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132回国会参議院1995/02/21

農林水産委員会 第4号

発言数
111
登壇者
9
会派数
5
開催日
1995/02/21

会議録

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次発言願います。

都築譲平成会

○都築譲君 それでは、私はこの農協合併助成法につきまして、幾つかの観点から政府の見解をお伺いしたい、こういうふうに思っております。  合併を推進することで農協の経営基盤を強化して、農民のために役に立つ農協として、また国民から信頼される農協であるというふうな形でこれからも発展していってもらうためにはぜひこういう形での合併を促進していく必要がある、こういうふうに思っておるわけでございますが、幾つかやはり問題点がございます。  昭和三十五年以来合併を繰り返してきたわけでございますけれども、聞くところではどうも合併を推進しているにもかかわらず、例えば農協の職員の数は増加しているというふうな状況がございます。私、気になりまして、退職者の数が大体どれぐらいあって新規採用の数がどれぐらいあるのか、確かに生首を切る、解雇をするというのはなかなかこれは一般の企業でもできないことでございまして、そういった意味で自然減耗の退職者の不補充という形でも進めることができるのではないかな、こういうふうに思ってお聞きしたところ、大体退職者は毎年一万五千人ぐらい、それで新規採用が一万二千ぐらいという状況でございますから、そうすれば減っているはずなのにな、こう思うんですが、中途採用者がまだ相当いる、こういうふうな状況でございます。  それからまた、農協関係の施設等につきましても、合併が進んでいるにもかかわらず相当ふえてきているということで、新しい事業とか地域のニーズに応じた対策を講じているのかな、こういうふうに思うわけでございます。ただ、こういう状況であれば幾ら合併をしても合理化が進んでいたいんじゃないか、こういうふうな現状をどういうふうにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先生御指摘のとおり、農協の職員数、退職者一万五千強、それから採用者が一万二千、それで減っているようでありながら中途採用というのがありまして、どうも減らないというよりも多少増加さえもしているという状況でございます。  これはある意味では、先生御指摘のとおり組合員のニーズの複雑化、多様化ということもございますけれども、やはりこの件につきましては農協の側でも、農協は自主的な組織でございますから、やはりみずからどうするかということを考えていただく必要があるわけです。管理部門の合理化とか不採算部門の整理というところについて我々も御指導申し上げてきたわけですが、昨年秋の第二十回の農協大会、三年に一度開かれるわけですが、そこにおいて労働生産性の三〇%向上という形で決議をいたしまして、自主的な改革努力を行うということのようでございます。  事業所数につきましては、先生もお話しのとおり非常にふえております、これは、ライスセンターがふえておりますとか、それから野菜の冷蔵施設がふえるとかということで、やはり新しいニーズである程度ふえざるを得ないんですが、機械化、合理化をした形での施設設置ということで、できるだけの合理化を進めていくという方向をとりつつございます。  その労働生産性の三〇%向上ということの一つの方向といたしまして、やはり不補充といいますか、やめた方の補充をしないという形での減少というようなことを一つの目途にして合理化を進めていこうということでございます。我々もその点について十分指導ないしは支援をしていく必要があるというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 今、局長の御答弁の中で、労働生産性を三〇%上げる、こういうふうな話が昨年の農協の大会の中で出てきたということでございますけれども、一般の企業でも労働生産性を一二〇%上げるというのは資本装備率を相当高めるとか相当の人員削減を行うとかかなりな努力が必要になる、こう思うわけでございます。  今まで労働生産性が低い理由についてどういうふうにお考えにたっているのか。そしてまた、労働生産性を二〇%上げるというふうにおっしゃるわけですが、大体どんな方策でこの三〇%合理化というか労働生産性向上を具体的に達成していこうとされておられるのか、そこら辺のところをお聞かせいただければと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 労働生産性を二〇〇〇年までに三〇%引き上げようということを一つの目標として農協が定めておるわけでございます。今まで労働生産性が上がってこなかったということにつきましては、先ほど来先生からお話がちょっとございましたような施設、これはやはり組合員ニーズに対応した形での施設の整備というようなことがあったかと思います。  合併を進めていっておりますけれども、やはり支所の統廃合等がなかなかうまくいっていない。それはできるだけ農家との間の関係をよく保ちたいという意思のあらわれでもあるわけでございます。しかし、経営基盤というものは非常に大事なところでございますので、そういうことで三〇%向上を目指しておるわけですが、そのやり方といたしまして、これもその大会において明確にしております方法といたしましては、要員管理の徹底をするということ。合併を促進していった場合に特に管理部門での人員の削減がある程度可能ではないか、それで忙しい部門へ回していくというような形がとれるんではないかということ。それから、中途採用だとか新規採用の調整等による人員圧縮というふうを言い方をしておられます。できるだけそこのところで人員圧縮もしていくというようなこと。また、機械化その他によりまして、労働分配率の見直しということを言っておられますけれども、要するにより労働生産性が上がるような方向へ持っていくということがもう一つだと思います。  いずれにしましても、みずからの自助努力ということが大事でございます。これは大会決議という形になっておりますので、それぞれの事業所で自覚の上でやっていっていただく必要がございますし、我々としてもそれを支援していくという方向をはっきり明確にしていきたいというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 それでは農協合併についての考え方でございますけれども、目標とする農協の数について、一千という話がひところ出たかと思えば去年の大会では五百七十、こういうふうな形になっているわけでございまして、その算定はどういうふうにしてやっておられるのか。  それから、実際にそういう目標の農協数が達成された場合に、職員数なり施設、今お話のございましたような事業内容、こういったものについてはどのように構想をしていくことになるのか、そこら辺のところの御見解をお聞かせいただければと、こういうふうに思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 現在二千七百近くある農協を二〇〇〇年までに五百七十にという計画にたっております。その内容は、それぞれの県ごとに、自分のところは具体的にどことどこの農協をどういうふうな形で合併をして、県全体として幾つにしていくかというような形の計画ができておりまして、その積み上げが五百七十にたっておるわけでございます。実は、一千という数字が出たときには当時の三分の一というような数字があったと思いますけれども、それに基づいて各県が計画をつくりましたところ五百七十という形になっておりますので、それを取り上げたということでございます。  具体的な中身で、人員ですとか事業所の施設の状況ですとか、それらについてはこの計画の中に具体的に定められておりません。それぞれ先ほど言いましたような方向性を持ってやっていくということでございまして、これはやはり自主的な団体という性格もございますので、我々としてはできるだけその方向へ持っていっていただくということで、何人の人員にしたらいいかとか、それにつきましてはやはりそれぞれの地域の実情に応じてやっていただかざるを得ないというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 ありがとうございました。  今、局長の御答弁の中で、それぞれの農協が地域の特性を反映してそれぞれ方向性を持ってやっていく、こういうお話でございますが、ちなみに正組合員戸数一千戸未満の総合農協はまだ四九・八%というふうな状況でございまして、三十五年以来ずっと合併を推進してきたわけでございますが、いまだにまだ半分、こういうふうな状況ではないかと思うわけでございます。  それから、広域合併の推進によって実は農民と農協との関係が疎遠になってくるような状況も懸念される、こういうふうな話もあるわけでございます。また一方では、市町村の行政当局と農協との関係といったものも、例えば支所とか出張所というふうな形になれば不十分になるのではないか、こういうふうなことも心配されるわけでございます。  こんな状況を踏まえて、先ほど局長がおっしゃられたそれぞれの方向性をどういうふうに農水省としては構想されて、どういうふうに持っていかれるのか、ここら辺については大臣に少しお考えをお聞かせいただければと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げますと、御案内のとおり、今も話が出ましたが、例えば昨年九月の全国農協大会におきまして二十一世紀に向かっての農協の活動方針というようなことで、農業の再建とかあるいは協同活動の強化、地域づくりの推進と並びまして、組織なり事業の変革あるいは経営体質の抜本的強化というようなことを掲げまして、特に経営体質の強化の一環として現在全国の二千六百六十三組合を五百七十組合にいたしたい。それから、事業組織の三段階を二段階とかいろいろございます。  その中で、今ももう話が出たわけでございますけれども、農協はもともと人的結合で相互扶助というものが基底理念にあるわけでございます。大型化することで組合員との結びつきが希薄になるということは最も避けなければならない問題でございますので、その支所機能の充実強化の問題、あるいは組合員の中の組織としては青年部だとか婦人部だとかさらには生産部会とか、そのような組織を充実いたしまして組合員と組合との結びつきを強化するということが大事だと思います。したがって、大型化に伴うデメリット、これを克服しなければ相ならぬ、かように思っておるところでございます。

都築譲平成会

○都築譲君 ありがとうございました。  今おっしゃられたような方向で、ぜひ農民のための農協あるいは地域の農協として十分に機能が発揮できるようによろしく御指導のほどをお願いしたい、こう思うわけでございます。  実は、合併後の課題がございます。  昨年の四月に全中が行った資料に、合併の成果として挙げられておりますのは、例えば信用・共済事業範囲の拡大強化とかあるいは諸施設の拡充整備あるいは経営基盤の強化、こういったものがよい点ということで評価されておるわけでございます。合併後の課題、これは回答数三つ以内ということで指摘をされているようでございますけれども、大きな課題として挙げられているのが今ございましたような組合員の意思の反映の問題、こういったものが大きく挙げられております。さらに、営農生活指導、各種相談活動の強化、こういったものも挙げられておるわけでございます。  ここで忘れてはたらたいのは、合併は何のためにやるのか。こういうことを考えますとやはり財政の健全化とか事業機能の充実強化、こういうところにあるだろう、こう思うわけでございます。合併後の農協につきましても、財政の健全化三六・九%、事業機能の充実強化二一四・九%、こういったものが挙げられておるわけでございまして、そういった意味で、合併後においてもこういう点が挙げられるというのはその合併は果たしてどうだったのか、こういうことについてどうお考えになられるか、お聞かせいただければと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先生御指摘のとおりでございます。全中の調査によると、財政の健全化、事業機能の充実強化ということが非常に合併後の農協の問題として強く意識されております。  財政面の件でございますけれども、これは多々ますます非ずみたいなところがございまして、現在のような信用事業の状況になりますと、やはり競争が非常に激しくなってきておりますので、ますますその点についてしっかりした経営をやっていく必要があるということは強く意識されているなと思います。  そういう意味で、リスクの対応力の強化ということが一つ大きなポイントでございますし、それから、前農協から引き継ぐことになることが多い固定化債権、これについての償却ということも早くやって早く体力を強化したいということもございます。それから、そういうリスクに対応いたしまして内部留保をできるだけ高めていって、もしもの不慮の事故のときに対応できるような形へ持っていきたいということが、いわゆる財政面についての強化をしていきたいという一つのポイントだと思います。  それから、先ほどお話しのとおり事業機能の充実強化ということでございますが、やはりそれぞれの専門家によるサービスを受けたいということが強く要請されるわけでございまして、その専門家の育成というようなところが一つのポイントになろうかと思います。それからもう一つは、販売量の増大というようなことから、より有利な形で自分たちが資材供給を受ける等の希望が強く出されるわけでございまして、それらの点もやはり合併をして規模を拡大するというところで利益としてはね返ってくる面だと思います。  その二点がやはり大きな問題だと考えておりまして、我々としても、今後ともそれらの方向に向かっての適切な指導に努めてまいりたいというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 それからもう一つの課題は、農協の信用事業の関係でございます。  これについては、資料を見てみますと、農協の貯金については昭和五十年の約十四兆円から平成五年には六十四兆円という形で大幅に伸びておるわけでございます。これは他の金融機関もやはりこの間の経済成長とかあるいはそういったものを含めて大体同じような状況なのかな、こういうところがございます。  ただ、信用事業というのは人のお金を預かって、それを運用してちゃんとまた期日が来たらお返しする、こういう大変大事な事業でございますし、実はそういったお金が回ることで経済の活性化と申しますか、経済もそれで機能していく、いわゆる血液のようなものであるわけでございますが、この間のバブルの問題がございましたように大変大きな問題になってしまった。  実は、私などサラリーマンをずっとやっておったわけでございまして、そんな観点からは到底もう東京圏域では家が買えたいようた状況に地価が大変上がってしまった。そんたバブルに走った例えば住宅専門の金融会社などが大きな問題に取り上げられているわけでございます。そういった中で、実は農協の貯金の原資が農林中金とか県の信連とか、そういったところへ相当回っているという問題もあるわけでございます。個別の農協をとってみますと、こういう形で信用事業が大きくなってきているということで、農業者のための事業という農協本来の域を超えているのではないかというふうな感じも持たないわけではないわけでございます。  聞くところによると、例えば茨城県のトキワ園芸農協の事件とか、あるいは静岡県の製紙会社へ、本来であれば員外貸し付けということで五千万円が限度のところを、組合員の資格を持っている大きな方がおられて何十億も融資をして、それを何かゴルフ場に投資して回収不能になってしまったとかいうふうな話もある。そういう怪融資の話とかいろんな問題があるわけでございます。  従来、農協本来の事業の中で信用事業が実は大きくなって、それで通常の業務部門の、採算性のとれない部門の赤字を埋めて、全体として経営を成り立たせてきたというふうなところもあったかと思いますが、今日のような状況にたってくると信用事業といったものが非常に大きく注目を浴びているのではないか、こう思うわけでございまして、そこら辺についてどういうお考えをお持ちになっているか、局長にお伺いしたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 農協の信用事業は、組合員の営農、生活、両方の面での資金の貸し付けという点が一つ任務としてございます。それから、組合員の余裕資金の受け入れ、運用という面がもう一つございます。さらに、先生御指摘のとおり、現在の農協においてはその収益ということで販売事業等値の赤字を補っているという部分がございまして、やはり農協の中の大きな経営分野でございます。  御指摘のとおり、昭和五十年から平成五年を見ましても、十四兆円から六十五兆円、他の金融機関と同じような形で非常に大きな資金に伸びてきております。これはある意味では農協自身が、先生御承知のとおり地域へ参りますと、郵便局か農協かと言われるくらい地域の金融機関としての位置づけも出てまいりまして、これは兼業その他の農村の変化との関係もあろうかと思いますが、金融制度調査会でもはっきり農協は地域の金融機関として位置づけられるに至っております。  そういう意味で、金融事業、信用事業が健全に行われていくということが非常に大事な点でございまして、この辺は我々としてもその適正な事業実施ということを十分注意するように、特に金融事業については十分注意するようにやってきております。  なお、単協の場合六十五兆円の預金でございまして、先ほど先生御指摘の種々の問題がございますけれども、住専の方へは単協は一応貸し出しできないようた形にしております。それで、単協は七五%が信連への預金という形での運用になっておりまして、総じて見れば割合に健全な運用をしているんではないかと思いますが、ますますその辺につきましては内部の牽制の強化等に努めていかなければならぬというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 それでは、合併推進法人あるいは推進支援法人について今回新しく業務が追加されてくるわけでございまして、その点について少し詳しくお聞きをしたいと思います。  一つは、今回推進法人が固定化債権の買い取りの業務を行うことができるような形になったわけでございますけれども、そもそも固定化債務の農協における状況というのはどんな感じで把握されておられるのか。  例えば、先ほどの六十五兆円のうち十七兆七千億ぐらいがたしか貸し付けということになっておるわけでございますから、その中で固定化している部分が一体どれぐらいあるのか、そこら辺おわかりになりますでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 固定化債権という場合に不良債権という形でつかまえることがあるんですが、固定化債権の場合もうちょっと広くなります。ただし、不良債権という形で業務報告等をきちっとつかまえておりまして、それは全体といたしまして単協の段階で約四千億でございます。十七兆円の貸し付けのうちの四千億ということでございますので、貸し付けの中での二%強ということ、あるいは預金残高は六十五兆ぐらいございますので、預金残高から比べますと〇・何%ということでございます。  なお、これは他の金融機関に比べましてその不良債権状況というのははるかに健全というか、はるかに低うございます。これは貸し付け相手が主として農家並びに地場産業ということで、お互い顔見知りであるというようなこともございまして、やはりいざというときには優先的に返していくという気持ちが、協同事業としての自覚というものもあろうかと思います。そういうことで低いのではないかと思いますが、今のような数字になっております。

都築譲平成会

○都築譲君 それでは次に、買い取りの仕組みでございますけれども、今回の仕組みはいわゆる銀行などの金融機関が株式会社共同債権買取機構、こういったものをつくってそちらの方に固定化債権の方を売却して身軽になっていこう、こういうものに近くなっているというか、ほとんど同じ仕組みになるわけでございます。私は、共同債権買取機構が債権の買い取り価額の決定に当たって、公正取引委員会委員長の経験者などの有識者を充ててやっていくということについては、こういう形で適正さを担保するのかな、こういうふうに思っておるわけでございますけれども、そもそも固定化債権に本当に適正な買い取り価額を決定することができるのかというふうな問題も実はあるんじゃないのかと。担保物件をどういうふうに現時点で評価するのか、今の状況だとまだどんどん安くなっていくような状況もあるわけでございますから、本当に価額を適正に決定することができるのか。  そして、今回の仕組みは、推進法人が一応都道府県の中につくられておるわけでございますから、推進法人の中に価格判定委員会、こういったものを、例えば不動産鑑定士とか税理士さんとか弁護士さんとか、こういった協会の役員の方に来てもらってやるということは、これで公正さを担保して適正な価額を設定するのかなというふうな感じもするわけでございます。地域の実情というのも確かに見なきゃいかぬところもあるし、地域の情報もそういった人の方がよく入っているかもしれないけれども、ただまた地域の人間的な関係とかいろんな問題もやはりあるんじゃないのかなというふうな気がしないでもたいわけです。  だから、推進法人は確かに県単位に設置をされてきておりますけれども、そういう価額の決定をするに当たっては地域の中でつくられるよりはむしろ全国一本で、共同債権買取機構のように、それぞれの地域の方が権威がないというわけじゃありませんけれども、より権威の高い、そういう機関を設けて対応すべきではないのかなというふうな印象を持っておるんですが、それについてはいかがでございましょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) やはり買取機構というのが、今の一般の金融機関の買取機構、これは全国に一つということでございますが、これとはちょっと性格を異にいたしまして、一般の金融機関の方は宅地等が主でございますが、農協の場合にはやはり農地等が主にたると思います。農地等につきましては、それはもう非常に各地の状況が違っておりまして、特に不動産屋さんというような形での評価がなかなか難しいわけでございまして、そういうふうに地方のことに精通している方ということがやはり一つの大きなポイントにたるんではないかというふうに考えるわけでございます。  また、これは一般の金融機関の買い取り機関でも同じでございますが、この買い取り機関につきましてもやはりそういう危険があるものにつきましては、これは特に他の償却の仕方もあるわけでございますから、できるだけ償却しやすいものを中心にやっていくことになると思いますので、この地方の形でいいんではないか。また、債権の額も、恐らく都市部の方における大債権というようなものとは大分違う小さいものになろうと思います。例えば、一つの県の例で、農協の中で処理しているのを見ておりましても、数百万円というような単位のものも多うございますので、やはりその辺を勘案して県の段階でやっていただいた方がいいんではないかというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 それからあと、見通してございますけれども、平成四年度から推進法人というものをつくって動き出して、今までの推進法人が関与した合併については二十三組合、合併参加農協は百二十七組合、こういう状況にたっておるわけでございます。こういう形で実はやってきて、この百二十七組合参加で二十三合併というふうなものについて、これは状況として多いと思われるか。大体こんなものだと、これじゃまだ足りないと、こういうところがあるのか。  恐らく、足りないと思われるからこういう推進法人による固定化債権の買い取りという仕組みをつくっていかれるのかと思うわけでございますけれども、そうすると、じゃ今までの状況を踏まえた上で今回の買い取りシステムをつくって、どういうふうな形で農協の合併がどの程度進むとごらんになるのか。そしてまた、不良債権となっている担保不動産の売却の見通し、これはちょっとまたレベルが違いますけれども、そちらの方についてはどんな見通しをお持ちになっているか、二点でございますが、お聞かせください。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 今、推進法人が全国で十八ございますが、さらに十二つくろうとしておりまして、ますます各県へ面的な広がりを持っていっておりまして、そういう意味では、二十三農協に対してそれぞれの推進法人が支援しておりますが、これがふえていくということは事実だと思います。  それからもう一つ、平成四年度にこういうシステムをつくっていただいた後で、やはり悶々としておるのは債権の確定方法、これが非常に不明確だということがございまして、ちゃんとしたところで評価をしてもらってやらないとなかなかやりにくい。今までの合併のところにも多少不満があったところがございますし、それから今幾つかのところではっきりさせてもらいたいという動きがございます。  それからもう一つは、やはりはっきりさせれば、税法上損金として落としていくことができるわけでございまして、その点これはそういう合併を加速する効果があるというふうに考えております。幾つ出てきてどういうふうになるかというのは、実は推進法人を最初につくっていただいたときもまだ不明確だと申し上げざるを得なかったわけですが、とにかく五百七十農協にしていくためのひとつの加速をつけることができることになるというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 それから、推進法人が幾つか業務として行う、今回新しく買い取りの業務が入って管理と回収という業務をやるわけでございますけれども、合併農協から資金を借り入れてそれを返済することになるわけですね。そういった返済の条件はどういうふうにお考えになるのか。  それとの関係で、実は今までは利子補給の仕組みが金融機関から農協が借りてその金でやる、こういう話になっておったわけですけれども、利子補給についてもさらにまた今回生き延びておるというか、そういう状況でございます。こういう仕組みをつくったんだからそこまでの措置は不要ではないのか、こういうふうな感じにも思うわけでございますけれども、それは大きく予算とも関連してくるんです、実は利子補給の額が相当ありますから。そこら辺についてはいかがでございますか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先ほどちょっと申し上げましたとおり、この形で欠損として損金算入で処理していくというものにつきましては、やはり処理できるものでなければなかなかうまく進まないわけでございます。借入金をやって早いうちに処分をしてという形で、それでその借入金を返すということで、滞ることがないようた形で処理できるものをということに限定されざるを得ない。そうすると、やはりまだ償却の体力がないような農協での負債、それは今までの利子補給という形で、何らかの形で支援をしながら合併していかざるを得ない点もあるかと思います。  したがいまして、この二つの選択肢をつくったということでございまして、そういう意味で今御心配いただきました借入金を今度は返せなくなるというか、減額とかそういう事態になるんじゃないかということは、その処理の見通しというものを十分つけてやっていく。それがまた先ほどの一般金融機関の買い取り機関とはちょっと違う性格、要するにほかの処理の仕方もあるという形でやっていくだけに、そこのところはやれるものをやっていくという形になりますので、ちょっとそこのところが性格が違うところになると思います。

都築譲平成会

○都築譲君 それから、私が心配しておりますのは、推進法人、聞くところによると基金全体で総額が六十八億、平均では三億八千二百万、こういう状況でございます。これからこういう推進法人が一件あたりどれぐらいの固定化債権を農協の合併に伴って受け入れなきゃいけなくなるのか、そこら辺のところがわからないわけでございます。四千億というふうなお話が先ほどございましたけれども、そういったものを果たして本当にどの程度まで受け入れていくことができるのか。そしてまた、その推進法人が受け入れたものについて担保物件等がうまく売却できないと、こういう話になればずっとその不良債権を抱えたままになっていってしまう。しかし、お金は農協の方に返さなきゃいかぬ、こういうふうな話になってくるわけでございまして、そういった意味で、固定化債権の処理が本当に不可能となった場合に国なり都道府県がまた財政的な援助をやっていくことになるのかどうか。  例えば、先ほども申し上げたトキワ園芸農協の場合は、何か茨城県の方で十五億円を十五年間で援助する、こんな話にたって栄るわけでございまして、果たしてそういう一農協の経営者の失態のツケを県税の方で賄うということが本当に許されるのか。これはまた大きな信用不安の問題もありますから、そう軽々に判断できる問題ではない。たくさんの方の利益にかかわる問題であれば、それなりのまた視点というものは必要にたってくるんでしょうけれども、そこの見込みをはっきりつけておかないと、軽々にまたどんどん膨らむような仕組みをつくって果たしていいのかなというところを危惧するわけでございまして、これについて御見解を伺いたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先ほどちょっとお話し申し上げましたけれども、トキワ園芸というのは非常に大きな金額で、やはり役職員の不正というものが絡みますと非常に大きな負債になって、しかもそれが担保力の非常に弱い不良債権とたる傾向がございます。これらはそれぞれその役員さんの責任追及ということは組合の中でやらなければなりません。なおかつ、非常に大きな問題だけに県としてほっておけないという場合がございまして、トキワ園芸はその一つの例だと思います。  ただ、先ほどもちょっと触れましたけれども、私ども個々の例で見ておりますと、債権というのは、そういう不正というような形のものではない、これはいろいろな形で立ち直りを指導するわけですけれども、どうしても農業としてもうこれはだめだと、私はもう離農しますというような形で不良債権になるものがございます。これがやはり多いわけでございまして、そういうものにつきましては私の方も調べておりますとそれぞれのところで相当処理をしていっております。こういうものについては、ある一定の区切りのところで農協合併ということを進めなければなりませんので、そのときに一挙に処理してしまうという方式がこの形になろうかと思います。  したがいまして、もうどうにもならないような不良債権を引き継ぐというようなことにはならないのではないかというふうに思っておりまして、この推進法人自身が固定化債権をまたかぶってどうにもたらぬというような事態は余り想定しておりませんし、これは県に一つでございますから県が直接入り込んで指導しておりますので、そういう事態には至らたいで済むだろうと思います。大体、不正問題というのは、後でわかってきて県の方で大騒ぎになるという例がございますので、そういうことは防げるというふうに考えております。

都築譲平成会

○都築譲君 ありがとうございました。ぜひそういう方向でやっていただきたいと思います。  最後に、大臣にお伺いしたいんですが、今まで幾つか見解をたださせていただきました。やはり農協は本当に農民のための農協ということで本来発足したわけでございますが、いろんな面で、経営の問題もございますし、それから他の産業界、経済界に与えるいろんな影響もございます。だから、そういった意味で、私は国民からも信頼される農協という形でぜひ体質を強化して運営がなされるようにしていただきたいなと、こう思うわけでございます。  今までの農協の皆さんも一生懸命取り組んでおられただろうと思いますが、ただ事実としては単協段階から、信連あるいは中央会あるいは農林中金、こういう段階でいろんな問題を抱えてしまっているわけでございまして、そういったものについてのけじめとかそういったものをどういうふうにお考えになっておられるのか。それから、そういった団体を指導される立場におられる農水大臣としてどういうふうにお考えにたられるか、そのお考えをお聞かせいただいて私の質問を終わりたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) 農業協同組合が持っている役割というのは大変大きいわけでございます。これはもう農業たりあるいは農政にとって表裏するような組織体でございますから、また農民の各種の営農生活の要請にこたえるための組織でございます。したがって、これは健全な運営が図られることは何としても必要でございまして、そのためには各般の指導体制等の強化も必要かと思うわけでございます。  御案内と思いますが、平成四年の農協法の改正でもこの点に注目いたしまして、組織については理事会制だとか代表理事制とか、あるいは監査機能等々内部の執行体制等の強化に努めまして、健全なる運営が図られるような体制を固めたところでございますけれども、さらに農協が、その健全なる運営によって本来のその目的を果たせるような指導に努めていきたい、さように思っておるところでございます。

風間昶平成会

○風間昶君 引き続いて、平成会の風間です。  都築委員と同じように固定化債権を中心にしてお伺いしたいと思いますが、その前に、今回の農業協同組合合併助成法の一部改正、なぜ従来の法律の単なる延長ではだめだのか。改正前の最大の問題点は法律の提案理由説明に明快には載っていない、説明の部分ではあるけれども、総括をきちっとしていないというふうに思うんですけれども、そこはきちっと総括すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 今回御提案させていただきましたことは、一部単純延長のところもございますが、先生御指摘のとおり新しい制度を組み込んでおります。それは、先ほど都築先生からお話がございました固定化債権の買い取り機能を推進法人に持たせたという点でございます。  この点につきましては、推進法人というものが発足いたしましてから、これが固定化債権であるということを明確にし、そのうちの欠損がどれぐらいになるかということを明確にしてもらわないと合併の推進がやりにくいという点が一つ地元に問題がございました。それからもう一つは、やはりそういうことによって償却できる欠損については償却してしまおうという動きもございました。それらに対応できるようなシステムを新たにこの推進法人につけていただいて、もう一つ推進法人が武器を持って合併推進ができるようにということでお願いしているわけでございます。  もう一つ経緯的に申し上げますと、実は一般金融機関の方が買い取り機関をつくったわけでございまして、それと同じように農協の方についても合併のときにこういう問題があるんだからそこのところはやれるんではなかろうかという発想がございまして、それをこのたびつけ加えたわけでございます。その点を追加させていただいた。これは合併全体を進めていくというニーズを提案理由説明のところでも言わせていただいているわけでございますが、それを中心に考えてその一つのやり方として位置づけておるということで御説明をさせていただいておるということでございます。

風間昶平成会

○風間昶君 そうすると、いわば共同債権買取機構の農業版というふうにもとれるんじゃないかと思うんですが、固定化債権の問題で、債権の償却を考える場合に債権を売るんではなくて担保権の実行をするのが普通ですよね。  この改正案の七条一号に、推進法人の業務として「譲渡する固定した債権の取得、管理及び回収を行うこと。」というふうにありますが、すたわちこれは、回収のところを取り出せば担保を実行して金にかえることですから担保権の実行にほかならないというふうにとれるわけですけれども、回収できない場合に損金に算入する方法もあるわけだから、そんな回りくどいことをしないで農協が担保権を実行すればいいんではないかと思うんですけれども、そこはどうですか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 農協の合併につきまして、担保権の執行またはその回収について、やはり農協といたしましては、今の負債を抱えておられる方の指導を徹底して、できるだけそれをいわゆる担保権の執行という形ではなく回収できるように努力いたします。さらに、その先にどうしても担保物件の処分をしなければならぬというときには自主的な処分ということを次にお願いするわけでございます。最後に担保権の執行という形をとるということでございまして、地元との関係がございますので、やはりできるだけそういう形でやっていくという方向をとっております。  ただ、合併ということになりますと、ある一定の時期に合併という行為が生きますので、そういう債権というのは一農協一件ということじゃなくて、やはりそういう営農的なものは相当ございます。したがいまして、一定の段階でそれを明確にしておくという手続をとらざるを得ないことがございますので、そのときにこの買い取りという形でやっていく。  それで、大体買い取るものにつきましては、もちろんこれからまだ可能性があるものはとても固定化債権ということではないと思いますので、結局自分で任意で売り払って返していただくか、それとも担保権を執行するかということになると思いますけれども、幾つかの例で見ましても、そのやり方が、ある一定の時期にもうそこで一たんみずからの手を離して損金算入という形で明確化するという行為をやろうというわけでございます。そういうことで合併の促進のためにこういうことをやる、いわゆるその固定化債権を償却するためにやるということだけの目的ではないということでやっていくものでございます。

風間昶平成会

○風間昶君 さっき都築委員からも指摘ございましたが、各単協にそもそも固定化債権が幾らあるのかということは都道府県段階では詳しくはわからないんではないか。つまり、農協の経営全体を見ると、その実態がある意味では部分的に闇の中にあるというふうに思われているし、いるところもあるわけですよね。  今回の法改正で言う合併というのは、業務の合理化を目的としたものでなくて、健全な農協が不健全な農協をカバーして倒産寸前の赤字農協の救済を目的とするという、それが推進法人の主業務になってしまう可能性があるんではないかという危惧もするわけですけれども、そこはどうですか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先ほど来申し上げておりますとおり、どうも目につくのが非常に大きな債権で、何らかの不正と絡んだようなものが時々出てくるわけでそれが目につくわけでございますけれども、農協は固定化債権という場合に、やはり営農債権が相当多うございます。  それで、このとらえ方につきましては、私の方から先ほど農協全体で、単協で四千億ぐらいあるということを申し上げましたとおり、不良債権という形では各都道府県とも各単協ごとに検査に入りますので、その段階でつかまえております。そういう形で不良債権化しているものをどういうふうに回収していくかということが目的でございます。  また、そういうものがあるがために、そればかりのようなでかい農協というのはやはり何か不正ですとかそういう問題が絡んでいるものです。そういうものにつきましては、恐らく合併のときに合併計画を総会で議決いたしますから、その段階で理事会の責任等が明確にされてその処理の方向を出していくんだと思います。また、先ほどトキワ園芸のお話がございましたけれども、あれだけの大きな金額になりますと、こういう形で農協だけでやっていくことができない状態が出てまいります。ですから、そういう形での、いわゆる赤字農協を救うための形にはこれはなっていかないというふうに考えております。

風間昶平成会

○風間昶君 でも、現実的には救っていく形になってしまうんではないかという恐れがあるんですよね、それをだめだと言っているんじゃないんですけれども。まあわかりました。  そうやって推進法人が固定化債権を今度抱え込んでしまって、債権の価値が下がって暴落する。暴落というまでいかないけれどもかたり低下するという事態に陥ってしまった場合、さっきもちょっと話が出ていましたけれども、法人に対する信用不安というのが拡大しないのかどうかということと、もう一つは、推進法人の資金が不足してしまって債権の買い入れができなくたった場合、これをどうするかということが非常にまた懸念としてあるんですけれども、この二点、暴落する事態になれば法人に対する信用不安が拡大しないのかという点と、もう一つは不足して買い入れができなくなった場合どうするのか、教えていただきたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 推進法人の自主的な判断ということがやはり買い入れのときの一つの要素になりますが、買い入れ資金がショートするということは考えられないといいますのは、今貸している農協の資金でやる、端的に言いますと、例えば百万円の債権、ところが実質は担保権が七十万円ぐらいの価値しかないというようなときに七十万円で買い取るわけですが、これは百万円というものをある農協がある人に貸している、それを肩がわりする形になりますので、そのもとの農協から資金を供給する形にして、それがまた七十万円というものがもとの農協へ還流するという形になります。したがいまして、固定化債権を持っている農協がその資金を準備することになりますので、資金がショートするということはちょっと考えられません。  ただ、先生御指摘のように、要するにまた担保価値が下がったりして損失が云々というお話でございます。これは大変気をつけなければならない点でございまして、私たちは評価委員会による公正妥当な適正価格を算出していただいて買い取るという形をとるとともに、その保有期間もできるだけ短く処理できるものをということを眼目にやっていくということにならざるを得ないというふうに思います。これは、一番最初に申し上げましたとおり自主的にやっていくことではございますけれども、そういうふうにせざるを得ないというふうに思います。その点につきましては、県が必ず推進法人の指導をいたしますので、そこのところで徹底していかなければならぬというふうに考えております。  そういう形でございますので、資金のショートといいますか、要するに欠損が生ずるということのないような運営ということに心がけていくということがこの法人の一つの任務であろうというふうに考えております。

風間昶平成会

○風間昶君 次に、合併したくたいという農協、あるかどうかわかりませんけれども、したいという農協から法人へ負担金を出すのはどういうシステムでいくのかを想定しておかなきゃならないんじゃないかというふうに思うんですけれども、採算性のいい農協、いわゆる健全農協は納入することになるんでしょうが、納入の算定基準をどうするのかということを考えておりますでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) この推進法人というのは、農協という協同組織のお互いの助け合いの組織でございます。したがいまして、運営委員会等におきまして全体でこれぐらいみんたで出そうではないかと、またその分担のやり方もそこのところで決めて、今も出しておられるんですが、出しておられるのが通例でございまして、なかなかやはりそれぞれの事情があって出せないというところもあろうかと思います。そこはそれぞれ推進委員会で皆さんメンバーとしておやりになっていただいて、ただこれは出しやすいように、御承知のとおり税法上、この推進法人の基金に出したものにつきましては損金の算入ができるようにして御支援を申し上げているということでございます。  今のところ、各県でつくっておられるところで特に拠出について問題が生じているということは聞いておりません。

風間昶平成会

○風間昶君 これ以上債権をふやさない、固定化債権を増大させないということが極めて大事なわけで、要するにうみをちょこまからょこまか切ってというようなやり方ではなくて、うみを出すだけじゃなくて新しい健康な細胞組織をつくる、そういう仕組みがやっぱり必要ではないかということで、きょうの日経にも、資金回収のために債権、担保を売る手段を多様化してはどうかという記事、提言が出ておりましたけれども、そのことに対して大臣はどのような姿勢で臨むのかを伺いまして、質問を終わりたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) 金融機関一般については今日しばしば問題になります不良債権問題、その流動化としての債権の証券化ということがいろいろ提案されておりますが、事農協系統組織におきましては、系統組織としての一体の中でその固定化債権の償却を進め、それを農協合併のばねにしようというのが今回の考え方でございますので、そこまで我々としては考えることはたいんじゃないかというふうに現段階では思っております。

風間昶平成会

○風間昶君 終わります。

星川保松新緑風会

○星川保松君 私は地元の農協の正組合員でございまして、先日、臨時総会がございました。その臨時総会もやはり合併のことを決める臨時総会でございました。農協がどんどん大きくなるということについては、私なりにいろいろな問題点があると日ごろ思っておるのでございますけれども、当日は組合員としてではなくて来賓祝辞ということで呼ばれましたので、祝辞の中で問題点指摘もできませんので、まあ頑張りましょうということできたわけであります。  まず第一の問題は、昭和三十五年に一万二千五十あったんですね。これが十年たたずして半分の六千台になりました。さらに、二十年後にはその半分の三千台になった。それで、平成七年現在では二千六百ですか。今度、農協の方も、六十三年の第十八回全国大会で、二十一世紀は一千農協にしようということであったんですが、その後さらにそれを修正して、二十一世紀は五百七十農協だということで、短期間のうちに大変なスピードで合併合併ということで進んでいくわけですね。それで、農家自体ももう目を回しているようだ状況なわけです。  一番心配しておるのは、今までは、我々組合員が農協にはこうしてほしいということがありますと、農協に乗り込んでいきまして、それで組合長とじきじきに談判するわけですね。組合長は、これは困った、ここのところはこうしてくれないかというようなひざ突き合わせての談判をして、そうしますと組合長は、よしわかった、それじゃ次の理事会に諮ってみましょうというようなことで農家の意見を聞き入れてきているわけですね。  その組合長が今度ずっと上の方に行ってしまいまして、そして支所長かだれかしかおらぬと。その支所長は、農家の皆さんが相談に行っても、もう即答はできないわけです。というようなことで、農家の皆さんが相談相手になってもらえるいわゆる理事者が遠くへ行ってしまうということで、農協と我々農家の関係がいわゆる疎遠になってしまって、農協自体ももう小回りがきかなくなって農家から遊離した農協にたっていくんではないかという心配を今みんな持っていると思うんですよ。  それで、こういうふうに合併は結構だとしても、余りスピードを上げてやりますといわゆる副作用といいますか、いろいろだデメリットが私はやっぱり生じてくると思うんですよ。ですから、デメリットを生ずるであろうそういういろんな問題をどのように想定し、それにどのように対処したがらこの合併を進めていこうとしているのか、まずその点からお伺いしたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先生御指摘のとおりで、やはり合併が広域化すればするほど、今お話しのとおり農協と組合員ないしは農協の幹部と組合員との間の結びつきが希薄化するという大きな問題がございます。  しかし、今農協は金融面でもそうでございますし、それから物品販売面でもそうでございますが、競争にさらされているというところで、やはり経営をしっかりさせないことには農協の存立が危ぶまれるわけでございます。そういう意味で、やはり農協の経営という観点から合併を進めていって、その合併のメリットをとらざるを得ないという点が一つございます。したがいまして、先生が御指摘のとおり、やはり農協と組合員の結びつきが希薄化するという点をどういうふうにカバーしていくかということがこれからの問題点でございます。  そういうことで私の方といたしましても、支所機能の充実をしていくとか、それから作目別の生産部会等の組合員組織の育成強化、それからそれに対する農協の職員、役員の方の関与というようなこと、それから営農指導の充実というようなことでできるだけ農協が組合員の意向を酌み取れるような方向へ努力をしてもらいたいということを指導申し上げておるわけでございますが、これからもやはりこの点はしっかりさせていかなきゃいけないと思います。  一つの点といたしまして、営農指導員というもの、これの手を抜くなということをやはり合併のときに常に我々としては強く申し入れているところでもあります。

星川保松新緑風会

○星川保松君 その点ひとつ強力な指導をしたから手を打っていただきたい、こう思います。    〔委員長退席、理事大塚清次郎君着席〕  それからもう一つは、私は日本の農協というのは、世界の農協の発展といいますか流れといいますか、そういうものの中では特異なコースをたどっておるように思うんです。といいますのは、これは家の光協会で出したんですが、「世界の協同組合」というのがあるんです。これを私は一生懸命読んでいるんですが、いわゆる農業協同組合がイギリスでできて、それが世界にずっと広まっていったというようなことで、私もオランダ、デンマーク、それからスウェーデンあたりへ行ってみたことがあるんです。そうしまして驚いたことは、向こうの農協というのは日本みたいに総合農協ではないんですね。  それで、例えばデンマークの例でありますが、デンマークでは八つの農協がある。それは肥料や飼料を供給する肥料飼料協同組合、それから農家に低金利で資金を貸し付ける金融協同組合、それから農業経営に関する助言指導を行う助言指導サービス協同組合、これは別になっています。それから農作業を請け負うトラクター協同組合、それから牛肉をべーコンに加工しまた肥料を製造するべーコン協同組合、それからバターやチーズを製造する酪農協同組合、鶏卵を包装し家禽を缶詰に加工する卵家禽組合、そしてバター、チーズ、鶏卵の輸出をつかさどる市場組合、八つのそれぞれの農協があって、ですから農家が一つの農協だけじゃなくて幾つもの農協に加入をしている。発祥地のヨーロッパでは大体こういう農協の形態をとっているわけですね。    〔理事大塚清次郎君退席、委員長着席〕  ところが、これは農水省のそういう指導によってこうなったのかどうか私よくわかりませんけれども、日本の場合はいわゆる販売、購買、信用、共済というようなことで、これを一本の農協でやるという総合農協の形をとっているわけですね。ですから、むしろその総合農協の弱点は、ヨーロッパのようだ専門農協といいますか、そういう面を補っていくことだたと、こう私は思っておったんです。  ところが、今のような形で合併合併を進めていきますと、だんだん総合農協がさらに大きな総合商社みたいな、コングロマリットみたいにずっととにかく大きくなっていってしまうということになると、世界の農業協同組合という本流の中からどうもそれているので、それはむしろ本流の方に近づけるべきだと私は思っておったんですが、その本流からそれたままそっちの方へさらに大きくそれていくという形になるんじゃないかなと思うんですよ。これでいいんだろうか。  特にヨーロッパの農協の場合は、いわゆる大資本によって支配されるということを避けようということで協同組合をつくってきたんですね。ですから、一つの協同組合というのは別の哲学を持ったといいますか、いわゆる平等な、例えば理事者でも今までは法的には外部に対しての代表権もたかったんですね。組合長なんというのは前は内部の取り決めだったんです、後で改正にたったんですけれども。代表権、この間生まれきたようなものですけれども。  そういうことで、小さな組合、大きくてもやっぱり百戸か二百戸ぐらいの皆さんが集まって、そしてその運営については理事者が選ばれて、お互い対等の立場で相談をし合いながら、しかもその理事の選任に当たっては出資口数には関係なく、株式会社とは別に、何ぼ口数を持っておっても投票権は一つという、これは一つの組合民主主義といいますか、こういうところが私は農協のよさであり、農協の始まりからのいわゆる哲学だと思うんですよ。  そういうことを考えますと、だんだん農協精神といいますか、哲学からどんどんそれていってしまうんじゃないかなという心配があるわけです。だから、その点をきちんとやはり維持しだから、日本の農協たら農協の発展をさせていかなければならないんじゃないかと、こう思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) ちょっと私見にわたる点もあろうかと思いますが、日本の農協の発生史的に、やはり稲作を中心にした地域性ということが非常に大事で、地域の社会というものに基盤を置いた形で発展してまいりました。ヨーロッパの場合には独立性の強い経営、畜産なら畜産で独立性の強い経営が、お互いの地縁というよりもむしろその商品による関連ということが強かったと思います。したがいまして、日本も総合農協のほかに専門農協として、酪農協でございますとか畜産関係の農協とかそれから果樹園芸関係の農協というようなものはやはりそういうふうに出ていくわけでございます。  しかし、日本は発生史的にやはり米を中心にした地域的な結合という形での農協という形になってきた、その辺が違うんではないかと思うんですが、東南アジア等はやはり日本型農協ということを今まねようとしている点がございます。そういうことで私の方なんかも指導に行っているというようなことがございます。  それはそれといたしまして、先生御指摘のように、やはり農協が農家との結びつきを疎遠にしてはいけない、それからまた農家のためであるということを忘れてしまってはいけないということでございます。農協自身としても、もちろん農協法では一人一票主義ということをとっておるわけでございますが、大型化が進む中で、農協の自主的共同組織としての自覚というものは非常に大事な点だと思います。  そういうためには、やはり組合員のニーズに応じた運営を行っていくということが中心でございまして、組合員に対して十分な情報提供をやって、その意向を常時把握しながらやっていく。それからまた、大きな農協としての限界というものを考えながら、生産部会等でやはり専門的な分野も取り組んでいくような形をとっていっていただく。また、理事者等も各階層からできるだけ出していっていただくというようなことを中心に、先生御指摘のようだ危惧、いわゆる農協が本当に農民のための農協というところから外れていくことのないように、しっかりした形で運営をしていっていただくように我々も指導していきたいというふうに考えております。

星川保松新緑風会

○星川保松君 それからもう一つは、農協経営ということ、それは経営ですから赤字を出しちゃ好ましくはないわけです。だけれども、これは株式会社と違って利益追求の団体じゃないんですね。だから、利益は出なけりゃ出さなくたってこれはいいんですよ、組合それ自体を豊かにすればいいんですから。ところが、今の農協は、それは組合長さんたち理事者としてはもうけてみせて組合員から喜ばれるようにしなくちゃいかぬと思っているんだと思いますけれども、どうもそっちの方にばかり向かっていっているような傾向が強いんですね。それで職員を入れた、そうしたら今度はその職員を養っていかなくちゃいかぬ、だからもうかることをやらなくちゃいかぬのだということですね。  本来、農協というのは、個々の農家の生産をどんどん盛んにさせて、その生産したものを流通に乗せるということが本来の仕事なんですね。だから、その生産を興すために金も貸すんです。それから、いざというときのための共済もやる。ところが、もう農協経営農協経営ということで農協の経営のことばかり頭にあって、個々の農家の経営の方はそっちのけになっていっている、そういう傾向があると思うんですよ。これは私は改めなくちゃいけないと思うんです。  ですから、例えば私は経験があるんですが、私が市長をしているとき、農協に農産加工をやろうじゃないかと。農産加工というのは、私のところは雪国ですから、雪国というのは発酵食品が緩やかに進むものですから非常においしいのができるんですよ。それで非常に評判のいい漬物なんかあるわけですから、これを売り物にしようじゃないかと。それで、市と農協で第三セクターをつくってそして農産加工をやろうということで、私は呼びかけたんです。  そうしたら、組合長さんぽか理事会にかけても反対だと、こう言うんですね。どうしてかと聞きましたら、損したらどうすると、こう言うんです。新しい部門をやるわけですから、それはもうかることもあるし損をすることもあるわけですよ。それでほかの方に聞いてみると、もうかっているところはないみたいな話なんですね。そんなことを始めたらおれたちの責任になるからそれは御免だとなかなか乗ってこない。それで、私はもう業を煮やしまして、損したら市で出しますよと、そうしたらようやく乗ってきたんです。そして、いろんな漬物をやりまして、その漬物の材料を第三セクターの、これは有限会社ですけれども、それと農家が契約栽培したんです。そうすると、その契約栽培の皆さんは極めて安定した生産ができるんですね。  だから、そういうふうな形で農協が個々の農家の生産を盛んにさせ安定させて、そしてそれを集めてきて流通に流すことによって、それで農協経営それ自体も保っていく。だから、農協は自分自身はもうからなくてもとんとんでいいわけなんですね、これは。そういうのが農協の初めからの精神なわけですよ。ところが、もうそういうことはやらないんですね。自分の保身のことばかりどうも考えているような、そういうところをやっぱり変えていかなくちゃいけないと思うんです。  それで、今私の言った事業、最初二千万ぐらいの売り上げを上げようということでやっておったんですが、今は二億だかの売り上げが出ていますよ。今になってそれはよかったと、こうなっていますけれども、当時はどうしてもそれに乗ってこなかった、そういうことがあったんです。  考えてみますと、農協は自分の経営をとにかく守っていかなくちゃならないということからして、必ずもうかるものしかやらなくなってきているんですね。それで、必ずもうかるというのは何かというと、これは購買の方だんですよ。とにかくいろんなものを売る、物売りなんですね。これは完全にもうかるわけですよ。  だから、農家の皆さんは、どうせよそから買っているものなら農協から買ってくださいよということで、自動車もやれば電気製品から、トラクターはもちろん、ジュースから何からもうみんな売るわけですよ。ガソリンスタンドもやっていますし、みんなそうやって商売をやっているんです。だからその方が手っ取り早い、これはもう損がたいわけですから。そういう方向にだけ向かっていく傾向がある。  それで、私のところで市長選挙があったんです。農協の組合長さんが立候補するというんで、こういう農村地帯で今まで長いことここの農業経済のことに取り組んでやってきたんだから、あなたは適任者だろうと、私はその人を推薦したんですよ。そうしたら途中になって、いや町の中で人気が悪くて困ったという情報が私に入ってきたんです。どうしてだと言ったら、保険屋さんが商売がたきだと。そして、葬具屋さんが安く祭壇を貸すんです。だから、葬具屋さんも商売がたきだからあれはだめだというんですね。  保険屋さんはだめ、ガソリン展さんはだめ、パーマ屋さんはだめ、とにかく随分総合商社みたいたことをやっているなと思ったんです。それで、とうとうその人は三つどもえでやって落っこっちゃったんですよ。これは農協も困ったことをしているなとそのとき思ったんです。そうしたら、一つ隣の市でも同じような農協の組合長さんが市長に立ったんですよ、三つどもえで。その人も落っこっちゃったですよね。  そういうことを考えますと、どうもいわゆる農協本来の仕事をそれて別の方向に、とにかくもうけよう、経営を何とか維持していこうという方向にだけ向かっているんじゃないか。これはやはり本来の方向に直していかなくちゃいけないと、こう私は思うんですが、これについてはどういうふうにお考えでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 農協の経営という観点が非常に強くなっているという御指摘だと思います。  これは御承知のとおり、農協法によりますと、いわゆる出資金に八%以下しか配当は認めたいということでございまして、利益を上げても配当ができないという形に制限して、余り利に走らないようにということを農協の一つの方向として出しております。ただ最近、農協は赤字というものが割合多いものですから、いろんな面で経営という点を重視する傾向にあると思います。  ただ、やはり農協自身、経営が赤字赤字という形になってくれば、これはちょっと大変なことになる。ただし、それがために余り憶病になるというのは問題がある。したがいまして、やはりどういうふうにその農家の意向を十分酌んだ形でやっていけるかということが大事なんだと思います。  今、先生が御指摘の第三セクターの方式、これなんかも一つの方式でございまして、農協としてそこの分野ではどうもこれは危ないかもしれぬというときには、出資会社という形でやって損得をはっきりさせてやっていく方法も一つの方法だろうとは思います。  しかし、いずれにしても余りにも農協の経営経営ということになるのは非常に好ましくない。特に、営農指導に対する手が抜けていくということについては我々は非常に懸念しておりまして、この点については強く指導しておりまして、最近では営農指導の指導員等の数も減らないようだ形になっております。その辺を、農家の意向を酌んだ形でしっかりやっていくようにということを強く私たちは指導しておるわけでございます。  なお、先生、購買のお話がございました。実は農協全体のこれは平均でございますので、必ずしも一つずつの農協に当てはまらたいわけですが、実は購買事業自身もマイナスなのでございます。プラスになっているのは、農協全体の収益の中での平均で見てみますと、信用事業と共済事業でプラスが出て、それで購買、販売事業のところでマイナスになっているというのが農協の現在の姿でございます。  購買を担当している方にとっては非常にそこは気になるところなんだろうと思いますけれども、そこのところがもうけにたるということでは必ずしもない。やっぱり購買事業のところは行き過ぎにならないようにこれも私の方で指導しております。前にもこの点について新潟県の方で御議論があったこともございまして、行き過ぎた売り込みというようなことは慎むようにというような形でやっております。  ただ、地場産業との競合関係というのは、やはり購買事業というのはある程度出てこざるを得ない点はやむを得ない。これは、組合員にできるだけ安く供給する、これがまた競争という形で、農家の利益ないしは地域の関係者の利益になっていくんだというふうに考えております。  ちょっとあちらこちらとお答えいたしましたけれども、いずれにしましても農協そのものの経営だけに頭を働かすことなく、やはり農家の意向を十分酌むようた形を、先ほど言いましたようたシステムをとってやっていっていただきたいということを私の方も指導しておりますし、農協運動の中でもそういう方向をとりつつあるというふうに理解しております。

星川保松新緑風会

○星川保松君 購買の方も、これは上の方まではそういう声は上がってこないと思うんですが、私は末端でいろんなことを見ているわけですよ。例えば農協の職員で夫婦で勤めているなんというのがあるんですね。それで購買の仕事をさせられて、さあテレビ売ってこい、車売ってこい、洗濯機売ってこい、ジュース売ってこい、売り上げ上げろ上げろと、それから共済の方もどんどん成績を上げろということになって、自分の親戚、友だちをぐるぐる回って、それでもう限界に来て、今度は自分でそれを買わなくちゃならない、自分もその共済に入ってね。それで、二人で働いて一人分が全部そっちの方に持っていかれて、一人分で暮らしているなんというのも中にはあるんですよ、現実として。  それから、テレビなんか私らよりも立派なテレビがでんと、車だってやっぱり売り上げ上げろとなるとデラックスを売った方が上がるわけですよ。だから、本来はこんなものは農業経営上引き合いませんから、中古の耕運機で我慢しなさいと言うべきところを、デラックスな耕運機売っちゃう、そんなこともやっぱり末端の方を見るとあるんですよ。だから、経営経営ということはかり言うとそういうことになってくるんだなと思うんですよ。だから、あくまでも農協活動というのは、農家それぞれの経営をよくしていって、それで生産されたものを扱うことによって農協の経営を維持していかなくちゃならないんだという、やっぱり本来の農協の仕事というところにきちんと立ち返るようにしていきませんとこれはだんだんおかしくなっていくんじゃないか、こう思うんです。  組合長の皆さんから聞いたら、農水省の方にそんなことをやっているなんていう声が上がってこないからわからないでしょうけれども、私たち末端におりますといろんなところが見えますから、やはり農協経営、利益を上げろ、黒字を出せということになると、そっちの方に行かざるを得ないわけなんですよ。そういうことはひとつ十分指導していっていただきたい、こう思うわけでございます。  それから、農協は農政の面でも大変大きな役割を果たしてもらわなければならないと思うんです。特に、今度WTO時代に入っていって、そして国内対策として農水省もいろんな政策を打ち出していくわけですけれども、例えば青年農業者の育成ということを今回打ち出したわけです。それから、特定地域の新部門の導入の事業、これも打ち出した。  農水省で打ち出したいわゆる農政というものは、ずっと県の段階へ行って、県では例えば制度的な普及を図ってそれは市町村までずっとおりていくわけですね。県の方は、いわゆる普及員の皆さんなどを通じて技術とか経営指導の方をやっていくわけです。それで市町村では、今度はこういう制度がありますよと、これを使ってあなたは頑張ってやったらどうですかということを制度に乗っけてやるわけです、青年たちなりに新部門に向かう人たちを。  そうした場合に、物をつくるというのは農家の皆さんは非常に上手なんです。ところが、これを売るということになると皆目手が出ないんです。わからないんですよ。ですから、つくるにはつくってもそれが売れるんだというところ、いわゆる流通の方にちゃんと乗っけてあげないと、新部門にも向かえないし、それから青年たちが意欲を持って生産に入っていこうということもできないわけたんです。だから農協は、そういう流通に乗せてやるということについて非常に大きな役割を果たしてもらわなければならないわけなんですね。  そういうことから考えても、やはり生産する農家と、それからそれを制度なり技術なり指導していく行政の側と、それから流通を受け持つ農協とやっぱり三者一体になってこれを進めていかないことには、せっかく国の方で立派な政策を、農政を打ち出していっても、私は軌道に乗っていかないという気がしてならないんですよ。  そういう意味においても、農水省は農協の役割というものをきちんと位置づけて、そしてそういう役割を果たしてもらえるように強力に押し出していっていただきたい、私はこう思うんですが、これについてどうお考えでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先生がおっしゃるとおりでございまして、農協の営農指導というのは先生御指摘のような販売のルート、それからまた資材等の購入のルートというものと一体になった形での営農指導ということが農協の一つの役割でございます。  したがいまして、農協の営農指導というものにつきましても、そういう形での面から、普及所、今普及センターというふうな名称になりましたが、そこと普及員との連携をとり、さらに試験研究機関とも連携をとり、新しいものを入れた場合にどういうふうに販売していくのか、それからまたそれの資材供給をどういうふうにするのかというような点が農協がまさに受け持つべき指導面だろうと思います。  その点について我々は手抜かりのないようにということ、これはいろいろと細かく指示をしておりますけれども、営農指導がやはり農協の活動の基礎的な部分であるべきであるという認識をしておりまして、その点は私の方も従来も指導しておりますけれども、これからも心がけていかたければならぬというふうに考えております。

星川保松新緑風会

○星川保松君 せっかく合併をして大きくなっていく、そしてその余力をどっちの方へ向けていくかということをやっぱり今のうちから考えておく必要があるんです。  私はせんだって、同僚の議員の息子さんの結婚式に呼ばれていきまして、この人はあるお酒の会社に勤めているお嫁さんをもらったんです。それで、私と向かい合って会社の人が座ったんです。お互いに名刺のやりとりをしたんです。そして、見たら技術関係でして、農学博士の名刺なんですよ、ずらっといらっしゃる方が。それで私は、あなたの会社で農学博士は何人いますかと聞いたんです。そうしたら、数えたことはありませんが百人はいるでしょうなと、こう言うんです。お酒の会社一つで百人の博士を雇用して毎日研究しているわけですよ、新製品たり製品の向上なりを。  例えば、日本の全農なんか、これは大した組織なわけです。その中でどのぐらいのそういう研究に携わっている博士がいるのか私は存じませんけれども、やはり合併して力を蓄えたら、百人とは言わたくても何十人ぐらいの博士を雇用して、そしていわゆる農産加工なら農産加工のそういう付加価値の高い農産物を売るための研究でもやっておったらもっともっとうまくいくんじゃないかな、こういうふうに思うわけなんです。ですから、やっぱり合併して大きくなっていったらそういう独自の研究開発部門などもぜひ私は充実していってほしい、こう思いますが、どうお考えでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 今、百人の農学博士というお話がございました。大変立派な酒造会社だろうと思います。  実はこの技術面につきましては、やはり農業関係の技術、加工も含めまして、どうしても農家の方が単位が小そうございますし、また合併農協といえどもなかなかそこまで試験研究を充実させることは無理がございます。したがいまして、やはり国、県の試験研究機関ということが中心にならざるを得ない。それとの連携をどうとるかということが非常に重要なポイントでございます。  現在でも全農並びに県の農協の段階で、例えば全農の場合には試験研究機関の技術者を何人かリクルートといいますか、途中採用という形で入っていただいて、例えば技術主幹というような形で技術指導をやりたがら、その試験研究機関との連携ということに心がけております。ただ、単協で試験研究機関を持てというのは、一部そういう動きもないわけではございませんけれども、なかなか難しい点があるのではないかと思います。  いずれにいたしましても、農協とそういう試験研究機関なり普及センターなりとの連携強化ということは十分意を用いていかたければならぬ点でございまして、その点についてはやはり県の段階、それから国の、全農の段階という形で、または全農だけではございません、専門農協のところもそういう技術主幹的な方を入れてやっていっておるわけでございまして、全体としてそういう体制をとっていく必要があるのではないかと思います。  いずれにいたしましても、先生お話しのとおり、農協の営農指導というのは農産物の生産から販売に至るまでの指導をしっかりしていくということが主眼でございまして、これがやはり農協の基幹的な事業の一つでございますので、その点について抜かりのたいように我々も指導をしていきたいと思います。ただ、自主的な団体としての限界といいますか、なかなか我々歯がゆい思いをするところがあるということは御理解いただきたいと思います。

星川保松新緑風会

○星川保松君 終わります。

林紀子日本共産党

○林紀子君 今回の改正案では、都道府県の合併推進法人が固定化債権の買い取り業務を行えることになります。この点に関連して質問したいと思います。  まず、推進法人が固定化債権を買い取るということになっていますが、しかしその実態は、推進法人が買い取る資金、これは不良債権を持ち込んだ農協からの融資で調達する、こういうことになっているわけですね。ですから、つまり農協が自分の債権を自分の金で買い取る、こういうことにすぎないんじゃないかと思うわけです。ですから、たとえ合併は促進できたとしても、農協そのものの経営を改善するということにはつながらないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 実は、このシステムというのは一般金融機関が今回東京に買い取り機関をつくってやったシステムをまねたわけでございます。  これは一番大きな点は、やはり損金算入と言うことができる。例えば百万円の不良債権を持っておりまして、それが担保権を執行してもそのうちの七十万にしかならないというときに、七十万で担保権を執行するような団体へ渡して、残りの三十万を損金でやるということができるところが大きなメリットでございます。そういう形で処理をしていくわけでございまして、ですから、現実的な処理が両方でできる。片方は税制の形で、片方は本当に今処理できる価格でということでございます。それは七十万ということであればすぐ処理できるという形になるということでございます。  この状況につきましては、目につきますのが非常に大きな債権といいますか、ちょっと不正があったりしての債権というのが目につくわけでございますが、個々の農協で調べてみますとそれはよく行われているところでございまして、五百万とか六百万とかいうような単位のものが割合多いわけでございまして、何千万というものは割合少ないわけでございまして、そういう処理をやっていくことによってこの固定化債権を償却していく方向になるというふうに私どもは考えておる次第でございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 確かに損金算入はできるけれども、七十万なら七十万でその不良債権というのはやはり残っていくということになるわけですね。ですから、合併のために単に一時棚上げするだけだというふうなことになるんじゃないかと思うわけです。固定化債権の根本的た解決というのは、その債権を流動化しない農家自身の負債対策、それが一番基本になるのではないかと思うわけです。  農水省は、ウルグアイ・ラウンドの国内対策として農家負担軽減支援特別資金、こういうものを創設したというふうに聞いておりますけれども、この資金を借りられる農家は、さらなる投資を可能にするなどにより経営基盤を強化する、これが条件になっている。これを考えますと、農家が抱える負債を軽減することができないのではないか。ひいては農協の経営も改善させることができないのではないかという不安があるわけですが、いかがでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) これは大蔵大臣が、予算委員会だったと思いますが、明確にお答えしておりますように新規投資というものは必須条件ではございません。ただし、農業経営の改善を進めようとする者ということで、投資を必ずしも伴わなくても改善をしていくという方法があると思います。  これは、実は非常にばらまきであるという大変なお小言をちょうだいいたしまして、それはばらまきではない、やはり経営を改善していくという方向に負債対策を講じていくんだということからそういうふうにしておるわけでございまして、本件の融資とあわせて生産方式の合理化等の農業経営の改善が行われれば、そういう農家は対象にしていくということで、詳細について今検討をしておるところでございますが、大臣の御指示もありまして、そういう方向でやっていくつもりでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 今、その実施要綱を作成中だということだものですから、農水大臣が十二月六日の委員会で私が質問したときお答えになった、その趣旨でやっていただきたいということをぜひお願いしたいと思いましたが、今の局長の答弁で、それはそういう方向でこの実施要綱もつくられていくということですので、それはぜひお願いしたいと思います。  それから、関連しまして住宅金融専門会社七社の不良債権、これは九四年の九月末で六兆円にも達していると言われています。九二年三月末の数字ですが、住専七社の借入総額十四兆円、このうち農林中金が八千二百三十四億円、信連が三兆四千三百五十三億円、共済連が一兆三千八百三十六億円、合計五兆六千四百二十三億円、こんな巨額に達する融資を行っているということですね。ですから、これは融資総額の四〇%にも達しているというふうに伺っております。  この九三年春にまとめられた住専の再建十年計画では、農協系では年四・五%にまで金利減免をするということになった。ところが、不良債権の回収が進まず、資金繰りは悪化して、総合住金は農協系からの借入元本のうち六百億円について四百億円の繰り延べを要請している。これは最近の新聞に出ておりましたけれども、この問題について農水省としてはどういうふうに具体的に指導していこうとお考えになっているんでしょうか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) いわゆる住専問題については、住専各社がバブルの崩壊によって不動産価格の低落というようなことから経営が悪化をいたして、これに対する再建計画は平成五年の二月から六月に経営再建計画が立てられたわけでございます。これは、いわゆる母体行といいまして設立の中心になった都市銀行を初めとする各種金融機関でございますが、それらが中心とたって関係金融機関の協力のもとに経営再建計画が立てられまして、現在それが行われておるところでございます。  不動産市況の低迷が続いておりますので、再建計画についてもなかなかに困難を伴っておるところでございますが、現在では、今お話しになりました金利の、系統に対しては四・五%の金利の支払いが滞っておるということはないわけでございまして、我々としてはこの経営再建計画が着実に実行されることを期待しておるところでございます。  また、この問題は、もともとはやっぱり本来の筋は金融機関相互同士の問題でございますけれども、これが農協系統の系統組織における信用事業に対する影響が非常に大きいものでございますから、監督官庁である大蔵省と連絡をとりながら、その情勢を、十分これについて注目をしたから現在対応しているところでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 最近発行されました週刊東洋経済というのも、「もはや秒読み段階 住専はかく解体するし、それで「農林系の右往左往」というような記事が出ているわけですけれども、大蔵サイドということですが、今都内の二信用組合の処理に当たって日銀が出資する、このことについては大変批判も多くて、この公的資金導入ということは住専の救済には難しいんじゃないかというようなまた新聞記事もあるわけですね。今、見守るということですけれども、それで本当に大丈夫なのかどうかということについては、大変心配なわけです。  本来農民である組合員から集めたお金が農業とは全く関係のない住宅建設に巨額の融資として使われた、そして大きな不良債権を抱え込んでしまった。これは、農協系統の資金の使われ方としてそもそも問題があったんじゃないかというふうに思うわけですね。今後、県段階、中央段階でこれが固定化債権というようなことになりましたら農協にはすぐ影響をしていく、そして農家組合員にも重大な影響を及ぼす、そういうことになるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) 農協サイドから見ますと、当時、住宅需要が非常に大きい、住専の資金需要が大きいということで、住専は普通のいわゆるノンバンクとは一段違った性格を大蔵省も認めておりまして、指定金融機関ということで、これに対する貸し付けに対しては、何か農家から集めた銭を勝手に住宅金融に回したというようなものではなくて、個人住宅需要が非常に強い、それに対する資金需要にこたえるために、一方では農協の余裕資金がありましたのでこれに対する貸し付けを行った、そういう性格であることをまず御理解願いたいと思うわけでございます。  影響するところは非常に大きいわけでございますから、我々としてもその再建計画の的確な実行ということについては、監督官庁である大蔵省、あるいはその各住専の設立に関与し大事なり経営において深くコミットしておる母体銀行、母体金融機関、それの努力によって経営計画ができる、再建計画が進められるということを期待しているところでございます。  紙上いろいろなことが金融機関の不良債権問題で言われておるところでございますが、我々としては現段階では十二分に注目をしているという現況でございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 農家組合員に対してバブルのツケをそのまま回すようなことは絶対にしないでほしいということを強く申し上げたいと思います。  次に、広域合併の進め方についてですが、九二年の法改正の際、当委員会は附帯決議を採択しました。広域合併の推進計画づくりに当たって、地域の実情を反映させるとともに、組合員の意思に基づきその理解と納得の下に行われるよう措置すること。」というふうに七項目めはなっているわけです。  京都の久美浜町農協、このことを例にしてお聞きしたいと思うんですが、ここでは農協理事者が無断で合併総会の書面議決書を開封する、そして反対ということがわかった人には自宅に押しかけて賛成票を投ずるように強要する。そして、行ったときに反対票を投じたその書面を破り捨てるというようなことまでやったということを聞いているわけです。このやり方というのは全くこの附帯決議に反することじゃないかと思うわけですね。そして、この四月にも丹後地域の一市十一町の農協が合併されようとしているわけですが、このようなやり方で合併を進めるということは許されないことじゃないかと思います。  合併を決めたこの総会というのをやり直すべきだと思いますが、そういう指導をなさるというお気持ちはありませんでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 確かに先生御指摘のとおり、合併というものは組合員の意思に即して行われるべきものであると思います。ただ、それは個々の組合員ということでたく、組合員全体の意思としてやはり決めていくべきことだと思います。  ただ、今先生御指摘の件につきましては、単協というのは申しわけございませんが県の方で指導しておりますので、今のお話は私たち存じませんのでございます。私の方でよくその事情は調べてみたいと思いますが、一人一人の、みんなが賛成しないと、コンセンサスでないといけないということでは必ずしもない。やはり農協全体として組合員の意思がそういうふうにコンセンサスにまとまるようにやっていくということは一番望ましいことだと思いますけれども、話し合いの中でやはり組合員の意思が尊重されていくということがいいんだろうと思います。  とりあえず、今御指摘の点につきましては、私どもは京都府の方に事情を聞いてみるつもりでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 それは全員賛成したければということじゃなくて、このやり方の問題を、私、民主主義を本当に破壊するようなやり方だということで申し上げたわけなので、ぜひそれは実情も調べて、またそのことについて私の方にもどういうことだったかというのも御報告いただけたらと思います。  大臣にお聞きしたいんですが、こういう状況があるということは民主主義破壊の違法行為だというふうに思うわけですね。この農協では、でたらめたことをする農協にはついていけない、こういうことで集荷や資材の購入などは農協には頼まない、こういう農家が出てきているということなんです。農協にとって一番大事な組合員の信頼を失ってまでどうして広域合併を進めなければならないのか。組合員のニーズにこたえるのではなくて、上から強行して合併計画づくりを進めている、この弊害ではないかと思いますが、どうお考えになりますでしょうか。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま局長から御答弁申し上げましたように、事実関係について承知しておりませんし、全国で行われております今の広域合併について上からのお仕着せというようなことが行われているとは私どもは思っておりません。

林紀子日本共産党

○林紀子君 民主主義を守るということはまず第一の根底にしていただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思います。  それから今度は、広域合併に伴って農協職員の労働条件が大変悪化している、こういう問題について一つお聞きをしておきたいと思います。  広域合併によって職能給や役付定年制、選択定年制、こういうものを導入した農協というのが大変ふえているということですけれども、これも実例を挙げて御質問をしたいのですが、茨城県水戸市農協の場合ですが、九三年八月に七つの農協が合併しました。それを契機にライン役付定年制というものが導入された。これは五十七歳以降で参事以下、ラインから外れる職員の意向を調査する。  意向調査というと聞こえはいいのですが、これが退職をするかどうかという意向調査になるわけですね。九五年度は十六名が対象となる。全員退職させられたら、退職金の割り増しを行ってその分の経費はふえるけれども、単年度の決算から見ると事業管理費が減るのでその公事業利益の好転につながる。そして、臨時、パート職員の比率を高める。こういうことで役付定年制が進められて選択定年制が導入されるなど、一方的に労働条件が大変変更される、悪化している。  合併を契機としたこういう労働条件の改悪、悪化というのはやはり是正をするように指導するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 私の方、合併したときにそういうことを云々ということはちょっと調べていたいので必ずしも把握していたいんですが、必ずしも合併に当たってそういう制度を導入しなければならないということではないと思います。  ただ、農協といたしましても、やはり職員の問題というものにつきましては選択定年制度とか管理職定年制度というのはいろんな形で行われております。例えば、選択定年制度は約五割弱の農協でございます。合併を契機云々ということでそれを進めているという状態ではございません。それから、管理職定年制度も二割弱のところでやっております。しかし、これらは職員の選択という形がとられておるわけでございまして、それぞれ経営上の問題というふうな形でやられているというふうに聞いておるわけでございまして、これは必ずしも合併と直接関係するものではないというふうに考えています。

林紀子日本共産党

○林紀子君 最後にお聞きしたいのですが、今合併を契機ではないと言いましたけれども、やはりこういうふうに合併を契機に行われるというところが非常に多いわけです。その場合、労働組合を含む職員団体はどことこういう労働条件について話し合ったらいいかといいますと、どんどんたらい回しにされてなかなか交渉相手が定まらないということがあるんですね。どこと団体交渉を行えばいいのか。このことをやはり改善を図っていかなければいけない問題だと思いますが、どのようにお考えか、お聞きして終わりたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 農協の合併は、当然関係当事者間で十分話し合いを行って、職員の理解と協力を得たがら円滑に進めていくというのが基本だと思います。  今、労働条件についての交渉の相手ということでございますが、合併前の農協との間で自主的な話し合いをやるというのが通常でございます。これは農協に限らず、会社の場合も、合併会社のときには合併前の労使双方で合意の上で円滑に解決するべきだと思いますし、そして合併前の農協なり法人と話し合ったものにつきましては、労働法上当然その合併後存続する組合は権利義務をそのまま承継するという形になっておりますので、とりあえず合併前の農協とおやりになるのが最善だというふうに考えます。

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、細谷昭雄君及び村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として粟原君子君及び千葉景子君が選任されました。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 きょう私は、農協合併助成法の一部を改正する法律案を審議するに当たりまして、できるだけ焦点を絞ってお伺いをしたいというふうに思っております。  それからまた、大臣には、場合によってはちょっと退屈されるかもしれませんけれども、というのは、具体的なことをいろいろと例えば、これはやっぱり大臣よりも局長にということになりますし、最後に総括的にお答えをいただくというような形になるんではないかと思います。局長の御答弁が適切であればそういうことになると思います。なかなか納得いかたいと途中で大臣にお出まし願うことがあるかもしれませんけれども、そこは局長、心得て御答弁いただけるんだと思いますので、よろしくお願いいたします。  最初に、農協合併を助成するということでありますから、そうすると、合併にはもちろんメリットはかなり大きいものがある。しかし同時にデメリットもあるわけであります。そのメリット、デメリットをどういうふうに見ていくか。メリッ十分はデメリットを超えてメリットがある、しかもそのメリットを生かすことが非常に大事だということが確認されませんと、なかなか合併がいいというふうに必ずしも一言で言えないということにもなると思うんです。  そこで、合併のメリットとデメリットをどのように理解をしておられるのかという観点に立ちだから、そういうことを伺いたいということをあらかじめお考えをいただきながらこれからの質問にお答えをいただければありがたいと思います。  まず、経営の側面から考えれば、規模が大きくなるということは、それはただ単純に大きくしたというだけじゃ意味がないんでしょうけれども、効率化だとかいろんな面で、大きくなればそれはそれなりの利益がある、これは今の社会の常識であります。しかし、協同組合という立場からいきますと、組合員の利便ということも決して忘れることができない。これは先ほどからいろいろの議論の中でも出ているわけであります。  そういたしますと、その辺の兼ね合いを考えたときに一体適正な規模はどのようなものになるんだろうか。もちろん、専門農協というような形の違いもあります。しかし、私が特に伺いたいと思いますのは、やはり先ほど星川委員も聞かれましたように、我が国の農協は大体総合農協になっておりますから、地域ごとに、中山間地と平場との違いなどといろいろ区別をすれば切りがありませんけれども、非常にアバウトにくくって、総合農協で大体適正規模というのをどういうふうに理解しておられるか、そのことをまずお伺いしたいと思うわけであります。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先生御指摘のとおり、経営の面から見ますと規模が大きければ大きいほど、むちゃくちゃ大きいのはどうかと思いますけれども、単協としてある程度大きければ大きいほどいいというのが一般的なことになると思います。  ただ、それは先ほど御指摘のとおり、組合員の利便性ないしは組合員との関係の希薄化という問題を生ずるということで、そこをどういうふうにバランスをとるかというのは非常に難しいところで、それじゃ適正規模はどのくらいかと言われてもなかなか難しい。それはやはり地域地域の中でそれぞれの農協が、どの程度のものであるのが自分の農協としては好ましいのか、望ましいのかという判断でやっていっていただかざるを得ません。  もう一つは、やはり歴史的にもう既に農協があるわけでございますから、その合併の可能性というようなものも一つの制約要件になると思います。そういうことを踏まえまして各県で合併計画というものを自主的につくっていただいております。そういうものを政府としては支援していくということにたらざるを得ない。したがいまして、デメリットをできるだけ少なくしていくという努力を今後ともやっていかなきゃならない。デメリットをできるだけ少なくしていくという方向を打ち出さなければならぬ。  それは結局は、組合員の日常活動に対応して支所機能を充実させるということが一つ。それからもう一つは、やはり生産部会等組合員のそういう自主的た組織、生産部会だけではないと思うんです。生活関連の部会もあると思うんです。そういう部会活動を強化して、そこへできるだけ農協の人間も入っていってその意向をつかんでいくという形で、何とかそこのところを希薄化が起こらないような努力をしていくということが大事なんではないかというふうに思います。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 抽象的にお答えをいただきゃそういうことだと思うんです。  しかし、少し具体的なことを議論してみたいと思うんですけれども、例えば広域合併が今それぞれ進んでいますね。自治体を超える範囲の中で合併を現実にしたところ、あるいはそういう方向を志向しているところ、今その傾向が強くなっているのかもしれませんが、これは農林水産省で掌握をしている実態はどういうふうになっておりますか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 平成五年度の数字で申しわけございませんが、全部でそのときの農協数は二千八百ほどございまして、そのうちで市町村区域を超えた区域を区域としている農協、これは五百八十ぐらいございます。なお市町村区域のものが千六百ぐらいございます。ちょっと丸めておりますから数字が合わないかと思いますが、市町村区域未満がまだやっぱり六百八十ぐらいございます。  そういう数でございまして、超えているものは二千八百のうちの五百八十ということでございますので、相当数が超えているということでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 私がこれを伺いましたのは、市町村単位というのはいろいろの面で人間関係というのが濃いんですよね。しかし市町村を超えますと、その市町村という区域を超えると人間関係の濃さはかなり変わってくる。そういう地域社会ということを考えていったときも、今局長言われたように、組合員と組合との間ができるだけ希薄化しないようにということだけれども、そういう縁が薄くなってくる広域の範囲ということになると、勢い農協の中心部なら中心部が置かれているところとそれから他の町村、今度合併をされたその町村というものとの関係はどうしても薄くなりがちです。  例えばお金一つ借りるにしても、幾らまでは支所長の決裁で済むけれども、幾ら以上になれば本所に相談したきゃならないというようなことになります。今までだったら、町村の中のときは比較的その方が決断も簡単にできる仕組みになっていた。組合長はその村の中にいたんですから。でも、隣の村の今までつき合いのなかった人が今度は組合長にたっているというような状況の中では、やっぱりそういうことが起こるんですね。私らの周りでも幾つもそういう体験を聞かされますよね。  そうすると、広域農協、確かに経済性ということから考えたら大きくなることによって経営効率はよくなります。だから、農協経営としては一つ前進をするということになります。ところが、組合員との関係、幾ら希薄にならないようにといっても、市町村を超えるという形になると、自治体を超えるという形にたると、どうしてもそこのところは希薄にたる部分が出てこざるを得ません。  もう一つ、これは後の方でまたお聞きする材料の一つでもあるんですけれども、例えば農協のさっきのように融資を受けたいという場合も、そういうふうにして今までよりは遠いところにあるという感じのものになりますし、それから役員を決めるという場合、一人一票の原則とかなんとかというふうに言ってきますけれども、広域になればだんだんと役員の人を直接知らないと。知らない人が役員になっていく地域の人は、こっちの地域の人はよく知っているけれども、こっちの地域の人はよく知らない、そういうようなことが起こってきます。いろいろ関係が希薄にならざるを得ない側面を持っていて、これはかなり私はデメリットだと思うんです。  これをどうしたらたくすることができるのかということが一つと、それから、そういう広域市町村を含めたものというのはむしろ特別な例外みたいだ形にたっていくんであって、本来的には、組合員という立場から考えたら広域市町村合併というのは慎重に考えなきゃならない側面を持っているんじゃないかなというふうにも私は思っているんですけれども、その辺はどういうふうにお考えですか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 市町村につきましても広域市町村ということで合併を進めてきて、その前は旧市町村ぐらいが一つの農協の単位だったわけでございます。しかし、交通の便、それから通信関係の便というようなものが発達してくるに従って、やはり市町村も合併して、それで農協もまた合併をしてきたという歴史でございます。  さらに農協につきましては、今の厳しい経営環境の中で、ある程度そういう合併という形でやっていかざるを得ない点がある。それを何らかの形で先生御指摘のようなデメリットをカバーしていかなきゃいけないわけでございまして、先ほどのようなお話は、例えば支所機能の強化という形で、それはよほど大きなお金はちょっと別かもしれませんけれども、どの程度が適切な範囲で支所長の権限でやっていくかというようなことでやっていける点があるんだろうと思います。  それからまたもう一つは、先ほど生産部会ということを申し上げましたけれども、やはり広域の農協の中での同じ生産をやっている仲間同士が集まって、できるだけやはり市町村を超えたそういう交流の中から、農協を支えていける、またそこにいろんな形の意思が反映されていくようなシステムというものを、そのデメリットを防止するための手段としてやっていく必要があると思います。  さらに、市町村との関係につきましては、現在、協議会を設けてできるだけ関係市町村との緊密な連携をとるように指導しておりまして、相当のところでその協議会が活動しております。また、これからもその協議会を設定して、その市町村との関係をきちっとやっていくようにということも、これからも指導していくことにしております。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 その辺は慎重に、そしてしかもいろんな配慮をしながらやっていただかたいと、困ることがいろいろ今後出てくるんではないかと心配をいたします。  そしてまた市町村との関係も、そういう協議会をつくって対応というお話がありましたが、やっぱり市町村の中で自分の町の単位の農協ですと、これも後で伺うことの中に入ってくるんですけれども、員外預金だとか員外貸し付けとかということの中に市町村が入っている場合が結構あるんですよ。それで、自分の町の単位で、自分の町で一農協ですとまだ市町村も比較的対応しやすい、そういう側面を持っています。広域にわたりますと市町村間のお互いの競争みたいのものもあるんですよね。  例えば、私の町の例を出して恥をさらすようで申しわけありませんけれども、私の町の三条市というのと燕市というのが並んでいますと、経済の原則からいけばそんなものどっちが栄えたっていいわけですけれども、住んでいる者からすれば、三条の方に住んでいるのは三条が強くならなきゃだめだ、燕に住んでいるのは燕が強くならなきゃならない。  そうすると、その間を新幹線が通ったわけです。新幹線の駅はそのちょうど境界線ののこぎりの歯のようになった上に新幹線のホームをつくったわけですよ、利害関係があるから。そして、駅の名前をどうするかでもって大もめにもめまして、三年ももめたんですよ。そしてやっと燕三条という名前になったんです。  これにもいわくがありましてね、どっちが上になるかという。随分おかしい話だけれども、やっぱりそういう何というか競争意識というのは大変激しいものがあるんですよ。やっと落ちついたのが、片方の燕というところは、燕という町が頭へ来ればみんな燕ということを言うでしょう、だから上へ来たと。しかし、新三条とか東三条とか、それから何とか三条とかと言ったときは、大体その下にある方がメインだと。だから三条の方は、燕三条と言ったら三条の方がメインだと。本当に僕はおかしな話をするけれども、そんなことをしてまで調整しなきゃならないようなことというのは起こり得るんですよ。  そういうところは農協の合併なんていったってなかなかできないということになるかもしれませんけれども、それほどひどくないにしても、市町村間のいろいろな利害だとか何かというのはやっぱりあります。そういうものを考えていったときは、やはり広域農協というよりも、農協と自治体という関係はなかなか密接なものがありますので、協議会をつくって対応していればいいと言うけれども、そこのところは、協議会の中じゃお互いに牽制し合ったり遠慮し合ったりというようなものなどもあったり、そういう側面もデメリットの部分としてやっぱりあります。そんたことを総合しながら、本当に適正な経営になるようにそういう指導をやっぱりしていただかなきゃならないというふうに思いますので、それはお願いを申し上げておきます。  次に、先ほども同僚委員の中から出ておりましたが、大型化することによって職員の問題が出てくると思うんです。職員数は全体として合併によってどういう動向を示しておりますか。それから、先ほどから局長は営農指導だとかなんとかということを一生懸命強調しておられますけれども、合併をすることによって職員の配置、職種による配置、それはどういう傾向にありますか。この辺は押さえておられますか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 実は合併前と合併後でそれぞれの農協ごとに押さえたそういう統計はちょっと手元にないのでございますが、ただ、ここのところずっと合併が非常に進んでおります。そこで、農協全体の数という点で見てもそう大きな誤りはないんじゃないかと思うんですが、農協の職員数というのは、単協でございますが、これは今平成四年度の数字では三十万ぐらいになっておりまして、むしろちょっとふえぎみの状態でございます。大きくはふえておりません。ほとんど横ばいでございますが、ちょっとふえぎみの状態でございます。  それで、その中で営農指導員を見てみますと、ほぼ一万八千人ぐらいで、横ばいでございます。それから生活指導員の方も三千百人ぐらいで、ほぼこれも横ばいでございます。そういう全体の動き、これは先生御承知のとおり、ここ数年で七百ぐらいの農協が合併をしておりますから、数が三千数百から今二千六百になっているという状態の中でこういう変化がほとんどないということでございますから、余りそこのところに大きな異動というものは見られないんではないかと。  そのほかに管理職その他の部分をもう少し本当は見なきゃいけないかもしれません。参事というところで見ますと、参事さんの数がちょっと減っております。これは農協の数が減るからということもあろうかと思いますが、参事さんの数は平成元年が二千九百五十ぐらいだったのが、今平成四年度で二千六百五十ぐらいになっております。そういうふうに、管理の部分が合理化されて他の部門へ行っている部分があるのかなというふうな感じはいたします。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 それはわかりました。横ばいというのは、これちょっといろいろとまた考えさせられるものがあるんですが、今論争をしている時間は、もう大分経過しましたからちょっとたさそうです、聞いておかなきゃならないことの方が先にありますから。  そうすると、労働条件については掌握しておられますか。賃金水準とか、それから労働時間とか、その他いろいろあると思いますが、労働条件で掌握しておられるでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 労働条件といいますか、処遇調整等の実態ということで、給与調整それから退職金給与の引き当ての繰り入れ状況というのを一応調べております。これは合併前と合併後で余り変化はございません。ほとんどそのまま、たいしはむしろ高い方の農協に合わせたりということが間々見受けられます。ほとんどが今のものを引き継ぐ、ないしは平均給与水準、ないしは最高給与水準というようなところになっておりまして、労働のいわゆる給与関係での大きな変化はないというふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 そうすると、農協全体として大きく合併することによる経済的メリットは出ている。しかし、そこで働いている職員は余りメリットがないということなんでしょうかね、給与水準も余りほとんど変化がないということになると。そういうことになりますか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 職員のメリットということがどういうふうなことなのか、職員というのはやはり組合員に対する奉仕ということが主体になります。それのメリットというのがちょっとどういうふうになるのか。先ほどのように高い方の給与へ上げているというのが一つのメリットなのかもしれませんが、それは幾つか、幾つかというか少し見られる点がございます。そこはむしろ合理化との関係が問題になっておりまして、しかも数が減らないということが何でだというような意見が出てきておって、もう少し合理化をするべきではないかという意見が農協の中でといいますか、全体の議論の中で出てきておるということを御紹介させていただきたいと思います。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 私は必ずしも合理化促進論者ではありませんから、職員の数を減らすことばかりがいいわけではないと思っています。というのは、営農指導だとか生活指導だとか、そういうところの職員というのはむしろもっと充実してもらわなけりゃならないという実情だと思いますよ、現実はね。だから、単純に人数、頭数を減らせばいいとかなんとかということではないというふうには思いますから、その辺はこれからも念頭に置きながら御指導もいただきたいというふうに思います。  いずれにいたしましても、まず農協の合併ということによって経済的な幾つかのメリットはいろいろとある、しかしデメリットにたる部分は極力抑えるような努力をしてきている、そういう指導をしている、こういう今お話であります。  そこで、それではさらに焦点を絞りまして、融資の関係について少し伺いたいんです。  先ほど星川委員から購買事業についてのいろいろお話がありました。しかし、その辺もやっぱり局長の御答弁では、私もいろいろな現実を目の前に見ていろいろと感じていることがありますから、どうも星川委員の方に一生懸命手を挙げそうな感じで聞いていたんですけれども、融資の関係でもちょっと私は幾つかの疑問があります。伺いたいのであります。  まず第一は、事実関係について伺いたいと思います。農協の組織でありますから、組合員以外のいわゆる員外貸し付け、これがどの程度にたっているかということ。これは単協段階から県段階、それから中央の連合会段階までそれぞれあるわけでありますが、この員外貸し付けの実態というのはどのようになっているでしょうか。  これは、私が伺いますことの中には、特にバブルの時代にかなあり無理をしてというか、員外貸し付けを場合によってはかなりむちゃくちゃなやり方でやった影響がなたかったわけでもございません。その後始末に今苦しんでいるようなところも幾つか現実として知っているわけであります。やはり、協同組合でありますから員外貸し付けというものにはかたり慎重でなきゃたらぬということになると思うので、員外貸し付けの実態についてちょっとお知らせをいただきたい。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 員外貸し付けの御質問でございます。  その前に、員外貸し付け以外の問題もいろいろございまして、いわゆるバブル時代に幾つかの農協で私たちもそういう事実があるということを把握しているものがございます。ただ、これは二千六百幾つの農協の中の幾つかでございまして、これがすべて農協の実態だというふうに誤解されると非常に困るんでございますが、そういう事態のある農協もありまして、それらは経営者の責任追及というような問題も起こっております。  そこはちょっと付言させておいていただきまして、員外貸し付けの問題でございますが、原則的に組合員の事業の利用分量の五分の一以内ということになっております。これは、先ほど先生がお触れになりました市町村等の市町村債を買うとかというようなものは除外されまして、規制を受ける員外貸し付けというものでございます。それは単協の場合には大体組合員貸し付け全体で十五兆ぐらいあるわけたんでございますが、それに比較いたしまして約一〇%ぐらいのものがございます。  それから、次に信連の関係でございますが、これは先ほどちょっと問題になった住専のようなもの、これは金融機関貸し付けでございますから、員外貸し付けではございません。金融機関としての相手に、要するに銀行へ持っていくのと同じような形のものがございますが、それは……

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 だけれども、取り扱い上は負外貸し付けにたるんでしょう。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) いいえ、そこは規制外でございます。それで規制対象のものは全体の貸付額の八・二%程度ということになっております。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 多分、局長もこれはごらんにたった上でいろいろと御答弁いただいていると思うんです。農林中金で出した「農林漁業金融の統計と解説」であります。この中の数字の見方はいろいろとあると思いますけれども、これで見てまいりましたときに、単協のことを詳しく知るすべはこれではないんです。しかし信連についてはある程度統計として出ております。  先ほど、規制になっている部分と規制外のものというふうに局長は分けて御答弁いただきましたが、しかし問題は、預金をしているのは農協の組合員である。組合員が預金をして、そしてその預金を今度は貸し付けをしているわけでありますから、結局、員外貸し付けというのは規制がある員外か規制がされていない員外が、要するに金融機関というような形のものになるかということなんだと思うんです。この区別もそうなっております。員外の中へちゃんと金融機関も入れて統計が出ております。  そこで、ちょっと私もこの数字を改めて見ながらうなっていたんですけれども、例えば信連の預金の預かり先の残高を見ると、農協が全体の総預かり額の九二・七%に当たる。四十五兆四千八百三十八億九千万円ということでありますから。それで員外の預金というのが一・九%であり、その他の会員、これは農協系統関係のものがそこに入っていますが、あるいは農業じゃない水産とかそういうのもあるでしょう。それで五・四%ということになります。要するに貯金の方は九二・七%。ところが今度は貸し付けの方を見ますと、農協への貸し付けは貸付額の総額の六・五%で、員外の貸し付けが八一・五%になるんです。  要するに、預金はかたり信連に農協が中心になって出しているけれども、しかし貸し付けということになると員外貸し付けが物すごく大きいんです。二けたとか一けたの違いどころじゃないんです。片一方は八〇%、片一方はまだ六・五%ですから。ということになってまいりますと、これは少し協同組合という観点からいくといろいろと問題が出てくるんじゃないかなという感じがいたします。これは後ほどまた協同組合原理で伺いますけれども。  しかもその中で、金額的には二・九%にしかすぎませんけれども、コールローンがありますね。そういうふうに考えていきますと、これは金融機関を通じてのものの中にあるわけでありますけれども、預金をしているということに対するメリットが本当に組合員のところへどの程度戻ってきているのかということになると、これはちょっと考えさせられるという数字なんです。  立ったついでですからもう一つ申しますと、農林中金でいきますと、系統団体の貸し付け、これは全体の九・九%です。金額的にいけば一兆五千二百三十三億一千万円。これは全体の総計に対して九・九%になります。九・九%は僕の計算です。関連企業は八兆円で五二・五%に当たるんですよ。  それで、預金の預かり先別に見ていきますと、農業団体が二十七兆三千二百六十五億五千四百万円で、九五・九%です。そして、非出資団体は一兆五千百七十八億一千四百万円です。だから、全体の中でいけば五%程度ということになります。  要するに、預金は九五%農業団体がしていて、そして非出資団体は五%程度しかしていない。しかし貸し出し先になってくると、関連産業とか金融機関とか合わせて、金融機関が二七・五%ですから、合わせると八割が農業関係、といっても関連ということで直接農業ではない、そういうところへ貸し出しをされている。  これも、協同組合という範囲から考えていったときに、農協が中金に預金をしているということはどういう意味を持つんだろう、こんなふうに考えさせられちゃうんですけれども、その辺はどういうふうにお考えですか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 農協の信用事業というのは、先生のお話のとおり、余裕のある農家の資金を必要た農業的な利用に使うということも一つの使命でございますが、その需要というのはやはり限界がございます。それで、農家はそのほかに資産を相当持っておるというか現金預金がございます。そういうものの運用をどうするかという問題で、それを農協の預金という形で集めておるだけに、それの運用というものが重要になってくるわけでございます。  単協の場合には運用能力というのが非常に限定されております用地場産業というようなことに非常に限定されておりますので、それで七五%のものが信連への預金という形になって、それでまた信連の約五〇%が今度は中金の預金という形になります。それは農家の余裕金をいかに運用するかという問題でございます。  いろんな数字がございましてつかまえ方は難しいんでございますが、例えば中金の数字を先生今お挙げいただきましたけれども、先ほど預金の中でというお話でございましたが、中金はそのほかに農林債権を発行しております。これが約九兆円ございます。そういうものもございまして、もうちょっと農協の預金は、中金の場合には約三分の二が信連からの預金ということになる。そういうものをいかに運用するかというのが中金の大きな使命でございます。  したがいまして、それらを関連産業貸し付けというような形をとったりいろんな形での運用をしておる。それは農家のある意味では財産管理の一環としてやっている。できるだけ有利にそれを運用して農家へ還元していくという形をとっているのが現状でございますので、御理解をいただければと思います。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 局長のそれもわからぬわけじゃありませんけれども、ただ中金の中でいけば、さらに今度は中金のコール運用もあるわけです。そうするとこれはコール運用する中ヘプールされるわけですから、金としてはね。ですから、どれだけのメリットが農家の方へ今言われたようた、まあ間接的なものが多いんでしょうけれども、それにしても戻ってきているのかということ、これ非常に難しいですね、判断の問題は。  だからそこのところを、この次の予定をしていた質問とのかかわりになってくるんですけれども、協同組合原則からいけば、余剰金の場合は還元をするということが一つ大きな原則になっております。まさにロッチデールの時代からの精神がずっと流れてきている。原則の項目として表現される言葉は違っていても、ロッチデールからずっと脈々として流れてきていた、言ってみればロッチデールの先駆者組合が結成をされたときの精神としてそのまま引き継がれてきている協同組合精神の一つだと、大事なポイントだと思うんですね。そこのところが具体的にやはり組合員に見えてくるようにならないといかぬのではないかというふうに考えているんですけれどもね。  それだけに、今の預金と貸し出し、貸し付けとの関係、そこで出てくる運用とそれで出てくる利益の還元のされ方、これがどうも私はよくわけがわからないところがあるんですけれども、その辺はどういうふうに理解したらいいですか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) これはもう先生御承知のとおり、農協の預金金利というのは割合高い設定になっております。これは我々の側から見ますというか中金から見ますと、ないしは信連から見ますとコストが高いという形になるんですが、そういう形で預かってそれで運用が十分やっていけるという形で、農家の方に高い金利を払って、運用を有利にしていくという点で一番大きなポイントになっていると思います。  さらに、いわゆる出資金配当という形でそれぞれ、単協からは農家へ行きますし、信連を含めた県連からは利用分配当も含めて単協へ行って、単協のいろんな事業の大きな要素になっている。先ほどもちょっとお答えいたしましたが、信用事業というのは農協の中でのほかの赤字部門をカバーするような動きになっているわけでございまして、そういう形で還元されているというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 そこで、これ局長にお願いですが、ほかの赤字部門のところをカバーすることになるだげに重視をしなきゃならぬということになるんでありますが、同時に、そうするとそのことが農協段階で、単協段階でも信用事業の方に目の重点が移りがちということがやっぱりあるわけであります。  ところが、さっき金融機関として皆位置づけられているというお話で、そのとおりなんですけれども、しかし現実に構成をしているメンバーからいきますと、本当に金融がよくわかっている人たちがやっているとは限らぬのですよ。私が一番心配するのは、大蔵省に負けるなということで、この間ここで私もちょっと冗談めいて出しましたが、東京の二つの信用組合、あの信用組合も言ってみれば協同組合でしょう。ある程度の金融専門でものをやっていっているところでさえああいうずさんなことが起こるという可能性を持っているという、そのことを現実に示しているんですよ。  そうすると、単協ごとにということになったとき、専門家というものが不足をしているだけに、その辺のところはまた、それこそ人的配置の問題というようなものも随分重視をしながら御指導をいただかないと将来禍根を残すことになるんじゃないかという心配がありますので、その点はぜひしっかりと腹に置いて今後対応していただきたいというふうに思います。  次の質問に移らせていただきますけれども、今私がこういうことに絞ってずっと申し上げてきているのは、要するに合併を促進していくと言うけれども、農業協同組合なんですから、そうするとその協同組合としての性格を忘れるという、忘れると言うと言葉は悪いですが、逸脱をするような形になっていってはいけないということ。それはややもすれば経済の原則の中からそっちの方へ引っ張られがちですよという心配がいろいろとあるものがありますので、それでいろいろと申し上げてきたわけであります。伺ってもきたわけです。  そこで、協同組合ということでいけば、一人一票の原則があって、民主的運営の原則というのがある。しかし、組合員の資格というのと実際に経営を切り盛りしている人との乖離がある場合が結構あるわけですね。つまり、財産権と結びついちゃっている部分がありますからね。土地の所有名義が、その人が正組合員にたっている。だけれども、実際はお母ちゃん、あるいはせがれがやっているんだけれども正組合員にはまだなれていないというような場合のように、そのほかにもいろいろとありますけれども、そういう乖離が起こってきていたんですけれども、これはやっぱり、合併たら合併とか、そういう農協の組織が動くというときが一つの再検討をしていく大事な時期でもないかというふうに思いますから、そこのところの適正化が行われているのかどうか、その辺のところはどうですか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 私の方、全部の農協の定款を精査したわけではないんですが、定款の指導上は、正組合員の資格に対して所定の手続を行えば後継者も婦人も正組合員として加入できるという形になっているんですが、先生御指摘のとおり、三分の一ぐらいの農協がやはりまだ二戸一正組合員とか、特に戸主を組合員にしているというような実質的な制限をやっている場合が見受けられます。約三割ぐらいそういう状態でございます。  これは実は我々も大変大きな問題だというふうに意識するとともに、農協の中でも非常に大きく問題視されまして、昨年九月の第二十回のJA全国大会ではここをはっきり打ち出しまして、従来の家、戸と言っておりますが、戸の中心の考え方から個人の重視に改めて、農業後継者、婦人の正組合員の増加を促進するという運動方針を出しておりまして、私たちもこの方向で指導していきたいというふうに思っておりますし、農協運動としてもそれを進めていってくれるものと期待しております。

稲村稔夫日本社会党・護憲民主連合

○稲村稔夫君 もう時間が来てしまいましたので、まだあと伺いたいことがありましたけれども、最後にちょっと私の意見などを申し上げながら、大臣の総括的な御見解をいただければというふうに思います。  問題は、最初に質問を申し上げましたように、農協の合併というのもやみくもに合併をしたらよろしいということではない。経済性というものもあるけれども、しかし組合員の立場にも立たなきゃならない。それは協同組合精神というものをしっかりと踏まえて、協同組合の原則に従って、その接点を求めながら適正規模の範囲でやっぱり合併というものは行われるべきであろうというふうに思っているんです。  そういう中で、私はちょっとこのごろ不勉強でよくわからないところがあって申しわけたいんですが、協同組合の原則の中で教育の重視というのがあるんですね。かつて、戦後間もないころから昭和三十年代くらいまでにかけては、日本の農協もかなり教育というのを大事な柱の一つにして、そしてかなり学識経験者などを結集しながら組合学校などで、職員になる人にはもちろん教育をするというようなことをやった。私なんかとは考え方に違いがありましたからなかなかその辺は一致はしなかったところはありますけれども、しかし例えば美土路達雄さんなどという論客もおりました。申し上げたように、私と考え方にちょっと違いがありましたから一致はなかなかしませんでしたけれども。  しかし、そういう組合学校をつくったり、そこで訓練するということだけが何も教育だとは思いませんけれども、要するに協同組合としての組合員と職員のその教育というのは非常に大事なんじゃたいだろうか。経済性との関係が進めば進むほど、その教育がしっかりとされないととんでもない方向へ動いてしまう、経済性の方に押されてしまうということになるのではないだろうかというふうに思います。  それらのことを考えていきますと、この合併助成法を今回は継続して今後もやっていく、そういう今後の過程の中で、やはり政府としても協同組合精神をしっかりと普及させていくという観点、私は原則だとか文字を言うんじゃないんです。問題は精神なんです。ロッチデールから脈々と流れているその精神を普及していくための努力をもっともっとやっていただかなきゃならない。今もやっていると思いますけれども、やっていただかなきゃならないんじゃないか。そういうことを考えて、政府の方は今後農協をどういうふうに御指導になっていくのかという点を含めまして、きょうのやりとりを聞きながらの大臣の総括的な御答弁をいただければありがたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) いろいろの御意見を御質問の形で聞かせていただいたわけでございますが、端的に申し上げますと、合併助成を推進していくのは、やはり組合員のニーズにこたえることが本来だ、そのための経営基盤を強化するんだということでございます。やっぱり経営至上主義になりましてスケールメリットを求める、それに走って本来の協同組合が、我々一昔前は人的結合だ、相互扶助だ、これの組織体だということを強調した時代があったわけでございますが、その原点を忘れて経営至上主義になるという点については、我々としては極めて注意しなければならない点ではあるまいかというふうに思うわけでございます。  もちろん、合併の規模なりその他については、なかなかにこれはオプティマムサイズというか適正規模なんということを数字をもって言えといっても難しいと思います。これは地域地域でまさに自主的な組合員の皆さんが選択する問題だというふうに思いますけれども、大きいことがいいことだというような風潮のもとに安易な合併の促進とか組合の指導とかというものが行われては相たらぬということについては、今後も十二分な注意が必要であるというふうに思っております。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 ただいままで、非常にうんちくのある諸先生から本当に多様な御意見を拝聴しておりました。私も大変参考になったわけでございますが、まず、今回の合併助成法の一部改正で新たに固定化債権の買い取り業務が取り入れられた。これはまさに英断でございまして、今非常に試行錯誤を重ねておりますこの農協合併の促進、これについての強力な支援措置として大きな評価をいたしたいと思います。大臣、ひとつこれを軸にして今後の農協合併の御指導をいただきたい、こう思います。  そこで、実は今この合併問題をめぐっては百家争鳴の状態、全国で行われておりますが、一つはやっぱり先ほどからあっておりますように、農協の原点というのが特定人格の結合体、資本の集まりじゃないということからいたしまして、大型合併に持ち込むとどうしても人間関係が希薄になる、サービスが行き渡らない。特に、今経済事業に走りがちだと、だから、これをもっと営農指導とか生活指導とかあるいは技術指導に引き戻さなきゃならぬ、農民のために。そのためにはどういう規模がいいか、どういうスケールのものがいいかということについてデメリットの部分が組合員から出ておる。  一方では、組合員の長い間の要求は、いわゆる経済的なメリットをひとつできるだけ享受していきたいと。農業もこういうことになっているから、例えば生産資材の購買についてはひとつロットを大きくして、そして安くいいものを手にしたい。それからさらに、今までの流通段階をなるべく単純化して、流通コストを削減してそれをはね返してもらいたいと。  いわば全く相反する二つのことを同居させながら、これをどこに集約していくかという問題だろう、こう思うわけでございます。そういう点について、ひとつ経済局長、今後の農協合併、一段と行政指導を願いたいと思いますが、お考えをお聞きしておきたいと思います。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 農協は現在、経営上非常に苦しい立場に立っておるというのは、過去四年連続して経常利益、事業利益ともタウンしてきていまして、ピーク時に比べますと特に経常利益は半分以下になっているというような経営的な問題がございます。  しかし一方、農協は、先生御指摘のとおり営農というものを中心に農家との結びつきをしっかり持ってやっていかなければならぬという問題がございます。これらの中で農協自身が、三年前にも既に合併の方向を出しましたが、昨年三つの基本的な方向で今後の農協の組織のあり方というものを出しております。  一つは、広域合併といいますか、農協の合併を進めて、まず基礎を大きくしていく。それからもう一つは、事業並びに組織の二段ということに持っていく。それから最後に、合理化を進めて三割の生産性向上を図る。その三つを柱にした運動方針というものを出しまして、しかも、合併につきましては、まずそれが基礎であるというふうに位置づけまして、各県でそれぞれの県ごとの合併計画を立てまして、現在のところ二千六百ほどある農協を二〇〇〇年までに五百七十に合併を進めていくんだという方針をお出しになりました。それは、私たちとしては支援をしていく必要があるということで今回の法改正等をお願いしておるわけでございます。  さらに、先生御指摘のように組合員と組合との希薄化ということが懸念されるわけでございまして、その点については、我々はしっかりした指導をもってそういう事態を避けるような方向へ持っていって、ただ単に経営問題だけという観点ではなくやっていっていただくように指導をしていきたい、今までも指導しておりましたけれどもこれからもしっかり指導していきたいというふうに考えております。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 ありがとうございました。  そこで、今推進法人の設置状況が先ほど十八とか言われておりますが、大体いつごろまでにそろえるおつもりですか、各都道府県。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 現在のところ、推進法人が十八道府県で設置されております。さらに、今十二都府県で設立に向けて検討が行われておりますので、早急に三十は設立されると思いますし、さらに今回こういう形で固定化債権の処理の方法が行われることにより、またそれぞれの県で合併計画が成立しておりますので、近い将来全県で設置されていくものというふうに考えております。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 この法案の中身についてちょっと気にかかることが一つございます。  これは即断はできないと思いますけれども、固定化債権のとらえ方でございます。これは今、農協なりあるいは行政監察たり、こういうものを定例的あるいは臨時的に行政庁からやってもらっておりますし、中央会でもあるいは全中でも指導、監査をやっておりますが、この中でつかまえておるのは、固定化債権は主として貸し金でございます。貸し金は、二分類、三分類、四分類とその回収の難易度に応じて非常にこれはきちっとしておると思うんです、全国。  ただ問題は、いわゆる貯金をし共済掛金がたまる、そういうものを運用しなきゃならぬ。それは貸し金が一部運用されておる。これは貯賃率が、農協は特利でございますので、貸し金以外に運用する比率というのは非常に高いわけですね、これが今農協の利差を縮めておる、経営基盤を縮めておる一つ大きな原因でございます、その制約が。  そこで、問題はその運用先なんですが、これがやっぱり国債とかそういういろいろ長期債、債券に運用される場合がありますし、また株式に運用される、あるいは投信等の新たな最近出てきた金融商品、こういうものがある。これはリスクの幅が非常に物によっては大きいわけです、危険負担の幅が。だから、これは単協あるいは県の段階で、全国連は農中がやりますから、専門家がやりますが、そうした場合、合併になって、そのリスクについては固定化債権の中でとらえていけるものかどうかということが一つちょっと私も気になりますが、その点についての局長の考えはどうでしょうか。

東久雄農林水産省経済局長

○政府委員(東久雄君) 先ほどちょっと不良債権という形でお答えした点がございます。それで、これは単協の不良債権というものははっきり先生御指摘のとおりとらえられております。これは員外貸し付けも含めた形でございます。それから、単協の場合は非常に貸付先を制限いたしております。これはやはり審査能力その他の問題があるから、地場産業等非常に制限いたしております。それが不正に何か行われている場合は、時々見受けられて、それが問題になることがございますけれども、それ以外のところもあるわけでございます。これらを全体として見ました場合、単協についてはそれほど大きな問題はないと思います。  それから、県連のところで、先ほど来御議論がございますとおり金融機関貸し付けというような問題もございますし、有価証券の運用、これも、有価証券も県連あたりは専門家がそれほどおりませんので今のところは割合に地方債、国債の運用が多いわけでございますが、しかし有価証券の運用での失敗等の例もございます。これらについては、危険管理というところで今農協系統全体で危険がたいようなシステム、危険管理のシステムというものを農林中金が中心に開発しておりまして、それらで安全な運用をできるだけ指導していく必要があると思います。  全体といたしまして、先ほど来お話のございました不良債権が幾らあるかと、きちっとつかまえているかということについては、これは単協の段階ではしっかりしていると思います。ただ、県連のところで不良債権というものの税法上の定義がございまして、それはきちっとつかまえておりますけれども、どうなるかわからないという債権がまだ多少あるということは事実でございまして、それは今回の買い取りとはちょっと違う次元で我々も注視していかなければならないと思います。ちょっと具体的に申し上げますと、住専の問題ということでございますが。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 例えば、今投信の問題等が出ておりますね、元本割れと。そうなったら、合併ということになったら当然評価損が出ますね。だから、そういう点もよく注意深く行政指導を、その処理とそれから今後のそういうものの扱い方についての行政指導、これはやっぱり貸付金にばっかり目がいっておるということがございますが、これだけ多様化すると、そこまでひとつ十分な注意力を持って見ていかなきゃならぬ、こう思いますので、即断はできませんだろうと思いますから、検討事項でひとつお考えをいただきたい、こう思っております。  最後でございます。  そういうことでございますが、もちろん系統農協はみずからのこととして、自助努力でこの合併を組合員の合意を得て促進しようということで、今全国これは懸命にやっていると思います。したがって、そういう点ではやっぱりどうしても行政の強い誘導、御指導を仰がぬことには、この買い取り機関に限らずやっていけない。最近、どうかすると、県のいわゆる農協課とかあるいは経済課という名の部局が県にございますが、それがどうしても少し人が減らされたり弱くなっておるんです、現実は。したがいまして、これはそういうところをやっぱり農水省から各県あたりひっくるめてこの支援措置をもう一遍レビューしていただきたい、こういうことをお願いしたいわけですが、最後に農水大臣、ひとつお答えいただきたいと思います。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) お答え申し上げます。  農協は、しばしばこの場でも繰り返されましたように、農家の自主的な協同組織であります。したがって、それを前提として、今日課題としては御案内のとおりでございまして、農業生産その他各種の関係の事業を通じまして農家の営農の発展を図る、地域や農業の活性化を図るという大きな課題を持っておりまして、これも二度、三度お話が出ましたように、昨年九月の新しい農協の発展方向として、五百七十の単協、あるいは組織の三段階から二段階、事業の三段階から二段階、あるいは労働生産性の三〇%の向上等々を目途にして二十一世紀に向けて努力をいたすというわけでございます。  我々としては、その自主的な努力に対してあとう限りのバックアップをいたすということが本来の原則だと思うわけでございまして、各般の面におきましてこれについての努力をいたしたい、都道府県における農協指導体制等についての御指摘なり御注文もございましたが、その点についても配慮いたしたい、さように思うわけでございます。

大塚清次郎自由民主党

○大塚清次郎君 ありがとうございました。終わります。

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、吉川芳男君が委員を辞任され、その補欠として太田豊秋君が選任されました。

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

林紀子日本共産党

○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、農業協同組合合併助成法の一部改正案に対して反対討論を行います。  反対の第一の理由は、農協系統組織に対し、さらに強力に広域合併と組織再編の推進を迫るものであるということです。  今回の法改正は、農業情勢や新政策の方向を踏まえて、農協の業務運営、組織のあり方の見直しが必要であるとの立場から、農協の自主性を無視し、合併計画の実施をさらに加速化させることで農協経営に競争力の強化、強靭な経営体質を求めるものです。それは、組合員の生活と営農を守るという農協本来のあり方の変質を迫るものであると言わざるを得ません。  合併により規模拡大しても、農協の事業と経営の効率化はそれほど進むものではなく、これまで進められた広域合併は、むしろ組合員と農協の結びつきを希薄なものにしてきました。このような組合員の意思や地域の実情を無視した合併推進は、農協経営の基本である組合員の要求実現のための協同活動を困難にするもので、農協の経営危機の打開策とはならないことは明らかです。  第二に、改正案は、都道府県の合併推進法人に固定化債権の買い取り業務を付与し、合併の障害となっている固定化債権の処理をより短期間で有利に行えるようにしていますが、支援の対象は合併する農協にのみ限られていることです。この法改正では、小規模・未合併のまま地域の条件を生かし協同活動を発展させようと努力している少なくない農協は支援措置を一切受けられません。このような選別的な取り扱いにより大型・広域合併を強引に推進することは、農協の自主的性格からしても容認できません。  以上、反対理由を述べて、討論を終わります。

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、星川保松君から発言を求められておりますので、これを許します。星川君。

星川保松新緑風会

○星川保松君 私は、ただいま可決されました農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会及び新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  以下、案文を朗読いたします。     農業協同組合合併助成法の一部を改正す     る法律案に対する附帯決議(案)  最近における我が国農業及び農村を取り巻く諸情勢の変化の中で、農業協同組合は、真に農業者の協同組織として、組合員の信頼にこたえ、組合員の多様なニーズに的確に対応した事業運営を行い、地域農業の振興や地域の活性化に積極的に取り組むとともに、その経営基盤の安定強化と経営の効率化を図ることが求められている。  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現を図り、農業協同組合の健全な発展に努めるべきである。  一 農協合併の推進に当たっては、画一的な基準によらず、地域の実情を反映させるとともに、組合員の意思に基づきその理解と納得の下に行われるよう指導すること。  また、専門農協の合併についても、その促進を図るため、特性等に配慮して体制整備に努めること。  二 農協の大型化・広域化に伴う農協と組合員、農協と市町村行政との関係の希薄化を避けるため、広域営農指導体制の確立、市町村農政との連携強化等所要の措置を講ずるとともに、農協経営の効率化・合理化が推進されるよう指導すること。  三 固定化債権問題が農協合併の阻害要因となっている実態にかんがみ、都道府県農業協同組合合併推進法人及び農業協同組合合併推進支援法人の業務範囲の拡大に当たっては、両法人の機能が遺憾なく発揮され、農協合併の促進に十分寄手するよう指導すること。  四 農協系統組織の事業・組織の再編・整備に当たっては、組織の自主的な協議を尊重し、組合員の理解を得るとともに、事業の種類、地域の実情等に配慮しつつ推進するよう指導すること。  また、農協系統組織の組織整備の進展に対応じた法制度の整備について検討すること。  右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) ただいま星川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) 多数と認めます。よって、星川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、大河原農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大河原農林水産大臣。

大河原太一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(大河原太一郎君) ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青木幹雄自由民主党

○委員長(青木幹雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時七分散会

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