法務委員会 第2号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/10/19
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に枝野幸男君を指名いたします。
○加藤委員長 この際、宮澤法務大臣及び古屋法務政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。宮澤法務大臣。
○宮澤国務大臣 このたび法務大臣を命ぜられました宮澤弘でございます。 内外にわたり極めて困難な問題が山積しておりますこの時期に法務行政を担当することになり、その職員の重大なことを痛感いたしております。 申すまでもなく、法務行政に課せられました使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあります。国民生活の安定を確保し、国家社会の平和と繁栄を図りますためには、その基盤ともいうべき法秩序が揺るぎなく確立され、国民の権利がよく保たれていることが極めて重要であると思います。 私は、こうした認識のもとに、法務行政の各分野にわたり、時代の要請を踏まえ、適切な方策を講ずるよう全力を尽くして努力する考えでおります。 皆様方におかれましては、日ごろから法務行政につきまして、格別の御理解、御協力を賜っておりますが、引き続き御指導、御支援をお願い申し上げまして、簡単ではございますが、就任のごあいさつといたします。(拍手)
○加藤委員長 次に、古屋法務政務次官。
○古屋政府委員 このたび法務政務次官に就任をいたしました古屋圭司でございます。 宮澤法務大臣のもとによき補佐役といたしまして、時代に即応した法務行政推進のため、誠心誠意努力してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。 簡単ではございますが、ごあいさつにかえさせていただきたいと思います。(拍手) ――――◇―――――
○加藤委員長 この際、お諮りいたします。 本日、最高裁判所堀籠人事局長、仁田経理局長、石垣民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○加藤委員長 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。宮澤法務大臣。 ――――――――――――― 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する 法律案 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する 法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○宮澤国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。 政府においては、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職の職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報酬または俸給を増額することといたしております。 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成七年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○加藤委員長 これより両案に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤斗志二君。
○斉藤(斗)委員 自由民主党の斉藤斗志二でございます。 今回の裁判官報酬法、検察官俸給法の改正につきましては、ただいま大臣より趣旨説明を受けました。 まず初めに、本改正法案の前提ともいうべき一般職の職員の給与改定について、政府においては今回の人事院勧告どおりの改定を行うものとしたということでありますが、一般職の職員の給与に関してなされた人事院勧告の概要をまず説明していただきたいと思います。 続きまして、一括して御質問申し上げますが、裁判官、検察官については、その職員に見合った相当額の報酬、俸給が確保され、安心して職務に専念することができる地位を保障されているということが大切であると考えています。そこで、裁判官及び検察官につきましては、一般の政府職員の例に準じてその給与を改善するという説明がありましたが、その点についての趣旨を説明していただきたいと思います。
○永井政府委員 本年八月一日に出されました人事院勧告は、本年四月現在の官民較差が平均〇・九〇%、金額にして三千九十七円であるということを認定いたしまして、これを埋めるために四月一日にさかのぼりまして俸給及び扶養手当等の諸手当の引き上げ等を行おうとするという勧告でございました。 具体的には、行政職俸給表(一)につきましては平均〇・九%引き上げ、その他の俸給表につきましても、行政職との均衡を基本として改定するというものでございます。 それから、諸手当の改定で主なものは、扶養手当で、満十六歳の年度の初めから満二十二歳の年度の未までの間の子に係る加算額を一人につき現行で二千円であったものを二千五百円に引き上げるという扶養手当の改定がございます。 それから、通勤手当におきましても、異動等に伴い、通勤に新幹線等を利用することが必要となった職員等に対し、特急料金等の二分の一の額を二万円を限度として支給する、こういった内容が主なものでございます。 そこで、今回、人事院勧告に伴いまして、政府といたしましては、これを完全に実施するということが決定されまして、これに準じまして、裁判官、検察官の給与につきましても改善するというものが今回の法案でございます。裁判官及び検察官のうち、特別職の職員の俸給に準じて定められております最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官並びに検事総長、次長検事及び検事長につきましては、報酬、俸給月額を〇・八%ないし〇・九%増額いたします。また、判事四号までの報酬を受ける簡易裁判所判事、八号までの俸給を受ける検事、符号及び一号の俸給を受ける副検事につきましては、一般職給与法の指定職俸給表の適用を受けます職員の俸給の増額に準じまして、報酬、俸給月額をやはり〇・八ないし〇・九%増額することといたしております。 また、これらの以外の裁判官、検察官につきましては、一般職給与法の行政職俸給表(一)の適用を受ける職員の俸給の増額に準じまして、報酬、俸給月額を○・九%から一・三%増額することといたしております。 具体的には、お手元に配付しております法律案関係資料の末尾の参考資料二ページ、三ページの「裁判官・検察官の報酬・俸給月額改定対比表」をごらんいただきたいと存じます。
○斉藤(斗)委員 今その内容についてお答えいただいたわけでありますけれども、最高裁判所長官、これが増額分でいきますと最高二万円、そして司法修習生におきましては二千三百円という、伸びの額におきましてもかなりの差があるわけでありますけれども、現在の社会環境を見ますと、長期的な不況の中で民間企業におきましては、リストラを行うなど経営の合理化に努めながらもなお厳しい状況にあるということは押しなべて認識されるところでございます。 そのような状況下で、今回の本改正法案による給与の改善につきまして、裁判官及び検察官の家庭で実際に家計を賄っている方々はどのように受けとめているのか。私ども政治家といたしましては、生活感、庶民感覚の中での政治でなきゃならないというふうに思っているわけでございます。 そこで、事前通告もさせていただいたわけでございますが、家族の声をお聞きいただきまして、その生活感覚で今回の改正についてお考えをお聞きしたいというふうに思っております。
○永井政府委員 いささか私的なといいますか、個人的な感想になるのでございますが、私ども裁判官、検察官、生活そのものは極めてつつましい生活を送っております。家内に毎年こういう話をするわけでございますが、家内は、やはり民間の厳しい状況の中で少しでも上げていただくことについては非常に感謝している、こういう声を上げております。
○堀籠最高裁判所長官代理者 私どもの家族も、現在の経済状況がかなり厳しいものであって、したがって民間企業において厳しい状況にあることは十分認識しておるところでございまして、今回の報酬の改善につきまして家族に話しましたところ、ベースアップがあることはありがたいことであるというふうに言っておるところでございます。
○斉藤(斗)委員 よく現下の厳しい社会環境を考えまして、民間の調査の引き上げの根拠にもなっておるわけでありますけれども、そのような背景の中での引き上げになるんだということで、ぜひともこの重みを感じていただきたいと思います。 一方、裁判官、検察官の職務というのは非常に重要さを増してきているわけでございまして、最近特に社会のあらゆる面での国際化が進展をする、一方、社会そのものが成熟化する中で国民の価値観も非常に多様化してきた、また判断も難しくなってきたという状況にあるかと思います。これに伴って、裁判所には複雑困難な事件が多数係属するようになっていると承知しております。 裁判官につきましてはより幅広い視野に立って判断が求められるようになってきていると思いますが、ともすると裁判官は世情に疎いという声を耳にするわけでございます。裁判所はこのような点についてどのような配慮をし、またどのような教育課程等々をとりながら実情に合った対応をしてきているのか、その点について御質問したいと思います。
○堀籠最高裁判所長官代理者 司法に託されました重責を全うするためには、何よりもまず裁判官にすぐれた人材を得るということが重要であるというふうに認識しているところでございます。特に裁判所は、官庁や民間企業のように組織で仕事をするというところとは異なりまして、裁判官個々人が独立して職権を行うシステムになっているものでありますので、その意味で他の組織よりも人材確保、養成の必要性は高いというふうに考えております。 このような観点に立ちまして、判事補につきましては、その実務能力の向上のため、任官後節目節目の時期に司法研修所において合同の実務研究の機会を設けておりまして、その中で一般教養に関するセミナー等も実施しているところでございます。また、判事につきましても適宜研究会を開催いたしまして、法律問題のほかにも、医療でありますとか高齢化社会といった社会一般の問題を勉強する機会を持っているところでございます。 さらに、現在の複雑化する社会の要請にこたえて適正な裁判を行っていくためには、委員御指摘のように広い視野と高い見識を身につけることが必要であると考えておりまして、裁判所外での世界で生きた社会現象に接しまして、裁判所を外から見る機会を与えるため、比較的若い裁判官を中心に報道機関、これは三、四週間、六人行っておりますが、あるいは民間企業において研修を行い、あるいはまた行政官庁に出向しているという状況もございます。 また、近時におきましては、国際社会を含む事件や外国法の適用が問題となる事件も増加しておりまして、裁判官が日本を出て異なる文化に接し、外国法や裁判制度を研究するほか、多角的に日本社会の裁判のあり方を見詰め直す機会を持つことは極めて重要であると考えております。 そこで、人事院の長期在外研究制度による派遣でありますとか判事補在外特別研究、これは外国の裁判所に行って外国の制度を研究するものでございます。あるいは判事補海外留学等を実施しておりまして、毎年十数名の判事補を外国に留学させているところでございます。また中堅の裁判官につきましても、従来から外国司法事情研究として毎年判事を海外に派遣してきておりますが、さらに平成三年からは短期在外研究制度というものを発足させまして、判事、これは毎年約十名程度でございますが、海外に派遣しているというようなこともやっております。 以上申し上げましたとおり、裁判所といたしましては、裁判官としての視野を一層広げ、かつ見識を高めるためさまざまな機会を設けておりまして、所期の成果を上げているところでございますが、委員御指摘のような印象を持たれないためにも、今後とも研修の充実を図っていきたいと考えているところでございます。
○斉藤(斗)委員 ぜひ、世間知らずだとかそういったことのないように努力をしていただきたいというふうに思います。 次に、せっかくの機会でございますので、現在非常に話題になっております、また世上を騒がしているオウム真理教の関係について質問させていただきたいというふうに思います。 平成七年六月三十日に東京地方検察庁検事正及び東京都知事から東京地裁に申し立てられました宗教法人オウム真理教に対する解散命令申請事件について、マスコミ等の報道によれば、これまでに同裁判所は、十月二日に山梨県上九一色村の第七サティアンと呼ばれる建物とその内部設備についての検証を実施する、同時に十月六日に審問を実施したということでございますが、国民はこの事件について非常に高い関心を持っております。一日でも早く解散命令が出されることを期待していると思っております。 私も、裁判所におきましては迅速で適正な判断がなされるよう願う一人でありますが、まずお尋ねしたいのは、この解散命令というは、巷間伝えられるところでは、あと一、二カ月のうちになるのではないかと思っておりますが、少なくとも年を越すというようなことになりますと、司法への信頼が揺らぐ、司法への信頼が薄らぐというふうに思っておりますが、この点についていかがでございますか。
○石垣最高裁判所長官代理者 事件の経過につきましては、ただいま委員から御指摘のあったとおりと承知しております。 今後のことでございますが、具体的な事件の審理に関することでございますので、最高裁としてはお答えを控えさせていただきたいと存じますが、裁判体におきまして、迅速にかつ適正な判断をするように鋭意努力をしていることと思っております。
○斉藤(斗)委員 決して遅くならないように迅速かつ適正な努力を重ねていただきたいというふうに思います。 それに関連して、二つ目といたしまして、宗教法人法に基づく解散命令が出された場合、その後の手続というのはどういうふうになるのか御説明いただきたいと思います。
○石垣最高裁判所長官代理者 一般論として申し上げさせていただきたいと思いますが、解散命令に対しましては、御承知のとおり、宗教法人法八十一条五項前段によりまして、高裁に即時抗告をすることができることになっております。高裁が地裁の判断を相当と認めて即時抗告を却下いたしますと、解散命令は確定するということになります。解散命令が確定いたしますと、裁判所は、宗教法人法八十一条六項によりまして、宗教法人の解散の登記を嘱託するほか、同法の四十九条二項によりまして、申立人の請求によりまたは職権で清算人を選任するということになります。 この清算人は裁判所の監督のもとに現務の結了、これは現在進行中の仕事ということですが、その事務を完了すること、それから債権の取り立て及び債務の弁済あるいは残余財産の引き渡し等の清算の手続を行うことになります。そして、清算が結了すれば、清算人は清算結了の登記を行って、かつその旨を所轄庁でございます東京都等の知事に届け出をするということになると思います。 以上でございます。
○斉藤(斗)委員 オウム真理教に関しまして、いろいろ事実関係ということもきちっと把握していなければならないのだというふうに思います。 そこで、多くの方が殺害をされ犠牲者になられたという事実があるわけでございます。坂本弁護士一家殺人事件では三名、落田さんのリンチ事件では落田さん一名、それから松本サリン事件では七名、仮谷さんの事件では仮谷さんお一人、そして地下鉄サリン事件では十一名、合わせると二十三名の方が起訴された分の中での殺害ということになっているわけでありますが、このオウム真理教に関連して、死亡者または犠牲者が他に多くいるのではないかというふうに国民は思っているところでございまして、このほかに亡くなられた方があるのかないのか、この点について質問をいたしたいと思います。
○則定政府委員 法務当局といたしまして確定的にお答えいたしませる数といいますのは、委員から御指摘のありました起訴済みの事件の中で何名が死亡したかということでございます。 ただ、お尋ねでございます、今後どういう展開になるであろうか、またその中で命を失った人がいるのではないかという点でございますけれども、現在検察当局におきましては、警察当局と緊密な連携をとりまして、なお解明すべき事案につきまして鋭意捜査を進めております。その中に、やはり何名か命を奪われたという案件も含まれているように私ども理解しております。ただ、それが最終的に何名になるか、これは今後の捜査の進展を待たなければ確定できない状況でございます。
○斉藤(斗)委員 今刑事局長からお答えいただきましたように、起訴された段階での犠牲者が二十三名、大変痛ましいことだと思いますし、亡くなられた方にお悔やみを申し上げる次第でございますが、さらにその数がふえるということだと思います、今の答弁では。大変残念なことだと思いますし、一日も早く事態の真相を解明していただかなければならないというふうに思います。 それに関連して、オウム真理教信者の連絡先不明者というのが巷間伝えられているわけでございます。マスコミに対しましてオウム側が連絡してきたという数字、これは公表分と考えてもいいわけかと思いますが、その連絡先不明者が二十七名に上っているということを承っておりますが、実態はさらに多いのではないか。犯罪に関係するかどうか、そこら辺は不明ではないかなと思いますが、オウム真理教信者の連絡先不明者ということについて、公表分に加えてさらにかなりの人があるのではないかと思いますが、その点いかがでございますか。
○杉原政府委員 公安調査庁といたしまして、ただいまオウム真理教に関する団体規制のための調査を実施中でございますが、その一環として、ある程度、委員御指摘の点についても調査し、把握しているわけでございますが、具体的な調査の内容に及びますので、まことに申しわけございませんが、ただいまの時点でのお答えは差し控えさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○斉藤(斗)委員 今捜査段階ですから、非常に微妙な点もあるということで、その実数についてはお答えしにくいのかなと思いますが、私が、巷間伝えられるところ、またいろいろなところからお話をお伺いするところによれば、その連絡先不明者というのは、現在公表された二十七名のその倍程度おありになるのじゃないかなというふうに思っておりまして、こうした人たちが万が一事件に巻き込まれて不幸な事態に陥るということは大変残念なことでございますので、一日も早くこの事件の解明とその予防対策を講じていただきたいというふうに思います。 次に、破防法の問題について御質問を申し上げたいと思います。 団体規制ということでございますが、私の手元の資料によりますと、団体規制につきましては四つの要件が必要であるということが言われています。一つには、規制の客体となり得る団体、二つ目、団体の活動として、三つ目、暴力主義的破壊活動、四つ目が、継続または反復して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあることという、将来の危険性ということの四点について条件が付されているわけでありますが、国民の間で、これはそれぞれ独立しているのか、それともこの四条件すべてを網羅して、必要かつ十分でなければ対応できないのか、法に抵触しないのかどうか、この辺がわかりにくいということでございますので、この点についてお聞きしたいと思います。
○杉原政府委員 破防法における団体規制の要件といたしましては、委員御指摘の四つの要件が定められておるわけでありますが、この団体規制を行うためにはこの四つの要件がすべて満足されなければ規制が行えない、このように法律上定められております。
○斉藤(斗)委員 そうしますと、この四つの条件、これは大変な証拠またそういった詰めをしていかなければならないのだというふうに思っておりますが、これは、まかり間違うと憲法に保障されておる集会、結社の自由等々、そのような問題にも抵触してくるということで、慎重な上にも慎重かつ十分な法的な対応の中で行われなければならないのだというふうに思っております。 そこで、特に過去の歴史を見ますと、集会、結社の自由の関連から、一度破防法が適用されると労働組合等にも適用されるおそれがあるのではないか、こういった健全な組合活動まで著しい阻害といいますか、影響が出るのではないかというふうに思っておるわけでございまして、この点についてお答えいただきたいというふうに思います。
○杉原政府委員 破防法の三条では、思想、信教、集会、結社、表現及び学問の自由並びに勤労者の団結あるいは団体行動をする権利その他憲法の保障する自由と権利を不当に制限することがあってはならないと規定しておりまして、厳しく規制の基準を定めているところでございます。 破防法による団体規制は、ある団体が、団体の活動として、政治目的を持って殺人、放火などの行為をしたことなどの要件が必要であるということは先ほど委員御指摘のとおりでございますが、本件は、宗教団体が大規模な武器製造による武装化を図り、その武器を使用して多数の人の生命を奪うという極めて凶悪な事案でございます。 また、このオウム真理教について、例えば、破防法を適用された場合に、これが将来労働組合等についても拡張適用されるのではないかというような心配が一部なされておりますけれども、そもそも殺人、放火等の行為をすることなど考えられないような労働組合等に破防法が適用されるということを想定すること自体できないということは明らかではないかというふうに考えておりますので、一部にそのような懸念がございますけれども、私どもとしてはそのように考えております。
○斉藤(斗)委員 その破防法に関連してですが、マスコミ情報等によりますと、教祖の麻原、これを祭政一致の国家の中心に据えて真理王国建設ということをたくらんでいる、こういう報道になっているわけでございます。信者が多数おられる中でかなり減少してきたというふうには聞いておりますが、この信者の評価、すなわち、一部の人だけが麻原を中心にそのような行為に走っているというふうに考えるのか、それとも、組織全体が、末端の信者一人一人までがそのような、これ、何かジャンバラ化計画というのだそうでありますけれども、この中に入って、かつ暴力的に行う、そのような認識を持っているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○杉原政府委員 先ほど、破防法適用の要件の中で、暴力主義的な破壊活動が団体の活動として行われなければならないという一つの要件があることは委員御指摘になったとおりでございますが、今お尋ねの点は、まさにその点であろうかと思っております。 ただいまのような問題点につきましては、そういった点についても視野に置いた調査を進めているところでございますが、その具体的な内容につきましては、これもまことに申しわけございませんが、調査の具体的な内容にかかわることでありますので、この際内容につきましてはお答えを差し控えさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○斉藤(斗)委員 捜査の段階ですから答えにくい点があるかと思いますが、長官、組織というのは通常三角形の組織になるわけですね。そして、上の方の指示によって全体が動くという解釈をするわけでありますが、今回の場合、この全体の三角形が、全体そこまでなって動いたのか、それともごく上の、頂点を含む上位での三角形が動いたのか、その三角形のうちの一部がさらに下へ広がってのこの動きなのか。その点についてお伺いしたかったわけでございますが、質疑持ち時間が終了したということでございます。 国民が大変、このオウム真理教につきまして一日も早い解決と、そしてしっかりとした検察また公安当局の追及によって事態が解明されることを望んでおりますので、関係者は鋭意その努力を重ねていただけることをお願いを申し上げまして、持ち時間が終わりました、終了させていただきます。
○加藤委員長 細川律夫君。
○細川(律)委員 私の方からは、本日の法案につきましては裁判官あるいは検察官の報酬あるいは給与等の改正案でありますけれども、その裁判官あるいは検察官の数の問題などについて御質問もさせていただきたいと思います。 その前提となります検察官あるいは裁判官の数につきましては、法曹人口が少ないというようなことから、司法試験の改革の問題が大詰めの段階に来ているところでもございます。今月の末、十月三十一日には平成七年度の司法試験の合格者が発表されることになっております。この合格者の結果によりましては、来年度から司法試験の制度が大きく変わる可能性があるわけでございます。 この点につきまして、若干私の御意見も申し上げながら質問をしたいと思いますけれども、どういうふうに変わるかといいますと、司法試験の合格がなかなか難しい、受験回数が多くなければなかなか合格をしないということから、若年受験者を優遇しようという合格枠制というのが採用をされるというような可能性があるわけなんです。 この制度はどういう制度かといいますと、司法試験の合格者の七分の五、全体の七分の五については従来どおり上位から成績順にこれを合格者といたしまして、残り七分の二、全体の七分の二は受験回数が三回以内の対象者からこれを採用、合格者とする、こういう制度でございます。 これは、私自身は試験の公平原則を曲げるというようなことで賛成しかねる制度でありますし、また、この七分の二という枠内で採用された者については、裁判官あるいは検察官への任用について、任官者としてのエリート扱いをされていくのではないかというような懸念があるわけでございます。 そこで、では一体ことしの十月末の司法試験の結果がどういう結果であったならばそういう枠に移るのかということでありますけれども、これについては既に法曹三者の合意がありまして、ことしの合格者のうち三回以下の合格者が全体の三〇%以上なのか、あるいは受験回数五回以下の合格者が六〇%以上いるのかということが基準となりまして、これに達しない場合には先ほど言ったような合格枠制というのに移行していく、これは丙案と言っているようですけれども、それに移行するということが決まっているという合意がされているというところであるようでございます。そこで、ことしの試験結果が一体どうなるのかということになりますけれども、これはなかなか基準には達しないのではないかというようなことも予想されておられます。 そこで、そういう基準に達しないときに、じゃどうするのか。先ほど申し上げましたような、いわゆる若年受験者を優遇するようなそういう制度に機械的に移行をするのかどうか。私は、この際、もう一度法曹三者でぎりぎりの線まで話し合いをしながら、抜本的改革への合意を形成するように法曹三者の関係者の皆さんに強く要望をするところでございます。 そこで、これから検察官、裁判官の数の問題についてお聞きをいたしたいと思いますけれども、まず、検察官の定数の問題などについてお聞きをいたします。 これまで検察官の定数は千百七十三人でありまして、二十三年間この定数はふえておりません。これは検察官の任官者が少なくて欠員があったためにとてもその定員をふやすというところまではいかなかったわけでありますけれども、来年、平成八年度につきましては、検察官は四十名の増員ということで予算要求をされているところでございます。 そこで、まずお聞きをいたしますけれども、この四十名の増員を要求するような状況になったその経過などについて御説明をいただきたいと思います。
○則定政府委員 委員御指摘のとおり、来年度予算案におきまして、法務省といたしましては検察官のうち検事四十名の増員要求をやらせていただいておるわけでございますが、その理由につきましては以下のとおりでございます。 このところ、いわゆる大型の経済事犯でありますとかあるいは大型のいわゆる特捜事犯が相次いでおるわけでございます。また、それらの事件が単に大型化するだけでなくて、その事案の解明が大変困難になってきておりまして、手数がかかるということがございます。さらに、最近の犯罪現象を見てみますと、銃器等を利用いたしました大変凶悪な事件も頻発するというまことに憂慮すべき事案が続いておることもございまして、これらに加えまして、このところ、一連のいわゆるオウム事件、これは主として東京地検が中心でございますけれども、その他の関連事件が全国的に発生したことでございます。また、これらの今後の公判維持ということにつきましても人数を割がなければならないということになってきております。 こういうような状況、加えまして、また外国人犯罪につきましては、通訳を通じて事案の解明を行うという点から、また時間的にもなかなかかかるというようなことがございます。こんな状況で、検察の一線業務も大変多忙をきわめておるわけでございます。 一方、社会経済状況あるいは財政状況から見まして、単に忙しいから人をふやすというだけではこれは大方の支持は得られないということもございますので、私どもといたしましては、いわゆる検察のリストラを図りつつございます。具体的には、全国に配置しております検事の配置を見直したということをこの春行っております。さらにまた、組織の点検をいたしまして、この検察業務に対応した新たな組織改編ということも来年春をめどに実施しようということも努めております。 しかしながら、それだけではやはりやりくりがつかない現状に来ておるわけでございます。今後とも検察業務が国民の期待に沿えますよう対応するためにも、また、今申しましたような検察を取り巻く犯罪情勢に的確に対応していくためにも、やはり人の増員をぜひお願いしたいということでございまして、来年度、とりあえずと言ったら語弊があるかもしれませんが、検事四十名とそれに見合います事務官九十三名というような増員をしておりますが、今後とも、執務体制の整備を含めまして、検察の組織体制の充実強化に努めてまいりたいと考えている次第でございます。
○細川(律)委員 それでは、来年は四十人ということでございますけれども、今のこのいろいろな状況に対して、検察官の定員といいますか数は一体どれぐらいが必要なのか、それについてどういうふうにお考えになっておるかをまずお聞かせいただきたいと思います。 続いてちょっと、もう時間がありませんから。裁判官の方についても来年十五名を要求をされているようでございます。裁判官についても、非常に数が少ないというようなことで、これまた数をふやさなければいけないということが言われております。 そこで、今の十五名をふやすという要求と、今の裁判の状況の中で一体どの程度の裁判官が必要なのか。十五人ふやすということで果たして足りるのか、もっともっとふやさなければいけないのではないか、その数は一体どれぐらいが必要なのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○原田政府委員 検察官、特に検事の、将来を見渡した必要な人員についてどういうふうに考えておるかというお尋ねでございまして、法務省の増員要求全般にかかわることでございますので、官房の立場からお答え申し上げさせていただきたいと思います。 ただいま委員御指摘のように、将来の状況を考えてまいりますと、検察としても、先ほど刑事局長御答弁申し上げましたように、さまざまな要因から、組織の充実をこれからも図ってまいりたい、そして、検察庁全体の人員の適正な配置を見ながらその数を割り出していって、そのための努力をしたいという状況にあることは官房としても承知いたしておるわけでございます。 ただ、職員の増員ということになりますと、法務省全体では、ただいま政府全体の中で厳しい予算または定員上の管理の中に置かれております。そういうわけで、法務省が抱えております全組織の人員との絡み、また、その中で厳しい定員削減計画にこたえていかなければならないというところで、それぞれの組織間における増員のあり方ということにつきましては、いろいろな要因を加えてこれからも検討していかなければならない状況にございます。 その中で、まず、検事は何人必要かということにつきましては、それ独自としてその目標を立てていくということが法務省全体としてはなかなか困難な面もございます。ただ、先ほど刑事局長申し上げましたように、検察全体として考えていきましてもまだまだ検事の増員要素はあるというふうに考えているということはよく理解されるところでございますので、今後ともそのような要員を、他部局の増員要求との絡みもございまして、そのあたりにつきまして十分認識しながら検討を加えてまいります。 そして、一方では、検事の大幅な給源はやはり司法修習生でございます。その中における司法修習生の希望状況、検察官に任官してやろう、またそれだけの優秀な人材が確保できるかという点も重大な要素となってまいります。そのあたりについてもにらみながら、今後とも関係当局とも十分御相談申し上げながら適切な措置を講じてまいりたい。それまでは与えられた条件の中でさまざまな工夫をしながら万全の措置をとっていくのが私どもの務めであるというふうに考えておりますので、今後とも御理解を賜りながら、またいろいろな御意見をちょうだいしてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
○堀籠最高裁判所長官代理者 我が国の裁判官の数がどの程度であるべきかという問題につきましては、迅速な裁判の実現には訴訟関係人の協力が必要でありますし、また訴訟手続、審理運営方法等の見直しを初めとするさまざまな方策を講じていくことも不可欠なわけでございまして、具体的な数字をもって示すことは困難でございますが、基本的には、裁判所に提起されてくる事件数の動向や事件の処理状況を踏まえて検討されるべき問題であるというふうに考えております。 裁判所といたしましては、これまでも適正迅速な裁判を実現するために訴訟手続の運営改善あるいは裁判官の執務環境の整備に努めるとともに、毎年給源状況を見ながら裁判官の増員を図ってきたところでございます。 現に平成七年度までの二十年間を見ましても裁判官合計百六十八人を増員しておりまして、来年度にも、民事事件を中心とする事件の増加を考えまして、判事補十五人の増員要求をしているところでございます。その結果、他の諸施策と相まって、訴訟事件の平均審理時間は全体として徐々に短縮されているところでございます。 裁判が可能な限り適正迅速に行われ、国民の権利意識や社会正義の実現が図られることに対する国民の期待が大きいこと、あるいは社会の成熟化、価値観の多様化、経済の国際化等が進んでいる状況を考えますと、紛争解決の場として裁判所を利用したいという機運が今後ますます増大し、裁判所に提起される事件数がより一層増加していくものと見込まれるところでございまして、裁判所といたしましては、今後とも事件数の動向等を踏まえつつ裁判官の増員を図っていく必要があるというふうに考えている次第でございます。
○細川(律)委員 終わります。
○加藤委員長 枝野幸男君。
○枝野委員 新党さきがけの枝野でございます。 私も、細川先生に引き続きまして、本法案に関連して、特に裁判官の定員というような問題、法曹人口全体に関しての問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 御承知のとおり、日本の司法のあり方について、特に裁判が遅い、あるいは弁護士の数が足りないというようなことで、法曹人口をふやすべきではないかという議論が最近活発になっております。政府に置かれました行政改革委員会の中の規制緩和小委員会の中でも、法曹人口、特に弁護士数を増加させるべきではないかということが、たしか四十八ぐらいの規制緩和項目の中の一つとして取り上げられているというような状況にございます。 そこで、具体的な御質問に入ります前に、客観的な事実関係を二点ほど確認をさせていただきたいと思います。 まず、戦後の裁判官の数の伸びというものがどのようになっているのか。例えば戦後体制が確立した一九五五年あたりを基準として現在はどれぐらいの数になっているのか、何%ぐらいふえているのかをまずお答えください。
○堀籠最高裁判所長官代理者 昭和三十年における裁判官の人員数でございますが、裁判官全体で二千三百二十七名でございます。平成七年度は二千八百六十四名となっておりますので、昭和三十年を一〇〇といたしますと平成七年は一二三ということになります。なお、簡易裁判所判事を除きました判事、判事補だけで申し上げますと、昭和三十年が千五百九十七名、平成七年が二千五十八名でございまして、昭和三十年を一〇〇といたしますと平成七年は一二九という指数になっているところでございます。
○枝野委員 それでは、同じ期間の弁護士の数の増加はどうなっておりますでしょうか。
○永井政府委員 昭和三十年の弁護士数を一〇〇とした場合でございますが、昭和三十年が約六千人弱でございますから、これを一〇〇とした場合、昭和四十年は約七千人でございますから一二〇、昭和五十年は約一万人でございますから一七一、昭和六十年は一万二千人でございますから二一三、平成七年、昭和でいいますと昭和七十年になるわけですが、平成七年は一万五千人でございますから二五六、こういう指数になっております。
○枝野委員 弁護士の仕事というのも刑事と民事がございます。裁判官も刑事と民事がございます。ですから単純な比較というものは必ずしも素直にはできないと思いますし、また、特に弁護士の民事の仕事では、裁判所に行くべき仕事なのか、裁判所に行かないで処理をする仕事なのか、若干、比率として裁判所に行かない仕事の方がふえているという傾向は間違いなくございますので、単純にこの数字だけで比較をすることはできませんが、戦後体制の中で、現在の憲法あるいは訴訟法の裁判所制度の中で、戦後、裁判官の数に比べて弁護士の数の方が圧倒的にふえてきているというのは今の数字で客観的に明らかであると思います。 そうした中で、日本の司法が若干使いにくいとが、あるいは裁判が遅いとかという問題をとらえて、特に経済界などを中心に弁護士の数をふやすべきではないかという議論が出てきて、弁護士の数だけふやすことによって果たしてそれが解決をされるのかどうか、むしろ裁判官やあるいは検察官など法曹三者の中の数のバランスとかいうものの中で、例えば弁護士をふやすべきなのか、むしろ裁判官をふやすことが大事なのではないかというような議論が初めて出てくるのではないかというふうに思っております。 まず、この法曹人口の問題について、法曹三者の間で協議をしている法曹養成制度等改革協議会の中でこの法曹人口について法曹三者の割合などを含めて現在どういった議論がなされているのかを御答弁ください。
○永井政府委員 平成三年六月から約四年近くにわたりまして法曹養成制度等改革協議会で議論を続けてまいりました。結論的に言いますと、裁判官、検察官の増員も必要であり、法曹人口全体として大幅な増員を図るということが大多数の意見ということになっております。
○枝野委員 行政改革委員会の事務局、おいでいただいておりますね。 まず、そもそも前提問題としてお尋ねをしたいのですが、行政改革委員会の中の規制緩和小委員会で、法曹人口の問題について規制緩和の項目として取り上げられているというふうに聞いております。行政改革委員会設置法の「所掌事務」では、「許可、認可等行政の各般にわたる民間活動に係る規制の改善の推進に関する事項」というふうな条文になっておりまして、確かに弁護士人口ということだけとらえたらこれに当たるのか当たらないのか微妙な問題となると思いますが、法曹人口といった場合には明らかに裁判官の数、検察官の数、これは民間活動の規制とは全く関係のない話であります。特に裁判官の数というのは司法の問題であります。 そういった問題と密接不可分に絡んでいる法曹人口の問題というものが、果たして法律上、行政改革委員会設置法の所掌事務に入るのかということについてお答えを下さい。
○田中説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、私どもの行政改革委員会小委員会におきまして、去る七月に、関係方面から寄せられた規制緩和要綱等を踏まえて議論した結果、各項目ごと、規制維持の意見と規制緩和の意見を対比する格好で論点を公開し、問題を提起し、広く国民の間で議論が行われることを期待して、四十項目お出しした中の一つとして取り上げたものでございます。 これまでの小委員会におきます御議論によりますと、規制緩和が進みますと、自己責任の原則のもと自由な行動が認められる、民間同士の対立を解決するために司法の果たすべき役割が増大する、しかしながら、法曹人口が少ないため、訴訟遅延や訴訟費用の高額化が進むなど、司法が適切に機能していないのではないかという問題意識を持ちつつ、司法試験法、弁護士法等で定められている制度のあり方について論点を整理したということでございます。 もとより、小委員会メンバーにおきましても、この法曹人口の問題が、行政改革の観点のみならず、司法全体のあり方を視野に入れた検討とあわせて議論をされるべき事柄であることは十分御認識の上、御議論をされておるというふうに承知をいたしております。 いずれにいたしましても、規制緩和の問題を当委員会で議論するに当たりまして、規制緩和の司法に及ぼす影響も含めまして、規制緩和に関連する諸制度、諸問題をあわせて検討いたしまして、行政の立場で改善すべきことがないか、それを議論することは当然であろう、そのように考えております。
○枝野委員 今のはお答えになっていないと思うのですよね。法律上、所掌事務の中に入っているのかどうかという質問からは。 それから、決して私は法曹人口について議論をするなということを言っているのではありません。むしろ、私は弁護士会の一員ですが、弁護士会が嫌がっている、例えば外国弁護士の規制緩和だなんというのはもっとどんどんやってもらわなきゃ困るというふうな立場に立って、私も与党の行政改革プロジェクトのチームの中でそういった主張もしておりますが、だからといって、設置法の趣旨から見て若干外れているのじゃないかということについて十分な議論と説明なく、議論をして答申を出すようなことがあってはいけない。もう一度きちんと検討、議論を内部でしていただかないと後々問題になるのではないかというふうに思っております。 さて、いろいろな観点からいろいろなことを申し上げてまいりましたが、確かに、日本の法曹人口、特に司法が使いにくい、特に経済活動の見地から、あるいは人権擁護の立場から、裁判に時間がかかるとかお金がかかるとかということで司法がニーズにこたえていないのではないかという指摘については、裁判所、弁護士会、検察庁はこれに十分にこたえなければならないと思っております。そうした意味で、中長期的に法曹三者が法曹人口というものをふやしていくべきじゃないかという議論を積極的に進めていくということは大切であると思っております。 しかし、その場合に、安易にそれか進んでいくときにどういうことが起こるのか。弁護士の数は簡単にふやせます。司法試験の合格者の数をふやせば、それで司法研修の研修所の器というものを少し大きくすれば、場合によっては、予算が足りなければ、今二年間の司法修習の期間を短くすれば予算がかからずに弁護士の数だけは簡単にふやすことができます。これは安易なことです。 ところが、裁判官、検察官の数というものには定員と予算があります。特に、裁判官、検察官は、一人裁判官がいればそれで済むというものではない。裁判官が一人ふえれば書記官、速記官、事務官もふえる。膨大な予算がかかってまいります。したがいまして、法曹人口、今の日本の司法の人口が足りないのではないかというようなことを、例えば仮に行政改革委員会の中で議論をするとするならば、その問題の当事者として必ず予算当局というものが入っていてもらわなければ困る。予算当局の十分な認識のもとに、法曹人口をふやすのなら、将来的には裁判所予算、検察庁予算をふやすんだという覚悟を、もちろん単年度主義ですからそれは前提とした上で、予算当局の十分な認識、理解の上で法曹人口をふやす、司法試験の合格者をふやすという議論をしていただかなければ議論になりません。 安易なところだけふやしていって弁護士だけふえて、弁護士はふえたで、みんな商売にならないから単価は上げるけれども、裁判は時間がかかるから件数はふえないということでは、今求められている、安く、そして便利に裁判所を使いたいというニーズにこたえることができません。 大蔵省においでいただいておりますね。今の私の主張に対する御回答は結構です。今私が質問をし、お答えをいただいて、私が申し上げたことを日本語として御理解はいただけましたね。そのことだけお答えください。余計なことは言わないでください。
○長尾説明員 ただいまの先生のお話、あるいは先生と法務省、最高裁あるいは行革委とのお話、そこら辺の質疑なりやりとりにつきましては、私も席できちんと拝聴させていただいたところでございます。
○枝野委員 それでは、その理解の上でどういった対応をされるかはこれからの法務省あるいは大蔵省の対応だと思いますが、片手落ちにならないような議論を進めていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○加藤委員長 正森成二君。
○正森委員 きょうは、裁判官と検察官の給与法の問題ですが、私どもは、非常に低い人事院勧告ですが、それを実施するというのは当然のことであるということで賛成させていただきたいと思います。 それで、法案自体は賛成でございますので、今同僚委員から種々御発言がありました法曹養成。人口の問題等について、これからしばらく質問をさせていただきたいと思います。 まず第一に、規制緩和小委員会が本年四月十九日に行政改革委員会のもとに発足をいたしまして、規制緩和推進計画について意見具申を行うということですが、この推進計画で明示された千九十一項目のうち四十程度の問題点を論点として公開するということになりました。その中を見ますと、外国人弁護士の問題と絡みまして法曹人口の大幅増員というのが入っております。 そこで、法務省に伺いたいと思うのですが、この問題に関連して、法曹養成制度等改革協議会というのがあって、そこでは法曹三者のほかに、それ以外の方も入られていろいろ御論議されたようですが、私の承知しておりますところでは、七月十日の改革協で法務省や最高裁の改革案が出されたというように聞いております。 時間が非常に短いので私から申しますが、その中で法務省は、中期的な目標として合格者を段階的に増加させ、少なくとも年間千五百人程度にする、平成十年を目途に合格者を千人程度とし、これに合わせて、裁判所法を改正して、平成十一年度以降の司法修習期間を一年に短縮するという案を出されたそうであります。それはそうですか。
○永井政府委員 そのとおりでございます。
○正森委員 最高裁判所は、当面、合格者を千人とし、修習期間を一年とする、本案を導入すべきである、将来は合格者を千五百人とすることを視野に入れて検討するという案を出されたそうであります。そのとおりですか。
○堀籠最高裁判所長官代理者 最高裁判所の事務当局の案ということで委員御指摘のような案を提案いたしたのは、そのとおりでございます。
○正森委員 司法修習二年で法曹一元のもとに行うというのは、四十年来行われてきたことであります。それを突如として二分の一に縮めるなんというようなことは重大な問題でありますが、なぜそういうことをしなければならないのですか。
○永井政府委員 修習期間を含みます司法修習制度全体の問題につきまして、平成三年から法曹養成制度等改革協議会において協議が行われてきたわけでございます。この協議会におきましては、いろいろなヒアリングでありますとか調査を行いまして、やはり法曹人口を相当ふやすべきであり、司法試験の合格者を増加させるべきだ、そういう意見が多くを占めておりました。これに絡みまして、修習期間につきましても随分議論されたわけでございますが、幾つかの論拠がございまして、修習期間が二年というのは、果たして本当にそれが必要なのかどうかという、根源的な、抜本的な見直しをしてもいいのではないか、こういう考え方が相当委員の間で述べられております。これは、現代社会のテンポにマッチした修習期間が必要なのではないか。 それから、合格者をふやしますと、全国各地で今実務修習をやっておりますが、これは、最近になりまして、五十庁会全部に配属して修習生を指導していただいているわけですが、やはり統一修習を維持したい。それから実務修習というものをやはり中心にして考えたい。今のような法律実務家によるマンツーマンの指導というのはやはりいいのではないか。それを現実にやっていこうとしますと、人間をふやす場合に、もはや限界に来ている。現に七百数十名各地でやっているわけですが、この八月から、ちょうど現在ですが、十一月までの四カ月につきましては、全国各地の実務修習庁に千四百人を超える実務修習生が現にいるわけでございます。こういった重複した期間なんかをどう取り扱うのか。現在の指導体制をそのまま維持するためには、やはり実務修習期間というものをうまく調整しなければいかぬのではないか。こういったいろいろな理由から、短縮論が出てきているわけでございます。
○正森委員 今二つの論点を言われましたが、私が承知しているところでは、その中で特に緊急の問題は、後の方の問題である。つまり、七百名余り、それを二年間ですから、千四百名くらいを実務庁に配属してマンツーマンに近い指導もしなければならぬ。それには庁舎も不足であり、特に指導する裁判官、検察官の側で非常に過大負担になり、困難を来すということが言われているようであります。 しかし、最高裁判所あるいは法務省に申し上げたいのですが、それは本末転倒じゃないのですか。もし、そうしなければ千名の増員あるいはいわんや千五百名の増員ができないということは、現在の裁判所や検察官の人員やあるいは設備では受け入れ不可能なように人員を拡大するということにほかならないので、それは、いかに千五百名に増員するなどということが、現状の裁判所の施設やあるいは人員では無理な要求を一挙に実現しようということかをみずから証明しているものじゃないのですか。 四十年も続いた司法修習制度で、裁判官、検察官、弁護士を含む法曹の能力や資格を維持しながらバランスをとって増員する。私たちは増員は必要だと思っております。しかし、その増員を行うためには、やはり裁判官を増員し、そして検察官も増員し、庁舎の不十分な部分はこれを建てるということで、受け入れ体制を整備しながら修習の質を落とさないように拡大していくというのが本筋であって、一挙にふやそうと思えば現在の庁舎や裁判官では対応できないから修習期間を半分にばっさりと縮めるなんというようなことは、大学の数が少ないから、大学は四年制だけれどもこれを二年にばっさり縮めるとか、あるいは、お医者さんについては特にそれに二年ないし三年をつけ加えるのだけれども、医学部の施設が少ないから、少々国民の人命には危険があってもいいから、医学の修習期間を半分の三年半にするとか、そういう乱暴な議論なんです。そんなことを良識の府である最高裁が、法務省に追随したのか独自の議論なのか知りませんが、そういうことを言うなどというのは、考え方を根本から改めなければならないんじゃないですか。 それから、さらに言いますが、この今言いました法曹養成制度等改革協議会には、法曹以外の委員も入っているようであります。また、その人たちの中には、規制緩和小委員会の専門委員なんかをやっておられる方もおられるようであります。その中には、極めて勇ましい意見を言っておられる方がおられます。 ここで私はあえて申し上げたいと思うのですが、堂々と言っておられますから名前を申し上げますが、規制緩和小委員会にも入り、それから法曹養成制度等改革協議会外部委員にもなっておられる鈴木良男氏であります。これは、旭化成工業に入社されて取締役をされたきっすいの経営マンであります。 この人がどういうことを言っているかというと、こう言っているのですね。裁判所は工場、弁護士は営業マンだ。人数を千五百人ふやして、増えた法曹が、仮に全部弁護士のところへ行ったとしましょう。しかし、それから新たな需要が出てくることによって、弁護士は裁判所へ仕事を持ち込むでしょう。それで持ち込んだものが、今よりももっと酷い解決状態になるということだったら、これはもう国民が許さないという問題になってきて、裁判所は、需要が出てきたときには、直ちにそれに合うように裁判官を増やす。検事も同じ。これが私の裁判所工場・弁護士営業マン論です。こう言っているのです。ですから、弁護士法の第一条にある、弁護士というのは、基本的人権を擁護し、社会正義の実現を図るなんというようなことは、全く頭の中にこの人はなくて、弁護士は営業マンで、規制緩和すれば今まで行政で解決したのが当事者で解決しなければならないようになるだろう、そうすると紛争が多くなる、だからその紛争を弁護士に任せてやらせろということで、弁護士は営業マンだ、こんな企業の代弁みたいなことで司法の問題を論ずるなんということは極めて不道切じゃないですか。 この人はまた、弁護士法七十二条で、基本的人権を守る弁護士業務というのは法曹資格のある者でなければならないということについて、これを改正すべきだと思います。司法書士、あるいはまた税理士を入れても結構ですよ、そういうのを入れていくと、弁護士が、例えば国民千五百人あたり一人という状況に近付いていくでしょう。司法書士も正々堂々と報酬を得て、オールオーバーにカバーするのか、それともある一定の範囲をカバーするのかという議論はあるけれども、ある一定の範囲に限定してもいいでしょう。しかし司法書士にも訴訟代理権を認める。こういうことを言っております。司法書士の試験制度はどうなっていますか。厳密に国民の権利を守ることができるのですか。あるいは税理士の監督権はどうなっていますか。相手方である税務署長が監督するようになっているじゃないですか。もし弁護士が、戦前のように検事局が監督するというようなことになったら、国民の立場に立って司法の独立を守ることができますか。こういうむちゃくちゃな議論をやる人が大きな顔をして専門委員だとか、あるいは協議会の委員になっている、これは実に問題じゃないですか。 この人はさらにこう言っていますよ。仕事がなくて困るというのなら、弁護士は司法書士事務所に行って仕事をすればいいというようなことを言って、弁護士は司法書士に雇ってもらえというようなことまで言っているのです。それで、例えば法廷についてもあまり形式主義的なことをおっしゃるなと。晴海あたりに行ったら、空き事務所がいっぱいあるでしょう。法廷というのは、そういうところで、ここが法廷だと宣言すれば、それでいいんですよ。司法研修所も、和光みたいな大きなものをつくるのではなく、どこにでも研修センターなんてのは幾らでもあるんだから、その一番安いのを借りてやればいいんですよ。いいですか、東京の副都心計画その他で空きビルがあるからそこへ裁判所を持っていけ、安いところを借りろ、こういう議論を堂々と言っているのです。 あげくの果てにどう言っているか。「私は、もう四年間付き合った以上、絶対諦めないぞ」、こう言っている。これからも大いにやると言っているのです。四年間もやってこの程度の議論しか言えない人は、そろそろこういう関係委員をやめてもらったらどうですか。司法の独立に全く理解のない人が、規制緩和小委員会に行ったり、弁護士人口や司法の独立に関係のあることについて大きな顔をしてこういう議論をする。司法の独立の何たるかも知らない、そんな人を野放しにしておいていいのですか。
○永井政府委員 ただいま特定の人の名前とその御意見が出されましたが、これについて私どもここでどうこう言うつもりはございません。なお、鈴木委員は日弁連の推薦の委員でございまして、ほかの委員も鈴木委員の意見と大同小異であったり、外部の先生方は多く、やはり法曹人口の増加、それから修習期間の短縮ということを抜本的改革とせよ、こういう十名の外部委員の一致した意見でございます。
○正森委員 そういうことを言うと言いますが、例えば、規制緩和小委員会にはただ一人の法曹資格者もおらず、また法学教授もいないという状況じゃないですか。そこで、最高裁はこういうようなひどい議論に対して毅然として反論するのが当然じゃないのですか。それが、裁判所は工場で弁護士は営業マンだというようなことを言われて、それが多数説だといってそれに追随するなんといったら、司法の独立はどこにあるのですか。 また、弁護士会も法曹人口をふやすこと自体には反対していないと聞いています。裁判所やあるいは弁護士の、検察官のバランスのとれたそういう拡大ならよろしいと。あるいは、法律扶助制度とかあるいは被疑者段階の国選弁護人制度の充実とか、そういうようなものと一緒になってやらなきゃいけない。 そうすると、私が聞いているところでは、最高裁、法務省は、予算は単年度主義だ、大蔵省がなかなか言うことを聞かない、こう言っているけれども、予算はなるほど単年度主義ですけれども、構造協議に基づく公共投資などは十年間、五百三十兆円、六百三十兆円、十年計画でやって、大蔵省は、それに配慮して年々高い率でそれに合うように予算を伸ばしているじゃないですか。建設省で、河川計画でもあるいは道路計画でも、皆五年計画、十年計画を持っています。それを実現するのが単年度主義であって、計画自体を持つことは決して構わないのです。それを、その日暮らしで一年だけのことを考えていって将来展望を示さない、それは非常に大きな問題じゃないですか。 何のために憲法で司法の独立だけでなしに、裁判所法でも、司法行政事務というのは最高裁判所の裁判官会議が持つ、財政法十八条、十九条はどうなっていますか。裁判所は独立して予算を編成して、そしてそれについて事前に政府は意見を聞かなければならない、減額修正なんかする場合は、もし修正しなかったら要るであろう予算額を財政当局はちゃんと書かなければいけないということまで特別に決まっているじゃないですか。それは物的に司法の独立を全うするために決められているのです。 それなのに、そういういうことは何にもやらないで、一方的に、人口をふやさなければならない、それには、建物が足りない、裁判官が足りないから修習期間は半分に切り捨てる、こんな乱暴な議論がありますか。厚生省でさえ、医者は三年でいい、四年でいい、建物が足りないし教授が足りないから半分にする、そんな乱暴な議論を言いましたか。 私は、時間が参りましたのでこれでやめさせていただきますけれども、最高裁や法務省の姿勢に厳重な反省を求めて、そしてこういうような問題は行政改革で、規制緩和小委員会が全権を持ってやるような問題ではない、日本の憲法の建前からしても、特に裁判所はしっかりと対応する必要があるということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○加藤委員長 富田茂之君。
○富田委員 新進党の富田茂之でございます。 質問時間に関しまして、各委員また事務局の方に御配慮をいただきまして、本当にありがとうございました。 本日の議案であります裁判官の報酬月額また検察官の俸給月額の改定につきましては、新進党もこれに賛成でございます。検察官や裁判官の志望者ができる限りふえていくように、法曹三者のバランスよい増加という点からかんがみましても、できる限り給与、報酬等の面で配慮がなされることは本当に必要なことだと思いますので、これに賛成いたします。 この点に関しまして我が党の方でちょっと議論をいたしましたときに、裁判官や検察官の報酬、俸給が一般職と連動するような形になっている、司法の独立というような観点からかんがみても独自の給与体系が必要なのではないか、もう少し何か配慮されていいのじゃないかというような議論が我が党の中でございました。そのような点について、法務省、最高裁は何かお考えがありますでしょうか。
○永井政府委員 委員御指摘がありましたとおり、現在の裁判官、検察官の給与制度といいますものは、その仕組みにおきまして、裁判官、検察官の職務と責任の特殊性を相当程度反映いたしまして、また、その給与水準において一般の行政官に対してある程度の優位的な較差を保つように考えられておりまして、これがいわゆる対応金額スライド方式ということで、一般職の国家公務員の給与の改善に連動させている、こういうものでございます。 これは、昭和二十六年以来の制度でございまして、一般職の国家公務員の給与に関します人事院勧告の重要性を尊重しながら、裁判官、検察官の職務の特殊性を給与体系に反映させようとするものでございまして、相当の合理性があるのではないか、現在のところはかように考えているところでございます。
○堀籠最高裁判所長官代理者 裁判所といたしましても、ただいま法務省の司法法制調査部長が答弁申し上げましたように、この対応金額スライド方式による給与の改定というものは、生計費とか一般賃金事情の変動に応じて行われる特別職及び一般職の給与の改定と同一割合で行われることになりますので、相当の合理性があるものであるというふうに考えているところでございます。
○富田委員 今の説明もある意味では理解できるのですけれども、今後の司法のあり方を考えたときに、やはり裁判官や検察官の特殊な地位というところを考慮した、今までと違った考え方も必要になってくるのではないかなと思います。これは指摘にとどめさせていただきます。 次に、各委員が御質問されておりましたが、私も司法試験問題に関して何点か質問させていただきたいと思います。 今正森委員の方から、本当に具体的な、そして迫力のある質問がございましたけれども、私も全く同意見でございます。同じような質問を本当に準備しておりました。 ちょっと観点を変えてまた質問させていただきたいと思うのですが、最高裁また法務省は、それぞれ裁判官、検察官の増員ということについて今どのように思われているのか。先ほどからいろいろ議論が出ております。予算の単年度主義がある、また給源の問題がある、司法修習生からしか裁判官や検察官にはなかなかなってこれない、そういう問題があるのも十分承知しております。 ただ、先ほど来の御説明では、検察庁の方は内部のリストラ等を含めていろいろな事情を検討した上で増員を考えていく、今回、オウム事件等いろいろあったので、四十七年以来初めて増員する、四十名というのが出てきた。裁判所の方は、いつもこれを言われるのですが、事件数の動向とか事件処理の状況を見て、また毎年供給状況を見ながら考えていくのだ、そうすると約十名前後いつもふやしていくというような形になるのですけれども、そういう観点ではなくて、もう少し二十一世紀を目指した、国民に開かれた司法がどうあるべきなのか、そういう大きな観点から考えて裁判官、検察官、その適正な人数というのはどういうものなんだ、そういうことについて、それぞれ裁判所、法務省はどのように考えているのか、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
○堀籠最高裁判所長官代理者 御指摘は、裁判所職員定員法につきまして、定員数の最高限度のみを定め、毎年具体的な定員数の定めを最高裁規則などに委任するというような立法形式をとってはどうかというような御示唆と私ども承っておりますが、このような方法は、定員の計画的、弾力的な運用の観点からして十分に検討に値するものであるというふうには考えております。 しかしながら、このような方法をとります場合には、あるべき裁判官数というものを想定しなければなりませんし、そのためには、平均的な事件数やあるべき審理形態というものを確定するとともに、判事補を希望する者の数の予測ということも必要になってくるものでございます。 しかし、これらにつきましては次のような問題がございます。 事件数につきましては、経済事情やその他の社会状況の変動等に左右されるものでありまして、平均的な事件数を想定するということは極めて困難な状況にございます。また、あるべき審理形態につきましては、現在進行中の民事訴訟法の改正作業の中で議論されているところでございます。また、弁護士会等の協力を得ながら訴訟運営改善に取り組んでいる現状でございまして、いまだコンセンサスを得られた理想的な審理形態というものを確定するような段階になっておりません。また、判事補の任官希望者数につきましても、実際上その給源が司法修習生からに限られているということは委員十分御承知のところでございますが、これまでの経験によりますと、希望者数には年によりまして大きなばらつきがございまして、どの程度の任官を希望するか予想することは必ずしも容易ではございません上、委員御承知のように、司法修習生の数が従前の約五百人から、来年の修習終了者になりますと約七百名というふうになりまして、現在は大きな変動の最中である。このような司法修習生の増加が任官希望者数にどのような影響を及ぼすかについても、いましばらく様子を見る必要があるのではないかというように考えられるところでございます。 このようなことからいたしまして、あるべき裁判官数を想定することは極めて困難であるというふうに考えております。 ただ、最高裁判所といたしましても、このような問題意識を持ちながら、御指摘の点についてはなお検討を続けていきたいというふうに考えておるところでございます。
○原田政府委員 法務省の全体の人員に関する要求に関しての立場ということがございますので、官房の立場からお答え申し上げたいと思います。 先ほど来の御議論の中でも御指摘ございますように、この法曹全体の数のあり方ということにつきましては司法全体の枠の中で考えていくべきだ、そして、それについてはさまざまな観点を考えながらも、現実の、例えば予算上の問題その他のことをひとまずおいて、理想的なあり方というものを、将来を見据えながら考えていくべきだという御指摘の点、確かにそのような観点からの検討というものは、私どもといたしましても十分考慮に入れていくべきだという点はございます。 ただ、行政の立場といたしまして、政府の全体の中での厳しい行財政事情の中で、それぞれの部局部局が相互に努力して、省全体として要求の数を定めて財政当局その他に要求していくという中で考えてまいりますと、やはり責任ある立場として、ある一定の目標を法務省だけの立場で、あるいは検察だけの立場で定めてそれを持ち出していくということにつきましては、いろいろな問題点もあろうかと存ずるわけです。 しかしながら、ただいまの委員の御指摘の点につきましても、やはり二十一世紀の司法というのは、かなり長い観点からもいろいろな立場で考えていくべきだろう、法曹三者力を合わせて、それが国民全体の中でどのように受け入れられていくべきだという視点がなければならないという御指摘だと思いますので、そのような観点からも今後とも検討を続けてまいりたい。そして、それが大方の御批判にこたえられるような形で実現に努めていきたい。そのためにはどのような方策が必要なのかということにつきましても検討を続けさせていただきたい、そのように考えております。
○富田委員 今の最高裁の方のお答えですけれども、平均的な事件数の変動がどうなるか、なかなか予測がつかないというのは確かにそのとおりだと思います。 ただ、ここ数年の事件数の増加というのはもう急激なものがあるのじゃないか。日経新聞のことしの八月二十四日の社説ですか、これでも、単なるバブル崩壊とかそういう状況だけじゃなくて、本当に事件が増加してきているというような指摘がございました。裁判官の現在の手持ち事件数、これはもう何度も何度もこの委員会でも御質問をさせていただきましたけれども、一人の裁判官が二百件、三百件持っていて、国民の目から見て、本当に自分の事件のことをちゃんとわかって訴訟指揮して判決まで持っていってくれているのかという不安、不満、そういう国民の声、現場の声にも裁判所としてきちんと耳を傾けていただきたいと思います。 また、給源である司法修習生が五百から七百に今度ふえてくる、その中で裁判官にどれだけ希望するかわからないというふうにおっしゃいますが、さきの通常国会のときにもたしか質問させて。いただいたと思うのですけれども、司法修習の現場では、裁判官を希望しても、裁判所の方では、これはいわゆる就職指導というらしいのですが、修習生の現場では肩たたきと言われております、あなたは裁判官に向かないよ、弁護士になったらどうだというふうに言われて、裁判所を志望してもなかなか受け入れてくれない、そういう現実もあるわけですね。これはもう弁護士会の方に、裁判官を志望してなれなかったという修習生の方からいろいろお話もございますので、全くそういう事実がないということは言えないと思うのですね。 そういう肩たたきまでされているというようなことを考えると、給源について不安があるから、いわゆる総定員法とか、数年先を見越したガイドラインの設定ができないというのはちょっと理屈に合わないのじゃないかな。現場で違うことをしていて表では建前を話されるというような、どうもそういう印象がございます。これはいつも議論になってしまうのでこれ以上は言いませんが、やはり現場の裁判官、現場の修習生たちの気持ちをよく酌み取っていただきたいなと思います。 法曹養成制度等改革協議会の点についてちょっと質問させていただきます。 先ほど正森委員の方からも御質問ございましたけれども、法務省並びに最高裁から改革協に行かれている委員の意見という形で、法務省は、平成十年を目途として司法試験合格者数を一千人程度とし、平成十一年以降の修習については修習期間を一年に短縮し、おおむね数年後を目途として合格者を千五百人にする。また最高裁は、当面合格者を千人程度に増員して、修習期間を一年に短縮し、将来的には千五百人に増員することを視野に入れて検討するというふうな提案が改革協で行われたとお聞きしておりますが、これはこれで間違いないのでしょうか。
○永井政府委員 委員の御指摘はほぼ間違いございません。ただ、法務省協議委員はそのほかにも、継続教育の必要性であるとか、そういった大学教育との関連性についても述べております。
○堀籠最高裁判所長官代理者 改革協におきまして最高裁判所から出ております委員は、最高裁判所の事務当局の案であるということで、当面まず合格者を千人に増員し、修習期間を一年とする、そして、さらにこのような新しい体制のもとでの結果を踏まえて、千五百人に増員することを視野に入れて検討すべきであるという提案をしたことはそのとおりでございます。
○富田委員 先ほど来各委員が御質問されておりますけれども、千名とか千五百名といった増員論、この増員論に何か具体的な根拠等があるのでしょうか。何かこういう調査をしてこの数字が出てきたんだとか、今七百人強の合格者が出ているわけですけれども、五年間の検証期間ということで検証しているわけですが、この千名とか千五百名、何回か前の委員会でもこんな数字が出ているんじゃないかという御質問をしましたら、それは個別な意見であって法務省や最高裁を代表した意見ではないというような御答弁もありましたけれども、千、千五百ということについて具体的な根拠を持った意見として開陳されているのかどうか、その点お聞かせください。
○永井政府委員 法務省の協議委員が改革協において示した改革案は先ほど委員も述べられたとおりでございますが、私ども法務省の協議委員は、法曹人口を大幅に増加させるために、中期的には年間千五百人程度を目標としてその増加を図る、平成十年を目途として合格者を千人程度とする、こういうことを申し上げております。 これは、なぜこういうことを述べたかということでございますが、改革協におきましては約四年にわたりまして学識経験者、企業法務関係者、消費者問題関係者等から相当多数のヒアリングをやっております。それから、法的ニーズについての世論調査などもやっておりまして、それらを勘案し、また協議委員の間の意見交換をした結果等を踏まえまして、やはり現在及び将来の国民の法的ニーズにこたえるためには司法試験合格者を少なくとも年間千五百人以上にすべきである、そういう考え方になったわけでございます。また、これは外部委員のほとんどがそういう意見でございまして、むしろ、基本的には二千人ないし三千人にすべきだという意見が多数を占めております。 ただ、私ども法務省の立場として、一挙に今の倍増をするというのは非常に難しいであろう。これはいろいろな、先ほども話が出ましたように、受け入れ体制の問題でありますとか現実的な問題を考えますと、一挙に倍増、いわば千五百人にするのは難しい、しかし、目標としては倍増を目標とすべきである、こういう考え方に立っているわけでございます。
○堀籠最高裁判所長官代理者 裁判所といたしましては、弁護士に対する法需要が一般の国民の方にどの程度あるかというのを把握することは非常に困難でございますが、改革協の議論を聞いておりますと、民間を代表される委員の人が全員こぞって、十分に法需要にこたえてない、大幅にふやすべきだという意見を述べておりまして、そういう意見というのはやはり国民の皆さんの声をある程度は代表するのではないかというようなことで、尊重すべき点があるのではないかという立場から、私どもは、やはり法曹人口は大幅にふやす意見に賛成する必要があるのだろうというふうに考えた次第でございます。
○富田委員 法曹をふやすということについては私も賛成であります。ただ、千とか千五百という数字がなぜ出てきたのか。今のお二方の御答弁ではやはり納得できない。改革協の中で外部委員が大方そういう意見だったとか、いろいろ調査をしたけれどもということですけれども、最初の質問にも関連してくるのですけれども、将来の法曹三者のあり方、適正な法曹三者の人数とか、そういうことについての本当に十分な検討がされたのかなということ。改革協での議論の全部を御紹介いただくわけにはいきませんから難しいのでしょうけれども、どうもちょっと今の御説明では、大幅な増員論があって、二千、三千というような数字、それはちょっと無理だから今は七百になっているのを千とか千五百にすればある程度理解が得られるのじゃないかというような、そんな単純な考え方が出てきているんじゃないかなというふうに思わざるを得ません。 やはり裁判官や検察官がどのくらい本当に必要なのか、それに対して今の弁護士、一万五千にまでふえた弁護士人口が本当にどの程度国民から必要とされているのか、そういう検証をきちんとした上で増員論というのが出てくるべきだと思うのですが、どうもちょっと、今の御説明ではなかなか納得できないなと思います。 また、増員論とあわせて修習期間の短縮ということが法務省、最高裁の方からそれぞれ言われておりますけれども、先ほど来の各委員に対する答弁を聞いておりますと、二年間の修習が間延びしているという意見がある、これが一つありました。また、マン・ツー・マンの指導体制を考えると、今の段階でも七百人がダブるわけですから、千四百を実務庁の方で受け入れることがある、千四百についてマン・ツー・マンの指導体制がなかなか準備できない、そういうような実情もあるんだという御指摘もありました。 間延びしているというのは、通常国会のときにお伺いしたときも法務省、最高裁、それぞれそういう御答弁をされておりましたけれども、二年間の修習が実際に間延びしている、今の時代のテンポに合わないというような何か検証等、調査等をされたのでしょうか。私自身は二年間の修習を実際に経験しておりますけれども、もう十年以上前になりますが、決して間延びしたとは思いませんし、やっているときは本当に夢中になって、初めての体験ばかりですから、それぞれの裁判所、検察庁または弁護士事務所で本当に一生懸命取り組んだ覚えがあります。それでも力が足りずになかなか、各指導担当の方たちに迷惑をかけるようなこともあったと思うのですが、決して間延びをしたという感覚はない。もっといろいろ教えてもらいたいことがあったなというような感じもします。 何か間延び論の検証がされたのか、修習生から最高裁の方でいろいろ意見を聞かれているのか、その点一点お尋ねしたいのと、実務庁でダブるからというのは根拠にならないと私は思うのですね。先ほど正森先生もおっしゃっていましたけれども、それだけの体制を整えた上での増員論ではないからこういうことになるんだ。日弁連の方では、もしダブるときの受け入れが裁判所や検察庁でできないのなら、その部分を日弁連、弁護士会が担当するような形にすればいいじゃないかというような意見も出ております。ダブるのは四カ月だけなんですから、そこを弁護士修習に充てるとかいろいろな工夫はできると思うので、ダブりがあるから修習は今のとおりできないんだというのはちょっとおかしいのじゃないかなと思うのですが、その点どうでしょうか。
○堀籠最高裁判所長官代理者 修習生に対して、修習期間が二年は間延びしているかどうかということをアンケートをとって網羅的な調査をやったことはございません。しかしながら、修習生の中から間延びしているという声が司法研修所の教官に寄せられているということは私どもは承知しておりますし、また最近、法律関係の新聞の中にも、弁護士志望の修習生が、修習期間は一年でよいという投稿をしていることも事実でございます。 それで、修習期間の問題につきましては、私どもが大幅な短縮も可能ではないかと考えますのは、今日の社会のテンポが速くなっていることや、現行の二年という修習期間が、今申し上げましたように間延びしているという意見も少なくないこと、それから、責任のない状態で長期間研修するよりも、早期に責任ある立場に立って実践教育を実施した方がより早く大きな教育効果が上げられるのではないかというようなことを考えているところでございまして、このように大幅な短縮をいたしましても、法曹資格取得後の継続教育の充実あるいは昨年完成いたしました司法研修所における模擬法廷などの実務に即した教育、戦後長い間の司法修習の実施により蓄積されましたノウハウの実施により、修習期間というのは短縮しても国民の負託にこたえられる質を持った法曹の養成は可能ではないかというふうに考えているところでございます。
○永井政府委員 改革協で修習期間の短縮につきましても多様な意見が出ました。これは決して単に思いっきでそういうことを言っているのではございませんで、いろいろな外国の法曹養成につきましても研究をいたしました。 例えばイギリスなどのバリスター、ソリシターのあれですが、これはいずれも一年間やっております。それから、フランスの弁護士研修センターでも一年間でやっております。それから、ドイツなどは二年間でございますが、ただ、日本のように非常に実務修習をやりますが、これは裁判官室にほとんど入らずに、漫然と大部屋に放置されているだけという現実があるということも聞いております。したがいまして、実質的中身は一年だという評価を受けているということ等もございまして、いろいろな改革協の中での討議の過程の中ではそういう外国の例でございますとか、そういうことを中心にしていろいろ議論もされたこともございます。
○富田委員 今の答弁は予想された答弁なのですが、仮に一年の修習となりますと、今、前期、後期それぞれ四カ月ですか、あと裁判所が民事、刑事それぞれ四カ月、検察庁、弁護士会が四カ月ということで実務修習をしているわけですけれども、半分の一年間になると、それがどういう形で議論されているのかはっきりわかりませんが、恐らく全部二カ月ずつでやろうということになると思うのです。 ここにいらっしゃる皆さんはそれぞれ修習を経験されているのでわかると思いますが、では、検察庁に行って二カ月で一体何の修習ができるんだ、取り調べ修習についていろいろ問題はありますけれども、実際には初めて被疑者と面と向かって取り調べて、調書等とり方等を覚えて、その中で被疑者の人権ということに対しても思いをいたしていくようになると思いますし、その上でそれを起訴して、公判にも立ち会わせてもらって実務を覚えていくわけですよ。 それがもう、検察庁で仮に二カ月の修習だったら何にもできないのじゃないか。民事裁判なんというのは、一回期日が入ったら次は大体一カ月か一カ月半先なんですから、裁判長が訴訟を指揮をしていろいろなことをやる、それを見て、では次の裁判で弁護士がそれに対してどういう対応をしてくるか、そういったことも全く見られなくなる、何のための実務修習なんだということになってしまうのではないか。皆さん、もうよくわかっていると思うのですよ。 それをなぜ修習期間の短縮というふうになるのかというと、やはり私の前に質問した各先生たちもかつて言っていましたけれども、財源、予算のことを気にしている。今の予算の枠の中で増員するから、その分、修習期間を短くするんだというような、どうもそういう議論になっているのじゃないかなという感じがします。やはりそれはもう、これからの法曹三者のあり方を考えたときに、決して正しい考え方ではない。法務省、最高裁の方たちもそれぞれ司法研修所での研修を弁護士になった同期の皆さんとやっているわけですから、どれだけ修習時代の二年間が自分の人生にとっていいものだったかというのはもうおわかりになっていると思うのです。そのあたりをどうかもう一度思い起こしていただきたいなと思います。 きょうはほかにもちょっと質問を用意しておりますので、司法試験問題についてはこれで終わらせていただきます。 次に、破壊活動防止法、破防法について何点か質問させていただきます。 本年の五月十六日付でオウム真理教が破壊活動防止法に関連しまして調査対象団体に指定されたということですが、調査対象団体の指定というのはどのような手続なのか、また根拠規定等があるのかお教えください。
○杉原政府委員 調査対象団体の指定というのは、公安調査官の調査活動が公安調査官個々の恣意によって行われることのないように、統一的、効率的に行われるようにするために、公安調査庁長官があらかじめその調査すべき対象を調査官に指示する内部的な手続でございます。特に法律で規定されたものではございません。
○富田委員 そうしますと、五月十六日に内部的な手続としてオウム真理教を調査の対象にしたということになると思うのですが、それ以前に全く公安調査庁としてオウム真理教を調査の必要な団体というふうに考えていなかったのか。 今いろいろオウム真理教の関係者が行った一連の事件が、裁判が進んで、だんだん背景がわかってきておりますけれども、特に昨年六月二十七日には死者七名を出した松本サリン事件が発生して、七月九日には上九一色村のオウム真理教施設周辺で異臭騒ぎが起こっている。その異臭騒ぎが起こった地域を調べたら、十一月の時点ですけれども、サリンの副生成物が検出された。これで、松本サリンというのはオウム真理教とかなり関連しているのじゃないかなというような疑いが客観的には出たと思うのですね。読売新聞でしたか、ことしの元旦の新聞で、一面で関連性について触れるような記事もありました。 そういうような一連の経過があったのに、五月に至るまで公安調査庁が全く動かなかった。オウム事件を単なる刑事事件ととらえるのか、公安事件として大きくとらえるのか、いろいろ見方はあると思いますけれども、一連の事実経過を見る限り、もう少し早く動いてよかったのではないかな、調査の対象にしてもよかったのではないかなと思うのですが、その点はどうでしょう。
○杉原政府委員 委員御指摘のように、このオウム真理教をめぐりましてマスコミ等で種々の不法事犯への関与の疑いが取りざたされておりましたのは、昨年中からそうであったと思います。 私どもといたしましても、公共の安全の確保の観点からもちろん関心を持って当時から注視をしておりましたが、ただ私ども公安調査庁、公安調査官に許された調査の方法というのは任意調査に限られておりまして、そういうことでいわゆる団体規制のための調査を開始するということになりますと、それなりの根拠、合理的な根拠が必要でございます。また、その調査の方法も任意調査ということで、いわば平たく言えば新聞記者の皆さんと同じような権限しかないわけでございますから、非常にそういった限られた範囲内での調査を行わなければならないということで、特に破壊活動、暴力主義的な破壊活動、今問題になっておりますのは、例えばサリン事件、サリンを使用した殺人事件ということになりますと、やはりその容疑の実態を解明するためには、ある程度の強制調査の実行がなければなかなか深いところに迫れないというようなところもございまして、やはり捜査機関の捜査の進展をにらみながら、それと連携をとりながら調査を進めざるを得ないというような立場にあったということを御理解いただきたいと思います。 先ほど、五月十六日に調査指定団体に内部的に指定して、オウム真理教を破壊的団体として本格的な調査を開始したというふうに申し上げましたが、その以前に、三月の下旬に地下鉄サリン事件が発生をしたときに、私どもとしては特別調査本部というものを部内に設置いたしまして、その段階ではまだオウム真理教そのものが地下鉄サリン事件に関与しているという確定的な証拠はあらわれていなかったわけでございますが、そういうことも視野に入れて、可能な範囲内で公刊物の収集その他若干の関係者にも任意の調査を実施しまして、内偵的な形で調査を進めておりましたということだけ御理解を賜りたいと思っております。
○富田委員 今地下鉄サリン事件発生後、特別調査本部を設置して内偵活動をしていたということですが、その内偵活動等については内閣の方にどのような報告をされているのか。 なぜそういう質問をするかといいますと、ことしの四月二十日の予算委員会ですが、五十嵐官房長官はこのように言っておりまして、「公安調査庁として重大な関心を持って情報収集に鋭意努めているということは聞いているところでございます。」前田法務大臣は、「先ほど官房長官からもお答えでございますが、破防法の所管庁である公安調査庁といたしましては、重大な関心を持って情報収集に鋭意努めているところと理解をいたしております。」これを受けて村山総理は、「これは、先ほどから官房長官、法務大臣、公安委員長等々それぞれから答弁がございますように、この問題につきましては、破防法の所管庁である公安調査庁がそれなりの情報収集はされておると私は思います。」こういう答弁をされているのです。 ちょっと各大臣と総理との答弁にずれがあるのかなと思うのですが、内偵活動を始めてある程度の資料をそろえて、五月十六日にもう調査対象団体にするんだということで具体的な指定がされたと思うのですが、その間において、総理を初めとする各大臣にどんな報告をされていたのでしょうか。
○杉原政府委員 一般的に申しまして、私どもは、この団体規制のための調査の状況について、必要に応じて政府部内で連絡をとらせていただいているつもりでございます。 ただ、この四月二十日の段階で具体的にどのような報告をしたかということについては、ちょっと私この時点で十分把握できておりません。まことに申しわけございませんが、後で調べて御説明させていただきます。
○富田委員 長官はまだその当時福岡の方で検事正をされていたのでちょっとわからないと思うのですが、済みません、その点はまた後で教えていただければと思います。 この調査対象団体の指定に続いて手続が進むと、弁明手続の開始決定というのがされるようですが、この弁明手続開始決定というのは、具体的にはどんな手順で行われるのか。また、この決定を行うか否かを最終判断するのはだれなのでしょうか。法律の条文上から見ますと「長官はこというふうになっているのですが、その点をちょっと教えていただければと思います。
○杉原政府委員 破防法によりますと、特定の団体について団体規制の請求をしようとするときは、弁明手続をその前提として実施しなければならない、こういうふうになっております。 その弁明手続の開始についての具体的な方法といたしましては、公安調査庁長官の名前で、その規制請求の理由の要旨と、第一回の弁明期日の日時、場所を官報で公示をする、公示することによってその団体側に通知をする、こういう手続が法律上定められております。この手続の開始については、公安調査庁長官の専権事項ということになっております。
○富田委員 今のお話ですと、開始決定については長官の専権事項だということであります。 ただ、村山総理の今月の十一日の予算委員会の答弁を聞いておりますと、こんなことを言っておりました。破防法の扱い方には四段階ぐらいの手続がある、最初の手続開始までは行政の判断があっていい、そうすると行政の長としての私の責任があるから慎重に図ってほしいと言ったんだと。 また、十三日の予算委員会でも、政治判断は加えないけれども行政判断あるいは行政指示の可能性があるような、含みのある御答弁をされておりました。今のように、弁明手続開始決定が長官の専権事項だとしますと、内閣総理大臣が内閣法で閣議にかけて決定した方針に基づいて行政各部を指揮監督するといっても、こういう一連の手続の流れの中での決定というのは政治判断、行政指示というものになじむのかな、ちょっとどうなんだろうという感じがいたします。 村山総理は、弁明手続開始以降はこの手続が司法に準ずる性格のものだから政治が関与すべきではない、ただそれ以前なら行政なんだからいいだろうというふうに考えていられるようであります。 私は、ちょっと破防法の勉強をさせていただいたのですけれども、弁明手続開始決定に至るまでの手続、ある意味では刑事事件における捜査段階の手続に似ているのじゃないかな。長官は、内偵活動をして、これはもうこれだけ資料そろったから調査対象団体に指定して、それで弁明手続開始決定まで流れていくんだという御説明でしたけれども、その後は確かに準司法的なシステムが法律上も予定されております。準捜査的な手続の過程に政治の判断が介入していいのだろうかという疑問が一つございます。また、弁明手続開始の前後で、前は政治なり行政は関与できるけれども、手続の以降はだめなんだ、そういう明確な区別のできるそもそもそういう手続なのかどうか、これも物すごい疑問であります。 本来破防法の適用の可否というのは、いろいろな大臣が御答弁されておりますけれども、法と証拠に基づいたこれこそ準司法的な判断であって、外から何か指示が加われば法の適用の公平性が損なわれますし、国民もそれに対して多大な疑いを持つと思います。 どうも村山総理の破防法の適用の可否についての答弁のぶれを聞いておりますと、公安調査庁が本来内偵活動をして動き始めた段階で、内閣として明確な指針とかそういうのを出してなかったのじゃないか。それにもかかわらず手続がずっと進んできて、もう証拠が十分そろってしまった、もう弁明手続開始決定にいかざるを得ないような段階まで熟している、そういうときになって、ちょっと慎重論を急に言い出す、行政判断、行政指示なんという言葉がマスコミに出てくるという、これはちょっとどうしても解せない。その点について大臣は何かお考えありますか。
○宮澤国務大臣 総理の言われましたことは、ただいまもお話がございましたけれども、弁明手続開始までは行政の判断があっていいけれども、弁明手続開始後はいわば準司法的な機関が準司法的な判断をするわけでございますので、行政府としては、破防法が国民の基本的人権に重大な関係を有するものでございますから、手続を開始するに当たっては、無論準司法的な手続に介入をするべきではないけれども、その以前の段階において法と証拠に基づいて厳正かつ慎重に運用されるべきであるという一般的な考え方を示されたものだというふうに理解をいたしております。
○富田委員 私は、その一般的な理解というのがおかしいのじゃないかということで今るる申し上げたのですが、この破防法の適用の可否についての議論のあり方というのはちょっとやはり今問題があるのじゃないか。 一つすごくいい文章があったのですが、読売新聞の十月六日付の社説ですが、「オウム事件と破防法を考える」ということで、こういうふうな指摘をしております。 破防法で初めて、団体の解散を求めるものだけに、憲法が保障する思想・信条、集会・結社の自由など基本的人権との関係を慎重に検討するのは当然だ。 ただその慎重さは、破防法に対する抽象的で一般的な警戒感や、党利党略の絡んだ政治判断に終始すべきではない。 今回はあくまでも、オウムの常軌を逸した無差別テロが、破防法の団体規制に当たるかどうかの厳正な法律判断に立ち、その危険を排除するには、どんな対応が最善かといった冷静な議論が必要だ。 言わば、組織的で狂信的な破壊活動から公共の安全と国民の生命をいかに守るか、破防法遭用の是非も、幅広い社会防衛の視点の中で論じなければならない。 こういうふうに言っております。もうこのとおりだと思うのですね。 弁明手続開始決定以前は行政だから、そこでは政治の判断を差し挟んでいいのだというような考え方、そういう議論の仕方というのは、私は間違っていると思います。この点、大臣はどうお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 破防法の適用の適否というか可否につきましては、さまざまな議論があることは承知しておりますけれども、基本的な考え方といたしましては、破防法の適用が基本的な人権にかかわる問題でございますので、その適用につきましては、法と証拠に基づいて、厳正かつ慎重になされるべきものであるというふうに考えております。
○富田委員 あと一点。 先ほど斉藤委員の方からも要件についての御質問がございましたけれども、最後の要件であるオウム真理教について将来の危険性があるのか、今一連のテロ行為と思われるようなことをやってきたわけですけれども、このあたりについて、まあ長官の意見をと言っても、今捜査中、手続中ですからということでしょうから、私自身の意見を言わせていただきたいと思います。 これはもう本当に将来の危険、大変な危倶感を持っている一人であります。なぜかといいますと、現在も勾留中の麻原彰晃の方から弁護人である弁護士を介して、信者に対し獄中指令が出されているのじゃないか、こんな報道もされております。実際にテレビなんかでもそういうのをもろに出しているようなこともありました。またそれも、自分が戻るまで仕事や修行に励んでそれまで頑張っていろといったような内容で、じゃ、また戻っていって何をするんだ、そういうふうに物すごい不信感がございます。 オウム真理教の教義変更がされたわけでもありませんし、組織も依然として残っている。上を一人捕まえるとその下が代行になるような形で、組織形態が全然変わっていない。また信者の方も、逮捕されて釈放された信者が戻っていったり、執行猶予判決を受けた信者が戻っていったりというような報道も大分されております。また、若年者に向けて新たな勧誘活動を頻繁にやっているというような、そういう事実もあるようであります。人的構成も全然変わっていない、また教団の財産も維持されていて、先ほど、解散命令が行われた場合にどうなるかというような御説明もありましたけれども、現在の段階ではもう維持されている。一部では、名義変更の手続をして解散命令に備えるような動きもある、そういう事実もあるようであります。また、地下鉄サリン事件の容疑者とされている人物も、特別手配をして警察の方で一生懸命頑張っているにもかかわらずまだまだ逮捕されていない。 これが一番問題だと思うのですが、先ほど長官もおっしゃっておりましたけれども、毒ガス兵器また銃器、これだけの大量の殺人兵器をつくった団体というのは、戦前戦後を通じて日本の歴史でなかったのじゃないか。無差別テロ用にこれだけの大量の兵器をつくったという、このノウハウは教団に残っていると私は思うのですね。実際にそれをつくった人間が逮捕されているからといって、そのノウハウがどこかへ行ってしまったというわけではない。そうなると、また同じような事件が再発するのじゃないか、国民は物すごく心配に思っております。 そういう意味でも、この将来の危険性というところを、もう幹部が逮捕されたのだから大丈夫だというように、安易に流されないように希望を述べまして、私の質問を終わらせていただきます。
○加藤委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○加藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕
○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十五分散会 ――――◇―――――