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132回国会参議院1995/06/02

内閣委員会 第6号

発言数
17
登壇者
4
会派数
3
開催日
1995/06/02

会議録

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る三月二十八日、高崎裕子君が委員を辞任され、その補欠として聴濤弘君が選任されました。  また、本日、岩崎純三君、村上正邦君及び山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として石井道子君、太田豊秋君及び風間昶君がそれぞれ選任されました。     —————————————

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に瀬谷英行君を指名いたします。

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 臨時大深度地下利用調査会設置法案を議題といたします。  まず、発議者野沢太三君から趣旨説州を聴取いたします。野沢太三君。

野沢太三自由民主党

○委員以外の議員(野沢太三君) ただいま議題となりました臨時大深度地下利用調査会設置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  現在、我が国においては、国民一人一人が農かさとゆとりを実感できる生活大国の実現が大きな課題となっておりますが、そのためには立ちおくれが見られる生活に関連した社会資本整備を重点的に図っていくことが必要不可欠であります。  しかしながら、特に大都市圏においては、土地利用が高度化、複雑化していることから、鉄道、道路等の整備を進めるに当たって地権者との権利調整に手間がかかるばかりでなく、地価が依然として高水準にあることから、用地買収が困難であり、また買収費用の専業費全体に占める割合が著しく高くなるため、事業が停滞しがちとなっております。  一方、我が国やヨーロッパにおける海底トンネルの完成に見られるように、掘削等の技術の進歩は目覚ましいものがあり、大深度地下の利用が可能となってきております。現在、大都市圏を中心に、新たな鉄道、道路その他の施設の整備構想も検討されておりますが、仮にこの大深度地下を活用することができるならば、これら事業の整備は飛躍的に促進されると考えられます。  しかしながら、大深度地下の利用に関しましては、まず大深度地下を法的にどのように構成するかということが問題となります。すなわち、大深度地下に土地所有権が及ぶのか、権利制限・補償をどのように考えるかという憲法及び民法にかかわる基本的な問題であります。その上で、さらに大深度地下の範囲の確定、地権者等との間における法律関係の明確化、安全及び環境保全の確保、対象とすべき施設の範囲の確定と事業間の調整方法の確立等々事前に解決をしておかなければならない重要な問題が数多く残されており、そのためのルールづくりが強く要請されているところであります。  こうした問題は、国民各層の意見を反映させつつ、各省庁間の総合調整のもとに政府全体で取り組んでいくべき課題であります。  このような状況を踏まえ、大深度地下の適正かつ計画的な利用の確保とその公共的利用の円滑化に資する観点から、大深度地下の利用に関する諸問題について専門的に調査審議する機関を設置することが必要であるとの認識により、このたび本法律案を提出した次第であります。  次に、本法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。  第一は、調査会の目的及び設置についてであります。  土地利用に係る社会経済情勢の変化にかんがみ、大深度地下の適正かつ計画的な利用の確保とその公共的利用の円滑化に資するため、総理府に臨時大深度地下利用調査会を置くこととしております。  第二は、所掌事務についてであります。  調査会は、内閣総理大臣の諮問に応じ、大深度地下の利用に関する諸問題について、広く、かつ総合的に検討を加え、大深度地下の利用に関する基本理念及び施策の基本となる事項並びに大深度地下の公共的利用の円滑化を図るための施策に関する事項について調査審議することとしております。  第三は、答申の尊重等についてであります。  内閣総理大臣は、調査会の答申及び意見を受けたときは、これを尊重するとともに、これを国会に報告するものとしております。  第四は、組織についてであります。  調査会は、委員十二人以内で組織するとともに、委員は、大深度地下の利用に関する諸問題についてすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することとしております。また、調査会には委員の互選により会長を置くこととしております。  第五は、資料提出その他の協力についてであります。  調査会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳等の必要な協力を求めることができるとともに、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、それ以外の者に対しても必要な協力を依頼することができることとしております。  なお、この法律は、施行の日から三年を経過した日に失効することとしております。  以上が本法律案の提案理由及び内容の概要でございます。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申しあげます。

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 大深度地下の利用には多くの未解明の問題があります。今の趣旨説明にもありましたが、多くの未解明な問題を含んでおります用地下水の汚染、それから地下水の低下、その地盤への影響、いわゆる環境問題、こういう問題があります。  また、それと関連して、首都圏の地層は、ヨーロッパのような岩盤とは違って軟弱であるという大きな問題があります。また、一九八〇年の静岡駅前地下街の火災などでもう我々既に経験済みのように、地下街での火災、ガス爆発、こういった防災、安全の問題があります。特に、地下という閉鎖された密室での災害はパニックを引き起こす危険性が十分にある重大な問題であります。さらに、利用に当たっての私権制限の問題があります。これは憲法の財産権や民法の土地所有権とかかわってくる大きな問題であります。さらに挙げれば、社会経済的問題として、一層の一極集中化をもたらすのではないかという問題もあります。  項目的に挙げただけでもこのように多くの問題を持った問題であります。  しかも、重要なことは、一たん地下に建造物がつくられますと、要らなくなったからといって壊すわけにはいかない。そうすれば土地が陥没してしまいます。だから、安易な開発ということは絶対にあってはならないわけであって、慎重にも慎重を期さなければならない問題であることは明白だと思います。  それにもかかわらず、法案は初め、利用の促進を図るために調査研究を行うと、こううたっておりました。促進を前提にしてこれをやると、最初提出されました法案ではそのようにうたわれておりました。これでは問題を調査研究する委員会を設置するんだからいいではないかと、こう単純に言うわけにはまいりません。  調査研究自体が慎重にも慎重でなければならないと私は認識いたしますが、こうした点についての発議者の基本的認識をまずお聞きしたいと思います。

野沢太三自由民主党

○委員以外の議員(野沢太三君) 御指摘のとおりでございまして、まず地下の利用に関して申しますと地下水がございますし、それからさらにいえば、地下に掘削という現象が起これは地表面の沈下等の問題も可能性が出てくるわけでございます。これに対してどのような対策があるか。これについては、昨今の技術の進歩等によりまして、いずれも解決の可能性はあると私ども見込んでおりますが、これらも調査会の重要な審議事項と考えておるわけでございます。  また、防災上の問題、環境上の問題につきましても、特にこれを明記して審議上の課題として挙げさせていただいておるところでございます。  それから、御指摘の私権制限の問題についてでございますが、日本の民法では、所有権は地上地下に及ぶと、こういうことになっておりまするけれども、これが果たしてどこまでその私有権が及ぶか。一般的には地球のしんまで所有権が及ぶという学説もございますが、実際上はこの利益の存する限りにおいてという解釈が通説ということもございます。この点も調査会におきまする大事な審議要素と考えておるような次第でございます。  さらに申しますれば、たんつくられた地下街あるいは地下施設が将来どうなるか、原状を回復するということは御指摘のとおりなかなか難しいわけでございます。したがいまして、一たんつくられてこれが放棄されたり不要になったりというような簡単なものでは困るわけでありまして、やはり将来ともに社会資本として立派に役に立つもの、こういうものに限り大深度の利用が許されるのではないか、こんなふうにも発議者としては考えておるわけでございます。したがいまして、大深度を利用、活用する事業というものについては、おのずから一定の制約が予想されるわけでございます。  その意味で、この審議会については当初二年と考えたわけではございますが、二年という時間をかけまして、委員の数におきましても十人を一二人というようなことで慎重にも慎重を期してよい結論を得たいものと、かように考えておるところでございます。

聴濤弘日本共産党

○聴濤弘君 時間が極めて限られておりますので、あと三点ばかりまとめて御質問をしたいと思います。  第一は、今述べられましたが、私権制限の問題についてです。  これは非常にさまざまな学説があって、憲法との関係はどうか、そして今既におっしゃいましたが、土地の所有権がどこまで及ぶかといったことについて非常に多くのいろいろな学説があります。これをここで問題にしようとするわけではございませんし、そういう余裕は到底ありません。  しかし、一つの基本的な問題があると思います。といいますのは、大深度地下利用というのは他人の私権を制限してまで地下を利用しようというわけですから、利用者が私企業であるということは理に反してくるということになります。他人の私権を制限してまで私企業あるいは私人がそれを利用して一種の事業をするということは大きな論理矛盾だというふうに思うわけです。  ところが、大手ゼネコンはみんな大深度地下利用の構想を持っており既に発表をしております。例えば、清水建設の「アーバン・ジオ・グリッド構想」、それから大成建設の「アリスシティネットワーク構想」、みんな横文字で大変難しいんですが、大林組の「アンダーグラウンドテクノピア・緑の身構想」等々であります。ゼネコンのこういう構想も公共の福祉のためとして発議者は対象事業に含めていくのかどうか、この点が第一点でございます。  第一点は、阪神の大震災以後、地下は地震に強いということが証明されたので大深度利用を進める必要があるという意見を聞くことがありますが、私が調べた結果は、阪神の大震災後の論調は崩れた地下安全神話といった論調が圧倒的であります。  国会図書館にお願いして、阪神の震災以後に出ていたいろいろな論調を私は集めてみましたけれども、崩れた地下鉄安全神話、崩れた地下神話、事業者に大きなショック等々、地下の揺れ未解明、各層に分かれ実態つかめず、ほとんどすべてがこうであります。金沢大学工学部の教授の方は、地下構造の崩壊は電車の生き埋めを生じかねないから今後真剣な対応が必要である等々、これが主たる論調であります。ですから、これは実際に阪神で地下鉄が災害を受けたという事実の反映であります。したがって安易な論調は厳に慎むべきだと私は考えますが、この点はいかがかと思います。  最後の点は、既に私が第一問で質問しましたように、この問題は国土と国民の安全を守る見地から調査そのものに当たって多くの専門家を集め、また各分野の意見を広く聞くなど、本当に慎重で真剣な検討が必要な問題である。ですから、議論が尽くされないまま三年がたったということで見切り発車をしてしまうというようなことがあってはならない。徹底的な調査研究が必要である問題だということを重ねて私は申し上げたいし、重ねてその点での見解をお答えいただきたい。以上、三点でございます。  ちょうど官房長官がおいでなので、もし時間が許されるならば、これらの点について官房長官がどのような認識をしておられるのか、それもお聞かせいただきたいと思います。  以上です。

野沢太三自由民主党

○委員以外の議員(野沢太三君) 御指摘の点がまさにこの調査会が必要になってきている理由そのものであろうかと思うわけでございます。  まず、私権制限でございますが、憲法二十九条によりまして国民の財産権が保障されておるわけでございますが、しかしこれは公共の用途がある場合にはこれを提供することもできる。その場合、補償の問題も同時に掲げられておるわけでございます。  一番問題なのは、私権を制限して、そこへまた私権の拡大が行われるという矛盾があってはならない、こういうことでございまして、この地下の大深度空間というものはすぐれて公共的な用途に伏すことがまず第一に必要ではないか。今の民法は地上地下に及ぶということで、上の方についてはおよそ百メートルもしくは百五十メートルの超高層ビルで利用するというようなことが可能であり、またそれが逆に言えば利用の限度と言われておるわけでございますが、地下についてはそのルールが必ずしも明確ではございません。  しかしながら、私権が地下に拡大をされることによって、逆に今後の都市施設、公共資本の充実にマイナスになっていくということでは本調査会の趣旨にこれは反するわけでございまして、あくまで深いところは第一に公共生間としての性格が望ましいのではないだろうか。この点について、まさに公正公平なる調査会においてしっかり議論をいただき、憲法あるいは民法上のルールとの矛盾がないような考え方を確立していただければ幸いと考えております。  なお、大手ゼネコン等が計画しております各種のプロジェクト、私も存じておるわけでございますが、将来の、つの夢として大変これはおもしろい面もございますが、あくまで公共性との調和の中で許容されるものと理解しておるわけでございます。  それから二つ目の、地震に強いから大深度と、こういう課題でございますが、私も阪神大震災の現場に何遍も参りまして、現場も調べ、かつ学会等によって行われました調査団の報告書も べて見ておりますが、地下鉄等の被害を見ますると、いわゆる開削工法でつくられました例えば大開駅のような駅が大きな被害を受けておりますが、トンネル工法によってつくられましたルート部分はほとんど被害がない。典刑的なのは三宮の地下駅等に見られますように、地下、階が相当被害を受けておりますけれども二階三階はほとんど被害なし、こういった実態を目の当たりにしてきておるわけでございます。  これまでの考え方に加えまして、今回の阪神大震災の被害はやはり深いところが安全ではないだろうか、こういった我々の認識を裏づけるものと私自身今考えておりますが、本件につきましても調査会の中で十分なる御審議をいただけるものと考えておるところでございます。その意味で、この方面の専門家もぜひ入っていただくようお願いを申し上げるところでございます。  それから、多くの専門家が入っていただき議論を尽くして、さらに議論が収れんしないとどうなるか、こういうことでございますが、当初私どもこれは二年で答えが出ないだろうかと。臓器移植の委員会等が二年で答えをいただいたことも考えまして、最初二年という案をつくったんですが、各党持ち回りの中で御議論をいただき、それを三年に延ばし、そして委員の数も先般申しましたように十人から十二人にふやして、法律技術、さらには地方自治体の代表等も入っていただいて結論を出していただくよう、かように考えてまとめたものでございます。どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合内閣官房長官

○国務大臣(五十嵐広三君) 大深度地下の利用は、政府としても大都市圏等における社会資本の整備の円滑化のため検討すべき重要な課題であると認識をいたしております。この検討に際しましては、仁地所有権の制限に係る内容、手続等の法律面、また安全面、環境面等さまざまな課題があることから慎重に検討を進める必要があると考えております。  本法案が成立した際には、本調査会において三年間にわたる調査審議が行われることになっておりますので、政府といたしましても、調査会において十分な調査審議が行われ、適切な結論が得られますよう調査会の審議について格段の協力をしてまいりたいと考えている次第でございます。

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。  本法律案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本法律案に対する意見を聴取いたします。五十嵐内閣

五十嵐広三日本社会党・護憲民主連合内閣官房長官

○国務大臣(五十嵐広三君) 政府といたしましては、ただいまの臨時大深度地下利用調査会設置法案については、特に異存はございません。

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  臨時大深度地下利用調査会設置法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡野裕自由民主党

○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時三十三分散会      —————・—————

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