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132回国会参議院1995/06/08

法務委員会 第10号

発言数
183
登壇者
26
会派数
5
開催日
1995/06/08

会議録

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る四月二十八日、山崎正昭君及び河本三郎君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信吾及び林田悠紀夫君が、また去る五月二十四四、北村哲男君が委員を辞任され、その補欠として篠崎年子君が、また昨七日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として久保田真苗君がそれぞれ選任されました。     —————————————

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に糸久八重子君を指名いたします。     —————————————

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。  まず、地下鉄サリン事件等オウム真理教関係事件の検察庁における捜査処理に関する件につきまして、政府から報告を聴取いたします。前田法務大臣。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) このたび、本委員会より、地下鉄サリン事件等オウム真理教関係者による一連の不法事犯に関する検察庁のこれまでの捜査処理等について報告されたい旨の御要請を受けましたので、法令の許す範囲内で御報告を申し上げます。  地下鉄サリン事件は、サリンという猛毒ガスによって通勤途上等の一般市民を多数無差別に殺傷したという、我が国の犯罪史上例を見ない残虐きわまりない犯罪であり、国民に多大の脅威と不安を与えるとともに、治安の根底を揺るがしかねない極めて悪質かつ重大な事件であります。また、現在解明されつつあるオウム真理教関係の一連の不法事犯も、我が国の法秩序に挑戦する極めて重大かつ悪質なものであります。  検察当局におきましては、地下鉄サリン事件の発生当日、東京地方検察庁に異例の捜査本部を設置したほか、関係各検察庁においても十分な捜査態勢を整え、最高検察庁を初めとする上級庁の指揮・指導のもとに、第一次捜査機関として捜査に当たっている警察当局との緊密な連携を保ちつつ、鋭意捜査を行ってきたところであります。  地下鉄サリン事件については、本年五月十六日以降、警視庁においてオウム真理教代表者麻原彰晃こと松本智津夫ら多数の被疑者を順次逮捕し、東京地方検察庁においては、同月十七日以降、右松本ほか三十三名の送致を受け、捜査を行ってきたところでありますが、六月六日及び七日、このうち十名を地下鉄サリン事件に関する殺人罪及び同未遂罪で、十二名をサリンの生成等に関する殺人予備罪で公判請求いたしました。  また、オウム真理教関係のその他の事件につきましても、各地の関係検察庁において本年三月以降、警察から送致を受けて、鋭意捜査処理を行っておりますが、六月七日までに、逮捕監禁罪、営利略取罪等で延べ約百名を公判請求いたしました。  検察当局は、今後とも、地下鉄サリン事件を初めとする一連の不法事犯の全容解明と厳正な処分を求める国民の負託にこたえるべく、全力を傾注していくものと承知をいたしております。  捜査処理の具体的内容等につきましては、引き続き政府委員から御説明を申し上げます。

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) 次に、補足説明を聴取いたします。法務省則定刑事局長。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 引き続きまして、捜査処理の具体的内容等について御説明いたします。  第一は、オウム真理教関係者による事件の捜査処理の概況についてであります。  検察当局がオウム真理教関係者によるものと把握している事件につきましては、地下鉄サリン事件が発生した本年三月二十日以降、六月七日までの間、東京地方検察庁ほか三十数庁において延べ三百名以上の人員を受理しております。  このうち、六月七日までに延べ約百名を公判請求しております。その内訳は別表のとおりであり、主な罪名は、殺人、殺人未遂、殺人予備、逮捕監禁、営利略取等であります。   二は、主な事件の具体的な捜査処理状況につついてであります。  その一は、地下鉄サリン事件についてであります。  東京地検におきましては、地下鉄サリン事件に関し、本年五月十七日以降、殺人及び殺人未遂の被疑事実で麻原彰晃こと松本智津夫ほか三十三名の送致を受けました。同事件については、その全客の解明に向けて現在なお捜査中でありますが、これまでの捜査の結果、松本智津夫ら多数の者は、共謀の上、山梨県西八代郡上九一色村所在のオウム真理教施設内にサリン製造設備を設け、原材料等を購入して、同施設内においてサリンを生成していたものであり、地下鉄サリン事件は、こうして生成されたサリンを、松本智津夫の指示を受けた者が地下鉄内で発散させて敢行したものであることが判明いたしました。  そこで、東京地検におきましては、六月六日及び七日、地下鉄サリン事件の謀議及び実行行為に関与した松本智津夫ら十名については殺人罪及び同未遂罪で、また、地下鉄サリン事件の謀議及び実行行為への直接の関与は認められないものの、不特定多数の者の殺害を目的としたサリン生成等に関与していた十二名については殺人予備罪で、それぞれ東京地方裁判所に公判請求いたしました。  殺人罪及び同未遂罪の公訴事実の要旨は、麻原彰晃こと松本智津夫ら十名は、ほか多数の者と共謀の上、いずれも東京都内の営団地下鉄霞ヶ関駅に停車する同地下鉄の電車内にサリンを発散させて不特定多数の乗客等を殺害しようと企て、上九一色村の教団施設内においてサリンを生成した上、本年三月二十日午前八時ころ、東京都内を走行中の営団地下鉄日比谷線、千代田線及び丸ノ内線の電車内計五カ所において、床に置いたサリン在中のナイロン・ポリエチレン袋を先端をとがらせた傘で突き刺し、サリンを漏出気化させて電車内等に発散させ、各電車内またはその停車駅構内等において、多数の乗客、営団地下鉄職員らをしてサリンガスを吸引させるなどし、よって、十一名をサリン中毒により死亡させて殺害するとともに、千百六十八名に対してサリン中毒症の傷害を負わせたが、殺害の目的を遂げなかったというものであります。  殺人予備罪の公訴事実の要旨は、森脇佳子ら二名は、麻原彰晃こと松本智津夫らと共謀の上、サリンを生成し、これを発散させて不特定多数の者を殺害する目的で、平成五年十二月下旬ごろから同六年二月中旬ごろまでの間、上九一色村の教団施設において、五塩化燐、弗化ナトリウム、イソプロビルアルコール等を用いてサリン約二十キログラムを生成し、また、渡部和実ら十名は、麻原彰晃こと松本智津夫らと共謀の上、同じ目的で、同五年十一月ころから同六年十二月下旬ころまでの間、同教団施設等において、サリン生成化学プラントを設計.完成させ・サリン生成原料を同プラントに投入して作動させてサリンの生成を企て、それぞれ殺人の予備をしたというものであります。  なお、地下鉄サリン事件に関しましては、引き続き数名の被疑者を勾留して捜査中であり、近日中にさらに処分がなされる予定であると承知しております。  その二は、逮捕監禁事件等についてであります。主な事件の公訴事実の要旨は、上九一色村の教団施設等において、教団を脱退して皇に帰ることを希望した女性信者に対して、頭部等を多数回殴打するなどの暴行を加えた上、麻酔剤等の薬物を注射して意識障害状態に陥らせるなどして、同教団施設及び付近に設置さえれたコンテナ内に監禁したというもの、山梨県内の駐車場において、女性信者に対し、背部及び両足を抱きかかえるなどして自動車内に押し込んだ上、上九一色村戸の教団施設に監禁したというもの、東京都内の路上において、教団信者の長女に対し、背後から羽交い締めにするなどして自動車内に引きずり込んで逮捕した上、同文を上九一色村の教団施設等に監禁したというものなどであります。  その三は、営利略取等事件についてであります。  主な事件の公訴事実の要旨は、教団信者の実父から多額の全員を提供させたり、同人の預金等を不法に領得するため、同人を略取してその行動を制約しようと考え、宮崎県内において、就寝中の同人に対し、薬物を用いて半昏睡状態に陥れた上、自動車内に押し込み、上九一色村の教団施設に連れ込んで略取したというものなどであります。  そのほかに公判請求した事件としましては、車両に隠匿していた小銃部品を他の車両に積みかえでさらに隠匿する目的で、東京都内の建物内駐車場にみだりに立ち入ったという建造物侵入事件、教団が被害者であるように装う目的で、松本智津夫が代表者である東京都内の会社店舗内に、点火した火炎瓶を投てきして発火炎上させたという火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反事件、いわゆる公証役場事務長逮捕監禁事件の犯人を石川県内のホテル客室及び貸別荘等に宿泊させてかくまい、あるいはその間、婦人用がつら等を供与して変装させ、さらに同人の顔面に整形手術を施してその容貌を変えるなどしたという犯人蔵匿・隠避事件、上九一色村の教団施設等で発生した監禁事件等の犯人に、同施設内の秘密地下室を隠匿場所として使用させるなどしたという犯人蔵匿事件、教団顧問弁護士が東京都内において記者会見を行い、山梨県内の会社社長が上九一色村の教団施設にサリン等の毒ガスを噴霧していたとして、同人を殺人未遂罪で告訴した告訴状写しを配布した上、同人経営の会社から継続的に毒ガスが噴霧されていることが確認されているなどと発言し、公然、内容虚偽の事実を摘示したという名誉毀損事件などがあります。  以上が主な事件の具体的な捜査処理状況であします。  警視庁を初めとする警察当局におきましては、オウム真理教にかかわると思われる各般の事件について捜査を進めているものと承知しておりますので、各地の関係検察庁におきましては、今後とも相当数の事件を受理し、捜査処理を行うことになるものと思われます。検察当局といたしましては、事案の全容を解明し、法と証拠に基づき厳正な処分を行うため、引き続き万全の態勢で捜査処理を行っていくものと承知しております。  以上が地下鉄サリン事件等オウム真理教関係事件の検察庁における捜査処理に関する報告であります。

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 ただいま、法務大臣、刑事局長から捜査処理に関する御報告がございました。法務大臣がおっしゃっておりますように、「今後とも、地下鉄サリン事件を初めとする一連の不法事犯の全容解明と厳正な処分を求める国民の負託にこたえるべく、全力を傾注していくものと承知をいたしております。」ということでございました。  本当にいろいろ御苦労さんでございますし、着実に国民の負託にこたえて目的を達成しつつあると思います。御労苦に感謝いたしますと同時に、今後とも一層ひとつ頑張っていただきたいと、このようにお願いいたします。  今、刑事局長からは、現在までの捜査の状況、起訴の状況について御報告があったわけでございます。今からさらに地道な証拠の蓄積等によりまして事件の全貌というものが解明されるわけでございますが、いろいろ考えれば考えるほど、先般も私、本会議で申し上げたわけでございますが、科学的知能犯罪と申しますか、あらゆる科学を駆使して、そして総合的に多部門にわたって、言うなればオウム軍事国家を形成していろいろ社会不安を増長しようと、あるいはまたその奥にいろいろな目的があるのかもしれませんが、大変なことだと思いますし、そういうふうなところまで突き進んだ徹底した捜査をお願いいたしたい、このようにまず最初に申し上げておきたいと思います。  きょうは、私は、オウム真理教のいわゆる解散請求の問題を中心として御質問をいたしたいと思います。  そこで、まず質問の前にお伺いしておきますが、実は宗教法人法の問題、それから具体的にオウム真理教の問題につきまして、私は国会でしばしばこれまでも質問いたしておりまして、文部大臣あるいは文化庁次長の御答弁をいただいているわけでございます。きょうもぜひ次長に御出席いただきたいと、今までの経緯もございますので強くお願いしたわけでございますが、法務委員会だから課長でいいというふうなことで、きょうは次長はお見えいただけません。宗務課長だということでございますが、その辺のところもちょっと私は問題にしたいんですけれども、事柄の大きな性格上ひとつ議論いたしたいわけでございますが、課長がおいででございますので、非常に遺憾であるということを申し上げながら質問を始めたいと思うのでございます。  去る五月二十四日の参議院の本会議におきまして、私はこの問題についてお伺いいたしました。与謝野文部大臣は答弁の中で、「オウム真理教の解散命令の請求時期の御質問ですが、宗教法人の代表役員たる者が報道されているような重大犯罪に関与していたということであれば、解散命令の請求を行う必要があることは論をまたない状況であると考えます。」、まずこうおっしゃっています。「しかしながら、裁判所へ解散命令を請求するためには解散命令の請求に必要な資料の取集等が必要であり、麻原代表の逮捕後、直ちに具体的に関係機関との間で準備を行うよう指示したところであります。麻原代表の起訴後、できるだけ速やかに解散命令の請求を行うべきものであると考えております。」という御答弁が五月の二十四日にございました。  一昨日、麻原代表が起訴されました。いつ請求なさるんでしょうか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) お答え申し上げます。  先ほど委員御指摘のように、解散命令を請求するためには、宗教法人法八十一条に規定する解散命令の要件を立証するに足りる証拠を収集した上で裁判所に提出する必要があるわけでございます。本件の事件につきましては、多数の関係者が関与している複雑な事件と思われますし、また解散請求に当たるに資料を整える必要があるわけでございますが、その資料につきましてはかなり時間がかかるであろうということもございます。また、刑事手続との関係も配慮しなくてはならない、こういう問題があるというふうに考えております。  文部大臣が申し上げておりますように、私どもとしては、できるだけ早く解散請求を行っていただきたいという考え方については、いささかも変わるものではございません。ただ、そういった裁判手続の上での問題がございますので、法務省を初め東京都等の関係機関との協力を得ながら、解散請求に当たる事由が立証できるような証拠を確保でき次第速やかに行いたい、こういうふうに考えているところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 答弁になっていないんです。それは当たり前のことを言っているんですよ。だから、具体的にいつごろなさるんですか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) その点につきましては、今申し上げましたように、まだ具体的な証拠の整理等の活動に入っていないということもございますので、どの程度時間がかかるのか、そういったことも含めまして今後関係機関との間で鋭意その点について詰めを行っていきたい、そういった段階で、おのずとどれぐらいの作業がというのがわかってくるというふうに考えております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 そういうふうな御答弁は時間つぶしになるだけなんですよ。  それでは聞きますが、文部省自身、主管庁として、東京都と連絡をとってどういうふうな調査をなさったんですか。大臣は、「逮捕後、直ちに具体的に関係機関との間で準備を行うよう指示したところであります。」、これはこれでいいでしょう。文部省自身、具体的には文化庁かもしれませんが、あなたのところで具体的にどういうふうな調査活動をなさっているのか、東京都と連絡をとって、東京都はどういうふうな具体的な活動をなさっているのか、それをおっしゃってください。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) 先ほど言いましたように、資料が必要だということでございますので、私ども東京都と連携をとって、いろいろと法律的な問題につきましては関係機関と協議しながら、解散請求の手続の問題あるいは法律の解釈の問題、また証拠資料の収集の問題については進めてきているわけでございます。  それとは別に、今委員御指摘のように、具体的に何をしているのか、こういう問題でございますが、これにつきましては、私どもといたしましては、オウム真理教が持っている財産が全国にあるというふうに言われておりますが、具体的にどのようになっているのか、その所有関係について各宗教法人担当のところに連絡をし、その有無等について確認を図っております。また、オウム真理教の被害対策弁護団等につきましてはどういった資料をお持ちなのか、東京都とも一緒にお伺いし、その辺の事実関係を確認して、接触しているところでございます。  また、同教団がいろいろと出版物等を出しておることも承知しておりますので、そういった出版物の中で具体的にどういった今回の請求に当たっての情報があるのか、その辺につきまして、現在、収集整理をしているところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 今までの御答弁では、宗教法人法の認証をした以上、今お話しのことはやってはよくないんだという御答弁だったんですよ。だから私は、次長に出てくださいと言ったんです、宗教法人を認証した以上は、もともと性善説なんで、認証した以上何をやってもわからない、そういうふうなのが宗教法人法の建前だとおっしゃっていた。それはお変えになったんですか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) 宗教法人法で言うところの所轄庁の権限として、民法法人の主務官庁が持つような監督権とか調査権というのはございません。これはいわば強制的な権限として認められたものでございますけれども、私どもが現在行っているのは、そういった事実上可能な範囲で行っているものでございまして、強制的な権限に基づいてやっている、こういうことではございませんので、その辺は御理解いただきたいと思います。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 だれも強制的な権限があるとかないとかという議論をしているんじゃないんですよ、  そうしますと、八十一条で解散命令を請求するんだと、八十一条の一項一号だと大臣は御答弁なさっている。一項一号というのは、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかこ認められる行為をシたこと。」、こういうふうになっていますね、これが柱になるわけなんですよね。そうでしょう。  そういうふうなことにつきまして、文部省はどういうふうな調査をなさっているんですか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) ここの解散命令につきましては、委員御指摘のように、八十一条の一項一号で、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。」ということでございます。  今回のケースにつきましては、これが宗教法人についてということでございますので、いわば宗教法人としてこういった行為を行っていると評価し得るような行為としてどういうものがあるのか。今回のケースですと、教祖あるいは教団幹部が逮捕されている。そういったもろもろの行為の中で、そういったものを宗教法人の行為として評価し得るかという問題と、もう一つは、それぞれの行為について、法令に違反して著しく公共の福祉を害したという具体的な事実として何を特定して行うか、こういった問題があろうかと思います。  これにつきましては、私ども、現実的には刑事事件の方が中心でございますので、そういった証拠資料をお持ちの捜査局あるいは検察当局等にも御協力いただきながら、この辺につきましてはそういった証拠資料を整理させていただければありがたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 私もいろいろ役人の経験がございまして、実務的にいろいろな事案等を整理したことがあるわけですが、今の課長の御答弁は何を答弁されているかわからないんですよ。  要するに、それは捜査のことについて御協力いただかぬことには何もわからないんです。八十一一条一項一号のことは、全くその大きな柱は、警察、検察の捜査をまたなければできないことでしょう。そうおっしゃればいいんですよ。しかし、法律の建前は、解散命令の請求ということで、「所轄庁」ということでまず最初に書いてあって、今御答弁されておる。ところが、御答弁を聞けば聞くほど、従来の文部省の御答弁と違うんです。  例えば、どこにどういうふうな施設だとかなんかあるか、それも調べておりますというふうなお話でしたね。どういうふうな出版物があるのか、それも調べている、こうおっしゃっていた。今までは、そういうふうなことをやってはよくないとおっしゃっていたでしょう、宗教法人法の解釈として。  そうすると、宗教法人法の八十一条一項の適用で解散命令を出さぬといかぬような宗教法人が仮にほかにも出てきたとすれば、だれがそういうふうなことを認定するのか。それは行政庁でしょう。そうしますと、おっしゃっていることが矛盾してくるんですよ。  たまたま解散の問題が出たからそういうふうなことをやっているんです。私は、だから、そういうふうなことも背景に踏まえて、宗教法人法の改正の問題をかねがね申し上げている。これは、十八万数千、現在日本には宗教団体がございますね、御承知のとおりに。私は、ほとんどの宗教団体はこういうふうな事件が起きたことを苦々しく思っている。本当に素直に純粋に宗教活動をやっている団体がほとんどだろうと思うんです。ところが、たまたまこういうふうなものがある。  そうしますと、文部省の御答弁というものが、考え方というのは揺れて揺れて揺れまくっているんです。もちろん、警察だとか検察だとか御協力いただかなければできないことですよ。これは絶対できません。だから、その辺のところは、後で法務省にも実はお伺いしようと思うんですけれども、やはり何か文部省の態度というのが私どもにはよくわからない。  では次に、やはりそういうふうなことと関連いたしまして、宗教法人審議会、これは法律に基づく審議会ですが、最近の活動をひとつ御報告いただきたい。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) 宗教法人審議会につきましては、オウム真理教等の事件を契機にいたしまして、国会等におきましても種々御議論が行われている。こういうことも踏まえまして、文部省といたしまして、この制度の問題につきまして検討をいただきたいということで、四月二十五日に百二十七回の宗教法人審議会をお願いしたわけでございます。  この審議会では、オウム真理教につきます、これまでわかっている状況につきまして御報告し、委員の先生からも御意見を賜ったということ等を踏まえまして、今申し上げましたような制度諭の問題につきまして、一つは全国的な宗教活動を行う宗教法人の所轄のあり方、二つ目が宗教法人設立に係る規則の認証の方法のあり方、三つ目が宗教法人設立後の所轄庁による活動状況の把握のあり方、四番目が宗教法人の解散のあり方、五番目が宗教法人の情報開示のあり方、こういう問題があるということを御報告し、自由に御議論いただいたわけでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 四月二十五日とおっしゃいましたわ、百二十七回は。百二十六回はいつなさったんですか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) ことしの二月の段階で行っております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 宗教法人法の第八章に宗教法人審議会というのがありますね。今おっしゃったこととについて、これは文部大臣が宗教法人審議会に諮問されたんですか、どうでしょうか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) これは正式の諮問という形で行っているわけではございませんが、大臣が冒頭のごあいさつで、今申し上げたうちの、全国的な宗教活動を行う宗教法人の所轄のあり方あるいは設立後の所轄庁による活動状況の把握のあり方及び宗教法人の情報開示につきましてはということで、それにつきましてはあいさつの中で申し上げ、こういったことについてはできる限り審議をいただいた上でお取りまとめをお願いしたい、そういうふうな趣旨のあいさつを行っているところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 今の文部省の御答弁は、諮問じゃないということですね。七十一条に「宗教法人審議会」の「設置及び所掌事務」と書いてありまして、「文部省に宗教法人審議会を置く。」と。二に「宗教法人審議会は、文部大臣の諮問に応じて宗教法人に関する認保証その他この法律の規定によりその権限に属せしめられた事項について調査審議し、及びこれに関連する事項について文部大臣に建議する。」と。それ以外は何も書いてない。宗教法人審議会、法律に基づいて置かれた審議会の機能として。  これほど重大な事件ですから、何で文部大臣は正式に諮問なさらないんですか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) 私どもとしては、国会等における議論というのはこういうものがありますけれども、宗教法人法ができて四十年を超しているということもございますので、宗教界あるいはほかの角度から見た場合にいろいろと問題点がありはしないか、こういうことも含めまして御議論いただいた方がいいんではないかということで、最初から項目を絞って諮問するという形ではなく、先生方の自由な議論の中で進めていただき、まとまった段階で建議していただくという仕組みがございますので、そういう方法がいいんではないか、こういうふうに考えて、現段階では諮問していない、こういうことでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 先ほどからいろいろ申し上げておりますように、全体を通じて感じますのは、やはり文部省がこの種の問題に大変腰を引いている、非常に消極だと。大臣は時々前向きのことをおっしゃるんですが、事務的な進みの流れというものを全体として見ていますと、私は、大変その辺のところが消極で腰を引いておられるんじゃないだろうか。  しかし、はっきり申し上げますけれども、今や世論はそういうふうなことを許さない状態なんです。今、厳しいんですよ。そういうふうなことで文部省が終始されますと、これはもう大変なことになると思います。やはり大きな流れとして、私は今度の事件と宗教法人の全般の問題というのはこれは切り離さなくちゃいけないと思いますよ。こういうようなことがあったから宗教法人の皆さんが全部こうだということはない。それは切り離しをぴしっとやらなくちゃいけないけれども、これほどまでこの事件を契機として宗教法人に対する国民の認識が高まっている。  議論を始めたと言うけれども、大臣が正式に法律に基づいて置かれておる審議会に諮問もなさってない。ただ委員の人たちが集まって、何か意見でもまとまれば建議する、まとまらなければ建議しないんだから、そういうようなスタンスです。あるいは今申し上げました宗教法人の解散請求の問題にしても、正直申し上げまして文部省は簡単に考えていたんじゃないかと思います。検察当局から資料をもらえば、それに一枚の紙でもつけて出しておけば裁判所が受け付けてくれる。他力本願ですよ。  だから私は、文部省御自身が所轄庁としての東京都と協力して具体的にどういうようなことをなさいましたかと、こういうふうな御質問を申し上げた。そうしたら、はしなくも、どこにどんな施設があるか、あるいはどういうふうな出版物があるか調査しています、強制力はないけれども調査していますと。今まではそういうふうなこともやってはよくないということを公の場でおっしゃっていた。だから私は次長に出てきてほしいと言ったんです。次長はおいでにならないんです。  だから、その辺のところをびしっと整理して、そして国民の期待にこたえられるようなことでなければ、私はこれはもうとてもじゃないが文部省は持ちこたえられないんじゃないだろうかという懸念を申し上げておきます。  そこで、今度は法務省の方にお伺いいたしたいと思いますが、きょうはオウム真理教の解散請求の問題に絞って御質問いたしますけれども、先ほど来御承知のとおり、解散命令の法律の根拠は宗教法人法八十一条です。そこで、「裁判所は、」「所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。」、こういうふうに書いてあります。ですから、こういうふうに具体的に刑事事件化された事案について一番実態がおわかりなのは私は警察、なかんずく証拠に基づいて公判請求される検察庁だろうと思うんです。検察庁の主たる仕事というものは、公判請求して公判を維持してそして目的を達成する、それが検察当局の大きな流れですけれども、宗教法人法の八十一条の中には、「裁判所は、」「検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。」というふうな規定がございます。  きょうの産経新聞を読みますと、検察官もやるんだというふうなことでございます。私は、やはり刑事事件化してそして証拠を十分持っておられる検察庁というふうなものは、法律の一番上には所轄庁ということで文部省なり都道府県知事ということになるんだけれども、実際はこういうふうなところはやれないんじゃないか。検察庁が一番資料を持っている。しかもいろいろな証拠なりなんなりをお持ちになっていて、それが公判の段階で最初から表へ出せる証拠もあれば、あるいは公判を維持するために最後まで保持していて、場合によっては使わぬでもいい証拠もあるかもしれない。公判を十分維持できれば、必要にして十分なだけの証拠があればそれでいいわけなんですから。だから、その辺の踏み分けで、仮に文部省から協力依頼があっても私は出せないものもあるだろうと思うんですよ。文部省は、それは簡単に公判請求すれば出せるんじゃないか、だから起訴後速やかにやりますと、こういうふうな安易な気持ちだったんじゃないかと思うけれども、詰めていけばそういうような問題が出てくる。  だから私は、八十一条のこの適用は、それは検察官がおやりになった方が本当はいいんじゃなかろうかなという気持ちが実務的にはするんです。あるいは所轄庁と協力しておやりになるということができるのかどうかわかりませんけれども、そういうふうな考え方も考え方としてあるんじゃなかろうかというふうに思うんですが、法務省の御見解がございましたら。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) もう既に新聞報道もされて御承知のとおりでございますが、宗教法人の解散請求につきましては、一昨日、六日、オウム真理教代表の麻原彰晃こと松本智津夫らを殺人罪、同未遂罪で公判請求をいたしたところでございますが、この起訴を踏まえまして検察官におきましても宗教法人法第八十一条一項に基づいて宗教法人の解散命令請求を行うことにいたしまして、その必要な事柄についての検討を開始したところでございます。  また、直接の所管庁でございます東京都知事におきましても解散命令請求を行う意向であるというふうに伺っておりまして、検察当局におきましては所管庁と関係機関と協力をいたしまして、でき得るだけ早期に解散命令請求を行うように、現在、努力いたしておるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 私は法務大臣の御答弁のとおりだろうと思うんです。やはりこの辺のところは、世論が先に走ったり結論が先に出てきたりというようなことじゃ、これはもうとてもたえられるものじゃないと思います、どうせ訴訟になるわけでございますから。そうしますと、やはり訴訟にたえ得るだけの資料をきちっと整備して、そしてそういうふうな中で請求手続が地道に着々と進められていくということでなければならないと思います。  そういうような観点から申し上げまして、きょうの私の議論であるいは御理解いただけるかどうかわかりませんけれども、文部省は十分その辺のところを認識していただいて、事件の問題とそれから宗教法人法改正の問題に取り組んでいただきたい。少なくとも国民の前に、文部省がどういうような取り組み方をしているだろうか。宗教法人審議会のことは報道されていますよ。私は当然文部大臣が諮問なさっていると思ったら、諮問じゃないんだと。もうその辺からまたうやむやになってきますよ。  そこで、お聞きしたいことはたくさんございますが、仮にこの八十一条の適用で解散請求がなされるということになりますと、これは私見でございますけれども、この八十一条の一項一号がこれはもうどんぴしゃりいくことは間違いないと思います。しかし、もっと広い意味で、それからもっといろいろなことを考えますと、二号の「第二条に規定する」、第二条というのは宗教団体というのはどんなものであるかということを決めてあるんですが、「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと」、これに該当しないかどうかという議論もこれはやっておく必要があるんじゃないかと思うんです。一号は法令違反、そして「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。」、これはもうどんびしゃりいくことは間違いない。しかし、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為には該当しないわけがないと思うんですね。  ということは、法令違反がもちろん柱になるんだろうと思うのですけれども、それ以外にいろんな要素というのが私はかみ合ってくると思います。だから、そういうふうなことも一応判断の中に入れられておかれるべきではなかろうか。いろいろなことを考えてみますと、そういうような気もしないでもないということを私見として申し上げておきます。  そこで、最高裁判所にお伺いいたしたいと思いますが、仮に、仮にというよりも文部大臣はできるだけ早くなさるとおっしゃっているんですから現実の問題になると思いますが、解散命令の請求が裁判所に出された場合に、内容には触れませんが、内容をまた触れましても御答弁いただけませんので、どういうふうな手続で審理が進められて、そしてこれはどのような形で決定が行われるのか。あえてお伺いしますと、それにこれは初めてのことでございますので、大体どれくらいの見込みといいますか、そこまでなかなか難しいと思いますが、その辺のところをお伺いいたしたいと思います。

石垣君雄最高裁判所民事局長

○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) 裁判所に対しまして、先ほど来指摘されております宗教法人法八十一条一項に基づく解散請求がされた場合の手続の流れでございますが、時間もございませんので大まかに申し上げますが、裁判所はこの八十一条の四項によりまして、当該宗教法人の代表役員もしくはその代務者または代理人及び請求をした所轄庁、利害関係人または検察官の意見陳述を求めるということになります。そして、同条の七項によりますと、解散請求の裁判に関する手続につきましては、同法に規定されているもののほか、「非訟事件手続法の定めるところによる。」ということになっておりますので、裁判所は非訟事件手続法の十一条によりまして必要に応じて証拠調べを実施する。そして審理が終わりますと、裁判所は宗教法人法八十一条三項によりまして、理由を付してこの解散請求に対する判断を決定という裁判形式によってお示しするということになろうかと思います。  そこで、今、どのくらいの期間がかかるのかということでございますが、なかなか難しい問題でございます。解散請求の内容並びにその証拠というものがどの程度整えられるかということにかかるかと思いますので、事案にかんがみ早期審理ということを当然裁判所の方としては考えると思いますが、一概に時期的なことは申し上げかわるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 わかりました。  そうすると、非訟事件手続でございますので、これは原則として非公開でございますね。

石垣君雄最高裁判所民事局長

○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) おっしゃるとおり、非訟事件手続法では非公開を原則としております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 法律によりますれば即時抗告ができるということになっておりますが、即時抗告ができますと、これもまた法律によりまして決定の執行停止ということになるのでございますね。

石垣君雄最高裁判所民事局長

○最高裁判所長官代理者(石垣君雄君) 解散請求に対する決定に対する不服申し立ての方法としては、今御指摘がありましたように、これは宗教法人法の八十一条五項前段でありますが、宗教法人または解散請求をした所轄庁、利害関係人もしくは検察官が決定に対して即時抗告をするということになっております。そして、その即時抗告がありました場合には執行停止の効力が生ずるということになっております。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 わかりました。  一般の国民は、解散命令の請求を所轄庁あるいは検察官がすれば、まあそう遠くない時期に決定がなされてオウム真理教はなくなるんじゃないかというふうなイメージを持ちやすいのでございますけれども、やはり今のことで私自身もわかったわけでございますが、そうなかなか簡単なものじゃないということだろうと思います。  それから、宗教法人法上の宗教団体としての認証の取り消しと憲法で言う信教の自由における宗教活動の自由というのはまた別個の問題でもありまして、やはりそういうふうなことでございますので、私どもは間違った方向に世論が誘導されることを懸念するわけでございまして、そういうふうな実態というものをよく知って、そういうふうな認識の中で判断していくのが大変必要じゃないか、このように思うわけでございます。  時間も参りましたので、最後に法務大臣にお伺いいたしたいと思いますけれども、この種の事案というものをつぶさに検討いたしてみますと、さっき刑事局長の御説明の中にも、もう事実を淡々として述べられているわけなんですが、例えば教団が被害者であるように装う目的で、松本智津夫が代表である東京都内の会社店舗内に、点火した火炎瓶を投てきした云々ということですね。これはもうそのとおりなんですね。要するにこれは自作自演ということですよ。  それから、地下鉄サリン事件を見てみましても、あの事件の目的はどういうふうなことでああいうふうな大胆な犯罪を敢行したのか。不特定多数の国民をもう本当に複数死亡させたり、数千人も負傷をさせている。あの辺の目的も何かあると思うんですね。それはどういうことだろうか。  あるいは拉致事件に関連いたしまして捜査が回ってきつつある。捜査の自をそらすために火炎瓶事件を起こしたり地下鉄サリン事件を起こしたのかもしれないし、あるいはもっと基本的に、社会不安を増長させてそういうふうな中でオウム真理教の威力というものを発揮する。  さっき、言葉は適当でないかもしれませんが、オウム軍事国家の創設という、そういうふうな背景から出た行為なのかどうか、その辺も今後の捜査にまたなければならないわけでございますが、大臣の御答弁は淡々として、全力を傾注してまいりますということでございますが、改めてそういうふうな背景も踏まえて全貌解明についての大臣の御決意をお伺いいたしたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) この一連のオウム真理教事件、まさに我が国の犯罪歴史上全く例を見ない極めて重大また凶悪な犯罪でございまして、我が国の法秩序にまさに挑戦するものでもあると理解をいたしております。  この御質問の背景等につきましては、私なりに考えておりましても、なかなか常人の常識では考えられない事犯が多数行われておるわけでございまして、捜査当局におきましては犯行の背景と申しますか、特に動機、目的、また一連の犯行に関与した者の信条、経歴等その全容を解明し、徹底した捜査をいたしましてこうした動機、目的等を解明し、厳正な処分を求められております国民の負託にこたえられますように全力で日夜傾注をいたしておるところでございます。  今この時点で、一連の事件に対する背景いかん、動機いかんにつきましては、なお今後真相解明に向けて捜査が進展する中でそれなりの御報告ができるのではないかと、かように考えておるところでございます。

下稲葉耕吉自由民主党

○下稲葉耕吉君 終わります。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 オウム真理教の問題につきましては本史に御苦労を願っております。もう前代来聞の規模であり、その目的は一体どこにあるのかというようなことで非常に大きな国民の関心を集めておるところでございますけれども、私はちょっと角度を変えた問題を一つ伺いたいと思います。  それは、報道にもございましたところですけれども、微罪による逮捕とか、あるいは捜査上の都合を理由にした逮捕事実の未発表といったようなことがございまして、この大きな規模の中の一部ではございますけれども、そうした問題点があったのかなかったのか。これはオウムにかかわらず広く一般的な捜査にかかわる問題でございまして、私はこれによってやはり被疑者の人権とか、歯どめのない状態になるということは法秩序の上からいって一つ問題があるのではないかというふうに思いますので、この件につきまして今回の一連の捜査方法とか妥当性、そうした問題について前田法務大臣の率直な御感想を聞かせていただきたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) オウム真理教関係者の一連の犯罪につきまして、結論から申し上げますと、その捜査は法令に従って適切な対処がされたものと承知をいたしておるところでございます。  なお、一般的に申し上げましても、刑事事件の適正な捜査処理のためには、単に外形的な犯罪事実だけではなくて、事案に応じました犯行の動機や目的あるいは共犯者の有無について、特に組織的な背景事情、これを含めて捜査を尽くす必要がある場合がございます。  オウム真理教関係者による事件につきましてもこうした点、またそれぞれの被疑者の逃亡のおそれ、あるいはまた罪証隠滅などのおそれ等もあわせて考慮をいたしまして、捜査当局が法令に従いまして逮捕の必要性を適切に判断して行ったと承知いたしておりまして、特に先生が御懸念であろうと思います基本的人権等について十二分に配慮をしたものと確信いたしておるところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 今後、微罪逮捕といったようなことについてはどういうふうな御所感をお持ちですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) これは法の適正な運用ということに一にかかっておるわけでございまして、法手続その他、これからも法手続にのっとった範囲で行われなければなりませんし、そうであると確信をいたしております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 次に私は、きょう時間をいただきましたのは、戦後五十年の問題としまして、ぜひとも法務大臣並びに法務省幹部の皆様の御注意を喚起したいことがございます。それはフィリピンにおける残留孤児の問題なんです。  私が申し上げておりますのは、現在フィリピンとの間にできている混血児の話ではなくて、戦前と戦中にわたって生まれた日本人あるいは日比両系人の問題でございまして、戦争中被害を受け、また日本軍とともに行動したために戦後非常な迫害を受け、あるいは終戦時に父親の本国強制送還によって残留孤児になった、そういう人たちが現在も非常に悲惨な生活をしているということでございます。  私ども、この問題につきましては、フィリピンの移民というのが日露戦争のころからありまして、主としてマニラ麻の栽培によって、非常な日本人の努力によって栄えてきた。また、日露戦争のころには、マニラからバギオに行く断崖絶壁の道路を、日本人のみがこの難工事を敢行できるだろうというアメリカの将校の進言によって千人余りの日本人が送られ、そして爆破事故あるいは悪天候、悪疫等のために五百人余りが命を失って完成したという、そのことがこのフィリピン移民の始まりでございまして、バギオ並びにダバオといったようなところにこの方たちの相当部分がとどまったと聞いております。  したがいまして、こうしたことから始まったフィリピン移民問題が、その後も戦争によって非常な悲劇の移民であったということに御注意を喚起するとともに、現在残っておりますフィリピン残留孤児、もうその二世は現在恐らく五十歳から七十歳ぐらいの間になっているわけでございますけれども、三千人ぐらいはいるだろうということでございます。  外務省にお伺いしたいのですが、フィリピン全土で日系人と呼ばれる人たちは、推計でも結構ですが、どのくらいいらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。

梅田邦夫外務省アジア局南東アジア第二課長

○説明員(梅田邦夫君) お答えさせていただきます。  先生御承知のとおり、昭和六十三年に外務・厚生省合同のフィリピン残留日系人孤児及び日系二世等実態調査団を派遣いたしまして調査をやらせていただきました。その際には四百六十三名分の結果が判明しております。その後につきましても、政府の方は種々実態調査票を日系人会等を通じて配布したりして実態調査に努めておりますが、我々が聞いておりますところでは、推定一万人程度はおられるのではないかというふうに承知しております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 推定一万人ぐらいおられるということは、当時、最盛期に二万四千人以上いて、そのうち相当数が戦争によって死没されたという事情からは大体納得のできる数がもわかりません。  厚生省が調査をしておられまして、私がいただいた資料によりますと、面接した者と厚生省に調査票を送付した人たちだけでも八百九十六人になっている、今後も増加の可能性はあるということでございまして、こうしたことが全体の背景なのでございます。  それで、次に外務省と法務省にお伺いしたいことなんですが、太平洋戦争開戦前夜の、一九四一年六月十九日から二十一日にかけて、フィリピン全土においてフィリピン政府がすべての在留邦人に対して外人登録を強制したという事実があるのでございます。そして、その結果、二世たちもこれに外人登録を行っているわけでございますね。これは戦争の始まった年の六月ですね、昭和十六年でございます。  それから、さらに戦争が熾烈になりまして、日本軍が上陸をしました。そして、フィリピン全土にわたって軍政を施行いたしました。そして、ダバオ、バギオ、マニラ、そのほか全土にわたって邦人がおられたわけでございますけれども、この邦人社会は戦争協力に総動員をされたということでございます。そして、日本人として軍人軍属に徴用するという前提で全員が戸籍謄本を添付して邦人登録を強制されたという事実がございます。  この事実は外務省、法務省ともお認めになりますか。フィリピン政府の外人登録、そして日本の政府によるところの邦人登録、これはお認めになりますでしょうか。

梅田邦夫外務省アジア局南東アジア第二課長

○説明員(梅田邦夫君) 外国人登録につきましては、一九四〇年九月からフィリピンの中に移民局が設置されまして、そのもとでそういった登録が行われたということは我々も確認しております。  ただ、もう一点、先生の方から御指摘のありました邦人登録につきましては、書類も調べてみましたけれども、我々の方では承知しておりません。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 私、ここに資料を持っておるんですけれども、一つはフィリピンによる外人登録なんです。これは、エイリアン・サーティフィケート・オブ・レジストレーションという題で登録をされているものでして、番地、出生年月日、結婚の状態、身体の状態等が書かれております。これは一九四一年七月十九日にダバオ市に出ているということなんです。  そして、もう一枚の写しがありまして、これは日本領事館の領事、名前の方はちょっと読みませんが、名字の方はキハラという方だと思うんですが、一九四一年七月十四日付でこの当事者が非嫡出子で生まれて、日本人の男性の名前が書いてあって、その者の非嫡出子の娘であるというサーティフィケートを出していらっしゃる。私、これはそちらに差し上げたいと思います。  それから、もう一つあるんです。これは何からとったかといいますと、日系人会がこの戦前、戦争の移民の歴史を非常に厚いものの中に収録していらっしゃる。その中に入っているもので、これを調べていただきたいというのが私のお願いなんです。  「在留邦人の身分登録」というのがあるわけです。それで、これは「告示第二号 昭和十九年七月十日 在ダバオ 帝国総領事館」という名前で出ているんです。何を言っているかといいますと、「当館管轄区域内に在留する帝国臣民一軍人、軍属を除く一は本規定の走るところにより当館にその身分に関する登録願出を為すことを要す。」とありまして、戸籍謄本をつけなさいとかいろいろありまして、漏れなく登録しないと処罰されることもあるべしと、そして不明のところは当館戸籍係あるいは日本人会または日本人会支所に問い合わされたいというふうなことが書いてあるわけです。  これはもちろんその印刷物からとった写しですから、私がお願いしたいのは、こういう記録が恐らく外務省にあるのではないか、これを調べていただきたいと。  それから、在留邦人の身分登録をしたのですから、この書類があるわけだと思うんです。その書類は一体どうなっているのか、どこにあるのか、あるいは本省に送り返されたのか、それとも消滅してしまったのか、その辺についてお調べいただいて御回答をいただきたい、こう思うわけでございます。  このとき、すべての二世の出生が戸籍の方へ報告されたはずなんです。しかし、事務の混乱とか、あるいは書類の消失とか輸送船の沈没とか、そういった、この時期にはもう戦局は非常に緊迫して日本軍は負け戦になっているわけですから、そういう状況で日本に到達しなかったのが恐らく多いだろうと。  こういう場合、法務省に伺いたいんですが、こういうふうな事故によって、届け出をしたにもかかわらず着くべきところに着いていないということは、これは法律上は到達したものとみなすべきじゃないんでしょうか。いかがでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) そういう届け出があればその届け出に基づいて戸籍の記載をするという手続になるわけでございますが、戸籍の記載は市区町村が扱っておりますが、市区町村に届け出なり報告なりそういうものがあった場合に、それを受けて市区町村でそれに対応して記載をするということでございますので、そういう事情によりましても、到達しなかったということであれば市区町村としてはそういう届け出の事実を知ることができないわけでございますので、これはやはり戸籍の記載をすることはできない、法律上もそういうことだと思いますし、また事実上も到達したものとみなすという取り扱いをすることはできないものと存じます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 ですけれども、邦人登録を行ったことは事実なんですね。帝国総領事館の指示によって、告示によって行っているわけです。行っている。しかし、それが届かなかったということを在留邦人の方の一方的な損失に帰するような形で解決するということは、それを認めないということは私はおかしいと思う。それはやはり輸送船が沈没したのか、それとも総領事館でそういうものを焼いてしまったのか、そうしたことを調べていただかなければならないし、その人たちがそういう登録をしたのだということが手記にあらわれている。そういう事実は、やはり法務省限りではなくて政府一体としてこの事実を認めていただきたいと私は思うんです。届け出たものが受け取った方の事故でもって紛失したのを、届け出た人の責めに帰するということはおかしいのではありませんか。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の責任問題ということになりますと、私どもの立場から御答弁をすることができないわけでございますが、戸籍の立場から申し上げれば、そういう届け出行為が発出されたかどうかということ自体を把握できないわけでございますので、政府全体としてそういう事実を把握すべきかどうかということは別問題といたしまして、戸籍の立場から申し上げれば、届け出があったものとして取り扱うということは困難であるというふうに思っております。それはまた、新たな処理という形で対応することができるかどうかという問題であろうというふうに考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 その新たな問題として、つまりそうした事実があったということ、あるいは日本の政府の方で邦人登録をさせている、そういう事実があったということが認められた場合には、それにかわる方法というものに十分御配慮をいただきたいというのが私の希望するところです。なくなってしまったものをここに復元することはできないわけでございますから、それにかわる方法についても十分に目配りをお願いしたいということを申し上げておきます。  次に、戸籍の記載がある場合なんです。孤児の中には日本の戸籍に載っている人がいるんです。この戸籍に載っていれば当然日本人だというふうに認められると思うんですが、ただ困ったことがあるんです。それは何かといいますと、この人たちが長い間、フィリピンの社会からの迫害、つまり日本軍が犯したいろいろな破壊行為、そうしたものの手伝いをした日系社会の人だということで、非常に激しい反日感情の中で隠れて暮らしている、かくまわれて暮らしているという状態だったためにフィリピン名を名乗って生きてきているということが大部分です。したがって、フィリピン名を名乗っているその人と戸籍に載っている人、これは日本名で載っているわけですが、それが同一人物であるかどうかということを証明しない限り、その人の例えは国籍などが認められない、こういうことになってくるんです。現にたくさんの人が現地の日本大使館で申請しているケースは、同一性の証明ができないということを理由にして何年もたなざらしになっているわけでございます。  しかし、こうした特殊な事情下にあった人たちの同一性の証明というのはどういう方法があるのか、どういう方法で証明すればそれが疎明されたというふうにお受け取りになるのか、これを外務省と法務省と両方から伺いたいんです。

蒲原正義外務省大臣官房領事移住部領事移住政策課長

○説明員(蒲原正義君) 在外公館の仕事という観点からお答え申します。  基本的に、同一人性の証明が難しいという場合には、御本人の申請は外務本省を通じて法務省の方に提出いたしまして、そこでその御本人が提出したいろいろな各種資料をもとに判定できるかどうかということにかかってくるわけでございますのできた場合には、それが外務本省を通じて現地の大使館の方に連絡をいたしまして証明がなされるという手続になっております。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) 御質問の場合は、既にその御本人と言われる方の戸籍の記載が日本の戸籍にされているということでございますので、戸籍の立場から申しますと、新たな戸籍の記載という問題は生じないわけでございます。  問題は、今、パスポートの場面で御答弁がありましたような、各種行政の場面でその戸籍に記載された方とその御本人とが同じ方であるかどうかということの事実認定をされるということになる問題であろうというふうに思っております。その際に、どういう資料に基づいて判定するかということであろうと思っております。  ただ、戸籍の場面でそういった御本人かどうかということの確認が問題になる場合について、一般論として申し上げますと、それは御本人が提出された資料に基づいてそれぞれ具体的に検討するほかはない。何があればということを一概に申し上げるのは大変難しい問題であろうというふうに思います。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 常識的に見まして、例えば親族がいる場合はこれはとてもいいんですが、手紙とか写真、それから例えば古い日系人会のよく知っている人、それから学校の先生、クラスメート、あるいは近所の人、そういった方たちのいろいろな証言というものがあれば、それは具体的に疎明されたとごらんになるわけですか。どうなんでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) それはやはり、それぞれ提出された資料、証言内容を記載した書面、そういったものの内容によって判断されるべき問題でございまして、一概に一般的、抽象的に何があればいいというのを申し上げるのは大変難しい問題であるというふうに思います。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 少なくとも、そうした署名をしたそういう手紙とかそうした証言があると、書いたもので証言があるというようなことは一つの材料になっていくわけですね。そうですね。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) もちろん、そういう資料は一つの資料となることはそのとおりでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 次に、戸籍のない場合なんです。  ちょっと急がせていただきますが、戸籍に記載のない場合、地方裁判所に国籍確認訴訟を提起するとか、それから二番目に家庭裁判所に就籍の申し立てをするとかいった方法を要求される場合があるわけです。  ところが、非常に困ることは費用と手間がかかるんです。それで本人の出頭が必要なんです。ところが、その本人たちには日本のパスポートも渡航証明書も発給されていないという、そういう矛盾した関係があるんです。  そこで、フィリピン政府の側ではこれまで、いろいろな結婚証明書とか出生証明書とかいうものの再発行ができるんですけれども、フィリピンの法律でそうなっているんですが、長い間そのことを怠ってきたと言わざるを得ないわけでして、これを出してもらうということができるわけです。これを日本の戸籍に載せるということもできるだろうと思うわけです。  それから、フィリピンでも遅延登録という制度がございまして、これによりますと、古い戦前の結婚それから亡くなった両親の結婚なども含めて、それから出生について一定の証明をもう一度発行してもらうということも可能だと思います。  しかし、この認定作業はなかなか大変だと思われますけれども、最近フィリピン政府は日系人の不幸な履歴にかなり理解を示していまして、その立証作業を合理化するために立証作業を行うための特別の審査委員会をフィリピン政府と日本人会の共同で設置することにしたわけです。そうしますと、日系人のコミュニティーが孤児たちの身元をよりよく知っているということでございます。そのため、去年の四月からことしにかけまして、日系人会とフィリピン政府あるいは市民登録についての最高のフィリピンの行政機関であります国家統計局、こういうところが審査委員会を設置し、審査の方法などに関する協定を結んでいるわけですけれども、そこの審査を経て幾つか証明書が発行されるに至っている。  フィリピン政府の側の一種の公式文書である遅延登録、こういうものについて政府はどういうふうに受けとめておられるのか、またどういう取り扱いをされるかということについて伺いたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) 御案内のとおり、戸籍は日本国民としての身分関係を正確に登録し公証するものでございますので、一般に戸籍の記載をするためには正確な資料に基づいて慎重に認定する必要があるというのが基本的な考え方でございます。  そういうことで、御指摘のような場合に最も確実な資料といたしましては、御指摘がありました国籍認定の裁判でありますとか就籍を許可する裁判でございますとか、そういうものに基づいてやるのが最も確実であるということでございます。しかしながら、それ以外の方法で国籍、日本国民であることを認定できる場合に、今申しましたような裁判を経なければだめだということではございません。  そういうことで、今御指摘の遅延登録の取り扱いの問題でございますけれども、フィリピン国において御指摘のような遅延登録がされた事件本人の身分関係をN本の戸籍に記載することができるかどうか、これはフィリピンの遅延登録制度において日本の戸籍に記載されているものと遅延登録がされた事件本人が同一の方であるかどうか、それから遅延登録に係る身分関係、婚姻関係でありますとか出生関係、そういう関係がどういった資料に基づいて確認されているか、そういった遅延登録制度の運用の状況をも踏まえながら、個々の事案ごとに個別に対応していくべき問題であるというふうに考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 わかりにくい御答弁なんですけれども、遅延登録というものも一つの公式文書としてはお受けになる、ごらんになると。だけれども、それによらない方法であっても妥当なものならばそれで考慮することもある、そういうふうに見てよろしいのかどうか。  やっぱりフィリピンの中で、推定して一万人の日系人の人たちがいるというその事実から考えれば、今までに認めた数の余りにも微々たるものであること、そしてその日系人たちが最下層の生活に陥っている人が非常に多いということ、そういうことを考えますと、私はやっぱり相当前向きに、そしてこうした日系人会あるいはフィリピン政府のこうやって行っている審査の努力というものについて相応の敬意を払われるべきであるというふうに思うわけでございます。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) 最初の方の御質問で、遅延登録がされているということ及びその遅延登録に添付されている認定資料、そういったものが国籍認定の際の一つの資料になるということは御指摘のとおりでございますし、また必ずしも遅延登録がなければ国籍認定ができないというものでもないということも、御指摘のとおりであるというふうに考えております。  それから、今後のそういう申し出がされた場合の取り扱いでございますけれども、ただいま申し上げましたように、個々の事案ごとに資料を審査して適切に対応していくということであろうと思っております。その際には、御指摘のようなことについても十分な配慮をしながらかつ適切に対応していく、そういう姿勢で臨んでいくべき問題であろうというふうに考えております。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 一つ具体的なことについて伺いたいんです。  それは、竹澤大助氏の仲なんですけれども、長野県上伊那郡飯島町に本籍地のある人で、この方は両親とお兄さんが戸籍の登録の登載があるわけですね。ところが、弟である本人についてはそれがないので遅延登録の証明書を添付してお願いを出したと。ところが、町役場は地方法務局に、地方法務局は本省に伺いを立てていると。これは昨年の四月のことでございますから、一年以上経過しているわけでございます。  私がお伺いしたいのは、この件はまさか棚上げで放置されているのではないでしょうね。それとも、今時間がかかっているのは何らかの手続が必要で時間がかかっているのか。私はこれなんかは最も有力な、当然証明ができることだろうと思うんですけれども、まだ戸籍の登録に至っていないんです。それで、法務省がどういうふうに今やっていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) お尋ねの案件につきましては、御本人から戸籍の記載の申し出を受けた市町村から管轄の法務局にその処理についての照会がされまして、照会を受けた法務局において現在のところ、戸籍の記載について検討中という段階でございます。  先ほど申しましたような考慮が必要でございますので若干の時間を要しているわけでございますが、決してたなざらしというようなことはございません。当該法務局においてできるだけ早く結論を出すように、今一生懸命努めているところでございます。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合

○久保田真苗君 たなざらしでなくて、やっていらっしゃるということであれば、ひとつぜひ前向きに御対応をお願いしたいと思います。  少し飛ばしまして、最後に大臣にお伺いしたいんですが、このフィリピンの残留孤児の問題というのが大変最近意識されてきた。非常に気の毒な状態なのでございますけれども、この中には当然のこととして戸籍の登載、そして国籍の回復ということを願っている人もあるし、それから身分、身元を確認して日系人であることの確認を求めている人もある。  大臣に申し上げますが、日系人であることの確認ができますと、これは定住者として在留資格が認められるわけでございます。そして、場合によって教育とか就労とか、そうした日系人社会を非常に低いところから引き上げるという起動力になり得るものでございまして、私はこの件につきましてぜひ大臣に前向きにお取り組み願いたいと。十二日にフィリピンの孤児がいろいろな手づるでグループでやってまいりまして、大臣にもぜひお会いしたいと思っておりますので、どうか激励をお願いしたいと思います。  最後に、前向きにお取り組みいただきたいということで、大臣の御所感を伺いたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) フィリピン残留孤児の方々の問題についていろいろ御指摘をいただいたわけでございますが、議員御指摘のように、フィリピンでの生活におきまして、まさに戦中戦後の混乱の中、日系人であることを隠さなければならない、大変厳しいつらい環境の中におられた。また、今日なお経済的にも低位な立場にあって、まさに御苦労の連続であるというお話を伺って胸の痛む思いでございます。  こうした中で、戸籍の取り扱いの問題につきましてでございますが、御承知のとおり、戸籍は日本国民の身分関係を正確に登録、公証する、あらゆる日本人としての基本的権利の原点を示すものでございまして大変重要な制度でございますので、一般論として、戸籍の記載をするためには極めて正確な資料に基づいて慎重に認定をしてきておることは御承知のとおりでございます。  しかし、御指摘のフィリピン残留孤児の方々につきましては、こうした戸籍制度、我が国の戸籍制度のあり方を踏まえながらも、それぞれの方々の置かれたまさに戦中戦後の混乱の状況等々、特殊な事情も十二分に考慮して適切な十分な配慮をしたあり方というものが検討されなければならない、検討してまいりたいと考えておるところでございます。  また、在留資格の点につきましても、外国人が日系人としての身分を持って我が国に人国しようとする場合に、先ほども就労、教育の機会等もございますが、その身分を明らかにする資料として、権限を有する機関が発行した出生証明書、婚姻証明書、戸籍謄本等の提出をいただき、これらに基づいて日本人の配偶者等または定住者の在留資格を決定いたしておりますが、しかしこれらの証明する書類も先生御指摘のいろいろ厳しい事情がございます。こうした点では戸籍と同様な配慮がなされなければならないと理解をいたします。また、父子関係が明らかになっていない場合でございましても、今日、父親を捜す等の目的で入国申請がありました場合は、父子関係の蓋然性、確からしさと申しましょうか、等に応じまして、九十日間でございますが短期滞在の在留資格で入国を認めておるという現状にございます。  今田、フィリピンの残留孤児の置かれた歴史的な立場も踏まえながら、適切な配慮をした対応をしてまいりたいと、かように存じております。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 まず、オウム真理教団をめぐる不法事案につきまして質問をいたします。  まず、検察当局におかれましては、大変困難な捜査を遂げられまして、今回の地下鉄サリン事件を初めといたしまして起訴をすることができたわけでありまして、改めて敬意を表し、また激励をさせていただきたいと思います。  このオウムをめぐる不法事案につきまして、先般の衆議院予算委員会で村山総理からいみじくも際どい別件逮捕という発言がありました。以後取り消しをされましたが、私は、率直にそのときにおける感想を述べたんではないかというふうに思います。実際、今回の捜査方法をめぐりまして、別件逮捕であるとかあるいはないとか、あるいは別件であっても今回はいいんだとか、いろんな議論があるわけでありまして、私は、これはこの際、きちんと整理をしておく必要があると思います。  冒頭にお断りしておきますが、決して私はオウム真理教団を弁護したり擁護をするという気持ちは毛頭ないわけでありまして、国民全体の問題として考えなければいけないと思います。つまり、国民すべてが、およそ一般的に言いますと、刑事被疑者になったりあるいは被告になったりするという可能性は、だれもが全くないというわけじゃないわけです。交通事案による過失犯というのもありますし、あるいは場合によっては誤認逮捕ということだってないわけではありませんので、要するにこの逮捕勾留における適正手続ということがもういささかたりともないがしろにされたのでは、これは国民全体の人権にかかわる問題である、そういう意味できちんと整理をしなければいけないと思います。  そこで、別件逮捕に限ってお聞きしますが、そもそも別件逮捕というのは何を指すのか、その辺明確にしてください。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) いわゆる別件逮捕あるいは別件勾留と申しましょうか、これは刑事法学上の一つの概念でございますけれども、これは説く人によりまして内容はいささか異なっているようでございます。  違法な捜査方法であると言われておりますいわゆる別件逮捕勾留と申しますのは、本件、仮にこれをA事件と申しました場合に、それにつきましてはその段階において被疑者を逮捕勾留するだけの嫌疑がないのに専ら本件、A事件について被疑者を取り調べる目的に基づいてそれとは異なる別件、つまりB事件により被疑者を逮捕勾留して、その身柄拘束期間を専ら本件、A事件についての被疑者取り調べに利用する捜査方法を指すものとして用いられていることが多いと理解しております。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 そうしますと、確認しますが、今おっしゃった意味での別件逮捕勾留というのは法務当局としても違法であると、そういう認識でよろしいわけですね。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 今申しましたような別件逮捕は、いわゆる令状主義を潜脱するものとして違法であると考えております。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 今回、逮捕は司法警察員が行っているのだと思います。刑事訴訟法の百九十三条一項に、司法警察職員に対する検察官の指示と。その中に、捜査を適正にするための一般的指示を行うことができるという規定があるわけであります。これは権限でもあり、また責務でもないかと思いますが、この規定から考えますと、仮に警察におきまして、司法警察職員におきまして別件逮捕というようなことが行われる場合には、それをこの一般的な指示権でもちまして抑制しなければいけない、自制をしなければいけない、それが検察の役目である、そういう理解でよろしいでしょうか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 今御指摘の刑事訴訟法肯九十三条の一般的指示権の内容につきましては、御案内かと思いますけれども、実は警察当局と法務・検察当局といわば歴史的に解釈が分かれておりまして、捜査の適正といいましょうか、これについてどの分野にまで及ぶのか、いささか争いがあるところでございます。  ただ、いわゆる令状主義ということになりますと、当然司法関係のチェックを受けるわけでございまして、警察当局と検察当局との関係ということになりますと、その一般的な協力関係のもとで適正な捜査が行われるように図っていくと。必ずしもこの百九十三条一項の指示によってということを別にしまして、いずれにいたしましても法治国家におきます法秩序維持のためには、それぞれ、法執行機関として適法な手続による執行が求められているということは当然のことだと考えております。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 大臣にお聞きいたしますが、そういうことを踏まえまして、先ほども質問にありましたが、今回のオウム真理教団をめぐる不法事犯をめぐる捜査、この今回の件につきまして、いわゆる先ほどの説明の違法な別件逮捕勾留というのはあったのかなかったのか、それはどう認識されていますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) オウム真理教関係の捜査におきましては、法令に従った適正な逮捕が行われたと認識をいたしております。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 私もそれを信じたいわけでありますが、ただし、まあいろいろ報道で言われているわけですね、微罪による逮捕と。要するに、通常であれば逮捕されないような事案につきましてもオウム関係ということで逮捕されていると言われているわけです。  ちょっと五つばかりその事例を言いますので、法務当局でそういう逮捕の事案を確認しているかどうか教えてください。  一つは、道路運送車両法違反による逮捕ということですね。国道一号で車検の切れた四輪駆動車を運転していた人を逮捕した、オウムの信者をですね。二つ目、道路交通法違反。駅の近くの歩道上で教団のビラを配ったり、ひれ伏してお祈りをするなどして、警察署長の許可を得ずに道路を使っていたということで逮捕と。それから、東京ドームの二十二番ゲート付近で許可を受けずにビラを配り、署名集めをしたと。野球が開いているときだと思いますね、それは。あるいは、有名なあれで、ホテルに宿泊した際、宿泊カードに他人名義を記入したというんですね。もう一つ、盗難業転車に乗っているところを職務質問されて、占有離脱物横領罪ということで逮捕されたと。これは現行犯逮捕なのか令状逮捕なのかちょっとわかりませんが、こういう事例は今回の捜査に関してあったんでしょうか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) いずれも報告を受けております。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 そうしますと、率直に言ってこれは別件じゃないかという感じがするんですね。  では聞きますけれども、これはあくまでも今言ったような軽微な罪を調べることを目的として逮捕したんだと、そのような認識ですか。要するに違法な別件逮捕じゃないと、あくまでもそういう、宿泊カードに偽名を記入したという有印私文書偽造罪で、偽造及び行使、そういう犯罪を調べる風的で逮捕したんだ、あるいは道路運送車両法違反という容疑を調べるために逮捕したんだ、そういうふうに認識しているわけですか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 提示されました案件について、それぞれそのときの状況において、もとよりいわゆる本件について取り調べるのが相当であるという判断のもとになされたものと理解するわけでございます。  逮捕の必要性をどのように考えるか、これは事案に応じて、単に対象のいわゆる被疑事実のみでなくて、犯行の動機や目的あるいは共犯者の有無などについて、組織的な背景事情を含めて捜査を尽くす必要がある場合があるわけでございまして、オウム真理教関係者によります今御指摘のような事件につきましても、こうした点やそれぞれの被疑者の逃走のおそれや証拠隠滅のおそれなどもあわせ考慮して、それぞれの捜査当樹が法令の許容する範囲内で適切に対応しているものと考えておるわけでございます。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 今、刑事局長、いみじくも本件についての取り調べという言葉も出たわけですけれども、要するにさまざまな状況下で身柄を拘束して本件についても調べなきゃいけない、本件というのは教団をめぐるいわゆる重大容疑ということですね、ということで逮捕したんではないですか。そうなりますと、先ほどの定義に言う別件という領域に入ってくるんではないでしょうか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) もしそういうふうにとられますと私の説明がまずかったんですが、本件と申しますのは、あくまでもその逮捕されておる事件の本件、こういうことでございます。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 わかりました。  しかし、例えば宿泊カードに偽名を記入したという事案を考えますと、こんな犯罪というのは通常はわかりっこないわけですね、だれか告発でもすれば別ですけれども。要するに、具体的なことは捜査に関することですからお答えいただかなくて結構ですけれども、推測をすれば、やはり尾行をしておったからそういうことがわかって逮捕できたというふうにしか考えられないわけですよ。  そうなりますと、何も宿泊カードの私文書偽造という、それを検挙するために尾行をしていたわけがないわけでありまして、そういうオウム関係のいろんなことを解明するために尾行をしておったら、たまたま偽名でチェックインした、よしということで逮捕したというふうに私は推測するんですけれども、間違っていますでしょうか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) その捜査の端緒はいかなるものか私も承知しませんけれども、必ずしも尾行をしていたと決めつけて考えるのはいかがか。いわゆる容疑者といいましょうかあるいは事件関係者等の広域にわたる発見努力の過程で、いろんな手がかりを得て捜査当局というのは活動するんだろうと思います。  兆時、オウム関連事件の、その中でも重要な事件についての逃亡者というのは数多くいたわけでございまして、宿泊場所を捜査員が地道に当たって、その中で不審な者、不審な宿泊者等を発見する過程で、今御指摘のようないわゆる他人氏名を冒用した宿泊者を割り出して、それを端緒にして逃亡者の発見の資料にするということも必要ではございましょう。  そういう意味で、一般的に申しまして、本名ではなくて偽名で宿泊するということについては、それ自体何か秘匿さるべき特別の事情があるのではないかという嫌疑が生ずる場合が一般的には多いのではなかろうかというふうに思うわけでございます。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 尾行したかどうかというのは私の推測でありますから、御了解いただきたいと思います。  それでは、先ほど指摘しましたような例以外にも、軽微なというと語弊がありますけれども、そういうサリンだ何だというふうなのに比べれば軽微であると思います。そういう罪で逮捕をしたオウム真理教信者につきましても、その逮捕勾留中の捜査におきましては、やはりいわゆるオウムをめぐる重大な不法事犯についての取り調べは実際にはなされているというふうに承知していますか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 個々の具体的な被疑者の取り調べの内答というのは、率直に申しまして私ども承知する立場にないわけでございます。一般的に考えまして、それはもとより、先ほど申しました当該逮捕勾留事実について所与の期間内に調べるのが中心であろうかと思いますけれども、それに関連して必要な、場合によっては他の事件にかかわることについてもあわせて話を聞く、取り調べをするということまでは禁止されていないというふうに考えておるわけでございます。また、それは通常行われているであろうと思われます。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 そうしますと、捜査は警察がやったわけでありまして、どういう取り調べがなされたか詳細には承知をされていないわけですから、そういう意味では、おっしゃいました違法な別件捜査があったのかなかったのかという断定をするお立場にはないんではないですか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) ただ、何といいましょうか、捜査の中身はもちろんわかりませんけれども、一般論といたしまして、捜査当局というのはそもそもそういうものであるということを私どもが信頼できなくして職務は執行できない、こういうことでございまして、現に日夜、そういう法令の許容される範囲内で捜査関係者は頑張ってくれているものと考えております。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 一般論としてそういう信頼関係が両捜査当局にあるのは当然でありまして、警察が違法捜査を行っているんではないかと常に疑いの目を向けているなんということはおかしいわけであります。しかし、今回、私が聞いているのはそういう一般論ではなくて、具体的にこういう指摘があるわけです。今言ったような事例を中心として、これは別件であるとかないとかいう指摘があるんですからね。その場合には、もう少し立ち入って、その指摘の是非について検討するというのが検察当局の立場ではないかと思いますが、そういう信頼しているということだけでよろしいんでしょうか。大臣、どうですか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 結局、何といいましょうか、事案の軽重ということが、御指摘のように、逮捕の必要性という問題に影響を及ぼすということもそれは否定できないかと思うわけでございます。逮捕の要件が備わって警察職員が逮捕する、つまり、現行犯逮捕もございますけれども、今回の場合、相当程度はいわゆる逮捕状による逮捕であったと承知しておるわけでございます。  それが検察段階に送致されましたときに、なお引き続き勾留、取り調べの必要があるかどうか、この段階におきましては検察官が諸般の事情を考慮いたしまして、継続する必要があるかどうか、釈放するのが相当でないか、こういう判断を通して警察の逮捕の必要性、継続性等についてチェックしておるということでございます。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 私がるるこんなことをお聞きしていますのは、今、テレビを見ておりましても一日じゅうやっているわけでありますが、弁護士も出てくるわけですね。しかし、その弁護士さえも今はもう検察官のようなことを言っていろいろ解説をしているわけでして、そういう意味ではこのオウムに関しましてはもう一億総検察になっているというふうに思いますから、やはり言いにくいこともこういうときにはきちんと議論をする必要があるんではないかということで問題提起をしたわけであります。  五月十九日に日本弁護士連合会会長名で会長声明をお出しになっています。これは、こういう世論の中で恐らく声明を出すべきかどうか相当迷った上での声明ではないかと思います。  その中に、「軽犯罪法違反容疑事件など、住居不定等の限定された場合以外には逮捕勾留が許されない軽微な犯罪による逮捕勾留、別件逮捕による取調べなどの事例が少なからず報告されている。このような捜査のあり方は、憲法と刑事訴訟法に定める適正手続に反する疑いがあり、今後の刑事手続全般への影響も含め、懸念を表明せざるをえない。と。  もちろん私が言わなくてもお目通したと思いますが、通告をしておきましたが、この指摘に対しては、大阪、どういう御見解をお持ちですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 日弁連会長からの御指摘の声明は私もよく承知をいたしております。ただ、今回の一連の犯罪捜査につきましては、私としては法令に従って適切に対処しているものと承知をいたしております。  なお、つけ加えますと、軽犯罪法違反容疑で逮捕した事件であると思われるような、先ほど先生いろいろ事例を申されたわけでございますが、私もいろいろ聞いた範囲では、特にその中で住所、氏名等をおっしゃらないという方が非常に多うございまして、こうした点なともこうした逮捕というようなことになっているのではないかという推測を私はいたしておるところでございます。  やはり刑事事件の適正な捜査処理のためには、先ほども申し上げておりますが、外形的な犯罪事実のみではなくて、事案に応じた犯行の動機や目的、共犯者の有無、これらについて組織的な背景事情を含めて捜査を尽くす必要がある、こんな観点から、こうした被疑者の逃走のおそれ、また証拠隠滅のおそれなども考慮して捜査当局が適切に判断して捜査を行っておると、かように理解をいたしておるところでございます。

荒木清寛平成会

○荒木清寛君 いろんな学者の先生の論評もありまして、小さな人権に拘泥して国民全体の基本的人権を考えないのは、木を見て森を見ない議論であるという指摘もあるわけであります。私は、今回の捜査は確かに困難ないろんな障害を乗り越えたわけでありまして評価をするわけでありますけれども、しかし、こういう微罪による逮捕ということがこれがもう常態化してしまっては、まさに日本全国が警察国家になってしまう可能性もあるわけでありまして、そういう危倶を持ってきょうは質問をしたということを表明し、質問を終わります。  以上です。

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二分休憩      —————・—————    午後一時開会

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 六月六日、七日にわたって、オウム真理教関連事件で検察当局としての最初の判断というものが出されたわけでございます。この間、検察、公安調査庁あるいは警察の関係者の方々の御労苦は大変なものだったと思いますが、しかし事件の深さと暗さ、異常さというのはこれからが真相解明の勝負だと、始まりだと思います。  前田法務大臣も大変法秩序維持の責任者として御心労だったと思いますが、私は、法務、特に法律のことについて余り詳しくございませんので、一般常識という立場でこの問題を取り上げてみたいと思うんですが、まず現時点での法務大臣の御心境をお聞かせいただきたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 地下鉄サリン事件初め一連のこの事件、サリンという猛毒ガスによって通勤途上等の一般市民が多数無差別に殺傷されておりまして、我が国犯罪史上全く例を見ない残虐きわまりない悪質な犯罪であると思っております。国民に多大の脅威と不安を与えておりますことは、治安の根底を揺るがしかねない極めて悪質、重大な事件でございまして、現在、徹底した捜査を行い、一日も早く解明をされなければならないという決意でおるところでございますが、この現在解明しつつあるオウム真理教関係の一連の不法事犯、まさに我が国の法秩序に挑戦する重大かつ悪質なものと認識をいたしております。  私もどちらかというと法律の素人でございますが、なおあえて申し上げれば、全容解明に全精力を現在投入いたしておるところでございまして、一部公判請求もいたしたわけでございますが、まだその緒についたという感を持っておるところでございます。これから公判維持に当たりましても、迅速適正な科刑の実現を図るために、犯罪事実のみならず情状にかかわる事実についても立証に万全を期して、法と証拠に基づきまして厳正適正な科刑を求めていかなければならない、かように考えておるところでございます。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 けさほど大臣からお聞きしました報告の中でも、「一般市民を多数無差別に殺傷したという我が国の犯罪史上例を見ない残虐きわまりない犯罪であり、国民に多大の脅威と不安を与えるとともに、治安の根底を揺るがしかねない極めて悪質かつ重大な事件であります。」という異例な表現を使われて、法務当局の心意気というのはよくわかりますが、この一連の報告の中で、テロ、私は無差別テロという、新聞でも使われておりますが、一種のテロ・ゲリラ事件ではなかったかという思いがするわけでございます。  それから、ことしの二月九日、本委員会での大臣の所信表明の中にも特に、「テロ・ゲリラ活動を標榜する過激派集団、企業・マスコミ等に対し不法事犯を敢行する右翼団体等につきましても、なお警戒を要するものと認識をしております。」と、法務省でもテロあるいはテロ・ゲリラという言葉を使用しているわけでございます。  この事件というのは、そのテロ事件という認識をすべきだと思うんですが、その点お考えをお聞かせいただきたいんです。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) テロリズムという用語は、それぞれ、時代によってあるいは政治的立場によっていろいろ意味合いが多く使われてきた経緯もございまして、法務省としてのテロの定義というものを具体的にしているわけではございませんが、一般的に、単なる暴力と違いまして、政治的またはイデオロギー上の目的のために行われる恐怖手段、暴力、またはこれを基礎とする政治体制の組織的・集団的行為によって行われるものを言うと考えておりますが、個人の場合にありましても特定の政治思想等を持っている場合はテロリズムの範疇に入ると、かように理解されているようでございます。  しかし、テロリズムという話は、広く自己の目的実現のために行われる、その対象を選ばない恐怖手段、暴力ととらえることも可能でございまして、こうしたそれぞれの意味を含めて、いわゆる地下鉄サリン事件は、まさに先生御指摘のとおり、市民を対象とした無差別テロであると言うことはできると考えておるところでございます。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 わかりました。共通の認識をされているということで確認をしておきたいと思います。  法務省から届けていただきました公判請求の資料、起訴状といいますか、これを読ませてもらいましたところ、印象を申し上げますと、一つは、かなり文体が教団の組織的犯行であるという、明確にはそう書いていませんが、そういう非常に強い意識を持って起訴状それ自身が書かれているという印象を私は受けたんですが、そういう理解でよろしいでしょうか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 結論的に申しますと、私どもの認識も同様でございまして、この麻原代表を首謀者とする教団の幹部多数が参画しております意味におきまして、組織的な犯行であるというふうに認識しております。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 ところが、ちょっと私、一般人で専門的なことに暗いわけですが、この起訴状の中に犯行の動機についての記載がほとんどない。そう言ったらちょっと語弊があるかもわかりませんが、そういう印象を受けているんですが、何かこれは特別な理由があるんでしょうか。  それから、次席検事の方がたしかこの起訴状を出された後、記者会見で、この地下鉄サリン事件は仮谷さんの拉致事件の捜査の撹乱、これが動機やの趣旨のことをおっしゃっておるんですが、記事というのは正確に載りませんから全部を掌握しているわけじゃありませんが、仮に捜査の撹乱というのが動機だと、主因だということになれば、これは捜査状況が教団側に漏れていたということに裏から見ればなると思います。となれば、関係機関に責任問題というものか生ずると思いますが、その辺についてどのような御所見が、お聞かせ願いたいと思います。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 六月六日に公判請求いたしました麻原彰晃らの起訴状に動機らしい記載がないということは、まさにそのとおりでございます。  これは必ずしも起訴状に、殺人で起訴する場合に、動機を記載してなければならないということはないということが根底にあるわけでございますけれども、この一連のオウム関係事件の捜査につきましては、もとよりいわゆる地下鉄サリン事件が一つの大きな山ではございますけれども、なおその全容の解明のために捜査が続けられているわけでございます。その中で、今般起訴いたしました地下鉄サリン事件をどう位置づけるのか、これは後の捜査の結果をまたないと正確なことはわかりがたい点がございます。  それとともに、このいわゆる地下鉄サリン事件に関係いたしました者のうち、いまだ逃走している者もこれございまして、さらにまた勾留中の者もございます。そういう今後の捜査への影響をおもんぱかる点、及びそれらの関係者の今後の取り調べ結果等も踏まえる必要がある。いろんな思惑があったかとそんたくしておるわけでございます。  東京地検次席検事が起訴発表時点におきまして、御指摘のとおり、捜査の撹乱をねらったのが動機の一つではないかというふうに発表したのは事実でございまして、それはあくまでも起訴時点におきまして証拠上認定し得る動機の一つということでございます。全容は今後をまたなければならぬと思います。  それから三点目のお尋ねの、仮に仮谷さん捜査を撹乱するためということであるならば、その捜査があるいは捜査活動が教団側に流れていたのではないかという点につきましては、時系列的に考えますと、既にその時点におきまして、警察当局におきまして仮谷さん拉致事件の行為者の一人として松本何がしを割り出し、指名手配しておったということがございますので、必ずしも捜査情報が抜けていたということにはならないかと考えます。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 わかりました。  この起訴状の中にいろいろなことが記載されておるんですが、私が最も注目しましたのは、森脇、佐々木両被告の起訴状の中に「サリン約二十キログラムを生成しこという言葉がございます。専門家の話によりますと、サリン約二十キログラムといえば二百万人の致死量だ、こういうふうに言う学者もいます。大変な問題だと思います。  それで、確認しておきたいと思いますのは、検察当局は、この約二十キログラムという大量のサリンの存在とそれを生産できるプラント、これは壊されているかもわかりませんが、こういうものを特定し得るものを持っておるからそういう記載をなさったんだと思いますが、その辺の確認をしておきたいと思います。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 御指摘のとおりでございまして、起訴状記載の日時、これは一定の幅のある日時でございますけれども、上九一色村の教団施設内におきましてサリン生成に必要な機材を用いて約二十キログラムのサリンを当時生成した、つまりその時点におきまして二十キログラムのサリンが存在した、こういうことを証拠上認定しているということでございます。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 よく言われますように、サリンというのは貧者の核爆弾だと、しかも二百万人以上の致死量と言われる二十キロという、しかもこれは使えばまた生産できるという性格のものですが、これは本当に核爆弾数発に値する戦略兵器とも一言えると思います。  それを生産していたということも重大ですが、それを生産できるプラントが存在していたということ、これこそまさに反国家的な、反社会的な、日本の、我が国の憲法体制、憲法秩序を壊そうとする動機がその生産の動機にあったんじゃないかと、私はそう思うわけでございます。内乱のようなものにも使えますし、あるいは国際関係のいろいろな駆け引きにも使えるでしょうし、さまざまな報道、情報がこれをめぐりましてあるんですが、国民はこれらの点について非常にこの事件に関連して心配をしていると思います。  そこで、大臣の報告でもありますように、法令が許す範囲できょうは報告し質疑するということでございますので、捜査の邪魔になったりなんなりしてはいけませんが、現段階で、何のためにサリンを生産したかというこの動機について、御説明いただける範囲で結構でございますが、お願いしたいと思います。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 起訴状の公訴事実に、生成の目的、いわゆる殺人予備が成立するための使用目的ということで、不特定多数の者に使用するといいましょうか、そういう限度のもとで目的を書いているわけでございます。  お尋ねは多分、じゃなぜその殺人を将来行おうとしたのかという究極的目的ということでございましょうけれども、これは今後の捜査をまたなければならないところが多々あろうかと思いますが、いずれにいたしましても、現段階で申し上げることはできないかと考えております。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 わかりました。  それでは、これを別な青い方といいますか抽象論にすりかえますが、命回、殺人罪、殺人未遂罪等で起訴されたわけですが、これからの捜査によっては新しい罪状といいますか、例えば内乱罪とか内乱予備罪とか、そういったもので新たな起訴も理論的にはあり得るというふうに理解してよろしゆうございますか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) 具体的案件を前提の上での理論的ということ、大変これは答えが難しいわけでございますけれども、いろいろと想定される教団の動きというものを考えました場合に、理論的には御指摘のような罰条に当たるということも一概には否定できないのかなということでございます。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 わかりました。これ以上追及は申しません。  公安調査庁長官にお尋ねしたいと思いますが、私は前回の法務委員会それから先般の本会議の質問で、今申し上げたように、大変恐ろしい戦略兵器にも使えるというサリン事件、これをめぐりまして、再発防止のためにも明確な国家意思で組織の解散なり処置・処断をすべきであるということを申し上げてきたんです。報道によりますと、法務省内でも、宗教法人法による組織の解散、午前中に下稲葉先生からのお話がございましたが、それから破防法による解散という二つ、両方の方法があるようですが、これは宗教法人法で解散させて、さらにその上で破防法で解散させる、そういう併用が可能なものなんでしょうか。それと、その二つの方法で処分の差といいますか効果といいますか、どういうものがありますか、ちょっと教えていただければと思います。

緒方重威公安調査庁長官

○政府委員(緒方重威君) 宗教法人法による解散と破防法による解散請求でございますが、それぞれ要件も効果も異なっております。また、具体的な案件の対応についても、やはり要作、効果に従ってそれぞれ異なってくるところでございまして、同時に併用する場合もあれば、あるいは片方だけしかやらないという場合もあろうと思います。理論的には、どちらか一方をやればこちらは立たず、許されないという関係にはないというふうに理解しております。  それから、効果の面でございますけれども、宗教法人法による解散請求、これによる解散命令ということにつきましては、認可を受けた宗教法人の資格を剥奪するという効果は基本的にある。剥奪した結果、財産等の清算手続もしなければならないということに相なろうと思いますが、その宗教法人が今後、団体として、宗教法人としての認可を受けない団体として存続し活動すること自体につきましては、宗教法人法の解散命令は何ら効果の及ばないところでございます。  一方、破防法の方でございますけれども、公安審査委員会におきまして当該団体に対して解散命令が出ますと、直ちにその効果は発生して、以後その団体のためにする行為は団体の構成員は行うことができない、行った場合には当該人物に対して個人の刑罰責任が及ぶということになってございます。  財産の整理の関係につきましては、これは宗教法人法による解散と似たところがございますが、解散命令が確定いたしますと、当該宗教法人は財産を清算しなければならないという規定になっております。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 いずれにせよ、国民はこの処置について注目をしていると思いますので、法律に基づく手続と、そしてしっかりとした判断を再度要請しておきます。  これもちょっと捜査中ということで、あるいはおわかりにならないならおわかりにならないということで結構でございますが、東京の地下鉄サリン事件が発生した直後、報道によりますと、ニューヨークとソウルでサリンでのテロを前提とした緊急厳戒態勢がとられたという報道がございました。それから、昨年の松本サリン事件以来、米国と韓国ではサリンによるテロに強い警戒態勢、そういうものを意識したものが準備されているという報道がありましたが、公安調査庁としてそこら辺のことは承知されていたかどうか。

緒方重威公安調査庁長官

○政府委員(緒方重威君) 委員御案内のとおり、アメリカでは地下鉄サリン事件と前後いたしまして、オクラホマで連邦ビル爆破事件が発生しております。その関連で国内の公的施設等の警戒が強化されたというふうに承知しております。  また、韓国の関係でございますが、本年の三月二十一日に韓国政府におきましては、内務、国防、警察などの関係部署が合同で緊急会議を開きまして、類似事件の対応についての対策を検討したということも承知しております、また、韓国におきましては、サリン事件の発生以前から民間防衛の日というのが決められておりまして、毎月一回定例の訓練をしておりますが、我が国におきまして地下鉄サリン事件が発生いたしましたので、この事件の教訓も取り入れて毒ガ又対策の訓練を行ったということも承知しておる次第でございます。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 再度公安調査庁にお尋ねしますが、私の先般の本会議での、早川容疑者が二十一回ロシアヘ行った、そして十数回北朝鮮に入ったんではないかという報道があるという質問に対して法務大臣から、二十一回の方はそうだと、一方の方については確認できておりませんという答弁がございました。その後、十七回入ったとか十四回入ったとかという報道が続けられておりますが、その後このことについて何か御確認されているかどうか。

緒方重威公安調査庁長官

○政府委員(緒方重威君) 早川被告がモスクワに委員が御指摘のような回数、多数回行っているということは確認しておりますが、北朝鮮に多数回にわたって行ったという事実に関しては確認しておりません。

平野貞夫平成会

○平野貞夫君 時間が参りましたので、最後に大臣に要望しておきますが、要するに現在の刑事法規あるいは今の日本の危機管理体制ではこの種の犯罪というのはもう防ぎようがないものだと思います。恐らく今後、そういう国家危機管理機構を法制的にも制度的にもどうやって整備していくかというのは政治の責任そのものになってくると思いますが、率直に申しまして、破防法でも現在のその状況に適切に適応できるかどうか、大変問題があると思います。  とにかく、民主的な手続とその決定の方法、基本的人権を尊重する、そして自由な国民の市民生活ができるというためには、やっぱり最小限度の生命、財産の安全、危機管理というものは、これは国家、政治の責任体制だと思います。私たちは今、野党でございますが、そこの危機管理機構の整備については、これは超党派でやるべきことだと思います。  きょうの委員会は、先生方お忙しいところ開いていただいて、そういったことにも感謝しつつ、そういう国家危機管理整備体制についてひとつ御努力なされんことを要望して、終わります。

山崎順子平成会

○山崎順子君 本日は、一連のオウム真理教問題とサリン事件について、人権の観点から質問させていただきます。  まず、昨年の松本サリン事件についてなんでございますけれども、まだその当時はオウム真理教の問題は余り出ておりませんで、第一発見者がまるで犯人であるかのようにマスコミに書き立てられたようなことがございました。マスコミのモラルの問題もございますけれども、捜査の方の慎重な記者会見等があったのかどうか、そういったこともありまして、その第一発見者の御家族の苦しみ、その発見者の苦しみを思いますと、高校生のお嬢さんなどは、母親は意識不明のまま入院なさっておりまして、父親が犯人のような言われ方をしてしまって、大変な思いをなさったのではないかと思います。  こういった方の人権について、そういう苦しみがどういやされるのか、警察とかそういった当局が何かおわびをなさったのか、その辺の人権問題について少し大臣の御所見をいただければと思うのでございますが。

筧康生法務省人権擁護局長

○政府委員(筧康生君) 事務当局の方からまずお答えさせていただきます。  この松本サリン事件に関しまして、第一通報者が犯人であるかのごとく報道がなされたということについて、私どもは新聞報道等を通じてしか知っておらないという状況でございますので、具体的な事実というよりもごく一般論としてしか申し上げることはできないわけでございますけれども、誤報によって人権侵害が生ずるというような場合には、それが不法行為に当たるということになった場合には、これは民法の規定に従って名誉回復のための適切な処置をとる、あるいはまた損害賠償の請求ができるというようなことでしかといいますか、その被害が回復できないということになるのではないかと思っております。

山崎順子平成会

○山崎順子君 次に、法務省、検察としてオウム真理教の解散請求を宗教法人法の規定に則して行うとのことでありますけれども、今度のオウム真理教の場合、解散命令が出れば上九一色村で生活している人たちは住むところもなくなるというようなことがあるんです。  そこでちょっとお尋ねいたしますけれども、六月七日の朝日新聞の朝刊に出ているんですが、朝日新聞の調査によれば、オウム真理教の不動産資産は全国二十二カ所に三十億円相当になるというようなことが書かれております。また、刺殺された村井さんの発言によれば一千億というようなことが出ているんですけれども、解散命令が決定した場合にはこの資産はどこが預かることになるのか。それから、これはもちろんオウムの規則に基づくと国もしくは東京都となっておりますが、そこに没収される場合に、麻原代表個人の名義のものとか関連会社の財産も対象になるんでしょうか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) 裁判所の解散命令が確定いたしますと、その財産につきましては管財人が清算手続をすることになります。管財人は裁判所の方が選任することになりますが、その過程におきまして当該宗教法人の財産がどの程度あるのか確定いたしまして、また債権債務については一体どれだけあるのか、場合によりいろんな方々との関係で損害賠償請求とかいろんな形が出てくるかもしれない、そういった場合の債権あるいは債務というものを確定し、債権については宗教法人の債権は取り立て、債務についてはお支払いする。  最後に残った残余財産、これをどうするかということになるわけでございますが、これにつきましては宗教法人法の五十条に規定がございまして、第一項で当該宗教法人の規則の定めによるということになっております。規則に定めがない場合につきましては、同条の二項におきまして「他の宗教団体又は公益事業のために」ということになります。また最後に、いずれの規定によっても処分されない財産につきましては、「国庫に帰属する。」と、こういうふうに規定されているところでございます。  なお、オウム真理教につきまして規則を見てみますと、その規定がございまして、それによりますと、解散に伴う残余財産につきましては、「国若しくは地方公共団体、又は責任役員の総数の三分の二以上の議決によって選定した他の宗教法人その他の公益法人に帰属する。」と、こういうふうに規定されておるところでございます。  したがいまして、この残余財産をどうするかというのは、この規定に従いまして清算人の方できちんとやっていただく、こういう形になろうかと思います。

山崎順子平成会

○山崎順子君 そうしますと、例えばオウム真理教関係で損害をこうむった労災、その労災申請が過去最大の二千三百十二件に上っておりまして、千九百五十一件が認定されているということですけれども、このような損害をもし先に補償してくれということであれば、先にそれは債権のような形で補償されるんでしょうか。

中根孝司文化庁文化部宗務課長

○説明員(中根孝司君) 今の労災の話でございますが、労災の規定ということから一定の財団といいましょうか、そういうところが先に被害者の方にお支払いすると。それを受けて、当該宗教法人が犯罪をやったということが立証できるということであれば求償権を行使して、現段階でもそこが確定しておればできるんではないだろうかと思います。具体的には労働省さんの話になろうかと思います。

山崎順子平成会

○山崎順子君 ちょっと一般信者の話をさせていただきたいと思うんですけれども、今、オウム真理教といえば、それだけで大変な悪というふうな形に国民全体が何かなっているようなところがございますけれども、もし仮に今言われているすべての事件がオウム真理教がやったということになったとしましても、一般の信者の方たちがそこにかかわっていたかどうかということはわかりませんし、サリン事件で被害を受けた方々から見ればそういった人もすべて何か加担者のように思われる気持ちがわからないではないんですけれども、むしろ一般信者も被害者だったというふうに言えるところもあると思うんですね。  我が国は自由社会ですし、その基本は自己責任で、子供じゃありませんから、二件以上の立派な成年が入信したということは自業自得というようなことも言えるかもしれませんけれども。ただ、そういった一般の信者がこれから、先ほど言いましたようにもし解散になりということになりますと、出家している方は、今住んでいる場所もオウム真理教の財産として没収されるということになれば住む場所がなくなり、そしてすべての持っていた財産等も寄進した後であれば所持金もないというような状況になります。  そういった人たちに対して、行政側ではどういう手当てができるのか、そこまで踏み込む必要はないのか、ちょっと厚生省の方、その辺を考えていらっしゃるかどうかお聞かせ願いたいんです。

松尾武昌厚生省社会・援護局保護課長

○説明員(松尾武昌君) 全財産をオウム真理教に寄進し生活できなくなった信者の方々に対しましては、生活保護制度の適用も考えられるところでございます。  生活保護制度は、生活に困窮する者が、保護の要作であります資産、稼働能力、扶養義務者の援助その他あらゆるものの活用を行ってもなお生活に困窮する場合に、無差別、平等に適用されるものでございます。また、生活保護制度は原則として要保護者の方の申請に基づいて開始をいたします。  したがいまして、オウム真理教の信者の方々が今後の生活に困窮する場合には、まず福祉事務所に相談していただき、就労、扶養義務者の援助、その他あらゆるものを活用していただくほか、各種の福祉対策等の活用も検討した上で、信者の置かれている状況を十分勘案し、生活保護についても実情を踏まえ適切な対応を行っていきたいと考えております。

山崎順子平成会

○山崎順子君 ちょっと法務省の方にお聞きしたいと思うんですが、報道されているところによりますと、財産の寄進に当たっては、とても寄進とは言えない、薬物を使ったり拉致したりして強制的に奪ったものがあるということでございますが、そのようにして奪われたものは、被害者からの申し出、訴訟がなされた場合は、通常の裁判ルートでしっかり救済されるんでしょうか。  ただ、薬物でとか、強制されたとか、だまされたとか、そういったことはなかなか立証しにくいと思うんですけれども、こういった場合、通常の訴訟よりも原告の責任が減免されるというか、裁判所の方ではオウム真理教のことだったからというふうな類推ができるのかどうか、そういったことについてちょっとお答えいただきたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の薬物を使ったり拉致したりということの場面で考えますと、民法の考え方といたしましては、いわゆる意思能力、行為の結果をしっかり弁識するに足る精神能力を意思能力と申しますが、その意思能力のない状態でした法律行為は効力を生じないということになっております。  したがいまして、もしそういう事案に該当するということでございますれば、その効力を否定して寄進したものを返してもらうという請求権があるということになろうかと思うわけでございます。  そういうことで請求をして争いがあれば、最終的には裁判になるわけでございますが、これはもう裁判所の運用の問題でございますので、私ども何とも申し上げられませんけれども、裁判所において請求の実質に応じて適正に判断されるものと考えております。

山崎順子平成会

○山崎順子君 ありがとうございます。  問題は、今度は、強制的に奪われたものではなくて信者の人たちがみずから進んで寄進した場合の措置だと思うんですけれども、お布施と称する寄進をされたときには、多分この教団がこんなにひどい殺人テロ集団であったというような認識はどなたも持っていらっしゃらなかったと思うんですね。そういった状況で出家者が教団をやめようとして脱会するときに、寄進した財産を例えば返してもらいたいと申し出たときに、これは法的に返還を請求することができるのか、不可能なのか、何らかの救済があり得るのか。民法に九十条の「公序良俗」違反ですとか、九十五条の「錯誤」ですとかいろいろあるようですけれども、この辺もちょっとお教えいただきたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) ただいまも申しましたけれども、寄進した財産の返還を求める方法といたしましては、その寄進という法律行為の効力を否定して返還を請求するということが考えられるわけでございまして、その効力を否定する根拠といたしましては、ただいま委員御指摘のようないろんな民事上の規定がございます。  問題は、個々の寄進行為がそういう無効あるいは取り消すことができる事由に該当するかどうかという事実認定及び法律判断の問題でございますが、これはいずれの場合につきましても、それぞれの行為がされた際の具体的な状況とか目的とか手段とか、そういった諸般の事情を考慮して判断される問題であろうというふうに思います。  したがいまして、そういう請求が成り立つかどうか、これは個々の事案ごとになかなか難しい問題でございますが、これも最終的には裁判所の判断ということになる問題であると考えております。

山崎順子平成会

○山崎順子君 裁判所の判断とか、いろいろ御配慮いただくこともあるかと思うんですけれども、例えば今話しましたような、労災がとにかくすごい、労災の方が、個人じゃなくて、保険をもらう方の人ではなくて、大変な人数の人たちに被害として払わなきゃいけないことで、被害をオウムからこうむったというようなことでそこがまた損害賠償請求をするとか、営団地下鉄が損害賠償請求をするとかという、それからまた個々人の被害を受けた地下鉄サリン事件等の被害者の皆さんからの請求もあったとしますと、そしてそこにまた信者の皆さんからの返還申し立て等、いろいろ裁判が出てくるかと思うんです。  その清算についてどういうふうに、先ほど文部省は裁判所が指定した清算人が清算業務を行うようになるというようなお話もありましたけれども、こういったことは法人と個人とが一緒に損害賠償請求をするわけで、こういうものを一緒に扱うべきなのかどうかということもありますし、事務的な問題だけじゃなくてかなり高度な政治的判断が必要かと思われるんですが、個人的な見解でもいいんですが、法務大臣、政治家としていかがでございましょうか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) これは政治家が判断するというよりも、法制度的に裁判所が指定した清算人が行う行為でございまして、法律家が介入する事柄ではないというのがまず前提でございます。  そこで、債権債務でございますが、先生の御質問は、法人と個人、裁判で個人が優先された方がいいのではないかと、率直に申し上げればこういう御質問だと思いますが、まず、これはまさに裁判所が指定した清算人の判断にゆだねられるということで権利の調整ということは行われると理解をいたしております。杞憂で申し上げれば、オウムの支払い能力の問題等もございましょうし、個人、法人の優劣は原則としてはなく、清算人が判断されるべきものと、かように考えておるわけでございます。  ただ、個人に対する救済でございますが、先ほども厚生省からもお話がございますが、裁判での権利回復という法的手段がとられた後に何ら個人に給付されるものがなかった、ないというような結果になった場合に、まさに財産あるいは所得のない、俗に言う丸裸になってしまうわけでございますから、常識的には身内を頼るか、みずから職業を探すか、あるいは先ほどの生活保護いわゆる福祉制度でお世話をするとか、こうしたことに具体的にはなってくるものと、かように考えております。

山崎順子平成会

○山崎順子君 次に、ちょっと文部省にまたお聞きしたいんですけれども、報道によれば、これまでに保護された子供たちは百人以上に達しておりまして、学齢期にある子供たちは学校にも行っておりませんで、かなり劣悪な生活環境に置かれていて、体格、体力等も著しく劣っていると聞いておりますけれども、何の罪もない子供たちの人権が踏みにじられたというのが実態がと思います。  そこで、早急に就学させて正常な生活状態に戻してあげることが急がれるんですけれども、その受け入れ体制をどうするか、これは大変な重要な問題だと思います。心のケアの問題や、また学力が劣っているために就学したときにどうなるのかということで、学齢と年齢のずれを認めるのかどうかの問題、就学の問題ですね。  それと、画一的な教育の中では少しでも違った形の子がいるとそれがいじめの発生にもなりかねないというところもあります。そういったいじめの懸念もありまして、子供たちをどう受け入れていくかというのは、ある教育の専門家に言わせますと、日本の教育を試すリトマス試験紙とまで言う方もいらっしゃるんですが、このような子供たちの受け入れについて文部省はどのような対処をなさるおつもりか、お聞かせいただければと思います。

上杉道世文部省初等中等教育局小学校課長

○説明員(上杉道世君) 現在、保護された子供たちにつきましては、児童相談所におきまして一人一人の状況を詳しく把握していただいているところでございます。これからどこで生活し、どういうふうに学校に通っていくのがいいかということも含めて、一人一人の状況に応じた対応をしていくことが必要だと考えております。  先生御指摘いただきましたとおり、これらの子供たちの中には基本的な生活習慣が身についていないとか、あるいは長期間学校教育を受けていなかったことによって年齢相当の学力が身についていないといった難しい問題を抱えておりますし、また一人一人によってその度合いも違っているわけでございます。  これにつきましては、やはり個々の状況に応じまして丁寧な、きめ細かな対応が必要であろう。例えば学習のおくれについては、基本的には年齢相当の学年に入るわけでありますけれども、いろんな形で補習をしたりすることも必要かもしれない。あるいは御心配のいじめの点につきましても、今、いじめの対策ということで昨年来いろいろな取り組みをしておりますけれども、これらの子供たちの受け入れに当たって、周囲のほかの子供たちゃ保護者の温かい理解も得ていくように学校としては努力する必要があるわけでございます。そういった面で、各学校あるいは関係の教育委員会に対してそういった対応をしていただくようにお願いしているところでございます。  いずれにいたしましても、大変難しい問題でございまして、関係の教育委員会、学校、児童相談所等連携して取り組んでいく必要があると考えております。

山崎順子平成会

○山崎順子君 子供の問題についてはそうした文部省で学校の対応とか、それから厚生省の方でも児童相談所等の対応がかなりできると思うんです。  先ほどの大人の信者のことなんでございますけれども、大臣もきちんとお答えいただきましたように、仕事のない人には労働面で、また住居のない人には住居の確保や生活保護やいろんなことが考えられるとおっしゃいましたけれども、まず窓口みたいなもの、強制なんかはできないんですが、ここに来たらある程度いろんな相談に乗りますよというような窓口、受け入れ体制みたいなものはあってもいいんじゃないかなというような気がするんです。それが文部省とか厚生省の子供向けのようにきちんとした部署がないような気がするんですが、これは厚生省の担当になるのか。  そういった受け入れ窓口的なものをとりあえず設けるのと同時に、ある意味で大人もリハビリ的なカウンセリングが必要なんじゃないかと思うんです。そういった一般信者の方が社会復帰をしやすいようなカウンセリングとかリハビリ対策みたいなものは、厚生省の精神保健課等ではどんなふうに考えていらっしゃるのか、お答えを聞かせていただきたいと思います。

吉田哲彦厚生省保健医療局精神保健課長

○説明員(吉田哲彦君) お答え申し上げます。  もう先生御案内のとおり、近年の社会生活環境の急速な変化によりましていわゆる又トレスを持った方々が非常に増大しておりますし、また国民自身が心の豊かさを重視する傾向が非常に強いわけでございます。したがいまして、国民の精神的健康の保持・増進を図ることは大変重要なことでございます。  そのため、厚生省におきましては、昭和六十年度から各県に設置してございます精神保健センターにおきまして心の健康づくり事業というものを推進してございます。これによりまして、地域住民の方々に対します啓発普及あるいは相談、カウンセリングといったものをやってきたわけでございます。また、平成二年度からは、そのセンターにおきまして心の電話というものを新設いたしまして、これによります相談体制の充実を図ってきているところでございます。その結果、平成五年によりますと、カウンセリングを受けられた方は全国で約七万人ほどおられますし、心の電話相談は五万五千件ほどございます。  したがいまして、このセンターにおきます心の健康相談事業、これを今回のオウム真理教の信者の方々の社会復帰においても活用していただければと、このように考えている次第でございます。

山崎順子平成会

○山崎順子君 そういったものがある、それからまた生活保護もあるということは重々存じておりますけれども、できるだけPRといいますか、温かくここで受けとめることができるんですよということを信者の方たち、それだけじゃなくて一般論でいいましても、そういったことを必要とする人たちが行きやすいような、かけやすいような、そういったことをぜひ心がけていただきたいなと思っております。  それで、きょう、こういった一般信者の側の人権等について質問させていただきましたのは、今度の一連のオウム真理教問題といいますのは、ただオウムが悪い悪いというような形ではなくて、これはオウム真理教のような一種狂信的な集団に若者たちが魅力を感じて入っていくというのは、今の社会の教育ですとか家族の問題ですとか、それから社会の問題になるんでしょうけれども、画一的で、ある、ちょっと外れた人たちはどこにも行き場がないような、そういった社会の問題が本当にここに露呈しているように思えてならないのです。  吹きだまりのようにしてそこに行った人たちが、そこからまた今度社会復帰するときに、偏見を持って見てしまってはますますこういった社会が助長されていくような気がしてならないものですから、できるだけ温かい受け入れ体制をつくっていくのが行政の責任でもあるかなというふうなことを思いましてきょうの質問にさせていただいたんですが、いろんな部署で一生懸命それは御配慮をいただいているようですので、今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思いまして、私の質問を終わります。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 翫正敏です。  先ほど刑事局長が御答弁の中で、地下鉄サリン事件の被疑者たちを内乱罪とか内乱予備罪で起訴するということも必ずしも二面的に否定されるものではないということをおっしゃったんですが、既に殺人罪で起訴されている人をさらにプラスして内乱罪とか同予備罪で起訴するということは、それは別に構わないわけですか。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) ちょっと今のお答えの前にお断りさせていただきたいんですけれども、平野委員が理論的にということで、あくまでも…

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 だから、私も理論的に聞いている。

則定衛法務省刑事局長

○政府委員(則定衛君) そういうことでございまして、御了解願いたいと思います。  それから、今の点でございますけれども、一般的に理屈の上で考えました場合に、殺人罪と内乱あるいは内乱予備との関係は二通りあるんだろうと思います。理屈の上で、その殺人行為が内乱罪の実行行為の一つというふうに考えられます場合にはそれに吸収されると考えられておりますし、それとは別個の目的等で行われたということになりますといわゆる併合罪という関係になるということでございます。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 それから、先ほどの別のところの刑事局長の御答弁の中で、捜査の情報が漏れているんじゃないかという質問に対して、必ずしも漏れていたとは言えないということをおっしゃって、その一つの理由として、松本何がしという者が仮谷さん拉致事件によって指名手配を既にされていて、そのことでもう、いわゆるオウム真理教ないしその関係者の人が手配されている、調べられるだろうというようなことは周知のことであったと、したがってそのことを理由として捜査の情報が必ずしも漏れていたとは言えないと、こういうふうにおっしゃったと思うんですが、私は若干納得がいかないんです。  なぜかといいますと、強制捜査が行われましたのは三月二十二日でありまして、そして三月二十日に地下鉄サリン事件が引き起こされまして、その以前に警視庁の捜査員などが陸上自衛隊の方へ行ってガスマスクや化学防護服の着用について講義を受けて訓練を受けているという、そういうことが報道されておりますね、事実だと思いますが。  そういたしますと、やはりこれは、事案としては、松本何がしというのが仮谷さん拉致事件で手配をされていたというようなことじゃなくて、そういう情報の問題じゃなくて、やはりガスマスクや化学防護服を着用して捜査に行かなければならないというようなそういう情報が漏れていた、こう考えるのが内然だと思うんですね、そうなれば必然的に、松本サリン事件とか、それから上九一色村におけるサリン生成物が検出されたこととか、そういうようなことなどに基づいて毒ガス対策を警察が自衛隊等から受けて、その上で二十二日に強制捜査をしようということを決めて準備をしていたという、こういう状況の中で二十日に地下鉄サリン事件が引き起こされたと、こういうふうに考えざるを得ないわけです。  したがって、やはり私は、三月二十二日、オウム真理教施設等に対する強制捜査に警視庁などが踏み切るというようなことの情報は、事前に教団の方に漏れていたという疑いが非常に強い、そう持たざるを得ないような客観的な状況であると思うんですが、いかがでございましょうか。

篠原弘志警察庁刑事局刑事企画課長

○説明員(篠原弘志君) 警察の強制捜査の関係でございますので、警察庁の方からお答えさせていただきたいと思いますけれども、三月二十二日の強制捜査に入る前の情勢といたしましては、オウム真理教側の方にやはり強制捜査への警戒心が非常に強かった点がございます。また、報道機関が非常に注視をしていた中でのものでございます。  私ども、捜査を実施するに当たりましては事前に察知されないよう心がけておるところでございますけれども、今回の捜索につきましては極めて大規模で、また各種諸準備を講じておったということでございまして、私ども確認はできておりませんけれども、保秘の点で非常にこの準備作業について難しかった点があるものと考えておるところでございます。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 要するに、漏れていた疑いはないとおっしゃるんですか。

篠原弘志警察庁刑事局刑事企画課長

○説明員(篠原弘志君) これにつきましては、私ども必ずしも確認できる状態ではございませんけれども、先ほど申したような状況から保秘の点でいろいろ困難な点があったということでございます。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 秘密を守るということにですか。

篠原弘志警察庁刑事局刑事企画課長

○説明員(篠原弘志君) はい。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 それで、私が考えますに、そういう捜査の情報が漏れたといたしますとという仮定の質問になってしまうかもしれませんが、現に自衛隊の関係者が五名処分を受けておりまして、そのうち三人は逮捕、起訴されております。二人の人は、これは行政処分ということなんですけれども、有名なのは、オウム真理教の本部に火炎瓶を投げ込む自作自演を十九日の日にした自衛官もいるんですけれども、こういうような自衛隊員の不祥事に対しての責任をとって、監督責任ありということで、きのうは防衛庁長官や幹部の方々十七人が減給処分とかそういう注意処分というようなものをみずからして、綱紀の粛正を図る決意を示されたということは、これは大変結構なことだと思いますが、現に五人の現職自衛官の人たちがこのようなことになっております、  それぞれの人のいわゆる、刑事事件の問題はともかくとしまして、規律違反というようなことの概要を見ますと、情報提供をした、それから内部資料を部外者に提供したとか、それから建物に不法侵入したというような人の場合でも、情報を盗んでその情報を提供しようとしたというふうなことが考えられる。もう一人の人も情報提供したと。こういうような情報提供というようなことがそれぞれありまして、ここから考えますと、いわゆる自衛隊ルートによって捜査の情報が漏れたのではないかという疑いが私は非常に濃いと、このように思います。  そこで、防衛庁の方に来ていただいておると思いますのでちょっと質問いたしますが、四月二十八日付で、刑事処分の方はちょっと今、ともかく別にしますが、行政処分を受けました陸自第一空挺団所属の自衛官の方二名、この人は警視庁などが非常勤務体制ということで捜査をしようということで態勢をとっていたというような、そういうことは知っていたと私は思うんですが、これは本人から事情聴取したときにそのことを聞かれたと思いますが、どうでしたか。

新貝正勝防衛庁人事局人事第一課長

○説明員(新貝正勝君) 防衛庁におきましては、白井三等陸曹それから浅野三等陸曹かオウム真理教関係者に内部情報を提供したということで懲戒処分をいたしました。これは平成七年の三月二十日から二十三日までの陸上自衛隊第一空挺団の非常勤務体制及び災害派遣準備状況についての内部情報を相手に提供したということで処分をいたしたものでございます。  それで、先生今おっしゃいましたように、事前に相手に知らせたんじゃないか、あるいは我が方のことあるいは警察のことについて何か知らせたのではないかということでございますが、これは警察のことについては詳細なことを知り得る立場には彼らはいないわけでございます。それで、我が方のことについても、これを事前に知らせたわけではございません。事後になりまして相手に知らせたと。ただ、報道等によりますと、何となく事前に知らせたような書き方になっておりますけれども、事前でありますとこれは自衛隊法違反ということで、もっと重い罪になります。  そういうことでございます。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 じゃもう一度、警察の方とさらに防衛庁の方の人にもあわせて聞きたいんですが、このオウムヘ三月二十二日に強制捜査に入るということを前にして、警視庁が自衛隊の方でガスマスクや化学防護服の着用の訓練や講義を受けて、そしてさあ捜査に入ろうと、こういうふうにしておったわけですが、この情報といいますか、こういう状態であったということはもう非常に強固な秘密保持で外に漏れないようになっていたと、こういうふうに言えますか。やっぱり漏れる可能性、先ほどはちょっと難しい面もあったというふうにおっしゃったと思うんですか、漏れたかもしれないと、こういうふうに受けとめていいんですか。

篠原弘志警察庁刑事局刑事企画課長

○説明員(篠原弘志君) 完全と言われると非常に難しい話でございますけれども、御指摘の着装訓練に当たりましては、私どもといたしましては、警察施設内あるいはその他秘匿性の確保できる場所において実施をしていくということと、内部的にも関係者以外に知られないように秘密の保持のための努力をしておったところでございます。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 漏れたのではないということならば大変幸いだと思いますが、先ほど申しましたような理由によって私は、自衛隊からということは断言できないとは思いますが、情報が事前に漏れたことによってこの狂信者集団が大事件を引き起こしたという、そういう可能性も否定できないというふうに思えてなりません。  松本何がしが仮谷さん拉致事件で手配されていた、これの捜査撹乱のためにやったというにしては、余りにも引き起こした事件が大規模であると。内乱罪に近いような、そういう大規模な殺人・テロ行為を行っているということと、一人の人を拉致して、結果は殺したんだろうと言われておりますけれども、そうであったとしても、そのことの捜査を撹乱するためというにしては余りにもという感じがして、やはり松本サリン事件とか、その後、その地区のところでサリン関係の生成物が発見されたというようなこと等々が報道されていて、それでやっぱり自分たちが毒ガスをつくっているのがばれたんじゃないかというようなことを感じていたところ、ちょうど警視庁と自衛隊が合同訓練をしているという情報が入った。これはもういよいよだ、やばいというので、それを使って報復攻撃というんでしょうか、わかりませんが、そういうのに出たというふうに考えるのが自然ではないかと、このように思います。  思いですから、申し上げて終わりますが、五月二十四日付で処分をされました第二対戦車ヘリコプター隊所属の自衛官がいますが、この人はやはり内部情報を提供したということになっていますが、防衛庁の方で事情聴取したと思いますが、どんな情報を漏らしたんですか。

新貝正勝防衛庁人事局人事第一課長

○説明員(新貝正勝君) これは今中二等陸尉の件でございますけれども、一つは、注意文書に当たります航空部隊編制表というものでございます。他に五点ほどございますが、それは注意文書でも何でもありませんけれども、内部の資料という位置づけになっております。一つは化学武器防護ハンドブック、特殊武器の現況とすう勢、AH航空機無線回路図、航空機装備アンテナ、協同戦術課程教育資料でございます。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 オウム教がサリンをつくっているとかそれを散布する、ばらまくんじゃないかというような、そういう情報を知っていたというような可能性は排除されているというふうに理解していいですか。

新貝正勝防衛庁人事局人事第一課長

○説明員(新貝正勝君) 御指摘の自衛官がオウム真理教の関係者からこの内部情報の要求を受けたわけですが、そのときに相手が言ったことは、教団が毒ガス攻撃を受けているので、毒ガス防護に関する資料等について何かないかということを執拗に要求されたと、そういうことからこの化学武器防護ハンドブック等を渡したと、こういうことでございまして、ばらまくとかつくるとか、そういうことではございません。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 一応わかりました。  防衛庁に最後にお聞きして終わりますが、このオウム教に相当洗脳された人がたくさん自衛官や自衛隊員にいるようなんですが、信者が何人おるかなどを調べろとは申しませんし、調べているとも思いませんが、情報提供の要求を受けて、その働きかけによって情報提供をしたとか、その他そういう、例えば犯罪行為、例えば自衛官としてのふさわしくない行為、オウム教の誘いによってこういうふうなことをした人はもうこれ以上いない、五人で終わりということは防衛庁として責任持って断言できますか。

新貝正勝防衛庁人事局人事第一課長

○説明員(新貝正勝君) 内部情報の提供者ということでは、これまで処分を行いました五名のうち、先ほどお話しいたしました向井、浅野、今中の三名のほか、郡司陸上長という者がございます、以上四名の者が内部情報を提供したということで処分をいたしたところでございます。  これ以上ないかと言われますと、これは今後のことでございますので確たることは申し上げられませんが、これまでの調査の結果では今のところで終息するのではないかというふうに思っております。

翫正敏平和・市民

○翫正敏君 わかりました。  終わります。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 日夜、警察庁におかれましては、大変御苦労さまだと敬意を表します。  その警察庁に質問をさせていただきます。  今回の地下鉄サリン事件を初め一連の犯罪の特徴というのは、宗教法人オウム真理教の大がかりな組織犯罪であったのではないか、それに尽きるのではないかと思います。それも、オウム真理教団の組織だけではなく、これに関連する企業グループが合法あるいは非合法の形で犯罪に関与していた、つまり企業ぐるみの犯罪ではないかと見ることもできると思います。この点については今後法廷で明らかにされると思いますが、本日はオウムの関連企業という観点から幾つかの質問をさせていただきます。  そこで、捜査当局にお伺いしますが、オウム真理教の幹部が役員についている企業は幾つくらいあるのでしょうか。また、それら企業の中で、今回の事件に関連して強制捜査されたのは何社なのか、お答えいただきたいと思います。

篠原弘志警察庁刑事局刑事企画課長

○説明員(篠原弘志君) 警察におきましては、犯罪捜査を遂行する上で必要な範囲ということで関連企業の実態について情報を収集いたしますけれども、オウム真理教自体の関連企業一般につきまして、その実態はどうかということについて、私ども、申し述べる立場にはないというふうに思っております。  ただ、こういう関連企業を通してのいろんな薬品等の大平というものは現実になされておったということでございまして、これらにつきましては数十という相当多数の企業が関連をしておったという状況でございます。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 この「財界展望」というのにも数は載っているんですね。ですから、現在把握されているだけでどれぐらいあるのか、もう一度お伺いしたいと思います。

篠原弘志警察庁刑事局刑事企画課長

○説明員(篠原弘志君) 「財界展望」に載っておるというのは承知をしておりますけれども、現実の問題といたしまして、それがどの程度の実際の関与の度合いなのか等につきましてはかなり不分明な部分がございます。したがいまして、私ども、数的なものにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 それでは次に、警察庁などの調査によりますと、オウム真理教は全国二十二の都道府県に百二十三カ所以上の拠点があって、それら拠点の中には多くの関連企業が介在していると言われております。カレーショップ、ラーメン店、あるいはサリンの原料を提供したダミーの化学薬品会社まで、その業種も多彩で、まさにオウム企業群が教団の周辺にあったと」言えるかと思います。これらオウム関連企業は、営業と称して実はオウム真理教の崖下のもとで一連の事件に深くかかわっていたのではないかと思いますが、この点について捜査当局はどのように認識されているか、お伺いいたします。

篠原弘志警察庁刑事局刑事企画課長

○説明員(篠原弘志君) 御指摘の点の中におきましては、今後の捜査、公判等に支障を生ずるおそれもございますので詳細な答弁は差し控えさせていただきたいというふうに考えておりますけれども、オウム真理教に関連を有すると見られます企業が、サリンの原料物質あるいは機材等の購入、調達にそれぞれ複数社がかわっていたということは、私ども捜査の過程で承知をしているところでございます。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 ありがとうございました。  次に、法務省にお伺いいたします。  地下鉄サリン事件等の犯罪が明らかになれば宗教法人法に基づいてオウム真理教の解散請求がされると伝えられておりますが、そのような場合に関連企業の扱いはどうなるのでしょうか。一説には、教団が解散になっても、それとは別法人である関連企業は存続し、オウムの拠点として活動をし続けるのではないかとも言われていますが、これに対してどのような対策をお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。

緒方重威公安調査庁長官

○政府委員(緒方重威君) 破壊活動防止法の観点から私ども所管する範囲においてお答えしたいと思いますが、委員御案内のように、破壊活動防止法で対象とする団体は暴力主義的な破壊活動を行った団体ということでございまして、宗教法人に限らずあらゆる任意団体に対しても、その団体が暴力主義的な破壊活動を行い、かつそれを今後も行うおそれがある場合には団体として解散請求ができるものでございます。  お尋ねの関連企業でございますが、問題は、関連企業とその主体となるオウム真理教との関係に相なろうかと思いますが、これにつきましては具体的な事実関係を見なければわからないところでございまして、目下その点につきましては、それぞれ、警察、検察においても捜査をしているところでございますし、公安調査庁といたしましても、今、調査を進めているところでございます。  したがいまして、ここで端的に、関連企業も団体として解散請求ができるのか、あるいは別途になるのか、あるいは財産関係はどうなるのかということについては、必ずしも確答を申し上げにくいところでございます。  しかし、大きな真理教の団体としてのごく一部門であるというような形で仮に事実が把握されるようになれば、やはりおのずからそこに結論が出てくるところだろうと、かように思っております。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 わかりました。  次に、法務省にですが、オウム真理教の財産は違法な手段によってお布施と称して集めた財産等で構成されていると認識しているようですが、教団を脱会した善意の信者たちにはこの財産を返還されるべきものと私は思っております。  そこで、法人の解散請求がなされ、教団財産が清算されることを避けるために、オウム真理教団はその財産を数多くある教団関連企業に移すなどして財産隠しをするのではないかと懸念をされるのですが、善意の信者の財産を確保するためにもこのような行為を阻止する法的手段、例えば財産流出・隠匿禁止の処分などを考えているのかどうなのか、お尋ねしたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の、お布施として寄進した財産の返還を求める、そういう請求権が認められるかどうかということにつきましては、先ほど山崎委員の御質問でもお答えいたしましたけれども、それは個々の事案によって判断される問題でございまして、それ自体なかなか難しい問題でございますが、ただいまはそういう請求権があるということを前提としてのお尋ねと存じましたので、その前提で申し上げます。  その返還請求権が金銭をもって返還請求をする権利であるという場合につきましては、その請求権を保全するために、その債権者からの申し立てによって、教団の財産に対して裁判所の仮差押命令を得てその財産の処分を封ずるという道があるわけでございます。また、不動産とか特定の財物の返還を求める請求権があるということでございますと、その請求権を保全するために、当該その財産の処分禁止の仮処分を得て、それを執行してその財産が他に処分されることを封ずるという道が用意されているところでございます。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 次に、人権についてなんですけれども、オウム真理教の幹部が地下鉄サリン事件を起こし、先日、殺人罪などによって起訴されたところでありますが、このことでオウム真理教がいかに反社会的な集団であったかということがわかったわけです。理想的には、信者たちが目を覚まして一日も早くオウム真理教から脱会することが望まれるところでありますけれども、善良な信者たちが家に帰ったとしても、元オウムという理由などによって世間から社会生活を送る上で差別され、社会復帰がおくれたり、あるいはまたオウムヘ戻ったりすることにならないかと私は心配されるんです。  これら元信者たち、善良な信者ですけれども、に対する差別は決してしてはならないというふうに私は思いますけれども、そう簡単にはいかないなという思いもあります。それは、一般社会でも、私どもが生活している上でもよくあることですけれども、私もそういう目に遭ったことがあるんですけれども、あの人は県外者だ、引揚者だということで差別を受けた。だけれども、県外者同士がまとまってボランティアをしようとかということはできたわけですけれども、今回の場合はオウムということで差別をされてしまうのではないかな、そしてまたそのオウムの社会に戻っていくんではないかなという懸念を感ずるんです。  人権擁護を所管する法務大臣としてどうお考えになっておられるのか、お聞きしたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 基本的人権はあらゆる場合においても守られなければならないというわけでございますから、犯罪とは全く関係のないオウム真理教の信者、また脱会をした儒者、すなわち善良な信者と申しましょうか、あるいは脱会した方、これらの方々の人権は当然守らなければならないことは当たり前のことだと考えております。  法務省といたしまして、人権擁護機関を持っておるわけでございますから、十二分に配意し、特に関係者から救済の申し立てがなされた場合等、それぞれ事案ごとに具体的事実に即して、関係機関と連絡をとって、適切に人権が守られるように配慮をしてまいりたいと思っております。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 よろしくお願いをいたします。  次に、警察庁にですけれども、おとり捜査についてお尋ねいたします。  オウム真理教関連事件の捜査では、ホテルに偽名でチェックインした者を私文書偽造で逮捕し、また先ほどもありましたけれども、刃渡り五センチのカッターナイフが車内にあったとして軽犯罪法違反で逮捕するなど、あらゆる刑罰法令を駆使して微罪による逮捕も行われ、村山首相が思わず、際どい別件逮捕でと口走って、あわてて取り消すほどでした。凶悪事件に対する捜査とはいえ、人権を配慮した適正手続保障は必要です。  ところで、前田法務大臣は、去る四月二十日の衆議院予算委員会でのサリン問題についての集中審議で、おとり捜査や通信傍受について、密行性の高い犯罪の解明に有効適切に対処する観点から検討すべきであると答弁されました。おとり捜査は、従来、麻薬取締法に規定がありましたが、間もなく施行される改正銃刀法にも泳がせ捜査、コントロールドデリバリーとともにこのおとり捜査が導入されています。おとり捜査は、組織的で秘密裏に展開されていて情報収集や摘発が困難な事件に効果的であると言われておりますが、同時に、国家が犯罪に手をかし、新たな犯罪をつくり出すことになる危険性もあると思います。一般市民が犯罪に巻き込まれ、善良な市民の人権が侵害されることのないよう、一定の歯どめが必要なことは言うまでもありません。  そこで、まずお伺いしたいのは、麻薬取締法におけるおとり捜査の実績、どのような効果を上げておりますか。また、善良な市民を犯罪に陥れることのないようにどのような配慮をしているのですか。そして、おとり捜査には機会提供型と犯意誘発型とがあり、機会提供型は違法ではないと言われておりますが、この両者はどのように区別され、なぜ機会提供型は適法とされるのでしょうか、その違いをお聞きしたいと思います。

島田尚武警察庁生活安全局生活安全企画課長

○説明員(島田尚武君) 前段の御質問にお答えをしたいと思いますけれども、二件ほど例を挙げてお答えをさせていただきます。  海外から大量に覚せい剤を持ち込み、密売しようとして買い受け人を探している者がいるなどというような旨の情報を入手し、警察側において買い受け人等を用意し、警察官の身分を秘して取引の場に立ち会い、密売人を逮捕するとともに覚せい剤数キログラムを押収してその流通拡散を未然に防止した事例。  あるいは、同様に、大量の覚せい剤を密売するために買い受け人を探している者がいる旨の情報を入手し、情報の提供者等と協力のもと、取引場所に覚せい剤を所持してあらわれた被疑者を職務質問して大量の覚せい剤を発見・押収するとともに、その密売人を逮捕してその流通拡散を防止した事例等があります。  いずれも被疑者において覚せい剤等を所持しており、これを密売しようとして買い手を探しているような場合に、犯人を検挙し、物を押収すべく行っているものと認識しているところであります。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 よくわかりました。  最後に、今回のオウム真理教関連事件の捜査を契機に、多少強引な捜査も認められるということになっては困ります。歯どめをなくした警察権力の行使は、最も大きな犯罪になりかねません。おとり捜査が乱用されることのないよう歯どめをかけ、また、おとり捜査により侵害された個人の権利を救済する法整備がぜひとも必要であろうと思われますが、前田大臣の御見解をお聞きして、終わらせていただきます。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 刑事事件の捜査については、法的手続、まさにデュープロセスにのった手続の中で行われなければならないということは、申し上げるまでもないところでございます。  なお、おとり捜査等々に関して申し上げれば、本委員会でも幾たびか申し上げておりますが、最近の犯罪は非常に密行性、組織性、また国際的な犯罪が非常にふえて、まさに真相の解明が困難な事案がふえてきておることも御承知のとおりでございます。特に真相解明に有効であると言われております通信手段傍受、おとり捜査、刑事免責等々諸外国でも用いられている国があるわけで、それなりの効果をあらわしておることは事実でございますが、こうした捜査手法はやはり憲法上の制約、つまり適正手続の保障の観点といった司法に対するまさに極めて基本的、重大な問題が多数あることは、私どももよく承知をしておるところでございます。  これら捜査手法の導入につきましては、こうした憲法上のまさに問題点や我が国の法制度全体に及ぼす影響などを踏まえながら、特定の事件に限ることなく、犯罪情勢全般の今日の変化の様相、捜査困難化の実情を冷静にまた総合的に分析をし、捜査手続全体、すなわち例えば弁護権などの拡大等も論議をされておる中で、こうしたものを刑訴法全体の中でとらえて検討をしていかなければならないものと考えておるところでございます。

三石久江各派に属しない議員

○三石久江君 終わります。

安恒良一各派に属しない議員

○安恒良一君 私は、空前の惨事となったあの地下鉄サリン事件で東京地検がオウム真理教の麻原彰晃を首謀者として殺人犯などで起訴し、またその他の重立った幹部も順次起訴されて、このオウムの類のない組織的犯行が三カ月に近い捜査の中で固まったと。私は、この間の警察当局、検察当局の組織の総力を挙げた劇夜の努力と苦労に対して、まず心から敬意と感謝の念をあらわします。  そういう状況の中で、ひとつ、危機管理という問題が非常な今議論になっていますから、きょうはその点に絞って、大臣や内閣からも来ていただいておると思いますから聞きますが、戦後五十年の節目であることしに、阪神大震災、地下鉄サリン事件、國松警察庁長官の狙撃事件等、これらすべて国家の危機に関する重大事件が発生をしたわけであります。そして、国家の危機管理能力の見直しがいろいろ議論されています。  そこで、私は、まず断っておかなきゃならぬのは、すべてこれが村山総理の能力問題のようによく議論されています。私はそうでないと。その例を挙げてちょっと説明しておきますと、同じ敗戦国であった西ドイツと日本を比較しますと、日本の総理は五十年間に二十三人おります。ところがドイツは六人なんです。この違いが一つあります。また大臣、前田さんは何代目か知りませんが、ある省に聞いたら、私は五十代目だという人もおるんです、大臣で。ですから、私は、こういう状況の中でこの問題を論ずるんだということをまず冒頭に明らかにしておく。でないと、何か危機管理問題というのは村山氏が能力がないからだと、こんな議論をしたくありませんからその点は、あなたは何代目ですか、大臣。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) ちょっと存じておりませんが、かなり代を重ねておると理解しております。

安恒良一各派に属しない議員

○安恒良一君 まずこれを頭に入れていただきたいと思います。  そこで、私はまず聞きたいのですが、国民的な危機に当たってなぜ内閣が機敏な対応がとれなかったのかということです。  これも役人答弁してもらってもしようがありませんから、私の方から、こういうふうに言われているが間違いないかということで聞きますが、一つは法制度の不備、二つ目にはシステムの欠陥、三つ目にはリーダーシップの欠如、やはり危機管理についてこの三つの観点から点検をする必要があるということがいろいろ言われていますが、大臣並びに内閣はどうお考えですか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 今般のサリン事件等に際しましても、まさかという言葉が最初に出てまいりました。今日の社会の中におきましては、まさかという言葉はないんだという心構えで取り組んでいく必要がございますし、また、科学技術の進展とともに、やはりサリン等も事件が起こるまではサリン等の法律がなかったということ、こうした点も踏まえますと、やはり新しい科学技術の進展に伴い、まさかということを想定した法制度の整備というものも当然必要になってくるのではないか。  また、そうした点、今日、村山内閣におきましてはあらゆる事態を想定して対応する体制というもの、特に官邸の体制強化等、鋭意その構築に向けて努力がなされておるところだと理解をいたしております。

安恒良一各派に属しない議員

○安恒良一君 私は、よくこうして質問をしますと、総理を初め各大臣は、検討中でございます、一生懸命検討していますと言う。だけれども、これほっておったら、また検討検討で終わったらいけないと思いますから、少し具体的に、いろんな人がいろんなことを提起していますからお聞きをしたいんです。  まず、私が問題にいたしました西ドイツでは、十年間にわたって大論争をしまして、一九六八年に非常事態法を憲法の中に織り込んでいます。これは憲法の中に織り込んでいる。  そこで、我が国でもこの問題が起きまして、連立与党のプロジェクトが既に官邸機能の強化ということで議論されていると聞いております。その中では、内閣法の四条や国家行政組織法の改正等も含めた議論が連立与党の中でされているというふうなことも聞いています。  それからまた、最近の新聞に中曽根元総理が一つの提言をされています。これは主として、今申し上げたドイツの法律を学んで、日本の場合も時限立法的に総理に権限の集中、遂行ということを提起をされているように思いますし、さらに読売新聞社が先日から、現行の安全保障会議を改編強化した上で総合安全保障会議の新設を提言をしています。  それから、元内閣安全保障室長の佐々淳行君が、これまた、もうちょっとこれはオーバーランのところもありますが、「もう黙ってはいられない」なんということで、危機管理について佐々淳行君が、彼も安全保障室長をしながら少し、私から言うと、天井に向いてつばを吐いているんじゃないかと思うような問題の提起もしています。しかし、これもなかなか傾聴に値することがいろいろ書かれているわけです.  そこで、どこまで皆さんはどう検討されているのか。我々が聞くと、抽象的に一生懸命議論しています議論していますと、こういう答弁が本会議でも委員会でも返ってくるんですが、どこまでどう検討されているのか。  というのは、これはもう既に英国の新聞に、いろんなことを日本は一生懸命やっているようだが、官僚の縦割り組織なり官僚の抵抗でまたそんなものが決まらぬのじゃないだろうかということが載っていると。これでは困るわけです。それは、大臣も今言われたように、まさかとかもしもというのは、また起こらぬとは保証がないんですよ、率直なことを言って。  例えば、もうサリン事件なんか起こってはいけないと思いますが、サリンが隠されているという説もあります。まだこれからいろいろサリン事件の未解決問題はたくさんあるから検察当局も頑張ってもらわなければなりませんが、そういう過程の中で、不心得な問題が起こってはいけませんから、私は、少なくとも危機管理問題についてはこれだけ大きな議論になっていますから、どこまで検討されているのかということをひとつ聞きたい。  それから二つ目の提案は、既に同僚議員からも、平野さんからもありましたように、私は率直に言って、これは内閣や政府だけに任じておっても進まぬのじゃないか。なぜかというと、内閣法の改正という問題は、場合によればいわゆる憲法との関係まで洗わなきゃならぬわけですね。そうすると、これは事務方だけの議論では進まないので、こんなときこそ衆参に超党派でいわゆる危機管理問題を十分議論する特別委員会というものがつくられて、私は村山内閣はそのことを発議されることがいいと思うんです。そういう中で十分やらないと、日本もドイツも常任理事国入りしよう、こういうことをしていますが、やはり今言ったような、五十年間、ドイツの現実的な対処の仕方と日本のいわゆる経済大国を追求すると、一国平和主義と言われているこのやり方、他の国からは日本は少しちょっと変わっておりはしないかと言われるような、これはそんなことないと思いますが、言われるような状況の中で、果たしてこの危機管理問題というのが政府や役人の皆さんだけに任しておって解決するだろうかと私はちょっと心配になりますから、現状をどこまでどういうふうに検討しているということと、今言った点についてどうお考えか、お考えを聞かせてください。

坪井龍文内閣安全保障室長

○政府委員(坪井龍文君) 先生の御提起されました御質問の前の方の問題につきまして、私ども内閣安全保障室は、もう先生よく御案内のとおり、安全保障会議設置法を所掌しておりますし、国の安全にかかわる問題の総合調整という役割を果たしております。そういう観点で、危機管理をすべて私どもが担当しておるわけじゃございませんので、先生の御質問に十分お答えできるかどうか自信がございませんが、私どもはまず一つは、国防事態といった国の緊急事態、そしてそれに準ずるような重大緊急事態というものを担当しております。  それで、お話にございました阪神大震災に関連しまして、これはもうまさに自然災害でございまして、現行の法制度のもとにおきましては災害対策基本法、そしてまた役所としては国土庁という総合調整官庁がございまして、その仕組みで今まで処理されてきておりますし、そういうことであったわけでございます。  それから、サリン問題・オウム問題につきましても、これは犯罪の捜査といいますか、警察、検察の問題として対処されている問題でございますが、先ほど法務大臣がお答えになりましたように、内閣としましては、総理以下、官房長官、内閣各省庁、横の関係の調整を図り、またいろんな御指導、御指示をされて対処してきたところでございます。  具体的にという話でございまして、これは実は私ども、昨年の暮れ、阪神大震災の前から内閣機能の強化といいますか、官邸機能の強化ということを官房長官から宿題として御提示されておりまして、私どももその中の一環として危機管理の問題を問題点として検討してきているところでございます。現在も内閣におきましては、副長官を中心としまして、そういう情報の一元化、危機管理、さらに総理の補佐体制といったようなことを具体的にいろいろ検討しております。  しかし、先ほど御質問がございましたが、どうもまだ具体的にどういう形になるということはお答えできませんが、そういう検討を八年度の予算要求に向かってしております。それから一方、防災問題懇談会といった懇談会、あるいは総理大臣官邸整備に関する懇談会、そういったような部外の有識者も集まっていただきまして、現行の制度を超えるような法改正が必要な問題があるのかどうか、そういうことも含めた大きな問題につきましては、そういったところでの有識者の御意見も受けまして整備してまいりたいというようなことでございます。  今まで既に行われたことにつきましては、もう時間もございませんので繰り返しませんが、情報立ち上がりに官邸に集中するために、いろんな民間からも含めて広く官邸に情報が集まるように内閣情報調査室を窓口としてやるとか、あるいはサリン等につきましては国会の方で立法していただいたり、あるいは災害対策基本法で非常時の行動についてのいろんな権限を与えていただく改正をしていただくとか、そういうようなことが行われております。必要に応じて横の調整、対策本部であるとか関係閣僚会議を開いて対応している、あるいは関係省庁連絡会議を設けまして調整しているというようなことでございます。

安恒良一各派に属しない議員

○安恒良一君 答弁がかなりやっぱり次元が違うんだよね。だから私は、きょう本来なら内閣官房長官に出てきてもらいたいと、言ったけれども、議院の手続が要るからということでしたけれども。  僕が聞いているのは、やっぱりここまで来れば防衛、治安、災害、緊急事態に対して内閣総理大臣の権限をきちっとする問題等、統一的なやっぱり危機管理機能というのが必要じゃないかと、これはもう国内外の声なんですよね。アメリカはアメリカなりにちゃんとしたのを持っていますよ。西ドイツは西ドイツで持っています。ところが日本の場合は、今まではこの問題はタブーにされておったんですよ。タブーにされておった。しかし、ここに来て、これは大変だと、こんな問題が起きたから、どうしてもやらなきゃいかぬなということでどう検討されておるかと聞いたら、今のお答えは全く、現状がこうでございますという説明ですから、もうこれ以上あなたに聞く元気を失いました。  そこで法務大臣、どうですか、今私が言ったように、この問題はかなり広範にわたるんですよ。それから関連法規も改正しなきゃならぬのですよ。自衛隊法から警察法と内閣法、いろんな法律との絡みがこれ出てきますからね。ですからやはり、ドイツでは十年間かけて大議論したというんですから、日本もやはり特別委員会が衆参に設けられて、その中で十分議論をするというふうにしないと、お役所だけに任せてやってもらってもどうしても縦割り行政なんですね。例えば内閣ですら、内閣情報室の管理しているのはここまででございますと、こう言うわけですよ、彼は。  ですから、そういうところでは私は本当の意味の危機管理の問題は解決できないと思います。その点についてちょっと大臣の考えを聞かせてください。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 先生御指摘のとおり、まさにこうした議論は今まである意味ではタブーな部分もございました。また、水と安全はただというふうなことも言われるような、ある意味では平和というか幸せな犯罪のない時代が続いたわけでございますが、今日、まさにきょうあすの問題として緊急課題として早急に取り組まなければならない、かつまた御指摘のとおり、検討検討で時間を費やしてはならない、そんな極めて重大な問題であろうと存じております。  私どもは、少なくとも地震とそして今回サリンという大きな教訓を得たわけでございまして、この災害あるいは犯罪を大きな教訓といたしまして、政府としては内閣官房長官がおまとめでございますが、早急な対応、結論を早く出すということが大事であろうと思います。  また、特別委員会設置の御提案もございましたが、これは国会でお決めいただくことでございますが、そうしたこともぜひ御議論をいただき、政府としては万全の体制で、きょうにもあすにもそういう危機が再びないという保証はないという気持ちで取り組んでまいりたいと思っております。

安恒良一各派に属しない議員

○安恒良一君 それから、時間がありませんから簡単に聞いて簡単に答えていただきたいんですが、今何名かの同僚議員から別件逮捕とか問題が、逮捕上のゆがみがあったんじゃないかということ、このことについて私は、大臣や警察庁長官、少し国民に説明が足りなかったんじゃないか、毅然たる態度でやったと。  それはなぜかというと、そもそも今回の捜査を非常に困難にしたのは、サリンを取り締まる法律がつくられてなかったんです。それができたのは四月十九日ですからね。それがあれば、いろんなこんなこと言われなくてもできたと思うんです。ところが一方においては、警察官は警察法第二条にあるとおり、個人の生命と身体の保護という重大な任務を持っていますから、これだけ社会的大不安を起こした事件が起きますと、サリン特別法ができるまでの間はどうしても実行犯の逮捕が急務である。したがって、サリン取締法を今つくっています、それまでは率直なことを言って緊急避難として若干少し無理な捜査があっても、そのことが国民の皆さんの生命と財産を守るんだということをやっぱり理解してもらうような法務大臣の特別記者会見とか警察庁の特別記者会見というのがあってしかるべきだと思う。そこのクラブにはされていますけれども、国民にはわからないですね。  ところが一方、サリン側と言ったら悪いんですが、オウムの方は毎日のようにばんばんテレビを通じてこれは不当逮捕だと、いわゆる冤罪だと、これを打ち上げるわけですね。また日本のマスコミも悪いんですよ。おもしろくおかしく視聴率を高めるために、あの連中をどんどんテレビに登場させるわけですよ。そして、にやにや笑いながら司会者と話をしている。こんなことがずっと続きますと、国民の方もちょっとおかしいじゃないかということに私はなると。  だからもう少し、今はマスメディアの時代ですから、法務大臣やその他総理も含めてどんどん、僕は、テレビに出て事態を説明するということがあってしかるべきじゃないですか。その点、アメリカの大統領とかフランスの大統領というのはやっぱり時宜に適してやっていますよ。それから関係、向こうで言うと長官ですね、日本で言うと大臣、私はこの間、あなたのそういうのも一遍も聞いたことがないんで、そこらの点についてどうお考えになりますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○国務大臣(前田勲男君) 国民に少なくとも正確な情報を提供しなければならないということは、御指摘のとおりでございますが、この捜査状況につきましては、強いて申せば、新聞あるいは予算委員会等でのこの件に対する答弁等、全国にも放映されたりいたしておりまして、ある範囲内においては報道されておりますが、なおそれでよしとするとは思っておらないところでございます。殊に、正確な報道、正確な情報を国民に提供するというのは極めて大事でございまして、こうした逮捕の問題ではなくて、例えばサリンの残存しているかどうかという問題等も既に報道等はされておりますが、こうしたあらゆる点につきまして国民の御理解とまた安心をいただくための報道体制というのは今後も必要であり、かつ私どももなお努力をする余地がある、かように考えております、

安恒良一各派に属しない議員

○安恒良一君 終わります。

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) この際、志村哲良君から特別に発言を求められておりますので、自民党の持ち時間の範囲内で許可いたします。

志村哲良自由民主党

○志村哲良君 志村でございます。勝手なお願いをいたしまして申しわけございません。  実は私は、けさ方、私どもの党本部で上九一色村の村長と会ってまいりました。また、この委員会に出まして、先生方が極めて御熱心にこのオウムにかかわる問題を御討議いただいておることを、私は地元といたしまして本当にありがたいことだと心から感謝をいたしておる次第であります。  同時に、親しい方ですからけさほども村長と話し合ってまいりましたし、私も既にこの事件が起こりまして即座に電話を入れて激励をしておきましたが、その後、上九一色村、富沢町等々は訪問をいたしましていろいろ激励をしてまいりました。実は村長さんとか町長さんとか、あとは若干儀礼的なあいさつもございます。上九一色村の村民の皆さんというのは、あの精進湖という湖と本栖湖という湖を二つ持った非常に大きな村です。人口はごく少のうございます。ですから、村民の方々もよく私は存じ上げております。実は、村民の皆さんにお会いしましたら、いや先生、嫌なやつらがあんなことをしたけれども、お巡りさんが来てくれて、ああして連中を取り囲んでくれてわしらはもう安心だよ、本当にお巡りさんに感謝しておると、これは心の底から私に話してくれました。また、きょうも行き会った村長さんが、先生、警察だけでなく、このごろ検察の方々もいろいろこの問題を取り調べて、オウムをあれこれと取り調べてくれておる、わしらは本当にありがたいことですと言って、実は上九一色村の村長が大変に喜んでおりました。  実は、我が党のある部会で参考にお招きをして来ていただいたそうでして、村長さん、こんなことは初めてなものですから、いや、国会の先生方が大勢いるところで話をするなんというのは、どうも先生、何だかおっかなくてできないけどなんと言うから、何書ってんだ、あのオウムの連中と渡り合った村長じゃないの、あの先生方はおっかなく見えたって、選挙が始まれば村長さんのところへ行って、村長、頼むよなんて言う人ばっかりだと、みんな、おっかなくはないからちゃんと話し合ってきたらいいよと言って、これも激励をしてきた実はけさでありました。  私は、そんなことに思いをいたしながら、検察の皆さん、警察の皆さん、実は警察の皆さんは、私は山梨ですから山梨ナンバーです。あの事件が起きたばっかりに、自宅に帰って東京に戻ってまいりますと車を三回も四回もとめられる。さっき調べられたよと言っても、いや、ちょっとなんといって調べられる。そのときには頭にきましたけれども、でもあれだけ熱心に皆さんがやってくださるおかげで、今日、ああして平和な上九一色村が戻されつつあるんだなと思いまして、本当に感謝をいたしております。改めて検察の皆さんと警察の皆さんに感謝を申し上げて、私のごあいさつといたしますしどうもありがとうこざいました。

中西珠子平成会

○委員長(中西珠子君) どうもありがとうございました。感謝の念を特別に披瀝してくださいました。これは私どもも同様の気持ちでございます。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時五十九分散会      —————・—————

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