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134回国会衆議院1995/11/08

規制緩和に関する特別委員会 第4号

発言数
80
登壇者
16
会派数
5
開催日
1995/11/08

会議録

塚田延充新進党

○塚田委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事秋葉忠利君から、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚田延充新進党

○塚田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚田延充新進党

○塚田委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に永井哲男君を指名いたします。      ————◇—————

塚田延充新進党

○塚田委員長 次に、規制緩和に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橘康太郎君。

橘康太郎自由民主党・自由連合

○橘委員 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、質問をさせていただきます。  まず最初に、江藤総務庁長官にお伺いをしたいと思います。  江藤長官におかれましては、御就任以来、本委員会が特に関心を持って進めております規制緩和の問題につきまして鋭意御努力されまして、その豊富な経験、それからまた学識をフルに発揮されまして、今日まで非常に立派に職務をお務めのことと私ども拝察をいたしておりまして、大変喜ばしいなというふうに考えておるところでございます。大変毎日御苦労さまでございます。  そこで、まず最初にお伺いしたい点は、長官として御就任になりまして、現在いろいろと、長官に御就任される前まで政府において規制緩和の諸問題について順次進めてまいっておられると存じますが、その経過、並びに今後どのように総務庁において、長官としてこの問題に取り組まれる御所存であるのか、その辺のところをお承りしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 国会でもお答え申し上げましたように、これはもう歴代内閣が行政改革、規制緩和というのには取り組んできたことでありますが、やはりなかなか実が上がらなかった。そこで、国会においても随分と皆さんから御議論をいただき、また、各方面からも御意見をいただいて、その結果をもって、村山内閣では、景気回復どこうした行政改革、規制緩和を柱とする内閣に今後しようということで、不肖私が任命をいただきました。  御承知のように、三月の末に千九十一項目の指定をしたわけでありますが、これを年内には六〇%をめどにひとつ規制緩和をしよう。もともとは五年だったんですけれども、それを三年に前倒しをしようというのをさらに前倒しをして、初年度でもって約六割を目標にやっていこうではないかということで、ただいま進めております。  それから、千九十一で終わるわけではありませんから、今度はまた行政改革委員会、規制緩和小委員会等の御意見をいただいて、今年末にはまたさらに数をふやしていただいて、そして、来年の末までにはこの千九十一にさらにまた追加をしていく。これはもう毎年改定をしていこうということでやっております。  それからもう一つは、やはり行政改革委員会あるいは規制緩和小委員会等でいろいろな御注文が出まして、例えば、自分たちじゃなかなか調査ができないから、先般来も、二十一項目について、ひとつ総務庁が現地調査をし各省庁との調整をしてくれというのがありました。  例えば、基準・認証とか輸出入の手続とか、あるいは流通の、JASの問題ですとか、そういうものも出てきます。ですから、適当なものがあればまた千九十一の中にそういうものも入れて、逐次進めていこう、こういうふうに考えておるところであります。

橘康太郎自由民主党・自由連合

○橘委員 江藤長官の今日までの衆議院議員としての、あるいは政府要員としての実績につきましては、私ども後輩は非常に立派なものだと尊敬を申し上げております。特に、先生の政治に対する情熱は、これはあらゆるところで先生の御発言の中で出ておるわけでありまして、私ども本当に尊敬を申し上げて今日まで来ておるところでございます。  そこでお伺いしたいわけでございますが、これは陶山行政管理局長の方にお伺いしたいわけでありますが、先般、七月二十七日、「規制緩和に関する論点公開」というものが四十項目にわたって公開をされました。今あらゆるところでこれが検討されておると思うわけでございますけれども、その後の状況はどのようになっておりますか、お伺いをしたいと思うわけでございます。  行政管理局長で結構でございます。長官は少しお休みください。  それで、十一月をめどに精力的に作業を行うというふうになっておったわけでありますが、その後、この四十項目についての論点公開をした後の状況はどのようになっておるのか、詳細に御説明をお願いしたいと思うわけでございます。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 御説明を申し上げます。  ただいま先生から御指摘のございました、いわゆる論点公開と称するものにつきまして、これは、私どもと申しますよりは行政改革委員会の規制緩和小委員会において、規制緩和の各分野の審議を進めておられる過程において、特に重点的に議論を詰める課題という意味で、まず第一次の論点公開を本年七月二十七日、続けて第二次としての論点公開を十月五日に公表されたものでございます。  これらにつきまして、国会の御議論の場、あるいはマスコミにおきましても種々の御議論が行われておりますが、私ども承知しておりますところでは、行革委員会の規制緩和小委員会があえて論点公開という名称でオープンにされたその趣旨の一つは、各界においてこれらについていろいろな議論を起こしていただきたい、各界からいろいろな御意見をいただいて、改めてこの行革委員会の小委員会としても今後の議論を詰めていきたい、そういう趣旨で公開をされたというふうに承知をいたしております。  この今後の取り扱いでございますが、引き続きこの小委員会において議論が進められておりまして、文字どおり精力的な議論が行われていると承知をしておりますが、予定といたしましては、行革委員会、つまり親委員会に対して小委員会から報告をされる時期は十一月末を目途、そして、それを受けて行革委員会としても改めて御審議をされ、政府に対してこの規制緩和についての意見を提示される時期は十二月末を目途というふうに承知をいたしております。

橘康太郎自由民主党・自由連合

○橘委員 再度お伺いいたしますが、この四十項目についての小委員会としての御報告が十一月末に行われるということでございますか。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 そのとおりと承知しております。

橘康太郎自由民主党・自由連合

○橘委員 そこで、この四十項目の中にもうたわれておる中でちょっと問題点があるわけでございます。と申しますのは、私ども規制緩和特別委員会は、この夏、福岡、沖縄へ行政視察に参りました。このときに、福岡でも沖縄でも我々委員に対して陳情されたことは、ここの四十項目のうちの九番目に「大店法の見直し」というのが出ておるわけでございます。これが非常に地方の中小の小売業者を圧迫するので、何とかしてこの辺のところをくみ上げていただいて、中小企業の小売業者あるいは酒などを販売しておる業者に対してもう少しいろいろとこれらの意見を聞いて改革をしていただきたい、余りにも我々の意見を無視した改革に進んでおるのではないかというふうな意見が非常にたくさん出ておったわけでございます。私ども沖縄へ行きまして、あるいは福岡へ行きまして実際に生に耳にしたのはこの点でございます。  それからもう一点は、いろいろな問題がありますけれども、福岡あたりでは輸入住宅というものの展示場がありました。そこへ行ってその状況をいろいろと見たわけでありますが、国内の住宅建築価額が大変高い。そういうことのために輸入住宅を推進しようということでジェトロあたりが非常に努力をされまして、一生懸命輸入住宅を安く入れられるように努力して展示場を設けたわけでござ、いますけれども、しかしながら、非常に規制の面で制約を受けておる分野があって、今度は逆に、規制を緩めてもらいたいという——さっきのものは、余り規制をやり過ぎると僕らは手を上げてしまう、ただ緩和さえすればいいものではないのではないか、もっと実態をよく見てくれというのはさっきの話です。今度は逆に、規制を緩めてくれという話なのですが、それは水道の蛇口だとかJISマークというのがありまして、非常にこの辺のところの輸入手続に問題があって、このところが非常に高くつくのだ、だからもう少しこれらのところを緩和してくれないかというふうな意見等が出てまいりまして、私ども視察した者は一様にそれぞれ感銘を受けて、これは行政監察局もおったことであるから、我々は、東京へ持ち帰ってぜひ皆さんに御報告しておこうということで帰ってきたわけであります。  私は、長官、これは返答してくれというのじゃないのです。こういうこともありましたから、ぜひ行革の小委員会の方にこういう意見もあったよということをお伝えいただきたい。  ただ、世間では、規制緩和さえすれば世の中すべて円満解決で、何でもかんでも規制緩和、規制緩和、これさえやれば世の中うまくいって物価も下がるのだというお考えもありますけれども、片一方で、いや、そうではないのだ、そんなことされたら大変迷惑をするという人たちも非常にたくさん、しかも、去年も私ども北海道へ行って、この大店法の問題でやはり陳情を受けたのですよ。これは大変なことですよ、先生方、こんなことで中小企業どうするのですかということを言っているわけですから、この国民の切実な声というのはぜひ総務庁御当局から小委員会へ流していただいて、検討の中でいろいろと参考になるようにやっていただきたい。これはお願いでございます。  そこで、あと十分ほどあるわけでございますが、この四十項目の中で、これは長官、聞きっ放しにしておいてください。これは総務庁から小委員会の方へ反映していただければいいわけですから。この点、今から質問に入ります。長官、少し休んでおってください。  行政管理局長にお伺いするわけでございますが、その後、四十項目の中で、さっき申し上げましたその中の四番に「住宅の生産・輸入に関する規制緩和」というのがあるわけです。これで、さっき言いましたような水道の蛇口の問題とかそういうものがあるわけですが、現在小委員会の方でこれはどういうふうに検討されておるのか、何か中身、わかりませんですか。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 私が答えた方がいいと思います。  大店舗法の問題は、私は慎重にも慎重にすべきことだと思っております。安ければいい、消費者の便利ならばいいということだけではなくて、今は千平米までは自由ですから、三千平米までがこれは都道府県の届け出ですから、六千平米以上になったとき初めて通産大臣になるわけです。そのおかげで、だあっとできてきたわけですね。私は役所にも言うのですが、このおかげで、恐らくこの四、五年間で小売商店が十四、五万軒消えてなくなったのではないかと思うのです。したがって、今度は中央卸売市場の買参人が二割も三割も減ってくる。それから、商店街が機能をなさなくなってくる。それらの問題もありますから、これは慎重の上にも慎重に取り扱うべきものだ。まだ検討中ですから私が私見を述べることは差し控えなければなりませんが、しかし政治家として私はそう思っております。  それから、ただいまの輸入住宅の問題は、これは建築基準法の改正の問題、もう一つは輸入手続の問題、それらの問題もあります。それからJAS規格の問題等もあります。それらは、今月の末を目途に今鋭意委員会において御検討いただいておりますから、いずれ答えが出てくるものと思います。  ただ一つ、輸入住宅、輸入住宅といいますが、一方では、日本は七割が山林でありまして、十五年生なら、私は郷里で聞きましたら、一町歩でも三十万で買い手がないというのです。十五年も育てた杉山が、前は百万円だったのですが近ごろは一町歩で三十万円でも買い手がない。日本の林業というものとそういう輸入住宅との調整を一体どうするかということは、私たちお互い政治家が心得るべきことだと思っております。

陶山晧総務庁行政管理局長

○陶山政府委員 まず最初に、先ほど先生からいろいろ御意見をちょうだいいたしましたことにつきましては、私どもの立場で行革委員会の規制緩和小委員会の方にきちんと伝達をさせていただきますことをお約束申し上げます。  なお、さらに御指摘のございました水道指定工事店を含めた関係の問題でございますけれども、既に先生御案内のとおり、現段階の規制緩和小委員会の論点公開では、規制維持の意見と規制緩和の意見と、いわば両面のお立場の意見をそれぞれの論点ごとに整理をされて、そしてオープンにされた。その目的は、先ほども申し上げたとおり、それに基づいてさらに各方面から御議論をいただきたい、そういう趣旨でございまして、今段階で結論が出たわけではございません。詳細な議論の内容、経緯等については、私ども直接議論に参画しておりませんので必ずしもこの場で御説明をすることは難しゅうございますが、少なくとも現段階で特別の方向づけを既に出されておるということでは必ずしもなくて、さらに最終的な調整を経た上で委員会として意見をまとめたい、そういう段階であるというふうに私は理解をいたしております。

橘康太郎自由民主党・自由連合

○橘委員 細かい御報告をいただきましてありがとうございました。また、前向きの御答弁をいただきましてありがとうございました。  そこで、もう一点お伺いをしたいと思うわけでございます。  四十項目の中に、情報通信事業の規制緩和というところがあるわけですが、やはり現在の科学技術の進歩というものは大変なものでございまして、私も、当選したときに地元から、私、富山なんですけれども、先生、富山県で見れるテレビは四チャンネルしかない、ところが東京へ行くと十チャンネルも、物すごい見れるじゃないか、何で我々のところはそんなに見ることができないんだ、もう少し政治力を発揮して見れるようにしてくれぬか、でないといつまでたっても裏日本と言われても仕方ないじゃないかということで、私はこの前決算委員会で、この問題は郵政省の江川放送行政局長に言ったところが、いや、その問題については今一生懸命やっておるんですということで、いよいよ今度、来年の三月からCS放送というのをやるんですよ。今、普通の放送のほかにBS放送というのが、衛星放送がありますね。NHK一、二、それからWOWOWというのがありますけれども、そのほかにCS放送というのをやっているんですよ。それが、もう一発衛星を打ち上げて今度はディジタルで五十チャンネルのものが空から降ってくるというふうなシステムになるわけです。  私は、これらを見たときに、規制緩和というけれども、やはり科学技術の進歩というものも、そこまで今まで政府は規制しておったのだけれども、技術がもう規制を乗り越えて、もう要望をちゃんと満たしてくれるような時代に入ったということで大変喜んでおるわけでございます。単に規制緩和だとかなんとかというと、これは言葉の上では必要でしょうけれども、そういう技術面でのいろいろな改革、あるいは我が国は戦後これで五十年たちますけれども、その間に、やはり世の中の出来事はいろいろな点で変わっておるわけですから、古い法律もありましょうし、これから、そういったもので五十年ほどたったら法律も変えていかなければならぬというふうな時代も迎えたのではないか、このように私は思います。  四十項目いろいろありますけれども、情報通信のこと一つ申し上げてもそのくらいあるわけでございますから、ひとつ総務御当局におかれても、いわゆる古くなった法律みたいなものはやはり現代に即したように直していくことも、規制緩和と言ったらおかしいけれども、現代にそぐわない法律の改正ということで、そういったものも所管の仕事の一つとしてやっていただければこれはありがたいな。放送の方では、もうその法律は変えていかなければならない、いや応なしに。  そういう状況を迎えておりますので、私は、今日非常に実績を持っておられる総務長官が陣頭指揮してやっておられるわけですから、あらゆる面で、さっき言いましたように、この辺は少し規制を緩めて、逆に少し助けてやらなければいかぬ。ただ規制緩和だけでは世の中うまくいかぬぞと。幅の広いキャリアと経験が、私はこの規制緩和という大問題に必ずや立派な結論を出されるものと長官の手腕に大変期待しておりますので、ひとつ長官のそれらに対するお気持ちを少し聞かせていただければありがたいなと思うのですが、いかがですか。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 中曽根行革のときに、実はこの問題をやったことがあるのです。もう何十年も前につくって、まだ片仮名の法律があるのです。これを時代に合わぬから整理しようということで随分と整理したのですが、とにかく法律というのが山ほどありまして、もう御承知のように、一番適当でなかったのは食管制度ですよ。足らないときの法律で余ったときを規制しようというわけですからね。それで、ようやくこれも本来の姿に戻りましたが、しかし、そういうふうに法律全体で政府全体が一回見直してみる必要がある。不要になったもの、時代に合わないもの、改正を要するもの、そういうものが非常に多くなっておるということは私も認めておりまして、またこれから取り組ませていただきます。

橘康太郎自由民主党・自由連合

○橘委員 長官、どうもありがとうございました。どうかお体に、健康に気をつけられまして、立派な成果を上げられますことを心から御祈念を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

塚田延充新進党

○塚田委員長 永井哲男君。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 日本社会党の永井哲男でございます。  規制緩和として問題となっている再販の問題、特に著作物の問題についてお聞きしたいと思います。  まず、憲法上のこれは位置づけの問題ですけれども、政治的な思想、表現の自由というのが経済的自由に優越する。それは、経済的自由は民主主義が正常に機能していればそれはそこで正常化をすることは簡単である。しかし、民主主義そのもののためにもそういった思想、表現の自由というものの優越性というのが憲法上認められているんだ。こういう考えがあるわけですけれども、それについて、特に公取委の方はそういう点どのようにお考えでしょうか。

鈴木恭蔵公正取引委員会取引部取引課長

○鈴木(恭)説明員 お答えいたします。  再販売価格維持制度、いわゆる再販制度でございますが、これは独占禁止法上原則として違法とされている再販行為、これ一定正の条件のもとで例外的に独禁法の適用から除外する制度でございまして、昭和二十八年に導入されたものでございます。  ただ、この制度、今日、日本の経済社会それから取引・流通慣行、非常に大きく変化しております。こういった観点から、消費者利益の確保に資するということから、公正、自由な競争を促進しまして市場メカニズムの活用を図るという観点から適用除外制度全般の見直しを行うということが、目下非常に大きい問題になっているところでございます。  著作物の再販制度につきましても、この独占禁止法の適用除外制度の一つでございますから、当然その見直しの対象になっているわけでございます。政府におかれましても、この三月の規制緩和推進計画におかれまして、再販が認められている著作物につきまして、平成十年三月末までにその範囲の限定、明確化を図るということとされているところでございます。  私ども公正取引委員会といたしましては、この再販適用除外が認められております著作物の取り扱い、これを明確化するために目下幅広い観点から総合的な検討を行っておるわけでございますが、この検討の一環といたしまして、学識経験者から成ります再販問題検討小委員会、ここにおきまして、競争政策の立場から、そしてまた主として理論的観点というところから御検討いただきまして、この七月に中間報告という形で、この問題につきまして国民各層において御議論いただく一つのたたき台として公表したところでございます。目下関係業界、消費者団体を含めまして、国民のいろいろな面から幅広く意見をお聞きしているところでございます。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 今のは中間報告についての答弁だというふうに思いますが、私が聞いたのは、憲法上の経済的な自由、精神的な自由そのものについての優越的な問題についてはどう考えるかということだったわけですけれども、特にその再販の問題で、著作物の再販において一体問われているものは何なのか、価格競争の対立軸として問われているのは一体何なのかということについて、私は、その中では、一新聞社の利益だとか販売店の利益、また出版社や書店の利益というものがそこで対立軸として問われているものではない、そこでは国民の知る権利が問われているんではないか、そういうふうに思っております。  思想というのは伝達手段を通じて国民に伝わります。その中核となるのは活字文化ではないかというふうに思います。言論の自由があるということによって民主主義が初めて十分に機能できる。  ところで、言論の自由というのは、単にあるというだけではこれは足りません。国民が十分に知るというところになって初めて機能するわけでありますが、その伝達手段の規制のあり方、これが世界各国でそれぞれ異なっている。そして、その伝達手段の規制のあり方として再販ということがその中で問題になるというふうに思います。  ところで、この再販制度というのは、今言ったように、立法以来四十年以上経過する。そういうことによって、これは一つの風土、そしてまた文化というものもその中で形成するに至っているのではないかというふうに思います。まさにそれは国民の知る権利と一体のものとして国民に受けとめられているのではないでしょうか。したがって、その変更というのは、国民の知る権利に十分に配慮してなされるべきものであるというふうに私は思います。  そういう点、中間報告においては、自由競争というものが前提にあり、こういった国民の知る権利というものを配慮しているというふうには私は思えないのですが、その点、このような国民の知る権利というものをこの中においてはどのように配慮したか、それを公取にお聞きいたします。

鈴木恭蔵公正取引委員会取引部取引課長

○鈴木(恭)説明員 先ほどお話ししましたとおり、この中間報告書、競争政策の立場から主として理論的側面を中心に御検討いただきまして取りまとめられたものでございます。  ただ、この中間報告の考え方でございますが、新聞や書籍、こういったものが文化的性格を有する商品であること、それを前提とした上で、なおかつ文化関連商品であるから、あるいは言論機関としての特別な立場にある、そういった理由によって直ちに再販価格の維持が必要であるという考え方をとるものではございませんで、そのような文化性のある商品を消費者まで流通させるために小売価格を維持する必要があるのかどうかをまず検討し、その上で再販制度の必要性には疑問があるとしているものでございます。この意味において、中間報告におきまして、再販制度の見直しが国民の知る権利を妨げることになるとは考えられないというものでございます。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 この中間報告の中には、そういった著作物、国民の知る権利にかかわるものも競争政策の中で入るということが当然の前提とされております。そして、私が最も問題だと思うのは、この再販制度が「価格以外の面で何らかの効果をもたらす可能性が抽象的に示されるだけでは、これを正当化することはできず、そのような効果が具体的に、かつ、現実に生じていることが示される必要がある。」そういうふうに言っているわけでありますが、これはまさに立証責任、国民の知る権利ということが問題になり、それへの阻害ということが問題になるときに、勝手に立証責任を転嫁して、その負担というものを国民の知る権利の阻害要因にかけているというふうに思います。  こういうようなことから、単に抽象的なものだけでは制度を維持する理由とすることはできないというふうにここでは言っているわけですけれども、その考え自体が少し問題ではないか、そういうふうに私は思います。  抽象的な議論ばかりでは余り進展しませんので、それについて、それではこの再販制度という中で、一体どういうような弊害が生じているかというようなことについて、公取としてはどのようにお考えでしょうか。

鈴木恭蔵公正取引委員会取引部取引課長

○鈴木(恭)説明員 お答えいたします。  再販売維持行為、これは流通業者の事業活動におきまして最も基本的な価格というものを制限するものでございまして、それによりまして流通業者間の価格競争、これを消滅させるため、それ自体非常に競争阻害的な効果が大きいものでありますが、さらに市場が寡占的でありまして、メーカー間の競争が活発に行われてないような状況のもとにおきましてこの再販制度が実施されますと、市場全体の価格競争が抑制されるおそれがあると言われております。  さらにまた、再販制度によりまして流通業者の価格決定が制限されることから、価格面以外にもその事業活動の自主性が損なわれまして、消費者ニーズに対応することが怠りがちになるという弊害がもたらされるおそれがございます。  こうした観点から、先ほどの中間報告におきましては、再販制度のもとでの具体的な弊害といたしまして、例えば新聞では価格の設定が同調的であるとか、あるいは下方硬直的である、さらに書籍では、取り次ぎが寡占のもとでほとんどすべての出版物が再販の対象になりまして、再販制度そのものが柔軟に運用されていない、こういったこと、あるいはいずれにつきましても流通改善がおくれておりまして、消費者ニーズに適切に対応していない、こういった弊害をこの中間報告では指摘しているところでございます。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 その弊害というのも、どうも余り重要なものではないようにも思います。理論的なところからくる、こういったおそれがあるという抽象的な議論に過ぎているのではないか。  例えば、これは最も問題、関心が高い価格という面で見ますと、出版物については、これは一九七五年を一〇〇と見た場合に、消費者物価が一八〇になっているのに対して、雑誌は一五九、書籍は一三一、これは九三年ですけれども、そういう意味では消費者物価以下の伸びでしかない、いわば物価の優等生だというふうにもうなっているわけですけれども、こういう事態を一体どういうふうに考えるのか。  新聞について言えば、これは価格については、これも異論もあるでしょうけれども、これも例えば利益率というところから見ると、売上高営業利益率、これが製造業一般が三・三%に対して全国紙が一・一%、売上高経常利益率が製造業一般が二・六%に対して〇・六%ということで、これは競争があって非常に頑張っているということがこういうことからも言えるのではないかなというふうに思います。  どうも、その中間報告は、原則違法だということから、再販が果たしている機能というものを余りに軽視しているのではないか。再販制度というのがもう既に四十年以上たっているわけであります。  それでは、今現在どういうような状況になっているのか。新聞は、これは最も民主主義の発展にとって欠くことができないという意味で、知る権利にとって大きな問題ですけれども、宅配が九九%にもなり、そういった制度は国民にも支持されているということ。全国どんな離島であっても同一の価格であり、これはむしろ国民としての一体感醸成という上でも大きな役割を果たしているんではないか。世界一の発行部数というものを誇っている。そしてまた、再販のないアメリカのような地域は、地域独占紙、地域が一紙または二紙というような状況であるわけですけれども、日本の場合には、複数の新聞が対立していろいろな意見というものを国民に知らせる大きな役割を担っているということが、新聞の場合には言えるのではないか。  出版では、これも四千社を超えるという多様な出版社が存在するということ自体、多様な意見の存在ということで大きな意味があるのではないか。また、毎年四万八千点もの新刊が発行されて、これは世界で第三位ですけれども、そういうこと。そしてまた、書籍にしても十四億冊、雑誌が約五十億冊近い。そういったものが効率よく配達され、全国の二万八千店の書店や十五万カ所の販売拠点といったものに効率よく並ぶということ自体、国民の知る権利という面から見て大きな機能を果たしている。  こういうふうに、再販が果たしている積極的な機能というものに目をつぶって、その弊害というものを殊さら取り上げる、これは、角を矯めて牛を殺すというようなことになるのではないか、そういうふうに思います。  そこで、原則違法だというふうに言いましたけれども、特に縦の取引制限は、横の取引制限、カルテルなどに比べて違法性というものが少ないというような意見があります。垂直的な制限行為については、経済的効率性を阻害することがないということから、競争制限的効果の存否など経済実態を勘案してその適否を判断する、そういうふうにすべきではないかという見解が有力になっているというようなこともあります。  そしてまた、欧州委員会では、ドイツ語圏の三カ国の再販の協定というものが欧州競争法や欧州のカルテル法に矛盾しない、こういうような決定を去年の七月に出しているわけであります。これは、出版物を文化財として高く認めて、こういうような決定もしている。  一方では、この縦の取引制限というのがそれほど、違法性といいますか、そういうものがないということも前提になっておると思うのですけれども、そういう動きについてどのように公取としてはお考えでしょうか。手短に答えてください。

鈴木恭蔵公正取引委員会取引部取引課長

○鈴木(恭)説明員 メーカーが、卸それから小売に対しまして販売価格を守らせることというのは、これは先ほども御紹介しましたとおり、非常に価格競争を減殺させる効果を持つということで、公正取引委員会は従来から、この再販行為に対しましては、独占禁止法上原則違法ということで法律運用をしてきたところでございまして、この点は、平成三年に公表いたしました私どものガイドラインにつきましても明らかにしているところでございます。  諸外国でございますが、諸外国につきましても、欧米主要国におきましては、再販行為は原則として違法という運用がなされているところでございます。  先ほどの御指摘の、例えばアメリカでございますが、アメリカでは、確かに一時期、反トラスト当局が再販事件を取り上げなかったことは事実でございますが、その後、再販事件を反トラスト法違反として取り上げてきておりまして、なおかつ、この間、裁判所は一貫して、この再販を原則違法として取り扱ってきたところでございます。  また、EUでございますが、ドイツ、オーストリア、スイスの間の書籍の取引、これに再販が認められたことは承知しているところでございます。ただ、これは、ドイツにおきましては書籍の再販が認められている関係から、同じドイツ語圏でこれらの取引におきまして再販が認められたものであると承知しているところでございまして、EU全体として再販を認めたというところはないというふうに聞いております。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 これはまた文化政策として見ても、例えば、再販をしていないアメリカでは、図書館が日本の七倍もあるというようなことや、また、大学図書館で、ハードカバーについては、三千部ぐらいこれを買い上げて、いわばそういった良質の出版の下支えをしているというような機能、また、スウェーデンでは、良質な本については政府が補助金を出しているというようなこともあるわけで、こういう、総体としてどういうような施策が行われているかということも注意して見なければならないというふうに思います。  そこで、文化庁の方としては、この再販の問題についてはどのようにお考えでしょうか。

大橋敏博文化庁文化部芸術文化課長

○大橋説明員 新聞、書籍等の著作物は、これまで我が国の教育、学術、文化の振興普及、さらにその水準の向上に大きく寄与してまいりました。その役割は、二十一世紀に向かって、我が国が文化立国として発展していく上でますます重要になってくるものと考えております。  我が国におきまして、充実した多種多様な新聞、書籍等が発行され、しかも、全国同一の価格でこれらを確実に入手することができるということは、著作物の再販制度によるものでございまして、この制度は重要な消費者サービスとなっていると考えております。  それから、先生御指摘のように、社会の変化が激しくなる中で、豊富な情報が満載され、すべての人が容易に接することのできる新聞、書籍等の著作物は、国民生活に不可欠の生命線であるというふうに思っております。新聞は民主主義の道具立てというふうなことも言われます。知る権利にも十分に配慮していく必要などがあるかと思います。  再販制度が廃止されれば、メーカー、小売店は、競争に勝ち残るために、売れ筋のものに発行、販売を限っていくということになりまして、作家等が作品を発表する機会も失われる、また、新聞、書籍等の種類が減少するということから、多種多様な著作物を求める国民、消費者の利益が損なわれまして、これらによりまして文化の振興普及に深刻な影響が生じるおそれがあるというふうに考えております。また、小売店間等の過当競争から、これらの倒産が起こり、また、条件の悪い地域におきまして、戸別配達の打ち切りあるいは価格の上乗せが起こるなど、身近に手軽に新聞や書籍を手に入れたいという消費者のニーズが満たされなくなるということが懸念されます。  さらに、再販制度が廃止されれば、都市部と地方でこれらに大きな価格差が生じ、地域格差あるいは一極集中の問題が一層深刻になるおそれというものも考えられます。  このようなことから、文化庁といたしましては、我が国の教育、学術、文化の発展向上に重要な役割を果たしております著作物の再販制度を今後とも維持していく必要があるというふうに考えております。  以上でございます。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 昨日、NHKの報道で、再販について、アメリカの方から著作物の再販について廃止すべきであるという意見が出されたというような報道があったわけですけれども、その点、実際にはどうなっているのでしょうか。外務省にお聞きいたします。

西宮伸一外務省北米局北米第二課長

○西宮説明員 お答えいたします。  我が国が規制緩和に関しまして内外の意見、要望を募っておるというのは御案内のとおりでございますが、これに呼応いたしまして、このたび、米国政府より我が方に対しまして、米国としての規制緩和、競争政策に関します要望を非公式に提示をしたところでございます。  この要望書の中に、我が国の再販価格維持制度に関しまして、見直しについての要望が記載されていることは事実でございます。  他方、この要望書につきまして、いまだ最終的なものではございませんで、あくまでも暫定的なものとして非公式に日本政府に提示するということでございましたが、お尋ねの点につきましては、再販価格維持制度一般についての要望でございまして、特に著作物に係る再販制度に言及しているわけではございません。  つけ加えますれば、その他の再販制度についても言及しておりませんで、極めて一般的な形で言及しているということでございます。  なお、ことしの九月の下旬に、米国司法省のクライン反トラスト局次長が訪日いたしましたが、その際にも、日本側関係者との意見交換の中で、我が国の著作物に関する再販制度の見直しについては余り固執しないとの考え方を表明しているやに報道等で承知しておるところでございまして、我が方としましても、今回の米側要望書の記述も、我が国の著作物に関する再販制度の見直しを求める趣旨ではないというふうに理解をしておるところでございます。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 最後に、これは大臣にお聞きいたします。  確かに規制緩和ということも必要でありますが、とりわけ著作物、活字を中心とした、これは思想、表現の自由の中核的なものだというふうに思います。これは文化にまで至ったというふうに思いますが、長年再販とともにこういったものは生きてきているわけですけれども、国民の知る権利というものに十分に配慮してこれらの見直しというものに慎重に取り組まなければならないというふうに思うわけですが、その点、大臣の御見解そして御決意をお伺いいたします。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 ただいま検討課題のうちで非常に難儀をしておるのは、この再販制度、それから大店法、それから農畜産物の価格支持政策の廃止、あるいはNTTの分割、こういうものがあるわけでありまして、これは私どもは予見を持たずにいずれも公平にこの問題はさばいていこうということでありまして、国民の知る権利ということは大事なことであることは十分心得ております。

永井哲男日本社会党・護憲民主連合

○永井(哲)委員 知る権利に十分に配慮して取り組んでいただきたいということを再度お願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

塚田延充新進党

○塚田委員長 西川太一郎君。

西川太一郎新進党・民主会議

○西川委員 大臣の参議院本会議御出席の御都合で、私は、休憩を挟んで十分ずつというまことに細切れの質問に相なりまして大変困っておりますが、御協力を申し上げて、その時間でさせていただきたいと思っております。  そこで、早速大蔵省にお尋ねをしたいわけでございますが、日本の経済の現況また行く末、こういうものの中で、規制緩和が果たす役割は、経済の活性化を促しまた我が国経済の構造に非効率的な面があればこれを是正していくということが大変重要な課題になる、それに対する手段であるというふうに位置づけるならば、幾つかの要因が考えられると思います。  我が国経済の高コスト化体質と申しますか高価格の現況をどう是正していくかということは規制緩和にとって大変重要なことでありますが、その中で五つの要因が考えられております。一つは、生産者の段階での労働生産性の低いこと。二つ目は、材料資材購入、サービスの価格が高いこと。三つ目は、生産者の間接的な経費が高いこと。四つ目は、流通コストが高いこと。そして、きょうお尋ねする、五番目に当たります制度、税制の問題がある。こういうふうに考えられるわけでございます。  税については、一括して税制改革ということでよく処理をされますが、私はきょうは、ここで証券業界に対する税制だけを取り上げて大蔵省当局にお尋ねをし、休憩後に大臣にまたお出ましを願いまして、最後に総括的に一問だけお尋ねをしたい、こう思っておる次第であります。したがいまして、大臣はもし必要でございましたら参議院の方に向かわれて結構でございますので、この十分間は大蔵省の皆さんにお尋ねをいたします。  初めに、最近の株式市場における我が国のいろいろなネックが問題視されております。バブルの影響もあり一時は四万円の大台に乗せるかと思われておりましたところ、これが今一万八千円前後をうろうろして、一万七千円台に回復したなどということが新聞の一面記事になるていたらくであります。そういう中で、証券業界の内外、これは個人投資家もそうでございますが、そういう中で、活性化を図り国際競争力を図っていく中で、有価証券取引税というものが大きなネックになっているという議論がございます。  そこで、私はいろいろ調べてみますと、まず我が国では、例えば個人の投資家が株を売ったり買ったりするわけでありますけれども、その税負担は平成元年の三月以前に比べて二倍以上になっているわけであります。例えば具体的に申しますと、源泉分離課税を選択したとしても、百万円のいわゆる約定代金で株の取引をした人に手数料が一万一千五百円取られる。何と税金は一万三千円も取るわけであります。また、一千万円になれば税金は十三万円、そして最後一億円の取引をすれば百三十万円も税金が取られる、手数料は三十八万五千円。こういうことが、一億円は個人のへそくりで云々という範疇にはほど遠い額かもしれませんが、少なくとも家庭の主婦や御隠居さんが株をちょっとやってみようかというそれで、有価証券取引税だけが原因とは思いませんが、最近どうも株価もぱっとしないし、こういう税金も取られてちゅうちょするということが実は景気の下支えを取っ払ってしまっているし、また、損をしたから買い物は手控えよう、こういうふうになるわけでありまして、そういう意味では私はこの税制を、大きく言えば法人の重い負担、小さく言えば個人のこういう負担、ともに足かせになっている感があるのではないかと心配をしている一人でございまして、これを撤廃をしていくということも、私は大きい意味で規制緩和につながるというふうに考えているわけであります。  海外の状況を見ますと、アメリカでは一九八一年の十月に、またヨーロッパ諸国では、オランダが一九九〇年七月、ドイツが一九九一年の一月に、それぞれ我が国の有取税に相当するような税金または流通税を廃止しております。それから金融で世界的に有名なスイスでも一九九三年四月から、一部ではございますけれども流通にかかわる印紙税が廃止をされております。フランスでも上限を四千フランとか五万フランとか、そんなふうに規定をしながらも、この種の取引税については非課税の選択をいたしております。  などなど、そういうような例を見ますると、世界的に今ニューヨーク、ロンドン、東京が証券の三大市場である、これの機能を十分に発揮して国際的に内外市場の一体化をさらに一層推進するという観点から、有取税は昭和二十八年に株式等の譲渡益に対する原則的な非課税が決定をされた際に代替的な手段として創設をされたことはっとに御案内のとおりでありますが、この経緯からするならば、平成元年の四月に有価証券譲渡益課税が全面的に復活をした際に、廃止されてしかるべきだったのではないかと私は考えるのでございますが、この点につきまして、御当局の御見解をまず伺いたいのでございます。

小手川大助大蔵省主税局国際租税課長

○小手川説明員 お答え申し上げます。  ただいまの先生の御指摘の最初の部分につきましては、各個人の方の税負担と申します場合に、これが、いわゆる有価証券取引税の部分と、それから所得税の中の譲渡益の部分、それから源泉分離の部分というふうになってくるというふうに考えておりますが、現在、我が国の有価証券取引税につきましては、一般投資家の場合には、譲渡価格の〇・三%という税率で税負担をお願いしているところでございます。  それで、この件につきましては、証券市場活性化のための規制緩和の一環といたしまして、有価証券取引税を廃止すべきではないかという議論があることは十分承知しておりますところですが、一方で、この際に約四千億円に上る代替財源をどうするかという問題、それから、株式取引に関する税負担について、これを公平の観点からどう考えていくべきかという問題、それから第三番目に、一体、この有価証券取引税の撤廃というものが実際に市場の活性化というものにそのまま直ちに結びつくものかどうかという問題等がございまして、現在、税制調査会の中でもさまざまな議論が行われているところでございます。  いずれにいたしましても、この有価証券取引税につきましては、政府としても、株式等の譲渡益課税を含めました証券税制全体の議論の中で、十分今後ともその検討を深めてまいりたいというふうに考えております。

西川太一郎新進党・民主会議

○西川委員 そういう御答弁は予想がついたのでありますが、しからばお尋ねをいたしますけれども、例えば、日経二二五の先物市場の取引状況を資料を取り寄せて調べてみますと、例えば、SIMEXで、我が国の大証の取引に比較して、四六・五%が九五年の一月—九月の実績であります。  そしてこれは、一九八九年にさかのぼりますとわずか七・九。翌年の九〇年はわずか三・二。九一年は一・六。シンガポール国際証券取引所の我が国のこの二百二十五種類に及ぶ先物市場は、この程度であったものが、今日、昨年から四六%を上回るという実態がございます。  また、もう一つの調査によれば、ロンドンの証券取引所における日本株の売買状況は、年々ふえておりまして、特に、外国株に対する日本株の割合というものは、まことに増嵩をいたしているわけであります。  こういうことを見ますると、どうも、国際競争力的な観点からいっても、先ほどの課長さんの御答弁は私には——大蔵省として、四千億に及ぶ財源ということ、一番これは、私も日本の国家財政が今大変なことは十分国会議員の一員として承知をいたしておりますが、ここらを考えないといけないのじゃないかと思います。  もう時間のようでありますから、御答弁は休憩後にいただいても結構でございますが、これは委員長の御采配にお任せをいたします。

塚田延充新進党

○塚田委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時四分休憩      ————◇—————     午前十一時五十二分開議

塚田延充新進党

○塚田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。西川太一郎君。

西川太一郎新進党・民主会議

○西川委員 休憩前に御答弁をいただきました件につきまして、有取税の存在がすべてだとは私も思いませんが、先ほど申し上げましたように、シンガポールやロンドン市場における外国株の取り扱いが年々ふえている、我が国証券界は少し萎縮しているのではないかという内外の心配、それらについて、初めにお尋ねをした際の御答弁よりもう少し踏み込んだお答えをいただければ、こう思ってお尋ねをしたわけでありますが、いかがでございましょうか。

小手川大助大蔵省主税局国際租税課長

○小手川説明員 申し越しのございましたいわゆる株式につきましては、各国ともいろいろな税でやっているわけでございますが、印紙税ですとか譲渡益とかいうことでやっておりますが、いずれにいたしましても、有価証券取引税につきましては、政府としましても、今後株式等の譲渡益課税を含めた証券税制全体の議論の中で十分に検討を深めてまいりたいというふうに考えております。

西川太一郎新進党・民主会議

○西川委員 続いて、非居住者が受ける国内の公債、社債の利子等について、これが課税をされているということは所得税法等で十分御案内のとおりでございますが、例えばこれらについては、外国大使館でありますとか外国中央銀行を例外として一五%の所得税が課せられている。ところが、近年ユーロ市場等では、これの源泉徴収は行わないようにしているという傾向が顕著であります。  非居住者の国内公社債への投資を活発化するということも、我が国証券市場を活性化し、我が国証券界の国際競争力を高め、我が国の経済を強くして、いわゆる規制緩和の目的に沿う、私は単なる税制改革の範疇を超えた問題ではないか、こう思いますので、この辺のところにつきましての、非課税にするというお考えが大蔵省にないか、お尋ねをしておきたいと思います。

小手川大助大蔵省主税局国際租税課長

○小手川説明員 ただいま議員の方から御指摘のありましたとおり、いわゆるユーロ市場につきましては、各国、主要国の中でもこれを、いわゆるユーロ債券について非課税としている国はございますが、いわゆる各国の公社債の利子につきましては、これは主要国の間でもいろいろと取り扱いが変わっておりまして、例えばアメリカ、イギリス等ではやはり現在の我が国と同様にこれを課税としているところでございます。  もちろん、二国間の条約によりましてこれを非課税とするということは、いわゆる二国間の協議の中でやっている部分もあるわけでございますけれども、まだ一般的な国際課税の原則としましてはこれを課税とするところが多いという状況でございます。

西川太一郎新進党・民主会議

○西川委員 限られた時間でございますから、最後に江藤大臣にお尋ねを申し上げたいと存じます。  先ほど自由民主党の筆頭理事橘先生がおっしゃるとおり、江藤隆美長官といえば、村山内閣における超ベテラン議員であられ、いろいろな御経験を積んでおられるわけであります。したがって、私は、ずばり大きな観点から、細かい技術論は別として、ある種の気構えといいますか、精神といいますか、そういう観点でお尋ねをいたすわけであります。  私は、大臣が今本会議に、参議院に行っておられる間に大蔵省の皆さんにお尋ねをいたしましたのは、税制を、特に証券市場の活性化というものを促すための税制の改正、なかんずく有価証券取引税の撤廃、それから非居住者、我が国に住んでいない外国の方々の、我が国発行の公社債に対する投資を促し我が国経済を強めるという意味で、その利子所得に対する非課税、これは国際的に横並びに見るならば、我が国だけが特有の税制として持っている。大蔵省の答弁では、例えば有取税などは四千億円の貴重な財源であるから、これの代替財源をほかに求めない限りなかなか簡単に撤廃をするということはできない、と。しかし、世界的な状況の中で、また我が国の最近の経済の状況においてこれに手をつけざるを得ないというお気持ちは私は酌み取れるわけでございます。  大臣にお尋ねをしたいのは、この種の税制というものは税制改革という問題で別枠でいつも取り上げられていますけれども、大臣先ほどおっしゃる千九十一または一万一千に及ぼうとする我が国の規制の中で、この税制による我が国経済の高コスト化の体質であるとか、また、いわゆる我が国経済の足かせ状態というものが顕著になっております最近の傾向をごらんになって、これをどういうふうに総務庁長官として規制緩和の中に位置づけていくかということについての大臣の御見解を伺いたいのでございます。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 大事な御質問だと私は思います。  五十年間続いてきた日本の政治がいろいろな規制とか省令とかあるいは政府の関与とかいうことで今日まで急速な経済成長を遂げてきたことは間違いがない。しかし、そのことが今やこの大転換期に手かせ足かせになってきたということも私は疑うことのない事実だと思っております。  したがいまして、例えば金融・証券というものが生産業だけではなくて、いわゆる海外にどんどん流出していくなどということはおよそ考えられなかったことであります。金融・証券の空洞化ということを眺めたときに、ここに改正をしなければならない点があることは私は当然だと思うのです。それは、欠陥があるからシンガポールやら香港に流れていくのであって、今四千億の有価証券取引税があるということでおっしゃいましたが、私は、かつて砂糖消費税をそれは廃止しようと思って一生懸命やったことがあるのです。ところが、四百五十億の財源の目当てがつかぬというので、ずっと、つい二、三年前まで延びてきたのです。あれは、戦時中の軍事調達の財源としてつくったのが砂糖消費税であり、それが、ほかにかわる財源がないということでずっとやはり引っ張られてきた。  だから、そういうことは税制調査会において当然論議の対象になるべきことであるし、私どもも、証券・金融部門についても例外ではない、やはり行政改革、規制緩和の中で、このことについては大蔵省とも相談をしながら、これは避けることなく取り組んでいくべきことである、そうしないと、日本の経済の活性化というのは生まれない、こういうふうに考えておるところでございます。

西川太一郎新進党・民主会議

○西川委員 大臣から御答弁をいただきましたが、私は大蔵省に、質問ではなくて最後に意見を申し上げますが、ただいまのお話のように、我が国経済が大変重大な転換期に差しかかっている。四千億円といえばこれはもう大変貴重な財源であることは私は重々承知をいたしておりますが、果たしてその四千億円を大切にするのか、それはつらいけれども切って、証券市場を活性化し、経済を活性化して、また別の税収として、景気をよくして四千億を上回るプラスを経済に得るのかという選択だと私は思うのであります。そういう意味では、どうぞひとつそういう意見があることを御承知の上で取り組んでいただきたいということを要望しまして、質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。

塚田延充新進党

○塚田委員長 河合正智君。

河合正智新進党

○河合委員 まず、総務庁長官、御就任おめでとうございます。  日本経済を覆っております閉塞感というのは、もう表現のできない状態にまで達しております。例えば、私の地元の岐阜県におきましても、繊維、陶器、刃物、木工、そういった地場産業が下支えしている産業構造でございまして、当初円高の時代には悲鳴が上がっておりましたけれども、現在はもう虫の急といった状況で、倒産も続出している状況でございます。  規制緩和を求める声というのは日増しに高くなってきておりますが、ただ私は、この日本の産業構造そのものを変革するということが政治の今最大のテーマになっていると思うところでございますが、本日はそのことを踏まえまして、ただ、この規制緩和の委員会で議論がされていないと思われる一点につきまして、いろいろ御質問申し上げたいと思います。  それは、経済的な規制は原則として自由、こういうことになりますると、これは平岩研究会等の報告、また、政府の規制緩和推進計画において明言されているところでございますが、そうなりますと、撤廃された後というのはじゃノンルールになるのかという問題がございますが、しかし、その残されたルールというのは独禁法の問題じゃないかと思われます。  そこで、この規制緩和の推進と競争政策の強化につきまして公正取引委員会はどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いさせていただきます。

鈴木孝之公正取引委員会官房総務課長

○鈴木(孝)説明員 御説明申し上げます。  規制緩和を進めるということは、これまで規制のもとに置かれていた事業活動が市場原理と自己責任原則に基づく自由な事業活動に変わっていくことでございまして、これは、自由かつ公正な競争を基盤とする経済社会を目的とする競争政策の目指すところと一致するものと考えております。  先生御指摘のように、規制緩和後の市場においてはノールールになる、ルールがないということになるのではなく、有効な競争を通じて、市場メカニズムというその働きによって経済が自律的に動いていくということでございますので、その働きを妨げるような行為等を排除していくのが、なくしていくのが独占禁止法の役割と考えております。  したがいまして、独占禁止法が事業者の公正かつ自由な競争を促進するための普遍的なルールとなることから、こうした分野における独占禁止法の厳正な運用がますます重要になると考えております。  公正取引委員会といたしましては、このような観点から、規制緩和と競争政策の積極的展開を一体的に推進していくことが不可欠と考えておりまして、今後とも、政府規制の緩和に積極的に取り組むとともに、市場におきます公正かつ自由な競争の維持、促進に努めてまいりたいと考えております。

河合正智新進党

○河合委員 公正取引委員会が平成元年に出されました政府規制等と競争政策に関する研究会報告によりますと、許認可により新規参入が規制されていたり、数量や価格にかかわる規制が行われている分野は、付加価値ベースでGDPの約四〇%を占めるという表現がございます。  そこでまた、平成七年度予算にも計上されておりますように、政府規制分野、適用除外などの実態調査などの予算も組み込まれているところでございますが、公取は、最近ではどのような調査、提言をされ、また、あわせて独禁法の適用除外制度の見直しについてはどのような進捗状況にあるのか、御報告いただきたいと思います。

相関透公正取引委員会経済部調整課経済法令調査室長

○相関説明員 お答えいたします。  公正取引委員会は、昭和五十四年の「競争政策と適用除外又は規制分野に関するOECD理事会勧告」等を踏まえ、昭和五十七年八月、農業、金融、運輸、エネルギーなどの分野における十六業種の政府規制制度について、その問題点及び見直しについての見解を公表するとともに、関係省庁に規制緩和の検討を要望してまいりました。  その後も、新行革審における審議状況にも留意しつつ、政府規制の見直しに関する取り組みを一層推進する観点から、昭和六十三年七月以降、政府規制等と競争政策に関する研究会を開催し、物流分野、消費者向け財・サービス供給分野、農業関連分野の三分野について御検討いただき、平成元年二月及び十月に検討結果を公表いたしました。  公正取引委員会は、その後、各方面において規制見直しの機運が高まっている、そういうことにかんがみ、競争政策推進の観点から、規制の問題点及び真に意義のある規制の見直しとは何か、そういうことを示すことが重要であると考えて、改めて平成五年十二月に同研究会で検討いただき、その検討結果を取りまとめました。  さらに、最近におきましては、公正取引委員会は、同研究会における考え方、それに基づきまして、個別の分野について検討いただきまして、平成六年八月に物流分野、平成七年六月に流通分野についてそれぞれ公表しております。  公正取引委員会は、累次の同研究会の指摘等を踏まえまして、今後とも、政府規制の問題点及び改善の方向等について、競争政策の観点から調査検討を行い、その結果を一般に公表するとともに、関係省庁に対しては、規制の問題点を指摘し、規制の見直しを促すなど、積極的に規制緩和の働きかけを行っているところでございます。  次に、適用除外の関係についても御質問がございましたけれども、独禁法の適用除外制度、これも市場メカニズムの一層の活用を図るという観点からは必要最小限度のものに限定すべきであるというふうに考えておりまして、従来からその見直しを積極的に行ってきております。  その結果でございますけれども、昭和四十年度末のピーク時には独禁法の適用除外カルテル、これが千七十九件あったわけでございますけれども、本日現在では四十八件というふうに減少してきております。とりわけ、個別法による独禁法適用除外制度、それは二十八法律、四十七制度あるわけでございますけれども、これらにつきましては累次の閣議決定等において見直す旨の決定がなされておりまして、最近では、ことしの三月の規制緩和推進計画におきまして、「個別法による独占禁止法の適用除外カルテル等制度については、平成十年度末までに原則廃止する観点から見直しを行い、平成七年度末までに具体的結論を得る。また、その他の適用除外カルテル等制度についても、引き続き、必要な検討を行う。」ということにされております。この見直し作業の円滑な実施に資するという観点から、独禁法適用除外制度見直しに係る関係省庁等連絡会議、これが内閣の内閣官房内政審議室の主宰によりまして、平成五年十一月から既に四回にわたって開催されているところでございます。  この問題は、各制度を所管するそれぞれの省庁において積極的に取り組まれることがまず重要であるというふうには考えておりますけれども、公正取引委員会といたしましては、同連絡会議の場等を通じまして、同制度の抜本的見直しが行われるように一層積極的に働きかけていきたいというふうに考えております。また、個別法以外の適用除外制度、そういったようなものにつきましても、今後とも適時適切な検討を行っていくという所存でございます。

河合正智新進党

○河合委員 次に、これは本日の日本経済新聞の一面のトップ記事でございますが、持ち株会社を部分解禁するといった方向での検討がなされているように報道されております。従来、公正取引委員会は、独禁法が制定されました制定当時の時代状況もございまして、こういった持ち株会社の問題につきましては非常に消極的な態度を一貫して持ってこられた。これは、財閥解体といった戦後独禁法の制定当時の状況に思いはせれば当然のことでございますが、こういった持ち株会社の部分解禁を検討されていることについてお伺いしたいと思います。

鈴木孝之公正取引委員会官房総務課長

○鈴木(孝)説明員 持ち株会社を含みます企業結合規制につきましては、近時、事業者の負担軽減等の観点から見直すべきとの要請がございまして、本年三月三十一日に策定されました規制緩和推進計画では、持ち株会社の禁止について、事業支配力の過度の集中を防止するとの趣旨を踏まえつつ検討を行い、結論を得ること、それから、合併、営業譲り受け等の届け出制度、株式所有の報告制度等についてすそ切り要件の導入、引き上げ等を含め、見直しを図ることとされております。  公正取引委員会としましては、これらの事項についてこれまでも企業等から鋭意調査検討、ヒアリング等を行ってきたところでございまして、今般、多方面がつ専門的な観点から議論していただくため、各界の有識者から成る独占禁止法第四章改正問題研究会を開催することとしたものでございます。持ち株会社問題についても、独占禁止法第四章で規定されている企業結合規制の一環として議論していただく予定でございます。  当委員会としては、今後同研究会における検討を踏まえた上で、持ち株会社問題についても早急に結論を得ることといたしております。  本日、研究会の第一回の会合が開かれておりまして、ただいま先生御指摘のように、本日の一部の新聞に一部解禁というようなことが書かれておりますが、私ども研究会を開催したばかりでございますので、何か一定の結論をまだ有しているわけではございませんで、研究会の議論を見ながらというふうに考えております。  御承知のように、持ち株会社につきましては、規制緩和推進計画において、事業支配力の過度の集中を防止するとの趣旨を踏まえ、系列、企業集団の問題に留意しつつ、我が国市場をより開放的なものとし、また事業者の活動をより活発にするとの観点から検討を行うということが決定されていますので、その趣旨に従いまして現在研究会を開催させていただいているわけでございます。

河合正智新進党

○河合委員 大和銀行ニューヨーク支店におきます不祥事が日本国内のみならず国際金融社会におきまして大変な問題となっております。その収拾策として検討されております銀行等の金融界の再編の問題でございますが、今後の銀行等の合併については、独禁法、またそれを預かる公取の立場からどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

鈴木孝之公正取引委員会官房総務課長

○鈴木(孝)説明員 銀行業界につきます合併等の動向でございますが、独占禁止法は一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる合併を禁止しておりまして、当然のことながら銀行等の合併も対象となります。  当委員会といたしましては、合併により一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるか否かについて、当事会社の市場における地位、それから当該市場における競争の状況等を総合的に判断して厳正に対処いたしたいと考えておるところでございます。特に、銀行等の合併につきましては、個別具体的な事情に応じ、当該合併により一定の取引分野、とりわけ国内の預金、貸し出し、為替業務等における銀行等金融機関の間の競争が実質的に制限されるおそれがあるかどうかについて、もしそのようなケースが生じました場合には、独占禁止法に基づき慎重に検討する必要があると考えております。

河合正智新進党

○河合委員 現在の日本経済を取り巻く大きな問題に対しまして公正取引委員会の占める位置というのはますます重要になってきているところでございますが、来年度の予算の概算要求におきましてどのような要求をされているのでございますか、お伺いします。

鈴木孝之公正取引委員会官房総務課長

○鈴木(孝)説明員 公正取引委員会におきましては、近年の我が国経済社会をめぐる環境の変化の中で競争政策に対する内外の期待が高まっていることを踏まえまして、平成八年度概算要求におきまして、競争政策のさらに充実した展開を図るため、審査部門を中心として人員の一層の拡充を図るとともに、事務局組織を抜本的に強化するため、事務総局制への移行を主な内容とする機構整備に努めることといたしております。  機構改革の内容は、おおむね次のとおりと申し上げます。  まず第一に、現行の事務局にかえて事務総局を置く。それから、現行の一官房三部体制を再編しまして、官房、競争政策局、経済取引局、審査局を置きます。それから、審査局に特別審査部を設けます。そのほかに、国際関係部門、規制緩和関係部門、違反事件審査関係部門等を強化するという内容の機構改革案を提出してございます。  公正取引委員会としては、この機構改革により、組織の機動性、効率性、政策立案機能を高め、競争政策のさらに充実した展開を図ることが可能となると考えておりまして、今後とも関係方面の理解を得るよう努めてまいりたいと考えております。

河合正智新進党

○河合委員 公正取引委員会における審査部門の強化を初めとして、機構改革に関する概算要求がなされているということでございましたが、私は、例えば埼玉土曜会の問題におきます当時の公取の委員長の公式見解、すなわち、談合という余りにも長く続いたフレームそのものを立証すること、また個人のかかわり合いを一々立証することは、当時の公取の陣容としては不可能であるということから刑事告発が断念されたという発表がなされたことがございます。これは、非常に国民の中にあります、公正取引委員会というのは政治的な影響力を受けているのではないか。また、海外からは、刑事告発ができない独禁法、経済憲法の番人というのはいかがなものかといった批判が寄せられているところでございます。  そういった観点から、私は、組織強化、そして部を局へ格上げして、したがって事務総局を設置するといった充実はもとよりのこととしまして、国民が期待しておりますのは、公正取引委員会の独立性、例えば刑事告発が現在に至るまで三件しかない。それから、例えば準司法的な機能を持っております行政審判におきまして、裁判官に相当する審判官、それから検事に相当します審査官側と弁護人に相当する被番人側の主張、立証を許して、最終的には審判官が結論を下すというこの構造の中におきまして、公取の内部の職員から審判官を出している。その方たちは、法曹資格もなく、将来においても審査部の職員として継続的に勤務されているといった状況につきましては、例えばアメリカにおきましては、政府の派遣する法律家である行政審判官が活動しているわけでございまして、決して委員会の内部から任命されているということではないといった制度的な比較からいたしましても、公正取引委員会の量的な拡充とともに独立性という質的な充実が求められていると思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。

鈴木孝之公正取引委員会官房総務課長

○鈴木(孝)説明員 お尋ねの、まず審判官の制度でございますが、私ども、アメリカに比しまして、アメリカのように他からそういった人材を求めるという機構には日本の場合なっていないものですから、審判官を内部の職員から登用しているという事情はございます。しかし、独占禁止法におきまして、審査事件に携わって、調査に携わった職員が審判官になるということは禁じられておりまして、その点での公正性は図られておると存じております。  なお、現在の審判官の中には、東京高等裁判所の裁判官から転任していただいておる方もおられるということで、そのような点での配慮はいたしておるつもりでございます。  また、告発等につきましても、私ども、平成二年六月に公表した「独占禁止法違反に対する刑事告発に関する公正取引委員会の方針」に基づきまして厳正に審査を行い判断をしてきているつもりでございます。  公正取引委員会は独占禁止法の運用に当たって独立してその職権を行使することとされております。これは、独占禁止法については公正かつ中立な立場で運用することが職務の性質上特に必要とされていることによるものと考えており、かつ、そのことは国民の期待するところでもあると考えております。  公正取引委員会といたしまして、このような趣旨を踏まえ、法律の定めるところに従いまして、独占禁止法違反行為に対して厳正に運用を行ってきているところでございまして、今後ともその職務を適正に行い、国民の期待にこたえてまいりたいと考えております。

河合正智新進党

○河合委員 ただいまの概算要求の中身についての御説明の中で、公取の人員の増加の点が挙げられております。これは確かに、例えばアメリカ司法省のアンチトラスト局と連邦取引委員会を合わせまして千八百名を超えている陣容で対応している。これを日本との人口比で見ましても、その半数、九百二十名ぐらいということになるわけでございますか、そういった観点からしますと、日本の公正取引委員会の陣容というのは非常に少ない陣容で頑張ってこられたということは理解いたしておりますけれども、しかし近年、かなり増加もされてきておりまして、五百名を超えていると聞いております。  さらに増員要求されているわけでございますが、過去この十年間において増員されてきておりますが、その効果というのはどのように上がっているとお考えですか。

鈴木孝之公正取引委員会官房総務課長

○鈴木(孝)説明員 幸いにいたしまして、公正取引委員会の業務につきましては、多方面から御理解をいただき、増員も図られているところでございまして、例えば、ただいまちょうど十年というお話がございましたが、私の手元のデータでは、平成元年から本年度まで七年ということでは、全体の定員一二・八%の増、あるいは特に審査部門を強化するということで、その中で審査部門へのマンパワーの振りかえも行っておりまして、審査部門に限って言えば七〇・五%の増を見ております。  これらの拡充措置の効果といたしまして、独占禁止法違反行為の積極的排除を含めて、最近における競争政策の一層充実した展開という形で反映されてきているものと考えております。例えば、独占禁止法違反事件の処理状況を平成元年と昨年六年度で比較してみますと、法的措置をとった件数は三・四倍、それから課徴金納付命令対象事件数は九・五倍と大幅に増加しておりますので、審査人員の増の割合に比べて業務量あるいは業務処理量がふえていることは御理解いただけると存じます。

河合正智新進党

○河合委員 次に、長官にお伺いさせていただきます。  ただいまの概算要求に盛られておりますように、部を局に格上げし事務総局を設置するということになりますと、これは国家行政組織法の改正が伴う話になるのではないかと思われます。それ以外に方法があるのかもしれませんが、規制緩和を預かられる長官といたしまして、公正取引委員会、経済憲法の番人であるその役割もどのように長官はお考えになっているかといった前提も踏まえまして、局を充実し事務総局に格上げするといった問題につきまして、総務庁長官としてどのようなお考えをお持ちでございましょうか、お伺いさせていただきます。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 今、人員増強が十八人出ておると聞いております、政府の方針としても、公取は大事でありますから、これは人員、機構等については充実をするという方針は既に決まっておることであります。しかしながら、公取というのは、御案内のように、俗に言えば検察官の仕事と裁判官の仕事を両方やれる役所でありますから、言うならばもろ刃の剣の役所であるとも言える。したがって、これは独走することがあってはならない。権限のいわゆる過剰な行使をしてはならぬと私はいつも思っております。  独禁法というのは、我が党には山中さんという独禁法の大家がおりまして、時々来て勉強せいと言って、私もよく引っ張り出されて勉強したわけでありまして、詳しくはありませんが、ただ、そういう機構だけをいじくることでいいのですか。一体どのようなことをなさるのですか。なぜ、今までにどういう点が足りないから部を局にするのか。あるいは、どういう面において、まだいわゆる不備な点があったから新たな局をつくるのか。また、事務次官級の事務総長をつくるというのはいかなる目的なのか。ただ機構の格上げをして機構をいじくるだけでは、私は意味がないと思っておるのです。  伴って、いわゆる公取そのもののこれからの体質改善あるいは新たな使命というものを明らかにしていただく中で、今後のいわゆる十八人要求の人員をどうするかという問題等は、これは御相談をしていくことであると思っております。まだ機構の面しか実は上がってきていないと聞いております。  それから、御意見のように、国家行政組織法を改正する必要があるわけでありますから、両々相まって、なるべく早い機会にも、年内に予算編成が迫っておるわけですから結論を出すべきことである、こう考えておるところであります。

河合正智新進党

○河合委員 冷戦構造が解消した現在におきまして、いわゆる社会主義経済体制対自由主義経済体制といったイデオロギー的な対決がなくなってしまったわけでございますので、いわゆる市場原理を共有する国家と国家がどのような経済システムを持っているかということで争われていくのが今後の国際経済ではないかと思います。  そういう意味におきまして、公正取引委員会が憲法の番人として、決して居眠りをしている公取と言われないように、また、総務庁長官も豊富な政治力またお力をもちましてこの規制緩和に大胆な推進をなさいますことを期待いたしまして、終わりたいと思います。

塚田延充新進党

○塚田委員長 吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 私は、きょうは大店法の規制緩和の問題について質問したいと思うのですが、ただ、その答弁をいただく大臣のけさほどの新聞報道などを見まして、やはりこれは政治姿勢についても、大臣の場合によっては資格や資質にかかわってくる問題ですから、一言お聞きをしておかなければならぬ、こう思いますので、最初に伺いたいと思います。  マスコミ報道によると、日韓併合が無効だったと言い出せば国際協定は成り立たない、あのときは自分の国が弱くてやられたときだから仕方がなかった、植民地時代には日本は韓国によいことをしたなどという発言があったと報道されておりました。  これは十月十一日の記者懇談会での発言で、オフレコ発言であったということで、けさほど記者会見もされたようでありますが、私は改めてその記者会見を聞いておりまして、その中で、日本が一生懸命教育を施し、道路、港、用水路を開いたのはいいことをしたと思っていた、そのことが朝鮮半島の人にとって日本が利益を得るためで迷惑千万とするなら我々の思い違いで、いいことをしたというのは私は誤りだと思う、と記者会見でお話をされました。実はこの部分を聞いていまして、やはりこのオフレコ発言をされたんだな、この内容を、この部分を見て、このオフレコ発言の部分を認められたんだなということを私は知ったわけです。  実はこの問題というのは、十月五日に参議院本会議での日本共産党の吉岡吉典議員の質問以来、韓国併合条約というのは憲兵が監視して、韓国の国璽も事実上管理して、言うことを聞かない大臣はやってしまえとまで強迫して署名させたものだという事実は、関係文書を示して国会でも取り上げておりますし、これに対して総理が合法的に結ばれたと答弁されたこと自体が、実は南北朝鮮で大問題に今なっているわけです。  ですから、あなたの発言というのは、これは侵略や植民地支配の合理化、美化であって、これは国を代表する政治家としてその任に当たることができるのだろうか、資格や資質に国民は疑問を持っているというふうに思うわけです。かって藤尾文部大臣はその発言の責任をとって辞職をしましたが、あなたは出処進退を含めてどのように対処されるおつもりなのか、このことを最初に伺いたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 私は間違った発言をしておるとは思っておりません。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 つまり、このオフレコ発言の内容がそのとおりであって、さらにその内容が間違った発言でなかったというふうに考えていらっしゃるということを今お答えになったのでありますが、私は、それはやはり、藤尾文部大臣などが発言の責任をとって辞職されたように、もし今でもこの内容がそのとおりだということになれば、私は本当にこれは出処進退にかかわる問題になると思うし、そのことをやはり大臣はお考えになる必要があるのじゃないかと思うのです。  記者会見の中では、オフレコ発言は一切なかったことにしたいということも言っておられるわけですが、私は、これは発言の撤回だけで済む問題ではない、大臣の、特に国を代表するわけですから、大臣の資質、資格にかかわる大問題なんだ、そのことを指摘して、私の持ち時間が余りありませんので、大店法の規制緩和の問題に入っていきたいと思います。  八月未に規制緩和特別委員会で実は福岡、沖縄へ調査に行きました。両県の商工会連合会の会長から大規模小売店舗法の規制緩和についての悲痛な訴えを聞きました。  ちょっと紹介しますと、大規模店の「急激な出店は、地域住民密着型の中小小売業者の近代化意欲を失わせ、地域コミュニティの崩壊を促進して、将来に禍根を残すことになるので、」「大店法の堅持と、これ以上の規制緩和にならないように特段のご配慮を」というものです。  なお、沖縄の方では、「沖縄県では、平成三年に比較して商店数が実に千九百九十八店も減少し、七・九%の減少率となって全国より上回っています。」具体的な事例で、名護市郊外に出店した大型店の影響を受けて地域コミュニティが破壊され、商店数が百十四店も減り、九・七%の減少率、中心商店街では空き店舗が目立つ、昭和六十年にアーケード等の設置をしたものの、商店街の衰退が顕著になり、再活性化のための合意形成も困難である。本当に悲痛な訴えです。  そこで、通産省に聞いておきますが、日米構造協議により、大店法の規制緩和が九〇年、九二年には法改正、九四年の三回やられた結果、九〇年には第一種大型店の届け出が約三倍、九二年と九四年の緩和で第二種の届け出が緩和前の八九年の三倍、三・五倍と急増したと思うのですが、このとおりですわ、どうですか。

福井雅輝通商産業省産業政策局流通産業課長

○福井説明員 大店法につきましては、今御指摘のありましたように、平成二年、四年、六年の三度にわたる規制緩和措置を実施したところでございます。届け出件数は大幅に増加しておりまして、平成二年度から平成六年度までの届け出件数の平均は約千六百二十件となっております。平成六年度には千九百二十七件の届け出があり、これまでの届け出件数を上回る水準となっております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 九四年商業統計速報、ことし四月発表の分ですが、これによりますと、九一年から九四年にかけての三年間で、小売商店の総数は全国平均で六・六%の減少となっております。とりわけ中国、四国、九州の商店の落ち込みは本当に深刻です。  通産省に確認しておきたいのですが、福岡では七・O%の減少、佐賀が六・三%減少、長崎四・三%減少、熊本八・三%減少、大分八・三%、大臣の出身地の宮崎では七・九%の減少、鹿児島が七・九%、沖縄七・三%。実態は、本当にどこを見ても深刻なのですが、数字としてはこのとおりでよろしいですね。

福井雅輝通商産業省産業政策局流通産業課長

○福井説明員 それぞれの数字については、今それぞれ承知しておりませんけれども、中小小売業については、平成三年に百五十九万七千店であったものが、平成六年には百四十八万九千店、それぞれ大体の数字でございますが、そういうふうな減少になっております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 実はこの数字は通産省から事前にいただいたものですから、これはこのとおりであるわけです。  先日、朝日新聞で、千平米未満の第二種大型小売店出店申請が、九州では前年の三・四倍、大店法緩和で急増したということを伝えております。その影響がどう出ているかということで、実は昨年十月に、社団法人福岡県中小企業情報センターの「小売業の経営実態に関する調査結果報告書」というのが出ておりますが、これを読んでみますと、小売業が抱えている当面の問題点として、「売上不振」五八・〇%で一位、「大型店等の影響」四一・八%の第二位、この二点が断トツに多いわけです。これは非常に深刻な問題を投げかけているということを示しております。  そこで、大臣、長期不況と大店法の規制緩和の中で、日本へ経済と雇用を支えてきた中小小売商店と商店街の衰退、地域社会の崩壊が今全国に広がって、深刻な事態になってきております。あなたは、この事態をどのように受けとめておられるか、これを伺いたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 まず最初に、お断り申し上げておきますが、私は、自分の発言が間違っておりませんと言ったのは、きょうの記者会見では、この前はオフレコで記録をとらないということで約束をして雑談したことでありますから、不正確なところやら、とり方によっていろいろ異なるものがあるので、それは一回取り消して、きょう正式に私の見解を述べますと申し上げたわけであります。その私の正式な見解を述べたことについて、間違いがあるとは私は思っておりませんと申し上げたわけです。誤解がないようにお願いをいたします。  それから、大店舗法の問題は、午前中にもお答えしましたが、この四、五年間で、恐らく小売店が十四、五万店、私はなくなったのではないかと思っています。したがって、地方においては、例えば中央卸売市場の買参人が二割も三割も減ってくる、だから中央卸売市場の経営が成り立たないという面も出る。あるいはまた、郊外に駐車場を持ったどでかい店ができますと、これは、貧弱な商店街というのはお客を全部とられてしまうという面がある。これは各所に出ておることは、私もよく存じています。  今でも、もう千平米までは地方都市でも無届けでできますし、三千平米までは、これはもう届け出制でできるわけでありますから、これ以上に無制限にこの大店法をなくしてしまうということがいいかどうか。この法律を国会で成立せしめたその原点に立ち返って、これは検討を慎重にすべきことである、こう考えておるわけです。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 それで、大臣の地元の方でも、御承知のように、十一月二十三日には、売り場面積一万平方メートルを超えるダイエー延岡店出店ですし、来春には、旭化成の子会社も出資する旭ジャスコが、延岡に売り場面積二万平方メートルを超えるどでかいものを開店する。一層深刻になることは大臣自身が地元でよく御存じだし、本当に全国的に深刻な事態が今広がっております。今の規制さえ取り払えという声が経団連などから出ております。  総務庁の調査結果、本年十月、大店法の運用についての「規制緩和に関する調査結果」というのを発表しておりますから、これを読んでみますと、これまでの規制緩和で、既に大スーパーの届け出の結審の状況は、「審議対象とせず」というのと、審議対象にはするが「届出どおり」というのが、合わせて八八・五%。つまり、現状はほとんど大スーパーの思うとおりにいっているわけですね。それから、出店の調整期間も、最長十二カ月というふうに規制緩和でなったのですが、実際には、第一種大型店では七・九カ月、二種で四・六カ月。こういうふうに、大規模店はもうどんどん、やりたい放題といいますか、本当に進出のやり放題という事態になっているというふうに思うのです。  総務庁に確認しておきますが、これが調査による実態として理解していいかということです。この点どうですか。

大橋豊彦総務庁行政監察局長

○大橋政府委員 お答えさせていただきます。  委員お話しのように、この十月に、「規制緩和に関する調査結果」の中で、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の運用の実態について、調査結果を発表いたしておりますが、これは、委員御案内のように、行革委員会の規制緩和小委員会の方から依頼を受けまして実施したものでございますし、調査結果につきましては、十月十九日に、規制緩和小委員会の方に御報告を申し上げているところでございます。  調査結果の概要については今委員お話しになりましたとおりでございますが、私どもの調査結果では、最近の通産省が行いました規制緩和の結果によりまして、出店が相当増加して、あるいは閉店時間だとか休業日数の緩和措置もかなり浸透しつつあるという一般的な評価をいたしておるところでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 浸透して、大変な事態が広がっているわけです。この間、消費者利益のためということを大義名分にして、規制緩和、大スーパー進出という事態が進んだわけですが、総務庁の調査結果を見ておりまして、注目すべきものもあります。  例えば、消費者団体の中の声として、  当初、大店審の意見聴取会議に出させてもらった頃は、大型小売店舗の出店は消費者利益を増進するもので、大店法による調整手続きは必要ないのではないかと考えていた。しかし、現在では地域においても購買機会はそれなりに充足しており、単純に大型小売店舗の出店が消費者に歓迎される時代ではなくなっている。また、大型小売店舗の出店は、地域の文化を支える小売業者の転廃業などの深刻な影響を及ぼすのみならず、出店地域の生活環境の変化や新たな交通問題、青少年問題の発生等、消費者の生活にも大きな影響を及ぼすものとなっている。こうした影響を最小限に止めるためにも、現行システムのような出店調整の仕組みがあってもいいのではないか。こういう声。あるいは、  大店法の規制緩和は、消費者にとってはメリットが大きいが、一方、地元商店街の立場からすれば、大規模小売店が進出してくることは大変なことであり、零細商店は切り捨ててもよいという考えには賛成できない。消費者の声として、あなたのところで調査された中にもそれが出ているわけです。  こういう声がちゃんと出ている、このことを踏まえて、私は、これまでのように、消費者利益につながるからとか、それを大義名分にして、どんどんこれからも規制緩和をするとか大スーパーの進出を許してしまう、これでは大変なことになってしまうというふうに思うわけです。  それで、実は先日、大臣お聞きになっていらっしゃるかもしれませんが、この規制緩和特別委員会にもACCJとEBCの代表に来ていただいて、意見の聴取を行いました。そのときに、EBCの代表として来られたフランス人の方が、EUの方でも、ヨーロッパでも、大規模な店舗が来て消費者利益もあるが、中小店がつぶれると倒産、失業という問題が出てくる、規制緩和だけの議論ではなくて社会的にこれは解決していかなければならぬと思う、国の政治の責任が問われる問題だという趣旨の意見を陳述されました。フランス、ヨーロッパなどでは、この種の問題は、大店法なんかの規制緩和という問題はまだこなし切れていない問題なんだ。つまり、一直線に規制緩和だけをやればいいというものではないんだ、どういうふうに社会的に全体として考えていくかという問題が大事だということを言われたわけです。  規制緩和だけの議論で進めるというのは実態に合わないというのは大臣も先ほども認めていらっしゃいましたが、今地域の崩壊を防いで町をどうつくっていくかという問題、まさにヨーロッパの人も言っているように、商業の問題だけではなしに地域社会の問題と非常にかかわってきているわけですね。これまで歴史的に形づくられてきた商店街が、消防団や祭りの担い手としても存在してきたわけですが、そういう町をまたつくりもすれば支えてきた。そこには、地域の人たちが社会的に負担してきたわけですね。税としての負担もあれば、さまざまな形で負担をして町をつくってきた。  ところが、そういう町ができ上がって、そこは購買力があるからおいしい商売の相手先だということだけを考えて、そういう分野での負担もしないで進出して、進出して今度は売り上げが落ちてしまったらさっさと大スーパーなんかは撤退していってしまって、残った地域の人々の買い物の便などは一顧だにしないということがあるわけですが、こういう大資本の企業利益第一主義だけでは社会的責任を、そして社会的責任を考えないやり方では、私はもうこの規制緩和の問題でも特にこの分野は、そこだけではもう議論できないところへ今来ていると思うのです。この点について改めて大臣のお考えを聞いておきたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 これは規制緩和小委員会で真剣に討議をいただいておることですから、私が断定的なことを申し上げるのはやはり差し控えることが適当だと思います。  しかし、政治家として考えますことは、例えば近ごろ、私行ってみましたら、卵一個一円で売っている。涙も出ない。何だと言ったら、客寄せだそうです。今度は米をやるというのです、米を。だから、自分たちの営業利益を上げるためならそういう零細な汗を流した人たちの苦労などというのは一顧もしない、そういう行き方がこの国にそぐうのかどうか。  それから、近ごろは若い者が、黙って商店に入ってきて、黙って品物を出して、黙って金を払って、黙って帰っていく。こんにちはとも言うのではないし、さようならとも言うのではない。あなたがおっしゃったような日本の固有の文化というのは、そういう面から失われつつある。だから、役所でもそう。私、最初に行ったときびっくりしたな。あいさつをしない、あいさつを、近ごろは。そういう、ささやかなことでありますけれども、日本人が持ってきた大事なそういう精神文化というのを失うようなことがあって一体いいのだろうか、どうだろうか。  私は、おっしゃったように延岡にこれから次にダイエーが出て旭化成が出たら、市内の商店街の若い店員というのは全部とられると思いますよ、全部。今までの商店街は、もう年寄り夫婦だけでささやかにやることになっていきやしないか。そのときは地域社会が崩壊をする。それは、一方には若い人々の雇用の場が出てくるではないかという意見がありますが、弱い者は切り捨ててそのままで一顧だにしなくてもよろしいということにはならないのではないか。  そういうことを万般考えながら、この問題は最終的に判断をしなければならない重要な問題だ。日本の社会というものを崩壊させるおそれすらある問題だ。ただ財界の言いなりになるようなつもりは、私は全くありません。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 時間が参りましたので、最後に一点だけですが、大臣おっしゃった、若い人も雇用の面では大体パートを中心とした不安定雇用だけの職場ということが非常に多くて、この面では決していい解決の道はないということも申し上げておきたいと思うのです、延岡の例なんかそうですが。  最後に、経団連から十月十二日に、規制緩和推進計画の改定に望むとして、大店法の段階的廃止の要求が出されておりますが、私はこれは簡単に受け入れるべきものではないと思うのです。その点についての大臣のお考えを最後に一点だけお聞きして、終わりたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由連合総務庁長官

○江藤国務大臣 大店法というのは国会でつくった法律でありますから、国会の意見を無視して政府が勝手にどうこうする筋合いの問題ではない。特に、ただいまそういう規制緩和小委員会で慎重に御討議のあったようなことですから、それらも含め、それから国会での与野党各党の熱心な今までの経過を踏まえた御論議をいただいた上でこれは決断すべきことだ、こう思っております。

吉井英勝日本共産党

○吉井委員 終わります。

塚田延充新進党

○塚田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十六分散会

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