地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/10/19
会議録
○平林委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穂積良行君。
○穂積委員 今回の消防組織法の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党・自由連合を代表して、質問を申し上げます。 まず、今回の改正については、私は、基本的に結構なことではないかという立場で政府当局に質疑をいたします。 まず自治大臣、消防職員は、憲法二十八条に規定する労働基本権に関する規定の中での勤労者に該当するということは明らかであると思いますが、大臣、まずそれについてお答えいただきたい。
○鈴木(正)政府委員 そのように考えております。
○穂積委員 大臣、間違いありませんね。
○深谷国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、当然のことです。
○穂積委員 なぜこれを冒頭に質問いたしたかといいますと、公務員部長、その憲法第二十八条を読み上げてください。
○鈴木(正)政府委員 憲法二十八条でございますが、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」
○穂積委員 お聞きのとおりであります。 しかし、消防職員については、この二十八条に規定する労働基本権について、地方公務員法によって大きな制約を課しているということなのですが、それでは、その地方公務員法の関係規定をちょっと公務員部長の方から説明いただきたい。
○鈴木(正)政府委員 地方公務員法では、その五十二条の第五項によりまして、「警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない」、このように定めております。
○穂積委員 それでは、この地方公務員法と憲法二十八条の規定の関係をどのように理解しているか、当局の考え方を御説明いただきたい。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。 我が国の消防の実情を見てみますと、その目的、任務は、国民の生命、身体及び財産を保護する、こういう目的、任務を与えられております。 また、実際の活動におきましても、厳正な規律と統制のとれた迅速果敢な部隊活動というものが要求される。特に、密集家屋の多い日本においてはその面が常に要求されているところでございまして、そういうことによりまして、公共福祉の観点から、消防職員の団結権については認められていない、こういうことでございます。
○穂積委員 それでは、昭和四十年、すなわち一九六五年に我が国が批准しましたILO第八十七号条約との関係で、これが過去二十数年来、国際的にも問題になってきたのを私も承知しておりますが、これについての経緯、それから、それらの経緯を踏まえて、今回、このような消防職員の委員会を制度的に決めるということで決着をしようということについての説明をお願いいたします。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。 ただいま申し上げた理由から、消防職員の団結権につきましては、戦後一貫してこれを認めていないところでございますが、これに対しまして労働団体からさまざまな場面で、これを認めるべきである、こういう主張が行われてきたわけでございます。 今お話のございましたILO八十七号条約、昭和四十年に批准をされたわけでございますが、その以前にも、総評など労働サイドは二度にわたりILOに対して、日本の公務員の労働組合権が侵害されておる、こういうことで申し立てを行いまして、これに対しまして結社の自由委員会は、日本の消防は条約に言う警察に当たるとして、申し立てには根拠がない、こういう判断が示されております。 国内的には、公労使三者で構成されます労働問題懇談会条約小委員会というところで昭和三十二年に同様の報告がなされまして、それを前提としまして政府としては四十年に条約を批准した、こういう経緯がございます。 さらに、昭和四十八年になりまして、総評等労働サイドは再度この問題についてILO結社の自由委員会に申し立てを行ったところでございます。 一方、条約を批准いたしますと、その条約の適用状況を審査する手続がILOの方にございまして、そこにおいてもこの問題が取り上げられるようになりまして、昭和四十八年三月に、専門家委員会というのがございますが、そこで見解が示されまして、消防職員に団結権が認められるよう適当な措置をとることを日本政府に対して希望する、それが表明されまして、以後、消防活動を団結権から除外することは正当化できない、こういうのがILOの基本的態度となっているわけでございまして、また、条勧委を通じまして、総評等は団結権禁止の解除のための措置をとるようILOにも主張してきた、こういうことでございます。 これに対しまして、政府としましては、ILOに対しまして、日本の消防というものは条約に言う警察に含まれるものであって、この問題は国内問題として解決すべく検討を加えていくという見解をずっと表明してきておりまして、政府としても、国内において、政府部内に公務員問題連絡会議を設けまして、そこにおいて関係者からの意見の聴取を行い検討してきた。特に、平成二年からは、公務員問題連絡会議の了承を得て、この問題に密接な関係を有します自治労と自治省との間で協議をするということで協議を開始しまして、自来今日まで精力的に協議を重ねてきた結果、ことしの五月に消防職員委員会の導入を軸とする解決案というものについて合意が得られた、こういうことでございます。
○穂積委員 今説明をいただきましたように、この消防職員の団結権、さらには団体交渉権について憲法二十八条の規定に照らしてどうするかということは、もう三十年前後の大きな労働問題の一つだったわけであります。 しかし、この後ちょっと諸外国の例もお聞きしますけれども、我が国の場合は、自衛隊はもちろんですが、警察関係の職員と消防職員については、せめて団結権は認めたらどうかという労働側の意見が年来あるのは御承知かと思います。そういう中で、しかし、国際的にも問題になったこのことについて、労働側と当局側が、年来の経緯を踏まえて、今回、理性的な話し合いをして、この五月に一応の協議が調っだということは、大変歴史的なことだと私は思います。 そのようなことを十分踏まえて、今後の課題は、この消防職員の、国民の生命と財産を守るという職務を適正に遂行していただくためには、自分たちの社会的な位置づけというものも十分きちんとしてもらいたいということは職員の願いでもあると思うわけであります。そういう問題として、今回決着を見た消防職員委員会を通じて職員の意欲をさらに高め、しかも当局としても国民に対して消防の目的を達成するということで、今後両者が理性的な立場で話し合いをしていくということがこの制度の一番肝心なことではないかと私は思います。 そのようなこととしてこれを受けとめたいのでありますが、今ちょっとお話ししましたように、先進諸国では消防職員についてのこの労働基本権的な問題についての扱いはどうなっているか、簡単に説明しておいてください。
○鈴木(正)政府委員 諸外国の消防職員に関しましての労働基本権の関係でございます。 それぞれの国の国情によりさまざまでございまして、必ずしもつまびらかにはしておりませんが、団結権について申し上げますと、例えばイギリス、アメリカ、ドイツでは団結権が認められております。フランスにおきましても、軍人である消防職員、パリ消防隊、マルセイユ消防隊は軍が所管しておりますが、それ以外の消防職員につきましては団結権が認められております。また、交渉権につきましても、団結権のある場合にはおおむねこれを認める、こういう状況でございます。 争議権につきましてですが、イギリスにおいては認められております。フランスでも、軍人である消防職員を除きまして認められておりますが、アメリカにおいては、州によって事情は異にいたしますが、一般的には認められておりません。また、ドイツにおいても一般の公務員の消防職員には認められておりません。なお、フランスの場合は、ストライキ権は認められておりますが、消防職員は消火あるいは救助の出動は拒否ができない、こういうふうにされております。 なお、消防職員の団結権に関して、一九九〇年のILOの資料によりますと、これは四カ国を含め五十三カ国の状況が示されておりますが、このうち二十二カ国において団結権が付与されていない、こういう報告がなされております。
○穂積委員 今の御説明にありましたような各国の例の中で、我が日本国では今回のような現実的な解決そして法制化ということをしようということになったと理解しますが、願わくは、せっかくこの制度によって消防職員委員会ができても、本当にこれが適正に運営されて、先ほど申しましたような当局あるいは職員双方で国民のためにプラスになるような話し合いが行われるということでなければならない、そういうふうに思うわけでありますが、その点から一、二御質問いたします。 話し合いの課題としての勤務条件あるいは厚生福利、それから職員の装備なり設備等の問題、いろいろあると思いますけれども、勤務条件について話し合いをするという場合に、当局は勤務条件としてはどのようなことがまず思い浮かびますか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○秋本政府委員 勤務条件を審議項目としているわけでございますが、法律の十四条の五に掲げておりますように、給与、勤務時間、そういったようなものが代表的なものであろうと存じます。
○穂積委員 お答えのように、勤務条件の最たるもの、これは職員の処遇上、給与水準なんですよ。私はそう思います。ところが、給与水準は、これも地方公務員法に基づき各市町村がきちっと給与体系を決めているはずでありますが、その場合、特に職員の勤務成績というものを年々評価して、いわゆる勤務評定を行って、その勤務評定の結果に基づいて、給与その他勤務条件にその結果を反映するという制度になっていると理解しますが、それに間違いありませんか。
○秋本政府委員 勤務評定ということを行っているわけでございますけれども、勤務評定の制度自体で申し上げますと、勤務条件そのものというわけではございませんが、この勤務評定の結果が給与等に影響を及ぼすということになりますと、その給与等、この問題が勤務条件に関する事項として審議の対象になり得るだろうと見ております。
○穂積委員 今この問題を出したのは、私は、この勤務評定の結果の扱いが勤務条件に影響を及ぼす限りでは労使間で話し合いの対象とするにふさわしい問題である、こういう理解をしておりますので、消防職員については団体交渉権は依然として法制上認めないとしても、この消防職員委員会を通じて、勤務評定結果の扱い等についてもこの委員会できちっと課題になってもいいんだと思いますが、その辺についてどのようにお考えか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○秋本政府委員 この職員委員会におきましては、職員から提出された意見についてこの委員会で審議をするということになりますので、第一段階、その職員からどういう意見が出てくるかということであろうと思います。先ほど申し上げましたように、勤務評定に関しましては、その結果として給与等に影響を及ぼすということになりますと、その給与ということがこの審議事項ということになってこようかと思います。
○穂積委員 それでは、とにかくその問題も含めまして、消防職員委員会が本当にうまく運営されることを期待して、この問題について、まあ事務方については多少細かいことをお話ししましたが、区切りたいと思います。 そこで大臣、災害緊急時の消防の応援体制について今回特例を創設するということにつきましては、過般の阪神・淡路大震災時の経験等にかんがみて、いわば当然の手当てではないかと思いますので、私はこれは時宜を得たものだと思うわけであります。これについて、責任大臣としての大臣の今後に向けての、災害時、消防組織が適正に都道府県あるいは市町村の域を越えて活動しなければならないときにきちんと対応するようなことについて、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。 それから、先ほど来の消防職員委員会の設置につきましては、実は私は昭和四十八年に、ILO結社の自由委員会への労働側の提訴に対して、当局側の代表としてジュネーブに行ったのです。そうしたことも思い出しながら、きょう、長年の問題、このように前大臣のときによくこぎつけたものだと、そのような感慨を持って質問をしたわけでありますが、現大臣におかれても、この法改正の趣旨を体しまして、円滑な消防組織の労使関係のもとで責任を果たしてもらいたいという私どもの期待に対して、大臣の決意を表明いただければと思います。 この以上二点についての大臣の決意を伺って、ちょうど時間となりました、私の質問を終わらせていただきます。
○深谷国務大臣 穂積委員から二つの点についての御質問がございました。 第一点は、阪神・淡路の大震災の本当に苦い経験の中から、今までは消防の出動に関しては要請主義であったのを、今度は特例を設けて、いざというときに備えられるように自主的に動ける体制をつくろう、そういうことになったわけであります。御案内のように、自衛隊の場合も要請主義を旨としていますが、特例で、いざという場合には出動を自主的にできるという形になっていました。今度は、そういう意味では、この消防組織法の改正によって同じように出動できるということになったわけであります。 阪神・淡路の際の一番の問題点は、地震が発生して直ちに出動した、その初期の段階でどういう態勢がとれるかということにかかっている、こう思うのですね。実際問題として、兵庫県の方から、今度の地震の場合に、地震は五時四十六分に発生したわけでありますが、消防庁並びに関係に連絡があって出動要請されたのは十時でございます。ですから、その間四時間以上の時差があるわけで、これは人命救助を含むさまざまな問題からまいりますと極めて重要なことだ、こう思うわけです。 幸い、消防庁の場合は、大阪市の消防隊にいたしましても既に準備を整えていましたから、十時に連絡があったが直ちに出動できたという点では時間の短縮はできたわけでありますが、発生の五時何否かに連絡があったらもっと対応できたのではないか。そういう意味では、今回の改正を皆さんに御承認いただきますと十分な対応ができるというふうに考えておりまして、大事な改正だというふうに心得ております。私どもは、今回の改正の趣旨を生かして、とにかく国民の生命財産を守るために、消防体制が完璧になるように努力していきたいというふうに思っております。 第二点の消防職員委員会の設置については、実は私も労働政務次官を音やっていまして、ILOに何回も参っておりまして、感慨深いものがあります。長年の懸案がこのような形で解決策が生まれたことはまことに結構なことだと思っておりますので、これからは、消防関係者あるいは各市町村の議会あるいは首長、こういう方々がこの趣旨を十分に理解して適切な運用を行って、そのたびに職員の士気が一層高まり、消防、防火の体制に献身できるような状態をつくり上げるためにしっかり指導してまいりたい、そう思っております。
○穂積委員 終わります。
○平林委員長 次に、米田建三君。
○米田委員 今回の消防組織法の一部を改正する法律案のうち、まず消防職員委員会の設置についてお尋ねをするわけでございますが、この問題につきましては、ただいまの穂積議員の御質問の中にもございましたとおり、長い間消防職員に団結権を付与するか否かという、このことが大きな焦点になってきていたわけでございます。 この間の経緯を改めてたどらせていただきますと、一九四八年にILOは結社の自由及び団結権の保護に関する条約を採択をした。しかし、同条約の第九条第一項におきまして、「この条約に規定する保障を軍隊及び警察に適用する範囲は、国内法令で定める。」といたしまして、軍隊及び警察についての特例を認めたわけであります。我が国は一九六五年にこの条約を批准いたしましたけれども、これは当時の経緯を見ますと、ILOが、消防の職務を同条約第九条の「警察」の職務と見て、消防職員の団結権禁止は同条約に抵触しない、こういうことにしたことを前提にしたものであったはずであります。 私は、当時の我が国の基本的な姿勢は、消防の職務にかんがみまして全く妥当な考え方であるというふうに思うわけでございますが、今日でもこの考えに変わりはないのかどうか、念のため大臣に伺いたいと思います。
○深谷国務大臣 米田議員の質問にお答えしますが、このILO第八十七号の唯一の例外規定というのが御指摘の第九条でございます。これは、軍隊とか警察というのはその国の状況に応じて、国内法で定めていこうということでございます。そういう点でまいりますと、我が国の消防は、条約に言う「警察」に含まれているという判断のもとに、この八十七号の条約を批准するときには、抵触しないという判断をとったわけであります。その判断は今日も変わっておりません。 〔委員長退席、持永委員長代理着席〕
○米田委員 阪神・淡路の大震災のような大変な惨劇が起きた後だけに、国民の防災体制の強化に対する要望は非常に強いものがあるわけでございまして、特に消防の機能、体制の強化というものに対する熱望も大きいわけでございます。 今の大臣のお答えを私は了とするものでございますが、一方、与党の有力議員の中に、今回の改正が団結権付与に向けての第一歩である、そのように公言している方もおられるというふうに聞いているのです。私は、これは今の大臣のお考えと甚だしく食い違うものがあるのではないか、そんなふうに思いますが、その点とうお思いか、また、将来ともに団結権を付与しない、こういうふうに断言していただけるのかどうか、改めて大臣の御答弁をお願いします。
○深谷国務大臣 消防職員の団結権問題というのは、平成二年以降は、公務員問題連絡会議の了承を得て、自治省と国内関係諸団体との間に協議を重ねてまいったわけでございます。ILOの状況であるとかあるいは勤務条件等の改善への職員の参加という観点から、長年にわたって論議を続けてきたわけでございますが、全国の消防の組織活動への影響を勘案しながら、何か解決策がないかということで英知を絞って、今回の職員委員会の設置ということに相なったわけでございます。私は、そういう意味では、この結論というのは、六月のILOの総会においても歓迎されたことであり、了解が得られたものと考えております。 今回のこの措置は、私はこれも一つの解決策と判断をしているわけであります。これからこたえなければならない第一歩という判断ではなくて、これも解決策なんだ。ですから、これが着実に運用されるその成果を期待しながら、見守っていくということが私たちのとるべき姿勢だと思うのであります。しかし、今後のさまざまな議論まですべて閉ざしてしまうというものでもございませんので、そういうような考え方に立って、この解決策として生み出した委員会というものが有効に運営されていくことを見守っていきたいというふうに思っています。
○米田委員 ところで、本年の五月二十六日に自治大臣と自治労の委員長がこの問題の解決策について会談をした際、三点の項目について合意がなされ、その中に、自治大臣と自治労の委員長は、従来と同様に、消防職員の勤務条件について定期的に話し合いを行う、こういう旨が含まれているわけであります。これは大変不可思議な話だと思うんですね。 この勤務条件等について現場の消防職員の意見を聞くために今度の消防職員委員会が設置をされるという考え方が出てきたわけでありまして、自治労委員長は一体いかなる資格でこの問題に首を突っ込んでくるのか。しかも、国務大臣たる自治大臣と定期的に話し合いを行うなんという、そんなお立場になぜあるのか。消防職員は自治労の組合員じゃないんでしょう。これはおかしいんじゃないですか、こういう合意は。こんな合意は取り消すべきであると思うんです。五月二十六日ですから、深谷大臣のときのお話ではないわけでありますが、ただ前大臣がこういうお約束をしてしまっている。まことに妙な話ではないかと思うわけでございますが、当局の御見解を伺います。
○深谷国務大臣 今のお話は、おっしゃるとおり前大臣のときでございますが、その後も、私が大臣に就任しましてから、自治労の皆さん方が大臣室にもお越しをいただいていろいろな話はしております。 私は、民主政治の原則というのは、さまざまな方々の意見を聞くという大前提に立たなければならぬと思っているわけであります。地方公務員の職員団体の最大の上部団体でございます自治労と定期的にお会いして意見を聴取するということは、私は、その考え方に照らしても妥当なことだというふうに思っております。したがって、これからも従前と同様にこうした機会を持っていくという考え方は、私も抱いております。 ただ、意見を聴取する、さまざまな提言を受ける、しかし決めるのはこちらの側であり議会でございますから、その姿勢だけは堅持していきたいと思います。 〔持永委員長代理退席、委員長着席〕
○米田委員 警察や軍事組織に準ずる緊急かつ重大な使命を、緊急性を帯びた重大な使命を持っている、ゆえに団結権は認められない、この姿勢は一貫しておるという御答弁を冒頭いただいたわけであります。 したがって、自治体の職員であるけれども、消防職員は労働組合のメンバーではないわけでありまして、その上部団体の長と国務大臣たる自治大臣が定期的にその職務条件等について話し合いを行うということは、あたかも団結権を認められない消防職員が自治労の傘下にあるがごとき、そういう状況になるわけでございます。この自治労の委員長の存在と消防職員との間に連続性はないはずでございますので、その自治労の代表者と話し合いをするということは、どうしても論理的につじつまが合わないと思うわけでございます。 むしろ、そのような重要な使命を帯びておる、そういう職種であるから団結権を認めない。まさに国会、議会とお話し合いをいただくべき、そういう対象として理解をすべきでございまして、労働団体の、しかも自治労の委員長さんと定期的にお話し合いをするという約束をされた、この前大臣の約束に現大臣も拘束されるのでしょうか。
○深谷国務大臣 前大臣の合意に拘束されるかという質問について、拘束されるされないということについて私は答えようとは思いませんが、私もこういう自治労の申し出に関しては、機会があるごとにお会いしてお話を聞くことはやぶさかでないと思っています。 先ほども申し上げましたように、あらゆる機会にさまざまな御意見を伺いながら、行政や政治が判断していくということは必要なことでございますから、私は、そういう意味では大いに議論もし合い、意見も聞き、しかし最終的な結論や判断はこちら側であり、議会の皆様と御相談して答えを出していく、こういう考え方で一貫していきたいと思っております。
○鈴木(正)政府委員 自治大臣と自治労委員長との話し合いについて、委員の御質問、御懸念の点について補足させていただきますと、この趣旨は大臣から今申し上げたところでございます。これまでも、大会の決定が決まったときとか、あるいは予算の時期とか、そういうときに来られまして話し合いをしているということはございますので、引き続きそういうことについて続けていく、こういうことでございます。 なお、御懸念の、これらの消防職員委員会との関連でございますが、お話しのように、消防職員委員会の設置、運営とこの大臣と委員長との協議というものは連動させるものでないという点について、例えば全国的に集約してそれを持ってくるというようなものではない、あるいは団結権問題を引き続き協議するようなものではないという点には十分留意していかなければならないと考えております。そういうような配慮をしながら今後私どもとしては対応していきたい、こういうことでございます。
○米田委員 ちょっと腑に落ちませんが、大臣のお言葉の中にありましたとおり、いろいろな方から意見を聞くということは民主主義の原点である、参考までに御意見を聞くこともあるのだろう、そういうことであろうというふうに理解をさせていただいて、次の質問に移ります。 本法案との直接の関連はないわけでありますが、この機会に、装備あるいは人員の面から見ました消防体制の充実強化という問題につきまして、何点か質問をさせていただきたいと思います。 消防組織は、消防組織法に基づきまして、常備の消防職員と消防団から成っております。この「消防力の基準」というものはどのように定められておるのか、まず御説明を願います。
○秋本政府委員 「消防力の基準」につきましては、市町村が火災の予防、警戒及び鎮圧並びに救急業務等を行うために必要な施設等について定めているわけでございまして、この基準におきましては、それぞれの地域における人口、市街地の状況、気象条件、中高層建築物の状況、危険物施設の数などを勘案いたしまして、それぞれ消防署または出張所の設置の基準、消防ポンプ自動車等の配置の基準、それらについて定めているわけでございます。
○米田委員 充足率は、現況どうでしょうか。
○秋本政府委員 平成五年四月一日現在の全国の消防施設の整備状況で申し上げますと、基準と対比いたしまして、消防ポンプ自動車につきましては八八・七%、はしご自動車につきましては六三・八%、救急自動車につきましては九九・六%というような充足率になっております。
○米田委員 人員についてはどうですか。
○秋本政府委員 消防職員の数についてでございますけれども、これはそれぞれ市町村におきまして基準の算定の仕方が、それぞれの状況に応じて算定するという部分がございますけれども、単純にそれらを積み上げてまいりますと、全国で二十万百九十人ということになります、これは平成五年四月一日現在の数字でございますが。それに対する消防職員の数は十四万一千四百三人でございますので、充足率は七〇・六%ということになります。
○米田委員 消防体制の強化というのは、今、日本国民のだれしもが熱望しておるところであろうかと思うのですが、先ほどの装備の面でも必ずしも百点満点ではないんだというふうに理解できましたし、また人員につきましても、大変ファジiなお答えだったけれども、例えば私の実際の見聞した例を見ましても、横浜市のような大都市、十万、二十万を超えるような区がある。この夜間勤務の実態というものを見ましても、消防職員ですよ、五十人を切っておる、二十万を超えるような区でも夜間勤務者が。この辺はもしかしたら、自治体消防ですから、自治省本庁が、自治省そのものが細かく把握はしておられないかもしれませんが、大変に少ない人員であるというふうに思わざるを得ないのですね。 火事が一件や二件同時に起きるような程度ならば対応できるかもしれませんが、阪神大震災のような大災害が起きた場合に果たして対応できるのかどうか、やはりその実情を知る者は大変不安に駆られているわけでありまして、装備につきましても人員につきましても、私はやはり早急に、改めての、きちんと充足させるための体制というものを整えるべく御努力をいただきたいというふうに思います。 時間がありませんので次の質問に移りますが、阪神・淡路大震災の経験からしても、消防団の存在の重要性というものが大変大きいものがあるというふうに改めて認識されたのではないかと思いますが、いかがですか。
○深谷国務大臣 私は、阪神・淡路大震災の後、当時予算委員会の筆頭理事でしたが、全く単独で現地を視察してまいりました。また、大臣になりましてからも現地を再び訪ねたのでありますが、現地の状況を聞くにつれて、当時消防団員が極めて重要な活躍をしたということを大変多く耳にしているのであります。 消防団員が、みずから被害を受けた立場にもかかわらず、献身的に出動いたしまして、消火活動だとか、つぶれた家の中から人々を救出する。特に、地域に密着して暮らしている方々でありますから、どこにだれがどんなふうに住んでいるか熟知しているのですね。そういう意味では、適切な消防団員の活躍によって相当の人命が救助された。私どもは、こういうような状態を考えるにつけても、これから一層消防団の活動に期待したいし、応援をしたいと思っております。
○米田委員 そこで、消防団が毎年減少の傾向にあるわけであります。昭和二十九年には二百万人を超えておりましたが、以後、毎年急速に減少を続け、今日ではとうとう百万人を割りました。特に、大都市部の消防団は深刻でございまして、サラリーマン化の時代の中で、商店やわずかに残された専業農家の子弟が入団をしておる。しかし、仕事がかわればとても消防団というボランティア活動は務まらないということでおやめになっていく方も出てくる。減少傾向というものは当然であるとうなずけるような実情を目の当たりにしているわけでございます。 こういう時代状況の中で、いかにして消防団というものを維持するのか。例えば、一般のサラリーマンの皆さんにボランティア休暇制度を導入して消防団活動への参加を促したところで、緊急の災害時に勤め先からいきなり戻っていただくわけにもいかない。じゃ、どうするんだ。そのときに、やはり女性の消防団活動への参加、こういったことを考えざるを得ないのではないか。このことを促進する施策を早急に講ずるべきではないか。 また、あわせて、そうであるならば、装備の改良とか、これらの研究開発にも急いで力を入れてまいる体制をおつくりをいただくべきではないか。そんなふうに考えておりますが、この時代状況の変化にかんがみまして、消防団の人員の減少傾向、どのような対策をこれらの問題に対してお考えなのか、最後にお尋ねしたいと思います。
○深谷国務大臣 米田議員御指摘のように、消防団員は、わずかずつでございますが減少の傾向にあります。十年前は百三万人だったが、今九十七万五千人でございますから、この十年の間にこの分だけ減ったわけでございます。まあ、微減と言っていいでしょうか。しかし、この傾向は今後もさらに大きくなる心配がございます。それと、高齢化という点も大きな問題でございます。 いずれにしましても、ただいま御指摘のように、この消防団の中に女性消防団員の活躍を期待するということは、大きな今日の時代の要請であろうと思います。現在はまだ六千人でございますが、それでも五年間で三倍にふえているわけでございますので、これからも期待するところ大であります。 私の妹も女性の消防団員で、浅草で今頑張っておりますが、こういう人たちが活動するためには、やはり消防用の施設や装備の例えは軽量化とか、女性たちが活動しやすいような技術開発、こういうことをやっていかなければならないので、大いにこれは指示していきたいというふうに思います。 そしてまた、女性がどういう分野で能力を発揮できるか、こういうことを考えていくことも大事で、女性にふさわしい分野での活躍、そのための教育訓練を新たに消防団で考えていくといったようなことを含めて、ただいま御指摘のような女性消防団員の今後の活躍に見合うような体制の強化ということを考えていきたいと思います。
○米田委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○平林委員長 次に、吉田公一君。
○吉田(公)委員 ただいま米田議員からの、自治大臣と自治労と消防職員委員会についての協議を続けていくということについて、大臣から御答弁がございました。質問を省かせていただいて、自治大臣と自治労との協議を進めていくということについて、これはいつごろから始めたものなのですか、それを伺いたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 御質問の、自治大臣と自治労委員長が今後定期的な話し合いを続けていくという意味での話し合いがいつごろかというお尋ねだと思いますが、これにつきましては、いつからということはちょっと定かでありませんが、例年、消防職員の勤務状況も含めた地方行財政各般にわたりまして、自治労から申し入れを受けたり、また陳情をお聞きしたり、意見交換というものは行ってきていると思っております。
○吉田(公)委員 先ほど来田委員からもお話がありましたが、自治労は消防職員の待遇等についてのいわば発言権はないわけでありまして、この消防職員というのはまさに自治体職員でありますから、自治労という労働組合がその大臣と話し合う、しかも正式のテーブルの上にのってこの委員会について、消防職員の待遇等について話し合うまず資格がない、私はそう思っているわけであります。その資格のない自治労と大臣と話し合った結果というものは、それぞれ法的根拠もありませんし、また強制権もありません。 どういうことでこうなっているかといいますと、一つは、自治労が、賃金闘争でありますとかあるいは労働基本権でありますとか、そういう重要闘争項目の中の一つにこの消防職員委員会の設立が入っておりまして、したがって、かねてから自治労が要請をしてきた大きな重要な問題点だ、こう思います。そこで、自社連立政権ができた折に、この際だからひとつ強く要請して消防職員委員会をつくってやろう、そういう意図があるやに私は想像するわけでございますが、その点についていかがでございますか。
○深谷国務大臣 吉田委員とは昔から都議会でも御一緒の関係、先輩後輩の関係があって、よく地方自治に精通していらっしゃることはわかっておりますが、自治労と大臣とがさまざまな話し合いをするというのは、消防問題だけでは全くございません。それは、地方自治全体の労働組合として最大の組織でございますから、そういう全般のさまざまな御意見について話し合いを持つということは、私は別におかしいことではないし、むしろ労使関係や今後のよき状況をつくり出すためには必要なことだと考えているわけであります。 ただし、消防に関しましては、消防職員委員会というのが設置されたわけでありますから、話はここですべきであって、ここに抵触するような、あるいはこれを拘束するような話をする、あるいはそれに応ずるという考えは毛頭持っていないということを御理解いただきたい。
○吉田(公)委員 確かに大臣のおっしゃるとおり、労使が協調してそして円満に事を運んでいくということは決してマイナスではありませんし、今の時代にはまさに結構な話だ、こう思います。 ただ、大臣も御承知のとおり、消防署職員は自治体職員でありますから、本来は法律で改正をするのではなくて、条例で改正をすべきだ、私は基本的に、地方分権の立場からいってもそう思っているわけでございます。その点については、なぜ法律を改正してやるのか、なぜ各都道府県、各市町村が、あるいは一部組合等が条例でやるように法律で定めなかったかという点が、地方分権の建前からいってもおかしいのではないか、そう思っているわけでございますが、なぜ条例にしなかったかということについてお尋ねをしたい、そう思います。
○秋本政府委員 吉田委員御存じのとおり、消防組織法におきまして消防の組織、運営の基本的事項について定めているわけでございますが、今回の消防職員委員会につきましては、消防職員間の意思疎通を図る、そして消防職員の意見を消防事務に反映しやすくする、そういったことから、消防事務の円滑な運営を図るために、すべての消防本部に設置をする、そういうことを考えた組織でございまして、その目的、役割からいたしますと、やはり消防組織法においてこの制度の基本的な事項を規定することが適当であろう、こう考えたわけでございます。 なお、消防組織法、それからそれに基づき消防庁が定める基準ということがございますけれども、これにつきましては全国的に統一を図る必要のある最小限度の事項について定めることにしたい、そして、地方分権といったことの趣旨につきましては十分配意していきたいと考えております。
○吉田(公)委員 それから、ILOについては我が国は批准をしたわけでありますが、その際に、軍隊、警察等は国内の法律によってつくるということでILOも一定の理解をしたのだ、こう思いますね。 そこで、消防職員の団結権について我が国がやらなかったという場合には、何か我が国にとって不利益なことがあるのでしょうか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。 ILO八十七号条約の適用状況を審査する専門家委員会の見解は、先ほど申し上げましたように、この団結権の保障から消防職員を除外する理由はないという見解でございます。 それにつきましては、日本政府としては、日本の消防の業務というものは警察に該当するので条約上の問題はない、これは国内問題として解決に努力する、そういったことで今まで理解を求めてきたわけでございますけれども、ILOの方の専門家委員会あるいは条約勧告適用委員会ではいろいろな論議がされてきているところでございます。 これはいろいろなケースが進みますが、ある程度、審査によって非常に悪い状況だということになりますと、いろいろな措置があります。ダイレクトコンタクト、直接調査に来るとか、あるいは、スペシャルパラグラフと言いまして、非常に悪い事例として公表されるとかというような形で、このILOの条約の適用状況というものが審査されている、こういうことでございます。
○吉田(公)委員 したがって、我が国にとって格段の不利益というのはないわけでありますね。
○鈴木(正)政府委員 今お話ししましたように、ILOの条約勧告適用委員会でスペシャルパラグラフに登載されるということは、国際的に見ると非常に大きなダメージになりますので、そういった面では非常に不利益をこうむる、こういう問題があります。
○吉田(公)委員 ILOに日本はもちろん加盟しているわけでありますが、もともと、古い体制の中で非常に労働運動が弾圧をされたり、あるいは、団結権はもちろんのことでありますが、団体交渉権もない、ストライキ権もない、そういう労働基本権が認められていないという国家については、要するにILOがあって、勧告をして、そして近代的な労使関係にしろということが趣旨だと思うのですね。 しかし、我が国におきましては、まさに地方公務員というのは、民間の皆さん方からいえばむしろ恵まれている。そのために、後ほど申し上げますが、人事委員会があったり公平委員会が設立をされて、そういうストライキ権や団体交渉権というものを持たない地方公務員、地方労働組合について公平な判断をしているということなのですね。 したがって、人事委員会や公平委員会等があるということは、労働基本権を認められないかわりにそういう公平な委員会を設置いたしまして、そして、制限をされていることが不利益にならないようにということで、まさに手厚く、国家公務員の皆さん方は人事院がある、地方公務員は人事委員会、ない市町村については公平委員会を設けて、第三者の立場でそれぞれ実は勧告をしているわけですね。 したがって、私は、団結権が消防職員に認められぬといって、もちろん国内的に不利益になることもありませんし、国際的に我が国が不当に労働運動を弾圧しているとは思えませんし、その点は、公務員部長さん、いかがでございますか。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。 今議員のお話しのようなことで、日本の公務員については労働基本権が一部制約されておりますし、消防職員につきましては、特に日本の消防の場合は、狭隘な国土に木造家屋が連檐している、自然災害も多い、こういう事情の中で、消防の目的とか任務とか実際の活動といったことから、立法政策上団結権を認めていない、こういうことでございまして、それについてILOにも十分理解を求めてきている、こういうことでございます。
○吉田(公)委員 くどいようでありますけれども、私は、ILOの問題ではない。これはもう、先ほど申し上げましたように、自治労の主要闘争の中の一つに消防職員の団結権を認めるというのが入っているわけでありますから、ILOの話じゃなくて、自治労だと思うのですよ。 だけれども、自治労が何で熱心にこういうことをやるか。一つは、傘下におさめたいということもあるでしょう。そしてまた、勢力を拡大したいということもある。自治労にとってみれば、まあ軍隊は、軍隊というのは日本にあるかどうか、自衛隊と警察については無理だ、しかし消防職員については、自治体職員でありますから、これは自治労の傘下に押さえたいということで、この消防委員会、団結権については非常に熱心なんだ、私はそう思って、ILOじゃないと思うのですよ。自治労が熱心だから、ILOという問題にすりかえて、そして今回の法律改正になった、私はそう思っているわけであります。 そして、先ほど申し上げましたように、各都道府県には人事委員会というのが設置をされておりまして、これは設置をしなければならない委員会であります。「民主的、能率的な人事行政の推進を図り、もって地方行政の公正と能率を確保する」。しかも、人事委員会の位置づけというのは、任命権者から独立をしている。つまり、知事が幾ら任命をいたしましても、知事の命令権はこの人事委員会には及ばない。人事院だってそうですね。そういうように、独立した、しかも専門的な人事行政の第三者機関が設けられておりまして、不利益にならないようにしているわけであります。 そして、消防職員につきましては、人事委員会、これは東京都でありますから、人事委員会では、全部給料表というのがあります。その中に公安職という給料表がありまして、これは警察、消防であります。そのほか、お医者さんは医療職、看護婦さんも医療職、学校の先生は教育職、それぞれ平等に人事委員会は実は勧告をしているんですね。そして、今はありませんけれども、ちょっと前までは、人事院勧告を実施しろ、実施しないのは違法だといって違法のストライキやったりなんかしていたことがありますよ。 だから、そういうように人事委員会が置かれているということについて、なおかつ職員組合を設けて給与その他の待遇をよくするなんということを、つまり消防委員会で協議をするということについてはいかがなものかと思っておりますが、その点、御答弁をいただきたい、こう思います。
○秋本政府委員 今るるお話もございましたような公務員に関する諸制度もあり、そしてまた消防職員の業務の特殊性ということから団結権が認められていないわけでございますが、今回消防職員委員会というものをお願いをしておりますけれども、ここにおきましては、いわゆる団体交渉を行うとかそういった場ではなく、職員から提案されました意見につきまして、消防長から指名された委員、委員長のもとで審議をする、その結論を消防長の方に出していただく。市町村の消防の長でございますけれども、そちらの方に出していただく。 消防長におきましては、その意見を踏まえて、そして消防長、消防本部としての方針を決めるとか、あるいはまた予算を伴うもの等につきましては市町村長の方に働きかけるなりなんなりをして必要なことをやっていく。当然、議会において決定されるというようなことになってくるわけでございまして、そういったような基本の仕組みを踏まえながら消防職員委員会というものをつくっていこうというふうに考えておるわけでございます。
○吉田(公)委員 先ほど申し上げましたように、勤務条件及び厚生福利ということにつきましては、人事委員会があってそれぞれ第三者機関でやっている。だから、行政職の給与が上がると、これは自動的に医療職も公安職も学校の教職員の給与もすべて一律に上がっていくわけでありますから、この点については、何もILOに指摘されて後進国並みに言われる必要はないわけですよ。そういう意味で、私が先ほど申し上げたように、ILOが問題ではなくて、自治労が熱心にやっているからこの法律改正につながってきたのではないか、私自身はそういう考え方を持っているわけであります。 それから、消防職員の被服及び装備品、それから設備、機械器具ということについてもこの消防委員会で話し合うということになっているわけであります。しかし、被服だとか装備品あるいは設備、機械器具等については、これは消防委員会で本来話し合うべきことではありませんで、つまり当局側がこれは考えることであります。 消防自動車が古くなったから取りかえるとか、あるいはホースの延長をすべきだとか、はしご車の長さが短いから建物の高層化に伴って長くするとか、そういうことは職制を通じて本来やることでありまして、消防委員会で話し合う議題ではない、そう思っておりますが、その点、職制とこの消防委員会と、装備だとか被服だとか設備等についてどういうふうに調節をしていくのか、その点までお考えになっての御提案なのか伺いたい、こう思います。
○秋本政府委員 審議事項として、消防職員の装備、消防の用に供する設備その他の施設ということを掲げておる、そのことについてのお尋ねでございますけれども、私どもも基本的には、これらにつきましては消防事務の統轄者である消防長がその判断に基づいて対応すべきもの、そしてこれまでもそれぞれの消防長においてそのような判断のもとに適切に対応してきているということだと思っております。 ただ一方、消防職員が、現場の活動の中で得た貴重な経験に基づいて意見を持っておるという場合もある。そういったような意見が寄せられた場合に、そのことを消防職員委員会におきましても審議をして、そしてその結論というのを消防長の方に出していただく。こういったようなことは、消防事務の円滑な運営に資するということからすれば、審議事項として掲げるに適当なことであろうというふうに考えたわけでございます。
○吉田(公)委員 そうしますと、団結権を認めるという趣旨からいいましても、例えば職員の福利厚生だとか給与だとか待遇だとかいうことが本来の団結権の基礎になっているわけでありますが、設備だとか機械器具その他について消防委員会で議題にして論議をしてそれを言うということについては、これは消防委員会の趣旨とは違うのではないか、そう思います。あくまで職制というものがあるわけでありまして、その職制を通じて本来こうした問題を解決していくということではないんでしょうか。
○秋本政府委員 今の装備等につきまして、職制と申しますか、その組織の中で相談をして、そして消防長の判断、責任のもとで決定をして装備の充実を図っていくといったようなことは当然必要なことでありまして、これからもそういうことがあると思う、そういうことが基本だと思います。 ただ、先ほども申し上げましたように、消防職員が現場活動の中で得たいろいろな意見というものも、非常に細かいものまで含めていろいろあり得るわけでありまして、それらが寄せられたというときに、それも職員委員会の審議事項の対象としていろいろな委員の方々が集まったところで相談をするということ、そのことは、この消防職員委員会の趣旨が、意思疎通を図りまして、そして貴重な意見を反映しやすくしよう、そして士気を高める、そして消防事務の円滑な運営が図られるようにしていこう、こういう趣旨からいたしますと審議事項として掲げることも適当であろう、こう判断しているわけでございます。
○吉田(公)委員 そうしますと、消防委員会で機械器具等について、例えば消防車一台どうしてもこの消防署では必要だ、この消防本部では必要だということになった場合に、もちろん予算が伴うわけでありますから、これを結局職制に上げなければいけないわけですね、結論は。消防委員会がそのまま財政当局に要望するわけにいきませんから、ここでまとめた意見は、結局は消防長なり消防総監なりしかるべきところへ上げて、職制から予算措置をとる交渉をしなければいかぬということになるわけでありますね。 そうすると、議論だけしているわけだ。具体的な成果というものは、途中からは職制を通じてやらなければ予算措置がとれない。待遇についても被服についてもそうですね。給与についてだってそうです。消防委員会で決めたからといって、それをそのまま消防委員会が独自に予算当局へ行って予算を交渉するというわけにはまいりませんから、結論からいけば、とにかく話し合いをするというだけになる、私はそう思っているわけであります。 それから、団結権はこの改正法案では認めるということになるわけでありますが、消防職員から提出された意見というもの、先ほど御答弁ありましたが、意見というものを審議して、その結果に基づいて消防長に意見を述べることとされている。ところが、団体交渉権はもちろんないのだけれども、しかしこの法律を見ますと、消防長は意見を聞かなければならないということになりはしないか。意見を消防長は聞かなければならない、団体交渉権は認められていないのだけれども、改正法律案を見ますとそう解釈できると思うのですね。その点についてはいかがですか。
○秋本政府委員 十四条の五に規定をいたしておりますけれども、次に掲げる事項、先ほど来御指摘あったようなことも含めてですけれども、それについて消防職員から提出された意見を審議させ、その結果に基づいて消防長に対して意見を述べさせということでございますので、義務的にここに語らなければならないとか、そういうことはございません。
○吉田(公)委員 そうすると、消防委員会で意見がまとまって、そしてこの要望について消防長に会見を申し込んで、消防委員会での意見を聞いてもらいたい、実現をしてもらいたい、こういったときに、消防長は拒否をすることができますか。
○秋本政府委員 消防職員委員会から消防長のもとに提出されました意見につきましては、できる限り尊重して措置をするように努めるべきものとは思いますけれども、しかし、これについてそのとおりにやらなければならないというような法的な義務とか、そういったものが生ずるわけではございません。
○吉田(公)委員 しかし、法律で消防委員会というものは設置ができるということになっている以上は、しかも消防委員会の設置の目約三項目については、これはもう法律で決められているわけでありますから、当然のように、そこで審議をされまとめられたものについては消防長に意見具申をするということになっているわけですね。だから実際には、団体交渉権らしきものはこの法律の文章の中には書いてある、そう解釈して間違いないでしょうか。
○秋本政府委員 先ほど来申し上げておりますように、消防職員委員会の議論は、それが団体交渉の場といったような性格のものでもございませんし、そこでの決定というのがその消防本部としての決定になるわけでもございませんし、そしてその職員委員会でどういう事項を審議するか、それは職員から提出された意見について審議をするということでございますので、これが団体交渉の場等になる、そういったようなことはないと考えております。
○吉田(公)委員 消防は、第一義的な任務として、住民生活の安全、防災防火等について、まさに行政サービスといえば行政サービスでありますが、生命と財産を守るという重要な任務があるわけであります。 この消防職員委員会が導入されて、そして現場で混乱をしたり、逆に新たな組織がつくられることによって、職制によってきちんとなっていたものが混乱をするという可能性がないのかどうか、その点についてもう一度お尋ねをしておきたいと思います。
○秋本政府委員 消防は、今もお話にございましたように、国民、住民の生命財産を守るという重大な使命を持っております。今回、この職員委員会制度を導入するということにいたしておりますけれども、これを導入したことによっていささかでも消防の業務遂行、責任遂行に支障を来すということがあってはならない、そういうふうに思いながら、この職員委員会の制度の趣旨に沿った適切な運営ということについて、私どもとしてもその指導について最善の努力をしてまいりたいと考えております。
○吉田(公)委員 要するに、自治労等につきましては、消防職員については団結権をぜひ認めさせたいということが趣旨だ、こう思います。しかし、団結権と明らかに言わないで、その折衷案として消防委員会という、まあいわば中途半端な名称で、中途半端な権限で、そして何とか自治労の要望に折衷案でこたえていこう、こういう組織が果たして円滑に消防組織の中で運営されていくのかどうか、非常に懸念をするところであります。 具体的には、団結権、団結権、こう言われておりまして、しかし、法律の文章では団結権とはっきり言われちゃ困る、しかし、そのかわりに消防委員会等を設けるから、この点でひとつうまく運営をしてもらいたい、こういうことでありますと、非常に職制として混乱をしていく。特に、軍隊や警察や消防というものは、命令ということによって災害時に威力を発揮するわけでありますから、命令ということは大事なことだ、こう思います。したがって、命令によって一糸乱れず治安そしてまた防災防火、災害時に出動する消防職員にとって、組織の中が混乱をしているということについていかがなものか。 こういう折衷案的なあいまいな委員会をつくって、当面はこれで済ませておこうというような考え方ではないかと私は思うのですけれども、職制の中できちんとこの消防委員会というものの存在価値が認められて、うまく円滑に運営されていくかどうかという懸念をいたしておりますが、その点について、そういうことはないということをお答えができるのかどうか、伺いたいと思います。
○秋本政府委員 今もお話ございましたように、消防は極めて重大な責務を負っているわけでございますし、その行動につきましては、厳正な規律、指揮のもとに、しかも迅速的確な行動をしなければならないということがございます。そういう消防の責務遂行について、この職員委員会制度の導入がいささかでも支障を生ずるといったようなことがあっては絶対になりませんので、それにつきましては、私どもとしても、その指導について最善の努力をしてまいりたいと考えております。 そして、この制度の仕組みにおきましても、これまでもるる申し上げましたが、団体交渉の場になるとか、そういったような性格のものとしてではなく、職員の意見について、消防長から指名された委員長のもとで、同じく消防長から指名された委員のもとで審議をする、そうすることによって職員としてもいろいろな意見というのがみんなの前で議論をされる、そういったことが士気の高揚につながっていって、この職員委員会制度がそういったようなことで適切に運営されることによって、むしろ消防事務の一層の円滑な運営に資する、こういうように持っていかなければならないと思っております。
○吉田(公)委員 次に、消防の応援に関する緊急時の特例ということでございまして、本来消防庁長官は、いわゆる消防本部その他各消防団につきまして助言と指導を与えるということになっておりましたが、今回の法改正で、自治体消防に対する特例措置の創設によって、事実上市町村への命令権が与えられるのかどうかということでございますが、このことについてお答えをいただきたいと思います。
○秋本政府委員 今回、緊急の広域的な応援につきまして特例措置を設けることにしたいということに考えておりますけれども、御案内のとおり、現行法におきましては、都道府県域を越える消防の広域応援につきましては、被災地の都道府県知事が消防庁長官に応援の要請を行う、それを受けて長官が他の都道府県知事に対し応援を求める、こういう仕組みになっておりますけれども、この仕組みの基本を改めるということは全く考えていないわけでございます。 阪神・淡路の経験等からいたしますと、この仕組みがうまく動くように、例えば情報ネットワークの整備等についての努力は当然やっていくわけですが、そういったようなことを手を尽くしてみましても、やはり通信の途絶等の事態があってどうにもならないという場合もあり得る。そういったような場合、しかも大規模な災害があって、早期の広域的な応援が必要だということが明らかだ、そういったような場合に、消防庁の方で適切な対応がとれるように、そして迅速な救援活動等を行うことができるようにという、そういう万が一の事態に備えての措置を今回設けるということでございます。
○吉田(公)委員 災害対策基本法に基づいて、大規模災害の場合には都道府県知事が災害対策本部長というふうになるわけでありますが、被災地の知事の応援要請がないのに、消防庁長官がただ都道府県知事に応援要請を行った場合には、命令系統がふくそうして逆に災害現場に混乱を招くという懸念がないわけではない、そう思いますが、その点については大丈夫でしょうか。
○秋本政府委員 被災地の都道府県知事から応援の要請がないというようなこと、これは応援要請を行うことができないでいるという、そういう状態の場合にこの特例措置がむしろ生かされるということになろうかと思いますが、そういう場合におきましても、応援を求めるといったような措置をとりましたときは、速やかに被災地の都道府県の知事等に対してその旨を通知するということにいたしております。 そしてまた、応援のために出動した応援部隊につきましては、現行法二十四条の四の規定によりまして、被災地の市町村長の指揮のもとに行動するということにしておりまして、そのことについては従来と同様でございますので混乱は生じないと思いますが、なお、実際運用するということになりましたら十分気をつけていかなければならぬと思います。
○吉田(公)委員 消防庁がこの被災地の情報を一番早く知り得る立場なのかどうかということもありますけれども、これは自衛隊も警察も、情報については消防庁と同様、的確な把握をしているわけであります。したがって、県知事は県知事なりに、その自分の県の災害対策本部長としてそれぞれの各市町村の消防組織には通達を出して応援要請をするわけでありますから、そこへ、今度は消防庁長官がまた、こっちの町へこっちから移動しろなんということを、そういう要請をしていいのかどうか。これは、あくまで消防庁長官は県知事と協議をすべきであって、各消防長あるいは消防団本部へそういう応援要請を直接していいのかどうかという疑問点は残っております。 それから、時間がありませんから次に移りたいと思うのですが、いわゆる最近問題になっております官官接待であります。 これはもう国民の皆さん方はかんかんでありまして、そういう意味ではまさに、綱紀粛正ではありませんが、長い間の慣例になっておりますから、そういう意味で事務次官通達を出されたのですね、八月十五日。ところが、各都道府県、それぞれ市町村等ではまちまちでありまして、従来どおりやるとか、額は少なくする、これは廃止をしますとか、各地方自治体で全くまちまちなんですね。この辺は統一をしないといけないんではないか、こう思うのでありますが、大臣、この点について大臣からも何か新聞等で御発言がありましたけれども、お願いします。
○深谷国務大臣 公の機関の職員が行動する、生活をする、その範囲においては、それは税金で賄うわけでありますから、その国民の額に汗して提供していただいた税金が全く不当に官官接待のような形で使われるということは、これはもう許しがたいことでございまして、おのずからそこには自主的な規制というのが本来あるべきであった。それが逸脱をして今日のような問題を惹起したわけでありますから、到底看過することはできませんので、私は、八月十五日の閣議においても、各閣僚に対しまして、それそれがその内部においてこのような事態が起こらないように頑張って綱紀粛正を図らなければならぬということを申し入れたわけであります。 同時に、各都道府県、市町村に対しまして、異例のことでありますが、自治大臣談話という形でこのことについて強く申し入れをいたしました。そして、それに基づいて事務次官通達というのを行ったわけであります。さらに、全国の自治体の担当部長等の会合においてもこれは厳しく申し渡しまして、それぞれの地域で自主的に改善を打ち出しつつございます。 しかし、おっしゃるとおりこれはまちまちでございますが、しかし地方自治体の今日までの立場から考えましても、あくまでも自主的に判断をしていただく、自治省が命令をするということは不可能でありますので、そういう意味では、みずからを律しながら、ともどもに改良を加えていくべきだというふうに思います。
○吉田(公)委員 そこで、事務次官通達並びに深谷大臣から閣議でも御発言があって、綱紀粛正、自粛するようにということでございますが、しかし、している方は事務次官通達で文書で行って、そしてされる方についてはこれといった具体的な通達が出ていない。したがって、自治省事務次官は、事務次官会議のときにきちっと各事務次官に国のことについては申し上げるべきだ、そして初めて平等がとれるわけであります。 地方公共団体だけ通達を出して、そして気をつけろなんていったって、される方が別にどうってことないと思っているとすればこれまた効果が上がらないわけでありますから、その点についてきちんと、やはり事務次官会議等でもこのことについては厳しく発言をしていただかないと、接待するかしないかはまだまちまちであって、そして国の方のお役人については、大臣が閣議で御発言をされたということについて具体的な通達等も出されていないわけでありますから、される方もきちんとしてくれなければ困る、そう思っているわけでございます。 大臣、その点について、ぜひ事務次官会議等で、このことについては自治省事務次官から、地方団体には通達を出した、したがって各省についてはぜひこの趣旨に沿ってやってもらいたいということを言っていただきたい、そう思いますが、いかがでございましょう。
○深谷国務大臣 吉田委員が御指摘のように、この官官接待は、何も好きこのんで地方の職員がやっているわけでなくて、そういうことをせざるを得ないという環境があったという御指摘は一つの理解としては間違いではないと思います。したがいまして、受ける側がみずから律するような姿勢できちんとしてやっていかなければならないのはお説のとおりでございます。 御案内のように、各省の人事の責任者を集めての会議でこれらについての議論はさせておりますが、そのときも、官房長会議でかつて、五十四年でありますが、その時代にきちんと申し合わせた事項がございまして、これが守られていないわけでありますから、それについてのさらに深い認識をお互いに持とうではないかという、そういう申し合わせ等も行っているわけであります。 ただいま御指摘のような、事務次官会議等において発言をする、そのような要請をするということはまことに重要なことでありますから、早速私どもも、その機会がありましたら、事務次官を通して発言するような機会をぜひつくるように努力したいと思います。
○吉田(公)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○平林委員長 次に、畠山健治郎君。
○畠山委員 私は、消防職員委員会の設置につきまして、一点につきまして質問を集中させていただきたいと思います。 申し上げるまでもなしに、私ども社会党は、消防職員に対して団結権は当然付与されるべきものとしてこれまで主張してまいりました。理由は、何も労働者の権利として当然だというだけじゃなくて、消防職場の現場の中に幾つかの問題がある。今までの議論の中にもありましたように、基準と実態の乖離の問題、なぜ起こっているのか。あるいは、予算の執行率を見ても大変低い、なぜこんな実態が起こっているのか。こういう現場の中に問題があるというふうに考えながら、その解決策の一つとして団結権は必要だ、こう主張してまいったところでございます。 そうした私どもの主張や、またこれにかかわる運動の経緯の中から、今度の政労の協議により、その解決の重要な措置の一つとして今度の職員委員会の設置ができ上がったものだというふうに理解をしております。これは、職員の参加を得ながら、消防職員の勤務条件、職場環境の改善に資する面があることから、私どもの主張とおおよそ近い内容もあるというふうな面から、私どもは一定の評価をしたいというふうに考えております。 しかし、まだ十分だとは思っておりません。と同時に、その消防の指揮命令権と団結権、そんなに直接関係あるとは私ども当然考えておりません。したがいまして、団結権は付与されるべきもの、こういうふうに考えながら今後とも引き続き努力をしてまいりたいというふうに思っております。 そこで、団結権の問題とのかかわり合いで、今日の措置に至った経緯についてまずお伺いをしておきたいと思います。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。 消防職員の団結権問題は大変長い経緯を有しておりまして、国内においては、消防職員の団結権禁止については、従来の経緯もかんがみ、当面、現行制度によるものとし、今後のILOの審議状況に留意しつつ、さらに検討するものとする、こうしました昭和四十八年の第三次公務員制度審議会答申を受けまして政府内で検討が進められてきております。 具体的には、公務員問題連絡会議において関係者からの意見聴取などを行って検討してきたところでございまして、その後、平成二年十一月からは、先ほど来申し上げております自治省と自治労との間で協議を開始しまして、さらに平成六年四月からは、直接消防行政を預かっております消防庁も含める形で協議体制の充実を図りまして、適切な解決策を得るべく具体的、現実的に論点などを整理して、双方の認識を深めて精力的に協議を行ってきたということでございます。 この問題は、背景に、ILOの状況あるいは勤務条件等の改善への職員の参加という要請というものがあります。そういう要請を念頭に置きながら、他方、同時に、円滑な消防任務の遂行の確保の要請あるいは全国の消防の組織活動への影響、こういったことも考えながら検討を進めてきたところでございまして、それまでの協議の積み重ねの上に立ちまして、ILO総会を控えたことしの五月に自治大臣と自治労委員長とが会談し、これらの要請にこたえる方策としてこのたびの解決策について合意を見たという経緯でございます。
○畠山委員 何よりも長い協議の歴史があった、そしてここに至ったというようなことを大事にしていただいて、これからもこれを実効あるものにして生かしていただくというものにしていただきたいというふうに思っております。そういう観点から、幾つか御質問を申し上げたいと思います。 改正案の十四条の五において設置される消防職員委員会は、職員の給与、勤務時間その他勤務条件、福利厚生、職員の職務遂行上必要な被服及び装備品、消防の用に供する設備、機械器具その他の施設に関する事項について審議をするとありますが、消防職場においてはこれまで職員の要求を反映する方途がほとんどなかったために、職員の要求は多岐多様なものとなることは十分予想されるというふうに思っております。ちなみに申し上げますと、先ほど申し上げましたように、言ってみれば、さまざまな消防基準と実態の乖離の問題あるいは予算執行率の問題等々がその代表的なものだと思っておるわけであります。これは、勤務条件や福利厚生に対する職員の要望が十分反映されておらないということの証拠だというふうに言ってもよろしいのではないかと思っています。 そうしてみますと、職員委員会の審議対象項目を明確にするとともに、職員の多岐多様な要求を柔軟に反映することは重要と考えます。この点、審議対象事項についてどのように考えておるのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○秋本政府委員 消防職員委員会は、消防職員間の意思疎通を図りますとともに、職員の意見を消防事務に反映しやすくする、そういうことによって職員の士気を高め、もって消防事務の円滑な運営に資するということを目的として設置をするものでございます。消防職員委員会の審議事項につきましても、こうした趣旨から、審議事項とすることが適当であると認められる事項を法律において明確に定めているというところでございまして、このような制度の趣旨及び法律の規定に従った運用がなされますように、私どもとしても指導してまいりたいと考えております。
○畠山委員 次に、消防職員の職場参加の視点から、二つの点についてお伺いをいたしたいと思います。 改正案では、消防職員から提出された意見を審議させ、その結果に基づき消防長に対し意見を述べさせると規定されております。これを文字どおりに解釈いたしますれば、職員の意見提出権は保障されておるというふうに考えます。問題はその先であります。消防職員委員会は消防長に意見を述べる組織とされているわけでありますから、消防長はこの委員会の意見を消防事務の運営に役立て、消防現場の問題解決につなげていく保証のプロセスが明示される必要があるのではないかと思います。この点について見解を明らかにしていただきたい、これが第一点であります。 第二点は、委員指名に関する問題でございます。 改正案では明示されておりませんが、委員の半数は職員の推薦に基づいて消防長が指名することを予定しておるというふうに伺っておりますが、設置される委員会の目的からしてもそのような指名は望ましいことであり、当然なことだと考えます。そのように理解してよろしいのか、お伺いをしておきたいと思います。
○秋本政府委員 消防職員委員会の制度の趣旨からいたしまして、消防長は、消防職員委員会から提出された意見につきましては、その趣旨を尊重して処置するように努めるべきものと考えております。 具体的には、消防長は、こうした姿勢に立ちまして、委員会の意見の内容を検討し、処置することが適当と認められるもののうち、みずから対応が可能と認められるものにつきましては改善等の措置を講じ、また予算措置や条例の改正等が必要となる場合は、所要の措置がとられますように市町村の関係部局に働きかけるということになると存じます。 なお、消防長は、委員会の意見の内容に従って処置すべき法的な義務を負うものではございませんので、委員会の意見のうち、実施が困難であると認められるもの等につきましては委員会の意見のとおりに処置しない場合もあるものと考えております。 また、消防職員委員会の委員についてでございますけれども、消防長が消防職員委員会の委員長及び消防長以外の消防職員の中から指名することとしておりますけれども、この場合に、消防職員委員会が消防職員間の意思疎通を図ることを目的として設けられることを踏まえまして、委員の半数につきましては職員の意向を反映することとし、職員の推薦に基づき指名することを予定いたしております。
○畠山委員 せっかくできました職員委員会でございますから、その意見が反映されるされないは、最終的な決定はともかく、せっかくいい雰囲気で仕事をしておる、話し合いをしておる、ところがナシのつぶてでというようなことになりますと、信頼関係を損なうというようなことになろうかと思います。信頼関係が損なわれないように十分意を尽くしていただく、このことをひとつ大事にしていただきたい、こう思います。 次に、改正案では、「消防職員委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、消防庁の定める基準に従い、市町村の規則で定める。」と規定しております。定める基準の主たる内容は委員の人数が中心と考えますが、どのような形式、内容を想定しておられるのか、まず明らかにしていただきたいと思います。これが第一点でございます。 さらに、定める基準と地方分権との関係について問題を提起しておきたいと存じます。 委員会の組織、運営について詳細に定めることは、市町村の判断による自主的な運営を阻害することになりかねないと考えます。先ほど申し上げましたように、職員の意思反映及び実現のプロセスを保証するのに最小限必要な範囲、内容にとどめおくことが地方分権にかなうものではないかと考えますが、その点の見解をお伺いしたいと思います。
○秋本政府委員 まず、消防庁の定める基準についてでございますけれども、これにつきましては、消防庁の告示という形式により規定することを考えております。 また、その内容につきましては、委員長の役割、委員の指名、議事手続など、消防職員委員会の組織及び運営に関し必要な事項について定めることを予定いたしております。 次に、地方分権との関係についてでございますけれども、今回の消防組織法の改正案に基づき消防庁が定める基準におきましては、全国的に統一を図る必要のある最小限度の事項について定めることとしております。 また、今後消防職員委員会の運営につきましては、制度の趣旨に即して適切に行われるように指導してまいりたいと考えておりますけれども、その際、市町村の自主性につきましては、十分配慮してまいる所存でございます。
○畠山委員 時間もございません。最後になりますが、大臣から一言お答えをいただきたいと思います。 消防職員委員会の設置という今回の法改正に至るまでには、二十数年にわたる長い運動の歴史がございました。こうした歴史的経緯と、消防業務にかかわる職員の参加保障という改正案の趣旨を直視するならば、本制度の定着、発展には、政府、消防本部はもとより、自治体の首長あるいは議員の理解と熱意が不可欠であるかと思っております。それがまた、先進国にふさわしい民主的でかつ開かれた消防の職場づくりにつながるものと考えます。 そうした意味を持つこの制度の運用について、大臣の決意のほどをお伺いを申し上げたいと思います。
○深谷国務大臣 今、先生御指摘のように、ILOから始まって今日まで、本当にさまざまな議論が長い年月にわたって積み重ねられてまいりました。そして、その解決策としてこのような職員委員会が設置されることに相なったわけであります。その精神を踏まえて、大勢の皆さんの努力の姿も思い浮かべながら、せっかくできた委員会でありますから、これが定着し、適切に運用され、そのことが消防職員の士気の高揚につながり、さらにひいてはそれが国家国民の安全というものに対して、消防職員が一体となって活動できるような体制に結びつくように、挙げて努力をしていく必要があると思います。 そのためには、御指摘のように、市町村の長を初め、議会、消防関係者、国の分野における我々の全面的な支援、もろもろの体制が必要でございまして、その体制を一刻も早くつくるために、一層努力をしたいと思っております。
○畠山委員 くどいようでございますが、せっかくできた委員会でございます。実効あるものに、最善の努力を払っていただきますることを重ねてお願いを申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○平林委員長 次に、田中甲君。
○田中(甲)委員 さきがけの田中であります。十五分間の時間をちょうだいいたしました。委員の皆さんや、もしかすると自治大臣も、あと十五分、十五分、さきがけ、共産党さんで終わりか、そんな気持ちでおられるのではないかと思いますが、物は考えようで、与党のトリを務めるという気持ちで御質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 一月の十七日に起きました阪神・淡路大震災、五千五百人を超える死者の皆さん方、私たちの政党の仲間であります高見君もその被害を受けた一人でありまして、いろいろな思いが、今その阪神・淡路大震災という言葉を発すると同時に頭の中を駆けめぐるわけでありますが、国会議員として、なぜもっと早く初動態勢をとれなかったのか。知事からの応援の依頼がないということが理由となってなかなか出動態勢がとれないということ、なぜ命を助けるために今国が動けないんだということが、国民の皆さん方一人一人に鮮烈な記憶としていまだに残っていることであろうと思います。 今回出されました消防組織法の一部改正の法律案、その点は二十四条の三でありますが、私はそんな思いから、こちらを先に質問をさせていただきたいと思います。 このように制度の改正を行って、これはやらなければいけないことでありましたし、非常に時宜を得て早期に対応ができたことと私も認識をしておりますけれども、例えば今南関東で地震が起きるということがあったとします。仮定ではなく、実際にあってもおかしくない。多分いろいろなデータを御認識されている大臣は、自分が就任している間にこの南関東で起きるかもしれないということをもう腹に覚悟を決めていらっしゃるかもしれない。これは、新たな災害が発生する可能性が極めて高いと言われているこの地域においてそのような事態が起きた場合に、今どのような初動態勢をとるべきであると御準備をされているか、この機会にぜひお聞きをさせていただきたいと思います。
○深谷国務大臣 各委員からの適切な質問がずっと続いておりますが、もう一息だなどといった安閑とした気持ちは毛頭持っておりませんで、むしろ市議会、県議会通じて頑張った田中先生の意見がどういうものか、刮目して伺いたいと思っておりましたことをあえて申し添えさせていただきます。 災害に備えるためには、何といいましても行政側と地域住民側が常にそれに対する心構えと準備を重ねてまいらなければならぬと思っております。そういう点では、平素から地域の安全性を高めるために行政と住民側とが一体となって努力をするということが大事であり、そのためには自主防災体制というものを確立して、例えば避難地であるとか避難路等の防災基盤の整備をしていくことが大事であります。 また、御指摘のように、災害が発生したときに初動活動というのが的確に行われることが非常に大事でありまして、これらについては、悲しいことでありますが、阪神・淡路の災害は我々に非常に多くの教訓をもたらした、こう思うわけであります。 何よりも大事なことは、災害の情報を的確に把握した上で関係機関に伝達するということでございまして、これからは、特に消防庁においては、ヘリコプターや高所監視カメラによる画像情報の収集、あるいは多様な情報把握システムを整備する、地域衛星通信ネットワークというものの整備など通信ルートの多様化を進めるほか、今度は全市町村に計測震度計を配備するということにいたしましたが、これによって震度情報に基づいた被害の推測を徹底して受けとめられるように整備していくということなどを進めているわけでございます。 ただ、南関東に災害が起こった場合にそれなら大丈夫かということになりますと、その対応は非常に困難だと思います。私は、現地に参りまして視察をしたときに、もし東京で同じような災害が起こったらということを考えると慄然とせざるを得ない。そこで、このような場合を想定いたしまして、まず緊急事態が起こったときに、その地域では間に合わないというので、緊急広域援助隊というものを組織しよう、緊急消防援助隊でございますが、このことを消防庁長官とも相談をいたしまして、まず組織づくりに当たったわけでございます。 各地方自治体から、そのような場合には出動してくれるか、どういう状態で出動してくださるかということも含めて申し出を受けとめておりましたところ、当初は三千人規模を考えていたのでありますが、極めて活発な申し出がございまして、現在は消火部隊も含めて一万七千人体制が組織の上で確保されるような状態になってまいりました。隊としましては、千二百六十七隊でございます。 こういうような緊急消防援助隊が、いざというときに、南関東等で例えば災害が起こったときには、その規模等に応じた緊急消防援助隊の出動を行う。そのための協力体制を検討しておりますし、実は来る十一月二十八、二十九日の二日間は、東京におきましてその具体的な訓練を実施するということも決めさせていただいております。 幾ら準備を進めても、自然の災害の恐ろしさというものに、完全に守り切れるものではないとはいうものの、我々はすべての知恵を集めて、どうやってお守りするかということにこれからも一層努力をいたしてまいりたいと思っておりますし、この十一月二十八、二十九の実施訓練、実態と同じような訓練、ヘリコプターも出動し、消防自動車も各県から緊急に集まってまいりますから、ぜひ先生もごらんをいただきまして、御示唆を仰ぎたいと思っております。
○田中(甲)委員 力強い自治大臣のお話を伺いまして、何か安心をする、そんな思いを今持たせていただきました。 生命を守るという非常に重要な私たちの責務を、一人一人が担っていかなければいけないと思いますし、大臣の答弁の中にも述べられておったと今記憶しておりますが、自主性という言葉、そして自治意識ということと置きかえてよろしいでしょうか。地方行政常任委員会あるいは地方分権推進特別委員会を通じて、この自治意識の重要性ということを強く感じている昨今である。そんなことも兼ね合わせて、日本全体で措置を講じていく、その気持ちを高めていく、そんな必要性を私も感じております。 次は、長い今までの歴史を持つ中で、今回消防職員委員会が設置されたということについて、何点か御質問させていただきたいと思います。 私は、やはり選任される委員長という立場が非常に重要になってくるだろうと思います。全国で消防本部が九百三十一、その九百三十一の委員長がどのように委員会を運営していくかということが、実際の問題としてはポイントになるんだろうと私は推測をしているんですけれども、そこで消防庁長官、消防長に準ずる職にある者から消防長が指名をするということでありますが、この点を、どのような職にある者を考えているのか、もしお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○秋本政府委員 消防職員委員会の委員長についてでございますけれども、これにつきましては、消防本部の事務の統括者であり、消防職員の任命権者であります消防長に準じた地位にある人、具体的に申しますと、例えば消防本部次長や、人事、組織、予算等の総務関係の事務を分掌する部長、部制をとっていない場合では課長などの職にある者を予定しているわけでございます。 委員長の役割といたしましては、委員会の招集を行いますとともに、委員会を主宰して会務を総理することなどを予定しておりますけれども、職員から提出されましたさまざまな意見に関しまして、委員会の審議が適切に行われますように、適正な議事運営に努めていただくということを私どもとしては期待いたしております。
○田中(甲)委員 それと同時に、今度は委員の問題にも触れさせていただきたいのですが、私は、この職員委員会を設置するということによって、大きな目的の一つとして、極めて職場を活性化をさせるという、今よりもさらに活力のある職場にしていくということを考えなければいけないのでしょう、そう思います。 委員の半分については職員の推薦に基づいて指名すること、前段の質問者からもそのようなお話が指摘されておりましたけれども、できるだけ多くの職員が一度は委員の職を経験するという、これは制度の趣旨からも、消防の職場を活性化していくんだという制度の趣旨からも、なるべく多くの職員が委員として参加をするということが大切なことのように私は思いますが、消防庁として、もしこの点を御配慮されているのでしたら、御意見をぜひお聞かせいただきたいと思います。
○秋本政府委員 委員会の委員につきましては、消防長が職員の中から指名をするということにいたしておりますけれども、意思疎通を図るということからいいまして、そのうちの半数につきましては職員の推薦に基づき指名するということを予定いたしております。 今御指摘がございましたように、多くの職員が消防職員委員会の委員としての経験をするということは、消防職員間の意思疎通を図り、そしてまた職員の士気を高めるという制度の趣旨にも沿うものであろうと私どもも考えております。委員会の組織及び運営の基準等につきまして検討を進めてまいりますけれども、その中で、御指摘の趣旨につきましても十分意を用いてまいりたいと考えております。
○田中(甲)委員 大臣にまた御質問させていただきたいと思います。 長い間懸案となっていました消防職員の団結権問題、消防職員委員会の導入を基軸とするこのことによって解決策となったんだと。もしそうだとするならば、解決策は、消防職員の参加を得て勤務条件の向上等に資するものであり、消防職員の団結権問題の解決策として適切なものであるんだという御認識をお持ちになられているという確認と、またそれに付随する御所見がありましたら、ぜひ改めてお聞きをさしていただきたいと思います。
○深谷国務大臣 先ほども申し上げたのでありますが、ILOとの関係も含めて、長年にわたってこの議論が続いてまいったわけであります。ただ、ILOの条約の批准に当たりましても、警察とか軍隊とかいうものについては、それは国内法で定める。したがって、私たちは、警察と同じように消防を考えて、批准するのに矛盾はないという点からその立場を一貫して進めてきたわけであります。今日もそれは変わりはございません。 したがいまして、消防という特別な立場の団体に対して団結権を認める、そういう考え方ではありませんが、職員の皆さんが自分の意思をきちっと発表できる機会を設ける、そのことにどうやってこたえていくかという、行政側の答えもお互いに勉強しながら出していく、そのことによって職員の士気が高まって消防活動に一層全力を尽くせる、そういう環境をつくるという点では、私はこの委員会の設立というのは適切だと思っておりますから、あとは、せっかくのこの努力で生まれた職員委員会が正確にその目的を果たして運営をされるように、周囲からぜひ協力をして進めてまいりたいと考えているところであります。
○田中(甲)委員 以上で終わります。
○平林委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 今回の消防組織法の改正について、緊急時の応援の特例については、救援救助の初動態勢のおくれを是正する措置の一つとして賛成するものです。特に新聞でも、お話があったように、おくれて活動を開始しているわけですが、既に神戸市内は火の海と化しており、断水も重なって燃えるに任せる状態となったというふうに報道をしておるところでありますし、極めて大切なことだと思います。 同時に私は、先ほども大臣、お話ありましたが、現地での話を聞きまして、やはり応援を受ける現地の側がどれだけ強固かということが、これまた大切な問題なのです。したがって、私は、消防力基準の達成のために政府が全力を挙げて力を尽くしていただきたい。そうしなければ、幾ら応援が来ても、肝心のところは、指揮するところは本体なわけですから、被害を受けているところですから、先ほど消防庁長官が七割という話をされていましたけれども、充足率というのはその状況で、しかも基準というのは最低の基準ということは何度もお話あったわけですから、そこはあえて希望したいと思います。 それと、職員委員会の設置については、先ほどいろいろ御意見ありまして、消防職員の団結権の問題ではさまざまな見方がある模様ですが、私は、地方公務員法に手をつけていないという不十分さがあるということについては指摘したいと思うし、同時に、今までなかった勤務条件や福利厚生の問題で審議をする場をつくったという点では評価をしたいと思っています。そういう立場に立って、時間がありませんので端的に質問したいと思います。 公務員部長、ILOが七三年以来日本政府に勧告してきた内容の中心は一体何だったのかということを、まず報告ください。
○鈴木(正)政府委員 お答えいたします。 条約批准時の経緯はございますが、その後、四十八年、一九七三年に、条約勧告適用専門家委員会の見解の要旨は、消防職員の職務というものは、条約九条に基づいてこの種の労働者を除外することを正当化するような性質のものであるとは考えないという点と、したがって、この種の労働者について団結権が認められるよう適当な措置をとることを希望する、この点でございます。
○穀田委員 今ありましたように、中心問題は団結権の付与なのですね。先ほどその問題が解決されたかのような御発言もありましたが、私は、その問題を解決しようと思いますと、やはり五十二条を改正する必要がある、こう思っています。 そこで、公務員問題連絡会議の決定ではこう書いています。要するに、「消防職員の団結権問題についてはこ間は縮めますけれども、「地方公務員法の改正は行わない。」こう書いています。これでおしまいだとすると、団結権の問題は一歩も前に進んでいないことになると私は思うのですね。 しかも、先ほども御意見ありましたように、私は、一つの労働団体から出ている問題と違うという意見なんです。つまり、日本における民主主義をどう発展させるのかという問題であるのが一つと、もう一つは、労働者の実態についてまともに見詰めて、それを改善するということに対して団結権が大事なんだという見地を、どう我々は認めるのかだと思うのです。 そこで、日本自治体労働組合総連合、略称で言いますと自治労連ですが、ILOに対して、趣意書でこう言っているのですね、労働実態はこんなことがあると。「慢性的な人員不足により、週休二日制実施によって労働時間が短縮されたとしても、多くの消防職場では、仮眠時間数などを増やすという勤務形態の操作だけに終わり、総拘束時間は何ら変わらないという実態にあります。」また、「年次有給休暇取得についても、消防業務に支障をきたす状況などの理由から、自由に取得することができません。」こういったことまでわざわざ労働者の実態について報告しているわけですね。 だから、大臣はいつも最後のまとめの方になると、士気を鼓舞するという話はするのですが、肝心かなめの、こういう労働者の実態の問題と、民主主義を前進させるという問題からして、労働者の団結権が必要なんだという問題について、私は御意見を伺いたいと思います。
○深谷国務大臣 先ほどもちょっと触れたのでありますが、昭和四十年にILOの八十七号を日本が批准したときは、間違いなくILOの雰囲気といたしましても、警察とか軍隊とか、そういうものは例外的なものであって、国内法で定めるのだという、そういう認識でスタートしているのですね。ところが、途中からILOの考え方も団結権を求めるというふうな方向に変わってまいりました。 しかし、今日まで鋭意努力した結果、このような委員会設置ということで意見を吸い上げるということに対して、今年の六月のILOの総会では歓迎された、そういう状態になっておりますから、私は、これらの経過を見て、今日の解決策は妥当な線だろう、こう理解しております。
○穀田委員 そこで、今論点が出ましたので、私言っておきたいと思うのです。 当時のILOの考え方という問題がございました。私は、本来、団結権という問題を設定した場合に、政府は、警察と消防が似たようなものだ、これは、私が質問した際も一貫してそういう御意見でございました。 そこで、私見てみますと、消防というのは、消防組織法第一条によりますと、国民の身体及び財産を火災から保護すること、及びこれらの災害による被害を軽減すること、こう書いているのですね。警察はどうか。これは警察法第二条で、警察は、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取り締まりその他公共の安全と秩序の維持に当たることを責務とする、こう書いているのですね。かつてのそういういろいろな経緯はありますけれども、そういう違いは明らかだと思うのですね。治安を維持する機構と、そして行政機構の違いは明らかだと私は思うのです。きょうは議論する時間はありませんから、私はそう思うので、したがって、逆に言えば、そういう実態を知れば知るほど、団結権が必要だという認識を持ったのは当たり前だと思うのです。 同時に、今後半でありました、ILOが歓迎した。そういう文章はありました。確かにそう言っています。「満足をもって歓迎しこはあるのですよ。しかし、その後段もありまして、「本委員会はまた、日本政府が、すでに到達した合意を真に反映し、第八十七号条約に反しない方法で、国内法及び国内慣行を改正することを要請」するとも書いているのですね。 つまりこれは、解決という見解をとろうが、現実には、その一つの問題について歓迎をされたことではあるけれども、一歩として見て、次の点に引き続き頑張ってくださいよということがILOの認識だということはお認めになりますね。
○深谷国務大臣 私は、このたびのこの委員会の設置というのは一つの解決策だと思っておりまして、団結権に向かっての一歩前進だという受けとめ方は、それはあなたの考え方と若干乖離がございます。 私どもとしましては、この委員会がせっかくできたのですから、この運用が適切に行われて、職員の希望が反映をされながら、それが士気の高揚につながっていくという実体的な状況をつくり出すために全力を尽くしたい、そう思っているわけであります。 なお、将来にわたって他の意見は一切閉ざすという考え方を持っていないことは、当然のことであります。
○穀田委員 念のために言っておきます。私がそう判断をしたとは言っておりませんので、ILOがそう言っているという問題を私は言って、ILOはそういう認識でいますよということをまず確かめたかったわけです。 同時に、政府は、同じく六月の八十二回ILO総会条約勧告適用委員会日本政府冒頭陳述によりますと、「政府は、労働基本権である消防職員の団結権に関して、更に将来において関係者間で論議されるものと考える。」こう書いているわけですから、そういう意味では、団結権の問題は引き続き残っているという認識があることだけは確かだ、政府全体が。これはそう読み取れますね。そういうことだと私は思うのです。したがって、私は、逆に言いますと、当時いろいろなコンセンサスが必要だということも述べておられるわけですから、努力を開始をしていただきたいと思っているところです。 そこで、最後に、二つばかり残っている具体的な問題について、運用の点についても若干質問をしたいと思うのです。 先ほど長官は、そこで出された意見については尊重すべきであるということもお話しになりました。私は、一般職員の意見がより反映できるという観点での運用の改善が極めて大事な問題だと思うのです。 そこで、極めて具体的な問題ですが、先ほどありましたように、長に意見を述べそれに対してこたえる、こういう経過がありましたけれども、それらの問題が、何が提起されてどういう話し合いを通じてどうなったか、これはやはり公開をされていくべきだと私は思うのです。つまり、結果としてそれが通るか通らないかという話じゃないのですよ。そういう問題が、どのような形が提起されて、どんなふうな話し合いとして、結果が今どうなっているか、するかしないかは別として、それらについて公開をしたり、周知するという点はいかがお考えですか。
○秋本政府委員 消防職員委員会の方で審議の対象になりました意見、その結果を消防長の方に提出をした。その結果どういう措置になったかということにつきましては、提出した職員にはもちろんですけれども、全職員に対しても何らかの方法で周知をさせるということが適当であろうと思っております。
○穀田委員 そこで、じゃ最後の問題は、先ほどありました冒頭陳述の関係で、職員委員会の「半数は職員自身の推薦に基づき指名される。」という、既にこれは先ほど御答弁ございましたが、もともとこれはILOの総会で政府の陳述にあるのですね。ですから、それはそのとおりにされるということだと思うのですが、今の一般職員の意見がより反映できるという観点からすると、この点も改善が必要ではないかと私は思っているのです。 といいますのは、私は昨年も質問をしたときに、消防だとかいうのはもともと上意下達の組織なんだ、そういうもので迅速果敢にと、この二つが大体キーワードでしたよね。それで、あなた方がそう言ってこられたわけだから、逆に言えば、そういう中だからこそ自由に物を言う雰囲気というのは当然ありませんわな、上から下へこう来るわけなんだから。そういうものを予測されるということが第一ですね。 それともう一つは、福利厚生や労働条件について改善を目的とするわけだから、今言った半数程度というものにとどめずに、その職員委員会自身の構成が一般職員が過半数を占めるというような点での改善が必要ではないですか。例えば消防職員の階級やその他の構成を見ましても、圧倒的多数が消防士、副士長、士長、司令補というような形で、管理職でない部分が当然多数を占めるわけですね。ですから、そういう方々を大きく選んでいくということが、私は配慮としてしかるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○秋本政府委員 この職員委員会制度を発足しましたならば、法律の制度の趣旨にのっとって適切に運営されることによりまして、職員の方からは自由に意見が出されるというようになることを私どもも期待いたしておりまして、そのように指導をしてまいりたいと思います。 それから、この職員の指名につきまして、半数については職員の推薦に基づき指名をするということを予定いたしておりますけれども、それをさらに細分化して、特定のグループから半数とか何かが出るようにとか、そのあたりまでの指導をするつもりはございませんで、やはり消防職員としては一体のものであると思っておりますし、一体のものとしての行動は必要でございますし、これらにつきましても職員の半数ということで予定をしてまいっておるわけでございます。
○穀田委員 今お話があった半数は職員自身の推薦ということでして、私は、管理職でない人たちが半数占めたらどうかと言っているのですね、労働条件にかかわる問題ですから。しかも、大体労働条件にかかわる問題で半々だったら、普通は労働権に関するそういう付与をして、それやったらいいわけでして、それをしないでやるわけだから、一層そういうふうな改善が私は必要だと思うのです。そういう意見を特に述べておきたいと思うのです。 最後に、大臣はあらゆる機会でさまざまな意見を伺うということを労働団体の問題についておっしゃっていましたけれども、私はそういう意味でいいますと、これは今の労働戦線における実態からして、やはり先ほど御紹介申し上げた自治労連も含めて大きな舞台として存在しているわけですから、そういう方々も含めて広く御意見を伺っていただくということが、お話があったさまざまな意見を聞くというものに値するのではないかということを指摘して、終わりたいと思います。
○平林委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○平林委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 消防組織法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平林委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○平林委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、山名靖英君外四名から、五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。山名靖英君。
○山名委員 私は、この際、自由民主党・自由連合、新進党・民主会議、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ及び日本共産党の五会派を代表いたしまして、消防組織法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。 消防組織法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、消防職員委員会制度の導入及び大規模災害時における消防の応援に係る特例の創設に当たっては、消防事務の円滑な運営等を図る観点から、左記の諸点について善処すべきである。 一 消防職員委員会の委員の指名については、消防職員の意見が的確に反映され、かつ、同委員会の適正な運営が確保されるよう配意すること。 二 消防職員委員会の組織及び運営に関する基準については、市町村消防の原則を踏まえつつ、その早期制定を図ること。 三 大規模災害時における消防の応援に係る特例の運用に当たっては、被災地における被害状況の迅速かつ的確な把握に努めるとともに、市町村の自主性を尊重しつつ、関係地方公共団体の長等との緊密な連携を図り、その意向を十分に踏まえ、適切な措置を講ずるよう配慮すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をよろしくお願いいたします。
○平林委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平林委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、深谷自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷自治大臣。
○深谷国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○平林委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平林委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○平林委員長 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十九分散会