科学技術特別委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/12/27
会議録
○委員長(長谷川清君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十六日、山本正和君、峰崎直樹君、志村哲良君及び林寛子君が委員を辞任され、その補欠として清水澄子君、谷本巍君、保坂三蔵君及び林久美子君がそれぞれ選任されました。 また、本日、河本一二郎君が委員を辞任され、その補欠として太田豊秋君が選任されました。 —————————————
○委員長(長谷川清君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関する件の調査のため、本日の委員会に動力炉・核燃料開発事業団理事長大石博君及び同理事高橋忠男君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(長谷川清君) 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関する件を議題といたします。 同伴に関し、政府から報告を聴取いたします。浦野科学技術庁長官。
○国務大臣(浦野烋興君) 今回の「もんじゅ」の事故では、地元の方々や国民の皆様に大変な不安感を与え、また、動燃事業団が情報の適切な開示を行っていなかった事実が判明いたしまして不安感が高まる結果となっており、極めて遺憾に存じております。原子力行政を預かる者といたしまして、このような事態となったことを非常に厳しく受けとめておるところでございます。 今後は、まず徹底した原因究明を進め、再発防止対策に万全を期すとともに、積極的かつ速やかな情報公開等によりまして、地元の方々や国民の皆様の信頼を一刻も早く回復できるよう最大限の努力をしてまいる所存でございます。 現在、原子炉等規制法に基づきまして立入検査を鋭意実施しているところでございますが、委員会で御審議いただくに際しまして、十二月十三日水曜日の御報告以降の状況につきまして、原子力安全局長から説明をいたさせます。
○委員長(長谷川清君) 宮林科学技術庁原子力安全局長。
○説明員(宮林正恭君) それでは、お手元の資料に基づきまして御説明させていただきます。「動力炉・核燃料開発事業団 高速増殖原型炉もんじゅの2次系ナトリウムの漏えいについて」でございます。 十三日に少し御説明をしておりますので、あるいは重複する部分があるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。 まず、事故は十二月八日十九時四十七分が起点となっているようでございまして、炉は二十一時二十分に手動で停止したということでございます。 科学技術庁は二十時四十五分ごろに連絡を受けまして、直ちに原子力安全局長ほかが参集いたしまして、事故の状況、経過、従事者や周辺環境への影響等の確認に努めまして、ナトリウムの漏えいの状況、拡大防止、原因について至急調査するよう動燃に指示しております。あわせて、事実関係を村山総理大臣にも御報告いたしております。 現地におきましては、運転管理専門官が情報収集等を二十二時ぐらいから駆けつけましてやっております。なお、その後の判明したところによりますと、動燃事業団が午前二時ごろに配管室、まさに漏れましたところの場所まで入域しビデオ等を撮っだということが判明いたしております。 それから、福井県及び敦賀市におかれましては、十一日未明に配管室内への立ち入りが行われております。 原子力安全局の方におきましては、十日にタスクフォースの設置を決めまして、科学技術庁の原子力安全技術顧問等の専門家と科学技術庁の職員をもって構成し、ナトリウム漏えい後の作業の安全確保、原因の詳細調査、再発防止対策及び教訓事項等について早速検討することといたしました。 十一日にはその予備会合を開催し、十二日には第一回の全体会合、続いて十三日には現場の状況調査等を行っております。その際にタスクフォースは、十五ページの図面を見ていただきたいのでございますが、Cループ、これは前回申し上げましたので詳しくは申し上げませんが、Cループと言っております場所の黒線でいっているところがナトリウムが出る管でございますが、どうもこの出口あたりのところでナトリウムが漏れたらしいということを確認いたしております。 それから、十二月十八日には第二回の全体会合を開いておりまして、現地調査の結果を検討し、さらに、プラントの分析グループと二次系配管に関係したプラント設備についての分析グループに分かれて検討することを決めております。また、十九日から二十一日にかけましてタスクフォースのメンバーが二回目の現場調査を行い、先ほど申し上げました漏れた場所からナトリウムの化合物が落ちておりましたので、そういうものの除去作業等の確認を行っております。 なお、浦野科学技術庁長官は、十二月十日に村山総理大臣を訪ね、佐藤原子力安全委員が十二月九日、十日にかけまして現地調査をしておりますので、その結果の報告、あるいは十二月十日の午後、原子力安全委員会を臨時で開催しておりますが、その結果の報告、あるいは科学技術庁のタスクフォースの設置等、この事故に伴います対応等について報告をしております。総理からは、事故原因の徹底的な究明、地元への迅速な事故通報を含め情報公開による地元の不安解消の指示がございました。 また、翌十一日には、浦野長官みずから現地調査に赴き、その結果を村山総理に夕刻御説明いたしております。村山総理からは、改めまして、事故原因の徹底的な究明、積極的かつ速やかな情報公開による国民の不安解消、地元との信頼関係と協力関係の構築の指示がございました。 また、安全委員会につきましては、先ほど申し上げましたような佐藤委員の派遣あるいは臨時委員会の開催、こういうふうなことをやりまして、また週二回の定例会議におきましても報告を求め、その状況の把握に努めるとともに、さらに二十二日には、佐藤原子力安全委員、それから住田原子力安全委員を現地に派遣し、またその帰京を待ちまして、二十三日には臨時委員会を開催しております。 なお、この原子力安全委員会は、十日の臨時委員会におきまして、委員会みずからが独立にこの本件事故について調査を行うということをお決めになっておりまして、その具体的な会合を二十一日に開くと同時に、そのワーキンググループによる調査を二十六日に実施しております。 それから動燃は、模原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、いわゆる原子炉等規制法によります事故報告書を十二月十八日に一報、それから二十五日に一報を提出しております。 なお、「もんじゅ」においては、十三日までに系内のナトリウムの排出を終了し、十四日から十七日にかけて作業用足場の堆積物の除去作業等を終了しております。 三番といたしまして立入検査でございますが、科学技術庁は、事故発生後、現地及び東京におきまして原因究明のための事実関係の調査を鋭意進めてまいりました。しかしながら、それまでの再三の確認にもかかわりませず、二十日に至りまして、動燃が漏えい箇所のビデオを隠していたということが判明いたしまして、事実関係のより厳正、確実な解明・調査を期すため、二十日水曜日からは、それまでの任意の調査を切りかえまして、原子炉等規制法六十八条第一項に基づく立入検査として実施することといたしております。 なお、これに伴いまして職員の急速な増強を図るということをやっておりまして、ここに書いてありますような急速な増強を図って、データの取得、それから作業員等からいろいろな話を聞くということをやってきております。 今後の取り組みといたしましては、一昨日二十五日に、立入検査をしておりました半分ぐらいの職員は本庁に戻しておりまして、現在その解析作業を鋭意行わせしめている段階でございます。なお、半分ぐらいのメンバーにつきましては、二十八日まで立入検査を続行し、全体像を把握する作業を進めることといたしております。 動燃の方といたしましては、来年一月初めから、配管回りのナトリウム除去・回収、保温材取り外し等を行うこととしているわけでございますが、その際には、先ほど申し上げましたタスクフォースのメンバー、科学技術庁職員が立入検査を続行するということにいたしますとともに、動燃の作業にも立ち会い、厳正な原因究明と対策の検討の作業を進めることといたしております。 なお、ここには書いてございませんが、原子力安全委員会におかれましても、そのタスクフォースのメンバーがそのときに立ち会うという意向を示しておいでになります。 なお、時間の関係もございますので新しいところだけでございますが、別添七に、十二月二十五日に立入検査の状況を簡単なメモで、これは中間報告と書いておりますが、ちょっとおこがましい内容でございまして、むしろどういうことをやっているかという内容を中心とした発表をいたしております。 具体的に申し上げますと、まず二十日から二十一日につきましては、堆積物除去後の状況を確認する、それから反応生成物の回収・清掃作業を進める中で、事故状況の把握に必要な情報を記録・保存するということを中心にやりました。 また、二十二日以降の検査につきましては、これはかなりの職員を増強した後でございますが、これにつきましては、事故後のいろいろな動燃がおやりになった事柄につきまして、ヒアリングあるいは現場確認といったようなことをここに列挙してありますような形でやっております。火災報知機の作動でございますとかそれからナトリウムの漏えい後の措置でございますとか、それからナトリウムエアロゾルと言っておりますが、漏れましたナトリウムが粉末状になって拡散したわけでございますが、その経路についての調査等々を進めております。 なお、エアロゾルと言っております、煙と申し上げてもいいかもしれませんが、これにつきましては、かなり多くの部屋に拡散し、一部は外部にも出たというふうに考えられているところでございます。なお、その状況につきましてはいろいろと情報を収集しております。 また、放射性物質の環境への影響につきましては、これはいろいろな記録の確認をいたしましたけれども、環境への影響はなかったというふうに考えております。 以上でございます。
○委員長(長谷川清君) この際、参考人動力炉・核燃料開発事業団理事長大石博君から発言を求められておりますので、これを許します。大石参考人。
○参考人(大石博君) 動燃事業団理事長の大石でございます。 陳謝のごあいさつを申し上げたいと存じます。 今回の「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故につきましては、先生方を初めとし、多くの方々に多大な御心配、御迷惑をおかけいたしましたこと、加えて、その後のビデオの非公開等の問題で著しく信頼を損なうことになりましたことは、まことに申しわけなく、深くおわびを申し上げます。
○委員長(長谷川清君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松村龍二君 現在、日本の電力の三割強は原子力発電によっているわけであります。国民がテレビを一時間つけておりますと、その二十分は原子力発電による電力によって見ているという勘定であります。 全国で原子力発電所が五十基あるということでありますけれども、福井県は全国で最も多い十五基の原子力発電所の立地を受け入れるなど、我が国のエネルギー政策に大きく貢献しているところであります。関西方面の電力の五割をこの福井県の原子力発電所が供給しているという勘定でございます。 しかし、これまで県に設置されております原子力発電所においては、平成三年二月の関西電力美浜発電所二号機の蒸気発生器細管の円周破断に代表されるような事故や故障が多発しているのであります。また、さきの阪神・淡路大震災の発生がありまして、絶対壊れないという新幹線の橋梁が壊れるといったことからも、大地震と原子力発電所の安全性といったことにも大きく関心を寄せてきたところであります。 このような状況の中で、敦賀市にあります高速増殖原型炉「もんじゅ」で我が国で初めてのナトリウム漏れという事故が発生しまして、加えて、事故通報連絡の遅れや事実の歪曲公表という考えられない事態を生じたことは、「もんじゅ」の安全性全体に対する県民の信頼を著しく損なったということが言えるかと思います。 やはり、原子力行政に協力するには、安全について万全を期していただいておるという国に対する信頼、また技術に対する信頼が地元にあってこそ、初めてこの協力というものが成り立つかと思います。 そういう意味におきまして、本日、私は地元議員といたしまして、福井県民の安全を求める気持ちを代弁いたしまして幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、科学技術庁長官にお伺いしたいのでありますが、十二月八日に起きた動燃のこの二次系ナトリウム漏えいの重大性についてお伺いしたいわけです。地元住民の不安感、不信感の増幅は無論のこと、原子力政策に対する国民の不信、さらには我が国の原子力基本戦略にも影響を及ぼす重大な出来事であると考えるわけでございますが、今回の事故の重大性について、科学技術庁長官はどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(浦野烋興君) 先生、お地元の議員、政治家として今お話しになりました。私ども本当に申しわけなく思っております。 我が国で初めてのナトリウムの漏えい、このことがこれまで原子力発電そのものに深い理解と協力をしてこられた福井県民の皆さん方に大変な衝撃を与えて、不安そして一連の不祥事による大きなる怒りという今日の状況を招いたということ、重ねて申しわけなく思う次第でございます。 私、先ほど安全局長の説明の中にもございました、総理からの指示を受けまして、十一日に現地に入らせていただき、敦賀市、そして知事さん、県会議員の方々、市会の方々とお目にかかり、極めて率直な厳しい御意見を拝聴してまいりました。その県民の気持ちをみずからの肌で強く感じてまいりました。 今日、何としても一刻も早く原因究明を速やかに進捗させ、そして動燃に対しましても強く指示をしておるところでございますが、情報については速やかにかっ積極的に公開開示をしなければならぬということを言ってきております。そうした中で、これまた地元の皆さん方の信頼をいかに回復するか、そのことに腐心をしてまいらなければなりません。 あわせて、先生の後段のお尋ねの中で、この「もんじゅ」の事故そのものが極めて重大であり、今後の我が国のエネルギー政策に影響を与える、そのくらいの強い認識を持たなければならぬというお話でございまして、まさにそのとおりでありまして、私は、今回の事故というものを極めて重大に受けとめておるところであり、今後のエネルギー政策に支障なきようなひとつ取り組みを先頭に立ってしてまいりたい、まいらなければならぬと思っておるところでございます。
○松村龍二君 十二月二十五日に福井県が独自の調査をまとめて報告書を出しているわけでありますけれども、設備、運転の不備を指摘しております。 ナトリウム漏えい検出器の指示記録計が中央制御室とは別室にあり、運転員が足を運ばなければ漏えいの広がりがわからなかった点を指摘しております。また、漏えい検出器の補完的役割をする火災報知機も最初の警報しか音が出ない仕組みだった上、中央制御盤に表示されないなどの欠点がある。また、配管室に監視カメラがなかった。また、空調ダクトがまさにナトリウムが漏れ落ちて火災を発生しておりました配管の真下に設置されていたことなどを指摘しておりまして、安全の根幹にかかわる諸問題があるということを指摘しているのでありますが、ただいま原因調査を徹底的にされるということでありますけれども、これまでの情報を踏まえて、現時点で想定される事故原因がどこにあるか、もしもお聞かせいただければお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(宮林正恭君) まず、部位でございますが、資料の一番最後の十七ページにちょっと模式図のようなものがございますけれども、現在私どもが承知しておりますのは、出口ナトリウム温度計というのが下のところに書いてあると思いますが、このあたりでどうもナトリウムが漏れたようであるという事実がまず判明をいたしております。 しかしながら、ここの部位につきましては、現在、ナトリウムの酸化物が塊になってついておりますものですから、その中まで見るということは今のところできません。したがいまして、そのナトリウム酸化物を外し、かつまた、このパイプにつきましては周りを断熱材で覆ってある、またその断熱材の外側も金属のカバーで覆ってある、そういうことでございますので、そういうものを外した上でこれを解析していくということになるかと存じます。 なお、そのタイミングにつきましてはできるだけ早期にやりたいということで、この下に確かに空調用のダクトが走っている、これが壊れておりますので、それも撤去するということを新春早々始めまして、できるだけ早くやるというふうな段取りを考えております。 なお、その結果につきましては、先ほど申し上げましたタスクフォース、それからまた独立にやられております原子力安全委員会において検討が行われるという段取りになっておることを申させていただきます。
○松村龍二君 次に動燃に伺いますが、運転マニュアルでは、ナトリウム火災の発生を確認した場合、直ちに原子炉の緊急停止操作をするということになっているようでありますが、実際は、出力を下げる操作を優先させるため、三時間もナトリウムの漏えいが続いたと言われますが、ナトリウムが漏出した場合のマニュアル上の対応はどのようになっているのかまた今回の事故がそれに該当するのか、伺いたいと思います。
○参考人(大石博君) 今回のナトリウムの漏えい事故が発生したような場合、マニュアルはどうかという御質問だと思います。 マニュアルでは、二次系ナトリウムの漏えいが発生いたしますと、漏えいの検出警報が出ますし、火災警報が出ます。温度警報も出ます。こういった警報並びにプラントの運転の状況、いろいろなメーターその他に出てまいります。まずこういったプラントの状況をよく見ます。それから、ナトリウム漏えいという警報が出たわけですから、現場の確認をいたします。 それらを総合いたしまして、今回の漏えいは小規模漏えいだというふうに運転員が判断をいたしました。そういう小規模漏えいということで、小規模漏えいの場合のマニュアルに沿って、まずは原子炉の出力降下を開始いたしました。その後、現場の確認を再度いたしましたところ、白煙の増加が認められたということで緊急停止、手動停止に切りかえて原子炉をストップさせました。 これが漏えい事故発生当時の運転員の判断と操作の状況でございますが、私、事故直後に現地にも参りまして、あるいはその後調査が若干進んだ段階でも参りまして、事故の状況をよく見ました。現地の話もよく聞きました。そういったことから総合的に判断いたしますと、私としては、やはり原子炉は速やかに停止すべきであったんではないかというふうに今思っております。 そういうことで、動燃事業団の中では、こういった場合速やかに原子炉を停止する方向でひとつ検討しなさいということで今指示を出しておるところでございます。
○松村龍二君 先ほど福井県の調査報告書を申し上げましたけれども、これだけの事故が起きておって小規模漏えいであるとしか判断できない仕組み、装置というのにはどこか大変な問題、またあるいは職員の日ごろの訓練に問題があるのではないかということを指摘したいと思います。 次に、事故原因の究明は今後の調査に譲るといたしまして、地元の不信は事故後の対応の不備や安全対策にあるわけであります。そこで、事故後の対応について数点伺わせていただきます。 いわゆる安全協定ですが、「高速増殖原型炉もんじゅ周辺環境の安全確保等に関する協定書」、これは動燃と福井県、敦賀市と協定が結ばれているわけでございますが、この六条には、「異常時における連絡」ということで、非常事態が発生したとき、「もんじゅ」に故障が起きたとき、ナトリウムを保有する系続から漏えいがあったとき、「もんじゅ」敷地内に火災が発生したとき、このようなときには、福井県等に対して事故後直ちに連絡するということが決められておるわけであります。 しかし、実際に地元に連絡があったのは事故後一時間が経過しておりまして、福井県や敦賀市など地元では、やはり住民の安全を考えていち早く情報を得て今後の対策に資したいという立場からしますと、一時間後に通報があったということに対しまして大変な不信感を有しているわけでありますが、事故連絡の対応はどうであったのか、また、おくれた原因は何であるのか、動燃の方からお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(大石博君) お答えいたします。 事故が発生いたしますと、まず運転員はプラントの安全確保に最大の神経を集中させていろんな操作を行うわけでございます。と同時に、上司に早くこの状況を報告しなきゃならぬということを行います。 今回の通報連絡のおくれの主な原因は、仏その後調べてみますと、動燃事業団の中での上司への報告に時間がかかったという点があると思います。建設所長まで報告を上げて、プラントの状況はかくかくしかじかです、事故現場の状況はこうですと、関係先に通報連絡いたします。所長まで上がるのに時間がかかっているというところが大きな問題のように私は現在考えております。 したがいまして、これは重要な問題でございますので、これの大幅短縮を図るべく今検討の指示を出しておるところでございまして、私としては、やはり関係の自治体、国等必要なところには現場の責任者の判断で即刻通報連絡の指示を出すというふうに改めたいと思っておりまして、今検討を命じておるところでございます。
○松村龍二君 ただいま、原因の調査にまず時間を費やす、上司への報告、また指示を受けることに時間を使う、その後通報連絡というふうに受け取れるわけでありますけれども、やはり危機管理という問題は、右手でそのようなことをやりながら左手でほかのボタンを押したら県の方へ通報されるというような仕組みでなければ対応ができないのではないでしょうか。
○参考人(大石博君) 先生御指摘のとおりだと思います。 今回の事故の場合、通報連絡の第一報は電話で行いました。したがいまして、連絡先によっては時間の差が出てきております。実は、建設所には一斉ファクスも持っております。一斉にファクスをお送りする、これは第二報以降使いましたけれども、最初の第一報で一斉ファクスを使わなかったということがございます。やはりそういった通報連絡のやり方にも問題があったように思います。 今後これを反省をいたしまして、大幅な通報連絡時間の短縮に努めてまいるようにいたします。まことに本件について申しわけないことをいたしました。
○松村龍二君 原子力政策が国民、地元の真の理解を得ながら着々と地道に進めなければならない中で、漏えい現場を撮影したビデオの存在を隠した行為と、ナトリウム漏れのあった配管室への入室時刻の偽った公表などは信じられない恥ずべき行為であり、福井県民のみならず、広く国民全体に原子力政策に対する不信感を植えつけてしまったと言えると思います。このような行為は、建設所のみならず、動燃本社も関与した組織ぐるみの行為ではないかとも言われておりますが、この点についての理事長の見解を伺いたいと思います。 また理事長は、ビデオ隠しを初めとする二重三重の虚偽の発表が出たときに、これ以上新たな事実が判明しないかどうか自信が持てないとまで言われたようでありますが、このことは、トラブル等が発生した場合の正確な情報公開等についての徹底が、動燃として日ごろ十分なされていなかったとも受け取れるわけでございます。情報公開についての体制、方針はどのようになっていたのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(大石博君) 私は、我々の事業を進めていく上で大事なことは、地元の皆様方の御理解、御信頼を得ることだと、地元の方々の御信頼、御理解がなければ事業は行えないということを経営の基本方針としております。したがいまして、御理解を得るためには、我々の事業の実態をよく知っていただく、事業の透明性を高めることが必要だということで、情報提供につきましては積極的に提供していくべきと、こういうことで繰り返し言っておりました。本件事故が起きた後は特にそのことを繰り返し言ってまいりました。 そうした中で、十二月二十日の夕刻、突然、一部のビデオしか公開していない、残りがあるということを知りまして、愕然といたしました。早速、科学技術庁、浦野大臣にもおわびを申し上げ、記者会見をいたしました。翌朝、まことに申しわけないということで、福井県を初め地元の関係自治体へおわびにまいりますと同時に、建設所に乗り込みまして幹部並びに職員にこのことを厳しく問いただしました。今後絶対にこういうことのないようにということを申し上げました。 現地では三カ所で記者会見もいたしました。今、先生御指摘の、自信がないということも申し上げました。私は、こういう事態は起きてはいけないということで繰り返し情報提供するようにと言ってきただけに、ショックが大きかっただけに、正直なところ、もうこれ以上隠し事はないということの自信がなかったものですから、記者会見でも自信がぐらついたということを確かに申し上げました。まことに重大な事態と受けとめておりますということを申し上げました。したがいまして、私は、やはり地元の御理解、信頼が事業運営の基本だと、こうかねてから思っておりますので、徹底的に事実関係はどうなっておるかということを、それ以降再三皆に申し上げ、今やらせておるところでございます。 私は、従業員は信頼しておりましたけれども、こういう事態になりましたので、もう一度原点に返って、情報提供の重要性について、職員のまずは意識改革を図らなきゃならぬというふうに存じておるところでございます。
○松村龍二君 動燃のビデオ隠匿行為等について、監督官庁の最高責任者である科学技術庁長官の見解を伺いたいわけですけれども、地元では、科学技術庁は動燃の監督官庁ではあるが、今回の事故について動燃事業団の役員を更迭したり単に動燃を取り締まる立場に立つだけで済まされるものではない。科学技術庁自身の体質や、今後の動燃との関係において客観的に反省し、改善すべき点があればみずから改善していくという真摯な姿勢が必要だという厳しい認識があるわけであります。 具体的に申しますと、十二月十一日の昼になって初めて科学技術庁としては、先ほど御報告があったかと思いますが、運転管理専門官がナトリウム漏えい現場に立ち入り確認をしたのでございます。しかしながら、現場状況を正確に把握しているならば、動燃が十二月九日夕刻に映像を公開した時点でナトリウム火災は既におさまっていると判断できるはずでありますので、翌十日に何らかの態勢をとって現場の確認作業を行うことができたのではないか。そうすればより迅速な事故の実態の把握ができたであろうし、また、努めるべきではなかったのかという認識を持っているわけであります。 福井県は、十日の夜に自分たちが立ち入れるかどうかを確認した上で、十一日未明に現場確認をしておる。そういう意味におきまして、あと一日早く科学技術庁、国が調査に立ち入れたのではないか。わずか一日の違いでありますけれども、そこに現場と東京とのギャップといいましょうか安全についての逼迫感がないという不信感を持つところであります。 また、十二月十一日未明に県が行った立入調査に関しまして、十一日午前の記者会見で宮林原子力安全局長は、県が深夜に立ち入ることは二次災害の発生があるかもわからないのに理解できないといった趣旨の発言をされまして、午後には発言を撤回しているところであります。 先ほどの安全協定書第七条で、県など関係自治体は立入調査をすることができると。また、ほかの原子力発電所の問題等の際に、敦賀の放射能漏えいの事故の後に、随時県が必要と認めるときには立ち入ることができるというふうにどんどん県の方でも立入調査について進歩してきておるわけです。そのような中にありまして、県が深夜に立ち入るとは理解できないといった発言をされたと。このような発言が出るということは、現場の状況確認や地元との連絡を密接に行わず、動燃の表層的な報告だけで事実に基づかずに発言したもので、科学技術庁としての事故時の情報収集能力が疑われても仕方がないというふうに厳しく考えているわけであります。 そこで、今回の事故に対して、早期にかつ正確に情報の収集、確認を行い、的確な対応をとるという危機管理の原則に照らして、科学技術庁のとった対応等は十分とは言えないのではないかという強い不信感を持っているところであります。これについて、長官または局長の御見解を伺いたいと思います。
○説明員(宮林正恭君) 御説明させていただきます。 まず、私どもが当初とりました態度につきましては、結果といたしましては、先年特に周りの皆様方からそういう不信を招いだということは非常に申しわけなく思っております。しかしながら、事情はこういうことであるということも御理解をいただきたいと存じます。 まず、この事故が起こりまして私どもが一番懸念をいたしましたことといいますのは、外部に対して影響があっなかなかったか。特に放射性物質の外部放出というのが行われたかどうか。人身事故があったかどうか。炉が安定に停止をする状況にあるかどうか。それらを確認いたした上、その後の情報によりますと、中はナトリウム化合物の煙が満ち満ちている、こういう状況であると。 それで、中に入るということについては、まずそのナトリウム化合物の煙が人体に非常に有害ということが一つございますが、もう一つは、生のナトリウムが内部に残っている可能性が非常に高い。それで、そういう生のナトリウムが何かの拍子に再び火がつく、こういうふうなことになるとこれは大変な二次災害になる。これは特に私ども、直ちに関係の先生方の御意見も伺いましたので、そういうふうな御指摘も受けたところでございます。したがいまして、十分な態勢を整えて中に入るということをまず私どもは考えました。 それから、まさにナトリウムをお使いになっている、訓練を受けた動燃のプロの方は、これは中に入るということについていろいろとノウハウをお持ちでございますけれども、科学技術庁の職員なりそれからタスクフォースのメンバーなりという方々につきましては、その中に直ちに入るということはやはりかなり確認をして大丈夫というところで入るべきだろう、慎重な対応をすべきだ、こういう感覚を持っておったわけでございます。 それで私どもとしましては、一方で運転管理専門官にはできるだけ早く入るように、これは動燃と十分相談をして入るようにという指示はいたしておりました。しかしながら、動燃の方からは危険性が非常に高いということを言われておりまして、そういう意味では無理に入るということはいたさなかったというところでございました。 こういう状況の中で、県が十一日の未明にお入りになったということを私が聞きまして、これにつきましては、私といたしましては、やはり安全局長の立場としては二次災害の防止というのが非常に重要だと考えておりましたので、なぜ翌朝まで待っていただけなかったかと、こういう素朴な疑問を私が漏らしてしまったということでございます。 これにつきましては、ただその後、私が素朴に疑問を呈したことに対していろいろ周りの方から、実は県のお立場はこういうお立場なんだよと、こういうお話を承りました。そうであれば、そういう県の、やや勇気あるといいますか、そういう行為というのもそれは理解ができないわけではないなと、こういうふうな気持ちから、やはり私が県のそういうお立場を考えない発言であったということで、午後になって取り消したということでございます。 それが結果といたしまして県民の皆様に対して非常に不信感を与えたりなんかしたとすれば、これは私の不徳のいたすところであるというふうに思っておりますが、事情は御推察をいただきたい、こういうふうに思っております。
○松村龍二君 そういうお答えをされますとまた私の次の質問が生きてくるわけでございますけれども、この十二月十一日未明に県が入ったことが危険であっなかなかったか。危険でなかったという総合的な確信があるから、そのように県では申しておるかと思います。 今回の事故における科学者や専門家の安全意識は、ただいま申されましたような、放射能が漏れなかったからいいじゃないか、第二次ナトリウム系統だから大したことないじゃないかナトリウムが漏れても大気が汚染されるわけじゃないじゃないか、そういうことが確認されれば安全なんだ。こういうような科学者や専門家の安全意識と、一般国民、住民の本当に安全なのかなということ。また、二次系ナトリウムで起きることは一次系ナトリウムでも技術的に起きるんじゃないかといった漠然たる不信感。こういった専門家と一般国民、住民との意識のギャップ、また東京と地元の意識に非常に大きなギャップがあるということが今回指摘されるわけであります。 東京では、昨年初臨界を達成した「もんじゅ」は順調に来ておる、発電もされて、近く核燃料サイクルの一環として完成させたいと。しかも、自前の技術でこれだけなし遂げてきた原子力の政策を進めていきたいという意識もあるでしょうし、離れているということから自分の安全の問題とは直接関係がないということも物理的にはあるでしょう。また、地元福井では、風評被害といったことも非常に恐れるわけであります。 このようなギャップをどう埋めるかということは、大変に重要な問題かと思います。 地元には運転管理専門官事務所というのが置いてありますけれども、この運転管理専門官がそのようなギャップを埋めるための働きが日ごろ十分にできるのか。また、あるいはそれができないのであれば、国の責任あるほかの組織を地元に設置すべきではないかというような考えもあるわけでありますが、東京と地元とのギャップ、専門家と一般国民、地元市民とのギャップを埋めるということについて長官のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(浦野烋興君) 最初の御質問で申し上げた中に、私、現地に参りまして地元の方々のお気持ちを肌で酌み取ってきたと申し上げたところでございまして、今先生の御質問、これまで原子力発電そのものに、本当に背中合わせという中で、また理解と協力をいただいてきた県民の皆様方が今回の事故をもって大変な心配とまた怒りをお持ちになっておる、この実態をいかに受けとめ、その信頼回復に努めるかということでございます。 これまで申し上げてまいりましたように、原因の究明あるいは情報公開ということでありますが、確かに私自身が、私専門家ではございません。就任いたしまして四カ月でございますが、やはり専門家と言われる人たちの認識と私自身のまた認識との乖離というものを率直に感じてきたところでございまして、今回、先ほど申し上げました専門家、私のこの科学技術庁そのものにも技術者、研究者が多うございますけれども、まさに県民の立場に立って対処しなければならぬ、県民の皆様方の気持ちに自分たちもなって取り組んでいかなければ今回の信頼の回復は全くなし得ない、そんな気持ちで私自身は、できればたびたび現地にもお邪魔をいたしまして、私自身も御理解をいただくような信頼回復する努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○松村龍二君 最後に、この事故後、福井県知事や県議会が内閣総理大臣あるいは科学技術庁長官に対しまして幾つかの要請をしているところであります。 事故の調査状況等に当たって、その都度迅速かつ詳細な情報公開を求める。また、現在の性能試験計画を白紙として全面的に見直すこと。仮に再開されても運転中に異常が検知された場合には、異常を早期に収束させるため、運転手順を厳正に遵守し、直ちに運転を停止するなど適切な措置を講ずるよう指導監督を徹底することなどを初めといたしまして、一番大きな問題といたしまして、今回の事態は我が国の原子力政策の根幹にかかわる重要な問題であり、事故の原因究明を踏まえた上で、改めて国の責任において高速増殖炉のあり方について国民全般にわたる合意の形成を図ることといった要請をしているところであります。 そのほか、いろいろ法律で安全対策、防災対策について決めていただいて、安全が万全に図れるようにといった要請をしているところであります。 これらにつきまして、科学技術庁長官の前向きの姿勢を最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(浦野烋興君) 今回の問題をいかに解決していくかこのことは県民、また市民の方々の理解なくしてあり得ないことでございまして、県、県議会、敦賀市、そして市議会、既に私のところに四度にわたってお越しをいただいております。御意見書、また要請書をちょうだいいたしておりますが、この中身につきまして真摯に受けとめ、検討をしっかりと加えていき、その中で県民、市民の方々の御理解を得るべく頑張っていきたいと思っています。
○山崎力君 最初にお断り申し上げなければなりませんが、私自身素人ですし、起きたばかりという表現が適切かどうかわかりませんが、事故が起きてから間もなく、原因究明中ということで、若干報道等による推測の部分もあろうかと思いますけれども、現時点での皆様方関係者の判断といいますか、そういったものを中心にお聞かせ願いたいと思います。 まず、理解の前提といたしまして、このナトリウム冷却炉といいますか、そのことに対して、私の理解では、もう最初の時点からこの様式の原子炉というものは実用化を目指していた。古くもう四十年も前から計画されていたんだけれども、要するに、ナトリウムのハンドリングの問題でいまだに実用化されていないと申しますか、ほとんどの国が経済性も含めて撤退して、我が国とフランス、それからロシアがやっている程度だということの理解でよろしいのかどうか、伺いたいと思います。
○説明員(岡崎俊雄君) 先生御指摘のとおり、高速増殖炉の冷却材としての求められる要件というのは、現在、通常の原子力発電所で求められております水に比べて幾つかのやはり特色を持っていなければならない、そういう要請がございます。 そういう観点から、ナトリウムというものがすぐれているという観点から、国際的にもこのナトリウムを冷却材とします高速増殖炉の開発に各国とも取り組んできているという事情は先生の御指摘のとおりでございます。
○山崎力君 ということよりも、それが非常に難しくて撤退が相次いでいる、それで我が国が中心となって現時点においてやっていると。ロシアの情報開示の問題はありますけれども、そういった点で、ナトリウムがなぜそういうふうに各国が撤退するような形の難しい冷却材であるのかという点を簡単に御説明願えればという趣旨でございます。
○説明員(岡崎俊雄君) 御指摘のとおり、ナトリウムというのは大変すぐれた性質を持っておる反面、今回の事故からもおわかりいただけますとおり、空気であるとかあるいは水と反応しました場合には大変激しい反応をする場合もございます。したがいまして、このナトリウムを取り扱うには大変注意を要する、あるいは大変高度な技術も要することではございます。 したがいまして、高速増殖炉を体系的に開発するには、このナトリウムの技術をやはり克服しなければならないということは御指摘のとおりでございます。各国のこれまでの開発において、それぞれの国でこのナトリウム技術にかかわる幾つかのトラブルをもちろん経ておるわけでございますし、我が国もそのための研究開発は進めてきたわけでございます。 したがいまして、我々もナトリウム技術をすべて完全にマスターしたという状況では決してございませんが、他面、この高速増殖炉の開発について、各国がいろんな政策の違い、あるいは放棄した国もございますけれども、むしろ直接にこのナトリウム技術の難しさと申し上げますよりは、やはり全体的な経済性であるとか、あるいは資源の状況、あるいは他のエネルギーとの競合、そういった全体の政策の中からこの高速増殖炉の開発についての各国の政策の違いというのはあらわれてきているのではないか、こういうぐあいに認識をしておるわけでございます。
○山崎力君 その中で、やはり先ほど松村先生の方からも御指摘ありましたけれども、今回の事故で私が個人的に感じたことは、非常に似ているのが新幹線の橋梁の落下であると、今までの安全神話が崩れた。しかし、反面、不幸中の幸いといいますか、漏れた箇所が非常に都合のいいといいますか被害の少ない場所であった。 聞くところによりますと、ナトリウム管、一次冷却と二次冷却の間はパイプを通している、数ミリの金属パイプの間で一次、二次のナトリウムが接している。あるいは、蒸気発生器、水蒸気、水と同じような形で接している。そういった箇所でもしこのような事故が起きれば、片方は格納容器内でしょうし、片方はまさに一番ナトリウムが問題となる水との接触という可能性が出てくる。そういったことを考えると、今回の事故はまさに不幸中の幸いてあったという印象を持っているんですが、御認識はいかがでしょうか。
○参考人(高橋忠男君) 今、先生御指摘のように、ナトリウムが漏れ得る箇所として一次系と二次系の境目の中間熱交換器と呼ばれる部分、それからその系統の配管、及び蒸気発生器の配管、この三つは確かにございます。 一次系と二次系の境目で漏れた場合には、二次系の方が常に圧力を高くしてございますので、二次系のナトリウムが一次系に入り込んで、放射性の一次系は二次系に出てくることはない、こういう方式にしてございます。蒸気発生器の伝熱管が破れまして水がナトリウム中に出た場合には、これはそれを早期に検出をし、また大きな水漏えいのあった場合には水素ガスが発生して圧力が上昇いたしますので、それを逃がすような設備が設けでございます。 今回、二次系の配管あるいはその附属施設から漏れたということかと思いますけれども、確かに放射性物質あるいは水との反応という意味では、先生がおっしゃった意味では、ある意味では幸いであった。しかしながら、その周辺が空気雰囲気でございますので、それとの反応がございまして今回のような結果になってきたということでございます。
○山崎力君 今の御発言ですと、いわゆる一次系と二次系の間のパイプ破損といいますか漏れの場合は、二次系には絶対に放射性を含んだナトリウムが入ってこない、あるいは蒸気発生器の中でナトリウムが漏れても爆発的な反応はしないというふうな意味での発言でしょうか。そうでなければ、今の発言の意味がちょっと不明確だと私は思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(高橋忠男君) ちょっと言葉不足であって申しわけございませんでしたが、一次系、二次系の境目がたとえ万一破損したとしても放射性のナトリウムが二次系に漏れない、こういう仕掛けがしてあるということでございます。 それからもう一つは、蒸気発生器の伝熱管が破れた場合に、先ほど申し上げましたような装置があり、先生ちょっとおっしゃいました爆発的な事故には至らないということを私申し上げたつもりでございます。
○山崎力君 ということは、今回の事故が考え得る最大の事故だったというふうな御認識でしょうか、このナトリウム漏れに関しては。 私の言いたいのは、今回の事故が最低限の、いわゆる地震で新幹線の橋脚が倒れて、たまたまその時間帯に新幹線が通っていなかったからあれだけで済んだといいますか、新幹線の乗客その他に被害が出なかったということなんです。一次系と二次系の間のいわゆるパイプの破損、そういったものがもし仮にあった場合でも一次系に放射性物質を含んだナトリウムが混入することは圧力の差からあり得ない。そういった事態もあるでしょうけれども、そういった形の事故というものを想定していない、あるいは蒸気発生器内での破損によるナトリウム漏えいによる爆発的な被害を拡大するような事故というものはあり得ない、そういう認識なのかどうかということなんです。
○参考人(高橋忠男君) たびたび言葉が足りなくて恐縮でございますけれども、二次系のナトリウムにかかわるナトリウムの漏えいとしてその三ケースがあるという意味で申し上げました。そして、その三ケースとも対応がなされているということを申し上げたつもりでございます。
○山崎力君 この問題で時間を使いたくないんですけれども、その三ケースがあり得るということは前提として質問しているわけですから、そのことについての問題点、それから対応策がある程度なされているということも知っての上です。その上で、こういう事故があそこの箇所で出たことによってこれだけの大きな問題になっているんだけれども、似たような形で違った場所で出た場合、現在予想される以上の被害が出たんではないだろうかということを質問しているわけで、対応策ができているから起きないと言うんならそれで結構ですけれども、それだったらば逆に、今回の場合予想された事故だったのかどうかということを質問したくなるわけです。その点についてはいかがでしょうか。
○参考人(大石博君) 少し説明がまずいように私は思います。 一次系というのは放射能を含んだナトリウムが循環しております。温度が高いし、放射性物質を含んだナトリウムが循環しておるということでございますので、格納容器に入れております。やはりここで何か起きると大変なことになるというので格納容器の中に一つは入っております。それから空気はありません、窒素ガス。空気には酸素があります。酸素とナトリウムと反応しないように窒素ガスを入れております。これだけやはり一次系は大事だと、安全確保を十分しなきゃいかぬということで対策をとっております。 それから蒸気発生器、ここには水が流れております。空気とナトリウムの反応よりも水とナトリウムの反応の方が怖いわけです。したがいまして、そこはこれまでいろいろな研究開発をやり、実験をやり、これなら大丈夫ということで私ども今の構造の機器を使っておるわけですが、もし水とナトリウムとやりますと、これは激しい化学反応を起こしますから、起こした場合には圧力が上昇をして温度が上がって、爆発なんか起こさないような対応をしております。 今回起きました二次系は、幸い放射能をナトリウムは持っておりません。したがって、ここで漏れますと、主たる反応は水ではなくて空気でございますから、酸素でございます。もちろん空気中に若干水分がありますから、その反応をします。それぞれの危険性を考慮して、それぞれのレベルの安全対策をとっておりますということを申し上げたかったわけです。 たまたま今回は、漏えい量が全体の量から見て非常に少なかった。しかし、あれだけの少ない量が漏れても写真、テレビでごらんになりましたように大変なことでございますので、我々は今この大変な事態を反省し、対応策に懸命になっておるところでございます。申しわけございません。
○山崎力君 続いてのことですけれども、今回の事故を見ていて感じましたことは、昔からといいますか、これまでのいろいろな高速炉を取り巻くトラブルがあったにもかかわらず、事故への対応措置というものが極めて不十分であった。ナトリウム漏れというものが発生しないという前提ですべての、発生しないようにするというのは当然ですが、ということが組み立てられていたというふうに考えざるを得ない部分がございます。 例えば、今、格納容器内は窒素充てんによって酸化防止されているとおっしゃいましたけれども、二次系に関してはそれがなされていなかった。すれば当然あのような事故にはなっていないと。 それから、ちょっと技術的なことで一、二確認をさせていただきたいんですが、格納容器内のテレビモニターはあるのかないのか。当然、今後二次系についてもテレビモニターの設置は出てくるでしょう。それからもう一つ技術的なことですが、いわゆる三つの系統のうち一つが今回出たわけですけれども、二つの系統の室内は隔離されていて今回の影響が全然出ないのかどうか。空調等でつながっていて、ミストが流れればある程度の影響が出ようかと思うんですが、その辺はどうなっておりますでしょうか。
○参考人(高橋忠男君) 一次系の窒素雰囲気の中に監視用のテレビがあるかという件でございますけれども、原則として人が入らない領域でございますので、工業用テレビを見て監視をしております。 二次系におきましてはA、B、C、三系統ございます。原則として、一つのループで故障が起こったときに他の系統にその影響は及ばないということを基本原則にいたしております。しかし、このナトリウムの漏えいという事故に関しましては、完全密閉装置をとっているわけではございませんので、多少のミストが飛ぶ可能性はありますが、実際上その影響は少ないと、影響は安全上差し支えないという判断をしております。
○山崎力君 そこのところで、今後の問題となった場合、今回の一番の反省材料というのは、技術的な問題はこれからいろいろ検討していかなきゃいけないし、我々にその問題点を検討しろと言っても若干無理な点がございますけれども、わかるところは、先ほど松村先生の方からも出ましたけれども、いわゆる広報体制といいますか、どのような形でどうなんだと、これを知らせるのか知らせないのか。今、理事長の方からいろいろの問題点、反省が聞かれましたけれども、若干その中で、具体的なことで教えていただきたいということがございます。 その前提として、あれほど反省の言葉を述べて、それだけ口を酸っぱくして理事長から部下の方に言っていたにもかかわらず、今回の事故でそれが全く反映されていないことが明らかになってしまったという極めて皮肉な結果、そういった意味で理事長、非常にお立場上、今まで自分のやってきたことが部下から、言葉をきつく言えば無視されたということに対して苦渋の点もあろうかと思って、質問するのも非常に心苦しい点はあるんですけれども、あえてお伺いしたいと思います。今回の対応の責任者に対して、その責任者がどのような心理状態であのような発表をしたのかということについて、理事長として質問あるいは調査なさいましたか。
○参考人(大石博君) 私、この事故が起きてから三度現地に参りました。それまでも大体二月に一回は現地に行きまして、幹部といいますか課長さん、管理職とフリーに意見交換をやってまいりました。 そうした中で、この事故後、事故が起きてからの建設所の幹部を見ておりまして、私が感じましたことを二、三申し上げたいと思います。 その第一点は、この事故の後、事実関係を公表するのに非常にためらいがあったということを感じました。それはどうしてかといいますと、第一点は、「もんじゅ」というのは近くにある原子力発電所と違って国内外から非常に注目をされておるということ、そうした緊張感の中で仕事をしておるということ。二つ目は、この大型の施設で初めてナトリウムの漏えい事故を経験したと、初体験だということです。研究開発段階では随分とやっております。全部で百二十回ぐらい漏らす研究、漏らしたときに安全かどうかという研究はしておりますが、この大きな規模でナトリウムを漏らしたのは初めてだというようなこと。注目されておるということと初体験をした漏えい事故ということで、事実関係の発表をためらったという感じを持ったというふうに私は見ております。 第二点目、これが大事なことだと思いますが、先ほど来、地元重視、地元の御理解、信頼ということを申し上げましたが、やはり情報提供の重要性に対する意識が不足をしておったということ。地元が大事であればどんどん情報を出すべきなのに、地元重視のあるいは地元の理解、信頼の重要性に対する意識が欠けておると。 それからもう一点は、技術開発集団でございますので、社会的な面への配慮が欠けておる、こういうことを感じました。この事故の後、再三こういった面の反省をすべしということで申し上げてきたところでございます。いろんな各種情報が積極的に速やかに出ないのはこの辺に問題がある、いわゆる意識の改革をやらなきゃだめだというふうに私は今感じておるところでございます。これには、一人一人の意識改革というのは時間がかかりますが、ひとつ辛抱強くやっていきたいと思います。
○山崎力君 時間がかかるとおっしゃいましたけれども、もしそうであるならば、仮に技術的な原因究明ができても、運転再開まではそれだけの時間がかかるというふうに理解してよろしいでしょうか。
○参考人(大石博君) 私は、徹底した原因究明をやり、原因がどうであったのかというところを地域の皆様方に十分御理解いただくとともに、万全の再発防止対策ができたということの御理解と信頼を得られぬことには運転再開はできないと思うんです。したがって、時間がかかると思います。 しかし、私どもはできるだけ早い方が望ましいわけですから、速やかに原因究明をやって、それを明らかにしていきたいと思っております。
○山崎力君 今の書言葉でございますけれども、原因究明、これは科学的な面でのあれはいずれ皆さん方専門家で出てくるでしょう。それでいろんなところを直せばいいというようなことも出てくるかもしれません。あるいは今度の二次系のところを緩衝の窒素充てんのパイプで覆うとか、空調のあれをどうするとかそういった技術的な点、金さえかければ解決する問題はあると思うんですけれども、このメンテというか運転にかかわる人たちの意識が今のような動燃さんの状況では、何か我々のわからぬところで起きていたとしても隠すと、それでとんでもない事故が起きて初めて出てくるというような不信感というものは、これは解決されないと思うんです。 その辺のところは、単に原因究明ができてこれに対応する措置がとられたと、よって安全であるというふうな点での科学的な技術的な安全性の確保ということは、これは十分可能でしょうけれども、そういう人間の心の中まで入った安全性の問題といいますか、いわゆる住民に安心感を与えるようなところまで持っていくというのは非常に困難な部分があるということを指摘しておきたいと思います。またそうでなければ、そこまでいかなければ、今後大きな禍根を残す可能性があるということだと思います。 そこで、ちょっと視点を変えまして、これからのことを若干お伺いしたいんですが、緊急事態のマニュアルその他を全面的に直さざるを得ない、施設を直さざるを得ないということは、当然情報開示していただけると確信しておりますけれども、浦野科技庁長官にお伺いしたいんですが、要するに、今後のエネルギー政策に支障のないような解決をとらなければならないというふうに先ほど御答弁なさっておられます。その意味で私は、今度の事故というものがもし解決されなければ、国のプルトニウム利用計画というものが一とんざを来すということは間違いないというふうに感じておりますが、その点はそれでよろしゅうございますでしょうか。
○国務大臣(浦野烋興君) 今回の事故は、私どもにとりましても極めて重大、憂慮すべき問題であると受けとめておるところでございまして、今回の事故に対する国民各位のそのお気持ちというもの、怒りの高まり、これが我が国のエネルギー政策に大きな影響を与える、そのことを憂慮もいたしております。しかし、だからといって、その国民の方々のお気持ちというものを我々はしっかりとこれはまた受けとめていかなければならぬところでもございます。 将来のエネルギーの必要性、これを考えていく場合に、私自身は、いわゆる核燃料リサイクルの重要性、このことは認識しつつ、しかし今後、原因究明をしっかりやった段階で、我々としては真剣に検討を加えなければならぬ、そのような今気持ちでおります。
○山崎力君 もう少し具体的なことでお伺いしたいと思いますが、今この「もんじゅ」がATRの計画中止以降は唯一のプルトニウム利用という形の、まあ実質上ですけれども、問題であって、これが進展しなければ、先ほどいわゆる核燃料サイクルの問題をおっしゃいましたけれども、その根幹にかかわる、この「もんじゅ」の開発が進まなければプルトニウム利用は実質上できないというふうに理解していいのかどうかという点でございます。
○説明員(岡崎俊雄君) 日本のプルトニウムの利用政策上、確かに高速増殖炉は、将来の原子力発電の主流、しかもプルトニウム利用の主流としての位置づけでまいったわけでございますが、現在の計画によりましても、この高速増殖炉の実用化は二〇三〇年ごろと、こういうことを目指しておるわけでございます。 それに対しまして、当面の間のこのプルトニウム利用につきましては、軽水炉によりますプルトニウム利用というものを進めていく、このような計画で進めようとしておるところでございます。
○山崎力君 そうなってきますと、いわゆる軽水炉におけるプルトニウム混合燃料の使用ということが一番これからの問題になってこようかと思いますが、その辺の経済性というものに関しまして若干問題もあるよということに今なっております。 それで、「もんじゅ」がスタートしないということになって全部MOX化した場合、これはかなりの負担が電力会社あるいはその電力料金等を通じて国民にはね返ってくるという意味で大きな問題ではないかと認識しておりますが、その辺はいかがでございましょうか。
○説明員(岡崎俊雄君) プルトニウム利用と申しましょうか、あるいは核燃料リサイクル政策というものは、もちろん一つは資源を徹底的に有効利用していくという観点と、もう一点は、いわゆる原子力発電所から発生します使用済み燃料の処理あるいは廃棄物の最終処分、こういうものを視野に入れながらこの問題に取り組んでいくべきものだと考えております。 その際に、このプルトニウム利用にかかわります観点は、もちろん技術的な問題に加えて、今先生御指摘の経済性の観点というのは大変重要でございます。 現在の試算によりますと、確かに通常の濃縮ウランを使用していくだけの形態に比べまして、プルトニウムを利用していくことによってその経済性が少々高くなるという試算は確かにございますけれども、長期的な視点、あるいは原子力発電が本来持っております燃料コストというものの発電コストの中に占める割合が二割ぐらいと大変低うございますので、このプルトニウム利用に伴います経済的な上昇というのは果たしてエネルギーコストの中でどのような形の役割を占めるかということも十分勘案しながら、今後このプルトニウム利用政策について検討をしていくべき問題であろうかと思っております。
○山崎力君 そうした背景の中で、今回の「もんじゅ」の事故のリカバーの問題ですが、今もちろん事故直後で、どう回復して、それで技術的な究明をして、もう一回恐らく再稼働するためには地元の理解、それから計器、機器の点検、これが空気中の酸素、水分と、特に水蒸気等と反応していれば苛性ソーダになっているということで、その苛性ソーダの電気的なものに対する影響等を考えると、極めて大きな補修工事というんでしょうか、そういったものが予想されるんですが、大まかなタイムスケジュールというものはできていないでしょうか。 というのは、もちろん原因究明までの時間というのはこれはわかりませんけれども、要するに、少なくとも工事を見積もって、再修理をしてやるという形になれば、最低とのぐらいはかかるのか。それから、それ以上どのくらい延びればと、これは地元の理解というものをちょっとおいておいての話ですけれども、技術的にはどうなのかということはまだやっていらっしゃらないのか、それとも今の時点でどの程度なのか。 それから、時間ももうそろそろでございますので、あわせて、そのことが今のいわゆる核の再処理、プルトニウム利用の計画に当然影響をしてくるというふうに判断せざるを得ないので、大分先の話ですけれども、その辺の見通しについてお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○参考人(大石博君) 私の方からは、復旧行程がどうかということにお答えいたしたいと思いますが、私どもまだ原因究明の行程すら立てておりません。 現在、国の立入検査保あるいは福井県の立入調査、科学技術庁のタスクフォース、いろいろな外部の方がお見えになって、そして、物によっては現場の保存、さわっちゃいかぬというような状況でございまして、私どもとしてはできるだけ速やかに原因を究明したいんでございますけれども、いろいろそういった関係がございまして、まずは原因究明を早くしたいと、そういう気持ちで、復旧行程まではまだ考えておりません。そういう状況でございます。
○説明員(岡崎俊雄君) 科技庁といたしましても、今まさに大石理事長がおっしゃいました気持ちと全く同じでございます。 本件の事態の重要性というものを私どもも深くやっぱり認識をしなければなりません。ようやく原因究明が緒についたばかりでございます。 先生御指摘の、もちろん将来のプルトニウム利用計画に対して何らかの影響があるいはあるかもしれません。ただし、それはこの「もんじゅ」の原因究明等の状況を見ながら今後検討していかなければならない課題であろうかと思っております。
○委員長(長谷川清君) もう時間ですから、いいですね。
○山崎力君 一つだけ。 質問のときに言っておけばよかったんですが、その辺のところで、年単位と考えてよろしいのかどうかということだけちょっと最後につけ加えさせてください。
○参考人(大石博君) その点も、現時点では私ども全く考えたこともございませんので、今ここではちょっとお答えしかねます。
○川橋幸子君 午前に引き続き、大臣、理事長、大変御苦労さまでございます。今までのお二人の委員からの質疑を伺っておりましても、私は、大臣、理事長の御苦労が非常によくわかるような気がいたします。 といいますのは、お二方の答弁は日本語として常識的な社会的な言葉としてすっと耳に入るのでございますけれども、その他の方々のお答えは何かぴんとこないという気がいたします。それは私の能力のことがあるだろうとおっしゃるかもわかりませんけれども、多分に、大臣が専門家と私の間には乖離があるように感じるとおっしゃったこと、それから理事長が、今回の件に関しまして事実関係の公表にどうもためらいがあるようだと。これは内外から注目されている非常に重要な施設なのでためらいがあっても当然という意味かもわかりませんけれども、私から見ますと、真実を追求すべき科学者が自己保身に陥っているとしか思えない。 それから、地元重視に欠けるというのも同感ですし、ちょっと言葉は私正確にメモできませんでしたけれども、おっしゃっている意味は、非常にテクノクラートではあるけれども社会性に欠けるというような感じのことをおっしゃって、お二人のおっしゃったこの悩みが、今回の「もんじゅ」の事故に対する解明といいましょうか、あるいはこれからの対策の立て方について非常に大きな障害になるような気がいたします。 午前中、衆議院の議論をテレビでちらっとうかがっておりましたら、やはり意識改革とか体質改善とか、こんな言葉がいろいろ出てくるわけでございますのでも、それは言葉で言うのは易しいのですけれども、現実にどうやってこれだけ優秀な人材の方々の意識改革をやっていただくのか非常に難しい感じがいたします。それぞれの方々が、お一人お一人の方々が気づいていただくしかないと思います。 ちょっと自分のことは棚に上げて、この場は一人の国民として、あるいは国としては連帯責任の一部を感ずるべき立場にある与党の議員の一人としましても、この問題について、やはり反省すべきは反省する、批判すべきは批判するということでお話しさせていただきまして、むしろ今後の国民の信頼、地元の信頼をどういうふうに取り戻していかれるのか中で大臣、理事長がどうやってリーダーシップを発揮していかれるのかエールを送るつもりで質問させていただきたいと思います。 私ごとでございますけれども、国会会期中でございましたが、承認いただきまして十二日までヨーロッパに行っておりました。このごろは、マルチメディアといいましょうか情報化といいましょうか、衛星放送も普及しているというのでしょうか、ヨーロッパでNHKのニュースでこれを知りました。帰りの飛行機の中でこの記事を読んで、ああ大変なことだな、委員の一人として帰るといろいろあるなと。ことしは大変なことでございまして、最初に地震で始まりまして、間にオウムもございましたけれども、私の議員の役割としましては、一つ沖縄の問題がございました。そして最後にこの「もんじゅ」の問題。いろいろ考えさせられ、あるいは自分ができること、しなければいけないことは何かを飛行機の中で考えたわけでございます。 帰りまして、社会党の科学技術部会でございましたが、ペーパーを拝見いたしました。科技庁からちょうだいしたペーパーでございましたが、「わずかな白煙らしきもの」と、さすがにその言葉はもう消えてなくなっているようでございますが、帰って初めて拝見しましたときに、ああこれは国民の受けとめ方と役所の受けとめ方の中にかなりのギャップがあるなと思いましたのは、下から二行目、「技術的な特長」という言葉でございます。 科技庁、お気づきでございますか、この「特長」という字、これは誤字でございますよね。これは特別にすぐれているという字でございますのでも、もとのものはぎょうにんべんの特徴でございますから、そこまで私誤解しておりませんけれども。 ですけれども、私が何の先入観もなく現地のテレビで、飛行機の中で見たときの感じというのは、これは国民がナトリウム漏れはないないということを科技庁に対して信じてきたことが、どうやらやっぱりあったんだと。「技術的な特長」ということではなくて、先ほどの山崎委員の質問にもありましたように、こうした高速増殖炉に一番克服することが困難と言われている技術上の困難点ですよね。 まず、こういう「技術的な特長」というふうに表現なさると、一般国民は「技術的な特長」という表現ではぴんとこない。これは本当にこの困難点が克服されない限りこれからのプルトニウム政策の遂行にも支障を来すような、そういう大きな問題であるという国民感情との間のずれというものをどんなふうに、これは大臣にちょっとお伺いしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(浦野烋興君) 私は、先ほど先生も御承知おきをいただきましたが、素人でございます。ナトリウムそのものの水との反応、これは大変だという程度の知識しかないわけでございます。 それと、今先生の御発言の中で、ナトリウムは絶対漏れないんだ、そういうことを言い続けてきた嫌いがあるということであります。私が現地にお邪魔をしたときも、厳しい御意見の中で何度もそうしたお声が出されました。絶対の安全というものは、本来そういうものはないんじゃないかというふうに私は思っているので、私ども科技庁がそういうことを言ってきたということは私は感じませんけれども、しかし動燃は言ってきたということをよく聞きました。もしも動燃が、絶対に安全なんだ、絶対に漏れないんだということをもって市民、県民の方々に説得力あるものとして言い続けできたとしたら、これは私は大変な間違いを犯していると思うんです。 万一のことがあっても、しかし我々は万全の体制をしいて最小限に食いとめますよ、心配しないでください、こういうふうな姿勢ならまだしも、絶対にないよと言うのは、これは言葉は汚いかもしらぬけれども、空手形ではないかと思っています。
○川橋幸子君 私もそう思います。絶対にあり得ないということがもし実現できるとすれば、幸運が作用したと一般の人間は思うのではないかと、私もそう思います。 ですから問題は、そういうことが起こった場合にはどのように対処して問題解決ができるか。問題を把握することとそれに対する対処策をはっきりさせることが国民を一番安心させるということになるわけでございます。 さて、その対処策なのでございますけれども、同じくこの一ページ目の真ん中辺の運事官の話、先ほど松村委員の質問に対する局長のお答えがありましたけれども、ここにもやっぱり私はずれを感じます。私はこれを見た途端に、後からわかったことでございますけれども、何で一緒に入らないんだろうかというのが一般の人の気持ちではないでしょうか。 二次災害が起こっては困る、訓練された専門家でなければなかなか入りにくいということになりますと、動燃の方しか入れないということになるわけです。だれがどうやってチェックするんだろうか。それから、県の方々も決してと素人ではないわけですよね。何となく県の力量に対する不安を大きく持っていらっしゃるのかなと。それから、監督するというのは、別に本省に情報を一方的に上げるのがお仕事じゃなくて、むしろ動燃の現場では、現場の事故の対処にどういうふうに実際に人が動いて、どういうふうに困難点があってということを見ることの方が、あるいは見ながらアドバイスなさることがこの運事官のお仕事だろうと思うのでございますけれども、こういうずれというのを感じるということはどう思われますでしょうか。 局長の方が正しいというお答えだったら、それは意見の違うところということかもわかりませんけれども、どうも一般の人の目には、入ることをとめたり、それから入ることをとめられた人というのもそれぞれの役割があり、むしろノーブレスオブリージュという言葉があるように、県民の安全を考えるなら、これは言葉が過ぎるかもしれませんが、多少の犠牲は十分覚悟しながら、それから入る方自身が自分の安全というのを一番気にしながら入られると思うんですね。そういうことをどういうふうにお考えになりますでしょうか。 これは局長にお尋ねしてよろしいですか。
○説明員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。 これは、あるいは私どもと一般国民の乖離であるという御指摘を受けるということかもしれませんけれども、県の方もまさに原子力の御専門の方であるということは事実でございます。それで、私が単純に申し上げましたのは、要は真夜中じゃなくても、翌朝になってもいいんじゃないかといっただ非常に単純なあれでございまして、余り追及を受けても、実は私の単純な気持ちが新聞で取り上げられてひとり歩きをしてしまっているというのが私の率直な今の印象でございます。 そういう意味では、それが軽率な発言であったということについては、私は先ほどから大変私の不徳のいたすところだと、こういう御説明をしているところでございます。
○川橋幸子君 それなら結構なんですが、いつも、軽率な発言であったが、しかし、イエス・バットなんですよね。そこを逆にお話しになればすっと相手の胸に入ると思うんですよ、こういうことがあってこう発言したんだけれども、考えてみたらやっぱり非常に軽率な発言だったと思うと。これが常識的な社会人としてのやりとりではないかと思います。 いかがでしょうか、以後お気をつけいただけますでしょうか。——うんうんだけでございますか。
○説明員(宮林正恭君) あえて言えというお尋ねでございますので、それはまず取り消したということを十分理解をいただきまして、私は当然それを反省しているということははっきりと申し上げたいと思います。
○川橋幸子君 単純にお答えいただくといいんですけれども、そういうときにいつも前書きがっくと非常に何というんでしょうか、私は別に局長を困らせたいわけじゃない、謝らせて何か言質をとりたいわけじゃないのですけれども、専門家集団であるならあるほど率直さと謙虚さが必要で、それがなお局長の力を大きく見せるということになるのではないかと思います。まあこの辺は結構でございます。 地元重視の話ですが、地元重視の話というのは私は沖縄の件で大変痛感いたしました。何でああいうこじれたことになったんだろう。さまざまな意思のそごを除けば、それは当然意見として違うところがあり、あるいは憲法論議として何か議論をして司法、裁判を仰ぐというのはあるかもわかりませんけれども、それ以外の雑音と言ったら変ですが、非常にむだなことがあったのではないかと思います。地元の信頼を得なければ十五基ものこうした発電施設はやっていけないわけでございまして、そういう点では科技庁は他山の石で外務省の例、防衛施設庁の例を学んでおいていただきたかったと思うんです。 それはわかっておりますとおっしゃるかもしれませんが、例えばこの報告を見ますと、地元重視のお話というのは、総理を訪ねたときに総理からの指示があったという二点しかないんですよね。二回大臣がお訪ねになられて総理からそのような指示があったというところにその地元重視の話が書いてあるわけでございます。 このペーパーは、科技庁とかかわりのある機関から、つまり動燃からの報告なり、あるいは原子力委員会の対処なり、責任を持って書けるところだけ書いたということなのかもわかりませんけれども、今回一般の国民の目から見ると、肝心なことは県の立入調査なり県の要望書なり、それからそれを県なり市がマスコミに発表されてマスメディアを通じて知ることが多いわけでございます。 先ほど別添その中間報告のお話がありました。これは中間報告というのはちょっと大げさな言い方であって、立入検査として何をやったかを書いてあるとおっしゃる、本当にそのとおりだと思います。いつも科技庁の方の発表文書は科技庁が何をやったかだけで、だけと言うとちょっと悪いですけれども、何が問題で、この問題に対してはどういうふうに対策を打っていきたいということが書かれていないわけです。 飛行機の中で見た新聞は、動燃と科技庁、国と地元が対立というような感じの記事が多くて、ああせっかく沖縄のときのことがあって、それを参考になさって地元の理解を得るにはどうすればいいかといういい材料があったはずなのにと、私は非常にもったいないといいますか悔しい思いをしたわけでございます。 県の調査とマスコミから知らされたという意味はどういうことかといいますと、科技庁の場合は何か原因が究極的に明らかにならないと結果が出てこない。でも一般の人は、一体ナトリウム漏れってどこから漏れたんだろうな、どの程度だったんだろうなと。それから、どうやらマニュアル違反というのがあるらしいけれども、それはどのあたりだったんだろうかな、すぐとめることだったのかそれともやっぱり事態を見てやればいいことだったのか。それから、主観的な判断が入るということでマニュアルの不備というのもお認めになっていらっしゃるようでございますけれども、そのあたりは科技庁の文書では説明されずに、私どもはというか、少なくとも私はテレビ、マスコミでしか知らされなかった。こういうところが一番国民にとっては、親愛感はとてもじゃないですけれども持つわけにはまいりませんで、親愛感も信頼もできない、そういうことがあるわけでございます。 ですから、この四ページですが、「今後の取組み」というところも、「事実関係の全体像を把握する作業を進める」、これは科技庁がやる。動燃は「原因究明と対策の検討の作業を進める」。これは初めから言っていることであって、その後どう進展して、何をどうやって整理して、その結論をはっきり言ってくれというわけじゃなくて、問題の所在はここらあたりだということを明らかにして、それに対してどういう方向性を持ってやるのだということを言っていただきたいと思うんです。 もしこういう希望を入れていただくとしたら、局長、この(1)のところはどんなことを補足してもらえば国民が納得すると思われるでしょうか。
○説明員(宮林正恭君) 御趣旨は理解はできるわけでございますが、私どもが発言をいたしました事柄といいますのは、やはり法律に基づいて私どもが今立入検査という権限行使をやっているわけでございます。そういたしますと、それにつきましては確実にこうであるというふうな形で言え、そしてこれは私どもがやりましたことといいますか、あと法律に基づきます。ある種の処分とかそういうことを伴うものですから、そういう意味でなかなか。 胸の中にはいろいろと実はないわけではございません。しかしながら、それを紙に書いたり、それから私の立場で申し上げることに対しては非常につらいところがあるということは、国民の立場としては先生のおっしゃるとおりかもしれませんが、もう少しお時間をいただきたいということで、決して私が国民のそういう気持ちを軽視している、こういうふうなつもりではないことは釈明させていただきたいと思います。
○川橋幸子君 そこまで何か深刻にお考えにならなくてもいいのではないかと私は思うんですけれどもね。 それじゃ、動燃の理事長さんにお伺いしてよろしいでしょうかやっぱり事業団の今回の事故でございますので。 私、今回の究明というのは専門技術的な究明、これはもう克明に調べて最終的に専門家が言う話だと思いますが、それ以上に事業運営上の問題点というのがあると思います。事業運営上の問題点としては、今の時点で何が反省されてどうしなければいけないかという非常に一般的な、内容は違うかもしれないけれども会社運営上も起こる話でございます。そういう問題点をお聞かせいただけませんでしょうか。
○参考人(大石博君) 私は、技術的な原因究明と事故隠しと言われておりますこういうソフトの問題と二つあると思います。技術的な問題につきましては、私ども総力を挙げてやりますし、いろんなところの立入検査もございます。専門家の関係のいろんなところに御指導いただきながらやります。 問題はやはり社会的な信頼回復だろうと思います。先ほども少し触れましたように、私ども職員全体を見てみますと、外から動燃を見る目は持っていない。外から動燃を見る、地域の人はどう動燃を見ておられるのかと、そういう目を持っておれば、地域におきます一般的な常識、感覚が身につくと思います。 ではどうするかということですが、やはり広報活動というのはかなりやっております。ただいま絶対安全なんて言うのはけしからぬとおっしゃいましたが、それは反省事項でございますけれども、広報活動はやっておりますけれども、広聴活動、聞く方、これが不足していると思います。よく地域の皆さん方のお話を聞くこと、対話の中で地元の皆さん方の感覚も身につきますし、常識も身につくと思います。また、そういうことによって地元重視の意識改革につながっていくんじゃないか。そういったところが今後私として力を入れていきたい重要な事項だと、こういうふうに考えております。
○川橋幸子君 時間を超過しましたようで終わりたいと思いますが、最後に、専門家と大臣との乖離に悩まれることなく、むしろ大臣の目で科技庁の行政を引っ張っていっていただきますようにお願い申し上げて終わりたいと思います。
○阿部幸代君 まず、今回のナトリウム漏えい事故の規模についての基本認識について伺いたいと思います。 動燃や科学技術庁は、例えば「もんじゅ」の青木次長などは、私ども日本共産党国会調査団の十二月十二日の現地調査に際し、私自身もこの調査には参加をさせていただいているんですが、そんなに大規模なものではないとか、技術的には軽微なものとか、ナトリウムが燃えると煙がたくさん出る、換気扇を回していた結果で、燃えたのはわずかにすぎないとかこういうふうに言って事故を小さく見せよう、小さく見せようとしていました。また科学技術庁原子力安全課長は、安全審査の段階で想定された事故との説明をされています。 しかし、ナトリウムの漏えい事故で高速増殖炉は世界的に行き詰まっていますが、今回の「もんじゅ」のように運転中の原子炉の冷却系から漏れたもので、トン単位で漏れたものはあるんでしょうか。今回の事故が世界最大のものではありませんか。少なくとも世界最大規模の深刻なものではありませんか。動燃に伺います。
○参考人(高橋忠男君) お答えをいたします。 海外における先行プラントその他でナトリウムが漏れた、あるいはナトリウム、カリウムなんという合金を使っているところもございますが、それらにつきまして漏れた例が約百四十件ほどございます。その中で、今先生一トンとおっしゃいましたけれども、温度によってそれは変わりますので、立米と、ほぼ一トンが一立米——それでは、一トン以上という感じで申し上げますと、今のところ三件出ております。三件が一トン以上であるというふうに私は報告を聞いております。
○阿部幸代君 運転中の原子炉の冷却系から漏れたという限定をしてのことですかしかもトン単位。
○参考人(高橋忠男君) 運転中に原子炉及びそれを冷却して電気をおこすまでの系統と、それから燃料を取り扱う系にもナトリウムを使っております。それをちょっと仕分けをさせていただいて、原子炉が稼働中でその熱によって電気をおこす系統、これを中心に考えれば二件起こっているということでございます。
○阿部幸代君 具体的にどことどこですか。
○参考人(高橋忠男君) ロシアの原子炉二件でございまして、一件は蒸気発生器、もう一件はナトリウムをきれいにする系統の配管から出ております。
○阿部幸代君 ロシアの事故は一トンという資料があるんですけれども、日本の今回の事故は、現地の人の説明でも三トンとか七トンとかあるいは数トンという数字が既にもう出ているんです。これは歴史的に見ても世界最大規模の事故ですよ。しかも、稼働して二年未満、臨界に達して稼働して二年未満のいわば新品です。新品の「もんじゅ」の事故でこういうトン単位のナトリウム漏出であるわけですから、本当に重大事故だと思いますが、どうですか。
○参考人(高橋忠男君) 「もんじゅ」建設をいたしましてナトリウムの運転期間、確かに短いものでございます。おっしゃるとおりでございます。それでこういうナトリウムの漏えいがあったということは、極めて基本的な問題であろうと私たちも認識をいたしておりまして、徹底的な原因追求、それから万全な再発防止対策、これを講じたいと考えているところでございます。
○阿部幸代君 今回の事故の認識の度合い、もう本当に大規模な大変な事故だという認識をしていなければ今後の対策も軽んじられると、そういう意味合いで私はこの質問を重視した次第です。 次の質問に入ります。 火災報知機が発報してから三時間半も、空調ダクトが閉じることなく空気が送られ続けてきたのはなぜなんでしょうか。これも動燃に伺います。
○参考人(高橋忠男君) 今回、ナトリウムの漏えい事故が発生をいたしまして、換気空調系がとまるまでに確かに三時間以上かかっていた、これは御指摘のとおりでございます。 ナトリウムの漏えい、いろいろな規模がございますけれども、マニュアルでは、このクラスの漏えいに関しましては配管内のナトリウムを落とした後空調を停止する、こういう規定に実はなっております。これがナトリウムの燃焼によって発生しましたエアロゾルを広範囲に拡大させてしまったあるいは一部は外へ出してしまったということも現実がと思います。これは調査でまた明らかになってくるかと思いますけれども、このあたりも含めまして今後どうすべきであるか、これを運転マニュアルの中にきちっと反映させていきたいというふうに考えております。
○阿部幸代君 空調ダクトの取り扱い、つまり空気の送風の取り扱いに関するマニュアルを払いただきたいと思います。ほかの先生たちにも配っていただきたいと思うんですが、なぜ送り続けるのか、常識的に非常に疑問なんです。
○参考人(大石博君) ナトリウムが配管室内に漏れたわけですが、そうすると部屋の温度が高温になります。いろんな計測機器類、電線ケーブルもあります。高温になりますので、換気をすれば室内温度が下がるということがございます。換気をする方がよろしいわけです。しかしながら、ナトリウムが漏れて化学反応を起こしたものが外に出ていくと、これはまずいわけです。ナトリウムが全部抜けてしまいますと、部屋の温度も下がります、燃焼も終わります。したがって、換気は必要ない。 そこで私、その後の被害状況あるいは事故当時の記録等もいろいろ見ましたところ、やはり一刻も早く空調換気装置は停止すべきではないかというふうに私は思っておりまして、そういう方向で専門家に検討するよう今指示を出しているところでございます。これは発電所全体の運転状況もございますので、総合的にいずれ専門家のところで結論が出されることと思いますが、動燃の中では、一刻も早く換気装置をとめるべし、それから原子炉は早くとめるべしということで、今検討を指示しているところでございます。
○阿部幸代君 仮に気体による冷却というのがあるとしても、なぜ空気なのか。ナトリウム火災のことを考えれば、空気を送り続けるというのは、私みたいな素人にとっても論外であるわけです。 十二日、私ども調査団への説明の中で、ナトリウム漏えいがほんの一部なのに広範囲に見える、換気扇を回し続けてきたから事故が大規模に見えてしまうというようなことを話しておられたんです、現地の方が。漏えい確認後換気扇をとめたともおっしゃいました。ですから私などは、人間がいたのかしら、また人間が入るための送風だったのかしら、こういうふうに思ってしまうわけです。 それで、原子炉設置申請書(安全審査申請書)、この中では「火災検知器の信号で空調ダクトを全閉とする」となっているんですが、なぜそうならなかったのか、あるいはなぜそうしなかったのか。この設置申請書自体もこんなにいいかげんに取り扱われるものなのか。これは科学技術庁に伺います。
○説明員(宮林正恭君) 動燃さんの方がどういうふうにそれをお取り扱いになったかについては、現在、一般に言われているような形で実際に空調が回されたという事実は承知しております。 したがいまして、そういうことにつきましてはある種の疑問を持っているということは言わざるを得ないと思いますけれども、これにつきましては、むしろ全体としてどういうふうにするのが一番最も被害を小さくし、事故を小さくすることであったかという観点からやはり見直してみるべきだというふうに私ども思っております。 したがいまして、それにつきましては、現在いろいろと立入検査をやっておりますし、今後十分検討いたしました結果を御報告させていただきたいと思います。
○阿部幸代君 ナトリウムというのは、先ほど来の説明の中で、酸素や水と激しく反応する、コンクリートに接触して水素爆発が起こることもあり得ると。現に今回の事故でも、一千度近くの温度でナトリウムが流れ、そのために空調ダクトに穴があき、それから床面も形がゆがんだりしているわけでしょう。本当に大きな事故の可能性もあったということなんです。 皆さんはさりげなく、安全審査申請書の扱いとかマニュアルの改善の問題とか語っていかれるんですけれども、私の表現では、それは行き当たりばったりということなんです。こんな大変な仕事をしている場でこんな行き当たりばったりのことが通用してよいのか、その無責任さをとても感じてしまうんです。 同じような質問になりますが、次に移ります。 安全審査申請書によると、「ナトリウム漏えいが万一生じた場合に備えて、二次主冷却系の機器・配管を収納する部屋に、ナトリウムの漏えい検出器及び火災検知器を設置し、その信号を中央制御室に表示する。これらの警報により、運転員は手動にて原子炉を停止する。」とあります。ところがマニュアルでは、小規模、中規模、大規模の漏えいというふうに規模によって対応が異なっています。 動燃は、技術的に検討してこうしたと説明なさっています。ということは、ここでもう安全審査申請書そのものも不備であるということになります。 そして、今回の事故に際しては、私どもへの十二日の現地の説明なんですが、大規模漏えいではないと、こういうふうに言っていました。そういうふうに最初の判断を出して、結局大規模事故に発展していっています。つまり、マニュアルも不備であったと、直していくと言っておられるんですから、ここでもそういうことになるわけです。 繰り返しますが、ナトリウム漏えいは、冷却能力の喪失と同時にナトリウム火災、水素爆発の危険があるだけに、行き当たりばったりは許されないんじゃないでしょうか。重ねてこれは科学技術庁に聞きます。
○説明員(宮林正恭君) 行き当たりばったりであったかどうかということにつきましては、今私がここで、先ほど申し上げましたような私の立場で、それに対して確たる御返事を申し上げるというのはやはり妥当ではないと思います。 しかしながら、御指摘の点は、立入検査の結果のデータに照らしまして十分検討いたしましてちゃんと御報告をさせていただくようにいたしたいと思います。
○阿部幸代君 やはりナトリウムの危険認識の甘さ、人命と安全軽視、こういうものを私は今回本当に痛感しているんです。その気持ちを話させていただいて、最後に、今後の事故の究明対策になります。 動燃は、敦賀事務所長並びに「もんじゅ」の所長、副所長、それからプラント第二課長の更迭を決めて、敦賀事務所長を除く三人はそれぞれ大洗工学センター担当役などに異動したということです。県や市への通報のおくれや事故隠しの責任を問われている三人を、原因究明作業を行うのに、大洗工学センター等に異動させるのは問題ではないかと思うんです。つまり、これは事故の徹底究明の姿勢が問われる問題だと思うんですが、科学技術庁はどうでしょうか。
○参考人(大石博君) 人事異動の問題は、これは動燃の責任でやりましたので、私から答えさせていただきたいと思います。 私先ほど、非公開ビデオが十二月二十日にあるということを知って驚きまして、翌日現地に乗り込んだということを申し上げましたが、そのときに現地の幹部といろいろと話をしました結果、これまでの幹部では、新聞発表いたしましても、部下に指示をしても、この真相究明はできないというふうに私は判断したわけでございます。新体制のもとでこの事態を乗り切るべしというふうに判断したわけです。 では、事態の原因究明はだれがやるのかということでございますが、まずは人心一新のために新しい責任者に置きかえたということ、原因究明につきましては、これは全社体制で、総力体制で今これに取り組んでおります。 大洗工学センターも東海事業所も本社も、そういった中で前任者には協力してもらう、当然、現地に駐在が必要なときには駐在いたします。現在は現地におります。動燃として、全社を挙げて原因究明に当たる、そういう体制の中に組み込みまして今やっているところでございます。 それから、ちょっとよろしいでしょうか、もう一言だけ、ナトリウムの取り扱いの問題でございます。簡単に申し上げます。 動燃では、ナトリウムを漏らさない研究を一生懸命やりました。漏らす研究も一生懸命やりました。漏らした回数は百二十回以上を超えています。漏れたときにどうなるのか、安全か、煙はどんな煙が出るのか、どんな温度になるのか、やりました。それから、研究している間に予想外の漏れが三回ありました。これはもう新聞にも出ています。それから、海外で全部で百四十回漏れた実績がありますが、これを全部「もんじゅ」に反映いたしております。 ですから、先生、その説明をちょっと先にしたがったので一生懸命手を挙げておったところでございます。どうも済みません。ありがとうございます。
○委員長(長谷川清君) 宮林局長の方から、今の質問に簡単に答えてください。
○説明員(宮林正恭君) 先ほど阿部先生の方からお尋ねがありましたので、それについてお答えさせていただきます。 私どもの方からは、まず現地でもって立入検査として、私どもが結構だと申し上げるまでは四人の方には敦賀から動かないでいただきたい、いつでも私どもが聞けるようにしていただきたいという要請を動燃に申し入れでございます。
○委員長(長谷川清君) 時間がオーバーしていますから、質問しないように。
○阿部幸代君 県や市への第一報のおくれとか、あるいはビデオの全面公開を拒むとかいう事故隠し、これらに福井県民はもとより国民が怒るのは当然だと思います。これは結局、人命軽視や環境破壊につながる無責任さを示しており、今後、当然のこととして徹底した迅速な情報公開を望みます。 日本共産党は、以前から技術未確立のナトリウム冷却の危険性を指摘してまいりました。今回の事故がそれを現実のものとした以上、安全神話からの脱却と運転停止を含む抜本的見直しを求めるものです。 今後の事故の徹底究明とあわせて、長官の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(浦野烋興君) 先ほど来申し上げておりますように、私どもこの事態を重く受けとめまして、今懸命に原因究明に取り組んでおるところであります。 あわせて、これまた御質問もあったところでありますけれども、今後、科学技術庁といたしましても、節目節目でその原因究明の情報を開示する、そうした仕組みも考えていきたいと思っておりますし、また動燃に対しましても、そうした姿勢というものを今後ともとるように要請してまいりたいと思っております。
○佐藤道夫君 朝来、まことに御苦労さまでございます。さぞお疲れとは思いますけれども、いましばらくおつき合いください。 私は、今回の事故に対する監督官庁である科学技術庁、この問題の取り扱いが適切であったかどうかという一点に絞ってお尋ねいたしたいと思います。 世論の中にはもう少し政府が、すなわち科学技術庁が本腰を入れて積極的に早目早目と問題に取り組むべきではなかったのかというふうな意見もあるようでございます。そもそもこの事故発生後、長官の耳に事故がありましたという報告があったのは何か数時間を経過していたということですし、その際、長官が役所に登庁して陣頭指揮をとろうかと言ったら、どういうわけかそれは実現しなかったということが新聞で報ぜられておりました。 それはそれといたしまして、その日が無理ならば、もう翌日早朝にでも早速局長級の責任者を現地に派遣いたしまして、実態を把握する、それから地元各方面に対する連絡に手落ちがないかどうか確認を行わせる、あるいはプレス報道はいかにあるべきかということにつきましても政府の意見ということをきちっと動燃に伝えまして、協議の上問題を処理していくという指導監督を強力に行うべきではなかったのかという気もいたしますので、その辺につきまして、長官のちょっと御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(浦野烋興君) 確かに、今回の事故、私の耳に入りましたのは九時を過ぎておりました、九時二十分ごろでありました。 今回の我々の科学技術庁の対応というものに対して、先生御指摘のとおり決して万全ではなかったと思います。その中で、反省するところは多々あるわけでございますけれども、私どもといたしましては、その時点では真剣に考え取り組んできたということは言わさせていただきたいと思っております。反省することは多々ございます。
○佐藤道夫君 きょうの経験をあすに生かしていくということが大変大事なことだろうと思います。どうかこの問題を真剣に受けとめて、これからの行政に生かしていっていただければと思います。 それから、私この際、災害訓練の重要性ということを指摘しておきたいと思います。 災害訓練といいますと、皆さん方は消防訓練を考えまして、特に科学屋、技術屋さんたちは大変嫌がることだろうと思います。しかし、やはり訓練は非常に大事な意味を持つのだろうと思います。人間のやることですから、二度とこういう事故はあってはならないわけですけれども、絶対ということはあり得ない、先ほど長官もおっしゃっておられました。 想定される事故を一つ二つ三つとあれこれ思い浮かべて、こういう事故が起きたらこういう対応をしていく、だれは何をどういう仕事をすべきか、この方面に対する連絡はだれがすべきかという詳細なマニュアルをつくっておくということが非常に大事なことではないかと思います。これはただ単に書面の上ではなしに、やはり何回も何回も繰り返し訓練を行っていくということがいざという場合に生かされてくる道ではないかという気がいたします。 先ほどの松村委員の御質問の際に、片手で上司に報告し、片手でボタンを押すと。確かに理屈はそのとおりですけれども、実際に緊急の場合にそんなことはまず不可能で、なかなか頭は回らない。動転して両方ともおろそかになってしまうということが現状だろうと思います。 やはり訓練の大切さということを指摘しておきたいと思います。もう既に何回もそういう訓練はやっておるということかもしれませんが、どうぞもう一度反省いたしまして、新しい事故が起きた場合にどう対応していくかということを真剣にマニュアルをつくりつつ、かつ監督官庁である科学技術庁とそれから動燃との打ち合わせの上、そういうマニュアルの作成とそれから訓練ということに生かしていっていただければと思いまして、最後に希望しておきたいと思います。 この点につきまして、長官からまたちょっと御所見をいただきまして、私の質問は終わります。
○国務大臣(浦野烋興君) 貴重な御指摘を賜りまして、私どもこの事態、既に今日までもう二十日になるんでしょうか、我々、庁内の中にも連絡網等あるいは問い合わせ、こうした点につきましてもっと合理的にもっと的確にできないものかそうした意見を交わしておるところでありまして、あわせて訓練をこれに交えて、しっかりとした体制を整えたいと思っております。もとより、動燃と科技庁の間の連携等ももっと迅速にできる、どういうことをやればそれができるかまさに真剣に考えなければならぬと思っております。
○委員長(長谷川清君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会