくれと、危ないから。しかし、そういうことされたのでは困るから、ちゃんと責任持つようにするからもう少し預けておいてくれよ、こういうふうな背景の中でこの覚書が結ばれたというふうに聞いているわけです。 そこを読んでみると、母体金融機関に次の点を文書により確約をさせますということが一つ。その中身については、〇〇〇というのはどこかの住専でしょうね、その再建については、「再建計画に沿って母体金融機関が責任を持って対応していく(大蔵省は、農協系統((農林中央金庫、信用農業協同組合連合会、共済農業協同組合連合会))に今回の措置を超える負担をかけないよう責任を持って指導していくものとする)。」というわけです。これは約束なんですよ。この約束が守られるということは大切なことなんですよ。もちろん金融機関が、いや預けた方も悪いんですなんと言われたら、我々はじゃ何を信じたらいいのか。これは断じて私は許されないことだというふうに思うんです。 それで、朝日新聞ばかり参考にしてあれですが、九月十一日の「論壇」というところに、元最高裁判所の長官である藤林益三さんが投稿しているんです。そのくだりをちょっと読ませていただきたいと思うんですが、 銀行業は信用のみで成り立っていると言ってもよいと思うのであるが、銀行でも時にはいい加減なことをするものだというような認識が国民に出てくるとすれば、それは由々しい問題である。 その信用に係わり、無責任と見られても仕方がない行動の一つに、銀行の子会社の問題がある。 子会社が立ち行かなくなった際の銀行の対応の仕方は、銀行くの信頼という観点から注目される。 銀行の子会社については、設立経緯や資本関係、資金関係、役職員関係など銀行と子会社との間に極めて密接な関係があるのが通例である。そのような場合、世間は銀行とその子会社は一体の関係にあると信じ、銀行がその子会社を潰すとは夢にも思っていないであろう。仮に子会社を整理する必要がある場合にも、銀行は信義に従い誠実に、自己の責任で整理を進める、と皆がそう信じているであろう。 信義誠実という言葉は、民法の冒頭の条文に現れる言葉であり、信義誠実の原則は公共の利益、権利乱用、公序良俗などとともに、社会秩序を維持していく上での大原則の一つである。 都合の良い時だけ子会社を利用し、子会社が立ち行かなくなると子会社から手を引くという行動をもし採るとすれば、会社制度悪用のそしりを受けかねず、ひいては銀行に対する信頼を損なう一因ともなろう。こういうふうなことを書いているんですね。私も全くそのとおりだと思うんですよ。 だから、大臣、私は冒頭申し上げましたように、この問題については社会正義が貫かれるという観点、そして金融機関に対する国民の信頼をもう一度取り戻すという観点、この観点からぜひ住専の問題の処理は当たっていただきたい、決して安易な形で私はするべきではないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 社会正義という言葉をお使いになったわけですが、私は少し解釈が先生とは違っているかもしれませんが、一つは貸した側と借りた側があるわけですね。それで問題は、今、不良債権の処理というのは、専ら金融機関、貸した側が全面的に処理をしていく、ロスというのはそういう前提で議論をしております。 それじゃ一体借りた側はどうなんだと。バブルの中で事業計画を立て、土地を買い、銀行に融資を申し込み、これもまた銀行が無理やり貸したんだと、確かにそういう一面もあるかもしれませんが、しかし事業者の側がそういうプランを立て、契約をし、金を借りて事業を始めたわけであります。この間の問題が片方大きく存在をするということも認識をしなきゃなりませんし、このロスといわれる債権回収が困難なものについてもやはり精いっぱい債権回収の努力をしなければならないと。相手がどういう人であれ、きちっと責任は問うところまでぎりぎり問い詰めていかなきゃならないという意味で社会正義の問題が一つあるということを認識いたしております。 母体行の責任についても、おっしゃるとおり、子会社だからといっても子会社はそれなりに独立をしておりますから、出資の限度とか融資の限度とか、いろんなまた議論があるんでしょうけれども、それなりに設立者の責任はあると思っておりますし、母体行はやはり精いっぱいの責任を負っていただかなければならないというふうに思っております。母体行だけでという論議も片方にありますが、しかし世界の常識から見ますと、やはり貸し手の責任という考え方も当然あるわけでございまして、そんな中でこの大詰めを迎えた住専問題、双方の話もしっかり踏まえながら農林省と私ども何としても年内、一日でも早くこの難問解決をさせていただくという気持ちで最善を尽くさせていただきたいと思っております。
○国井正幸君 もう時間も参りましたからこれで終わりにさせていただきたいと思うんですが、ぜひ大臣、私がこれまで申し上げてきたのは、住専が今日まで運営されてきた経過、そういうことと、さらには今日的な状況というものを総合的に勘案して、やっぱり世の中から見てああなるほどなというふうに思われるような解決策でなければ私はならないと。そのためには、極めて母体行の責任は重い、そういう立場でぜひ大臣の御指導をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○今井澄君 今井澄でございます。 私は、平成四年度及び平成五年度の予備費及び決算調整資金について質疑をさせていただきます。 それにつきましても、けさほどの質疑の中でもありましたが、大蔵大臣、財政の非常事態宣言を出されるというような中で私も非常に心配をしております。特に、決算調整資金が歴年発生しているところなど非常に問題だと思います。私は先ほどもちょっと与党税調の方の議論にも参加してきたんですが、景気対策ということで税金をまけろまけろという大合唱の中にあるわけで、これで税収はさらに減る。一方で、景気対策であれもやれこれもやれということで歳出が伸びる。一体この差額、要調整額と申しますか、本当に赤字をどうしていくんだろうということが非常に心配であります。 そういう点からいいましても、例えば昨日来大きなニュースになっております「もんじゅ」の事故、私は科学技術特別委員会でも、それからこの決算委員会でも、これはイデオロギーとかそういう問題ではなく、お金の問題として核燃サイクルはお金がかかり過ぎて合わない、やめたらどうかということを繰り返し主張してきているわけですが、現に警告のあった液体ナトリウムのコントロールが非常に難しい、この安全性を確保するためにはべらぼうなお金が要るということを今度証明されたと思うので、思い切った歳出の削減という意味では直ちに核燃サイクルは中止する、これでもう数千億のお金が直ちに浮いてくるわけですから。そういうことを申し上げたいわけですが、本日は科学技術庁の問題でもありませんし、そういうことについての質疑ではなく予備費のことから入っていきたいと思っております。 まず、平成四年度及び五年度の予備費でありますけれども、この予備費をずっと振り返ってみますと、予備費の当初予算額は昭和五十四年度以来ずっと三千五百億円で十七年間も同額で推移しているんですね、この間一回、平成三年度だけはそうではないわけですが。さらにまた、この三千五百億円も途中で補正をして減額をして使用額は大体二千億円以内におさまってきている。これも平成二年度の湾岸平和基金への拠出のときはおさまりませんでしたけれども。 これを見ますと、午前中の御質問の中にもありましたけれども、その年度の歳出予算全体に占める予備費の割合は昭和五十五年度が○・八二%であったのが、ずっと同額でしたから平成七年度は○・四九%と、ほぼ減少しているんですね。このことについていろいろな考え方があります。 けさほどの御質問の中では、もっと予備費自体を増額して不時の支出に備えるべきではないかという御意見がありました。そういう意見もあって当然なわけです。歳出規模全体がふえているんですから、予備費もある程度ふえてこないと対応できないのではないかという見方もあります。 しかし、現実には予備費はほとんど使わずに済んでいるということがありますと、もう一方でこういう見方もできるんです。予算編成技術が非常に向上してきた、したがって予備費を使わずに済むようにある程度見通しを立てて予算が組まれている、だから予備費を使わずに済んでいるんだという見方も一方でできるかもしれないんです。しかしもう一つ私は心配なんですが、もう一つの見方がありまして、予算規模に見合って予備費もふえてくる、そして予算規模が大きくなればそれだけ予備費も使われるということがなしに少額で済んでいるということは、途中で補正があるから単純には言い切れないんですが、一つは、予算をあらかじめ余裕を持って組んでおく、したがって予備費を使うに至らないということもあるんではないだろうか。 そうなると、この予算の組み方自体が余裕を持って組んでいるということになると、これ、むだがあるということも言えないことはないんですね。年度末になると、予算を消化してしまえということで使ってしまって、とんとん合わせて予備費も使わないということになると、この予算自体がきちっと本当に必要最小限の予算が組まれてないんではないか、余裕を持ってあるいはむだな分まで組み込まれているんではないかという考え方もあるんです。 大蔵大臣はこのことについて、予備費がずっと同額で十七年も推移してきた、しかもほとんど使われていないということについて、どういうふうにこの予算の組み方との関係でお考えになられるでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 予備費をめぐって大変含蓄のあるお話をお伺いしましたが、予備費でございますから、一年間予想しがたい、予見しがたい事態に備えるお金ということであろうかと思いますが、予算規模が膨らんできていることにある程度比例して予備費がふえて当然ではないかという常識がございます。私もそう思いますが、しかし十数年据え置きで推移をしているということは、私の見方ですが、これはやっぱり年々財政の余裕がなくなってきていると。 まあ予見しがたいことでありますから、過去そんなに使われていないということも確かに一つの安心感になっているかもしれませんが、やっぱり本当ならふやしていきたいけれども、これは一般財源でございますから、すっぽり一般財源をぽんと組むわけですから、その余裕がなくなってきていることが最も大きい理由ではないかなと、手前みそかもしれませんが、そんなふうに思います。
○今井澄君 そういうことで、予備費をもっととりたいけれどもとれない、それで結果的に予備費を使わないで済んでいるということであればそれはいいと思いますが、やはりもう一度予算の組み方自身を見直してみる必要があるんではないかということをつけ加えておきたいと思います。 ところで、平成四年度、五年度、さらに六年度もちょっと調べてみますと、使われた予備費の中で老人医療給付費負担金、それから療養給付費等負担金という、医療費ですね、この予備費がかなり大きなパーセントを占めている。例えば、平成四年度ですと両方合わせて約五百三億円、予備費支出総額の約四九%、平成五年度においては約六百四十一億円で予備費支出総額の約五八%、平成六年度は約六百五十億円で予備費支出総額の約四四%となっているんですね。ここ三年間続けて医療費の分として予備費が使われている。 ところが、じゃ毎年そうなのかなと思って見ますと、平成三年度は予備費を医療費に使っているのはゼロなんですね。平成二年度は約十九億円とほとんどゼロに近い。何でこの三カ年だけ医療費についてかなり多額の予備費が使われたのか。これは翻ってみると、医療費関係の見積もりというか当初予算の組み方に問題があったのではないかということもあるんですが、その辺、厚生省はどうお考えでしょうか。
○政府委員(羽毛田信吾君) お答えを申し上げます。 先生御指摘のとおり、平成四年度から六年度におきまして医療費関係の予備費支出が確かに生じております。 この原因でございますけれども、老人医療費につきまして、一つには一人当たりの老人医療費あるいは老人医療の受給対象者数の伸びが当初の見込みを上回ったということが老人医療の分野ではございます。 それともう一つ、平成三年度から制度改正がございまして、公費負担につきまして公費負担五割の対象というものをつくったわけですが、この五割対象部分の医療費というものが予想以上に急速に増加をしたということで、いずれも予想からいえばさらに上回ったというようなことによるものでございます。 また、お話しのございました国民健康保険の療養給付費負担金等に係る予備費支出につきましても、老人医療費と同様に被保険者数あるいは一人当たり医療費の伸びが当初の見込みを上回ったということになっておるわけであります。 しかし、いずれにいたしましても、多額の予備費支出ということは好ましいものではございません。好ましいものではございませんので、今後とも的確な医療費の予測ということには努力をしてまいらなければならないというふうに思っておりますし、非常に厳しい財政状況の中ではございますけれども、当初予算におきまして必要な経費をできる限り確保できるように私どもとしても努めてまいりたい、こんなふうに思っております。 以上でございます。
○今井澄君 次に、決算調整資金でありますけれども、もともと決算調整資金というのは、予見しがたい租税収入の減少などで一般会計の歳入歳出の決算上で不足が生じた場合に、その不足額を補てんするために昭和五十二年度に設置された制度だと思います。したがって、決算調整資金は、各年度ごとに純剰余金が出た場合、それを積み立てることを本旨としているわけでありますけれども、一般財源から繰り入れることもできるし、また積み立てられた資金で決算不足額を補えない場合には、国債整理基金から借り入れて一時的に処理することもできるというふうにされているわけです。本来は剰余金を積み立てるものだと思うんです。 ところが、この決算調整資金の制度創設以来の歴史を見てみますと、制度創設時の昭和五十二年度に補正で一般会計から二千億円を繰り入れただけで、それ以後全然繰り入れがないんですね。もちろん剰余金の積み立てもない。昭和五十六年度に決算上の不足額が生じたためにその二千億円、これでも足りなかったわけで、国債整理基金から借りて使い切っちゃったと。ところが、その後一向に積み立てられてないわけです。 こういった状況の中で、バブルの崩壊に伴って、平成四年度は三兆二千億の税収不足が生じて、結果的に決算が一兆五千億余り不足するということで決算調整資金から繰り入れざるを得なかった。また、平成五年度においても、一兆六千億の税収不足が生じて、結局のところ五千六百六十三億円の繰り入れをせざるを得なくなったということになるわけですね。残高がゼロで来ているわけですから、いずれの場合も、平成四年度も五年度も国債整理基金から繰り入れて、そして翌年度には一般会計から当該の額を決算調整資金に繰り戻す、そして決算調整資金からまた国債整理基金に繰り戻す、こういうことをこの間やってきているわけです。 そこで、質問が二つあるんですけれども、一つは、創設時に二千億積み立てただけでその後一向に積み立てなかったというのは一体なぜかということなんです。バブルがはじけた後、これを使わざるを得なくなってきたんですが、逆に翻って考えてみると、バブルのときは税収がもう予想以上にぐうっと伸びたわけです。そのときにどうして剰余金を出して積み立てなかったのかということです。これが第一の質問。 第二番目には、こうやってずうっと創設以来、そして昭和五十六年度以来ほとんどもう空っぽのままにしておいて、国債整理基金から借りて決算の穴埋めをして、一般会計からこの調整資金に入れて国債整理基金に回すということですから、この決算調整資金制度というのは今完全にトンネルになっているわけですね。要するに、国債整理基金から貸し借りをしているだけになっていると思うんです。この制度の存立自体が疑われる、もう無意味な制度になっているんではないかと言われても仕方がないと思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(林正和君) 先生御指摘のとおり、決算調整資金につきましては、昭和五十二年度の補正予算で二千億補正時に入れまして、これを五十六年度の決算不足で使い切った後、一般会計から同資金への繰り入れは行っておりません。 決算調整資金制度の運用におきましては、でき得ればまさに第一線準備といいますか、これで決算調整資金に財源を十分に積み立てて、その財源で決算上の不足に対処し得るのが望ましい姿だとは存じますが、先生御案内のとおり、バブルのときでも非常に厳しい財政状況が続きまして、国債残高もネットで増加するというような状況でございまして、依然として多額の公債に依存せざるを得ない状況にございまして、決算調整資金への繰り入れを行う余力がなかったということで繰り入れを行わなかったことを御理解賜りたいと存じます。 それから、二番目の御質問で、決算調整資金制度が一般会計と国債整理基金との単なるトンネルになっているんではないかという御指摘でございますが、これも御案内のとおり、現行の決算調整資金法は、その附則におきまして、決算調整資金の現在高のみでは不足を補てんし切れない場合に備えて、当分の間の措置として国債整理基金から決算調整資金に繰り入れをできることとされておりまして、これは一般会計の決算上の不足に対処するという決算調整資金の目的を達成するために、一時的に国債整理基金からの繰り入れにより対処する道を開いているものでございます。この点を御理解いただきたいと存じます。 ただ、先ほど申し上げましたように、でき得れば第一線準備である決算調整資金に財源を十分積み立てて、その財源により決算上の不足に対処し得るようにすることが望ましい姿ではありますが、そうした余力がなくなっているということでございます。 いずれにしましても、将来我が国の財政状況が好転した場合には、決算調整資金への繰り入れを行うことにより、決算調整資金制度の運用をいわばあるべき姿に戻すように努めてまいりたいと存じます。
○今井澄君 今、行政改革が叫ばれているわけで、行政改革もお金に絡むかもしれませんが、こういう当分二百二十兆を超えるとか二百四十兆になるという国債残高がある中では決算調整資金に積み立てるということが当面相当長期にわたって不可能だとすれば、一たんトンネル的に入れてまたやるなんというそれだけでもむだな手間のかかる作業はやめて、もっとスリム化する必要もあるんじゃないかと思うんです。 さて、この予備費、決算調整資金には直接関係ないんですが、冒頭にも申し上げましたように、今この厳しい財政状況の中で、むだな出費とかむだな手間はできるだけ省かないとこれから日本の国は大変になると思うわけですが、その点で私は、高速増殖炉の問題とそれから前回はダムの問題等でこのむだをいかになくすべきかということを主張したつもりなんです。 私の先輩である会田先生がずっと取り上げてきた問題で、その後どうなっているか、国営木曽岬干拓事業について、これも一つのむだの象徴とされていますので御質問したいわけです。 この木曽岬の干拓事業は、国営土地改良事業の一環として昭和四十一年度から始まり、四十四年度から工事に着手されて、六十二年度までにほぼ基本的な工事が完了しているわけです。しかし、三重県と愛知県の県境問題が解決されずに一たん平成元年に工事を中止して、昨年ようやく両県の知事の話し合いができて県境が確定した。それで事業が完成に向かって前進するかと思われたわけです。しかしその後、この干拓した土地、当初農地用に干拓されたわけですが、もう農地に使う時代じゃなくなって、どう利用するかということでまた両県の意見の食い違いがあって、現在この事業は宙に浮いたままというふうになっていると思いますが、これに関しては会計検査院が平成元年度において意見表示を行って以来、毎年度検査報告に掲記している問題だと思います。 依然として未解決のこの事態に対して、検査院はどのような所見を持っておられますでしょうか。
○会計検査院長(矢崎新二君) お答え申し上げます。 国の財政資金が投じられました事業につきましては、できる限り速やかに事業を完成させまして事業効果を発現させるべきものであるというふうに考えております。 しかしながら、ただいま御指摘の木曽岬の干拓事業は、県境が確定されないということとかあるいはまた農林水産省におきまして有効な対策を講じておりませんでしたために、昭和四十一年度に事業に着手して以来、事業効果が発現しないままで長年月にわたり継続をしてきたわけでございます。 そこで本件につきましては、ただいま御指摘ございましたように、平成元年度の決算検査報告におきまして、検査院法第三十六条によります改善の意見表示をいたしました。 そしてその中で、一つには県境を早急に確定すべきであるということ、二つには土地利用については多角的に検討すべきであるという、この二点を促したところでございます。また、その後、各年度の決算検査報告におきましてもその後の処置状況を毎年掲記いたしまして、解決の促進を促しているところであります。 平成元年度決算検査報告におきます本院の指摘を契機といたしまして、先生御指摘のように関係諸機関での調整が続けられました結果、第一の問題の県境については昨年六月に合意を得られましたけれども、土地利用計画の策定については現在なお検討が続けられているというのが現状でございます。 本院といたしましては、県境については合意が得られましたところから、早急に土地利用計画が策定をされて干拓地の有効利用が図られますように、農林水産省に対して機会のあることに督励をしているところでございまして、事態の進展を注視いたしているところでございます。
○今井澄君 そこで、ことし四月の当決算委員会において、会田長栄議員の質問に対して当時の大河原農林水産大臣は、私どもの希望としてはことしの夏ぐらいまでにはその利用計画を策定したいという旨の答弁を行っておられますが、その後この利用計画はどうなっているのか、農林水産省としてこの事業完了に向けて一体どういうふうに考えておられるのか。何しろ総事業費百六十三億円、総面積約四百四十四ヘクタールという大事業ですので、これが宙に浮いているという。ことは非常に問題だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○政府委員(野中和雄君) 木曽岬干拓の問題につきましては、先生お話しのとおり昨年の、平成六年六月に両県知事間で県境問題につきまして基本的な合意がなされたわけでございまして、後は地方自治法に基づきます境界確定のための手続を残すだけとなっているわけでございます。 そこで、現在愛知県、三重県それから私どもの東海農政局も入りまして木曽岬干拓土地利用検討会議を設置いたしまして、両県共同で土地利用計画を策定するように現在鋭意調整を進めているところでございます。ただ、現在のところ、残念ながらまだ結論を得るに至っていない状況でございます。 私どもといたしましては、この造成している干拓地を早期に有効利用することが極めて重要であるというふうに認識をしているところでございまして、現在両県に対しまして土地利用計画を早急に策定をするように強く要請をしているところでございまして、今後とも速やかな事業終結に向けまして努力をしてまいりたいと考えております。
○今井澄君 これは農地として最初始まったわけですが、今農地として使う時代じゃないとなると、これは農林水産省だけに任せておくんではなく、政府総体として取り組むべきことではないかという感想を申し上げて、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○伊藤基隆君 私は社会党の伊藤基隆であります。 まず、大蔵大臣にお伺いいたします。 本日の決算委員会の質疑が住専問題を中心にずっと行われてきたわけでありますが、私も金融関係の監督業務ないしは金融政策遂行問題等について幾つかの面からお伺いいたします。 まず、大和銀行問題と大蔵省の監督責任の問題についてでございますが、与党三党の金融・証券プロジェクトチームが十月三十一日に中間報告をまとめました。その中間報告の中で、金融機関の監督当局は、バブル期において金融機関の経営チェックが必ずしも十分機能してきたとは言いがたいとして、大蔵省などの責任について言及しております。 そして、この報告が出された翌々日の二日の日に、FRBなどアメリカの銀行監督当局が大和銀行をアメリカ金融市場から事実上追放するという処分を発表しました。また、ニューヨークの連邦地検は大和銀行とニューヨーク支店長の重罪隠匿、詐欺、金融機関検査妨害などで起訴をいたしました。大蔵省はこれに対して、銀行法第二十六条に基づく業務改善命令、信託業法第十八条に基づく行政命令、外為法第十三条に基づく行政処分を行っております。 しかし、この問題に関する国際金融界と国内のマスコミやエコノミストなどの反応は、この処分は大和銀行に対する処分であることはもちろんのこととして、見方によってはこの問題の本質はディスクロージャーの不徹底、当局任せのリスク管理などの護送船団体制をそのまま国際市場に延長した邦銀システムそのものが処分されたというふうに見られなくもないというふうに思います。 十二月五日、アメリカの下院の銀行委員会において、大和銀行に関する公聴会でリーチ銀行委員長がこのように言っています。膨大な不良債権があるのに、日本の銀行は政府の保護と日銀の低金利による補助金で競争力を保っていると。大変な皮肉でございますけれども、ある意味では的をついているんじゃないかというふうに思っています。 日本の銀行システム、金融システムそのものが国際的に非難をされて処分を受けた。厳し過ぎる言い方かもしれませんが、これを実際に行ってきたのは大蔵当局でありまして、それは大蔵省に対する処分ということも、世論からの処分、国際金融常識からの処分ということが言えるのではないかというふうに思います。この点、最高責任者でございます大蔵大臣はどのように考えるか、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 今回の大和銀行の一連の事件でありますが、刑事問題になっておりますから事件と呼んでいいと思うんですが、事件そのものは、御承知のように既にやめましたが大和銀行の元従業員が長年にわたって巨額の不正行為を行った、そのことが発覚をしたということでありますし、あわせて、先ほど来御質問にもございましたように、ダイワ・トラストの隠ぺいといいますか長年隠していたということも含めて、大和銀行自身がこれまで不適切な業務運営を行ってきたことが指摘をされているところでございます。 ニューヨークの検事の告発も、今も御紹介ございましたが、またFRBや銀行監督当局の処分も、司法当局の起訴の理由も、あるいは監督当局の処分の理由も、直接的には大蔵省がどうこうということには一切触れていないわけであります。日米間の金融監督当局の通報の問題として指摘をされていることは事実であります。私もルービン長官に早い時期に電話を入れまして、通報がおくれたことは遺憾であるという意思表示をいたしたところであります。 問題は、このことが何か大蔵省も加わってこの大和の不正事件を隠ぺいしようとしたのか、あるいは共謀して何かをしたのかという新聞、雑誌記事も出ておりますが、そんなことは全くありません。先ほど来の西村局長と藤田頭取のやりとりも、井口の告白を見た頭取が既にそのときに一千百億という、端数はしっかりしていませんが、この巨大な不正の金額、本人が告白している金額は西村局長に伝えているわけであります。こんな大きな金額を隠ぺいするということを考えることもあってはならないことだし、また隠ぺいできるはずがない話でございます。 問題は、この事態を認識して慌てふためきながらどう処置しようかというところに問題があったし、その間、事の最終的な集約とアメリカ当局への報告がアメリカの常識から見ればかなりおくれたと。四十日ほどの時間を置いていますから、これをもう少し短縮することができなかったかという思いは私にもあります。 そのことは、一つは、しかし日米のこういう事件に対する対処の仕方の違いだなというふうにも思いますし、これはニューヨークで起こっている、日本の銀行がニューヨークで商売をしている以上は、ニューヨークの支店で起こったことに日本の常識やルールが通用するはずがないと、改めてそう思って、日本的な処置の仕方をしたことはこれはよくなかった、いち早く国際的なルール、アメリカの常識やルールを踏まえて、もっと早く通報等の情報開示に努めることができなかったんだろうかと、こんな反省を率直にいたしているところであります。 いずれにしましても、そのさらに前段には、おっしゃるように護送船団方式等々の言葉もありますように、行政と金融機関のかかわり方に、過去は、おっしゃったように高度成長の四十年代ごろまでは、ある意味では資金量も不足していて銀行もまだ伸び盛りでありますから、ある程度行政がいろんな指導をすることがむしろ有効であった。しかし、国際化の時代を迎えている以上は、やはり行政と金融機関の間の距離を少し置いて、そして、むしろいい意味の緊張関係を生み出すような方向に転換をしていきたい。 今回の事件では、やや遅きに失するかもしれませんが、こういう不良債権やあるいは大和銀行の事件を経験しながら、私どももそう反省をしながら、将来に向かって少し距離を置こう、過保護はやめよう、護送船団方式もやはり考え直そう、そんな気持ちでいるところでございます。
○伊藤基隆君 今、大蔵大臣がおっしゃったように、金融政策を根本からこの機会に見直していくということについては、私も、非常に重要な時期であるし、そのように強力なリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。 その問題については後にちょっと触れますけれども、今大臣の御答弁をお聞きしていても、ディスクロージャーの拡充ということについてまずやる必要があるんじゃないか。それから、金融システム、金融行政の中にそういった体質があって、体質というか、担当者の意識ということでなくて、そのようなシステムの欠陥があるんじゃないかというふうに私は思っているわけです。大和銀行問題はその体質が露呈されたんじゃないかと思っております。 さらに、これは皆さん御存じのことでございますけれども、十一月に入ってから明らかになった、木津信用組合の日銀特融資金一億円の紛失事件というのがありました。監督官庁の大阪府に把握されたのは一カ月以上たった十月になってで、また同信組が大阪府警に被害届を出したのが十一月になってからということでございます。これも、何か日本の金融機関全体にある隠ぺい体質といいましょうか、そういうものを象徴しているんじゃないかというふうに思います。 さて、十月三十一日の与党金融・証券プロジェクト中間報告は、「今後は、預金者に対して自己責任原則についての理解を求めつつ、ペイオフと資金援助による預金の全額保護以外の多様な破綻処理方法を導入すべき」だと指摘をしております。与党の金融・証券プロジェクトは非常に着実な仕事を積み重ねているというふうに思いますが、問題は、これを実行するかどうかにかかわるわけでございます。この指摘で言うように、預金者の自己責任を求めるとすれば、その前提としてディスクロージャーの拡充が不可欠であるのはだれしも考えている常識の問題でございます。 大蔵大臣は、九月二十七日の記者会見で、金融機関の抱える不良債権の処理に関する基本方針を発表しましたけれども、それによると、ディスクロージャーの拡充について、主要二十一行は九六年三月期からすべての不良債権を開示、地方銀行協会加盟行は延滞債権を開示、一定規模以上の信用金庫については破綻先債権を開示というふうにおっしゃいました。 日本の金融自由化が進展した当初の背景には、一つは、国債の大量発行どこれを市中消化するための国債の流通市場の確立という国内事情があって、もう一つは日米円・ドル委員会の協議に象徴された金融の国際化の圧力というものがあったろうと思います。日本は外圧を受けないと国内システムの変革に本気にならないといううらみがございますが、今回の大和銀行事件に関する大蔵大臣や日銀総裁の発言も、九月二十六日、事件が発覚した際には、遺憾であるとしつつも、続けて、大和銀行の経営に心配はないというふうに言っておりました。しかし、よく考えてみれば、これだけ金融の国際化が進んだ現在で、日本の都市銀行などの経営が国際業務を抜きにして成り立たないことは自明の理ではございます。 真偽のほどは明らかでないわけですが、国会の質疑の中にも出てまいりましたが、十一月四日の新聞各紙は大和銀行と住友銀行の合併説を一斉に掲載しました。ニュアンスは住友銀行による吸収合併というものでございます。もしこの報道が事実であるとすれば、遺憾なことだが経営には心配がないという大蔵大臣や日銀総裁の発言は、事件発覚当初はアメリカが大和銀行をアメリカ金融市場から追放することなどあり得ないと考えていたことになりはしないかというふうに思います。 このことは、情報の隠ぺいに関する日本の金融当局の認識の甘さというふうに国際的に言われているわけでございますけれども、外圧による政策転換というのは情けないことでもございますが、先ほども大臣おっしゃっていましたけれども、金融機関のディスクロージャーが進展するとすれば、日本の国民にとってはまことに幸いなことだろうというふうに思っていますし、自己責任原則というものが確立されるということは社会の健全性にもつながっていくことだと思いますので、ディスクロージャーの一層の拡充について大蔵大臣の決意のほどを重ねてお伺いいたします。
○国務大臣(武村正義君) 宗教法人法の議論におきましてもディスクロージャーという言葉が再三論議になりました。日本の社会全体もそう言われてきたわけでありますが、ひときわ金融機関、信用部門のそうした努力がおくれているということをまず認めざるを得ません。 これは信用事業であるから軽々に何もかも表に出してはいけない、お客さんの秘密を守るというふうなところにも原因があるのかもしれませんし、今日までは役所が認可をした金融機関はしっかり守っていくと。これは、預金を預かる仕事でございますだけに軽々に倒産等が起こってはならない、そういう意味ではほかの株式会社とは当然性格を異にするわけですから、大蔵省としても認可をした以上はしっかり仕事をやっていただこうということであっただろうと思います。 御指摘のように、やや遅きに失しますが、改めて金融界全体のディスクローズという課題に思い切って取り組んでいかなければなりません。 今回、不良債権をめぐっても、そういう意味ではこの九月時点の各金融機関の実態というものを先般発表させていた。だきましたが、今後、各金融機関みずからがそれぞれ背負っている不良債権の実態を明らかにしていただこうというふうに思っております。 そのことをきっかけにしながら、きのうもテレビを見ておりますと、銀行の給与は全然表に出ていないという批判的な特集が組まれておりまして、こういう面にもやはり銀行の特異な特色が出ているということを改めて感じました。 そんなことも含めて、全体の一層信用を高めるために透明度を高めることが大事だという認識のもとに努力をさせていただきます。
○伊藤基隆君 私は、住専の年内解決の問題でお聞きしようと思いましたが、先ほど国井委員との質疑の中で出てまいりましたので、少し印象的なものを申し上げておきたいと思います。 今、不況が長引いておりまして、なかなかそこから脱出できません。その原因として不良債権問題があるんではないかと思います。日本の貯蓄残高は、詳しくはちょっと忘れてしまいましたが、恐らく一千兆円ぐらいあるんじゃないか。そのことが、不良債権があるがゆえに、これほど着実な公共投資が行われているにもかかわらず、なかなかそれが景気回復につながらないし、マインド的にもなかなかこれが前向きの方向に行かないというふうに思っております。 住専問題が年を越すということになれば、大変な危機的状況になるんではないかということは、だれしも心配していることであります。 さらには、住専以外の一般不良債権問題について、大蔵大臣は衆議院の答弁の中で、近々中に解消されるだろうという見通しをおっしゃっておられたと思うんですが、今住専問題を横目でにらんでの様子見というようなことが言われておりまして、そういうことになってくると、日本の経済の今後の見通しはなかなか立ちにくい。金融機関に対する不安感、不信感ということもなかなか解消されないということになるのではないかと思います。 この住専問題、またはその他不良債権問題、非常に危険でありますし、まさに政治が解決しなければどうにもならない状況であります。 公的資金の導入ともなれば、国民の指弾を受けて批判を受けるということはもう目に見えてあるわけでありますし、最近の低金利が銀行の利益を上げている。昨今の報道では、九月中間決算で、十一銀行でしたか、一兆五千億円ほどの利益を上げていると。これもまた別な意味の公的資金ではないかというような批判もございます。 ぜひとも住専の解決と同時に一般不良債権の解決について、一、二行完結しているという話も率聞きしますが、行政指導上の問題であるかどうか私わかりませんけれども、私企業の問題ですから。果たしてそういう任せっきりでいいのか、行政指導が行われて不良債権全般の解決をせめて三月期決算段階では終わる必要があるんじゃないかというふうに考えますけれども、その点の大蔵大臣の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 九月期の私どもが報告を受けました各銀行の抱えている不良債権、総額で三十七兆八千億円台であったかと思いますが、最初は三十七兆四千億でございましたから、一部修正が入りまして三十七兆八千何百億と、約三十八兆円弱と言った方がいいでしょうか、こんな数字を把握することができました。これは推測ではありません。実額のトータルであります。既に各金融機関は必死でこの債権の解消に取り組んでいるさなかであります。 そういう状況の中で、一層国民的な関心も高まっておりますし、今御指摘のように、このことが日本の経済、景気の回復の足を引っ張っている、あるいは国際的な信用を傷つけていると、こういう見方もあるわけでございますだけに、一層各金融機関はこの問題を最優先する考え方に立って取り組みをしてきているというふうに思っております。住専問題があるからしばらくこれを横で眺めながらという気持ちはないと思います。 そして、来年の三月に一挙にほとんどの金融機関がこの問題を解決するというほど事は容易ではありません。私は、多くの金融機関はここ二、三年のうちに解決をしてくれるだろう、早いところは一、二年、遅いところは四、五年かかるんじゃないかと、こんな言い方を衆議院でもしてまいりました。これはまあ大変大ざっぱな言い方でございますが、当初五年と言っておりました期待からすると、それよりもかなり短縮をして、みずからもそういう努力をそれぞれの金融機関がしているということを御報告申し上げさせていただきます。
○伊藤基隆君 午前中の自由民主党の景山委員と先ほどの国井委員の質疑がありましたので、私は事前予告した内容を変えてしまって少し申しわけなかったと思いますが、よくわかりました。 さて、皆さんのところに「英国予算編成機構図」というものを資料としてお配りいたしました。これはなぜ配ったかといいますと、先般大蔵省からお話をお伺いしたんですが、財政制度審議会基本問題小委員会の海外調査報告というのが出されまして、その資料をいただいて読ませていただきました。 特に、私はイギリスの予算編成問題について興味を持って調べてきたわけでありますけれども、イギリスが「与野党とも財政健全化を指向 概算要求後早い段階で予算総額に新たな上限を設定し、伸率を抑制」していると報告書にございます。これらは、EUの為替レートを固定化し、単一通貨を実現する段階での累積債務残高、グロスをGDP比六〇%以下にする、毎年の財政赤字をGDP比三%以下に抑えるという条件があるがゆえということかもしれませんけれども。 イギリスが「一九九三年度以来、各省から概算要求の後に公的支出の総枠の上限について閣議決定を行い、予算をこの枠内に抑制するべく主要閣僚からなる会合を通じ折衝を行うという制度を導入し、歳出の削減に努めている。」、さらには「内閣の決めた予算案が、議会において修正されることはほとんどない」と報告書にございます。 私が聞く限りでは、大蔵大臣は予算書を読み上げるとき、一日八時間ぶっ通しで一人で演説ぶつそうでありますし、だれそれの予算案と言われるほど、非常に大蔵大臣の個性が出てくる予算案だそうでございます。 私がこの機構図を説明するには、そういう状況下でイギリスがこの機構図を完成させたのが、まだ完成段階ではないと思いますけれども、サッチャー時代にまずシステムを改変して予算編成を国会議員主体で行ってきた。すなわち、財政が政策の優先順位においてきちんと方向性を持って取り組まれている、それほど理想化できるかどうかわかりませんけれども、というふうにイギリスの状況で感じます。 そこで、この図を見ますと、左下に、首相官邸、首相、アドバイザー、秘書、その下にポリシー・ユニットというのがございまして、私はこれが非常に有効なものではないかと。昨今、日本においても首相補佐官制度の導入ということを行いましたが、キャップは女性のサラ・ホッグという方で、この人は就任したとき四十四歳だそうでありますが、今四十六歳ぐらいじゃないでしょうか。デーリー・テレグラフの経済担当編集長だそうでございます。この七人が全部民間人。総理大臣はここを通して各省庁の全政策をチェックすることができる。 この一番下の右の方に、官僚に対して予算要請を行う、ポリシー・ユニットに政策案を提示する。これは各省庁でございますが、各省庁は政策案をポリシー・ユニットに提示して、ポリシー・ユニットがチェックして返すと。 その上に、官僚とあります。これは大蔵省の官僚群でありますが、ポリシー・ユニットと予算案の事前協議を行い、ポリシー・ユニットはチェックすると。すなわち、総理大臣の補佐官とも言われる者からの政策の影響が出ているということでございます。 左上にある内閣官房でございますが、ここの官房長官は官僚のトップに位置するんだそうですが、法案審議、人事院の総裁を担当し、強大な力を持っていて、実質的に閣議を主宰すると。この人は官僚です、国会議員ではございません。 その右にあるのが予算編成の中枢でございまして、これはナンバーワンは首相で、恐らく首相は君臨する立場にあるのかと思いますが、大蔵大臣がナンバーツーの力を持って実力者でございます。その下に財務大臣とか、副大臣と日本で言っていますが、とにかく閣僚がいて、その下に閣外の大臣も三人います。今一人欠員、何かの政策的判断で今二人のようでございますけれども。 特色的なのは、ファイブ・ジュニア・ロードという五人の若い国会議員メンバーがこの中枢に参画しております。与党の選任だと思います。メージャー首相も八四年から八五年、このファイブ・ジュニア・ロードという、俗称でございますが、そのメンバーとして予算編成の中枢にかかわった。そのように訓練をされていって、大蔵大臣になって首相になっていくということのようです。これはもちろん閣議の非常に大きな影響を受けますし、内閣官房と協議、了解をとるわけであります。 この右の上の予算中枢に大蔵省事務次官が官僚としては一人参画しています。その下にある官僚、これが大蔵省の官僚群でありますが、先ほどのポリシーユニットとの協議に基づいて、原案を提供し、それらをこの中枢が相談し指示してくる。完成させるのは恐らく一般にいう大蔵官僚だと思います。 私は、こういう制度、予算編成にかかわって財政の健全化をなすときに、政策の優先順位によって予算を決めていくというシステムを、大蔵官僚の意識、大蔵大臣の意識のみでなくてシステムとしてつくらなければならないんだろうというふうに思います。このことについて、今それがいい悪いは言えないでしょうけれども、大蔵大臣としての感想でもお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(武村正義君) ありがとうございました。イギリスの予算編成の仕組み、機構等を簡単に御説明いただいて、私は初めて認識をいたしました。 まず、総理官邸に、おっしゃるような民間人七名でポリシーユニットというふうな日本にないユニークなシステムが存在する、メンバーが参加をしているということは非常に新鮮に感じました。 それから、予算編成というのは、日本もそうですが、確かに向こう一年間の国の施策を財政の側面から全部決定をするというか、総合的にまとめる大作業であります。国の行政、政治の中身が決まるということでありますだけに、そのことから考えますと、率直に言って、政治と行政のかかわりが日本はまだまだいびつであるというか、政治が少なくとも真正面から予算編成に責任を負っていないなという感想を持ちます。 先ほど、今井さんからも御指摘がございましたように、私はこの仕事、二度目の予算編成の時期を迎えておりますが、苦いことを申し上げて恐縮ですが、政治の側はどうも歳入に対する責任が欠けている。これは私も政治にいるという意味で率直に反省して申し上げているんですが、専ら何をふやすか、何をつけるか、使う方の関心は非常に強い。しかし、歳入はもちろん即税収とは言いませんが、やはり予算というのは歳入と歳出のバランスで、これの均衡で決めるべきものであります。入るをはかって出るを制するという言葉もありますが、いずれにしましても、入りと出とぴしゃっと合わせるのが予算編成でございます以上、ここのところの責任が非常にあいまいである。 閣僚の中でも、大蔵大臣が専ら渋いことをいつも言っている、金はありません、難しいですと。ほかの大臣は専ら、その金がないのを工面するのが大蔵大臣だとか、これだけは頼むぞとか、こういう形で要求する。これじゃ大蔵大臣はもちません。閣僚全体がやはり少なくとも歳入についても責任を共有してもらいたい、その上で議論をしてもらいたいとこの間も懇談会で発言したんですが、そう申し上げてもなかなか我が国の伝統は変わりません。去年も閣僚懇で、ひとつ各大臣、予算をつけることよりも削ることにしのぎを削ろうじゃありませんかということも言ったことがありますが、なかなかそっちの方には向きません。 ということで、何らかの形でやはり政治が、財政が悪くなったから責任を食えというわけじゃありませんけれども、そういう負の責任も含めて積極的に背負いながらこの国の予算編成に参加をしていく形が必要であるし、今御紹介いただいたイギリスの制度なんかも私どももぜひより具体的に真剣に勉強をさせていただきたいと思います。
○伊藤基隆君 経済企画庁長官に御質問いたします。時間もありませんので、何問かさまざまなことをお聞きしたかったわけですが、一つだけお伺いしたいと思います。 私の友人で、先輩でございますが、新潟で総合生協の理事長をしている人がおります。彼の生協は流通、災害、生命共済、住宅など総合的に手がけている生協でありまして、非常に有能な理事長でございますし、業績も上がっております。先日、その人に会って話をしましたら、ことしの六月ごろから建て売り住宅の販売ががた減りになったとこぼしておりました。何か聞きますと、県の住宅供給公社が行っている建て売り住宅、一戸建ても売れない。マンションは市内の一等地に近いところに販売しているんですが、これは労働組合とかサラリーマンが買うんでなくて会社の社長が買っているというような状況もあるようです。 そこで、なぜこのような状況になったかというと、一般的な経済情勢もございますけれども、労働組合を通じて会員に要因を調べてもらったら、雇用や賃金など将来に対する不安から金利がいかに低くても長期のローンを組む気が起こらない、先行き不安感というものがあってそういうことになったようでございます。問題は、この長期にわたる景気の低迷は、当面の問題だけでなくて将来に多くの問題を残すというふうに考えます。何よりも今の日本にとって最も深刻なことは、将来への安心感が欠如してきているというところにあるわけでございます。 まず雇用の問題ですが、完全失業率、五月にやや改善が見られましたけれども、六月には四月に続き再び三・二%となって、その後九月も三・二%の水準が続き、調査が現在のような形になって以来の最低の水準、最悪の水準ということになっております。有効求人倍率も〇・六〇と、円高不況の八六年九月以来の低い水準でございます。若者の失業者がふえて彼らが将来に不安を持っているということは社会的に限りなく不安ということになっていくんではないか。加えてオウム真理教の事件等もあるわけであります。氷河期と言われる女子学生の就職難。女性の就職難と失業率の増大は女性の社会進出と地位の向上を危うくする、男女の社会的平等達成の道を遠くするということにもなろうかと思います。 先ほど十一月の月例経済報告を出されまして、なお景気は足踏み状態が長引く中で引き続き弱含みで推移ということで、弱含みがどういうレベルを言うのかということは本会議の御答弁でお聞きしておりますけれども、長官は就任のときに決意を述べられました、景気が、経済構造がよくならなかったらやめると。私たちが信頼する日本有数のエコノミストの宮崎さんでございまして、その期待は大きいわけでございます。 今の大蔵大臣とのやりとりもございますけれども、長官として景気の見通し、その決意についてお聞かせいただければありがたいと思います。
○国務大臣(宮崎勇君) お答えいたします。 最近の月例経済報告では、日本経済の状況を足踏み状況が続いているというふうに報告しているのは今御指摘のとおりであります。その足踏み状況にいろいろ修飾語がついておりますけれども、要は、基本的に申しまして経済が非常にぐあいの悪い状況が長引いているということでございまして、先ごろ発表されました七−九月のGNP統計によりましても、前期に対してわずか〇・二%しか上昇しておりません。前年同期に比べますと依然として及ばないというような状況でございます。 そういう状況に対しまして、村山内閣は御承知のように景気回復を経済政策の第一の課題と掲げておりまして、私も今の日本経済の状況が大変深刻な状況にあるということをよく認識しているつもりですし、この問題について最大限の努力を払っていきたいと思っております。 このところ政府が切れ目ない経済対策を講じた結果、今のところまだ足踏み状況が続いておりますけれども、年が明けますと景気回復が見えてくるのではないかというふうに期待しております。いずれにしましても、先ほど先生御指摘のように、今回の不景気の原因は、ただ単に従来のように循環的な要因だけではなくて、円高がもたらしました構造問題もありますし、それからバブルの崩壊に伴って不良債権の問題が生じた。その問題が心理的にも大変景気の回復に悪影響を及ぼしていますので、今後、御審議のように不良債権のめどを年内につけまして、さらに税制改革、規制緩和等、切れ目ない対策を講じていくということが必要だと思いますし、その点で経済企画庁としても関係各省と一緒になって最大限の努力を払っていきたいと思います。
○伊藤基隆君 ありがとうございました。終わります。 —————————————
○委員長(浦田勝君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。 —————————————
○水野誠一君 新党さきがけの水野でございます。 まず第一に、予備費について御質問をしたいと思います。通産省所轄の予備費使用ということで、通産省及び大蔵省に伺いたいと思います。 資料を拝見しておりましたところが、平成五年度の通産省所管に、「皮革反革靴製造業等経営安定等特別対策費補助金」という大変長い名前の補助金が新設され、社団法人日本タンナーズ協会及び日本皮革産業連合会に二十億円ずつ計四十億円が一般会計の予備費より支出されておりました。 これは、平成五年十二月十五日にウルグアイ・ラウンドの貿易交渉委員会で皮革及び革靴の関税割り当て制度が見直されたということによって、平成六年一月二十八日にこの予備費使用の決定が下されたわけであります。この時期は国会閉会中ということでありますので、予備費使用自体には問題がないわけでありますが、もうその三日後には通常国会が召集され、また時あたかも平成五年度の第三次補正予算の編成作業中であったわけであります。 ウルグアイ・ラウンドにより関税割り当て制度が見直されたということに伴う皮革業界への影響が補正予算の成立を待てないほど緊急であるとは思えないわけであります。それにもかかわらず、なぜ補正予算に計上して国会の審議を受けなかったのか、内閣のみの判断で予備費使用に至ったのか、その理由を通産及び大蔵両省から伺いたいと思います。
○政府委員(中野正孝君) お答えいたします。 たまたま私、当時、国際経済部長としましてジュネーブでウルグアイ・ラウンド交渉を通産省を代表して担当しておりましたので今も経緯をつぶさに覚えているわけでございますが、委員御指摘のように、平成五年の東京サミットのときにヨーロッパ、アメリカから皮革と靴につきまして大変厳しい関税引き下げ要求がございました。これは、昭和六十一年に長く続いておりましたIQ、輸入制限のもとで行ってまいったわけでございますが、当時、交渉によりまして関税化をしたわけでございます。 御案内のとおり、この業界は大変零細、地域性のある、社会的にもいろいろ難しい業界でございまして、私どもとしましては二〇%程度の二次税率の引き下げということで妥結を図ろうという努力をいたしました。当時、六月、七月、十二月、四極の通商大臣会合を徹夜で行いまして、そういう方針で努力したのでございますが、最終段階の十二月十四日の朝に至りまして、欧米の五割を引き下げるという要求ははねのけたのでございますけれども、三分の一をカットするということで世界の標準並みの合意を受けざるを得なかったということでございます。 自来、産業界及び関係のところに御理解を求めたわけでございますが、当時の交渉は二月末を一つの区切りとしまして、四月のモロッコ・マラケシュの最終合意に至るまで、各国の関税状況につきまして、撤回は認めないけれどもさらに改善をするということで、主としてアメリカから五割引き下げの要求が引き続き残ったわけでございます。 関係業界、関係の与野党の方々に御説明する過程で、この業界は大変零細、地域性、社会的にいろいろ難しい業界でございまして、業界対策をあわせて早急に講ずるということが強く求められたわけでございまして、一月になりまして、私ども財政当局に緊急にお願いをし、一月二十八日に政府として対策を決定いただき、それで関係者の御理解を得た、こういう経緯でございます。 なお、この基金につきましては、財政資金ということで有効に使わせていただくということで、補助金適正化法等の規則によりまして、主として運用益でもって業界全体の技術改善でありますとか国際交流でありますとか、もろもろの業界全体の振興のために適正に費用を充てているということでございます。御理解いただきたいと思います。
○水野誠一君 さように補正予算の成立まで待てなかったかどうかというのはちょっと今のお答えでもはっきりしないのでありますが、一方、社団法人の日本皮革産業連合会に対して平成二年度に国費の補助金二十億円によって二十四億円の債務保証基金がつくられております。平成六年一月の予備費使用の時点で見てまいりますと、この基金の債務保証実績がなかったにもかかわらずそこでさらに二十億円の国費補助による基金の積み増しを行っているということがあります。この理由は一体何だったのかということもあわせて伺いたいと思います。
○政府委員(中野正孝君) 平成二年の積み増しにつきましては、これは当時ウルグアイ・ラウンド、昭和六十一年に開始されておりますが、ブラッセルの閣僚会議でほぼ妥結をするということで国際機運が盛り上がったことがございます。そのときに、マーケットアクセス関税引き下げで私ども二次税率、これは六〇%でございますが、二次税率の二割カットをオファーいたしまして、各国の御理解を得ようということでございました。このときも、関税化をしてから業界も日が浅いものでございますから、もろもろの零細な難しい業界の振興のために基金を造成するということで積み増しをお願いしました。 平成六年は、先ほど申し上げましたように、十二月に至りまして急速我々の予想を、従来業界とそれなりにすり合わせておりましたラインを相当大幅に超えた引き下げになると。この業界は大体昭和五十年の後半から、半ばごろから大変国内生産も落ちまして苦境になっております、輸入もふえておりまして。そういうことで、業界対策に有効に資金を使っていただきたいということで、業界振興対策の原資として資金の積み増しをお願いしたわけでございます。
○水野誠一君 続きまして、大蔵省、大蔵大臣に不良債権問題に関して伺いたいと思います。 現在多くの金融機関が抱えております不良債権の問題を早期に処理するということは、ひとり金融システムの安定性確保ということのみならず、我が国経済全体の今後の安定にとって極めて重要な課題であることは論をまたないところでございます。もちろん、金融機関の不良債権はいわゆるバブル経済崩壊の過程で累積したものであって、過去の経営及び国家運営のツケでありますが、現在、大臣はそれの処理に当たられて果断な対応を迫られている、大変御苦労も多いことだというふうに思います。 最近における金融機関の破綻事例を見てまいりますと、例えば木津信組では総資産一兆三千百億円のうち七割強に相当する九千六百億円が損失額と見込まれるなど、異常な資産内容の悪化を来しているわけです。金融機関はその経営が実質的に破綻に陥ったとしても資金繰りが確保される限りは営業を継続できるというようなことから、結果として破綻処理コストが膨大化するというような問題があるわけであります。こうした事態を招くことがないように、今後金融行政のあり方を根本的に見直していく時期にあるというふうに思うわけであります。 これまでの行政のあり方というのは、どちらかというと金融機関の行動の自由を真の意味では認めないものであり、監督当局の干渉が常日ごろから広範囲にわたるものであったわけであります。しかし、破綻処理のように迅速な対応が必要と考えられる肝心なときには問題がどうも先送りされているように思われる前もございます。 金融機関に対する監督の見直しに関しては、今までの過剰な干渉と過保護のコース、すなわち護送船団方式的なものではなくて、金融機関の行動の自由を認めるかわりに、それに伴う自己責任、つまり自己資本の充実を求めて、監督当局は金融機関の支払い能力、具体的には自己資本比率を監視するべきではないかというふうに考えるところでございます。 また、自己資本レベルが低下した金融機関に関しては、自己資本の回復か監督当局の直接的コントロールに入るか選択を迫ることにより、早期是正措置をとるべきだという考え方もあるわけです。すなわち、各金融機関の支払い能力の監視と早期是正措置の組み合わせを中心とした金融監督を行うようにすべきではないかと思います。 また、さまざまな業態の金融機関が足りない機能を補い合って成長するためには、金融持ち株会社制の必要性があるんではないかというような議論も最近出始めているようであります。これは基本的に私は望ましいことではないかというふうに思うのでありますが、この点を含めまして大蔵大臣の御意見を例えればというふうに思います。
○政府委員(西村吉正君) まず第一点の、自己資本というものを指標にした監督のあり方の問題でございますが、金融制度調査会においてもこの点議論がございまして、金融機関経営の健全性を確保するための早期是正措置という問題が現在検討されているところでございます。これはアメリカにおいてもとられている一つの行政手法でございますが、行政の判断の透明化を図りながら、かつ迅速な行政措置をとるための非常に有効な手法だということで、現在金融制度調査会においてこの問題に前向きに取り組んでいただいているところでございまして、年内にその結論が得られるものと考えております。 第二点の持ち株会社規制の問題でございますが、これは主として公正取引委員会での御議論が中心になるとは存じますけれども、大蔵省の関係では金融制度調査会においてやはり御議論がございまして、本年五月に発表されました基本問題検討委員会の報告においては、課題として「議論を深めていく必要がある。」と指摘をされているところでございます。その後、本年八月より審議が開始されました金融機能活性化委員会におきまして、今後、金融機関の組織、経営形態など金融サービスを提供する主体にかかわる問題について議論をしていただくことになっておりますけれども、この問題もそのようなものの一環として幅広い観点から検討が行われていくものと考えております。
○国務大臣(武村正義君) 昨年の今ごろでございましたか、これは国際問題ですが、メキシコで通貨危機が起こりまして、このことがその後G7でも真剣な論議になりました。ちょうど一つの国における金融不安あるいは危機という問題と非常によく似たテーマだと思っておりまして、その後日本が特に国際的な通貨危機に対する新しい国際システムをつくろうということをこの一年間何回も主張してきまして、ようやくそれが合意されつつございます。やはり早期に発見をする、モニタリングをして、場合によってはウォーニングをして、警告をして、それでもよくない場合には緊急措置、早期措置をとるという考え方でございます。 今、委員のおっしゃるお話を伺っておりまして、まさになるたけ早い時期に状況をつかんで適切な対処をすべきだという御趣旨でございましたが、自己資本を基本にしたチェック、経営状況のチェックを的確にさせていただきながら、こういう事態が少しでも回避できるような仕組みをつくり出していきたいというふうに思っております。
○水野誠一君 西村銀行局長もいらっしゃるので、続きまして日本版RTCについて伺いたいと思います。 先週の金曜日に大阪信組の経営破綻に関して日本版RTCを機能させていきたいという構想が述べられたわけであります。しかし、これについては新聞を中心としてどうも見切り発車じゃないだろうかというような批判も出てきております。 私は、個人的にはこういったRTCという考え方が十分にこれから機能していくことが望ましいというふうに思います。しかし、アメリカと日本とのいわゆる金融環境の違いというようなことも含めて、不良債権処理ということにつきましても十分な審議というものをしていく、あるいは国民の理解というものを十分に深めていく必要があるのではないかというふうに思います。 日本版RTCに関して、その体制及び機能について大蔵省内では現在どのような議論がなされているのか、あるいは具体的にどんなビジョンを持ってお考えになっているのか、アメリカでやられておりますような不動産の証券化というような方式をお考えになっているのかどうかというようなことについて伺いたいと思います。 またあわせて、かくも重要な問題が見切り発車などという批判を招くべきではないというふうに思いますが、こうした批判についても御見解を伺いたいというふうに思います。
○政府委員(西村吉正君) 御指摘のように、先般の木津信用組合の処理につきまして発表いたしました際に、金融制度調査会での審議状況も踏まえまして現在の東京共同銀行を抜本的に改組いたしまして、今後五年間に発生する全国の金融機関の破綻処理を円滑に行うための時限的な機関、仮にこれを日本版RTCというような表現をさせていただいたわけでございますが、そういう提案をさせていただいたところでございます。もとより、こういう構想を実現するためには法律改正等の手続を必要といたしますし、その前提といたしまして、私どもただいま金融制度調査会の御審議を鋭意進めていただいておるところでございますので、その結論を得ました上で国会の御理解を得るよう最大限の努力を図ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。 このいわゆる日本版RTCと言われているものの業務といたしましては、既存の金融機関から破綻金融機関の事業を譲り受けて、預金の払い戻し、債権回収を行った上で事業の清算を行うとか、あるいは既存金融機関への事業譲渡に際して、当該金融機関が譲り受けを拒む不良債権の部分を譲り受けて回収に当たるというような事業を行うわけでございますが、他方におきまして、この引き継いだ不良資産につきまして、透明性の高い手法により回収を厳正かつ迅速に進めるというような機能を持つということも必要なことではないかと考えているところでございます。 その際、ただいま御提案のありました不動産の証券化というような手法も使うのかという点でございますが、確かにアメリカにおきましてはSアンドLの処理に際しましてこのような手法が活用されたということは伺っております。私どももそのような点を今後検討の課題にしてまいりたいと存じますが、いずれにいたしましても日本とアメリカとは、委員からも御指摘がございましたように、社会的な背景や経済的な情勢、いろいろと異なる点もございますので、日本版と申します以上、日本の実情に適したようなものにすべく今後検討を重ねてまいりたいと存じております。
○水野誠一君 次に、経済企画庁に伺いたいと思います。 先般閣議決定されました新経済計画は、現下の厳しい環境情勢の中で、景気の先行きに対する不透明感を払拭するということで大きく期待をされているものでありますし、とりわけ構造改革の重要性ということを前面に打ち出されていることは大変評価できるものではないかと思います。しかし今、もはやこの時点ではぎりぎりの選択を迫られているということから、この経済計画自体が実際に速やかに実現化されるということが必要になってくるということだと思います。 OECDの見通しでも日本の九六年度の実質経済成長率は二・三%という中で、三%の経済成長を実現するということは並大抵のことではないというふうに思います。また、政府に対する民間企業の期待ということの大きさの中で見てまいりますと、とりわけ私は重要な問題というのは、労働市場をどういうふうに活性化させていくかということではないかと思います。このまま放置しますと失業率は三・七五に高とまりするのではないかという見方もあるわけでありまして、労働市場の自由化により労働移動を促進し、労働力を活性化し吸収していくということが必要であることは論をまたないところであります。 現在、民間の職業紹介や人材派遣業の適用業務の拡大等も労働省によって考慮されているようでありますが、もはや部分的な緩和ではなくて、ネガティブリストの導入などによる大幅な自由化なども含めて規制緩和を行うべきではないかというふうに思います。 本日、日経連から日経連タイムスという新聞が来ておりまして、この中でも新経済計画というものが実現可能かどうかということに対して、期待とともに不安も述べているわけでありますが、その中で、経済企画庁の「横串機能」を強力に発揮することによって政治のリーダーシップをとっていってほしいという期待が書かれております。私も全く同感でございますが、とりわけ今御質問申し上げる労働市場の自由化について、民間の職業紹介あるいは人材派遣事業の自由化について労働省がどうお考えになっているかということと、あわせて経済企画庁の御見解を例えればというふうに思っております。
○国務大臣(宮崎勇君) 先生御指摘のように、先ごろ閣議決定されました新しい経済社会計画では、平成八年度から平成十二年度の平均成長率を三%として、一応経済運営の指針と申しますか、目安としております。この三%につきましては、先生御指摘のように楽観的過ぎるんではないかという批判をいただいておりますし、現にこの審議の過程で閣僚の中にも三%というのはちょっと無理じゃないかというような御批判がございました。私どももこの三%の成長というのは決して安易に達成できるとは思っておりません。 数字のことで恐縮ですけれども、これは八年度から十二年度の平均でございまして、本七年度の成長率は、先ほど寺澤委員の御質問にもお答えしたわけですが、政府が言っておりました二・八%というのは極めて困難で、一%程度に終わるんではないかと思います。三%というのは明年度からの平均の数字でありますが、平均でありまして、毎年こういうふうに三%ずつきちっといくわけではありません。明年度について申しますと、今予算編成と並行して来年度のきちっとした見通し作業を行っているわけですが、二%台には乗せると思っておりますが、三%にはちょっと無理かと思っております。 その先、三%平均を実現するためにはよほどのことをやらなければ大変難しいということで、そのために今度の計画では「構造改革のための」という修飾語がついておりまして、今度の計画では構造改革が一番大事だということを言っているわけです。もし構造改革がうまくいかなければ、三%の成長はおろか二%も難しいということを参考のために言っているわけであります。 その構造改革の中でいろいろのことが述べてありますけれども、先生御指摘のように雇用問題が大変深刻でございます。単に循環的な意味で失業者がふえているだけじゃなくて、構造的な問題も含めて発生しているわけですから、例えば今の失業率三・二%を下げていくのにも大変大きな努力が要るわけでして、もし構造改革をやらなければ失業者はおっしゃるように三%台の上の方に行くという可能性がありまして、そういうわけで、今御指摘のような労働対策についても流動化、新規雇用の創出を考えております。
○委員長(浦田勝君) 時間が過ぎていますけれども、労働省の森山民間需給調整事業室長、簡潔に答弁してください。
○説明員(森山寛君) 先生御指摘の有料職業紹介事業と労働者派遣事業の現状でございますが、この内容につきましては政府の規制緩和推進計画に基づきまして今鋭意検討を進めているところでございます。簡単に申し上げますと、現在、中央職業安定審議会におきましてその適用対象業務あるいは派遣労働者の就業条件等の確保のための措置といった問題を中心に検討を進めてきているところでございまして、間もなくこの検討結果が取りまとめられる予定でございます。 労働省としましては、同審議会の審議結果を踏まえまして、法的整備も含めた必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(浦田勝君) 他に御発言もないようですから、平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件のうち皇室費、国会、会計検査院、内閣、総理府本府、大蔵省、経済企画庁、国民金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行の決算の審査はこの程度といたします。 予備費関係等十四件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより予備費関係等十四件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○筆坂秀世君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました予備費承諾案件のうち、平成四年度特別会計予備費使用総調書、平成五年度一般会計予備費使用総調書(その一)、平成六年度一般会計予備費使用総調書(その一)、平成四年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書、平成五年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書の五件について、不承諾の意を表明します。 その理由は、カンボジア、モザンビーク、ザイール等へのPKOによる要員派遣経費やPKO分担金などは、国際紛争への軍事的関与と武力の行使、武力の威嚇を禁止した憲法の平和原則に違反するものです。そればかりか、PKO法の参加五原則にも反するものです。また、皇室の外国訪問費や結婚経費なども、天皇の国政不関与や主権在民と政教分離の憲法原則からして容認できません。 さらに、外国為替等売買差損の補てん経費は、円高誘導のための介入によって生じた差損を補てんするもので、日本経済に深刻な影響を与える円高不況からしても、承諾に反対です。 決算調整資金からの歳入組入れは、会計年度独立の原則を侵し、国会の事前承諾を不必要とするなど、財政民主主義と財政法の根幹を揺るがすものです。 しかし、これらの予備費以外に、災害復旧費、社会保障関係費、中小企業対策費、選挙経費等々については、当然必要な経費であり、承諾できるものです。 同時に、平成四年度一般会計予備費使用総調書(その2)外八件は、教職員の退職手当増に伴う費用、社会保障、医療、災害復旧、農林水産業、食糧管理、港湾、道路、河川改修、砂防事業、裁判費、郵便貯金利子や損害賠償金支払い、選挙経費、中小企業対策等々、いずれも国民生活に密接に関係する経費であり、承諾をします。 以上、各案件に対する態度を申し述べて、私の討論を終わります。
○佐藤泰三君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外十一件に対して承諾を与えるべきものと議決することに、また、平成四年度及び五年度における決算調整資金からの歳入組入れに関する調書に対して承諾を与えるべきものと議決することに、いずれも賛成の意を表明し、以下、討論を行います。 申し上げるまでもなく、予備費は憲法第八十七条及び財政法の規定に基づいて、予見しがたい予算の不足に充てるために、国会の議決に基づいて設けることを認められた予算であり、内閣の責任において支出された後、国会の事後承諾を求めるものであります。 まず一般会計の予備費使用の内容を見ますと、北海道南西沖地震や風水害等による災害の復旧事業に必要な経費、義務教育費や老人医療給付費等の国庫負担金の不足を補うために必要な経費、参議院議員補欠選挙に必要な経費といった災害関連経費あるいは義務的経費がその大部分を占めております。 また、対外的には、カンボジア等における国際平和協力業務の実施等に必要な経費への使用など、我が国の置かれた国際的責務を果たし、国際貢献を緊急に行うために必要な経費であります。 これらの予備費使用は、憲法及び財政法の規定に照らして、いずれも適正かつ妥当なものであり、国民各位の納得を十分いただけるものと確信いたしております。 次に、特別会計の予備費及び特別会計の予算総則の規定に基づく経費の増額について見ますと、輸入食糧の買い入れに必要な経費、道路事業及び街路事業の調整に必要な経費の増額などであり、これまた適正かつ妥当なものであります。 以上は予備費関係でありますが、次に決算調整資金からの歳入組入れ調書について申し上げます。 平成四年度及び五年度においては、バブル崩壊の深刻な影響を受けて、予想しがたい租税収入の大幅な減少等により、四年度に一兆五千四百四十七億円、五年度にも五千六百六十三億円の決算上の不足を生じました。その補てんのため、決算調整資金に関する法律の規定に基づき、同資金から一般会計に不足額を組み入れたものであり、これらは法律に基づく適当な措置であります。なお、一般会計への組み入れの際には、決算調整資金の残高がゼロであったため、両年度における不足額については国債整理基金から借用しましたが、同基金への繰り戻しは、財政状況が苦しい中ではありますが、既に終わっております。 しかしながら、戦後初めて二年連続のいわゆる歳入欠陥が生じましたことは極めて異常な事態であり、その後の財政運営に大きな困難を来していることもまた事実であります。 政府においては、総予算及び補正予算編成時における税収見積もりの精度向上にさらに努め、再び歳入欠陥という事態を生じないよう今後とも一層努力するとともに、また、今後の安定的な財政運営を確保するために、歳入歳出両面にわたる抜本的な財政改革を推進することをこの際強く要望して、予備費関係及び決算調整資金に関する私の賛成討論を終わります。
○委員長(浦田勝君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、平成四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成四年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成五年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成五年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成六年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上九件を一括して採決を行います。 これら九件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浦田勝君) 全会一致と認めます。よって、これら九件は全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、以上三件を一括して採決を行います。 これら三件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浦田勝君) 多数と認めます。よって、これら三件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成四年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書の採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浦田勝君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成五年度決算調整資金からの歳入組入れに関する調書の採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浦田勝君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 次に、継続審査及び継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお審査並びに調査を継続することとし、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、閉会中必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
○委員長(浦田勝君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十三分散会 —————・—————