外務委員会 第4号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/10/31
会議録
○委員長(木庭健太郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について報告いたします。 昨日、照屋寛徳君が委員を辞任され、その補欠として大脇雅子君が選任されました。 —————————————
○委員長(木庭健太郎君) 次に、国際海事衛星機構(インマルサット)に関する条約の改正の受諾について承認を求めるの件を議題とし、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○笠原潤一君 自民党の笠原潤一であります。 今回提案されました国際海事衛星機構、いわゆるインマルサット条約改正の意義と経緯と背景について少しお尋ねをしたいと思います。 御承知のように、この改正は平成元年一月十九日にロンドンで開催された国際海事衛星機構の総会において採択されたものであります。この内容については先般も提案の趣旨説明がございましたから省くといたしまして、ロンドンで開催されて既に八年近くも経過しておるわけですけれども、八年の歳月が経過したのは一体なぜか、どうして批准がおくれたかということについて、まず第一点、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(河村武和君) お答え申し上げます。 我が国といたしましては、未締結の条約につきまして、それぞれの条約の目的、意義、内容、締結の必要性、国内法制の整合性等を十分勘案いたしまして、その取り扱いについて検討を行い、締結が適当でありかつ問題がないと考えられるものについては、速やかにその締結につき国会の御承認をお願いしてきているのが現在までの状況でございます。 本件改正につきましても、我が国がインマルサットにおいて主要な役割を果たしていることを踏まえまして、かつ衛星通信事業が世界的に多様化する中で、インマルサットが陸上移動通信サービスを開始するために我が国としてこの改正を受諾する必要性等につきまして従来から検討を政府部内で行ってきておりました。 このような中で、本年一月の阪神・淡路大震災の際に通常の電話通信網による通信が極めて困難となった状況におきましてインマルサットによる陸上移動通信を試験的に使用しましたところ、その有効性が極めて大きいということが改めて認識されるに至った次第でございます。 このため、我が国としては、本件改正を受諾し、早期発効に資することが適当であると判断しまして、今臨時国会におきましてその受諾について御承認を求めることとした次第でございます。
○笠原潤一君 ただいまの説明をお聞きいたしまして、全くむべなるかな、こう思っていますし、一刻も早くこれが承認され、批准されることを心から願っております。特に、今回の阪神・淡路大震災の例を見るごとく、大変これは大きな意義を持つものでありますから、私といたしましても何ら異議はございませんし、これが採択には満腔の敬意を表したいと思っています。 インマルサット条約については、以上をもって終わります。 次に、日米安保条約の今後の推移と日米間の問題について、外務大臣その他の皆様方に少しお尋ねをしたいと思います。 御承知のように、きょうペリー米国防長官が来日されるわけであります。この来日の目的は、十一月二日まで長官が滞在されまして、十一月二十日に予定されるだろう日米首脳会談、すなわち村山・クリントン会談、恐らく河野外務大臣も当然加わられると思います。当面の最も重要な課題である沖縄の米軍基地の縮小の問題についても話し合われるでしょう。先般、河野外務大臣とモンデール大使との間で話し合いが行われ、御承知のように日米地位協定の中で運用改善がなされたところであります。 その問題もあるでしょうし、さらにはこの基地の縮小に伴ってトランスファーしなきゃならぬところもあるでしょう。それは日本国内のどこであるのか、あるいはどうなるか、この辺の問題もあるでしょう。それで、日米安保全般についての話し合いが私は行われると思いますが、これについて河野外務大臣に、もちろん衛藤防衛庁長官もお互いに会談を持たれるわけでありますけれども、この会談の内容について、さらに将来展望についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、ペリー国防長官は、きょうの午後来日されることになっております。お話しのように、クリントン大統領訪日を考えれば、クリントンさんが日本に来られるまでの間、恐らくクリントン政権の中で重要閣僚として最後の日本訪問、重要閣僚として最後の、一番直近のといいますか、日本訪問になるわけでございますから、クリントン・村山会談におきますいろいろな話し合いの地ならしといいますか、下打ち合わせといいますか、あるいは基本的な意見交換を私ども何人かでさせていただくということに一つはなるだろうと思います。 もう一つは、今お話しのように、在日米軍の現在直面しておりますさまざまな問題についてお話し合いをするということになろうかと思っております。過日、モンデール大使との間で私が話をいたしました問題などにつきましても、今回はさらに進んだ話し合いをさせていただげればというふうに思っております。
○笠原潤一君 河野外務大臣から今お話を聞きましたが、御承知のように沖縄でああいう忌まわしい事件が起きたわけであります。これに対して、精力的に河野外務大臣はモンデール大使とお互いにひざを突き合わせながらいろいろとお話をされ、結果としては一応はいい方向に向かっておるわけであります。しかし、これはもちろん河野外務大臣とモンデール大使との間のいわゆる政府間レベルといいますか、オフィシャルレベルの話であります。 この問題について、これがまた一つの大きな引き金となって沖縄在日米軍基地の問題に大きく発展してきたわけです。これは政府間の話であるし、オフィシャルは優先すべきであるし、それは当然であります。当時は自民党政権でありましたが、今は自民党、それから社会党、さきがけの三党で与党を組んでおるわけです。この政府間レベルの問題はもちろんでありますけれども、当然これは政治的な問題も大きな比重といいますか、大いにそれを持つわけであります。 この問題で確かに政府・与党の三党の訪問団は沖縄へは行かれました。しかし、これは結果で見るとおり、きのう行かれましたが、この問題については非常に冷厳な事実でありまして、何ら進展をしていない。沖縄の大田知事の代理署名の問題も当然のごとく、それは今なおそのままであるということでありますし、新聞報道によれば、村山総理大臣と大田沖縄県知事との間でこの打開策をと、こういうことであります。 沖縄の問題が当然一番大きな問題でありますが、同時にこの問題が発展していって、ひいては日米間に大きな問題を招来するんではないか。そのことについて、政府以外に与党三党がこの問題について特に別に米国に行くわけでもないでしょうけれども、普通はワシントンへ行って向こうの共和、民主両党の少なくとも指導者あるいは日米関係に関係のある議員と話し合いが持たれるべきであると思いますが、どうも今のところそれがない。こういうことでありますので、大変政府にとっては重荷を背負っておられるような感じであります。 最近はどうも日米間の、特に政府・与党の中のチャンネルがいま一つ欠けておるというか、何かチャンネルが失われていってしまったような感じがいたさないでもないわけであります。その点について、これは私見でありますが、そういうことがなかったのであります、今はないわけでありますから、非常に私としてはこれを危惧いたしておるわけです。この問題で沖縄与党訪問団が現地で糸口を見出せないという中で、これからこれは大変な問題であります。 そこで、私は今非常に心配されておることが幾つかあると思うんです、この問題を契機として。今、在日米軍のプレゼンスというのは極東、ファーイーストですね。これは大きな存在であり、これが非常に大きな抑止力になっていることは事実です。そのために米国は沖縄に駐留しておるし、我が国も日米の間に安保条約を結んでやっておるわけですから。しかし、この枠組みといいますかそれが崩れできますと将来的に一体どういうことが招来するだろうか、これを大変に懸念しておるわけです。 この日米会談の結果、村山・クリントン会談、その前の河野・ペリー会談を初めとしてその他もろもろの会談の中でどうも何となく、私の予感が当たるか当たらぬかは別として、米軍が、米国が沖縄に駐留しているのを一歩後退していこうじゃないかどうもそのようであって、いろいろな話の端々、新聞報道、いろんなところから情報を見てみますと、かつての日米間のようにタイトなそういうものがなくなってしまって、そろそろもう縮小イコール撤退と。 かつて長い間、フィリピンとアメリカの関係というのは特別だったわけです。にもかかわらず、クラーク、スービックから撤退いたしました。このようなことが私は起こり得る可能性があるんじゃないか、これを大変に懸念しています。一説によりますと米軍の十万人の増強という話もありますが、しかしそれ以上にアメリカは第一線を沖縄からグアム、ハワイに撤退させよう、こういう考えがあるやに聞いておるんです。 そういう点で、私はそれはある一面当たっておると思うんです。最近の日米関係というのは、かつてのようなものが感じられません。非常に日米間は冷ややかになってきています。先般の橋本・カンター会談のCIAの盗聴とか、もろもろの問題が出ていますね。こんなことがこんな時期に起こってくるというのは非常に不思議であります。 そういうことと同時に、来年は御承知のようにアメリカ大統領選挙があります。非常に大きな選挙がありますが、しかし昨年の中間選挙で共和党が上下両院で圧倒的に勝利したわけです。その内容を見れば、御承知のように共和党のリーダーである下院議員のニュート・ギングリッチ議長、この人に象徴されるように、今やアメリカの経済は御承知のように大変な時期ですから、アメリカは歳出削減をどんどんやりたい。 私は、ことしの一月にも行ってきたし、この八月にも実はアメリカへ行ってきました。前にも河野外務大臣にお話ししたように、日本で一番由緒あると言うとおかしいんですけれども、外務省にとってはメッカでもあるべきポーツマス、これはアメリカ最初の軍港です。日本に来たペルリ提督もここにおったんです、第三代司令長官として。アメリカで最初のアドミラルになったデューイ将軍もここにおったんですけれども、アメリカで一番由緒ある軍港が廃止の憂き目に遭っているわけです。車ほどさようにニューポートの原子力潜水艦の基地からずっとアメリカはもうリストラをどんどんやりつつあるわけです。 今、一番大きな問題は、アメリカの中でいかに雇用をふやすか。だから、日米の橋本・カンター会談もその時点で行われたわけです。今や日本の自動車企業はどんどんアメリカへシフトしようとしている。日本国内は空洞化してくる。これはかつてのアメリカも同じだったんですから、これはまあ同じような轍を踏んでいるんじゃないかと私は思いますがね。 そういう中で、今、アメリカがこのような状態のときに、若い者がアメリカを離れ、遠くへ行ってなぜ命を捨てることがあるんだろうか、こういうのが横溢しているわけです。今やアメリカは新しいナショナリズムが生まれてきていると言われています、新しい保守主義といいますか。もともとアメリカはモンロー主義、孤立主義の国ですから。そうなってきますと、アメリカの世論は、沖縄を契機として、今やそろそろもうそれじゃ見直そうじゃないか、こういう時期に立ち至っているんではないか、こんな気がいたさないわけではないわけです。 その点について河野外務大臣、この日米安保を村山総理大臣は堅持と言っていらっしゃる。皆さんもそう言っている。しかし、個々別々の話になってくるとどうも話が違ってきて、お互いにもうそれを解消と言わないまでも、非常に大きな問題が今露呈しつつあるということを私は感ずるんですが、河野外務大臣、ひとつその点について所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日米安保条約というものを日米両国がどう評価するかということは大変重要な問題でございます。 先般、ニューヨークにおきまして2プラス2、私と衛藤防衛庁長官が出まして、先方はクリストファー国務長官とペリー国防長官のお二人が出席をされまして2プラス2の会議を開きまして、そこで過去一年間いろいろと討議を積み重ねてきたことをベースにして話し合いをいたしました。今後の日米安保体制というものをどういうふうにしていくかということについて議論をして、日米安保条約の再確認、これからもこの日米安保条約はお互いにとって極めて重要なものだということの再確認をしたわけでございます。 このことは、戦後五十年という一つの節目ということもございます。と同時に、両国それぞれこの安保条約について、冷戦後の今日、改めてこの安保条約というものがどういう意味を持つかということをお互いに話し合って、合意できるところで確認をしようということであったわけです。 今、笠原議員がお話しになりましたように、アメリカ国内にもさまざまな議論が正直ございます。これは国防予算をめぐる議論もそうです。あるいは国際環境についてのさまざまな認識もあると思います。こうした議論がとりわけ共和党の中にある。アメリカはああいう国でございますから共和党の中にも民主党の中にもそれぞれ自由な認識と議論があって、自由闊達な議論が議会を場にして行われることもあるわけでございます。 あるいは、御承知のとおり、アメリカにはさまざまな研究所、チャルマーズ・ジョンソンでありますとかケイトー研究所でございますとか、こういった研究所はそれぞれこの安保条約については独特の意見を述べておられる。しかし、我々はこうした意見も十分注意深く見てはおりますけれども、これらの議論はアメリカ国内でもややユニークな議論で、決して多数派であるというふうには私は思いません。しかし、こういう議論があるということも我々は知らなければならないと思います。 しかし、アメリカの多数派あるいはアメリカの国際的な認識あるいは考え方を集約して考えているところによれば、やはりアメリカの日米安保条約に対する重要性、重要だという認識は評価を受けているというふうに思います。そして、日本を含むアジア・太平洋地域に対するアメリカの関心の大きさ、これはこの地域の平和を維持し、そして経済的な発展を支える、そのことがひいてはアメリカにとって極めて有益であるという認識と同時に日米関係を重要視する。こういう見方というものは、アメリカではやはり非常に強い支持を受けているというふうに私は思います。 他方、我が国においてはどうかということになりますが、我が国におきましても多くの人たちが冷戦時代、当時ソ連あるいはそれに連なる東側諸国の攻勢を考えたときに、日米安保条約がそういう中で日本の平和と安全を守るという大きな役割を果たしてきたことは疑いのない事実であろうと思います。そうした冷戦が終えんをした今であっても日本を取り巻く周辺の国際状況の中にはまだ不透明な地域もある、あるいは将来その動向によっては我が国に大きな影響をもたらす、そういう周辺状況もある。さらには、アジア・太平洋地域の平和と安定というものがやはり我が国の経済にも大きな影響を与えるということも考えれば、日米安保条約はこれを堅持すべきだというふうに考えることが妥当であろうと私は思います。 ちょっと話が長くなって恐縮でございますが、その逆な見方からいって、それではもし日米安保条約というものがなかったらどういうことになるか。日本の国の安全は自衛隊のみによって一体保障されるか。決してそういうわけにはいかないでしょう。国際的に見て恐らく今これだけの国が一国で自国を守り切るというような考えを持っている国はそう多くはないのではないでしょうか。 やはり日米安保体制というものが重要だ、さらにはアジアの周辺諸国の日本を見る目というもの、日本が再びそうしたきっかけで軍事力を増強して軍事大国になるということに対する受けとめ方というものを考えれば、我々が今、日米安保体制を維持、堅持していくことが最も賢明な選択であるということは正しい判断であろうと、やや我田引水でありますが、そう私は思うわけでございます。この双方の考え方から2プラス2におきましても日米安保体制を引き続き堅持する、日米安保体制の持つ意義を再確認するという合意ができたという状況でございます。
○笠原潤一君 今、河野外務大臣の所信の一端をお聞かせいただいて、河野外務大臣はそう思っていらっしゃるし、日本の大半もそうだと思うんです。しかし、私は今までと同じようなやり方でこの関係を続けていったら、日米関係は非常におかしくなっていくと思うんです、実際の話。我々はそう思っているけれども、果たして本当に向こう側はそう思っているだろうか。 今、外務大臣は、そういう意見もある、それはマジョリティーじゃないとおっしゃったけれども、今やアメリカは、あちこち私が回って歩いてみるに、そういう機運がどんどん横溢していっている、中産階級は非常に保守化してしまっている。 それからもう一つは、七〇年以降、御承知のように、大体ジョン・F・ケネディが出たころからアメリカというのは国際中心主義になっていったと思うんです。インターナショナリズムが横溢していたと思う。しかし、それがどんどん膨張して、結果的には国内でいろいろな問題が起きてきた。それに対して日本も戦後五十年いろいろなことがありましたし、アメリカも五十年の、戦後のいわば半世紀を経てきている。極端なことを言うとニューディール型、連邦政府主導、連邦政府偏重、巨大な連邦政府、大きな政府。しかし、今やアメリカは地方分権。大体今度出た議員さんの多くが共和党、民主党を問わず地方分権型です。アメリカはそういう風潮が非常に大きくなってきた。特に中産階級がそういう形になってきていることは事実なんです。 我々は安保を堅持したい、それは我々のいわば一方的な思いのようで、向こうの方は先ほど言ったように反対と。どうもそのような考え方が横溢しているし、アメリカの外交政策そのものの尺度も変わっている。アメリカは世界の自由主義のチャンピオンであって、将来的にはそういう意味で海外へ出ていろいろなことをすることがアメリカにとって非常にいいことであるし、アメリカがそのことを担わなかったらだれが担うんだという自意識過剰もあったでしょう。しかし、それがどんどんしぼんでいっている現状です。そこら辺のニュアンスが随分変わっているものですから、私は大変に心配をしているわけです。 そして、今、大臣おっしゃったように、日米安保がどんどん後退していくならば、北東アジアの脅威は今なおふえているわけです。例えば、中国の軍拡路線はどんどん進んでいますね、これは実際の話が。核実験もやっている。この間の米朝の軽水炉の問題も発展しない。そして北朝鮮と韓国の間には今なお大きな、いやそれ以上に、今はむしろ前以上に大きな緊張が生まれてきつつある。この状況の中で、もしもアメリカの世論を背景にしてそういうことがだんだん行われていくことになれば、これは本当に大変なことになるだろうと私は心配します。今、大臣はそうおっしゃっていますが、我々はそう受けとめておるけれども、アメリカでは必ずしもそう受けとめていない人が多くなりつつあるということもこれは大いに認識してもらわなきゃいかぬ、こういうふうに私は思っています。アメリカではいろいろな意見があるとおっしゃいましたけれども、今はそういう時期になっている。 かつて日米開戦のときも、アメリカの中ではモンタナ出身のラーキンという女史がおられまして、この人は堂々と反対したんです、日米開戦に。こんな人は珍しいけれども、最後は御承認いただいたわけです。アメリカにはそういう地方分権、地方重視主義というのがどんどん今ふえつつあるということもひとつ御認識いただきたいと思います。 時間がございませんから、もっと本当はいろいろ論議を尽くしたいわけですけれども、残念ながらこの問題に終始してしまって、本当を言えばAPECの問題、御承知のように間もなく大阪でAPECが開かれます。これはシアトル、ボゴール宣言を踏襲してとおっしゃいますが、台湾の出席の問題もいろいろありまして、外務省は今かたくなに台湾の出席を拒否しておられます。しかし、台湾というのは二千万人の人口と五千万人になんなんとする華僑の皆さんがいらっしゃるわけですから、そういうものを果たして無視していいかどうかというようなことを私は非常に心配しているんです。 先般、私は岐阜へ帰りまして岐阜の新聞を読んだら、この中で非常にユニークなことを書いていらっしゃる人がおりまして、台湾のことを大変に心配していらっしゃる人がいるんです。それで、台湾という国と日本という国の関係、そして台湾が出てこないことに対する違和感を持っていらっしゃる人が日本に随分多いわけです。政府とかそういう人は今までのいろいろなことを知っていますけれども、日本国民の大部分は、それはおかしいじゃないか、あれだけの経済力があって日本に次いで世界第二位の経済大国を一片のそれもなしに招待しないし、何かその間にいかにも国際的なわだかまりがあって、これは非常におかしいと思う人も随分多いんです。これは単に政治家とか政府とかいうものじゃなくて、一般国民の中にも非常に私は多いと思うんです。特に日台の関係というのは、民間レベルでも経済交流でも物すごく大きいわけですからね。これを無視し得るかということは、私は本当に将来大変なことだと思うし、できないと思うんですよ。 だから、前に河野大臣にもお話ししたように、中台の問題はいずれだれかが中へ入らなきゃならぬわけです。それはやはり日本が本来的な意味で、いわゆる向こう三軒両隣じゃありませんけれども、日本と台湾、中国というのは同じ一衣帯水の仲ですから、これはやっぱり腹を割って話さなければいかぬ時期にもう来ていると私は思うんですよ。そういう点もひとつ御認識をいただきたい、こういうふうに思います。 時間がございませんから、またいずれの日にか大臣と、また皆さんと話し合いたい。たくさん問題がありましたけれども、時間が終わってしまったのは残念に思いますが、以上をもちまして私の質問を終わります。
○畑恵君 平成会の畑でございます。 まず冒頭に、新人にもかかわりませず早速に質疑の機会をいただきましたこと、先輩の皆様、そして大臣、また政府関係者の皆様に厚く御礼申し上げますとともに、どうぞ今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます。 では、まず本日の議題でありますインマルサットに関する条約の改正について一つお伺いさせていただきます。 私もこのインマルサットの陸上移動通信への提供というのは本当に大賛成でございます。私ごとでございますが、つい先日まで報道に携わる仕事をいたしておりました。湾岸戦争などもその中で扱いまして、CNNが使っていましたポータブルの移動地球局、ランドモーバイルですとかそうしたものの利便性ですとか威力の大きさというのは痛感しておりますし、また大きく期待しております。 ですから、この改正自体については大賛成でございますけれども、だからこそ疑問に思いますのは、先ほど笠原先生の方からもお尋ねがございましたが、一九八九年一月の総会で採択されたこの改正をなぜこれまで、九七年でございましょうか、日本が受諾してこなかったのかということです。G7で日本だけがしてこなかったわけですので、何かしらそこに理由があるのかなと思ってしまうんです。繰り返しになるようでございますけれども、なぜこれほどお時間がかかったのか、そこの一点に限りまして御説明いただけますでしょうか。
○政府委員(河村武和君) 先ほど笠原先生に対して御説明いたしました内容と基本的に変わることを申し上げる状況にはございませんけれども、一番基本的な状況といいますのは、我が国が条約を締結いたします際に、条約の目的でありますとか意義でありますとか内容、それからその必要性、国内法制との整合性、こういうものをいろいろ勘案いたしまして政府部内で検討を行うわけでございます。政府部内全体の意見が、締結が適当である、かつ問題がないというものについては、その締結について国会に承認をお願いしてきているという状況でございます。本件についてもそういうような観点から検討をしてまいりまして、今次国会で承認をお願いするということにした次第でございます。
○畑恵君 七年間本当に慎重に御検討なさったということでございますので、わかりました。 ただ、私ちょっと個人的に調べさせていただいたんですけれども、一九八七年から八八年にかけまして、つまりこの改正が採択される一、二年前でございますが、日本では実験用の通信衛星ETSVを用いましてさまざまな機関が民官共同で実験をいたしていらっしゃいます。既にこのときランドモーバイル、ポータブルの移動地球局、こちらの技術は十分に実用に入れる段階に達していたということを、このランドモーバイルの開発に当たられた方から私は直接伺いました。ですから、その方がおっしゃるには、陸上移動通信が早目に使用が認められていればもっと早くこのポータブル移動地球局が日本でも普及していたんではないかという、そういうお考えがございました。 ただ、日本独自の衛星の開発が一定段階に達するまで、それとインマルサットというのは当然競合いたしますので、そういうことを考えられて、国益重視ということでこのインマルサットの陸上使用に対して余り前向きに、急いで検討なさってこなかったのではないかなというふうにちょっと推測するところなんですけれども、そういうことはございませんでしょうか。
○政府委員(河村武和君) 今、畑委員が御指摘のようないわゆる人工衛星が打ち上げられたということは事実でございますけれども、外務省といたしましては先ほども申しましたような観点から検討をしてきたわけでございまして、そういう意味で本件条約の受諾を外務省としておくらせたというようなことはございません。
○畑恵君 ないということであれば私の邪推だったと思いますけれども、ただ、世の中の動きというのは大変速うございますし、特に情報通信の分野というのは日進月歩で進んでおります。そうした中で、やはり丸々七年御検討なさるというのはやや度重過ぎるのではないかという気がいたしますので、時代に即応した御対応をよりをされることを私は期待いたしております。 それでは、インマルサットに関する御質問はここまでにいたしまして、一般質疑に移らせていただきます。 先ほど笠原先生からも御指摘ございました日米関係でございますけれども、やはり大変揺れておると認識いたして、私も若輩ながら大変心配いたしております。沖縄基地問題はもちろんのことですけれども、日米自動車交渉におけるCIAによる盗聴疑惑、そして経済部門では大和銀行ニューヨーク支店でのアメリカ国債の不正取引によります巨額損失事件など、日米双方に相手への不信感を助長させかねない出来事が立て続けに起きて、緊張が高まっていると思います。 そうしたさなか、先日、首相は国連創設五十周年の特別会合に出席なさいまして、通例でございましたら日米首脳会談、こういう緊張感が高まった時期ですのでお顔合わせをなさるのかなと期待しておったら行われなかったと。私も新聞を拝見した程度でございますけれども、日米首脳会談を申し込むことさえもなさらなかったと伺っておりますけれども、この時期になぜお顔合わせが持たれなかったのかということについて御説明をお願いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 州議員が御指摘になりましたように、確かにこのところ日米関係で具体的に幾つかの問題が立て続けに起こっております。こうした問題が起こっておりますときには日米はできるだけコミュニケーションをしっかりやらなければならない、それはもう御指摘のとおりだと思います。 ただ、例えば大和銀行問題については武村大蔵大臣がアメリカと直接話をいたしましたし、沖縄問題ではニューヨークでクリストファー国務長官あるいはペリー国防長官と私も話をいたしました。あるいは衛藤大臣もニューヨークで直接話をしております。CIAの問題につきましては、私が戻ってきてしまった後起きた問題でございますが、これらにつきましても在日アメリカ大使館を通じてこの問題については話をしております。 私は、これら個別の問題についてはそれぞれ所管の責任者が話し合うということがまずあって、しかし最終的にはトップが話し合うということが重要だということは論をまちません。 村山・クリントン会談というものは御案内のとおり十一月二十日に行われるわけで、これはかなりゆっくり時間をとって会談も行われる。あるいはその他食事の場もあって、食事の場というのは少し御無礼な言い方かもしれませんが、認識についての意見の交換は相当時間的にもたっぷりできるということがこの二十日にあるわけです。いや、二十日じゃ遅いというおしかりをいただくかもわかりませんが、当面の問題については外務大臣、大蔵大臣、防衛庁長官がそれぞれアメリカのトップと話し合っておりますし、日米首脳会談はニューヨークで短時間行うことよりもクリントン大統領の訪日の折に両国首脳がしっかりと会談をする、それまでに両国は十分準備をし、状況を整えてしっかりやっていただくということがいいという私の判断でございました。 ニューヨークにおきましては、御承知のとおり、国連五十周年の記念式典ということで各国の首脳が大変な勢いであそこに集まったわけで、式典もある、それからクリントン大統領御自身の演説もある、村山総理御自身の演説も行うということもあって、もし日米首脳会談を行うとすればもう少し、もう一日前か後か日程を余計とらなければ物理的にも困難であろうと思いました。ただ、国会の日程その他もあって、総理御自身のお気持ちもあって、結局ニューヨーク滞在はたしか二十数時間という非常に短い滞在になってしまった結果、物理的にもそれは非常に難しいという状況から、こちらから申し込みをしないという判断をいたしました。
○畑恵君 確かに二十八時間しかいらっしゃれなかった、スケジュールが非常にタイトであったということは伺っております。そうでありましたならば、確かにオフィシャルな日米首脳会談という形に至らずとも、人間対人間という形でお顔合わせはできたのではないかと思います。 といいますのは、私はそういう高級ホテルは存じ上げませんが、ウォルドルフ・アストリア・タワーという、恐らく河野大臣はよく御存じで、中の構造も御存じだと思うんですけれども、そちらに首相とクリントン大統領は同宿であった、恐らくエレベーターを上下すればお会いになれた、そういう状況にいらっしゃられましたならば、こういう状況の中で、お会いになったことよりもお会いにならないことの方が大きく取りざたされてしまうようなときでございますので、オフィシャルでなくてもお会いになった方が自然だったのではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 確かにホテルは同じホテルでございました。 ただ、アメリカの大統領がホテルに泊まるというのは実はそう簡単なことじゃございませんで、私どもも同じホテルに泊まることがございます、私はそういう場面に出くわしたことはございませんが。同じホテルに大統領が同宿をいたしますと、大統領の動きによってはホテル周辺は全部交通遮断になります。日本の国ばかりではありません、同じホテル、周辺ホテルにおります各国の首脳、元首の方も一時的には交通遮断でとめられてしまう。それから、エレベーターもその間は全部使用はできないというようなことで、たまたまエレベーターに乗ったら一緒に乗り込んだというほど簡単なやりとりにはならないという状況がございます。 セキュリティーの関係その他も非常に厳しくて、さらには恐らく大統領の日程はもう分刻み、もちろん村山総理がニューヨークへ行かれても分刻みになりますけれども、そうした分刻みの日程は、事務方は、エレベーターはなるべく一緒にならないように時間をずらすとか出入りも時間をずらすとかという相当細かいロジスティックな作業をいたしまして宿泊をするということで、同じホテルにいても同じ町にたまたまいたという程度の距離感を我々は持っております。 しかし、こんなことを申しましても、恐らく多くの方々は議員と同じような感じを持たれることだろうと思います。我々としては、来るべき東京におきます首脳会談で両国首脳が思い切って突っ込んだ話し合い、さらには十分双方が理解できるような話し合いが持たれてニューヨークの分を取り返すというふうにしてほしいものと思っております。 ただ、村山総理は総理大臣になられてから一年四カ月になるわけですが、ちなみにこの間に大統領との首脳会談は、ナポリ、ジャカルタ、ワシントン、ハリファクスと四回の首脳会談がございます。この四回の首脳会談はやはりかなり回数も頻繁な方ではないかというふうに私は思っておりまして、今度の東京での首脳会談を入れて五回目の首脳会談ということは、その都度その都度がなり内容の濃いものでございますだけに、両首脳の意思の疎通は十分できているというふうに考えます。
○畑恵君 それだけ数多く会っていらっしゃるということでございますけれども、ロン・ヤスというふうに呼び合うような仲までとは申しませんが、やはりとまっているエレベーターを動かしてまでお互いに会えるような、そういう仲になっていただきたいものだと期待しております。 そして、これは一部報道の中で伝えられていることですので、私はそうは理解しておりませんので、そうでないということであればぜひそれをおっしゃっていただきたいんですけれども、外務省の御担当だった皆様なんですけれども、いろいろな憶測が飛ぶ中で、やはり地位協定の見直しですとか米軍基地の縮小論あるいは米軍本体の削減まで踏み込むようなそういう意見が官邸側から聞こえてくると。そうした中で、つい先日まで、五十年近くずっと日米安保に対して懐疑的という首相が今回もしお会いになった場合に、そうした縮小論について積極的発言をしかねないのではないかそういうことを危惧して外務省筋の方が会わせなかったのではないかというような、そういう報道もございますけれども、これはそういうことではないと理解した方がよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) そうしたことはございません。村山総理御自身、安保体制堅持ということを非常にはっきりおっしゃっておられますし、繰り返しになりますが、恐らく東京でクリントン大統領とお会いになる際には、そうした安保体制堅持というお立場で議論をなさるというふうに思っております。
○畑恵君 アメリカのペリー国防長官が本日来日なさって今回は首相とも会談なさるということでございますし、またそのときにいろいろな方々と御親交を深めていただければと思いますので、期待いたしております。 さて、一応こちらのお話はここまでといたしまして、もうちょっとニューヨークでの首相の動きにつきましてお尋ねさせていただきたいんですけれども、クリントン大統領ともお会いにならず、シラク大統領とも結局お会いになれず、唯一中国の江沢民国家主席と個別会談をなさっていらっしゃいます。そこでのやりとりを私も新聞で抜粋ですけれども拝見いたしたのですけれども、非常に中国に優しい発言をなされているようでございまして、さすがに優しい首相だなと思うのです。 特に核実験の項目で、毎日新聞十月二十三日付でございます。ちょっと読み上げさせていただきますと、首相のお言葉で、「貴国の核実験停止を再度強く求めたい。日本の援助は国民の税金から成り立っており、国民の理解が必要。しかし、この問題を経済と絡めて解決する考えはない。(中国は経済と政治を絡めているというが)無償援助(の原則凍結)と経済援助一円借款)を混同しないでほしい。」、こういうお言葉を述べられたことによりましてこれは当然、これをどう解釈するかというと、核実験と対中の円借款を結びつけないという言質を村山首相が中国に与えたということでございますね。 これまでの経緯を拝見いたしておりますと、例えば八月末の与党の外務調整会議では円借款の削減にも踏み込むべきだとする意見も出されて、これに対して核実験など中国の今後の動向を見きわめながらそのあり方を改めて検討する、こういう形で合意するというふうに伺っておりました。それが今回、対中円借款は続行するというような、そういう言質を村山首相が与えたというのはどういう経過でございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 村山総理はニューヨーク滞在中、江沢民さんとお会いになりまして、そのときには幾つかの問題について話をしておられます。日中関係全般について、あるいは核実験について、さらにはAPEC大阪会合について、幾つかのテーマで話をされたわけでございますが、核実験につきましては、村山総理は非常に強い調子で江沢民主席に核実験が行われたことは極めて遺憾であるということを言っておられます。そして、核実験の停止を再度強く求めると同時に、今次国連総会で核実験停止決議案の提出を準備中であるということを言われたわけです。と同時に、無償資金援助を一部を除いて核実験を再び行わないというときまで凍結するという我が方の考え方に基づいて、無償資金援助は一部を除いて行いませんということを言われたわけです。 このことは、無償資金援助を一部を除いて行わないということは、我が国の核実験停止に対する一番強いメッセージというふうに我々は考えておりまして、これはもう核実験の停止を求めますという強いメッセージと考えて我々はそういうことをやっているわけで、そのことを総理は言われたわけです。これは核実験の問題です。 他方、円借款の問題については、自民党の外交三部会の中で、あるいは与党三党の議論の中で、中国の核実験に対して我が国の強い姿勢を示せというお話がありまして、それに対して今申し上げた無償資金援助を一部を除いて凍結しますということにしたわけですが、そのときに同じように円借款についても非常に強い議論がございました。 強い議論がございましたけれども、私どもとしては、つまり政府としては、日中関係というものを考えると、これはこれで、円借款は円借款として別に考える必要がある。中国が安定をする、あるいは中国が発展をするということはアジアの平和、安定というものにとって非常に重要なことであるし、日中関係の重要性を考えれば、我が国はかねてから中国のいわゆる改革・開放路線、中国が安定して発展していくということを支持するという我々の姿勢、これは我々として引き続きやっていきたいという気持ちを説明し、与党内部にはいろいろな議論、これはやってはならぬという議論もあるし、これはこれとしてやるべきだという議論もあって、やるべきでないという強い意見もあったけれども、結論としては、中国に対しては一部を除く無償資金援助を凍結するということを決めて、円借款についてはこの際はやめるということは決めないということになっているんです。 したがって、そうした与党の意見、それから政府のこれまでの考え方に基づいて、総理は中国側に対して、円借款についてはこれまでどおり日中関係の重要性それから中国の将来というものを考えれば引き続きやりますよということを言われたわけです。 ちなみに、中国に対する円借款はこれを行うということをきょうの閣議で決めました。中国に対して一九九五年度の円借款として約一千四百十四億円を上限とする円借款を供与するという決定をけさの閣議でいたしたところでございます。したがいまして、総理の江沢民主席に対します説明は我が国の、もちろん村山政権の考え方そのものであるというふうに思います。
○畑恵君 きょうお決めになったということで、ちょっと時間的に前後という問題で、どこでそれが決まったかというところがまだ疑問が残るところでございますのと、先ほどの河野大臣のお言葉の中にやめるということを決めなかったというお言葉があったので、やめるということを決めなかっただけで、そのままずっと円借款は大丈夫ですよということをお決めになったということではなかったようにこちらとしては理解いたします。 というのは、無償資金凍結を決定したということで核実験に対して既に十分抗議をなさったというふうにおっしゃいますけれども、これは決定というのが出た時点で、そこで一つそれぞれのポジションが決まって、そこからさらに、円借款をひょっとすると見直しするかもしれないというのを交渉のカードとして持っているかどうかということが今後の、中国はすぐ隣国ですので、その核脅威を抑止する重要な材料だったと思うんですけれども、それをそのまま何のバーターもなくすっと相手に渡してしまったという、そういう交渉姿勢というのは私はいかがなものかなと思うんですけれども、河野大臣はいかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど申し上げました円借款はあくまでも一九九五年度分のものでございまして、これから先ずっと決めたということではございません。 さらに、与党の外務調整会議の御議論の結論は、円借款について、これを通して中国の改革・開放政策を支援することの基本的な重要性を認めつつも、日中間の総合的関係を踏まえ、例えば核実験の問題その他ですね、今後の動向を十分注意深く見ろと、こういうことが外務調整会議のお話でございました。 私どもも日中関係を総合的に見ていく必要がある。確かにODA大綱というものもありますし、その中ではこうした問題についてはいろいろと書いてありますけれども、それらも含めて総合的な判断をする必要があるということでございます。 それで、外交のカードとしていつこれを使うかという問題は、まさにこれは外交上の問題で、日中関係のさまざまな現在の動きなどを判断して適当と考えて、私は今判断をしたわけでございます。
○畑恵君 ありがとうございました。 実はこの後、先日、武見先生が御紹介なさいました日経新聞が行った世論調査の結果、日米安保解消論というのが維持派から転換して非常にふえているという、この問題について少々伺わせていただこうと思っていたんですけれども、やや時間が迫ってまいりました。 いずれにしましても、この世論調査の結果を見ますと、やはり若年層とあとは主婦層に維持派から解消論になられた方が多い。これを見ますと、日米安保について本当に基本的な理解が果たしてあって安保論議という中で解消を言っているのかというところがございますので、やはりこの時期、改めて日米安保条約はどういうものなのかを広く国民に理解させる、してもらう、そういう広報活動が必要、また教育も必要だと思うんです。 きょうは文部省の方にもおいでいただいていますので、外務省の広報担当の方と文部省の方と、お時間大変短くなって恐縮ですけれども、お願いできますでしょうか。
○説明員(富岡賢治君) 現在、国の教育課程の基準でございます学習指導要領におきましては、我が国の安全に関しまして、中学校の社会科の公民的分野におきまして我が国の安全と防衛の問題について指導することとしております。また、高校におきましては、公民科の現代社会や政治・経済というところで我が国の安全保障と防衛につきまして指導することとしておりまして、これらの中で日米安全保障条約についても取り扱われているところでございます。さらに、高校の日本史におきましても戦後の世界の動向について指導することとしておりまして、これにかかわりまして日米安保条約についても取り扱われているところでございます。 学校教育におきまして、我が国の安全と防衛の問題につきまして適切な指導がなされますよう今後とも配慮してまいりたい、そのように考えております。
○政府委員(折田正樹君) 畑委員御指摘のとおり、広報活動というのは非常に重要だろうと思います。外務省といたしましても、いろんな知恵を出して広報活動に努めたいと思います。 これからクリントン大統領が来られたり、いろんな意味で国民の注目を集める機会があるだろうと思います。そういう機会も通じて、それだけでは私は足りないと思うんですが、本当に基礎的なところで理解をいただく。その理解をいただいた点を踏まえて国民的に議論をしていただくということが日本の将来の安全保障の問題を考える上で、これは賛否両論恐らくあろうかと思いますけれども、国民の間で論議をしていただくということが私は極めて大事なことだろうと思っておりますので、外務省としても全力を挙げたいと思います。
○畑恵君 ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○川橋幸子君 社会党の川橋でございます。外務委員会は初めてでございますので、よろしくお願い申し上げます。 インマルサット条約については、前のお二人の委員も質問しました同じことをまた繰り返し質問させていただきたいと思います。私の場合の聞き方は、七年弱でございましょうか、なぜこれだけの期間がかかったのですかと、こういう聞き方をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 私も、けさお二人の方から質問をいただき、また今御質問をいただいて、横におりまして七年というのはやはりいかにも長過ぎるというふうに率直にそう思います。 条約はできるだけ早く国会で御審議をいただくというのが当然のことでございまして、若干数が多くて前がつかえていて時間がかかるということが時によってあるかもしれません。しかし、それとて七年も順番待ちでおくれるというのは、先ほど州議員からもお話があったように、この手の問題でありますだけに大変おくれたように私は思います。 なぜこんなに遅くなったのかには、それは説明をすればいろいろ理由はあるのだろうと思いますが、条約についても今後できるだけ早期に国会に批准のお願いをすることに努めたいと思います。 国会におかれましても、ぜひひとつ早急な御審議をお願い申し上げたいと思います。
○川橋幸子君 議員の方からも要請がなかった、議員の方もよく勉強しておらなかったということもあるのかもわかりませんけれども、外務省、政府あるいは議会もこれから努めるということですね。 それでは、きょう質問させていただきたいことはやはり沖縄問題でございます。そちらの方のお話に移らせていただきたいと思います。 質問をする前に、これからのスケジュールを新聞等で得ております情報からちょっと申し上げてみたいと思います。もしどこか誤りがありましたら、後ほど訂正して教えていただきたいと思います。 まず、きのう与党調査団、私はその一員といたしまして沖縄に行ってまいりました。早朝から夜遅くまで大変長い一日を過ごしてまいりました。沖縄側の意向を十分受けとめる、与党が一体となって受けとめる、そういう目的のために行ったわけでございます。 新聞等でその沖縄の意向が三点にまとめられております。皆様御存じかと思いますが、まず一点目は、大田知事としては今回は代理署名をしないという強い意思をお持ちだということが一つ。それから二点目は、日米地位協定の十七条だけではなくて全面見直しを求めたいということであります。三点目が、基地返還につきましては言葉だけではなくて具体的なアクションプログラムをつくるように検討してほしい。簡単に言いますとこのような三点であったと思います。報道されたことは誤りなく、そのとおりであると思います。 こうした結果は、きのうの夜のうちに総理官邸にこの与党調査団の三党の座長が報告に参りました。大臣も同席してお聞きになっていらしたのかどうか。そういうことがございまして、きょうじゅうに与党案を何とか三党すり合わせてまとめの作業に入りたい、三党の方はそのように考えているわけでございます。そのように総理からも指示があったらしいと、私もその場におりませんでしたのでそのように申し上げるわけでございますが、与党案のまとめの作業が始まる。 それから明日は、来日されるペリー国防長官、モンデール大使と河野大臣、衛藤防衛庁長官、2プラス2と、またこのように申し上げるのかどうかわかりませんが、その場で基地の整理縮小について何らかの話し合いが行われる、そういう一つの場が持たれる。それから明後日、十一月二日でございますけれども、今度は与党三党首と幹事長、書記長、関係閣僚が入りまして日本政府としての最終的な意思決定の場が持たれる。そして、十一月四日に村山・大田会談が持たれて、そしてその後、APECの後の十一月二十日に日米首脳会談と、このような予定、スケジュールになっている。いずれも新聞報道でございます。 事実の部分と新聞報道の部分とプラスして申し上げましたけれども、まずこの理解は誤りがないのでしょうか。
○政府委員(折田正樹君) 私は政府の事務方なものですから党の動きを詳細に承知しているわけではございませんけれども、大体今、先生の言われたような流れではないかなと私も伺っております。 ペリー長官はきょう来日されます。そして明日、河野大臣それから衛藤防衛庁長官と会われることになっております。他方、あしたは国会の御日程がいろいろあるように伺っていまして、そこをどう調整するかで今鋭意検討しているところでございますが、国会の事情がうまくいけば総理大臣のところへの表敬ということも検討中でございます。
○川橋幸子君 さて、今非常に日米関係が重要な時期にあるわけでございます。大臣も再三この場で説得力あるお話をいただいているわけでございますけれども、そういう大事な時期、非常にこの一週間は大事な週になるのかなというふうな感じがいたします。 昨日沖縄に行ってまいりましたと申し上げました。自民党、社会党、さきがけ、三党から座長が出ておりまして、自民党三人、社会党三人、さきがけ二人、こういうメンバーで行ってまいったわけでございます。新聞等にもある程度詳しくは述べられておりますけれども、この場をかりまして沖縄側の意向をお伝えするのが私の義務かなというふうにも思います。参議院から参りましたのは私一人でございました。 先ほど三点の沖縄の意向を取りまとめて申し上げましたけれども、そういう意向をお話しになられます前に、大田知事として今回このように決断せざるを得なかったといいますか、このように意思を固めてきた心の中の整理を非常に淡々と私ども調査団の方に述べてくださったわけです。心の中というと非常にウエットな表現になりますが、知事の頭の中では論理的な思考として整理されたその結果の意思だということであろうと思います。私としましても大変感銘いたしました部分が多かったものですから、ぜひお伝えさせていただきたいと思います。 まず、戦後五十年ということが、ことしはここ東京でもといいますか日本全体でも、あるいはそれこそ国連を舞台にした地球規模でも五十年目というのは非常に大きな歴史的な節目になるわけでございますが、沖縄でもこの五十年目の節目というものを非常に大きくとらえておられる。そして、過去を振り返ると同時に、これから二十一世紀に向かって沖縄の未来をどう築いていくのだろうか、築けるのだろうか、こういう議論が真剣に庁内でも話し合われていたということが一つある。 それから、受けとめ方がちょっと私個人は間違っていたのではないかということで反省した点でございますけれども、日米安保条約の重要性、必要性、これは沖縄側も否定するものではない、大事なものだと思っている。だけれども、ナイ国防次官補でいらっしゃいますか、東アジア戦略が出てナイ・イニシアチブが出たときの受けとめ方がやっぱり沖縄ならでは、基地を抱えている沖縄の人たちであるからこそ非常に深刻に受けとめた部分がある。 どういう意味がといいますと、今までは日本の国防を肩がわりしてやる、あるいは極東地域の国防を集団的に安全保障しましょうと。それがファーイーストどころかミドルイーストまで非常に広がって、世界の先端基地としての役割を一挙にこのナイ・イニシアチブで沖縄が担わなければいけないことが将来に向かって固定化されてしまうのではないか、そういう非常な危惧感を持ったということでございます。 それから、大田知事さんとしては前回の選挙のときに、代理署名はしない、強制使用についての署名はしないというふうに公約されたのだそうでございますけれども、前回は公約に反してと御本人みずからおっしゃっておられましたが署名なさった。ですけれども、次回はうんと真剣に考えると厳しい状況になるかもしれないということを前々から、日本政府という言い方は変でございますけれども、政府関係者には伝えてきてあったはずだと。非常に突然、突如心変わりされて代理署名、国の方針に逆らうということをやっていらっしゃるわけではないということを淡々と言われたわけでございます。 それで、新聞等でよく引き合いに出されますのが、最後にやはり御自身の言葉で言っていらっしゃいましたけれども、安保が必要だというのならなぜ自分の県に引き取ろうという政治家がいないのか、なぜ沖縄がそれを引き受けなければいけないのかということが一点でございました。 それから二点目は、これも何回も言われたことで、この場でも話題になりまして大臣から御答弁もございました。誤解もあるのでございましょうけれども、アメリカ側は日本政府が要求すればいかなる提案も検討する用意がある、日本政府からこのところは要求はなかった、提案はなかった、沖縄問題というのはむしろ日本の国内問題なのではないかと、そのようなニュアンスの発言があることに対して、知事としては、基地に対するさまざまな思いのほかに日本政府、政府というと変ですね、本土というのも変でございますけれども、やはり中央政府に対する沖縄の、説明してくれない、情報が来ない、言ったことをよく代弁してくれないというようなそんないら立ちがあることが淡々と述べられたわけでございます。 雰囲気は別に敵対するとかそういうことではなくて、沖縄の方もわかってほしいという気持ちだっただろうと思いますし、私どもも知りたい、あるいはここで会話の余地があって打開の余地があるならそういうところに落ちつかせたいというような気持ちもございましたけれども、今回はともかくその言葉を聞くことでいっぱいだったわけでございます。 前段が長くなりましたが、以上のような前段できのうの訪問団があったわけでございますけれども、やはり中央政府と地方政府、あるいは政府と国民、これは日本の国だけではなくて、日米安保条約はアメリカはアメリカでアメリカの国民に対して説明し納得させる、そういう努力が必要だろうと思います。こういう意味の、何か今までのコミュニケーション不足というんでしょうかこのようなお話は前のお二人の質問者の中からも出たかと思いますが、安全保障とか外交とか防衛とかということについては、代理署名の手続の話ではなくて、ごく本質論にやっぱり立ち返って再度議論する必要があるのではないかと思います。議論すると寝た子を起こすというような感じがどうも今まではあったような気がいたしまして、それは私自身、一人の議員としての反省事項でもありますが、そのように思います。 質問が大変長うございますけれども、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 私も、沖縄県民の中にはいろいろな意見があって、基地撤去、基地全面撤去、あるいは安保廃棄とおっしゃる方もあれば、議員が今お話しになりましたように、安保条約それ自体については理解があるけれども、しかしそれにしても基地が七五%も沖縄に集中していることが問題だという御意見もある。それはいろいろな意見があるんだろうというふうに伺っておりました。 先般の沖縄の七万人ですか八万人ですか、大変多くの県民が集まられた大集会の折の決議四項目を見ても、この決議の四項目の中には安保条約に触れる文言はなかったと私は思います。したがって、今のお話の中にも安保条約、国を守るということの意味については沖縄の皆さんにも理解をしていただけているのだというふうに私は思って、ただその理解がどういう理解なのかということにはいろいろまた議論のあるところだと思いますが、そうしたことを踏まえて我々は、沖縄の皆さんにほかに比べればはるかに過大な負担といいますか、精神的にも負担がかかっているという今の状況をどう考えるかということが今一番大事なところなんだろうというふうに思っているわけでございます。 議員もおっしゃったように、それは多少我々からすれば誤解もあり、それからああした事件があって多くの県民の皆さんの気持ちが非常に高ぶっているということも当然我々としては理解しなければならないことだと思いますが、そうしたことを含めて今言われるように本質的にまず日米安保条約というものをどう考えるか、これについてどう理解していただけるかということをきちんと申し上げ、そうしたことが前提であっても、さらにこれだけ基地が集中しているということについてどういう解決策を考えるかということを考えていかなければならないんだろうと思います。それは沖縄県民に向かってそうしたことを言うのではなくて、言うだけではなくてといいますか、日米間でそうしたことがしっかりと話をされるのは当然のことだと思います。 私どもは、先ほども申し上げましたように、日米間では先般の2プラス2の議論をいたします前に相当長期間にわたってさまざまなレベルで議論があり、アメリカはアメリカでボトムアップレビューを行い、あるいはEASRをつくり上げ、向こう側も理論的にこういうふうに考えているということを言われ、日本側もまた考え方を述べて、双方の合意を見たわけでございます。 そうしたことを踏まえてこれからそれをどう具体的に構築していくか、あるいは再確認をしていくかそのためにやるべきことは何と何なのかということを整理し、具体的に着手をしていくということが重要だと思うんです。その際に沖縄に対してどういうお願いをするかということについて政府としてもしっかりと考え方をまとめていかなければなるまいというふうに思っております。
○川橋幸子君 政府としても考えをおまとめくださると。この重大な時期でございます。特に沖縄側は具体的にということを望んでいるということでございますので、ぜひそのあたりよくお含みいただきたいと思います。あるいはアメリカ側とお会いになられるときも、沖縄は非常に集中している町でございますね、もちろん米軍自身もその実態は知っているとは思いますけれども、やはり首脳レベルでといいましょうか、ハイレベルでそういうことを話題にしていただくということをお願いしたいと思います。 少々具体的なことを申し上げさせていただきたいと思います。 知事にお目にかかります前に、普天間基地でございますか、それともう一つ例の嘉手納基地、基地をお持ちの自治体を二カ所お訪ねしまして、目の前に基地の全貌が見える市の庁舎の屋上から見せてもらってきたわけでございます。そのときに非常に強い印象を受けましたのは、自治体の方々は安保条約とか安全保障よりも前に、まず日常生活の非常に精神的あるいは肉体的な苦痛をなくしてほしいんだと。 具体的に言えば飛行機の騒音、嘉手納基地の場合は一日六十二回とか言いましたでしょうかこれはべたに平均しての話でございますのですので、もっと密集するときは密集するのではないかと思いますし、きのうのように私ども調査団が行くとぱたっとなくなるんだというようなお話も言っていらっしゃいました。まずやっぱり騒音でございます。非常に金属音の、七十デシベルというのでしょうか、騒音防止の基準から考えてもストレスの要因になるような高い騒音でございますけれども、その騒音が夜間も続く。厚木基地や横田基地あるいは三沢基地なんかは夜間飛行禁止の協定があるのに、なぜ沖縄はできないんだということを強く言っていらっしゃいました。 もう一つは、これは嘉手納基地の中でございますが、フィリピンの基地が縮小されて、そこの飛行機は沖縄には来ないというふうに聞いていた、説明されていたけれども、実際にはふえている。住居から五十メートルぐらいのところに海軍の駐機場があるんだそうです。五十メートルでございますから本当に目と鼻の先でございます。そういうところで夜間も通して騒音がある。その駐機場をとこか外に移転してもらいたいけれども、せめて住宅の五十メートルじゃないところにつくってくれればよかったのにと。非常に具体的ですけれども、そうでもしてくれないと非常にストレスのもとになり、やっぱり静かな夜が欲しいと。これは大きな大きな苦痛、大きな大きな困難事、こういうことも人間にとっては耐えられないことでございますけれども、絶えずちくちく来る刺激というのは、やはり住民の皆さんに大変気の毒なことを強いているということがもう実感としてよくわかるわけでございます。 騒音、夜間禁止の協定、それから駐機場の移転という非常に具体的なお話が出まして、このお話を聞いた後に基地の中で、大変有名な海兵隊を束ねていらっしゃる副司令官にお目にかかりました。副司令官お一人じゃなくて、沖縄の基地の中に幾つかあります海兵隊の責任者の方がぞろっと並んで私たちを迎えてくれました。向こう側も大変気にしているといいますか神経を使って、沖縄とは仲よくやっていきたいんだという自分たちの努力の跡も日本の議員には見てもらいたいと、そんな場が設定されておりました。 中山元外務大臣でしょうか、日米安保条約が重要で、皆さんもこの日米のパートナーシップを維持しようと思うならまず基地と住民が仲よくしてくれなければ困るんだ、こういう三点の細かい要望があるのだ、どうだと言ったら、大変率直に答えてくれまして、夜間禁止協定がなぜ沖縄にないかというと、他の基地であるところは空軍の基地があるところだと、そこで自衛隊との協定をそのまま米側も準用しているということのように話しておりました。早速これは自分たちも在日米軍司令官、要するに東京に常駐されているトップに上げる、ぜひ解決していきたいというような話がございました。 ということで、こういうことは多分ちょっと汗をかいて、ちょっとじゃないのかもわかりませんが、お忙しい皆さんが汗をかいて時間をとってお話し合いくださればできるのではないかと思うんです。できることはすぐやる外務省ということで御努力いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。 三十三分までが私の持ち時間でございますので、どうぞお使いになって、大臣でも局長でもお答えいただければと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 沖縄の関係者からいろいろのことを私も聞いておりまして、今の駐機場の問題も具体的に私はこれまで伺っておりました。できれば駐機場の場所を変えてほしいという御希望があることも伺っておりました。 一方、米側は米側で、今、議員お話しのように、あそこは海兵、マリンの飛行機の駐機場であって、その駐機場の飛行機を別のところへ移すということは、どこの国もそうですけれども、縦割りの壁があるようでそれは言うほどなかなか簡単なことではないのだというふうな説明を今まで聞かされておりました。今の議員のお話もございますから、もちろん私どもとして今のお話は心しておきたいと思っております。 確かに、今回いろいろな角度から見たりあるいは経験したりなさった方々からのお話を私も随分伺いまして、解決できることもあるのではないかというふうに思うところもございます。話をしてみるとなかなか、もちろんこれまでそういう話を一遍もしていなかったわけではなくて、何度もしながらやっぱりうまくいかずに、今回は合意ができない、あるいは返事がもらえない、あるいはということで先送りになってきたものもあるようで、私が聞いた話はどれ一つとっても簡単に片づくという感じではございませんが、努力はしてみたいというふうに思っております。 例えば返還の問題にいたしましても、日米間での厳しいやりとりと同時に、日本側サイドでもやっぱりまたいろいろ調整を必要とする部分もあるということでございますから、それらをひっくるめて防衛施設庁などとも十分相談をして、私どもとしても最善の努力をいたしたいというふうに思います。それはまた当然のことだというふうに思っております。努力をいたします。
○川橋幸子君 ありがとうございます。 やはり沖縄側のいら立ちというのは、安保の重要性をお説教、お説教というのはこれは向こうの方が言ったんじゃないんです、私が言っている言葉です、多分そのように聞こえるのではないかなと私は思います。そういうこと、あるいは非常に遠い将来に向かっては夢を語ってくれる、でも一向に前進しない、すぐ何か実のあることが欲しいということが偽らざる気持ちかと思います。 例えばの話、基地は大変きれいなわけでございます。私どもはバスで移動したわけでございますけれども、基地のフェンスの雑草が生えているところを草刈り機でもってきれいにしてある。ところが、道路は市有地か県有地がですが、そうなりますとそこは割合雑草が、雑草も風情があると思えばよろしいのかもわかりませんけれども、雑草が生えている。これだけ税金でもって駐留軍経費を負担しているのにと。これは損だ得だというような利己的なものではなくて、むしろ人間のプライドの問題です。騒音の問題もそうです。日常生活で非常に苦痛を強いられるというのは、やっぱり個人の、一人一人の生活をどこまで大事にしてもらえるかという基本的なことのような気がいたします。 そのようなことを何もかも知り尽くしていらっしゃる大臣にお説教のように申し上げてしまいましたけれども、細かいことはぜひすぐに着手していただきたいということをくどいように申し上げまして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○立木洋君 インマルサットの問題についてはかっても質問したことがございますし、今度の改正は、少なくない加盟国の方々が望んでいたことが開発によってこうしたことが可能になったということですから結構なことであって、改めてお尋ねすることはないだろうと思います。 ただ、もう同僚議員が何人も言っているんですが、一言だけちょっと言わせていただきますと、我が国がこの改正を受諾してその早期発効に寄与することはといって意義を強調されているんです。大臣、早期発効ではないんですよ。早期発効に寄与してなくて、七年間も待っだということは好ましくなかったというんですから、少なくともこれを読まれるときに官僚が書いたのをそのまま読まないで、七年間かかったことはどうだったかということをやっぱり考えて趣旨説明の場合にはやっていただきたい。ちょっと一言だけ申し述べさせていただきました。 〔委員長退席、理事寺澤芳男君着席〕 大臣は御記憶があるだろうと思いますけれども、ことしの五月十一日にゴラン高原に対する自衛隊の派遣問題について質問をしたことがありました。そのときの大臣の最後の答弁は、調査団の方々の話をよく聞いて報告書など十分慎重に検討し判断をしたいという趣旨の答弁だったと思うんです。 数日前からの動き、それからまた数日前の新聞の報道によりますと、四十五人の自衛隊員を派遣するということを政府方針として決定という新聞の記事があったのですが、政府としては明確に決定されたんでしょうか、どうでしょうか。決定したかしないかだけでいいんです。
○政府委員(高野幸二郎君) 法律上の正式決定は、御承知のとおり、実施計画の閣議決定でございます。これは年内の閣議決定を目指して今準備中でございます。 他方、八月に官房長官が閣議の席上、来年二月からの派遣をめどに準備に入りたいという発言、いわゆる準備発言をしておられます。それに基づいて現在準備を進めておるという状況でございます。
○立木洋君 国連から要請されているこの自衛隊派遣、つまり自衛隊隊員に与えられる仕事といいますか任務、それから滞在する、向こうに駐留する期間はどのくらいの期間か、それから携行する武器はどういうものか、それから共同訓練についてはどういう態度が今検討されているのか。その四点だけ、簡潔で結構です。
○政府委員(高野幸二郎君) まず、任務につきましては、現在、後方支援業務、兵たん業務をカナダの部隊がやっております。その中の輸送業務を日本が引き継ぐということで、したがって業務内容は基本的には輸送業務でございます。 それから、派遣期間は約二年をめどとして、来年二月からでございますが、考えております。 それから携行武器でございますが、これはこれまでの調査結果を踏まえてどのような武器を携行するのか現在検討中でございまして、まだ結論を見ておりません。 それから共同訓練の件でございますが、実態的にUNDOFは年二回全体としての合同訓練をそれぞれの部隊の任務の範囲内でやっておるということでございます。したがいまして、我が国の部隊が来年二月から赴きました場合も、その範囲内で共同訓練に参加するということになると思います。
○立木洋君 カンボジアに派遣された場合には共同訓練なんというのはなかったですね。モザンビークも共同訓練というのはなかったです。それぞれの任務の範囲内において必要なことは行ったと。しかし、今度の場合には共同訓練という言葉になっているんですが、SOPには共同訓練ということについてはどういうふうな目的のために共同訓練を行うというふうに規定されていますか。
○政府委員(高野幸二郎君) SOPの中には、当然このUNDOFに限りませず、ほかのPKOでもそうでございますが、それぞれの司令官の権限の範囲内においてかつ任務の目的に沿った日ごろの訓練ということを行うということが通常入っておるわけでございます。
○立木洋君 UNDOFが行う共同訓練については、基地内外の国連要員と財産を防衛するということが任務として規定されているんです。そして、それに基づいて具体的に実施をしなければならないと。 言うならば、問題は、基地内外における国連要員の生命の安全、それから財産の保護ということになれば、これは完全に日本の国会で禁止された、協力法ではやってはならないものになっているその共同訓練に、自分たちの都合の範囲内で何かかかわりがある部分だけ訓練すればいいかのような御答弁というのは私はいただけないですな、それは。いただけない。
○政府委員(高野幸二郎君) これは一つは武器使用原則にかかわる問題でございまして、確かに委員御指摘のとおり、通常、国連の場合は大原則は自衛のための武器使用でございますが、その内容といたしまして国連の施設等に対する攻撃があった場合、それを武器を使用して防御できるというのが自衛の範囲内として入っております。他方、我が国の国際平和協力法上の武器使用原則におきましては、御承知のとおり、あくまで各隊員の生命、身体の安全を脅かされた場合というふうに、ここはちょっとずれがあるわけでございます。 これは今回のUNDOFの参加関連だけではございませんが、我が国は、国連PKOに参加する場合には必ず我が国の参加はこの国際平和協力法上の武器使用原則の範囲内で参加するということを国連との間ではっきり確認しております。したがいまして、訓練におきましても我が国の武器使用原則の範囲内で訓練に参加するということは、これは国連との間できちっと了解がついておるわけでございます。
○立木洋君 私は共同訓練という言葉にだけこだわっているんではなくて、今度のこのシリア・イスラエル間におけるPKOの任務というのは言うならば明確な兵力引き離し、だから停戦監視ですね。問題は、それが妨げられる事態が起これは応戦をする、そういう戦闘までしなければならない部隊として派遣されているわけですよ、兵力引き離しが目的なんですから。ですから、それを一体化してやらなければならない。 〔理事寺澤芳男君退席、委員長着席〕 あるいは、この間の、いろいろと最近のPKOが派遣されて失敗した経験等々から、ガリ事務総長が極めて強調しているのは、組織の一体性、一元化、つまりそれぞれの国が好き勝手なことをやってもらっては困るんだ、PKOがうまくいかなくなるんだということを非常に強調していますね。 そういう状況の中で、いわゆるそういうPKFそれ自体としての任務を持っているようなゴラン高原に行って共同訓練に参加するということは、既にそういう地域が攻撃される、あるいは自分たちの近くにいない要員が攻撃された場合でも、それに対して応戦しなければならないというコマンドが出された場合どうするのかという問題になるわけです。 この点についてはもうこの議論を何回もやっているから私は何回も言うのはあれなんですけれども、工藤さんが繰り返し国会の中でも述べましたけれども、結局自分の生命に危険がある場合だけ自分の判断で最小限武器を使うことができるということになっているわけです。 ところが、この共同訓練というのは、いわゆる共同で行う訓練については、ここのコステルス総司令官が言っているのは、カナダの部隊等も全兵士がやっていたことである、それと同じことをやってもらうんだ、武器を持っているんだからそれは当然のことだということになっていると。SOPで述べられている規定に基づいて共同訓練が行われる。つまり、攻撃された場合にそれに応戦するということを前提とした訓練が行われる。その共同訓練には参加するけれども、自分の都合のいい範囲内だけの訓練だけだというふうなことで共同訓練に参加する、ごまかすというふうな言い方はきついかもしれませんけれども、私はそういう言い方はしていただきたくない。 それで、私がお尋ねしたいのは、この間、国連との間でこれらの問題についてどういうふうな話し合いが行われて、どういうふうな取り決めになっているのか、それを具体的にちょっと説明してください。
○政府委員(川島裕君) ことしの四月に国連といろいろなやりとりをやった経緯がございます。その大前提といたしましては、国連とのやりとりに当たって、このUNDOFに参加するに当たってはまずもって我が国が五原則を含む国際平和協力法に従って参加する、そういう大前提で国連とのやりとりを開始したわけでございます。 そこで、ただいま御質問いただいております共同訓練問題につきましては、後方支援部門に属する輸送部隊として我が国部隊の任務に基づいて参加するということで、そして我が国が五原則を含むこの国際平和協力法に基づいてUNDOFに参加するのであるということを国連側に明確に話をしまして、国連側の理解を得ているところでございます。 それから、今お話のございましたコマンドの問題でございますけれども、これにつきましても、輸送業務をやるということでございますけれども、その運用についてはUNDOF司令官及び後方支援大隊長の指図のもとに活動するということで、国連の指図に従うという点についてこれまた国連側とやりとりをした次第でございます。 ただ、これらの点を含めまして今後具体的にどういうふうに国連との了解というものを固めるかにつきましては、これはこれまでカンボジア及びモザンビークのPKOの際にいたしましたと同様に口上書という形で明確にすることを考えておる次第でございます。
○立木洋君 川島さん、先週後半、私は国連に確かめたんです。国連事務総長の報道官にこの問題について聞きました。 PKOへの各国部隊派遣の条件について、原則として特例はない。個別のPKOを総体として成り立っており、すべての国が一つのルールのもとにある。各国がそれぞれの特例を主張すればPKOは成り立たない、こういうふうに述べて、その後、派遣国の事情があれば協議はするが、しかし最終的に決定するのは国連の側であり、その決定に従えなければ派遣を見送るしかない。派遣国側が政治的意図を持って協議の内容を明らかにすることがあっても、実際に部隊が派遣されればそれらのことはすべて明らかになるでしょう、こういう回答を私の方はいただいているんです、具体的に今言ったような内容で。 新聞の報道によりますと、この問題については極めて簡単なことしか書いていないんですね。小和田国連大使が四月二十六日にPKO局長と会って、五原則を含む国際平和協力法に基づいて日本が今回のUNDOFに参加することで問題がないかとただした、国連局長は了解すると語ったと。こんな通り一遍な回答だったら話にならないんですよ。 今まで議論を積み重ねてきた経過があるということはもう大臣も局長も十分御承知だから。本当にこれが今凍結しているPKFにかかわりがないのか、五原則上問題がないのか、それは慎重に十分に確かめて判断をするといって五月十一日に大臣が約束されたんですから、それに本当に差しさわりがないかどうかということを私は文書でこの委員会に提示を求めたい。そうすれば、そのことについて本当に慎重に検討されたかどうかという結果が明らかになるわけですから。これは川島さん結構です。大臣にお答えいただきたい。
○国務大臣(河野洋平君) PKOに対する派遣は慎重の上にも慎重に行うべきものだというのが私の気持ちでございます。とりわけUNDOFにつきましては厳しい御批判をいただくほど長期間にわたっていろいろ検討をしてきたことでございまして、十分な検討の結果、政府としては派遣の方向になったわけでございます。その点、慎重に検討したのかと言われれば、これは慎重に検討をなされておりますと申し上げていいと思います。 今、議員からるる御心配をいただきました、あるいは具体的な御指摘をいただきましたが、これは政府側としても、立木さんにはきっと問題視されるに違いないことでもございますから、これらのことについては、国連に対して幾つかのケースについて確かめていることと私は思います。調査団の報告といい、さらには国連への確認といいますかそうしたものといい、しっかりなされて政府としては方針を出しているというふうに私は確信しております。
○立木洋君 ここに出してくださいという国連との取り決めについては。
○国務大臣(河野洋平君) 国連との取り決めを公表することができるかどうかについては、国連サイドとも相談をしなければならないと思いますし、少し部内で検討をさせていただきたいと思います。
○立木洋君 ちょっと一言だけ。 もし文書で出せないならば、口頭ででも報告をしていただきたい、この場で。そうしないと、五原則に反しないのかどうなのか、いわゆる凍結しているPKFに反しないのかどうなのか。先回も大臣は、我々行政官がやるのは、行政府が行うのは、勝手に法律の枠外にはみ出してやることじゃない、決められた法律でやるんだ、忠実にやるんだということを言われました。だから、そのことのためにも、その趣旨を明確に貫くためにもそれは必ず実行していただきたいということだけ重ねて要望しておきますが、結構ですか。 頭を下げるだけですか。記録に載らないんですから、はいと言ってもらわないと。結構ですか。
○国務大臣(河野洋平君) 御質問があればお答えをいたします。
○武田邦太郎君 インマルサット条約の改正につきましては格別に意見はございません。賛成いたします。 そこで、きょうは、日中米三国の問題とAPECにおける農業問題について年来の願望を申し上げて、御検討をいただきたい、こう思います。時間が少ないので、ひょっとすると御返事をいただく時間がなくなるかもしれません。その節はお許しいただいて、次の委員会ででも御返事いただければありがたい、こう思います。 前回のこの委員会で大臣は、日中米の平和的な共存共栄について毅然たる態度を持って努力すると、こういうお話がありまして、大変感銘いたしました。 そこで、その具体的な方策の一つとして、これは非常に難しいと思いますけれども、三国の三十年くらいの未来を展望した相互不可侵条約を考えてみたらどうか。もちろんこれは非常に難しい問題でありますし、場合によっては一笑に付されるかもしれません。しかし、人類史的な問題でもありますので、雨垂れが石に穴をうがつという例えのように不撓不屈の誠意を持った努力を継続すべきだ、こういうふうに思います。 一番難しいのは、兵器産業は非常に有利な産業でございまして、これが重大なウエートを持っているわけですから、これをどうして平和産業に転換させ得るのか。それから、膨大な軍人の大半は平和産業の方に転業してもらわなきゃなりません。そういうことで、一番大きな対象としては、発展途上国の新しい建設あるいは産業開発、基本的な問題としては教育、衛生あるいは研究等を進めることに、現在では戦争のために使われている科学技術力あるいは生産力、あるいは人間の努力をそういう方向に主として向けることで人類の平和に大きな希望を打開できないかどうか。 これは、単純な贈り物としてでは到底不可能でありますので、非常に巨大な未来展望に立った経済性、受ける方は余り好まないかもしれませんが、一定の採算性を持って、この事業をやれば途上国にいつごろになればどれくらいの経済のマーケットを開発できるのか、それが長期の投資として合理性を持ち得るのか、こういうようなことは恐らく今まで歴史になかったことであろうと思いますけれども、そういうことを先進国の間で検討する、あるいは先進国と言っていいかどうかわかりませんけれども、中国とかインドのようなところも参加してもらおうと。そういう努力の中でこの三国の三十年くらいを展望する相互不可侵条約の実現の可能性はないのか。もちろん、これは東南アジアも入ってくれれば現在の東アジアにおける重大なけんのんな話は基本的に解消するわけであります。 核実験がよくない、これはもちろんよくないわけたから反対するのは大賛成でありますけれども、核実験が必要でなくなる条件をつくる努力をしないで、ただやめろやめろと言うのではなかなか効果が上がりにくいのではないかと思うんです。だから、その一つの方策としては、三十年くらいの相互不可侵条約の提携ができるかできないかということは、それだけではもちろん核実験をやめさせることは無理だろうと思いますけれども、重要な一つの方策にはなり得るのではないか。 それから、先ほど笠原議員もおっしゃったように、日米安保について米国に今までとは違う世論の動きがある。これはもちろんマジョリティーではないでしょうけれども軽視することのできない兆候だと思いますし、そういうことも含みに入れて、政府間でいきなり軌道に乗せるということは難しいでしょうが、政府間でもやっていただくし、また各国の国民の良識に訴える努力もやっていくようなことができると大変ありがたいと思うんです。 それから、時間がありませんからAPECの方に移りますが、APECの農業を担当なさっている方は私が年来おつき合いのある非常にすぐれた政治家の方々で、非常な御努力をして、この間、オーストラリアとかアメリカを回って、農業問題は例外にするというようなことで大変な御苦労をなさっておるわけであります。 これにつきましても、日本の農業が国際競争力を持ち得る農業になるのかならないのか、その可能性はどうなのか、そういうようなことをまず考えに入れて、そして例外にするとはいっても永久にとは言わないとか我々の努力に十分な期間が約束されれば全面的な自由化に前進する用意があるというぐらいのことが言えるならば、これは話はやや好転するのではないかと思うんです。 私、参議院に入れていただいてから、最初の総理は宮澤総理、それから細川総理、羽田総理で、この三人の方は農業をよく勉強しておられる方で、私が予算委員会で話すとむしろ激賞に近い御批評があって賛成なんですね。だけれども、それを実行なさらない。それはこういう転換が農村側に、特に農協側に重大な抵抗があるものですから、政治家としては非常にタッチしにくい面もあります。 しかし、各地を歩いてみますと、都会の産業に負けない生産性、所得を得る農業をつくらなければ若者はもう農業をやらぬと。現に、昨年一月の統計によりますと、全国的には百八軒の農家に一人しか後継者がおりません。三万数千人しかいないわけです。一市町村当たり十数名しかいない。後継者がいなくてだれかに借りてもらおうと思っても借りてくれる人がいない、こういうことで、現在では五十万ヘクタールを超える耕地が荒廃に帰しております。いよいよふえている。 それで、穀物の自給率は二七、八%。そのほかに二百万トン近い肉類を輸入しておりますから、これを穀物計算しますと二〇%になりません。平成五年のような不作の年には一五%くらいです。こういう国は、農民が戦争に巻き込まれて流亡している途上国以外に一つもありません。二十一世紀は飢える世紀である、人口は激増するのに農業生産性は伸びないと、こういうことでありますのに、この程度の食糧の自給率ではだめなんですね。 しかし、都会の産業にバランスし、したがって外国と競争できる農業になりますと、これは結論だけでありますけれども、少なくとも八〇%の自給率は可能であります。いざとなったら牧草畑あるいはゴルフ場にバレイショ、麦類をつくれば一〇〇%の自給も可能性があります。そういうことは三木内閣のころ私が会合で発表して、三木先生はぜひやりたいと、こう言われたものでありまして、単なる研究ではございません。 そういうことをやはり頭に入れてAPECに臨まれるならば、ただ拒否するということではない、非常に未来性のあるAPECの農業問題の検討ができるのではないか。 もう時間が参りましたので、終わります。
○佐藤道夫君 最後になりました。今までの御質問の方々のように大変高尚な問題じゃなくて、至って低レベルな、低次元な実務的な問題ですけれども、あしからずおつき合いください。 今回、地位協定の十七条五項(C)の運用につきまして日米合同委員会で協議が調ったということでございまして、その間の御労苦、大変多といたします。 ここに案がございますけれども、殺人または強姦という凶悪な犯罪ということになっておりまして強盗が抜けておるのはなぜかと、こういう極めて技術的な疑問でございます。 我々の社会では、凶悪犯罪といいますと殺人が来まして次に強盗が来る。強姦が凶悪かどうかということにつきましては必ずしも意見が一致していない。大の男が五、六人で一人のか弱き女性を押さえつけてやったというのは明らかに凶悪犯罪と見てもいいかもしれませんけれども、夜ばいなど考えましてね、相手も承諾してくれるだろうと思って行ったら、言葉の食い違いから嫌だ嫌だということになって、それも何か押さえつけるようにして関係を結んでしまったというのは果たして凶悪と表現していいのかどうか。 よってもって強姦罪というのは刑法上親告罪になっているわけですが、いずれにしろ強姦罪が凶悪犯罪に入っておって、凶悪の典型である強盗罪が落ちているのはなぜか。非常にこれは起こり得る犯罪ではあるわけですから、また同じようなことが繰り返されないとも限らないので、その辺についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。
○政府委員(折田正樹君) 日本におきましては、実務上、例えば警察庁の平成五年の犯罪というところにも書かれておりますけれども、一般に凶悪犯という場合には、殺人、強盗、放火、強姦を指すものと承知しております。他方、アメリカにおきましては、一般的に強盗や放火が類型的に凶悪な犯罪として必ずしも観念されているわけではないということで、今回の合意は日米間の協議の結果、特に殺人と強姦についてはその悪質性、社会的影響等にもかんがみ、これを基本的に凶悪な犯罪、英語で言いますとヘイナスでございますが、という凶悪な犯罪に該当するということで合意ができたわけでございます。 今、委員御指摘のように、強盗の場合はどうなのかということでございますけれども、強盗につきましてもその事件の悪質性、結果の重大性、社会的影響、捜査上の必要等を総合的に勘案した上で、我が方として重大な関心を有するものにつきましては、取り決めの第二項というか第二文に当たりますけれども、我が方より拘禁の移転の要請を含む特別な見解を米側に提示し、米側が右特別の見解を十分に考慮した上で拘禁の移転の可否につき判断することとなっているということでございます。
○佐藤道夫君 よくわかりませんね。 この一項の前段と後段、「好意的考慮を払う。」というのが前段で、後段の方は「特別の見解を十分に考慮する。」、こうなっておりますけれども、これは実際の適用面でどう違うのか、できたら具体的な事例に沿って説明していただけるとありがたいと思います。
○政府委員(折田正樹君) 「好意的考慮を払う。」という場合には、我が国が起訴の前に被疑者の拘禁の移転を米側に求めた場合には、米国としては我が国の要請に対してできるだけ応じる方向で検討するという意味でございます。例外的に特殊な場合がある場合を除いて右移転がなされるということを我が方としては期待できるということでございます。 それから、表現の上では「十分に考慮する。」というふうになっておりますけれども、我が国より特別な見解を提示する場合には、我が国がなぜその場合に重大な関心を有するのか、なぜその場合が考慮されるべきと信ずるのかを含め、特別な見解を日本側が提示した背景を説明すること、そしてこの点を十分に踏まえてアメリカ側が拘禁の移転の是非について検討することを意味するということでございます。その際、アメリカ側は我が国が提案した特別の見解を十分に考慮した後、拘禁の移転の要請を公正にかつ国際礼譲にのっとり考慮するということが期待されるということでございます。
○佐藤道夫君 実際の適用の上で余り摩擦が生じないように適切に解決してください。 それから、拘禁となっている十七条五項同について、前回もちょっとお尋ねしましたけれども、私の基本的な疑問は、なぜこういう条項が地位協定に盛り込まれたのか、こういうことなんです。 第一次裁判権を日本側に渡すという以上は、それに伴って身柄も当然ついてくるのが普通ですけれども、NATO諸国との協定でもこれはアメリカが留保している、日本の場合でも同じように留保されている、そして起訴したら渡す、こういうふうになっておるわけですね。この理由がよくわからない。 私、よく刑事上の問題につきましてアメリカのローヤーと討議をしたことがございまして、その際に強く感じたことが一つあります。かの国の法律家たちは自分の国の警察に対して抜きがたい不信感を持っているわけです。ニューヨークとかロサンゼルスとかの大都市の警察にしても同じように、容疑者の人権なんかほとんど考慮しないでやたらに発砲をするとか、理由もなしに逮捕するとか、人種差別を行うとか、逮捕するかしないかに政治的考慮が入ってくるとか、実際そのとおりかどうか知りませんけれども、法律家たちはそういう目でアメリカの警察を見ておる。 これが地方に行きますとますますわからなくなって、アメリカの地方というのは地方自治が徹底しておりますから、各市町村によって警察組織が全く違う。聞いてみましても、全体像が全然つかめない。自分の出身地の警察ぐらいはわかっているけれども、隣町のことを聞くともうわからない。中には保安官制度がまだ残っておりまして、選挙で選ばれた保安官が自分の身内を保安官助手に任命して、その期間中は生殺与奪の権をその地域で振るうというふうなことも言われているくらいでありまして、人気取りのためにいろんな者を逮捕してみたりすることもあるんだという話で、そういう警察に対する知識層の抜きがたい不信感がどうも日本の警察を信用できない。NATO諸国の警察も信用できないと。 アメリカの一般人が日本に行って何か事件を起こして日本の警察に捕まるのはこれは仕方がないけれども、軍隊は何のために沖縄まで行っているかといえば、沖縄を防衛するために血を流す覚悟で行っている。そういう軍人が理由もなしに現地の警察から疑われて逮捕される。これはとても軍人の名誉、人権、軍隊の威信の上から見ても納得できない。そう簡単には身柄を渡すわけにはいかぬと。しかし、法律家である検事が記録を検討し、証拠を検討して起訴する、これはもう容疑は十分であろうからして身柄を渡さざるを得ないというようなことになっているんではないかと思うんですよ。韓国の場合には、起訴してもまだ検事すら信用されていない、有罪判決があるまではだめだ、こうなっておるようですけれどもね。いずれにしろこの警察に対する抜きがたい不信感が向こうのローヤーとか知識層にある限りは、これは不平等だとかいろいろ言ってみても、なかなかこの協定の改定は難しいことだろうという気もいたします。 それはそれとして、日本の警察は、今日、世界でももう一級品の捜査能力を持っておるし、信頼性も非常に高いということはもう公に認められていることだと思います。もちろん、たまに何か変なことをやって、金を出してけん銃を買ったりもしているようですけれども、ああいうことは別といたしまして、立派なものだというふうになっておりますので、その警察の高い水準にあることを米側に根気よく説得する。 それからもう一つ大事なことは、逮捕状は日本では裁判所が発行することになっておりますから、司法判断にかかっておるわけですね。そうやたらにアメリカの軍人を逮捕しているわけではないんですから、そういう司法判断にかかっていることもきちっと説明するならば、米側もそういつまでもああいう地位協定、おかしな協定に固執するわけでもないんじゃないかという気もします。 以上のことにつきまして、どちらでも結構でございますからお願いします。
○政府委員(折田正樹君) 日本の警察の信頼性が高いということがあるものですから、今回、アメリカ側が起訴前であっても身柄を日本側に引き渡す道を開くということに私は合意したんだろうと思います。 この十七条五項同というのは、先回にも御質問をいただきましたけれども、基本的にはNATO地位協定、それから米韓地位協定、その他アメリカが各国と結んでいる地位協定、それぞれ差異はございますけれども、相当程度共通したということでございます。一番最初から身柄を引き渡すというのはどの規定にも見られませんので、今回、我々がアメリカ側と交渉して得られましたこの結果が、私はアメリカがなし得るぎりぎりのところではなかったのかなと、ちょっと個人的な見解でございますけれども、そういうふうに思います。
○佐藤道夫君 そういろいろおっしゃいますけれども、十七条五項(C)の改定自体については、米側はどういう理由をもってこれはできないのか。ただNATO諸国とそういうことを結んでいるからできないと、その一点張りでしょうか。そのことをちょっと御説明してください。
○政府委員(折田正樹君) 十七条五項(C)というのは、アメリカは日本だけではなくてNATO諸国、韓国、その他多数の国と結んでおりまして、その条文に手をつけるということは直ちにそういうところに波及するということ、それから内容自身については、日本側が望むといいますか、世界の中で日本に対して一番いい扱いをしているではないか、それはこの協定の枠内で実施できるではないかということでアメリカが主張していたわけでございます。
○佐藤道夫君 ありがとうございました。終わります。 —————————————
○委員長(木庭健太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、宮澤弘君が委員を辞任され、その補欠として塩崎恭久君が選任されました。 —————————————
○委員長(木庭健太郎君) 他に御発言もなければ、本件の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国際海事衛星機構(インマルサット)に関する条約の改正の受諾について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(木庭健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木庭健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会