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132回国会参議院1995/04/03

予算委員会 第18号

発言数
197
登壇者
27
会派数
9
開催日
1995/04/03

会議録

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題とし、地下鉄構内毒物使用多数殺人事件等に関する集中審議を行います。  質疑者等は、お手元の質疑通告表のとおりでございます。  それでは、これより質疑を行います。下稲葉耕吉君。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 三月二十日地下鉄サリン事件につきまして、質問に先立ちまして、とうとい命を失われました十一名の方々の御冥福を祈るとともに、御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。また、負傷されました五千数百名の方、中でもまだ多くの方が入院、治療を受けておられるわけでございまして、一日も早い全快を心から願うものでございます。また、救生活動に全力を注がれました警察、消防、自衛隊、それから医療関係の方々を初め多くの関係者の皆様、そして御協力いただきました多くの国民の方々に心から感謝申し上げます。  そこで、質問に入るわけでございますが、前提といたしまして、この地下鉄サリン事件の概要と、去る三月三十日に國松警察庁長官が狙撃され重傷を受けるというテロ事件が発生いたしました。まずその二つの事件につきまして概要を御報告いただきたいと思います。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) まず地下鉄サリン事件についての概要について申し上げます。  地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件につきましては、御案内のとおり、多数の死傷者を生じたわけでございますけれども、現在までのところ十一名の死亡者になっております。  この捜査につきましては、警視庁におきまして、事件発生直後三百名の特別捜査本部を設置し鋭意捜査を行っているところでございますが、現場において遺留されていた物件を鑑定した結果、サリンが使用された疑いが極めて高いところでございます。  現在、被害者、関係者から不審者、不審物件に関しての目撃情報の収集、関係駅に設置されていた防犯カメラのビデオテープの入手、分析、遺留された物件のより詳細な分析や入手経路の捜査等、犯人の検挙に向けて鋭意捜査を行っているところでございます。

杉田和博警察庁警備局長

○政府委員(杉田和博君) 長官襲撃事件についてでありますけれども、これは三月三十日の午前八時二十五分ごろ、長官が出勤のため自宅のあるマンションから出まして出迎えの車に向かって歩いておりましたところを、同マンション付近で待ち伏せしておった男がけん銃様の物で発砲いたしまして、長官に重傷を負わせた上、逃走したという事件でございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 国家公安委員長、そして総理にお伺いいたします。  まず地下鉄サリン事件でございますが、これは大衆交通機関を利用いたしまして無差別に犯行に及んだ極悪非道な事件であります。  世界で一番平和で安全な都市東京と言われ、世界に冠たる日本の治安のよさを私どもは誇りとしてまいりました。しかし、今や世界のマスコミも日本のマスコミ同様に連日この事件を報道し、安全な国日本というイメージは残念ながら一朝にして失った感がございます。  そのようなさなか、治安維持の頂点に立っている警察庁長官に対しまして、三月三十日白昼、自宅前において、ただいまお話がございましたように、銃によって襲撃された。あたかも日本の警察をあざ笑うがごとく発生いたしました。  本年一月の阪神・淡路大震災によりまして、国民はいつ大地震に見舞われるかもしれないという不安を抱くようになりました。さらにまた、このたび自分の周辺でいつ今回のような無差別多数殺傷事件が発生するかわからないという二重の不安が募る異常な事態になっております。空気や水みたいに、治安のいいのは当たり前だ、とかくこういうふうに思われがちでございましたが、平和で安全な社会生活ができるということはあらゆる、政治、経済、社会、すべての活動の根幹にある、その基礎である、このように思います。  警察庁長官に対する襲撃事件はもちろんのことでございますけれども、このサリン事件は草の根を分けてでも徹底的に捜査し、検挙し、その根源から絶滅して治安の維持に当たらなければなりません。警察の管理の責任者であります国家公安委員長と政治の最高の責任者でございます総理のこの事件を解決せずんばやまないという決意をお伺いいたしたいと思います。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘ございましたように、少なくとも治安が誇れる日本というのは、ある意味において我が国の文化そのものでもございましたし、また世界に冠たる我が国の治安の良好さというのは国民の誇りでもあったわけでございます。  けれども、委員からただいま御指摘がございましたように、三月二十日、地下鉄において何の関係もない一般市民の方々に、大衆に、大量に無差別にサリン系の事業と見られるものによって、死者十一名、そして五千五百名に余る負傷者を出しましたことは痛恨の限りでございました。私どもは憎みても余りあると思っておるのでございます。それだけに、今、委員から御指摘がございましたように、この問題を深刻に受けとめまして、全警察の総力を挙げて徹底した犯人検挙に臨みたいと考えておるところでございます。  加えまして、去る三月三十日、出勤途上におきます治安と捜査の最高の責任者であります國松警察庁長官に対する銃撃事件は、まことに警察をあざけり笑うような、委員が御指摘になりましたような行為でございました。許すことのできない犯罪でございます。私どもまた、この事件に対しましても徹底した捜査活動を行うことによりまして犯人の検挙に全力を傾けてまいりたいと思っておる次第でございます。  警察を所管する国家公安委員長といたしましても、これにかかわる一連の事件について、今、総力を挙げて警察がその活動をなし得るよう万全を期してまいりたい決意でありますとともに、国家公安委員長の責任をかけてこの事件の解明に当たりたいと考えておるところでございます。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) この機会にまた、政府を代表して、今御指摘のございました地下鉄サリン事件に関連をして亡くなられた十一名の方々の御冥福と、遺族の方々に対してお悔やみを申し上げたいと思いまするし、また今なお治療を続けておられる方もおられますし、多くの方が傷害を受けましたけれども、お見舞いを申し上げたいと思うものです。  これは全く何の関係もない不特定多数の方々の中で、無差別に傷害を与え、その命を奪うといったような事件はもう断じて許すことができない。こんなことは二度とないように再発防止のためにも徹底した捜索をやって、そして犯人を検挙する、こういうことが当面課せられた一番大事なことだというふうに思っておりますから、今、内閣を挙げて、総力を挙げて取り組んでおるところでございます。  また、治安の最高責任者を狙撃するなどというようなことは、これはいまだかつてなかったことなんです。私は、今、公安委員長からもお話がございましたように、どこの国に行っても日本ぐらい治安の維持がされた安全な国はないということを誇りに思っておりましたけれども、しかしこんな事件がございまして世界に衝撃を与えて、やっぱり日本でも起こったかこういう見方をされておるこの現状について、私はやっぱり名誉を回復するためにも、これは何としてもこの事件だけは犯人を検挙して再発を絶対に防ぐということが与えられた最大の課題だというふうに考えて決意をいたしておるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 総理初め、国家公安委員長の決意を伺いました。  そこで、再発防止の問題につきましてお伺いいたしたいと思います。  今回の事件はサリンを使用した事件だと言われております。サリンは人類を殺傷する以外何の使用方法もない毒性物質だと伺っております。先日、化学兵器禁止法を修正して制定されました。一歩前進でございますが、正直申し上げまして、本日ただいま現在、サリンを製造し所持し使用すること、これは何の罰則もございません。いつまたこのような事件が再発するとも限りません。警察にとりましても、このように日に日に科学技術というのは進歩いたしてきているわけでございまして、犯罪の広域化あるいはスピード化はどんどん進んでいるわけでございますが、警察の対応が後手後手に回っておるようではこれはとても相手の方が先に行ってしまってさまにならない、このように思うのでございます。  府県警察の垣根を取っ払った情報の交換あるいは共同捜査、科学技術の向上の図られた体制の整備等も必要だと思いますし、警察の中の分野でも、刑事だとか警備だとか公安だとか、あるいはまた交通だとか地域警察だとかあるいは保安だとかいろいろな分野がございますが、そういうふうなものを部内的にも有機的に結合いたしまして、総力戦体制を中でもあるいは広域的にも組む必要があるんじゃなかろうかこのように思います。  さらにまた、それほど世の中がどんどん進むにもかかわりませず、ここ四年間、警察官の増員というものが一人もございません。予算にいたしましても行政ベースでいろいろ面倒を見ていただいているわけなんですが、今申し上げますように、あらゆる政治経済活動の根幹に治安というものがあるというふうなことに対する政治的な配慮というものが欠けているんじゃないだろうか、このように思います。  そういうふうな点で、再発防止に関連いたしまして国家公安委員長あるいは総理大臣の御決意を改めてお伺いいたしたい。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) ただいま委員からお話がございましたように、最近の犯罪がまことに高度化され巧妙化されかつ凶悪化されておるという現状にかんがみまして、関係都道府県警察が一体となりまして、また関係各部門の力を総結集をいたしまして対処することが当面重要な課題であると考えてその体制の整備に当たっておるところでございます。また、組織、体制全体についても治安の確保を維持するために今後さらに検討を加えて十分な体制を整えてまいりたいと思うわけでございます。  なお、おっしゃいましたように、サリンを所持し、あるいは原料を持ち、これを発散させた場合におきます罪罰規定は、現在、我が国においてそういう事犯そのものを想定しなかったかと思いますけれども、法が存在しないことは事実でございます。先般の国会で御審議をいただきましたいわゆる化学兵器に関する法案をもっていたしましてもこれを十分重科することはできないわけでございますので、先般、閣内におきまして御協議をいただき、またそれぞれ国会関係の御理解をもいただいて、今、特別法の立法化にかかっておるところでございまして、近く国会の御審議をお願いしたいと考えておるところでございます。  さらに警察官の増員につきましては、臨時行政審議会の勧告に基づきまして今日までその増員を極力抑えてきておることは事実でございますけれども、各種犯罪の増発はもちろんのこと、先般来の銃器犯罪、さらには今日のサリンをめぐるさまざまな犯罪等を考えますときに、ぜひ警察官の増員並びに装備、体制の確立のためにこれから関係各方面の御理解と御協力をいただいてまいらなければならないと考えておるところでございます。  国会におかれましても、今御指摘ございましたように、十分な御理解を賜りますことをお願い申し上げますとともに、警察庁長官に対する銃撃事件あるいは地下鉄の事件等は我が国の法秩序に対する挑戦でもあり民主主義国家に対する挑戦でもあるわけでございますので、私ども警察の総力を挙げ、また各関係機関の御協力をいただきながら、万全を期して再発防止とそして犯人検挙のために、村山総理からも再三の御指摘とそして励ましをいただきながら現在やっておる次第でございますので、今後、肝に銘じてこの再発防止と犯人検挙のために対処してまいりたいと存じておるところでございます。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今、国家公安委員長からも答弁がございましたけれども、サリンと思われるような有毒ガスを使用した事件や警察庁長官が狙撃をされるといったような事件は、全く法秩序に対する挑戦的なこれはもう凶悪きわまりない事件でありまして、これは国民生活の基盤を不安に陥れるという重大な事件ですから、これはもう何としても、先ほど申し上げましたように、徹底的な捜査をやってそして犯人を検挙して、そして一日も早く国民の皆さんに安心をしていただけるという事態をつくる必要があるというふうに思うんです。  しかし、今お話もございましたように、これまでの常識では想定し得なかったような事件が起こっているわけでありますから、したがってそういうことも想定した上で治安の体制なりあるいは警察のあり方なり等々を十分やっぱり再検討する必要があるんではないかというふうに思いますから、今、公安委員長からもお話がございましたように、法の整備も兼ねて治安の体制というものをしっかり検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 総理にもう一点だけ再発防止に関連してお伺いいたしたいと思いますが、私がざっと考えただけでも、今度の事案についての関係省庁がいっぱいございます。  例えば、警察は今いろいろお話があったとおりでございますが、法務省にとりましても刑罰法令をどういうふうに持っていこうか、あるいは入国管理行政を法務省はつかさどっておられますのでその辺の問題もあろうかと思います。さらにまた、自治省は救急の問題もございます。あるいはさらに今度のオウム真理教関連では、市町村がいろいろ住民との関係で交渉がありましてトラブっているというふうな問題もございます。あるいは外務省は、外国におけるオウム真理教の動態をどの程度知っておられるかどうかという問題もございますし、あるいは旅券その他の問題も出てまいります。通産省は、先般の化学兵器禁止法の主管の役所でもございます。文部省は、これは関連の児童の就学の問題もございます。基本的には今度は宗教法人法とのかかわり合いでどういうふうな問題があるかということもございます。  大蔵省は、例えば宗教法人が収益事業をやっておる、そういうふうな場合の課税の問題なりなんなりもございます。あるいは郵政省は、この前は放送の問題がいろいろ取りざたされておりましたということもございます。防衛庁は、先般来の支援の問題だとか直接御支援いただくということと同時に、いろいろな物資の御協力というふうな問題もございます。あるいは建設省は、いろいろな施設の建築基準法上の問題で適法に建設されているのかどうか、いろんな問題がございます。運輸省は運輸省で、先般地下鉄で大変いろいろな問題がございまして、運行の問題なりなんなりございます。  ですから総理は、全力を挙げてやってくれとおっしゃるのはいいんですけれども、関係省庁がいっぱいございますね、どこかでかすり抜けちゃったらこれは犯人は挙がりません。またいろいろな問題が出てきます。私は、まさにこういうふうな事件こそ総理の何といいますか指導力というものを発揮される格好の事件と言っては語弊がございますけれども、事件じゃないかと思うんです。  総力を結集するということは言葉で言うのは大変易しいんですけれども、そういうふうなつかさつかさが一生懸命おやりになってそれを全体として結集するということが私は政治の力である、今それが要求されている、このように思うのでございますが、総理、いかがでございましょうか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 昨年、まあ主として銃というのは暴力団関係で使われておった、しかし地下鉄の中で一般の人がお医者さんを狙撃するとか、あるいはまた一般の住民まで巻き込んだ形でもって銃が使われるというようなことも起こる可能性がだんだん強まってきておる、したがって銃に対する取り締まりももう少し考えていく必要があるのではないかというふうな話も国家公安委員長といたしまして、そして銃刀法についての検討をし直そうと、こういう話もしておったやさきなんですね。ことしになってこんな事件が起こったんですね。  これは今、捜査の過程にありますから、したがって実態がどこまで具体的にはっきりするのか、まだ結論の出ない段階ですから断定的には申し上げられませんけれども、しかし今、委員から御指摘がございましたような関係する省庁というのはたくさんあるわけです。  ですから、そういう関係省庁がそれぞれ関連をする中で、どこかで抜け道があったり、どこかでまた何か逃げ道があったりするようなことがあれば、全体としてやっぱり取り締まりがなかなか徹底し得ないというようなこともあり得る可能性は十分あるわけでありますから、今御指摘のございましたような関係省庁等が十分連携をとり合いながら一体となってこの事件の解決に取り組む、こういう体制で臨むように指示もいたしておりまするし、そういう取り組みも現在やってもらっておると私は確信をいたしておりますから、これは事態がだんだんはっきりするに従ってそこらの点も解決されていくんではないかというふうに考えております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 積極的な総理の指導力の発揮を期待してやみません。  そこで次に、若干事件の内容に入りたいと思います。  まず本件地下鉄サリン事件でございますが、私は複数の犯人による同時多発の組織的、計画的な犯行だと認識いたしますが、いかがでございましょうか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 御指摘の事案につきましては、現在捜査中なので断定的なことは申し上げられませんけれども、委員御指摘のように、犯行の形態、その計画性等から組織的な犯行である疑いが強いものというふうに判断をいたしております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 二月二十八日四時二十分ごろ、目黒公証役場事務長の仮谷さんが帰宅途中、拉致された事件が起きました。現在までの捜査状況を簡単にひとつ御報告いただきたい。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 御指摘の事案につきましては、警視庁においてこれまで鋭意捜査を尽くしてきましたところ、本件事案にオウム真理教の関係者が関与しているという疑いが強くなりましたところから、三月二十二日早朝を期して、都内及び静岡、山梨両県所在のオウム真理教関係箇所二十五カ所に対し捜索を実施いたしております。  残念ながら被害者の救出には至っておりませんが、犯人と特定したオウム真理教幹部一名につきまして警察庁指定特別手配をするなど、早期検挙に取り組んでいるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 そうしますと、三月二十二日の一都二県二十五カ所にわたる捜索の罪名は何の容疑でございますか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 監禁容疑でございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 連日のように山梨県の上九一色村のオウム真理教の施設に対する捜索が続いておりますが、ずっと監禁容疑の罪名でございますか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 捜索につきましては、当初、逮捕監禁容疑で捜索をいたしておりましたわけですが、捜索現場におきまして多数の薬品類を発見、また押収をいたしました。それらを検討した結果、これらの薬品は殺傷用の化学薬品を製造することが可能なものということで、それらの薬品の保管状況等から殺人予備の容疑も考えられるということで、殺人予備の容疑でさらに捜索、検証等をいたしているところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 ということは、オウム真理教のその施設には普通の人が自由に出入りのできるような状態ではないだろうと思うんです。したがいまして、殺人予備罪の容疑で捜索をしているということは、何らかの形でオウム真理教の関係者が殺人予備罪を犯しているというふうに認識してよろしゅうございますか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) その殺人予備の容疑を証拠等によって立証するために捜索、検証等を実施している段階であるというふうに御理解をいただきたいと存じます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 現在、捜査が進行中でございますし、御承知のとおり、連日マスコミが積極的にいろんな報道をなさっている。いわばマスコミ先行型でこの事件の捜査は進んでいるんじゃないかと思うんですが、マスコミ先行型の事件の捜査というものはなかなか捜査が難しい側面があることも事実でございます。片やまた、マスコミがいろいろな報道をマスコミ独自の調査によってなさるということが捜査のヒントになることも事実でございます。  したがって、マスコミの報道によって国民があるイメージを抱きます。そして、それがどんどん先行いたしまして、もう犯人に到達していいんじゃないだろうかとかいうふうな感覚を非常に持ちやすくなると思うんです。現実の捜査というものがそれと並行していけばいいんですけれども、なかなか捜査の方は、証拠を積み重ねまして、そしてそれに基づく法を適用いたしまして犯人の検挙なりなんなりをしなくちゃならないということでございます。したがいまして、マスコミの報道ではきょう報道したことを明日訂正することもたまにはあることでございますけれども、捜査はそう簡単にいかない、なかなか地道でございます。大変苦しい。  昨年六月二十七日に長野県松本市内で発生し、七名の死者を出し数十名の負傷者を出しましたいわゆる松本サリン事件がございます。これにつきましてもいろいろ捜査をやっておるわけでございますが、本件とのかかわり合いがあるんじゃないだろうか、こういうふうに一般的に言われております。また、昨年の七月九日、今回捜索の現場であります上九一色村のオウム真理教施設の周辺から悪臭騒動が起きまして、その後の調べでサリンを生成した際の残留物である有機燐系化合物が検出された事件がございます。これもまさしく関係があるんじゃないかな、こういうふうに一般的に思われております。さらに仮谷さんの拉致事件と同じ手口の多くのほかの拉致事件も取りざたされているわけでございます。  こういうふうなことにつきまして多くの国民は重大な関心を持って捜査の推移を見守っておるわけでございますし、捜査当局も十分認識しておられることだと思うのでございます。  また、三月二十二日の一都二県二十五カ所に対する捜索に関連いたしまして、事前に情報が漏れて多くのものが上九一色村のオウム真理教の施設の中から持ち出されたという報道がございます。そういうようなことで警察に対する不満が国民の中にあるのも事実でございます。  さらに警察の最高幹部が撃たれました。警備は果たしてどういうふうになっていたんだと。死角だ死角だと言われるけれども、そんなに警備というのは生易しいものじゃございません。そういうふうな中で撃たれた。しかも、周辺に警察官がいて、犯人を追っかけたり、あるいはけん銃の一発ぐらい撃って何とか逮捕できなかっただろうかという国民の素朴な意見のあることも私は事実だろうと思います。  一々申し上げませんが、今、警察は犯人逮捕のために非常に苦しい立場にあるし、また国民の期待も重くのしかかってきているのが実情だろうと思うのでございます。私は詳しくは申し上げませんけれども、そういうふうな困難に警察が十分耐えて、そしてそういうふうな中からさらに活力をつくり出して一日も早い犯人検挙に到達されるものだと、もうぼつぼつ被疑者ぐらいわかっているんじゃないだろうかというふうな感じもしないでもないんですけれども、そういうふうな意気込みでひとつぜひ頑張ってほしいということを申し上げたいと思います。  時間も余りございませんので、次に立法問題に入りたいと思います。  先ほど話がございましたように、サリンは青酸カリの数百倍もの威力を持つ毒性物質であると言われているわけでございますが、毒物及び劇物取締法とこのサリンとの関係、毒物及び劇物取締法の中に規定があるのかないのかそれだけで結構でございます、答弁いただきたいと思います。

田中健次厚生省薬務局長

○政府委員(田中健次君) お尋ねのサリンでございますが、毒物劇物取締法上の対象にはなっておりません。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 先ほど申し上げましたように、先般、化学兵器禁止法案が成立いたしました。これは条約の批准に伴う国内法の整備に伴う法律でございます。  したがいまして、本来ならば条約が施行されたときに法律も施行されるというのが筋でございましたけれども、今回こういうふうな事件が起きまして、その罰則の問題を取り上げてその適用を早めていただいたと。つい先般法律が成立したばかりでございまして、近く、三カ月以内に施行するということになっておりますので、なると思いますが、その制定されました化学兵器禁止法を読みましても、特定物質法定外所持罪、これはサリン等を持っていた場合には一年以下の懲役、五十万円以下の罰金にしかなりません。ということは、緊急逮捕できません、三年以上でなければ緊急逮捕の要件を備えないものですから。その製造とか使用した場合には三年以下の懲役、百万円以下の罰金になっております。私はこの辺が非常に不十分だと思います。  先ほど国家公安委員長から御説明がございましたように、私は公共の危険を防止するという立場からやはり別個の特別法の制定がぜひ早急に必要ではないか、このように思うわけでございますし、政府におかれましてはその種の準備をなさっているというふうに承っております。つきましては、その内容と提出期限等おわかりでございましたら御答弁いただきたいと思います。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  委員御指摘のように、先般御審議を賜りました化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律におきましてもサリン等は規制の対象になっているわけでございますけれども、これは化学兵器の禁止を担保するためのいわゆる行政罰則が設けられているということでございまして、公共の危険を防止し市民生活の安全と平穏を確保するため、これとは別に特別な立法が必要ではないかということで現在関係省庁と検討をしているわけでございますけれども、なるべく早く成案を得まして、国会への提出につきましても、これも現在検討中ではございますけれども、現下の情勢にかんがみ、できるだけ早い段階で提出ができますように検討を急いでいるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 罰則の規定が問題がございますので、法務大臣に法務省の見解を承りたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 現在、緊急立法の実現に向けて、ただいま警察庁にできる限りの御協力をしておる段階でございます。警察庁とは密接かつ緊密な連携をとり、協調を図ってその中身を詰めておるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 よろしくお願いいたします。  そこで、このサリン問題を掘り下げていきますと、どうしてもオウム真理教という宗教団体の問題に突き当たってくるわけでございます。  そこで、文部大臣にお伺いいたしたいと思いますが、オウム真理教は宗教法人法上における宗教法人と承知いたしておりますけれども、その認証した時期あるいは所轄庁、それから施設がどれくらいの府県に及んでいるのか、外国も含めて。あるいは信者数が幾らぐらいであるのか、お伺いいたしたいと思います。

林田英樹文化庁次長

○政府委員(林田英樹君) お答え申し上げます。  オウム真理教でございますけれども、その設立は、平成元年の三月一日に東京都知事に対しまして規則の認証申請書が提出をされております。東京都知事は、同年の五月二十五日にこれを受理し、同年八月二十五日に認証をいたしております。宗教法人は、その主たる事務所の所在地におきまして設立の登記をすることによって成立するとされておりまして、オウム真理教は平成元年の八月二十九日にこの登記を行っておると承知しております。  なお、オウム真理教の概要でございますけれども、東京都からの報告によりますと、住所が江東区の亀戸、代表者が松本智津夫別名麻原彰晃でございますが、所轄庁が東京都知事でございまして、認証時の信者数は約三千人という報告を受けております。なお、施設等につきましては、先ほどの住所は亀戸でございますけれども、総本部、道場、従たる事務所といたしまして、静岡県富士宮市に従たる事務所があるという報告を受けております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 警視庁は一都二県二十五カ所を先般捜索したということでございますが、あるいは福岡でもこの前、捜索いたしておりますが、文部省は、全国でどれくらいの施設があって何人ぐらい信者があるというふうに御承知ですか。

林田英樹文化庁次長

○政府委員(林田英樹君) 宗教法人の所轄庁でございますけれども、宗教法人の設立に係る規則の認証審査におきまして、当該団体が宗教法人法に規定する宗教団体であることを確認することとされておりまして、したがいましてオウム真理教の規則の認証の際には所轄庁でございます東京都知事がその活動実績も審査しておるところでございまして、先ほど御報告いたしましたようなことを報告を受けておるわけでございます。  しかしながら、宗教法人法は憲法の信教の自由、政教分離の原則にのっとって制定されておりまして、宗教法人の所轄庁には民法法人に対する監督権や調査権のような権限はないと解されるわけでございまして、所轄庁が宗教法人に対し活動状況などの報告を命じたりするような制度にはなっていないわけでございまして、このため所轄庁でございます東京都知事はオウム真理教の現在の活動状況を詳細には承知していないところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 総理、今お聞きになられまして御理解なさったかどうかわかりませんけれども、全然実態がわからないんです。そして、わからなくてもしょうがないという仕組みになっているんですね、今の宗教法人法は。  憲法二十条の信教の自由ということ、これは尊重しなくちゃいけないと思います。しかしながら世俗的な、聖と俗とこう宗教界では言うんですけれども、全国にそういうふうなオウム真理教の施設がどれぐらいあって何をしているか。それは宗教活動をやっている分についてはこれはもう憲法上の問題ですからいいですよ、さわれないですよ。しかし、どこにどれぐらいの施設がある、外国に。時間がありませんからこっちで言いますけれども、何カ国にどれくらいの施設があるかというのは全然おわかりにならないんですよ、所轄庁は。そういうふうな法律でいいんでしょうか。これはもう大変な問題だと思うんです。今、十八万数千宗教団体が日本にございます。そして、その実態というのはほとんどわからないんですよ。  それでは伺いましょう。収益事業をやっていますか、やっていませんかどうですか。

林田英樹文化庁次長

○政府委員(林田英樹君) 東京都から報告を受けている限りでは、収益事業は行っていないと聞いております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 ですから、報道によりますと、宗教団体はいっぱいございます、そういうような中で収益事業をやっているのはたくさんあるわけなんですよ。  それで、宗教法人法を読みますと、認証する際にはちゃんと届けなさいと書いてある。そして、罰則までついているんですよ。しかし最初だけなんですね。あと何やろうがわからない。実態は全然わかりませんよ、収益事業をやっているのかやっていないのか。  あるいはオウム教附属病院というのが中野にあるんですよ。あるいはそのほか会社をつくったり何だかんだやっているのはあるんですが、直接場合によっては宗教団体として収益事業をやっているかもしれない。やるのなら認証のときにその規則の認証を受けて初めて宗教団体としてできるわけですから、その際に届け出なさいと書いてあるんですよ。変更するときも届け出なさいと書いてあるんです。実態は全然わからないんです。何にもわからないんです。  ですから、東京都の知事さんが上九一色村にどういうふうな施設があって何だかんだとわかるはずがない。ただ、わかるのは最初届け出のときに主たる事務所と従たる事務所がありますというだけなんですね。全然わからない。何されているかわからない。  私は、その憲法二十条で言う信教の自由というのはこれは尊重しなくちゃいけない、これはもう当然のことでございます。しかし、実態は全然わからない。そういうふうな形で果たしていいんだろうかどうか。今度たまたま大きな問題になったんですね。私はそういうふうな意味で、きょうは時間がございませんのでなんですが、もう宗教法人法自身が何かおかしいんじゃないだろうか今やはりこの辺にメスを入れなくちゃいけない、こういうふうに思うんです。  そこでお伺いいたしますけれども、宗教法人法には宗教団体の解散の問題がございます。今までこの法律の八十一条に基づく解散をやった事例がございますかどうか。

林田英樹文化庁次長

○政府委員(林田英樹君) 宗教法人法八十一条には解散命令の規定がございまして、幾つかの事由が挙げられておるわけでございますけれども、一号から四号までございまして、今回の事件について問題となりますのは第一号であろうかと思うわけでございます。「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。」という事由が一つございますけれども、この事由によります解散はございません。ほかのものは幾つか例はあるものがございますけれども。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 御説明のとおり、今まで全然ないんです。  そこで、私どもはオウム真理教につきましていろいろ情報を入手いたしております。しかし、所管庁が全然おわかりにならない。そして、おわかりにならぬことが当たり前なんだというふうなスタンスなんですね。本当にオウム真理教についてはそういうふうな形でいいんですかどうですからょっとお伺いします。

林田英樹文化庁次長

○政府委員(林田英樹君) 御指摘のように、宗教法人法は現在の憲法に基づきまして宗教法人のそれぞれ性善説に立った制度になっていると私どもも思うわけでございます。  私どもといたしましては、現在の法令に従いまして適正な執行に心がけるということが基本ではございますけれども、ただ法人法の改正につきましてはいろんな御議論があることは十分承知はしておるわけでございますけれども、一方で現在の法律の根本的な考え方でございます信教の自由というものの関係も十分踏まえながら慎重な対応が必要ではないかと思っておるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 信教の自由はわかるんです。しかし、宗教活動とそういうふうないわゆる世俗の、俗の関係の問題、これはやっぱりぴちっとして、そしてそちらの俗の方、宗教の中身に入ろうというんじゃないんですから、その辺のところをこの隣どうしてもはっきりしてもらわなくちゃいけない。  そこで、もう時間もなんですからお伺いしますが、仮に特定の宗教団体がその目的を著しく逸脱し、これは八十一条にあるんですが、あるいはサリンのような毒物を製造し、それを使用、発散させ、多くの国民を無差別に殺傷したような場合、まさしく八十一条の解散事由に該当し、その解散を所轄庁は裁判所に請求するべきである、こういうふうに私は思います。文部大臣の御見解はいかがでございましょうか。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 宗教法人法は、宗教団体の中身について規定している法律ではございません。ある団体が宗教法人としての法人格を取得するかどうか、またそれを与えるかどうかという法律でございまして、宗教団体の活動自体を規制する法律ではございません。  しかしながら、宗教団体に宗教法人としての法人格を付与する以上、それを剥奪する規定もあるわけでございます。それが先生のおっしゃった八十一条の規定でございます。仮にある宗教団体が著しい反社会性を持った活動を行うあるいは行ったということが明白な事実となれば、それは当然解散を請求する状況を形成したと考えざるを得ないと私は思っております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 先ほど来申し上げました宗教法人法の再検討と申しますか、それについても大臣の所見をお伺いいたしたい。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 宗教法人法は、宗教法人が悪なるものという前提ではつくってはございません。むしろ宗教団体、宗教法人というものは善なるものであるということを前提に法律が構成されております。また、戦後の平和憲法制定以降、信教の自由あるいは宗教活動の自由等が高く掲げられた中でつくられた法律でございまして、宗教法人を規制するという物の考え方でつくっていない。  そういう点が先生が幾つが御指摘された点にあらわれているわけでございまして、これは信教の自由あるいは宗教活動の自由を担保しつつ、どのような考え方で宗教団体の一般的な日常活動に国民として臨んでいくかという極めて重要な問題でございまして、にわかに結論を得がたい種類の問題であると思っております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 役所のペースでは、今、大臣のお答えなさったようなことだろうと思うんですけれども、やはり宗教法人法の研究をすればするほどその辺の実態というふうなものが大変問題だということがわかるわけでございます。  そこで最後に、関連を宮崎委員に譲りますが、私の最後に総理にお伺いいたしたいと思います。  先ほど来、事件の解明の問題でございますとか、あるいは立法問題でございますとか、あるいは今の宗教法人法の問題など、このサリン事件に関連いたしまして多くの問題が出てきているわけでございますが、そういうふうなものを踏まえまして総理としての決意をお伺いいたしたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今、委員からいろいろな角度から御指摘がございましたけれども、一つの法案を、仮にサリンに関するような取り締まりの法案をつくるという場合に、先ほど来お話もございましたように、その関係する省庁というのはたくさんあるわけです。そういう省庁が知恵を出し合って、そして総体的に防止ができるような形でつくっていく必要があるという意味では、内閣がやっぱり一体となって取り組む必要があるではないか、こういう前提に立って今作業を進めてもらっておるわけです。  それからその宗教法人法に言う問題につきましても、今度のサリン事件やらあるいはまた拉致事件等に関連をしていろんな角度から今指摘もございました。私は、信教の自由というのは、これは憲法で保障されておりますから大事にする必要があると思います。しかし、それに名をかりて逸脱するような行為についてはこれはもう認めるわけにはいかぬわけですから、したがってそこのところはやっぱり厳正に対処する必要がある。  同時に、これは宗教法人だからもうすべて税には関係ないんだというのでなくて、宗教法人として営利活動をやっている部面もあるわけですから、したがってその営利活動に関する部面については適正な課税をするというのはこれは当然な話でありまして、そういう点もやっぱりきちっとする必要があるのではないか。  今度の事件は、今捜査が続けられておりますからその捜査の見きわめとあわせて、必要がある観点については十分宗教法人法についてもやっぱり検討する必要があるのではないかというふうに考えております。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。宮崎秀樹君。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 宮崎でございます。関連質疑に入ります。  まず最初に、今回のサリン事件、そしてまた松本のサリン事件で亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げます。同時に、被害者の皆様方にお見舞いを申し上げる次第でございます。  冒頭、下稲葉委員から今いろいろ御質問ございましたが、文部省、今度のオウム教の実態を早速調査するという方向にはございませんか。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) これは機関委任事務として東京都が所轄庁になっております。仮に所轄庁が文部省でありましても、現在の宗教法人法ではこれを調査したりあるいはその宗教団体の施設に立ち入ったりということはできないという建前になっておりますので、その実態を調査しろというのは、一般的な資料からの調査はできますが、当該宗教団体に出向いてその実態を調査する、あるいは資料を請求して調査するということは権限上不可能だということを御理解いただきたいと思います。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 私は、それは法律上はそうかもわかりませんけれども、周辺で違反実例が出てくれば、証拠が挙がれば、これはやはりきちっと対処をしてもらわないと困ると思うんですが、いかがでしょうか。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) いかなる団体であれ個人であれ、その団体、個人が犯罪を犯したと認定されますときには、私どもは厳正な態度をもって処断、処置したいと考えておる次第でございます。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 ぜひ、国民は非常に不安に思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  さて、今回のこのような不祥事、先ほど来お話がございましたように、世界に冠たる治安のいい国が世界で一番治安の悪い物騒な国になった。警察庁長官も被害に遭った。また、総理もこの間ちょっと危ないことがあったようでございますが、何よりでございました。そのような国になったということは、これは政府もそうでございますし、国民全体もやはり力を合わせて威信回復と申しましょうかこの不名誉なことを挽回しなきゃならない。  そこで、総理、これは私やはり国際的に問題があると思うんです。外国の特派員の方々が、どうも日本も頼りにならないぞ、危ないぞというようなことになりますと、これは日本の国威にも関することでございます。その辺のことを考えてひとつこれは早急に解決してほしいというふうに思っております。総理、簡単で結構でございますが、御決意をひとつお聞かせ願いたいと思います。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今、委員からもお話がございましたように、今回の事件というのは諸外国に対しても大きな反響を呼んでおるわけですね。先ほど来お話もありますように、日本は治安についてはもう本当にいい国だというふうに評価されておった、その日本の国で世界に大きな反響を及ぼすような事件が起きたということでありまして、これは一日もゆるがせにできない問題で、早期に犯人を検挙して、そして事件の再発を防止するということがもう何よりも与えられた当面の課題だというふうな意味で全力を挙げて取り組んでおるところであります。  これはやっぱり国民の皆さんにもよく御理解をいただいて、そして御協力もいただかなきゃならぬというふうに考えておりますが、しかしそれだけにまた率先をして政府としても全力を挙げて取り組む必要があるという決意で今取り組んでおるところでございます。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 国家公安委員長の御決意は先般来の御答弁の中で承っておりますので結構でございますが、外務省、こういう事例に関しましていろいろ外国から問い合わせだとか、いろいろな反応があったと思うんですが、具体的なものがあったらお知らせいただきたいと思います。

池田維外務省大臣官房長

○政府委員(池田維君) お答えを申し上げます。  今回の事件に際しまして、既にアメリカ、イギリス、ドイツ等の外国政府の首脳から見舞いのメッセージが、村山総理、それから河野外務大臣あてに届けられております。それから幾つかの国からは支援の申し出も出てきております。それからアメリカからは、今般の事件の被害者の治療に協力するということで医師四名が既に派遣されて来日をいたしております。  本件につきましては諸外国においても大変大きく報じられておりますけれども、主要紙の論調は、全般的に見まして、今回毒ガスを使用した無差別の殺人事件に対する現代都市の脆弱性を指摘しながら、日本のみならず世界どこでも起こり得るという意味でとらえられておりまして、本件事件が極めて異例かつ悪質であるということで、我が国のみならず諸外国においても警戒心が高まっているというようにとらえられております。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 極悪非適な、戦争でも使わないような毒ガスを使ったということで大変大きな反響を呼んでいるように、私はこれは国際的にも大きな問題を残したと思います。  このサリンの問題、実態をお聞きしたいんですが、松本のサリン事件、そして今回のサリンの被害者総数をきょうお聞きしようと思ったんですが、先ほど来御報告があったから結構でございます。  松本のサリン事件、そして今度のサリン事件、この関連性についてどのようにとらえ、どのような状況を把握されておられるかおわかりになったらお知らせ願いたいと思います。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  今御指摘の松本のサリン事件と今般の都内の地下鉄駅構内の事件でございますけれども、これらの事件はそれぞれ別個のものとして現在捜査をいたしております。  ただ、これらの事件におきましては、それぞれの現場におきまして、御案内のように、分析を行ったところ通常自然界には存在しないとされているサリンが使用された疑いが強いという結果が得られていることでもありますので、物質の類似性というかそういう観点も十分視野に入れながら捜査をいたしているところでございます。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 この問題は、物質が一緒であるという断定、それから購入した薬品のいわゆる入手経路、それぞれこれはしっかり捜査すれば解明する点にたどり着くと思いますけれども、一刻も早く解明に向かって努力を続けていただきたいと思います。  そこで、私は医師でもございますので、サリンについてちょっと皆様方に、どの程度の知識をお持ちかわかりませんので、御披露申し上げたいと思います。  サリンというのは、一九三七年、ドイツのシュレーダーという博士がこれを実は発明いたしました。ところが、これは温血動物に全く被害のない殺虫剤ということで開発をしたんですが、つくってしまったら物すごい人命を脅かすようなものができてしまった。これはノーベルのダイナマイトと一緒のようなことになってしまったわけでございます。  そこで、今回のサリンの入っていたパックと申しましょうか、これは輸液用のパックに入っていたということは本当でございますか、警察庁。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 今御指摘の地下鉄の事件で押収されておりますサリンが収納されていた容器でございますけれども、これにつきましては、大変な証拠物ということで今、分析をしておりますけれども、輸液用のパックというところまで断定はいたしておらない段階でございます。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 どうもマスコミでは輸液用のパックだという話でございますが、これ私もよく使うので持ってきたんですが、こういう輸液用のパックでございます。(資料を示す) これを私、けさ持ってきたら私の母が、九十でございますけれども、それはサリンかと、こう言ったのでびっくりしたんですが、そんなことはございません。これは輸液用のパックでございます。これは点滴をするときにこうつるしましてこれをやりまして、ここに針とアダプターがございましてこれをつなぐんですね。それでやるわけですけれども、これは時間がかかりますからやめますけれども。  これは針がこっちについているんです。ここから外して、これは医療用廃棄物で感染の危険があるから処理しなきゃならない。しかし、これは一般廃棄物で捨てても法律に触れませんので、ここら辺が問題だと思うんです。ですから、これはだれにでも手に入るということが一つ。  これはポリエチレンだとかポリプロピレン、それからエチレン酢酸ビニル共重合体、通称エバというんですけれども、そういうような種類でこれはできております。これを新聞紙に包んでつっつくと、そうするとこれがにじみ出てくる、こういうことだろうと思います。  警察の方も、こういうものであればある程度メーカーによって品質が変わりますので、これは私は調べればきちっとある程度人手経路はわかってくるというふうに思います。いずれにいたしましても、徹底的にこれは調査を行っていただきたいと思います。  それから話がちょっとさきに戻りますけれども、今回の事件は通勤中に大変大きな被害者が出ました。五千名というと大変な数でございます。  これは、労働大臣、通勤災害というのがございますね、労災の適用、これを果たしてどういうふうに進めていらっしゃるか。それと労災のない方、これは厚生大臣、健康保険でやっていただくと。  それで、第三者の犯人が特定できたらこれは求償をしていただかなきゃ困ると思います。国のお金、保険料、それぞれ皆さん立てかえてこれをやっておるわけですから、この辺のことはどうなっているかそれぞれ両大臣、簡単でいいですからお答えをいただきたい。

浜本万三日本社会党・護憲民主連合労働大臣

○国務大臣(浜本万三君) お答えいたします。  まことに遺憾な事件で残念に思います。  今回の被災者の方々につきましては、通勤途上の方が非常に多く含まれておると理解をしております。これらの方々に対する労災保険の適用につきましては、災害の発生場所、発生時刻、発生状況から見まして通勤災害に該当するものと考えております。したがいまして、今後、請求があれば迅速な救済に努めてまいりたいと思っております。  なお、営団地下鉄の職員につきましては、駅の構内や車両にある危険物を除去する作業や、異常事態に伴う乗客の誘導等は本来の職務であると思いますので、当然、業務災害として救済されるべきものだと考えております。

井出正一新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(井出正一君) お答えをいたします。  その前に、まことに不幸な事件で、亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々に対しましてもお見舞いを申し上げる次第でございます。  第三者の行為により医療保険の被保険者等が受診や入院を余儀なくされた場合におきましては、医療保険は適用されます。今回の件についても保険給付が行われることとなります。  通勤災害につきましては、ただいま労働大臣のお答えのとおりであります。  また、第三者の行為によって生じました保険事故に対して医療保険の保険者が保険給付を行った場合には、その保険者が被保険者等にかわって加害者に対する損害賠償請求の権利を取得することとなっておりますから、真相の解明による加害者の特定をまって各保険者において求償を行うというのが基本でございます。

浜本万三日本社会党・護憲民主連合労働大臣

○国務大臣(浜本万三君) 労働省におきましても、第三者の加害行為によって生じた事故について保険給付を行いました場合には、加害者に対しまして当然請求することになっておることを申し添えておきたいと思います。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 ぜひお願い申し上げたいと思います。  このサリンにつきましては、湾岸戦争のときに日本の医師、ボランティアがこの救助に応募していくということがございましたので、当時、日本医師会の救急災害医療対策委員会がこの毒ガスに対する治療法、これはないんですね、なかなか。こういう冊子を実は「有毒化学剤等傷者に対する処置・治療に関する参考資料」として出しております。ここで書かれてありますのは、我が国においてはこれら化学剤の傷者の初期段階での治療を取り扱う可能性はないと思うということを書いてあるんですね。ないと思うと言ったことが、実はこれは湾岸戦争では使わなくて我が国で使ってしまったということでございます。  そこで、治療に当たりましては大変いろいろな薬が使われたわけでございます。そこで一つ、実はサリンに侵されますと、血液の中のコリンエステラーゼという酵素があるんですが、これが破壊されます。これが破壊されるとアセチルコリンという物質がたまって、そしてアセチルコリン中毒を起こします。そうするとどうなるかというと、神経がやられるわけですね。神経の伝達、伝導機能がやられてくる。そこで参ってしまうわけです。  そこで、実はパムという薬を使ってこれを治すわけでございます。これはアトロピンとこのパムという薬を有機燐の中毒に使う。かつてホリドールだとかパラチオンとかいう強い農薬がございました。これは有機燐の製剤でございます。しかし、今は発売禁止になっております。今はもう薄いやつでなきゃ許可になりません。  私もかつてその患者さんを何人か治療したことがございます。しかし、これは非常にまれでございまして、そうちょくちょくない。それはどういうことかといいますと、自殺が多いんです。農薬自殺です。これは胃洗浄をして早くこのパムを打つということをやったわけですね。  それで、その薬もしょっちゅう置いておるような薬じゃないんです。ところが今回、報道でもございましたように、東京の中野の、先ほど来の下稲葉委員の御指摘にありましたように、オウム真理教の附属医院で何と六百本買っているんですね、六百本。私はこれはまことに異常だと思うんです。何でそんな大量に買うのか。東京の真ん中で農薬中毒があるのかなと。大体そういうのはもう警察と関連してあの薬を使うときにはやるわけですから、そのチェック機能が全然ないんですね、この薬に関しての。有機燐にしかこれは使わない薬ですから常時持っていない。今回、大事件が起きたときに、この薬を北海道から空輸して足りないので、これをつくっているのは住友化学という会社でつくっておりますけれども、これは各卸問屋が全部集めるのに大変だった。そういうのを前もって用意できるというようなこともチェック機能がない。  そこで厚生省、こういう薬に対して中央薬事審議会とかそういうところでやはり何らか検討してもらわなきゃ困ると思いますね。何でもないようなのを頓服にしなきゃいけないとか産業にしなきゃいけないというようなことをごちょごちょやっているよりは、もっと大事な根幹に触れるようなことをやらないとこれは意味がない。  私はそういう点も、先ほど下稲葉委員がおっしゃったように、関係各省庁が、全省関係あるわけです、これは。だからもう内閣挙げて、これはやはり総理、ぜひプロジェクトを組んでやっていただかないと、それはおまえのところだ、こっちだ、いわゆるプラントはこれは通産省だ、薬の方は厚生省だと、じゃ一体だれがこれを統括してやるのかこれはなかなかまとまってこないと思うんです。  それで、その問題について、厚生大臣、御意見あったらお聞かせ願いたいと思います、パムの問題で。

井出正一新党さきがけ厚生大臣

○国務大臣(井出正一君) 医療機関における医薬品の購入は、医師等医療関係者が当該医療品の需給状況等から判断して適切な量の購入を行うのが通常でありまして、個々の医薬品の使用目的のチェックやあるいは販売量を規制することは一般的には適当でないと考えてまいりましたが、今回のこの事件の捜査結果も踏まえまして、特殊な用途の医薬品の常識を超える大量注文等があった場合の対応につきましては、医薬品を扱うという卸業者の社会的立場にも照らしましても改善すべき点がないか、今後関係業界またあるいは先生今御指摘なさいました薬事審議会等とも御相談しながら、必要な注意を喚起したり措置をとってまいりたいと思っております。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 このプラリドキシム沃化メチルという、パムでございますけれども、これはコリンエステラーゼの減るやつを復活してふやす作用でございますから、こういう薬は特殊な薬でありますから、こういうものに対して一回洗い直しをしてきちっと整理をして、大量にこういうものが出たときにはきちっとチェック機能が働くというふうにひとつお願いをしたいと思っております。  それから警察庁にお尋ねしたいんですが、プラントですね、これは押収しましたか。それからまた、薬品類について全部押収が終わったか。きょうの新聞を見ますと、沃化メチルを何か押収したというようなことが載っておりましたけれども、事実でございましょうか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  これまでの捜索におきまして多量の化学薬品類を押収しているところであり、現在も引き続き一部では捜索を続行中でございます。  なお、この上九一色村所在のオウム真理教施設において発見されましたプラント設備につきましては、大変大がかりなものであるとともに、かかる設備でいかなるものが生成されていたかを解明するために、現在、検証作業を進めているところでございます。  また、その押収薬品の中にどういうものがあるかにつきましては、具体的に今、整理分析中でございまして、現段階では個別的にお答えをするのは差し控えさせていただきたいと存じます。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 ちょっと時間がかかり過ぎているんじゃないですか。もっと早く徹夜でもいいからそんなものは固定できると思いますよ。ちょっとそこら辺がのんびりしているんじゃないかというふうに思います。  それから今回サリンの合成が簡単にできますよというふうに学者さんの御意見が変わったのは、というのは、松本サリン事件のときには、なかなか合成なんて難しいですよ、こういう意見だったんですね、各大学の名誉教授さんとか学者さんが。それで、なぜかということを私の友人にちょうど化学者がおりまして聞いたら、いや実はあのときは、このサリンをつくるには物すごい排気装置とか、つくるプラント、これが大変なものだと。危険ですから、扱うものは。だからみんな、それは難しいよ、なかなかそういうものは日本じゃできませんよと、こういう話だった。ところがオウム教の上九一色村のあの装置を見て、ああこれならできるよ、こういう話なんだそうです。あんな排気装置があってあんなプラントを持っていろんなら、あそこならできるよと。  私が、じゃ簡単にできるものかねと言ったら、このペーパーで簡単に、確かにこれは五段階ぐらいの処理でできちゃうんですね。そのときにやっぱり臭いにおいがしたというので、その臭いにおいは何だと言ったら、メチルホスホニルジイソプロピレイドというんですか、何かこの物質が出るんだそうです。最後の段階で弗素がくっついているやつを取るんだそうです。そのときにこのにおいが出るんだ、こういう話を実は聞いたんですね。  だから僕は、何もあそこで確実につくったとかつくらないとかという問題じゃなくて一般論として、悪臭が出たとかいろんなことは言っているわけですが、その化学者いわく、間違いないんじゃないかななんという話をしていました。しかし、私はそれを実証するわけじゃありませんから、これはあそこでできたということは今申し上げるわけじゃございませんけれども、いずれにしましても、そういう莫大な装置をつくった、そして大量にいろんな化学薬品を買った、その時点で、普通の宗教はそんなものは買わないですね、買うわけがない。だから何か目的がなきゃやらないわけですから、そこら辺のチェックが今まで何でできなかったのかなというふうに私は思っているわけです。  そこら辺は、農薬だというお話もございました。だったら農薬がどこにできた製品があったのかなということも一つ問題でしょうし、その農薬をどこで使うのかなということもあろうと思います。  と同時に、もう一つ私が一番心配しているのは覚せい剤の原料ですね、これがやはりあったようでございます。これはヒロポンでございますけれども、このヒロポンをつくるのに簡単にこれはできるんです。これもいわゆる原料でございますフェニルアセトニトリルというものが押収されたかどうか、いかがでしょうか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 先ほど申し上げましたように、多量の薬品類等を押収しております。その詳細について答弁は差し控えさせていただきますが、ただいま御指摘のフェニルアセトニトリルについては押収をいたしております。現在、その物質の使途、保有目的については調査をいたしている段階でございます。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 そのフェニルアセトニトリル、これは覚せい剤の原料であります。これももしつくったとすれば大変なことになるわけであります。できるだけ早い解明をお願いしたいと思います。  それから最後に、文部大臣にお尋ねしたいんですが、要するにこの宗教団体で本部の中で二十六名のいわゆる就学児童、これが学校へ行かないという話がございます。  先ほど下稲葉先生から御質問いただきましたけれども、確かに憲法二十条の信教の自由がございます。しかし一方では、やはり憲法の二十六条に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と、こう書かれてあります。  私は、この二十六条、日本国民の義務を果たして、そして信教の自由というものを、やはりこれは両方重いものでありますから、両方をきちっと守るべきだと思うんですが、これに対して今どういうような処置をおとりか、お尋ねしたいと思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 先生御指摘のとおり、憲法には国民が義務教育を受ける権利も書いてございますし、また義務教育を受けなければならないという義務も書いてございます。ましてや子供を保護する親、保護者等は就学義務を課せられているわけでございます。これは教育基本法にも学校教育法にもそのように書いてございますし、またこれには罰則がついております。それほど義務教育を受けなければならないという義務は重大であるわけでございます。  現在のところ、オウム真理教の富士宮の施設、これはその施設に住んでおります大人、子供について住民登録がなされておりますので、住民登録がなされている義務教育年齢の子供たちがどのぐらい学校に行っていないかということはすぐにわかる仕組みになっております。これが先生の御指摘になった二十六名でございます。  一方、山梨県の方は、施設にいる方々の住民登録はなされておりません。したがいまして、住民登録からどのぐらいの義務教育年齢にある子供たちがいるかということはわかっておりません。しかしながら、警察当局から非公式に伺ったところでは、家宅捜索を行った時点では子供たちは見当たらなかったということを伺っております。ただし、これは非公式の話でございますから、確固たるものを申し上げているわけではございません。  そこで、就学義務違反をした場合に一体どうするのかということも重要でございます。これは通常でございますと、義務教育の年齢に達したのに学校に行かないという場合には地元の教育委員会が繰り返し繰り返し督促をいたします。しかしながら、過去の判例で見られますように、繰り返し、繰り返し督促をしても学校に行かせないという親については、これを告発し、裁判所で刑事事件として御判断をいただくということをやっております。  富士宮の場合も、地元教育委員会が繰り返し繰り返し学校に行くようにということを督促しておりますが、それらの子供たちの親はその督促を受け入れておりません。長期にわたる場合には五年以上督促を受けたにもかかわらず就学させていないという極端なケースもあると、そういうことでございます。

宮崎秀樹自由民主党

○宮崎秀樹君 時間なので終わりますしっかりひとつフォローをお願いいたします。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で下稲葉耕吉君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、穐山篤君の質疑を行います。穐山篤君。

穐山篤日本社会党・護憲民主連合

○穐山篤君 集中審議の前に一言総理に要請をしておきますが、実は先日、一日に新潟県で地震がありました。直下型地震であります。今、阪神・淡路大震災の復旧・復興に全体の目が向いているわけですけれども、この今回の地震も震度五とも言われておりまして被害も相当出ているわけであります。したがいまして、国会議員はもちろん現地に、我が党では坂上代議士を初めとして調査や対策や激励に入っているわけです。規模は小さいとはいえ、やっぱり県民の皆さんの不安、心配というのは同様だと思うんです。ぜひひとつ細心の対策をとっていただきたいということを冒頭に要請しておきたいと思います。  次に、一連のサリン事件についてお伺いをしますが、松本の事件以来多くの方々が亡くなっております。それからいまだに病院に入院治療中の人がおります。これらの方々に対して、弔意を表すると同時にお見舞いを申し上げなきゃならぬと思います。  そこで、国民の皆さんが素朴に不安を感じているもの、疑問を持っている点を私が一つ一つ申し上げて整理をしておきたいと思うんです。  松本事件にしろあるいは地下鉄事件にしろ、まず第一にだれがと、当然複数になると思いますが、だれがというのが問題。二つ目は、何の目的でということが当然考えられます。第三番目は、サリンの疑いがあるわけですが、製造方法はどういうものか。製造と使用では当然違います。使用の方法をどうしているのか。それから五番目は、原料や製品が国内で使われているのか、あるいは一部外国から輸入をされたものであるかという疑問も私自身も持っております。それから六つ目は、一連の事件というのは警察庁長官の問題も含めて関係があるや否やということについてみんな心配をしております。当然のことながら、捜査を進める、あるいは証拠を立証していきながら最終的に逮捕をする、それによって根絶を図るという足がかりをつける。  その次は、こういった化学物質についての危機管理、再発防止をどうするかどうしてくれるんだろうかという気持ちをみんな持っております。  それから今もお話がありますように、オウム真理教が本件に深い関係を持っているや否や。殺人予備罪で捜査に入りましたけれども、オウム真理教がこれに直接間接かかわっているかどうかという疑問を持っているわけであります。  それから当然のことでありますが、先ほども指摘されておりますように、宗教法人に対する法制上の問題とかあるいは実態についてメスが入る仕組みに今なっていませんね。これをどうするかというふうな十項目を超える疑問を国民の皆さんみんな持っているわけです。それに国が、あるいは議会も挙げて真正面から取り組んでいくというのがきょうの集中審議ではないかと思うんです。  そこで、まず第一に松本の事件について伺っておきたいと思います。  去年六月二十七日午後十一時、ここでは「サリンと推定される毒性のガスが発生し」と、こうなっている。あのときは翌日の新聞では農薬の合成物というふうに全部の新聞に出ました。サリンの疑いがあるといって警察が発表しましたのは七月三日なんですね。  松本の事件の場合は、亡くなった方もあるわけですが、遺留品がなかったんですね。目撃者もいなかった。地下鉄の場合にはサリンを発生させた弁当箱の遺留品が多かったですね。五つのところで発見されているわけです。目撃者もいたという違いがあるわけです。  そこで私は、松本サリン事件についての初動、構えのところに問題意識を持たざるを得ないんです、今でも。といいますのは、被疑者不詳のまま殺人容疑で河野さんのお宅を家宅捜索するところから手がついたわけなんですね。ですから、あの河野さん一つを焦点に捜査活動が続いていたというところに私はボタンのかけ違いがあったんじゃないかと。  そこでその後、去年の七月二十九日、県警のサリンの生成法というのが発表になったわけです。私も素人ですからこの難しいマークは全部読み切れなかったんですが、しかし気になっている残留物なり発生品というのに実は気がついたんです。  この絵の中で、メチルホスホン酸ジフルオリドというのは日本の国内では絶対に市販もされていなければ製造もされていない品物なんです。それ以外の品物については、三塩化燐であるとかいろんなものについては許可で市販をされているとかあるいは特定の指定物質になっているとかということがあるわけですが、この代物は国内ではないはずです。持っているとすればこれは軍隊なんです。この品物は、アメリカにしろロシアにしろ、化学物質として、猛毒の品物として軍が扱っているわけです。そこで、私が先ほど、国内で原料が調達されたものであるのか生成されたものであるのか、あるいは国外の原料であるのか製品になったものかということを実は冒頭に質問したわけであります。  しかし、松本事件で警察庁も非常に重要な勉強をされたと思うんです。それはガスクロマトグラフという分析をこの松本の事件でやったわけです。かなり長い時間かけてやったわけです。その分析結果を警察庁がお持ちであったものですから、地下鉄のサリン事件の場合には二時間でこれはサリンの容疑があると判定をしたわけであります。その意味では松本の事件が生かされていますけれども、最初のところのボタンのかけ違いというのは非常に私は大きい問題だというふうに認識をするわけでありまして、もう一度松本事件について、私はとかく批判をするつもりはありませんけれども、原則に戻ってもう一度検証をしてもらいたいということを強く要望しておきたいと思うわけであります。  それから地下鉄の事件については、先ほど質問もありましたが、ぜひお聞かせをいただきたいんですが、目下入院をされている方の中にそれらしき人がいるのではないかといまだに報道されているわけです。捜査の邪魔にならない程度に、その点はどういう状況になっているかお伺いをしておきたいと思います。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 御質問が大変多岐にわたっておりますのでどれをお答えしてという点ですが、まず最後にお尋ねの地下鉄事件での容疑者と思われる者が入院中の患者等の中にいるのではないかというような御指摘についてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、そういう報道というか、そういう話が出回っていることは確かでございますし、私どもとしても捜査の常道として広くいろいろな可能性を考えて捜査をしていることは事実でございます。  ただ残念ながら、現在の段階で特定の犯人あるいは犯人に近いと思われる者の発見というか確認には至っておらないということでございます。

穐山篤日本社会党・護憲民主連合

○穐山篤君 そこで、警察庁がきょう全員に配っていただきました資料をよく読んでみると、サリンという言葉を一つ使うにしてみても三つの表現を使っているわけです。非常に慎重に扱われておりますが、問題意識がどこにあるのか、よく確認をしたいと思うのであります。  第一の松本事件は、「サリンと推定される毒性のガス」、こういう表現になっています。それから地下鉄は、「サリンと見られる毒性のガスが発生し」というふうに表現を変えております。それから公証役場の事務長さんの逮捕監禁事件につきましては、「サリン等の製造に必要と思料される大量の薬品等」と、全部言葉遣いが非常に慎重なんですね。しかし、一貫して言えますことは、サリンに焦点を当てている。タブンではないというふうに私は認識をしますけれども、その点はいかがでしょうか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 大変鋭い御指摘をいただいたわけでございますけれども、もちろん先ほど御質問の中にもございましたように、松本の毒ガス事件におきましては、現場においてもう資料というか証拠物というか関係の物質はほとんど残っておらない状況でございました。大変微量の物質が水中、空気中あるいは関係の施設等のところから採取をされて、それらを分析した結果、サリンと推定される毒ガスが発生したのであろうというふうに判断をいたした次第でございます。  また、二点目の地下鉄の事件の問題でございますけれども、これも御指摘いただきましたように、いろいろな証拠物件というか、ある意味で現物が残っておりますので、表現上こういうような表現にさせていただいております。  それから三点目の押収した物件につきましては、これは原材料というか、サリンの原材料になり得るものを押収したということでございますので、このような表現にさせていただいている次第でございます。

穐山篤日本社会党・護憲民主連合

○穐山篤君 前の質問の方と質問が重複しないようにしたいと思っております。宗教法人のあり方の問題につきましては先ほど指摘がありました。  そこで、きょう私は皆さんのお手元にオウム真理教についての若干の資料をお配りしました。いかなる宗教でもそうでありましょうが、宗教というのは教義とそれから教祖様を絶対に尊敬するというのが当然ですね。みずからの宗教、教義が正しいということを立証するためには他の宗教を場合によりましては攻撃をしなければならぬ。違いを明らかにするというのも当然だと思う。そこで、きのう、きょうあたりのテレビでもオウム真理教と創価学会との間に多少の議論があったわけですが、これは当然だと思う。  今回のオウム教の全くの違いは、皆さん方のお手元に出してあります「麻原彰晃のあなたを救済するための手紙」というのがございますが、冒頭のところが一番重要であります。「信徒の皆さん、麻原彰晃です。わたしの身体は毒ガス攻撃からの一時的逃避によって小康状態を保ち続けています。」、ここが他の宗教、教祖と違う発想であります。  教義を私、詳しく読んでいるわけではありませんけれども、この手紙にもありますように、毒ガス攻撃を受けているということで、教義の中には、教典の中には、あるいは麻原彰晃の講演の中には、しばしば敵という言葉が出てくるわけであります。これは他の宗派にはほとんど例を見ない表現であります。場合によりますと、それがアメリカであったり国家公安委員会であったり自衛隊であったり、あるいは各県の警察官を指摘している講演の内容もあるわけであります。  したがって、この手紙から考えていただきまして、ここの途中にありますね、「何と言っても道場は米軍・自衛隊・公安等の毒ガス攻撃を受けていますので」というふうに真ん中に書かれております。これが他の宗派と違うところであります。  こういうものについて、憲法二十条の規定がありますから私どもそうむやみやたらに批評はできませんが、こういう認識を持たれるのは勝手ですけれども、予想をしたようなことはございますでしょうか。どなたか答弁ができたらひとつお願いしたいと思います。

林田英樹文化庁次長

○政府委員(林田英樹君) 現在の宗教法人法によりまして、私ども、宗教法人のいわゆる宗教的事項と世俗的事項の二面の機能があると思うわけでございますけれども、現在の宗教法人法は宗教団体の世俗的事項に関してのみ規定をしておるということでございまして、その教義の内容というふうなものについては、宗教法人法上の関与はできるだけ少ない形になっておるという状況でございます。

穐山篤日本社会党・護憲民主連合

○穐山篤君 時間の都合で全部申し上げることはできませんが、皆さんのお手元に「オウム真理教土地使用状況」というのが配付されております。全部一々申し上げることはいたしませんが、特徴的なことがございます。それは、確認の申請を出す、しかし完成届は出していない。完成届が出ておれば県庁で竣工検査をして確認をして、それからその建物なりなんなりの使用を認めることになるわけです。ところが、完成の届け出をしないままに全部稼働しているという特別の事情があるわけです。  これは建設省その他にかかわるわけですが、非常に重大な問題なんです。どんなに小さい家を建てるのにも設計図をあらかじめ出す。建物ができる。完成すると見に来ていただきますね。そして、そこで初めて家に住むことができるわけです。今度の場合はそうじゃないんですね。七割は今私が申し上げたような違法な不当な取り扱いのままに稼働になっているという状況であります。  それからもう一つ、上九一色のあの広大な中に診療所の新設を申請しました。ついに県も認可をしたようでありますが、こういう事件が起きているときに、十分な審査点検もないままに届け出があったから認めるというふうな不用意な場面があるわけなんですね。これはもう大変な問題です。これは現状認識という意味で私は申し上げたわけです。  それから二つ、「出家希望者の方へ」という文書が配られております。入会をする。入信をする。信心をする。そうしますと、一定の時期になりますといわゆる出家という制度が出てくるわけですね。今、会員は内外で一万数千人、出家された人は千二百人程度というふうに言われているわけですが、出家する場合にはこのマニュアルに基づいて、現金のお布施、電話の権利金、車の下取り価格、その他全部提供をする。  それから死期が近づいた場合には遺言状というのがございまして、私はすべて麻原尊師に継承をするというふうになっているわけです。なぜこういうふうになるかといえば、教義そのもの、教典そのものがそういう仕組みになっているわけです。仕組みと言っては語弊がありますけれども、そういう内容になっているから結果的にこういう方法をとっただろうと思うんですね。すべての煩悩を滅消する、だから安らかに死ぬことができる、したがって残す財産は必要がない、そこで解脱が完成すると言われているわけです。  ですから、こういうものが準備をされるわけですが、これが民法や宗教法人法その他から考えてみて適法であるかないかという問題についてはいかがなものでしょうか。

林田英樹文化庁次長

○政府委員(林田英樹君) 現在の宗教法人法で申しますと、宗教法人となるための基礎要件が書いてあるわけでございますけれども、先ほども申しましたように、宗教法人の世俗的な面につきましての規定になっておるわけでございまして、教義につきましては、教義が存在をするということを確認するというのが基本的な立場になっておるわけでございます。  したがって、今回の場合等も法令違反等の事実というものが明確に確認できるというふうなことでなければ、教義の内容の面から宗教法人に対します行政の関与をという点につきましてはなかなか難しい問題があるということを御理解いただきたいと思います。

穐山篤日本社会党・護憲民主連合

○穐山篤君 私の質問に十分にお答えになっていません。これは改めてきちっとしませんと、私が先ほど言いましたように、再発防止ということにはならない。  そこで、住民の皆さんにも聞きました。広大な上九一色のオウム教の敷地の中には村民は一人も入れません。この間、強制捜査で入ったのが初めてなんです。ですから、中は治外法権なんですね。先ほど宮崎先生も指摘をされましたが、注射の使った跡ですね、注射針とかいろんなものがその敷地の中に捨てられていると同時に、その敷地の外にも捨てられている。  私は、この質問に当たりまして廃棄物の処理について関係省庁と相談をしましたが、あの構内では捨てているかどうかはわかりません、置いてあるのかもしれませんと、こういう説明をしている限りは、命がけでこの問題を扱おうという気持ちになっているかどうかというのは、非常に私は薄いんじゃないかと思う。  結果的にそういう廃棄物の最終始末は、あの構内、あの膨大な山の状況から考えてみて、上九一色の村もそうでありますが、富士宮の方まで他県にまで汚水が流れるわけなんです。そういうことを考えてみると、その辺の扱いについてももう一遍再検討をする必要があるのではないかなというふうにしみじみ感じたわけです。  構内におります信者たちは、時には衣料品を買うために、あるいは食品を買うために町に出てくるわけです。一見してわかるそうです。別にバッジはつけていないそうでありますが、一見してあの人は信者であるないというのはすぐわかるそうであります。村の人は、一刻も早く出ていってもらいたいという気持ちがあるために、かつてのような厳しい闘争体制はとってはおりません。それだけに、心情を考えるとこれはもうかわいそうだというふうに言わざるを得ないわけです。  それから公民館のほかに四名の闘争委員、対策委員の家に盗聴用のマイク、カメラが全部くっついたわけです。そのほかに、先ほども指摘しておりますように、家出人の捜査もお願いをした、不法占拠についての異議申請もした、告発もした。だけれども、調べが全然進行していないんですね。これも不思議だと思うんです。事件はもう三年も四年も前から日本全国で起きているわけです。最近この一年半だけでも六十件も訴訟が起きている。だけれども、進行はしているんでしょうけれども、結論が出るような状況に全然ないというので非常に心配をしているわけであります。  ですから、こういう問題について全体が問題の真正面から解決をするという意味では、命がけで取り組まない限り問題の解決には私はならぬのではないかなというふうに考えるところであります。  そこで最後に、締めくくりにしたいと思いますが、つい二、三日前からオウム真理教の世間に対する対応の仕方が変わりましたね。積極的に真理教の内部をマスコミの皆さんに御披露を始めたわけです。あの広報部長さんというのは、実はもと宇宙事業団で研修だけ受けて、それでやめてオウム教に入信をして、それからインドにも行った人なんですが、彼が広報部長なんですね。上祐史浩さんという方ですが、この人が今、積極的に真理教の内部を見せて説明もしております。しかし、肝心なところに来ますとかなりトーンが下がってもおりますし、それから警察が上九でいろんな捜査をしておりますけれども、まだまだ捜査不十分のところが残っている疑問があるわけであります。  したがって、殺人予備罪で相当の決意をしてかかった事件でありますので、これはもう徹底的な捜査をしていただかなきゃならぬというふうに思います。外国にも支部があるわけですね。ニューヨークにもあるし、モスクワにもありますし、ボンにもあるわけです。内外を含めて十分連携をとりながら、警戒体制を十分にとってもらうということをしていただきたいと思うんです。  その上に立ちまして、先ほど言いましたように、新しい特別の国内法をつくって何とか対応しましょうというふうに今努力をしているわけですが、その上に生物化学についての危機管理という新しいものを考えない限り、これは完全なものにならないというふうに私は思うわけです。  地震対策で防災の危機管理体制というものを今十分に検討を進めておりますけれども、このサリンなりタブンというものはべらぼうな金はかからないんです。原子爆弾一個つくるには膨大なお金と材料と人的資源が必要なんですね。ところが、これはそれほどのお金をかけなくても特定な材料を集めて技術的につくることが可能なんです。それだけに一番人類にとって危ない品物だと言わなきゃならぬと思う。ですから、放射能についての危機管理というのは当然我々もやらなきゃいかぬ、安全管理を徹底しなきゃいかぬということは考えますけれども、今回のこの事件を通じて、特定な組織にとりましては非常に安上がりで大量の人を殺すことができるということを証明したわけです。  そういう意味で、新しい法律を考えると同時に、あるいは宗教法人のあり方についての再検討をお願いすると同時に、全体の生物化学の危機管理体制というものをぜひつくっていただきたいということを特に申し上げて、私の質問を終わります。  なお、関連で瀬谷議員からお願いをしたいと思います。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。瀬谷英行君。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 既に今までの質問でいろいろなことが言われてまいりましたけれども、まことに私ども今まで経験したことのないようなことばかりです。特に最近は、地下鉄でもって毒ガスがまかれた、さらに警察庁長官が狙撃された、一体二つの事件は関連があるんだかないんだかそれすらもわからない。まことに気持ちの悪い話です。  そこで、こういう事件はやはり犯人を一人でもつかまえないと捜査の糸口がつかめないと思うんですね。その場合に、地下鉄の場合は恐らく複数で行われたのであろう、だが警察庁長官狙撃事件というのはどうやら一人でやったようだと。ただ、ここの場合に、どうしてあの犯人をつかまえることができなかったんだろうか。事が警察庁長官ですから、警察庁長官が狙撃をされたのに警察の方では追跡もできなかった。さっぱりわからないということはいかにも締まりの悪いことなんですね。この辺、なぜ犯人の人物像もつかみ得なかったのか、我々には納得しがたいものがあるので、その辺のところをお尋ねしたいと思います。

杉田和博警察庁警備局長

○政府委員(杉田和博君) 御指摘のとおり、現在、長官の狙撃事件については犯人及び背景関係につきまして鋭意捜査中であります。  犯行当時でございますけれども、警察庁長官につきましては、厳しい情勢というものを踏まえまして、警護員こそつけませんでしたけれども、長官の私邸等につきましては所要の警戒体制をとっておりました。ただ、遺憾ながら、そのときの配置の状況等が犯行を防ぎ得る態勢になかったという点については遺憾に思っておるところでございます。  今後は、こうした配置のみならず、配置の方法その他につきまして十二分に検討をして、この種の事案が再発いたしませぬよう万全を尽くしてまいりたいと考えております。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 今後はなどというのはよくないんですよね。たびたびこんなことやられたんじゃどうにもならない。そのたびに今後はと言ったってこれは言いわけにならないんですよ。もう少し後手に回らないようにできないものだろうか。もうすべてが後手に回っているような気がするんです、去年の松本事件以来、今回の事件に至るまで。  それで、その中でばかに手っ取り早いなと思ったのは、この事件の起きた日の夕方、東京駅の前でビラをまいていた。何のビラだかわからない。受け取らない人もいたけれども何かと思って受け取ってみたら、号外として、この史上最悪の犯罪を許すなと、オウム真理教が都内十六駅で毒ガス散布の大量無差別事件を起こしたと断言する、東京、大阪で拉致事件が発覚、進退きわまった上、国家権カへの挑戦を気取り、多くの市民を殺したのは犯罪集団オウム真理教であるというふうに、こういうことを書いて手配りで大勢の人が配っていたわけです。  だけれども、こういう問題も、どこのだれが出したのかなと思って見たら、オウム真理教から国民を守る会というんです。どこのだれだかわからない。やっぱりどこのだれだかわからない者が配っているビラというのは、真意が那辺にあるかということも疑ってかからなきゃならない。今度の事件で、やはり裏の裏まで読んでかかるということが必要じゃないかなというふうに思いますが、その辺どうも真っ正面に現象だけでもって振り回されているという嫌いはないだろうか。その点、特に大臣の方からひとつお答えいただきたいと思います。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、一連の事件につきまして委員が今お述べになりましたような国民感情がありますことは、私ども率直に受けとめておるわけでございます。  國松警察庁長官につきまして、今、警備局長が申しましたけれども、私ども警察部内にない者につきましては、いわゆる大臣等には警護官がついておるわけでございますけれども、どうも警察には、長官だけでなく、長い伝統があったのかもわかりませんけれども、みずから警察官である、したがって警察官に警護が要るということをむしろ恥とするような、そういう美学があったのではなかろうか。これは私の推測でありますけれども、今回の事件を反省いたしまして、率直に申し上げて警備に虚をつかれるところがあったということは反省をしておるところでございます。  また、委員の今御指摘がございましたように、さまざまなビラがまかれ、あるいは報道を通じていろんな報道がなされておるところでもございますし、またオウム真理教関係につきましても堂々とメディアに出て、そしてその内容についていろんな発言をしておる状況でもございます。それだけに国民の皆さんからごらんになりますと、山梨のあの広大な地域にあれだけの捜査が入って、あれだけ危険なものが置かれておるのに一体どうしてこれが検挙ができないんだという、そういういら立ちにも似たものが批判となって出てきておることについても、私どもはよく理解をし、承知をしておるところでございます。  しかし、地下鉄問題あるいは國松長官銃撃事件、そして公証人役場の仮谷事務長拉致事件、これに対するオウム真理教のいわゆる容疑者が特定できておる捜査、こういう三つを連係づけて考えることは犯罪を捜査する上では私は危険であると考えておるのでございまして、私どもは連係が結果的に出る場合は偶発的に仕方がないとしましても、一つずつ別個に、一つずつ犯罪の中を徹底して突き詰めて、そして検証をしていかなくてはならないと考えておるところでございます。  そういう意味で、国民の皆さんからはいら立ちもあり御不満もあろうと思いますけれども、警察は全警察の総力を挙げて事件解明に努力をし、総理の厳命をも受けまして事件解明と再発防止のために諸機関を挙げて努力いたしておるところでございますので、皆さんのぜひ御理解をいただき、また警察に寄せられるさまざまな情報、これは犯罪捜査の上で貴重な資料となるわけでございますので、この機会に国民各層の皆さんの御理解と、さらに小さな情報でも警察にお寄せいただきますことをお願い申し上げる次第でございます。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 地下鉄の場合は、我々は考えたこともないけれども、ああいうことをやられればなるほど犯人を捕まえるのは大変だなと思います。しかし、警察庁長官の場合はけん銃でねらっているんですね。  私も銃の取り扱いの体験はありますけれども、小銃よりも機関銃よりもけん銃が一番難しいですよ、実際にやってみると。それでけん銃の場合は、特にああいう銃身の短いものは反動が大きいから、一発撃つとこんなになるんです、腕が。それで、またねらい直さなければ照準はつけられない。それを四発も命中させる、しかも二十メートル以上離れて。これはまともな素人じゃできません。  だから、そういう点から、こんなことの訓練を受けた人間、経験を積んだ人間というふうに特定していくとおのずから範囲は狭められてくるんじゃないかという気がいたしますが、そのような方面で犯人を特定するということは現在できているのかどうかその点をお伺いしたいと思うんです。

杉田和博警察庁警備局長

○政府委員(杉田和博君) 現在さまざまな角度から捜査を行っておりますけれども、委員御指摘のようなことも踏まえましていろいろと今検討をしておるところでありますけれども、現段階では特定をするには至っておりません。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 やはりこういう場合は、もう素早く捕まえるようにしなきゃ難しいと思うんですよ。逃げられてしまった後で聞き込みや何かを一生懸命やったって、それは海や川で逃がした魚を釣りざおを持って追っかけ回すようなものです。戻ってきやしないですよ、これは。こういうことでは後手に回るもいいところだというふうに指摘したくなるんですよ。  だから、今後の問題としては、後手に回らないようにひとつ十分に気をつけて、いやしくも警察の長が狙撃をされて犯人が捕まらないなんということはこれは恥ずかしいですから、恥ずかしいということはわかっていると思いますけれども、十分に気をつけてほしいと思います。  それから今回の問題で感じましたことは、一般の庶民の常識ではわからないことが非常に多過ぎる。これはもう一種の宗教王国ですね。特定の治外法権を持った宗教王国を形づくっている。中には立ち入れないというような感じがするんです。だけど、こういうことを許していていいのかどうか。やはり日本国憲法の許容する範囲内で宗教法人であって毛布教活動をやってもらうんでないと国民は安心できません。その点、はみ出しているような感じがするのでありますが、はみ出しているというふうに思われたならば、はみ出さないような対抗措置を政府として考える必要があるんじゃないかと思います。  法律的に難しいかどうかということを論じていたんでは、相手は法網をくぐることを綿密に検討しているんですから、綿密に検討していくために弁護士から医師から薬剤師からその道の専門家をたくさん集めて研究している。こっちはやられた後で後手に回って追っかけ回す、こういうことですからこれは大変だと思いますよ。  そういう点で、やはりこれからのこの種の問題に対応する措置というものを法律的にも考えていく必要があると思いますが、その点どうでしょうか。これは総理にお伺いしたいと思うんです。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 宗教団体、宗教法人は、信教の自由、宗教活動の自由は憲法で保障されておりますけれども、それは先生御指摘のように、無制限の権利ではございません。あくまでも日本国憲法また日本の法律、法令の範囲内での活動でございまして、今回のようにいわば治外法権的に活動が許されているわけではございません。  また、宗教団体の内部活動といえども日本の法令には従っていただかなければなりませんし、また一般常識的な公序良俗に反するような宗教活動というのは許されるはずもないわけでございまして、そのような問題に対する対抗措置としてはやはり既存の刑法を初めとする万般の法令がございますし、また宗教法人法では、宗教法人が明白なこととして公共の福祉に反するようなことを行っている場合には解散の請求が裁判所に対してできるということになっておりますので、今回の一連の事件はまだ刑事事件としては初期の段階でございますが、結末によっては宗教法人法第八十一条の問題と十分なり得ると私は思っております。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 テレビにあの内部が放映されるようになったことは、これはよかったと思うんです。しかし、それでもって我々もおかしいなというふうに感ずることがあります。  例えば、私らもニュースでもって見たんですけれども、中にいる人の顔色が悪いと言われる、それは一体どういうわけかということになると、これは毒ガスをまかれたとかいろんなことを言っているんです。責任者が、米軍の飛行機が飛んできてあそこで急降下してまいていくんじゃないかというようなことを言うんです。毒ガスというのは相手を選ばないわけなんです。あそこの特定の地域だけにまいていくと言っても、風が吹いたらその毒ガスはどこに行くんだかわからないんですから、やっぱりそういう言い方というのは世間に通らないですね。  それから世間に通らないことを平気で言っている場合に信者といえどもそれはおかしいじゃないかということを指摘する言論の自由がなければこれはよくないと思うんです。そういう言論の自由があるんだかないんだかわからない。  この点を考えると、やはりある程度ガラス張りの組織でないといかに宗教団体であっても許されないのじゃないかと思うんです。中が秘密のベールに閉ざされている、閉ざされているからどうも行われることがわけがわからない。今までの中で誘拐あるいは拉致監禁、洗脳といったような個人の自由が拘束をされるといったようなことが多分にあったんじゃないか、あったとしても世間にはわからないで済んじゃっているんじゃないか、こういう疑いがあるんです。  だから憲法の範囲内で、ともかくオープンに中がわかるようにする。もし仏教であるならば衆生済度であるとかあるいは慈悲の心であるとか、キリスト教にしても愛ということを言われている。西郷隆盛でも敬天愛人というような、天を敬い、人を愛すという言葉を残しているんです。ここの宗教にはそういうことが許されているんだかいないんだかわからないんですね。だからその辺、世間の人々が不信の目を持って見るのは当然だと思います。  今後の問題としては、私どもはこの種の自由が許される宗教であるならばこれは認めてもいいだろう、だけれども、何が何だかわからない、内部でどういうことが行われているんだかわからないというようなことは厳に取り締まるべきではないか、あるいはオープンにすることを要求すべきではないか。住民とのトラブルが生じているけれども、どうにもならない。どうにもならない場合に、その住民はどこへ訴えていっていいんだかわからない。地方自治体なりあるいは行政がこれに対応しててきぱきと行動できるような仕組みというものを考える必要があるんじゃないか。  その点、どうもすき間が多過ぎるという感じがするのでありますが、そういうすき間を埋めるためにはどうしたらよろしいというふうにお考えになるか、その点もお伺いしたいと思うんです。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 宗教法人は、いわば広い概念では公益法人の一つでございます。ましてや宗教法人は善なることを追い求める団体であろうと思いますので、その宗教法人の活動がある程度ガラス張りであるということもまた私は必要なことなんだろうと思っております。宗教法人法上、法人格を得た途端にすべてがベールに包まれるということは果たしていいのかどうかというやはり立法論は私はあり得るのだろうと思っております。  そういう意味では、宗教法人法のあり方についてやはりこういう機会に若干考えるということは私は必要であろうと思いますし、そういう問題を考える機会でもあると思っております。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 自衛隊が今回も大分活躍をしたようでありますけれども、自衛隊といえどもこういうことは恐らく余り予期していなかっただろうと思うんです。防毒マスクを使って、そしてこういう施設のあるところへ入るといっても、どういう防毒マスクを使っていいかわからない。それは前はよく催涙ガスなんというのが使われましたけれども、そういうもので間に合わないという場合がこれは地下鉄なんかの例から考えられるんですけれども、例えばそういう防毒マスク、毒ガス排除といったような組織が自衛隊の中にどの程度あるのか、どのくらいの人がその仕事に携わっているのか長官にお伺いしたいと思います。

村田直昭防衛庁防衛局長

○政府委員(村田直昭君) お答えいたします。  自衛隊が保有しております防護マスクあるいは戦闘用防護衣でございますけれども、これにつきましては、陸上自衛隊につきましては、定員の十八万人に対しまして平成五年度末で防護マスクを約十一万九千個ほど保有しております。戦闘用防護衣につきましても約三万五千組ほど保有しておるという状況でございます。  また、これらの化学関係の職種に当たっておる人員につきましては、全国において約七百人強という要員が当たっておるという状況でございます。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 この種のものは、いざという場合には全員に行き渡らないと役に立ちませんからね。数の足りない分は我慢しろというわけにはいかないですから、そういう点やはり十分な配慮をする必要があるんじゃないですか。  時間が参りましたから結論を急ぎたいと思います。  先ほど宗教法人についていろいろと検討してみたいというお話がございましたけれども、宗教法人として布教に努めるのならば、やはり一般の国民が安心して手を合わせることができるような宗教法人でなければ意味がないと思うし、陰でもってどんなことが行われているんだか、まごまごすると行方不明者が出てくる。その行方不明者というのはどうなったかわからない。事によると消されちまったんじゃないかということになると、殺人まで行うような宗教法人なんというのは、これはやはり認めるわけにいかないですよね。  証拠がないわけだからそういう具体的なことは、最悪の事態まで想像ができませんけれども、そのような事態というものは許さないための宗教法人のあり方というものを十分に検討した上で、政府としても今回のこの事件を一つの重要な教訓として今後に対処していただきたいというふうに考えますが、いかがですか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) この国会で化学兵器禁止条約に基づく国内法の施行を皆さんの御審議もいただきまして早めるという決定もいただきましたし、同時に今議論のありましたような国内法の整備も今の法体系で十分足りるのかというようなことも検討して、関係省庁が集まって、そしてサリン等の薬物を扱う問題に対する法律案も作成をしてこの国会に提出をする、こういう段取りもつけておりますし、またサリン事件やあるいは拉致事件やあるいはまた今回の警察庁長官に対する狙撃事件といったような事件等々も関連をさせて、事件の推移を見きわめながら、今の制度、法体系で何が欠けておるのかというようなことについては十分検討し直す必要があるというふうに私は考えておりますから、適切に対処をしてまいりたいというふうに思っております。

瀬谷英行日本社会党・護憲民主連合

○瀬谷英行君 時間が参りましたので、終わります。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で穐山篤君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、猪熊重二君の質疑を行います。猪熊重二君。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 平成会・公明の猪熊重二でございます。  質問に先立ちまして、松本サリン事件、また今回の地下鉄サリン事件で亡くなられた方に本当に哀悼の意を表し、また両方の事件でいまだに療養中の方の一日も早い全快を心より祈念申し上げる次第です。  私は、今まで委員の皆さん方からいろいろな質問がございまして重複するところもあるかもしれませんが、まず最初に去年の六月二十七日の松本市におけるいわゆる一口に言って松本サリン事件について警察庁にお伺いしたい。  現地の松本警察署を含め警察庁としてこの事件の発生を認知した時刻と、それから犯行に使用された薬物がサリンである、あるいはサリンの類似品というかそのような薬品であるということが判明したのは一体どのくらいの時間がかかっているのか、お伺いしたいと思います。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  お尋ねの松本における事件でございますけれども、これは平成六年六月二十七日午後十一時ごろ発生したわけでありますけれども、発生後間もなく一一九番通報で出動した消防隊からの連絡を受け、警察においても認知をし、警察官を現場に派遣し、事件を認知したところでございます。  この事件でサリンであるとの判明がいつかという御質問についてでございますけれども、被害者の症状等から六月二十八日には有機燐系ガスによる中毒である疑いが強いというような判断になりましたが、その後の鑑定によって七月三日にはサリンと推定される物質が本件に使用されたものとの一応の判断をいたしたところでございます。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 結局、松本サリン事件においては、サリンに対する捜査機関の知識、能力がなければほとんど捜査できないんです。今のお話で、六月二十七日に事件が発生したけれども七月三日にはサリンであるということがわかったということですが、一週間近くかかっているわけなんです。  私が申し上げたいのは、あるいは伺いたいのは、警察でこういうふうな科学犯罪に対する対応というか知識、技能というものがどの程度できていたんだろうか。当時なかったとしても、その後どのように警察としてはいわゆる化学薬品による犯罪に対して対応できるように取り組んできたんだろうか、この辺をお伺いしたいと思います。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えをいたします。  当該事件について申し上げますと、長野県警察におきましては、事件発生の初期の段階から化学の専門的な知識を有している科学捜査研究所の職員を投入して捜査を行っておりますし、また警察庁におきましても、警察庁の科学警察研究所から所長以下の職員を派遣して本件事案の解明に当たらせているところでございます。  ただ、御指摘いただきましたように、警察全体というか捜査全体において、特に捜査員が当初から化学知識について十分な知識を有し有事に対応できる体制にあったかというと、その点についてはやはり十分な体制が必ずしもあったわけではございません。例えば長野県警察におきましても、本件捜査につきましては通常の捜査員では対応できないということで、県内の職員の中から学歴等から化学知識を有する者をリストアップして、それらの者を別途捜査本部に招集して所要の捜査に当たらせたというような対応をとっているところでございます。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 それで結論的に、松本のサリン事件での捜査はどうも手薄だった、あるいはいろいろよくわからぬことが多かったということなら、それ以降どのような手を打ったのか。それがこの九カ月後に発生した今回の地下鉄サリン事件にどのくらい生かされているのか、もう少し明らかに述べてください。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) この長野県警察における捜査を通じまして、サリンを生成するにはどういう薬品が必要かというのが当然この捜査の中で行われたわけでございますけれども、この捜査は大変広範囲にわたりまして行う必要があるわけで、全国警察にその薬品捜査については依頼をして捜査をするというようなこともいたしました。  そのために、サリンを生成する薬品というのはどういうものがあるかということは従来必ずしも警察職員というか警察部内で十分認識されていなかったわけでございますけれども、そういう点についての認識は高まってきたものと考えておりますし、また一定のガスあるいは薬物が、サリンというかそういう大変特異なものであるかどうかの鑑定の技術というかそういうものについてもやはり部内的には大変向上してきたものというふうに考えております。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 私は警察を非難しているんじゃないんです。要するに悪いことをするやつがだんだん知恵が出てきて技術が出てきて非常に立派な犯罪をやるようになっている。それに警察が追いつかないんじゃ困るんだということを申し上げているんです。    〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕  結局、化学薬品を使った犯罪あるいはコンピューターを使った高度技術犯罪、いろいろ今後は犯罪者の方がしっかり立派に勉強して技術を向上させてやってくる。これに警察が対応できないようじゃ困るという意味において、松本サリン事件で大分懲りたから一生懸命こうやったというふうなことがあるのかどうなのか。  あるいは今回の地下鉄サリン事件を契機にしても、科学警察研究所があるのは知っていますけれども、科学警察研究所でちょっと研究しているという程度じゃなくて現場にもいなかったら、科学警察研究所の職員が北海道でやれ薬品犯罪があったから飛んでいけ、やれ沖縄であったから飛んでいけ、そんなにあなた、全国飛び回っているだけじゃ忙しくてしょうがない。それよりも、もう少し警察自体において今の科学警察研究所がやっているような研究あるいは実際の応用、こういうことを予算的にもきちんととって、新しい犯罪に対応できるようなシステムを考えてもらいたい。自治大臣・公安委員長、いかがですか。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、一般的にはそういう科学犯罪につきまして専門の職員の養成に努めてきたところでございますし、松本事件以来は中途採用をいたしまして専門的な職員の確保にも努めてきたところでございます。  今後、先ほど下稲葉委員の御質問にもございましたように、警察官の定員の問題あるいは装備万般にわたる問題につきまして、国会を初め関係機関の御協力をもいただきながら、この種犯罪の撲滅のために一層組織の点検並びに拡充に努めて再犯防止に努力をしてまいりたいと考えております。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 次に、今回の山梨県上九一色村のオウム真理教の施設に対する捜索は、その捜索のもとは、二月二十八日に品川区内で仮谷さんという公証人役場の事務長さんが誘拐監禁された事件によって開始された捜索なわけです。この件に関して先ほど国家公安委員長は、犯人はオウム関係者と認知した上でこういう捜索を始めたと、こういうお話だったんですが、きのうのフジテレビあるいはテレビ朝日等によると、この監禁事件は創価学会が関与してやらせたんだというふうな報道がなされ、そしてその報道に基づいて今度はきょうの幾つかの新聞にも同じようなことが記載されている。  この仮谷事務長誘拐監禁事件の犯人がオウム関係者であるというふうに認知されたこと、またこの監禁事件に今申し上げたようなテレビや報道に創価学会関係者あるいは創価学会が関与していると、こういうふうな報道についての公安委員長の御意見をお伺いしたいと思います。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) 先ほど申し上げましたように、オウム真理教の捜査に関係をいたしましては、品川の公証人役場の仮谷事務長が誘拐拉致されました。この犯人像を捜査いたしました結果、その使用した車等からオウム真理教の幹部であります松本剛がかかわったということを立証することができましたので、警察庁特別手配といたしまして犯人を追及しておるところでございまして、昨日以来言われておるような創価学会を初めとするそのような根拠は全くないわけでございまして、改めてここで明確に申し上げておきたいと存じます。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 次に、防衛庁に対してちょっとお伺いしておきたいと思います。  防衛庁も阪神・淡路大震災に引き続いて今回の地下鉄サリン事件でもいろいろ御苦労されている、大変にありがたいことだと思っております。ただ、今回の地下鉄サリン事件に関連しての山梨県上九一色村のオウム真理教の捜索に自衛隊員が参加したことに関して、少々法律上の問題点をお伺いしたいんです。  要するにこのオウム真理教の施設の捜索は司法警察業務ですから、それに対して自衛隊職員がいかなる資格、立場で捜索に、捜索というのは物に対する捜査ですから、捜査権を持って立ち会ったのか、その辺のことについてお伺いしたいと思います。

村田直昭防衛庁防衛局長

○政府委員(村田直昭君) 今回の事案におきまして、先生お尋ねの件は山梨県の上九一色村の件であろうかと思いますが、これにつきましては、自衛隊の派遣された人員は、現時点でも派遣しておるわけでございますが、十二名の者を派遣しております。  それはどういう立場で参加しておるかと申しますと、警察庁の職員を兼務するという格好で、警察庁職員の身分を保有し、それに基づいて山梨県警察が行う捜査についての警察庁職員としての助言、調整を行うという立場においてこれに参加をしておるというふうに御理解いただきたいと思います。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 だから、自衛隊員がそのように捜査に参加できる法的な根拠はどこにあるんですかと伺っているんです。

村田直昭防衛庁防衛局長

○政府委員(村田直昭君) ただいまお答えしましたように、警察庁の職員の身分を兼ねることによって警察庁の職員として県警の警察官ないし捜査に従事する職員に対しての指導、助言を行うという、警察庁から派遣されている職員と同じような身分において助言をしている、捜査に従事しているわけではなくて助言をしておるということでございます。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 あなたが言うことははっきりしてないんだ。要するに警察庁の職員としての身分を持つと言うから、それを持つのはどこからどういう規定に基づいて持っているかこう聞いているんです。  警察庁職員の身分を持つということだったら、自衛隊の一個大隊に警察庁の職員の身分を持たせたら自衛隊そのものが警察じゃないですか。治安出動だとか災害出動だとか自衛隊法にいろいろ書いてあるのに、何も書いてないことによってそんな一個大隊だか、私は余り軍隊のことは知らぬけれども、何だか何百人も何千人も警察庁職員というふうに言って行ったら、何だこれは、警察が捜査するというのに対して、自衛隊が捜査するということになったらどういうことになるんですか。

村田直昭防衛庁防衛局長

○政府委員(村田直昭君) まず私の方から、防衛庁の職員である隊員がほかの国家機関あるいは地方公共団体の機関の職員につくことができる規定としまして、自衛隊法第六十条の規定並びにそれを受けましたところの自衛隊法施行規則第六十条の五号によりまして「隊員が他の国家機関の職を兼ね、又は地方公共団体の機関の職につくことによって、当該隊員の防衛庁における職務の遂行に著しい支障がないと長官が認める場合」に兼職をすることができるという規定がございまして、これに基づいて警察庁の職員としての身分を兼ねておるということでございます。  そして、その警察庁の職員と県警の関係につきましては、警察庁の官房長の方からお答えをいただきたいと思います。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 いや、いい。  防衛局長、自衛隊法施行規則の六十条によって、隊員は長官の承認を得て他の国家機関の職につくことができるという規定があるのは私も聞いてわかったんです。  ただこれは、隊員は長官がいいよと言えば警察の職員になることができるという規定だけなんです。長官が命令して、上九一色村へ行ってよく調べてこい、警察庁に派遣するからおまえ行ってやってこいという規定じゃないじゃない。要するに私が言っているのは、こんな規定を単なる兼職、自衛隊員が今度は文部省へ行っていろいろ教育のことを勉強してきたい、じゃ文部省の職員に行っていいよと、こういう規定で、捜査というような人権に直接かかわるような問題のところに行くことができるという規定なんというふうに読むわけにはいきませんよ、もう少し法を整備したらどうですかということを申し上げているんです。  要するに自衛隊も、行って苦労して、それでも私みたいに文句を言うやつがいると、何だ骨折って怒られて、傘屋の小僧ということにはなるけれども、しかしもう少しきちんとしておかないと法治主義というものがどんどんどんどん退化していってしまって、先ほどからいろいろお話を伺っていれば、治安維持が必要だということだけを強調したら戦前の治安維持法になってしまうんです。宗教法人法が大した力がないからといったら戦前の宗教団体法になってしまう。  要するに法律を無視したり法律をゆがめて解釈していくということは非常に危険なことだということで、自衛隊が一生懸命苦労しているのは私は心から感謝しているんですよ、だけれども、この規定で行くというのはちょっと法的におかしいんじゃなかろうかということだけを申し上げておきたいと思います。  それからあと法務省にもいろいろ伺いたかったんですが、ちょっと時間の関係で申しわけない、文部大臣にちょっとお伺いしておきたい。  先ほどいろんな先生方から宗教法人法の問題について質問がございました。それに対して文部大臣のいろんな答弁は、非常に私はきちんとしたすばらしい答弁だと思うんです。  ただ、最後のころになって、もう少し宗教法人法の問題で検討すべき課題がある、こういうふうなことをおっしゃられましたけれども、宗教法人法について先ほどから文部大臣がおっしゃっていることは正しいことなんです。要するに宗教法人法というのは宗教団体に対して法人格を付与しただけの法律なんです。要するに私法上の法人格を、民法上の法人格を付与しただけの法律であって、宗教団体そのものに対する何らの介入もすることでもなければ規制する法律でもない。要するに宗教団体もこの世の中において民事上の一つの権利能力としての法人格を付与しようというだけのことですから。  ところが、この宗教法人法の問題と宗教団体の実質に対する規制の問題とを混乱して考えるといろんな問題が出てくる。しかし、宗教団体は憲法二十条の信教の自由によって、何を信仰する信仰しないこと、教義を宣布すること、同じ考えの人間が団体、結社を結成すること、これが信教の自由の中核なんです。そしてまた二十一条では結社の自由もある。  だから、この宗教団体の問題と宗教法人法の問題とごちょごちょ一緒に考えることは間違いであるという意味において、先ほど大臣はうまいことちゃんときちんと答えておられたと私は思うんです。  それから先ほどから、どうも質問じゃなくて申しわけないんですけれども、宗教団体の例えは上九一色村のオウムの施設が治外法権だというふうなことをいろいろおっしゃられる先生方もおられるし、国民もそう思うかもしれない。しかし、これは宗教法人だから入っちゃならぬじゃないんです。住居の不可侵は憲法上の権利なんです。憲法上の原則なんです。だから、何もオウム真理教の屋敷だから入っちゃいけないわけじゃない。私の家にだって入ってくるわけにはいかぬ、何もなかったら。    〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕  そのかわり犯罪があれば、捜査が必要なら行ける、これだけのことのはずなんです。  文部大臣に、先ほどの宗教法人法上種々問題があるので検討することを考えておられるということの中身をお伺いしたい。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 宗教法人法に対する国民の関心は近来になく高まっていると私は思うわけでございます。また、宗教法人法を制定した時期の社会的状況と今の日本の社会的状況とは若干私は違ってきているのであろうと思います。  そういう意味では、宗教法人法をあらかじめ改正するということではなくて、やはり宗教法人法のあり方ということについても知識を集め論議をする機会ではないかと私は思っております。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 法務省に非常に簡単にお伺いしたいと思います。  去る三月三十一日の早朝、國松警察庁長官がピストルによって狙撃された。これは国家に対する反逆行為であるという意味において非常に許されない行為。私は、こういうふうな国家機関に対する、あるいは地方公共団体の機関でもいいですけれども、機関に対する犯罪に関して特別な刑の加重要件というふうなことを検討する御意思があるかないか。  要するにこれは単にAさんがBさんを殺すとか撃ったとかという問題じゃないんです。国家行政に対する、国家の意思決定、意思執行に対する犯罪なんだという意味において一般に比べての刑の加重というふうなことを考える余地があるかないか。いかがですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 現行刑法上からまいりますと、相手がどのような人間であるかによって刑罰に区別を設けることは現在いたしておりません。公務員の職務を執行するに当たりまして、暴行または脅迫を加えれば公務執行妨害が成立するということでございます。  そこで、公務員の身分によってのみ特別な保護を与え、そして刑の加重を考えるということでございますが、今日の刑におきましては、外国と比べましても大変幅広く定められておりまして、例えば殺人罪は死刑、無期または三年以上の懲役という処罰になっております。  そこで問題は、それでは公務員あるいは公的な立場の人をどう解釈するかという、これまた非常に政治家、財界、言論人等々数多くの公的な立場にある方があるわけでございますし、そうした中で、そのような内容に応じて現在は幅広い刑の中から事情を十分に考慮した量刑をすることができる、かように考えておりまして、特段考えていないということでございます。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) 先ほど猪熊委員の自衛隊の兼務につきまして御質問がございましたけれども、今後の自衛隊の兼務のあり方から考えますときに誤解を生んではいけませんので、警察庁官房長からお答えを申し上げることをお許しいただきたいと存じます。

菅沼清高警察庁長官官房長

○政府委員(菅沼清高君) 先ほどお尋ねのございました件につきまして、これにつきましては警察庁が防衛庁にお願いをいたしましてとっていただきました協力措置でございまして、警察庁は都道、府県警察の特別な捜査等について必要な場合には助言等を与えるために職員を派遣することができるわけでございます。  したがいまして、今回そうしたことのできる警察庁の職員として十分な者がおりませんでしたので、現場におきまして危険物の除去、判断等について特殊な経験、技能を持っておられる防衛庁の方にお願いをいたしまして、防衛庁の方から職員を出していただきまして、これを警察庁の職員と兼務をしていただきまして警察庁の職員が通常現場において行う助言措置をやってもらったわけでございますので、よろしく御理解方をお願いいたしたいと思います。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 最後に総理に。  この松本サリン事件にしても地下鉄サリン事件にしても、何のためにやったかという犯罪の動機が非常にわからない。動機がわからないから非常に犯罪捜査も難しい大変な事件で、確かに今まで経験したこともないような難しい事件だろうと思う。そういう意味において、総理も大変であることは私も本当に大変だなと思いますが、いずれにせよ国民が一番不安なのは、何のためにこんなあほなことをやるんだ、何で地下鉄でそんなということが一番多いわけです。国民に対して安心を与えるための何か御意見があったらお伺いしたい。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今御指摘のございましたような事件について、これは何よりも大事なことは、一日も早く犯人を検挙してそして事実関係を明らかにする、それで再発を防止するということに私はあると思うんです。ただ、その社会的背景とか原因とかというようなものについては今捜査中ですし、これはまだここで明らかにする段階にはないと、極めて残念でありますけれども申し上げる以外にないと思います。  ただ、今お話もございましたように、国民が安心して暮らせるような社会的条件をつくっていくためには、今申し上げましたように、一日も早く犯人を検挙してそして再び起こらないような再発防止に万全を期す、そのために全力を挙げて取り組むという以外にはないのではないかというふうに思っておりますから、今その決意で取り組んでおるところでございます。

猪熊重二平成会

○猪熊重二君 いろいろありがとうございました。  小林委員の関連質疑をよろしくお願いします。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。小林正君。

小林正平成会

○小林正君 一時からずっと各委員の御指摘等も承りながら私もいろいろこの経過について考えてみましたが、松本のサリン事件、昨年の上九一色村におけるサリン残留物の検出、今回の地下鉄サリン事件、そして警察庁長官の銃撃というような問題と、横浜における坂本弁護士一家の失踪・拉致事件、そして仮谷さんの拉致事件、これはいずれも偶発的、一過性のものではない、これはもう明確だと思うんです。明らかに組織的、計画的に周到に準備されて実行された事件であるということはだれも疑いの余地のないところであろうかと思います。  そういう視点に立って考えたときに、これらの一連の問題について、これはまさに今までの概念とは異なる、戦争だというような言い方すら今出てきているわけであります。今後の対処については、こうした視点からとらえていく面というのも非常に重要ではないかという気がしているところでございます。例えば地下鉄サリン事件、これは奇襲攻撃だということで受けた場合に、どうこれについて評価するか。そして、その組織の長である警察庁長官が襲撃を受けて、そしていずれも彼らの意図する戦果を上げているわけです。  このことは結果として何を招来するか。私は大変大きな問題が今後に出てくると思います。いずれも彼らは組織力と計画性、そして実行グループを抱えながらこうしたことを成功させ、戦果を上げてきているわけですから、次なる標的あるいは次なる戦術戦略というものを持ちながら、このことについて次に何をするかということを当然想定しながら着実に積み上げてきている、こういうふうに認識する必要があるんじゃないでしょうか。  今まで、地下鉄サリン事件が起きて警察庁長官が単独で行動するといったようなこと自体が、やはり治安に対するあるいはこの一連の事件に対する危機意識、認識の問題として非常に重大な問題提起をしていると、私はこのように受けとめているわけであります。ぜひそういう視点に立ってこれからの対応をやっていかないと、先ほど来指摘されておりますように、後手後手に回って、最後に何を言うかというと徹底捜査ですと、こういうことの繰り返しになっていくわけです。それではまさにこれから一層エスカレートさせる原因にしかならないということを申し上げておきたいと思うわけでございます。  次に、そういう立場に立っていろいろ御質問もしますが、今までの体制では問題解決できないようなことがきょうの質問にもたくさん出てまいりました。全く新たな事態が今起きているわけですから、そこへ向けて今後どうしていくのか。  例えば宗教法人法の改正問題も出ております。既に十八万四千というような数が報告をされ、上部組織を持たない組織が六千もあるということになりますと、文化庁次長の答弁じゃありませんけれども、宗教法人法の本来予定していないことが今起きているわけで到底対応のしょうがない、こういうことですよね。  ですから、これらの問題についてこの間の答弁を承っておりますと、文部大臣としては宗教団体の施設が現在殺人予備罪で捜索を受けていると。そして、きっかけになったのが拉致事件、教団の幹部が関与しているということも明らかになっている。そしてさらに、こういう状況が出てきている今日なお、まだ捜査段階だからこれは法人法の八十一条を適用することはできない、こういうことのようでありますけれども、私は非常に重大なのは、この間の彼らの布教活動、これは法人法に基づいて認証を受ける東京都の窓口での段階のいろんなトラブルも承っております。そして、機関委任事務としてこれを受けた形で東京都が認証を与えた、そのことが結果として今、何を招来しているか。  宗教法人という公益法人のお墨つきを国からいただいておりますから、したがって私たちの教団に対して国が信用のお墨つきを与えている、ですから何の御心配も要りませんという、利用をされているわけですよ。そのことがなお今日も続いている。このことについてどうとらえるかということなんです。  それで、宗教法人で学校の設立の問題、例えば真理学園とかというのをつくろうとか、あるいはまたいろんな施設の中で自分たちの価値観に基づくことをいろいろやりたがっているということも聞いているんですけれども、私は、富士宮市の二十六名の問題や、上九一色村に何人実際にはいるのかわかりませんけれども、教団幹部のテレビでのいろんな対応を見ていますと、学校に、公立学校にやればそこで出てくるのはいじめの問題が出てくる、だからやれないというようなことを言っていますね。それから自治体に対しては住民票の問題がある、したがって住民登録を拒まれれば学校にはやれないじゃないかとかいろいろな言いわけを合しているわけです。  僕は、このことを受けてやっぱりこれは地域社会の中で、学校と村の行政、そして警察、こういったものが一体的な対応を今後やっていかないと、今まで宗教法人法が予定していなかったような事態が生じ、地方自治法が予定していなかったような、言ってみれば地方自治体乗っ取り的な行動が一方に見られているわけですから、そういうことは我々全然想定もしなかったことですね。したがって、こうした新たな事態に対して有効適切にどう対応できるのかということは、今後の課題として当然やっていかないといけないと思うんです。  これは三十一日の朝日新聞ですけれども、既にこういう形で二十三都府県で六十件とあっちこっちでトラブルが起きていて、しかもその最前線で学校と役場が大変苦労しておるわけです。もちろん警察の方々も大変な御苦労があるんだろうと思いますが、こうしたことについて、現場段階での処理が困難な新たな状況の中でこれをどうしていくのか。これについてはきちっとした対応が必要だと思うんです。  最初に、宗教法人法の問題、それから就学義務がある子供たちを今後どうするのかという課題とあわせまして文部大臣にお伺いし、後に自治大臣から、こうした新たな状況の中で自治体を守るという視点に立って特別な立法の問題も含んでどういうことが可能なのか、お伺いしておきたいと思います。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) まず宗教法人法の問題で、いつの段階で解散請求ができるのかと、こういう御趣旨の御質問だったと思いますが、宗教法人法の第八十一条に基づいて解散請求ができますのは、所轄庁、利害関係人または検察官でございます。その三者のうちの一つが解散請求を行ってもいいですし、その三者のうちの二者ないしは三者が共同で解散請求を行ってもいいわけでございます。  そこで、ある事柄がわかって解散請求をするということになりました場合、今回のようなケースで容疑の段階で果たして解散請求ができるかという問題に直面をいたしますと、裁判所に対して解散請求をするわけでございますからやはりその理由を申し述べて解散請求をするわけでございまして、必要な書面を裁判所に提出して解散請求をするわけでございますから、それは容疑の段階、あるいは現在令状に基づいた捜索が行われている段階で、あるいは拉致事件の容疑者が身柄拘束をされていない段階でそういうことができるかといえば、技術的にはそういうものはできないというふうに申し上げた方が正しいのではないかと思っております。  また、就学義務につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、やはり国民は義務教育を受ける権利も持っておりますし、また義務教育を受けなければならないという義務も負っているわけでございます。そういう中で、地元教育委員会が繰り返し繰り返し就学をしていただきたいという督促を行っております。短い方で約一年、長い方では約五年にもわたって地元教育委員会が本当に熱心にお願いをし、また場合によってはその保護者の居場所がわからないという困難な中でも繰り返し就学をお願いしている状況でございます。しかしながら、これはやはり法律は守っていただかなければならない、そういう意味ではある時期法律上の処置をとらざるを得ないということも当然あるわけでございます。  いずれにいたしましても、このような状況の中で、将来ある子供たちが親だけの判断で学校に行かないというのは私はゆゆしき事態だと思っております。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) 自治省といたしましては、上九一色村におきましては八百七十三名のオウム真理教関係者の住民登録の要請をお受けになったようでございますけれども、昨年来の盗聴事件あるいは悪臭事件、このような問題が解明されない限り住民登録を受けることはできないと、こういう村長の意思が示されたようでございまして、県当局も、定期的な立ち入りが行われ、そして居住環境が明らかになった状態でなければ、かの村当局の解釈は正しいという見解を示したわけでございます。それぞれ居住をする住民はその地域住民との一体感が必要でございますので、私ども自治省といたしましても、この村並びに県当局の見解は正しいと考えておる次第でございます。

小林正平成会

○小林正君 次に、警察庁及び防衛庁にお伺いしたいと思います。  サリンというのは貧者の核兵器という言い方があって、核についてはNPT等不拡散のさまざまな国際的な取り決めが現にあるわけでありますけれども、サリンについては既にかなり技術拡散が進んでしまっているというのが今日の状況ですし、化学兵器の禁止についての国際的な取り決めについても国会の意思も明らかにしているわけですけれども、まだなお国内で、これが密造されたか密輸入されたかはわかりませんけれども、現に使用されたという極めて深刻な事態が今起きているわけで、国際的にいえば条約には賛成したけれども国内的にはゆるふんで、それが密造されているあるいは使用されているというような事態が生じているということについては大変な問題に今なっているわけであります。  私は、核も絶対使わせてはいけないということと同様に、サリンについても未然防止ということが何よりも重大な我々の使命だと、このように考えているわけですけれども、現に使用されてしまった。さっき戦果と言いましたけれども、立場をかえればそういうことになります。  それからまた、同時に長官の襲撃についても、絶対に守るべき部分についてこれが守り切れなかったということについては大変大きな問題ですし、彼らにとっては戦果を上げたわけです。これもやはり絶対に起こしてはならない事件だったという認識について、どのように深刻にこの二つとも未然に防げなかったということを受けとめているのか、事後の徹底捜査という決意表明では私はいけないというふうに思うので、改めてお伺いしておきたいと思います。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  今、委員御指摘のように、国内におきましてサリンと思料される有毒ガスが使用され多数の死傷者を生じたわけでございまして、私どもとしては、国内でそのような猛毒で極めて殺傷力の強いサリンと思われる物質が使用されたこと、またそれを使用した人物ないしグループが国内にいたという事実については大変厳しく受けとめている次第でございます。  その一つの問題として、サリンが残念ながら現行法令の規制の対象にはなっていないという現実がございます。もちろん御審議をいただきました化学兵器禁止法ではサリンを規制の対象とするわけでございますけれども、公共の危険を防止する観点から必要な罰則が整備されていないというような点もございます。この点については警察庁におきまして早急に特別立法を検討して、また国会の御審議を賜りたいというようなことで準備をしている次第でございます。

小林正平成会

○小林正君 実は、警察庁長官の住所が漏えいしていた、行動についても相手方に知られていたということも深刻な事態になっていて、内部通報説まであるわけですね。これらのことについての機密管理といいますか、そういうことについても、今後の対応としては、相手が犯人グループとしては相当したたかでありますから、対応が今後求められるというふうに思いますので、従来の対応ではだめだということをよく御認識いただきたいというふうに思うわけでございます。  次に、もう時間もありませんが、外務省にお伺いしておきたいと思います。  副総理兼外務大臣という立場で河野大臣にお願いしたいんですけれども、このことについての外国の関心というのは極めて高いです。これはニューズウィークの日本版ですけれども、こういうようなのが出ていますね。(資料を示す)それからテレビでは連日、上九一色村は世界の耳目を集めているといったような事態もございます。  それで、何が起きているかというと、いわゆるカントリーリスクという問題が起きているわけですね。阪神・淡路大震災で地震列島日本に対する言ってみればカントリーリスクがあると。そしてもう一つは、治安がまさに世界で一番よいと言われていた日本において世界でまだ経験したことのない地下鉄サリン事件が起きた。つまり安全性の神話が崩壊したという、そのことにかかわっての言ってみればカントリーリスクの問題が高まっているわけですね。  これらの事態を踏まえて、外務省として国際関係の中でこうした点について今後どう対応されようとしているのか、伺っておきたいと思います。

河野洋平自由民主党・自由連合外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) お話ですけれども、私は、阪神・淡路大震災と今回のいわゆるサリン事件とはこれは全く性格を異にしたものであろうと思います。ただいずれも、議員が御指摘のように、安全神話といいますか、そういうものについて日本を見る目が少し違ってきたんではないかというもし御指摘であるとすれば、それについて我々としてはこういうふうに考えております。  確かに阪神・淡路大震災、大変な災害を我々は受けました。しかし、この問題については国際社会は二通りの受けとめ方をしておられると思います。それは一つは、大変な地震列島である、地震に対する備えというものは随分やっていたけれども、それを上回る地震に襲われたということが一つでありますけれども、もう一方で、国民が極めて冷静に受けとめて復旧・復興のために努力をし始めたという評価も一方ではあったということは大変な救いであったように思います。我々はその二つをよく考えて、国際社会に対してもきちっと我々の今やろうとしていることを説明するということがあると思います。  サリン事件については全く性格を異にして、国際社会がテロについて大変神経質になっている、そういう状況の中で、こうした事件が世界じゅういかなる場所においても二度と起こってはならない。それは我が国だけの問題ではなくて、国際的に見ていかなる場所で再発するということも許さない、そういう決意がなければならぬ。  したがって、先ほど来御答弁がありましたように、一日も早く犯人を検挙すると同時に、国際的にもこうした問題について十分な連携があってしかるべき、それによって我が国の責任を果たすことになるだろう、こう考えております。

小林正平成会

○小林正君 今の御答弁で、ぜひそのようにしていただきたいと存じますが、実は防衛庁長官にも先ほどありました件について共同訓練の問題を伺いたかったんですが、これで終わりにします。どうも失礼しました。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で猪熊重二君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、井上哲夫君の質疑を行います。井上哲夫君。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 新緑風会の井上哲夫でございます。  私も、松本サリン事件で七名の方、さらに地下鉄のサリン事件では十一名のとうとい命が失われ、亡くなられた方に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお静養されてみえる被害を受けられた方に一日も早い回復をお祈り申し上げ、お見舞いを申し上げたいと思います。  私が質問したいことはほとんどこれまでの審議で触れられて、かつ答弁も出ておりますので多少重複するかもしれませんが、お許しを願いたいと思います。  まずこの三十日に警察庁長官が襲撃をされた衝撃的なテロ行為があったわけでありますが、この件につきまして午後からの答弁でいろいろ事態の捜査の進行上についてお話があったわけですが、この警察庁長官襲撃事件に関して現時点で特徴的なもの、さらに対策上特筆すべきものがあるかどうか。あればお答えを願いたいと思います。

杉田和博警察庁警備局長

○政府委員(杉田和博君) 現在捜査中でございますので多くは申し上げられませんけれども、これまでの捜査から申し上げられる特徴点としては、一つはやはりかなり計画的に周到に準備された犯行であるということがあります。もう一つは、二十メートルほど離れた距離から四発撃って、うち三発が命中しておるということからいたしまして、射撃の訓練度、能力等においても相当高い者であるということぐらいでございます。  今後また捜査の過程でいろんなことがわかってまいる、かように考えております。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 この事件の犯人を一刻も早く挙げるということが大変重要なことでありますし、それが再発防止のための重要なことでもあるわけでありますが、警察庁長官は襲撃を受けたときには私邸であられたわけですね。私は、例えば今後は公舎に、つまり官邸にやはり住まわれた方が安全の面でははるかにすぐれておるのではないかあるいは一般の住民等もその方がいいと考える向きもあるんではないかと。さらに今回の事件では犯人の逃走した経路が犯人逮捕にとっては余り状況的によくないというふうなことを考えると、今後のいわゆる教訓としてはそういうふうなことを、つまり非常にねらわれている方は安全も確かで、あるいは犯人逮捕のための配慮も十分尽くされ得るようなそういう公邸、官邸にしばらくは住まわれないとまずいのではないか、これも一つの安全強化策ではないかと思うんですが、いかがでございますか。

菅沼清高警察庁長官官房長

○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。  警察の場合、警察庁は警視庁を初めとする都道府県警察と違いまして管理部門でございます。したがいまして、警察庁の幹部につきましては特別な指定された公舎というものはございません。もちろん公務員宿舎として使うことはございますけれども、私邸のあります者につきましてはいろんなことを勘案した上で私邸に居住することも十分可能でございまして、現在もそのようになっていたわけでございます。  今御指摘がございましたように、その時々の諸情勢に応じて必要な警戒措置はとるわけでございますが、今回のことを、まだ必ずしも背景その他がわかっておりませんけれども、御指摘のようなことも参考にして考えたいとは思っております。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 今と同じ質問ですが、自治大臣、いかがでございますか。こういう問題は住まいの予算上の措置がまだないとかそういう問題とは別で、政治的な判断を要する問題ではあろうかと思うんですが、いかがでございますか。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) 治安のトップにあります警察庁長官が銃撃をされるということは、私ども警察組織に対する挑戦でもあり、法秩序に対する挑戦でもあるわけでございます。それだけに、委員が御指摘のような問題点につきましては、今後十分この今度の教訓を踏まえながら、警護の問題あるいは一朝事における、これは警察庁だけでなく、私ども所管する消防庁を初めそれぞれ、これから自然災害等を含む危機管理上も、その役所の直近に幹部が直ちに出ていけるような体制というものは今回のさまざまな教訓を生かして反映をしていかなくてはならないと認識をしておるところでございます。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 もう一点お尋ねをいたします。  それは地下鉄のサリン事件に関してでありますが、運輸省の方では、例えばああいう地下鉄の電車の中といいますか箱の中、あるいはプラットホーム、あるいは外に出る階段、そういうところについて今回予期もしなかったあのような地下鉄サリン事件が起きたわけで、これまではそういうことを予測していろんな体制を考えるということはできなかったのは当たり前でございますが、今回このような事件が起きたことを教訓にして、地下鉄のいわゆるコンコースを含め、ホームも含め、あるいは駅舎も含め、どういう形の安全配慮を関係者と協議をし、現時点ではどのような対策を持っているか、お聞かせを願いたいと思います。

戸矢博道運輸省鉄道局長

○政府委員(戸矢博道君) 今回の事件にかんがみまして事件発生後直ちに、当面の再発防止策といたしまして鉄道事業者に対しましては警察当局と協力して厳戒体制をとるようにという指示をいたしました。一般旅客に不審物への注意を呼びかけるために駅の構内放送あるいは車内放送を繰り返し行う、あるいは改札口、ホーム等見やすい場所へ立て看板とかあるいはポスター等を掲示いたしまして一般のお客様に不審物への注意を徹底させる、あるいは不審物の点検、検索を行うために駅の構内あるいは車内を徹底的に巡回するといったようなことを指示したところでございまして、鉄道事業者におきましてはこれらの措置を着実に実施しているというふうに承知しております。  また、駅構内におきます犯罪の再発に対する抑止効果を上げるという観点から、地下鉄あるいはJRあるいは大手民鉄の各社に対しましては、必要な箇所に防犯カメラの設置を検討してほしいという要請をいたしているところでございます。  また、三十日に発生いたしました狙撃事件にかんがみまして改めまして全運輸事業者に対しまして、警察と連携を強化し、監視強化等による不審物、不審者の早期発見といったようなことに努めるように指導しているというところでございます。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 それは、今お答えになっている内容は当面の知恵といいますか対策だと思うんですが、今後さらに検討をするために関係者で定期的に協議を持つとか、あるいはすぐよい知恵が出れば即実行というふうな、その点の協議といいますか話し合いはどうなっているんでしょうか。

戸矢博道運輸省鉄道局長

○政府委員(戸矢博道君) 私ども、特にただいま申し上げました防犯カメラ、これはかなりの事業者について既につけておりますが、これにつきまして特に営団地下鉄は、直ちに霞ケ関から始めまして、現在取りつけを始めたところでございます。そのほかの事業者に対しましても、監視カメラをかなりつけているところがございますので、そういったものについては防犯カメラになるように記録装置をつけるといったようなことを検討していただこうというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後とも警察当局とも御協力しながら、さらにどんな措置が必要か検討してまいりたいというふうに考えております。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 この地下鉄サリン事件も一番大事なことは、一刻も早く犯人の特定、割り出して検挙ができるようにする、そして動機から事件の解明も全部終わることがもちろんいいことでありますが、なお非常に今その道のりはまだ厳しい中にある。そういうふうに考えますと、毎日毎日何十万人の人が地下鉄を利用しているわけでありますから、大変な不安が広がっているわけでありますね。  そうしますと、運輸省の方で関係当局、とりわけ警察といろいろな情報交換や知恵を出し合って、そして鉄道関係者と協議をしていくというだけでは私は少し足りない。むしろ利用者の知恵をどのように吸収できるか地下鉄をいつも利用している人たちの声をどのように聞くことができるか、それはなかなか運輸省の局長も今直ちにはお答えは難しいかと思いますが、そういう点も十分頭の中に入れていただきたいと要望をしておきたいと思います。  次に、このサリンの事件、これはまだだれがどのような動機でやったのかがわからないわけでありまして、捜査に全力を挙げて関係者は日夜努力をしてみえるということでありますが、こういう事件は今後恐らくなくならないだろうということも言われておるわけでありますね。私どもの身の回りがほとんど無防備に近い、そういうことを考えますと、何らかの対策を考えなけりゃならぬ。これはやはり各省庁の分野で考えるというよりも全体で考えていただかなきゃいかぬことがたくさんあるんではないかなと。とりわけ国民みんなが今の無防備な状況からどのように自分たちが身を守ることができるかということを知恵を出していただくことが大事なことだと私は思うんです。  関係大臣、きょうお話を聞いておりますと、もちろん事件の解明、捜査の進捗に全力を挙げるという力強いお言葉はあるわけでありますが、それ以上にどういうふうな新しい知恵を考えるか、あるいはいかなる努力をしてこの問題を教訓にするかという点がいま一つ私は午後聞いておりまして感じられないところもあったと思うので、まずその点、法務大臣、自治大臣、総理にお尋ねをいたしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) サリン事件に関して新たな対応立法の必要性あるかないかこんな御趣旨だと思いますが、現在、薬物自体を規制する法律といたしましては、午前中も出ておりましたが、毒物及び劇物取締法でございます。参考までに申し上げれば、サリンはこの法律の規制対象とはなっておりません。先般、三月三十一日に成立をいたしました化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律が施行されましたならば、サリンもその規制の対象となります。  しかし、この法律によりましても、例えばサリンを発散させる行為が処罰されるのは化学兵器を使用する方法による場合のみに限られるという制約がございます。そこで、今回のようにビニール袋へ入っているサリンは化学兵器なのかどうかという問題が起こってまいります。そこで、サリン等の毒性物質に係る公共の危険を防止する観点から新たな特別立法措置を講ずる必要があると考えておりまして、警察庁を中心に今取りまとめ作業をいたしておるところでございます。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) 地下鉄サリン事件発生直後、総理官邸に報告に総理のところに参りましたところ、一つには徹底した事件の解明、犯人の検挙、さらにかかる事件が再び起きないようにというテーマを私ども厳命を受けました。特に関係閣僚初め関係諸機関で十分その体制を確立するようにということでございましたので、官房長官を中心にいたしまして取り組んでおるところでございます。  なおその際、総理から、先ほど運輸省からお答えをいたしました地下鉄等において防犯カメラ等を設置してはどうなのかという御下今もいただきましたので、直ちに運輸大臣に連絡をいたしまして霞ケ関駅等配慮をされたようなことでございまして、今後そのような的確な手段が講じられまして再び不幸なこの種犯罪が起きないように十分対応してまいりたいと存じますとともに、銃刀法の改正、今、法務大臣のお話のありましたサリンに関係する特別立法等、今国会に提出をお願いをするつもりでございますので、ぜひまた国会の御協力、御支援をお願いいたしたいと考えておるところでございます。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) 今もう両大臣からそれぞれ答弁がございましたから重ねて申し上げるまでもないと思いますけれども、今一番やっぱり緊急に大事なことは、犯人を検挙すること、そしてその背景と真相を解明して再発を防止するということが一番大事なことだというふうに思いますし、この事件の経験にかんがみまして、今の法体系やあるいは制度で見直しをする点があれば徹底的に見直しをして、そしてそのことがまた国民に安心をしていただけることになるし再発防止になるというふうに考えておりますから、関係各省庁で検討していただいているところでございます。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 どうもありがとうございました。これで終わります。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で井上哲夫君の質疑は終了いたしました。     —————————————

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、橋本敦君の質疑を行います。橋本敦君。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 言うまでもありませんが、猛毒サリンによる何の関係もない市民に対する無差別の大量殺りく、そしてまた警察庁長官狙撃事件、こういった暴力とテロはまさに民主主義の敵であり、それがだれによるものか、どのような団体によるものかを問わず、断じて許すことができないのは当然であります。  したがって、現在、一日も早く捜査を事件の核心に進めて犯人の検挙に至るということは、まさに今、国民の命と安全を守る警察に課せられた緊急かつ重大な責務であることは言うまでもありません。この立場から捜査の幾つかの問題について質問をしたいと思います。  まず八九年十一月に起こった坂本弁護士一家拉致事件であります。七日には救援の全国行動が行われるのでありますが、いまだに犯人検挙、そして坂本弁護士一家の救出に至らないことは無念のきわみであります。  警察庁に伺いますが、この事件が起こったときに現場にはオウム真理教のバッジが残されていたこと、これはまさに有力な手がかりの一つとなるはずでありました。同時に、当時、坂本弁護士はオウム真理教に対する被害者救済の事件を担当してオウム側と交渉し、行方不明になる三日前にもオウムの幹部が事務所に来て坂本弁護士と交渉する話をしていた。この事実は知っていたと思いますが、どうですか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  今、委員御指摘の坂本弁護士失踪事件の関係で、現場にオウム真理教のバッジが落ちていたこと、それから当該被害というか、坂本弁護士がこの前後というか、オウム真理教の関係者と交渉をしていた事実は承知をいたしております。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 当時、麻原教祖は、事件には関係ないと、こう言っていましたが、翌年、重要なサジェスチョンとなる発言をしております。  九〇年八月、波野村で行った講演でありますが、ここでハルマゲドン、つまり彼らの言う世界最終戦争の予言として、悪業は神によって清算される、そしてオウムを迫害してきた人々はそのとき取り返しのつかないことを知るだろう、こう言っているのでありますが、その付記としてどういうことを言っているか。オウム関連のカルマ返し、いわゆる報いといいますか神罰、その事例として坂本一家の神隠しを公然と言っていたのであります。そのことは月刊誌にも出されているし、今、私がここに持っている全国に配られた彼らのビラにも明記されているのであります。  こうしたことを言っていた事実を警察庁は知っていましたか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  坂本弁護士失踪事件に関し多数の情報が寄せられていることは承知しております。それらを当該神奈川県警察におきましてはつぶさに検証して捜査をしている状況でございますが、個々の事案について私どもの方で承知しているわけではございません。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それは答弁に責任を持たないことですよ、この重大な事件について。  こういったことがあるので世論も、この坂本弁護士一家拉致事件はこれは明白に組織的な犯罪であり、オウムとの関連を含めて厳重な捜査をすべきだということを常に言ってきましたし、私も法務委員会でこのことを要求してきました。ところが当初警察は、坂本一家の自主的な失跡事件であるなどと言って積極的な捜査に初動の段階で重大なおくれを生じ、そしてさらに、ついにこのオウム関係には捜査の協力が得られないまま、何ら具体的な強制捜査を含む踏み込んだ捜査もしないまま今日に至っているのであります。こうした点のおくれはまことに重大であると言わねばなりません。  そして、その次に松本サリン事件ということに捜査の問題を指摘していかざるを得ないのでありますが、この問題で、六月二十七日松本市内で発生したサリン事件について、先ほど警察庁は科学捜査研究所の職員を派遣して調査をしたというお話ですが、それは何月何日に派遣しましたか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 手元にちょっと資料を持ってきておりませんので明確ではございませんけれども、発生の翌日、これは二十七日の発生でございますので、二十八日だったかと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 そういった派遣を経て、サリンの推定という重大な問題が発表されたのが七月三日であります。一週間もかかったというところに私はこの問題についての捜査上の迅速性について問題があると一つは思います。  同時に、この点で当初警察は、農薬の合成による猛毒の発生という、こういう考え方をとっていた。それが調べて見るとサリンという大変な問題だということになってきた。だから、当初においてこの点で、まず捜査の検討ということにおいて問題があったわけであります。  そこで、サリンということがわかって、警察庁はこの事態について当時どういう認識をお持ちになりましたか、それを伺いたい。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 松本の事件につきましては、今御指摘いただきましたように、当初、有機燐系の中毒ではないかという判断をいたしました。それを分析した結果、結果的にサリンの可能性が大という判断に至ったわけでございまして、もちろんこの薬物が何であれ、当初からこの事件については亡くなられた方も含めて多数の被害者が出ている事案でございまして、大変重大な事件と認識をして、先ほども申したように、早期の段階で警察庁の科学警察研究所の所長以下のスタッフも現地に派遣して捜査に協力させた次第でございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 私は、そういう認識では足りなかったと思うんです。サリンという問題については、これは御存じのように、ナチスが開発した猛毒でありますが、余りにも危険なのでヒットラーさえその使用をちゅうちょした。だから、一たんこのサリンを使うならば無差別大量の市民にはかり知れない殺害、死傷を起こすという状況で、世界のテロリストでもこれには手をつけないという、こういう状況であった。それが出てきたんでしょう。そして、このサリンがこの地球上で放たれたのは四例だけだというんですよ、これまで世界で。  アメリカの化学生物兵器研究所もいち早くこの問題に関心を寄せて、国際的にも大きな反響、衝撃が走っていますから、今年一月、調査に来ました。地下鉄での散布がいかに壊滅的効果をもたらすかを犯人グループは知ったはずだとまで報告書で言って帰っているわけでしょう。  だから私が言いたいのは、こういうサリンの犯罪の可能性があるということを知った以上は警察庁は、長野県警に任せず直ちに警察庁として乗り出して全責任を負って捜査するという体制をこのときに組むべきであったのではないか。いかがですか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 御指摘のサリンの事件が大変重大な事件であるという認識は警察庁としても持っておりましたが、その段階では、現行の警察制度を改正して警察庁が捜査の責任を持つというところの決断なり判断にまでは至っておりませんでした。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 当時、長野地方裁判所松本支部では、株式会社オウムが松本市内で購入した土地をめぐって、住民から契約は無効、土地を返せという訴訟が起こされていた。私の調査では、その訴訟は七月十九日に判決がなされる予定であった。そして、その松本サリン事件でサリンが発生したと見られる現場のすぐ近くに裁判官官舎があった。この事件を担当している三人の裁判官がいらっしゃるんですが、その一人の方がサリンで負傷して、七月十九日の判決は延期になったという事情がある。この事実、警察庁はいつ知りましたか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 犯罪を捜査するに当たりましてはあらゆる可能性を追求して捜査をするわけでございまして、個別の事件でございますので具体的に詳細には申し上げられませんけれども、御指摘のような事案も当然承知をして捜査をいたしているものでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 当然知っていたとすれば、その後の捜査のおくれについては責任を持ってもらいたい。  この事件では重大な見込み違いをやっているんですよ。第一次発見通報者の河野さんをまさに犯罪人扱いして重大な名誉毀損をやっている。この人の名誉は日弁連人権擁護委員会に提訴がありますが、当然回復されるべきですよ。  そしてその次に、直後に山梨県の上九一色村オウム教団の施設で異臭の発生という事件が起こった。我が党の村会議員も数々の不法行為等の関係で闘いの先頭に立って住民と一緒に頑張っておりますが、この異臭事件が発生したときに直ちに警察に通報して厳格な調査を要求した。警察はどう対応しましたか、このとき。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  まず松本サリン事件の関係の捜査について前段で御質問がございましたけれども、御指摘のように、長野県警察において捜査をいたしているわけでございますが、証拠を保全する見地から有毒ガスの発生源と推定される場所について必要な捜索、差し押さえを実施いたしましたし、また多くの関係者から事情を聴取いたしているところは事実でございます。残念ながら、現在まで犯人の検挙に至っておりませんので全容の解明には至っておりませんけれども、引き続き懸命に捜査をいたしているところでございます。  続きまして、山梨県下、上九一色村における異臭事件の捜査の状況でございますけれども、お尋ねの件につきましては、平成六年七月九日、住民の方々から異臭がするとの通報を受けて周辺の捜査を実施いたしました。しかし、住民に特段の被害が出てなかったこと、犯罪の具体的容疑を問擬することができなかったという、その段階ではそういうような事情もございました。  しかしその後、この異臭騒ぎのあった周辺の草木が枯れ出してまいりましたことが判明をいたしましたので、付近の土砂等を採取して鑑定したところ、サリンの残渣物ではないかという物質の存在が推定されましたので、それらをまた関係県、具体的に申し上げれば当時は長野県警察がサリンの事件の捜査をいたしておりましたので長野県警察にも連絡をし、その関連等については検討をさせていたところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 それが実際にやられたのがこの異臭事件が発生して数カ月後、九月になって土砂を採取し、十一月の終わりになって結果が出る。一月一日、元旦の新聞で大きく報道されて大きなパニックになったんですよ。余りにも遅いじゃありませんか。  そして、しかもそれだけじゃないです。そうした捜査のおくれがあって、それでおくれて、それでは実際にどうやって捜査体制を組んでいったか。捜査体制をようやく組んで強制捜査に乗り出そうとした、そのときはもう三月でしょう。そして、その直後にあの地下鉄サリン事件が起こされているじゃありませんか。松本サリン事件、異臭事件、そしてあの公証役場の人の誘拐事件、そしてまた坂本事件、これの共通項は何ですか。全部オウムの介在という疑惑があるじゃないですか。  したがって、サリンがあの上九一色村で発見されたというこの重大な事実がはっきりしたときには、あの施設に対して徹底的に捜査をして事態を解明するという断固たる措置を警察庁はやるべきだったんですよ。これをやっておったならば三月二十日のあの地下鉄の大惨事は起こらずに済んだのではないかと多くの国民は思っていますよ。こういう重大な捜査のおくれについては私は、警察庁としては率直にその責任を反省して今後の捜査に断固として生かしていかなきゃならぬ、こう思います。  この点については国家公安委員長の政治家としての責任ある答弁を求めたい、いかがですか。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(野中広務君) それぞれ関連する三つの事件につきまして、委員が御指摘のような国民の感情のあることは私もよく承知をいたしております。けれども、私どもは見込みとか想像で捜査をやるべきものではないのでございまして、一つずつその事犯を明確にして、そして積み上げていかなくてはならないことを捜査上の根本として認識をしながら、全警察を挙げて今捜査をやっておるところでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 時間が来ましたので終わりますが、私は、捜査の点について厳しく反省をして今後役立ててもらいたいということを重ねて要求しておきます。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で橋本敦君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、西野康雄君の質疑を行います。西野康雄君。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 新党・護憲リベラル・市民連合の西野康雄でございます。  質問に先立ちまして、サリン事件でお亡くなりになられた方の心からの御冥福と、そして入院中の方々の一刻も早い御回復を御祈念申し上げます。  こういったサリン事件ですが、首相、化学兵器だとか生物兵器をつくり得る物質、これがこれほど野放しになっているとは国民も思わなかったであろうし、議員も思わなかったんではないだろうか。国民は特に驚きを持って見ているんではないかなと思います。そういう中で、やはり政府の取り組み方の不十分さ、そしてまた今後の取り組み、こういうものに対して国民自身は注目しているかと思います。今後の取り組みについてお伺いをいたします。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) これまでも化学物質等については、従来からそれぞれその特質等に応じて製造や使用等の適正化を図るという立場から各種の法律はあったわけです。例えば薬物劇物の取締法とか危険物の取締法とかあったわけです。しかし、サリンに対する取り締まりの法律というのはなかったことはもう事実です。  この国会で化学兵器禁止条約に基づく国内実施法について御成立をいただきましたので、この法律が早期に実施され施行できるようにしていくということが一つと、それからサリン等のそういう大量に殺傷するような薬物についての取り締まりというものをもう少し検討する必要があるというので、今、警察庁を中心にして新しく立法する段取りを取りつけておりますから、これからそうした再発が起こらないような防止について、先ほど来申し上げておりますように、立法上の問題、制度上の問題等々の見直しも十分行って、そして万全を期していきたいという決意で取り組んでいるところでございます。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 イザヤ・ベンダサンですか水と安全はただだと日本人は思っているというふうなことで、このインプリンティングがすごくて、治安のいい国、日本ほどいい国はないんだとみんなおっしゃるけれども、私はそういうふうには思わない。あっちこっちで犯罪が起きている。むしろ日本人の方がそれに対して油断をし過ぎていたんじゃないかな、そんな思いの方がいたします。  九三年に制定された化学兵器禁止条約、サリンだとか猛毒ガスや、その生成に必要な前駆物質の生産だとか取引だとかを禁じているんですが、これを今までなぜもっと早く批准をしなかったんだろうか、そんな思いをいたしております。今ようやく批准に至っているところですが、外務省、いささか遅きに失した、そんな感じがするんですが、どうでしょうか。大臣より直接お答えですかありがとうございます。

河野洋平自由民主党・自由連合外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のように、この条約ができ上がりましたのは一九九三年のことでございます。もう二年もたっているではないかこういう御趣旨の御質問だと思いますが、この条約の第二十一条には、「この条約は、六十五番目の批准書が寄託された日の後百八十日で効力を生ずる。ただし、いかなる場合にも、署名のための開放の後二年を経過するまで効力を生じない。」という規定がございます。つまり二年間の経過期間をもともとこの条約は持っておりまして、したがって一九九三年から二年間、すなわちことしの一月までは経過期間であったわけです。  この経過期間、じゃ何をしていたのか、こういうことになるわけですが、この経過期間の間には、行財政面の準備、つまり化学兵器の禁止のための機関をつくらなきゃいけない、その機関をつくるための財政的な裏づけ、行政的な機構をつくる、そういった作業にこの二年間がかかる。さらに国内的には、先進国の中にはいろいろな化学工場を持っていたりいろいろな機械を持っている国はたくさんあるわけで、国内的な化学産業を有する国が国内の実施体制を整備するのに二年間はかかるであろうということから、とにかく二年間は経過期間だ、二年がたったらさあやれ、こういうことになっているわけでございまして、現在二十七カ国がたしか国内手続を終わっております。  我が国も、衆議院が終わりまして、今まさに参議院の審議を始めようとしているところでございまして、これが終わりますと、私どもの見たところでは恐らくことしの半ばには六十五の国が手続を終わるのではないか、そうするとそれが終わって百八十日たつと効力が出る、こういうことになると思います。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 宗教ですが、戦後の新興宗教というのは、創価学会に代表されるんでしょうけれども、やっぱり貧しい人とか迷える人に対しての心のよりどころを与えたということはこれは事実であるかと思いますし、私もそれは評価するんですが、今の新興宗教となるとこれはオカルトに近いですね。空中に浮かぶことができたとか透視ができたとか、この間もテレビの番組の欄を見ておったら宜保愛子という人ですか、透視ができるなんて、そんなもの世の中の役にも立たぬようなことがさもあるようなことで行われている。  インドの説話で、インドのヨガの僧が一生懸命五十年ほど修行して川を歩いて渡ることができるようになった。その横で船頭さんと船に乗っていた人が、わずか一ルピーか何か知りませんけれども、たったわずかな金で済むことを五十年も修行してあほやなといって笑い転げたという、つまりそういう笑い転げる健全さが今の日本にはないんですよ。全部それを、わあ超能力だ超能力だと言ってしまう。そしてそれが宗教の呼び込む手段になっている。もう少し日本人というのはその辺で、マスコミもひっくるめてひとつ冷静にならなきゃならぬし、科学的な物を見る目だとかそういうものをきっちりと今こそ持つべきときではないだろうか。  私、スプーンをくっつけるんだったら超能力と思いますよ。曲げるものはあんなもの超能力でも何でもないと思うんですがね。しかし、マスコミ自身がそういうふうなことを実にあおっている部分があって、非常に軽率だなと思えるのはもう一つ、松本サリン事件で特定の個人が随分と疑われました。マスコミはカメラが入っていったり何やかんやいっぱいしておりますね。そういうふうなことというのは犯人という予断が警察にもあったんではないだろうかマスコミにもあったんだろうか。そんな思いをしてならないんですが、警察当局、どうでございましょうかその辺は。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  松本のサリン事件の関係は、事案が大変特異で重大性があったために、大変マスコミ等からも注目された事案でございます。そういう中で長野県警察におきまして、必要な証拠を収集するために発生源付近の場所に対する捜索、差し押さえを実施し、また多くの関係者から事情聴取をいたしております。それらの事実を踏まえていろいろな報道がなされていることは承知をいたしております。  私どもとしては、着実に捜査を進め、証拠に基づいて法令に従って何とか事案を解明して犯人の検挙にたどり着きたいと考えておりますが、残念ながら今の段階ではまだ全容が解明されないという状況でございます。

西野康雄新党・護憲リベラル・市民連合

○西野康雄君 私の聞いたのは、犯人という予断がなかったのか、人権侵害がなかったのかということを聞いているんで、そんなすれ違いの答弁をなさってもらったら困るわけで、こういうええかげんな答弁だけはせぬようにということを申し伝えて、もう時間がございません、終えさせていただきます。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で西野康雄君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村泰君。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 まず質問をする前に、お亡くなりになりました方々、今まだ入院して療養していらっしゃる方々にお見舞いとお悔やみを申し上げます。  労働大臣にまずお伺いしますが、今度の通勤災害で救われる方は雇用関係のある方ですけれども、雇用関係のない方でお亡くなりになった方々、この方たちはどういうふうになりましょうか。

浜本万三日本社会党・護憲民主連合労働大臣

○国務大臣(浜本万三君) 労働省の方は雇用関係がある方に労働災害を適用いたしておりますので、したがいまして雇用関係のない方につきましては私の方の所管外ということになっております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 そうしますとどこになりますか、これは。厚生省ですか。

菅沼清高警察庁長官官房長

○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。  犯罪被害給付制度というのがございまして、労働者災害補償あるいは公務員災害補償等に該当しない方々につきましては、故意による犯罪によって死亡または重傷害を受けた場合に、その遺族あるいは御本人に対しまして一定の基準に基づきました犯罪被害給付金が支給されることになっております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 総理にこれは聞いていただきたいんですけれども、この地下鉄サリン事件で高校生で大久保健一君という、これは障害を持った方なんですけれども、この方からこういう意見が寄せられているんです。たくさん文章がありますが、その中から抜きまして、  もし車イスの乗客がいたら、救助隊が来るまで、ただ待つしかないだろう。  震災、火災でもそうだが、お年寄りや障害者が街に増えてきた今、そういう弱者の避難設備(手動もできる非常用エレベーター、滑り台など)を早く国レベルで考えなければならない時期だろう。こういう大きな事件は、人ごとにせず、よく検証し、一人ひとりが教訓として今後に生かさね  ばならないと思う。こういう文章が来ているんですけれども、これに対して総理はどういうふうにお答えになりますか。

村山富市日本社会党・護憲民主連合内閣総理大臣

○国務大臣(村山富市君) まずこういう犯罪行為が二度と起こらないような再発防止を徹底してやる、そのためにはもう一日も早く犯人を検挙してその真相も明らかにさせるということが大事なことだと思います。  今、委員から御指摘もございましたように、それはもうお年寄りやら車いすをお使いになっておる障害者の皆さんやらなんかは、一般の健常者と違ってそれは避難もしにくいし不便があると思いますから、できるだけ社会の町の仕組みというものをそういう人が一般の人と同じに共用できるような、そういうものを可能な限りやっぱりつくっていくということは大事なことだというふうに思いまして、これは計画的にもう国も進めておりまするし、県や市町村も条例等をつくって、そしてそういうことができるような施策というものを計画的に推進しているというように私は聞いておりますけれども、大事なことだというふうに考えております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 法務大臣に伺いますが、これはいつ何どきまた起きないとも限りませんね。先ほどからいろいろ承っていますと、これこれこういうような対策とは申しますけれども、その対策を縫ってまたいつ起きるかわからない。どうなさいますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) まさに予知できないようなことが起こっているということでございまして、我々こうした経験を踏まえ、予知できないことがないように努力するということで取り組んでおるところでございます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 それから先ほどから子供さんのお話が出ておりますけれども、毎日新聞の夕刊に、ちょうど二十三日にその写真は撮っているんですけれども、施設の屋根の上にお子さんの写っている写真があるんです。あの上九一色村に子供がいないというけれども、その時点にはまだいたんですね。これをどういうふうに文部大臣はごらんになりますか。

与謝野馨自由民主党・自由連合文部大臣

○国務大臣(与謝野馨君) 確かにそういう写真があったことは事実でございますけれども、山梨県には、村には住民登録がされておりませんので、外形的な事実から子供がいたということは判断できないわけでございます。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 とにかく、例えば二十二日のその捜査開始する以前に、それ以前にどうも資材とか機材が持ち出されているという情報もありますが、そうしますと警察の方から何か向こうに情報漏れしているような気がするんですが、そんなことはありませんか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) 今般、二十二日に捜索を実施するに当たりましては、地域が広大であること、また現場直近からサリンと思われるものが生成されたのではないかというような推測がされる状況があったことから、必要な装備、資機材の準備も含めて相当大がかりな準備をいたしました。  捜査に当たりましては、その捜査の手順または捜査の秘密を守ることというのは大変大事なことでございまして、それを鉄則としているわけでございますけれども、今般の捜査に当たって、場合によってはそういう動きが相手方に察知されたということは残念ながらある可能性はあったのではないかというふうに考えております。ただ、私どもとしては、そういうような危険性があったにしても、やはり必要な手だてを尽くして準備もし捜査をする必要があったというふうに考えて捜査、捜索を実施した次第でございます。  ただ、御指摘のように、捜査の秘密を守るということは捜査を円滑にする上で大変重要なことでございますので、今後ともその点については厳に反省をし、また自戒をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 もう少し短く答えていただかないと時間がすぐなくなっちゃう。  実は、総理大臣、オウム在家有志一同で私のところにこんなのが来たんです。私の芸名のコロムビアトップになっているんです、これは。中をあけてみたらこういうものが入っているんです、こういう新聞が。(資料を示す)おもしろいことにこの新聞、新聞でしょうかね、機関誌でしょうかね。印刷はしてあるんですが、日にちが一つも入っていないんです。これ「契約の書」とこう書いてありますね、ここに。ところが日にちがない。いつ印刷したものかさっぱりわからない。  実は、ここに書いてある文章はとてつもなくおかしいんですが、防衛庁いらっしゃるんでちょっと伺いますけれども、こういうふうに書いてあるんですよ。済みません、時間オーバーするかもわかりませんが、お許しください。  ヘリコプターとかいろんな飛行機がぶんぶん飛んでくるというんですよ、あの上九一色村の施設の上空へ。それで写真が撮ってあるんです。これ、そこからでもごらんになれると思います。この赤い丸のところみんな、これもそうなんです、これもそうですね。こっちのカメラの方、二階の方、これがそうなんです。こんなものはどこかそこらで飛んでいる飛行機を幾らでも写せるわけですわね、これ。  ただ、ここに書いてあるのが、信者の名前もあります、一々言っているとこれ時間が長くなりますから、とにかく霧みたいなのがぷあっと来たら目が痛くなったとか、吐き気がしたとか、頭が痛くなったとか、四、五日治らなかったとかと書いてあるわけですね。これ全部信者ですよ、この上九一色村にいる。しゃべりにくいんです、この上九一色村というのは。ここに出ているのが、資料十三、公式航路を大きく外れて教団施設上空に飛来した自衛隊の対潜ヘリHSS2、こう書いてある。これ防衛庁の方でこんな覚えがございますかどうか、それだけ一つ伺って。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○国務大臣(玉沢徳一郎君) そのような事実は全くありませんし、いろいろためにするような宣伝がある、それは防衛庁あるいは自衛隊が何かガス攻撃をするかのようなあれがあるようでございますが、そういうことは絶対ありません。国民の安全と平和を守る、自衛隊はその任につく、それが最も大事なことであります。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 下村泰君、簡単に。

下村泰二院クラブ

○下村泰君 じゃ一言だけ。  総理、今、例えばちょいとした飲み屋さんに行ってもどこへ行ってもみんないら立っているんですね。早く何とかならないのか、あれだけいろんなものが出てきているのにどうして何とかならないんだと、こういう感情が国民全部の感情だと思います。よろしくお願いします。

坂野重信自由民主党

○委員長(坂野重信君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。  これにて地下鉄構内毒物使用多数殺人事件等に関する集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時七分散会

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