宗教法人に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 154 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/11/10
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石橋一弥君。
○石橋(一)委員 私は、本案につきましては賛成であります。したがって、早期に採決されることを希望いたします。 そこで、議論の基本にのっとり、憲法について幾つかの質問を申し上げたいと存じます。 憲法八十九条ですが、公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用及び公の支配に属しない慈善、教育、博愛の事業に対し、これを支出し、その利用に供してはならないとされております。 現在、私学に対し、私学振興財団を通じ予算補助をいたしておりますが、これは八十九条違反ではないかとの議論を国会の中でしばしばお聞きをいたしますが、私学については、学校教育法、私立学校法、私立学校振興助成法の三法で公の支配に属するものとして、今後も公金の支出は、我が国の私学の占める重要性にかんがみ予算の支出をしてよろしいと解してよろしいですね。この際、きちっとしておきたいと思いますが、文部大臣どうぞ。
○島村国務大臣 さすがによく事情をおわかりの先生らしく内容にもお触れになりましたけれども、まさにおっしゃるとおりでございまして、私立学校につきましては学校教育法、私立学校法及び私立学校振興助成法により各種の監督規定が設けられているので、憲法第八十九条に言う「公の支配」に属しているものであり、現行の私立学校に対する助成措置は憲法上問題はないと理解しているところでございます。
○石橋(一)委員 次に移りますが、私の質問は考え方の問題であります。そこで、でき得る限り総理と内閣法制局長官にお答えをいただきたいと存じます。 八十九条に言う「宗教上の組織」とはいかなることでありますか。
○大出政府委員 憲法第八十九条に言いますところの、「宗教上の組織若しくは団体」というふうに書かれているわけでありますが、これはいわゆる箕面忠魂碑・慰霊祭訴訟に係る最高裁の判決があるわけでありますが、「憲法八十九条にいう「宗教上の組織若しくは団体」とは、宗教と何らかのかかわり合いのある行為を行っている組織ないし団体のすべてを意味するものではなく、国家が」「当該組織ないし団体の使用、便益若しくは維持のため、公金その他の公の財産を支出し又はその利用に供したりすることが、特定の宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になり、憲法上の政教分離原則に反すると解されるものをいうのであり、換言すると、特定の宗教の信仰、礼拝又は普及等の宗教的活動を行うことを本来の目的とする組織ないし団体を指すものと解するのが相当である。」こういうふうな判決をいたしておるところであります。 要約いたしますというと、特定の宗教の信仰とか礼拝または普及等の宗教的活動を行うことを本来の目的とする、そういう組織ないし団体を指すというふうに理解をいたしておるところです。
○石橋(一)委員 次に、総理はしばしば、宗教団体も政治活動をしてはならないということはないとの御答弁をなさっておられますが、この考え方、これはどこから出ておるんでございましょうか、お伺いをいたします。
○村山内閣総理大臣 憲法で定める政教分離の原則は、憲法第二十条第一項前段に規定する信教の自由の保障を実質的なものにするため、国及びその機関が国権行使の場面において宗教に介入しまたは関与することを排除する趣旨であり、それを超えて、宗教団体が政治活動をすることも排除した趣旨ではないというふうに私は解釈、理解をいたしております。 そうであるとするならば、宗教団体の政治的活動が憲法上許されないとすべきではなく、その政治的活動の自由は、憲法第二十一条第一項が集会、結社及び言論その他一切の表現の自由を保障している趣旨にかんがみましても、尊重されるべきものであると考えております。
○石橋(一)委員 ただいま二十一条の見解が総理から述べられたわけでありますが、二十一条は確かに、言論あるいは発表の自由、こんなものはありますが、積極的に政治活動をやってもよいというふうには私にはどうしても解釈ができないんですが、どうでしょう。長官どうぞ。
○大出政府委員 憲法二十一条の条文の文字の上におきましては、政治活動というような言葉は出てこないことはおっしゃるとおりであります。 政治活動は、政治目的を達成するために、集会をしたり結社をすることにより、あるいは言論等によってみずからの思想を外部に表現すること等により行われるものでありますから、そのようなものである限り、政治活動の自由というのは、憲法第二十一条第一項が規定する「集会、結社及び言論、」途中を省略いたしますが、「その他一切の表現の自由」の保障に当然含まれるというふうに解されているところであります。
○石橋(一)委員 積極的ではないと私は考えております。 そこで、次に、憲法二十条でありますが、第一項前段の、信教の自由はこれを保障するとあります。このことについては、学説も言論界も意見が定まって、いわゆる国論となっておりますので問題はないと思います。 次に、第一項後段でありますが、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」となっております。ここが問題であります。 そこで、まず、「特権を受けことありますが、「特権を受けこということはどういうことでありましょうか。これは総理にお願いをいたしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 特権とは、宗教団体であることを理由として与えられる特殊な利益を受けることというふうに私は解釈しております。
○石橋(一)委員 税法上の減免でございますね、これは特権の中には入らないわけですか。長官。
○大出政府委員 憲法第二十条は、国が宗教団体に対して特権を付与することを禁止しているところであり、一般に、国が宗教団体に対して宗教団体であるということを理由といたしまして特別な財政援助を与えるというようなことは、ただいまの特権付与の禁止の規定に該当するといいますか、反するといいますか同条の禁止するところであるわけでありますが、それ以外の場合、例えば、一定の条件を満たす団体一般への利益の付与であって、その中に宗教団体が含まれるような場合には、同条の禁止する宗教団体への特権の付与には当たらないというふうに解されるところであります。 したがいまして、公益法人等の非営利法人一般に対する減免措置の結果としまして、宗教法人も公益法人等の一つであるということで減免税の取り扱いを受けることとなるといった場合には、憲法第二十条第一項後段の禁止する特権の付与には当たらないというふうに考えているところであります。
○石橋(一)委員 今申されました公益法人のことですが、これは、法制度、法体系の上では、最初の方には出てきておりません。ただ例示として出しているところで初めて公益法人というのがあるのです。したがって、私にはこれもがえんずることはできません。 次に移ります。 問題は、後段の「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、」次であります。「又は政治上の権力を行使してはならない。」この規定でありますが、例えば宮沢先生の解釈、国または地方公共団体に独占されている権力と狭義に解釈しています。田上先生及び西先生等の少数説によれば、宗教団体が積極的な政治活動によって政治に強い影響を与えることを禁止したものとするとしております。私もこの説に賛成でありますが、ここは大変大事なところでありますから、総理にお願いいたします。
○村山内閣総理大臣 憲法第二十条第一項の後段は、いかなる宗教団体も政治上の権力を行使してはならないと決めているが、ここに言う政治上の権力とは、一般的には国または地方公共団体に独占されている統治的権力をいう、こういうふうに考えておるところでございまして、宗教団体がこのような統治的権力を行使することを禁止しているものだというふうに理解をいたしております。したがって、宗教団体が政治活動をすることを排除している趣旨ではないと考えております。排除している趣旨であると私は考えております。 学説の中には、御指摘のような見解をとるものもないわけではございませんけれども、政府としては、従来から、以上述べましたような見解をとっているところでございます。 政治上の権力とは、現在は、国または地方公共団体に独占されている統治的権力をいう、立法権、課税権、裁判権、公務員の任免権などがこれに属するというふうに私は解釈をいたしております。
○石橋(一)委員 この問題はどうしても私は納得がいかないですね。 長官、今までも統一見解その他を変えたことが九条を初めとしてあります。一たんこのようにしたよと言った場合、その後一切変えられないという議論、あるいは研究もしないよという議論、そんなことがあってはならないと私は思う。どうでしょうか、長官。
○大出政府委員 ただいまの御質問は、従来政府の質問主意書に対する答弁書として申し上げておりました政教分離の原則についての解釈を変えられないか、こういう趣旨のお話と承りましたが、一般論として申し上げますというと、憲法を初め法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図なども考慮し、また議論の積み重ねのあるものについては、全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであるというふうに考えられるわけであります。 政府による憲法解釈についての見解は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果といたしまして示されてきたものと承知をいたしておるところであり、最高法規である憲法の解釈は、政府がこうした考え方を離れて自由に変更することができるという性質のものではないというふうに考えているところであります。 特に、国会等における論議の積み重ねを経て確立され、定着しているような解釈につきましては、政府がこれを基本的に変更することは困難であるというふうに考えられるところであります。
○村山内閣総理大臣 今答弁した中に、宗教団体が政治活動をすることを排除している趣旨であると考えておりますというふうに申し上げましたけれども、それは逆でありまして、政治活動をすることを排除している趣旨であるとは考えてはおりませんということでありますから、謹んで訂正させてもらいます。
○石橋(一)委員 佐賀の補選のことについて幾らかお伺いをいたします。 現在佐賀で行われている選挙において、聞くところによりますと、これまでの各種選挙と同様、創価学会員が他県から大挙佐賀に入って、激しく選挙活動が行われていると言われております。この佐賀補選に立候補している新進党候補を勝たせようと、創価学会が全国各地より大量動員されて、戸別訪問などが大々的に行われているとの地元情報が多数寄せられています。 佐賀県内には文化会館と称する創価学会の施設が四カ所あって、そのうち佐賀市に一番大きな会館があります。まあ、夜の十時ごろから十一時、午前一時ごろまでこうこうと灯を照らして、そしてやっておるということであります。本来の宗教活動が行われるべき宗教施設を利用してこのような選挙活動が行われているのかと地元で批判の声が上がっているところであります。 その中で、学会関係者は、例えば選挙の際に、全国に一千カ所以上もある学会の会館がそのまま選挙事務所として使われているのは事実だし、それらが宗教施設である以上、まさに無税の金で建てられているわけで、実質的にはお布施が選挙資金に化けているという指摘はそのとおりですと証言している部分があります。 仮に佐賀の選挙におけるような選挙活動が行われているとすれば公職選挙法の問題があると思いますが、自治大臣、いかがお考えになりますか。短く答弁してください。
○深谷国務大臣 佐賀県の選挙についていろいろな風評があるとは聞いていますけれども、お尋ねの具体的な事柄について自治省として把握しているわけではありませんから、一般論として申し上げさせていただきます。 宗教団体も会社や労働組合と同じように、選挙運動を含めて、政治活動が禁止されているわけではありません。しかし、選挙運動については、当然のことでありますが、公職選挙法に従って行うというのが大原則でございます。そういう意味からいけば、例えば戸別訪問の禁止であるとか、候補者以外の第三者が主催して個人演説会を行うなどというのは禁止されております。 いずれにしましても、具体的な事象を基本として、法に違反することがあれば、警察当局が厳正に対処していくことは当然のことであります。
○石橋(一)委員 あと二、三質問が残りましたが、時間が参りましたのでやめます。
○越智委員長 次に、輿石東君。
○輿石委員 今回の法改正をめぐるきょうまでの論議の中で、新進党の皆さんの一番問題にされました点は、今なぜ法改正か、その法改正を急ぐ理由は何なのかそれよりもむしろオウムを根絶するという、その対策の緊急的な対応こそが必要であろうという論調でありました。しかし、早期の法律改正を望む国民世論は相当なものでありまして、各世論調査を見ても八〇%を超えているという状況であります。 また、法改正の審議会報告をめぐる問題についても御論議がありました。そして、中身に入りまして認証制度の入り口の認証の問題と、今度新たに法改正をされて設置をされました七十八条の二の報告あるいは質問権の問題に皆さんも論議を集中させたことは当然であると思うわけであります。 そして、おまえの地元はどうなっているか、その問題をどうするのだという御批判もありますから、私は、その問題についてきょうはお願いをしたいというふうに思うのであります。 オウム真理教の解散決定後の清算手続に当たって、土地や施設の換価処分については、教団がそこに生き残るのか、残留するのかという心配が今地元では一番強いわけであります。そうしたことを配慮しまして、その土地は国が買い上げ、その施設については国の責任において撤去するということも考えていかなければならない問題だと思います。また、国で買い上げすることが大変困難だという場合には地元県や市町村が買い上げできるような財政措置を行うということも国の責任であろうと思うわけであります。 この点についての総理のお考えと、さらにこの問題につきまして、国の本来やるべき仕事を代行するという形での機関委任事務のあり方や、さらには国と地方の役割分担ということも論議をされたように思うわけであります。したがいまして、国と地方とのかかわりにおいて、地元でオウム対策に対してかかる経費等について国が何らかの措置をとるべきだと思いますけれども、総理並びに自治大臣にその点についてお伺いをしておきたいというふうに思います。
○深谷国務大臣 ただいまの御質問に対して、オウム真理教に対する解散命令が確定いたしますと物事は清算人に託されるわけでございますから、その後の動きについては清算人にお任せするということでありますが、これらの点については総理からあるいは御発言があるかもしれません。 今の二番目のお尋ねの件は、先生御地元の上九一色村や富沢町初め山梨県において地域住民に非常に不安があった、それを解消するためにどうするかということですが、これは公安委員会委員長といたしましても自治大臣としてもきちっと対応してまいりますし、これまでも対策を立ててきたというふうに思っております。 それから、御指摘の土地や施設を地方公共団体が取得する場合、時によっては国が買い取るということもあるでありましょうが、さきに立てました経済対策の中で、公共用地の先行取得ということについて、これは積極的に国が財政支援措置を行うということになっておりまして、もしその土地や施設を公共の用に供するということの目的でお買い上げになるというような場合には、私どもは、この経済対策での決定に基づいてできる限りのお手伝いをさせていただきたい、そのための地方財政措置を講じてまいりたいというふうに思っています。 また、地域でさまざまに今まで御負担なさっておられます、例えば、ごみの処理で費用がかかったとか、あるいはイメージアップのための関連の経費がかかったとか、あるいは道路の復旧整備等でさまざまな経費がかかった、それらにつきましては、関係団体の実情を十分に伺いまして、例えば地方債の配分であるとか特別交付税の算定を通じた財政措置等を行いまして、地域が納得していただけるようなお手伝いを積極的に進めていきたい、そう思っております。
○村山内閣総理大臣 今自治大臣からも答弁がございましたけれども、オウム真理教に対して解散命令が確定をいたしますと、裁判所が選任した清算人が清算手続を開始するわけです。まず、債権債務を確定して、債権の取り立てや債務の弁済等を行うことになると思いまするけれども、それらはすべて、財産の処分は清算人に任されるということになると思います。 ただ、地元の皆さん方は、何よりもやはり再発というものを一番心配されていると思うのですね。オウム真理教による凶悪犯罪の再発防止につきましては、今なお金国手配中の者もございますから、全力を挙げてそうした被疑者の早期発見と検挙に努めるとともに、徹底した捜査を行って教団の動向の把握に努めながら、どんなことがあっても再発は防止するということで、全力を挙げて取り組んでおるということだけは申し上げておきたいと思います。
○輿石委員 村山総理並びに深谷自治大臣に温かい答弁をいただいて、地元の皆さんもほっとされるのではないかというふうに思います。大変感謝を申し上げたいと思うわけであります。 次に、一番心配になってくるのは、信者等の社会復帰、心のケアであります。 私は何としても、四月十四日にあの施設からヘッドギアをつけた五十二人の子供たちが甲府の中央児童相談所へ一時保護という形で移動していった、あの姿を忘れることはできないのであります。したがいまして、これから起こり得るそれらの信者や子供たちの心のケアについて、国としても温かい施策が講ぜられるべきだろうというふうに思うわけであります。 そこで、厚生大臣に、国としてその面についてどのような対応をされるのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○森井国務大臣 全国の保健所でありますとか精神保健センターでありますとか、施設がございますが、そういったところに精神保健相談員というのを置いておりまして、この相談員は、精神障害あるいはメンタルヘルスについての知識やカウンセリングの技術を持った職員でございまして、それで信者等に対応していきたいというふうに考えております。 また、過酷な修行と称することが行われたわけでありますが、地域によってはそれぞれ医療機関がございますので、十分対応できるというふうに考えております。 厚生省といたしましては、精神保健施策を十分に活用することによりまして、精神的な問題を抱える信者の方が一日も早く健康を回復されるように、これからも努めてまいりたいというふうに考えております。
○輿石委員 もう一点、文部大臣にお尋ねをいたしたいと思うわけですけれども、解散命令の出た四日後に、高崎市でオウム教団の高崎支部の支部長が傷害等で逮捕された折に、五人の女性の在家信者がおった。その中の二人は中学生であった。そして、週末には二十人、三十人という子供たちがその教団に出入りをするという状況は、教育上ほうっておけない問題だろうというふうにも思うわけであります。この点についてどう対処されるのか、お伺いをいたします。
○島村国務大臣 お答え申し上げます。 オウム真理教につきましては、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたなどの理由により解散命令が出されているので、児童生徒の健全育成を図る観点から、学校や教育委員会において、家庭や地域と連携し児童生徒の慎重な行動を求めるなど、適切な対応が行われるよう指導してまいりたい、こう考えております。
○輿石委員 最後に私は、法案の中身にかかわって、認証の問題や七十八条の二をめぐっても、実態把握をするためにどうしても結局行き着くところは、その宗教団体がいかまる団体であるかどうかの把握が問題になってくる。その判断基準が明確でないところに、入り口の認証についても実態把握についても、問題が次々に派生をしてくるこの認証制度の限界、法案の限界というものを見ざるを得ないわけであります。 したがいまして、この問題にかかわって、第二十四回国会の法務委員会において、昭和三十一年六月三日ですか、「不正なる宗教活動に対する決議」というのが行われているはずであります。この中身を逐一読み上げることは時間的に許されませんが、この問題にかかわって今後審議会等で論議をされる判断基準等の参考になろう、たたき台になろうと思うわけですけれども、文部省の見解を聞いて私の質問を終わります。
○島村国務大臣 御質問にお答えいたします。 昭和三十一年六月三日の衆議院法務委員会において、御指摘のような「不正なる宗教活動に対する決議」がされたことはよく承知しているところであります。当時、文部省では、この決議を踏まえ、同年十月に宗教法人審議会に認証、認証の取り消し等のあり方の改善方策について諮問し、昭和三十三年四月に答申が出されたところであります。当時の状況からして法改正には至らなかった、こう承知いたしております。 今回の宗教法人審議会の検討におきましては、昭和三十三年の審議会答申も視野に入れた議論やその後の法の運用、社会の変化等を視野に入れた議論が行われたところであります。しかし、宗教法人審議会においては、従前から御説明を申し上げておりますように、所轄庁のあり方、情報開示、認証後の活動状況の把握のあり方の三点に絞って御検討いただいたところであり、昭和三十一年の決議にある認証事項等については、今回の法改正には含まれておりません。認証のあり方等については、基本的な重要な制度でもあり、慎重な検討が必要と考えております。
○輿石委員 ありがとうございました。 以上で終わります。
○越智委員長 次に、中島章夫君。
○中島(章)委員 宗教法人審議会のあり方について御質問を申し上げます。 私は、これから世紀の変わり目に向けて、宗教とか芸術とかこういう問題は非常に大事な問題になっていくと思っております。 さてそこで、昭和二十六年以来、宗教法人審議会というのを今まで百三十一回やってきているはずでございます。これは調べてもらいました。この中で、今回のような宗教の制度に関するような問題をどれぐらい議論しているかといいますと、昭和三十一年から三年にかけて五回あります。今回も五回ございまして十回、百三十一回中の十回、つまり九割以上というのは本来の、宗教法人審議会のこの条文にもございますように、個別の具体的な認証なんかの処理とかその不服審査、こういう案件をやってきているわけでございます。 したがいまして、宗教法人審議会そのものは、通常の観念からいいますと、そういう個別の案件を審査をしていたわけですが、今回ああいうオウムの事件のような問題が起こって、実は昭和二十八年の宗教法人審議会の決議にもあるわけですが、見渡して、ここしかないわけであります。 そういう意味で、文部大臣がここに諮問をされて、今回の問題が検討された。そして、構成は後ほど申し上げますけれども、大変バランスのとれたいい結果を出してもらった、こういうふうに思っております。したがいまして、この問題はそれでよろしいのですが、政策が今後やはり重要な問題になってくると思うのですね、今までの経緯以外に。 そこで、文部大臣にお伺いしますが、今後とも宗教法人制度についての検討というのを宗教法人審議会においてやってもらうというつもりがおありかどうか、伺いたいと思います。
○島村国務大臣 今回の法改正もその意味合いを持ちますけれども、当然、社会の変化や、宗教法人活動についてもいろいろこれから変化していくものがあるし、またさらに複雑化するということが予想されます。そういう意味では、必要に応じてそういうものを検討していくことは必要だ、こう考えます。
○中島(章)委員 そういう必要は今後さらに深まってくる、こう思うのですね。 今回の法改正で、七十二条のところで、十五人というのを二十人にということになっております。今までの構成は、既に今までの御論議でも出てまいりましたように、宗教団体の関係者が十一人、学識経験者等が四人という構成になっておりますが、今後二十人というふうにふやしていきます上で、幅広い視野に立った宗教政策論議をしてもらう、あるいは制度論をしてもらうということのためには、やはりきちっと学者、研究者、あるいは国民の目から見てなるほどこの人はというような人をぜひ加えていただきたいというふうに考えますが、文部大臣はその構成についてどのようにお考えになっているか、伺いたいと思います。
○島村国務大臣 お答えいたします。 御高承のとおり、現在の宗教法人審議会には、十一名の宗教家が委員となっております。これは、現在の宗教界の状況等を勘案してのものであります。 今後、宗教法人審議会では、宗教法人制度のあり方についての検討や、従来の付議事項とともに、新たに法改正により付議事項に加えられる案件の審議を行うこととなるわけであります。審議する案件は今後ますます複雑多様化すると考えられますし、幅広い角度からの検討が必要になることは当然であります。 そのためには、委員の総数を二十人に増加するとともに、審議会委員の構成につきましては、現在以上に幅広い範囲から、学識経験者を委員に選任するなど、学識経験者の比率を現在よりふやす必要があろうかと考えております。
○中島(章)委員 ぜひその方向で、国民の方を向いた、見識の高い人を選んでいただきたい、こう思います。 それから、最後に一点だけ確認をさせていただきますが、九月二十九日の閣議決定におきまして「審議会等の公開」、これは実は私どももこれに絡んできたわけですが、これを閣議決定してもらっております。 現在、国にあります二百十九の審議会のうち、行政処分とか不服審査、紛争処理等の問題を取り扱うのは二十七と言われておりまして、この宗教法人審議会もそのうちの一つに数えられているのです。これはこの閣議決定の原案をつくります行革プロでも最後で念を押したわけですが、この宗教法人審議会においても、政策審議を行うというときにはこういう閣議決定の方針、つまり公開の原則というものを原則として守っていくということが必要だと思いますが、その点について文部大臣のお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○島村国務大臣 今先生おっしゃいましたとおり、まさに、宗教法人審議会、個別のプライバシーにかかわる御審議を願うこともございますし、また同時に、このことは非公開ということを前提に、中立、公正な御意見を求めるという場を用意しているわけでございますので、これらの理由により、これらは公開しないで御検討いただく、こういうことになろうかと思います。
○中島(章)委員 終わります。
○越智委員長 次に、正森成二君。
○正森委員 私は、破防法の発動の問題について、論点を絞って伺いたいと思います。 当委員会におきましても、公安調査庁の長官の判断で破防法適用に踏み切るべきだという意味の質問が議員から繰り返し行われました。これについてはわけがありまして、本年十月十九日の法務委員会における答弁で、公安調査庁長官は、破防法の適用、つまり団体規制の請求については、「この手続の開始については、公安調査庁長官の専権事項ということになっております。」こういうことを言っております。ところが、専権事項というようなことが法律の世界であるのか。法律学辞典を引いてみますと、専権事項などという解説は一つもありません。 ところが、なぜこんな法律学辞典にも載っていない言葉を使ったのかといえば、わけがありまして、ここに日本経済新聞の本年十月五日付の記事を持ってまいりましたが、その中で書かれているのでは、「同庁は」、つまり公安調査庁は、「「解散請求は公安調査庁の専権事項で、法的には政府の了解を取り付ける必要はない」と強行突破を唱える声もある。」ということが出ております。まさに、政府の了解を取りつける必要がない、こういうことを念頭に置いて公安調査庁長官は、法律学辞典にもない、専権事項である、こういう答弁をしたわけであります。 ところが、当委員会で多くの質問が行われた中で、さすがの公安調査庁長官もこのような答弁を維持することができないで、私の判断によれば、明確にこの法務委員会における言明を変更したというように私どもとしてはとっております。 また、法務大臣、きょうは時間がございませんので直接質問はしませんが、法務大臣も委員会で、公安調査庁も法務省の外局であり、法務大臣の指揮監督のもとにある、さらに突き進んで、公安調査庁長官と法務大臣の判断が異なることもあり得る、こういうように答弁をされました。 そこで、法制局長官に伺います。公安調査庁という役所は一体行政権に属するのかどうか。行政権に属するとすれば、憲法六十五条「行政権は、内閣に属する。」あるいはまた憲法七十二条「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。」こう規定し、また憲法六十六条「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」こう定められております。これは、議院内閣制のもとで民主的な行政を行う上で不可欠のことであります。 この二点について、法制局長官の答弁を求めます。
○大出政府委員 公安調査庁は法務省の外局として設置されており、内閣の統括のもとに行政事務をつかさどる国の行政機関の一つであるということであります。 憲法第六十五条は、「行政権は、内閣に属する。」と定めるとともに、六十六条第三項は「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」と定めているところであります。公安調査庁は、公共の安全の確保に寄与することを目的とし、破壊活動防止法の規定による破壊的団体の規制に関する調査及び処分の請求等に関する国の行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関であり、この公安調査庁による行政についても、内閣が国会に対し連帯して責任を負うことは当然であります。
○正森委員 法制局長官から明確な有権的解釈が出されました。私は、非常に失礼ですが、再々御答弁にはなっておりますが、内閣総理大臣の御所見を承って質問を終わります。
○村山内閣総理大臣 今、行政上の解釈につきましては法制局長官から答弁があったとおりでありますが、今委員からもお話がございましたように、破防法の規定の上では、団体規制請求手続の権限は公安調査庁長官にある、こういうふうにされているわけです。また、この手続は準司法的な色彩が大変強いというふうに思います。 しかし、今法制局長官からもお話がございましたように、破防法所定の団体規制の請求が一つの行政行為である限りは、それを主任する法務大臣にも責任がありますし、同時に行政の最高責任者としての総理大臣にも責任があるというふうに私は思います。 したがって、この法の適用については、いつも申し上げますように、法と証拠に基づいて厳正にやるべきものであると、特に基本的人権に関する問題であるだけに慎重な扱いをしてほしいと、こういう意見については変わりはございません。
○正森委員 終わります。
○越智委員長 次に、石井紘基君。
○石井(紘)委員 私は、宗教法人法について、この程度の改正をするのは至極当然であるという立場から、しかしながら、大変大きな問題が幾つか残っているという点を指摘をしたいと思います。 政府の方は、この改正をもって再発防止ができるというものではないというふうに言っているようでありますが、それであるならば、再発の全面的な防止ということについての問題意識ぐらいは出されたらどうか。この全面的な再発防止をするためには、オウム問題というものが一体どういう問題であったのかということについての全容の解明が必要であります。 全容の解明については、アメリカの議会だとかロシアの議会だとかオーストラリアあたりでは、どうしてこのオウムというようなものが生まれてきたのか、そして今日のようにこうやって広がってきたのかということについて、はっきりとした見解をちゃんと出しているんですね。我が国ではどこがそれはやるんですか。 警察は具体的な犯罪事実があったもののみについてしか捜査できませんから、警察はそれはできません。その権限がないです。まあ、警察にその権限を与えると私は言っているわけじゃありませんので、誤解をしてもらいたくないんですが、議会としてあるいは政府として、そういうものを出す必要があると思います。ただ、今すぐ出せと言ってもそれは無理でしょうから、私は幾つかの提案をしたいと思います。 その前に、オウム問題というのは一体何なのか。ただ単にオウム真理教というものが宗教団体というような仮面をかぶって、法律的に言うとこれは宗教団体になるんですけれども、仮面をかぶって犯罪を行った犯罪集団なのか。あるいはオウム問題というのは、私はただ単にそれにとどまらない。霊感商法、霊視商法、そしてもう全国至るところにいっぱい、詐欺まがい、恐喝まがい、横領まがい、こういう問題があり、心ある弁護士さんは東奔西走して日夜、本当にこれは弁護士の費用も出ないでそういう問題に取り組んでいる。 最近ようやく満願寺の問題だとか明覚寺、宗教法人の休眠のものを買収して、そして悪徳の金もうけをやっているというようなことがようやくこのオウムの問題を追及する風潮の中で出てきてはいる。しかし、これは表に出てきただけの被害総額、昨年一年だけで三十五億円もあるという、これはもっと何倍も実際にはあるわけです。 こうした問題やオウム問題、これは総じて社会に根差している、社会の中にこういうものを生む、そういう土壌があるんじゃないんですか。ただ、いつの時代にもあるような、だましたりだまされたというような問題じゃない。団体というものをつくって、そしてこの組織社会、団体社会の中において金もうけをやる、個人の欲望を満たす、そして権力をねらう。こういうようなことが、日本だけじゃない、ヨーロッパでもアメリカでも社会的な問題となっているわけです。こうした問題に対して、研究する必要が少なくともあるんじゃないですか。そして総体的に解決策を出していく。 それで幾つか提案をしたいと思いますが、後で全部一括して答えてください。 総理は、やはり国際的にもこういった問題を研究する、協議する、そういうことを提案していったらいいじゃないですか、どこの先進国にもあるわけですから。それからまた、政府としても、あるいは総理のもとにでもいいですから、研究をし、そして新しい立法措置が必要なら、立法措置をとるというようなことまで含めてやっていくということをぜひやってもらいたいのと、そして若い人たちに対して可能性を与える、希望を開くという、これは行政改革を総理が腹を決めて断行していく、そして日本の社会そのものの若返りを図っていくということによって、若い人たちが、努力をすれば可能性が開かれる、夢が持てるということを、そういうメッセージを発するということが、やはりこれは政治的な、法律では片づかないもう一つの問題です。 そのほか、私、いろいろありますが、もう一つ、自治大臣でもどなたでもいいですが、いわゆる霊感商法だとか霊視商法だとかをやっているグループがいろいろなところに施設をつくるんです。で、近所の住民は大多数がこれに反対して、恐怖におののいているわけです。こういったことに対して、やはりもうそろそろ一定の、これはもう腹を決めて対処をしていくということが必要だろうというふうに思いますので……
○越智委員長 石井君、時間ですから、結論を出してください。
○石井(紘)委員 あとは答弁漏れがないように、ひとつ答弁をお願いします。
○深谷国務大臣 ただいまの御高見は承ったんですが、どれが御質問だか正直わかりませんので答えようがありませんが、最後の部分で、いわゆる霊感商法の拠点進出等についてトラブルが起こった場合に、未然にそれを防ぐようなきちっとした対応をせよということでございます。警察といたしましては、情報収集の把握に努めるとともに、さまざまなトラブルの未然防止のために全力を尽くしたいと思っております。
○村山内閣総理大臣 国際関係で、情報を交換し合って国際的な協力関係をつくっていくことは極めて大事だと思います。 十二月には、カナダで開かれる予定のサミット・テロ対策閣僚級会合等が行われることになっておりますが、政府としても、国際協力の必要性を強く訴えるとともに、化学・生物テロへの対応策について、関係各国間の情報交換を積極的に推進をして取り組んでいきたいと考えております。
○石井(紘)委員 ありがとうございました。
○越智委員長 次に、革川昭三君。
○草川委員 草川です。 まず、法令協議の問題について小野次長にお伺いをいたします。 あなたは、この改正案の策定以来、現場の指揮をずっととっておみえになったと思うのですが、そういう意味での責任者と理解をしておりますけれども、それでよろしゅうございますか。
○小野(元)政府委員 私の立場は、宗教法人審議会の事務局と、それから法案作成につきましては、文化庁次長という立場でございますので、庁内の仕事をある程度取りまとめていくというのが私の仕事だと思っております。
○草川委員 まあ実質的な責任者と私は受けとめているわけです。 改めて問いますが、あなたは、宗教法人審議会の報告取りまとめの席上、ここでも何回か議論に出ておりますが、伏してお願いをしますという発言をしております。それにもかかわらず、審議会の多数の委員から激しい批判を浴び、この国会の場でも、さらしものというと大変恐縮でございますが、連日大変苦しい答弁をなすっておみえになります。 官僚というのは、一国の政策をあなたたちのその頭脳から生み出す誇り高い集団だと実は私は思っているわけであります。小野次長、あなたは、誇り高き行政マンとして、今回の改正案策定の経緯を顧みて、そのプライドに対して一点の恥じるところもないのかどうか、改めてお伺いをしたいと思います。
○小野(元)政府委員 私の立場は宗教法人審議会の事務局の一員ということでございますが、私といたしましては、九月二十九日の時点で、できればこの時点で報告をおまとめいただきたいという考え方を持っておりましたので、その旨を御説明したことはございます。 私としては、私の信念に基づいて行動しておるところでございます。
○草川委員 法案策定に当たって、主務官庁は各省に対し法令協議の手続をすることになっております。相談するわけですね、各省庁に。 例えば、これは大蔵省の銀行局に聞きたいわけですが、先般、地震保険に関する法律施行令の一部を改正する政令案について各省の法令担当官に協議を求めております。その際、協議を求める文書を何日付で出し、意見のある場合には何日に、期日ですけれども、お答えをしてもらいたい、こういうことを言ったのか。これはもう本当に事務的な話ですが、大蔵省にお伺いをしたいと思います。
○永田説明員 お答え申し上げます。 政令の協議でございますが、九月二十九日に各省庁に対しまして出させていただきまして、十月四日に意見等の提出を求めたところでございます。
○草川委員 九月二十九日に銀行局から各省庁に対して、一部を改正する政令についてこういうことをやるのだが意見があればお答え願いたい、こういうことを言っているわけです。 じゃ、防衛庁にお伺いをしますが、防衛庁は、自衛隊法施行令の一部を改正する政令案について官房総務課が、十月五日、各省庁さんよ、御意見がございましたらどうぞ御連絡ください、十月十二日までに答えていただきたい、こういう通達を出しておるわけですが、そのとおりかどうか、お伺いをします。
○江間政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま御指摘の政令は、自衛隊の災害派遣の要請手続の簡素化を図るための政令と思いますが、御指摘のとおり、閣議にかける過程におきまして、五日付で各省庁に協議を諮りまして、十二日までに回答をもらうよう各省庁にお願いをしたところでございます。
○草川委員 先ほど、大蔵省の方は四日ないし五日間の期間があるわけですね、相談をしてくださいという。防衛庁の方は、今、約一週間の期間を与えて各省庁の意見を求めている。 もう一つ、たくさんあるのですけれども、法務省に聞いてみましょう。法務省の民事局第二課、これは、戸籍手数料令の一部を改正する法令案について、九月二十八日に各省庁の法令担当官にペーパーを出しておりまして、十月四日午後五時までに文書で、意見があったらお答え願いたい、こういう通達を出しておるわけでございますが、そのとおりかどうか、お伺いをします。
○濱崎政府委員 御指摘のとおり、九月二十八日付をもちまして協議を発出いたしまして、十月四日までの回答をお願いをいたしております。
○草川委員 これは申し上げますと随分たくさんあるのですが、大体四日なり五日という間を置いておる。しかも、こういう期間については、内閣参事官室からマニュアルというのですか、少なくとも二週間程度は余裕を持った方がいいですよというような、参事官室から各省庁に連絡が行っておる。 ところで、小野次長にお伺いをいたしますが、宗教法人法の一部を改正する法律案についての協議は、私が今言ったような各省庁に対する要請は、いつ要請し、意見がある場合の期日は、何日までにと指示をいたしましたか、お伺いをします。
○小野(元)政府委員 この法案につきまして、各省庁への協議の問題でございますけれども、事前協議を開始をいたしまして、法案を持ち込んで協議をお願いしたのは十月五日でございます。そして、これについての回答をお願いしたわけでございますけれども、それは御意見等がある場合には十月の六日までに御回答願いたいということをいたしました。
○草川委員 今御答弁があったように、ほかの役所は一週間なり三日なり四日でしょう。今ここの場合は、五日で六日に出せと言うんですよ。これは、私は随分問題があると思うんですね。 要するに、ここで私が言いたいのは、この文書を見ますと、冒頭に、緊急に今国会に提出をする必要が生じた、それで、緊急に提出をしなければならないから五日に出して翌日の六日まで意見を出してくれと。大変なこれはクイックアクションですよ。役所の中では、大体スローモーションが役所の原則、これは大変なことです。 しかも、「なお、条文については」云々というのがありまして、「その取扱いは厳重に注意願います。」おかしいですね。これだけオープンで、役所と役所の間に意見があれば頼むよというのに、厳重に取り扱いはやりなさいよ。マル秘なんです。何を言いますか。一週間だとか十日間だなんて言っているし、マニュアルは二週間。 改めて聞きますけれども、こういうように非常に焦っているわけですが、これは文化庁の事務当局だけの意思だったのでしょうかどうか、お伺いをします。
○小野(元)政府委員 御指摘のように、原則閣議決定予定日の二週間までということがあるわけでございますけれども、十分時間的余裕を持って協議するいとまがないような事例もあるわけでございまして、そういったやむを得ない場合等に、協議開始がこの期間におくれるという例はほかにも見られるところでございます。 いずれにいたしましても、協議を受けられました省庁におかれまして、内容及び日程について了解をいただきまして、法令協議が調ったということで法案が閣議決定されたものでございます。 私どもといたしましては、国会日程等も考慮し、多くの国民の宗教法人法改正への期待に迅速にこたえるために、若干期日は短かったわけでございますが、お願いをしたところでございます。
○草川委員 だから私は、事務局だけの判断でこういうことをやったんですか。あるいはこの国会でいろいろとありますけれども、宗教法人審議会のいろいろな経過の中でもかなり政治的な圧力というのが行政に反映をしているんじゃないかということを盛んに同僚委員が質問しておるわけです。これもその一つの例だと思うんですが、ここで誇り高き小野次長に余りこういうことを言っておりましても、将来のある方でございますから、もう少しこれは話を進めていきたいと思います。 そこで、文部大臣、お伺いをしますが、もう一度、この委員会で何回か議論が出ておることですが、基本的なことについてお伺いをしますが、今回の法律改正は、宗教法人のあらゆる情報を収集し所轄庁の権限強化を図るのが目的ではないとおっしゃっていますが、そのとおりでございますか。改めてお伺いをします。
○島村国務大臣 そのとおりであります。
○草川委員 じゃ、小野次長、小野次長も同様な見解ですか。お伺いをします。
○小野(元)政府委員 御指摘のとおりでございます。
○草川委員 では、小野次長は、先ほどから言っておりますように、大変誇り高き高級官僚でございますが、あなたの前であえてお伺いをしたいと思います。今から私が述べることは、いわゆる文部大臣の本性というんですか、本当の気持ちを端的にあらわしている発言があるわけですが、私はそれを今から申し上げます。 あなたはこういうことを言ったんですね。今度の改正案が通ったら、毎年創価学会を徹底して身体検査をしてやる、着太りしているんだか本当に太っているんだかわからないが、ともかくパンツの中まで、けつの穴まで見てやる、こういうことを言ったんですね。 もう一回言いますよ。今度の改正案が通ったら、毎年創価学会を徹底して身体検査をしてやる、着太りをしているんだか本当に太っているんだかわからないけれども、ともかくパンツの中まで、けつの穴まで見てやる、こういうことをあなたは言ったんですね。 小野次長、小野次長に聞くよ。誇り高き頭脳が生んだ宗教法人法改正案が、創価学会のけつの穴まで見てやるためのものだと大臣は発言しています。あなたたちは、創価学会のパンツの中を見るために伏して審議会の委員にお願いをして法律をつくったんですか。どうなんでしょう。つくった小野次長のひとつ答弁を明確にお願いをしたい。まず小野さんから行こう。(発言する者あり)まず小野さんから行け。私の質問に対して答えなさい。後で聞くから。後で聞くから。(発言する者あり)
○越智委員長 島村文部大臣。
○草川委員 後で聞くから。後で聞くから。委員長、こっちから行くんだよ。委員長、こっちから行くんだよ。何言ってんだよ。
○越智委員長 先にお答えさせますので。後で。後で。
○草川委員 後で聞くから。後で聞くから。私の質問に対して答えさせてください。
○越智委員長 後で答えさせます。後で。
○島村国務大臣 委員長から御指名をいただきましたので、発言をさせていただきます。 その発言が何に基づくものなのか、まず明らかにしていただきたい。
○草川委員 じゃ、もう一回、私の質問に答えてください。
○小野(元)政府委員 私どもは、今回の法改正は特定の宗教法人を念頭に置いたものでは全くございません。
○草川委員 じゃ、今文部大臣が否定をされましたね。どこでどういうことを言ったか言えと言いましたね。言いましょう。そこまでおっしゃるなら私は言います。私は、文部大臣はしらを切っておる、こういうふうな立場だと思うんですね、今の御発言は。 これはほんの一例なんですけれども、いつ文部大臣がこのような暴言を吐いたのかあえて暴言と言います。教えてあげます。 法案が提出されました直後の十月十九日、衆議院本会議中あなたは休憩をしましたね。国会議事堂二階にある自民党の控室で。この日はちょうど約二時間の本会議。疲れたと思うんですが、あなたは外へ出たと思うんです。自民党の控室で言った発言なんです。これがあなたの本音なんです。言おうと思えば幾らでも言いますけれども、そういうことを言ったことは事実なんです。お答えを願えますか。 ここで、総理大臣。文部大臣にここで何回答弁をされても、こういう暴言が聞こえてくるようでは、我々に今の文部省の答弁を信用しろと言っても無理です。総理、我々がこういう質問をするということについて、あなたはどう思いますか。お答え願いたい。
○村山内閣総理大臣 これは文部大臣の人格にも関する問題ですし、文部大臣は言っていないと否定しているわけですから、私はそれを信頼します。
○島村国務大臣 革川さん、そこまでおっしゃるのならば確かな証拠を出していただきたい。
○草川委員 あの場所は、私だってそばをしょっちゅう通っていますよ。オープンじゃないですか。何人かの人が、同僚の自民党議員だっているんだから。あなた、私の顔の目を見て答弁しなさい、私の顔の目を見て。
○島村国務大臣 いいですか。私から目を離さないでいただきたい。私はそういうことを言っておらないと言う。あなたは言ったと言って私の名誉を今傷つけようとしている。それだったら、しっかりした証拠を出してください。
○草川委員 そういうことについては我々は幾らでも証拠があります。 だから問題は、あの自民党の控室であなたが言ったということを私は言っておるわけ。それで、あなたがもしもそういうことを言ったんだったら、あなたはバッジを外して大臣をやめなさい。私だって長い間--ちょっと待ってください。私は予算委員会が恐らくこの中で一番長い。毎年毎年何らかの問題を提起しておりますが、すべて私は、自分みずからが資料を集め、そして新しい事実を提起し、そして多くの方々に私の発言については理解をしてもらったからこそ私は理事を長くやっているんですよ、ここで。だから、私は信念を持っているんです。
○島村国務大臣 あなた御自身がそこまでおっしゃるならば、私は先ほどから確かな証拠を出してほしいと言っている。そして同時に、立場をかえて、逆に私があなた自身を傷つけようとして心ない言葉にいろいろな彩りをつけて、そしてあたかも事実があったように日にちなどを指定して、そしてそれを出したからには、私も当然あなたから証拠を求められるはずだ。その証拠があるならきちっと出していただきたい。
○草川委員 私は、ここで発言をする以上は私なりにいろいろな情況証拠をみんな持っています。だから、これは後で言います。だから、今度の会期中に慎重審議をするなら、まだこれからどんどん続くのだから、きょうの午前中には終わらぬのだから、ずっとやるのだから私は改めて提出をします。 そこで、今度は、あなた一人だけじゃないんだよ、この閣僚の中で問題のことを言っているのは。今から言いますよ。例えば、私は日韓議員連盟の副会長をやっております。いいですか。最近の閣僚発言で、いろいろな閣僚発言によってソウルにおける日韓議員連盟の総会の見通しが立っていない。それは村山総理の発言あり、それから文部大臣の過去の侵略戦争問題の発言あり、それからさまざまな最近の閣僚の問題があるから日韓議員連盟の総会ができていないのですよ、予定されておるのだが。 韓国の孔外相が日本の山下駐韓大使に対し、江藤総務庁長官の、植民地時代日本が韓国にいいこともしたなどと発言した問題について、大局的見地からの決断を求め、事実上の江藤長官の更迭を求めてきたと言いますが、総理の見解をこの際明らかにしてください。
○村山内閣総理大臣 江藤総務庁長官が日韓併合、植民地支配について行ったとされる、これはオフレコで懇談の席で述べられたと思いますが、発言については新聞報道などを通じてその概要を私も承知をいたしております。その発言は朝鮮半島の方々の気持ちをいだく傷つけるものであり、極めて私は不適切だったと考えています。 よって、本日、江藤長官を呼んで厳重に注意をしたところでありまして、江藤長官も改めて記者会見を行って、発言を撤回して陳謝の気持ちを明らかにすることを指示をいたしました。長官は既に記者会見を行ったところでございます。 この厳重注意はこの問題に対する政府としての強い姿勢を示したものでございまして、長官も真摯に反省をし、みずから発言を全面的に撤回された意のあることにつきましては、韓国政府、国民に御理解を得たいと考えています。
○草川委員 厳重に注意をしたと言うけれども、桜井元環境庁長官、島村文部大臣、今度は江藤長官、あるいは村山総理の例の発言、こういう問題すべて同じ問題で、国際的な摩擦を起こしておるのです。国民のひんしゅくを買っておるのです。発言を撤回すればいいのか。国際的にはそれは通用しません。 ある人物には大臣を辞職させる。過日私も言いましたが、桜井さんは辞職させた。ある人は継続をさせている。一貫性がないのですよ。厳重注意で済むのと、桜井さんの対応をやったのとは違うのですよ。何が基準になるのですか。何を基準にして対処しているのか、この際もう一度明らかにしてもらいたい。 任命権者ですからね、総理は。あなたは任命権者なんだから、その責任は非常に重大だ。あなたの責任については今触れられていない。呼んで注意をした、厳重に。その人を任命したのはあなたですよ。その点についてはどうですか。
○村山内閣総理大臣 私が総理大臣として任命した大臣ですから、その大臣の不適切な発言について厳重注意をしたということが私の決断であります。 これは、以前の例を引いてお話がございましたけれども、発言の内容とかその発言を取り巻く情勢とか、そういうもろもろのやはり観点を判断をして結論を出すのは当然だ、私はそう思っています。
○越智委員長 島村文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。島村文部大臣。
○島村国務大臣 先ほどの草川委員の御発言は、私はきちんと証拠をまず示していただきたい。そして、あなた御自身が勝手に何かそういうものを想像しておやりになったということであるならば、私はこういう公式の場で謝罪を要求し、その訂正を求めます。
○草川委員 私はこのバッジをかけてしゃべっているんだから、訂正する必要はありません。(発言する者あり)出すよ。だから、我々が要求するように会期内で一生懸命審議をすれば、いつでも出すぞ……(発言する者あり)黙って聞きなさい、黙って。またここ、重要なんだから。 平成五年の十月五日、細川内閣に対して江藤さんはここで質問をしております。江藤さんはそれを質問しております。そのときの議事録は、かなりこの侵略戦争について細川総理に、細川総理が侵略戦争についての反省を述べたことに大変強い抗議をいたしております。そういうことを知りながら、彼の哲学ということを知りながら、村山総理が江藤さんを任命をしたということは私は問題があると、こう思うんです。それを今指摘しているんですよ。だから、この閣僚全体のことを言っているんですよ。まだこれからどんどん出るんだから。 いいですか。江藤長官に改めてお伺いをしますが、あなたが記者に対してオフレコをかけて話した内容は、報道をされている以外にはありませんか。報道をされている以外に何か重大な発言をしていませんか。
○江藤国務大臣 オフレコ発言というのは、記録もありませんし、しかも一月前のことでありますから、私は、この世の中に存在しないと思っております。したがって、改めて、誤解があってはいけませんから、まとめて公式にいわゆる私の見解を記者クラブにおいて発表したところであります。
○草川委員 じゃ、官房長官にお伺いします。 江藤発言は、報道をされているもの以外にはありませんか。あなたはここの委員会で、調べたと、こう言っているんです。調査をしたと言っているんです。それで、総務庁からあなたは報告をもう既に受けておるはずです。そのことについてお答え願いたいと思います。
○野坂国務大臣 この問題については、この委員会でも御質問がございましたが、総務庁からの報告は、別段オープンで懇談をやっておるわけではないんですから、御本人に二回にわたって新聞をお持ちしながら内容的にはただしました。したがいまして、新聞に出ている以外はないというふうに私は承知をしております。
○草川委員 今、オフレコだとかどうのこうの言っていますが、我々もそうですけれども、いろいろと新聞記者の皆さんとお話をすることがあります。その人の考え方、哲学というのはそういうところで表明されるんですよ。だからこそ新聞記者という方々は、個人的にもいろいろと夜討ち朝駆けをしながら政局の展望というのを判断されるんじゃないですか。それを、オフレコだからその言ったことについては責任を持てない、これはおかしいんですよ。 それで、官房長官は、そのとき以外には何もない、こう言っておりますけれども、そういう答弁では、私は非常に官房長官の職員を全うしていないと思うんですよ。 これは私の調査によると、江藤長官は問題の記者懇談会の席上以外に重大な発言をしております。官房長官はそういうことを承知していないという答弁でありますが、じゃ、私の方から指摘をしましょう。 江藤長官は、この懇談の席上で、南京大虐殺についてもあなたは発言をしているんです。その中で、あろうことか、日本だけが悪いことをしたというのは誤りだと居直りの発言をしています。さらに、南京大虐殺は東京軍事裁判から出てきたものだ、こういうように言っているのですね。あたかも大虐殺が裁いた側のでっち上げであるかのごとき発言までしております。また、大東亜戦争はほかに選択の道があったのかということを問わねばならないと、さきの大戦を正当化するかのごとき発言をしているのです。 文部省、こういう歴史認識は今の文部省の認識と一致しておりますか。今度新しく教科書で南京大虐殺の問題も取り上げているのですが、認識は一致しているかどうか、お伺いしたいと思います。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 さきの大戦に関し、我が国の侵略行為や植民地支配などが多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことに対し、深い反省の気持ちに立つことが大切であり、今後とも世界平和の創造に向かって力を尽くしていくことが重要であるという観点から、客観的な史実に基づいた教科書の検定を行っているところでございます。
○草川委員 今いろいろとこのオフレコの発言がありますが、オフレコは何も個人的な内緒の話ではないのですよ。実質的な、オープンで新聞記者と話をし、そして我々は、お互いに政治家として発言に責任を持たなければいけないのです。この話は、もはや日本のマスコミを超えて広がっている話なのです。隠し通せる問題ではないのです。 官房長官、このことについて、あなたは江藤氏を呼んで、もう一度この私の指摘が正しいかどうかお話を聞く、調査をする、そういう気持ちはありませんか、あるのか、お伺いしたいと思います。
○野坂国務大臣 二回にわたって総務庁長官においでをいただきまして、その内容についてつぶさに御報告をちょうだいしました。あなたが言われましたように、私たちは、オフレコであろうがオンレコであろうが、事実は事実として聞かなければならぬ、こういう意味で激しく聞いてまいりました。 あなたがおっしゃったようなことは一切ありませんので、この辺は御了承いただきたい、こういうふうに思います。
○草川委員 私は注意を促したいのですが、村山内閣は発足以来、桜井環境庁長官、島村文部大臣、江藤総務庁長官、三人の閣僚が戦争への反省を問われる発言をし、あまつさえ最高責任者の村山総理でさえも、その発言が国際的に批判を受けた経緯があるのですよ。要するに、この内閣はそういう内閣なんですよ。戦争への反省が薄い内閣なんです。 だから、宗教法人法改正をめぐって、これまで我々の同僚議員の質問に対して、そこに並ぶ閣僚の方々は口をそろえて、悲惨な戦前の宗教弾圧への反省を踏まえて、信教の自由と政教分離の原則は厳に守ると答弁をしておるのです。信用できますか。(発言する者あり)あなたたちが言うように、今この自民党の諸君のやじは、そんなことは関係ない、ふざけるなと言っているじゃないですか。関係がないことはないのですよ。関係があるから、我々は、信教の自由という立場が侵されるのではないか、日本の憲法の基本的な人権というのが奪われるのじゃないかという立場から、この議論をいろいろしてきておるわけであります。 事実、改正案に対して国民の多くも、今の時代に法律を悪用して宗教を弾圧するようなことは起こるはずはないと思っている。そういうことを思っておみえになりますけれども、今の我々のいろいろな問題指摘を国民の方々に改めて聞いていただくならば、私はまた、本当に日本の国が平和であるべきだ、そして自由を守らなければいけないのだ、そういう立場から理解が出てくるのではないかと思うわけであります。 しかるに、基本的に戦争への反省が薄い。この内閣の実態を踏まえてみると、いつか来た道を二度たどるであろう。だれがたどらないと言い切れますか。そういう立場から我々は問題提起をしているのです。今村山委員長はせせら笑っておみえになりますが、かつての社会党は、事憲法を守るということは殊のほか熱心だった。人権を守るということについても、我々が指摘をする以上にあなたたちは神経を使っていたのです。 しかし、あなたたちはいわゆる権力を取ったら態度がすっかり変わっておるじゃないですか。今度のこの宗教法人法の運営についても強引過ぎるほどの強引なやり方をやっておるじゃないですか。重要なAPEC国際会議を前に平然と戦争への居直り発言をする閣僚の処分すら即断できないじゃないですか、今。そういう内閣を我々は信用してここで議論なんかできっこないですよ。あなたたちは事の基本的な人権というものを非常に軽く考える。もっと我々が主張することについて十分検討をしてお答えを願いたいものだ、こういうように思うのですが、総理の見解を改めて求めたいと思います。
○村山内閣総理大臣 社会党が憲法を守るという方針はいささかも変わっておりませんし、基本的人権を尊重するということも変わっておりません。私は、この平和憲法の柱というのは、基本的人権を尊重する、民主主義を大事にする、平和を守るというのが三本柱になっていると思いますけれども、その憲法を守るという基本理念についてはいささかも変更はありません。同時に、三党合意の中でも平和憲法を守るということは規定されたわけでありますから、三党こぞって、この内閣はその精神を踏まえてやっているつもりであります。 同時に、これは私は八月十五日の日に、五十年の節目に総理談話というものを発表いたしまして、過去の歴史に対する反省も含めて、過去の一時期には国策を誤った、朝鮮半島の皆様はもとより、アジアの関係する皆様方にも多大の苦痛と迷惑をかけたということに対して率直に反省をし、おわびをした、その気持ちについてはいささかも変わりはないわけです。 そういう立場に立って私は考えておりまするし、今度の宗教法人法の改正が、何かそこと連関をさせて、そして、そういう内閣だから基本的人権を尊重する意思はをいのではないか、むしろ戦前に返るのではないかこういう懸念を持たれるような発言がございますけれども、そんなことはいささかもございません。これはもう口を酸っぱくして、基本的人権は守る、とりわけ信教の自由と政教分離の原則は守ります、その上に立って、行政的に責任が持てる最小限のものを規定したのが今度の改正案です、こう申し上げているわけでありますから、国民の皆さんも私は納得をしてもらえるものだと確信をいたします。
○草川委員 村山総理大臣、あなたは私がきょうこの宗教問題特別委員会で当初から発言をしておることを聞いていましたか。文部省が各省庁に対して宗教法人法の意見について何か関係があるならば意見を出してくださいという、いわゆる法令協議をたった一日でやっているのですよ。なぜそんなに焦らなければいけないのですかと言っているのですよ。 あなたの今の言葉だったら、あなたの今の答弁ならば、宗教法人法の改正については、もっとゆっくりと各省庁の意見も聞きなさい、あるいはその他の国民の声も聞きなさい、そして、この特別委員会をつくったならば、この特別委員会の審議も、野党が言うように、十分野党の意見も聞きなさいとあなたは社会党の理事に言うべきですよ。 何ですか。きょうのこの会議を見たって、たったきょうの午前中しか話が決まっていないのですよ。我々は、この会期中に慎重審議をしたい、こういうことを要求をしているのだけれども、皆さん方は聞かない。強引過ぎるんですよ、あなたたちのやり方は。 じゃ、そこまでおっしゃるのですから、今度は委員長に、この特別委員会の運営のあり方について一遍聞いてみます。 重要法案で特別委員会が設置をされてきたことは事実ですね。ところで、公聴会を開かなかったという例はないんです。今まで公聴会が行われたというのは、ちょっと言いましょうか、第九十五回以降の特別委員会等々では公聴会を開催しなかった例はないんですよ。これは委員長もよく知っておると思うんです。 これは、第九十五回以前では、五十回国会で日韓条約についての特別委員会も行いました。あるいは第四十八回国会のILOの問題についてもやっておりますし、その他もろもろの、私は特別委員会の過去の実績を調べておりますけれども、ほとんどの、ほとんどというのですかすべての特別委員会では公聴会をやっておりますし、あなた自身がこの特別委員会の理事会で、公聴会は中央なり地方なり二回ぐらいはやらないけないわねと発言しているんですよ。記憶ありますか、記憶が。まずこのことについて事実をお伺いします。
○越智委員長 委員会の運営は委員各氏の意思によって行われます。その代表する理事会において逐一協議をいたしております。 公聴会をどうするかということも、私は提案をいたしましたが、どなたからも公聴会をやろうということの申し出がありません。でございますから、今までこのとおり審議を続けておる次第であります。
○草川委員 理事会であなたがそう言ったんだ。それで我々も、当然公聴会というのは必要なんだ、会期ということの大日程を与党から我々に示しなさいと言ったんですよ。だけれども、会期内における与党からの大日程が示されないからこそ、我々は日暮らしの運営をしてきたんじゃないですか日暮らしの運営を。その点はどうですか。
○越智委員長 私は委員長であります。委員長は中正、公正に行っておりますのでございますから、与党とか野党とかは委員長にはございません。皆さんの意思に従ってやっておるということであります。
○草川委員 じゃ、委員長に改めてお伺いをしますが、国民の声を聞くために公聴会を開くということについて、あなたは今どうお考えですか、明らかにしていただきたいと思います。
○越智委員長 公聴会を開くということであれば、私が公聴会はいかがですかと、こう言って理事会で提案をいたしました。そのときにすぐに反応があれば、私はそれに従って行いたいと思いますけれども、そのとき反応がないから、もう公聴会をやる必要はないんであろう、こういうふうに思って決断をした次第であります。
○草川委員 それは違うんだよ。委員長が、公聴会は中央も地方も二日間はやらないかぬねえという発言をしただけで、提案ではないんですよ。提案があるならば、我々は、そのときにも答えたように、大日程を決める中で今後の日程を協議をしよう、何回か言っておるじゃないですか、何回か。あなたの言っていることは違うよ。正確なことを言ってください、正確なことを。
○越智委員長 お答えいたします。(発言する者あり)お答えいたします。 正確に言いますと、私が、公聴会は中央でまたは地方でやったらいいんではないですかと、こういうことを申し上げた。私は、ぜひやれとも、やるなとも言ったわけではない。提案をしたのであります。ところが、どなたからもそれに対して意見はなかった。でございますから、公聴会をやらない、この決断をいたしました。
○草川委員 じゃ、これはまた後日私は言います、あなたに。いいですか、後日私は言いますが、じゃ、なぜ我々がこの理事会なり委員会でもさまざまな要求をしております資料要求について、政府側から具体的な、私どもが要求する、我々が満足をする資料がどうして出てこないの。委員長、このことについてあなたはどう思いますか、お伺いします。(発言する者あり)
○越智委員長 資料につきましては――お静かに願います。資料につきましては、与党、野党と話し合ってくださいと何回も言いまして、事実上話し合いをしておりますのでございますから、私は、資料を出すものは早く出してください、こういうふうに言っております。 以上であります。
○草川委員 ただいままでのところ、我々が要求している資料は出ていないんです、出せないと言っているんだから。我々の要求する資料をここへ見せて、それで我々が審議に参加をするというのが大原則でしょう。どうして出せるべき議事録が出せないのか。 あるいは、我々が要求をしているいわゆる物差し、例えば附則二十三項に言うところの適用区分の基準については、今なお明確な答弁がないじゃないですか。そのことについてどうなっているんですか。ここで委員長に言っても仕方がないというならば、文部省に改めてお伺いします。
○小野(元)政府委員 規模の小さい法人の基準についての考え方についてのお尋ねでございますけれども、今回の法改正におきましては、宗教法人に収支計算書の作成を義務づけるということになるわけでございますけれども、収入の額が寡少であって、そういう宗教法人については当分の間その作成を免除するということにしているところでございます。 この具体的な範囲を法律で記載していないということにつきましては、社会経済状況の変化や宗教法人の実態等を踏まえ、宗教関係者の意見も聞きながら適時適切に定めることが妥当であるというふうに考えられることと、それから法律の委任の規定におきましても、収入額が寡少であるという委任の内容が法律上明確になっております。この額の範囲を定めるに際しましては、宗教法人の収入の実態、規模の小さい宗教法人の運営の実態、宗教法人の事務処理能力の実態等を総合的に勘案し、あらかじめ宗教法人審議会の意見を聞いて決定するということになるところでございます。
○草川委員 問題は、物差しを文部省が握っているということなんですよ、判断の。その物差しをどうするんですかということが、この宗教法人審議会の審議の中でもどうするんですかという議論があるんですよ。だったら、その物差しは全国の十八万と言われる宗教法人がみんな関心を持っているんだから、今この場で明らかにしたらどうなんですか。だから、その資料については、あなたたちが審議の中では三千万円だというような、そういう議論だって出ているんですよ。一部の新聞にそういうことが書いてあるじゃないですか、新聞報道に。だったら、そんなことが、わかっていることをどうして出せないのか。あるいはまた、この宗教法人審議会に改めて聞くというが、それは公開なのか非公開なのかもただいまのところはわからぬわけですよ。 そんな、物差しを向こうへ持っていって、さあ、この法案を審議をしろと言ったって、審議できるわけないじゃないですか。いいかげんなことをやってもらっちゃ困るんですよ。だから強権なんですよ、あなたたちのやっていることは。強引なんですよ。だから、さまざまな強引なこういう運営に、少なくとも総理、社会党が手をかしちゃだめなんですよ、社会党が。社会党は長い歴史があるんだから、こういうときにこそ慎重にもっと物事を進めたらどうかと言うことが、私は、日本社会党の過去五十年に対する本当に国民の期待にこたえる方法なんですよ。そんなことはどうでもいいんだ、お役人に全部任せればいいんだと。我々が主張している戦前の宗教弾圧のむごさという立場から、我々は、本当に信教の自由というもの、憲法第二十条の原則ということを強く訴えているんですよ。そういうことについて軽々しい態度をとることはもってのほかだと私は思うんですが、総理の見解を求めたいと思います。
○村山内閣総理大臣 前提に誤解があると思うのですけれども、今回のこの改正案というのは、監督して取り締まるというために改正するわけじゃないんです。やはり公益法人である限りにおいては公益法人としての社会的責任がある。同時に、行政が認証した限りにおいては、認証という行政の責任がある。お互いに最小限度責任が保持できるようなものにしていこうではないかという意味で改正案が出されているわけですよ。 しかも私は、宗教法人には十八万からあって、そして一人でやられているお寺もありますし、いろいろ実態はさまざまだと思うのですよ。そういうさまざまな実態に対応して、無理のないように、法の趣旨が適正に行われるようにしようというためには、そういうところについては今後やはりそうした問題点を十分に検討して、そしてどういう水準でもって提出の必要のない線を引くのかというようなことについては、それこそ審議会にもかけて、そして文部大臣が決めることが一番妥当であるというふうに考えております。
○草川委員 今総理がそういう答弁をするであろうと思ったから、私は、実は十月の二十六日、この衆議院の予算委員会で総理がどういう答弁をしておるかということを今から申し上げます。 総理は、野党の石井委員の質問に対して、「全国的にわたって活動されるような宗教団体については文部省の所管にして、やはり目が届くようにした方がいいのではないか。」と、こう言っているのですよ。 目が届くということは、一見何を意味するか。これは、こういう目が届くということは、結局、役所である文部省が侵してはならない宗教団体のいわゆる管理監督、これの第一歩になるじゃないですか、目が届くというのは。わかりやすい表現なんですよ、この目が届くというのは。(発言する者あり) 何を言っているんだよ。総理の答弁を求めます。
○村山内閣総理大臣 もうこれは前段の構え方が全然違いますから、あなたは、今度の改正案は、監督し取り締まるために改正をするんだ、こういう前提ですし、私どもはそうではなくて、より公益法人としての趣旨、目的が世間的にも納得できるようなものにした方がいいんではないかそれの方が信教の自由と政教分離の原則がより守られることになるんではないか、こういう前提でもってやっているわけですから、したがって、その限りにおいては、やはり世間からもわかるようにした方がいいんではないかという意味で申し上げておるわけです。 目の届く範囲ということを言えばすぐ、監督するんじゃないか、取り締まるんじゃないかというふうに解釈することは間違いだ。そんなことは全然考えておりません。
○草川委員 じゃ、この十月の二十六日、目が届くという言葉は不適切ですよ、目が届くという答弁をしたというのは不適切。しかも、私ども、この宗教法人審議会の過去の歴史を、歴史というのですか、経緯をいろいろと関係者の方々にお伺いをしますと、いわゆる限定調査権という問題が議論の中で出てきております。
○越智委員長 草川君。
○草川委員 はい。まだちょっと私、こういう非常に重要なことを今やっているんだから、それはだめだよ。
○越智委員長 持ち時間が過ぎておりますので、簡単にお願いします。
○草川委員 だって、我々は、簡単ではないんだから、今基本的に非常に重要なことだから、我々の意見を聞いてくださいよ。(発言する者あり)だめだよ、そんなものは。だめだよ、我々はまだ残っているんだから。(発言する者あり)格好だけとは何だ。何だ、あんたは。だめですよ、我々はまだ審議しているんだから。こういう審議をあなたたちがこういう形で妨害をするというのは許せぬ。それはだめだ。 議場をちょっと静かにさせなさい、静かに。
○越智委員長 お静かに願います。 草川君、時間が過ぎておりますので、簡単にお願いをいたします。
○草川委員 いわゆる限定調査権というのは、当初はこの審議会には提案をされていなかったんですよね。それが途中で限定調査権というのが出てきたんですよ。そして、それが最終的には質問権に変わっていくわけです。これは情報開示、この問題に関連をしまして極めて重要な問題でありますから、この際改めて、どういう経過で、どういう背景があってこのような運営がなされたのか、原局の御意見を賜りたいと思います。
○越智委員長 小野文化庁次長、簡単に願います。簡略に願います。
○小野(元)政府委員 審議会の途中で、一般的調査権ということが議論されたわけでございますけれども、これについては、信教の自由との関連もございまして、委員の中からもいかがなものかという御意見がございましたので、御指摘があったような限定的調査権ということで、七十九条、八十条、八十一条について議論がなされたわけでございます。その場合におきましても、調査ということについてはいかがなものかという御意見がございましたので、質問権と報告徴収権、最終的にその二つに限定をしたものでございます。
○越智委員長 草川君、簡単に願います。
○草川委員 今事務当局から答弁がありましたけれども、当初は四月の二十五日から六月の六日、六月の二十日、七月二十四日、八月二日、ずっと続いてきておるわけですね、いわゆる特別委員会と総会と。それで、八月の三十日段階でも調査権の論議はないんですよ、当初の。原案には入ってないんだ。そのとおりでしょう。お伺いします。
○小野(元)政府委員 認証後の活動状況の把握という部分に一応そのことは入っておるわけでございます。
○草川委員 審議会には出ていないんだよ、審議会には。
○越智委員長 草川君、草川君、持ち時間を大分超えておりますので、発言をおやめください。
○草川委員 それで、文部大臣の与党のOB会というのがこの間に開かれて、そしてそこで文部省の当局に対して修正を要求するわけですよ。そういう一つの政治的な背景があるからこそ、この調査権の問題が、当初ないのにもかかわらず調査権が出てくるんですよ。それで、この調査権の議論が出て、最終的に質問権に変わっていくんですよ。当初の文部省の原案とは違うところで話が始まっているんですよ。その点についてはどうですか。
○越智委員長 最後に簡単に答弁をしていただいて、終わり。簡単に答弁して、終わり。
○小野(元)政府委員 事務局として案をつくることはもちろんございますけれども、これは審議会の委員の方々が御論議いただくものでございます。特別委員会の委員長と事務局が相談して案をつくったものについて議論が進められているものでございます。
○越智委員長 草川君、持ち時間を随分超えておりますので、発言をおやめください。発言をおやめください。
○草川委員 委員長、委員長、まだある。委員長、まだ私は質問を続行しなければいけないことがたくさんある。まだだめだ。
○越智委員長 片岡君。
○片岡委員 動議を提出いたします。 本案に対する質疑を終結することを望みます。(草川委員「まだだめだ。何が動議だ。まだあるんだよ、我々は。まだ我々は質疑をやっているんだよ、基本的なことが」と呼ぶ)
○越智委員長 ただいま片岡君から動議をいただきました。(発言する者あり)動議の提出がありました。 片岡君の申し出のとおり、これにて質疑を終わることについて賛成の諸君は起立を願います。(発言する者あり) 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立多数。よって、質疑は終局いたしました。質疑は終局いたしました。 十分間休憩いたします。十分間休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ――――◇――――― 午後零時二十六分開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 委員長より一言申し上げます。 先ほどの質疑終局動議の取り扱いについて新進党より強い申し入れがありましたが、今後は円満なる運営に努めてまいります。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木秀典君。
○佐々木(秀)委員 私は、自由民主党・自由連合、日本社会党・護憲民主連合及び新党さきがけ、以上三党を代表して、本案に賛成の立場から討論を行います。 宗教法人法は昭和二十六年に制定され、憲法にうたわれた信教の自由と政教分離の原則を基本とし、宗教法人の責任を明確にするとともに、その公共性に配慮するという趣旨のもとにその体系が組み立てられております。制定以来、本法は、多くの宗教団体に法人格を与え、その物的基礎を確保することによって、宗教団体の自由かつ自主的な活動を支えてまいりました。 しかしながら、その後我が国においては、都市化、情報化の進展、核家族の急増、交通手段の発達など、私どもを取り巻く社会環境には大きな変化が生じてきております。そして、こうした変化は宗教界にもさまざまな影響をもたらしています。 すなわち、一つには、広域的な活動を展開する宗教法人の増加であり、また、多岐にわたる収益事業を行う宗教法人の増加であります。このように宗教法人の活動が多様化し、複雑化している状況にもかかわらず、宗教法人法は、制定後四十数年の間、そのままで今日に至っているのであります。 そして、まことに遺憾なことは、近時、宗教法人を隠れみのに専ら収益事業を行う団体や、宗教に名をかりた詐欺的商法の横行、さらには終末思想に基づいた反社会的なカルト教団の出現など、本法の制定時にはおよそ予想し得なかったさまざまな問題が発生し、これに対して国民の求める最小限の対応さえ困難なまま推移してきたのが現状であります。 このような中で生じたのが一連のオウム真理教の事件であります。二度とオウムのような事件を許してはならない。このような事件の再発防止に資するためにも宗教法人法の最低限の改正を行うべきであるというのが、まさに今日の世論であります。こうした国民の声を、私ども立法府にある者は真摯に受けとめなければなりません。(拍手) 今回の改正は、今申し上げた趣旨を実現するため、信教の自由と政教分離の原則という憲法に基づく現行法の精神をいささかも変更することなく、宗教法人が自治と自浄の能力の向上を図り、その公共性を高めるため、宗教法人の管理運営面等について最小限度の改正を行おうとするものであります。 その内容は、まず第一に、宗教法人の所轄庁に関し、二つ以上の都道府県にまたがり活動する宗教法人について、所轄庁がより適切に対応できるようにするため、所轄を都道府県知事から文部大臣に移すことであります。 そもそも、所轄庁が国か都道府県かによって法の適用が変わることはないのであります。現に、国の所管となっている宗教法人から、信教の自由が侵されたなどという苦情は一切これまでありません。 これについては、戦前の宗教に対する国家権力による忌まわしい弾圧の歴史を想起し、権力の介入に再び道を開くというような意見もありますけれども、現憲法下においてこのような議論は全くの誤りであるということを、この際はっきりと指摘しておきます。(拍手) 第二に、収支計算書等の作成と所轄庁への提出を求めることにしたこと、またこれらの書類について信者等に閲覧を認めることにしたことであります。 そもそも、財務関係の書類のうち最も基幹的なものである収支計算書の作成すら義務づけられていないという法人がほかにあるでしょうか。いかに宗教団体であるといえども、法人格を取得した以上、そこには法的、社会的責任が発生するのであります。また、税制上の特典を受けながら、なお宗教法人の脱税行為その他の違法行為は後を絶たないというのが現実であります。宗教法人の公共性、公益性に対応した、より一層の公正な運営の確保が今最も求められていると我々は考えるのであります。 財産目録とあわせ、収支計算書その他の書類を作成し、その写しを所轄庁に提出し、また信者その他の利害関係人に閲覧させるということは、所轄庁が認証した宗教法人のその後の状況を知る上で不可欠であるとともに、宗教法人側の適正適切な事務処理についての認識を促し、法人の自治能力、管理運営能力の向上にもつながるものであります。 第三に、収益事業の停止命令、宗教法人の解散命令等に関する報告徴収・質問の制度を設けることとしたことであります。 これは、解散命令等の前提となる事実を所轄庁が把握することが不可欠であるとともに、宗教法人について一般的に質問ができるとしたものではなく、解散命令等に該当する疑いがある場合に限って、それも事前に宗教法人審議会の意見を聴取した上で行われるのであります。さらには、質問に際して宗教法人の施設に立ち入るには、法人の関係者の同意を必要とするなど、宗教法人に対して二重三重の配慮がなされているのであります。これをも信教の自由を侵すとする主張は、全く理解できないところであります。 以上、主な三点について、今回の改正が妥当なものであることを申し述べてまいりました。 最後に、私は、本改正案提出に先立ち、報告の取りまとめに当たられた宗教法人審議会の委員諸公、また本案審議に取り組まれた本委員会の委員各位が真摯な議論を展開されたことに対して、心からの敬意を表するものであります。 顧みて、本委員会での議論は、信教の自由と政教分離の原則という根源的なものから、破壊的カルト教団対策の検討、さらには公益法人に対する課税のあり方などなど、実に多岐にわたってなされました。 私たちは、こうした議論を大切に、今後新たな法整備が必要とあらば、さらに議論を積み重ね、よりよい結論を導き出していくことこそが、真に国民の負託にこたえる道であることを委員各位にお訴えをして、私の賛成討論を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○越智委員長 次に、月原茂皓君。
○月原委員 私は、新進党を代表し、政府提案の宗教法人法の一部改正法案に対し、断固反対の討論を行うものであります。(拍手)冒頭、先ほどの委員長の民主主義のルールに反する運営に強く抗議するものであります。(拍手) 今回の改正案は信教の自由に関するものだけに、私たち新進党は、特別委員会が設けられて以来、会期内での徹底審議を要求した。これほどの重要な法案が、三十時間余りの審議時間、しかも公聴会すら開かれることなく、資料要求にもこたえず、強引に審議が打ち切られたことは全く異例のことである。多数を背景に、少数意見に耳をかさず、ただひたすら時を稼ぐ審議は、議会の汚点として残るだろうと思います。 私が宗教法人法改正法案に強く反対する理由の第一は、今回の法改正に至る与党の動機が、オウム事件に対する世論の怒りに便乗した選挙対策、特定教団対策であり、こうした特別の政治意図を持った法改正は憲法違反と言わなければならないからである。(拍手) 自民党の幹部がテレビ番組で公然と、改正法のねらいは新進党対策、選挙対策などの暴論を吐き、また別の幹部は、宗教は議会制民主主義と相入れないとの信じられない発言をする等、今回の法改正を政争の具とするやり方に大きな怒りを覚えるものである。 そもそも、今回の宗教法人法の改正目的は一体どこにあるのか、甚だ不明確である。 言うまでもなく、今回の法改正の内容がオウム事件の再犯防止や再発防止の対策でないことは、宗教法人審議会の報告にオウムの文字が全くないことからも明らかである。総理自身も、オウム対策のために宗教法人法を改正するつもりではない、これはもう断言しておきますと明言し、さらに、オウムが引き起こした一連の凶悪な犯罪事件と今度の宗教法との改正とは直接的には結びつかないと答弁しておるところである。 にもかかわらず、自民党の山崎政調会長は、新聞の紙上座談会で、再発防止が重点で、それだけと言っても過言ではないと、あえて世論に誤った認識を与える発言をしているのは、極めて遺憾と言わなければならない。 本委員会での審議でも、法改正の目的について、政府は、昭和二十六年制定以来の社会の変化等に対応して必要な見直しを行うと抽象的には説明するが、現行の宗教法人法でどのように具体的な不都合があったのか、何ら説得力ある説明がなされていないのである。 今国民が求めているのは、オウムが二度と事件を起こさないことであり、また、オウム事件のようなテロ行為の再発を防止して、国民の安全を確保することである。現行法令による検証と行政当局の責任を総括すること、法と証拠に基づいて破防法を適用すること等である。これらを宗教法人法の改正に求めるとすれば、筋違いも甚だしいと言わざるを得ない。 さらに、反対理由の第二は、憲法の定める信教の自由と政教分離原則にかかわる宗教法人法の改正であるにもかかわらず、各省庁間の法令協議、次官会議における手続は異例の連続だった。法改正案提出までの経過や当委員会での審議経過を見ても明らかなように、極めて異常かつ拙速な法改正と言わねばならないからである。 今回の法改正案は宗教法人審議会の報告に基づくものであるが、これまでも何度も問題とされたように、その運営と合意の取りつけは極めて不透明かつ非民主的である。十五人いる審議会委員のうち七名が、審議会報告の提出後、二度も審議会の再開申し入れを文部大臣にするなど、かつてなかった異常な審議会と言わねばならない。私どもが審議会の議事録の提出を求めても政府はその提出を拒むのは、議事録が公表されると審議会での合意の形成とその手続に重大な瑕疵があることが明らかになるからと言わざるを得ない。また、九月二十九日に閣議決定された審議会の透明化、見直し等の内容にも明らかに反するものである。 今回の法改正には、多くの宗教団体が反対をしている。キリスト教団体、仏教団体、新宗教団体、教派神道など大半の宗教団体が反対ないし慎重論を表明し、また政府にも要望書を提出している。それにもかかわらず、なぜ政府は緊急を要しない本法案の成立を強行しようとするのか、全く理解しがたい。事は精神の自由という憲法原則にかかわることなのであるから、広く意見を聴取し、実態を調査して、時間をかけ慎重に議論すべきことは当然である。当委員会においても審議を一方的に打ち切ったことは、極めて遺憾と言わざるを得ない。 また、反対理由の第三は、本改正法案の内容が、国家の宗教への管理監督を強化するもので、現行宗教法人法の基本となる理念を変更し、憲法の定める信教の自由と政教分離原則に抵触するおそれが大きいからである。 所轄庁の移管については、昭和二十六年の制定当時の立法趣旨に反するものであること、また、所轄庁の移管とセットとなった財産目録、収支計算書などの財務書類の所轄庁への提出義務、所轄庁の質問権の導入は、国家の宗教への管理監督を強化するもので、その運用によっては国家の宗教への介入となるおそれが大きく、信教の自由や政教分離に抵触する危険があると言わねばならない。 また、信者及び利害関係人の閲覧請求権は、宗教法人と信者との信頼関係を基礎とし、宗教団体の自治にゆだねるべきことであって、一律に法律で閲覧請求権を制度化することは、乱用のおそれも大きく、宗教法人に無用の混乱を招くものと言わねばならない。 また、本法案の二十三項では、一定の小規模法人について収支計算書の作成義務の免除をしているが、これは、収支計算書の作成義務の問題だけでなく、備えつけ義務、閲覧請求権、報告義務、過料の制裁の適用などのすべてにかかってくるもので、本法案の骨格となる条項の適用があるのかないのか、後に定める文部大臣の収入金額によるものとするのは、宗教法人にとって極めて不安定で、法的安定性を著しく害すると言わなければならない。 その他、国政調査権や情報公開条例と守秘義務との関係等も、委員会での審議では甚だ不明瞭なままで、国家の宗教への介入を招くおそれがあると言わなければならない。 改めて、審議不十分のまま強引に審議を打ち切ったことに強く抗議することにより、宗教法人法の一部改正案に強く反対するものである。(拍手)
○越智委員長 次に、正森成二君。
○正森委員 私は、日本共産党を代表して、宗教法人法の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論を行います。 これまでの論議が明らかにしたように、オウム真理教の凶悪事件は、現行宗教法人法の矛盾、不合理を浮き彫りにしました。憲法で保障された信教の自由と、政治と宗教の分離という大原則を守りながら、現実に即して宗教法人法を改正することは、国民の圧倒的多数の声であり、その改正は当然であります。 宗教法人法の基本的性格について、これをノーサポート・ノーコントロールだという論を展開している党がありますが、国として宗教法人に対して全く関与しないという趣旨なら、宗教法人はそのようなものではないと総理が答弁されたように、ノーサポート・ノーコントロールという論は、この法律の基本を曲解したものであることは、もはや明々白々のものとなりました。 また、本法案の内容についても、所轄庁の変更や、信者らに対する閲覧による情報開示、財務会計書類の所轄庁に対する届け出、また所轄庁による質問権などは、宗教法人に対する国家統制に何らつながらない当然の措置であることも確認されました。 この間の論議で浮き彫りにされたのは、オウムの問題のみにとどまらず、宗教と政治のかかわりについてであります。とりわけ、巨大宗教法人創価学会が、政治活動を宗教活動の上に置き、政教分離とは名ばかりに政党支持活動と選挙活動を大々的に展開し、総理が答弁された、宗教法人が選挙活動を行うことを主たる目的とすることは、宗教法人法上予定されていないという認識に反する行為の数々を行っていることが明らかとなりました。 私の、こうした法人に対し非課税措置あるいは課税上の特権を与え続けることについて考えるべきなどの指摘に、総理は、一つの問題点として引き続き検討しなければならない課題と、また大蔵大臣も、真剣に見詰めなければならないと答弁されましたが、ぜひ実効性のあるものにすべきであります。 最後に、憲法に違反し、基本的人権を侵害するおそれのある破防法をオウム真理教に対して絶対適用してはならないことを強く指摘して、私の賛成討論といたします。(拍手)
○越智委員長 これにて討論は終局いたしました。
○越智委員長 これより採決に入ります。 宗教法人法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 〔報告書は附録に掲載〕
○越智委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十六分散会