外務委員会 第2号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/10/24
会議録
○委員長(木庭健太郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 千九百九十五年の国際穀物協定の締結について承認を求めるの件及び千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件、以上二件を便宜一括して議題とし、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野沢太三君 大臣が所用でおくれているようでございますが、時間でございますので、差し当たり政府委員の皆様方からの御答弁を主体に、穀物協定から御質問を始めさせていただきます。 世界の主要穀物の生産量、これは少しずつ伸びているわけですけれども、この生産量の全体量がどのくらいあるか、あるいはその中で輸出可能量はどのくらいあるのか、最近の穀物年度で、わかる範囲で結構ですからお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(原口幸市君) 最近といいますか、九月二十一日に発表になりました国際穀物理事会の情報によりますと、九四年−九五年の穀物年度の世界の穀物生産は前年度比で三・二%増の十二億九千五百万トン、輸出が前年度比で六・九%増の一億八千六百万トンになると見られております。また、九五年−九六年の穀物年度におきましては、世界の穀物生産は前年度を三・七%下回る十二億四千四百万トンになるということが予想されておりまして、これは米国や中国それからロシアを中心とした異常気象の影響等によるものと見られております。 また、輸出の方は、そうした減産にもかかわらず、辛うじて前年度並みの水準を維持するというふうに予想されております。
○野沢太三君 ありがとうございました。 その中で、今、世界の人口は、九四年度の統計ですが、五十六億三千万人というふうに言われております。しかし、今後の増加見通しは非常に厳しい数字が出てくると思うんですが、この見通しについてどうなっているか、お答えいただけますか。
○政府委員(朝海和夫君) 国連の推計によりますと、現在の世界の人口は五十七億七千万人でございますが、今後の見通しとしましては、西暦二〇〇〇年には約六十二億人、二〇一〇年には約七十億人、二〇二〇年には約七十九億人、二〇五〇年には約九十八億人に達すると予想されております。
○野沢太三君 そういうことで人口の伸び率が非常に高い。一方、穀物の生産の見込みを見ますと、それほど先々までの見通しが必ずしもあるわけではありませんが、FAOの生産年鑑で調べてみますと、九〇年から九三年まで人口の伸び率が年平均一・七%、ところが食糧の方は〇・八%しか伸びていない。一人当たりの食糧生産の伸び率を見るとマイナス〇・八%という統計があるわけでございます。こういった数字はトータルで見ているわけですけれども、地域別に随分差があるようでございまして、開発途上国等ではこの食糧に対する人口の伸びの関係が非常に深刻に思われるわけでございます。 今後の食糧不足の見込まれる地域、並びにそれに対する我が国の対応についてお話しをいただきたいと思います。
○政府委員(畠中篤君) 最近の国連食糧農業機関、FAOの資料によりますと、ことしの穀物生産量は前年度に比べて若干増加する見込みでありますけれども、他方、予想される穀物消費量に対しましてはいまだ不十分でありまして、三年連続で穀物の在庫は減少するというのがFAOの見通してございます。これにより穀物価格の上昇が予想されまして、穀物を輸入している開発途上国、特に低所得食糧不足国は苦しい立場に置かれておるのが現状でございます。 具体的に申し上げますと、FAOの資料によりますと、低所得穀物不足国の穀物輸入量は、援助分も含めまして一九九四年には約六千九百万トンでありました。これに対しまして、九五年に予想されます輸入の必要量は七千五百万トンに膨らんでおります。これらの国の食糧不足の深刻化がうかがわれるわけですが、中でも特に食糧が不足しておりますのは、エチオピア、モザンビーク、タンザニア等のサハラ以南のアフリカ諸国であります。それと若干のアジア諸国も不足しております。これら諸国による食糧生産量の不足は、干ばつ等の天候不順や肥料、農機具等の資機材不足が主な原因とされております。 このような状況にかんがみまして、我が国は食糧援助規約に従って国際協調のもとに食糧援助を行ってきておりますほかに、肥料、農業、農機具等の食糧増産に必要な資機材の供与を目的とする食糧増産援助というものも実施しておりまして、今後とも開発途上国の自助努力による食糧増産に協力していきたいと考えております。
○野沢太三君 何としても各国が主要食糧だけは自分のところで自給できるということが大事ではないか。その意味では日本も非常に問題が多い国であるわけでございますが、今お話しのような途上国の自給率を向上させていくということ、これがやはり今後大きな世界的な課題になるだろうと思われます。 その中で、日本のODAをこれからどう運用、活用していくかという戦略的な見通しも含めまして、途上国の自給率向上に対する考え方、並びにこれに対する我が国のODAの活用のあり方、そしてODAの中での農業援助の比率、割合というものは大体どのぐらいになるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(畠中篤君) 我が国は、開発途上国の食糧問題の根本的解決には、農村農業開発を通じての開発途上国の食糧生産能力の向上を図ることが必要と考えております。また、農業が開発途上国の所得、就業人口、貿易等において大きな比重を占め、経済成長と強い関連があるという認識のもとに、農村農業開発を我が国援助の重点分野の一つとして実施してきております。 我が国は、開発途上国の食糧増産努力を直接的に支援する食糧増産援助といったものを無償資金協力で行っておりますけれども、それ以外にも円借款供与、技術協力等を実施しておりまして、平成六年度の食糧・農業分野の援助実績は約十四億ドルでございます。これは我が国の二国間援助総額の九・六%を占めております。 我が国といたしましては、今後ともこれら農業・食糧増産分野での協力を通じ、開発途上国の食糧・農業問題の解決のために総合的に貢献していきたいと考えております。
○野沢太三君 今協定で目指しております食糧援助の目標値が一千万トンというところにあるといたしますと、今お話しのような不足分に対しては到底足りない。やはり何といたしましても、それぞれの国々が自前の食糧自給の見通しを今後つけていくということが極めて大事であろうかと思います。その意味で、この協定を有効適切に機能させ運用させるということは、今後極めて大事な国際的なテーマになるだろうと思われるわけでございます。 その意味で、小麦協定から穀物協定として広い意味での協定に衣がえをするということは大変有意義であると思われるわけですが、今回のこの改定で、まず小麦協定から穀物協定へと名前を変更した理由、それから各主要穀物の扱いの比率がどのくらいになっているか、さらにはこれに米が含まれていないということは成立の経過がそういうことであったかもしれませんが、なぜ米を除いたのか、この三点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(原口幸市君) お答え申し上げます。 協定の名称につきましては、八六年の協定を構成しておりました小麦貿易規約が今度の協定におきましては穀物貿易規約というふうに名称を変更したことに合わせまして、全体として国際穀物協定というふうに名前を変更したわけでございます。 一九七一年の小麦貿易規約までは小麦及びその製品のみを規約に基づく検討や情報交換の対象といたしておりまして、また一九八六年の小麦貿易規約におきましては小麦以外に大麦やトウモロコシ等の穀物もその対象にしたわけではございますけれども、規約上の活動の対象はあくまでも小麦が主でありまして、小麦以外の穀物については小麦の需給や市況等に影響を及ぼすものであるという認識だけから検討等の対象にされていたために、それまでは小麦貿易規約の名称がそのまま維持されてきた経緯がございますが、一九九五年の規約の交渉におきまして、情報交換や統計整備の充実を図ることが重要であるという観点から、各国とも今度は小麦に限らずその他の穀物一般も小麦と同様に規約の対象として情報収集を行うことが適当であるということで認識の一致を見て、このために規約の名称も穀物貿易規約というふうに変更いたした次第でございます。 それから、穀物の世界の貿易量いかんということでございますが、この協定を構成する穀物貿易規約におきましては、その検討の対象となる穀物として小麦のほかにトウモロコシ、大麦、ソルガム、オート、ライ麦、ミレット及びライ小麦を含めております。これらの穀物の年間の貿易量の合計はおおむね一億八千万トンから二億トン程度となっております。また、穀物貿易全体に占める主な穀物の割合は、小麦が約半分でございまして、トウモロコシが三割、大麦が七%から八%程度というふうになると見られております。 それから、なぜ米がこの協定の規約の対象に含まれなかったかという理由でございますが、米を対象とするか否かということにつきましてはこの規約の交渉の過程でかつて議論されたことがございますが、米は他の穀物と比べまして生産国内で消費される割合が非常に大きいわけでございます。生産のうち輸出に回される割合が結果として小さい、生産量に占める輸出の割合というのはわずかに三%というような事情でございまして、積極的に米を対象とすることに関心を示す国が余りなかった結果といたしまして、この穀物協定の規約の対象に米を含めるということにはならなかったわけでございます。 ただ、穀物貿易規約が対象とする穀物につきましては理事会の決定によって追加することが認められておりますので、米についても将来関心を示す国がふえてくれば理事会の決定によって対象とすることは可能になると、そのような仕組みになっております。
○野沢太三君 米も今回のWTOの取り決めの中ではほかの穀物と同等な立場にならざるを得ないだろうということもありますので、この辺については関心を十分払った上で、それぞれ生産地、生産国の利益あるいは消費地の事情、それらを含めまして、徐々に国際的な取り決めの中で議論が行われるという必要が出てくるんじゃないかと思いますので、今後とも御注意を、関心を十分払っていただきたい。APECの大阪会議等も控えておる中での本穀物協定の批准ということに相なりますので、その点は御留意をお願いいたしたいと思います。 それから、この協定に入っているということによって得られるメリット、どういった効果を期待しているのかあるいは実績としてどういう成果があったのかこれについてお話しいただきたいと思います。
○政府委員(原口幸市君) この協定は、穀物の貿易等に関して情報交換等を行うこと及び開発途上国に対する一定量以上の食糧援助を確保することを目的としたものでございます。 我が国がこの協定を締結することは、穀物の貿易に関する国際協力を促進することに加えまして、開発途上国における食糧不足を緩和するための国際的な努力を支援し、また他の援助国との情報交換等を通じてより効果的な食糧援助を行うという見地から有意義であろうと思っております。 また、具体的には、この協定の実施機関であります国際穀物理事会は、穀物の生産、貿易、在庫、それから各国の穀物政策の変更等に関する情報及び需要についての見通し等の検討を行いまして、加盟国に対しこれらの情報を定期的に送付し、また加盟国の関心のある特別なテーマについての研究報告を作成する等の活動を行っております。我が国は世界第一位の穀物の輸入国でありますので、主要輸出国のほとんどが参加しております国際穀物理事会の場を通じまして穀物に関する情報交換、協議を積極的に行っていくことは大変有意義であろう、そのように考えております。
○野沢太三君 そういう中で、まだ輸出国の中で加盟していない国、それから輸入国の大どころで加盟していない国がございます。これがやはりこの協定の効果というものをある程度制約しているんじゃないか。 例えば、輸出国ではタイ、ウルグアイ、輸入国では中国とかインドネシア、ブラジル。特に中国の動向というものは世界の穀物需給に対して相当大きな影響があると言われておりますが、これらの未加入国に対する働きかけは今後どうなさいましょうか。
○政府委員(原口幸市君) 今、先生御指摘のとおり、幾つか重要な輸出入国がまだ入っておりません。特に中国は大きな問題だろうということも私ども先生の御意見に同意するところでございまして、この協定の実効性を高めるためにもこうした国の締結は必要であると認識しております。 そこで、他の加盟国とも協力しつつ、特に中国に対してこれまでも締結方を積極的に働きかけているところでございまして、まだ中国側からはわかりました、入りましょうという返事はいただいていないんですけれども、それなりの関心の表明はあるというのが現状でございます。
○野沢太三君 ここでひとつ個別の問題になるんですけれども、今回、北朝鮮に米援助をしているんですが、こういった問題は報告の対象となるのかどうか、あるいは国際的に見てこういった支援というものはこの委員会へ連絡をするのかしないのかこの点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(畠中篤君) 北朝鮮への米の支援は、六月三十日に決定した分と十月三日に決定しました追加支援と両方ございますけれども、これは我が国は、ここにございます食糧援助規約の規定に基づいて我が国として義務量として負って出しているものではございませんで、その枠外として特殊かつ例外的な状況のもとで緊急的、人道的見地から行われたものであります。したがいまして、通常の食糧援助とは異なっておりまして、本規約の対象にはなっておりません。 食糧援助規約によりますと、委員会への報告義務は各加盟国が規約の義務を履行するために実施している食糧援助についてのみ行うことになっておりまして、そういう意味で北朝鮮への米の支援については食糧援助委員会の報告は行っておりません。
○野沢太三君 穀物につきましてはこの程度といたしまして、天然ゴムについて二、三お伺いをいたしたいと思います。 まず、世界における天然ゴムの年間貿易量は一体幾らくらいになるのか。
○政府委員(原口幸市君) 昨年における天然ゴムの世界の貿易量は約四百万トンでございました。
○野沢太三君 今、このゴム協定で扱う保有量は大変有効に機能していると言われておるわけでございますが、過去十五年間にわたりまして運用されてまいりました天然ゴムの価格変動に対して、この機構協定が介入をする必要があった期間というのはどのくらいの期間になっておるでしょうか。
○政府委員(原口幸市君) この協定のもとでは、天然ゴムの市場価格が基準価格から上下に一五%以上乖離する場合に価格を安定する目的で市場に介入することができることになっておりますけれども、過去十五年間のうちのほぼ半分の期間、七年半におきまして天然ゴムの価格はこのような状況のもとにあったというふうに承知しております。
○野沢太三君 この協定についても、相当な消費量を持っているにもかかわらず加盟していない国、例えば韓国のような国があるわけですが、こういった国に対しての働きかけは今後いかがなさいますか。
○政府委員(原口幸市君) この点もまた先生御指摘のとおりで、韓国の場合には天然ゴムの輸入のシェアというのは九四年で世界全体の七・二%、世界で第四位でございますので、我が国としては、韓国のような国がこの協定に締結することはこの協定の実効性を高める上で重要だろうと考えております。こうした考えから、今後我が国としましては、他の加盟国とも協力しつつ、韓国を含めて主要な未締約国の諸国に対して締結を働きかけていくつもりでございます。 ちなみに、未締約国の主な貿易国としては、韓国のほかに、カナダ、ブラジル、台湾等がございます。
○野沢太三君 この協定は、ゴムの保有量に対する拠出金それから事務局費を含めてもそれほど大きな額ではないわけですが、しかし安定したゴムの供給が期待できるということからしても今後とも重要な協定として維持していかなければならないと考えますので、事務局への参加も含めてひとつ引き続き御検討いただきたいと思っております。 それでは、大臣お戻りでございますので、一般質問に少し触れさせていただきたいと思います。 去る二十一日の沖縄の県民大会に、私ども自由民主党から伊藤団長を初め私も含め参加させていただきました。社会党さん、さきがけさんの友党からもそれぞれ代表が参りまして県民大会に参加をいたしたわけでございます。参加人員、主催者側で八万五千の発表でございますが、復帰以来最大の集まりと言われておるわけでございます。 参加者と一緒に私どもグラウンドに座って話を伺ってまいりました。その感想といいますか印象でございますが、私どもは、これまで沖縄の悩みあるいは苦しみそれから要望というものがわかっているつもりでも、やはり体で、肌で感じているという点ではまだまだこれは十分でなかったんだ、要するに日本全体に沖縄の心が届いていないということを深刻に感じたわけでございます。特に政府、国会、私どもも含めましてそれぞれの要路にある皆さん方が、事の重大性をもう一度ここで再認識をして取り組まないと、この問題については本当に日米の大きな岐路を分ける、そういう事件になりかねないということを痛感いたした次第でございます。 全国民がひとしく痛みを分かち合うということが何よりも今大事ではないかと思いますが、大臣、この点に対する所見はいかがでございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 御答弁申し上げます前に、出席がおくれましたことをおわび申し上げます。 今、野沢議員からお尋ねがございました去る二十一日の沖縄県民総決起大会でございますが、私はテレビのニュースその他で拝見をいたしました。現地にいらっしゃった野沢議員の受けとめ方は、そういう意味では私よりまさに直接的なお感じを持たれたわけでございます。 私もまた、あの集会が八万人を超えるというかってない大集会であったということ、さらに沖縄県民だけではなくて全国各地からも参加されたし、またあのニュースを全国各地の人たちが同じような気持ちで見たに違いないということを感じまして、この集会の持つ意味の大きさというものを私は重大に受けとめなければならぬと思っております。 さらに、あの集会におきまして四つの決議が行われたわけでございますが、この四つの決議、すなわち再発防止にかんがみて一層の綱紀の粛正を求める、あるいは被害者に対する謝罪と補償の問題について言及があり、地位協定について指摘をし、基地の問題についても大きな関心を持たれた。この四つの決議それぞれに我々は一つ一つしっかりと対応していかなければならないのではないかという感じを受けました。
○野沢太三君 今、もう大臣のところへ届いているようでございますが、大会の決議が四項目、綱紀粛正、被害者に対する謝罪と補償、それから地位協定の見直し、基地の整理縮小、これはまさに大変節度のある要望であると私は伺ってきたわけでございます。反米とか反安保とかということが出てこない。やはり今の日本の中における沖縄、日本と米国との関係について十二分に練り上げて、しかもこれについては粛々とこの大会が実行され、後のデモも特別なしということの中で、それゆえにこそこの要望については真摯に受けとめ、もう全力を挙げてこたえていかなければならない課題ではないかと思うわけでございます。 そこで、私としては、やはりこの中でできることをすぐやっていくということで、前回も指摘いたしましたが、これまで取り決めがもう合意されております。いわゆる三事案、那覇軍港の移転、読谷の飛行場の返還、県道一〇四越えの実弾射撃場の本土移転、加えてそれに二十三事案のできるものを早急に実施すると、これが極めて大事ではないかと思います。 それから、現地へ行って皆さんとお話をする中で気がつきかつまた必要と思いましたのが、基地周辺の騒音対策でございます。嘉手納基地、普天間基地の空港周辺についてはこれまで随分御努力をいただいているようでございますが、まだまだやらなければいけない周辺対策、騒音防止対策、特に家屋防音工に対しては格別な御配慮をこれからしていただき、取り組んでいただくことが何よりも大事と思ったわけでございます。 きょうは防衛施設庁長官お見えでございましょうが、ごあいさつを含めひとつ決意をお述べいただきたいと思います。
○政府委員(諸冨増夫君) このたび防衛施設庁長官を拝命いたしました諸冨でございます。 非常に大事な時期に大役を仰せつかりまして、私としては身に余る光栄でございますが、粉骨砕身、地元の理解といいますか、協力を求めるように努力するつもりでございます。 今、先生御指摘の住宅防音の状況でございますが、住宅防音工事については、我が庁としては最大の努力を今まで払っておるところでございます。特に沖縄につきましては、いわゆるドーナツ化現象というものがございますが、そういう特定防音工事につきましては本土に先駆けて平成六年度から重点的に実施しておるような状況でございます。 また、嘉手納とか普天間両飛行場の周辺の追加工事の進捗状況について若干御説明いたしますと、平成六年度までには対象世帯数が追加工事で約四万世帯ございますが、その約五割弱については現在施行済みでございます。 そういうことで、私どもとしては、沖縄の方々のこういう騒音の被害に対しまして本土以上に配慮していると、今後ともできるだけ最大限の努力を払っていくつもりでございます。
○野沢太三君 実はそれが私は十分でないと思うんですね。現段階で五割弱というのでは、今まで何をしていたのかと言いたくなってしまうんです。 その意味で、例えば大阪の伊丹飛行場は周辺対策に一千億以上の対応を講じました結果、最初は移転を希望していたのが今は残してくれというのが地元の希望になっているんですね。それから、私は新幹線の騒音対策について直接担当者、責任者であった時代がありますが、これについても名古屋地区を中心に訴訟が起こりまして大変な騒ぎになったんですが、誠心誠意やりました結果、結局和解をいたしまして、現在では周辺の皆様からほとんど苦情はない、こういう実態が既にでき上がっております。 この沖縄の基地について、まさにこういうときにこそ目に見える形で目覚ましい成果を上げていただきまして、何といっても基地の苦情の中で騒音問題というのは非常に大きな要素でもあるわけですから、しかもこれは努力すれば数を伸ばせるということでもございます。一層の促進方をお願いいたしたいと思います。もう一遍、ひとつお答えいただきたいと思います。
○政府委員(諸冨増夫君) 先生御指摘のとおりでございますが、私ども、新規工事、いわゆる一、二室の防音工事につきましてはすべて完了しておるところでございまして、今申し上げましたのはいわゆる追加工事、残室、一、二室以外に、追加工事と言っておりますが、そういう追加工事についての進捗状況を申し上げたわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、運輸省の方の関連の周辺対策というのは特別会計といいますかそういう制度になっておりまして、私ども、毎年毎年のいわゆる歳出予算の中から防衛費の一部を削って防音工事というのが行われておるという面も一面ございます。 しかしながら、私どもとしては、この与えられた周辺対策事業につきましては、住宅防音というのはもう先生御指摘のように一番周辺住民の方々に迷惑をかけているところでございますので、最大限の努力を払っておるということだけはぜひ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○高野博師君 まず、本国会に提出されました二つの協定に関しての意見を述べます。 千九百九十五年の国際穀物協定は、ただいまの質疑、答弁を踏まえて、また先般の大臣の趣旨説明のとおり、世界の穀物事情や各国の政策動向を知る上で、また我が国が行っている食糧援助を円滑ならしめるためにも有意義であると思います。また、天然ゴム協定は、世界第二の天然ゴム輸入国である我が国を含む関係各国にとって、天然ゴムの価格の安定と安定的な取引のために重要であると思います。したがって、両協定の承認について特に異存はありません。 次に、一般質問に移らせていただきます。 まず沖縄の基地問題ですが、先週もただいまも議題になっておりますので、同じ議論は避けたいと思います。 一つは、宝珠山前長官の村山首相批判発言と辞任は、まさに基地問題に関する村山首相のリーダーシップの欠如、信頼感の欠如でありまして、首相の政治的な責任は重いと思います。内閣の命運をかけて取り組むと首相みずから発言しておりますので、解決できなければ責任をとるべきだろうと思います。 それと、二十一日の八万五千人もの沖縄県民の総決起大会に見られますように、沖縄県民のうっせきした不満と憤りは頂点に達していると言えると思います。これは、少女暴行事件が発端となっておりますけれども、実はこれまでも相当数の犯罪が起きている。御案内のとおり、返還以後の重大事件は十四件、ほとんどが殺人事件、強姦致死、強盗殺人であります。一般犯罪については四千六百件以上にも上っている。余りにも多過ぎると思います。 そこで、政府としては、これまでこの種事件に対して外交的な申し入れ、抗議、改善策についていかなる措置をとってきたのか、具体的な事例を示していただきたいと思います。
○政府委員(折田正樹君) 最近における今回の事件と非常に類似の事件といたしましては、昭和五十年四月十九日、沖縄県において米兵による少女二名に対する暴行事件が発生しております。そのときは、事件発生後直ちに外務省から在京米大使館に対しまして強い遺憾の意、再発防止のための綱紀粛正を申し入れるとともに、日本側当局が行う捜査に対し全面的に協力するように申し入れを行いましたし、また日米合同委員会の場においても同様の申し入れを行っております。 当時のことでございますが、これに対してアメリカ側は、日本側の捜査に全面的に協力するということを言うとともに、米軍の各構成員に対し、法律と秩序を尊重する必要性について教育、指導を強化し、犯罪が発生した際には厳重に処罰される旨訓示する等の措置をとったものと承知しております。 今、高野委員おっしゃられましたように、このケース以外に沖縄返還後の殺人等の凶悪犯罪は十件を超えております。いずれも日本側の裁判により無期懲役を含む懲役刑に処されているものと承知しております。一件一件すべての事件について詳細な記録が残っているわけではございませんけれども、一般論として申し上げますと、このような凶悪事件が起こった際には、当然外務省としても米側に今申しましたような遺憾の意、再発防止等について申し入れを行ってきたところでございます。そしてまた、地元の方々からもいろいろお話を伺い、地元の方々のお気持ちをしかるべく米側に伝達してきているということでございます。
○高野博師君 先般、アメリカのある有力紙に、沖縄は米軍人にとって天国だ、ゴルフは四ドルでできる、住宅、教育その他の環境事情は非常にいい、こういう報道があったというのをNHKのラジオで私は聞きました。米国の軍人にとっては天国かもしれないけれども、沖縄県民にとっては地獄である。法的な規制だけの問題じゃなくて、やはり米軍人のモラルの問題、教育の問題があるんだろうと思います。 沖縄に集中している基地を日本全国に再配置すれば犯罪が全国的に広がる、そういうことになりかねないと思います。政府としては、こういう事件に対して厳重に抗議、申し入れをすべきだろうと私は思います。 今回の事件を含めて、沖縄の県民が基地の存在によっていかに苦しんできたかということは明白であります。そもそも安保体制によって我が国を守るべき米軍によって沖縄県民の安全が脅かされている、そして犠牲になっているという現実、これを直視するべきだろうと思います。国の安全保障が国民一人一人の安全保障より優先されてよいという論理はもはや成り立たないと私は思います。二十一世紀のキーワードはヒューマンセキュリティー、すなわち人間の安全保障と言われます。村山総理も先日、国連で強調されたとおりであります。国家の論理から人間の論理への発想の転換が必要であろう、私はそう思います。 いずれにしても、基地の問題については、国民、沖縄県民が納得する形で解決を図るべきであろう。具体的には、村山首相が進退をかけて代理署名問題の解決に当たる、そのためにも総理自身が沖縄に行くべきであろうと私は思います。 それから、地位協定十七条五項(C)の見直しで明確な方針を持って米側と交渉すべきだろう、これを強く要求したいと思います。 また、基地の整理縮小についても、ペリー国防長官も柔軟な姿勢を示している。これに対して、沖縄県民が幾ら望んでも日本政府から米側に要求がなされていないというのでは話にならない。この際、積極的に見直しを検討すべきであろうと思います。 次に、サッカーのワールドカップについてお伺いしたいと思います。 去る九月二十一日の読売新聞の第一面トップで、韓国側の共同開催提案は実はもともと河野大臣が極秘に韓国側に提案したものだと、そういう報道がされました。その事実関係と真意を伺います。
○国務大臣(河野洋平君) あの読売新聞の記事を見て、実は私も少しびっくりいたしました。 私は、今はもうかわられましたが、韓国の当時外務大臣、外務部長官であった韓昇洲さんが日本へ来られたときに、いわゆる外相会談というものをやりまして、日韓関係あるいは日韓が共通して関心を持ついろいろな問題について幅広く話をしたわけです。これは昨年のことでございます。 そのときに、期せずして両外務大臣は、来年は日韓両国にとっては日韓条約ができて三十年という記念すべき年になる、この三十年という年に当たって日韓双方で何か一緒にやれる仕事はないものだろうかという話になりました。つまり、それはお互いに二国間関係、二国間の問題だけをいろいろ議論することも重要だけれども、今もう日韓両国は二国間関係だけを議論するよりは両国が力を合わせて国際社会に何かできることはないかということについても考える時期に来ている、そういった話になりまして、いろいろな議論をしました。経済的な援助の問題が一緒にできるかとかいろいろな話から、話は文化、スポーツにまで及びました。 そのときにたまたま、日韓双方は二〇〇二年に開催されるワールドカップの誘致について今懸命に努力をしているけれども、これはもう御承知のとおり、日本で開催するか韓国で開催するか、天下分け目になってしまっているんですね。どっちの国でやるかという議論になっているが、この議論は両国関係にとってどういうことになるだろうかというような話を少ししました。実はこのサッカーの問題、二人はそんなに通でもありませんし熟知しているわけでもないのですが、いずれにしても両国の誘致合戦ということが余りヒートすることは好ましいことではないのじゃないかというような話から、たまたま一緒にやれれば一番いいねという話になったのでございます。一緒にやれればいいねという話になりましたが、そのときにそれ以上の話はございませんでした。 その後、私は、FIFA、国際サッカー連盟の規約に国をまたがって大会を開くということはできないということが明確に書いてあること、さらにもっと基本的に言えば、内閣としてワールドカップの日本誘致を閣議了解しているということもございます。もちろん、私も外務省も誘致のためにできる限りの便宜を計らう、招致活動を鋭意支援するということもしなければならない立場でございますから、その立場はもちろんそのとおり私も支援していかなければならない、こういうことを心得ている次第でございます。
○高野博師君 済みませんが、時間がないので簡潔にお答え願いたいと思うんです。 この提案を持ち出したのは大臣の方でしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 今申し上げましたように、ワールドカップのサッカーの大会を両国でやりましょうと外相会談でこちらから提案をしたかと言われれば、そういうフォーマルな提案ではなくて、話題の中でそういうこともあるねという話をしたと。しかし、その話の中で言ったのはだれかといえば、言ったのは私でございます。
○高野博師君 私、本年の前半に埼玉でワールドカップの日本招致ということで署名運動をやりました。わずか二週間で約二十八万五千人の署名が集まりました。サッカーファンがいかに多いかいかに日本開催に期待しているかということがわかると思います。 ただいまの大臣の御答弁にありますように、この問題については日本国内では共同開催の世論というのは全くありません。日本サッカー協会も賛成していない。また、各地方自治体も単独開催を前提に予算措置をした上で、競技場の建設あるいはインフラ整備等を開始しているわけであります。加えて、共同開催の前例はありません。国際サッカー連盟、FIFAの理事会の決定事項である開催条件は、すべての競技はその一国内で行わなければならない、そうあります。FIFAのコロスコフ副会長も共同開催はあり得ない、こう明言しております。 そもそも閣議了解、これは二月二十一日でありますが、その前に大臣の方から提案しているのは問題であろうと思います。この件については閣議で議論したのかどうかわかりません。しかし、いろいろな理由から外務大臣が独断で共同開催を提案するというのは、国民の大きな期待を裏切って、そして水を差すものであると私は思います。外交的に見ても適切な判断であったとは思いません。両国の関係にこの誘致合戦で影響を与えるというような判断があったとすれば、それはスポーツというものをよく知らない、そういうことではないかと私は思います。この誘致合戦については、正々堂々と競争したならばどちらが勝ってもしこりは残らない、私はそう思います。 そういう意味でこのFIFAの規約、大臣は、読売のインタビューに対しまして規約の改正は両国がやろうと思えば簡単だと、こう言っておりますけれども、この規約の改正をやるというようなことが出てくれば、恐らく世界各国から日本は傲慢だ、あるいは韓国は傲慢だといって大きな批判を受けるだろうと、私はそう思っております。 両国関係について大臣が相当の配慮をされるのであれば、例えば南北の分断は直接的な責任は日本にあるとは思わない、こういう大臣の発言がありまして、これに対して韓国の外務省は、歴史をごまかして歪曲しようという下心を見せたものだと疑わざるを得ないと、こういう反論をしておりますが、こういう発言の方がよっぽど両国関係に影響を与えていると私は思います。いずれにしましても、フェアプレーが要求されるスポーツの世界に、この余りにも相手国に迎合したような外交的な配慮はすべきではないと、私はそう思います。 ワールドカップの日本開催については、我が国で急速に高まりつつありますサッカーに対する情熱と夢と期待にこたえて、サッカーのさらなる振興とサッカーを通じての各国民との友好関係の増進、そして対日理解を深めるという絶好の機会であると私は思います。基本的にはサッカー協会と民間レベルで進めることになると思いますけれども、政府としても最大限に側面的に応援をしていただきたい、そう思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御意見は承りました。 ただ、強いて言えば、日本と韓国との間にスポーツの問題でオリンピックの誘致をめぐっていろいろな問題があったことも議員は御記憶だろうと思います。日本はサッカー熱が今盛んで、日本国民のサッカー誘致、このワールドカップ誘致に大変な期待を持っているということも私はよく承知しております。しかし、同じように韓国でもサッカー熱は盛んなんです。韓国においても誘致について熱い期待があるということもまた我々は知らなきゃならぬと思います。しかし、これは知らなきゃならぬということであって、誘致について今、閣議了解に基づいて私としても鋭意支援方努力をいたしております。
○高野博師君 次のテーマに移りたいと思います。 自民党の歴史・検討委員会が作成しました「大東亜戦争の総括」という冊子について伺いたいと思います。外務大臣はこれを読まれたでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 読んでおりません。
○高野博師君 これは、読んでいなければ前自民党の総裁として、また外交の最高責任者として甚だ不勉強と言わざるを得ないと思います。 この冊子の中で、獨協大学の中村教授が一貫して戦争を肯定しているような論文を載せておりまして、例えば次のようなことが書いてあります。 一つは、大東亜戦争は歴史的に見て侵略戦争ではない。二つは、国が弱いことによって歴史に対して責任が生ずる。朝鮮や中国の責任も十分ある。弱いことによってロシアの侵略を招いた。三つ目は、軍国日本があったればこそアジアは救われた。四つ目に、韓国併合は東洋の安定と平和、そして日本の自衛のためだ。五つ目として、満州事変は中国への侵略というが、これは異論がある。歴史的に見ても満州は中国のものではなかった。六つ目として、大東亜戦争は日本の自存自衛のためである。あの戦争のおかげで、日本が南方を支配した結果、東南アジアはことごとく独立した。日本にとっては運命の戦争でもあり、同時に使命の戦争でもあった。日本はその使命を立派に果たした。こういう論文であります。 ところで、この冊子を自民党が出版した意図、目的は何だと大臣は思われますか。また、大臣はさきの戦争について侵略戦争であったと思うか否か、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員は事実関係を誤認しておられると思います。 この冊子は自民党が印刷したものではございません。自由民主党の中の正規の、例えば政務調査会の組織の中でこのものがつくられたというふうには私は承知しておりません。自由民主党の中にはさまざまな議員がおられて、そうした有志議員がさまざまな、いわば議連とでも申しますか、そういったものをやって、いろいろな研究をしておられるということはあると思います。しかし、それが正規の政務調査会などではないというふうに私は承知しております。
○高野博師君 事実を誤認しているのはどうも大臣の方だと思います。これは歴史・検討委員会編ということで、この委員会には百五名の自民党の衆参両院議員が入っております。
○国務大臣(河野洋平君) 歴史・検討委員会が自民党の正規の機関であるかどうかはきちんとお調べをいただきたいと思います。私は少なくとも自民党の一時期総裁を努めておりまして、この機関が自民党の正規の機関でないということを承知しております。
○高野博師君 それでは、ほとんどの議員が自民党、すべてがそうでありますが、この歴史・検討委員会の編、彼らが作成したということであります。 この中でいろいろ問題点を先ほど言いましたように含んでいるわけですが、外務大臣の侵略戦争かどうかということについての御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返して申し上げますが、党の正規の機関でないものが編集をして印刷されたものについて、私がその責任を負うつもりはございません。
○高野博師君 この本についての責任ではなくて、大臣御自身の御意見を伺いたいということでございます。
○国務大臣(河野洋平君) 侵略戦争という用語の意味というものがいろいろな議論があるということは、議員もよく御承知のところだと思います。いずれにせよ、我が国の植民地支配でありますとか侵略が多くの人々に多大な損害と苦痛を与えたという認識、この認識は私はしっかりと持っているつもりでございます。
○高野博師君 この冊子の中で検討委員会の山中貞則委員長は、この委員長を引き受けた理由として、細川総理になってからさきの大戦は侵略戦争であったと公言したことが引き金となった、それで委員長を引き受けた、戦死者を冒涜する声に我慢ができなくなったと、こういうことを述べております。また、原田憲顧問は、侵略戦争だなんて言われると、果たして何のために死んだんだ、痛恨あたわざることを細川総理が言ったりしていますから、これを正さなきゃならぬと思うと発言しております。また、江藤委員、現在の総務庁長官ですが、この論争にきちんとけじめをつけなければ戦争は終わっていない。ドイツでも、あれはナチス・ドイツがやったことで、ドイツ国民、国家がやったことではないとしたたかに切り抜けている。エリツィンだって、あれは旧ソ連がやったことだ、こう言うわけです。そういう点で、細川なんというのはばか正直だなと私は思うと、こういう自民党の政府要人の発言が載っております。 これは、まさに非常に重大な問題だろうと思います。このような歴史認識について、シンガポールのリー・クアンユー元首相は、何人もの右派の著名な日本要人による公言が、多くの日本人は本当にみずからを被害者であって侵略者ではないと信じているのではないかという疑念に根拠を与えている、こうした耳ざわりな声がやめば、日本は近隣諸国と信頼関係を構築することも容易になるであろうと、こう述べております。要するに、こういう発言があるから日本はアジアの近隣諸国と信頼関係を築けないんだ、こういう発言であります。 この「大東亜戦争の総括」に出ている中身については、まさに自民党を中心にした歴史観、政治家の歴史観、そして戦争に対する考え方、体質までもあらわしていると私は思います。加えて、河野大臣の発言については、先ほど言いましたように朝鮮半島の分断、こういう問題について、あるいは島村文部大臣の侵略戦争かどうかは考え方の問題と、こういう発言は根本的に同じ歴史観に立っているのではないかと言わざるを得ないと思います。 この冊子については、朝鮮日報が経済大国の精神的矮小だ、こう非難しておりまして、ハンギョレ日報は日本の反歴史性と反発しております。 私は、日本の政治指導者が正しい歴史観を持って、本当に過去の過ちを反省して未来に向けて行動しない限り、日本はアジア諸国の信頼を得ることは難しい、そう思います。アジアの国々は絶えず日本の政治動向に注目し、敏感に反応しております。それは、日本が再び軍事大国になってアジアの民を苦しめることはないだろうか、そういう不信感と不安感を有しているからだろうと思います。 そして、今まさに問題になっております宗教法人法の改正問題についても懸念しております。例えば、九月二十日の香港の情報紙は、戦前戦中の宗教統制、弾圧が日本の侵略戦争の伏線になったとして改正に反対しております。当時の治安維持法、不敬罪、宗教団体法等によって宗教、思想統制をして軍部と国家神道が結びついて、国を挙げて戦争に突入していったという歴史的な事実を忘れるわけにはいかないと思います。再びこのような過ちを繰り返さないということにおいても、信教の自由、そして思想、表現、結社の自由等基本的な人権を守り抜くことが必要であろうと思います。 この際、ぜひとも河野大臣の宗教観について、そして政教分離についてのお考えを伺いたいと思います。簡潔に自分の言葉で語っていただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) お答えをする前に、しつこいようですが、今の冊子についてはぜひ誤解のないようにお願いをしたいと思います。 この冊子、すなわち歴史・検討委員会編と書いてありますが、確かに御指摘のとおり、歴史・検討委員会は自民党の有志議員によってつくられているという点は恐らくそうだと思います。今、議員がおっしゃったように百数人、こうお話がありましたけれども、少なくとも自由民主党には三百人からの議員がいるわけで、何か今のお話を聞くと、自民党のほとんど全部がこうじゃないかというお話は正しくないので、そこは御訂正を願いたいと思います。 さて、今の宗教観というお尋ねですが、私自身は曹洞宗の信者でございまして、しかし余り熱心な信者じゃございませんので御満足のいくお答えができるかどうかそういう角度では自信がございませんが、つまり信教の自由というものは憲法の保障するところだ、個人の尊厳をとうとぶという意味で民主主義の基本をなす定理の一つというふうに考えるべきだと思います。つまり、いかなる権力も信教の自由を侵すことがあってはならない、こういうふうに私は思っております。 同時に、憲法は国家と宗教の分離を定めて、二十条第一項後段は「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」というふうにも書いているわけでございます。いかなる宗教も信教の自由を保障される一方で、多様な価値観が存在することの許される社会的秩序の維持の障害となるようなことがあってはならない。政治と宗教の分離は民主主義国家にとって極めて重要な原則だというふうに私も認識しております。
○高野博師君 宗教と民主主義の関係についてはどう思われるか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日本の国のようにたくさんの宗教があるという状況の中で、それぞれ信ずるところ、信教の自由を持たれるということは、今申し上げたようにそれは当然のことだと思います。そのことが一人一人の確立された個として民主主義を支えるという点、そういうことであれば、私はこれはもう何も言うことはないというふうに思います。しかし、仮に特定の人間がマインドコントロールをして多数を一方に向ける、そういうことがあるとすれば、それはやはり心配だなという気持ちは正直いたします。
○高野博師君 それは具体的にはオウムを頭に入れての話ですか、それともほかのことでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 特定のことを具体的に申し上げるのは控えるべきだと思います。
○高野博師君 時間がありませんので最後に。 歴史的に見ても信教の自由というのは民主主義の根幹である、基本的人権の根本であると私は思います。 一九四一年、まさに日本が宗教統制、弾圧をしていた時期に、アメリカのルーズベルト大統領は有名な四つの自由を発表しております。すなわち、言論の自由、信教の自由、欠乏からの自由、そして恐怖からの自由であります。信教の自由は人類が長い歴史の中で獲得した人権であります。私は、日本が再び同じような誤りを繰り返さないということを切に願います。そのためにも信教の自由を守るということに力を入れたいと思っております。 私は、大臣の宗教観を伺いまして、また政教分離については、特に一言だけ、これは憲法二十条で保障された信教の自由を保障するのが政教分離の原則だと。したがって、これは法的な解釈としては政治権力が宗教に介入してはならないというのが通説であります。決してその逆ではないということを強調しておきたいと思います。 以上で終わります。
○照屋寛徳君 千九百九十五年の国際穀物協定について二、三お尋ねをいたします。 まず最初に、国際穀物協定の締結に当たって、最近の世界的な穀物事情についての政府の御認識をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(原口幸市君) お答え申し上げます。 最近の穀物の生産は、先ほどちょっと野沢先生のときにお答えいたしましたけれども、一九九四年、九五年度の穀物年度で前年度に比べますと三・二%ふえておりますし、貿易量も前年度比で一・〇%ふえております。他方、九五年、九六年になりますと、生産の方が主要生産国、米国、中国、ロシア等で異常天候ということがあって減っているという状況でございます。 そういうこともありまして、穀物の不足とかそういうことはございませんけれども、やはり需給の変動によって価格がどうしても変動してくる。そういう価格の変動ということのできるだけないように、それからまた輸入国の立場でいけば安定的な供給を確保する、そういうようなことが実現できるようにということでこの穀物協定というものの意義があるんだろうと思いまして、そういう観点から御審議をお願いしている、そういう事情でございます。
○照屋寛徳君 本協定の食糧援助規約との関連で食糧援助の対象となる途上国の定義規定を新たに設けたようでございますが、その意義についてお尋ねをいたします。
○政府委員(畠中篤君) 途上国の定義というものを新たに設けましたけれども、この途上国の定義と申しますのは、OECDのDACというところでとりあえずの援助対象国のリストというものを持っております。これをもとに、このDACのリストに載っている途上国を主として対象とするということを決めてございますけれども、ただ食糧援助が必要になる途上国というのが、DACのリストと申しますのは毎年状況によって変えてはおりませんので、委員会が特別に合意した場合にはそういうものも途上国として認めていくというような定義で定められております。
○照屋寛徳君 本穀物協定は国際的に価格安定のメカニズムを確保する目的を有していると思われますが、例えば同協定の対象品目と思われる小豆の生産及び需給動向はどうなっているのか、また本協定の締結が小豆などの先物取引にも何らかの影響を与えるか否か、その点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(鈴木信毅君) まず、小豆の生産状況なり需給動向を簡潔に申し上げたいと思います。 国内の生産状況でございますが、小豆は北海道が主産地でございまして、北海道の畑作農業の基幹作物でございます。平成六年、昨年の作付面積は全国で五万二千ヘクタールございますが、うち北海道が三万五千ヘクタール、約七割ぐらいでございます。それから同じく生産量でございますが、全国で九万トンでございますが、北海道が約七万五千トン。生産状況はそういう状況でございます。 一方、需給の動向でございますが、小豆は御案内のようにあんこの消費が主体でございまして、年間、小豆で十一万トンから十二万トンぐらいの消費がございます。自給率は、年によっては変動がございますが、平年であれば大体七割ぐらいが国産と、そういうような状況にございます。 それから二番目のお尋ねの、今回の穀物協定がこういった我が国の小豆の生産なり需給に、あるいは価格に影響があるのかということでございますが、確たることはなかなか言いづらいのでございますが、小豆は今申し上げましたようにあんこが主体ということで、日本、中国、韓国、こういったところが主体でございます。したがいまして、援助物資として国際的に広く流通するということは考えにくいのではないか、そんなふうに見ております。したがいまして、日本の小豆の生産あるいは需給、価格に直接的な影響を及ぼすということは想定しがたいんではないか、とりあえずそのように考えております。 以上でございます。
○照屋寛徳君 先ほどお尋ねしました、今非常に社会的に大きな問題になっております例えば小豆とか大豆の先物取引の問題がありますね。この先物取引にはこの協定の締結をするか否かというのは全然関係はないんでしょうか、何らかの影響を及ぼすようなことがあるんでしょうか。その点について。
○政府委員(鈴木信毅君) 今申し上げましたようなことでございまして、率直に言えば商品取引に影響があるかどうか、商品取引はいろいろな生産なり流通なり消費の情報に基づいて価格形成がされるということでございますので、行政の立場で影響するしないということを申し上げることは、適正な価格形成に影響を及ぼすということで御容赦願いたいと思います。
○照屋寛徳君 それでは、次に国際天然ゴム協定について幾つか質問いたします。 本協定は、緩衝在庫の運用等を通じて天然ゴムの価格の安定及び供給の確保を図ることを主たる目的としており、世界第二位の天然ゴム輸入国である我が国の輸入の安定化を図る上で必要な協定だというふうに私は考えております。我が国が既に締結をしている国際商品協定の中にあって緩衝在庫の制度は本件国際天然ゴム協定のみと思われます。 そこで、国際天然ゴム協定の緩衝在庫制度の意義について、その御認識をお伺いしたいと思います。
○政府委員(原口幸市君) 先生御指摘のとおり、国際商品協定というのは今八つぐらいあるんですけれども、その中で緩衝在庫制度を持っているのはこの国際天然ゴム取り決め一つでございます。 この緩衝在庫がある結果として、価格がある一定以上になった場合には持っている在庫を放出して価格を下げる、また一定以下になった場合には今度は市場から物を買って価格をある一定の水準の価格帯の中におさめるということでございます。そういう機能があるわけでございまして、事実過去十七年の間に半分ぐらいの期間はあらかじめ決められた価格帯の外に価格がある程度上下する動きがあったわけでございますけれども、それを何とか緩衝在庫の介入によってその価格帯の中に抑えることができた、そういう意味では天然ゴムに関する限りはうまく機能をしてきたと言えるんではないか、そのように考えております。
○照屋寛徳君 同協定二十七条の在庫の費用負担との関係でお尋ねいたしますが、我が国が同協定二十七条に基づいて負担すべき金額と予算措置などはどのようになっているのか、お教え願いたいと思います。
○政府委員(原口幸市君) 緩衝在庫の我が方の負担分は約七億円でございます。それからこの機関の運営に係る運営経費の分担金が二千五百七十一万円という状況でございます。これは九五年の我が国の負担分でございます。
○照屋寛徳君 最後に。 同協定の四十二条で定められている、「加盟輸入国は、天然ゴムにつき自国の市場へのアクセスを維持する政策を可能な限り追求する」、このように定められている義務との関連で、いわゆるPL法の製造物責任に何らかの影響があるのかないのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(増田優君) PL法は製造物の欠陥による事故が発生した場合における損害賠償責任を規定した法律ということで、既に欧米諸国初め世界の多くの国々で導入されている制度でございます。我が国におきましてもことしの七月からPL法の施行ということになったわけでございますが、これによりまして製造業者あるいは輸入業者はこれまで以上に製造物の安全性ということに注意を払うということが必要になってきているということでございます。 しかしながら、天然ゴムというのはタイヤを初めいろんなゴム製品において非常に重要な主要な原材料でございます。非常にいい特性を持った材料でございますので、こういったPL法の施行に伴う企業の製品の安全性の向上ということの取り組みが進むといたしましても、直ちに天然ゴムの市場アクセスに直接的な影響を及ぼすものではないだろうというふうに我々は考えております。実際、PL法の対策という観点で天然ゴムの輸入を手控えるというような動きが産業界、関係の業界の中にあるということについて我々は承知をしていないという現状でございます。
○照屋寛徳君 それでは、大臣お見えでございますので、外交一般についてお尋ねをいたします。 最初に、去る十月二十一日に沖縄県で米兵の少女暴行事件を糾弾し地位協定の見直しを求める県民大会が開催をされました。この大会には県内各地から自発的に八万五千人もの県民が結集をいたしました。まさに私は身ぐるみの大会であり、沖縄の人たちの怒りの結集であったというふうに思っております。これまで戦後五十年間、基地の重圧を受けて苦しんできた沖縄の人たちが、この日を契機にしてみずからの運命を主体的に決めていこうと、こういうふうに決意をした沖縄の歴史に残る日ではないかというふうに私は思っておるのでございます。 この大会には沖縄の各政党が党派を超えて参加をいたしましたし、経営者協会あるいは医師会等を含めて、それこそ各界各層の方々が参加をしたわけでありますが、とりわけ県民大会であいさつをした高校生代表の仲村清子さんのあいさつは、私たちの胸を強く打つ内容のあいさつでございました。彼女はこの大会で「基地あるがゆえの苦悩から、早く私たちを解放してください。」「私たちに静かな沖縄を返してください。軍隊のいない、悲劇のない平和な沖縄を返してください。」、こういうふうに強く訴えておったわけであります。 そこで、大臣はこの十月二十一日の県民大会についてどのような御感想、御所見を持っておられるか、最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど野沢議員のお尋ねでもお答えを申し上げましたが、まさに八万人を超える大集会、しかも今お話しのように党派を超えて世代を超えて多くの方が集まられたということについて、我々はこの集会を重く受けとめなければならぬというふうに思っております。その集会で決議された項目については、我々は一つ一つ誠心誠意受けとめていかなければならないだろうというふうに思っております。
○照屋寛徳君 大臣は、けさモンデール駐日大使とお会いになって、その会談が延びたために委員会の出席が少しおくれたようでございますが、けさのモンデール駐日大使との会談の中で、沖縄の基地問題あるいは地位協定の改廃問題、少女暴行事件などについても協議をなされたと思いますけれども、どのような話し合いであったのか、ぜひ御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 協議はまだ途中でございますけれども、けさの段階で、私はまず専門家委員会の結論を早急に出さなければならないということを申しまして、大使からも、自分たちとしても最善を尽くしてこの問題の解決案をつくるために努力をしていく、こういうお話でございました。私の印象でございますけれども、私の印象としては今週中には答えが出るものというふうに感じた次第でございます。 さらに、基地の問題についても議論をいたしました。これは、私どもの方からいろいろ考え方などを述べて、大使のお考えも伺いましたけれども、まだ結論に達しておりません。 さらに、謝罪につきましては、大使は、この問題に対する謝罪はもう幾ら謝罪しても足りないくらいに思っている、そして自分は日本国民にわび、沖縄県民にわび、それから御家族にわび、御本人にもおわびをいたしますということを言っておられたのでございます。 補償の問題につきましては、これはこれからのことでございますが、現在、米軍の中でグッドネイバーファンドでございますか、自発的な基金を集めるという動きが出ているということについて御報告がございました。
○照屋寛徳君 マスコミ報道によりますと、昨日、アメリカのペリー国防長官が、沖縄の兵力調整については日本政府からいかなる提案があっても応ずる旨の発言があったようでございます。先日の県民大会でも、大田沖縄県知事のごあいさつの中で、知事はこれまで四回にわたってアメリカ政府、議会、アメリカのマスコミに沖縄の基地問題の解決の促進を直訴してきたけれども、そのたびにアメリカ政府の高官から言われるのは、沖縄の基地の整理縮小について具体的に日本政府から何も言ってこないじゃないかと、こういうふうに言われたということをあいさつの中で述べておりました。 私は、やっぱり在沖米軍の兵力削減を政府としてアメリカに強く求めていく。具体的には、例えばアメリカの海兵隊の廃止というか撤退というかそのことについて、ペリー国防長官の発言にもありますように、日本政府自身がもっと積極的に要求をすべきだと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) モンデール大使とのけさの議論の中でも、私ども日本側も日米安保体制を堅持する、この考え方に変更はない、この考え方は我々は一貫しておりますよと、こういうことを前提に我々は沖縄県民の気持ちを受けとめて最善の努力をいたしたいと考えておりますということを申しました。 それから、これはもう議員は十分御承知だと思いますが、これまでに二十二事案でございますとか三事案でございますとか、さらにさかのぼればそれ以上のものについて日米間では協議をして、実現をしているものもあり途中のものもあるのであって、これまで基地の整理統合、そして結果としてそれが縮小につながる、これらの話が日本側との間にないということは正確でないと思います。 我々は、これまでもそうした話をしてきている、そしてそれが沖縄県民の皆さんから見れば十分満足はいかないまでも、そうした事実が一つ一つではありますけれども進んでいることもあるということはぜひ御理解をいただきたいと思います。 最後に、ペリー長官の発言について、私はモンデール大使に、ペリー長官の発言を見ると来週沖縄に行くなんということが言われていたりするんですが、それはもう明らかに間違いであろうと思いますが、ペリー長官の発言の真意というものをもう一度正確に言ってほしいということを言いまして、モンデール大使から若干コメントがございました。 北米局長から少し説明をさせていただきたいと思います。
○政府委員(折田正樹君) NBCのテレビにおいてペリー長官が御発言になりましたが、今、外務大臣が申されましたように、来週沖縄を訪問する予定であるということもおっしゃったり、それから我々は沖縄における兵力の調整に関し日本政府が行ういかなる提案も検討するであろうと、日本政府はこれまでのところそのような提案を行っていないということも述べられたものですからいろいろな憶測を呼んだわけでございます。 けさ、外務大臣に対しましてモンデール大使が説明したところによりますと、これはアメリカの国防省からの訓令に基づくものだと言っておりましたが、ペリー長官は、基地の整理統合のプロセスについて言及したものであって、日本側の提案は、いつもそうであるけれども、検討する用意があると。それから第二に、沖縄を訪問する計画はございませんということでございました。そしてさらに、アメリカとして現状の兵力を維持する政策、この政策はボトムアップ・レビューとか東アジア戦略報告に出ているわけでございますが、その基本政策には変わりがない、変更がないというふうにモンデール大使は説明をされました。 以上、御報告しておきます。
○照屋寛徳君 現状のまま沖縄に兵力を維持する、基地を固定化するということだと、恐らく私は県民の怒りは爆発するだろうと思うんですよ。このままですと、いかに日米安保体制を堅持すると言っても、私は沖縄の基地の確保というのは非常に難しいし、むしろ安保体制そのものに風穴があくんじゃないかというふうに思っております。 そこで、基地沖縄に五十年間住んでおっていつも思いますのは日米合同委員会合意、これが一体これまで何件締結をされてそのうち公表されているのは何件なのか、また基地の運用とか戦略的な機能がどうなっているのかを知るためには県民はそれを全部公表すべきだと、こういうことを望んでいるわけですね。そのことについてお尋ねをいたします。
○政府委員(折田正樹君) 日米合同委員会の協議内容及び関係文書につきましては原則不公表扱いということで日米間で合意がなされているところでございますが、他方、国民の生活と密接な関係があるようなものにつきましては、アメリカ側の了承を得た上でその要旨を随時公表しておるところでございます。また、国会にも提出しておるところでございます。 いろいろ御議論を呼びました第十七条に関する合同委員会合意というのがございますけれども、これは昭和三十五年当時でございますが、国会に提出しております。さらに、施設・区域の提供に関する合意というものがございますが、その主要点については官報に告示するということによって公表してございます。 今、先生が言われた全体で何件あるのかということでございますが、統計は集計しておりませんけれども、施設・区域の提供に関しては、これまで、これは日本全国にわたってでございますけれども、約三千五百件の合意がなされているものと承知しております。
○照屋寛徳君 その三千五百件のうち、公表されておるのは何件ですか。
○政府委員(折田正樹君) 何件というのは、ちょっと手元に資料がございませんで、後で御報告いたします。
○照屋寛徳君 ぜひその件については後で資料をいただきたいと思います。 それから、今度の事件の少女に対する被害の補償、これは大変大きな問題だろうと思いますが、現行地位協定十八条の補償規定の見直しは私はぜひ必要だというふうに考えております。というのは、これまで、復帰前、復帰後を通してこの種事件、事故で被害者というのはほとんど泣き寝入りというかやられ損だったわけですね。加害者米兵、公務外の事件の場合にはほとんど支払い能力がないものですからやられ損になっている。 そういう点で、私は、アメリカ政府の使用者責任あるいは基地を提供している日本政府の責任も制度的に盛り込めるようにしないと、これは将来にわたって大きな問題だと思いますが、その点について大臣の御決意を簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと先に施設庁から。
○政府委員(諸冨増夫君) お答えいたします。 ただいまのやられ損というようなお話がございましたが、現在の地位協定第十八条六項の規定によりますと、もちろん公務外の事件でございますから、加害者と被害者との間の示談により解決するというのがあくまでも原則でございます。この示談ができない場合に地位協定十八条六項の規定がございまして、私どもが防衛施設庁として被害者の方から補償請求に関するお話を承りまして、その内容を公平に審査いたしまして、私どもとしてはその結果を報告書にまとめて米側の方に送付することになっております。米側はその私どもの報告書を尊重して補償金額を決定して被害者に補償額を払うと、こういう仕組みになっておるところでございます。
○照屋寛徳君 どうも新しい施設庁長官も沖縄の実態を私は知っていないと思うんですよ。このような発言をしたら宝珠山さんと同じような運命をたどるような気がしますよ、私は。だから、もっと真剣に取り組んでくださいよ。実態としてやられ損になっているから県民は怒っているんです。それが一つ。ぜひ長官の御決意もお伺いをしたいと思います。時間がありませんので、長官の決意は後でお聞かせください。 十月二十二日に発生した、毎日新聞の記者が報道する目的で壊れたフェンスのところから基地内に立ち入ったという事件で逮捕されたようでございますが、その事件の経緯等について御説明をいただきたいと思います。 ただ、私が現地で聞いてみましたら、特にフェンスを壊して入ったとかということでもないし、演習もない日で、しかも習慣的に地域の人たちも立ち入っていたところのようでございます。刑事特別法の問題点もあろうかと思いますので、詳細な御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(野田健君) お尋ねの事案は十月二十二日の十時ごろ発生したようでありますが、毎日新聞の社会部記者三名が写真撮影等を目的として沖縄県下の米軍基地内に侵入し、警戒中の米海兵隊憲兵に発見、身柄拘束され、米軍から通報を受けた沖縄県警察が同人らの身柄の引き渡しを受け、即時刑事特別法第二条違反で逮捕したという事案であります。 侵入した場所は、確かに網が一メーター掛ける九センチぐらい破れているという状態でありますけれども、そこへ行くまでに一つ網を乗り越えていかないといかぬというような場所でありまして、通常そこの辺に住んでいる人がしょっちゅう遊びに行くとかいうような場所では決してないということのようでございます。なお、当日は実弾の訓練等は行われておりません。 そして、逮捕はいたしましたけれども、その後の取り調べにおいて三名とも事実を全面的に認めておりまして、逃走、証拠隠滅のおそれもないという判断をいたしましたので、同日中午後九時十五分ごろに釈放をいたしまして、現在任意捜査で引き続き捜査中でございます。
○照屋寛徳君 最後に。 先ほど大臣の御決意を聞きたかったんですが、補償責任との関係で政府のあるべき責任、このことについてはどのようにお考えなのか。今のままでいいのかどうなのか。
○国務大臣(河野洋平君) 十八条六項の関係で、これは防衛施設庁があっせんをするといいますか間に入って米側と交渉をするということになっておりまして、先ほど長官はそのことをお答えになりました。 今、照屋議員がいろいろ御指摘になりましたように、過去の事例を見るとそのあっせんが必ずしも満足すべきものでないものもあるわけでございまして、その点は我々もよく考えなければならぬことだと思います。ルール上は防衛施設庁が一義的にこの話をやらなければならないことでございますから、施設庁から私どもに何らかの発議があれば我々としては考えなきゃならぬだろうというふうには思っておる次第でございます。
○立木洋君 きょう私は今議題になっておる二つの協定の問題についてお尋ねしたいと思うんですが、この二つの協定については当外務委員会でこれまでも私は何回かお尋ねしてきた経緯があるので、二つの問題そのものではなくて、これに若干関連してお尋ねすることにしたいと思います。時間が極めて短いものですから、大臣もそれから原口局長さんもできるだけ簡潔に御答弁いただけるように最初にお願いしておきたいと思います。 戦後、御承知のように、第一次産品についての交易条件が非常によくないというようなことが問題になりまして、一九六四年にUNCTADが発足しました。いわゆる南北の経済格差を解消していく、開発と貿易を発展させていく、こういうことが問題になって、その後進んできて、一定時期、比較的順調に進んだと思われる時期もありました。しかし、七〇年代に入ってから先進国との間でのいわゆる新しい国際経済秩序の確立の問題をめぐっての意見の違い等がありましたし、それから一九八〇年代の不況期に入って第一次産品の輸出が減少し、そして価格も暴落するというふうなことが起こったりして、なかなか大変な状況になってきたというふうに思うんです。結局、工業を進めるために、さらに借金を返すためにまた借金するみたいな大変な状態というのが途上国の中で起こってきました。 こういう問題を見て、今まで戦後の経過の中で九つの商品協定があって、日本はオリーブ油については加盟しておりませんけれども、この商品協定というのが、今の南北問題の経済格差をなくして貿易問題や開発問題を前進させていく上で一体現状はどうなっているんだろうかと。 今、問題になっておる天然ゴムの問題についての協定は、比較的うまくいっているうちの一つだろうと私は思っております。しかし、商品協定全体について言いますと、価格安定の手段として緩衝在庫の方式がありますし、あるいは輸出割り当ての方式等があったり併用なんかの問題がありますけれども、しかし経済条項そのものが存在していないという商品協定も少なくないんですね。そして、割り当て方式では価格の上昇期にはなかなか機能が発揮しにくい。緩衝在庫の条項を持っていたココアにしてもすずにしても資金難の問題でうまくいかなくなったというふうなことがあるんです。 こういうような問題が今国際的な会議の場でどういうような議論になっているのか。商品協定のあり方を今後どうするというふうなことが問題になっているのか。商品協定の現状と今国際的に議論になっている将来的な見通しの問題について、これは簡潔にと言っても大変かもしれませんけれども、できるだけ簡潔にお願いしたいと思うんです。
○政府委員(原口幸市君) 今、先生が分析されたことはおおむね正しいと思うのでございますけれども、簡潔に申し上げれば、商品協定が八つか九つかあるわけでございますけれども、関心のある輸出国側、要するに生産国側は大半が開発途上国でございますが、その開発途上国は依然として関心を持っているということでございますので、それなりに開発途上国の側にも依然として価値を見出しているということだと思います。 もちろん、緩衝在庫があればそれにこしたことはないのでございますけれども、それは今、先生がおっしゃったような事情から必ずしもうまく機能していないということであきらめられまして、現在そのかわりに商品協定で期待されていることは、情報の交換とか加工度の向上のためのプロジェクトの実施、促進というようなことでございます。したがいまして、その心は、情報の不足だとか偏り、あるいは加工度が望ましい水準まで行っていないということで、生産国側に不利な状況にならないようにというようなことでそれなりの機能を果たしているというのが状況だと思います。今申しましたように、それでもこういう協定はある方がいいということで生産国側も関心を示しているということが事実の問題としてあると思います。 今後の見通してございますけれども、大勢としては市場経済、市場のメカニズムに任せていく、それでそのメカニズムがうまく機能するようにこういう情報の提供を十分にするというような方向で対処していくというのがやっぱり現実的な方法ではないかという意見が大勢を占めていると思います。
○立木洋君 商品協定を何も私はやめた方がいいなんという意味で言ったわけじゃなくて、改善の方向をどう見出していくかというのがやっぱり問題だろうと思うんですね。しかし、ガットとのかかわりでいきますと、なかなかやっぱり問題があるんですよ。これはここで私は議論をし切れるとは思いません。 ただ、問題になったのは、一九七六年に行われた第四回のUNCTADの会議でこの第一次産品についての総合計画が決められました。当初これについては価格安定のための十八品目について百七億ドルに上るいわゆる共通基金の問題が問題にされたんですね。しかし、実際にそれが決められた段階になりますと極めて大幅に削られまして、合わせて七億五千万ドルということになってしまったんですね。百七億ドルが七億五千万ドルじゃ、これは一体どうなるんだろうかと思うんですがね。 しかし、この共通基金が八八年六月に発足して今日まで七年近くたっているわけですけれども、この共通基金の実情というのはどんなふうになっているんでしょうか。これは改善していくような作用を持つ方向に進んでいるんでしょうか。
○政府委員(原口幸市君) 御指摘のように七億五千万ドルの規模で今存在しているわけでございますが、この基金は第一勘定と第二勘定に分かれていまして、第一勘定の方が緩衝在庫の操作に……
○立木洋君 それはもうわかっています。
○政府委員(原口幸市君) そうすると、第一勘定の方はしたがって今全然動いていないんです。それで、第二勘定の方が三億五千万ドルの規模でございますが、これにつきましては一次産品の研究開発だとかそれから付加価値の向上のためのプロジェクトに融資するということで実際に活動しております。 したがって、今の問題は使われていない第一勘定をどうするかという問題でございますけれども、これについてはいろんな意見がございまして、第二勘定に合体させるべきだとかあるいは一次産品市場の開発のための融資に活用すべきだとか、あるいは拠出国に返せという議論もありますが、まだここのところについては結論が出ておりませんで、来年中に何らかの結論を出そうということになっております。
○立木洋君 私は、この問題の将来性について決して何も悲観的な見方をしているわけじゃなくて、ことしの三月六日から十二日までコペンハーゲンで御承知のように世界社会開発サミットが開催されました。これは私は意味のある会議じゃなかったかと思うんです。もちろん、ここでの問題になった市場経済論の問題だとかあるいは軍事費を削減して財源をどう生み出すかだとか、いろいろな問題が議論されて、全部それが解決されたということではございません。 しかし、今の問題の中で問題は、紛争が出てくる。その問題については軍事力でもって解決すればいいということではなくて、いわゆる貧困に目を向けて、失業問題に目を向けて経済をどうするかということで努力をするということが必要なんだと。これはガリ事務総長も最近しばしば強調されておりますけれども、こういう形として経済社会理事会で決定されて、国連として初めて百八十七カ国、そのうちの大部分が首脳、つまりサミットの会議として開催された私は非常に意味のある会議だと思うんです。 そこで日本としてはどういうことを特に主張されたのか。これが一つ。それから、この会議の問題について大臣自身はどういう評価をなさるのか。この二つの点、ちょっとお答えいただけますか。
○政府委員(朝海和夫君) 三月の社会開発サミットでございますが、会議の問題意識としましては、経済発展に伴ってひずみが生じがちであると。それは貧富の拡大であるとか社会的弱者の問題であるとかいろいろございますけれども、そういうひずみを是正しながら社会の発展を促そうということでございます。 日本の方からは、サミットでの総理の御発言にあるように人にやさしい社会ということで、それを創造しようという意識のもとで三点を特に強調しております。それは、人間優先の社会開発、教育訓練などの人づくり、三点目がNGOを含む市民社会全体による社会開発への積極的参画ということでございまして、こういう視点に立って意味のある意見交換を行ってきて、国連としても新しい視点から社会開発の問題を大いに議論した、そういうふうに位置づけております。
○国務大臣(河野洋平君) 国連というと安保理がスポットライトを浴びて、国際社会の安全保障の問題について国連が期待を一身に受けているという状況でありましたけれども、考えてみると、現在、国連に対して期待されているものは変わってきたんじゃないか。人口の問題があり、難民の問題があり、貧困の問題があり、エイズの問題があり、環境の問題がある。そうした問題に国連が取り組もうとすれば、やっぱり経社理というものにどうやって力をづけていくか、経社理にスポットライトを当てていくというぐらいの気持ちがなければならないというふうに思うんです。 国連改革というと安保理改組と、こうすぐ皆さんお考えになるかと思いますけれども、私は、必ずしも安保理改組ばかりが問題ではなくて、やはり経社理をいかに改革して、経社理が国際社会の期待にこたえられるようなものになるかということが重要なことだと思います。と同時に、今、財政的な改革も国連改革の中では重要だと思いますが、この経社理に対する期待の高まりというものに我々は注目して、そしてその期待にこたえる努力をしなければならないというふうに思います。
○立木洋君 私たちもこういう問題を非常に重視しているんだということを大臣にもぜひとも知っていただきたいので、きょうは短い時間ですけれども私は強調させていただいたわけです。 ただ問題は、これまでUNCTADの会議は八回総会が開かれていますね、九二年までの間に。近くまた、二年後になりますか開かれることになるわけですが、この中で見てみますと、確かに日本のODAというのは世界で第一位だという形でやられてきていますけれども、この間のDACの統計を見てみると、つまりLDC援助額というのは二十一カ国の中で下から二番目なんです。つまり極めて貧しい国に対する援助額が先進国二十一カ国の中で下から二番目だというのはいかがなものかと思わざるを得ない。DACの統計はここにありますから要るんだったらごらんになっていただいて結構です。 だから私は、この問題だけを言うつもりはありませんけれども、新しい国際的な経済秩序を確立していくような問題、それから南南協力をどう発展させていくかというような問題、あるいは共通基金を先ほど原口局長が言われたようにどううまく活用して、そして実際に価格の安定や需要供給のバランスを保つようなそういう国際的な経済の安定に寄与していくような努力をするのか、さらに今言ったようなLDCの援助の問題なんかをどうしていくかというふうな問題等があると思うんです。 ですから、この点についてはぜひともさらに前進させるべく全力を尽くしていただきたいということを特にお願いしておきたいのですが、よろしいでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) よくわかりました。
○立木洋君 最後に。 今、同僚議員が述べられた線で、今まで日本の政府が沖縄問題が発生してから後アメリカ側に要求した具体的な項目、例えば基地の問題ではどういう要求をされたのか、それから地位協定の問題、特に十七条の問題に関してはどういう要求をされたのか、その他の問題ではどういう要求をされたのか。その要求された項目を、漠然とした形ではなくて、こういう問題を要求したということをひとつ明確にしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 北米局長が退席してしまいましたので、私から申し上げたいと思います。 議員のおっしゃるのは、つまり少女暴行事件が起こった後という意味ですね。 あれ以後、私どもは十七条五項(C)の運用の改善ということを早急にやってもらいたいと。これは繰り返し申し上げておりますが、このことによって身柄の引き渡しということを求めたわけでございます。 さらに基地問題につきましては、モンデール大使に対しまして、基地の整理統合について我々は重大な関心を持っておりますと、引き続きこれらについて協力して、ちょっと文言は正確でございませんがお許しをいただきたいと思いますが、つまり引き続きやっていかなきゃならぬということを言いました。 それから再発防止について、これはしっかりやってくれということを申した次第でございます。
○立木洋君 あとは次の機会にして、もう時間が来ましたので終わります。
○委員長(木庭健太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、千九百九十五年の国際穀物協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(木庭健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、千九百九十五年の国際天然ゴム協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(木庭健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木庭健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十三分散会