地方分権に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1995/11/01
会議録
○笹川委員長 これより会議を開きます。 地方分権の推進に関する件についで調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として地方分権推進委員会委員長諸井虔君及び地方分権推進委員会委員長代理堀江湛君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○笹川委員長 この際、諸井参考人、堀江参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。 地方分権推進委員会におけるこれまでの審議状況等について、諸井参考人からお述べいただきたいと思います。その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。 なお、意見陳述につきましては、時間が長うございますので、着席のままで結構でございます。なお、お答えのときにはお立ちになってお答えいただきたいと思います。 それでは、諸井参考人にお願いいたします。
○諸井参考人 ただいま御紹介をいただきました地方分権推進委員会委員長の諸井でございます。お隣は堀江委員長代理でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は、地方分権推進委員会の審議状況等について説明をする機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。お指図に従いまして、座って説明をさせでいただきます。 それでは、まず当委員会の発足からこれまでの主な審議経緯及び今後の予定につきまして御説明をいたします。 当委員会は、資料1というのがあると思いますが、一枚めくっていただきますと日程が書いてございますが、資料1のとおり、地方分権推進法が施行された七月三日に発足し、委員として、我々のほか、福岡市長の桑原敬一さん、前神奈川県知事の長洲一二さん、東京大学教授の西尾勝さん、評論家の樋口恵子さん、元宮城県知事の山本壮一郎さんの七人が国会の御同意をいただいた上で総理から任命をされました。 初会合には、総理初め関係大臣が臨席され、総理から、政府としては五年間の前半をめどに地方分権推進計画を作成したいとの御意向が示されるとともに、地方分権推進委員会に対し、二十一世紀に向け、地方分権の総合的かつ計画的な推進を揺るぎなきものとするよう、幅広い観点からの十分な審議に基づき、具体的な指針を勧告するよう要請がございました。 それ以降、これまでの四カ月間に十二回の会合を重ねてまいりました。総務庁、自治省、長野士郎全国知事会会長、増山道保全国市長会会長、筒井直和全国町村会会長や、有識者である亀井正夫政治改革推進協議会会長、塩野宏成蹊大学教授、貝塚啓明中央大学教授からのヒアリングを行うとともに、取り組むべき審議課題に関する検討の方向についての意見交換等を行ってまいりました。その結果、委員会における調査審議にあわせて、地域づくり部会及びくらしづくり部会を設置し、専門的な調査審議を行うことといたしました。 これを受けて、十月中旬には、行政分野別課題について個別具体的かつ専門的に調査審議を行うため、学界、経済界、労働界、言論界、官庁関係、地方団体関係を代表する二十四人の専門委員が総理から任命されるとともに、委員会のもとに地域づくり部会及びくらしづくり部会の二つの部会を設置いたしました。 地域づくり部会においては、国土・土地利用、住宅・公園、産業・交通・通信、公害・自然環境などを担当し、また、くらしづくり部会においては、福祉・保健・医療、衛生、教育・文化、雇用・婦人・少年、消費者などを担当することとしております。なお、地域づくり部会の部会長には横浜国立大学名誉教授の成田頼明さん、くらしづくり部会の部会長には東京大学教授の大森彌さんを指名したところでございます。 また、これらの部会の設置に当たりまして、これまでの委員会における論議を整理することとし、後ほど御説明をいたします「地方分権推進に当たっての基本的考え方」及び「行政分野別課題審議に当たって留意すべき事項」を取りまとめ各部会に伝達するとともに、十月十九日に公表したところでございます。 その後、本日まで、委員会と部会との合同で二回にわたり会議を開催しておりますが、年内は、引き続きおおむね週二回の頻度でこの合同会議を開催し、所管行政分野ごとに、主に地方団体から具体的な改革意見や要望、関係各省庁からは地方への関与等を行っている具体的理由や地方団体から指摘された事項に関する見解を伺うとともに、さらに有識者からもヒアリングを行って、地方分権を具体的に推進するに当たっての改革課題についで審議することとしております。 また、地方分権の推進に関し、国民各層の幅広い意見を聞き、今後の中間報告、指針作成の参考とするとともに、広く分権の必要性を国民にアピールするため、十一月二十七日の月曜日には広島県広島市で、十二月六日の水曜日には群馬県前橋市で一日地方分権委員会を開催することとしております。 さらに、来年一月以降はおおむね週二、三回の頻度で委員会と各部会を別々に開催し、委員会では、国と地方との役割分担、機関委任事務、国の関与・必置規制、補助金等の制度的課題についで審議を行うとともに、各部会では、個別行政分野の事務事業ごとに掘り下げた審議を行うこととしております。 これにより、来年三月をめどに、委員会として中間報告を取りまとめる予定としております。また、勧告の時期については、中間報告後できるだけ早く、来年の秋ごろまでに、遅くとも来年じゅうには行えるよう審議を進めてまいりたいと考えております。 以上がこれまでの主な審議経緯と今後の予定でございます。 次に、地域づくり部会及びくらしづくり部会の発足に当たり、委員会として地方分権推進に当たっての基本的考え方等を整理しましたので、御説明いたします。資料2をごらんいただきたいと思います。 この資料は、今なぜ地方分権を進める必要があるのかということについで、また、各部会においで行政分野別の審議をしていただく際に、どういう視点から検討していただくべきかということについで委員会としての考え方を取りまとめたものであり、新しく任命された専門委員にも、これらを踏まえて部会審議をお願いしたいという趣旨のものでございます。 一枚目が、いわば前文でございます。これまでの審議経緯に触れました後、今申し上げたように、部会の設置に当たり、これまでの委員会における論議を整理することとして、基本的考え方を取りまとめたことを明らかにしております。 また、去る五月の地方分権推進法の制定により、地方分権推進については今や実行の段階にあると言うことができますが、これについでは、我が国の地方制度にとって、明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革というべきものであると位置づけており、当委員会の責任は極めて重いという認識を示したところでございます。 そこで、当委員会としては、別紙1のとおり、六項目から成る改革に臨む基本認識と、改革を実施するに当たって特に留意すべき事項四項目を取りまとめたものであり、基本的にはこの趣旨に沿って各部会で調査検討を進めでいただきたいと考えております。 さらに、国と地方の役割分担、機関委任事務等のいわゆる制度的課題につきましては、今後引き続き委員会においで調査審議していきますが、これらの課題は各行政分野別の課題審議とも関連することから、別紙2のとおり、部会審議に当たっての留意事項として五項目を取りまとめました。これらを踏まえて各部会で調査検討していただきたいと考えているところでございます。 まず、二ページでございますが、別紙1の「地方分権推進に当たっての基本的考え方」について御説明をいたします。 ここでは、昨年暮れの地方分権の推進に関する大綱方針の決定と本年五月の地方分権推進法の制定は、国会、内閣を挙げて地方分権の推進に取り組もうとするものであり、憲政史上画期的な事業であると評価しております。 また、今このような改革が求められている背景、理由については次のとおり考えるということで、六項目を掲げております。 第一の項目は「国・地方を通ずる現行の行政システムの改革の必要性」です。 現在の中央集権システムにつきましては、我が国の近代化、経済発展のために一定の役割を果たしてきております。しかしながら、今日におきましては、住民が誇りを持って住むことができる多様で個性的な地域社会の実現が求められている中で、町づくりや暮らしづくりが数多くの中央省庁のおのおのの立場からの縦割りの画一的な施策により区分され、地方団体が地域の総合的な行政主体として事業を実施することが困難となりがちであると認識しております。 また、国の許認可や補助金を得るために毎年膨大な文書が提出され、細部にわたり審査を受けているなど、時間、労力のコストは極めて大きいと考えております。さらに、現在のシステムでは、地方団体に中央政府への依存意識を抱かせ、積極性、創造性を失わせている面もあるとしております。 したがって、地方分権を推進することにより、全国的な統一性や公平性を重視する現行の「画一と集権」の行政システムを、住民や地域の視点に立った「多様と分権」の行政システムに改めなければならないとしております。 第二点は「変動する国際社会への対応」です。 国際社会の枠組みが大きく変動して、経済等のボーダーレス化が進む中で、各国間の交流がますます活発になるとともに、新たな国際秩序の模索が続いております。このような情勢のもとで、外交、安全保障、国際協力などの政策の重要性が高まっており、中央政府は、国際社会における国家の存立にかかわる政策のほか、国内の民間活動等に関して全国的に統一されていることが望ましい基本ルールの制定など、国が本来果たすべき役割に機能を純化し強化することにより、地域における行政に関しては広く地方団体にゆだねることにすべきであるということを理由の二番目に掲げております。 三点目が「東京一極集中の是正」でございます。 我が国の社会経済構造が東京圏へ極度に集中をして過密等の問題が生じている反面、地方圏においては、人口流出により地域社会が崩壊する危機に直面しているところすら見られます。そこで、国民一人一人が豊かさを実感できる社会をつくるためにも、地方分権を進めることによりまして、地域の総合的な行政主体である地方公共団体が活力ある地域づくりを推進し、多極分散型国土の形成に積極的に取り組めるようにする必要があると認識しております。 四点目は「多様で個性豊かな社会の実現」でございます。 ナショナルミニマムを相当程度達成した我が国が今後真に豊かな成熟化社会へと発展するためには、地方分権を推進し、固有の自然、歴史、文化を持つ地方公共団体がそれぞれの地域の特性を生かし、あらゆる世代や男女の共同参画、交流を通じて、生活者の視点に立った多様で個性に満ちた社会を形成していくという観点からも分権が必要であると指摘しております。 五点目が「高齢化社会への対応」です。 急速に高齢化が進みつつある我が国におきましては、住民が支え合い、高齢者が安心して暮らすことのできる社会環境を地域の特性に応じで用意し、保健、医療、福祉、教育等に関するきめ細やかなサービスを総合的に提供できる地域社会のシステムを整備するためにも地方分権が必要であると指摘しております。 六点目は「民主主義・自己決定の徹底」です。 我が国が引き続き活力を維持して、より自由で創造性にあふれた社会を実現するためには、広範な住民の地域行政への積極的な参加を進めるとともに、民主主義の原理である自己決定の重要性を改めで認識し、そういう観点から、「官から民へ」の規制緩和に合わせて、「国から地方へ」の地方分権を進めていかなければならないとしております。 次に、地方分権を推進する方策を検討するに当たって留意すべき点ということで、四点を掲げております。 一点目は「分権は国から地方へ」としております。 分権には、都道府県から市町村への権限移譲等も含まれますが、当委員会としては、分権は国から地方全体へという基本的な考え方に立つで、国、都道府県、市町村の役割分担を明確にしていくべきと考えております。 それから、二点目が「いわゆる受け皿論への対応」でございます。 地方分権を推進するためには、いわゆる道州制の導入など、現行の地方制度そのものを見直すべきであるとの意見もあるわけでございますが、当委員会としましては、まず地方公共団体に十分な権限や財源を付与することを急ぐべきであり、当面、現行の市町村、都道府県という二層制の地方制度を前提にして、基礎的自治体としての市町村、広域的自治体としての都道府県、この役割分担を踏まえつつ分権を進めていくことにしております。 その場合に、地方公共団体は、広域行政の推進、職員の資質の向上、監査機能の充実、情報公開の推進などの諸施策に努める必要があると考えているところでございます。 なお、小規模市町村に権限移譲を行う場合には、都道府県が必要な補完・支援を行うこと、また、市町村の規模、行政能力等に応じ段階的な権限の移譲を行うことなどの配慮が必要だと考えております。 三点目は「行政の簡素効率化」です。 国、地方を通じ、行政の簡素効率化には十分配慮すべきであり、地方分権を推進するに当たっても、全体として公務員の数がふえるようなことのないよう努めるなど、必要な措置を講じなければならないと考えております。 四点目は「税財源の充実」でございます。 地方分権の推進に伴い、地方税財源を安定的に確保していくものとし、地方税については、地方における歳出規模と地方税収入の乖離をできるだけ縮小するという方向で、課税自主権を尊重しつつ、その充実確保を図るべきであるとしております。 また、地方交付税につきましては、地方公共団体が地域の実情に即した自主的、自立的財政運営を行えるよう、その総額の安定的確保を図るとともに、財源調整機能の充実を図る必要があるとしております。 次に、別紙2の「行政分野別課題審議に当たって留意すべき事項」でございます。五ページになります。 最初は「国と地方の役割分担」です。 これについては、昨年暮れの地方分権大綱方針や地方分権推進法と基本的に同じ考え方に立って、国は、国際社会における国家の存立にかかわる事務、また、国内の民間活動や地方自治に関して全国的に統一されていることが望ましい基本ルールの制定、全国的規模・視点で行われることが必要不可欠な施策・事業の実施など、国が本来果たすべき役割を重点的に分担することとし、その役割を明確にしていく必要があることを指摘しております。 その際に、全国的な統一性、全国的な規模・視点を重視して行う必要のある事務につきましても、執行を地方の裁量にゆだねることが適当なものについては、国は、極力、基準の提示や制度の大枠の制定にとどめるものとしております。 また、地方公共団体は、地域の責任ある行政主体として住民ニーズや地域の実情に応じた施策を積極的に展開していくため、地域に関する行政を主体的、総合的に担い、企画・立案、調整、実施などを一貫して処理していくものとすることとしております。 二番目は「機関委任事務」でございます。 機関委任事務につきましては、住民による選挙で選ばれた地方公共団体の長を国の機関として国の事務を委任し執行させるものであるところから、制度そのものの廃止を基本として検討すべきであるとの意見があることを踏まえ、それぞれの事務について、事務自体の存続の可否を検討した上で積極的に団体事務化を図り、引き続き国の事務として残らざるを得ないものについでは、機関委任事務制度を廃止した場合の問題点、新たな事務処理方法等についても検討することとしております。 機関委任事務制度そのものの廃止を基本として検討すべきであるとの意見が委員や有識者から出されたことを踏まえ、個々の機関委任事務について引き続き必要な事務なのかどうかをまず検討し、必要な事務だということであれば、次に地方公共団体の事務にする、要するに団体事務ということでございますが、そういうことを積極的に図り、引き続き国の事務として残らざるを得ないというものがある場合には、機関委任事務制度を廃止した場合の問題点や、かわりの新しい事務処理方法等について検討していきたいということでございます。 三番目が「国の関与及び必置規制」でございます。 六ページ目になると思いますが、国の関与・必置規制については、必要最小限のものに整理合理化を図るとともに、存置する場合においても、関与については、事前関与から事後関与、権力的関与から非権力的関与への移行を、また必置規制については、基準の弾力化を基本とすることとしております。これは地方分権大綱方針と同じ考え方でございます。 次に、この考え方に加えまして、整理合理化の際、法令の定めによらない関与・必置規制についても見直しの対象とするとともに、国の関与・必置規制を存置する場合においても、基本的な事項については法律に定めるべきであるという意見があることに留意して、これらの関与・必置規制の法制・根拠規定などのあり方についても検討していただきたいとしております。 四番目が「補助金等」でございます。 前段の部分は地方分権大綱方針と基本的に同じ考え方に立っております。 補助金等については、事務事業の内容等を勘案し、地方団体の事務として同化・定着・定型化しているもの、あるいは人件費補助に係る補助金、交付金等については一般財源化等を進めていただきたいと指摘しております。また、国と地方の役割分担の見直しにあわせて、真に必要なものに限定していくなどにより、より一層の整理合理化を進めることとしております。その際、例えば奨励的補助金等については、基本的に縮減を図っていくなどの点に留意することとしております。 この考え方に加えて、補助金につきましても、国の過度の関与を是正する観点から、補助基準、補助要綱等のあり方を見直すとともに、補助金の対象となった地方公共団体の財産の有効利用を進めるという観点からも検討していただきたいとしております。 「その他」として二つ掲げておりますが、国の地方出先機関については、地方分権の進展に伴い所要の見直しを行うこととしております。 また、地方事務官制度につきましては、新憲法制定直後の新しい地方制度のもとにおいてとられた暫定的な措置であったということを踏まえて、雇用や福祉をめぐるその後の状況変化を勘案し、検討するということにしてございます。 以上で当委員会の審議状況等についての説明とさせていただきます。 なお、この機会に、当委員会における議事内容の公開等の取り扱いについて御紹介させていただきます。 当委員会では、審議状況を関係各位に御理解していただくため、委員会終了後、原則として、委員長、委員長代理から記者会見を即日行っております。また、委員会の翌日には、審議経過の速報版を「審議概要」として公表しているほか、おおむね三週間後には、議事録に相当するより詳細な「議事要録」を公表しております。また、毎月一回、当委員会の活動状況をまとめた「分権委ニュース」を発行し、国会関係、中央省庁、地方公共団体等に配付させていただいており、委員会運営の透明性に努力していることを付言させていただきます。 最後に、言うまでもなく、今回の地方分権の推進は、平成五年六月の衆参両院の「地方分権の推進に関する決議」が採択されたことに始まり、昨年暮れの地方分権大綱方針の閣議決定、本年五月の地方分権推進法の制定や当委員会の発足により新たな段階に入ったと考えております。当委員会として、今回の地方分権の推進を、我が国の地方制度にとって、明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革として位置づけ、今後とも精力的に調査審議を進めてまいる所存であります。 今回の地方分権の推進を実りのあるものとするためには、当地方分権推進委員会の活動のみならず、何よりも国会における強力な御支援、御協力と国民各位の御理解、御支持が必要と考えているところでありますので、そのことを切にお願い申し上げて、私の説明を終わりたいと存じます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○笹川委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○笹川委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田聖子君。
○野田(聖)委員 おはようございます。野田聖子でございます。 本日は、大変お忙しい中、地方分権特別委員会にお出かけいただき御報告を賜りまして、本当にありがとうございました。私は、三点ほど委員長にお尋ねしたいと思います。 まず初めに、このたび、推進委員会のいわゆる下部組織と申しますか、先ほどのお話では個別専門的という審議をするための部会がつくられました。実は、私たちは国会で地方分権推進法を成立させました。しかし、この法律自体は決して具体的なものに突っ込むのではなくて、総論として地方分権を進めていく、で、後々の住民に直接影響してくるような具体的なものについては法律に基づいて推進委員会の皆さんにすべてをゆだねるということで今日に至っているわけです。私たちは、その推進委員会の設置まではこの委員会の場所、国会の場所で理解しているのですが、部会については正式な場所ではきょう初めで聞くという形になります。 そこで、この部会の中身についてお尋ねしたいことと、若干懸念がございますのは、委員長も最初、推進委員会の委員長に内定されるころには、マスコミ、新聞やテレビで委員長大事について大変つらい思いをされたのではないかと思います。官主導ではないかとか消極的ではないかという厳しい声がある中、今日まで頑張っていただいておるわけですけれども、結局、分権推進委員会というのは露骨な官庁関係のOBが入っていないということでおおむね地方自治体には理解をされておりました。 ところが、今回新しくできた部会の名簿を見せていただきますと、それぞれ地域づくり部会、くらしづくり部会には堂々と各役所の元の次官が入っておられますので、委員長がいつもおっしゃっているのは、これは住民のために、そして住民の意思でやっていくものだということなので、むしろ推進委員会ができるときにはきちんとそれは切り離そう、民間主導でやっていこうということを委員会の審議の中でも随分各委員が話をしてきた経緯がございます。これについてどういうふうにお考えか。 そして、またその部会で出できた答えに対して推進委員会としてはどういうふうな関与というか位置づけを持っておみえになるかについて、ちょっとよくわかりませんので御説明をいただきたいと思います。
○諸井参考人 部会に中央官庁のOBが入っているという点でございますけれどもへ私ども委員会では、委員会のメンバーというのは七人でございましで、必ずしも地方問題について専門知識が十分とは言えないと思います。そこで各界の専門家の方に入っていただいておるわけでございますが、やはり中央官庁の物の考え方とか仕事のやり方というものを片一方で十分に聞いた上で処理をしないと、問題の本質的な解決にならないのではないかという点もございますので、入っていただくようにしたわけでございます。今まで二回ほど部会をやっておりますけれども、御懸念のような感じの動きというものは私はないように思います。 それから二点目の、部会の審議と委員会の審議をどういうふうに調整するのかという点につきましては、私どもは、あくまでも七人の本委員会が指針の勧告については責任を持っているというふうに考えております。したがいまして、部会で御審議をいただきました内容の報告を委員会で受けまして、委員会で十分討議した上で、委員会の責任においで発表するあるいは勧告を申し上げる、そういうつもりにしておりますので、御懸念のような点は万々ないように私どもとしても全力を挙げてやります。そういうことでひとつ御理解をいただきたいと思います。
○野田(聖)委員 これは、別に委員長を責めるわけではなくて、推進委員会が決まる段階で非常に神経を使った部分だと思います。やはり民主導、住民本位の地方分権を進めるということで、推進委員会におかれてはそういう露骨なOBを入れないということで一つ切り抜けた部分があったので、今後ともそういう方向で、民間主導でぜひ進めていただきたいと思います。 続きまして、先ほどもお話しいただきました、これは十月十九日に正式に発表されました「基本的考え方」における機関委任事務のあり方なんですけれども、実は国民の多くというのは、それぞれ毎朝配達される新聞を見て世の中何が起こったかなということを理解されると思います。 そこで私、たまたま十月二十日の、委員長が御発表されました「基本的考え方」、「留意すべき事項」というのの記者会見ですか、各新聞社の記事を取り寄せてみたのです。ところが不思議なことに、一つの話を聞いているにもかかわらず、それぞれとらえ方がもう千差万別というか、前向きなのか後ろ向きなのかはっきりいたしません。例えば十月二十日の朝日新聞を見でみますと、「機関委任事務の廃止打ち出せず」と書いてありますし、産経新聞を見ますと「自治体への機関委任事務将来の存続に含み」、そして読売は「「機関委任事務廃止を」分権推進委が基本方針」。 この三紙を見ただけでも、結局は何だったのかというのが——恐らくこれ、私たちのような仕事の場合、たくさん新聞を取り寄せていますから比較もできるのでしょうけれども、朝日新聞を読んでいる方は、ああ機関委任事務というのは廃止をしないんだなという国民の理解が生まれでくるだろうし、逆に読売新聞の人は、ああ機関委任事務は廃止になるんだなと単純に、国民の皆さんそこまで突っ込んでこの分権推進についてやっていくわけじゃないですから……。それについてもう一度この場で、機関委任事務についての方向性をお示しいただければありがたいと思います。
○諸井参考人 機関委任事務制度の取り扱いにつきましては委員会でもいろいろ意見交換をやっておりますけれども、各委員から、機関委任事務制度は地方分権の理念にそぐわない、その廃止を前提に今後も検討をすべきだという意見がかなり強く出されております。ただ一方で、本当に全部廃止をしてしまった場合何か問題点が残らないのか、あるいは何かそのかわりの制度が必要になるのか、その辺のことをやはりきちんと検討をした上で本当の結論を出しましょう、大体こういうところに落ちついたわけでございます。 今後、部会で、教育とか福祉とかそれぞれの行政分野別に調査審議をしてまいるわけでございますが、この機関委任事務についで、委員や有識者の意見として基本的には廃止を検討すべきだと、そういう意見があることを踏まえた上で検討するように部会の方にお願いしているわけでございます。 それで、さっきもちょっと御説明したのですけれども、「留意すべき事項」の中に述べでおりますように、まずその事務自体が存続の必要性があるのかということを検討いたしまして、そして必要だということになった場合に、それが県に任せられないのか、要するに団体事務化できないのかということを検討いたしまして、そして、それでもどうしても残らなければならぬとなった場合に、それは機関委任事務というやり方以外の方法がないのか、あるいはその機関委任事務を廃止した場合にどんな問題点が残るのか、克服できる問題点なのかどうか、そういうふうなことを十分に検討いたしまして、恐らく年明けから、部会のそういう行政分野別の検討とあわせて本委員会の方でまた機関委任事務制度そのものについての検討をやるつもりにしております。そして、はっきり結論を出すつもりでおります。 そういう段階でございましたので先般のような発表をいたしまして、私どもの言い方もあるいは悪かったのかもしれませんが、ちょっとそういうマスコミの間で受け取り方が若干区々になったという点は反省をしております。どうもありがとうございました。
○野田(聖)委員 いや、このことに関して決しで委員長が反省することはないわけでして、やはりマスコミの方も、もう少しこういうのはきちんと中立的に、私見とかそういうものを含めずに報道していただかなければいけないわけです。新聞によって余りに違い過ぎましたので、できないと言っているところとできると言っているところの差が激し過ぎるということは、国民の皆さんにとっては非常に迷惑な話であろうかと思います。また、委員会の方でも、これからやはりどんどんディスクロージャーというか、オープンにやっていくという中で、特にこういう誤解が生じないように検討していただきたいと思います。 若干時間がありますので、私が記事を見ていまして非常に感銘を受けたのは、推進委員会の初会合の折に委員長初め七委員の皆さんがまずコンセンサスがあったのは、やはり国民の世論の喚起だ、国民の皆さんがやろうという気になってもらって初めてこの地方分権は進んでいくのだという意思の疎通があったというのを新聞で読みまして、大変うれしかったのです。 ところが最近、非常に残念なことに、さまざまな事件が多過ぎることも確かなのですけれども、地方分権という大きなテーマが非常にトーンダウンしているというか、国民世論の中で余り関心のない出来事の一つになっているようなおそれがあります。ですから、この時期に委員会を闘いで、お忙しい中来ていただいたことは、もう一度そういう刺激を与える意味では大変タイムリーだと思うのですけれども、問題点は、ただただ国民の立場だけではなくで、最終的に住民の直接の窓口である市町村の立場というのをもう少し鮮明に、はっきりと地方分権を推進してほしいなという思いが強うございます。 例えば、新聞なんかで発表されましたけれども、地方分権の先駆けども言われるパイロット自治体制度、これは平成四年に閣議決定されている制度で毎年ずっとやっているのですけれども、最近はだんだん人気がなくなってきている。これは骨抜きだとかさまざまな文句は出ているのですけれども、いずれにしでも地方分権の先駆けであることは間違いなかったわけですが、ことしに至るまで何と市町村では三十九市町村しかその制度を取り入れていない。これはわずか一%にすぎないということなのですね。 あわせて、今問題になっているのは、地方税収が非常に落ち込んでいて、地方の市町村の借金がふえでしまっている。そしてまた、地方自治経営学会というところがアンケートをとったところ、県は地方分権に非常に乗り気なのだけれども、その下と言ったらまた怒られでしまいますけれども、末端と言ってもいけないですね、住民の直接の窓口である市町村にその調査をしてみると、六二・五%が関心がないのだ、こういう状況にあるわけで、先ほど一日地方分権の日というのをやるというような話がありましたけれども、これだけではちょっと至らないのじゃないかな。 これからの地方分権の中心的役割になるであろう市町村に対して、推進委員会としてもう少し何か具体的な方策を考えていかなければ、住民のところ住民のところといってもそこの窓口で遮断されるようなおそれがあると思うのですけれども、いかがお考えでしょうか。これは通告しでなかったので、ごめんなさい、個人的なお考えで結構でございます。
○諸井参考人 私ども委員会の場で、知事会の会長さんとか市長会の会長さんとか町村会会長さんとかにお話を伺っでいますと、大変熱意にあふれるお話でございますし、また、そういう団体の仕事として、中央集権のために一体どんな困ったことが起こっているのか、あるいはどんなに時期がずれておくれてしまっているのかとか、そういう具体例をたくさん集めておられまして、非常に説得力のあるお話も伺っておりまして、そういう方々は非常に熱心であるなというふうに感じております。 ただ、おっしゃるように、たくさんの都道府県、市町村があるわけでございますから必ずしも全部が全部そういうふうに御熱心であるとは言い切れないのかもしれませんが、その点は我々もこれからまた検討いたしまして、都道府県、市町村を通して、また住民の方々の地方分権に対する熱意が盛り上がるようなそういう活動を考えてみたいと思います。どうもありがとうございました。
○野田(聖)委員 よろしくお願いします。 最後に、先ほどもお話ありましたけれども、確認の意味で、推進委員会の具体的な指針の勧告の時期についてもう一度御答弁いただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○諸井参考人 来年の三月に中間報告を出したいと思っでおります。そして、その後、今後の委員会、部会の審議の状況にもよるわけでございますが、できれば平成九年度の予算に反映することが可能な時期までに勧告を出したいというふうに考えておりますが、ただ、かなり時間がタイトでございますので、あるいは緊急度の高いことから、一遍に全部出すのではなくで、多少五月雨的になるかもしれませんが、逐次出していくというふうなことも考えておりまして、いずれにしでも、来年じゅうにはすべで終わるというふうな形にしたいと思っております。
○野田(聖)委員 どうもありがとうございました。
○笹川委員長 今井宏君。
○今井委員 おはようございます。今井宏でございます。 本日は、大変御多用な中にもかかわりませず、諸井委員長さん、そして堀江委員長代理さん、こうした貴重な機会をちょうだいいたしまして、御報告をいただき、質疑の時間をいただきまして、大変うれしく思っております。今後とも、どうぞ引き続き御指導をいただきますようにお願いさせていただきます。 さて、考えてみますと、地方分権革命という言葉がございますように、まさに画期的な制度の取り組みという時代に来たのではないかと思っております。大化の改新にもじれば、平成の改新の時代が来たのかな、こんな感じもしないわけでもないわけでございまして、何とかこの地方分権の確立というものを確かなものにするために、ぜひリーダーシップを発揮していただきまして御指導を賜りたいとまずお願いをさせていただきます。私は分権推進委員会の応援団のつもりでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思っております。 実は、この職にある前、私は草加市の市長でございまして、せんべいの市長でございましで、市民にはいつも、草加せんべいはなぜうまいの、手づくりだからよ、こういうことをよく言うのです。まさに地方自治も、手づくりを徹底していくためにはこの分権というものが大切ではないか、住民のものになるのではないか、私はこのようにいつも感じでおります。 地方分権こそがまず最大の行政改革であり、最大の政治改革につながってくるのではないかと思えてならないわけでございます。中央集権の構造、硬直化した縦割りを是正するとか、あるいは既得権化した財政の硬直化を打破する、抑制しでいくとか、あるいは利益誘導型の政治を打ち破る重要な起爆剤になる、このように考えておるわけでございます。 早速何点か御質問させていただきます。時間の関係上、一括して御質問させていただきたい、こういうように思いますが、よろしくお願い申し上げます。 まず、国権の最高機関と言われる国会で法律にかかわったわけでありますけれども、具体的な方針というものを出さずに、どちらかというと、先ほど野田先生からお話がございましたように、委員会にゆだねる、こういう一部あいまいなところがあった、私はそのように個人的には感じておりまして、その分御迷惑をおかけするわけでございますが、要望としましてもぜひ具体的な方針を出していただきたい、こういうふうに思っているわけでございますが、委員会を進める上で何かやりにくいことはございますでしょうか。例えば、官官分離だなんていいますけれども、官の抵抗をちょっと感じるとか、国会議員というのは、これから国会ではこういうことを望んでいきたいとか、いや、地方は意外と意識が少なそうだからちょっと心配だとか、そんな点をちょっと感想も含めてお話をいただければ、かように思っておるわけでございます。 それから、情報開示を徹底していただいて、ニュースとか速報版、議事録、要録をいただきまして、大変感謝をしております。こういう基本的な姿勢に対して、心から委員会の皆さん方に敬意を申し上げるわけでありますが、その情報を住民も自治体も全部共有するということがとても大切だと思うわけでございますが、その辺につきまして啓蒙に何か御指導いただけるようなことがないでしょうか。とりわけ、住民とあわせて、自治体側が意外と意欲が、今のままの方がぬるま湯でやりいいよというところがちょっとございまして、心配をしております。そういう意味で何か御提言いただければ、かように思っている次第であります。 次に、国と地方の役割分担でございますが、国の役割を明確にするべきだという考え方を私は持っておるわけでございますが、法律を審議していく段階で、大臣とすれば、「国が分担すべき役割が明確になっていくものと考えて」おる、ぜひ具体的な文言を指針の方に示していただきたい、こういう要望があるわけでございますが、いかがでしょうか。 次に、機関委任事務でございますが、この機関委任事務そのものを廃止するべきだと私は思っております。これも質疑の中で大臣は、「検討の結果、制度の廃止ということになれば、所要の措置を講ずることに」なります、このように政府から御答弁いただいています。それで法案の修正もいたしまして、第五条の「その他所要の措置」はこうした場合を想定した規定でございますので、御理解を賜る中でぜひ「所要の措置」からスタートしていただければ、こういう気持ちが非常に強いわけでございます。 それで、先日の基本方針について、機関委任事務の廃止をするべきだ、こう言い切れなかったところは先ほど御説明はいただいたわけでございますが、ぜひ私は、こういう平時のときに革命をするわけですから、思い切ってとりあえずまず廃止してしまって、仕切り直しをして、地方分権のシンボルとして機関委任事務をまず廃止してしまうんだよ、それから必要なものは何だ、残すものは何だ、場合によっては機関委任事務というネーミングまで変えでしまうぐらいなことからやっていけばまた意識も上がるし、まさに分権の時代だというシンボルになるのではないか、このように考えておりますが、いかがでしょうか。 それから当然、権限に対しまして財源ということでございますが、税調との関係もある、こういう御発言も一部コメントとして闘いでおるわけでございますが、委員会として見解を取りまとめて、それを政府の方に判断してもらえばいいことではないだろうか。地方税を含めた財源までございませんと分権が進まないということでございましで、この件についての御見解を賜りたいと思うわけでございます。ぜひ指針の勧告に盛り込んでいただきたい、かように思う次第でございます。 それから、最後になりますけれども、勧告でございますが、何回か五月雨的に熟度の高いものから、緊急度の高いものから、こういうことでございます。ぜひ何遍か具体的な勧告をしていただきますようにお願いを申し上げて、質問を終了させていただきます。
○諸井参考人 たくさんの御質問をいただきまして、そのうち、住民の啓蒙の関係とそれから機関委任事務の問題は堀江委員長代理から答えでいただきたいと思っております。 それで最初に、何かやりにくいことはないかと、大変ありがたいお話をいただきました。私も、最後は、困ったときはこの委員会に駆け込んでお願いをしようと思っておりますのですが、今のところ、特に何か抵抗が非常に強いとかどこかから圧力がかかるということは一切起こっておりません。これからだんだん具体的な問題に進むにつれて、あるいはそういうこともあろうかと思います。またいろいろお願いをすることもあろうかと思いますが、その節はひとつよろしくお願いをいたします。 それから、いずれにしてもこの役割分担というのははっきりさせることが我々の責任であろうかと思っております。国のやるべき事務、それから地方がやるべき事務、すっきり分けてしまえば一番はっきりするわけですが、ただ、恐らくその後またいろいろな新しい事務が起こってくる、新しい情勢が起こってくるというようなことになると思います。これをどういうプリンシプルてするのか、その辺はなかなか難しい点ではないかと思います。 いずれにしても、これから部会で個々の分野についてどんどん審議をしてまいりますので、それでできるだけ今の、国のやるべきこと、地方のやるべきこと、あるいはその中間帯のものをどう処するか、そして機関委任事務をなるべくやめていくような方向ですとか、そういうような検討をしてまいりたいと思っております。 それから、財源の問題につきましては、実はまだ余り委員会の中でも議論はしておりません。むしろこれから重要な、主要な課題であろうかと思っでおります用地方の自主財源を充実しなければならぬというのはその一つの大きなテーマではないかと思いますが、おっしゃるように、税調もこの問題を扱っているわけでございますね。それで、我々の方としても、何もその問題についての答申がないということではこれは役割を果たせないと思いますので、それなりの考え方はやはりきちっと詰めてまいりたいと思っておりますが、一方で税調の審議の方も、私は実はその税調の委員も兼ねておりますものですから、税調の審議もにらみながら、最終的には私どもの責任で政府に答申を申し上げるということになろうかと思いますが、そういうことでひとつ御理解をいただきたいと思います。 あと何かございましたかな。じゃ、あとは堀江先生にお願いします。
○堀江参考人 堀江でございます。 今、今井先生から大変心強い応援のお言葉をちょうだいして、大変感謝しております。また、先生御自身が地方自治の第一線で実務の豊かな経験をお持ちでございますので、むしろ私どもが今後いろいろお教えをいただかなければならないのではないか、かように考えております。 それで、先ほどの野田先生からの御質問とも重なりますが、機関委任事務の件でございます。 先ほど委員長がお答え申し上げましたとおり、新聞等で私どもの委員会での記者会見の結果が多少違う形で報道されたと申しますのは、委員七人の中では、非常に強く直ちに機関委任事務廃止ということを打ち出せという御意見と、それはそうだとしても、しかし機関委任事務を廃止するということになればいろいろ問題もあろうから、そういうことについでもう少し検討した上で結論を出すべきだろう、この間の事情を記者会見で御説明する際のいろいろなニュアンスの違いで報道の違いが出てきたのではなかろうかと思っております。 それで、地方分権推進法の十七条の規定に基づく政令によって専門部会ができたわけでございますが、専門部会ができた以上、私どもの委員会の所掌する専門的な部分の検討を部会の研究にまつということでございますので、それをお願いしながら、結論を先にこの委員会で出すというわけにはいかないというような事情があったのでその種の御迷惑をかけたのではないかと思います。 この法律ができる際の山口国務大臣の御答弁の中にございますように、まさに機関委任事務を仮に廃止するとしますと、不要と認められでいるものについては事務そのものを廃止するということ、また、事務自体の必要性の認められるものであって地方公共団体の事務とすることが適当なものは団体委任事務にしていこう、それからまた、積極的に団体事務化を図ることによって機関委任事務を廃止する方向にいくとしても、なお残る国としてやらなければいけない仕事があった場合どうするか、こういった三つの問題が残るわけでございますので、その辺について、今後専門部会の専門的な検討をまちながら、しかし先ほど委員長が申し上げましたように、正月以降、私ども委員会の責任においてこの機関委任事務をどうするかということについて検討してまいりたい、かように考えでいるような次第でございます。 そして、実は地方分権が必ずしも住民の間で強い要望となっておらぬのではないかという御指摘が両先生からございました。そのとおりであろうかと思います。自治体の関係者は多年この地方分権の問題について、非常に多くの実務の上で悩んでこられたという事情もございまして、自治体の責任者の方々は強い意欲をお持ちでございますが、住民においではまだ必ずしも、分権が進むことで住民に一体どんな利益がもたらされるのかということがよく浸透していないという面もあるのではないかと思います。 そういうことでございまして、私ども広く住民の方々にこういった地方分権の必要性について理解していただきたいというようなこともございまして、一日地方分権委員会といったようなものを開いてはいかがかというふうに今考えております。具体的には、地方分権の推進はそういった住民の盛り上がりによって初めて進められるものでございますので、地方分権の推進に関して国民各層の幅広い意見を聞き、今後の中間報告あるいは指針の作成の参考とするとともに、広く分権の必要性を国民にアピールするために、年内は二カ所で、現在、広島と群馬県前橋市で」ういった一日分権委員会を開催するという予定でございまして、そういう形で、今後も時期を見て各地でこういった会を開いて住民の理解を得たいと考えております。 なお、蛇足でございますが、委員会の広報活動として、先ほど委員長が申し上げましたように、記者会見や翌日発表いたします速報版、「審議概要」あるいは議事録に相当する「議事要録」等々の公表等を通じて、できるだけ国民各位の御理解をいただきたい、こう考えで努力しておる次第でございます。
○今井委員 ありがとうございました。
○笹川委員長 穀田君。
○穀田委員 きょうは両参考人、御出席本当にありがとうございます。 私は、分権法審議の際の質疑で地方分権委員会の公開制を強く要望したものですから、委員会の動向に注目しておりました。残念ながら、原則として議事は非公開ということになりましたが、審議会のあり方そのものが問われている昨今であります。「審議概要」、「議事要録」、「分権委ニュース」などで内容が一定公表されていることは私評価いたしますが、先ほどありましたように、ニュアンスの違いが出ないように、そういう意味では議事をオープンにしていただければ、そういう努力もお願いしたいと思っています。そしてまた、こういう機会をたびたび持っていただければありがたいなと思っているところです。 私は、きょう提示された「「地方分権推進に当たっての基本的考え方」及び「行政分野別課題審議に当たって留意すべき事項」」の四ページに関連してお聞きします。 ここにはまず、地方分権を推進するためには、「まず、地方公共団体に充分な権限や財源を付与することを急ぐべき」だ、こういうふうに中心問題をずばり述べでいます。私は、これは当然だと思うところです。 ところが、その下の方にあります「税財源の充実」という項では、財源の付与、具体的には税源移譲という点で、抽象的で至って歯切れが悪いものになっています。私は、国の責任で税源移譲すべきものという基本的考え方を明確にすべきではないかと考えているところです。なぜこういうことを言うかといいますと、分権推進法そのもの自身がこういう組み立てになっていることを指摘せざるを得ないのです。 ある有識者は座談会でこんなふうに述べています。当面は、国に対して、権限の委譲その他国が講ずべき施策として五条で書いてあるようなことを中心に実効性のある推進計画をつくってほしいと述べ、さらに、分権法の六条の地方財源の充実確保に関する規定ですが、この六条は五条に比べますと極めで一般的抽象的で、中身が全くないに等しいとまで言われておられます。ですから、仏その点を危惧しているわけです。 分権とあわせて財源の問題で、一部では住民の負担増というところまで叫ばれ出しています。私は、これは間違いだと思っています。したがいましで、先ほど述べましたように、国の責任による税源移譲でできる問題でありますから、推進委員会の御議論、方向性についてはいかなるものかということをお聞きしたいのと、その点で先ほど税調の話もございましたが、税調には遠慮しないでそういうことを堂々と打ち出しでいただければなと思っている点をお聞かせ願いたいと思います。
○諸井参考人 議事の公開ということになりますとやはりなかなか発言がしにくいようなこともあり得るかと思いまして、それにかわる措置として、ほとんど速記録に近いような、名前は入っておりませんが、そういう議事の要録を出しておりまして、これは恐らく、今たくさんある審議会の中では一番公表度の高いものではないかと自負しておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。 それから財源、税源の問題については、実は先ほども申し上げましたように、まだほとんど審議をしておりません。これから審議すべき重要な事項というふうに考えております。それで、今どういう方向でということを甚だ申し上げにくい状態にあるわけでございます。 いずれにしても、今地方の経費というものが全体の中の三分の二あって、しかし財源は三分の一しかない、その点の調整と申しますか、乖離をなるべく少なくしていくということは我々の与えられた使命だと思っております。と同時に、地方にはいろいろな経済上の格差があるわけでございまして、その調整というものも片っ方では必要であろうかと思います。したがいまして、やはり地方交付税というようなものを充実していくというふうな方向ではないかと思います。 いずれにしましても、まだ審議をしておりませんので、明確なお答えができないで大変申しわけないと思います。いずれ審議をして明確な形で出したいと思っております。どうもありがとうございました。
○穀田委員 どうも。
○笹川委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 諸井参考人、堀江参考人には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会をいたします。 午前十一時三十八分散会