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132回国会参議院1995/04/20

予算委員会 第19号

発言数
164
登壇者
22
会派数
9
開催日
1995/04/20

会議録

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に武田邦太郎君を指名いたします。     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁松下康雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、円高問題及び景気対策等に関する集中審議を行います。  質疑者等は、お手元の質疑通告表のとおりでございます。  それでは、これより質疑を行います。寺澤芳男君。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 私は、去る三月六日に当委員会におきまして閣僚の皆様に、あのときちょうどやはり急速に円高が進んでおりまして九十二円をつけておりまして、その急速な円高が日本経済全体にもたらすマイナスの影響、特に輸出産業、その関連の中小企業あるいは下請業者、これに対して大変大きな打撃がある、そういうことに対してぜひ速やかないろんな施策を行政としてはあるいは政府としてはとっていただきたいということを強く要請いたしました。大変失礼だったんですが、武村大蔵大臣に対しても、G7の協調介入あるいはいろいろな話し合いを電話だけでやっていて果たしていいものかということまで申し上げたわけであります。  円高はその後さらに進みまして、きのうは七十円台、大変に私としては危機感を持った経済状態となってまいりました。  けさもザ・ウォートン・インターナショナル・フォーラムというのが京都で午前中ありましてちょっと出席してきたんですが、アメリカ、ヨーロッパ、そして東南アジアの民間のビジネスマンたちが京都で集まりました。彼らが最も今関心を寄せているのは、果たして日本は変わるのか、本当に日本政府は規制を緩和する気があるのか、行政改革をする気があるのかという、私一人がたまたま国会議員でありましたので一斉に各国の民間の代表者から攻撃を受けて、さっき新幹線で東京に着いたわけですが、この規制緩和とか行政改革というのは村山内閣が国民に公約したことであり、全国民がこれを見守っているのみならず、今や全世界が果たして日本は変わるのかということを見守っているということを実感として、けさは京都の都ホテルでひしひしと感じたわけであります。  円高はとまりません。日本の経済は、けさ会ったある大学の経済学部の先生によりますと、血糖値二百五十の糖尿病だ、非常にシリアスな状態にある。これを変えるためにはどうしても内外価格差というものを是正していって、円がこれだけ高くなったんだから輸入をもっとしやすくして、そして内外価格の差を減らして、どうしても究極的には日本の経常収支の黒字をもう少し早目にもう少し多く減らさなければならない。それをやり得るにはやはり強い政治力が必要であろうと思います。  この全体の状況につきまして、非常に重大なこの日本経済の直面した状況につきまして、村山総理のお考えをぜひお伺いいたしたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) この急激な円高がもたらすいろんな影響というものを厳しく受けとめなきゃならぬということは、全く私は認識は共通していると思います。  今の日本の経済が、デフレから来る不況、その不況から脱却をして緩やかながら成長路線に入りつつあったというような状況の中に、急激な円高が来た。今の日本経済の実態というものをどういうふうに見るべきかという意見もやっぱり私はあると思います。私は、これは厳しく受けとめて、もうデフレ傾向さえ見られる状況にあるんではないか、そのためにはやっぱり景気にてこ入れして成長軸道に乗せる必要がある、確実に成長路線を踏まえる必要があるというような立場から、内需を拡大するということのために何が必要かということも十分検討を加えるし、同時にこの円高に対する対応としては、今御指摘もございましたように、貿易収支の黒字というものがやっぱり一番大きな要因になっているわけですから、したがって内需拡大に向けての輸入の拡大も図っていく、そして思い切って大幅な黒字の削減を図るということの方針を決めておるわけであります。  同時に、そのためには、今御指摘もございましたような規制緩和についても、これは内外からのいろんな要望、意見も聞きながら、しかも行政改革推進本部の中にその規制緩和の検討委員会もこしらえてそこからも意見を出していただいて、そしていろんな意見を踏まえた上で、何が必要かということで千九十項目にわたる規制緩和というものを決めたわけです。  しかし、これは五カ年計画でやるということを決めましたけれども、最近の急激な円高といったようなものにも十分こたえる必要があるという意味で、無理から無理をして三年間の前倒しをするということも決めましたし、同時にそれは前倒しをするだけではなくて、直ちにやれるものについては直ちにひとつ実行していこうではないかと。同時に、輸入をふやすための阻害されるような要因がもしあるとするならば、それらも十分検討を加えて、輸入をふやせるような方向というものをしっかり見定めていく必要があるというようなことも厳しくとらえながら実行していく。これは単に決めたというだけではなくて、決めたことをこれからどう実行するかということが何よりも課せられた課題であるというふうに思っておりますから、そういう視点をしっかり踏まえた上で、決めたことは必ず実行するという決意で臨んでいきたいというふうに思っているところでございます。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 今、世界は非常に早く刻一刻といろんな情勢が変わっております。最初五年間の間に規制緩和をするという村山内閣の方針が三年になったということは大変喜ばしいことだと思っておりますが、三年ではまだまだ長過ぎると私は思います。どうか年内にでもはっきりとした目をみはるような規制緩和の計画をお立てになって、そしてそれを三年と言わず一年あるいは最も長くても二年ぐらいの間に早く手を打たないとこの円高はなかなか収束しないのではないかと思います。  日本の経常収支がなかなか減らないということが世界の投機家の投機の対象にされている、一斉射撃に日本の経済は見舞われているという認識を私は持っております。本当に目をみはるような規制緩和をおやりになるのかどうか、もう一度総理大臣の確固たる決意をお伺いいたしたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今も申し上げましたけれども、当初は五カ年計画で千九十項目の規制緩和を進めようと、こういう取り組みをいたしておりましたけれども、最近の急激な円高等に対応する意味もあって、そうした皆様方の意見等も十分反映させた上でこれはひとつ思い切って三カ年間ぐらいに短縮をして前倒しでやろうではないかということで、各省それぞれ厳しい検討を加えた上でまとめたわけでございます。  これは具体的に実施の項目から内容から明確にして、できるだけ情報も公開をして透明度を高めて皆さんによく理解をしてもらうようにする必要がある、そしてまたいろんな意見を反映させてもらう必要があるというふうな段取りも講じておりまするし、同時に、三カ年間に前倒しするということで方針を決めましたけれども、単に三カ年間だけでやるのではなくて毎年毎年見直しもするということも決めておりますから、したがって、今、委員から御指摘がございましたように、緊急に効果の上がるようなものについてはやっぱりそれなりの取り組みをする必要があるというふうに考えておりますから、今の要請に十分こたえ得るような真剣な取り組みをして規制緩和については実行していこうと、こういう決意で内閣一体となって取り組んでおるということについては御理解を賜りたいと思います。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 円高対策につきましては二つ意見がある。円が高いということについて二つの意見がありまして、一つはドルが安いのだという意見であります。日本の政府あるいは官僚の中に割とそういう意見が多い。要するにアメリカが双子の赤字、財政あるいは貿易の赤字をほったらかしにしておいて、特に財政の赤字についてはますますふえるじゃないか、こういうアメリカがドル安を放置しておくからこそその反面の円高があるのだという意見であります。これも私は確かにあると思います。  しかしながら、例えば一月三日から四月十八日までの間にドイツ・マルクとドルとを比べますと、ドイツ・マルクはドルに対して一五・二%高くなっております。同じ時期、一月三日から四月十八日まで円とドルを比べますと、円はドルに対して二四・九%高くなっております。九・七%の違いがあります。やはり円の独歩高という感じがぬぐい切れない。ということになりますと、円高の責任の多くは日本側にあるような気が私にはいたします。  武村大蔵大臣がAPECでアメリカのルービン財務長官とお会いになった。そのときのお話も報道でいろいろ知らされてはおりますが、まずそのときのニュアンスというか一体アメリカの財務長官はこのドル安に対してどういうふうなことを直接武村大蔵大臣に言っていたのか、御披露していただければありがたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) バリ島での会談は、かなり双方言うべきことは言ったと。一時間余り時間をかけましたから余裕があったということになりますが。  まず私の方からは、この円高に対する日本経済の状況、急速な円高に対する国民の深刻な不安、このことに対するやはり景気にマイナスの影響を与える可能性が予想されるということを述べながら、十四日の日本銀行の公定歩合の引き下げ、そして政府の対策の概要を説明いたしました。  何かルービン長官がそれに対して不満を表明したとかいう見出しが一部の新聞に出ておりましたが、アメリカ側はそういう評価は一切いたしておりません。市場の反応は余りよくなかったですねという、そういうコメントはありました。  しかし、この対策を批判するとか、消極的であるとか不十分であるとか、一切そういうコメントはしないで、私は、これは基本的な柱を、かなり前向きな柱を、しかも総合的に立てておりますから、問題は、これを急いで政府を挙げて肉づけをしていきますと。補正予算も含めて、あるいは今国会への法律提案もありますし、あるいは金融措置、税制措置、さまざまな対応があるわけですけれども、ここ一、二カ月の間にこの具体化を政府がどんどん進めていきますということを申し上げて、ぜひその状況を注視させていただきますと、関心を持たせてもらうということと注視をしたいということをルービンさんは述べて、日本の説明に対しては話は終わったわけです。  今度は私の方からアメリカに対して、いろんな経済状況、金融の状況もそうですし、特に今おっしゃったような財政赤字の状況等にどういう努力をしていくのかということも尋ねました。かなりクリントン政権になってからの、財政赤字削減に対する取り組みもし、具体的な内容と、それからGDP対比でどういう効果があったかということまで詳細な説明をルービンさんがされていましたし、今後この夏に向かってどういう努力をするか、減税はなるたけ幅を縮めていきたい等々、そういう具体的なアメリカ政府の考え方も披瀝されておりました。  そういう中で私が申し上げたのは、今回アジアヘ来てアジアの大蔵大臣の話を聞いていると、みんな非常に通貨不安を感じている、これに対するきちっとした対応が必要だという認識で全部そろっていますねと。だから、アメリカのドルというのはアメリカ国内の通貨であると同時に、まさにこういうアジア各国も含めた世界全体の主要通貨になっていますよと。だから、ここはやはりアメリカの対応というものをしっかりやっていただきたいということを申し上げて、最終的には双方一層緊密に連携しながら対応していこうと。その後の記者会見等でもやはり我々は強いドルを望むということは明確にルービンさんも言っておりますし、昨日クリントン大統領も繰り返しそこは強調をされておりました。  ぜひそういう基本的なアメリカ政府の姿勢が今後の具体的な政策の中でより鮮明になってくることを期待もし、こっちも大きな関心を持っていきたいし、我が国も、我が国で発表した対策の肉づけや具体化に対して、アメリカに言われるからということよりも、みずからの経済対策として積極的に推進をしてまいりたいというふうに思っております。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 円高対策ということもありますが、内需を、日本の国内での需要をもっと強くしてそして景気をよくしていくために、私は二つのことを考えております。一つはデノミであります。もう一つは遷都であります。  デノミについては最近いろんなところで論議を呼んでおりまして、もちろんデノミに反対の有識者もたくさんおります。今、非常に物価が安定している。デノミをやるには非常に条件が整っている。ただ、好景気のときにデノミをやった方がいいという人がおりまして、そういう意味ではいささか不安はありますが、まず今、千載一遇のチャンスではないかと私は思っております。  このデノミに対して、橋本通産大臣の御意見をぜひお伺いいたしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私がお答えをする性格の問題ではないと思いますが、プラス、マイナスの両面が私の守備範囲からいえば出てくるであろうと思います。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 私としては、大蔵大臣も御経験なさって非常にいろんなことでエキスパートである橋本通産大臣の御意見をお伺いしたかったんですが、武村大蔵大臣、デノミについての御意見をぜひお伺いしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 橋本大臣もおっしゃるように、両面が当然あるわけでございまして、少なくとも政府としては今、デノミを考えてはおりません。ただ、こういう提案は、国会でもそうですし、識者の間からは私もちょいちょい真剣にお考えになったらどうですかという御提言はいただいております。  いずれにしましても、国民の最大のこれは暮らしというか経済の、国民の経済活動の一番基本になる単位が大きく変わる話でございますから、そういう意味では国民的関心事でありますし、万一デノミを考えるならどういう影響がさまざまあるのかということをやはり真剣に考えて総合判断をしなければならない問題であるなというふうに認識をいたします。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 もう一つは遷都の問題であります。  一極集中がこれだけ激しくなってきますと、東京という首都の機能を分散しなければならないと私は思います。これは日本国民全体の問題であります。平成二年に国会決議がなされ、四年の移転法、そして現在、有識者、超党派議員による調査会が活動しているわけですが、タイムスケジュールを繰り上げましてそろそろ最終報告、最終決断をしていいときではないかと思います。  折しもことしは終戦五十周年、やはり一番意義のある中身のある国民のための計画というのは、たとえ二十五年かかっても五十年かかってもいいから、我々の子供たち、孫のときにできてもいいから、本当に国民のための首都機能を分散した都市をつくるという、そういうことを真剣に考えるべきときが参ったと思いますが、村山総理大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 一極集中から多極分散型にしていくという方針は、もうそれぞれお決めになっていると思います。その一環として国会等の移転が問題になって、国会でもこれは決議をし法律もできて、今、推進をされているところでありますが、二十一世紀の我が国の政治、行政、経済、社会の改革を進めていく上で極めて重要な課題であるというふうに思っておりまするし、同時にこれがまた、お話しのように、内需の拡大に大きく役立つものだというふうに認識をいたしております。  現在、国会等の移転に関する法律に基づきまして設置をされております国会等移転調査会において調査審議が鋭意進められておるところでございますが、引き続き、内閣といたしましては、今御指摘のございましたような課題については重要な課題として受けとめて推進をしていきたいというふうに考えているところでございます。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 円高と同時に、資本主義経済のバロメーターであります株価が非常に低迷しているということに私は非常に深い関心を持っております。  どうしてこんなに安いのか。もちろんいろいろな問題があります。しかしながら、いわゆるPKO、この場合はプライス・キーピング・オペレーションですが、というもの、政府系の年金とかその他のファンドが投資の対象としてよりもむしろ株価の下値を支えるというような観点から、人為的な介入が絶対にあってはならない自由であるべき証券市場にそういった人為的な介入があったとか、あるいはまだまだ証券会社の営業活動というのが免許制のもとで本当に自由にいわゆる市場経済での活動が許されていないとか、いろんな問題があります。もちろん具体的には有価証券取引税というものが非常にこれを邪魔していることも事実であります。  やはり今後の日本の資本市場、産業から見た場合に、産業資本の調達の場としての証券市場の確立、あるいは投資家の側から見た場合に、公正な値段そして透明な証券市場を確立するためにも、具体的に今、大蔵省としてもいろんな検討をされるべき時期に至っているのではないかと思っております。特に有取税につきまして政治がどう今お考えになっているのか武村大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 今の株安というのはやはり円高を背景としたものであると思いますが、そういう意味で証券取引のコストが高いから証券が下がっているということだとは思いません。  ただし片方、この有取税をめぐってはこの参議院も含めてかなり熱心な論議が続いているところでございまして、私どももこの問題については、株式譲渡益課税の問題も含めて証券税制全体の中でひとつ改廃も含めて総合判断をさせていただきたいというふうにお答えをしてまいりました。ぜひその方向で、政府税調、党税調にも上げながら、資産課税あるいは株式譲渡益課税との絡みをしっかり踏まえながら判断をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。  証券局としましては、今の時期かなり新しい対応を打ち出しておりますし、また打ち出そうとしているところはぜひ御認識賜りたいと思います。日経の信託も連休明けには三百種でスタートをする予定でございます。そういう投資信託に対する規制緩和はかなり積極的に進めておりますし、自社株に対する扱いもそうでございますし、店頭市場への上場の条件も、数や基準もかなり思い切って緩和していこうという方針でございまして、有取税以外の証券の規制緩和、自由化に対しても手の打てるところはぜひ積極的な対応をさせていただきたいというふうに考えております。

寺澤芳男平成会

○寺澤芳男君 待ったなしでやってくる円高、それに対応する行政のあるいは通貨当局の適切な措置、大変に難しい問題をたくさんはらんでいるわけでありますが、円高というものが、この急速な円高がいかに日本経済に甚大なマイナスの影響を及ぼしているかということをもう一度指摘いたしまして、私の質問を終わります。  関連質問を星野委員にお許し願いたいと思います。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。星野朋市君。

星野朋市平成会

○星野朋市君 時間に制約がございますので、端的に御質問をいたします。  武村大蔵大臣にお伺いいたします。  為替はいわゆるファンダメンタルズを反映したものと言われております。武村大蔵大臣は、ファンダメンタルズにおける日本の円というのは幾らくらいが妥当だと思われますか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) それは通貨の仕事を預かっている立場で特に触れるべきではない発言でございます。  ただ、言えることは、最近の為替相場というのは、各国共通して認識を持っているわけですが、おっしゃるファンダメンタルズを反映していないと、経済の諸条件をむしろ反映した動きでないということであります。言ってみれば日本の今の経済状況は、G7の中でもアジアの中でも一番成長率がもたもたしているというか重い状況であります。  そういう日本がなぜ円高になっていくんだと、日本の経済のファンダメンタルズとこの円高という現象とは一致していないじゃないかという認識が当然あるわけです。アメリカは確かに双子の赤字の問題はありますけれども、経済成長率も物価も雇用も、あるいは株価、債券の利回り等々あらゆる経済指標が非常にラッキーというか、むしろ非常に恵まれた状況にあると言われております。しかし、ドルはどんどん下がっていく。一体これはどういう関係があるんだという、このことがファンダメンタルズと一致していないあるいは乖離しているということを私どもが主張しているわけです。これはアメリカも同じことを主張しています。ヨーロッパ各国もそうでございます。  問題は、こういう為替の状況をどう認識して、どういうふうに今後国際社会としても知恵を働かしていったらいいのかというところに大きな焦点があるというふうに思っております。

星野朋市平成会

○星野朋市君 通貨当局の責任者が具体的に幾らと言えないことは私もわかっております。だけれども、大蔵大臣は、今おっしゃったように、ある部分が非常に投機的な面がある、こういう形で動いているということであるならば、あらゆるメッセージというのは私は送るべきだと思っているんです。  それで、これは私から言わせてもらえれば、ファンダメンタルズを反映した相場、要するに輸出をする者にとっても輸入する者にとっても居心地のいい相場というのが幾らかということは、これは当然考えられるわけです。恐らくそれは今で言えば百円ぐらいのところだろうと、ここら辺は合意ができていると思うんです。そうしたら、それに向かっていろんな形のメッセージというのは常に私は送るべきだと思っております。  それから、では投機だというならば、今、世界を動かしている投機、特にデリバティブですね、これの規模はどのくらいあると思われますか。

加藤隆俊大蔵省国際金融局長

○政府委員(加藤隆俊君) これまでデリバティブズ取引の取引規模に関する世界的に統一的な調査は行ってきておりません。したがいまして、現時点で正確には把握できておりませんが、例えば米国の会計検査院による推計によれば、一九九二年末残高では想定元本ベースで約十七兆ドルであるというふうに推計されております。

星野朋市平成会

○星野朋市君 もうデータが古いですよね、一九九二年。今は一九九五年ですからこの二年半ぐらいの間にどれくらい膨らんだか、これが正確にわからないからこそ問題なんです。だから、多く言う人は約四十兆ドル、少なくても今は三十兆ドル、このくらいのマンモスが動いている。それが全部為替に向かっているとはこれは限りませんよ。だけれども、この巨大なマンモスによって要するに製造業というものはがたがたにされている。  かつてソニーの盛田さんはこういうことを言いました。少しでも相場が動けばそこに利がある、そういう金融業者が為替相場を安定できるはずがないじゃないかと。これは一面の真理なんですね。  今、日本の円を急騰させた一つの原因が例の有名なアメリカのジョージ・ソロス、この人はイギリスのポンドを下落させて欧州統一通貨にポンドを参加できなくさせてしまった張本人です。彼は去年、円は百十円ぐらいが妥当と思って円を買っておいた、そのために約六億ドルの損失を彼はこうむったけれども、ことしになって急に円を買い出した。この間、八十円十五銭をつけたときの張本人は、これはジョージ・ソロスであります。そして、彼はこれによってことしの初めに一気に利益を回復しましたね。ジョージ・ソロスのファンドは去年は三%の利益しか出さなかった。明らかに失敗していたんですよ。ことしの前半でどのぐらいもうけたか。だから日本の金融ディーラーは、この間の八十円十五銭、ジョージ・ソロスが一気に円を買ってドルを売ったときにみんなやられたと言ったんですね。だから日本の金融ディーラーもこれに輪をかけてやっているわけですよ。  そこで私は、なかなか難しいんだけれども、イギリスとか日本、ドイツ、これを含めて要するにデリバティブの何らかの規制、監視、これを考えないとやがて世界の資本主義というのはがたがたになるおそれがある、こう思っております。最低少なくとも日本の金融界は、これの公開、デリバティブにどのくらいのポジションを持っているのかそれから要するに銀行の利益の中にそういう関係の取引でどのぐらいもうけたか損したか、このぐらいははっきりさせませんと、常に一部の金融業者によって製造業が大きな迷惑をこうむると私は思っておりますが、大蔵大臣、いかがお考えですか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) おっしゃるような状況を私どもも認識をいたしておりまして、本当に貿易だけで言うならば、物の勝負といいますか輸出入の結果で表現できるわけですが、こういう金融の世界というのはまさにさまざまな要素が入り込んでまいりますし、御指摘のようなデリバティブズというふうな新しい商品になりますと、一層このことが金融市場そのものを膨らませているということも含めてまたわかりにくくしているというふうな面もあって、心配をする声も少なくありません。  おっしゃるような何らかの国際的な規制とかあるいは対応が必要ではないかという議論もございます。まずは日本としましては、せめてリスク管理だけはきちっと各金融機関でしてもらわなきゃならないということで、その趣旨を徹底しているところでございます。  今後、このデリバティブズと通貨の変動と直接的にどう結びつくか、これに対する具体的な対策があるかどうかというところまではまだ私ども自信がありませんが、おっしゃるこの新しい動きには一層真剣に目を向けさせていただきたいと思います。

星野朋市平成会

○星野朋市君 もう一つ、為替の変動を避ける意味で円建て比率というものをどれだけ増大させていくかこれは業者の努力の問題でもありますけれども、今、主要国の自国建ての取引というのを見てみますと、もちろんアメリカはほぼ一〇〇%、ドイツがほぼ八二%ぐらいですね。フランス、イギリスでさえ五七、八%ぐらいになっております。日本は四〇%ですね、輸出。輸入は一八から二〇と言われております。  それで、ここ数年間、非常に円高になりながらこの円建て比率というのがなかなかふえない。これはやはり輸出業者はもっと努力をしなくちゃいけないと思いますし、それから円高によって悲鳴を上げるだけでなく、やはりこれは最低でも為替クロス、ある限度を超えたらその差損を両者で分かち合うような、このくらいの努力はすべきだと私は思っているんです。  現に、私は議員になる直前にヨーロッパで円建てで輸出契約を結んできまして、それがずっと今でも続いておりますけれども、この円建て比率というものをもっと高めなくちゃいけないんじゃないか。それで、それによって、為替の変動によって余りじたばたしないと。  それからアメリカが要するにドル安を放置しているならば、やっぱり円は国際化して、少なくともアジア全体で基軸通貨的に持っていく必要があるんじゃないか。なかなか大変なことですけれども、そういう努力はこれは政府の一つの役割だと私は思っています。それがなかなかいかない原因。  それからもう一つは、日本の金融市場が他国と違ってかなり閉鎖的であるというならば、幾ら円基軸通貨に向けても運用がうまくいきませんから、なかなかそうはいかない、こういう側面があると思いますが、大蔵大臣、どうお考えですか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) おっしゃる点については今回政府の方針の中にも、円の国際化というとらえ方をして初めて姿勢を明らかにさせていただきました。その一つが今御指摘の円建て契約を拡大していこうと。これは通産大臣等に御苦労いただかなきゃなりませんが、民間の舞台での御努力の結果でございますが、どこに壁があるのか、昨日もテレビ報道されていましたが、ストレートに円建て契約が無理ならば、おっしゃるような為替クロスも中間的な措置として考えることも大事かもしれません。  そういうさまざまな努力をして円の変動に強い環境をつくっていくことが一つ大変大事な点だというふうに思いますし、もう一つ挙げておりますのは、アジア各国の中央銀行との連携ということも挙げております。どう連携するかまでは具体的にうたっておりませんが、いずれにしましても、APEC蔵相会議でアジア各国の蔵相と会ってみますと、本当にこの円の急激な変動は各国にも深刻な影響を与えておりますし、各国の中央銀行や通貨関係者も、外貨の保有とかあるいはドルとのバスケット方式の自国通貨の決め方にまでどうしたらいいんだろうという新しい目が向き始めていることを感じて帰ってまいりました。ぜひアジア各国とのそういう意味では連携をこういう分野におきましても一層図っていくべきではないかというふうに思っている次第であります。

星野朋市平成会

○星野朋市君 極めて大胆なことを申し上げれば、私は円高の投機筋の最終局面かなと思っているんです。実は今年末から来年の初めにかけてアメリカは数千億ドルの国債の償還をしなくちゃなりません。このためには円がもう少し高い方が日本に買ってもらいやすいですから、そういう面もあるんだけれども、私はもう投機筋の一つのターニングポイントが来ているのじゃないか。これは極めて大胆なことを要するに政府じゃありませんから言えるんですけれども、私はそう思っているんです。  このときに、要するに日本の経済構造はこれほど変わるんだ、それから今言ったあらゆるメッセージを政府からいろんな形で出してもらって、少なくとももう少し円安の方向、一番望ましい一ドル百円、それにできるだけ近づけるような、これはいわゆる緊急円高・経済対策にいろいろ文言は書いてありますけれども、この中に数字がないんです。これはアメリカ人にとっては一番理解しがたいのです。幾ら文言で書いてあってもそれは文章だ。アメリカ人はもっと具体的に数字で物を求めていますから、そういうことよりも、今言ったあらゆるメッセージを送って、これはもう少し円安の方向に持っていってもらう努力をしてほしいと思います。  大蔵大臣にもう少し聞きたいことがありますが、ちょっと視点を変えまして、労働大臣にお聞きしたいんです。  私はこの前、先月の労働委員会において円高の問題について特にお聞きをいたしました。これは大分前の予算委員会からずっと私は申し上げているんですけれども、日本の輸出が三千数百億ドル、それから輸入が二千数百億ドル、そして輸出の円建て比率は約四〇%、それから輸入の円建て比率というのは一八から二〇%。このバランスで行きますと日本は要するに十円円高になると約二兆円の差損を生ずるんだけれども、約二兆円の差益が生じているんです。これがもう数年間続いているんです。  それで、輸出の方は大変だ大変だとぎゃあぎゃあ騒ぐ。しかし、けさほど衆議院で橋本通産大臣も言われていましたけれども、約七〇%というのはカバーしているんです。それで、輸入の方の差益、十円高くなると約二兆円、この分がなかなか還元されないというのは、規制の問題もありますけれども、流通が日本は非常に複雑多岐にわたっている、だからなかなか還元されない。  それをすぐに還元させるというようなドイツ式であるならば、日本というのは流通業界の卸約四百七十万人、小売七百万人、この中からかなりのいわゆる失業予備軍、これの存在というのを覚悟しなくちゃならない。それから今みたいな円高だったならば、私は汎用品の海外移転というのはこれは認容すべきだと思っているんです。これをとめようと思ってもできません。そうすると、両方から約百万人ぐらいの失業予備軍が出てくる。こういう事態が生じて、いろんなことが行われた後に失業だけが残ったと、こういうことでは非常にこれから社会問題化すると思いますけれども、労働大臣はどうお考えで、それに対してどう対処なさろうとされているかそれをお伺いしたい。

浜本万三日本社会党・護憲民主連合労働大臣

○国務大臣(浜本万三君) お答えをいたします。  御指摘のとおり、最近の円高の進行などを背景といたしまして日本の生産拠点の海外移転ということが非常に行われるようになってまいりました。また、製品輸入の増加の動きが加速をいたしまして、このことが議員おっしゃるように失業問題の大きな問題をもたらしておるというふうに認識をしております。  こういう問題に伴います国内の雇用問題の発生を避けるためには、新たな雇用機会の確保というものが必要になってくるというふうに思います。この際に産業間の労働移動を余儀なくされるケースが増加するものだというふうに思っております。  労働省でも最近、委員も御承知のような中期ビジョンというものを発表いたしまして、労働移動がこのように行われるんだということを発表させていただきました。したがって、労働省といたしましては、これから労働移動に伴う社会的痛みをできる限り小さくするようにしなきゃいかぬと思っています。  そこで、失業なき労働移動への支援に特に重点を置きました政策展開を最近は行っておるところでございます。この一環といたしまして、十四日の経済対策閣僚会議の決定を受けまして、円高等により雇用調整をせざるを得ない業種の雇用対策や国内産業の高付加価値化を担う人材の養成の推進に重点を置きまして、諸般の対策を強力に推進しておるところでございます。  特に、そういう状況になりますと出向とかあるいは再就職などを行う事業主の皆さんや、移動前後の教育訓練に取り組む事業主を支援いたしますことを内容といたしまして、議員御承知のような特定不況業種雇用安定法というものが先般成立をいたしました。七月一日からこの改正法が施行されることになっておりますので、この施行に伴いまして直ちに執行できるような諸般の準備を進めてまいりたいと思っております。

星野朋市平成会

○星野朋市君 経済政策のことについて総理にお伺いしたかったんですけれども、時間厳守ということでちょっとその時間がございませんので、少し時間はありますけれども、きょうは質問をこれでやめさせていただきます。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で寺澤芳男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、武田邦太郎君の質疑を行います。武田邦太郎君。

武田邦太郎新緑風会

○武田邦太郎君 まず総理にお伺いしますが、変革期と言われる今の時代に、自分の国の国益を守ると同時に各国との共存共栄を図る、これは非常に難しいわけですね。特に一番密接な関係のあるアメリカはこういう角度から申しますと非常な難物で、国際困難があるとすぐ軍隊を出したりとか、経済問題が紛糾するとすぐ三〇一条とか、こういう腕力に物を言わせたがる性格を持っている相手でありまして、これは今の変革期に直面している世界の最高のリーダー国としては余り感心しない性格である。これは総理、チャンスがありましたらクリントン大統領に深い友情と高い知性をもってもうちょっと考えろと言うことを、歴史的な困難な問題でありますけれどもお願いしたい、こういうふうに思います。  アメリカと接触するときに、背後には必ず中国がにらんでいるわけです。日本はアメリカの言いなりにならないか、それともアジア、特に中国と親友になる意思を本当に持っているのか、こういうことを常に両面を考えながら発言し行動しませんと、日本もこれで指導国の一つでありますから、任務を果たすことは難しい、こういうふうに思うんですね。  特にこれは海部内閣のときでしたか、マレーシアのマハティール首相が東アジア経済圏を提案したときに、海部総理はこれは大変いいことだと言わぬばかりの姿勢であったのに、アメリカががんとやったのでちょっとこぶしを引いてしまったという経緯があります。これなどは私は、歴史は急激に進んで世界が一つになろうとしている、究極においては国家対立のない世界ができることが最後の帰着だろうと思いますけれども、そう簡単にはいかない。  それで、その前の段階で一番はっきりしているのはヨーロッパ連合ですね。ヨーロッパ連合を見ても、共通の通貨一つなかなかうまくいかない、こういう難航でありますけれども、第一次大戦から今日までを見ると、歴史の方向はもう歴然としております。必ずその方向に行く。それが極力犠牲、困難なしに一つになる方向に行くのが現代の政治的な知性だと思うんですね。だけれども、いきなりは行かないが、我々はアメリカを満足させるようにAPECを先にするのか、それとも東アジア経済圏をもっと大事にするのか、これは今日、今申しました世界の歴史の動きの中での日本の選択として非常に重要な問題だと思うんです。  時間がないから簡単にやらなきゃなりませんけれども、私はやっぱり東アジアの方に六割のウエートをかけるべきだと思うんですね。一挙には世界は一体化しないけれども、国境を接しておって文明の性格が比較的共通性の多い国々が一つにまとまっていく。ヨーロッパは先に行っている。それからアメリカもNAFTAをやろうとしている。それと同じように我々はアジア諸国と密接な関係を持って共存共栄の形をとりたい。ただし、アメリカとも兄弟みたいに仲よくなりたいんだ。これは全くうそはない。だからAPECも同時にやるんだけれども、しかし四分六とあえて言えば東アジアの方にウエートをかけるからあしからずと。これは歴史の一つの方向として、あるいは歴史の法則として、我々が共通の羅針盤を持つとすればそういうことを持たざるを得ぬだろう。おまえさんの方もNAFTAをうんとやってくれ、そしてAPECもやってくれ。  こういう見解は経済界にもあるようでありますけれども、それを明確に言って、本当に日本と中国とアメリカが手を握らなければ世界の順調な進展はないと思うがどうだと。アメリカか中国か、APECか東アジア経済圏が、そういう二者択一的なことは今の歴史の段階で聡明な各国の指導者としてとるべきではない。方向を同じくして英知と高いモラルでもってひとつ力を合わせてやろうじゃないかと。あなたの方で余り頑張ると、アジアの方では外貨準備は円でやっていますよ、我々はドルの基軸通貨としての権威を持ちたいんだ。持ちたいけれども、おまえさんのようなことをやれば、もう各国がだんだんと円を外貨準備の方にウエートをかけたら困る、我々は決してそれは喜んでいない。  そういうような各国に共通の歴史の論理なり経済の法則なりによってクリントンさんともっと、とにかく国家エゴでちょっと固まりますから、特に大統領選挙を意識すればいよいよ国家エゴになるわけですから、肩をたたいて、もうちょっとゆとりを持って利口にやりましょうやというようなことを言えませんかね。どうかひとつ。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今、委員からお話がございましたように、これはもうこれだけ国際化が進んでいるときですから、自分の国だけの利益を考えて、そして相手の言い分は聞かないというようなことではもう国際経済は成り立たない。それでWTOもああいう方向を出しておるわけです。  私は、ASEANを回って一番感じましたのは、ASEANに加盟しておる諸国の中では非常に成長している国もあれば途中の国もあるし、また大変おくれた国もある。しかし、進んでいる国も途中にある国もおくれている国も、自分のところの国をよくするためには、このASEANに入っておる、特にAPECでいえばアジア・太平洋ですね、この地域の国々がお互いに持っている能力と力を出し合ってそしてお互いのためになるようなことをしていく、そういうことを通じて自分の国もよくなる、こういう共生する観念というのは非常に私は強まってきていると思います。  そんな意味で、率直に申し上げますと、日米関係とか日中関係とか、また日本とアジアの関係とか、いろいろ利害関係がこれから錯綜してくるわけですから言葉で言うほど簡単ではないと思いますけれども、そういう世界の歴史の流れというものをしっかり踏まえた場合に、やっぱり有無相通じてお互いに協力するところは協力し合う、協調し合うところは協調し合う、そして共生するという前提に立った観念が、理念が一番大事ではないかというふうに考えておりますから、クリントン大統領と話し合いをするときも、これはもうどなたとお話をするときも、そういう理念に立った話をしてお互いの理解を深めていくという方針というのはこれはやっぱり堅持していくべきものだというふうには考えておりますから、今、委員から御意見もあったようなことについては十分踏まえてこれから対応していきたいというふうに考えています。

武田邦太郎新緑風会

○武田邦太郎君 よろしくどうぞ。  関連質問を。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。萩野浩基君。

萩野浩基新緑風会

○萩野浩基君 新緑風会の萩野でございます。  三月八日、御案内のとおりに一ドル八十八円七十五銭、それから四月十日に八十円二十五銭、それから昨日は御案内のとおりに七十円台に一時期とはいえ突入をした。これは先ほど来から質疑されておるとおりに大変な事態だろうと、そのようにこれは国民全体が考えているんじゃないか。しかし、やっとのことで四月四日に元大蔵財務官を招かれて勉強会をされたと聞いておりますが、私は、こういう例えばよくないかもしれないが、ちまたには泥縄と、そういうようなそしりさえ聞いております。  自動車産業等におきましては、もうよく言われておりますが、一円の差というのが百億の損失になり、そしてその下請の中小企業においてはまさに瀕死の状態であると。こういう状態が行きますとますます空洞化、倒産、そして雇用問題というものが深刻な問題になるのはこれは明らかであります。  あれほどインフレに対して抑制を重視してきたドイツは、国際協調というものを優先しまして、危険を冒してまで先月の末もう利下げに踏み切っております。日本はやっとのことで一カ月以上もたってこの緊急対策というものが出たというのは、私はちょっと遅かったんではないかと。なぜこんな一カ月もおくれたのか、総理、ひとつ国民の前に説明していただけたらと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 総合的にその対策を出したのは確かに十四日に出したわけです。したがって、その取り組みについて大変タイミングがまずく、おくれたではないか、こういう御意見や御指摘もあろうかと思います。  しかし、例えば金融関係については大蔵省が、それから取引関係については通産省と、それぞれ関係の省庁では十分横の連携をとり合いながら個々の対応について具体的に取り組んでやってきているわけです。  ただ、ここまで来ますともう個々の対応ではどうにもならない、もっとやっぱり総合的に全体として対応していく力というものを出す必要があるのではないかというので、緊急にたびたび会議も開いていただきまして、そして与党とも連携をとり合いながら一体となって四月十四日に緊急円高対策、経済対策という方針を打ち出させていただきました。これを確実に実行することによって必ず反映されてくるというふうに私は期待をいたしております。

萩野浩基新緑風会

○萩野浩基君 緊急円高対策、これは内容を見てみますと、規制緩和推進五カ年を三年にする、それからまた前倒しと。これは私はある程度評価できると思います。しかし、諸事項を見てみますと、検討するという事項がとても目につくわけです、何々を検討するという。  それからまた、特に国民が期待しておりました情報通信という分野においてもこれは参入規制で需給調整と、どうもそういう域を出ていないんではないか。これは私の感想ですけれども、そんな感じがします。こういうのではやっぱりなかなか効果が出にくいのではないか、そのように私は感じております。  今のこの円高の要因というのはいろいろなところで言われておりますけれども、特にアメリカがドル価値の維持にどうも無関心であるというのが世界の隅々まで知れ渡ったのではないか。そこでドルの歯どめというものがきかなくなったと。  御案内のとおりに、アメリカの主要貿易相手国というのはこれはカナダとそれから中南米でございます。これに対してはドル安ではないので、つまり余りアメリカは痛手を感じていないんじゃないか。アメリカのニュースなんかを私、向こうに行きましたときも見ておって、日本では必ず一ドルが幾らというのはニュースの中で出しますね、だけどアメリカでは余りそういうのは頻繁に出てこない。こういうところも私はちょっとずれがあるんじゃないかと。  特に輸入インフレの懸念のないアメリカにおきましては、円やマルクに対して無理してドルを安定させる必要というのはどこまで考えているのかというような疑問さえ持ちます。むしろドル安というのはクリントン政権にとっては輸出促進と景気の維持という面においては役立っている、こういううがった考えもしたくなるような感じがします。アメリカの市場介入というのは、これは日本やEUに対して何かおつき合いでやっているんじゃないか、こういう言い方は余りよくないかもしれませんけれども、そんな感じさえします。  特に共和党が多数を占めました下院におきまして大型減税というような可決を見ますと、貿易赤字を本当にアメリカは減らそうとしているのか、また大統領選挙というものを控えると経済政策というのはみんな内向きになってきている、そんな感じがします。  また、国際社会の中で、国際金融プロというのがかなり影響していると思うんですが、ドルで持つよりも円で持った方が得だと、こういう動きもあると思います。  こんなことを話していると長くなりますが、いずれにしましても、今、日本が立ち直るのには景気回復を起こさなきゃならない。このおくらせている原因それからまた株式市場の活性化にブレーキとなっておるので、みんなすぐ規制緩和、規制緩和と言います。この規制緩和も私は確かに大事と思いますが、不良債権の問題というのも私は大事だろうと思うんです。  金融機関の不良債権は、大蔵大臣、大体どのぐらいとつかんでいらっしゃいますでしょうか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 公表されております不良債権ということになりますと、都銀、長信銀、それから信託銀行二十一行の破綻先債権及び延滞債権ということになりますが、その金額は昨年の九月末において十二兆三千億円でございます。そのほか、マネーセンターバンク、今申しました以外の地域金融機関の破綻先債権というものが一兆二千億公表されております。  世の中では、そのほかいわゆる金利減免債権と言われるものについて不良債権の範疇に入れて御議論をされる向きがあるわけでございますが、これは私どもは元本回収を前提としているという意味において少し違った意味合いを持つのではないかというふうに考えておる次第でございます。

萩野浩基新緑風会

○萩野浩基君 ちまたには、どの辺を不良債権とするかというのはこれはいろいろ決め方があると思いますが、二百兆近くいっているんじゃないか、いやそれを超えているんじゃないかと、これはちょっと大げさかもしれませんけれども、こういうのがかなりのブレーキになっておるということはやはり認識しておく必要があると思います。  いずれにしましても今必要なことは、一時しのぎではなく、日本経済の構造転換ということが大事だろうと思います。そこで、かけ声ではなくて、本当の市場開放それから規制緩和、これを行って輸入増につながる実効性あるものにしていくということが第一点大事だろうと思います。  それから二点としては、よく言われることでありますが、貿易黒字を積極的に国内投資に向けていく、そして内需拡大を図る。このためには、まず内外価格差を是正し、円高差益を思い切って還元していくということが大事だろうと思います。これを実現するために、行財政改革を強く推し進め、そして公共投資を図り、それからもっと私は社会的生活基盤の整備というものを強く推し進めていくべきだろうと思います。  また、将来に向けましては、先ほども出ておりましたが、円建て通貨の拡大ということも努力しなきゃならないと思われますし、これは変動相場制というのは動かすことができないんだと、もう初めからそういうかたい考えではなくて、変動相場制も視野の中に入れた国際通貨改革問題というものも将来の課題としては検討していかなきゃならないと思います。  いずれにしても、やれることはとにかくやってみる。ノーエラー・ノートライでは何も生まれてこないので、私はもういろんなことをとにかくトライしてみるということが大事だろうと思います。  そういう点におきまして、経済企画庁長官、そしてまた総元締めの大蔵大臣、そして今こそ国民が一番政治的リーダーシップを期待しております、その意味におきまして総理に御答弁をいただいて、私の質問を終わります。

高村正彦自由民主党・自由連合経済企画庁長官

○国務大臣(高村正彦君) 委員御指摘のように、円高メリットの還元というのは極めて大切なことだと、こういうふうに思っております。ただ、ことしになってからの急激な円高についてはまだ円高メリットが浸透しておりませんが、平成五年二月以来の円高についてはかなり浸透していて、特に商品価格なんかは下落している、こういうふうに考えているわけであります。  今度の対策の中でも、関係業界への円高差益還元の要請とか、あるいは円高差益還元状況に対する情報収集提供の充実強化、あるいは公共料金の引き下げ、そういったことも盛り込んでいるところでございますから、関係各省庁と連絡をとり合って強力に推し進めていきたい、こういうふうに考えております。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 財政措置も含めて大蔵省所管の対策もたくさん盛り込まれているところでございますが、ぜひこれの具体化、肉づけに今後全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) いろんな面からの指摘がございましたが、私も共通した理解と認識を持っているつもりでありますけれども、これはやっぱり決めたことがどう実行され実践されていくか、効果のあるものになるかということが大事ですから、内閣一体となって効果の上がる実行を推し進めていきたいという決意で取り組んでまいります。

萩野浩基新緑風会

○萩野浩基君 ありがとうございました。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で武田邦太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡吉典君。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 一時八十円を突破した急激、大幅、異常と言われる円高が日本経済の根幹を揺るがし、国民生活にはかり知れない打撃を与えております。特に中小企業の間ではもう悲鳴に似た声が出ております。  こういう重大な事態に、十四日、政府は緊急対策を決定、発表されましたが、私どももこういう事態に対して、何よりもまず悲鳴を上げている中小企業対策、それからまたこの円高の根本に迫る対策として、アメリカに対して基軸通貨国の地位にふさわしい節度を要請し双子の赤字改善プログラムの提示を求めるということ、また大企業の円高対策の悪循環を断ち切りリストラ支援政策を転換するという、アメリカ側の要因、日本側の要因をそれぞれ正す対策を求めるとともに、今、特別急激な円高を抑えるためにも資本取引に対する規制が必要だということを提案してまいりました。  私は、きょうは為替投機の問題を中心に質問したいと思いますけれども、まず政府の緊急対策で今の異常な円高そのものを食いとめる対策というのはこれのどの項目になるのか、お伺いします。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 今回の政府の緊急円高・経済対策の中には為替投機対策を意図しながら上がっているものもあると思いますが、直接的な取り上げ方はいたしておりません。  それは過般、大蔵省も財政金融運営の方針を発表いたしておりまして、ここはむしろ協調介入あるいは国際的な政策の協調、そのことや金融政策の弾力的、機動的運営ということを既に発表いたしておりましたこともありまして、今回はその部分は意図的に盛り込まれてはおりません。もう政府の既存の大方針だという認識であります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、お伺いしましたところ、結論的に言うとこれでは輸入拡大ということしかない感じを受けます。もちろんそれは中長期的な効果があるかないかいろいろ議論もあるところだと思いますけれども、今の急激な円高それ自体を放置しておくわけにはいかないし、その点では輸入拡大ということで、規制緩和ということも効果はない。それは実際に円高がその後も進んでいる、こういう状況だと思います。  公定歩合の引き下げも効果がなくて実際八十円突破という事態になった、こういうふうに言わざるを得ないわけですが、今おっしゃった、投機に対する項目としてはここにはない、これは大前提だというお話ですけれども、それではお伺いしますが、為替投機の規制そのものは必要だということですか。それを確認しておきたいと思います。

加藤隆俊大蔵省国際金融局長

○政府委員(加藤隆俊君) 現在、世界の為替市場におきましては、一番最近のBISの調査で一日約八千八百億ドルの為替取引が行われております。しかし、このうちのどれだけが投機によるものかそうでないかということについては、同調査でも明らかになっておりません。現実にある取引が相場見通しに基づいたヘッジ的なものなのか、相場動向をにらんでのディーリング的なものなのか判断することは実際上困難と考えられます。また、国際的にも投機的な取引がどれに当たるかということは確定しがたいというのが一般的な考え方となっております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私はその前のところを今聞いているわけですよ。つかめるかつかめないかの前の規制が必要か必要でないかということです。  関本NEC会長・経団連副会長は、今回の円高の動きについて「一言で言えば、マネーゲーム。これをどうしたらいいか。真剣に取り組まないと、世界的危機に結びつきかねない。」、こう言っているわけですね。世界的危機に結びつきかねないそういう事態が進行していると、こういうわけです。  しかも、関本さんは今週の週刊東洋経済でこういうふうにも言っているんです。この今の投機の実態を「白昼堂々と賭場が開かれ、総理の前で大蔵大臣の前で、みんなの眼前でバクチが行われている。」。これは私の意見じゃないんですよ、社会的地位のある関本さんがそう言っているわけですね。  そういう白昼公然と賭博が開帳されているという事態を放任していいのか規制が必要なのか、これは総理の前で行われていると関本さんは言っていますから、総理、どういうふうにお考えか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 戦後ずっと固定相場制がとられてきまして約三十年続きました。今から二十年ほど前に変動相場制に変わったわけであります。世界の発展途上国、アジアの国の中にはまだ固定相場制あるいは準固定相場制的な国が少なくありませんが、主要国は今まさにフリーマーケットの時代を迎えているわけであります、この為替につきましても。  それを賭博場とおっしゃるのはちょっと表現が不適切だとは思いますが、しかし真剣に経済人が通貨をめぐって買う売るという行為が日々行われていて、その結果が通貨であるということになるわけであります。短期的にそれは人がやっておりますから間違うこともありましょうし、あるいはいわゆる思惑や投機的な要素が入ることも避けられないとは思いますが、しかし一定の期間で見ればやはり経済の実勢というものを反映したものでなければならないわけだし、そういうものであるからそういうフリーマーケットといいますか変動相場制を肯定しようということで今日に至っているわけであります。  もしそれがそうでないということになりますと、今おっしゃるように、どういう知恵を絞ったらいいのか。ノーベル賞をもらわれたトービン博士が、税をかける、思惑的な取引に対してはタックスをかけたらどうだという提案がございました。これはこういう関係者の間でも絶えず話題になる一つの構想でございます。しかし、これも世界あちこちで自由に通貨の取引が認められておりますために漏れなくやるというのは大変難しいという見方もあるわけでして、ヨーロッパのような一定のゾーンを設けてその中で協調していく、あるいはゾーンの中で少し規制を働かせるという今努力をしている地域もあります。その他いろんな知恵が一応上がってはおりますが、まだ国際社会で、これで行けば変動相場制がかなりよくなる、是正される、みんながそういう思いを持つだけの知恵がまだ浮かんできていない。  率直に言ってそういう状況でありますが、私どもとしましても、今回のようなこういう急激な為替の変動を経験しますと、ひときわ、この経験に立って何か反省をして、少しでもいい工夫を凝らすことができないだろうかというふうな思いになるわけであります。今後、G7も含めて真剣な議論に対応していきたいというふうに思っております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 総理、後からまたゆっくり聞くことにしまして、ゆっくりの時間もないけれども。  一日の世界貿易額が百億ドル程度、世界の為替取引はその百倍の一兆ドル規模と、こう言われる。その膨れ上がった為替投機が人為的に為替相場を動かして円の急騰を生み出すという状況が起こっているわけです。私は、変動相場制がいいかどうかという議論をここでしょうとするわけじゃないわけですけれども、そこで人為的な異常など言われる今の円高が生まれているわけですね。  そうすると、根本策も必要だが、こういう為替投機によって相場が撹乱され多くの被害者が出るという状態にどう対応するか。そのためにはまずその実態をつかまなくちゃいかぬ。今、国際金融局長はつかみようがないと言ったんですけれども、そんなことはないですよ。それはもういろいろな数字が出されている。関本さんだって東京市場の数字まで挙げてあの週刊東洋経済で書いているわけで、つかめないということはない。つかもうとしていないというふうに私は言わざるを得ないんです。  私は一つだけここで大蔵大臣、それから総理大臣にもお伺いしたいんですが、今の事態、今の円高というのを普通の時期とみなすかどうかということにもかかわるわけですけれども、私は外為法の有事条項を発動してこういうものは規制する、そういうことが必要なときである、そういうふうに思います。  外為法は、異常な円高が起きているこういう事態に備えて、異常な円高の直接の原因である内外の投機筋による巨額の外国為替投機を規制することができる、そういう規定になっていると私は思いますが、大臣、いかがですか。時間がないから、大臣でやってください。そんな二度三度やる余裕ないんだから。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 簡単に。

加藤隆俊大蔵省国際金融局長

○政府委員(加藤隆俊君) 外為法には第二十一条二項の規定がございます。  しかし、いわゆる有事規制を発動することにつきましては、今日、円ドル取引が我が国のみならずロンドンそれからニューヨークなど世界の為替市場で活発に行われており、たとえ我が国のみが規制を行ったとしても効果が上がらないといった問題がございます。また、このような規制により正常な取引を含む我が国の経済取引全体に重大な支障を及ぼしかねないといったような諸点も踏まえて、慎重に対処する必要があると考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、日本だけでやれというわけじゃないんです。これが必要だと、これが効果ある措置だということになれば、それは日本が決意して、世界にも呼びかけて国際協調で投機は取り締まろうということができるわけで、それをやれということを言いたいわけですけれどもね。  それで、この有事条項というのは、何か今のお話だと、あっても大した効果のないものだと言わんばかりにおっしゃっているんですが、国際金融局の年報では、これは「外為法の要をなす重要な制度」、いわば伝家の宝刀だと言っているんですよ。私は、伝家の宝刀がある法律を生かして、国際的にも力を合わせでこういう投機を抑えるために努力をするという決意、総理、ないかどうか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今のこの円高ドル安という現状が極めて行き過ぎたものである、こういう行き過ぎた状況を何とかやっぱりもう少し正常な安定した状況につくり上げていくために何が必要かという立場から、これは各国それぞれがやっぱり私は工夫していると思います。  先ほど大蔵大臣からもお話がございましたように、そういうものに税金をかけたらどうかとか、あるいは上下の一応の枠、ゾーンを設定して、そして変動する幅というものを余り大きな急激な経済に影響を与えないようなものにしたらどうかとかいろんな意見があるわけですから、そういう意見も十分踏まえた上で日本政府としても真剣な検討をしていきたいというふうに思っているところであります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 検討してくださるそうですから。  終わります。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で吉岡吉典君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、西野康雄君の質疑を行います。西野康雄君。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 新党・護憲リベラル・市民連合の西野でございます。  規制緩和論というのが随分と出ていますが、私はこれはもろ刃の剣ではないかと、そんな思いもいたしますが、今回は円建て論だけで質問をいたします。  日本はドイツのマルクをまねて円建てでやりなさい、こういうふうな論がたくさんございます。私もその論には賛成なんです。しかし、多くの論者が、ドイツがマルク通貨圏をこしらえることができたというその前提の検証が欠けているんではないだろうか。なるほどドイツはうまくマルク通貨圏をこしらえましたけれども、その前提に戦争責任の明確化とか軍隊のあり方とか海外派兵のやり方、すべて旧のEC、今のEU諸国との融和を図りながら、信頼を得ながらやってきたわけですよね。  ところが日本はというと、昔からドルに頼りっ放しで、片一方で改憲論が出てきたり、賠償はもう済んだんだというふうなことで、いたずらにアジアの諸国の警戒心をあおってきたわけで、この論というのは、政治論は別にしまして、円通貨圏をつくっていく上に妨げになるんじゃないだろうか、アジアに貿易の軸足を移していく上の妨げになっているんではないか、そんな思いもいたします。  ドル、マルク、円の三つの通貨圏をきちんと今つくっておかなければ世界の経済は破綻をするんじゃないかな、そんな思いもいたしますが、改憲論者とか謝罪反対論者は、逆に護憲論者も、この経済論の中での視点が欠けているのではないかそんな思いもいたします。円通貨圏というものをつくるためにはアジアの信頼を得る努力、不断の努力が必要なんで、急に円高ドル安になったから円建てに早うせいというこの論はこれはおかしいわけで、不断の努力を怠っておいてはその論というのは絵にかいたもちになるんじゃないかなと、そんな思いもいたしておるわけです。  その円通貨圏づくり、今、本格的に乗り出さなければならないと思うんですが、環境を整えるべき時期に来ているんではないかと思いますが、総理の御意見、お伺いいたします。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 御指摘のございました円の国際通貨圏づくりにつきましては、当局として従来から環境整備に努力をしてきておるところであります。長期的課題としてこれは取り組んでいかなきゃならぬというふうに私は思うので、短期的にすぐできるというものではないということは御理解いただけると思うんですね。  したがって、こうした観点から、今回の緊急円高・経済対策におきましても円の国際化の促進を盛り込んで積極的に取り組んでいこうと、こういう方向も出しているところでありますから御理解をいただきたいと思います。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 総理のおっしゃるとおりで、不断の努力を怠っておいて急に円建てでするんだというふうな論はこれはどうも性急過ぎるなと思うんですが、新聞を見ていると評論家とかそういう人たちは随分とそういうふうな論を急に出してくるから、その前提をもう少し検証してもらいたいなと思うんです。  円高ドル安に一喜一憂しないため、そして円が国際通貨になるためにも、日本の金融市場の空洞化とか証券市場の閉鎖性というのが随分妨げになっているかと思うんですが、この部分を改めていかなければならないなと思いますが、大蔵大臣、どうお考えでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 御指摘のような側面では、空洞化、ごく最近指摘をされているわけでありますが、これに対する改善措置をとっていかなければなりませんし、証券につきましても、一般的な活性化のための対策とあわせて国際的な舞台における日本の証券市場というところに目を向けながら、まさに空洞化に対する答えになりますけれども、この時期における日本の証券市場のより一層の対外的な窓を広げていく、国際化に積極的に取り組んでいく努力が必要であるというふうに思っております。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 努力が必要であると思っていらっしゃったら、ぜひともきっちりと努力をしていただきたいと思います。  どうも日本というのはちぐはぐで、片一方で企業が随分と外貨準備高を、千五百億ドルぐらいでしょうか持っていて、円高ドル安になったら急にわっと売り始める。それがまたドル安になる。そうしたらまた、ドル安になったからまた売り始める。片一方で日銀がそれに対して買い支えをするというふうな奇妙な形の部分が今ドルをめぐって日本にあるんじゃないか。そういうふうなものもきっちりとどう調整をしていくか。  きょうも何かアメリカに一千億円ほどかけて半導体の工場をつくるんだという、とある電機メー力一のニュースがありましたけれども、これはやっぱりアジアにつくるべきじゃないだろうか、そんな思いもいたしております。  最後に通産大臣にお伺いをいたします。  円通貨圏の樹立と関連をすることですが、今ちょっとアジアのことを申しました。近年、日本は貿易をアジア向けに確かにシフトしております。ドイツは八割がマルク建てであるのに対して日本は輸出のうち四割しか円建てでないというその論も先ほど出ましたが、私はやっぱりもう少し円建ての比率を高めていくべきだと考えますが、その辺、貿易担当の通産大臣、どうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、我が国の輸出の場合、円建ての比率は約四〇%程度であります。今、委員が御指摘になりましたように、私も円建て取引の推進のために企業が積極的に努力をしていただくことを心から歓迎したい、そうした気持ちはいっぱいであります。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 時間ですので、終えさせていただきます。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で西野康雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、山田俊昭君の質疑を行います。山田俊昭君。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 二院クラブの山田と申します。議員バッジをつけましてきょうで九日目の新米議員でございます。何分ひとつよろしくお願いいたします。  さきに示されました緊急円高・経済対策、あるいは日銀が公定歩合一%の断行をされた。しかし、内外において極めて評判がよくありません。また、現実に何ら為替市場に効果をもたらせていないという現状にあります。国民は、この下がることを知らない円高に対しまして非常に大きな不安を持っております。このまま円高が進んでいったら一体どうなるんだろう、日本の経済はどうなるんだろうというこの不安は相当大きなものがあります。  その現実的なものとして、昨年の企業倒産は戦後最高を記録いたしました。ことしはさらに企業倒産がふえるであろうと予測されております。そういう中にあって、国民にこの円高不況の克服の具体策といいますか何らかの強い政府の円高対策が示されなければ、日本経済の大きな混乱を呼ぶとすら考えられるわけであります。  そういうところにあって、総理は、評判の悪かった政策に対してどのように分析されまして、今後これ以上の政策をおとりになるのか、そのところの具体策も踏まえまして決意表明をお聞きしたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) せっかく政府・与党一体となってあらゆる角度から検討して、緊急な円高対策、それから日本経済をにらんだ経済対策というものを打ち出してこれから取りかかろうとするとき、評判が悪いとかいろいろ言われますとますます悪いものに印象づけてしまいますから、ぜひひとつ御理解を賜りたいと思うんですね。  私は、今度の政策を打ち出したというのは、今もお話がございましたけれども、せっかく緩やかながら回復基調にかかっておる日本経済に対して一つのやっぱり何といいますか大きな障害になるような、むしろデフレ傾向さえ見られるような深刻な経済の状況にあるという受けとめ方をすることが大事ではないか。そういう意味から申し上げますと、そういう先行きが不透明な状況に対してもっと先が見えるようなものにしていく必要がある。同時に、そのためにはやっぱり景気の回復というものも十分でこ入れしていかなきゃならぬ。そのためには内需の拡大をやる必要があるし、その内需の拡大についても、従来のような発想ではなくて思い切って日本の経済の構造を変えていくということを踏まえて、公共事業等についても見直しをする必要があるのではないかというようなことも考えております。  いずれにいたしましても、そうした改革を行う。同時にそのことが貿易収支の黒字を大幅に減らすことにもなるし、同時にまた輸入を促進していくことにもなって均衡のとれた状況をつくり出す。こういうものが重なり合って為替レートの安定にもつながっていくというように思いますから、私は日本の国でやらなきゃならぬことはきちっとやりますということをやっぱり訴えていくことが何よりも大きなメッセージになるのではないかというふうに考えておりますから、それはひとつぜひやらなきゃならぬと思うんですね。  決めたことを具体的にこれからどう実践していくかというところは、七年度の補正予算もできるだけ早期に繰り上げて出そうという努力を合いたしているところでありますが、その予算の中にも、これは阪神・淡路の地震に対する復興対策はもとよりですけれども、景気浮揚を図りながら今申し上げましたような状況をつくり出せるような予算編成というものをやっぱり考えて取り組んでいく必要がある。そういう具体的な実践を通じて各国にも理解をしていただいて、お互いに協調できるところは協調し合いながら全体として安定するような基盤というものをしっかりつくっていくことが大事ではないかというふうに考えておりますから、そういう方向に全力を挙げて取り組んでいきたいと思っているところであります。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 どうもありがとうございます。  幾つかの質問を用意したんですが、もうほとんど大半あれで、今後十分勉強して質問に立ちたいと思うんですが、今、総理がおっしゃった内需拡大策の公共投資ですね。かつてバブル崩壊後四回にわたって四十五兆円にわたる公共投資をなさっている。これが全く効果を出していないんですね。今度、公共投資の基本計画の中において六百三十兆円を投入されるということで、従来の土木中心の公共投資じゃ何ら内需拡大になって消費を増さない。この現実を踏まえまして、新たに今度補正予算で組まれる六百三十兆円をどのような業種に投資されるのか、お尋ねをしたい。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 具体的にどこにどうするというようなことをここで今申し上げられる段階ではございませんけれども、今度打ち出した政策の中でも、新しい開発される分野として例えば科学技術あるいはまた情報通信といったようなハイレベルのこれから日本の経済の中で目標とすべき視点というものを十分踏まえて、そういうところに重点を置いた公共投資の選択というものもする必要があるんではないかというふうに考えておりますから、その点については御理解をいただきたいと思います。

山田俊昭二院クラブ

○山田俊昭君 円高対策の三本柱という金融政策、財政政策、いずれも手詰まり感があるわけでありますけれども、もう一つの柱である国際協調、これは来週の二十五日、G7がワシントンにおいて行われます。為替相場の安定ということを目指されまして国際協調を十分されることを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で山田俊昭君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、成瀬守重君の質疑を行います。成瀬守重君。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 私は自由民主党の成瀬守重でございます。  現在、日本の経済に深刻な影響を及ぼしている円高問題について、総理大臣、大蔵大臣、通産大臣、日本銀行総裁に質問させていただきます。  総理、私は、政治家は国民の命と健康と安全と暮らしを守るために尽くす重大な使命をいただいていると信じております。今日、この委員会に出席している各省庁の局長や部長クラスの政府委員の方々もこのような使命感に燃えているものと信じております。それだからこそ、阪神大震災に際して、一日も早く被災された方々に立ち上がっていただき復興していただこうと、平成六年度補正予算や関係法令の早期成立に努めたのであります。  昨年は、三月いっぱいに成立させなければ新年度から執行できない平成六年度予算の成立が六月二十三日までかかってしまい、当時野党であった私ども自由民主党は、予算成立のおくれが日本経済に与える深刻な打撃を思い、予算の早期成立を強く主張いたしましたが、選挙法改正が先だという大合唱に阻まれてしまいました。ことしは村山内閣の成立によって私ども自由民主党も政権に復帰し、国民生活を第一に考えて、政治史上初めての早さで三月二十二日に平成七年度予算を成立させたのであります。  地下鉄サリン事件の発生のときも、深刻な危機にさらされている国民生活の安全を一刻も早くお守りしなければならないという使命感に燃えて、この予算委員会で集中審議をさせていただきました。昨日も横浜で有毒ガスの発生によって三百九十二人が被害をこうむり、二十一人が入院されました。一日も早く健康を回復されますよう願っていますが、それとともに一刻も早くこれらの事件が解決されて国民が安心して暮らせるようになり、諸外国に対しても治安のよい国日本の信頼を回復したいと願っております。  今また、日本経済に深刻な影響をもたらし、ひいては国民生活に影響を及ぼす急激な円高問題として集中審議を行い、その原因を究明し対策を練って、経済の危機的状況を打開しようとしているのであります。  総理、通産省の調査によりますと、従業員三百人以下、資本金一億円以下の中小企業は全企業の九九・一%、大企業は〇・九%と報告されております。従業員の人数は、中小企業は七九%で大企業の人数は二〇%であります。小売業の年間販売額は、中小企業が七八%で大企業が二二%であります。このような調査結果を見ましても、中小企業は我が国経済を支える礎をなしているものと確信しております。  先月の中小企業に対する調査によりますと、最近一カ月間の円高の影響はかなりあるというのが六一%、多少あるが一三%、今はないが今後は出るが二五%で、まさに一〇〇%が円高の影響を受けるのであります。商工中金の調査によれば、中小企業の採算のとれるレートは百五・三円となっております。しかも、採算レート割れの企業は九八%に達しております。しかしながら、昨日十九日、東京外国為替市場は一ドル七十九円七十五銭をつけ、円高は七十円台に突入したのであります。  全国商工連合会長の近藤英一郎さんは、今回の円高は企業の適応力をはるかに超えた死活問題になっていると訴えております。中小企業だけではありません。日立製作所の磯部朝彦さんは、急激な円高に対処する苦衷を、我々の腹をえぐられるような痛みは到底評論家や金融界の方々には理解していただけないだろう、この危機感は腹をえぐられるような心の痛みであり、日々の為替変動に一喜一憂せざるを得ないと訴えております。  この国民の苦しみ、日本の危機に対して、円高問題に立ち向かう村山総理の御所見と御決意を承りたいと存じます。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今、円高がもたらす影響について、特に日本の経済の大きな支えとなっておりまする中小企業の実態を数字的に列挙しながらお示しをいただきましたけれども、まさに私はそういう厳しい受けとめ方をしている、しなきゃならぬというふうに思っております。  それを前提にして考えて、どういう対応をしていくことが一番必要かということについて検討して、四月十四日に当面の緊急的な円高・経済対策を打ち出したわけでありますが、これはやっぱり最近の為替相場というものがファンダメンタルズから正当化されていないということについては皆さんそれぞれ懸念を持っておられると思いまするし、大変大きく乖離したものだということについては御認識を同一にしていると私は思うのです。  今度取り組んできた対策というのは、私は円高に対する取り組みについては三つの大きな柱があると思うんです。一つは、やっぱり関係国が協調していくところは協調しながら対応していくということが大事だと。それからもう一つは、我が国として緊急にあらゆる政策を盛り込んで、そしてその対策に十分効果の上がるような、そういう手を打って実行していくということが大事ですね。それからもう一つは、やっぱり日銀を主体にして、金利問題については先般〇・七五%引き下げをしていただきましたけれども、そういうこともまた大事ではないか。  そういうものが総合的に組み合わされてそして効果の上がるものだというふうに考えておりますから、今御議論もございました七年度の補正予算につきましても、そういう点を十分踏まえた上で、震災対策、災害に強い町づくり、同時にこれから日本の経済が発展していく新しい分野の開拓等々も踏まえながら、内需の拡大を中心にして景気の回復を図る。そのことがまた黒字を大幅に削減して、そして輸入をふやすことにつながっていくというふうにも考えますから、そういう総合的な対策の中から当面の円高対策について効果のある実行をしていくという決意で取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 次の質問に移る前に、総理は三時半までこの委員会においでいただくことになっておりますので、時間が参りましたらどうぞ。  それにつきましても、円高に対応する通貨当局、大蔵省と日本銀行の相互不信ともとられかねないような足並みの乱れが取りざたされております。  三月二十七日に武村大蔵大臣が発表した当面の財政金融運営については、日本銀行の専管事項である公定歩合の引き下げを公然と促したものと受け取られ、日銀は為替のために公定歩合を下げることはないと表明したとか、ドイツの公定歩合の引き下げの翌日に日銀が短期金利の低目誘導を発表すると、今度は、協調利下げを放棄すると宣言したようなもので市場の失望を誘うだけだと大蔵省内に日銀批判が起こったと報じられています。  一日に一兆ドルとも言われる資金を動かして、デリバティブで日本の産業経済を食いつぶしかねないほど暴れ回っている投機基金、タイガーマネジメントとかクオンタムファンドとか言われているヘッジファンドを前にして、これに立ち向かう日本の通貨当局の大蔵省と日本銀行が相互不信で足並みが乱れるようなことがあっては、ヘッジファンドに足元を見透かされてさらなる円高ドル安の事態に引きずり込まれてしまいます。  省庁の壁や縄張りを越えて通貨当局を一致結束させて、国難とも言うべき日本の危機に立ち向かってリーダーシップを発揮しなければならない総理の御苦衷は大変なものだと存じますが、それにつけても思い起こしますのは、かつて太平洋戦争の末期に、一方では一億総玉砕、本土を焦土と化しても戦い続けようとする軍部、つまり一億国民全部が死ぬまで戦い、日本全土が焼け野原になっても戦い続けようとする軍部と、食べ物も住む家もなく心の中で平和を求め続ける国民、このはざまにあって当時の鈴木貫太郎総理も、陸軍、海軍、外交当局、重臣など国内の激しい対立を抱え、しかも軍部から生命まで脅かされながらも、圧倒的物量をもって攻め寄せてくる連合軍を迎えて難局に当たり、ついに天皇陛下の御聖断をいただいて終戦に持ち込み、戦後日本の平和の礎を築いてくださったことは総理も御存じと存じます。  村山総理は、鈴木総理のような頼るべき天皇陛下の御聖断はありません。しかしながら、それにかわるべきものとして全国の中小企業を初めとする日本の国民の強い願いがございます。聖断ともいうべき円高を克服してほしいという国民の願いを支えとして、国内の対立抗争を抑え、その難局を乗り切るリーダーシップをどうか御発揮いただきたいと存じますが、総理の御所見と御決意をお伺いいたしたい。お願いいたします。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 民主主義の時代ですから、やはり国民の信頼を得ること、そのためにはその期待にこたえてやるべきことをきちっとやるということが何よりも大事だというふうに思っておりますから、それを唯一のよりどころにしながらこれからも努力をしていかなきゃならぬというふうに思っております。  今、御指摘のございましたように、この公定歩合の引き下げは日銀の専管事項ですから私どもがくちばしを入れる限りではありませんけれども、しかしそうした金融全体の動向とか景気の動向といったようなものも十分踏まえた上で私は日銀は日銀なりの御判断をしていただいたものだというふうに思っておりますし、そういう面におきましては別にそごはなかったというふうに思いますが、先ほど来申し上げておりますような総合的な政策がかみ合って、そして有効な成果を上げることができるのではないかというふうに考えておりますから、そういう視点を常に大事にしながら内閣が一体となって取り組んでいくということを私は申し上げておきたいと思うんです。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 総理、ありがとうございました。どうぞお出かけください。  続いて武村大蔵大臣にお伺いします。けさの日本経済新聞で知ったことでありますのでこれは質問通告はいたしておりませんが、大臣の御所見を伺いたいと思います。  けさの日本経済新聞の三面に「円相場は十九日の東京外国為替市場で一時一ドル=七九円七五銭をつけた。」というリードに続いて、「東京市場の本格的な取引が始まった午前九時以降、「都銀や商社などの日本勢が円買いに動いた」」。住友銀行資金為替部の野手弘一部長代理という方がおっしゃったようですが、「このため九時二十分過ぎに、十日の東京市場で付けた最高値(八〇円一五銭)をあっさり更新し九時半前には八〇円を突破した。円が七九円七五銭を付けたところで日銀は二億-三億ドルの円売り介入を実施」したという記事が出ております。  私はこの記事を読んで唖然といたしました。確かに円高には、経済アナリストのリチャード・クー氏が言うように、よい円高と悪い円高があるということも理解できますし、円高によって消費者が利益を受けるという点もあることはわかりますが、今は現在の急激な円高に対して日本経済が危機に瀕し、政界では与野党ともに挙げてこれに取り組み、大企業も中小企業も、さきに申し上げましたように、挙げて円高の苦難にあえぎ、克服しようと死に物狂いになっているときに、これを裏切って自社の利益を図るために投機に走る都市銀行や商社があるとはどういうことなのかと思いました。  外国為替市場ですから売りもあれば買いもあります。自分の企業の利益を守るためにドルを売って円を買うことがあるのは経済行為としては当然かもしれません。しかし、時と状況によりけりであります。幾ら、もうかるから自分の会社のためだからといって、戦っている相手に武器や弾薬を売って自分の国や国民が打撃を受けるといったことが許されるでありましょうか。  けさの日経新聞で知ったばかりですからこの取引の事実関係や詳細な事実は存じませんが、お調べいただきたいと存じますし、この点につきまして大臣の御所見を伺いたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) その前に、先ほど金利政策をめぐって大蔵省と日本銀行かみ合っていないという御指摘もございましたが、少なくとも公定歩合等については、もう御承知のように、日本銀行が独立性を保持しながらみずから責任を果たしていただく、そういう立場でございますから、私ども具体的に公定歩合をどうこうということは一切申し上げません。  ただ、共通の認識として、この急速な円高と景気にやや不安な要素がふえてきた状況の中で、機動的、弾力的な金融政策のかじ取りが大事だということを申し上げたわけですし、この認識は恐らくあの時点で、あの時点と申し上げるのは三月二十七日でしたか、日本銀行も同じ認識であったと私どもは信じております。そういう中で、日銀は実質金利を早々とお決めになり、公定歩合は十四日にお決めになったということではないかと思うのであります。  ところで、けさの新聞の報道についてのお尋ねでございますが、個々の市場関係者の観測に関する報道について私どもがコメントするのは差し控えなければならないと思っておりますが、昨日は、もう新聞でごらんいただいたように、日米自動車協議に依然大きな隔たりが存在するという発言報道が出たり、次官級交渉が不調に終わったことなどが一つの材料になってドル売り円買いが起こったようでありますし、ヨーロッパでは、今週末のフランス大統領選挙を材料とした欧州通貨内でのマルク高を反映してドル売りマルク買い等があったものと言われているようでございます。  問題は、我が国の都銀や商社の円買いが円高の原因であったというふうな報道がなされているようでございますが、事実関係も、ともかく東京市場はおおむね日本のディーラーが、こういった銀行、商社関係者も含めてほとんど日本人が中心になって売買しているということだと思うのでありますが、買ったり売ったりもう刻々動きがあるわけでございますから、円高で苦しんでいるときにドルを売って円を買うようなことはけしからぬと気持ちの上では思いたいわけですが、このフリーなマーケットの状況からいうと、それをとらえてけしからぬと果たして言えるだろうか。  恐らく銀行や商社になりますと、みずからの銀行が利害打算で買ったり売ったりされているよりも、お客さんから頼まれて行動をされている場合も少なくないわけでありますから、私は一生懸命かばうつもりもありませんが、相場の実態としてはそういうふうに冷静にお互いに認識をすべきではないかというふうに判断をいたします。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 私もよくその点は理解しているつもりですが、実際の貿易取引とかあるいは金融取引のいろんな面でそういったことが行われるのはわかりますけれども、現在言われているデリバティブのような、そういったような金融取引でもって日本の円高を加速するような行為だけは厳に慎むようにまたお願いしたいと思うわけです。  次に、もう一つお伺いしますが、現在のような危機的状況に対応するために、亜細亜大学の並木信義教授が過度円高防止法の制定を提案されました。それによると、  第一は、政府に「為替対策最高会議」を新設し、首相、経済閣僚、日銀総裁がそのメンバーとなる。  第二は、最高会議は、必要と認めるときは、断固たる為替市場介入を決定する。日本銀行はこの決定に基づき、効率的にヘッジファンド(投機基金)などの動きに対抗し、ドル買い、円売りを行う。  第三は、最高会議の決定に基づく為替介入で日銀が損失をこうむったときは、政府はこの損矢を補てんする。この財源は赤字国債で賄う。第四に、対外的に必要とあれば、公共投資増額計画を盛り込む。このような内容でありますが、大臣、このような提案をどのようにお考えになられるか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 一つの具体的な提案の御紹介をいただいたわけでありますが、形を大きくすれば組み上がると言えるかどうか。  今のお話を伺っておりまして、総理大臣中心に経済閣僚、日銀総裁がメンバーとなった最高会議を置く、そこで決めたら為替介入をすると。今、もうそれをしなくても日銀と大蔵省の関係で適切にどんどん介入は日々刻々やっておりまして、そこでそういう形をとることが果たしていいのかどうか。必ずしも悪いとは言いませんが、現在の仕組みでかなり日本の場合は有効に動いているというところも御評価いただきたいと思っております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 もう一つお伺いさせていただきたいんですが、四月十七日の日本経済新聞は、一面のトップに「日本の円高対策に不満」という見出しで、アメリカの財務長官は、市場は日本の対策を肯定的に評価しない、わかりやすく言えば現状では日本の対応に満足していないという考えを示したと報じております。  この報道だけではよくわからないんですが、日本の経済対策に対して私は必ずしも正確に伝えられているかどうかはっきりしていないと思いますので、大臣御自身の口からこの点について、アメリカのルービン財務長官とお会いになったいきさつ、そういった面についてお聞かせいただきたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) このときは、確かに一部の新聞ではそういう不満というふうな大きなタイトルが出ておりましたので私も驚いたわけですが、バリ島にいて日本から送られてきた見出しを見て、記事はそこそこ報道されていながら見出しが非常に何といいますか、ルービンさんがそういう表現を使われたわけでもないし、日米間で認識に大きく違いがあって前日発表した政府の政策を評価しないとか関心を示さないとかそういうことではなく、むしろ大変関心をルービン長官は示したわけであります、私もかなり丁寧に各項目について説明をいたしまして、いろんな質問も飛んできたぐらいですから。  そして、私が言ったのは、これはこれから急いで、しかしそう時間かけませんよ、これはもう一カ月、二カ月ぐらいでどんどん具体化するものが大半です、補正予算を初めあるいは今国会に法律を出すというのもありますし、ですからこの一、二カ月の日本政府の肉づけの動きをルービンさん、ちゃんと見てください、注視をしてくださいということを申し上げたら、わかりました、一、二カ月ですねということを念を押されて、では我々は関心を持って日本政府の努力の動向を注視させてもらおう、こんなことで終わりましたので、むしろ高い関心を示したというふうに実質とっていただいていいのではないか。  ただ、発表直後に本当は我々の思いとしては評価をしてほしいという気持ちが政府・与党の中にはあるわけです、市場に。しかし、市場の評価はかなり冷淡であったのも事実でありまして、ルービン長官も、市場の反応は余りポジティブじゃないですねというふうな感じの話がありました。そういうところから会話が始まったものですから、市場の反応とアメリカ政府、ルービン長官のコメントと混同されたような嫌いがあったのかもしれません。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 また、その折に大臣がルービン長官に対して、カーター・ボンドの例を引いて円建ての米国債を発行したらどうかということを打診したら、外貨建ての米国債を発行しなくても十分対応できると拒否されたというような報道もされているんですが、こういった点についてはいかがでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) それはほぼそのとおりでありました。  かつてカーター大統領がそういったアメリカ政府から見れば外貨建ての債券、ボンドを発行されたわけでありますし、私がインドネシアヘ行く直前に、ワシントン・ポストがそういう肯定的な報道をされているということで橋本大臣から資料もいただきました。では、これ一遍アメリカ側に持ち出してみようと思って、これは迫ったわけじゃありませんけれども、カーターさんがやっているし、ワシントン・ポストがこういう報道をされているからいかがですかという形で持ちかけたわけですが、これはいきなりノーというお答えが返ってきまして、アメリカは今、資金に全く困っていないというか、大変幅広く深く資金は存在している、外貨準備も十分ある、だから外国の資金に今頼らなきゃならないような状況じゃないんだということがルービン氏の回答でありました。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 難しいこととは思いますが、アメリカとの間にさらに忍耐強く粘り強く交渉を重ねて、協調体制をひとつ築いていただきたいんです。  さて、先ほど総理にお尋ねした折にも触れましたけれども、今度の急激な円高は日本経済のファンダメンタルズを反映したとも思えませんし、一日一兆ドルと言われる莫大な資金を動員して外国為替市場をむちゃくちゃに暴れ回っている投機グループがあるということを聞いておりますが、この動きを抑えるために、外為取引税といいますか、トービン・タックスとも言われるが、そういったようなものも一つの手段ではないかと思います。  これについて、フランスのフランが投機筋にさらされたことからミッテラン大統領もこれを主張していると聞いておりますけれども、大蔵大臣はこれについてどのようにお考えになられますか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) これはノーベル賞をもらわれたトービン博士が提案をされたようであります。いわゆる国際的な金融取引に取引税を課そうということであります。特に投機的な為替取引を対象にしたらどうかという趣旨で、これはかなり注目を浴びているわけでありますが、実際は世界全体が果たしてこういう共通の税を用意ドンで一斉にスタートすることができるかどうか。課税の根拠、方法、課税機関というふうな問題も含めてこういうものを具体化するためにはかなりたくさんの壁があるのも事実でございます。  ミッテラン大統領もそうであったかもしれませんが、G7の大統領クラスでもこのことに関心を持っておられる方がおりますが、ただ、今までの国際金融関係の専門家の議論では、一つのユニークな提案ではあるけれども実現するのは容易でないというふうな専門家の認識もまたありまして、まだもう一歩議論が進まない状況であります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 次に、松下日銀総裁にお伺いいたします。  今後の景気の見通しと現在の急激な円高について、通貨当局の最高責任者のお一人としてどのような御見解、対策をお持ちでしょうか、お伺いしたいと思います。

松下康雄日本銀行総裁

○参考人(松下康雄君) 私どもは、最近の経済情勢の展開につきまして、全体として見れば緩やかな回復過程になおあるというふうに考えておりますけれども、ただその回復のスピードなり力なりというものにつきましては、回復が始まって一年半もたつ現在におきましてもなお十分なものでないのではなかろうかという気持ちを持っていたところでございます。  殊に近時の為替相場の一段の円高化とか、あるいは株式市場におきます相場展開などの資産価格の軟調の持続とか、そういいましたものが企業心理の方にもマイナスの影響を与えておりまして、これを放置いたしておきますと、この回復の勢いがますます緩やかになる心配があるだけでなくて、さらに回復の方そのものも場合によりましては非常に減衰をするという可能性があるというふうに判断をするようになったわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、先般三月末に短期の市場金利につきましてこれを大幅に低下する措置をとりましたのに引き続きまして、このほど公定歩合の〇・七五%の引き下げを実施いたしたわけでございます。  私どもといたしましては、この二つの措置によりまして一般の金利水準は全体として大幅に低下をいたしますので、これらが経済の回復力あるいは企業マインドに非常にプラスの影響を与えていくことを期待しておるわけでございます。これによりまして景気の回復がこれまで以上に早まり、また力強くなるということを期待しつつ、現在その効果の浸透を見守っているところでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 総裁、私も日本銀行の二月短観の結果を見せていただきましたが、確かにマクロ的に統計数字を見た限りでは緩やかな回復基調にあるようですが、どのような手法で集計されたか知りませんが、この数字からは生の経済の実態、円高の影響を受けて事業を閉鎖するか海外に事業を移すか、あるいはさらなる合理化、リストラに骨身を削らねばならない中小企業の現実の苦悩というものは感じられないのであります。  私が学生のころ、法王と呼ばれた日銀総裁がいて金融界に君臨していらっしゃいました。同じ法王でもローマ法王は、悩み苦しむ者に心を注ぎ、世界各地を飛び回って愛の手を差し伸べておられますが、日銀総裁は金融界の法王とも言うべき立場だと思いますが、こういった円高で苦しむ中小企業に希望と活力を与えるような金融の政策をお願いしたいと思います。

松下康雄日本銀行総裁

○参考人(松下康雄君) 私どもの短観におきましては、中小企業、本当の小規模企業を含めまして相当数の経営者の皆様からお話を伺ったところで集計をいたしております。また、今週初めに全国の支店長会議を開催いたしましたが、その折にも各地の支店長は、それぞれの管内での中小企業、零細企業につきましても関心を持っての報告がいろいろ集まったところでございます。  こういう状態で、私どもといたしましても、この円高進行の中で、例えば親企業からの発注減とかあるいは単価引き下げ要請とかでなお非常に先行き売り上げ、収益に対する懸念をお持ちの中小企業の方々に対しましても今回のこの金利引き下げの好影響が及んでいくということは強く期待をいたしておるところでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 次に橋本通産大臣にお伺いいたします。  大臣が急激な円高に対してどのような御見解をお持ちで、殊に危機的状況にある中小企業に対して希望と活力を与えるようなどんな対策を講じておられるか、お伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 三月八日時点、全国の中小企業の調査をいたしましたとき愕然といたしましたのは、今回は、円高の影響が今後及ぶという方を含めますと一〇〇%の方々が円高の影響に見舞われるということを覚悟しておられたことであります。  昨年七月の時点では、まだわずかではありますが、円高の影響を受けないという答えをされる方々がありました。そして昨年の七月の時点では、積極的に国内に販路を移す、あるいは付加価値を高める、さらに新製品開発に挑むといった積極的な対応がその回答に目立っておりました。今回は、有効な対応策なしというお答えが二五%、そしてこの状況でどういう選択肢があるかという問いに対し、八・九%の方々が転廃業しか道がないという答えを返してこられました。非常に事態を私は深刻にとらえております。  それだけに、財政当局にも非常に御無理を申しながら、今、補正予算の編成に努力をいたしておるところでありますが、この中におきまして、本院におきましても中小創造法等成立をさせていただきました法律は最大限駆使をいたしながら積極的な対応をしてまいりたいと考えております。  殊にこの円高の影響によって資金的に立ち往生するといった事態がないようにいたすこと、さらに新たないわば産業の種を見出し新たな業を起こしていこうとする方々に対し、その立ち上がりの時点から積極的な支援を心がけてまいりたい、全力を尽くしてこの時期を切り抜けてまいりたい、そのように考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 通商産業省としては、ただいま大臣もちょっとお触れになりましたけれども、新分野進出が円滑に進められるような法律やら、あるいは中小企業を新たに生み出していくようなそういった促進法とか運転資金の支援特別貸付制度とか、そういった面での施策を講じておられるということを伺っておりますが、特に中小企業の創造促進法ということについてひとつもう少し具体的に御説明いただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは一方では、新たな資金需要に対し、より民間の資金が積極的に集め得るような市場の整備を財政当局にお願いを申し上げているところでありますが、それをひとつ踏まえながら、資金調達環境の整備、さらに新技術開発に対する支援、こうしたものを脳裏に浮かべながら、さらに私どもといたしましては、事業革新法、また既に成立をいたし相当な実績の上がっております中小企業新分野進出等円滑化法、さらに今回成立をさせていただきました中小企業創造活動促進法の円滑な実施というものを担保してまいる、そのような考え方でございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 最後に、日本経済の危機的状況に対して、通商産業政策の責任者として大臣の総合的な御所見と決意をお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回、緊急円高・経済対策としてまとめてまいりました対策の中身に多くは盛り込まれておるわけでありますが、私どもといたしましては、既存産業の停滞した感じ、さらに新しい業を起こそうという意欲の減退、こうした構造的な問題がだんだんはっきりしてまいりました中で、産業構造の転換というものを積極的に行いながら、その中で創造力と活力を呼び覚ましていかなければならない、そのように考えております。  このためには、内需を拡大していきますためには、良質な社会資本を計画的に整備していくこと、また内外価格差の是正、新たな事業機会の創出を図るための規制緩和を積極的に進めていくこと、さらに新規事業の育成支援、既存産業の事業革新の支援などの対策を総合的に展開していく必要があると考えております。こうした方針を主張しつつ政府としての対策を取りまとめてまいったわけでありまして、今後、より積極的に努力をしてまいりたい、そのように考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 また、最近特に問題になっております内外価格差の是正とかあるいは規制緩和の問題も国民の大きな関心事項であり、また積極的に願っていることでございますが、そういった面につきまして、追加質問としまして規制緩和の問題についてまず通産大臣からお伺いしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回、三月三十一日に取りまとめました規制緩和五カ年計画をその後の経済情勢の推移の中で三カ年に前倒すことを政府として決断をいたしました。  実務的には、例えばJISの見直しのように、一千件余りのものを国際的に整合性を持っていくには実務的に対応が無理である、現在の定員、予算では無理であるというものにつきまして、財政当局にも積極的な協力をいただき、補正予算の中で臨時の定員、さらに必要な予算を計上することにより三年間にこれを短縮して実施する等、既に対応の方向に向かいつつあります。  私どもとしては、積極的にこの規制緩和は進めてまいりますし、さらに特石法の廃止でありますとか、あるいはPL法の成立後これが動き出しますにつきまして、家電装品の相当部分が自己認証に移る等、積極的な対応に努めてまいります。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 質問通告はいたしておりませんけれども、経済企画庁長官にもこの規制緩和について御意見を伺いたいと存じます。

高村正彦自由民主党・自由連合経済企画庁長官

○国務大臣(高村正彦君) 経済企画庁は実質的な規制を持っていない役所でありますけれども、委員御指摘のように、内外価格差の是正のためにもあるいは市場アクセスのためにも、あるいはニュービジネスが参入できる、そういったためにも必要なことでありますから、今度の対策で決めた三年以内でやるということをそれぞれの省庁で強力に実現していただきたい、こういうふうに考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 通産大臣、恐縮ですが、もう一つお伺いしたいと思います。  今、確かに海外旅行をする日本人が非常にふえており、外国の価格と日本の価格の開きというものが非常に大きく問題になっておりますが、こういった内外価格差を是正してもらって、やはり内需拡大に努めていくというか、内需拡大をより一層図ることは円高を是正する一つの方法であり、さらには国民経済や国民生活というものがより快適なものになる方法だと思いますが、この内外価格差の是正について大臣の御所見をいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、手元に細かい資料を持っておりませんので、細かい点はお許しをいただきたいと存じますが、確かに私どもはこの内外価格差の是正というものに向け、昨年来、中間財の分野にまで踏み込んでその実態を調査し、内容を公開することによって事態の改善に努めてまいりました。そして、この円高の進展の間におきまして、一般消費財の部分におきましては相当程度私はその格差というものは是正されてまいっておると思います。  ただ、今後も残っております問題は、一つは、日本の港に着きました時点では国際的な価格に差異のないものが、国内の規制あるいは流通等により結局消費者の手に渡るときには価格が高くなってしまう、こうした分野を規制緩和を通じてどこまで縮小できるのか、さらに流通の合理化等でどこまで縮小できるのかといった問題がございます。こうした点についてはこれからも努力を続けてまいりたい、そのように考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 以上、私の質問は終わりまして、山崎理事にバトンをタッチしたいと思います。  ありがとうございました。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。山崎正昭君。

山崎正昭自由民主党

○山崎正昭君 この予算委員会で初めて質問をさせていただきます山崎でございます。  先ほど来それぞれの皆さん方、さらには今ほど我が党の理事であります成瀬さんから、いわばマクロのグローバルな視点からそれぞれ質問をされましたが、私は、一部重複することもあるかと思いますけれども、この円高対策について、国内的な対応、主に中小企業の置かれている厳しい環境、さらには国民の身近な問題について質問をさせていただきたい、このように思います。  また、質問に当たりましてお願いいたしたいことは、実は私は経済学や数字には全く疎い人間でございますので、それぞれ大臣、高邁な学問的な難しい御答弁をいただいてもわからないわけでございます。特にきょうはテレビ放映中でもございますので、急激な円高で大変不安を持っておる国民の皆さん方に期待と希望の持てるような適切な御答弁と、また時間も制限ございますので簡潔にひとつお願いを申し上げたいと思います。  さて、それでは最初に、政府の緊急円高・経済対策について伺いたいと思います。  私も、先日、政府の発表いたしました対策がかなり思い切ったもので、実はその効果を期待いたしておったのでございますけれども、週明けの外為市場は逆に円高に振れ、さらに株価も失望売りで値を下げるという惨たんたる結果に終わったことに大きなショックを受けておるところでございます。  そこで、今回、公定歩合を一%と低水準に引き下げ、規制緩和五カ年計画を二年間前倒しをし、さらに赤字国債の発行をも視野に入れた大型補正予算を編成する方針を打ち出したわけでありますが、これはまさに政府、日銀として、恐らく満を持した思い切った施策を内外に明らかにしたわけであろう、こう思いますが、これまた結果は大きな期待外れでございます。このような結果となった要因はどこにあるのか、大蔵大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  次いで、日銀総裁にでございますけれども、先月末の短期金利の低目誘導からわずか二週間で公定歩合の引き下げに追い込まれたわけであります。今後さらなる円高が進みますと、公定歩合の引き下げを決断した松下日銀総裁はどのような御所見をお持ちか、あわせてお伺いをいたしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 十四日に発表しました日銀の公定歩合の引き下げや、私ども政府の円高・経済対策が、あの日の朝、金曜日でしたかもう公表されたわけであります。東京の市場も率直に言って余り反応してくれなかったという状況を今思い起こしておりますが、それが週明けも続いているということであります。  新聞等を見ていますと、もう織り込み済みとか新しいものは何もないとか何か中身を見ないでおっしゃっているんじゃないかなと私は思いたくなるぐらい、個々で議論をした立場でいきますとそういう気持ちも抱きましたが、やっぱり今回は、今も御紹介がありましたように、まずは内需振興については補正も新分野まで含めて対応ということを書かせていただいていますし、赤字国債の発行も回避しない、しかも今の予算執行についても積極的に進める。それからその後、年度後半についてまで弾力的な財政運営をやるときちっと触れているわけであります。という意味で、この局面における財政出動については最大限積極的な対応を表明しているところであります。  規制緩和を含めたテーマは何としても経常収支のギャップを減らすことだ、この認識がありまして、本当はこれを一番にしようかという議論も最後まであったんです。内需が先になりましたけれども、これが日米間に横たわる一つの最大のいわば円高ドル安を誘因する経済的ファンダメンタルズであるという言い方もできるわけですから、これにやはり改めて日本政府としても真剣に目を向けよう、そのためには規制緩和策を三年に前倒しさせていただこうということがまず決まりましたし、それだけでなしに自動車・自動車部品あるいは輸入住宅、石油備蓄等々、主な項目ですが、各個別にわたってまで輸入拡大の方針を鮮明にしたところでございます。これは大変新しい大胆な政府の方針を明らかにさせていただいたというふうに思っております。  そのほかでも、円高差益の還元も十項目ぐらいにわたりまして、電話、郵便料金、電気、ガス等値下げということを明らかにうたっておりますし、金融・証券、円の国際化対策も、特に金融については私ども二信組以来大変お世話になっておりますが、この不良債権をどうするか。大は都市銀行から信組に至るまでのあのバブルのときの金融機関の傷をどう全体としてとらえるか。五年間を目標にしてという一つの方針をうたわせていただいております、これは肉づけをしなきゃなりませんが。円の国際化についても初めて政府の方針として取り組みました。  等々、評価するところはぜひ評価をいただきながら、なお足りないところは肉づけをし具体化を図って万全の円高・経済対策にしていかなければならないと思っている次第であります。

松下康雄日本銀行総裁

○参考人(松下康雄君) 先般、三月の末に私どもが短期市場金利の低目誘導に踏み切りました当時の私どもの景気判断につきましては、当時景気はなお緩やかに回復をしている状態ではあるけれども、その緩やかさというものがなかなか回復が始まりまして一年半たった当時の状態におきましても弾みがつかないという点に着目をいたしまして、この際金利の引き下げを行うことによって金融面から景気の回復力にてこ入れをいたそうという判断をしたわけでございます。  その後、市中の諸金利も低目誘導にこたえまして順調に低下を始めたわけでございますけれども、なおその後も円高が一段と進行をいたしますとか、あるいは株価等の資産価格の軟調な地合いも続きますとかという状態でございましたので、こういう状態で景気がこの先もなおしっかりとした回復を続けられるかどうか懸念があるというふうな判断になったわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、前回の低目誘導から余り間を置かない時期ではございましたけれども、公定歩合を思い切って引き下げることによりましてさらに金融面での景気支持力を強化いたしまして景気の回復を早めたい、またその回復の力を強めたいという措置を講じたわけでございます。私どもとしましては、今回の措置によりまして、既に市中の諸金利は低下を始めておりますけれども、引き続いて公定歩合引き下げを行いましたことによって、さらになおもう一段の実質金利の低下が図れるものと考えております。  金利低下の効果は、御承知のように、直ちに効いてくるものではございませんで、実際に企業が金利の負担が軽減して資金繰りが改善しますとかあるいは設備投資意欲が強まってまいりますとか、そういう過程が必要でございますから、私どもといたしましては、金利低下によってそういう経済の望ましい状態が実際にあらわれてくる状況を見定めようということで、現在、市場を注目しているところでございます。  なお、この際、為替市場におきましての今後の問題でございますけれども、これはちょっと私ども中央銀行の立場から申しますと、これから為替がどうなるからというような具体的な御判断を申しますといろいろと適当でないこともございますので、具体的にはコメントすることは差し控えさせていただきますけれども、私どもは一つには、現在の為替市場の動向はやはり各国の経済情勢から離れた甚だ投機色の強いものになっているという認識を持っておりますし、そのことは主要各国の通貨当局も同じ認識でございます。私どもは、主要国の通貨当局とさらに密接に情報なり意見なりの交換を続けまして、今後とも為替に対してそういう当局の判断を浸透させながら適時適切な措置を講ずるように努力をしてまいりたいと思っております。

山崎正昭自由民主党

○山崎正昭君 今ほど大蔵大臣の御答弁にも一部ございましたが、次に経常黒字削減の数値目標の設定の必要性ということにちょっと触れさせていただきたいと思います。  今回の措置に効果が見られなかったことについて、今ほど御答弁がございましたように、既に市場では織り込み済みとかタイミングを失したとの声を聞いておりますけれども、緊急円高対策をまとめるに当たって一部から、経常収支の黒字を削減する具体的な数値目標をある程度打ち出すべきではないか、こういうような意見が強かったというふうに伺っております。  私も、為替レートの動きは多分に心理的なインパクトに左右されることもございまして、我が国の円高対策に対する積極的な取り組み姿勢を明確にアピールするためにも今回何らかの数値目標、ある程度のものを出すべきである、こういうように思うわけでございますが、これについて武村大蔵大臣、橋本通産大臣、一言お伺いをさせていただきます。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 与党三党から、政治的なメッセージを込めて経常収支の黒字の半減という表現を対策の前文に織り込むべきという御意見をいただいたことはそのとおりでございます。しかし、政府の立場からいたしますと、円高対策としての決意を示すために数字の目標を示すということについては大変問題があるのではないかということを考えております。  これは多少長くなりますことをお許しいただきたいんですが、私自身が大蔵大臣でありましたときに、実はGDP比で経常収支黒字の幅が一番狭くなった時期がございます。それは一九九〇年、これは一・二%まで下がりました。しかし、実はこのときは湾岸危機の真っただ中でありまして、石油価格がどんどん上昇したときであります。そして、年間の平均がバレル二十二ドル三十セント、前年比三三・四%引き上がるという状況でありました。  そして、その翌年九一年は、今度は湾岸戦争が現実のものになり、我が国は中東の和平回復のための九十億ドル支出を含めた巨額の平和維持活動への資金拠出を行った年でありますが、この年でありましても実はGDP比二・二%にまた黒字幅は拡大をいたしました。それは原油の値段が年間を平均いたしますと二十・四ドルまで下がったからでございます。石油の値段一つでこれだけ大きな影響を受ける、数値目標というものは非常に危険だという思いが、これは他の閣僚は存じません、少なくとも私はございました。  それと同時に、やはりこれだけ世界的な活動が続いております今の環境の中で、市場原理に対して結果を担保するというのは非常に難しい。そして、あえてもし市場原理に反して担保をするということ、それは今度は管理貿易につながってしまう。これは日本としてとるべき道ではないだろう。しかも、今、規制緩和を積極的に進めてこれから内需を拡大しながら輸入を拡大していこうというときに、管理貿易をするということは規制を強めなければできないわけでありますから、数値目標というのはそれに逆行してしまう。  そうしたことから、むしろ経常収支の削減に向けてメッセージをきちんと送るというその意味では、経常収支黒字を意味のある縮小に追い込んでいくために補正予算の中に赤字国債できちんとした財源を担保する。財源を担保するという言い方はおかしいんですが、積極的な投資を行いつつ、その財源は赤字国債をもってするといったことを市場に明確なメッセージとして受けとめていただきたい。そして、輸入の促進あるいは産業構造改革というものを一層強力に推進していく、こうしたことで市場へのメッセージを送りたい、私はそのように考えております。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 数値目標というこの問題に対する考え方は橋本大臣とほぼ同じでございます。いずれにしても、政府がこういうものを認めてしまいますと後がやっぱり大変なことになるなということから、今回慎重な姿勢をとることになったわけであります。  しかし、数値目標は避けましたけれども、経常収支の大幅な削減ということが冒頭に入っているわけです。そもそも二年前東京サミットがありましたときに、宮澤総理とクリントン大統領がこの東京で日米間の議論をされてそこで、経常収支の十分意味のある黒字の削減でしたか、こういう表現で合意をされたところから日米包括協議がスタートをしておりまして、数値目標の議論がこの二年間続いているわけでありますが、与党が半分という目標をお出しになったように、そのことを政府はオーソライズしませんが、やはりかなりの思いで目に見えてぐんぐんと経常収支の黒が減っていく努力を政府は目指さなければいけない。赤字公債による補正も必要でありますし、それもやらせていただきますが、やはり貿易収支のギャップをどう縮小していくか、そこに真剣に目を向けて、むしろこれは政府というよりも民間の皆様に政府が強く協力をお願いしていかなければならないというふうに思っています。

山崎正昭自由民主党

○山崎正昭君 次に、米国のドル安容認的な風潮と、過日のAPECの蔵相会議について多少伺いたいと思います。  今回の市場の冷ややかな反応については米国の関心が非常に薄いということに注目しなければならぬ、私はこのように思います。特に、いろいろ言われておりますけれども、マスコミから受ける感じでありますけれども、米国は円高に無関心なのが一般的なようである、こういうように言われておりますし、マッキーノン・スタンフォード大学教授を初めそれぞれの経済学者が、急激な為替変動は長期的に見て米国にもよくないが、今のドル安円高で困っているのは日本だけだ、問題解決にはまず日本が動くべきである、こういうような発言、指摘があるわけであります。そういった言葉を承りますと、日米協調の放棄的な発言、考え方だと、私はこのように思わざるを得ないわけであります。武村大蔵大臣、どのようにこの風潮をお考えになっておられるか。  さらにまた、大蔵大臣、インドネシアで開催されましたAPECにおきましてルービン財務長官とお会いになられ、いろいろ先ほど伺っておりましたが、会談をされたわけでありますが、その会談の中でドルの基軸通貨の見直しや基軸通貨国としての米国の考え方、措置、こういうものに言及をされたことがあったか否か、これをお聞きしたいと思います。  また私は、このことから見ても、為替安定への各国の緊密な協調、こう言われるわけでありますけれども、各国それぞれ温度差があるようでございますし、自国に直接関係なければ割合クールに考えている、いわゆる協調や努力放棄、そういった考え方もあるんではないかとさえ疑うわけでありますが、これについてもひとつお答えをいただきたい。  さらには、今後、円の国際化を含め我が国の通貨政策のあり方、これについて、過去の経緯はありますけれども、今真剣に考えなければならぬときではないか、こういうように私は思うわけでありますけれども、これについてもあわせて大蔵大臣、御答弁をいただきたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 先般のアメリカ財務長官と私の会談の中で、弱いドルという考え方はアメリカ側にはありません。これはもう終始ルービン長官もクリントン大統領も強いドルを期待する、望むということを繰り返して表明しているところであります。  きのうのクリントン大統領の会見の表現をちょっと紹介しておきますと、米国は強いドルをぜひとも望んでいる、我々はファンダメンタルズの重要性を確信している、我々は財政赤字を削減し雇用を増加させるなど責任ある道を進んでいく決意である、私は過去二年間これを実行してきたところでありまた今後も続けていくものである、こういう大統領の考え方、ルービン長官からも私はもう少し詳しく承ったわけであります。  そういう中では当然基軸通貨としてのドルの安定が大事だということは、私からも今回言いました。日米両国にとっても、こうしてアジア各国が今回は参加しているけれども、アジア全体の経済安定にとっても大変大事な課題だ、だからアメリカとしては自国の中だけで判断してもらっちゃ困るという感じのことも言いました。世界全体の大変主要な通貨になってきているという立場を考えてもらいたい、そういう会話も当然してまいりました。それに対して強いドルでいきたいという答えが返ってきたわけであります。  最後に、円の国際化につきましては、先ほどお答えいたしましたが、今後も政府の方針として主として民間に理解と協力を要請していくことになろうかと思いますが、輸出輸入ともにいろんな壁があっても、ぜひそういう方向に前進を遂げていくことができますように努力をしてまいりたいと思います。

山崎正昭自由民主党

○山崎正昭君 御期待を申し上げたいと思います。  それでは次に、急激な円高による地場産業の置かれた状況認識、さらに転廃業時の雇用確保という点について伺いたいと思います。  金融や輸出輸入関連の業務にかかわっている人々を除き、一般国民にとって円高はいまだにぴんとこないというのが実感じゃないかと、こう思っております。輸入物価は安くなっても消費者物価に数%しか反映しない。さらには公共料金は上がるし、手取り給与はそれほどふえずにむしろ実質可処分所得は減少するという厳しい状況では、生活に追いまくられるというのが私は実態であろうと、このように思います。  そこで、いささか私、その実態を承知いたしております一番身近なふるさと福井を例に挙げてちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。  最近の急激な円高によりまして私の地元福井でも、これまで地味に営業を続けてまいりました繊維・眼鏡業界などそれぞれ皆さんが大変悲痛な思いでまさに転廃業すら真剣に考えておるというような現状を見まして、私も大変心を痛めておるわけであります。  福井県では、繊維については合繊織物生産量の半分程度が輸出物であり、眼鏡も特にフレームについては全国の八〇から九〇%生産をし、その約半分を輸出しております。さらに近年、中国・韓国製品との価格競争で厳しい状況に置かれておるわけであります。  こうした地方の中小零細企業、特に地場産業が置かれている厳しい状況について橋本通産大臣はどのように認識をされ、どのように対応されようとしておられるのか、お伺いをさせていただきます。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻来しばしば触れましたように、通産省といたしましては、三月八日の時点で輸出型産地の中小製造業を対象として円高の影響調査を実施いたしました。そしてその結果として、先刻申し上げましたように、今後影響が出るという答えまで入れますと一〇〇%の方が今回の円高の影響を受けるという答えを出してこられておる。そして有効な対応策なしというお答えが二五%を占めたと申し上げましたように、この円高というものは輸出型産地の中小企業の経営には非常に大きな影響を及ぼしていることを大変憂えております。  今、委員は、お地元の合繊織物、眼鏡フレームといった輸出比率の比較的高い地場産業の例を挙げられたわけでありますけれども、こうした分野におきましては、最近の急激な円高だけではなく東アジア諸国の激しい追い上げの中にありまして、輸出額の縮小傾向あるいは輸入品との競合の激化と、極めて困難な状況に直面していると思われます。  こうした分野の今度は入ってくるものとの競合という視点での調査を現在実施いたしておりまして、月内にはこれの集計を終わると考えておりますけれども、こうした状況にかんがみまして通産省といたしましては、産地等緊急相談事業を実施させていただきますとともに、地域の中小企業の自立的発展を支援する特定中小企業集積活性化法、中小企業者の新分野進出等を支援いたしますための中小企業新分野進出等円滑化法を積極的に活用していただくように都道府県に指導と申しますかお願いを申し上げ、この活用に努めていただいております。  また、本院にも大変御苦労をいただき審議を促進していただきました中小企業創造活動促進法を四月十四日に施行することといたしまして、新分野開拓に向けての努力の支援を始めております。  さらにこの緊急の円高・経済対策の中で、最近の円高の進展などの影響を受けておられる中小企業の新分野への進出による経営努力を支援させていただきたいということから、中小企業金融公庫などにおきます中小企業新分野進出等円滑化貸し付け、これにつきまして貸付枠の増加、それから要件の緩和及び特別の特利貸付限度額の引き上げを行うといったことを考えますとともに、円滑化法及び創造促進法の利用促進を図りますため、中小企業事業団に事業開拓コンサルティング事業というものを、今、仮の名前でありますけれども創設したいと考えており、こうしたことをすべて活用しながら地場の産業の活性化に資してまいりたい、そのように考えております。

山崎正昭自由民主党

○山崎正昭君 転廃業について少々伺いたいと思います。  全国的に輸出依存型の地場産業は地域経済の上で特に重要な役割を今日まで果たしてまいりました。今回の急激な円高で現在経営意欲を全く持っていない、失ってしまったというのが私は実態であろう、こういうように思うわけであります。したがって、今回の緊急対策では、中小企業の経営基盤の安定と強化対策、構造改善対策、今ほど申し上げましたいろいろな施策を盛り込んでいただいておりまして、それなりの評価を私はいたしておるわけでありますけれども、より重要なことは、大臣、この円高にも対応できるいわゆる足腰の強い中小企業に育て上げるということが私は最も実効あらしめるもとだと、このように思っておるわけでございます。  そこで、これも例えて申しわけございませんが、我が福井県でも、昭和六十一年だと思いますが、繊維の構造不況対策といたしまして設備の共同廃棄事業を県と事業団とで非常に大きなお金で実施をいたしました。そしてかなりの成果をおさめた経緯もございますので、今回八十円台、いや七十九円というようなことも聞いておりますけれども、これほど円高が進み定着をいたしますと、さらなる高付加価値化も非常に厳しい、転廃業に追い込まれるのはもうこれは必至だと、私はこのように思うわけでございます。  そういった中で中小企業の転廃業が進んでまいりますと、その地域における雇用の影響が極めて深刻になる、避けられない、そしてまた円高倒産も懸念される、こういうような状態になりはしないかと私は懸念をいたしておるわけでございます。こうした弊害や影響を最小限に食いとめるためにも中小企業の生き残り策を真剣にやっぱり考えていかなきゃならぬ、そして雇用の確保に最善を尽くさなきゃならぬ、こういうように思っております。  そこで、いろいろお話しいただいたんですけれども、さらにもう一度ひとつお答えをいただきたいと思いますし、また特定不況業種関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法において、この際、業種の指定、助成等の対象範囲を大きく拡大すべきじゃないでしょうか。私はこのように思いますが、通産大臣と労働大臣、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、委員の御質問のお気持ちはよくわかるんです。しかし、私はそこまで追い込まれる状態の為替の水準が続くことを願いません。通貨当局に最善を尽くしてもう少し常識的な数字に落ちつける努力をしていただきたい、その間を必死で食いとめて立ち直れるチャンスをつくりたい、私は率直にそう思っております。  ですから、実はこの緊急円高対策がまとまります前に、三月三十一日をもって中止するつもりでありましたつなぎの資金の手当てでありますとか、また労働省にも大変御無理をお願いいたしまして雇用調整助成金をそのまま延長していただいてまいりました。そして、この為替の状況に対抗するために今申し上げましたような施策は我々は用意をいたしましたし、いずれにいたしましても、これらの施策は必要とするものでありますけれども、私は共同廃棄までお触れになりましたようなそうした事態に至らない前に通貨当局に最善の努力を期待したい、それが私の率直な気持ちであります。

浜本万三日本社会党・護憲民主連合労働大臣

○国務大臣(浜本万三君) お答えいたします。  今後、円高、国際化の進展等によりまして産業構造が大きく変化することが見込まれておりますが、こうした状況の中でやむなく必要となる労働移動につきましては、できるだけ失業を経ることなく行えることがよろしいのではないかというふうに私は思っております。  そのため、労働省といたしましては、雇用量が趨勢的に減少して雇用調整を余儀なくされる業種を今度新たに特定雇用調整業種として指定いたしまして、失業なき労働移動のための支援を図ることを内容といたします特定不況業種雇用安定法の改正案を今国会に提出いたしまして、先般御決定をいただいたところでございます。  今後は、十四日の経済対策閣僚会議の決定を受けまして、七月一日の改正法施行後直ちに事業主が失業のない労働移動のための助成、援助を活用できますように、特定雇用調整業種の迅速かつ適切な指定を行ってまいりたいと考えております。  先生も御承知のように、これは関係委員会にお諮りをするということが手続上残っておりますので、その上で迅速かつ適切に指定をしてまいりたいと思っています。

山崎正昭自由民主党

○山崎正昭君 もう時間もございませんので、通告をさせていただきましたことと少々変わってまいろうかと思いますが、簡単に質問させていただきます。  これは円高差益の問題でございますけれども、この円高は必ずしもマイナス面でない、プラスの面もこれあるということ、これを生かすことが重要であります。そういった中で、いわゆる差益が出てまいりますと、この差益をやはり十分還元するシステムとかルールというものをこの機会におつくりをいただければ、産業全体としての輸出、輸入のバランスも十分とれるような形になるのではないか、私は素人ですけれどもそのように思うわけであります。そういった面で、そういうルールづくりというものを必要とされるのか、またはそういうことも考えてみたいとおっしゃるのか、ひとつそれもお伺いしたいと思います。  終わりのまとめということでございますけれども、今回の円高によりまして我が国の経済が危機的状況にあるのを非常に皆さん認識をしておられますが、これを何とか回避するために早急に進めなければならない施策が幾つかあると思うんです。  私は私なりに思いますと、まず一つには国際間の協調。共生も広い意味で含みますけれども。もう一つは公共事業を含む内需拡大、いわゆる投資の拡大、もう一つは輸入の拡大等々あるわけでございますが、このことを踏まえまして平成七年度の補正予算の編成、さらには遠く八年度の予算の編成に臨むに、今回こういったことを踏まえてやはり予算編成に大胆な一つの方針を打ち出していくべきじゃないかこういうように思うわけでありますしつこいようで大変申しわけないんですが、その際、経過を見てでありますけれども、黒字削減の数値目標、これはやっぱり思い切って断行する、こういうようなこともあってもいいのではないかと、しつこいわけですけれどもそういうように思うわけでございますが、大蔵大臣、橋本大臣のお答えを最後にいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 誤解のないように申し上げたいと思いますのは、例えば公共料金でよく例示に出ます電力、ガス、これは暫定引き下げを昨年の十月から実施いたしておるわけでありますが、その間為替も動きましたが、原油価格が動きました。そして、現時点におきまして、三月末で電力は百六十億円、ガスは十五億円程度の差損が生じております。それだけ原油価格の値上がりの方が影響が大きいということであります。  そして、電力、ガスにつきましては、当然のことながら相当額の差益が継続して見込まれる場合には、それぞれの各社の収支状況を勘案した上で料金の暫定引き下げを行い、需要家に還元するというルールをとってまいりました。このルールはこれからも続いてまいると思います。ただ、現実において百六十億、十五億という差損が生じている状況ということは御理解をいただきたいと思います。  また、平成七年度の補正予算全体については大蔵大臣がお答えをいただくと存じますが、私ども通産省の立場からいたしますと、委員が御主張になりましたように、公共投資を拡大することによって内需を拡大すること、さらにこの緊急の円高に対応する中小企業の支えになるような、そうした補正予算を計上するように全力を尽くしてまいります。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 最後に三つ整理をしておっしゃいました。  一つは、国際金融の協調、協力、これは大蔵省、日本銀行足並みそろえて努力します。  二番目の内需振興のための補正あるいは予算措置は、今ある予算を積極的に執行していくことと、それから補正予算で積極的に対応するという方針でございます。  輸入を拡大し経常収支の黒字を減らしていくということについては、各省庁で御努力をいただきたいと思います。

山崎正昭自由民主党

○山崎正昭君 どうもありがとうございました。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で成瀬守重君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ―――――――――――――

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、峰崎直樹君の質疑を行います。峰崎直樹君。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 実はきょうは総理大臣がおられないということで非常に残念だなと思っているわけであります。どうして残念かといいますと、今度五月二日から中国へ行かれる。実は私も去年の五月のゴールデンウイークに中国へ行ってまいりました。そして私、一九八四年、十年前にも中国へ行って同じコースをたどって見てまいりました。特に深圸という町へ行ったとき、その余りの変貌の実態を見て、これはすごい、まさに香港とほとんど変わらないようなすばらしい、あるいはすさまじいと申し上げていいんでしょうかその経済的な隆盛というものについて目の当たりにしたわけです。今度、総理が中国へ行かれますので、ぜひそういった点も含めてと思ったんです。  実は驚いたことがもう一つございまして、十年前にはほとんど気がつかなかったんですが、町を歩いたときに、漢字が二つ書いてあって「OK」と書いてあるんです。何がオーケーなんだろうなと思って夜見たら、実はそれネオンサインがついているわけです、「OK」と。  中国へ最近行かれた大臣はいらっしゃいますか。最近はないですか。武村大臣、何だと思いますか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) カラオケです。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 そうです。カラオケなんです。  私は今カラオケの話をいたしましたが、どうも日本の経済がある意味では先進国に追いついたときに、大抵非常に経済が隆盛をきわめた地域というのは必ずそれ特有の文化を生み出すと言われているんですが、アメリカがかつてアメリカンウェー・オブ・ライフと言われて、アメリカ人らしい生活様式、アメリカのはジャズであるとかプロ野球であるとかあるいは車であるとか、では日本はどんな文化を生み出したのかなということを考えたときに、これは私、余り冗談ではなくて、カラオケというのは一つの立派な文化をつくって、東南アジアヘ行ってみるとどんどんそれが広がっているんです。私もクアラルンプールに一九九〇年に行ったときに、クアラルンプールでもカラオケのボックスがございました。どんどん中国へ入っています。  そういう意味で、私、ちょっとカラオケの話から話をしたのは、きょうはもう恐らく大分退屈をされているでしょうからそういう話をしたんですが、これは知的所有権の問題がどうなっているのかとちょっと調べてみたんです。例えばカラオケをどのぐらい輸出しているんですかと通産省で調べたら、テープ方式のカラオケのみわかるけれども、最近のはやりのいわゆるレーザーディスクを使ったようなもの、これはわからない。全部、民生用電子機器全体となっている。まして東南アジアの国々にどれだけ輸出しているかもわからない。  東南アジアの国々、とりわけ中国といったような国々はこういう日本の知的所有権と言われているものがどのように使われているのかということについて、実はアメリカと中国、この間大変な交渉をやっていましたが、日本においてもこの問題をやがてつくっていかなきゃいけないんじゃないでしょうか。日本の文化、日本のいわゆる知的所有権と言われているものの問題でございます。  その際、ソフトに関する著作権、これは文化庁に調べていただいたところ、これはソフトウエアですからその著作権は特許庁じゃないんですね。それを調べたら、文化庁には資料がございませんということだったんです。(「予算がない」と呼ぶ者あり)予算がないんだったら予算をつけなきゃいけないんですが、これからこの種のいわゆる知的所有権と言われているものの輸出というのはどんどんふやしていかなきゃいけない。  私たちがアメリカ映画を見て、最近、知的所有権の影響だと言われているんですが、終わった後、この間も最近の一番新しいアカデミー賞の「フォレスト・ガンプ」というのを見ましたけれども、一番最後にずらっと次々とスタッフの名前からもう全部出てきます。何であんなに長いんだろうともううんざりするほど長くあります。それは全部知的所有権をそこで保護しているんだということをいわゆるアピールしているんだと思うんですね。そのくらい非常に敏感になっています。  その意味で、私は今後これからの貿易ということを考えたときに、WTOでもこれから始まるだろうと思いますが、今ソフトに関する日本の著作権、例えばアニメだとか、日本では映画はだめだけれどもアニメは輸出している、これも一つの日本の文化かもしれない。そういう意味で、経済がある意味では今大変、きょうは円高問題の集中ですからそういう議論はもうここで終わりにしますが、もっとこういった点についての文化庁予算もふやし、知的所有権をきちっと保護していく、そういう体制をつくっていかないと、このアジアの国々において我々はこれからいろいろと、APEC等もあるわけでありますが、ひとつその点をよろしくお願い申し上げたいというふうに思うわけです。  それと、総理がおられないんで、官房長官、もう一つ申し上げておきたいわけです。  もう時間が残り少ないわけでありますが、ある学者の方々から政治家に対して要望が出されたんです。それは日本の政治家がアメリカや外国へ行かれたときに、政府高官やプレスの人たちだけと会うのではなくて、できれば大学に行って、そして日本の政治情勢なり今直面している日本の課題、世界の課題なりをぜひ講演しなさいと。  それはどうしてなんですかと言ったら、いわゆる草の根交流をするときに、やっぱり大学に行って学生さんや教授の人たちを相手にしてそこでスピーチをする、日本の政治家がしゃべる、これは非常にこれから重要になってくるんじゃないかなと思われます。これからハリファックスのサミットだとか、あるいは四極通商会議に通産大臣も行かれるでしょう。あるいはG7にも行かれるでしょう。あるいは一人一人の政治家もこれからはそういう動きをしていく必要があるのかな、それが広い意味での国際交流、国際連帯ということがあるのではないかということで、時間がなくなったらまずいので、その点を先にお話を申し上げ、要望しておきたいと思います。  それでは、早速細かい緊急対策から入っていきたいと思います。  私も実は与党の円高対策プロジェクトチームのメンバーに加えていただきましたので、今度の内容についてある意味では責任を持つ立場にある、与党の案に対しては責任を持つという立場にございます。そういう観点で、まず今度出された案に対して私自身いろいろ考えている、補強という立場でいろいろと質問させていただきたいわけであります。  円高の要因の問題については、もうるるお話がございました。そこで、いわゆる八十円を切るまでの直接的な要因は何なのか。これは投機筋に、自動車あるいは同部品交渉について、これが不成立の場合にはもう七十円台に突入しますよということのシグナルだというふうに見るべきだという、そういう声が出始めているわけです。その際、だから自動車・同部品交渉についてこれはある意味ではもう譲ったらどうだと、こういう実は意見が出ているんですが、私はこれについては基本的に反対なんです。  通産大臣にお聞きしたいわけですが、つまりこの交渉は日米でやっていますが、この日米の交渉というのは世界が見ている。もしこれで日本が安易な数値目標を結んだ場合にはアジアの国々やEUはどういうふうに思うのかその点お聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) アジアの国々、EU共通して申し上げられますことは、包括協議の外であるということを再三確認をしながら、なおアメリカが大変こだわっておられるボランタリープラン、これに日本が屈伏するとすればこれは大変なことである、ここは日本がしっかりと踏みこたえてもらいたい、これが一点であります。  同時に、二点目は、アメリカに対して妥協するならそれは我々にも均てんされるべきであるという考え方でありまして、これはEU、アジアの各国に共通した姿勢と申し上げて間違いないと思います。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 その意味で、私たちは自由貿易体制というものをやはり堅持していこうという観点に立っております。  その観点で、今度は大蔵大臣にお聞きしたいわけですが、実は与党で議論をしたときも、最近の円高になっている要因の中に、アジアのイマージングマーケットと言われている国々のいわゆる円買いドル売り、それが非常に大きな要因になっているがゆえに、その対処方法としては、いわゆる非居住者がTBを買うこと、あるいは日本で非居住者が預金をしております、その預金をしているものに利子つけるなとか緊急避難だけれども、そういう対応をとったらどうだ、こういうことがあると言われておりました。  私は、日本という国は、自分の国が困ったら外国に対して非常にある意味では、おまえさん方今度は利子つけないぞとか、さまざまなやり方をやるという点で、これはいわゆる円を国際化しようというときによくないというふうに考えているんですが、この点いかがお考えでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) まずアジアの通貨当局の間で、お話しのように、外貨準備の一部をドルから円あるいはマルクに資産がえする動きが活発化しているという報道があるのは承知をいたしております。各国とも基本的には数字までは公表いたしておりません。そういう意味で数字で確認することはできませんが、市場関係者の話を総合すれば、円借款など円建ての負債に見合った円建ての資産を持つことで円高による返済負担の増加というリスクを軽減させようという意図があると、こういう解説がなされておりますし、事実そういうことではないかというふうに認識をいたします。  今回インドネシアに行ったときに、二、三の各国の関係者と会話を交わしておりながらも、こういう事実があると、数字まではわかりませんが、確認をいたしました。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 ぜひ私は、こういうところで国際性といいますか、国際的な姿勢を示すべきだというふうに思っております。  さて、日銀の介入のあり方の問題についてお聞きしたい。日銀にではないですね、日銀介入ということは大蔵省にお聞きするということになるんでしょうか。  それはいわゆるヘッジファンドと言われているものが投機を進めているということであれば、それに対してどうも日本の介入の仕方というのは余りうまい方法をとっていないんじゃないか。つまり投機筋が、大体今度は日本はこういうふうにやってくるだろう、こういう扱いをするだろうということをそのまま読んで、実はそれを見られているがゆえにこのままずっと円高が進んできているんじゃないのかということがございます。  実はこれは三月の初旬だったでしょうか、宮澤元総理だとか、ダラーラさんだとか、あるいはリチャード・クーさんたちが日曜日に対談をいたしましたね。そのときに、ダラーラというアメリカの元財務省の役人だったんですが、この人がこういうふうに言っているんです。  介入をするときには、のべつ幕なしに介入しちゃだめだ、潮どきがあるはずだと。いわゆる市場の中で、どうやらこれは変わりそうだな、そのときに効果的にしかもかつ協調してやらなきゃいけない。この間の介入のあり方というのはどうもこういう介入であったのかどうなのかちょっと私ども確かめようがないんですが、どうでしょうか、大蔵大臣、この点ひとつ御意見があればお聞かせ願いたい。

加藤隆俊大蔵省国際金融局長

○政府委員(加藤隆俊君) 市場への介入の有無についてコメントすることは事柄上差し控えさせていただきますが、今までの国際会議の議論において私どもは、どちらかといえば市場での対応ということに対する信頼感と申しますか利用価値というものを他のG1OなりG7通貨当局よりも重きを置いて見る傾向があるというのは、これまでの私どもの間の議論の中ではそんな流れがあったような感じもいたしております。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 何かおっしゃっていることがよくわからない。  それで、大蔵省の大先輩の大場智満さんが、私ども与党が実はレクチャーを受けたとき、要するに損をするような介入をしたら、つまり日本国民にとってそれは損をさせているんだから、こういう介入は間違いですよと。やるからにはぜひとも日本の国民に利益があるような対策を打ってもらいたいなというふうに思います。これは要望でございます。  緊急対策としてまだたくさん考えていることはございますが、以上を申し上げまして、続いて今度、金融の問題をちょっと話をさせていただきたいと思います。  まず日銀総裁にお尋ねしたいと思うんですが、先ほど来の金利の問題ですね。ドイツがいわゆる公定歩合を引き下げた。日本はそのときに低目誘導だったんですね。なぜ日銀は協調して進めなかったのか。  先ほど来の答弁を聞いておりまして、日銀の金利政策は、もちろん専管事項だということは私もわかるんですが、先ほどからずっと聞いておると、景気がまずどうなるかということを非常に重視されておりました。為替のためにやらないと。しかし、為替が日本の経済に大変なダメージを与えたわけです。急速な円高は非常にこれは悪影響があるとした場合には、日米の金利差問題を含めて先ほどの協調介入と同じように金利政策としてきちんと対応すべきだと思うんですが、その点いかがお考えでしょうか。

松下康雄日本銀行総裁

○参考人(松下康雄君) 私ども確かに金融政策を発動する場合に、それを直接に為替レートをどうする、あるいは例えば株価をどうするというようなことを個別の目的として発動するということは適切ではないのでありますけれども、やはり総合的な経済情勢を判断しまして金融政策を発動するということになりますれば、例えば為替市場の動向あるいは株式市場の動向が実体経済あるいはその実体経済の今後の方向につきまして非常に大きな影響を与えると認めました場合には、当然そのことを織り込みました上で全体の経済に対してどう対応していくかということを考えているわけでございます。  この考え方は、実は現在の各国の主要通貨当局も同様の判断をいたしているわけでございまして、例えば先般、今お話しのございましたドイツが公定歩合を下げましたときの発表によりますと、ドイツの中央銀行はその政策目標の中間的な目標として、マネーサプライと申しますが、通貨の供給量を中間目標に置きまして、この動向を見ながら金融政策の発動をすると。今般、この目標といたしておりますM3という種類の通貨のサプライが非常に停滞をしてまいった、これが経済状態に及ぼす影響の一つの停滞のシグナルであると受けとめて自分たちは公定歩合を引き下げたというふうに申しております。  もちろん結果的に見ますと、そうやって公定歩合を引き下げました効果が今度は逆に為替なりあるいは近隣国の金融政策なりに影響を持つことも事実でございますから、ただ発動の考え方といたしましてはそういうふうにいたしておるということでございます。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 松下総裁、今お聞きしたとき、為替相場に対してそれを直接とは見ないとおっしゃいましたけれども、諸外国の中央銀行は信用システムを維持しなきゃいけない、それと自国の通貨の価値を安定しなきゃいけない、これが二つの大きい課題ですね。そうすると国内における通貨価値、これはもちろんフローにおける物価上昇とかストックにおけるインフレだとか、これについてもちろん見なきゃいけない。そうすると国際的な通貨というのは立派にこれは円の価値を安定させるという課題に入るんじゃないですか。  それで、もう一つお聞きします。  私は、どうもそこら辺も含めて考えたときに、これを決めるのは日銀の政策委員会ですね。政策委員会の構成というのは一九四九年以来ほとんど変わっていない。しかも、日銀法というのは一九六一年以来ずっとたなざらしにされたままです。日銀法は昭和十七年にできているんです。これはもう非常に何といいましょうか、読んでみてびっくりするような中身でございますよね。  「政策委員会ハ委員七人ヲ以テ組織ス」、第十三条ノ四。その中に、日銀総裁、大蔵省、経済企画庁代表者、次に金融業を代表する者として地方銀行それから都市銀行ですか、それから商業及び工業に関し識見を有する者、農業に関しすぐれたる経験と識見を有する者、これだけですね。間違いありませんね、これは。  そうすると、これは今の産業構造を反映したものになっておるんでしょうかね。これはもともと、こういう政策委員会というもの以上に日銀というものの全体の中の金融のあり方みたいなのがあるのかもしれませんが、そういった点も含めて日銀総裁がこの問題について日銀法をどのようにされようとしているのか。  これは片仮名で書かれています。しかも、第四十二条には「日本銀行ハ主務大臣之ヲ監督ス」と書いてある。大蔵大臣が監督する。そうすると、日銀の専管事項だと私たちは言っているけれども、それは経験則でずっと言っているのであって、きょうは法制局長官は来ていませんが、法律上ずっと追求していったらこれは大蔵大臣がやっているんだよということになっちゃう、あるいは問題があれば大蔵大臣が指摘するということになっちゃうんです。  この点、今の問題を含めて私は、もう少し日銀の中で機動的に今の世界経済あるいは国内の実態というものが非常にきちんと反映されるようなものに、政策委員会の構成も含めてどうなっているのかなということをわからないものですから、そこら辺も含めて教えていただきたい。

松下康雄日本銀行総裁

○参考人(松下康雄君) 初めに、まず各国の通貨当局の政策目標についてでございますけれども、私も就任以来何回か各国の中央銀行総裁と会談をする機会も持ちましていろいろ意見を交換したこともございますけれども、やはり現状におきまして、各国が国際通貨制度との関係で自国の金融政策をどういうふうに動かしていくかというときの考え方の基本は何かという点につきましては、それぞれの国が自分の国でインフレなき持続的な経済成長を達成できるようなそういう経済政策をみんなの国がそれぞれとっていくことで、それを全部ならした場合に為替レートというものの実質的な安定が達成されるという意見をお持ちでございました。私もそれはごもっともなことであると思いまして、私どもといたしましてもそういう基本的考えをとっておるところでございます。  それからただいまの政策委員会でございますが、これは御承知のように、戦後間もなく、昭和二十四年でございましたか日銀法の改正がございましてその制度が採用されましてから今日まで続いているところでございます。その間、日銀法は戦前の立法でございますので、その法律の書き方でありますとか構成でありますとかにつきましては、ややその時代の空気を今日そのまま残しているというところはございますけれども、戦後の日銀政策委員会制度の導入ということによりまして中央銀行の独立性の尊重という本来的な一つの柱を立てていただいて、その後その点はこういう精神の中で政府の中におきましても御理解をいただきながら今日まで運営をしてきているところでございます。  この法律全体につきまして、あるいはよい時期がございましたらば、今のような制定の経緯でございますから見直しを考えるべき時期が来ると思いますけれども、現状、ここの部分だけが特に支障があるからという、そこを変えるべきであるというふうには私は考えておりません。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 なぜその話をしたかと言いますと、大蔵大臣、日銀総裁と、八六年から八九年、九〇年までのバブル、今は二つの信用組合の救済とかいろいろなことを言っていますけれども、あのバブルを起こしたことの責任というのはどこにあるのかということが公的な場で実は明確になったことは余りないんです、いろんな人からいろんなことを聞いていると。それはじゃどちらにあるのかといったら、それは日銀の金利でございます、いや片や大蔵省のあれですという、そういう意味でも責任の所在があいまいになるようなものを日本に残しておいたらまずいのではないかというふうに考えるんです。この点はもうこれ以上時間がありませんからお話し申し上げませんが。  そこで、いよいよ五月の連休を前にしてこれから海外旅行のシーズンになってまいります。何か急にまたちょっと話があれになっちゃうんですが、なぜそんな話をしたかというと、四月十一日のある新聞に、東京銀行がドルの両替手数料の引き下げ、十七日から一〇%と。私もこれを見ていささか驚いたんです。  今まで一ドルを両替する、私たち最近はトラベラーズチェックとか別のものを使っていますが、昔はドル紙幣に円からかえるんですね。そうすると、一ドルかえるごとに大体これは三円です。ドルからまた円にかえるときにまた三円でしょう。そうすると六円ですね。これが実は何と一九七〇年代の前半あたりから変わってない。つまり一ドル三百六十円レートのときも六円、そして九十円になったあるいは八十円になった今も六円。ずっと調べてみたら、これは全部の銀行が横並び、同じです。これはA行、B行としか言ってくださいません。A行だけがようやくドル売りが二円八十銭で買いが三円というところが一つあるだけで、横並び。  それから証券取引法第百三十一条による現行株式委託手数料というものですが、十億円を超えるものは自由になりましたよと言っているけれども、各行のは、ABCDはいいんです、全然教えてくれないんですよ、証券局は。証券会社はこれは公表しておりません。これは全然わからない。そして銀行の、例えば私たちがキャッシュカードを使ったりいろいろ両替手数料を振り込んだりする、その手数料を各行ごとにそれを全部一覧表につくれませんかと言ったら、一行ずつべろべろっと来た。これを横並びにするだけでもえらい時間がかかった、きのう来たんですけれども。資料を請求してもえらく不親切なんですよ。  私はなぜそういうことを言うかというと、これは公正取引委員長にお尋ねしますが、このいわゆる手数料であるとか、大蔵省関係の手数料やあるいは金利は今自由化をされたといいますが、そういうものについて一般に非常に、カルテルとは言いませんよ、カルテルがあったら大変なのかもしれません、しかし横並びがずっと続いていったり、しかもそれが長い間続いたりしているんですね。そうするとこれは、一番規制緩和が進んでいないのはあるいは自由競争が進んでいないのは大蔵省管轄のところじゃないのかという批判を受ける。そうすると公正取引委員会の委員長が、歴代ずっと委員長をやっておられると疑われちゃうんじゃないでしょうか、どうなんでしょうか。  この点、決して私は小粥委員長にあなたがそうだと言っているんじゃなくて、そういう状況にあるということをどのようにお考えになるのか、あるいはもしそういうことではないということであれば御意見をお伺いしたいと思うんです。

小粥正巳公正取引委員会委員長

○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねでございますけれども、金融あるいは証券業界において手数料その他金融商品の価格が横並び的、そのような現象が見られるのではないか、そういう御指摘でございます。  私どももこれらの業界における金融商品の価格については大変関心を持っているところでございますし、比較的最近もヒアリング調査などを実施したところでございます。  ただいまの御指摘にありますように、具体的な例えばある手数料というように、金融商品の価格が競争事業者間で全く横に並んでいる、そういう現象があったといたしまして、その場合に、もしその事業者間で例えば情報交換等が行われている、それによって暗黙の了解でありますとか共通の意思が形成されていると、もしそういう事実があるあるいはその疑いがあるという具体的な端緒がありましたら、これはもう申すまでもございませんけれども、私ども当然独占禁止法の立場から厳正に対応する所存でございます。  ただ、念のために申し上げますけれども、この事業者間の競争の結果として、これは一般的な表現でございますけれども、ある商品の価格が同一の水準に競争の結果収れんするということはこれはあり得るわけでありますから、その結果が同じ水準であるということをもって直ちに独禁法上問題にするということはできないわけであります。しかし、強調を申し上げたいのは、価格が具体的に形成されるその形成の過程におきまして事業者間で公正かっ自由な競争が行われているかどうか、そこのところを私ども常に注目をしているわけでございます。  そこで、今、一般的な御指摘をいただいたわけでございますが、あえてつけ加えさせていただきますと、御指摘の金融・証券業界のように、例えば信用秩序の維持でありますとかあるいは利用者保護の見地から、これは御案内のように、例えば参入規制が厳格に行われております。あるいは今お取り上げになりました価格の規制、これも少なくともこれまではかなり行われておりましたが、これが今御指摘もありましたけれども、最近のいわゆる国際化、自由化の流れの中で、この金融商品につきましては価格についての規制はかなり大幅に緩和をされてきた。例えば昨年の十月に流動性預金金利の自由化が行われましたように、現在その預金金利の面ではほとんど規制というものはなくなった、こういうふうに見ておりまして、私ども競争政策の見地からは大変これは評価したいと思っております。  ただ、申し上げたいのは、このように政府規制が厳しく行われてきた業界では、その業界にともすれば規制緩和後もいわゆる横並び的な行動なり意識が残っているということは私ども端的に感じておりますので、これらの点につきまして本当に公正自由な競争が行われているかという点を常に関心を持って注視していきたい、また必要に応じていろいろな調査も行っていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 本当にぜひとも、大蔵省出身者であるがゆえにここは甘くなっているんじゃなくて、よく知っているがゆえに逆に厳しくと、これぐらいの実は私は対応をやってもらいたいと思うんです。  アメリカのSEC、証券取引委員会ができたのは、あれはたしかケネディさんのお父さん、この人は大変この種のことに関しては悪いことをやるというか、よくそういうことをやっておられた方らしいですね、よく存じておりませんが。それで、そういうことまでやれるんだからよく裏の裏を知っているだろうということでつけられたそうです。  そういう意味では、私はやはりこれからの政府が任命する各種委員というのはそういう人でないとまずいのかなというふうに、いや、そういう人というのは悪いことをするというんじゃないんですよ、よく知っていらっしゃってそれをちゃんとふさげる人と。  ちなみに、私は国会議員になってまだ二年半で本当にまだよくわからないですが、最近つくづく思うんですが、あの政府の任命する委員の方で、よく国会で承認案件になりますね、どういう経歴でどういう経綸を持っていらっしゃるのか。アメリカでは、上院できっとあの種のものは全部審査保をして、そしてああこの人は清廉潔白だ、この人はこの行政をやるのにふさわしいということを国民の監視の前で実はやっておられるというふうに聞いております。私はそういう格好に変えるべきではないかなというふうに思っておりますが、これは個人的な見解でありますから、また別途いろいろと皆さん方にぜひ議論願いたいと思います。  さて、金融の面で最後にちょっともう一つお聞きしたいと思うんですが、それはBIS規制というやつです、バーゼルにあるBIS、国際決済銀行の。今、デリバティブまで拡大されて検討している、こうおっしゃっているんですが、その前に、一九八八年に導入されたこのバーゼル合意、BIS規制、ティアⅠが四%でティアⅡが四%、その後ろの四%は含み益を四五%まで算入してよろしい、最初の方は八%を自己資本、ですから十二・五倍までしかいわゆる与信機能ができない、こういう仕組みですね。それで、大変これはミクロ的に見たら銀行を非常にある意味では規制をしていくのにはうまかったと思うんですが、この大不況の中で、平成不況の中で、この含み益四五%を入れたことがかえって実はうまくなかったんじゃないのかなというふうに言われているんです。  これは大蔵省の専門家にお聞きしたいんですが、つまり与信機能が本来ふえなきゃいけないときに株価が下がっちゃってその含み益が少なくなっていった、そうすると与信機能が減っていくわけですね。だから、そうすると非常に圧縮しなきゃいけないという大変まずいシステムじゃないか。そうすると、これは例えばセーフガードを入れるとか、そういうものを入れておかないとまずいんではないかというんですが、この含み益四五%を入れるというふうに言ったのは日本だというふうに言われています。  そこら辺も含めて、余り時間がありませんが、少しその点の問題点をどう解消されるのかそしてデリバティブが入ってきたときの規制のあり方はどのような方向で考えられているのか明らかにしてもらいたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) いわゆるBIS規制におきまして、ディアⅡ項目の一つとして株式の含み益というものを算入いたしましたのは、会計上の処理の取り扱いが各国において少し違いがあるということが原因でございます。再評価準備金を自己資本に算入できるというような国と日本は違いまして、そういうことが認められていない我が国が金融機関の競争上不平等にならないようにということで、競争の一層の公平性を図るという見地から、御指摘のように、我が国が求めてこのような取り扱いを認めてもらったと、こういう経緯でございます。  これがよかったか悪かったかということについてはいろんな評価があり得ようかと思いますけれども、私どもは当時以降、日本の金融機関の経営の実態からいたしまして、自己資本の計算上このようなやり方が望ましいということでやってきておるわけでございます。  ところで、その後、株式の価格というものが変動いたしまして下がってきておることがこの自己資本比率の達成ということにどういう影響を与えておるかということについては、非常に大きな問題ではございますが、幸い現在のところ八%を超えるということについて非常に大きな支障になっているという状況ではございません。今後、そういう問題を考えながら対応していきたいと存じております。  なお、こういう従来からの自己資本比率規制は信用リスクと言われているものを対象としたものでございますが、最近、デリバティブ取引の発達等にかんがみまして、信用リスクのみならずマーケットリスクをも考慮に入れたものとすることが必要だという改革案が発表されております。現在、国際的にこのような方向でまとめられようとしておるところでございますが、デリバティブ取引が適正に行われるための環境整備として適当なものではないかと考えておるところでございます。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 金融の方はそれくらいにして、今度財政の方でちょっとお伺いしたいと思います。  今度の政府案の中で、大変私は大きな画期的な中身が入っているんじゃないかと。それはいわゆる赤字国債も含めて今度の補正予算を組んでいくという決意がなされたわけです。これは今後とも私は、基本的に従来の建設国債と赤字国債という、四条と特例という、その分け方は非常に問題が多くなってきているんじゃないかというふうに思っているんです。  その点ひとつ、大蔵大臣、当局は恐らくかなりいろいろ財政的なことを考えたんでしょうが、私の条件は、別途この財政の節度をどのように守るかという歯どめの議論は必ず置かなきゃいけないけれども、しかし赤字国債、建設国債というこの分け方の問題については、建設国債は将来道路やそのものが残るからいいとかそういうような問題ではちょっと大変なんじゃないかなというふうに思っているんですが、その点いかがでございましょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 今回の円高という事態に直面して我が国の経済政策を政府として打ち出していく中で、いわば内需主導の柱になる補正予算の対応をどうするかということが真剣な議論になりました。震災発生以来、この震災の財源をめぐってはいろんな議論が国会でもございましたし、どちらかといえば、もう国債だという主張も多うございましたが、国民全体の共感の中である程度の負担もやむを得ないという御主張もあったように思っております。  しかし、三月以来の円高局面というのは日本経済全体の情勢を大きく変えてきているわけでありまして、いわばこういう非常事態に直面をしているということを認識いたしますと、私もここはもう目をつむって公債の発行を肯定し、その中には当然、今の税収状況等を見ますと、震災だけに関しても瓦れき対策等も継続してまいりますから、いわゆる建設国債では対応できない費目もたくさんあるわけです。そういう意味で、赤字国債の発行も避けて通れないという認識を持ち、今回のような姿勢を打ち出すことに相なった次第であります。  問題は、今後どうするのかという議論でありますが、確かに赤字国債と建設国債をずっと議論してくる中で、赤字国債はだめ、これはもう二度と出してはいけないという思いが確かに大蔵省にもありましたし、国民の皆さんの中にもあったと思うんです。建設国債は、まさに名前が建設であるように、将来資産を残していく、したがって将来世代も負担をするというのはそれなりの合理性もあるということから、何となく建設国債が充当できるものはもうどんどん充当していくという状況に変わってきております。赤字国債はやめる、しかし建設国債はどんどん目いっぱい出資金であろうと何であろうと充当すると。最近は研究者の研究費まで建設国債ではどうかという議論も起こっているわけであります。  これがしかし、結果的にはまた公債増発の道に通じていることも事実でございますだけに、この辺で、この局面で公債を発行して日本の経済対策は真剣にやっていくということは、今年度の補正対応としてはこれでやっていきたいと、しかし当然財政再建をどうするかという、今まででもかなり大きな公債の累増があり、あれだけの数兆円のやりくり算段といいますか、をしながら御批判を受けて予算をお認めいただいている状況でございますだけに、国会も政府もどういうふうにこの我が国の財政を健全化する方向で対応していったらいいのか、これはまた真剣に議論をしなければいけないというふうに思っております。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 私が評価をすると言ったのは、今回の対策で何が注目されているかというと、やっぱり政治が本当にこの危機を受けとめたなということのあかしたと思うんですね。従来、公共投資というものの配分のあり方が運輸、農水、建設の中ではほとんど変わっていかない。何だ、ほとんどこれは官僚機構に牛耳られたまま、実はそれを追認しているにすぎないじゃないか。そういう意味で、これはそれを認めてきた我々政治家にも全部問題があるのかもしれませんが、そこのところを変えていく。今度は情報産業のインフラをつくったり、そういう意味では大きく変わっているわけです。これをそのまま来年度予算の編成の中にも貫くということが入るとこれは、あっ、日本は違ってくるなというふうに思われるんです。  そこで、我々日本は輸出国です。もう世界でも有数の輸出国だと思うんですが、日本の国内における学校教育の中でパソコンの普及率は諸外国と比べてどうだということをお聞きしておりましたけれども、文部省ですか、これをちょっと教えてください。

井上孝美文部省初等中等教育局長

○政府委員(井上孝美君) お答え申し上げます。  社会の急激な情報化の進展に対し適切に対応するため、文部省といたしましては学校における情報教育の充実に努めているところでございまして、コンピューターの整備等を積極的に進めているところでございます。  文部省が毎年実施しております情報教育の実態等に関する調査によりますと、平成六年三月末現在コンピューターを設置している学校の割合は、小学校におきましては六六・一%、一校当たり平均五・三台でございます。中学校におきましては九八・四%で、一校当たり平均二十二・一台。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 国際比較なんです、聞いているのは。国際比較。

井上孝美文部省初等中等教育局長

○政府委員(井上孝美君) 後ほど申します。  高等学校におきましては九九・九%で、平均五十二・七台となっております。  また、諸外国におけるコンピューターの普及率につきましては、国際教育到達度評価学会の先進諸国についての調査によりますと、一九八九年時点のアメリカにおける一校当たりの設置台数は、小学校で十六台、中学校では十八台、高等学校では二十七台でありまして、旧西ドイツでは中学校十一台、高等学校十四台となっているところでございます。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 やっぱり小学校、中学校あたりからパソコンを駆使してそしてやり始めるということは、今後の我々情報化社会をつくっていくときには物すごく大きい知的インフラになってくるんじゃないでしょうか。  これは後で産業政策を通産大臣にもまたお聞きしたいと思っておるんですが、その意味でこれからの公共投資ということを考えたときに、ヒューマンキャピタルというところに、人材というところの育成に金が行かないと、実は日本の国自身、二十一世紀というのが大変危ういというのが大体合意事項になってきたんじゃないですか。そうしたら、そこにどのように財源的にインフラをつくっていくためにやるのか。  ある外国人が、アメリカ人だったか忘れましたが、東北地方を明治の初めに歩いて、一番立派な建物はその町の小学校だったと。つまり明治の初めにそれだけ教育にかけて日本の今日の繁栄があると言われているんですよ。  その意味で、これから六百三十兆円の公共事業が行きますが、もちろん必要な道路だとかそういうインフラを整備しなきゃいけないと思うんですが、将来、二十一世紀の高齢化社会になったときに、六百二十兆円まで広げて、もちろん単年度じゃありませんが、そうなったときにある意味ではメンテナンスというのが本当にやっていけるかという心配があるんです。ダムにしてもしかりです。砂がたまっていくダムだとかひび割れがしているんじゃないかとか、そういう声も出ているわけです。その意味では財政政策のあり方を、私は、ここに本当は総理がおられれば、総理どうですか本当にここで変えませんかと。我々政治家の方もそのかわり考え方を変えなきゃいけないと思うんですが。  これは官房長官にお聞きしていいんでしょうか、大蔵大臣にお聞きしていいんでしょうかぜひそこの決意みたいなものを短時間で。大蔵大臣、どうでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 私どもは、今のお話のとおり、かなり積極的に変えていかなければならないと思っています。もう事務当局もそういう努力をここ二、三年始めているわけでありますが、しかしこれは国会といいますか政治のさまざまなかかわりもありまして、なかなかある部門、ふやすところは大体いいのでありますが、削るということに対してはすさまじい抵抗が出てまいります。昨年度漁港が減ったとしますと、ことしはもうその漁港をちゃんと修復してもらいたいと、こういうリアクションになってきますから、なかなかこれは容易じゃありません。  しかし、たとえ〇・一であれ〇・〇五であれ、何年かかけてこつこつ努力をしていこうというのが私どもの意図でございましたが、今回、幸いこういう補正措置という中では、むしろそういう枠にとらわれないで何が必要なのかということから情報通信や研究開発というふうなことが政府、与党で合意をされたわけでございますから、こういうことが一つの実績になって、もう少し思い切って予算のシェアを変えていくきっかけにすることができるのではないかというふうに思っております。  大蔵省としましても、ぜひ限られた貴重な国民の財政が時代の流れに有効に働くことができるように一層、何にどう限られた財源を充当させていただくか、どういうシェアで進めさせていただくか、今まで以上に真剣に取り組まなければならないと思っております。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 ある意味では、なかなか変わりにくいものは予算編成の権限を総理直属のところに、内閣に置くとか、そういう機構改革などもやはりこれは必要なんだと、従来言われていることですから、それらを含めて早急に変えていただきたいと思います。  残り時間が少ないですから、産業政策の方に移ります。  つまりこれだけ規制緩和を進めていく、あるいは円高対策を進めていく中で一番重要なのは、これからどういう産業政策をとったらいいのか。  そこで、通産大臣、私は前回質問したときにも、産業政策で一番重要なものは人材と技術と、それからマーケットに対する感覚、それに大臣はお金もお入れになると。そうだと思います。四つ入れたっていいと思うんです。今回の中にもニュービジネスが出ているんですが、大臣、十年前もたしかベンチャービジネスブームというのが出たんですね。それはうまくいかなかったんです。  それで、実はある大学の先生がヒアリングされたそうです、情報通信分野におけるベンチャービジネスに従事する人に。その中で二番目に多い要望が、一体どういう分野がベンチャービジネスとして魅力があり有望なのか、その点ガイドラインのようなものを行政の側で作成してほしいと。それからお金の面のベンチャーキャピタルのキャピタリストに聞いたんだそうです。彼らベンチャーキャピタリストの中には、ベンチャービジネスの融資におけるリスクヘッジの手段を政府の側で何とか考えてほしいと。これはベンチャービジネスの精神に違反しているんじゃないかなと思う。そうでしょう。ベンチャーじゃないわけです。  ということは、日本のこれから産業を考えるに当たって、私は前回、公取委員長と通産大臣、最後にもう話が分かれましたけれども、いわゆる独禁法第九条、持ち株会社の問題について議論しなきゃいけないときに来ているんじゃないかというお話をいたしました。  それは実はアメリカと日本の人材の流れを見ていると、必ずしも高学歴だからいいとは言わないんです。しかし、人材の優秀なと思われる、あるいは可能性を持った人間というのは大企業へ行ったりあるいは官僚に流れた方が多いんじゃないでしょうか。もちろんそれ以外にも弁護士になったりいろんな方はいる。中小企業の方になかなか行かないですね、日本の場合は。ベンチャービジネスを起こしたらそこに行くんだろうか。  そこのところを見たときに、私はやはり、通産大臣、いわゆる大企業のリストラや大企業の分社化等を通じて、可能性を持ちながらうつうつと、ある意味では今の年功序列的なシステム、これも崩れかかっていると言われますが、そういうところで苦労されている、いや苦労というよりも、うつうつとした気持ちを持ちながらやっている人たちが生き生きと仕事ができるような仕組みを考える方が、新たにベンチャービジネスをつくって、ベンチャーキャピタルをつくってそこにいろんな人材を流し込むというよりも私は早いんじゃないかということで前回あの議論を提起したんです。その点いかがでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党・自由連合通商産業大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は両方要ると思うんです。そして、委員は、まさにその分社化のような形態で、既存産業のリストラの中から新しい分野への移行をお考えになる。私は、これは当然のことながら必要だと思います。そして、現在既に大きな問題がいろいろな分野で起こっている状況の中ですから、私は本当に純粋に持ち株会社制限は一刻も早く公取さんに直していただきたいと思っています。しかし同時に、ベンチャービジネスというものを育成する努力というのも私は同じように必要だと思うんです。今のガイドラインをつくるという話はがっかりしましたが。  私は今、例えば大学院あたりの若い諸君の話を聞いておりますと、彼らは必ずしも大企業志向ではありません。むしろ研究所志向型、あるいはチャンスがあれば新しいものにチャレンジしてみたい、ただしその資金がないという感じがあります。そうなりますと、やはり私は、本当に民間の資金調達がしやすいように、これは金融・証券の市場においてぜひとも規制緩和を積極的にお願いをし、NASDAQに対応できるようなものを育成していただきたいとも思いますけれども、同時に、例えば労働省の人材派遣の規制をより積極的に緩めていただき、専門性を高めることによって違った分野にこれを拡大していくとか、いろんな道はあると思うんです。  ですから、私は必ずしも委員が御指摘のように大企業の分社化等のベンチャー、新規産業というものには固定すべきではない、両方とも我々は必要だと思っています。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 そうだろうと思います。ただ、現状における人材の蓄積度からすると、これから恐らくそういうベンチャーというようなところにも人がどっと行くようになる、もっとそれを仕組みとして整備しようと。しかし、今の大半の有能な人材がそこに埋もれているかもしれない、そこをやはり私たちはいかに引き上げていくかという観点が必要なんだろうと。  そこで、公取委員長、前回も最後、ある意味では論議をしなきゃいけないところで終わったんですが、私は公取委員長がおっしゃられたことは、戦後独禁法ができたときに、戦前の三井や三菱といったような持ち株会社の財閥をつくって競争制限を、競争制限というかそういうものをやっちゃいけないということの指摘は私ももっともだと思うんですが、そこで懸念されているいわゆる市場メカニズムを阻害するおそれがある性格を持っているとか、あるいは事業支配力の過度の集中を防止するという必要があると。もしそうであれば、今の独禁法で十分、今のあなた方の持ち株会社は明らかに競争を制限しているぞということで対応できるじゃないですか。私はそういうふうに思っているんですが、大変あれですが、短くちょっと答弁をお願いいたします。

小粥正巳公正取引委員会委員長

○政府委員(小粥正巳君) それでは簡潔にお答えを申し上げます。  私どもは、今の御指摘に対しては、事業支配力の過度の集中が行われて、それを例えば今の御質問の前提は解禁をしたらというお話でございましょうから、その場合に独禁法の他の規定で対応できるかというお尋ねに対しては、対応できない場合もあるのではないかそういう懸念を率直に持っております。  ただ、この点は今回の政府の規制緩和計画を踏まえまして、詳しくは申しませんが、いろいろな観点を踏まえながらこの持ち株会社問題の議論を深めるために検討を開始するということをはっきり申し上げましたので、ただいまの御指摘の点も十分踏まえながら議論をさせていただきたい、既に私ども検討を始めているということをつけ加えさせていただきます。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 時間がもう少なくなって、あとたくさん聞きたいことがまだあるのでありますが、規制緩和の問題についてお聞きしたいと思います。  その前に、総務庁長官の前に経済企画庁長官に、今年度のエコノミスト賞はどなたがおとりになったか御存じでしょうか。わからなければわからないで結構です。

高村正彦自由民主党・自由連合経済企画庁長官

○国務大臣(高村正彦君) 存じません。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 そうですか。日本銀行の調査をされた方なんですが、最後まで残った本の中に、経済企画庁長官のところの白川さんの「内外価格差」という本が最後まで残ったんです。私もこれ読んで本当に、この間もちょっとお褒めを申し上げたんです。  それで、前回もちょっとお話を申し上げましたマクドナルドのハンバーガー、最近ちょっと値下がりしたものですから、それでどのぐらいのまた内外価格差ができたかということについてちょっとお話ししますと、二百十円のハンバーガーが百三十円になりました。何ともう四割ぐらい下げたんですね。だから着実に価格が下がっているなということを実感できたと思っているんですが、それでもロサンゼルスで六十五セントですから、これを一ドル百十円じゃなくて今は九十円ですから、九十円で掛けますと内外価格差は二・一八倍なんです、まだ。まだまだあるんだなということを、マクドナルドのハンバーガーだけが唯一の基準だと思いませんが、この間お話ししたように、そこまで来ているということなんです。  そこで、規制緩和の計画が三年に前倒しになった。アメリカの友人に電話をしたら、これは村山総理がやむなく、八十円という円高、また急速に円高が進んだからマーケットにやられたんじゃないかと。総理の主体性でもってもうこんなものは五年も悠長にしてはおれないと、リチャード・クーさんが言うように時間は我々にとってアゲンストだということを考えてこの規制緩和計画が前倒しになっていないということが実は問題なんだと言っているんです。私も五年を三年に縮めるというのは大変なことだというふうに思うんですが、マーケットの人はそう見ちゃった。  総務庁長官、そういう点で規制緩和というのは漢方薬です。即効はないけれども、これが実は内外価格差を縮めていき、日本のこれからの貿易黒字の問題を含めて将来的に大変重要な問題になるし、円安に振れたときもそうなんです。その意味で、これは総理に本当はお聞きしたいところでもあるんですが、担当大臣でございますのでそこはひとつ、よし、じゃ政治がそこのところをマーケットに対してきちんと毅然たる態度を示そうというふうにすべきだと私は思うんですが、その点いかがでございましょうか。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合総務庁長官

○国務大臣(山口鶴男君) 御存じのとおりに、今度の規制緩和推進計画は、村山内閣が発足をいたしました直後七月に、五カ年間のタームでもって推進計画をつくるということを閣議決定いたしたわけでございます。総理の指示もございまして、できる限り透明性を確保してということなものですから中間報告もいたしまして、総務庁と内閣官房が各省庁とぎりぎりの折衝をいたしまして、三月三十一日、あのような形で五カ年間の計画を決定いたしました。  ただ、そこで今回の異常な円高対策、経済対策をどうするかという議論をいたしまして、その際、これはもう政治家が決断すべきであるということで与党の方は政策調整会議で御議論もいただいた。また、政府の方は関係閣僚で議論をいたしまして、政府と与党一体となって三年計画に前倒しをすると、そういう異常な決意であのような決定をいたしたということで御理解いただきたいと存じます。

峰崎直樹日本社会党・護憲民主連合

○峰崎直樹君 もう時間がありません。本当にお呼びしている大臣に申しわけないことを申し上げましたが、最後に、経過を聞いているんじゃないんです、そういうことに対して政治が本当にこたえなきゃいかぬということについて、これは官房長官、ぜひ総理の方にも伝えていただいて、ほっておくとまたゆでガエルになりますよということを申し上げていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で峰崎直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて円高問題及び景気対策等に関する集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十五分散会

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