運輸委員会 第2号
- 発言数
- 255 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/11/09
会議録
○委員長(寺崎昭久君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨八日、泉信也君が委員を辞任され、その補欠として釘宮磐君が選任されました。 —————————————
○委員長(寺崎昭久君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 運輸事情等に関する調査のため、本日、日本国有鉄道清算事業団理事長西村康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺崎昭久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺崎昭久君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鴻池祥肇君 おはようございます。 平沼運輸大臣には長年にわたる御交誼、御指導をちょうだいいたしてきた者でございます。きょう、ここに大臣をお迎えしながら御質問を申し上げる機会を得ましたことは極めてありがたく、この上ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 運輸全般の行政にかかわる質疑の時間でございますけれども、私は、御存じのとおり一月十七日のあの大震災のど真ん中の町から上げていただきました。またそして、さきの参議院選挙におきまして、この復興に微力を傾けたい、このような思いをお訴え申し上げて当選を果たさせていただきました者でございますので、これにかかわることに集中して御質問申し上げることをどうかお許しいただきたいと思います。 まず、あの大震災の直後、各省極めて敏速に救援、復旧活動に携わっていただきました。特に脚光を浴びましたのが自衛隊の活躍でございました。そして、今なお町々には自衛隊さんありがとう、このような横ビラもあるような状況でございます。 海上保安庁におかれましても大変な御支援をちょうだいしたと承っておるんでございますが、余り報道されなかったものでありますから、この際、あの時点における海上保安庁のお取り組みはどのようにされたか、ひとつ御披瀝をちょうだいしたいと思うわけであります。
○政府委員(加藤甫君) 一月十七日に発災をいたしまして、直ちに地元の第五管区海上保安本部におきまして、行動中の巡視船艇によりまして海上における事故状況等の調査を実施いたしますとともに、大阪湾内に所在いたします海上保安部、海上保安署の全職員の非常呼集を行いました。また、本庁からは八尾航空基地所属の航空機による現場の調査を指示いたしまして、直ちにこれを実施いたしたわけでございます。 また、午前七時になりまして、第五管区海上保安本部に地震災害対策本部を設置いたしまして初動の態勢を確保いたしました。さらに、同本部職員を兵庫県に設置されました対策本部、また神戸市に設置されました対策本部、洲本市に設置されました対策本部に派遣いたしまして、緊密な連絡調整を行いつつ、被災者の救出、緊急支援物資の輸送等を巡視船艇、航空機により開始いたしたのであります。 また、事態の重要性にかんがみまして、本庁内におきましても九時半に地震災害対策本部を設置いたしますとともに、他管区からの航空機、大型巡視船、特殊救難隊などを現地に集結させまして救援活動に従事いたしました。 そして、三月下旬までの間におきまして、巡視船艇延べ二百八十二隻、航空機延べ百十五機によりまして救援要員及び急患等の輸送を六百八十七名、また、医薬品、食料品、日用雑貨等につきまして段ボールに換算しまして約二万五千箱相当分、そして清水約一万二千三百トン及び毛布約一万二千枚などの輸送を実施したところでございます。 以上、簡単でございますが。
○鴻池祥肇君 まことに適切迅速なる行動を起こしていただきまして心から感謝を申し上げるものであります。 さて、この大震災の経験を踏まえた今後の保安庁としての取り組み方についてもいろいろとお考えがあろうかと思いますので、これも御披瀝いただきたいと思います。
○政府委員(加藤甫君) 阪神・淡路大震災におきましては、まず災害初期におきます情報収集体制及び輸送能力等を強化した船艇、航空機の整備などの必要性が強く認識されたところでございまして、当庁におきましては、この経験を踏まえまして、今年度の第一次、第二次補正予算によりまして、衛星を利用したヘリコプター撮影画像伝送システムの整備、これは現場の状況を管区本部なり本庁において把握することができるというものでございます。また、救援物資等の保管や提供、また、応急医療実施施設、対策本部設営機能などを備えました大型の巡視船の整備、また、消火機能あるいは物資輸送機能を強化しさらに海中捜索機能等を備えました巡視艇の整備、また、緊急支援物資輸送能力をアップした中型ヘリコプターの整備などを実施いたしまして装備の充実を図るとともに、また、来年度の概算要求におきましても災害対応型の大型巡視船の整備などを要求しているところでございます。 さらに、防災基本計画の改定に合わせました海上保安庁防災業務計画の見直し及びマニュアルの作成等を鋭意進め、防災体制の整備を一層図ることにいたしているところでございます。
○鴻池祥肇君 万全たる準備滞りないということで安堵をいたしておりますけれども、地方公共団体との連携ということについていささか抜けておられるように思うんですが、その辺はいかがでございましょうか。
○政府委員(加藤甫君) 先般の大震災におきましては、沿岸部の消火活動を消防機関と共同で実施いたしましたり、また陸上被災地への緊急支援物資の輸送や急患の輸送などを巡視船艇及び航空機により実施するなど、海陸空が連携いたしまして災害応急対策に当たることの重要性が再認識されたところでございます。 海上保安庁におきましては、これまでも発災時における地方公共団体の対策本部への職員の派遣、あるいは平時における消防機関等との合同防災訓練の実施など、地方公共団体等との連携を図るための対策を講じてきているところでございますが、今回の経験を踏まえましてこれまで以上に速やかに職員を派遣する体制づくりを行うとともに、合同訓練の内容が有機的連携に一層配慮したものとなるように工夫するなど、海陸の連携が一層図られるようにするための取り組みを進めているところであります。 さらに、災害対策基本法に基づき地方公共団体が実施する地域防災計画の作成に当庁の現場業務を担当する管区本部等が積極的に参画いたしまして、海陸の接点における地方公共団体などの関係機関との連携体制の確保及び関係機関と連携した防災訓練の実施等につきまして積極的に計画に盛り込むように指導していくことにいたしているところでございます。
○鴻池祥肇君 御高承のとおり、沖縄におきます米兵のふらちな行為で極めて日本の安全保障議論のいい意味、悪い意味兼ねての高まりを見せているさなかでございます。そういう世論の中で、意外と忘れ去られようとしておることが北の海の守りでございます。海上保安庁におかれては、あの荒れ狂うあるいは雪の舞い散る海上で人命救助あるいはその他の業務に命をかけてお仕事をなさっていらっしゃる姿を思い浮かべるわけでありますけれども、最近ロシアによる日本漁船への取り締まりが強化されたと聞くに及んでおります。その辺の状況はいかがでございましょうか。
○政府委員(加藤甫君) ロシアにおきましては昨年から、我が国の北方領土周辺海域を含む沿岸海域におきまして、国境警備隊が中心になりまして密漁取り締まりをプチーナ作戦と称しまして強化して実施いたしてきておりまして、今年も四月から十月までの間、同様に密漁取り締まりを実施してきているという状況にございます。 また、北方領土周辺海域におきましては常時二ないし三隻のロシアの警備艇を私どもの巡視艇が視認いたしておりまして、ロシアが日本漁船のロシア主張領海への越境操業の取り締まりに当たりしては武器の使用も辞さないという強い姿勢を明らかにしていることもございまして、厳しい状態が引き続き続いていくものと認識をいたしております。
○鴻池祥肇君 そのプチーナ作戦というのは武器を使用してでも日本海に目を光らせよう、こういうのがロシアの作戦の一つだと聞いておりますけれども、最近の北方領土周辺の海峡における日本漁船の被拿捕、いわゆる被銃弾、捕まったり弾を受けたり、こういう状況というのはどのような程度なんでしょうか。
○政府委員(加藤甫君) 北方領土周辺海域におきますロシアによる日本漁船の拿捕件数につきましては、平成二年から昨年までの五年間では二十七隻、乗組員は百十七名でございます。また、銃撃をされました隻数は四隻となっております。 拿捕が多く発生いたしましたのは平成五年及び六年でございまして、平成五年には十二隻四十三名、同じく六年におきましては七隻と五十二名でございまして、拿捕に伴う銃撃は平成五年に一隻、翌六年に二隻となっておりまして、いずれも負傷者一名を出しております。 本年は、現在までのところ、北方領土の周辺海域におきましては拿捕事件は発生いたしておりません。 また、北方領土周辺海域で拿捕、連行されました漁民は、現在までに全員釈放され帰国いたしております。したがって現在抑留者はおりません。 漁船につきましては、銃撃を受けまして沈没した船が一隻、未帰還が一隻となっておりますが、これ以外は返還されているという状況でございます。
○鴻池祥肇君 九月の二十七日ですか、事件が起きましたですね。漁船の息子さんが銃撃されて負傷して、それを助けに行ってその船長であるおやじさんも拿捕された、こういう事件。この辺の状況と、その後外務省とどのような連携をされてこの問題の解決に当たっておられるか。あわせて、今後の海上保安庁の被拿捕・被銃撃防止、これについての見解を承っておきたいと思います。
○政府委員(加藤甫君) 先生御指摘になられました九月に銃撃され拿捕された日本漁船につきましては、漁船の乗組員は一隻につき一名ずつの乗組員二名でございまして、一たんサハリンのネベリスクに船とともに連行されまして、その後乗組員は二名ともユジノサハリンスクに移されております。銃撃を受けまして負傷した一名は、ユジノサハリンスクの病院で手術を受け、順調に回復していると聞いております。 十一月四日になりましてロシア側が、十一月九日に、本日でございますが、抑留中の乗組員二名の釈放、及び、漁船二隻につきましては銃撃された一隻の没収及び残る一隻の返還を表明してまいりました。 負傷した一名につきましては本人の希望で空路帰国する予定になっているようでございますが、返還される漁船の船長、おやじさんの方でございますが、自分の船で海路帰国したいという意向のようでございまして、現在、外交事務当局が現地当局と折衝している模様でございます。海上保安庁といたしましては、本人の釈放後一日も早く無事帰国できますようにできる限りの措置を講じたいと思っているところでございます。 また、今後の被拿捕・被銃撃防止対策という点でございますが、海上保安庁におきましては、拿捕などが発生するおそれの強い根室海峡に三隻、宗谷海峡に一隻の巡視船を常時配備しているほか、オホーツク沿岸を適宜パトロールいたしまして出漁船に対しまして直接被拿捕防止及び被銃撃の防止指導に当たるとともに、漁業協同組合などを通じまして被拿捕防止及び被銃撃の防止指導に当たっているところでございます。また、ロシア経済水域に出漁する日本漁船は北海道のみならず他県からも出漁していることから、海上保安庁といたしましても、地元の水産当局と密接な連絡をとりつつロシア側と不要のトラブルを生じないように指導を行っているところでございます。 今後とも、引き続きこのような被拿捕防止策を強力に推進していくことといたしているところでございます。
○鴻池祥肇君 ありがとうございました。 大変厳しい環境の中でのお仕事だと存じます。今の御発言のように無用のトラブルは避けなければなりませんけれども、十分お気をつけいただきまして職務の遂行を心から願うものでございます。 続きまして、全く話が変わるわけでございますが、あの大震災によりまして美しかった神戸の町並みが大変な変わりようになったのは御高承のとおりでございます。その中で、神戸海洋気象台という神戸の建築百選に入るような、百年来市民に親しまれた建物があるわけでございますが、これが地震によって壊れてしまいまして移転の問題が随分がしましくなってきております。 それぞれの御意見もあるようでございますが、やはり百年来の資料もそこで蓄積されて今後もそれが続いていくというような観点、あるいはノスタルジアみたいなものでありますけれどもその場でもう一度建て直してほしいという市民感情もあるし、また市民の善意でこれができ上がったものであるという歴史的な経緯もあるわけでございまして、そういう議論の中で気象庁とすれば神戸の海洋気象台は今後どのようにお取り扱いをなさるのか、この点ちょっと承っておきたいと思います。
○政府委員(二宮洸三君) 本年の一月十七日の兵庫県南部地震におきまして神戸海洋気象台の庁舎も被害をこうむってございます。倒壊の危険のある一部の庁舎につきましては既に取り壊しまして、現在、約一キロメートルほど離れております仮庁舎で一部の仕事をしているところでございます。二カ所で分散した業務を行っているわけでございまして不都合が多く、庁舎の早期建設のことを建設省にお願いしているところでございます。 建てかえに関しましては、現所在地での新営あるいは合同庁舎をつくる場合、いずれの場合につきましても気象業務の運営に必要な諸条件が整うことが一番大きな問題でございますので、これを前提にいたしまして関係機関にお願いしているところでございます。
○鴻池祥肇君 いろいろな御意見があろうかと思いますが、適切な御判断を望むところでございます。 さて、大震災から十カ月余りたちまして瓦れきの処理や応急仮設住宅等、それぞれ御関係のところにおいて精力的にめどがつくまで進んでおるわけでございますけれども、このうち、神戸の経済、兵庫県の経済と言っても過言ではありませんが、市民生活に大きな影響を与えているのが神戸港でございます。例えば、コンテナの定期航路が二百一あったうち三分の二強に当たる百四十航路が就航いたしてまいりましたし、その取扱貨物も約七割まで戻ってまいりました。国の一次二次にわたる補正予算の重点配分の結果、予想を上回る港湾機能の回復が図られているのが現状でございます。 ところが、神戸市内の道路の状況が非常に悪いわけでありまして、これもいたし方のないことではございますけれども、人や物の流れが阻害されるために復興にとって大きな障害になっているということも現実でございます。 運輸省とは直接関係ございませんけれども、この際この道路事情について、建設省お見えでしたらお伺いしたいのであります。特に阪神高速道路の三号神戸線、これは大阪と神戸を結ぶ極めて重要なところでありますし、あわせてポートアイランドや六甲アイランド、市街地と港湾を結ぶ道路ですね、このあたりの復旧状況、今申し上げた阪神高速道路の全通の見通し等についてひとつ発言をちょうだいしたいと思います。 あわせて、この八月の夏休みで神戸市にお越しをいただいた観光客を含めての人数、これがまだ五〇%にしか満たない、こういう状況なんです。これは一に道路事情が悪いということにかかわって、それぞれの観光業者なんかが神戸に行ったって予定が立たぬですよと、こういうことがよくあるやにも聞いておりますので、ぜひともこの道路の復旧工事の促進をお願いしたい、こういうふうに思うわけであります。
○説明員(佐藤信秋君) 先生御指摘のように、阪神高速は阪神地域の経済とか生活に大変大きな役割を果たしている道路でありますから、一日も早く復旧したいということで全力を傾けて努力しているところであります。 これまでの状況を申し上げますと、大阪府域と北神戸線、これにつきましては地震後間もなく一月いっぱいでおおむね復旧をいたしました。その後、阪神高速の湾岸線、これが六甲アイランドまででございますが九月一日に復旧させていただきました。 一番問題なのは、先生御指摘の神戸線でございます。神戸線につきましては、八年の三月いっぱいには摩耶と京橋の間、これは岩屋の交差点とか大変渋滞箇所をこれができればバイパスできる、こういうことで三月いっぱいには何とか開通をさせたい。全線約三十キロ近くございますが、八年三月いっぱいを目標に今復旧に取り組んでおるところでございます。 そうは申しましてももっと早くできないかと、こういうことで幾つか厳しい施工上の条件がございます。環境の面で申し上げますと場所によりましては夜間の施工ができない。それから、交通の確保という条件でいきますと日中の車線の規制とか、この辺が非常に厳しいところがあると。 しかしながら、関係機関と協議、調整いたしましてただいま申し上げました目標をさらに少しでも早く短縮できるように、今関係者の協議会などを開きながら精いっぱいの努力をしておるところでございまして、建設省としても、近畿地建や阪神公団あるいは県、市の関係部局を通じまして最大限早く復旧できるように努力をしてまいりたいと思っております。
○鴻池祥肇君 わざわざありがとうございました。ぜひとも一層の御努力を心からお願い申し上げます。 もう一つ、運輸行政とは直接関係ございませんけれども、この機会でございますのでお許しをいただいて援言の取り次ぎをさせていただきたいと思うのであります。 今御説明ございましたように、道路、港そして何よりも住宅の復興が大変大きな問題でございまして、今なお仮設住宅が四万七千二百八十六戸、ここに御夫婦あるいは御家族で住んでおられるわけでありまして、私の秘書の一人も仮設住宅から私どもの事務所に勤務をしているという状況でございます。それぞれが大変な努力をしたり我慢をしたりされておるんでありますが、この被災地の兵庫県として、兵庫県の企画部でありますけれども、住宅皆保険の創設を提案いたしました。各省庁においてはまだお聞き及びではなかろうと思いますが、ぜひともひとつ耳を傾けていただきたい大変重要な、そしてこれが実現すれば大変すばらしいなというようなことでございます。 過去百年間の地震等を調査いたしまして、その検証の結果、千戸以上の住宅被害をもたらしたのが二十九回だそうでありまして、平均三年か四年に一度の割合で発生しておるわけでありまして、いっどこでだれにこういう被害が起きるかわからない。そういう状況下で今回の大震災で支払われました保険金は被害総額の九%に満たない、こういう状況でありまして、再建の資力が不足、また二重ローンの問題、被災地に代替の借家がないと、いろんな問題を抱えて今に至っておるわけであります。 そこで、兵庫県の企画部の方がいろいろな調査の結果、被災地の責任として人にこれを伝えそして安心して暮らせる町づくりを他県にもいい意味で及ぼしていきたいということで、住宅皆保険の創設を提唱いたそうとしている段階でございます。そのうちにいろいろな議論が高まってくると存じますけれども、先鞭をつけまして公式の席で私からお取り次ぎを申し上げたいわけでございますが、年間一万二千円程度の保険料で家屋の再建ができると。これは市町村を保険者に、国、地方公共団体、民間が共同出資して特殊法人の保険機構を設立し、保険業務を委託、基金を運用すると、こういうユニークな、かつての保険ではなく共済制度のようなものだと聞いております。 また、詳しくはいろいろなところで御検討いただく、役所もこれからお決めいただきたいということで我々は精力的に動くつもりでおりますけれども、とりあえず総務庁の方からきょうはお越しをいただいているはずでございますけれども、ちょっとこの辺のことにつきまして御見解を簡単に述べていただけましたらありがたいんですが、お越しになっていませんか。 それでは、今のところこういう住宅皆保険というものが兵庫県から提唱されますということで、大臣もひとつ耳だけ傾けておいていただきたいということを御要望申し上げたいと思います。 さて続いて、港に話を戻させていただくわけでございますが、過日、六甲アイランド仮設桟橋埠頭の供用開始式典について御案内状をいただきました。ありがとうございました。十一月十三日月曜日、ちょっと国会がややこしいですから私は出席できませんけれども、御案内をいただいております。 早速にこういう仮設の埠頭もおつくりをいただきました。この仮設桟橋埠頭供用開始が十一月十三日でございますが、これによりましてどのような効果が期待されるのでありましょうか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 来週の月曜日、十一月十一二日に供用を開始いたします神戸港の仮設桟橋でございますが、これは総理の諮問機関でございます阪神・淡路復興委員会の三月の御提言に基づきまして、神戸港の国際コンテナ貨物の取り扱い能力を早急に回復するために建設を進めてまいったものでございます。仮設桟橋の供用によりまして神戸港の機能の早期回復を図り、これによって神戸港を利用しておられた方々が神戸港から離れていくということを防ぐとともに、神戸の復興全体に勇気を与えるということを期待しているところでございます。 能力的に申しますと、この仮設桟橋が全部完成することによりまして、被災前の神戸港の能力の約一四%に相当いたします年間五百二十万トンのコンテナを扱い得るというふうに考えております。
○鴻池祥肇君 船が逃げないようにしようというそれぞれの努力があるわけでございますけれども、この震災前から神戸港というのは施設の利用料といいますか、これがもともと国内あるいは国外からも高いのではないか、そういうこともございました。現状、利用料の減額処置がとられておるようでございますけれども、復旧状況からすればやはりこれは継続していただかなければならぬと思いますし、立派な港ができましてもコストが高ければ船がやってこない、これが原則でありますから、このあたりについてお考えがありましたら御発言をいただきたいと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 現在、神戸港の管理者であります神戸市の方では震災の復興期間中、通常の料金の割引制度を実施しておりまして、これはいずれ復興の全部終了した段階でもとに戻るということが予想されております。 今、先生御指摘のように、我が国の国際港湾の競争力が諸外国と比べて著しく弱くなってきているという問題を私どもも大変憂慮しておりまして、平成七年度から水深十五メーター級の公社のコンテナターミナルにつきましては、従来国、港湾管理者合わせて四割の無利子貸し付けを行っておりましたけれども、これを六割まで拡充するという制度を発足させたところでございます。 また、神戸港の復旧につきましては、本来埠頭公社のコンテナターミナルあるいは市所有のクレーンなどは災害復旧の公的な助成の対象外でございましたけれども、今回の震災に限り特別立法をもってコンテナ埠頭については八割、市所有のクレーンなどにつきましても五割の国費を投入するということで、復旧後に施設利用料がはね上がらないというようなことに努めてまいったところでございます。 国際競争力の確保のためには、施設面だけではなくてサービス面での充実も必要でありますので、今後とも港湾管理者と協議をしながら我が国の競争力を高めていきたいというふうに考えております。
○鴻池祥肇君 震災復興だけではなく二十一世紀の国際都市にふさわしいマザーボードづくりということで御心配をいただいていることに感謝をするわけでございますが、特に物流及び海上交通拠点として高規格コンテナターミナル、テクノスーパーライナーにも対応できる多目的なバース等の、最新鋭と言われる港湾施設の整備というものもぜひとも望まなければならないところでございますし、また輸入促進地域の活用ということもあわせていろいろな面で御指導いただかなければならないというふうに思います。 御存じのとおり、神戸港は、世界有数の国際貿易港として国はおろか世界じゅうの経済活動を支える部分もあったわけであります。そしてまた、市民生活の基盤ともなり一般市民にも大変親しまれてきた港でございます。明治以来営々と築き上げられてきました神戸港は、兵庫県、神戸だけではなく、今申し上げましたように日本、世界じゅうからも大切な財産であるわけであります。その財産が一月十七日の未明にほとんど破壊された、こういう状況になりました。 その後、復興について大変な関係各位の御努力をいただいているわけでありますけれども、日本経済に果たす役割というのは大変重要でございますし、世界じゅうから神戸港の復興あるいは二十一世紀に向けての港づくりを注視されている、こういう状況ではないかと思うわけでございますが、運輸大臣は神戸港復興に対する思いをどのようにはせておられますか、最後に港の件でお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今御指摘のように、神戸港というのは、ただ単に阪神地域の拠点たるのみならず日本にとってまた世界にとっても重要な拠点であります。 その一つの指針といたしまして、我が国の外国貿易に占める割合が七兆一千三百億、全体から見ると一一%を占めておりますし、さらにコンテナの取扱量も四千万トンを超える、これは総取扱量の三〇%を占めているわけであります。さらに、神戸の市民所得、約三兆四千億と言われておりますけれども、港湾関連の市民所得というのはその約四割を占めるということで、大変神戸港の果たす機能というのは大きなものがございますので、一月十七日の阪神・淡路大震災で壊滅的な打撃を受けたわけでありまして、それに対して運輸省といたしましても、今まで予算措置の面でもあるいはまた税制の面でも最大限努力をさせていただいてきたところであります。 したがいまして、その重要度にかんがみましてこれからも省を挙げて全力で取り組んでまいる覚悟でありますけれども、例えば今港湾局長が申しました港の復興と、そして先ほど先生御指摘のように、機能的には約七割回復してまいりましたけれども、さらにこれから港もハブ化ということでありまして、そういう御指摘の中で、大深度の十五メートルの水深を持つ大規模なコンテナヤードを積極的に神戸港に集中して行わせていただきたいし、また大規模の災害のいわゆる防災拠点、こういうものも整備をさせていただく。こういったことでもろもろこれからも、これは国にとって大変重要な地点でありますので一生懸命に頑張らせていただきたい、こういうふうに思っております。
○鴻池祥肇君 大変心強い御発言をいただき、心から感謝を申し上げお礼を申し上げる次第であります。この上ともの御高配を心からお願い申し上げる次第であります。 もう一点大臣、ただいまの御発言のごとく、震災を乗り越えるだけではなく二十一世紀に向けてこれからの港を考えていかなければならないという心強い御発言でございました。そのとおりでありまして、十年先、二十年先あるいは三十年、五十年、百年、このような将来を見据えたいろんな施策が必要になってこようかと思います。 とりわけ、将来の神戸経済を引っ張っていく新しい産業として文化や情報あるいは航空産業、こういったものも非常に大切になってくると私は思っておるわけであります。また、仮設住宅がある、あしたのパンのことを心配してくれ、こういう声も確かにあります。しかし、未来の美しいレストランの絵もやはり政治としてあるいは行政として描かなければならないときではないか、このようにも私は思います。 そこで私は、このような展望を開いていくのは神戸空港である、このようにかたく信じて地元でもそのような発言をしてまいりました。いろんな批判の声もございました。しかし、未来に向かって、私たちの子供や孫の代に向かってどうしても空港は必要なんだ、このような信念に変わりはないわけでございます。これは長期にわたるプロジェクトでございます。震災で人口も減少してまいりました。あるいは雇用も減少してまいりました。企業の移転、これも随分続いておるわけでございます。ここでやはり空港という一つの大きなプロジェクトで夢を持ちたい、これが私どもの切なる望みでございます。 震災から立ち上がるためにぜひともという地元の声も背に受けながらここに立たせていただいたわけでございますけれども、これまた、ひとつ神戸の空港に対して大臣がどのように思いをはせておられますか御発言をちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私、大臣就任直後に神戸を訪問させていただきまして、空と海と陸からずっと被害状況等、あるいは復旧、復興状況等を視察させていただきました。そして、知事さんを初め市長さんともゆっくりと話し合いの機会を持たせていただきました。そのときに、県及び市当局から運輸大臣たる私に、今先生の御指摘の空港建設の問題が非常に強い形で出たわけであります。 これはもう先生御承知のように、いわゆる航空審議会におきましても、これはやはり将来の日本の大きなプロジェクトの中でやっていくべきだ、こういうことで平成七年度の予算にもいわゆる調査費という形で計上させていただき、さらに市御当局から環境アセスメントの問題もこれもゴーサインが出たところであります。したがいまして、あの阪神地区は大変経済的にも強大な地域でありますし、既に新しい関西空港、さらには伊丹の飛行場、こういうのがございますけれども、あの大きなエリアを考えたときにやはり神戸の地にも空港は絶対に必要である、こういう認識に我々立っておりますので省を挙げまして、もう既にゴーサインが出ておりますから全力を挙げてこの御支援をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○鴻池祥肇君 これまた心強い大臣の所信をお伺いいたしまして、大変うれしく存ずるところでございます。 ちょうだいしております予定の時間が参りました。まさに我田引水の質問でございましたけれども、極めて重要な私の質問でございます。運輸行政全般にわたる御質問につきましては同僚ベテラン議員がこの復していただくことでございますので、お許しをいただきまして、私の質問はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○亀谷博昭君 自由民主党・自由国民会議の亀谷博昭でございます。鴻池委員に続きまして質疑をさせていただきます。 平成元年十一月に、運輸政策審議会に対して「二十一世紀に向けての九〇年代の交通政策の基本的課題への対応について」という諮問をなされました。それについて平成三年六月に、「二十一世紀を展望した九〇年代の交通政策の基本的方向について」という答申がなされているわけでありますけれども、この答申のその後の取り扱い、それからフォローアップにつきましてまずお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(土坂泰敏君) 運輸省では、運輸政策の基本につきまして運輸政策審議会に諮問をいたしましてその答申を踏まえながら行政を進めてきておりますが、現在のその基本になっております政策が今先生から御指摘のありました平成三年の答申でございます。 日本が豊かになりまして多様化や国際化が進む中で、今後運輸行政は何を基本にして進んでいくべきかということについてその基本的な方向づけを平成三年の答申で示されている、こういうふうに受けとめております。私どもは、そういうことでございますので、これを運輸行政の基本に据えまして各般の行政にこの答申を尊重しながら取り組んでいる、こういう状況でございます。
○亀谷博昭君 答申を尊重するというお話は今伺いましたけれども、これをどのように具体的にフォローアップされているのかというところはいかがですか。
○政府委員(土坂泰敏君) これは最終的には毎年度の法律あるいは予算あるいは税制、そういうものとして実現をしていくべきものでございまして、毎年この答申を踏まえて、それぞれ各局におきまして所管の範囲内でこの答申の基本的な方針を踏まえながら政策を立案いたしまして実行に移しておるということであります。また、例えば年に一回でございますけれども、運輸政策審議会にこの答申のフォローアップ状況について御報告をするというような格好でフォローアップもさせていただいております。
○亀谷博昭君 平成三年十月に、この答申を受けて「フォローアップ及び当面の運輸省行動計画」というのをまとめられた、ここまではわかるんですけれども、この後の具体的なフォローアップがどうも運輸省内でとられていないように思えるわけですね。 運輸省だけでも審議会は十以上あると伺っております。ここ何年かの答申を見ても、大変たくさんの数の答申が出されております。この審議会のあり方についてはいろんな意見がありまして、それはここで申し上げる必要もないと思いますけれども、審議会のあり方についてはやはり一考を要するわけであります。ただ、審議会から答申が出されれば国民はそれを期待するわけですよ。そしてまた、せっかく審議会をつくっているならば、その答申が出されたらそれはやはりきちっと受けとめてそれを行政、政策に反映させるということがなければ審議会をつくっている意味がないわけです。 そういう意味で私は、一つの諮問と答申のことを伺ったんですけれども、今後の審議会のあり方それからまたその答申の取り扱い方についてはぜひ慎重な対応をしていただきたい、これは御指摘をさせていただきたいと思っております。 そこで、この運輸政策審議会答申で十項目答申が出されているわけですが、その中の一つに「今後の国際航空政策のあり方について」という答申があります。この中に、「需要の発生が大都市圏に集中し、空港制約が深刻化していることから、大都市圏空港の早期完成が最重要課題であり、空港施設の機能の向上や地方空港発着国際路線の充実も重要な問題となっている。」、こういう前提のもとに、実は地方空港についてかなり具体的な記述がなされているわけです。 「地方空港については、需要に応じて国際航空路線の開設が行われてきているが、国際航空路線の開設は必ずしも十分でない」。そこで、「名古屋、福岡等の大都市圏空港は、アジア、ハワイ等中距離路線を中心とした路線を展開する。このほか、広島、仙台等地方ブロック拠点空港においては、近中距離路線を展開する。」、こういうような具体的な指摘がここであるわけですね。「アジア等近距離国際航空については、地方発目的地直行型の「手軽な」旅行が求められている」、こういう指摘もあります。 そこで、この「今後の国際航空政策のあり方について」の答申については、どういうふうに受けとめておられるか、それをまず伺いたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 平成三年六月でございますが、今先生御指摘のとおりの答申をいただいております。私ども、それを重く受けとめましてかなり着実に実施をしてきているつもりでございます。 今手元の資料で申し上げますと、この平成三年、四年にかけまして地方空港発の国際便が相当ふえております。数字で申し上げますと、例えば平成二年が十一路線、さかのぼって平成元年が八路線しか開設がなかったのが三年に二十七路線、それから四年には十八路線という形で開設してきております。 また、出国日本人総数に占めますこの地方空港発の方々のウエートが約二割に達したということで、この答申がかなり地方の国際化に大きく寄与したと確信いたしておるところでございます。
○亀谷博昭君 今、局長おっしゃった数字は、平成四年までしかおっしゃってない。平成三年二十七、これは地方空港発の定期路線ですね、新設の数。平成三年二十七、平成四年十八、事実であります。平成五年は五、平成六年は六です。極端に落ち込んだ。 これは、しかしその後で平成六年六月に航空審議会から別な答申が出ているんです。これはさっき申し上げた答申と逆のことが書いてある。要するに、地方空港には余り新しい路線を開設しない方がいいみたいなことが書いてあるんです。「地方空港への外国航空企業の乗り入れについては、相手国との間で十分な需要が見込める場合には、今後もこれに適切に対応していく」と、こう書いてあります。それから関空のことが主に書いてありまして、「我が国航空企業の努力により、同空港に国際線・国内線のネットワークが十分に形成されていけば、地方における国際航空需要を相当程度吸収しこと、こう書いてあるんですね。 要するに、地方の新しい空港については需要への対応を基本とする、そういうような方向がここでは出されている。どうしてこういうふうに地方空港に対する取り組みが変わったんですか。
○政府委員(黒野匡彦君) 私ども、先生が御指摘のように大幅に変わったという認識ではございませんで、三年六月の答申におきましても基本的にはやはり需要がベースにあるわけでございます。日本の企業にしろ外国の企業にしろ、需要のないところにはやはり彼らの飛ぶという意欲はございませんから、需要がある、その上で彼らが飛びたいと言ってくる、それをどう国としてこたえるかというのが我々の立場でございまして、それにつきましてなるべく正面から受けとめて認めるようにしようではないかというのがこの三年六月及び六年六月の答申を流れる思想でございます。 ただ、六年六月の答申でただ一点違いますのは、関西国際空港の開港が間近に控えました。したがいまして、三年六月時点の答申にございますように、国際空港がもうキャパシティーがいっぱいでどうにもならないという状態からその辺が若干弾力化いたしましたものですから、関西国際空港が開港する、そういうことも視野に入れてこれからの国際政策をやっていこうではないかこういうふうに言っていただいたわけでございまして、私ども現時点におきましても、地方空港の国際化については前向きに対処しているつもりでございます。
○亀谷博昭君 この二つの答申を並べてみて、それからまたさっき申し上げたように地方空港における新規開設路線が極端に減ってきたという現実を見ますと、どうも国際線の地方空港への開放というのはわずか三年で門戸を閉じられたのではないかというような感じがいたします。 関空開港に当たっては五−九−二三という数字があるそうでありまして、五年で単年度を黒字にする、九年で累積赤字の一掃をする、二十三年で借入金の全額返済をするという目標があると聞いています。この五−九−二三の実現のために地方空港の国際線の新規開設がどうも抑えられてきているという感じがしてならないわけでありますが、今局長おっしゃるように、そうではないとすればそれは大変結構なことでありまして、これからもぜひその方向でお進めをいただきたいというふうに思っております。 そこで、今のような局長のお考えであるとすれば、第七次空港整備計画はことしの八月に中間取りまとめが行われておりますが、地方空港に対する考え方はどのように組み込まれているのか、お伺いをいたします。
○政府委員(黒野匡彦君) ことしの八月にちょうだいいたしました第七次空港整備五カ年計画に関します航空審議会のいわゆる中間取りまとめ、この中でこれからの五カ年間の空港政策につきまして指針をいただいているわけでございますが、地方空港に限りますと三点にまとめることができるかと思います。 一つは、新しい空港をつくるというか、これからの大規模な投資については我が国の状況を考えますと、ほぼ概成したのではないかという言葉を使っております。概成という言葉であります。それから二番目は、これからの整備はやはり需要を中心に需要にこたえる形でやっていくべきではないかというのが二点目であります。それから三点目は、高質化という言葉を使っております。高い質の空港をつくろうではないか。これは例えば就航率を上げるとか、そういう形で今ある施設をより使い勝手のいいものにしようではないか、そういうところに投資を振り向けようではないかと。この三点でこれから対応してまいりたいと思っております。 もちろん、一口に地方空港と申しましても、地方空港の中でも比較的地域の拠点としての空港がございます。この辺につきましてはさらに重点的な投資が必要かと、かように思っているところでございます。
○亀谷博昭君 時期を失しない国際拠点空港への整備というのが喫緊の課題でありますから、そういう意味では関空の二期事業あるいは中部新空港、首都圏空港を新しいプロジェクトとして整備するということはよく理解できるわけであります。 局長も、中間取りまとめの目玉は国際ハブ空港の整備であると、ある雑誌のインタビューで述べておられます。三つのプロジェクトがそういうことで重要でありますから、それを進めることには全く異論はないんですけれども、ただ、第六次空港整備計画ではしっかり位置づけられていた地方空港の整備というものがどうも第七次空港整備計画では陰に隠れた印象があります。 今三つおっしゃいましたけれども、例えばさっきも申し上げましたが、地方空港の新規事業については「需要への対応を基本と」すると、もう一つ、地域開発を主眼とする空港整備は、「他事業との複合プロジェクトの導入等地域が従来以上に主体的役割を発揮していくことが必要である。」と、こう書いてあるわけですね。地方頑張りなさいよと、頑張ればまた考えてあげますよというような感じに受け取れて仕方がない。要するに、運輸省独自の地方空港整備に対する考え方というのがどうも見えてこないような感じがいたします。 地方空港整備についてのお考えをもう一回伺いたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 言葉が足りなかったかもしれませんが、先ほど申し上げた三点のうちの二番目、需要ということを申し上げました。これは地方空港だけではなく、都市のいわゆる拠点空港につきましてもいずれも需要にどうこたえるか。これは単に現在だけではなくて将来の需要も見込んで果たしてどこまでつくるのがいいかということを、常に我々は需要ということを頭に置きながら限られた資金の投資をさせていただいているわけでございます。したがいまして、地方におきましても需要が見込めるところにつきましては重点的投資は当然必要だと思っているところでございます。
○亀谷博昭君 私がここであえて地方空港への取り組みを中心にして御質問を申し上げておりますのは、これからの国際化というのは、大都市圏もそうでありますけれども、その他の地域もそれぞれの役割を果たしながらともに担っていくことが必要な時代になってきております。 戦後五十年たちまして、効率化を追求する余り過疎過密が進行してきたことは御案内のとおりであります。そしてまた、その一因として公共投資が人口集中地域に集中的に行われたという反省もしなければならない時期だと思っております用地方分権の流れの中で、それぞれの地域の自立を図る方策を考えるべきときが来ているのではないか。そういう観点から、大拠点空港のことはさっき申し上げましたように重要ですからそれはそれとして、地方空港への取り組みを改めて考える時期ではないかと。 局長が、先ほど地方空港は概成されているという御発言をなさいました。これは別に言葉じりをとらえるわけではありません。ある雑誌にも局長のインタビューでそういう表現がありました。でも私は、私も地方にいる一人として決して概成されているとは思っていないんです。地方空港ネットワークは概成されたという局長のある雑誌へのインタビューの御発言はどういうことなのか、もう一回お伺いしたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 言葉が足りませんものですからおしかりを受けるわけでございますが、国土にこれからあちこちに新しい空港をつくるそういう時期ではもうないのではないかという意味で我々概成は終わったというふうに使っております。もちろん、繰り返しになりますが、これからも例えば離島とかあるいは陸上の交通の便の悪いところにつきましては新空港が必要な場合も出てまいりましょうが、大きな流れといたしまして、ほぼ空港の配置は一段落したのではないかなという認識を我々はとっているところでございます。また、先ほどもお話し申し上げましたとおり、地方の国際化、地方空港の国際化ということは我々は従来も進めておりますし、これからも進めていく方針でございます。 ただ、いずれにいたしましても実際にそこにどういう航空企業が飛ぶかということになりますと、どうしても背後に需要という面がありますから、その需要ということを離れて単にプランニングだけで物事が進むわけではないという点は我々としても十分認識しなければいけない、こういうふうに考えたわけでございまして、先生のな言葉ですと我々が地方を軽視しているというふうにお考えいただいているかもしれませんが、決してそういうことではございませんで、地方と大都市の拠点空港と両方相まって空港整備の柱にしていくのは当然だと思っております。
○亀谷博昭君 需要という面から一つの数字を申し上げます。一九九三年の統計で全国の日本人出国者千百七十九万人、この中の六二%が首都圏の成田、羽田から出国している。七百三十一万人になります。このうち、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、この首都圏で五百四十二万人、つまり七百三十一万人成田、羽田から出国した中でこの首都圏の五百四十二万人を引きますと、残り百八十九万人は首都圏以外の人たちなんですね。これは関空が開港していますから幾らか数字は変わると思いますけれども、いずれにしても大体似たような数字。貨物は年間百三十万トンのうち成田が八三%を占めている。 大都市空港からの出国者が多いということは外国便がそこに集中しているからです。これまでの施策を続けていけば、この傾向はますます強まっていくのではないかと私は考えるわけです。私は決して軽視しているという言い方をしているのではなくて、考え方を変えるべきではないかという視点で申し上げているんです。 長距離の大量輸送ができる空港が必要なことはもちろんこれは認めます。そして、そういう国際線は大拠点空港にまとめなければならないということもよくわかります。しかし、二十一世紀に向かって急激な経済発展が予想されているのは東アジア地域、アジア地域ですから、このアジア圏域を視野に入れて、いわゆる今言っている三大プロジェクトとかなんとかの大拠点空港以外のその他空港も、アジア圏域の中のその他空港という位置づけがなされていいのではないかと。例えば、ロシア地区に行く飛行機あるいは北米、そういう飛行機がわざわざ遠いところから飛ばなくてもいい、そういう部分もあるわけです。国際空港も今や国と国とのかかわりではなくて地方と地方の、地域と地域のかかわりになりつつある部分が、国際交流もたくさんありますから。 そういう意味で、国際化というのは日本全体で取り組まなければいけない時代に来ているのではないか。そういう認識のもとにもう一度、地方空港の国際化に果たす役割ということについてお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 地方空港が国際化に果たす役割につきましては、私どもも大変重大なテーマと思っております。平成三年の答申以来、地方空港発の路線が着実にふえてまいりましたし、私どももそれをいささかバックアップしてきたつもりでございます。現に、例えば韓国とか台湾とか東南アジアには全国のかなりの多くの地方空港から直行便が飛んでいるという事態になっているわけであります。したがいまして、この流れを我々としては決して軽視するなりあるいはとめるつもりはございませんで、それはそれで一つの地方の発展あるいは我が国全体の発展に大変寄与するわけでございますから支援はしてまいりたい、かように思っております。
○亀谷博昭君 それでちょっと視点を変えまして、ハブという言葉がよく使われますけれども、ハブ空港、ハブというのはどういうふうに定義なさっているわけですか。
○政府委員(黒野匡彦君) このハブ空港というのはいろんな意味で使われておりまして、もうこれは先生御案内かと思いますが、もともとは自転車というか車軸、車軸のことをハブというわけでございます。それに対してスポークが出ております。ハブ・アンド・スポークと申しまして大きな空港に路線が集中する、そういう状態をハブ空港と言っているわけでございまして、そこで必然的に路線間の乗りかえ機能が出てくる、こういうのを俗称でハブ空港と言っております。 もう一つ、今変わった形で用いられておりますのは、アメリカのように広大な国になりますと、特定の企業が特定の空港を自分の生産活動といいましょうか活動の拠点にしております。そこに航空機の基地だとかあるいは従業員の基地とかその辺を集中させる、その結果必然的にその空港に当該企業の路線が集約される、こういうのを例えばデルタ航空のハブ空港はどこどこである、そんな形で使われておる。 大きく言いますとそんな二つではないかと思っているところでございます。
○亀谷博昭君 例えばCIQが整備されている、ある意味での自己完結までいかないにしてもある程度の機能が整備されているところをハブという場合もある。あるいは、国際的に言えば滑走路が一本ではハブと呼べないじゃないかという指摘もある。いろんな指摘があるわけです。 ただ、我々日本という立場で物を考えれば、国際的なハブ空港というのはさっき申し上げたような拠点の空港ということでいいんだろうと思いますが、その他地域にもそれなりの地域のハブの空港が当然必要でありまして、特に国内と国内の飛行機の数もふえているところでありますから、そういう意味で地域の、地方のハブ空港の整備にも計画的に積極的に取り組んでいただきたいと思っております。 次に、国際空港という名称なんですけれども、日本には伊丹を入れると四つですか、国際空港の数と、どうして国際空港という表現をすることになったのか、ちょっとお伺いをいたします。
○政府委員(黒野匡彦君) 空港につきましては空港整備法という法律がございまして、その整備法に基づきまして空港を一種から三種までに分けております。このうちの一種空港を国際空港の用に供する空港、こう定めておりまして、具体的にはこの法律を受けました政令で空港名を規定することになっております。一つの慣例ではございますが、この一種空港に当たる空港につきまして国際空港という名前を正式に政令上つけて使っている、そういう経緯がございます。
○亀谷博昭君 そうすると、例えば国際線の直行便が何本もあっても今のお話だと一種という指定がなければ国際空港とは呼ばない、こういうことですか。
○政府委員(黒野匡彦君) 俗称というか通称でどう呼ぶかということは別にいたしますと、従来のやり方ではこの一種空港に指定したものを国際空港にするというそういう仕切りが一番わかりやすいというか、大方の納得を得られるのではないかなと私は今の段階では思っております。
○亀谷博昭君 実は、港湾の方は中枢国際港湾と中核国際港湾というのがあるんですよ。今お話しの日本でいう国際空港というのは、港湾でいえば中枢国際港湾なんですね。さっき私が申し上げた地方の拠点の空港というのは、空港でいえば中核国際空港なんですよ。 これは別にそんなに議論することでもないんですけれども、ただ、これだけ国際化が進んでもう外国との直行便がいっぱい出ている空港いっぱいありますから、例えば成田とか羽田とか関空はスーパーナショナルエアポート、あるいは国際直行便が何本か出ているところはナショナルエアポート、そういう呼び方だっていいのではないかと。要するに、国際化に対応してもう少しこの日本全体で国際化に取り組むという意味で、私はちょっと小さな問題のような感じもしますけれどもあえて申し上げているわけでありまして、その辺は今後御検討いただくならばありがたいなと思っております。 空港問題について御質問してまいりましたけれども、三大プロジェクトのほかに地方拠点空港の整備あるいは離島もあります、いろんな空港整備をやるということになりますとそれにはどうしてもお金がかかるわけであります。 きょうは大臣もおいでですけれども、どうも運輸省の予算は公共事業におけるシェアという意味からは余り大きくない。大変残念なことだと思っております。その中でもこの空港にかかわる一般財源というのは非常に少ないんですね。航空機の燃料税があるから数字としてはそうでもないように見える部分もありますけれども、空港整備特別会計の財源ということになれば四百八十億。港湾が千三百億ぐらいあるんですか。やはりいろんな需要にこたえていくために運輸省全体の予算もたくさん、もう少し獲得できるように我々もともども頑張らなければいけないと思いますが、この公共事業の数字あるいはまた全体的な空港整備の予算をやはり運輸省としてももっと獲得していく努力があってもいいのではないか。パーセンテージからいってもほとんどここ数年変わらないんですね。その辺の御見解をちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに亀谷委員御指摘のとおり、航空産業というものが非常に後発でございました。したがいまして、当初の考え方というのはやはり利用する利用者に負担をしていただこう、こういうことで特別会計の中で空港の整備を賄ってきたという経緯があります。 それはそれでそういう歴史的な背景でありますけれども、しかし、今や航空機を利用する国民の利用度というのは三十年前に比べますとけた違いに大きなものになっております。統計的に言いますと一千倍を超えるような利用度に相なってきているわけでありまして、そういう観点から考えますと亀谷委員御指摘のとおり、これはそういう利用者の負担ということでなくてやっぱり一般財源をいかにここに投入していくか。 しかも、将来は、二十一世紀はボーダーレスの時代ということでますますそのニーズというのは高まってまいるわけでありまして、そういうことを考えまして我々といたしましても、なかなか財政当局の壁は厚いわけでありますけれども、今全省挙げてとにかく一般財源化という形で亀井前大臣に引き続いて頑張っているところでございますので、どうぞ委員の皆様方の応援もよろしくお願いを申し上げたい、こういうふうに思っている次第であります。
○亀谷博昭君 ありがとうございました。ぜひ、ともどもに頑張っていきたいなと思っております。 次に、港湾問題についてお伺いをいたします。 空港問題でも私が御質問した基本的な考えというのは申し上げましたけれども、過疎過密を生み出した反省からそれぞれの地域の自立を促して、わずか三十七万八千平方キロしかない我が国土ですから、それぞれの地域が輝くような施策をやっぱりこれから国全体でとっていかなければならない、そういう時代ではないか。新しい地方の時代を目指す動きが急速に進んでいる中で、均衡ある国土の発展を志向する上からも全国を視野に入れた港湾整備ということが必要だろうと思っております。 実は宮城県にかつて野蒜という小さな漁港の築港計画というのがありました。これは、明治九年に大久保利通公が東北を視察して、ここに日本を代表する港が必要であるという考え方のもとにこれは着工されたんですね。しかしながら、台風が襲来をして決壊をし、計画そのものが中止をされたといういきさつがあります。これは長崎港築港より四年、そしてまた横浜港よりも十一年早い着工であった、こう言われております。こういう気宇壮大な全国を視野に入れた港湾整備というものがそのころ明治の初めに既に行われていたという、先人の先見の明に改めて敬意を表したいと思っているわけであります。 そこで局長に、野蒜築港計画というその当時そういう日本全体をにらんだ計画があったということを踏まえた御感想と、港湾整備の基本的な考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 一億二千万人の国民が三十七万平方キロの国土の中に暮らしているわけでございますので、この島国である我が国にとって、港湾はその地域地域の諸活動を支える大変重要な施設であるというふうに私ども認識して、今日まで整備を進めてきたところでございます。 我が国の港湾の整備につきましては、今日まで八次にわたる五カ年計画を策定いたしまして計画的に進めてまいりましたけれども、これらの五カ年計画はその時々の全国総合開発計画あるいは経済計画などに示されました基本方針を受けて、国土の均衡ある発展、あるいは国民生活の向上のために必要な国土の骨格形成、地域の産業振興、あるいは生活の質の向上を求めて豊かなウオーターフロントを整備するといったようなことで計画的に進めてまいりました。 明治九年に野蒜築港が計画され、当時の技術では大変自然条件の厳しい地域であったために野蒜の港が実現をいたしませんでしたけれども、国土計画の作業などあるいは私ども港湾計画の作業などをしている中で、もし野蒜の築港が計画どおり進んでいったならば我が国の構造も相当違っていたのではないかという思いを常に思い起こすわけであります。 全国の需要を踏まえながら、大交流時代と言われる二十一世紀に向けて計画的に整備をしていくという考えでことし六月に「大交流時代を支える港湾」というものをつくりましたけれども、全国的なバランスを考えながら港湾の整備を続けていきたいというふうに考えております。
○亀谷博昭君 ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。 酒田という港が東北、日本海側にあるんですけれども、そこで「日本海新航路開設 東方水上シルクロード」という、これはたしか運輸省のパンフレットにもこの写真が載っていますから大分重く受けとめておられるんだろうと思いますけれども、要するに酒田からアムール川を通って、ハバロフスクを通って、松花江を通ってハルビンまで至るという二千八百キロの壮大なスケールの航路であります。一地方港でもこういう挑戦を既にしているわけです。 そういう意味では、さっき空港のときにも申し上げましたけれども、国際化に果たす港湾の役割というのは非常に大きくなってきている。特に近距離貿易は、アジア各地の港と国内各地の港湾との間に多角的な定期航路が開設されつつあります。そういう意味では、特にアジア圏内における地方港湾の重要性というものがますます高まってきているのではないかというふうに考えるわけですけれども、今の地方港湾整備とあわせて、国際化と地方港湾のかかわりということについてどんなふうに考えておられるか、お伺いいたします。
○政府委員(栢原英郎君) 酒田港が中心になって進めておりますいわゆる東方水上シルクロードの計画は、実は酒田の地元の企業の方とそれから中国の東北三省との間で協定が結ばれて、直接東北三省から貨物、穀物を酒田に運びたいという地元のお互いの熱意が実って実現をしているというふうに私どもは聞いております。その全国に与える影響等を考えまして、昨年、日本港湾協会の企画賞を受賞したという事業でございます。 このように港湾を活用して地方の国際化を進めていく、あるいは地元の国際化を港湾を通じてさらに発展させていくという動きは全国に広まっておりますし、特に今先生の御発言にございましたように、それぞれの地域がグローバル化していく中でアジア・太平洋地域との交流を通じて生産あるいは消費をしているという状況にかんがみまして、それぞれの地域に輸送時間やコストの削減を目指して国際的なゲートウェーを選択的に整備を進めていく必要があるというふうに考えています。 さらに、これらの地方の港湾を利用しました地方経済の海外直接交流というのは、大都市圏の交通負荷あるいは環境負荷の軽減にも有効でもありますし、また三大湾等の過密を救うことにもなりますので積極的に進めていきたいというふうに考えています。
○亀谷博昭君 ぜひよろしくお願いを申し上げたいわけであります。 そこで、来年から始まる第九次港湾整備五カ年計画における地方港湾の位置づけはどんなふうになっているのか。また、第八次港湾整備計画との比較で、まだ第九次は計画段階でありますけれども予算規模等もどんなふうにしていこうとお考えなのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 現在要求しております第九次港湾整備五カ年計画におきましては、特に地方の港湾について、地域の中核となる国際港湾において国際海上コンテナターミナルあるいは多目的外貿埠頭の整備を図るというようなことを念頭に置いて予算を計画しているところでございます。 九次の五カ年計画におきましては、地方の港湾の改修事業費として、重要港湾、地方港湾を合わせまして約二兆八千億円を計画しているところでございまして、これは第八次港湾整備五カ年計画の地方における港湾事業の五割増しに相当するということでございます。
○亀谷博昭君 ぜひよろしくお願い申し上げます。 次に、国際船舶制度についてお伺いいたします。 きょうは大蔵省、自治省からもおいでをいただいていると思いますけれども、外航船舶に対する固定資産税、登録免許税は現在どのような仕組みになっているのか、まずお伺いいたしたいと思います。
○説明員(北谷富士雄君) 御指摘のございました外航船舶につきましては、現在地方税法で課税標準の特例を講じております。今の外航船舶につきましては、課税標準を価格の六分の一とするということにしております。また、外航船舶のうち外国貿易を主とするいわゆる外国航路を就航する船舶につきましてはさらに二分の一とすると、したがって課税標準は価格の十二分の一になる、こういう措置を地方税法で講じているところでございます。
○説明員(藤岡博君) 外航船舶に関します登録免許税の税率でございますが、現在本則は千分の四ということでございます。ただし、一定の要件を満たします近代船にかかります所有権の保存登記、抵当権の設定登記につきましては、特例といたしましてこれを千分の王といたしております。さらに、ダブルハルタンカーにかかります所有権の保存登記及び抵当権の設定登記に関しましては、千分の二という特例の税率を設けているところでございます。
○亀谷博昭君 外航海運の重要性は今さら申し上げるまでもないのでありますけれども、日本籍船は昭和六十年の千二十八隻が、ちょうど十年後のことし六月で二百二十五隻ということになっておりますし、船員も三万人から六千人を割るという状況に今来ているわけであります。 我が国の物資輸出入の九九%を担っております海運国日本を支えてきた日本商船隊の空洞化、真空化というようなことも言われるようになってまいりました。絶体絶命のがけっ縁に立たされていると言っても過言ではない状況ではないかと認識いたしているところであります。海上航海技術の伝承が困難になってくる、あるいは不測の緊急事態に対しての対応が不安であるというようなこともあるわけでありますし、まさに国を挙げてこの課題に取り組なければいけない時期に来ているのではないかという感じがいたします。 運輸省は、平成八年度に向けてただいま申し上げました船舶に対します固定資産税、登録免許税、あるいは船員にかかわる税制等の問題もあるようでありますけれども、そうした税制改正を含め概算要求をなされておりますし、また航海命令措置など新しい仕組みも考えておられるようでありますが、国際船舶制度についてその内容をお伺いしたいと思います。
○政府委員(岩田貞男君) 今お話にございましたように、大変急激な勢いで日本籍船あるいは日本人船員の減少が進んでおります。このため我が国にとりましても、国際船舶あるいは外航船舶の日本国籍化あるいは日本船員の確保ということがどうしても必要だと思っております。 そのため、総合的な措置といたしまして国際船舶制度を設けたいということで、外航船舶の日本人船員の配乗構成の見直し、すべて日本人じゃなければならないということではなくて配乗構成を少し見直すべきである。あるいは、日本人にかわりまして外国人の船員を確保するための外国語による海技試験の実施などとあわせまして、実は平成八年度の概算要求においていろいろなことをお願いしているわけでございます。 その中では、今自治省あるいは大蔵省さんの方から御説明がありましたように、私どもは船に関しまして、その他に関しましても大変税制上のいろいろな御配慮を賜っているわけでございますが、大変申しわけないとは思いますが、引き続きましてさらに国際的な観点からも考慮していただきまして税制改正をさらに要望しているところでございます。 その他今お話がございました緊急輸送体制の整備につきましても、こうした措置の一環として想定をしております。具体的にどのようなときにどのような要請をするかなどの具体的な詳細につきましては、現在これらの国際船舶制度の創設の協議とあわせて関係者間で引き続き検討しているところでございます。 以上でございます。
○亀谷博昭君 国際船舶制度は我が国の命運をかけた課題であると思います。そういう意味で、運輸省には今お話しのようなことを踏まえて最大の努力を御期待申し上げたいと思っていますが、同時にこれは関係省庁挙げて取り組むべき問題でもあると思います。先ほど大蔵、自治両省の御説明を聞きましたけれども、税制というのは一年延ばすと一年と言えない大きな影響を及ぼすということでもありますから、現行のさっき御説明の仕組みは理解をいたしましたけれども、そこを乗り越える御努力をぜひこの機会にお願いをしておきたいと思います。 そこで、大臣はこの問題について、去る十月十六日参議院の予算委員会におきまして我が党の斎藤文夫委員の質問に答えて、全力で取り組むというお話をなさっておられるわけでありますが、概算要求をしておられる現時点で国際船舶制度の実現に向けての大臣のお考えを改めてお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、特に外航の海運というものが直面をしている問題点というのは、大変御指摘のとおりの深刻なものがあります。先ほども数字を亀谷委員お出しになられましたけれども、昭和六十年の時点で千二十八隻あった外航海運船が本年ではそれが二百二十五隻に激減する。 こういうことを考えてまいりますと、四囲を海で囲まれたこの日本にとって、しかも貿易立国でありますし、そして長い間海運日本ということで世界に日の丸の旗を掲げた船がずっと航行をしていた、そういう昔を考えますと、それからまた御指摘のとおりやはり緊急時の輸送体制の確保等、それから長い間伝承してきた海技、こういうものを考えますとこれはもう一刻の猶予もならない、そういう状況に追い込まれております。 運輸省といたしまして、この前も予算委員会でお答えをいたしましたとおり、平成八年度には税制あるいは予算さらにはその他もろもろの措置を盛り込んだ、もちろん通常国会に向けてそれに関連した法案も準備をしなきゃいけませんので、今全力を挙げて取り組んでいるわけでございまして、どうぞこの件も運輸委員会の皆様方によろしくお願いを申し上げたい。全力を挙げてやらせていただきます。
○亀谷博昭君 大臣から大変力強いお話を伺いました。国民に親しまれた海の日も、ことし七月二十日、五十五回目で終わりまして、来年からは海の日の祝日、国民の祝日になるわけであります。四面海に囲まれた海洋国家日本の船が七つの海を駆けめぐる、そういう状況をつくり上げますためにぜひこの制度の実現を心から期待を申し上げたいと思っております。 空港、港湾問題についていろいろお伺いをいたしてまいりましたけれども、これは空港、港湾のみならずなんですけれども、どうもいろんな施策が現状積み上げ方式といいますか需要追従型といいますか、どうもそういう傾向にあるのではないかというふうに思えてならない部分があるわけであります。やはり需要目標を設定して、目標設定方式というような取り組み方というものがやっぱりこれからあってよろしいのではなかろうかというふうに考えているわけであります。 成田が全体計画完成で年間取り扱い旅客数三千八百万人、こう伺っておりますが、ソウルは一億人を目指す、香港は八千七百万人だ、上海は六千万人でシンガポール五千万人だと、こういう目標に向かって空港を設定するということが言われているわけであります。 そういう意味では、空港、港湾、鉄道、道路も含めてすべてのことに言えるわけでありますけれども、現在の最も大きな政治課題であります国土の均衡ある発展ということも考えますと、我が国の将来のあり方をしっかりと設定して見定めて、いろんな計画を立て着実に整備を進めていくべきであろうというふうに考えるわけであります。 そこで最後に、今後の運輸行政の基本的な進め方について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 亀谷委員も御承知のとおり、今我が国は未曾有の高齢化社会に突入しております。また、二十一世紀はまさにボーダーレスの時代で、そして世界じゅうがあらゆる交通媒体を使って大交流の時代だ、こういうふうに言われています。 そういう観点から運輸行政としては、そのベースには陸海空の運輸を担当しておりますので安全ということを基本におきながら、運輸行政というのは全般にわたりまして国民にある意味ではサービスと安全を提供する。したがいまして、その利便性を追求をしながら、高齢化社会や大交流時代に対応したそういう施策を、委員御指摘のとおり積み上げ方式じゃなくてやはり将来を見越した長期計画に基づいてやっていかなければならないと思っています。 そういう意味で今までの運輸行政は、激変するそういう世界の情勢や日本の国内情勢にある意味では積み上げ方式だというような御批判もいただくような面があったかと思いますけれども、しかし、省を挙げてこれだけのやっぱり社会資本の整備もやってまいりましたし、運輸にかかわる社会資本の整備もまあ相当な面で進んでいるわけでありまして、これからはさらにそういう御指摘の点も視野に入れて一生懸命にやらせていただきたい、そういうふうに思っております。
○亀谷博昭君 大変ありがとうございました。 大臣のお考えを基盤に運輸行政がますます充実していかれることを心から御期待を申し上げたいと思っております。 以上で終わります。
○鈴木政二君 鈴木政二でございます。 この七月に初当選させていただいて、きょう初質問であります。初質問のときに何を最初にお尋ねしようかいろいろ考えましたけれども、初登板ということで最初にやはり基本的なものを聞かせていただこうということで、私自身地方議会に長くいさせていただきましたけれども、地方の中で一番やはり困っておるのは、総合交通体系ということが非常に地方議会では届かない部分がありました。特に、運輸省の管轄が非常に多いところでありまして、いろんな形の中で非常にそういう面ではアピールのしにくい時期でありましたけれども、こうして運輸委員会に入らせていただいていろんな地方と国との、本当に地方の心がわかるような血の通うような施策を今後進めていきたい、また訴えていきたい、かように考えております。 そこで、総合交通の施策の体系でありますけれども、運輸省の基本的な考え方を一点まず言っていただけますでしょうか。
○政府委員(土坂泰敏君) 総合交通政策に関する運輸省の基本的な考え方でございますが、先ほども御質疑がございましたけれども、運輸政策審議会という場で運輸省の基本方針について御審議をいただいて、その答申という格好でそれをいただいて、それを踏まえながらやっておるわけでございます。 現在のその基本になっております運輸政策審議会の答申というのが平成三年に出されておるわけでございますが、それは日本が国民の努力で豊かな国になりまして、価値観の多様化であるとか国際化であるとかあるいは高齢化であるとか、さまざまな変化が出てきておりまして、そういう新しい今まで経験したことのない時代の中で、運輸行政というのは基本的に何を目指すべきかということについての考え方を示されたものでございます。 考え方、運輸行政の前提といたしまして、まず第一に利用者の視点に立った行政をすべきであるということを言っておりますし、そのほかにも大都市問題の解消などの社会的な要請にこたえることが大事である。さらに、今申し上げたようなことで国際化というのが進んでおりますので、そういうものに対する取り組みというようなことも非常に大切であるというような幾つかの基本的な視点を指摘しております。 その上で、例えば高速鉄道網の整備であるとかあるいは地域の公共輸送のサービスの充実であるとかあるいは国際の交流ネットワーク、航空あるいは物流両面からそういうものの充実を図っていくことが必要であるというようなことで基本的な施策を示されておりまして、それを踏まえて毎年度の運輸省の行政各局がそれぞれの分野の中で努力をしながらやっておる、こういうことで取り組んでおるところでございます。
○鈴木政二君 今、基本的な考え方を聞かせていただいたわけでありますけれども、その言葉の中で利用者に合った、利用者の立場に立った施策、私は今、局長のお話の中でこの利用者の立場に立った施策が運輸行政といいますか、すべての行政の中で一番大事な基本的な考え方だと思うんです。 交通を見ておりましても非常によくわかりますけれども、今まで見ていますと、どうも事業者の立場に立ったような運輸行政を進めているような感じがいたしました。 我々が交通に乗るときを見ましても、バスに乗るのか電車に乗るのか飛行機に乗るのか船に乗るのか、やはりこれは我々自身がといいますか生活者、利用者自身がスピードだとかまたは運賃だとかその旅行の楽しみ方、そういうものを選択できるような、そういう立場になって交通というのはみんな選ぶわけであります。 そういう面では、どうも見ておりますと、よく地方へ行きますと同じ接続する駅の中におきましても五分と違わないところでも離れて駅ができた。ターミナルにすれば簡単にできるようなものを、これは事業主体が違っておるとそういう話というのはなかなか難しいかもわからないですけれども、そういう面では運輸省が指導してそういうものを一本化するとか、ダイヤでも本当にわずか五分でもダイヤを少しずつ、これは大変難しい話かもしれないけれどもうまく調整すればその鉄道に乗れるとかいろんな面できめ細かい、利用者の立場に立った施策を運輸省はもっと関与してもいいところは私は関与すべきだと思うんです。 これから整備新幹線もあるわけでありますし、高速道路もあるわけでありますけれども、私が非常に感じておりましたのは、例えば新幹線の中で岐阜羽島駅、これなんというのは新幹線が通りまして、そうすると名神高速道路とその新幹線がちょうどドッキングできるようにインターチェンジをつくったわけであります。ですから、例えば愛知県とか三重県、岐阜県の山間部の方が岐阜羽島駅へ車で行ってそこで新幹線に乗れる。比較的よその県にまでわたった鉄道と道路の接点が、こうしたインターチェンジによって非常にうまく利用できるという考え方が現実にできているわけであります。これはなかなか全国でも少ないわけでありますけれども、そういう基本的な、これからも利用者に立った運輸行政を進めていただきたいというのが一つの要望であります。 そして、今の話の中で平成三年の審議会という話を聞きました。先ほどからるる先輩のお二人の先生方からお話があったわけでありますけれども、平成三年になりますとこれはバブルの最中であります。時代はバブルから大変大きく変わってきたわけであります。経済状況も変わったし、当然為替レートも大きな変わりようであります。そして、産業構造も最近見ていますと本当に、私は愛知県の出身でありますけれども、輸出の関係が非常に大きく変わって空洞化の状況も見えるわけであります。そんな中で、この大きな変革に当たって、特に規制緩和や地方分権と言われる時代で国民のニーズも大変大きく変わってまいりました。 その中で、今運輸省の考え方を聞いたわけでありますけれども、特に平沼大臣、先ほどからお話を聞いておりますと西へ飛んだり東へ飛んだり、いろいろ張り切って駆けめぐっているようであります。私がこの間感心しましたのは、就任早々すぐに九月の初めでしたか、成田空港へ視察に行かれた。そして、つぶさにいろんな面も見て最後に、当時我々は学生時代だったかもわかりませんけれども、当時の三人の殉職の警察官に献花をされた、そういう面で本当に張り切ってあちこち全国を回っていらっしゃる。 大臣、いろんな歴代の運輸大臣たくさんお見えになるわけですけれども、こうした時代に合った特色のある、また大臣がこれからどんなものを重点的に進められるか、ひとつ大臣の強い決意を冒頭に聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに委員御指摘のとおり、この運輸政策審議会の答申の平成三年というのはまさにバブルの最盛期と言ってもいいぐらい、それがちょっと陰りが見えてきたかなというような時期に作成されたものです。したがいまして、その後の我が国の経済状況、世界の状況を見ますと、先ほど御指摘になられました為替レート一つとっても大変大きな変化に見舞われたわけであります。したがいまして、基本的には私はこの答申というものは正しい答申だと思っております。しかし御指摘のように、そういう状況に応じて手直しをしていかなければならない、そういう点はやっぱり積極的にやっていかなきゃいかぬと思っています。 そういう中で、先ほど来私申し上げておりますけれども、もう直近に迫りました二十一世紀ということを想定いたしますと、これは日本の周辺を見ましても、例えば韓国では四千メートル級の滑走路がある巨大空港の建設が今世紀末には完成をして供用開始になる、また香港でも同様な大工事が進んでいる、さらに東南アジアの経済的な伸びというのは大変大きなものがあります。国内におきましても、高齢化社会を迎えて、やはり高度経済成長を経てこの日本の社会というのはある意味じゃ非常に豊かになってきまして、国民の皆様方のニーズも大変多様化してきていることも事実ですし、また高度化して、ゆとりのある、そして豊かな生活を享受したい、こういう状況の変化が当然あるわけであります。 運輸行政といたしましては、先ほども言いましたけれども、陸海空の運輸というものを担当させていただいておりますから、そういうものに合った我々はしっかりした整備をしていかなきゃいかぬし、また、運輸行政というのは幅広くて、海上保安という形で周りが海の日本の海上の保安をも一万二千名の職員が日夜本当に頑張ってくだすっておりますし、また、国民生活に密着した気象という面でも六千人の職員がこれまた気象情報や地震予知やその他災害のために頑張っていただいておる。 ですから、平成三年の答申というものをベースにしながら、こういう非常に間口の広い運輸行政の中で国民の、先生御指摘のいわゆる利用者の立場に立った、これを根幹として、それと同時に安全というものをやはり最大のよりどころにして、私は、先輩のそれぞれの運輸大臣が一生懸命やられた行政というものを担当させていただき、そして国民の皆様方の御要望にしっかりとおこたえをしていきたい、こういうふうに思っています。
○鈴木政二君 ありがとうございました。 今、大臣から利用者の立場といいますか生活者といいますか、その立場に立った運輸行政をしっかりやっていく、本当にそのとおりだと思うし、大臣の力強いお言葉をいただいて本当にありがとうございます。 次に、航空関係の話を二、三させていただきたいと思うんです。 先ほど同僚の亀谷先生から一つ話があったわけでありますけれども、おかげさんでという言い方は大変亀谷さんに申しわけないような話になるのかもわかりませんけれども、私も愛知県の選出でありまして、そんな中で今まで本当に地域の中で国際空港を非常に望んでおったわけであります。特に、私ども中部圏が発展するのではなしに、東京、大阪のはざまの中で中部圏は中部圏の特色を生かしながら、国際的にもそして我が国のためにも貢献できるような大きな経済社会や地域社会をつくりたいということで三県一市が中心になって進めていった運動でありまして、そんな中で今回答申をいただいて第七次の空整の中に三大プロジェクトの一つに入れていただきました。 御存じかもわかりませんけれども、先ほど言いました地域が非常に願望していたのは、委員の方々は記憶があるかもわかりませんけれども、名古屋の方でオリンピックをやりたいという話があったわけです、昔。それもだめになりまして、なかなか我が県で、地域でいろんなプロジェクトをしようとすると、どうも名古屋地域は弱いんじゃないかという話が大変県民の中からも出ていたわけであります。 話が余談になるかもわかりませんけれども、運輸の先生方、愛知県に愛知万博という万博があるということは御存じでしょうか。(「知っています」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。意外と知らない議員さんもこの間おりまして、非常に心配をしておったわけでありますけれども、ちょうどこの中部新国際空港開港と合わせて何とか二〇〇五年に万博も開いて、我が中部圏を世界の方々に知っていただき、また世界の方々に貢献したいという気持ちを中部圏は持っているわけであります。 大変地域的な話で恐縮ですけれども、中部新国際空港について少し御質問をさせていただきたいと存じます。そうした中で、第七次空整のうちで今後どのように進められるのか、その基本方針とスケジュールをまずお聞かせ願いたいと存じます。
○政府委員(黒野匡彦君) まず冒頭、個人的で恐縮ですが、私も愛知県でございまして、いや、それは仕事と関係ございませんけれども。 七次空港整備五カ年計画でございますが、これの最大の柱はやはり拠点空港の整備でございます。国際的な窓口といたしまして成田、関空がございますが、今私どもかなりかた目な需要予測をしたとしても、二十一世紀のかなり早い時期にいずれも能力の限界を超えるだろうと思っております。また、国内的にも羽田空港、今非常に順調に沖合展開事業が進んでおりますが、これができたといたしましても国内の輸送のかなめである羽田がパンクするということでございますから、需要が集中いたします都市圏の拠点空港、この整備をまず進めなければいけないというのが最大の柱でございます。 それとあわせまして、地方空港につきましては、地域の拠点としてのネットワークの中心になりますし、また近距離の国際線のネットワークの中心にもなりますから、その点を視野に入れて整備を進める。さらに、その他の地方空港につきましては、先ほどもお話し申し上げましたが高質化を進める、こういう柱を立てたわけでございます。 そこで、この計画がどう進むかということでございますが、この八月に出ました答申は中間取りまとめと呼んでおります。この中間取りまとめの性格といいますのは、七次空港整備五カ年計画の全体規模をまず示して、ことしの予算要求におきましてそれをセットするというのが大きな目的でございます。 したがいまして、予算でもちまして全体規模がおおむね出てまいりますと、来年の二月から三月にかけまして閣議了解という形でこの事業規模を政府部内でオーソライズをさせていただきます。それを受けまして、さらにこの航空審議会で具体的な検討を進めます。この段階におきまして、例えば地方空港のどの空港を七次に掲上するかどうかという議論が始まるわけでございますから、これを経まして来年のちょうど今ごろになりましょうか、十一月から十二月ごろに最終的な計画をこの次は閣議決定する、こんな段取りで進めたい、かように思っておるところであります。
○鈴木政二君 同郷だとは知りませんでした。それだからなれ合いということはよくないと思いますから、しっかりとやっていきたいと思います。 確かに、今お話しいただいて、そういうスケジュールということはわかりました。ただ、この六次空整の期間中に運輸省の皆さんと、特に私ども愛知県、三重県、岐阜県、名古屋市と本当に血の出るような思いで連携をしながら総合的な調査をしていったわけであります。自治体や関係者の皆さんに本当に頭の下がる思いであります。 ただ、地元の要望といいますか、くどいようでありますけれども、先ほどお話ししましたように地元としては何とか二〇〇五年を開港の目安にしたい、そのお気持ちが非常に三県、また中部圏の皆さんに強いわけであります。 そうしますと、今スケジュールを聞かせていただいて、やはり早い着工がどうしても必要だと。先ほどお話がありましたように、現行の名古屋空港が非常に狭隘でもうこれは数字のとおりであります、パンクします。だから、そういう年度に合わせていただいて、やはり二〇〇五年の開港を何とか要望したいわけであります。 そんな中で、地元にまだ一部合意といいますか、形成しなきゃならないたくさんの手順が残っておることも私は承知しておりますし、地元として、運輸省としてそうした手順とか着工をもう一遍再度ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 先生御指摘のとおり、詰めなければいけない幾つかの問題がまだ残っているわけでございます。 先ほどお話し申し上げました航空審議会の中間取りまとめにおきましても、中部新空港につきましては、「総合的な調査検討を進め、早期に結論を得た上、関係者が連携してその事業の推進を図る。」、こういう表現になっております。 したがいまして、私ども実際に計画をつくるために必要な調査がまだ幾つか残っております。それをできるだけ早く終えるということで、八年度予算要求におきましても所要額の調査費を要求しております。その結論を得た上で事業化を図りたいと思っております。その際、先ほどの万博も含めまして二〇〇五年という目標が地元の方で大変高く掲げられている、この事実は私どもなりに重く受けとめながら手続を進めたい、かように思っております。
○鈴木政二君 ありがとうございました。 特に私ども、後ほどまたちょっと質問させていただきますけれども、名古屋空港のところに陸上自衛隊の航空隊があるわけであります。自衛隊の関係やいろんな関係で空域の利用というのが非常にこの地域は複雑といいますか、大変問題のある地域であるかもわかりません。 空港のそうした空域の見直しといいますか、それから管制の統一的な運用、そしてもう一つ私どもの感じとしますと、防衛庁との調整というのが非常にこうした空域の中で重要な問題であろうと思います。そんな中で運輸省がやっぱり指導をしていただいて、よく調整をしていただきたいなと思うんですけれども、そこらの利用調整についてどうお考えか。
○政府委員(黒野匡彦君) 御指摘のとおり、空域の調整というのが非常に重要な問題でございます。今御指摘ございました名古屋空港だけではございませんで、その他の防衛庁の飛行場の進入空域あるいは訓練空域とバッチノングすることになりますから、その辺の調整はこれから精力的に進める必要があると思っております。 そこで、私ども防衛庁と相談いたしまして、中部圏空域利用調整会議という場を事務的に既に設置いたしてございます。この場におきましてこの問題を解決する方向で話し合うということになっております。これにつきましては、また地元の御熱意で御支援いただかなければいけないと思っております。その点もよろしくお願い申し上げたいと思っております。
○鈴木政二君 次に、交通のアクセスの問題であります。 特に開港された関空を見ておりまして、やっぱり鉄道のきちっとしたアクセスがしっかりしているのが関空の人気がある一つの私は事実だと思います。成田空港が途中からこうしたということ、最初不評を買ったというのも、やっぱりアクセスの問題が当然そういう形の中で十分最初からきちっとした機能と計画を持たないと、空港というのはそれこそ陸の孤島になったり海の離島になってしまうわけであります。 このアクセス問題でありますけれども、特に私どものこの地域というのは、JR等、また民間の鉄道が非常に少ないわけであります。そうした中で、鉄道のアクセスをどうこれから進めていくか。まさに今予定をされておりますのは常滑焼で有名であります、全国的には有名じゃないかもわかりませんけれども、土管をつくっていた、なかなか有名ないいところのあの沖でありますけれども、大変知らない人もおるわけでありますけれども。 そこで、沖にまずでき上がる空港であると思いますから、そういう面で海上輸送も当然三重県側とかいろいろあるわけでありますし、特に鉄道の問題、リニアの問題も入ってくると思いますけれども、ここらは運輸省はどんなふうに考えておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 幾つか残されている問題の中で、このアクセスの問題というのが私個人としては最も難しいといいましょうか、重要、深刻な問題ではないかと思っております。 御案内のとおり、関西につきましては道路、鉄道に加えまして海上まで含めた三位一体となったアクセスが設けられておりまして、それなりの成果を、好評を博しているところでございますが、中部につきましても同様の措置が必要と思っております。道路につきましては、既に建設省さんの方によろしくということをお願いしておりますし、これから検討を始めていただきたいと思っておりますが、鉄道につきまして現在地元におきまして非常にたくさんの案がございます。私どもの耳にも十分入っております。 そこで、今私どもが申し上げておりますのは、この開港に間に合わせてどうしても必要なもの、あるいは中期的に整備するもの、それから長期的にチャレンジするものと、その辺をひとつ色分けしていただかないと、もう本当に混乱いたしておるものですから議論の集約の仕方がないですねというお願いをしております。 いずれにいたしましても、鉄道は私どもの行政の範囲でございますから、地元の意見の集約と、その辺を見ながらこれから詰めてまいりたい、かように思っております。
○鈴木政二君 次に、一番大事といいますか、この空港の事業方式の問題であります。 中間取りまとめでは、「関連開発用地の一体的な造成も可能となる主体分離方式の導入等事業の推進方策を早急に検討し、結論を得るべき」と、こう表現されておるわけであります。いろいろ私なりに調査しますと、現在の関空の事業の問題、これからの関空の二期事業においても主体分離方式が提案されているような状況も聞いております。 実際、この主体分離方式というのは、メリットもあるわけですけれども、デメリットもたくさん、法の規制や資金調達などに難しい問題もある。そんな中で、地元との調整、検討が非常に重要になってくるわけであります。そんな中で、運輸省として再度、この事業方式のいろんなものがあると思いますけれども、参考になるお話があれば聞かせていただきたい。
○政府委員(黒野匡彦君) 関空の二期工事につきましては、今お話がございましたとおり上下主体分離を入れるということで予算要求をさせていただいております。 それで、中部につきましてどういう方式をとるかという点は実はまだ方向性は出ておりません。これを決めるに際しましては、具体的に空港をどうつくり、それによる事業費がどのくらいがかり、その採算性がどうなるかということとの関係で最も実現性の高い、あるいは効率的な主体をどうするかという議論に入ろうかと思っております。さらには、二〇〇五年という一つの目標、これに間に合わせるために一番早い方式は何かということもございます。 ですから、その辺を含めまして、今まさに地元公共団体と非常に密接に打ち合わせをさせていただいておりますから、いましばらくお時間を拝借したい、かように思っております。
○鈴木政二君 質問の最後になるわけでありますけれども、こうして中間取りまとめが示されて、先ほどから局長の話を、スケジュールも聞かせていただきました。これからは事業化に向けて本格的に進むわけであります。 そのためのこの推進の体制といいますか整備していく中で最も重要なことは、もう当然でありますけれども関連の予算の確保であります。これをやっぱり運輸省も我々も、大臣、一生懸命ばっばっと盛り上げてやっていかなければいけないわけであります。 たまたま来年度に、聞いている中では、航空局に中部新国際空港計画調査室というもの、そして地元の第五港湾建設局に中部新国際空港調査室を新設することを要求していただいている。これは計画作成調査の中で非常に率先してやっていただいて、私も本当に大変ありがたいなと思います。 しかるに、そういういろんな金がかかるわけであります。四億円の概算要求をしています。そうした人員と予算、これはもう本当にしっかりやってもらわないといかぬわけでありまして、最後に大臣、しょっちゅう名古屋へ来ていただいておることは知っております。よく地域のことを見ていることも知っておりますし、我々の中部圏の熱意も十分大臣知っていらっしゃると思います。そんな中で、いろんな情報や知識も全部知っている大臣であります。この中部新国際空港にかかわる取り組み方のひとつ決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のとおり、よく愛知県には行かせていただいておりますし、航空局長も愛知出身でありますが、私の補佐役の秘書官も実は愛知出身でございまして、そういう意味では大変親近感を持たせていただいています。 先般、愛知県に行かせていただきましたときに、鈴木委員御承知かと思うんですが、知事さんを初め市長さんからアクセスの問題まで含めて大変強力な御要請がございました。また、この中部新空港の推進に当たっての財界の代表の松永理事長からも強い御要請をいただいたところであります。 委員御承知のように、第七次の空港整備五カ年計画の中の、この八月に出ました中間の取りまとめにおきましても、この中部新空港というのは、先ほど来私、世界の情勢からいってやはりどうしても首都圏の拠点空港が必要である、そういう中でこれは重点項目として挙げられております。 したがいまして、平成八年度の概算要求にも先生御指摘のとおり、四億円の調査費等を計上させていただいているところでありまして、運輸省といたしましても第七次空整の重要課題の一つであるという認識で全力を挙げさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○鈴木政二君 大変力強い決意のほど聞かせていただいて本当にありがとうございます。これからも一緒に大臣ひとつよろしくお願いをします。 次に、時間も迫って来ましたので、あと一つだけ質問をさせていただきたいと思います。 その一つというのは、これもたまたま地元になってしまったんですけれども、皆さん御存じのように昨年の四月、名古屋空港で大変な飛行機事故がありました。乗客二百五十六人、乗員十五人を乗せた台北発名古屋着の中華航空の一四〇便のエアバスでありました。これが墜落炎上しまして、二百六十四名の犠牲者を出した大惨事でありました。私はこのときには県議会議員でありましたけれども、地元の自衛隊も大変骨を折っていただき、もうまさに阪神大震災と同じような、この有事のときに集まっていたすべての警察官、自衛隊そしていろんなボランティアの人も手伝って、これは本当に大変な惨事でありましたけれども、ある面では地域の心温まるのも見させていただいた事件でありました。 ことしの十一月一日、最近の話でありますけれども、御存じのように新聞等に載っておりまして、遺族の合同原告団が中華航空とエアバスを相手どって二百五十七億円という大変な損害賠償の訴訟の提訴をしました。どうも調べてみますと、我が国の航空機事故の集団訴訟では最大規模だということを聞いております。 この質問に入る前にちょっとお聞かせ願いたいのは、こうした航空機の事故の損害賠償の責任というのは国際的にどんなルールなのか、まず冒頭に聞かせてください。
○政府委員(黒野匡彦君) この事故の際の責任限度額に関しましては、国際的な条約がございます。実は、この条約は幾つかあるわけでございますが、最も多くの国に適用されておりますのはへーグ議定書による改正ワルソー条約と申しまして、これは一九六三年の八月発効しております。我が国もこの条約に一九六七年の十一月に加盟いたしております。 この条約によりますと、責任限度額は被害者お一人について二十五万フラン、これは今の円に直しますとわずか二百六万円、こういう上限になっております。 ただ、国際的なルールといたしまして条約よりも各社の約款が優先いたします。したがいまして、我が国の航空会社はこのヘーグ議定書に入っておりますが、約款上、責任限度額を撤廃いたしておりまして、俗に言えば青天井の補償をする、こういうことになっておるわけでございます。
○鈴木政二君 今二百六万円という、条約の中でいろいろ撤廃していって青天井という話を聞かせてもらいました。こういう制度といいますか今の条約というんですか、ルールがあったわけですけれども、日本の運輸省として、正直言ってこの金額ではとてももう何ともならないんで、こういう動きというのは日本が、今のお話を聞いていると何か運輸省が非常に自慢げに今話をしておりましたが、ずっと世界の方にリードしているよという話は現実にしているわけですか、今。
○政府委員(黒野匡彦君) 我が国に今入っている航空企業が約五十社ございますが、その中で日本のように上限を決めていない企業というのは、これは我が国だけてあります。ほかの企業はすべて二百六万円から千四百四十二万が最高だそうですが、このくらい差はございますが、いずれにいたしましても日本だけが上限を決めない。 ただ、上限を決めないといっても無制限に出すということじゃございませんで、合理的な因果関係の範囲で出すのは当然でございますけれども、そういうことで日本が世界的にリードしているわけでございます。 そこで、私どもそういう方針を、利用者の方々の保護という言葉には当たらないかもしれませんが、被害者救済という観点から世界に推し進めようというふうに考えまして、大きく分けまして二つのことをやっております。 一つは、我が国の利用者の方々に、各航空会社の補償の上限額はこうなっていますよということのパンフレットをつくりまして、これを配付するという形で利用者の方々の意識を高めるということが一つでございます。 それからもう一つは、国際会議の場、これはICAOという政府機関による場がございますが、そこにおいて日本側から上限を撤廃すべきではないかということをかねてから提案しておりますし、また、国際的な航空企業の団体でございますIATA、この場におきましても日本の企業からそういう提案をしているところでございます。
○鈴木政二君 今、パンフレットがあるとおっしゃっておりました。そのパンフレットですか。各委員さんも大変飛行機によく乗りますので、各委員さんに一部を渡しておいていただきたいと思います。 今のお話のように、大変運輸省としても世界的にそういう話をしている。まあ失礼な言い方というか恐縮な言い方をするなら、飛行機に乗ったら飛行機会社次第だという話ですね。今のお話で非常に約款の問題があると。 私、先ほど言いましたように、訴訟をしている人たちというのは結構愛知県も多いわけですし、岐阜県もおるし台湾の方もおるわけでありますけれども、この中で非常にいつも感じますのは、よく事故の原因の確定というのが非常に訴訟には大きなポイントになる、これはまあ当然の話といえば当然の話です。 その中で、運輸省の事故調査委員会、よく事故がありますと必ずテレビや新聞にこの事故調査委員会というのが出てくるわけでありますけれども、去年の四月ですね、そうすると今十一月、大体一年半です。これ一体、もう最終報告というのは普通常識的に見て出てもいいんじゃないかという気が我々はするんですけれども、どうなんですか。
○説明員(豊島達君) 今回の事故の原因の究明に当たりましては、事故機がハイテク機であることから解析が大変複雑をきわめております。また、事故機の運航者、製造者がともに海外でありますことから調査関係の情報の入手が容易ではございません。 したがって、これまで時間を要しておりますけれども、先生がおっしゃいますようにできる限り速やかに最終報告書を公表することが好ましいと考えておりまして、現在、一生懸命努力をしておるところでございます。
○鈴木政二君 一生懸命努力しているというのは非常にわかるんですけれども、じゃ一体いっぐらいまでに答えが出るわけですか。一生懸命やっていることはわかる。一生懸命やっていると大体次のどのくらいにまとめられるなというのがわかるわけですから、一遍ぜひ聞かせていただきたい。
○説明員(豊島達君) 現在、調査はおおむね終了いたしておりますけれども、まだ調査を詳細に行うべき点が幾つか残っておりますことと、それからその調査結果に基づきまして解析を現在続行しておりますので、いずれの時点で公表できるかは今のこの場で確かには申し上げられませんが、とにかく一生懸命やっておるところでございます。
○鈴木政二君 僕はあと四分しかないんですよ、これを突っ込んでいたらずっと時間がなくなっちゃうから、きょうはもうとめておきますけれども、その原因は調査するスタッフが足りないのか、それとも予算が足りないのか。これはあってはならないことなんですけれども、これからももしあったとした場合、原告側あるいは遺族側というのは、やっぱり一刻も早い結論を出してもらって補償の問題、いろんな問題やってもらいたいわけです。 ですから、私は、調査委員会がやっぱりなるべく早く、もちろん慎重を期さなきゃだめですよ、これは本当に一番大事なポイントですから、なるべく早くやっていただくように、きょうのところは要望しておきます。 最後に大臣、この問題、大臣の立場としてはこれは非常に難しい立場のことはよくわかっております。特に中華航空の出しているのは、情報によると千六百四十万という話が出ています。だけれども、日本の物価と中華民国の物価というのはこれは違うわけで、非常にこの格差があって、こんなの納得するわけがないと思うんです。 それはともかくとして、最終的にきょう大臣に聞きたいのは、こういう飛行機事故、船舶も事故がいろいろあるわけでありますけれども、特にこうした飛行機事故に対しての再発防止といいますかそういうものについて、これからまず損害補償のこともありますけれども、先ほどからこの航空関係の話がずっと出ていたわけでありますけれども、大臣として、この航空機事故の再発防止を兼ねて、こういう問題について御決意をひとつ聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 一年半前に起こった大変痛ましい事故で犠牲になられた方の御冥福をお祈りするわけでありますけれども、運輸行政というのは、先般来申し上げておりますように、やはりそのベースに安全の確保ということがございます。したがいまして、この安全性の確保について、過去の教訓を踏まえながら一生懸命にその確保の保持に努力をしていきたい、こういうふうに思っております。 また今、鈴木議員の一連のお話の中で、御遺族の補償の問題があります。これに関しまして、本来的には御指摘のとおり、御遺族と航空合社との話し合いの中で解決すべき問題だと思っておりますが、ただ、やはり今御指摘の金額等今の日本の実情に照らしてなかなかそれは現実離れをしているということも事実だと思います。 したがって、運輸省といたしましては、側面でありますけれども、何らかの形で御支援ができるようなことがあればこれはやらせていただきたいな、こういうふうに思っております。
○鈴木政二君 ちょうど時間になりましたので、大変大臣の人情あるお話を聞かせていただいて本当にありがとうございます。いろんな難しい立場として大臣としてもコメントを避けることもよくわかっておりますけれども、精いっぱい言っていただいたということで非常に感謝をしております。 どうぞこれからもこういう痛ましい事故がないように、ひとつ運輸省としてもぜひ再発防止の、事前の防止策を頑張っていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(寺崎昭久君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後一時二十分開会
○委員長(寺崎昭久君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○戸田邦司君 平成会の戸田邦司でございます。 私も参議院議員新人でありまして、七月当選以来三カ月余というようなことでございます。向こう側の席に座って答弁をさせられたことは多々ございました。ここに御出席の先生方から御質問を受けたこともございます。質問する立場になろうとは思ってもみなかったことでございましたが、本日は質問して御答弁いただくというよりは、長期的な問題あるいは基本的な問題、また重要な問題、そういった点につきまして運輸大臣並びに運輸省の関係の方々からお話しいただければというようなことで、質問に立たせていただきました。 私が運輸省にまだ在任中のことでございますが、さる大臣が、非常に言葉にうるさい方でありましたが、運輸というものについてこういうようなお話をされたことがあります。古来から人が往来する、物が移動する、そこには必ず文化が起こった、そういうことから考えると運輸というのは一つの文化である、そういうようなことをおっしゃっておられました。 平沼運輸大臣、その文化の担い手として、運輸省内でも職員の方の人望も厚いようですが、運輸大臣として御就任なさってから三カ月余ということですが、それらの経験に照らされまして御所見なりあるいは抱負なり、それをまず第一にお話しいただければと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のとおり、運輸大臣に就任をさせていただいてちょうどきのうが三カ月目でございました。まだある意味ではなりたてのほやほやと、こういうことでございますが、この三カ月間、私なりにやはり現場をよく見させていただかなきゃいかぬ、こういう観点からそれぞれ現場で頑張っておられる方々のところに出向かせていただいて、そしていろいろつぶさに事情の把握に努めてまいりました。 先ほども午前中に触れましたけれども、阪神・淡路大震災で大変な被害を受けた阪神地区にも行かせていただき、また午前中の鴻池委員の御質問にもありましたけれども、非常に北方四島周辺が緊迫の度を加えておりますので、特に海上保安庁の現場の皆様方が大変な御苦労をなさっておりますので現地にも行かせていただきましたし、またそれぞれ関西、成田、そして羽田と巨大空港もつぶさに見させていただきました。 また、各地に行かせていただいて、それぞれの出先を回らせていただいて率直な感想といたしまして、言うまでもないことでありますが、運輸行政というのは非常に間口が広くてまた奥行きの深いものであるな、しかも国民のいわゆる経済活動に密着をした関係がありますし、また国民生活にとって必要不可欠な行政を担っている。そして、何よりも陸海空にわたる運輸全般を担当させていただき、さらには周りを海で囲まれておりますこの日本の海の安全も一生懸命に確保させていただくために頑張っている、さらに気象の分野等大変国民の期待も大きいということをこの肌で感じさせていただきました。 したがいまして、国民の側に立って、そして国民の利便性をいかにコスト意識を持って効率よく提供していくか。その中にやはり安全性という、これは根幹の問題でありますから、それを中心に据えて行政全般の運営が必要だということも痛感をさせていただきました。 さらには、今来るべきという言葉がよく使われますけれども、日本は実際にはもう高齢化社会に突入しておりますし、ある意味で社会が成熟した社会になっておりますので、こういったいわゆる日本の現状を踏まえ、また将来を見越してその中でいかに信頼にこたえる運輸行政が展開できるか。 また、非常に国際化の時代でありますし、また、日本の周辺を見回しましても大変東南アジアを中心に経済交流、経済活動が活発になっております。そして、このボーダーレスの時代にいかに日本がその中で取り残されることなく共存共栄の立場で、世界の中で日本の今までの先人の培ってくださった知識や経験や、運輸に関するそういう一つのパワーというものを世界に役立てていかなきゃいけない。 そういうことを中心に踏まえて、そして今まで先人が、もちろん戸田委員もそうですけれども、各大臣及び運輸省の先輩方が一生懸命努力をしていただいた、それをこれからさらに進展をさせ、そして信頼に足る運輸行政を展開していきたい、このように思っております。
○戸田邦司君 大変立派な御所見をいただきましてありがとうございます。 運輸行政は非常に間口が広い、しかも国民生活に密着している、そういうようなことで運輸行政に対する国民の期待は非常に大きなものがあろうかと思います。ひとつ大臣、よろしくお願いいたします。 それでは個々の問題に入らせていただきますが、まず最初に鉄道関係で、鉄道関係と申しますと常に最も注目を浴びておりますのは整備新幹線問題ということになろうかと思います。現在三線五区間で工事が進められておるわけですが、この三線五区間の未着工部分、これらについてどういうふうに考えていかれるかその辺をお話しいただければと思います。運輸省の方でも御検討いただいているようですし、また与党三党でも検討が進められていると聞いておりますが、よろしくお願いします。
○政府委員(梅崎壽君) それではお答えいたします。 整備新幹線の未着工区間の取り扱いにつきましては、昨年の十二月に関係大臣の申し合わせが行われておりまして、その申し合わせによりますと、未着工区間の整備のための基本的なスキームにつきまして平成八年中に成案を得る、そのための検討を進めると、こういうぐあいになっております。これを受けまして、私どもは八年度の予算要求におきまして、新たに未着工区間のルートごとに関係自治体やJRなどにも参加いただきまして、こういった方々と一体となりまして整備新幹線を核とした地域振興計画、こういうものを策定していこう、こう考えて要求しているところでございます。 その具体的な考え方といたしましては、未着工区間におきます具体的な整備の条件、例えば駅の位置をどうするかとか、ルートをどうするかとか、そういったような問題、あるいは並行在来線の取り扱いの問題もそれに含まれます。それからそういう具体的な整備条件、さらには新幹線の需要促進に資するような地域振興計画の策定、こういったようなことが具体的な内容でございますが、そういったものをルートごとに策定していったらいかがかというようなことで考えているところでございます。
○戸田邦司君 現時点でこういうようなことをお話しいただきたいというのは大変困難があるかと思いますが、この三線五区間は大体どれくらいの資金が必要でいつごろまでかかることになるだろうか。また、新幹線全体構想につきまして、これまた難しいことであろうかと思いますが、新幹線全体についてのその辺の見通しといいますか、鉄道局長の胸のうちといいますか、その辺もお伺いできればと思います。
○政府委員(梅崎壽君) まず、三線五区間の問題でございますけれども、お尋ねは多分との程度のお金かということと、いつごろまでにということだと存じます。三線五区間の建設費は、平成五年価格で約二兆円と見込んでおります。これをいつまでに完成するかでございますが、北陸新幹線の高崎−長野につきましては、御承知のとおり工事も順調でございまして平成九年秋の完成に向けて鋭意努力をいたしております。これはほぼそのような時期に完成できるのではないかというぐあいに私ども考えております。それから、それ以外の三線四区間でございますが、これにつきましてはおおむね十年後の完成を目指して努力をしているという状況でございます。 それから、三線五区間以外、整備五線の全体の計画がございますが、整備五線をフルで建設した場合の建設費は、やはり同じく平成五年価格で約七兆円と見積もっております。ただ、この時期につきましては、御承知のとおり未着工区間の取り扱いがございますので、これのでき上がる時期というのは現在の段階では具体的には申し上げられるような状況ではございません。
○戸田邦司君 新幹線の整備につきましては、財源の確保ということでこれまでも運輸省は大変御苦労されてきたと思いますが、例えば来年度予算要求などを見ますと財投の比率といいますか、逆の方からいいますと真水の比率といいますか、その辺が若干違っている、割合が違っているということですが、今後の整備されていく新幹線につきましては、経済性という面、採算という面から考えますとだんだん難しくなっていく方向ではなかろうかと思います。 その辺の真水部分が非常に経営に大きな影響を与えると思いますが、その辺のこれからの予算の確保といいますか、やはり大臣の真価が問われるのは予算ではないかと私思いますが、大臣ひとつその辺について御所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、鉄道局長から御説明をいたしましたが、この整備新幹線のこれからの経費というのは大変膨大なものに相なります。両方合わせて七兆円になんなんとするような巨額な費用が要るわけであります。したがいまして、私ども運輸省といたしましては、委員御指摘のとおりやはり一般財源の中から大幅に予算を獲得していくべきだ、こういう基本的な考え方を持っております。また、亀井前運輸大臣もまさにそのような考え方で大蔵とも強力な折衝をされました。 私も、これから国家百年の大計を考えたときに、この整備新幹線の建設というのはやはりどうしても必要なことだと思っておりますので、引き続き一般財源をいかにそこに導入するか、こういうことで頑張っていきたいと思っておりますし、一方においては、公共事業というのは向こう十年間で六百三十兆を投資して日本の社会資本の整備をやろう、こういう壮大な日本のいわゆる公共事業、社会資本整備の計画もございますから、その一環の中に盛り込んだ形で一生懸命に頑張らせていただきたい、こういうふうに思います。
○戸田邦司君 新幹線の整備が進む一方で、在来線の幹線の高速化も進められていっているわけですが、そういうところからは外れたところに住んでおられる人々にとっては非常に不平等感が広がっていくということになりはしないかと思います。 私の個人的なことをお話し申し上げて申しわけありませんが、私は福島県のいわきというところから出てきた者ですが、あそこの常磐線、最初三時間を切ったときは随分速くなったなと思っておりました。現在、二時間十五分ということですが、新幹線で例えば仙台まで二時間弱で行ってしまうというようなことを考えますと随分遅いな、こういう感じになっていくわけでありまして、非常に身勝手な判断かもしれませんが、国土の均衡ある発展とか一方で言いながらそういう不平等感が出てくる、その辺についてはどういうふうにこれから対応をされていくおつもりか、お話しいただきたい思います。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま委員御指摘のとおり、多極分散型の国土であるとかそれぞれの地域の発展であるとかそういうことを考えますと、鉄道の分野におきましても、整備新幹線だけではなくて在来幹線を含めまして高速の幹線交通体系というのを整備していくというのも一つの重要な課題であると考えております。ただ、その場合でも鉄道特性のある分野においてこれをやっていくということであろうかと思います。当然のことながら、この問題は鉄道会社にとりまして経営的な問題がございますので、経営主体の経営判断というのもまた重要なことでございます。 したがいまして、私どもとしましては、鉄道会社の経営判断あるいは輸送需要の動向、事業の収支採算性等々を踏まえまして逐次進めていくべきだろうと思います。このようなことで、今後とも施策の充実について努力していきたいと考えております。
○戸田邦司君 鉄道関係のもう一つの大きな柱としまして都市鉄道の整備、これまた非常に重要な課題であります。人口密集地帯の大都市周辺、そういったところでの鉄道整備が大きな課題になっているわけですが、例えば東京、大阪、名古屋、こういったところの整備につきましては、前に運輸政策審議会の方で答申も出ておりまして、それに従って着々と整備が進められていくという段階にあると理解しております。 そういったところの都市鉄道といいましても大手の民鉄もあれば地下鉄もある、またJRもあれば、モノレール、新交通システム、そういったいろいろとバラエティーに富んでいるわけですが、それらについてこれまで国側がそういったものをサポートしていくシステム、これもそれぞれに合った非常にうまい仕組みを考えてこられた。 これは、運輸省のこれまでのそういった努力を非常に高く評価したいと思いますが、そこで補助金とか無利子融資あるいは開銀融資、いろんな形でのサポートが進められてきておりますが、これらについて、これからの問題も含め運輸省が基本的にどういうふうに考えていかれるかという点についてお話しいただきたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 都市鉄道の整備の考え方でございますが、ただいま委員御指摘のとおりでございまして、私どもとしてはまず考え方としては、第一義的には鉄道需要者が運賃収入を通じまして利用者負担をしていただくという利用者負担の原則という考え方に基づきまして推進してきておりますけれども、これに当たりましては、特に都市鉄道の場合、膨大な資金とそれから資金の長期の懐妊期間があるということから、利用者負担ではなかなか投資資金の回収ができない、こういう事情でございますので、必要に応じましてそれぞれの事情に応じて適切なメニューを用意するというような考え方から、各種の公的な支援策をとっているわけでございます。 具体的に申し上げますと、地下鉄につきましては巨額の建設費を要するということで補助金制度をとっておりますし、それから、整備の緊急性が高い路線の建設に対しましては鉄道整備基金からの無利子貸付制度をとっております。それから、大手の民鉄事業者の輸送力増強工事に対しましては、開銀による長期の低利融資、あるいは特定都市鉄道整備積立金制度、こういったものをつくりましてこの諸制度を活用している。あるいは、JRに関しましても開銀による長期の低利融資制度を設けている、こんなところでございます。 私どもといたしましてはこれから、このように今までそれぞれ用意いたしましたメニューにつきまして、それぞれの事情に応じてさらに充実していくべきものは充実していきたいし、あるいは、若干こういうぐあいに金利が低下になりますと、例えば今まで具体的な例として申し上げませんでしたが日本鉄道建設公団のP線制度というのがございます。こういう金利が非常に低い時代になりますと、なかなかこれが活用されないという事情がございますので、こういう制度についてどうしていくか等々について検討していきたいと思っております。
○戸田邦司君 これまで努力を重ねてこられているということですので、これからもまたすばらしい仕組みを考えていただいて前向きに進んでいただければと、こう思っております。 鉄道関係で最後の質問ですが、磁気浮上鉄道の研究開発が進められておりまして、一方で新幹線のスピードがだんだん上がってきているというようなことですが、私は、その技術開発というのはたとえすぐに利用されるということがなくてもそれ自体が相当の財産である、ポテンシャルを持つことになるということで前向きに進めるべきであると思っております。現在の新幹線が従来方式でスピードアップされてきているということと考え合わせて、その磁気浮上鉄道の実際の利用計画といいますか、その辺についてもちょっと一言お聞かせいただけばと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 超電導の磁気浮上方式鉄道で申し上げますと、これにつきましては今実用化のための技術開発を進めている段階でございます。あるいは御承知かと存じますが、鉄道総合技術研究所、それからJR東海、日本鉄道建設公団、三者によりまして山梨にリニアの実験線の建設を行っておるところでございます。そこにおきまして、平成九年春の実験開始、それから平成十一年度中の技術開発につきましてのめどを立てるというような予定でやっております。 実用化の問題は、現在技術開発を行っている段階でございまして、まだこのめどを立てるためにはあと数年間必要でございますが、このような技術開発の進捗状況を見ながら今後検討していくべき問題であると考えております。
○戸田邦司君 鉄道関係、大変ありがとうございました。 次に、海運関係で海上交通局長にせっかくおいでいただきましたので、一つだけ。 これは大臣にもちょっとお話しいただければと思いますが、きょうの午前中に外航海運問題が検討されまして、私も聞いておりましたので重ねて聞くつもりはございませんが、外航海運、昔から商船隊をどれぐらい整備して持っているべきかというような議論が歴史的には続いてきたように私は受けとめております。 一番最初に、外航海運の整備について一つの柱になりましたのは、貿易外収支の改善というようなとらえ方であったと思います。昭和四十年ごろだったと思いますが、当時の外貨準備高がわずか二十億ドル、そういうような時代で貿易外収支を改善するために外航海運を整備しなければならないというとらえ方をしておりました。 その後、国際収支が改善されてきた時点では、ナショナルセキュリティーという考え方からどれぐらいの外航海運を持つべきかというような議論がなされていたと思います。そういうそのころの議論に照らして考えてみましても、現在の外航海運の隻数といいますか、日本の国旗を翻して走っている船の数、船腹量というのはナショナルセキュリティーというところから考えたらはるかに低いものになっていはしないかと思います。 そういった観点から考えましても、国際船舶制度も大変重要な課題であるかと思います。この問題についてまず第一に、新しい仕組みの中でこれから解決していかなければならない問題、これは税制も含めてだと思いますが、その辺の難しさについて海上交通局長はどういうふうに受けとめておられるかお話しいただければと思います。
○政府委員(岩田貞男君) 先生に長いこと御指導を賜った人間が御説明するのもあれなんですが、今お話にございましたように海上輸送への依存度が大変高いという我が国にとりまして、国際収支の改善というのがありましたが、今はむしろ、貿易物資の安定輸送の手段の確保とかあるいは緊急時における対応、あるいは、島国である我が国の船が外洋に乗り出すのですが、そのときの航海術とかあるいは操船術とか、そういうものがなくていいのかという問題であるいわゆる海技の伝承の問題。それから、これも先生御造詣の深いところでございますが、海事関係のIMOですとか海洋法条約ですとか、いろいろな国際基準の設定に対する我が国の発言力といいますか知識を持った発言力の確保。 いろんな面から日本の海運、日本国籍船とそれからそれを操船をするところの船員の重要性というのは、前にも増して必要なことだと私ども思っております。 その取り組みの問題点でございますが、それはほかの産業でも同じではないかとか、いろいろな御指摘があります。それから、本当にそれで日本籍船の流出がとまるのかというようないろいろな問題があります。しかし、私ども今概算要求している中身でございますが、これをすれば必ずやこのフラッギングアウトはとまるのではないかと思っております。 その中身でございますが、日本籍船、日本人船員を確保するための総合的な対策としまして通称国際船舶制度と言ってますが、その創設に向けまして、日本人船員の配乗構成、日本籍船だと原則日本人が全部乗っでなければならないという配乗構成を見直させていただく、あるいは、外国人にも資格を持っていただいて日本人の配乗構成の変更に伴う操船技術の一部を外国人にもやっていただかなきゃならないわけで、そのための試験制度を例えば外国語にするとか、いろんなことに向けて努力をしています。 ただ、それだけではやはり税制とかその他の面で差がございますので、完全な国際競争にさらされている船舶のことを考えれば税制その他財政措置とかいろいろなことについても御援助を願いたい、こういうふうに思って概算要求しているところでございます。
○戸田邦司君 大変重要な問題でありますので、ひとつ運輸省の方もしっかり努力していただきたいと思いますし、我々もこの新しい仕組みの考え方には賛成でありますし、可能な限りの協力をさせていただきたいと思っております。 大臣の御決意というのを午前中もお伺いしておりますので、次の港湾のところでちょっと大臣のお考えをお聞きしたいと思いますが、港湾の整備につきましては、数年前だったと思いますが公共投資の中でCランクと、非常に不名誉なといいますか、私は、財政当局が物事を正確につかんでいなかった、当時の与党もちゃんと考えていなかったということかな、こう受けとめております。 最近、アジア地域で相当港湾の整備が進んできております。いわゆるハブ港湾の整備ということで、この前の阪神大震災のときも、現に日本の有力海運会社は日本に向かって走ってきているコンテナ船を釜山に急遽振りかえたと、釜山にはそれだけの余力があって何の問題もなく受け入れてもらえたと。一つは、そういう場合の国家安全保障的考え方からいっても港湾の整備というのは非常に重要な問題ではないかと思います。 特に、我が国の大水深のコンテナターミナルの整備が若干おくれてきているというふうに受けとめておりますが、それと同時に国際競争力が非常に低下してきている。これは港湾の使い勝手、荷役の問題もあるかと思いますし、それから利用料などの問題もあるかと思います。平成八年度から次の第九次港湾整備計画が実施されることになるわけですが、これらの点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 港湾の整備の急務に関しては戸田委員御指摘のとおりだと思っております。 今御指摘の中にもございましたけれども、公共事業の中で港湾建設というのがかつてCランクと言われておった。これは私どもとしては、ある意味ではとんでもないことだと思っておりまして、やはり貿易立国の日本であり、これからボーダーレス化になってますます物とかあるいは情報とかあるいは人間がどんどん移動するときに、港の整備というものはその重要度が増しこそすれ決して減ることはない、こういう認識であります。したがいまして、今御指摘のとおり、かつては世界で本当に一、二を争う荷役量を誇っておりました我が神戸港にしても横浜港にしても東南アジアの港の後塵を拝する、こういうような現状もございます。 これからそういう形で日本がやはり現状の地位を保持しつつ、そして、これだけの経済大国の活力を失わせないためにも港の整備というのは喫緊の課題でありまして、そして、やはりコンテナ船の時代に既に突入しております。したがって、それがどんどん大型化になっておりまして、私も先般神戸にも横浜にも行かせていただきましたけれども、実際にコンテナヤードというのはもう全然昔のイメージじゃございませんで、巨大なガントリークレーンが林立をし、そして、それに積み込むために埠頭の幅も六百メートルだとか八百メートルとか場合によっては一キロぐらいの非常に強大な構築物に相なっています。 しかし、そういう大きな船を着けるためにはやっぱり大水深度というものも実現をしていかなきゃいけない、こういうことで、今御指摘の明年から始まります九次の港湾整備五カ年計画におきましても、我々としては、この大水深度の大型のコンテナ船が着ける港の整備というものを最重点の課題として取り組んでおりまして、諸外国の中でおくれをとらない、そういう体制を一日も早くつくる、こういうことで努力をさせていただいております。
○戸田邦司君 大変前向きのお話をいただきましてありがとうございました。 先ごろの阪神・淡路大震災で神戸の港が壊滅的な打撃を受けたということですが、これからほかの港でも耐震性を増していくというようなことが非常に重要であろうかと思いますが、これは答弁は要りませんが、ひとつその辺にも大きな努力を払っていただければという希望を述べさせていただきます。 それから、先般の神戸港の復興に当たりまして、臨時的な応急的な機能回復というようなことについて運輸省がその復興の足を引っ張ったかのようなテレビの報道がありまして、私は非常に残念に思っておりますが、その辺について港湾局長から簡単にで結構ですが事情などをお話しいただければと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 神戸港の機能がほとんど壊滅状態になりましたことを受けまして、けさほどの審議の中にもございましたけれども、阪神・淡路復興委員会の方から応急的なコンテナの桟橋を早急につくるようにという御指示がございました。私どももそれ以前に、その御提言をいただいたのは三月十日でございましたが、二月十日に運輸省といたしましては、通常三カ年かかる復旧を二年間ですべて完了するという方針を決定し、既に被災を受けた岸壁の修理に取りかかっておりましたので、順次完成していくそれらの岸壁を使うことによって仮設桟橋の建設は必要がないという旨を阪神・淡路復興委員会の委員長の方にお伝えしたわけであります。しかし、議論を通じ提案のねらいが明らかとなり、以後、仮設桟橋の建設に最優先で取り組んできております。 これが、十分な取材のないまま番組が編成されたということもございまして、運輸省は仮設桟橋の建設に反対をした、そして復興の足を引っ張ったということで報道されました。私ども、事実誤認であるということを放送局の方にも伝え、また関係各方面にも説明をさせていただいたところでございます。
○戸田邦司君 ああいった誤った報道によって、運輸行政について著しく一般の人の感情を害するといいますか、そういうようなことがあるのは非常に不愉快な話でありまして、ひとつ皆さんも、その辺できるだけいろいろ一般の方々にキャンペーンするといいますか理解をいただくという点も非常に大事であろうかと思います。 それでは、時間も迫ってまいりましたので、次に航空関係に移らせていただきたいと思います。 空港の整備につきましては、きょうの午前中にもお話がありましたので細かにお伺いするというつもりはございませんが、やはり我が国の空港整備が港湾と同様の問題といいますか整備がおくれてきている。建設に非常に長期間かかるというようなこともありましょうし、またいろいろと障害があったということも理解できるところでありますが、やはり空港の整備というのは国のこれからの発展にも深いかかわりがある問題であろうかと思いますので、これからの空港整備の進め方について国際的な競争にも打ちかっていくというようなことを考え、また、ある時期が来ると現在計画されている首都圏周辺それから関西国際空港ともに満杯になってしまうというようなことも言われておりますので、その空港整備についてひとつ大臣から御所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 午前中の御質疑にもございました。そして、この空港整備に関しましては、日本がこれから国際場裏の中で今の経済活力を維持しつつ世界の中に貢献をしていく、そのことを考えた場合にどうしても避けて通れない大切な課題だとまず認識をしております。 そして、空港需要はその旅客の急増によりまして、例えば今羽田も沖合展開をいたしておりますけれども、これも来世紀初頭にはもう既に満杯になる、こういうような予測も出ておりますし、それからどんどんいわゆる空港を利用する利用客の数もふえておりますので、どうしてもこれはハブ空港という機能を持った空港を国としてもつくっていかなきゃいかぬ。こういうことで、御承知のとおり関西国際空港はこれは第七次の空港整備五カ年計画の中でも二期工事をとにかく重点項目として取り組んでいくべきだ、こういうことで既に概算要求の中にも盛り込ませていただいてこれからの予算獲得にも頑張っていくところであります。 また、さらに新しい一つのハブ機能を持った空港として中部新空港という構想もございまして、これもやはり空港整備の我々は重点課題として取り組んでまいりたいと思っております。 また、成田も、先人の皆様方の本当に根強い話し合い路線というものが昨年ようやく一つの方向を見出すことができまして、そしてまだまだ粘り強い話し合いをしていかなければなりませんけれども、平行滑走路の必要性は認めていただけるというような、そういう一つの段階に来ておりますので、さらに拙速は許されませんので根気よい皆様方との話し合いをさせていただき、また地元の地方団体のそういう御協力をいただきながら、ここの平行滑走路の建設も視野に入れていきたい。 しかし、今御指摘のとおり首都圏も、羽田の沖合の展開が終わっても国内便も二十一世紀初頭には満杯になるということでございますので、さらに首都圏に新しい構想の空港もつくるべきである。こういうことで、これも現実的な一つのプロジェクトとして今地元の皆様方それぞれいろいろお願いをしていただき、地元の皆様方もいろいろ考えていただいてこの実現を期しているところであります。 いずれにいたしましても、二十一世紀にはいわゆる大交流時代でございますのでそれに乗りおくれないように、そしてその基幹的な輸送手段になるいわゆる航空産業、そして、それのいわゆるまさにグラウンドであります空港整備というのは最重要の国家の課題として運輸省は全力を挙げてその整備に努めていきたい、こういうふうに思っております。
○戸田邦司君 大変重要な問題でありますので、ただいまの大臣の御決意をお伺いして安心いたしましたが、例えば成田空港の問題などについてこれまで運輸当局が血のにじむような努力といいますかされて解決に向かっているということにつきましては、その御努力を多としたいと思います。 黒野航空局長、いらっしゃっていただいて何も質問しなくて申しわけありませんです。 時間も参りましたので、最後に二つお願いしたいことがあります。これは答弁も何も必要ありません。 一つは、テクノスーパーライナーの実現について運輸省で大変努力されているわけでありますが、私もこの開発に深く関与した者として、ひとつ運輸省の方でも可能な限りバックアップをお願いしたい。我々の方では、ああいうような形式の船を例えば災害救助船といいますか、そういったものにも使えないかというようなことも考えておりますので、その点ひとつよろしくお願いしたいと思います。 もう一つはアメニティ財団ですか、そういう財団をつくってこれからの高齢化対策、障害者対策に大きく役立てていこうという御努力をされておりますが、これからの時代を考えますと非常に重要な部分を背負っているといいますか、必要不可欠な問題を扱っている財団の機能ではないかと思いますが、そういう点からもあの財団をひとつ大きく育てていただいて、鉄道、モノレール、そういったところでの例えは乗り物の乗りかえとか駅などでのお年寄りが安心して歩けるようにとか、そういった点について十分な御配慮をいただければと思います。 本日は、時間も限られておりますが、大臣初め運輸省の関係局長から非常に誠意ある御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。これで終わらせていただきます。
○横尾和伸君 平成会の横尾和伸でございます。 平沼大臣は、ちょうど一月ほど前、初めての運輸委員会におきまして大変心強い安全性に関する御所見を述べられました。大変私は安心をしたわけです。きょうは、繰り返しになりますけれども、特に安全性と経済性というのはある意味では相入れない部分もあります、難しい判断を要することもありますけれども、そういう中で安全性に対する考え方、特に経済性を踏まえて大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 横尾委員御指摘のとおり、私は冒頭のこの運輸委員会におきまして、ごあいさつの中で、運輸行政というのはそれぞれ間口が広く奥の深い分野を担当しておりますけれども、やはりその根幹に安全性というものを置かなければならない、こういうことで所信として述べさせていただきました。 御指摘のとおり、やはりこの安全というものを第一義にしていくことが運輸行政の私は柱だと思っております。利便性ですとかコストの問題、それぞれ考え方がありますけれども、何にも増して安全というものを基調に運輸行政は進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○横尾和伸君 安全性という中で、実はきょうは新幹線の安全性の確保の問題についてお伺いしたいと思うんです。 言うまでもなく、去る一月十七日の阪神・淡路大震災、この震災においては新幹線の橋脚が百数十本崩壊した、それも含めていわゆる損壊をしたのは七百本。これが実は朝五時四十六分という新幹線が通っていない時間だったからよかったんですけれども、ある意味では不幸中の幸いと言ってもいいと思うんですが、そういう中でこの教訓を生かすという意味で、新幹線の安全性の確保について大臣の基本的なお考えをお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の一月十七日の阪神・淡路大震災、これは御指摘のとおり早朝でございました。そのときは鉄道関係がほとんど運行していない、そういう時間帯でございました。ですから、もし走行していたときにあのような地震が起こったときには大変な被害に結びついただろう、これはそれぞれ指摘されているとおりだと思います。 そこで、やっぱり一番当時問題になったのは、御指摘のとおり損壊を含めて七百本の橋脚に何らかの形で損壊ないしは全壊という形で被害が出た。それに対しまして、鉄道施設耐震構造検討委員会、別名松本委員会、こういうふうに言っておりますが、そこで慎重に検討をしていただきました。当時の運輸省の方針としましても、復旧ということよりも復興ということに重きを置いて、完全な安全性を確保した上でやるべきだということで、安全性から見て相当アローアソスのある形で橋脚の補強をいたしまして、そして今再開をされたわけであります。 したがって、現時点におきましてはスムーズな運行が保障されていることでありますけれども、ただ先行き、日本は地震の国で多発地帯でございますし、いろいろなそういう事態が想定されますので、やはりそういう地震の予知で緊急に制動できるシステムだとか、そういうこともやはりこれからの研究課題として、安全性追求の意味ではテーマとして私は検討していかなきゃいけない。そういう意味では阪神・淡路大震災の教訓を生かして、そして新幹線の安全確保というものをこれからも徹底をしていかなきゃいかぬ、そういうふうに思っております。
○横尾和伸君 去る六月五日に、私は参議院の本会議におきまして、新幹線の安全性確保対策について前の運輸大臣でありました亀井運輸大臣に質問をいたしました。亀井前大臣からはとんでもない答弁が飛び出しまして、このために最終的には亀井前大臣の願いによって参議院本会議議事録の亀井発言部分の四カ所が訂正されたわけであります。運輸大臣として、参議院の本会議であるだけに大変に屈辱的なことであったとは思います。 しかし、私としては訂正後もまだ問題が残っていると思っておりますので、その点について申し上げたいと思うんですが、亀井前運輸大臣は、要するに私にとってみれば言いたいことだけ言ってさっさと大臣をやめられて、その実質的なけじめはまだついていないんじゃないかと。私としては、けじめをつけるチャンスを、その後質問をするチャンスもありませんでしたし、そんなことで今回チャンスをいただいたと思っております。大臣が違うのでということはあるかもしれませんけれども、運輸行政の一貫性という観点から、国民の目から見れば安全性についてはころころ変わってもらっても困るわけで、そういう意味でお答えをいただけたらと思うんです。 少し長くなりますけれども、当時のその問題、私はまだ一点だけけじめがついてない問題があると思いますので、その点を御理解いただくためにちょっと長い引用ですけれども六月五日の議事録を読ませていただきます。この大震災によって先ほど言いましたように七百本の橋脚が損壊したわけですけれども、 今回の大震災により都市高速道路の大規模な崩壊がありましたのは周知のとおりであります。都市高速道路については、今回の被災箇所のみにとどまらず、その教訓を生かして、全国の大都市圏の都市高速道路の見直しと補強の方針を明確に打ち出し、平成七年度補正予算においてもそれなりの予算を計上するなど具体的な措置をとりつつあると理解しておりますけれども、東海道・山陽新幹線については、被災箇所のみの修復を行っただけで、何もなかったかのごとく今や完全な通常運転に戻っております。約七百本もの橋脚が損壊したという事実は史上最大の大惨事を想起させるに十分なものでありますが、今回のこの教訓を踏まえて、現行の東海道・山陽新幹線の全線にわたる安全性の総点検とそれに伴う対策を急ぐべきであると強く進言するものであります。平成七年度の本予算にも補正予算にもその痕跡さえないのはどういうわけでありましょうか。この点に関する総理及び運輸大臣の見解を伺います。これに対しまして運輸大臣のお答えの一部分だけお読みしますと、これは修正後ですけれども、 議員の質問の中で、予算上の措置を耐震性向上について、これについて措置していないというような趣旨の御質問がございましたが、百四十三億円の措置を第一次補正できっちりといたしております。 こういうことで、これは四カ所直った後の議事録でございますけれども、私は、この直す際にも「きっちりと」というのは一緒に取ったらいかがですかということもお伝えをしていたんです。しかし、あえてきっちりと措置をしている、こういうお答えだったものですから、大運輸省が安全性を、前大臣もやはり安全性は言葉では相当に強調されていたと思うんですけれども、きっちりと安全性の確保、つまり東海道・山陽新幹線の総点検とそれに伴う対策についてきっちりと予算措置をしていると言って、その「きっちりと」というのはどういう意味なのか、大臣としての一貫性に立ってお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私はその場にいなかったものでございまして、そのやりとりを議事録で拝見させていただきました。 その「きっちりと」というのはどういう意味がということなんですけれども、第一次補正の中では山陽・東海道ということではなくて、もちろんそれも入るんですけれども、鉄道施設の耐震補強対策費として北陸新幹線やあるいは大都市圏の地下鉄の耐震性向上の工事でありますとかあるいは耐震基準に関する鉄道施設の調査研究、こういったもろもろの第一次補正の措置で百四十三億円があったと。このことを亀井前大臣は、全体としてきっちりとした、こういう意味で言ったのではないかなと思っております。 ただ、私も議事録をちょっと読ませていただきますとその前段の部分で、私の聞き違いであったらお許しをいただきたい、そういう言葉が何かついていたような気がいたしますので、ですから、そこのところはちょっとそういう意味で勘違いをして、全体としてきっちりとそういう耐震性の向上に対して百四十三億、北陸新幹線やあるいは大都市圏の地下鉄の耐震構造の向上等々やったよ、そういう意味で「きっちりと」という言葉を使ったのではないか、そんなふうにそんたくをしておりますけれども、そういうことだったんじゃないかと私は思います。
○横尾和伸君 安全性をそれだけ大事にされる前大臣、また現在の新大臣でありながら、私が質問していることに対して、六月五日の件ですけれども、全然別な内容のものを持ち出してきっちりとしていると言うこと自体、本当に安全性を大切にしているのかどうか。私は明確に、東海道・山陽新幹線の今回の損壊箇所以外でも大変問題のあるところがあるのではないか、全体を見直すべきである、全体をすべて直すべきであるとは言っておりません、見直すべきであると。それさえもまじめに答えないのかということで私はちょっと今落胆をしたんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かにそういう形でちょっと彼の前段の中で聞き違いというようなことがあって、それで「きっちり」という強い言葉を使ったと思います。 ただ、山陽・東海道新幹線に関しましては、委員も御承知だと思いますが、さらにこれから時間をかけて経費をかけて、そしてすべての、特に山陽新幹線の橋脚はお金と時間をかけてしっかりやっていこう、こういうことである意味では万全の措置もその役とらせていただいておりますし、私どもといたしましては、確かに御指摘のそういうちょっと行き違いがあったと思いますけれども、私どもはこの安全重視という重要度を認識していることはしっかりといたしておりますから、ひとつ御安心をいただきたい、そのことを中心に私はやらせていただきたい、こういうふうに思っております。
○横尾和伸君 今言われた安全性の問題、これからといいますかこの六月五日以降の問題も含めてというふうに大臣おっしゃられたんですね。そういう意味でその後も努力をされているということを、そのトータルとしては御努力、完全に私も理解できるわけではありませんけれども、知る限りでは相当の努力をされているということは認めたいと思います。 ただ、私が今申し上げているのは、六月五日時点でこういうことをきっちりとやっていると言うこと自体が、つまりこの背景には、先ほど読み上げた中にもありますけれども、新幹線そのものは復旧をして、たしか四月中だったと思いますけれども平常運転に戻っている、平常運転に戻っていて平気な顔をしてどんどんやっているのに、じゃほかのところ同じような状況で危ないところはないのかどうかということに対して、たった数億円の調査費をつけましたと、内容はそういうことで、そこのところだけしかひっかからないと思うんですが、その数億円の調査費をつけたことだけをもって、しかも約半年もたってから数億円の調査費をつけたということだけをもってきっちりやっていると言っているのは私は間違いだと思います。 このことを何回繰り返しても大臣もお答えのしようが、お立場もあろうかと思いますので、繰り返しは時間の関係もありますからこれでやめますけれども、安全性の確保というのは口先とかつじつま合わせでやるものじゃなくて、やっぱり心から国民の生命、財産を守るという観点からしっかりやっていかなきゃいけないので、そういう点で大臣、これからも中身を充実させる大臣であってほしいと思います。 それでは、次にその関連で、その後御努力をされているということですのでお聞きしたいと思います。現行の新幹線の全線にわたる安全性の総点検とそれに伴う対策を急ぐべきと思うがどうかと、私はこれを六月五日に先ほど読み上げた中で聞いているんですが、じゃ現時点でどうかということをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) 在来の新幹線を初めといたします既存の鉄道構造物の耐震補強につきましては、ことしの七月二十六日に第六回のいわゆる松本委員会を開催いたしまして、そのとき援言が出されております。この提言に基づきまして、鉄道事業者におきまして耐震診断を実施いたしまして緊急の耐震補強計画を策定したところでございます。 その主な内容は、在来の新幹線につきましては、ラーメン高架橋・橋台の鉄筋コンクリート柱につきまして約二万五千本の耐震補強、それから約二千連の橋梁、高架橋のけたにつきまして落橋防止工の設置が必要であるということでございます。これをおおむね三年で実施するというような内容となっております。
○横尾和伸君 聞いているだけだと何かよくわからないんですけれども、もう少し具体的にお聞きしますと、これは私資料をいただいていまして、いわゆる緊急耐震補強計画ということでございますか、これの中身でございますが、この中に山陽新幹線の計画がどのような形で盛り込まれているのかお伺いしたいと思います。
○説明員(澤田諄君) 緊急耐震補強計画のうち山陽新幹線につきましては、ラーメン高架橋・橋台の鉄筋コンクリート柱につきましては約一万五千本の耐震補強、及び二千連の橋梁、高架橋でございまして、その内容としますと、おおむね新大阪−岡山間及び岡山以西のルート付近の活断層を考慮いたしまして耐力診断を行って算定したものでございます。
○横尾和伸君 今のお答えの中の活断層というのは何カ所ぐらい。 山陽新幹線にこだわるのは、一つの例であるということもありますし、それから私、大臣初めてですので自己紹介も兼ねて申し上げておきますが、私福岡と毎週一回往復をしていた時期がありまして、百数十往復新幹線でさせていただきました。その中で、山陽新幹線の「のぞみ」の揺れが特別ひどいところが何カ所かありまして、それに対して心の底からといいますか本心で怖いと思う経験が何回かありました。そのことも踏まえて、自分だけが山陽新幹線を避ければいいということでは政治家として務まらないと思いますので、そういう点で大変心配をしている、こういう背景がありますので、これまでも誠実にお答えいただいておりますけれども、そういうことで踏まえてお答えをいただきたいと思うんです。
○説明員(澤田諄君) 「日本の活断層」という出版物があるわけでございますが、これによりますと山陽新幹線のルート付近の主な活断層は、規模の大小は別といたしまして阪神地区に集中しております。有馬−高槻構造線を初め、甲陽断層、芦屋断層などの幾つかの断層が存在しております。また、姫路以西におきましてはルート上を横切る活断層は少なく、一部広島・福団地区で数本の活断層が存在しているのみであります。
○横尾和伸君 それでは、違う観点からお尋ねしますけれども、ことしの七月二十六日付で鉄道施設耐震構造検討委員会が、これは基本的な考え方でしょうか、緊急措置についての考え方をおまとめになって発表されています。この中の「基本方針」の二番に「大規模な地震に対しても構造物が崩壊しないこととする。」というくだりがありまして、これが基本方針になっております。 「崩壊しないこととする。」。私も、運輸省のお役人の方とこのところおつき合いをさせていただきながら勉強したことは、崩壊と損壊は違うんだということを説明を受けました。崩壊というのは壊れてしまう、損壊はちょっと傷がつくということも含めるんだという趣旨だったと思いますが、しかし、新幹線が二百七十キロで走っていたら崩壊しないだけということでいいんだろうか。損壊をしても、二百七十キロの速度で走っていたらやはりこれは大変な惨事、要するに脱線をするなり大惨事になるということもあるのではないか。 そうしますと、緊急措置とはいえ基本方針で崩壊しないということを目標にすることが正しいのかどうか、私はちょっと不安になるんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○説明員(澤田諄君) 緊急耐震補強計画につきまして、今回の地震による被災経験に照らして、人命への影響、被害の社会経済への影響などを考慮いたしまして大規模な地震に対しても構造物が崩れ落ちない、このように対処することを基本とするということで考えたものでございます。
○横尾和伸君 普通の構造物と違って新幹線の橋脚をイメージして言っているんですけれども、先ほど冒頭に私、経済性との問題というのも無視できないという趣旨のことを申し上げましたけれども、絶対に壊れないものというのは逆に言えばあり得ない点もあるかと思うんです。そういう意味からも、もう一つ緊急措置ということで完璧なものを必ずしも求められないのかなという点もわからないではないんですけれども。 私、ことしの二月二日の災害特別委員会でこれを質問しているんですけれども、地震の初期微動、いわゆるP波を早く感知するんですか、普通よりも二十秒ほど早く感知する装置がユレダスとかという名前がつけられているそうなんですけれども、例えばこういうものがもう全線についているんだと思って二月二日時点で聞いてみたら、随分PRもされていたものですから聞いてみたら、東京−新大阪間だけしかついていないということでびっくりしまして、何でそんなことをするんだろうと。 ブレーキをかけて二百七十キロの新幹線がとまるまでに四キロ走るんだそうです。九十秒かかるんだそうです。そういう中で、それをつけることによって七十秒で済む。五十歩百歩といえばそれまでですけれども、そのことによってもしかしたら大惨事を免れるかもしれない、こう思ったときに何でつけないんだろう、そういう観点から御質問をした記憶があるんです。 このユレダス、いわゆる急ブレーキ装置というのか、これはその後ほかの新幹線につけているのかどうか、っけるべきだと思いますけれども、いかがでしょう。
○政府委員(梅崎壽君) 今、委員御指摘のユレダスでございますけれども、山陽新幹線に関しましては、ただいま御指摘のように今回の震災の発生にかんがみまして、新大阪と加古川までの間につきましてはJR東海が設置いたしております舞鶴などの三つの検知点がございまして、これを活用いたしましてことしの七月二十八日から使用を開始いたしております。残る加古川と博多間でございますけれども、これにつきましては鳥取など五カ所に検知点を新しく設けまして、平成八年の秋から使用を開始する予定でございます。こういうことによりまして、ちょっと時間はかかりますけれども、山陽新幹線全線にわたりましてユレダスを完備するということにしております。
○横尾和伸君 大変結構だと思いますが、できるだけ早く、とともに、東海道・山陽新幹線だけが新幹線ではありませんので、新幹線全体の安全の確保ができますように御努力をいただきたいと思います。 次に、気象庁に別な点でお伺いしたいんですけれども、最近、気象庁が発表の際に内容を間違えた、そして謝罪といいますかおわびをしたというニュースがやたらに目立つというか耳につくわけなんですけれども、国民の生命、財産を守る観点から極めて重要な情報を扱っている分野であります。そういう意味で注意を促したいという気持ちから何点か質問をさせていただきます。 例示的に聞きますけれども、ことしの七月末に南米チリで起きた地震、これによる津波の誤報が出ました。これは、津波は来るおそれはないという情報を発表して実際には津波が到来した。初めに津波が到来してから二時間後に津波注意報を発令した。こういう国民から見たら本当にどこまで信用していいんだろうかという非常に不安になる事件といいますかニュースがあったわけなんですが、これの真偽と、それからこれが本当であればなぜそんなことが起きたのか、またそれに対する対策はもうきちっととってあって今後同じようなことがないのかどうか、それをまとめてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(二宮洸三君) 今御指摘いただきましたように防災情報を出しますことは私どもの任務でございまして、今御指摘のありましたようなことがまず起きましたことを大変残念に思っていることを冒頭に申し上げておきます。 七月の末に発生しました南米地震でございますが、一連の事実関係をまず御説明申し上げます。 日本時間で申しますと、七月三十日十四時三十一分に南米のチリ北部沿岸で地震が発生いたしました。これは、マグニチュードは七・八の地震でございます。米国ハワイにございます太平洋津波警報センターは、一たん津波警報を発表いたしました。しかし、震源に非常に近いチリにおきましても津波の高さが七十センチということでございましたために、同センターは三十日十七時○○分に津波警報を解除いたしております。私どももこの状況を見まして、十七時五十分に日本沿岸への津波の心配はないというふうに判断をいたしまして、先ほど御指摘ございましたような津波がない旨の地震情報を発表いたしたわけでございます。 地震発生後十五時間前後経過いたしますと、当然津波がもしあるならばハワイに到着する時刻でございます。この時刻になりましても、このときには太平洋津波警報センターからハワイにおきます津波の情報が入ってまいりませんでした。これは後からもちょっと説明を申し上げますけれども、この入ってこなかったということをもちまして、私どもが、津波の襲来がハワイではなかったというふうに判断してしまったわけでございます。しかしながら、実際にはこのときにはハワイでは七十センチ程度の津波がございましたが、これは後日わかったことでございます。 日本ではと申しますと、三十一日十三時前後に、まず父島及び北海道などの太平洋沿岸で海面変動が観測されました。この最初の海面変動が非常に微弱でございました。そのために、これが津波によるものであるのか他の原因であるかについての判断に時間を要したのが実際でございます。約二時間後にこれが津波であるということを判断いたしまして、十五時〇〇分に太平洋沿岸に津波注意報を出したわけでございますが、これは御指摘のように大変おくれたものでございます。日本で観測されました津波の高さは、一番大きなものでございますと東北地方の宮古で三十センチでございました。これがこの日のいわば出来事のあらましてございます。 なぜこのチリの地震の津波予報が出しおくれたかと申しますと、今経過で御説明したことに尽きるわけでございますが、チリ北部沿岸の地震による津波がハワイに到着する予定時刻になっていても津波に関する情報が入電しなかったということでございまして、入電はしなかったことをもちまして津波がなかったと判断してしまったことが最大の原因がというふうに反省しているところでございます。それからまた、日本の太平洋沿岸に海面変動が非常にわずかだったということと、津波が到着することがないというふうな考えもございまして、この微弱な振動を津波と判定するために大変時間を要したということが実際でございます。 以上の点を反省いたしますと、米国のハワイにあります太平洋津波警報センターなどから津波情報が入っても入らなくても、もし到達すると思われる時間にも入電がなければ、こちらから積極的にそちらの方にアクセスいたしまして情報をとるべきでございます。これにつきましてはこの点を改善したいと思っております。 それからなお、南米でございますとかあるいは太平洋の非常に遠方で地震が発生した場合に、その津波の到達をいち早くキャッチするために、現在でも太平洋諸島からの津波の情報は入るわけでございますけれども、さらに日本の最も南東端にございます太平洋の中の南鳥島、マーカス島とも申しますが、南鳥島におきまして津波観測装置を整備いたしまして、非常に遠方から来る地震津波に対しまして監視体制を強化したいというふうに考えているわけでございます。
○横尾和伸君 今の津波とはまた別に、十月十八日に鹿児島県の奄美地方の地震がありました。このときも津波なしという判断の誤りがあった。これもまたおわびをしたということだったと思いますけれども、この原因は何だったんでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) 御説明を申し上げます。 この地震の発生後、定常の緊急作業によりまして地震の規模をマグニチュード六・五と推定いたしました。気象庁が行っております津波予報の基準、これはまた後ほど申し上げたいと思いますけれども、津波予報の基準がございます。これはマグニチュードあるいは震源の深さ、あるいは該当する地点との距離で決まるわけでございますけれども、これに基づいて行っているわけでございますが、これの定常のマニュアルに従いまして六・五のマグニチュードでは津波の発生がないと判断したわけでございます。今回の地震はその後の、速報値ではございませんで、事後により多くのデータを用いまして詳細に解析し直した結果でございますと、マグニチュードが六・七ということになってございます。 それから、この海域でございますと従来大きな地震の発生の経験がないわけでございますけれども、今回の津波を発生させました地震が特殊なメカニズムであったこと、及び喜界島に津波が集中しやすい海底地形であったことがその後の調査で判明いたしてございます。事実、喜界島ではかなりの規模の地震に見舞われたわけでございます。 従来のマグニチュードの推定には、当然でございますけれども、特に緊急作業時で決定いたしますマグニチュードには誤差があるということは私どもは十分考慮すべきことでございます。そのように考えてまいりますと、防災的見地からは今回の地震についても、推定した、緊急で決めましたマグニチュードについても誤差があることを含んだ上判断いたして、当然津波注意報を行うべきであったというふうに反省しているところでございます。
○横尾和伸君 まだ何点がお聞きしたいと思ったんですが時間がちょっと、お答えが長くて大変困りました。 それで省略しますけれども、私がまだ聞きたかったのは、今の修正なども昨日記者発表といいますか記者会見したそうで、きょうの新聞で確認をしましたけれども、こういう国民の生命、財産に直接かかわる情報を預かる分野、非常に大切な分野であります。特に最近、災害がいつでもあるんですけれども、特に大きな災害がこの数年来続いているわけで、お話聞いていると、人数が足りないのか努力が足りないのか予算が足りないのか器械が足りないのか、そういったことが何が何だかよくわからない。しかしどこか、いい言葉がありませんけれども、ぴりっとしていないというものがあります。これは生命、財産を守るということに対してもう一回引き締めていただきたい、こう思うんです。 観点変えて同じ気象庁に伺いますけれども、国民の生活感覚から遠ざかっているという気象庁を感じるんですが、逃げているという気象庁です。なぜかというと、非常に暗いとか寂しいイメージを持つようになったんですけれども、頑張っていただきたい。例えば梅雨入り、梅雨明け宣言、ことしから何か大変わかりづらい言い方をしているようなんです。上旬の初めとか、何か頭の中でんぐり返って、よく考えてみると何だかわからないというようなことがあったんですが、その背景にいろいろあるとは思います。 一つだけちょっと確認したいんですが、梅雨入り、梅雨明け宣言を誤ったために、そのことによって裁判とか、いわゆる訴訟が起きたようなことがあるのかどうか、イエスかノーかだけで結構です。
○政府委員(二宮洸三君) 一日で申し上げます。 訴訟は受けたことはございませんが、多大な御批判をいただいたことが多々ございます。
○横尾和伸君 そうだと思いますけれども、御批判ぐらいでめげないで頑張っていただきたいと思うんですが、例えば旬の前半とか旬の後半とか、七月上旬の前半とか、それは私もわからないわけではないんですが考えてしまうんです。 例えば、七月の十日から十一日ごろに梅雨が明けた場合にはどういう表現になるのかということが一つと、今国際化時代ですけれども、例えば七月の中旬の後半に梅雨が明けましたということを英語で言うとどういうことになりますか。
○政府委員(二宮洸三君) 私の申し上げる英語がもし間違っていたらおわび申し上げますが、例えば、ザ ラター ハーフ オブ ザ ミドル テン デーズ オブ ジュライと申し上げるかと思います。
○委員長(寺崎昭久君) もう一つ質問がありましたですね。
○政府委員(二宮洸三君) 十日から十一日でございますと、これはやはり、エンドオブザファーストテンデーズオブジュライと申し上げるべきではないかと考えます。
○横尾和伸君 私の質問の仕方が悪かったのですが、英語は一例だけで結構だったと思います。 一つは日本語で結構なんですが、要するに十日から十一日ごろに梅雨が明けた場合、これは日本語ではどういうふうに言うんでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) この場合には、七月の上旬の終わりから七月の中旬の初めにかけてと申し上げるべきかと存じます。
○横尾和伸君 そこで、私は御提案をしたいんですけれども、ラジオを聞いていても、テレビを見ていてもそれではわからないんですよ、急に難しいコーナーが始まったということで緊張してしまうんです。そういうことではなくて、例えば十日前後とか十日ごろということでもう十分じゃないかというふうに思うんですが、表現の仕方はともかく、わかりやすい形で国民の生活感覚に近づいていこうという姿勢といいますか、逃げていこう、暗い、寂しいというイメージじゃなくて近づいていこうという行政が大事だと思うんです。その例として今、この梅雨入り、明けの宣言のことを挙げたんです。 いかがですか、ことしから七月上旬の後半から七月中旬の前半にかけて梅雨が明けましたなんという言い方はやめて、少しすっきりと一言で十日前後とか、何かもっと国民感覚に合う言い方を検討し直してみてはどうでしょうか。提案をしますが、いかがですか。
○政府委員(二宮洸三君) ただいま先生から、気象庁の発表するものがわかりにくい、あるいは暗いという御指摘を受けまして大変残念に思っております。 しかしながら、私どもは、できるだけ国民の皆様に親しんでいただく、またわかりやすい、かつ正確な表現ということは常に工夫いたしておりますのでございますから、現状のものが最善だというわけではございませんので、いろいろなことを考慮いたしまして、これからは、今の上旬、下旬のみならず気象庁の発表します防災情報あるいは天気予報全般について今御指摘いただきましたように国民の皆様にわかりやすいもの、そして、なおかつ正確に内容が伝わるものについてはこれからも改善していく努力を続けていきたいというふうに存じております。
○横尾和伸君 ぜひとも今の御決意をこれから具体化していただきたいと思います。 先ほど地震、津波の件でちょっと一つ忘れた問題がありましたので戻って一問だけ質問したいと思いますが、鹿児島の奄美地方地震の関係なんですけれども、これの誤りの原因の一つに、たしかおわびをしたときの言いわけの一部にあったかと思うんですけれども、名瀬市と喜界島には津波計というのか検潮儀というのか、そういう器械がない、だから判断を誤ったんだというようなこともたしか当時は言われたと思うんです。 それは今は精査してみたら違うのか、あるいはそうであるならば検潮儀の設置状況は全国的に十分なのかどうか、そういう観点からお伺いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) 私どもの発表が先生にどのように御理解いただけるかちょっと私わかりかねるところございますけれども、津波予報そのものは津波が到着する前にしなくてはならない仕事でございます。そのために、津波予報というふうなものは、まず地震計のデータを用いて行うわけでございます。次に、実際に津波が起きたかどうかの確認に検潮儀、これは海の潮位をはかるものでございますが、これによって実際の海面の昇降をはかるものでございます。 今回につきましては、先ほども申し上げましたように、津波予報が出なかったことにつきましては、地震の規模それから津波の判定のところにゃや判断の甘い点があったわけでございまして、それは今申し上げます検潮儀の問題とは直接に関係しないものでございます。しかしながら、一たん発生した津波を実際に海面変動という観点でとらえるためには検潮儀というものが必要でございます。 今回、新たに奄美大島の一点を含みます、それから先ほどの太平洋の南鳥島を含みます何カ所かにつきまして、新たに検潮儀を追加することにいたしてございます。それから、従来の検潮儀についても、その機能アップを図るという計画で現在仕事を進めておるところでございます。
○横尾和伸君 それでは次に、今気象庁からいろいろお聞きしたんですけれども、言葉遣い、ちょっとどういう言葉を使っていいかわからないけれども、要するにぴりっとしてほしいということがあるんですが、精神的なものだけではなさそうなんです。 私、過去二十カ年間の気象庁の予算とそれから定員の資料を昨日いただきました。そして、見てみたらやはり厳しいシーリングがかかっている、特に定員については毎年三十名ないし四十名きちんと定員を削られているんです。機械化によって人が要らなくなったということもあるんでしょうけれども、こんなにきれいに定員を削減していいのかどうか。また予算も、これは災害があったり、あるいは間違いがあったり、そういったことを反省材料にして、国民の生命、財産を守るという観点から必要に応じて予算なり定員の配置をしなきゃいけないんじゃないかと。 こういう観点から、ちょっとこれ縛りがかかり過ぎているんじゃないか。これからは大地震があったり津波があったり、そういうことがあればどういう計器が必要なのかどういう人が必要なのか、そういったことも十分に検討して、毎年ころころ変わるのもどうかとは思いますけれども、いわゆるシーリング予算から真っ先に外すべき分野ではないかと。こういう観点で今、政府においてもシーリングを外す努力はされていると聞いておりますけれども、なかなか結果が出てきません。 そこで大臣、生命、財産を守る気象庁の大事な情報を握るこの分野、まず真っ先に一遍にシーリングが国の施策として外せればそれはそれで結構なんですが、その方がいいんですが、それができないんであれば当面、中身にもよりますが、気象庁の予算のシーリングを外すという決断をされてはどうかと御提案したいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 一連の委員の審議を聞かせていただき、また私からもお答えをさせていただいて、その安全性に対する大変強い御認識に私は感服をいたしております。 気象庁の予算に関しましては、今までも財政当局と厳しい折衝をしながら、要員ですとかあるいはまたそれぞれの必要な経費に関しては必要なところは我々としては確保してきた、こういうことで努力をしてきたところであります。ですから、これからもさらに必要なものは大胆に要求をし、実現をしていきたいと思っております。 また、御指摘のシーリングの問題でありますが、今お話にもございましたとおり、政府の中においてもまた与党の三党の中においても従前のシーリング方式というものはやはり時代の変化に応じて見直すべきではないかというふうな議論も出てきております。ですから、そんなことも踏まえまして、やっぱり大切なものにはぴしっとするというようなことは私はごもっともな言葉だと思っておりますので、そういう経緯を見極めながらそういう中で努力をさせていただきたい、こういうふうに思います。
○横尾和伸君 ことしは災害の年でもあり、またパニックの年でもあります。ことしをいいチャンスにして、大臣の今お答えいただいたことを具体的に実現していただくように御努力をお願いして、私の質問を終わります。
○瀬谷英行君 昨日、憲政記念館でもって首都機能移転シンポジウムというのが行われました。首都を移転しようという問題なんですね。この問題にどういう方が出られたかというと、基調報告には八十島義之助さん、これは国会移転調査会の基本部会の会長さんです。それから、司会がNHKの横島さんで、パネリストとしては国連大学の猪口さん、ジャーナリストの兼高かおるさん、評論家の堺屋太一さん、経団連の副会長の鈴木精二さん、連合事務局長の鷲尾さん、こういった方々が出席をされて大変に中身の濃い議論が展開されましたが、一口に言うと、首都を移転させなければいけない、首都機能の移転を急ぐべきである、こういうことだったわけであります。 首都機能移転というよりも首都を移転するといった方がわかりやすいんじゃないか、こういう意見もありました。どっちにしろ、東京から国会議事堂を初めとする首都機能をどこかへ移すという話なんですよ。その移す場合には六十キロ以内じゃなくて二百キロから三百キロぐらい離れたところにすべきである、こういうような意見だったんです。しかも、これはもう既に決まったことなので、具体的にこれからどんどん話を進めなきゃならないということになりました。 もしこの首都を東京から移すということになりますと、我々は、陸上交通も海上交通も空港の問題も全部それに合わせて考え直さなきゃならぬということになるわけです、当然のことですけれども。そうしますと、いろんな問題が新たに出てくると思うんです。 もしも、この首都を空港のないようなところに持っていったということになると、やはり近所に空港がなければ空港もっくらなきゃならない、それから新幹線がなければ新幹線もつくらなきゃならない、こういうことになる。 例えば鹿島灘とかあっちの方につくったということになると、常磐線には新幹線が走っていませんからね、そうすると、ここへ新たに常磐新幹線をつくらなきゃならぬということになるでしょう。それから、日本海の、例えば新潟から富山、石川、あっちの方に持っていくということになりますと、裏日本を通る新幹線を考えなきゃならぬということになる。整備新幹線どころの話じゃなくなってくるんです、そうすると。もう整備新幹線の問題も御破算にして新たに考え直しをするという必要に迫られるだろうと思うんです。そういうことを覚悟しなきゃならぬだろうと思うんです。 だから、この首都移転という問題は頭の中で想像するだけの問題じゃなくて、そう遠くない将来に我々が具体的にどうしたらいいかを考えなきゃならない問題ということになると思うんでありますが、大臣としての所感はいかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 首都機能移転問題を検討するに当たりましては、今委員御指摘のとおりそれのアクセスというものが非常に大きな問題になると思います。 例えば首都機能が移転しているわけでありますから、国際会議、政治的であれ経済的であれそういうものが開かれるときには海外からの首脳が効率よくそこに到達できる、あるいはまたそこを中心にいろんな人が出入りするわけでありますから、鉄道のアクセスもあるいはまた空港のアクセスももろもろのアクセスが重要なことになってくると思うんです。 これは瀬谷委員御承知のとおり、今調査会において審議をしていただいておりまして、この十二月には大体の一つの方向が出てくる、こういうことでございまして、運輸省といたしましても非常な関心を持ってこの成り行きを今見詰めさせていただいているわけであります。 いずれにいたしましても、御指摘の点は大変重要なことでございますので、そういう調査会の報告等が出た時点では国土庁と連携をしっかりとりながら、そして効率よく、そしてまた国民の負担がそれほど大きくかからない形で、そして首都機能を分散してやはり一極集中というものを排除できるような、そういう体制をつくるために私どもは全力で取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○瀬谷英行君 ちなみに、今までどんな意見があったかというと、もう昭和三十五年からいろんな人が首都機能移転問題に関する懇談会等を開いて意見を述べられております。 〔委員長退席、理事横尾和伸君着席〕 どんなところが候補に上がっているかというと、昭和三十五年には、これは磯村英一さんの提案でありますが、富士のすそ野にどうだろうと。まだオウム真理教問題が起きていない時分だった。だから、富士のすそ野がよかろうと。上九一色村なんというのが候補に挙がったかもしれないんですがね。 その次に、どっちみち東京から離れなきゃいけないというようなことから、例えば浜松近辺がどうだろう、あるいは東三河とか西遠地域がいいだろうとか、あるいはまた名古屋がいいだろうとか。東京−甲府−名古屋−大阪をリニアで結んで、中央省庁を四地区に分散して六千万人の一大都市をつくったらいいだろうとか、こういうような意見もありましたし、それからリニアを使えと、そして二百キロ以内にしたらどうだとか。さらに今度は、北の方へ行って仙台あたりがいいんじゃないかとか、北上がどうだろうとか。非常にもう多岐にわたる意見が出ておるんです。それぞれの候補地、これは我田引水にわたってはいけないから、自分の選挙区を候補に持ち出さないようにしようじゃないかとか、いろんな話が出ております。 しかし、これはだんだん煮詰めなきゃならないんですね。そして、二十一世紀の早々には具体化しなきゃならない問題になっています。 そういうことを考えますと、整備新幹線そのものについても新しい首都に合わせる必要が出てくるわけです。空港だってそうです。もう閑静でいいところだといったって、便利が悪ければしょうがない。 今までの意見の中には、例えば発想を転換して北海道にしたらどうだろうと。土地は十分あるんです。土地は十分あるけれども、余り便利はよくない、そういったような問題があるわけですね。だから、それぞれの主張にはそれぞれそれらしい理由があるんです。しかし、運輸省とすれば、陸海空のアクセスということは大事なことだし、新しい首都には欠かせないことなんです。 そういうふうに考えてまいりますと、これからのこの新幹線の予算も含めて運輸省の予算というのは大変大規模なものになると思わざるを得ません。空港だとか港湾だとか新幹線だとかいうもの、いずれをとっても安上がりで済むものは何もないんですから。そうすると、それ相応の覚悟を決めて予算を計上していくことがこれからの仕事になるというふうに私は思います。 だから、今まで出てきた問題を一つ一つ復習してみましてもなかなか大変なんですよ。安全の問題を考えてみましても、地震はどこで起きるかわからないです。初動態勢が早いとか遅いとかいろんな意見がありましたけれども、初動態勢にそつなく自衛隊を動かそうと思えば地震が発生する前に行ってもらわなきゃいけない、それはできないです。そうすると、どこで起きてもいいように考える必要があるんです。 新幹線の問題でも、先ほどもお話がありましたけれども、やはり私なんかもスピードだけを考えてはいかぬと思うんです。速いことだけ考えて、地震はめったに来ないから起きたら起きたときのことだというんじゃこれは困るんです。だから私は、むしろ安全を考えることを優先しなきゃいかぬ、それでスピードは二の次でいい。日本国内はそんなに急いで行くようなところはないんですから。だから、まずスピードよりも安全である、こういうふうに考えた方がいいと思います。 その点、この新幹線問題については、会社と会社がスピード競争なんかをやられたら非常に私は危険だと思うんですよ。だから、そういう点はだれが一体ブレーキをかけるのかだれが安全を第一にして指導をするのか、こういう問題が出てくると思います。その指導はこの運輸省がやるのかあるいは国鉄清算事業団みたいなところがまとめをするのか。今の仕組みでは会社がそれぞれあるんですから、しかも地域が違うんですから、やり方も違ってくるわけでしょう。こういうことの取りまとめとか指導というのは一体どこが、だれがやるのかということをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 安全性に絡んで、これからの運輸行政の中で非常に重要な御意見でございました。 今、JRが民営化になりまして、それぞれが乗客のサービスということでいろいろな利便性を提供する、こういうことになっておりまして、スピード化もその一つに相なっていると思います。 御指摘の安全性のそういう面が、スピードアップを無制限にやっていくということで大変危険な状況も想定される、その御意見もわかるわけでございまして、じゃそれを主体がどこで指導していくかといいますと、主体的には、今民営化でございましてそれぞれその民営化の会社が独自に判断してやっていることでありますが、そこに安全性ということでまとめながら一つの方向を打ち出していくというのはやはり当省がそれを受け持たなければならないんではないか。今そういう御指摘に対しては、やはり運輸省がそういう任務を負っていくべきではないか、こういうふうに思っております。
○瀬谷英行君 そこで、国鉄清算事業団にきょうは御出席をいただいているわけでありますが、今までの国鉄時代のいろいろな問題、後始末ということが残っているわけですね。借りた金は返さなくちゃいけない、それから場合によってはいろいろと要らなくなったものは売らなきゃいけない、こういうことをやってきているわけでしょう。それが一体どの程度今進捗しているのか、当初の見積もりと現在の進捗状況はどうなっているのかということも、この機会にお伺いしたいと思います。
○参考人(西村康雄君) 国鉄清算事業団が昭和六十二年度に発足いたしまして今日まで八年間たっております。その間に私ども、債務を償還するために土地の処分、株式の処分を行って、これを償還原資に充ててまいりました。 発足当時、私どもが引き受けました債務は、将来費用という国鉄共済の年金負担、これを将来の債務と考えましてそれを込めまして二十五・五兆円でございました。その問いろいろと償還に努めましたが、平成二年度首では二十七・一兆円まで増加いたしました。その後、営団地下鉄の出資等もございまして、平成三年度首には二十六・二兆円、その後累増し、五年度首には二十六・六兆円、現在は二十六・九兆円の債務が残っております。 この間、私どもが土地の処分をいたしました額は四兆一千六百六十億、これだけの土地の売り上げをいたしまして、この売却面積は五千十一ヘクタール、承継した面積が八千八百ヘクタールほどでございましたが、現在残っておりますのが四千二百九十ヘクタールということで、土地の処分は約六割程度進んでおります。それからもう一つ、株式でございますが、JR東日本の株式を平成五年度に一兆円余りで処分いたしました。 こういうことで現在の状況に至っております。
○瀬谷英行君 今お聞きしたら、土地の売り上げは四兆。ともかく二十七兆ということになると、新しい首都をつくろうというこの構想の中で一体どのくらい金がかかるかといういろいろな試算が出ているんですけれども、やっぱり二十兆以上かかっているんです。首都を新しくつくるお金と大体同じぐらいの金が国鉄清算事業団の仕事の中に残っている。 土地を売るといったってそんなに売れるわけじゃないと思うんですけれども、先般も何かニュースに出ておりました。北海道の方で土地を売るというような話がありましたけれども、これはやはり買い手が多くてなかなか大変だったということがあるとしたならば、実績としてはどうなんですか。
○参考人(西村康雄君) 今先生お尋ねの土地の処分、私ども少額物件と呼んでおりますが、これは三百万円以下の土地につきまして処分をしたわけでございます。先般は七十一件、これに対しまして十四万人の方が申し込まれました。最高は八千五百倍ほどの競争になりまして、これらのものは公募して、そして値段をつけておりますので応じられた方を平等に抽せんして当てたということでございます。一番申し込みの少なかったのが四百何倍というような状況でございました。 この結果、旧国鉄の土地を個人個人の方が手にするということ、これは私どもできるだけ広く国民の方に利用していただくという目的に大変がなったことだと思いますし、また、国鉄清算事業団そのものの名前も、そして事業団が何をしているかということも国民の方に紹介することができた、知っていただくことができたと。加えて、国鉄清算事業団が今担っている問題についてもいろいろな機会に御紹介をいただいたことで、少額物件の処分ということが私ども事業団の仕事を進める上で大変ありがたい評価をいただいたと思っております。
○瀬谷英行君 せっかく幾らでも売れるというほど持っているのならば、新しい首都をつくる場合には国鉄清算事業団の方からそっちの方へ少し回してもらうということができればいいんだけれども、土地ばかりは持って歩くわけにいかないのでそうはいかないと思うんです。仮に売れるとしても、首都にふさわしくない場所ではこれは売れないわけでしょう。また、安いからいいと思ったって、閑静でいいけれども時々クマが出てくるとか、こういう場所ではやっぱり困るだろうと思うんですよ。 そうすると、清算事業団の仕事としては今後どのくらいの年月をかけてこれらを償還できるのかという細かい話を聞いていると時間がかかりますから、大ざっぱなところでひとつ見通しなりなんなりをお聞かせ願いたいと思うんです。
○参考人(西村康雄君) 私ども、平成元年の閣議決定で、平成九年度までにその土地の実質的な処分を終了するということを決められております。私どもはその目標に向かって処分を進めているわけですが、実際に申しますと四千ヘクタールほど現在残っております。 そのうちの半分、約二千ヘクタールというのは旧鉄道の防雪林等と北海道等を中心とします廃線敷でございます。この防雪林の方は、先生のお話のとおり文字どおりクマも出るかもしれないような場所にあります。実際に土地の価格もほとんどないに等しいようなもの、そしてまた人が近づくのも非常に困難で、私どもこれを売却困難地と呼んでおりますが、そういう土地もかなりございます。しかし、残る二千ヘクタールの方は、これは各主要な駅前にある土地だとか、あるいは旧貨物の操車場跡地だとかそういう土地で、まだまだこれから一般の利用に適するような土地がございます。 今私どもは、これらの土地のそれぞれの立地条件等あるいは土地の形、広がり、そういうものによりまして需要者を考えながらそういう方々に向けて一生懸命セールスに努めているということでございます。 ただ、全般としますと、やはり各土地の地元の地方公共団体にまず御協力いただくというのが第一番、それ以外の土地につきましては先ほど申し上げましたようなことで一般に公募して売るということでございますが、その場合に特に重要なのは、私どもの土地について一般の方の理解を深めるということでPR、最近は特に新聞広告あるいは私どもから情報誌を出して一々情報を細かくお届けするということですし、また、最近のようにどんどん土地の価格が下落している状況でございますと、土地の価格についても実際に落札できるような合理的な価格で処分していくということも重要だと思っております。 そして、そういうことに加えまして、実際に土地の性質ごとにセールスの仕方あるいは土地処分の仕方、各駅前ですと最近は建物提案というような方式で実際には事業団側が土地をお買いになり建物をつくっていく方のお手伝いをしながら処分していくと、民間ではなかなかできないようなこともやっておりますし、また、大きな土地は都市計画をやる、土地区画整理事業をやって利用に適するようなことも地元の協力を得てやっていくというようなことでいろいろと努力してやっております。 平成九年度までに全体の処分を進めたいと思っておりますが、若干危惧しておりますのは、現在紛争中の土地、こういう訴訟をやっております土地、あるいは都市計画の関連で私どもだけでは進められないような土地、そういうものが若干ございますが、全体としては平成九年度までに何とか買い主を決めるというようなところに持っていきたいと考えております。
○瀬谷英行君 国鉄からJRになってからの経営の中でちょっと不思議に思ったのは、東京駅を初めとする大きな駅には駅長が二人できたわけです。 〔理事横尾和伸君退席、委員長着席〕 大体どこの役所でもそうですけれども、郵便局だって局長が二人いるというのは聞いたことがないし、税務署だって学校だって校長が二人いるところはないです。ところが、東京駅を初めとする幾つかの駅には駅長は二人いる。 二人いなきゃならないという理由はどうなっているんですか。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま先生御指摘のとおり、JRになりまして駅長が二人いる駅が全国に八つございます。それはすべて新幹線と在来線の併設駅でございます。具体的に申し上げますと、東京、小田原、熱海、米原、京都、新大阪、小倉、博多の八駅でございます。 これにつきましては、新幹線と在来線を営業している会社が違うということでそれぞれの責任者ということで二人の駅長ということになっておりますが、当然のことながらお互いに日ごろから連絡をとり合いまして、利用者への案内、それから列車事故等の異常時の場合の相互協力体制などにつきましては緊密な連絡をとるということで支障がないような形になっております。
○瀬谷英行君 明治五年に鉄道ができて以来、駅長が二人というのはJRになってから初めてじゃないかと思うんです。何か事故が起きたりなんかした場合にはどちらの駅長がこの責任をとるということになるのか、どういうふうにするのか、ここら辺のことを我々が考えてみてもわかりにくいんですけれども、そういう場合を想定して駅長の責任分担というのは決まっているんですか。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま申し上げましたとおり、新幹線と在来線が併設されている駅で駅長が二人になっている、在来線の責任者と新幹線の責任者がそれぞれいるということでございます。したがいまして、事故が起きましてもそれぞれ、在来線の方で起きましたら在来線の方が中心になり、新幹線の方で起きました場合は新幹線の駅長さんが中心になってやる、こういう体制だと理解しております。
○瀬谷英行君 東京駅なんかで例えばコンサートをホールでやるとか、あるいは美術展をやるとか、夏になるとあそこに変なものを増築してビアホールをやるとかいうことはありますね。あれらの問題はどの駅長が決めるんですか。
○政府委員(梅崎壽君) 駅によりましてそれぞれ、例えば東京駅でございますとJR東とJR東海の責任のエリアが決められておりまして、そのエリアに従いましてそういう問題は処理されているということになっております。
○瀬谷英行君 JRという体制のいいところと悪いところとあるのかもしれませんけれども、駅長が二人いるというのはまことにややこしいと思うんです。だから、これはやはり、こういうことから考えてみても、一つの駅には駅長が一人という形でもって運営する方が私は自然じゃないかという気がいたします。 今後の問題として、やはりJRには大きな役割があるわけです。安全ということももちろん大事だ。安全を保障するためとこの駅長がどういう配慮をするかということもこれは必要になってくる、お互いに相談をして。連立与党というのは三党が一緒になっているけれども、駅長なんというのは一人でいいと私は思うんです、常識的に考えて。駅長まで連立三駅長なんてそんなのはないですから。これはやはり運営上の問題として、大臣考えてもらいたいと思うんです、将来のJRのあり方として。 それから、例えば共済の問題やら何やら、これは退職者からいろいろな意見が出ています。 過去において外地から帰ってきた人がある、そういうようなことでもって異常に要員が膨らんだということもある。職員の個々の意思にかかわらず、今のようにそでにされてしまったと。この間話を聞いたら、JR時代と国鉄時代は違うんだから昔のことは責任を負わないと、知らぬと、古新聞、古雑誌並みに扱われてしまっているという話を聞きましたけれども、年金なんかの問題は、前の仕事が国鉄であろうとあるいは電電であろうと何であろうとすべてやはり公平にやらなきゃいかぬと私は思うんです。 共済年金の財政の問題に左右されて、将来の年金問題でもって非常に不安を持つとか割を食うとかいうことがあってはならないと思うし、これは年金の一元化ということが今考えられているけれども、一元化の問題になると、それは厚生省だとか労働省だとか、いろいろなところにも受け持ちが分かれていくわけです。そうすると、今のJRはおれは知らないよという、こんなことであってはいかぬと思うんです。一元化という以上は今のJRだって十分に責任を負わなきゃならないというふうに思いますが、それらの点をどういうふうに処理されるおつもりなんですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 鉄道共済に関しましては、瀬谷委員御存じのとおり、その財政状況は非常に厳しいものになっています。私は、かつて大蔵常任委員会の理事をしておりますときに、瀬谷委員ちょっと御指摘のとおり、旧国鉄は戦後満鉄から引き揚げてこられた方々やあるいは戦地から引き揚げてこられた方々を優先的に引き取られた、こういう経緯がありましたために、高齢化社会を先取りするような形で鉄道共済というのは非常に厳しい財政状況になっておりました。そのときに第一段階として共済年金統合法案というのをやったんですが、私が大蔵委員会を代表して代表質問をさせていただいた、こんな思い出を持っております。 さらに、今の現状の中で鉄道共済、公共企業体等の共済というのは非常に厳しくなってきた。こういうことで国もこれを厚生年金と統合して一体化をしよう、こういう一元化の話が今具体的に進んできております。 その中で、基本線といたしましては、給付としては厚生年金の水準を維持するようなそういう水準にしていこうということと、掛金は今鉄道共済あるいは公共企業体等の共済というのは非常に高くなっておりますけれども、これは段階的に解消してやはり厚生年金並みにしていこう、こういう基本線が決まっているところでありますけれども、私もそれぞれから御陳情をいただいて、この一元化に伴って職域の給付の点だとか、そういう問題がまだまだいろいろ未解決の分野があります。 こういうことに関してやはりイコールフッティングでやらなきゃいかぬという前提がありますので、これからいよいよ具体的に一元化の方向に向かって進んでいくところでございますので、私どもといたしましては、そういう推移の中でこの問題に関して側面から皆さん方に御納得いただくようなそういう働きかけもしていきたい、こういうふうに思います。
○瀬谷英行君 もし首都が東京からよそへ移転をするということになりますと、国会だけではなくて関係省庁も一緒にお供をすることになるわけでしょう。それから、国会に関係する問題でありますけれども、外国の大公使館、こういうところももぬけの殻になった東京にいたってしょうがないから、これは一緒についていくということを考えなきゃいけないでしょう。 そういう場合には、例えば皇居の問題も考えなきゃいかぬですね。今、東京駅の前から外国の大公使等が皇居へ時折行かれますけれども、あれは東京駅の前から馬車でもって行くことになっている。そうすると、皇居はどうなるんだろうということも考えざるを得ないんです。そこまでは運輸省の仕事じゃないとは思いますけれども、それらのこともある程度念頭に置かなきゃならぬでしょう。外国の公館、公使館、大使館、そこまで考えると東京はえらく変貌すると思います。 しかし、目的を達するためには東京をスリムにする必要があるんです。今千二百万の人口だけれども、これを半分にすれば東京は今よりは住みよいところになるんじゃないか、こういう気がしますが、そのかわり運賃収入の方はそれ相応に下がってくるんじゃないか、今までどおりの黒字というわけにはいかない面も出てくるんじゃないかという気がします。それを考えると、国土の均衡ある発展ということを我々は考えなきゃいけないと思うんですけれども、人間の減った分東京にだけ穴があいてしまったということでなくて、それらの新しい都会に対してどういうふうに人間が配置されるか。 日本全国を考えて運輸行政というものもやらなきゃいかぬと思うんですけれども、私はやはり過疎地帯に対してもそれぞれの思いやりというものは必要だろうと思うんです。今のように会社だけの責任でもって仕事をするということになるともうけの競争が先に立ちますよ。どうやって稼ぐかということだけです。そうすると便、不便ということは問題外になる。だから、東海道新幹線を見ますとまさに飽和状態です。逆に、これが東北新幹線の方へ参りますと込むのは仙台までで、あと先の方、盛岡の近くになるとほとんど乗客がいなくなってしまう。こういうのが現実なんです。 だから、こういうことを考えていかなきゃならないと思うんですけれども、不便であれば不便であるほど人がいなくなるんです。特に、これは東北地方はそういう感じが強いんです。あるいは日本海沿岸地方もそういう傾向があるんじゃないかと思う。だから、不便になったからといってますます不便にするということは避けるべきではないかという気がいたします。 その一つの例として、この間、碓氷峠の小諸周辺からいろいろな陳情がありました。あそこへ新幹線が通る、長野まで。長野で将来いろんなことがあるんだが、オリンピックやら何やらそういうことを考えて長野まで通す。そうすると在来線は廃止になってしまう。今まで小諸あたりから在来線に乗っていた人は、新幹線に乗るためには新幹線のとまる駅まで何らかの方法で行かなきゃならない。だから在来線は残しておいてくれ、こういう意味の陳情です。 だから、新幹線を新設したために在来線が廃線になるというようなことになると、今までそれを利用していた人は、小諸は一例なのでありますけれども、どうするかという問題が出てきますよ。それを考えないと過疎対策が今度はできなくなってくると思うんですが、そういう過疎地域に対して一体どういう配慮が行われるか。 在来線を残そうとすればその負担は会社の方にかかってくるじゃないか、その負担は一体だれが持つんだということは、これは当然出てきます。それは運輸省としてどういう措置がとられるのか、あるいは清算事業団の方で何とかできるのかできないのか、この辺をあわせてお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(土坂泰敏君) 首都移転の問題につきましては、御承知のように、国会等の移転に関する法律というのがございまして、国会等移転調査会が御議論を重ねてきておられます。平成五年から重ねてきておられまして、今までに中間報告という格好である程度の姿が出ておりますが、それによりますと、三権の中枢機能をそちらに移して新しい政治・行政機能を持った首都にするということで、一種の政経分離が行われるということになっております。およそ当初で十万大規模、最大で六十万大規模の都市ができてくるということで、二十一世紀を目指してそういうものをつくっていくということで、おおよその輪郭が中間報告で出ております。 現在は何をなさっておられるかといいますと、そういう新都市を選ぶときの選定基準、どういう基準でその新都市を選ぶべきかということを今御議論なさっておられまして、それからもう一つが移転の時期の目標、いつまでにその基準に従って移転するということにするのか、あるいはいつから新首都の建設を開始すべきか、この移転時期の目標と選定基準、この二つを御議論なさっている、こういう状況でございます。 それで今、交通の問題が新首都との関係で委員からいろいろ御指摘があるわけでございますが、そのときに新首都に日本じゅうからあるいは今の東京からあるいは全世界からアクセスということが問題になるわけでございまして、選定基準の重要な要素としてそのアクセスの問題は御議論になっているというふうに私どもは国土庁を通じて伺っております。 したがいまして、私どもそれ以上はわからないわけでございますが、当然のことながらそれぞれの専門家が集まっておられますので、交通の問題についても十分それを踏まえた御議論が行われていると思っておりますので、今は、これ十二月に一応の選定基準をお決めになるということでございますから、その結果を待って、それを見て私どもまた国土庁などと相談しながら努力をしていきたいな、こう思っているところでございます。
○瀬谷英行君 私、たまたまこの首都移転問題の方も担当するようになったものですから、いろんな要望が来るわけです。これは中部への首都機能移転といったようなことで名古屋の方から、それから畿央高原といって奈良県とかあの近辺。あの奈良近辺になるとこれはやはり新幹線が通っていませんから、当然もしあそこにできるとすれば新幹線はあっちへ通さなきゃいけないということになってくるでしょう。それらのことを考えますと、これからなかなか大変です。やるべき仕事がうんとふえるだろうと思うんですね。 それで、将来展望としてはまだわからないけれども、差し当たって私どもが見ていて感ずることは、東海道新幹線はよくこんなわずかな時間差でもって走れるものだと思うくらい高速でもってたくさん走っています。もう「ひかり」じゃ間に合わなくなったというようなことで「のぞみ」、これが体震わせて走っているわけですね。「ひかり」より速いからどんなものだと思ったら、揺れが激しいから体震わせなきゃ間に合わないのかなと思ったんですが、これはやはりある程度危険を感じます、こういうのは。もし事故を起こしたらどういうことになるかということを考えてしまうんです。 地震だって、この間は早朝五時何分だからよかったけれども、真っ昼間だったらこれどんなことになったかと。これは新幹線だけじゃないです。在来線も、それから阪神、阪急といったような私鉄も全部同じ日に遭ったと思うんです。そうすると、その場合の損害なんというのはちょっと考えるだけ恐ろしいようなものです。そういうことがこれからもあるかもしれない、可能性なしと佳言えないんですから。可能性があるかもしれないということを念頭に置いてスピードアップも考えなきゃいけないだろうと思うんですよ。 しかし、現在のような飽和状態を何とかしなければならないということになれば、現在の東海道新幹線は、これは「ひかり」やら「のぞみ」やらが追い抜いていくという追い抜きをやめてしまって、全部各駅にして、それで名古屋、大阪へ直行する線路をバイパスのように別途新設をしないともはや阪神地区と関東地区を結ぶルートとしてはもう無理だろうという気がします。 だから今、新しい構想でもって時速五百キロを目指すとかなんとか言われておりますけれども、そんなに私はばか速く走る必要はないと思うんです。たかだか何分、何十分ぐらい倹約してそのために事故を起こしたんじゃ何にもならないというふうに思いますから、今の東海道新幹線のバイパスを別途考える。これは早急にリニアで、無理にリニアでなくたって構わないから別線をつくって、そして阪神地区と関東地区をスムーズに結ぶような線路を考える必要があるんじゃないか。 今は、ずっと先のことを二十一世紀のことを考えるよりも、そういう身近な問題を具体的に考えなきゃいけない。これは会社に任せておいたのではできないと思うんですよ。どうしても政治主導でもって片づけなければ片がっかないんじゃないかという気がいたしますが、それらの問題について運輸省として構想を持っているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(梅崎壽君) ただいま御指摘のうち東京−大阪間の新幹線の別線の問題、すなわち東海道新幹線が容量いっぱいになりました隣どうするかということでございますが、具体的には私ども新幹線の計画の中からいきますと中央新幹線をどうするかという問題になろうかと思います。中央新幹線は、御承知のとおり基本計画路線でございますが、これにつきましては従前から技術上の調査を鋭意進めてきているところでございます。こういう調査によりまして、一つは技術の面から見まして建設の可能性がどうか、あるいは技術上の観点から見てのルートはどうか、こういったような検討を進めておるところでございます。 なお、現実にそういう路線をどうするかという問題はいろいろ関連する問題ございますが、一つは東海道新幹線がいつ輸送力の限界に達するかという問題もございます。この点に関連いたしますと、品川に駅をつくりますと、今一時間当たり十一本が限度だろうと言われておりますが、これが一時間当たり十五本ぐらい列車が出せるだろう、そういうことによりまして東海道新幹線の輸送力を、今のままでも東海道新幹線の施設整備で輸送力の増強はある程度確保できるということもございますので、具体的に中央新幹線をどうするかというのは、まだ東海道新幹線の輸送力の限界はいつかということがよく明確に見通しをしがたいということもございまして、今中央新幹線に関しましてはまだ明確な見通しが立たないという状況でございます。
○瀬谷英行君 問題が起こらないうちに先手を打つようにしてほしいと思います。 それから、午前中からのおさらいみたいになりますけれども、北洋漁業の面でいろいろトラブルがあった、ロシアの船に銃撃をされたと。海上保安庁がいろいろ出ているということなんでありますけれども、海上保安庁の巡視船と海上自衛隊の役割はどういうふうに違うのかということですね。銃撃をされるといったような心配のある場合には、むしろ海上保安庁よりも海上自衛隊に出てもらった方がにらみがきくんじゃないかなという気もするんですけれども、その点はどうなんですか。
○政府委員(土坂泰敏君) もしかすると間違っていたりして申しわけないことで、ただし大事な問題なんでございますが、やはり自衛隊の任務というのは日本の国を守るということにあると思いますし、海上保安庁の任務は警察活動にあるわけでございますので、その任務の性格に応じて仕事はやっていかなければいけないと思いますが、今の銃撃の問題というのは、これはそういう区分にしたときにどちらかというのは有権的に私申し上げられる立場にないんですけれども、基本的にはやはり海上保安庁の方で対処させていただくべきものではなかろうかというふうに思っております。
○瀬谷英行君 行革という点から考えると、私は自衛隊の役割というものも変わってきたと思うんですよ。昔のようにまあソビエトが仮想敵国であったという時代は、やはりそれ相応の役割を内緒で持っていたんじゃないかと思うけれども、今はそういう心配はなくなった。そうすると、行政改革の一つの方法として海上自衛隊と海上保安庁とは同じ仕事をやったって構わないと思うんです。 だから、もしそういう海上自衛隊的な仕事は別だというのならば、保安庁の巡視船に載っけてある大砲みたいなものがありますわな、大砲らしきものが。あれは一体何だということになるんです。やはり海上自衛隊のような役割も事と次第によっては果たすんだということであの大砲を積んでいるんじゃないかという気がするんですが、もしそうだとすればその訓練やら何やらはやっているのかやっていないのか、全くの飾りで本当は撃てないのか、その点はどうなっているんですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 自衛艦が出動するというときには、やはり自衛隊法上また憲法上の制約がそれぞれございまして、やはり完全な自衛権の行使というそういう範囲の中での任務に当たる、そういう筋合いのものだと思っています。 海上保安庁は、今運政局長も答弁させていただきましたけれども、警察的なそういう役割をやるということでありまして、確かに「しきしま」という八千トンの巡視船の上には火器が積んでございます。そしてまた、海上保安庁の現場の職員もいわゆる銃器を携行しているわけでありまして、それに関しては、やはりそういう不法な形で我が国の領海の中で漁船やなんかが領海内で拿捕のそういう現実的な実力行使があったり、または不当に攻撃をしかけてくるようなものに対してはやはりそれは使用を前提としては認められておりますので、そういう中でやはり訓練はやっております。 例えば、携行している銃火器なんかの訓練も、横浜にできました防災センターの地下なんかにもちゃんと射撃場がございまして、その中で定期的に訓練を行う、こういう形で行っていることであります。
○瀬谷英行君 海上自衛隊の仕事と海上保安庁の仕事はどう違うかということになると難しいんですよ。警察的な役割といったって、だからやっぱり武器を積んでいるというんでしょう。大砲らしきものを積んでいて、カバーをかけているだけなんです。すると、あれはらしきものというか、そういうものを積んでいるというのはどういう意味があるのか。威嚇という意味、近寄ると勝手なことをすると許さないぞということになると、その仕事は今度はむしろ海上自衛隊の仕事になるわけです。そうでないとすると、大砲を積む必要はないということなんです。 あれは、積んでいる以上はやはり事と次第によってはこれはただじゃおかないぞというそういう威嚇の意味を持っているんじゃないか。相手が海賊であるとかあるいは不法侵入であるとか、そういう場合に備えてのことかもしれないけれども、そういう意味を持って積んでいるのか、どちらかということがどうも私はわかりにくいような気がするんですね。 だから、任務分担という点では海上自衛隊でも海上保安庁でもどっちでもいいからはっきりさせて、そしてその役割と任務というものをそれこそきっちりさせたらいいんじゃないかという気もいたしますが、その点はどうなっていますか。
○政府委員(土坂泰敏君) 海上保安庁が、海上における警察活動の一環として、犯罪の予防であるとかあるいは検挙であるとかあるいは領海の警備であるとか、そういう任務を持っていることは間違いございませんし、そういう任務を遂行する上で武器が必要な場合もあるということであの武器を備えているということでなかろうかと思います。自衛隊が、本来自衛権の行使のための任務を帯びておることは間違いございませんし、それがまたいろんな格好で民間への協力などもなさっておられるわけですが、自衛隊について私どもの方からその任務の範囲についてどうこうと申し上げる立場にございませんが、やはり海上保安庁は今もいろいろ御指摘のあるようなことについて責任を持っておるのではなかろうかというふうに思います。
○瀬谷英行君 じゃ要するに、大砲は積んでいるけれどもあれは本物じゃないと言うわけにいかないでしょう。本物には違いないですね。しかし、これは余り深く突っ込むと困るだろうと思うからこれ以上私は言いませんが、しかしあいまいに何かされているような気がします。 だから、将来の問題としては、海上自衛隊とも海上保安庁ともやるべきことは似たようなものであるという以上は、その業務分担でもってやはり考えてみる、要らないものはやめていくというのは行政改革の一つの目的だから。海上保安庁は自衛隊の方に任せるなら任せる、海上自衛隊の方が足りない分はおれの方でやるというならやらせるというふうに考えてみたらどうかと、これは一つの行革の方針としてその点を私は提言をして、私の質問を終わりたいと思います。
○筆坂秀世君 沖縄での米兵による少女暴行事件を機に、基地の撤去、縮小というのがこれは大きな政治問題になっています。この縮小、撤去というのは基地だけではなしに空や海にわたっても同様です。 今月の四日、村山首相と沖縄の大田知事が会談をされましたけれども、その際にも日米地位協定の見直し要請に関する説明書というのが手渡されまして、この中で「米軍基地に接する水域や訓練水域、訓練空域が設定されていることから、米軍基地は本県の振興開発の推進及び県民生活の安定を図る上で大きな制約となっています。」というふうに述べて、具体的には地位協定第六条に基づく進入管制業務、これを日本に移管してほしい、取り戻してほしい、こういう要望が出されております。 何で進入管制業務が今米軍に握られているのかといえば、一九七二年五月十五日の日米合同委員会で、「単一施設によって進入管制を行う必要があるので、日本国政府がこれら飛行場のレーダー進入管制業務を行うまで暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施するものとする」、こういう合意が結ばれたと。ここにその原因があるわけですけれども、当時なぜこのような進入管制業務を米軍にゆだねるこういう合意がされたのか、その背景を簡潔に説明していただきたいと思います。
○政府委員(黒野匡彦君) 事実関係は今先生の御指摘のとおりでございまして、「暫定的に米国政府が那覇空港の進入管制業務を実施する」と、こうなっております。当時の事情を今振り返ってみますと、沖縄の返還を受けたわけでございますが、こちらの管制能力、量的にも質的にも必ずしも十分ではなかったということがあってしばらくは向こうにお願いする、こういうことになったと私ども理解しております。
○筆坂秀世君 そういうことですね。 ところが、この合意から既に二十三年たっております。日本の航空管制能力、これは技術的にもあるいは施設という点でも飛躍的に向上しているんじゃないでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) 言われるとおり、技術的にも施設的にも世界におくれをとるという点はないと思っております。
○筆坂秀世君 つまり、当時二十三年前には管制業務を行う能力がなかった、設備も技術的な水準も低かった。したがって、暫定的にですね、しばらくの間米軍にゆだねましょうと。しかし、もう世界各国に比較しても全く遜色ないトップクラスの能力を持っている、設備の上でも技術水準の上でも。そうであるなら、この進入管制業務を日本に移管するというのが日米合同委員会の合意に照らしてこれは当然じゃないでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) 御指摘の趣旨、私どもそのとおりと思っておりまして、五十八年以来機会をつかまえまして返還を要請しているところでございます。
○筆坂秀世君 そうですね。 日米合同委員会の下部機関として民間航空分科委員会というのが設けられておりまして、これによりますと、一九八三年、昭和五十八年、第三十七回の民間航空分科委員会におきまして日本側からこういう要請が米側に対してやられています。「管制施設の近代化を推進してきたところ、関係各位の理解と協力を得て完成の域に達しつつある。」、「管制の技術面においても、」「格段に向上、充実を得てきている」、したがって、今米国が行っている「横田、嘉手納及び岩国の進入管制業務を航空局が引き継ぎ、もって一層の業務の改善とサービスの向上に資したいと考えている。」と、そのための了解があれば年次計画をつくり予算措置も講ずる、こういう決意だということを米側に対して言われていますね。 これに対する米側の回答はどうでしたですか。
○政府委員(黒野匡彦君) 米側からは、米軍の運用上の必要にかんがみ本件返還は極めて困難である、こういう御返事をいただいております。
○筆坂秀世君 実にそっけない返事でして、これは第三十八回、一九八四年の航空分科委員会での米側の回答というのはどういうことかというと、「航空局から提案された横田、嘉手納及び岩国の進入管制業務を航空局が引きうけるとの要望は評価する。しかしながら、航空管制業務は米国軍隊の運用上欠くことのできない重要要件であり、興味あることではあるが、貴局の申し出はお断りする。」と。評価する、興味あると。興味あるというのもまあなんですが、しかしお断りすると。 私は、これは日米合同委員会の合意違反だと思うんです。だって、一九七二年の日米合同委員会の合意のときには軍事上の必要性などという理由は、米側は全く挙げてないです。少なくとも公表された合意ではそうなってないです。挙げているのは、要するに技術的な水準がまだ足りないからだ、施設が劣っているからだと、これが最大で唯一の理由なんです。軍事上の理由なんか全く挙げてないです。ところが今、米国側はどうかというと、軍事上の理由で進入管制業務を日本に移管できないと。これはもう明白に日米合同委員会合意違反だと思うんです。そういう認識は運輸省はおありでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) 合意の違反とまで言い切れるかどうかは別でございますが、私どもといたしましては、返還を求めるべき正当な理由がこちらにはあると思っております。
○筆坂秀世君 当然日本側に正当な理由が、この経過に照らしてもあるいは合同委員会の合意に照らしてもあると思うんです。 これはお願いをしたいんですけれども、この航空分科委員会というのは年二回開かれていますね。ことし七月に既に行われて、予定どおりだと今度十二月に行われる。私は、この十二月の航空分科委員会で、沖縄県の要望に照らしてもあるいは本当に航空の安全ということに照らしてもやはり厳しく、もう日本は大丈夫なんだ、合同委員会の合意を守ってほしい、こういう要望をされる必要があると思うんですけれども、大臣、御見解いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) これまでも米側には日米合同委員会の民間航空分科会を通じて、もう条件は整ったからとにかく日本側に任せてくれ、こういうことでたびたび申し入れをしています。 今御指摘のそういう沖縄の事案もございましたし、私どもとしてはこれからも引き続き強力に要求をしていきたい、こういうふうに思っております。
○筆坂秀世君 十二月の分科委員会ではどうでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) はい、もちろんさせていただきます。
○筆坂秀世君 同時に、私申し上げたいのは、この民間航空分科委員会の構成というのが、日本側代表が運輸省の首席安全監察官で、米軍側が在日米軍司令部第三部部長(J3)、この二人が双方の代表一議長)ということになっているわけですが、やはり私はもう少しハイレベルの交渉を行う必要があるんじゃないかと。例えば日米合同委員会に正式にかけるとかあるいは幸い今月十一月には日米首脳会談も行われます。いろんな問題が話し合われると思うんですけれども、やはりこの問題についてもこういうハイレベルのところでも取り上げるということが必要だと思うんですね。 今、嘉手納RAPCONと呼ばれる米軍の管制がこれは一手に握っているわけですけれども、例えばこれまでだってこの嘉手納RAPCONが故障したために民間機も飛べない、あるいは着けない、こういう事故だって起こっているわけです。 例えば、これは民間航空会社の方が中心になって航空政策研究会というのが行われて、これは一九九三年だったと思いますが、「わが国の空域と管制システム」という報告をおまとめになっています。私、全部読ませていただきましたけれども、アメリカでも軍から民間の管制への移管というのが今ずっと計画的に進められているんですね。まして日本の場合は外国の軍隊に管制業務を握られている。これは全く異常な事態だと思うんです。 私、航空評論家であるとかあるいは元管制官の方であるとか、何人かにお伺いしましたけれども、少なくとも外国の軍隊に、自国軍隊じゃないですよ、外国の軍隊に民間航空機の管制業務まで握られている、少なくとも先進国と言われる国ではこういう事態というのはないと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) 私も全世界のことを承知しておりませんが、余り常識的なことではないことは確かだと思います。
○筆坂秀世君 それだけに大臣に重ねてお願いしたいんですけれども、やはり大臣自身が、例えばアメリカの連邦航空局になるんですか、あるいは日米首脳会談でも議題にしていくと。もっとハイレベルでこの問題、十二月待たずにぜひ取り上げていただきたいと思うんですけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) そういう御意見を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○筆坂秀世君 米軍による日本のいわば空の主権といいますか、これを侵している実態というのはもちろん管制業務だけじゃございません。 これはもうよく知られていることですけれども、これは運輸省にも、こういうものがあります。(資料を示す)沖縄の空というのは、沖縄の空だけじゃなくて横田もそうですし岩国もそうですけれども、いわゆるウォーニングエリアというふうに呼ばれる米軍専用の訓練空域、これによって本当にびっしり埋められている。そのすき間を縫って民間機が離着陸をするというのが、これが沖縄の空の現状だと思うんです。 しかも、それだけじゃなくて、アルトラブというふうに言われます、ある一定期間訓練空域を随時設定する、こういうものもウォーニングエリア以外にこれは随時行われている。ですから、航空地図で見れば、本当にもうすき間を縫って民間機が飛び交うというのが今の実態だと思うんです。 そこでお伺いしたいんですけれども、このウォーニングエリアというのは復帰前からこれはもう設定されていました。復帰以降、このウォーニングエリアというのはふえているんでしょうか、それとも減っているんでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) 今私どもの手元にあるデータでは、一九七二年に十四カ所ございました。それが一九八五年の四月に一カ所ふやしまして十五カ所となっております。ただ、この際には既存のウォーニングエリアのうち五カ所につきまして区域を削減するという措置をあわせてとっております。
○筆坂秀世君 つまり、削減措置はあったとしても、復帰時には十四カ所だったウォーニングエリアが、一九八五年ですか一カ所ふえて十五カ所になっている。つまり、縮小してほしい、こういう空のいわば障害を取り除いてほしいというのが、これはもう沖縄県民だけじゃないです、当然日本国民だれもがこんなものはなくしてほしいという願いだと思うんです。ところが、それがふえている、一カ所。これが今の実態だ。ですから、沖縄県知事がこれは何とかしてもらいたいというふうに要望されるのは私は当然だと思うんですね。 しかも、アルトラブはどうなんでしょうか、ふえているんじゃないですか。
○政府委員(黒野匡彦君) アルトラブと申しますのは、臨時に一定の空域を制限して特定の目的に使う措置でございますから、ウォーニングエリアのように長期間にわたって専用的に使うのではございませんから、ちょっと性格が違うと思いますが、数としては傾向としてそんなに高低はないかと思いましたが、その必要に応じまして全体の安全等を調整しながら認めているということでございます。
○筆坂秀世君 これは全運輸省労働組合の沖縄航空支部が八七年にまとめられた資料によりますと、一定の高度、空域、経路、これをブロックする臨時の専用空域、いわゆるアルトラブ、これが年間約一千回に上っている。大体この数年間を見ますと八百回とか九百回とか、多いときには一千回ぐらいとか、これは相当な数です。一年三百六十五日で大体米軍は日曜日休みますから、ですからやはり一日平均すれば三カ所ぐらいのこういう臨時の軍事専用空域が設定されておる、ウォーニングエリア以外にね。これはもう非常に危険な事態だと思うんです。 ところが、このアルトラブがいつどの空域、どの高度あるいはどの経路で設定されているか、これについて公表はされているんでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) アルトラブを設定したところにつきましては、管制部の方からその付近に入りたいという航空機に対して注意を促すという措置をとっておりますから、例えば何月何日との空域がアルトラブになっていますということを前広に通告するということはしておりません。
○筆坂秀世君 そうですね。公表されていないんです、アルトラブというのは。知っているのは、アルトラブを設定したいという米軍側とそれを受けてオーケーですと言った運輸省側と、この両者だけです。例えば雷雲が発生したとか、緊急避難しなきゃいかぬというときには、その時点で民間航空機は連絡をとって、いやこの空域はだめです、今アルトラブになっています、かかっていますよということになるわけです。 しかし、どうにもならないような、そのアルトラプが設定されている空域に緊急避難しなきゃいけない、そういう事態というのはこれは当然あり得ることなんです。そういう事態が何回あったか頻度が高いか低いかはともかくとしまして、そういう事態は当然あり得ることなんです。 何もこれは軍事作戦やっているわけじゃないでしょう、訓練やっているんですから、訓練空域なんですから。そうであるなら、このアルトラブについていつ、どの高度、どの空域、どの経路でやっているのかというのを私は公表して何ら差し支えないんじゃないか。安全性確保ということからいえば、これは事前に知っておいた方がいいわけですから。操縦士があそこはだめだ、緊急避難できない、ここも緊急避難できないということをわかっていた方がはるかにこれは安全性を確保できるわけですね。だから当然公表すべきじゃないでしょうか。
○政府委員(黒野匡彦君) 私ども、空の管制を一元的にやっておりますから、個々の航空機がどこに飛びたい、どういう経路で飛びたいということはすべて把握しております。したがいまして、個別の対応で従来のところ特に問題は生じておりませんものですから、現時点におきまして特にそうしなければいけないという問題意識は持っておりません。
○筆坂秀世君 先ほど御紹介しました航空政策研究会の報告を見ましても、どういうことを書いているかといいますと、「制限空域については、管制機関と空域管理機関(米軍)との直接連絡方法がない場合が多く、必要時に即応できない状態となっている」、こういうふうに述べています。 あるいは別の箇所では、「沖縄においては、周囲のほとんどを試験・訓練空域に囲まれており、公海上には、ウォーニングエリアと呼ばれる訓練空域でもなく、制限空域でもない米軍用の空域が存在して民間機の運航空域を圧迫しており、このように他国の軍隊に領空の通行権を確保されていることは、望ましい形態ではないと思われると。」、これは民間航空会社の方々の率直な意見だと思うんです。 今、航空局長は支障はないというふうにおっしゃったけれども、そこで伺いますが、自衛隊が臨時の訓練空域を設定する場合がありますね。そして、ある空域や高度をフロックする。これは事前に防衛庁から運輸省に要請があって、そしてその空域はどこなのかその高度はどこなのか、あるいは経路があるものであれば経路はどこなのかということが航空路誌によって二十八日前に公表されているんじゃないですか。私はその航空路誌の一部を持ってきましたけれども、これで公表されていますでしょう。これで二十八日前に自衛隊の訓練空域については周知徹底されているんです。何でかといったら、安全性を確保するためです。 自衛隊機の訓練空域は二十八日前、約一カ月前に周知徹底するけれども、米軍のやっについては尋ねてくるまで、緊急避難の要請があるまでこれは全く知らない。どう考えたってつじつまが合わないじゃないですか。だったら、自衛隊機の訓練空域は何で一カ月前に周知徹底するんですか。安全性確保のためじゃないんですか。
○政府委員(黒野匡彦君) ウォーニングエリアもそれからアルトラブも含めまして、この設定する段階から民航機との安全性をどう保つかということを判断した上で我々は協議に応じているわけでございます。したがって、安全についてどこまで措置をとるかという程度の問題かと思いますが、今の段階におきましては、ウォーニングエリアとアルトラブにつきましては今の状況で特に大きな支障はないと私どもは思っております。
○筆坂秀世君 じゃ、何で自衛隊は公表するんですか、周知徹底するんですか、自衛隊の訓練空域は。
○政府委員(黒野匡彦君) 一つは、二十八日前というかなり前広にわかりますものですから技術的に公表が可能だということに加えて、念には念を入れてということではないかと思います。
○筆坂秀世君 それはおかしいな。だって、日米合同委員会の合意で、これは一九七五年五月、何と言っているかというと、「米国政府は、軍用機の行動のため空域の一時的留保を」、アルトラブですね、「必要とする時は、日本側が所要の調整をなしうるよう、十分な時間的余裕をもって、その要請を日本側当局に対して行なう。」、こうなっているんです。だから、自衛隊機だけじゃないですよ。米軍のアルトラブだって所要の調整が行えるよう十分時間的余裕を持って行うというふうに日米合同委員会の合意で言っているじゃないですか。 だったら、何で米軍の方は公表しないんですか。自衛隊だけ公表して米軍は公表しないというのはどう考えたって矛盾があると思いませんか、あなた。
○政府委員(黒野匡彦君) 米軍との関係につきましては、所要の調整に必要なだけのインターバルを持って連絡をもらうということは、先生今おっしゃったとおりでございます。 その調整をした上で、今おっしゃったような航空路誌にまで出すというだけの時間があるかどうか。それはかなりケース・バイ・ケースで難しい場合もございますし、繰り返しますが、そもそもの設定の段階におきまして安全について十分配慮した設定をしているつもりでございます。
○筆坂秀世君 あなた、おかしいよ。だって、航空路誌に載せるのに間に合うか間に合わないかというふうに今おっしゃったけれども、じゃ米軍側は日米合同委員会の合意を守っていないということじゃないか、十分前もって要請すると言っているんだから。もしぎりぎりになって航空路誌に載せられないというふうな事態でアルトラブの設定を向こうが求めてくれば、断ればいいんです。なぜなら日米合同委員会の合意があるじゃないですか。そんな急に言われたって困る、航空路誌に載せられないと言えば一言で済むことじゃないか。そうなんじゃないですか。
○政府委員(黒野匡彦君) 運用といたしまして、その調整に要する時間ということをお互い合意してやっております。したがって、航空路誌云々ということとは別だという理解をしております。
○筆坂秀世君 大臣、先ほど来ずっと午前中からの審議の中でも安全性の確保ということが各委員の皆さんからも強調されましたし、大臣からも強調されました。 今の航空局長の答弁を聞いていただいて、自衛隊の訓練空域は安全性確保のために二十八日前に周知徹底する、米国側のアルトラブについては周知徹底しない、公表しないと。これはどう考えたって矛盾があるわけです。やはりこの問題というのは日本の空の安全の根幹にかかわる問題です。沖縄だけじゃないですから、岩国もしかり、横田もしかりですから。 ですから、この問題も航空分科委員会でもいいですし、あるいはもっとハイレベルのところでもいいですし、せめて自衛隊並みに、アルトラブなんか少ない方がいいと思いますけれども、やる場合には少なくとも周知徹底するということを米側に求めるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、航空局長から御説明をいたしまして、すべて空を飛んでいる民間航空機に関しましては我が国の管制が十分に事前に把握をしておりまして、今の段階では適切に連絡をとって安全上今までは全く支障がないという形で来ております。 しかし、確かにそういう御指摘の点もあると思いますので、十分私どももそのことは検討させていただきたい、こういうふうに思います。
○筆坂秀世君 最後に、精神障害者の運賃割引問題についてお伺いしたいと思うんです。 これまで知的障害者でありますとかあるいは身体障害者、この方々に対する運賃割引が実施されて、これは大いに喜ばれております。今一つ残っているのが精神障害者に対する運賃割引です。この問題については、三年前に私どもの小笠原貞子議員が取り上げまして、当時、奥田敬和運輸大臣が前向きに対応しなければならない、こういうふうに御答弁をされております。 今、この運賃割引が実施されている場合にも百一キロ未満については対象になっていないという問題があります。この問題については、亀井運輸大臣が、これはことしの運輸委員会ですけれども、奥田大臣以来この百一キロ未満の問題については前向きに対処するということで検討したいと言ってきましたし、いつまでも放置するわけにはいかないというふうに答弁をされています。 聞きましたら、運輸省も厚生省に対して、精神障害者の割引をする場合にどういうふうにやるのかという御相談はされておるようでありますけれども、やはりこれまでの答弁に照らしても、そろそろ百一キロ未満の制限の撤廃、そして精神障害者に対しても割引を実施するという決断をされるべき時期に来ていると思うんですけれども、大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のとおり四年前に奥田運輸大臣が前向きに検討したい、こういう答弁をされております。また、亀井前運輸大臣も同様の趣旨でお話をしておりまして、この問題に関しましては、我々といたしましても今厚生省といろいろな問題を詰めさせていただいておりまして、さらによく詰めさせていただいて、その検討方を鋭意努力してまいりたい、こう思います。
○中尾則幸君 参議院フォーラムの中尾則幸でございます。私が最後の質問でございます。あと三、四十分おつき合いいただきたいと思います。 先ほどから諸先輩の熱心な運輸行政に対する御質疑を伺っておりました。特に大臣の、何よりも運輸行政は安全確保を最大の使命とする、このことを繰り返し伺いまして私は大変心強く思いました。村山総理誕生のときには人に優しい政治と言われましたが、このところその人に優しい政治がちょっと影が薄いなと思って心配しておったところ、大臣の、やはり人の安全、人に優しい政治を実現したいという、大変期待しておりますので、どうぞよろしくお願いします。 そこで、大臣も既に御存じだと思いますけれども、最近、特に大型バスの事故、安全対策が問題となっております。一昨日のNHKの「クローズアップ現代」という番組でもこの問題を特集しておりまして、安全対策に警告を発しておりました。 交通事故は、御存じのように昭和四十五年、第一次交通戦争と言われまして亡くなった方が一万六千人余りを超え、その後昭和五十年代には一万人を切り、少しは交通抑止の政策がきいてきたかと思いきや、このところ数年来さらに一万人のいわゆる悲しい犠牲者を出し続けております。 私は、きょうはその大型バス事故に絞って御質問申し上げたいと思います。まず、三点の例を取り上げさせていただきます。 皆さんも御存じのように、八月十日でございます。テレビの報道で御存じの方がいらっしゃると思います。私も見ておりました。バスというのはこんなにもろいものか。これは八月十日、東名高速道路、大型観光バスがトラックに追突されて大破、もう屋根が全部吹っ飛んじゃって座席がむき出し。社会見学に行かれたお子さんお一人、そしてバスガイドさんあるいは乗客の方合わせて三名が亡くなり、小学生ら乗客四十名が重軽傷を負いました。 それから、九月十七日でございます。関越自動車道で、これは高速バスが前方で発生した事故を避けようとして道路左側の側壁にぶつかりまして、これも七人の方が投げ出された。それで、運転された方が亡くなっておりまして、乗客二十九名が重軽傷。 さらには、先月十月二十五日、これは東名高速道路下り線のパーキングエリアから本線の走行車線に進入してきた車両を避けようと、これは多重衝突事故でございまして、後続のバスが大型トラックに追突した。これは七台の多重衝突事故で、バスの運転者など二人死亡、四十四名重軽傷。相次いでこういう事故が起きております。 私が指摘したいのは、観光バスや高速長距離バスの車体がこれほどもろかったかな、なぜ屋根が吹き飛んだり、あるいは運転席がいとも簡単につぶれるような構造になっているのかなと。私の調査で、これは正確性ちょっとわかりませんが、特に運転手さん、ちょっとした事故でぶつかって死亡につながるケースは一年間で四件ほど起きているやに私は聞いております。 この一連の事故、私は、デラックス化が進んでハイデッカーあるいはスーパーハイデッカーという、バスのいわゆる乗客といいますかニーズが高いものですから、その反面車体の強度がかなりおろそかにされてきているんではないかと思っておりますが、今回、あるいはこれまで続いておりましたこの一連のバス事故に対して、運輸大臣はどのような御感想といいますか、この事故に対してどのような受けとめ方をされているのか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 中尾委員御指摘のとおり、最近起こりました三件の大型バスによる事故、バスというのはやはり大量輸送、そして高速輸送の現代のニーズに欠かせない輸送手段でありますが、しかし、こうやって立て続けに大きな事故が起こったということは、私どもとしては大変深刻に受けとめているところであります。 そこで、検討委員会というものを設置させていただいて、今我が省も入りまして一生懸命にその検討を進めているところでありますけれども、やはりバスというのは大量の人が乗って、そして今高速道路時代に高速で運行するそういう輸送手段でございますので、安全面という面について今徹底した分析を行い、その対策を講じているところでございます。
○中尾則幸君 今の大臣の御答弁でありますと、当然、八月十日の屋根が吹っ飛んだ、小学生が亡くなった、三名が亡くなった事故についても構造を含めての事故分析はやられていますでしょうか。
○説明員(南戸義博君) この八月の東名の事故は、防音壁にバスがぶつかって屋根が吹き飛ぶという非常に異例な事故でございます。この事故について、そのときの被害とどういう関係にあったのか、非常に貴重な事故として今、事故総合分析センターというのがございますけれども、そこで徹底的に調査をしていただいているところでございます。
○中尾則幸君 気持ちはわかりますけれども、貴重な事故という表現というのはなかなかやっぱりなじみが薄くて、貴重な資料にして、そういう気持ちでは受けとめておりますので、言葉じりをつかまえるわけじゃないですけれども、痛ましい事故でございます。 続いて、この最近の事故は、先ほどもちょっと私は触れましたけれども、床を高くしたハイデッカー、二階建てバスあるいはスーパーハイデッカーという大型バスに目立っているわけございます。 平成四年三月の運輸技術審議会から、バスやトラックのキャブ、車体強度について検討すべしという答申が出されております。バス車体の安全基準、これは一般の乗用車と比べてほとんどないに等しいわけでございます。ABS、アンチロックブレーキシステムですか、制動、抑えるという、一部には進歩というんですか見られますけれども、ほとんどないに等しい。 特に軽量化が進んだ、バスのあれは何か総重量が二十トン。そうすると、今カラオケはついている、トイレはついている、冷蔵庫はついている。重くなっちゃうものですからどこにしわ寄せがいくかといいますと、やっぱり柱が非常に弱くなっている。ピラーというらしいんですね。ですから、屋根も支え切れず吹っ飛んじゃう、乗客も飛ばされていくという、こうなっているわけです。 これも、かつてのバス事故では考えられなかったことでございまして、先ほどもどなたか先生がおっしゃった、このようなもう時代が変わっているのに、平成四年の運輸技術審議会から時代はもう既にどんどん先に行っているよ、待っていられるかいというのは私はそのとおりだと思うんです。 さて、この車体の構造上大変問題があると思いますけれども、これについて運輸省はどうお考えですか。
○説明員(南戸義博君) 平成四年の運輸技術審議会で、将来の自動車の安全性の確保のための技術方策ということについてまとめられております。それ以前におきましても、バス関係については、例えば座席ベルトの装備とか、あるいは先ほど先生もお話しありましたブレーキ関係とか、あるいは内装材の難燃化とかいろんな対策をしておりますけれども、その強度等についてもまずは非常に衝突事故が多い乗用車について優先して実施しておりますが、バス等についてもその衝突安全性について向上するべく研究をすべしというような答申をいただいておりまして、今後取り組んでまいらなきゃいけないというような考えでございます。
○中尾則幸君 これ平成四年ですよ。検討すべしって、ほとんどこれ、申しわけないんですが余り検討した跡が見られません、正直言って。これはまさかこうなるとは思っていなかったんです。だからといって、私は運輸省の揚げ足を取るために質問しているわけじゃないんです。ですから、気がついたらもう早急にやりましょうと言っているんです。 さて、乗用車の場合は今御説明ありましたけれども、昨年の四月一日から、時速五十キロでバリアというコンクリート壁への衝突実験が義務づけられました、メーカー側に。もちろんバスの場合はございません。検討はしていないわけです。いろいろ聞きましたら、バスの場合は一台つぶすのにお金がかかったり、バリアをつくるのに十億円もかかるというんですね。同じ条件で何回もやらなきゃいけない。しかし、これから続発が大変心配されて、幼い子供の命がなくなったり運転士さんの命がなくなったり、それを考えてみると、だれも事故を起こしたくてやっているわけじゃないんです。不測の事態に備えてやっぱり今の弱いバスの車体の強化をしてはどうかということを私は指摘しておきたいんです。 さてそこで、ヨーロッパ、EC諸国ではバスの車体の強度基準を決めているところがあると聞いています。特にバスのロールオーバー、横転、これは一昨日NHKでも映像でやっておりました。ECEのR66という規則らしいんですが、イギリスでは一昨年から国内法でもう義務づけているそうです。くしゃっとなりますから、生存空間を確保しなかったら逃げ出せない。これはヨーロッパの道路の特殊事情等もあるでしょうけれども、そういったいろいろな問題をはらんでいると私は思うんです。 さて、新型バスの事故、乗客もさることながらまず運転士さんがいとも簡単に亡くなっていくんです。私は関係者に何人か伺いました。ある人は、今の低床型のバス、これは地面から六十一センチだそうです。普通のトラック、これは差はあるでしょうけれども大体一メートル。初めは格好いいと思ったというんですね。しかし強度が、バンパーがいわゆる鋼鉄製じゃないですから、重いですからグラスファイバーだからもう当たるとたちどころにつぶされるというんです。肝心の生命を守る運転士さんが先に死ぬというんですよ。ある人は、我々は棺おけの中で運転しているというんですよ。これは私は悲痛な叫びだと思いました。 さて、事例を出してみますと、これは昨年の事故ですね。九四年五月二十六日、これは千葉県内の国道の事例です。JRバス館山支店のスーパーハイデッカーバスと普通トラック一・五トンが正面衝突しました。そのバスの運転士さんが亡くなりました。それで一方、普通トラックの運転士さんは不幸中の幸いで重傷で終わったんです。普通だったら今まで逆だったんですよ、正面衝突した場合。先ほど申し上げたように、このバスの運転席は地面からの高さは六十一センチ、トラックの場合九十七センチ。それで急遽、応急手当てとしてバンパー部に厚さ一・六ミリメートルの鉄製のパイプを巻きつける、そのようなことを施しているというような事例も見当たります。 さて、私が聞きたいのは、運転席がもう生存空間が確保されない、当たればもう終わり、棺おけみたいなものだというその低床席の見直し。そしてもう一つは、当然その生存空間、これは例えば座席を後方にスライドさせる方法もあるだろうと言う人もいるんです。ところが、後方にスライドしてまた戻ってきたらどうするんだといろいろありまして、この二点について具体的な今どんな対策を立てようとするのかお答え願いたいと思います。
○説明員(南戸義博君) 低床式でございますけれども、高速バスとか観光バスというのは、先ほども先生お話しありましたように、乗客にとっては眺望がよいとか、あるいは都市内の路線バスについては高齢者等の乗降が容易だというようなことで低床運転席というのは昨今導入が進んでいるというような状況でございます。 また、安全面については、先生御指摘の問題はもちろんあるんですけれども、運転手にとって前をよく見るという意味の視界という意味では非常に視界が確保しやすいというような点もございます。しかし、現に正面衝突、追突、いろんなことでバスの前の部分に大きな破損が生じて運転者の安全性が阻害されているというようなことでございますので、この低床式の高速バス等の安全性についてはやはりこの際見直す必要があるというふうに考えております。 それから、生存空間の確保は、こういった衝突安全を考える場合に非常に基本的な対策であるというふうに考えております。先ほどの、衝突したときには運転者の席を後ろの方にスライドさせるというようなアイデアもあろうかと思いますが、そのスライドさせる場合には、衝突した場合には人体が前に加速度で動いていきますので、それをさらにスライドさせると加速度という意味で非常に過酷な状況があるので、むしろクラッシャブルの構造を運転席の前につくるという方が一般的な対策としては考えられるんじゃないかと思っております。ですから、バスの前部の安全性についても、この生存空間をどのように確保するかというようなことについて今後諸外国の規定等も参考にしながら検討してまいりたいというふうに思います。
○中尾則幸君 今、諸外国の例を参考にと言いますけれども、具体的な例ございますか。
○説明員(南戸義博君) 例えば、席をスライドさせるというようなことについては欧州のメーカーが一つ検討はしているということでございます。加速度的には非常に厳しいというようなことも想定されますが、そういった問題をどのように解決していくかというようなことは、やはり欧州のそういったメーカーの研究実績も参考にしてみたいというふうに思っております。
○中尾則幸君 安全基準、先ほど言った技術審議会の答申の後、具体的なあれが残念ながらなされていないから、私はここでちょっと整理をしたくて細かいことに及んで伺っているわけです。 例えば、運転者の安全確保のためにハンドルの問題がございますね。衝撃を吸収する弾力性のある材質だとかいろいろ言っています。大手四社、二社がもう既に標準装備をされている、あとの二社も検討中あるいは開発中というふうに聞いていますけれども、これについてはどんなふうになっていますか。
○説明員(南戸義博君) 先生御指摘のとおり、高速バス等の衝撃吸収のためにハンドルが変形しゃすいような構造を一部採用を始めているというところが二社ございます。こういった新技術も、今後全体に広げていく場合にどのような効果があるのかを再確認し、運転席の安全対策の向上のために引き続いて私どもも検討してまいりたいというふうに思っています。
○中尾則幸君 それから、いろいろ言われています、先ほど二点式シートベルトと言いました。三点式のベルトがより安全だということは、これはもう専門家の言をまたないでも言えると思うんです。あるいはエアバッグ、これはいろいろ聞きましたら、乗用車の場合はこういう角度でやりますからエアバッグは効果がある、今のままのバスのあれは前向きなんでエアバッグが果たしてきくかというようなこともありますけれども、そこの点についても当然もう今研究といいますか調査をやっていらっしゃいますね。
○説明員(南戸義博君) 今のシートベルト、現在、基準では二点式が規制としてかかっておりますが、三点式というのは、やはり衝突した場合に体が前にのめらないという意味では非常にすぐれております。したがって、バスにも三点式が特に運転席等について採用できないか。 あるいはエアバッグ、一応技術的に、先生御指摘のとおり乗用車の技術そのものを採用すればなかなか効果は期待できないんですが、バスなりにハンドル部分についてどのような工夫をすればエアバッグがバスにも適用できるのか、その辺については検討課題だというふうに受けとめておりまして、メーカーとも一緒になって検討を始めつつあるところでございます。
○中尾則幸君 先ほどちょっと聞き忘れたんですけれども、バスの車体の強度基準をつくっているイギリスの例を私も紹介したんですけれども、ノルウェーの場合はルーフ強度、いわゆる屋根の強度の基準があるそうで、十トンの荷物を均等に加えた際に重みでしょうね、ルーフが十分な強度を有しているか証明しなければならないというふうなことがあったり、諸外国ではバスの安全性、乗客保護について随分いろいろな角度からやっていらっしゃるようです。 日本は逆の方向を走り始めたなと。やっぱり快適性を追求する余り、先ほど大臣も言いましたけれども、新幹線の話もございました。余りにも快適性を追求するのでどこかに忘れていったんじゃないかなと。私は教訓だろうと思うんですが、先ほどの話に戻りますけれども、この横転実験あるいは衝突実験、前面の強度基準をどうするのかというのは、やっぱりある実験に基づかないとなかなかこれ判断できないと思うんです。若干お金はかかりますけれども、私は、たとえ十億円かかろうが高い値段だと思わないんですが、これについてはいかがでしょうか。
○説明員(南戸義博君) 確かに、ノルウェー等におきましては、屋根の部分に対して十トンぐらいの負荷をかけて試験をしているということでございます。しかし、先ほどのECEのR66というのはヨーロッパ全体で基準をつくったわけでございますが、現在英国で採用しておりますが、ほかの国についてはまだ基準として採用するかどうかを検討中でございます。 世界的に見まして、こういった衝突安全、あるいはバスが転落したとか横転した場合の基準というのは、本格的にはこれから取り組みつつあるというような状況かと思います。衝突したときにどのようにその被害を評価するか、あるいは対策をとったその対策が衝突安全上非常に効果があるかどうかその評価をしなきゃいけないんですが、その評価基準というのは必ずしも今国際的にこういった方法がいいというものがあるわけじゃございません。そういった意味で、評価方法自身も含めて、今後対策の検討と同時に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○中尾則幸君 国際基準とおっしゃいました。そんな余裕おありでしょうか。私は違うと思うんですよ。今実際に起こっている。詳しい原因の分析は、これから横転実験あるいは衝突実験をしなきゃいけないでしょう。バリアをつくると言ったってやっぱり予算措置も伴うでしょう。しかし、こうやっていろいろ乗客の安全性あるいは運転者が次々と犠牲になっていくことを見て、これは検討というよりも、今できることは何か、それを私は伺いたいんです。 根本的な例えば問題を解決するんなら、諸外国の例もいろいろ調査され三年ぐらいかかるでしょうか。ある行政調査会で、日本の官僚は優秀だから大体のことは三カ月でマスターするそうです、そうやって聞きましたけれども、そのような優秀な皆さんがやれないわけがないんです。具体的に今この事態に対処するために、運輸省として例えば、先ほど大臣のお話にありました検討委員会を設置して分析する、これ時間がないんです、これについてやれるものはいつごろをめどにどういうふうにしますか、今できるものはあるんですか。
○政府委員(山下邦勝君) 今委員の御指摘のとおり非常に重大な問題でございますから、まず第一にやらなければならないのは、今のものを使ってもやれること、これはシートベルトの徹底、これは乗客の皆様方に協力を求めなければいけないわけでございますから、最初に乗るときにお願いをする、飛行機のようにお願いをする。これは徹底をしてまいりたいと思っております。 それから、今度は、運転者側がぶつかるのを避けるためには、一番必要なことはやはりスピードの問題と車間距離のことだろうと思います。これらについては、我々もバスの運転手の労働組合の方々などの意見を聞いておりますが、ちょっとあけるとすぐ割り込みがあってかえって危ない面もあるんでということでございますけれども、そこはプロの腕でございますから、できるだけそこをとっていくという運動を直ちにやりたいと思っておるところでございます。 次に、例えば今部長の方から申し上げましたシートベルトの改造の方法、それからエアバッグでございます。これらについては、単体のものとしていろいろ研究はできると思いますから、できたものから逐次実施に移していきたいと思っております。
○中尾則幸君 交通事故のあれ、いろいろ原因ありますね。人、車、道路環境、私もいろいろ分析し、私もかつて報道記者で数十年交通事故の現場を見てまいっただけに、どうもヒューマンエラー、やっぱり損害保険のあれでしょう、恐らく警察庁、どうしても例えばシートベルトをつけていないとかそれはもちろん重要ですけれども、その構造的な例えば社会背景、これについては交通統計ありますけれども、非常に残念ながらヒューマンエラーに帰しているんですよ。 ですから、それはシートベルトをつけましょうというのはいいんですけれども、これは構造に問題がある。例えば構造で、余り強くしたら相手とぶつかったら今度は相手をつぶす、そういういろいろな道路環境も含めて、時間がございませんのでまたやりますけれども、そういうことじゃないでしょうか。 私はそう思っているんです。だから、いつできるというのはもう聞きません。検討というのはわかりました。わかりましたけれども、最後に、この問題について大臣、私は専門家じゃございませんけれども、実際に起こって、さらに拡大していくおそれがある。これはマスコミも警告し始めたんです。この問題についてはメーカーだとか、あるいは運輸省もそうです。先ほど言いましたね、バス事業者、運転者の代表、学識経験者、一気に検討委員会をつくるというけれども、いつまでに、例えば年内までに方向を決めるとか、三月年度内、この年度内に少なくともバスの運転者保護の方策を暫定措置をとりたいとか、それが私は行政の、先ほどから大臣が言っている安全を確保する、人に優しい運輸大臣、私はこう思うんですが、その観点からこの問題についてお答え願います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに委員御指摘のとおり、やはり構造的な問題もこの問題では早急に検討していかなきゃいかぬ、こういうふうに思っています。したがって、それぞれ企業というのは採算性等を重んじる余りなかなかそういうことも進まないという面もありますけれども、できることからとにかく早急に結論を出して、そしてできることは何かということを整理して、そして対策を講じさせていただきたい、こう思っております。 私もこの三月に自分自身が交通事故に巻き込まれまして、時速八十キロでモノレールの橋脚に正面衝突しました。私は事故をその後ろから見ていましたから、肋骨と手首を痛めたぐらいで済んだんですが、運転をしていた私の事務所の者が、本当だったら即死をしていたんですが、たまたまエアバッグを装着していた車でありまして、そのエアバッグが瞬間的に作動して、眼鏡が押しつけられて目の周りにくまができただけで何でもなかったわけです。 ですから、やはりハンドルの形状や何かで、エアバッグの装着というのは今の概念では難しいかもしれませんが、これは必ず技術的に解決できる問題ですから、私はそういうことも含めてやっぱり検討してもらいたい、こういうふうに思っています。
○中尾則幸君 念を押すようですけれども、安全基準、保安基準を早急につくる方向で努力願えますか。ちょっとお願いします。
○説明員(南戸義博君) 検討委員会は、先生おっしゃいましたように、学識経験者、運輸省、バス事業者、運転者、メーカー、こういった方たちに集まっていただきまして、今月中にも検討委員会を開催し、対策がどのようなものができるか早急に検討してまいりたいと思っています。その中で、基準化すべきものについては基準化を検討していくということで対処してまいりたいと思っております。
○中尾則幸君 今月中という力強い言葉を伺いました。ひとつ万全を期して、こうした犠牲者のないように頑張っていただきたいと思います。 もう時間もございませんので、もう一つ国際船舶制度、午前中に亀谷先生、それから午後から戸田先生が御質問になったのでほとんど私の聞くところはなくなりましたけれども、通告してございまして、重複をなるべく避けた上で何点か御質問したいと思います。 先ほど、諸先生から御指摘があったように、日本の日の丸の旗をつけた船がもう激減しておると。一九九四年中盤で、先ほども御説明がありましたけれども二百八十隻と。海運白書を見ますと、このままですと二〇〇〇年には百隻を割るんじゃないかというようなことが指摘されております。 それで、中央三紙を見ますと、これは時を同じくして、朝毎読ですけれども、朝日が「「日の丸商船」が消えてゆく」、これは社説です。毎日が「日本船流出を抑えるために」、それから読売が「海洋日本に真空化の危機」と。これ期せずして、これでいいのかということを訴えでございます。 先ほどそれについて若干触れてございましたので、この国際船舶制度、何隻を残すか、これはなかなか一概には言えないでしょうけれどもこのまま放置できないと、それには国際船舶制度をやっぱり創設しなきゃならないということは私も理解できます。 その中で、この制度の柱は、一定の条件を備えた日本船舶に対し、午前中も説明がございましたけれども、船の固定資産税、あるいは国際船舶に七カ月を超えて乗船した船員の方の所得税あるいは住民税の減免措置、これらの減免分をプールして財源確保して、その日本船籍、日本人船員のその海技の伝承と言っていましたね、このままじゃ若い人たちに技術が伝わっていかないと、そういう意味で最大効果三十億円程度をプールして海洋日本を支えていきたいんだという、私はそういう制度だろうと思います。 ノルウェーなど各国では、これは大変いち早くこの制度等を取り入れてやっていらっしゃると聞いておりますけれども、その各国の事例、ノルウェー等はどうなっているか簡単にちょっとお示しいただきたいと思います。
○政府委員(岩田貞男君) 先進各国はやはり自国船籍の減少ということで悩んでおりまして、今先生おっしゃったように、欧米諸国では自国船籍及び自国船員の維持のための施策を既にとっております。ドイツ、ノルウェー、デンマークでも、同じく国際船舶登録制度というのを設けております。 今お尋ねがございましたノルウェーを申し上げますと、例えば船員税制については、船員特別控除というのを設けまして総収入の三〇%を控除しているとか固定資産税は非課税でございます。それから、登録免許税は課税でございますが、非常に安いものになっております。その他、ノルウェー人の船員配乗を促進した場合には船会社に対する助成金とかいうのを設けまして、そういうようなことで自分の国の国籍船がなくならないような措置をとっております。
○中尾則幸君 たくさん聞きたいことがあるんですが、時間がちょっと限られておりまして、船籍を税金の安いパナマやリベリアの方に持っていくというのは、つまりそのコストダウンの対策ということで理解してよろしいんですね。わかりました。 それで、来年度の予算要求の中で国家負担措置として六億円、これ四カ月予算となっておりますけれども、その趣旨は何か簡単にちょっと御説明ください。
○政府委員(岩田貞男君) お答え申し上げます。 日本の国籍船が流出しているということは、全く国際海運では完全な競争をしているわけでコスト競争をしているわけです。したがいまして、一つには税金が安い国に便宜置籍するということが一つ。それからもう一つは船員の問題がございます。船員の安い方を乗っけよう、こういうことでございます。 そういうことでございますので、いろいろ我々としましては検討しまして、今まで必ずしも日本籍船だと全部日本人が乗っていなくてもいいということで一定の配乗基準の見直しを行っております。それは役所が決めるんじゃなくて船社さんと海員組合が合意の上で決めることでございますが、そういうことで、日本人の必要最小限の乗っていただく船員が決まりましても、やはりそこには外国人とのコスト差がある、こういうことでございます。そのコストを埋めるべく、私どもとしては、船員雇用促進対策事業費補助金ということで今大蔵省さんに概算要求をしているところでございます。
○中尾則幸君 これ質問通告に申し上げていなかったんですが、なぜ日本船籍かと。ある人は、いや経済性の原則からいえばそれは確かにどこの方が、船長が日本人であって、海技の伝承は別としていいんじゃないかという形ありますけれども、イラン・イラク戦争下における商船の被弾、触雷、機雷に触れた件数、これを見ましたら、外国籍の船が、イラン・イラク戦争の激しいとき、一九八四年から一九八八年、この四年間で四百二十二隻。日本の日の丸つけていた船がわずか四隻なんです。 日本というのは、恐らく安全運航の基準だとか厳しいということはわかるんですが、それだけ信頼されているのかなというような気がしまして、やはり日本籍の船を残す理由というのか、一朝有事あるいは災害の場合に必要なんではないだろうかと私は思っておるわけです。特に、一九九〇年の湾岸戦争のとき大変な難しい場面に直面しまして、これ内航海運、いわゆる外の規制じゃなくて日本国内のあれは法的根拠があるけれども、外に出る場合には法的根拠がないというようなことで、いろいろもめたことを私は記憶しておるんです。 最後になりますけれども、今回、国際船舶制度の中で緊急輸送体制の整備、検討ということが挙げられておりますけれども、こうした問題、いわゆる公的使命があるからこそやっぱり税金の助成が必要なんだという、そこに今回の船舶制度の原点の一つがあろうかと思うんですが、それについて最後、大臣からの御説明をいただいて私の質問を終わります。
○国務大臣(平沼赳夫君) 中尾委員御指摘のように、国際船舶制度に関していろいろな必要なことがあるわけでありますけれども、御指摘の中で、海技の伝承、これはもちろんやっぱり大変重要なポイントであります。 それと同時に、一たん緩急あったときに、日本籍船であり、そして日本人が主体的に運航している船がやはり自国の利益のために働いていただく、こういうこともどうしても必要なことでありまして、ですからそういう観点からも、この国際船舶制度というのはやっぱり充実をさせていかなきゃいかぬ、そういう基本的な考え方に基づいて、明年度の予算の中で、また法案の整備もさせていただいてその実現を期していこう、こういうふうに思っております。
○中尾則幸君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(寺崎昭久君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時散会 ————◇—————