商工委員会 第4号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1995/10/18
会議録
○甘利委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案、繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土田龍司君。
○土田委員 まず、民活法の改正関連で、民活法の必要性について質問をいたします。 昭和六十一年に民活法は制定されたわけでございますけれども、産業・生活基盤のインフラを、民間の能力、いわゆる資金や経営ノウハウや新技術等を活用して整備していこうという考え方に基づいでいるわけでございます。現在、十五類型三十二施設が特定施設として定められておりますけれども、新たな特定施設を追加することによって、従来の特定施設もあわせて産業インフラの範囲の充実を図って、二十一世紀に向けた新たな産業の創造発展に資する基盤施設の整備を促進させることが必要であるというのは、非常に理解できるところでございます。 しかしながら、不景気が非常に長引いておりまして、民間企業の体力が減退している中で、この民間能力の活用をした施策が本当に今必要なのかどうか、これについて通産省としての見解をまずお伺いしたいと思います。
○橋本国務大臣 今委員からお触れになりましたように、確かに現在我が国の経済状態は決して良好なものと申せる状況ではありません。むしろ、ゼロ成長が三年続いている、何とかしでこの一年以内にこれを上昇に転じなければならないという厳しい状況の中にあることは、御指摘のとおりであります。しかし、そのためには、やはり内需拡大とあわせながら経済構造改革を進めていくことが中長期的に極めて重要なことだと我々は思います。そして構造改革におきましては、民間企業の役割が非常に重要でありますし、それは経済社会の新たな需要を開拓しながら新たな事業に進出していくことで、民活法はこうした民間の新たな事業の展開を支えるためにも不可欠な法律であると私は考えております。 これまで、我が国経済社会のさまざまなニーズに対応いたしまして、五度にわたる法改正を行ってまいりました。そして現在、十五類型が法律上規定されて、百二十九の具体的なプロジェクトが認定され、公共的な施設が整備をされております。今後におきましても、七年度中に情報通信基盤施設、国際交流支援施設、高度商業基盤施設など既存の民活施設が三十一プロジェクト、リサイクル関連施設、それから大規模スタジアムなど新しい民活法の対象となる施設が十六プロジェクト、四十七プロジェクトについて。また、八年度につきましても、三十三プロジェクトについで整備を進めたいという御要望が各地域から出てまいっております。そしてこれらの中には、いわゆる第三セクターではありませんで、純粋な民間事業者による施設整備というものも、例えば七年度の場合でありますと十プロジェクト合まれております。さらに、阪神・淡路大震災の被災地域におきましては、こうした純粋な民間プロジェクトを含めましで、民活プロジェクトを震災復興の起爆剤にしたいという地元の要望も極めて強いものがございます。ちなみに、七年度、八年度で、現在承知しておる範囲では六プロジェクトでございます。 このように、昨今の長引く景気低迷のもとにおきましても、民活法の特定施設整備に対するニーズは根強いものがありますし、特に、意欲のある民間事業者の能力を活用して新たな産業発展の基盤となる公共施設の整備を促進していくためには、純粋な民間プロジェクトも含めまして、民活法に基づく施策というものは不可欠なものだと、私はそう考えております。
○土田委員 今回の民活法の改正によりまして、新たな特定施設としてリサイクル関連施設、大規模スタジアム等々が追加され、従来の特定施設とあわせましで広範囲な産業基盤のインフラ設備が特定施設として定義されることとなるわけでございますけれども、このような施設の整備を促進することによってどのような新しい事業が促進されるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○牧野政府委員 委員御案内のとおりでございますが、これからの経済構造改革を進めていく上におきまして一番大事なものの一つは、新しい産業、新しい需要というものを掘り起こし、そちらに経済成長なり雇用の吸収をしてもらうということが非常に大事でございます。そういう観点から、私ども、産業構造審議会の議を経まして、昨年、二〇〇〇年あるいは二〇一〇年の展望をいたしまして、どういうような有望な分野があるか、それぞれの分野が将来どれだけの生産を持ち、雇用を吸収するかというようなことを展望いたしました。御案内のとおり十二分野、情報通信でございますとか国際化の関連でございますとか環境でございますとか、そういったものを十二分野提示をしているわけでございます。 それで問題は、この十二分野の展望を現実のものとしていくためには、いろいろなことをやる必要がございます。当然のことながら規制緩和が必要でございますが、もう一つ重要なことは、こういった新しい産業分野が育つ、その基盤としてのいわゆる新しい社会資本というものを形成をしていくということが非常に大事でございます。それで、この民活法によります特定施設というものは、いわゆるこのような新しい社会資本、これは従来のような政府だけがやるのではなくて、民間が主体になってやれるようなものでございますが、そういったようなものに対して政府が各般の助成措置を講ずる、こういうことでございます。 それで、従来何施設かがやっておるわけですが、例えば研究開発・企業化基盤施設、これはリサーチコアと通称申しておりますが、こういったようなものを例にとっていいますと、従来十施設ぐらいが特定施設を形成しておりますけれども、その施設を用いまして最先端技術を有する企業が約三百三十、スタートアップをいたしております。 それから、情報化の基盤施設につきましては、いわゆるソフトパークと言っておりますけれども、十一施設を整備しておりますし、あるいはソフトウエアの共同開発施設でございますとか研修施設を併設してございますが、これまでに、それによって九十の情報処理業者がこれを利用いたしております。 なお、細かいことは省略いたしますが、もう一つ、国際経済交流等促進施設といたしまして幕張メッセ等五施設を整備しておりますが、毎年国際見本市が二十件、国際会議六十件程度が開催されておりまして、これに絡まるいろいろな事業がこの周辺で起こってきております。 こういう観点から、私どもは、この民活法によります施設が新しい産業のいわば基盤となっているというふうに思っておりますし、なおこれを推進していく必要があろうかと思っております。 さらに、御指摘がございました、新しくリサイクル関連施設、大規模スタジアムを追加するわけでございますけれども、この環境関連ビジネス、現在十三兆ぐらいの規模でございますが、先ほどの産構審の展望によりますと、二〇〇〇年で約二十兆の規模になる、雇用人口も現在五十五万人ぐらいでございますが、これが七十万人ぐらいになる、こういう展望をいたしておりますが、そのためにもこういった施設を中核として新しいリサイクルビジネスを起こしていく必要があるということでございます。大規模スタジアムにつきましては、これも産構審の答申におきまして、今後生活文化関連分野のビジネスが非常に大きくなってくるという一つの有望分野として展望しておりますけれども、こういった大規模スタジアムを民活法によってバックアップすることによりまして、関連するイベント事業でございますとか、スポーツ関連用品、あるいはその他の関連事業がこの周囲にどんどん起こってくる、こういうことでございます。 もちろん、将来の新規成長分野はこの民活法だけでやるわけではございませんけれども、この将来の成長分野の達成するための一つの大きな有力なツールとして、この民活法の特定施設を位置づけているわけでございます。
○土田委員 次に、新規事業法の改正の関連で質問をいたします。 新規事業者は、土地のようないわゆる従来型の担保を持っていないわけでございまして、資金調達が非常に難しいのが現状であると認識をいたしております。しかしながら、新規事業が創出されていくためにはどうしても円滑な資金調達が重要なかぎとなってくるわけでございますけれども、このためには、新規事業の有する唯一の財産というべき特許権等の知的財産権を担保とした融資が行われるようにすることは、非常に重要であると考えております。 最近、こうした知的財産権を担保とした融資を進めていこうとする動きが生まれつつあるのは非常にいいことだと思うのですが、これについて通産省としてはどのように評価をし、また、こうした動きを加速させるために、知的財産権を担保として融資が促進されるような環境を整備していくために、どのように取り組むおつもりなのか、見解をお伺いしたいと思います。
○牧野政府委員 いわゆるベンチャーを育成するために知的財産権の担保という問題が非常に大事であるということは、まさに委員御指摘のとおりでございます。私どもも全くそのとおりだろうと思っております。 若干敷衍をいたしますと、新規事業者は非常に資金が必要なわけでございますが、新規事業者は不動産等の有形資産が非常に乏しいということでございまして、ベンチャーのいわゆる一番の財産でございます知的財産権を担保として資金を調達することが、今非常に大きな意味を持っているわけでございます。ただ、現実にはなかなか、金融機関もこういったものの評価でありますとかあるいはこれの信用性といいますか、そういったものについてまだまだ疑念があるために、なかなかこれが実行に移されてないというのが残念ながら現状でございます。 そういう状況の中で、私どもといたしましても、この問題の重要性というものを非常に、理解といいますか、重要性を認識いたしておりまして、今般の政府の経済対策におきましても、「経済構造改革の一層の推進」という柱の中で、知的財産権の担保化を容易にするための環境整備を、資金調達の環境の整備のために推進をするということがうたわれでいるところでございます。 こうした方針を受けまして、現在私どもといたしましては、まず、知的財産権の担保化といいましても評価をどうするかということ、これは一部の金融機関におきまして独自に、最近ぼつぼつとそういった動きがございますけれども、やはりこれが広く広まるためには何らかの価値評価手法を確立する必要があるということで、この七月から、私どもで関係の実務者あるいは学者等にお集まりをいただきまして、知的財産権担保価値評価手法研究会というものを設けまして鋭意検討をしておりまして、現在最終の成案を得る段階に至っております。近々得ると思いますが、得られた場合には後ほどまた御報告を申し上げますが、そういうことで何らかの一般的な評価基準をつくろうということでございます。 さらに、それと同時に、少しでも民間の知的財産権の担保化というものを円滑に行うために、今般の補正予算におきまして新規事業法の認定事業者に対しまして債務保証を行っているわけでございますけれども、知的財産権を担保とした場合にはその保証の比率を、通常七割でございますけれども、これを八割ということに上げましで、少しでも民間その他に対して知的財産権の担保化というものの重要性を認識していただき、それの励みになるような措置を講じておるところでございます。 なお、この問題は御指摘のとおり大変重要な問題でございますので、大きないろいろな角度からなお一層の努力を図ってまいりたいというふうに考えております。
○土田委員 次に、FAZ法について大臣にお尋ねをしたいと思います。 輸入コンテナ貨物の我が国への到着地、海上貨物では大体九割が東京や横浜、大阪、名古屋、神戸に集中しておるわけでございまして、また、航空貨物も全体の約七割が成田に集中しております。このように我が国の貿易物流は、地方における貿易関連インフラが依然非常に弱いために、三大港湾等大都市圏中心に展開しておるわけです。大都市圏においては輸入貨物の混雑現象が発生しておりますし、地方においては、中小企業、消費者が輸入品や外国企業の進出によるメリットを受けにくいという構造的弱体性が発生しているわけでございます。 こうした中で、FAZ制度によって地方と海外を大都市圏を経ないでダイレクトに結ぶということは、地方にとっては非常に大きなメリットがあるわけでございますけれども、このため、現行FAZ制度により従来より行ってきた施設の整備に対する助成面の、いわゆるハードの面だけでなくて、各地域が本当の意味でフォーリン・アクセス・ゾーンと呼び得るようなものになるように、ソフト面の支援が極めて大事であるというふうに思っております。 この点で、FAZ法を改正する背景及びその内容について見解を伺いたいというふうに思います。
○橋本国務大臣 今委員から御指摘がありましたように、私どもこの法案を提出いたしますには幾つかの原因がございました。我々はこれまでも、製品輸入促進税制を初めとする各種の輸入拡大策を着実に実施してまいりました。しかし、現在の我が国をめぐります国際経済環境の中におきまして、経常収支黒字のさらなる減少に向けてこうした努力を定着化させていかなければなりません。そのためには一層の輸入拡大策が必要であります。 ところが、今委員が御指摘になりましたように、我が国の貿易物流というものが、地方における貿易関連インフラが依然弱体であることもありまして、三大港湾など大都市圏を中心に展開をしてまいりました。結果として生じた現象は、大都市圏におきましては輸入貨物の混雑現象、地方においては中小企業あるいは消費者の方々が輸入品によるメリットを受けにくいという構造的な弱体性を引き起こしてしまったわけであります。委員もお触れになりましたが、海上貨物におきましては全体の八九%が東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、そして航空貨物では全体の六九%が成田に集中している状況であります。 今回私どもがこの改正法の御審議をお願いをいたしますのは、各地域に輸入促進地域を設定して、輸入貨物が集中している地域における輸入関連インフラについてはかさ上げを図る、そして混雑を解消する方向に向けていく。同時に、輸入貨物の流通を分散させていく地域における輸入関連のインフラの先行的な整備を図ることによって、効果的に輸入の促進を図ろうとするものでございます。 現行法では、輸入関連の共用中核施設の整備に対する助成等、委員御指摘のようにハード面を中心にした施策を講じてまいりました。しかし、現下の輸入の拡大の緊急性というものにかんがみまして、この改正法では、従来の施策に加えまして輸入品の加工業者、輸入品の流通業者などに対する輸入促進地域への投資誘引措置を整備し、輸入促進地域を通じた輸入品の流通の円滑化を一層図っていこうということでございます。 具体的には、輸入促進地域のうち、輸入関連事業の集積を特に促進することが適当と認められる特定集積地区を都道府県が定めることができるようにいたしまして、特定集積地区において輸入関連事業を行う者に対し地方公共団体が不動産取得税または固定資産税を減免されました場合に、この結果生ずる地方公共団体の減収分の補てんを行う。また、必要な資金の借り入れに際しまして、産業基盤整備基金によって債務保証を実施する。さらに、特に中小企業に対しましては、中小企業信用保険の特例措置を講ずることとしております。そのほか、輸入促進地域の国際化を支援いたしますために、地域に対して輸入品、外国企業関連の情報提供を行うFAZ総合支援センター、これは仮の名前をつけておるわけでありますが、これを東京に設置いたしますと同時に、地元の輸入促進地域にFAZ支援センターを増設することとしまして、必要経費を今般の補正予算案にも計上させていただきました。 今回の改正をお認めいただくことによりまして、政府としては、他の各般の輸入拡大策や今般の内需振興策の実施等による効果と相まって、全体としては相当程度の輸入拡大が図られるものと期待をいたしているところでございます。
○土田委員 FAZ法と関係する関税法上の総合保税地域制度については、現在大阪がただ一つ指定されているわけでございます。総合保税地域の許可基準は、一団、つまり一固まりの土地に蔵置、加工、展示の三施設が集合しておって、その地域全体が第三セクター等の公益的法人によって所有または管理されていることになっております。実際に、倉庫、加工場、展示場の三施設を同時に設置するための一固まりの土地を確保するということが非常に最近は困難になっているわけでございまして、さらに、施設の整備は、地域の貿易物流の窓口となっている空港、港湾の利用実態に即して行うべきであります。したがって、三施設がそろわないために直ちに総合保税地域の対象とならないとすることは実態的でないという指摘がなされております。また、管理主体が第三セクター等の公益的法人でなければいけないということについても、民間事業者の活力の有効活用の点から見直しが必要であるというふうに言われております。 そうした中で、輸入及び対内投資の促進の実効を上げるために、総合保税地域制度の指定要件の規制を緩和すべきであると思うんですが、それについて御見解を伺います。
○江川説明員 総合保税地域は、まさに保税という制度を使って、輸入の円滑化を初めとして貿易の振興をぜひ図っていただこうということでできた制度でございます。先生おっしゃったとおり、現在まで、大阪のアジア・太平洋トレードセンターに対して許可が出ております。 この総合保税地域は、輸入関連の施設の整備が行われた後に、その整備状況などを勘案して許可されるというものでございますので、現在それぞれの輸入促進地域におきまして計画に基づいて施設の整備が進められていると承知しておりますけれども、今後、輸入関連施設の整備が終わったところから総合保税地域の申請が出てくるであろうと考えております。 大蔵省としましては、平成五年九月の緊急経済対策におきまして、この総合保税地域の許可に関して弾力的に取り扱うという方針を既に打ち出しております。それからまた、総合保税地域の申請があるまで黙って待っているということではございませんで、非常に早い段階から関係省庁あるいは地方公共団体などと連絡をとらせていただいておりますし、それからまた地元とも十分御相談させていただいておるところでございます。大蔵省としましては、積極的に今後とも検討していきたいというふうに考えております。
○土田委員 繊維産業の流通過程は、糸段階、織物段階、二次製品と、各段階が工程分断的な複雑な構造になっておりまして、極めてむだが多いというふうに言われております。また、これが不明確な取引慣行の原因になっているとも言われております。通産省としましては、今後、繊維産業の流通構造はどうなるべきかということについてお伺いいたします。
○中野政府委員 委員御指摘のような、繊維産業、大変複雑な構造をとっております。現在、製造加工段階で申しますと十二万社でございますが、百十五万人、十三兆円弱の出荷額でございます。日本の繊維の消費市場は二十兆円、小売に従事する従業員の数は八十七万人ぐらいでございますが、これに比べまして卸売段階の、繊維の卸で申し上げますと四万社程度でございますが、二十八兆円という年間の取り扱いをしている。いわば中膨れなわけでございます。数量ベースで見ましても、年間の生産額以上の在庫が日本国にある、こういう状況にあるわけでございます。 私どもとしましては、昨年この繊維構造改善臨時措置法の御改正をいただきました前提になるビジョンがございます。これは繊維産業界の方、小売を含めて、デザイナーの方も含めてコンセンサスてつくったビジョンでございますが、情報化を核にして製版一体を進めるということで、生産・流通過程における売れ残りのリスク、在庫リスクを減らす、ビジネスも市場志向型、即応型の生産・流通体制に構築し直そう、こういうことでございまして、産業全体としてむだのない効率的な流通構造をつくる、こういうことを目指すビジョンができまして、私どももそれにおける施策を展開したいと思っております。 アメリカの経験でいきますと、一九八〇年代の後半からクイックレスポンスという手法、繊維の情報ネットワーク技術を使いましで、過剰な在庫、二、三割が過剰であるということで、これは消費者に対して付加価値とならないコストでございますが、この削減が可能になったということで、消費者の求めるタイムリーな、適切な商品供給ができるようになった。御案内のとおり、アメリカンカジュアルというようなことでアメリカの繊維産業が再生したということで、二、三年前から日米の繊維貿易が逆転いたしまして、日本が輸入国に転ずる、こういう事態にもなっているわけでございます。 私どもの日本の繊維産業界でも、昨年の新法以来、今月になりまして新しくまた情報化のグループ、二つほど大臣承認が出ておりますが、現在十その製造、流通、小売のグループが情報化計画を出しております。 将来の姿は、これから申し上げるとおりになるわけではございませんが、この出ているグループの幾つかの具体的なことをイメージのために申し上げますと、例えば大阪、奈良の靴下の中小企業の組合で考えておりますのは、大阪の女子高校生の方が色とかサイズとかを注文しますと、翌日に納品する、こういうものもやっております。それから、東京にある紳士服の有名なオーダーショップでは、今まで三カ月か四カ月生地製造から納品までかかっていたものを、一カ月で製造し縫製してお届けする、こういうシステムも行う。 大手の原糸メーカーを中心とするグループでは、原糸から製品になるまでのリードタイム五割を削減し、在庫三割を減らすというようなことで、大規模な中小企業のグループを組むというようなことが具体的な計画として出ておりまして、昨年このQRを推進するための、私ども業界を挙げた推進協議会もつくっておりますが、三百近いあらゆる繊維の団体が参加して、今機運が盛り上がっているところでございます。 いずれにしましても、通産省も業界のこういう動きを大事にしながら、繊維産業再生のために、むだのない効率的な流通構造ということを念頭に置きながら施策の推進に努めたいと思っております。
○土田委員 現在これまでにない景気の低迷が続いておるわけでございますけれども、中小企業の経営環境が非常に厳しいものとなってきております。加えで、円高を背景にしまして、我が国経済は急激な構造変化を経験している最中であるわけでございますけれども、こうした中で中小企業の経営基盤の安定を図るとともに、我が国経済のフロンティア開拓の担い手でもあります中小企業を支援することは、我が国経済の早期の景気回復を実現するためにも、また中長期的に経済発展を確保するためにも、極めて重要なことであると思っております。 このためには、中小企業が円滑に資金調達ができるようにすることが非常に重要であるわけですが、今回、その中小企業向けに十分な金融措置が講じられていると言えるのかどうか、この辺についてお尋ねしたいと思います。
○新政府委員 中小企業に対する金融の円滑化を図ること、これが中小企業の経営の安定、強化にとって極めて重要であるということは、先生御指摘のとおりでございます。 ことしの三月、急激な円高の後を受けまして、四月に緊急円高・経済対策を打ち出したわけでございますが、その際にも、この中小企業の金融の円滑化ということに焦点を当てた対策を打ち出しております。その中には、いわゆるマル経資金、小企業等経営改善資金でありますが、これは通常五百五十万円。これに百万円の別枠を乗せて、いわゆる円高によって影響を受けでおる小企業の皆様にお使いいただく、こういうことをしたりして対策に遺憾なきを期した次第でございます。 今回でございますが、中小企業を取り巻く経済環境は依然として厳しいものがございます。このため、まず、担保力、信用力が不足しがちな中小企業の資金調達の円滑化を図るために、ただいま御審議をいただいております中小企業信用保険法の一部を改正いたしまして、無担保保険あるいは新事業開拓保険等の付保限度額の町き上げ及び特別小口保険の対象の拡大を図るということにいたしたい。それとともに、信用保証協会が無担保保証等を積極的に引き受けるよう所要の予算を計上するなど、信用補完の面で最大限の充実に努めておるところであります。 また、先ほど申し上げました四月にとりました金融対策、こういうものの、円高により影響を受けているというこの円高要件を外しまして、したがいまして先ほどのマル経資金につきましても、百万円の上乗せというのは一般的な形で御利用いただくということになったところでございます。 それから、厳しい経済環境下にある中小企業が政府系金融機関から過去に高い金利で借りでおられる、こういった方々がおられるわけですが、こうした政府系金融機関に対する金利五%超の既往債務につきましては、その返済負担の軽減措置を講ずるということなど、思い切った施策を講じようとしているところでございます。 また御指摘の、新規事業に取り組む、チャレンジする、これも経済のフロンティアを開拓する上で中小企業にとって非常に重要なことでございますけれども、その支援のためにも、中小企業事業団を活用した直接金融を支援する措置、あるいは政府系金融機関によります新事業育成貸付といった融資制度の拡充など、中長期的な視点にも考慮をしました施策の一層の促進を行えることとした次第でございます。 したがいまして、中小企業に対する資金供給の円滑化には十分対応したいと思っておりますし、そういうことを期待しておるところでございます。
○土田委員 時間がありませんので簡単に質問しますけれども、公定歩合が引き下げられて○・五%になっているわけですね。これは、金利負担に比べて保証料が割高である、いわゆる保証料率の引き下げを求める声を私も聞くのですが、これについてどのようにお考えになっておられますか。
○新政府委員 保証料でございますけれども、保証料は金利とはちょっと違いまして、金利は時々の金融情勢に従って上下するわけでありますが、保証料はむしろコストの積み上げによって成り立っておるという性格のものでございまして、簡単に言いますと、人件費を含む管理運営費を賄う部分、それから国の保険につなぐ保険料の部分、それから代位弁済の際の自己負担分、大きく言ってこの三つの部分から成り立つでいるわけでございます。 ところが、最近の経済環境にかんがみまして、信用保証協会が中小企業にかわって行います代位弁済、これが非常に増加をしておるところでございます。したがいまして、保証協会の保証業務の収支は非常に厳しいものがございますし、保険公庫の保険収支も同様に厳しいものがございます。 したがいまして、全国平均で大体、保証料率、政策保証も含めまして平均しますと〇・八九%というところでございまして、なかなかこれを引き下げるというようなところは難しい面があるわけでございますが、御指摘のように中小企業の方々の強い要望もありますし、また、金利水準の低下に伴って保証料率が若干割高感があるということもございますので、今回、三年間の暫定措置、平成九年度末まででございますけれども、無担保保険及び特別小口保険が適用されます債務保証につきまして、現行の保証料率に比べましで約五%程度保証料率を引き下げる措置を講ずることといたしました。これによりまして、今のところの推定でございますが、先ほど〇・八九%と申し上げました平均料率は、およそ○・八四%ぐらいに下がるものと考えております。
○土田委員 以上で終わります。
○甘利委員長 続いて、星野行男君。
○星野委員 星野行男でございます。 御提出の三法案につきまして、昨日から極めて熱心に、しかも濃密な御審議がされておりまして、敬意を表しております。 そこで私は、この三法案に関連をいたしまして、中小企業を含む日本経済の現状とその活性化につきまして、何点か御質問を申し上げてみたいと存じます。 まず、日本経済の現況についてでございますが、御案内のとおり、バブル崩壊後の長引く不況に追い打ちをかけた急激な円高、そして経済の国際化、ボーダーレス化が進展する中での我が国の突出したコスト高、さらに金融不安やアジア地域の追い上げ等によりまして、日本経済の競争力の低下はまさに目を覆うものがございます。 平成六年工業統計速報を拝見いたしますと、「三年連続減少となった製造品出荷額」という副題がついておりますが、平成四年から平成六年までの三年間の工業出荷額、事業所数、従業者数の推移につきまして御説明をいただきたいと存じます。
○牧野政府委員 今御指摘のございました平成六年工業統計速報によりますと、これは従業員四人以上の事業所の統計でございますが、まず工業出荷額でございますが、平成四年、三百二十九・五兆円、五年、三百十一・二兆円、六年、これは一部推計を含んでおりますが、三百・五兆円となっております。 それから事業所数でございますが、平成四年、四十一・五万、五年、四十一・四万、六年、三十八・八万でございまして、さらに従業者数でございますが、平成四年、千百十六万人、五年、千八十九万人、六年、一千四十九万人でございまして、御指摘のように、いずれも連続して減少をいたしております。
○星野委員 ありがとうございました。 今御説明がございましたように、事業所数が平成三年に比較をいたしまして四万二千八百二十八の減少。それから従業者数が、これも平成三年に比較をいたしますと、平成六年が八十六万人の減少。それから工業出荷額でございますが、まさにこれは、同じく平成三年と比較をいたしますと、平成六年は何と四十兆三千百九億円の減少、こういうふうに相なっているわけでございます。 次に、中小企業についてでございますが、御案内のとおり、その数におきましては九九%、従業者の数におきまして約八割近くを占めておりまして、まさに我が国の産業、経済を支え、国民生活の基盤をなしでいるわけであります。 平成七年版中小企業白書によりますと、平成三年から平成六年にかけまして初めて全従業者数が減少し、製造業も同様で、特にこれまで雇用吸収源でありました電機、自動車等機械工業関係が急速に減少し、サービス業も伸びが鈍化、この不況期においで事業所数や雇用の調整が未曾有の規模で行われたことを意味し、閉塞感を増幅しでいるとされております。また、廃業率が開業率を上回っている上に、特に製造業では事業所数、従業者数ともに大幅に減少しており、まことに深刻な事態であります。 さらに、同白書によりますと、製造業全体としての生産・雇用創出力の弱体化が見られる中で新たな成長産業が見えてこない状況では懸念なしとせず、企業の認識においても空洞化意識は大で、上場企業の八五%が空洞化と認識しているとされているところであります。 このような状況のもとで、完全失業者は現在二百十六万人、前年同月に比較をいたしまして十六万人増加し、完全失業率三・二%という高い失業率が続いており、実際はこの数字よりもまだかなり高いのではないかとも言われでいるわけであります。特に、十五歳から二十四歳までの若者の失業率が高くなっているところであります。有効求人倍率も低く、来春学卒者の就職難は深刻でございます。しかも、この就職難は来春の学卒者だけにとどまるという保証は全くありません。学校を卒業いたしまして勤め口がないほどつらいことはありません。このような雇用不安の中で、GNPの六割を占めると言われる国民消費が伸びるはずもございません。したがって、景気の先行きもかなり厳しいのではございませんでしょうか。 最近のパソコンや携帯電話の売れ行きの急増や、あるいは関連して半導体部門の好調なことも承知をいたしておりますが、このような我が国経済の現状と雇用の情勢につきまして大臣はどのような御認識を持っておられるか、お尋ねをしておきたいと存じます。
○橋本国務大臣 私どもは、今年度は三年にわたるゼロ成長から脱出をして三%成長への回復軌道に回帰する、そう期待されておりましたものが、現状、今委員がお述べになりましたように、我が国の経済は回復傾向から足踏み、さらに弱含みへと推移をしている状況であります。また、完全失業率が三・二、過去最悪の水準に張りついている状況でありまして、雇用情勢も御指摘のとおり極めて厳しい状況があります。 加えで、中長期的に見ましても、構造的な高コスト要因が顕在化しつつある。企業や産業にとりましての魅力が減少してきている。企業が国を選ぶ時代と言われる状況になりました今日、これ以上製造業が日本から逃げ出さないようにする、そのためにどうすればいいのか。廃業する方の数が新しく業を起こす方の数より多いという状況から、どう脱出するのか。こうした課題に私どもは真剣に取り組んでいかなければなりません。 こうした状況を踏まえて、去る九月二十日、政府といたしましては、経済対策、そしてそれを受けての補正予算を今国会に提出をさせでいただきました。そして、先般の公定歩合の引き下げに続いて、公共投資を中心とした内需の拡大、中小企業対策、雇用対策を中心とする直面する課題の克服、そして経済構造改革の一層の推進という三本の柱から成る、短期、中期、長期、それぞれの視点からの対応を網羅した過去最大の事業規模の経済対策を策定したところでございます。 特に雇用対策につきましては、中小企業における労働力の確保を図るべく、労働省と共同で中小企業労働力確保法の改正法案を今国会に提出し、御審議を願っているところでございまして、こうしたことをあわせながら雇用対策にも万全を期していかなければなりません。 当然これでとまるわけではございませんで、例えば予算委員会の本院における御審議のときにも問題となりました、金融機関の不良資産の処理を急ぐこと、さらにより一層の規制緩和を進めていく努力を怠らないこと、そして年末に向けての税制改革等、我々は引き続いての議論を煮詰め、その結果を公表していかなければならないわけでありますけれども、こうした努力を積み重ねていくことによって、景気の先行きに生じる不透明感を払拭し、我が国経済が本年度後半に着実な回復軌道に乗っていくもの、そのように期待をいたしているところであります。
○星野委員 ありがとうございました。 次に、提出法案についてでございますが、先ほど申し上げた、あるいはまた大臣からお話がございましたような日本経済の現状に照らしまして、通産省が今国会に提出されました新事業促進法、繊維法並びに信用保険法の三法案は、方向性としては私は的を射ており、内容におきましてもおおむね妥当なものであると考えておりまして、関連予算を含め関係各位の御努力を歩といたしたいと存じます。 特に、繊維産業は、本日の日本経済新聞にも通産省がまとめられた我が国産業の現状が紹介されておりますが、これによると、繊維は輸入浸透度二八・二七%と前年比四ポイント上昇、鉱工業生産におきましても、これに占める割合が前年比〇・二ポイント減少とあります。まさに輸入の急増が産地を直撃いたしておるわけであります。さらに、本年に入りましての、春からの円高の進展がさらにその傾向を強めているところであります。昨日の各委員の御質問にも指摘されておりますように、産地はまことに厳しい状況に置かれているわけであります。 そういう中で、今回の繊維法、すなわち繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案は、新しい情報技術を活用して製版一体化を促進し、繊維産業の活性化を図ろうとするものでありまして。画期的な試みであると考えております用地元に不況産地を抱えております者といたしまして、その成果を期待する次第であります。同時に、厳しい状況に置かれている産地への支援もよろしくお願いを申し上げる次第でございます。 さて、通産省御当局は、このたびの三法案と関連予算をもちまして構造改革型景気対策と説明しておられますが、私は、これで十分と申し上げられるほど我が国経済の現状は甘いものではないと考えております。このままでいきますと我が国経済は縮小均衡、すなわちデフレ悪循環に陥る危険性は十分にある、そう考えるものであります。 そこで、以下何点か御質問をさせていただきます。 まず、景気対策でございますが、大臣からお話がございましたように、政府はさきに、我が国経済の内需中心の持続的成長を確かなものにするためとして、総額十四兆二千億円余の経済対策を決定し、今国会に五兆三千二百五十二億円の第二次補正予算を提出され、先刻これが成立をしたわけでありまして、この点はまことにおめでとうございました。敬意を表しますけれども、しかし私は、大臣から御説明があり、政府見解で申し述べられておられますように、果たしてこれがそれほどの効果を上げ得るのかなということで、いささか疑問に感じているところであります。 その理由の第一は、時期を失しているのではないかということであります。これだけ日本企業の海外展開が進行し、雇用不安が広がってしまったことと、あわせまして公共事業は、雪国ではこれから雪中に向かいまして施工が事実上不可能、やるとしてもごく限られてくるということであります。 第二は、この程度の公共事業の追加では、GNPが五百兆円近くなっている我が国経済を浮揚させる力はとても期待できないのではないか、このように思うわけでありますが、この点につきまして、重ねて大臣の御見解を承っておきたいと存じます。
○橋本国務大臣 積雪寒冷地帯の地方行政で、自治体の首長として御苦労になられた御経験から御指摘をいただいた、殊に寒冷の時期に向けての公共事業の施工について、その御注意は私は真剣にちょうだいをいたしました。これにつきましては、今建設省を中心として、建設工事の冬期施工技術の研究開発などの通年施工化を推進しているという報告も受けておりまして、こうしたことが効果を上げてくれることを私も願っております。 また、ゼロ国債の利用等、委員もよく御承知のように従来からさまざまな工夫を、私どもお互いに同じ党の時代にも積み重ねてまいりました。そうした注意は我々はこれからも怠ってはならないと考えておりますし、この御注意はありがたくちょうだいをいたしたいと思います。 ただ、全体につきまして委員がお述べになりました見解、私は必ずしもそれを同一の感じで受けとめてはおりません。むしろ私は、為替の状況がある程度落ちつきを取り戻してきた最近の状況の中で、企業あるいは消費者のマインドが多少とも。に明るくなってきた、このチャンスをとらえて対策を打ったという点では、タイミングは私は的確なものであったと思っております。 そして、今さらこれは繰り返しませんけれども、十四兆二千億に上るこの経済対策の中で公共投資など十二兆八千億円、従来の規模に比べて最大のものであることはもう委員も御承知のとおりでありますし、国の歳出追加額としても過去最高の四兆七千億円の規模になっております。この経済効果は、対策全体で我が国のGDP成長率を今後一年間で約二%以上押し上げる効果を有しているという試算を政府ではいたしているわけであります。 ただ、先ほども申し上げましたように、私はこれだけですべて解決をするなどと申し上げるつもりはありません。当然のことながら、規制緩和の努力は今後も続けなければなりません。さらに、今やはり何といいましでも、我々が非常にお互いに懸念を共有しておりますのは我が国の金融機関における不良資産の処理の問題でありまして、この対策を過ては非常に大きな痛手を負うことになることは、私は承知しているつもりであります。 そしてこれに向けましで、我々は税制改正の中で本当に製造業が逃げ出さないで済む状態をつくり出すための努力をいたさなければならない、これもそのとおりでありますけれども、そうした努力を積み重ねていかなければならないことは承知をした上でなお、私は、今回の経済対策というものはタイミング的にも、その規模においても十分な役割を果たしてくれるもの、そう考えておることを申し添えたいと存じます。
○星野委員 関連いたしまして、二、三日前のテレビでもやっていましたが、デパートの売り上げが四十三カ月連続マイナスが続いているということであります。GNPに占める国民消費は、御案内のとおり約六割と言われております。ある年金生活者が、政府の低金利政策で利子所得が減ってしまい、入るものが入らないから買い物も控えざるを得ない、こういうことを言っておりました。なるほど、百万円一年預けましても二千円か三千円の利子、三年のスーパー定期に積みましても一年間の利子が八千五百円くらいということではどうにもなりません。しかし、これでは景気はよくなりっこはないのではないでしょうか。 そこで、公定歩合の引き下げは景気対策なのでありましょうか、それとも不良債権を抱えて四苦八苦をしております銀行の救済策でありましょうか、教えてください。
○橋本国務大臣 多分、今委員が引かれましたテレビは、私が見たものと同じものではなかろうかと思います。そして、私はそれなりに、その年金で暮らしておられる、預金の利子で暮らしておられる方の厳しい状況というものは承知をいたしているつもりであります。 ただ、そのときにも感じましたことでありますけれども、例えば老齢福祉年金を受給しでおられる皆さんなどに対して、福祉定期預金といった制度をもっと使っていただくことはできないものだろうか、そんな印象も持ちながら拝見をいたしておりました。しかし、低金利というものが御苦労をかけておる結果に、そうした面を持っていることは、私は否定するつもりはありません。 ただ、この公定歩合の操作というものは、もう申し上げるまでもなく日銀の専管事項でありますし、これ自体を我々がとやかく言うことはできません。その上で、私は、この公定歩合の先般の操作というものは、我が国の異常な、ファンダメンタルズを全く反映していない為替の水準を是正する上で大きな役割を果たしたものだと思っております。もちろんそれだけではなく、他の施策が相まって為替の水準が今安定を取り戻しつつあるということでありますけれども、私は、こうした役割が非常に大きかったということは、ぜひもう一度認識をいただきたいと思うのであります。 同時に、その金利水準の低下というものが金利負担の軽減などを通じて企業活動に好影響を与える、これは所得にも消費にも回っての結果ではありますけれども、好影響を及ぼすものでもありますし、また雇用を多少なりとも安定させる役割というものもやはり考えるべきものであろうと思っております。 こうした過程を通じて、私は景気回復にも寄与するものと考えておりますが、日銀が公定歩合を現行の水準に持っていかれた、それはやはり大きく物価の状況そして為替の水準等を総合的に判断されて選択されたもの、そのように思います。
○星野委員 ありがとうございました。 お話の後半の部分は理解のできるところでありますが、為替レートのお話が出ましたので、次に円高対策について御質問を申し上げてみたいと思います。 私は、本年の二月十七日の当委員会の質問で、円が一ドル八十円まで急騰する可能性を申し上げたのでありますが、政府側の危機感は全くその時点では感じられなかったところであります。しかし、その後間もなく実際に八十円まで上がってしまいました。これは経済のファンダメンタルズを反映したものではなくて、為替ディーラーに翻弄された部分もあったかと思いますけれども、いずれにいたしましても、日米の協調介入等によりまして現在は百円台まで戻ってはおりますが、あるエコノミストが言っておりました、将来一ドル五十円の可能性も十分ある、こういうことであります。今一ドル百円台に戻っているからといって、決して安心できる状態ではないと思います。ちなみに、本日は百円を割って九十九円台になっているはずであります。 円高要因はいろいろとあるにいたしましても、主たる要因は巨額の貿易黒字であることは言うまでもありません。本年の貿易収支の見通しはどのようになっておりますか、お聞かせをいただきたいと思います。
○広瀬政府委員 委員御質問の本年の貿易収支の見通してございますけれども、本年に入りまして以降八月までのIMFベースの貿易収支実績を見てみますと、円ベースでございますけれども、輸出が、前年の一月から八月までに比べまして○・五%増ということになっております。輸入の方が、同じく一−八月で比べまして一〇・八%増ということになっておりまして、貿易収支の黒字は前年同期に比べましで一五・九%の減ということになっております。為替が円安の方向に反転をいたしました八月以降も幸い同じような動きでございまして、本日発表になりました九月の通関統計によりますと、九月の貿易収支はマイナス五・八%ということでございます。 今後数カ月の動きがどうなるか、そして全体として本年の貿易収支の見通しがどうなるかということでございますけれども、委員御高承のとおり、貿易収支につきましては、国内の経済活動はもとより、為替レートとかあるいは諸外国の景気動向等、いろいろな要素によって影響を受けるものですから、軽々に見通しを述べることはなかなか難しいわけでございますけれども、少なくとも、私ども今回御承認いただきました補正予算を中心とする経済対策とかによりまして内需拡大が着実に進むのではないか、あるいは輸入拡大策も今度いろいろ講じさせていただいておりますが、そういうことによって経済構造改革の方も着実に進んでいくのではないか。こういうことによって、貿易収支の黒字が一層削減していくのではないかということを期待しているという現状でございます。
○星野委員 貿易収支の、輸出、輸入の増減の割合についてはお話承りました。 それでは重ねてお尋ねをいたしますが、昨年、一九九四年ということになりますが、この収支の黒字はどのくらいでありましたか。また、ことしの上半期は金額でどのくらいになるのか、教えていただきたいと思うのですね、おわかりと思いますから。
○広瀬政府委員 一九九四年、暦年でございますけれども、貿易収支の黒字が、IMFベースで十四兆九千億円でございます。ちなみに、これは……(星野委員「ドルで」と呼ぶ)ドルは、千四百五十八億ドルでございます。 それから、ことしの一−八月のドルベースでございますけれども、一−八月で九百二十億五千万ドルでございます。
○星野委員 今伺いますと、昨年実績で千四百五十八億ドルの貿易黒字、これは大変な額でございます。今年の一−八月が九百二十億ドルということでありますが、これもやはり暦年、十二月までには相当の額になるのではないでしょうか。 このような巨額の貿易インバランスが存在する以上、我が国の金融機関の不良債権処理のめどがつけば、私は、再度この為替レートも円高に振れる可能性は十分あるのではないかと思うのですね。そのときは八十円を割ることは間違いないと思います。輸出産業が一生懸命働いて黒字を稼ぎ出しても、結局は円高地獄で自分の首を絞めることになるわけであります。 私は、今、この千数百億ドルの貿易黒字を自発的に三年ないし五年で半分にしないと、日本の企業は立ち行かなくなるおそれが非常に大きい、そう考えるわけでありますが、大臣はこのことについてどのように考えておられるか、お尋ねをしておきたいと思います。
○橋本国務大臣 委員が先ほど御指摘になりました、確かに私も記憶をいたしておりますが、為替の急騰の危険性を述べておられました当時、我々、決してそれを真剣に承っておらなかったわけではないということは、まず申し上げたいと存じます。 ただ同時に、メキシコの経済の破綻というものがドルの急落を招いた、それがその後投機筋の行動によって円高に動いたという経緯は、改めて申し上げる必要もありません。ただそうした中で、私は、今落ちつきを取り戻しつつあるこの為替の状態が安定し、なおその状況が進んでくれることを心から願っております。先般行われましたG7の結果の大蔵大臣の御報告におきましても、この為替の水準を各国が好感しながら協調体制を維持していくという方向が打ち出されましたことも、その意味におきまして、私どもにとりましては一つの安心材料でございます。 ただ、委員が御指摘になりましたように、我が国の金融機関の抱える不良資産の問題はそのときにも各国から指摘を受けたということでありまして、これは今後の我が国の経済を考えますときに、できるだけ早くその処理の方向を決めていかなければならないという御指摘は、私もそのとおりだと思います。その上で、貿易収支の黒字を縮小していく、そして、それによって調和ある対外経済関係を構築していくということは、これは本当に我々の重要な政策目標でありますし、政府としても、これは我々だけではなく羽田内閣あるいは細川内閣にさかのぼりましても、それ以前の自由民主党単独政権時代にさかのぼりましても、内需主導型の経済運営を図るということは一つの大きな政策目標でありました。そして、その方向に向けて、規制緩和の推進でありますとか輸入の促進といった施策によりまして、貿易収支の黒字の削減に努めてきた歴史の積み重ねがございます。 ただ、貿易収支というものが、性格上、もう委員よく御承知のように、国内の経済活動はもとよりでありますけれども、海外における景気の動向あるいはその為替レート、殊に我が国にとりましては原油価格の変動、こうしたものによりまして、国際環境の変化というもので大きく左右される要素がございます。そういう状況の中で、経常収支の黒字の削減について、一定期間内に、例えば半減といった定量的な目標設定ということは、私は必ずしも国にとってよき選択肢だとは思いません。なぜなら、それが、定量的な目標設定というものがひとり歩きをして、国際公約のような受けとめられ方をする危険性というものを私は非常に心配をいたします。これは、たまたま過去二回オイルショックで苦い経験をなめた、特に二回目のときには、私は厚生大臣として社会保障関係、福祉関係の方の影響を処理するために悪戦苦闘させられましたものですから、オイル価格というのは少し私は大きくとり過ぎているのかもしれません。しかし、やはりエネルギー価格の変動というものは、我々は予測をせざるを得ないと思います。 そうしますと、やはり定量的な数字を出すことは、私は非常に危険だと思います。むしろ、現在着実に貿易収支の黒字が縮減する方向に動いているわけでありますから、私は、その方向を定着させるための努力、これにやはり重点を置いて努力をしていく。それは、当然のことながら思い切った内需拡大策を着実に実施していく、さらに輸入拡大策などの措置を積極的にとることによっで、経済構造改革そのものをどんどん進めていく、そうした努力の中で黒字の削減に努めていく。私は、むしろ定性的な目標を確保していくことの方が大切ではなかろうか、そのように感じております。
○星野委員 ありがとうございました。一応大臣の御答弁を子といたしますが、いずれにいたしましても、内需拡大をして、歴代の政府も申しておられますように、日本の経済を、内需主導型の安定した経済成長を確立をしていくということが最大の課題と考える次第であります。 その内需拡大でございますが、今もお話がございましたけれども、戦後五十年、我が国は今日の経済大国を築き上げてきたわけでありますが、しかし、それは主として輸出によって外貨を稼ぐという輸出主導型で発展を遂げてきたことも御案内のとおりであります。この輸出に依存してきた我が国の経済を内需主導型に切りかえていくということは、なかなか容易なことではありません。歴代の政府が努力されながら、なかなかその実が上がっていないということもそれを実証しているかと思うわけでありますが、いずれにしても、この段階に参りますと、それをもう口先だけではなくて、知恵を出し努力をしてこれを形の上で実現をしていかなければならない、そう考えるところであります。 そこで、内需拡大についてでありますが、物の消費には限界があります。腹のすかない人に食へる食べると言いましても、そう食べられるものではありません。したがって、いわゆる物づくりと物の消費には限界があるということであります。これからは主といたしまして、あるいは物づくりに附帯をいたしまして、ソフト化あるいはサービス化のニーズに対応した産業を興していくということが必要でございましょう。この新事業促進法にもあるわけでありますが、国民のニーズは物から心へ、あるいはハードからソフトヘというふうに変わってきている、こういうふうに言われているわけであります。そういう観点から、とりわけ情報通信とか環境あるいは福祉、さらにスポーツ、文化、教育などの分野で新しい産業が伸びていく条件を整えていかなければならないと考えます。 そういう時代の流れの中で、今回の三法案はまさに時代の要請に沿ったものとして、私は評価に値すると考えております。だがしかし、また新しい情報通信基盤の整備や規制緩和、そして、資金、人材、技術等の支援により新産業の展開を促進することとあわせまして、私は思い切った内需の創出が必要ではないかと考えるところであります。日本の社会資本はまだ貧弱であります。本格的な高齢社会に突入する前に、国土基盤をしっかりと整備をしておかなければなりません。 そこで私は先般の質問でも、多軸型国土形成のための新幹線、高速道路、空港あるいは港湾等のインフラ整備や防災対策などにつきまして、平成七年を初年度とする六百三十兆円の公共投資基本計画の具体的な内容の説明を求めたところでありますが、その時点で明確なお答えをちょうだいすることはできませんでした。しかし現在、今年度から発足しでいるわけでありますが、政府部内で事業別の具体的なこの六百三十兆円の投資計画が詰められているのかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。いるかどうかという答えだけで結構です。
○牧野政府委員 これは、大蔵省、財政当局と各省との中でいろいろ今検討中だと思いますが、私どもといたしましては、なるべくニーズの高いもの、例えば道路にいたしましても大都市の高速道路、これは震災の問題もありますので、そういうものからまず優先順位をつけてほしいとか、あるいはハブ空港でありますとか国際港湾でありますとか、そういったところから優先順位をつけてほしい。あるいは、先ほど来御議論がございますような現在の景気の状況の中で、産業の波及効果の高いものから優先をしていただくといったような要望を申し述べておりまして、現在、この配分についていろいろ検討が政府部内で行われているというふうに承知をいたしております。
○橋本国務大臣 産政局長からお答えをいたすのには限界がありますので、私から補足させていただきたいと思いますが、現在、経済審議会におきまして議論が行われております。そして、この公共投資のあり方、見直し、生活大国以降の情勢を踏まえた議論が現在行われております。まだ私どもその詳細を知る立場にありませんが、その作業が進んでおるということだけ御報告を申し上げます。
○星野委員 ありがとうございました。 私は、六百三十兆円という、日本の将来あるいは国民の将来に大きなかかわりを持つこの公共投資基本計画でありますので、政府といたしましてはやはり早急に、具体的な事業別の、例えば新幹線はどうするんだ、あるいは高速道路はどうするんだ、やはりある程度事業別の投資計画をもちろんお決めいただいて、国会や国民にも明示をする責任があるのではないか、そんなふうに考えております。同時にまた、この内需拡大策からいいまして、いわゆる内需主導型の我が国の経済を構築するためには六百三十兆円で足るのかな、そういう感じも申し上げておきたいと思います。 さて、それはそのくらいにいたしまして、きょうは、住宅と土地問題、そしてまた産業立地政策を取り上げてみたいと思います。 家が一軒建つのに百二十くらいの業種の人がかかわりを持つ、すなわち恩恵に浴すると言われており、景気への波及効果が極めて大きいわけであります。しかし、最近、住宅の新築着工件数が落ち込んでおりまして心配であります。これは、最近の雇用不安の影響もあるかとは思いますが、地方のディベロッパーからは、土地の譲渡所得税が高いために土地を手放す人が少なく、住宅用地の確保が難しくて困っている、こういう訴えを聞くところであります。このように、宅地供給の手詰まりもその原因をなしているのではないかというふうな気がいたします。 土地の流動化促進は、景気対策の重要な課題でもございます。土地規制の緩和あるいは宅地に係る譲渡所得税を例えば三年間くらいの時限立法で、国税、地方税合わせまして二〇%に引き下げて、宅地の供給をふやすような土地税制の転換が急がれるのではないでしょうか。 バブル時代、地価の急騰を抑えるために土地に係る税を非常に重くしたわけでありますけれども、今土地が凍りつき、景気の足を引っ張っている、あるいは今申し上げたような宅地の供給がおくれている、こういう状況になってきているわけでありますから、逆の発想で、例えば譲渡所得税なんかも、当初国税、地方税を合わせて二六%であったわけでありますが、それを逆に引き下げる。いっときはたしか三七くらいに引き上げたと思うのでありますけれども、今度は逆に引き下げるということが当然必要なことではなかろうか、こう思うわけでありますが、当委員会でお答えできる方がおられましたら、大臣に御迷惑かけてもいけませんので、事務方の方でお答えください。
○牧野政府委員 景気における住宅建設が非常に大事であるということにつきまして、さらにまた最近、住宅の建設戸数が落ちているということにつきまして、私ども、委員と同じ感じでございます。 ただ、宅地に係る譲渡所得課税の問題につきまして、ちょっと私どもからなかなか明確にお答えしにくいのでございますけれども、この点につきましてはいろいろな議論が行われておりまして、今委員のおっしゃいました御提案も私どもよく承知をいたしておりますし、十分に検討をさしていただきたいと思っております。 ただ、土地の流動化の観点から、土地譲渡益課税について軽減すべきではないかという非常に強い意見があることは十分承知をいたしておりますが、他方、問題は、むしろ土地の需要が不足している現状のもとで土地譲渡益課税を軽減いたしても、土地の供給側に売りのインセンティブを与えでも土地取引の増加につながらないのではないかという意見もありますし、また、勤労所得と土地譲渡益との課税のバランスといった公平の観点からいかがかという意見もあることも承知をいたしております。 いずれにいたしましても、土地税制につきましては、御指摘の譲渡所得課税を含めましで、最近の経済情勢にかんがみて緩和すべきか否かについてさまざまな議論がなされており、政府といたしましては、この問題につきましては平成八年度改正において結論を得るべく総合的かつ積極的に検討を行う、こういうふうになっておりますので、私どももその御議論の推移を見守りたいということでございます。
○星野委員 重ねて、私は全国を把握しているわけじゃありませんけれども、地元のいろいろな方の話を聞きますと、やはり譲渡所得税を引き下げて土地の供給をふやすことが土地の値段を下げることにもつながるので、ぜひそういう税制の転換をやってほしい、こういう強い要望があることを重ねて申し上げておきたいと思います。 次に、産業立地政策について申し上げてみたいと思います。 企業の海外進出には相当なリスクを伴うところでありますが、今日の企業の海外展開は、とにかくきょう、あるいはあしたを生き延びるためにやむを得ないことではないか、こういうことで海外進出をしているのだと思うのであります。しかし、先日の新聞によりましても、中国の広東省深セン経済特区で、日本と中国の合弁の工場が、人件費が高騰したりあるいは用地の使用料が高くなって労働集約型の産業には不向きになってきたというようなことで、閉鎖をして別のところに移転するとか、あるいはシンガポールでも、ハイテク企業はいらっしゃい、あるいは労働集約型の企業はどうぞ出ていってください、こういう傾向だという話も聞きます。あるいは古い話になりますけれども、私は地元、新潟県小千谷市でありますが、機屋さんがいっときは韓国へどんどん工場をつくりましたけれども、結局失敗して引き揚げで倒産の憂き目を見たという企業もございます。やはり、そういう海外進出には相当リスクを伴うことは事実でございます。 また、経済のグローバル化の中で、企業のある程度の海外展開はやむを得ないといたしましても、国内の産業や雇用の空洞化は絶対に避けなければならないところであります。 そこで第一点は、今回の補正予算の中で、地域産業空洞化実態調査の予算が五千万円計上されているところでありますが、これでどのような調査をされるのか、また、調査結果に基づいてどのような施策を講じようとされているのか、お尋ねいたします。
○鈴木(孝)政府委員 委員御指摘のように、経済のグローバル化の進展、産業構造の変化あるいは経済の長期的な低迷など経済環境の変化の中で、最近の地域経済、地域産業をめぐる状況は厳しいものがありますが、その実態につきましては、地域なりあるいは地域産業の集積のパターンなどによりまして、相当複雑化、複合化しているものと認識しております。このような状況を踏まえまして、内外の環境変化と地域経済との関係、あるいは地域産業の空洞化の実態、今後の状況、対応策、それなどにつきまして地域や地域産業の特質を踏まえて的確に把握するため、先生御指摘のように、今般の第二次補正予算案におきまして調査費を計上しているところでございます。 今後、本調査費を適切に活用いたしまして、地域経済あるいは地域産業の実態を踏まえ、地域の活性化のために現在でも種々の施策を講じているところではございますが、より一層適切な産業立地政策の展開に活用してまいりたいと思っております。
○星野委員 地方によって、空洞化が進んだことによって非常に景気が悪い、もう製造業だけではなくて、関連した三次産業というのですか、飲食業界からそのほかの商店街も火が消えたようだ、こういう話も聞くわけであります。そういう点から、やはり実態調査、正直、今さらという感もしないことはありませんけれども、ぜひ次なる施策にこの調査をつないでいって、地域経済やあるいは地域の産業の活性化の具体的な施策をぜひ打ち出していただきたいとお願い申し上げておきます。 第二点でございますが、産業再配置政策についででございます。 通産省はこれまで、工業再配置促進法に基づきまして、移転促進地域から誘導地域または特別誘導地域への工場移転の促進に努力をされ、多大の成果を上げでこられたこともよく承知をいたしております。敬意を表する次第であります。 しかし、今日では、我が国企業を取り巻く環境が大きく変わってまいりました。製造業の国内での設備投資が年々減少し、数字を示すまでもございませんが、アジアでの設備投資が急増していることは御案内のとおりであります。これは、とりもなおさず、国内の誘導地域や特別誘導地域を飛び越えて海外移転が進んでいるということであります。このような製造業の海外移転が急増しているということは、従来の産業再配置政策の手法ではきかなくなっている、実効性がなくなってきたということでもありましょう。また、これを言いかえるならば産業再配置政策の空洞化、こう申し上げても過言ではないのではないでしょうか。我が国の製造業の海外シフトが完了してからでは取り返しがつかないことになりますし、また、もしそういうことになりましたら、当然にそれは非製造業にも大きな打撃を与えることになるわけであります。 この際、産業再配置政策を、このような状況の変化の中で、実効性のあるものに組み立て直すことが必要ではないかと考える次第でありますが、御見解を承っておきたいと思います。
○鈴木(孝)政府委員 委員御指摘のように、昭和四十七年に制定されました工業再配置促進法に基づきまして、各種の工業再配置促進政策を講じてきたところでございます。そのほか、昭和五十八年以降はテクノポリス政策、さらに昭和六十三年以降は頭脳立地政策など、産業の立地政策面でも環境変化に対応して種々の政策を講じてきたわけでございますが、委員御指摘のように、最近の経済の急速なグローバル化の進展、産業構造の変革等を踏まえますと、まさしく企業が国を選ぶ時代、こういう視点も十分踏まえた政策展開が必要かと思っております。 我が国経済が今後とも持続的な成長を続けていくためには、産業立地政策としても、我が国全体が国際的にも魅力のある産業立地環境の実現を目指す必要があろうかと考えております。このため、高コスト構造の是正を図るとともに、新規事業の創造など、企業の創造的な活動が促進されるような研究開発施設を初めといたしました新産業インフラ整備などを強力に進める必要があろうかと思っております。 本年度から、このような観点から、産業立地面におきましてもスーパーテクノゾーン構想というのを進めでおりますけれども、私どもも、産業立地政策におきましても、このような内外の環境変化に適切に対応した政策展開を今後とも図ってまいりたいと思っております。 〔委員長退席、逢沢委員長代理着席〕
○星野委員 企業が国を選ぶ時代、まさに企業立地も国際競争にさらされている、こういうことになろうかと思います。 そこで、今お話もございましたような製造業の海外移転が進んでいるということは、国内での土地あるいは人件費あるいは物価、さらに言えば税金等のコスト高が主たる原因であると言われております。東南アジアあるいは中国、台湾等と比べてみますと、土地は日本の百分の一、人件費は二十分の一から五十分の一、あるいは税金も二分の一から三分の一、こんなふうに言われますと、企業は国内ではとてもやっていられないということになりかねません。 だがしかし、今お話がございましたようなこの国際競争の中で、やはり日本の立地をもっと魅力のあるものにしていかなければ、先ほど来申し上げているような産業の空洞化がさらにまた雇用の空洞化ということで、あらゆる面に、例えば社会保険の財政にしても年金財政にしても、さらに国、地方の財政にしても、大変大きな悪い影響が出てくることは避けられないわけであります。したがいまして、私は、今本格的な産業立地政策をやはり組み立て直す必要があるのではないか、そう思うわけであります。 そういう中で、やはり企業の初期投資の一番大きいものは土地の購入、つまり用地費になるのではないか、そんなふうに思うわけでありますが、そういう初期投資について企業の負担を軽減する方法なども、これは知恵を絞ればいろいろなことができるわけであります。 例えば、地方自治体が土地をまけて、三分の二なり、あるいは場合によっては二分の一で企業に提供する、そういうことについて交付税で面倒を見るとか、あるいはまた、企業のそういう初期投資については、まあ無利子ということができるかどうかわかりませんが、長期の融資を導入するというような、いろいろな方法がさらにさらに考えられると思うわけでありますが、やはりいろいろな工夫を凝らす。もちろん、情報インフラの整備も必要でございましょう、あるいはそのほかの研究開発施設の整備も今お話しのとおり必要だとは思いますが、そういう魅力のある立地政策をぜひとも打ち出して日本の産業空洞化を食いとめていただきたい、そんなふうに心からお願いを申し上げる次第であります。 また、産業再配置を進めることは、申し上げるまでもなく多極分散の国土形成に寄与するわけでありますし、また大都市圏における大規模な地震等の危険の分散にもなるわけであります。また、新しい投資が生まれ、あるいは雇用が生まれることによって、景気対策、雇用対策にも資することになるわけであります。そういう意味で、重ねで、時代の変化に対応した産業立地政策を、通産省の皆様方、今まで努力してこられた、言うなればお得意の分野でありますが、ぜひその今までの経験を生かして、それこそ国際化の中で負けない産業立地政策をぜひ確立をしていただきたい、このことを切にお願いを申し上げる次第であります。 今までいろいろと申し上げてまいりました。もう残された時間はわずかであります。私の質問はこれで終えたいのでありますが、ただ、あと三分ほどございます。これは御答弁は難しいと思いますので、どちらでも、大臣の御判断で結構でございます。 APECの大阪会議が十一月に開催をされることになるわけであります。報道されるところによりますと、高級事務レベル会議で農業部門の問題が話し合いがついていない、こういうことだそうであります。このことにつきまして、御案内のところでございますが、きょうの読売新聞によりますと、「穀物国際相場に黄信号」ということが出ておりまして、「世界の穀物在庫が二十余年ぶりの低水準に落ち込む見通しとなっている」「需給ひっ迫の背景には、耕地や生産性の伸びが頭打ちになるなど構造的な要因もあり、相場上昇が一過性で終わらない可能性もある。」というようなことが書いてございます。また、東大農学部教授の花開津さんのお話が出ておりますが、「供給面ではここ十年、世界の耕地面積は増えていないし、単収の伸びも鈍化している。一方で、環境保全の動きが強まり、肥料や農業使用を増やしたり、森林を伐採して耕地を増やすのが難しくなっている。」こういうことが言われているわけであります。 申し上げるまでもなく、世界の人口は年々一億近くふえていくという状況で、人口と食糧を考ええてみますと、レスター・ブラウン氏は、世界の人口は年率二%で伸びていく、ところが食糧の生産は一%ぐらいしか伸びていかない、そのギャップが広がっていく。あるいは中国、インドの事情等もある。そういう中で十年、十五年たてば、間違いなく食糧危機的な状況が生まれてくる、こういう警告をしているわけであります。翻って我が国の食糧自給率は、御案内のように、カロリーベースで三七%、穀物の自給率は二二%、こういう状況であります。 そういうことを考えてみると、我が国の食糧はもちろんのこと、世界の食糧を考えてみた場合に、むしろ基本的には、少なくともカロリーベースで五〇%くらい、自給をある程度責任を持って各国にやってもらう。その上の五〇%は自由貿易の原理で流通をするということは結構だと私は思いますが、やはり食糧は一般の工業生産品その他の貿易とは異なる性格を持ち、それがまた即人間の生命にかかわりを持つ。世界的に、いわゆる恒常的な栄養不足地域の人口が約八億、飢餓地域の人口が約四億、一年間に千三百万人の人が食えなくて死んでいる、こういう厳しい状況の中でありますので、食糧、農産物貿易については、やはり我が国の立場、世界の今後の推移等を見ながら慎重な判断が必要ではないかと私は思う次第であります。 もし不都合であれば答弁は結構でございますけれども、APECの会議にもぜひ日本の立場を貫いていただきたい、そのことをお願い申し上げておきたいと思います。
○橋本国務大臣 今の御指摘は、大変貴重な御指摘として私はちょうだいをしたいと思います。 これはもう今さら申し上げるまでもなく、昨年のボゴールにおいて貿易・投資の自由化、円滑化の宣言というものがなされ、それを受けとめた立場で、今度は具体化する役割が日本に今負わされております。そして、その包括性の原則というものを我々は否定する立場ではございません。同時に、どこの国も、例えば日本の農業のようにセンシティブな問題はそれぞれ抱えております。そういった意味では、それぞれの国の特有のセンシティブな問題というものにはある程度やはり柔軟な対応が必要であろうということは、我々が今冬メンバーに対して呼びかけている部分でもあります。 同時に、今委員が御指摘になりましたように、将来のアジアというものを考えましたとき、そのアジア・太平洋地域というものが、一層の経済発展と同時に人口の増加が見込まれております。これは当然のことながら、エネルギーにおいても非常に深刻な問題を惹起する可能性を持っておりますし、食糧においても同様であります。 私どもは、昨年来、エネルギーについてはAPEC共通の課題として、高級レベルにおける会合を持てるところまで全体を束ねてまいりました。今後、食糧、人口あるいは環境といった分野を含めて、APEC全体の豊かな未来をつくっていくためにもきちんとした議論を行っていく必要があるということを、私は先般も実はオーストラリアのマクマラン大臣にもそういう議論を提起したばかりでありますが、そうした我々の主張を裏づけていただける貴重な御意見としてちょうだいをさせていただきます。ありがとうございました。
○星野委員 終わります。ありがとうございました。
○逢沢委員長代理 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 橋本通産大臣はあしたから四極通商会議に行かれるわけですが、自動車交渉をめぐるCIAの盗聴活動が国会で問題になった直後にカンター代表と会われることになります。九月十五日付のニューヨーク・タイムズの前に七月二十三日付のロサンゼルス・タイムズで、カンター通商代表は、日本や他国との貿易交渉においてCIAが正確な報告をもたらした能力に満足したとしているのを私読みました。国会では、外交ルートを通じて現在照会中だというお話もありましたが、あなたが当のカンター代表と会うというまたとない機会となるわけでありますから、盗聴行為というのは大変不愉快であるという意思表示をやはりきちっとされるとともに、とにかく当の当事者が出てくるわけですから、事実関係を直接当事者から確かめられるということと、そして、こうしたアメリカの国家機関であるCIAの主権侵害についてきちんと抗議をされるということが必要じゃないかと私は思うのですが、まず、どういう態度で臨まれるおつもりか、決意のほどを最初に伺っておきたいと思います。
○橋本国務大臣 決意のほどと言われましても、私が盗聴したわけではなくて、報道によれば、私が盗聴された側でありますから、その真偽がわからないままに決意と言われましても少々困るんです。 ただ、私自身その報道を、七月の段階のニュースに接しましたときに本当に大変不愉快でありました。ところが、実は日本のマスコミは全く反応をしてくれなかったわけであります。今回たまたまニューヨーク・タイムズが取り上げた途端に、大変いろいろな方から同じお問い合わせを受けるようになりまして、なぜ七月の時点でだれも反応してくれなかったのかな、そんな感じを率直に持ちました。 そして、むしろ私は、この問題を私の方から取り上げようとは思いません。なぜなら、これは私自身にとっては、交渉を必要とした場合の一つの武器を与えてくれるからであります。このカードをどこで使うのか、使い方はお任せをいただきたいと思います。
○吉井委員 私は、これは交渉上の手練手管の問題ではないと思うんです。これはアメリカの国家機関の日本に対する主権侵害の問題なんですから。あなたは確かに盗聴された側なんですが、ただ、報道によると、そういう盗聴に基づく情報に基づいて交渉に臨んだというわけですから、やはりその間の事情というものは、とにかく相手の当事者が目の前に来るわけですから、これはきちんと事情を確認される、そういうことは必要だと思いますし、そして、それが事実であれば、これは本当に許しがたい主権侵害ですから、日本の政府の代表としてきちんと物を申されるというのが筋だと私は思うのですが、改めて、交渉に臨まれる態度というのを聞いておきたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほど、どこでそのカードを使うかはお任せいただきたいと申し上げました。日本政府としては、既に外交ルートを通じてその真偽を確認中、外務省にお願いをして既に確認中であります。私が知る限りにおきまして、今日、本委員会が始まります前の段階までは、その報告があったという連絡を受けておりません。そして、これが本当に事実であるとすれば、大変問題であることは御指摘のとおりであります。 ただ、報道されておりますものを見ておりますと、多少首をひねる部分がございます。例えば、私自身が自動車メーカー首脳部と電話でやりとりをしたことはございません。現実に顔を突き合わせての御相談をいたしました。また、そうしたことが起こらないように、できるだけ顔を突き合わせての相談をし続けて現地でも対応しておりました。ですから、たまたまホテルの壁の中に盗聴器が仕込んであったりすればこれはわかりませんけれども、必ずしも、すべて真実がCIAから述べられたとばかりは私は思いません。ただ、そうした危険があり得るという想定は、恐らく対外交渉を体験した人間は皆持っておると思いますし、それなりの注意をしてきたであろうと思っております。 それやこれやをひっくるめて、日本政府としての立場は、正式に外務省が外交ルートを通じてこれを照会しておるわけでありますし、四極通商代表会議の席上、他の二極の前で切り出すべき話だとは私は考えておりません。使い方はお預けをいただきたい、繰り返して申し上げます。 〔逢沢委員長代理退席、委員長着席〕
○吉井委員 国会開会中であるにもかかわらず参加する国際会議であるわけです。そこで直接カンター代表と会うわけですから、別に時間をとってでも、私は独立国家としての日本の主権にかかわる問題として、これはあいまいな話を聞いただけでは済まされないことだと思うのです。毅然とした態度で問題を明らかにされるように、このことを求めて、次の問題に移っていきたいと思います。 新事業促進法案に関して伺いますが、最初に、民活法で認定したプロジェクトの中で既に完成した施設の状況について伺いたいと思うのですが、大阪のATC、これは地上十二階、三十三万五千平米、建設費八百五十二億円で、総事業費千五百億円というものでありますが、WTCは、地上五十五階、延べ十五万平方メートルで建設費九百億円。東京臨海副都心の東京テレポートセンターのテレコムセンタービルは、地上二十一階、延べ十五万七千五百平米で、建設費が一千億円。こうした大阪のATC,WTCと東京テレコムセンターのテナントの入居率は今どうなっているのかということ、またあわせて、横浜市のMM21と千葉県の幕張メッセの国際会議場と展示場のそれぞれの稼働率が幾らなのか、これを最初に伺いたいと思います。
○広瀬政府委員 御質問にありました大阪のATCとWTCにつきましては、民活施設であると同時に私どものFAZ施設としても認定をしておりますので、私からお答えをさせていただきます。 ATCにつきましては、御質問の趣旨は、その一部であります国際卸売マートの入居率だと思いますけれども、これにつきましては約四割でございます。それから、WTCにつきましては、賃貸可能部分のことであろうと思いますが、これは約六割ということになっております。
○大宮政府委員 今、委員から御質問のありましたMM21、パシフィコ横浜と幕張メッセの稼働率でございますけれども、パシフィコ横浜及び幕張メッセの稼働率につきましては、ここ数年ほぼ五割から六割の水準で推移しております。
○伊藤説明員 東京テレポートセンターでございますが、同センターは、当初計画に従いまして、現在、十一月の一部開業、平成八年のなるべく早い時期の全面開業に向けて最後の調整に入っておる段階でございます。 御存じのように、東京テレポートセンターは、臨海副都心開発計画の一環として、同地域の情報通信基盤の……(吉井委員「テナントの入居率だけで結構です」と呼ぶ)現在、臨海副都心計画の見直しを東京都がやっておる中で、入居率につきましては、十一月の一部開業時には放送局等の入居を予定しておりますし、全面開業時にはほぼ四割の入居を見込んでいるというふうに伺っております。
○吉井委員 私はそれぞれ利用率と稼働率だけ伺ったのですが、いずれも入居テナントは五割以下なのですね。WTCは、つい一週間ほど前にも直接現場に行って経営陣の方から聞いてまいりましたが、五割ということです。 そういう状況ですから、施設使用料の値下げ合戦が起こってきたり、大阪市では港湾局など市の部局を入居させて埋め合わせをしようということを考えてみたり、東京都でも都の関連団体などを入居させようとしているわけです。また、既に入居している業者から値下げの要求が出されているというのも実態で、バブル崩壊以降極めて深刻な事態にあるというのが現状です。 ところが、この支援対象をこれまでの第三セクターから純粋民間企業にも広げて、中小企業向け融資の三・二五%よりも低い二・七五%という超低金利で貸し付けて、それで施設整備を促進するというのは、私はこのやり方は矛盾の一層の拡大になるのではないかと思いますが、この点についでお考えがあれば一言伺っておきたいと思います。
○牧野政府委員 委員御指摘のとおり、今までの民活施設、うまくいっていないものももちろんございますが、これは昨日お答えいたしましたように、おおむね私どもはうまくいっているというふうな理解でございます。 それで、今御指摘の純民間施設に対する助成でございますけれども、私どもとしましては、要するに第三セクターに、いわゆる新しい社会資本、法律で規定されました施設について、民間でどんどんできるものがあればそれはやってもらうということでございまして、むしろ私どもといたしましては、こういったいわゆる新しい社会資本をどんどん促進をするという見地から有意義なものというふうに思っております。
○吉井委員 FAZ法で全国十八地域が輸入促進地域、FAZ地域に指定されております。例えば北九州市を見ますと、三十六億円かけて物流施設KIDを建設中ですが、続いて、三百十二億円かけて展示場、流通施設を備えたAIM、アジア・太平洋インポートマートというものの建設に着工しようとしています。 ところが、FAZ法の承認要件を厳しくしたわけですが、このAIMに隣接して、山口県の下関、長崎県、大分県、熊本県がそれぞれFAZに指定されているわけです。その計画あるいは建設中のものの中身というのは、お互いに競合しているわけです。これまでの類似施設が乱立した民活施設づくりの二の舞になってしまっては、これ自体が今後経営が大変になるのじゃないかというふうに思われますが、どういうふうにお考えですか。
○広瀬政府委員 FAZ地域の構想につきましては、それぞれ指定を受けた地域において、その地域の特徴を生かし、かつまた、いろいろ知恵を絞って事業をやっていただくということで、それぞれに地域の特色を出すようなことになっております。 今御指摘のありました、例えば北九州市でございますけれども、これは御承知のとおり後背地に大消費地を抱えております。したがいまして、中核になるようなテナントを入れましで、ここで中小小売店向けの荷さばきをやっていくというような構想でございますし、愛媛県の場合には、この地域にあります食品加工産業とかタオル産業といったようなものを念頭に置きながら中国等とのグローバルな関係をやっていくというようなことで、それぞれの知恵を出してやっておるわけでございますから、一概に数が多いからといって御心配いただくことはないのではないか、こういうふうに思っております。
○吉井委員 今のお話は「財界九州」というのに出ていますが、どれも類似した構想で需要見込みの予想も立っていない、こういう指摘が「財界九州」でも指摘されているように、二の舞になるということは既に心配されている問題だということを明らかにしておきたいと思います。 民活法、FAZ法で認定して進めてきたもので、各地で破綻あるいは先端施設の失敗で新しい計画や建設投資の意欲が失われてきているというときに、無理やりインセンティブを考えるとして支援対象を広げたり、あるいは支援措置の拡充を図るというのは、私はやはり実態に合わないというふうに思うわけです。今、本格的な見直しこそが必要だと思うのです。それぞれ数百億円規模の事業で、ゼネコンはしっかり利益を上げたわけですが、ツケは第三セクターに回っていく。第三セクターの中では、民間は出資金の引き下げを要求するぐらいで、費用負担にはなかなか応じてこない。結局、地方自治体や住民の負担になってきているというのが、実は実情です。 民間活力の活用と言ってできた民活法は、当初、民間事業者の資金的、経営的能力を最大限有効に活用するということで、出発時には国の支援策はほとんどなかったわけです。ところが、プロジェクトが予定よりおくれるということで、民活補助金や無利子融資を次々つくって支援をしてきました。民間は利益の上がる部分だけを進めて、逆に損失が生まれると国や自治体に負担の上積みを求めるというやり方で、これでは民活法ではなくて、いわばゼネコン・大企業奉仕法になっているじゃないかと指摘されても仕方がないと思うのです。 これについて、何か矛盾をお感じになっておられる点があれば一言伺っておきたいと思いますが、矛盾を感じなければないでいいです。
○牧野政府委員 いろいろな国のプロジェクトにつきましては、いろいろな見方がありますし、いろいろなことを言う人がいるだろうと思います。私どもといたしましては、何度もお答えしていますように、すべての民活プロジェクトがうまくいっているというようなことを言うつもりはございませんが、おおむね所期の目的を達しているし、かつ、この民活法は、昨今の新しい社会資本の整備という観点からいって非常に有効なものであるというふうに確信をいたしております。
○吉井委員 現実を見れば実態は全く合わないということは、全国を歩いてみればはっきりいたします。 最後に、時間が残り少なくなってまいりましたので、繊維産業法については、昨年春の法改正のときに、私は、国内の繊維産業を守るために、アメリカが八割、EUが五割、カナダも大体同じぐらいのセーフガード発動の実績を示して、大臣にMFAの発動を求めました。このとき、五月に報告書を取りまとめて、MFA発動について総合的に判断していくというのが大臣の答弁でした。しかし、この間にも繊維産業は、愛知でも岐阜でも長崎などでも見られるように、危機的状況が一層深まっております。 あれから一年半たったわけですが、日本だけが発動ゼロというのは、現に繊維産業は深刻な事態にあることを考えると余りにも異常だと思うわけです。発動要請のある綿糸あるいは綿織物はもちろん、すべての必要な品目について繊維セーフガード措置を速やかに発動されたいと思うのですが、この点については大臣の政治的決断を伺いたいと思います。 あわせてもう一つ大臣に伺っておきたいのは、信用保険法の問題で、これは県レベルでは大体保険限度額どおりの制度融資を実施しているところが多いわけですが、市段階ではもっと低い額のところや、全く制度融資のない市もあるわけです。また、信用保証協会の審査が余りにも厳しくて、せっかくの制度融資が受けにくいという例も多く聞きます。 そこで、この限度額引き上げというのは、これは従来から業者の皆さんからせめて一千万円にという声もあってこういう引き上げが行われてきたわけでありますが、この限度額引き上げと対象枠の拡大が本当に生かされていくように、直ちに信用保証協会や自治体の制度融資に生かされるように、これは大臣からも徹底されるように図っていただきたいと思うのですが、決意を二つあわせて伺っておきたいと思います。
○橋本国務大臣 先ほど吉井委員と産政局長のやりとりを聞いておりまして、吉井委員は全部歩いてみればその実態がどんなにひどいかよくわかると言われました。私の方で、本当に全部歩いていただきますと、例えば長崎空港国際物流センターは九割強、北海道の新千歳空港のインポートマートは一〇〇%の入居状況というようなものもありますということを、全部見ていただけるなら、あわせて御報告を願いたかったと感じております。 また、セーフガードのお話を合いただきましたが、昨年五月の繊維産業審議会通商問題小委員会の提言を受けまして、十二月に繊維セーフガードに係る手続などの整備を行いました。この中身を長々と申し上げるつもりはありませんけれども、現在調査中の綿糸四十番手クラス及び綿製ポプリン・ブロード織物を含めて、具体的な案件についての発動の可否については、セーフガード措置の手続等に従って厳正な検討を行っていこうと考えております。 また、信用保険の内容をよくきちんと周知徹底せよと言われる点につきましては、我々として、従来から信用保証協会に対して中小企業の立場に立った保証を行うような指導も行ってまいりましたが、一層こうした努力を続けることにより、政府広報等にも協力を求めながら、法改正の趣旨が十分生かされるように努力をしてまいりたい、そのように思います。
○吉井委員 終わります。
○甘利委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○甘利委員長 これより討論に入ります。 各集中、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案に対し、討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。
○吉井委員 私は日本共産党を代表し、ただいま議題となりました新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案に対する反対討論を行います。 反対理由の第一は、大企業への支援策を拡充して、バブル経済の崩壊と地方自治体・住民の犠牲でその破綻が明白になった民活プロジェクトを推進することが、地方自治体・住民の負担をさらに拡大することになるからであります。 一九八六年四月に成立した民活法は、国際会議場、国際見本市場、インテリジェントビルなどの特定施設を民間事業者の資金的、経営的能力を最大限有効に活用して整備するというものでありました。九年間の法律施行の結果はどうだったでしょうか。 東京臨海副都心開発の中核施設で約一千億円かけて建設した東京テレコムセンターは、テレポート構想自体が時代おくれになり、テナントの入居も埋まらず開業予定を延期、テナント料も大幅に値下がりし、都財政への負担が大きくのしかかっていることは明らかであります。大阪のアジア・太平洋トレードセンター、大阪ワールドトレードセンターでも同様で、入居率は四、五割にとどまり、大幅赤字が見込まれています。いずれも大手ゼネコンや一部の大企業をもうけさせただけで、建設費の返済ところか、施設周辺の基盤整備費も含めた地方自治体の財政負担が大変な重荷になっているのであります。 政府は、この間、法律の成立当初にはなかった施設整備費五%補助の民活補助金や無利子融資などを次々創設し、第三セクターに対する支援を続けてきました。今回、純粋の民間大企業に対してまで利子補給による支援策を拡充することは、民間活力活用という法律の目的にも反するものであり、とても認められるものではありません。 反対理由の第二は、民活FAZ施設の整備促進が特定施設の乱立と地域間競争をあおり、浪費を拡大して必要な生活基盤整備もおくらせ、地域の振興には役立っていないという問題があるからであります。 多数のイベントや国際会議が集中する首都圏でさえ、民活プロジェクトの象徴として整備された千葉市の幕張メッセの年間平均稼働率は、国際展示場が四九・四%、国際会議場が四六・四%、イベントホールが三五・九%に落ち込んでいます。ところが、みなとみらい21のパシフィコ横浜国際会議場や国際展示場が相次いで開業し、続いて九六年四月には東京国際展示場の開業も予定され、乱立した施設同士で使用料金の値下げやイベントの誘致合戦が激化し、稼働率が一層低下することが懸念されているのであります。 同様に、既に十八地域が承認されている輸入促進地域計画についても、せっかく輸入基盤施設を整備しても地域の振興につながらない危険性が大なのであります。 それだけでなく、全国各地の実例や神戸市、兵庫県における震災復興計画、復興事業の現実から明らかなように、最も緊急を要し国民の切実な要求である生活基盤整備をおくらせることにもなるのであります。 反対理由の第三は、ストックオプション制度導入によるベンチャー企業支援策が、大企業、大銀行、大商社、証券会社の利益に奉仕するだけでなく、リクルート事件再発の温床にもなりかねない問題であります。 本来、起業、開業がどんどん進み、中小企業が技術開発力や経営能力を高めて成長発展するのを支援することは、極めて重要なことであります。しかし、改正案でストックオプション制度を導入することは、単にベンチャー企業が優秀な人材を集めやすくし、その成長を支援するというものではありません。それは、新規事業投資株式会社への出資者や役員の構成、ベンチャーキャピタルの投資の現状、大企業が分社化や新会社の設立、関係会社の株式公開を進めている現状から明らかなように、ベンチャーキャピタルや大企業、大銀行、大商社、証券会社等の関連大企業に巨額のキャピタルゲイン、株式売却益を保証するものにほかならないからであります。 また、新制度の導入は、株式公開により巨額のキャピタルゲインを得られる仕組みを悪用したリクルートコスモスのような事件再発の温床にもなりかねません。 反対理由の第四は、おのおのが重要な問題点を持ち、かつ性格の異なる三つの法律案の改正を一括法案として提出することが断じて容認できないことであります。 最後に、繊維産業構造改善臨時措置法改正案、中小企業信用保険法改正案とあわせ、実質的に五本もの法案を一括し、極めて短時間の審議で議了して成立を最優先にするやり方は、議会制民主主義を形骸化させるものであります。今後、かかることのないよう、法案の慎重かつ徹底した審議を求めで、討論を終わります。
○甘利委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○甘利委員長 これより採決に入ります。 まず、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○甘利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、繊維産業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○甘利委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○甘利委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○甘利委員長 この際、ただいま議決いたしました各案中、新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案に対し、逢沢一郎君外五名から、自由民主党・自由連合、新進党・民主会議、日本社会党・護憲民主連合、新党さきがけ、民主の会及び民主新党クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出をされております。 提出者から趣旨の説明を求めます。河合正智君。
○河合委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 新たな事業活動の促進のための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、国内における新たな事業活動の展開を積極的に促進することが必要であることに鑑み、税制上の措置を含めた支援策の一層の充実に努めることとし、特に、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。 一 民活法に基づく特定施設の整備については、地域及び民間事業者のニーズと事業の実態に即した機動的かつ効果的な支援を行うとともに、地域の基盤整備の一体的推進を図る観点から、地方公共団体及び関係行政機関との連携を一層強化すること。 なお、阪神・淡路大震災地域における復興の一層の促進を図るため、当該地域に係る復興プロジェクトとしての対象施設の整備事業については、特段の支援措置を講ずること。 二 新規事業法に基づくストックオプション制度を有効に機能させるため、制度の啓発・普及に努めるとともに、新規事業の実施計画の認定に係る手続の簡素化・迅速化に努めること。 三 輸入・対内投資法に基づく輸入促進措置を効果的に推進する観点から、総合保税地域制度の有効活用を図るための運用の緩和に努めるとともに、植物防疫、動物検疫等の検疫手続や通関手続等における体制の一層の整備に努めること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○甘利委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○甘利委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、橋本通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本通産大臣。
○橋本国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。 ありがとうございました。(拍手) —————————————
○甘利委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○甘利委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十五分散会