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134回国会衆議院1995/11/02

宗教法人に関する特別委員会 第3号

発言数
419
登壇者
23
会派数
5
開催日
1995/11/02

会議録

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、宗教法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小里貞利君。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 私は、さきに提出されました宗教法人法改正案に対しまして、自由民主党・自由連合を代表して、総理大臣を初め関係大臣にお伺いをしてまいりたいと思います。  時間の関係もございますから、大事な問題でございますが、要点を簡潔にお答えいただきまするよう、まずお願い申し上げておきます。  さて、御承知のとおり、宗教は、人心を安定させまして、精神文化の発展向上に大きく資するとともに、今日の価値観の多様化、あるいは激動する社会の中にありまして、生きていく国民あるいは人々にとりましては、心の安らぎを得る一つのよすがとして国民の生活の中に欠くことのできない大きな重要なことである、私はさように認識をいたしております。  特に、宗教法人の存在は、国民の一人一人の生活に深く密着をいたしておりまして、いわば我が国の社会発展のために大きく貢献いたしておることも高く評価しなければならないと思うのでございます。  同時にまた、歴史的に見てまいりましても、さまざまな活動によりまして、ただいま申し上げましたように社会発展に貢献してまいっておりますが、殊に村山総理も近々御経験なさいましたように、さきに発生をいたしました一月十七日の阪神・淡路大震災等におきまして、宗教法人が極めて献身的に、そして積極的にこれらの救今、救済、あるいは今日の復旧・復興活動等にも貢献しておられることは御承知のとおりであります。このことに限らず、そのほかの多くの宗教法人が世の中の発展のために貢献しておられるわけであります。  しかしながら、過日の本会議におきまして議論がございましたように、これまで、率直に申し上げまして脱税や、あるいは詐欺的商法などの不祥事がしばしば報道されておりますことも御承知のとおりであります。また、極端なことを申し上げますと、宗教法人自体の売買も行われておるやに言われておるところでもありますが、さきのオウム真理教の事件等におきましては、国民の目にはまことに理解しがたい具体的一つの例が挙げられてまいっておるところでございます。全容解明になるにつれ、改めて、特定の、一部の宗教、宗派ではございますけれども、その悪質きわまりない非道な行為に対しまして国民も強い怒りを感じているところでありますから、きょうは私は、そのような観点に立ちましてお尋ねを申し上げる次第です。  殊に、しかもそれが宗教法人格を有しているという立場を利用して行われたのではないかということに対する国民の疑惑と批判も、いずれの事件においても、人々に安らぎを与えるはずの宗教団体がこのような事件を起こしたことが国民に大きな不安を与えていることであります。  所轄庁が、それらの宗教法人は公益法人だから、認証を得て社会で堂々と公益事業を行う団体であるから、当然これはその所轄庁をして、あるいは政府あるいは都道府県において管理されておるだろう、あるいは少なくとも実態は把握されているだろう、国民はそう思っておった。ところが、実はそうでなかったということを今日国民の多くの中から指摘をされておるわけであります。最小限のことは所轄庁が知っているだろう、みんなそう思っておったのでございますが、なかなかそういう法制度の実態になっていなかったということは明確であります。  仮に、現在の宗教法人法には不十分な点があり、それを補うべきなどの声が適切でそして強く大きく起こっておるといたしますれば、起こっておりますが、その不備、不十分な点があるといたしまして、いわゆる法改正によってその整備を行うことは、私ども国会の重大な責任でもある。あわせまして、政府の重大な責任でもあると思うのでございますが、この機会に、総理大臣のかような状況に対する所見あるいは決意を、簡単でよろしゅうございますが、まずお聞かせをいただきたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 今委員からお話がございましたように、宗教というものが、心の安らぎを与えたりあるいはまた公益法人として社会的にいろいろな役割を果たしてきておるという面もたくさん私はあると思います。しかし、最近のオウム事件のように、宗教に名をかりて犯罪を犯すといったような事例も散見をされる。こういうことを一つのきっかけにして、宗教法人のあり方というものについて国民の関心が非常に高まってきた。  いろいろ調査をしてみますと、今御指摘もございましたように、宗教団体が宗教法人としてどのような活動をしておるのかというようなことについてなかなか把握ができない。とりわけ、一つの例を申し上げますと、所轄庁等の問題についても、全国的に宗教活動が展開されているものについて、たまたまその本部の事務所が東京都にあったというので東京都の所管になっておる、したがってなかなか全体像が把握できない、把握できなければ法が適法に、適正にやられているかどうかということが責任を持ってできない、こういう状況になっておるような現状というものはやっぱり改めるべきではないか。こういう関心と声が非常に高まってきたという国民の声と期待にこたえて、政府が責任を持ってこれは法の見直しをする必要があるというので改正案を提案をしておるという経過については、皆様方の御理解をいただきたいと思います。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 ただいま総理も言明のとおり、不明朗な宗教活動あるいは宗教法人ございますよ、正しからざる事実が限りなく出てまいりましたよ、だからその実態を把握して厳正に政府は責任を持って対処しなければならぬ。しかしながら、なかなか対処しようとしてもその法体制に極めて不備がありますからということで今度始まった。しかもこれは、後ほど申し上げますが、村山内閣によって始まったわけではない。今までも、文部省を初めあるいは国会等ではこの論議はしばしば行われてまいっております。  さて、そういうことで私は、まず初歩的なことでございますが、ちょっとお伺いしておきたいと思うのです。それはどういうことかといいますと、諮問機関との関係です。  文部大臣、御承知のとおり、先刻の本会議でも答弁がございました。私はきょうは、宗教法人審議会のあり方、経過、概況、その報告をあえて聞こうとも思わない。もう十分耳しげく今まで聞かされた。そして、あなたが本会議で明快に答弁なさったように、すっきりとした一つの背景を持っていますね。これはそれでいいんです。  ただ、そういう指摘の中に、これは宗教弾圧ではないか、あるいは信仰の自由の原則を乱すのではないか、あるいは村山内閣はこれを拙速しておるのではないか、拙速はいけませんよ、いたずらに急ぐ必要はないんじゃないですか、こういう議論がありますね。  ところが、私は、そういう議論があるものですから、あるいは本会議の野党の諸君の話も若干聞いて、一体、経過を見てみようと思いまして、衆議院や参議院の議事録等も若干アウトラインだけ目を通してみた。ところが、総理も御承知でしょうが、今までの内閣におきましても、今日私どもが指摘いたしておりまする問題を明々白々に指摘をし、そして政府の見解を聞いているんですよ。そして、政府の見解もきちんと述べられております。赤松文部大臣等が答弁されましたことは、先ほどの本会議で島村文部大臣が答弁なさったようなあのニュアンスが相当入っているんですよ。御承知でしょう。  これはもううるさいこと申し上げませんけれども、例えばきょうここに、ゆうべ参議院にお願いして議事録をずっともらって見た。大事なことですからちょっと申し上げておきますが、平成五年十二月の九日木曜日ですよ、参議院の予算委員会、これに当時の野党が質問をいたしておる。イコール私どもが野党でございますが。その質問をここでるる申し上げる時間はありませんから、簡単なところを申し上げますよ。非常に具体的に、私どもが疑問を持っている、ただしていることがそのまま質問されておる。  これは後ほどきちんとお読みいただきたいと思うのでありますが、特に参議院の予算委員会におきまする、今申し上げました二年前の予算委員会で、収益事業の区分や所轄の問題等は非常に紊乱しておるのではないですかと、政府、いわゆる細川内閣総理大臣ですよ、総理大臣、あるいは赤松文部大臣、あなた御承知ですかということをちゃんと聞いているんだ。それに対しまして、ちゃんと赤松さんは大変な見識と自信を持って答弁していますよ。もう一々読みませんよ。  簡単に申し上げますと、例えば、できるだけ調査の実を上げなければならないと思うが、今日の宗教法人のあり方というものは、野党の皆さんが指摘されたように、収益事業の問題あるいは財産管理の問題、所轄の問題も都道府県だけでは不十分だ、政府で全体を掌握するべきではないですかという指摘に対して、そのとおりでございます、できるだけ調査研究の実を上げたいと思います、こう言った。  ところが、それでは野党は納得しなくて、調査研究の実を上げるだけではだめですよ、もっと積極的に政府は取り組みなさい、細川総理大臣どうですか、赤松文部大臣どうですかと切り込んだ。そこで、若干議事が休憩をしまして、若干混乱をいたしまして、そして速記をもう一回起こして、それからさらに赤松文部大臣の答弁をいただいているんですよ。答弁が出ていますよ。その答弁におきましても、宗教法人に対して監督、指導できないことに法律上はなっていると承知しておりますとちゃんと書いてある。さらに、ただ、先生御指摘の調査研究を具体的にどうするかということでございますので、それはこれまでも多少は調査をしてまいっておりますと、既にそのときは調査研究を始めておるんですよ。さらに、もう少し具体的に調査研究を始めたいというふうに考えますという約束をしておるんです。  まあここで私はこのことを、あえてこのような政争の具に供しておるんじゃないかと誤解を受けるようなことは言いたくないんだけれども、経緯は、やはり政府は真摯、整然としてこれを二年、三年前から取り組んできておる。しかも、参議院の予算委員会におきましても今申し上げたとおりでございますが、そのほかの委員会の場においてもしばしば議論されていますね。これは、私は参議院の熱心なる、この問題に対する正面から取り組んでいただいた参議院のその審議の経過に対しまして、高く評価をしながら今御披瀝を申し上げておるんです。  それから、きょうは……(発言する者あり)時間がないからちょっと後で、それは私の方から議事録も上げるから。それからもう一つ、羽田さんが、これも余り私は力んで申し上げたくもないけれども、羽田さんが数日前ですわ、佐賀に行っておられまして演説をなさったのですな。羽田さんも、これは十月の二十九日です、どういう演説をなさったかといいますと、これはテレビによって私が把握をした話でありますが、どうも村山さんは拙速だ、なぜこんなことを急ぐんだろうか、これは三、四年かけて検討をして、そして見直すべき問題だ、こういうことを言っておられるのですね。  ところが、私が先ほど申し上げました赤松さんというのは、相当な見識を持っておったですな。あれ、細川さん、羽田さん連続で文部大臣をやったんでしょう。羽田さんが総理大臣のときの文部大臣も務めていらっしゃるはずなんです。その前の細川さんの内閣のときの文部大臣のときのお話を私は先ほど申し上げたのです。  そういう経過がありますということを申し上げた次第でございますが、一言文部大臣お聞かせいただきたいのは、私が今申し上げました、宗教法人法というのは現状の実態ではいけませんぞ、所轄庁として政府として責任を全うできないという疑念を数年前から政府は持ってそして取り組んできましたよというこの私の話に対して、どういう感じをお持ちでございますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 お答えいたします。  宗教法人審議会に対する今回のいろいろ検討願ったことは必要的付議事項ではないわけではございますが、前文部大臣であられた与謝野大臣が、やはり公正、中立のいわば立場から、専門的にこれがいかがなものかというので検討を依頼し、そして本年の四月二十五日以降五回の審議会、そして八回の特別委員会で慎重に御審議を願った、こう受けとめております。  しかも、所轄のあり方、そして情報開示のあり方、活動報告の把握のあり方、これを、委員の方々が三点に絞ってこの問題を集中的に夏休み返上で御検討をいただいたことでありますから、これは十分に慎重の上にも慎重な御検討をいただいた、そう受けとめております。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 さらに話を進めますが、実態把握がなかなか難しいなと、その原因としていろいろなものがある。  特に、その中の一つとして、今次の改正法案の中の柱として出しておいでになるのが所轄庁の問題ですね、管轄の範囲。なるほど、それは都道府県単位で、限定された地域においては調査、把握は可能でしょうけれども、これが先ほどから言われるように、宗教の活動が数県にまたがる場合には、これはなかなか実態把握をすることは一県の知事では無理である。これはもうだれでもわかる。きのうなんか私に所轄庁の問題ではがきが来ておりますが、世論調査においてもこれは明確に出ていますね、後ほど時間があったらちょっと申し上げますが。  そういうことで、要するにこの際文部省に、数県にまたがる宗教、宗派の活動は掌握しますよ、これはもう本当に大方の皆さんが理解をいただいておると思うのでありますが、さて、その都道府県と文部省と所轄がかわったがゆえに監督強化ではないか、宗教の自由を侵すのじゃないか、あるいはそのほか政教分離の原則等を乱していくのじゃないか、いろいろ言われておりますが、これはもう本会議でも話が出ましたから省略しますが、少なくとも文部大臣、所轄庁が文部省であろうと都道府県知事であろうと乖離はないでしょう。同じでしょう。しかも、文部大臣と知事の所轄庁のいわゆる権限が同じなら、文部大臣が所轄した場合は監督権強化であって、そして都道府県知事の場合にはさにあらざるものであるというのは、私はどうもわかりにくいんですが、その辺を簡単にひとつお知らせいただきたいと思うんです。  ついでに、時間ないから、もう一つこれに質問を添えますが、特に今度の法律が成立した場合、今まで都道府県知事の所轄にあった宗教、宗派、団体が、公益法人が新しくあなたの方に移しかえをいたしますね。その場合に、新しく、しかも幾つかの多くの要件を並べて、そして際立った審査をするかのごとく言われておりますけれども、私はそうではないと思うんだな。私が聞いた範囲においては、まあ境内の建物等が、ちょっと都道府県知事が、ある場合にちょっとそれを付記するという程度で、これは言うなれば、原則として従来の所轄事務を継承するような形だな、そう思っているんですが、その辺、簡単でよろしゅうございますから。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 最初の御質問であります、いわば都道府県知事から文部大臣に所轄が移っても、これは権限において全く変わりありませんから、国家権力が云々ということは当たらない、こう申し上げます。  それから二つ目に、認証をまたし直すんではないかというようなお話でございますが、今回の法改正の内容をごらんいただけば御理解いただけますように、従前の認証をそのまま継承することといたしております。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 ただいまのお答えで国民の皆さんもよくわかったと思うんです。  それから次に、宗教法人は最小限この程度のものは、これだけのものは備えつけておきなさいよというもの、それから、それはきちんと政府等にも、これから所轄者に報告しなさいよという新しい規定が今度入っていますね。今度の新しい法案の中身を、私は総理大臣が本会議で答弁なさるのを聞いておって、ああ至極当然なことだなと本当にそう思った。素直に、純粋な気持ちで。例えば定款、規則でしょう、役員名簿でしょう、財産目録でしょう、今度は収支計算書でしょう、あるいは今度新しくなった境内建物に関する話でしょう、あるいは収益事業でしょう、全部これは普通の法人でもきちんと基礎的にそろえておくべき、また、いつ何ときでも、だれから質問を受けましてもオープンにしてもしかるべき書類、事項ではないかなと思うぐらいの基礎的なものですね。  ただし、この場合は宗教法人ですから、幾ら公益法人といえども、宗教の教義あるいは宗教活動に立ち入るようなことはこれはいけませんよ。これは厳粛として、聖域として、政府の官僚といえどもきちんと戒めて、その越権をいたさざるように配慮することは大事だと思うけれども、私が今お尋ねした、もうあなたに聞きたいと思ったのを私の方から言ってしまったが、その基礎的な要件はこれは当然備えておくべき話なんですよ。  しかも、後ほどお伺いしますが、やはり宗教法人なるがゆえに税制の優遇措置その他の処遇を数多く受けているんですから、ですから、宗教やあるいは宗教活動に立ち入ることではなくて、いわゆる会計財務状況などについては、言うなれば世俗的側面と申し上げますか、他の諸団体がやっている中の宗教法人分に関する分はちゃんと聖域として除いて、そのほかの分は、世俗的側面に通ずるような、世俗的側面と言っていいでしょう、やはり一定の社会に対して責任を持つべきであります。また、ちゃんと責任を持って、私どもの会計財務の状況はこういうことになっておりますよ、殊に、私は国民全体とは言わない、国民全体とは言わないが、少なくとも信者あるいは関係者の皆さんにはこれは公開されていいんじゃないですか。しかも、そうすることが、先ほど総理大臣がお答えになったように、宗教の自由の原則を守る、遵守させることと同時に、宗教法人活動の自治能力の向上に直結するんですよ。そしてまた、先ほど申し上げましたように、国民の不安が限りなく膨大になっておる今日の宗教の一部に対する疑惑も払拭をできる一つの私は推進力になるのではないか、こういうふうに思うのです。  もし総理大臣、これは具体的でなくてよろしゅうございますが、今私が申し上げました一つの姿勢、政府の姿勢、いたずらに宗教の自由を侵すんじゃない、それらはきちんと聖域を守りながら、逆にまた一面、国民、信者に対して公開すべきはきちんとさせるべきだ、そうすることが信者や宗派のためにも、直結しますよ、それは大きくむしろ自治能力の向上に発展しますよ、こう申し上げましたが、ちょっと、もしお気持ちがあればお聞かせいただきたい。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 委員御指摘のとおりだと私も思います。できるだけ宗教法人としての透明度を高めて、そしてお互いに信頼ができるようなそういう環境をつくっていくということは宗教活動をする上からも極めて大事力ことだと思いますし、それはまたそういう法の建前になっているわけですから、宗教団体がみずから自治能力を持って、そして世間的にも適正に評価されるということが大事なことだと思いますね。  したがって、宗教法人の持つ信教の自由と政教分離の原則というものは厳に守り抜いて、適正な宗教活動が大いに活発になされていくような前提条件というものをしっかり保障していく。その上で、最低行政として責任の持てる範囲のことはやはり国民のためにきちっと責任を持ってもらわなければいかぬ。その責任が持てないような状況になっているところを責任が持てるようにしようではないか、こう言っているわけでありますから、国民の皆さんも私は正しく御理解をいただけるものだと思います。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 時間の関係でちょっと急ぎますが、今の総理大臣のお気持ち、信念、方針、よくわかりました。  先ほども申し上げましたように、所轄庁に対しまして会計財務状況などを報告する、これは宗教法人の運営もきちんと節度が出てくると思うのですよ。今度のオウム真理教の事件、御承知のとおり莫大なる資金を要したと思われる。我々の常識ではとても考えられない、到底考えられない大変な資金を必要としたであろうと思う。しかも、宗教、宗派、宗教活動がやるべからざることを、反社会的なことを徹底的に、組織的にやっておった。でしょう。  ですから、そういうような、今度惹起いたしました不安等もきちんとこの際払拭するためにも、少なくとも、信者から情報を教えてくれ、我々の負担、我々の奉仕あるいは我々のいわゆる教義によっていろいろと醸成してきた今日の法人の形態を少なくとも教えてくれないかと信者から尋ねられたら、それは当然報告するべきですよ。  私ども、お互い与野党もそうですが、いろいろな議員連盟等をつくっている。今ここにおいでになる例えば吹田さんなんかも、私なんか一緒に議員連盟をっくってやってきた。総体でわずか年間百万円あるいは二百万円ぐらいの会計でさえもきちんと報告しますよ。やっていますよ、きちんと。私は、ここまでなさらぬでいいんじゃないかと思うようなことまで、款、項、目、節、さらに細々節まで説明してくるのです。ですから、私は、少なくとも公明正大な運営をやっていますよという最小限の説明、透明性、そして信者や国民の皆さんに理解をいただく、そういう一つの気持ちはあっていいんじゃないか、当然だと思う。  ただ、申し上げておきますが、この閲覧の請求ですね、いわゆる情報の開示という言葉を使っていらっしゃるが、難しい言葉を使うから国民の皆さんわからないのですよ。本当は、宗教の会計財務の実態を教えてくれと信者が言った場合どうしますか、これは今まで法律がなかった、今度はそれを法律をつくるという話なんだから、難しいことじゃないのですよ。ただし、それをそういうふうにできるようにしなければいかぬけれども、しかし、閲覧の要求というのは、信者から要求があった場合というその信者の範囲は、やはり言うなれば一義的には宗教法人がお決めになっていいのではないかと私はそう思う、私は。文部大臣、この点についてお答えを願いたいと思います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 次に話を進めていきますが、大体今の同じたぐいではありますが、ちょっと質問点が違いますよ。  例えば、そのような報告を求め、質問をする権限、これは所轄庁、政府ですね。ここでもうすぱっと申し上げまして、いわゆる宗教法人が著しく公共の福祉に反するようなことがあった、あるやに疑問を呈してきた、疑問を感じだというような場合にどうするかということですね。  例えば、今度の東京都のオウム真理教事件の取り扱い、これはなかなかあの知事も困りましたね。どんどん司法、検察の手によって摘発されていく、そしてもう本当に許しがたい、膨大なる凶悪的、組織的犯罪が具体的に国民の前に限りなく出てくる。それに対しまして解散請求もなかなかできない、あるいは認証も取り消しもできない、あるいは収益事業の停止もできない、本当にあの数カ月間というのはお互いに耐えがたい日々を送った。そうでしょう。そこで、東京都の知事は、申し上げるまでもなく、司法、検察官の協力を得てやっと解散請求を行ったでしょう。こんな乱雑な話はないのですよ、本当は。私は何も東京都の知事を今この時点で責めようとは思わない。それほどじゃない。それはやはり法体制の不備なんですよ、不備。ですから、このようなことを絶対できないように、また未然に、可能な限り、状況を正確に、具体的に所轄庁が把握できるように、可能な限りこれをやらぬといかぬ、そういうような観点から今度の改正は行われておるのが今私が申し上げておるこの柱だ、そういうふうに思います。  しかしながら、これもまあ、あえて国民の皆さんも聞いておるから申し上げるのですけれども、所轄庁は宗教法人に報告を求め、あるいは質問をする場合には、宗教上の特性、慣習、これらを尊重して、そして信教の自由を、さっき総理が言われるように妨げない、この原則はきちんと留意しながら、私が申し上げたその前段は大胆に節度を持ってできるようにやらなければ国民の信頼を失うと私は思うのでありますが、どうでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 先生の御質問を伺っておりますと、私たちですら感嘆するくらい実によく研究をなさっておられますので、先ほども極めて簡潔なお答えで恐縮であったわけでありますが、御高承のとおり、現行の宗教法人法は、収益事業の停止命令あるいは認証の取り消しあるいは解散命令の請求等、所轄庁の権限を規定しているところであります。  しかしながら、これらの規定の事由に該当する事実があるかどうか、これを確認をする手段が規定されておらないところであります。このため、現行法のもとでは、所轄庁は宗教法人の了承、協力が得られない限り、その運営に著しい問題があるなど、これらの規定の事由に該当する疑いがあると考えられる場合でも、宗教法人に対して報告を求めたり質問したりすることが許されておりません。  今回のオウム真理教事件でも、所轄庁である東京都知事は解散命令の請求のための資料をほとんど検察官に頼っているような状況でございまして、現在の制度では問題があると、私たちはそう受けとめております。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 時間の関係がありますから、次に移りますが、今これから申し上げる話は余りここで私はしゃべりたくないのだ、私は私なりの気持ちがあるから。しかしながら、国民の皆さんがわかっていらっしゃらない側面の一つではないかと思った。それは、はがきもいただいておるが、電話も来た。どういうことかといいますと、宗教法人は特別にいろいろな処遇措置を受けておる、特典があるという話ですが、しかもその特典は極めて大幅で深いという話ですね、どういうことでしょうか、税金でしょうか、こういうお尋ねが多いんですね。これは、あえて私がこれを自慢話で申し上げる必要もない。自慢話でもない。これは当然のことなんだ、当然のこと。宗教法人がいわゆる社会発展のために貢献していただくその実績は高いものがあるから当然のことなんだ。  しかしながら、そういう特典を受けておる以上は、税制上の優遇措置その他の一般処遇措置を受けておる以上は、私が先ほど申し上げておるように世俗的側面については一定の社会的責任をきちんと持つべきなんですから、そういう観点から見てまいりますと、数日前、宗教法人の脱税がありますよと各新聞、テレビが報道した。御承知のとおり、中身はもうあえて申し上げない。私どもが単純に見る限りにおいては、こんなに脱税行為が多いのだろうか、本当に私はそう思った。  宗教法人三百八十一法人のうち、いわゆる申告漏れが三百二十一法人、八十数%ですね。そうだ、八四、五%ですね。八四、五%が申告漏れがあるという大きな活字が出ているんですね。これこそ、やはり先ほどから話をしておるように、法人のあり方、実態というものを最小限支障がない限り国民にあるいは信者にオープンにするべき重大なる事項だと私は思うんですよ。しかも、国民の誤解を解くためにも、また、まじめな多くの、こういう脱税行為などをしない多くの宗教団体のためにも、この際きちんとこれは私は明確にするべきだと思う。  これはもう時間がないから私の方から若干申し上げておきますが、国税あるいは地方税等でも宗教法人なるがゆえに無税ですよ、課税しませんというのが項目も非常に多いですね、文部大臣。いや、お尋ねはしないから、いいから。多いですよ。例えば国税においても、法人税でしょう、所得税でしょう、登録免許税でしょう、あるいは相続税、贈与税でしょう、あるいは地価税、消費税等々、他の公益法人と同格のものもありますけれども、宗教法人なるがゆえに特別に……(発言する者あり)今はそのことを僕は言っているんだ。他の公益法人も同格の減税、免税措置を受けておるところもあるけれども、宗教法人なるがゆえに他の社団保財団法人等以上に大変な、税金を納めなくてよろしいという特々典措置を受けているんですよ、御承知のとおり。  では、具体的に申し上げますよ。例えば本来の宗教業務、これはもう御承知のとおり、お布施、お守りあるいは戒名料、拝観料等、これは全部本来の業務ですね、宗教法人の。これはもちろん無税です。あるいは公益事業も、これも御承知のとおり幼稚園やあるいは社会福祉施設、あるいは図書館、博物館の経営等の収益も全部無税でしょう。無税ですよ。あるいは収益事業、今申し上げた本来の業務、あるいは公益事業を除く収益事業、本来の業務以外の収益事業ですよ。この収益事業といえども、三十三種目は税金を納めておられるけれども、安いんですな。これはいいんですよ、安いことはいいんです。普通の会社などは三七・五%の課税率でしょう。宗教法人は二七%。しかも、その二七%の課税率をかける前提において、収益事業以外の事業に使ったら、その使った分も課税の対象にならぬ。重ねて重ねて非課税措置が講じであるということ、こういうことなんです。あるいは、今申し上げました収益事業は、三十三種目はしかも限定してある。それ以外のものはまた課税されないんですから、御承知のとおり。  私に電話で聞いてきましたことが、こういうところの、いわゆる国会で言われておる非課税の中身はどうですか、この種が多いんです。聞きたいんですよ、今までは余り意識しなかったけれども。やはり税というのは、一般的に申し上げまして、みんなこう神経をとがらしておりますからね、関心持っていますからね。これはいいことだと思うのでありますが。  あるいは所得税、これは宗教法人が受ける利子税、所得税等、利子所得あるいは配当所得はもちろん非課税ですね。あるいは登録免許税も境内建物等に関する限りはこれは非課税ですから。あるいは相続税、贈与税等、これは申し上げるまでもなく。あるいは個人から贈与、遺贈を受けた場合、原則非課税ですね。遺贈とはどういうことなんでしょうか。いわゆる死んだ人が相続人でない人に贈与した場合のことをいうんじゃないかと私は思いますわ。その場合、非課税ですよ。あるいは先ほど申し上げましたように、地価税あるいは相続税等におきましては、これは相続税は一般公益法人と同じでありますけれども、これでもやはり勉強してある、うんと税率は低いですよ、こういうことなんです。  特に私が言いたいのは、きょうは自治大臣もおいでのようですが、地方税ですね。これも私はいいことだと思うんだ。こういう制度あってこそ、きちんと政府やあるいは社会が、公的立場において法人に対してこうしなさいよという止しくあらしめる要求もできるんですから、言いかえれば。だから、私は決してこれを悪いと言っているんではない。例えば、県税である不動産取得税等、御承知のとおりでしょう。これは全部、境内建物等については無税ですよ、非課税ですよ。固定資産税、都市計画税、もう御承知のとおりですから申し上げない。事業税もそうですよ。あるいは収益事業。先ほど申し上げました件も、特別にいわゆる税率をきちんと安くしてあるんですから。  ですから、このような措置を、他の民法法人、財団や社団や学校あるいは教育福祉法人と、同じところもあるけれども、それ以上に税率を宗教法人はまけてあるんですから、まけてあるという言葉はどうかと思うけれども、そういうことになっているんだから、社会的にその実態というものを、可能なものはオープンにし説明をし、なかんずく信者に対しましては、これは正確に親切に説明なされるようにすることが今度の措置であると思います。一口でいいですから、お気持ちを、文部大臣。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 宗教法人につきましては、その自由と自主性、責任と公共性を尊重し、所轄庁の一般的な監督権は規定されておらず、所轄庁の関与は必要最小限のものとなっていることは先生御承知のとおりです。宗教法人には、その運営の民主性、透明性が当然求められているところでございますし、この要請にこたえるために、宗教法人のためにも今回の改正が必要であるということで、必要最小限に絞って今回の法改正をお訴えしているところでございます。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 宗教法人法の改正の問題は、オウム真理教の事件が一つのきっかけになったのでありますが、何といいましても、その背景にあるのは、国民がこの制度を変えるべきではないかという意見であると思います。八〇%を超える国民の声にきちっとこたえていくのが政治の務めだと思っています。  なお、固定資産税その他の問題については、御高見を承っておきます。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 両大臣、極めて明快にきちんとお答えをいただきました。殊に、今、深谷さんですね、自治大臣、お話の中にありましたように、八〇%の世論を背景にしてというお言葉を使われたようでありますが、これは私は、総理大臣、注目するべき今次の世論調査というか世論の実態だと思うのであります。いたずらに、私はここでテレビがどうの新聞がどうのということを時間を割いて申し上げるのはどうかと思うけれども、いたずらでもない。本当に今度のことに対する世論が、いかに注目をしておるか。それは厳粛で真剣ですよ。  私は、きょうここにちょっと持ってきておりますが、例えば世論調査の、各新聞それぞれやっていただきましたね。大方の新聞が世論調査をやっていらっしゃる。しかも、ちょっと私は二、三新聞社にきのう聞いてみた。ところが、相当な企画班を企画して、そして調査班を組織して非常に真剣にやっていらっしゃるというお話のところもございました。今自治大臣お話がありましたように、なかなか世論も心配しておりますよ、国民も心配しておりますよ、そして、宗教法人の実態はこの際少なくとも、少なくともこの際きちんとしなければいけません、したがって、具体的にはいろいろあるだろうけれども、制度の改正も必要ですよという具体的な統計が出てきておりますね。  これは、国会におきましても今日に始まったことじゃないのです、先ほど申し上げましたように。私は、参議院のあの真剣な論議の経過を見て本当に、くどいようですが評価をしております。だから、ここに結果を持ってきておりますが、まあ時間が来ますからあえて申し上げませんけれども、調査の対象になった国民の皆さんの基本からいいますと、圧倒的にこの際改正しなさいよというのがどの新聞を読んでも出てくるのですね。特に、この際改正しなさいということもですけれども、宗教法人及びその活動に対して見方を変えたという意見が多く出てきたというところに、本質的に、宗教法人及び活動が社会のために貢献しておる実態を思うときに、非常に私は憂えるものがあるのですよ、きょうはそれを具体的には青わないけれども。  中でも、宗教法人自体が、この際きちんとしなければいけませんなという話がたくさん出てきておるのですね。これはもう総理も関係大臣もお読みになったと思うのですが、それを一部紹介せよという話がありますから紹介しますが、本当にこれは驚くべきことですよ。  一般国民の意見も大事にしなければいけません。それからまた、それを間接的に直接的に整理、集約して、そして我々立法機関に、政府にお聞かせいただくマスコミの意見も大事にしなければいけませんよ。その新聞の世論調査で、ここにありますが、それは宗教法人を対象にして調査をしたのですね。しかも、その中におきまして、賛成、反対を明確にお述べになり、しかも賛成をする人はその理由、反対する人はその理由を整然と述べておいでになる。しかも、この賛成がまた多」いことにも私どもは注目しなければいかぬ。  特に、ここで一々読むわけにはいかぬけれども、私が先ほどお伺いした所管事項なりあるいは質問権限等については、宗教法人の中でも、これはやりなさいという声が非常に強いのですよ。一番大事な所管事項。先ほど文部大臣もお答えになった。これでも、所管事項はきちんとしなさいという宗教法人の中における意見が多くあるということだ。わかりますか。  あるいは、私が申し上げておる、あなた方信者の皆さん、あなた方の一つの知恵とそして御負担によって、そして御好意によってこうして運営しておるこの教義、宗教団体はこういう実態ですというのを信者に教えてやりなさい、その世論が、宗教法人の中できちんと認めるというのが非常に多いのですから。  さらに、質問権限においても、それはやるべきですよと、もうその理由が極めて明快に書いてある。ちょっと一つ申し上げますと、幾つかの団体がたくさん書いてあるが、例えば賛成の宗教団体の論拠として、信者並びに世間に清浄な姿を公開すべきであります、財団法人等の他の法人と同様に、宗教法人も世のため、日本国家のために尽くすべきであります、したがって賛成。こういう意見多いですよ。  もう一つ読んでみましょう。宗教法人法は宗教行為に対する規制ではなく、宗教法人の事務を認証するもので、認証がある以上、その事務を報告する程度は、何も宗教の自由とかかわりのないものであります、きちんと宗教法人がそう言っておられるのです。そのほかたくさんあるが、もう省略します。  では、私は賛成だけ、何もこのたびこの法律案を通すために賛成だけ言いたくない、反対論も総理、言いますよ。しかしながら、反対をする宗教法人のその反対の根拠にも、私どもは耳目を傾けなければいかぬ。注目するべきですよ、反対の意見も。私はたから、きょうこの質問をするについても、反対しておられるという団体の方にも若干聞いてみた、私の気持ちを言ってみた、そういうことなんですよ。  ですから、きょうの、例えば新聞、反対ですという宗教法人の中でもこういうことを言っておられる。ある宗教団体は、宗教界の十分なコンセンサスが得られておらず、少し拙速過ぎるという意見があります。したがって、改正案には賛成するところが多いけれども、それにより法人の管理運営を適正化し、社会的責任を果たすべきだ、こういうふうに書いてありまして、やはり、これなどは、賛成する、基本的には賛成するけれども、なかなかいわく言いがたいなという気持ちが出ていますね。  あるいはある団体のごときは、国による宗教管理の意図がうかがわれ、信教の自由と政教分離の精神を侵害するおそれがありますよ、こういうことで反対、こう言っておるから、そういうことはないということを総理以下関係大臣、きちんと言明されるのだから、また私もそれは限りなく強く要請しておきますが、宗教の自由や政教分離の原則等を乱すことがないように、しかも宗教の教義や宗教活動の秩序を乱すような干渉はしちゃいかぬから、その辺をきちんと守りながらやるとおっしゃるのだから、以上、一応先ほどたまたま自治大臣が世論をおっしゃったから申し上げたのでありますが、世論の実態はこういうふうになっておるのです。こういうことを私は、少なくとも最大公約数として把握はできると思うのですよ。  文部大臣、いかがでしょうか。あなた方は、こういう世論の動向にどの程度、どういうふうに関心を持っておられますか、簡単に。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 世論の動向に対して私たちが迅速に、的確に対応するのは、我々政治家の務めである、まず基本的にそう思います。  今回の問題は、なるほどオウム真理教を契機として非常に大きな高まりを見せていることは事実でございますが、与謝野前文部大臣の段階から、四月の時点で既に宗教法人審議会にその検討をお願いいたしまして、しかも三点に絞って、先ほど申したように、総会五回、特別委員会八回、慎重に審議をし、結論から申し上げれば、今度でき上がる法案の内容をごらんいただけば国民の皆様にもよく御理解いただけると思います。  結びにぜひ申し上げておきたいのですが、これは、私は、今風の法改正というのは、政治家の良心、政党の良心、あわせて宗教法人の良心が問われている、こう受けとめておりまして、いろいろな宗教団体からの面会申し入れ等もございますが、私は、一切皆さんとお目にかかることは遠慮して、ただひたすら自分の良心に基づき、我々の所管の範囲を守る、こういう考えに立っております。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 次に、先ほど私が触れました現在の体系における課税状況、外国の、アメリカやヨーロッパ等における状況などを大蔵大臣武村さんにお伺いしたいと思っておりましたけれども、時間の関係でこれは省略いたしますが、最後に総理大臣にお伺いいたしたいと思います。  今次の改正は、あるいは与党三党は、特定の宗教、宗派あるいは特定の政党を視点に置いて改正を意図しておるがごとく言われるのですね、一部、ごく一部ですが。一部ですよ。(発言する者あり)だから、そういうことがあっちゃならぬ。そのようなことは全く視野にありません。また、そのようなことでは私どもも協力できませんからね。  ですから総理、この際、そういう特定の政党や特定の宗派を焦点に置いた改正法ではない、これは国民全体の立場に立った、極めて適切で、そして緊急を要する、そのような重要問題でありまして、そういう本質をとらえた、私どものいわば大所高所からの最小限度の法体制整備であります、こういうことだと思うのでございますが、総理のお気持ちを最後にお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 御意見のとおりでありまして、今度の改正案が特定の宗教団体や特定の政党を意図したものではないということは明確に申し上げておきたいと思います。  たびたび申し上げておりますように、信教の自由と政教分離の原則を守って世間も国民も納得できるようなものにしたい、こういう意図で法案の修正案を出しておるわけであります。私は、拙速という言葉がありますけれども、拙速であるかどうかということは、今度の改正案の中身が本当に国民の納得できるものであるかどうかということで決着がつけられてしかるべきものだというふうに思っておりますから、ぜひ慎重な御審議をお願い申し上げたいと思います。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員 あとは、私の関連で同僚議員に質問をお譲りいたします。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 この際、与謝野馨君から関連質疑の申し出があります。小生君の持ち時間の範囲内でこれを許します。与謝野馨君。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 宗教の問題は大変微妙な問題でございますので、私も質問するということは大変ためらいが実はございます。  と申しますのは、いろいろな質問をいたしますと、その後でたくさんの電話がかかってきたりいろいろなビラをまかれたりというようなことがあって、「さわらぬ神にたたりなし」という。言葉がありますけれども、なるべくこういう質問はしたくない。  そういう中で、過去も我が党の同僚議員が質問をし、いろいろなところからいろいろな、無言電話がかかったりあるいは嫌がらせの電話がかかったり、黒枠の入ったはがきが来たりというようなことがありました。そういうことはどこがやったかわかりませんけれども、やはり国会での言論の自由、あるいは活発な、自由闊達な言論の自由を保障するためにもそういうことはあってはならないことだ、もし意見があるならば、ちゃんと名を名乗って、実名で御批判をいただきたいと私は思いますが、深谷自治大臣は予算委員会の筆頭理事を長年やられていて、そういう場面に多分遭遇されたと思うのですが、そういうケースは国会議員に対してあったのでしょうか、まずその点をお伺いしたい。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 大臣として答弁するのはいかがかとは思いますが、せっかくの御質問でありますから、ありのまま申し上げますと、私はほぼ二年間予算の筆頭理事を自由民主党を代表してやらせていただきました。その間に、宗教問題について激しい質問をいたしますと、直ちに強烈な電話が連続してかかってくるというケースはしばしばございました。特に川崎二郎君、ここにおられますけれども、彼が質問をしたときなどは、嫌がらせの電話のみならず、彼の選挙区においてチラシをまかれたり署名運動が行われたりというような籍態もございました。  甚だしくけしからぬことだと思っておりますが、ただ、そのことによって、質問したり要求したりしている我々にいささかの動揺もなかったことをつけ加えておきたいと思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 ことしの三月二十日に地下鉄サリン事件が起きまして、内閣総理大臣を中心に政府一体となってこの問題に対応しなければならない、そういうことでやってきたわけでございます。警察、検察は刑法に照らしてサリン事件に対応する。そういう中で、私ども文部省もやはり宗教法人法上の問題はないのかということを実は内部で検討したわけでございます。これはもうサリン事件が起きてから直ちに検討を始めましたが、実はそういう検討する過程で、やはりこの法律に不備があるのではないかということを幾つか発見したわけでございます。  一つは、山梨県の上九一色村の住民の方々は、町の議会の方も町の行政当局の方もそこの住民の方も、もう数年前から、こんな施設を我が村、我が町につくられては困る、そういうことでとにかく山梨県庁に行って、県庁、これ何とかしてください、我々の穏やかな平和な生活が脅かされます、こういうことで山梨県庁に繰り返しお願いに行ったのですが、山梨県庁の御返事は、これは我々の所轄している宗教法人ではないので、その所轄をしている東京都に行って苦情があれば苦情を言ってください。  しょうがないので山梨県民の皆様方は東京都まで出向いて、東京都庁の窓口に、これはとんでもないことだ、何とかしてくださいと申し上げますと、東京都の方は、東京都内のことであれば私どもも多少のことはできますけれども、県境を越えて山梨県に行って調査をすることもできなければ、山梨県の中のことについて東京都は権限を持っていません。こういうことで、山梨県民はいろいろな所轄庁、都道府県の役所に行ってもどこに行っても事実上たらい回しになってきた、そういう実情があります。それから、これは熊本県民も県庁に行ってもなかなからちが明かない、そういう問題が実はあって、一体これは東京都が山梨県の話に責任を持てるのかという深刻な問題になりました。  これは、宗教法人の事務というのはもともと国の事務であって地方の事務でない、たまたま機関委任事務として都道府県に渡している、こういう法体系になっています。ですから、そういう住民、そういうものの利益をどう守るかということがまず第一点なんです。それをどうしたらいいのかということを深刻に考えたわけです。  第二点は、これはもう宗教法人法上の八十一条の解散の問題が必ず出てくる。三月の末の時点ではまだ刑事事件の姿がわかっていませんでしたけれども、大体これは宗教法人法上の解散、これはやらなきゃいけない。そういうときに、一体それじゃどういう手続をするのか。  これは、文部省限りあるいは東京都限りでやるのであればそれは行政処分としては簡単なんですが、裁判所に解散の請求をしなければならない。裁判所に提出する以上、やはり証拠能力があってきちんとした資料、またきちんとした請求理由を付して裁判所に請求をしなければならない。果たしてそういうことができるのか。そうしたら、そういう調査権限もなければ、あるいは質問もできなければ、何にもできないということがわかった。これはやはり法律上ちょっと欠けているところだ。実際の請求事務ができないということ自体が大変ゆゆしきことだ。  それから第三点は、どうもオウム真理教は国境を越えてロシアまで行っている。たまたま問い合わせがなかったからいいんですが、ロシア政府から日本の政府に、オウム真理教は一体どういう宗教法人ですか、どういう宗教活動をしていますかと聞かれたら、実は日本国政府はロシア政府に何のお答えもできなかったというのが実情なんです。  そこで、どうもこれは、宗教法人法が昭和二十六年にできてからいろいろやってきたけれども、具体的事件に遭遇すると法律の不備、不十分、また欠落した点があるんではないか、こういうことを感じて、四月に宗教法人審議会に御検討をお願いしたわけですが、これはオウム事件対策でやるのか、あるいはオウム事件を通じて学んだ法律上の欠点を、欠落した部分を補うということに重点を置いて法律改正を島村文部大臣は提案されたのか、どっちなんですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 文部大臣に就任以来、前大臣である与謝野先生のいろいろおやりになったことを一通り勉強させていただきました。宗教法人審議会、四月二十五日にお諮りする前の段階でも、あなたは極めて慎重、適切に、十分の調査と検討をなさった上でこのいわば検討依頼をなさっておられます。  そして、その宗教法人審議会は、御承知のように、十一名の宗教法人の代表と四名の学識経験者から成る組織でありますが、この方たちが、今御指摘のあった所轄のあり方と情報開示のあり方、活動報告の把握のあり方、この三点に絞って十分御検討をいただいてきたわけでありまして、私は、今先生の御指摘のとおり、これは何か恣意的なものではなくて、いわば法治国家の最小限度の基本を確保する、こういうことで進められた、こう考えております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 それにしても、何か宗教法人法の改正が非常に政治的な問題として取り上げられているというのは、当時私がこの法改正の検討をお願いしたときの意図とは全く実は違うんです。これは純粋に、法律の不備があるということがわかり始めたらやはりこれは直すということは、政府、国会の国民に対して果たすべき責任だ、私はそう思った。ですから、これは純粋な法律論議、制度の論議だと思うんですが、島村さん、それはどういうふうにお考えですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 全くおっしゃるとおりでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、私が審議会にお願いしたのは、これは明確にしておかなきゃいけないんですが、私は諮問をしたんじゃないんですね。諮問をして答申を文部大臣がもらったんじゃないんです。これは御検討をお願いして、議論をしてくださいとこうお願いしたんですが、これは結果は報告という形で来ていて、答申という形で来ていない。そこで、宗教法人法の改正と宗教法人審議会の役割についてまず明確にしておかなきゃいけない。  例えば、法務大臣のもとにございます法制審議会という審議会があります。法制審議会の中には、刑法を扱う部会と民法を扱う部会と二つに分かれています。しかし、法務大臣にお伺いしたいんですが、法務省が法律、例えば刑法の改正あるいは民法の改正を国会に提出するときには、やはりその法制審議会をちゃんとクリアしてから来なきゃいけないというふうに私は理解しておりますが、法務大臣、その手続は御存じですか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 私の理解が不正確かもしれませんが、私の理解しておりますところでは、お説のとおりであろうと思っております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 今みたいな審議会は、どうしても法律の改正案を提案するときにくぐり抜けなければならないトンネルなんですよ。そこを、そのトンネルを通ってから改正案を提案してくださいというんですが、宗教法人法上、宗教法人審議会というのは絶対通らなきゃいけないトンネルなのか、あるいは宗教法人審議会の議を経なくても、文部大臣の責任限りにおいても法案の提出はできるのか、改正案の提出はできるのか、その点をはっきりしてください。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今回の法改正につきまして、これは先ほどの小里委員の御質問にもお答えしたんですが、必要的付議事項ではございませんので、文部大臣の権限と判断で法改正をお諮りすることはできるわけであります。  しかし、まさに今、いろいろな雑音の中には、政党間の恣意的な云々ということがございますが、恐らくそういう点も十分お考えになったことと思いますが、前大臣であるあなたが宗教法人審議会にその御検討をお願いしたということは極めて適切であった、こう思っておるところでございます。  念のために申し上げますが、まさに十一人の宗教法人関係者の代表、学識経験者はわずか四名でございますから、この宗教法人審議会が、もうまさに誠心誠意夏休み返上で御検討いただいたことは、これは内容でごらんいただけばだれでもおわかりいただけることでありまして、私は、あなたがおとりになったいろいろな手だてに対して改めて敬意を表するところであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 しかし、一部には、この宗教法人審議会の議論、これはやはり公開した方がいいんじゃないかという議論がありますが、審議会の中身を原則公開するという話を村山内閣が決められましたのは九月の末です。それで、四月から始まっていた宗教法人審議会は、非公開を前提にして委員の方に自由な意見を言っていただく、非公開であるがゆえに闊達な議論が行われたということがありますが、その村山内閣で決めました審議会の公開の話と今回の宗教法人審議会の非公開との関係について、島村さんはどういうふうに整理をされていますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 お答えいたします。  今回の審議に関する議事録を公開することは適当ではないとまず考えております。  その理由の第一点は、今回の審議は制度改正について行われたものではありますが、その審議の過程では個別の宗教法人の事例に触れることもあり、議事録を公開することはプライバシーの保護の点でまず問題があります。  第二に、これまでの審議は、中立公正な発言を確保するという観点から議事を公開しないとの考え方に立って行われてきたものであり、議事録を公開することは、非公開を前提として議論を進めてきた委員との信頼関係を損ねる、言いかえれば、信義をいわば損ねることにもなります。  しかし、宗教法人制度のあり方につきましては、国民の皆様の関心も大変深いことから、文部省としては、この宗教法人審議会の審議に当たっては、会議の終了の都度、記者クラブにその内容を説明することによって、審議状況等についての情報の提供に努めてきたところであります。  以上でございます。     〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、最後の九月二十九日の宗教法人審議会で、審議会の会長をやっている三角さんが報告を取りまとめるという段階になって、反対論が圧倒的だったというようなことを言う方もおられます。しかし、最後にその三角さんは、委員の皆様方に御一任を願って、会長に御一任を願いたいということで一任をとって、この従来の法人審議会の委員会あるいは特別委員会の議論の経過を踏まえて報告書を作成されました。  最後の三角さんのその一任のとり方が強引ではなかったのかという批判が一部であるんですが、宗教法人審議会の会長が一任をとるときのその会長の権限、あるいは、実際文部大臣として三角さんからお話を聞いたときに、そういう無理な一任をとったのかどうかこれをまず言っていただきたい。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 これは国民の皆様にも御理解をいただくために、あえて何でも御存じのあなたに申し上げますが、宗教法人審議会は十五名から構成されますが、その委員は、十一名が宗教法人関係者、四名が学識経験者から成っております。そして会長は、その委員の互選によってまず選ばれます。その会長自身は、「会務を総理する。」ということが法によって決まっております。  そしてその後、四月二十五日以来、いわば五回の審議会、そして八回の特別委員会を持って、そして慎重に審議をされた結果を踏まえて、会長が皆さんに、意見も出尽くしたのでこのことについて私に報告の御一任をいただきたい、こう言ったところであります。  さらに詳しく申し上げるならば、特別委員会は、二度の審議会を経まして、それぞれの宗教団体の代表者がそれぞれ一人ずつ絞られ、かつ学識経験者が加わり、その構成は、五名がいわば宗教法人関係者、三名が学識経験者、先生御存じのとおりです。しかも、この特別委員会八回において、事態が紛糾し暗礁に乗り上げるような事実は全くなく、まさに整々粛々と絞られた三点を中心に御検討願ったことでございますので、これは十二分に時間をかけ、皆さんがそれなりの意見を十分述べられて決まったことでありますし、後において一任の際に反対者が圧倒的であったりすれば、これは一任を取りつけることはできないわけでありますし、既に予算委員会等でも政府委員等からも御説明しておりますように、その一任に反対したのは、私は二、三名と承知をしているところでございまして、正規のものでございますし、何対何であるかということは、採決をとっておりませんので正確な数字はわかりません。  しかし、先ほど来申し上げておるように、審議会の構成等からよくお考えいただいても、それから審議のいろいろな経過においても、今回法改正の基礎となるその御報告の内容においても、どういう角度から見ても、これは何も強引に何かしなくてもできることでありまして、逆に強引ないわば会議の運営はできないということも言えるわけでありますから、これは極めて当を得た審議会の運営であり、またその結果に基づく御報告である、私はこう受けとめております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、宗教法人審議会の構成は、十五名の委員のうち十一名が宗教の御関係者で構成されておりますけれども、そのうち七人の方がもう一度審議をやり直してほしいというようなことを後になってからおっしゃっておりますけれども、こういう審議会の運営の原則とその後で意見を言う話と、島村大臣はどういうふうにお考えですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 審議金のいろいろな御検討を経て、会長が会務を総理する立場で一任をいただき、その結論をまとめられて御報告をいただいた段階までが私たちのいわば責任ある対応をすべきことでありまして、その後の皆さんの御発言までは、私たちはその真意をはかりかねるところであります。  ただ、これも御理解いただくために申し上げますけれども、私は、後で何か異議を増えられた方と称する方々の構成を見てみました。ところが、その七名のうちの三名の方は、何と特別委員会八回の審議にも参加されている特別委員の方なんであります。もしその内容に問題があったり間違いがあるということであれば、その整々粛々と運営された特別委員会の段階でその意見は申し述べられるべきであった、私はそう思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 それで、審議会に実際に出ていた文化庁の小野次長に伺いたいんですが、過日一部で報道されました、最後の場面で、審議会をもう一度やれ、もう一度やりますというくだりがあるんですが、そのもう一度やれ、やりますという話は、あなたは聞いていましたか。あるいは聞いていたとしたら、どういうことでもう一度やれという話になったんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  私の記憶では、会議終了後に、この審議会はもう開かないのかという御趣旨で御発言がございました。私といたしましては、この法案を出しました場合に、収入規模の寡少であるといいますか、小規模法人のメルクマールを審議会にお諮りをしてお決めいただかなければいけない部分がございます、そういったことも含めまして、例えば法改正があった後でこういったことについて審議会をお開きするということは当然ございますという趣旨のことをお答えしたところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、私も、宗教法人審議会の審議は、まず第一は、これは答申ではなくて報告であるという点、あるいはこの改正案が文部大臣の権限限りでも提出できる、そういうことであって、また、なおかつ、十三回の審議会は、私が任期でまだ文部大臣でおりましたときの宗教法人審議会の審議の内容は、審議会が開かれるたびごとに、あるいは特別委員会が開かれるたびごとに、ちゃんと文部省の記者クラブに、きょうはこういう議論があって、こういう方向の議論もあって、いやこっちの議論もあってということは、新聞記者の方に対して非常に詳しく文部省から御説明をしながら物事が進んできた。  何か秘密会でずっとやっていたという話ではなくて、これは、審議会の中でだれがどういう発言をしたと言うことはそれは審議会の運営上好ましくないことですが、きょうはこういう意見が出ました、大体意見の大勢はこうですということは、その都度ちゃんと記者の方々に対してお話をしている、ブリーフをしている。そういうことで、そのぎりぎりのところまでこの審議会の運営というのは透明性を持ちながらやってきたと思うんですが、文部大臣はその点についてどう思いますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 まさにそのとおりでありまして、恐らくあなたがそういうふうに指導をなさったと思われますが、これは大変適切な指導であったと思います。  そして同時に、新聞は、ただ取材をするだけでなくて、その内容をいろいろ発表することが仕事でありますから、もし事実に異なる報道がなされれば、当然その時点で特別委員会なりあるいは審議会の抗議があったはずであります。それらについても極めて整々粛々とこの審議会が進められた、特別委員会が進められたということでありますから、これはまさに透明性を確保するために誠実に努力がなされた、こう思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、宗教法人法という法律が国の法律の体系の中でどこに位置づけられているのかということを国民の皆様方にわかっていただかなければならないわけです。私の理解する限り、普通の任意団体が法人格を得るための根拠というのはまず民法にある、それが原形であるというふうに私は思います。  そこでまず、法人格を得るというのはなかなか理解しがたい言葉なんですが、任意団体である宗教団体が法人格を得るということは、一体どういうふうに島村大臣は御説明しますか。法人格を得るということは、一体どういう効果が発生するのか、どういうことがその任意団体たる宗教法人としてできるようになるのか、それを説明してほしいんです。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 あなたの方がお詳しいとは思いますけれども、やはり法人格を得るということは、それだけ社会的にその権威といいますか、その資格が公認されるわけでありますから、当然その法人においては自由と自主性、あるいは責任と公共性というものを十分踏まえた活動が求められる、こういうふうに思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 私は、法人格を得るということは、ありていに言えば印鑑証明がもらえる、それから自分の名前で土地が登記できる、こういうような法律上の人格、法律行為ができる主体となる、そういうことだと思うのです。ですから、この宗教法人法という法律は、任意団体たる宗教団体が、法律上の人格権を得ることによって法律行為の当事者になる。法律行為の当事者になるなんというのはちょっと難しい言葉ですから、言ってみればいろいろな財産を取得して登記できる、あるいは印鑑証明をもって契約の当事者になれる、そういうもろもろの法律行為ができるようになるのが法人になったという話なんです。  この法人になるという話は、実は明治二十九年にできた民法の原則、民法三十四条というのを見ていただきますとわかるように、明治のときに民法ができましたときに、宗教団体も法人格を得るためには民法の原則によろうという法律になっていた。ところが、これは当分適用しないでということで来て、昭和十五年に宗教団体法という法律ができた。この宗教団体法ができた時代、昭和十五年というのは非常に暗い時代で、昭和の初期からいろいろな宗教弾圧があった。宗教弾圧が事実あった、投獄された方も出た、非常に暗い時代です。  それで、この戦前の宗教弾圧をもって今回の宗教法人法の改正を論ずる方がいるんですが、戦前の宗教弾圧というのは一体どういう時代背景で行われたと思いますか、島村大臣。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 御承知のように、当時は国を挙げて一つのいわば戦時体制をしいていた時代でありますから、いわば国民の中に世論の戸惑いを生ずるような、何か疑義があるとするものはすべて弾圧されるというような感じにあったように記憶をいたします。  そういう意味では、当時の社会背景と今日の社会背景を同一に置いて、そしてこれをいろいろ問題視することはいかがなものか、こう思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 実は、昭和の時代に入ってから大不況になり金融恐慌もあり、あるいは中国大陸においていろいろなこともあって、また国内では五・一五事件とか二・二六事件とかいろいろな忌まわしい事件があって、時代がどんどん暗くなっていった。  その中で国家総動員法という法律もでき、治安維持法という法律もでき、そして宗教団体法という法律もできて、特にその宗教弾圧をしたのは治安維持法に基づいてやったんですよ。そうでしょう。治安維持法に基づいて弾圧をやったんですよ。これは、国家の宗教政策、あるいはあの当時の暗い時代背景というものは私はもう受け入れることはできない。大変日本の運命を変えた暗い時代が昭和十年代だと思うんです。  そこで、今回の法律改正の中にそのような宗教を弾圧するような要素があるのかどうか。そうでしょう。  もう一つ大事なことは、あの時代には治安維持法もあった、国家総動員法もあった、あるいは特高警察という警察もあった。そのほかに、最も大事なのは、自由な言論があの時代にはなかったというのがポイントなんですよ。そういう時代の中で宗教法人、宗教団体が弾圧されたという歴史は事実あったんです。  あなたは、今の時代にこの法律改正をやることによって、宗教法人、宗教団体が不当に弾圧される要素ということをどこかで見出しますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 結論から先に申し上げれば、全く見出せません。  今回の改正は、これは国民の皆様にもぜひ内容を見ていただきたいと心から願いますが、この今回の改正こそは、まさに宗教法人の民主的な運営、あるいは透明性を確保するためのもの、そして所轄庁においては、今後二度とオウム真理教のような事件が起きないように、その努力といいますか、これは万全のものではもちろんございませんが、少なくも所轄庁と言えるだけの責任が果たせる最小限のもの、こういうことでございますから、私はあなたのおっしゃることに、全く考え方に賛成です。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、法律の内容について一つずつ丁寧にお伺いいたしますので、これはテレビを通じて国民に御理解をいただくということも大事なので、丁寧にやっていただきたい。  一つは、機関委任事務という、国民が余り聞きなれない言葉があります。そこで、宗教法人に関する仕事、法律用語でいえば宗教法人に関する事務なんということで、宗教法人に関する仕事はもともと国が持っていたのか地方が持っていたのか、あなたはどっちに思いますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 これは国が持っていたものであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 要するに、地方自治とかそういうことではなくて、もともと国の事務だと。  それでは、なぜ昭和二十六年に法律をつくったときに、その一部を機関委任事務という形で、この仕事は都道府県にお願いします、国にかわって国としての権限を行使してください。これはあれなんですかね、国が機関委任事務をするということは、二信組の問題でも機関委任要務ということが出てきましたし、今回の沖縄の問題でも機関委任事務ということが出てきましたけれども、これは地方の都道府県知事がその職務を行うときには、それは知事の資格で行うのじゃないんですよ。そうでしょう。国の仕事のまさに代行者として、国にかわってやるという仕事が地方自治法上定められているんです。  その昭和二十六年に、本来は宗教法人に関する事務は国の事務なんだけれども、都道府県にこの部分はお願いします、それはどういう仕分けでやったんですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 昭和二十六年といえば、まだ戦後の傷跡が大変に厳しい、いわば大変混乱し疲弊していた時代であります。当然のことに、交通手段においてもそうですし、情報通信その他の機能も今日とは全く比較になりません。経済の規模におきましても、たしか名目GNPで八十七倍今日膨らんでいるわけでありますから、家庭状況その他すべてのことを考えましても、社会環境も違う、あるいは宗教法人の実態も違うということが言えると思います。  当時は、単立の宗教法人が一応基本であった。また同時に、そんな今日みたいな大きな展開があることは予測しがたかった、そういう状況にあったと思いますので、本来国が所管すべきものをいわば都道府県知事に機関委任をした、こういうふうに受けとめております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 小野次長、今の昭和二十六年のときの、国が本来自分の事務だから自分のところで持っておく、あるいは機関委任事務として都道府県に渡すという、その目安というか、そこの境目は、その当時の法律はどういうふうに書いてあるんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  大臣からもお答えを申し上げておりますように、宗教法人に関する事務というのは、そもそも国の事務ということで当時から理解をされておりました。  ただ、実態といたしまして、宗教団体の活動が、当時の時点では一般的に狭く、地域性を有していた。地域に密着していた宗教団体が多かった。それから数も非常に多かったということで、すべての宗教法人の認証を文部大臣が行うということは、事務処理上もやはりいろいろ難しい問題もあったということを考慮されて、当時の時点で、他の都道府県内にある宗教法人を包括いたします宗教法人、教派とか教団とかそういったものでございますけれども、そういったもの以外は、機関委任事務として都道府県知事が所轄するということにされたものでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 その話は要するに、何々宗本山は文部省の所轄で、末寺は都道府県が所轄する、そういうふうに理解していいんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘のとおりでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 しかし、その当時も単立法人という法人があったはずで、いわゆる我々がイメージする本山、末寺というほかに、一都道府県あるいはそういうところで一単立て成り立っている法人もあった。単立法人はどっちが所轄していたんですか、文部大臣。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 都道府県知事でございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 どういう背景で法律ができたか私は知りませんが、そのときに、立法者が考えたことで、単立法人が一度止まれて全国に展開していくということを予想してつくった法律かどうか、それはお答えいただきたい。     〔鈴木(宗)委員長代理退席、委員長着席〕

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  当時の時点では、宗教団体の活動が一般的に非常に地域に密着をしていた、狭く地域性を有していたということがございますので、恐らく交通事情等もそんなに発達していなかったわけでございますので、今日のような大規模な拡大といいますか、そういったことは予想していなかったものというふうに考えております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、全国で約十八万三千ある宗教法人のうち、実際文部省が所轄をしている宗教法人は三百七十三ですから、ほとんどは都道府県が所轄をしているわけです。  そこで、宗教法人側の心配も少し考えてあげなきゃいけないのは、所轄が変わると何か非常に厳しい監督をされちゃうんじゃないかとか、所轄が国にかわるとすごく国がいろいろなことを言ってくるんじゃないかとか、そういうことがあるんですが、その三百七十二、事実文部省が所轄をして宗教法人が設立されているわけです。三百七十三の宗教法人、現に文部省が所轄をしている宗教法人から、国が我々を所轄しているために非常な不都合があるとか、いろいろな干渉を受けるとか、そういう苦情を聞いたことがありますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 全くございません。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、その所轄をかえるということは、先ほど小里委員から御質問があったように、別に再認証をするわけではないし、法律上の適用のあり方が変わるわけでもない。ただ所轄がかわりましたということを先方様に通知するだけというんですが、しかしまあその前に、二都道府県以上にまたがっている広域法人かどうかということは、広域ですよ、広域法人かどうかということは少し調べなきゃいけないと思うんですが、これは法律の適用が変わるのかどうか、あるいは監督権限が強化されるのかどうか。これは一体、所轄庁をかえるのは監督強化のためなのか、住民の利便のためなのか、国民の利便のためなのか、そこはやはりはっきりしなきゃいけないです。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 肝心なことは、監督権限が強化されるという事実がないということであります。当然、国民の利便あるいは国民の理解、国民の安心、それらに配慮したところであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 もともとこの宗教法人法の中には、いわゆる宗教活動の内答にわたって国が干渉したり、所轄庁が干渉したりするような規定は実は一つもないんですよ。一つもないんです。そういう意味では、宗教法人あるいは宗教団体の活動自体に口を出すような規定もありませんし、そんな規定があったら憲法違反の規定になるのでそんなことはこの法律に書いてない。  しかし、宗教団体側は、どうも国に所轄が移るのは何となく気分的に嫌だと言うのですけれども、それは文部大臣、どうも国に移るのは嫌だなと思っておられるところに、この場でちゃんと、法律の適用も何も全く変わりませんということははっきり申し上げておく必要があるのですよ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 都道府県から国に所轄が移りましても別に国家権力云々という言葉は全く当たらないことでありますし、法律が変わることでもございません。認証のし直しをすることでもございません。従前と全く同じことでございますから、何か恐れるようなものは全くないはずでありますし、現実に、ほとんど大きな宗教団体というのはいわば国の所管になっているということも御理解いただきたいと存じます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、宗教法人というのは、私は多分公益法人だと思うのですが、公益法人じゃないという議論もあるのですよ、公益法人ではないと。大乗的な立場に立つと公益なんだけれども、小乗的な立場に立つと、これは専ら個人の幸せを願うのだから公益ではなくて個人の私益であるという議論もある。しかし、私は、広く宗教が果たしている役割を考えれば、これは公益法人だと思います。  そこで、その公益法人が、例えば民法の原則によって設立された社団法人、財団法人、あるいは法人が私立学校法というような法律によって設立された、あるいは社会福祉法人という法人の形態もあります。いろいろな形態がありますが、宗教法人が公益法人であるという根拠は一体どういうふうに説明するのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御承知のように、宗教法人は、宗教の教義を広め、儀式行事を行う、及び信者を教化育成するということが主たる目的であるわけでございます。こういった目的、こういった活動を通じまして、人の心を安定させる、あるいは人々の精神を安定させ、あるいは文化の向上を図るということでございますれば、そういったことの中身からして公益に資するものであると私どもは考えているわけでございます。  なお、先生御承知のように、民法三十四条でも「祭祀、宗教、」云々で公益法人という規定があるわけでございまして、一般的には宗教法人は公益法人であるというふうに私どもは考えております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、今の所轄の問題なのですが、せっかく都道府県に渡してある所轄を国に引き揚げるということは、地方分権の精神に反するのじゃないかという意見もあるのですよ。だから、これに対しては有効な反論をしておく必要があるのです。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 的を射たお答えができるかどうかはわかりませんが、これは地方分権の云々というものとはおのずから異質のものだと思います。  もうこれは何回もいろいろ御論議をいただいたところでございますけれども、要するに、複数の都道府県にまたがった宗教法人に対して、所轄庁とは名ばかり、認証のしっ放しの現状をほうっておくこと自体の方が無責任でありまして、地方分権とかいう一つの流れというのは尊重しなければいけませんが、その前に、やはり国民が安心し、自分の安定した生活を営めるその環境を守るのが国であり地方自治体のいわば責務でありますから、そういう意味では、この点だけは地方分権云々ということは全く当たらないのではないか、そう受けとめております。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 若干補足させていただきます。  地方分権の問題でございますけれども、先ほど来お話ございますように、宗教法人に関する事務はもともと国の事務を機関委任事務としているものでございます。  今回、必要最小限度の法改正をお願いしておるものでございますけれども、先ほど来御論議が出ておりますように、二以上の都道府県にまたがっております場合に、一つの都道府県知事では自分の管轄外のことについて適切な対応ができないということもございます。そういった点を最小限補う、むしろ国と地方との適切な役割分担を果たそうという趣旨も、今回の所轄庁をかえることについてはそういった考え方もとっておるわけでございまして、私どもとしては、地方分権の考え方に逆行するというふうには考えていないところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 次に、情報開示ということが今度は出ていますが、いわゆるディスクロージャーという言葉も使われていますけれども、情報開示について法律はこういうふうに書いてあるわけです。  要するに、情報を見せてくださいと言えるのは信者と利害関係人。ただ見せてくださいと言って見るんではなくて、正当な利益があった場合のみ見せてくださいと言える。それから、情報開示を要求された側の宗教法人は、不当な要求は拒むことができるというふうにも書いてある。  そこで問題は、宗教法人、宗教団体側も心配がいっぱいあるわけですよ。それは、にせ信者とか総会屋的な信者が、あるいは今まで教団に確かにいたけれども教団の組織を裏切って外に出た人が開示を請求するとか、いろいろな嫌なケースがある。それは当然なんですよ。中のことはなるべく中でちゃんと民主的に、自主的にやっているんだからそれでいいでしょうということはあるんですが、まず、情報開示をするということの社会的要請があるのかどうか、あるいは情報開示自体に今後の宗教法人を運営する上で非常に意義のあることなのかどうか、この二点についてお伺いしたい。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 宗教法人につきましては、その自由と自主性、責任と公共性を尊重し、所轄庁の一般的な監督権は規定されておらず、所轄庁の関与は必要最小限となっておりますことは御存じのとおりで、宗教法人にはその運営の民主性、透明性がおのずから求められているところであります。  今回の法改正は、閲覧について、正当な利益のある信者その他の利害関係人に限って、宗教法人に備えつけられている書類の閲覧請求権を認めることとしているわけであります。これによりまして、これらの者の一層の利便を図り、かつ宗教法人の適正な管理運営に資することを目的とするものであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そういう情報開示の社会的意義がある、透明性を高める意味でも意義がある、そういうことなんですが、それは宗教法人側は心配していますよ。信者と言われたってだれが決めるんだ、信者と。自分で名乗り出た人が信者なのか。一体だれが信者と決めるのかと。  信者というのは、一体教団にとってはどういうふうに決められるのか。あるいは宗教法人法上、運用していく上に、信者というのは一体だれが決めるのか。だって、にせ信者が来たら困るでしょう。それは大事なところなんですよ。信者というのは一体だれが決めるのですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 これは、各宗教団体がそれなりの基準を設けられることになるのだろうと思います。  ただ、先ほどあなたも御指摘になられましたように、まさに一義的には宗教法人がそのいわば情報開示の必要性を判断するということでありまして、しかも、その人が正当な利益によるものであり不当な目的でないということの判断を宗教法人がなさるということは、いろいろ恐れる気持ちが全くないだろうというふうには思いませんが、これは御心配無用である、こんなふうに受け取っています。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 これは、法律は条文だけで将来解釈されるのではなくて、あなたの答弁もまた将来の法律を解釈する上で大事な発言なんですよね。ですから、あなたが言われたように、信者というのは、その開示を要求された宗教団体、宗教法人が、この人は信者です、信者でないということを言えるわけですな。それは宗教団体側が決めていい話ですね。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 大事な点を一つ申し添えますが、これについて紛争がある場合は最終的に裁判所によって決定されるということでございますから、第三者的な判断というものも当然これに加わると思います。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 信者についてのお尋ねでございますけれども、信者等の具体的な範囲でございますが、これは各宗教団体によりましてその特性とか慣習がいろいろ違うわけでございますので、個別に判断すべき問題でございます。  一義的には、先ほどから大臣が答弁申し上げておりますように、宗教法人が判断するということでございますけれども、この点についていろいろな御心配等もございますのでお答えを申し上げたいのでございますが、信者につきましては、一般的には私どもこのように考えております。  例えば、寺院の檀徒あるいは神社の氏子などのうち、法人と継続的な関係があってその財産基盤の形成に貢献をしてこられた方、あるいは総代といったような御地位があるような方で法人の管理運営上の地位が規則等で明確になっている方、それから宗教の教師などで法人と継続的な雇用関係にあるような方、そういった方がここで言います正当な利益がある信者であるというふうに考えているところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 わかりました。信者というのは宗教法人側が決める、宗教団体が決める、その範囲だ、こういうことですね。しかし、争い事があったら最終的には裁判所で決める、こういうことでいいのですな。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 そのとおりであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 次に、利害関係人が情報の開示を求めるということが書いてある。利害関係人といっても、いっぱいお金を貸してあるとかそういうのがすぐ頭に浮かんでくるのですが、利害関係人というのは幅広いですから、一体どういうものが利害関係人がわかりませんけれども、文部大臣の頭の中にある、例えばこういう者が利害関係人だというのはどういうものですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 利害関係人の範囲でございます。これはそれぞれの書類に閲覧請求を求めるについての正当な利益のある利害関係人ということでございますが、例えば、一般論でございますが、債権者あるいは保証人などで法人と取引等の契約関係がある方、あるいは法人の行為により非常に大きな損害をこうむって損害賠償請求権を持っておられるというような方、それから、宗教法人でございますので、当該宗教法人に対して包括宗教法人の立場にある、あるいは逆に被包括関係にある宗教法人、こういったものが一般的には考えられるところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 これはもう少しわかりやすく説明していただきたいのですが、要するに、何らかの、お金を貸してあるとか、そういう民法上の債権債務関係にある人間、それから、ありていに言えば本山と末寺の関係はどうですか。本山は利害関係人ですか。本山は末寺に要求できますか、開示を。あるいは末寺が本山に要求できますか。どっちですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  本山と末寺というお話でございますが、包括宗教法人とそれから被包括宗教法人の関係にあるその両者においては、ここで言う利害関係人に入るというふうに思っております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 じゃ、一方通行じゃなくて、相互に情報開示を要求できるというふうに理解していいですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘のとおりでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、情報開示を要求できるためには正当な利益がなきゃいけない。正当な利益、これは非常に抽象的な言葉で、正当な利益というのは今から想定するのは難しいのですが、この立法を作業するときの正当な利益というのは、一体何を指して正当な利益ということを考えたのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 これは、閲覧請求権が認められる信者、利害関係人の具体的な範囲の問題でございますけれども、個別の閲覧を求める書類によってそれぞれの関係が出てくると思うわけでございますけれども、いずれにしても、当該書類を閲覧請求するについて正当な利益があり、しかも不当な目的でないということが明確になっているということが基本になるわけでございます。  具体的な利害関係人の範囲については、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 正当な利益というのは、その宗教法人がきちんと運営されているかどうかということなのか、そういうことを確認したいということなのか、あるいは自分は利審関係人としてある種の債権を持っているから、債権を回収するためには相手の中身を知りたいということなのか。それは宗教法人が適正に運営されるために開示を要求するということが正当な目的なのか、あるいは債権を確保するということが目的なのか。両方あるかもしれませんが、それはどうなんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 ただいま御質問ございました両方の場合を私どもは考えておるわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこでもう一つ、私は、ディスクロージャーの問題は他の公益法人一般の問題と同じではないかと思っていたのですが、社団法人あるいは財団法人に関してはそういう閲覧請求権がないわけですけれども、この宗教法人に対してだけこういう情報開示を求めるというのは、これは他の公益法人、すなわち、社団法人あるいは財団法人と比較考量して不当なことではないかという議論も実はあるのです。それに対してはどういうふうに答えるか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  民法法人につきましては、主務官庁の一般的な監督権が規定されているわけでございます。それから、閲覧請求権というものは規定されておりませんけれども、会計基準が決められておる、あるいは現在でも財務会計書類等の備えつけ義務があるということで、こういった趣旨は、法人の資産状況等を第三者に知らせて取引の安全を図るためだということで、民法法人にはそういう規定があるわけでございます。  これに対しまして宗教法人でございますが、先ほど来大臣からも御答弁申し上げておりますように、宗教法人につきましては、その自由と自主性を尊重する、所轄庁の一般的な監督権は規定されていないわけでございます。したがいまして、所轄庁の監督権というのではなくて、宗教法人自体の方から、宗教法人の側からの民主的あるいは透明性のある管理運営が求められておるわけでございます。  今回の改正で閲覧請求権を認めるべきだというふうにいたしましたのは、そういった閲覧を、正当な利益のある信者その他の利害関係人に閲覧請求権を認めることで、そういった信者等の一層の利便を図ることとともに、宗教法人の適正な管理運営に資する、透明な運営あるいは民主的な運営に資する、そういったことをねらっておるものでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 信者の範囲が各教団、団体によって違うわけですので、こういうことをすると法人に無用な混乱を招くのではないか、そういう議論も実はあって、そのこともここではっきりしておかなければいけない。小野さん、どうですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 ただいまの点につきましては、宗教法上の側からもそういった意見がかなりあるわけでございます。しかも、こういった閲覧請求権を認めることで、いわゆる宗教法人を害する目的、宗教法人をトラブルに巻き込む目的で、いわゆる総会屋的な方が書類を見せろあるいは財産目録を出せということで宗教法人が迷惑をこうむるということも考えられるわけでございます。そういったこともございまして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、第一義的には宗教法人が御判断なされるというのが一つでございます。  そしてさらに、正当な利益があり、かつ不当な目的によるものでない、例えば開示を求めることでその求めた情報をどこかにオープンにしてしまうとか、あるいはそれをよそに売ってしまうとか、あるいは法人を害する目的でそういった開示を求めるということは、そういった方にまで認める必要はないと思われますので、正当な利益ということで一つ縛るとともに、不当な目的でないということでももう一つ縛りをかけておるところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そうすると宗教法人側は、情報開示を求められても、まず信者でないといって断ることはできますね。それから、信者であっても、向こうが正当な利益を持っていないという場合も断れますね。それからもう一つは、不当な要求だ、不当な理由だという場合も断れますね。  その不当な理由というのは、今小野次長が言った、専ら宗教法人を害する目的のみでそういう嫌がらせ的なことをやるとか、いろいろな類型が考えられるのですが、これはもう一度、不当な理由という、不当目的ということは一体どういうことなのか。これはやはりちゃんと明らかにしておかないと宗教法人側は不安を持つわけですよ、こういう規定は。ですから、もう一度、不当目的では拒める、この点についてきちんと説明してほしいのです。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘のございました不当な目的、どんなものが考えられるかということでございますが、私ども考えておりますのは、具体的に申し上げますと、例えば、宗教活動を行うこと以外の目的で、宗教法人を例えば買収しようというような目的でそういった財産目録等を見せろ、あるいはその得た情報を買収目的で利用しようとしている第三者に提供することを目的として閲覧請求を出してくるような場合、これが一つございます。  それからもう一つは、宗教法人が一般に公開していない情報を、例えば情報提供業者、そういったところに売却してお金をもうけようといったような目的で備えつけ書類の閲覧を請求する場合、こういった場合も不当な目的だと思います。  さらには、宗教法人を誹謗中傷するためにいろいろな資料を得ようということで書類を見せるという場合、あるいはそういった形で得た資料を誹謗中傷する目的でそれを利用しようとしている第三者に提供する、そういう目的でもって見せろといったような場合、そういったような場合が考えられるわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、見せろ見せないの話になって、片方は正当な利益を主張し、片方が不当な理由だから情報開示はできないという争いになったときにはどうすればいいのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 宗教法人の側で、こういった不当目的であるということがわかればそこでお断りをするわけでございます。断られた方が、じゃどうするのか。第一義的には、宗教法人が断るわけですから閲覧請求はできないわけでございますけれども、どうしてもそれを見たいということであれば、裁判所に訴えて、そして出訴いたしましてその目的を達するということが手段としてはあろうかと思います。最終的に、そういう争いになった場合には裁判所の判断によるということになると思うわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 それじゃ、見せてくださいという話になって、どこまで見られるのか。伝票の果てまで見られるのか、あるいは備えつけてある最低限の書類を見られるのか。その情報開示が要求できる範囲というものもはっきりしておかなければいけない。何から何まで見せてくださいと言えるのか。たんすひっくり返してもいいのかどうか。そんな話では多分ないと思うのです。  情報開示ができるその情報の範囲というのは限られていると思うのですが、その範囲についても明確にしておかなきゃいけない。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  情報開示を求める内容でございますけれども、その方がどういった目的で情報開示をしたいのかということがあるわけでございますが、その目的が正当である、そして必要な正当な利益があると考えられる書類についてのみでございます。しかも、この書類というのは宗教法人が備えつけを義務づけられている書類、これに対してのみ閲覧請求をできるということになるわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 備えつけてある書類というのは一体何かということです。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この改正法が成立した後の話でございますが、法律で備えつけが義務づけられる書類といたしましては、規則及び認証書、役員名簿、財産目録、それから収支計算書並びに貸借対照表を作成している場合には貸借対照表、それから新しく求めます境内建物に関する書類、それから責任役員その他規則で定める機関の議事に関する書類、それから事務処理簿、それから収益事業等を行っている場合はそういった事業に関する書類、以上、二十五条の第二項に定められている書類でございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そうすると、情報開示は現行法の二十五条に書いてあるいろんな書類の範囲内でということですな、文部大臣。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 御指摘のとおりであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、宗教法人法というのは、余り罰則は書いてないというかほとんど書いてないんじゃないかと思いますが、この閲覧請求権に関しても罰則がないのはなぜかということを教えていただきたい。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 今回の法改正でございますが、閲覧について正当な利益のある信者その他の利害関係人に財務会計書類等の閲覧を認める、そういうことによりまして、これらの方々の一層の利便を図る、そして宗教法人の民主性、透明性を高めて適正な管理運営に資するということを目的にするものでございます。  したがいまして、宗教法人の自由と自主性を尊重する、こういった現行法の基本的な考え方に配慮して閲覧請求を認めるわけでございまして、こういう観点から、罰則によって信者等への閲覧を強制するということは今回の改正では控えまして、争いがある場合には裁判所にゆだねるということにしているところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、宗教法人ができ上がった後、実は、宗教法人から所轄庁に届け出がある場合というのは、まあ法律用語で言えば登記事項、いわゆるその宗教法人の本拠とか代表者とか、そういう登記に必要な、登記すべき事項について変更があったときには届け出がありますけれども、そのほかについては全くそういう義務を負っていない。ただ、宗教法人側が自主的に役員名簿とか財産目録とかということを備えつけておいてくださいね、今そういう規定になっていますね。  それで、今までの宗教法人法二十五条に書いてある備えつけの書類と今度新たに備えつけておかなければならない書類に何か差はありますか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この改正法によりまして、備えつけを義務づける書類が若干ふえるわけでございます。  その中身は、一つが収支計算書でございます。それから二つ目が境内建物に関する書類でございます。なお、収支計算書につきましては、いわゆる規模の小さい宗教法人等にそういった収支計算書全部の作成を義務づけるということは現状から困難な点もございますので、附則におきまして、当分の間、一会計年度の収入の額が寡少であるというふうに文部大臣が定める額、その額の範囲内にあるいわゆる小規模な法人については、備えつけを免除するという附則を設けているところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 収支計算書などの書類を追加的に備えつけなければならないというふうに決められたのは、一体どういう目的でそういうふうに決められたのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答えを申し上げます。  収支計算書でございますけれども、宗教法人の活動状況を財政面、収支面から客観的に明らかにする書類でございます。この収支計算書は、財務会計書類の一つとして、現行でも、作成している場合には備えつけが義務づけられているものでございます。  今回、収支計算書の作成を義務づけますのは、宗教法人審議会の報告を踏まえまして、宗教法人が宗教団体として毎年元気に活動していらっしゃるかどうかということを所轄庁として把握する必要があるということがございまして、そういった宗教法人法の適正な運用を図るために、新たに収支計算書の作成を義務づける。そして、これについては所轄庁への提出をお願いしているところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、宗教法人側が、今まで備えつけだけでよかったのに今度は提出しなければいけないのかと、そこのところは、大変気持ちの上でも実務上も負担になっていると思うのですよ。だけれども、なぜ提出する必要があるのか、なぜ提出義務を今回の法律で課すのか、そこはやはりはっきりしておく必要があるんですよね。文部大臣、いかがですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 与謝野先生よく御存じのとおり、現行の宗教法人法は、認証いたしましたら、その時点での書類以外は全く閲覧その他もできない。なるほど法律上いろいろな書類を備えつけることが規定されてはおりますが、閲覧権そのものもない、こういうことでございますから、これでは所轄庁は名前だけのものになってしまう、こういうことであります。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 大臣が答弁されたとおりでございますが、若干補足させていただきますと、今回の法改正で備えつけ書類の提出を義務づけるということは、宗教法人がその目的に従って活動していらっしゃる、毎年元気に活動していらっしゃるということを所轄庁として継続的に把握し、継続的に把握することで宗教法人法を適正に運用できるようにしようということでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 しかし、宗教法人側にしてみれば、財務会計書類には必然的に宗教活動に関する書類も含まれているのじゃないか、そんなものまでなぜ出す必要があるのかという気持ちも実際はあるんですよね。  こういう提出義務を課するということは、国家が宗教活動自体に介入するのではないか、そういう議論もあるのですが、それに反論はありますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 御存じのとおり、文部省の宗務課も現在九名ですし、東京都が四名、その他が二、三名と承知しておりますが、これは大体兼務でございますし、我々は、これらに深く介入し、何か宗教法人の純粋な、正当な宗教活動に踏み込むなどという考えは全くありませんし、また同時に、そういうことを許さない社会環境が現実にも築かれておる、こう考えております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 その答弁はどこか変なのですよ。担当の人数が少ないから介入していかないのだとか、そういう社会環境じゃないから介入しないのだとかという答弁は、実際は法律の話をしているんじゃないのですよ。  ですから、やはり、この提出義務を課することがどういう社会的要請に基づいているのか、あるいは他の民法法人等と比較考量してどうなのか、あるいは宗教法人を認証、認証というのは宗教法人を設立した後の、どういうことをされているのかという基礎的な知識はやはり持つ必要があると思うのですよ、私は。  ですから、今回のその提出義務を課した書類が、今の話は私はちょっと答弁を訂正してもらわなきゃいけないのだと思うのですが、やはり人数が少ないから国家が介入しないという話じゃないのです。法律上ちゃんとこうなっているから大丈夫なんですということを言っていただかないと、ますます皆さんが不安に思うのですよ。どうですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 なるほど、今、これらを担当する人員云々は適当な答弁でないと思いますから、これは訂正をいたします。  ただ、管理運営の客観的な資料というものをある程度のものはいただいておきませんと、我々自身が責任ある対応ができない、こういうことでございます。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 補足して申し上げたいと存じます。  宗教法人法二十五条二項の財務会計書類、先ほど与謝野先生御質問ございましたように、これは宗教法人の個々具体的な活動内容をあらわすというものではなくて、もちろん総体としての財務会計の状況を客観的に記載したものでございます。  また、その書類をいただくわけでございますが、今回の法改正で財務会計書類等の提出をいただきますのは、宗教法人がその目的に沿って活動していらっしゃるということを所轄庁が継続的に把握して、宗教法人法の適正な運用を図るためのものでございます。  なお、この二十五条で提出をお願いするわけでございますけれども、二十五条に第五項という規定を新しく設けまして、これは財産関係の書類等を提出いただくわけでございますけれども、それをもらった所轄庁でございますが、所轄庁は、前項の規定により提出された書類を取り扱う場合においては、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければいけないという留意規定も設けているわけでございまして、こういった観点からも、いわゆる信教の自由の侵害につながらないように最大限の配慮を行っているところでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、例えば宗教法人側がそういう書類を提出しました、お役所に提出したけれども、その提出した書類は、やはり宗教法人側としては自分たちの情報なのできちんと管理をしてほしいというのに、ぱらぱらぱらぱら表に出てしまうというようなことはありませんか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この法二十五条四項によりまして所轄庁に提出された書類でございますけれども、当然その内容については、公務員の守秘義務のある秘密に該当する場合があるというふうに私ども思うわけでございます。したがって、これを所轄庁として書類をいただくわけでございますけれども、当然その守秘義務をきっちり守って、不当な目的やほかの目的に使わないということは考えていかなければいけないことだというふうに思うわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、国会には議院証言法という法律があって、議院証言法に基づいて証人喚問もできますし、書類の提出の要求もできるということになっておりますが、国会の国政調査権、この一般的な調査権、それから議院証言法に基づいた国政調査権、これとこの提出された書類との関係はどうなっているのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この書類をいただいた所轄庁としては守秘義務があるということを先ほど申し上げたわけでございますけれども、この職務上の秘密に当たる事柄につきまして、国政調査権に基づく要請、国政調査権によってその中身を明らかにしろという御要請があった場合でございます。  これに対しては、それにこたえるかどうかは、守秘義務により守られます公益と、それから国政調査権の行使により得られる公益、両方ともそれぞれの理由があるわけでございますけれども、その双方の公益を個々の事案ごとに比較考量して考えていかなければいけないものだというふうに思うわけでございます。  したがって、この二十五条四項の提出書類の取り扱いにつきましても、個々の事案ごとに判断しなければいけないことでございまして、一概には言えないわけでございますけれども、一般論でございますけれども、その記載内容が秘密に属するような場合に、その開示は控えざるを得ない場合も当然あり得るというふうに思うわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、先ほどもちょっと触れましたけれども、実際は、地元では小さなお寺、住職さんがおられなくて、一人の住職さんが何軒もかけ持ちでお寺の管理をしているという場合もありますし、小さな神社もありますし、そういうものも実は法人格を取っているわけですが、そういう法人がここで書いてあるような書類を全部出せと言われても、とてもそんな能力がないという場合もあるわけですよ。  それで、この小さな宗教法人に対して何らかの配慮をする、そういうおつもりなのか。その辺はやはり、法律に書いてありますけれども、どういう基準で、どういうところはもうその書類は出さなくていいというふうに決めるのか。その辺は、全国十八万三千も宗教法人がありますから、全部が全部書類を作成する能力はない、そういうときに一体どうするのか。その基準は決めてあるのか、これから決めるのか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 お答えいたします。  今回の法改正では、宗教法人審議会の報告を踏まえて、宗教法人が宗教団体としての要件を備えているか等についての実態を所轄庁が把握し、宗教法人法の適正な運用を図るため、一定の書類の作成、提出を義務づけることとしているところであります。  しかしながら、規模の小さい宗教法人、とりわけ地方に所在する、ごく小規模で専任の管理者もいない、管理者すなわち住職とか宮司と言えると思いますが、そのような宗教法人については、実際上直ちに実施することが困難であることが予想されるようなところについては、まだ細部は決めてはおりませんが、当面収支計算書等を作成しなくてもいい、こういうことになっているところであります。  このため、正確に言いますと、新たに作成義務を課すこととしている収支計算書について、収入額が寡少な宗教法人については当分の間その作成義務を免除することとし、その点配慮しておるところであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 作成義務を免除する。それから提出義務も免除するのですか、どっちですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 提出義務も免除をいたします。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 ですから、つくらなくてもいい、つくらなくてもいいんだから提出しなくてもいい、こういう話ですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 おっしゃるとおりです。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、小さいところは作成義務は免除されるので提出もする必要はない、こうおっしゃっているのですが、そういう小さいところというのは、文部大臣の頭の中でどの程度のことが考えられるのか、あるいは、そういうものを実際との程度は免除するかというのは一体どこの場所で議論をするのか、小野次長にお伺いしたいですね。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘の、規模の小さい宗教法人をどのように決めるのかということでございますけれども、これは文部大臣が額を決めるわけでございますが、文部大臣が額を定めるに当たりましては、あらかじめ宗教法人審議会にお諮りしてその意見を聞くということを考えているわけでございます。  私どもといたしましては、宗教法人の収入の実態、あるいは規模の小さい宗教法人の運営の実態、それから宗教法人の事務処理能力の実態、それから収入金額等により、ほかの法人で義務や負担を区分している例、ほかの制度の例との均衡、こういったものを勘案しながら決定を考えていきたいというふうに思うものでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 要するに、これは文部大臣が勝手に決めるのではなくて、ちゃんと宗教法人審議会あるいは宗教関係者の意見を聞いた上で適正な水準にする、こういうことですね。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 おっしゃるとおりであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 次に、今度、法律の改正の中で、所轄庁側が宗教法人側に報告をちょっと追加して出してくださいとか、あるいはこういう点ほどうなっていますかという、いわゆる報告徴収・質問権ということが書いてあります。これは、国家権力が土足で宗教法人の中に立ち入っていろいろ物を聞くというのは、本来は好ましくないんです。好ましくないんですが、今回この規定を設けたという全体の趣旨をまず説明してほしいんです。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。  現行の宗教法人法でございますが、収益事業の停止命令、七十九条でございます。認証の取り消し、八十条。それから解散命令請求、八十一条。この三つの事柄につきましては、所轄庁として停止命令を出すとか、あるいは取り消しを行うとか、かなりきちっとした権限が規定されておるわけでございます。  しかしながら、先ほど来大臣からも答弁申し上げておりますように、所轄庁がこういった事態に当該宗教法人が該当しておるという疑いを持っている場合であっても、現行法ではそれを確認する手段が規定されていないわけでございます。  そういったことがございまして、今回の法改正では、法七十九条、八十条、八十一条、こういった規定に定めます事由に該当する疑いがあるというふうに考える場合には、所轄庁といたしましては、宗教法人審議会の意見を聞いた上で、当該法人から報告を求めたり、あるいは質問することができるというふうに制度を設けたものでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、七十九条、八十条、八十一条というのを具体的にお伺いします。  まず、宗教法人として認証したんだけれども収益事業ばかりやっているとか、あるいはやっている収益事業が内容が好ましくないとか、そういう場合には収益事業の停止命令をかけることができる、そういうことですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘のとおりでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 じゃ、文部大臣、お伺いしますが、好ましくない収益事業をやっている、あるいは収益事業だけしかやってないというようなことをどうやって判定するんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 現行法におきましては、そういった事態を把握するということが所轄庁はできないわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 わかりました。要するに、法律にはこう書いてあるけれどもそれを知るすべがない、こういうことですな。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 私も答弁にちょっと困惑したんですが、まさにそのとおりでして、七十九条、八十条、八十一条、それぞれ権限がきちっと規定されておりますものの、内容が全く把握できないというのが現実であります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、八十条の規定は、法人の設立、これは規則の認証と言っていますけれども、実際は法人の設立の許可とほとんど同じ言葉だと思いますが、法人ができちゃった、しかし、法人をつくっちゃった後に、どうもそれは宗教法人にふさわしくないというときには、一年以内に文部省あるいは所轄庁限りにおいてその認証を取り消すことができる、要するに法人格を奪うことができる、そういう規定になっていますね。それは、ふさわしくないというのはどうやってわかるのですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 一年以内であれば、具体的にその事実が把握できればその認証を取り消すことはできますが、先ほど来申し上げておるように、現実には一たび認証いたしますともう何もわからないというのが今までの、現行法の実態であります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 次に、八十一条の規定ですけれども、これはちゃんと要件が書いてありますけれども、法人の解散、法人に解散してもらおうと思っても、法人ができてから一年以上たっているともう役所ではそういうことができなくて、ちゃんと裁判所に行って解散請求を行う。これは相当な法手続が必要で、証拠も必要で、きちんとした根拠がなければ解散請求はできない。今回の例を見るように、一体どうやって裁判所に出す解散請求の書類をつくるんですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 詳しくは、これを行った東京都庁あるいは検察官に聞く必要がありますし、政府委員からまたなお補足説明いたさせますが、私が知る範囲では、検察官の資料をいわば借りて、それを基本に置いた、こういうふうに承知しております。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 先ほどから御答弁申し上げておりますように、これらについて疑いがあった場合でも、所轄庁としてはそれを確認する手段がないわけでございますので、例えば検察当局の資料をいただくとか、そういったほかの方法で判断するしかないのが現状でございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 このオウム事件に対する解散請求は、この法律を見た瞬間に、これは解散請求は出さなきゃいけないという判断に文部省も立った、東京都も立ったわけです。しかし、実際にはこれは裁判所に行って解散請求をしなければならないわけですから、証拠力のある書類をちゃんと提出しなければ、その解散請求の根拠を立証できない。  そういうことになりますと、実際にはあの当時、東京都も困ったわけですよ。実際に東京都が持っていたオウム真理教に関する資料というのは、新聞のスクラップとか雑誌のスクラップとかその程度の書類で、実際には解散請求はできなかったのです。しかし、その当時の法務大臣の前田勲男さんが、解散請求ができる人の中に、所轄庁、利害関係人、検察官と。検察官がいるから、検察官は公益の代表として解散請求もできるから、それでは警察と検察が持っている膨大な資料の中から解散請求に必要な資料だけピックアップして、そして東京都と検察官が協力してそういう請求をしましょうと。解散請求をするということは、あの当時非常に強い社会的要請があって、仮に解散請求をできなかったとしたら、やはり政府や所轄庁の責任は問われることになった。  しかしこれは、検察官がなぜ加われたかといいますと、たまたま刑事事件を起こしていたからこの解散請求に加わることができたんです。刑事事件にまで至らなくても、解散請求の理由に当たる宗教法人というのはたくさんあるんですよ。例えば休眠法人とかですね。そういうものも全国にいっぱいあって、そういうものに対する、やはり少しは物事が知れるという、わかるという、そういう規定は設ける必要があるというのが、私は今回の改正の趣旨だと思うのですよ。  特に七十九条の収益事業の停止命令、あるいは一年以内の認証の取り消し、裁判所に対する解散請求、こういう三つのことは、今のままだと、法律に書いてあるだけで実際にはそういう権限は発動できない。発動するために今回、質問とか報告徴収ということを書いたんだろうと思いますが、これはまず、報告とか質問とかということを書いた趣旨というものは、やはりきちんと国民の前に明らかにする必要があるのですよ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 すべて御存じの上での御質問でございますが、七十九条、八十条、八十一条、我々は、これらの規定に基づく対応をしようとするときに、事情が全くわからないということでは現実には何の責任も果たせないということになりますから、それについて、いわば宗教法人の自主的な御報告等について、特にその三条に触れる疑問があるときには報告を求め、そして質問権を行使する、こういうことでございますので、これは十分とは決して思いませんけれども、やはり信教の自由あるいは政教分離の原則を遵守し、かつ法を改正するとなると、今回はこういう改正でとりあえずきちっと法を改正することが大事である、こういうふうに理解したところであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、小野次長に伺いたいのですが、何かおかしいと思ったら文部大臣はいきなり質問できるのですか、あるいはいきなり報告を出せということはできるのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。  こういった場合に所轄庁が報告を求める、あるいは質問をする、大変疑わしい場合にそのようにするわけでございますけれども、それは所轄庁限りでやるものではございませんで、あらかじめ宗教法人審議会に意見を聞いて、その上で報告を求めるなり質問をするということを行うわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 宗教法人審議会に聞いてというのですが、宗教法人審議会が、余計なことはするな、聞かなくてもいいよと言った場合はどうするのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 宗教法人審議会に一応手続的にお諮りするわけでございまして、恐らく宗教法人審議会も、所轄庁の方から、こういったことが疑わしい、そういう理由でこういう点について報告を求めますという具体的なお話をした上で審議会にもお諮りするということでございますから、そういった場合に、やるべきではないという御判断はそんなにないと思われますけれども、一応宗教法人審議会の意見を聞くということでございますので、その点については、審議会の意見を尊重するというのが第一義的な立場だというふうに思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 わかりました。  宗教法人審議会にちゃんと聞いて、その意見を聞いた上で質問する、報告をお願いするということなんですが、それじゃ今度は、質問の範囲というのは森羅万象に及ぶのか、あるいは質問できる範囲というのは決まっているのか、そこをはっきりしておかないと何から何まで質問されちゃうという話になるので、質問の範囲は決まっているのか、報告をいただける範囲は決まっているのか、そこをはっきりしなきゃいけないのですよ。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この宗教法人に対する質問でございますけれども、七十九条、八十条、八十一条の規定に該当する疑いがある場合に、所轄庁の権限を適正に行使するための基礎となる資料を把握するというものでございます。したがいまして、具体的にどのようなことを質問するかということにつきましては、個別の、ケース・バイ・ケースで判断すべき事柄だというふうに思うわけでございますけれども、具体的にこの七十九条、八十条、八十一条の規定に該当する疑いがあることを、その点を明確にする範囲に限られるというふうに考えているわけでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 ということは、宗教上の事項に介入するような質問をすることはできない、あるいはないというふうに解釈するのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 質問を行いますのは、原則として宗教上の活動に関連のない事項、あるいは公益に反している場合の事項、そういったものに限られるというふうに思うわけでございます。  ただ、解散命令請求については、著しく公益を侵害しているということがございますので、著しく公益を侵害しているような事態については、事柄によっては宗教上の中身に入る場合もあり得るというふうに思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 場合によってはそういうこともあると。七十九条、八十、八十一条の適正な法の運用のためには、それはそんなに今から境目のはっきりする話ではないと思いますが、質問をしたけれどもちょっと回答するのは嫌だ、あるいは報告を求められたけれども報告書なんかとんでもない、出さないと言われた場合は、何か対抗措置がありますか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 一応、虚偽の報告をするあるいは全くお答えをいただけないということであれば、それは罰則による担保の手段がございます。  なお、先ほど宗教上の中身についてもごくまれな場合であり得るというふうに申し上げましたのは、まさに公益侵害をしている、そういう著しく公共の福祉に反するような場合にまさに限定してのお話でございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 罰則によって担保されているという話はもう少しよく説明する必要があるんですが、そう言いましたか、今。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 罰則については、一万円の過料でございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 これはもともとあった罰則、過料なのか、今回新しくつけ加えたものなのか、そこをはっきりしておく必要があるんですよ。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 過料が一万円以下という規定につきましては、今まであった規定をそのまま適用しているということでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 ですから、その過料の額が一万円とかどうかは別にして、そういう規定がある、それが大事なんですよ。  そこで、所轄庁の役人が宗教法人の施設のある場所に来て、ちょっと立ち入らしてください、そして質問さしてくださいという場合に、その施設の中に立ち入りをちょっと勘弁してください、ここは聖なる場所ですと言って断ることができるのか、あるいは税の場合のように質問検査権というものがあらかじめあるのか、その辺やはり心配しているんですよ。どかどかっと来て、ちょっと質問するけれども、これはどうなんだああなんだといって役人に聞かれたらやはり怖いと宗教法人が思っているから、その立ち入りができるのかできないのか、それはやはりはっきりしておかないと皆さん安心しないですよ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今回の法改正におきましては、所轄庁の職員が質問するために宗教法人の施設に立ち入ろうとする場合には、宗教法人の関係者の同意を得なければならないことと明記しているところであります。このため、立ち入りを拒否された場合には施設内での質問はできなくなるわけでありますが、所轄庁としては、それ以外の場所での質問等により必要な事項の把握を行うことになる、こういうことでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、法律改正のもう一点は、宗教法人審議会の定員十五名を五名ふやして二十名にする、そういう改正案が今回出てきているわけですが、その五名ふやすという理由は一体何ですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 現行法では、宗教法人審議会の委員は「十人以上十五人以内」というふうに定められておるわけでございます。これは昭和二十六年以来改正されていないわけでございます。ただ、法制定後、今日までに社会は大きく変化をしておりますし、宗教法人の実態にも大きな変化が生じております。そういったこともございまして、宗教法人審議会は規則の認証等の行政処分あるいは不服審査を調査審議する審議会でございますけれども、これらの案件につきましても、従来にも増して慎重な判断が求められるということもあるわけでございます。  また、今回の法改正に伴いまして、所轄庁が報告徴収あるいは質問を行う場合にも審議会の意見を聞くというような規定も入っておるわけでございます。そういう意味で、審議会の役割というのもますます重要になってまいりますし、審議事項もふえてくるということで、そういったことで複雑多様化することに対応していくために、現在の委員に加えて学識経験者等の委員を増員する必要があるということから、委員の増員をお願いしているものでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、法律の内容はこのぐらいにしまして、文部大臣にお伺いしたいのですが、欧米では、少人数のグループで、カルトというような狂信的な集団をつくっていろいろな困った反社会的なことをやっている。日本でもそういう問題をやはりどこかでだれかが勉強して、そういうものはヨーロッパでもアメリカでも大変な社会問題になっていて、これをどうするのか。これは決して何万人という集団じゃないですよ。例えば三十人とか五十人とかという集団とか百人ぐらいですよ。そういうカルト集団があった場合の対策というのは、いきなり法律でどうかするという話ではなくて、やはり社会現象として、ヨーロッパなんかは相当議論は進んでいますけれども、日本ではカルト、狂信的な小集団に対する勉強が余り進んでいない。これはやはり少しどこかで勉強する必要があるのではないかと私は思うのですが、どう思われますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 全く同感であります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 全く同感だけれども、どこで勉強しますかということを聞いているのですよ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今時点では、具体的にこれを勉強し、あるいは検討するものがあるというふうには思いません。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 総理に申し上げておきますが、これはヨーロッパ、アメリカでは困っているのですよ、そういう狂信的な集団、反社会的な集団がいて。そういうものについては相当議論をやっていますので、そういう社会問題は少し外国の例も勉強し、そういうのはやはりどこか少し情報とか勉強とかということを進められた方が私はいいのではないかと思っております。  そこで次に、こういう議論があります。宗教法人法を改正しなくても、破防法さえ適用すればいいんだ、こういう議論があるのです。  それで、法務大臣にお伺いしたいのですが、この間、宗教法人法の解散というのが東京地裁で出ましたね。それで、宗教法人法の解散と破防法の解散というのは一体何が違うのか。守備範囲が違うのですか、趣旨が違うのですか、方法が違うのですか。みんな破防法の解散と宗教法人法上の解散と同一視している人がいるのですが、宗教法人法上の解散と破防法上の解散というのは一体どこが違うのか、それをちょっと教えていただきたいのです。     〔委員長退席、小里委員長代理着席〕

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 宗教法人法による解散命令の効果と、それから破防法によります解散指定の効果は、これは異なっております。  宗教法人法によります解散の効果は、法人格を消滅させることと、それから同時に法人財産の清算が行われるということでございます。しかし、宗教法人として法人格は失いますけれども、任意団体としての活動ということまで規制をするわけではございません。  一方、破防法の方の解散の指定の効果でございますが、これは、指定がございますと、それ以降、団体のためにする行動というものが一切規制をされる、禁止をされる、そういう点において異なっております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、国民の皆様方にわかりやすく、破防法を適用するかどうかという話ではなくて、破防法を適用するためにまず必要な要件というのは何なんですか。

杉原弘泰公安調査庁長官

○杉原政府委員 お答えいたします。  破防法によります団体規制の要件は、破防法に定められておるわけですが、かいつまんで申しますと、一定の団体が団体の活動として暴力主義的破壊活動を行い、しかもその後将来にわたって継続または反復して団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがある、こういう四つの要件を定めております。  さらにこれを具体的に申し上げますと、破防法上の団体と申しますのは、法律の上では「特定の共同目的を達成するための多数人の継続的結合体又はその連合体をいう。」というふうに定義されております。いろいろ、オウム真理教の破防法適用の問題に関しまして、宗教団体についてなぜ破防法の適用の問題が出てくるのかという議論がなされておりますけれども、破防法の上での団体の定義といたしましては、政治団体であろうと宗教団体であろうとその団体の性格は一切間わない。先ほど申しましたように、一定の共同の目的を達成するための多数人の継続的結合体であれば足りる、こういうことになっております。  次に、第二の要件であります、団体の活動として行うという意味は、一つは、団体の意思が決定されまして、その決定された団体の意思に基づいて当該団体の役職員または構成員がその意思実現のために一定の行動を行う、こういうことを指しております。  第三番目の要件であります、暴力主義的破壊活動というのは、破防法上の法律上の概念でございますが、それをさらに砕いて申しますと、二つに分かれておりまして、一つは、内乱でありますとか外患誘致というような、それ自体に既に一定の政治的な意味を持つ犯罪行為が一つ。それからもう一つは、政治目的を持って、つまり一定の政治的な主義あるいは施策を推進し、支持し、あるいは反対する目的を持って殺人ですとか放火ですとかそういったような行為を行うこと、この二つを指しております。  最後に、第四の要件であります、将来の危険性につきましては、当該団体が暴力主義的破壊活動を繰り返し行うという明白な危険性があるということを指しております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで、法務大臣に伺いたいのですが、公安調査庁は、今難しいことを言っていたのですけれども、簡単に言えば、団体の意思があったかどうか。団体としての活動として特定の犯罪行為を繰り返し行ったかどうか。それで、団体の意思として将来そういうことを反復継続するおそれはないか。大変難しい証明ですよね。難しい証明なんですが、公安調査庁は法務大臣の外局ですから、その外局の長が法務大臣のところに来て、これだけの証拠がそろいました、公安審査委員会にこれから請求をやりますと言ったときに、あなたが判断をする余地はありますか、ありませんか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 ただいま公安調査庁の方でいろいろ資料を集めて調査をいたしておりまして、詰めの段階になっております。それについて私もよく事情を聴取いたしまして、私自身も、この問題が法律の要件に当たるか当たらないかということについて無論検討をするつもりでございます。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 それは私は当然だと思うのですよ。  というのは、これは公安審査委員会が団体規制をかけるということになりましたら、規制がかかった側の団体は、当然東京地裁に行って処分の取り消しを訴える。訴えて、法廷で闘うのは法務省の訟務局だと私は思うのですよ、実際は、事務的にバックアップするのは。ですから、当然のこととして、法務大臣の身にも降りかかってくる問題だと私は思うのです。  そのときに、法務大臣は総理大臣の判断を仰ぐという必要性があるのか、あるいは法務大臣としては総理大臣の耳には一応入れておこうということなのか、それはどっちなんですか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 私は、先ほど申しましたように、この事件について破防法を適用すべき条件に合うか合わないかということは、私自身といたしましても判断をいたしたいと思います。  ただ、総理大臣は、先般来からいろいろな機会で言っておられますように、行政の長としての責任がおありになるということでございますので、やはり総理大臣としての御理解というものは当然得られるものだ、また得られなければならないと思っております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 特に、この法律はなかなか厳しい法律ですから、やはり手続の厳格性とか手続の透明性というものにいつも配慮しながら物事を進めていただきたいと思います。  そこで、外務大臣にお伺いしたいのですが、このオウム事件というのは思わぬ波紋を呼びまして、オウム自体がロシアなどに行って活動していることも事実ですし、アメリカでは爆破事件とかいろいろなテロ事件があって、やはりこういう大量の殺人ができるような化学兵器を使ったテロ、これは世界で初めてのケースですよね。ですから多分、アメリカの議会も公聴会を開いてこれに対して多大な関心を示されたと聞いておりますが、それについて御存じでしたら、お教えいただきたい。

河野洋平自由民主党・自由連合外務大臣

○河野国務大臣 御指摘の公聴会でございますが、ナン上院議員が委員長役となりまして、同議員より、入手が容易である化学兵器への対応策を考えるケーススタディーとして日本のサリン事件を取り上げる旨、発言がありました。その後、同調査小委員会のスタッフから、オウム真理教の活動状況等についての説明、さらにオウム真理教ニューヨーク支部長なる女性の証言があったというふうに承知をいたしております。  また、この調査小委員会が報告書を出しておりますが、その報告書には、化学、生物、核などの大量破壊兵器の拡散に対する懸念から、オウム真理教を一つのケーススタディーとして取り上げるとの趣旨のもとで、オウム真理教のこれまでの活動、外国での活動などについて調査の結果をまとめた上で、アメリカの治安確保のために必要な措置について提言を行うとしております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 国家公安委員長ないしは警察にお伺いしたいのですが、この一連のオウム事件の中で、特に坂本弁護士の拉致誘拐殺人事件に関して、どうも宗教法人なものだから、あるいは宗教団体なものだから、ちょっと警察が遠慮がちに振る舞ったのではないかという批判があるのですよ。  例えば、事件の現場に暴力団のバッジが落ちていたら、直ちに警察はその暴力団の事務所に捜索をかけたでしょう。あの坂本さんの部屋には、あそこのオウム真理教の何とかというバッジがおっこっていて、そのバッジは発見されたにもかかわらず、オウムとの関連については、興味を持ったけれども捜索令状をとるところまでなかなか疎明資料が集まらなかったということのほかに、一部で言われている、宗教法人だから、何がベールに包まれているから少し遠慮しちゃったんだ、もっと遠慮しないで一般と同じようにやれば事件は早く片づいていたんだという批判は実はあるんですよ。それは私は批判は当たっていないと思いますけれども、今後そういうことに対する法律の適用に当たっての国家公安委員長としての心構え、警察の心構えというものをやはり国民に表明する必要がある。それをお伺いしたい。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 ただいまの御質問に明確に申し上げたいと思うのでありますが、宗教団体であれ河団体であれ、またどういう立場のものであれ、これが法に触れるような事実を認知すれば、一切の差別なく徹底捜査を行うというのは大原則でございまして、これはこれからもしっかり守っていかなきゃならぬと思っております。  ただし、個人の捜査と集団の捜査にはおのずから難しさの相違があった。宗教団体の場合に、特にこのオウム真理教のような場合は、尊師という指導者とその下にいる弟子たちの関係が非常に根強いものでありますから、隠ぺい工作だとか集団で証拠隠滅とかあらゆる手だてを使った。だから、証拠が非常に少なくて捜査は至難をきわめた。そういう現状があるということだけは明確に申し上げていかなければならない。ですから、これから先、あらゆるものに差別をして捜査に手心を加えるということは一切ありませんが、捜査の過程において難しい集団はやっぱりあり得るなというふうに思っています。  そういう中を必死な捜査を続けて今日のような状態を生み出したわけでありますから、その陰の並々ならぬ警察官の努力に対しては、私は非常に敬意を表しているところであります。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 そこで大蔵大臣には、一般論で結構ですが、宗教法人は法人税法第二条で公益法人になっている。私は、そのこと自体は当然のことだと思います。公益法人として、学校法人、宗教法人とか社会福祉法人と同じ税制が適用されている。一部で、宗教法人に対する税制だけ抜き出して少し強化しょうなんという議論はあるんですが、私は公益法人全般の話だというふうに理解していますが、武村大蔵大臣の問題意識をお伺いしたいわけです。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 御指摘ございましたように、現行法制上は、数多くの社団・財団法人と同じように公益に関する団体というふうに宗教法人は扱われております。したがって、法人税法上におきましても、そうした多くの公益法人と同じような扱いをいたしているということであります。したがって、宗教法人についてだけ他の公益法人と異なる取り扱いをすることは、我が国の民法を中心とする現行の法の体系、仕組みが、宗教法人については他の公益法人と同様に公益に関する団体と位置づけているというこのことにかんがみますと、極めて難しいという認識を持っております。  ただ片方で、今回のオウム事件のように非課税対象になった寄附、お布施等の資金が、まさに反社会的というよりも犯罪行為にすら使われている、こういうケースが出てきたことは私どもは注視をしなければならない。これと税法、税体系との関係をどう勉強していくか、すぐに即答はいたしませんが、一つの大事なテーマだと認識をいたしております。

与謝野馨自由民主党・自由連合

○与謝野委員 これは極めて少数説なんですが、憲法二十条に、宗教団体は「国から特権を受け、」あるいは「政治上の権力を行使してはならない。」と書いてあります。「国から特権を受けこというのは一体どういうことなんだというので、税法上公益法人になっていること、公益法人扱いを受けているということは特権ではないかという議論があるのですが、これは質問通告しておりませんからお答えする必要はありませんけれども、そういう議論もある。これはやはりよく勉強しておいていただきたいと思います。  そこで、私はこの法律の最初のスタートのときに携わっておりまして、これは何か政治的な目的を持ってやろうとしたのでは実はありません。これは島村大臣もそういう前提に立っておられると思いますけれども、これは実はオウム対策でやるのではないのです。オウムを通じて学んだ法律上の不備を最小限改正しようという法律なのですよ。ですから、この最小限のことをやはり島村文部大臣を中心に国会の皆さんの御理解を得て何とか成立させて、国民の不安の除去が全部できるわけではありませんけれども、やはり宗教法人法としてはこういう対処をしました、こういう対応をしましたということをするというのは政府の責任であり、また国会の責任だと私は思うのです。  その点についての総理大臣の御決意も伺いたいし、文部大臣の御決意も伺いたい。それで質問を終わります。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 質問の冒頭に与謝野委員から御指摘がありましたように、これは例えば所轄庁がどういうふうに対応すべきかという問題について、山梨県の例やら熊本県の例等が挙げられて、そして東京都で全部が把握できない。ですから所轄庁は、当然これは文部省がやはり所轄すべきものだということも言われましたし、それからまた、七十九条、八十条、八十一条の法の適用をするにしても、その適用する裏づけとなる内容と実態というものが全然つかむことができない。これでは法の適正な運用というのはできないわけですから、したがって、確かに言われてみれば法律の欠陥があるな、欠落している部分があるなということは、国民ひとしく皆さんがやはりそういうふうにお感じになっているのではないかと思うのです。  私は、そういう意味で、その欠落した部分を補うという意味でやることが、信教の自由と政教分離の原則というものをしっかり保障して正当な宗教活動が行われるような条件になっていくんだというふうに思いますから、今回の法律改正はそういう意味で最小限必要なものが修正として盛られておるというふうに思いますから、ぜひ皆さん方の御理解をいただいて御成立をお願い申し上げたいと思います。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今回の改正は現行宗教法人制度の基本を維持し、かつ信教の自由と政教分離の原則を基本として検討しているところでありまして、オウム対策としてこれを行ったものでないことは今御指摘のとおりであります。特にあなたがそれをおやりになった、その考え方はそのまま継続をされておりまして、私も、所轄庁としての責任ある対応をする最小限度の法改正ということで、宗教法人審議会の報告を尊重するという考えに立っているところであります。  したがって、私は恣意的な宗教法人審議会に対する働きかけ等は一切行っておりませんので、あえて申し添えます。

小里貞利自由民主党・自由連合

○小里委員長代理 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時九分休憩      ————◇—————     午後二時開議

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  この際、片岡武司君から関連質疑の申し出があります。小里君の持ち時間の範囲内でこれを許します。片岡武司君。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 関連質問をさせていただきます。  私の質問通告は、実際には文部大臣と若干法務大臣かなと思っておるわけでありますが、まことに申しわけございません、きょうは全大臣御出席で大変恐縮をいたしております。何かこういう形をとらないと始められないという条件があったようでございますので、お許しをいただきたいと思うわけであります。  オウム事件、非常に厳しい国民の批判の中に実はあるわけであります。今回の宗教法人法の改正というものは、いろいろな議論を踏まえた中で、きっかけとしてこのオウム事件がこの法律のいろいろな問題点を浮き彫りにしてくれたと思っておるわけであります。  そこで、大臣に改めてお伺いしたいのでありますが、今回の法改正、まあ総論で結構でございますが、ちまたでは一部の宗教法人の皆さんから、信教の自由を侵すものだとか、あるいは宗教弾圧につながるものだとかという御意見が実はございます。私は、どう見てもそういう中身はないものと思っておるわけでありますが、改めて大臣の方からその点について明確にお答えをいただきたいと思うわけであります。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 お答えいたします。  今回の宗教法人法の改正につきましては、なるほどオウム真理教の事件がきっかけになったことは事実でございますが、御高承のとおり、この宗教法人法は昭和二十六年に制定されたものであり、その後、社会の状況もあるいは宗教法人の実態の変化もこれは非常に大きなものがあるわけでございまして、そういう意味で、所轄庁がその責任を果たし、また宗教法人がその自治能力を向上できるよう、宗教法人制度の適正な運用を図るために必要最小限の規定の整備を行おうとするものであります。  また、その内容とするところは、他の都道府県に境内建物を備える宗教法人等の所轄庁を文部大臣とすること。第二には、宗教法人の備えつけ書類について、信者その他の利害関係人で正当な利益があると認められる者に閲覧を認め、そのうち一定の書類の写しを所轄庁に定期的に提出していただくこととすることであります。第三点は、解散命令請求事由に該当する等の疑いがあると認めるときは、所轄庁は宗教法人から報告を求め、質問することができることとすることであります。さらには、宗教法人審議会の委員の定数をふやすこと。以上でございまして、これは今日のいろいろな実情をお考えいただければ極めて的を射たものである、こう御理解がいただけると思っております。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 大変丁寧に御説明をいただいたわけでありますが、細かく御質問をしたいと実は思っておるわけであります。  その前に、今回、今言われた改正、実は我々党内で議論をした中でいろいろな問題点が指摘をされました。今法律案の改正にはそのものが実は入ってない部分があるわけでございます。その点について若干お伺いをしたいわけであります。  オウム真理教の事件の原点と言われましたあの坂本弁護士一家拉致殺人事件、大変痛ましい事件でありますけれども、あの原因が一体どこにあったのか。当時、オウム真理教は、東京都に認証の手続が済んで宗教法人として活動し始めた直後であります。坂本弁護士は、そのオウム真理教そのものがいろいろいかがわしい行為を行っておるといういろいろな証拠を持って、訴訟まで起こす寸前に至っておったという事実が実はあるわけですね。  実は、この認証段階で厳しくなぜできないのかということが言われておるわけです。本来、八十条で一年以内に認証の手続を処分できるだけの要件が実は備わっておるわけでありますが、実際には認証段階で厳しくなぜやれないのか、そういう御意見が非常に多かったわけであります。なぜ今回の法改正でその部分が厳しくされないのか、その点どういう状況でこういうふうになったのか、お伺いをしたいわけであります。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 現行宗教法人法では、認証するに際しまして、一応所定の内容を持った申請に対してはこれを認証することといたしておりますが、一たび認証いたしてしまうと後は何もわからない、これが現実であります。なるほど、書類その他の備えつけが規定されたものはございますけれども、しかし、それの閲覧権を持っておらないわけでございまして、坂本弁護士がいろいろ御努力をいただいたこと等につきましても、所轄庁がそれに対応できなかったということは非常に残念なことだと思っております。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 なかなかその辺、法的な解釈、純粋な法律論でいけば当然厳しくなるところだろうと思うわけでありますが、宗教法人法というものが本来純粋に法律論の中で議論ができるのかという部分も実はあるわけであります。  そこで、ちょっと細かくお伺いしたいのでありますが、今回所轄のあり方が多少変わるわけです。複数県にまたがる活動をしている宗教法人は文部省の認証団体になりなさいということに実はなるわけであります。その手続は、都道府県知事から文部大臣に書類が移動するだけであります。ところが、その都道府県知事は、二県以上にまたがる宗教法人の活動をどういう形でこれは調査できるのでしょうか。これは自己申告になるのですか。その点いかがですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 少なくも現行法下では、いわば所轄庁といえども他県にまたがる場合には全く調査ができなかったということは、くしくもオウム真理教事件で露呈されたところであります。しかし、仮に自分のいわば県内にその宗教活動を営む法人といえども、現行法では、どのような活動をしているのかが事実上把握できないのが現実であります。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 ちょっと質問の御趣旨が御理解いただけなかったのかなと思っておるわけでありますが、要は、都道府県知事から文部大臣に書類が移動します、この場合、法律が成立すれば。そういう手続をとるわけですが、その前の段階で、今実際に都道府県知事認証の宗教法人があるわけです。その中で、二県以上にまたがる宗教法人が今度は文部大臣の認証団体になるわけです。その場合に、その都道府県知事はどういう形で二県以上にまたがっているということを認定できるのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。  法改正に伴います所轄庁の変更の手続の問題でございますけれども、今回の法改正によりまして、二以上の都道府県内に境内建物を備える宗教法人は、この法律が成立いたしますと、文部大臣に所轄が変更になるわけでございます。したがいまして、その事務の移管を円滑に行わなければいけないと私どもは考えているところでございます。  このため、宗教法人の事務の移管手続でございますけれども、改正法の公布の日にほかの都道府県内に境内建物を備えておられる宗教法人については、この公布の日から六カ月以内にその旨を、現所轄庁でございます都道府県知事を経由して文部大臣にお届けいただくというふうにしたいと考えているところでございます。附則で所轄庁の変更が、そのことで文部大臣もその当該法人がほかの県に境内建物を備えているということがわかるわけでございますから、それを把握した上で具体的な事務の移管を考えていくということになるわけでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 ちょっとこの部分で余り時間をとりたくないのでありますが、要は、都道府県知事は調べようがないということでしょう。自己申告でない限り、二県以上にまたがる活動をしているということは実はわからないわけですよね。うその申告したって見つからないわけですよ。それに対する罰則規定というのはあるんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘のとおり、現行法ではどこに境内建物があるかということがわからないわけでございますけれども、この法律が公布になりますれば、私どもとしてももちろん通知等を流すことを考えておるわけでございますけれども、法律が成立をしたという時点で、公布された時点でその旨を各宗教法人に、今回法が改正されたということを通知いたしまして、そして宗教法人の側から、うちの法人は実はほかの県にも境内建物を持っているから、知事を経由して文部大臣に届け出るということをしていただくことになるわけでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 要は、先ほど私が言ったように、宗教法人そのものがまじめに申告をしていただかなければわからないということなんです。ですから、恐らく、文部大臣の認証団体になるであろう団体の数というのは把握できないだろうと思うのでありますが、多分そんなに多くはならないであろうと思っておるわけであります。実際に、今回の法律改正というもの、恐らく信教の自由というものを踏まえて改正しなきゃならないという前提条件があったと思うのです。したがって、先ほど私が言いましたように、法律上の細かいところを整理して云々ということはなかなか難しいのだろうと思うのです。  以下、今回の改正の中身について、多分同じような御答弁になるだろうと思うのでありますが、もう一つ御質問したいと思うのであります。  今回、閲覧の請求権ができるわけでありますが、先ほども与謝野先生の方からも御質問されたわけでありますが、信者と利害関係人ですね、今回それが閲覧請求ができるとなっているわけです。かなり難しいやりとりがあったわけでありますが、端的に伺います。信者と利害関係人、これはだれがどう認定するのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 先ほども御答弁申し上げたわけでございますけれども、「信者その他の利害関係人」につきましては、正当な利益があり、かつ不当な目的でない場合に、法二十五条二項の書類の閲覧を請求できるわけでございます。  具体的な信者等をだれがどのように判断するかということでございますが、第一義的には宗教法人が判断するということでございます。しかも、「信者」の具体的な内容につきましては、各宗教団体の特性や慣習でいろんなことがございますので、個別に判断すべきものだというふうに思います。  そんなこともございまして、一義的には宗教法人に判断いただくということでございますが、一般的には、先ほども御答弁申し上げたわけでございますけれども、ここで言う「正当な利益」がある信者というものについては、例えば寺院の檀徒や神社の氏子さんなどで、法人と継続的な関係があって法人の財産基盤の形成に貢献してこられたような方、あるいは総代などで、法人の管理運営上の地位が規則等で定められている方、それから宗教の教師でございまして、法人と継続的な雇用関係にある方、こういった方が一般的にはここで言う「信者」になり得るのではないか。  それから、「利害関係人」でございますけれども、これにつきましても、先ほど御答弁申し上げましたけれども、債権者や保証人など法人と取引等の契約関係にある方、それから法人の行為によりいろんな損害を受けて賠償等を請求しているような方、それから包括、被包括の関係にある宗教法人、こういったものが一般的にはここで言う「信者その他の利害関係人」に該当するのではないかというふうに考えておるところでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 一言で言えば、宗教法人そのものが決めることができるということなんですね。第三者は決められないということですよね。ということは、その宗教法人の自主的な裁量の範囲内にあるということですね、今回の法律改正は。  先ほどの所轄のあり方で、書類の変更があるわけですが、要は、一切認証のし直しもしない。しかも、都道府県知事への申告は、報告か申告がその辺はわかりませんが、それは教団の、宗教法人の自主的な実は判断にゆだねておるわけですよね。そういうことですよね。私は、これが宗教弾圧につながるとはとても思えないのですけれども、その点いかがですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御答弁申し上げます。  最終的に利害関係人あるいは信者ということで閲覧請求を認めるかどうかにつきましては、第一義的に宗教法人の判断でございますけれども、争いになれば裁判所が最終的に確定するということになるわけでございます。  いずれにいたしましても、先ほど来御答弁申し上げておりますように、この宗教法人法は、宗教法人、宗教団体というものが、やはりある程度性善説に立ちまして、法の趣旨を御理解いただいて御協力いただけるということを念頭に置きながらできている法体系だというふうに思うわけでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 大体よくわかるのでありますが、もう一つ伺います。  報告の義務が今度課せられるわけであります。先ほど与謝野先生から詳しくお聞きになられましたので端的に申し上げますが、例えば報告義務を怠った場合一万円の過料金がつくわけですね。これ、十年も百年も続けても一万円の過料金なんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 お答え申し上げます。  今回の提出義務違反等についての罰則は、今までのほかの過料の規定と同じ条文に入れるわけでございまして、一万円以下ということなんでございます。これは、実は金額は確かに昭和二十六年以来引き上げはしていないわけでございますけれども、私どもといたしましては、こういった罰則がかかるということ自体、宗教法人の側にとってみれば非常に名誉なことではございませんので、そういった観点で、金額が少ないという御指摘はあるかもしれませんけれども、こういった過料がかかるような事態に立ち至るということは宗教法人の側としては避けたいというお気持ちがあると思いますので、私どもとしては、金額の面ではそう多くはございませんけれども、できるだけお守りいただけるものというふうに考えておるところでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 いろいろと細かいことをお聞きすれば切りがないわけでありますが、私は、今回の法律改正というのは、先ほど大臣が御答弁いただいたように、最低限度の、現在必要であるところを、どうしてもここはという部分だけが今回改正の中に入ったと実は思っておるわけであります。  しかし、信教の自由という関係からいきますと、その法律改正のための作業というのは相当難しかったと思うのでありますが、私どもは、やはりこの程度ならば国民の皆さんに、あるいは宗教関係者の皆さんにも当然御理解をいただけるものであろうと思っておるわけでありますが、ちょっと比較をさせていただきたいと思うのであります。  学校法人と宗教法人というのはよく比較されるのですね。今回改正案に閲覧請求権あるいは報告義務等が実はついておるわけであります。あるいは質問権がついたわけでありますが、学校法人は閲覧請求権が規定されていません。ところが、宗教法人、今回実は規定されておるわけですね。あるいは、学校法人は財務関係書類等の提出義務の規定が実はないわけであります。しかし、宗教法人法の今回の改正はこれがつくわけであります。あるいは、学校法人は所管庁の報告徴収権あるいは質問権の規定が実はございません。しかし、今回宗教法人法の一部改正は質問権が実はつくわけですが、これは、同じ公益法人として絶えず比較をされておるこの二つの法人がなぜこういう形で変わってくるのか、その点ちょっとお伺いをしたいわけであります。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 学校法人関係の規定について若干申し述べたいと思うのでございますが、学校法人は、私立学校法の規定によりまして、毎会計年度終了後二月以内に財産目録、貸借対照表及び収支計算書を作成し、事務所に備えつけなければならないとされておりますが、これらの書類の所轄庁への提出義務については規定されておりません。しかし、現在、文部大臣所轄の学校法人について見ますと、その九四%は国から補助金を受けている。そうした場合、これらの学校法人につきましては、私立学校振興助成法によりまして、貸借対照表、収支計算書等の財務計算書類を作成して、監査報告書を添付して、これらの書類と収支予算書を所轄庁に届け出なければならない、こうなっております。  また、収益事業の停止命令、解散命令の事由に該当する疑いがあると認めるときの所轄庁の報告徴収自体については規定されておりませんが、所轄庁は、私立学校法によりまして、私立学校に対しまして、教育の調査、統計その他の必要な報告書の提出を求めることができるということに相なっております。  なおまた、補助金を受ける学校法人につきましては、先ほどの私立学校振興助成法によりまして、所轄庁は、助成に関し必要があると認める場合において、学校法人から業務、会計の状況に関して報告を徴し、質問し、帳簿、書類その他の物件を検査できるということになっております。  なお、備えつけ書類についての利害関係人の閲覧請求権につきましては、私立学校法においては規定されていないという現状でございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 まあ、大体そういう答えだろうと思っておったわけでありますが、要は、宗教法人法に基づく法人格を与えるこの法律でありますが、なかなか、先ほど申し上げましたように、憲法第二十条の信教の自由という関係で、私はやはり非常に難しい法律だと思っておるわけであります。  先ほど指摘しましたように、今回ほとんどが自主的な申告、その宗教法人の、まあ正直な報告をもう信用するしかないという、そういう形だけになっておるわけですね、正直申し上げれば。したがって、いろいろとまたこれは議論もあるだろうと思うのでありますが、やはり今回オウム真理教の事件をきっかけとしていろいろな問題点が実は指摘されたわけです。  こういったところは、信教の自由との関係である程度容認できるかもしれませんが、今、十月三十日に東京地裁がオウム真理教に解散命令を出されました。これは大変よかったことだと思うのです。しかも、非常に速いスピードで、本来一年半か二年かかると言われた裁判がわずか数カ月で終わったということは大変ありがたいことだと思うのでありますが、しかし、オウム真理教のあの事件、東京都が検察の資料をもらってやっと裁判所に手続ができるという状況をっくったわけですね。  ところが、この法律は、どこにもそのやり方は書いていないわけであります、解散命令を出すときに。あるいは第七十九条の収益事業に関する部分、それから今言いましたように八十一条、今回の宗教法人法の改正に関する部分、そして解散に関する部分、また八十条の一年以内の認証の取り消しの部分、何にも実は書いていないのです。できるとは書いてありますが、何をどうやるかというのは、実は書いていないのです。特に、今回裁判所に出す証拠、これはどういう法律に基づいて東京都が書類をつくって裁判所に提出したか、いささかこれ、実は超法規的な感じがするわけであります。この法律というのは、そこまで規定していながら実際にはそういうやり方というものは実は書いていないのです、まあ難しい法律論は言いませんが、端的に申し上げれば。  しかし、今回質問権が実はついたわけですね。この質問権がどこまでこの法律に有効な働きをするか、これはなかなか難しいことだと思うのでありますが、私は少なくとも、そういったことを思うと、一日も早くこの法律を改正して、所轄庁がやりやすいような状態をつくっていくことが必要だと思うのでありますが、まあ文部大臣の御意見を求めることは差し控えさせていただきます。  そこでもう一つ、実際に、先ほど一番最初に申し上げた認証のあり方の、厳しいことをやれということとあわせて、もう一つ実は今回の法律改正に伴いまして議論があったわけでありますが、表に出ていなかったと思うのでありますが、今回、オウム真理教が解散命令を受けます。しかし、実際には時間がかかっておりますから、財産を勝手に処分しておるわけですね。解散命令が出た時点で、本来、その財産を凍結するとかそういった手続がとられるべきであります。私たちは、実際には、この改正に当たってその保全の手続がとれるようにしてほしいということを実はお願いした経緯があるのでありますが、なぜ今回この改正にこの保全の手続がとれないようになっておるのか、なぜ入れられなかったのか、その点お伺いをしたいわけであります。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘の財産保全措置の問題でございますけれども、今回の宗教法人法の改正につきましては、特別委員会を設置して審議会で審議を続けてきていただいたわけでございますけれども、そのときの柱といたしまして、認証後の活動状況の把握のあり方の問題、それから情報開示の問題、それから、問題点は三点に絞ったわけでございまして、実はその中に解散命令請求に関することというのは入っていなかったわけでございます。これは問題が複雑でございまして、財産保全の規定は、この前もほかの委員会で御答弁申し上げましたけれども、株式会社にしかそういった規定がないわけでございまして、この規定をいろいろ検討するということにはかなり時間が必要だということがあったわけでございます。そういう意味で優先的に審議すべき項目には掲げられていなかったというのが第一点でございます。  それからもう一つは、オウム真理教の解散請求につきましては、既に解散命令請求を行って、既に裁判所が審理をいただいている段階でございます。そういう段階でございますので、今回の法改正でもって、現在のオウムに対応する法改正が、今のオウムの問題に間に合うかどうかという時間的な問題もあるわけでございます。  そんなこともございまして、今回の報告では触れられていないわけでございまして、その意味で、今回の法改正の中には財産保全の規定は入っていないところでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 時間がかかるとか、それは理解できるわけでありますが、実際に今回オウム真理教の解散命令の手続をとる段階でもう既に指摘をされておったわけですね。実際には過去において解散命令を出した経緯がある。それは休眠法人しかないわけであります。初めてのケースであることは十分わかっておるわけですが、しかし、財産を処分をする、自分たちが生き残るために。あれだけの犯罪行為をしながら、そういった中で、まだ法的にその手続がとれないために指をくわえて見なければならないわけですよ。そうでしょう。ですから、私は、やはりこれは、時間がかかるかもしれませんが、この改正の中に入れるべきだと実は思うのですよ。そうしないとこれは不十分になってしまう感じがするわけです。その点いかがですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 今回の改正法案には、審議会で検討項目を絞った三本に入ってないということで入ってないわけでございますけれども、私どもといたしましては、財産隠匿などの不正が行われないように情報の把握に努める、あるいは違法行為の疑いがある場合、どこかの休眠法人を乗っ取るというような疑いがある場合でございましたならば、それぞれの所轄庁と連携を図りまして、そういったことがないように厳正に対処するよう各県の知事あてに通達をして、今お願いをしておるところでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 この問題、これ以上突っ込むことはやめさせていただきます。  次の質問ですが、先ほどちょっと忘れましたので、通過いたしましたので、改めて戻ってちょっと御質問したいのでありますが、今回、質問権だとか、調査権をつけたかったのでしょうけれどもなかなかつけられなかったという背景がある。いろいろな宗教法人、約十八万三千か四千かという話でありますが、ほとんど都道府県知事所管の法人であります。しかし、実は相当の休眠法人もあるのですね。過去において暴力団がそれを買ったり、あるいは隠れみのにしたりした経緯もある。現実に、オウム真理教も休眠法人を買おうとした経緯も実はあるわけです。実態把握ということが実はなかなかできてないのですね。今回の法改正、どこまで実態把握ができるのか、どういうふうに思っておられますか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 実は今回の法改正によりまして、毎年度、財産目録その他の財務関係の書類を所轄庁に出していただくことができるわけでございます。  実は、これは毎年そういったことを出していただくということで、もし休眠法人でそういったことが出てこなければ、さらにお手紙を出して、あるいは電話をして確かめるということをいたしますれば、そういった観点で、報告が全く出てこないということになればそれは休眠をしておるということにつながるわけでございますので、今回の法改正でもって休眠法人になることを防ぐといいますか、休眠法人になった場合の対応も速やかにできるということも言えようかと思うのでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 実態把握ができるかどうかはちょっと、いささか問題もあるかもしれません。時間が実はそんなにないものですから、いろいろ飛び飛びで御質問申し上げます。  先ほど与謝野先生の方から、破防法と宗教法人法の両方で、今回オウム真理教、実際には宗教法人法による解散命令が実は出ておるわけでありますが、破防法による解散も実はできるわけであります。その中で財産の問題の御答弁がちょっとなかったのです。実際には、破防法での財産処分と宗教法人法による解散によって行われる財産処分と、実は違うのですね。我々は、破防法でいいのかどうかいささか実は議論しなきゃならぬ部分がありますが、要は、財産の清算手続のことに関して言えば、破防法の場合と宗教法人法と全く違うのですね。その点ちょっと明らかにしていただけませんか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 まず、破防法が適用された場合の財産処分のことについてお答えを申し上げたいと思います。  一般論として申し上げますと、解散指定の処分が訴訟手続によって取り消しを求めることができないというふうに確定をいたしました場合には、破防法十条の規定によりまして、その団体は速やかにその財産を整理しなければならないということになっております。  財産を整理するとは、債権債務を整理し、残余財産を処分することでございまして、当該団体の財産と認められるものであればすべて整理の対象になります。  また、その団体が財産整理を終了いたしましたときには、破防法十条三項の規定によりまして、そのてんまつを公安調査庁長官に届け出なければならないということになっております。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 宗教法人法による解散命令の場合でございますが、解散命令が確定をいたしますと、裁判所の監督のもとに清算人が選ばれるわけでございます。清算人は、その時点で、現務の結了と申しますか、債権の取り立て、弁済、それから残余財産の処分を、清算人の立場として財産処分をきちんと行うことができるという点があるわけでございます。  したがいまして、これが確定いたしますれば、清算人がオウム真理教の財産について、例えば損害賠償を求められている方に弁償するなり、あるいは債権を取り立てる、債務を弁済するという形で、私どもとしては、清算人の立場できちっと対応していただけるものというふうに考えておるところでございます。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 要は、破防法で解散する場合は財産は自主的に処分するということですね。自分みずからが処分するわけですよ。だから、持って逃げられるわけですね。ところが、宗教法人法での解散は、管財人がその手続のもとに財産をちゃんと処分できるわけです。  どちらがいいかということになればまあいろいろと意見が分かれるところでしょうが、いろいろとこれはこれから議論していかなければならぬところだと思うのでありますけれども、先ほど与謝野先と言われましたように、広く国民の皆さんは意外と理解されていないんじゃないかな、そんな実は感じを持ったものですから、あえてその部分だけちょっと御質問したわけでございます。  次に移らせていただきます。  今回、法改正に当たりまして、オウム真理教の裁判あるいは解散命令、そういったものがいろいろと、どんどんと出てくるわけでありますが、今回の法改正というのは、オウム真理教の事件に端を発して、やはり現行の宗教法人法というものはいろいろと問題がある、だから速やかにそこを改正しない限りこれからの手続上いろんな実は問題点も出てくるんだろうということで、急いでやらなきゃならぬ部分も実はあると思うのであります。  先ほどの裁判に関する部分あるいは七十九条、八十条の部分含めても、なかなか実際に実態をつかむということが難しい中で、苦しい思いをしながら時間をかけるということもできないということに実はなっておると思うんです。ですから私は、一部の方が、これは二、三年かけて議論すべきだと言う人もおみえになるようでありますが、やはりこれだけでも一日も早く改正して、通していくということが必要ではないかと思うのでありますが、大臣の御所見をお伺いをしたいわけであります。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 去る四月二十五日に前文部大臣から検討をお願いした時点から、宗教法人審議会は、今先と言われたように、国民の強い要請もこれあり、一日も早くきちんとした結論を出そう、こういう判断に立って、いわば所轄のあり方、情報開示のあり方あるいは活動報告把握のあり方、三点に絞り込んでいろいろ御検討いただいてきたこと、そう思うわけでございまして、先ほど来いろいろごもっともな御指摘はありますけれども、いろいろな事々すべてにかかわることができなかったという実情もその辺からうかがい知ることができるわけであります。

片岡武司自由民主党・自由連合

○片岡委員 時間が参りましたので、まだ質問二、三残っておりますが、これで終わります。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 次に、愛知和男君。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 新進党の愛知和男でございます。  私は、本院に議席を得ましてもうそろそろ十九年が終わろうとしているわけでございますが、実は本格的な質疑に立つのは初めてでございまして、ほとんど与党だったものですから、余り質問に立っ時間がなかったのでございます。いささか戸惑いを感じておりますが、まあ、できることなら早く答える方になりたい、こう思っておりますけれども、きょうはせっかくこういう機会をいただきましたので、私なりに、私の視点から、あるいは私の言葉で質疑をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  現在、日本の国民が最大の関心を持っておりますのは申し上げるまでもなくオウムの事件でございますが、これは日本の国民だけではなくて世界じゅうが注目をしていると言っても言い過ぎではないわけでありまして、先ほどもちょっと話に出ましたけれども、つい最近、アメリカで上院での公聴会もございました。  そこで私は、このオウムの問題について、いろんな角度からまず質疑をしていきたいと思っておりますが、それに先立ちまして、オウムのこの事件で犠牲になられました方、こういう方々に心からお悔やみを申し上げなきゃなりませんし、また、犠牲者になられた御家族、その他大勢の方々にもお見舞いを申し上げなきゃなりませんし、また、直接の犠牲者、あるいは関係者ではないというか、河野さんという方があらぬ疑惑をかけられて大変迷惑をした、こういう方々もおられますが、こういう方々にまず心からお悔やみなりお見舞いを申し上げたいと思いますが、この河野さんのことについて、深谷大臣、どうお考えでいらっしゃいますか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 松本サリン事件は、法令の許す範囲で適法に捜査を行ったというふうに私たちはまず心得ております。その捜査の過程において河野さんに御迷惑をおかけしたということは実際ございましたから、まことに申しわけないことだと思っています。  ただ、捜査の過程で極端な行き過ぎがあったのかどうかということについては、私も当局から、再三細かく質問をし、答えてもらっております。たまたま捜査当局の記者会見等において被疑者扱いをするといったようなことのケースは、これは皆無でございまして、あくまでも第一発見者、それから被害者としてのお扱いをさせていただいた。ただ、その間、報道も含めて、河野さんの問題があたかも疑惑の対象になるようなひとり歩きをしてしまった、こういう状況があったわけでございます。  今振り返ってみまして、いずれにいたしましても、このような御迷惑のかからないような適切な捜査方法というものを我々はきちっと守っていかなければならない、そう思っています。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 伺うところによりますと、河野さんの奥様はまだ大変重体の状態が続いていると伺っております。心からお見舞いを申し上げますとともに、河野さん御自身が受けられたいろいろな思い、これは察するに余りあるものがございまして、ぜひひとつ元気を出して、社会復帰といいましょうかまた頑張って人生を生きていただきたい、こんな思いを抱くものでございます。  どうぞひとつ今後、この問題だけじゃなくていろいろな捜査があり得るわけでありまして、行き過ぎがないように、あるいはマスコミの皆さんにもこの機会にお願いを申し上げておきたいわけでありますが、人権にかかわるこういう問題でございますからどうぞひとつ慎重にやっていただきたい、この機会にお願いをしておきたいと思います。  きょうは全大臣が、今そこでどなたかおいでになりませんが、基本的には全大臣がおいででございます。したがって、それぞれ大臣、所管のことと関係なく、政治家としてのお考えなども時々お伺いをしてまいりたいと思います。特に、次の総理に一番近いところにおられる橋本さんにはいろいろとお伺いをしていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。  さて、オウムのことに話を戻しますが、オウム事件というこの問題が実はいろいろと錯綜しておりまして、国民の皆様も、どういう視点でどう考えたらいいのか、混乱をしておられるような気がしてならないのでございます。  私は、このオウムの事件というのは三つに分けて考えるのが適当なんではないか。まず第一に、オウムの事件というのがどうして発生したのか、その社会的な背景その他、なぜ発生したのか、この問題ですね。それからその次は、オウム真理教というこの特定の集団が、二度と再び犯罪を犯さないようにするにはどうしたらいいか。それから三番目は、オウムのようなこういうような集団が再び今後出まして、同じような犯罪を犯さないようにするにはどうしたらいいか。この三つに分けて考え、それぞれ対策を考えていかなきゃならない、こういうふうに思うのでございます。  そこで、まず最初に、木ウム真理教という集団がなぜあのような犯罪を犯すことになったのか、また、それがなぜ可能だったのかということにつきまして意見交換をしてみたいと思います。  実は、話が非常に飛躍するようで恐縮でございますが、私の政策秘書を二年ほど前からやってくれている人物がおりまして、櫻田君というのでございますが、数日前の読売新聞の朝刊にこの櫻田君が第一回の読売論壇新人賞を受賞した、こういう記事が出ておりまして、お目にとまった方もいらっしゃるかもしれません。  この櫻田君というのは、実は生まれつきの重度の障害者でございまして、脳性小児麻痺、身体障害者手帳二級というのに認定されている人物でございますが、彼が二年ほど前、御縁がございまして私の政策秘書になってくれまして、この人の活動、活躍を見ておりますと、まことにいろいろなことを私自身も学んでおります。とにかく、手がよく動かないものですから、ワープロを打って文章を書くわけですが、片方の手で片方の手を押さえて、指一本立てましてワープロを打つ。時には鼻などを使ってワープロを打つというような大変な努力家でございますが、その彼が読売の論壇新人賞、これは「日本の戦後と国家論の不在」、こういう題なんでございますけれども、これをとったわけでございます。  それはそれとしまして、その彼が文芸春秋の七月号にこのオウムの事件に関連して投稿いたしまして、かなり話題になったわけです。賞はとりませんでしたけれども話題になった論文でございまして、あるいはお読みになった方がいらっしゃるかもしれませんが、その論文などを引用しながら、ひとつ質疑をしてみたいと思うのでございます。  このオウム真理教事件が暴露をした戦後教育、戦後の教育に二つの失敗があったと彼は言っているわけでございますが、まず第一に、この麻原彰晃という人物、ああいう人物がなぜ誕生したかというか、あれだけのことを犯してしまったか、こういうことなのでございます。  確かに、今度の事件というものも、麻原彰晃というあの人物がいなければこんなことにはならなかったろうと思いますし、そこで彼の論点をかりますと、麻原彰晃を生み出した特殊教育の失敗というのがある、こういうことを彼は指摘をしているわけでございます。  御承知のとおり、麻原彰晃という人は障害を持つ人でございまして、私のその秘書の櫻田君からいいますと、同じような苦しみをいろいろ味わっているのではないかと、普通の健常者とはちょっと違う視点の論陣を張っているわけでございますが、彼いわく、障害を持つ子供のためのいわゆる特殊学校というのが社会から隔絶された閉鎖空間になってしまっている。そうしますと、障害を持つ人々に対する世間の偏見、これがこういう特殊学校の中で障害者が社会に対して偏見を持つというふうにつくられてしまう危険がある、そういう視点、指摘でございまして、麻原彰晃という人物が特殊学校で教育を受けた、そういう中で社会に対する報復感情を募らせて、その報復感情が一連の凶行の原点にあるのではないか、こういう指摘をしているのでありますが、このことに対して総理はいかがお考えですか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 体の不自由な子供さんたちが特殊学校という普通校とは違った閉鎖的な、隔絶された場所で教育を受けることがいいのか悪いのか、こういう問題で私どもも随分議論をしたことは経験があるわけです。  両親の声を聞いてみましても、やはり普通校に学ばせたい、親がついておってもいい、こういう意見の方もございましたし、そうでなくて、やはり普通の子供の中に交わるには余りにも体が不自由過ぎて、子供が逆に、何といいますか、自分の体に対して悲観的な気持ちが強くなっても困る、こういうような意見もあったりして、なかなか一致点は見出せないような議論をしたこともあるのですけれども、私は、可能な限り、その子供さんの人権というものを尊重する立場に立って、普通校で差別なく教育が受けられるような仕組みというものをしっかり社会的に考えていくことは大事なことではないかというふうに考えています。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 今教育の視点から申し上げましたけれども、これは福祉の問題としても大変大事な問題を提起しているように思います。そういう視点に立って、橋本さん、いかがでしょう。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○橋本国務大臣 今議員の政策秘書の方のお話を伺いながら、随分時代が変わったというまず思いを持ちました。  なぜなら、委員が御承知のように私の父親は障害者でありました。そして、その障害のゆえをもって国立高等学校の入学試験を一時は拒否された人間でありました。その理由は、軍事教練ができないという一点だったようであります。そして、その結果、当時、自力で行動する意欲を持ち、なおかつ障害を持つ者を受け入れたわずかな私学の一つでありました慶応義塾に一たん入学をいたしました。しかし、どうしても国立高等学校に進みたく、学制の変わるのを待って改めて入学をし直した人間であります。  そして、彼が生涯言い続けたことは、ハンディキャップがあることを認めた上で、なおかつその障害の部分を除いて公平な競争のチャンスを与えること、それが障害対策の基本だということでありました。  そして今、大変長くなって恐縮でありますけれども、たしか昭和三十四年であったと思いますが、そのころポリオが大変流行し、多くの子供たちが罹患し、そのポリオの子供たちの施設に併設いたしました特殊学級に父の秘書のかわりについて参りましたとき、父がその入園中の子供さんたちに、全く周りに友人のいない、同じ病気の人間のいない大人だけの病院で闘病生活をしながら独学で勉強を続けた思い出を話しながら、君たちは自分を不幸だと思っちゃいけないんだ、おじさんの育ったときより君たちは幸せなんだよということを必死でその子供たちに語りかけていたのを今思い起こしております。  その意味では、私は麻原彰晃に対する、その障害を持った方々が特殊学校という中で教育を受けたことの悲哀という面は、ある面で理解をできるものがあります。しかし同時に、そういう教育制度の全くなかったときの自分の父親がどんな思いだったんだろうな、ちょっとそんなことを今思っておりました。  いずれにしても、ハンディキャップというものを認めた上で、残る部分においては公平な競争の機会を与える、私は、教育の場でありましても福祉の場でありましても、それは基本と思います。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 私も今の橋本さんの意見に基本的に賛成をいたしますが、つまり、福祉を考える場合に、これは二つの段階に分けて考えた方がいいのではないか。つまり、最初の第一段は、障害のある方あるいは高齢者、こういう人たち、方々にどうやって社会に参加をしてもらえるようにするか、その環境を整えるというのがまず福祉の第一段であって、そして、どうしてもそれが不可能な方々をどうするか、これが第二段です。  私のこの櫻田君というのが常々言うのでありますが、同じような障害を持った者というのは、社会に参加をしたい、僕には、自分にはこういうことができる、しかし、その能力を発揮する場がない、あるいは世の中を歩いたりする場合にそういう条件が整っていない、ぜひひとつ福祉の第一段としてそういう環境づくりをしてもらいたい。つまり、最初から障害者あるいは高齢者をいわゆる社会の弱者と決めつけて、それでそれに対してどうしたらいいかということではなくて、二つに分けて考えてもらいたい、こういうことを常々私に言うのでございますが、いかがでしょう、総理。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 御指摘のとおりだと私は思いますが、やはり人間として生きる条件というものをどうして引き出していくか。これは、例えば体に障害を持っておっても、その人の持っておる潜在的な人間としての能力と力というものはあるわけですから、そういう能力と力というものをいち早く引き出して、そして普通人と同じように社会的な生活ができるような条件整備というものをやはり心がけていくという今のお話、二段階に分けていくという考え方については、私も大体同じであります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 厚生大臣、いかがでしょうか。

森井忠良日本社会党・護憲民主連合厚生大臣

○森井国務大臣 どうも大変失礼しました。  身障者として差別することなく、同じように扱っていく施策をこれからもやっていくべきだと考えております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 ちょっと厚生大臣、お休みだったのか、私が言いたかったのは、要するに福祉というものを考える場合に、頭から障害者なりあるいは高齢者を社会的弱者と決めつけて福祉を考えるのではだめだ。まず社会参加をしていただく、そこにまず重点を置いて、どうしてもそれが不可能な方にはまた別な対応をする、二つに分けて対応すべきだと思うがどうかということをお尋ねしたのでした。総理からも御答弁がございましたので、異論はないと思いますが、ぜひひとつそういうことでこれから厚生行政も進めていただきたい。  いずれにいたしましても、麻原彰晃というあの人物が世の中にあらわれたということ、これはやはりいろんな角度から検証すべきことでございまして、ぜひそういうことを十分踏まえてこれから事に当たっていただきたいと思います。  それからもう一つ、これは麻原彰晃の問題ではございませんが、このオウム真理教事件というのは、言ってみると戦後教育の失敗のいい例ではないかという指摘もあるわけでございます。オウム真理教事件に加担をした幹部信者の多くが、世間で言ういわゆるエリートと呼ばれる高学歴の若者。であったわけでございまして、このことはオウム真理教の事件が戦後教育の失敗の大きな例を意味しているのではないか、こういう意見もありますが、いかがでしょう。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 すべてが戦後教育の誤りにあるというふうに断定すべきではないと思いますが、若者が、あれだけ本来優秀と考えられる人たちがオウム真理教へ入信したことにつき、また、あの行動をとったことにつきましては、さまざまな個人的、社会的背景があった、こうは思いますが、少なくもこういう若い人たちには、理性に対する信頼が不足していたり、あるいは科学的な実証主義の手法に欠けていたという面があったように思います。  私たちの反省の中で、新しい教育のあり方を今懸命に求めているところでございますが、具体的な考え方としては、学校、家庭、地域社会が一体となって、子供たちがみずから考え、理性的に判断し、行動できる資質や能力を身にづけるとともに、豊かな人間性を育てることが重要であり、今後これらに十分意を用いていきたい、こう考えているところであります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 戦後の教育の失敗と言われるゆえんの一つは、人生というものを、航海ではなくて、所定の路線の上に列車を走らせるがごときものと想定したのが戦後教育であって、これが一流の大学とか一流の会社という信仰を加速させてしまった。したがって、人生という名の航路に際して、予期せざる突風が吹いたときや座礁したときには最ももろい種類の人々をエリートとして送り出してきたのが戦後の教育ではなかったか、これが私の秘書の櫻田君の論点なんでありますが、いかがでしょうか。橋本さん、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○橋本国務大臣 これは本来なら文部大臣が御答弁されるべきことと存じますけれども、私は、今一概に委員が述べられた考え方に同意はできません。  彼らのような青年ばかりが現在育ってきたわけではないわけであります。そして、はるかに多くの青年たちが、現在の教育の中で立派に現在も勉学を進めておりますし、また、社会に巣立っております。彼らの例だけを見て現在の教育制度がすべて誤りと否定するつもりは、私はありません。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 もちろん、それはそのとおりでありまして、戦後の教育が全部失敗だったら、今日の日本の繁栄なんかないわけですから。しかし、ごく一部とはいえ、あれだけ大きなことをしてかしたということは、やはり、数は少なくてもこれは重大問題だと言わざるを得ないわけでありますから、大半がよかったから問題はなかったのだと言うことはいけないと思うのですね。そういうことを言っていらっしゃるのじゃないと思いますけれども、念のために申し上げておきたいと思います。  いわゆるエリートと言われる人たちが、占いとかオカルトとか神秘現象への関心、こういうのに非常に強く持つ者がいるというのはなぜだとお考えですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 いろいろな考え方はあろうかと思いますが、私は、戦後大変に豊かになりました。また、私たち子供の時代と今と比べてみると、非常に便利にもなりました。この豊かさや便利さ、その一方では、非常に子供の数が減って、親たちは自分たちの厳しかった時代を顧みて、逆に過保護に陥っている面がないではないと思います。また、学校教育についても反省がないわけではありませんで、知育、徳育、体育、ともすれば知育偏重に偏り、ある意味では偏差値が人を何か類別するような、そういう面もなかったとは思いません。いろいろな事々が社会の人間の評価の基準というものをゆがめてしまっている。  私は、こういうことを基本的に考えて、こういうことこそまさに党派を超えて日本の政治家がみんなで考える問題だな、今そう考えているところであります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 若い人たちがオカルトとか神秘現象へ引かれるというのは、心理的に確信を得たいという若者の精神の渇望というものを暗示しているのではないか。したがって、確信を与えてくれる人々が目の前に登場しますと、えたいの知れないものでも引き込まれてしまう、そういう可能性が顕著にあるわけですね。これが一つのいい例じゃないかと思うのであります。  したがって、若い人たちにえたいの知れないもの、あるいはいかがわしいものを判断する基準を教えなかったというのが大きな戦後教育の失敗の一つとして挙げられるのではないかという指摘もございますが、どうでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 私もほぼ同感であります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 いずれにいたしましても、教育の問題というのは非常に大事な課題、言うまでもないことでございますが。このオウムの事件、こういう大変不幸な事件でございましたけれども、ここで教えられることの大きな一つの課題としてこの教育の問題があると思います。  ちょっと橋本さんと教育の話で意見交換をしてみたいと思いますが、この間、自民党の総裁選挙がございましたときに、橋本さんは、憲法の改正のことに触れられまして、八十九条ですか私学の助成の問題もあるので、憲法の改正もそういう視点から考えるというような話をされたわけでございますが、この私学のあり方、何かお考えがあってそう言っていらっしゃるのだと思いますけれども、その点、どういうことでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○橋本国務大臣 どうも、文部大臣の前で私が申し上げるのは、まことに所管外でありまして申しわけないと思います。  ただ、私は、私学教育というものは我が国においてもっと国としての投資が積極的に行われていい分野だということは以前から思い続け、また、主張もしてまいりました。我が国の教育の中で、私自身が私学で学び育ち、そしてみずからの母校を誇りとしておる人間だからかもしれません。  しかし、私学教育の中に、私は随分私自身にとってプラスになるものを見てまいりました。そして、自分の子供たちの中で、公立小中学校へ皆と思いましたが、一人だけ中学で私立に、一人だけ小学校の途中から私立に変わった者がおります。それぞれの五人の子供たちの育ってくる過程を見まして、私は、公立学校というもののよさはやはりそれなりのものがあり、特に小中学校の場合に、地域に密着して私は非常にいいものがあるなという印象を持っております。しかし同時に、それぞれの建学の精神を持つ私学というもののよさ、これはまたおのずから別のものがあろうかと思います。  しかし、我が国の場合、私学の経営基盤というものは必ずしも恵まれた条件にあるとは申せません。そして、私学助成への道というものもおのずから限られたスペースであります。しかし、もっと積極的に、例えば民間の方々が私学に対して寄附をしていただける、それが御自分の税制上の恩典を受けるとか、いろいろな工夫をすることによって誘導できないものであろうか。そういうものは前からありました。同時に、国として将来を考えるとき、私は、教育投資の中でもっと大きな部分を積極的に私学に投入すべきだと今積極的に思います。  殊に、我が国の場合、高等教育への進学率はおかげさまで非常に高い水準を持っております。しかし、大学を卒業して大学院に進む、この時点になりますと、欧米諸国に比べてその数はがくんと減るはずであります。そして、大学院修士コースから博士課程へ進む、その時期はもっと数字は減ってまいります。そして、この部分に対してなおかつ私学に負う部分は、我が国は大変大きいわけであります。  将来、我が国の研究という一点に着目をした場合でありましても、それだけ多くの、今後は大学院、さらに修士課程から博士課程へと進もうという若い人々を、我々はその希望をかなえてやる工夫をしていかなければなりませんが、そのためには、私学の施設設備を含めて、よりすぐれた教育環境というものをつくる必要はあろうかと考えております。  そうした視点から考えるとき、私は、今委員から御引用になりましたような考え方を世の中にも公表している次第であります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 私は、私学の重要性というのは非常に大きい、このように思いますが、ちょっと意見が違いますのは、私学が私学らしさを失ってしまったのが今の日本の私学の現状ではなかろうかと思えてならないわけです。  私は、そういう点からいいまして、私学助成というのは基本的に反対なんでございます。これは、私学助成をやめることによりまして私学の経営というのは苦しくなるでしょうが、一つは、そこで経営努力というものが生まれる。もう一つは、授業料を上げざるを得なくなるでしょうから、その場合に、授業料を上げただけではこれは片手落ちです。そこで、奨学金制度を充実をして、そちらの方でその高い授業料に耐えられない生徒を救っていく。この方が全体を考えますと私学の発展ということについて資するのではないか、このように思えてなりません。  私学助成ということで、私は、私学が国の、文部省の管轄下に入ってしまって、だんだん私学らしさがなくなっているのが現実ではないか、こんなことを思ってならないのでございますが、その点、文部大臣いかがでしょうか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 御承知のように、日本は、小中学校は公立が約一〇〇%と言われるくらいほとんどでございます。高等学校になると約七割が、これがまた公立てございます。しかしながら、今度は大学の部分になりますと、七五%ぐらいは、これは私学でございます。したがって、この私学の存在、私学の果たしている社会的役割、これは極めて大きいと思いますし、現状のいろいろな学校のあり方等を見てみますと、これは当然従前にも増して私学助成というものは考えられていいのではないか、そう考えます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 教育の話、ちょっと外れたようでございますが、私は、この宗教と教育という問題、やはりこれは今回のオウム事件に関連して議論すべき大事な点であろうと思うのでございます。  そこで、しばらく宗教と教育の問題について議論をしてみたいと思いますが、まず、宗教教育を定めたのが教育基本法にございますね。これは九条ですか。九条を読んでみていただきたいと思います。

井上孝美文部省初等中等教育局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  教育基本法の九条二項におきましては、国公立学校につきましては、特定の宗教教育及び宗教的活動につきましては行ってはならないということがございます。教育基本法の九条一項におきましては、「宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。」と規定されておりまして、二項で特定の宗教教育、活動につきまして禁止規定が書かれているところでございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 今ございましたように、第一項では「宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。」と規定されているのでありますが、後段の方の、「国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。」こう規定されておりまして、戦後の日本の教育の中で、この教育基本法の第九条の第二項が強調され、第一項の方、こちらが、どちらかといいますと強調されないできた、こういうふうに感じますが、いかがでしょうか。

井上孝美文部省初等中等教育局長

○井上政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘のように、日本国憲法及び教育基本法においては、国公立学校は特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動を行うことを禁止しているわけでございますが、ただいま先生から御指摘がございましたように、教育基本法の九条一項で、「宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。」と規定されております。  それを受けまして、学習指導要領におきましても、宗教的情操に関連いたしまして、例えば小学校の道徳では、「美しいものに感動する心や人間の力を超えたものに対する畏敬の念をもつ。」などと定めて、その教育を行っているところでございます。  また、学習指導要領においては、学校の教育活動を進めるに当たりましては、「自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図る」ことを定めているところでありまして、生徒一人一人がみずからの物の見方や考え方をもって主体的に判断し行動できる力を培うため、論理的思考力、理性的判断力、実証主義的な物の考え方などの能力の育成を図ることが大切であると考えられております。  したがいまして、今後とも、学校における教育活動全体を通じまして、児童生徒が宗教に関する健全な良識を身につけるように努力してまいりたいと考えております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 いろいろ今事務的なお話がございましたが、宗教というものの成り立ちや人間にとっての意義、宗教の人間文化に果たした役割、こういうものはもっともっと学んでいく必要があるのではないかと思います。そういう中で、人間とは何かとか、生命とは何かとか、あるいは死の意味だとか、こういう人間存在の根源的な問題というのは、宗教を抜きにしては考えることができないのではないか、こう思います。  また、宗教というものに理解を深めなければ世界の国々と理解し合うことは難しい、こういうことも言えるのではないかと思います。外国人から見ますと、日本人の無宗教性というのが日本人の不可解さにつながっているという面も指摘をされておりまして、この今回のオウムの事件によって、私たちに宗教とは何かという問いを突きつけられたのではないか、こんなことを感じてならないわけでございます。  ここで、ちょっと話が飛びますが、ここに、これはアメリカの国会のいわゆる国会便覧なのでございます。これは写真が入っていろいろ書いてあるわけで、日本の国会便覧とほとんど同じなのですが、一つだけ違うところがある。それは、それぞれ全部宗教が書いてあるのですね。  幾つか例を申し上げますと、上院のドールさんという今大統領候補に挙げられている人ですが、これはメンディストと書いてあります。それから、これはやはり上院議員ですか、ファインシュタイン、これはサンフランシスコの市長さんから上院議員になられた方ですが、これはジューイッシュと書いてあります。それからケネディ、ケネディはカソリックですね。今話題になっている下院議員の方では、ギングリッチさんというのは大変有名になっておりますが、このギングリッチさんはバプティストと書いてあります。ゲッパート、これもやはりバプティスト。アメリカ人にとりましては、宗教というのは国会便覧に一人一人全部書いてあるわけですから、日本と大分違うわけですね。  私自身は、生まれ育った家系というのは浄土真宗なのでございます。私、個人的には空海の教えとかいうものに引かれる面があるわけですが、いずれにしましても、私は特定の宗派で活躍をしてはおりませんけれども、個人的には宗教心あるいは信仰というものを大変熱心に考えているつもりでございますが、ここでちょっと、それぞれ大臣に、信仰をお持ちかどうか、伺わせていただきます。  総理大臣、いかがでしょう。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 私の家は代々真宗であります。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 私の家は真言宗でございますが、政治家でございますから、いろいうな宗教団体の活動にも伺うことがございます。  しかし、基本的に私は、いろいろな宗教それぞれに、人の道を教え、心の迷いを払拭するという意味ではその存在は極めて重要だ、こう考えております。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 私の家は浄土真宗でございますが、私は神社の前へ行くと手を合わせてお参りしますし、お寺に参れば本当に心を清らかにしてしっかり働かせてくださいとお祈りしますし、そういう意味では神や仏、いずれにしても敬っていると申し上げていいでしょうか。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 私の家は真宗でございます。  率直に申しまして、それほど信仰深いということを申し上げられないのが大変残念に思っております。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○橋本国務大臣 我が家は代々禅宗であります。  そして、幼いころ私は、キリスト教を調べたり、さまざまな宗教活動というものに関心を持った時期もあります。また、神仏というものから全く離れた時期もあります。しかし、ボーイスカウトの一人として、ボーイスカウトのその当時の言葉を使いますなら、神または仏とみずからの国に忠節を尽くすというのが最初の誓いの言葉でありました。  目に見えない何物かに対しての敬いの心は、今日も失ったことはないつもりであります。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 全閣僚に……。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 では大蔵大臣、外務大臣までにしましょう。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○武村国務大臣 今世紀は戦争の世紀だとも言われますが、同時にまた、科学技術そして物質万能の時代でありました。ある意味では人間の精神力がむしろ脆弱になったとも言われておりますし、そんな中に宗教あるいは人間の信心、信仰という問題があると思っております。ですから、二十一世紀は宗教の時代だとおっしゃる方もあるぐらいでありますが、いずれにしましても、科学技術や物質万能の行方には人間の精神の落ちつきは見出せないという気持ちの中で、いろんな現象が起こってきているわけです。  同時に、愛知先生も御関心の地球環境のような問題を真剣に見詰めれば見詰めるほど、何か自然環境というのは神と仏に通ずるなど、それに対する畏敬の念、我々は生かされているということを我々は思い上がって忘れてはいやしないかという反省も強く感ずる昨今であります。

河野洋平自由民主党・自由連合外務大臣

○河野国務大臣 我が家は曹洞宗でございます。敬けんな信者でございます。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 もういいですか。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 宗教の話あるいは教育の話、もっと言いたいことがいっぱいあるのでありますが、ちょっと時間が経過し過ぎたような感じがいたしますので、本題に戻りますと、最初に申し上げましたように、このオウムの事件というのはなぜ起きたかという、その背景についていろいろ議論をして今の方に発展しちゃったわけですが、その点で、背景ではなくて、なぜ防止できなかったのか、こういう点について、実は私ども新進党では、江田五月さんを座長にいたしまして、オウム再発防止プロジェクトチームというのをつくっておりまして、そこでいろいろと検討をしているわけでございますが、まず、なぜ防止できなかったのかというところが大変大事でございます。なぜ防止できなかったのか。どうお思いですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 再三御説明申し上げておりますとおり、宗教法人は、一たん認証いたしますと、その後の行動やあるいはその他の財務に関する活動等々、実情は何も把握できないというのが現行法下の実態であります。  もしこれが例えば改正後の法律であったならば、こういうことについてある程度の動き、例えて言うならば、いわば上九一色村のああいう施設をつくったり、大量に薬品を購入したり、ヘリコプターを導入したり、こういう事々についても多少のことは把握できたはずでありまして、そういう意味では、現行法のままでは、これは彼らの行動が全く把握できないわけでありますから、やはりこの辺が一番大きな原因である、こう考えております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 なぜ防止できなかったかという点で、一つは、証拠の収集上の問題点があると言われております。  また、民事不介入、法は家庭に入らずという、警察権力は民事事件に介入しないとの原則があるために、警察権の行使がちゅうちょされたという、そういう事実、そういう側面もあったと言われております。こういう点についてはどうでしょう。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 捜査の問題については、いろんな角度から、いろんな御指摘があって当然であろうと思います。ただ、私どもは、例えば坂本弁護士事件の場合も、神奈川県警察において事件発生直後から、何らかの犯罪にかかわっているという観点に立って捜査本部を設けて、直ちに捜査には着手したわけであります。  ただ、御案内のように、まことに乏しい証拠でございました。そしてあわせて、宗教団体という集団がこのようなことを結果的には起こしていたわけでありますので、集団で証拠を隠滅する、あるいは口裏を合わす、尊師というその宗教の指導者に対する絶対的な服従というものがあらゆる捜査のマイナスになってしまっていたというふうに私どもは思っております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 このオウム真理教の関係者が犯したいろいろな犯罪行為というのは、刑法を初めとする刑罰法規の厳正、適切な運用をなすことによって取り締まることが可能だったのではないか。宗教法人法八十六条も、他の法令の規定の適用を妨げるものと解釈してはならないと規定しているわけでございます。  幾つか例を申しますと、サリンに関して言えば毒物劇物取締法というのがあって、これで取り締まることができなかったのか、あるいは学校教育法、児童福祉法で捜査ができなかったのか、あるいは消防法、水道法、建築基準法、こういった法律を適用することによって未然に防止することができたのではないか、こういう指摘がされておりますが、これらについてはいかがでしょう。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 ただいま御指摘のすべてにお答えはできませんが、確かに御指摘のように、消防法の問題とか法令違反が数々ございました。その折々に警察は、関係行政機関と連携をとりながら、法令の規定に従い、厳正かつ速やかに対応いたしてまいりました。これからも、法令に違反するものがあれば関係行政機関と緊密な連絡をとりながらきちっと対応していくつもりでおります。  また、サリンにつきましては、委員御存じのように、このようなサリンを生成して毒ガスという形で人を殺傷するということは実際問題として想定の中にございませんでした。このような、かつて経験のない新しい人を殺すという手段を、宗教団体がまして行うなどとは予測に全くありませんでした。そのために、この事件が起きましてからサリンについての法律改正等を行ったわけでございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 なぜ防止ができなかったかということについては、前、予算委員会のときに江田委員がいろいろと質疑をさせていただいたということもございますし、また、同僚委員が後ほど法律家の立場から質疑をすることになるかと思いますので、この程度にさせていただきたいと思います。  次に、ある意味ではもっと大事なことでございますが、オウムの教団が再び犯罪を犯すことをどうやって防止するかということでございます。  実は、先ほどもちょっと話題になりましたが、オウム教団が再び罪を犯すのではないか、犯罪を犯すのではないかということは日本の国民にとっても大きな関心事でございますが、これは世界じゅうが関心を持っていることでございまして、アメリカの上院の公聴会でもこの問題が取り上げられました。ここにその報告書、英文で百ページほどになる膨大な報告書でございまして、これはきのう入手したばかりで、まだ十分これを翻訳しておりませんで、中身をきっちりと検証するところまで至っておりませんけれども、この中にも言っておりますが、非常に心配をしているのが、またやるのではないか、こういうことでございまして、その点に関して、オウムの捜査の中でまだ非常に重要な人物が逮捕されてないと聞いておりますけれども、どんな人が残っているんですか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 オウム真理教による組織的な違法事案の再発を絶対に防止するというのは私たちの全責任であると考えておりまして、全国の警察を挙げてオウム真理教関係者、特にただいま指名手配五人おりますから、一日も早い検挙を進めてまいりたいというふうに思っております。  また、一連の事件がオウム真理教によって組織的に引き起こされたということにかんがみまして、警察としては今後、公共の安全を害するおそれのある集団に関する的確な情報収集あるいは必要な体制の強化を図りながら、国民の皆さんや、ましてアメリカの人々まで心配をかけておるわけでありますから、その不安を一掃するために全力を挙げていきたいと思っております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 再発防止、再犯防止ですか、全力を挙げるはいいですけれども、具体的にはどういうことですか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 具体的なお答えにつきましては、捜査を担当している局長がおりますので、答弁させます。

杉田和博警察庁警備局長

○杉田政府委員 お答えをいたします。  具体的にオウムの再犯を絶対に許さないというためには、現在進めております捜査、これを徹底いたしまして、これまでにオウムが組織的に行ったと思われる犯罪、これを明らかにすることであるというふうに思います。二つ目としましては、ただいま大臣が申し上げましたとおり、逃げて、いまだに逃亡しております。そういった被疑者、これを徹底して捕まえるということであると思います。三つ目といたしましては、オウムの組織というのは一連の捜査によりまして相当なダメージを受けておることは事実でございますけれども、今なお一万人前後の信者というものが、麻原彰晃こと松本智津夫に対して絶対的な帰依をしておるという状況にございます。したがいまして、こうした組織というものの動向というものをきちっと把握をしておくということが必要である。そういうことで、この三つの点について全国警察挙げまして全力を挙げておるところでございます。  以上でございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 大臣の御答弁にも、今の事務当局の答弁にも、再犯防止のために破壊活動防止法を適用するという話は一言もございませんでしたが、どうしてですか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 国家公安委員会の委員長として、捜査に全力を挙げて特別手配の五人を検挙する、あるいは他の二名を検挙する、それからオウム真理教の、例えば大半は検挙されて今度は集団指導体制になっていると思われるのでありますが、これらの動きについてはきちっと情報を把握していく、そして再びこういうようなことの起こらないように全力を挙げるというのが私どもの役割だと思っておりますから、そのようにお答えしたわけであります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 それでは、破壊活動防止法の適用につきまして若干質疑をしていきたいと思います。  私どもは、このオウム教団の再犯防止という点で、やはり破壊活動防止法の適用というのは大きな手段ではなかろうか、こんなふうに考えております。公安調査庁は、ことしの五月十六日、オウム真理教を調査対象団体に指定して、団体規制処分である解散請求が必要か否かの調査活動を進め、九月の末には証拠の収集、検討をすべて終えて、手続の第一段階たる弁明手続開始決定を行うばかりであったようでございますが、総理は、オウム真理教に対する破防法の適用問題について最初に法務当局から報告を受けたのはいつのことでしょうか。

杉原弘泰公安調査庁長官

○杉原政府委員 私どもは、委員御指摘のとおり、本年の五月十六日に特別調査本部を設置いたしまして、その後所要の調査を進めておりましたが、その後の調査の状況につきましては、調査の内容にもかかわることでございますので詳細に申し上げるわけにはまいりませんが、ただいま御指摘の総理への報告という点につきましては、ある時点で中間的に捜査の概況につきまして、また、捜査の詳細はまだ報告いたしておりませんが、現状につきまして、手続の概要につきましても含めまして報告をいたしております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 総理は、オウム真理教に対する破防法の適用について、当初は慎重な姿勢を見せておられましたが、法務省、公安調査庁から解散請求に向けての証拠が固まった旨の報告を受け、九月の二十七日には「政治判断することではない」と述べるに至ったと理解をいたしております。  ところが、翌日新聞が総理のこの発言をとらえて「首相また官僚まかせ」と批判をし、社会党の中執がオウム真理教への破防法の適用に反対の方針を決定したことから、総理は十月三日には態度を一変して、法務当局に対し慎重に対処するよう指示、十月十一日には予算委員会において、弁明手続開始決定の前に行政上の指示を行うかのような発言をするに至った。総理のこのような発言の変化に、オウム事件の再発防止に徹底的な取り組みを求めている国民は、非常に不安を募らせているのではないかと思います。  総理は、十月三十一日の本会議におきまして、我が党の鳩山議員の質問に対しまして、自分の発言は首尾一貫していると強弁しておられましたが、国民の目から見て、どうもそうは思えないのでございます。総理の破防法に関する理解に誤りがあるために発言にぶれが生じ、弁明手続開始決定以前には行政の長として指示を行い得るなどという発想をされたのではないでしょうか。  弁明手続開始決定の前後で手続の性格が変わるといった根拠は全くありません。一歩譲りましても、決定前の手続は、一般の刑事事件における捜査段階の手続に準じたものであり、いわば準捜査手続の性格を有しており、本来政治や一般行政は介入すべきものはないのでございます。  そこで、確認しておきたいと思いますが、弁明手続開始決定というのは具体的にどんな手順で行われるのでしょうか。また、この決定を行うか否かを最終判断するのはだれなのでしょうか。

杉原弘泰公安調査庁長官

○杉原政府委員 お答えいたします。  破防法に基づく団体規制を行おうとするときには、弁明手続というものをまず行うことになるわけでございますが、この弁明手続の開始のための手続、具体的な手続といたしましては、公安調査庁長官の名前で官報に公示をする、こういうことになっております。  この弁明手続、つまり団体規制を行おうとする場合のその前提となる弁明手続、この開始をだれの責任で行うのかという委員のお尋ねでございますが、ただいま申し上げましたように、この手続は公安調査庁長官の名前において行うというふうに破防法には規定されております。ただ、この弁明手続開始、それも一つの行政的な処分でございますので、私ども公安調査庁というのは、御案内のとおり法務省の一外局でございます。したがいまして、公安調査庁の長官が長官の責任においてその手続を開始するに当たりましても、一外局の長として、私の直属の監督者であります法務大臣の御指導を受けなければならない、こういうことになりますし、また行政の長でおられます総理大臣も、この弁明子絞の開始というのが一つの行政手続である以上は、その限りにおいて総理としての責任がおありであるというふうに私どもは考えております。  ただし、私どもは、公安調査庁としましては、主管庁として、法律の趣旨に従いましてあらゆる手続を、破防法の規定に従いまして慎重かつ厳正に証拠を収集し、判断したその上で行政処分としての最終的な決定を行うための御指導を受けることになるであろうというふうに考えております。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 総理から御答弁があると思いますが、その前に私から御答弁を申し上げます。  オウム真理教につきまして破防法を適用するかどうかということにつきましては、いろいろな意見がございます。ただ、あのような凶悪無比な犯罪を二度と繰り返させてはならないということについては、大方の意見が一致しているところであろうと思います。  破防法は、申し上げるまでもなく、公共の安全を確保いたしますために、暴力主義的破壊活動を行った団体に対して規制をいたします制度でございますけれども、同時に、これは基本的人権にも深くかかわる問題でございますので、私どもはそういう見地から、現在、法と証拠に基づいて厳正かつ慎重に検討を進めております。  公安調査庁が直接の担当をいたしておりますが、公安調査庁の調査もかなりのところまで行っております。なお、幾つか検討を要すべき問題を残しております。  以上でございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 先ほど長官の説明にもあった、いろいろなことを言われて、何だかよくわからなかったところもありますが、つまり、公安調査庁長官の専権事項だと、弁明手続の開始については公安調査庁長官の専権事項であるということはいいんですね。

杉原弘泰公安調査庁長官

○杉原政府委員 専権事項という表現には若干語弊があるかと思いますが、法律上、公安調査庁長官の名前でこの弁明手続を開始する、そういう意味で専権事項というふうに部内では表現している場合もございますが、正確に申しますと、それは公安調査庁長官の名前において弁明手続を開始する、こういうふうに規定されているという趣旨でございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 そうしますと、総理の行政の長としての判断が入る余地があるのかどうかということなんでございますが、専権事項だとすればそのような余地は全くない、こう思いますが、総理、いかがでしょう。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 先ほどから委員の発言を聞いておりまして、私は終始一貫変わらない考え方をずっと申し上げているのですよ。ところが、マスコミの聞き取り方によって、前段の方を重く受けとめると前段の方を中心に記事を書くんですよ。後段の方を今度は重く受けとめますと、後段を主体にした記事を書くんですよ。ですから、そういう状況で、かえって国民の皆さんに不安と動揺を与えるという結果になっていると思いますから、私はここで、きょうはまたいい機会ですから、はっきり申し上げておきたいと思うのですね。  今、公安調査庁の長官からも、法務大臣からも答弁がありましたけれども、この弁明手続の開始を決定する、で、官報に公示するわけですね。その決定をするときに、これは公安調査庁の名前でもって公示をするわけです。しかし、一つのやはり行政機関ですから、したがって、その行政上の責任は法務大臣にもありまするし、もちろん総理大臣にもあるというように思いますから、したがって、その段階までに、いろいろな経過を聞き、報告を聞いたり、あるいは求められれば意見を言うたりするのは当然でありまして、そんなことも全然関係ないんだ、これは専権事項だから一切もう物を言っちゃいかぬのだ、こういう性格のものではない。そんなことではやはり私は行政の長としての責任が持てないというふうに思いますから、そういう立場から申し上げているわけです。  九月の未に現状についての報告がありましたね。法と証拠に基づいて、これは厳正にその調査を今やっていますと。結構ですと。これは法成立当時の状況もあるし、同時に基本的人権にもかかわる問題だから、できるだけ厳正に、慎重にやってほしいという意見は申し上げましたけれどもね。それは私は、ある意味からすると、総理大臣の立場からすれば当然の発言だというふうに思っておりますが、ただ、官報に公示をして以降、弁明の期間が過ぎて、いよいよ公安審査会にかけるというような段階になってまでも、これは余り政治がくちばしを入れるものではない、準司法的な扱いをすべきものだというふうに思っておりますから、そういうふうに申し上げたんですよ。  準司法的なものだから政治的に余り関与してはいかぬというところを重点にとりますと、役人任せかと、こうなるのですよ。そして、手続開始までについては慎重にやはり扱ってほしい、こういう意見を言いますと、今度は慎重にと、こういうふうにとられるわけですね。ですが、私は終始一貫してそういう発言を申し上げているのであって、誤解のないようにお願いいたします。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 総理の姿勢が、破防法の適用については消極的だという印象を非常に国民は受けているわけですね。  今、いろいろ言われましたけれども、それではどうやってこのオウムの再犯を防止するんですか。どうやったらオウムのこの団体の再犯を防止することができるんですか。これは世界中が見ているわけですから。日本の国民はもとよりでありますけれども、世界の人々に対して、二度とこのオウム真理教という集団が犯罪を犯さないように、再犯しないように、どうするというメッセージを世界に送らなければいけないわけです。どうしたらいいとお考えですか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 先ほど来答弁がありますように、警察の方で徹底的な捜査を今やっていますね。いまだ逮捕をできていない者についても、総力を挙げて逮捕をするために取り組んでおりますし、やがて、この公判も開かれておりますが、全体の全容というものが解明されていくと思いますね。そういう捜査を徹底して、そして息の根を断って、そして再びこういう事件が起こらないようにやっていくということが一つです。  もう一つは、宗教法人法にも言う宗教法人としての解散命令が出ました。これは抗告したそうですけれども、出ました。したがって、私は、一日も早く解散命令がされて、そして財産の清算も行われるというようなことを通じて、一つのやはり再発を防止するための力になるのじゃないかというふうに思っていますし、それは、あらゆる機関を動員して、総力を挙げて、徹底的に再発防止のために尽くしていくということは当然のことだと思います。  同時に、先ほどちょっとお話がありましたように、社会党がこの破防法の適用に反対しているという話はいたしておりません。慎重にやるべきであるという意見は言っておりますけれども、反対という決定はいたしておりませんから、誤解のないようにお願いいたします。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 オウム真理教事件の再発を、今回の仮に宗教法人法の改正で完全に防ぐということは、これはもとより不可能ではございますが、従前の現行法と異なり、今回は宗教法人の管理運営の民主性や透明性が高まり、所轄庁も宗教法人の実態をある程度把握できるわけでありますから、もしこの改正案が成立すれば、宗教法人の不適切な運営の防止に資することにはなるわけであります。宗教法人を隠れみのにしてこういう事件が起きたという意味からすれば、この側面も肝要かと思います。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 総理に確認をもう一度念のためにしておきますが、法務当局が法的判断を誤ることのないよう厳正かつ慎重に対処した上で、公安調査庁において十分な証拠固めを終えて、後は法律の規定にのっとって手続を進めようという段階に至った場合には、総理が政治判断を加えることはないと、もう一度明確に、そういう理解でよろしいのですか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 これは私は一貫して申し上げておりまするけれども、弁明手続を開始するということは、破防法の適用を前提にして開始すると思うのですね。それはもう、してもしなくてもいいんだといって手続を開始、公示することはないので、やはり官報に弁明手続を開始しますということを公示するということは、破防法の適用をすることを前提にして私は開始されると思うのです。  その段階までは、やはり行政の長としての責任がありますから、相談もしてほしいと思いますし、意見も聞いてほしいと思います。しかし、それ以後は、弁明期間を過ぎて公安審査委員会にかけるという段階になれば、これはもう準司法的な問題ですから、法の手続に従って整々と行われるべきものだというふうに考えています。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 とにかくオウムの事件というのが再発しないように、これは緊急課題ですね。これはもう国民もそうだし、世界も、さっきから何遍も言っておりますけれども、世界が注目をしているわけです。この課題、先ほどいろいろ議論しましたけれども、なぜオウム真理教という教団があの犯罪を起こすに至ったか。教育の問題なんかも言いました。そして、後二度と起こさないようにするにはどうしたらいいか。  これは今、文部大臣でしたか、総理でしたか、宗教法人法の解散命令ということで、宗教法人としての資格が取り上げられても、団体としてはまた残るわけでしょう、まだ捕まってない人もいるし。また、裁判でオウム真理教はもう脱会したと言った人物が、何かよく調べたらまた戻っていた、こういう報道なんかもされていますね。ですから、このままではこれはとても安心できない。どうしたらいいんでしょう。捜査をいろいろ徹底してやるはいいけれども、団体としてオウム真理教という集団が残ったのでは、やはり何かやるかもしれないという不安は、これは残るんじゃないですか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 あらゆる捜査を続けても不安が残るというのは、残念ながら御指摘のとおりだと思います。しかし、私どもは、二十二万の警察官の熱意と努力を信じています。そして、国民の皆様がこのような犯罪を二度と再び起こさせない、そういう空気がさらに芽生えていけば、私は着実な成果が生まれると思っております。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 先刻も申し上げましたけれども、宗教法人法に基づく団体の解散ということになりますれば、法人格を喪失をして、しかし、おっしゃいますように、事実上の団体活動というものは残り得るわけでございます。しかし、破防法によって解散をされるということになりますれば、それ以降に団体のためにする行動というものは一切行うことができないということでございまして、具体的に申しますと、当該団体の役職員なり構成員であった者は当該団体のためにするいかなる行為もすることができない、禁止をされるわけでございますし、また、禁止行為を免れる行為をすることは、これも禁止をされるわけでございます。したがいまして、再発防止という見地から申しますと、破防法を適用するということは有効であると考えられます。  しかし、先ほども申しましたように、破防法自身は、国民の基本的人権に深くかかわり合いのある問題でございますので、それを適用するかどうかにつきましては、現在、法と証拠に基づいて厳正かつ慎重に検討をいたしている、こういうことでございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 破防法の適用というのが再犯の防止に大きく役立つ、効果的だということは認められるわけですね。

宮澤弘自由民主党・自由連合法務大臣

○宮澤国務大臣 現在具体的に調査をいたしておりますので、具体的な問題についてのお答えはできませんが、一般論といたしますと、団体のためにする活動を禁止をいたしますのが破防法でございますので、破防法を一般論として適用することになれば、それだけの効果はあるであろうということを申し上げているところでございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 もうこれは大変深刻な話で、先ほどから何回も強調しておりますが、日本の国民だけではなくて世界じゅうが注視していることなんです。ですから、できるものはあらゆる手段を講じて対策を講ずる。  しかも、今ちょっと特殊なときでもある。なぜかといいますと、今月の半ばにはAPECが開かれます。アメリカ大統領を初めとして、各国の主要人物が日本においでになるわけであります。このアメリカの議会の報告にも載っておりますけれども、非常に心配だ、アメリカの大統領の身辺の保護についても非常に心配しているというようなことが載っているわけです。  したがって、まずここ、あと二週間ぐらいの間ですから、この間で何か起きてしまったらこれは大変なことになりますね。だから、基本的人権も大変大事だということはもちろんわかりますけれども、しかし、現実問題として何か事が起きたらどうしますか、総理。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 APECで世界の、アジア・太平洋地域の有力な方々がお越しになる。クリントン大統領もお越しになる。この大阪会議が成功するかしないかは治安が保たれるかどうかにかかっている、私どもはそのように思いまして、今全力を挙げてこの態勢を固めているところであります。  私は昨日、日帰りでございましたが大阪に飛びまして、警護の実態をこの目で確かめてまいりました。二万五千人という大規模な警察官が、二重三重の、極めて近代的な装備も含めて、万全の態勢で今二週間後のAPECの成功に向けて努力している最中であります。また、APECの後クリントン大統領は東京にもお越しになりますが、東京でも同じような態勢で、安全を守るということに今必死で準備をいたしております。  今御指摘の破防法は、いずれにしても二週間以内にできるものではございませんから、私たちは今あるあらゆるすべての条件を整えながらAPECの成功のために全力を尽くしたいと思っておりますから、どうぞあなたもそのような警察の動きにぜひ理解と御協力をいただきたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 今国家公安委員長から答弁がありましたけれども、国家公安委員長のもとにおいて日本の治安に携わる警察に対して全幅の信頼を置いておりますから、私は、そのようなことは絶対に起こり得ないと確信を持って取り組んでいきたいと思っています。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 河野外務大臣にもお伺いしたいと思いますが、このAPECの会議というのは、日本にとってはまことに大事な会議でございます。そういうときにこういう事件が起きて、しかもアメリカの上院での公聴会でも、そのことに直接触れて懸念を示しているわけです。これは日本にとっては大変な恥さらし、大変な汚点だと思います。だから、事件が再び起きたらもちろんのことでございますが、こういう事態が来たということは、これはかなり大きな日本の信用、信頼を国際社会の中で傷つけることになってしまった、こう思いますが、いかがです。

河野洋平自由民主党・自由連合外務大臣

○河野国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、アメリカは公聴会など開いて、この問題を一つのケーススタディーとしていろいろ議論をしているようでございます。  報告書を見ますとアメリカは大変ショックを受けているわけですが、そのショックの一つは、アメリカはみずから相当力を入れている諜報機関がこうした問題を全く事前に知ることができなかった、これはアメリカにとっては大変ショックな出来事であったわけでございます。  それからまた、テロリズムに対しまして、アメリカを初めとする世界各国が大変今注目をいたしております。これはハリファクスのサミットの前にこの問題が起きたものでありますから、ハリファクスのサミットでもこうした問題について議論がございまして、G7、サミット参加国メンバーで国際的なテロリズムに関する会議を早急にやろうということで、十二月の初めにカナダでテロリズム関係の会議をいたすことになっておりまして、深谷国家公安委員長にも御出席をいただくということになっております。  アメリカのみならず国際社会、G7のメンバーなどは、こうした大規模なテロリズムに対して大変大きな衝撃を受け、関心を持っているところでございますが、一方、社会的な安全度という意味では、日本は極めて高い点数を得ていたわけでございます。  そうした日本で起こった事件でございますだけに、各国からは一体どうしたことか、こういう目で見られているわけでございますが、先ほど来国家公安委員長お話しのとおり、こうした問題に対して万全の態勢をとるべく大変な御努力が払われているわけでございまして、こうした点はアメリカ初め世界の国々にもう一度よく説明をして信頼を回復しなければならぬ、こう考えております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 私は、世界の信頼を回復するというためには行動を起こさなきゃだめだと思いますね。  今度の、アメリカの議会で日本のオウムの事件が取り上げられていろいろと調査をされ、この調査も五カ月にわたって行われたその調査の報告だと聞いておりますが、アメリカの議会がこのような調査に入っているということは承知しておられましたか。

河野洋平自由民主党・自由連合外務大臣

○河野国務大臣 さまざまな立場の方々が日本へ来て、関心を持っていろいろな事情を聞いておられるということは、私ども仄聞をしておりました。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 いずれにいたしましても、今度のこのオウムの事件というのが日本の国民のみならず世界に与えた傷跡といいましょうか、影響は物すごく大きなものがあった。このオウムの事件を再発させないようにするというのが最も緊急な課題なはずであります。  このオウムの事件というのはなぜ起きたか。先ほど、教育の話からいろいろな話がございました。あるいは捜査に障害がいろいろあったのじゃないかというようなことも、ちょっと議論しました。  いずれにいたしましても、これは多岐にわたるあらゆる角度からの検討をしなければならない課題でございますから、まずこのオウム事件再発防止のための委員会こそ国会に設置をして、そしてそこで議論をするというのがまず一番大事な緊急の課題だと思います。鳩山議員が本会議でもそのことを指摘をしました。そのことについてどう思われますか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 私が答えるべきかどうかわかりませんが、議会側の皆様方がそのような発案があり、そのような会議を開かれるなら、それも有効な手だてだと思います。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 この間の本会議での鳩山議員の質問にも総理はお答えになっていないのでございます、答弁を見ましても。総理はどうお考えになりますか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 それは行政の中につくれというのか、あるいは立法府の議会に設けるというのか、それによって違うと思いますね。もし議会の方にそういうものを検討する委員会をつくるというのであれば、議会の方で御相談をいただいてお決めになることで、もしつくられれば政府としては御協力を申し上げます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 政治家として、あるいは総理として、行政の長ではございますが日本を代表する顔なんですから、総理の姿勢がどういう姿勢がということはみんな見ているわけですね。したがって、総理がこの問題についてどう考えるか。これは国会が決めることだ、それで片づけられる話ではないと思いますけれども。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 行政の立場から今取り組んでいる現状につきましては先ほど来それぞれの所管から答弁があったとおりなんで、これはやはり総力を挙げて閣僚一体となって取り組まなきゃならぬ問題だというふうに考えて今取り組んでいるわけでありますから、やはりもう少し全体の動向を見ながら、あるいは公判の状況というものを見ながら、いずれオウム事件の全容というものが解明されてくると思いますから、そういうものとも見合いながらこれは検討させていただきたいというふうに思いますし、これは議会の方でもしおつくりになるというようなことであるとするならば、それは各党各派で御相談をいただいて、そして、もしおつくりになるならば政府として可能な限りの御協力は申し上げます、こう申し上げているわけです。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 それでは改めてこの機会に、私どもは今設置をしなければならない委員会というのはオウムの問題に関する委員会こそやるべきなんであって、そういう議論の中で宗教法人というものが問題になるなもばそれはそれで議論するはいいけれども、最初からそこを取り上げて、その問題だけ議論をするというこの特別委員会を設置するというのはどうしても納得できないわけでございます。いずれにいたしましても、このオウムの問題、これを国会として取り上げていくべきだ、こういうことを提案をさせていただいておきたいと思います。  さて、オウムの問題につきましては、冒頭に三つに分けて議論しなければいけないと申しました。基本的な問題。それから、どうやってオウム真理教が再び犯罪を起こさないようにするか。最後は、この類似の団体がまた出て犯罪行為をしないようにするにはどうしたらいいか。これは一番長期的には大事な課題でございまして、そのことについて私どもも、先ほど申し上げましたがチームをつくって、そこで総合対策をいろいろ検討しておりますが、政府として何か検討をしておりますか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 類似の犯罪が起こらないようにしていくために、捜査当局を中心として常に、危なっかしいといいましょうか、問題のあるようなところに対してはきちっと情報収集を行う。それから、関係省庁とも連絡をとり合いながら、緊密な連係プレーを行いまして、このような犯罪が起こらないように防止をする。ありとあらゆる手段をただいま講じております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 非常に抽象的な、ありとあらゆる手段というような抽象的なお話でございましたけれども、私どもが今この時点で考えております具体的な案を幾つかお示しをしておきたいと思います。  先ほどちょっと申し上げましたが、オウム事件検証機関というものを設置し、国会へ報告をさせる必要があるのではないか、このオウムの事件というものを徹底的に検証する機関を設けたらどうか、こういうのが一つの提案でございます。この機関では、オウム事件に対する政府、行政の対応についても調査検討がなされるべきでありますから、これを実効あらしめるためには強力な調査権を付与するとともに、独立した会計で運営できる予算措置も講じるべきであると思います。この機関による検証結果について国会へ報告を求める。こういうものを至急設置すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 今御提案の中身について、一体どこに属する機関をつくろうとしているのか、私どもでは皆目見当がつきませんが、もしおわかりなら、お考えならお示しください。     〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 その次に、テロの犯罪対策についてでございますが、テロの組織についての情報の収集と集約、これが大変大事な課題でございます。それから、重大事犯への広域捜査体制のあり方、これなども大変大事な課題だと思いますが、これには警察法の改正が必要だと思いますが、そういう視点で警察法の改正を考えておられますか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 警察法の改正についての今日の状況は、担当者が来ておりますから答弁させます。

野田健警察庁刑事局長

○野田(健)政府委員 今回のオウム真理教の捜査を遂行するに当たりまして、昨年警察法を改正していただきまして、警察本部長の協定で関係都道府県警察の指揮権を一元化することができるようになった、これが今回の事件の合同捜査に当たりまして大変有効に機能したというふうに考えております。  また、さらに都道府県警察相互の円滑な捜査協力を実施することが必要ではないかということも考えておりまして、それぞれの事件では必要な指導、調整を行ってきたわけでありますけれども、今後さらに円滑な捜査協力ができるように、いろいろな施策が必要ではないか、制度も考えなきゃいけないのではないかということで、現在検討を進めているところでございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 そのほかに、科学捜査力の強化というのも大変大きな課題だと思います。あるいは、国際的銃器対策の強化、密輸の防止、これも大変大事な課題だと思います。  さらに、一番基本的に大事だと思いますのは、今回のような犯罪、つまり組織犯罪、こういったようなものがこれから起きる可能性がある。これは日本だけじゃありません。これはポストモダン、新しい時代の傾向だと言われておりますが、そのような組織犯罪規制法といったようなものを新たにつくる必要があるのではないか、こういうことで私ども今検討しておりますが、いかがでしょうか。

深谷隆司自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○深谷国務大臣 後半の、新しい法律改正について、御意見がございますれば、また改めて承って勉強させていただきたいと思います。  銃器根絶の問題については、御案内と思いますけれども、官房長官を本部長といたします銃器対策本部というのを新たに設置をいたしまして、関係各省庁の担当者に集まっていただいて、あらゆる角度から、特に外国から入ってくる流入の経路その他を遮断する、水際作戦を行うということをただいま徹底して進めているところでございます。  同時に、国民の皆さん方の御理解と御協力がこの件については極めて大事でございますので、過日は、日比谷公会堂におきまして銃器根絶の国民の集いというのを開催させていただきました。国会議員の方々もたくさんお見えでございましたが、あるいはお聞き取りをいただいているかと思うのであります。  しかも、それだけでは足りませんで、世界各国の銃器に対する対応を見ておりますと、日本のように厳格に所持を禁止しているというのは台湾とか韓国といったようなところでございまして、どちらかというと、ほかの国々は銃器の所持については極めて自由な形をとっています。それは、個人の身を守るのはみずから銃で守る、それが民主主義だという、そんな考え方があるからだろうと思います。したがいまして、そういう国々から日本に銃器が入ります場合、その国々から的確な情報が入りにくいという、そういう問題がございます。  そこで、私どもは、世界各国の方々に銃器の問題について考えていただき、あわせて日本への流入を防ぐための協力を仰ぐために、国際会議をこのほど開くことになっております。いろんな角度から銃器根絶のために努力をいたしたいと思っております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 先ほどちょっと申し上げました組織犯罪規制法、仮称ですが、そういったような新しい社会現象に対応するための法律をぜひ私どもとして出したいと思っておりまして、これはまだ中身は煮詰まっておりませんけれども、ぜひこれを出させていただいて国民の期待にこたえていきたいと考えておりますが、またいずれその問題については、この委員会でももしかしたら後半の方で議論が出るかもしれませんけれども、よろしくお願いをいたしたいと思います。  さて、先ほども申し上げましたが、私どもは、この宗教法人法特別委員会という委員会よりも、オウム再発防止のための特別委員会を設置をして、そこで各方面からの議論をしてオウムの再発防止というのをまず当たる、その中で宗教法人法に欠陥がある、問題があるということならば、それも検討するにやぶさかではない、こういう基本姿勢でございますが、設置されましたのが宗教法人法の特別委員会、私どもの考えておりますこととは少し違った形になりましたけれども、しかし、それを審議を拒否するということではないわけでありますから、まあ、こういう委員会が設置をされ審議が始まった以上、その問題について議論をしていかなきゃなりません。  そこで、宗教法人法のお話に入らせていただきたいと思います。  宗教法人法、これがまず最初に、四月の二十五日に第百二十七回宗教法人審議会というところで、時の文部大臣、そのときの与謝野文部大臣のあいさつから始まったわけですね。このあいさつを読みますと、いろいろありまして、「もとよりこれらの問題は、憲法に定める信教の自由に関わる極めて重大な事柄であり、慎重な審議を必要とするということは重々承知しているところであり、これらについて審議検討をお願いすることは、宗教法人法の改正を必ずしも前提とするものではありません。」こういうくだりがありますが、いかがですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 その部分だけを切って言えば、まさにおっしゃるとおりでございますが、これは審議会に御検討をお願いしたという意味合いのその一部分であります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 この審議に参加をした審議会の委員の人たち、方々にとりましては、最初は宗教法人法の改正を前提としたものではないということだったのに、いつの間にか宗教法人法の改正の問題にだんだんなっていってしまって、当初の委員に就任したときの話とは違うではないか、こういう思いをかなり多くの方が持たれたように聞いておりますが。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 宗教法人審議会は、何遍か繰り返し申し上げておりますとおり、四月二十五日に、文部大臣がその諮問機関である宗教法人審議会に御検討をお願いしたところでございます。委員は十五名から成り立っておりまして、うち宗教法人関係者が十一名、学識経験者四名でございます。そして、この十五名の宗教法人審議会は、委員の互選によりまして、三角さんという方を会長に互選をいたしました。会長は、法七十四条に定めがありますが、「会務を総理する。」ということに規定されておりまして、この会の運営等においてもその会長にゆだねられているところであります。  そして、その審議会は、二回行った後、それぞれの宗教団体の代表者を一名ずつ選び、五名の宗教法人関係者と学識経験者三名によって特別委員会を構成し、特別委員会で審議の対象となるものを、所轄のあり方、活動の把握のあり方、それから情報開示のあり方、この三点に絞って、特別委員会をその後八回行っておるところです。  この特別委員会の中には、今申したように五名の方が宗教法人を代表して入っているわけでありますから、過半数を占めております。そして、その特別委員会は極めて整々粛々と、お互いに議論が紛糾して暗礁に乗り上げるようなこともなく、いわばまさに真剣な審議が進められてある種の結論を得、六回目の特別委員会を終えた段階で、これは九月五日になりますが、審議会の総会でこの結果を報告し、さらに二回の特別委員会を経た後、二十二日の総会に諮ったところであります。しかし、いま一度総会を持ってさらに慎重を期すべきであるという一部の委員の意見に従いまして、二十九日に総会を開き、その総会でいわばその審議がまとまった、こういうことであります。  ただ、初めから宗教法人の改正ありきではなかった。このことはあくまで審議委員の皆さんのいわば人格、識見、すべての能力に期待をし、与謝野文部大臣が何か義務づけたような、何か方向づけたような形をとらずに御検討願ったところでございますから、何もその後、もしその方たちがおかしいとか、あるいは方向が違うとか、あるいはやり方が強引であるとすれば、幾らでもその間に審議の時間があったわけでありますから、その間でいろいろ議論は行われたはずであります。  以上でございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 今回のこの宗教法人審議会の審議につきましては、いろいろと何回も取り上げられたことでございますが、どう考えましても異常な姿だと言わざるを得ない。宗教法人審議会の委員の方が署名入りで文部大臣に対して申し入れをしているわけでございまして、こんなことはそうそうある話じゃありません。私どもは、本当に審議会の審議がどのように行われたかということで、その議事録を出してもらいたい、これを再三にわたって要求をいたしてまいりましたけれども、いろいろな理由をくっつけて、結局出してもらえない。  そこで、仕方がございませんので、この場で、この審議会の委員のうち七人の方、出展茂さん、上村正剛さん、白柳誠一さん、杉谷義純さん、杉山一太郎さん、竹田眞さん、力久降積さん、この七人の方。十五人の審議委員ですね、全部で。会長は議長役でしょうから、十四人のうちの半分ですよ。半分の人が再開を申し入れというのを大臣にあてて出しているわけですね。これはどう思いますか。     〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 あなたも今まで何遍もこういう会議等にお出になったとは思いますが、会議が行われ、そしていろいろな議論が闘わされ、時には皆さんで一つの、いわば十分な話し合いの上で最終的には一つの結論が出ます。そして、その結論が出たことについて、会議が終わった後、これが納得できないというようなやり方が果たしてまともな考え方かどうか。  ちなみに、七名の方云々と今おっしゃいましたけれども、その七名の方のうち三名はその特別委員会に入っておられるわけです。八回の特別委員会にはお出になっていろいろ意見を述べておられるわけです。その間にもし内容に不備があれば、あるいは内容に何かゆがんだおかしなものがあれば、幾らでもその時点で議論ができたところであります。すべてのことの審議が行われて、最終的にいわば会務を総理するという会長に一任が取りつけられて、そして、そのいわば報告がなされたことについて後でいろいろ言われることについて、私たちは何かこれに対する対応はいたしかねるのであります。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 会長が一任を取りつけたというような話がありましたが、この文書でも「会長が一任を取り付けた事実はありません。私どもの記憶によれば、当日の議事の進行と主な委員の発言は、別添のような内容でした。」その内容までつけて大臣のところにこの申し入れが出されているわけであります。これを全部読む時間はございませんが、主な点だけこの機会に国民の前に明らかにしていきたい、このように思います。  本来ですと、議事録をきちっと出してもらえばこんな手間はとらなくて済むわけですが、出さないというのですから、ですから、このことをここで言わせていただきますと、三角会長 本日は前回から持ち越しになっていた「調査権」の問題から意見を述べてください。  力久降積氏 お待ち下さい。宗教法人法の見直しについての基本的な考え方は何よりも大切ですから、ここから入っていただきたい。特に修正案一項(4)の「改正を行う必要があるとの意見が大勢であった」とあるが、審議会の議論をぶり返るかぎり「大勢」とは思えない。  上村正剛氏 これはおかしい。「大勢」というのは真実ではない。本当に大勢がどうか、みんなに聞いてほしい。そもそも改正すべきかどうかの議論が煮詰まらないまま審議が進んできた。  三角会長 その件は後で意見をいただきます。  「調査権」の問題から入りましょう。そして、調査権の話でやりとりが幾つかございます。そして、  三角会長 意見も出つくしたようですから。という発言に対して、上村正剛氏 まだ意見は出つくしているとは思われない。質問権について宗教法人側が審議会で同意を得た質問に答えないこと自体が問題があるように見られる恐れがあり、やはり強い強制力がある。  白柳誠一氏 現行の宗教法人法は、戦前の苦い体験の反省に立って、実によくできている。それだけに、報告聴取、質問については大変議論のある条項で、現行法の基本に抵触することにならないか意見が分かれており慎重に議論する必要があるのではないか。どうしても九月二十九日、本日報告書をまとめ上げなければならないのか。上村正剛氏 この審議会は当初、宗教法人法の改正を前提としないということで始まったのではないか。このように慎重意見が多いのに、なぜ、今日とりまとめる必要があるのか。三角会長 これまで時間をかけ回数を重ねてきたので、意見がまとまれば今日報告書を仕上げたい。杉山一太郎氏 教派神道としては宗教法人法の改正には反対である。そもそも特別委員会では宗教法人法を見直すべきかどうかについて論議し、問題点を整理するだけだったはずだ。ところが、オウム事件による外の騒がしさに押された形で、改正案の審議に向かって一気に進み、疑問を持っている。もっと回数を重ねて論議をしてもらいたい。竹田眞氏 私も審議の継続を望んでいる。現行法の根本である信教の自由について特別委員会で議論されると期待していたが、改正案が出されてそれについての意見聴取になっていた。もっと根本にもどって審議すべきだ。三角会長 議論は出尽くしている。審議会として、ついに何も結論が出せなかったというのでは困る。上村正剛氏 世論も徐々に変化してきている。なぜ、今日結論を出さないといけないのか。力久降積氏 まだ、まとめる段階ではない。大体この審議会はオウムの再発防止とか政争の具とも言われている世論に惑わされず、純粋に論議してきたはずだし、特に質問権については今日これだけ問題ありとの意見が出ているのだから継続審議すべきだ。出居茂氏 継続審議するならば、今までのような審議会のすすめ方ではなく、委員の意見がきちんと反映されるように互いに改正案に関する小論文を出し合ってはどうか。そうすれば議論が煮詰まるはずだ。  出居茂氏 では外に継続審議のやり方について考えようではないか。  三角会長 そろそろ食事にしましょう。こういうことで食事に入ったそうでありますが、その後、三角会長 これまでの皆さんのご議論を踏まえてまとめたものですが、こんなものでいかがでしょうか。  自柳誠一氏 今まで「宗教法人の改正について」と言われたが、制度という言葉になっている理由は何か。  小野文化庁次長 報告書は慣例として制度と表現します。  力久降積氏 ちょっと待った。食事の前には継続審議の方法論まで議論されていたのに、どうしてこういう話の流れになるのか。そもそも調査権、質問権だけでなく、所轄、情報開示、報告の義務のそれぞれについて疑義がある。たとえば信者への開示の「信者」の選択にも曖昧さがある。  上村正剛氏 事前に修正案が配られ、それぞれ意見をもって今回の審議会に臨んだ。そもそも報告書第一項の基本的考え方の(4)の改正論が大勢というのもおかしい。審議会を五回やったというが、これで充分審議したといえるのか。例えば、所轄のあり方についても、今、地方分権が言われている時に、所轄を文部省に移すというのは問題がないのか。報告書全般について煮詰まっていない、継続審議にすべきだ。  杉谷義純氏 事務方は今急いで報告書を出さなければならない理由があるのか、あるのなら明確に示してもらいたい。  —この頃、文化庁長官と次長が集まってひそひそと相談しあう—こう書いてありますが、しばらく沈黙の後、  小野次長 とにかく伏してお願いします。力久降積氏 そんなこと言われても納得できないものに同意できない。伏してお願いされても困る。  三角会長 今日報告書を文相に出せなかったら私は成仏しきれない。  上村正剛氏 無理して報告書を出すほうが成仏できない。このままでは私は席を立つしかない。今日になって一番大事な問題が議論になったのだから慎重に審議すべきだ。  三角会長 このような会議は全員賛成になるとは限らない。決は採らないが大方のところでまとめたい。  杉谷義純氏 これだけ慎重論があることを踏まえ、報告書に是非慎重論を併記してもらいたい。  力久降積氏 まだ報告書はまとまっていない。文化庁は八月の時点で改正後の予算を要求している。改正すべきかどうかを議論していただきたいと言いながら、どういうことだ。中に調査費が多額計上され、国内の宗教法人制度の実情や諸外国の宗教法人の在り方の調査費などがかかげられているが。それならば充分データーを集め調査し幅広く検討して法案作成しても良いではないか。  上村正剛氏 なんとか継続審議してくれ。民主主義の根幹、基本的人権の問題だ。軽々にあつかう問題ではない。—いろいろな発言が錯綜。その混乱のまま、会長一任もとられることなく、十四時過ぎに、三名会長が閉会を宣言—このような文書が文部大臣のところへ出ているのですね。どうです。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 どなたがおつくりになったものかはわかりませんが、それは正規の議事録でも何でもありません。むしろ、異論を増える、後で異論を唱えておられる方々のどなたがおつくりになったかは知りませんが、そのことについて私は責任を負いかねるのであります。  ただ、愛知議員もよく御理解がいただけると思いますが、この審議の過程では個別の宗教法人の事例に触れることもあり、議事録を公開することはプライバシーの保護の点で問題があることが第一点。第二点は、審議は中立、公正な発青を確保するという観点から、議事録を公開することは、非公開を前提として議論を進めてきた委員との信義の関係があります。  したがって公開できないということでありますが、ただ、国民の皆様の関心も極めて高くまた深いことから、その審議が行われる都度、マスコミ関係者にその内容をいわば可能な限り詳しく御報告をしてきたところでありまして、もし審議の中に問題があったり紛糾すれば、その時点でもっと問題になっているはずであります。そのことだけはぜひ御理解をいただきたいし、今熱心にお読みいただいたその内容が、何かまともな、まことに一字一句逃しのないものであるように国民が誤解するといけませんので、一言そのことを申し添えておきます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 この文書がいいかげんなものだと言うことは、これは署名入りで、七人の方々に対する侮辱だと思いますね。どうなんですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 私は、正規の議事録でないので、そのことに対する責任が負いかねる、こう申したところです。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 総理はどうお考えになりますか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 今、文部大臣からも答弁がありましたように、この審議会というのは、行政処分をやったりあるいは認証したりするような性格を持った審議会ですから、これは公開をしなくてもいいという除外の審議会になっているわけです。しかも、これは非公開ということを前提にして審議をしているわけですから、したがって、それを今度は後で公開するということについては、それはやはり委員の信義に反することになる。現に、やはり各個別の宗教団体のプライバシーにわたるような議論もやっているわけですから、したがって、そういう性格から考えて、私は非公開はやむを得なかったというふうに思います。  今お話がございました議事録については、これは文部大臣が答弁したとおりであって、公的にきちっとされたものではございませんから、その議事録について云々という責任は、私も持つことができません。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 議事録がちゃんとこういうところに出されればそういう疑念なんかなくなるわけですから、ですから出していただきたい、そのことを再度要求をしておきます。  この問題等につきましては、また同僚議員からいろいろな角度から質疑をさせていただくことになりますので、ちょっと全然違う課題ですが、一つ私から文部当局にお伺いしておきたいと思います。  国立大学当局の文部省の学生の宗教的活動に関する調査等について、こういうことでございます。  文部省は、国立大学等における学生のサークル活動に関して、原則としてどのように対応してきたか、その中で、学生の宗教活動についてはどうですか。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 学生のいろいろなサークル活動につきましては、基本的に学生の自治ということが基本にございます。その中で、公共の福祉その他いろいろな観点からの必要性があれば、それに基づいてのいろいろな指導を行うという形で基本的に対応してまいっているところでございます。  宗教活動につましては、宗教の自由ということがあるわけでございますが、一方で、やはり学校の中での教育活動あるいは学生のいろいろな生活指導、こういった面から、必要な範囲内で学生指導あるいは学生補導を行っているという基本的なスタンスで対処してまいったところでございます。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 文部省は、平成七年四月の六日付、高等教育局学生課課長補佐名の事務連絡で、各国立大学学生課長あてに依頼をしておりますが、どういう内容ですが。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 私ども承知している範囲では、今回の一連の事件におけるいろいろな学生への対応、これに対して、学生に対する指導を強化するように、あるいは学生への相談活動、これに対してきちっと対応するように、こういう指導をしたと承知しております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 六月十五日に行われた国立大学の学長会議で、当時の与謝野文部大臣が、学内での学生の宗教的活動に対する学校側の指導、相談体制を再検討するよう要請したと聞いておりますが、この文部大臣の要請に基づいて、文部省は具体的指示や事務連絡等を各国立大学に行ったかどうか、行ったとすれば、その内容を示していただきたいと思います。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 お答え申し上げます。  六月十五日の会議におきましては、このような指導をいたしております。最近の宗教団体にかかわる一連の事件を契機といたしまして、学内における学生の宗教的活動に関する指導、相談体制等について再度御検討をお願いしますということでございます。その後、各種のいろいろな会議等におきましてこの趣旨をいろいろな形でお伝えしているという形の指導を行ってきました。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 そのときに吉田局長が、特定の宗教団体が著しく公共の福祉を害することが明らかに認められるときは、勧誘活動の禁止など適切な措置を講じてほしいと発言したという報道がありますが、そのとおりですか。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 その際、高等教育局長として申し上げたことにつきましての詳細なメモは今手元にございませんが、やはり学生が、一連のいろいろな宗教的な勧誘その他によりまして学業に非常に悪い影響を受ける、あるいは学生の生活の中でその点についての悪影響があるというような、しかもそれが非常に厳しい状況の場合には、やはり大学といたしましてそういったことを学生に指導しなければならないという観点から、具体的な文言は今承知しておりませんが、その趣旨の発言をしたことは承知しております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 もう一度。その著しく公共の福祉を害するというのはどんな内容を想定しているのですか。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 それはそれぞれの大学の学長なり担当教官が判断していくべきことであろうかと思いますが、極端な場合には、やはりそれによって、自分の本意でもないのに例えば学業を放棄しなければならない、あるいは身体的にいろいろな問題が起きるというような場合が極端なケースとして想定し得る、こういうふうに考えております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 ある学生が問題とされる特定の宗教団体にかかわる宗教を信仰しているかどうかは、どのようにして調査をするつもりだったのですか。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 具体的に学生一人一人がどのような宗教を信じるか、これは学生の基本的人権であり、それは学生が個々に判断することであろうかと思います。  したがいまして、そういった問題個々に一般的にチェックをするということではなくて、あらわれた非常に極端な現象があった場合に、そういう場合には、やはり大学当局として、学生の学業を指導するという立場から、責任を持って対応しなければならない、こう考えております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 勧誘活動、これは特定宗教の普及活動に、基本的によるものではないでしょうか。基本的な話じゃないでしょうか。この勧誘活動禁止を命じ得るとしますと、その法律的根拠は何ですか。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 少なくともそこで申し上げた話では、その時点での考え方は、一般的な勧誘活動の禁止ということではなくて、例えば学生の意思に反した行動をとらざるを得なくなるような勧誘活動、そういった種類の勧誘活動なり、あるいは学生にとって学業に困難を来すようなそういった行為、そういったものにつきましては、やはりそれぞれの教官なりがよく注視をしまして学生の学業成就のために努力をしなければならない、こういう形で対応をしてまいっております。

愛知和男新進党・民主会議

○愛知委員 一連のこのことについて、これが学生の思想調査に当たったりするようなことのないように、あるいはまたそういう誤解を与えることのないように十分気をつけてやっていただきたい、このように思います。  今度のオウム事件を中心にして、その背景、基本的な問題がどこにあるのかというところから始まりまして、いろんな方面から質疑をさせていただいてまいりました。最後に宗教法人法の話に入るその入り口のところまで来たわけでございますが、宗教法人法の中身につきましてこれから同僚議員が質疑をいたしますので、私の質疑はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 この際、北側一雄君から関連質疑の申し出があります。愛知君の持ち時間の範囲内でこれを許します。北側一雄君。

北側一雄新進党

○北側委員 新進党の北側一雄でございます。それでは、愛知委員の関連質問で質問をさしていただきたいと思います。  先ほど愛知委員の方から審議会問題につきまして種々質問があったわけでございますけれども、この点だけちょっと確認をしておきたいというふうに思っております。九月二十九日に、審議会の透明化、見直し等についての閣議決定がなされておりまして、この内容同体は、総理、行政改革の一歩前進でございまして、私も大いに評価をしているものでございます。  この閣議決定の内容は、これまでも議論になっておりましたけれども、審議会を二種類に分けまして、行政処分にかかわる審議会と、それから政策、制度を論ずる一般の審議会と、この二種類に分けまして、そして政策、制度を論ずる一般の審議会については、この閣議決定の内容で決めた公開ルール、議事録については公表しましょう、また審議会の委員は役所のOBはやめましょう、ましてや審議会の会長がOBなんというのはだめですよという、こういう閣議決定になっているのですね。  極めて私は評価をいたします。大前進の行政改革だと思うわけでございますけれども、さて、中には、一つの審議会で行政処分に関するものをやるときと、それから政策、制度を論ずる場合と、この二つを両方一つの審議会でやるケースが、たくさん審議会ありますけれども、ございます。  例えば文部省の生涯学習審議会、これは文部省でございますか、この生涯学習審議会については、時には技能審査の決定というような個々の行政処分をやるのですね。個々の行政処分にかかわる審議会でございます。もう一つ、政策審議、生涯学習についての政策をどうするかということをテーマとしてやる場合もあります。こういう二種類を一つの審議会がやっている、払っているわけでございまして、この場合には、一体、この閣議決定で決められた公開ルール、これはこの生涯学習審議会の場合にはどのように該当するわけでしょうか。御答弁、大臣やってくださいよ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 せっかくの御質問に見当違いの御返事をすると失礼に当たりますので、やはりそのことによく通じた者から答弁をいたさせます。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 審議会は総務庁の所管事項でありますから、かわりましてお答えします。  御承知のように、審議会というのは二度十九あります、随分たくさんつくったものだなと思いますが。したがって、その中には、もうこれ以上つくって役所の隠れみのにするようなことがあってはならぬという、これは大方の批判もあります。ですから、やたらとこれから審議会をつくることは慎重にしなきゃならぬということが第一点であり、第二点目は、今おっしゃいましたように……(発言する者あり)やはりちゃんと答えぬとおかしくなりますから……。  第二番目には、役所のOBやらそういうものを会長にしてはいかぬ。それから中には、御承知のように、もう十年も審議会の委員も任命されてないし開かれてないものもあるのです。こういうものは廃止を今〔めてひとつこれを検討しようとする、三月までにはですね。  それから最後に、努めてこの透明性を確保するために、審議会の議事録の公開等を含めて、そのことは各審議会ごとにこれは決められることでありますから、その運営については各審議会において決めていく。ただし、歴史的に見まして、その中の二十その審議会が原則これは会議の非公開となっておりますから、その議事録も当然これは非公開になるということでありますが、許される範囲内のことは、それでもやはり努力をして、そうして努めて皆さん方にわかってもらうような努力をしよう、こういうことにしたわけであります。

北側一雄新進党

○北側委員 全く私の質問にお答えになってないのですけれども……。  文部省、生涯学習審議会というのは一般の審議会ですか。公開ルールが妥当する一般の審議会ですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 ちょっと、私の所管ではないのでございますが、私、前に所管しておりましたのでお答えさせていただきたいと思います。  生涯学習審議会は、一般的に政策論をやるときはもちろんございますけれども、先ほどお話ございました個別の技能審査等の行政処分を行う場合、両方がございます。したがって、その行政処分の方はもちろん非公開だと思いますが、現在どういう取り扱いをしているかは、ちょっと私も仕事を離れておりますのでお答えできないところでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 私、これは事前には聞いていますよ。総務庁はお答えできるでしょう、総務庁の方は。どうぞ。お答えは、この生涯学習審議会が一般の審議会で、公開ルールが妥当するのかどうかですよ。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 御説明申し上げます。  再々私から御答弁を予算委員会でも申し上げましたが、生涯学習審議会は、行政処分や不服審査を主たる任務とする審議会として、全体として、今回の閣議決定の対象外とした審議会、二十七ございますが、それには含まれておりません。したがって、一部に行政処分、行政不服審査等の事務を調査審議する場合には、これは非公開とする理由に相当すると考えておりますが、一般の審議会として閣議決定の対象になるということでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 文部大臣、聞いていただきましたね、今。文部大臣の所管の審議会ですよ。生涯学習審議会は、政策それから制度を論ずる場合には公開ルールが当てはまるとおっしゃっているのです。個々の行政処分をやる場合には公開ルールが当てはまらないと今おっしゃったのです。答弁されたのです。どうですか。そのとおりでしょう。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 生涯学習審議会の内容について実はまだ詳しくありません。また、個別にいろいろ説明も受けておりませんので正確なことは申しかねますけれども、今二つに分けてお話があったようでございますが、原則公開、そう受けとめました。

北側一雄新進党

○北側委員 要するに、行政処分にかかわることをやるのか、政策、制度をやるか、それによって公開するかしないかが分かれるのですよ。  今回の宗教法人審議会は政策、制度を論じているわけですね。従来の宗教法人審議会は十四項目の行政処分にかかわることをやっていたから、これは当然非公開でしょう。今回は政策、制度論をやっているんだから公開するのが当たり前であって、この九月二十九日の閣議決定があるから当然なんですよ。この閣議決定に反するのですよ。行政改革に反するのですよ。どうですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今回の宗教法人審議会の審議の過程では、個別の宗教法人の事例に触れることもあり、議事録を公開することはプライバシーの保護の点で問題がある。いま一つは、この審議は中立、公正な発言を確保したいという観点から、議事を公開しないことを前提としていわば開かれておる、こういうことでありますから、審議会を終えた後、個々の委員がどういう発言をしたということをもし公開したとなると、これはまさに信義にもとる行為でありますからこれはできないということでありまして、内容を公開したら困るからではないのでありまして、この点誤解のないようにお願いいたします。

北側一雄新進党

○北側委員 委員長、今総務庁のおっしゃっている答弁と文部省のおっしゃっている答弁、違うのですよ、これ。矛盾しているのですよ。機能によって分けるというふうに総務庁は言っているわけです。機能によって分けるんだ、政策、制度をやるときは公開しますよ、行政処分にかかわるときは非公開だと。総理、どうぞ。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 さっき総務庁長官から答弁がございましたように、二十九日の閣議で、審議会の透明性を確保するということを前提にして、いろいろ議論をして閣議決定をいたしました。  この宗教法人審議会は、先ほど来お話がありますように行政処分をする機関でもありますし、それから制度、政策について議論をする機関でもあると思いますね。したがって、これは公開をするという対象から除外する、非公開でもいい、こういう決定をしているわけです。いいですか。  そして、しかもこの宗教法人審議会はことしの四月から審議をやっているわけですよ、四月から。しかも、その四月から審議をやっているときに非公開とするということを前提にした審議会としての議論をしているわけですから、したがって、それを二十九日の閣議決定があったから今までやったことは全部公開するなどということは、これは信義に反するということになりますので、私は、これは非公開は当然であるというふうに思っています。

北側一雄新進党

○北側委員 非公開を前提としているなんて、これは決めてませんよ、そんなこと。決めてませ保ん、そんなことは。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 私が承知している範囲では、この宗教法人審議会は以前からずっと非公開を原則として運営してきている。一北側委員「それは行政処分だからじゃないですか」と呼ぶ一ですから、改めて非公開にしますなどということを確認してやっているようなルールにはなっていないというふうに聞いているのです。ずっと一貫をして非公開でやってきておるというふうに聞いています。

北側一雄新進党

○北側委員 総理は、この審議会、今回の宗教法人審議会では非公開でやるということは改めて確認しなかったと今認められているのですよ。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 以前からこの宗教法人審議会は非公開を前提としてやってきておるという経過がありますから、したがって、この四月から審議を始めた場合も、非公開にしますなどということを改めて確認する必要はなかったんではないか、私はそういうふうに理解をしているわけです。

北側一雄新進党

○北側委員 この九月二十九日の閣議決定があった後にこの宗教法人審議会の報告が取りまとめられたわけですね。そうなんですよ。せめてその日の議事録出してくださいよ、出しなさいよ。  先ほどから愛知委員の方から質問があり、十五人中七人もの審議会委員が二度も再開の申し立てをしている極めて異例な事態ですよ。手続に疑義があるということでもう一通やってくれと言っているわけですよね。ぜひこの議事録を出していただきたい。この閣議決定、九月二十九日の閣議決定の趣旨にのっとって議事録を公開していただきたい、お願いします。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 九月二十九日の閣議決定は、審議会の議事の公開等について定めているところでありますが、これは行政における政策の形成過程の透明性の確保を図ることを主眼としたものであります。このため、行政処分、不服審査等に係る審議会については適用対象から除くこととしていることは、先ほど総務庁長官からも答弁申し上げたところであります。  また、宗教法人審議会の所掌事務の中核は、行政処分である認証や不服審査等の調査審議であります。それらに関連して制度問題について扱い得ることにもなってはおりますが、審議会全体として閣議決定の対象外とされているところであります。これは、制度問題について審議を行うときでも、個々の宗教法人の事例に触れる場合があることなどによるものであります。

北側一雄新進党

○北側委員 この審議会で個々の宗教法人のことに触れることがあったんですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この審議会でございますが、制度問題について審議を行う場合でも、個々の宗教法人の事例に触れる場合がございます。個別の事例等の話も当然出てくるわけでございますので、そういう観点で非公開という取り扱いをお願いしているところでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 いずれにしても、当委員会で改めて九月二十九日の宗教法人審議会の議事録提出、資料要求さしていただきます。よろしくお願いします。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 理事会で協議をいたします。

北側一雄新進党

○北側委員 次に、全然ちょっと話が変わりますが、総理に御質問をさしていただきます。  ちょっと一般論の話でございますが、今回所轄庁への一定の財務書類の提出義務が改正法案の中に入っております。所轄庁への報告義務が今回規定されているわけでございますが、例えば、あなたの教団の、あなたの宗教団体の信仰の対象は何ですか、所轄庁に報告しなさい、こういうふうな宗教法人に信仰の対象の報告義務を課す、このようなことは、憲法の保障する信教の自由や政教分離原則とのかかわりはいかがですか。総理、どうぞ。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○村山内閣総理大臣 ちょっと質問の意味がよくわからぬものですから。

北側一雄新進党

○北側委員 じゃ、もう一度、そんな難しい話じゃありません。今回所轄庁への報告義務を規定をしておりますよね、これは経理書類の話でございますけれども。例えばさらに、あなたの教団の、あなたの宗教団体の信仰の対象は何ですかというふうに、それについて所轄庁に報告しなさい。信仰の対象は何ですか、そういうことが仮に規定されることは、これは政教分離原則だとか信教の自由保障とのかかわりはいかがですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 今回の宗教法人法の一部改正でお願いしております第二十五条の財産目録等の所轄庁への提出でございますけれども、これに関しましては一御指摘のような事柄ではなくて、財産目録あるいは収支計算書、境内建物に関する書類、こういったもの等について所轄庁に毎年御報告をいただくというものでございまして、そういった個別の問題ではないわけでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 今政府委員の方から、そのようなことは今回対象じゃな保いというお話がございました。  委員長、「宗教法人実務研修会資料」という、これは文化庁が行政指導で各都道府県の宗務担当の職員の方に、この白表紙の本を使って行政指導でこういう内容のものでやりなさいよというのを配っているんですね。委員長、もし了解いただければ、質問の関係でぜひちょっと総理と文部大臣には、このコピーしたものがございます、これはあくまで文化庁の書類ですから、全然問題ないと思いますので、使わせていただけませんでしょうか。よろしいですか。——これは、この「宗教法人実務研修会資料」で、さまざまな会計書類について、こういう会計書類をつくってくださいよ、こういう形式でやってくださいよということで文化庁が毎年毎年指導しているわけなんですね。その中に、今回の法案の中に入っている収支計算害とかそれから財産目録、これについての書式でございます。  例えば、財産目録は一番最後のページで、ちょっと総理、恐縮ではございますけれども、ここに財産目録が挙がっているんですね。こういう財産目録を、これは数字は入っていませんけれども、これを今回法案で、単に備えつけだけではなくて、きちんと所轄庁の方へ提出しなさいよという改正法案でございます。  この「財産目録」の中に「ことあって、ここに「宝物」と書いてあるでしょう。何とか像とか「宝物」と書いてございます。この「宝物」の意味なんですけれども、三ページ目をちょっとごらんになってください。総理、三ページ目の下の。方でございます。三ページ目、よろしいですか、ここに「財産台帳」「特別財産」とあって「宝物」とある。括弧して「本尊、神像等礼拝の対象となる物件」と書いてあるのです。そして、仏像だとかそういう信仰の対象になるようなもの、そういうものもちゃんとこの財産目録に掲げなさいよと。だから、一番最後の「財産目録」のところで「宝物」、何とか像、こういうふうに挙がっているわけです。これはやはり信仰の対象にかかわるものでございまして、これについて報告を求めるものではありませんか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 再三申し上げておりますように、今回の宗教法人法改正につきましては、宗教法人関係の代表者十一名が入り、学識経験者四名、この十五名の方がいわば四月以来ずっと御検討いただいて出された結論に基づいていることでございますので、私自身も今この書類を正式に見るのは初めてでございますが、ただ、それが是か非かといっても、これは専門家が御判断いただいたことでありますから、これはやはり正しいものであろう、そう思います。

北側一雄新進党

○北側委員 今申し上げましたように、「宝物」という信仰の対象となるもの、そういうものを財産目録として個別に掲げないといけないという、そういう財産目録を文化庁は御指示になっておって、今回単なる備えつけではなくて所轄庁の方へ報告をしなさいよと、こういう義務を規定しているのですね。  さらに、ちょっと収支計算書の方を見ていただきたいのです。これは一ページ目でございます。  総理、この一ページ目に「収入の部」と「支出の部」がございます、収支計算書でございますから。この「支出の部」の方をごらんになっていただきますと、第一項で「宗教活動支出」という科目がございまして、その「宗教活動支出」の中に「宗教活動費」として「儀式、行事費」「教化、布教費」、こういう項目が入ってくるのですね。この「儀式、行事費」の説明を読みますと、「宗教上の儀式、行事を行うための什器備品費、消耗品費など一切の経費、祭典費、儀式費、法要費、礼典費、祭務費など」というふうに、極めて宗教上の行事、事項にかかわることについてここに金額として出るわけですね。項目、金額が上がってくるわけでございます。  私が申し上げたいのは、会計書類、財務書類だからといって、それは単に数字だけのものじゃ決してないんだということでございます。だって、一家の家計簿を見ればそのおうちの姿がよくわかるじゃないですか。また国家の予算、決算を見れば国の政策や理念がよくわかるわけでしょう。帳簿というのは、数字というのは、単なるそういう客観的なものだけではなくて、やはりどういう宗教活動をしているんだ、どういうことをやっているのか、そういう極めて宗教にかかわることについてもこの帳簿の中には出てくるわけなんです。  だから、宗教法人の財務会計等の管理運営に関する事項を客観的に記載したもの、私はそれだけじゃ決してないと。やはり宗教、教義にかかわる宗教事項だとか儀式、行事などの宗教活動の内容を記載する項目があるわけでございまして、こういう帳簿だから全然信教の自由だとか政教分離にかかわりないというのは私は違うと思いますね。どうですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 少し事務的なことでございますので、私の方から御答弁させていただきたいと存じます。  先ほど資料いただきました「財産関係」の「財産台帳」でございますが、これは財産目録をつくるまでの過程で、宗教法人として御自分のところで部内の帳簿としておつくりになるものでございます。私どもが御提出をお願いしておりますのは、これをもとにしてつくられました、先生からいただいております資料の最後のページにございます「財産目録」、こちらの方を御提出いただくというのが基本でございます。  したがって、今回法改正におきまして私どもが財産書類の提出などをお願いしておりますのは、宗教法人の管理運営に関する事項を客観的に記載したものをいただきたいということでございまして、それが所轄庁が宗教法人法の適正な運用を図る上で必要最小限の情報だというものでございます。  私どもといたしましても、この二十五条につきましては第五項があるわけでございまして、書類をいただいた場合でも「所轄庁は、前項の規定により提出された書類を取り扱う場合においては、宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない。一という規定も同じ二十五条にあるわけでございます。そういったことを踏まえまして、私どもといたしましても、管理運営に関する事項を客観的に記載したものをいただければいいということでお願いをしているものでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 私が申し上げているのは、客観的に記載した数字、項目であろうとも、それが何ら宗教上の事項や宗教上の教義にかかわる事項でないとは必ずしも言えないということを今具体的に申し上げているところでございます。  問題を改めて、学校法人の問題について聞かせていただきます。  宗教法人と学校法人というのは、同じ法人税法の別表の二に記載されております「公益法人等」に両方とも含まれておるわけでございまして、法人税法上は同じ課税の取り扱いが学校法人と宗教法人はなされているわけでございます。  そこで、お聞きをしたいわけでございますが、今回、この宗教法人法の改正法案では、財務書類の所轄庁への提出義務、それから一定の場合の報告徴収・質問権、そしてまた財務書類、会計書類の閲覧請求権、信者の方のですね、この三つが大きな項目、まあほかにもありますが。  この三つについて、学校法人についてはどのような規定になっているのかということでございますけれども、これは助成の有無によって法律が区別をしているんですね。要するに補助金等が国また県から支出される、そういう助成でございますけれども、助成、補助金が出されるような場合には、法律では、私立学校振興助成法の中で所轄庁への提出義務についても規定をしておる。また報告徴収・質問権についての規定がある。ところが、私立学校法、助成を受けていない私立学校の場合には、単に帳簿書類の作成と備えつけ義務のみを規定しておるんですね。  これもまた文部省の話になりますけれども、なぜ学校法人の場合、そういう補助金を受けている学校の場合と、そうでない、補助金を受けていない学校の場合とでこのような違いが、差異が出てくるんでしょうか、御答弁をお願いします。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 御指摘の差異でございますが、私立学校法につきましては、これは昭和二十四年の法律でございます。これにつきましては、必要な報告の徴収、調査権限等につきましては、一般的に、「所轄庁は、私立学校に対して、教育の調査、統計その他に関し必要な報告書の提出を求めることができる。」といったようなことを筆頭に、幾つかの調査、提出義務、あるいはいろいろな関与があるわけでございますが、私立学校振興助成法につきましては、これはやはり公的な資金を文部大臣あるいは都道府県が学校法人に対して交付するということに伴いまして、こういったさらに厳しい報告の徴収あるいは質問、調査、こういうこともあるわけでございます。特に、憲法との関係でありますと、公の支配に属するという意味で、やはり公金の支出がなされるわけでございますので、こういったさらに厳しい規制がある、こういうことでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 文部大臣、今のお話は、要するに公的な資金がその学校に行くかどうかによってやはり区別しなければいけないんだ、公的資金が行く場合にはやはり会計書類についてきちんとしてもらう必要があるからちゃんと山川してくださいよ、また報告徴収・質問権についても規定をしておるわけなんですね。要するに補助金が出ているかどうか、助成がなされているかどうか、これによって、この会計書類の提出義務の問題、報告徴収・質問権の問題が分かれているんですね。  宗教法人の場合は、これはもちろん……(発言する者あり)当たり前の話です。当然のことですけれども、補助金とか助成は一切ございません。なぜこの宗教法人の場合と学校法人の場合にこういう違い、税法上は全く同じ取り扱いでございます、なぜこのような違いが出てくるんでしょうか。大臣御答弁を。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 宗教法人と学校法人をそのまま全く同じもの、こう考えることは私個人としては無理があるように思うんです。  ただ、今回の宗教法人法の改正につきましては、再三申し上げるとおり、御専門の方々が長い時間をかけて御検討いただいた結果でございますから、これを尊重するというのは当然のことと思います。

北側一雄新進党

○北側委員 宗教法人とそれから宗教団体、宗教法人になっていない宗教団体もたくさんございます。約五万ぐらいあるのですかね、宗教法人になっていない宗教団体。今回の法律は、もちろんのこと、これは宗教法人に当てはまる規定でございまして、当然、宗教法人でない宗教団体には当てはまらないわけでございますね。この宗教法人について、宗教法人と宗教団体を区別して、なぜこのような報告義務だとか、それから報告徴収・質問権だとか、こういう違いが出てくるかといったら、やはり宗教法人の場合は法人格を取得して、一方では公益法人の一つとして課税上も優遇の取り扱いをされているからじゃないですか。そうでしょう。  だったら、それでは学校法人も変わりないわけですよ。どこに助成を受けていない学校法人と宗教法人について法的な取り扱いを区別する根拠があるのですか。その理由をぜひ説明していただきたい。

吉田茂文部省高等教育局長

○吉田政府委員 補助金を受けていない学校法人、これは文部大臣所轄の学校法人のうちの六%程度を占めております。しかし、それにつきましては、ただいま申し上げましたような所轄庁への必要な報告書の提出義務が一般的にございます。  さらに、学校法人設立、これは当然認可でございますが、その後、設立後も、寄附行為の変更は所轄庁の認可を要することになるわけでございまして、その際には当然財務関係の書類の提出を求めております。  また、寄附行為の変更に該当しない場合であっても、例えば学校、学部、学科、大学院の研究科、こういったものを設置したり廃止したりする場合には、関係書類とともに財務関係書類の提出を求めているということで、一般的に、非常に、補助金の出ていない私立学校につきましても、そういった所轄庁が継続的に学校法人の活動状況を把握しているということは言っているわけでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 私立学校振興助成法の十四条には、この私立学校振興助成法というのはあくまで助成を受けている、補助金の交付を受けている学校法人に該当する法律なんです。この法律に、私立学校法には規定がない十四条の規定がある。その十四条の規定というのは、「貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならない。」作成義務を規定して、二項で、「同項の書類のほか、収支予算書を所轄庁に届け出なければならない。」というふうに、今回の宗教法人法の二十五条のあれは何項でしたかね、とほぼ同じ規定があるんです。これは私立学校法にはないんです。私立学校振興助成法、補助金の交付を受けている学校法人に適用される法律にのみ規定されているのですね。だから、今の御説明は全然私は納得できません。この問題についてはまだ改めてこれはぜひさせていただきたいと思っております。  時間がないので先に進めます。  次に、きょうの午前中質問が出ておりました件で私も質問させていただきたいと思っておるのですけれども、それは、この二十五条の四項で報告義務を規定しているのですね、大臣。この二十五条の四項の報告義務、そしてこの提出された書類が国政調査権との関係がどうなるのかということなんですね。国政調査権との関係。  例えば予算委員会で資料要求がなされた。これは国会法の百条でしたかね、百四条。百四条で資料要求できます。文部省に対して、例えば、宗教法人から提出された計算書類について審査の必要があるから、調査が必要だから、そのある特定の宗教団体の計算書類を資料要求する、こういうふうに言われた場合、また、その内容について具体的に報告しろというふうに質問があった場合、果たしてこれに応じなければいけないのかどうか。国政調査権との関係でございますね。  公務員の守秘義務と国政調査権との関係でございますが、総理、これは、この報告義務を規定することによってこの問題は必然的に出てくるわけなのですよ。備えっけだけで終わっている場合はそれはあり得ないのですけれども、提出義務を課すわけですから、そうすると、この衝突、公務員の守秘義務とそして国政調査権との衝突が起こるわけです。これ、どうするか。総理、どうですか、御答弁。これは憲法上の問題ですから、ぜひお答えください。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 午前中の御質問もございましたわけでございますが、法二十五条四項によりまして所轄庁に提出された書類、これにつきましては、所轄庁の側といたしましては、公務員の守秘義務のある秘密に該当する場合があるわけでございます。こういった職務上の秘密に当たる事柄につきまして、国政調査権に基づく開示要求等がございました場合に、それにおこたえするかどうかということにつきましては、守秘義務により守られる公益と国政調査権の行使により得られる公益、この二つの公益を個々の事案ごとに比較考量して決定されるべきものというふうに考えております。  したがいまして、法二十五条四項の提出書類の扱いにつきましても、個々の事案ごとに判断しなければならないということでございまして、一概には申し上げられないわけでございますけれども、一般論でございますが、記載内容が秘密に属するような場合もございますので、そういった場合にはその開示を控えざるを得ない場合もあり得るというふうに考えております。

北側一雄新進党

○北側委員 ちょっと今の答弁で気にかかっているのは、秘密に属する事項がある場合もあるとおっしゃいましたね。ない場合もあるのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 二十五条でいただく書類にいろいろな書類があるわけでございますが、例えば代表役員の氏名といったものは、これはもう既にオープンになってございますので、これは秘にならない部分もあるというふうに思うわけでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 そうしたら、財産目録、収支計算書、貸借対照表、こういうものはどうなのですか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この二十五条で毎年度提出いただく書類というのは、所轄庁が、所轄庁として認証後の宗教法人が活動していらっしゃるということを把握するための資料でございます。したがいまして、もちろんそういった財産目録や収支計算書等の中には、宗教法人の側からいいますと、そこはぜひ秘密にしてほしいという部分も当然あるわけでございますので、私どもとしてはそれを直ちに、常に国政調査権の御要請があった場合にオープンにするということはなかなか難しいのではないかというふうに思っております。

北側一雄新進党

○北側委員 大臣、ここのところは、きょうはいろいろな方が見られておられると思いますし、大事なポイントだと思いますよ。  貸借対照表とか財産目録、収支計算書、こうした計算書類について報告義務を課すわけですね。これについて公務員の守秘義務の対象となるのかどうか、ぜひひとつ答弁しておいてください。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今、小野次長が御答弁申し上げたとおり。

北側一雄新進党

○北側委員 それでは、今回報告義務の対象は明確になっているのだけれども、どこまでが守秘義務の対象となるのかどうかというのがどうもはっきりしないのですね。ちょっとこれは、この委員会をやっている間にぜひ政府の方で明確にしてもらいたいというふうに思うのですけれども、先ほど小野さんがおっしゃった一般論、守秘義務によって守るべき公益とそして国政調査権によって提出される公益、これを比較考量するんだというお話ですよね。  それじゃ具体的に聞きますけれども、今回のこの場合に、文化庁の職員の皆さんが公務員の守秘義務によって守るべき公益というのは、これは具体的には何なのでしょうか。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 所轄庁といたしまして財産目録等の資料をいただくわけでございますけれども、それはまさに所轄庁の立場として、所轄庁の責任を果たすために必要な資料でございます。したがいまして、それを直ちに第三者に例えば見せるとか交付をするとか、そういったことは通常考えられないものでございまして、行政事務の必要な範囲内において、提出していただいた資料等については、私どもとしては大切に扱っていくべきものだというふうに考えております。

北側一雄新進党

○北側委員 その守るべき公益、利益、この公益というのがまだ不明確なんですよ。ちょっと模範答弁を別の官庁にやってもらいますから。  国税庁、来られていますか。国税庁の場合も同じような会計書類が行っているわけですね。法人税の関係で、収益事業の確定申告の関係で同じような計算書類が行っているわけでございます。国税庁、国税職員の守秘義務、これは、この守秘義務によって守ろうとする公益とは一体何ですか。

若林勝三国税庁次長

○若林政府委員 お答えいたします。  税務職員がいろいろ税務上知り得た納税者の秘密というのはあるわけでございます。ただ、こういう秘密が一たん外に漏れるということになりますと、納税者が国税当局に対する信頼を失うということになりますと、税務行政の円滑な遂行というのは困難になろうかというふうに我々は考えております。そういう意味におきまして、こういう守秘義務を守るということによって税務の公正な執行を保障しようというふうにしておることで、それが公益と考えております。

北側一雄新進党

○北側委員 今、国税庁の方はかなり具体的におっしゃったのですよ。納税者の国税に対する信頼を失わないようにしないといけない、税務行政の適正な運営を損なってはならな」い、申告納税制度によって支えられている税務の公正な執行を保障しなきゃいけない、こういう基準をおっしゃっているわけです。公益の内容とはこういう内容ですよと。  同じように、今回文化庁は同じ書類をとるわけですから、とろうとしているわけですから、あなた方が守るべき公益とは一体何なのかということはやはり明確にすべきです。大臣、いかがですか。文部大臣、文部大臣答えてくださいよ。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 私ども文化庁が守秘義務を課せられておりますのは、文化庁でございますと国家公務員法第百条第一項でございます。それから、都道府県知事部局の職員でございますと地方公務員法第三十四条第一項で、ここで、保護されるべき秘密を守らなければならない義務が出てくるわけでございます。  したがいまして、先ほどの国税の場合とはその基本になる部分が若干違う部分がございますけれども、私どもといたしましては、所轄庁が行政上の必要で求めた宗教法人の財務関係書類でございますから、それは当然、宗教法人のサイドからいきますとプライバシーの問題もございましょうし、秘密にしてほしいということもあるわけでございますから、私どもとしては、その宗教法人の信頼を失うということになってもいけないわけでございますので、公務員としての守秘義務はきちっと守っていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 先ほどの国税の答弁に比べまして極めて不明確なお話をされているのですね。守秘義務によって守るべき公益と国政調査権によって得られる公益とを比較考量しようと言っているのでしょう。こちらの方の守秘義務によって守るべき公益というのは一体何なんだということを委員長、やはりこの委員会をやっている間に私は明確に政府の方で統一見解を出していただきたい。また、先ほどの守秘義務が該当する範囲というのは一体どこまでなのかということも、二十五条にはちゃんと書類関係全部明確になっているわけですから、この書類については守秘義務の対象になる、これはならないとか、その辺はきちんと統一見解を出していただきたいと思います。よろしくお願いします。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 理事会において協議いたします。

北側一雄新進党

○北側委員 次に、附則二十三項の問題についてお聞きをさせていただきます。  附則二十三項というのはこういう規定でございまして、「当分の間、宗教法人は、第六条第二項の規定による公益事業以外の事業を行わない場合であって、その一会計年度の収入の額が寡少である額として文部大臣が定める額の範囲内にあるときは、第二十五条第一項の規定にかかわらず、当該会計年度に係る収支計算書を作成しないことができる。」という規定でございます。  これはどういうことかといいますと、文部大臣が定める額以下の小規模法人については、この収支計算書、二十五条一項に定めております収支計算書の作成義務を免除しましょう、当分の間、免除しましょうと。そして、収支計算書の作成義務が免除される関係で、この二十五条二項三号の備えつけ義務もないんですね。大臣、そうですよね。作成義務がないわけですから二十五条二項三号の備えつけ義務もない。そして、所轄庁への報告義務の対象にもならない。また、信者からの閲覧請求権の対象にもならない、作成義務がないわけですから。というふうに、今回のこの改正法案の骨格になる部分です。  この骨格になる部分について、文部大臣が定める額以下の小規模法人については適用しませんよという、極めて本法案の重大な規定なんですね、この規定は。本法案の大事なところについて適用があるのかないのか、その基準を定める規定でございます。それがこの附則の、本文じゃなくて附則の二十三項に書いてあるんですね。  そういう意味で、本法案の極めて大事な部分について適用があるかないかという大事な基準ですから、文部大臣が将来定める額というふうな決め方をするんじゃなくて、やはり明確に、私は、数字をちゃんと書き込むべきである。そうでないと、自分のところの宗教団体が当てはまるのか当てはまらないのか、わからないわけですよ。  やはり今この委員会で法案審議していこうとするに当たって、一体どこまで適用になるのかというところが全然はっきりしていないわけです。その基準については「文部大臣が定める」というふうになっているんですよね。この額については一体幾らにするのか、やはりこの当委員会の中で明確にしないとおかしいと思うんですよね。そうじゃないと審議なんかできないですよ、この法案審議は。大臣、いかがですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今回の法改正では、宗教法人審議会の報告を踏まえ、宗教法人が宗教団体としての要件を備えているか等についての実態を所轄庁が把握し、宗教法人法の適正な運用を図るため、収支計算書の提出を求めることとしておるわけであります。ただし、収入額が寡少な宗教法人については、当分の間、その作成義務を免除することとしております。  その理由は、収入規模の小さい宗教法人は、とりわけごく小規模で専任の管理者、住職とかあるいは宮司とか、こういう管理者もいないような宗教法人については、実際上、直ちに収支計算書の作成を義務づけることには無理がある、そう予想されるから、小規模の法人に対しては免除する、こうなっております。

北側一雄新進党

○北側委員 今はこの二十三項の趣旨をおっしゃったんですよ、政府側のこの二十三項を入れた趣旨をおっしゃった。私が言っているのは、その額が決まらないと、作成義務、備えつけ義務、閲覧請求権、報告義務、今度の法案の骨格ばかりじゃないですか、ここの該当するかどうかの基準が不明確なままで、どうしてこの法案の審議ができますか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 今回の法改正では、宗教法人法の適正な運用を図るために収支計算書の作成を義務づけることとしておりますが、規模の小さい宗教法人というのはそれを免除しているところであります。いかなる宗教法人が免除されるかについては、宗教法人の収入の額が文部大臣が定める額の範囲内であるか否かによって決められることになっているところであります。  その具体的な額につきましては……(発言する者あり)全部聞いてください。いいですか。その具体的な額については、文部大臣があらかじめ宗教法人審議会に諮問し、その意見を聞いて定めることとなっているところであります。

北側一雄新進党

○北側委員 じゃ、こう聞きましょう。  宗教法人審議会、これまで大臣が先ほど来るるおっしゃっているように、しっかりやってきたのでしょう。そこでなぜこのことを議題にしなかったのですか。なぜここで基準をちゃんと決めなかったのですか。大臣。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 私は、予算委員会その他でも再三御説明したところでありますが、私から恣意的に宗教法人審議会の委員にいろいろな注文をつけたり、あるいは方向を求めたりしたことは一切ありません。今回は、四月二十五日与謝野前文部大臣がいわば御検討を願って、その結論が出たものに従って今回の法改正をお願いしているところであります。

北側一雄新進党

○北側委員 委員長、よく聞いてくださいね。本改正法案の極めて重要な骨格となる項目、作成義務、備えつけ義務、閲覧請求権、報告義務、過料の制裁にもかかってくるのです。こうした骨格になる項目について、その適用があるかないかがこの文部大臣が定める額によって決まるのです。宗教団体側からいうと、自分のところはそれに当てはまるのか当てはまらないのかという、こういう極めて重大な基準について法案の中では明確に数字で出さないというのは、私はおかしい。少なくとも、この委員会で今法案審議しているんだから、その時点でちゃんと数字を出すべきですよ。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘のございました、収入金額が一定額以下の宗教法人については、現在の実態にかんがみまして、直ちに収支計算書の作成を義務づけるということは困難であるということを宗教法人審議会の報告でも述べられているわけでございます。  では、なぜ法律で額をきちんと書かなかったのかというお尋ねでございますが、今回の法改正で、小規模法人の区分の基準になります収入額の範囲につきまして、法律では具体的に規定しなかった、文部大臣が定めることといたしました理由でございますけれども、このことによりまして、経済状況の変化や宗教法人の実態等を踏まえながら、宗教関係者の意見も反映しつつ適時適切に基準額の範囲を決定するということが可能となるということで判断したものでございます。  なお、これはほかの法律の例でございますけれども、私立学校振興助成法の十四条三項、先ほど来議論のあった法律でございますが、この法律におきましても、「補助金の額が寡少であって、所轄庁の許可を受けたときは、この限りでない。」ということで、そういった免除規定も、法律の例としては、そういう例があるわけでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 ごまかしてはだめですよ。小野さん、今あなたのおっしゃった答弁は全然違うのだ。私立学校の方は監査報告書を出すかどうかでしょう。公認会計士の作成した監査報告書を添付するかどうかがそれによって決まっているのですよ。会計書類の報告義務は、寡少であろうともすべて助成を受けている学校法人は提出義務があるのですよ。全然根拠が合ってませんよ。  いいですか、この附則の二十三項というのは、何度も申し上げていますとおり、本法案の骨格になる部分の適用があるかないかを決めるところなんですよ。そこを、後日文部大臣が定めますよと言うのですよ。一体今まで宗教法人審議会で何していたのですか。なぜ今決められないのですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 宗教法人審議会が何をやっておられたか。極めて真摯な議論を進めて御検討いただく、私はその御報告をいただいた、こういう立場であります。

北側一雄新進党

○北側委員 こういう大事なところについて、宗教法人審議会、一生懸命やってこられたとおっしゃっているのですけれども、大事なことについては、結論、どうも出ていないようなんですね。なぜ結論が出ないのか、わからないですよ。  これについても、本法案の極めて大事なところですから、この委員会をやっているうちにきちんと大臣が数字を出してください。出していただかないと、それは宗教団体側が自分のところに適用があるかないかという話ですよ。その基準の話ですよ。こんなものを附則に書くなんというのはとんでもない話ですよ。ちゃんと金額を明示して、自分のところが義務が課せられるのかどうか明らかにしなければ法案審議なんかできないですよ。大事な項目の部分です。  ぜひ、委員長、これにつきましても、この金額につきまして早急に文部大臣が、当委員会で審議をやっているうちにちゃんと金額を提示してもらいたい、これを求めます。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 この規定でございますけれども、あくまでもこれは、原則は収支計算書をおっくりいただくというのが原則でございます。そして、事務処理能力等がなかなかそこまでいかないということで免除する部分について、例外的な部分について、附則で「当分の間こということで定めさせていただいておるものでございます。

北側一雄新進党

○北側委員 この問題は、もうしつこく言いますが、単なる……(発言する者あり)静かにしてください。単なる計算書類の作成義務が免除されるかどうかというだけの問題じゃないのです。備えつけ義務があるのかどうか、所轄庁への提出義務があるのかどうか、信者等の閲覧請求権の対象となるのかどうか、こういう本改正法案の骨格そのものじゃないですか。ここの基準が不明確で、法案が確定しているなんて言えませんよ。極めて法的に不安定だと言わざるを得ません。  ぜひ、委員長、求めます。この文部大臣が定める額について、当委員会できちんと明示をしていただきたい。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 理事会において協議いたします。(発言する者あり)理事会において協議をいたします。

北側一雄新進党

○北側委員 今、委員長、理事会ですね、理事会で。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 理事会において協議をいたします。

北側一雄新進党

○北側委員 そうですね。はい、よろしくお願いいたします。  時間もなくなってまいりましたが、きょうもこれまでの審議の中で、七十九条、八十条、八十一条のこのお話が再三出ておりました。これは私、極めて大事な問題だと思うのですけれども、例えば八十条の認証の取り消し、認証の取り消しというのはどういう場合かといいますと、所轄庁が一たん認証した宗教法人が、当該認証に関する認証を交付した日から一年以内に限って、要件が欠けていることが判明したときは、認証を取り消すことができる、こういう規定なんですね。これはもともと、八十条一項、あったわけでございます。  ところが、この認証の取り消しというのは、大臣、まず宗教法人が認証されますでしょう、所轄庁から。そして、その後に認証要件を欠いた、だから認証の取り消し、こういう規定じゃないのです。御存じですか。御存じですね、もちろん。これは、認証時において要件が欠けていたにもかかわらず、所轄庁がまあ何かの理由で誤認をして、認証要件があると判断して間違って認証してしまった。その後、一年以内の範囲内において、ああ当初のあの認証時点において宗教団体としての要件がなかったねということがわかったときに、この認証の取り消しができるのです。いわゆるこれは所轄庁がいわば誤認をしたような場合に働くケースなんですよね。大臣、そうでしょう。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 今お話ございました八十条でございますが、認証後一年以内に宗教法人が宗教団体としての実態を欠いているということが判明した場合でございます。この場合には一年以内に限って認証の取り消しができるという規定でございます。

北側一雄新進党

○北側委員 ですから、今私が申し上げたことでよろしいわけですね、小野さん。認証時における要件が欠けていたにもかかわらず認証してしまった、それがその後判明したという場合が認証の取り消しでしょう。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 御指摘のとおりでございます。認証の時点でそれがわからなかったという場合だと思います。

北側一雄新進党

○北側委員 ですから、この八十条一項というのは極めてレアケースなんですよ。所轄庁が間違ってしまったようなことを想定しているのです。ですから、この認証の取り消しが働く場合というのは極めてレアケース、このことを根拠にして、手段が必要だ、質問権が必要だ、報告徴収権が必要だなんというのはおかしいのですよ。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 北側委員は何が何でも所轄庁の誤認、こう申されたいようでございますが、先ほど小野次長からも御説明いたしましたように、当初は、それはなるほどその方もその団体もそうだったかもしれませんが、少なくも宗教法人として活動しようということで認証を得た、しかし、その後実態が伴わない、むしろ、こちらの誤認でなくて、先方がいわば当初法人格を得たときの資格要件が満たされない、こういう場合もこれは当然に認証の取り消しにつながる、こういうことです。

北側一雄新進党

○北側委員 八十一条の解散命令、解散命令請求。小野さん、去年、平成六年は、この解散命令請求の実績、文化庁と都道府県合わせまして何件解散命令請求がなされましたか。数を言って、数。数だけで結構ですよ、もう時間がないから。

小野元之文化庁次長

○小野(元)政府委員 平成六年度でございますが、解散命令を請求したのが二十八件でございます。

北側一雄新進党

○北側委員 二十八件。大臣、現行法でも解散命令請求、去年一年間で二十八件やっているのですよ。できるのですよ。何か不備があるなんてことはないのですよ、現行法で。  委員長、都道府県の宗教法人事務担当職員の数というのは物すごく少ないのですね。例えば東京は、この大東京ですよ、宗教法人の事務担当職員数は四名しかいません。神奈川は三名、三名のうち一人は併任です。愛知、宗教法人の数が非常に多い、全国一多い愛知県、何と宗教法人事務担当職員数は二人、そのうちの一人は併任者なんです、ほかの仕事もしながらやっているのですね。大阪は三人、兵庫は三人、こういう実態なんですよ。本当は、いろいろ不備をおっしゃるけれども、その宗教法人の事務担当者の数がふえれば運用の改善で何とかなるのじゃないですか。

島村宜伸自由民主党・自由連合文部大臣

○島村国務大臣 御承知のように、十八万三千九百九十六と記憶しますが、これだけの宗教法人が現在あるわけです。先ほど、二十八件のいわば解散命令請求あるじゃないかとおっしゃいますが、この数が必ずしも多いか少ないか、これはいろいろ議論のあるところだと思います。そして、今、各都道府県でそのいわば担当の職員をふやせばいいとおっしゃいますが、そういうことは時代の要請に逆行すると私は思います。

北側一雄新進党

○北側委員 時間が参りましたので終わりますが、きょう何点か理事会に協議していただく事項、資料要求をさせていただきました。ぜひ当委員会に提出いただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

越智伊平自由民主党・自由連合

○越智委員長 次回は、来る六日月曜日午後一時委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時散会

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