予算委員会 第16号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 1995/03/22
会議録
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 この際、証人の出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のうち、東京共同銀行問題について、来る三月二十九日午前九時三十分に元東京協和信用組合理事長高橋治則君を、同日午後一時に日本長期信用銀行取締役頭取堀江鐵彌君を、証人として出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、証言を求める事項の通知その他の手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、報告いたします。 本委員会は、平成七年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十六委員会にその審査を委嘱しておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されました。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 なお、報告書は、別途印刷して委員の皆さんに配付いたします。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 平成七年度総予築二案の締めくくり総括質疑に関する理事会決定事項について御報告をいたします。 締めくくり総括質疑は、本日一日間とすること、質疑割り当て時間の総計は九十九分とし、各会派への割り当て時間は、平成会五十分、新緑風会二十一分、日本共産党十四分、新党・護憲リベラル一市民連合七分、二院クラブ七分とすること、質疑順位についてはお手元に配付しておりますとおりとすること、以上でございます。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより締めくくり質疑に入ります。 初めに、営団地下鉄におけるサリン事件に関し、委員会を代表して私から質問いたします。まとめて質問いたしますので、順次ひとつ政府側で御答弁をお願いいたしたいと思います。 まず、本事件によりまして死亡された方々に心から哀悼の意を表し、また罹災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと存じます。 また、本事件に際し、身の危険を賭して救助、捜査に当たられた警察関係、消防関係及び自衛隊関係の皆さん、その他すべての関係者に心から感謝の意を表したいと思います。 まず質問の第一は警察庁関係でございますが、本事件についての現在までの捜査の進展状況、特に死傷被害者の数及び症状、犯行に使用された有毒ガスの分析結果、想定製造法、運搬方法、発生装置についての解明、犯人と結びつく可能性のある証拠ないし情報について御説明願いたい。 第二点は、今後の捜査に関連いたしまして、今後の捜査方針及び進展見込み、警察庁ないし東京警視庁における化学薬品犯罪に対する捜査能力の充足性についてお伺いしたい。 第三点は、昨年六月二十七日、長野県松本市内において発生したサリン中毒事件のその後の捜査の進展状況いかん。 第四点、同じく昨年七月九日、山梨県西八代郡上九一色村において異臭が発生し、捜査の結果、サリン副生品が検出された事件のその後の捜査の進展状況について伺いたい。 第五点は、今回の地下鉄サリン事件と右の二つの事件との関連性についてどう推測しているか、伺います。 次は法務省関係。検察庁として、高度化学技術を利用した今回のごとき悪質重大犯罪につき、警察庁と共同捜査を考えるべきであると思うが、所見はどうか。 第七点、警察庁関係で、今回の事件の被害者に対する救済策としてどのような方策を考えているか。 最後に総理に、締めくくりとして、今回の事件に対する意見、犯人発見、再犯防止についてどのように考えておられるのか、所見を伺いたい。 以上、八点について御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) ただいま委員長から御質問のございました地下鉄構内の毒物使用多数殺人事件に関連いたしまして申し上げます。 去る三月二十日午前八時過ぎ、都内の地下鉄日比谷線並びに丸ノ内線、千代田線の各駅等におきまして、列車内等に置かれました不審物から毒性のガスが発生し、乗客等多数が死傷するという大変悪質な組織的事件が発生をいたしました。 警察及び消防では、レスキュー隊員、救急隊員等を現場に急行させ、事態の把握に努めますとともに、負傷者の救出、救急搬送、誘導等の措置に当たったところであります。 警察では、同種事犯の再発防止、犯人検挙のため全力を挙げて捜査活動、警戒活動を推進しており、また消防庁におきましても類似事犯の発生に十分留意するよう、警察庁長官は全国都道府県警察本部に、さらに消防庁は各都道府県及び政令指定都市に通知をしたところでありますが、今後とも各種活動に対する関係各位の御協力をお願いしておるところであります。 なお、詳細につきましては政府委員から答弁をさせていただきます。 引き続いて、東京都品川区路上におきます公証役場事務長被害の逮捕・監禁事件捜査に伴いますオウム真理教関係箇所に対する捜索について御報告を申し上げます。 二月二十八日午後四時二十分ごろ、東京都品川区上大崎三丁目先路上におきまして、公証役場事務長が複数の男に拉致されまして車でいずれかに連れ去られた事件について捜査を進めました結果、本件はオウム真理教関係省における犯行と認められたことから、警視庁におきましては、本日早朝より約二千五百名体制で、都内のオウム真理教東京総本部を初め、静岡県内、山梨県内など関係箇所、合計二十五カ所の捜査に着手しております。 現在までのところ被害者の救出には至っておりませんが、警察といたしましては、被害者の無事救出と全貌解明のための徹底した捜査を推進するところであります。本件捜査に関しまして、それぞれ関係者の御協力をお願い申し上げておるところであります。 以上申し上げ、政府委員から答弁をさせます。
○政府委員(垣見隆君) ただいま大臣からお答えいたしましたことに補足をして説明をさせていただきます。 まず犯行に使用された有毒ガスの分析結果等でございますけれども、この成分につきましては、車両内等に遺留されました物件を回収いたしまして、警視庁の科学捜査研究所及び警察庁の科学警察研究所におきましてそれぞれ多角的に鑑定を実施しているところでありますが、現時点におきまして、有機燐系物質であるいわゆるサリンである疑いが強いという状況でございます。 それから犯人と結びつく可能性のある証拠ないし情報でございますけれども、現在、警視庁におきまして三百名の体制で特捜本部をつくりまして捜査をいたしております。乗客等多数の関係者等から目撃情報等の入手に至っておりますが、現在まで直ちに犯人に結びつく情報の入手にまでは至っておりません。 今後の捜査方針でございますけれども、大臣からも申し上げましたように、大変悪質な事案でございまして、警視庁の事件ではございますけれども、全国警察を挙げて早期に犯人の検挙、事案の解明に当たりたいということで捜査を進めてまいるというふうに考えております。 それから警察における化学薬品犯罪に対する捜査能力の問題でございますが、これは後ほど松本事件についても御説明をいたしますけれども、先ほども申しましたように、この種の薬品、化学物質等についての捜査につきましては必ずしも警察は十分なれているわけではございませんけれども、科学捜査研究所あるいは警察庁に科学警察研究所という組織も持っておりまして、化学者等も擁しております。そういう人たちにフルに活動してもらって、今、解明に努めているところでございますけれども、足りない部分につきましては大学の先生等の専門家の御支援もいただいておりますし、またこの種の物質につきまして専門的知識を持っている防衛庁等からもいろいろ御指導いただいて捜査を進めているところでございます。 次に、昨年六月に長野県内の松本市内において発生しましたサリン中毒事件の捜査の状況でございますが、この事件は、付近住民が七名亡くなり、また二百七十名余りの市民が被害を受けたという事案でございます。 長野県警におきましてこれまで鋭意捜査をして、現在も続けているところでございますけれども、残念ながらいまだ真相の解明には至っておりません。ただ、今回都内で発生しました事案で分析をされた物質と松本市内の事件で分析をされた物質は類似性があるということでございますので、その松本事件の捜査状況等も十分警視庁と情報交換をさせて、警視庁の捜査とあわせて今後もさらに捜査を進展させるように督励をしてまいりたいというふうに考えております。 それから山梨県下の上九一色村におきまして異臭があるということで捜査をいたしましたところ、やはりこの上九一色村にある施設の付近の土砂等からサリンの残渣物ではないかと推定される物質が発見をされておりまして、その原因についても現在解明中でございます。これもだれがつくったかというところの解明にまでは至っておりませんが、この事案も松本事件あるいは都内の事件との関連等もあるかどうかにつきましてもあわせて捜査をいたしてまいりたいというふうに考えております。 そういうことでございまして、今回の都内における事件と松本の事件あるいは山梨県下における事案等の関連についても十分念頭に置いて今後の捜査を進めてまいりたいということでございます。 なお、先ほど大臣から申し上げましたが、今回の都内の事件につきましては、二十二日、きょうの午前七時三十分までの状況で死亡者八名、負傷者三千六百余名という状況でございまして、大変大きな犠牲者を出しておりまして、先ほど申しましたように、事案の早期解明に全力を尽くしていく所存でございます。 それからもう一点、被害者の救済の問題でございますけれども、これからいろいろな点を検討してまいりたいと思いますけれども、犯罪被害者等給付金法に基づきました給付金の制度がございます。この法の趣旨は、「人の生命又は身体を害する犯罪行為により、不慮の死を遂げた者の遺族又は重障害を受けた者に対し、国が犯罪被害者等給付金を支給する」というものでございますが、本件が故意による犯罪行為と認められ、他の公的救済が困難な場合には、この法律に基づく給付金の支給の適用がなされるものというふうに考えております。 以上でございます。
○国務大臣(前田勲男君) 法務省に対する御質問でございますが、今回の事件につきましては警察当局において鋭意捜査を実施されておるところでございますが、東京地検におきましても検事正の指揮のもとに捜査本部を設置しているところでございます。 警察当局と密接な連絡のもとに全力を挙げて真相の解明に努め、厳正に対処していくところでございます。
○国務大臣(村山富市君) 八名の方が亡くなられ、今、報告がありましたように、重体を含めて多くの方々がまだ現在病院で、医療機関で治療を受けておるという状況にございますけれども、心からお悔やみを申し上げ、またお見舞いも申し上げたいと思います。 これは今お話もございましたように、何の関係もない不特定多数の人を殺傷するような極めて悪質なしかも組織的な事件だというふうに思われますけれども、これはやっぱりもう断じて許すことのできない事件だというふうに言わなければならぬと私は思うんです。 これは、いち早く私も報告を受けて、公安委員長なりあるいは運輸大臣なり、それぞれ適切にその手配をして、そして病院の皆さん方の御協力もいただきながら被害を受けた方々に対する救援、さらにまた徹底的な捜査、犯人の検挙、そして真相の究明、同時に、こんなことはもう二度とあってはならぬことですから、再発防止に徹底を期すという意味では、機敏に対応をしてそしてそういう体制をとられておるというふうに私は確信をいたしておりますけれども、本日の閣議でもなお一層徹底するように関係省庁に指示をいたしたところでございます。 これは集団で行動しておる電車の中とかあるいは人が集まる場所とか、そういうところをねらった事犯ですから、したがって限られた数だけではなかなかやっぱり徹底しかねるところがありますから、むしろ国民の皆様にも協力を要請して、何か不審なものやら危険なものがあった場合にはさわらずにすぐ係員なり警察に通報して、全体としてその再発の防止に御協力をいただくということも大事ではないかというふうに思いますから、そのことも私は記者会見等の席上で申し上げたところでありますけれども、しかし、いずれにいたしましてもこういう悪質な事犯に対しては、もう徹底的な捜査と犯人の検挙とそして再発の防止ということが何よりも大事ですから、内閣を挙げて徹底して取り組んでいきたいということだけを申し上げておきたいと思います。 —————————————
○委員長(坂野重信君) 猪熊重二君。
○猪熊重二君 おとといの地下鉄サリン事件については、今、委員長から御質問があり、また各大臣から御答弁がございました。 結局、今、国民が非常に不安に思うのは、去年の六月の松本のサリン事件、それから山梨県の事件、これが九カ月たってもちょっと先が見えない、こういうところで非常に国民は不安を持っていると思うんです。 ただ、警察がどうだこうだということを言う前に、やはり時代の進展に応じて警察も、こういういわゆる化学的な問題のほかにもいわゆる高度技術を駆使した犯罪とか、これから犯罪者の方もなかなか高度技術化しできますから、予算においても、警察、検察、そちらの方に対応できるような予算をとって、人材の育成というか、そういうこともしっかりやっていかぬと、向こうさんの方が国よりも立派ななんということになったんじゃぐあいが悪いので、どうか警察の方で、なかなか初めてのことでということもわかるんですけれども、もっともそんなものが年じゅうあっては困りますけれども、いずれにせよ、専門的な方を育成して素早く対応できる制度というもの、システムというものをつくっていかなきゃならぬと思いますので、特別に答弁は求めませんけれども、なるべく予算もそういうものに回してしっかり頑張っていただかぬと国民の不安というのは本当に解消されない。 朝、行ってくるよと言って地下鉄に普通に乗って、それで亡くなってしまうなんということじゃ、もう本当に安心した市民生活というものが送れないことになりますので、予算を本当につけて、敵が進む以上に国の方が進んでいかなかったら国民は安心できぬということで、ぜひ村山内閣においても、もう予算は出ているわけですけれども、そちらの方にも気を配って、国民の生命、財産の安全確保に頑張っていただきたい、こう思います。 それでは質問に入らせていただきます。 最初に行政改革についてお伺いしたいと思います。 行政改革といってもその範囲は非常に広い。中央省庁の統廃合の問題、特殊法人の廃止、統合の問題、あるいは産業、金融、貿易各分野における規制緩和の問題、あるいは地方分権、さらには情報公開、行政手続の透明化等、課題はいっぱいあるわけです。その中で特に私は、規制緩和に関して村山内閣の姿勢について、あるいは取り組みについてお伺いしたいと思います。 総務庁長官にまずお伺いしますが、去る十日、政府は規制緩和に関する中間報告を発表されました。この中間報告は村山内閣の規制緩和政策全体の中で一体どんな位置づけを占めているんだろうか、お伺いしたいと思います。 特にこの中間報告に対しては、世間では一般的に、規制緩和を既に実施しもしくは実行予定の約七百件については、もう従前から当然に廃止すべきことが予定されたものであって格別目新しいものではない。検討中の約三百六十項目は、結局、先送りすることになって廃止ないし緩和から遠ざけられたにすぎない。こういうふうな評価が一般的であります。 私もこの世間の一般的評価と同じように考えるわけですが、この中間発表の意義づけ、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 去る十日発表いたしました中間報告、各省庁で十日に発表いただきましたが、十三日には総務庁と外務省が一緒になりまして、各国の大使館関係の皆さん方等々も含めました内外の方々に対して内容を発表いたしました。 このような中間報告をいたしました意義づけは、かねてから村山総理が、内容も大切であるけれども、どのような経過でどのような過程でこれを決めたかといういわば決める手続、これを透明化する、ガラス張りにする、そのことが重要であるという強い指示がございまして、その総理の指示に基づきましてこのような中間的な報告をいたした次第でございます。 御指摘のように、個々の内容につきまして、これが十分であるというふうには私自身も考えておりません。ただ、各省庁がぎりぎりの御努力をいただいた、その御苦労に対しては心から感謝をいたしておりますが、今後とも七百四十のいわば措置済みあるいは措置予定でいいというわけにはまいりません。検討中が約三百五十ほどあるわけでございますが、さらにこれをぎりぎり詰めまして、時期を明確化する、またいつまでにこれをはっきりさせるというような中身も充実をさせる等々の努力をいたしまして、できる限り内外からの要望に対してこたえる努力をいたしたい。そうしてぎりぎりの努力をいたしました結果、三月末までに五カ年間の規制緩和計画をまとめましてこれを発表いたしたいと考えておる次第でございます。
○猪熊重二君 村山内閣においてどれだけ規制緩和が実現できるか、これは村山内閣だけの責任じゃなくて、もう十数年前から規制緩和ということを言っているんですが、なかなかうまくいかない。うまくいかないのはどこがぐあいが悪いからうまくいかないんだろう、進展しないんだろう、いろいろあると思いますが、内閣としては主導権を持ってともかく進めていってもらいたいと思います。 私は、この規制緩和に関連して一つの例として酒税法をきょうここでいろいろ細かく検討させていただこうと思ったんですが、ちょっと時間も大分進みましたので、国税庁とそれから内閣法制局、酒税法の問題はちょっともう省略します。 規制緩和について、総務庁長官、私はこういうふうに考えるんです。規制というものがある、その規制を実際に実行する姿を見るために国なり公共団体がいろいろな実際の手だてをしていく。しかし、そのような手だてをしていくからむだな手間がかかるんであって、国としては一つの基準を法定するということだけの仕事をやったらいいんじゃなかろうか。それの実効性の確保まで一々国が全部手を出し足を出しということになるから、ある意味において国の力も強くなるし、ある意味においてむだなお金がいっぱいかかる。 例えば酒税法のことで私が申し上げたいと思ったのは、国としては酒をつくるんだったらこういうふうな基準に従えという基準だけ設定すればいいんであって、それ以上にその基準が実際に遵守されているかどうかというので大蔵省あるいは国税庁の役人がわざわざ酒造工場まで行って、うん、この酒はなかなか香りがいいとか悪いとか、品質がいいとか悪いとか、どのくらい分量ができたんだかちょっと行ってはかってみてこようとか、そんなところまで手を出す必要はないんであって、国としてある基準を決めれば、その基準が実際に履行されるかされないかはほかの方法によってその実効性を担保していけばいいんじゃなかろうか、こういうふうに考えるんです。 例えば農水省の農産物検査法についても伺いたいと思ったんですが、国は農産物の安全性等に関しては基準を設定すればよろしい。それ以上に農水省の役人が一々行って、米の品質がどうだとか、何級何等だとか、粒が大きいとか小さいとか、そんなところまで国が一々介入する必要はない。ただ食品なら食品の安全性の基準だけつくればいい。ではそのような基準が実際にどういうふうに実効性が担保されるか、これは別の法制度で考えたらどうなんだということを申し上げたいんです。 結局、別の法制度というのはどういうことかといえば、製造物責任法を厳格に適用、運用するとか、あるいはいわゆるクラスアクション制度を採用するとか、消費者センター、都道府県の生活センターを充実して消費者の自発的活動に大いに協力するとか、独占禁止法の厳重な適用を図るとか、証券でいえば証券監視委員会の適正な活動を図るとか、そして法務省、警察庁において刑法その他特別刑法の罰則規定を厳重に適用するとか、こういう方策をとることによって基準の実効性を確保すればいいんであって、国が一々全部どうなっているんだろう、ちゃんと守っているんだろうかといって全部の現場まで出ていく、職員も手間も全部大変なんです。 そういうふうな意味において、規制緩和の問題を論ずるときに、基準の問題と基準の実効性確保の問題とを区分けしてみれば随分国は身軽になる、こう思うんですが、総務庁長官、御意見とうでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 委員御指摘のように、行政改革の基本は、官から民へという形で社会経済活動はできる限り民間の自主的活動にゆだねていく、これが大きく考えましてその方向ではないかというふうに考えておる次第でございます。 しかしながら、社会的な公平性や国民の安全性確保ということもあわせ考えなければならないわけでございますから、そういう意味で規制を必要とするという場合も当然あり得るだろうと思います。ただ、その場合におきましても、国は、御指摘のように、基準を示して、民間の自主検査等も考えて、規制の程度や国の実施体制も必要最小限度のものにとどめる努力をするということもこれまた必要ではないかというふうに考えております。その点では委員の御指摘については私ども十分聞くべき御意見であるし、尊重しなきゃならぬというふうに思っている次第でございます。 したがいまして、こういう立場から、村山内閣といたしましては、経済的規制については原則自由、社会的規制につきましては本来の政策目的に沿った最小限のものとすべきであるということを基本といたしまして現在規制緩和を進めているところでございます。 そして、御指摘のように、規制緩和を進めるに当たりましては競争政策の積極的な展開も重要でございまして、独禁法の厳正的確な運用というものが必要であるということにつきましては、まさに委員の御指摘のとおりだと思います。今の御意見を十分体しまして今後とも規制緩和に当たってまいりたい、かように考えております。
○猪熊重二君 規制緩和に関しては以上申し上げた質問で終わらせていただいて、次に東京協和信用組合、安全信用組合の救済支援策についてお伺いしたいと思います。 ここのところ大蔵大臣の説明やあるいは日銀総裁のお話を聞いていると、この二つの組合に対する大蔵省の立場というか、権限というか義務というか、この辺がどうもすっきりしない。それで大蔵大臣にお伺いしたいんですが、この二つの信用組合に対する指導監督あるいはいろんな命令をする命令権は、法律上、東京都と大蔵省はどのような関係にありますか、お伺いします。
○国務大臣(武村正義君) もう御理解をいただいておりますように、この権限は都道府県知事に機関委任をしているところであります。機関委任をしているというのをどう法律的にとらえるか、あるいは実態としてもどう認識するかという問題があろうかと思います。 私自身も十二年間知事を務めてまいりましたが、一体、県政でやっている仕事のどれが機関委任でどれが固有事務でというのは自覚はほとんどありませんでした。もちろん法律には全部根拠があるわけですけれども、混然一体として預かって仕事をしている、県庁の仕事、知事の仕事としてやっているという、こんな状況であったわけでありまして、それほどある意味では機関委任といえども都道府県ではもう随分長い年月を経ているものが少なくありませんから、県庁あるいは都庁の仕事として進められているということではないかと思います。 私は、大蔵委員会でも申し上げておりましたように、基本的には、委任されておりますから都下の五十前後の信用組合に対する指導監督の責任は都知事がやっていただいている。そして、大蔵大臣はしかし信用組合も含めた金融システム全体については絶えず責任を負わなきゃなりませんし、万一、機関委任している仕事について、私は法令的に問題があったような場合だと思うんですね、法令の仕事を知事が履行しないとか大変長い期間滞っているとか、そういうときがあった場合にはいわゆる地方自治法上の委任者の指揮監督権を発動すべきだということに私は理解をいたしております。通常は、地方自治をたっとぶ立場からも、委任した以上は知事さんに全面的にお任せをいたしているという状況ではないかと思います。
○猪熊重二君 だから、どうも説明を聞いていてもわからないんですよ。 要するにこの二つの信用組合に対する直接的な指揮監督権は東京都知事にある。東京都知事が大蔵大臣からの委任を受けてこの両組合を指揮監督する権限がある。しかし、東京都知事が指揮監督する権限があるけれども、その東京都知事に対してこの件に関し大蔵大臣が指揮監督する権限があるわけです。ですから、両組合に対する直接的な指揮監督権は東京都知事が持っているけれども、その東京都知事の持っている指揮監督権が適正に行われているかどうかについては大蔵大臣が東京都知事に対して指揮命令できるわけです。ですから、間接的に信用組合に対して大蔵大臣も指揮監督することができるわけです。 一般的にはそうなんですが、そのほかに今度は東京都知事の方から、どうも手いっぱいで大変だからいろいろな検査を手伝ってくれ、検査を一緒にやってくれ、こういうふうな依頼があって、大蔵大臣がそうだなと考えた場合には、大蔵大臣は直接的に両方の組合に対し調査し検査する権限がある。この辺はそのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 今も申し上げたように、この信用組合の監督の事務に関しては、何々信用組合という個別の指導監督の責任は都道府県知事にゆだねている、こういうふうに認識いたします。それがやはり金融システムの一環であるということもありますし、また信用組合の指導監督の法律的な責任の遂行において特に問題があったような場合には、委任した大蔵省も地方自治法等に言う指揮監督の権限を行使しなきゃならないというふうに認識をいたします。 そこで、委任はそこはやっぱりかなりすっきりしたものでありませんと、委任をしたけれども絶えず指揮監督しているというと共同でやっているのかと、こういうふうになってしまって、じゃ委任しない方がましじゃないかと。手の上げおろしまで全部、都道府県知事がどうやっているか全部委任した国がチェックして、あるいは報告させたり了解したり、そういうことに現実はなっているわけではありません。これはもう信頼して委任をしておるということであります。 共同検査については、都知事から大蔵省に要請があったときに協力することができるということでありまして、実際その共同検査の実態も、主任検査員は都道府県の職員さんで、二年前は大蔵から二名出ておりますが、それに協力するという、まさにそういう形で共同検査を実施したところであります。
○猪熊重二君 余り抽象的な論議をしていても仕方がない。それじゃ具体的にお伺いします。 平成五年の八月から九月にかけて、大蔵省は東京都からの要請に基づいてこの二つの組合の営業状況について第一回の調査を行いました。この第一回の調査において検査した結果、この二つの組合にはどのような問題点があるということが判明したんでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 平成五年における検査、これは東京都に大蔵省が協力をして行ったものでございますが、その結果わかりました例えば法令違反事項といたしては、通常は自己資本の二○%を超えないものとされている大口融資限度を超過して貸し出しを行っていること、あるいは総預金の二〇%を超えないこととなっている員外預金の法定限度を超えた受け入れを行っていたこと、あるいは理事会の承認を得ないで理事が自己契約をしていたこと等の状況が認められました。 また、全体としての両信用組合の経営状況につきましては、例えば不良債権の額が千四百一億円でこのうち回収不能額が四百九十四億円と、非常に多額に上っているというような状況にあることが判明いたしました。
○猪熊重二君 この検査結果に基づいて東京都及び大蔵省はどのような処置をとることにしたんでしょうか。
○政府委員(西村吉正君) 一昨年の両信用組合に対します検査の実施後、東京都は、検査結果に基づく示達等によりまして、法令違反の解消、財務内容の改善等経営内容の改善指導を強化することによりましてその経営問題の解決に努めたところでございます。当局もその時点においてはそのような方針によって解決を目指すという都の御判断を尊重してまいったところでございます。
○猪熊重二君 そうすると、東京都の方からいろいろ両組合に対して改善命令なりなんなりが出たと。大蔵省としては直接的なことはしなかったということらしいですけれども、協同組合による金融事業に関する法律の第六条、この六条により準用される銀行法二十六条によれば、法律の文章を本件に当てはめて読み直せば、大蔵大臣は、信用組合の業務または財産の状況に照らして必要があると認めるときは、当該信用組合に対し必要な措置を命ずることができる、こういうことになっているわけですから、東京都は東京都で両信用組合にああせいこうせいと指揮命令すると。大蔵省としては、東京都に全面的に任せて特別に大蔵省としての必要な措置を命ずるということはとらなかったんですか。
○政府委員(西村吉正君) ただいま御指摘の銀行法二十六条の問題でございますが、この銀行法二十六条は、協同組合による金融事業に関する法律という別の法律の第六条第一項によりまして信用組合についても準用されていることは御指摘のとおりでございます。 ただ、同条第二項によりまして、銀行法の規定中「大蔵大臣」とあるのは「行政庁」と読みかえられているところでございまして、個別の信用組合に対する指導監督措置は都道府県知事が判断、実施することであり、本件に係る行政庁は東京都知事であることから、大蔵大臣といたしましては、直接両信用組合に対し必要な措置を命ずる立場にはない。この銀行法の「大蔵大臣」というところは都道府県知事と読みかえる明文の規定があるということでございます。
○猪熊重二君 本件でいえば、東京都知事から検査に関する協力の要請があり、大蔵大臣がその要請を必要と認めて東京都知事と一緒に検査しようということを決めたときにおいては、主務官庁は大蔵大臣及び東京都知事、両方が主務官庁になっているんです。違いますか。
○政府委員(西村吉正君) ただいま申し上げましたような法的な構成によりまして、東京都知事が行政庁としての仕事を行うわけでございますが、検査を行う場合に、大蔵大臣に対して協力の要請があったときには大蔵省も協力をいたしまして一緒に検査をするという仕組みになっているわけでございます。
○猪熊重二君 あなたね、協力だとか助っ人みたいなことを言ってちゃだめなんですよ。 要するに東京都知事に機関委任事務したけれども、それによって大蔵大臣の持っている金融に関する大蔵省設置法に基づく本来的な職務権限というものは寸分減りもふえもしていないはずなんだ。何か、頼まれたから、ほかの人の仕事だけれどもわしは助力したとか協力したとか、そんな問題じゃない。 どうですか、今、私が申し上げた、要するに東京都知事から検査に関する要請があって、やろうということになったときの主務官庁はそれでもまだ東京都知事だけなんですか。
○政府委員(西村吉正君) 大蔵省は協力をしておるということでございまして、その検査に関する主たる権限は東京都知事にあるということは、そういうふうに理解をしておるところでございます。 なお、今の問題とは別の問題といたしまして、機関委任事務に関しましては大蔵大臣が指揮命令するというまた別途の規定はございますので、そういうルートを通じましての指揮監督という問題はまた別途あるものと理解をしております。
○猪熊重二君 要するにあなたが言っていることはよくわからないんです。 協同組合による金融事業に関する法律の第七条によれば、要するに検査に関する事項は、都道府県知事の要請があり、かつ大蔵大臣が必要であると認めた場合には主務官庁は大蔵大臣及び都道府県知事とすると書いてあるじゃないですか。 ですから私が言いたいのは、東京都と一緒にやって東京都の方に検査結果の命令を任せた、私の方はそれを見ているんだと言うのか。何かあなたの話を聞いていると、おれの方はやる必要ないから東京都がやっているのをただそばで見ていたんだと。こんな雰囲気だから、そういうことじゃないということを言っているわけなんです。どうなんですか。
○政府委員(西村吉正君) 御指摘の協同組合による金融事業に関する法律第七条に基づきまして、都道府県知事の要請があり、かつ大蔵大臣が必要があると認める場合には大蔵大臣及び都道府県知事が検査に協力しながら当たるわけでございます。 通例こういう検査の場合には都道府県の職員が主任検査官ということで全体の指揮をとっておりまして、財務局の職員がそれに協力するという形をとることが大部分でございまして、過去の事例で申し上げますと大蔵省がイニシアチブをとって検査を行ったことが岩手県のケースで一件ございますが、通常は協力という形をとっておるわけでございます。 なお、その問題と別途、先ほど申し上げましたのは、地方自治法上大蔵省に都道府県知事に対する指揮監督権というものがあるわけでございますが、大蔵省といたしましては、従来から指揮監督権の行使につきましては、地方自治を尊重しつつ各地方公共団体と緊密な連絡をとっておる、そのような運用をしておるところでございます。
○猪熊重二君 まあいいです。 ともかく第一回の調査があって、次、一年後に第二回の調査があるんですが、その第二回の調査までの間に大蔵省として東京都が両組合に出した命令の実効性についてはどの程度の事実を把握していたんですか。
○政府委員(西村吉正君) 一昨年の八月から九月にかけまして検査が実施されまして、その結果、昨年の平成六年の二月から三月にかけて示達が交付されたわけでございます。また、それに対しまして、両信用組合から東京都知事に対しましてその改善の回答が昨年の三月以降なされているところでございます。そのような状況でございまして、検査の実施後、東京都は経営内容の改善指導を強化することによりましてその経営問題の解決に努めてきたところでございます。 私どももその時点において、そのような手法による経営の改善が行われることを見守っておりましたということでございます。
○猪熊重二君 そうすると、何か今のあなたのお話だと、八月、九月に検査して、検査結果に基づいて東京都が両組合に命令というか示達したというのは翌年の三月なんですか。そんなあなた、検査を八月、九月にやって、こうせいああせいというその示達は翌年の三月なんですか。
○政府委員(西村吉正君) 通常こういう検査を行いまして示達をするまでの間、指導を行うこともございますし、いろいろな意見の交換を行うこともあるわけでございますが、本件に関しましては、九月に終了いたしました検査の結果の示達は翌年の二月ないし三月に行われております。
○猪熊重二君 それは通常の調査をした結果の問題ならいいけれども、法令違反はいっぱいある、それで五百億の債務超過でいつひっくり返るかわからぬという人に対して、だって翌年の三月なんといったら七カ月も、そんなことやったら病人だったら死んじゃうじゃないの。何をやっているの。何のために八月、九月にやったんだ。 しかも、大蔵省はそれに対して何をしたんだ。東京都が二月、三月に改善命令を出した、それまで大蔵省は何をしていたんだ。その改善命令がどのように実効性があるのかどうなのか、具体的に大蔵省としては示達の実効性の確保について東京都とどのくらい相談していたんですか。
○政府委員(西村吉正君) 先ほども申し上げましたように、従来から信用組合の経営の指導監督につきましては、機関委任をいたしております都道府県の行政に主としてゆだねてきたわけでございますが、本件に関しましても、一昨年の検査の結果を踏まえまして東京都が経営内容の指導改善を行っておられたことを、そのような御方針を私どもとしても一致して支援してきたところでございます。 しかしながら、その後、東京都の御指導の実効が必ずしも上がっていない、両組合がその御指導に対して必ずしも十分に服しているとは言いがたいし、また経営状況もその後著しく悪化の度合いを深めているということが第二回目の検査で判明をいたしましたので、私どもとしてはこの問題をこのまま放置することはできないというふうに判断をいたしまして、昨年の秋からはみずからこの問題にも直接御相談に参画するということで、東京都及び日本銀行とその処理策について議論を積み重ね、その結果、関係金融機関等の御協力も得まして、先般公表いたしましたような措置をとるに至ったと、こういうことでございます。
○猪熊重二君 第一回の調査をして、その七、八カ月後に示達書を出して、それでまた去年の八月、九月に第二回の調査をした。第二回の調査というのは何のためにやったのかほとんどわからぬ、意味が。 要するに私がここで言いたいことは、第一回の調査であれ第二回の調査であれ、東京都の要請に基づいて大蔵大臣がやろうじゃないかと言って決めた今回の検査に関しては、東京都も大蔵省も全く同等の権利と義務を持っているということなんです。何か人様のことをやっているような問題じゃないはずだと。これは見解が違えばまた後でいろいろやりましょう。 次に、両組合の資料要求をしたんですが、預金者やあるいは融資先のリストが来たけれども、実名を書いてあるけれども、これは閲覧できるだけでほかでしゃべっちゃいけないということで参議院の予算委員会に提出されたんです。確かにプライバシープライバシーとおっしゃるからそれはプライバシーがあるでしょう。しかし、プライバシーを主張するんだったら国からの公的なお金による救済は受けるべきじゃない。もし本当に自分が嫌だったら、私は名前を出してもらっちゃ困る、そのかわり国の方のお金も要りませんよと。国の方からの何百億という、結果的には国民の金を一千百億使うんですから、その一千百億の金、私は要りませんという人間にはプライバシーを主張する立場が理解できるけれども、金はもらうけれども私は名前は出したくないなんて、こんなばかな話はないんです。 このリストをもう一回大蔵省としてはそういう観点から考えて、私は要らぬという人は抜かして、どうしても金をもらいたいという人には名前を出すぞということで実名リストを公表することにしたらどうですか。大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(武村正義君) 実名リストの公表につきましては、問題はやっぱりプライバシーの保護上の問題がございますし、金融取引上の秘密にかかわる情報が開示される、こういうケースが起これはどんどん表に出るんではないかという不安感を醸成する可能性があるというふうに判断をいたします。また、金融取引全般にわたり信頼関係が崩れかねない、そのことを心配して私どもは極めて慎重であるべきだという判断をとってきたところでございます。 しかし、先般、ああした考え方に立ちまして公表に踏み切らせていただきましたが、まさに今回の公的資金も含めた処理方策の対象になった預金者等について公表に踏み切った次第であります。そういうところは対策と相関させながら範囲を限定したということで御理解いただきたいと思います。
○猪熊重二君 いや、この間も大臣は実名リストを出すわけにはいかぬということの第一の理由にプライバシーを挙げているんです。確かにプライバシーはあるんです。あるんだけれども、これだけの国、東京都あるいは国民の、各都市銀行が出す金といったって結局はそこの預金者である国民の金なんです。究極的にはここで出てくる千百億のこの両組合の赤字は結局は広い意味での国民の負担になる。国民からそれだけお金をもらうんだったら、名前ぐらい明らかにしなかったらもらうのは筋違いだということを申し上げているんです。
○国務大臣(武村正義君) だから、まさにそういう意味で十一月末の預金者、融資先等の個人名を発表させていただいたということであります。
○猪熊重二君 公表しろと言っているんですよ、秘密会じゃなくて国民に公表しろと。
○国務大臣(武村正義君) これは私ども大蔵省がどうこうではありませんが、やはり各事業関係者の話、特に今回の共同銀行の関係者の話も総合いたしますと、やはり御商売には商売のモラルがある、道徳があると。いやしくも商売人が顧客の名前を軽々に表に出すということはこれは容易なことではありませんと。これは単純な言い方ですが、なるほどなとうなずける面もあります。よほどのこととは一体何なのかというところにやはり焦点を絞って今回決断をさせていただいたわけであります。 当然、全国の預金者、大小にかかわらず商売の関係者も、個人の預金にしましてもへそくりも含めて金融機関に預けていただいているわけでありますが、何かがあってこれが表に出るということがまさにプライバシーの保護の問題であります。今回、それで大胆に踏み切ることが全国の預金者にどういう心理的なものも含めて影響を与えるか、その辺も見詰めながら議論をして、今回政府としては初めてでございますが、こういう一定の制約はつけておりますけれども判断をさせていただいたところであります。
○猪熊重二君 大蔵大臣、御承知のとおり、プライバシーというのはほうっておいてくれということなんです。私のことに、私に構わぬでくれと、これがプライバシーの権利の問題なんだ。だから、私に構わぬでくれというんだったら、私が預金したのが減っちゃったら減っちゃったでもいいから私に構わぬでくれと、これがプライバシーなんだ。それにもかかわらず国から金をもらいたいというのはどういうことなんだ。構ってもらいたいんだ。構ってもらいたい者はプライバシー権を放棄しているんだということだけ申し上げておきます。 それから機関委任事務について少し伺いたいと思ったんですが、ちょっと時間がなくなっちゃったので、今度は東京共同銀行設立問題についてお伺いします。 いろいろ聞きたかったんですが、ただどうしても私が今まで大蔵省の説明あるいは日銀総裁の説明等を聞いていてもわけがわからぬのは、なぜ預金保険機構による、保険によるてん補という手続をとらないでこういう共同銀行というような方向へ行ったのかということについてなんです。何か昭和二年当時の金融恐慌があって、またそういうことみたいになっちゃ大変だからと、こういうことで今の仕組みを考えた、こういうことなんですが、預金保険機構の仕事のうち、保険金によって処理するという方策でなくして、今回のような資金援助による新銀行設立、こういう方向をとらざるを得なかったことの根本的な原因、理由をはっきり言ってみてください。
○政府委員(西村吉正君) 預金保険機構を発動する形態というのは、現在の制度上二つあるわけでございますが、そのうち、今、先生が御指摘のものは、いわゆるペイオフと言われております預金保険金の支払いという手法についての御指摘かと存じます。 仮にそのような手法、すなわち両信組が倒産をいたしまして預金保険金の支払いをするというような事態になりますと、具体的にはどういうことかと申しますと、預金保険金の支払い限度額は一人当たり一千万円以内でございまして、その支払いについても一カ月ないし二カ月の間、相当な期間がかかる、時間がかかるという問題がございまして、その間この信用組合と取引をしておる中小企業者等の決済が滞るという問題がございます。 また、その預金保険の支払い限度額一千万円以内につきましても、元本は戻りますが、預金の利息は支払われないという問題がございます。一千万円を超える部分について元本も戻らないことがあるということは言うまでもございません。 これは現在の制度上定められた仕組みではございますが、現在、日本の預金者、利用者が預金あるいは金融機関というものに対して持っておりますイメージと申しますか信頼、この戦後五十年の間そういう手法がとられたことがないというような歴史的な事実も踏まえまして、今日ただいまそのような制度を発動するということは日本の金融システムに対する国民の信頼を一挙に失わせるというおそれがないかどうか、そういう問題に対して私どもは危惧を持ったということでございます。
○猪熊重二君 だから、危惧を持ったとかあるいは信用不安が起きるかもしれぬとか、そんなことの理由でこういうことをやったんだとすればこれは大間違いだと思うんです。せっかく預金保険機構というシステム、法律があってシステムがあるにもかかわらずそれはだめだと、こっちで行くんだというんだったら、こっちで行かなきゃならぬというような必然性のあるような理由、根拠というものをもう少し検討した上での結論じゃなかったらどうにもしょうがないじゃないか。 だから、どういう事実を検討して、ただ単に口先だけで不安だとかあるいは危惧があるとか、そんなことで決めるような問題じゃないはずなんだ、これは。どういう要因を分析した結果こういう方策をとることにしたんですか。もう少しはっきり言ってください。 要するに私が言いたいのは、大蔵省がこの件について私のところへ説明に来たとき持ってきたのは、理由としてはこの昭和二年の金融恐慌による預貯金の移動という、この紙切れ一枚じゃないか。ほかにもう少し、こういう不安、もしこれをペイオフするとこういうことになってこうなって日本経済がどうだこうだという資料など何もありはせぬじゃないか。紙切れ一枚じゃないか。昭和二年の金融恐慌による預貯金の移動で、信用組合だとか小さい銀行から金がみんな大きいところに行って行って大変だと、その紙一枚。これだけの理由なんですか、どうなんですか。
○政府委員(西村吉正君) 確かに昭和二年の金融恐慌の事例というものは、例えば当時破綻をいたしました金融機関、銀行という名前はついておりますけれども、その預金額というのは今の金額で引き直しますと四、五百億円程度のものであり、今回の信用組合の規模の方が大きかったというような問題はございます。 ただ、これは歴史的にそういう事実があったということであって、今日同じことが全く同様に繰り返されるということまでを申し上げているわけではございません。その後、経済環境も変化しておりますし経済の規模もはるかに大きくなっておりますので、直ちに同じことが起こるということまで申し上げておるわけではございませんけれども、そういう過去の歴史の教訓というものも私ども踏まえて考えなければならないと思ったところでございます。 また、世界の例を見ましても必ずしも、例えばあの市場経済の国アメリカにおきましても、すべての金融機関の破綻に対しましてペイオフという手法がとられているわけではない。例えば商業銀行が破綻した場合に、アメリカでペイオフという手法がとられるのは五%程度のものでございまして、大部分については今回私どもがとりましたような類似の手法をとって収拾を図っているというようなこともございます。 また、アメリカにおいてペイオフをした例、最大規模の例でも五百億円程度の金融機関についてしか行った例がないというような諸外国の事例をも参酌いたしまして、現在日本の国民が持っている預金とか金融機関に対するイメージ、これはアメリカやヨーロッパの国々に比べてもはるかに信頼性の高いものだというふうに認識しておりますけれども、そういう状況を全般的に総合的に勘案いたしました場合、今日ただいまペイオフという手法を日本において実施するということには相当なリスクがあるのではないか、そのような判断をした次第でございます。
○猪熊重二君 私が言いたいのは、昭和二年のときに取りつけ騒ぎが起きた、だから今回もまた起きるぞというふうな考え方は時代錯誤だということを申し上げたいんです。 要するに昭和二年のときにそういう問題が起きたからといって、今、昭和七十年です。七十年もたってあらゆる情報が国民に公開されているこのような時点において、昭和二年のときと同じような問題が起きるなんということは通常は考えられない。それと同じものをここへ例示で持ってくるなんというのは全くナンセンスだと。 なぜかといえば、政府の方でいろいろこの問題に関して真相を国民に訴えれば、テレビ、新聞、雑誌、週刊誌、いろんなものを通じて国民がわかることは、ああ立派な理事長さんがこういうことをやったからこの信用組合はこうなのか、うちの信用組合の理事長とうだろう、ああこれは大丈夫だと言えばそれだけの話なんです。これだけマスメディアが発達しているのに、昭和二年と同じように、あそこつぶれたそうだ、みんなつぶれたそうだと、うわさ話で事が進んでいく世の中じゃないでしょうよ。昭和二年のこんな事例を持ってきて、今も同じなんて、そんなの全然通らぬ、だれも納得せぬ。
○国務大臣(武村正義君) 昭和二年の恐慌、同じような姿で起こるということはそれはないでしょうね。 しかし、こんなにテレビが発達したとか、これだけ経済が大きくなった、それも事実でございますが、片方でバブルが崩壊をして片方で、議論がございますように、かなりの不良債権を大小の金融機関が抱えて呻吟している状況にあります。 アメリカはつい数年前まではたばたとたくさんの金融機関が倒産をして、千を超える金融機関が倒産をしているわけでありますし、ヨーロッパでもそういう国は、もうない国が少ない、ドイツぐらいだと言ってもいいぐらいの状況でありますから、そういうことを考えますときに、では起こらないと明確に断言できるでしょうか。 私どもは当局でございますから、オオカミ少年じゃありません。私ども大蔵省がオオカミ少年のように金融不安が起こるぞ起こるぞといっぱい生々しいことを言って騒ぐわけにはいきません。むしろもう言葉としては預金者保護、金融秩序の維持です、こういう抽象的な言い方しかしないように控えておりますけれども、あえて言えば、昭和金融恐慌のそういう数字は聞かれるために用意をしたようであります。 少なくとも不安を感ずる以上は、私どもはペイオフの措置はこの時期にはとるべきでなかったという最終判断をしたところでありますし、大方の日本銀行や各金融機関の関係者、いわば専門家でございますが、この点ではほとんど異論は出なかった、そういう認識ではむしろ共通をしていたというふうに思っております。 今なおテレビや新聞で、なぜ金融不安が起こるのか、起こったらそれがどうなるのかということをもっとわかりやすく説明すればいいのかもしれませんが、なかなか大蔵省、日銀の立場ではそれを生々しく申し上げにくい点はぜひ御理解いただきたいと存じます。
○猪熊重二君 いや、私が申し上げているのは、金融不安が起こるようなことのないような方策を政府がやるべきなんであって、そういうことも何もせずに、ただ昭和二年の事例に基づいてこういう処置をとるというその安易な手法が間違っているんじゃなかろうかと言っているんです。 それは大臣だって私だって神様じゃないんだから、金融不安が起きるとか起きないとか、当たるも八卦当たらぬも八卦みたいなことを言っちゃいられないですよ。どっちになるかわからぬ。どっちになるんだかわからぬけれども、しかし金融市場の自由化という国際的な状況のもとにおいてそれに逆行するようなことを何でここでやるんですか。どうしてもやるんだったら長銀が千百億出して片づけたってそれで済むじゃないか。とうにだってまだ処置はいろいろあるんです。何で国民の金を使うんだ。安易に国民の金を考えているからそういう処置に行くんじゃなかろうか。 金融不安不安と、それはおどし文句ですよ。金融不安が起きたらどうするかと言って、起きないということを言える人はいないんだから。だけれども、そんなことではこの問題を今回のような処置をとるということについては全く納得できない。だから、国民はこんな金を出すことに対してだれも賛成していませんよ。今度の東京都知事選を見たって、そんな、三百億出すんだ、私は出すのに賛成なんていう候補者は必ず落選するわ。それはそうですよ、そんな不合理な問題はできない。 次に、大蔵省の役人と高橋前理事長との関係についての問題についてお伺いしますが、大蔵大臣は十三日に初めて節度を超えたということで職員に対し処分、処分と言っても訓告処分を発表しました。しかし、それまではこういう委員会の席上において大蔵大臣は、節度を超えていない超えていないということをずっと言ってきたんです。 そうしたら、十三日よりも前までは大蔵大臣は、このような田谷さんやほかの人の事実のいろんなこういうゴルフだ飲食だ、あるいは香港旅行だということを知らなかったから節度があるつき合いだと考えていたのかどうか、もし知らなかったとすれば、それを大蔵大臣に知っていて言わなかった責任者はだれなんだ。
○国務大臣(武村正義君) 既にお答えをいたしましたように、私は、十三日でなしに、あれは九日でございましたか、証人喚問があった日ですね、その日以前までは香港の話は全く承知をいたしておりませんでした。私は、何もそういう事実がないというよりは、事務方の報告によれば節度を超えている事例はないように思うと、こう申し上げてきているわけであります。参議院の予算委員会の答弁もいつもそういう報告であります。 それで、九日の日にああいう事態が、証人喚問と、あれは週刊誌ですか、週刊誌の方が先行しておりましたが、出てきましたので、これは私みずからが本人にきちっと確認しようと。なかなか強制力を持った取り調べ等とは違いますから、対等の立場で事情を聞くという状況ですから、恐らく恥ずかしいことはなかなか素直にしゃべらない状況があったのかもしれません。そういう意味で、結果的にはこの事実の掌握がおくれたということであります。
○猪熊重二君 役所というところは、職員の勤務状況についていろいろ聞くのについてそんなに遠慮しなきゃ聞けないものなんですか。どこの会社へ行ったって、うろうろしていて悪いことをしているやつは、それは係長がうろうろしていれば課長が、課長がどうもおかしいといえば部長が来いと言ってどんどん聞くじゃないですか。何で役所ではそんなに遠慮してお客様みたいに、あなた悪いことをされたんですかなんて、何をやっているんだ、あなた、だめだよ、そんなんじゃ。 それで、ともかく飲食、ゴルフ、この問題に関して私はちょっと申し上げておきたいんです。なぜかというと、大蔵省は前からこういうふうなことばかりしている。総理、聞いていてくださいよ。 私は、平成三年十二月十七日に決算委員会で次のように言ったんです。平成二年一月から三年六月までの一年半の間に、証券局の局長や審議官等が四大証券会社社長等と実に八十七回、業界の費用負担でホテルで飲食している。要するに月にならせば四・八回なんです。一週間に一回以上なんです。ホテルで昼飯を、ただ飯をごちそうになっている、こういうふうに言ったのに対して、当時の大蔵大臣が、それは癒着とか言われる問題が生まれてくるということは気をつけなければいけない、少なくとも疑惑を受けることのないように努めていくと、こういうふうにやったんです。それから四年たった。全然変わっていないんです。変わったのは証券局が銀行局に変わっただけだ。 なぜこういうふうなゆすり、ゆすりじゃないな、なぜたかりばかりするんだろう。これはうそじゃない。これは大蔵省が出した資料に基づいて私が言ったんだから。それで、このときの大蔵大臣は羽田さんですよ。羽田さんもしょうがない、渋々謝ったんです。だって、一年半の間に八十七回もホテルへ行って昼飯を食っているんですよ。昼飯は何時から何時までかかるかしらぬけれども、少なくも二時間ぐらいはかかるでしょう。出てから帰ってくるまでだと三時間ぐらいかかるかもしれぬ。こんなものを一年半の間に八十七回も、証券局長だ、そのときの偉い人だとかどうとかと飯を食いに行っているんです。 これで、こういうことはやめますと言ったのに、今回はまた、まだ氷山の一角でどうなるかこれからいろいろお楽しみだけれども、どれだけのこういったかりの状況で大蔵省というのはいるんだということについて世間でも怒っているじゃないですか。こんな、今回の東京税関長に対する訓告が、こんなものは処分じゃない。大蔵大臣は盛んに職務に関係せぬ職務に関係せぬと、こうおっしゃるんです。職務に関係して飯を食ったら収賄罪なんだよ。職務に関してゴルフに連れていってもらったらそれは収賄罪じゃないか。それは犯罪だよ。職務に関連しなくても、公務員たるにふさわしくない行動があったときに懲戒処分にするんでしょう。その辺はどう考えているんですか。
○国務大臣(武村正義君) 改めて申し上げますが、今回の件が国家公務員法に基づく懲戒処分を科すべきであるという御趣旨であるとすれば、これについては次のような難しさがあると考えます。 職務に関係のない者との私的な交際であったと。今、四年前の証券の話をされましたが、この事件が起こっているのはそのまた前、五年半ぐらい前の事例でございます。最近の香港旅行、飲み食いではありません、私的な交際に対して懲戒処分を適用することは、個人の私生活という基本的人権の根幹部分に触れる処分であることから、これは極めて慎重でなければならないと考えます。また、信用失墜行為は社会通念に基づいて判断する必要がありますし、確かに社会通念はそれぞれの時代の価値観、倫理観によって変わってまいりますが、職務に関係のない者との私的な交際については、少なくとも今日まで大蔵省としてはそういう交際に対して訓告の対象ともしてこなかったわけであります。 ですから、そういう意味では今回初めて、こういう過去の事例でございますが、私どもはこういう処分の対応をさせていただいたし、田谷氏については直ちに職を解いて勤務先をかえるという措置をとらせていただいたわけであります。
○猪熊重二君 大臣、今までやらなかった、今回やったのは立派なことだとおっしゃるけれども、そうじゃないんだ。同じ役人の中でもこんな、ホテルに行ってごちそうになったり、ゴルフに連れていってもらったり、そんなことじゃなくて一生懸命やっている役人いっぱいいるわけですよ。いっぱいいるだけというよりも、こういうふうな悪いことする方がむしろ特殊かもしれぬ。 大蔵省の所管の中だって、国税庁の職員なんか実際に現場に行って仕事をしていて、私のところへも調査に来ますよ。それで、てんどんぐらいごちそうしようといって昼飯どうだと言うと、わざわざ外へ自分で食いに行って、ラーメン食ってくるか何食ってくるか知らぬけれども、ともかくお茶以外のものは何ももらわぬといって一生懸命仕事しているんだよ、国税庁の職員は。それなのに片っ方は香港なんかに連れていってもらってお上産まで買ってもらって、そんなばかな話ないでしょうよ。 国税庁の職員だけじゃなくして、裁判所もあるいは検察庁の職員にしたってみんな清廉潔白にやっているんです。もう少し綱紀粛正ということについてお考えいただきたい。 次に、もう時間ですから信用組合問題を終えて、今度は七年度の本予算について少々お伺いしておきたいと思います。 この七年度の本予算については一月二十日に国会に提出された。しかし、その二百前の十七日に阪神・淡路大震災が発生したので、これは大変なことになるから、もう一度この大震災を前提にした上での本予算の組み替えということを野党は主張したわけです。しかし、政府は予算編成の時間的制約というふうなことを理由にしてこれを拒否した。しかし、今になってみれば、やはり今回組み替えないで出されているこの本予算はどっちにしても抜本的に補正予算によって補正されなければならないような、言葉はきついけれども、欠陥予算と言わざるを得ないんです。 この組み替えをしなかったこと、またしなかったことの正当性あるいは合理性についてお伺いしたい。
○国務大臣(武村正義君) 七年度予算の組み替えという問題につきましては、これから本格的な復旧・復興対策に取り組んでいこうという段階におきまして、財政上どのような手当てが必要となるかをある程度まで見きわめた上で七年度当初予算を修正することとなれば、修正予算書の提出までには相当の時間を要すると考えられます。七年度当初予算の国会審議、成立がおくれた場合に、今お出ししている予算に盛り込まれた各般の緊要な施策に対する支出そのものもおくれざるを得ません。また、景気に対する影響も望ましいとは言いがたいことも念頭に置いているところでございます。 こうした考え方から、組み替えは行わないで政府提案どおりの形で予算を成立させていただくようお願いをしてまいったところでございますが、いずれにせよ、今回の大震災に対しては財政的にも必要な措置を今後も積極的に講じてまいりたいと考えます。
○猪熊重二君 予算の中の個別的な項目について二、三お伺いしますが、まず租税収入について、本予算における税収は五十三兆七千三百十億円とされています。しかし、六年度の二次補正後の税収予算は五十兆八千百六十億円に減額修正されている。そうすると、六年度税収予算に対して約三兆円も金額が上積み、上積みというか増額しているんですが、こんなような税収見込みが果たして実際に達成できるんだろうか、過大見積もりじゃないのか。 さらに今回の大震災によって、そのことの理由による減収ということもさらにまた考えなきゃならぬ。そうすると、今のままでも六年度に対して三兆円もオーバーしている。今度はさらにこの税収が実際には減るということになったら、どのくらい実際の税収というものは考えられるのか、その辺どう考えておられるんですか。
○政府委員(小川是君) 平成七年度当初予算における税収見積額は五十三兆七千億でございますが、この見積もりにつきましては、六年度の第一次補正予算額、今お話のございました二兆二千四百七十億減額をいたしました。その減額後の六年度見積額を土台といたしまして、そこまで判明しておりました課税実績であるとかあるいは各種の見通しに係る指標を基礎に個別の税目ごとに積み上げたものでございます。 したがいまして、この税収見積もりは現状においてもなお適切なものであると考えておりますが、第二点の御質問の、その後、震災が発生したことに伴いまして六年度の税収を六千億ほど減額いたしました。このことが七年度の税収にどういう影響を及ぼしてくるかという点であろうかと存じますが、実は六千億減額をいたしました中には、損失の発生等に伴いまして三千億弱減額をいたしました。もう一点は、こうした状況ですので、納税の猶予ということで納付が七年度以降にずれ込むという部分が三千億強見積もっているわけでございます。したがいまして、七年度の税収への影響といたしましてはそうしたずれ込み分もございます。また七年度に損失のはね返る分もあろうかと存じます。ほかにこれが全体として経済にどういう影響を及ぼすかという点もあろうかと存じます。 いずれにいたしましても、現状におきましては、七年度の税収について大きくこの震災の関連で減収といったようなことを考える段階にはないというふうに考えている次第でございます。
○猪熊重二君 あなたが今おっしゃったように、きちんと税収があることを期待しますけれども、この災害による税収減というようなことももう少しいろいろ検討しておかれた方がよろしいんじゃないかと思います。 次に、ウルグアイ・ラウンド合意関連対策費についてお伺いします。 ウルグアイ・ラウンド合意に基づく対策費として六年間六兆百億円というのが一応計画されているわけですが、六年度の二次補正で約七千五百億、今回の総予算で約三千九百億、一兆円を超えるウルグアイ・ラウンド合意関連対策費が計上されているんですが、ウルグアイ・ラウンド合意対策費という名目はついているんですが、内訳を見ると従前の農業農村整備事業の上積みにしかすぎないというふうに私には見えるんです。 そうすると、上積みだから悪いというわけじゃないけれども、もう二十年、三十年にわたって農業基盤整備だとかあるいは農村振興だとか農業近代化とかいろんなことでずっとやってきている。その金額に単に上積みするというふうな手法でこの六年間六兆円、前年度補正と今回で一兆一千四百億円近い金をさらに追加したところで、新しい計画の実現とかそういうこととは全く無関係なように思うんです。この辺について、農水大臣、どのようにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(大河原太一郎君) 御案内のとおり、米の部分開放なり農奮産物の関税化、自粛化、これを受けまして緊急な国内対策として六年間の事業を展開しようとしておるところでございます。その眼目は御案内のとおりでございまして、しばしば申し上げておりますように、経営感覚にすぐれた安定的、効率的な経営が農業生産の大宗を占めるというような農業構造を速やかに実現しなければ相ならぬということと、影響が大変厳しい中山間地帯に対する地域の活性化のための事業を行わなければ相ならぬということでございます。 いろいろお話がございましたが、これらの六年間に新しい事業として行うそれぞれの事業について申し上げますと、農地の急速な集積を図るために農地移動を従来の二、三倍のペースのスピードで経営規模の拡大を図るということで、それに対する特別の助成をいたす。 さらには、生産展開の基礎になります農業基盤整備事業につきましては、平場地帯におきましては高生産性の大区画圃場整備、この重点的、加速度的な推進を図るわけでございまして、工期の短縮なりあるいは関連事業の同時採択なり、同時効果の早期発生というようなことの事業内容でございまして、この点は十分中身を検証していただければ明らかだと思うわけでございます。 そのほか、島内外から新規の就農者、青年の就農を促進するということのための体制の整備なり、あるいは前向きに取り組もうとする農業経営の過去の負債に対して負担を軽減するために、系統資金を利用した特別な長期の負担軽減対策、負債借りかえ対策、さらには中山間地帯におきます新部門導入のための無利子資金等、さらに試験研究の分野におきましては、御案内のとおりでございますが、国なり都道府県の研究だけでなくて民間の研究勢力を結集して生産現場に直結いたしました技術開発を図る等々でございます。 いずれも新しい事業でございまして、これによって農業に対する厳しい影響を回避するとともに、二十一世紀に向かっての農業農村の展望を切り開くということでございまして、着実な緊急な実施が必要であるというふうに私どもは思っているところでございます。
○猪熊重二君 今、農水大臣お話がありましたけれども、規模拡大といってももう二十年、三十年やってきてほとんど規模拡大、少しは進んだけれども大した成果はない。 この間、武田委員が、日本の農業をもう少し規模拡大すれば生産性も向上し、生産経費も低減化することができると、いろいろお話がございまして、私も聞いていて、ああそれは日本農業もまだすばらしくなり得るんだなと。しかし、すばらしくなり得る日本農業がすばらしくなれないことの根本的な原因が農地所有権にあるということ、農地所有権をもう少し公共の目的に従って利用権の設定の方にアクセントを置くべきである、こういうふうな観点について農業政策を転換しなかったら、今回また毎年毎年一兆円ずつ六兆円やったって前と同じことになる可能性が多いんじゃなかろうか。もう少し抜本的に考えない限り、寸分とも私の土地はいじらせぬ、農地はいじらせぬという状況がある限り、幾ら金つぎ込んだって事はうまくいかぬだろうというふうに思います。 余計なことで失礼します。専門家の農水大臣に余計なことを言ってあれだけれども、しかし農地所有権の問題について根本的に考え直さない限り、十年たったって二十年たったって日本農業が再生することは難しいんじゃなかろうかということだけ申し上げておきたいと思います。 それから、運輸大臣、今回の整備新幹線問題に関連して、十億円の未着工区間の駅整備調整事業費というものが組まれていますが、これの具体的内容と、十億日本年度予算でやって、この後ほどんなふうになる見込みなんでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 御質問の熊本駅、富山駅につきましては、周辺の整備を自治体と協力して行うという観点から、特別な費目を立てて計上したわけでございます。平成八年度以降につきましても、未着工区間につきましても逐次工事認町を行い、予算的な裏づけをしていく予定にいたしております。
○猪熊重二君 総理、今、農水大臣が、また運輸大臣がそれぞれ所管の重要な問題なんだと、こうおっしゃるんですが、このウルグアイ・ラウンド合意対策費とか整備新幹線の問題、整備新幹線はこの十億円の駅舎の整備だけだけれども、ただそれに続いてすぐにまた整備新幹線の具体的な着工費用というふうなことにもなってくる。しかし、今回の震災による復興資金の財源というものを考えたときに、今申し上げたこの二つの項目について何らかの再考をする余地があるのかどうなのかについて総理のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) ウルグアイ・ラウンド後の日本の農業に対する影響を可能な限り少なくして、そしてそうした国際情勢の変化に対応できる日本農業をどうつくっていくかという意味では、先ほど農水大臣からも御答弁がございましたように、規模の拡大も図る必要があるし、同時に農山村地域の開発もする必要があるし、いろんな意味で新しい時代に乗り切れる日本の農業というものをつくるために必要なものとして計上されておる、私はそう思います。 それから新幹線の問題につきましては、今、運輸大臣から答弁があったとおりでありますが、これもやっぱり国土の均衡ある発展を遂げるという意味では大変地域地域の要望も強いので、そうしたこともゆるがせにはできないというふうに考えなきゃならぬというふうに私は思っております。 同時に、今御指摘のございました阪神・淡路地区の震災による復旧・復興というものにもこれから莫大な金が必要になっていくわけです。これもきちんと財源措置もして、そして産業の育成なりあるいは雇用の安定なり、あるいは災害に強い町づくりなり等々をやらなきゃならぬという重要な課題を抱えておりますから、この予算というものは、財源というものは、きちんとやっぱり確保しなきゃならぬ。そうかといって、大変厳しい財政事情の中で安易に国債発行にも依存をできないし、同時にまた国民に対して余り無理な期待も持つことはできない、こういう状況に私はあると思います。そこらを総合的に判断して、どういうことを考えていくことが一番いいのかという広い範囲から検討しなきゃならぬ重要な課題であるというふうに思っております。 これだけは繰り返し私がきちんと申し上げておりますのは、復旧・復興に必要な予算は、財源は、きちんとやっぱり確保しなきゃならぬ。しかし、その確保する財源はあくまでも国民の御理解と御協力をいただくということが前提でなきゃならぬ、無理に課税するとかそんなことはやっぱりすべきではないというふうに思いますから、この基本的な原則を踏まえた上で広い範囲から検討を加えて、そして国民の皆さんが納得できるような財源措置というものをやるということが今の内閣に課せられた課題であるというふうに考えておりますから、そういう視点でこれから鋭意内閣一体となって検討しながら取り組んでいかなきゃならぬ問題だというふうに認識をいたしております。
○猪熊重二君 建設大臣にちょっとお伺いしますが、我が国の歳出予算において公共事業費が非常に高い割合を占めている。この公共事業に関する請負代金額について、マスコミ等で日本の公共事業の代金はアメリカに比較し少なくとも三割は高いなどというような意見が大分出ております。もし本当に三割高いとすれば、本年度予算における公共事業費は九兆円余なんですから二兆円ぐらい高いことになってしまう。 建設省として、例えば日米二つの国に限って見た場合であっても、この公共事業に関する請負代金額の高さ低さとかいうふうなことについて比較検討したことはあるんでしょうか、ないんでしょうか。もし本当に外国建設業者の方が請負代金額が安いのならどんどんそっちへやらせてやれば、そうすれば内外価格産の解消にも貢献するし、あるいは貿易摩擦の解消にも非常に役立つというふうな意味において、まずこのマスコミ等で言われている日本の建設コストが高過ぎるかどうかについて少しは検討しておられるんでしょうか。
○国務大臣(野坂浩賢君) 検討しております。 その内容を申し上げますけれども、今、先生が御指摘のように、一割から四割ぐらい高いじゃないかという声がちまたの声であります。したがいまして、就任以来この問題については協議しておりまして、去年の九月から、アメリカはもちろんでありますが、欧州各国に調査員を派遣いたしまして、プロジェクトチームをつくっていわゆる公共工事の建設費の縮減に関する行動計画というものをつくっております。したがいまして、二年間でその実績を上げるということを言明しております。 ただ、こういうことを言ってはほかのことにも影響がありますが、運輸、通信、燃料とか電力とか、それらもそれぞれの価格差がございますが、積極的に建設資材は外国から輸入すると規制緩和のところでも明確にしております。この間、神戸でやる予定の博覧会を横浜でやりまして、官民一体となってどうやって縮減をするかということについていろいろ検討をしております。 行政改革の面で申し上げておりますように、例えば二十一世紀初頭までには標準の住宅というのは三分の一減にするというところについて新聞社に発表したりして明確にしておるところでございまして、御指摘のように、そういう点については品質が落ちないような行動計画もあわせてつくっておりまして、両々相まって御期待に沿うように進めていく所存でございます。
○猪熊重二君 なるべく批判を受けないような方法で建設省として頑張ってやっていただきたいと思います。 あと特別会計の予算上の措置についてもいろいろお伺いしたいこともあったんですが、時間がありませんので総予算に対する質疑はそのくらいにして、あと七年度補正予算についてお伺いしたいと思います。 七年度補正予算は早急に出されなきゃならぬと思いますが、提出の見込み時期、それから補正予算を作成する場合の基本的な課題に対する考え方、補正予算の歳入歳出規模等、現時点においてわかる範囲で御説明願いたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) 今までもお答えをしてまいりましたように、第二次の震災対策を基本にしてなるべく早い時期に新年度の補正対応をしてまいりたいというふうに思っております。当然でありますが、二次補正以降のさまざまな各省庁、現場の御要求を踏まえた財政」詰めた数字を承りながら、大蔵省としては積極的に対応してまいりたいと考えます。
○猪熊重二君 二月二十七日の一部新聞によると、七年度予算のうち公共事業費の一律五%カットを政府の方で方針を決めたというふうな趣旨の報道がありますけれども、この報道に言われるようなことは事実なのかどうか。 それからその報道の問題とは別に、もう災害対策関連費のための財源としてどこかから金をつくってこなきゃならぬということになれば、義務的経費を除いて七年度予算のともかく例えば一○%全部カットするというふうな手法だとか、そういう問題を考えないと結局は国債か増税かというところへ陥ってしまうことになると思います。 この公共事業費一律五%カットの新聞報道の真偽の問題と、それから私は一割全部カットしたらどうだと、こういう意見なんで、これに対する大蔵大臣の意見を。
○国務大臣(武村正義君) 大変大胆な御提案をいただきましてありがとうございました。 総理もお答えいたしましたように、当然予算の中で災害のためのやりくりといいますかをしなければならないと思っておりますが、新年度につきましては、きょうもこうして参議院で当初予算の真剣な御議論をいただいているところでございます。したがって、政府が今何%という考え方を持っているわけではありません。予算をお認めいただき動き出す中で、ぜひその問題についても政府を挙げて真剣に考え方をまとめていきたいというふうに思っております。
○猪熊重二君 それはそうだ。今言われてみれば、総予算をやっているのにその総予算のうちの公共事業費を一律五%カットの方針ですなんということは口が裂けたって言えないわね。それはそうだと思う。 それで、もう時間ですので、総理、ともかくこの七年度総予算は、先ほど申し上げたように、言葉は失礼だけれども欠陥予算であって、どうしても震災対策費、これが幾らになるか知りませんが、仮に十兆円とすれば、その十兆円が組み込まれていないという意味において欠陥予算だぞと言われても私はやむを得ぬだろうと思う。 いずれにせよ、この十兆円なら十兆円規模の災害対策費をどこから持ってくるかということが一番根本的な問題であって、一番簡単なのは、簡単じゃなくて国民に怒られますけれども、増税すれば一番簡単に取れるかもしれぬ。しかし、増税をするんだったら、もう竹下内閣のときから竹下総理も言っておられるんだけれども、ともかく徹底した行政改革をやることが一つと、それから税制の公平な制度の確立、この二つかない限り増税をするべきではない。 ですから、税負担の公正というところへいけば、私は納税者番号制による所得の総合的把握を前提にした税の公正さを確保することがどうしても必要だと思う。いずれにせよ、増税ということは考えるなといったって、増税しなきゃ借金するだけということになるわけですが、徹底した行革をしないうちに、行革による歳出節減をしなくて増税ということはあっちゃならぬし、それから税の公正な負担ということをなしにしても増税ということはできない、こう考えます。 何も災害対策のための増税ということじゃなくて、一般的にもっと税制上やらなきゃならぬことは今私が申し上げたような点だと思うんですが、これに関する総理の概括的な御意見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) いろんな角度から御配慮をいただいた御意見を今拝聴したわけでありますけれども、今、七年度当初予算の御審議をいただいております。 この予算を編成した後この震災が起こったものですから、これまた予算の組み替えをするということも大変ですし、この予算には国民生活全般に関連する問題やら、あるいは今のやや上向きになっておる経済に関連をする予算というものも計上されておるわけでありますから、国民全体に与える影響というものを考えた場合に、この予算は予算として一日も早く成立させていただく必要がある。同時に、起こりました震災に対しては、当面必要な予算については六年度の第二次補正予算でもって応急に一兆円を超す財源を入れて、そして対応していくというふうにしてもらったわけです。 この予算成立後、これからいよいよ復旧・復興にかかるわけでありますから、その復旧・復興にかかる財源というものは確保してきちっとやっぱり体制にこたえる必要がある。同時に、最近の円高の傾向というものはまた必要以上に日本経済に影響も与えているわけですから、そういうものに対する対策というものも十分考えていく必要がある。こういう当面の課題については、できるだけ可能な限り綿密な計算もした上で、そして疎漏のないように、適時適切に対応できるように、七年度の第一次補正というものも十分考えて対応していく必要がある。 その考え方につきましては、先ほど来申し上げておりまするように、安易に公債にも依存はできない、同時に国民の御理解と御協力がなければこれはできないことでありますから、広範な立場でこれから真剣な検討を加えて、そして国民の声やらあるいは議会の皆さん方の意見等々も踏まえた上で適時適切にタイミングよく対応する必要があるという考え方で取り組んでいきたいというふうに思っておるところでございます。
○猪熊重二君 どうも質問通告して時間の関係でだめだった人、申しわけない。 どうもありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で猪熊重二君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、井上哲夫君の質疑を行います。井上哲夫君。
○井上哲夫君 新緑風会の井上でございます。 きょうはまず、通告をさせていただいていないんですが、外務大臣、ちょっと突然でございますが、お尋ねをいたしたいと思います。 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕 東京地下鉄サリン事件、今、総理も関係大臣もおっしゃいましたが、まことに痛ましい、そして腹の立つ事件が発生をいたしました。そして、一刻も早い犯人の検挙に向かって捜査当局は今、全力を挙げていることは私も十分理解できるところであります。 きのう新幹線で上京した際にテロップに出ましたんですが、アメリカの大統領もこの事件については日本政府に協力を申し入れるんだというようなことが流れました。詳細についてはわかりませんが、例えばこれは国民の側からすれば大変親切な申し入れでありがたいという反面、やっぱりこれは毒ガスとか化学兵器については米軍の専門家及びいろんな形の装置があって、それが日本に事件解明と称してやってくるのかというようなことを懸念する面もあるかもしれません。 そこで、外務大臣にこの点について、通告をさせていただいておりませんのでまことに恐縮ですが、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 事件が発生をいたしました日の衣かなり遅い時刻、深夜であったかと思いますが、アメリカのクリストファー長官から連絡がありまして、この問題について電話で話がしたい、こういうお話でございました。大変緊急でございまして、準備をいたしましたけれども、今度は先方の時間の都合どうまく合わないということで、結果的に電話で直接話をするということができませんでした。 ただ、先方からは、自分が電話をしようと思った趣は、この問題の被害者に対するまずお見舞いを申し上げると同時に、この問題に重大な関心を持っておって、何かアメリカでできることがあるだろうか、あれば言ってほしいという趣旨のことであったようでございます。あったようでございますというのは、直接話ができずに先方からはクリストファー長官がすぐにパリへ行ってしまうというのでメッセージを、非常に簡単なメッセージだったんですが、河野に伝えるという簡単なメッセージだけ届いてまいりまして、詳細な話がまだできておりません。パリに行かれて今、用事をしておられるようでございますが、その簡単なメッセージの中は今申し上げたようなことが書いてございまして、その真意についてはまだ実は十分把握をいたしておりません。 当方からも事件の概要等が、この毒物その他の解析、分析ができつつございますので、それらを踏まえて先方に場合によっては連絡をとってみようと、こう考えておるところでございます。
○井上哲夫君 ありがとうございました。 通告の質問に入りたいと思います。 たびたび大蔵大臣にお願いをしておりまして恐縮でございますが、東京共同銀行も二十日に営業を開始した。そして私は、この事件のこれまで予算委員会における審議を聞いておりまして、東京都の責任というのは一体具体的にはどういう責任なんだろうかという問題と、日本長期信用銀行が最近にわかにその責任問題がクローズアップされてきておりますが、この長期信用銀行の責任というのは一体何だろうか、中身ですね、そういう問題を自分の問題意識として強く持つようになったわけであります。 先ほど猪熊委員が質問をされました。機関委任事務であるために東京都に対して直接世話をやくということは大蔵省としてはできかねる、許認可の機関委任事務ですと。確かにお任せしますと言っておいて後ろからおせっかいをやくということはなかなか難しい。しかし、事が金融システムの安定化という問題を抱えての金融機関に関する検査を中心にした監督ということになると、通常の許認町の機関委任事務とはまた性質が異なる面もある。常に後ろから二段ロケットじゃないけれども監視をしていないと難しい、あるいは国民の負託にこたえられない面はあるんではないか。そのことについては私、質問はいたしません、猪熊委員がやりましたので。 新聞の日刊紙の報道によりますと、最近、長期信用銀行は、民間の銀行が負担すべき不良債権、バックアップ資金ですか、三百八十億円をどうも長銀が肩がわりして負担というのか融資という形でかぶるというような報道が出たわけでございます。この報道の真偽はまだわかりませんが、大蔵大臣としては、長銀がそういう責任をもう一つかぶったと、あるいは民間銀行協会の方が支援を渋っている側面もあってそうなったのか、その辺についてひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武村正義君) まず前段で、御質問とはおっしゃらなかったのでありますが、機関委任でありますけれども、検査の仕事だけを委任しているわけじゃありません。まさに信用組合を認可する仕事も、それから日ごろのこういう示達書を出したり経営改善命令を出したり、役員の罷免権も含めてあらゆる権限を全部委任しておりますから、包括的な権限委任でございます。 長銀の問題は局長からお答えします。
○政府委員(西村吉正君) 先般、幾つかの新聞に報道をされました長銀の、三百八十億円と書いてありましたが、三百七十億円でございますけれども、融資につきまして御説明を申し上げます。 この問題は、今まで国会等で御議論をいただきました最終的にこの二つの信用組合の処理をする場合の分担をどうするかという問題とちょっと側面が違いまして、差し当たり債権回収機関が不良債権を買い取るわけでございますが、その場合のファイナンス、融通をどうするかという当面のお金のやりくりの問題でございます。 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 この二信用組合の不良債権を買い取るのに必要な資金が約六百七十億円必要なわけでございますが、このうち約二百七十億円につきましては日本長期信用銀行から融資を受け、残りの三面億円につきましては全国信用協同組合連合会から融資を受けるということで考えられておりまして、この融資はいずれも基本的にはコマーシャルベースの融資ということで、収益の支援と言われているような最終的な分担の問題とはちょっと側面の異なる問題としてお考えいただければ辛いに存じます。
○井上哲夫君 だから特別、長銀が今回の件でまた責任を認識しての行動ではないということでございますな。一応伺っておきます。 それで、大蔵大臣、東京都の監督責任の問題は、これは東京都知事の問題であるし、大蔵大臣の問題では本来ないわけでありますが、しかし三百億円の支援が凍結をされたままでありますね。そうすると一般の都民や国民の方から見ると、東京都は自分たちに責任があることは十分認めておる、したがって三百億円の凍結もやがて大蔵と日銀と東京都でつくった支援スキームといいますか処理スキームに期待にこたえてくれるであろうというこれまでの大臣の御答弁で、私はそれが新しい知事がどういう方向に行くかどうかはもう問いませんが、一体東京都の責任というのは、例えば検査をやっていた人の処分が出てその責任が果たされるのか、あるいは三百億円のこういうスキームを凍結しているのを解除すれば応分の責任が果たされるのか、これは二つの問題を持っていると思うんです。 そういう点に関して大蔵大臣としての感想をお聞かせ願いたいと思うんです。
○国務大臣(武村正義君) なぜかこの問題が起こってからずっと責任論の質問が衆議院も含めてたびたびあったわけでありますが、機関委任でありますだけにややお互い頭を整理することが非常に難しい。私自身も機関委任という言葉は若いときから知っておりましたけれども、こういう具体的なケースに当てはめたときにどうなるのか、この件で随分学んだという感じもございます。 それで、もう繰り返しませんが、東京都がこの二つの信用組合も含めた五十の個々具体的な信用組合の監督権を持っていただいている。先ほど申し上げたように、認可も役員の罷免も業務改善命令もすべての権限を委任しているわけであります。そういう意味での東京都の責任というのは大変重いというふうに言わざるを得ませんし、これは都議会五会派のあの声明文の中にもそのとおり書いておられます。また、預金者保護とか信用不安に対しても東京都は十分責任を果たしていかなきゃならないと、こういう表現もあるわけであります。 テレビでちらっと見た候補者の討論会を見ておりましても、ある候補は、今の私の心境では三百億は出すべきでないと思うと。今のというのはどう解釈するかわかりませんが、しかし都の責任は大変重い、大変という言葉をつけておられます、大変重いということは明確に言い切っておられまして、恐らくどの候補も、こういう法律的に機関委任されていて、東京都は信用組合課という課を置き、三十数名の常勤スタッフを置きながらいつも監督に当たってきておられることは紛れもない事実でございますから、そういう中で都の責任は重いという点では恐らくどなたが知事になられようとも変わることはないだろうというふうに思います。 三百億、金額も含めて出し方その他についてはいろいろ議論があるかもしれませんし、あるいは新しい知恵が提案されるかもしれません。そこはよくわかりませんが、責任をどう果たされるか、私たちもそのことは真剣に見守っていきたいというふうに思っております。
○井上哲夫君 もう一つは東京共同銀行と関係のないお尋ねをしたいと思うんですが、これはお願いを含めてお尋ねをするんでございますが、地震保険の問題です。 これは今までもこの予算委員会でたびたび質問の対象になっております。ところが、地震保険については私が調べてみますと契約件数も非常に少ない。普及率は全国で七・二%ですか、兵庫県で三%だと。こういうことで、最近大蔵省では地震保険についても契約件数を倍にしよう、それから補償金額を倍にできないかということを検討に入ったという報道がなされておるわけですね。実際に地震保険の契約件数を倍にする、あるいは補償金額を一千万から二千万にするということは、保険の危険率その他、再保険も、政府がどのようにとらえるかというふうなことから大変多くの技術的な問題が隠されていると思うんですね。 その点について大蔵省としては今どういう方向で検討に入っているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(西村吉正君) 今回の大震災に際しましてこの地震保険の問題というのが非常に国民の切実な関心を集めたということは、私どもも十分認識しておるところでございます。 ところで、今御指摘のように、現在のところ地震保険の普及率は必ずしも高くないということがございまして、これを今後どう考えるかということについても大きな問題であると認識をしておるところでございます。 そんなことから当面の措置といたしまして、地震保険の普及拡大につきましては、新聞とかテレビの広告等によりPR活動を行っていることに加えまして、民間の損保会社は二月一日より地震保険をセットにした積立保険の新商品の取り扱いを始めるというようなことも行っております。また、地震保険の加入は、従来、火災保険の加入時に限られていたわけでございますが、中途加入ができるように制度を改定したところでございます。この結果、現在でも相当数のお問い合わせがあると伺っております。 今後の問題でございますけれども、地震保険の商品内容につきましては制度発足以来その改善を行ってきたところでございますが、今回の地震等を機にいたしましてより一層の改善に努力すべきとの御指摘、今、先生から御指摘いただいたような項目を含めましていろいろな御指摘をいただいているところでございます。 大蔵省といたしましても、地震保険の一層の普及拡大を図ることが重要であると考えておりまして、保険金額の見直しとその商品性の改善につきまして広く検討を行ってまいりたいと考えております。
○井上哲夫君 ついでに建物更生共済についてもお尋ねをいたします。 これは損害保険会社の地震保険が片やある。片や農業協同組合の建更と言われる建物更生共済がある。農協の方は五千万円までの保障をしている。普及率も損害保険会社の地震保険に比べると約三倍ないし四倍の普及率を持っている。しかし、農協の建更というのは農村地帯、都市部は保険会社の地震保険、こういうふうなことになっておりますが、この建更の場合に異常事態が発生したときの異常危険準備金制度を調べてみますと、これは共済掛金の八%をそういう万が一のため、まさかのために積み立てをする。したがって、税法上非課税になる。これを積み立てていって、十年積み立てていくと十一年目からは一定の限界を超えたらそれは益金に参入して所得にしなさいと。 ところが実際には、京都大学の尾池教授も三年ほど前から、中部・関西地区でも恐らく十年の間に震度六以上の地震が三回や四回はあるだろうと。まして東海大地震や関東大震災のような地震が、これは今回の教訓として、ないとは言えない、神話は崩れたんだというふうに考えますと、この農業協同組合の建物更生共済の異常危険準備金制度について十年でどんどん益金に参入させる、何か専門用語では十年洗いかえ制度と言うそうですが、クリーニング屋さんではありませんが、そういう問題についてこれはもっと真正面からこれではいかぬというふうに考えて検討していただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(西村吉正君) ただいま御指摘の農業共済保険と民間保険との間でいろいろな条件に差があることは御指摘のとおりでございます。農協の建物更生共済におきましては引受物件が農業地帯に所在するものが中心であるという事情がありますが、他方、一般の損保の地震保険では都市部の契約が多いことから、リスクの集積度合いに差がございましていろいろな保険の条件に差が出ているということになっておるわけでございます。 今後、今御指摘のような問題をも含めましてどういうふうにしていくかという問題でございますけれども、現実の平均的な付保額がそれほど差があるわけでは、まあ制度上かなり差があるように見えますけれども、運用上必ずしもそれほど大きな差があるわけではないというような意見もございますけれども、しかしながらこの二つの仕組みを今後どのように調整していくのか、今の御提案も含めまして今後検討をしてまいりたいと考えております。
○井上哲夫君 局長、あなた勉強不足ですよ。農業共済じゃないんですよ。農業共済は米や麦や家畜。地震の建更というのは農協共済なんですよ。もっと勉強してもらわなければ困るんです。 それで、大臣、やっぱり私も事実を聞いて、昨年の暮れには大蔵省に陳情まで行ったと。この洗いかえ制度で自分たちは五千億円しか持っていない、もう少し非課税の緩やかなものに変えてほしい、地震が来たらどうするんだと言ったけれども、大蔵省の担当窓口では、ありませんから、そんなこと心配要りませんからと、まるでもう相手にされなかったという声も聞こえてきたんですね。 現実に今回の阪神・淡路大震災では、損保が一千億円保険金の支払いをした、農協の建更は一千百四十三億円したと言っているんですね。しかし、その準備金は五千七百億円しかないと。それはなぜかというと、十年で切られてしまうために、これでは足りないと思って七五%の所得税を払って、なお無理して異常危険準備金を積んでいるんだと。そういうふうな実情を考えますと、これは今、局長の答弁にもあるように、農協共済と農業共済の区別もおっしゃってみえない。だから、大臣、考えてください。一言お願いをいたします。
○国務大臣(武村正義君) 税の問題も大きな問題であるようでございますから、きょうの御発言を踏まえて、大蔵省としても関係各局で検討させていただきます。
○井上哲夫君 もう私の時間が、いつもなくなってくるんでございますが、どうしてもこの予算委員会の審議でお尋ねをしたかったことがありますので、総務庁長官にお尋ねをいたします。 前口上はもう時間がありませんので何も申し上げませんが、行政機関が持つ情報について公開すべきだという公開法案、これを二年で専門部会を改革推進委員会の方でつくって検討に入った。この情報公開の法案というのは、九三年の六月に実は参議院で当時の野党が共同提案している法案もあるわけです。これは衆議院の解散で廃案になりましたけれども。 この中で、私どもが出した法案には、知る権利について書いてあるし、あるいは、何でもかんでも出さないんじゃなくて基本的には出すべし、ただし出して困る情報は除外規定ということで出さなくていいように限定をすると。さらにもう一つは、それでもなお万が一重要な情報が出てしまったら国の利益が阻害される面はどうするんだというような問題について、内閣総理大臣の執行停止権といいますか、そういうものまで配慮した、立派など自分たちがつくった法案を言えませんが、そういう法案も出して廃案になったままになっているわけであります。 したがって、今回のそういう検討でこういうことについても担当委員にやはり検討をしていただく。さらにこの法案は、今盛んに言われておりますが、非常に官僚組織の抵抗に遭って難しいんではないかと言われておりますが、私もその難しさを現実に痛感したことがあります。そういう中で本当にハッパをかけてやっていただけるかどうか、ひとつ御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 御指摘の野党が共同で提出いたしました法案については私も承知をいたしております。 内閣としましては、昨年十二月二十五日の行革大綱におきまして、昨年成立をいたしました行政改革委員会において二年間の間にこの点につきましては検討をいただくということになっておるものですから、行革委員会を通じてこの問題については審議を進めようということを決定いたしている次第でございます。 去る十七日でございますが、行政改革委員会の中に情報公開部会を設置いただきました。各方面の専門家の皆さん方を網羅いたしました部会が設置をされたわけでございます。したがいまして、この部会におきましては、先ほど御指摘ありましたような当時野党の皆さんで共同提案いたしました法律案、あるいは外国の制度あるいは各方面の意見等々を十分検討いただきまして、立派な情報公開に関する制度を私は二年間のうちに具申いただけるものというふうに確信をいたしている次第であります。 また、御指摘のございました各官僚あるいは各省庁の抵抗の問題でございますが、これは行政改革委員会は、その権限として必要とあらば各省庁に対して資料の提出あるいは説明、これを求めることができるという権限も明確にいたしているわけでございますので、私は行政改革委員会はその権限を十分行使いたしまして、国民の期待する情報公開に関する制度、また総理もこの問題については極めて熱意を持っているわけでございますので、その期待にこたえる具申をいただけるものと確信いたしている次第でございます。
○井上哲夫君 最後に村山総理に、私の質問としては最後ですが、お尋ねをしたいと思うんですが、村山内閣というのは行革内閣だとも言われております。そしてこの情報公開の問題は、今回の東京共同銀行設立スキームでも見ましたように、いかに情報を国民に出すかということは、政治や行政の安定感、信頼感の一番根本にあると思うんです。今、総務庁長官の答弁を私もお聞きしましたが、総理の御決意を聞いて私の質問を終わり、次いで関連質問に入りたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から御指摘がございましたように、行政というのは何よりも公正であること、同時に民主的であることが要請されると思います。公正であり民主的であることによって行政に対する信頼を高めていくということが必要であります。そのためにはやっぱり情報公開というのはもう欠かせない問題だというふうに、これは国民も受けとめているし、私どもも理解をいたしております。 したがいまして、今、総務庁長官からも答弁がございましたように、先般成立いただきました行政改革委員会設置法に基づきまして行政改革委員会が設置をされておる。この委員の選考につきましても、これはもうできるだけ官僚の抵抗というものを排して自主的に国民の立場に立ってやれるような委員の構成にしようというので、いろいろ議論もありましたけれども、それなりの選任もしていただいて、今、発足をしているわけです。そして、その中に情報公開部会というものを設置して、そして二年以内に結論を出して、そして情報公開ができるようにやっていこうというので真剣な取り組みもいたしておるわけでありますから、私どもはできるだけその情報公開部会なりあるいは行政委員会の作業に積極的な協力もして、いい結果が出るようにこれからも努力をして皆様方の御期待におこたえ申し上げたい、こういう決意で取り組むつもりでございます。
○井上哲夫君 ありがとうございました。 関連質問をお許し願いたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。武田邦太郎君。
○武田邦太郎君 農政につきまして特に大事なこと、それからこれまで言い足りないと思うところを簡単に申し上げて、総理大臣、農水大臣、文部大臣の御所見を伺います。 第一は食糧の自給の問題です。 現在、平年作で二七、八%しか穀物は自給しておりませんし、おととしのような凶作の年には二二%しか自給できなかったという統計が出ております。その上に百六十万トン以上の肉類を輸入しておりまして、これらを通計すれば厳格に言って平年作でも二二%しか自給していない。高度成長期に田畑、果樹園が九十万ヘクタール減っちゃった、今でも毎年三万ヘク、四万ヘク減りつつある。これを考え合わせますと、これは身のものよだつような状況であります。 しかし、これは裏作がほとんど遊んでおりますし、単収はまだまだ上がる可能性あるいは実績があります。お米で五割ふえる。変ならば今三百五十キロですから二倍ぐらいになります。大豆は二百キロぐらいのものが三倍ぐらいになる可能性がありますから、これは努力すれば七、八〇%の自給を確保して、いざとなったらゴルフ場とか牧草畑を麦畑、ジャガイモ畑にすれば一〇〇%自給できます。 これは三木内閣の国民食糧会議のときに発言いたしまして、総理は大いにやるというお気持ちであったようでありますけれども、選挙で負けておさらばになったわけでありますけれども、単なる研究問題ではないんですよ、もう政治問題としてずっと前から取り上げられている問題であります。ぜひこれを取り上げていただきたい。 それから第二の問題は関税化、自由化の問題でありまして、当面はミニマムアクセスの問題だということになるようでありますけれども、ミニマムアクセスの問題はこれは要するにお米の生産調整の問題だけでありまして、通年の基盤整備をどこまでやるかということで簡単に解決する問題であります。あくまでも問題の本質は関税化、自由化でございまして、関税化、自由化を延ばす条件としてミニマムアクセスが起こったわけでありますから、必ず来るものとして今後、今世紀の六年もむしろ全力はこれに傾注すべきである。 これは完全にできるには恐らく十数年はかかるんですね。十五年では足りないくらいです。だから六年を必死にやってもまだ完成しない、そういう重大な問題でありますから、今世紀もこれに全力を傾注して、そうすれば来世紀になって関税化、自由化が農産物輸出国からやかましく言われましてもある程度の確信を持って対応することが可能であります。それなしにはこれはもう大変なことになって大騒ぎになると思います。ぜひ今世紀中にこの問題と四つに取り組むことをお願いいたします。 その要点が三つあるわけでありますが、第一は規模拡大ですね。これは先ほど猪熊委員からまことに適切な御指摘があったわけでありますけれども、小さな所有権を、その所有権を尊重しながら大規模に活用する。これはもう歴史的な土地変革でありまして、いいかげんなことではやれません。その一つの先駆的な例が千葉県の印旛沼土地改良区でありまして、これは私どもは満点とはもちろん思っておりません。しかし、国内で行われている、所有権を尊重しながら大きく使う、こういう土地変革のはしりとして最も進んだ形だと思っております。 農水大臣は、農家が皆賛成ならば結構だ、こういうお話がありまして大変ありがたいのでありますけれども、国としても現代土地変革の最も進んだ形として満点ではないけれども十分に検討の価値あり、こういうふうに推奨していただくだけの価値がある、そういうふうに思います。 つまり規模拡大も現在の計画のような十ヘク、二十ヘクでは歯が立たないんですね。少なくとも三十ヘク、裏表で五十ヘク。北海道では五十ヘク、七十ヘクが最小限度であります。それにまた十ヘク、二十ヘクにするぐらいの手数をかければこれはもう五十ヘクであろうと七十ヘクであろうと手数は同じであります。ぜひそれをやっていただきたい。 それからその次は、水田ですと一区画を一ヘクタールにするという計画でありますけれども、これを少なくとも三ヘクにする必要があります。それで労働生産性は四、五倍になるんですから、四、五倍になれば一応自由化に対応はできる。しかも、一ヘクタールの田んぼにつくり直す、一ヘクタールにつくり直すのと三ヘクタールにつくり直すのでは三ヘクタールの方が金がかからないのです。この前申し上げたとおりです。 特に中山間地の問題があるようでありますけれども、中山間地は中山間地なるがゆえに平野部よりももうかる、そういうものがありますので、中山間地で水田をつくる必要はありません。平野部より二倍も三倍も余計金がかかって絶対に自由化では生き延びられないのですから。しかも、中山間地の水田が何かダムの役割をするなんとかいう話がありますけれども、それは算術計算でありまして、今、中山間地の水田がどんどんつぶれておりますけれども、そのゆえに山が崩れたり自然が破壊したりする例は一つも聞いたことがありません。観念論ですね。でありますから、中山間地の水田は断固としてやめていただきたい。 それから今度もう一つは、日本の稲のつくり方は苗をつくって代かきをして田植えをするやり方ですね。先進国ではそういうことをやっている国は一つもありません。全部直まきであります。そこで、先走りをする農家が直まきをやる。大臣も御指摘あったように、失敗が多いんです。失敗が多いわけですよ、田植えするような田んぼで直まきをやるんですから。全然構造が違うんです。直まきできるような、水をためたり、さっと水をはがしたり、これが自由自在にできる田んぼでないと直まきはできないんです。それをやってもらいたい。 この規模拡大、それから区画を大きくする、それから稲づくりの場合には直まきできるような田んぼにつくり直す、この三つをやれば、これはお米に関する限り自由化対応は完成するわけであります。しかも、平野部に二百万ヘクの水田があるんですから、これは何とかして二百万ヘクの小冊をきちっとやれば一千万トン以上のお米は完全に自給できるわけです。お米に関しては完全自給はできますので、そういうことをお願いしたい。 それから文部省には、もうたびたび申し上げましたけれども、とにかく学校を出た有為な青年が農業に入らないということは農水省だけの責任とは言えないわけですね。文部省の責任が重大である。しかも、各地の大学を歩いてみますと有能な先生方がおるんです。しかるに、こういうことを研究しなさいという政治側からの注文が出ておりません。しかも、それに必要な予算もできていない。そういう重大な研究をやるのに、農水省の予算を分けてもらったり自治体の予算をちょっともらったりするようでは、これはもう、ろくな研究はできるわけはありません。 有能な青年、先生たちは髀肉の嘆をかこっているわけでありますから、ぜひ文部省独自の予算、少なくとも全国に二千戸の自由化に対応するモデル農家、パイロットファームをつくるだけの予算、恐らく三千億ぐらいのものでしょう、文部省独自で要求していただきたい。 大体そういうことであります。どうかひとつ。
○国務大臣(大河原太一郎君) 累次にわたり当委員会において武田委員の新しい農政に対する御提案をちょうだいいたしました。 規模拡大の目標の問題については種々議論がございます。武田委員は農場制として割り切って三十ヘクタール、北海道では五十ないし七十というような御提案でございますけれども、我々はこれについて、委員は否定的でございますが、十ないし二十、個別経営、平たん部においてですね、これが現実の日本農業としては限度であろうと。現にこの十ないし二十ヘクタールを打ち出したときも、これは非常に面積が大きいということで日本農業の現実から離れているんじゃないかというような御指摘も受けたわけでございますが、しかしその点については、その目標を大きく持って生産性を高めて競争力を上げなけりゃならないという点についての御所論としてちょうだいしたいと思うわけでございます。 それから自給率の問題は御案内のとおりでございまして、やはり各種の技術革新によってあるいは圃場の整備によって、米はもちろんでございますが、麦なり大豆等の供給力、これを高めるという点については私どもも一層の努力が必要であろうというふうに思っております。 それから規模拡大の問題につきましては、先般も御所論に対してお答え申し上げたのでございますけれども、日本農業の現実は一集落でも平均二十ヘクタール程度だと、水田面積が。しかも分散しておる、分散錯圃といって入り組んでおる。これを集団化して連担化するのには非常に現実的には努力を要すると。我々は現実に立脚して推し進めようとしておるところでございまして、印旛沼の角来地区のような理想的な形では、なかなか現実の日本の農業なり農村の事態としてはそう簡単に一挙にそれが進むというふうには我々としては現実の政策展開では困難ではあるまいかというわけでございます。 それから借地型の点でございますが、借地的な経営、これは我々も既に農地の流動化という点については、所有権型移転はもちろんでございますが、賃借権のいわゆる借地、さらには全面的な作業委託というような形で集積するということで、集団化、連担化という点について進めたいというふうに思っているわけでございます。 それから最後の水田等の稲作の直まき等の問題、乾田化の問題等については、この前も御指摘をちょうだいいたしましたので、これについては雑草だとかあるいは降雨の障害とかというような発芽率の問題とか、現実に直まき面積が過去のピークに比べて相当減少しておるというような事態を見ると、御所論のような、やっぱり水田についての水位のコントロールとかあるいは汎用化、高性能化と、水田自体についての調査研究が一層必要であろうというふうに思うわけでございます。 いろいろ御所論を繰り返しちょうだいしたわけでございますけれども、何と申しますか、私どもの農政は現実に即して葡萄前進型でございますが、先生の農政は一挙に走り切れということでございますが、我々もこのような厳しい農業情勢でございますから葡萄前進型では済まない、もう少し大またに一つの展標に向かって進まなければ相ならぬ、さように思っておるところでございます。
○武田邦太郎君 現在、既に後継者は百軒に一人しかいないんですね。だから後継者一人当たり百四十町歩の耕地があるわけです。こういう状況で、二戸当たり三十ヘク、五十ヘクというのは全く、それをやらなかったらもう若い人は農業をやらないという状況でありますから。 一番大事なのは研究ですよね。研究ができておりません。私どもは池田内閣のころから三十数年研究しておりまして、池田内閣、三木内閣は相当の意欲があったわけでありますから、一挙にじゃないんですよ、三十数年かかっている。 ぜひそういうことも考え合わせて、文部省と御協力により十分に研究して、そしてできるだけ早く、日本の農業はもう完全崩壊中なんですから、それを若い人に希望を与えるのが、研究して小規模でいいから研究の実績を示す、それがもう最大でありますから、一挙に急ぐという言い方では少し軽はずみなような感じを与えますけれども、そんなことはありません。世の中の急迫が変革を余儀なくさせるという、まさに農業の変革期に突入しているわけでありますから、もうもちろん御承知でありますから、どうかひとつ。
○委員長(坂野重信君) 以上で弁上哲夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、有働正治君の質疑を行います。有働正治君。
○有働正治君 冒頭に、サリン事件について質問いたします。 昨年六月の松本市でのサリン事件から八カ月がたちました。翌月に山梨県内の山村で同様の物質が発見されたということが報告されています。にもかかわらず、これらの事件が解決されていません。そのおくれが今回の事態の背景にもあるんではないかと国民の厳しい指摘があるわけでありますが、その点で松本事件など未解決の問題について、警察当局の責任について国家公安委員長として、また総理としていかがお考えか、まずお伺いします。
○国務大臣(野中広務君) お答えいたします。 松本事件以来、委員おっしゃるように、サリンをめぐる問題は、あの地下鉄の事件に至るまで、今日まで警察当局としては鋭意捜査を進めてきたところでございますが、残念ながら犯人像を突き詰めることができておらないことはまことに申しわけなく存じておるわけでございます。 ただ、この問題というのは、先ほど総理からも申されましたごとく、組織的凶悪な犯罪であり、善良な市民を一挙に死傷に至らしめるというまことに民主主義への挑戦とを言うべき犯罪でございますので、私ども組織を挙げて各関係機関の協力をいただきながら、けさも閣議におきまして総理から厳重なこの対処方を要望されたところでございますので、一挙にこの問題の解決に至るべく最大の努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。 ただ、法的にまだ十分充足をしていただかなくてはならない問題等もございますので、今後、政府部内においても協議をして、そういう面での補足をもお願いしたいと存じておるところでございます。
○国務大臣(村山富市君) 今、自治大臣から答弁があったとおりだと思いますが、先ほども申し上げましたように、全然関係のない不特定多数の一般の住民にこれだけの殺傷を与えるような事件というのは、これはもう本当に重大な決意を持って臨まなければならぬというふうに私は思うんです。 そのために、関係省庁は協力し合って、そして徹底的な捜査、そして犯人の検挙、そして何があってもやっぱり再びこんなことが起こらないように万全の対策を講ずる必要があるというので、今お話がございましたように、けさの閣議でもそのことを徹底するように私の方からも指示したところでございまして、これはもう国民の皆さん方からも御協力をいただいて、こんなことはもう二度と起こさないということに徹底をさせるということでこれからも取り組みを一層強化していきたいというふうに思っております。
○有働正治君 猛毒ガスのサリンと見られる無差別殺人事件、これはもう絶対に許せないものであります。国民の生命と安全を守る警察のそして政府の本来の責務として、一刻も早く究明、検挙するよう我が党としても厳しく要求しておきます。 次に、東京共同銀行問題についてお尋ねします。 一つは、国民の批判の中に大きな労働組合の大口預金問題があります。自治労の二十九億円預金のみならず、自治労共済も五十億の預金、全電通が安全信組に五億の預金をしていたことが指摘されているわけであります。問題が大きくなっていずれも解約をされているようでありますが、労働大臣にお尋ねします。 こういう高金利をねらった、高橋氏らの乱脈経理にいわば手をかす、あるいは法の趣旨に反することに加担するようなことは、社会的に重要な存在である労働組合としては、営利企業ではありませんし、まして公務員の労働組合のやるべきことではないと考えるわけでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(浜本万三君) お答えいたします。 議員も御承知のように、労働組合は労働者が主体になりまして自主的に労働条件の維持改善、その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織されておるものでございます。したがいまして、その目的達成のためにさまざまな活動を行っておりますが、その活動の中には財産管理も含まれるものと解しております。 その場合、財産管理についても組合規約にのっとりまして自律的に行い、かつ関係監査人の監査を受けておりますので、私がこの席でとかく見解を申し述べることは差し控えたいと思います。
○有働正治君 大きく言えば所管であるわけで、こういうのが結果としてであるにしてもよかったと思われるのか、あるいは社会的にこれだけの批判がある、これについてどうかということはちゃんと見解を述べるべきです。求めます。
○国務大臣(浜本万三君) 先ほど申しましたように、これは労働組合が自主的に財産管理を行っておるものでございまして、そのことについて既に組合の監査も受けておるということでございますから、私がとかく見解を述べることは差し控えたいと思います。
○有働正治君 自治労は総理の出身労組でもあるわけです。それが高金利目当てに預金をして世論の批判を受けている。このこと自体について総理はどういうふうに思われますか。
○国務大臣(村山富市君) これは今、労働大臣からも答弁がございましたように、労働組合が財政運用をどうするかということは労働組合自体がお決めになることでありまして、私どもは何の関係もないし関知もしていないということだけは明確に申し上げておきたいと思うんです。
○有働正治君 そういう態度であることはよくわかりました。 自治省にお尋ねします。 全電通からこの四年間で社会党は幾ら献金を受けておられますか。
○政府委員(谷合靖夫君) あらかじめお尋ねのありました自治大臣に提出された日本社会党の平成三年分から平成五年分までの収支報告書について確認をいたしましたところ、全国電気通信労働組合から平成三年に百十二万円、平成四年に百二十八万円、平成五年に九十六万円の寄附を受けた旨の記載がなされていたところでございます。
○有働正治君 続いて自治省に聞きます。 民社党の政和協会と安全信組の関係について、政治資金収支報告書で九一年から九三年、それぞれどういう銀行から幾らの利子を受け取っているのか、受取利子合計の中に安全信組の利子収入の割合を含めてお示しいただきたい。
○政府委員(谷合靖夫君) あらかじめお尋ねのありました自治大臣に提出された政和協会の平成三年分から平成五年分までの収支報告について確認をいたしましたところ、平成三年には四つの銀行等から三千五百十六万七千八十九円、平成四年には四つの銀行等から二千四百五万九千二百七十三円、平成五年には三つの銀行等から千三百六十九万六千二百七十二円の預金利子収入を受けた旨の記載がなされており、その額を合計いたしますと、七千二百九十二万二千六百三十四円というふうになります。 それから安全信用組合からは、平成三年には七百四十一万九千三百二十二円、平成四年には千六百九十六万三千二百六十五円、平成五年には千二百三十万六千三百七十円の預金利子収入を受けた旨が記載されておりまして、その額を合計すると三千六百六十八万八千九百五十七円となりまして、さきに申し上げました数字との対比で申しますと五〇・三%というふうになっております。
○有働正治君 これは安全信組に比率を見ますと、移しかえが行われていることが推測できます。 政党の政治団体であります。したがって、この点について政党のモラルなり節度との関係でどういうふうに総理としてはお考えになるか、御見解を求めます。
○国務大臣(村山富市君) これは民社党自体が政治団体として運用されていることでありますから、私がここでコメントを申し上げたり見解を述べたりする話ではないというように私は思います。
○有働正治君 次に、山口敏夫議員関連企業等の問題について質問いたします。 私は、この問題をさきの当委員会でも取り上げてまいりました。その後の事態を含めまして幾つかのことがはっきりしてまいりました。 一つは、東京都の資料及び東京協和の資料では、膨大な融資が山口敏夫関連、このように明記され、そう扱われています。 二つには、山口氏と関連企業との関係では、山口氏の政治資金団体と人的、金の流れで密接な関係にあり、また事務所、本店が山口敏夫事務所と同一場所に置かれたりもしています。つまり山口氏の政治活動と無関係でないということであります。 三つには、山口氏は関連企業が不動産会社から融資を受ける際、高橋氏と一緒に保証人になったり、関連企業への三十億円融資を山口氏と高橋氏が要請に行く、あるいは関連企業の絵画取引の保証人になったりしておりまして、山口氏と関連企業の事業との関係は無関係とは言えない、これが指摘されているわけであります。 さらに四つには、新聞報道でありますが、山口議員は東京協和のために宇都宮徳馬元参議院議員に二億円の預金も頼んでいる、こういう状況であります。 そこで、総理にお尋ねしますけれども、こういう一連の状況、指摘から見て、政治家の問題についても必要な究明、これをやる必要があると思うわけでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(村山富市君) 今回の信用組合の問題に関連して告発もされておりまするし、またこの委員会でも、衆参の委員会でもそれぞれ事実関係の解明やら真相の究明がなされておるという段階にございますから、これはやっぱり徹底的に私は解明する必要があるというふうに思います。 それから議員個人個人の問題としては、一般論として申し上げれば、やっぱりこれは行為規範にもございますように、疑惑を持たれた議員はみずから疑惑を解明するという態度が必要であるということを私は思います。 ただ、具体的な個々の問題については、まだ事実関係がはっきりしていないのに一方的な話だけ聞いてみて私がコメントを申し上げるという段階ではないというふうに思いますから、発言は差し控えたいと思います。
○有働正治君 我が党の調査によりますと、昨年六月時点で両信組から山口氏関連企業への融資総額は四十億五千万円であります。この中で、その関連企業の一つ、むさしの厚生文化事業団への融資は二十億円余りでした。ところが、昨年十一月のこのむさしの厚生文化事業団への融資残高は両信組合わせて五十億八千万円と、わずか五カ月間で二十億から五十億を超すというふうに二倍以上に急増しているわけであります。大蔵省はこの点とう把握しておられますか。
○政府委員(西村吉正君) 私ども検査におきましていろいろな事情を把握しておるところもございますし、またいろいろな報道があることも承知をしておりますけれども、個別の取引先に関する取引内容についてこのような場でコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○委員長(坂野重信君) 有働正治君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、有働正治君の質疑を行います。有働正治君。
○有働正治君 大蔵省に聞きますけれども、融資が急増した昨年十一月時点、両信組は自立が可能であると見ていたのか、あるいはスキームとの関係でどういう状況に両信組はあったのか、述べてください。
○政府委員(西村吉正君) 私ども二回目の検査に協力いたしましたのが平成六年の六月から七月にかけてでございます。その時点で二つの信用組合の経営状況が一層悪化しているということを知りまして、さらにその具体的な措置を講ずるには慎重を期しまして、十月から十一月にかけまして検査の追加をして実態の把握にさらに努めたわけでございます。 したがいまして、十一月の時点におきましては、私どもも東京都もこの二つの信用組合に関する経営状況が極めて憂慮すべき事態にあり、自力再建は極めて困難であると、そういうふうに判断しておったところでございます。
○有働正治君 法務省に聞きます。 両前理事長の背任理由というのは両信組に損害を与えたということであろうと思うんですけれども、その理由について述べてください。
○政府委員(則定衛君) 現在捜査中でございますので詳細は御勘弁願いたいと思いますけれども、両理事長がそれぞれの任務に背いて東京協和信用組合及び安全信用組合において貸し付けを行い各信用組合に損害を与えたという、貸し付けに絡む背任事件ということでございます。
○有働正治君 私どもの調査によりますと、昨年六月時点、山口敏夫関連というふうに明記されている限度超過額は、二つの信組を合わせますと十四億五千万円を超えています。不良債権額は二つの信組を合わせ三十六億円近く、回収不能額も約七億円と指摘されているわけであります。となりますと、山口氏関連企業への融資も六月時点で回収見込みがないものがはっきりしていたにもかかわらず、さきに述べたように五カ月間で倍増している。しかも、その当時は両信組は重大事態にあったとはっきりしているわけであります。 法務、警察、捜査当局に聞きます。 山口氏本人も関与した山口氏関連企業が膨大な返済不能を抱えて、つまり二つの信組にとって重大な損害の一部となっているわけで、山口氏関連企業も両前理事長の背任の一構成要素となり得ると考えるわけであります。この点も厳重に調べるべきだと思いますが、いかがでありますか。
○政府委員(則定衛君) 背任罪は、御案内のとおり、他人のためにその事務を処理する者が自己もしくは第三者の利益を図りまたは本人に損害を加える目的でその任務に背いた行為をして、結果的に本人に財産上の損害を加えた場合に成立するものでございますけれども、本件にかかわります具体的な事実関係等については現在捜査中でもございますので、法務当局としてはお答えいたしかねるわけでございます。 ただ、一般論として申し上げますと、その捜査の過程におきまして刑事事件として取り上げるべきものがありますと、検察当局は適正に処理するものと考えております。
○有働正治君 法務大臣、国家公安委員長にお尋ねします。 山口氏関連企業への融資は、山口氏の政治活動関連企業とも言える企業ということであります。この点も厳しく指摘されています。となりますと、山口氏の政治活動への流用の疑い、成り行きによっては所得税とのかかわり等々の疑惑も国民から指摘されているわけであります。しかも、大半が担保不足ということであります。したがいまして、これらさまざまの疑惑について背任罪とのかかわりを含め厳正に捜査すべきであると思いますが、両大臣の見解を求めます。
○国務大臣(前田勲男君) お答え申し上げます。 本件にかかわる具体的な事実関係等につきましては、先ほど刑事局長がお答えしたとおり、現在捜査中でもございまして、法務当局としてはお答えを申しかねるわけでございます。 ただ、一般論として申し上げれば、その捜査の過程で刑事事件として取り上げるべきものがあれば、検察当局は適正に処理するものと確信をいたしております。
○国務大臣(野中広務君) さまざまの報道があることは承知をいたしておりますけれども、私ども今、捜査中の問題でありますので具体的に申し上げるべき段階でございません。 一般論としては、今、法務大臣からおっしゃいましたように、刑法罰に係るものあるとすれば、適正に処置するものと信じております。
○有働正治君 ここで関連質問を許していただきたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 関連質疑を許します。橋本敦君。
○橋本敦君 二億組事件の背景、後景に押しやられている感がありますが、日立、東芝など電機九社の談合事件で、日本下水道事業団にかかわる問題も極めて重大なことであります。 この点について質問をするわけですが、まず最初に公取委員会に、談合で告発をなさった事実と、そしてどうしても告発することが必要だと判断をされたその理由について、まず明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(小粥正巳君) お答えを申し上げます。 公正取引委員会は、平成七年三月六日、日本下水道事業団発注電気設備工事に係る入札談合事件に関し、独占禁止法に違反する犯罪ありと思料して、同法第七十三条第一項及び九十六条の規定に基づき、株式会社日立製作所外八社を検事総長に告発をいたしました。 本件行為は、我が国の代表的な重電機器メーカーらが全国の自治体からの委託により日本下水道事業団が発注する電気設備工事に係る入札談合を行っていたものであり、公正取引委員会が平成二年六月に公表いたしました独占禁止法違反に対する刑事告発に関する公正取引委員会の方針に照らし、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案であると判断をして告発することとしたものであります。
○橋本敦君 その事実というのは、今お話しの下水道事業団が発注する予定の下水道関連電気設備工事に関連をして、これらの九社はドラフト会議という、こういうように称する会合を持って、そこで下水道事業団の発注予定の工事についてどの社がどう引き受けるか、こういった問題で、一定の割合で各社が受注できるように事前に調整をして受注企業を決めていたということが今お話しの悪質な談合の内容の柱だと思いますが、間違いありませんか。
○政府委員(小粥正巳君) 本件につきましては、先ほどお答えを申し上げましたように、私どもが既に発表いたしました刑事告発に関する公正取引委員会の方針に照らしまして、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案であると判断をいたしましたが、その判断の基礎になる具体的な犯罪事実の疑いある行為につきましては、先ほど申し上げました日本下水道事業団が発注する電気設備工事に係る入札談合を行っていた、こういうことでございまして、その余は、ただいま検察当局において捜査が開始された直後でもございますので、私からはお答えは差し控えさせていただきます。
○橋本敦君 悪質な入札談合を行っていたというこの事案について、検察庁は当然厳正な捜査をやるものと思いますが、現在、捜査の進展状況はどういう状況ですか。
○政府委員(則定衛君) 三月六日に公正取引委員会からの告発を受けまして、検察当局はその後、数日を置きまして関係部署の捜索差し押さえを実施したわけでございます。 現在のところ、それらにつきまして必要な捜査活動を行っているわけでございますけれども、具体的な内容についてはお答え申し上げかねるわけでございます。
○橋本敦君 今お話しの関係部署の捜索として、日本下水道事業団に対する強制捜査も行われましたか。
○政府委員(則定衛君) そのとおりでございます。
○橋本敦君 裁判所に請求した事業団に対する今お話しの捜索令状に関して、被疑事実はどういう内容でありますか。
○政府委員(則定衛君) 被疑事実の内容は、先ほど公正取引委員会委員長から御答弁ございました告発事実と同様でございまして、それに関連する証拠資料があるものという想定のもとに捜索差し押さえが実施されたと承知しております。
○橋本敦君 発注者である事業団の中に、九社の悪質な談合にかかわる、そのことを立証する資料があるというように判断をされ、裁判所も捜索を許可された。まさにここに重大な問題があるわけであります。 一体、事業団のどこにどういう資料があると思料されたのか。これは捜査の密行性がありますからおっしゃらないでしょうが、私が問題にするのは、事業団にまで強制捜査が行われたというまことにこの異例な事態は重要な問題でありますから、そういうことが行われたという、政府の認可法人に対して強制捜査が行われたという重大なそのこと自体について、総理はどう認識されておられますか。
○国務大臣(村山富市君) 今、刑事局長やらあるいは公正取引委員会からもそれぞれ答弁がございましたけれども、これはもう談合事件として扱われているわけでありますから、厳正な捜査と適正な対応、対処がなされるものと確信いたしますが、公共工事の入札談合は決してあってはならないことである。従来から違反事実があれば関係部局において厳正な対応がとられてきているものと私は考えています。 また、一昨年来の不祥事を踏まえて、入札のシステムそのものについても、その不正を根絶するために、現在、一般競争入札方式の本格的な採用を初めとする入札契約制度の抜本的な改革がやや定着しつつあるという状況にございますことも御理解を賜りたいと思います。
○橋本敦君 質問には的確にお答えになっていないわけでありますが、事業団が発注者側の立場でこの談合にどのようにかかわりを持っていたのかが徹底的に究明される必要があるという問題を私は提起しているわけです。 この問題で公取の小粥委員長は、この九社の刑事告発に当たって、先ほどおっしゃったように、事件はまことに巧妙悪質になっているということを御指摘の上で、事業団の担当者が談合事件にかかわっていたことが公取の審査の中で認められたという、こういうことを明確に記者会見でお述べになっていたと思います。間違いありませんか。
○政府委員(小粥正巳君) 本件に関しまして、公正取引委員会の審査において事業団の担当者がかかわっていたということを私ども認めております。
○橋本敦君 総理、お聞きのとおりですよ。大問題でしょう。 ですから、本当なら九社と一緒に告発すべきなんだが、告発できなかったのは、こういった発注者側の悪質な行為があっても共犯としてこれを告発する規定が独禁法上にないからではありませんか。そういう意味では、こういう独禁法はこれから厳しくやっていく上で改正を含めて検討する必要がまずあるのではないかと思いますが、公取の御意見はいかがですか。
○政府委員(小粥正巳君) 独占禁止法は事業者及び事業者団体の行為を規制するものでございますから、私ども先ほど申し上げましたような担当者のかかわり合いは認めたわけでありますけれども、独占禁止法のこのような規定に従って私どもは告発をいたしました。そして、先ほどのお尋ねにつきましては、私どもはこれはあくまで今後検討されるべき問題であろうと思います。 なお、事業団に対しましては公正取引委員会の立場から入札談合の防止の徹底を図るための措置を求める必要があると考えておりますけれども、私どもの審査も現在係属中でございますので、その具体的内容については今後検討することとしております。
○橋本敦君 法務大臣、今お聞きのように、事業団の側がかかわっていたという重大な事実があるということは明らかになりました。したがって、厳正にこれから捜査を進めるということでありますが、事業団の関与がどうかかわっていたか、それが刑事責任を負うものであるかを含めて徹底的な今後の捜査を要求したいのですが、いかがですか。
○国務大臣(前田勲男君) この件につきまして、どのような観点から捜査を行うかにつきましては検察当局において判断すべき事柄であろうと思っておりまして、法務大臣としてはお答え申しかねますが、必要な捜査を尽くして適正な処理がされるものと確信をいたしております。
○橋本敦君 先ほど刑事局長が明らかにした、事業団にまで異例の強制捜査をせざるを得なかったということの背景はここにあるんですよ。かかわりがあるんですよ。いいですか。だから、これは徹底的に解明しなきゃならぬ。 伝えられている事業団のかかわり、関与の事実がこのとおりだとすれば、極めて悪質であります。新聞で総理以下閣僚もお読みになったと思いますが、告発対象になった九三年度の事業について、事業団の工務部の幹部が業者側にその年度の工事の規模、予算、これの概要を伝える説明会まで開いている。そして、そうした工事の予算額が詳細に記され、それを受注する企業の部分の欄だけが白紙のそういった一覧表をメーカー側に渡しているという、こういう報道がある。そして、それを受けて九社の側はいわゆるドラフト会議なるものを開いて、この工事はだれが受注するかという調整をやってそれに書き込んで、そしてそれを事業団に渡した。そうすると事業団の方は、今度はそれに基づいてその受注企業である空欄を埋められた企業に落札価格そのものを口頭で指示をする、こういうことがあったという重大な報道がなされているわけです。 私は、公取がおっしゃった、審査の中で把握された事業団のかかわりの内容がこのとおりだとすれば絶対に許されないことですから、これは総理、徹底的に政府として調査する必要があるんじゃありませんか。
○国務大臣(村山富市君) 先ほど来申し上げておりますように、これは捜査の対象になって今はもう捜査がされているわけですから、その捜査は厳正に行われるものだというふうに思いますし、その捜査に必要なことについては政府としてできるだけ協力もするし、政府自体の問題についてもどこに問題があったのかということは究明されなきゃならぬことだと、私はそう思っておりますから、厳正に対応していきたいと思います。
○橋本敦君 まさに前代来聞の、いわば事業団主催の官製談合とでも言うべき事態が疑惑としてあるわけですから、だから総理がおっしゃったように、検察庁の捜査とは別に政府としても徹底的に解明する必要がある、これはおっしゃったとおりです。 しかも、この問題、建設省の監督する認可法人の団体でしょう。建設大臣に伺いますが、一体監督はどうなっておるのか。一体建設省はどんな監督をしてきたのか。建設省の監督下でこういう問題が起こったことについて、事業団に対して事実を明確にし責任をとらせる、そういったことが当然必要じゃないかと国民は思っていますが、建設大臣の御意見はどうですか。
○国務大臣(野坂浩賢君) お答えをいたします。 先生が御指摘になりましたように、この問題については去年の九月ごろから新聞報道に出てまいりました。私は中本理事長を招致いたしまして、事の真相を早急に調査をして報告するようにということを申し上げまして、一つは適正化委員会をつくる、もう一つはこの犯罪といいますか、こういう悪質な談合事件にかかわっておるというような話があるが、調査を依頼する調査委員会を設置して、十七回にわたってやったと。 私は、三月六日の前に、告発される前にお呼びをいたしまして、いよいよ公正取引委員会は告発をするという状況になった、あなたが今までおっしゃったことについていろいろ話は聞いたけれども、どういう事態がということはわからない、したがって告発前にその調査結果を御報告いただきたいということでございましたけれども、理事長からは調査委員会の結果としてはそのようなことはないということでございました。先生が今お話しになりましたように、こういうことはやっておりました。各業界の方々を集めていて年間の予算について報告をするということでございました。 したがいまして、私は、その問題と今後どう対応するかという点については、この九業者に対する半年間の指名停止、建設省も三カ月は指名停止、当面はそういう措置。今後は、談合ができないように、中堅企業もありますから七五対二五云々もございますので、この点については明確に、十四社というのは二十社以上ということでやってもらいたい。そういう面談室には勝手に業者が入らないようにしてもらいたい、これが二つ目。三つ目には、話をする場合はオープンで、外に出て一人で話はしないように、二人以上と、こういう措置を申し渡しました。 現在、私どもの方で調査をしておりますけれども、そのような事実がないという点、それから担当者が関与しておるというふうに公取から今も御報告がございましたが、関与しておるというような事態もございますが、検察の方にすべて今は手渡った。したがって、中本理事長には私の方から、検察側の捜査については全面協力をしなさいと。そういうことをやって、真実は一つ、したがって出た場合については私どもは厳正に処断しなければならぬ、こういうふうに考え、申し渡しておるところでございます。
○有働正治君 次に、企業献金問題について質問いたします。自治省に聞きます。 自民党の政治資金団体国民政治協会、同じく民社党の政和協会は日本長期信用銀行から平成元年から五年までそれぞれ幾らの献金を受け、その合計額は幾らなのか、御報告ください。
○政府委員(谷合靖夫君) あらかじめお尋ねがありました国民政治協会及び政和協会の自治大臣に提出されました平成三年分から平成五年分までの収支報告書及び平成元年から平成二年までの収支報告書の要旨に係る官報告示について確認をいたしましたところ、日本長期信用銀行から国民政治協会については平成元年に八千五百ニト六万九千円、平成二年に八千四百三十六万五千円、平成三年に八千八百五十八万五千円、平成四年に八千九百六十二万五千円、平成五年に八千二百三十四万円の寄附を受けた旨の記載がなされておりまして、その額を合計いたしますと四億三千十八万四千円となります。
○有働正治君 政和協会も聞きましたよ。
○政府委員(谷合靖夫君) 失礼しました。 また、政和協会についてでございますが、平成元年に六百十四万七千三百円、平成二年に七百二万一千二百五十円、平成三年に七百九万五千二百五十円、平成四年に六百九万四千五百円、平成五年に三百五十八万円の寄附を受けた旨の記載がなされておりまして、その額を合計いたしますと二千九百九十三万八千三百円となります。
○有働正治君 自民党総裁としての河野総裁にお尋ねします。 長期信用銀行は今、国民から厳しい批判、指摘も受けているわけでありますが、今の献金について何か反省なり思うところがございましたらお述べいただければと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 自由民主党の政治資金団体でございます財団法人国民政治協会が、各産業界に幅広く政治活動のための資金に対する御協力をお願いしていると聞いておりまして、この中の一つであったろうと思っております。
○有働正治君 報道によりますと、自民党は国民政治協会を通じて、業界団体、企業に今年度分の企業献金を要請したということでありますが、幾ら要請されているか、事実関係をまず求めます。
○国務大臣(河野洋平君) ただいま申し上げましたように、財団法人国民政治協会が寄附をお願いしているわけでございまして、その中身の一つ一つの企業に対して幾らお願いをしているかということについては、私は承知しておりません。
○有働正治君 自民党の幹事長は百二十億円だと記者会見で認められております。 官房長官、自民党のこの企業献金要請につきまして政治改革とのかかわりで御見解を、同時に総理もその点についてどう考えられるか、御見解を求めます。
○国務大臣(五十嵐広三君) 政党助成の目的の一つは、当時議論を重ねた経過の上からも、できるだけ政治資金の明朗化、透明化を図っていこう、そのためには企業献金への依存を極力抑えていこうというようなところにもあったというふうに思いますので、その方向への各党の努力が期待されるところであります。 ただ、政党助成が導入されたといたしましても、政党におきましては相当部分を自助努力で調達していただかなければならないわけでありまして、今日の政党財政の状況からして企業等の団体献金を直ちに禁止することは現実的に適当でないということなどから、政党政治資金団体に対する企業などの団体献金は認めるということにしたものであろうと思うのであります。 御承知のとおり、改正法の施行後五年を経過した場合には政党政治資金団体に対する企業などの団体献金のあり方について見直しを行うということになっておりまして、廃止を含め検討がなされるものと考える次第であります。
○国務大臣(村山富市君) 今、官房長官から答弁があったとおりでありますが、この国会でもこれまで、政治を可能な限り透明度の高いものにして、しかも選挙も政策を中心に政党が選挙を行うというようなものに変えていこうというので、長い期間の議論の末、政治資金規正法の改正やらあるいは選挙法の改正やら等々がなされてきた経緯を考えてまいりますと、可能な限りそうした金銭にまつわる問題については明朗にする必要があるというふうに思います。 ただ、今、官房長官からも答弁をされましたように、現状では各政党がそれぞれみずから資金をつくっていくということもまだまだ必要な場面もあるわけでありまして、これは法律的にも認められていることでありますから、それは絶対だめだと、こういうことはなかなか言えないと思いますけれども、しかし傾向としては漸次そういう方向にそれぞれ各党とも努力をされているものだというふうに思いますし、今お話もございましたように、五年後には見直しをして、廃止を含めて検討されるということになっているわけでありますから、そういう趣旨を体して私どもはやっぱり判断をする必要があるというふうに思います。
○有働正治君 社会党はさきの総選挙で、献金について、将来は企業献金について廃止を検討すべきと述べていましたし、細川政権樹立のときもそういう方向を述べていたわけであります。だから国民は、政党助成を導入するのであれば少なくとも企業・団体献金は禁止される、こういうふうに思っていたわけなんです。 そこで、総理、お尋ねしますけれども、見直しにつきまして今言われましたけれども、企業・団体献金は必ず廃止するんだ、そういうことを責任を持ってこの場で明言していただきたい。マスコミ、国民は厳しい指摘を、今回の百二十億献金要請、政治改革というのは何だったのかということを言っているわけで、はっきり述べていただきたい。
○国務大臣(村山富市君) 政党助成法が国会で成立をして施行を見たということは、できるだけそうした企業・団体献金はなくして、そして国民多数からの献金でもって政党が運営されていく、こういう政治のあり方に変えていこうということがねらいであったと私は自分で受けとめており、理解をいたしておりますから、先ほども申し上げましたように、五年後の見直しの中では廃止を含めて見直しをするということになっているというふうに私は受けとめております。
○有働正治君 最後に一言。 企業献金要請は極めて問題があるということを厳しく政治改革との関係で指摘しておきます。そのことを主張して、私どもは企業献金禁止をすべきであるということもあわせ主張して、質問を終わります。
○委員長(坂野重信君) 以上で有働正治君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、西野康雄君の質疑を行います。西野康雄君。
○西野康雄君 新党・護憲リベラル・市民連合の西野康雄でございます。 大蔵官僚の接待漬けが大変に問題になっております用地方へ行くと町長さんあるいは村長さんからよく承るんですが、中央からいろんな省庁の官僚が来ますとその接待に大変苦労するんだ、土地の名産を出してきたりとかいろいろするんだというふうな苦労話をお聞きいたします。これはもう閣僚の皆様方もそういうふうなお話は聞いておられるだろうと思います。 一方、一生懸命まじめに頑張っている官僚もいることは、これはもう私も否定はいたしません。それだけに、飲み食いでたかるというふうな官僚がおるということは、その人たちにとっても非常に嫌な思いであろうと私は察するわけでございます。 やはり綱紀粛正とでも申しましょうか、私のおじが大阪府庁に勤めておりました、建設関係の部署におったんですが、ある夏たくさんの荷物を持って奥さんと一緒に歩いておられて、どこへ行くんですかと聞いたら、お中元を業者に返しに行くところなんだというふうなことを言っておられました。これが官僚のあるべき姿なんだなと、僕はそのとき中学一年生でしたでしょうか、感激をしたことがございます。それが本来であるべきなんです。 私は、接待を受けた大蔵官僚だけではないと思いますが、子供に恥ずかしくないんだろうか、きょうはお父ちゃんただで酒飲んできたんや、ただでお土産もろうてきたんや、これ子供によう言えるなど、私はそんな思いがするんですが、ぜひひとつ綱紀粛正というんですか、一省庁だけの問題ではないと思うんですが、そのあたり総理に御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(村山富市君) 綱紀粛正の問題につきましては、委員御指摘のとおりでございまして、従来から閣議決定等により注意を喚起してきているところでございます。 去る三月十四日の閣議後の閣僚懇談会におきましても、内閣官房長官を初め総務庁長官からも改めて大蔵省を初め各省庁における一層の綱紀粛正の徹底を図ってほしいという強い要請がございました。 そもそも公務員は国民全体の奉仕者ですから、常に公私の別を明らかにして、その職務を行うに当たってはいやしくも疑惑や不審を招くような行為は厳に慎むべきであるということにつきましては、今後とも官庁の綱紀粛正について一層の喚起をして私どもも厳重に対応してまいりたいというふうに考えているところであります。
○西野康雄君 このところ政党の幹部の皆さんが、衆参同日選挙があるんだと、あるいは一週間ぐらいずらして参議院選後ぐらいに衆議院選挙があるんだとか、そういうふうなことをよくおっしゃっておいででございます。被災地の議員としては、被災地にいてる方々はまだ選挙どころじゃないというのがもう偽らざるところでございます。期日の決まっている参議院選挙はいざ知らず、政争の具の中で衆参同日選挙と言うのはこれは被災者にとっては、じっくりと選挙ができる環境というものをまず整えてほしいというのが第一ではないかと思うんですね。 今ごろになって衆参同日同日と言うのは、もう被災者の心を本当に踏みにじるようなものなんですね。一票の権利をきっちりと行使したい、ところがその環境にないということですよね。それに対して中央で、衆参同日だ同日だと言われることは、私は非常に不愉快な思いで今その動きを見ておるんです。ですから、改めて衆議院解散の意思等々を総理からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山富市君) この連立政権は昨年六月に発足をしたわけでありますが、可能な限り、いつも申し上げますように、透明で民主的な政策論議を重ねてこれまでの懸案であった事項について一応の区切りをつけてきたつもりであります。 私は、その区切りをつけた現状の中では、今、委員からも御指摘ございましたように、未曾有の被害を生んだあれだけの災害があったんです。まだまだ避難生活をされている方もおりますし、これからいよいよ復旧・復興に取りかからなきゃならぬという重大な責任を持っているわけです。 同時に、門高の与える影響、中小企業等に与える深刻な影響といったようなものを考えた場合に、もう少しやっぱり手直しをして日本経済が安定成長の軌道に乗れるようなものにしていく必要があるというようなことも考えなきゃならぬし、そのために規制緩和やらあるいは特殊法人の問題やら、あるいは地方分権やら等々、国内政治の改革をどう進めていくかと、こういう課題を抱えているときでありますから、今、委員からもお話がございましたような問題点も踏まえた場合に、同日選挙なんというものは全然考えておりませんし、今は解散・総選挙は念頭にございませんということを申し上げておきます。
○西野康雄君 私、おやめになるんなら、やはり震災対策あるいは景気対策、そのようなものを全部やったんだと、やり終えたんだと、万全のことをやったんだというふうな形でおやめになるというのが一番責任を全うしたおやめになり方ではないかなと思います。ぜひとも今回の震災についての頑張りを期待したいところでございます。 ところで、地方分権のあり方というのがございます。地方分権のあり方というものの要請は何なのかといったときに、市民の声が行政に反映できるかどうか、そこのところが一番の根本になければ地方分権の意味というものがないと私は思います。 しかし、神戸市というところを昨今見ますと、これは神戸新聞の投書なんですけれども、市民がいつ空港が欲しいと言ったのか、オール与党の議員が言ったのかもしれないが、市民はそんなことを言った覚えはないし、議員に頼んだこともない、それに何度もあった全市民アンケートでも空港問題は問われたことが一度もなかったとか、市民不在の都市計画は理不尽とか、そういう投書が随分とここのところ目立っております。 やはり地方分権という場合に、神戸市だとかそういうのは市民の声がなかなか届かないという不満がたくさんございます。地方分権のあり方というものは、やはり声をできるだけ吸収するようなあり方が正しいのではないかなと思います。総理の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(村山富市君) 地方自治というのは、別名これは住民自治というような言葉でも表現されておりますように、やっぱり住民の意思が反映をされて、そして地方自治体が主体的、自立的に仕事をしていくというところに地方自治のよさがあると私は思うんです。 地方分権を進めるというのは、そういう意味で国の受け持つべき責任と役割と地方自治体が住民のためにしなきゃならぬ責任と役割というものをやっぱり区分けして、そしてそれぞれ分担をし合うというところに分権が進められる意味があると私は思うんです。 〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕 しかし、個々の具体的な問題についてどのように住民の意思が反映されその住民自治が確立されておるのかといったようなことについては、具体的な個々のケースケースで判断をしなきゃならぬと私は思いますけれども、例えば区画整理をやるといったような場合に、これは私はやっぱり賛成反対、両論あるんではないかと。だから、できるだけよく住民の皆さんにわかっていただく、理解していただく、その上で正しい判断を求めて結論を出すような運営のルールというものはしっかり確立する必要があるというふうに思います。 今、御指摘のあったような問題が具体的にどういう経路をとって、どういう審議がされて、そしてどういう形で住民の意思が反映されて出た結論なのかというようなことについてはつまびらかでありませんから、ここでコメントすることは避けたいと思いますけれども、しかし私はやっぱりこれは、物事を決めていく場合には必ず賛成反対というものが利害関係が伴うような問題については特別あり得ると思います。 そういう場合には、可能な限り徹底した議論を尽くして理解を求めて、そして民主的な運営の中から結論が出せるような運営のルールというものはしっかり守っていただく必要があるんではないかということは私も常々考えているところでございます。
○西野康雄君 私、村山富市と一票入れました。その中で、村山内閣の支持率が下がっているというのは非常に残念な思いをいたしております。 しかし、その支持率の下がり方の中に、今回の大蔵官僚の処分の仕方、国民にとってもこれは余りにも甘過ぎると。国家公務員法九十九条は、「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」。私は、この条文にも今回の大蔵官僚のは当たるんじゃないかと思うんです。 きちっと対応すること自身が私は村山内閣に求められているんではないかと思いますが、直接の責任である大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武村正義君) 私も今度の事態を当初は当惑しながら、しかし香港行きというふうな新たな事実がはっきりした段階では、国民世論も考えながらきちっとした対応をしなければならないという思いでこれに責任者としてかかわってまいりました。 もういろいろお答えをしてまいったわけでありますが、そういう大蔵大臣の説明では納得いかないということをおっしゃっているわけでありますが、しかし私の立場に立って、法律を四方八方見ながら、この真実も、私どもがつかまえた真実はこういう私的な交際という次元でございますから、その範囲で一体これ以上のどういう処分が可能だっただろうかと。今振り返ってみましても、私は自分がやったことがしゃにむに正しいなんということを一方的に申し上げたくありませんけれども、これで精いっぱいの処置であったかなというふうに振り返らざるを得ないのであります。 明らかに法に触れていれば、これは人事院とも懲戒になりますと協議しますし、当然訴訟問題も想定して詰めるわけでございますから、何か今、告訴をされているあの目を覆いたくなるような経営をしていた高橋氏と職務上非常に深くかかわっていた、そういうとらえ方をされがちでありますが、そうであればこれはもう大問題でありますが、今そこまでの真実はないわけでございますから、こういう処分について、いろいろ見方もあろうかと思いますが、ぜひ御理解を賜りたいと思います。 しかし、私どもは、処分のいかんにかかわらず、大蔵省全体がこの際、総反省をして今後に備えていかなければならないという気持ちでいっぱいであります。
○西野康雄君 大蔵大臣が当初困惑していたという文言は、私は余り説得力がないんではないだろうか。東京税関にあの田谷が行った時点でかなりたかりの問題だとかそういうふうなものがあったのではないか。私のところへ回ってきたあるメモにも、田谷は主計局長時代に公共事業を担当し、その関係からみずからの遊興費を支払わせてきた、業者の苦情が官房に多数郵送される、そういうふうなことがちょっと寄せられております。やはりそれが一つ東京税関長へ行った原因じゃないかな、そんな思いもいたしておりますが、これ以上追及はいたしません。 〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕 円高についてでございます。円高になりますと大企業が必ずまずやることは何かと言ったら、自分のところの費用の節約、リストラ、そしてまた海外からの部品の調達、そして中小企業だとか零細企業、下請に対しての何というんですか、ずっと泣かせるようなことをしてくる。私は、円高というのは、魅力的な国際決済通貨づくりというんですか、これが今一番求められているんではないだろうか、いろんな中での根本はそこにあるんじゃないかな、そんな思いがしてならないわけです。 とりあえず、被災地にあってケミカルシューズだとかいろいろ零細企業が円高で大打撃でございます。その中小零細企業を中心とした円高対策について、通産大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) けさ閣議の後の閣僚懇談会におきまして、私から大蔵大臣に対して、この円高の状況というものは中小企業として耐えられるものではない、通貨当局として何とか御努力を願いたいというお願いを申し上げたばかりであります。なぜなら、ここしばらくの間の為替の状況の中で、既に中小創造法でありますとか事業転換円滑化法といった法律の御審議を願わなければならないぐらい私どもは危機感を強めておりました。 ところが三月八日以降、急角度にまた変動いたしておりますこの状況の中で、輸出中心の中小企業を調査させていただきました。そして、前回も昨年の状況の中で調査をいたしましたが、昨年はまだ影響がないとお答えをくださる方がわずかながらといえどもございました。ところが、昨年の調査をいたしました段階ではそれぞれの中小企業の採算の平均値は対ドル百十三円ぐらいでありましたものが、この数カ月の間にその平均値は百十円にまで上がってきております。中小企業自身がそれだけの努力をして経営を合理化してきておられる。ところが、現在の水準は御承知のとおりでありまして、今回は影響はないとお答えをされた企業は一社もありません。 さらにその対応としてさまざまな、例えば高付加価値化でありますとかいろいろな御努力をなおやろうという意欲をお持ちの方々も多数ありますが、有効な対応策がないというお答えをくださった方が二五%であります。四分の一の中小企業者がこの状況の中で対応策なしというお答えをいただいたことは非常に深刻な事態だと私どもはとらえております。 それだけに、本日御審議をいただいております明年度予算が成立をし、年度がかわりました瞬間から、我々は平成七年度予算をどう前倒してでもその要望にこたえていきたいと考えております。そして、現在ございます運転資金支援特別貸付制度あるいは緊急経営支援貸付制度などの三月三十一日で切れる予定でありました施策もこれを延長していただきたいと、関係当局と協議をさせていただいております。 しかし、我々がこうした施策をとってまいります以上に、通貨当局に何とかこの水準を少しでも現状に近いものにしていただく御努力を願いたい、私自身、心底お願いを申し上げた次第であります。
○西野康雄君 質問通告しておりませんが、野中自治大臣、あのサリン事件です。本当にまじめに働いている人たちを不幸に陥れたあの事件というのは心の底からはらわたが煮えくり返る思いです。真相究明をぴっちりとやっていただきたい。その決意だけお述べいただければと思います。
○国務大臣(野中広務君) けさほども総理からこの凶悪な犯罪について徹底捜査を言明された次第でありまして、少なくともこの問題につきましては社会悪として、私ども民主主義への挑戦として組織を挙げて私の責任をも踏まえながら頑張ってまいりたいと存じております。
○西野康雄君 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で西野康雄君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(坂野重信君) 次に、西川潔君の質疑を行います。西川潔君。
○西川潔君 西川です。よろしくお願いいたします。 本当に毎日が寂しく悲しくつらい嫌なことが多いわけですけれども、ここにいる皆さん方もその一つ一つをみんながちゃんと行わなければいけないような立場の人ばかりですので、どうぞよろしくお願いいたします。我々も一生懸命、微力ですが、頑張りたいと思います。 まず総理大臣にお伺いしたいんですけれども、マル優制度を御利用なさっておられますか。
○国務大臣(村山富市君) 私は今七十一歳でありまして、六十五歳以止の高齢者に適用されると、せっかくつくられている制度ですから、私も利用させていただいております。
○西川潔君 さようでございますか。お幾つ御利用なさっておられますか。一千五十万全額でしょうか。
○国務大臣(村山富市君) それはつまびらかにしていませんけれども、三つ使えるわけですね、貯金と預金と国債、恐らく三つとも額はつまびらかでありませんけれども利用させていただいていると思います。
○西川潔君 細かいことをお伺いして申しわけございません。自分はお年寄りの年金のことなんかを勉強させていただいているものですから。 そこで、高齢者等のマル優制度につきましては、平成四年から昨年にかけまして、制度の改廃も含めましてさまざまな論議が行われました。時間が短いもので早口になりますが、お許しください。 政府の税制調査会、七年度の税制改正答申の中でも、世代間、そして高齢者世代内の公平の確保の観点から今後とも縮減の方向で検討すべきとする意見と、制度の趣旨等制度をめぐる諸事情がありましてこれを縮減することは国民的なコンセンサスが必要である、大変意見が対立したこともいろいろと紹介されておるわけです。 大蔵大臣にお伺いをいたします。現時点でこのマル優制度について基本的なお考えを。
○国務大臣(武村正義君) 利子に対する課税につきましては、六十二年九月の改正において、いわゆる課税ベースの拡大、負担の公平等の観点から、一般の預貯金利子を原則課税とする中で、例外的に一定限度額までの老人等の貯蓄の利子を非課税といたしているところでございます。 この老人マル優のあり方につきましては、これまでも政府税調を中心にいろいろな論議が行われてきました。今後とも高齢化社会のもとにおける税制のあり方を念頭に置きながら論議が続けられていくものと考えております。
○西川潔君 これから超高齢社会を迎えようとしている中で、若い世代だけに重い負担を背負っていただくということは、これは僕はあってはならないと思います。また、高齢者の中での再分配ということも今後の大きな課題であると思うわけです。しかし、長年社会に大きく貢献をされ、戦前、戦中、戦後、我々のために頑張ってこられたお年寄りの皆さんが働けなくなりました、そして限られた収入に頼る暮らしになるわけですけれども、少しでも楽にお暮らしいただく、そういう願いがこの制度には込められていると思います。死はだれにでも訪れてまいりますが、老後に不安な生活をするということが僕は一番不幸ではないかなと常々思っております。 そこで、本日は短い時間でありますので、制度そのもののあり方についての議論は次の機会にさせていただきますが、制度が存在する現時点での問題点といたしまして、マル優制度の取り扱いについてこの制度の利用者であるお年寄りの御意見をお聞きいただきたいと思うわけですけれども、その前に、マル優制度上における非課税貯蓄者が死亡した場合の取り扱いについてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小川是君) この非課税制度は、預入をされた方、今お話しになった利子を受け取られる方が老人などであることに着目したものでございます。 そこで、老人マル優の適用を受ける預貯金を持っておられる老人が亡くなられたという場合、そしてその預貯金が相続された場合には、被相続人である老人のお亡くなりになった後に相続人の方が受け取られる利子につきましては、これは相続人の方が老人であってしかも非課税限度を持っておられるというときにはこれを継続する手がございますけれども、そうでない場合には、利子を受け取られる方が老人ではございませんので、これは課税ということになるわけでございます。
○西川潔君 そこで、ひとつお聞きいただきたいのですが、去年、お手紙を七十八歳の方からいただきました。どうしても納得がいかないので国会で西川さん聞いてほしいということで、機会がございませんでして本日になりました。八十五歳の主人が、今年三月二十一日に死亡致しました。盲人には非課税扱いの定額貯金がありましてこの度五月九日に死亡したことを申しまして引き出しました。平成二年に預けた分なのですが受取人の主人が死亡しているので非課税扱いできないとの事で二十四万円余り税金が引かれました。今年、三月二十一日までは生存していたので、それまでは非課税扱いにならないのですかと尋ねますと奥さんも非課税扱いになっているからできないとの事でした。私はどう考えても納得できないのです。私は節約、節約してチビチビ蓄えたお金です。主人が亡くなり悲しい思いで抜け殻の様になった私はこれからお金を頼りに生きていかねばなりません。こんな法律あるのですか、老人のための非課税扱いになっていると思うのにどうしても納得できないのです。七十八歳のひとり暮らしの奥様からいただいているわけですけれども、このようなケースでは相続人がマル優の対象者である場合、自己の非課税枠内であれば非課税のまま取り込むことができる。 ところが、この方の場合は、御本人も限度額いっぱいの利用があったわけですから、結局のところは主人が預け入れした日にさかのぼって課税が行われたということでございますが、この自己の非課税枠内であれば課税しないという部分には十分な配慮がなされているということは私も理解しているわけですけれども、しかし当事者にとってみればどうでしょうか。 例えば、おじいさんの容体が悪くなりまして危篤だと。おじいちゃんが危篤だということで、子供も集まりなさい、孫も来なさい、親戚もみんな来なさい。おじいちゃん頑張ってください、もっと長生きするんですよと、まくら元でおじいちゃん頑張ってというときに、おじいちゃん、課税されるから定額貯金おろしてきてもいいかなんというようなこと、そんな、ブラックジョークにもなりませんですね、これは、本当に。 これ今、外務大臣、全然関係ないですけれども、随分感じておられたんで、言いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほどの政府委員の答弁を聞きまして、私は人情において大変つらい話だなというふうに思いました。この法律をつくる、この制度をつくるときに、どうしてそういうことに気がつかなかったのかというふうに思った次第でございます。 現行制度は制度でございますから、甚だ残念ながら現行制度にのっとって運用せざるを得ませんが、人情において大変つらい話だなと伺いました。
○西川潔君 ですから、我々の感覚とするとお役所仕事になってしまったりするわけですね。 ですから、これ、今おトイしからお帰りになった橋本大臣、いかがですか。随分前から僕は福祉のことをいろいろとお伺いしていますが、言いただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 情としての議論は私は、今、副総理が答弁をされたのと同じような感じがいたします。ただ、税の体系の上の議論というものが別途存在をする、その整合性をどう保つんだろう、そんな思いを合いたしました。
○西川潔君 これは本当に大切な立場である厚生大臣に僕は一言お伺いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(井出正一君) 橋本通産大臣が答えられたのと全く同じであります。
○西川潔君 いや、厚生大臣が全く一緒というのもちょっと僕は理解いかないんですけれどもね。 じゃ、この課税でどれくらいの税収が上がるんでしょうか、大蔵大臣。
○政府委員(松川隆志君) お答えいたします。 相続人の利子所得として課税される貯金の源泉所得税額は、ほかの源泉所得税額と一括して納付されておりますので、これを取り出して集計することはできないということでございます。
○西川潔君 その説明もよくわかるんですけれども、でもこれは、入るときには一言もこういう御説明はいただかないわけですね。 厚生大臣、もう言いただけませんか、一番大切な立場にいらっしゃる大臣ですから。
○国務大臣(井出正一君) あの説明が、やはりお入りになられるときにきちっとなされるべきだとは思います。
○西川潔君 マル優は一身専属的なものであることは理解できますが、このようなお年寄り夫婦のどちらかが亡くなったような場合、目の前で死にかけているわけです、その人に、おい貯金出してくるぞというようなことは言えないわけですね。 ですから、これは見直してもらいたいと思うんですけれども、定額貯金につきまして、預け入れ日にさかのぼって課税するということではなく、亡くなるまでの期間については非課税、亡くなった後は課税という仕組みにしていただけないものでしょうか、大蔵大臣。
○政府委員(小川是君) 現行制度におきましては、利子に対する課税は、期間ではなくて利子の支払い時点で課税が行われるようになっているわけでございます。そのために、その利子の支払いをどこで受けるか、どなたが受けるかということを前提にして課税がなされているという現行制度については、ひとつぜひ御理解を賜りたいと存じます。
○国務大臣(武村正義君) 本当に困っている人をお助けしたりするために法律があるわけであります。こういう租税の特別措置もそういう意味で有効でなければならないことを思いますと、今、大変生々しい具体的なケースを御紹介いただいて、こういうケースには生きていないということを実感させていただきました。 私ももう五年ほどしたらマル優の対象になりますし、いろんな意味で貴重なケースとして大蔵省としても勉強をさせていただきます。今ここで結論だけ明確に申し上げる準備ができておりませんので、勉強させていただきます。
○西川潔君 侯は本当に、ずっと歴代内閣で、総理大臣の悪口も言ったことありませんし、重箱の隅をつつくようなことの質問もしたことありません。ただ、普通に考えて、入るときに説明もしてもらっていないのに死んだときにはこんなことを言われたら困るわけですから、検討はしてもらえないですかということですけれども、総理大臣、いかがでしょうか。これ普通のことだと思いますけれども。
○国務大臣(村山富市君) 今、大蔵大臣からも答弁ありましたけれども、税制上いろいろな理屈はあると思いますよね。しかし、今お話を聞いておりまして、これは私もまたやがてその身になるわけですから、そんな目に遭うなあと、こう考えますと、それはやっぱり一般論として十分検討に値する問題ではないかというふうに思いますから、今御意見の件、検討させていただきたいと思います。
○西川潔君 ぜひよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(坂野重信君) 以上で西川潔君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、平成七年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。 —————————————
○委員長(坂野重信君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、討論者は賛否を明らかにしてお述べ願います。寺澤芳男君。
○寺澤芳男君 私は、平成会を代表して、ただいま議論となりました政府提案の平成七年度予算三案に対して反対の討論を行います。 まず、この際、村山内閣の危機管理、政治姿勢について一言触れておきたいと思います。 去る一月十七日未明、阪神・淡路地域をマグニチュード七・二の地震が襲い、五千四百九十三名のとうとい命が奪われました。この地震に対し、政府はその初動において大きな失態を演じ、その後も避難所での生活、町づくり、さらには今後の防災体制構築において国民の期待に沿うことができず、全国的な政治不信を蔓延させました。この点において村山内閣の責任は重大であります。 さらに、一ドルが九十円を割るという今後の日本の経済に甚大な影響を及ぼす円高に対し、確固たる対策もなく、村山首相みずからの強いリーダーシップは何も発揮されておりません。 また、先刻発表された規制緩和推進五カ年計画の中間報告は、我が国の経済が置かれた厳しい状況に対する危機意識を欠くその場しのぎのものでしかありません。 加えて、村山内閣の最重要課題であったはずの行政改革の不徹底、東京共和銀行問題で明るみになった行政組織への監督の甘さなど、今や内閣の存在意義すら見えなくなりつつある村山内閣の政治姿勢について反省を促し、以下、本予算に反対する理由を申し上げます。 その第一は、阪神・淡路大地震の復旧・復興対策が全く盛り込まれていないことであります。 被害総額十兆円にも及ぶ震災が起こったにもかかわらず、震災前に編成された予算案に固執する政府の態度は非常に不可解であります。政府は、被害の全容把握と復興計画の早期策定を急ぐとともに、既に被害額が判明し対策が可能なものに対しては、本予算のうちの不要不急なものを削ってこれに充てるべきであります。 第二の理由は、平成七年度予算が都市の防災化に全く対応していない点であります。 本年度は公共投資基本計画の初年度に当たりますが、この計画には震災でその重要性が一層明らかになった都市防災の視点が欠落しております。しかし、村山内閣は、社会経済情勢や国民の認識の変化に従った配分比の変更をしておりません。本年度予算における公共事業の配分比の変更幅はコンマ以下にとどまっており、村山内閣の弱い指導力に基づくこの予算の不合理さは明らかであります。 第三の理由は、この予算において財政健全化への道筋が全く提示されていない点であります。 財政状況は、三年連続の税収の悪化、本年度末には二百十二兆円に達する国債発行残高と、極めて厳しいものであります。しかし、政府は、いわゆる隠れ借金等の財政悪化を隠すための種々の手法を駆使するばかりで、確固とした財政再建案を打ち出せないでおります。 平成会といたしましては、この政府原案に反対するとともに、村山内閣の政治姿勢を厳しく糾弾することを申し述べ、私の討論といたします。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 成瀬守重君。
○成瀬守重君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成七年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。 今、我が国を取り巻く情勢にはまことに厳しいものがあります。先般発生した大震災からの復旧・復興を初め、急激な円高への対応、急速に迫りくる少子・高齢化社会への円滑な移行等々重要な課題が山積しており、こうした事態に果敢に取り組むことが今、政府に求められているのであります。本予算案は、厳しい財政事情のもとで最大限これらの要請にこたえたものとして高く評価できるものであります。 以下、賛成する主な理由を申し述べます。 賛成する第一の理由は、公共事業費に十分な予算を計上するなど、景気に対する配慮が十分になされていることであります。とりわけ、新たに策定された公共投資基本計画を念頭に置き、国民生活の質の向上に結びつく分野の拡充が図られており、本年も継続される所得減税と相まって、これら諸施策が景気回復の足取りをより着実にすることを強く確信する次第であります。 賛成する第二の理由は、新ゴールドプランに基づく在宅介護等の社会保障の充実が図られている点であります。また、少子化、女性の社会進出等の社会情勢の変化を踏まえた種々の施策を盛り込んでいることも村山内閣のきめ細かな配慮を示すものであると考えます。 賛成する第三の理由は、米市場の開放に対応するため、農業基盤整備や新規就農対策の予算が適正に計上されている点であります。これらの施策は、我が国が外国との競争に耐え得る高生産性農業を育成していく上で大きく寄与するものとして、まことに時宜を得たものであると考えます。 賛成する第四の理由は、我が国に対する国際貢献の要請に十分にこたえた内容になっている点であります。これを経済協力費で見ますと、前年度比で三・六%増と、公共事業費に次ぐ第二番目の高い伸びが確保されております。また、内容も、開発における女性の役割の重視、環境への配慮等がなされており、顔の見える外交として国際的にも高い評価を得るものと確信しております。 最後に、先般の阪神・淡路大震災からの復興、最近の急激な円高に対する対策等、政府の課題は山積しております。これらの問題に対する政府の対策を早急に取りまとめ、補正予算として提出されることを強く要望して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 磯村修君。
○磯村修君 私は、新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成七年度予算三案に対し、反対の討論を行うものであります。 未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災に際しての政府の対応については、初動のおくれを初め、緊急物資の輸送や医療体制などにも混乱を来したことはまことに遺憾であります。政府においては、早急に大規模災害時の危機管理システムを確立するとともに、防災国土軸の形成など災害に強い国土づくりに取り組むよう強く求めるものであります。 また、この二十日の朝、東京の地下鉄で発生したサリンガスによる無差別殺人事件は許しがたい極めて悪質な犯罪行為であり、強い憤りを覚えるものであります。政府においては、事件の全容解明と市民生活の安全、被害者に対する救済に万全を期すことを強く要請いたします。 以下、反対の主な理由を申し述べます。 反対の第一の理由は、阪神・淡路大震災について本予算の組み替えをせず、復旧・復興対策費が何ら計上されていない上、防災都市づくりといった観点も盛り込まれていないことであります。 被災地域の一日も早い復旧・復興は全国民の切なる願いであり、本格的復興事業の開始が強く求められております。さらに、今回の大震災を教訓とし、防災都市づくりへの取り組みも喫緊の課題でありますしかるに、本予算案の組み替えによりこうした措置を講じなかったのは国民の期待にこたえるものではありません。 政府は、七年度予算の補正による実質組み替えに言及しておりますが、財政法二十九条の建前からすれば、本格的な復興のための経費等の予算は可能な限り当初予算に計上すべきであり、こうした財政法の趣旨からしても納得できません。 反対の第二の理由は、雇用や円高対策、福祉への対応が不十分なことであります。 我が国経済は緩やかな回復過程に入ったとはいえ、依然として企業のリストラが続いており、設備投資は低迷し、雇用情勢も極めて厳しい状況に置かれておりますしかるに、本予算案における失業対策費は前年度比〇・三%増の低い伸びにとどまり、特に中高年齢失業者の職業訓練等に助成する職業転換対策事業費は一〇%近くも減額しております。新規事業育成のための予算措置についても、金額自体が少ない上、内容的にも期待外れであります。 また、七年度から本格的にスタートした新ゴールドプラン関連の予算についても、二十一世紀の超高齢化社会へ対応していくには不十分なものであり、この分野における予算措置の拡充、前倒しを強く求めるものであります。 反対の第三の理由は、財政体質の悪化が進んでいることであります。 我が国財政の現状は、国債残高が七年度末には二百十兆円を超えるなど一段と厳しい状況を迎えており、今まさに実効ある財政再建への取り組みが強く求められているのであります。しかし、政府は、国債依存度を五%以下にするという財政再建目標を先送りするだけで、歳出構造の抜本的な改革につながる措置を何ら講じていないのであります。 この際、政府は、小さな政府を目指す方向性を明確に示すとともに、予算編成においては従来からの積み増し方式を改め、国民のニーズに的確にこたえた予算配分を行い、効果的かつスリムな財政をつくり上げることであります。 最後に、行政改革は税制改革の大前提という政府の公約にもかかわらず、行政改革でどれだけ歳出削減を行うかも国民の前に示すことなく、特殊法人見直しなども到底国民の理解を得られるものではありません。 また、東京協和、安全両信用組合の救済問題に関しては、大蔵官僚と業界との癒着を浮き彫りにしたもので、節度を超えた行為にもかかわらず全く手ぬるい処分しかできないことは、国民の信頼にこたえるものではなくこの際政府に対し強く反省を求め、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 藁科滿治君。
○藁科滿治君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました平成七年度予算三案について賛成の討論を行うものであります。 去る一月十七日に発生した阪神・淡路大震災に対し、政府は、総理みずからが本部長となり、全閣僚を構成員とする緊急対策本部を設置するとともに、現地にも対策本部を置くほか、災害対策担当大臣を任命し、さらには復興対策本部を設置するなどして、地方自治体と一体となって懸命の努力をされていることに深く敬意を表するものであります。 緊急の復興対策については特別立法と六年度第二次補正予算の成立て既に施行されており、本格的な復興対策については復興計画や費用がある程度把握された段階で予算の補正を行うべきであり、それによってこそ有効かつ計画的に施策をなし得るものであることは明白です。その立場からいえば、復興対策のため予算の組み替え、修正のみを声高に主張するのはまさに本末転倒以外の何物でもありません。政府も早期大型補正の実施を表明しており、本七年度予算を一日も早く成立させることこそが今我々に与えられた最大の任務であります。 こうした観点に立ち、本予算三案に賛成する理由を以下簡単に申し述べます。 まず第一の理由は、景気に十分配慮した内容となっていることであります。 すなわち、総額五兆五千億円という思い切った減税をことしも継続することは、個人消費を着実に回復させる上で欠くべからざるものであります。また、一般会計予算が実質〇・三%増という低い伸びにとどまっている中で、公共事業関係費は四%の伸びを確保しており、この面でも景気への配慮が見られ、高く評価できます。 第二の理由は、平和を志向する施策を実施することとしていることであります。 防衛関係費は伸び率を前年度比〇・八六%と、昭和三十五年度以降最低の伸びに抑制し、冷戦終結後の世界の情勢に的確に対応しております。また、戦後五十周年に当たり、留学生交流の事業や従軍慰安婦問題等に関する予算を計上していることは、近隣諸国との平和友好関係を一層深めるものであり、まさに平和国家を世界にアピールするものであります。 第三の理由は、特に福祉の充実に配慮していることであります。 高齢者保健福祉十カ年戦略を全面的に見直した新ゴールドプランに約六千億円を計上し、介護対策等のさらなる充実を図るとともに、いわゆる緊急保育対策として子育て支援の強化を行っているほか、いじめ問題への対応のための予算を計上するなど、まさにお年寄り、障害者、子供たちの福祉と人権に配慮した取り組みは、総理の標榜する人にやさしい政治の典型をなすものであります。 以上、平成七年度総予算三案に対する賛成の主な理由を申し述べましたが、政府におかれましては、遺漏なき復興対策を盛り込んだ補正予算を速やかに編成し提出することを強く要望して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 有働正治君。
○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の一九九五年度総予算三案に反対する討論を行います。 戦後最大の震災に際し、このときに来年度予算をどうするかは政治の基本が問われる極めて重大な問題です。 第一は、震災前に編成された予算案について、復興対策については補正予算のみで対処し、本予算については震災前に編成された内容を無修正で成立させようとしている不当性です。言うまでもなく、国の予算というのは政治の顔です。緊急重大事が起きたら直ちにそれに対応するというのが政治のあるべき姿であり、国民の願いです。 日本共産党は、国民の安全こそ政治の最優先課題との立場から、本予算の具体的組み替え案を提案し、政府にもその実現を求めてきました。それは、一つ、国が責任を持って被災地の救済・復興の財政措置をとる、二つ、防災優先の見地から予算全体を見直す、三つ、増税や国債増発でなく予算の浪費に徹底的にメスを入れる、というものです。 五千四百人を超える犠牲者を生んだ大きな要因が政府の防災対策の軽視、立ちおくれにあったことは明白です。ところが、当委員会の質疑においても、個人の財産は個人が維持するのが建前として、被災者は個人の責任で再建せよと言わんばかりの政府の姿勢が見られました。震災で身内を失い、財産を失い、職も失った多くの被災者に対し、国が責任を持って個人補償を行うのは当然のことではないでしょうか。 また、地震大国と言われる日本で、年間五十三兆円にも上る公共投資を抜本的に見直すこと、そのためにも、国の膨大な補助金を伴って推進されている東京湾横断道路などの大型プロジェクトを初めとする不要不急の事業を中止し、大手ゼネコンの不正談合、価格つり上げにメスを入れ、適正化を図ること、四兆七千億円もの軍事費を聖域扱いせず、正面装備費、米軍駐留経費などを中心に半減し、防災対策と復興経費に回すべきです。 国民から強い批判を浴びている政党助成金についても、予算上、全額カットすべきです。この政党助成金を消防庁予算と地震観測・予知に回すだけでも、両方の予算を一気に倍加できるのであります。 第二に、東京協和、安全の両信用組合に対する公的資金による救済は断じて行うべきではありません。二億組救済疑惑は、一つ、常識外れの乱脈経営、二つ、公的資金を使った強引な救済計画、三つ、大蔵省幹部職員との深い関係、四つ、政党や政治家との癒着、疑惑など、解明すべき点は多く残されていますが、何よりも、乱脈の限りを尽くした二億組を公金で助けて、本来最も迅速に手を差し伸べるべき兵庫の被災者の方々の個人補償は行わないという村山内閣の態度には断じて同意するわけにはいきません。 第三に、本委員会での我が党の上田議員の発言、日本軍国主義の侵略戦争で二千万人が殺されたという内容に対して、我が党を除く各政党理事の同意のもとで委員長職権で削除しようとしていますが、断じて容認することはできません。 そもそも二千万人もの死者が出たことは、教科書にも明記され、アジア各国政府の発表でも明白になっている根拠のあるものであり、これを訂正、削除することは歴史の事実に反することになります。 ことしは戦後五十年に当たりますが、その節目の年に、このように日本の侵略戦争の正当化を図り、それを国会に押しつけるために国民の代表による自由な言論を削除することは、国会史上重大な歴史的汚点を残すことになるものです。諸党の態度のみならず、国会そのものが日本国民はもとよりアジア諸国から厳しく問われることになるでありましょう。 最後に、我が党は、予算審議を自然成立ぎりぎりまで行うよう求めてきました。多くの課題が山積している中、本日の審議議了、採決は極めて遺憾であることを厳しく指摘し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(坂野重信君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、平成七年度総予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(坂野重信君) この際、御報告いたします。 去る三月二日の上田耕一郎君の発言の取り扱いにつきましては、理事会等における協議を踏まえて、委員長において適切に処理することといたします。 次回は来る三月二十九日午前九時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十九分散会