大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/10/25
会議録
○久間委員長 これより会議を開きます。 この際、暫時休憩いたします。 午前十時四十分休憩 ————◇————— 午後三時四十四分開議
○久間委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。 ————————————— 租税特別措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○武村国務大臣 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、最近における社会経済情勢にかんがみ、株式市場の活性化の観点から、上場会社等による利益をもってする株式の消却の促進を図るため、上場会社等が株式の利益消却を行った場合のみなし配当についで、特例措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。 以下、その内容について御説明申し上げます。 まず、上場会社等が利益をもってする株式の消却を行った場合には、その消却された株式に対応する資本の金額のうち消却されなかった株式に対応する部分の金額については、みなし配当課税を行わないこととしております。なお、法人株主については、受取配当として申告することを選択できるものとしております。 次に、公開買い付けによる株式の消却に応じた個人株主が交付を受ける金銭の額のうち資本等の金額に対応する金額を超える部分の金額については、みなし配当課税を行わず、株式の譲渡による所得として課税することとしております。 これらの措置につきましては、この法律の施行の日から平成十一年三月三十一日までの間に、利益をもってする株式の消却を行った場合について適用することとしております。 以上が、租税特別措置法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
○久間委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
○久間委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内譲君。
○竹内(譲)委員 新進党の竹内譲でございます。 最初に、本法律案の意義でございますが、これにより各企業が利益による株式の消却を行えば、発行済み株式数が減少し、バブル期のエクイティーファイナンスにより供給過剰感のある株式市場の需給バランスの改善につながるほか、ROEの向上やEPSの増加を通じ、当該株式が投資対象としてより魅力的なものになり、これらを通じて株式市場の活性化が期待されるところであるということでございます。 各企業が利益による株式の消却を行えばこのようになると言われているわけでございますが、政府としては、これらの具体的な効果について試算的数字をお持ちでございましょうか。
○日高(壮)政府委員 利益による自己株式の消却が行われますと、ただいま委員から御指摘がございましたように、バブル期において大量に行われたエクイティーファイナンスの結果、株式の供給過剰感のある市場に対して、その発行済み株式数が減少するわけでございますから、そういう意味で需給バランスを改善させる方向に働くことが期待されるわけでございます。 もう一つ、この点も御指摘がございましたように、株主資本利益率あるいは一株当たり利益の向上を通じましで、株式が投資対象としてより魅力的なものになる、そういう効果が期待できるわけでございます。こうした効果を通じで、株式市場の活性化につながっていくというふうに期待しているわけでございます。 ただ、御質問がございました、具体的にどれだけ数量的に出てくるかということでございますが、基本的に、自己株式の取得・消却を行うか否かというのは、あるいはどの程度行うかということにつきましては、個々の企業の経営判断にゆだねられるということでございますので、具体的に数量的にどのくらい出てくるかという点については試算は難しいということは御理解を賜りたいと思います。 ただ、一点申し上げれば、例えば通産省が本年八月にアンケート調査を関係企業にいたしました、その結果を見ますと、七割を超える企業が、自己株式の取得を検討する、あるいは場合によっては検討するという回答を寄せられているわけでございますので、私どもとしては、相当数の企業が積極的に取り組んでいただける、今回のみなし配当課税の凍結ということが実現されれば、そういう意味でかなりの数の自社株の購入・消却が行われるものと期待をしているという状況でございます。
○竹内(譲)委員 一定の効果があるという御答弁でございます。私どもも従来からそのように考えておったわけでございまして、かなり早くからいろいろな各企業の皆様方に聴取をしてきたわけでございます。その意味で、去る八月四日に我が党が、夏の臨時国会で同様の提案をさせていただいております。 その意味では、そのときなぜ審議をしていただけなかったのかということを非常に疑問に思うわけでございます。これだけ効果があるというものであるならば、さきの国会で審議できたはずでございまして、そういう意味では、私はもっと今の経済状況というものに対して政府・与党が、やはり感度の問題として疑問があるのではないか、いかがなものかというふうに考えておるわけでございます。
○薄井政府委員 御指摘のように、自己株式を利益消却するということにつきましてはかなり前からいろいろ議論されてきておりまして、これが現実に進まないということから、ことしの六月には、私ども政府・与党の経済対策でこのみなし配当課税の特例を検討するということをお約束したわけでございます。 ただ、先生御存じのように、我が国の上場企業は自己株式の利益消却というのを今までやったことがないわけでございましで、初めての経験であるということで、実効性のある仕組みをどう仕組むのかということにつきまして、私ども、企業あるいは産業界の実態等を把握するのに時間をかけさせていただいたということでございます。 その結果、当初、残存株主、これは個人と法人ですけれども、に対するみなし配当課税の特例、非課税ということを考えておったわけですが、これに加えましで、残存の法人株主につきましては従前どおりの受取配当として申告するケースの方が適当であるという場合もあり得るということでしたので、これも選択できるようにした。あるいは、公開買い付けという形で株を買い付けるというケースにおきましては、消却に応じました個人株主がみなし配当課税を行うよりも株式譲渡益課税として課税した方がいいというケースが出できた場合に、公開買い付けという手法がとりにくくなるのではないかということなどにも気がつきまして、この両点を中心に整備をいたしました。その結果、タイミングとしてはこの時期になったということでございますが、全体として実効性のある制度に仕組むことができたと思っております。 このように、今回のみなし配当課税の特例措置、文字どおり企業あるいは産業界の実態を十分反映したものになっていると考えておりまして、この時期に提案させていただいているということについて御理解賜りたいと存じます。
○竹内(譲)委員 済んだことをとやかく言っても仕方がないのですが、経済対策として六月に出されているということは、相当問題意識を持っていたということでありましで、与野党とも持っていたということですから、もっと感度のいい出し方、あるいはいい政策をもっと敏感にやっていく必要があるのじゃないかなというふうに私は思っております。それがやはり今の経済界の皆さんに対する回答だというふうに私は思っております。 次に、本問題につきましては後ほど村井委員の方からいろいろあろうかと思いますので、私の方は、残る時間、不良債権の問題につきまして私の基本的な考え方を述べさせでいただきたいというふうに思っております。新進党としての考え方ではありませんので、私個人の考え方ということで御質問をさせていただきたいというふうに考えております。 まず最初に、武村大蔵大臣にお聞きしたいのですが、今回不良債権問題ということが非常に重要な経済の問題として大きな課題となっておるわけですが、一連の不良債権問題を通じて何がこの中で最大の課題と考えておられるか、この点についての御所見がありましたらお答えをいただけませんでしょうか。
○武村国務大臣 やはり日本経済にとって金融システムというのは、一種の、心臓を中心にした、人体に例えれば動脈、静脈に当たる血液の流れだというふうにも理解できるわけでありましで、日本経済にとって一番中枢にある金融機能に支障が生じたり、あるいは内外に不安を与えるようなことがあってはならない。少なくとも今回の不良債権問題はそういう不安を与えかねない状況にあるだけに、このことに全力を挙げて取り組んでいかなければならないという認識であります。 同時に、目下の経済情勢を認識しますと、やはりこの閉塞感を払拭するためにも、この不良債権問題を解決することが不可欠のいわば前提条件になるという考え方を強く持っている次第であります。
○竹内(譲)委員 私は、もちろん今大臣がおっしゃったことは当然のこととして、今やはりネックになっていることといいますか、一番私なりに考えていることは、不良債権を処理できない金融機関がたくさんあるのではないのか。 要するに、私は大きく二つぐらいのグループに分けられるというふうに思っているのです。確かに、大手の都市銀行のようにあと二、三年ぐらいで処理できるめどがついているようなところもあろうかと思いますが、しかし、そうではなくて、実際にはそれ以外のグループとして、不良債権を時間をかけても、こうやって低金利政策をずっとあと五年続けても処理できない金融機関が非常にたくさんあるのではないか、このことが非常に大きなネックになっているのではないかというふうに思っております。 これからそういう金融機関がもし出てきた場合の処理方法について、その方針が明確でない、定まっていないということがやはり最大の問題点なのではないのかというふうに私は思っておるわけでございます。 御存じのように、アメリカでかつて同じような、SアンドLの処理が行われました。このときに要した財政資金の額というのは大体どのぐらいであったか、お答え願えませんでしょうか。
○西村政府委員 御指摘のように、アメリカにおきましては、八〇年代の後半に貯蓄貸付組合の経営破綻が相次ぎまして、貯蓄貸付組合向けの預金保険制度自体が破綻をいたしました。これを契機に保険料の大幅な引き上げが行われましたが、その一方で、破綻した貯蓄貸付組合の処理を行うために整理信託公社、いわゆるRTCが設立され、破綻処理の財源に財政資金が用いられました。 いろいろな計算があるようでございますが、今私どもが把握しておりますところでは、RTCに投入された財政資金、予算に計上されました資金は七百四十億ドルというふうに理解をしております。
○竹内(譲)委員 七百四十億ドルというお答えでございます。私が日経金融新聞でこの五月十日に見たあれでは、九百十億ドルとかというようにジョン・ライアンRTC総裁代行の言葉として載っでおりましたけれども。いずれにせよ、七百億ドルから九百億ドル、大体十兆円に上る財政資金を投入しておるわけでございます。 このときにやはり、アメリカの場合でも、問題先送りということが財政資金の投入額を大きくした非常に大きな原因であるというふうに私は思っております。その意味で、今の金融機関の持つ実態というものを監督当局がどこまでしっかりと把握しているのか。そして、もう債務超過になっている金融機関、あるいは寸前である、そして将来の回復の見込みがないというところに関しては思い切ってこれを処理をしていかないと、どんどん後でツケが回ってくる、財政資金というものは税金の形で物すごく大きな金額になってくるというふうに思うわけでございます。 その意味で、五年もかけて処理するというようなことでは本当に大変なことになる、国民に対して大変なうそをつくことになると私は思うんです。本来で言えば、あと一年か二年の間に断固とした緊急行動計画を立ててそれを実行するというくらいの腹構えで臨まないと、大変な問題になるのじゃないかというふうに思っておるわけです。それにつきまして当局の御意見を。
○西村政府委員 まず、先ほどの金額でございますが、私先ほど七百四十億ドルと申し上げましたが、先生御指摘のように九百十億ドルというような計算の仕方もございます。先ほどは実際に予算に計上された金額を申し上げたのですが、ほかの資金を合わせますと九百十億ドルという数字もございます。 次に、私どもがこの不良債権の処理あるいは金融機関の経営の健全化を行います上でまず第一に必要なのは、御指摘のように財務内容の把握ということでございます。私ども常々検査等を通じましで財務内容の把握に取り組んできておるつもりでございますが、確かに最近の経済の動き、とりわけ資産価格の動きというものは私どもの把握の能力を超えるような面もございまして、私ども一生懸命それには取り組んでおるわけでございますが、十分にそれを把握し切れているかどうか。今後とも努力を続けてまいりたいと存じます。 そういうような財務内容の的確な把握の上に立って、かつ必要とされますことは、御指摘のように早期処理ということでございます。私どもといたしましては、今までもタイミングを失しないような金融機関の経営の改善というものに取り組んできたつもりでございます。しかしながら、実際問題として、的確なタイミングで金融機関の再建あるいは破綻処理に取り組むということはなかなか難しい面もございます。 そこのところは、今後早期是正措置というような方策をもあわせて考える。アメリカではそういうことに取り組まれているわけでございますが、今金融制度調査会でそういう問題も御検討いただいておりますけれども、もし成案が得られ、また必要でございましたら法律改正をも含めて検討をさせていただきたいと考えております。
○竹内(譲)委員 きょうは時間が限られておりますので、私なりの見解を述べさせていただきますが、やはり当局がいろいろな最新の金融手法の導入とかで財務内容を把握することがなかなか難しい面もあるという意味のことを今局長がおっしゃいましたけれども、私はやはり独自の、要するにすべての金融機関が実質的な自己資本といいますか、いわゆるBIS基準のそういう自己資本ではなくて、要するに現在の時価に直したさまざまな資産を再評価して、その中にはオンバランスもありますが、オプションスワップやフューチャーのようなオフバランスのものも時価で再評価をして、そういう総資産と、それから改めて評価し直した負債というものがどれだけあるか、その総資産から負債を引いて実際に今現実にどれだけの実質的な自己資本があるのかということをやはり絶えず把握することが非常に大事だと思うのですね。 実際に第二次BIS規制なんというのもそういう動きに向かって進んでいることは、もう局長御存じだと思います。そういう意味で改めてやはり日本としてもそういう実質的な自己資本というものを調査し直す。そして、今やコンピューターの時代ですから、数字が変われば逐次すぐわかるようになるわけですから、そういうもので評価をし直してグループ分けをしたらどうか。そして、例えば五段階ならA、B、C、D、Eとかグループ分けをして、その中で、もはや債務超過で実質的にもう回復の見込みがないというような金融機関については、思い切って特別清算を開始するということにしたらどうなのかというふうに思うわけでございます。 私は、そのぐらいのことを思い切っで今やっていかないと本当に大変なことになってしまう。金融制度調査会の報告も大体そういう意味が裏に隠されているのであろうと私は思いながらずっと読んでおりますけれども、どうもそれが前面に出てこない。大蔵省の、報告に対する、それを踏まえた早期処理というもののペーパーが出ておりますが、どうもそのプログラムも定かでないし、何か作文に終始しているような、大事なところをわざと書いていないような気がするわけでございます。 そういう意味で大胆に不良債権問題に、そしてもうだめな不良債権はだめというふうに処理していく、そういう覚悟はございますか。
○西村政府委員 ただいま御指摘のように、実質的な自己資本ということは大変大切な概念だと考えております。ただ、私どもこの問題について大変に苦慮いたしますのは、資産の評価、端的に申しますならば、貸付金のどれくらいを返してもらえるかということの評価というものは非常に難しい。特に最近のように資産価格、土地の価格が大きく変動するような中におきましては、資産価値というものを実質的に把握するということが非常に難しいなということを痛感しておるところでございます。 しかしながら、そのような問題をも踏まえた上で、その経営状況を的確に把握しまして、そしてもしその金融機関の経営の健全性に問題があるという場合には、できるだけ早くその自主的な経営改善計画の提出指導だとか、あるいは業務改善命令等の法令上の措置を講じていくということが必要だと思います。 さらに、その金融機関が実質的に破綻に陥っているというふうに判断される場合には、ともすれば金融機関というのは流動性が確保される限りは営業を継続していきたいというような気持ちが強く持たれるものでございます。しかし、そういうことが結果的に破綻処理のおくれにつながることがございますので、そのような問題を解決するための、例えば実質的な債務超過に陥ったような段階から破綻処理手続を開始できるようなそういう仕組みを考えてみたらどうかということで、今金融制度調査会で審議をしていただいておりますが、もし必要がございましたら法律改正ということをも含めまして適切な措置をとってまいりたいと考えております。
○竹内(譲)委員 次に大事なことは、私なりの見解ですが、要するに実質自己資本がマイナスになっている、債務超過に陥ろうとしている、陥っている、回復の見込みがないというところに関しては清算をしなければならない。ところが、金融機関の中でも預金を取り扱っている金融機関というのは非常にこれは違うわけでございまして、大事なものであると考えています。 すなわち、ノンバンクやあるいは住専のように預金を取り扱っていない金融機関と、預金を取り扱っている金融機関とは違う。そういう意味で、預金を取り扱っている金融機関を清算するときには預金者保護ということがやはり非常に大事だと思うのです。 今までディスクロージャーが十分ではありませんでした。したがいまして、清算するときに、こういうディスクロージャーが不十分な中でペイオフというのをやると、これは大変な混乱を招きかねないというふうに思うわけです。ですから、そういう意味で、預金者を守るためには、最終的に、資産がない、そして預金保険機構でも貯えない場合が、資金援助という形で資金が足りない場合が出てくるだろう。そのときにはやはり公的資金というものをどうしても導入せざるを得ないのではないのかというふうに思うわけです。 その意味で、まずは銀行の経営責任を問う、そしてその中で、どうしても預金に見合う資産がない、預金保険機構による資金援助もお金が足りないという場合には、公的資金導入というのを私はやむを得ないというふうに考えておるわけですが、この点につきましてどのようにお考えですか。
○西村政府委員 金融機関の経営は、あくまでも自己責任の原則のもとに、経営者、経営体がまず自分たちの努力で責任を持って行っていくということが大原則だと存じますが、そういう努力が及ばない場合に、金融システムの中において預金保険という制度がございますので、そのような制度によって金融システムの破綻を防ぐということが次の段階としてあろうかと思います。 さらに、そのような方策をもっても対処ができないような場合にどうするか。最近、公的資金の問題についていろいろな議論がございますが、先般、九月二十七日の金融制度調査会の審議経過報告を受けまして、大蔵省といたしましては、この問題につきましては、公的資金の時限的な導入も含めた公的な関与のあり方について、金融システム内での最大限の対応等を踏まえつつ検討を進めるということを申し述べでいるところでございます。
○竹内(譲)委員 最後に、私の考え方としては、要するに、そういう破綻銀行がこれから出てくるだろう。恐らく相当あると思うのですね、本当は。そして、最終的に預金保険機構の資金援助でも足りない場合があるだろう。そういうときにどうしたらいいのか。 私は、これは私の意見ですけれども、どうしても足りない部分、預金に見合う資産がないという部分については公的資金というものを認める、そしてそれを、資産と負債、つまり預金債務というものをあわせて、要するに他の金融機関にセットで承継してやるというようなスキームというものは考えられないのか。どうしても嫌がるところもあるでしょうけれども、負債だけ負うのではなくて、預金債務とそれに見合った資産というものをあわせて承継するというようなことであれば、基本的にはある程度の金融不安というものを除去できるのではないかなというふうに考えておるわけです。 その場合の公的資金の導入の仕方というのは、別に現金でなくても、交付国債というような形も考えられるのではないのか。その場合の国債のあり方というのは、通常の五年や十年というものではなくて、場合によっては超長期の三十年とかというようなものが考えられてもいいのではないかというふうに考えておるわけでございますが、銀行局長の御意見を承りたいと思います。
○西村政府委員 今、先生の方からいろいろな具体的な御提案がございました。私ども、そういう問題も含めて、今金融制度調査会で御検討いただいておるところでございますので、そのような御提案も含めまして検討させていただきたいと存じます。 今、日本の金融機関、大変に難しい局面にはございますが、しかし、それぞれ経営の健全化に努力をしておりまして、国民の皆様に御心配をかけないように一生懸命努力をしておりますので、行政といたしましても、そういう自己努力というものを私どもの立場からお手伝いをしながらも、いろいろな方策もあわせて検討をしてまいりたいと考えております。
○竹内(譲)委員 繰り返しになりますが、いずれにせよ、もうそんなに時間はないと私は思います。思い切っで大胆に、二年ぐらいの行動計画を早急に策定すべきであるし、ぜひともそれを早急につくり上げて実行していただきたいというふうに思います。我々もそれにつきましては協力を惜しまないというふうに申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○久間委員長 次に、村井仁君。
○村井委員 先ほど竹内委員の冒頭の質問に関連しまして、主税局長が、私どもが夏に出しました新進党案、これにいろいろ詰めをやった、その結果こういう案になったということなのですが、具体的に言いますと、先ほどもお触れがあったように、法人株主について受取配当として申告することを選択できるようにすること、それからテークオーバービッドの場合の対応、こういった点がつけ加えられた。 私は、これは別にお尋ねするわけでも何でもないので、そのぐらいのことなら、あの時点で十分議論を尽くせばこの場でそのくらいの詰めはできたのじゃないだろうかと思うのですよ。そういう意味で、あの時点でせっかく私どもが出した法律改正案につきまして全く審議がなされなかったということは、立法府として、こういう国民が直面している経済危機に対して余りにも鈍感なのではないだろうか、余りにも霞が関に任せ過ぎているのではないだろうかという思いを改めて強く感じだということを、私は冒頭申し上げておきます。 それはそれとしまして、私ども、政府の今度提案しましたみなし配当課税の特例につきましては、基本的に、私どもが夏に提案しました法律案を踏まえて提案されたものでありますので何とかこれは一日も早く使えるような体制にしていきたい、こんなふうに思っているわけであります。 先ほど竹内委員の冒頭質問に答えて証券局長からお話ありましたように、大量に行われたエクイティーファイナンスの結果、過剰感のある株式市場で、需給バランスを改善させるという上では、私は確かに効果のあることだろうと思います。それから、株主資本利益率の向上などを通じまして株式市場の活性化に資するものだ、こういう評価も私どもいたしております。 そこで、そういうようなメリットを持つこの制度ですけれども、これは証券局長にお伺いしたいのですが、自己株式の取得の促進につきまして、発行企業に対しまして積極的な取り組みを要請するというのでしょうか、あるいは勧奨するというのでしょうか、このあたりはマーケットに対するアプローチの問題ですからなかなか難しいことはありましょうけれども、証券局としてこれからどんなふうにお取り組みになるおつもりか、証券局長からお答えいただきたいと思います。
○日高(壮)政府委員 今御指摘がございましたように、会社が利益を使って自己株を消却するというのは、会社の利益を株主のために使う、そういう意味で、株主に目を向けた経営をするということからも画期的なことであろうというふうに思っております。 そういう意味で、経済界を挙げで証券市場の活性化について強く要請が出されているのも現在の姿でございますから、私どもとしても、経団連初め、そういう経済団体の場を通じていろいろな形でお願いをしてございます。これは単に市場の活性化に役立つというだけでなしに、企業の経営を今後ともこういう株主に目を向けた形で切りかえていってほしい、そういう意味でお願いをしているところでございます。 なお、証券界自体も、いろいろな形で各企業の方々を集めたセミナーを開催して、いろいろな場を通じてお願いをしている、そういう状況でございます。
○村井委員 こういうことで、とりあえずこの国会では、政府側からはみなし配当課税の特例だけが提案されている。私どもの方は、まだこの委員会では議論に入っておりませんけれども、そのほか有価証券取引税の停止とか、あるいは土地の譲渡益課税の問題とかということで取り上げでいるわけであります。 私は、いずれにしましても、現在の経済情勢につきまして、今回の措置を含めても政府の経済対策は必ずしも十分とは言えないのではないか、こんなふうに思うわけであります。私は、そういう意味で、年末にかけて思い切った追加的な施策を講じていく必要があると思うのですけれども、今の景気の現状というのは、これは総務審議官の御担当かと思いますけれども、大蔵省の御認識をちょっと承りたい。
○武藤政府委員 景気の現状についてのお尋ねでございますけれども、我が国の経済情勢を見ますと、まず個人消費の緩やかな回復傾向、それから設備投資が比較的順調な回復の動きが見られるというふうに思っておりますが、一方で、生産あるいは住宅投資などで弱い動きもあるのは事実でございます。このように、景気は足踏み状態が長引く中で弱含みで推移しているというふうに見ているわけでございます。ただ、このところ、為替相場などには明るい動きも見られるというふうに考えております。 この機をとらえまして、政府といたしましては、御承知のような、事業規模として史上最大の十四兆二千億に上る経済対策を取りまとめまして、この対策を実施するために必要な経費の追加を盛り込んだ第二次補正予算が先日成立したところでございますので、この対策の着実な実施によりまして、また機動的な財政運営によりまして、景気の先行きに見られます不透明感というものを払拭して、我が国の経済の回復が確実になるものと考えておる次第でございます。
○村井委員 役所としてはそういうふうに答えざるを得ないのだろうと思いますけれども、私は、例えば今の株式市場をとってみたって、出口の見えない深刻な不振の状態がまだずっと続いているというのが偽らざるところだと思うのです。それから、日本の株価あるいは取引高の低迷というのを背景にしまして、ロンドン、シンガポールといった海外市場に株式取引が流出しまして、いわゆる証券市場の空洞化というのは急速に進展しつつある、これは否定しがたい現実だと思うのですね。 先ほどもちょっとお話がありましたけれども、資本市場の機能不全というのは、ある意味では産業、経済の血液というようなものでありまして、金融界、証券界の問題にとどまらず、我が国経済全体に非常に深刻な影響を及ぼしかねない非常に大変な問題だと思うのです。私は、そういう意味で、早急に我が国の証券市場の機能を回復しまして、そして主要先進国の金融・証券市場と征していくための大胆かつ抜本的な対策をとる必要があるのだろうと思うのです。 そういう意味で、証券局長にお伺いしたいのですが、今の日本の市場での市場取引の障害になっているいろいろな規制、あるいは負担、あるいは諸慣行、こういったものを徹底的に洗い直しまして、それで証券市場の活性化策を打ち出す、そういうことが必要なのではないかと思うのですけれども、このあたり、どんなふうにお考えですか。
○日高(壮)政府委員 証券市場の活性化という命題は、もう私どもが申し上げるまでもなく、経済界挙げて、あるいは国民の間から強く要請されていることは言うまでもないところでございます。 もちろん、基本的には証券市場だけがひとりよくなるということは期待できないわけで、まず抜本的に経済そのものがよくなっていくことが必要であろうと思いますが、同時に、今御指摘がございましたように、証券市場を取り巻くいろいろな過去のしがらみ、その他制約となっているもの、そういったものの環境整備を図ることが証券市場の活性化につながっていくであろう、そういう考え方は、私どもも全く同じ考え方で従来から取り組んできたところでございます。 私ども、証券市場の活性化あるいは規制緩和、手続の簡素化、そういう観点から、平成五年九月、十二月及び平成六年七月の三度にわたって、これは私どもが関連の業界の方々の意見を聞いた上で、百項目を超える事項について規制緩和を行ったわけでございます。 本年三月に策定されました規制緩和推進計画におきましても、いわゆる店頭特則市場、ベンチャー向けのフロンティア市場の創設、あるいは社債市場におけるいわゆる適債基準の撤廃を平成八年一月から行うといったようなことで、着実に推進を図るということでうたっているわけでございますが、先般九月の経済対策におきましても、証券市場の活性化の観点から幾つかの項目を盛り込ませでいただきました。そのうちの一つ、個人投資の促進を図るために、いわゆる株式の投資単位を、通常であれば千株単位でございますが、いわば個人の投資を容易にするという考え方から、株式ミニ投資制度というものを対策の中に盛り込み、これは既に十月から動き出しているという状況でございます。 私どもとしては、九月にもさらに関連する証券界からもいろいろな形で意見を聞いているところでございますので、これからもそういう方向、規制緩和、手続の簡素化に向けてできるだけの手を打ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○村井委員 証券局長にここで聞いてもしょうがないのであれなのですが、主税局長の方にお尋ねしますけれども、私は、いろいろな意味で、証券業界あるいは証券取引所でいろいろな緩和策あるいは負担の軽減というようなことをやっていっても、最後にどうしても残るのが、国として税を取るという意味で、有価証券取引税の問題というかたい岩にぶち当たるのだろうと思うのですね。 取引コストを軽減することを通じて国際的な市場間競争に対処していくという意味でも、有取税の停止ということを私どもは言っている。この停止ということを言っているのは、申し上げるまでもなく、キャピタルゲイン課税との関係をここは詰めなければいけない問題だし、一種の資産課税の一つとしてもちろん慎重に検討しなければならない課題があるということを承知の上で、しかし、緊急に経済対策としてやるならば、有取税を停止する、あるいは凍結するということがこの際必要なのではないだろうか、こういうような問題意識でいるわけなのですが、主税局長の御見解を伺いたい。
○薄井政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、有価証券取引税は、有価証券の取引に際しまして、有価証券という財貨が移転する、その背後にある担税力というものに私ども着目いたしまして、昭和二十八年から課税させていただいている流通税でございます。 この有価証券取引税につきまして、御指摘のような現下の経済情勢等を踏まえての御提案があることは私ども承知しておりますが、この有価証券取引税の軽減等を行うことが証券市場の活性化にどう結びつくのかということ。あるいは、御指摘ありましたように、株式取引につきましては、もう一方で株の売り買いに対して譲渡益課税という問題がありまして、現在これが必ずしも十分ではございません。この譲渡益課税との関係で税負担の公平ということを考えた場合に、経済の状況だけを先行して有価証券取引税の軽減等に踏み込んでいいのかどうかという問題。さらには、この税によって四千億円弱の税収を見込んでおります。この財源をどう考えていくのかといったようなことで私ども悩んでおりまして、さまざまな御論議の中で今後どうしていくかを考えていかなければならないと思っております。 私ども、政府税調を今開催しておりますけれども、この問題についても議論を積み重ねておるところでございまして、仮に答えを出していくとしても、有価証券取引税と株式等譲渡益課税との関係というものについては、税の世界からはどうしても切り離せない問題だなと思っている次第でございます。 当面の景気との関係ということからは、先ほど来御質問いただきましたように、自己株式の利益消却の場合のみなし配当課税の特例というものにつきまして、やや長い間の懸案でございましたけれども、今回踏み切らせていただいたということで対応させていただいたと考えております。 それから、国際的な問題、よく指摘されます。御指摘もございました。確かに、アメリカなりドイツにおきましては株式取引について流通段階での負担を求めていないということは事実でございますけれども、そのアメリカにおいては、いわゆる株式の譲渡益、キャピタルゲインについては総合課税をしておられる。あるいはドイツでは、これはそう詳しく私知っているわけではございませんけれども、株を持つことに対しての財産税のような制度もあるということでございます。 他国がどうだからということではないとは思いますが、株を持つとき、持っていること、あるいは売ったこと等々、流通、譲渡、保有の各段階でそれぞれの国が対応しているというふうにとらえておりまして、そういったことも参照しながら、先ほど申し上げた三点、効果がどうなのか、それから税制上の公平さを損なわないのか、財源をどう考えるのかといったことを含めて、有取税と譲渡益課税の関係を詰めていきたいと思っております。
○村井委員 効果の問題は、私はやはり今の状況で、これはないとは言えないんだろうと思うのですね。やってみればかなり効果のある話なんじゃないだろうかと私は思います。 そこで問題は、キャピタルゲイン課税との関係、譲渡益課税との関係なんですけれども、私、ここを本当に詰め出したら、いわゆる総合課税化の議論をどうしていくのかという、大変時間のかかる、抜本的な、日本の所得税制全体の根本的な問題にかかわらざるを得ないので、そこまでやり出すと、これは本当に時間がかかる話だと思うのです。私はそこまで有取税をほっておいていいだろうかという疑問がある。 そういう意味で、みなし配当課税も思い切って、これは三年間ですか限時的にとめるということにしたのですから、そういう見地から有取税をとめるという選択があっていいんじゃないだろうかという問題提起をしているわけであります。 そのことを申し上げた上で、ちょっと別な話に移らせていただきたいと思います。 主税局長、さらにちょっとお伺いしたいのですが、法人税率ですね、日本の法人税率というのは、実効税率、それはもう欧米と比べても非常に高い。これがやはり企業流出とかいろいろなことにかかわってくるという危機感がビジネスサークルには非常に強くある。そういう意味で、法人税率の引き下げというのは非常に重要な課題だと私は思うのです。 ただ、どうも見ていますと、例えば引当金、退職給与引当金ですとかそういったようなものを少し見直して、言ってみれば課税ベースを広げて、それで法人税率だけ下げよう、こういうような御議論に何か傾いているように見受けられる。 確かに、諸外国で引当金について日本のようにきちんと手当てをしていないというのは、主張としてわかるのですけれども、もう一つ言えるのは、やはり労働慣行の問題として、退職一時金というようなものが必ずしも諸外国、比較される諸外国の場合はなくて、年金なんかで対応しているというようなことも言えるわけであります。そういうような観点も含めて、実質的に法人の税負担を軽減するという道を何とか探っていかないと、ちょっと取り返しのつかない状態になるのではないかという危機感を持っているのです。 そのあたりにつきまして、主税局長、御見解を聞かせていただけますか。
○薄井政府委員 法人税の負担につきましては、日本の法人税が高いと指摘されます。その場合によく詰めてみますと、法人税率、これは実効税率という言葉を使いますが、法人には国税である法人税と地方税である法人事業税それから法人住民税、この三つの税金が所得にかかっておるわけでございまして、この三つの税金の税率をそのまま足してしまうと不正確なものですから、差し繰りがある。そこのところを調整したものを法人の実効税率と言っております。この法人の実効税率が日本の場合四九・九八ということで、ドイツとほぼ同じですが、それ以外の主要先進国に比べて高いというのは御指摘のとおりでございまして、私ども十分認識しております。 ただ、今強調して税率と申し上げたのは、これは税率の世界の背比べでありまして、どういう課税ベースに、税法の用語でいいますと課税標準といいますか、課税するかという掛け算の世界で税負担が決まってくる。底面積が課税ベースであれば、高さが税率であるわけです。税率は確かに高いのですが、本当に課税ベースが日本の場合よその国並みに広いのかどうかということについでは、やはり議論する必要があろうかと思います。これは行き方といいますか、法人税の考え方として、日本は今までは、やや課税ベースは狭いけれども、税率の方はやや高いけれども、その組み合わせでいこうということで来たわけでございます。 そういう意味で、現在私どもが考えておりますのは、税率につきましては下げていく方向が望ましい方向だと思います。ただし、課税ベースについては、これが広げられるかどうか、これは大変難しい議論だと思いますけれども、この点についてかなり深くじっくりと議論をしていかないといけないと思っております。 その場合に、課税ベースの対象として何があるかということですが、よく指摘されるのが、いわゆる租税特別措置でございます。ただ、企業関係の租税特別措置は大体四千億円程度でございまして、四千億円というのは実効税率を一%下げる分にしか当たらないわけでございまして、御指摘がもっと大胆に下げろということであれば、この租税特別措置を全廃するなんということはとても考えられないし、私は必要な租特は多いと思っていますので、これで税率を十分に下げるということはできない。 そうしますと、御指摘のあった引当金、負債性の引当金は、それはそれなりに私どもその性格については必要なものであるということで、今もそう考えております。ただし、その率が実情に合っているのかどうかとか、あるいは経済、あるいは企業の経営の手法が変わってきた中で今までどおりの考え方でいいのかどうか、こういう意味では引当金も、聖域ではなしに見直さなくてはいけないかなと思っております。 それからもう一つ、企業会計原則との関係がどうしても指摘されます。これは私ども今の制度でいいのかなと思いつつ、他国にはいろいろな例があるということで、税率について他国と比較するならば、この課税ベースについても企業会計原則と税法との関係が、我々は今のでいいのかなと思っておりますけれども、そこも洗い直してみる必要があるかなと思っています。 いずれにせよ、今長々と申し上げましたが、かなり専門的、また企業会計とか税法とかあるいは法律論、重なりますので、私ども、税調の小委員会でこの議論を深く詰めてもらおうかなと思っております。十五人ほどのメンバーでこの二十七日から税調の小委員会をスタートさせ、そこで専門的な議論を重ねてもらおうかな、こう思っている次第です。
○村井委員 私は、お話もよくわかるのですけれども、日本を諸外国の資本がパスして、東南アジアあるいは中国あたりへ行ってしまうというような現象が非常にふえてきている現在、法人税率がこのように高くで日本に投資することが魅力がないということは、やはり無視できない大きな課題だと思うのですね。そういう意味で、実質的に法人税の税率を下げて、そして日本の企業が元気が出るような状態にしていかないと、このひどい景気の状態からは脱出できないと思っております。そういう意味でこれからもこの議論を重ねてまいりたいと思います。 それからもう一つ、金利はもう私は後ろがないところまで来てしまっていると思うのです。金融面でできることはもうやり尽くしたというふうに考えますと、この閉塞的な状態にある経済状況の打開には、さっきも不良債権の話が随分出ましたけれども、土地問題の解決というのはこれは避けて通ることができない。 ところが、土地を売ったら非常に重い税金がかかる。例えば法人がリストラのために土地を売ると、そうするといきなり一〇%かかってくるという世界。あるいは、普通に売っても今三二・五%ですか、これだけ取られる、三分の一持っていかれるという状態が、やはりどうしても売りましょうというのを妨げているというふうに私には思えて困るのです。 そういう意味で、譲渡益課税の緩和というのを土地の流動化のためにどうしても私はやらなきゃいけないと思うのですが、これについては主税局長、簡単で結構ですけれども方向性だけでも示していただけませんか。
○薄井政府委員 譲渡益課税を含め、土地税制どうあるべきかということを平成二年の秋に大議論をいたしました。当時地価が暴騰しているころでございます。その議論の結果、今の土地税制の体系ができ上がっておりまして、それから四、五年たっておるわけでございます。その四、五年の経験あるいはデータを踏まえて、今までの土地税制の体系がそれでいいのかどうかということについては、私ども十分議論しなければいけないと思っております。この点も含めましで、本年年末の平成八年度の税制改正の議論の中で私ども議論を重ねていきたいと思っております。 その際には、今の状況にどう対応するかという点もさることながら、やはり税制というのはそう簡単に動かすこともまた適当でないと思いますので、その兼ね合いを十分考えなくちゃいけない。しかも保有と譲渡とどっちがどう影響し合っているのかということなども分析した上で答えを出していきたいと思っております。八年度税制改正の中で答えを出していくために今努力しているということを申し上げておきたいと思います。
○村井委員 いずれにしましても、平成二年のときと今とは環境が全く違うし、大蔵省がどうしても解かなければならない不良債権問題を解く非常に大きなかぎが、私はこの土地税制にやはりあるのだと思うのです。そういう意味で、私どもは、私どもの出している法案でも三年間を限ってということにしてありますけれども、土地譲渡益課税につきましで何らかの軽課措置を、軽減措置をとっていくことがどうしても必要なんじゃないかという主張を繰り返させていただきます。 最後に、国税庁次長においでいただいていますが、ついせんだって私ちょっと見ましたので、国税の滞納が非常にふえまして二兆五千億にもなっているというような新聞記事があり、特にその中で消費税の滞納が膨張している、これは税制に対する不信を招く懸念があるというようなことを新聞の見出しが打っておりまして、そして国税当局による徴収の努力というのも限界に来ている、こんなようなことが書いてあるわけであります。 実際問題として、確かに税務執行面での負担の公平を確保するということは非常に大切なことでありまして、それがなければ私は国民の税制に対する信頼というものは確保できないと思うのですが、そういう意味で、国税職員に対しまして今後処遇の改善あるいは職場環境の充実、定員の一層の確保というようなことは当然必要なことでありますけれども、特に滞納処理というのは非常にしんどいといいますか、つらい仕事だろうと思うのですね。そういう意味で、こういう困難な職務に当たる徴収担当職員、これを少し増員する必要というのがあるのじゃないだろうか。えらい詰めた話でありますけれども、そのあたりにつきまして国税庁としての御見解を伺いたいと思います。
○若林政府委員 お答え申し上げます。 今御指摘いただきましたように、滞納残高というのは年々ふえできておる、そういった中で、まずはそういう滞納がふえることについで事前に、そういう滞納が発生しないための予防的な未然防止といったことに努める必要がございますし、また、発生した滞納についてはできるだけ早く整理していくということを進めていく必要があるわけであります。 そのためには、いろいろ内部的な事務の合理化、効率化を進めておるわけでございますけれども、やはりなお定員の問題、人手という問題があるわけでございます。これは今御指摘いただきました滞納だけではなく、それ以外の課税賦課部門におきましても同じような問題、課税対象がふえるといったような問題がございますし、また非常に執行面における公平確保といったような問題等もだんだん強まっでおる。 そういう中で、国税庁といたしましては、先ほど申し上げましたように、効率化とか合理化に努めてはおりますが、なおかつ足らない定員についてはその確保に努めてまいったわけでございます。これからも同様、厳しい財政事情ではございますけれども、我々としては、国税庁の歳入官庁の特殊性といいますかそういうことも踏まえましで、増員については各方面の理解が得られるように努力してまいりたい、このように考えております。
○村井委員 そういう方向でひとつ頑張っていただきたいと思います。 終わります。
○久間委員長 次に、佐々木陸海君。
○佐々木(陸)委員 租税特別措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 最初に、我が国の現行のみなし配当課税制度はいつ創設され、その中で、利益をもってする株式の消却に係るみなし配当課税制度はどんなふうに始まってきたのか、その辺の制度の経緯を簡潔に説明願いたいと思います。
○薄井政府委員 みなし配当課税制度といいますのは、配当課税の一環として、利益により株式を消却した場合等におきまして、残存株式の一株当たりの資本金額の増加とかあるいは消却に応じた株主への会社からの対価の性格に着目いたしまして、配当に対応する部分に課税するという考え方でございます。 御質問の、この制度の成り立ちを簡単に申し上げますと、今申し上げました制度を二つに分けることができます。一つは、消却に応じた売却株主に対するみなし配当、それから残存株主の一株当たりの資本金額の増加に対応するみなし配当の問題、この二つがございます。 その沿革をひもときますと、前者の売却株主に対するものにつきましては大正九年、それから後者の残存株主に関するものにつきましては昭和三十四年の税制改正で導入されております。
○佐々木(陸)委員 一九二〇年代に始まり、また一九五九年にもそれが進められてきたという大変古い歴史を持つ制度だと思うのです。 大蔵省は、昨年の商法改正にかかわる国会の答弁の中で、みなし配当課税の改廃の問題について、配当所得課税のあり方の基本にかかわる問題だという認識を述べておりますし、ことしになってからの五月の当委員会の論議の中でも、当時の小川主税局長が、一般的にこのみなし配当課税という基本的なルールを廃止しろと言われますと法人税と所得税の基本が崩れてくるおそれがございます、基本的な税制の仕組みの問題でございますから廃止するというわけにはいかないということを強調しでおられますが、今もこの認識や見解には変化は全くないというふうに見てよろしいのでしょうか。
○薄井政府委員 御指摘のように、配当というものを通じで、法人、個人の間の課税の接点のようなところがございますので、私ども、その基本的な考え方について今検討した結果今回の答えを出したということではございません。 現在の経済情勢のもと、数年前から、このみなし配当、自己株式の消却による部分につきまして、何とかこれを拡大することが必要であるという政策的な検討の結果として、私ども今回、三年間、三年ちょっとになりますけれども、この制度の特例を設けるということを考えた次第でございます。
○佐々木(陸)委員 要するに、もう一回確認しますけれども、このみなし配当課税という制度そのものをどうこうしてしまおうという意思はなくて、ないからこそ今度特例という形で出してきたというふうに見ていいのですね。
○薄井政府委員 今回の制度の性格づけは御指摘のとおりでございます。 ただ、私どもの税の世界を離れて、自己株式をどう持ったらいいかとか、そういう株式市場、資本市場の世界において最近非常に幅広い議論が進められております。これは商法の分野であったり企業会計の分野であったり、我々が今まで余り気がつかなかったところについていろいろな議論がされております。こういった議論が今後この三年間にどうされていくのか、あるいはどう重ねられていくのかということも踏まえて、三年後にはまたその状況のもとで考えていかなければならないと思っておりますが、現状においては、私どもは、みなし配当課税の基本について動かすという意図で今回の提案をさせていただいているわけではございません。
○佐々木(陸)委員 今回、三年半の時限的な措置とはいえ、これまで基本的な制度としてきた問題を凍結する、非課税にしてしまうということになるわけです。昨年、残存株主のみなし配当については源泉徴収をしないという改正をしたわけですが、そのときに大蔵省は、従来から指摘されてきた、利益消却の事実上の阻害要因とされてきた制度上の問題はこれでほぼ解消されたという見解をはっきりと繰り返し述べておられたわけですが、そうであるにかかわらず、今回またこういう措置を出してきたというのは納得いたしかねる面があるのですが、その点についての説明を求めたいと思います。
○薄井政府委員 平成六年度の税制改正だったかと思いますが、株式の利益消却制度の円滑な利用ということを促進したいということで、当時の商法の改正論議と歩調を合わせまして、利益による自己株式の取得と消却につきまして、株式の利益消却の場合には、残存株主に係るみなし配当課税については源泉徴収を行わないこととするという措置を講じました。 その際に私どもは、キャッシュフローがない中で源泉徴収というのは無理だろうということから対応したわけですが、これによりまして、源泉徴収税額納付のための現金配当の定時株主総会の決議が不要になりますので、これで、消却株式の取得時期、それから株式消却の時期でございますけれども、定時株主総会前後でなくても結構だということにもなる、そんなことで、従来言われていた障害が税制上は解消するものと当時考えておりました。 ところが、その後、この方式による株式の消却というものが一つも出てこないということで、この点についての分析も私ども重ねてまいりました。その結果として、今回のような特例を設けることが、特例に踏み切ることが平成六年当時考えていた趣旨にも合ってくるということから今回の措置に結びついたということでございます。 御指摘のように、六年度の改正の際には、源泉徴収制度を直すことによってこれで解決すると思ったわけでございますけれども、そういかなかったということから今回の措置を考えて措置したという位置づけでございます。
○佐々木(陸)委員 余りよくわからない説明のようにも思うんですけれども、要するに、六年度の改正のような措置では企業の側はとてもそういうふうに踏み切れなかった、もっと進んだ措置をとれと強く求めてきたということが背景にあって今度の措置になったと思うのです。 ちょっと皆さんのお手元に資料をお配りしてあると思うのですが、これは私たちが独自に調べたものではありませんで、日興リサーチセンターの資料から日経金融新聞がここに書いてある日付で報じたものでありまして、別段特別な資料ではありませんけれども、今回の措置によって大企業がどれだけ減税になるかという問題は試算してみる価値がある問題だと思うんです。 経団連の会長の豊田さんを出しているトヨタ自動車が自社株買いをした場合の試算ということで、例えば右の欄でいいますと、一〇%を消却したということになりますと、いろいろ計算はありますけれども、一株当たりのみなし配当が八円十八銭。この上位十社が自社株買いに応じないで株をそのまま保持したというふうに仮定いたしましてどうなるかということなんですが、一億八千六百万株を保有する豊田自動織機、筆頭株主ですが、ここのみなし配当の総額は約十五億二千百万円になりますね。そういうふうに表に出ておりますが、この会社の場合には、八〇%の益金不参入措置で、残り二〇%に課税をされる。納税額は、法人税の実効税率五〇%で計算しても、この十五億の約一〇%にかかるわけですから一億五千万円程度の税金が今の制度のもとではかかってくる。 それから、二、三、四と幾つかの銀行が並んでおりますけれども、こういう金融機関の場合には、難しいことは省きますけれども、受取配当の益金不参入が認められにくい。このため、これらの銀行についてはこの十五億九百万円、これは無論すべてが課税対象と基本的にはなって、実効税率五〇%で計算するとそれぞれ七億円強の課税になる。今度の措置によってそういったものが払わなくてもよくなる、非課税になるということに、大きく言えばそういう計算になるんじゃないかと思うのですが、その点どうでしょうか。 〔委員長退席、山本(有)委員長代理着席〕
○薄井政府委員 日興リサーチセンターの計算した資料でございまして、具体的にこれについて、私どもが数字についてコメントするのは適当ではないと思いますが、御指摘の点について感じを申し上げますと、そもそも上場企業において利益による自己株式の消却ということが日本では行われてきていないということで、これまで上場会社であればそういうことをしてきていないわけでございます。したがって、今度の制度を設けることによって初めてこの事態が出てきているということで、従来払っていた税金を今度払わなくなるという趣旨ではないことが一つ。 それからもう一つは、これは残存株主についての計算だろうと思いますが、残存株主というのは、確かにみなし配当課税を三年ちょっと課税しない期間を設けますけれども、残存株主ですから株を持っているわけです。これは企業名が出ておりますが、ここに書いてある企業ではなくて、そこの株主の問題でございますね、残存株主というのは。今後、その株主が持っている株式を売ったときには株式譲渡益について課税がされるわけです。 そのときの取得価額にみなし配当分は今度は入りませんので、そこで課税が追っかけてされるということでございますから、みなし配当課税の特例があるから完全に抜け切ってしまうということではなくで、将来売るときにはみなし配当としてもらったことになりませんので、取得価額のつけかえがない形で譲渡益が計算される、キャピタルゲイン課税という形で追っかけて課税がされるという性格にあるということを御理解賜りたいと思います。
○佐々木(陸)委員 もちろんその点はわかるわけですが、もちろん、今まで全然行われてきていなかったことが、今度の特例措置をすればこういうことが行われるだろうということになるわけですけれども、しかし、特例が行われないもとで実際にこういう消却が行われたとすれば、今言ったような数字になるということは間違いないわけですよね。
○薄井政府委員 負債利子控除の問題とか、それから、どれだけ、何%分消却するかといった実情について私ども把握しておりません。最初に申し上げたように、この数字についてコメントするのは避けさせていただきたいと思います。
○佐々木(陸)委員 数字がどうこうということではないですけれども、それは確かにコメントできないかもしれませんけれども、実際問題として、こういう実態はお認めになるわけですよね。
○薄井政府委員 おっしゃるように、仮に利益消却を行った場合に、残存株主についで、今の制度であればみなし配当課税が行われるのに、行われないということになりますから、そこでその分の計算は、それぞれ個人、法人の残存株主について計算できるかと思います。ただし、さっき申し上げたように、この方々が今後売れば、そのときにはみなし配当というのはなかったことになりますので取得価額が大きくならない。そういうことで、キャピタルゲイン課税の方で多く納めでいただくという収支になります。
○佐々木(陸)委員 もちろんそれはそうなんですが、今これをやるということが企業や何かのメリットになるからこそやるわけですからね。そして、それが将来必ず全部丸々取り返されてしまうというようなことには、それはもう計算上は簡単にはならないし、すぐ株をまた全部売ってしまうわけではありませんから次元の違う話でありまして、そこははっきりさせでおく必要がある。つまり、今こういう措置をとるということは、これらの企業に対してやはり大きなメリットを与えるのが今度の特例措置の主眼であって、だからこそ景気回復にも役立つというのが大蔵省、政府の見方だということなのでしょう。
○薄井政府委員 個々の企業にメリットを与えるというよりは、株の数が非常に多く市場に出回り過ぎている、そのことが市場なり株価格を今のような状況にしている面もあるのではないか。したがって、配当可能利益があるならば、自己株を減らして株の数を減らせば、そうしますと株への魅力がついてきて市場が活性化していく。そのことはマクロの経済にとってプラスであるというところから今回手当てをしたというのが主眼でございます。 〔山本(有)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐々木(陸)委員 もう時間がありませんけれども、要するに今この例でも明らかなように、特に金融機関が今度の措置で受けるメリットは大きいということになるわけです。つまり、八〇%の受取配当益金不算入が認められないで、丸々課税の対象になるという事情もあるわけです。そして、実際今上場株式の四五%近くを金融機関が保有しているという事情もあるわけです。そして、先ほど説明もありましたように、重立った企業の七割が今度の特例措置に基づいていろいろなことを、自己株の、自社株の消却をやろうとしているということが先ほども答弁にあったわけでありまして、そういうことが実際にやられていくならば、金融機関などは今度の措置から本当に大きなメリットを得るということは間違いのないところだと思うのです。 いずれにしても、バブルの時期に株を出し過ぎた、今度はその出し過ぎた株を回収できるよろに、できるだけうまく回収できるように保障してくれという大企業や財界の強い要求に沿って今度の特例措置が行われて、それがとりわけ今金融機関などに大きなメリットを与えるものだということで、バブルを招いたのも企業に大きな責任がある、金融機関に大きな責任がある、そのツケをまた今政府や国民の犠牲でこういう形でやろうとしているという今度の法案についで、我々は到底賛成するわけにはいかないということを申し上げて、質問を終わります。
○久間委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五分散会 ————◇—————