中小企業対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/03/10
会議録
○委員長(石渡清元君) ただいまから中小企業対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨九日、前畑幸子君及び梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君及び大森昭君がそれぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(石渡清元君) 中小企業対策樹立に関する調査を議題といたします。 前回の委員会において聴取いたしました所信及び阪神・淡路大震災に関する報告に対し、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中曽根弘文君 参議院に中小企業対策特別委員会ができまして、きょう初めての大臣に対する質疑となりました。どうぞよろしくお願いいたします。 最初に、中小企業の定義というようなものについてお伺いをしたいと思います。 中小企業は、御承知のとおり日本の産業の非常に基幹的なものでありまして、よく言われますけれども、事業所数におきましては全事業所のうちの九九・一%を占める、また従業員の数にいたしますと四千三百万人、全従業員数のうちの七九・二%に当たる、そういうふうに言われておりまして、日本の経済社会において極めて重要なウエートを占めておるわけでございます。 そこで、日本の経済というのはこれからまた世界経済をある意味ではリードしていく、そういう重要な役割があるわけでありますけれども、その日本経済の新たな展開を図る上で中小企業の果たすべき役割は極めて大きい、そういうふうに考えております。こういうような中小企業の意義、それから国の支援に関します基本的な認識について、まず橋本大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員からも御指摘がありましたように、中小企業というものが、我が国の事業所数でいうならば九九%、また従業員数でいきますならば全従業員の七九%を占める、そのウエートが極めて高いものであり、同時に我が国の経済の活力源であるという事実はもう御指摘のとおりであります。 そして、私は今改めて振り返りまして、私どもの先輩方がこの中小企業というものの日本経済における重要性に思いをいたされてわざわざ基本法までおつくりになっていた、その認識は今になると改めて非常に敬意を表すべき御認識であった、そのような思いがいたします。 そして現在、日本の経済が大きな構造転換の局面を迎えております中で、中小企業の経営にも非常に厳しいものがあるわけでありますけれども、その中小企業の持ち前である卓越した先見性、また旺盛で柔軟な企業家精神、さらにダイナミックな行動力というものを発揮して、積極果敢な取り組みをしていただくことにより新たな市場を開拓し成長していただくこと、これが我が国の産業フロンティアの拡大、我が国の経済全体における活力を維持し、また発展させていく上で非常に大きな貢献をしていただけることが期待をされるところだと思います。 そうした観点から考えてみますと、中小企業の振興というものは先輩方がその基本法を制定された当時以上に重要性を増している、そしてその中小企業の振興というものが我が国の経済の今後のいわば重要なかぎを握っている、そう申し上げても間違いがないと思っております。少なくともそのかぎを握る重要な一つであることだけは間違いがありません。それだけに、通産省といたしましても、その他の分野における通産行政ともちろん有機的な連携をとりながら、市場経済原則の中で活発な環境変化に適応しながら成長していかれるようなそれぞれの自主的努力というものを支援していきたいと心から願っております。 昨年、我が国はAPECにおける中小企業大臣会合を初めて開催し、その議長を務めたわけでありますが、そのAPECにおいても、すそ野産業としての中小企業の育成というものが今後の発展のかぎを握る、そうした認識では各国が一致をいたしました。そして、日本の中小企業政策というものを、そのノウハウを移しかえてもらいたい、そうした要望も各国から非常に強く出されたわけでありまして、私どもは、今空洞化が心配される日本の経済の現状の中で、こうした点にも思いをいたしながら今後の対策をとっていかなければならない、そのような役割が今我々に課せられている、そのように認識をしている次第であります。
○中曽根弘文君 ただいま大臣がおっしゃいましたように、中小企業の本来果たす役割というのは本当に重要なわけでありますけれども、現実には中小企業は大変な円高の打撃を受けておりますし、また近年は開業率も低下をしておりまして、経済社会の構造変化への適応に苦慮している企業が多く見られるわけでございます。 昨年の秋に本委員会ができましたということは、中小企業の皆さん方からは私は大変大きな期待を寄せられているんではないかそういうふうに思いますと同時に、充実した審議を通じて中小企業の発展のために貢献をしなければならないと考えております。 この委員会は、法案を集中的にまた専門的に審議をする、そういうことによってよりきめの細かい政策を推進するということはもちろんでございますけれども、私は中小企業の将来のあるべき姿、そういうものについても広い視野で、また中長期的な観点から議論を行って、そして抜本的な政策とかあるいは提言を行っていくことが中小企業の真の体質の強化と振興に大きく寄与する、そういうふうに思っております。 本委員会の位置づけといいますかどういうふうに本委員会の設置を考え、そして中小企業対策に今後どのように取り組んでいかれるのか、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本日、月例経済報告の閣僚会議が開かれました中でも、我が国の経済というものが、震災の影響、さらにここしばらくの為替の非常に大きな変動といった状況の中にありましてもなお緩やかながら回復の基調をたどっているという報告がなされました。しかし、その中におきましても、実は中小企業の景況回復に向けた動きというものは残念ながら極めて緩慢な状態であります。 そして、急速な円高などを背景にした海外生産の増強でありますとかあるいは海外からの部品調達などの拡大によりまして国内産業の空洞化というものが真剣に懸念されている状況の中におきまして、一方では価格破壊が進行しつつある、こうした中で中小の流通業にも大きな環境の変化が生まれております。 さらに、もう一つの問題点として挙げなければなりませんのは、若年労働力の減少の中で、非常に特化された技術を持っている中小あるいは零細企業、しかし非常に優秀な技術を持っておられる、こうしたところの後継者不足というものが真剣な悩みになってまいっております。これは中小企業庁に昨年行ってもらいました調査等を見ましても、その傾向は否定することはできません。こうした観点からまいりますと、実は中小企業に対していかにして人材を集めるかということも私どもとしては真剣に考えなければならないわけでありまして、それだけ厳しい状況に置かれていることをまず認識せざるを得ないと思っております。 しかし、そうしたいわば極めて厳しい環境の中で、いかにしてこの構造変化を新たなビジネスチャンスとしてとらえていただけるか、そしてその新たなビジネスチャンスというものに対して中小企業が創造性に富んだ活躍をどうして続けていっていただくことができるか、これが我が国経済の活力ある発展には不可欠の要素だと私は信じております。 それだけ中小企業の今後のあり方というものが日本経済の活力の維持発展に重要な課題となっておりますこの状況の中で、今までさまざまなことが模索されてまいりました。その中には、例えば中小企業省といった独立した行政庁を設ける方がいいのではないかという議論もありました。しかし、通産行政全体の中で有機的な連携を持っていく方が結果としてはより中小企業に望ましい行政が行える、そのようなことからそうした構想もまた否定されてまいりました。さまざまな課題が出たり入ったりしてきたここしばらくの間であります。 そうした中で、今回私は、昨年の九月、参議院がこの特別委員会を正式に設置をしてくださいました。そして、中小企業に関する諸問題を調査し、その対策の確立に資する、そのために特別委員会が設置をされたこと、そして本日、中小企業問題についての御審議が開始をしていただけましたことを非常に喜んでおりますと同時に感謝を申し上げる次第であります。 私どもも、院のこうした御努力に報いられるだけ、中小企業の動向を注視しながら、その活力や旺盛な企業家精神というものが最大限に発揮されるような中小企業対策を推進してまいりたいと決意を新たにいたしておりますし、特別委員会の党派を超えての御支援を心からこの機会にお願いを申し上げる次第であります。
○中曽根弘文君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いをいたします。 時間の関係もありますので次に進みたいと思いますが、円高についてお伺いをいたします。 一ドル九十一円台という大変な円高になりました。この円高は、景気の回復に大きく水を差し、日本の経済に大変な影響を与えるわけでありますけれども、輸出企業にとりましてはもちろんですが、アジア地域と競合をして、大手企業のリストラの影響を受けて、ただでさえ回復のおくれが心配されている中小の製造業、特に部品下請産業にとりましてはまさに死活問題で、大変な打撃となることが心配されます。企業はこの数年、人員の合理化や不採算部門の切り捨てなどリストラクチャリングを真剣に進めてまいりましたけれども、為替の方は、円高に追いついたかと思うとさらに高騰するといういわゆる逃げ水円相場となっております。 私の地元の群馬にあります自動車部品製造の会社では、随分前から円高対策に取り組んでおりまして、部品の共通化とか、あるいは製造工程で出てまいります材料の切れ端のようなそういうものの再利用など、必死の合理化に取り組んできました。それでも、採算のとれるレートは一ドル百円以上でありまして、もうこれ以上のコストダウンはもはや不可能である。九十円前後のレートでは、ここ四、五年の企業の生き残りをかけた自助努力も限界を超えて、全くお手上げの状態でございます。 為替レートがもし現在のような水準で定着をして、そして投資マインドが冷え込んでしまいますと、中小企業の出おくれ感というものがさらに強まると思いますし、またもちろん雇用にも大変な悪い影響が出てまいります。特に震災地の被災に遭われた企業の皆さん、そういう方にとりましては震災と円高のダブルパンチということになるわけでございます。 そこで、現下の中小企業の現況、そしてこの急激な円高の影響をどのように大臣は見ておられるのか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) たしか先週の金曜日の本院の予算委員会であったと思いますけれども、日銀総裁あるいは経済企画庁長官等から、やはりこの円高の問題についての御答弁の中で、日本経済は緩やかながら回復基調という言葉がしきりに繰り返されました。 その後、私が指名されました。そして、私が感じているのとマクロでおっしゃる企画庁あるいは日銀の判断とは違いがある、特に中小企業においてこの為替の状況というものを反映した状況というものは非常に厳しい。そして、この為替の状況そのものに対しては通貨当局に最善の御努力をお願いする以外に方法はないけれども、基本的には我々はやはり経常収支の黒字という問題に正面から立ち向かわなければ為替の水準を望ましいものに落ちつけるところにはなかなかいかないだろうと思うと。願わくば通貨当局の御努力が実ることを期待するけれども、同時に我々は本気で経常収支黒字の圧縮のために努力をしなければならない。そのためには現在、通産省も本日午後二時から三百六十九項目についての結果を公表いたしますが、規制緩和への努力等とあわせて、今回決定をいたしております六百三十兆の公共投資というものを、十カ年計画をできるだけ前倒しにしながら、阪神・淡路大震災の復興需要のみならず、これを教訓として災害に強い都市づくりといった柱を立てて補正予算を編成し、マクロの分野における努力を日本も行うという意思表示を世界に行うべき時期が来ているのではないだろうか、そのような御答弁を申し上げました。 ところが、金曜日の夜以降の為替の状況は各委員御承知のとおりであります。けさ、閣議後の閣僚懇談会におきまして、私は改めて公共投資十カ年計画の前倒しと、それによって内需を確実に喚起し得るだけの公共投資を含めた補正予算の編成に言及をいたしました。願わくば、通貨当局の努力によりまして、その中にこの為替の影響を受けた中小企業に対する救済策を検討せずに済む事態が生まれることを今私は心から願っております。
○中曽根弘文君 ありがとうございました。 いろいろ大臣の方でもお考えいただいているわけでありますけれども、とにかく急激な円高ということで、これから廃業とか転業とか、また倒産とか、そういうものが出るんじゃないか、そういうふうに心配をしておるわけでございます。 今、当面の円高に対しまして通産省の方で何か具体的な緊急の措置、緊急の対策のようなものを、先ほどの規制緩和とかあるいは公共投資の推進とかそういうもののほかにございましたら御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 現在の円高がどこまで続くのか、戻るのか戻らないのかといった点もございますけれども、仮に現在のような状況が続くと想定したときに何ができるかということでございます。 これまでの累次の経済対策等で、円高対策も含めまして金融対策等々いろいろなメニューを設定しているわけでございますけれども、私ども今そのメニューを改めて見直しながら、これから先何が必要かという検討を真剣にやっているところでございます。
○中曽根弘文君 とにかく、中小企業の皆さんだけではありませんけれども、円高のこの推移というものを本当に心配して見守っておるわけでございますし、またこれが改善されない、適正な水準に戻らない場合の、そういうときのまた政府の支援というものも期待をしておると思いますので、ぜひその辺よろしくお願いをしたいと思います。 次に、中小企業リストラ法についてちょっとお伺いをしたいと思います。 一昨年の秋に、円高など構造問題に対する中小企業の対応を支援するために中小企業リストラ法、つまり中小企業新分野進出等円滑化法を制定いたしました。伺いますところによりますと随分多くの企業が申し込みをしている、そういうふうに聞いております。また、非常に積極的な取り組みのものも多いようでございますけれども、リストラ法の活用状況について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(安本皓信君) 円高などを契機といたしまして、海外の生産増強、国際競争条件の変化あるいは部品生産の内製化等の構造的変化が生じている。そういうことから、中小企業者が活路を開くために行う新分野進出に対しましてその円滑化を図ることが必要だという認識のもとに、中小企業新分野進出等円滑化法が平成五年の十一月二十五日に公布、施行されたわけでございまして、本法を柱にいたしまして低利融資等の支援措置を講じてまいったわけでございます。 本法につきましては、新分野進出等を積極的に進めようといたします中小企業者の関心が大変高く、平成七年一月三十一日現在で承認件数は全国で千百九十八件、これちょっと内訳を申し上げますと、新分野進出が千十三件、海外展開が百八十八件というふうになっておりまして、この法律を活用している企業の中には、御指摘のように意欲的な事業展開を行うものが大変多いというふうに認識しております。 この新分野進出計画の承認を受けました企業につきましてその具体的な対応を見てまいりますと、興味深いものがたくさんあるわけでございます。例えば、よくホテルとか旅館に非常口というような電気がついたものが出ておりますが、それを、プラスチックであれば従来そこに印刷するというのは非常に暗いものしかできなかったんですが、明るく光るような透明度の高い印刷技術を開発して、あの非常口という看板をもうちょっと小さくすることができるとか、あるいは編み機の製造をしている企業が包装用の機械をつくったり、いろいろ個々の事例を見ましても非常に真剣に中小企業者の方々が新分野進出に取り組んでいるということがわかるわけでございます。 私ども中小企業庁といたしましては、この法律が円高など構造的問題を克服しようといたします意欲ある中小企業者にさらに広く活用されることを期待しておるところでございます。
○中曽根弘文君 昨年、本委員会が設置されまして以来、私どもは神奈川県、東京都また広島県、山口県と視察や委員派遣を行いました。ここ何年かの商工委員会等による視察は、円高や不況で苦しむ企業を訪問して厳しさの実情を調査することが多かったわけでありますけれども、本委員会の視察は、主に技術開発等に意欲的に取り組んで成功している企業を訪問いたしました。 従来の中小企業対策は、特に製造業におきましては弱い体質の企業または不況等で苦しんでいる産業とか企業、そういうものを支援するための施策が多かったのではないかと思います。これらの視察や参考人に対する質疑を通じまして私が感じましたことは、そういう弱者といいますか、そういう弱い者の支援型政策、言いかえれば全体のかさ上げ、ボトムアップ、そういうような形の政策が多かったのではないかと思います。 企業の原点は何といいましても自助努力でありまして、そこから成長とか発展が生まれるわけですので、みずからの研究開発や経営努力で実を上げている会社を支援する、伸びる芽を伸ばしていく、またほかの企業の模範となるそういう例は、そのエッセンスをくみ上げて施策として反映をさせていく、そういう方向に力を入れていく必要があるのではないかと思っております。 今国会に提出されました中小企業関係のこの法案も同様な考えに基づいていることと思いますけれども、このところの急激な円高の対策は別といたしまして、今後の中小企業政策、中小企業施策のあり方、そういうようなものにつきまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今日までの日本経済のたどってきた軌跡の中では、今委員が御指摘になりましたようなさまざまな問題を抱える中小企業、その分野全体をかさ上げしていく、そうしたやり方も必要な時期が随分長く続いたと思っております。 今、金融の世界における護送船団方式がよく論議の対象になりますが、その意味では、日本経済全体がある意味では護送船団方式をとってきたと言えないこともないでありましょう。そして、それはその折その折に私はそれなりの役割を果たしてきたと思っております。例えば、昭和五十年代の初めにおける特定不況業種といったとらえ方、並びにこれに関連する中小零細企業を対象とした、企業城下町を対象とした特定不況地域といったとらえ方、それぞれに私は意味のあったことだと考えております。 しかし、産業構造そのものが大きな変革にさらされている現在であります。従来とはおのずから発想を異にする施策展開を必要とすることは委員が御指摘のとおりであります。そして今、当委員会発足以来目を向けてこられた分野についての御体験を踏まえての御意見であります。私どもも同様な感じを持っております。 そして、その意味では、既に制定をさせていただきました一昨年十一月の特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法、こうした考え方にはその萌芽が既に出ておりました。しかし今回、さらに中小企業の創造あるいは研究開発、その成果の事業化といったものを支援いたしますために中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法を提出し、御審議をお願いするに至りました理由も同じような考え方でございます。 私どもは、こうした施策を中心にしながら、活力のある中小企業というものが経済の構造的な変化に円滑に対応していただけるように、そしてこれを乗り切り、より力強い発展を遂げていただけるように積極的な支援を続けてまいりたいと願っておるところであります。
○中曽根弘文君 先日行いました参考人質疑の中でもございましたけれども、中小企業基本法の中小企業者の範囲に入らないいわゆる中堅企業というんでしょうか、のことについてお伺いをしたいと思います。 中小企業基本法は、昭和四十八年に改正されましてから既に二十年を経過しておりますけれども、経済の発展とともに企業が成長して、現在ではこの定義の枠を超えて、中小企業の各種支援策が適用されなくなった多くの企業があるわけでございます。 例えば、ある卸売業の会社の場合には、時代の変化あるいは要請によりまして、物流センターというような大きな施設を建設しなくてはならなくなり、その設備投資のために増資を行って会社も発展をいたしました。そのために、いわゆる中小企業の範囲、枠を超えて、中小企業に対して行われていた従来からの国の補助とか、あるいはこういう税の特典等が受けられなくなった、そういうふうに聞いております。 今、もう二十年前に比べまして経済の規模も拡大をし、そして中小企業の資本の充実等、そういう観点も考慮いたしますと、基本法の中小企業の範囲、すなわち従業員数あるいは資本金の基準について引き上げる等再検討する必要があると思います。一万それと同時に、中小企業の範囲が拡大されるということになりますと施策の密度が薄まる、そういうようなことのないように、また予算等がそれに見合うような配慮をしなければなりません。また、各種税法についても調整をする必要が出てくるわけでございますけれども、先ほど大臣は、わざわざ基本法をつくったということで、この基本法の重要性というものについて敬意を表されると御発言されました。 そういうことでございますので、この基本法の時代に合った見直しについての大臣の御所見をお伺いしたいと思いますし、また中堅企業、今申し上げましたそういう枠をはみ出た企業に対する支援策についてお考えを例えればと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、中小企業基本法第二条の定義でまいりまして、全国の約九九・一%の事業者が中小企業の定義に該当している。そして、中小企業施策の対象となっているということは委員が先刻お触れになったとおりであります。 そうした状態を認識された上で中小企業の定義についてお触れをいただいたわけでありますが、この点にはさまざまな御意見が現実に存在をいたしておりまして、通産省といたしましても、中小企業政策審議会で一昨年御審議をお願いいたしました。 その六月に取りまとめられましたこの審議会の基本施策検討小委員会の中間報告で、基本法の定義の改正については、今お触れをいただきましたような中小企業対策予算などの制約のもとで、範囲が拡大することによって政策の密度が薄まるなどさまざまな問題が生ずるのではないかといったことから、当面は必要があれば個別施策レベルで対象となる中小企業の範囲の弾力化を検討しながら、中小企業の定義そのものについては継続的な検討課題とすべきであるという結論をいただきました。 こうした報告を踏まえまして、平成五年の十一月に制定いたしました中小企業新分野進出等円滑化法におきまして、ソフトウエア業あるいは情報処理サービス業に係る中小企業の定義を現実の経済の実態に即して拡大したわけであります。 通産省といたしましても、この定義の問題につきましては引き続き検討すべき課題であると考えておりまして、委員御指摘のような個別のケースについてはそれぞれの場面で対応させていただきたい、基本的な定義は今後も検討してまいりたい、そのように考えております。
○中曽根弘文君 今、データを挙げて御説明をいただきましたけれども、この中小企業のカバレッジといいますか、九九%以上というお話でありますけれども、確かに従業員の数で言いますとカバレッジが非常に高い、そういうふうに思います。 ただ、資本金につきましては、私が申し上げましたように、業種によって違いますけれども、八〇%の上の方あるいは九〇%の下というんですか、それぐらいのものも随分出ておるようでございまして、そういう意味からもぜひ引き続いて検討をお願いしたい。また、そういう中堅企業に対する対策を、個別で結構ですからよろしくお願いをしたいと思います。 時間も大分なくなりまして、きょうは被災地の関係の中小企業対策をいろいろお聞きしたいと思っておるんですが、時間も余りないので、二、三被災地関係についてお伺いをしたいと思います。 阪神・淡路大震災の被災地から大企業が移転をしたり、あるいは生産を移したりと、そういうことであの地域における産業の空洞化、そういうものが非常に危惧をされております。このような事態を回避するために、地域の中核となる企業に対する支援策、これを一層充実をしなければならないと考えますけれども、この地域の空洞化と言っていいかわかりませんけれども、そういう問題についてどういうふうにお考えでございましょうか。
○政府委員(牧野力君) 御指摘のように、本地域は工業集積、商業集積の非常に高いところでございまして、この地域の復旧、復興を図るためにも、あるいは中小企業の復旧、振興を図るためにも、中核企業、いわゆる大企業、中堅企業だと思いますが、この中堅企業に対する支援が必要であるということは委員の御指摘のとおりであろうというふうに思います。 私ども、大臣の強い指示もございまして、本件につきまして当初より強く関係当局に働きかけ、政策を考えてきたところでございますが、まず融資、金融でございますけれども、これにつきましては日本開発銀行に災害復旧融資制度を新たにつくりまして、従来からこの開銀の対象でございました電力、ガス等のライフラインについてはより低利の融資を行う。さらに、従来特別な政策的な関連がないものにつきましては対象になっておりませんでした製造業あるいは商業等につきましても、これを新たに開銀融資の対象にいたしております。例えば、小売業の店舗でございますとか製造業におきましては岸壁でありますとかクレーンでありますとか、そういったものも含めまして対象を拡大する、あるいは融資条件も財投金利の低利融資にする、あるいは融資期間につきましても最大限三十年以内、あるいは据置期間五年といったような非常に有利な条件を設定いたしております。 これにつきましては、当然財政的な補助が必要でございますが、六年度の第二次の補正予算におきまして、既に二百五十億円の一般会計からの融資を決定いたしております。本制度につきましては、既に二月の下旬から受付を行っているというふうに聞いております。 さらに、税制でございますが、まず被災企業の再建を支援いたすために、法人税の繰り戻し還付を行う、あるいは地価税、固定資産税等の減免措置、あるいは利子配当等に係ります源泉所得税額の一括還付措置を行うということ。それから、被災地域の復興の促進につきましては、特定の事業用資産の買いかえの場合の課税の特例、あるいは復興投資促進のための特別償却制度の創設ということを既に政府部内で決定をいたしておりまして、できるだけ早く関連法案を提出いたしまして、その成立を図りたいというふうに聞いております。 以上でございます。
○中曽根弘文君 災害が起きましてからもう随分時間がたちました。いろいろな対策を打っていただいておるわけでございます。中でも、ああいう工場関係につきましては、仮設工場とかあるいは仮設店舗とか、そういうものも着々と準備をしていただいているようでございます。実は、こういうものについていろいろお聞きしたかったんですが、時間がないのでこれは省略させていただきますが、ぜひ一日も早くこういう企業が生産がまたできますようによろしくお願い申し上げます。 最後に一つ、新しい町づくりについてお聞きをしたいと思います。 これから、工場や商店を含む地元の都市の再建計画が復興委員会の主導のもとで進められていくと思いますが、通産省では再建される工場の配置について、私が申し上げているのは仮設的なものではなくて将来の本格的な町づくりでございますけれども、その配置につきまして、エネルギーの効率的な利用とかあるいは環境への配慮、そういう観点からこの新しい町づくり、都市の復興について何か御提案がありますでしょうか。また、通産省としてお考えでしょうか。そういう点を一つお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもといたしましては、神戸という土地の持つ性格上、港湾の機能を一日も早く回復することが何よりも大切なこと、そのような認識を持ってまいりました。同時に、その機会に本格的な二十四時間港としての機能を新たに付与してもらいたい、そして非常に大きく変化している海上輸送の形態によりふさわしい新たな港として誕生してもらいたい、そのような願いを込めております。 そうした思いの中で、経済復興プランというものは基本的にやはり地元の自治体、産業界が主導される形で検討が進んでいくべきでありますし、またそうなると考えておりますが、私どもは日本経済の中におけるこの地域の重要性にかんがみて、地域産業構造の将来、現状から将来に向けての像を描きながら、関連する施策のあり方などの検討についてできるだけ知恵を出しながら地元にそれを提供し、あわせて国としての支援を行っていきたい、そのように考えております。 そのためにも、やはり従来から基本的に現地に立地いたしておりました鉄鋼、造船、機械など基幹産業、これに関連する中小企業、あるいはケミカルシューズを初めとする地場の中小企業、そして同時に商店街を初めとする商業、サービス業等が青写真のもとに再建され、そのプロセスにおいて製品をいかに高付加価値化するかこうした点について事業内容の高度化をぜひ目指していただきたい。そして、この地域の持つ歴史、文化などに根差した新規産業をこの機会にいかに創出することができるか、こうした点にも知恵をかけてまいりたいと考えております。 冒頭に申し上げました港湾の競争力のある再生に向けて考えてまいりますならば、早期のインフラ整備といったことに加えまして、港湾サービスのフルタイム化あるいは港湾情報化などのソフト面での利便性向上をいかに組み込むことができるか、そしてその都市の再生を図る中における工場、商業集積あるいはオフィスなどの産業機能立地をどう考えていくかこうした分野に視野を描いてまいりたい、そのように考えておるところであります。 御協力を特にお願い申し上げたいと思います。
○中曽根弘文君 阪神の大震災そして円高と重要な問題が続いておりますけれども、ぜひよろしくお願いいたします。 終わります。
○村田誠醇君 社会党の村田でございます。 中小企業特の審議を始めるに際しまして、普通でいきますと兵庫の震災、それから急激に起こってきました円高、円高というよりもむしろドル安と言った方がより適切な表現だろうと思うんですが、いろんな問題、課題を抱えております。 しかし、それだけではなくて、若干今の政治的な状況のもとで焦点を浴びている問題についても、ひとつ大臣というより政治家橋本龍太郎として、常にいろいろな次の総理大臣の下馬評なんかにおいて必ず出ておりますし、表現が、どういうふうにしていいですか、逃げ込み型なのかそれとも追い込み型なのか知りませんが、好位置をキープしている方として、幾つか私が質問する問題についてどのようなお考えを持っているのかを聞いて本題に入っていきたいと思います。 一つは、戦後五十年ということを迎えて、自民党、さきがけ、社会党の三党の連立政権ができるときの合意事項の一つに国会での不戦決議をしようということがございました。これに対していろいろな御意見がありまして、特に自由民主党の中にはこれに対して反対をする議員連盟もできているというようなことも聞いておるわけです。しかも、そこの中に橋本大臣も入っておられるということが報道されております。 まず大臣に、この国会における不戦決議、あるいはその前提となるさきの大戦に対する考え方みたいなのがこれは当然出てくると思うんですけれども、まずその辺に関する見解について、これは議論しようとは思いませんので、どんなようなお考えをお持ちになって議員連盟に入ったのかをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一点、私は冒頭に申し上げたいと思いますが、不戦決議反対の議員連盟というものは存在をしないと存じます。議員連盟、自民党の中にはたくさんありますが、その中のこうした関連の問題に関心を持つグループの一つに私が入っておりますことは事実であります。 同時に私は、日本社会党と新党さきがけが政策合意をされ、その政策合意を各党に伝達をされ、それぞれの政党の政策責任者から答えを求められましたときの自由民主党の政務調査会長であります。そして私は、両党のおまとめになりました合意の中にこうした問題に触れておられることを承知の上で、テーブルに着けるというお答えをいたしました。そして、大筋は同意ということですねという御確認に対しまして、大筋は同意、そのとおりですということを申し上げました。不戦決議というものに私は反対をしたことはありません。 要は、国会において御検討をいただくことでありますから、我々が本来政府の一員として申し上げるべきことではありませんけれども、委員のあえてのお尋ねでありますから申し上げますならば、その中にどう文章化され盛り込まれるものがあるのか、その中身の問題であろうと思います。私個人からいたしますなら、第二次世界大戦の敗戦後の五十年というものを振り返りながら、その反省の上に立って将来に対する我々の責任と方向を打ち出すことに何ら異論はありませんし、そうしたものをどういう形で表現するかは国会が御判断になるべきことであろうと考えております。
○村田誠醇君 これはやがて出てくると思いますけれども、論争はしませんので、とりあえず聞きました。 もう一つ、政治的にいろいろな意味で問題になっております点をお聞きしたいと思います。 それは、これは震災の地域でもよく言われるんですけれども、国の制度融資はいろいろしていただいている、それはよくわかる、だけれども余りにも細分化され過ぎちゃっていて、窓口に行くと、あっちですよ、この融資はこっちですよ、こういう話になってきて、窓口を一本にしてくれと、つまり特殊法人の政府系の金融機関の窓口を一本にしてくれという要望がかなり強い。 そこで、いろいろな点で言われております国金とそれから環境衛生公庫、これはもう環境衛生公庫は、御存じのとおり実際の貸出機関は全部機関委任で渡しちゃってあって、これとの統合というのについてはほとんど問題がないだろうと私は思うんです。あるいは開銀と北東公庫、これはこの中の機関委任事務もやっておられる。あるいは私は、これは個人の見解ですけれども、輸銀と貿易保険、通産省が所管している貿易保険、これはお金を渡すのか保証枠を渡していろいろやるのかということで、一体的に扱ったらどうかなというふうにも思っているんです。 それは別といたしまして、こういう特殊法人の統廃合に関する大臣の基本的な考え方、省の考え方はあるかもしれませんけれども、大臣の考え方についても一言お聞きをして震災対策の質問に移りたいと思うんですけれども、よろしくお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務方の諸君からは委員の挑発に乗るなという厳しい箝口令をしかれてここに参りましたが、挑発に乗るのではなく、私自身の考え方をお聞きいただきましたので、考え方は率直に申し上げたいと思います。 私どもは通産省として、石炭鉱害事業団と新エネルギー・産業技術総合開発機構の統合とともにアジア経済研究所と日本貿易振興会の統合というものを今回世の中に公表をいたしました。同時に、それぞれの個別法人ごとの事業の合理化、効率化を見直す。これは当然のことであります。 しかしそれ以外に、あえて他省庁の所管の部分でありますので個別の言及は避けたいと思いますが、私は政策金融機関の議論をする場合に幾つかの切り口があろうと思っております。そして、昨年特殊法人の論議が始まりました時点から、私は政策金融を議論する場合に我が国の財政、経済の中における財政投融資の役割というものをまずきちんと見直すべきであるということを申してまいりました。 これは、今回あえて申し上げるのではなく、自由民主党の行財政調査会長時代、また大蔵大臣在任時代を含めまして私の基本的な考え方であります。一体、財投が我が国の経済の中でどれだけの役割を受け持つべきなのか、また財投の役割を減少させていく場合において民間金融機関はどこまでその責任を受けとめていただけるのかまず私はここを見極めることが一番大切なことであると思っております。 そして、民間金融機関がどこまでの役割を負えるという方向を示していただき、結果として財政投融資の占める役割というものが定まってまいりましたなら、その時点で私は政策金融機関のあり方がおのずから決せられるもの、そのように考えております。それが政策金融機関の個別の統廃合の議論から始まるということには、私は財政投融資全体の役割、すなわち政策金融の役割というものが民間金融との間でどうあるべきかについての議論を省略しております点で危惧の念を覚えます。 そして、その上であえて申し上げますならば、国の政策金融にさまざまな姿があることは委員が御承知のとおりでありますが、民間金融機関も、都銀から地銀、第二地銀、信金、信組、さまざまなレベルの金融機関があります。そして、それそれがその役割を分担し、より自分たちの受け持つ部分に対して濃密なサービスを提供し、同時に協力の体制をとっております。私は、政府系金融機関においてそれだけの細かい配慮がなされることが基本的に間違っているとは考えておりません。殊に、冒頭お触れになりました国民金融公庫から環境衛生金融公庫を独立させるに至りましたプロセスの中に私は携わりました一人であります。 当時、国民金融公庫の融資が環境衛生業といった分野に資金配分がなかなか行われない状況が生まれ、その中で国民金融公庫の中に環境衛生部をつくってある程度の枠を与えてみても、現実にはやはりより資金効率のよい部分に資金が集中し、特に零細業者の多い環衛業といった分野には資金が回らなかったという状況の中から環境衛生金融公庫が独立をいたしました。 そうしたプロセスを振り返ってみますと、一つの政策金融機関がすべての国民のニーズに対応できるというのは、理想論としてはそのとおりでありますけれども、そのときそのときの経済情勢によって資金が特定の部分に集中する、あるいは特定の部分に行かなくなるという現実の体験との間に乖離を覚えるというのが私の実感であります。
○村田誠醇君 どうもありがとうございました。 そこで、震災の問題についてお聞きをしたい。 七日、八日と地元に行って、いろいろな中小企業の人を集めて直接声を聞いてきた人が私のところに来まして、まだこういう問題があるよということをいろいろ言っていただいたことを質問したいわけでございます。 一つは、確かに政府あるいは自治体、いろいろ対策を打っていただいている、そのことについては多とするけれども、というのが入っちゃうんですね。つまり、制度としては確かにつくってくれたのは非常にいいんです。ところが、それを相談に行ったときに、ああこの制度でしたらこれは県でございます、これはどこの金融機関ですという形で窓口で振り分けられちゃいまして、また向こうに行って並ばなきゃいけない。どこか一カ所ですべてのことがやってもらえないだろうかということが一つ出てきております。 もう一つは、聞いてみてなるほどなと思ったのは、震災を受けてしばらくしてから相談に行った人が聞いた答えと、二週間ぐらいたってから行った人が聞いた答えと、一日前、今月に入ってから行った人と、確かに政策が違っていますから、どんどんと後からこういう政策こういう政策というのが拡充されてくるたびに、相談に行った人に返ってきた答えがみんな違うんですね。だから、事業者同士が話し合ったときに、いや私はこう聞いたんだけれども、私はこう聞いてきたという、要するにタイムラグによる情報の混乱というのが実は起こっているわけでございます。 それと同時に、相談をしている人は、何か聞くところによりますと全国から一週間交代で窓口に動員されてきているわけですね。そうすると、この人たちもやはり次々と変わる政策あるいは新しい政策に対しての理解が十分でないために、答えることがどうしてもしゃくし定規的な答え、あるいは違った答えをどうもしていて混乱が起こっているんじゃないかというのがあります。 確かに大変難しいところでお仕事をなさっているんで、そのこと自体を決して責めるわけじゃないんですけれども、やっぱりいろんな話を聞いてみますと、そういう情報の送り手と受け手との間のギャップというのがかなりまだ出てきているということがございますので、その辺についてはどんなような対策を打って、いろんなことをやっているとは思うんですけれども、その点についてはどのようにお考えなのかまず長官の方からお聞きしたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘のとおり、被災者の支援のための制度をつくりましたり、あるいは資金を用意いたしましても、これを十分円滑に活用していただけないことには効果が出ないわけでございますので、私どもも特にその点につきまして配慮をしているつもりでございますけれども、まだ不十分な点があろうかと思っております。 一つは、現在現地に中小企業総合相談所というものをつくっております。三カ所つくっておりますほかに、各市町村におきましても商工会、商工会議所の御協力を得まして緊急特別の相談窓口を設置しているところでございます。ここで、各金融機関あるいは団体、国、県、市、それぞれの担当官が張りついておりますので、ここで総合的な御相談に応じる体制を整えているということでございます。 それからもう一つ、中小企業者の方々にお配りするものといたしまして、とりあえずでございますけれども、このようなものをつくりまして、今現地で配布をしているところでございます。 今御指摘のございました、答えがだんだんずれてくるという点につきましても、実は対策が次々に新しくつけ加わるという点もございますのである程度お許しいただきたいと思うわけでございますけれども、新しい制度は既往にさかのぼって適用するということにも努めておりますので、結果的には皆様方に新しいものもお使いいただけるというふうになっているところでございます。 それからもう一つ、相談に乗る人の方も、現時点では緊急動員的な面がございますので、なかなか相談のやり方につきましても足並みのそろわない点があろうかと思いますけれども、これにつきましてもできるだけ早く相談のためのマニュアルのようなものをつくりまして統一をしてまいりたい、かように考えております。
○村田誠醇君 そこでお願いをしたいんですけれども、正常な状態のところ、地域から相談に来られた人が、政府系の金融機関ですから、当然マニュアル書に従ってこういうふうな計画書を出してくださいとか、こういう証明書をつけてくださいとか、添付書類はこうですよと説明をなさるのはそのとおりですし間違いないんですけれども、しかし被災をされた企業もしくは関係者からいいますと、書類一つとりに行くのに、罹災証明書をとりに行くのに一日がかりですよと。というのは、道路が、復旧用の資材を運搬するとかあるいは瓦れきを撤去する、こういうのが優先ですということになりますと、東西に動くのは比較的まだ何とか動きやすいけれども南北に動くというのは非常に難しいんですと。そうすると、この書類あの書類と全部そろえるのに実は一週間も二週間もかかっちゃいますということがあります。 だから、添付書類を、例えば持っていって申請した時点では不足していたかもしれないけれども、後で補充をさせてくれとか、何とかそういう弾力的なことをしていただかないと、ただ単に添付書類が一つないからとか二つないからということではねられちゃいますと地元では大変不便をするということが起こってきます。そういう意味で、添付書類についても極力弾力的に扱う方法を考慮してくれないだろうかということを地元の人たちは言っているんですね。 繰り返しますけれども、一つの書類をとるために一日がかりになるということが実は皆さんが一番今苦労している点でございます。そういうことを含めて、何とか最小限度の書類で、全く添付書類をつけないというわけにはいかないでしょうから、最小限度の添付書類でやれるように工夫をしていただけないでしょうかというのがかなり強い声としてあるわけでございますけれども、その点については、どこの制度とかなんとかということじゃなくて、一般論として何とか簡便な方式をとっていただけないかということの質問でございます。
○政府委員(安本皓信君) 委員御指摘のとおり、今回の震災、大変重大な震災でございまして、被害者の方々、被災中小企業者の方々は大変お困りなわけでございます。したがいまして、可能な限り簡易迅速な融資手続をとらなければならないというふうに私どもも認識しております。 具体的には、災害に係る貸付制度につきましては、融資申し込みの際に必要となります被害証明書につきましては事後的な徴求でもいいというふうなことをしております。これを政府系中小企業金融機関に指示しておりますし、これら機関の内部の手続につきましても、例えば支店長の決裁権限を拡大したり、融資に係る内部書類の一部省略を行うとか、あるいは書類が滅失している場合には弾力的な対応をするようにといったような事務手続の簡素化をできるだけ図っているところでございます。 いずれにいたしましても、被災中小企業者の実情を十分見守りながら、適宜適切に今後とも対処してまいりたいというふうに考えております。
○村田誠醇君 確かに皆さん方はそういうふうにやりなさいということを指示している。それはわかるんですけれども、下に行ったときに、申込書類をばっと出されて、じゃ添付書類はこれだけですよとそれを渡されるわけですね。すると、全部そろえなきゃいけないんですかということを聞く中小企業者なんていないわけですよ。必要書類だと思うから一生懸命やる。 だから、渡すときに、いやこのうち例えばこれとこれとこれはそろえられなきゃ後でもいいですよとかいうようなことを一言言ってあげるだけでも中小企業の労苦というのはなくなるわけですよ。ただ申込用紙をぽっと渡されて説明を受けて、そこの中に書いてある必要書類と言われれば、全部そろえなきゃいけないものだというふうにどうしても思ってしまうわけですね。だから、たくさんの人が来て、相談を受ける方も大変だとは思いますけれども、その一言を言ってあげるだけで随分違うんじゃないかなということがありますので、ぜひお願いしたい。 それともう一つは、たくさん書類が殺到して、処理をしなければいけない方も一生懸命やっているのも、これもわかります。でも、先ほど言いましたように、集中しているために外からの応援部隊がいっぱい来て手伝って処理している。手伝っているがゆえに、今度は、じゃ私の申し込んだ書類はいつごろお金が出るんですか、決裁されるんですかと言ったときに、いやもう向こうへ渡っていますからそのことについてはよくわかりません。つまり、多数の人がやっていますから、前でしたら一人の人がある程度のところまでやるから大体どこまで書類が決裁が進んでいるというのはわかるんですけれども、今はある程度分担しちゃって多く処理していますから後ろの処理がよくわからない、窓口は受け付けるだけというみたいな形になって大変いろんな問題が出ているということがあります。 ですから、中小企業の場合には、申し込んだお金をある程度必要な時期に出してくれなければ、おくれて出てきても実は意味を持たなくなっちゃうわけでございますので、その辺もひとつよろしく御配慮のほどをお願いしたい。 それからもう一つは、これも皆さん方が口をそろえて言っているわけでございますけれども、あの地域で自分が持っていた資産あるいは担保になりそうな物的なものほかなり被災を受けちゃった、あるいは滅失してしまったというケースが多いわけですね。そこで物的な要素だけの担保を要求されたんではなかなかそれにこたえられる企業というのは少ない。 そうすると、物的以外な要素をもっと評価してくれないだろうか、例えば社長の経歴あるいは技術力、あるいは人柄というんでしょうか、経営の見通し、そういった非物的な要素の部分をもっと多く評価してくれないと困りますということが言われてまいります。これも非常に難しい問題だとは思うんですが、ぜひともこの辺についてはどのようなお考え方を持っておられるのかひとつお聞きをしたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) まず最初に、委員のおっしゃいました窓口におけるきめ細かい配慮あるいは担当者間の連携の確保、これらにつきましては、私、再度政府系中小企業金融機関の御担当の方々にもお願いをしたいというふうに思っております。 それから、第二点目の担保の問題でございますけれども、これにつきましては、制度面での配慮と運用面での配慮と二つあろうかと思っております。 制度面の配慮につきましては、既に一月の閣議決定によりまして中小企業信用保険法の特例措置ということをやっているわけでございます。特別小口保険、無担保保険等につきまして付保限度額を倍額化する、あるいは保険料率の低減を図るといったようなことで、無担保無保証保険あるいは無担保保険の拡大を図るということを既に実施をしております。 それから、三月一日に施行されました阪神・淡路大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律に基づきまして、無担保無保証人保険につきまして一千万円の別枠設定を行うことにしたわけでございます。かつ、この枠につきましては、現在五人以下の小企業について無担保無保証人制度をやっているわけでございますけれども、これを中小企業者一般に広げるという措置もあわせて実施をしているところでございます。 以上のような制度的な担保に対します配慮に加えまして、運用面での配慮というものがやはり必要でございます。この点につきましては、一月二十五日に実は通達を出しまして、担保徴求につきましてそれぞれ窓口で弾力的に配慮をしてくださいというお願いをしているわけでございまして、信用保証協会の方でこれへ対応をしていただいているところでございます。またその中で、今御指摘の非物的担保力といいましょうか、これにつきましての配慮につきましてもその一環として含まれておるというふうに考えているところでございます。 担保の問題につきましては大変難しい問題がたくさんございます。担保につきまして非常に緩やかにいたしますと、やはり事故の問題というものもあるわけでございまして、信用保証あるいは信用保険制度全体が健全な姿を損なわれるというおそれもあるわけでございますけれども、これらの点も念頭に置きながら、被災地の実態に合わせた弾力的な配慮がなされるように今後とも努力をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
○村田誠醇君 それぞれやっておられることはわかるんですけれども、無担無保の部分を広げちゃうと、確かに事故が起こったときに大変だとかというのはあると思います。しかし、今この地域では、それをある程度のリスクをかぶってでもやってあげない限りはなかなか直っていかないと思うんです。 そのときに常に問題になるのは、保証協会にだけ責任といいましょうか、代位弁済した残りが行ってしまっては困るわけで、それが保険公庫を通じて最終的には国の財投なりあるいは一般会計の方からの補助金や出資でもって賄えるようなシステムになっているわけですから、じゃこの神戸の地域についてだけ保証協会の代位弁済が起こったときの自己負担をもっと軽くしてあげるとかあるいは全部それをかぶってあげるようなことをしてあげれば僕は思い切ってできるんだろうと思うんですね。それを今の基準で、全国同じ基準でもってやれと言われれば、一番危険性の高いところでは、無担無保の枠を広げても何らそれを使わせてあげるということにはならないんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) これにつきましては、今二つの側面で対応を考えているわけでございます。 一つは、信用保証協会の体質を強化する、このために国としても今支援をしているところでございます。それからもう一点は、信用保険公庫によります再保険でございますので、これのてん補率の引き上げという措置を講じておりまして、従来八割カバーするものを九割に引き上げる、かような措置を講じているところでございます。
○村田誠醇君 この地域で要するに信用不安が起こっているわけでございますから、ぜひともそういう信用補完の方法について検討をお願いしたい。 それでは、具体的なことを二、三お聞きをしたいと思うんです。 労働省の方、来ておられると思うんですけれども、労働省にも大変お世話いただきまして、雇用調整助成金というものを休業状態の解釈を変えることによって今出していただいているわけでございますけれども、この中小企業の負担を軽くするための特例の給料の四分の三を負担していただく措置が本年の三月三十一日までの暫定措置ということになっているわけですね。これは労働省が全体を考えた上で三月三十一日でもって全国的には打ち切りという意味はわかるんですけれども、被災を受けたこの地域だけこの雇用調整助成金については延長してくれという希望がかなり強い。本則に戻されたんでは負担が多くなってしまうということがございまして、この辺について何らかの措置が労働省としてはとれないのかどうかまずお聞きをしたいと思います。
○説明員(井口治君) 今回の雇用調整助成金の特例措置では、被災地内の事業所が被災に伴いまして事業活動の縮小を余儀なくされ、そこに雇用されます労働者の方々を失業予防の観点から休業等を実施する、こういった方々に対しましてこの助成金を支給することといたしました。 この雇用調整助成金の助成率は、現在雇用支援トータルプログラムで高率助成が適用されておるところでございます。今年度中の暫定措置とされておりますこの高率助成でございますけれども、この継続につきまして現在被災地の状況等を見つっ検討いたしておるところでございます。
○村田誠醇君 ぜひ特例で、この地域だけでも延長できるように検討をしていただきたいということでお願いをいたします。どうもありがとうございました。 それから、もう一つ具体的にお聞きをしたい。 この地域、いろいろ震災に遭ったために、振り出しておった手形、小切手が決済できないというのが、二月までの累計で約四千七百枚、累計金額にすると四十五億円程度と報道されているわけでございます。 そこでお尋ねをしたいんですが、これは金融特別措置でもって不渡りにしないために未決済という状態、つまり宙ぶらりんの状態で今進んでいるわけでございますけれども、今度は受け取っている企業から、融資をしてもらう資金つなぎをしてもらうのは結構なんですけれども、それでは自分の企業が倒産防止共済に掛けているこのお金を使いたい、あるいは倒産という事実が発生して融資を使いたいと思っても、片っ方の措置でこれは倒産という状態ではありませんよ、あるいは不渡りじゃありませんよということになりますと、こっちの方は倒産防止共済の資金は使えないということが不満、不平として出てきます。 だから、未決済をすべて不渡りにしろと、そういうことを言っているんじゃなくて、つまり宙ぶらりんの状態になっているわけでございますが、これについても特段の配慮をして何とか共済の資金も使えるようにしてもらえないだろうかということの希望が出ておるのでございますが、これについてはどのようにお考えなんでしょうか。
○政府委員(小川忠夫君) 中小企業倒産防止共済制度、先生御案内のとおり中小企業者の連鎖倒産を防止することを目的といたしまして、中小企業者が拠出した掛金を積み立てまして、加入者の取引先が倒産したときにこれを原資として加入者に無担保、無保証人、無利子の共済金を貸し付けるという、こういう相互扶助制度でございます。 共済金の貸し付け要件である取引先の倒産につきましては、中小企業倒産防止共済法の二条の二項に規定されておりまして、破産等の申し立てまたは手形交換所における金融取引の停止処分があるということになっております。倒産が共済法上これらの事由に限定されておりますのは、共済制度の運営上、倒産の概念を明確にし、すべての加入者がその発生を客観的かつ公平に知ることができるようにするという必要があるからでございます。 先生御指摘のように、今回阪神・淡路大震災という大変な災害の中でさまざまな緊急異例の措置がとられております。先生御指摘のような手形の不渡りの問題につきましても、当面金融取引の停止処分の猶予措置をとるということにされております。したがいまして、現地の方から、債権者が取り立てができない、実際に不渡りになってもこの共済法上の適用ができないというような御不満があるというのも私ども承知をしておりまして、ある面ではそういった御要望についてはごもっともな面があろうかと思います。 私ども真剣にこれを検討してまいりましたが、いろいろな問題点があるということでございます。仮に、異例特例のこととして、不渡り手形を振り出した者であってもこの要件に該当しない者を倒産とみなして共済金を貸し付けることといたしますと、手形が不渡りになったことを知っている者、つまり手形取引をして銀行に持ち込んだらこれはもう不渡りだからと、そういう知っている者のみが貸し付け請求ができて、これを知らない者、例えば掛け売りで行っているような方も随分おられるわけですね、こういった者については貸し付け請求ができないことになってくる。共済事由のそういった客観性とか公平性ということについて問題が出てくるのではないか。 またさらに、倒産防止共済法上とはいえ、公的な機関が不渡り手形を出した者を倒産とみなすというようなことになりますと、その振出人の信用を著しく害することになりまして、今回の金融取引停止処分猶予措置の趣旨にもかえって反するおそれもあるというような幾つかの問題点がございまして、なかなかそういった特例の措置をやることは難しいんではないかというふうに考えているわけでございます。 もちろん、今回の震災に当たって、中小企業者が倒産とかあるいは廃業に追い込まれないことは非常に大事なことでございますので、先ほど来御説明を申し上げましたように中小企業者に対しましてさまざまな異例の金融措置あるいは信用補完措置を講じているところでございまして、これらの措置を積極的に御利用いただくということを私どもとしては期待しているわけでございます。 なお、中小企業倒産防止共済制度の枠内におきましても、共済契約者が臨時に事業資金を必要とするときは、積み立てた掛金の範囲内ではございますが一時貸付金という制度がございまして、この貸し付けを受けることにしておりますので、これも大いに利用をしていただきたいと考えておるところでございます。
○村田誠醇君 制度の趣旨からすればそうだろうというのはわからぬわけじゃないんですけれども、ただ、それぞれ同じ融資をしてもらう場合でも自分で掛けていたものを使いたいというわけですからね。そこら辺は、今言われたようないろんな問題があると思うんですけれども、できる限りひとつ弾力的に扱ってもらわないと、しゃくし定規に全部言われちゃいますと、それは正常な状態ならわからぬわけじゃないんですけれどもというのがみんな返ってくるわけですね。そういう点ではいろんな問題が出ています。そういうことを一々全部役所が聞いていたら大変だということもわかりますけれども、ぜひ考慮をしていただきたい。 それからもう一つ、これは質問通告をしていないので申しわけないんですけれども、大臣に簡単で結構なんですけれどもお聞きしたいんです。 今いろんなところで問題になっていますのは、権利関係者がどこの避難場所にいるのかあるいはどこの地域にいるのかあるいは亡くなられた場合にその相続の関係者がどこにいるのかということが非常にわからないために、例えば倒れかかったビルを壊そうとしても利害関係人に連絡がとれない、あるいはたな子さんからすれば敷金を返してほしいんだけれども大家さんがどこにいるかわからない、あるいはその逆に、大家さんが物を壊そうとしてもたな子さんがどこにいるかもわからない。こういうことが現実に起こっているわけですね。もちろん訴訟になっちゃっている部分もあります。 そういう意味では、権利関係者がどこにいるのかということを個人が一々一々調べ回って捜し回るんじゃなくて、どこかに窓口をつくってあげて、私はこういうところにいます、私はこういう権利を持っていますとかというのを、これは必ずしも通産省だけではなくて法務局も絡んでくると思うんですけれども、そういう何か便利な機関みたいなものを臨時的にでもつくってあげませんと、一々一々被災企業がだれがどこにいるのかということを捜し回らなければ物事が進んでいかないという現実が片方であるわけですね。 そればっかりやれる人はいいですけれども、しかしいろんなことを中小企業の社長はやらなきゃいけないということになりますと、そういった問題についての何か簡便な窓口をつくってあげる、あるいは登録機関というのか届け出機関というのかわかりませんけれども、何か一時的にそんなことを考えてあげる必要があるんじゃないかなと個人的には思っているんですけれども、その点については大臣どんなようなお考えなんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 恐らく私は委員が御指摘になりましたのと同じような発想からであろうと思いますが、関西経営者協会から、被災住民の方々を全部個人情報をコンピューター化し、そのセンターをつくれという御提言をいただいております。ただ、実は私はその内容を見ましたときに、これは確実にプライバシーの問題を起こすとその提案そのものについては思いました。 ただ同時に、委員が御指摘になりますような状況というのは私どもの出先の諸君自体が非常に苦労をしておる部分でもありまして、逆に行政から、先ほどのお尋ねのような、例えば制度が御相談を受けた時点から変化した、それをお知らせしたいと思ってもなかなか連絡がつかない。現実にそういう問題が起きておるわけであります。そして、兵庫県あるいは市、町におかれても、そうした意味での実態把握に大変御努力をいただいておりますけれども、現時点においては有効な手だてが見つかっておりません。 関西経営者協会としては、それを行政に求められ、一時的に住民情報を全部集約してコンピューター化する、オンライン化するという発想を持ってこられたわけでありますが、これも一つの考え方と思い、私はこれは県、市にも伝わっていることでありますので、法務当局等にもその提言が届いている状況を存じております。復興対策本部等におきましても、機会がありましたならばそうした点についてできるだけ早い時期に検討の場を持ってみたい、そのように思います。
○村田誠醇君 どうもありがとうございました。 今回のドル安の影響について経済企画庁にちょっとお聞きをしたいと思います。 先ほども言いましたように、これは円高というよりもむしろドル安の方の側面が私は強いんだろうと思っているんですが、しかし日本国内から見ますとどうしても円高という要素しか出てきません。そのために産業がどんどん空洞化していくじゃないかということの懸念が片方であるわけでございますが、それは言葉をかえて言えば、生産が海外に移転をしている状態だと思うわけです。 ところが、これが完全に三年前、五年前に移行し終わっておればまだいざ知らず、大体統計的にいろいろな数値を見てみましても、生産拠点を日本から海外に移転をさせる、そうするとそれに伴って資本財の輸出というのが日本からどんと出ちゃうわけですね、これは一時的、ある程度の年限が来ればおさまりますけれども。しかし、その後に出てくるのは、今度はそのパーツが日本からまた出ていく。そういう意味で、中間財というんですか、これがどんどんまた日本から出ていく。これはある程度中長期的に続くというのが、今までの統計的に出てきている部分からするとこういうことが起こってくるわけですね。 そうすると、表現は悪いですけれども、それじゃこれだけ円高になりましたから今から生産拠点を移しましょうといっても、この構造が続く限り、つまり現地での、中小企業といいましょうか部品供給といいましょうか、中間財の供給部分がなければ日本から部品がどんどん出ていく。そうしますと、そう簡単に経常収支の黒字幅というのは縮まってこないということが想定されるわけです。そうすると、逆にどんどんとまた円高に振れていくんじゃないか、こういうことが言われるわけです。 そうしますと、日本だけから見たときにはいいんですけれども、アジアやNIESの国から見たときに、今度は日本から輸入する部品、資本財が高くなってくるということになるわけです。高くなっても入れなければしょうがないということで、逆に言うと対日赤字がどんどんと膨れ上がっていくということが傾向として出てくるんじゃないかと思うんです。 ですから、今回の事態が、日本から見たら大変かもしれないけれども、アジアやNIESの諸国から見たときに一体これは貿易関係にどういう影響をもたらしてくるのかなというのがあるわけですね。その点については一体どういうふうなお考えになっているのかなというのが一つなんです。 それは、なぜそういうことを聞くかというと、きょうも言っておりましたけれども、ドルが安くなることによってメキシコのペソに影響が出ているんだよ、とばっちり食っていますよということが出ているわけです。このメキシコの金融危機というものが前回一月に起こったときに、軽微ではあったにしてもアジアの諸国にも実は衝撃が走ったわけですね。メキシコと同じ構造を持っている国が結構あるんじゃないか。 そうすると、関連した金融不安というものが、通貨不安というものが起こるんではないんだろうかということがうわさされ、インドネシアのルビアとかフィリピンのペソ、タイのバーツ、それからマレーシアのリンギーというそれぞれの為替レートに大変な衝撃が走った。これらの国が、今言ったように、じゃ平価の切り下げをするとか為替調整を始めると、また日本にもとばっちりが来てえらい騒ぎになるということになるわけでございます。 そういう点、今言ったようにアジアの方から日本を見たときにこの円高というものがどういう影響をもたらしていくのか、あるいは今回のこの事態が、アジアの通貨あるいはその国の対外的信用度というんですか、カントリーリスクに、あるいは経済政策にどういうような影響を与えると経済企画庁は判断をなさっているのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
○説明員(谷内満君) 現在のような異常な円高が仮に続くということになれば、委員のおっしゃるとおりのような問題が生じてくると思います。 しかし現在、円の対ドルレートを初めとします為替レートの動きは、経済の基礎的な諸条件を反映しているものとは考えられず、極めて投機的な性格の強いものだというふうに認識しております。したがいまして、為替レートが現状のような状態で推移するかどうかは非常に不確定でございますので、我々としては現在のところアジア諸国への影響については特に分析しておりません。 メキシコの情勢がアジアに波及するんではないかという懸念は確かにございまして、確かに通貨の状況につきましては非常に不安定な要素がございますので予断は許しませんけれども、基本的にはアジアの諸国の経済の基礎的な条件は現在のメキシコの状況とは違いますので、その点は考慮する必要があるんではないかというふうに考えております。
○村田誠醇君 アジアに直接影響は出ないだろうと言われておりますけれども、一月のメキシコのペソの危機のときには、軽微でありましたけれども、やっぱり為替調整が行われるんじゃないかということで各国の為替レートあるいは株式市況なんかにもいろんな混乱が一時的にしろ起こったわけですね、日本と同じように、報道されていないだけの話で。そういう意味では、これらの諸国はいずれも対外債務の累積がかなり大きいわけですよ、だから、アメリカが高金利政策なりなんなりをしてドルがばっと一時的に動くという状態が出たときに、やはりこれらの諸国に対する経済構造上の大きな問題が僕は出てくるんじゃないかと思うわけです。 あるいは、日本から輸出されている商品が円高によって引き上がってくるということは、逆の表現をしますと、対日の貿易赤字がこれらの諸国はもっと膨れ上がるということが出てくるわけですね。データからいろいろ見てみると、これらアジアの諸国がアメリカに輸出した部分はほとんど黒字で、日本からNIESへ出ていく相対の取引は日本が黒字。つまり、アメリカからとった黒字がぐっと日本に回ってきているような感じがするわけです。日本の部分がどんどんと膨れ上がっていくということは、これはある意味においてはアジアから見たときにはコストが上がるわけですから、この部分が高くなって売る、売るとアメリカの方がまた赤字幅がふえる、こういう構造になっているんではないかと思うんです。 その辺については、これは通貨の問題だから、あるいは貿易の構造の問題でなかなか難しいと思うんですけれども、この辺の影響についてはかなり注意をしないといけないんじゃないかと思うんです。日本の場合、メキシコというのは直接的な貿易取引がそれほど大きいわけじゃないからいいんですけれども、対アジアの関係からすれば日本は相当のウエートを占めているわけでございますから、この辺の通貨が大きく振れる可能性があるということになりますとかなり注意をしなきゃいけないんだろうと思うわけですけれども、まだその分析もしていないということでしょうし、まだ影響も出ているわけじゃないんですけれども、その辺についてはぜひ注視をして分析を続けていただきたいということで、もう一度ちょっと見解だけお聞きしたいと思うんです。
○説明員(谷内満君) 現在、特に国際金融情勢、委員の御指摘のとおり激動しております。今のところ大きな影響は出ていないのではないかというふうに考えられますけれども、私たちとしても、このような情勢がアジア諸国あるいは世界経済にどのようなインパクトを与えるかということについては注視して勉強を続けていきたいというふうに思います。
○村田誠醇君 もう時間がありませんので、最後に経験豊富な大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、お聞きというより見解をお述べいただきたいんですけれども、いい悪いは別として、資本の取引の自由化が行われたことでこういう投機筋の動きというのが出てきているわけだと思うんです。だから、考え方の一つとして、もう一回管理体制に戻して資本の移動の自由化を阻害する方式がいいんじゃないかという意見を言う人もいるわけですね。これは非常に難しい問題です。 それから、アメリカのドルが基軸通貨として通用しているところに問題があるんだ。じゃどうすればいいかという問題もいろいろあると思うんですけれども、これはもう明らかにアメリカのドルを、一国の通貨を世界の共通の通貨としているところに、アメリカの経済の状態が悪くなってくればこういう問題というのはどんどんと出てくるんだと思うんです。 そうすると、国際通貨のあり方というんでしょうか、あるいは決済をどういう通貨でやるのか単位でやるのかということをよく考慮しないと、一国の経済が赤字になったとか累積赤字がこれだけになったからという信用不安が起こってきますと、アメリカの意思でもってそれでは通貨を縮小させる、あるいは引き締めをするということをいたしますと直ちに国際流動性の不足の問題が片方で出ちゃう。国際流動性を高めて通貨を多く出してくれということになりますと、アメリカが野方図に、表現は悪いですけれども機械で印刷してお金をどんどん出していけば通貨としては回っていくということで、そういう意味では非常に難しい問題を抱えているんだろうと思うんです。 そういう意味で、最後に、どういうふうにやったらいいのかというのは、これは非常に学者の中でもあるいは政治家の中でも分かれておりますし、投機的なやつに税金かけたらどうだという意見を言う方もおりますし、あるいは今やっている先物取引の保証金なり担保しているお金をもっと引き上げるべきだとか、いろんな意見があると思うんですけれども、大臣としてはどんなふうなことをした方がいいのか。なかなか答えは、私もどういうふうに聞いていいのか、なかなか難しい問題もあると思うんですけれども、大臣の御見識を聞いて質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、先ほど経済企画庁の御答弁を伺いながらちょっと異質なことに思いをめぐらせておりました。 と申しますのは、御承知のようにここのところの円高の進展の中で円借款というものに対して各国が見直しの機運を強めております。中には、既に新規の円借は断るということを宣言している国も出ております。また、既往の円借款に対する返済に非常に苦しむ、それがその国の経済に与える影響というものを懸念しながら、日本に何らかの対応を求める声が日増しに強くなっております。そして、それはこの先週末からの異常な円の上昇という局面に至る以前からそうした声が大変強く出ておりました。 私は、経済企画庁のお立場からすれば今のような御答弁になるのだろうと思いますけれども、この後の円による取引あるいは既往の円の返済について、今後アジアを中心とした日本の資金が行っておりました各地域から一体どのような声が出てくるのかを非常に懸念いたしております。これは当然のことながら、今後の日本のODA等にも与える影響は小さなものではありません。 同時に、今委員はドルを基軸としている今の通貨体制というものに対しての問題点を提起されたわけでありますが、私は今、基軸通貨としてのドルを補完する役割がまさにマルクと円に課せられている、しかし残念ながら円はその役割を十分に果たすだけの国際通貨としての評価を得ていない状況にある、そのような実感を持っております。 ただ、そうした感想を持ちますのは、ヨーロッパの経済情勢の変化の中でEBRDが創立になりましたとき、これに対する払込通貨として認められたものはSDRとともにドル及び円でありました。そうした意味では、円自身が国際通貨としても一定の役割を担う状況に育っているということもまた事実であろうと思います。 私は、SDRという通貨単位を先輩たちがお考えになり動かしてこられたのは、まさにドルにかわる基軸通貨としての役割を人為的に創出しようという試みの一つであったと思いますが、これは実体経済の中で必ずしもワークいたしませんでした。しかし、そういう意味での何かのベースを求めたいというのは、ヨーロッパにおける通貨同盟等でも一つの方向として目指すものであろうと思っております。 私は、実は大蔵大臣在任中に、私のときはどちらかというと乱高下でどちらにも振れましたのでてこずりましたけれども、今のような棒上げ一本の状況ではありませんでした。その乱高下の中で、アメリカとドイツに対してある程度の三極通貨のバンドの設定ができないか、一定のバンドの中でその変動をとどめる、そういう仕組みをお互いに考えようじゃないかということを本気で提起をいたした時期があります。 たまたまちょうど両独統一の直後で、マルクがさまざまな問題を抱えておりましたために、検討課題ということでそれ以上論議は深まりませんでした。その時点においては、アメリカは非常に興味を示し、彼らなりのその上下を数字として想定いたした時期もございました。その後、そうした動きはとまってしまっておるようでありますし、そうした議論も必ずしも継続をしてはおらないようであります。 しかし私は、ちょっと今この状況ではそういう話は無理ですけれども、もう少しリーズナブルなラインに為替が収束してまいりました段階では、むしろある程度、日、独、米、あるいは日本、EUそしてアメリカ、この主要通貨のバンド設定といったものは今後本気で考える必要が出てきたのではなかろうか。その上で、先ほど委員が御指摘になりましたような例えばデリバティブなんかに対しましても一定のルールをつくっていく、そうした必要が生まれてきたのではなかろうか、そのような感じを今持っております。
○片上公人君 通産省の皆さんにおかれましては、阪神・淡路のこの大震災に対して、特に中小企業の問題について本当に一生懸命やっていただいておることに対して、地元の一人として心から感謝を持っておるものでございます。 先ほど話がありましたように、今回の急激な円高は、これは何といいましても回復過程にありますところの景気や雇用を直撃しますし、また我が国の経済の基盤をなしておる中小企業への影響はやっぱり深刻だと思います。我が兵庫県神戸では、震災の被害に加えでこのような円高でまさにダブルパンチを受けておる、そういう中にありまして、特に中小企業の円高対策を含めまして迅速的確な対応を望んでおると思います。 そういう意味で、このことにつきまして初めに大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今回の震災、もう御出身の委員には申し上げるまでもなく、私どもが当初の想定をたびたび変更しなければならないぐらい甚大な被害を人命以外にももたらしました。 そして、今ようやく応急復旧から復興へ向かいつつある段階でありますが、御承知のように、例えばライフラインと言われる分野におきましても、ガスが依然として三十万戸余りの供給停止区域を持っている。非常に深刻な状態を今なお継続いたしております。そして、私どもといたしましては、必死で対応をしつつその復旧にこれ努め、これからは復興に努めてまいるわけでありますが、何といいましても非常に産業集積度の高い地域でありましただけに、この影響というものは経済的には非常に深刻なものがありますし、しかもその波及は全国に及んでおります。 そして、その影響を間接被害という観点からとりました場合に、例えば水産物の浜値にも影響が出ている、あるいは九州方面の温泉地における団体客の予約が数十%というオーダーで取り消されている、非常に深刻に広がっております。当然のことながら、それぞれ阪神地域に所在しておられた各企業と取引を持っておられた企業は、これは全国的にその影響を受けている。非常にその影響が甚大でありまして、我々はこれを定量的に把握したいと考えてまいりましたけれども、その定量的な把握は現実には困難であります。 それだけに、今私どもとしては、兵庫県また神戸市がそれぞれに将来に向けての計画を立て、進めていかれようとする中でのそれぞれの施策に全力を挙げて協力を申し上げる、国の姿勢としてはこの一点に尽きておる、そのように考えております。
○片上公人君 答弁の中で若干お願いしておったのがちょっと抜けて……
○国務大臣(橋本龍太郎君) 失礼しました。 そして、その上に為替の状況がいわば上乗せをしてかかってきておるわけでありますから、日本の経済全体にとりましても非常にこの状況が深刻であります上に、被災地域において立ち上がろうとするそれぞれの産業にとりましては、これは対応を過ては致命傷になりかねません。私どもとしては万全の注意を払って対応してまいりたい、そう考えております。
○片上公人君 この震災が起こった後も、先ほども言いましたように通産省の皆さんがいろいろな対応に必死になってやっておるのはこれは我々にもよく伝わっておりますし、また、もちろん大臣個人におきましてもいろんな情報を集められててきぱきと手を打っていただいたということは私も各地で聞いております。そういう中で、この円高の問題につきましても震災のときに打ったような行動をやっていただいて何とか中小企業の人々を守ってもらいたい、こういう思いでいっぱいでございます。 兵庫県の資料によりますと、阪神大震災での商工関係の被害は基盤整備関連だけでも六千三百億と言われております。通産省は、これに対しまして、被災当日の一月十七日にもう直ちに省内で中小企業緊急連絡本部を設置された。さらに、関係省庁中小企業対策連絡会議も引き続き設置して、中小企業の被害状況の把握、当面の緊急措置及び今後の復興対策を検討していく姿勢を示された。 さらに一月二十日には、被害融資に関する特別措置及び中小企業信用保険法の特例措置の閣議決定をされて、二十四日には激甚災害指定により中小企業近代化資金等助成法の特別措置、事業協同組合等の施設の被害復旧事業などを決定された。さらにまた、今般の大震災による中小企業の被害の甚大さにかんがみまして大幅な支援策を講じるために、二月九日に総合的被災中小企業支援対策を決定された。そして今回の緊急立法、補正予算措置に至った、こう承知しておるわけでございます。 先ほども大臣がちょっとおっしゃっておりましたけれども、この震災に対して、一月二十日の決定によりまして震災地以外の関連業者につきましても対象を拡大されたと、中小企業向けの融資三機関の被害融資を適用していくということになったわけですが、取引関係を通じました他地域企業への国内的影響、波及効果というのはどの程度のものと予測しておるのかお伺いしたいと思います。 また、経営相談とか下請中小企業に対する広域的な取引あっせん、官公需の受注機会の確保等による経営安定化支援、さらには被災企業の倒産及び連鎖倒産防止のための信用保証協会による保証の活用、倒産防止共済制度での配慮も同支援策ではなされたようでございますが、これらが被災企業、被災地域だけでなく国内全域にわたる関連企業に対しても効果が及ぶように関係各方面への指導を徹底する必要があると思うんですが、この辺について政府の対応をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 詳細な部分につきましては中小企業庁長官から御説明することをお許しいただきたいと存じますけれども、一点、今通産省の対応をお褒めいただきましたことにお礼を申し上げながら、御披露申し上げたいことがございます。 実は私は、本当にまさに学校へ行く前の娘に起こされて慌ててテレビを見た状況でありましたが、近畿通産局が、みずからの職員も相当出勤のできない状況の中で、独自の判断で朝八時に対策本部を設置し情報の収集に当たり、午前九時にはその第一報を本省に入れてきてくれた、この現地通産局の対応がその後の通産省全体、中小企業対策を含めまして非常に大きかったということは御披露を申し上げたいと存じます。 翌日になりましてもなお連絡のとれない職員が四名おるといった事態でありまして、一時はその職員の安全も非常に心配をいたしました。幸いに全員無事でありまして胸をなでおろしましたけれども、そういった情勢の中で非常に現地通産局の対応が早かったこと、そしてその後も非常に熱心に努力をいたしておりますことはこの場で御披露させていただき、折がありましたなら彼らを激励してやっていただきたい、それがこれから御報告をいたします中小企業庁長官の対策の根幹をなした原動力であったことだけは私から申し上げたいと存じます。
○政府委員(中田哲雄君) 最初に間接被害の程度でございますけれども、実は被災地の企業との取引によります間接被害につきましては全国各地の企業が広く影響を受けているわけでございますけれども、現実に売り上げ減が被災地の中小企業との取引のせいなのかどうなのかといったようなところは非常に判別のつきにくいところがございまして、定量的に把握することが大変難しいわけでございます。 ただ、そうは申しましても、実際に被害のマグニチュードと申しましょうか、広がりを把握する必要がございますので、現在私ども全国の中小企業者に対しまして緊急のアンケート調査を実施しております。現在までに一万程度の企業から既に回答が来ておって、現在分析中でございます。結果はまだこれから取りまとめるわけでございますけれども、全体の様子を見ますと、被災地に対します取引依存度は全国的にならしますとそれほど高くない、近畿、中国、四国は高いわけでございますけれども、全国ベースで見ますとそれほど高くないということでございまして、勢い深刻な影響を受けている企業も限定されているということでございます。これらの深刻な影響を受けているところについてむしろ集中的に配慮していかなきゃならない、かように考えているところでございます。 それから、二点目の経営相談でございますけれども、先ほど大臣の方からもお話し申し上げましたけれども、既に現地で総合的な中小企業の相談窓口を設置して大変に活動をしております。既に一万件を超えます相談件数に応じておるわけでございます。これからますます復興に向かいまして御相談も多かろうと思いますので、このネットワークの御活用ということをしていただくために体制も充実してまいりたい、かように考えております。 それから、下請中小企業でございますけれども、これにつきましては一月二十六日に私の方から各都道府県の下請企業振興協会にお願いを申し上げました。二点お願いをしておりまして、一点は、各都道府県におきまして下請に発注するものがあれば被災地の方に優先的にあっせんをしていただきたいという広域的なあっせんのお願いでございます。それからもう一点は、この災害によりまして従来の親企業との取引が非常に難しくなる場合もあろうかというふうに思っております。下請企業サイドが被災地に立地しております場合もございますし、親企業が被災地に立地している場合もあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても復興の暁には継続した取引が復活されますように、その辺のお願いをしているわけでございます。 それから、官公需でございますけれども、これにつきましても既に各省庁にお願いをしております。先般の復興対策本部におきましても大臣から各閣僚にお願いをしていただいたわけでございますけれども、各省庁それぞれ官公需がございますので、できるだけ被災地向けにこれが発注できますように工夫を凝らしながらぜひこの官公需情報を被災地に届けていただきたい、私どもがそれのあっせん役になりたいということで各省庁にお願いをしているところでございます。 それからもう一点、信用補完でございますけれども、これにつきましても、制度面それから運用面で非常に重要な問題でございますので対応を進めているところでございます。特に、無担保あるいは無担保無保証人によります信用補完というものが可能になりますように、この枠を広げるあるいは対象を広げるといったことをやっておりますとともに、信用保証協会の窓口におきましてもこれが弾力的な配慮が行われますようにお願いを申し上げているところでございます。
○片上公人君 被災地では、既にいろいろ報道されておりますように、ケミカルシューズとかお酒、またゴム製品、ファッション・アパレル、このような我が国の中でも代表するような地場産業はほとんどもう壊滅的な被害をこうむったわけでございます。それに対して、政府の方は激甚災害指定等によってとりあえず中小企業向けのいわゆる融資三機関の災害融資等も開始したほかに、さらに本格的な復興に向けた緊急立法、予算措置を今回出した。 それによりますと、被災中小企業に対しては、激甚の三%から二・五%の低利融資を初め中小企業事業団の災害復旧高度化事業、これの対象拡大によって仮設工場・店舗、賃貸工場団地・商業団地の建設に対して無利子融資を行うことができるようにしていると聞いております。この支援措置が、先ほども話がありましたけれども、PR不足とか面倒な手続によって利用にとにかく支障が生じないように、私は丁寧に関係各方面にこれに対する指導を徹底していただきたい、こう思います。一つは、この辺の政府の姿勢を伺いたいと思います。 また、先日の新聞にも出ておりましたように、兵庫県、神戸市等は今後、中小企業復興融資計画等によりまして当面の緊急対策、また中長期的な再建対策とに分けて単独の中小企業支援策を策定、そして政府に対してもこれらへの支援を要請していく予定と、こう言われておりますけれども、被災事業者の負担を本格的に軽減していくには、やはり被災自治体等が基金を設けて長期的な利子補給等の措置が必要とされております。こうした被災自治体の再建策に対する政府の対応を伺いたいと思います。なお、もしこの被災自治体の中小企業対策について政府からの要望とか意見が逆にあれば、同時にそれについても伺いたいと思います。 以上についてお願いいたします。
○政府委員(中田哲雄君) 最初に、被災中小企業者に対します広報活動でございますけれども、先ほど申し上げましたようにパンフレット等を既につくっていろいろ御相談に応じているところでございます。特に中小企業総合相談所の窓口にたくさんの方がおいででございますので、この方々にこれらもごらんいただきながら、さらに施策の普及に努めていきたいというふうに考えております。また、政府の広報あるいは新聞、テレビ番組等も利用いたしまして既に広報を始めております用地元の神戸新聞というのがございますけれども、先般これに相当大きな広報をやらせていただきまして、反響もあったところでございます。 それから、事務手続でございますけれども、御指摘のとおり被災地の方々は大変にお急ぎの方々が多いわけでございますし、かつまた書類等を整えるのに時間がかかるということではいけないわけでございますので、これにつきましてもさらに事務の簡素化あるいは手続の迅速化ということに努力をしてまいりたいというふうに考えております。先ほど計画部長の方からも申し上げましたけれども、各種の書類、特に被害証明書をとるのに時間がかかるものでございますから、これにつきましては後で補ってもよいというふうな措置で各金融機関にもお願いをしているところでございます。 それから、自治体での基金のお話でございますけれども、基金につきましては先般八日の日に兵庫県の方から御発表がございました。これによりますと、財団法人阪神・淡路大震災復興基金、まだ仮称でございますけれども、こういうものを設置されると。規模につきましては、基本財産二百億と運用財産五千八百億、合計六千億の規模で十年間重点的に事業を実施されるということでございます。 国といたしましては、無利子の貸し付けをこの基金に出すわけでございますけれども、それに当たりましての地方債措置、あるいは利子の九五%を交付税措置で手当てをするといったようなことで支援をするということになっているわけでございます。これにつきましては、中小企業向けの金融につきましても現在二・五%までということで金利の引き下げの措置を講じておるわけでございますけれども、これをさらに一部無利子化するということにもお使いいただけるということで、私ども大変に期待をしているところでございます。 現在、基金につきましては県議会の方で御審議中ということでございまして、来月早々にも設置がなされるんではないかというふうに私ども希望もし、要望もお願いをしているところでございます。
○片上公人君 どうか、さらなる御支援のほどを頼みたいと思います。先ほど同僚の村田先生からもお話がございましたけれども、普通のときと違うわけですから、いろんな工夫をしていただきたいと思います。 今回の融資支援策を見てもわかりますように、中小企業向け融資三機関の被災融資を初め、例えば倒産対策貸付制度とか中小企業設備近代化資金制度、小企業等経営改善資金融資、中小企業高度化融資、中小企業体質強化資金、中小企業信用保険など、中小企業の融資制度は非常に、それだけ努力したんだと思いますが、複雑でわかりにくいという面があります。融資期間、融資対象、融資要件、融資額が少しずつ違うものが種類と名前を連ねているというのが実態ではないか。 こうした複雑な細切れ的な融資制度は、逆に利用事業者にとっては非常に不便なだけじゃなくして、融資コストそのものも引き上げるんではないか。また、先ほどの話じゃないけれども、条件とか手続等で利用者がたらい回しにされたり時期を逸したりしてしまう、こうなったらもう元も子もないと思うんですね。もっとその辺では柔軟で状況に応じた融資が可能になるような制度に改めるように今後改革していく必要がないか、この辺を伺いたいわけでございます。 また、非常事態の中で今までの中小企業なら中小企業という形でこういうのをいろいろ工夫して枠を広げたりなんかしてもらっておるわけですが、中堅で大手企業と言われるようなところでも逆にいろんな苦労をしてなかなかその制度が受けられないまま、このままではもう本当につぶれてしまうようなところも出てきておると思います。 先ほど長官がおっしゃった広報の出た神戸新聞なんかもやっぱりそうでございまして、地元紙としては本当に市民に愛されておる新聞の一つであるんですが、新聞社が入っている神戸新聞会館というのは壊滅しました。コンピューターも全部つぶれてもう新聞はその場でやっていけないという中で、場所を移しまして別のところで、先ほどの通産省の職員と同じように、記者も記者の家族もめちゃくちゃ被害を受けた中で一生懸命新聞づくりに励んで、そして今日まで休まずに市民を激励し続けておるのは、非常にこれはすばらしいことだと思うんですね。 そういうところは、もう一月、二月たって、まだそんなところでやるなら復旧のめどが立たぬ。だから、三宮のど真ん中にあるところですから、例えばそれを今度は新しく修復するにはなかなか難しい面もいっぱい出てきておる。瓦れきの処理も含めまして大変なことになっておる。こういうことについてもいろんな方法を考えてやっていただきたいなと。これは神戸新聞だけじゃなしに各地にそういうのがありますので、全体的な問題ですよ。ふだんであれば、これはこうでこれはこうと言いますけれども、こういう大震災の場合はもう政府として総合的ないろんな形でやっていただきたい。このことについて御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 先ほどちょっと申し落としましたが、自治体に対します国からのお願いという点を先にお答え申し上げますが、これにつきましては、実は毎日、朝昼晩と申しましょうか、現地の県、市と電話等で連絡をとり合っておりまして、お互いに意思疎通をやっております。実際には、物の考え方は地元の県、市と全く私ども一緒に今なっておるところでございまして、具体的な事業の実施段階でのすり合わせということをやっておるわけでございます。そういうことで、現時点で特にお願いをしなきゃならないということはないわけでございまして、むしろ大変な御苦労をいただいておりますので、体を大事にということぐらいでございます。 それから、二点目の金融制度が非常にわかりにくくなっているじゃないかということでございますが、これにつきましては御指摘のとおり、それぞれの時点におきましてそれぞれの政策目的に応じましていろいろな手当てをしてきておるわけでございます。その結果といたしまして、目的、条件あるいは対象、こういったものをそれぞれ異にする制度がたくさん積み重なるということになってきているわけでございます。 これにつきましては、私ども折に触れて見直しをやっているわけでございますけれども、委員の御指摘も踏まえましてさらに簡素合理化する、中小企業者の方々から見ましてわかりやすいものにしていくという努力を続けてまいりたい、かように考えているところでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員は神戸新聞の例を挙げて、復旧に向け地域のためにさまざまなサービスの提供を続けておられる方々に対する話がございました。私どももこれは大変心強いことと、そう受けとめております。 同時に、この被災地域におきましては、多くの関連の中小企業を抱えております大企業、中堅企業が非常に大きなダメージを受け、そのために地域の経済社会あるいは雇用等に大きな影響を及ぼすという心配があることは委員も御指摘のとおりであります。 こうしたものは私どもも同様の問題意識を持ちながら、例えば税制の上におきましてもいろいろな工夫をいたしてまいりました。例えば、震災損失の繰り戻しによる法人税の還付措置などの被災企業の再建支援、同時に、特定の事業用資産の買いかえの場合の課税の特例など被災地域の復興促進についての産業関係の税制措置、また被災地域の経済基盤としての機能を有する新聞業を含めた被災製造企業の生産設備に対する日本開発銀行における災害復旧制度の創設、こうした対案を我々は用意し、こうしたものを活用していただくことによって被災地域の経済の円滑な復興が図られることを心から願っております。
○片上公人君 厚生省の方は来ておられますか。 先ほどの神戸新聞の例でございますけれども、これは三宮のど真ん中にありまして、非常に建物が堅固だから瓦れきにして出すのは相当これは時間がかかるし、また人の動きが激しいから危険の問題もありまして、随分これから苦労するし、復旧が大分おくれるような思いもしておりますが、そういう中でさらにその費用というのは大変なものです。けれども、これはできたら私は撤去費用について公費の対象にということを、新聞というのはこれは一種のライフラインみたいなものですからその辺の応援もしてやってほしいなという思いがありますが、その辺についてお願いします。
○説明員(三本木徹君) 今回の地震災害の特性ということでいきますと、極めて被害が甚大、あるいは多数の建物が倒壊いたしました。このことによりまして、被災地には大変膨大な量の瓦れきが残されておるわけでございます。 従来、これらの瓦れきの収集から処分までは市町村のいわば廃棄物処理事業として、公共の事業として行われてきておりました。今回の特例措置というのはこの損壊家屋の解体までも特例にしようということで、これは市町村の公共の事業として行う範囲をいわば拡大したわけでございます。 この趣旨でございますが、こういう瓦れきの処理をしなければ面的に復興といいましょうかというのがなかなか難しいとか、あるいはこの地域、今回の被害は個人あるいは中小企業者に大変集中しているということもございました。こういった個人なり中小企業者がみずから行うということは現実には難しいだろうというような観点で特例措置というものを設けたわけであります。これはあくまでも公費負担というよりは市町村の公共の事業として市町村が実施をしていく、その対象としたということでございます。 こういうような趣旨から、基本的に大企業の所有する建物の解体処理まで市町村の公共事業として行うということについては相当議論をしたわけでございますが、現段階では難しいものというふうに考えております。しかし、大企業に対する支援策一般につきましてはそれぞれの所管省庁で各種の経済復興のための措置が検討されているというふうにお聞きしておりますので、それでの対応ということを考えていかざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○片上公人君 大臣も先ほどいろんな形での応援のお話をしていただいてありがたいと思っています。これも含めましていろいろ議論されたようでございますけれども、さらにいろいろ検討していただいていろんな工夫を凝らしていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。 今回の震災が、ケミカルシューズ等の地場産業のみならず、鉄鋼あるいは自動車部品等の神戸を支える産業に相当な打撃を与えておりまして、神戸の地盤沈下を引き起こすと同時に、産業基地、貿易基地、その日本の地盤沈下も引き起こしかねないという懸念が生じてきております。国内企業の海外進出、海外資本の引き上げ、あるいは物流、金融取引基地としての地位の低下に一層の拍車をかける恐れはないのか、こういう心配もしておりますが、政府の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本日の朝、月例経済報告を受けました中で顕著に目立ちましたのは、やはり神戸港というものが機能を喪失した結果として輸出入における落ち込みがはっきりと数字の上で出てきていることであります。この一つをとりましても、私は阪神地域がこの大きな被害を受けた結果というものの影響は大変我が国にとって深刻なものだと思います。 と同時に、この阪神地域における地域の中核企業というものが同じこのエリアの中で立ち上がってもらわなければ、関連する中小企業者の雇用等を含めまして非常に大きな問題を起こすという懸念をお持ちの方々がたくさんおられることをよく承知いたしております。そして同時に、その海外移転といったものがどのような問題を起こすかということについても、新たな問題を我々は考えておかなければなりません。 ただ、現時点におきまして私どもが承知いたします限りにおいては、今回の震災を理由に海外進出を計画する企業があるとは承知をいたしておりませんし、また今後どのようになるかを予測することは困難でありますけれども、やはりそれぞれの企業がその場において立ち上がってくれるために我々は全力を尽くして支援をしたいと思いますし、それが被災地域の復興のかぎである、そのように認識しておるところであります。
○片上公人君 これが最後になるわけでございますが、先ほど大臣がおっしゃったように集積の問題ですね、神戸の地場産業というのは、ケミカルシューズだったら縫製とか着色とかいろいろ小さいのが集まって一つのあれができるわけです。だから、その最終的な名前の売れているメーカーというのはそれだけでは生きていかれないのは御存じのとおりだと思うんですよ。各地で小さいのが集まってやっておる。それに対するいろいろな支援もしていただいておりますけれども、さらに細かいことをよく現場の意見を聞いてやっていただきたいというのが一つと、今後これを参考にして、どういう形にすれば地場産業はいいのかということを私は考える必要もあると思います。 もう一つは、対策的に地場産業そのものを復興しようという人と、もうこれはどうしようもないから新しい仕事にいかにゃいかぬという場合につきましても、いろいろ相談するところもないと。先ほど相談所の一万件とかありましたけれども、そのようなこともさらにいろいろ乗ってやって、それが生きていくようないろんな応援をしていただくことは非常に大事なんじゃないか。これは一つの省だけの動きかもしれませんけれども、それが全体を動かすことになると思います。 僕はずっとこの間から何人かに聞いて非常に感動しておるのは、例えば港湾の問題のときに大臣がすぐやってくれたことで港湾の労働者の方がまた働けるという希望を持ってきておるわけですよ。もう神戸の何割かの人が港関係の仕事を実はしておるんですね。その人らが危なくなるという本当に強烈な心配をしておったんですが、それを何とか手を打っていただいたと。 私が思うのは、こういうときには機構とともに個人のいろんな決断みたいなものが大きな意味を持ってくる。そういう意味におきましては、大臣を初め通産省の皆さんのお一人お一人の決断といいますか、情報収集と動きといいますか、これをさらに全力を挙げてやっていただいて、何とか阪神・淡路、見事に復興するように御支援願いたい、このことをお願いいたしまして質問を終わります。
○委員長(石渡清元君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ―――――・――――― 午後一時二十三分開会
○委員長(石渡清元君) ただいまから中小企業対策特別委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として前畑幸子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(石渡清元君) 休憩前に引き続き、中小企業対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古川太三郎君 けさから、円高あるいはドル安、こういった問題と不況ということも重なって中小企業が大変だという議論もございました。その中で、既成の中小企業の保護育成ということも大変大事なことでございますけれども、やはり何といっても新しく企業が出てくるということが非常に大切なことではないか。そういう意味から、日本ではなかなかベンチャー企業が育っていかない、これはどういう原因があるのかどうか。 本来ならば、不況のときこそこういうベンチャー企業が育成される、また出てくるというのが常識でございますし、この総務庁の事業所統計、平成二年七月の統計ですけれども、いずれにしても四十年から四十五年の不況、そしてまた五十年から五十五、六年の不況、こういうときには新しい産業が生まれてくるというのが統計的にも出てきております。しかし今、平成七年になってきますと、元年ごろからどのような産業が出てきているのかどうか今のところは統計がないものですからわかりませんけれども、廃業率よりも開業率の方が低くなっているというのが二、三年前の統計の結果だと思っております。 こういうところで、大臣とされましてはベンチャー企業にどのような考え方をお持ちなのかそのことをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員の御質問をいただきながら、私自身が大変後悔している話から一つ申し上げたいと思うのであります。 委員からも、例えば昭和四十年代における不況の際、新たな産業分野が創出されベンチャービジネスが立ち上がった、今回はなぜという御指摘をいただいたわけであります。そして、国としてさまざまな角度から新規事業育成のために努力をしてきておりますこと、例えば債務保証あるいは出資制度など各種の支援策を講じてきていることは委員御承知のとおりであります。しかし、その四十年代のころと一つ変わっております部分がございます。 それは、いわゆる第二次臨時行政調査会の答申を受け、前回特殊法人の整理統合に政府が着手いたしました時点で、例えば通産省の場合に中小企業投資育成株式会社を民営化いたしました。実は、その土光臨調の以前において、我が国はといいますよりこれは通産省の私は先見性だったと思いますけれども、中小企業投資育成という発想の中で、新たな業の立ち上がり、起業を育成する姿勢をそういった意味でもとっていたわけであります。ところが、昭和五十年代の半ば以降、そうしたブームが一たん去りまして、中小企業投資育成会社に発掘される案件も減少し、確かに私が振り返ってみましても、これを民営化する決断をいたしましたころにはほとんど手がけている案件がないという状況がございました。それだけに、第二臨調の答申を受けて作業していく中で、既に中小企業投資育成会社の役割は終わったという判断をし、民営化に踏み切ったというプロセスがございます。 当時国会の一員としてこれに携わった人間からいたしますと、今実はこれは非常にもったいなかった。今これを持っておればどれだけ機動的に対応できるだろうという思いは日々いたしておりまして、当時行政改革の担当の一人でありました人間として、実は先見性のなさを悔いております。 そして、これから先、一層実は新規事業の育成というものが必要になってきております中で、中小企業ばかりではありませんけれども、私どもといたしましては、業の始まりから店頭公開までの各段階に応じて法的措置を含めた総合的な新規事業支援策の強化拡充を行うという努力をしてまいりますとともに、これを有機的に連携させることによって一層効果的な新規事業の支援を進めていきたいと今も考えております。今国会におきまして、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案を提案し、御審議をいただこうとするわけであります。この中にも幾つかの核を入れております。 しかし同時に、もう一つ大きく必要とするものは、公的資金だけではなく、いかにすれば新規に業の立ち上がりをいたします時点で民間における資金調達が可能ならしめるかということであります。 我が国で新規事業の創出にためらいが見られます一つの原因は、私は民間においてその立ち上がりの資金手当てがなかなか困難であるといった状況も災いしておるものと思っております。御承知のようにアメリカではNASDAQ等、非常に大きな役割をこの分野で果たしているわけでありまして、こうした観点から、通産省といたしましては、店頭公開市場の問題点というものを指摘しながら、具体的な改善策を我々なりにお示しし、関係方面に働きかけを行ってまいりました。 その結果として、大蔵省から昨年末、店頭登録制度の見直しの方向も打ち出されたわけでありますが、一層こうした分野の努力を我々はしていかなければ創業時の支援というものに万全たり得ない、そのような思いを持っております。
○古川太三郎君 今、大臣から、公的資金のみならず民間のお金も吸収できるような施策を講じるということで、大変ありがたいことなんですけれども、民間の会社といえば、これはもう今までは不動産あるいは株券というような担保がなければなかなか貸さなかった。これは銀行としては当然ではありますけれども、銀行自身が非常に大きくなり過ぎて役所的な発想があったんではないか、あるいはまた不動産だけを担保に貸していればそれで間違いなかった、そういう時期からも銀行がなかなか手を出さなかったということも言えるだろうと思うんですが、これからは私は銀行自身の営業の問題として、これはやっぱり今までの方向と大きく転換せざるを得ないだろう、またそうでなければ銀行も生きていけない時代が来るだろう、こう思っております。 何しろ、直接投資ですか、アメリカのNASDAQと比較してみますと、店頭の公開企業というのは日本は十分の一ぐらいしかないんですね、二千五百社でありながらアメリカの方は二万二千社ある。これは非常な大きな違いで、経済規模から考えて十分の一とかいうのはあり得ないことなんです。ということは、やっぱり日本のベンチャー企業が非常に育成しにくいという状況があるだろうと思います。また、取引高においてもこれは非常に大きなもので、日本は九十億ドルぐらい、アメリカは約九千億ドル、百分の一しかない。 これは、統計的に見てもベンチャー企業を非常に冷遇しているんじゃないかと。それだけ店頭市場が発達していない。これはやっぱり日本が今まで持っていた規制というのがあるいは余りにも投資家保護とかいう名目で行き過ぎた枠をはめ過ぎたんではないかなと、そういう考えも一つあると思うんです。 通産省の関係も、今まで独禁法をしっかりとやりなさいという声が大きくありながら、それをサボっていたと言っては語弊がありますけれども、ようやくアメリカからの圧力で若干独禁法も動き出してきた。しかし、いまだに談合体質なんかは最たるものとしてあるわけなんですね。最近も電機の九社でそういったものもあらわれてきた。 やはり既成の経済秩序といいますか、あるいは既成の企業には非常に甘いけれども、新規参入あるいはそういった部分についての規制が多過ぎるんではないか。そこら辺のことでやはりもっともっと開放するという姿勢をとれば、この不況こそベンチャービジネスというのは大きくあらわれてくるんだろう。今、政府がこういうような援助をしたいと言うよりも、むしろ政府が今持っている規制を排除していくということこそ必要な時代ではないかな、こう思うんです。 そういう意味から、私は中小企業というのは官の育成というのも必要ですけれども、それよりも何よりも国民を自由にするということこそ必要だと思っておるんです。現に四十年の不況のときには、非常にたくさんのベンチャービジネスと言っていいのか、新しい産業が出てまいりました。そしてそういうときに、古い、もう構造的に難しいなというような映画や石炭というようなところから非常にいい人材が出てきた、それで大きくばねになったんだろうと思います。また、五十年ごろの造船、重化学工業なんかの不況のときに軽薄短小というような構造的な転換をしまして、そのときにまたファッション関係だとかあるいは第三次産業が大きく発展したと思うんです。 やっぱり今も、こういう不況のときこそ、政府がむしろ規制を緩めてあげれば出てくるだろうということを私期待しておるんですが、大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本日政府は、それぞれの省庁の責任において、昨年の秋内外から御要望いただきましたそれぞれの項目に対する規制緩和の内容を公表いたします。 その中で、例えば通産省の場合、通産省に参りました御要望、項目別でまいりますと三百六十九項目、そのうち我々ができないと判断をいたしましたものは、例えば原子力関係でありますとかある種の化学物質でありますとか、安全に係る分野を中心にして九十七項目、できないというお答えをするものが出ました。しかし、そのうち圧倒的多数は既に措置を開始しておりますし、既に終了したものもございます。 そして、今委員が御指摘をされましたように、私どもはできるだけ規制を緩和していく、殊に経済的な規制というものは緩和していく方向で進むのが当然であると思っておりますし、同時に安全に係る規制というものも、その規制の必要な理由を国民に明らかにしながら対応していく努力は必要であると思っております。そうした努力、その方向はこれから先も我々としては当然のことながら続けてまいります。 ただ問題は、午前中にもちょっと私は申し上げましたけれども、私はベンチャービジネスといいますか新しい芽の起こりづらい原因というものは、もう一つ出生率の低下による若年労働力の供給に困難が生じている状況、これも一つの要因として考えておかなければならない。これは既存の産業の転換の上でも大きな問題でありますが、こうした要素をもう一つ我々は脳裏に描いておかなければならないと思っております。 さらに、過去の不況の時期には、それぞれその時期において人材を必要とする分野がありましたために比較的産業間の労働人口の移動というものはスムーズに行われる素地がありました。現在、非常に厳しい経済情勢の中で、例えば産構審の答申の中でも十二の分野を今後の成長すべき分野として掲げておりますこと、委員御承知のとおりでありますし、情報・通信あるいは福祉・医療開運等々それぞれの分野がこれから育っていくであろうことは間違いありません。 そして、そういう分野に対して我々が資金供給をしながら業の立ち上がりに手をかしていく必要があることは御指摘のとおりであり、それは国が誘導するのではなく、むしろ規制緩和によって自由な発想で行動できる余地を広げることにより対応すべきである、その御指摘はそのとおりに思います。
○古川太三郎君 大臣の御意見を聞いて安心いたしました。 問題を変えますけれども、この七月からPL法が施行になります。そういう中で、最近の新聞をちらちら見ますと、どうも中小企業は製品開発に非常に臆病になっているというような部分もございますけれども、しかしそれは大きな誤りであって、むしろ臆病にならないような形のフォローを逆に政府の方でやっていただきたい。こういう趣旨からお願いをするんですけれども、今までの普及活動で大体そのことについて中小企業の不安がとれたんだろうか、あるいはまた、まだまだ限界があるんだろうかという問題が一つ。 いま一つは、もしもそういう事態になった場合に保険がどのようになるのか。保険の体制もでき上がったように伺ってはおりますけれども、それが万全なことになっているのかどうか。あるいはまた、親会社から子会社がいわれもなき中傷をされるおそれだってあり得ることなんですけれども、そういったことについても政府として万全な措置をされているのかどうか。 ここらあたりをお聞きして、時間が来ましたからお答えをいただいて終わりたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 製造物責任法の施行がことしの七月ということで迫っているわけでございます。私ども、中小企業者がやはり大変に不安をお持ちだということでございまして、相談あるいは各種の講習会等々によりまして制度の内容の周知啓発でございますとかあるいは個別の御相談にも応ずる体制を整えてきておるところでございます。特に、制度導入に伴いましていろいろな混乱が起きないように、現在御審議いただいております七年度予算でいろいろな手当てをしたいというふうに考えております。 一つは、親事業者、下請事業者の関係の御指摘もございましたけれども、こういう紛争の処理等に関します情報の啓発等を行うことを目的といたしまして、都道府県の下請企業振興協会の指導員に対しまして製造物責任法上の問題あるいは対応についての理解を深めるためのVTRをつくりたいということがございます。 それから、同じく下請企業振興協会への顧問弁護士の設置でございますとかあるいは商工会、商工会議所あるいは自治体の施策担当者等を対象にいたしました中小企業事業団によります講習会の開催、パンフレットの作成等々、それからまた組合が実施いたします製品事故等に対応するための調査研究あるいはビジョンの作成等についての補助助成、さらには中小企業金融公庫、国民金融公庫によります製品の安全性向上のための貸付制度の創設といったような手当てをしてきておるところでございます。 それからさらに、御指摘のございました保険につきましては、現在日本商工会議所と全国商工会連合会それから全国中小企業団体中央会が中小企業製造物責任制度対策協議会というものをつくりまして、損害保険会社と各種の交渉を積み重ねまして中小企業者にとりまして使いやすい新しい損害保険制度を発足させることとなったわけでございます。これは、従来の基本保険料率に比べまして約二分の一のコストで中小企業者が加入できるということでございますので、私ども大変に期待もいたしておりますし、また側面からこれを支援していきたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、これまで実績のない分野につきましていろいろ事業を進めていくことになるわけでございますので、中小企業者の方々の御意見もよく伺いながら制度の充実を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○市川正一君 三月八日、円相場が一時一ドル八十八円七十五銭と最高値を更新いたしました。 この問題について橋本通産大臣は何かの記者会見でしたか、非常に深刻な状態、円高になる基本的な問題として経常収支の黒字がある、こう述べられて、そして、一部の大企業による輸出ラッシュによって引き起こされている今日の日本の貿易黒字にも触れられました。一つの見識として私受けとめておりますが、この問題をめぐる議論は改めて、例えば近く提出される事業革新円滑化法案の審議などをめぐって、そこに譲ることにいたします。 本日大臣にお伺いしたいのは、この一ドル九十円割れという異常事態によって、採算のとれる輸出中小企業というのはもう皆無と言って過言でない、そういうふうな状況のもとで、一つは中小企業への影響の認識について、二つはその対策について、三つは、対策の一部ではありますが、この間実施してまいりました金融支援を中心とする中小企業の不況対策、これを三月末で打ち切るんじゃなしに引き続き延長すべきではないかこういう三つについてまずお伺いして、取りまとめて御返事をちょうだいしたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、実は中小企業庁の諸君に大変急いで作業をしてもらっておりますのが、今回の為替の変動の中における、殊に輸出を中心としている中小企業の影響に対する実態把握でありまして、できれば来週中にと思いますが、もう少し時間がかかるかもしれません、早急な把握を目指して今作業を続けておりますということを冒頭申し上げたいと思います。 そして、今委員が御指摘になりましたように、一ドル九十円を超える水準、八十円台というような水準で、中小企業ばかりではなく、恐らく私は大企業でありましても採算ベースに乗りますと言える企業はないであろうと思っております。 昨年、通産省でいろいろ調査をいたしましたときにも、一ドル百円を超えてなお採算分岐点、採算が立ちますと言われる答えは中小企業においてはほとんどと言っていいぐらいありませんでした。そして、圧倒的に多数の中小企業は百十円ラインの下に採算点を持っておったのが実態であります。私は、それぞれの企業はそれなりに経営努力をされて、その後少しずつの採算点の向上は図ってこられたとは思いますけれども、八十円台どころか九十円台、九十四、五円であったとしても私は圧倒的に多数の中小企業にとりましては採算割れという事態であろう、そう考えております。 それだけに、そうした状況の中で、私自身、先週来本当に悲鳴を上げたいような思いでの答弁を予算委員会等でもいたしてまいりました。そして、通貨当局に本当に一層の努力をお願いをし、この時期をなんとかノーマルな数字に落ちつけてもらいたいと、祈るような思いであります。 しかし、それと同時に、私どもとしてこの状態が継続した場合に放置をしておくことはできません。今御審議をいただいております平成七年度予算案そのものは、これほど異常な状態ではありませんけれども、いずれにしても円高対策というものを視野に入れた予算でありましたから、私どもは、当面は長期低利の融資制度であります運転資金支援特別貸付制度、緊急経営支援貸付制度が利用されると同時に、七年度以降におきましては、今回これも御審議をいただこうとしております中小企業新分野進出等円滑化法関連施策の活用とともに、御審議をいただく中小企業の創造活動促進法を中心としての対策で対応してまいりたい、そう考えてまいりました。一層この役割は大きくなった、今そのように認識をいたしております。 同時に、三月三十一日で金融対策など経済対策が切れるわけでありますけれども、これはこれまでの景気動向などを踏まえながら三月末に期限を設定しておったわけでありまして、今、今後の取り扱いにつきまして、この最近の為替の動向、特に中小企業者の資金ニーズなどを見きわめながら真剣に検討したいと考えております。そして、そのためにも実態把握を今急いでおるというのが状況であります。
○市川正一君 真剣に対処したいとお答えいただいたんですが、各都道府県もやはり国の姿勢を見守っているというか非常に注目しております。既に東京、京都、大阪、千葉などでは九月末まで延長を決めているところもありますけれども、そういう事態にあるということを当然認識なさって積極的結論を出されることを要望いたします。 次に、阪神大震災に関連してであります。 先日も本委員会で大臣も約束いただいた仮設工場、仮設店舗の建設が打ち出されました。そして、第一期分として五十二戸の仮設工場の募集が三月五日に締め切られました。機械金属関係が十六戸の募集に対して百八十二件の申し込み、十一・五倍です。ケミカル関係が三十六戸の募集に対して四百八十件、十二・七借の競争率であります。 去る一日に私も直接神戸に行ってまいりました。長田一帯も見てまいったんですが、その際、日本ケミカルシューズの藤本理事長は、三十六戸ではとても足りない、少なくともあと五十社分は必要だ、それも遅くとも四月末までにはと、こう訴えておりました。業者は、工場が全焼してもう何にもない、仮設工場がなければ仕事ができぬ、せっかくの融資制度も仕事をする場所がなくては生かしょうがない、利用しょうがない、こう言っております。神戸市の第二期分の建設は四月以降とも、こう聞いておるんですが、これでは間尺に合わぬのですね。 大臣、仮設工場建設のテンポと規模を早急に拡大することが求められておるものですが、この点についても所見を承りたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般もお答えを申し上げましたように、一月二十八日、私が参りましたとき、私の方から県、市に対して、仮設工場の建設を早くやろうよ、場所を決めてくださいとお願いをし、その結果として三カ所が提示をされ、そこに御承知の、委員が今仰せになったとおりの仮設工場を建てまして、入居の申し込みを受けましたところ、今のような状態になりました。 今、私どもとしましては、事業主体である地方公共団体に対しまして、この応募の状況を見て早く次の土地を決めてくれ、どこに建てればいいのかその場所を早く決めてくれということをせっついております。今、長官に確認いたしましたところ、大体めどがつき始めておるようでありますが、きょう現在、まだ仮設工場用地としてここという提示を自治体から受けている状況ではございません。私どもとしては、地元自治体の場所の選定が終わり次第、第二期の建設計画に入りたい、そう考えております。 委員が御指摘をいただきますまでもなく、私ども自身がこの必要性は痛感をいたしておりまして、むしろ用地の確定を急いでいただきたいと祈るような思いであります。
○市川正一君 その用地の場合に、例えばケミカルの場合、長田区内では今直ちに仮設工場の用地がすぐ探し出せないという状況にあるとすれば、例えば神戸市が提起しているのは、民間賃貸工場建設への支援、それから既存の建物を活用して、これを仮設工場にするというふうな弾力的適用による支援対象を拡大するという方法はあるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員のせっかくの御指摘でありますけれども、私ども地元の地方公共団体と密接に連携をとりながら日々の業務を進めております。そうした中におきまして、例えば既存の民間のあいている工場の活用といった御要望は、実は全く出ておりません。同時に、私どもは地元の中小企業者のニーズをもちろん踏まえながら進めていくわけでありますけれども、具体的に地元の自治体から出ておりません。 そして、これは一つ問題だと思いますのは、もう委員もごらんになったということでありますから建物の状態は御承知だと思いますが、空き工場と言われますものの中で本当にその安全性とかそういった意味で具体的なものがあり得るんだろうか、瞬間的に私はそういう感じがいたします。 いずれにいたしましても、やはり私どもは早く自治体の方で仮設工場の用地をお決めいただきたい、すぐにでも我々はその検討に入りたい、第二期の検討に入りたい、これが偏らない本音の話であります。
○市川正一君 用地は当然のことですが、じゃ、そういう既存の工場なり建物がもしあって、それに対する要望があれば検討の対象にするというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(中田哲雄君) いろいろなケースが想定されますので、ケース・バイ・ケースで検討をさせていただきたいというふうに思います。 ただ、高度化資金の趣旨という点から見ますと、多分既存の工場ということになりました場合には、それの修繕費あるいは賃貸料といったものが資金需要として出てくるわけでございますけれども、そういうものが果たしてそこに入居する中小企業者の将来にわたる事業の高度化というものにリンクすることができるんだろうかどうだろうかといったような、その趣旨、目的上の問題点もないわけではないわけでございますので、さらに検討させていただきたいというふうに思います。
○市川正一君 お互いに検討も研究もしたいと思うんです。 次に、仮設店舗なんですが、商店街やあるいは商店の場合は今までの場所で営業をするということが、工場も長田の場合そうですが、あそこを離れたくないということ以上に、いわば絶対条件になっているわけですね。 私、長田区に本町筋商店街というのがありまして、そこへ行ってきましたが、アーケードは残っているんですが、しかし九十店舗のうち約八割が倒壊して、今店が開いているのは一割から二割ぐらいなんです。商店街全体で復興事業をやるには時間もかかり、土地の権利関係もあってなかなかすぐにはうまくいかぬと。 商店街の中ほどへ私参りました。五つの店舗が連続崩壊しているんです。私、素人写真を撮ってきたんですけれども、これですね。(資料を示す)後でまた見とくなはれ。これがすし屋で飯屋で時計屋で文房具屋です。五軒ぺしゃっとこういっています。それで、その五軒の商店の大将が、仮設店舗を建てて営業できれば商店街に活力を与えるので一日も早くやりたいという意欲を持っているんですが、しかし、自治体による特定の個店用の仮設店舗の建設は公募でないとあかんというふうに言われているというんです。公募という条件は国はつけていないと思うんですが、私が今紹介したような商店街のケースなどについても利用できるように弾力的運用を検討いただきたいんですが、長官いかがでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 仮設の共同店舗をつくる形はいろんな形が考えられるわけでございます。例えば第三セクターによりまして公有地の上に仮設の共同店舗をつくって仮設の住宅等の方々の便宜のために提供する、こういったものもあろうかと思うわけでございますけれども、こういうような場合には当然に公募ということになろうかと思います。 それから、商店街等でいろいろ御相談をされまして関係の商店の方々がお集まりになりまして、そして用地を確保、提供される、そこで高度化事業を利用して事業を行う、こういう場合もあろうかと思います。このような、みずから用地を確保いたしましてみずから仮設店舗をおつくりになろうというような場合には、当然に商店街振興組合の一部としてこういうところが助成対象になるわけでございますので、その場合には公募でなしに当然に参加なさる方々のお店をそこにおつくりになる、こういうことになろうかと思っております。いろいろなタイプがあろうかと思います。
○市川正一君 わかりました。 神戸市は、お聞き及びと思いますが、立地産業である商店街や小売市場の早い立ち直りが市民生活の安定に欠かせないということで、商店街・小売市場共同仮設店舗補助制度というのを三月四日に創設いたしました。これは全壊、半壊、あるいは全焼、半焼して営業不能に陥っている商業者五人以上が共同で利用する仮設店舗で、用地を本人が確保する場合に建設費用の四分の一を神戸市が補助する制度であります。 神戸市は、国が四分の一、県も四分の一、市も四分の一で、本人負担については高度化融資で制度を実現したい、そういう意向でありますが、現在の商業支援高度化事業には個店の店舗に対する支援がないんですね。もちろん共同施設基盤整備への支援は大いに必要なんですけれども、被災地では、まず店舗で営業できて、それで積極的役割を果たす、活性をもたらすという意味合いで、この神戸市の創設した制度について国としても支援措置を検討なさるべきじゃないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 神戸市でお考えの制度につきましては、商店街または小売市場の団体、任意のものもあるようでございますけれども、こういうところがおつくりになりますいわば共同店舗でございまして、これに対しまして四分の一の補助をいたそう、こういうお考えというふうに聞いておるわけでございます。私ども、こういう形で組合等が行います共同店舗ということになれば高度化での支援の対象にもなるわけでございます。 ただ、神戸市のお話を伺っておりますと、こういう補助制度をつくったのは、なかなか高度化等の融資ではうまくいかないという場合があるので補助制度というものを考えているんだというお話もございまして、補助制度と高度化融資との抱き合わせというものが現実的にうまくいくものかどうなのか、こういう問題がございます。これも工場等と違いまして、店舗の場合にはもう非常にいろんなバリエーションがあるわけでございますので、実際の資金の調達の仕方につきましてもそれぞれまたお話を伺いながら対応を考えてまいりたい、かように考えます。
○市川正一君 こういう商店街とか市場というのはある意味で公共的性格を持っているわけで、そういう性格に対応した弾力的運用を、今長官検討するとおっしゃったので、前向きにいろいろ御検討を賜りたいと思うんです。 それで、時間も迫ってまいりましたので、大臣にこの機会にお伺いいたしたいのは、通産省は二月十三日に関係省庁に対して被災中小企業者に対する官公需の受注機会の拡大を要請なさいました。ところが、実際の発注を見ると、例えば仮設住宅の入居者に対するなべかま、あるいは毛布、こういう生活必需品の発注先が、約十億円分調べてみるとコープこうべとかそごうとか大丸とかいうところと契約をしているんですね。そして、地元中小業者に対する発注をもっとふやしてほしいという要望が地域で起こっております。同様に、避難所への食事の供給についても、全部まとめて契約をするんじゃなしに、避難所ごとにきめ細かく実施すれば周辺の地元の飲食業者も受注することが可能だと思うんです。 大臣自身、所信でこう述べておられます。「私は、被災中小企業者の立ち直りは復興の重要なかぎだと考えております。」、こう言われておりますが、だとすれば、官公需を地元中小企業に発注することは、こういう被災した中小企業者のみずからの復旧や復興に向けた動きにつながる大事なモメント、契機になると思うんですね。ですから、復旧、復興の仮設住宅の建設、公共事業についても、大企業が受注した場合、その下請などについては優先的に地元中小業者を使うなど、実際に官公需を発注する出先機関まで徹底を図っていただきたい。 幾つかの具体的例を申しましたが、そういう点の徹底と具体化を再度図っていただきたいということを強く希望いたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は、被災されておられる方々の避難所の給食まで国が口を挟むことは、これは現実としてできません。これは県、市それぞれのお立場で現地において対応される部分であり、その中で、私は県や市も地元の業者の方々の活用については当然のことながら配慮をしてくれるだろうと思いますが、復興対策本部等の組織を通じ、県、市にも改めてそうした点についての御要請があったことをお伝えはしたいと思います。 ただ、官公需の通達につきましては、私どもは、今委員が御指摘になりましたように、二月十三日付、中小企業庁長官からその旨の御連絡を申し上げましたが、必ずしもそうしたものが徹底していないということもありましたので、三月七日に開催されました阪神・淡路復興対策本部で、私自身から各省大臣に対してお願いをし直しました。そして、こういうようにしてほしいという注文を中小企業庁長官の方から各省の事務方に対しても連絡をとってもらっております。 これから先、なおさら私は官公需の受注機会を確保するために、中小企業の皆さんに対してきめ細かな対応が行われるように努力をしていかなければならないと思っておりますし、地元の声というものには十分耳を傾けながら一層の努力をしてまいりたい、そのように思います。
○市川正一君 頑張ってください。終わります。
○翫正敏君 翫正敏です。大臣に質問させていただきます。 アジア経済研究所のことについて質問します。通産省の経済協力部の管轄の外郭団体でありまして、職員数二百四十八名ぐらいの方々がアジアの経済問題の基礎的な研究をしておられるんですが、市谷の本村町にこの研究所はありまして、通産省のODA枠で五十一億円ほどの年間予算が出ているわけであります。 ことしの一月に通産省の方に出された、また私も見せていただいたんですが、「緊急レポート」と題して「ポスト鄧小平時代の対中投資リスク」という題のレポートを出しておられます。毎月ニュースも出しておられるんですが、なかなかしっかりした基礎的な研究をしておられる研究所だというふうに感じたんです。 特に、私この対中投資のリスクというのを熟読させていただいたんですが、たまたまここ一両日の新聞を見ますと、中国の方では全人代ですか、日本の国会に当たるものが開かれておりまして、そこで経済政策についてのいろんな議論がなされております。それが今日の中国の議論の現在の状況としますと、現在から二カ月以上前の段階でつくられている。昨年末ぐらいに資料が収集され、研究されてことしの一月に出されたんだろうと思いますが、特に経済の中でも、日本にとっての投資先としては中国がアメリカに次ぐ第二位の規模になっていること、これは当然のことなんですけれども、ポスト鄧小平時代を迎えるに当たって経済問題としてはインフレの問題が非常に重要になっていると、そういうことを指摘してありますし、それから国有企業の経営請負制と言われている資本主義的な制度の部分的導入でしょうかこういうことについての見直しがなされつつあるというような、こんな指摘などがさまざまな角度から非常に詳しく分析されているところであります。 これ読みながら、さらについ最近の新聞を見ながら、新聞の報道によれば経済改革については軌道修正が必要であるという有力な報告がなされ、また逆には改革断行という方向で進めていかなきゃならないというようなものがあって、対立というんですか、内部のそういうものも見えているというようなことがきょう一両日の新聞に報道されている。こういうことも、この中にはかなり詳しく、もうかなり早い時期に書かれているというようなことで、基礎的な研究としては非常に勉強をさせられる内容だったんですけれども、このアジア経済研究所の現状とそれから今後ということについて、それからこのレポートを読まれた感想ということについて、両方を大臣の方からちょっと説明してください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、この「ポスト鄧小平時代の対中投資リスク」自体につきましては、震災騒ぎもありまして完全に目を通し切っておりません。しかし、そのサマリーは見せていただき、いろいろな意味で考えさせられるものを持っている非常に有効なリポートと、そういう評価をいたしておりました。 ただ、私自身にとりましては、ちょうど湾岸危機から湾岸戦争に移るかどうかという時期に、当時、天安門事件以降主要国の閣僚がだれも中国への訪問をちゅうちょした時期、私は実は主要国の閣僚で初めて天安門事件以降中国を訪問した人間でありますが、その決意を固めるプロセスにおきましても、当時アジア経済研究所のさまざまなリポートを随分有効に使わせていただいたことを今この場で御紹介したいと思います。そして私どもは、実はこうした研究機関を通産省としてその隣接地に持っておりますことを、非常に通産省自体の行政にとっても大きな役割を果たすものと、そう評価してまいりました。 今回、たまたま行政改革の中で特殊法人の見直しというものが議論をされることになりましたとき、私どもは通産省所管の法人のすべてを実は点検の対象としたわけであります。そして、アジア経済研究所というものが、今後発展をしていく我が国のアジアにおける外交、通商すべての分野におきまして非常に大きな役割を果たしてくれるという期待を持ちますし、その役割は一層大きなものになると思っております。それだけに、その機能を今後ともに強化安定させていくための手法としてどういう考え方をとるべきか、随分省内でも議論をいたしました。 そして、そうした中から、御承知のように既に公表いたしております、私どもはジェトロとの組み合わせというものを考えてきたわけであります。むしろ、こうした中で一層アジア経済研究所の持つ研究機能というものが多角的に我が国のために役立ってくれるようなものであってほしいと心から願っております。
○翫正敏君 今、大臣から説明がありましたように日本貿易振興会、ジェトロに組み込まれるということのようですけれども、三年後の一九九八年にこのアジア経済研究所が千葉県の幕張の方に移転をすると、それを期してジェトロとの合併といいますか、組み入れられるという形になるのだろうと思いますが、この移転の理由ということもよく理解ができませんし、特殊法人のリストラというようなことは一般的にいいことであるというように喧伝されているようでありますけれども、先ほど御紹介しましたように、また大臣自身も以前に読まれたことを御紹介してくださいましたように、大変基礎的な研究をきちっとしておられる研究所だと思うんで、やはり現在の研究を引き続きやってもらえるような体制を確保するというようなことが大切ではないか。 このように感ずるんですけれども、移転の必要性というようなところからジェトロヘの組み入れが決まったとするならば、移転それ自体の必要性がどこから出てきたのかというようなこともお答え願えればと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 移転という問題そのものは、政府系の機関の地方移転、首都機能分散という一環の中で今まで論じられ、決められてまいりました一つの方向がございました。ですから、その移転問題どこの問題は切り離していただければと思います。 その上で私どもが申し上げたいと思いますのは、アジア経済研究所は、たしか昭和三十五年だったと思いますけれども、創設をされまして以来、アジアを初めとする発展途上国の基礎的な調査あるいは分析を行ってきた我が国最大の地域研究機関というものであることを非常に高く評価しております。 そして、今後の課題として、たまたまことしは日本がAPECの議長国という立場でもあるわけでありますが、そうした中で、アジア地域と日本の産業というものが国際分業を一層強めていく中において、産業面、貿易面といったこうした分野での情報ネットワークを一層強化していきたい、そしてアジア経済のダイナミックな動きというものを一層的確にとらえていくことが必要だと考えておりますが、アジア経済研究所がこうした機能を一層強化していかれる上で、やはり私はアジアを含む各国の産業界に非常に幅の広いネットワークを有しているジェトロの情報収集能力あるいは調査能力を活用していただくことは非常に有効なものだと、そう判断をいたしました。 同時に、これはジェトロにとっても非常に大きなメリットのあることでありまして、そのアジア経済研究所の有する基礎的な調査分析能力というもの、また広範な人脈というもの、これを活用させていただくことにおいて事業の強化の上にも十分資すると思っております。それだけに、両法人がお互いの持っております機能を補完し合うことによって、私はよりすぐれた機関として生育してくれることを心から願っております。
○翫正敏君 両方のいいところを補完し合って進んでいけばそれにこしたことはないのかもしれませんけれども、ただ、このアジア経済研究所の職員の皆さんが、一月三十一日付で「アジア経済研究所をめぐる特殊法人改革論議に対するアピール」というものを発表されて、そして国内外のこういう関係の研究者の方々にこれを送られて賛同の署名を集められたわけでありますが、参考にちょっと読んでみますと、 いま行政改革の一環として特殊法人の見直しが進められており、アジア経済研究所も整理・統廃合の対象となっています。 しかし、アジア経済研究所の民間法人化や事業内容の異なる機関との統合は、研究所がこれまで果たしてきた発展途土地域の経済、政治、社会に関する国際的な研究センターとしての機能や、発展途土地域に関する図書館・資料センターとしての機能を損なう可能性が大です。 日本と発展途土地域の関係が拡大している今日、アジア経済研究所が整理・統廃合の対象となることに疑問を感じます。 私達はアジア経済研究所の機能を失わせる民間法人化や統合に再考を求めます。 結果としては統合の方に決まったわけですけれども、このアピールに対して賛同をされた方が、三月三日現在で国内九百十八名、海外百七名、合わせて千二十五名の、大学の先生とかこういう関係のさまざまな基礎研究をしておられる人たちからの署名が集められておるということが職員の皆さんから知らされているわけで、その名簿がここにあって、これだけの人たちが、細かい字ですけれども、海外からのと日本のと、こういう形で集められているところであります。 ですから、やはり閣議で決められたのかもしれませんけれども、ジェトロに吸収されるということは、しかしぜひこれは再考をしていただいて、今までの基礎研究をしてきたアジア経済研究所がさらに独自な分野で活動が続けられるように、そしてそのことが例えば今後アジアとの経済関係を日本が積極的にしていく上でのプラスになる、また政府の関係者や我々国会議員に対してこういう資料を提出していただいて、それを勉強することによって一層こういうアジアの問題についての関心が深まる、そういうふうな形でこれが進んでいくようにということを願い、再考をぜひ大臣に促したいわけですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその点は、残念でありますが委員と意見を異にいたします。 ただ、それだけの研究者の方々が、職員が不安を持ち、その研究機能というものをアピールした場合に賛同の署名をされたという重みは、私は非常に大切に受けとめたいと思います。 そして、研究所の職員諸君にどうすれば私どもが目指しておりますものを理解をしていただけるのか、その努力を十分に果たしていきたいと考えておりますけれども、いずれにいたしましても、私どもは実は統合後の法人について、基礎的な調査能力、そして貿易投資に関するネットワークというものを兼ね備えたAPEC諸国との協力の中核的な機関としてこれを位置づけたいと願っておるわけでありまして、そうした私どもの考え方も十分御理解をいただくように努力をすると同時に、そうした職員の不安をなくすためにどうすればいいか、その努力をさせていただきたい、そう考えております。
○翫正敏君 再度、職員の皆さんが書いてくださいました文章を読ませていただいて大臣の参考にしていただきたいと思います。この千二十五名の方々に署名をしていただいたということに感謝の意を込めての文章になっているんですけれども、 この度は、私どもアジア経済研究所職員百七十六名の行政改革についてのアピールに対しご賛同をいただき、大変ありがとうございました。 新聞報道等ですでにご存じかと思いますが、皆様の暖かいご支援にもかかわらず、政府は二月二十四日の閣議で、アジア経済研究所を、日本貿易振興会(ジェトロ)に統合することを決定いたしました。研究所の事業内容に関する議論が全くなされないまま、数合わせのために統合が決定されたことに、私どもは深い憤りを感じております。 政府決定によれば、統合は平成九年度もしくは十年度に行われる予定です。それまでの二-三年の期間に、統合の具体的中身が決定されることになります。私どもは、研究所がこれまで果たしてきた発展途土地域の経済、政治、社会に関する国際的な研究センターとしての機能や、図書館・資料センターとしての機能を維持すべく、今後も多方面に働きかけていく所存でおります。なにとぞ、皆様のご支援とご協力をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。 以下に、これまでの活動を報告させていただきます。 私どものアピールに賛同していただいた方の数は、三月三日現在で国内九百十八名、海外百七名、あわせて千二十五名になりました。海外からの賛同人の中には、橋本龍太郎通産大臣宛に抗議のFAXを発信して下さる方が何人もいらっしゃいました。賛同人のリストは私どもがアピールを持って国会議員に陳情したり、マスコミに働きかけを行う際に、添付資料として使わせていただきました。また、与党行革プロジェクト・チームの委員と通産省には、アピールと賛同人リストを郵送させていただきました。長大な賛同人リストが存在したからこそ、多くの方々に、私どものアピールに注目し、その主張に耳を傾けていただけたと信じております。またその存在が、私どもの活動にとって大きな励みとなりましたことは、言うまでもありません。 残念ながら、結果は私どもの期待とは正反対のものとなりました。しかし敗北感に打ちひしがれることなく、現在の研究所の機能維持とさらなる発展をめざして、引き続き努力していきたいと考えております。今後とも、私どもの活動にご理解とご支援をたまわりますよう、重ねてお願い申し上げます。 アジア経済研究所職員百七十六名 二百四十何名かの職員のうちの有志の方々がこういう文章を書いておられますので、ぜひ御理解を賜りますように重ねてお願いを申し上げて、何かお答えいただければありがたいですけれども。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほども申し上げましたように、私はそれだけの研究者の方々の署名というものの重みを痛感いたします。それだけに、職員の方々が今の機能が低下するという心配を持っておられることに非常に残念な気持ちも持ちます。 それだけに、機能を低下させるのではない、むしろより前進するものにしていきたい、そう考えて、私どもが構想しましたことを十分理解をしていただくように全力を挙げたいと思いますし、同時に、統合されます新しいその後の姿の中に、その職員の方々の不安を取り除くようなきちんとした姿を形づくることによってこたえたい、そのように考えております。
○翫正敏君 終わります。
○大木浩君 今回の阪神・淡路島の大地震というのは、これは非常に日本経済に対して、特にその当該地域の中小企業に甚大なる影響を与えたということは紛れもないわけでございまして、私も重大な関心を抱いておりますけれども、もう既に同僚議員からもいろいろと御質問もありましたので、差し当たってはちょっとこの問題横に置いておきまして、一般的な中小企業についての御質問をさせていただきたいと思います。 実は当委員会におきまして、昨年の十一月であったと思いますが、各中小企業諸団体の代表の方々、中小企業といいましても中から小、あるいは中と大の真ん中ぐらいの方もおられるわけですけれども、四団体からの御意見を伺いました。 いろいろ立場によって違いはあるんですが、共通の御趣旨は、要するに政府の中小企業対策というのが余りにも少ないんじゃないか。例えば、よく出される例ですけれども、中小企業事業者というのは四千万とか五千万とかいろんな数字がありますが、それに対して中小企業予算というのは毎年一般会計でいいますと千八百何億というような数字が出てくる。それに対して農業の方は人口でいえば四、五百万だろう、しかし一兆何千億というような数字が、少なくとも一般会計の方でいろんなものを合わせればそういう数字が出てくるということで、私ども、いやいやそれはそうじゃないんだ、やっぱり違うものを比較しちゃいけないんで、中小企業の方も政策減税だとか財政投融資だとかいろいろやっているんだから、それは何十分の一ということはないでしょうと言っているんですが、なかなか我々は一般の方々がわかりやすいような説明が難しいわけでございます。 大臣はかつて大蔵大臣も務めておられましたし、当然全体を見て中小企業のための施策ということを考えておられると思いますが、どういう説明をしたら日本政府としては中小企業対策をきちっとやっているんだ、ほかの産業に負けないようにやっているんだという説明ができ得るのか。 それともう一つは、ずっと一般会計予算だけで見ておりますとどうも伸び率が余りないものですから、こういう非常に新しい状況で、これから新しいことをやらなきゃいかぬという中小企業に対してこの伸び率の少なさというのも何か非常に気にかかるわけでございますが、その点をひとつ総合的に、まず大臣は現状をどういうふうに御理解になっておるか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常にお答えのしにくい問題点でありますけれども、まずちょっと数字から申し上げてみたいと思います。 中小企業対策と言いましたとき、よく引き合いに出されますのはまさに一般会計の中に占めます中小企業対策関係予算でありまして、これは確かに平成七年度の政府案におきまして一千八百五十七億円という数字であることは御指摘のとおりであります。 しかし、私はそれとあわせて見ていただきたいと思いますのは、例えば金融で申しますならば、政府系の中小企業二機関の貸付残高でまいりますと、平成六年の九月末で約二十九兆円の規模を持っております。あるいは信用保証協会の保証債務残高、これも同じく平成六年の九月末でありますが、約二十七兆円でありまして、これは四社に一社が利用しておられるという報告も受けております。これをあわせて考えました場合約五十六兆円という数字になるわけでありまして、こうして考えてみますと決して私は小さな数字ではないと思います。そして、対中小企業向けの貸付残高三百六十一兆円というその中に占める比率で言いますならば、これは実は一六%のシェアを持つわけでありまして、その規模は決して小さなものではありません。 また、これは平成七年度予算で中小企業対策に係ります産投出資及び財投の規模で申し上げますならば、産投出資は七十一億円でありますが、財投規模としては約六兆円の規模を持っております。 そして税制で、例えば租税特別措置に係る法人税の減税額を平成六年度で試算してみますと、中小法人、すなわち資本金一億円以下のところで千六百六十億円という数字が挙げられておりまして、必ずしも私は中小企業に対する施策というものが他に対して見劣りのするものであるとは思いません。 私が申し上げたいのは、どうぞ一般会計だけでごらんにならないでいただきたい。財投もあれば税制もある。さまざまなものを組み合わせて国は中小企業に対する施策を形成しているんだ、そういうことを御理解いただきたいと思うのであります。
○大木浩君 先般の中小企業対策についての大臣の所信表明あるいはいろいろと政府の関連の説明の文書というところに、中小企業につきましては、中小企業の卓越した先見性とか、あるいはこれからの産業フロンティアを開拓する担い手だとか非常に期待のこもった表現が随所に使われておるわけでございます。そういうお話を聞くと、やっぱり今中小企業というのは、単に今までの延長で安定をねらって従来の続きというようなことではなかなか立ち行かないのではないかというふうな感じを持つわけでございます。 いろいろあると思います。国内におきましても労働力が非常に動いておる。あるいはいろいろと産業セクター別の移動もあるし、これから伸びるセクターもあるし、ある程度これから収拾しなきゃいかぬというようなセクターもはっきり言ってあるんじゃないかと思いますが、特に一番目立ちますのは製造業が生産拠点を海外へ移しておる、これは現象としては非常に目に立つわけでございます。 これは事務方で結構ですが、一体今製造業の海外進出はどの程度の規模で行われているのかまずちょっと数字を教えていただきたいと思います。
○政府委員(牧野力君) 九二年度でございますけれども、製造業全体で大体六・二%海外生産ということでございます。ただ、海外に進出しております企業だけでとってみますと一七・三%ぐらいに相なるわけでございます。ちなみに、米国、ドイツ等におきましては、この数字が恐らく二五%ぐらいになるんじゃないかと思います。 なお、ただ全体はこういうことでございますが、個別の業種をとってまいりますと、例えば自動車でございますが、これはもう三〇%ぐらいが海外生産でございますし、AV機器におきましては七割強海外生産と、こういうふうになっておりまして、大分ばらつきがございます。
○大木浩君 製造業の海外進出、空洞化というような言葉でいろいろと説明しているような向きもあるようですが、これに対して、いやいやこれは空洞化という言葉を使うのがそもそも間違っているんだ、これはむしろ日本の経済の高度化の一つのプロセスだということで、外と内とですみ分けといいますか、生産拠点も日本の中でやれるものはやる、外でやった方がいいものはやるというふうなことで高度化のプロセスだという向きもあるし、いややっぱりこの空洞化現象というのは日本の産業の競争力が減ってきた一つの証拠だというような議論もありまして、いろいろ楽観論悲観論が乱れておるようでございますが、大臣どうでしょう。大臣は、今の製造業の海外進出か流出か知りませんが、これをどういうふうに受けとめておられますでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは冗談で言うのではなくて、私は実は両方とも極端な議論というのは必ずしも合っていないと思うんです。ですから私は、おまえはどう思うかと言われれば、委員が例示で挙げられました二つのケースの真ん中だと、本当にそういう気持ちがするんです。そして、私はこれから先も日本の産業は当然のことながら海外に技術を移転し、生産拠点を移していくケースはあり得ると思いますし、またそれは当然日本経済のためにもやっていかなければならない一つの行動だと思います。 問題は、それが行き過ぎた場合、さらに海外に移転していった跡を埋める産業を育成し損なった場合、それが問題でありまして、我々はその海外へ移転していくことを当然これからの国際分業の中で是認しつつ、それにかわる産業を育てていく責任がある。それに失敗した場合は空洞化というものを本当につくってしまう、そういう事態を招いてはならない、私はそう思うんです。
○大木浩君 ありがとうございました。 それで、先ほども申し上げましたいろいろな中小企業団体の代表の方が来てお話を聞いたわけですが、その中には、通産省のいろんな法律の中小企業対策の対象ということになるとある程度絞られるというようなことで、我々が常識的には中小企業がなと思う中でも、そういった対策よりはもうちょっと大きな、資本金とか従業員で一億とか三百人といったところを超える規模の企業もあるわけです。 我々最近いろんな物の本を読んでおりますと、日本の製造業を支える一つの大きな力はいわゆる中堅企業だということで、これは業界でもあるいは役所の方でも中堅企業というふうな言葉は随所に使っておられるようでございますが、まず、今申し上げましたような中堅企業の役割といいますか、将来への役割あるいは現在の役割というものについてどういうふうに通産省は受けとめられるか、ちょっと概略的に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(牧野力君) 従来、日本の経済を支え、これを引っ張ってきたのは素材であり組み立て加工であったわけでありますが、自動車でありますとか鉄鋼でありますとかエレクトロニクス等、こういったものはいわゆる一極集中のリーディングインダストリーが中心となる、つまり大規模企業が中心でこれを支えてきたということであろうかと思います。 ただ、御指摘がありましたが、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、今後の日本の産業のこういった成熟産業にかわって新しい分野をつくっていかなきゃいかぬわけですが、マルチメディアでございますとか住宅関連でありますとか、あるいは保健・健康でありますとか、そういった分野の産業がこれからどんどん出ていかなければならないわけですけれども、こういった社会のニーズに対応して非常に機動的にかつ柔軟にやっていけるというのは、私どもはいわゆる中堅的な企業、中堅企業と言っても非常に大きな差がある、上は大きいのから下は小さいのまであると思いますけれども、従来のいわゆる大規模企業よりもいわゆる中堅企業がそういった役割を果たすのに非常にふさわしくなっているんじゃないかというふうに思います。 現在、そういった状況が数字的に必ずしも明確に出ているわけではありませんけれども、雇用におきましても、あるいは製品の出荷額におきましても、いわゆる超大企業の伸びよりもいわゆる中堅企業の伸びの方が、これは若干でありますが最近ふえているという傾向にやはりございます。 かつ、今後従来の大規模企業も従来の事業をより円滑に推進していく、あるいは新しい分野に進出していくというためには、現にあらわれておりますけれども、例えば分社化でありますとか事業部制にしてまいりますとか非常に柔軟に人材、技術、経営資源を活用できる、それを機動的に活用できるような、いわば大きな企業の中に中堅企業をどんどん持っていくというような形態になってきていると思います。 さらには、これは関係者の中でまだ統一した結論は出ておりませんけれども、現在日本で禁止されております純粋持ち株会社、こういったものを活用して、より中堅企業的な経営主体によって機動的にこういった新しいニーズにこたえていくべきではないかという要請も非常に出ております。そういった意味合いにおきまして、委員御指摘のように今後中堅企業の役割が非常に増大していくというふうに考えております。
○大木浩君 非常に成功しておる中堅企業というのがどうしてそんなに成功したんだというのをいろいろ調べたり物の本を読んだりしておりますと、一つはとにかく経営者が非常なリーダーシップを発揮して頑張っておるということ、それからもう一つは独特の技術を開発して世界のどこに出しても負けないというようなことで、特定の商品については本当に中小企業とはいえ世界のマーケットの八〇%とか九〇%を独占しておるというような話で、ナンバーワンではなくてオンリーワンと言って威張っておる企業者もおるようです。 そういったのもあるようですが、そういった中堅企業がこれからもどんどんと発展する、あるいは新しいものが出てくるためには、やはりまたひとつ政府としてそれなりの支援策も考えなきゃいけないと思うんですが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、いわゆる中小企業対策というのは、むしろもう少し低いところの企業、もっと小さいところの企業を対象としているからなかなか中堅企業の方に回らないんじゃないかというような感じもするわけでございます。 そうすると、じゃどうするかということで、一般の金融市場でちゃんと資金が調達できるようなことも一つの方策だと思います。先ほど大臣の方も店頭株公開とかいろいろなお話がございました。この辺非常に技術的な問題ですけれども、そういったものも一般論として、単に政府のいろんな施策ではないけれども、そういった一般市場での資金の調達、あるいは先ほども途中ちょっとお話が出ておりましたか、政府の金融機関で、いわゆる中小企業関係の金融機関ばかりじゃなくて、例えば開銀あたりでもいろいろと御協力をいただく方策はないかというふうなことがあるんですが、少なくともこの間中小企業団体の代表の御発言ではなかなかそちらの方は余り思うようになっていないというようなお話がございました。 どうなんでしょう、これからだんだん中堅企業をもっと育てるためにどういったところに重点を置いて支援策を進めていくのがいいのかひとつお話をいただきたいと思います。
○政府委員(牧野力君) 中堅企業に対する金融を初め対策の厚みを増していく必要があるということは、私ども全く同感でございます。 ただ、これにつきましては、中堅企業一般の対策ということもさりながら、むしろ先ほど申し上げましたように、今後成長分野、これは中堅企業がいろいろ担っていく分野が多いと思いますけれども、それぞれの分野ごとに、例えば情報化対策についてどうしていくとかあるいは新規産業、先ほど大臣からも答弁がございましたが、ベンチャービジネスの活性化をどうしていくかといったような、その分野分野あるいは業種ごとに中堅企業が政策の恩恵に十分浴せるようなそういう対策をきめ細かくやっていくというのが大事であろうというふうに思っております。 ただ、私どもといたしましても、先ほど申し上げました店頭公開の市場の活性化等を初めとするベンチャービジネスの応援等に加えまして、今国会に事業革新円滑化法というのを出させていただいておりますが、これはもちろん中堅企業も含め既存の経営資源を活用して事業革新を行う者、中堅企業をもちろん含めてでございますが、税制、金融、財政上の支援措置を講じていく、こういうようなことも考えております。
○大木浩君 ひとついろいろと御検討をいただきたいと思います。 先ほど同僚議員の方からも、ちょっとよその国との比較でベンチャービジネスに対するベンチャーキャピタルというか、要するに資金の供与を含めた支援策というのが、民間を含めてですけれども、ちょっとまだ日本の方がおくれているんじゃないかというようなお話があったように記憶をしております。 何かアメリカとかヨーロッパでは、最近はベンチャービジネスに対して、これは最近新しく出てきた言葉がどうか知りませんが、サイエンスパークだとかビジネスインキュベーターだとかいろいろな新しい用語が出てくるし、用語だけでなくてその実態があるというようなことで、産学、業界もあるいは研究機関もいろいろなところが協力してそういったベンチャービジネスに対する支援の一つの社会的な体制ができ上がっているというふうに理解しておるんですが、どうなんでしょう、これはちょっと先のことになるかもしれませんが、そういった問題につきましても通産省としてはよその国の例も勉強しておられるのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(牧野力君) 一生懸命勉強しております。
○大木浩君 ありがとうございました。ひとつ引き続き勉強をしていただきたいと思います。 それから、私も自分の選挙区を控えておりますので、いろいろと選挙区の中小企業からの御要望などが出てくるわけですが、一つは繊維産業であります。 繊維産業というのは、昔私も役人をやっておりまして、日米繊維戦争のころに何とかしてこっちから出す方の話を一生懸命やっておったんですが、最近はむしろよそから入ってくるのを守る方の話が非常に多いということで、その辺のところがどうなっておるかということであります。 たしか、もし私が間違っていなければ、今回WTO体制ができましたけれども、繊維につきましてはMFAを継ぐといいますか、実質的には同じようなTSGということで、少なくとも暫定的にはセーフガード措置を発動するという体制はできておるということで、従来から、せっかくあるんだから使ったらどうかというような要望も業界から時々出ているようでございます。 繊維産業、特によそからの輸入について今非常に特殊なものが多いと思いますけれども、どういう状況になっておるか、あるいはそれから今のTSGの扱いをどうされるか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(江崎格君) 委員御指摘のように、我が国の繊維産業の置かれている状況は大変厳しゅうございまして、バブルの崩壊後消費構造の変化がございまして大変消費が低迷しておりますし、また輸入品も大変増大しております。特に、最近の急激な円高等を受けましてますます輸入の増大が懸念されるわけでございまして、大変厳しい環境にございます。 そうした中で、昨年の五月でございますけれども、繊維産業審議会の通商問題小委員会というのがございまして、そこから今御指摘の繊維の緊急セーフガード措置につきましての手続、この取り扱いにつきましての御提言をいただきました。私どもとしてはその提言に沿った格好で、昨年末、十二月五日でございますが、緊急セーフガード措置の発動の手続について定めたわけでございます。その後、先月、二月二十三日になりまして、非常に輸入品がふえております二品目につきまして業界から緊急セーフガード措置の発動要請が出ました。 具体的に申し上げますと、一つは綿糸の四十番手、これは比較的太い綿糸でございますが、これにつきまして日本紡績協会、綿紡績の主要な団体でございますが、ここから中国と韓国とインドネシアを対象としてこの緊急セーフガード措置を発動してほしいという要請が出ております。それからもう一つの品目が、ポプリン・ブロードといいまして綿布の一種でございますけれども、ワイシャツ等の生地になるものでございますが、これにつきまして、これもやはり中国とインドネシアの二国を対象にして緊急セーフガード措置を発動してほしいという要請が出たわけでございます。 私ども、今後は、昨年末に発表いたしました措置の発動の手続に沿いまして、この発動要請について検討していくということでございます。 ちなみに申し上げますと、要請が出てから原則として二カ月以内に措置を発動するための調査を開始するかどうかということを決定することになっております。それから、仮に調査を開始するということになった場合には、それからさらに一年以内にその調査を終えて緊急セーフガード措置を発動するかどうかを決定しなければならない、こういう仕組みになっておりまして、現在、今後調査を開始するかどうかを含めて厳正な検討を行っているという状況でございます。
○大木浩君 どうぞひとつよろしくお願いします。 それから、これはもう大臣が大変に御自身も苦労しておられます日米包括協議の中でのいろいろな議論ということで、先般来、大臣が一日、二日の間に三回も太平洋を往復したりというようなことでいろいろとまとめていただきまして、板ガラスとか保険等々については大分話し合いが詰まっているけれども、残っているのが自動車及びその部品ということだというふうに理解しております。 〔委員長退席、理事中曽根弘文君着席〕 最近、新聞を読みましても、何かモンデール大使がみずから乗り出して日本の業界との話し合いもしているというようなことでございます。私の理解するところでは、これは輸入量をもっと増大しろというような話、あるいはディーラーももっときちっと使えるようにしてくれとか、あるいは車検制度のことまでいろいろと話があるようでございます。アメリカとしては、包括協議の最後の総まとめというようなことで、これを早く上手にまとめたいというような気持ちが非常に強いようでございますが、これはどういう状況になっておるかあるいはこれからどういうふうになるのかひとつ御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 必要がありましたらば局長の方から補足をさせてもらいますけれども、昨年の九月末から十月一日にかけまして論議をいたしました結果、御承知のようにアメリカは自動車の補修部品に対して通商法三〇一条の発動をいたしました。その結果、通商法三〇一条のもとでは交渉しないということで、その交渉は断絶しておったわけであります。 昨年の年末、前通商審議官の岡松さんとアメリカ側との交渉の中で、協議の対象として補修部品市場における規制緩和及びその他の関連事項、そして国内の日本企業及びアメリカ国内のトランスプラントにおける外国製部品の調達の相当程度の拡大に寄与するような購入のチャンス、購入機会、そして外国製自動車の日本の自動車市場へのアクセスの三点で論議再開ということが合意をされました。 〔理事中曽根弘文君退席、委員長着席〕 一月から二月にかけまして、次官級及び課長級レベルの交渉を行ってまいりましたが、双方の主張には依然として隔たりがあります。 そして、この協議内容については、我々は誠意を持って話し合う用意を持ち、今日までも誠意を持って話し合ってまいりました。しかし、管理貿易的な手法となるような数値目標の設定でありますとか、政府による対応が可能ではない範囲、すなわち政府の責任を超える範囲の話というものは協議の対象としないというのが日米の合意のもとでありまして、これを土台に私どもとしては今後とも交渉については積極的に当たろうと考えております。 なお、現時点におきまして次回の交渉の日程についてアメリカ側から何ら連絡は受けておりません。 同時に、今委員から御指摘がありましたが、在京のアメリカ大使館から日本の自動車メーカーの何社かに対して会談の申し込みがあった、あるいは会談をしたということは聞いておりますけれども、どんな趣旨でおやりになっているものか、その内容を把握しているわけではありません。ただ、もしこれが通常の会談ではないとなれば、我々としてはそうした手法については賛成できないということは以前からアメリカ側に伝えておるところであります。
○大木浩君 ありがとうございました。 日米包括協議というのは日米間の非常に密接な関係ということを前提にしていろいろ行われているんですけれども、私どもヨーロッパへ行きますと、日米で話をするのはいいけれども、何か日米だけで話をつけて、例えば欧州連合の諸国はかやの外というようなことじゃ困るというようなことも時々言われますので、その辺もひとつお含みの上で交渉をお進めいただきたいと思っております。 それから、先ほどいろいろな中小企業団体の代表の方のお話を聞いたと申し上げましたが、そのときにいわゆる商店街の代表の方も来られました。 商店街の小売店ということになりますと、これは製造業とちょっと違いまして、自分の製品というか商品というか、それだけで競争するというのは、なかなか急に目の覚めるようなものを自分のところだけでつくるわけにはいかないということですから、やっぱりどういうところで、どういう環境で商売をするかというのが実は決め手になるわけでございまして、その辺の町づくり商店街づくりということについてさらに一層の御協力を願いたいというような話があるわけです。 最近は何せ自動車社会でございますので、ちょっと隣ヘノート一冊買いに行くのでも自動車で出かける方がかえって便利だというような世の中になってまいりましたので、何か民間ではロードサイドビジネスと言っているようですが、そういったことについて通産としてはこれからどういうふうにお考えになっているのか。 それから、非常によく例示的に出されるアメリカのトイザラスですかおもちゃ屋さん、あれが非常に品をそろえまして、しかも従来じゃちょっと想像もつかないようなところへ大きな店をぽんとっくってやっておる。これはもう単なる商店というよりは、何か一つの人集めの公園みたいなことになっています。 民間では、そういうふうに特殊の商品を焦点にして、とにかくもう殴り込みと言っては言葉が悪いかもしれませんけれども、非常に強力なる仕事を進めるというのを何かカテゴリーキラーという言葉で言っておるようでございますね。つまり特殊の一つの分野だけ、あるいは一つの商品だけについては、そのカテゴリーについてはもう全部その競争相手がやられてしまうという意味でのカテゴリーキラーというようなことも多少議論になっておるようでございますが、その点について現状をどういうふうに受けとめておられるのかということと、それから、一般に商店街のこれからの育成につきまして何かいろいろと通産省でも今度は新しい法案も用意しておられるようでございますけれども、その辺について概略的で結構でございますが、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 商業につきましてはいろいろ新しい業態も出てきているわけでございまして、それぞれのよさがあるわけでございます。私ども、それぞれの地域の実態に合わせてこのよさが組み合わさっていく、バランスをとって進められるということが大事だろうというふうに思っております。 その観点から見ますと、商店街の振興というものも非常に私どもも大事だと思っております。特に地域の活力の源といいますか、これは人の往来も含めましてにぎわいというものは非常に大事でございますので、町の顔としての商店街、これを育てていくということが非常に大事な施策というふうに考えております。 この点につきましては、従来から町づくりのための商業基盤等施設整備事業というものを地方公共団体と一緒に進めてきておるわけでございますけれども、現在御審議いただいております七年度予算案におきまして、これをさらに拡充するということをお願いしているところでございます。二十一世紀型商業基盤施設整備事業、俗称商業パサージュ整備事業と言っておりますけれども、二十一世紀を先取りしたような情報化の観点、あるいは高齢化社会や地域文化の育成の観点、あるいは環境問題等に配慮いたしました全国のモデルになりますような商店街をつくってまいりたい、このための支援措置を今度の予算でお願いをしているわけでございまして、一日も早くこの事業を進めていきたい、かように考えているところでございます。
○大木浩君 どうぞひとつパサージュ事業も大いに進めていただきたいと思います。 大店舗法ですね、これは今度の規制緩和では一応すぐには答えを出さない、少し時間をかけて再検討というふうに伺っております。先ほど申し上げましたトイザラスの話は一つのむしろ例外的なケースかもしれませんが、大店舗対小さな中小企業の問題というのは、大店舗の方もいろいろありまして、このごろは百貨店からスーパーからいろいろあるわけで、それぞれがすみ分けができているのかあるいはいろんな分野で優劣がまた変わっておるというようなことも感じておりますが、大店舗法については、今申し上げましたように当分検討を続けるということでよろしいか、ひとつお答えいただきたい。
○政府委員(大宮正君) ただいまお話がありました大店法でございますけれども、これは委員御承知のようにさまざまな立場からの御意見がございます。昨年の一月に産業構造審議会と中小企業政策審議会の合同の検討をいたしまして、この中でも廃止から維持強化まで幅広い御意見がございまして、こういった意見を検討した結果、この答申の中では、大幅な規制緩和を前提に法の枠組みは維持する、こういう結論をいただいております。 この結論を受けまして、昨年の五月に大店法の第三弾の規制緩和を行いました。これは中身は、平成二年、四年と過去二回やっておりますけれども、第三弾の規制緩和でございまして、先生御承知と思いますけれども、例えば一千平米未満の店舗の原則自由化とかあるいは閉店時間を従来の七時から午後八時まで届け出不要とするというふうなことがこの中身でございます。 それから、そういう規制緩和を行っておるわけでございますけれども、今後の取り扱いにつきましては、当面は昨年の五月の規制緩和措置の円滑な実施を確保するとともに、流通を取り巻く環境変化、大店法の運用状況なども踏まえながら、中小小売業者の方々も含めた関係者の意見を広く聞きながら中期的に制度の見直しを行う、こういうふうに考えております。 なお、通産省といたしましては、規制緩和、消費構造の変化等に直面しております中小小売業を支援するために、先ほど長官からもお話がありましたけれども、ハード、ソフト両面にわたりまして総合的な施策を講じておるところでございまして、今後とも中小小売商業対策の充実強化に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○大木浩君 最後に一つ。これは必ずしも中小企業ということではございませんけれども、先般大臣がブラッセルベおいでになりまして、いわゆるGII構想につきましてG7の会議をされた。これは必ずしも今すぐに中小企業だけの問題ではないにしても、これから発展のいかんによっては中小企業にもいろいろな影響があると思いますし、またアメリカ、日本あるいはヨーロッパでそれぞれ多少その受けとめ方も違うようなのでございますが、中小企業のこともちょっと頭に置きながら、この間のブラッセルの会議をどういうふうに大臣として受けとめられたか伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年、日本におきましてAPECの中小企業大臣会合を行いました際、アジアの参加各国とアメリカとの間で一番意見の開きの大きかった分野がまさにこの情報通信、マルチメディアに関連する分野でありました。すなわち、非常に自国のシステムに対して自信を持ち、その上で高度情報化のスピードを上げようとするアメリカ、基盤整備がまだ十分でない中でそれほど加速できないとするASEANの諸国、このギャップというものは相当程度大きかったと思っております。 それだけに、私は実はこのブラッセルの会合がどうなるか、多少心配をいたしておりました。ところが、参りまして非常に感じましたことは、やはりアメリカもその意味では勉強されたのでありましょう、アプローチが非常にソフトになっており、自分のシステムを押しつけるという姿は必ずしもとらなかった。結果として、G7の他の国々との間が総体的には大きな意見の食い違いを生ずることなく、GII構想というものに向けてのお互いの協力体制というものを確認することができたということであったと思っております。 そして、もちろん世界じゅうの企業あるいは消費者との情報の自由なやりとりを可能にする高度情報化社会というものは、これは大企業との情報格差を有している中小企業に対して的確に情報が送られるならば、飛躍的に創造性を発揮するチャンスを与えるわけでありまして、そのメリットというものは非常に大きなものになろうかと思います。そして、その場合において、中小企業が円滑に対応し、同時に高度情報化社会というものが中小企業にもたらすメリットを享受できるような環境をどう整備するかということに我々は意を尽くさなければなりません。 この二十五、二十六日にブラッセルで行われましたこの会合におきましても、共同プロジェクトとして中小企業のためのグローバルマーケットというものを実施することになりました。このプロジェクトは、中小企業の製品あるいは技術などの情報を国際的に交換できる中小企業情報ネットワークの整備と、そのネットワークを利用した商取引などを安全に行うための実験、こうしたものを内容とするものでありまして、日本がアメリカ及びEUとともにこのプロジェクトの幹事国を務めることになります。そのほかに、電子図書館とか我が国が主導権を持って推進すべきプロジェクトはありますが、中小企業につきましてはこうした形のものをお互いが合意をいたしました。 平成七年度におきまして、このプロジェクトの実施に関連する国内の事業といたしまして、中小企業地域情報センターが行います地域の中小企業へのインターネット利用サービス提供事業費約一億四千万円を初めとして、予算としても十五億円を確保いたしております。 私どもは、これらの事業の実施によりまして、我が国の中小企業者が来るべき高度情報化社会においても継続的に発展できるように引き続き中小企業の情報化支援を行ってまいりたいと考えておりますし、今アメリカが進めております政府調達についての電子取引の推進といった方向に対しても我が国が十分対応していけるだけの基盤をこの機会に形成してまいりたい、そのように考えております。
○委員長(石渡清元君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ―――――――――――――
○委員長(石渡清元君) 小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主や役員が相互扶助の精神に基づいて掛金を積み立て、事業の廃止、役員の退任等の事態に備えるための共済制度であり、中小企業事業団がこれを運営しております。経営基盤が脆弱で経営環境の変化に影響を受けやすい小規模企業者にとり、廃業時、退任時に生活安定資金や事業再建資金を支給する本制度の果たす役割は大きく、昭和四十年の制度創設以来普及も進み、今日では在籍者数は約百五十万人に上っております。 本制度につきましては、制度創設後約三十年の間に、高齢化の進行、金融自由化の進展など、制度を取り巻く社会経済環境に大きな変化が見られるに至っており、また、小規模企業自体においても、経済の構造的な変化による経済の活力の低下や産業空洞化が懸念される中にあって、事業所数の減少など深刻な問題に直面している状況にあります。 このような状況を踏まえまして、小規模企業の経営を支える基盤的制度である本共済制度の安定的運営の確保と充実を図るためにこの法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、共済金等の額の改正であります。現行制度では法律別表で定められている共済金の額について、金利の変動などに対し制度の安定的運営を引き続き確保するため、法律別表で固定的に定める金額と金利の変動に応じて毎年度算定される金額を合算した額とする等、所要の改正を行うこととしております。 第二は、掛けどめ制度の導入であります。共済契約者は、掛金を継続して納付することが義務づけられておりますが、経営基盤が脆弱な小規模企業者においては、経営の悪化等により継続納付が困難となる場合もありますので、このような場合に掛金の納付を要しないよう改正することとしております。 第三は、第二種共済制度の廃止であります。本制度につきましては、在籍者が少なく、新規加入もない状況にあり、現状に即して制度を整理するという観点から、これを廃止することとしております。 第四は、共済契約者向け貸付制度の充実であります。共済契約者については、中小企業事業団法に基づいて貸付制度を実施しており、多くの共済契約者が利用しているところであります。今回、共済契約者の実情や要望を踏まえ、創業・転業のための資金や入院費用、被災住宅の復旧費用等の事業に関連する資金を追加することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うことといたします。 ―――――――――――――
○委員長(石渡清元君) 次に、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本通商産業大臣。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 現在の日本経済は、円高の進展、内外価格差の存在等による企業の海外進出が進み、産業空洞化が懸念されていることに加え、国内産業が成熟化してきていること等の経済の構造的な変化により経済の活力の低下が懸念されているところであり、新たな商品・役務を生み出そうとする取り組み、すなわち創造的事業活動を促進することを通じて、新規事業を開拓し、日本経済の地平の拡大を図ることが必要であります。 このため、企業家精神に富む中小企業の創業及び研究開発等の活動を支援することにより創造的事業活動の促進を通じた新たな事業分野の開拓を図り、これにより産業構造転換の円滑化と国民経済の健全な発展に資することとし、本法律案をここに提出した次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、創業後五年未満の工業その他の特定の業種に属する中小企業者及び収入金額に比べて一定比率を超える試験研究費を支出している中小企業者に対して、課税の特例等の措置を講ずることとしております。 第二に、著しい新規性を有する技術に関する研究開発及びその成果の利用等について計画を策定し、都道府県知事の認定を受けた者に対して、中小企業投資育成株式会社法、中小企業信用保険法等に係る特例措置、課税の特例措置等の各般の措置を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十六分散会