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134回国会衆議院1995/10/13

大蔵委員会 第2号

発言数
64
登壇者
11
会派数
4
開催日
1995/10/13

会議録

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例等に関する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。     —————————————  平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の   特例等に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 ただいま議題となりました平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  今般、さきに決定されました経済対策を受けて、平成七年度補正予算(第2号)を提出し御審議をお願いしておりますが、当該補正予算における決算調整資金への繰り戻し、経済対策の関連経費等に必要な財源を確保するため、平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理についての特例を定めるとともに、平成七年度における公債の発行の特例に関する措置を定める必要があり、本法律案を提出した次第であります。  以下、その内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、剰余金処理の特例についてであります。  財政法第六条第一項においては、各年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下らない金額を翌々年度までに公債または借入金の償還財源に充てなければならないこととされておりますが、平成六年度の剰余金については、この規定は適用しないこととしております。  第二は、特例公債の発行等についてであります。  平成七年度の一般会計補正予算(第2号)により追加される歳出の財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書きの規定等による公債のほか、当該補正予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行することができること等としております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷口隆義君。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 新進党の谷口隆義でございます。  初めに、平成七年度第二次補正予算の眼目でございます経済対策についてお聞きいたしたいというように思っております。  御存じのとおり、我が国は戦後初めての経験という大変な不況に現在遭遇いたしておるわけでございまして、国民は大変な悩みの渦中にあるわけでございまして、もともとこの不況は、御存じのとおりバブルの崩壊から始まっております。政府は、平成四年度から五次にわたって経済対策を、不況の対策といいますか克服といいますか、ということで打ってこられたわけでございます。  ちょっとそれを振り返りますと、平成四年の八月二十八日に、これは事業規模でございますが十兆七千億の経済対策ですね。総合経済対策、これが十兆七千億でございます。平成五年四月十三日に、総合的な経済対策の推進ということで、事業規模十三兆二千億。平成五年九月十六日、緊急経済対策として、事業規模が六兆でございます。平 成六年二月八日、総合経済対策として、これは所得税減税五兆八千五百億を除いて事業規模が九兆四千億。それで平成七年の四月十四日、緊急円高・経済対策ということで、事業規模が七兆円、このような最近の経済対策を政府は打っていらっしゃるわけでございます。国民の側に、このような大変な金額の経済対策を打って、どうも景気の活性が効果としてあらわれないのではないかというようなことが論じられておるわけでございます。  私が申し上げた経済対策、累計で申しますと四十六兆三千億になるわけでございまして、今般、経済対策として、戦後最大の十四兆二千二百億という経済対策をまとめられて今やられようといたしておるわけでございます。この経済対策の中身について若干お聞きいたしたいと思うのです。  いろいろこの経済対策の中身についてマスコミ等も議論、議論というか指摘しているところがございます。これは真水がどうかという議論があるわけでございまして、要するに、経済対策として効果の観点から真水がどうかというようなことになるのだろうと思いますが、例えば、今回の経済対策で申し上げますと、国債の発行が四兆七千億、地方債が三兆四千億程度ということでございますが、これを合わせて八兆一千億、これが真水だというような議論もあるようでございます。また、この経済対策の中身を見ますと、公共投資の中にゼロ国債が九千億ございます。また、民間都市開発用地の先行取得の拡充ということで五千億、また、住宅金融公庫の積み増しで五千二百億、この一兆九千二百億を控除した十兆九千億を真水である、このような議論もあるようでございます。  このような議論の中で質問をいたしたいわけでございますが、中小企業対策ということで今般この対策に書かれておるのは、中小企業対策として一兆二千九百億が上がっております。この一兆二千九百億のうち四百億は、これは農林系のものでございますので、一兆二千五百億についてお聞きいたしたいわけであります。  この一兆二千五百億は、中小企業対策として中小公庫並びに国民金融公庫の与信総額であると聞いておるわけでございます。要するに、この経済対策を表面的に見て、当初、一兆二千五百億が新たに融資上乗せ分として融資されるのかな、このように私は理解しておったのですが、どうもそうではなくて、今私申し上げたように、中小企業対策として金利を軽減している分がございまして、この金利の軽減分が約五百億と聞いておりますが、この五百億を引き直しして与信に直しまして、換算して大体一兆二千五百億、このようなことのようでございます。  そういうことでございまして、私非常に疑問に感じたのは、住宅金融公庫の当初の予定がございまして、今回五千二百億を積み増しするわけでございますが、この住宅金融公庫の積み増しと、中小企業対策として中小公庫、国民金融公庫のこの融資分とは若干性格を異にする表現になっておるわけでございます。と申しますのは、この中小公庫また国民公庫は年初の予算でもう既に枠取りはいたしておりまして、まだ全部消化されておらないわけですね。まだ未消化になっておりまして、この未消化の分の中で一部金利を軽減する、この金利を軽減した分を、これを与信元本に引き直しして大体一兆二千五百億、このように今なっておるということなんですね。  そうしますと、この十四兆二千二百億の経済対策の中身が、これで果たして、一般国民は大体この事業規模で経済対策を判断するといいますか、先ほど冒頭申し上げましたが、もう既に四十六兆の経済対策をやっておるというようなことで、今度はその経済的効果が余りないなというような議論の中で、大体事業規模をベースにして議論をする際に、今回中小企業対策として挙げておられる、金利の軽減分から引き直しをした与信総額で挙げる表現の方法が、果たしてこれでいいのかどうかなというような疑問があるわけでございますが、それについて御所見をお聞きいたしたいと思います。

田波耕治大蔵省理財局長

○田波政府委員 お答え申し上げます。  今度の対策における事業規模の考え方でございますけれども、中小企業関係につきましては、いずれも事業規模としてのある意味での純粋な追加でございます。信用保険公庫に対する制度融資分が二千五百億入っております。先生のおっしゃいます一兆二千五百億から二千五百億を引いた一兆ちょっとの分を分解して申し上げますと、国民公庫に対して事業規模で三千四百六十億拡大をする、中小公庫については四千四百五億、ある意味での追加を行うといった性格のものでございます。  ただ、おっしゃいますように、いわば予算あるいは今度の対策でそれであるからといって、貸付規模を拡大しているかあるいは財投を追加しているかということになりますと、それはいたしていないわけでございます。  これは、事業規模をそれだけ新たに、いろいろな制度創設等に伴っていわば拡大をするわけでございますけれども、反面、中小企業金融機関等におきましては当初予算として過去最高の水準の貸付規模を設定しております。反面、委員よく御存じのように、今正直に申しまして中小企業者の資金需要が弱いわけでございますので、政府系の中小企業金融機関に対する資金需要は緩んでいるわけでございます。そこで、今回の経済対策に伴ういろいろな制度拡充による資金需要に対応する分について、直ちに各機関の貸付規模やあるいは財投規模を追加する必要はないというふうに考えたわけでございます。  ただ、私どもといたしましては、今後、政府系中小企業金融機関に対するいろいろな資金需要の推移を見きわめまして、貸付規模や財投規模についても必要に応じて適切に対処してまいりたいというふうに考えているわけでございます。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 まず、今回私がお聞きいたしておりますのは表現の問題なんですね。経済対策として表現をする場合に、事業規模ベースで一般的に話をする場合に、一つは、住宅金融公庫のこれは上乗せ分ですから、五千二百億を既に消化してその上に上乗せで五千二百億をやるんだというのと、中小企業対策の場合は金利を軽減する、五百億程度だと聞いておりますが、金利を軽減して、その分の見合いの与信額を中小企業対策として経済対策として挙げるということになりますと、若干この二つが性格を異にするのじゃないか。  また、もっと言いますと、公共投資の拡大と住宅金融公庫の上積みも若干性格を異にするのじゃないか、こういうことを考えておるわけでございまして、これは非常に悪い解釈をいたしますと、事業規模を拡大しようと思えばこのあたりで調整をすることによって膨らますことも可能がなというようなことを、これはまあ私の考え過ぎであるとは思うわけでございますが、そのようなこともこれは可能ではないかなというように考えております。  そういうこともございまして、今申し上げたいのは、特に年初の枠取りの未消化分について金利を軽減する、これについて与信ベースで、貸し出しベースでこの経済対策で挙げることについては、例えば何らかの説明を加えるとか、ちょっと性格を異にするというような状況を明確にわかるようにしたらどうかな、このような意味で私は御質問いたしたわけでございまして、もう一度御答弁をお願いいたしたいと思います。

田波耕治大蔵省理財局長

○田波政府委員 全体の対策の効果として、公共事業等々あるいは融資その他を一緒にどうこうということは一応別にいたしまして、中小企業対策のいわば規模のカウントの問題でございますけれども、今申し上げましたように、今度の対策では、中小企業対策として、中小企業の経営基盤の安定強化のために運転資金の支援を行うという、融資規模、事業規模のある意味での追加を純粋な意味で行っております。そのほか、構造改革の推進ということから、新たないろいろな金融制度を創設する、新規創業あるいは新分野進出等の支援を行うという意味でも貸付規模のある意味での拡大を やっておるわけでございます。  そのほかに、非常に大きなイシューでございました既往債務の返済を円滑化する、負担軽減をするということが大きなテーマでございまして、それとは別に委員のおっしゃる金利軽減措置というものをやっておるわけでございまして、私どものいわば事業の拡大分、先ほど申しました一兆というのは、金利の軽減云々の話とは別に、運転資金の支援、あるいは新分野進出等の支援に係る融資規模の拡大ということでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 どうも御理解していただいてないように思うわけでございますが、要するに上乗せ分ではなくて既に枠取りをした分の融資、国金また中小公庫のものは、もう既に消化されたものではなくてまだ未消化の分の融資金額がここに載っておると考えてよろしいのですか。

田波耕治大蔵省理財局長

○田波政府委員 そこは予算上どういう措置が行われているかと申しますと、例えば国民公庫について申しますと、七年度の当初計画では約四兆一千億ばかりの貸付規模を予定しておるわけでございます。これを順次消化していくわけでございますけれども、現在その四兆一千億分を完全に消化している状況ではございません。そこで今度の事業規模の追加ということが起こったわけでございますが、これは現在の当初予算、今までにない最高の規模で予定した規模の中で消化をし得るものであるということで、今回その四兆一千億に対して貸付規模の拡大という措置はとっていないわけでございますけれども、いわば新たな制度創設、それらに伴いますところの事業規模の拡大というのはその中でこなせる、現段階においては直ちにこの規模を拡大する必要はないというふうに考えたわけでございます。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 いや、私が聞いているのはそういうことではなくて、これは既に当初予算の中に入っておって、新たに積み増しの分ではないのですねということを確認しているのです。それはどうなんですか。そういうことですね。ですから、当初予算の中で貸出額を決めてその中の一部である、こういうことなのでしょう、この中小企業対策は。

田波耕治大蔵省理財局長

○田波政府委員 融資規模あるいは事業規模総体と今度の対策に係るいわば貸付規模の拡大というのを一応分けて考えていただければと思うわけでございまして、若干繰り返しになりますけれども、今度の対策によって、例えば国民金融公庫につきましては、運転資金の支援等々につきまして、事業規模については三千五百億ばかりのいわば事業を追加するわけでございますけれども、その追加分というのは、現在の段階では当初に予定をいたしました貸付規模の中で消化ができるのではないか、今直ちにその分を追加して予算上あるいは貸付規模の拡大をする必要がないというふうに判断をした結果、今回は特に追加をしていない、こういうことでございます。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 今おっしゃったように、これは新たに追加で上乗せするということではなくて、もう既にこの枠取りをしておるものから中小企業対策として、例えば金利を軽減するというような与信金額をここに挙げておるということであるならば、私が当初申し上げておるように、若干この金融公庫の上乗せ分と性格を異にしますよ、要するに事業規模で経済対策を判断する場合にミスリードを起こす可能性がありますよ、だからもっと国民にわかりやすいような表現にしたらどうですか、こういうように申し上げておるわけでございまして、そのあたりを十分御考慮に入れていただいて経済対策の表現をやっていただきたい、このように思うわけでございます。  余りこの問題にかかわっておりますとちょっとあとの質問ができませんので、これにつきましてはこのようなことで終わりたいと思います。  その次に、金融機関の不良債権の問題について御質問いたしたいというように思います。  予算委員会の状況も私聞いておりまして、大蔵大臣の御答弁も聞いておりました。すべて聞いておるわけじゃなかったわけでございますが、その中で、一つは、不良債権の四十兆の金額がありますね。これは推定値でございます。この四十兆の推定値について、まあほぼこのくらいの金額ではないだろうか、これから大きくふえることはないだろう、このような御答弁をされていらっしゃいました。そうすると、この四十兆、本当に今の我が国の金融機関の不良債権が四十兆なのかどうか、これが非常に大きな問題になってくるのだろうと思いますね。  まず、この金融機関の不良債権がどの程度あるのかというのが国民の最大の関心事だろうと思うわけでございまして、先日、大蔵大臣もG7に行ってこられて、今回我が国の金融システムのことについて御説明をなさったというようなことを聞いておりますが、そのくらい日本の金融システムが世界の経済に与える影響が大きいのだろうと思うわけでございます。我が国が一刻も早くこのような不良債権の解決に向かっていかなければいけない、このように思うわけでございまして、私は、その最重要な問題、一番前提になる問題として、果たしてこの四十兆で終わりなのかどうかという問題があると思うわけでございます。  四十兆の推計は私も大体お聞きしました。これは、都銀、長信銀、信託二十一行で破綻先債権、延滞債権で大体十二兆五千億、このやり方は担保保全で大体五兆くらい控除されておるわけでございますが、この担保の控除は、大体徴求担保として四〇%くらいを徴求しておるだろうというようなことでございます。債権償却特別勘定についても四兆三千億を積んでおるということで、要するに、最終的に要処理しなければいけない金額が三・二兆くらいだろう。今ディスクローズされておらない金利減免債についても、大体ヒアリングをした結果、十兆円くらいだろう、これと大きく変わらないだろう、このようなことのようでございます。また、都銀、長信銀、信託二十一行以外の金融機関、その他の金融機関が大体十七兆くらいあるのだろう。合計すると四十兆くらいじゃないかというようなことでございます。  金利減免債というのは、要するに公定歩合よりも低い金利でやっておるもの、これを大体挙げておられるということのようでございますが、農林系の金融機関というのですか、住専向けに貸しておる金額が五・五兆くらいあるわけでございますが、これは金利が四・五%でございまして、公定歩合より低くないということで、今回この不良債権の中には除かれておるというようなことでございます。  そういうようなことを考えてまいりますと、どうもこの四十兆ではおさまらないのではないかな。ですから、一番大事なのは、私はやはりこの積み上げをしていく、早急にこの積み上げをして、現在の不良債権が一体どの程度あるんだ、そういうことをまずやらなければいけないと思うわけでございます。  そこでディスクローズの問題になってくるわけでありますが、ディスクロージャー作業部会の中間報告にディスクローズの問題がありまして、また本年の五月にディスクロージャー作業部会の報告等がございまして、これを見ますと、都銀、長信銀、信託、農中、商中、全信連は、金利減免債も含めて来年の三月までにディスクローズするというように今なっておるようでございます。また、地銀、第二地銀については、今現在、延滞債権についてはディスクローズされておりませんが、これについても来年三月からディスクローズをする方向のようでございます。しかし、金利減免債は、その折にもまだ開示をされないような状況になっておると聞いております。  また、協同組織金融機関、信金、信組は今のところはそういうディスクローズの方向にはないというようなことでございますが、段階的にディスクローズをしていくのではなくて、一刻も早く今の不良債権の状況をまず初めに国民の前に情報を提供する、それから我が国としてこの不良債権をどういう方向で解決していくんだというような手続を踏まないと、大蔵大臣はよく御存じだと思いますが、今の経済界といいますか、一般国民の間 では本当にこの不良債権の問題をめぐって大変な状況になっておるわけです。  いろいろ諸説紛々ございまして、ある人は、百兆あると言う人も中にはおる。こういう状況の中で、全く国民の側は非常に不安な状況といいますか、非常に不気味な状況が日本を取り巻いている。このような不気味な状況が企業の設備投資をおくらせ、企業の前向きな投資をもおくらせる、こういうような状況になっておるわけでございます。  これからまだ株も下がるんじゃないか、土地も下がるんじゃないか、なかなか積極的に投資をできない、こういうような状況を今一刻も早く克服しないと経済対策というのはこれは効果がないわけでありますので、十四兆二千億、この経済対策をやったところで、またこれむだ金になっちゃうんじゃないか、むだ金とは言いませんよ、本当に効果があるのかないのかというような観点からすると、我が国の大変重要な不良債権の問題、金融システムの問題、金融機関の破綻の問題、非常に重要なことになっておるわけでございます。  まず初めに、今私が申し上げたような、金融機関の不良債権のディスクローズをぜひ早急に考えていただきたいということと、先日、予算委員会の御答弁を聞いておりますと、銀行業界、金融機関の業界全体のお話を大蔵大臣なさっておられて、大体四十兆ある、それに対して引当金と償却がこの程度あるから、業務収益が大体年間で三兆なら三兆ある、だから、ほぼ、今心配するに足りない、十分いけるだろうというような方向にあるというような御答弁をされておられました。  だがしかし、考えなければいかぬのは個別金融機関の問題なのですね。それは、体力のある優良金融機関もございます。だけれども、一部では大変な不良債権を抱いておる金融機関もあるわけでございまして、総体としてそうかもわからないけれども、個別金融機関の状況をずっと見ていくと、非常に危ない金融機関もある。そこが破綻になった場合に、その破綻の状況が全部に影響を及ぼすから危ないわけでございまして、ですから、全般的な状況でオーケーというのではなくて、これはあくまでも個別金融機関ベースで考えていかなければいかぬ問題だと思うわけでございますが、この二点について、大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 お話を伺っておりまして、谷口議員のこの問題に対する御認識、私どもとそう変わらないというふうに思っております。  私ども決して十分対応できるという、十分とは言ってはいないのでありますが、必死で各金融機関が頑張っていけば、何とか乗り越えていけるのではないかと私どもは思っている、こう申し上げたわけであります。  と申し上げますのは、何となく、この四十兆自身ももっと大きいのじゃないか、そしてこれからこの巨大な不良債権を前にして、日本の金融機関全体が大変な事態になっているという認識が広がっておりまして、その認識は一面正しいのでありますが、しかし、対応能力がどうなのか、対応していくための経営基盤がどうなのかということも含めながら各金融機関が一生懸命努力をしていただければ、何とかこの不良債権という大きな問題を乗り切っていくめどが立つのではないかということを私は申し上げているわけであります。  おっしゃるとおり、まず四十兆という推計額が大体甘いのじゃないか、六十兆とか八十兆とか百兆とかおっしゃる評論家等もおられる中で、そもそも大蔵省は非常に小さく発表しているのではないか、そういう疑念も与えているようでございますが、私ども推計と申し上げておりますように、ことし三月の都長銀二十一行の不良債権、これはほぼ正確だと思っております。  破綻先債権も延滞債権お、そして新たに金利減免債権も含めてつかんでおりますので、これが十二・五兆円、推計と言っておりますのは、これにプラス減免債ですから二十三兆ぐらいになるのですが、この都長銀二十一行の二十三兆円に一・八を掛けておりまして、四十兆という数字をはじき出しているということを申し上げたわけであります。  今、九月期を中心にして、また個々に各金融機関の状況をヒアリングをいたしておりまして、年内なるたけ早くと思っていますので、十一月の末ぐらいには発表できるのではないかと思っておりますが、全体のこの九月現在の、今申し上げた総額をもう一度発表をさせていただきたいと思っております。  そのときにも、この四十兆という額は、多少ふえることはあっても、そう大幅に、世証言われているような数字でふえることはまずないと思っています。ただ、この中のロス部分については、回収不能額については、地価が年々低下をしている状況の中で、ロスが少しずつふえているという状況がありますから、これは多少ふえるかもしれません。こういう予測をあえて申し上げておった次第であります。  それから、ディスクロージャーについては、今お話をいただいたような方針で取り組んでいきたいと思っておりますが、十分でないという御指摘でございます。確かに、一挙に全面的にディスクローズできればいいのでありますが、我が国の金融機関としては、今回初めてこういう決断をして、それぞれ努力を始めているわけでございまして、金融機関のそれぞれ状況に対応しながら、段階を設けてディスクローズしていこうという考え方でございます。  そういう意味で、都長銀は全部、来年三月期で個々にみずからの状況を発表していただく、地方銀行についてはそのうち破綻先債権と延滞債権を発表していただく。そして、金庫については、一定規模以上でありますが、破綻先債権だけ発表していただくということでありますから、確かに金庫あるいは信用組合に至りますと、その辺の方針がまだ明確ではありません。順次これを拡大をしていきたいという方針ております。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 やはり、一刻も早く今の現状を国民の間に知らしめていくというのは非常に大事であります。これは協同組織金融機関も含めてですね。  大臣も御存じのとおり、延滞債権というのは六カ月延滞ですね。この延滞債権は、六カ月延滞の間に一部内入れがあると消えてしまうのです。非常に恣意性の介入しやすい債権であります。また、金利減免債につきましてもそういう恣意性がかなり介入いたしています。ですから、かなり現状を把握するのは難しいわけでありまして、十分そのあたりを考慮に入れながら、早急にまとめていただきたい、このように思うわけであります。  私は大阪府が地元でございまして、先日八月三十日に、御存じのとおり、木津信用組合が大阪府の一部業務停止命令に伴って破綻の状況になったわけであります。大体聞いておりますと、不良債権が八千億程度あって、回収不能金額は六千億程度であるというように聞いております。八月三十日から九月一日の三日間に二千五百億の預金が払い戻された、このような状況のようでございます。今、協同組織金融機関におきましても、本来は地域金融機関としての使命があるのでしょうが、本当に日本の金融システムを揺るがすぐらいの大きな状況になる可能性を秘めておるわけでございます。  次に、木津信用組合の経営破綻の問題で若干お聞きいたしたいと思います。  破綻の状況の中で、その処理スキームをめぐって今議論がなされておるわけでございますが、大蔵省と大阪府の間で意見が相違いたしておるというように聞いております。九五年六月八日、「金融システムの機能回復について」ということで、大蔵省が「都道府県に監督権限が委任されている金融機関については、破綻処理についても監督責任を有する都道府県が当たることとなる」というようにおっしゃっている。  一方、九三年に大阪府は、かつて大阪府民信用組合の合併に際して資金援助をしたのですね。そのときに、自治体の責任は関係法令に基づく検査、指導により適正な監督を行うことにあり、破 綻した信用組合への財政支援による救済責任まで及ばないという大蔵省の見解を引き出しておるわけでございまして、このような状況の中で、今大阪府と大蔵省、見解の相違があるわけでございますが、これについて大蔵省の見解、また大蔵大臣の見解、どちらでも結構でございます、御答弁をお願いいたしたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 大阪府と大蔵省との間で、信用組合の破綻処理責任についての見解の対立がそうあるわけではないと私どもは考えておりまして、御指摘の府民信用組合の財政支援の際の見解につきましても、私どもと大阪府とは見解が一致しておると思っておるのでございます。  すなわち、都道府県の財政支援につきましては、法令上の責務はないけれども、それぞれの都道府県の事情に基づいて、地域経済に与える影響や民生の安定等を勘案の上、公益上の必要性から判断してこれまで都道府県が行ってきたんだ、必ずしも法律上の責任ではないけれども、そういう理由で都道府県が行ってこられました、そういう趣旨の資金として支出がされておりますという理解は、当時もそうでございましたし今も変わらないところでございます。  ただ、それでは、信用組合に対する指導監督権限と、破綻したときの国と地方の権限の分担というのはどういうことになるのかということに関しましては、都道府県知事は、法令上、信用組合に対しまして検査、指導、業務改善命令等によりまして経営の健全性確保、破綻の未然防止に努めるとともに、経営破綻が回避し得ない場合には、業務停止命令だとか解散命令、解散の認可等や、預金保険法の規定による合併のあっせんの要請、資金援助の適格性の認定の要請等の権限を適正に行使すべき責務を有しているわけでございます。この点は、法令上明確に規定されておるわけでございます。  それで、信用組合の破綻に際しましては、これらの法律上明確に規定された権限の行使及びこれに密接に結びついた事務をあわせ行うことが必要なわけでございますが、このため、都道府県知事は、信用組合の破綻に際して、その法律上の権限を適切に行使する等によりその処理に当たる必要がある、この点に関しては、恐らく見解の不一致はないと思っております。  当然、大蔵大臣は、知事の法令上の権限行使に対して、機関委任でございますので指揮監督を行うことになりますほか、全国的な問題として金融システム全体の安定性確保を図っていく責務を有しているところから、都道府県知事と密接な連携協力を図りながら信用組合の破綻処理に対処していく必要がある、こういうことでございまして、私ども、都道府県の御意見とそう大きな隔たりというか見解の相違はないものと理解をいたしております。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 要するに、今回の木津信用組合の問題をめぐって、最終的にどのように考えていらっしゃるのですか、銀行局長。抽象的な表現じゃなくて、きちっと一遍答えてください。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 今申し上げましたような信用組合の破綻処理におけるそれぞれの役割ということでございますが、木津信用組合に関しましては、現段階においては、私どもももちろん御相談に応じながら、主体的には大阪府が今これをどうすべきかということを真剣に検討をしておられる段階でございまして、できるだけ早くその成案を得ることが望ましいと考えておるところでございます。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 答えになっていないのですよ。要するに、何回も言いますが、大蔵省に破綻処理責任があるのか、府の方に破綻処理責任があるのか。全く見解が違うわけですから、そういう状況の中できちっとどういうように処理をなさろうと考えておられるのか、そういうようなところを明確に答弁をお願いいたしたいのです。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 全責任ということでいいますならば、お互いに協力してやるわけでございますか皇言い切ることは難しいわけでございますが、主体的には監督、検査をしておられる大阪府がおやりになる、それを大蔵省という立場からサポートしていく、こういうふうに考えておるところでございまして、現段階では、主体となって破綻処理を行われる大阪府が検討をしておられる段階だ、このような理解でございます。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 全く前向きの発言がないわけで非常に困るわけでございますが、これ、影響するところが非常に大きいものですから、注意なさって発言なさっているのだろうと思います。  もともとこの金融機関業界、御存じのとおり機関委任事務をなさって信用組合だけが大蔵省のコントロール下にないといいますか、機関委任事務で地方自治体がやっておるわけでございます。しかし、中には、複数県にまたがるような信用組合は大蔵省の検査も入っておられるということを聞いておるわけですが、そうでないような信用組合、信用組合が大体三百七十行近くあるように聞いておりますが、先ほども申し上げたように、信用組合も金融システムに与える非常に大きな影響があるわけでございますので、大蔵省の監督下にないというかコントロール下にないとするなら、欠落している部分を、全部要するにコントロール、我が国として金融行政全般を見る場合に、どうもこの状況がはっきりわからないということでは困るのではないでしょうか。  そういうような状況であれば、ある日突然というようなことはまずないのでしょうけれども、大蔵省の知らないときに突然にある信用組合が経営破綻に陥ったというようなことでは、これは済まされないのですね。金融システム全体が影響を受けるわけですから。これについて御答弁をお願いいたしたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 御指摘のように、日本全体で、金融機関の貸出金全体で六百九十三兆円、約七百兆円ございますが、そのうちで信用組合、ことしの三月末現在で三百七十三機関でございますけれども、十九兆円程度のものでございます。必ずしもそれはウエートとしては大きなものではございませんが、その地域における非常に重要な金融活動をしておられるわけでございまして、この動向には金融システム全体を監督する立場にある大蔵省としましても重大な関心を持っておるところでございます。したがいまして、直接には日々の監督は都道府県に委任をしておるわけでございますけれども、常日ごろから連携を保ちまして遺憾のないようにしているつもりでございます。  ただ、最近、東京、大阪というような大都市における信用組合は、もともとの協同組織性、仲間内の金融機関という性格を少し変えてきているようなものがあるのではないか。もしそういうことであるとするならば、その実態に合ったような組織に転換するというようなことも考えられるのではないかということを金融制度調査会の審議経過報告などでは御指摘いただいておるところでございますが、そういうことになれば大蔵省の直接の監督下に入る、こういうふうに相なろうかと存じます。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 もう時間が参りましたので、最後に一つだけお聞きしたいことがございまして、これは今回のこの木津信用組合の関連でございますが、この中に、大手都銀の中で木津信用組合に紹介預金をしてやった。これは、企業にCPを発行させて、それで得た資金を信用組合に紹介する、それで企業は低利で調達した資金を高利の預金で運用するというようなことで、企業は利ざやを稼ぐ、紹介した金融機関はCPの発行の引受手数料を得る、こういうような状況があったと聞いております。  また、中には、これは今大蔵省の方で調査なさっているようでございますが、導入預金があったんじゃないかというようなことも一部可能性として聞いておるわけでございますが、このような状況の中で、大手都銀の経営責任について、大蔵省は、大蔵大臣はどのようにお考えになりますか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 一般論といたしまして、金融取引上、銀行が他の金融機関から預金顧客の紹介を依頼されるということはあり得ることでございま して、これにこたえることがすべて、すべてのケースが問題であるとまでは言えないと考えております。しかしながら、金融機関は、その業務の公共性にかんがみ、社会的責任を自覚した業務運営を求められており、いやしくも社会的な批判を受けかねない行為は厳に慎むべきでございます。  いずれにいたしましても、当局としては、他金融機関への過度な紹介預金を含め、金融機関の基本的な業務運営のあり方については、社会的批判を受けることのないよう今後とも適切に指導してまいる所存でございます。  木津信用組合の問題に関しまして、大手都銀が紹介預金をしたことをどう考えるかという問題提起が大阪府等からなされておることは承知をしておりますけれども、そのことに関しましては、今私どもが判断をすることは差し控えたいと考えております。

谷口隆義新進党・民主会議

○谷口委員 時間が参りましたので、これで終わります。  どうもありがとうございました。

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 次に、上田清司君。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 どうも御苦労さまです。  新進党の上田清司でございます。  まず、景気対策についてお伺いをしたいと思いますが、単純に、現在の政府の経済見通しについて一体どんなふうに考えているのか、基本的なことで恐縮ですが、まず伺いたいと思います。

永谷安賢経済企画庁調整局調整課長

○永谷説明員 足元の景気の現状判断でございますけれども、実はきょう、十月の月例経済報告を閣僚会議に報告さしていただいております。その中でもお示ししてございますけれども、一言で申し上げれば、景気は足踏みが長引く中で弱含みで推移しているというふうに判断さしていただいております。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 足踏みながら上向き、なかなか難しい表現ですが、最小限度、九月二十日の閣議で了承されました経済対策、今回の法案との絡みもあるわけですが、「景気回復を確実にするために」と、まさにこの景気回復を確実にするためにということでこの今回の経済政策が盛られたわけでございます。バブル後六回目、そして一つの景気の谷だと言われた九三年十月から数えて三回目、そして今回、総事業費、最高の十四・二兆、公共事業費等の中身が十二・八兆、こういう中身で、実際に効果があるのかどうかということについていろんな議論が出ております。  と申しますのは、九四年度の公共事業の伸びは、当初の伸びは名目で一二%、実質値が、二・四%の政府見通しがあったわけですが、現実に各四半期ごとの中身を見ていきますと、四月から六月期が一・四%増、七月から九月期が〇・七%増、十月から十二月まで〇・九%減、一月から三月期が三・二%減。現実には公共投資の中身が減ってきている。  この原因についてちょっと、どんなふうに理解をされているのかお伺いをしたいと思います。

永谷安賢経済企画庁調整局調整課長

○永谷説明員 公共事業の効果にかかわるお話だろうと思います。  よく今回の景気局面で公共投資の効果がないじゃないかという御議論をされておるわけですけれども、御案内のとおり、過去累次にわたる経済対策の実施に伴いまして、例えば九二年度の成長率〇・三%ということでございましたけれども、公共投資の全体の成長率に対する寄与度ということで申し上げますと、一・二%押し上げております。それから九三年度について申し上げれば、マイナス〇・二%成長ということだったわけですけれども、公共事業で一・〇%の寄与度を持っているということでございます。かなり大きなものでございまして、かなりの経済効果を示しているんではないか。その一方で、消費とか設備投資、いわゆる民需の部分ですけれども、民需の成長率への寄与度というのが九二年度ではマイナス一・九%、それから九三年度ではマイナス〇・九%ということで、かなり弱いものになっております。  それで、一応こういうことで、公共投資から消費とか設備投資へバトンタッチがどうもうまくいってないということだろうと思います。その背景には、資産価値の大幅な下落による影響でありますとか、我が国経済が直面しております構造的問題の存在があるということだろうと思います。それで、今回の対策でそういう部分への対応策というのをお示しさせていただいたというふうに考えております。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 宮崎長官も就任の発言の中で、公共事業の効果が落ちでいると言われている。その中身について検証したいというようなことを言われたわけですが、これは現実にその後経済企画庁の中で、効果があるかどうか、あるいは効果が落ちでいるという部分について具体的な検証というのは終わったんですか、それとも作業中なのですか。

永谷安賢経済企画庁調整局調整課長

○永谷説明員 もちろん内部での検討作業というのはずっと進めております。まだ最終的にこういうことであるということでその結論を申し上げることはちょっとできないんですけれども、ただ、先ほども申し上げましたように、その効果がないということは公共投資の効果がないということではないということと、それからもう一つ、一般論という形で、公共投資の波及効果みたいなものがどういうふうになっているかということを申し上げてみたいと思います。  私どもの経済研究所で持っております世界モデルで公共投資の乗数効果、乗数が幾らになっているかというのを見てみますと、長期的に見まして若干ダウンしている。それは、いずれにしても日本経済の構造変化に伴ってそういう結果になっていくということは、これは否定しょうがないことなんだろうと思います。  一、二点申し上げると、日本の産業構造、非常に大ざっぱな言い方になりますけれども、素材型産業中心の産業構造から、加工・組み立て型、あるいは最近のサービス産業等が中心の構造になっている。それで、素材型中心の産業構造でありますと、公共投資によって直接的に需要の増加が出てくるということですけれども、その部分のシェアがどんどん低くなっていくということで、波及効果としては弱まっていかざるを得ない。  それからもう一つは、御案内のとおり、最近製品輸入が非常にふえてきているということでございます。輸入の所得弾性値等も上がっておりまして、公共投資が増加すると輸入がふえる、輸入という形で漏れていくというような要因もございます。そういうこと等もございまして、波及効果として考えれば徐々に低下していかざるを得ないのかなというふうに考えております。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 もうしばしば各委員会でも検討されているわけですが、やはり量の拡大では限界が来ている。むしろ公共事業の質が問われたり、あるいは配分方法にやはりしっかりした組みかえをしていかなければいけないという、多分経済企画庁でもそういう御計画をされたと思いますが、また大蔵省でもそういうことも考えながらも、各省庁のプレッシャーによってなかなか現実にはできていないというような状況かもしれませんが、このままだとだれでも日本経済はだめになるというふうに思っているわけですから、政府の構成員の皆様におかれましては、断固勇断を持ってあり得べき姿を求めて決断と実行をしていただきたいというふうに申し上げたいと思います。  次に、大和銀行の事件についてお伺いをしたいと思います。  資料をいただきまして、ニューヨーク支店における不祥事件の経過、日々の動きを大蔵省からいただきました。既にもう予算委員会なんかで指摘されておりますが、いかにもこの事件が発覚して以来の具体的な動きが遅い。なぜそんなふうに、六週間なら六週間たたないと現実にきちっとした報告や、結果について答えられないのかということについて、西村局長お伺いしたいのです。  それから、八月八日に藤田頭取と西村銀行局長の間でお話をされていますけれども、この中身は一体何だったのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 大和銀行ニューヨーク支店の損失事件につきまして、八月八日に私が大和銀行の 藤田頭取にお会いしました際には、藤田さんからは、一般的な意見交換の中で、ニューヨーク支店の行員からアメリカの国債取引で大きな損失を生じさせた旨の私信を受け取ったけれども、真偽のほどが明らかでないので、現在内容の確認を始めたところである、事態の把握に努め、状況がわかり次第報告したいというお話でございました。  そこで、私の方からは、早急に事態の把握に努め、状況がわかり次第報告してほしいと申し上げたところでございまして、大和銀行側において事態の解明をされた結果、九月の十二日に概要を口頭で報告された、こういう経緯でございます。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 そうすると、約一カ月余り大和銀行で調査が必要だった。それは大和銀行の責任であるというようなことになるかもしれませんが、ニューヨークの連銀の方で九四年度にそれなりの不正の部分についての指摘があった、しかし日本の監督官庁の大蔵省ではそういうことが発見できなかった、これはどこに原因があるのでしょうか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 二つの問題が御質問の中に含まれておるように思うのでございます。  一つは、我が国の金融行政におきましては、このような問題の解明といいますか、そういう問題につきましては、従来から、銀行の内部管理上の問題ということで、まず経営者の責任において実態を解明する、その上で行政上の措置をとる、こういう手順が踏まれてきております。したがいまして、本件につきましても、この段階では、大和銀行の経営者にとっても井口の手紙の内容の真偽も明らかでなかったわけでございますので、同行自体がまず事態の把握に努めたいということでございましたので、私どももそのようにしたということでございます。その辺が、必ずしもアメリカの方式というものと完全に一致していなかったところはあるかもしれないと思っております。  もう一つ、大蔵省が過去におきまして検査を行っておりますけれども、そのような機会にどうしてこれだけのことがわからなかったかという問題でございます。  私ども検査をいたしますときには、最大限の努力を払って実態の解明に当たるということでございますけれども、この銀行検査というものも、我が国におきます検査の性格といたしましては、相手方、銀行側の協力を得ながら任意にその検査に応ずる、そういう建前、やり方で金融検査に臨んでおるところでございます。したがって、おのずからその検査の深度というものについては限界があるわけでございますが、しかしながら、それは双方が誠意を持ってその事態の解明に当たる、そういう姿勢で臨んでいるということでございまして、それなりの長所、短所があろうかと思います。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 ちょっとはっきりしないようなお話でしたが、大蔵省のOBの皆さんもたくさん各銀行に頭取やら役員やらで行かれておられるし、常日ごろからさまざまな形での交友関係の中で情報交換とかあるにもかかわらず、しかも不正行為をした行員は十一年間に三万回という取引をやっております。なおかつまた、毎日新聞の報道によれば、大和銀行は海外法人を総動員して、損失を何らかの形で穴埋めすべくさまざまな展開をしているということも、もし事実だとすれば、なぜ大蔵省の情報ネットワークの網にかからないのか。何かそういう構造的な欠陥があるのじゃないか。  既に幾つもいろいろな形で不祥事件が出てきております。そういうところについて、大臣どうお考えでございますか。私は、内部の業務体制というのでしょうか、管理体制に何か決定的な欠陥が出ているのじゃないか、そんなふうに思ったりするのですが。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 今回の大和銀行のニューヨーク支店の事件、本当に重視をいたしておりますし、こんな残念なことはありません。特に、日本の金融問題が世界からも注目をされ、不良債権問題解決に真剣に取り組もうとしているやさきでございますだけに、私どもも事態を重視しているところであります。  なぜわからなかったのかという御指摘であります。  今、局長が申し上げたように、検査に強制力がないということも、いわゆる強制力を持った捜査とは違って、相手の出してくれるデータを信頼しながらチェックをしていく、そういう状況であるところに一つ問題があるのかもしれません。  しかし、考えてみると、日本銀行も考査を三回ほどしていますし、アメリカのFRB自身も八回ほどこのニューヨーク支店に入っているわけですね。お互い発見できなかった。簿外取引であったことが、事を見つけ出すことができなかった。簿外取引をしておいて帳簿は改造していたということであります。当然ありそうなことであります。ある意味では一番初歩的な犯罪でありますだけに、それがチェックできないということについては、今後の検査のあり方、まずは銀行みずからが内部検査をするときに発見されなければならないし、私ども外部からの検査、チェックにおいても、そういう点に今回の経験を貴重な教訓にした何か新しい工夫ができないだろうかと私自身は思っております。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 早速海外での邦銀がドル等を外銀から借りたりするときのレートが、今回の事件を契機というわけでもないんでしょうが、それ以前の日本国内におけるさまざまな金融関係のある意味での不始末あるいは不祥事において、非常に日本の金融システムに対する信用能力がなくなって、与信能力がないがゆえに貸出限度額が狭められたり、あるいはジャパン・レートということで金利の上乗せがされるという形で、海外での邦人の企業がこれからの活動の中で大変困難をする場合もある。場合によっては、ドルの調達などができなくて資金繰りに苦しんだりしてパンクするようなことだってあるかもしれない。こういうことについての事態あるいは見通しをしっかり考えておられるのかどうか、その辺についてお伺いしたいのです。

榊原英資大蔵省国際金融局長

○榊原政府委員 外国銀行の邦銀に対する与信限度額でございますけれども、これは与信限度額そのものを外国銀行が公表しているわけではございませんので、私どもも確たる情報を持っているということではございませんけれども、邦銀から聞いているところでは、一部の外国銀行、特にヨーロッパ大陸系の銀行が多うございますけれども、ヨーロッパ大陸系の銀行というのは日本の事情についてそれほど通じていないということがございますけれども、そういうところを中心に、若干与信限度額が小さくなっているというような話を聞いております。ただ、そのことで邦銀が外貨資金繰りに支障を来しているというようなことではございません。  いずれにせよ、邦銀の外貨資金繰りについては、私ども各行ごとに非常に注意深くモニターをしております。私どもが今持っておる情報では、邦銀の外貨資金繰りに支障を来すような状況にはなっていないというふうに考えております。  また、ジャパン・プレミアムということでございますけれども、木津信用組合あるいは兵庫銀行の経営破綻、あるいはムーディーズが日本の銀行の格付を下げたということなどを契機に、若干のプレミアムの拡大があったということでございますけれども、その後プレミアムがどんどん拡大しているというような報告は受けてございません。  いわゆるクレジットラインの問題、ジャパン・プレミアムの問題については、私どもの日本の金融情勢の説明が必ずしも十分行われておらないということに一つ原因があるというふうに認識しておりまして、今回IMF総会においても、九日と十一日に、財務官と日本銀行の理事が、米銀あるいは欧州の銀行を集めまして、日本の金融情勢について非常に丁寧に説明しておるところでございます。  そういうことで、私ども、今後とも日本の金融情勢を的確に欧米の銀行に伝える努力を続けていきたいというふうに思っております。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 非常に心強い御答弁をいただきまして、そのぐらいきちっと政府委員の方々から 御答弁いただきたいものだと思います。  それで大臣、G7、IMF、大変御苦労さまだったと思いますが、当然国際社会のそれぞれの国々から、日本の国際金融関係に対する、あるいは日本の金融市場に対する不安感だとかそういうものについていろんな懸念が出されたと思いますが、具体的に個々の会談等でそういうことがございましたか。あるいは、そういうことがあったとすればどんな形で御回答されたのか、伺いたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 余り手前みそのような報告をする気はないのでありますが、今回のG7それからG10、IMF暫定委員会、三つの会合に私も出席をしてまいりました。その前に日米蔵相会談もありました。もちろん、為替問題も大きなテーマでありますし、私どもが一番、日本の主張をぜひG7全体の意見として盛り込んで世界に発表してもらいたいと思いながら努力をしたものであります。こっちの方は、御承知のように、四月以来の反転を歓迎する、さらにこういうトレンドが今後も継続することを歓迎するという合意を見ることができました。  金融問題は、今榊原局長が申し上げたように、何となく日本の金融問題に対する、私どもから見るとややオーバーな見方、心配する見方が広がっているような感じも持っておりましただけに、言われなくても、むしろポジティブにこちらの方からどの会談でも説明をいたしました。  ちょうど先ほど谷口議員がかなり詳しく数字を挙げながら私どもの考え方も説明をいただきましたが、ああいう数字を挙げて、金融界全体の昨年の業務純益がどのくらいあるか、あるいは償却の特別勘定がどのくらいあるか、あるいは貸倒引当金の額がどのくらいあるか、あるいは株の含み益がどのくらいあるかというようなことも含めながら、不良債権全体の総額との対比で説明をし、政府としてはこういう考え方で取り組んでいく、一番大きな住専問題も、年内に公的資金の導入の可能性も含めて解決策を見出していきたいということをきちっと繰り返し説明をしてまいりました。  それがよかったというと自画自賛になりますが、そういうこともあってか、あわせて財務官が、先ほど申し上げたように、アメリカの金融機関の代表、ヨーロッパの銀行の代表、それぞれ集まっていただいて講演もしてきました。そんなことで、そこそこ実態をありのまま認識をいただいたのではないかと思っています。ですから、ルービン長官も、当日の記者会見では、この不良債権の問題は日本の大蔵省は大変思慮深く建設的に取り組んでいる、そういう表明もしてくれました。  今回のワシントン行きは、行かしていただいてよかったとみずから思っております。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 大変立派な御回答をいただきましたが、ルービン長官はそういうふうに褒めていただきましたが、関係者の中にはそうじゃない発言をされた方々もたくさんおられます。不安がった発言がたくさんあることも御指摘させていただきたいと思います。  それで、先ほど谷口議員からもお話がございました不良債権問題について若干の御質問をさせていただきたいと思いますが、既にもう何らかの形で、いろんな形で質疑が各委員会等でも出ておりますが、一番基本のところで、バブルがはじけた直後に何らかの形で、大蔵省にそれぞれの金融機関から、どんな形で再建していくか、処理をしていくかという御相談があったんじゃないか、あるいはなくても、これは大変だなという形の中で、大蔵当局の方でどんな対策をなされたのか、この点についてお伺いしたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 バブルの崩壊というのをいつの時点から置くのかという問題でございますが、私どもの実感、特に金融行政当局としての実感から申し上げますと、九一年の六月から八月にかけまして、いわゆる証券・金融不祥事というのがございました。あのような出来事から、私どもはこの日本の金融システムというものに、バブルの発生、崩壊が大変に大きな深刻な影響を与えているという感じを持ったわけでございますが、それ以後、いろいろな対応策を講じてまいったわけでございますけれども、平成四年の八月に株価の急落がございまして、そのときから不良債権問題というのが特に注目を浴びたわけでございます。  当初は、ともかくそういう株価の下落、不良債権の累増というものが一般国民に大きな不安を与えないようにどのようにするかというようなことに重点を置いた、いわばソフトランディングのためのいろいろな方策がとられたように思いますが、その後、昨年の秋以降になりますと、やはりもう少し思い切った措置をとってこのバブルの崩壊に対応していく必要があるのではないかということで、残念なことではございますけれども、金融機関の実質的な破綻というものへの対応策も含めまして、二つの信用組合の破綻処理を初めといたしまして、そういう若干トラスチックな対応策をも含めて、今このバブルの崩壊に伴う金融機関経営の危機というものの処理に取り組んでいる、こういう流れになっておるかと考えております。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 私は、うがった見方かもしれませんが、多分に大蔵当局が、この破綻した金融機関を救う、あるいはバブル以後のさまざまな企業の持ち抱えた不良資産を解消するには金利負担を解消させてあげるという、低目に金利を誘導することで、少しぐらい時間はかかるかもしれないけれども楽にしてあげていこうという、そういう仕掛けをなさってきたのではないかなというふうに私は見ているんです。  実際ずっと、八九年のピーク——今資料をそちらに提出させていただきます。「金利引下げに伴う影響についての仮定計算」ということで、衆議院の調査室の方に依頼いたしまして仮定の計算をさせていただいております。各委員の皆様の前にもあると思いますが、これを見ていきますと、金利がずっと下がっている。これはもう当然一つの施策としても見えるのですが、この銀行救済というところに、国民の預金をある意味では犠牲にして救っていこうという施策をとってきたと言われても仕方がないぐらい、大変な金額を国民自身が受けとめているわけであります。  ざっと見ても、大口定期預金関係一年物と見立てても、あるいは三百万のスーパー定期預金一年物、郵便貯金、仮定の計算ですが、ざっと見積もってもこれで十五兆。一人当たりにすれば、これは雑駁な計算で恐縮ですが十五万、そしてまた一世帯当たりにすれば六十万。六年間で六十万ですから、一世帯当たり一年当たりに十万円の増税。まあ増税という言葉が適切じゃないということもよくわかります。その上で申し上げているわけですが、実質的にそのくらい国民が負担して日本の金融システムを守ろうとしている。  しばしば西村銀行局長が申しておられました。二信組を救うんじゃないのです、日本の金融システムを救うんだと何度も強調されておられましたが、その日本の金融システムを救うためにどれだけ国民が犠牲になっているかということについて、大蔵当局、また大臣も、本当にこれは謝罪しなくちゃいけないんじゃないですか、国民に対して、申しわけないと。  皆さんがしっかりためている預金を、金利がよく払えない、利息を計算していた人たちに対しても大変な御迷惑をかけている、しかし日本の金融システムを守ればこれから明るい未来があるのです、そのために、申しわけないという、そういうせりふがあってもよかったのじゃないでしょうか。この点について伺いたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○西村政府委員 ただいま拝見をいたしましたこの仮定計算も一つのお考えかと存じます。ただ、金利の引き下げは、金融機関の救済ということを目的とするものではございませんで、経済全体にプラスの効果を与え、景気回復に大きく寄与する、そういう見地から総合的に経済情勢を判断して決定されたものだというふうに考えておるところでございます。  すなわち、預金者、年金生活者というようなお立場の方には、金利の引き下げというのが、ここに示されたようないろいろ大きなマイナスの効果を及ぼすことは、私どももまことに残念なことだ と思っておりますけれども、他方において、それに伴いまして、貸出金利が下がるということを通じて経済全体にプラスの効果を及ぼすわけでございますので、そういう意味におきましては、決して金融機関救済のために金利引き下げが行われるわけではなく、経済全体のために行われるのだ、こういう考え方をとっておるところでございます。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 大臣も同じような考えですか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 おっしゃるとおり、なけなしの預金が生み出す金利を生活の糧にされている方々にとっては、公定歩合が下がる、したがって自分の預金金利が下がる、金利収入が減るということは大変つらいことであります。そういう方々に対しては、ごあいさつをせよとおっしゃるなら、率直に、大変申しわけありませんと申し上げたいと思います。  ただ、これは、資本主義の経済の中で金利が上下しているわけでありまして、為替の変動もそうでありますが、経済全体をにらみながら公定歩合を中心とした日本銀行の金利政策が行われているわけでありまして、そのこと自身に対しては、あくまでも経済運営、その中における金利政策という視点からの判断でありますだけに、金利が下がるときには預金者におわびをし、金利が上がるときには、今度は金を借りていただく方におわびをしというわけにはいかない。そういうものではないだろう。それぞれ大きな経済の中で必死で企業も個人も生きている。  私どもは、今はこういう厳しい不況の中でありますから、何としても日本経済を明るくしたい、早く回復軌道に乗せたい、その一念で恐らく日本銀行は金利を、公定歩合を下げられたというふうに認識をいたしますし、そのことを評価をしている立場でございますだけに、ぜひそういう経済全体の立場ないし認識は御理解を賜りたいと思います。

上田清司新進党・民主会議

○上田(清)委員 時間が迫ってきましたので、少し言いっ放しになるかもしれませんが、要するに、そうして低目の金利によって、私の認識によれば、確かに経済は生き物ですからそうした金利政策もあるのかもしれませんが、銀行が救われているということだけは事実だと思います。  にもかかわらず、なぜそういう庶民の怒りがあるかといいますと、既に御承知のとおり、なかなかディスクローズができない。大臣は段階的にと言われますけれども、なぜこの優秀な大蔵官僚の皆さんをもって、そういう人たちがたくさん銀行におられるのにさっとディスクローズができないのか、それもわからない。不思議であります。また、銀行の自助努力について、いまだに給料もオープンにされない、だれか銀行の頭取が、あるいは役員がボーナスを返上したという話も聞かない、また責任をとってやめたという話だってろくろく聞きもしない、こういう事態に対して庶民は怒っているわけであります。  そのことをきちっとやはり政策当局あるいは銀行当局、大蔵省の皆さんは認識しなければ、これは今までの低金利の政策で経済が持ち直したというんだったらまだいいですよ。我慢のしどころもあります。現実そうじゃない。公共事業の効果もない、銀行金利が低いまま一体どこに救いがあるんだ、そんな思いが多くの国民の皆さんにあるということをよくかみしめていただいた上で一それから公的資金の導入についても、先ほど大蔵大臣は、まだ国内で検討している段階で、大っぴらに、海外で公的資金の導入も含めて安心してくださいというようなニュアンスを言われましたけれども、それもちょっと困る。軽々にそう言っちゃいけない。そのことを言った上で質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 次に、佐々木陸海君。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 今議題になっております法律案の表題は「剰余金の処理の特例等」というふうについております。九四年度の剰余金がいかにして生まれたか、どんな性格のものか。九月二十二日付の日経新聞に、大蔵省の解説として、発行し過ぎた赤字国債が剰余金に姿を変えただけにすぎないという話も出ております。確かに、九四年度は四兆円を超える赤字国債を発行しているわけでありまして、それが剰余金に姿を変えただけだというのももっともな見方かもしれません。  そして、この法案の表題には入っておりませんけれども、この法案でまた赤字国債を発行するということが盛られているわけであります。大蔵大臣は財政演説の中で、今度の赤字国債の発行について、「まことにやむを得ざる措置」というふうに言いました。しかしそれよりずっと前、八月五日付のこれは毎日新聞ですが、「九五年度第二次補正予算では、武村正義蔵相が「赤字国債発行はやむを得ない」と早くも容認姿勢を示している。」八月の五日の新聞です。もうこの時点から赤字国債しょうがないんだというふうに大蔵大臣が言ったということが伝えられておりますし、あるいは九月二日付の読売新聞では、「「赤字国債発行を思いとどまるより、踏み切る決断をする方が評価される時代になったようだ」と武村正義蔵相が分析」している。  国会で「まことにやむを得ざる措置」だと言っているのと少しニュアンスが違うように聞こえるのですが、どちらが本心がお伺いしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 特例公債の発行は、過去十数年我が国財政が大変つらい経験をしてきた後でございます、やっと発行をなくして三年ですか前後経過をしまして、またしても赤字国債の発行に踏み切らざるを得ないのか、そんな思いひとしおでありました。  振り返りますと、昨年の税制改革の中でまずこれは減税を先行させるという措置をとらしていただいたために、消費税の五%アップが三年おくれるという状況の中で、その間の財源対策として特例公債の発行を決断をいたしました。年が明けて今年は、神戸の大地震が起こりました。この緊急対策として、年度末の補正、そして今年第一次の補正、相次いで特例公債の発行を認めざるを得ませんでした。  そして今回の景気対策であります。もちろん地震対策も入っておりますけれども、私は、もちろん一貫して特例公債は何とかして思いとどまりたい、発行はすべきでないという気持ちを強く持ち続けている者であります。しかし、この国の経済が四年続いて低迷をし、なお明るい曙光が見えてこない中で、国民の皆様の景気対策に対する大きな期待を考えますと、財源論、財政の能力を主張して景気対策にブレーキをかけることはもはや考えるべきでないと。むしろこの秋の景気対策には、私は、編成したその日には、清水の舞台から飛びおりましたと申し上げましたけれども、まさに日本の財政の現状からすれば、特例公債に限らず建設国債もこれだけまた大量に発行すること、したがって国債の現債高がまたふえていくというこの状況そのものを頭に置きながら申し上げたのでありますが、しかし、国民全体の、景気をよくすべしという願いにこたえることが今のところは最大の課題であるという判断で、今回、大量の建設国債とあわせて二千億余りの特例公債の発行やむなしという決断をさしていただいた次第であります。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 その今回提案されている景気対策そのものについて我々は根本的な批判を持っていることは、既に今までの予算委員会の審議あるいは本会議の議論でも明らかと思います。そういう形で赤字国債を発行する、もう当初予算に比べて今年度は七・八ポイントも国債依存度がふえて二五・五%にもなっているという状況になっております。  ことし一月に大蔵省が出した「財政の中期展望」では、ちょうど五年後の二〇〇〇年に公債依存度を五%にするという目標を掲げていたはずでありますが、そういう目標はこれからどうなるのか、そしてそれをちゃんと達成できる見通しがあるのか、その辺についてはっきりと聞いておきたいと思います。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○伏屋政府委員 今先と言われましたように、今 回の補正予算の措置によりまして、公債の依存度は当初の一七・七%から二五・五%の高い水準に達するわけでございます。他方、中期展望にもありますように、今後の財政状況は、公債残高も二百二十兆を超えるということでございまして、構造的にますます厳しさを増しているわけでございます。  したがって私ども、今後財政が社会経済の情勢の変化に適切にかつ迅速に対応していくためには、この公債残高の累増に伴う国債費の重圧が政策的な経費の圧迫要因となっている現在の財政構造の改善を図りまして、将来世代に大きな負担を残さないよう財政の対応力を回復することはまずます急務となっているわけでございます。  このため、この公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げるという努力目標に積極的に取り組むことがますます重要な課題となっておりまして、今後とも、歳出面におきまして、また税外収入等歳入面におきましてもあらゆる努力を傾注いたしまして、財政改革を一層強力に推進していかなければならないと考えておるわけでございます。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 公債を発行せよという圧力は強まっているわけです。与党の中でも、新三党合意で新型国債というようなことが出ておりまして、この間、本会議で大蔵大臣に伺ったところでは、一般論としながらも、「これまでは公債対象とされていない経費を公債対象とし、その財源を公債で賄うことは、事実上建設公債原則を放棄して特例公債を発行することにほかならない」というふうに言われました。ですから、この新型国債というのは何を指すのかまだ明確でない点もありますが、情報通信とかあるいは学術研究などそういった方面に国債発行を可能にしようということだろうと思うのですが、そういうものを発行しようと思えば財政法の原則を踏み越える、そういうことになって、大蔵大臣としては望ましくないということをこの間述べられたのだろうと思いますが、その辺、確かめておきたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 先ほども申し上げたように、この国の財政の状況を考えますと、昨今は建設国債充当可能な事業はもう丸々全部目いっぱい国債を当て込んでしまうという状況であります。そこへ加えて特例公債でない第三の道を開きますと、それ自身また対象を拡大していくことになります。  財政再建に取り組んでいくということは、むしろ、たとえ建設国債が発行可能であってもその範囲をだんだん縮小していく、そして建設国債の絶対額を減らしていく。五%という財政審の目標もございますように、そういう努力を近々始めなければならないというふうに認識をいたしております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 去年十一月一日の税制改革に関する特別委員会で、大蔵大臣は、税制改革の問題の三つの要素の一つとして財政再建というものを挙げているのですが、この財政再建が本当に深刻な問題になっているという事態の中で、消費税の税率の見直しの問題等々に関しても、大臣はこれまでのところ何ら予断を持たずに検討するのだと言っていますけれども、予断を持たないなんて言っていられなくなってしまうのではないかということを我々は大変懸念をしているわけですが、その辺の見通しはいかがですか。

薄井信明大蔵省主税局長

○薄井政府委員 答弁申し上げます。  昨年通りました税制改革法案におきましては、見直し規定が附則に置かれておりまして、御指摘の点はそこに関係するかと思います。  この見直し規定では、「社会保障等に要する費用の財源を確保する観点」、二つ目には「行政及び財政の改革の推進状況」、三つ目には「租税特別措置等及び消費税に係る課税の適正化の状況」、そして四つ目に「財政状況等」、この四点を勘案して総合的に検討を加え、「必要があると認めるときは、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとする。」とされておりまして、そういう観点からの税率の見直しの検討を今後行っていくことになるわけですが、その検討の内容につきましては、御指摘のように、何ら予断を持つことなく取り組んでいかなければならないと思っております。

佐々木陸海日本共産党

○佐々木(陸)委員 予断はないと言っても、本当にその点を警戒しなければならぬという点で、こういう赤字国債の際限のない発行に我々は反対であり、日本共産党はこの法案に反対だということをはっきり申し上げまして、質問を終わります。

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 本案につきまして、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先ほどの理事会で協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。  これより採決に入ります。  平成六年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例等に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

久間章生自由民主党・自由連合

○久間委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五十四分散会      ————◇—————

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