宗教法人に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 350 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/11/07
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。船田元君。
○船田委員 村山総理、島村文部大臣初め、これまで二日間総括質疑が行われまして大変お疲れさまでございます。これからいよいよ一般質疑が始まるわけでありますが、私ども本当に慎重な審議をお願いをしておりまして、まだまだ続くと思っておりますので、ひとつよろしくお願いをしたいというふうに思います。 今回の宗教法人法、これは昭和二十六年に制定をされたわけですが、御承知のように戦前は宗教団体法、これは昭和十四年に制定をされたと伺っております。これは、明治憲法下でいろいろ宗教法制が幾つか出たわけですが、それを集大成したものであるというふうに聞いております。神社神道を除く宗教団体に対する統制法、一言で言えばそういうことだと思いますが、そういう内容である。ここには、団体の規制ということから、財産目録、それからその宗教の教師ですね、この氏名、住所などを提出をする、あるいは団体のさまざまな情報を開示をさせて、そして安寧秩序を妨げ、臣民の義務に背く宗教活動に対しては解散命令などの制裁規定を設けていた。非常に厳しい統制法、そういう名前にふさわしい法律だったということであります。 この宗教団体法と治安維持法、これが割と近い時期に制定をされたようでありますが、この両方が相まって宗教弾圧というものがその後相次いだという歴史があります。その結果として、我が国においてあの不幸な時期を迎えてしまった、歴史を迎えてしまったということも、これも偽らざる事実であって、我々は決して忘れてはいけないというふうに思います。 今回の宗教法人法の改正案がよもやこのかつての宗教団体法を目指しているとは思っておりませんけれども、ただ、改正の中身によっては、また改正のやり方によっては変質しかねない、宗教法人法そのものの立法の趣旨が変わりかねないという危険性を持っているんじゃないか、こういうことで、私どもとしては慎重にも慎重を期した審議、そして冷静な議論をしなければいけない、このように思っております。私としても幾つかの疑問点をこれからただしていきたいと思っております。 まず、基本的な質問でございますけれども、有識者の意見の中には、宗教法人法は憲法二十条の信教の自由、政教分離の原則を具体化するためのものである、あるいは宗教団体が法律上の人格として誕生する上で必要な手続を定めたものである、このように言い切っている方々も多いわけであります。本当に基本的なことで恐縮ですが、総理からこの宗教法人法そのものの立法の趣旨、もう一度御披瀝をいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今委員から、戦前戦中の治安維持法あるいは宗教団体法等の問題についてお触れがございました。私も全く同じように受けとめて理解をいたしております。 そういう反省の上に立って、二度とこういう過ちを繰り返してはいかぬという意味で、私は、憲法も新しくつくられた、新憲法ができたというふうに思いますし、その新憲法の二十条では、今委員からもお話がございましたように、信教の自由とそれから政教分離の原則というものがしっかり確立されているわけですね。この憲法で確立されておる二十条の条文というものを前提にして今の宗教法人法がつくられておる、私はそう思っております。 ただ、お話もございましたように、二十六年につくられた法律で、それ以後宗教団体のあり方も変わっていますし、社会全体も変わってきておる。したがって、そうした変化に対応して、もう少し適正に信教の自由が保障され、同時に政教分離の原則が守られるといったようなものにしていくためには、やはり最小限度必要な改正は行うべきではないかという大きな声もありますし、そういう世論の背景というものも十分踏まえた上で今回の改正案というのは提出されておる、私はそういうふうに理解いたしておりますから、御心配のような、戦前に逆戻りをするようなそういうことは全然考えていませんし、そんなことはあり得ないというふうに申し上げなければならぬと思います。
○船田委員 私も、全く戦前に戻るというそういうことを言うつもりはないのですが、ただ、全体の傾向としては、少しずつ趣旨が変わっていっているのじゃないか。特に、これから申し上げますけれども、所轄庁の権限ではないのですけれども、所轄庁の役割ということについても、これはじわじわと何か監督に近いような状況になりはしないか、いろいろ心配の種は尽きない、そういう状況でありまして、今後の質問でさらに詳しくお聞きをしたいと思っております。 そこで、文部大臣にお尋ねをします。 たしか昭和二十六年の法成立の際の国会審議、大変古い資料で、なかなか読みにくいところもあったのですが、政府の答弁の中に、宗教法人法は、宗教団体に法人格を与えることを目的としており、宗教法人の宗教活動を規制したり監督するためのものではありません、したがって、宗教法人の所轄庁には、社団法人等の主務官庁に与えられているような監督権限はありませんというふうに明確に政府答弁が行われております。 したがって、これが守られていると思いますけれども、今回の改正案の趣旨の中にも、決して政府として所轄庁に監督権限は与えないのだ、あるいは本来監督権限はないのだということをもう一度文部大臣に確認をしていただきたいと思います。
○島村国務大臣 お答え申し上げます。 一般には、公益法人につきましては、所轄庁等の一般的な監督権限が法律上規定されているところであります。しかし、宗教法人につきましては、宗教法人の自由と自主性を尊重するという基本的な考え方に立ちまして、一般的な監督権限は規定されておりません。しかしながら、宗教法人法は、収益事業の停止命令あるいは認証の取り消し、解散命令等についての所轄庁の権限を規定しておるところでありまして、所轄庁が宗教法人に対して何らの権限も有していないわけではありません。 なお、今回の法改正についておただしがありましたけれども、所轄庁はこれらの権限を適正に行使することができるようにし、宗教法人法の適正な運用を図る等の観点から必要最小限の改正を行うものでありまして、宗教法人の監督のための新たな権限を設けようとするものでありません。
○船田委員 今の御答弁で、新たな監督権限を与えるものではない、こういうことでありますので、このことをしっかり我々も確認をさせていただきたいと思います。 次に、政教分離の問題。これも既にきのうあるいは先週木曜日、総括質疑の中で相当議論されておりますが、しつこいようですが、改めてちょっと確認をさせてほしいと思っております。 去年、平成六年の十月に予算委員会がございまして、大出内閣法制局長官が御答弁をされました。質問はいたしませんが、その大出長官のお話の中に、政教分離の意味は、国または国の機関が国権行使の場面において宗教に介入し、または関与することを禁ずる、こういう定義を述べていただいております。すなわち、国が宗教に働きかけることを禁ずる、ノーコントロール・ノーサポート、この原則を再確認をしていただいたわけであります。 これはもうほとんど多くの皆さんが御理解をしていただいている、有権者の皆さんにもわかっていただいているとは思いますが、しかし、その逆のケース、つまり、宗教が政治に関与するのはどうなのかということについて若干いろいろな誤解が生じているのじゃないか、こう私は思っております。 例えば、その典型的な例としまして、自由民主党の加藤紘一幹事長、当時は政調会長でございましたが、ソウルの発言で、これは産経新聞の九月四日号に出ております。宗教人が政治にかかわるときは、自制、遠慮が必要である。また毎日新聞では、宗教は一人の教祖の言うことを絶対視し従うのだから民主主義と相入れない、宗教団体が政治に関心を持つのは許されるが、政治の中心に迫るのは許されない、こういう言葉を発せられているようであります。 私は、宗教が民主主義と相入れないというのは大きな間違いだと思っております。宗教もやはり民主主義の中に存在をし、民主主義を助長するものの一つとして積極的に評価をしなければいけない、こう私は思っております。この問題については、まあ御本人がそこには座っておりませんので、これ以上のことは申し上げませんが、反省をしていただきたいというふうに思います。 私は、憲法において信教の自由が保障される、同時に参政権が一緒に保障されているわけでありまして、これは、宗教を持った者であろうと、どのような宗教を信じていようと、あるいは宗教を持っていない人であろうと、その人たちが政治に関与する、政治に参画をするということは一向に構わない、一向にこれはいいのであるというふうに思っております。宗教者が民主主義のルールを守る限り、例えば選挙違反をしない限り、選挙に参加して政治に影響力を与えるということは、決して政教分離を侵すことにはならない、こう思いますが、総理はこの点についてどうお考えでしょうか。特に、宗教者の政治へのかかわりの是非ということについて御意見を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今委員の意見の中に、政治と宗教との関係においてノーコントロール・ノーサポートという発言がありましたけれども、私は答弁の中で、これは法制局長官もそうですが、そうは申し上げていないわけです。 政治が関与してならぬことは、信教の自由と政教分離の原則を侵してはならない、そういう意味で関与してはならないという意味であって、もう何もかも治外法権的にコントロールも一切のサポートもできないんだというものではない、私はそういうふうに思っておりますから、その点は誤一解のないように御理解を願いたいと思いますね。 それから、今御質問のございました中に、それぞれ政治家が個人の見識に基づいて発言されたことについてここでまたコメントするようなことは、真意がはかりかねますから無責任には申し上げられないと思いますけれども、しかし、御質問にございましたように、個人があるいはまた宗教団体が政治活動を行う、選挙活動を行うという自由は、私は保障されておるというふうに考えています。
○船田委員 ノーサポート・ノーコントロールの部分ですが、この場合のノーコントロールというのは、要するに、宗教団体、宗教法人であれば何をやってもいいということでは全くないわけで、それはやはりこの法律の中にもありますように、もし公共の秩序を乱すというようなことがあれば、それはその他のすべての法律に基づいてきちんと処罰をされ、きちんと処置をされることは当然である、こういうことをちゃんと宗教法人法の中に書いてありますので、そういう意味でのコントロールということはあってもしかるべきだ、こういうふうに思いますが、一般論としてのノーサポート・ノーコントロールというのは、国が恣意的にコントロールを行う、こういうことだと思いますので、その辺は誤解のないようにしていただきたいというふうに思っております。 次に、オウムとの関連でございます。これももう既に同僚議員からも質問等があったわけでありますが、若干私の方で、捜査の問題と少し絡めて議論していきたいと思っております。 まず、最近の世論調査で、この宗教法人法改正に賛成か反対か、こういう質問をよく新聞等でされて、その結果が出ているわけです。七割から八割というふうなことなのですが、実は私は二つの意味で、質問の前提というところあるいは背景に若干問題があるのじゃないか、こう思っております。 一つは、オウムの犯罪の再発を防ぐには宗教法人法改正は必要であるという考え、もう一つ、宗教法人法が不備であったからオウムの犯罪のようなものが出てきたのだ、こういうやや短絡をした考え方、もう少し突っ込んで考えていただきたいのでありますが、そういう短絡的な考えや誤解というものが一般的にあるのじゃないか、こういうふうに思っております。こういう問題は、やはり国会の議論等を通じてきちんとわかっていただかなければいけないということであります。 それともう一つは、国民の間に、今回この宗教法人法の改正をしても、信教の自由を侵すことにはならないという甘い認識を持っているのじゃないか、こう思うんですよ。これはもう表面的ないろいろな議論がなされておりますが、私は、突き詰めてどんどん考えていけば、そういうおそれもなしとはしないということで、ここは本当に慎重な審議が必要である、こういうふうに思っております。 宗教法人法の八十六条でしょうか「この法律のいかなる規定も、宗教団体が公共の福祉に反した行為をした場合において他の法令の規定が適用されることを妨げるものと解釈してはならない。」先ほどのノーコントロールのところで言いましたように、宗教法人が犯罪を犯した場合には、それは個人であれ組織であれ、きちんと刑法、民法あるいは税法、その他あらゆる法規の適用を受けることを明示しているわけですから、宗教法人だからといって現行の法規では手が出せないということは、これはまずないはずであります。 改めて政府として、総理にお伺いしますが、現行の宗教法人法が不備であるためにオウムの犯罪が発生した、あるいはオウムの犯罪の捜査がおくれたのではないのだということを確認をしたいと思いますし、したがって同時に、宗教法人法改正の目的がオウム犯罪やその類似事件の再発を防ぐというためではないのだということを確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 そこはやはり非常に大事なことだと思いますね。オウム真理教を取り締まるために宗教法人法が改正されるのではないのだということは、これはもうたびたび申し上げているとおりですね。これは、刑法があって、犯罪行為に対しては刑法に基づいて徹底的な捜査がなされておる。 ただ、認証という手続をとるわけです。認証という手続をとった後、その宗教団体、宗教法人がどういう活動をしておるのかというようなことについて全然把握できないというようなことでは、やはりオウム事件のようなことが起こる一つの要因にはなっておったのではないかということは、私は否定できないと思うんです。 これは現に山梨県の上九一色村にああいう建物が建てられて、いろいろ問題が起こったわけです。起こったけれども、これは東京都と山梨県と所轄が違うものですから、なかなかそこらのところはうまくいかなかったという点もあったのではないかと思いますし、そういう意味では、認証したと言われる東京都なりあるいは文部省なりが行政的に国民に対して責任が持てる範囲のものは、やはりきちっとしておく必要があるのではないかということは、私は言えるのではないかと思うんですね。 そういう意味で、例えば今お話もございましたけれども、東京都が認証しておるけれども実際にその宗教団体の活動というのは山梨県でもやられているし、同時に熊本県でもやられておる、全国各地区で行われておる。外国まで手を伸ばしておる。こういう実態について東京都だけで責任が持てるのかということになりますと、やはりそこは文部省が全体として管轄することが必要ではないかというのは当然だと私は思うんです。 ただ、東京都が所管をしておるから、あるいは文部省の所管になったから権力の支配が強化されていくというようなことは全然考えていませんし、そんなことはあり得ない。ただこれは東京都が所管するか文部省が所管するかだけの違いであって、内容については変更はない、私はそういうふうに承知をいたしております。 それから、今お話もございましたように、七十九条、八十条、八十一条というような法の手続がありますね。その手続で例えば解散命令を出そうと思っても、解散命令に値するだけの中身があるのかどうかというようなことについて、全然所轄する東京都なりあるいは都道府県なりあるいは文部省が把握できないというのでは、これは解散命令の出しようがないわけですよ。 したがって、検察庁が調査をしたいろいろな犯罪行為について、それをお借りして、そして手続をとらなきゃならぬというようなことでは、私は、認証した都道府県なりあるいは文部省が国民に対して責任を持てないのではないかというようなことを考えた場合に、その程度のことはやはり必要ではないかというふうに思いますね。信教の自由とかあるいは政教分離の原則を侵すようなことがあってはならないということは、これはもう憲法で保障されていることですから、それを前提にしっかり守っていくということを踏まえた上で、最低この程度のことはやはり必要ではないか。 私はむしろ、宗教団体が信教の自由と政教分離の原則を守って、世間から認められるような意味の正しい宗教活動を行っていくためには、逆にこの程度のことはあった方が皆さんのためにもいいのではないかというふうに考えているぐらいでありまして、決して逆のことを考えているわけではないということだけは御理解をいただきたいというふうに思います。
○船田委員 このオウムの問題、その捜査という問題について、宗教法人の所轄が違うからこれができない部分もあったというふうに聞いたのですが、それはちょっとすりかえじゃないかなというふうに思うんですね。 これは極めて組織的で、極めて凶悪で、今までに例のない犯罪である、これはもうだれが見ても当然なんですけれども、やはりそういう問題にあって、とりわけ、この後ちょっと質問いたしますけれども、オウム事件の捜査のあり方、これが各県警の間で十分に連絡をとられていたのかどうかあるいは連係プレーがとれたのかどうかというむしろそちらの方であって、私は、所轄庁が違うからということで動けなかったということでは、それはないというふうに思うんですが、どうなんでしょうか。
○村山内閣総理大臣 誤解があるといけませんから申し上げておきますけれども、刑事事件の犯罪捜査に対して、宗教法人法が私は障害になったとは余り思ってないのです。ただ、もう少し管轄する都道府県なりあるいは文部省が宗教団体の日常の活動というものを把握できておれば、こんなことにはならなかったのではないかこういうことが起こり得なかったのではないかというふうには思いますけれども、現行の宗教法人法が刑事事件を捜査する上で支障になったというふうには考えていません。 刑事事件は法と証拠に基づいて厳正に捜査が行われておるというふうに私は思っておりますから、これはもう宗教団体であろうと個人であろうと、いかなる団体であろうと差別はない。平等に法と証拠に基づいて刑事事件として捜査を行われるのは当然であって、私は、そこは区別してはっきり分けて考える必要があるというふうに思っています。
○深谷国務大臣 今総理からお答えになりましたからそれで十分であろうと思いますが、ただいま先生御指摘の、所轄が違うから捜査に支障を来したという話もあったという件については、そういう発言は私の知る限りだれもいたしておりません。 捜査に関して申し上げれば、特定の宗教団体であろうと個人であろうと、犯罪の疑いがあれば当然厳正に捜査を行う、それが進むべき道であり、それをきちっと守ってきたと思っております。
○船田委員 今、国家公安委員長からもお答えいただきましたけれども、改めてこの捜査の経緯ということについて簡単にちょっと検証してみたいと思うんです。 古くは平成元年、あの坂本弁護士一家が十一月の三日に失踪されています。その事件が発生いたしました。それに対して神奈川県警が十一月の十七日に捜査本部を設置をいたしました。それから平成二年、翌年の十月二十二日、熊本県阿蘇郡の波野村における国土利用計画法違反事件、これで熊本県警が捜査に着手をしております。次に、ずっと遅くなるわけでありますが、平成六年の六月二十七日、例の松本サリン事件の発生、これに対しては六月二十八日に長野県警が捜査本部を置いております。七月九日、山梨県上九一色村教団施設付近で異臭事件発生ということであります。これに対して山梨県警、長野県警も多分合同で行ったと思いますが、九月に現場付近の土を採取して、科学警察研究所でしょうか、そちらに依頼をして鑑定をしたところ、平成六年の十一月十六日にサリンの副生成物、残留物でありますが、これが検出をされております。 この時点で、捜査当局としてはこのサリンのこととオウムのことがどうも一つの線に結びついてきたのではないか。相当な疑いを捜査当局はお持ちだったはずであります。 しかし、この段階までも実は東京都内でのオウムの事件はほとんど発生をしていない。したがって、警視庁が関与する状況にはまだなっていないと思いますが、そういうことでよろしいのでしょうか。
○深谷国務大臣 今委員御指摘のような経緯であることはそのとおりであります。ただ、それぞれの担当の警察が、これは犯罪の疑いがあるというので直ちに捜査本部を設けて、全力を挙げて捜査をいたしたという経緯がございます。 この件に関しましては、全体的にまず言えることは、証拠物件が非常に乏しかったということ、それから、宗教団体であって、いわばカルト集団のような、尊師を中心としたマインドコントロールまで行われているような状態でございましたから、証拠隠滅であるとかあるいは偽証だとかそのような状況があったために、極めて捜査は厳しい状況に追い込まれていたわけでございます。しかし、一つ一つ証拠を積み重ね、警察官の努力が実りまして、ついに今日のような大捜査と方向性というものが打ち出されたわけでございます。 今振り返りますと、一体もっと早く動きがあってよかったのではないかという御指摘が折々聞かれることを承知しておりますけれども、当時の状況としては、あくまでも証拠と法に基づいて捜査を行うというそういう前提でまいりますと、非常な苦しい捜査であったという点で御理解をいただかなければならないというふうに思っているわけであります。 私どもは、宗教団体だから捜査を差別するということはありませんが、あのような宗教団体がテロ集団であるとは想像もつかなかった。宗教団体という名前をかりてテロ集団があんなことをやっていたというのは、当時としては全く想像できなかった。想像できないことが起こるということも前提にして深く考えていくという点では、極めて大きな参考になったなと思っております。 なお、後半おっしゃられた警察の体制でありますが、委員御承知のように、我が国は都道府県警察ということになっております。それぞれの都道府県の警察本部が中心になりまして、そこの地域の捜査を担当するわけであります。ただ、広域にわたるような場合には、当然警察庁が報告を受けて、そして指示をいたしまして協力体制をつくっていくというようなやり方を今日まで進めてきたわけでございます。
○船田委員 これまで申し上げた、各県警が本当に必死の捜査をして全力を尽くしてこられたということは、私もそれは否定するものではありません。本当によくやってきたし、また今でも頑張ってやっていただいている、このことには敬意を表したいと思います。 ただ、私が言いたいのは、個々の県警それぞれ全力を尽くしているのだけれども、もう少し各県警間の連携、とりわけ警視庁がこの一連の事件に初めて関与したというのが平成七年のあの目黒公証役場の仮谷事務長拉致事件からでございますから、これはやはり余りにも遅いというか、余りにももったいないことだったなというふうに思っているのです。 これに関連をして警察庁國松孝次長官は、九月二十四日付の中日新聞に出ておりますが、これは共同通信の取材に対しておっしゃった言葉のようでございます。警察制度の基本、これは先ほど国家公安委員長おっしゃるように、都道府県主義を崩す必要はない、このように述べながらも、オウムの教訓を踏まえて「重大事件の際には、日本警察の総力を挙げて捜査に取り掛かる広域システムを築きたい」とお述べになり、さらに「管轄権の問題から日本警察で最大の組織と体制を持った警視庁が、この事件」つまり仮谷さんの事件ですが、「この事件が起きるまで捜査に加われなかったことを、今後もそのまま放置しておいていいのか」ということを率直に述べられております。 警察法というのがありまして、この都道府県主義というものを基本的に規定をしている。その精神が警察法には流れていると思います。もちろんそれは、国家警察ではなくて、都道府県警察というものが主体的にさまざまな事案に対応していくという民主警察の基本でありますから、これを崩すことはまかりならぬとは思いますが、今申し上げたような警察庁長官、國松長官のその問題意識、これは非常に私は的を射ているというふうに思っております。 この警察法をとこか改正をするか、あるいはその解釈を変えるか、解釈論で対応するか、いずれにしましてもこの警察法の問題、改正問題というのはその後検討を始めているのでしょうか、それとも何らかの一定の結論が出ているのでしょうかその辺をお伺いしたいと思います。
○深谷国務大臣 ただいまの御指摘は大変重要な事柄だと私たちは思っております。近ごろの犯罪が特定の単独の地域だけで起こるのではなくて広範囲にわたるということを考えますと、合同捜査ということの重要性というのは非常に高まっているというふうに思います。 御案内のように、昨年警察法を改正させていただきまして、例えば二つの地域で捜査を行った場合の指揮権をどうするかとか、そういうような整備もいたしました。ですから、それでやれる範囲のものはこれからもそれでやっていこうと思っているわけであります。 また、御指摘の警視庁とか大阪府警というのは、規模においても非常に大きいものがございますし、装備やあるいは経験等々につきましてもかなりの力を持っていると思われます。そういうところがいざというときに出動するのは一体いいことかどうなのか、現在の法律でも出動することは可能でございますが、もっとそれをしやすくする必要があるのではないだろうかといりたようなことについて、オウム真理教事件の反省の中から今警察庁の内部で検討を進めているところであります。一体変える必要があるかということも含めて、ただいま検討中であるというのが状況でございます。
○船田委員 少し細かくなりますが、警察庁はおいででございましょうか。――警察法の第五条、これは国家公安委員会の任務を書いてあるわけでございますけれども、例えば今国家公安委員長がおっしゃったような、広域で対応するあるいは連携をとって対応するという点については、その第五条の二項の十五号ですね、「警察行政に関する調整に関すること。」これが国家公安委員会にゆだねられている、任務としてあるのだ、これが根拠法になるのだと思います。 ただ、私はこれはそれの根拠としてはちょっと弱いのではないかというふうに思っておりまして、例えばでございますけれども、その第五条の中に追加をいたしまして、都道府県における公安の維持に重大な支障を生じるおそれのある事案または特殊の犯罪であって、一の、つまり一つのですね、一の都道府県警察においてその処理を行うことが困難と認められるものに係る警察行政に関する調整に関すること、これを国家公安委員会に付与するというような条文といいましょうか、号を一つつけ加えたいと思うのであります。例えばそういうことについて、感想といいますか、当然これは今後検討しなきゃいけないことだと思いますけれども、現状における感想、できればお聞かせいただきたいというふうに思います。
○深谷国務大臣 担当の総務審議官が来ておりますので、答弁させます。
○山本(博)政府委員 お答えさせていただきます。 その問題につきましては、先ほど大臣からも御答弁させていただいたところでございますが、極めて事件が大規模、複雑、広域にわたっておるところでございます。これに対しまして現在、先ほど先生が御説明のありました警察法五条の調整規定によりまして、また、昨年改正していただきました都道府県相互の関係の規定を活用いたしまして必要な相互調整を行っておるところでございますが、さらには、新たな問題も今回の捜査を通じまして散見されたところでございます。 先ほど大臣が申しましたように、警視庁や大阪府警がもっと早い段階から出動することができないのかどうか、また、それに対しまして警察庁はどのような対応をしていけるのかどうか、こういうことにつきまして現在総合的に検討しておるところでございまして、先生御指摘の案につきましてもその中でいろいろ検討させていただきたい、このように思っておるところでございます。
○船田委員 これは大事な問題でありますから、ぜひ真剣に検討していただきたいというふうに思います。宗教法人法の改正ということにちょっと目が奪われ過ぎているところが私はあると思うのですね。やはりこういう捜査の結果としていろいろな教訓が出てきていますから、こういう問題についても私は真剣にやるべきだという感想を強く持たせていただきました。 それともう一つですが、これは外国の例なんですが、アメリカでRICO法というものが一九七〇年に制定をされています。これはマフィアなどの組織犯罪、これを主に、それを組織として罰していくための法律というふうに聞いております。 内容を簡単に申し上げますと、一つは、不法活動によって手に入れた資金で企業を経営することや不法活動によって企業から利益を得ることを禁止するという内容、あるいは、日本でもありますけれども、マネーロンダリング、資金洗浄、これを規制をすること、それから秘聴、これは電話傍聴、こう申し上げてもいいと思いますが、そういう傍聴を行う、あるいはおとり捜査などの捜査手法を駆使して組織犯罪の壊滅を図る、こういう内容であります。もちろんこれは捜査令状を裁判所からとって、そういう手法を使うということは言うまでもないことなんですが、なかなか日本ではこのおとり捜査のようなものは、議論はありますけれども、まだまだ克服すべき課題があるのではないかというふうに思っています。 ただ一方では、日本でも麻薬の密輸の捜査などでいわゆる泳がせ捜査、コントロールドデリバリー、この手法というものはある程度これは認められまして、そしてその効果を上げているというふうに聞いております。RICO法というのは、そういうものをすべて合体をして、非常に組織犯罪というものに効果的に作用している、このように伺っているわけであります。 また、日本では暴対法が成立をして、これも大変大きな効果を上げていると聞いておりますが、こういう組織犯罪について何か新規立法、新たな立法をして、これをやはりオウムの教訓として前に進めていくべきではないか、またその検討をすべきではないかこう思っておりますが、国家公安委員長、いかがでしょう。
○深谷国務大臣 委員御指摘のように、RICO法というのは、主としてマフィア、ギャング集団組織を撲滅するためにアメリカでつくられた法律でございますが、後にカルト集団等に対してもこの法を適用するという、そういう状態になったわけでございます。 日本の場合にはそのような法律はございませんが、例のオウム真理教事件が起こりまして、例えばサリンというような今まで全く考えなかったような、新しく大量に人を殺りくするようなそういう毒ガスまで使われたわけでありますが、これも国民の皆さんの御理解と国会の御理解をいただきましてサリン人身被害防止法という法律を制定させていただいて、今これを十分に駆使して努力をしてまいっている最中でございます。大量殺りくの兵器として使用される可能性のある物質の法的規制の強化なども今図られているところでございます。 今回の一連の経緯を踏まえて、このような凶悪犯罪、テロ集団が横行するようなことのないようにあらゆる角度から検討していかなければなりませんし、これらの問題は、諸外国のさまざまな制度や例にも照らしまして、十分検討していく課題だと心得て、ただいまそのような研究を進めているところでございます。委員の御指摘はまことに適切でございます。
○船田委員 ひとつその観点でよろしくお願いいたしたいと思います。 それで、宗教法人法改正の少し細かい中身にちょっと触れていきたいと思っているんですが、まず、これも本当に基本の基本というところなんですが、所轄庁の権限ということでこれまで相当いろいろな議論がなされてきました。私たちは認証という言葉と、それからほかの公益法人では認可という言葉を使っておりますが、この認証と認可というものがどう違うのか、文部大臣、御説明をお願いします。
○小野(元)政府委員 御指摘ございました宗教法人法で言う認証とほかの公益法人等で言う認可とどう違うのかということでございますが、宗教法人法におきましては、宗教法人となるために、法律に定める宗教団体の要件に該当いたしまして、かつ団体の規則や設立の手続が適法であって、所轄庁により規則の認証を受けるということが必要になっているわけでございます。 この認証でございますけれども、この認証につきましては、法律で定めている要件を備えているかどうかを所轄庁が審査いたしまして、所定の要件を備えているというふうに認めた場合に行われるものでございまして、いわゆる確認行為であるというふうに従来から解されているものでございます。この認証を得ることが宗教団体が宗教法人としての法人格を得るための要件となっているわけでございます。 一方で、講学上の概念ということで認可というものがあるわけでございますけれども、認可は、第三者の法律行為を補充してその効力を完成させるという性格のものでございまして、例えば学校法人の設立認可といったようなものがあるわけでございますけれども、これと認証とは性質上の違いがあるというふうに考えているところでございます。
○船田委員 さすがに正確なお答えでございました。したがって、認証に当たっての所轄庁というのは、その宗教法人なら宗教法人の信仰の内容とか思想の是非というのを審査するものではない。これはもう政教分離の原則、信教の自由の保障という憲法からの要請でもあるわけです。 この認証という手続は、決して所轄庁が宗教法人を管理監督する権限は持たない、これはいいですね、ということなんですが、島村文部大臣は、大変有名な書物があります。文芸春秋の七月号の「宗教法人見直しを阻むもの」という大変有名なものがあります。その中で、「国が所轄官庁になる場合、一度都道府県に申請し認証を受けている宗教法人でも、そのまま国に移管するのは無理な点が多い。その時は、再申請を提出し、国が認証決定の再審査を行い、宗教法人として管理、指導を行い易いようにしたほうがよい。」というふうに書いてあるのです。今の説明から考えますと、再審査であるとかあるいは管理、指導であるというのは、これはちょっと違うのではないかなと思うのですが、いかがでしょう。
○島村国務大臣 本件に関しましては、昨日でしたか、貴党のどなたか委員の御質問にお答えしたところですが、なるほど今おっしゃるように、私も文芸春秋というのは非常に社会的評価の高い権威ある月刊誌である、こう受けとめておりますが、急に原稿の依頼があって、にわかにぱっと書いた文章であって、そういう権威あるものに書くについてはもう一つ話の詰めをしておけばよかったな、こう考えておるところであります。 しかし、現在私どもがお諮りしているのは、先般来いろいろ御説明いたしてもおりますように、宗教法人審議会において慎重に御審議いただいた結果を踏まえての法改正でございますので、この私の発言は一政治家として、当時文部大臣になることを全く予測しなかった時点の文章でございますから、その点については訂正をいたしたところであります。
○船田委員 大臣、いみじくもおっしゃったわけですが、文芸春秋、これは固有名詞を挙げて申しわけないのですが、大変権威のある雑誌であります。大臣になるかならないかわからないというお話ですが、やはりそれは人格は同じでございますから、人格が変わるわけではないのですから、そこは私はこの問題については……(発言する者あり)後ろで相当おっしゃっていますが、やはり修正なり何か、もちろんこの国会での御答弁で、ここは修正したい、こうおっしゃっても結構なんですけれども、何かそういう手だてはとらないのですか。
○島村国務大臣 先ほどもちょっと申し上げたつもりでおったのですけれども、実はその表現は適切でなかったということは訂正いたしました。 ただ、特に御理解をいただきたいのは、これは御専門の方々が長い時間をかけて御検討いただいたその結果を踏まえての法改正であるということでありますから、文部大臣としては当然に一個人の私見にどうこうすべきものではない。そういう意味では、今回はまるっきりそういうものを離れて文部大臣としてお諮りをしている、こういうことなのであります。
○船田委員 よしということはちょっと言えないので、この点についてはなおまたよくお考えをいただきたいというふうに思っています。 次に、少し細かくなるのですが、境内建物の問題なんです。これは外形的な要因というのでしょうか、これによって一つの県内にとどまるものなのか、あるいは二つ以上の県にまたがるものなのかということを決めて、その違いによって所轄がかわる、こういうことになっているわけですが、例えばこういうことはどうなのでしょうか。 これまで同一県内、つまり、一つの県の中に境内建物がとどまっていた宗教法人が新たにほかの県に境内建物を取得する、あるいはそちらに拡大をするというときに、その都度、境内建物を取得しましたということを提出させるということになるのでしょうか。 つまり、どういうことかというと、この法の改正案の中では、二十五条の四項にもありますように、書類の提出の義務というのは、毎会計年度の終了後四カ月以内に提出をしなさい、こういうふうになっていますが、その都度出しなさいというふうにはなっていないわけですね。ただ、やはり文部省、文化庁あるいは政府として把握をしたいということであれば、どのような宗教法人であれ、境内建物の変更があった場合にそれを届け出をする、提出をするというふうなことに発展をして、そして、その所轄庁が逐次宗教法人の動向を把握するというふうに発展するのではないかということを懸念される方が非常に多いのです。その辺、いや、それはそうではないんだ、それは毎年毎年の書類の提出によって事足りるのだということなのか、その辺の確認をちょっとしたいのです。
○小野(元)政府委員 宗教法人が境内建物を取得するたびにその都度所轄庁に報告が必要なのではないかという御指摘でございますが、今回の法改正によりまして、ほかの都道府県内に境内建物を備える、そういう宗教法人の所轄庁は、都道府県知事から文部大臣に変更になるわけでございます。この場合に、所轄庁といたしましては、所轄庁が変更になるような事態であればそのことは的確に把握をいたしまして、所轄庁の変更をきちんと円滑に行うということが必要でございます。 したがいまして、これは従来都道府県知事所管の法人についてでございますけれども、この法人がほかの県の中に初めて境内建物を持つというときにおいては、所轄庁の変更を伴いますので、速やかにその旨を旧所轄庁を通じて文部大臣に届け出るようにお願いをしたいというふうに思っております。これは、お認めいただいた後に、通達になりますか通知になりますかあれでございますけれども、通知でそのことは明らかにお示しをしたいというふうに思っております。 それ以外の、例えば現在既に県内に境内建物をお持ちでございますけれども、さらに県内にもう一つお持ちになったといったような場合は、所轄庁の変更を伴わないわけでございますので、これにつきましては毎会計年度四カ月以内に境内建物に関する書類を今回の法改正でお出しいただくようになりますので、その手続でお願いしたいというふうに思っているわけでございます。 最初に申し上げました所轄庁の変更を伴うものについての通知による取り扱いでございますけれども、現在、県内だけの包括宗教法人が県をまたがった包括宗教法人になる場合に国の所轄になるわけでございますけれども、この場合の取り扱いと同じでございます。
○船田委員 お願いをしたいということですが、これを通達で行うのかまだはっきりしてないようでありますが、この点は私、やはり法律できちんとこれを書いておく必要が本当はあるのではないかというふうに思っているのです。 法律はもちろんすべてを書くわけにはいきません。しかしながら、時の政府なりが恣意的にこの問題についていろいろ解釈を変えてくる、扱いを変えてくるというところに今までのさまざまな問題があったのではないか。これが日本的といえば日本的なのかもしれませんが、私は、やはりそこはきちんとこういう国会の場でも議論をし、そして、できれば法律の中にきちんと書くということをぜひやらなければいけない、こう思っておるのであります。この点については、またいずれかの機会に質問することになると思います。 それから、財務関係書類の提出義務のことなのです。実はこの前の二日ですね、最初の総括質疑の日に同僚の北側一雄議員から、一つは国政調査権と、それから提出された書類の国会への提出の問題、それと公務員の守秘義務の問題、この関係というのが、ちょっとまだ私の手元に来ておりませんが、きょう午前中に回答が出るということであり、それともう一つ、附則二十三項におけるこの収支計算書を作成しないことができる宗教法人の金額ですね、これなどについてまだ明確な回答がないというふうに伺っておるのです。これは後ほどまた同僚議員が質問申し上げると思いますけれども、これはこの程度にとどめておきたいと思っておりまして、実は私の方でもう一つ質問しなければいけないのは、信者その他の利害関係人の閲覧のところなのであります。 これも既に議論が出たところなのですが、もう一度これは確認をしなければいけないと思っております。それは、第二十五条の三項にある「正当な利益」というのは一体何なのかいまだに答弁をお聞きしてもよくわからないのです。 財務関係書類の閲覧の権利ですが、これはほかにも、例えば株式会社とか有限会社、それから協同組合などに認められているわけですね。これは、どちらかというとお金を出した出資者として持ち分権を有するものであって、自分の財産の運用状況を知るということにやはり一定の利益、一定の利害関係があるからだというふうに思っております。ですから、この閲覧の権利が当然これはある。 しかし、宗教法人における信者というのは、財産を預けて、それを運用してもらってふやしてもらうというようなそういう関係にはないわけですね。あくまでこれは宗教法人に対しての精神的な満足を自分で持つために、そういうような精神的な意味合いが非常に強いわけでありまして、資産に対して信者が持ち分権という権利とかその他の権利を主張する、あるいは持っているということは本来おかしい話ではないか。ですから、宗教法人の資産、年間の収支の詳細について信者が知らなければならないという法律上の利益は私はないと思っているのですが、この「正当な利益」が一体何なのか、改めでこのことを御説明ください。
○小野(元)政府委員 法二十五条三項の「正当な利益」というのは何を指すのかという御質問でございますが、今回の法改正におきましては、閲覧について正当な利益を有する信者その他の利害関係人であって、かつ、当該閲覧の請求が不当な目的でないというふうに認められる方につきましては、法二十五条二項の備えつけ書類の閲覧を請求できるということになっているわけでございます。 この「正当な利益」でございますけれども、法二十五条第二項の各備えつけ書類を閲覧することについて、それぞれの書類を閲覧することについての正当な利益でございまして、各備えつけ書類ごとに、かつ、信者その他の利害関係人ごとに、それぞれ閲覧することについての正当な利益を個々に判断するということになるわけでございます。 この場合、宗教法人が判断をするわけでございますけれども、まさに宗教法人として、こういった信者に対してこの書類を見せるということについては確かに相手方に正当な利益がある、そして不当な目的ではないという御判断を一義的に宗教法人の方でしていただくというものでございます。 個別の問題になるわけでございますけれども、一般的には、例えばここで言う信者、先ほど株式会社の持ち分権のお話があったわけでございますけれども、ここで言う財産目録等を閲覧請求する正当な利益があるというふうに考えられる者といたしましては、例えばの例でございますが、檀徒や氏子さんのうちで宗教団体と継続的な関係がある、そして宗教法人の財産基盤の形成に貢献してこられたような方、あるいは総代のような地位にあられる方で宗教法人の管理運営上の地位が規則等で明確に定められている方、それから、宗教の教師などで宗教法人と継続的な雇用関係にある方等々、個別具体になりますけれども、一般的にはそういったある程度明確な立場を持ち、正当な利益のある方に対して閲覧請求を認めるというのが今回の法改正の趣旨でございます。
○船田委員 正当な利益、それから信者の定義、そこまでお話をいただいたと思うのですが、基本的には宗教法人側にその判断をしていただく問題である、こういうことであります。これはこの前から小野次長がお話しになっているところなんですが、これに対して、先ほどのは例示であると思います。ですから、そうじゃない者もあるいは宗教法人として認めるかもしれません。 しかしながら、例示をいたしますと、だんだんそれが固定化するということにもなっていく。つまり、何かの基準、信者とはこういうものだという基準をつくられて、そしてその基準に適合すれば、宗教法人が拒否をしても、宗教法人側がこの人はまずい、だめです、こういうふうにしても、ほかの宗教法人では認めているんだ、だからそれは構わないではないか、そういう文化庁側からの指導なりそういったことが行われかねないのじゃないかと私は思うのですが、大臣はその辺はどうお考えですか。そうしない、そういうことはないというふうに言っていただけますでしょうか。
○島村国務大臣 少なくも私はすべて性善説で物を考えますので、常識的には、まともな宗教活動を行っている宗教団体において、信者の認識そのものも一義的に宗教法人で行われるということでもございますし、このようなことが起きることはない、私はそう信じます。
○船田委員 それと信者の問題でありますが、信者というのは、先ほど小野次長からお話があったように、例えば代々そのお寺と長年の関係を築いてきた者、檀徒総代であるとか、そういう一定の方々というものをお出しになりました。 しかし、人数という点から考えて、これはもう一回商法のところをちょっと言ってみたいと思うのですが、商法の二百九十三条ノ六に株式会社の帳簿閲覧請求権について規定があります。ここでは、それができるのは発行株式総数の十分の一以上を保有する株主のみに実は閲覧が限定をされているということであります。 しかしながら、この改正案をどう読んでも、これはたった一人のと言ってはあれですけれども、とにかくたった一人の信者でもそれは構わないことになるのじゃないかと思うのですね。もちろんそれは、宗教法人側がそれでいいということであればいいのかもしれませんが、今申し上げたようなことは、商法の規定と、それからこの場合の財務関係書類の閲覧のやり方と、その辺の関連といいましょうか、あるいはそのバランスといいましょうか、そういうものについて単純な比較はできないのですけれども、この宗教法人法改正において一人の信者というのはちょっと行き過ぎではないのかこう思っておるのですが、いかがでしょう。
○小野(元)政府委員 ただいまお話がございました商法の二百九十二条ノ六でございますが、これはたしか現在、発行済み株数の百分の三以上の株式を所有する株主について閲覧が認められているというふうに私は理解をしているのでございますけれども、宗教法人においては、どの方が信者であるかということについて、あるいは信者の名称等についてもそれぞれの宗教法人でさまざまでございます。ここは宗教法人の自主性を尊重し、財務会計の透明性を高めていただきたいということがあって、この情報開示の問題、閲覧請求の規定が入っているわけでございますけれども、まさにその宗教法人の側で御判断いただくわけでございます。 したがいまして、仮にもし一人の信者でも、その方が長年その宗教法人にとって大変御関係があって、財産形成等に協力をなさっておったということであれば、その宗教法人においてはその一人でも選ばれるかもしれません。そうではなくて、ある宗教法人では、単なる信者ではなくて、一定の長い間の御貢献等がある方に絞るということもできるわけでございまして、まさにこれは先ほど私が申し上げました例も一つの例でございますので、こういったことを基本的にお考えいただければということでございます。あくまでも宗教法人の側で御判断いただくというものでございます。御理解を賜りたいと存じます。
○船田委員 それぞれ理由をお聞きしましたけれども、なかなかすとんと落ちないところが残ります。 文部大臣にこの一連のことでお尋ねといいますか御意見を聞きたいのですけれども、確かに宗教法人も社会を構成する立派な一員であるし、それが性善説であるとか性悪説であるとか、そういうことでこういう法律の議論をしてはいけないというふうに思っております。しかしながら、例えばこのオウムの事件が発生をしたということ、もちろんいろいろあると思いますけれども、そういうことでいきなり宗教法人というのは悪いんだと、性悪説に何か急にころっと変わってしまったような印象を私は覚えてしょうがないのです。 大臣はそうじゃないとおっしゃるかもしれませんが、今申し上げてきた閲覧のことにつきましても、本来は、本来はですよ、やはり宗教法人が自発的に信者の皆さんと信頼関係を保っていきたい、実は多くの宗教法人はそういうことでやっております。現実にやっております。もし必要であれば、必要な人に対しては、信頼関係を保つためにみずから財務関係の書類などを提出をして、あるいはお見せをして、自由に閲覧をしていただいて、それで信者との信頼関係を保とうという宗教法人だって私はあると思いますし、現にやっているところもあるかもしれません。 ですから、そういう自発的な、宗教法人のみずから透明性を保とうという自浄能力というかあるいは自律性というか、そういうことが一方であるのであろう。にもかかわらず、こういう閲覧の権利ということを、閲覧権というものを法的に保障してしまうと、どうもそういう宗教法人と信者との自発的な信頼関係の維持ということに悪い影響、まずい影響を与えてしまうという危険を私は感じます。その点、大臣はどうお考えでしょうか。
○島村国務大臣 宗教法人につきましては、その自由と自主性、責任と公共性を尊重いたしまして、所轄庁の一般的な監督権は規定されておらず、所轄庁の関与は必要最小限のものとなっておるわけであります。宗教法人には、その運営の民主性、透明性が特に求められるということでございますが、実際問題としては、むしろそういうトラブルは余り起きないのではないか、私はそう予想をいたします。 ただ、今回の法改正について申し上げるならば、その閲覧については、正当な利益のある信者その他の利害関係人に宗教法人に備えつけられている財務会計書類等の閲覧権を認めるということでございますが、一般の信者が一々閲覧を求めることが果たしてそうたくさん起きるのかどうか、この辺は少しく船田先生と考えが違うところであります。 ただ、これによりまして、これらの一層の利便を図るということが逆に宗教法人の適正な管理運営に資する目的だということは、また逆に御理解がいただけるのではないかこう思うところであります。
○船田委員 一株株主とかそういうような感じで、とにかく閲覧を認めろということでわあっと信者が殺到することはまずないだろう、こういうお話でありますが、一たび法律にそれを書いてしまうと、そういうことも将来のケースとしてなくはない。これはもういろんな法律でそういうことがありましたけれども、やはり法律に書くということは非常に大事なことであって、それはあらゆるケースを想定して考えなければいけないわけで、最悪のケースも考えて、しかし法律にこう書けばそういうことは防げるというような、そこまでの慎重さが立法には必要じゃないかと私は思っております。その点は大臣とお話をしてもなかなか折り合わないと思いますけれども、その辺をよくお考えをいただきたいというふうに思っております。 次に、法人課税のことをお話ししようと思ったのですが、大臣、いらっしゃいますか。これから入ります、遅くなりましたが。宗教法人課税のことであります。 これも何回も質問あるいは答弁で出ているところでございますが、私は、宗教法人の非課税措置、公益事業、非収益事業に対する非課税の措置というのは、これは他の公益法人への措置と全く同様に、その非営利性と公益性によって非課税であるというのは当然正当な理由があると思います。 また同時に、収益事業につきましては、業種、どういうものをやっていいかということが制限列挙されておりまして、これも一定の歯どめがある。それから二七%の軽減税率がかかっている。また、その収益事業から得られた収益については公益事業に使うことが義務づけられているというような、さまざまな合理的な制約が加えられた中での収益事業、こういうことでございます。 ところが、これまた島村文部大臣のこの書物に返って申しわけないのですが、文芸春秋七月号で「私は、宗教法人といえども収益事業については特別に優遇する必要はないと考えている。普通法人の通常の課税額三七・五パーセントと同じ扱いにするべきではないか。」こう述べておられますが、それは今でも変わらないのですか。お考えは変わらないのでしょうか。
○島村国務大臣 宗教法人につきましては、御高承のとおり、課税対象である収益事業については二七%の軽減税率が適用されているところであります。他の公益法人につきましても同様の措置がとられておるところではありますが、宗教法人に対する税制上の取り扱いにつきましては、基本的には公益法人等、税制全般の中で議論すべき事柄であると私は考えております。 問題は文芸春秋の記事でございますが、これは一政党人として当時の考えを述べたところでありまして、文部大臣といたしましては、今そのようなことを考えているわけではありません。
○船田委員 どうも人格を使い分けておられるようなところがありまして、これはなかなか納得できないところでございます。 それともう一つ、与党の関係者の一部には、収益事業を宗教活動に関するものだけに限定をして、それ以外の事業は別法人として行うべきだ、つまり、宗教法人に限ってでありますが、収益事業を極端に制限をしていこうという動きがあるのをちょっと私も耳にいたしたわけであります。 よもやそういうことはないと思っておりますが、収益事業、しかもそれは何でもやっていいということじゃなくて、きちんと合理的な理由によって制限が加えられているわけでありますが、その制限をさらに非常に強化しようというのは一体どういうことなのか。このことが法人の経営の基盤を壊すということにも当然つながりかねません。 もう一つ大事なことは、これは理論的なことでありますが、ほかの公益法人もそれぞれ合理的な理由によってその収益事業を認められているわけですが、ほかの公益法人とのバランスの問題があると思うのですね。同じ税法の中で、法人税法の中で書かれているわけでありますが、これを宗教法人のみ取り出して、そしてそこだけ泣いてもらおうという話はやはり税法上のバランスを損なうことになりかねないと思いますが、大蔵大臣ばどうお考えでしょうか。
○薄井政府委員 お答え申し上げます。 宗教法人法の世界の中での収益事業のお話と、それから税法の世界での収益事業のお話、二つあろうかと思います。御質問は税法の世界の中での御指摘だと思います。 これまでも申し上げておりますとおり、民法に淵源を持つ公益に関する団体として、法人税法上はこれらをすべて同様に扱っているわけでございますが、どこに法人格の淵源を求めるかは別にして、各国ともいわゆる慈善とか公益に関する法人につきましては同じ取り扱いをしているのが通例でございます。 したがいまして、収益事業に課税するということにつきましては当然のことだと思いますが、特別に宗教法人だけ取り出して、これを厳しくするとかあるいは甘くするという例は各国にもないと承知しております。ただ、収益事業についての課税が二七%でいいのかというのは、これは税率三七・五までの間で近づいていくことは、当然検討の余地のあるところだと思います。 また、収益事業の範囲が今は三十三ではございますが、実情を見て、他の一般の企業と競合する分野が新たに出てきているということであれば、これは追加をしていくのが当然の方向だと思っております。 このように収益事業関連につきまして検討課題はたくさん残っておりますが、宗教法人だけを取り出して別扱いすることは適当ではないと思っております。
○船田委員 宗教法人の課税、公益法人の課税、非常に密接に関連をしておりますし、今、薄井局長からもお話ありましたようなバランスの問題、非常に私は大事だと思っておりますが、大蔵大臣はこの件について、宗教法人だけそれを取り上げていくのか、それとも公益法人全体の中で考えていくのか、その点についてお考えはございますか。
○武村国務大臣 今、政府委員のお答えしたとおりでございます。課税の考え方としては、民法法人全体の中で公益法人というくくりをしておりまして、その中で対応をしていく必要があるというふうに思っております。 もちろん、局長も申し上げましたように、税率とか対象、あるいは昨日も議論がありましたようなみなし寄附金、これについては差がついているわけであります。この問題や、さらには金融資産に伴う収益の課税の議論等々抱えているわけでございますが、基本的には、やはり公益法人というくくりの中で論議を深めていきたいというふうに思っております。
○船田委員 当然私の立場からすれば、この宗教法人、公益法人全体の課税のあり方、今にわかにこれをいじれ、あるいはいじるべきだという必要性は認めておりません。しかし、もし検討していじるというようなそういう動きをされるのであれば、それは私は宗教法人だけを取り上げる、宗教法人だけをやろうというようなことではおかしいと思うので、公益法人全体の課税の中でこの議論をするという形でおやりになるならやればいい、こういうふうに思います。 ただ、その際に、時間がないということで、宗教法人だけを取り上げて結果としてやるということでは困るわけでありまして、やはり公益法人全体のバランスの中で、あり方の中でその課税のあり方を考える。だから、慎重に私は議論をちゃんとやるべきだというふうに思っておりますので、そのことだけは申し上げておきたいと思っております。 それから、最後に近くなってまいりましたが、実は宗教法人審議会の報告には、「その他」の項目のところで、宗教情報センター(仮称)、これの設置について検討すべきである、こういうことが書かれております。こういう組織を「宗教関係者をはじめ、弁護士、宗教学者、心理学者、学識経験者など関係者が連携協力して、自主的に設置運営することについて、検討すべきである」、このように提案として述べているわけですが、この点について法改正案の中には何も触れられておりません。これは一体どういうふうにするおつもりであるのか、今後第三者にゆだねて検討を続けさせるのかどうか、その辺を教えていただきたいと思います。
○小野(元)政府委員 宗教情報センターの設置について報告でも援言されているところでございますが、実はこの宗教情報センターは、国民の皆様方の間に、宗教について非常に関心も高い、あるいは宗教についてもっと情報が知りたい、あるいは宗教で悩んだときに相談に応じてほしい、こういったような希望のようなものがたくさんあるということを私どもは感じておるわけでございます。そういったこともございまして、審議会の報告におきましては、こういう宗教情報センターの設置を援言をしておるところでございます。 ただ、これは先生御指摘ございましたのですが、この宗教情報センターの具体的な中身といたしましては、相談に来られた場合に、この宗教は脱会について非常に厳しいようだから入らない方がいいですよとか、あるいはこの宗教法人が寄附を求めるのは非常に高いからやめた方がいいですよといったようなことが、多分この相談の中身としては入ってくると思うのでございます。そういうことになりますと、明らかにこれは信教の自由の中身に直接タッチする中身でございます。 したがって、こういった宗教情報センターを法律でもって設置する、あるいは国あるいは地方公共団体の公的機関が設置をするということになりますと、これは信教の自由、政教分離の原則にまさに反してしまうおそれがあるわけでございます。そういったことがございますので、いわゆる第三者機関といいますか、弁護士の方であるとか学識経験者の方であるとかボランティアの方であるとか、そういった形での、国や地方公共団体が直接かかわらない形で設置をすることが望ましいのではないかということで、審議会報告ではそういった呼びかけをしておるということでございます。 したがいまして、国としてこれを法律でもって設置をするということは、考え方としてとっていないところでございます。
○船田委員 つまり、あくまで関係者というか第三者というのでしょうか、そういう方々にその設置を呼びかける、したがって、政府としてあるいは文化庁として関与することではない、こういうことでございますね。 もう一つ、これに関連をしまして、実はこれの予算措置のことなんですが、ちょっとこれはよく事実関係がわかりません。 平成八年度の文部省の概算要求の「主要事項」の中に、「宗教法人関連の必要措置」という項目があります。そこに二つの項目がさらに書いてありまして、一つは「宗教法人行政の整備充実」、もう一つは「宗教と社会との関わりに関する調査研究の実施等」、この二つであります。 この点について、私どもの新進党で概算要求のヒアリングを、九月の十九日に説明を文部省から聞かせていただいたのですが、この二つ目の内容につきまして、諸外国との比較研究や苦情処理などの機関として、宗教情報センターを設置したらどうかという審議が宗教法人審議会でなされているので、そのための予算であるという説明をした、こう私は聞いております。 しかし、これは新規の要求であって、額約六千四百万、こうおっしゃったと思うのですが、この時期は実は審議会の報告はまだ出ておりません。出ていないのにこのような御説明をされる、あるいは宗教情報センターの前段の「調査研究の実施等」ということで予算を概算要求をされるというのは、これは少し文部省のフライングではないか、こう思っているのですが、その辺はいかがなんでしょうか。
○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。 平成八年度の文部省の概算要求の中で、御指摘のように「宗教法人関連の必要措置」ということで、お話ございました宗教情報センターについての研究等についての予算もこの中に盛り込んでいることは事実でございます。概算要求は、先生御承知のように、翌年度に必要な経費について八月三十一日までに大蔵省に対して要求しておくという必要があるわけでございます。 この宗教情報センターについては、国民からの要望も非常に強いということもございます。もちろん、当時宗教法人審議会の報告が固まっているわけではなかったわけでございますけれども、私どもとしては、行政としてそういった研究をしていくということはなお必要であろう、仮に報告に盛り込まれようと盛り込まれなかろうと、そういったことについて研究することは必要であろうというふうに判断いたしましたので、八月三十一日の時点で予算をお願いしたものでございます。 先ほど、法律の中に書き込んだものではないということでございますけれども、どういう形で宗教情報センターが設置されることが望ましいのか、そういったことについてもいろいろと研究をしていきたいということがあって、予算に盛り込んでいるものでございます。
○船田委員 私も概算要求の仕組みをわからないではありません。ですから、多少前倒しでおやりになるということもあるのかもしれませんが、しかし、本当に注目をされているこの宗教法人審議会での審議、これがまだ続行中でありまして、決定をしたのが二十九日でございますから、これはやはりちょっと早過ぎるのじゃないかというふうに思うのです。ですから、ここは余り適切な対応ではない、こう考えておりますので、この点今後十分に気をつけていただきたいというふうに思います。 最後になりましたけれども、今回の宗教法人法改正案、その提出の手続の問題、余りにも拙速であるという、我々これまで指摘をしたところでございます。それからまた、内容の面におきましても、信教の自由、政教分離の原則、このこととの関連で、なかなか我々としては納得し得ない部分というのを多々含んでいるわけであります。ですから、慎重には慎重を期して今後とも審議を尽くしていかなければいけない、このように思います。 総理に最後にお聞きいたしますけれども、この国会中に何が何でも成立をさせるんだ、そういう緊急性は私は全くないと考えているのです。それで、この国会はもう既に平成七年度の第二次補正も成立させたという大きな役割も果たしたわけでありますから、この国会は間もなく閉じるわけでありますので、これは延長をしないでせめて継続審議ということで、慎重にまた舞台を改めて設定をしてやるべきではないかということが一つ。 それから、私どもの渡部政務会長から非公式でありますが御提案をしているところでありますが、宗教法人問題について、これは宗教法人法の今回の改正も含めてですが、宗教法人の問題について幅広くさまざまな角度から検討するため、与野党の間で協議機関を設置してはどうか、こういう提案をしておりますけれども、総理としてはこの点についてどうお考えであるか御見解を聞かせていただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 補正予算も上げていただきまして、この国会に課せられた景気対策につきましては、皆様方の御協力もいただいたことについては心からお礼を申し上げたいと思うのです。 宗教法人法の改正も、これまでたびたび申し上げましたような背景と事情があって、この改正が最小限必要であるということを前提にして国会の御審議をお願いしているわけですから、この国会でぜひ成立をさせていただきたいという私の考え方には変わりはございません。しかし、この法案の審議をどうやっていくかとか、どう扱うかということは、これは各党各派の考え方もあって国会でお決めになることでありますから、それ以上のことは申し上げませんけれども、政府がやはり提案をしている以上は、この国会で御成立をお願いを申し上げたい生言わなければならぬと思います。 それから、最後にございました宗教問題を審議する機関をつくったらどうか、こういうお話でありますけれども、それもいっか御答弁申し上げましたように、各党でお話し合いがなされて、そしてそういう方向になれば、それはそれなりに尊重しなければならぬというふうに思います。しかし、宗教法人法改正案の審議は審議としてこの国会で御審議をいただいて、何としても御成立をお願いを申し上げたいということは重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
○船田委員 もう私の時間でございます。この後、冬柴議員にお願いをするわけでありますが、私としてもこの問題、本当に慎重審議を今後も続けなければいけないということで考えております。それがこの国会でやるのか、あるいは別の機会でまたやるのかということについては、これはもう意見が分かれたままでございますけれども、私は今後ともこの問題に注目をして議論をしていきたいというふうに思っております。 以上で終わります。
○越智委員長 次に、冬柴鐵三君。
○冬柴委員 新進党の冬柴鐵三でございます。 委員長に冒頭お願いしたいことがあります。 昨日、共産党の正森委員から、ことしの九月十四日に創価学会の池田名誉会長が、秋谷会長、野崎副会長ら創価学会最高幹部らもずらりと並んだ席で、いろいろなことを記者の前で話をした。その中には、目的は、「公明党をつくったんですから、それは変わらないですよ」、堂々とこういうふうなことを言ったというようなことをテレビの前で言われたわけですね。しかし、ことしの九月十四日はもとよりのこと、参議院選挙、本年の七月二十三日以降、池田名誉会長がそのような席で会うた事実はない、こういうことが客観的事実として明らかなわけですね。 そうしますと、これはテレビの前で相当なけんまくでこのようなことを言われました。そして、それを前提に非常に独断的な論理を展開されたわけですが、これがもし本当に質問者もそういう事実がなかったんだということをお認めになるのであれば、この部分は議事録から削除されるか、あるいは、私の質問時間中で結構ですから、委員今ちょっと中座しておられるようですけれども、こういう事実がなかったことをこの席で明らかにしていただくか、いずれかの処置を委員長としておとりいただきたい。まあ国会の権威の問題でもありますので、慎重に取り計らっていただきたいと思うわけでございますが、委員長の見解をお尋ねします。
○越智委員長 この問題につきましては、理事会でも議論が出ておるのでありますのでございますから、引き続いて理事会で議論して進めたい、こういうふうに思っております。
○冬柴委員 今、不規則発言がいろいろありますけれども、参議院選挙はことしやったんだ。〈発言する者あり)ちょっと黙んなさいよ。参議院選挙は去年やったんじゃない。ことしの平成七年の七月の二十三日にやられた。今私が指摘した、聖教新聞でいわゆる軍歌まがいの和歌で会員を鼓舞する、そして九月十四日、ついこの間ですね、きのう言うんですよ。これはことしの九月十四日以外何物でもないじゃないですか。一年違っていただけじゃないですよ。とんでもない話だ。 委員長、そういうようなことじゃなしに、問題は、テレビの前で、国民の前でこういうことを言われた。それについて違うんじゃないかということをこちらから言ったら、それに対して相当なけんまくでやられた。そういうことを、現認した国民の前で、ただ理事会で協議してどういう解決になるのか知りませんけれども、これだけのことが国民の前で残ってしまうのですよ。ですから、私はテレビの前で訂正すべきだと思いますけれども、それが無理であれば、せめてこの議事録の中ではっきりこの部分は削除をするかあるいはこの席で委員が間違いであったということを陳謝と訂正をすべきである、私はそのように思います。どうか、理事会におかれてぜひその点を委員長において慎重に取り扱われたいと思いますが、委員長の重ねての御発言をいただきたい。
○越智委員長 理事会にて協議をいたします。
○冬柴委員 それではもう一つ、やはり正森委員の質問の中で、聖教新聞が参議院選挙期間中に特定候補に関する報道を掲載したことをもって、公選法に反するのではないかということを前提に、激しくこれもそれを非難する質問を展開をされました。 そこで、自治省にお伺いしたいのですけれども、新聞紙は我々も毎日、朝毎読と読ませていただいておりますけれども、選挙期間中当然選挙に関する報道がされているわけでありまして、一定の要件を備える限り、選挙期間中であっても選挙に関する評論や報道の自由が保障されていると思うのですね。その点について私の考え方に誤りがないかどうか自治省からお伺いしたいのと、どんな新聞でもいいというわけではないでしょうから、それに対して一定の要件があるならば、そういうものも示して御説明をいただきたいと思います。
○谷合政府委員 政党の機関紙以外のいわば一般紙について、これも一般論として申し上げるわけでございますが、公職選挙法第百四十八条三項では、「選挙運動の期間中及び選挙の当日」においては、「イ」として「毎月三回以上、」「号を逐つて定期に有償頒布するものであること。」「口」として「第三種郵便物の認可のあるものであること。」「ハ」として「当該選挙の選挙期日の公示又は告示の日前一年(時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙にあっては、六月)」でございますが、「以来、」先ほど申し上げました「イ及びロに該当し、引き続き発行するものであること。」という要件を具備する新聞紙であれば、選挙に関する報道、評論を掲載することができるというふうに規定をされております。
○冬柴委員 そうすると、昨日正森委員は、大変選挙法に反するような、公選法に反するようなことをおまえのところはやっているじゃないかという、そういう激しい非難をされましたけれども、どうも前提を勘違いをしていられたんじゃないか。 それは、聖教新聞は日刊紙なんですね、日刊紙。それで、本日で一万一千五百八十二号、約四十年継続して発行している新聞であって、もとよりそう高くはありませんけれども、有償で頒布している新聞であります。そして、昭和二十六年六月十九日には第三種郵便物の認可を得ているわけでございます。そして、ことしの七月に行われた選挙の告示の日の六カ月ないし一年前からずっと継続して発行されていることは、これはもう言うまでもないことでございます。 そうすれば、この聖教新聞は公職選挙法第百四十八条に言う「新聞紙」に当たり、選挙期間中選挙に関する報道、評論を掲載する自由を妨げられるものでないというその「新聞紙」に当たると私は思うわけですけれども、重ねて自治省の方から答弁をいただきたいと思います。
○谷合政府委員 御指摘の聖教新聞そのものについて、自治省として、現実にその発行形態がどのようなものかそうした実態を承知をしておりませんので端的なお答えは差し控えますが、先ほど申し上げました一定の要件を具備する新聞紙でありますれば、選挙に関する報道、評論が掲載できるということでございます。 〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕
○冬柴委員 そうすると、昨日の正森委員、四十分相当熱弁を振るわれたんですけれども、その二点において相当大きな誤りがあったということが私は明らかにされたと思うんです。そういう意味で、理事会で十分その点も踏まえた協議をしていただきたい、このように要望をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。 文部大臣にお尋ねしたいわけですが、この法改正、文部大臣はたしか八月八日に就任されたと思うんですけれども、いつからこの法律改正というものをおとりになる決意をして、そしてそのように具体的に事務方に命じられたのか、その点についてまず明らかにしていただきたいと思います。
○島村国務大臣 お答えいたします。 私の方から、法律改正云々ということは、例の宗教法人審議会の報告をいただいて、これを尊重する意味合いから法改正というものが生まれたわけでありまして、私が何か審議の経過の中で法改正云々を言った事実はありません。
○冬柴委員 百二十七回の宗教法人審議会というものが本年の四月二十五日に開かれているわけでございますが、この審議会が開かれるということで、私はあらかじめ、まあ役所の方でありますからこの席で名前は申し上げませんけれども、私の会館事務所に来ていただきまして、宗教法人審議会が開かれるという報道があるけれどもどういう趣旨なのかという、そういうことについて御説明をいただきました。 そうしますと、四月二十五日に開くことにしておる。そしてそれは平成七年、ことしの三月三十一日に前任者の任期が切れて、四月一日に新しい委員が選任をされた。この任期は何か二年らしいんですね。九年三月三十一日までの委員の任命が終わったので、その第一回を開いて、互選で会長を選ぶという目的のために開くのであります、このようなことを説明をいただきました。 そして、その際、当時もうオウム真理教事件が大変大きな騒ぎになっていた時期でもありました。その件につき私の方からそういう問題も取り上げるのかということを聞きましたところ、この件について事務方から、時系列的に整理したもので、これは新聞報道によるしか仕方がないんですけれども、これを報告をいたします、そして意見交換も行うことになります、このようなことをおっしゃいました。 そして、そのときにいろいろと宗教法人審議会について御説明をいただきまして、資料まで持ってきていただきました。宗教法人法が定める審議会の意見を聞かなければならない事項は別紙のとおりということで持ってきていただきました。十四項目だ。それで、その中には制度改正等を諮問を受ける明確な根拠規定はありませんということもおっしゃいました。ただ、宗教界の意見を聞く場としては非常に貴重であるので、自由発言、自由討論として制度自体を論議してもらうことは考えられるけれども、審議会に諮問をして答申をいただくというものでは全くありません、こういうふうに言われました。 そしてまた重ねて、文化庁としては現行法の改正は全く考えておりません、このように私の事務所で役所の方から私に説明をいただきまして、どういう方が委員に任命されたか、そしてどういう事項が審議会としては審議する対象になっているのかというような説明もるるしていただきました。そのほか、翌日行われる予算委員会で、ある議員がこの問題について質問をされるように通告を受けておりますけれども、その内容は憲法にそぐわない論議なので、私どもとしてはそのような対処をしたいと考えています、こんなこともいろいろ話をして、全く改正の話はない、こういう説明だったのです。その点について文部大臣。 〔鈴木(宗)委員長代理退席、委員長着席〕
○島村国務大臣 正確にそれは何日であったか私は聞き漏らしたんですけれども、しかし、文化庁のその職員の立場に立ては、いわば宗教法人審議会のいろいろな御審議がなされるまだ以前といいましょうか、内容がはっきり把握できない段階での発言ですから、その時点で法改正云々ということを言わないのは当然だと思います。
○冬柴委員 それで四月二十五日当日ですね、その日は十時半から十二時半まで、昼食を挟んで第一回の審議会が開かれたそうです。 そういうことで、二時に、どのようなことが本当に話し合われたかを聞きましたところ、その際、三角哲生さんという方が互選によって会長に選ばれて就任をされた。その後、オウム真理教についての逮捕者、逮捕事実等の報告をした後、懇談をした。 そのときに、重要なことは、委員から、オウム事件を機に宗教法人法改正を論及する向きがあるが、本筋ではないし、我々宗教法人審議会のマター、そういうものを審議する場でもないという発言があって、これが大勢を占めました、このように文化庁の職員の方は私に説明をしていただいたわけですが、この点についてどうですか。第一回は、そういうことを審議する場ではないと。
○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。 四月二十五日の審議会でございますけれども、これについては、前与謝野文部大臣からごあいさつを申し上げております。その中で、宗教法人制度について、国会等で宗教法人制度をめぐっていろいろな論議が行われて、問題点が指摘されております、例えて申し上げますと、全国的な宗教活動を行う宗教法人の所轄のあり方……(冬柴委員「もういいよ、長いから。ちょっと短くしてください。そんなこと聞いているんじゃないんだから」と呼ぶ)はい。設立後の所轄庁による活動状況の把握のあり方等について、適切な検討を行っていただく必要があるというふうに申し上げております。 その時点で、宗教法人法の改正を必ずしも前提とするものではございませんというお話をされた後で、しかし、国民の広い関心も配慮する、できるだけ幅広く可能な限り精力的な御審議をいただき、早期に考え方の取りまとめをお願いしたいということを申し上げているわけでございます。 したがいまして、この会議が開かれて大臣からあいさつを申し上げた後、具体的なフリートーキング等が行われたことは先生御指摘のとおりでございます。
○冬柴委員 大臣、今の話でわかるように、フリートーキングが行われた中で、大臣のあいさつというのは、これはもう文献として残っているわけですから、一言一句。その中で、今も言われたけれども、宗教法人法の改正を、必ずしもというふうに言っていますけれども、前提とするものではありません、そういうことに論及しているんですよ。 そして、そういう話の後で、委員の中から、この審議会で論議をする、そういう事項ではないという発言があって、それが大勢を占めた、こういうことを私は聞いているのですよ。その点について、そうであるのかないのか、文部大臣、それだけ。
○島村国務大臣 今あなたのお話にもありましたように、必ずしも改正を予定しないということでありますから、絶対しないということとはまた違うわけです。 それからいま一つは、委員の大勢としてこの法改正を必要としないというふうになったというふうには理解しておりません。それは、最初の時点がどうであったかは私は細かい点はよくわかりませんが、既に申し上げたように、五回の審議会、八回の特別委員会のいろいろな御審議の過程で、やはりこの点に問題があると絞り込まれたものが報告されているところであります。
○冬柴委員 審議会でそういう発言があったかどうかは、これは議事録にきちっと残っているわけですよ。 ですから、委員長、過般、九月二十九日の審議会の議事録の提出を強く求める、その際、全部を出せということもありましたけれども、特に委員の中から、この宗教法人審議会でこういう宗教法人法改正に論及することはできないんだ、先ほど言いましたように、この審議会の役割というのは法に定められた十四の項目、その中には法改正は含まれていないわけでありまして、そういうものを所掌事務とするこの審議会で、これはする事項ではないんだという発言があり、これが大勢を占めたという。私はこの耳で聞いて、ここへその日書き残した記録があるわけであります。非常に大事な向きでありますので、この日の第一回の宗教法人審議会の議事録をぜひ提出をいただきたい。重ねてお願いいたします。処置をよろしくお願いいたします。
○越智委員長 この問題につきましては、理事会で協議中であります。ただいまも草川理事、片岡理事、お話し中のようであります。引き続いて協議をいたします。
○冬柴委員 私が言っているのは、当初、一番最初から、これはこの委員会では審議する事項じゃないということが大勢を占めだということを立証したいわけでありまして、ぜひその点に問題意識を持って、委員長、前向きに取り組んでいただきたいということを要請をしておきたいと思います。
○越智委員長 引き続いて協議いたします。
○冬柴委員 そこで所掌事務ですけれども、法七十一条一項に規定されています。文化庁で結構ですが、宗教法人審議会の所掌事務はどうなっているのか、七十一条一項を読んでいただいて結構ですが、それをお示しいただきたいと思います。
○小野(元)政府委員 宗教法人法七十一条で、宗教法人審議会の設置及び所掌事務が規定をされております。 七十一条第一項では「文部省に宗教法人審議会を置く。」第二項で「宗教法人審議会は、文部大臣の諮問に応じて宗教法人に関する認証その他この法律の規定によりその権限に属せしめられた事項について調査審議し、及びこれに関連する事項について文部大臣に建議する。」という規定がございます。
○冬柴委員 今読み上げられたとおりでして、宗教法人審議会がやれるのはオールマイティーではないので、法に定められた事項、この法律に定める事項というのは数え上げれば十四あります。その十四の事項と、それに関連する事項について建議することができるということであって、諮問を受けるのは十四だけなんです。そして、建議することができるのはその十四に関連することであって、法改正を含んでいないわけでございます。 そういう意味から、この宗教法人審議会が答申とも書かなかった、あるいは建議とも書いていない、報告という言葉になっておりますが、それはそういういきさつを如実にあらわすこの文書の肩書ですね。九月二十九日に島村文部大臣に提出された宗教法人審議会の結論は、報告ということになっていたと思うのですね。建議でもなければ答申でもない。それは、この法律の定めた権限に所属されていないことを書いてあるからにほかならないのであって、大臣からその点についての意見を伺いたいと思います。
○小野(元)政府委員 法律の解釈の少し細かい点になりますので、私から答弁させていただきたいと思います。 今回の報告でございますけれども、先ほど申し上げました建議事項、認証その他宗教法人審議会の調査審議事項に関連する事項について建議する権限を宗教法人審議会はお持ちでございます。 今回の報告は、宗教法人制度についてのいろいろな検討をされたわけでございます。宗教法人の所轄のあり方、情報開示のあり方、設立後の活動状況の把握のあり方、こういったもの等について審議いただいたわけでございますけれども、これは宗教法人法第七十一条第二項に規定いたします建議事項である認証その他宗教法人審議会の権限に関連する事項、これに該当するものでございます。したがって宗教法人審議会に御審議いただいたということでございまして、審議会としてのその審議の結果が報告という形で文部大臣に提出されたものでございます。
○冬柴委員 相当無理に、建議ということになれば、大臣から頼まれていないのにみずから進んで一つの政策を提言するということですから、これは全会一致が当然の話です。余りしつこくその内容はもうやりませんけれども、多くの異論があったことは、その人数は別としても、文部省自身も二、三名の異論があったということをお認めなので、これは満場一致じゃなかったわけですよ。そういう形で建議がされるということは、これはこの法の精神に全く反することであるし、それからまた、この十四項目に限ったこの権限を大きく逸脱した越権行為だと私は思っております。 それからもう一つ、いつ文化庁が、あるいは文部省が法改正を考えたのかということの一つの問題を判断する上で、八月二日に行われた、これは文部省外の会場で行ったようですけれども、特別委員会に神奈川県の私学宗教課長の松本さんという人と兵庫県の教育課長の岡田さんという人を呼んで、実務的な面をいろいろとレクチャーを受けられたようでございます。ヒアリングを受けたようでございます。その際、国学院大学の阿部教授も、十五分ですけれども意見を述べられたようでございます。 そのときにどういう話があったかということも、また私は八月七日に詳しく文部省の方に教えていただきました。国学院大学の先生のお話も、法の見直しに相当踏み込んだような意見を述べられておりますので、私としてはこのように尋ねました。この審議会は、ずっと法改正を考えずにフリートーキングだというふうに言われていたけれども、法改正を射程に入れた議論を始めたのではないのですかというふうに私は聞いたわけです。それに対して文化庁は、今は全く白紙で、またその議論もありません、こういうふうな答えをしておられるのです。これが八月の七日なんです。八月七日にそのように私は伺いました。 ところで、八月八日、島村文部大臣が就任されました。以降、一瀉千里、これは法改正に向かってどんどん煮詰まっていったように思うのですね。先ほど来同僚議員からも示されたいわゆる文芸春秋七月号の論文を見ましても、所轄庁のあり方について、二県以上にまたがるものは文部大臣に移すべきで、移して監督を容易にするようにしなきゃいけないとか、あるいは財務関係をもっと明らかにしなきゃいけないとか、要するに本件の法改正の内容そのものを論文の中で、まあ私人の立場ですけれども、書いておられたわけですね。 大臣、一切九月二十九日までこの改正についてあなたがリーダーシップをとったことはない、このように冒頭おっしゃいましたけれども、そうではないのじゃないですか、この具体的な流れから見て。私は、克明に、時系列的に今これを申し上げているわけで、これは真剣に、それがいいか悪いかは別ですよ、文部大臣になられたんだから、私の立場でこうすると言われるのだったらいいけれども、それまでの論議は、少なくとも改正を射程に入れた論議はしていないということを私ははっきりしたいわけです。どうですか。
○島村国務大臣 一政治家の考えとして申したこととはいいながら、私自身には、例えば天下に名立たる文芸春秋にその文章が載ったりしている事実もあるわけですから、いろんな意味で恣意的な動きにとらえられやすいということも自分で考えまして、それで私は文部大臣就任のときに、当然に宗教法人審議会で御検討いただいていることは聞きました。メンバーについても入手は極めて容易でありますけれども、その際、私は考えまして、あえて審議会のメンバーを拝見しまして、中に本当に親しい人でもいますと、何かの機会に会ったときに、つい自分の考えが何か押しつけめいて出たりするといけない、この際は一切遠慮すべきだという判断をして、それ以来全く電話も何も一切しない、あわせまして特定の宗教関係の方とお会いすることも慎んできたというのが実際であります。
○冬柴委員 それは後世、歴史が明らかにすることだろうと思いますけれども、非常に拙速ですね。八月からこのような議論、そして今、九月の末にはこれが出されたということ。また後でも論及しますけれども、私は、基本的人権とか政教分離という、人の心、内心の自由という非常に大事なものを扱うにしては、これは悔いを百年に残すような拙速な改正のように思われてならないわけです。もっと論議をする時間はあるじゃないですか。 今ここでこういう重大なことを、審議会の権限についても、私は、国家行政組織法八条で新しいこの改正のための審議会を設けて、もう一回真剣に、それこそ二年、三年かけて審議をした結果、その結論をもってやるというのも一つの方法だろうし、与野党協議も一つの方法だろうし、いろいろな方法、選択の余地はたくさんあると思うのですね。これを今提案したから、もう十三日まであとわずかですけれども、何が何でもやらなきゃならないというものではない。 その点について、これは総理にぜひ御答弁いただきたいのですけれども、村山内閣としてこういう重大な問題を、前回も私は戦前の宗教弾圧の歴史をるるここでお尋ねをいたしましたけれども、どうしてこういうふうに急がれるのか、その点について御答弁をいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これは見方、人の受けとめ方で違うのかもしれませんけれども、私は別に拙速にやっているとは思っていません。 これは四月から、お話もございましたように、この審議会で文部大臣から制度問題についても検討してほしい、こういう要請をして、そしてその要請にこたえてこの審議会で議論をしてきた、そしてこの九月の二十九日にその報告がまとめられて提出された、こういう経過があるわけです。 そういう経過も、まあ言う人に言わせれば、おれは反対したんだ、しかしその反対は聞いてくれなかったといったようないろいろ意見が後からあるかもしれませんけれども、しかし、その審議会の委員長は委員長の立場で大方の意見としてまとめて文部大臣に報告された、こういうふうに聞いておりますから、別にやり直さなきゃいかぬというようなことはないのではないかというふうに私は思います。 同時に、そういう報告は、もちろんこれは審議会の報告ですから尊重しなければいけません。その尊重した立場で、政府が責任を持って、当面この程度の最小限度の改正をすることは行政上あるいは宗教法人のあり方として妥当ではないか、こう考えて皆さん方に御審議を煩わしているわけですね。 したがって、この改正案の中身が、果たして拙速で提出されている中身であるかどうかということの方がむしろ大事であって、その方の審議を真剣にしていただいて、そして是非を決めていただければいいのではないか、私はそういうように思っていますから、別に手続が拙速であるとかいうようなことは思っておりません。
○冬柴委員 それでは、この現行宗教法人法の二十五条は、宗教法人に対して財務書類等の作成あるいはそれを主たる事務所に備えつける義務を定めながら、その写しを所轄庁へ提出するという義務を決めなかった。決めていないのですね、現在。ですから、今度そういう改正を四十四年たった後にしようとしておられるわけですけれども、なぜそういう提出義務を定めなかったのか。また、宗教法人所轄庁はこの解散請求とかそういうことができるという権利を定めながら、それの事前調査というような報告徴求とかあるいは質問権、今回改正で追加しようとしていられるそういうものをなぜ定められなかったのか、その立法経過ですね。何でここに定めていないのか、これを説明をしていただきたい、このように思います。
○小野(元)政府委員 現行法において備えつけ書類の提出義務等を課していない理由はなぜなのかということでございますが、現行法の二十五条二項が宗教法人に対しまして備えつけ義務を課している書類といいますのは、当該法人の運営の規範でございます規則……(冬柴委員「短くやってください、短く。もうずっと読まなくたってわかっているんだから」と呼ぶ)はい。 現行法がそういった提出を義務づけていないということについては、立法当時、昭和二十六年の状況におきましては、現行法にございます規則変更、合併、任意解散の認証あるいは一定の登記事項の届け出、こういったもので認証後の実態把握がある程度できる。所轄庁として、認証に係る宗教法人について宗教団体としての要件を備えているかどうか等についての実態を把握する、そして、二十六年の時点では、現行の宗教法人法の定める権限を適正に行使できるのではないかというふうに考えておったわけでございますけれども、その後の社会状況の変化、それから宗教法人の実態の変化が大きく生じておりますので、現時点においては現行法とは考え方が異なっているわけでございます。
○冬柴委員 法制局長官にお尋ねしますけれども、今文化庁からこのような答弁がありましたけれども、宗教法人法二十五条で書類の備えつけ義務を認めながら、これの提出義務を定めなかったのはなぜか。あるいは解散請求権、解散を裁判所に求めることができるということに定めながら、質問権とか報告徴求権、立入調査権、こういうようなものを決めなかった理由は何なのか何に由来するのか、その点について御説明をいただきたいと思います。
○大出政府委員 当時の立法趣旨等につきまして私つぶさに承知をいたしておりませんので、お答えを申し上げにくいわけでありますが、全体として、信教の自由それから政教分離の原則というものを念頭に置いてそのような法制度になってきているということかと思います。
○冬柴委員 総理、この程度の改正だったら問題ないとおっしゃったけれども、重大な問題なんですよね、今の法制局長官の答弁は。 今までの現行法では、要するに宗教法人に対して事前の行政規制というのはなるべくやめよう、そういうようないわゆる信教の自由をあらかじめ制約するということは避けなきゃならないという憲法的な配慮があって、そして、こういうものはつくって置いておくけれども、それを役所に提出したり見せたりする必要はないと。一見奇妙ですけれどもね。一見奇妙ですけれども、つくりなさい、つくる義務はありますよ、しかし、それを所轄庁に提出したりすることは必要でない、こういうことになっているんですよ。それを今度出す。 総理は、その程度のことはとこうおっしゃるわけでしょう。その程度じゃないんですよ。これが憲法の保障する信教の自由と深くかかわりがあるから、いいですか、昭和二十六年の宗教法人法制定当時に非常に繊細にこの点に配慮をしてこういう立法がされているんですよ。それで四十四年間、今日までこれで別に、それはオウム真理教というとてつもないものが起こりましたけれども、これがなかったからどうだこうだということはいまだないわけでありまして、どうしてこれが軽々にその程度のことはとこうおっしゃられるのか、私にはわかりません。総理から一言、その点についてだけでも。
○村山内閣総理大臣 二十六年、この宗教法人法が制定されている当時の状況と現状とは、もうそれは宗教団体の活動も変わっていますし、それから社会的な条件もうんと変わっていますから、したがって、そういう変化しておる今の現状から考えた場合に、特にこれは、今お話もございましたようなオウム事件というようなものもきっかけになっていると思いますけれども、しかし、そういう現状に照らして考えた場合に、認証した後、認証した行政庁がどんな状態にあるのかということも全然わからないというんでは行政の責任が持てないんではないか。 ですから、私はたびたび申し上げておりますけれども、信教の自由と政教分離の原則というものはしっかり守ります、それを守ることを前提にした上で、最低行政として責任の持てる範囲、国民の皆さんが納得できる範囲のことはお互いにきちっとした方がいいんではなかろうか、こういう意味で今度の改正案は出されておるんだというふうに御理解を賜りたいと思いまするし、それ以上のものでないことだけははっきり申し上げておきたいと思います。
○冬柴委員 ずっと一貫して、もう認証した後は所轄庁はその内容が全然わからないということを重ねて総理も文部大臣も答弁をしていられますけれども、この八月二日に、先ほど言いました特別委員会で神奈川県と兵庫県の担当者から実務の実情をヒアリングしたときの内容では、全然わかっていないというようなことをだれも言っていないんですよ。 どんな仕事をしているんですかということを聞いたら、規則認証事務が主ですけれども、その後、いいですか、その宗教法人が不動産を取得する。その場合には、登録免許税が普通であれば千分の五十、大変高い登録免許税が所有権移転登記ですから要るわけですけれども、これが登録免許税非課税証明書というものを文化庁の方から、あるいは所轄庁ですね、知事でもいいですけれども、所轄庁から受け取れば、登録免許税が非課税になるんですよ。そのためにこの下付を求めてくる。 それで、境内地が礼拝所がどうかということの要件確認のために、現場現認をする事務がたくさんあると。その際にいろいろ協力を得て活動状況等も聴取しておりますと。そのほか、毎年名簿を作成するけれども、そのときに郵便が不着てあれば、休眠法人であるかということも調査をしております。そして、宗教法人法八十一条によって、代表者が欠けて一年以上たっているとか、あるいは礼拝所が滅失して二年以上休眠になっているとかいうことをその節発見することもあって、解散命令手続というのは、このオウムのような、要するに八十一条一項一号と言うんですけれども、その犯罪行為のやつは今回が初めてだけれども、それ以降の二号とか三号、四号、五号とあるんですが、そういうものについては自分の仕事としてやっております、そしてまたその際、任意解散の勧告とか合併の勧告というようなこともして十分にその把握に努めております、こういうことを言っているんですよ。 あなた、何にも知らないとおっしゃっていることは誤りであると思いますので、これはやはり認識を改めていただかなければならないと思います。これはそういうふうに申し上げておきます。よく調べていただきたいと思います。 さて、私は、この憲法二十条の信教の自由というのは、あらかじめ行政規制を加えることは違憲であると思っているのです。法制局長官、どうですか。
○大出政府委員 あらかじめ行政規制を加えるというお話でございましたが、ちょっとその趣旨がよくのみ込めませんのであれですけれども、憲法二十条とそれから宗教法人に関連したこの宗教法人法との関係でありますけれども、宗教法人という一つの資格、法人格を与えられる、まずこういう前提がありまして、そしてその公共性にかんがみて必要な責務を果たしていく必要がある。そういう意味で、若干の規制というものは現行法でも既にあるわけであります。そういうことが許されないということではないと思います。
○冬柴委員 それでは、あらかじめ規制することは許されないということが意味がわかりにくいとおっしゃったのですが、この憲法二十条というのは「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」明治憲法との差異は前回論じましたから繰り返しませんけれども、要するに無条件、絶対の保障だというふうに言われていると思うのです。 法制局長官も前回私の質問に対して、内心の自由、要するに信仰の自由ですね、どの宗教を信ずるか信じないかという部分についてはもう絶対でございます、しかし、行為が外形にあらわれた場合には、それが他の法律に触れるというような場合には、これが制限される場合もありますという説明をしていただきました。 私の考えるのも全く同じなのですけれども、そういう考え方は、この宗教法人法の中でも、宗教法人が他の法律、すなわち刑法とか、児童福祉法もありましょう、建築基準法もありましょう、いろいろな刑罰法規あるいは行政法規に違背する事実があれば、これはその法律で取り締まることは当たり前のことであります。 しかし、それ以外、進んで事前に宗教法人が財産を、結社の自由がありますから信者との関係とかいろいろな面が生ずると思うわけですけれども、そういうものをあらかじめ法律がこうであらなければならないというような定め方、これを私、事前規制と言っておるわけですけれども、そういうものは絶対の自由という観点と大きくずれているのではないかと思いますが、法制局長官の明快な答弁をいただきたいと思います。
○大出政府委員 信教の自由というふうに一口に言いましても、この前にも御答弁申し上げましたように、内心におけるところの信仰の自由というようなものと、それから宗教的行為、宗教上の行為を行うというようなものといろいろあるわけであります。 この前も私は申し上げましたが、いわゆる内心におけるところの信仰の自由というものは、これは絶対的なものであろう、法によって規制をするということはできないであろうということであろうかと思います。外部にあらわれました宗教的活動といいますかあるいは宗教上の行為というようなものについて、これももちろん保障されなければならないわけでありますけれども、何かの公共の福祉の要請といいますか、そういうものがありまして、それが場合によっては規制をされるということはあり得るということだと思います。 ただ、もちろんそう申し上げましても、その点については慎重であり、合理的なものでなければならないことは当然のことであろうかと思います。
○冬柴委員 今法制局長官、重要な言葉を言われたと思うのですね。絶対であろうけれども公共の福祉という言葉が出ました。これは全く白紙概念ですよね。要するに、臣民の義務に背かざる限りとか、安寧秩序を妨げざる限りとか同じ概念ですよ、公共の福祉なんて持ってきたら。そこが新憲法と重大な違いがあるんじゃないですか。 制憲議会で、第九十回帝国議会で、衆議院の委員会ですが、二十一年七月十六日です。井上徳命議員が二十条の「「信教の自由は何人に対してもこれを保障する。」トアリマスルガ、此ノ意味ハ絶対ノ自由ヲ指スノデゴザイマセウカ」こういうふうに聞いているのに対して、金森徳次郎国務大臣は、「事柄ノ性質上、信教ト云フモノガ、ソレ自身ガ他ニ公益ト抵触スルコトガアラウトハ思ハレマセヌカラ、実質的ニ於キマシテハ、略々絶対ノ自由ニ近イモノ」であると考えております、こういう答弁をしておられる。法制局長官ですから、法律家の大先輩として私は議論させてもらっているわけですけれども、この中には公共の福祉というようなものの概念を持ち込む余地はないのじゃないですか。 また、同じく帝国議会の金森国務大臣の答弁の中には、結城安次議員の「醇風美俗ヲ書スル」ような場合が出てきた場合どう考えるんだというような問いに対して、るる新憲法の二十条のことを説明をしておられるわけですね。 ちょっと長くなりますけれども、「精神ノ内部ニ基本ヲ特ツテ居リマスルモノノ自由ニ付キマシテハ」「強ク取締リヲスル考ハ当初ハナカツタラウト思ヒマスケレドモ、現実ノ道行キト致シマシテハ、思ヒノ外ナル行キ過ギガ起ツタト云フコトハ、御承知ノ処デアラウト思ヒマス、ソレ等ノ経験ニモ顧ミ、又個人ノ本体ヲ尊重致シマスル見地カラシテ、此ノ改正案ニ於キマシテハ」ということは新憲法ですけれども、「相当ニ其ノ点ハ深ク考ヘタノデアリマスガ、要スルニ、人間其ノ者ガ十分ニ其ノ力ヲ伸バシテ行キマスル為ニハ、其ノ精神ノ内部カラ発露スル所ノ真面目ナル道行キト云フモノニ、圧迫ヲ加フベキモノデハナイ、」「詰リ根本ハ、宗教ヲ尊重スル、併シナガラ政治団体タル立場ニ於ケル国家ハ、是ト特別ニ緊密ナル干渉ヲ作ラナイ、信教ハ信教トシテ伸バシメルト云フ立場ヲ執ツチ居リマス、」「従来ノ思想カラ追ヒ詰メテ来マスレバ、是ハ非常ニ不安心ナ、余リニモ自由ヲ認メタモノデアリ、場合ニ依ツテハ放埒トモ言ヒ得ルト云フ御疑念ガ湧クカモ知レマセヌケレドモ、併シ之ヲ簡便ナル方法ヲ以テ取締ルト云フコトハ、宗教ノ本質ニモ合ハナイシ、大キナ意味ニ於テノ人類ノ発展ヲ妨ゲルノデアリマシテ、此ノ憲法ノ眼目トスル所ハ、左様ナ行キ道デハナイノデアリマス、」という非常に哲学的な、説得力ある言葉でこの二十条の立法理由を述べておられるのですね。 法制局長官、今、公共の福祉とバッティングする場合は、慎重ではあるけれども制限があり得るようなことをおっしゃったけれども、この制憲議会における立法理由のるる説明されたところと相反するんじゃないですか。その点についてお尋ねをいたします。
○大出政府委員 ただいまいろいろ御紹介されました制憲議会におけるところのやりとりの考え方、その考え方と私は基本的に少しも変わらないと思います。 先ほど申し上げましたように、内心の自由としてのいわば信仰の自由というものは絶対的なものであろう。しかし、宗教上の行為とか宗教活動とかいうような形で外部にあらわれた行為、そういうものにつきましては、もちろん相当その必要性の高いものでなければいけないわけですけれども、制約される場合があり得る。しかも、その制約につきましては、慎重の上にも慎重であるべきであるという考え方を基本にしながら申し上げたつもりでございます。
○冬柴委員 法制局長官の前回の答弁は、外部にあらわれた行為が他の犯罪等にかかわった場合というような話があって、これは加持祈祷ということで傷害致死に問われた有名な判例がありますから、それを念頭に置いて法制局長官は述べられた、私はそのように思って、これは絶対の保障を言っておられるのだ。そうであれば、この今回の改正は、非常に重要な部分について、外見上一見軽微に見えるけれども、それを深く考えればこのような憲法の問題にどうしても到着して、乗り越えなければならない重大な論点がある、このように私は思っているわけでございます。 ただ、時間が迫っておりますので、この点については引き続きいろいろな、ここでやれなければ本を書いたりしてでもやっていきたいと思うけれども、私はこれは誤りだと思います。今回の立法は誤りだ、そのように法曹の一員として考えております。 次に移りますけれども、文部大臣、所轄庁としての文部大臣とそれから所轄庁としての知事の立場、権限に違いがありますか。どのような認識ですか。
○島村国務大臣 ありません。
○冬柴委員 その違いがない、これは私もそのように思います。その違いがないのに、二つ以上の県にまたがったものは、最初は一県から発生するんでしょう。そういうことで知事の認証を得て法人格を取得した宗教法人が、その後活動を広げて他府県にも活動拠点を持つというようなことになった場合に、今までは所轄をかえるという思想は全くなかったわけですね。なぜならば、知事が所轄しようが文部大臣が所轄しようが、そこに何ら権限、地位に差がないわけですから、つけかえる必要は全くないわけですね。それを今回やられるということは、私はここに最も政治的な思惑とかあるいは権力闘争のにおいがするわけです。 これはどうしてかというと、これだけでは何の意味もないのですね。その次のいわゆる財務関係書類の徴求とあわせて考えたときに、非常に重大な結果がそこに生ずるんじゃないんですか。文部大臣、この質問についてどのように感じられますか。
○島村国務大臣 あくまで実態に即したものでありまして、オウム真理教を例にとると極端にお受け取りになるかもしれませんが、例えば東京と山梨だけならまだしも、これが静岡、熊本と広がっていきますと、仮に所轄庁である東京都が何かを調べるといっても、現実的にはやりにくい。その意味ではやはり国が所轄するのは当然だ、私たちは常識的にそう考えます。
○冬柴委員 村山内閣で地方分権推進法が成立しました。私も議員提案で地方分権の推進に関する法律案というのを提出して、閣法が通りましたので、私の方は残念ながら相当な審議をしましたけれども通りませんでした。しかし、今地方分権というのは非常に大事な問題で、地方分権推進委員会は今精力的に事務を進められているのですね。 その一番の問題は、やはり機関委任事務の廃止を考えて議論しているんですよ。そしてこれは改造前の村山内閣の自治大臣、それから総務庁長官も明確に言われたように、機関委任事務というのは国の事務を地方に下請さす、公選の知事に対して大臣のいわゆる下級行政機関として扱う。今も沖縄の問題で、これも機関委任事務ですけれども大変御苦労されていますけれども、できるだけ地方分権を進めようという潮流の中からも、これはやはり地方であったものを文部大臣に移すというのは逆なんですよ。そういう議論もこの審議会の中ではありました。 それで、財務関係書類の提出義務とあわせて特定宗教団体、そういうものを国家の、すなわち文部省の管理下に置こうとする、そういう考えがあるんじゃないんですか。文部大臣、それはどうですか。
○島村国務大臣 私も地方分権には賛成ですけれども、この場合は、地方分権を進めるという考え方とはおのずから性格を異にすると思います。いわば国と地方の役割分担をきちんとする、こういうことでございます。
○冬柴委員 同僚議員も非常に問題にしましたけれども、文部省に提出された財務関係書類というものは、例えば予算委員会とか国会の場でいろいろな意味で集中的に提出を文部省に命ぜられた場合、守秘義務との間で大変苦労するということを言われましたけれども、その基準が全く、提出するのかしないのか予算委員会なら予算委員会で、ある特定宗教団体の財務関係書類を提出せよというふうに強く迫られたときに文部省はどうされるのか、その点についてもう一度聞いておきたいと思います。
○小野(元)政府委員 国政調査権によりまして所轄庁が保有する宗教法人の書類等について国会に提出することになるのかどうかという御質問でございますが、職務上の秘密に該当すると考えられる事項でございますと、国政調査権に基づいてそれらの事項について要請があった場合に、その要請にこたえて職務上の秘密を開披するかどうかということにつきましては、守秘義務によって守られるべき公益と国政調査権の行使によって得られるべき公益、これを個々の事案ごとに比較考量することにより決定されるべきものだと考えておるところでございます。 提出書類に記載された情報に関しましても、国政調査権に基づいて要請があった場合どうするかということでございますが、個々の事案ごとに判断すべきものであり、一概には言えないわけでございます。 私どもといたしましては、宗教法人から提出された書類について、所轄庁が守秘義務により守るべき公益というのは一体何かということをよく言われるわけでございますけれども、この所轄庁が守秘義務により守るべき公益というものにつきましては、宗教法人から提出されました書類に、非公知であって実質的にも秘密として保護するに値するというふうに認められるような秘密が含まれる場合、このような職務上知り得た秘密を外部に漏らすということになりますと、宗教法人法上、書類提出を義務づける制度の趣旨、目的に反し、ひいては宗教法人の所轄庁に対する信頼を損ない、宗務行政の適正な遂行を損なうおそれがある。このため、守秘義務を守ることにより宗務行政の適正な遂行を確保するということが守秘義務により確保すべき公益に該当するというふうに考えておるところでございます。
○冬柴委員 そこで、比較考量をずっと言われましたけれども、その言われている事実が非公知である場合にはということを言いました。裏返せば、ある程度の人が知っている事実であれば、これは財務書類も国会に提出を求められれば提出するということを裏づけることなんですね。 今回の改正案の中でもう一点見過ごしてはならないのは、財務関係書類について、これも異例な話ですけれども、信者等の閲覧請求権というものを認めております。この閲覧請求権が認められている、信者であれば見られる書類を国会議員はなぜ見られないんだ、こういう議論になったときにどうするんですか。その点についてこの均衡を破ってしまうんじゃないんですか。あなたはそういうことだったらすぐ出すんじゃないんですか。どうですか、それは。
○小野(元)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、所轄庁として守秘義務により守るべき公益があるわけでございます。その点については、先ほども御答弁申し上げましたように、秘密を守るということによりまして宗務行政の適正な遂行を確保するということが私どもとしては大切だというふうに考えているところでございます。
○冬柴委員 じゃ大臣、国会から、文部省は持っているわけだ、提出さすわけですからね。それを出しなさいということをここでいろいろ言われる。そうすると、守秘義務があります、こう言うわけです。そうしたら求める方は、それは信者ですら、あるいは利害関係人ですら閲覧請求できる書類じゃないかもう公知に近い書類じゃないか、そういう信者が知り得る情報をなぜ国会が知ることができないんだ、こういう議論になったときに、あなたどうされますか。
○島村国務大臣 あくまで仮定のお話ですから、やはりそれぞれのケースに応じて対応する、こういうことになると思います。
○冬柴委員 そういうことを有機的に考えれば、今回の改正というものは、総理はこの程度のことはとこういうことをおっしゃるけれども、そうではない。 一部自民党の議員の方は、これはオウム対策でないことは、オウムはもう警察で捜査が入ったんだから関係ない。この対策は新進党対策であり、あるいはその後ろにいる特定宗教団体対策であり、続いて選挙対策だ、来るべき小選挙区の対策だということを公然と公器であるテレビの前でおっしゃったんですね。どうですか。それほどこれはそういう見方もできるし、また当事者がそうおっしゃるわけですから、そういうことを含むこの法案というものを総理はなお急いで、残り少ないこの国会で何が何でも成立させなければならないという。それはどういうことなんですか。その点について。
○村山内閣総理大臣 今度の宗教法人法の改正案について、それぞれの立場からそれはいろいろな見方はあると思いますね。あなた方は、拙速だ、やるべきではない、こういう意見を持っていますし、同時にまた、これは特定の政党、特定の宗教団体を指してやろうとしているのではないか、こういう意見をされる方もあります。また反対側からすれば、いやそんなことは絶対ないという意見もあるし、それから個人的には、いやそれは行き過ぎた宗教団体に対してはやるべきだ、こういうような意見も述べる方がありますね。これはもうさまざまな意見が私はあると思うのですよ。 それは、あることを否定しようといったって、現実に政治家がそれぞれの見識を持って言っている意見ですから、これは否定することもできませんし、また、コメントを必要以上にすることも私は差し控えなければならぬと思うのですね。 ただ、ずっとこれまでの審議の中で申し上げていますように、取り締まることを前提にして法律の改正をするものではない。あくまでも信教の自由と政教分離という、憲法で保障されている厳然たるものについてはしっかり守っていくんだということを前提にして今の実態というものを考えた場合に、今置かれているいろいろな関係やら現状というものを考えた場合に、最低この程度のことをすることによって、むしろ信教の自由と政教分離の原則というものは守られていくのではないかということを考えた場合に、私はこの程度の修正は必要である、当然だというふうに思っております。
○冬柴委員 次の問題に移ります。 財務関係書類を所轄庁へ提出をするという義務を新設されようとしております。それとともに、今までなかったこととして、財務関係書類を信者等利害関係人に閲覧を許すということと、もう一つ、境内建物の目録をつくるべき義務を課して、それも提出をさせる、こういうような義務が今回新設されようとしているわけです。 これは十八万四千と言われている宗教団体、その中には、私が知るところでも二十ないし三十のお寺、末寺とかあるいは神社をお守りして、暑いお盆の土用のさなかに汗まみれになって檀家を回っている僧侶もいられますね。そういう人たちに対して新たに境内建物の目録をつくらせたり、あるいはこれを財務関係書類とともに年に一回所轄庁に提出をさせたり、あるいは信者とかそういうような利害関係人が閲覧を求めてきたら、それに応じなければ、これは過料ですけれども罰則まである、そういうことをそういう弱小の人にまでこれは規定している。こういう義務を課すということがどんな必要があるのか。 そういう人から集めた書類を文部省はどうされるのか。どこへ積んでおくのだ。文化庁と都道府県知事が十八万四千にも及ぶ、その中には大きい法人もあれば、小さな今言ったような法人もあるわけでありまして、そういうところから全部漏れなく提出させる書類をどういうふうに使われるのか。それにはどれだけの人数が要るのか。そういうことについて調査されたことがあるのかどうか、過疎地における社寺運営の実態について調査されたのかどうか、その点についてもどうぞ、文部大臣。
○小野(元)政府委員 現行法では調査する権限がございませんので、きっちりした調査はございません。ただ、境内建物に関する書類につきましては、例えば小さなお寺さんや神社さんでございますと境内建物というのは限られているわけでございますから、それがどこにあって、それが何平米といったような書類をおつくりになるというのは、そんなに大きなお手数をおかけすることではないと思うわけでございます。 なお、この境内建物に関する書類につきましては、財産目録にきちんと記載されておればそれで足りるというものでございます。 それからもう一つの財産目録、それから収支計算書等でございますが、収支計算書につきましては、御指摘ございましたように、私どもといたしましても、小規模法人に対して、収支計算書につきましては附則で特例を設けているところでございます。
○冬柴委員 私が聞いたのは、収支報告書のことなんか一言も聞いていないですよ。財務関係書類と境内建物についての書類、十八万四千の書類、そういうものを全部そういう弱小な法人にまで山さすという立法理由はどこにあるんだ。そういうものを提出させて何になるんだ。 それから、弱小な社寺といえども不動産を所有していられるんですよ。そういう土地をめぐる地面師とか事件屋とか、そういうものが暗躍する場合だってたくさんあるわけですよ。そういうところへ、こういう弱小の宗教法人に対してまで信者その他の利害関係人の財務関係書類と、問題なのは帳簿まで閲覧請求権を認めているというところですね。帳簿まで認めているというのは、どういう立法理由からそんなものをつくったのか。 先ほども法制局長官は、合理的理由があれば慎重にそういうものを認める、憲法の信教の自由に対して若干のそういうものも公共の福祉のためにあるんだと言われるけれども、一体この場合の公共の福祉というのはどういうものなのか、その点について、これは一度総理から御答弁をいただきたいと思います。
○島村国務大臣 先ほど境内建物については文化庁次長から御報告したところですが、今回新規に設けた書類をつくるといっても、特別そんなに大きな手間暇かかるような性質のものではありませんし、物理的にもそれを全部チェックすることなんてできないだろう、それをまた保管するのはどういう意味だとおっしゃいますけれども、一応持っておれば、何かの御指摘があったときに所轄庁として責任ある対応をするための資料として生かせることは御理解いただけると思います。
○冬柴委員 御理解いただきたいと言われても理解できないですよ、こんなもの。大変な行政の簡素化とか今言われているときに、一体十八万四千という日本国じゅうのものから、簡単だと言われるけれども、これはそう簡単じゃないですよ。そういうものを地方であれあるいは文部省であれ、これを全部収集して何に使うんだと言ったら、ためておくんだと言われた。何か事があったら見るんだ。そのためにこれだけの義務を課すということは憲法上大変な問題があるんじゃないですか。法制局長官、どうですか。
○小野(元)政府委員 財務関係書類は所轄庁に提出いただくものでございますが、これは基本的には現在でも事務所に備えつけが義務づけられているものでございます。新たに追加されたものが収支計算書と境内建物に関する書類ということで、先ほど御説明申し上げたところでございます。 いずれにいたしましても、今回の法改正によりまして財務関係書類等の提出をお願いすることによりまして、宗教法人がその目的に沿って活動しているということを所轄庁が継続的に把握し、宗教法人法を適正に運用できるようにしようというものでございます。
○冬柴委員 こんなものを持っておっても、例えば八十一条一項一号、今回のオウム真理教の場合、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」とぎしか求められないんですよ。こんなことを所轄庁が、出してきた書類でできるはずがないんですよ。そういうことで、これは費用対効率で考えたときに物すごい冗費ですね。そしてしかも、基本的人権に深くかかわる問題をこういう形でやられることには納得ができません。 法制局長官、一言。これは、こういう書類を提出させて山のように積んでおくだけだという。積んでおいて、何か問題があれば、それを取り出して見るために十八万四千の宗教法人からこういう書類を毎年毎年提出させる。そういうことが憲法の言う公共の福祉に、あなたのおっしゃる、僕はそれも反対だけれども、そういうことを制限するような理由になるんですか。どうですか。
○大出政府委員 備えつけ書類を所轄庁に提出をさせるということの理由といいますか目的といいますか、その必要性につきましては、先ほど文化庁次長の方から御説明があったとおりであろうかと思います。 宗教法人が宗教法人として法人格を与えられて、そして活動をするということでありまして、その適正な運営の確保という観点から見て、これらの義務が課せられるということであろうかと思います。そういう意味で、それは目的に照らし合理的なものであるということであろうかと思います。
○冬柴委員 今の議論は憲法学者等がこれから議論されることだろうと思うけれども、私としては、これはいけない、こういうふうに思います。 それで最後に、帳簿の閲覧請求権というものは、商法でもあるんですけれども、これは多くのトラブルを呼んでいます。商法ではこういう手当てまでしてあります。「不正ノ請託ヲ受ケ財産上ノ利益ヲ収受シ、要求シ又ハ約束シタル者ハ一年以下ノ懲役又八五十万円以下ノ罰金ニ処ス」。これは、この帳簿閲覧請求権というものを行使することによって不正の目的、例えばそれで何か別の目的にしようとか、いろいろな人に通報しようとかいうような目的でそういうことをした場合は、このような重い刑罰まで規定されているわけです。 ところが、今回の改正法では全くその手当てをしていないですね。これは、今からいろいろなそういうトラブルがこれをめぐって起こる。その場合に十八万四千の、巨大宗教法人というよりは、むしろ所有土地を標的にされたような弱小の宗教法人が非常に悩むことになるであろうということを私は警告をしておきたいと思います。それについて言いただいて、私の質疑を終わります。
○村山内閣総理大臣 この条文を見ますと、今お話のございました、「宗教法人は、信者その他の利害関係人であって前項の規定により当該宗教法人の事務所に備えられた同項各号に掲げる書類又は帳簿を閲覧することについて正当な利益があり、かつ、その閲覧の請求が不当な目的によるものでないと認められる者から請求があったときは、これを閲覧させなければならない。」こうなっているわけですね。この条文を見る限りは、相当慎重な配慮をされて、そしてその宗教法人自体が認めるか認めないかということによって、この閲覧ができるかできないかということを決めるんですね。 しかも信者の皆さん方が、自分が信仰する宗教法人の団体が今現状どうなっておるのかということを知りたいと言った場合に、それは知るのは当然のことだと思いますし、その程度の透明度を高めていくことは、むしろ宗教法人自体のためにも私はいいんではないかというふうに思いますね。ですから、たびたび申し上げておりますように、信教の自由と政教分離というものの原則はしっかり守るということが前提です。 それから、小さな、小さなど言っては語弊がありますけれども、事務職員もいないようなところでやるようなことは非常に迷惑だというようなことは、あり得ると思いますね。そういう点の配慮は、当然これからしなければならぬことだというふうに私は思っています。
○冬柴委員 終わります。
○越智委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十一分開議
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。穂積良行君。
○穂積委員 近年、宗教団体をめぐってさまざまな問題が生じておりまして、国民の皆さんは、宗教あるいは宗教法人をめぐっての制度、さらには 税制上の問題などについていろいろと疑問を持っていらっしゃるのが実態だと思います。そういう中で、もう御承知のとおり、オウム真理教という驚くべき狂信的な集団が一連の事件を引き起こしました。そうした中で、宗教法人の活動内容をどのようにチェックし、国民の皆さんの不安を取り除いていくかということは大きな問題であることは申すまでもございません。 そうした中で、実は、最近の世論調査によりますと、宗教法人についての法律について見直せという国民が八〇%以上、いろいろな世論調査がありますが、物によってはもう九〇%近くの国民が宗教法人法をきちっと時代の要請に応じて改正すべきである、こういうような結果が出ているのは皆さんもお聞きになったかと思います。 このような世論の中で提案されました今回の宗教法人法の改正につきましては、新進党の皆さんはこもごも質問に立たれて、慎重審議あるいは改正は時期尚早というような意見を述べられました。私は、これをお聞きしていて、まことに奇異な感じを受けておるわけでございます。これは、文部大臣初め政府側から何回にもわたってこの法改正の趣旨が述べられて、このような法改正であるならば、どうしてさらに慎重なる審議、あるいはこれを通すのは反対というような意見が出てくるのか、午前中の質問をお聞きしても、私は理解に苦しむものであります。 そのような中で、私も、いろいろと宗教団体をめぐるここ数年の事件等を取り上げながら、とにかく国民の皆様に安心していただけるような、刑法その他諸法制の発動はもちろんでありますが、とにもかくにも、宗教団体に法人格を与えて一定の社会地位を認める中で、税法上の恩典も与えているというこの宗教法人法の改正について、政府提案のような改正は、これはどうしても早くなし遂げるべきであるという立場でいろいろお伺いしたいと思っております。 宗教団体あるいは宗教法人の問題につきましては、申すまでもなく、憲法二十条の信教の自由の規定、また、その前にあります第十九条の思想あるいは良心の自由の問題、さらには基本的人権について包括的に憲法が規定しております第十二条の規定などを全体的に見ながら、今後の基本的人権とそれから具体的な法制のあり方ということについてまず見解を政府側に問いたいと思います。 法制局長官にお伺いします。 まず、憲法第二十条、信教の自由は、その前の条の第十九条、思想あるいは良心の自由を保障する規定の、何といいますか、二十条が言うなればさらに具体的に信教についてはというような関係で規定されていると私は理解します。そしてしかも、先ほど言いましたように、第十二条の基本的人権に関しては、特に重要な規定としてこの二十条の信教の自由という基本的人権にもかかっていると思うわけであります。念のため十二条をちょっと読ませていただきますが、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」という後に、「又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」と規定されております。 こうした第十二条が、第二十条にも及ぶ基本規定が前段にあるという中で、法制局長官は、信教の自由のもとに保障される権利は、それは乱用してはならない、そして常に公共の福祉ということを念頭に置いた権利の使用といいますか、そういうような関係に立つというふうに考えますが、これにつきましてまずお答えいただきたいと思います。
○大出政府委員 ただいまの御質問の第一点は、憲法二十条とそれから十九条の思想及び良心の自由との関係ということであったかと思います。 いわば思想及び良心の自由というものの宗教面にあらわれたものが、憲法二十条の信教の自由の分野の問題であるということであろうかと思います。そういう意味合いでは、十九条、二十条と絡み合っているという関係にあると思います。 それから、憲法の第十二条の規定、これはいわば総則的な規定でございますし、御指摘のように、それ以下にある基本的人権の各規定に対して総則的な意味を持って働く、そういう趣旨の規定であるというふうに理解をいたしております。
○穂積委員 それでは、その第二十条の、問題の「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」ということについて若干お伺いします。 「政治上の権力」はどういう意味がということについて、他の委員からも質問がありました。政府は従来からの法制局長官の答弁、政府見解どおりの答弁をなさっておりますが、社会情勢の変化の中で宗教団体の実際の社会的活動も随分変わってきた。そういう中で、憲法制定時からも世の中が変わり、宗教団体の中には、改めてこの二十条の規定の読み方について、その読み方のいかんによっては、従来の政府の公式解釈の域を超え、あるいは変更するような必要が出てきているのじゃないかと私は思います。おわかりでしょうか。通説あるいは少数説などについてどのような状況にあるか、政府見解にとどまらず、法制局長官からちょっと御説明してください。
○大出政府委員 憲法第二十条第一項後段の「政治上の権力」ということについての意義でありますが、これは一般的には、国または地方公共団体に独占されている統治的権力をいうというふうに考えられておりまして、宗教団体がこのような統治的な権力というものを行使することを禁止しているものであるというふうにまず考えておるわけであります。 ただいま、いろいろな学説があるではないかこういうお話がございましたが、学説の中には、ただいまのような意味での解釈をするもののほかに、宗教団体の政治上の権力の行使の禁止の趣旨について、宗教団体が積極的な政治活動によって政治に強い影響力を与えることを禁止したものと解する、こういう考え方の学説もございます。それから、宗教団体が政治的権威の機能を営んではならない、こういう趣旨を示したものと解される、こういう学説上の見解もあるわけでありますが、政府としては、先ほど申し上げましたいわゆる統治的権力という考え方、そういう見解を従来からとってきているところであります。 それからなお、政教分離の原則につきましては、第九十帝国議会におきまして、つまり制憲議会でございますけれども、そこにおきまして、当時の金森国務大臣は、憲法第二十条第一項後段に関して、同条項は宗教団体が政治上の運動をすることを直接にとめた意味ではない、続きまして、国から授けられて、正式な意味において政治上の権力を行使してはならぬという趣旨であるということを述べているところであります。政府としては、現在でもこのような考え方を変えていないということであります。
○穂積委員 まず基本的なことをお伺いしましたが、もう一つ伺います。 どのような宗教であれ、信者になること、それから特定の宗教を信ずること、これは信教の自由でありますが、その反面、どのような宗教も信じないこと、あるいは一たん信じた宗教から脱して、要するに入信した人がその宗教から離れるということもこの信教の自由の裏腹をなすものだと思いますが、この点について法制局長官、簡単に、確認的にお伺いします。
○大出政府委員 ただいまの御指摘のとおりに考えております。
○穂積委員 ところが、宗教団体というものは、一たん仲間に入れ信者にすると、あのオウム真理教に見られたように、これから脱会するというか離れようとすると寄ってたかって、言うなればいじめのようなこと、あるいはそれは場合によっては暴力行為を伴う脅迫のようなことが間々あるということを私どもは見聞しております。 このようなことが、実は宗教団体に対する国民の一般的な見方も大きく変えつつあるということであると思うのですが、そのようなことについて、どうも宗教法人という法人格を取得した団体も、刑法上の違法に当たる行為、その他諸法令に反するようなことを犯すことが間々あるというようなことが社会的には大きな問題だろうと思うわけであります。 こうしたことについて今後どのようにしていくかということだと思うのですが、宗教団体というのは、今のような話に加えまして、大半の宗教団体なり宗教法人は、人間の心の平安を願い、立派な宗教活動をしているということでは社会的存在として今後とも尊重されなければならぬということは、この二十条の規定に基づいてそういう考えであるべきだと思うのです。ところが、宗教によってはとんでもないことをやらかす。 具体的な例で申しますが、実は私の選挙区の須賀川市で、ことしの七月初めに六人死体が発見されました。これは小さな宗教団体なんですが、悪霊をたたき出すというようなことだったのでしょうか、棒でたたいて死なしめた。それで、現在これは裁判が行われております。これについて、ひとつ警察庁からあるいは法務省からこの事件について簡単に御説明をいただきたいと思います。 またもう一つ、これは最近の話ですが、十月三十一日の夕刊には霊視商法の強制捜査が行われたという記事が出ました。皆さんもごらんになったと思いますが、宗教法人明覚寺と系列寺院が詐欺容疑で三人が逮捕された、被害は数十億円に上る、こういう記事でございます。この場合も何か悪霊から免れるといいますか、そうしたことで言うなれば心弱い人をおどし、それで全員を巻き上げるという詐欺ですね。ということで刑事上の立件をされたということがあるわけですが、これについて簡単に事実確認をさせていただきたいと思います。
○則定政府委員 初めに、須賀川市で発生いたしました祈祷師らによります殺人・傷害致死事件等の概要でございますけれども、これは本年七月の上旬に、信徒といいましょうか、信者でありました被害者が入院しておりますところを親族の訴えによりまして事情聴取が行われた。警察当局で行われたわけですが、その訴えによりますと、祈祷師宅に六名の死体があるのだということが捜査の端緒だったようでございます。 そういうことで捜査が開始されまして、検察当局におきましては、本年の八月十六日から去る十一月六日までの間に、被害者四名につきましては殺人罪、それから被害者一名につきましては殺人未遂、それから被害者二名に対しましては傷害致死罪と、結局、計六名の死者に対しては殺人罪または傷害致死ということで起訴しておるわけでございます。 その公訴事実の概要でございますけれども、殺人の関係について申しますと、祈祷師ほか数名が共謀いたしまして、殺意を持って、被害者らに多数回、長期間にわたりまして、こもごも身体を手あるいは太鼓のばち等で殴打、あるいは足げにするなどの暴行を加えて殺害したというものでございます。なお、傷害致死の関係につきましては、その事件について殺意が認められなかったということで、暴行の態様についてはほぼ同様ということでございます。 以上が須賀川関係でございます。
○野田(健)政府委員 お尋ねの事件につきましては、和歌山県高野町に所在します宗教法人明覚寺の系列寺院である愛知県名古屋市所在の満願寺の僧侶らが、みずからに霊能力がなく、またその加持祈祷の効能のないことを知りながら、悩み事相談等に訪れた者から祈祷料あるいは供養料名下に金品をだまし取ることを企てまして、被害者に対し、あなたには水子の霊が取りついている、金を払わなければ供養にならないなどのうそのことを言いまして、被害者を除霊あるいは祈祷のために金を出せば災いが排除されると誤信させて、祈祷料や供養料名下に金品を騙取した詐欺容疑事件であります。 現在、愛知県警察が、本年十月三十一日から十一月一日までに満願寺の僧侶ら五名を通常逮捕して捜査中でございます。
○穂積委員 実はこのような、普通の人からはとんでもない、宗教という名前で暴力的なあるいは犯罪的なことをやっているということが、宗教団体一般に対する国民の見方をかなり変えつつあるということだろうと思うのです。 それで、このような、公共の福祉という観点から見ても、あるいは宗教団体本来の、人間の心の平安をもたらすという宗教の目的といいますか、そういうものから外れるものについては、これは法人格を与えることも当然すべきでない、宗教法人法の解散事由にも該当するようなことだと思いますが、これについて文部大臣、いかがでしょうか。
○島村国務大臣 そういう事実が確認されれば、そのような対象になろうかと思います。
○穂積委員 それから、宗教団体が自分たちに不利になるようなよそからの批判や何やというものに対して、非常に反発していろいろな行動を起こすというようなことで、これはどうかなというような問題が間々起こる、こういうことがあるんではないでしょうか。 そこで、これはもう市販の週刊誌あるいは雑誌に取り上げられた話でありますが、最近の例で、これについて当局はどんなふうな把握をしているかをぜひお聞きしたいことがございます。 これは、十月十二日発行の週刊新潮の記事ですね。それから週刊朝日も取り上げている。それから文芸春秋十一月号で「東村山市議怪死のミステリー」という記事が載っております。これはあるいはお読みになった方いらっしゃると思いますが、東村山市で市会議員であった朝木さんという女性議員がマンションの六階から下に落ちて死亡していたという事件なんです。この人はその直前にある宗教団体からいろいろと嫌がらせや何やを受けていたというようなことについて、ここでは具体的に宗教団体の名前を申しませんが、この記事では明記してあるわけであります。これについて警察当局はどのようにこの女性市議の死亡の前後の事情を把握し、これに犯罪行為が絡んでいるがどうかについてどのような捜査をしているか否かについて答弁願いたい。
○野田(健)政府委員 お尋ねの事案については、本年九月一日午後十時三十分ごろ、東京都東村山市本町所在の六階建て店舗兼マンションの一階ごみ集積所において、東村山市議会議員朝木明代氏が同マンションの上階から落下した状態で発見され、病院に搬送された後死亡したもので、現在警視庁において自殺、他殺両面からの捜査を進めており、早期に捜査を遂げ、総合的な判断をいたしたいということでございます。 また、同議員の死亡前、同議員から何者かによって嫌がらせを受けたという届け出が警察に対してありまして、これらについては、警視庁において捜査を遂げたものもありますし、また、捜査中であるものもあります。 以上であります。
○穂積委員 実は、私はこの雑誌の記事を見て思い出したのは、申すまでもなくオウム真理教の坂本弁護士拉致・殺害事件であります。 あの坂本弁護士は拉致された、そして殺されたということが今日明らかになったわけでありますが、あの当時、神奈川県警も拉致じゃなしに失踪事件という名前でどうも捜査をしたんですね。ところが、その数日後、あのオウム真理教の、バッジですか、プルシャというんですか、それが見つかった。そういうことで、どうもオウム真理教のしわざではないかということが疑われ、そして何年もたってから、今日その事実関係が明らかになりつつある。 片や東村山市でも、墜落といいますか落ちて亡くなった後、後で妙なものが別のところで見つかったという話があるでしょう。これについて警察はどのように把握していますか。
○野田(健)政府委員 まず、坂本弁護士事件についてでありますけれども、事件発生といいますか、届け出を受けましてから、弁護士一家が何らかの犯罪被害に遭っている可能性が高いものとして、事件発生後でありますけれども、十七日に、失踪事件という名前でありますが、百二十名からの捜査本部を設置して捜査を開始した。そして、プルシャもあった、あるいは坂本弁護士がオウム真理教被害者の会の救援活動をしていたというようなこともありまして、オウム真理教の関与についても初期的段階から視野に入れて捜査を推進していたという状況にございます。 なお、今回の東村山市議の落下事案についてでありますけれども、かぎですね、キーホルダーつきのかぎが、階段の二階の踊り場のところにあります、焼き肉店のいつもお絞りを入れているケースの中から発見されたという状況にありまして、なぜそこにあったかということにつきましても現在捜査中でございます。
○穂積委員 とにかく、従来はどうも宗教法人絡みの話ということになると、信教の自由との関係で、捜査当局や何やはいろいろ気も使うとかいうようなことがあったんではないかというようなことを言われておりますが、私は、捜査当局はそういうことはかりそめにもあってはならない、これは宗教団体であろうが法人であろうが一般の人であろうが、公平なる、公正なる法の執行をすべきものだと思いますので、その点については国家公安委員長としての大臣からしかとお伺いいたしたい。
○深谷国務大臣 委員御指摘のように、宗教団体だから手を緩めるとか、そんな思いが捜査の過程にあってはならないことは当然のことであります。また、今日までそのようなことで捜査を逡巡したということは全くないと私は断言申し上げます。 今、さまざま出ている疑惑の問題について、週刊誌がいろいろ書いております。私どもも歯がゆくなるぐらいの思いで見詰めております。しかし、折々の捜査の報告を聞いておりますと、少なくともまだ週刊誌に出たような状況の証拠というものはございません。鋭意努力をして、捜査を徹底するように指示をいたしております。
○穂積委員 それでは、これはしっかりやっていただきたいという要望で終わらせていただきます。 先ほど法制局長官に確かめましたが、宗教の名のもとに行われる行為であっても、法治国家のもとで公序良俗に反するようなこととか、特に具体的に刑法に触れるようなこととか、あるいは、具体的に言います、治療行為と称して肉体的危害を与えるような、傷害罪になりかねないようなことをやったり、あるいは、本当に効くかどうかわからないようなものを売りつけて全員を巻き上げるといったら、これは詐欺的なことになると思うのですが、そのような傷害罪あるいは薬事法違反とか場合によっては医療法違反とか、そのような行為を宗教の名のもとに行うようなことを放置していいのかということがあります。 そして、先ほどちょっと例示として挙げました詐欺罪に該当するようなことがあったら、こういうようなことまで宗教団体あるいは宗教法人の名のもとに勝手放題、自由勝手にやっていいということには決してならないと私は思うのです。こうしたことを含めて、今後、宗教法人法を踏まえた適正な宗教法人とのかかわりを行政は持っていくべきではないかと思います。これについて文部大臣、いかがですか。
○島村国務大臣 宗教法人法が予定している宗教法人の活動というのは、まさに宗教活動を通じて人々の心を安んじ、社会の安泰に貢献するという高い公益性に期待しているところでございまして、これらに反する行為はもともと我々の予定するものではありません。おのずから宗教法人自身の活動の中にも、そういう良識ある運営というものが期待されることは当然と思います。
○穂積委員 こういう、時に国民にとっても大変心配をかけるようなことがあり得る宗教団体、これは繰り返しですが、大半の宗教団体は立派な一つの社会的機能を果たしており、憲法上も信教の自由のもとに保護されているということを踏まえつつも、こうしたことから我々は目をそらすわけにいかない、こんなふうに思います。 私自身は、人間の社会と切っても切れない宗教というものについて、将来どのようになっていくか、人知が進み、科学的な世界観というものがより多くの人によって保有されるようなことになった場合どうなるかということは軽々に言えないと思いますが、それにしても今後、国民それぞれがこうした宗教問題をどう判断するか。そのときに、予断を持って、必ず宗教に入信しなければならないぞとか、そのようなことに通ずるような教育であってはならないと思うわけであります。 そこで、きのうの質疑を聞いておりまして私が気になりますのは、人間の能力を超える、あるいは人知を超えるとか、あるいは超自然力とか、そういうようなものの存在といいますか、それに対する畏敬の念というような表現だったと思うのですが、そういうものを学校教育、特に公立学校教育などで教えるとすれば、これは非常に難しい。宗教を信じてもいいし、信じなくてもいいというのが信教の自由だと私は思っていますから、その辺について、文部当局はもう一度きちんとした考え方をここで御説明願いたいと思います。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 昨日、宗教教育について御答弁をさせていただいたところでございますが、これはあくまでも、教育基本法九条一項におきまして、「宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。」という規定を踏まえまして、宗教的情操の涵養について、ただいま先生から御指摘の点は十分配慮しながら、学習指導要領あるいは指導書、指導の手引等を作成いたしまして、それに基づいて学校における指導の適切を確保するようにしているところでございまして、それによりまして、その意義としては、人間としてのあり方、生き方を十分考えさせることなどにその目的があるわけでございますから、先生御指摘の点は十分踏まえながら、適切に学校教育において宗教的情操の涵養について指導するようにしていきたい、このように考えております。
○穂積委員 時間が迫ってまいりましたので、あと二点、これは問題提起をいたします。 一つは、やはり国民の多くの方々は、宗教団体が宗教法人法によって法人格を与えられて、それによって他の公益法人と同様に税法上の恩典を受ける。ところがその税法上の恩典たるや、今の状況で本当にいいのか国民から見てどうも納得できないようなことが重なっているということだろうと思います。 これについてはもう何回か質問もされておりますが、宗教法人に対する課税については、営利事業は他の公益法人と同様に二七%の法人課税というようなことでの税制になっているわけですけれども、問題は、無税で寄附、お布施といいますか、それを受けた金で、要するに営利事業に該当しない、宗教団体の目的だという位置づけのもとに受けた寄附金を膨大に蓄積して、その資全力を背景に日本の政治を乗っ取ろうとしているような宗教法人が現にあらわれつつあるといいますか、これらの問題について、これはこの国会でまだまだきちっとした議論をしなければならないと思うわけであります。それが一つ。 それから、その税法の問題にも関連はするのですけれども、特に冒頭に法制局長官にお伺いした、政治上の権力を行使してはならないということとの関係なのですが、実際に例えば六百万人前後といえば、人口の比率では二十人に一人、一億二千五百万の約二十分の一ということですね。そのような信者を擁する宗教法人あるいは宗教団体が、選挙にそれこそめちゃくちゃに精を出して、その宗教団体の目的が那辺にあるかも問題なのですが、それで特定政党の議席をふやす。その上で、その特定政党が多数を占めれば、実際に我が国の政治権力はその政党によって奪取されるというおそれがあるわけです。おそれといいますか、その可能性があるわけです。そのようなことは、一体我が国の民主主義政治の今後を考えた場合にどういうことになるんだ。これこそが我々、政治家の一人でありますが、今後この問題については本当に、憲法との関係も含めまして詰めていかなければならないと思うわけであります。 時間が参りましたので、今申しました税法絡みの話については、具体的に同僚議員からこの後質問をしていただくことにいたしまして、私は、きょうの段階ではここで一たん質問を終わらせていただきます。
○越智委員長 次に、熊代昭彦君。
○熊代委員 引き続き宗教法人法の一部改正法案及びその関連事項について質問させていただきたいと思います。 初めに、私の立場を申し上げさせていただきたいと思います。通常私は口がいいのですけれども、ここに立ちますと急に口が悪くなりますので、本法案に対しても口をきわめて悪いことを言うと思いますので、立場を表明しておきたいと思うのですが、置かれた制約下では、大変に大きな一歩前進であるというふうに評価できる改正であると思います。しかし、置かれた制約というのはいろいろございますけれども、例えば、審議会の委員十五人中十一名が宗教界代表者であるということでございまして、審議会制度というのはどういうものであっていいのかという、前向きなのか後ろ向きなのかということを考えなければいけない時代になってきたと思います。 宗教界の代表ですから、神のような心を持って公平無私にやっていただいたジェントルマンばかりであるというふうにも思えますし、あるいは猫にかつおぶしを管理させているのではないかというような気もいたしますし、この辺が難しいところでございますが、最初にいただきました答申、一歩大きな前進であるということでございますから、神のような心を持ったジェントルマンが多いんだというふうに思います。しかし、また後で七人の方がそうじゃなかったんだと言ってきたので、どうも猫にかつおぶしの人もいるのかなというような気もいたしているわけでございますが、いずれにしましても、審議会の委員のあり方というのを考えなければいけないというふうに思います。 改正案では、五人ふやしまして二十人の委員にするというのは一歩前進ではございます。しかし、二十人にしましても、やはり十一人宗教界の代表の方がいらっしゃるということでございまして、すべての方が神のような心で公平無私にやっていただければ差し支えないわけでございます。しかし、人間でもありますから誘惑もあろうということでございますので、私は、御意見を聞いてその御意見に謙虚に耳を傾けるというのは大変必要なことだと思いますけれども、やはり宗教界を代表する人たちというのは三分の一以内、六人以下にする必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。三分の一、六人というのは特別の意味はありませんけれども、過半数を相当に下回るということにするべきであると思いますが、この点について文部大臣、ひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
○島村国務大臣 御指摘のとおり、宗教法人審議会は宗教家十一名、学識経験者四名、計十五名から合成り立っているところであります。そういう意味では、現在の宗教界の状況を勘案してこういう構成になった、こう考えております。 今般新たに五名の増員をお願いするにつきましては、審議する案件が今後ますます複雑多様化し、幅広い角度から検討が必要になると考えられることから、そのためには、委員の総数を二十名に増加するとともに、審議会委員の構成について、現在以上に幅広い範囲から学識経験者を委員に選任するなど、学識経験者の比率を現在よりふやす必要からこうお願いするわけであります。
○熊代委員 ぜひ広い観点から、御要望申し上げたことを実現するように決めていただきたいと思います。 次に、穂積委員からもお話がございました税制上の優遇措置も含めまして、政教分離、信教の自由を絡めまして質問させていただきたいと思います。 より根本的なことをお伺いしたいと思いますが、今回の改正は、大きな一歩前進ではあるけれども、十歩前進しなければならないところを一歩だというような気もいたします。国民が本当に望んでいることすべてにこたえるという改正ではない。宗教法人法ということに限られておりますので、そういう限界はおのずからあるというふうに思います。税法も含めて今後早急な改正等、実施しなければならないことはいっぱいあるのじゃないかというふうに思いますので、この機会にこれを議論しておきまして、早い機会にそれを改正していただきたいということを含めて議論したいと思います。 税の問題の前提としまして、なぜ宗教法人が公益法人なのかということを伺っておきたいと思います。 公益に貢献するから税法上の優遇措置があるわけでございます。民法三十四条にも祭祀、宗教、慈善など「公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ」、こういうふうに書いてございまして、当然公益を前提としたものでございます。宗教法人法は民法三十四条の特別法という位置づけでございますから、公益に貢献するので税制上の優遇措置があるわけでございますが、宗教法人法を見ますと、私の理解が浅いのかもしれませんが、宗教であれば何でも公益だというふうに書いてあるような気がいたします。 それで推測しまずに、宗教であれば神を信ずるんだ、神は善を喜び悪を憎む、信者もその神の心を自分の心とするのだから、心の底からそのような宗教を信ずるならば、そういう人がふえれば社会の公益の増進に必然的につながる、そういうような思想が流れているのではないか、こんな理解でよろしいかどうか、文部大臣にお伺いを申し上げます。
○島村国務大臣 宗教法人法につきましては、再三申し上げておりますように昭和二十六年制定のものです。当時は、私はまだ高校生になったばかりぐらいのころでしたけれども、大変社会は混乱し、戦後の傷跡生々しい段階でありました。戦前の反省も極めて厳しい状況下でいわばこの法が制定されているということでございます。 しかし、その後、御承知のように社会も大きく発展し、いろんな変化を生みました。情報化、あるいは交通手段の発達、あるいは都市化、いろんな意味で変わりましたし、宗教団体の活動もまた大いに広域化するなど、当時としては全く予測できないように変化しているところであります。こういういろんな変化に対応して今回最小限度の法改正をお願いする、これが我々の今の基本的な姿勢でございます。
○小野(元)政府委員 若干補足申し上げます。 宗教法人がなぜ公益法人かということでございますが、宗教は、先生御承知のように、人心を安定させる、また日本の精神文化を向上させる、そういったことのために不可欠であるというふうに思うわけでございます。そうして神社でございますとか寺院でございますとか教会、さまざまな宗教団体があるわけでございますけれども、こういった宗教法人の存在が国民一人一人の生活に深く定着して大きな役割を果たしている。民法三十四条でも公益の例示として、祭祀、宗教といったものが例示に挙げられているわけでございまして、そういう意味で、私どもとしては宗教法人は公益法人であるというふうに考えているところでございます。
○熊代委員 人心の安定ということで押しなべて公益法人であるという御回答でございますが、それでは少し具体的にお伺いしたいと思います。 宗教法人法を眺めてみますと、宗教を奉じて境内建物を持てばどんな教義でも宗教法人として認めるのではないか、認めるように読めると思います。例えば、具体的な法人を頭に描いていただきたくないんですけれども、例えばでございますが、目的のためには手段を選ばず人をポアすることを教義とするもの、また、これも全く例えばでございますが、宗教目的のために集めた金、税法上著しい優遇措置を受けた金をためて選挙運動をし、閣僚レベルの議員をつくり出すとともに、地方公務員や国家公務員、検事、裁判官などに会員を大量に浸透させて、やがて国家権力を掌握することを目標にする宗教団体に対しても認証を与えるのかどうか。例えばの話でございますが、文部大臣にお伺いしたいと思います。
○小野(元)政府委員 宗教法人法で、設立の場合には規則の認証を行うわけでございます。 第十四条第一項で、所轄庁は申請に係る事項について審査するわけでございますけれども、その一つは、これは重要な点でございますが、「当該団体が宗教団体であること。」ということで、この「宗教団体であること。」という中身としては、もちろん宗教団体としての実体を備えている、しかも、先ほど申し上げましたような公益活動を行うのが宗教法人でございますから、そういった実態を十分審査をさせていただく。そして、規則が法令にのっとっている、さらには手続が法令にのっとっているといったような条件をすべて備えているという場合に、規則を認証するということをやっておるわけでございます。 もちろん、この認証の段階におきまして、著しく公共の福祉を害するようなことを行っていることが明らかになっているようなことがございましたならば、当然認証するには至らないわけでございまして、それは解散命令請求事由にも該当するわけでございますので、その時点で認証するということはできないというふうに考えているものでございます。
○熊代委員 認証は法律的に言えば確認である、要件に合っていれば必ず認めるということのようでございますが、しかし、その目的も、恐らく内規を持っておられて、それに該当しないものは認めないんだという趣旨だろうと思います。 そういうことで、公益目的はまあまあ一応認証という言葉の範囲内で確認的に認めておられる。しかし、他の公益法人とは著しく違うわけですね。他の公益法人というのは許可になっておりまして、原則的に禁止で、特に認めたときに許可するということですから、公益目的の審査の度合いも大いに違うと思います。 そういうことで、他の公益法人と横並びで税法を考えるということですが、横並びも結構でございますけれども、横並びでないのも考えられるだろうという気もいたします。 ところで、税法上、公益法人、宗教法人は非常に多くの特典を持っております。例えば、既にこれはこの特別委員会で大いに議論されましたので繰り返すことになりますけれども、法人税法で、普通の法人は三七・五%であるのに、どんなに大企業のような大きな大きな法人であっても二七%、しかも二七%のみなし寄附が与えられる。これを掛け合わせますと税率は一九・七%になるわけですね。 それから、地方税がまたこれに乗っかっておりますので、法人事業税、法人住民税、それぞれこの制度に乗っかっておりまして、これを国税ベースにしますと、法人事業税で八・八%になるということですね。それから法人住民税で三・四%。全部で三一・九%。普通の株式会社でありますと五六・〇%払わないといけないのを三一・九%。何と二四・一%も税額が軽くなるということでございます。これに加えて固定資産税も公益部門は全部免税ということでございまして、非常に優遇されている。 それで、そのもとでオウムのようにサティアンをどんどんつくるとか、最大の宗教法人でありますので名前が挙がるのをお許しいただきたいと思いますが、創価学会さんも日本全国に文化会館、婦人会館、創価青年会館、ちょっと資料を取り寄せてみましたら、この袋いっぱいに名前の一覧と登記謄本が入っておりますけれども、両方合わせてですけれども、つくっておられるということでございます。他の法人も追随しておられる。国民は大変にいぶかしく、不愉快に思っているところでございます。 ところで、そういう現状の中で、税務調査でございますけれども、宗教法人法は今回の改正によっても立入検査はできない。質問のために立ち入るときには同意があればできるということでございますが、立入検査そのものはできないということですが、税務調査上は立入検査をしていらっしゃるのかどうか。 立入検査ができるならば収益部門の状況を把握されるわけですから、収益部門がどうかの判断をするためには公益部門も知らなければならないということで、これまた最大の宗教団体でありますので例にとらせていただきますが、創価学会さんについてその資産の状況を把握されていると思います。朝までテレビで、すべて大蔵省さんにお知らせしていると答えられた人もいらっしゃるようでございますけれども、その資産の状況をお伺いしたいということでございます。我々が内々にいろいろ聞いたところでは、創価学会さんは不動産資産九兆円、流動資産一兆円というような堂々たるお力を持っておられるというようなことでございますが、こういう数字につきまして、大蔵大臣、御見解をお伺いしたいと思います。
○若林政府委員 お答えいたします。 国税当局といたしましては、常日ごろからあらゆる機会を通じまして課税上有効な資料等の集積に努めておりまして、課税上問題があるという場合には実地調査を行うなどいたして、課税の適正化に努めております。 そこで、宗教法人の場合につきましても、収益事業を営む法人でございますとか源泉徴収義務のある法人を的確に把握いたしまして、また、課税上必要があると認められる場合には、損益面、資産面の両面から深度ある調査を実施いたしておるところでございます。ただ、このような調査等によって把握いたしました事実関係につきましては、これは個別の事柄に当たるということで、従来から答弁を差し控えさせていただいておりますことをひとつ御理解いただきたいと思います。
○熊代委員 今の御答弁は、知っているけれども答弁は差し控えさせていただくという趣旨だと理解いたしまして、大間違いたとも言われなかったし、合っているとも言われなかったわけですが、まあそういう話でございます。 それで、これは事柄をまじめに考えていただかなきゃいけないと思うわけでございますが、公益であるということについて極めて緩い判断しかできない。しかし、公益と判断したとしても税法上の特典を公益法人に現在のように激しく与えることが妥当であるのかどうか、しかも政治活動もやっている、こういうことですね。 既に質問で出ましたが、アメリカでは政治活動をやった場合には公益法人は税制上の特典を剥奪されるということでございまして、税制上の特典を剥奪されれば公益法人としてほとんど実益がないということでございます。政治活動というのは、特定の候補の当選もしくは落選を目的とする活動というふうに定義されております。そういうことも参考にして、これは根本的に考えなければならないということでございます。 これをもう少し先に議論するといたしまして、ここで三大臣にお伺いしたいのですけれども、今全く白地に絵をかくといたしますと、こういう公益法人に税制上の特典を与えるというのは相当に無責任ではないかというふうに思います。税法上の特典を国税上も地方税上もすべてなくするのが適当ではないかというふうに思われますが、宗教法人所管の文部大臣、そして国税所管の大蔵大臣、地方税所管の自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○島村国務大臣 現在の法律に従う、こういうことになろうと思います。
○武村国務大臣 すべての税の特典を廃止すべしということには、まあ論議は当然あってしかるべきかもしれませんが、私はうなずきません。少なくとも宗教活動そのものは非課税であっていいというふうに思っております。 問題は、民法三十四条で公益法人の根拠が規定されておるわけでありまして、そういう意味で、公益法人全体の中で今の税の仕組みができている。民法そのものまで変えるということならば根本的な論議になりますが、このことを前提にいたしますと、他の国もおおむねそのようでございますが、公益法人に対する課税はいかにあるべきか、この視点からさまざまな矛盾についても目を向けていくべきではないかというふうに思っております。
○深谷国務大臣 宗教団体に対する税の軽減措置については、戦後今日までの歴史がございました。つまり、信仰の自由ということ、そして人々に平和と安らぎを与えるためのそのような動きに対しては、できるだけ国が協力をしようという趣旨でございました。私は、その趣旨はこれからも生かされていかなければならないと思っています。 しかし、昨今さまざまな問題が提起されて、例えば税制調査会などにおいても、検討の対象にすべきという意見が出ておるわけでございます。私は、国民の広範な声も聞き、議会の皆様のお声も聞きながら、検討を全くしないで放置しておくというのはいかがなものかという判断を持っております。
○熊代委員 真摯な御回答ありがとうございます。 次に、お金の問題についてちょっとお伺いしたいと思います。 宗教法人と金の問題についてでございますけれども、国民の常識は、お金の問題については、例えば町内会の会計にしても、一円たりともおろそかにせずに、きっちりと整理して報告する、見たい人が、だれが見てもらっても大丈夫なようにしていく、それが常識であるんですよね。それが常識であります。 ところが、法人格を持っていない町内会でもそうなんですが、それが法人格を持っているれっきとした宗教法人が、わずかの報告書を出すのにああだこうだと言っておられる。株式会社との比較で言っておられましたけれども、株式会社そのものは、財務諸表のうち一般の人に公開しているものがありますよね。だれにでも公開して、例えば政府刊行物センターに行けばみんな見られますね、上場しているものは。上場してないものはなかなか手に入りませんけれども。そういうことでございまして、宗教法人であれば本当にまじめな法人であるわけですから、情報開示義務、これは本当に前向きに受けとめて、きっちりしていかなければいけないというふうに思います。 政治と金の問題についても政治改革で根本的なメスが入れられたわけでございまして、その轍に倣いまして、宗教と金の問題についても根本的にメスが入れられるべきときが来たのではないだろうかという気がいたします。例えば、これは政治改革と同じ中身で恐縮でございますが、五万円以上の寄附については氏名を公表するとか、個人寄附は年間百五十万円以下にするとか、企業・団体は五十万円以下にするとか、宗教団体がモンスターにならない、そういう規制を政治団体の例に従ってやるべきであろうと思います。 先ほどお答えがございまして、すべての税法上の特典を廃止するのはどうか、公益法人全体の中で公益法人と横並びでやっていきたいというお話がございました。ですから、公益目的として認められた法人の公益事業に限定いたしまして、そのために支出する金あるいは今後支出される予定の金、それは貯金とかそういうことで蓄えられると思いますが、そういうものは非課税にする。しかし、使途不明金とか全く違った政治目的に使われた金、そういった金は寄附金などの収入であっても課税することを考える、そういうことですね。 それがもしきちっとできないならば、根本的に考えて、株式会社と同じように、株式会社だって資本金一億円以下で所得八百万円以下ならば二八%なんですよね。大企業になれば三七・五%になるわけですから、そういう規模に応じて考える。若干一%や二%軽減してもいいですけれども、これほど極端に軽減するという必要はないのではないだろうか。あるいは、もうすっきり同じにしてしまうのがいいのではないだろうかというふうに思います。 そういうことでございまして、それも含めまして、免税措置とか税額控除をこれまで大蔵省さんに御要望したときに繰り返し繰り返し聞かされましたのは、免税措置というのは補助金と同じなのだ、容易に出せない、国に来るべき金を取らないのだから上げたのと一緒だ、それは補助金なのだ、こういうふうに言われてきたわけですけれども、その観点からすれば、憲法二十条違反のような気もいたします。 特に、施設内の立ち入りも同意なしにはできない、公の支配の及ばないところに国の補助金を出す、これは特に宗教法人ですけれどもね。公益法人一般は立入検査も厳しく行われます。ですから、立入検査を認めない、公権力は本来悪いのだ、宗教を弾圧するのだというような観点ならば、もう法人格を返上していただいて株式会社をやっていただく、そういう観点もあると思うのですね。 こういう憲法違反ではないかという原則も踏まえつつ、法人の本来の目的に出されたものは非課税、あるいは今後本来の目的に出される予定のもの、例えば預金されているものは非課税にしてよいと思うのです。しかし、利子や配当の非課税とか、これはみんな怒っていますよね。財団法人の基本財産の利子とか、それから基本財産たる株式の配当、これは非課税でいいんだと思うのですが、そうではない一般の金をみんな公益部門に置いて非課税と、一般の人は大変怒っております。こういうところをぜひ手をつけていただきたい。ことしの平成八年度の税制改正で手をつけていただきたい。大蔵大臣、よろしくお願いします。
○薄井政府委員 お答えいたします。 公益法人課税につきましては、かなり前から議論は重ねられてきておりまして、先生御指摘のように、収益事業の範囲あるいは収益事業に対する税率、これが低過ぎるという問題、あるいは金融収益ですか、配当とか利子について課税のしようがあるのではないかというような議論が重ねられてきております。ただ、いろいろな形でその資金を運用していくケースもありますので、一律にこれをそうしていいのだろうかということで、なかなか進捗しないで今まで来ております。 いずれにしましても、公益法人課税の適正化ということにつきましては、ことしも十分議論したいと思っております。
○熊代委員 一連の税制改正につきまして、平成八年度税制改正でぜひ見るべき成果を上げていただきたいと思います。見るべき成果がなければ、私ども、仲間を募りまして議員立法も辞さないというような意気込みでおりますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、政教分離と信教の自由の問題についてお伺いしたいと思います。 信教の自由についてはかなり誤解されている面があると言われております。先ほどの話で、真偽のほどはわかりませんが、最大の宗教団体であります創価学会さんは十兆円の資産と毎年二千億円ないし三千億円の特別財務、それがすべて無税扱いである。そして、それを元手にする収益事業が実質二〇%弱の軽減税率、そして何百万人という献身的な信徒、元自民党員を中核にする新進党といういわば隠れみのを持っておられる。 政教分離をするというふうに言っておられますけれども、先ほど、聖教新聞で政治の候補者の宣伝をして何が悪いということでございますから、政教分離はしないということでしたね。ですから、聖教新聞というのは字を変えられたらいいので、聖なる字じゃなくて政治の教えの新聞と、そうしたら正直な信仰者らしい新聞になると思います。池田大作さんが政教分離をすると言ったのですから、されたらどうですか。それをもしされないならば、政教分離はしません、我々は新進党を道具に戦います、こう宣言していただきたいというふうに思います。 これは政府が、国家権力が宗教に口出しをするというのが信教の自由の侵害であるというふうに思われておりますが、歴史的には、ヨーロッパ諸国あるいはアラブでもそうでしょうけれども、ともすれば非寛容になりがちな宗教が強大な力でもって国家を押さえる、国家を押さえてそのほかの宗教を迫害していく、これが政教分離の侵害であり、信教の自由の侵害であります。 これを防ぐために政教分離の原則ができたわけでございまして、法制局長官が言われたような、これが国教ですと宣言するような古典的なものはもうあり得ないわけですね。もっとダイナミックにとらえなければいけない。宗教が政党を支配している、その政党を大きくして政権に近づいている、その政権を裏で操る、そのことによって迫害していく、これが政教分離、信教の自由の侵害であるということでございます。 オウム真理教はそれを暴力でやろうとした、サリンでやろうとした。創価学会さんは合法的な選挙でやろうとしているということでございます。しかしまた、ナチズムも合法的な選挙で出てきたということも想起しなければならないというふうに思います。 そういうことでございまして、先ほど東村山市の問題が出ました。国のレベルではまだそこまで行っておりませんけれども、しかし、大きな危険もあると思います。東村山市では既にそのおそれが現実になっているのではないかそういう疑いを抱かせるところでございます。 亡くなりました、事件死された朝木明代市議は、同市では市議会、市職員、それに警察署職員に創価学会の方の比率が相当に高いということを批判し、業者との癒着あるいは採用における癒着を批判しておられたということでございます。先ほど船田先生から権威のある雑誌であると御評価いただきました文芸春秋の十一月号に載っております。 私が特に問題にしたいのは、人が事件死した場合に、どこか水に落ちておぼれ死んだというようなときにも、まず他殺を疑ってとことんそれを調べる、そして、それをつぶしていって初めて自殺という結論に達するのです。ところが、この東村山署は、特に副署長さんというふうに言われておりますが、直ちに自殺説を出して頑張っている。署長も警視庁もなあなあ主義で、正義を明らかにする情熱に欠けているのじゃないか、そんなふうに思われます。 アメリカではこういう場面ではFBIが出てくる。ところが、日本はそのFBIがありません。だからこれは警察庁が出ていただく場面でありまして、国家公安委員長、この問題について今後の対応、これまでの対応、特に素早く自殺説を打ち出してしまったというのは、私は捜査のイロハを心得ないことであると思います。この点に力点を置いて御答弁をお願いしたいと思います。
○深谷国務大臣 東村山市議の転落事件につきましては、週刊誌や月刊誌、各マスコミが報道いたしておるところであります。私も、このようなマスコミの報道がございますから極めて深い関心を持ち、関係者にその経緯について詳しく、しかも何度も聴取をいたしております。 今、東村山署の副署長が直ちに事故死と断定したとおっしゃいましたが、私に対する報告に関して申し上げれば、この副署長は広報担当でございまして、見通しについて記者に聞かれたので、事件性は薄いと説明しているのでございまして、格別直ちに事故死と断定したわけではありません。現に、現在も自殺、他殺いずれか断定をしない状態で捜査を一層進めているという状況でございます。 本件の事案に関しましては、あらゆる条件を視野に入れて捜査を進め、適正な措置がとられるように指導してまいりたいと思っています。
○熊代委員 ぜひよろしく国家公安委員長の御指導をお願い申し上げたいと思います。 日本の警察は、世界に冠たるすばらしい警察であると言われてまいりました。しかしまた一部には、これまで余り事件がなかったから世界に冠たる警察に見えたのじゃないか、そういう辛らつなことを言う人もおります。それから、警察に対して辛らつなことを言えば警察ににらまれる、そういうことで辛らつな言葉を控えた人もおります。 しかし、そういうことではやはりいけないと思うのですね。謙虚に聞いていただきまして、アメリカ映画みたいな社会にだんだん入ってまいりました。銃社会で、しかも個人が頑張らなければ、組織の上司が敵と絡んでいるようなそういう可能性だって、麻薬の時代とかいろいろな可能性も出てまいりました。アメリカ的な犯罪社会に入ってきたと思います。この段階で新しい困難に向かって毅然と立ち向かっていただいて、やはり日本の警察は世界に冠たる警察であったということをぜひ御立証いただきたいと思います。 最後に御答弁を国家公安委員長にお願い申し上げます。
○深谷国務大臣 委員の御指摘は全くごもっともでございまして、信頼される警察、そして徹底した捜査、国民の期待にこたえた結論を出せる警察になるように一層育成してまいりたいと思っています。 ただ、委員、FBIの問題について触れられたのでありますが、州制度といったような、日本と全く地形も違いますし、制度が違います。あわせて、連邦犯罪捜査はFBIがやりますけれども、通常の刑法違反についてはそうFBIは担当しないで、そして市とか州の警察が行うということになっておりまして、ここいらの点につきましては、アメリカの制度と日本の制度は制度が本質的に違うということを御理解いただきたいと思うわけであります。 いずれにいたしましても、国民の治安を守っていくということは最も大事なことでございまして、今まで日本は治安がよかったと言われた。事件がなかったからだ、こうおっしゃいましたけれども、確かにその一面はございます。宗教団体に名をかりた集団がテロ、暴力事件を起こすなどというのは、少なくとも今までの視野になかったのであります。サリンなどというもので人を殺すなどということも、全くこれは世界も含めて想像の世界になかったのであります。時々刻々とさまざまな問題が起こってくる。そういう一つ一つの苦い経験の中から、警察の捜査体制を一層固めていくように全力を挙げることを誓いたいと思います。
○熊代委員 ありがとうございました。終わります。
○越智委員長 次に、小川元君。
○小川委員 質問の機会を与えていただいてありがとうございます。ただ、既に多くの方々が質問をされておられまして、極力重複をしないようにしていたのですが、先ほどの穂積議員等々の質問等にもまた新しいことが出てきております。多少重複する可能性があることをお許しをいただきたいと思います。 私は、ちょうどオウムが大量殺人というか、あの発端になりました松本サリン事件がありました同じ長野県選出の国会議員でありますので、当初からオウムというものについては大変に重大な関心を持って見てきたわけでありますし、また与党の宗教問題プロジェクト、あるいは党の宗教法人と社会秩序に関する特別委員会の委員といたしまして、この宗教法人法の改正にもタッチをしてまいりました。 ただ、オウムの事件は、既に解散命令の請求も出ていることでありますし、当局の捜査、裁判も進んでいるところでありますから、この法人法の改正とオウムの事件そのものは直接関係がないということは十分承知をいたしております。 それにつきましては、再三繰り返しになっておりますが、まず本法の改正の目的につきまして、文部大臣にもう一度お話をいただきたいと思います。
○島村国務大臣 お答えいたします。 宗教法人法は、御高承のとおり、昭和二十六年に制定されたものであります。それ以降の社会状況の変化あるいは宗教法人の実態の変化等については、委員よく御承知のとおりであります。結果的に、この現行法が実態に沿わないいろいろな面を生じてまいりましたし、国民からもその見直しを図るべきだと大変高い御要望が出ております。これにこたえて、こうした実情に合わせるための必要最小限の改正を行おうとするものであります。 宗教法人法は、宗教法人の規制、取り締まりのための法律ではございません。したがいまして、オウムのような事件の再発を、宗教法人法の改正だけでこれを防ぐことができるかと言えば否であります。今回の改正も、直接的にそのことを目的として改正するわけではございません。 しかしながら、今回の法改正がなされますならば、これは宗教法人の管理運営の側面における透明性が高まりますし、毎年度所轄庁に財務関係等の書類が提出されることになりますので、宗教法人の事情がある程度把握できる、いわば実態把握ができるということから、宗教法人の不適切な運営の防止に資することは期待できる、私はこう考えております。 さらに、悪質な犯罪が起きたような場合には、所轄庁が所定の手続を経た上で宗教法人から報告を求め、また質問することが可能となりますので、裁判所に解散命令を請求するなど、所轄庁はその責任を現在より適切に果たすことができることは事実だろう、私はこう考えております。
○小川委員 今大臣から詳しく御答弁をいただきました。もちろん宗教法人法の改正だけで、第二のオウムといいますか、似たような事件の再発を防止できないことは確かでありますけれども、ただ、宗教法人法は宗教団体に法人格を与える基本的な法律でありますから、何か法に不備があれば、信教の自由を侵さぬ範囲でこれは断固として改正すべきだ、こう思うわけであります。 もう一度ちょっと御確認を申し上げますが、第二のオウムを起こさぬということを直接の目的にはしていないが、情報収集等により、そうしたことが起こらないような形、事前の情報の入手もある程度可能である、国民の皆さんが望んでおられる第二のオウム事件のような防止にもある程度のところは役立つ、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○島村国務大臣 さきの予算委員会あるいはこの宗教法人に関する特別委員会でも再三申し上げたところでございまして、私は、そういう意味ではこれからは法律上の対応のしゃすい環境ができる、そう考えております。
○小川委員 この宗教法人法の改正というのは、率直に言いまして、一部の宗教法人あるいは宗教団体からの反対というのもあるわけです。現実に見ますと、確かに今までよりは、例えば宗教法人が今まで提出しなくてよかった書類を国へ提出しなくちゃいかぬわけですから、多少手間がかかるとか、あるいは一部の宗教法人にとっては所轄が都道府県から国へかわる、そういう手続等の手間がかかるとか、そういった多少の不都合はそれはあろうかなと、私もその点は理解できるわけであります。 しかしながら、我々政治家としては、国民のために政治を行い、あるいは法律をつくり、改正をしているわけであって、一部の利害関係者のためにそれを行っているわけではない、こう思うのですね。したがいまして、こういう宗教法人法のような宗教法人の基本的性格を決める法律に今回のオウム事件を通じて不備があった、こういう場合にはやはり断固として、国民の七割、八割の人もそれを望んでおられるわけですから、法律を改正すべきだ、私もこう考えているわけですけれども、大臣の御所見をもう一度確認をしたいと思います。
○島村国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、国民の法改正を求める声というのは圧倒的な多数を占めております。しかも、あらゆる角度のマスコミの調査が、これが一致しでそのことを指摘していることも我々は重視すべきだ、こんなふうに思います。 また、オウム真理教の事件で、いわゆる宗教法人に対する見方が厳しくなったからこれに便乗するとか、あるいはさきの参議院選挙が云々というような心ない御批判をする向きもないではありませんが、これも委員御存じのとおり、本年の四月二十五日に前文部大臣からいわば検討を御依頼申し上げて、先ほど穂積委員だったと記憶しますが、その構成が極めてアンバランスじゃないか、利害関係の立場の方が多過ぎやしないか、こんな御指摘もあったその構成であるにもかかわらず、五回の審議会、そして八回の特別委員会を開きまして、特に二回の審議会を経た後の特別委員会はまさに整々粛々といわば審議が行われて、その間、議論が沸騰し暗礁に乗り上げるなり何か決裂するようなそういうことは一切なかったわけであります。しかも、その特別委員会も五名対三名ということで、宗教法人関係者の数が多いわけでございます。 そして、決まったことを我々は受けとめてこの法改正をするということでありますから、まさに行政のルールにのっとった、極めて適切な運営の中に今回の法改正、いわゆる法律上のいろいろな不備な点を補うということでございますから、これはぜひとも御理解をいただき、またそうさせていただきたい、こう考えているところでございます。
○小川委員 今大臣がお述べになった特定の宗教法人をねらったものではないとか、あるいは参議院選挙の結果で影響されたことはないというお話、これは当然のことだと思いまして、我々与党側でも、また私ども自由民主党でも、この四月の段階から、オウム事件を契機に宗教法人法というものはどうだろうかということをまじめに検討をしてきたわけでありまして、そのようなことを、政府提出の法案でありますから、政府に言われるということは、私どももまた同じように大変心外な感じがしているということを一言つけ加えさせていただきたいと思います。 さて、そうした中で、この宗教法人法の改正だけでは、これは第二のオウム事件というものはなかなか防止できない、現行法の規定をもっと厳しく適用すべきだ、こういう意見も非常に強いわけであります。そのことは私も確かに、いろいろ本委員会の議論を聞いておりましても、多少はやはり宗教であるという遠慮があったのじゃないかなというようなニュアンスも感じているところでございます。 また同時に、しかしこの宗教法人法によりましても、八十六条にきちっとそのことは書いてあるわけでありまして、「他の法令の規定が適用されることを妨げるものと解釈してはならない。」これは当然書いてあるわけでありますから、当然きちっと今後いろいろな法令の適用を厳格にやっていただきたいと思うのですね。 先週来の本委員会の質疑の中で、宗教法人あるいは人間性善説に基づいて解釈をしておられる、これは当然のことであります。しかしながら、宗教そのものの目的、教えというものは大変とうといものではありますが、それを行う人は人間でありますから、中にはやはり間違いをしてかす、あるいは悪意の人もいないとは限らないと思うんですね。 そうした中で、私はちょっと過去の宗教法人をめぐる事件について、全部じゃありませんけれども抜き書きをしてみますと、やっぱりいろいろな問題はあるんですね。脱税の問題あり、あるいは申告漏れ、あるいは仲間内の争いからの訴訟ですね。麻薬、コカイン事件の容疑で捜査されたなんというところもあったりですね。ですから、こういうことが起こりますと、大多数の宗教団体、宗教法人は本当にまじめに布教をしておられるわけですから、そういうところが大変迷惑をこうむる。今後はぜひとも、こういうオウム事件に限らず、広く全般にわたってやはり既存の法律の適用というものをきちっとやっていただきたい、そう要望をいたしたいと思うんです。 それで、その中で私がいつも気になっていることは、架空転入の問題があるんですね。これは、選挙のときなんかに、要するに今まで住所のなかった人が突如転入してきて、大量に転入してきて選挙をやる。何かオウムが選挙に出たときもそんなようなことをやったとかいうようなうわさも聞いたことがあるんです。 そこで自治省に伺いたいんですが、こういったような選挙のときの架空転入というようなものについて、過去にそういう事例があるんでしょうか、それで法律上それは違法なのかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○深谷国務大臣 選挙になったら架空の転居をして大量の票を掘り起こすといったような風評がありますことは、折々耳にするようなときもございます。まことにけしからぬことだと思います、事実であればですが。 委員御承知のように、選挙人名簿の登録というのは、当該市町村に住所を有して住民基本台帳に三カ月以上記載されている、これが最も大事な原則でございます。ですから、その選挙人名簿への登録が適正に行われているかどうかについて、我々は、適正に行われなければならないというので各市町村の選挙管理委員会にはきちっと指導をしてまいっているわけであります。 まだまだそういう風評が残っているということにかんがみ、私たちは一層、これからの選挙に当たって各選挙管理委員会に、それらの不当な事実のないように、また大量に一定期間に移動するような場合には十分に監視するように、これからも指導してまいりたいと思っております。
○小川委員 確かにうわさというようなことで、今大臣から過去にそのような例があったかどうかの御答弁はいただけなかったんですけれども、それはそれといたしまして、私どもが聞いていますのは、これは各市町村の選挙管理委員会がきちっと動いてくれなければ証拠はつかめないわけでありますが、特に宗教法人についてはなかなか嫌がって実際にやらない、こういうような話もよく聞くわけでございます。 今大臣からお話がございましたとおり、もう既にそういう転入が始まっておるといううわさも出ているわけでありまして、今後、各市町村選管、関係選管に厳しくその点については監視をするように、ぜひ大臣からもう一度御指示をお願いしたい。また同時に、そのような事実があったときには、これは今度は警察の問題になろうかと思うんです。選挙違反という問題になってくると思うんですが、その点についても、そのような事実をつかんだときにはきちっと取り締まりが行われるように、国家公安委員長としても御指示を願いたいと思うんですが、いかがでございましょうか。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○深谷国務大臣 ただいまの小川委員の指摘は全くそのとおりでございます。法律に決められた、有権者がその地域に三カ月住んでいるということを原則として、そして正しい選挙行動を行うということが民主主義の原則であります。この原則がいささかでも守られないようなことがあったら、それは許されないことでありますから、私どもは各市町村の選挙管理委員会に一層厳しく指示をいたします。 あわせて、刑罰法令に触れるようなことがありましたら、これはもう警察で厳正に対処するわけでありますから、そのことについてもおさおさ怠りないようにさせてまいりたいと思っております。
○小川委員 ありがとうございました。自治大臣、私の大臣への質問はこれで終わりでございますので、御用がございましたら御退席をいただきたいと思います。 さて、これから少し宗教法人法の問題につきまして、私が感じているところを御質問させていただきたいと思います。 まず……(「大臣だれもいないんじゃないの」と呼ぶ者あり)いやいや、当面結構ですから。
○越智委員長 文部大臣、ちょっと……(発言する者あり)
○小川委員 いや、質問者の方はそれで結構ですから、文部大臣が戻られる間、私が質問を続けてまいります。質問者がいいと言っているから、いいでしょう。質問者がいいと言っているんですからね。 まず、事務局に質問をさせていただきたいと思います。 先ほどから……(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○小川委員 まず、先ほどの午前中の船田先生の御質問にもちょっと出ていたんですが、認証とか許可とか認可とか、そういう言葉がいっぱい出てくるわけでありまして、これはなかなか国民の皆さんにはおわかりにくいと思いますので、簡単にもう一度その違いについて文化庁から説明をいただきたいと思います。
○小野(元)政府委員 宗教法人法では、宗教法人となるためには、法に定める宗教団体の要件に該当する、そして団体の規則、それから設立の手続が適法であって、所轄庁による規則の認証を受けることが必要となっております。 この認証と申しますのは、法律で定める要件を備えているかどうかということを所轄庁が審査をいたしまして、所定の要件を備えているというふうに認められた場合に行われるものでございまして、いわゆる確認行為であるというふうに従来から解されているところでございます。この認証を得ることが宗教団体が宗教法人としての法人格を得るための要件というふうになっているわけでございます。 そのほかに、許可とか認可とかいう言葉がございますけれども、許可は、一般的に禁止の解除というふうに言われておりますし、認可は、第三者の法律行為を補完して、補充してその効力を完成させる行為でございまして、そういった許可や認可とは違って、認証というのは性格上も違うんだということになっているわけでございます。
○小川委員 許可とか認可の説明についてもなかなか難しくて、果たして正確にとらえられるかどうかという問題はあるわけですが、いずれにいたしましても、じゃ、認証というのは、それが行われた場合にそれを拒否できるケースというのはあるんですか。 というのは、この第十四条三項にも拒否できるらしきことが書いてあるわけですが、第三項で、文部大臣所轄の場合には、認証を拒否する場合には宗教法人審議会の意見を聞いてすることができる。都道府県の場合にはそれじゃどうなるのか。そして、都道府県というのは自分の判断で拒否ができるのか、また全然拒否できないのか、そして過去にそういうケースがあったのかどうかというようなことについて文化庁からお聞きしたいと思います。
○小野(元)政府委員 この認証でございますけれども、当該団体が宗教団体であること、それから当該規則が宗教法人法その他の法令の規定に適合していること、それから手続が宗教法人法十二条の規定に従ってなされていること、こういった要件をすべて備えているということが必要なわけでございます。 過去にこういったものについて認証しなかった例というのはあるのかというお尋ねでございますけれども、現実問題といたしましては、宗教団体から認証のお話がある場合に、所轄庁といたしましても、基本的に認証のために必要とされているいろいろな要件等について助言を申し上げるということもあるわけでございます。したがいまして、全く宗教団体としての要件を欠いておるというような方が来られた場合には、それは無理ですというお話をするわけでございますので、現実に認証をしなかったという例は、非常に少ないわけでございますが、全くないわけではございません。 不認証の例といたしましては、ある宗教団体が、宗教法人を申請してきた団体が、法の二条に定めます宗教団体であるということを確認できないということで不認証にした例がございます。これは、文部大臣所轄のものにつきましては、不認証にするときには宗教法人審議会に意見を聞くということになっておるわけでございますけれども、そういった手続を経て不認証にする例は、非常に少のうございますけれども、ございます。
○小川委員 オウムが東京都に認証を申請したときに、都議会等から、既にいろいろな問題のある宗教団体だから認証すべきでないというかなり強い意見があったと聞いているのですね。それが結局、その要件を欠いていないということで認証をされてしまった。それによってこの事件が起きたとかどうかは別にしまして、そういう実例があるわけであります。国民の皆さんの現在の願望ということから考えれば、やはりそのような問題のある団体の認証への申請というものは慎重に検討をして審議をすべきではないか、こう考えるのですけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
○小野(元)政府委員 オウム真理教でございますが、これにつきましては、平成元年三月一日に東京都知事に対して規則の認証の申請書が出されたわけでございます。東京都知事はこれを審査いたしまして、認証のための要件を備えているということで同年の八月二十五日に認証したものでございます。 ただ、この過程におきましては、先生御指摘もございましたように、いろいろな意見があったわけでございます。実は、三月一日に申請書を預かったわけでございますけれども、申請の時点でいろいろな苦情が寄せられておった。家族がオウム真理教に入信し帰ってこない、会いに行ったけれども会えない、あるいは高額のお布施を納めさせられた、いろいろな苦情があったわけでございます。こういったものにつきまして東京都としても事実関係の確認調査を進めてきたわけでございますけれども、申請書について書類上の不備がないということを確認いたしましたので、同年の五月二十五日にこれを受理するということになったわけでございます。 そして、その後も苦情等についての事実関係の確認の調査あるいは法的要件の審査等を行ってきたわけでございますけれども、この時点におきましては法令違反等の事実が確認できなかった。したがって、規則認証の要件を満たしているということで、八月二十五日に宗教法人の規則を認証したというふうに聞いているわけでございます。 私どもといたしましては、このオウムの事件の反省といいますか、このことにかんがみまして、認証の時点でも、当然でございますが、法令に違反して著しく公共の福祉を害する、いわゆる解散命令請求の事由に該当するようなものが認証の時点で明らかにある程度わかっておるというようなことであれば、もしそういうことがわかっておれば認証すべきでないというふうに考えておるわけでございまして、この認証につきましては、今後とも法に定める要件を適切に、厳格に運用していくという必要があろうというふうに思っているところでございます。
○小川委員 ぜひ第二のオウムのようなものが認証されないような形、これは信教の自由に触れることはできないわけですけれども、その点はしっかりとしていただきたいと思います。 さて次に、都道府県管轄から国への管轄へかわる宗教法人があろうかと思うのです。これは前からの御答弁で、別に認証し直すわけではない、こういう御答弁をいただいているわけですが、これはただ何にも書類等は要らないのですか。具体的にはどういう手続があるのでしょうか。
○小野(元)政府委員 都道府県知事所管の法人が今回の法改正に伴いまして文部大臣所管になる場合の手続の問題でございますけれども、境内建物に関する書類といいますかそういったものを、この法が公布になりました時点で通知等で各法人にお願いをいたしまして、よその県に境内建物を持っていらっしゃる法人についてはその旨を所轄庁を通じて文部大臣に申し出てほしいということで、境内建物に関する書類を把握させていただくということがございます。 そういった手続を経た上で、法が施行になりました時点で所管が知事から文部大臣に移るというものでございます。もちろん、これは改めて再認証を行うということではございませんで、そういった条件を確認した上で、その時点で東京都から文部省に所管が移るということになるものでございます。
○小川委員 それはわかるのですが、例えば認証の取り消しや解散命令請求の事由に該当すると明らかになっているような法人、例えばオウムだってまだ解散されてないわけですから、今度は国に所轄がえになるということはあり得るわけですね、理論的には。こういう場合、じゃ、オウムもやはり認めてしまうのですか。
○小野(元)政府委員 オウムにつきましては、現在、解散命令請求を検察官と東京都がやっておるわけでございまして、地裁段階では一応解散命令が出たわけでございますけれども、即時抗告が行われたところでございます。 したがいまして、これにつきましては、高裁の御判断がいつの時点でいただけるかということがあるわけでございますけれども、恐らく私どもとしてはそう遠くない早い時期に出していただけるというふうに期待いたしておりますので、オウム自身に関して、この法改正に伴って国の所管になるということは考えていないところでございます。
○小川委員 オウムの場合はそうでしょうけれども、将来似たようなケースの場合に、やはり自動的に所轄が国へかわるのですか。
○小野(元)政府委員 このたびの法改正に伴いまして所轄が知事から文部大臣に移るという場合でございますけれども、そのこと自体は、認証は既に行われて法人格は得ておるわけでございますので、それが移管することに伴って新たに認証を再度行うとか、あるいはさまざまな書類を出していただくということは基本的には考えられないところでございます。 なお、法改正後、境内建物に対する書類等をお出しいただくわけでございますけれども、もしそういった時点で書類が不足しておるというようなことがございましたら、それはまた書類をお出しいただくことはあるかもしれませんけれども、基本的には認証は既に行われているものでございますので、知事の所管の法人から文部大臣所管になるというものでございます。
○小川委員 ちょっともう少し質問したいのですが、時間もありますので。 それでは、都道府県の認証で宗教法人として活動して、これから国の所轄になるときに、もう持っている宗教法人の規則が全然前と変わっているというようなケースはどうなんでしょうか。例えば、第二十六条に規則の変更というのがあって、包括法人と被包括法人の関係が解消したときには改めて認証しなくちゃいけないという規則があるわけですけれども、そうなってしまっていたとかいう場合ですね。それから同時に、包括法人と被包括法人ではなくても、似たような場合、例えば本山から破門になっているとかなんとかいうときには規則が全然変わってしまうんじゃないかと思うのですが、そういうときにもやはり自動的に国の認証になるんでしょうか。
○小野(元)政府委員 規則の変更については認証という手続がもちろんあるわけでございます。万一、現在知事所管の法人が、実際の規則と知事のところで認証を受けた規則が違うというようなことがございましたら、それは、恐らくこれは手続の問題になると思いますけれども、既にあらかじめそういうことがはっきりわかっているのであれば、現所轄庁の時点におきまして規則の変更の手続をとっていただいて、その上で文部大臣の法人になっていただくというのも一つの方法がと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、所轄がかわることに伴って再認証といったようなことは必要ないわけでございますけれども、もし以前から若干そういった届け出が足りない、あるいは規則をもっと改正すべきであったというようなことがございましたら、それはその時点で、個別の事例として現所轄庁である知事と相談して対応するということになろうかと思うわけでございます。
○小川委員 認証の問題はその程度にしまして、次に、財務諸表、収支報告等の提出義務の問題を少しお伺いしたいのです。 当然信教の自由というのは絶対に守らなければいかぬことは確かであります。しかし、その中でお金の問題というのは、私はお金というのは世俗の話だと思うのですね。宗教は心の話である。本当に昔はお金なんかなくても皆さん布教して歩いたわけだし、現在でも私の知っている、宗教法人でなくて小さな宗教団体ですが、小さな個人のうちへ集まってお茶一杯で人々に話をし、布教しているところだってあるわけですね。ですから、お金の問題というのは、私はきっちり、はっきりしてもらう必要がある、こう思うわけです。 特に宗教法人としての資格を持っていれば、これは余計当然だと思うのですが、残念ながら現在お金の問題について、大多数の宗教法人はしっかりやっておられるけれども、オウムに見られるごとく、まことにおかしなところもあるわけですね。何か億という金が古い金庫に入ったまま捨てられちゃったり、そういうむちゃくちゃなところもあるわけであります。 しかし、現時点までの宗教法人法では、いろいろな規定がありましても、そういう収支報告等は一切なかったわけですから、実情は全くチェックできなかったわけですね。それをちょっと確認をしたいと思います。
○小野(元)政府委員 現行法におきましては、財産目録等の書類は事務所に備えつけの義務があるわけでございますけれども、これを所轄庁にお出しいただくということはないわけでございますので、そういった意味で、毎年の財務状況といいますか、そういったものを把握する手段はなかったわけでございます。
○小川委員 そういたしますと、今度は収支報告等を出してもらうということなんですが、これはどの程度といいますか何かフォームか何かあるのでしょうかね。 それで私が一番質問したいのは、要するにオウムが、収益事業だけではなくて、もちろん寄附も含めて、本来宗教活動に使うべきものをサリンをつくるのに使っておった。それが全く把握できなかったわけですね。今度の改正によりまして、これは全部把握するというのは無理にしても、そういうものがある程度把握できるのかどうか、そういう改正になっておるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○小野(元)政府委員 今回の法改正に伴いまして、財産目録、収支計算書等の財務関係の書類を毎年度提出いただくということになるわけでございますけれども、これらの書類は宗教法人の管理運営に関する事項を客観的に記載したものでございます。所轄庁として宗教法人法の適正な運用を図る上で必要最小限の情報であるということでお願いするものでございます。 これは法律が成立いたしました暁には、例えば現在でも、こういったさまざまな財務関係書類の参考様式等は研修会等でお示しをしておるところでございますけれども、現在お示ししている例でつくっていらっしゃるところもたくさんあると思うわけでございますけれども、さらに通知や研修会等におきまして、こういった様式等についての趣旨も徹底をしてまいりたいというふうに思うところでございます。(発言する者あり)
○小川委員 私の質問に関係ないことを言わないでください。 わかりました。それでは、もう一度ちょっと確認をしたいのですが、多少なりとも第二のオウム事件の防止には役立つ、こう解釈していいわけですね。
○小野(元)政府委員 今回お願いしておりますのは最小限度の法改正というものでございますけれども、毎年度こういった財務関係の書類をいただくということで、ある程度の宗教法人の実情が把握できるということがございます。その意味で、もし第二のオウムといったことでございますけれども、現在よりは適切な対応が可能になるというふうに考えているところでございます。
○小川委員 そこで、ちょっと税の問題についてお伺いしたいのですが、国税庁いますね。税金の問題について、かなり国民の皆様が宗教法人と税金の関係というものについて関心を持っておられるわけなんですね。 それで、ここにちょっと資料があるのですが、公益法人等の平成五年度の申告状況で、宗教法人は申告件数が一万五百八十四件、所得金額が四百三十六億円、こうなっているわけですね。宗教法人全体としては十八万三千八百九十七件あるわけですけれども、この十八万件のうち収益事業を行っている法人というのはどのくらいあるのですか。
○若林政府委員 宗教法人のうち収益事業を営んでおります法人は、平成六年の二月一日から平成七年の一月三十一日までの間に事業年度が終了したものということで今把握しておりますけれども、一万七百七十八件となっております。
○小川委員 そうすると、今のお話ですと、私の持っている資料は平成五年ですから、収益事業を行っている法人は大体申告をして、その所得金額が四百三十六億円だった、こう解釈していいと思うのですが、これはどうもちょっと余りにも所得金額が少ないのではないか。相当寄附の部分はありますが、大々的に収益事業等々をやっている法人、大変な資産を持っている法人があるということで、先ほど内容は守秘義務ということでおっしゃいませんでしたけれども、そうなるとこれはちょっといかにもおかしい、我々の常識から考えておかしいんじゃないか。果たして税務調査はしっかりやっているのかどうか、疑問に思わざるを得ないのですが、一万有余件の申告に対してきちっと税務調査はされておるわけですか。
○若林政府委員 今申し上げました一万件余りの宗教法人につきましては、これは収益事業を営んでおるということで把握いたしておるわけでございますけれども、それ以外にも、宗教法人が収益事業を開始した場合でございますとか給与等の支払いを行うようになった場合、その場合も届け出をすることが義務づけられております。そうした届け出によってもこの数というのはさらに新しく把握できておりますし、さらに、日ごろから資料、情報の収集に努めておるわけでございます。 また、こういった情報から、収益事業を営んでいるのではないかしかし届け出がないというような場合がございましたら、文書等による照会をやる、さらに問題がある場合には実地調査をやるということでございます。 いずれにいたしましても、一万件全部を調査しておるかということでございますけれども、この点につきましては、我々といたしましてはそういった資料、情報、届け出の内容等をいろいろ調査いたしまして、やはり実地調査する必要があるというものに限って調査をしておるのが実情でございます。
○小川委員 それは国税庁から具体的な話は聞けないとは思いますが、常識的に考えて、今申し上げましたように巨額の収益を上げているんじゃないか、あるいは巨額の資産を持っているんじゃないかと言われている割には大変に所得金額、申告金額が少ない、そう思いますので、今後しっかゆ税務調査はやっていただきたいと思います。 ちょっと文部大臣に最後に、この法律の成立に関しまして本当に御苦労を重ねておられますが、御抱負というかをお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○島村国務大臣 私どもは国民に対して責任のある政治を進めるというのを基本に置いておりますから、国民の皆さんからこれだけ厳しい御批判と御要請がある中で、本年四月から慎重な御審議をいただいて、その御報告もいただいたところでありますし、我々の判断に間違いがあるとは思いませんので、これにのっとっての、最小限度ではありますが、法改正はこの国会で成立をさせていただきたい、こう考えておるところであります。
○小川委員 ありがとうございました。終わります。
○越智委員長 次に、輿石東君。
○輿石委員 昨日も質問をさせていただきましたけれども、続けてお願いをしたいと思います。私は、きょう午前中の論議をお聞きをし、これから私が質問をしようとする問題点を明らかにしていただいたように思うわけであります。 と申しますのは、午前中、この現行法が成立をした昭和二十六年にさかのぼって、しかも憲法二十条の信教の自由をめぐって論議をされていました。法制局長官の答弁もあったわけですが、その中で、信教の自由というのは二つの側面を持つ、信仰の自由という内心にかかわるものは絶対的なもので、ここをとやかくできないだろうという、そういう確認が一つできたと思うわけであります。 もう一つ、外部に出てまいります宗教上の行為というものについては、場合によってはある程度規制をされ、制約をされてもやむを得ない性格のものだという位置づけを私どもは確認し合ったというふうに思うわけであります。 さらに、今回、現行法は認証制度をとっているわけですけれども、この認証制度の本質についても論議をされたというふうに思うわけであります。と申しますのは、認証と許可、認可の違いも明確になってまいりました。 そうしますと、現行法の性格と現行法の限界といいますか、問題点がこの辺で明らかになってまいりまして、しかも公共の福祉という問題をめぐって、この判断をどうするかということがずっと論議をされてきたというふうに思いますので、そういう視点からきのうの残りの部分を御質問させていただきたい、こう思っているわけであります。 最初に、宗教法人法に規定されました宗教団体であれば宗教法人になれるというのが現行の認証制度ということですから、そういう条件さえ整えば認証されるというそのよさと、またそこに出てくる問題点、それが浮き彫りになっているわけですけれども、もう一つ、この宗教団体が真に公益的存在、公共的存在であるかどうかをどうやって見るのかだれがどこでどのように判断をするのかということが大事になってくるのだろう、こう思いますけれども、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○島村国務大臣 先生御高承のとおり、また昨日もお確かめのあったところですが、宗教法人法では、宗教法人となるためには法に定める宗教団体の要件に該当し、かつ、団体の規則あるいは設立の手続が適法であって、所轄庁による規則の認証を受けることがまず必要であります。この認証は、法律で定める要件を備えているかどうかを所轄庁が審査し、所定の要件を備えていると認めた場合に行われるものでありますが、現実の問題としては、その要件が備わっていると認証しなければならないというのが現実であります。 認証制度のあり方につきましては、問題がいろいろ複雑でございますが、検討にはかなり時間が必要なことから、宗教法人審議会において優先的に審議すべき三つの項目としては挙げられておらず、今回の審議会の報告では触れられていないところであります。したがって、この問題は今後開催される宗教法人審議会において慎重に検討されることになる、こう受けとめております。
○輿石委員 そうしますと、昨日から私が、大変心配になります、こう申し上げた点については、まあ早急に結論の出せる問題ではないし、それだけに大事な問題なので今後の審議会にゆだねたいということですから、その部分は今後検討していくわけですから、まだ解決されない問題として残っている、こういうふうに理解ができると思いますが、そのようにとらえてよろしゅうございますか。
○島村国務大臣 先生がおっしゃったとおりであります。
○輿石委員 そうすると、現行法ではその公益性、公共性というものはなかなか明確にできない、そういう限界を持っている法律のままだということが確認できるというふうに思いますが、この点はどうですか。
○島村国務大臣 法改正とは言うけれども大変生ぬるいではないか、もっと思い切った徹底した改正を行うべきではないか、こういう御指摘もたくさん承るところであります。 しかし、私は再三申し上げておりますように、これは政治的な恣意に基づくものじゃございませんし、いわんや私が大臣として自分の希望を何か申したところでもありません。あくまでいわば所轄のあり方と情報開示のあり方、そしてまた活動報告の把握のあり方の三点に絞って、一部委員の増員等はございますけれども、少なくも主要な改正点はこの三点に絞って御検討いただいた報告に基づいての改正でございます。 そういう意味では、これですべて我々は十二分なんだ、こういうことで納得しているわけではございませんが、ただ、これはあくまで恣意的なものでございませんので、今回の法改正もちゃんと行政のルールにのっとった経過を経てのものだということをぜひこの際申し添えておきたいと思います。
○輿石委員 私が再三申し上げますのは、今度の法改正、ポイントは三つあるわけですけれども、それに限って改正をする、必要最小限の改正だとこう強調されても、これに反対する方々は信教の自由を侵すものではないか、再三そういう反論をしてくるわけですから、ここをあえて私は明確にしておきたい、そういう意図で申し上げているわけであります。 したがいまして、この問題は、四十四年間ずっと何にもしなくて、論議もされなくて来たとも思えないわけであります。と申しますのは、昭和三十三年に宗教法人審議会で論議をされているやに思うわけですけれども、その中身は昨日聞けなかったわけですから、きょう改めてその内容と、どうして論議をされなかったのか国会まで上程をされなかったのか、その状況や時代背景があったのかどうか、そんな点についてお尋ねをしたいというふうに思います。
○小野(元)政府委員 昭和三十二年の宗教法人審議会の答申でございますけれども、これはかなり幅広く認証、公告、責任役員制度の建前等々について議論がございまして、具体的な三十三年の答申といたしましては、「宗教活動の定義を明確にする」あるいは「宗教法人となることができる宗教団体の基準を設ける」「合併に関する規定を簡素化する」「公告制度を改善する」「役員制度を改善する」等々、かなり幅広い分野についての答申であったわけでございます。 この三十三年の答申は、昭和三十一年に文部大臣の諮問がございまして三十三年に答申が出ているわけでございますけれども、この答申を具体的な法改正に移す作業の段階におきまして、宗教界のさまざまな御意見、社会状況に対する認識といったものもございまして、当時の時点では法改正に至らなかったものでございます。
○輿石委員 大体当時の審議会の中身については、内容については理解することができたわけですが、先ほど、また昨日、こういう話もありました。きょう午前中も、この現行法は、そういう立法の精神にのっとって信教の自由を尊重するというのが法律の理念であり、精神であるから、公共の福祉という概念については入ってくる余地がない、そういうお話もありました。しかし、そうであれば、この法律の信教の自由の二つ目の側面が無視をされるということにもなりますし、さらに、およそこの世の中には完全無欠の法律はないというお話もありました。 この現行法もその一つであるかもしれない。完全無欠な法律がないとしても、できるだけ完全なものに近づける努力もまた必要だろう。それがわかったら、それに近づけることが政治の使命でもあるし、国権の最高機関である法律をつくるところの果たすべき任務だと思うわけですが、そのことについて大臣、どうお考えですか。
○小野(元)政府委員 先生の昨日来の御論議から踏まえまして、規則の認証につきまして、認証自体の条文は変えていないわけでございます。 けさほど来御答弁申し上げておりますように、従来、宗教団体であること、それから規則が法令に適合していること、手続が法令の規定に従っているということで認証の取り扱いをしておるわけでございますけれども、オウムの事件の反省ということもございまして、例えば、認証の時点で著しく公共の福祉を害する行為を行っているといったようなことがある程度明らかになっておるといったような事態でございましたら、現行法の規定を適切に運用していく、厳格に運用していくという観点に立ちまして、そういう著しく公共の福祉を害する行為を行っているような宗教団体に対して認証を行うということはすべきでないというふうに思いますので、こういった点の運用はきちっと行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○輿石委員 先ほど小川委員からもその問題が指摘をされたところでありますけれども、今、認証の時点で明らかに公共の福祉を害するようなものと認められたときには認証しませんよ、こう言われているわけですけれども、それは所轄庁で本当に判断ができるのかどうか、これが一つ大きな問題になるでしょうし、その判断基準というようなものが欲しいわけですね。 しかし、事が宗教ですから、うっかり物差しを決めて、この物差しに合う宗教、合わない宗教、よい悪いというようなことが論じられるとまたこれも問題だということで、そうした基準がなかなかつくれない。しかし、所轄庁とすればそういうものが欲しい、そういうことだろう、こう思うわけですけれども、その辺については審議会やこれまでの経過の中で論議はされたことがあるのかないのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○小野(元)政府委員 今回の審議会の過程におきましても、当初、認証のあり方といったことも検討しようということは五本の柱に挙がっておったわけでございますけれども、問題点を三点に絞るということで、認証自体は変えていないわけでございます。 ただ、今回の報告にもございますように、現行法の運用で対処できる点についてはその点を厳正かつ的確に行っていくということは、審議会でもお話が出ておるところでございまして、私どもといたしましては、認証の要件ということにつきまして、著しく公共の福祉を害する行為を行っているというようなことがあるのであれば、これは当然法人格を与えることはできないということで運用をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○輿石委員 その点については、今後の審議会等で専門的に御論議をいただく大きな課題かと思うわけです。 そこで今度は、そうなりますと審議会の構成というのが大事になってくるわけですね。現行の十五人から二十人、五人人数をふやせばいいというものでもないでしょう。今後、その構成や審議会の機構のあり方、その点についてはどう考えられておりますか。
○小野(元)政府委員 大臣からもたびたび御答弁いただいておりますように、現在の宗教法人審議会は十五人でございまして、十一名が宗教家から成っており、四名が学識経験者ということでございます。 今回お願いをいたしまして二十名、上限を二十名でお願いしているわけでございますけれども、新しく二十名ということがお認めいただけますれば、さらに学識経験者等の委員をふやして、そして、この新しい法改正、さらには社会が求めている宗教法人審議会への対応ということを十分勘案した上で、適切な御審議がいただけるように組織の充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○輿石委員 もう一つ、七十九条から八十一条にわたる解散命令までの、このことを執行していく場合に必ず宗教法人審議会に相談をしていく。そこを抜きにこの解散命令も、改正された法律といえどもそのようになっているというふうに思うわけですから、なおのことこの審議会のあり方やその構成メンバーには慎重を期すべきだと思います。それはお答えは要らないわけですから、そのように考えていただきたい、こう思うわけであります。 もう一つ、午前中からの論議や先ほどからも、認証する時点にあって第二のオウムのような事件を起こさないように、起こらないように、そういうお話もありましたし、現行の宗教法人法は取り締まり法案でもなければ、オウム真理教と全く混同して論議をすべきでない、そのお話はそのとおりだと思うわけですけれども、たび重なる不祥事や宗教法人の名をかりて犯罪が起きているという事実も、先ほどの福島の須賀川の事件等の例にも見られます。 こういう事件は単に日本だけではなくて、ヨーロッパ各地、特に欧州では七〇年代からカルト教団の取り締まりとか、そういう問題について大変頭を悩めているわけでありますけれども、こういう事態を何とか防いでいかなければならない。これは、国際的にカルト集団も活動を広げてくるわけですから、日本でもそのことはきちんととらえる時期だろうと思いますけれども、その点についてどのように考えられておりますか。
○小野(元)政府委員 ECでいわゆるカルト決議というものがあるわけでございまして、宗教団体に対して、人権を保障するための厳しい規制をしていこうという動きがあるわけでございます。私どもといたしましては、いわゆるカルト問題等につきましても、宗教と社会のあり方に関する調査研究の予算等を来年度以降お願いをしているところでございまして、いろいろと部内で検討をしていく必要があるだろうと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、こういった全く従来の概念では理解できないような宗教というものが出てくることも当然予想されるわけでございますので、そういったものについての研究といったものは進めていかなければいけないというふうに思うわけでございます。
○輿石委員 一九八四年の五月にEC議会の本会議で採択をされました、日本ではこれをECカルト決議、こう略して呼んでいるようですけれども、カルト教団規制決議というのですか、これはカルト問題で悩んでいる欧州各国の一つの基準を示したものだとも思うわけですけれども、この十三の判断基準について、その中身をお知らせいただきたいというふうに思います。
○小野(元)政府委員 ECのカルト決議でございますが、一九八四年五月のEC本会議において採択されたというふうに聞いております。 具体的な中身は、宗教団体に与えられた保障のもとで活動している新しい組織によるさまざまな法の侵害に対するヨーロッパ共同体加盟国による共同対応に関する決議というふうに聞いているわけでございます。この決議は、EC加盟各国あるいは関係の閣僚理事会に対して、新しい宗教団体に対して共同行動をとるための政策や指針を示したものでございます。そういった意味で、指針でございますから、それ自体が直接の法的効力を持つものではないわけでございます。 この決議については、十二の判断基準というものがあるわけでございますけれども、この概略を御説明申し上げますと、例えば、未成年者はその人生を決定してしまうような正式の長期献身を行うように誘導されてはならない、金銭的または人的な貢献について相応の熟慮期間が設けられるべきである、それから、ある団体に参加した後も家族や友人との間で連絡が許されなくてはならない、大学、高校等で学ぶメンバーの修学が妨げられてはならない、メンバーの家族からの電話及び手紙は直ちに取り次がれなくてはならない等々十三項目の判断基準を示しておりまして、こういった中身で、ECといたしましては、決議をした上で具体的な対応等を検討していこうというふうに行っておられるものと聞いているところでございます。
○輿石委員 その十二の判断基準を今次長の方で御披露いただいたわけですけれども、もし言われたような、人生の生涯を決めてしまうような、まだ小さい子供が強制的に長期的にその教団へ親の宗教上の都合で置いておかれるとしたら、その子供の個人としての権利はどうなるのか、そういう問題が必ず出てまいります。としますと、この基準のようなものがもし我が国にあったら、先ほどから出ていますように、東京都でオウム真理教の認証を行う時点でこれを根拠に認証できない、こういう判断がされ得たのではないか。その点についてどのように考えられますか。
○小野(元)政府委員 このECのこういったカルト決議でございますけれども、これ自体は直接の法的効力を持つものではないわけでございます。 実は、この決議の後でございますが、幾つかの国からいわゆるカルト宗教についての調査報告といったものが行われたというふうに聞いているわけでございますけれども、信教の自由との関連もございまして、どこの国においてもカルト対策のための具体的な法令といったものは施行されていないというふうに聞いているところでございます。
○輿石委員 これは法的な拘束力があるものではない、そして欧州各国でもそれによって基準をつくっているところはまだない、こういうお話です。事が信教の自由、宗教という特殊なものであるということからなかなかつくりにくい。その事情は各国、世界共通だ、こう思うわけですけれども、やはりこういうものを目指していこうという動きが世界の中にあるわけですから、我が国でもそれに応じた対応が今後必要だろう。今つくらなければならないというふうに私は申し上げているのではなくて、今後こういう問題について検討をしていく用意があるかどうかをお伺いしたいというふうに思います。
○小野(元)政府委員 この問題につきましても、私どもとしては、信教の自由といったものとのかなり深い関連もあるわけでございます。先ほど来御答弁申し上げておりますように、カルト対策のための法令を制定しておるという国はまだないわけでございまして、私どもとしては、こういったもののあり方がどうかということ等について研究をしてまいりたいというふうに思っております。
○輿石委員 先ほどから次長に御答弁をいただいているわけですが、この問題を設定していく場合に、この議会でも次のようにきちんと信教の自由の点について配慮をしている、こう思うわけであります。例えば、この十二項目の基準をつくった理由ともとれるわけですが、次のようにうたっております。「今回の場合、宗教的信条の妥当性が問題なのではなく、むしろ新たな信者を獲得するために用いられる方法及び新たな信者が受ける処遇の適法性が問題であることを確信し」こういうものをつくったんだと。 信教の自由というから、宗教という名のもとにいろんな犯罪を起こす宗教団体をどう防止していくかという点について、そういう配慮をしながら、ある程度の基準がなければなかなかそういう問題が解決されていけない。その悩みの中から出てきた問題ですから、我が国でもこれは参考にし、たたき台に十分なり得ると思いますので、くどいようですが、ぜひこういう問題についての研究や組織というものを考えていただきたい。昨日、私は総理にもそのことを申し上げたところであります。 このEC決議の問題については、このくらいにしたいというふうに思います。 そこで、私はきのうから、現行の宗教法人法の問題点、それから改正をされます問題点を考慮をしてまいりましても、個々の宗教団体が本当に公益的存在かどうかということを判断する問題がどうしてもひっかかってしまう。 法人格を与える場合に、午前中からありましたように、許可、認可、これはこの法案の本当に本質にかかわる問題ですから、これを許可制度にする、認可制度にすると言ったら大変な騒ぎにもなるでしょうし、論議も呼ぶと思いますけれども、私は、このような論議が今後、かつてあっなかなかったかというよりも、今後必ず出てくる、そう思うわけです。 これは推測ですからお答えいただく必要もないと思いますが、せっかくこれだけの論議をし、改正されたものが、十年後にまたこれでは不備だという結果を生むことにはならないだろうか。それはそれとして、私は早急に本国会でこれはきちんと通すべきだと認識をしているわけです。その点、先ほどから大臣もそうだというふうに言っているわけですけれども、私に対してもお答えをいただきたいというふうに思います。
○島村国務大臣 宗教法人法は御承知の昭和二十六年制定のものでございまして、まさに社会状況や宗教法人の実態の変化によって制度が実態と合わない、こういう現実は先生がお認めのとおりであります。 オウム真理教事件を契機として、国民からもいわばその改正が強く求められているところでありますが、その意味で今回の法改正は、信教の自由と政教分離の原則を遵守しつつ、宗教法人制度の適正な運用を確保するために、宗教法人審議会の報告も踏まえて、所轄庁の変更、備えつけ書類の提出、閲覧請求権、報告徴収・質問権について必要最小限度の改正を行おうとするものであります。 なお、先生のお気持ちからすれば、この際抜本改正をすべきではないかという御指摘もよく理解できるところでありますが、あくまで基本を変えないという前提での法改正でございますので御理解願いたい、こう思います。
○輿石委員 その点は幾ら論議しても、この時点でそれ以上お願いをするわけにはまいらないというふうに思いますから、私は、じゃ二、三、細かい改正をされた場合の問題点、そういうようなことの側面から御質問をさせていただきます。 一つは、認証制度を許可制とか認可制にしてみたり、この現行の法律でも認証制度をさらに厳格化すると任意団体がふえて、そういう宗教団体がふえて、かえって野放しになってしまう、そういう懸念をされた意見もあると思うんですけれども、オウム真理教の場合でも、上九一色村の第七サティアンはいつの間にか礼拝所からサリン工場に移っていた。このことを外からは知るすべがなかったということで今回の法改正、こういう事態にどうするんだということにもなろうかというふうに思うわけです。 改正案は、午前中も出たかと思うのですが、毎会計年度終了後四カ月以内に、所轄庁にその境内建物に関する書類を提出しなければならないという規定になっているというふうに思いますけれども、このような事態を防止するためにも、認証後に、これは船田先生の方から質問があったかなというふうに思いますけれども、施設が変わったらその時点で何か届け出をさせるようなそういう方法はとれないか、こういうお話もあったわけです。こういう事態は、会計年度が終わって四カ月以内になんということではなくて、その施設や組織が変わった時点で届け出制にするというようなことはできないわけですか。
○小野(元)政府委員 本日の御論議でもあったわけでございますが、私どもの考え方といたしましては、例えば県所管の宗教法人がほかの県に境内建物を新たに設けるといった場合には、これは所轄の異動が伴うわけでございますので、そういった事態が発生した時点で速やかに現所轄庁を通じて文部大臣に報告をいただきたいというふうに思っているわけでございます。 ただ、それ以外に、例えば既にもう同じ県の中に境内建物があって、もう一つ違うところに境内建物を設けるという場合でございますが、これにつきましては会計年度終了後四カ月以内に境内建物に関する書類という形でお出しいただければ、その時点で私どもとしてはその情報が把握できるということで、そのような考え方を持っているところでございます。
○輿石委員 もう一つ、午前中も論議があったと思うのですが、報告書類の国会提出の問題、これは調査権との問題が一つ指摘をされた、こう思うわけです。 第二十五条関係、信者その他の利害関係者に対する閲覧のところですけれども、正当な利益があると認められた「信者その他の利害関係人」、その「利害関係人」というのはだれを指すのか、こんな論議もあったかに思うわけです。国政調査権と守秘義務との関係で論議されていると思うのですが、例えばこの二十五条の「利害関係人」には弁護士会等は含まれると解釈できないわけですか。
○小野(元)政府委員 これは、正当な利益があり、不当な目的でないという前提がかかるわけでございますけれども、利害関係人として私ども一般的に考えておりますのは、債権者や保証人など法人と取引等の契約関係にある方、それから法人の行為により損害をこうむった方、それから包括、被包括関係にある宗教法人等がここで言う「利害関係人」に含まれるのではないかと思うわけでございます。そういう意味で、弁護士の方で、例えば法人の行為により損害をこうむった方の代理人というような形であれば、それは入り得るのではないかというふうに考えております。
○輿石委員 あえて私がその質問をさせていただいたのは、これからそういう事件が起きますと、必ず今の現行制度では裁判所に申し立てて解散命令の請求をする。だから、裁判所を通すという一つのステップがあるわけですから、ここにかかわってその信者の代理人である弁護士さん等がきちんと入る、入れる、そういうことでないとこの処理が正確に行われない、そう思いましたのであえて確認をさせていただきました。 そこでオウムの場合ですが、解散命令が出て事が終わったんではなくてこれからが、信者やあの五十三人の甲府の中央児童相談所へヘッドギアをつけられて行ってしまったあの子たちは今どこで何をしているのかな、そういうことを思うと、心が大変痛むわけであります。親の宗教上の都合でああいう教団というところへ入れられて、しかも自分がおふろへ入ることさえもわからない、そんな人間をつくってしまうという恐ろしさ、そして、あの五十三名の児童だけではなくて、それ以外にも教団にはいたはずであります。今その子たちはどこで何をしているのか。 これは、児童相談所というところを通ったということから、文部省ではなくて厚生省という管轄に入ったわけですけれども、厚生大臣に、ああした子供たちは今どのようになっているのかということをまずお伺いし、あの子供たちの心のケア等の問題についてどう対処されていくおつもりか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○高木(俊)政府委員 オウムの関係の子供たちでございますけれども、これまで児童相談所におきまして百十二人、児童を一時保護いたしました。その中で親族へ引き渡しました児童が五十六人でございます。それからまた、養護施設等の児童福祉施設に入所措置をとりました児童が五十一人ございます。 なお、まだ一時保護を行っておる児童が今五人でございますが、これら五人につきましては、社会適応の問題等々もございますし、今児童相談所の中でそういった意味での適応が速やかにできるようにいろいろなケアをしておる、こういう状況でございます。
○輿石委員 そこで、今回の一時保護という扱いをしたその問題で御質問をしたいというふうに思います。 これは、児童福祉法の二十五条とか三十三条というようなところを適用してあの子たちが一時保護をされたというふうに思いますけれども、一時保護という概念から一体それはどのくらい保護をしておくということなのか、そういうものが法律的に明確になっているのかどうか。それは問題が大変、そんな期間で解決できるような問題じゃないわけですから、そういう期間は区切られていない、こう思いますけれども、いつまでも児童相談所というところに置いておくわけにはいかない。施設の限界というものもありましょう。そういう点について。 またもう一つ、この子供たちを就学をさせなければならない。未就学、そういう問題が出てくるわけですね。そうすると、ここで文部省と厚生省とのかかわりが出てくるわけであります。ああいう極端な例でない場合に、これは一時保護をすべきかどうか、または就学をさせるか、こういう判断が両者で行われなければならないということもありますけれども、そういう点の連絡調整等はどのようになっているのかちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
○高木(俊)政府委員 児童相談所長が一時保護をした場合の期間につきましては、これはいつまでということにはなっておりません。これにつきましては、処遇が決定されるまで適切な一時保護の状態で対応するということでございますが、一方、そういった中でいわゆる児童の就学の問題がございます。そういった意味で、就学年齢の児童につきましては、できるだけ速やかに就学できるような措置を講じていくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。 そういった意味で、今回の一時保護をされました児童につきましても、就学年齢の児童につきましてはおおむね今円満に学校に通っておる子供が多いわけでありますけれども、一部、地元の教育委員会の関係あるいは学校の関係あるいは地元の地域との関係、そういった中で話し合いをまだ進めておるというようなケースもございます。 いずれにしましても、この問題につきましては、児童相談所それからまた地元の教育委員会とも十分連絡をとりながら、また厚生省、文部省との間でも緊密な連絡をとりながら、適切な対応をしていくということで努力しているところでございます。
○井上政府委員 お答え申します。子供たちの就学関係につきまして、文部省の方からお答えさせていただきたいと思います。 これまでに保護されたオウム真理教関係の子供たちは、先ほど厚生省の方から御答弁がありましたように百十二人でございますが、その子供たちは年齢も家庭の事情も置かれていた状況も異なるため、児童相談所においてケースワーカー等が詳しい事情を聞き、その結果を踏まえ、子供たちにとってどこで生活し、学校に通うのがよいかという問題も含めまして、子供の状況に応じた対応を行ってきたところでございます。 これらの子供たちの中で義務教育の年齢相当の者は八十七人でございまして、既に保護者や親族、養護施設等に引き渡され、学校に通学している者は八十二人となっております。しかし、子供によりましては長期間にわたりまして学校教育を受けていない者もありまして、年齢相当の学力がなかったり、基本的な生活習慣が身についていないなどの問題を抱えた者もいると聞いております。 このため、文部省といたしましては、それぞれの子供が生活する場所の教育委員会や学校、児童相談所等が連携をとって、一人一人の状況に応じた細やかな配慮を行い、円滑に社会復帰ができるよう、関係省庁と連携しながら指導を行っているところでございます。
○輿石委員 よく言われることに、縦割り行政の弊害、こういうようなこと、それから縄張り争いというような話もあるわけですが、こういう不幸な子供たちが自分の意思と反してそういう処遇に遭ったときには、どこでも嫌がるわけですね、逆に。うちの管轄じゃない方がいいと。 また、もう一つ素朴に今国民の皆さんが心配されているのが麻原教祖自身の子供の扱い。ああいう世にもまれな凶悪犯罪を起こした人間の子供といえども、一個の人間としてやはりこれから大変な十字架を背負って生きていかなければならない。この子たちのケアについても考えていくべきだ、当然だろう、私はこう思うわけであります。 そういうことも含めて、ますます複雑多様化するこの時代を迎えて、一昨日以来、心の空白があり、心のよりどころを求める、そんな願いが大きくなれば二十一世紀は宗教の時代だ、そんな言葉を使う人もいるわけであります。 もろもろの問題も出てこようと思いますが、また、心のケア等の充実を図るためにも、先ほどお話がありましたケースワーカーの人員不足も大変嘆かれている実態であります。そうした点を踏まえて、厚生省として、厚生大臣として今後どのようにこういう問題について取り組まれていくか、その辺についてお話をいただきたいというふうに思います。
○森井国務大臣 御存じのとおり、オウム関連施設の中で百人に余る児童が保護を要する状態になっておったということが警察からの通報で明らかになったわけでございます。 当時の報道を私も鮮明に覚えておりますけれども、信者である親が一時保護をしております児童相談所に押しかけていきまして、何とか返せという理不尽なことを言っておりました。警察の通報によりますと、それらの児童は施設の中にあって虐待をされ、あるいは放任をされるなど目に余るものがあったわけでございまして、警察に委託をして児童相談所まで児童を誘導してもらったという経過があるわけでございます。 児童にとりましてはこれから新しい生活が始まるわけでありますし、就学も始まるということでございまして、親との関係につきましては、しばらくは面接を差し控えるという措置をとったわけでございます。 その後、親の場面からいいますと、途中でオウム真理教を脱会をいたしまして家庭が正常化されたという家庭もあるわけでございますから、そういうところにつきましては、あるいはまた親族が引き取るというふうな児童につきましては、そのとおり温かい雰囲気の中で帰していったという経過があるわけでございまして、児童相談所がとった措置につきましては十分御理解がいただけるものというふうに思っておるわけでございます。 また、児童相談所にあります児童の心のケアの問題につきましては、児童相談所に心理判定員というのを置いておりまして、可能な限り専門知識によりますケアを行ってまいりまして、今のところ不便を感じてはいないわけでございます。 なお、麻原親子の問題につきましては、御指摘のことも十分踏まえながら、御説のように麻原の子供といえども児童に違いないわけでございますから、私どもとしては差別なくこれからも健全育成のために努力をしていきたいと思っておりますが、まだ行方のわからない児童もあるわけでございます。
○輿石委員 ありがとうございました。 もう時間が来ましたので最後の質問になろうかと思いますが、今の問題とかかわって、多分に親と子供の関係、親の親権の問題、そういうふうな問題から、日本でもやっと採択をされました児童の権利条約、こういう問題にもかかわってこようと思います。今後そうした問題について文部省としてもきちんと対応をしていただき、誤りのなきようお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○越智委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 去る十月の三十日に東京地裁は宗教法人法八十一条による解散命令を出しました。これは解散命令というからオウム真理教に何か命令しているような印象を与えていますけれども、そうじゃないんですね。この決定は、御承知のように、主文を見ますと「相手方宗教法人オウム真理教を解散する。」裁判所がオウム真理教を解散するという決定が出たんです。すぐ本来なら確定するのでしょうが、即時抗告をやっている。私、内容をいろいろ見てみました。この即時抗告は、この決定の中を精査するだけで、もう理由ないなというふうに思いました。だから、もう間もなく却下ということで確定するだろうというふうに思っております。 そこで、文部省にお聞きしたいのですが、解散決定が確定した場合にはどういう効果が発生するのかということなのです。 それで、今まで文部省が、九月十四日の参議院決算、十月十二日の衆議院予算委員会、こういうところで答弁をしています。それを整理してみますと、こういうことなのですね。決定が確定すると、その時点で解散の効力が発生する。それから同時に、宗教法人法の清算手続が開始される。それで宗教法人は解散されて、そしてオウム真理教は清算法人になる。そして、この清算法人は業務を停止する。それから、清算人は現務を結了させる。それに続いて債権債務の確定。債権債務の確定ですから、全財産の、施設や財産の確定をやる。そして、債権の取り立てや債務の支払いを経て、もし残余の財産があればこれを処理する。それで、清算が終わって法人は消滅する。その場合に若干の信者が残っているかもしれない、そういう道筋の説明を今までしておられます。私はこの会議録を見てそういう整理をしたのですが、間違いありませんか。
○小野(元)政府委員 御指摘のとおりでございまして、解散命令が確定いたしますと清算人が選任されて、清算手続に入るわけでございます。
○東中委員 御指摘のとおりとおっしゃったので、それでは御指摘したとおりの、法人は業務を停止すると言っているのですね。清算人は現務、現在の業務ですよね、現務を結了する、条文にそう書いてあるのです。この清算手続に入ったオウム真理教が停止される業務というのは一体何なのか。現務というのは、結了させる現務というのは何なのかそれを説明してください。
○小野(元)政府委員 裁判所が選任した清算人によりまして、裁判所の監督のもとで清算手続が行われるわけでございます。この清算手続に入りますと宗教法人としての活動は終了して、債権債務を確定するとともに、債権の取り立て、債務の弁済が行われるわけでございます。 この場合にオウム真理教が一切の業務を停止するということになるわけでございますけれども、宗教法人の解散というものは、宗教法人がその目的遂行のための活動を終える、それで既存の法律関係の整理、それから残余財産の処理の手続に入る、つまり、清算手続に入るということで私どもは承知をしているところでございます。 この宗教法人の目的遂行のための活動と申しますのは、すなわち宗教活動でございます。解散命令が確定いたしますれば、オウム真理教は宗教法人としての宗教活動はできなくなるというふうに考えております。
○東中委員 それはそのとおりだと思うのです。オウム真理教は宗教法人ですから、宗教法人としての宗教活動をやる、しかしその中身は、実際は反社会的な活動であったり、それから犯罪行為であったりしているけれども、そういう一切の行為がなくなる。 大体宗教法人の業務というのは、宗教法人法第一条によりますと、法人格を持った宗教団体、任意の宗教団体が申請をして法人格を持つわけですね。法人格を持った宗教団体である宗教法人オウム真理教は、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、そして宗教法人の目的の達成のための業務、事業を行う、こういうふうになるわけですね。 だから、広範な施設を使ってやっておるそういう業務は全部とまっちゃうのです。清算人はとめなきゃいけない。裁判所の決定でとまるということになるわけですね。しかもそれは清算法人になってしまっておる。こういうことでよろしいですか。
○小野(元)政府委員 解散命令が確定いたしますと、宗教法人は清算の目的の範囲内でのみ存在するということになるわけでございます。したがって、御指摘のとおりだと思います。
○東中委員 それで、ちょっと場面が変わりますけれども、平成七年九月十四日の参議院決算委員会で続議員が、平成七年の九月一日に新進党は「オウム真理教に対する破壊活動防止法の適用に関する見解」、これを発表した、この公の場でこれを読ませていただきますといって会議録に載っておるわけです。 この中で、私はもう全く間違っているなと思うことがあるのですが、こういうくだりがあります。「本来の宗教活動の在り方から大きく逸脱した同教団に対する解散請求が東京都より出され、その手続きが進行しつつあることを積極的に評価したい。しかし、同教団の対抗措置等により、解散請求についての裁判所の判断が確定するまでには多くの時間を要すると予想され」る。何か、余り間に合わぬぞというような書き方をしてあるのです。そしてまた、宗教法人に対する解散命令が出されても、同教団、オウム真理教の任意団体としての活動は継続される、こう言うのです。 オウム真理教は、任意団体が法人格を持ったのです。法人格を持ったオウム真理教が解散されて清算法人になったのです。任意団体、どこから出てきます。この見解は今の説明からいって成り立ち得るか。全くの間違いだ。こういう宣伝がたっとマスコミでもやられたのですよ。これはもう全くの間違いなのです。どうです。
○島村国務大臣 清算が結了した後は、いわば法人格を失って、あとは任意団体としての行動だけになりますね。
○東中委員 清算が結了したら全部消滅するのですよ。(発言する者あり)違うのだよ。あなた方はもう少し物を考えなさい。どうです。
○小野(元)政府委員 清算人が清算を結了するということになりますと、まさに法人格は消滅するわけでございますけれども、宗教法人にいた人々、そういった人々がまた任意に宗教活動を行うということは不可能ではないわけでございまして、その意味で、宗教団体といいますか、宗教活動をさらに引き続きその人たちが宗教法人と全くかかわりなく行うということは可能であるという意味で、宗教団体としての宗教活動はできないことではないということを御答弁申し上げているところでございます。
○東中委員 全然違いますよ。 元信者ですよね、要するに解散された元信者。もう解散になっているのだから、清算しかないのですからね。元信者が、今度は信者が寄って何か別のものをつくる。それは信仰の自由がありますからつくれますよ。それはオウム真理教とは違うのですよ。オウム真理教の方はもう解散されてなくなっているのです。清算法人としてしかないのです。 ところが、同教団の任意団体として、信者が集まって新しい別の任意団体をつくるかつくらぬかということじゃなくて――それはあり得ると思いますよ、信仰の自由があるのだから。それを、同教団の任意団体としての活動が継続されると言うのです。だから教団の活動が継続される、こう言っているのです。これはもう明らかに間違いなのですよ。だって今の説明も、教団だった人々が宗教の活動をやるのは、これは自由が保障されておると。当たり前ですよ。そんなこと書いてないのです。 まあ、これはもういいです。これはもう完全に言っていることが、こういうことを言うことによって破防法の適用ということを言おうというふうに考えているのです。そこに問題があるのです。 それでは、これについて関連して法務大臣にお聞きします。 法務大臣は、十月十二日の衆議院予算委員会で次のように答弁をしておられます。宗教法人法に基づく解散命令の効果として、それは主として法人格を消滅させること、裁判が確定いたしますと法人格が否定される、財産整理が行われる。法人格は喪失をいたしますけれども、任意団体としての活動ということは制約がございません、こう言っているのです。 まず先に聞きたいのですが、法人格を消滅させること、裁判が確定いたしますと法人格は否定される、こう言っておられますが、なるほど宗教法人は解散によってなくなりますけれども、それはすぐ清算法人としてあるのだというのは、民法の準用があってちゃんと書いてありますね。清算法人はあるのでしょう。法人はなくなってしまうというのは、これは間違いですね。どうですか。
○宮澤国務大臣 多少私の言葉が足りなかったかもしれませんが、宗教法人としては消滅をいたしますけれども、おっしゃいますように清算法人として、清算の間、権利義務の主体としての法人格は持つものだ、私はそう思います。
○東中委員 だからこの点は、言葉足らずと言われましたが、明らかに間違いであったということを認められました。それから、「法人格は喪失をいたしますけれども、」しかし、今言われたように法人格は清算法人として残っているのですよ。 それで、「任意団体としての活動ということは制約がございません。」ここで言っている任意団体というのは何ですか。
○宮澤国務大臣 一つの社会的実体としての団体というふうに考えてもいいのではないかと思います。
○東中委員 任意団体といえば団体なのです。社会的実体の活動といえば、これはもう団体じゃないのです。法的性格がうんと変わるのです。 この点については、あなたは、この十月十二日の段階での答弁ははっきりこう言っているのだが、この間、十一月二日のここの審議ではこういうふうに言いかえていますよ。「先刻も申し上げましたけれども、宗教法人法に基づく団体の解散ということになりますれば、法人格を喪失して、しかし、おっしゃいますように、事実上の団体活動というものは残り得るわけであります。」残り得るわけでありまして、残らないかもしれない。そして、団体の解散ということによって、事実上の団体活動、これは団体の活動じゃないのです、任意団体が活動するというのじゃないのです。事実上の団体活動が残り得る、あるいは残らないかもしれない。 こういうふうに言われているのですが、この発言はこの宗教特別委員会での発言ですから、これが一番正しいのでしょうね。
○宮澤国務大臣 私がどういう言い回しを申し上げたか、今はっきり記憶をいたしておりませんが、申し上げました趣旨は、宗教法人としては解散をする、それから、先ほどちょっと私の言い方が舌足らずであったかもしれないということを申し上げましたが、清算法人としては残ってまいります。しかし同時に、一つの、何と申しますか、人間の集団、グループとして、社会的な実体としての団体というものはあり得るのだし、その活動というものもまた存続し得るものである、こういう趣旨で申し上げたと思います。
○東中委員 それで、これについて破防法を適用するというのですね。宗教法人法で解散をされたオウム真理教、それは清算法人になっておる。清算法人になっておるのですから、そうしたら破防法をこの段階で、裁判所の宗教法人法による解散命令が確定して清算法人になっているときに破防法を適用するというのは、破防法の団体解散指定をやる、こういう趣旨のことを言われていましたね。どういう団体に対してやるのですか。
○宮澤国務大臣 今も申しましたように、社会的実体ということを申し上げたのですが、こういうふうに私は理解をしているわけでございます。 先ほど東中議員もおっしゃいましたけれども、法人格のない宗教団体というものがあって、任意団体としてのものがあって、それが宗教法人法によって人格を得て宗教法人法に基づく団体になって、それで今度はその団体が宗教法人の資格を喪失するということは、一番初めのもとの任意団体としての宗教団体というものに戻るのである、そういうことではなかろうかと思います。
○東中委員 どうして残るのですか。オウム真理教は八九年に、それまでは認証されていなかった。だから任意団体だったわけでしょう。それだけだったら大がかりな第七サティアンとかなんとかというような不動産も持てないし、だから法人格を得る認証を得たわけですよ。認証を得ることによって、先ほど一番最初に申し上げたように、その宗教団体は、法人格を得た宗教団体は財産を所有することができる、維持運用することができる、そして事業を行うことができる。 これは宗教団体なのですよ。ただ法人格を得ているか得ていないかだけなのです。得た宗教団体なのです。それが解散されたのです。宗教団体が解散されたのです。もとの任意のものが起こってくる、これはもう珍論ですよ。まともに法律的に考えてみたら、何を言っているのだということになりますよ。 それで、私、今聞いているのは、だから破防法の適用を考えているというのでしょう、慎重に厳格に証拠を集めて。どの団体に対して、何という団体を破防法の対象にするのですか。
○杉原政府委員 議員御指摘の団体の意味でございますが、破防法の第四条の三項に破防法で言う団体の性格を規定しております。「この法律で「団体」とは、特定の共同目的を達成するための多数人の継続的総合体又はその連合体をいう。」こういうふうに規定されております。 この意味は、破防法の対象となる団体というのは、必ずしも法人格を持った団体に限らず、一定の共同目的を達成するための多数人の継続的共同体ということであれば足りるわけでございまして、今問題になっております宗教法人法による解散命令が確定をして、そして宗教法人としての資格を喪失した後においても、社会的実体としてのオウム真理教という団体が存続する限りは破防法の対象になり得るというのが法律の解釈であります。
○東中委員 オウム真理教というものは宗教団体として法人格を持っておる。持っていても持たなくてもいいんですよ。オウム真理教は現実に解散されるんですよ。だからその施設やら何やら、皆もう清算人の手の中に入っているんでしょう。活動場所も何にもないんです。その中の信者の一部が残って宗教活動をやる。どういう活動をやるか、それは知りません。まさに事実上の団体活動なるものは残り得るというだけです。残らないかもしれない。その事実上の団体活動をやるというものはどの範囲なのか。それは本来のオウム真理教という宗教団体とは全然別のものですよ。解散されてから後にできるものでしょう。 だから、解散指定をやるんだったら、何に対してやるのかということを聞いているんです。そんな団体についてのことじゃなくて、オウム真理教に対する、宗教法人法によって解散された法人に解散指定をやることができるのかという問題で聞いているんです、具体的団体を。どうですか。
○宮澤国務大臣 宗教法人法の規定によって解散命令が出て、それが確定をいたします。宗教法人としての法人格を喪失をするわけでございます。しかし、先ほど私が申しましたように、オウム真理教という一団の人間の集団というものが残っております限りは、それは破防法に申します「この法律で「団体」とは」というものに該当をするというふうに考えております。
○東中委員 それは何という国体ですか。
○宮澤国務大臣 オウム真理教と言ってもいいかと思います。
○東中委員 オウム真理教は既に宗教法人法で解散されているんです。ところが今度は、同じオウム真理教に対して解散指定を破防法でやるんですか。そんなことできやせぬのですよ。何とかして破防法をこの際適用したいということで言っているんです、あなた方は。(発言する者あり)物を知らぬで、黙ってなさいよ。 総理に聞きましょう。宗教法人オウム真理教、オウム真理教という名の宗教団体、それは人格を持っておろうが持ってなかろうが、これはあるわけね。上九一色村にいろいろ持っている。それから礼拝堂も持っている。東京にもいろいろある。そこで活動している。この団体は、既に裁判所の解散命令によって、宗教法人法による解散命令によって解散されてしまって、宗教団体そのものが活動が一切できなくなったということは、一番最初に、見える前に文部省の方は答弁しているわけです。 それは、法人でなくなったけれども別のものがあるというのじゃなしに、宗教団体そのものがなくなってしまうんですね、解散されて。それでそれは清算団体になっているんです。そうしたら、その施設におる信者なんというのは、清算の過程で皆退去させにゃいかぬです。これは清算事務の中に入ります。財産の確認と、それから退去させにゃいかぬ。これは宗教法人法による解散をした清算人の仕事になるんです。 そうなっている中で、オウム真理教の信者であった人たちが事実上の団体活動ということをやることはあり得る。やらないこともあり得る。みんなやるかどうかもちろんわからない。それがその規制の対象になるんですか。それを解散せいと言うんですか。 だから、破防法で適用する場合は団体があるわけだ。でも、このオウム真理教という団体は解散されて清算法人になっているんです。しかし、破防法ではやっぱりオウム真理教というのがあって、それに解散指定をやる、これはもう全然話にならないんです。既に解散されてしまっている宗教法人に対して、残党がおるかもしれぬといって、その解散されているもののもとを引っ張り出してきて解散指定するなんというのは、これはナンセンスですよ。あり得ないんです。これはもう総理として、慎重に、そして厳格にと言ってこられましたね。だから慎重に、厳格に言ってみたら一体何をやるんや。 あのときはまだ宗教法人法による解散命令が出てない段階ですが、私はもうこの問題は初めから、五月段階から、宗教法人法で解散すべきものだ、破防法なんて適用は全くもってのほかだ。そこから一月ほどたってからやっと解散請求をした。それで四カ月たって決定が出た、こういう段階ですよ。だから、破防法はもう今や使いようがなくなっているんです。いかに弾圧をしたい、存在を残しておきたいというふうに思ったって、やりようがないんですよ。だから指導として、そういうことでおまえ一体何を解散するんだ、解散指定をする相手は何だという点についてどう思われますか。総理の意見を聞きたいです。
○杉原政府委員 多少細かい問題になりますので、私がかわってお答えします。 先ほどお答えしましたとおり、宗教法人としての資格はなくなりましても、現実にそこに社会的事実としての宗教団体というものがなくなるかどうかは、それは先生が今御指摘になりましたようにわかりません。しかし、これは事実関係でございますので、その前提をどういうふうに見るかはここではおくとして、一般論として申し上げましても、宗教法人は解散になっても、任意団体としての宗教活動はこれは許されるわけでございます。 それで、可能性としては、オウム真理教というものが一定の信者と一定の結合体ということで存在し、そしてお布施あるいは勧誘その他の活動を続けるということがあり得るわけでございますから、そういうものに対しては私どもは破防法というものを検討する必要があるというふうに考えております。
○東中委員 もうああいうへ理屈を言う人がおるからね。だから、すっきりしますよ。団体規制だから、団体規制で団体の解散指定をやるというんでしょう。その指定をやる対象になる団体は何という団体ですかと聞いているんです。それを聞いているんです。それがなかったら申請も出しょうがないじゃないですか。それを聞いているんですよ。
○杉原政府委員 オウム真理教という社会的実体としての宗教団体でございます。
○東中委員 宗教法人としてのオウム真理教は、社会的実体としての宗教団体としてのオウム真理教でもあるわけですよ。それ全部を含めて解散しているんですよ。それで、もうそれは清算法人になっているんです。その清算法人を今度は解散指定の対象にするのか。これはできないですね。ナンセンスなんですよ。だから法務大臣も、事実上の団体活動というものは残り得るというだけのことなんです。その前は、任意団体としての活動ということがあると言っていたのです。それをこの委員会になってからはもう明らかに、僕が聞いておって明らかにぱっと変えたんです。説明がっかなくなっているんです。 だから総理、もう時間ですから、そういうことが問題になっているので、単なる厳格、慎重だけじゃなくて、相手がもう解散しておる団体について解散指定のというようなことを言って、公安調査庁がしゃしゃり出て破防法の存在性を誇示しようとしているというのが実情だと思いますので、最後に総理の意見だけ聞いて、もう時間ですから終わらざるを得ないのです。総理の見解を言ってください。
○村山内閣総理大臣 宗教法人としての法人格がなくなるわけですね。(東中委員「そんなことない」と呼ぶ)いやいや、それはその命令、(東中委員「宗教団体がなくなるのです。宗教団体の話です」と呼ぶ)団体は解散させられるんですからね。しかし、信者は残っていくわけですよね、信者は。その信者が、あるグループならグループをつくって、そしてこの団体の目標としている事業、活動をこのグループがやれば、それはやはり社会的な一つの客観的事実として団体行動だと見られる節は私はあると思いますよ。 ただ、何度も言いますけれども、この破防法ができた由来から考えてみて、これは基本的人権に関する問題でもありますから、これは法と証拠に基づいて厳格に慎重に検討する必要がある。ですから、例えば宗教法人法の解散命令が出て、そして解散をされた後の実態というものもやはり見きわめていかなきゃならぬと思いますけれども、そういうことで判断をさしていただきたいというふうに私は思います。
○東中委員 時間ですから、やむを得ません。
○越智委員長 次に、土肥隆一君。
○土肥委員 たった五分しかありませんから、簡潔にお答えいただきたいと思います。 宗教法人法というのは、私たちが何か犯罪を追及したり、それに処罰を与えたり、あるいは犯人を捜し出したりするような法律じゃございませんで、要するに、宗教団体が本当の意味で公益性を発揮して社会で十分に役立つ、そういう仕事をしてくれ、そのためにはいろいろと問題があるでしょうから、ひとつ財産というところ、境内地ないしは境内建物に着目して、そこに法人格を与えて、保全なり運営なりを円滑にやってくださいという法律だと思うんですが、まず、宗教法人法の本来の目的をお答えいただきたいと思います。
○小野(元)政府委員 宗教法人法の目的といたしますところは、宗教団体に法人格を与え、宗教法人が自由でかつ自主的な活動をするための物的基礎を確保するというところにございます。このため宗教法人法は、信教の自由と政教分離の原則を基本とし、宗教法人の責任を明確にするとともに、その公共性に配慮を払っております。自由と自主性、責任と公共性、こういった二つの要請を骨子として全体系が組み立てられているというふうに考えております。
○土肥委員 大変結構です。 ですから、宗教法人法というのは、宗教団体が持っているその建物ないし境内地、敷地、その他宗教法人が持っている物に着目している。それで争いが起きたり、これはおれのものだ、あなたのものだというようなことをやめよう。それから、法人を持っていませんと登記は個人の登記になりますから、個人の登記では宗教団体としては困るじゃないか、代がかわっていけば返してくれとかなんとか言われたら困るから、それでは法人をつくって財産を中心にして宗教法人格を与える、これは今小野さんが言った趣旨と全く同じだと思うのであります。それ以上のものに考えるから、この委員会も、何かオウムの犯人捜したとかオウムをどうやってつぶすんだというような話にすりかわってくるんだろうというふうに思うのであります。 そこで、もう一度聞きます。なぜ宗教団体は宗教法人を望むんでしょうか、その理由をお答えください。
○小野(元)政府委員 法人格を取得いたしますと、法人の名前で財産等を取得することができる、まさに法人としての性格を持つというのが一つあろうと思います。 それからもう一点は、税制上の優遇措置等もございますから、恐らくそういったことを勘案して、宗教法人の法人格を得たいというふうに宗教団体の方がお考えになるのではないかというふうに思っております。
○土肥委員 ですから、これは物に着目しているということを忘れちゃならない。第一条の目的をしっかり読めば、これは物でトラブルが起きないようにということの法律だということをまず申し上げておきたいと思います。 もう一問。どうもこの委員会では、宗教が怪しげだ、宗教総じて怪しい存在だということがぷんぷんとにおってくるわけでありますが、宗教法人の持つ公益性ということについて御説明ください。公益性とは、公共性とは何なのかその性格をお述べください。
○小野(元)政府委員 宗教法人は宗教活動を行うことを主たる目的とされるわけでございますが、宗教は、人心を安定させる、あるいは日本の精神文化を向上させる、そういったことに不可欠であるわけでございます。そして、神社とかあるいは寺院、教会等、我が国における宗教法人の存在は、国民一人一人の生活に深く定着し大きな役割を果たしていると私どもは考えております。こういったことから、宗教法人の宗教活動には公益性があるというふうに考えているところでございます。
○土肥委員 今の抽象的な説明では、本当の意味で宗教法人全体のその公益性を述べていることにはならないんです。私に言わせれば、宗教法人というのは、要するに、日本の福祉が行き届かないところにボランティアだとか個人的な救済をやるし、医療活動が行き届かないところにもやるし、それから、アフリカや海外の日本のODAや何かが行き届かないところにも宗教団体がいろいろな援助をしている。つまり、世界的に宗教法人が公益性を発揮しているわけであって、そんな文章で並べて宗教法人の全体的な公益性というようなことを言ってはならない。 そういう意味では、私は、国会議員の皆さんが宗教法人がしている公益性というものに着目して十分な理解を得ていただきたい、そうしないとこの宗教法人法の改正の問題は決着がっかないんじゃないかというふうに思っております。 終わります。
○越智委員長 次に、石田勝之君。
○石田(勝)委員 石田勝之でございますが、質問させていただきたいと思います。 早速質問に入らせていただきますが、去る十一月の二日、宗教法人特別委員会理事会において要求された資料が出されたわけであります。この理事会で出された資料、これは宗教法人審議会の概要についての要旨ということであります。重要点が網羅されているものだろうと思いますけれども、その重要点がこれらについては網羅されているのかどうかまず最初にお尋ねしたいと思います。
○小野(元)政府委員 御指摘の資料は宗教法人審議会の審議の概要についてということで、今回の、四月二十五日に開催いたしました百二十七回の宗教法人審議会以来、九月二十九日の審議会に至るまでのそれぞれの審議会あるいは特別委員会における審議の概要について御提出した資料でございます。
○石田(勝)委員 いや、その法改正の審議の中で重要なポイントの部分というのはあるわけですね。そういうポイントの部分については網羅されているのかどうなのかということを私は聞いているわけです。
○小野(元)政府委員 宗教法人審議会で制度改正について集中的に御論議をいただいたわけでございますけれども、それらの主な点といいますか、これは時系列で並べでございますが、それぞれの審議会あるいは特別委員会の中で審議されましたことの主な点については、この中に入っているというふうに考えております。
○石田(勝)委員 宗教法人審議会特別委員会において、第七十九条から八十一条までの反社会的な宗教法人に対する調査権の議論、これが第一回、これは六月二十日に行われておりますけれども、六月二十日から第四回の特別委員会で、もっと詳しく言うと、六月二十日、七月三日、七月二十四日、八月二日、この四回にわたる特別委員会で議論されたかどうなのか、お尋ねしたいと思います。
○小野(元)政府委員 この七十九条、八十、八十一条についての報告徴収・質問権のお話だと思いますが、これはそれぞれの特別委員会あるいは総会の議事の概要といいますか、主な議事についてこの中に入れてあるわけでございます。 御指摘の点について、個別の何月何日、何月何日というのは今すぐにここでお答えするのは難しいわけでございますが、この全体の流れを少し御報告させていただきたいと思いますが、六月の二十日に第一回の特別委員会を設置したわけでございます。そして、この中で宗教法人の所轄のあり方、認証後の活動状況の把握のあり方、情報開示のあり方、との三点に論点を絞って、これらを優先的に審議をしていこうということで、原則として二週間に一回開催ということで来たわけでございます。 その中で、いわゆる調査権というものにつきましては、当初四月二十五日、それから第二回の六月六日の時点から、所轄庁による宗教法人の活動状況の把握のあり方ということの中で、調査権等を含めていろいろな意見交換が行われてきたところでございます。
○石田(勝)委員 今、次長は議論されたと言っているけれども、その前に、重要なポイントの点が議論されたものはここに載っかっているんだとおっしゃったですね。その調査権というのは非常に大事なことなんですよ。私も質問するに当たっては、ちゃんと調べてここに立っているわけですよ。六月二十日、七月三日、二十四日、八月二日、この四回、調査権の議論はされてないですよ。されてあるとしたら、この中に入っているわけでしょう。あなた、ちゃんと重要な点は網羅されているとさっき答えたじゃないですか。
○小野(元)政府委員 調査権について議論があったところです。 それでは申し上げます。 まず、これの百二十七回、四月二十五日のところで、例えば二の③の「宗教法人設立後の所轄庁による活動状況の把握の在り方」の部分でございます。 それから次が六月六日でございますが、上から……(石田(勝)委員「特別委員会と言っているんだよ、私は」と呼ぶ)はい、六月六日の特別委員会――失礼しました、これは総会でございました。第四回の特別委員会、八月二日の部分、それから九月五日の総会の部分、それから二十二日の総会の部分、それから二十九日の総会の部分、いずれも調査権等について審議が行われております。
○石田(勝)委員 私は、この第一回の特別委員会、六月二十日、七月三日、二十四日、八月二日、この宗教法人審議会特別委員会での四回にわたっての質疑の中で、調査権についての議論をされたことがこの中に入っていますかと聞いているわけですよ。あなた、最初網羅されていると言ったでしょう。ちゃんと答えてください。
○小野(元)政府委員 特別委員会の審議についてもこの概要に入っているわけでございますが、例えば六月二十日のところをごらんいただきたい――失礼しました、ここはちょっと入っておりません。例えば第三回の七月二十四日でございますが、この七月二十四日の一番下から二番目の丸をごらんいただきたいのでございますが、「認証時には財産関係の調査がある。その持続はあるように思う。法人格の継続を判断する範囲内での調査権はあるのではないか。」七月二十四日の議事録といいますか議事概要でございますが、調査権はあるんじゃないかということが指摘をされております。 それから八月二日の第四回の特別委員会でございますが、これにつきましても、二の②のところで、「宗教法人に関する事柄でも、ここまではこの目的で調査できるという線引きを行わないと、宗教法人の公益性が担保できないのではないか。」という部分につきまして調査権の議論がなされております。 それから次に、特別委員会の八月十七日の二枚目をごらんいただきたいのでございますが、「所轄庁による調査等」というところで、ここではかなり詳しく書いてございます。「所轄庁による調査等」で「調査目的を法律である程度具体化した方がよい。」「必要があると認めるときというだけでは曖昧ではないか」、これは一般的調査権を設けることについて、ただ所轄庁が必要だからということだけではあいまいではないかという発言でございます。 それから三番目の丸は、「信教の自由、聖なる部分には絶対に触れないという条件を付けて、認証時の調査権をある程度持ってもらうことになれば、所轄庁による調査というのは解決するように思う。」という意見がございます。 それからその後の丸でも、「認証時点では何も問題がなかったが、反社会的な方向に偏向していったとき、全然調査ができないのは、むしろ問題があり、そういう時に調査し得る改正はしておく方がいいのではないか。」という意見がございました。 それからもう一つ、「宗教法人の本来の目的から著しく違う行為があるように見受けられる場合とか、色々な条件を付して必要であると認められるというのならやむを得ない。」こういった議論が調査についてございます。 あとは総会の部分でございます。九月五日の総会でございますが、九月五日の一番下のところに、「認証時には所轄庁は調査を行う。この調査権には継続性があると考えられる。」ということも言っております。 それから、その次のページの三つ目の丸でも、「今まで白紙でおかれた調査権を修正し、提出された書類の疑義を除くための質問としたものである。」という議事がございます。 それから九月十八日の特別委員会でございますが、この十八日の「その他」のところにも、「七十九、八十、八十一条の関係で調査権を与えることは、宗教界に不安や誤解を与えかねない。」これはやや消極の意見でございます。 それから一方で、「現行法で所轄庁に与えられているこれらの権限を担保するための調査権は当然のことである。調査権の規定は、七十九、八十、八十一条の条文の安易な発動の歯止めになる。」云々で調査の部分がございます。 そして、最後の一つ前、九月二十二日につきましても、「認証後の活動状況の把握の在り方」というところについて、解散命令の請求等のための報告徴収及び調査について論議がなされております。 そして最後に、二十九日のところについても、調査権、報告徴収・質問について意見があるわけでございます。
○石田(勝)委員 いや、六月の二十日、七月の三日、二十四日、八月二日の間において、この調査権についての議論がされたかどうかということなんですよ。最初の方は言ってないんだよ。九月のことなんか私は聞いてないよ。 それで、七月三日の第二回の宗教法人特別委員会まで、審議会で議論された調査権の意味というのは、所轄庁に宗教法人備えつけの資料を提出させる権限そのもの、それから宗教法人が所轄庁に提出した資料のチェック、この二つなんですよ。そして、私が聞いた七十九条から八十一条、いわゆる所轄庁が宗教法人そのものを調査する立入調査あるいは質問権の意味というのはなかったんですよ。七十九条から八十一条に限定した所轄庁の調査権という考え方は全く話し合われてなかったんですよ。私は八月の十七日以降の話は聞いていない。聞いていないのに、くだくだ九月の何日とかと言っていましたけれども、そんなことを言っているんじゃないんですよ、私は。 それで、第五回の宗教法人の特別委員会の冒頭で、その資料の二、「審議の概要」にこれが出てくるんですよ、八月の十七日に突然。そして、この資料の中で、第一回から第四回の、以上の四回の……(発言する者あり)黙って聞きなさいよ。「以上四回の審議で出された意見に基づき」となっているんですよ。だから、以上四回の審議で出された意見に基づいて出したんですか、これは。どうなんですか。(発言する者あり)黙って聞きなさいよ。
○越智委員長 お静かに願います。――静かに願います。
○小野(元)政府委員 特別委員会は六月二十日に第一回を開きまして、いろいろ審議をいただいたわけでございます。 実はこの調査権につきましては、当初、認証後の活動状況の把握のあり方ということで、二十五条に関連する部分についての一般的な調査権ということで議論が行われてきたわけでございます。そして、一般的調査権については、やや信教の自由等との関連で問題があるのではないかという御意見がございまして、一般的調査権ではなくて、七十九条、八十条、八十一条に関連する、宗教法人がやや問題を起こした場合についての事実を把握する観点での調査といった観点での、七十九条から八十一条までのいわゆる限定的調査権ということで次の議論が進められたわけでございます。 そして、最終段階に至りまして、調査権というものについては質問権と検査権というのがございますので、検査権についてはいかがなものかという審議会の委員の先生方のお考え等もございましたので、最終的には報告徴収・質問権ということで九月二十九日の最終の報告に至ったわけでございます。 もちろん、この過程におきましては、それらについてどういう形にすべきか、あるいは信教の自由を守るためにどうすべきなのかというさまざまな議論がございました。そういった経過を踏まえまして、九月五日、九月二十二日、さらに九月二十九日と、総会ではこの三回いわゆる調査権等についても審議が行われたわけでございまして、その過程で所轄庁の権限を絞り込むべきだということで、必要最小限のものとして報告徴収・質問権が最終的に残ったといいますか、最終的に報告の中に入っておるということでございます。
○石田(勝)委員 だから、今次長がおっしゃったように、六月の二十日から四回にわたっては一般的な調査権についての議論だけだったんですよ。七十九条から八十一条の調査権については二日までには議論としてされていないんですよ。そこのところをもう一回明確に答えてください。
○小野(元)政府委員 実はこの一般的調査権と申しますのは、法人認証後その状態を調査できるということでございますから、ある意味では幅広く調査ができるわけでございます。七十九条、八十条、八十一条は非常に限定した事態についての調査権でございます。したがいまして、幅広い議論をしておったわけでございますから、その調査権の中には宗教法人認証後のいろいろな形での実態についての調査ということが入るわけでございますから、ある意味では七十九条、八十条、八十一条の部分も含まれ得ると私どもは考えていたところでございます。それを最終的に限定したものでございます。
○石田(勝)委員 それは違うんですよ。七月の二十四日に読売新聞の朝刊で、宗教法人審議会は、宗教法人の反社会的な行為が認められる場合、これを調査する権限を所轄庁に与える方針を固めたと報じたんですよ。その日、ちょうどこの午後、第三回の特別委員会が開かれて、読売の報道に対して審議会の委員から、こんなことは決めていない、どういう筋からの情報でこういう記事になったのか、こういう反発が出たんですよ。そのときに文化庁側は謝っているんですよ。佐々木課長が謝っているんです。 宗教法人への立入調査権の話が出たのはこのときが初めてで、この日の審議では、調査権について、所轄庁への報告という問題についての議論どまりだったんですよ。立入調査権についての議論にはなっていないんです。それが正確なんですよ。どうなんですか。
○小野(元)政府委員 審議会における審議でございますから、資料を提出をいたしまして、委員の方々のいろいろ御意見を賜るわけでございます。その過程で、もちろん決まっていないわけでございますから、その時点ではこのことについて報告は、例えば方向が決まればマスコミに対して御報告申し上げるということはあるかもしれませんけれども、そのことを審議はいたしましたけれども決まっていないということを、毎回そのことを報告するということはございませんので、したがいまして、審議の概要としてはこのぺーパーに書いてあるとおりでございますけれども、ずっと調査権については資料を差し上げてそれぞれ議論をいただいておるわけでございます。 もちろんそれに対しては、一般的調査権を設けるべきだという御意見と、それはやはり信教の自由との関係で問題があるという御意見があったわけでございますから、その時点で決まっておりませんので、私どもとしては、マスコミの方に対してこういうことがあるということは申し上げていないところでございます。
○石田(勝)委員 次に移りますが、「政令で定める日の考え方について」の中で、「法改正に伴い所轄庁が変更する宗教法人の数が多いため」とありますね、この報告書の中にもありますが。その複数の県にまたがって活動をする宗教法人の数というのは一体どのくらいになるのですか。
○小野(元)政府委員 この点につきましては、この委員会でも御答弁申し上げておりますけれども、正確な数字はわかりませんが、私どもとしては、およそ数百であろうというふうに現時点では考えております。
○石田(勝)委員 そうすると、これまで、設立申請された団体が宗教団体であるかどうか、所轄庁はどのように確認していたのか。これは都道府県も含めてどのように確認していたのか。現地へ行って確認していたのかどうなのか、それもちょっとお答えいただきたいと思います。
○小野(元)政府委員 認証の時点では、現地に出向いていって確認するということもございます。
○石田(勝)委員 認証のときには現地へ行って確認するわけですよね。そうすると、宗教法人の数、今現在文部大臣の所轄が三百七十三、それに数百団体ということになりますから、約千近くか千以上になるんでしょう。そうなりますと、今回の法律が通った場合に、文化庁の事務量というのはどのくらいふえるんだ。どのくらいの人が必要となって、予算がどのくらいかかるのか、そしてやるべき法令協議はやったのかどうなのか、その点ちょっとお答えいただきたいと思います。
○小野(元)政府委員 何件の宗教法人が文部大臣のところに新たに所轄になるのかということははっきりわかりませんので、これだけの事務が必ずふえるということは言いにくいわけでございますけれども、しかし、数百は恐らく来るであろうということがございますので、かなりの事務量がふえるということは私ども予測をいたしております。 そういったこともございますので、さらに、今宗教法人をめぐるさまざまな問題というのも調査等も行う必要が出てきておりますので、事務量の増大に伴います定員増というのも八年度予算でお願いをしておるところでございます。
○石田(勝)委員 八年度予算は五名なんですよね。そうすると、五名プラスすれば足りるということなんですか。
○小野(元)政府委員 これは予算要求でございますから、大蔵、総務庁がお認めいただくかどうかということがございますけれども、一応私どもとしては五名ということで、当面この人員で対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○石田(勝)委員 文化庁の宗務課の昭和六十三年三月三十一日の文書では、「設立の認証に当たってその団体が」、宗教法人法第二条、これは宗教団体の定義でありますが、「宗教団体に該当するかどうかについては、礼拝施設については、現地において確認を行うこと、信者については、適切な方法により確認を行うこと、さらに、宗教活動の実績が相当年にわたるなど宗教団体としての実体を有しているか、および永続する見込みがあるかどうかにつき、十分確認すること、にも留意して審査する」となっているけれども、仮にオウム真理教のように、認証時にトラブルを多く抱えているような文部省所管となる宗教団体から設立の申請書類が出されたなら、文部省はそれをどうやって調べるんですか。
○小野(元)政府委員 先ほど来御答弁申し上げておりますように、認証の時点におきましては、当該団体が宗教団体であることというのを非常に私ども重く見ているわけでございまして、宗教団体であるかどうかについていろいろ資料をいただいたり調査をしたりということで、この観点については認証の大事な要件だと思っているわけでございます。それ以外にも、手続が法令にのっとっているかどうか、規則にのっとっているかどうかといった点は十分考えていかなければいけないと思うのでございます。 なお、御指摘ございました、仮にオウムのような著しく公共の福祉を害する行為を当初の時点から行っていることがわかっている場合であれば、これについては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、認証の時点で不認証ということにすべきだというふうに考えております。
○石田(勝)委員 どうやって調べるんですかと聞いているわけです。文部省が出向くんですか。
○小野(元)政府委員 宗教団体として過去どういうふうにやっていらっしゃったのか、あるいは境内建物等をどういうふうにお持ちなのか、そういったことについて、必要があれば現地まで行って調査をするということは当然でございます。
○石田(勝)委員 宗教団体としてどうやっていたとかそういう実情調査、例えばこういうふうなオウムのような不良団体の場合は、地元県の学事課とか、まあその県によっても違いますけれども、そういう最寄りの県の方が事情はよく知っているんじゃないですか。
○小野(元)政府委員 これは当初から文部大臣所轄法人ということで申請があった場合でございますので、文化庁の事務としてこの認証の事務を行わなければいけないわけでございます。もちろん、必要があれば都道府県に事実上の御協力をいただくということはあると思いますけれども、認証するかどうかの責任は文部大臣にあるわけでございますから、文化庁において実態をきっちり確認するということが必要だというふうに考えております。
○石田(勝)委員 今回の宗教法人審議会の審議過程で所轄のヒアリングを行ったわけでありますが、そのときには神奈川県と兵庫県の二県のヒアリングをやったわけですね。今回、オウムの認証というのは東京都が認証にかかわったわけですけれども、なぜ東京都の意見を聴取しなかったのか。本来東京都の意見を聴取すべきではないのか。こういう大問題の発生した所轄の県でありますから、東京都の意見を聞くべきだったんじゃないか、私はそう思いますが、なぜ東京都はされなかったんですか。
○小野(元)政府委員 私どもも、東京都からヒアリングすることも実は検討したわけでございます。ただ、オウム真理教の事件に関しましては、文化庁としては、個別に東京都といろいろ照会をしたり御相談をしたということもございまして、ある程度の資料なり情報がわかっておりましたので、宗教法人をたくさんお持ちの県、愛知県が一番多くて九千三百八十、次が兵庫県の九千一でございますけれども、数の多いところから、しかも宗教関係の事務を一生懸命やっておられるというふうに思っておりましたので、参考になるというふうに判断いたしまして、愛知、兵庫からヒアリングを行ったところでございます。(石田(勝)委員「神奈川が一番多かったんだろう」と呼ぶ)失礼しました。ちょっと間違えましてごめんなさい。訂正いたします。神奈川と兵庫でございます。
○石田(勝)委員 ちゃんとしっかり答弁していただきたいと思います。 この委員会においても、宗教法人審議会の議事録が基本となって今回の改正案に至ったわけでありますので、再三その議事録を提示してほしいということで、島村文部大臣とか各委員から質疑をされてきたところであります。 そのときに島村文部大臣は、審議会の議事録を公開できないのは、委員との信頼関係、それから宗教法人のプライバシーの保護だ、こういうふうにお答えになっているわけですが、この審議会の間、宗教法人のプライバシーの保護、そういうことにかかわる議論がされたんですか。それと文化庁の言うプライバシーというのはどういうことなのか、文化庁の言うプライバシーの定義をちょっとお伺いしたいと思います。
○小野(元)政府委員 このたびの宗教法人審議会の審議検討は宗教法人の制度についてのものでございますけれども、審議の過程におきましては個別の宗教団体の事例に触れる場合があるわけでございます。このため、プライバシーを保護するとともに、中立、公正な発言を確保するという観点から、審議を公開しないという考え方に立ってこれまでの議論が進められてきたものでございます。議事録を全面的に公開するということにつきましては、宗教団体等のプライバシーの保護に問題を生ずる、それから非公開を前提として議論を進めてきた委員との信頼関係を損ねるといった観点がございまして、適当ではないというふうに考えたものでございます。 プライバシーとは何だという御指摘でございますが、プライバシーの権利というのは、私的な事柄を公開されない権利というふうに私どもは理解をいたしておりまして、これは個人のみならず、法人に対しても適用されるというふうに解釈しているところでございます。
○石田(勝)委員 だから、その私的な事柄を公開されない権利というのは、その審議会の最中にあったのかなかったのかと私はその前にお尋ねしたんですよ。
○小野(元)政府委員 審議会の中におきまして、具体的に、例えば一般的には公開されていないような宗教法人がトラブルを起こした事件の内容、あるいはある宗教法人がより多くの信者を得るための手段として行っている活動の内容が評価を交えて紹介されるということもあるわけでございますし、宗教法人制度に関しまして、委員の方々がみずからの所属する宗教法人の考え方についての内情を述べられるといったようなこともあったわけでございます。そういった点、何点か、今回のこの全体の審議の中でも個別の事情に触れるということがあったと私どもは理解をいたしております。
○石田(勝)委員 これは北側委員の質問にもありましたけれども、改正法案では、収益事業を行わない宗教法人で、一会計年度の収入の額が寡少である、これは資料要求もいたしましたけれども、それは答えられないというきょうの理事会での文部省からのお答えでありました。文部大臣が宗教法人審議会の意見を聞いて定める額の範囲内にあるときは、当分の間、収支計算書を作成しないとしているわけでありますが、一会計年度の収入額の寡少とは幾らかとの答弁で、文化庁は、宗教法人審議会の意見で決める、こういうふうにお答えになっているわけですね。 今回、改正法案を提出する以上、本来この寡少の額について具体的に明示してからこの委員会に法案として出すべきではないのですか。先日の質問でも理事協議となって、附則の二十三項、この運用の区分の基準額について、きょうの理事会でも提出されていないわけです。 そして、審議会の意見を聞くということになっているけれども、それならば、真言宗の上村宗務総長が、この間ごたごたした中で終わったのですよ、審議会を三角さんが打ち切ったときに。そのときに直ちに審議会を開け、こういうふうに言ったわけですよね。直ちに開けと言ったら、文化庁が、開きます、こういうふうに言った。それも私、予算委員会で質問した。そのときに文化庁は、いや、その収入の額を決めるものだと思いました、こういうふうに答えたわけですよ。だから開くと答えたのだと言ったわけです。それならば早急に開いて、それから出したからといったって遅くないじゃないですか。それからでも遅くないじゃないですか。 二十九日の審議会を、あれだけごたごたした中で、七人もの委員が反対していて打ち切って、それでなおかつ委員の中からこれは直ちに再開しろと。そうしたら文化庁はうんとうなずいたのですよ、やりますと。そして、そのやりますと言った意味はどういう意味がといったら、この寡少の額について、収入の額についての議論をするから至急開きます、こう答えた、こういうふうにおっしゃったわけでしょう。それならば、何でそのときに、九月の二十九日から直ちにこの寡少の額について審議会を開かなかったのですか。
○小野(元)政府委員 まず第一点目の、額の範囲をなぜ法律で決めないのかという御指摘でございますが、これにつきましては、社会経済状況の変化あるいは宗教法人の実態等を踏まえまして、宗教関係者の意見も聞きながら適時適切に定めるということが妥当である。法律に金額を明示するということではなくて、一たん法律に金額を明示いたしますと、その額を改めるためにはまさに法改正が必要になるわけでございますけれども、こういった適時適切に定めるということが妥当だというのが一つでございます。 それからもう一点は、法律の委任でございますが、収入額が寡少であるというふうに委任の内容が法律上明確になっておるという点があるわけでございます。私どもといたしましては、額の範囲を定めるに際しましては、宗教法人の収入の実態、規模の小さい宗教法人の運営の実態、それから宗教法人の事務処理能力の実態等を総合的に勘案いたしまして、もちろん文部省の方で案をつくって、宗教法人審議会の意見を聞いて決めるということになっているわけでございます。 それからもう一点、九月二十九日の総会が終わってからの御指摘でございますが、これはもう一度早急に審議を行うべきだという御意見がございましたけれども、この報告が法律になって法改正ということになりますれば、まさにこの額の範囲を決めるということも必要になるわけでございますので、そういったことも含めて、そういうことはやる必要があるということを私は申し上げたというふうに記憶しておるところでございます。
○石田(勝)委員 これは順序が道なのですよ。本来この法律案を出す以上は、そういう額を審議会で諮った上で出してくるのですよ。これこそ仏つくって魂入れずという法案なのですよ。 それで、経済状況の変化や宗教法人の実態を踏まえながらとおっしゃっていますが、この政令で定める日の考え方について、改正法は、公布日から起算して一年を超えない範囲でとか、周知のための期間とかおっしゃっていますが、経済状況の変化や宗教法人の実態を踏まえながらといったって、一年以内といったらそんな経済状態が変わっちゃうのですか。そんなことはないはずですよ。 それならば、ちゃんと審議会で審議を踏まえて、それから改正案としてこちらに提出してくるのが順序なんですよ。本当に仏つくって魂入れず、骨抜き法案を出して我々に審議しろといったって、その額が一番気になっているわけですよ、宗教法人の人は。だから、審議会の委員が直ちにやりなさいと言って、それでやりますと言ったにもかかわらず、その額も決めないで提案してきた、そういう審議会あるいは法案の出し方、これは順序が全く逆じゃないですか。文部大臣、どうなのですか。文部大臣。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。お静かに願います。
○小野(元)政府委員 この額を決めるにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、社会経済状況の変化や宗教法人の実態を踏まえながら、宗教関係者の意見も聞いて適時適切に定める、金額は文部大臣が定めるということになっているわけでございます。 そういったことで、社会経済状況の変化等に適切に対応できるということで、「文部大臣が定める額」という条文の規定にさせていただいているところでございます。
○石田(勝)委員 審議会を再開できないというのは、審議会の委員はもう小野さんのことなんか信用してないですよ、本当に。もう懲り懲りだと。反対を押し切って一方的に決めたでしょう、三角さんとあなたたちが。それで審議会を再開したら、また紛糾してえらいことになるから、だから開けないのでしょう。それから、二十九日の議事録もそのときに出さなきゃいけないからできないのでしょう。そういうことじゃないのですか。だから出せないのでしょう、開けないのでしょう。どうなのですか。
○小野(元)政府委員 この法律を私どもが提案させていただいているわけでございまして、この法律をお認めいただけますればその額も決めることになりますので、そのように考えておるところでございます。
○石田(勝)委員 なぜ今決めないのですか、それじゃ、なぜ開けないのですか。 文部大臣、宗教法人審議会のメンバーの増員についてもここで議論されましたよ。今度二十人にするのですよね、十五人から二十人に。学識経験者をふやす、こういうふうに文部大臣御答弁されていますけれども、宗教界の人たちはもう懲り懲りだからふやさない、こういうことなのですか。そういう意味ですか。
○島村国務大臣 宗教法人審議会の構成については、いろいろ御批判を受けたところですが、私どもは今までそれぞれにすぐれた方がこれを御担当いただいた、そう考えております。 ただ問題は、これからいわば宗教団体の実態もどんどん変化していくでしょうし、複雑にもなってまいりますから、いろいろな角度から検討ずみ、こういうことになりますと、やはりいろいろな意味の学識経験者等にさらに委員に加わっていただく必要がある、こういうふうに考えます。
○石田(勝)委員 宗教界の人が、実際に檀家を持ったり信者を抱えたり、いろいろな実態は一番よくわかっているわけですよ。やはりそういう人たちを入れる、そういう人たちの意見も聞くというのも大事なのですよ。 それで文部大臣にお尋ねします。先ほど次長ばかり出てきて、私は大臣に聞いているのだけれども、次長が聞いていないのに出てきちゃって。先ほどから言っているように、寡少の額の審議会を開いて法案として出す、これこそ仏つくって魂入れずじゃないけれども、その順序が道なんじゃないかと私聞いているわけですよ。本来はその額を審議会で決めて、それで法案として出してくるのではないですか。これは逆じゃないですか。
○島村国務大臣 こういうケースは別に珍しいことではないと私は承知しております。 それから、今委員は次長の答弁ということで御不満のようですが、もし私どもからきちんとした答弁をせよということであれば、ほかの方がそうなさっているように、事前に質問をきちっと通告していただいて、私の方も十分準備をし責任ある答弁を用意する、こういうことであればよろしいのですが、いきなり細部にわたって御質問があっても、たとえあの次長自身だって毎晩徹夜のような忙しい日を過ごしているわけですから、大変な思いをして御答弁申し上げている。こういう点だけはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○石田(勝)委員 私は審議会のあり方とか、ちゃんと質問通告しましたよ。それに島村文部大臣は宗教法人法については大家だと思っているから、こんな細かいことまで言わなくたって十分答えられると思っているから私はあれしているんですよ。 だから、私の聞いているのはそういうことじゃなくて、質問通告していたとかしてないとかじゃなくて、審議会で寡少の額まで詰めて、それで法案として出してくるのが普通じゃないか、通常じゃないか、このやり方は逆じゃないかということを聞いているんですよ。この程度のことは、島村文部大臣、今まで宗教法人について大変勉強されたわけだから、これは答えられますよ。そんな難しいことを私は聞いてないですよ。そんな難しいことじゃないですよ。
○島村国務大臣 褒めていただくのは大変ありがたいことでございますが、やはり法律改正ですから、それは非常に重要な問題と受けとめております。したがって、私もどちらかといえばメモを見るのは嫌いなんですけれども、やはり正確を期し、かつ議事録にきちんとしたものを残さなければ申しわけないと思うので、心ならずも、きちっと御答弁申し上げることを心がけておるので、御理解いただきたい。
○石田(勝)委員 だから、質問通告があったとかないとかという議論じゃなくて、要するに、寡少の額は本来審議会で決めて法案として出すのが通常じゃないですか。今回のあれは逆じゃないんですか。それで文部大臣の御見解を伺っているところなんですよ。だから、質問通告があったとかないとかじゃないんですよ。通常の一般論で聞いているわけですよ。
○島村国務大臣 耳にたこという言葉がありますが、口にたこができるくらい何遍も同じことを申して恐縮でございますけれども、実は審議会五回、特別委員会八回開いて、しかもその間は非常に皆さん熱心に、夏休み返上で御議論いただいてこの案をまとめていただいた。もし額を決めるのが先であるという専門家あるいは御関係の皆さんの御意見が圧倒的であるならば、順序はそうなったのではないかと思考いたします。
○石田(勝)委員 いや、島村文部大臣、それは違うのですよ、これからまた後で質問しますけれども。これは一般の寺院でも、宗教団体は一番その点が気になっているわけですよ。要するに、財産目録だとか収支報告書だとか出していくわけでしょう。そうなると、自分のところがひっかかるかひっかからないかというのが一番気になるわけですよ。だから宗教界の、特に私が直接聞いたのは仏教界の人だけれども、檀家さんを抱えてお葬式だ、お通夜だとあってお布施をもらう、そういう収入、これから後で質問しますけれども、そういう額で自分のところのお寺がひっかかるのかひっかからないか、非常にこれを気にしているわけですよ。 だから、宗教法人審議会でその額を出して、そして議論をしてもらうというのが通常の、本来のあり方ではないんですか。順序が逆になっているんじゃないかと私、文部大臣に申し上げているわけですよ。
○島村国務大臣 私も審議会の御報告を踏まえて皆さんにこの法改正をお願いしているというところでございまして、この審議会の示された方向では、枠組みを先につくって、後で中身を適時適切に決める、こういう方向であったと受けとめております。そういう意味で、私は今回の順序がおかしいとは思いませんし、それから、実際上そういういろいろなものをお願いするのが無理だというところに対して特例を設けるということも、そういう今御指摘のような方々に対する配慮で考えられていると思います。
○石田(勝)委員 だから先ほど、島村文部大臣に私も同じことを聞きますが、寺院の、要するにお寺さんの代表ですね、上村総長さんとかそういう方が、そういうことも気になるから審議会を直ちに開け、こうやったわけでしょう。それも含まれているわけですよ。 それから、この間の審議会の打ち切り方がおかしい。そういうことを審議する間もなく、そういう寡少の額の審議に入っていろいろと議論する前に、要するに三角会長が一方的に取りまとめて審議会をまとめてしまったんですよ。そういうことの意見を言う間がなかったんですよ。そうなんですよ。島村文部大臣は審議会でそういう意見が当然出るべきだと。当然出そうと思っていたんですよ。出そうと思っていたけれども、そんなことを言う前に審議会をまとめられて、一方的に打ち切られてしまったから、そんなことを言う間がなかったんですよ。
○島村国務大臣 これも再三申し上げましたように、私はこの審議会に一切、口出しをしたり、何か方向の希望を出したり、直接間接を問わずそういうことを慎んできました。そういう意味からして、中側の情報はよくわからないのですが、記者ブリーフの後、特別委員会はこういうようなことで終始しましたという概略の話は、少なくも就任以降、就任以前の問題とあわせていろいろ聞きました。 そういう過程で、もし審議会の運営の中に、あるいは中身の問題で何か皆さんの意見のそごを来すことがあれば、そこで紛糾してしかるべきだったと思うのです。ところが、この審議会、特別委員会を通じて十三回の中で、いわば紛糾といいますか、少しくその意見が割れたのは最終段階でありまして、仏とすればむしろ大変に意外な感じがしたというのが一つ。 さらに、異例と申し上げるのは、全部一任をして、会務を総理する会長、皆さんが互選なさった会長がまとめられた報告について後で抗議の行動が行われたこと、さらには、その七名の方が云々とおっしゃいますけれども、その七名の中の三名の方は何と特別委員会のメンバーであったということ、こういう事々はちょっと私自身にはなかなか理解がしにくいところであります。
○石田(勝)委員 いや、審議会の委員は、全部とは言いませんけれども、七名の委員は二十九日に審議会が打ち切られると思ってなかったんですよ。思ってなかったから、こういう寡少の額云々の問題もいろいろ審議会で当然議論されるべきだろうと思っていたわけですよ。それを一方的に打ち切られてしまったから、審議会で意見を述べる機会がなかったんですよ。だから島村文部大臣の先ほどの発言は違うのですよ。
○島村国務大臣 私は現場におりませんのでそのときの経過は存じませんが、正直言いますと、九月五日の日に、それまでの特別委員会、たしか六回の中間報告をいたしまして、その後二回特別委員会が開かれて、二十二日が総会ということでございますから、いよいよそこでお決めいただくのかな、それまでの経過に照らしてそう考えておったところです。しかし、もう一回慎重に検討したいということから二十九日になりましたという報告はいただいて、したがって、二十九日にはこれは円満にお決めいただく、こう思っておったところです。したがいまして、私の認識にそうずれがあると思いません。
○石田(勝)委員 収支計算書と財産目録についてお尋ねをします。 お寺は、参詣寺と檀家号、大きく分けるとこういうふうに分かれるわけでありますが、御案内のとおり、参詣寺というのは信者が中心で、お札だとかそういうものの収益事業を中心に行っているわけです。特に檀家寺の場合に大小さまざまあって、先ほどもお話ししましたけれども、小さなお寺と大きなお寺、檀家数が本当に数十とかあるいはそれより小さい、大きいお寺は千軒も二千軒も持っているお寺もあるわけでありますが、特に東京都と地方とでは格差は確かにあります。 しかし、お寺の住職さんが、お寺の収益だけではとても食べていけないということで、学校の先生をやったり、あるいは市役所に勤めてたり、そのほかの仕事をやりながら住職を兼務しているわけですね。こういう小さなお寺なんかが、先ほど言ったような寡少の額について、自分のところはひっかかるんだろうかひっかからないんだろうかということを大変心配しているわけですよ。そういうこともあって寡少の額については示すべきだ、こういうことなんです。 収支計算書の作成、その場合はお寺さんが帳簿をつけなければいけない。財産目録に収支計算書を添付して所轄庁に提出をする、これが二十五条の第四項ということで、しなければいけなくなるわけですが、その収支計算書を公開するということになると、そのお寺にA檀家、B檀家、C檀家がある中で、その檀家が幾らお布施を出したかとかそういう話が、公開するしない、そういう問題の中で必ず出てくるんですよ。文部大臣、出てくるんですよ。今出てこないと言うが、出てくるんですよ。 これは何でかというと、例えば、特に仏教の場合は戒名というのがありますよね。何々院何とか居士とつく場合と、そうでない人の場合もある。それによって、どこどこさんちがお布施幾らだったから院号居士がついたんだとかつかないんだとか、そういうトラブルが必ず出てくるんですよ。そうすると、そういう中で、その檀家の中で収支報告の内容を明らかにしろという話が出てくる。そういうことになると、お寺さんとしては統率がとれないで非常に困る。 例えば、院号居士とかそういう戒名の場合は、ただお金をもらったからつけるということじゃなくて、お寺に対する貢献だとか、あるいは社会的な今までの貢献だとか、いろいろなことを加味しながらお寺さんはつけたりするわけですよ、ただのお金だけじゃなくて。ところが、そういう戒名をもらえなかった人なんかからそういう問題点を提起されて、じゃ、その収支内容を報告しろとかそういう話に発展してくるんですよ。そういう問題も発生してくる。そういうことも、先ほど言ったように、うちのお寺はひっかかるのかひっかからないのか、こういうことを心配されるわけです。 私は、時間がないからもう一つ聞きますが、国税庁次長来ていると思いますが、葬儀の際にお寺さんにお布施を出しますよね。そうなるとお寺さんの収益を税務署が見に来るわけですね。そのときの根拠づけとして過去帳を見せるという話が出るわけですね。そうなると、お寺の住職は出せません、国税庁というか税務署は、いや過去帳を見せてほしい、こういう話で、トラブルが今までに幾つか発生しているんですよ。そういった点があったのかどうなのか、まずちょっとお聞きしたい。
○若林政府委員 お答えいたします。 宗教法人に対する課税といたしましては、収益事業を行っている場合は法人税の課税があるわけでございます。また、給与等の支払いを行っておる場合には所得税の源泉徴収義務ということがあるわけでございます。そういたしますと、収益事業についての内容だけを見ておった場合には、収益事業と非収益事業の間の経費の区分でございますとか収益事業と非収益事業を通じて源泉所得税の課税、そういう問題が適正に行われているか等をやはり我々としては見る必要がある。そういう意味で、場合によっては非収益事業の内容についても見せていただくことがございます。 そういう場合において、今委員御指摘のように、何かトラブルがあったかということでございますけれども、宗教法人の非収益事業部門の調査におきましては、基本的には、必要なことについておおむね我々協力をいただいておるという理解をいたしております。なお、こういった調査の過程で、一般法人の場合についても同様でございますけれども、中には調査に着手いたしましたときに必ずしも十分な御理解が得られないというようなケースも間々あろうかと思いますが、いずれにいたしましても、調査の必要性を十分御説明をして、最終的には御理解をいただいて調査をさせていただいておるのが現実でございます。
○石田(勝)委員 時間がないので先に行きますが、公安調査庁は来ていますね。 公安調査庁にお尋ねしますが、オウム真理教が解散された場合に、信者の一部が地下に潜行してしまい、解散の効果は期待できないという声がある。これは慎重派の方からこういう意見がある。それから、一度破防法が適用されてしまうと、それが波及して、労働組合だとかそういうほかの団体にも適用されるおそれがある、慎重派の方々からこういうふうな反対論を述べる方がいるわけですが、その点について公安調査庁から御見解を伺いたいと思います。
○杉原政府委員 破防法の解散指定が行われますと、まず、公然面の活動といいますか、表向きの活動ができなくなるわけでございますが、それによりまして、その活動資金を得ること、あるいはその主張を広く一般に宣伝をすること、あるいは全国的に組織の意思統一を図ること、こういったことが著しく困難になるであろうと考えられます。 次に、一部の信者が地下に潜行して非公然の活動を行う、こういうことが予想されるということでございますが、非公然の活動を行う、つまり犯罪その他の何かよからぬことを行うためには、そのための人員と活動資金が恐らく要るであろう。これらの資金を確保するためには、例えば一般信者による公然面での支援活動、そういったものに頼らざるを得なくなるであろう。ところが、破防法の解散の指定が行われることによりまして、こういった教団のためにする公然面の活動が禁止されることになれば、現実の問題として非公然活動への支援は極めて困難になることも考えられますので、こういうような動きは封じ込めることができるであろうというふうに考えております。
○石田(勝)委員 オウムのようなああいう忌まわしい犯罪集団には効果がある、こういうことでありますが、全国各地でオウム信者の裁判が行われていますけれども、例えば十月の二十七日の報道によりますと、教団を脱会せずにと、こう公判で述べているのが教団被告百二名のうち二十名もいるのですね。これはマインドコントロールが解けてないというのもいるのでしょうけれども、事件の再発の可能性は十分にある。そして、武器を製造し使用した、こういう事実も実際にあって、大変な被害をもたらしているわけであります。 そして、オウム真理教の麻原彰晃なる人物は全く反省をしていないし、あの弁護人の解任あるいは再任騒ぎから見るように、これは裁判逃れということを断ぜざるを得ないし、全く反省している様子もないし、こういう犯罪集団、これは宗教団体と言っているけれども、こういう犯罪団体に対して、私は一刻も早く、先ほど公安調査庁がおっしゃったように破防法を適用して息の根をとめる、こういうことをやらなければいけないと思う。 それに対して総理はいろいろ、何か聞くたびに、私も予算委員会を通じたり、あるいはこの宗教特別委員会で今までの委員の意見を聞いたりすると、そのときの言い方にもよるのでしょうけれども、慎重になったりあるいはそうでなかったり、そういうあれなんです。それで、約二カ月たつわけでありますが、もう最終判断の時期に私は来ていると思うのですね。最終判断の時期に来ていて、今公安調査庁が言ったように内容も十分それなりの内容は整っている、こういうことでありますから、総理、はっきりと答えていただきたいと思うのです、この破防法についての御見解を。
○宮澤国務大臣 お答えをいたします前に、先ほど御質問のお答えが公安調査庁長官の方から漏れておりましたので。 その御質問は、労働組合等に破防法が適用されるようなことにならないかという御質問でございましたけれども、破防法自身は、御承知のように、政治目的を持って暴力主義的破壊活動を行った団体について適用するかしないかということでございますので、まず今の我が国の状況において、労働組合等がそういう状況にあるということは考えられないと思っております。 それから、破防法を速やかに適用すべきではないかという御質問でございました。申し上げるまでもなく、破防法は、国の安全を確保するために暴力主義的な破壊活動を行った団体を規制する法規でございますけれども、同時に、国民の基本的人権にもかかわる問題でございますので、法と証拠に基づいて慎重に検討をいたしております。 公安調査庁におきましても今いろいろ調査をいたしておりますが、詰めの段階に入っているということを申し上げたいと思います。
○村山内閣総理大臣 これは、こういう委員会という公の席ですから、誤解を人に与えるような言動というのはお互いにやはり配慮してほしいと思うんです。私は、この破防法の問題については、一貫して言っていることは変わらないんですよ。これは基本的人権にかかわる問題だから、法と証拠に基づいて厳正に、慎重に扱うべきものだという意見は終始一貫申し上げております。 同時に、この手続には幾つかの段階があるわけですよ。したがって、その段階で例えば破防法適用手続を開始します、こういうことを官報に公示する、これは公示というのですか、公示するという場合に、それをするかしないかという判断は、これはやはり行政の一機関がするわけです。公安調査庁という機関がするわけですよ。行政の最高責任者は私ですから、私がそれに全然意見も述べられない、関与もできない、相談もされないというようなものではないと思うのですね。それでは私は行政の長としての責任を持てませんから。したがって、その限りにおいてはやはり相談も受けるだろうし、意見を言う機会もあるかもしれない。 しかし、公示してから後、公安審査会にかける段階になれば、これはもう準司法的な立場だから政治が云々すべき範囲ではない、私はそう思っておりますから、前段においてはやはり慎重に検討して、厳正にやる必要があるということを終始一貫申し上げているわけです。これは変わりがないんです。誤解のないようにしてほしいと思うのです。 今裁判もされているわけです。これは刑法に基づいて犯人が逮捕されて、まだ逮捕されてない犯人もありますから、これから捜査は続けられると思いますけれども、やがて公判も開かれます。このオウム真理教の全容というものが明らかになってくると思いますし、オウム真理教という法人は解散命令が出て解散をされると思います。そうした事態の推移を見ながら、やはり慎重な判断をする必要があるのではないかと私は申し上げているわけです。
○石田(勝)委員 私は、もう最終判断の時期が来ている、そういう時期が迫っている。先ほど法務大臣も詰めの段階に来ていると。だから総理大臣として御決断を聞きたい、こういうことを申し上げたわけです。 それで、今回宗教法人審議会の議事録、それから国政調査権と公務員の守秘義務との関係、あるいはそれの政府統一見解、それから附則二十三項に言う適用区分の基準額、この寡少の額、これらの三点を新進党として資料要求いたしましたけれども、一切その資料に対する回答は出てきません。今までの審議を踏まえても、そういう資料、例えば寡少の額だとかそういった基本的な額が出てない状況で、これははっきり言って、私はもっと政府も出した以上は誠意を持って答えるべきだろうと思うのですよ。 それで、私は、そういう政府の審議会を途中で切り上げてしまったりするそういうことがあれですけれども……
○越智委員長 時間ですから短くしてください。
○石田(勝)委員 要するに、余りにも不誠意ですよ。私は、こんなことじゃこれから審議なんか続けられないと思いますよ。もっとやはり誠意を持って答えるべきだと思いますよと申し上げて、私の質問を終わります。
○越智委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時四分散会