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132回国会参議院1995/03/28

逓信委員会 第7号

発言数
196
登壇者
25
会派数
5
開催日
1995/03/28

会議録

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大出郵政大臣。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) ただいま議題とされました日本放送協会の平成七年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして御説明申し上げます。  この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、郵政大臣の意見を付して国会に提出するものであります。  まず、収支予算につきまして、その概略を申し上げます。  一般勘定事業収支におきましては、阪神・淡路大震災の被災者を対象とする受信料免除の期間延長等により減収が見込まれることから、事業収入は五千七百七億円、事業支出は五千七百三十四億円とし、事業収支における不足額は二十六億円となっております。この不足類及び債務の償還に必要な資金三十九億円の手当ては、前年度までの繰越金五百二十二億円をもって充てることとしております。  一般勘定資本収支におきましては、資本収入は七百三十一億円、資本支出は七百四億円となっており、放送番組設備の整備など建設費に六百二億円を計上しております。  次に、事業計画につきましては、その主なものは、公正な報道と多様で豊かな放送番組の提供に努めること、国際放送については欧米向け映像国際放送の開始及び海外中継の拡充を図ること、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めること等を計画しており、これらの実施に当たっては、経営全般にわたり一層効率的な業務運営を推進し、視聴者に信頼され、かつ創造性と活力にあふれた公共放送を実現していくこととしております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。  郵政大臣といたしましては、これらの収支予算等につきまして、おおむね適当であると認めた上で、事業計画等の実施に当たり配慮すべき事項として、阪神・淡路大震災の被災者への配慮並びに今後の災害時に備えた報道・取材体制の充実及び保有施設の耐震性の点検、強化、豊かな放送番組の提供と公正な報道を通じた放送番組の充実、向上等を指摘した意見を付することといたした次第です。  以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどお願いいたします。  以上でございます。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。川口本放送協会会長。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成七年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。  平成七年度の事業運営に当たりましては、公正な報道に徹するとともに、多様で豊かな放送番組を提供し、視聴者に信頼され、かつ創造性と活力にあふれた公共放送を実現してまいる所存であります。  業務の推進に当たりましては、経営財源確保のため、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、あわせて経営全般にわたり効率的な業務運営を徹底してまいります。  平成七年度の主な事業計画につきまして御説明申し上げます。  まず、建設計画につきましては、老朽の著しい放送設備の更新を取り進めるとともに、非常災害時等における緊急報道機能の確保を図るための設備の整備や放送番組充実のための設備の整備を行うほか、衛星放送やハイビジョン放送設備の整備及び放送会館の整備等を実施することとしております。  次に、事業運営計画につきまして申し上げます。  国内放送におきましては、視聴者の意向を積極的に受けとめ、番組の充実刷新を図るとともに、公共放送の使命に徹し、公正な報道と多様で豊かな放送番組の提供に努めてまいります。特に、地震災害について徹底的に検証し、これにどう対処するか多角的に考える番組を年間を通して編成いたします。  国際放送におきましては、国際間の相互理解と国際交流に貢献するとともに、海外在留の日本人に多様な情報を的確に伝えるため、映像による国際放送を開始するとともに、音声による国際放送の受信改善に努めます。  契約収納業務につきましては、受信料負担の公平を期するため、受信料制度の周知徹底を図るとともに、効果的、効率的な営業活動を行い、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めてまいります。  調査研究につきましては、新しい技術の研究開発を初め、放送番組、放送技術の向上に寄与する調査研究を推進し、その成果を放送に生かすとともに、広く一般にも公開することとしております。  以上の事業計画の実施に当たりましては、経営全般にわたり業務の見直しを一層徹底し、要員については、年度内五十人の純減を行い、総員一万三千百十三人とし、給与につきましては適正な水準を維持することとしております。  これらの事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定において、事業収支で収入総額五千七百七億八千万円を計上し、このうち受信料については五千五百三十四億七千万円を予定しております。これは契約総数において二十三万三千件、衛星契約において八十五万三千件の年度内増加を見込んだものであります。なお、阪神・淡路大震災の被災受信者に対し、受信料免除基準にのっとり、期間を定めて受信料免除を行います。  これに対し、支出は、国内放送費など総額五千七百三十四億六千万円を計上しております。  事業収支の不足二十六億七千万円につきましては、前年度以前からの繰越金の一部をもって補てんすることとしております。  次に、資本収支につきましては、支出において、建設費六百二億六千万円、出資十三億五千万円、放送債券の償還等に八十八億八千万円、総額七百四億九千万円を計上し、収入には、これらに必要な財源及び事業収支の不足を補てんするための財源として、前期繰越金、減価償却資金及び借入金など総額七百三十一億七千万円を計上しております。  なお、受託業務等勘定におきましては、収入五億円、支出四億三千万円を計上しております。  最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて資金の需要及び調達を見込んだものでございます。  以上、日本放送協会の平成七年度収支予算、事業計画等につきましてそのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、協会の事業が受信料により運営されていることを深く認識し、多様で豊かな放送番組を提供するとともに、効率的な業務運営を行い、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。  委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようにお願い申し上げます。  ありがとうございました。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 よろしくお願いいたします。  最近のNHKさんの報道、大震災並びにサリン事件においてもNHKの機動力をフルに生かし、また的確な報道と、私は、やっぱりNHKさん頑張っているな、そういう感じを強くしております。  私、特にドキュメンタリーが好きなものですから、科学のドキュメンタリー、宇宙飛行士のも利さんが解説なさっておりました「生命・四十億年はるかな旅」、私も大好きで、これはビデオに撮っていつも楽しませていただいているのでございます。  さて、私、早起きなものですから朝早くからテレビをよく見るんでございます。これは以前にも質問したと思うんでございますが、朝早く番組が始まる前に国旗・国歌、日の丸・君が代が流れるのでございますが、これに対してNHKさんのこの国旗・国歌に対する認識と、番組においてどのような観点またお考えで、またこれからどのようにおやりになっていくのかということをお聞かせ願いたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 前回も御質問いただきましたけれども、昭和二十七年の四月二十八日、ちょうどサンフランシスコ講和条約が発効されたその日に、日本という国を認識するという素朴な気持ちからラジオで君が代の放送を始めだというのが一番最初でございます。それ以降、一日に一回君が代ないし国旗をお聞かせしたりお見せしようということで、テレビの場合には次の年に始まったわけですが、もともとは講和条約発効の日に日本という国を認識するという素朴な気持ちから始まったわけで、当時BBC等を一つの参考にしたというふうに聞いております。  それで、それ以来四十数年、四十年ちょっとですか国民の間にすっかり定着して、それが一つの伝統みたいになって放送を続けているということでございます。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 国民に日本ということを認識させよう、それは大変いいことでございます。  ところが、総合テレビ、教育テレビ、ラジオ第一、ラジオ第二があるんでございますが、総合テレビにおいては平日朝は君が代はございません、日の丸はあるんでございますが。祝日においては君が代・日の丸がある。教育テレビにおいては平日も祝日もこれないんでございますね。日の丸のかわりにロダンが映ったりしているんです。そして、ラジオ第一、ラジオ第二もあったりなかったりしているんでございます。  これはどのような区別というんですか、どのような御認識でそのようにおやりになっているんでございますか。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 私ども、総合テレビとラジオ第一放送が基幹波であるという認識から、基幹波を中心にそういうことをやっているということでございます。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 私は、教育テレビというのはやっぱり教育でございますから、そういう意味においてはこちらで流したとしても決しておかしくはないと思うんですが、どうでしょう。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 教育テレビの場合には終了時にやっているわけですが、そういう形でテレビの場合には昭和二十八年にスタートして定着した、教育テレビの場合には三十四年から始めているというようなこともありまして、私どもは基幹波をそういうことを行う第一の波というふうに認識してやっておりますので、まあよろしいのかなと、放送終了のときだけでいいのかなという考えでございます。  各国の状況なども調べましたけれども、放送開始前にやっているところというのは、英国もフランスもドイツもやってないんです。だから、当初からの我々の考えたとおり、一日一回はそういうことをやろうという方針を今後とも続けていきたいというふうに考えております。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 わかりました。理解をいたしました。  私はドキュメンタリーとがよく拝見させていただくんでございますが、毛利さんではなくて例えばNHKの解説員、要するに専任キャスターがそのドキュメンタリーの進行役といいますか解説をおやりになる。やっぱりそのキャスターがお話しになったこと、キャスターが進行なさったことイコールこれはNHKの考えでありNHKの姿勢として受けとめてよろしいんでございましょうか。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) そうでございます。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 川口会長もNHKは公正報道に努めるとおっしゃっておりました。  これは産経新聞なんでございますが、「NHKの「戦争報道」を問う」、これ連載になっていたんですね。その中に「日本の軍国主義を倒すためには原爆とソ連の対日参戦という「外圧」が必要だった」と。要するに、その専任キャスターは最終回にこの言葉を言ってお締めになったそうでございます。  これ本当かどうか。それと同時に、言葉というものはそこだけをとると時々間違った判断をしちゃったりするものですから、NHKの方に、私見てなかったのでまず何としてもそのビデオを見たかったんですが、それがどうしても日程的に合わなかった。ですから私は、その一行や二行の言葉だけじゃなくて、最終回にそのキャスターの言った言葉を全部挙げてほしい、要するに一番最後に言った言葉を挙げてほしい、挙がってきたのがこれなんでございます。  ご覧いただいたように、敗戦まで、半年間の日本の外交を追っていますと、当時の日本 が軍部を中心に、いかに正常な国際感覚を失い、現実ばなれした幻想を追いかけていた かということが、浮び上がってきます。そうさせたのは、何より、軍部の思い上がりと エゴイズムでした。そしてそれを打ち砕いて戦争を終わらせたのが、ソビエトの参戦と 原爆といった、いわゆる「外圧」でありまして、強い外圧がないと、何ごともすすまな いという体質は今も変わっておりません。  私、これを読んだときに、例えば戦勝国のアメリカなりソ連が自分たちのしたことを正当化するために、自分たちのやったことは、要するに日本人というのはそういう外圧をやらないとだめなんだということでお話しになるんなら、それはそれなりにかなと思うんでございますが、ソビエトの参戦と原爆が「いわゆる外圧」という言葉で表現されている。「強い外圧がないと、何ごともすすまないという体質は今も変わっておりません。」、これは限りなくこの参戦と原爆がないと戦争は終わらなかったんですよと、要するにこれはある意味で正当性を帯びているんじゃないですかと、限りなくそういうような印象も与えかねないんではないかなと私は思うんです。  それは、ソビエトの参戦においては私はどう考えても、まだ原爆においては両論もあります。ソビエトの参戦においては、戦争を終わらせようとか何しようとか、その意図の前に、何としても当時のソ連としては国益をやっぱり優先していた、日本がもうだめになっていた、ですから日ソ不可侵を破ってこうやってきたというように私は思うんでございます。  このソビエトの参戦にしろ原爆にしろ、何十万という方が悲惨な目に遭ったり犠牲になっているんでございます。その人たち、原爆においてはいまだに悩んでいる、体を壊している方もたくさんいるんでございます。そういう人たちの心情を考えると、いわゆる外圧であった、強い外圧がないと何事も進まないという体質は今も変わらないんだ、こういう言葉で果たして納得できるかと思うんでございますが、いかがでございましょうか。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) この「ドキュメント太平洋戦争」という番組は、あのような悲惨な体験をなぜしなければならなかったのか、それからそれを検証することによって再び同じ過ちを繰り返さないために我々は何を学ばなければいけないのかという企画意図、それから何よりもあの番組の底辺には、今御指摘ありましたように、無念の思いを抱いて亡くなった大勢の方々、そういう無念の思いというものをベースにしながら、これからの日本の再建にどうやってその人たちの思いを生かしたらいいのかというのがあの番組の基本にはございます。  今御指摘ありました外圧という言葉ですが、歴史的な事実から酌み取れる教訓をどういう言葉であの場合当てはめたら一番適当だったのか、今よく使われる言葉を使っでわかりやすく表現したらどういうことになるのかということからあの言葉が使われたというふうに思っております。  「ドキュメント太平洋戦争」の場合には、一年前に専門家八人によっての審議委員会というものをつくりまして、どういうアプローチでこの番組をつくったらいいのか、コメントは八人のその諮問の委員が台本を全部全員が見ていろいろな意見を言う、作成中もその八人の人たちが四回一堂に会して出ている番組についての検証を行いながら放送したということで、我々も、特定の歴史観に立脚しないで事実をとにかくお見せして、いろいろな見方はあるだろうけれどもこういう事実があったと、今こういう事実がわかったということを客観的にお示ししようということでつくった番組で、外圧という言葉についてはそれが一番わかりやすいんじゃないかというところから採用したものだというふうに思っております。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 ここで使う外圧というのが、要するに一番わかりやすいということはおっしゃいましたね。わかりました。  大臣、私、もう一度読みます。全部読むと時間もあれでしょうから、「軍部の思い上がりとエゴイズムでした。そしてそれを打ち砕いて戦争を終わらせたのが、ソビエトの参戦と原爆といった、いわゆる「外圧」でありまして、強い外圧がないと、何ごともすすまないという体質は今も変わっておりません。」、どうでございましょう。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) 私、「ドキュメント太平洋戦争」というのを勉強したことがございませんので、合いきなりそういうお話を承りまして、これはとっさに頭にあることぐらいしか答えようがないんですけれども、私も実は出征兵士でございまして、高崎連隊に赤紙で持っていかれて、その後、豊橋の予備士官学校に持っていかれまして、私の同期、豊橋の十一期というのはほとんど全部沖縄本島に参りまして、一年間一緒に兵営でいろんな軍事訓練を受けてきた仲間はほとんど全部死んでしまいました。そういう苦い経験がございますので、私は沖縄へ行くたびに頭から離れぬわけであります。  そういう意味で言うと、どうも後の方は必要ないことを述べているという気が今の話を聞いて思うんでありますが、原爆投下も事実でございますし、不可侵条約を破ってソビエトが入ってきたことも事実でございますから、この事実は当然認めるわけでございます。その結果として、言うならば玉音放送になった。私は京都の福知山の将校集会所で、少尉でございましたから、玉音放送を聞いた一人でございましたが、ここまでの事実でいいんじゃないか、そこまでで。そこから先はNHKの、その方々かどうか知りませんけれども、どなたの判断か知りませんがその方々の判断だろう、今も外圧云々なんということまでくっつくと。だからそこまでの事実でいいんじゃないかなというのが今承った私の判断でございます。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 いいですか。その八人の方々がお話しになってそして決めたこと、これはイコールその八人の方がやったからNHKは関係ないということじゃないですね。それはNHKの姿勢であるということをおっしゃっていましたね。大臣も今そのようにおっしゃっている。私も正直な話、大臣と同じ考えなんです。  ましてや「強い外圧がないと、何ごともすすまないという体質は今も変わっておりません。」、これは日本の外交を大変に侮辱したものだと私は思います。特に、経済においての外圧、これはだれしもみんな自国の利益を考えるのは当然でございます。それはお互いに初めからオープンにする国なんかいません。それはお互いの駆け引きによって、お互いに圧力をかけながらやるものでございます。私はこの最後の三行がどうしても納得できない。私の父親も戦争へ行った人間でございます。私も父親にこれを見せた。父親も納得できない。  川口会長、お話聞かせてください。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) あの番組につきましては実はいろんな御意見が寄せられました。NHKがやろうとした意図、先ほど中村が申し上げましたように、あの戦いで大変な数の日本人が亡くなっております。その人たちの無念というものが我々の中にまだ残っておる。なぜあの戦は敗れたのか。その中から教訓を拾い出そうというふうな意図で始めて放送したものでございますから、それはやはり私ども日本人が今も考えなければいけない問題だと思っております。  私も当然、日本陸軍の最後の現役兵として六カ月兵隊に行きましたけれども、あのころのことを思い返すと、それこそ亡くなった方に対する無念の思いというのがいっぱい出てまいります。そういう意味でこしらえた番組でありますことは御承知をいただきたいと思います。  今は外圧という言葉の表現上の問題ということになろうと思いますが、中村が申し上げましたように、当時放送したときの非常にわかりやすい言葉ということで外圧という言葉を使ったものであります。それがどういうふうに解釈をされるのか人によって相当違うと思いますけれども、私どもの判断がもし誤っていたならばそれは謙虚に反省をしたいと思いますが、当時この番組をつくっているときの外部の先生方を初め私どもの一致した意見は、非常にわかりやすい表現でそこのところは理解されるだろうというふうに思っていたということを申し上げたいと思います。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 わかりました。  ただ、会長、私思うんですが、その一言の言葉、とり方がいろいろあるとおっしゃいますが、事戦争においては、私はもちろん体験ございませんが、本当に体験した方においてはやっぱりいろいろな思いがあるということ、これは当たり前だと思うんでございます。ましてや、NHKさんが公正である、公平であるということをうたう以上は、この辺においても私はお考え願いたい。先ほど大臣がおっしゃったとおり、そこまでにすべきだったんではないかなと、そのように私は考えるものでございます。ぜひこれからもその辺を十分に配慮していただいてすばらしいドキュメンタリーを制作していただきたいと私は強く思います。  こういうドキュメンタリーの中で、これはまたちょっと外れますが、こういう意見もあるんです。意見といいますか、例えば戦争体験者にいろいろインタビューするんですね。二時間ぐらいインタビューするそうですよ。それで、先ほど言ったように、放送したのが二十秒とか三十秒。要するに、二時間全部聞けばその人の意図がわかるんですが、そこだけぽんぽんぽんと扱われると、せっかく自分の思いを、天下のNHKが来たんだと、ばっとしゃべっている方が、わからない意図に使われることがある。これは特に中村先生もご存じでしょうけれども、私たちはインタビューされて、この番組だと自分の使われるのは大体三十秒ぐらいだなとか一分ぐらいだなとか、大体そういう認識をして、適当に切られることを考えてしゃべるものでございますが、普通の方々は二時間インタビューされるとそのまま流れちゃうんじゃないかと、そのように思われることも多でございます。  ですから私は、特にこういうものに対しては、こういう意図のもとであなたのお考えのこういうところを使わせていただく、場合によっては、正直な話、三十秒になるかもしれません、二十秒になるかもしれません。でも、使ったところはあなたに対してちゃんと確認をいたします。受信料をもらって、そしてつくっている公共放送でございます、そのぐらいはやっぱりぴしっとやるべきではないか。その辺の配慮がないと、民放の芸能のワイドショーとは違うんですから。たしかある雑誌でそういう投書がございました。NHKさんはそんなことやって、見たら十秒ぐらいしかなかったと。冗談じゃない。その辺の配慮というか、またそういう現場に対しての指導というのはどのようにおやりになっているのかお聞きしたいです。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 「ドキュメント太平洋戦争」の場合には相当いろんな意見を慎重に聞いてつくっているわけですが、長時間の取材をしても、実際に番組で使わせていただくのは短い時間であるということをあらかじめ事前に取材する人に説明して、了解をしていただいて取材をするようにという指導を現場にはしているわけです。長時間インタビューする場合でも、必ずしも映像で使うということではなく、コメント等々に参考にさせていただきますというようなこともきちっと言ってそういう取材をすべきだということを指導しているわけですが、「ドキュメント太平洋戦争」の場合にはあのシリーズ全部で九十人程度のインタビューを行っております。一つの番組で大体十二、三人のインタビューが使われていると思いますが、そういう形で現場ではやるようにというふうに指導いたしております。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 ということは、それが徹底されていなかったということですね。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) そういうこともあったかもしれません。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 あったかもしれません。それはあったんでしょうけれども、だからこれはやっぱりNHKさんにすれば数多くある中のほんの一つだという部分もあるかもしれません。される方はその人一人なんですよ。あったかもしれませんだけじゃ、これはやっぱりまずいんではないでしょうか。これはやっぱり徹底させないと。どうでしょう、会長。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 御指摘のようなことがよくありますので、私はその場合は前提として編集をいたしますというふうにまず申し上げろと。それから、非常に大きな問題の場合は、編集した後に、あなたのあそこのところをとらせていただきました、あとは編集をいたしましたので御理解いただきたいと納得をするようにしていただくようにお知らせしなさいということを言っておりますので、そっちの方向で今後ともいきたいと思います。  何分たくさんの人間がやっておりますから、今中村が申し上げたようなことがもし起こったとすれば非常に残念でございますしかるべき形でもって徹底を図りたい。そういう編集の基本的なあり方についても部内の意見は、考え方はきちんと整理をさせるということをお約束申し上げます。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 そうですね。言うなれば、例えばあなたは芸能人好きですか嫌いですかとか、そういうものと違いますから、特に戦争だとかそういう問題においてはその人の思い入れというものがあります。それはどんな考えにもその人の思い入れがあってしゃべるんですから、その辺は、あったかもしれないじゃなくて、ひとつぴしっとこれからも御指導をしていただきたい、徹底していただきたい、私はそう思うんでございます。  さて、そういう話は別といたしまして、今度はマルチメディアの時代に向かうのでございますが、そうなりますと番組ソフト、これが重要になると思うんでございます。ハイビジョンになりますと普通の映像とはまた違ってくるのでございますから、どうでしょう、そのソフトにおいての制作能力はNHKさんはもちろん十分だと私は思うんでございますが、その点に関して。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) ハード的にマルチメディアはいろいろな可能性が言われておりますが、今おっしゃいましたように、我々にとって一番悩ましいのはマルチメディアに乗っけるソフトの問題です。ソフトが十分になければハードが幾ら整っても利用者のプラスにならない。  我々こういう場で多様で良質の番組ということをたびたび口にしますけれども、それじゃ本当に多様で良質な番組というのはどういう番組だと言われますとなかなか難しい。今流れているのと違う、差異感のあるオリジナリティーに富むソフトの開発というのが我々にとって今一番頭の痛いことで、多チャンネルになればなるほど、多メディアになればなるほどソフトの中身が問われなければいけない。みんなが同じ多チャンネルで同じものを放送しているのではマルチメディアにはならないというふうに認識しております。御指摘のように、ソフトが逆に言えばすべてだというふうに考えております。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 大臣、やっぱりNHKの役割というのは大変大きいと私は思うんでございます。これからはマルチメディア、そしてハイビジョンの時代と私聞いております。そういう意味で、全部の国民とは言いませんけれども、より多くの国民に愛されるNHKになってほしいと思いますし、またより多くの国民に理解される番組、要するにソフトを私はつくっていただきたい、そのように思うんでございます。  最後に大臣の御所見を伺って私の質問を終わらせていただきます。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) 全く今先生の御指摘のとおりだと私は思っております。  二十五年に放送法ができた、当時NHKしか、日本放送協会しかなかったわけであります。それ以来、皆さんからそれなりの料金をいただいて今日までNHKが立派に育ってきているわけでありますから、まさに国民のだれもが持っているNHKだということで、最大の問題はいい番組をやっぱりつくる。いかにマルチメディア、いろんなものがあるけれども、要するに中身の問題で、いかに国民が、いやこの番組はという番組をつくる、もう本当に御指摘のとおりだと思いますので、その方向で一生懸命我々含めて努力してまいりたい、こんなふうに思います。

鈴木栄治自由民主党

○鈴木栄治君 私の質問は終わらせていただきます。  ありがとうございました。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 まず、未曾有の災害をもたらしたこのたびの阪神保淡路大震災の災害報道に関連してお伺いしたいと思います。  こういう災害の際にどう対応するかということについてマニュアルがNHKには用意してあるだろうと思うわけでございます。しかし、今回の災害報道を経験して、その見直しあるいは反省が必要になった点もあるのではないかと思うわけでございます。  私も、NHKのスキップバックレコーダーですか、地震発生時のあの映像を見ましたが、棚の上の機材が吹っ飛んでおって、当直していた人が、仮眠していた人が立ち上がっているわけですが、これはけがでもするんじゃないかというふうに一瞬驚いたところでございます。私たちは災害が発生したときに最も頼りにしているのはNHKの防災情報の発信でございますけれども、その放送拠点があのような被災状況になるようではその後の対応が的確にできなくなってしまうのではないかというような心配もしたところでございます。  NHKとしては、これまでも建物とか設備、施設、こういった面で防災対策には万全を期してこられていることとは思いますけれども、今次の災害にかんがみてなお一層強化していく課題があったように思えてなりません。また、取材や報道体制についても考えさせられる面があったように思います。  そこで、まず今回の災害報道についてNHKとしての総括と反省、こういったことを簡単にお聞かせ願いたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 実際、我々はマニュアルを用意してございますが、今回のあれほどの大震災になりますとマニュアルが当てにならなくて、ほとんどアドリブで対応を決めていたということの方が実態でございます。ですから、あれぐらいの震度になったときに我々はどういうふうにこれから対処したらいいのかという、そこの部分をもう一回見直さなければいけない。  それから、安否情報を我々は行いました。五万四千の方々からのお問い合わせに対して我々が放送できたのは三万一千ぐらいでございました。一人に二十秒かかりますから一日やってもなかなか進まないというようなこともありまして、安否情報をやる場合どういう形でやったらいいのかというのも大きな宿題でございます。  それから、幸い神戸では自家発電装置が稼働しましてそれで神戸から中継なり放送が出せたんですが、自家発電装置等々、送出機器等についても今までの基準でいいのかどうか見直した方がいいのじゃないか、さまざまな反省点がございます。  それから、一般視聴者の方々から寄せられるこういう情報が足りない、ああいう情報が欲しいということに対しても、我々はこれからどういうふうにきめ細かくやっていったらいいのかできるのか、その点も今検証している最中でございます。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 今回の大災害で最大の問題は、官邸でも初期情報がなかなか入らなかった点にあるというふうに言われております。私は地震当時たまたま最初からテレビを見ておりまして、NHK初めいろいろなチャンネルを回しながらテレビを見ておったわけでございますが、どこも初めの段階は情報が十分集まっていないなという印象を強く持った次第であります。  電話で取材するにしても、ああいう事態でございますから大変難しかっただろうし、駆けつけてくる職員も災害の全体の状況を把握しているわけでもないでしょうから、それはやむを得なかった面があろうかと思います。しかし、例えば職員の人が駆けつけてくるそういう道筋で見るような災害の状況、こういうものは全体が見られれば一番いいんですが、そうもいかないとなると初期の段階でミスリードしてしまうようなことにもなりかねないということがあろうかと思います。  ところで、先ほどおっしゃいましたNHKの災害マニュアルでは、災害時は、特に夜間の場合、当直している人が少ないから余り職員が局に電話を入れてもらっても困るというような事情があるんでしょうか災害情報を放送局へ電話で伝達するようなことは差し控えるようになっているようなこともちょっと聞いた記憶があるわけでございますが、そういう状況でどうやって的確な情報を集めるかというのは大変難しい問題だろうと思います。  そこで、私は考えるわけですけれども、例えば日ごろから地域地域にモニターのような人を委嘱しておいて、一たび事が起こった場合にはその人たちから緊急情報をファクスで簡単に早急に送ってもらう、そういうようなことでも考えてみたらどうかなという感じがするわけでございます。  というのも、たしか昭和四十三年ころだったと思いますけれども、岐阜県で大雨で崩れてきた落石で道を通っていたバスが飛騨川に落っこちるという大変痛ましい事故が起こったわけでございます。それ以降、道路の管理者というのは、その経験に照らしましてドライブインにモニターを委嘱して、大雨時の危険防止のために道路の交通閉鎖をするようなそういう仕組みをつくってモニターからの情報を活用して、現在も非常に有効に活用されているというふうに聞くわけでございます。  その辺のことも踏まえながら、今回のことをどういうぐあいにお考えになっているのかちょっとお聞かせいただきたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 御指摘のように、最初の段階ではポイントポイントの情報しか入ってまいりませんから、なかなか面としての災害の規模等を押さえにくい。幾つかのポイントポイントのことを全体像として理解すると、おっしゃるとおりミスリードになるというような心配があります。  そこで、どれだけ多くのポイントをまず調べるかということが第一になりますが、この前の大震災の場合、高速道路が倒壊しているあの件につきましては、あそこで事故に遭ったトラックの運転手さんがNHKに電話をしてくれたのが第一報ということで、面として押さえられたのは、八時過ぎにNHKのヘリコプターが全体像を上空から撮影して、そのときに神戸市内のあちこちで火災が発生して、阪神高速道路も倒壊しているというあの部分が映って全体像がつかめたということだったと思います。  いろいろな方からの情報提供がいろいろな形でございますが、今NHKでやっておりますのは、放送局ごとにビデオ通報員にふだんからビデオ映像や情報を提供していただくような体制をつくっておりまして、そういう方々から映像とか情報をいただいているというのが今NHKがやっている方法です。いろいろな形で、さらに情報提供者の信頼性が確保できるという前提で情報を提供していただくという工夫を考えてみたいというふうに思っております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 今回の報道でもある程度時間がたってからは災害状況がよく放送されておった、こういうふうに思います。しかし、残念なことにはそれが大きな被災現場の報道に偏っていたのではないだろうか。いわば虫の目で見た映像が目立ち過ぎたように私は感じるわけでございます。多くの視聴者の中には、自分の親戚とか友人がどうなっているだろうかとかあるいはテレビに映らないあのあたりが大丈夫だっただろうかとかこういった心配が大いにあったろうかと思うわけでございます。  今お話しのように、ヘリコプターで上空からの被災状況の報道もございました。しかしこれも、高速道路が崩壊したような状況を何回も何回も見るというようなことで、全体的なとらえ方、いわば鳥の目による情報報告、状況報告というのがもっと必要であったような気がしてなりません。  これは一年ぐらい前だったでしょうか、サンフランシスコの大地震の際もそのように思ったんですけれども、あのときのテレビを見ておりましても、あの報道の状況から見るとあたかもサンフランシスコ全体がもう壊滅的な災害を受けてしまっておるんじゃないかなというふうな思いをしたことがあります。  NHKとしては、こういうことについてどういうふうにお考えでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 私ども取材に当たっては、特定の被災地だけに偏らないようできるだけ広範囲に映像の撮影、被害の全貌把握ということをやったつもりですが、初動の段階ではどこが一番被害が大きいのかどこが一番やられているのかということに取材が集中していくということはやっぱり否めません。そこのところは、どこが象徴的に一番被害が大きいのか、それから徐々に全体像がきめ細かなところに及んでいくということだと思います。  私どもでも一番取材チームが多いときには六十クルーぐらい入っていろいろなところを取材しております。それから時間がたってからですが、徐々にですが、「クローズアップ現代」等で一カ月の間に十三本、「NHKスペシャル」で三本、できるだけ被害の全体像を描こうということでそういう取り上げ方をやっております。  初期の段階を過ぎましてからは、とにかく被害の状況、被災者が非常に多いということから、もう我々の報道は被災者の側に立った報道をしようということで、十七日の全体像が見えたすぐ後、被災者中心の報道をしようという確認をして、それからできるだけきめ細かな放送をしてみようということで御承知のような放送をしたわけでございます。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 そういうお気持ちがあったかもしれませんけれども、私の感ずるところでは、必ずしも徹底していなかったのかなという感が否めません。というのは、今回の報道を見て感じたことは、全国の人に対して被災状況を伝えようという姿勢が非常に目立っていたように思います。その結果、たくさんのボランティアの人が駆けつけてくれたし、多くの義援金なども世界じゅうから集まってきたということで大変ありがたいことだと思います。  しかし、被災地には二十万人を超す人が避難所生活を強いられておりますし、そのほかにも何らかの被害を受けた人がたくさんおられたわけでございますので、もっと被災者向けの情報提供の放送が多く必要だったのではないかなという気がしてならないわけでございます。  私は、被災後九日目に、参議院の災害対策特別委員会の一委員として現に被災地の調査をし、避難所を訪れたわけでございます。そこにはテレビが置かれておりましたけれども、意外と見ている人は少なかったような感じてした。その理由はいろいろあるかもしれませんけれども、一つはやっぱり自分たちの知りたい情報、こういうものが少なかったからではないだろうかなと思っておるわけでございます。  被災地の地域では、こういう非常事態の際は思い切ってローカル放送の番組をふやしてやる必要があるんじゃないかという気がいたします。特に、今回は都市型CATVの災害情報が非常に役立っているという話も聞くわけでございます。そこまでは一般の放送ではできないと思いますけれども、そこはNHKさんの立派な体制、組織があるわけですから、全力を挙げて現地の支援体制を組んで、情報を収集し調査分析して、そしてまた電波も幾つも保有されておるわけですから、そういったものをうまく使い分けしながら被災者に的確な放送を届けるようにさらなる工夫や努力が欲しい、こう思うわけでございます。  NHKでは、今のお話ですとその辺のことは十分踏まえながら取り組まれたということでございますが、改めてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 私ども、三十万人を超える被災者が出まして、ライフラインがストップしたというようなことがわかった段階で何とかして生活情報を提供することが放送の大きな役割だということで、いろんな試みをしました。  一月二十日に、ラジオの第一放送ですが、神戸市役所に臨時スタジオ、生活情報放送センターというものを設置しまして阪神大震災生活情報放送というのを行いました。ライフラインがどうなっているのか、復旧の見通しはどうなのか、医療機関の開設状況、それから各種の相談窓口、住宅関係のさまざまな情報等々をその生活情報放送の中で展開いたしまして、現在もローカルでは続けております。  一月二十日前にできればやった方がいいというのが一つの反省点でございますが、神戸市役所の受け入れの方の準備も整わなかったということもありまして、一月二十日から実施したということでございます。そこできめ細かな行政情報も出したということで、ローカルでは現在も続けております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 御苦労さまでございます。  NHKは今回の震災の影響で七年度予算の当初の案を組み替えて再提出されましたけれども、震災の財政への影響はどのくらいであったのか。また、これによって受信料への影響もあるいは出てくるかもしれぬという心配もあるかと思います。しかし私は、安全の確保、向上のためにコストがかかるのはある程度はやむを得ないことだと思うわけでございます。防災上からNHKへ期待されているこの重要な役割、使命を認識して今後もNHKの経営に当たっていただきたいと思います。  当面、今年度予算についての影響の点をお知らせ願いたいと思います。

齊藤曉日本放送協会理事

○参考人(齊藤曉君) 大震災によります平成七年度予算への影響でございますが、まず事業収入におきまして、受信料収入は大変大きな影響を受けたということでございます。受信料収入につきましては、災害免除あるいはその後の受信契約の解約等によりましておよそ五十五億円の減収を見込んでおります。  それから一方、事業支出におきましては、ニュース取材体制の強化、あるいは被災いたしました神戸放送局の機能移転経費、こういったことで約十二億支出が増加しております。  以上によりまして、全体で六十七億の収支悪化ということになりました。当初二億円の黒字の予算を組んでおりましたので、これを差し引きますと六十五億財源が不足いたします。この六十五億につきましては、これまで経営努力によりまして繰り越してまいりました財政安定化資金五百二十二億を取り崩しまして補てんいたしたということでございます。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 今のお話ですと、NHKは被災された方々に対して受信料の免除をすると。これは従来二カ月が普通だったのを六カ月にふやすとかいうような思い切った措置も講じていただいたようでございます。そのほか、放送に当たっても大変な御苦労をいただいたわけでございますが、こういったことを含めまして、郵政省としては今回のNHKの災害対応についてはどういうふうに評価をなされておられるかお聞かせいただきたいと思います。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) 今次の災害におけるNHKの対応ぶりにつきましては、ただいま先生御指摘の受信料の免除というのを二カ月から六カ月というお話のほか、放送そのものにおいて、いろいろと安否情報であるとか被災情報、生活関連情報の提供などをラジオ第一放送とかテレビなどを通じてやってきたという点は御案内のとおりでございます。  そういう震災報道の取り組みにつきましては、先生ただいまいろいろと御指摘ございました御不満にわたる部分も多々あるという声も聞きますが、同時に一方で、その情報を提供された被災者にとりましてはやっぱりたくさんの情報を得たということで、それが不安の解消に役立ったという声もたくさん来ているところでございます。  あわせまして受信料免除、これを六月まで延長したと。そういう措置も当然のことでございますが、復旧、復興に取り組む被災者を支援するということで明るい話だった、明るいと言うと言葉はおかしいかもしれませんが、うれしい施策だった、そういう評価になろうかと思います。  そういうことをトータルで見ますと、郵政省といたしましては、こうしたNHKの対応ぶりについてはそれなりに努力してやってくれたものだなと考えているところでございます。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 ちょっと話をかえてお尋ねを続けたいと思います。  ことしは放送七十周年を迎えて、番組面でも歴史を振り返る番組など多彩な企画が立てられておる、このように聞いております。歴史を振り返るということは、古きを温め新しきを知るという意味で大変に大切なことだろうと私も思います。そしてさらに、その場合大切なことは、変わり行く中、動く世の中で変わってはいけないもの、あるいは守るべきものは何かということも学び取らなければならないというふうに思うわけでございます。  私のふるさとは佐賀で、ここでは有田焼というものが伝統文化産業として盛んですけれども、ここでは今でもろくろを回して焼き物をつくっております。そこでよく聞く話ですが、ろくろで焼き物の形をつくるにはその回転するろくろの中心つまり不動の中心、こういうところに親指の中心を重ね合わせることができると後はもう自由自在に焼き物の形をずっとつくっていける、思うままのいい形の作品ができる、こういうふうによく名人の人が言っておられるわけでございます。  移り行く中の不動心、動く中の不動点、こういったものを私はこの放送七十年の歴史を振り返る中でもひとつ考えていただければなと、あるいは考えていただけるんじゃないかと思って今後の番組に期待を寄せております。単なる回顧趣味といいますかノスタルジアに終わらないように期待しておるわけでございます。  したがって、この時代に公共放送の使命とか役割をどうお考えいただいているのか改めてお尋ねしておきたいと思います。いろんな制作意図あるいは企画があると思いますが、その点についてもお触れいただければありがたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 七十周年開運の番組といたしましては、一つは「映像の世紀」というのがございます。これはアメリカABCとの共同取材・制作番組ですが、先週の土曜日に第一回をやりました。  それから、ドラマでは山崎豊子さん原作による「大地の子」を日中共同制作で十月から六回シリーズで行います。  それから、今お述べになったことと関連があると思いますが、急速に失われつつある日本の民間伝承や伝統的な生活様式を記録して後世に語り継ぐ「ふるさとの伝承」というのを新年度から放送をいたします。  それから、大型車両三台に最新の映像装置それから放送の歴史等々学習に適した素材を乗せた自動車を「ユメディア号子供塾」というふうに名づけて全国を巡回させることにいたしてあります。子供たちにその車でさまざまな体験や学習をしてもらうということがねらいです。  このほかにもまだございますが、そういったものを用意しているということです。  それから、公共放送の使命、役割でございますが、基本的には文化としての放送の追求とジャーナリズム機能の発揮により文化の向上と民主主義の発展に寄与することであるというふうに認識いたしております。  それから、情報が膨大になり価値観も多様になっているという中で、やはり人々が安心して豊かな人生を送るためのよすがとなる多様で質の高い総合的なサービスをあまねく提供する。これはもちろん障害者を含む少数者向けのサービスの充実ということもその中に含まれますし、技術的にいろいろな放送サービスの実用化に先導的に取り組むということも含まれているというふうに考えております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 次に、ローカル番組の充実についてお尋ねいたしたいと思います。  これまでもNHKでは、「昼どき日本列島」とかあるいは夕方の六時台、夜の十一時台などで風物詩的なものを地方から発信しておられる。私も大変興味を持って見ております。また、単発でも地方発信の番組によいものがいろいろとあるようでございます。  それはそれで大変にいいことだと思いますが、NHKの各地方局のサービスエリア内ではそれぞれたくさんの市町村が地域活性化に競い合って努力しているわけでございますので、地方局としてはもっと地元の各市町村の町づくりとか村おこしに取り組む姿や課題、さらには伝統や文化、自然、そこならではのものをもっと深く掘り下げて番組を作成してほしいな、こういうふうに思うわけでございます。ニュースなんかでは断片的にちょっちょっとありますけれども、もっと掘り下げた取り組みが必要だろうというふうに思うわけでございます。  ふるさと情報を近隣の市町村に知らせ合いながらお互いに競い合うということ、これは地方の活性化は放送を通じてリードしてもらうことによって大いに進むんじゃないかなという思いがあるからでございます。そういう放送情報を全国向けでなくても隣や近所の町に知らせて互いに勉強してもらう、こういうことがこれから大事になってきていると思うわけでございます用意外と私たちは足元とか身の回りのそういうものを知らないことが多くて、時々驚かされることがありますので今申し上げたわけでございます。  また、出演者にしましても、とかく東京の先生方とかいう方が多いわけでございますけれども、やっぱり地元にも立派な大学がありますし優秀な方々もおられるわけですから、そういう方々にもぜひ放送に出演していただきまして、地方独自の文化の向上とかあるいは発信をもっとやってもらいたい。これがまた公共放送のNHKでなければできないような面しゃなかろうかと思っておるわけでございまして、ぜひ頑張っていただきたい、こう願っておるわけでございます。  そのためには、一方ではまた地方局の体制の強化とかあるいは設備の充実等も欠かせないと思います。きょうの会長のお話ですと、いろいろ合理化に向けての決意はあるわけでございますが、その辺はひとつ兼ね合いが大事だろうと思いますので、そこらあたりも含めてお考えを聞かせていただきたいと思います。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 効率化効率化と申しましても、肝心の仕事ができないような効率化では私は意味がないと思っています。  今おっしゃったような地方局を大事にする姿勢、あるいは地方の文化、生活というものをきちんとお伝えする義務がNHKにあると思っておりますので、地方局の仕事のあり方についてもこれまで以上に皆様の御期待にこたえるようにしていこうと思っております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 NHKとしての地方の情報発信については今お考えを伺ったわけでございますが、郵政省としてこの辺についてどうお考えになっておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。  と申しますのも、今民放の全国四波体制がだんだん進んできているということでございまして、中央の情報が地方に行き渡る、いわゆる情報の地方格差というのはそのことによってだんだんなくなっていっているといういい面がございます。しかし同時に、地方では民放の経営基盤が弱いということから地方局がキー局の中継所になっていくような傾向もなきにしもあらずということがあるわけでございまして、そういう点では逆に地方発信の放送文化が少なくなると地方の格差が逆に出てくるというようなことにもなりかねないということだろうと思います。  そういうことがないように、NHKとしても大いに地方、地域の放送文化を高めていただくような役割というのがかなり高まるんじゃないかなと思うわけでございますが、そういう気持ちから、今の地方の情報発信に対する郵政省のお考えがどうだろうかということをお聞かせ願いたいと思います。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) 東京の一極集中というのを是正しまして、国民生活の豊かさというものを実現するためには、先生も御指摘のとおり、地域社会が積極的に情報の発信源というものになって、互いに交流し合いながら、それぞれの個性と魅力を競い合うような社会を実現することが非常に重要だという基本認識を持っているところでございます。  そのためには、例えば民間放送において申し上げますと、地域、地方を基盤とするローカル番組の制作力というのを強化して地域の要望にこたえるとともに、地域から全国向けの情報発信に積極的に取り組んでいくことが望まれるわけでございます。また、NHKにおいては、公共放送の立場から国民のニーズの変化を的確にとらえつつ、地方からの情報発信と地域間の情報交流の促進に先導的な役割を担っていただこうという期待を持っているところでございます。  そういったものへの環境整備と申しましょうか援助と申しましょうか、そういう視点に立ちまして、昨年法律をつくらせていただきました番組素材法というのがございます。アーカイブズと言っておりますが、素材を集め、それを使って番組をつくってもらう、番組づくりの少しでもコストダウンを図るようにしてもらおうという意味の番組素材会社というのがございますが、昨年制定していただきました法律に基づいて今会社づくりをしているというような施策も応援に入れて、地方からの発信を大いにやっていただこうと考えているところでございます。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 最後になりますが、今国会で放送法が改正されまして、それによりまして、放送したものを保存する義務の期間が従来三週間であったものを三カ月にしようというふうに承知しておるわけでございますけれども、これは人権侵害があった場合に救済をしっかりとやりやすくしようというようなことではなかろうかと理解するわけでございます。人権の侵害だけでなくて、放送に課せられた中立とか公平性、主に政治的な面でありましょうか、こういうものをどういうやり方、考え方で保っていくのかという問題が今後ますます重要になってくるだろうと思います。  人権の問題じゃなくて、先ほど鈴木先生のお話もありましたけれども、一方的な視点での番組の企画があったような場合には、これに異なる視点からの企画をしてくれというような世論も起こってこようかと思うわけでございますけれども、こういうものをどうやって受けとめていくのか、判断していくのか、こういうのが私は必要なことじゃなかろうかと思うわけでございます。このたびの放送法の一部を改正するような状況を踏まえまして、その趣旨に照らして、こういった問題に対してNHKとしては何かお考えがあるのかひとつそのことをお聞かせいただきまして最後の質問とさせていただきます。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 公共放送として中立、公平な放送というものがいかに大事かということは御指摘のとおりだと思います。公共放送として、NHKの場合は何人からも干渉されず自主自律のもとに不偏不党の立場を貫くということを基本にしておりますが、具体的にはいろいろな角度から論点を明らかにしていろいろな主張を紹介する、そして視聴者の判断の材料になるものを提供するということによって公平を確保するように不断に努めていくということだと思います。  我々自身、こういうような努力をすべきであるというようなことで、NHK番組基準ハンドブックというものを一昨年改訂しまして番組制作担当者、記者等関係職員に配付、そのほか新採研修にこれを使うと。もちろんこの中には人権についての尊重ということも強く書かれております。  それから、番組制作の手法等について問題があるのではないかというようなことについても、放送現場の倫理に関する委員会というのを平成五年三月に設置いたしまして、つくり方にやはり問題があるというような番組について、毎月、具体的にその担当責任者等々をその席に呼びまして、そのつくり方についてどうだったのかという反省も含めてこれからのっくり方をどういうふうにしていったらいいかということを皆で討議する、そういう場をつくって現実にやっております。

陣内孝雄自由民主党

○陣内孝雄君 終わります。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 自由民主党の加藤紀文でございます。  まず、最初に川口会長にお尋ねしたいと思いますが、マルチメディア時代とよく言われておるわけで、政府や民間でもマルチメディアに関する調査研究というのが盛んに行われておるわけであります。近い将来、放送と通信が融合すると言われているわけでありますが、NHKといたしましては放送と通信が融合する時代の放送サービスについてどのようなお見通しを持っておられるかお尋ねしたいと思います。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 将来、このメディアの世界がどのように動いていくのか大変難しい見通しをしなければいけないというふうに思っておりますけれども、私は、来るべきマルチメディア、百チャンネルあるいは百五十チャンネルと言われておりますけれども、非常に多角的にしかも受信者、視聴者が望むものをすぐ応答して出すといういわゆるマルチメディアの手法には相当たくさんの人がこれを享受する時代が来るんではないか、こう思っております。したがって、そういう非常に便利でいろんな御要望におこたえできるというものに対しても、これはNHKとしては今後の対応をきちんと図らねばいけないというふうに思っております。  一方、そういう時代になっても、いわゆるステーション放送というふうに申しますか、放送局がやる自主的な放送というものの重要さというのは決してなくならないだろう。もちろん、どういう映画が見たい、ビデオ・オン・ディマンドという形ですぐ映画が返ってくるという放送のあり方も非常に大事ですけれども、一方では災害放送を初めとしてあるいは視聴者の心に訴えるような番組等々はやっぱりステーション放送として生き残り続けていくだろう。そこにすぐれた質の高い、そしてわかりやすい、感動させる力を持ったそういう番組をつくり続けていくのが公共放送NHKのやっぱり一つの使命ではなかろうかというふうに思っております。  そういうマルチメディアというものに対応するのと、それから放送本来のあり方を追求するのと、こういう二つの方向をきちんとわきまえていきたいというふうに思っております。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 いずれにせよそう遠い将来ではないわけでありますので、今のうちからいろいろ慎重に御検討を進めていただきたいと思うわけであります。  次に、先日、NHKの平成七年度以降の中長期経営方針が決定したわけでありますが、その決定後にNHKが現在の受信料制度以外に将来ペイテレビ方式の有料放送を検討しているという一部報道があったわけでありますが、この報道が正しいのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。

中井盛久日本放送協会理事

○参考人(中井盛久君) 担当が中井でございますので、お答えいたします。  中長期経営方針を立てた段階で、一部の新聞にペイテレビ方式をNHKはその後も検討しているというような記事が出たことは御指摘のとおりでございます。  私たちが決めた中長期経営方針というのは、先生方のお手元にもお配りしたあれが最終決定稿でございまして、その途中の段階ではいろいろな検討を我々はいたしました。今、会長がお答えしましたように、二十一世紀になっても安くてそしてより公正な、そういう基本的な情報というのはやはり大事で生き残るであろうし、どうしても国民生活に必要であろう。しかし、その上でなおいろいろな問題を考えた場合に、どういうような方式があるかというようなことを考えたときに議論の中に出てきたことも事実でございます。  しかし、これはあくまで将来のことを一部検討した段階の資料がそういう形で出たということだけでございまして、現実には皆様のお手元にお配りしたあの方式、つまり、あくまでサービスの財源は引き続き受信料を基本としてやっていきたいというのが我々の考え方でございます。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) ちょっと誤解があるといけませんので申し添えます。  ペイテレビ云々という考え方は、現在の放送というのは受信料体制でいける、ただしマルチメディアになって、例えばビデオ・オン・ディマンドとかいろんな新しい形のものが出てくるだろう、そこにNHKが何らかの形でもって関与する、あるいは関連団体がやるかどうかまだ何にもわかりませんけれども、そういう時代になって多メディアをうまく使ってやる放送を出すときはそこはペイテレビにすることも考えられるであろう、そういうふうな意味でございまして、現行の受信料体制を基本的に変えるということではまだございません。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 それは、会長、中井理事さんのおっしゃることはよくわかるわけでありますが、こういったペイ方式なんというのを検討するのは当たり前であって、するなと言っているわけじゃないわけでありますけれども、それをあたかも決定後にまとめられたというような報道の仕方に問題があるのではなかろうかなと思うわけであります。  次に、先ほど陣内先生が今回の阪神・淡路大震災におけるNHKの報道のあり方、いろいろ質問があったわけでありますが、私も一点、この件に関しまして、先日、NHKの放送文化研究所の調査研究発表会で阪神・淡路大震災時の安否情報放送の容量限界が指摘されまして、多くの被災者が出ると放送だけではカバーできない、被災地の外に公共機関の運営する情報センターを開設して、ここに集めた安否情報を新聞社やパソコン通信会社が文字放送として流すシステムをつくる必要があるという大変有益な提言があったわけであります。  実は、私の友人でパソコン通信をやっている者がおりまして、同じようなことを言っておりました。NHKに安否情報の材料といいますか掲示板に出すあれをパソコン通信に使わせてくださいという依頼をしたところ、NHKの方では著作権の問題云々ということでお断りになられたということがありました。  私も、この発表会で言われた提言というのは、身近にもそういうことを考えている者がおりましたので非常に興味を持っていたわけでありますが、この点に関しましてNHKもしくは郵政省の方はどのようにお考えになっておられるかお尋ねしたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 先ほども御指摘ございましたけれども、安否情報の場合、一人の情報を放送するのに二十秒かかる、二十四時間放送して放送可能な情報の件数は四千件であるというようなことから、我々も実際五万四千件の問い合わせをいただいて三万一千件しか放送できなかったわけであります。それをどうやってできるようにしたらいいかということで、大型のコンピューターを使ってインプットして、各区ごとに地域ごとに検索できるようにしたらどうかというようないろいろな研究も行いましたけれども、インプットする人間がああいう大災害のときにさっと集まるかどうか、それから物理的に計算しますと相当数のインプットの人間を必要とするというようなことから、なかなか難しいなというのが今我々のところの研究の結果でございます。そういうことよりも、それでは……

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 NHKがやるんじゃないんだよ、NHKがインプットするんじゃないの。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) ですから、NHKがインプットするんですけれども、その要員をどうやってそのときに集めるかということが非常に難しいということになっております。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) これはあの災害のさなかにいろんな議論、意見などもございまして、今のNHKさんがおっしゃっている安否情報なども教育テレビを安否情報に変えたりいろいろして、今度はそれに対して難視聴を持っておる方から抗議が出たり、いろんなことがありました。要するに、今お話がございますように、見ていますというとだれだれさんはどこ、健在かどうかという意味の尋ねる形のこれがもうたくさんありまして、健在でここにいますというのはほとんどないんですよ、あれを見ていると。そこらを含めてどうすればいいかといういろんな議論がございました。  パソコン関係の事業者の方々にお願いをいたしまして、相当御活躍をいただきました。アメリカなんかはパソコンといえば年間千五百万台ぐらい売れたりなんかしているわけでございますが、日本は二百万台、まあ三百万台はないわけでございますが、そういう規模ではありますけれども相当有効に活用できたと実は思っているんです、あの災害に際しましては。ですから、そういう評価をいたしておきます。  したがって、いずれにしても容量ということがございまして、今お話ありましたように、時間的に足りない、五万四、五千あるものを四千何がししか扱えない、これじゃ困るわけでございますから多メディアで物を考える、その中の非常に大きなポイントの一つが今の御指摘のパソコンだろうと思うわけでございまして、私どもそういう評価の上で組み合わせでこれから進めていく方向でやってまいりたい、こんなふうに思っております。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 中村さん、別にNHKでやれと言ったわけじゃないんですから、その辺誤解ないようにね。  次に、昨年も平成六年度の予算審議のときにハイビジョンについていろいろお尋ねさせていただいたのでありますが、引き続いてちょっとハイビジョンについてお尋ねしたいと思います。  言うまでもなく、ハイビジョンというのはNHKが開発した世界で唯一実用化された高画質、高音質のテレビであって、かつてハイビジョンの伝送路がアナログかディジタルかについていろいろ論争もあったわけでありますが、私は、受信者にとって安くて高画質、高音質を満たしてくれれば、伝送路が別にアナログであろうがディジタルであろうがどちらでも構わないんじゃないかと思うわけであります。  いずれにせよ、一九九七年から想定されております本放送に向けて早期に普及を促進していくことが大事だと思うわけでありますが、NHKはどのようにして早期普及を考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 私ども、平成七年度をハイビジョンの早期普及にとって重要な年度というふうに位置づけておりまして、NHKは現在は一日平均五・七時間担当しておりますが、新年度は一時間延長して六・七時間放送したい。  番組の内容としては、大自然スペシャルみたいなスケールの大きいハイビジョンの番組をつくってみたい。高精細度映像で、その特徴を何とか最大限に発揮する番組の開発を行いたいというふうに思っています。「週刊ハイビジョンニュース」というのを現在金曜日にやっておりますが、阪神大震災を一つの記録としても発生当初から追っかけておりますが、今後とも丹念に取材を続けたい。それから、新年度は本格的なニュース番組への第一歩として海外情報とか気象情報の充実を図ってみたい。  それから、一体化制作、総合テレビでやっている番組をハイビジョンで撮るということでございますが、「小さな旅」、「ポップジャム」、十数年ぶりに始まりますコメディーですが、「コメディーお江戸でござる」等々をハイビジョンで放送したいというふうに思っています。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 いずれにせよ、早期普及のためにはやはりソフトが大事だと思うわけでありますが、先ほど鈴木委員の方からソフトの質問がありましたので、重ねてお尋ねする必要はないと思うわけであります。  これまでにハイビジョンにかけた経費というのはどのくらいかかっておるのか。また、平成七年度のハイビジョン経費はどのくらい計上されておるのか。あわせて、今後アトランタや長野の冬季オリンピックに向けてハイビジョン経費というのはどうされるのか。この経費の問題に関して三点お尋ねしたいと思います。

齊藤曉日本放送協会理事

○参考人(齊藤曉君) これまでハイビジョンにどのような経費をかけたのかという第一点でございますが、スタートいたしました昭和三十九年から平成六年度までハイビジョン放送の関連経費、トータルで五百九十五億でございます。研究開発関係の経費がトータル二百十億、合計で八百六億かけてまいりました。  それから、平成七年度でございますが、一日六時間、一時間放送時間の増をいたしますけれども、こういった経費等で放送関連経費といたしまして百三十九億を予定しております。それから、ハイビジョン壁かけテレビの開発等研究開発経費に三十五億円、合計で百七十五億円、これが平成七年度の予算でございます。  それから、オリンピック等今後へ向けてどういうふうに経費の面でなるかどいうことでございますが、ハイビジョンの本放送に向けて引き続き放送時間の拡大を目指して充実していくわけでございますが、特にアトランタあるいは長野オリンピックに向けまして設備、機材等を積極的、計画的に整備していきたいというふうに思っております。それに伴いましてハイビジョン経費はある程度さらに上積みしていく必要があるわけでございますけれども、現行放送との一体化制作を進めることなどによりまして効率的な経費の使用に努めながら、視聴者の理解を得る範囲でハイビジョン放送の充実をさらに図っていきたいということでございます。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 頑張っていただかなきゃいかぬわけでありますが、先ほどハイビジョンの伝送路のあり方についてちょっとお話しさせていただきましたが、大きな流れとして放送はもうアナログからディジタルになっていくということはだれしも異論がないと思うわけであります。NHKでは現行のミューズ方式からディジタル方式への移行についてはどのような展望をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。

森川脩一日本放送協会専務理事・技師長

○参考人(森川脩一君) お答え申し上げます。  放送というものにとって一番大事なことは、放送サービスの内容とか質、これが第一番目、それから同時に受信者の方々が安い受信機で番組を楽しめる、この二つだろうと考えています。  このために、放送方式を新しくする、例えばアナログからディジタルにするという場合には、したがって今までの放送とは違った斬新で多様なサービスを実施していくという必要があると考えます。このような考えでNHKは、このディジタル化につきまして、ディジタル方式そのものの持ちます拡張性でございますとかあるいは柔軟性、そういうものをフルに発揮させたマルチメディアにふさわしい放送というものを目指していきたいと。私たちが考えているのはISDB、統合ディジタル放送というものがそれに当たるわけでございます。そういうものによりまして、マルチメディアにもふさわしい新しいサービスを提供することによって新たな方式へ移していくということが我々の考えでございます。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 そうしますと、将来、当然ディジタル方式のハイビジョン放送になるわけでありますが、現行のミューズ方式の受像機は使えなくなるわけですか。

森川脩一日本放送協会専務理事・技師長

○参考人(森川脩一君) 現在お持ちのハイビジョン受像機というものは、将来のディジタル放送時代が来てそういうシステムが出てきた場合でも、アダプターを付加することによりまして引き続きディジタル放送用の受信機として利用できることになりますので、決して現在お持ちの受信機がむだになるということはないというふうに考えております。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 アメリカやヨーロッパでは日本とは違った方式のハイビジョンといいますか、開発をしていると聞いているわけでありますが、欧米におけるハイビジョンの開発動向というのはどうなっているのかもしわかれば教えていただきたいと思います。

森川脩一日本放送協会専務理事・技師長

○参考人(森川脩一君) アメリカにおきましては、地上放送についてハイビジョン並みの高画質を目指したATVと呼ばれます次世代テレビの方式の審議が連邦通信委員会において八七年から行われてまいりました。この四月から実際の実験機を用いた技術試験というものが行われることになっておりまして、これが順調にまいりますとことしの米あるいは来年の早々に技術方式が決まるというぐあいに言われております。  このアメリカ連邦通信委員会の計画では、技術方式が決まった後、免許の申請でございますとかあるいは放送局の新たな建設でございますとか、そのための期間を六年間と見込んでおります。それから同時に、この技術方式が決まってから十五年たった後、現行のNTSC方式を廃止して、いわゆるATV、次世代テレビの方に移していくという計画でございます。  現在、この計画は最初立てられたスケジュールより約三年程度後ろにずれております。おくれておりますけれども、今後この計画どおりにまいりますといたしますと、大体二〇〇〇年ごろから新しいATV放送というのが開始をされまして、その後約十年間は現行うレビとこの新しいテレビとの同時並行放送ということを行った後、二〇一〇年ころにこの新しいATV放送の方に移っていくというぐあいに聞いております。  それから一方、ヨーロッパでございますが、現行の放送のディジタル化、ディジタル方式の開発というものに大変ヨーロッパは力を入れているということでございまして、一方ハイビジョンの画質クラスの放送については将来の課題としているように我々は受け取っております。  以上でございます。

加藤紀文自由民主党

○加藤紀文君 ありがとうございました。  最後に、NHKは現在衛星二波で標準テレビ放送を行い、一方、民放とともにハイビジョン普及波でハイビジョン放送を行っているわけであります。現行のハイビジョン普及波は一チャンネルだけであり、将来ハイビジョン放送をふやそうとしても民放との共同使用では限界があるわけでありますが、NHKは将来のハイビジョン放送と現行の衛星による標準テレビ放送をどのように整理していかれるのかお尋ねして、私の最後の質問とさせていただきます。

中井盛久日本放送協会理事

○参考人(中井盛久君) お答えします。  NHKといたしましては、ハイビジョンの普及という観点からできる限り多くのハイビジョン放送時間を確保することが望ましいと考えております。このため、ハイビジョンの受像機がまず非常に普及するということ、それから同時にMNコンバーターを入れれば今のハイビジョンがやや画質が落ちますけれども見られるという状態、そういうような普及状況に応じまして、現行衛星による標準テレビジョンの受信者の納得が得られると考えられる段階、つまりかなり普及した段階において衛星放送二波のうちの一波だけまずハイビジョン化したいというふうに考えております。  同時に、NHKとしましては、現在放送衛星で実施しています難視解消という大きな目的を持ったサービスもやっておりますので、その点は非常に重要なところでございますが、この難視解消サービスの切り捨てにつながらないように、いろいろな今の技術が進んでまいっておりますので、例えばCSを利用してみたりとか、そういうような便法がまたさらに考えられるならば、非常に衛星の電波の利用度がかなり高くなってまいります。  そういうことも総合的に考えまして、そういうハイビジョンの衛星一波のうちの一波をできる限りスムーズに皆さんに迷惑のかからない形で新しいサービスができるという方向へ持っていきたいというふうに思っております。

守住有信自由民主党

○守住有信君 自民党の守住でございます。  先ほどから鈴木委員以下いろいろ御質問なり御指摘がございまして、特に国旗・国歌の映像音声は基幹的なテレビとラジオだけ、教育番組は余りないようでございまして、時々はおやりになる。やっぱり教育論議ですから、私も聞いておりまして、国際社会の中の日本、アジアの中の日本、国際交流、そういう場合に国民のシンボルでございます国旗と国歌。私は日の丸・君が代とは申しません、国旗と国歌です。アメリカだろうとイギリスだろうと中国だろうと、どこの国もそれぞれの国の国旗・国歌と言っておる。それが一番の、まして公共放送のNHKだ、こういう思いをしながら聞いておりました。  それからもう一つは、例の「ドキュメント太平洋戦争」、私は全部ビデオを撮りました、買いました。そして、実は自衛隊の幹部の熊本西部方面総監とか第八師団長にもこれを送りました。立派なあれはドキュメントです。アメリカの当時のあれから何か全部入れて、サイパンの方からビルマ、あるいはソ連参戦、いろいろ出ておりましたけれども、実に立派なドキュメントだ。広く見てほしい。戦訓として見てほしい。今の自衛隊の幹部にもそういう思いでやったわけですが、最後のまとめの言葉、これは非常に憤りを感じながら聞いておったわけでございます。  いろいろ視点も出まして、中央と地方とか今ハイビジョンのお話も加藤委員から出ましたけれども、きょうはちょっと国際化時代の日本のNHKというふうな意味、あるいはある場合は民放も含めまして、そういう角度から私のお尋ねなり御意見なりを申し上げたいわけでございます。  まずここに二つ、大臣及び川口会長がお読みになりました国際放送、まずNHKの方ですが、「国際間の相互理解と国際交流に貢献するとともに、海外在留の日本人に多様な情報を的確に伝えるため、映像による国際放送」ということ、大臣の方は非常に具体的で、事業計画は省略しますけれども、「欧米向け映像国際放送の開始」、非常に具体的に書いてあります。こちらは一般的な映像による国際放送、同時に海外在留の日本人向けと。この日本人向けというのが、昔はそういう思想でございましたな、例の短波放送。海外に行っておる日本人向け。  今は国際化時代で、特にアジアの諸国は日本語の勉強しておる。経済交流もあれば文化交流もある。そういう状況ですから、どうも私は、中心は海外在留の日本人でございますけれども、もっと視点を広げた角度の、これはやっぱり言葉ですから、哲学、理念があらわれておるわけですから、そこらも踏まえておいていただくとともに、こちらの方では欧米向け、欧米も結構ですけれども、前の会長さんのときはえらい欧米欧米だったですよね。川口さんになってアジアセンターをつくり、アジアの中の日本、我々の歴史観もそうなっております。  そういう意味で、ここのところはもう御答弁は要りませんけれども、御指摘だけを申し上げておきたいと思います。  それで、実は最近のサリンの、オウム真理教、あの教祖が私の田舎の八代生まれでございまして、波野村の事件もありましたけれども、それから最近の的確な報道が民放もNHKもばんばんやっておられます。警察は目の色を変えてやっておる。こういう中で、これは朝日新聞でございますけれども、「教団の電波戦略挫折」、挫折するのは当然ですけれども、教団の電波戦略、海外から、ロシアから、モスクワあるいはウラジオストクからラジオを流す、こういうやり方ですね。最初はビデオを持っていって送って、何千万か金を出して、信者から巻き上げたやつを。それで挫折するのは当たり前ですよ。  それぞれの国が自分の国の主権という角度から自由な契約ですけれどもやめさせた。報道の自由とか放送の自由というけれどもやめさせておると、ロシアは。じゃ今まで国際間でどういう方法で、ビデオを持っていって向こうと契約した。ところがラジオだ。国内から、通信を使っておるのか私わからぬけれども、やっておいて向こうから、ウラジオからラジオが、中身が飛んで来る、毎日毎日。  こういう状況ですから、きょうは急な話ですから、そこらあたりも今後のためにどういう方式でやっておるのか、警察だけに任せないで十分それを把握しておいていただきたい。それで今後のために的確に役に立てていただきたいというのが具体的な私の一つの意見、主張でございます。これを読むとあっと思うようなことが、ああ、こういう方式でやっておったかと。  正直申し上げますと、私が役人で電波監理局の総務課長をしておりましたときが沖縄返還でございました。本土並み返還。あのとき沖縄にはアメリカのボイス・オブ・アメリカがあった、VOA。本土並み返還、佐藤内閣の返還のときののどにかかった小骨というマスコミでは言葉が出ておりました。総務課長で、復帰前に行きまして、沖縄は赤旗が林立しておりました。外務省と一緒になってやっとVOAは沖縄から撤去させる。実はあのときは韓国の済州島に行ったようでございますけれどもね。  もう一つあったのが極東放送。宗教放送、カトリック放送です、アメリカの。これもやめましたね。米軍基地の中に放送塔も建っておった。これの撤去から始めて、我が国の放送法に従った一般の民放化、特定の宗教ではなくて、特定の宗教というといろいろな宗教を思い出しますけれども、一般の民放化をやって極東放送は解体しまして、いろんなところから資本を集めて一般の民放化ということで、今沖縄の地域で日本の放送会社として的確な報道なり番組なりを提供しておられます。そういうのを思い出すわけです。  じゃ、果たしてこういう宗教放送、部分的であってもこういうとんでもない事件を起こすようなのが今後、外から日本の中に、日本の国に向けてやるやり方、そういう時代になっておるんだなという痛烈な危機感を持っておるわけでございます。放送行政として、前は電波監理局でございましたな。特に放送中心の放送行政という立場から、こういうケースについて印象でも結構でございますが、今後、どういう視点からどういう調査をして、やっぱり備えあれば憂いなしとかいろいろ言いますから、危機管理とかいろいろ言われます。そういう視点からのひとつお感じをお話しいただきたいと思います。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) 放送につきましては守住先生から不断にいろいろとお教えをいただいておりまして、ありがとうございます。  今回の場合も、問題のとらえ方と申しましょうか意識という点で、どうやって日本に放送を仕向けてくるのかというような、よく調べておけとおっしゃいましたことにつきまして私たちも調べてまいりたいと思います。  それはそれとして、国内で宗教放送というのが今どういうふうに考えられているのかということを申し上げさせていただきますと、結論としてはできないというふうに考えているところでございます。これは先生御案内のとおりでございまして、放送法の第三条の二第四号に、「放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たってはこ「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」としているところでございます。これは御案内のとおりでございます。  したがいまして、宗教を題材として幅広い角度から紹介する番組を放送するということは可能でございますが、特定の宗教の布教ということになりますと取り扱っている内容が多角的に論じられているとは言えなくなりますので、そういう放送は認められない、そういうふうに考えているところでございます。

守住有信自由民主党

○守住有信君 それが基本でございますね。そのとおり。  それであとは、いろんな波の一部を使ってということが十分あり得ると。そして、それは宗教の本山というか本部から支部向けたと言いながら、みんなが見られる、聞こえる。信者向けたと言いながら聞こえる。通信・放送衛星を使って、こういうのが今後可能性としてあるんじゃないか。これは、ラジオを使ってまずやったんですな。テレビじゃない。ロシアから入れてくる。それは国内でも、独自の会社じゃないけれども、特定の番組へ特定の宗派の宗教番組を特定の支部あてだと言いながら、実は日本国民全体も聞こえる、見える。最初は聞こえる方でしょうけれども、そういうふうな可能性が十分あり得るんじゃないか、こう私は思っております。その辺を十分事前に、なってしまってからじゃ問題でございます。ただ許可せぬ、認めぬというだけじゃない。そういう事前の早目の情報というか情報通信の郵政省ですから、そういう点も十分気配り、音声配りというか情報配りというか、お願いを申し上げておくわけでございます。  それから、時間もございませんので、あと一つ。  アジアの中の日本といったとき、国際番組交流、この前も申し上げましたね。マスコミで国境を越えるテレビ、あれは日本だけが使っておる。国境を越える、戦前の非常に嫌なイメージがしますな。国境を越えるという言葉、日本から国境を越えていくテレビ、いろいろ申しませんけれども。  そこで、私は、絶えずマスコミの人、NHKも当然ですけれども、他のマスコミ、民放も新聞も国際交流テレビなんですよと。国境を越えるテレビというのは、これをアジア諸国の人たちが聞いた場合、じゃ私が中国の中におったら、韓国におったらどういう気持ちになるか。ここはお互いの相互交流なんです。文化交流なんです。相手の国の文化、自国の文化、それぞれ尊敬して、尊重しながら、多様な民族がある、国家がある、それを互いに知り合う。日本語も入れ、相手の国の言葉も入れながら、そういうのがこれから、とっくにもうその時代が来ておるんじゃないかこういうふうに思っております。  私はこういう気持ちを持っておるんです。一NHKとか一民放連とか、そういうものでなくて、郵政省がそういう場づくりをして、そういう問題をお互いに自由に議論し合って、そしてそこに何か一つの共通の認識なり、マニュアルというのは規制が入りますから、そうでないものでお互い認識し合う、そしてそこから具体的なものが出てくる。その具体的なものをちょっと申し上げたいわけでございます。  いつぞやニュージーランド、オーストラリア、インドネシアに行って、郵政大臣のところにもお伺いいたしました。パラパ衛星、サテリンド社、大統領の御親戚が社長さんで、なかなか立派な人物で、技術のリーダーの二人と十分話し合いとかスライドを見ながらやってきました。  その中で、あのパラパ衛星、今はCバンドですけれども、来年はKuバンドの電波のエリアが物すごいんだな。極東地域から、中国から、日本は当然入って、片や西の方はインド、こっちはもちろんニュージーランド、太平洋地域から東アジアから南アジアまで入るようなエリアなんです。それで、現に今使っているCバンドですらも実はフランスまで入っておる。アメリカはもちろんですよ。オーストラリアはもちろんです。ニュージーランドも。  それで、幾つもの国というよりも、いろんな国に属する会社、放送会社が多数利用しておるんですよ。一国一波じゃありません、幾つも。そして驚いたのは、トランスポンダー一個を共同利用しておる。一社だけじゃない。その国のグループが、何曜日はA会社、次の何曜日はB会社、次はC会社、あるいは夕方ごろになりますとニュースの時間、これはいろいろ分けておるんですよ、三十分置きとか。そういう利用の仕方をしておる、それが第一点です。  それから第二点目は、トランスポンダーの利用料、年間契約一億四千万なんだ、我が国の場合は。それはしょうがない。向こうは、アメリカは、ロケットだって何だって軍事利用、軍事の研究開発からきました。日本はあくまでも民生。だから研究開発のコストがえらい違うから安くなるわけです。  そして、ついでに申し上げますと、今まではNASAのロケットとアメリカ製造の衛星を使っておりました、今度はフランスのアリアンロケットを使います、途端にアメリカから圧力がありました、社長がこう言うんですな。ところが、私これ気に入ったんですが、インドネシアは非同盟のリーダーでございます。アメリカの言うことは聞きませんでした。安い方のアリアンロケットをKuバンドは使います。Cバンドは今までのアメリカの。衛星だけはアメリカの能力が上でございます。それでアメリカの製造した衛星を使います。トランスポンダーが何十でございましたかな、もうえらい数で、しかも利用の仕方がそうなんですよね。日本は何で御関心をお持ちになりませんか、こういう指摘でございました。  それで、日本の場合も一NHKとかこれは国内の話で、海外にこれから努力しようというわけですが、民放も一緒になって、日本の国の民放、NHKと一緒になった形でやれるのだろうか。我が社我が社だけでなくて、利用は共同部に、番組の内容は違いますよ、それぞれの社の独自性だな。これを私は非常に痛感して帰りましたけれども、どこかの状況でお話も申し上げた。一NHKだけじゃございませんよ、これは国内の受信料ですから、おっしゃいましたな。  空洞化と言われておるけれども、日本のいろんな企業も合弁で出ておりますね。何も中国とか台湾とかベトナムばかりじゃない。ずっとビルマからインドからオーストラリアから行っておる。これを踏まえたときに、日本の産業界、経済界も一体どう思っておっただろうか。その代表が民放です。十二チャンネルもあればフジテレビあたりも関心を持っておるようだが、なかなか忙しくて個別に社長のところに行けぬのですよ私は、行きたいんだ、これを訴えたいんだよ。そこで、その場をつくるのが私は郵政省あるいは放送行政局ではなかろうか。  それで、さらには通信と放送のメディアミックス時代を迎えるわけですから、そういう思いを持っておるということにつきまして、大臣もあのころちょっとお話ございましたし、またいろいろ専門家の行政局長もおりますので、両方にお尋ねをしたいと思います。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) アジア地域に限らない話でございますが、問題のありかはどのような形で、映像国際放送と我々言っておりますが、映像国際放送というのを実施していくかということはまず放送事業者の動向を見守ることとしているところでございますが、郵政省としては放送事業者が外に出ていくに当たって出やすい環境づくりをしようということが大事だと考えて、いろいろ手を尽くしているところでございます。  一つ例を申し上げますと、昨年やった会議、APTというのが主催してやったわけでございますが、それをことしもこの間三月八日から十日までやりました。そして結論として、番組を国を越えて外へ出すときの責任の所在はどこなのかとかどういう番組の出し方でなければいけないかとか、それから番組を出すに当たってはどういうことを配慮しなければいけないかなどなどのことを各国間、APTの十何カ国が集まりまして議論をしまして、これでいこうというような原案がこの間まとまりました。それは先生御指摘の、出ていく上におけるいろんな環境の一つになるんではないかなと思っております。我々はそのことを、ヨーロッパの場合にはEC指令というのがございますが、非常に比喩的な言い方で恐縮でございますが、いわばアジア版EC指令とでも言えるようなものを仕上げようということで今努力いたしているところでございます。  そのようなことで、放送事業者が海外、特にこの話の場合にはアジアを中心でございますが、アジアに向けての映像国際放送というものをどう進めていくかということの一助ということでやっているところでございます。

守住有信自由民主党

○守住有信君 その話の関連ですけれども、インドネシアのサテリンド社、今度はドイツのドイツテレコムが資本当資するんです。約六億ドルぐらい、何百億になりますかな。ベトナムに行きましても、やっぱり仏領ですから、これは通信の方ですが、ドイツの有名なシーメンスと組んで、これは光ファイバーで、ハノイからずっと行って、それで今度はインドネシアヘ行きました。NTTIの職員が四十五名ぐらい、円借款、一部はやっておりますけれども、今度はサテリンド社自体に六億ドル出資ですよ。やっぱり放送と通信、衛星と地上系、あるいは光時代、こういうあれでございますので、これは衛星と通信、放送と通信を含みますけれども、私は数人で社会党の国会の先生とも御一緒に行ったんだけれども、そういう状況がひしひし感じるんです。それから、アジア諸国の大使や公使や、郵政省からも一人行っておりました、プロが、立派なやつだったけれども、ひしひし受けるんです。  だから、私の方でちょっと感じておりますので、一言最後に申し上げますが、国際部をつくりましたね。そうすると、国際間の窓口はみんな国際部だというふうなことになって、それで聞いておりますと、松野事務次官のところで、三局ありますから各局長三人は次官室で毎週二回、これは立派なことですよ、意見交換、情報交換しておる。もう一つ国際部入っておるのかと。どうも入ってないようだな、局長じゃないから。これじゃだめだということで、そのことだけをひとつ具体論ですが御提言を申し上げまして、特に日本とアジアの関係の情報通信、放送、これに当たっていろいろ積極的に、ITUのアジアブランチの、APT、これをやっておられるようですけれども、もっと総合的に、国際部も入れて、これから役人をひとつ叱咤激励して総合政策、アジアの中の日本、アジア諸国の文化、そういうことでございますので、よろしくお願いしまして、終わらせていただきます。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十七分休憩      ―――――・―――――    午後一時二十分開会

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

及川一夫日本社会党・護憲民主連合

○及川一夫君 会長初めNHKの皆さん、今回の阪神災害では大変な事態であったにもかかわらず全力を挙げて対応していただきまして、放送界としての大きな役割を情報伝達の面で果たしてこられたことにまず敬意を表しておきたいと思います。  なお、まだ復旧の段階でもあろうかと思いますが、復興にこれから至る。国会自体は、我々もそれなりに努力をして、一定のけじめをつけて政府が一丸となってこれからすべて実行に移していく、こういう状況でございますので、今後もそういった面での正しい伝達に一定の役割を果たしていただくように心から期待をしておきたいというふうに思います。  そこで、一番先にちょっとお聞きしたいのは、「放送文化」という機関誌のようなものがあるのですが、NHKとは密接な関係がある機関誌というふうに見ておりますので、これをNHKとしてどういうふうな位置づけをしているのかということをまずお伺いしておきたいというふうに思います。

齊藤曉日本放送協会理事

○参考人(齊藤曉君) 「放送文化」でございますが、これはNHKの関連団体であります株式会社日本放送出版協会が発行している月刊雑誌でありまして、これはNHKの機関誌という性格のものではございません。株式会社日本放送出版協会が独自の企画で、独自の編集方針に基づいて出版しているものでございます。

及川一夫日本社会党・護憲民主連合

○及川一夫君 そこで、その機関誌の性格をお聞きした上に立ってなんでありますけれども、御案内のように、前会長が書物を出されましたね。私もこういった書物については、言論の自由もあり表現の自由もありますし、したがって何を書こうが自由であり、文句があれば個々の問題として本人に話をすればいいという思いでいっぱいではあるんです。  しかし、NHKの一職員が中途でNHKをやめられて感想を含めてNHKに対して注文をする、こういうものであれば中身がどうあれ余り気にする必要はないというふうに思うんですね。むしろ参考にして資料にして糧にしてこれから生かしていけばいいではないかこう思うのですが、島さんといえば前会長ということになる。逓信委員会でも責任者としてさまざまな問題を提案され、我々も意見を言い、取り上げていただいたもの、また否定されたものもあるんですけれども、いずれにしてもお互い信頼ということを前提にして我々はこの逓信委員会で話をしてきたと思うんです。そういう方が、書物を出されたことは結構なんですが、その内容が余りにもこの逓信委員会というものを侮辱したり権威失墜につながるような、そして視聴者には誤解と偏見というものを与える、そういう内容だった場合に一体黙っていていいんだろうか。  かつ、NHKの問題だけじゃなしに、政治家と政党と島さんという関係の中でさまざまなことを、あれは暴露と言っていいんでしょうけれども、結局自分を売るために盛んに物を書いているとしか私は読めないんです。しかし、あの内容をまともに見ていきますと、あれが事実だということになれば、私どもが委員会で指摘をしたこともある、それに対してはノーと答えておきながら、NHKを去ったらイエスと言う、こんなばかげたことが横行する。前会長ということになると私は大変大きな問題だなというふうに感じたのであります。  現在の会長が責任者としてこの問題をどのように受けとめて、どういう対応をされたのか、まずお伺いしたいと思います。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 島前会長が「シマゲジ風雲録」という、いかにも暴露的な題名でありますけれども書かれて、その本が出ました。私も全部読みました。それで、幾つかの点についてはこれは全く事実ではないということを指摘してもいいことがありますし、それから大方が自分の思い込みによる一方的な解釈というのが非常に多うございまして、あの内容そのものについては信ずるに値しないというふうに思いました。  それで、対応ですが、NHKとして例えば告訴をする、告発するというふうなことはどうであろうか、あるいはこれを全く無視する方がいいのか、何らかの方法をとるべきなのかいろいろ考えました。そして、結果としては、例えば告訴をするみたいなことでこの問題にさらに拍車をかけるといいますか火をつけるといいますか、そういうふうなことになればますますこの問題は後々にいい結果を生まないという判断をしまして、結果としては真ん中の方法をとりました。  つまり、記者会見の場がありましたので、そこで私が記者諸氏を相手にいたしまして、そしてこの内容についてのお話をするということにしようとしたんです。これも、ただ私自体がそこでいろいろ論議をしますと結果的には新しいうわさ、新しいスキャンダルみたいなことになってくる可能性もあるということで、私はその会見では非常にお恥ずかしいと、現会長として非常にお恥ずかしいという感想を一言述べて終わりました。その後、各社の個々のお求めに応じて若干の説明を加えたり、それから今後の方向づけについてお話をしたりしておりました。そういう対応で今回は終わりました。今までは終わっております。  ただ、先生今おっしゃったように、それでいいのか、あるいはNHKとしてもっと公式に何かする必要があるのかというふうなお話かと思いますが、これについては、余り公的に現NHKが前会長に対して何か事を起こすというのは、私は結果的にはその存在をますますクローズアップすることになると思っておりまして、むしろここは黙殺するにしかずというぐあいに思っております。  むしろ、前会長時代にやったことはやっぱりよくなかったんだ、NHKにとってよくなかったと。それを私がかわりまして新しいNHKを目指していろんな改革を進めておりますが、そういう改革の中から新しいNHKの姿が見えてくるというふうにお見せした方がいいのではなかろうか。つまり、事実をもって語らしめた方がいいというふうな判断を今はしております。

及川一夫日本社会党・護憲民主連合

○及川一夫君 大人の対応をしようという意味だというふうに思います。それも一つの行き方だと思うんです。  ただ、私から言うと、記者会見で世の中に公式にみずからの立場を明らかにするという態度表明をされたこと、そのことも大事かもしらぬけれども、本人に対して、NHKの会長として大変迷惑だと、あなたが前任者としてこんなことをやっていたということになりますと今いる人間は一体どういうことになるんだろうかということを、まさに非公式でもいい、いわば意思伝達をしておくということは非常に大事ではないのかなと、そのぐらいのことはしたらどうですかというふうに私は思います。  しかし、それをやれとは言いません。しかし現実に「放送文化」という月刊誌の中で「NHKはこう考える」という記事があるんですね。僕はあれは公式見解と受けとめたいと思っているんです。NHKの公式見解と受けとめておきたい。  内容的には、今記者会見の内容を会長おっしゃられましたけれども、島民の著書は自分中心に解釈してまとめた個人的回想録であるということが一つ。全体の印象としては、自己弁護や思い込み、事実のすりかえ、記憶違いが非常に多く目につく。そして三番目として、島会長は前会長であるということを前提にして、前会長を務めた人の発言としては無責任な内容であり、困惑と寂しさが入りまじる。経営トップだった人の発言だとすればこれは軽率ではないか。こういう趣旨で、「NHKはこう考える」ということで、実は記述をした人の名前はないんですけれども、しかし前段に「NHKはこう考える」ということはタイトルとしてあるわけですから、私はこのことをNHKのまず公式見解というふうに受けとめておきたいというふうに思いますが、御異存ございますか。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 今引用なさった言葉については、これはNHKの考え方であると申し上げてよろしいと思います。

及川一夫日本社会党・護憲民主連合

○及川一夫君 我々も我々なりに対応しなければなりませんが、この発言の中で具体的な問題としてこの予算に直接関係する問題がある。つまり、受信料の収納率の問題、あれはインチキだと、こう言い切っておられるわけです。収納率とは、今さら言うまでもございませんが、アンテナが立っている人はテレビを持っている、テレビを持っている人はNHKの受信料を払っていただきたいというのが法律の建前になっていますね。したがって、テレビを持っている人を分母にしてどのぐらいお金を払っている人がいるのか、つまり受信料の契約をしている方がいるのか、それをもって我々は収納率と理解をしておるわけであります。  しかし、前会長はあれは違うと。それは収納率であることは間違いないけれども、実際に発表されている数字の九十数%などという数字ではない。なぜなら、受信料を払いますということを契約をした人がなおかつ払わない。逆に言えば、払った人はどのぐらいいるかということがあの収納率の問題であって、NHKはそれを明らかにしない、自分自身も明らかにしなかったと、こう言っているんですから、うそを言ってきたということになるんですね。したがって、受信料は九十数%ではなしに、実際上七〇%台ではないかというようなことも明確に書かれているわけです。  そして、NHKの予算は政府が言う予算制度であって、もう三月が来れば使いや使い、予算を残したらそれこそ次の予算はとれなくなる、飲んでも食ってもいいからと言ってみずから飲んで食ったと、こう書いてあるわけですよね。  こういうふうになってしまうと、この予算の委員会で我々はまじめに議論してきたつもりですよ、島さんを会長として。そして、それを信じて放送の発展について、NHKの役割、任務について視聴者の立場に立って我々は発言をしてきたが、こうまで断じられてしまうと、あれを見た人は一体どうなんだろうと。「放送文化」は十五万部を発行しているそうですね。どういった方々が読んでいるか知りませんけれども、大衆全体が読んでいるようには思えません。その限りでは何とか救われたような気持ちもしますが、しかし有識者がそのように受けとめたら、私は大変なことだというふうに思っております。  したがって、ここで会長、私は正確に態度表明をしていただきたいということを申し上げておきます。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 私は、島前会長のことをここで云々するのはちょっと胸が痛みます。それは、彼はかつて私の部下であり、それから私の前の会長であって、NHK全体のリーダーでありました。その方が、先ほどから申しましたように、虚偽を交えたあるいは非常に一方的な思い込みによる本を書かれるということについては、これはまことにもうお恥ずかしいと言わざるを得ません。  今、先生の御意見に従って、例えばここでNHKもしくはNHK現会長の川口と前会長とが何かで論戦をするとかあるいは告訴合戦をするとかいうふうなことになるようなことがあれば、それはさらにNHKの恥を上塗りすることになるんじゃないか。それは、私は実績をもってお示しをする以外にないというふうに思っておりまして、いわゆる事を荒立てて、オーバーなことを言えば皆さんの物笑いの種になるようなことをさらにするということは情においても忍びない。むしろ私自体が命後のNHKをきちんとした形に持っていって新しく生まれ変わらせるということをお見せする方がいいと、先ほどから申し上げておりますが、そういうふうに今は信じております。  先ほど先生おっしゃった、例えば年度末になると云々というのは、そういうことを言って飲む人もいたんです。私は現場の出身ですから、そういうことがごく一部には行われていたとは思いますのですけれども、それが全体の行為であったかのような彼の文章は、これはやっぱり許すべからざるものだと思うんです。大方の職員は極めて質素に、極めてみずからを戒めながら業務をやっております。そういう人たちのことを信じてもらいたいし、それを私がまとめてNHK全体の今後の歩み方としてはっきり位置づけてまいりますので、この件については私の考え方を御信頼いただければありがたいと思います。

及川一夫日本社会党・護憲民主連合

○及川一夫君 私は現会長を信頼いたします。ぜひそういう立場で対応してもらいたいというふうに思います。そうでないと、私はNHKの職員自体が気の毒だと思うんです。ですから、「NHKはこう考える」という中で明確にそのことにも触れて、意識改革をしていますということをはっきり言い切り、中長期方針にも載せ、同時にNEXT10というものを労使関係の中でも確認をしながら、正しいNHKの発展を期すために、そして安くていい番組が見られるようなことに全員努力をしているんだということも言われておりますから、私はそれを確信して、ぜひ今会長がとられた態度をこれからも続けてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。  それで、次の問題でございますが、これは率直に言って、午前中も自民党の加藤先生の方からハイビジョン問題に触れられております。今、世の中を見ますと、単純な言い方をするとNHKはハイビジョンでいきます、郵政省はそれをディジタルに変えると、こう言って対立をしているというように見えるし聞こえるんですね。しかし、本当の対立点は、あるとすれば一体何なのかということについて私は必ずしも定かでないように思います。あるときにはハイビジョンと言い、あるときにはミューズと言い、あるときにはアナログと言い、そしてあるときにはディジタルと、こう言っているんですね。だけれども、伝送路問題と画面の画質の問題とごちゃまぜにしちゃって論じているものですから、人が聞いても対立点というのがどうもはっきりしない、わからない、そういう状況だと私は見るんですよ。  それで、NHKはいずれにしてもハイビジョンということで、三年後には長野のオリンピックに向けて実施をしたい、受信料の料全体系まで考えたいという段階にもう来ているんですよね。それをディジタルという言葉で、伝送方式をディジタルに変えることが今やろうとしているこのミューズの方式そのものに一体プラスになるのかならないのか。そして、ディジタルと言うけれども、伝送がディジタルで、受ける受信機のテレビが、今ミューズでせっかく厚みを薄くして小さなテレビにして、そして値段も三十万円台、四十万円台までだんだん近づいてきているという条件の中で、ディジタルの伝送にふさわしいテレビというのが同じようにできるのかできないのかということになると、NHKはできるとすれば二〇〇五年から二〇一〇年というふうに言っておられるわけでしょう。  きのう、技術局の方からこのハイビジョンにかかわる見解をいただきました。そのとおりに書いてある。だから、郵政省は、この前の議論の中では、もしそう変えるには電監審を通らないとできませんというふうにおっしゃられているわけですから、明日の研究会報告が両論並立という形で出てくることを考えると、なおのことこれは今NHKが言っている方向での対応しかないじゃないかと。しかも、それはむだには絶対にならない。  ここでも言われているように、ディジタルであろうがミューズであろうが、いずれにしてもアダプターをつければそのテレビが生かされるんだというふうに視聴者の皆さんは思っているので、我々は自信を持ってやっていこう、こうおっしゃられているわけですから、私はその道をたどるべきだというふうに思っているわけであります。  したがって、会長、これまたさまざまな紆余曲折があったようですけれども、中長期方針並びにそれ以降のNHKの立場というのは、今私が申し上げたような立場でこれまでどおりの立場を貫くというふうにNHKとして考えておられるかどうか。それをお聞きしておきたいというふうに思います。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) ハイビジョンをどういうふうに生かしていくのかというのは実はもう本当に頭の痛いところでございまして、私どもも随分いろんな研究をしました。そして、この将来構想から中長期経営計画に至るまでの間に再度細かい検討をしまして、そして現在我々が踏もうとしているステップは、今実験放送をやっておりますハイビジョンを早い時期に本放送化して、そしてその本放送の中でいろんなことをやっていこうと。  そして、もちろんその本放送にするためには、まずハイビジョンはお値段が安くなければいけません。それから、受像機自体も小さく平べったくなければいけません。そして、次なるディジタルができたときに、それにうまく接続できるようにしなければいけないという三つの大きな課題があるんですが、それをしかるべき時期に乗り越えてそして本放送化することは、これまで決めていただいた電監審の方向に全く合致するものだというふうに思っております。  ただ、そこでちょっと問題になるのは、ディジタルを進めていく上で、ではどのような形でNHK自体がディジタル化をしていくのかというこの方向づけが私は一番大事になってくると思うんです。そこは郵政省と十分お話し合いの上でスムーズなディジタル化ということを図っていきたい。  そして、ハイビジョンを既にもう楽しんでいらっしゃる、五万数千と今見ておりますけれども、その方々、それからこれからふえていくであろう受信者の方々に余分な負担とか不安とかというものをかけないように、スムーズな移行を図っていこうというふうに思っているところでございます。

及川一夫日本社会党・護憲民主連合

○及川一夫君 ぜひそういう取り運びをしてもらいたいと思っています。もちろん私は、加藤先生もおっしゃられたように、これからの時代、さらに世界的な潮流というのは、すべての問題とは言いませんけれども、大筋ディジタルに統合してマルチメディアの時代を迎えようとしていることだけは事実ですし、その限りにおいてはもう江川行政局長が指摘をしているのは別に間違いじゃない。心配をしているということだと思うんです。  ですから、そのこともNHKとしては念頭に置きながら、一方ではミューズの形を遂行しながらも、もう間近に来ているんではないかという意識を持ちながらディジタル化の方向についても研究をおさおさ怠らない、そしてまた、そういう時代の競争に負けないような体制を今から意識していかなければいけない、どう確立するかということもあわせて考えていかねばならないということをぜひお考えいただいて、少なくとも対立ということでない、行政と政策官庁が一緒になってひとつこの問題を成功させるようにお願いをして、終わりたいと思います。

三重野栄子日本社会党・護憲民主連合

○三重野栄子君 三重野でございます。  戦後五十年を契機に我が国は新しい時代を迎えようとしておりますが、公共放送としてのNHKも、戦前戦後を通じ、放送開始七十周年、ラジオ・ジャパン六十年、教育放送三十五年と、長期にわたりまして果たしてきた役割とそれぞれの成果について思い新たなものがあると推察いたしますし、今後一層の川口会長のリーダーシップが大いに期待されていくというふうに存じます。  そこで、きょうは三項目につきまして質問をいたしたいと思います。  まず第一に、去る三月三日、放送向上協議会主催のシンポジウムがございまして、そこで川口会長は、ラジオ放送からテレビ放送開始に至ることを述べながら、今日のテレビの三つの病理について述べられたやに伺っているところでございます。まず、この点について。  そしてまた、平成七年度収支予算と事業計画及び資金計画の提出後、余りに深刻な阪神・淡路大震災の被害に対応して、直ちに一部を修正し、予算を再提出されました。この点について大変評価をされているところでございます。  今申しましたその二点が、「より豊かな文化としての放送を目指して」と題したNHK中長期経営方針の実施について私ども伺っているところでございますけれども、それらに関連をして川口会長の抱負をお伺いしたいと存じます。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 先生今おっしゃった三つの病理というのは、私が「今、改めて”放送の原点”を考える」というフォーラムのパネラーになりまして、それでいろんな現在の放送が陥っている病気は何だろうか、これをどういうふうにして治していこうかというふうな話があったときに、三つの病理ということを申しました。  それは何かといいますと、一つは、現在のテレビが余りにも表面的なことだけ取り上げ過ぎる、中身にえぐっていかない。そして、そういうふうなことをやっていると、結果的には目に映ることだけしか快さなくなってしまうんじゃないか。だれも見えないところを探し出してお見せするというのが本当のお知らせすることの目的じゃないか。これが第一の病理だと。  それから二番目は、大勢に乗ることをやめようということ。大勢に乗ってしまうというのは、世の中の一つの動きがありまして、これが世の中の大勢だなと。あるいはテレビをごらんになっている方々にとっては、これが今一番見たいものだなと思ったら、みんなそっちへわあっと行ってしまう。一つのテーマを追って全テレビが一つの方向に走っていくという、それは非常に怖いことだから、これも警戒しなければいけない病理だなというふうに思いますというふうに申し上げたんです。  それから第三の病理は、すぐ目先を変えて新しいことをやる。次々に移しかえて新しいものを追い求めていく、そういうことをやっているのも非常に困った病気だ。決して目新しいことを追っかけ回すことに意味がないわけではないけれども、そればかり憂き身をやつしていると、結果的にはじっくりと腰を落として取り組んでいくという姿勢がおろそかになる。  ですから、大勢に乗るな、それから表層だけを追うな、そしてくるくる目先の変わったものだけを追い求めるな、そういうことをお話ししまして、そういう三つの病理の克服ということが現在のテレビには大事じゃないか、こういうように申し上げたところでございます。  そういう点からわかるように、私も今のテレビ全体のいわゆる弊害の方にも非常に心を痛めております。もちろん、NHKだけではございませんで、民放も一緒になってテレビというものがあるわけですから、民放連の会長ともこの前話しましたけれども、お互いにもうちょっと努力しようじゃないか、そしてテレビが本当の意味で信頼され楽しんでもらえる、そういう豊かな内容を持ったものにしようではないかということをお話ししました。これは今後とも貫いていきたい姿勢でございます。

三重野栄子日本社会党・護憲民主連合

○三重野栄子君 予算の問題について、いかがですか。

中井盛久日本放送協会理事

○参考人(中井盛久君) 七年度予算の見直しと中長期経営方針への影響ということのお尋ねでございますが、阪神・淡路大震災による影響といたしまして、受信料免除あるいは被災者の方々が受信解約をなさるというようなことがあります。それから、ニュース取材体制の強化を図りたいというようなこと。さらに、被災しました神戸放送局が、外観はいいんですが中身が使えない、安全でないという状態になっておりまして、この機能移転などによる七年度予算への影響額は約六十七億円余となっておりまして、七年度の収支は単年度赤字になりました。財政は悪化するということになったわけでございます。  そのため、六年度末で、この前も決算のときなどに申し上げた五百二十二億円と見込まれる財政安定化資金を取り崩させていただくという結果になっておりますが、一層財源の重点配分と経費の節減に努めまして、今後この七年度の中でできるだけ節度を持った運営に当たり、財政改善に当たりたいと思っております。  それによって、中長期の経営方針で明らかにしました受信料額の改定ということにつきましては、七年度、八年度はいたしませんという会長のお約束、これはもう確実に守れます。それから、なお当初の方針どおり実行していきたいというふうに考えております。

三重野栄子日本社会党・護憲民主連合

○三重野栄子君 二点につきまして、まず会長がおっしゃいました、病理というと大変ショッキングな表現でございましたけれども、本当に今問題になっている課題だというふうに思っておりますので、今後その面についての何らかの手だてを積極的にしていただくことを希望したいと思います。  また、予算につきましては、温かい配慮でありましたけれども、節約節約とどこにしわ寄せされるのか大変心配でございます。受信料の値上げについても視聴者にしてみれば大変気になることでございまして、できるだけ今の方針が貫かれるように御努力をお願いしたいというふうに思います。  次に、番組編成についてお尋ねをいたしたいと存じます。  まず第一点は、四月一日から、ロゴマークでしょうか卵形の新しい形になるように既に放送されておりますし、それから新番組もなるようでございますけれども、NHKの視聴者の平均年齢は五十歳、そして若年層のNHK離れというのをどのように克服しようとされているのか、そのことを一点お尋ねいたします。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) NHKの若者離れということがしばしば言われております。昨年六月に実施いたしました全国個人視聴率調査の結果、一週間にNHKテレビ、総合、教育、衛星、どのチャンネルでもいいんですが、どのチャンネルも見ていない若者が三〇%から四〇%以上いるということが調査結果として出てきました。  特に、十三歳から十九歳、それから二十代でNHKテレビを見ない人が増えているということで、かねてからそういう若い人たち向けの番組を開発しようといろいろ努力しておりますが、こういう若い人たちがNHKにどういうことを要求しているかということを分析してみますと、十代では、信頼できる、役に立つというプラスイメージがある反面、遠い、古いと。自分たちからは遠く感じられる、古いといったマイナスイメージが一方ではある。また、もう一方では、NHKに力を入れてほしい番組としてニュースとかドキュメンタリーというものを要求しているんですが、それとともに気楽に楽しめる娯楽番組や興奮が味わえるスポーツ中継が欲しいというようなことがまた言われております。  いずれにいたしましても、我々NHKらしい、NHKならではの独創的な若者番組というものをどうしても開発したいということで、今年度、昨年度、いろいろトライをいたしました。今年度、「ソリトン」という教育テレビで二つの枠をつくりましたし、来年度は「二十歳の趣味講座」、若者に人気のトレンドスポーツや趣味のハウツー物ですが、そういうもの、ラジオ第一で「週間情報サラダ」というようなものも新年度から始めようということにしております。  いずれにしても、独創性にあふれたソフトを開発しないといけないのかなというふうに思っております。

三重野栄子日本社会党・護憲民主連合

○三重野栄子君 人生八十年で、ゼロ歳からずっと八十歳までのいろんなところに対応するんじゃなかなか大変だと思いますけれども、研究、これもよろしくお願いしたいと思います。  もう一つの問題提起といたしまして、提案されております事業運営計画の中には海外への番組放送が示されておりまして、本日も各方面から先生方の議論が出ておりましたのですけれども、情報化、国際化の状況はますますこれから進んでいくだろうと思います。そこで私は、内なる国際化ということについて提言といいましょうか提案をしたいと思うのでございます。  今回の阪神・淡路大震災で痛感したのでございますけれども、当時の状況はもちろん、現在も被災された在日外国人の救済の問題について国会でも議論をされている状況でございますので、在日外国人向けの放送を常時どこかのチャンネルで放送できるというようなことはできないのかなというのが私の一つの問題点です。そのことは既にNHKとしては、ラジオ・ジャパン六十年の歴史とそれから人材と申しましょうかノウハウというものは十分にあるのではないかと思うわけでございます。  現在は在日外国人向けのFM放送局の免許申請も出ているようでございますし、また在日外国人の地方参政権についてもいよいよ具体化されようとしている状況でございます。一方、学生たちは修学旅行でも海外に参りますし、それから若い人たちも海外に行くというような状況の中で、それぞれの国の外国語で常に何かのニュースが流れているということは在日外国人にとってもおもしろいというか有効なものであろうと思いますし、海外に行った若者たちも非常に関心が深くなるのではないかというふうに思うわけでございます。  それともう一つは、在日外国人も生活者として日本で生活するわけですから、生活者として受信料を払っていただきたい。そういうふうなことも含めまして、いろんな角度から一つのチャンネルを常時在日外国人向けに、そしてそれぞれの国々の言葉で放送するようなことはできないだろうか。その点についてお尋ねいたします。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 御承知のように、現在NHKでは、テレビでは「ニュース7」、あれが常時英語の副音声で放送しております。来年度は九時のニュースも同時通訳で英語で副音声を流そうというふうに思っております。それから、ラジオの第二放送で一日二回の英語ニュースの放送、それから一日一回のポルトガル語のニュースの放送を来年度第二放送で実施いたします。これは国際放送がやっておりますニュースをそのまま利用するという方法であります。  ただ、一チャンネルを全部いろいろな言葉でやるというのはなかなか難しいのが現状です。海外発信を四月三日から行いますが、アジア向けの放送では中国語をサブ音声に使ったり、いろいろな形でやっております。  それから、衛星放送ではいろいろな国のニュースを順々に放送しておりますが、サブ音声ではいろいろな言葉をそのまま流しておりますので、在日外国人の方々はそれは十分に利用できているというふうに思っております。

菅野洋史日本放送協会理事

○参考人(菅野洋史君) 受信料のことでございますが、私ども、テレビ受信機をお備えの方については受信契約をしていただくということになってございまして、在日外国人の方にも同様の対応をしてございます。具体的には放送法、それから受信規約あるいはNHKの仕事を紹介する外国語のパンフレット、今用意してありますのは英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、ハングル語、この六カ国語を用意しておりますけれども、これを委託取次収納員に携帯させまして、そして契約収納業務をやっておるということでございます。

三重野栄子日本社会党・護憲民主連合

○三重野栄子君 在日外国人の方が一チャンネルを希望しておられるのか、あちこちのチャンネルを見ながらがいいのか、そこらあたりは私としては伺ったことはございません。ただ、今度の震災のときに、前回の委員会でも答弁ございましたけれども、何時から何時までやっていますということだけではそのときに見られない人があるのではないかという思いで今申し上げましたところでございますけれども、これからたくさんチャンネルができるということになれば、どこかのことを一つやってもいいのかなと。これから在日外国人の方々にもしアンケートをする機会があればそういうこともしていただきたいし、私も気をつけていきたいというふうに思います。  それから次に、人材の育成についてお尋ねいたします。  先々週の土曜日からテレビ放送でやっております「放送記者物語」を私見ているんですけれども、もう本当に先輩の先見性と、それから若年生を育成する厳しさとか情熱とか、草分け時に大変難しいというようなことを見ながら大変感動している一つでございます。教育放送三十五年の成果の陰にはやはり大量の定年もございましたでしょうし、そして効率化による人員削減の結果、現在の要員構造の中で九七年度に総合テレビを二十四時間放送にする、そして来年度からは二時間延長していくというようなことは一体どのように進めようとしておられるだろうかということが問題点でございます。  一月十七日の阪神大震災のときのあのスキップバックレコーダーですか、あのとき職員の方がこうやって、こう起きていく状況を見て、この前も委員会で問題になりました。ああいう状況でということでございますが、やはり短い時間でそして少ない人で、今もなかなか大変であろうと思いますので、そういう職員の労働条件、働く条件ということも考えてどのようにやっていこうと思っていらっしゃるのかなということを思うわけでございます。  聞くところによりますと、拠点局であります福岡放送局では入局三年以下が放送職で四〇%を占めておられるということなどを伺っているんでございますけれども、もう余りにも多忙と。人員構成の中から見て、デスククラスの方と若年職員の方の相互の交流というか人材の養成というか技術の伝授と申しますか、そういう相互に先輩も若い方々も何とかしてもらいたいという要望があるのではないだろうかこれは私が勝手に思っているところでございますけれども、そういう面が一点。  それから、ILOの百五十六号条約が今もう外務委員会でも議論されている状況の中で、男性職員、女子職員ともに育児とか介護への配慮も加えていただきたい。そういうことを考えてみますと、これから労使十分な協議をいただきたいと思うんでございますが、いかがでございましょうか。

安藤龍男日本放送協会理事

○参考人(安藤龍男君) まず、職員の構成といいますかそのあたりからお話をさせていただきたいと思います。  NHKは今正直に言いまして世代交代期に当たっております。先生御指摘のように、教育テレビ発足に当たりまして協会は昭和三十四年、五年に非常にたくさんの職員を採用いたしました。その人たちがもう退職期に入りまして、したがいまして年間三百オーダーの新人の採用を行っているわけであります。  したがいまして、今、協会の中の年齢層で見ますと、一番多いのは五十歳代で三〇%ぐらいいるんですが、新人層の二十歳代がその次の層になっているということで、おっしゃるように、地方放送局なんかの場合には入局して数年の人たちが二〇%、三〇%を占めている放送局というのはたくさんあるわけです。そういう中で協会としては、人材の育成といいますか専門能力を磨くということで人材を育成するというのを非常に大きな経営課題としてこれに取り組んでおります。  これは、ただ研修をするだけではなくて、先輩たちあるいは上司が育成のリーダーあるいは育成のトレーナーというような形でマンツーマンで若い人の育成に当たるとか、専門能力だけではなくてジャーナリストとしてのモラルとか放送記者としての倫理とか、そういった問題にも取り組むような形で、言ってみれば全局挙げて人材育成に取り組んでいるというのが現状でございます。  それから、女性の職員の活用といいますか、活躍をしてもらえる環境をつくるという点では、協会は母性保護というものも含めまして制度の充実にかなりな心を配っているところでございますし、採用数についても、このところ新人採用の二〇%近くは女性を採用しております。したがいまして、かなり女性の比率も高くなってきておりますので、今後ますます女性の活躍を期待しているところでございます。

三重野栄子日本社会党・護憲民主連合

○三重野栄子君 働く条件について労使協議を進めていただきたいという点についてはいかがでございましょうか。

安藤龍男日本放送協会理事

○参考人(安藤龍男君) 放送時間の延長等を含めまして、今、新しい時代に向けての公共放送のありようというものについては職員が一致してこれに取り組んでもらわなきゃいけないということで、そういう意味では基本的には労使、組合の理解というものは不可欠でございますので、組合についても中長期経営方針も含めまして、個々の労働条件も含めて十分に話し合いをした上でこれに当たってまいりたいというふうに思っています。

三重野栄子日本社会党・護憲民主連合

○三重野栄子君 終わります。

川橋幸子日本社会党・護憲民主連合

○川橋幸子君 何点か質問の通告をさせていただいておりましたけれども、午前中、鈴木委員の方から御発言のあった件につきまして、私もやはりこの問題はうやむやの上に終わらせるのではなくて、むしろ大事に大事に議論すべきことではないかと、そんなことを考えますので、質問を変更させていただいて、鈴木委員とは違う私の意見を申し上げさせていただきたいと思います。  三点申し上げたいと思うんですが、一点目はNHKさんの責任とその番組に出てこられる個々のジャーナリストの方の責任というのはどんなふうに考えればよいか、そういう観点でございます。  それから二点目は、大変大事な問題でございまして、戦後五十周年の節目に当たりまして、私ども政治家はもちろん、一人一人の国民も心の中で歴史観を問うという意味で改めて問い直す問題だと思いますけれども、という意味で、鈴木委員と私の間でむしろ議論ができれば大変それは適切な取り上げ方ではないかと思いますが、NHKの予算を承認するかしないかの場でお取り上げになるにはいささか場違いではなかったかという取り上げ方の問題でございます。  それから三点目は、外圧がなければ何も決定できない日本という、そうした趣旨の発言の中身の問題、この三点からお話しさせていただきたいと思います。  まず、NHKさんの方でございますが、番組の企画、編成、制作という面ではNHKさんは責任を大いに感じていただくのは必要だと思いますけれども、その中で登場される、太平洋戦争の場合は解説委員の方だったのかもわかりません、職員の方だったのかもわかりませんけれども、個々のジャーナリストの方々はジャーナリストたる良心と見識でもって発言する部分が大きいといたしますと、NHKという組織とその中の個人の発言の自由度という問題があるように思います。  私は、もしその発言が不適切だということ、そういう意見が多数を占めるのでありましたら、そういう人を起用されたNHK側のジャーナリストの起用についての責任はあるかもわかりませんけれども、その個々の発言にまで過大な責任をお感じになるというのはむしろ一人一人のジャーナリストの意欲を喪失させることじゃないか、こんなふうに思います。  その後、続けて申し上げさせていただきます。  それから、二点目の外圧がなければ決定できない日本ということでございますが、アメリカの郵便切手の問題がございました。あのとき、私も大変これは遺憾なことだと思いました。つまり、日本にとって原爆を投下したアメリカの方は加害者であるわけですね。加害者が自己の責任を正当化するために用いるようなそういう言葉というものは外交上も断固抗議すべきことだと思いまして、大出大臣の御処置はまことに適切でいらしたと思います。  それから、国内に向かっては、国の指導者が国民に対して言うべきことではない。むしろ逆に、国家のために命を落とした国民の側から国家責任を追及するという意味ではそういう言はあって当然、むしろ何で早く終結させなかったかと。軍事施設ではない一般の市民生活がもろに被害をこうむったわけでございますから、国民の側から追及してもよい、そういう事柄であると私は思うわけです。  といたしますと、ジャーナリズムの世界といいますのはやはり歴史観を知識人の間で構築していく、それから世の中のオピニオンリーダーとしての責任というものがあるといたしますと、やはり一定の見解はあって私はしかるべき。NHKがそれを言ってはいけないということはなくて、もしそういうことですと、いつも、いろいろ問題がありますがこれは深く考えなければならない問題ですねで終わってしまうわけですね。今までそういう論調が多かったやに伺いますけれども、そういう意味では今回は歯切れよくおっしゃるからには相当の議論をなさった上でお取りまとめになったものではないかと思います。  外圧というものは、私どもがやはり反省を込めて考えなければいけないのは、黒船以来、さまざま日本の意思決定については外圧がなければ態度が決定できないという論は非常に多いわけでございます。  細川さんがアメリカに行きまして、アメリカにノーと言ったと。それは外圧に屈しないという意味では評価されるべきはあったのかもわかりませんが、逆に私どもが考えなければいけないのは、市場開放なり規制緩和なり、そういう問題については自主的に決定しなければいけない、自己決定の責任原則というものを日本人は二十一世紀に向けてもっともっと自覚すべきではないか、そういう時代に来ているのではないか、こんなふうに思うわけでございます。  私の意見ということで聞きっ放しにしていただいても結構でございますが、川口会長、何か御意見がありましたらどうぞおっしゃってください。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 二番目の問題については私からお答えする性質のものじゃないと思いますので、一番と三番について私どもの考え方を申し上げます。  まず、出演者とNHKの責任問題といいますか番組を出す以上はやっぱりその番組を制作し編成するNHKの責任というのは最後的には必ずあるというふうに思います。  ただ、この場合、キャスターとか出演者の方々の責任問題と総括的なNHKの責任とがどうかかわり合うかということについては、職員の場合と純粋の外部の方であったらやっぱり違うというふうに思います。外部の方はいろんな立場のいろんな御意見の方がいらっしゃるわけですから、当然その方に番組に出ていただく場合にはそれなりの覚悟があり、それなりの決心があり、おいでいただくことになると思うんです。ですから、それは堂々とその番組の中で御自説をやっていただければいいんじゃないか。最終的には自由な放送であってほしいと思います。  ただ、それが例えば番組として世間から非難をされるとかあるいは抗議されるとかいうことがありましたら、これはNHKがやっぱり放送者として、放送を出す立場の者として最終的には責任を負うべきものというふうには自覚しております。  それから、もし職員でしたら、やっぱりNHKという組織の中の一員でありますから、それは一般の出演者とはおのずと違う範囲の考え方があって当然ではなかろうかと思っております。  いずれにしても、最終的にはやっぱりNHKがどんな形であれ責任を負うべきであろうというぐあいに思います。  それから、三番目の外圧という言葉の問題についてですが、私も先ほどいろいろ御質問を受けながら考えました。あの番組が出ましたのはもう三年近く前になるんです。そのころちょうど外圧問題というのがいろいろ世間をにぎわしておりまして、非常に一般的な言葉として外圧という言葉が使われていたというふうに私は記憶しております。ですから、あの場合そういう感じがあって使ったものというふうに思います。今の時点であそこの部分を切り離して外圧という言葉を考えると、やはりそれはちょっとふさわしくない言葉であるというふうに感ぜられるのもこれはやむを得ないと思います。  いずれにしても、私はあの番組自体がつくられた基本的な制作の意図というのは、先ほど申し上げましたように、涙をのんで亡くなった数千万の人たちに対する鎮魂の心でつくられた番組だというふうに思っておりますから、そういう例えば一部の言葉遣いのために誤解をされては非常に残念でございますから、重々これは今後も心してまいりたいというふうに思います。

川橋幸子日本社会党・護憲民主連合

○川橋幸子君 鈴木委員に答弁権がないのが大変残念でございまして、それはまた別の場で二人で議論でもさせていただければと思います。  なお、鈴木委員のおっしゃったことで私もまことに同感だと思いますのは、非常に長い時間カメラを回して、取捨選択されるのはほんの三十秒というところでございます。これはNHKさんに限らないことでございますけれども、そういう場合出演させられた方は割り切れない思いがすることが多うございます。今回のこれも圧縮版の番組になるのかもわかりませんけれども、鈴木委員の御発言があったら、ぜひ私の発言もあったということで、もしお取り上げになるのなら両方をお取り上げいただく、そういう公平な扱いを要望申し上げまして、通告しました質問の項目に従いましてお尋ねさせていだきたいと思います。  新しいNHKの中長期計画でございます。「新しい公共放送を目指して」ということで、二十一世紀にはかってない変革の時代を迎える、こういう時代認識のもとでこの計画が立てられているということは大変私も適切なことではないかと思っております。  戦前から戦後の高度経済成長に入るまでがラジオの時代、これは活字から音声にメディアが変わってきた時代でございます。それから、高度経済成長とともにテレビの時代に入りまして、「映像の世紀」という特集番組をおつくりになるそうでございますが、まさしくこれは音声から映像へと新しい時代を迎えました。これから二十一世紀といいますのがマルチメディアの時代でございまして、九〇年から二十一世紀にかけまして、成熟社会の中におきます、情報でいかに安全で平和で民主的な社会をつくっていくかという新しい時代を迎えるわけでございます。  これが中長期経営方針の実物でございますけれども、「民主主義社会の発展と文化の向上に寄与していきます。」と、この新しい公共放送の役割をこれからぜひ追求していただきたいといいますのが私の願いでございます。  それで、個別の話といたしまして、午前中、守住委員もお取り上げになりましたが、私も情報の国際交流の推進という項目についてお尋ねさせていただきたいと思います。  平成七年度から一日三時間から五時間程度の映像国際放送を欧米を中心に発信していかれるわけでございます。NHK七十周年記念の番組としましても、それから新しいメディアの時代に対応するためにも非常に期待される試みでございます。  そこでお尋ねしたいのは、その中身はどんな番組になるのだろうか、それからなぜ欧米なんだろうか、それから他地域へはどんなふうに対応していかれるのだろうかということを、三点にわたりまして簡単に御紹介いただければありがたいと思います。

河野尚行日本放送協会理事

○参考人(河野尚行君) 川橋先生の御質問にお答えしたいと思います。  まず、放送時間がアメリカとヨーロッパが違うという点でございますが、現地に海外現地法人としてテレビ・ジャパンというのがございまして、衛星放送を使って今放送しているわけですが、その衛星放送の一部の時間帯を利用して映像国際放送をアメリカとヨーロッパで始めるということでございます。実は、ヨーロッパの衛星放送はアストラ1Bというのでございまして、夜の七時から朝の六時までのわずか一日十一時間しか使用ができないという状態になっております。アメリカの方はK1という衛星で二十四時間というふうに衛星を借りている時間が違いますものですから、放送時間も違って時間の長短が出ているということでございます。  それから、どういう放送を映像国際放送でやるのかといいますと、四月三日から始めようと予定しておる映像の国際放送は、総合テレビの朝、昼、夕方、夜のニュース、それから「クローズアップ現代」というふうな番組、それから衛星放送でやっております「NHKビジネスライン」、それから「アジア・ナウ」とか「チャイナ・ナウ」というふうに、世の中は今どういうことが起こっているのかというふうなニュース、情報番組を中心に放送する予定でございます。  今後でございますけれども、映像国際放送を四月から始めて、様子を見ながら時間的に広げていきたいというふうに思っておりますし、その放送は半分ぐらいが英語と日本語でございますけれども、平成八年度からは一部中国語を加味したいというふうに考えております。  以上でございます。

川橋幸子日本社会党・護憲民主連合

○川橋幸子君 もっとゆっくり御紹介いただければなおよかったのでございますが、時間が短くて恐縮でございました。  私が特にお願いしたい、強調したいと思いますのは、アジアの平和と安全にどのようにNHKとして貢献していかれるおつもりなのかということでございます。さまざま御事情がありまして、まだアジアに映像放送を送る状態にはなっていないということはわかりますけれども、日本はアジアの一国としてしか生きる道がないのでございます。  また、今世界の目は経済成長著しい世界の成長センターと言われるような東アジア、東南アジアに向いている。しかもこの地域には、午前中の御質問にもありましたように、欧米主要国の衛星あるいは途上国自身の衛星が打ち上げられておりまして、かなりの電波がおりて映像が現に発信されておるわけでございます。そうした中におくれをとるなとは私は申し上げません。むしろ日本は日本として、アジア諸国の中にはさまざま日本に対するわだかまりがあるわけでございます。  そういう意味からも、不戦決議というものは私どもの政党では強く主張したいところでございますけれども、こういうアジアの中で日本はどのように映像を通じての、あるいは放送を通じての平和に貢献していかれるおつもりか、長に簡単で結構ですのでお答えいただきたいと思います。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 去年の十月の末から十一月にかけてやりましたABU総会でこの国際映像放送のことが専ら主な話題になりました。そして、各国ともこのことについては非常に前向きな態度を示しました。もっと具体的にいろんなことを実現していこうというふうに話し合ったんですが、現実はなかなかそうはいきませんで、例えばイランでありますとかあるいはマレーシアでありますとかそういうところも実際上の問題になるとなかなか難しいこともありまして、そう簡単にアジアがたちまち一つの電波で全部に行き渡るということはなかなか難しい状態にあります。  そこで、私どもはそれに至る前段として、アジアについては番組の配信をする、つまり衛星でおろすわけです。それをとっていただくのは各国の放送機関あるいはCATV、そういうところが御自分の要求によってそれをとる、そして自分たちの放送を使って放送する、こういうふうな形にして、いわゆる配信を実現することによって少しでもアジアへの貢献をしたいと思っております。  幸い、今そういうことでもって募集をしましたら、現在のところ四十二機関ですか、ぜひいただきたいというふうなことで話が来ておりますから、今後については大変希望が持てる展開に今なっております。その上で、さらに衛星による直接放送もしたいと。ただし、やっぱりじっくりといろんな条件を検討してからでなければいけないというふうに思っております。

川橋幸子日本社会党・護憲民主連合

○川橋幸子君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。  終わります。

大森昭日本社会党・護憲民主連合

○大森昭君 協会の皆さんの御努力によって受信料は当分現行のままでいくような状況で、したがって当委員会も値上げのときは受信料の問題についていろんな議論があるわけですが、きょうは及川先生からちはっと御指摘がありましたけれども、予算の審議というのはもう私が言うまでもなく、入るをはかって出るを制するという原則で大体予算審議は行われるわけですが、しかしいずれにしても、入るをはかるというのはもう受信料なんです。  それで、この受信料が何といっても協会を経営する基本ですから、これについてもうちょっと、この委員会をやるたびにいろんな意見が出ているんです、前納の場合の割引がどうだ、振りかえがどうだと。実際に協会から出している文書は全部それらしいことが書いてあるんです。この計画にも、受信料はもう定着しているとか、それから最大限努力するとかという言葉が出ているんですが、余り科学的じゃないんです、実は。別にシマゲジさんが書いた本が正しいとか正しくないとかという問題じゃなくて、実際に今本当に受信料の収納についてはうまくいっているのかどうかというと、ちょっと私は疑問なんです。  時間がないから個別的に言いませんが、今受信料は、本務者の方も何名がおるようですけれども、総体的にこれは委託しているわけでしょう。そうすると、どっちかというとNHKというのはドラマの制作をしているとかさっきも出ました「放送記者物語」じゃないけれども、第一線で働いている人が非常に立派で、営業をやっている人というのは、請負がほとんどですが、何か附帯業務みたいな格好なんです。したがって、私はもう一回、この受信料制度を本当に維持していくと書いてあるわけですから恐らくそういうことでいくんだろうと思うんですが、ということなら、もうちょっと抜本的に検討し直す必要があるんじゃないか。  例えば、郵便局の場合なんかは、もう全部一戸一戸赤ちゃんが生まれれば赤ちゃんの名前が登録される、郵便局でも外務員の方々がやっていますわね。したがって、それぞれの町会なら町会、地域なら地域でもってもっと厳密に、なぜ払わないのかといえば大体見ていないとか幾つかの要素があるわけでしょう、何回も行っているわけですから。だから、そういう意味からいくと、視聴者のニーズに合わせた番組編成をすれば必ずしも受信料が入るということじゃないんだよね、これ。  だから、やっぱり受信料制度をとにかく基本としてやっていくんだということになれば、その制度についてもう一度、一〇〇%というのはいろんな人がいるわけですからなかなか無理にしても、払わない方は一体どういうぐあいにしたら払っていただけるかという検討をしていきませんと、協会は九十何%と言うけれども冗談じゃない、あれは七〇%だと言ったときに、何が七〇%だと、実際に九〇%じゃないかと言う。きょう及川先生が質問しないから答弁しなくて済んだんだけれども、私も質問しませんよ、そういうのは。しないけれども、もう少し基本の問題をやってもらいたい。  実は、今阪神・淡路大震災で災害免除でもって現地に入っているんですよ、みんな。視聴者の方が何を考えているかといういろんな会議だとか何かあるけれども、これは不幸中なことでありますが、それぞれ災害の免除をするのに入っているわけです、若いNHKの方が。それでさまざまな意見を伺っていると思うんです。そうすると、やっぱりそういう災害のときにじかに被害者の方と会われて、NHKのあり方というのは一体こうあるべきじゃないかとか、こうあってうれしかったと、さまざまなことを私聞いています。  そういうものを、やっぱり実際に身で感じて得たことは一体どういうことかということを皆さんから聞いて、申しわけないけれども、学者とか学識経験豊かな人の会議なんというのは役所でもどこでもいっぱいやっているけれども、全部だめだとは言いませんが、それよりかも若いNHKの人がじかに入って聞いているんだから、それはもういろんな悪口、NHKの放送はあの災害には余りよくなかったとかというのもないわけじゃないけれども、しかし私の聞いている範囲では、NHKが視聴者の立場で放送してくれたという多くの意見を私聞いていますよ。  だから、そういうものを集約して、とにかくNHKの発展のために、そして受信料がやっぱり基本なんですから、何か値上げするときはよくやっていましたよ、受信料によってNHKは支えられていますと。値段が上がっちゃうと全然やってないんだよね、後は。そうかといってしょっちゅうやれとは言いませんが、受信料の制度を現状のままでやっていくという立場に立てはもう少し工夫をしなければ、率直に申し上げますが、いろんなことを言っていますが、これから多チャンネル・多メディア時代に入ったときに果たして受信料制度が今のままでいけるかどうかというのは多くの疑問がありますよ。  どうかひとつそういう意味合いで、別に私何がというわけじゃないんですが、皆さん方は従来から委員会でいろんな意見が出ていることは御案内なんですから、もう一度ひとつ過去のそういう御意見を検討し直して、そしてあくまでも現状の受信料制度を堅持していくために何をなすべきかという検討をしていただきたいと思うんです。  それから次に、これもちょっと調べましたら、いろいろ計画が出ていますわね、経営計画。それで、前のやつを見ますと、これみんな経営計画というのがずっと続いているんですよ。それから、長期経営構想なんというのは昭和四十三年から四十七年に出ていますが、中井さんが御苦労したのか、スタッフの人が御苦労したんだと思うんですが、これ出ていますわね。  この計画を見ますと、従来にないんですね。より具体化されているんですよ。NHKにしちゃ珍しいんですよね、これ。いや別にごますっているわけじゃないんだけれども。ただ、それだけに非常に難しいことも、やっぱり長期計画ですから、一部、二部、三部になっていますが、これやらざるを得ないでしょう、出した限りは。計画はよかったけれども、やらなかったというんじゃだめだからね。  そうかといって、計画を出したからスムーズにいくかといったら、なかなかそうはいかないと思うんですよ。例えば、一つ二つありますが、映像の国際化なんてあるでしょう。こういうことだとかいろんなことをやるのに相当な予算もかかる。これ予算は何も書いてないんだよね、中井さん。結局、こういう計画に伴う財政的な裏づけというのはここには出ていないけれども、恐らく検討しているんだろうと思うんだよ。検討しないでもって計画出すわけないんだから。  そうなってきますと、実際果たしてここに書いてあることが本当に全部できるのかどうか。いや、もちろん今質問すればそれはできますと言うに決まっているんだ。だけれども少し無理な点があるんじゃなかろうか、それから財政的にはどうなんだろうというようなことを、時間がありませんから簡単でいいですから、会長、何かこれ御所見あったら。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) ありがとうございます。  ただいまの御質問にそのままのお答えになるかどうかわかりませんが、私はこの中長期の経営計画を立てるときに、三年、五年、その後というふうに考えたのは、未知数のものが余りに多いんで、一遍に五カ年計画とまとめていろんなお金まではじき出すのは今の段階では不可能だというふうに思ったのでございます。したがって、三年間はできるだけ細かく精密に、それから次の五年はこの次の経営計画をきちんと立ててやろう、その後のことは新しいメディアの時代が始まるんですから、これから起こってくる要素も入れてまた計画を立て直そうというふうに思っております。  その三つの時期を通じてNHKが何をしなければいけないかというのは、私の考え方では少なくともこの三つが大事だと思っておりますのは、まず一つは中身の問題です。ニュースはどういうふうにしてどのような形で出すのか、番組はどうつくってどのように編成するのか、そういう中身の問題というのを精力的に私どもがよくすることによって恐らく視聴者の信頼というのは非常に強くなるであろう、このことをまず第一にやろうと。  それから二番目は、よく言われるマルチメディア時代を迎えるわけですから、そういう新しいテクノロジーをできるだけうまく使っていこう、そして我々のような組織体が発展していくためにはどうして新鮮さをつけ加えるかということだと思いますので、それを新しい技術を使ってできるだけ新鮮なNHKということを進めていきたいというふうに思います。  それから三番目は、先生まさにいみじくもおっしゃったように、受信料で成り立っているわけですから、受信者が信頼をしてくれなきゃやっぱりだめです。それは番組を通じての信頼ももちろんあるんですが、ふだんの交流、接触あるいは訪問等々を通じでできるだけ受信者の方々とは親密な関係をつくっておく、そういうことが必要だと思うんです。  ですから、手始めにこの七十年を記念して見学コースも変えました。去る二十二日からスタジオパークという名前で新装開店しておりますが、非常にたくさんの方が今ごらんになって、それで放送のことについてある種の親しみを持っていただく、それからよくわかっていただいたという実感がございます。こういうことをやったり、それから全国にユメディア号という子供向けの自動車三台を連ねた車を出しまして、そして現在小学生の上級生から中学ぐらいの子供たちにNHKのことをわかってもらいたい、同時に大人の方々にも理解をしていただきたい、こういうふうなことをやっております。  したがって、番組だけではなくて、そのほかの接触を通じてNHKと受信者との関係をより親密に、より温かく持っていくのが一番肝心だというふうに思っております。

大森昭日本社会党・護憲民主連合

○大森昭君 大出大臣と一緒に私も組合活動をやっていまして、NHKと日放労の関係は違うだろうと思うんですが、よく郵政省の人はこれは管理運営事項だと、これは団体交渉だからしょうがないと言って、管理運営事項ばっかりで、何か意見を言ったってろくすっぽという時代があった、今じゃないですよ、そういう時代があった。最近は、組合というのは制度・政策要求を打ち出そうじゃないか、ただ単に経営者が出してきたものがいいとか悪いとかあるいは労働条件に関係するからこれをこうしなければならないと言うだけじゃなくて、経営問題についても意見を述べていこうという変化が起きているんですね、最近の労働組合というのは。いわゆる制度・政策要求なんですよ。そういう意味から見ますと、日放労さんにもこの長期計画についてどうなったんだという話を聞いているんですが、どうも余りすかっと一致してないようなんですね。  ところで、さっきも「放送記者物語」が出たからじゃないけれども、あれちょうど私の年代と同じものだから、まだ完結していませんが、第一部なんて全く私の歩んだ道と同じだから、いやいやNHKというのはやっぱり大変なものだと。あの時代というのは新しいものを創造するのに物すごい熱意があったものだと、今はないみたいに聞こえますがね。  新しい計画を立てるというのは、少なくともあの当時とは違うけれども、新しいものを生むというのは職員全体がよしそれでいこうじゃないかということにならなきゃうまくいきませんよ。幾ら中井さんが頭絞って長期計画をつくったって、それは大多数の働いている人が何だかわからないと。特に、こういう計画を出すと、NHKというのは将来どうなっていくんだろうと。それで、御案内のように人員はしょっちゅう減らしているんだから。ところが、この計画を見れば何か膨大な経営形態にいくんじゃないかというような感じも組合の中にあるんだと思うんですよね。  だから、どうかひとつ長期計画を実りあるものにするために労使でよく話し合っていただくことをお願いして、回答をもらうと時間がオーバーしますから回答は要りませんので、よろしくお願いしておきます。  終わります。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 中村参考人に、これは質問通告しておりませんが、ちょっとお尋ねいたします。  先ほど三重野委員の質問の中で外国語放送に言及した部分がございました。その中であなたは、今実施しております外国語放送でポルトガル語、スペイン語と、こうおっしゃったと思うんですが、おっしゃいましたか。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) ポルトガル語と言いました。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 それなら結構です。私は、実施しておられる中で、ポルトガル語アンドスペイン語、アンドというふうに切り離しておっしゃったように思ったものですから、それなら結構なんです。  先年、私はブラジルに参りましたときに、かの地はポルトガル語のようでありますが、外大のスペイン語を出た人が通訳についてくれて、スペイン語とポルトガル語は全く同じで、ありがとうがオブリガードとグラシアスで違うぐらいだと聞いたものですから、わざわざNHKがポルトガル語放送とスペイン語放送をおやりになるんだったらむだでございますので、ちょっと指摘をさせていただきました。  川口会長、七十年おめでとうございます。人生七十古来まれなり。よう七十年間もさしたる問題もなくNHKはここまで歩んでこられました。お喜びを申し上げる次第でございます。  この間、二枚組のCDをちょうだいいたしました。「音でつづる放送70年」、それから「テーマミュージック集」、これはよかったですね。聞かせていただきました。あれ、ずっと懐かしいアナウンサーの方々が次々出られまして、私が、はい、これは河西三省だ、これは松内則三だ、相撲といえば和田信賢だ、こう次々に言いましたら、一緒に車に乗った若い人がよう知ってまんなと随分感心をしてくれました。  やはり会長も私とほぼ同年代、昭和一けたでございますか。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 違います。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 大正ですか。そうですか。どうも失礼いたしました。私は大体一九三〇年ごろのお生まれではないかと思いました。  終戦直後から、例えば志村正順アナウンサーの「坂井米夫のアメリカだより」というのがございましたね。それから、例えば白井義男のボクシングの選手権。たしかタニー・カンポとやった試合だったと思います。それから、阪神・巨人戦の実況中継で、志村正順アナウンサーが「プレート上のピッチャー別所」と言っていた、そういう言葉がいまだに私の頭にあるんです。  考えてみますと、昔のNHKは、ある一人のアナウンサー、その人の個性とその人がやっております番組とが結びついていたんですね。例えば、「私の秘密」だったら高橋圭三だ、式典放送だったら松田アナウンサーだ、「大内山の松の緑も色濃き中を」、ああいうのはまさに日本人なら皆知っていた。これは河西三省さんのあのCDにもありますけれども、「前畑頑張れ、前畑頑張れ。前畑勝った、前畑勝った。」、あのことだけでも河西三省さんは永久に我々の記憶に残っているわけですね。宮田輝さんの「おばんでございます」、これで始まる例えば「のど自慢」とか「三つの鐘」の司会とかそういうもので我々は随分NHKに親しみを感じ、NHKのアナウンサーの中でこれはこの番組をやっているこの人だというような印象が大変あったんです。  翻って考えますと、今NHKでそういうふうに我々の記憶に残るアナウンサー、いわゆる個性豊かな名アナウンサーの名放送というのがほとんど記憶に出てこないわけです。記憶に出てくるのは、松平さんが運転手をどついてというふうな余り名誉でないようなこと、あるいはシマゲジさんがとか、そういうのは出てくるんです。  これは会長、どうなんでしょうね。アナウンサーが平準化してきた。教育に問題があるのか、番組の編成の仕方、担当のさせ方に問題があるのかそういう印象をお持ちになりませんか。どうも最近のアナウンサーは名アナウンサー、個性豊かな人気アナウンサーが出てきてない、こう思うんですが、いかがですか。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 今、大変若く見られましたけれども、私は大正十五年の生まれでございまして、十四年が放送の歴史ですから、NHKよりも一歳若いということになります。  ただ、この間に実にいろんな変化をしてまいりまして、おっしゃるとおり、ラジオの時代というのはまさにアナウンサーの時代であったということが言えます。そして、テレビができてからは、テレビというのはいろんな要素を入れますから、ですからいろいろ複合した番組でございますから、どうしてもアナウンサーの位置そのものがちょっとラジオ時代よりもパーセンテージが下がってくるという面があろうかと思います。それでもいまだにやっぱりいいアナウンサーにはいいファンがたくさんいまして、渋いところでは、例えばこの前の阪神・淡路大震災をずっとやりました宮田アナウンサー、あのアナウンサーなどにもファンレターがよく来ております。それから加賀美アナウンサーの女性の話りなんというのは天下一品だという評価がございます。若い方にも、阪神・淡路ですが、マンションの前で被害の模様を自分が体験した形でもって放送した上田アナウンサー、若い女性ですが、これなども非常に印象的な放送をしました。ですから、時代は異なってもやっぱり実力のあるすぐれたアナウンサーというのは光っているという状況があるというふうに思っております。  私は、放送というものがそういう意味では個性を生かすものでありますから、できるだけアナウンサーの個性が光るような形にしていきたいというふうに思っております。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 会長は今何人かのアナウンサーの名前を挙げてくださったんですが、残念ながら私はそのアナウンサーの方を、例えば昔の松内則三さんとか、和田信賢さんとか、志村正順さんとか、宮田輝さんとか、高橋圭三さんのようには存じ上げません。それが大方一般の理解かとも思うんです。  そこで、私は具体的な提案を申し上げたいんですが、このごろは大学でも一般的な入試とは別にいわゆる一芸入試といいますか、このことについては一芸に秀でているというような採用の仕方を、例えば国立大学、たしか信州大学なんかはそうだと思うんですが、幾つかの大学でそういう試みをしておりますね。  そこでNHKは、例えばアナウンサーの採用に当たっては、一般職としてのアナウンサーの平準化された採用試験とは別に、いわゆる一芸アナウンサーとでもいいますか、例えば野球中継については私は自信がありますとか、古舘アナウンサーじゃありませんけれどもプロレスについては私は絶対の自信があるとかこういう人を集めて一芸に秀でた人をNHKが育てていく、こういうような採用の仕方や教育の仕方というのがあってもしかるべきかと思うんですが、ひとつその点について御検討願えませんか。

安藤龍男日本放送協会理事

○参考人(安藤龍男君) 貴重な御意見、ありがとうございます。  現在でもアナウンサーの採用から育成については、なるべく一般的なといいますか、単なるペーパーテストだけではなくてそれぞれの得意な分野を十分にこちらで把握しまして、それをどうにか生かせるような形で進めてはおりますけれども、なお一層いろんな形で検討してまいりたいと思っております。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 先ごろ私、大枚をはたきましてハイビジョンのセットを買いました。少しは引いていただいたんですが、それでもやっぱり百万を超えましたよ。楽しみに見たんですが、率直に申し上げまして、余りもう一遍見たいという番組がないんですね。私は、非常に個人的な意見ですが、例えば今やっておりますアメリカズカップのヨットレース、あんなのをNHKがハイビジョンで、あの大画面で迫力のあるアメリカズカップのヨットレースなんかをやっていただいたらそれは飛びついて見るだろうと思うんです。何かどうでもいいようなと言っちゃ語弊がありますが、もう一つアトラクティブな番組がございません。  現在のハイビジョンの普及状況、受信者数、それから番組編成の基本的な方針といいますかこれからの企画、そういうものについて簡単にひとつ教えていただけますか。ごく簡単で結構です。

森川脩一日本放送協会専務理事・技師長

○参考人(森川脩一君) 私から普及状況をお答えさせていただきます。  この二月の末の電子機械工業会のデータによりますと、ハイビジョンの普及は約五万一千というぐあいに聞いております。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) ソフトの方ですが、来年度一時間延長して六・七時間にしますが、御承知のように、金曜日に「週刊ハイビジョンニュース」という情報系の番組を一つ入れたのが精いっぱいということで、来年度、天気予報とかそういうものについても開発をしようと思いますが、なかなか情報系のものを入れられないというところが悩みの種で、そっちの方の開発を一生懸命やっていこうと思います。  ハードの問題が大分あるということがネックです。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 中村さん、せっかく御努力をお願いいたします。こっちも投下した資本に対して少し返りがないと困りますので。  それで番組表ですが、それも一つあるんですね。きょう何をやるかがわからないんです。あれ、どうなんですかね、ほかのテレビの番組やラジオの番組は全部今セット紙には出ているんですが、ハイビジョンは何で新聞に番組紹介をやっていただけないんですか。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 新聞には私どもがお願いしてそのスペースをいただくということでして、現在、読売、毎日、日経にその枠をいただいておりますが、なかなか新聞社の方でも、あそこはもういっぱいですので衛星放送なんかもあのくらいしか載せられないということもありまして、今後ともいろいろ新聞社にはお願いしてまいりますけれども、そういうことの努力と同時に、我々、総合テレビと衛星放送等でもハイビジョンのプログラムがどうなっているのか、それからステラ等にもハイビジョンの時刻表を載せております。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 載っている新聞もあるんですね。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) あるんです。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 私、朝日新聞をとっているんですけれども。済みませんでした。各紙に載るように、ひとつまたこれも努力をお願い申し上げたいと思います。  郵政省にお伺いいたしますが、この大震災が起きたときに、情報をダイレクトに官邸に入れてくれと。政府に届けてもらいたい、届けるようにしたらどうか、随分役立つじゃないかと。これは、私も先般の逓信委員会ではこういう緊急災害時の情報管理のあり方についてということで提言を申し上げました。これは、会長、私のそういった情報管理の点につきましては、「放送界」という雑誌がございますね、あれは五千部ぐらい出ているそうですが、あれに私の提言が詳しく出ておりますので一遍ぜひお読みをいただきたい、こう思うんです。  さて、この問題ですが、NHKが取材した情報を視聴者に届けるのと全く同時、ダイレクトに政府に届けるというのは、これはちょっと大上段に言えば憲法あるいは放送法等から少し無理があるんじゃないかと思いますが、郵政省いかがでございましょうか。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) 現在の法律の中では、NHK等の放送事業者に対しまして、放送法第六条の二で、災害の発生を予防し、またはその被害を軽減するための放送を行う義務を課していると。御案内のとおりでございますが、災害対策基本法や放送法上、取材した映像情報を提供する義務までは書かれてはいない、これもまた事実でございます。  しかし、御指摘のような大災害が発生したようなぎりぎりの危機管理の場合において、NHKの公共放送機関としての位置づけとか、放送が持つ自主自律というものを考慮しなければいけないという一方、緊急災害時における危機管理体制としていかにあるべきかという視点から考えなきゃならない問題もあるということは前から申し上げているところでございます。  そういう意味で、いろいろと諸般の状況を踏まえながら広く深く考えていかなければならない問題ではないかという認識を持っているところでございます。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 大出大臣、先日の衆議院の逓信委員会で、大臣はこれは法改正も含めて検討してみようと、いわゆる政治家仲間で言うところの前向きに検討するというような御意見であったわけでございます。これは、聞きようによっては私は少し問題になる御発言じゃないか、こうも思うわけでございますが、いかがでしょうか。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) 恐らく中村さんがおっしゃっているのは放送法の建前ですね。  これはよく考えてもみているんですが、私は今度の震災が起こった途端に災害基本法を二、三回読み直してみたりいろいろしてみたんです。また、放送法もいろいろ読み直してみたんですけれども、この一条、これは原則をうたっているわけですが、この中の二というところ、ここに「不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」という原則があるわけですね。それから、例の椿発言などで問題になりました三条の二ですが、ここには「政治的に公平であること。」という表現が一つございます。つまり、政治的な面で見るとこの二つぐらいなんですよ、放送法上の表現というのは。  これは、国民の生命、財産を守ろうというのは政治の基本ですから、行政の基本ですから、そういう時期に、中央の防災会議なら防災会議を通じて、あるいは非常対策本部の本部長に情報をNHKなりあるいはNTTなりが入れちゃいけないという意味じゃないですね。  そこで問題は、災害基本法も三十六年にできた法律です、放送法は二十五年です、随分古いですね。このごろの法律は随分後から見直しをし手を入れているものがたくさんございます。  そこで、災害対策基本法の二条で指定公共機関、総理がNHKだとかNTTを指定すると指定公共機関になる。そして、指定公共機関は、災害対策基本法の五十一条で情報を収集する義務が明定されている。これは放送のために収集するという一面は確かにあるわけですけれども、別に両方入れてはいけないとは書いていない、この基本法のどこにも。  そこで、ここで大きな問題は、十一条に「総理府に、中央防災会議を置く。」、今日あるわけです中央防災会議は。今度の震災が起こったからじゃないんですよ、前からある。そこの指定公共機関ということで川口さんもNTTの児島さんも委員になっておるわけです。官邸でこの間開きましたら、目の前に川口さんと児島さんが並んでいるんですよ。ところが、放送法の建前にどうもというようなこともあるから、自主的な立場で放送するのが我々の役目だから、防災会議のメーンにお二人座っているけれども、NTTなりNHKが持っている情報は一切要りませんというのだったら出てきていただく必要はないんですよ、意味がない。  だから、法律的に検討してみたら放送法にどこか触れなけりゃならぬのかあるいは災害基本法に触れなけりゃならないのか、それはまだわかりません、専門的に検討すると。それはわからぬけれども、国民の生命、財産を守るという至上命令が政治にも行政にもある限りは、今回の大災害の経験に立って見れば、持っている情報は入れてもらいたい。情報を集中的に官邸にというなら、入れてもらいたい。入れる方法について法律との兼ね合いでどうなるかということを含めて検討すると。  だから、法律を何にもさわらぬでもいいということになるかもしれない、五十一条の解釈その他を通じて。それならそれでいいんです。どうしても手直しをしておかなまずいなというところがあるんだとすれば手直しをしてでもいいんだが、行政なり政治の最大の使命は国民の生命、財産を守ることなのだから、情報が入るようにする手だてを検討する必要があると思っているということなんです。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 今、大臣がおっしゃったように、NHKも指定公共機関ですね。当然ながら、災害対策基本法という法律があります、放送法があります、いろんな規定がありますよ。  ですから、そういうものに抵触をしないで、しかも視聴者には良質な情報番組を提供し、かつ政府の要請にもこたえたいということなんですが、これは一つの考え方としては、最も優先的に最も良質で最も緊急な情報はまず国民に対して提供するのがNHKの任務でありますからNHKはそれをやります、政府の皆さんがどうしても欲しいとおっしゃるならば、テレビ画面に最も良質、緊急ないい番組を提供しているのでありますからそれをモニターしてくださいというのもNHKのあるいは言い分かもわかりませんが、今、郵政大臣は非常に明快に現在の大臣としてのお考えを聞かせてくださいました。  そこで、最後に川口会長からこの問題につきましてのNHKとしての見解をぜひお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 確かに、NHKは災害基本法上の指定公共機関ということでございます。この前も私、会議に出席をしました。それで、NHKとしてこの災害放送をどうやるか、一生懸命やりますというふうな形でお話を承ってきたわけです。  ただ、これが今度は具体的な問題になりますと、NHKはあくまでもテレビ、ラジオを通じて国民に寸時も早く一番大事な情報をお知らせするというのがまず第一の任務であるというふうに考えられますので、そのことを第一にやっぱりやらざるを得ない。したがって、その成果が放送という形になって出ていきますから、それは即時に政府の方もおとりいただける。もし何らかそれ以外のことでいろいろお話があるならば、それはまた私ども指定公共機関としてお話をすればいいことではないかというふうに思っておりまして、やっぱり放送というものを出すこと自体が私どもの第一の使命であるというふうな認識を今しております。

中村鋭一平成会

○中村鋭一君 終わります。

常松克安平成会

○常松克安君 当委員会に配属になりまして、NHKさんとのかかわり合いに、私は、基本的に国。民とNHKなのか国民のNHKなのか、こういうふうな立場にまず立って終始委員の役目を果たしてきたつもりでおります。  いま一つは、愛されるNHK、これから世界に対応する情報の一端を担うNHKとしては、やはり財政の基盤というものを確保しなければ発展もなければ魅力もなくなってしまうんではなかろうかこういうふうなことで前回から厳しく、受信料を基本にしておられる、そのテレビを受信している世帯、これは食い違いがあるのではなかろうかとか、いろいろきめ細かな細部について御提言を申し上げ、営業局長の方からも鋭意これに対してはできることならすぐさま、あるいはまた抜本的に中長期にわたってこれに対する基本的な問題に真剣に取り組んでいきたい、こういうふうな力強い御答弁をちょうだいいたしました。  しかし、その中で私はいろいろな今までの諸先生方のお話を、いい面悪い面の御指摘を聞いておりましたけれども、さすがはNHKだな、こう思いましたのは、会長もおっしゃいましたが、大体ニュースというのは新しい方へ新しい方へ、それを追わないことには一歩おくれてしまう、この一面これあり。しかし今、週一回、あの大震災の後でどういうふうなことが起こっているのかどういうふうなことに国民のニーズがあるのか、あるいはいろいろな行政能力の低下、行政能力を発揮してもらいたい、住民の皆さんの声を聞いて一週間に一度必ずこれを取り上げて事小まめに放映していらっしゃる、これはもうまさしく国民の財産である、私はそういうふうに評価していいと思うんです。  その中には、確かに省庁に対して手厳しいものがあると期待しましたが、そこはちょっと生ぬるいんですな。ちょっと抑えぎみといいますか国民の声だったらそのままもっとどんどん切れ味のいいものにしていくということが必要ではないんだろうか。国民の財産というふうな信頼を生んだ中においては、やっぱりNHKというのは信頼性は一番高いわけでありますから、高いということは外交辞令じゃない。ニュースの一片の画面じゃない。その後の住宅ローンはどうなるのか復興計画はどうなるんだ、救急医療の問題はこれからどうしたらいいんだ、危機管理はどうしたらいいんだ、見事に切っていらっしゃるわけです。これは私はNHKでなければ、少し商業ベースを離れて、国民の財産としての一面の使命を果たしていらっしゃる。痛切にこれは感動を申し上げ、称賛を申し上げておきたいと思います。  しかしながら、ある一面、やっぱりひっかかりますのは財源の基盤でございます。ところが、これがまた、私ずっとこの予算書に目を通して、会長の決断はここに出ているんだな、やると言えばやるんだな、こういうふうに私はその一面を見ているわけです。予算編成のときに、各部局の予算要求というものの査定を営業部門だけはカットしない、言うなら三十五億円自然増というのがありますが、ふえている。こういうところに会長は、財源というものは決して決して一端の委員会の御批判の声としては聞いちゃいかぬぞ、やはりNHKとしても私が会長を去った後も営々としてNHKの基盤というものが多くの方々から、そうだな、納得いくな、こういうふうに思われる英断がここに一つの種を植えつけられたわけであります。我々としては、過去を見て現在の果を見、現在の因を見て未来を推測する、ある一面経営者の鉄則でもございましょう。そういう中において、こういうふうな問題は非常に重要な取り組み。  部長は部長でまた、世界の受信料がどうなっておるか罰則規定でえらい大きなことを言われて、各国でこの罰則規定がどのように行われているか、緊急にすぐさま韓国に問われた。韓国の受信料の実態というもの、それはどうしているか。電力会社に頼んで、電力がなければテレビは映らないんですから、それと合わせて、そこに委託して徴収しておるとか、なるだけ実態というものを把握したい。韓国の方も、これは罰則規定ということでやったらこの問題はこんなふうになって七転八倒になってきたとか、あるいはまたヨーロッパ、アメリカ、すぐさまその部局内で検討というものは行われた。何ら聞きっ放しでないということを私は感謝申し上げます。  具体的に今日に見えてくるものじゃございませんが、すぐNHKが日本国じゅう全国総点検をして、テレビを持っていて払わぬ人、中には言ってくるんですから、もうおじいちゃん、お父さんから、ラジオのときから払とらへんでわしはそんなもの払わぬと言ってずっと頑張っているところもあると聞きます。それが一世帯、二世帯と違ってお隣さんもお隣さんも、そうしてぐるっと回ったらそこだけあかんとかあるかないか知りませんよ、そういうふうな総点検を行われるパワーというものも検討の中にあるやに聞かされました。非常にここはやっぱりまじめに取り組んでいらっしゃるな、こう思います。  一方の話だけじゃいけませんので、その努力の跡というものに対するお考えというものをここでお聞きいたしますが、何回も言うようですけれども、あくまで受信料はまず公平であるべきだ、そのためには契約収納体制をもっと充実整備したらどうかと何回も指摘があるんですが、それに対してのまずお答えを聞かせてください。

菅野洋史日本放送協会理事

○参考人(菅野洋史君) 先生おっしゃるとおり、受信料の公平負担の徹底というものが視聴者から寄せられた強い要望の大きな一つであるというふうに思っております。  私たちは、その受信料の公平負担の徹底に向けまして、日夜努力を重ねているところでございますけれども、近年ますます、昼間お伺いしますと不在の方々が多くなる、あるいは視聴者の価値観の多様化の進展等ございまして、営業活動の環境というものは必ずしも改善されるという状況にはございません。しかしながら、この中で受信料制度を堅持していくため、平成七年度におきましては、大都市圏を中心にいたしまして受信契約開発に従事する要員体制の整備強化を図ることといたしました。  それからまた、効果的、効率的な業務の展開を図るために、口座振替等の拡大による要員を……

常松克安平成会

○常松克安君 もうちょっと大きな声で言ってもらえませんか、大きな声で。

菅野洋史日本放送協会理事

○参考人(菅野洋史君) 効果的、効率的な業務の展開を図り、そして要員を浮かせまして、そしてそれを契約の方にシフトするというふうに持っていくと。それから、なかなかお会いできないというところについては電話を使う、いわゆるテレマーケティングというやり方がございますけれども、そういうものについても精力的にやっていきたいというふうに思います。  そして、こうしたことから、営業活動に要する経費は、平成七年度の予算については六年度予算と比べて二十億円の増とさせていただきました。  しかしながら、営業経費を極力抑えて効率的な業務運営を推進していくということも私どもの大きな課題だというふうに思っておりますので、これからも精いっぱい努力をしていきたいというふうに思っております。

常松克安平成会

○常松克安君 もう一つの努力目標で、この基礎ベースが違うということをもう一度精査してください。そちらは総理府の統計をもとにして、あれは五年に一遍の調査なんです。そちらを聞いてみると自然増は大体こんなものだろうと、それでそれを積算の世帯にしているわけです。ところが、自治省の方は毎年出ているんです。そこに大きな食い違いがあるわけです。それから、あの中に法務省が管轄しておるところの外人登録者世帯というふうなものがあのベースから飛んでしまっているんじゃなかろうかという気持ちこれありで、十分検討していただけるとは思いますが、どうかこの次この専門畑の質問をさせていただくときは、こっちの言うとるのとそっちの言うとるのと大体合うように研究を重ねていてくださいな、こんな差のかいように、お願いしますよ。  じゃ次に、それでは今度は具体的に不払い世帯ということです。この不払い世帯というのはいろいろな種類があるんですが、不払い世帯へのどのような取り組みを実施していらっしゃるか、お聞かせください。

菅野洋史日本放送協会理事

○参考人(菅野洋史君) お答え申し上げます。  一概に不払い世帯と申しましても、私どもの管理の仕方としましては二つ考えてございまして、一つは、受信契約をして、その後受信料をいろいろな事情で払いたくない、払わないということがございます。あるいはお会いができなくて結果的に未払いになっている、これを私ども滞納というふうに言っております。これがほぼ百万近い、九十九万九千ぐらい、その日によって動きますけれども大体百万程度でございます。それからもう一つは、受信契約そのものを拒否するというんですかしたくないというふうに言っておられる方、これが私どもの登録では大体十八万ぐらいの登録になっております。こうしたところがいわゆる不払い世帯ということでございます。  前の議論にもございましたけれども、まず第一には、そうしたことに関して理解促進活動というものの充実を図らなければいかぬというふうに思っております。そのためには、理解促進に資する番組といういわゆる広報番組ですが、これについても七年度は充実した形で持っていきたいというふうに思っております。  それから、何よりもやはり番組の充実でございまして、番組の充実を基本に据えて、そして放送を使った各種PRとかパンフレットあるいは視聴者との懇談会、それから今後はさらに来年度以降考えたいと思っておりますけれども、パソコン通信とか文字放送なども活用した理解促進というようなものをやっていこうというふうに思っております。  それから、先ほどちょっと触れましたけれども、特にこういった結果的に不払いとなるお客様の数あるいは比率が多いのは大都市圏でございまして、これの大きな原因は未面接、面接がなかなかできにくいということが非常に大きくなっておりますので、そこの面接できないという部分に対処するために、先ほどちょっと触れさせていただきましたけれども、大都市圏を中心に要員の整備をしていきたいというふうに思っておるところでございます。  さらに、営業現場では、視聴者の皆さんとの直接の接点であるという立場から、私がNHKですと、私がNHK全部をしょっているんだという運動を起こしまして、お客様のお一人お一人の疑問あるいはいろいろな質問に対して的確に答えられるような教育訓練というものもさらに充実をさせて、先生のおっしゃる公平負担の実を上げてまいりたいというふうに思っております。

常松克安平成会

○常松克安君 そこで、そういう意識で一生懸命おやりになっていらっしゃる中で、一つの武器を与えるかどうかです。  放送法の中には罰則規定がないわけなんです。あるとき、電力会社と訴訟問題になりました、払う、払わぬで。ところが、裁判で払うべしという判決がおりた途端に電力不払いというものはなくなってきた。これは、これに匹敵するかどうか知りませんよ。しかし、そういうふうなものを、現場の人が善意、善意とおっしゃっていますけれども、片方は文句があるんだったら裁判に訴えてくれと、こういうふうなときに、果たして法的に受けて立つだけのNHKさんに強力なものがあるんだろうか。また、それをした場合の反感がどう出るんだろうか。いろいろ内部検討をもうこの辺の時期で、やるやらぬということは別にして、そういうふうな問題のガードだけはきちっと、NHKさんには顧問弁護士というのはおらぬのですか。おるはずです。だから、そこはやっぱり会長の方がぴしっとして、聞くべきことは聞く、そういうふうなこともやっぱり当然考えていかなきゃならない。  そして、江川局長に聞きます。今放送の中で免除されている一年間の総トータル金額はどんなものでしょうか。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) 資料でちょっと見てまいりますと、受信料の免除というのがこの書類にございますが、全額免除、半額免除と両方ありますが、トータルで申し上げますと、額面で、全額免除が百五十四億八百万、それから半額免除が二十九億でございます。合計百八十三億八百万でございます。

常松克安平成会

○常松克安君 この次にまた、局長、ひとつその辺のところも、どんな突っ込み、質問があっても切れるようにしておいてください。  どうしても不思議でしょうがないんです、私は。生活保護家庭でも、電力料金、水道料金払っているんです。国の査定の中にきちっと入っているんです。なぜ放送料だけ国が、これだけ最低の情報が必要だと認めるならこれは払うべきなんです、持ってあげるべきなんです。それをこっちだけ泣かせて、あとは全部公共料金、NHKも一応公共にふさわしい料金だと。私も一生懸命勉強しますから、しっかり、ばっさりこっちの言うことを切ってください、結構ですから。どうしても私は納得いかない、これは。  あわせて、なぜ放送法の中に罰則規定がないのか。NHKでしてもらわぬでええと言っておるのか、してくれと言っておるけれども郵政でとめておるのか、郵政の方でそんなことをしたら大問題だからやめておけと指導しておるのか、その辺のところは次回に送ります。  最後に、会長に一つお願いします。  震災を受けられた方の免除で大変な負担であろうと思います。しかし、今見せていただくとなかなか復興は遅々として進まない。力の弱い人ほどなかなかそれはでき得ない。そういう人たちにとってはやっぱりテレビというのは大きな生活活力源、こう私見ていいと思うんです。その辺のところ、何とかこれをもう少し延長してあげるというふうな考えを持っておるわけですが、それに対する会長の慈愛ある御答弁をお願いいたします。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 私自体も神戸の被災地に行って、そして私どもの地域スタッフを中心とした営業のメンバーの集まりに出てまいりました。  それで、私がその席上で言ったのは、あなた方は被災地の中でこれから営業の人間としていろんな活動をするわけだけれども、まずお見舞いを言いなさいと。それで、いかがでしたか、お体は大丈夫ですかということから始まって、そしてNHKの受信料はこういう状態でありますからお払いいただかなくても結構です、ただしいずれ回復されて、そして払える状態になったときはぜひお願いしますということを言ってくださいと言って、スタッフ一同がそのことを前提にして営業活動を今始めたところです。  今いろんな形で接触をしていますと、むしろ私どものスタッフが感心するのは、本当にまだ水がよく出ない、家にも住めないという状況の中で、NHK頑張ってくれよといって逆に励まされてしまうという状況がありまして、まだまだNHKに対する信頼感はうせていないなということを私も実感しております。  したがって、被災の状況というのは四月にならないとちょっとまだ形がつかめません。あるいは六カ月免除じゃなくてもうちょっといかなければいけないかもしれません。それはもう臨機応変に対応します。そして、その方々が無事に復活されて、そして再びNHKに受信料を気持ちよく納めていただくことができるように私どもも応分の声援をしたりお手伝いをしたいと思っております。

常松克安平成会

○常松克安君 終わります。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 私はきょうの質問者の十一番目でございます。そういうことで質問が大半ダブるかもしれませんけれども、御容赦いただきたいと思います。  最初からダブって恐縮ですけれども、最初に江川局長にお聞きしたいんですが、マルチメディア時代における放送の在り方に関する懇談会、これは局長の私的諮問機関というか私的懇談会というんですか、を設置していろいろ検討されてこられたと聞いております。明日その答申が出るということになっておりますけれども、この懇談会でこれまでどのようなことが主に議論されてきたか簡単で結構ですから教えてください。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) この懇談会はマルチメディア時代における放送の在り方に関する懇談会ということで昨年五月にスタートをさせたところでございます。これを俗っぽく親懇談会といいまして、そのもとに専門委員会、それから音楽放送に関する特別部会、さらに起草委員会というふうに細かく部を設けて、それぞれ専門委員会、部会の会合を二十回ほど開きました。それで、親懇談会は最後にあした開く予定にしているところでございます。  中身は何を議論したのかというと、テーマは放送全体のディジタル化のあり方ということが一つと、それからハイビジョンの普及策はどうかということが一つ、この二つをメーンテーマとして議論してまいったところでございます。内容の詳細につきましては、あした出ますものですからあした以降その御提言をいただいた上で申し上げさせていただきたいと存じます。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 会合が二十回、その中の内容はあした発表になるから申し上げられないということでございますけれども、私が言うまでもなく、ディジタル化かそれともミューズ方式がということで先ほど及川先生それから加藤先生の方からお話がありましたけれども、そういうことで恐らく両論併記になる、これは私が言うまでもなくそれこそ新聞にもう出ています。答申がそうなるのではないかなと、こういうふうに想定はされるんです。  そこで、確認だけしておきたいんですが、二十回もやっていろいろ検討した結果まとまらないんじゃないかな、こういうふうに私は想定しているんですけれども、まとまってもまとまらなくても両論併記、名論併記というのはないんでしょうけれども、両論併記というのは三対七でも両論併記だと私は思うんです。五対五でも両論併記、どっちにしてもあした出てくる答申というんですかそれに対して局長はそれを十二分に尊重して意見を反映させていくのかどうなのか、その辺を確認したいんです。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) 両論併記になりますかどうかというのは、事実としては私もいろいろ承知しているところでございますが、あした出るまでは一応公式の答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。いただいた御提言につきまして、郵政省としてこれを拳々服膺というんでしょうか、よく中身を勉強させていただきましてその後の行政に十分役立てていく、参考にさせていただこうと思っているところでございます。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 一九九三年の電波監理審議会の答申もこれあり、その後、今局長がおっしゃいましたように昨年から二十回にわたる議論をしているということで、私もなぜそういう九三年に出た答申があるのにもかかわらずというような疑問もあるんですけれども、この点だけやっているわけにもいきませんので、あした出た後、次の機会にまたやらせていただきたい。先ほど加藤委員それから及川委員からお話がありました意見、それから要望もございました、考え方もありました。私はそれとそう相違はございません。それだけ申し上げておきます。  次に、NHKにお聞きしたいんですが、二十一世紀もあと五年、まもなく二十一世紀でございますけれども、BS4の時代を迎えようとしているわけです。そこで、BS4時代は衛星放送の本格的な普及期に入ることになりますけれども、高画質、高音質のメディアとしてそこで期待されるのは私はハイビジョンだ、こういうふうに思っておるわけでございます。  この問題もけさから出ておりますが、NHKは昭和三十九年から平成六年度まで、今日まで三十一年間の長きにわたって研究開発費というんですか、ハイビジョン開発に関するお金五百九十八億、約六百億、年間にして約二十億、多くをつぎ込んできているわけです。また、これは中井さんのところでやったんでしょうけれども一月に発表した中長期経営方針、この中でもハイビジョンの放送については何項目かございます。非常に意欲的な項目でございます。  そこで、このハイビジョンを開発してきた放送機関NHKとして、今申し上げた事情もこれあり、早期普及の原動力になって努力をしていく必要があるのではないかこういうふうに思いますけれども、NHKのハイビジョン早期普及のためにどのような施策をとっていくのか、まずお聞かせ願いたいと思います。

森川脩一日本放送協会専務理事・技師長

○参考人(森川脩一君) お答え申し上げます。  今、先生おっしゃいましたように、ハイビジョンの受信機の普及は、長い研究開発の成果もございまして、おかげさまで昨年の秋から大変急激に普及が伸びております。前年同月比でまいりますと、昨年秋からのデータは約四倍から六倍のスピードで伸びておりまして、現在の二月末の数字が五万一千ということになっているわけでございます。  さて、今後の普及施策でございますけれども、これは万般にわたっておりますから一つずつかいつまんで申し上げさせていただくことにしますが、まず番組面では、初期のころの……

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 簡単で結構です。

森川脩一日本放送協会専務理事・技師長

○参考人(森川脩一君) はい。単なるきれいな画面ということから、ニュースや情報番組にまで踏み込んでジャンルを拡大していきたい。それから、来年度からは放送時間を一日一時間さらに延長していきたいということを計画いたしております。  それから、ハード面について申し上げますと、先生御存じの壁がけテレビというものの開発に一層本腰を入れていきたいというふうに考えておりますし、それから番組制作機器、カメラですとかVTRですとかというもののさらに小型化、機動化、あるいは値段を安くする、低価格化ということにも取り組んでまいりたいと思います。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 そこで、普及していくのにはもちろんNHKそれから放送事業者がいろいろ今申されたように努力をしていかなければならないということは当然でございます。  今お話の中にあった壁がけテレビですけれども、見る方がたくさんいなければこれは普及しないわけですから、そのためには軽量もいいし、部屋がみんな小さくなっていますから小さいのもいいし、薄いのもいいし、そういういわゆる軽量であり小さいものであればこれはなお結構なんですけれども、それ以上にやっぱり最大の問題は価格の問題だと思うんです。  この価格の問題ですけれども、壁がけテレビを現在、軽量化して小さくする、縮小化というんですか、それから値段の点、そういう点で開発されていると思いますけれども、どの程度までその開発が進んでいるのか、おわかりになったら教えていただきたい。

森川脩一日本放送協会専務理事・技師長

○参考人(森川脩一君) 先生おっしゃいましたように、ハイビジョンというものの特徴はワイドできめが細かいということでございますけれども、これを見るディスプレーもやはり大型のものが人間の目に視覚として臨場感が非常に高い、思わず画面に引き込まれる効果が高いということが視覚実験から確認をされておりまして、そういう意味でも私どもは大型のディスプレーがこれからぜひ必要だと。  しかし、先生おっしゃるように、サイズが大きくなって奥行きまで大きくなるとどうしても日本の家庭に入りませんので、そこで薄型のものを開発しているわけでございます。大体四十型の画面で奥行きは普通のブラウン管ですと約一メーターになりますけれども、これを五センチの厚さに、非常にフラットにしたものの開発に今努力をしています。それから、重さにつきましても、百数十キロというものに対して約十キログラム程度ということを目標にやっております。  それから、値段が一番重要だと思いますが、これはいろんな面がありまして確たる数字は今はちょっとはっきりあれできませんけれども、これは長野オリンピックの時期を目標に実用化していきたいということで、当面の目標としてはインチ当たり一万円というところに一つの努力目標を置きまして、現在、先端企業の二十五社と一緒に共同で研究開発を進めているところでございます。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 次から次へと大変恐縮ですけれども、次に平成七年度の事業計画の中にある放送時間の延長の問題でございますが、緊急時に対応しやすくする、それから視聴者の生活時間の多様化に合わせ今の放送時間を朝一時間早く、夜一時間延ばして二時間、とりあえず二十時間にする、そして平成九年度には二十四時間体制を組む、こういうことでございます。  そこで、一つはこの内容と計画ですけれども、具体的にどういう番組を放送する予定になっているのか、それをちょっとお伺いしたいと思います。これが一つと、もう一つはこうやって時間を延長する、それから緊急報道に備えるためということで、技術スタッフそれから人、もちろんその配置の問題、ローテーションの問題、こういう体制はどうなっているか、大丈夫なのかどうなのかその点。二点について簡単に答えてください。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 二十四時間化の最大の目標は、今御指摘ありました緊急報道体制に万全を期するということでございます。朝一時間繰り上げ、夜一時間延長という形を来年度はとりますけれども、朝はニュースと天気予報、気象情報を中心に五時から放送したい。それから、夜の延長の場合ですけれども、夜はかねてからいろいろ御要望の多い番組の再放送でやっていきたいということでございます。  緊急報道関係の番組については、二十四時間回線を借り上げるとかいろいろ努力をしてまいりまして対応は速くできるようになっておりますが、さらに一歩進めて、どのような場合でも画面にすぐいろいろな情報が出せるということを第一に対応したいというふうに思っております。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 この点で私は強く要望しておきますけれども、NHKさんの調査によると、午前一時まで起きている人、それから午前五時にはもう起きている人、私は両方に当てはまらないんですけれども、日本国じゅうで約一〇%いる。その人たちにサービスするということになるわけですけれども、それは私は結構なことだと思うんです。一億二千万ですから一千二百万いるわけですから、これはNHKが公共放送として当然やるべきことであるし、非常に結構なことだと思うんですけれども、今言われたように時間がふえればそれだけ経費はかかる、人も必要だ、その反面NHKは経営の合理化とかそれから効率化が求められているわけでございます。  そういうはざまというんですか、両方から非常に難しい点があると思いますけれども、いずれにしてもそうやって四月一日からやるわけですから、その内容がソフトの面においても番組の面においても、ああ延ばしてもらってよかったというようなことに極力努力をしていただきたいということだけ御注文しておきます。  それから次に、映像国際放送についてですが、これが昨年の放送法の改正で、六月ですか、NHKの本来業務、必須業務になったわけでございます。予算が十六億ということでございますが、この計画、内容は私、大体承知しております。特にこの中で、午前中にもお話がありましたけれども、私はアジアでの展開について十分注意が必要ではなかろうかな、こういうふうに思うんです。どんなルールづくりといいますかどんな配慮をするのか、この点もよく注意をして進めていただきたい。内容をお聞きしたかったんですけれども、もう時間がございませんので、そういうことで要望しておきます。よろしくお願いいたします。  もう一点は、これは質問になりますけれども、国際化時代の急速な進展に伴って映像国際放送はますます拡大されていかれるんではないか、こういうふうに思います。中長期的な構想もございます。それを含めて、あわせてこれからの展開はどうなっていくのか、簡単で結構ですからお答えいただきたいと思います。

河野尚行日本放送協会理事

○参考人(河野尚行君) アジアにつきましては先ほど会長の方からお答え申し上げましたけれども、今のアメリカに映像国際放送を送る同じ衛星で配信という形で、アジアの大きな国の放送機関及び放送業者に番組を配信してそれを放送してもらうということで、やがては個別受信ということも考えられるだろうと思いますが、それにつきましてはいろいろの国のいろんな文化とか規則とか、そういうものを考えながら逐次段階を踏んで行いたいと思います。  その他の地域、例えば南米とか中近東、アフリカ等が部分的には残っておるんですが、その際にも、どういう衛星を使うことが最もコスト的にも、また逆に言いますとその衛星にほかの国のどういう有力な放送が乗るかということも研究してみる必要があるものでございますから、そういうことを調査した上で、日本の視聴者の了解をとりつつ、時代の動きもはかって、テレビによっても日本から及びアジアからの放送を世界に向けて発信していこうというふうに考えております。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 大臣に最後にお聞きします。  この映像国際放送ですけれども、これは近い将来急速に広がっていくものと私は想定できるわけです。それと、映像放送というのはラジオと違って絵で見るわけですから、これは非常に日本の国の文化のPRにももちろんなるし、国際的な相互理解を深める上で非常に有益なものである、そういう意味で広がっていくと思うんです。  そこで、七年度のこれに対する予算というのは十六億組んでありますけれども、NHKがこれ全部十六億を充当すると、こういうことで始まるわけです。今言ったように世界全部をカバーする、こういうことになると、これもNHKの副会長さんがことしの正月におっしゃっておりまして、大体百億ぐらいかかるんじゃないかなと、こういうお話をしておりますけれども、幾らかかるにしても、広がれば、世界じゅうカバーすれば相当なお金になると思うんです。  そこで、国際放送に対する交付金、国からもうちょっと財政援助をふやすべきではないかな、私こういうふうに思うんですけれども、この点について大臣から最後に御答弁いただきたいと思います。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) 御指摘の点はよくわかるんですよ。今交付金というお話がございましたが、放送法の建前からすれば、命令放送であれば当然これ交付金でございますから、今日の十八億というのはそういう意味で命令放送だからというんで交付金を出していると。  そこで、今回は、とりあえず当面はNHKの自主放送の実施ということでやっていただくという、したがってまずNHKさんがおやりになる自主放送の状況を見守ると。したがって、七年度についてはそういう意味で自主放送という建前ですから交付金の増額を予定していないと。しかし、今のお話のように将来という問題が出てまいります。そこで、映像国際放送を実施する事業者が今のところは、必要な資金ということになるとすれば、日本輸出入銀行の低利融資という意味でそういう措置は可能であると、これ今日の状況でございます。  しかし、今、これまた御指摘ございましたけれども、NHKあるいは一般放送事業者、NHKに限りません、放送法の改正も行われておりますから。今のところはありませんが、そういうふうなことになってきたときに財政的支援ができないかという問題は大きな課題として残る、こう思っております。そういう意味で、とりあえず自主放送でおやりいただく状況というものを十分ひとつ慎重に検討もさせていただいて、その上で将来の問題をまたひとつ検討させていただこう、こう思っております。

粟森喬新緑風会

○粟森喬君 限られた時間でございますが、幾つかのことについて確認をし、私の方から意見を申し上げたいと思います。    〔委員長退席、理事大森昭君着席〕  まず最初に、中村鋭一議員も質問をされたわけでございますが、緊急災害時におけるNHKの放送のあり方の問題でございます。  私は、質疑を聞いておって、やっぱりここはきちんとしておかなければいけないというふうに思いました。と申しますのは、私は、緊急時だから報道機関から情報提供していただきたいという政府の気持ちはわからぬでもないが、報道機関のあるべき姿としてそのことはやるべきではない。なぜなら、私は、報道機関というのがさまざまな情報を集めてどれを放送するかというのは、公開をする瞬間の瞬時の判断というのは大変現場は緊張しておるんだと思うんです。  例えば、あのNHKのテレビのあれより仮に三十分早く知ったって、その報道がどういうふうに使われるのかわかりませんが、仮にそういうやり方をもし報道機関に与えるとすると私は問題があるんじゃないかというふうに思っています。といいますのは、報道の独立性ということと情報の提供というのは戦前戦後のあるべきけじめで、やっぱり一番私たちが問題にしてきた。これから情報をどうするかという問題で情報公開法やいろんなことでも議論がされるわけでございますが、私は緊急時だからそれをやるということは一体いかがなものか。  議論がありますから大臣がそのことで前向きに答弁をされるのは何となくわからぬでもないけれども、そのけじめで私がまずお尋ねしたいのは、これは法律の改正が絶対必要だという認識があるのかどうかというのが一つでございます。  それから、防災会議に出ておるからと言いますが、防災会議に出ておるあれは、あの法律の性格からいくと、NHKという報道機関が報道できるに足る設備なり体制が確保されているかどうかと、NTTが呼ばれておるのも通信が確保されているかどうかということで、その関係者が持っている情報をそこで提供するというのといささか私は性格が違うんだろうと思います。  その辺のところについてまず見解をお尋ねしたいと思います。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) 私からお答えをいたしますが、まず経過がありまして、予算委員会で何回か、NHKは情報を収集して放送するという公的機関である、しかしこの際行政も政治も国民の生命、財産を守るということは至上命題ではないのか、今回のこんな状況になっている災害の教訓としてあらゆる情報を集めるという、そういうシステムが必要じゃないのかと、その中にはNHKも通信幹線NTTもいろいろあるわけだけれども、NHKの情報というものを何らかの形で、つまり非常災害本部をつくるんだとすればそこに集中するという方法はないのかという質疑が何回かございまして、今の法的な建前からすると非常に難しいという答弁を官房長官の五十嵐君が何遍かしているんですよ。しかし、重ねていろいろ質問がありまして、法的なことはともあれ検討してみましょうという意味の答弁が一つ最後に出てきているんですね。    〔理事大森昭君退席、委員長着席〕  そこらを含めて、私はさっきも申し上げましたように、放送法というものを読んでみて、一条もございます、三条に、あるいはこれをどう読むかという問題はございますが、そういうかかわるところがございます。ございますけれども、果たしてそれは、NHKが集めた情報というものを全くそれじゃ非常のそういう際にそれでも提供しちゃいけないというような、そういう解釈が成り立つ法律の建前なのかということになると必ずしもそうではないという意見もある。  したがって、そこらひとつ衆知を集めて検討していただいて、改正の必要がなくて何らかの方法でNHKの情報が使えるというんならそれはそれでまたいいんだろうし、あるいは法改正してもという意見が出てくるんならそれはそれで検討しなきゃいけませんし、つまりそういう御意見もたくさんあるんで検討してみようというふうに考えているというところでございます。

粟森喬新緑風会

○粟森喬君 私の見解は、やっぱり法の性格からいって、これはやるとすれば法律の改正が必要だろうというふうに思っています。  それから、その報道される前の情報を政府がもらって仮にそこで対応したとする、それが報道そのものがミスだったらどうするのか、そういう問題も現実には私はあるんだと思うんです。  それから、こういう非常時だからいいじゃないかという話がややもすると出がちであるが、私は、報道の持つ任務みたいなものから見たらやっぱり超えてはならぬものを超えちゃいけない。これはもしやるとしたらそれなりにきちんとした議論とか国民的合意をちゃんとやらないと、先ほどNHKの七十年の話されたけれども、七十年の前半の部分はやっぱり苦渋に満ちた時代も私はあったと思うんで、余りこれだけで私時間をとるわけにいかぬからこれ以上申し上げませんが、十分そういう配慮に基づいてやっていただきたい。  私は、今回のNHKの報道を見ておって、あれをかなりきちんと例えば政府関係者みんなが見ていたら、もうきちんとあれを見ておるだけで相当役に立ったと思うんです。早いか遅いかじゃないんですよ。例えば橋げたが落ちたという報道があったと、どうなっておるんだと聞いたら、いやその後の先の情報がとれないというのはやっぱりただならぬ事態が起きておるんだから次の手を打つと。  そういう展開じゃなく、何か情報が早ければ何か対策ができたというふうに言われているけれども、ちょっと事の経過などから見ても何となく情報化時代というのはそういう早どりの話があるけれども、正確であることと報道の情報の持つ意味というのをお互いが考える機会としてぜひともこれはお互いが真剣に、あんまり教条的に私もだめだとかいいという意味じゃなく、その意味ではここは真剣にきちんと議論をお互いがするという意味でお願いをしたい、こういうふうに思います。  あと、幾つか予定をしていることがありますので、二つ目にお願いを申し上げます。  先ほどもいろんな放送で少数の人たち、例えば外国人向けの放送などについて何回か提起がありました。私は障害者向けの放送のことでちょっと意見を申し上げたいんです。これはNHKの見解を聞きたいんですが、何となくやっておると、この中長期経営方針を見てもこれからやっていきましょうという話ですが、いわゆる障害者の問題をどう理解をするかということがNHKさん、ちょっとまだ認識が浅いんではないかという感じがするんです。  どういうことかというと、障害者基本法ができたり、国連障害者の十年ができたというのは障害者を社会に参加させる、いわゆる平等に扱う、こういうことなんです。ところが、私も質問したときにちょっと時間がなかったのでそのときに思った感想を申し上げますと、いや、やりたいんですがお金がなかなかございませんみたいな話をする。私は、民放というのはやっぱりコマーシャル主義、利益主義があるからある種の限界があると思う。しかし、公共放送というのはそういう少数の方々にも利用していただける、先ほど二十四時間放送のことについて鶴岡先生からも提案があったんですが、私はその種のことについてかなりきちんとした切り口が見えるような提案をしてほしい。  そういう意味で、私も文字だけのことじゃなく、NHKとしての障害者向けの放送などのこれからの拡充についての基本的な精神みたいなのをちょっとお伺いをしたいと思っております。

中村和夫日本放送協会専務理事

○参考人(中村和夫君) 障害者、マイノリティーに対する放送のスタンスは、今御指摘になったような考えをベースに毎年着実に、時間はそれほどふえておりませんが着実にふやしております。今後は、中長期方針に従って毎年ふやすにはふやしているんですけれども、年次的に一つの計画性を持ってふやしていこうかなということで、まず字幕放送等をその検討の対象にしてみようかなということで、計画性を持って年次別のこれから立案をしてみたいというふうに思います。

粟森喬新緑風会

○粟森喬君 この中長期方針を一読させていただくと、あるところは非常に具体的だけれども今のようなところは余り具体的じゃないんで、ぜひともこれから具体的な計画を策定する段階で年次計画、長期計画をお示し願いたい。そのことがほかの放送機関やさまざまなところに影響を当然持つ、意味を持っていますので、ぜひともお願いを申し上げたいと思います。  それから、NHKの経営のあり方の中で、雇用のことについて多少私の意見を申し上げ、お尋ねをしたいと思います。  一つは、NHKの経営がいろいろと取りざたされまして、合理化といいますか省力化、効率ある運営をかなり積極的にやってきたという経過について私もそれなりに認めたいと思います。ただ、私はちょっと気になることを言うと、NHKのそういう効率化計画で人が何人減ったというのが何となく成績のポイントみたいな報告が随所にあります。人さえ減ればいいのかなと。事業規模というのは、もちろん機械化したり技術革新してある程度省力化できるところはあります。しかし、新しいいろんな要求があるわけですから、必ずしも人が減ればいいというふうにならない。  それから、NHKの関連企業がいろいろあります。これもそれなりの許認可の範囲でやっておるんですが、どうしても本体以外のところにそういうものができると責任の所在というのはやっぱり分散化するわけです。それで、どこそこの話ということになると、いや、それは関連のあそこですという話になると、何となく我々も責任の所在というのはどうなのかというふうに思うことがございます。  ある種のNHKの公共放送としての最低の体裁を持つときには、私は関連の企業をふやしてそのことを解決するというだけではやっぱりいけないんではないか。中長期展望を本当に出すときにその辺のところについても多少お考えいただきたい。そういう意味で人を減らす話がたまたま何となく文章の中で気がついたことございますので申し上げます。  それから、雇用の問題でちょっとお尋ねしたいのは、障害者の雇用というのは中で途中で障害になった人か、それ以外に新規でちゃんと障害者の人を雇用しているのかどうか、これをまず一つ。  それから、ちょっと時間がありませんので幾つか言いますが、二つ目に、NHKも基本的には終身雇用、定年制みたいな感じでございます。しかし、今新しい事業というか、終身雇用制の是非論がいろいろ出たりして中途採用というのも結構やっておるわけでございます。やはり原則いわゆる新卒という発想から、この辺もNHKは採用すべきではないか、中途採用といえども人材を広く求めるという意味では私はこの部分も検討していただきたいと思います。  それから三つ目。雇用の問題で、このごろ女性の採用が二〇%になったといいますが、男と女が半数おるのに二〇%というのは中間的過渡的な数字なんで、本来的にはNHK事業の中で男性でなければやれない仕事というのはごく限定されている。そういう意味で言うと、公共放送としてのNHKなんだからもうちょっと採用の仕方にもそういう数字が具体的に出るような配慮があってしかるべきじゃないか。そうしないと、ことしの全体の採用問題でも女性の方が大変厳しいと言われるのは、男女雇用均等法をつくったよと言うけれども、それぞれの公的な部門、これは政府機関も含めてですが、やっぱりまだその辺のところが克服できでないような気もするんです。質問も含めまして、そのことについて御意見をいただきたいと思います。

安藤龍男日本放送協会理事

○参考人(安藤龍男君) 三点、先生から御質問がありましたので、簡潔に順次お答えいたします。  障害者の雇用でございますけれども、毎年六名、七名採用をしております。職員が途中で障害者になるというケースも当然ございますけれども、新規採用にも努めております。ただ残念ながら、まだ若干ですが法定雇用率に少し足りないというところで、今後も努力をしてまいりたい。  それから、終身雇用時代の中での中途採用の問題ですが、NHKは従来からも中途採用をやっております。特に、五年前から社会的な専門家あるいは地域取材要員などを割と力を入れて採用しておりまして、この五年間に五十名ぐらい採用しております。特に、新しい仕事である権利関係の問題とか国際調達の問題とか、新しい業務についての専門家を活用しようとしております。  それから、女性の問題でありますけれども、もちろん数の問題ではありません。女性の一層の活躍というものを今後期待するわけで、ただ採用というものも数をふやす必要がありますし、それから女性の活躍、特に協会では女性の管理職も八十名近い管理職がおりますので、今後ますます活躍を期待していきたいと思っております。

粟森喬新緑風会

○粟森喬君 郵政省に最後にお尋ねをします。  規制緩和との関係で、電波の割り当てに入札制を導入することを検討する、五年後ぐらいまでに結論を出すという話でございますが、これとNHKとの関係です。入札ということになれば値段を争うわけです。私は長所、短所がいろいろあると思うんです。といいますのは、入札でございますから金のある者がどうしてもそれをとっちゃうということになるわけです。なぜそんな話が出てきたのかというと、私はアメリカなどの発想というのが大体それに近いように思うんです。  それともう一つは、日本の電波の割り当て、許認可に対する不透明性という言葉が適当なのかどうかですが、とにかく電波が出るとわっと出る。いろんな話がどこまで事実なのか、よく私らが確かめもしないで余り軽々なことを言えないとしても、もうとにかく大変な競争であることは私らも時々そういうことに関与する人からお話を聞くことがあります。五年間に何となく立ち消えじゃなく、電波の許認可のあり方に一つの問題提起として、私らもそこは十分関心を持って対応したいと思います。  それと、日本のようにNHKみたいな公共放送があるところは、この入札のときにそれは入札の方に売った方が財政的には豊かになるかもしれぬけれども、これはNHKもどういうふうに見解を述べるかというのは今後の課題だと思いますが、時間の関係もございますので、郵政省の見解をお聞きして、私の質問を終わります。

五十嵐三津雄郵政省電気通信局長

○政府委員(五十嵐三津雄君) 今、先生からお話のありましたとおり、電波の割り当て入札といいますかオークションについては、私ども中期的な課題として規制緩和の中においても検討するというふうに考えております。電波には経済性があると言われたり、あるいは電波はビジネスに大変有用であるというふうに言われたりするという観点から見ますと、検討に値するという側面が大いにあるかとは思います。ただ一方では、ただいま先生から御指摘のありましたとおり、結局豊富な資金を有する人が電波を占用するという可能性もありまして、問題点というのは幾つかあります。  それから、具体的にこれを実施いたしましたアメリカ等の実績を見ておりますと、例えば一つの入札で最高五億ドルというふうに言いますから五百億円ぐらいのものになっています。こうなってきますと、それを取得して消費者にサービスを提供するときに料金にどうはね返るのかとかいう問題もございます。  それから、既存の事業者、既に免許を受けている事業者が、日本の場合は五年ごとに再免許がありますが、そのときどういう意味合いになるのかというような観点もあります。  それから、アメリカの場合は、たまたま日本で言いますPHSに当たる周波数部分、ここをオークションにかけたということですが、日本の場合は既にPHSについては周波数としての割り当ては大宗終わっているというようなこともあったりいたしまして、まだまだこれは検討をしていかなければならない問題だというふうに思っております。  アメリカでありますとかイギリスは放送波についてもやりました。そういうことはありますが、現実にまだそのサービスが出ていなくて、国民利用者の方々からその国でも評価がまだ定まっていないという状態ではないかなと、訴訟が起こされたりもしております。そういうことで、私どもはよくそこの調査をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。  そういう意味で、検討中でありますので、例えばNHKのような公共的なものについてどう考えるかというお尋ねでございますが、現実にどういうものを対象にして例えばオークションをやるにしてもやっていくのかとかそれから提供者との関係をどう考えるかとか、そもそも公共性の高い、営利を目的としないようなものについてそういうものがなじむのかとか、そういう課題もありまして今直ちにこれについて見解を申し上げるというのは極めて困難な状況でありまして、そういうことを踏まえて検討をしてまいりたいというふうに思っております。  ただ、電波の免許の透明性ということにつきましては、先般の閣議決定、先生御指摘のありました昨年七月五日の閣議決定の中におきましても、私どもは手続の明確化、透明化に努めるというようなことを閣議で決定しておりまして、そういった観点から、十月の行政手続法を定めたときに、私どもはその審査基準を明快にするとかあるいは標準処理期間を明確化するということで一般的にその情報を公開したところでありまして、今後ともそういう手続の明確化については努力をしてまいりたいというふうに存じております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま粟森喬君が委員を辞任され、その補欠として古川太三郎君が選任されました。

河本英典各派に属しない議員

○河本英典君 河本でございます。  NHKさんにおかれましては、本年の三月二十二日で七十周年を迎えられたということで、大変おめでとうございます。  一口に七十年と申しましても、大変なことだったと思うわけでございます。当初は、大正十四年ですか、東京芝浦の仮放送所でラジオ放送から始められたということでございますし、テレビは昭和二十八年からの放送ということで、当初は、初めてのことと未知のことをやるということで大変な御苦労であったし、また逆にパイオニア精神、チャレンジ精神でやってこられたと思うわけでございます。  きょう、NHKの予算に関係しましていろいろなお話があったわけでございます。技術的な側面から、また財政的な側面から、文化的な側面から、いろんな側面からお話がございましたけれども、私はきょう会長に経営的な側面ということで少しお伺いしたいと思うわけでございます。  この間ちょっと資料を見せていただいたのでございますけれども、これはNHKの部内の資料だと思うんですけれども、NEXT10ということで、部内の意識改革運動といいますか、活性化のためのいろんなことをやられておるようでございますけれども、その目的とかねらいというのはどういったものなのか、少しお話しいただけますでしょうか。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 人間も七十になると体に相当いろんな異変が起こります。老廃物もたまっできますし、思わぬところで考え方が空転をしたりするもので、私が実は来年もう七十ですが、そういう意味では身にしみております。同じように、組織も七十年を経ると相当きしみが出てくる、あるいは時代に合わないところが出てきている。そういう感じ方、考え方はないだろうかということで、実は若い人たちが新しいNHKを改革する運動を始めませんかと言ってきたのがこのNEXT10というCI運動の始まりです。  私はそういう人たちと話をして、彼らが、これからの時代を生き残るためにはどうしても我々職員が意識の改革をしなければいけない、自己点検をやって自己改革をするということをやらないとこの組織は生き生きとした活力体にならないと、ですからNEXT10、これからの十年をどう生きるかという形でCI運動を展開したい、ぜひあなたも賛成をしてくれと、こういう話でありました。  私も、たまたま再選の時期を迎えておりまして、この三年間のいろんな苦労を思いますと、やはり組織の中にもう一つ大きな活力を生み出す必要がある、そういうふうに思いまして、それで去年の八月一日でございますか、再任した頭のところでNEXT10というCI運動を始めるといういわゆるCI宣言みたいなことをやったわけでございます。

河本英典各派に属しない議員

○河本英典君 ありがとうございます。  会長のお話の中にもCIという言葉がございまして、コーポレート・アイデンティティーといいまして、民間会社でよくはやったんでございます。巨大なNHKの組織でそういうことをされるというのは大変私は立派なことだと思うんですけれども、逆に大変難しい側面もあるかと思うわけでございます。  NHKも、先ほど申しましたように、ラジオ放送を始めたとかテレビの事業を始めた当初のころは、本当に未知の原野を行くというようなパイオニアの精神でやられたというところにそのよさがあったわけでございますけれども、七十年もたちますと、組織も大きくなってきまして、大変立派な伝統はつくり上げられたわけですけれども、ややもすれば伝統の上にあぐらをかくような側面というのは実際出てきていると思うわけでございます。そんな中で、一方では、阪神・淡路大震災では立派な公共の機関として役目を果たされたという評価もできるわけでございますけれども、そんな中で進めていただいておるということは大変すばらしいことだと思うわけでございます。  NEXT10はCIとおっしゃいましたのですけれども、具体的にどのようなことをされておるのか。また、例えばロゴマークをちょっと変えられたというふうに伺ったんですけれども、どのようなものになったのか。それから、形であるとか色はどういった意味を込めてされたのか。ちょっとお話を例えたらと思います。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) まず、自己点検という運動から始めました。みずからを点検し直そうと。何が今だめになっているのか、何が今足らないのか、何が今行き過ぎているのかそういうことを全部点検をしようということで、これはもう職員全部に対するアンケートをやりました。それから、部外の識者の方にも批判的にNHKの中を見てもらった。そういうアンケートを実施しまして、幾つかの項目が出てまいりました。その項目を逐一我々が洗い出しまして、このことについてはそれではこう考えようというようなことで、今度は自己点検から自己改革へ向かうという段取りになるわけです。  これまで、大体半年の間に自己点検の作業が終わりまして、今度は自己改革の段に入ってまいります。そして、その自己改革の段で改善目標というのをこしらえようということでございまして、現在十ぐらいのぜひ実行しなければいけない問題というのを挙げました。例えば、会議が多過ぎやしないか、もっと議決するスピードを速くじょう、的確にそのことが行われるようにしようじゃないか、それにはどうすればいいんだというふうなこと。それから、組織が生き生きするためにはどうしても人事異動とか評価とかそういうものが大切になりますから、その生き生きした組織にするためにどうすればいいのかというものを考えようとか、あるいはニュースが少しかたくなっていやしないかもうちょっとニュースの中身を親しみやすくてしかもわかりやすいというものにしないかそのためにはどうすればいいんだというふうなこと。  つまりは、いろんなことにわたって改善の目標を今洗い出しております。大体この三月いっぱいでそういうことができますので、後は大きな項目を挙げて、四月以降具体的な実施に取り組んでいきたいと思っております。  それから、先生おっしゃったロゴマークですが、これは実は賛否両論あったんです。ロゴを変えることによってそんなに簡単に世の中が変わるものじゃないだろうというのもありました。しかし、若い人たちがぜひやりたいということでまた持ってきましたので、私はロゴの変更を賛成したわけです。  こういう形にしました。(図表掲示)これはN、H、Kという字を卵の形に囲んでございます。それで、その卵三つが連なっているんですが、精神としては、これまでかたいイメージ、かた苦しいイメージであったNHK、冷たいイメージであったNHKを温かい親しみやすいものにしようと。ですから、Nという字、Hという字が全部丸くなっております。それから、これを囲んで卵がありますけれども、卵の意味するところはやはり生命の根源であります。ですから、ここから生まれて新しく生きていくんだと、そういうこと。それから、三つの卵が寄り添っているのは、お互いに交流をしよう、心の交流をしようじゃないかという意味でございます。そして、このN、H、Kを赤い字にしました。これまでは青い字でございました。赤い字にしたのは、やっぱり情熱的でなければいけない、そういう情熱を込めたNHKにしたいというわけで、こういうロゴマークをつくって皆さんにも御披露申し上げました。  そういう次第でございます。

河本英典各派に属しない議員

○河本英典君 まさに会長のお話を聞いておりますと再創業だというような感じがいたしまして、ぜひともやっていただきたいと思うわけでございます。  資料を見せていただく中で、会長がおっしゃっていたことをちょっと読ませていただいたんですけれども、関連団体、先ほど話がありましたけれども、いろいろ共同のお仕事がある中で、基本スタンスとして、NHKを多彩にすることである、それから協業を通じて学ぶことはコスト意識であるということをおっしゃっておったわけでございます。  本当にこのコスト意識といいますのは、NHKは、営業的なことはされておるわけでございますけれども民間会社じゃありませんし、お役所でもない、ちょうど間のようなものなんでしょうけれども、本当にコスト意識というのが徹底するということは非常に大切なことだと思うんです。反面、そういう訓練を受けておられない方ばかりが集まっておられるところでそういうことをやるのはなかなか大変だと思うんですけれども、ぜひともその辺をひとつ頑張っていただきたいというように思うわけでございます。  NEXT10のような意識改革運動というのは、伝統があればあるほど大変難しいわけでございます。今、再創業のような気がするというふうに申しましたんですけれども、私もかつて民間の会社に勤めたり、仕事でそういうことをしておったわけでございます。そういったことで理想的だと言われておったのは、下から上がってきて、トップダウンに対してボトムアップという言葉があるんですが、これはやっぱり会長の意思でスタートしたのでトップダウンのようでもあるんですけれども、ボトムアップの性格を持たせてやっていきたいという会長の思いがあると思っていいわけでございますか。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 本当の意味のボトムアップでございました。  私も、実はこれだけ若い人たちがNHKの将来に対して、自分たちの行く末に対して非常な情熱を持って考えているということを知りました。それは去年の六月から七月にかけてです。そして、ぜひやりましょうと。当時、私はまだ再選されることが決まっておりませんから、再選されないケースもあり得るんで、そのときはだめだよというふうに言いましたけれども、彼らが非常に情熱を持ってNHKの未来を考えたいと。今、十年一生懸命やることによって、十年の最後の二〇〇五年には、一九九五年のあのときはこういう決心をしてよかったな、そういうふうに我々の後輩が口々に言うようにしたいということを言ってきましたので、私はその上に乗っかったわけです。つまり、完全なボトムアップでございました。

河本英典各派に属しない議員

○河本英典君 わかりました。進行中のことでございますので、結果というのはこれから出てくると思うわけでございますけれども、手ごたえはいかがでございますか。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 多少手前みそに過ぎるかもしれませんが、私は非常に大きな手ごたえを感じております。  一つの例を申し上げますと、この運動を始めたのは八月です。そして、ことしの一月十七日に阪神大震災が起こりました。そして、今度非常に私が心強く思ったのは、あそこに次々と若い人たちをつぎ込んだわけです。そして、若い人たちが自分たちの力で、自分たちの考え方でもってあの震災をどう報道するかということを一生懸命考えてくれた。そして、彼らは自分たちの仕事が終わると次と交代するわけです。交代する人たちのためにメッセージというものを書きまして、例えば、この報道の中では何が一番大事か、何をしてはならないか、どこにどういうものがあるかということを、ちゃんとそれを後ろにバトンタッチをするような格好でやってくれた。それと同時に、いわゆる第一線の取材あるいはアナウンサー、PDというところだけじゃなくて、経理に当たる者、庶務に当たる者たちが、それこそ寝るものも寝ないで、例えば食料を運搬するとか船の手配をするとかいうことをやってくれました。  そういうことが自然にでき上がってきたというのがやっぱりCI運動の一つの成果ではなかったのか。もちろん、ああいうことが起これはNHKに職を置く者は必ず奮起をしますけれども、それでもそういった現象が見られたことは、私は改革推進運動の一つの大きな成果であったというふうに思っております。

河本英典各派に属しない議員

○河本英典君 ぜひとも成功して、活性化を図っていただきたいと思うわけでございます。管轄の郵政省には、NTTであるとかいろいろな事業をされておるところがありますので、その方にもまたいい影響を与えていただきたいなというのが希望でございますので、よろしくお願いする次第でございます。  それから次に、CATVについて少しお伺いしたいと思います。  CATVは、多チャンネル、双方向性ということで、高度情報社会の一つの核と言われておるわけでございますけれども、普及率を見ますと日本は大変低いということです。今後のことになるわけでございますけれども、郵政省はCATVをどのように位置づけておられるかということをきょうはNHKとの絡みで聞かせていただきたいと思います。

江川晃正郵政省放送行政局長

○政府委員(江川晃正君) CATVの位置づけにつきましては、目覚ましい技術革新によって大量伝送とか双方向とかの機能、そういうものを有するようになりまして、今後、通信サービスを含めた多様なサービスを総合的に提供するブルサービス、こう言っていますが、ブルサービス化への展開が可能でありまして、マルチメディア時代の中核的な情報通信基盤として位置づけられるというふうに考えております。  そして、その普及振興策としましても、我々郵政省としましては、事業展開の広域化とか、電気通信事業への展開促進とか、外国企業との連携促進などの施策を打って振興策を講じてきたところでございますが、現在でも、今法律をお願いしておりますが、超低利融資、特別融資制度というのを創設してCATVの光ファイバー網の敷設を支援していこうと考えているところでございます。

河本英典各派に属しない議員

○河本英典君 大変日本の普及率は低いということで、おくれておるわけでございますけれども、逆に言いますと、今後ますます発展する可能性が大だということでございまして、NHKは今後大きな普及が見込まれるこのCATVについてどういうふうに考えておられるか最後にNHKのお考えを聞かせていただいて終わりたいと思います。

菅野洋史日本放送協会理事

○参考人(菅野洋史君) CATVにつきましては、私どもNHKとそれからCATVの事業の発展はそれぞれ共通の基盤に立脚しておるというふうにこれまで考えておりまして、ともに共存共栄の関係をつくりたいということでこれまで協力をしてきたわけでございます。そのために技術面、それから例えば番組を共同で制作しようとか、そういった協力をしてきておりましたが、さらにCATVとNHKの関係を発展させ、そしてより密着した形にしたいということで、昨年の十二月にはまた日本CATV連盟と新しい出発についての話し合いも行ったところでございます。  平成七年度からは、具体的にCATV事業者の中から約二十事業者ぐらいのところを選びまして、それで試行をいろいろやって新たな展開を図っていきたい、さらなる連携の強化を目指したいというふうに思っております。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  鶴岡洋君から発言を求められておりますので、これを許します。鶴岡君。

鶴岡洋平成会

○鶴岡洋君 私は、ただいま承認すべきものと決定いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会の各派及び各派に属しない議員河本英典君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     放送法第三十七条第二項の規定に基づ     き、承認を求めるの件に対する附帯決     議(案)   政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。  一、放送の社会的影響の重大性を深く認識し、放送の不偏不党と表現の自由の確保に一  層努めるとともに、豊かな放送文化の創造に先導的な役割を果たすこと。  一、国際間の相互理解と文化交流の一層の促進を図るため、映像を含む国際放送の拡充  を図るとともに、交付金の確保に努めること。また、国際的なルールづくりに積極的  に貢献すること。  一、協会は、三十五年にわたり教育放送が果たしてきた役割を踏まえ、生涯学習時代に  ぶさわしい教育・教養番組の充実を図ること。また、高齢者や障害者等にも配意した  放送の一層の拡充に努めること。  一、災害時放送の重要性を深く認識し、今次の阪神・淡路大震災による教訓を生かしつ  つ、非常時に備えた放送体制の一層の整備を図ること。  一、協会は、衛星放送を含む受信契約の締結と受信料の確実な収納に努め、事業財政基  盤の充実を図るとともに、視聴者のより一層の信頼に応えるため、経営内容の開示を  積極的に行うこと。  一、ハイビジョン実用化試験放送の円滑な実施に努めるとともに、マルチメディア時代  に向けて、デジタル技術等放送技術の研究開発の促進を図ること。  一、協会は、地域文化の発展に資するよう、地域に密着した放送番組の充実を図り、そ  の全国への情報発信を拡充すること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) ただいま鶴岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 全会一致と認めます。よって、鶴岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、大出郵政大臣及び川日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。大出郵政大臣。

大出俊日本社会党・護憲民主連合郵政大臣

○国務大臣(大出俊君) ただいま日本放送協会平成七年度収支予算等につきましては、慎重なる御審議の上御承認いただき、厚く御礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 川口日本放送協会会長。

川口幹夫日本放送協会会長

○参考人(川口幹夫君) 日本放送協会平成七年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜りまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。  本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程で種々御開陳いただきました御意見並びに郵政大臣の意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。  また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、これを外しまして執行の万全を期したいと考えております。  なお、阪神・淡路大震災への対応につきましては、今後とも被災者の皆様への配慮を初め、被災地の復興に向けて協会としてできるだけのことをしてまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山田健一日本社会党・護憲民主連合

○委員長(山田健一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十二分散会

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