地方分権及び規制緩和に関する特別委員会 第10号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/06/02
会議録
○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨一日、岩崎昭弥君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(小林正君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方分権の縦追及び規制緩和に関する調査のうち、規制緩和に関する件について、本日の委員会に参考人として経済団体連合会流通委員会委員長代行・企画部会長、株式会社クレディセゾン相談役青木辰男君、政治評論家屋山太郎君及び日本消費者連盟運営委員長富山洋子君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(小林正君) 地方分権の推進及び規制緩和に関する調査を議題といたします。 本日は、規制緩和に関する件について調査のため、三名の参考人の方々から意見を聴取することといたします。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきまことにありがとうございます。参考人の皆様から忌憚のない御意見をいただきまして、本委員会における調査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 それでは議事の進め方について申し上げます。 まず青木参考人、尾山参考人及び富山参考人の順序でお一人二十分程度の御意見をお述べいただき、その後一時間ほどの間、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、意見の陳述、質疑及び答弁とも、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず青木参考人に御意見をお述べいただきたいと存じます。青木参考人。
○参考人(青木辰男君) 現在、経団連の流通委員会の委員長代行を務めておりますクレディセゾン相談役の青木でございます。 本日は、私ども経済界の規制緩和に関する考え方をお聞き取りいただく機会を賜りまして、非常にありがたく存じております。 実を申しますと、私自身、規制緩和について国会の場で意見陳述させていただきますのは二回目になります。前回は一昨年の十一月にこの参議院の規制緩和特別委員会、当時は規制緩和と地方分権が別々でございましたので、そのときの規制緩和特別委員会で意見陳述させていただきました。以来、一年半が経過いたしましたが、本日はこの間の政府の規制緩和への取り組みの評価や今後の課題等について意見を申し述べさせていただきたいと思います。 この一年半の規制緩和の動きを一言で評価するといたしますと、それなりに前進してきているなということが実感でございます。例えば、私が担当しております経団連の流通委員会では、会員企業などの要望をもとに、昨年の五月と十一月に延べ八十二項目の規制緩和要望を政府に提出いたしました。その大部分、延べ七十項目につきましては、昨年七月の二百七十九項目の規制緩和策や、去る三月三十一日に閣議決定されました規制緩和五カ年計画、アクションプランでありますが、このどちらかで何らかの格好で取り上げていただいております。 もちろん、経済的規制は原則自由、例外のみ規制という基本方針に照らしてみますと、現在の規制緩和五カ年計画も決して十分なものとは言えません。ただ、この計画に盛り込まれた事項を着実に実行していくとともに、計画のさらなる拡充を図っていけば、今後の五年間でかなりの成果が期待できると考えております。 幸い、規制緩和推進計画は毎年改定することが閣議決定されております。しかも、その際には、政府の行政改革の実施状況を監視する行政改革委員会の意見を踏まえるとともに、総理を本部長とする行政改革推進本部において内外の意見、要望を聴取することとされております。いわば今後五カ年間の規制緩和の取り組み方が既にシステムとして確立されているわけであります。このシステムを十分に活用していけば、これまでにない抜本的な規制緩和も可能になろうかと存じております。その意味では、規制緩和は、先般のアクションプランの策定で終わったわけではなく、これからこそが正念場であると申しても過言ではないかと存じます。また、先般の総合経済対策、円高対策の一環として、この五カ年のアクションプランを三カ年に繰り上げて実行するということが決定されておりますことについても我々は大きな期待を持っております。 それでは、時間も限られておりますが、各論に入る前に、規制緩和の意義や目的について簡単に触れたいと存じます。 一言で申し上げるならば、現在求められております真に豊かな国民生活を実現するとともに、高齢化社会を迎える中で引き続き経済の活力を維持するためには、規制緩和が最も有効でかつ不可欠な課題であるということであります。また、我が国が国際社会から求められております役割を積極的に果たしていくためにも、規制緩和を含めた行政改革の実現が欠かすことができません。 例えば、経済企画庁の物価レポートによりますと、住宅建設費は米国の約二倍、食料品は対ニューヨークの比較においても一・六倍とされており、昨今の円高の進行でこの内外価格差がさらに拡大しております。このような内外価格差をもたらしている各種の規制、例えば建築関係では建材等の建築資機材の輸入や工事にかかわる規制、あるいは農産物の価格支持制度などを見直していけば食費や住居費の大幅な低減が可能になると考えます また、我が国経済の空洞化を回避し、国内に就業機会を確保していくためにも規制緩和は欠かせません。 例えば、電気通信事業法の緩和で誕生いたしました携帯電話やPHS等の市場規模は、九三年時点では一兆五千億程度でございますが、郵政省の試算によりますと、二〇一〇年には十一兆円程度に拡大すると言われております。また、酒税法の緩和で可能となりました地ビールなどは村おこし等の地域振興に活用する動きもあるように聞いております。 さらには、地方分権を推進するためにも規制緩和は欠かせません。国民や企業のあらゆる活動に関与している規制をそのままにして、これを地方に移管するだけでは何の意味もないと思います。むしろ、経団連がかねてから主張しておりますように、規制緩和のない地方分権は弊害が大きいと考えております。したがいまして、先般成立した地方分権推進法に基づき設置されます地方分権推進委員会においては、移管すべき権限を検討する際に、果たしてそのような権限、裏返せば規制になりますけれども、これが本当に必要なのかをまず吟味していただきたいと考えております。 このような国民や企業の自由な選択による活力のある社会を実現していくためには、冒頭申し上げました規制緩和推進計画の毎年度見直しの機会等を活用して、決して聖域を設けることなく、あらゆる分野における規制緩和を徹底的に進めていただく必要があると考えます。 具体的には、第三次行革審や平岩研究会の報告等で経済的規制の根幹にあるものとして薄目されております三類型の規制、三つのパターンの規制でございます。すなわち、需給調整の視点からの参入規制、設備規制、そして価格規制、これを廃止を含めて抜本的に見直すことが必要だと考えます。先般の規制緩和アクションプランでも、毎年度改定の際の見直しの視点として今申し上げたような点が認められておりますので、ぜひともこの趣旨を徹底していただきたいと存じます。 第一の需給調整の視点からの参入規制は、現在、酒、たばこ、米、ガソリン等の販売やバス、タクシー、旅客船、電気通信等の事業分野で行われております。 ちなみに、需給調整の視点からの参入規制とは、需給バランスを人為的に実現するために新規参人を規制する制度であります。例えば、酒類の販売では、税務署ごとに地域の人口をもとに算出した免許枠があり、空き枠がない場合は新規出店が認められません。そのため、どうしてもその地域に出店したい場合には、既存の免許を買い取るようなことが全国的に行われております。場所にもよりますけれども、東京地区では約一千万円、大阪地区では八百万円と言われているようなものであります。 そもそも、需給の調整を行うのは市場の見えざる手を通じてであり、行政がこれに関与すること自体に無理があると思います。 酒類の販売免許の例で言いますと、車で買いに来る人がふえれば、税務署ごとに所轄地域の人口をもとに需要をはじき出すことは無意味となります。それにもかかわらず、極端な例では、同業者が新規参入を認めるということは供給が不足しているからであり、新規参入に反対するのは市場が飽和状態にあるからだという理由づけで新規参入希望者に既存業者の同意書を取りつけるよう指導するようなことが起こっております。したがって、このような不透明で恣意的に運用されるおそれの多い参入規制は廃止し、一定の能力、意欲を有する個人や企業には原則として参入を認めることが経済的規制は原則自由、例外規制という方針を実現する第一歩だろうと考えます。 先ほど申し上げました業種のうち、今回のアクションプランでは、米の卸・小売販売の定数制、これは人口基準により許可枠が与えられるものでありますが、この定数制は新食糧法の施行、九五年十一月予定でございますが、これにより廃止されることとなっておりますし、ガソリンスタンドの指定地区制度、これは参入にはスクラップ・アンド・ビルドが必要になる制度でございますが、これも九六年十月をもって廃止されることとなっております。 しかしながら、酒類の販売免許や製造たばこの小売販売業許可などは、今回の計画に盛り込まれているものの、需給調整を含め基準を見直すとしか記述されておりません。それで見直しの方向がまだ不明であります。また、NTTや第二電電等の第一種電気通信事業のように、審査手続の透明化を推進するとしているだけで需給調整に言及していないものもあります。さらには、明らかに需給調整の観点から参入規制が行われているにもかかわらず、計画に盛り込まれなかったものにバス事業、タクシー事業、旅客船事業、通関業などがございます。 次に、設備規制につきましては、大店法による大規模小売店舗の新増設規制や内航海運業法に基づきます船腹調整、これはスクラップ・アンド・ビルド、この制度、さらには銀行等の店舗規制、トラック、タクシー等の増車規制等が現在行われております。このような規制は、今急務となっております企業や業界のリストラクチャーや新規事業分野の開拓を妨げるだけで、何のメリットもありません。しかも、新たに内航船を建造する際にはスクラップ船の権利を買い取ったり、あるいはタクシーのナンバープレートが売買されているような、本来売買されるべきものでないものが価値を持つという極めて不公正な事態を引き起こしております。 幸い、今回のアクションプランでは、内航海運の船腹調整制度は原則廃止の方向で見直すということになっておりますし、タクシーの増車規制あるいは金融機関の新規出店規制、トラック事業の営業車両規制などは一定の方向で規制緩和策が盛り込まれております。ぜひともこの方向を徹底していただきたいと存じます。 他方、設備規制の典型であります大店法につきましては、大店法の制度を見直すとしか書かれておらず、見直しの方向性も内容も現在は不明であります。米国のカンター通商代表もこの点については非常に強い不満を表明したと聞いております。 最後に、価格規制についてでございますが、今回の計画では、旅客鉄道事業や貨物鉄道事業あるいは電力・ガス事業料金等について価格の多様化、弾力化等の措置が盛り込まれております。例えば、旅客鉄道事業につきましては上限価格制を食む運賃設定方式のあり方等を鋭意検討するとされておりますので、速やかに上限価格制の導入が実現することが望まれております。しかしながら、たばこの小売価格の規制緩和が計画から漏れておりますし、内外価格差と直結する農産物の価格支持制度については一切、言及がございません。 現在、米・麦、牛肉保豚肉、砂糖、乳製品等について行政が価格に関与する価格支持制度が行われておりますけれども、役所は価格支持制度は規制ではないと主張されているやに聞いております。しかし、第二次行革審の答申では、公的規制の定義として、許認可等を典型とし、許認可等に付随し、あるいは別個に行われる規制的な行政指導や価格支持等の制度的関与を言うとして価格支持制度を公的規制の範疇に位置づけております。規制とは許認可だけではないわけであります。特に、価格支持制度は内外価格差の大きな原因ともなっており、消費者、生活者重視の視点からもぜひとも取り上げるべき問題であると考えております。 したがいまして、今後の課題は、規制緩和推進計画に盛り込まれた事項を着実に実行することはもとより、計画の毎年度改定の際においてこのような不十分な点を補って計画の充実を図るべきことであります。 具体的には、計画に盛り込まれていながら実施の時期や方向性が不透明なものはできるだけ具体化するとともに、前倒し的に実施すること、あるいは規制緩和の基本方針に照らして本来計画に盛り込むべき事項を新規に追加していくことであります。繰り返しになりますが、このような作業を徹底していけば、長年実現してこなかった抜本的な規制緩和が可能となるということを期待している次第であります。 その意味で、経団連といたしましては、政府の行政改革の実行を監視する行政改革委員会を組織を挙げて支援するとともに、総理を本部長とする行政改革推進本部の活動に今後とも期待していきたいと考えております。 もちろん、このような抜本的な改革のためには、政治、行政、民間、三者の意識改革が必要となります。例えば、規制緩和を妨げる問題の一つが、議論が具体的になればなるほど総論賛成各論反対的な傾向が強くなることであります。残念ながら、経済界の中にも公然と規制緩和反対を主張する団体や企業もございます。 規制緩和によって消費者の選択の幅が拡大すること、あるいは利便性が向上することは一般国民に大きなプラスになるはずであります。しかし、これまでは各論反対の声が幅をきかせてきたのが現実であります。これらの声は少数ながらも極めて声高であり、一部のいわゆる族議員を動かし、各省庁に圧力をかけてきたからであります。そして、各省庁ともこれに便乗し、あるいは省益保護のために規制緩和に真剣に取り組んでこなかったことが規制緩和が進まなかった最大の原因であったと思います。 国民や企業が安易な行政依存体質を改め、自主、自律、自己責任原則を確立することももちろん必要であります。しかし、規制緩和の推進に最も重要なのは、国民の一人一人が身の回りの規制に大きな関心を持ち、自分たちの利益向上のために大きな声を上げることであると考えております。そのためにも、国会の先生方を初め政治に携わる皆様には、消費者、生活者重視の視点から規制緩和を取り上げるとともに、そのメリットをわかりやすく国民に説明することによってその広い支持を取りつけ、強い決意を持って抜本的な規制緩和に取り組んでいただくことを期待したいと存じます。何とぞよろしくお願いいたします。 以上でございます。
○委員長(小林正君) ありがとうございました。 次に、尾山参考人にお願いいたします。
○参考人(屋山太郎君) 政治評論家をやっております屋山でございます。 青木さんがほとんど総論を言われたので、私はちょっと違うことを申し上げたいと思います。 背、私はジュネーブに駐在しておりました。それが一九七八年のころで、ちょうどオイルショックの後でありました。私はその当時通信社に所属しておりまして、本社から、日本は円高国難騒ぎで大変だ、スイス・フランも急騰している、ドイツ・マルクも急騰している、だからドイツとスイスの国難騒ぎを取材せよ、こういう電報が来ましてそのときに調べたのでありますが、ほとんど困っていないといいますか、庶民は非常に喜んでいるわけです。結局、通貨高で喜ぶスイスというような原稿を書いた覚えがあります。 二十年近く前と今の日本の現状というのはもうほとんど変わっていない。当時なぜスイスやドイツが通貨高で困らなかったかというのは、国際競争にさらすものはどんどんさらす、産業を保護しない、市場を自由化していくというのを戦後ずっと進めてきまして、当時はもうあらかた保護すべき産業というのが淘汰されました。特に、スイスもドイツもそうでありますが、特殊な技術を持った、つまりスイスやドイツでしかできないような産業というのが生き残って、ほかの国と競合するようなもの、そういうものは淘汰されているわけです。ですから、通貨が高くなるとすぐに物価が安くなる。それから、つくっているものも別に海外に移転する必要がない。 日本では今度京セラが円がそんなに高くなったのなら海外の価格を一〇%上げるという政策を打ち出しましたけれども、京セラは上げても売れるという体質のものをつくっている。基本的にはドイツもスイスもそういうことでありまして、今度のマルク高あるいはドル安というのにもほとんど影響がないという状況がございました そういうことから考えますと、日本の産業というのは、もう世界のトップレベルにある非常に高度な産業と、それから非常に低生産性部門、特に流通とか公共企業とかそういうものが多いんですが、そういう低生産性の産業が共存している。そこのところを保護するものですから黒字がどんどんたまる。 ここのところ千三百億ドルずつ黒字がたまっているわけですが、黒字が恒常的に十二百億ドルたまるというと世界でそれを調整しようという力が働くのは当然でありまして、そのおかげで円がどんどん高くなる。円が高くなれば輸入がふえて輸出が減る、そこで調整されるだろう、そういう思惑で通貨が動いているわけですが、今、レートでその黒字を調整するという段階になっていると思うんです。そうしますと、レートがどんどん上がりますと保護された産業というのは、これは苦しいけれどもまだ頑張っている。それで高度の産業、優に国際競争力があるというところに響いて、それが海外に工場を移転してその部分が空洞化する、こういう非常に悪い循環に入っている、こう思うのであります。 ですから私は、政治が低生産性部門の保護、規制とかそういうものをこれから徹底してなくしていくんだという大方針を世界に示して世界がそれを納得すれば、これは今みたいに手ぞろいで円を買っているとそのうちに損するかもしれないという思惑は働くわけでありますから為替の調整、為替レートにも非常にいい影響があるんじゃないかと思うのであります。 しかし、今の政府の運営を見ておりますと、将来にわたってこうだよ、黒字はこれから減っていきますよという姿勢が見えない、国家の意思が見えないというのが最大の問題ではないかというふうに思います。 それからもう一つ、今、日米自動車部品交渉というのが決裂しまして、これはWTOで協議する、こういうことになっておりますが、私は橋本通産大臣が民間の購買について政府が介入できないんだと言って断ったのはそのとおりだと、その限りにおいてまさに日本の言い分はそのとおりだと思います。 去年でしたか、細川・クリントン会談でも、細川さんはとにかく管理貿易というものはできないんだということを言いまして、この点では政府の姿勢は一貫しておりまして、私はその姿勢は正しいと思うのでありますが、今度の自動車交渉を見ておりまして、これは余りマスコミが取り上げないので非常に不思議だと思っているわけですけれども、アメリカの対日貿易赤字というのは六百億ドルに及んでいるわけですが、そのうちの大体五九%、六〇%近くは自動車関連だということでありますから、アメリカから見れば、自動車の部分で事態が好転すれば対日赤字全体に大きな影響を及ぼす、そういう判断があるのだろうというふうに思います。 それではなぜ日本にそういうものが入らないか。部品の浸透率、つまりその国が部品をどのくらいの比率で外国から買っているかという数字がありますが、イギリスは六〇%輸入しております。それからフランスが四〇%輸入しております。アメリカが三三%輸入しております。それからドイツが二五%輸入しております。イタリアという国は車に関して特に閉鎖的な国でありますが、それでもイタリアは一六%輸入しているわけであります。日本はそれに対してわずか二・四%しか輸入していない。もし、日本の自動車部品というようなものが非常に品質がよくて安くて、だから外国品は買う必要がないんだと言うほど余裕のあるものならば、今度の円高でも自動車産業がこれほど悲鳴を上げないだろう、こう思うのであります。 なぜ入らないのかということを突き詰めますと、私はこれは車検制度というものに行き着くと思うんです。 今の車検制度を簡単に言いますと、昭和二十六年にできた車両法というのに基づいて、車検は分解整備を受けるということを義務づけているわけですが、その際に、取りかえる部品は純正部品あるいはそれと同一性のあるものという条件がついているわけであります。これは通達で行われております。 具体的に言いますとトヨタ車を持っていれば車検のときにはトヨタの部品を使う、こういうことになっている。それと同一性のあるものでいいじゃないかと、こういうことで似たようなものを使いますと車検場ではねられるかもしれないというので整備工場、これは八万三千軒ありますが、この整備工場のほとんどは一mmで車検を通すために必ず純正部品を使うのであります。そうしますと、そういう仕組みの中でほかの部品を使うチャンスがない、ほかの部品が使えないという仕組みが残っているわけです。 それからもう一つ、純正部品を使うというのがありますと、外国車はその外国の部品を使う。例えば、ベンツならベンツの部品を使うということになりますから、これを取り寄せるというのでベンツの車検の費用は大体三十万から五十万ということになっております、ちなみに、日本の車検の費用の平均は一回で六万七千円であります、これは税金を全部除いた価格でありますが。この純正部品信仰あるいは神話というようなもののおかげで外車を維持するというのは非常に高くつく。こういう制度が厳としてある。こっちの方に手をつけないで、さあ外車を買いなさいあるいは部品を買いなさいといっても、買う余地がないのであります。ですから、日本の運輸省が車検は安全の問題なんだからここにはびた一文手をつけないんだという姿勢を貫いている限り、部品の輸入、この浸透率が二・四%にとどまるというのは必然の結果であります。 このことについてはアメリカも文句を言っておりますが、ヨーロッパなんかも日本のそういう特殊な制度あるいは規制、それからそれが非関税障壁になっている、こういう問題をヨーロッパも非常に日本について厳しく見ている。 私は、ヨーロッパに七年おりましたけれども、七年いて私が考えたのは、ヨーロッパというのは非常に日本に対して不信感が強い、経済的にはなるべく日本人とはつき合いたくない、こういう思いが一九七六、七年ごろからずっと根強くあるということであります。 ですから、今度の自動車交渉をWTOでやりましても、行政指導はできないよという日本の言い分は、ヨーロッパもそのとおりだと、こう言うに違いないんですが、日本の市場開放の度合いというものに対してはヨーロッパは非常な不満を持っておりますから、日本の体質について、一方的にアメリカが正しいというような、部分だけ取り上げれば確かにアメリカが正しいんですが、日本の体質がそのままでいいということはだれも思っていないと。ですから、日本も非常に正直にといいますか、ある部分を伏せておいて、いや、おれのところは正しいことをやっているんだ、あるいは正当なことを主張しているんだということを余り言わない方がいいんじゃないか。日本も反省すべきだと。 実は、こういうことを言うのは、私がジュネーブに駐在しておりましたときに東京ラウンドのちょうどガットの交渉をやっておりました。そのときに日本のたばこの自由化の問題というのが取り上げられたわけでありますが、そのときの大蔵省の態度は、いや、たばこは入れているんだ、だけれども外国製のたばこが売れないのは、日本人の嗜好が長い間バーレー種という日本で産出するたばこに合っているので、嗜好でもってそれを選んでいるんだから、ほかの味を国が試させるというわけにいかないんだということを非常に強く言った。 ところが、よく聞いてみますと、なぜたばこが売れないかということでわかったことなんですけれども、例えば五月なら五月をアメリカたばこを宣伝してよろしいということを許可するわけです。それから、試作品を売っていいという期間もこれも一カ月許可するわけですが、宣伝している六月に許可するんじゃなくて、その二カ月前の四月とかあるいは二カ月ずれた八月とか、要するに宣伝を見てあるいはテレビのコマーシャルを見て、これを試してみようと思ってたばこ屋に行けば現物はない、現物があるときにはコマーシャルはないというような、そういう何といいますか、これは後でそれがわかって大蔵省にいろいろ聞いたら、宣伝を許可するところと市販を許可するところと違うんだと、こういう話になっているわけです。 それを全部で統括しているところがあるのかないのか。これはあるべきだと、こう思うのでありますが、それのおかげで日本は非常にチートだ、インチキばかりするという評判が立ちまして、日本のそういうやり方をジャパン・プロブレムと、こう言って、日本はインチキなんだよと、あるいはわからないことをする国だとか正直じゃないとか、そういう評判が非常に立ったことがあるんですわ。そのジャパン・プロブレムという問題はその後もずっと尾を引きまして、その後ジャパン・バッシングになったり、日本輸出論になったりするわけです。 私は、官僚が日本のたばこ耕作者を保護する、それが国益に通じるんだ、あるいは日本の自動車産業がもうかるのは国益に通じるんだと、こういう立論で考えているんだろうと思いますが、実際は私は日本の国益というのはそうじゃないと思うんです。あの国は非常にフェアな国なんだ、あるいは黒字がたまるのはフェアに競争した上でたまるんだから仕方がないじゃないかと、もしたまればですね。そういうことならば問題がないと思うんですが、残念ながら私の認識はそうじゃない。どうも今までいろんなところでごまかしてきたという抜きがたい不信感が私にはあります。 ですから、先ほど青木さんがおっしゃったように、豊かさの実感ということを追求するということはもちろん必要ですけれども、日本の通商外交というのをやはり非常に正直にやると。そのことは、摩擦もなくすし、一方で生活者に豊かさをもたらすと、一石二鳥のことなんだということを痛感しております。 以上であります。
○委員長(小林正君) ありがとうございました。 次に、富山参考人にお願いいたします。
○参考人(富山洋子君) 富山洋子でございます。 本円は、当委員会で意見を述べさせていただく機会を与えられましたことを感謝いたします。私は、今まで述べられたお二方とは違った観点から規制緩和について意見を述べさせていただきます。 現在進められている規制緩和政策に対しまして、規制緩和さえやれば国民生活は向上し、経済は活性化され、経済摩擦は解決し、日本の経済社会にとってすべてよしと、マスコミ、経済界あるいは学者の方々がはやされております。その推進に水を差すような発言、例えば日本消費者連盟などで規制緩和によって私たちの暮らしの安全性や命にかかわる問題はどうなるのかなとというような発言をいたしますと、消費者のニーズにこたえていない消費者団体などとマスコミに書かれたりします。でも私は、本日与えられました機会に規制緩和がすべてよいのか、あえて疑問を呈したいと存じます。 大胆な規制緩和の必要性を時の細川首相に答申した経済改革研究会、いわゆる平岩研究会の中間報告には、規制緩和は経済社会の一部には短期的な苦痛を与えるとそのデメリットに一言触れてはいますが、規制緩和政策を進めるに当たって、そのデメリットについての評価あるいは詳細な議論を避けて通ってこられたという感があります。 確かに、現在の公的規制のあり方に大いに問題があるということは私も認めます。行政が握っている強力な許認可権は、政官財の癒着の構造を生み出す温床になっているととらえています。しかし、その癒着の構造が現在進められている規制緩和で氷解するとは思えません。そして、経済社会の仕組みを公正に保つためには必要とされる規制があると考えています。市場の原理だけでは、公害、環境汚染、過疎過密、人権、福祉、高齢化問題、貧困などは解決できないでしょう。 日本消費者連盟では、食の自給と安全を目指す基本法制定のための全国行動という運動の一端を担っていますが、その基本法の試案には、食のあるべき姿は自給と安全及び価格の安定であるとし、市場の原理だけではそれらを全うすることはできないとうたっています。規制緩和の一環として食管法を廃止し、いわゆる新食糧法がこの十一月をめどに制定されようとしていますが、この法律には食の安全保障として最も重要な食の自給と安全が担保されていません。 このたびの規制緩和を推進する第一の目的として国民生活の質の向上を目指すことが挙げられていますが、市場の原理、自己責任原則が強く打ち出された規制緩和の推進が私たちの生活を真に豊かにする決め手とは考えられません。また、自己責任だけを消費者に求められても、単独の消費者の力が及ばないところがございます。安全を求める消費者の権利として適切な社会的規制が望まれます。 これから具体的な事例を挙げながら、経済的規制、社会的規制にかかわる意見を述べさせていただきます。 経済的規制については、既得権を得ている企業の権益が温存され、新規参入が不可能な状況のみが強調されていますが、企業活動の公正さを保つ観点からは、資本力で優位に立っている企業が市場を独占していかないような仕組みが大切なことは言うまでもありません。独占禁止法がまさにその考えに立っております。経済改革研究会の報告が現在進めている規制緩和の効果を上げるためにという立場からであるとしても、独占禁止法の運用強化を挙げているのは注目に値しますが、持ち株会社の禁止条項を外せというような意見も財界にある状況ですから、独禁法そのものが骨抜きにされないことを求めます。 アメリカ政府からも日本における規制緩和を強く求められています。そのアメリカは、七〇年代後半から規制緩和を進めています。この結果、アメリカの社会経済はどのように変貌したのでしょうか。もちろんアメリカと日本は社会経済的にも地の利においても条件が違いますのでアメリカの状況をそのまま日本に当てはめることはできません。しかし、そこから学ぶべきことはあると思います。 アメリカの規制緩和は、まず航空業界から始められました。一九七八年、カーター大統領は航空自由法にサインする際に次のように述べたといいます。すべての人々がこの法案がもたらす健全な競争によってサービス、価格といった面で恩恵を受けるでしょう。大都市だけではなく小さな都市、村も航空産業の伸長によって恩恵を受けるでしょう。消費者と航空業界にとってこの法案は偉大な一歩となります。しかし、カーター大統領がスピーチで述べた内容とは全く違った事態になったのです。 まず、恩恵をこうむるはずだった小さな都市は、逆に運航が打ち切られ、交通手段を失いました。航空自由法を進めたスタッフの一人、ポール・デンプシー氏の調査によれば、最初の一年で七十の小都市が路線を完全に失い、次の一年でその数は百以上にふえたといいます。規制緩和以前は路線の撤退については航空委員会が公共性の観点から厳しく取り締まっていたのが、全く自由化されたため、航空会社は利益を出さない路線を次々に放棄したのです。一九八七年までに交通手段を失った小都市の数は百四十三になるといいます。 さらに、航空会社の間ですさまじい競争が展開され、その結果、航空業界の寡占化が進められました。当時、規制緩和はビジネスチャンスを広げ、新たに航空業に参入する者にとって大きなメリットになると考えられていましたが、新規に参入した航空会社は数年ではたばたと倒産しました。確かに最初の二、三年はうまくいったようですが、次第に競争が激化し、各航空会社は利益が出ないところまでチケットの値段を下げ、互いののどをかき切るような、カットスロートと言うようですけれども、破壊的競争に突入しました。 この破壊的な競争の勝敗を決したのはコンピューター・リザベーション・システム、CRSと、フリークエント・フライヤー・プログラム、FFPという、大企業がとったこのような手段でした。何よりも新規航空会社が太刀打ちできなかったのはFFP、つまり飛行距離を貯金のようにしてためていき、ただのチケットと交換するというサービスでした。顧客は当然のことながらより多くの路線、国際線を持っている大手航空会社のFFPに入りたがりました。九二年までの時点で破産を宣告された航空会社は百十七に上ると言われます。規制緩和がなされた七八年には航空会社は二十八社でした。ですから、いかに多くの新規参入した航空会社が脱落したかがわかります。 規制緩和のうたい文句として規制緩和が広げるニュービジネスにはだれでも参加できることが強調されていますが、アメリカの航空会社の経験は、ビジネスは新規参入者にではなく既存の大手企業にとって広がったことを物語っています。寡占が進行しているのが雄弁な証拠です。一九七八年に六八・八%だった大手五社の市場占有率は九二年までに七九・七%まで上がり、大手十社で見ると、七八年には八八・九%だったのが九二年一月の時点で九九・七%に上昇しています。さらに、破産した航空会社の従業員の生活の破綻、存続してはいるものの総費削減のための労働強化などを見逃すことはできません。 では、消費者にとってはどうだったのでしょうか。規制緩和後の二年間で運賃は一挙に二六%下がったとはいいます。しかし、寡占に伴って運賃の下げ幅は低くなり、ついには上昇傾向に転じています。規制緩和以前十年を見ると、運賃は平均二・七%の割合で下がっていましたので、一九七八年から八八年の十年では下げ率は一・九%で、規制緩和直後の値下がりももとに戻ってしまったわけです。そして、割引なしの正規運賃、つまり当日の乗車運賃で見ると、規制緩和後、ウナギ登りになっています。 消費者にとって深刻なのは、安全性にかかわることです。規制緩和と安全性の問題について、ある学者は、規制によって安全が保障されるわけではない、逆に規制緩和をすれば安全が損なわれるという証拠もない、激しく競争している企業は安全には特に留意するものである、なぜなら安全でないと思われたが最後、競争に勝ち残れる可能性はないと述べておられますが、市場の原理に任せていては安全性が阻害される例をアメリカの航空会社USエアに見ることができます。 米国第五位のUSエアは、七八年の運賃路線の規制撤廃によってもたらされた大競争を規模の拡大のメリットで勝ち抜くために二社を合併しました。そして、その後のことですが、それまで死亡事故を起こしたことのなかったUSエアは立て続けに事故を起こすようになってしまいました。ニューヨーク・タイムズ紙は、精力的な調査の結果、頻発する事故は競争の激化による経営不安、経営削減のための安全面のチェックの簡素化、訓練体系の違う航空会社の合併による混乱が原因と発表しました。この報道は他のメディアも取り上げ、この結果、USエアはキャンセルが続出、株価も暴落、十億ドルの赤字を抱えて危機に立っています。確かにUSエアは淘汰されようとしています。しかし、事故によって死亡した二百三十二人の命は返ってきません。安全でないと判断されるまでに多くの犠牲を払わねばならなかったことを忘れてはならないと思います。 市場の原理が強調されていく状況の中では、自己責任原則だけでは命や健康は守れないんです。市場の原理は地域格差をも広げていきます。その例を日本における航空業で見ていきます。 一九九四年六月、航空審議会は、日本国内の航空業について運賃、路線、雇用の三点で規制緩和の方向を打ち出しました。その結果、予想される離島路線などの総営問題については、不採算路線は休廃止もやむを得ないと答申しました。規制緩和を進めようとしている人たちは、不採算の航空路線は廃止してもやがて小規模なコミューター会社が生まれてその地域の規模に合った交通手段が生まれるだろうというふうに観測していましたが、それは絵そらごとにすぎないことがわかりました。既に鹿児島と沖縄の離島路線ではコミューター会社による経営が十一年ぐらい前から行われているんですけれども、その結果、運賃はウナギ登りになっています。そして、離島から離島への移動が非常に困難になっております。 ちなみに申しますと、例えば喜界島には総合病院がないんですけれども、そこから名瀬市の病院に行くための運賃がかつての二千九百八十円から六千五百円ぐらいに上がったと言われています。それから、東京などに来ている方が帰省するために往復する運賃が三十万円ぐらいに上ってしまうと言われています。そして、そこの人たちがこのコミューターを利用するしかほかに交通手段がないということを考えるべきだと思います。この間、都市間の運賃は多少、少々ではありますが下がっています。 このように規制緩和は地域格差を広げる面があるということを十分に肝に銘じたいというふうに思っております。離島振興法には、島民生活の利便性を向上させるため交通の確保、充実には特別の配慮をするように書いてあることを航空審議会の委員の方々に思い出していただきたいと思います。離島の方々は、交通手段を失ったばかりでなく、離島の産業も衰退しています。例えば、花を出荷されている農家への打撃が大きい、それによって地域の産業も総体的に衰退している、そのような状況がございます。 社会的規制についても規制緩和が進められようとしていますが、安全や環境の保全の見地から行われる規制についても最小限の範囲、内容にとどめるとしています。しかし、市場の原理により輸入拡大が進められている今こそ安全面や環境に与える負荷などを考えて規制を厳しくしなければならない面があると考えます。 一九九四年六月にまとまった石油審議会の中間答申により、九六年から石油製品の輸入の自由化が決まりました。石油製品には有害物質が含まれています。その中でガソリンに含まれているベンゼンは発がん性が指摘されており、米国が大気浄化法で九五年一月より一部地域で含有率一%を打ち出すなど厳しい措置がとられています。 日本では、審議の過税でその規制が危ぶまれていましたが、それは「消費者リポート」の九百十五号を御参照ください。昨年十二月に出された答申では五%以下に抑えるということが示されました。日本におけるある石油会社のガソリンのベンゼンの含有率は一%に抑えられているといいますが、規制は五%にとどまりました。これにはいろいろな理由があるとは存じますが、ガソリンから抜いたベンゼンはいろいろ市場に出回っているんですが、ガソリンからベンゼンを多く抜くとベンゼンの市況が下がるというような理由も挙げられているというふうに言われています。聞くところによりますと、国会である国会議員の方の質問により環境庁がいずれ三%以下に抑えるということを約束したということですが、早急に厳しい基準が望まれます。そうでなければ、石油製品の輸入の自由化の中で、ベンゼンの含有率の高いガソリンが日本に入ってくる可能性があります。 食料も輸入拡大が目指されていますが、食料関連の基準につきましても規制緩和が進められています。例えば農薬の新しい残留基準です。今までは原則禁止であったポストハーベスト処理を認める、ADI、一日摂取許容量が設定できないとされている発がん物質、発がん性があるというふうに指摘されている農業の残留基準も決める、基準値を大幅に緩和する、そのような規制が進められているわけです。また、日付表示が製造年月日から期限表示にこの四月から移行されました。これらの措置はガット・ウルグアイ・ラウンドを引き継ぐWTO協定の受け皿づくりにほかならないと考えますが、グローバル化が進む今こそ、命や健康を大切にするという視点に立った厳しい基準が求められます。 食品衛生法の改定に当たっては、農薬の使用についてネガティブリストからポジティブリストに移行させるべきと消費者団体は主張してきましたが、入れられませんでした。しかし、衆参両院の附帯決議では、ポジテイブリスト制の導入を検討することが挙げられています。これはささやかな一歩前進だとは評価しますが、早くポジティブリストを採用されることを望んでおります日 また、食品添加物の指定につきましては、国際機関における安全性の評価を踏まえ進めるとして、指定の手続の迅速化、透明化などして要請があった場合には速やかに食品衛生調査会に諮問するなど迅速な手続をとるとされています。つまり、国際機関の評価に従って安全基準を速やかに決めるということですが、食料の貿易拡大を目指すWTOのもとではその基準は低きにつくおそれがあり、現在三百四十八種指定されている合成添加物がさらに増加する可能性があります。私どもは、健康を守るという観点から食品添加物がこれ以上ふえることには反対しています。 食品衛生調査会の審議に用いた資料については公表をするとされていますが、私どもは審議の過程から消費者の意思が十分に反映されるような仕組みをつくるべきだと主張しております。 先ほど申しましたように、政財官の癒着の温床の構造を生み出すような規制緩和にはメスを入れるべきだというふうに考えております。規制緩和をすべて反対しているわけではありません。しかし、行政手続の透明化が担保されるためには情報の公開が必須の要件です。私たちは国における真の情報公開法を望んでいます。 いろいろ申し上げたいことはあります。宅地の、土地にかかわる規制緩和につきましても、やはり長い目で住民の視点に立った観点から、行政と住民ともに町づくりをするという、言うなれば地域主権のもとでその基準が決められるべきだというふうに考えております。聞くところによりますと、建設省は、今自治体において検討されております容積率などにつきまして、緩和するようにというふうに指導をされると聞いております、 公正な社会、中央と地方、中小と大手、弱者と強者、金持ちと貧困、そのような二極分化しない社会こそが民主主義の土台であると考えております。私どもは、このようなことが担保される真に公正な社会の制度づくりのために、それこそ消費者も財界もそして官庁も力を合わせでそのような政治づくりこそ目指していくことだと考えます。 やみくもな規制緩和には賛成しかねます。しかし、すべてに反対するわけではない。私たちにとって本当に必要な規制緩和は何であるべきか、そして規制緩和とともに規制強化も進められるべきだというふうに考えております。今は述べております時間がございませんが、アメリカのPURPA法はこれについて多くの示唆を与えていると考えます。 ありがとうございました。
○委員長(小林正君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑に入りますが、まことに恐縮ですけれども、それぞれ会派の持ち時間の範囲内で質疑及び参考人の御答弁をいただくということでございますので、ともに簡潔によろしくお願いを申し上げます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○沓掛哲男君 最初に青木参考人に質問したいんですが、ことしの三月三十一日に閣議決定されました規制緩和推進計画について、ある程度の評価をしていただいたのは与党としてありがたいというふうに思いますが、また一面いろんな御示唆をいただきました。 私は時間もないので、青木参考人は経団連の流通委員会委員長代理等もなさっておられますので、流通に限って二問お尋ねしたいというふうに思います。 一つは、今おっしゃった大店法でございますけれども、確かに我が国の内外価格差は非常に大きいものがありますから、それを是正していく上において経済的な規制緩和は積極的にやっていかなきゃならないというふうに思います。しかし、参考人も別の本にもちょっと書かれておられますけれども、我が国の産業就業者約六千六百万人のうち二割強がこの流通の分野で働いておられ、それもまた非常に中小企業が多いわけでございます。 この大店法については、昨年の五月、一部この許認可の期間を短縮するようなことを通産省がやられましたけれども、この大店法そのものは、一番最後の年限までにこの法律を見直すというようなことになっております。この大店法を実施していけば中小企業が倒れていくということで、参考人も、そのためにはそれとあわせて中小企業の構造改善というようなもの、あるいは中小小売業者の振興と地域の発展を図るためのそういうものをあわせてやっていく必要があるということを言っておられます。 この規制緩和をするときいつも問題になるのは、先ほども話もありました総論賛成、各論反対というのは、やはりこれによって大きな打撃を受けるところが必ずあるわけでございまして、その打撃を受けたところに対する対応をどうしていくか。規制緩和は、全面廃止ということで余り、もちろん早急にやれる分野と少し時間をいただきながらやる必要のある分野もあるなというふうに私は思いますし、大店法の場合は少し時間をいただきながらそういうものをやっていったらどうかなということを思いますので、その点についての緩急のお話をひとつ御質問したい。 それから、もう一つでございますけれども、これも流通委員長としてぜひ、かねがね聞いてみたいと思っていたことなので、お聞きしたいと思います。 いわゆる自動販売機で、ぽんと百十円入れますとジュー又の缶がぽこっと出てまいります。あのジュースに入っているその中身の料金というのは、原料代というのはわずか十二円です。百十円ですけれども、十二円です。それが、缶代が二十五円、工場経費四円、その他いわゆる運賃、広告費が十七円で、工場出荷額は五十八円です。そしてこれが売られるときは百十円ですから、実に五十二円のマージンがいわゆる流通費として入ってくるんですね日これもう少し分けてみると、卸価格が七十五円、さらに小売価格が百十円ですけれども、いわゆる工場出荷額は五十八円。しかし、我々が飲むジュースは十二円なんですね、十二円のジュースを飲むために百十円払うんですね。 しかし私は、じゃこれが規制を緩和すればすぐこうなるかというと、必ずしもそうも思えないんです。自動販売機というのは、余り大店法と関係あるわけでもありませんし、ほかのそんな規制を受けているわけではないというふうに思います、幾分の規制はありますが。ですから、これをもっと安くするにはやっぱり独禁法とかそういうところのものをぎゅっとやらないと、十二円のジュースをいただくのに私たちは百十円払わなきゃいけないというのは、余りにもひどいと育ったらおかしいんですが、ひどいじゃないか。だからこそ今、もちろん皆さん規制緩和とおっしゃるんだが、規制緩和だけではとてもそこまで行かないんじゃないか。やっぱり別の何かいろんなものがあるんじゃないかというふうに思えてならないので、そのことについて、かねがね高いなと思っていたので、流通委員長をなさっておる宵木さんに来ていただいているので、それを質問させていただきたいと思います。 それから、一緒に屋山さんとそれから富山さんにも質問したいんですけれども、屋山さんは今いろいろ外国での貴重な体験をお話しいただきまして、大変勉強になりました。屋山さんはまた、いろんなところでも本も書いておられるので、私見てみましたところ、経済規制については、ある程度規制を廃止することによって問題が出てくれば、例えばカルテルの問題、談合の問題、その他いろんな経済的な規制緩和について出てきた問題については、これは独禁法である程度やっていけばいいというふうにおっしゃられております。当然だと思います。 それからもう一つ、それは質問じゃないんですが、要するにこれから社会的規制についても、できるだけ社会的規制はなくしていく、そしてそこでいわゆる安全のいろいろな問題が出てくれば、諸外国ではPL法というものがあるのでそれで諸外国ではやっているというふうにお書きになっております。我が国も昨年、PL法を成立させまして、ことしの七月一日から施行するようになって、私も商工委員会でそれを担当してやっていたものですけれども、決して諸外国に負けぬような、比肩できるものができたというふうに思っております。 そこで、今度、富山さんとの関係になるんですが、富山さんはかねて、いわゆるこの安全の規制についてはいろいろなところに要請を出しておられます。化粧品表示の規制緩和、こういうところでは、逆に我が国の化粧品では指定成分だけしか出していない、外国であればその成分表を全部出している、だから成分表に直すように強化すべきだという、そういう要請もいろいろ出しておられるんです。 そこで、これは一緒になる、例えば富山さん、屋山さんの言われるのは私は一つの正論だと思っているんですが、しかしPL法は後処理なんです。今、飛行機で事故、死んでからまたどうするという話ですから、やっぱりPL法、社会的規制による、しかしそれをある程度少なくすることによって、事故が製造業者のつくったものによって起きれば、それはPL法でその業者は処断されるから、いいものをつくるというインセンティブ、安全性を確保するというインセンティブは働くということなんです。ただ、それはどうしても、けがを負った後になるので、そういう点に対する考え方、社会的規制を大いに緩和していく、必要最小限にしていく、しかしそれを補完するものとしてPL法があるじゃないかという、そういう考え方に対して富山さんはどうお考えになられるのか、 また、屋山さんについては、この問題について、今おっしゃられたように、確かに社会的規制も非常に多いですからある程度適正なもの、過大なものは全部やめて、本当に必要でまず万人が適正と思われるものに限っていく。しかし、そうしてもいろいろ起きればPL法というもので補完するというのがある程度私たちも、正しいというふうに思って昨年そういうPL法を一生懸命つくったんです。しかし、女性の方にとって肌というのはこれは命にもかえがたいものですから、そういう化粧品とかそういうことになって、やっぱり成分まできちっとやれという女性の気持ちもわからぬではないんです、そういう点、屋山先生からどういうふうに富山さんの、さらに安全的な規制についても、もちろん必要なものは強化していくのはこれは当然なんですが、今のような化粧品についての指定成分、それをさらに成分表にまで上げていかなきゃいけないというような要請をどういうふうにお考えになられるのか、それについてお尋ねしたいと思います。
○参考人(青木辰男君) ただいまの沓掛先生の御質問の二つについてお答え申し上げたいと思います。 一つは大店法に関してでございますが、現在、経団連の立場といたしましては、大店法は段階的に廃止まで持っていくべきだということを主張しております。現実に、先ほどおっしゃった、昨年の五月の緩和が順次実施されてきておりまして、それによって前ほどいろんな意味で、海外を含めまして新規に参入したい業者の意向が阻害されるケースは非常に少なくなってきたと思います。しかし、まだまだ、特に地方自治体が独自の規制を持っているところがかなりございまして、その意味で、ある地方に行くと、こういう店を出したいという申請をした面積が半分になってしまうとか、そういうことで、半分じゃとてもやっていけないというようなケースがいまだに起こっているということは事実でございます。 確かに流通業界というのは非常に大勢の雇用を抱えております。千二百万ぐらいの雇用を持っておりますので、日本のレーバーマーケットに非常に重要な業界でございますから、それが一遍にがたがたすることはいろんな面で問題があるということは十分わかっております。その意味で我々が言っているのも段階的な廃止ということを主張しておりまして、我々の中で議論が昨年あたりあったケー又は、例えば政令指定都市はもう大店法というものを適用しなくていいんじゃないか、あれだけ多角化して非常に町も発達しているし政令都市から外したらどうかというような意見も、例えばのことでございますがございます。 ただ、いずれにしても中小小売業をいかに維持ないし今後展開していくかというのは非常に難しい問題でございまして、いろんなチェーン化であるとかその他商店街についての通産のバックアップした法律等もできておりますけれども、やはり特に一人二人の小型の店舗につきましては後継者がいないとかいろいろな問題も含んでおりますので、一〇〇%中小企業が今のまま存続できるとは我々は思っておりません。しかし、一遍にそれを切るというようなことがあってはいけませんので、我々が言っておりますのは段階的廃止だと。しかし、段階的にはいずれ廃止されるんだぞということを国の方針として明示することで中小企業としても早くそれぞれの対策を打っていく、それで新しい生きる道を見つけていくということがやっぱり必要なんじゃないか。これは、国際的な要請ともあわせて考えるとこの程度のことを順次やったらどうだということでございます。 それから、二番員の御質問の自動販売機の件でございますが、このコストの点は私は実は詳細には存じ上げなかったんですが、やはり高いという御意見については、本当の中身に比べて高いということは事実だろうと思います。しかし、それにはいろいろな自動販売機自身のコストだとか場所のコスト等も入っているんだと思いますけれども、やはりこれも、じゃどうしたら下がるかといえば、やはりフリーに競争させる。例えば、自動販売機というのはやはり何といっても便益性、利便性が高いわけですけれども、すぐそばにスーパーがあって非常に安いプライベートブランドのジュースを売っているとなれば、多少不便でもそこまで歩いていって買う人もふえてくるでしょうし、やはり競争を十分にさせることによって不当に高いものは値段が修正されるんじゃないかなというふうに思います。 それで、もう一つちょっとつけ加えますと、御承知だと思いますが、酒類の自動販売については未成年者も酒が買えるということでいろんな異議がありますし、これについては順次廃止するという申し合わせがもう業界でできましたので、これはいずれ酒類の自動販売機はなくなります。 そんなことで、産業界としてもいろいろ努力はしておりますけれども、自動販売機については日本が何といっても人口比で一番たくさんあるんです。環境に対する影響も、そこらじゅうに缶が捨てられるとかいろんな問題がありますので、今できてまいりましたリサイクル法を含めて、環境保全あるいは省資源ということから何とかそのリサイクルに、特に自動販売機から出た商品のリサイクルについては力を入れなきゃいけないなと考えております。 以上でございます。
○参考人(屋山太郎君) 御質問は二つだと思います。 一つは化粧品の話でありますが、これはガットで一遍、化粧品を自由に入れるという話があったときに、日本の政府が、日本人の女性の肌はきめが細かいから外国製のものは合わないんだというようなことを言って、その外国人の方は、それじゃうちの国の女性の肌は荒れているのかと、面の皮論争というのがありまして、笑ったわけですけれども、どんな化粧品でも百人のうち一人二人は合わないんですね。合わないんだったらそれはPL法で賠償すればいいじゃないかという議論を先進国はしたんですけれども、当時日本にはPL法がありませんでしたから、それで政府は頑張ったわけなんです。 私は、各国が許可していろんなら、それを互いに認証して入れるという式でやると。それから、それで肌が荒れたとか湿疹ができたとかいう人はその店から損害賠償をとるとか、あるいは合わないということがわかったらやめればいいんで、その点はお互いの認証制度というのが互換性が全くない、世界じゅう全部同じ基準でやるというようなことを追求していく姿勢は、何か日本が入れたくないからやっているんだというふうに勘ぐられる、こう思います。 それからもう一点の、いわゆる安全の問題に関して社会的規制が必要だ、こういうことが言われていますけれども、これは国鉄の分割・民営のときにもそういう議論が非常に行われました。しかし、規制があれば安全だというのは一つの神話でありまして、国鉄はJRになりましたけれども、むしろその以前よりは事故は激減しているという統計がございます。 それから、規制をうんとやっているという典型は国営企業でありますが、それじゃロシアの企業があるいは飛行機が絶対に安全かというとこれまた全然違うんであります。ですから私は、国が規制をやるということが即安全につながるというのは一つの神話でありまして、今度日本でPL法なんかができたわけですから、今までの日本の考え方は、そういうものがない、PL法がない、だから国が規制する、こういう理屈で行われていましたけれども、これからそういうことをする必要もないんじゃないか。被害ができたらPL法でやると。飛行機が落ちたらこれは大変ですが、飛行機が一遍落ちればその航空会社がつぶれるほどの影響があるわけですから、実際問題として大変に安全問題では国営時代よりはよほど気を使っている。日航も民営化して以後、非常に気を使っている。もし起こったら、それこそ今までは責任を問う法律がなかったわけですが、今度はできるというので、私は、PL法ができた彼とその前とでは考え方を変えてもらわないと困るんじゃないか、これは消費者も含めてですね、そういうふうに思っております。
○参考人(富山洋子君) 御質問ありがとうございました。PL法につきましても化粧品につきましても触れたいと思ったんですけれども、先ほどは時間がなく触れることができませんでした。 この七月から確かにPL法は施行されます。しかし、このたびのPL法が私たち消費者にとって十分な要件を備えているとは考えられません。一歩前進したということは評価します。例えば、推定規定は盛り込まれていないし、開発危険の抗弁は認められました。それから、企業の情報開示は義務づけられていません。そして、その損害賠償については拡大損害のみです、適用は。そのような面から、私どもはPL法が私たちにとって強力な味方であるとは考えられないんです。PL法によりましても、結局、裁判をしなければ損害賠償は得られないんですけれども、普通の消費者はなかなか裁判することができない。だからこそ、各自治体で苦情処理委員会とか、あるいはいろいろな行政レベルで原因究明機関とか紛争解決機関なども充実させていくことが求められます。 そして、化粧品についてですが、海外の、欧米の化粧品の成分について言うと、先ほど農薬と食品添加物でお話ししましたが、向こうではネガティブリストなんですね。化粧品に使えない成分をリストアップして、禁止成分以外は原則として自由に使えるということに欧米ではなっている。だからこそ全面表示なんです。日本においては一応ポジティブリストなんですけれども、そのポジティブリストについてもやはり肌に有害に働く成分もあるわけで、そういうような観点から、私どもはすべて表示すべきだということをいろいろなところで述べております。 といいますのは、なかなか企業はすべての成分を公表しないんですね。日本消費者連盟にも被害を受けた方々がいろいろ相談を持ち込んでこられ、化粧品によって甚大な被害があって結婚寸前だったところが破談になりという、そういうこともいろいろ問題なんですけれども、表面的な問題だけではないんですけれども、結果としてそのようなことになり今も悶々とされておられる方もいるということで、やはり情報の開示、消費者の権利として知る権利ということがあるわけで、それは安全を求める権利にもつながるわけですから、情報の開示はできるだけ詳細にわかりやすく消費者にとって示されるということが消費者の権利を全うすることになると考えます
○今井澄君 三人の参考人の方から、それぞれのむしろ違った立場というか違った側面から大変おもしろいお話を伺わせていただきまして、ありがとうございました。 一つは、富山参考人から出された航空機の問題はまさにこの規制緩和是非論の一つの格好の題材で、アメリカにおいてもまた世界的にも議論されていることですので、例えば先ほど出された問題についてお二人の参考人がどうお考えか、お聞きできればこれはまたひとつおもしろいなとは思うんですが、時間の関係もありますし、データとか何かの問題もあると思いますので、それはそれとして置いておきたいと思います。 私も、やっぱり二十一世紀超少子・超高齢社会を迎える、その中でやはり持続可能な経済ということで、簡単に言えば低成長でいかなければならない。環境の問題もあります。そういう中で、私どもはやはりこれまでと違った、経済活動にしろ生活にしろ全く考え方を変えていかないと、端的に言えばむだ遣いをどんどんするということはもうできないという意味から、非常に効率的な経済あるいは生活というものをしなければならないというふうに考えております。 そういった意味では、やはり非常に効率性の悪い分野というのが同じ産業分野の中でもやり方次第によってあるわけで、そういうものは率直に申し上げて整理していかなければならないということは、農山参考人なんかの言われたように私もそういうふうに思っております。 それから、特にこれから国際化の時代ですので、日本だけがということで、それは日本の特徴はいろいろあると思うんですね。それは肌の問題だって何だってそれはないわけではないと思うんですが、余りに日本の特徴ばかり出していくということもこれは問題だろうと思うんで、やはり国際化という中では、私はいろいろな基準とか認証の共通性を図るというのは、これは基本的に置いていかなければいけないと思うんですね。 それからもう一つの問題が、最初の問題にも関係しますけれども、やはり今の日本の産業構造自身がこのままで絶対いけるはずがない。それは単に、日本一国が経済大国としてのみずからの位置を守れるかどうかといった問題ではなく、世界の中でやはり日本には日本の果たさなければならない経済的あるいは社会的あるいは政治的にいろいろな役割があるわけですから、特に経済構造の転換も図らなければならない。空洞化が何も一面的に悪いわけではなくて、逆に空洞化をある産業については積極的に推し進めるということも、これは世界に対する責務としても必要なことがあるだろうと思うんですね。 それやこれやの観点から、私は基本的に規制緩和は、特に経済的規制の緩和については原則的に進めるべきだというふうに思っております。社会的規制ということについてもやはりいろいろな面で見直すということが必要なんで、二十一世紀を迎える上で価値観自身を、旧来の価値観を超えて変えていかなければならないと私は思うんです。 ただ、その場合にやはり問題なのは、日本の社会の特徴なんですけれども、PL法も遅くできたということもありますが、あのPL法自身極めて不十分。独禁法なんというのは骨抜きになっている。これを何とかしないで規制緩和をやればとんでもないことだというふうに思いますし、それから一番大事なのは情報公開だと思いますね。これは、私たち政治家に対してすら情報公開というのは行われていないんですね。よほどこちらが勉強して証拠を握っていかないと行政が情報を公開してこないという、これは全くあるまじきことであるという意味で、そういうことの条件を整えていく必要が一方にあると思います。 そうはいっても、まず条件が整ったらというわけにいかないので進めていくべきだろうと思うんですが、そのときには、よく言われるように痛みが伴うということが言われているわけですね。この痛みもある程度甘受すべきものは甘受しながらやらなければならないと思いますが、できるだけ少ない方がいいだろうと思います。 そこで、よく規制緩和が新産業創出につながる、それがまた経済の活力の維持につながるということ、私もそうだろうと思いますが、同時にそのことは雇用問題で非常に大きな問題を生ずると思います。確かに、新産業が創出されれば新しい雇用が出てくるからということでいろんな学者の先生方もいろんなシミュレーションをやられまして、決して失業がそんなにふえないんだということを言っておられます。ただ、そうはいっても、例えば今の一次産業が最も非効率的な分野だというふうに指摘されましたし、先ほども大店法の問題が出ましたけれども、例えばそういう流通業の分野で見ますと、そこで例えば大店法の規制の緩和をして撤廃をしていくというときに職を失う人たちが、今後つくられるであろう新産業、例えば情報産業とか幾つか挙げられておりますけれども、そういう分野に労働力としてシフトしていくことが可能なのかどうかということが一つの例なんですけれども、まさに新産業が創出されれば雇用も創出されるというふうに考えていいのかどうか。 その辺、雇用問題について青木参考人と屋山参考人にちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(青木辰男君) ただいまの今井先生の御質問に対してお答えしたいと思いますが、我々も非常にやはり気を配って頭の痛い問題だと思っていますのは、間違いなく雇用の問題でございます。 それで、規制緩和によって新産業が創出されるチャンスがもちろん広がります。それによって新しい雇用も生まれできます。しかしながら、さっきおっしゃったように競争を自由にさせることによってやはり非効率なものはだんだん存続し得なくなる。それによってその部分からは失業者が出る。その失業者が新産業にすぐにシフトできるのであれば非常に幸せですけれども、これは年齢であるとか経験であるとか、いろんな意味のミスマッチが非常に大きくあるだろうと思います。 その意味で、規制緩和により競争が激しくなれば、まず起こるのほかなり痛みを伴ったものだろう。それはやはり政治で何らかのサポートをしていただくよりしょうがない。しかし、それによって時間をどうしても稼がなければ、新産業が雇用をどんどんふやすといっても、今申し上げたミスマッチでその人たちがすぐ就職できるわけではありませんので、そこらについてはやはり政治の配慮が非常に必要じゃないかというのが我々の考え方でございます。 さっきおっしゃっておりました情報公開の問題、我々も非常に関心がございますし、今度、行政改革委員会でその行政情報公開の問題を検討するということが決まったのを非常に喜んでおるんですが、それと同時に、先生方の御努力で昨年から施行されました行政手続法がございます。これも従来、先進国でないのは日本ぐらいだったわけですけれども、やっと行政に対してそういう面から民肝もいろいろ言える。それで、何か行政指導があればそれは文書でよこせということも言える、あるいは許認可等を棚上げできるような状態はなくなるはずなんです。 それで、経団連でも行政手続法を非常に高く評価しておりまして、何とかこれを本当に全面的に活用したいということから、行政手続法の一一〇番という電話を開いておりまして、そこにいろいろなところから、どうもこういうのはおかしいんじゃないか、行政手続法でもう少しやれないかという話がたくさん上がってまいります。現在まで、それによって許可されなかったものが急に許可になったというような例も幾つも、前向きなのもありますけれども、言ってこられるものの大部分は実は地方自治体の行政についてなんですね。そうすると、行政手続法というのは地方自治体をカバーしておりませんので、地方自治体はこれに準じてやりなさいということだけが手続法の最後に書いてありますけれども、その点がやはり現状ではかなり不十分だ。 それから、情報公開にしても、まず恐らく行政改革委員会がやるのは国の行政のことだと思いますけれども、同時に、ここの委員会でなさいました地方分権で地方がますます権限を持つというときに、やはり地方の行政についても同様の配慮がどうしても必要だというふうに考えます。 ちょっとお答えになっていないかもしれませんが。
○参考人(屋山太郎君) 最初に言われた独禁法は不十分である、それからPL法もそんな厳しいものじゃないという認識は全く私も同じであります。それから情報公開法がぜひ必要だという点も先生と全く同じであります。」 それから二つ目は、新産業の創出でありますが、電電を民営化するときに端末機械をどうするか、これを電電にくっつけていくのか自由化するのかという議論がありまして、我々は断固自由化せよというので自由化しました。そのときにコードレスボンが、その当時の価格を一〇〇としますと、三年で価格が二〇になったんですね。五分の一になりました。それからファクスはこの五年間で一〇〇から三二になりました。その後さらに下がっておりまして、例えば私が当時買ったファクスは百五十万円でありますが、今同じようなファクスが大体二十万円。私は悔しいからその古いのを使っているわけですが、とにかくそれほど下がった。 その下がったおかげで、いわゆる電電ファミリーと言われた企業は、今までは当然電電が買ってくれるので納入していたわけですけれども、そこに競争が導入されたおかげで、それで価格が下がって、それから需要が物すごくふえたという現実があります。これなんかは、価格が下がって需要がどのぐらいふえるかという計算は全然ないで突入したわけですが、郵政省はそういう意味では需要を想定して供給を制限するという考え方に固執しているわけですけれども、私はやってみなきゃわからない。そういう意味で、需要を想定して新規参入をするという考え方はやっぱり間違っているんだろう。技術の競争がどんどんあって、それで何が出てくるかわからない、こういう現実が現にあったわけです。 それからもう一つは、CATVですけれども、アメリカと日本と大体同じくらいに又タートしたんですが、向こうが徹底的に自粛にしたおかげで、今六千社出ております。日本は数えるぐらいしかない、こういう状況であります。 ですから、競争を入れると雇用がふえるという分野のものを先にどんどん規制緩和をやっていって、それから規制緩和をやると雇用が失われるというのとやっぱり段階的にやっていく、うまいぐあいにやっていく。それでも先ほど青木さん言われましたようにミスマッチがあると思うので、そこはやっぱり社会政策でやっていただくしかないんじゃないかというふうに思います。 それから、ちょっと一言申し上げたいんですが、それが嫌だから保護を続けるんだということが永遠に続くわけがないということをお考えいただきたいと思うんです。
○今井澄君 もう時間がなくなってしまいましたので、最後にちょっと簡単に富山参考人にお尋ねしたいと思うんです。 円高がどんどん進むのに一向に価格が下がらない。特に内外価格差、輸入品やなんかについてもある程度しか下がらないものがある。これは内外価格差の是正のために規制緩和というのが有効だとお思いになりますか、それともそれ以外の要因の方が大きいと思われますか。その点だけ簡単にお答えいただいて、終わります。
○参考人(富山洋子君) 私は経済学者じゃないので、納得のいく御説明ができるかどうかわかりませんけれども、内外価格差というのは元来日本が輸出を振興させるためにあえてつくったもので、自動車なんかの例をとってみれば、諸外国では日本よりとってもいい装備が整った日本車が安く買えるというようなことも聞いております。例えば、これは数年前スイスに在住している友人に聞いたんですけれども、日本のボールペンもスイスで買った方が安いよとか言われて、内外価格差をあえて輸出政策の中でつくってきた面もあると思います。 それから、内外価格差が私どもの生活の中で素直に反映されていないということは、例えば土地の価格が非常に高くて、経営しているときにコスト、土地の値段など固定費が占める割合が非常に高くなっている、そういうことが内外価格差が素直に反映されない。例えば流通の面においても総代理店制というものなどもあって、そういう流通の仕組みが阻んでいるということも考えられます。それから、いろいろあるんですけれども、電力料金についても今の総括原価方式ではなかなか内外価格差は反映されていかないのではないかなというふうに思っております、 ですから、日本の社会経済を将来的な展望で見るときに、為替の価格に一期一憂するよりも、経済の仕組みをどうするか、社会の仕組み、それはどういう考え方に立ってするかということが大事なので、そのために規制緩和だという説がきっと声高に叫ばれているんですが、私はどういう立場に立って今の社会経済の仕組みを見直すか、そういう立場というところがとても大事だというふうに考えております。
○今井澄君 ありがとうございました。
○牛嶋正君 お三方にはそれぞれの立場から非常に興味のあるお話をいただきまして、私は今後の議論の材料にさせていただきたい、こんなふうに思っておりますが、お一方に一つずつちょっと確認したい点がございますので、できるだけ簡単にお答えいただきたいと思うんです。 まず、青木参考人に対してですが、こういった規制緩和とかあるいは行政改革等、改革を進める場合には、お話にもありましたようにやっぱり痛みを伴うことはもう当然であります。しかし、その痛みが時には一時的なもので終わるものもありますし、また先ほどの富山さんのお話にありましたように、後にずっと続くものも中にはあると思うんですね。 できるだけリアクションなりあるいは摩擦、痛みというものを小さくするためには、私は大切なことはどの分村から規制緩和を進めていくのか、それからもう一つ大切なのは規制緩和の速度だろうと思うんですね。と申しますのは、金融の自由化が余りにも速かったためにバブルを生み出し、そしてまた今、金融システムの不安を生み出しているというふうに私は考えておりますけれども、ああいう問題が後々まで残るということになりますとこれは困るわけですね。そうしますと、私は規制緩和を進めていく場合に非常に重要なのは速度じゃないかなというふうに思います。 先ほど、三月に発表された五カ年計画が円高対策のために三年に前倒しになったということですが、私はこの二年間の前倒しというのは大変な意味を持っていると思うんですね。そうすると、五カ年計画というのはそもそも何だったのかなという気がいたします。先ほど、三年に前倒しされたのを少し評価されたようなお話でしたけれども、私は前倒しの内容によっては五カ年計画を立てるときに、今懸念しておりますような規制緩和を進めていく場合の速度を全然考えてなかったのかという気がするんですけれども、その点についてまず何かコメントがございましたら追加していただきたいと思います。
○参考人(青木辰男君) ただいまの牛嶋先生のお話、五カ年のアクションプランを三年に繰り上げるという点、我々としては評価しているということを事実申し上げました。といいますのは、アクションプランそのものを見ますと実施予定時期というので平成七年、八年、九年、十年、十一年と、こういうふうに書いてあるんですが、割にめどのついている、やってもすぐやれるものはずっと手前の最初の平成七年度に入っているんですね。それで、それから途中が余りありませんで、ほとんどの問題のあるものは平成十年度、十一年度というところに書いてある。 つまり、四、五年目に持っていったというのはそれぞれやはり問題があるから少し先送りしようという感覚なのじゃないかなと思うんですが、それを全部三年に切るということは四、五年目に持っていったものを早く検討しなきゃいかぬということですから、検討したらそこでどうしても一〇〇%実施しなきゃいかぬということとはこれは違います。しかし、どうも安易にちょっと難しいものは四年目、五年目に持っていっているなという感じがしましたので、その意味で評価するというふうに申し上げたわけです。
○牛嶋正君 わかりました。 それでは、次に屋山さんにお尋ねしたい。 先ほど、ジュネーブ滞在中の興味あるお話をいただきました。そして、なぜ日本は今、円高でこれだけ大騒ぎしなきゃいけないのかということを自動車の部品の海外依存度をお示しいただきまして御説明いただいたわけでございます。 恐らく、先ほどお示しいただきました数字から申しますと、日本も部品を五〇%ぐらい海外に依存しておればこんなに騒がなくてもいいんじゃないかということになろうかと思います。先ほどの数字では二・四%でございました。今なぜ二・四%というふうに非常に低い比率なのかということですけれども、先ほどは車検制度などを入れられて、それは恐らく規制緩和の問題と関連づけるための御説明であったと思うんですね。だけれども、日本の場合やっぱり二・四%、今の水準にとどまっているというのはそれなりの理由があったと思うんですね。 例えば、自動車産業について申しますと、すべての部品が国内で生産される。その産業構造も親会社と下請会社というふうに系列化されているわけであります。なぜこういうふうになったのか。それに対してヨーロッパの場合、イギリスは六〇%、フランスは四〇%、ドイツも二二%ということですけれども、私はこれを見ますとEUの場合はそれぞれの国の技術水準が大体均衡しておりますね。ですから、国際的な水平的分業というのは進めやすいと思うんです。 だけれども、日本の場合、周りを見ますとまだまだ、最近はそうではございませんけれども、やはり技術水準では日本と大きな格差があった。ですから、繊維産業のような直線的な産業構造の場合には割合国際分業ができますけれども、実際にやられておりますけれども、こういう組み立て加工型の複線型の産業構造の場合にはなかなか分業が進まない。すなわち技術水準の格差が非常に大きなネックになっていると思うんです。そういう意味では、今海外に生産基地を進めていく、私はこれは一つはいい機会ではないかというふうに思っております。こういうことで海外の技術水準を日本の企業が進出することによってレベルアップしていく。そうすれば、このアジアにおきましても、東南アジアにおいても国際分業が進んでいくんではないかと思うんです。 だと考えますと、私はこの問題はむしろ規制緩和の問題というよりも、これからの我が国の産業構造のあり方の問題、そして円高に強い産業構造をいかにつくっていくかということの非常に大きな課題ではないかというふうに思いますけれども、この点について何かコメントをいただけるところがありましたらいただきたい。
○参考人(屋山太郎君) 昔、アメリカで日本車をつくり出したときに、日本からみんな部品を持っていったというので非常に評判が悪くて、向こうで部品工場をどんどん養成して、かなりいいものができて、ローカルコンテント法なんかで強制されて、買えばいいものがかなり海外にあると思うんです。そこは系列で入ってこない それからもう一つ、先ほど申しましたけれども、今の車検のシステムでは純正部品を使う、こういうことです。車検の売り上げというのは大体年間三兆円ほどあります。自動車整備業界の売り上げが六兆三千億円ありまして、そのうちの四五%が車検にかかわるものですから三兆円あるわけです。ですから、もし部品は何を使ってもいいんだということになれば安い部品は幾らでもある、こう思うんですが、とにかく純正部品を使えということですから、高くても何でもそれを使うわけです。 現実に、ある工場がトヨタに出している部品、これは日産でも同じですが、これはトヨタならトヨタの段ボールに入っている純正部品と、それから同じ工場が出している同じ部品で別に全く品質も変わらないんですが、これは優良部品というので出ているわけですね。ところが、純正部品の方は同じものであるにもかかわらずトヨタの段ボールに入っていますから一〇%から一五%高いわけです。日本の部品メーカーもなるべく優良部品と同じなんだからこっちを使ってくれと、こう言うんですが、どうしても整備工場は純正部品を使うんですね。ですから、価格に関係なしでそれを使っているわけで、この仕組みである以上は幾ら安くていいものが入ってきても使えないという、そこに問題があるというふうに私は思っております。
○牛嶋正君 富山さんにもっとお尋ねしたかったんですが、時間でとめられました。失礼いたしました。
○小島慶三君 きょうはお三方、御多忙中をおいでいただきまして、本当にありがとうございました。 私も時間の制約というものをきっちり守りたいと思いますので、ごく簡単に御質問を申し上げたいと思います。 富山さんの御意見、私も共鳴するところが非常に多かったので御質問はいたしません。御勘弁ください。ただしPL法に対する評価が少し点数が辛かったように思います。ただ、そのほかの食の安全とかそういった面の規制緩和の関係など、規制緩和が万能でないというふうに私は承りまして、全くそのとおりだと思っております それで、それに関して青木さんと農山さんにお伺いするわけでありますが、私はこのごろ規制緩和というのは一体何のためにやったのかということをつくづく考えるようになりました。 その一つは、平岩委員会なんかのうたい文句でありますと、規制緩和によって新しいビジネスチャンスを企業は見出す、雇用も拡大する、消費者は多様な商品、サービスの選択が広がる、内外価格差も詰まる、それから円高対策にもなるし日米摩擦の緩和にもなるというふうに、非常に何か規制緩和ですべてがよくなるというふうな、そういったロジックが果たして現実と合うのかどうかというふうな疑問をこのごろ持っておるわけであります。 果たして、今までの千何十項目ですか、こういうことについてやられた結果というものによって新規の企業が旺然と輩出してきたかどうか。ビールとか多少そういうものもあるかもしれませんが、果たしてそういうふうな新企業が出てきたかどうか、新しい雇用がふえたのかどうか、価格が下がったのかどうか、そういうふうな点てちょっと考えなきゃならぬ点があるのじゃないかというふうに思っておるわけです。 反対に、これは規制緩和の関係だけじゃないと思うんですけれども、価格競争が引き金になってそういうものが起こり、価格破壊が起こり倒産が起こり失業者が出てくるというふうな状態というのが一部では見えているということで、やはり規制緩和によってなかなかロジックどおり進むものではない。市場の欠陥というものがあって、そういう点から見れば、富山さんの言うように規制と規制緩和と両方必要なんだというふうに私も感じてきておるわけであります。だから、そういう状態の中でますます円高は進み、失業率も三%を超える、そういう状態になり、一方では年初以来の次々と大変ないろんな難しい問題が起こって、危機管理というものに相当神経を注がなければならないという状態になっていると思うんです。 そういう点に関してお二人から今後の規制緩和の考え方について、私は先ほど牛嶋さんがおっしゃったように拙速でなくやった方がいいというふうに思いますし、いろんなほかの危機管理とか安全管理とかその辺とのバランスも市場の欠陥を踏まえて十分に考えた方がいいというふうに思っているんですけれども、それについてお答えいただきたいというふうに思います。
○参考人(青木辰男君) ただいまの小島先生のお話、我々ももちろん規制緩和万能論で言っているわけではございませんけれども、少なくとも我々の感じますのは、今までの日本の社会あるいは経済社会というものは余りに規制にがんじがらめにされているということが実感としてあるわけです。特に海外の産業界等との交流がありますと、どうして日本はこんなにいろんなことが規制されて一々許可がなければできないんだろうというような実感を強くするわけでございます。 現実に、今まで規制緩和が順次進行しておりますが、進行してきた範囲内でも、例えば流通業でいえば大店法の緩和されたことによって各地に相当数のいわゆる新型の流通店舗が進出しております。そのこと自体はやはり消費者に対する新しい、価格破壊という言葉は別としまして、とにかくより低廉な質のいいものを売り上げる場所がふえたということでもありますし、海外からももちろん進出が始まっているわけです。そういう意味で、緩和された範囲については相当な効果が既にしがっている。それで、雇用についてもそれによって、一方で流通でいえば中小では閉店したものもあります。あるいはそこに失業という問題はありますけれども、同時にそういった新規に開店したところではかなりの人数の雇用がふえております。そういったシフトが行われていることも事実であります。 それから、特にアメリカと対比して一番おくれている電気通信分野については、少なくとも緩和された部分について携帯電話であるとか云々でも相当な新規のビジネスに既に成長しております。今後、緩和が進むことによって最も雇用の機会をふやすだろうと期待されているのは電気通信分野でございますけれども、これはアメリカの例を見ても明らかに相当な雇用チャンス、ビジネスチャンスが生まれるということだろうと思います。これは幸いなことに前からあるもののどこかを壊すということではありませんで、新規に追加されるビジネスですので、非常にその点では期待が持てる分野ではないかと思います。
○参考人(屋山太郎君) 円高が進むというのは、やっぱり黒字がたまっているからこれを為替で調整しよう、こういう動きだと思うんです。何で黒字がたまるかというと、やはり規制が多くて市場が閉鎖的である、こういうことでありますから、中長期の目標で日本の市場をずっと開放していくんだという日本の意思が伝われば円高はある程度でとまるのじゃないか、むしろ黒字がどんどん減ってくるというような状況ができれば円は安く振れてくる、こういうふうに私は思います。 それから、つい二、三日前に発表された経企庁の物価レポートでは、ニューヨークと東京は東京の方が五一%高い、こういうことが言われております。これはもし物価を二%下げるということになりますと、国民の最終消費支出というのは二百八十八兆でありますから、二%下げるということは五・六兆国民のポケットに残る、こういうことなんです。この間やった減税が五・五兆円ですから、物価を二%下げるということは減税と同じ効果、それ以上の効果、つまりポケットに五・六兆円残る。これは貯金してもいいし新たに消費してもいい、こういうことですから、これは恐らくGNPを押し上げるほどの力になるということで、私は規制緩和をやって物を下げていくということがいい循環をもたらすだろうというふうに思っております。
○小島慶三君 ありがとうございました。意見がありますけれども、終わります。
○吉川春子君 日本共産党の吉川でございます。 お三人の参考人の皆さん、本当にきょうはありがとうございます。私は、時間の都合で、青木参考人と富山参考人にまず最初お伺いをいたします。まとめて質問をしたいと思います。 私は、今週二回にわたって中小企業の代表者の方から意見を伺いました。火曜日はまさにこの部屋で参考人として中小企業の代表がお見えになって、水曜日は仙台に出かけまして地方公聴会という形で聞きましたけれども、そのときに、今の大型店の出店とそれからディスカウントストアの進出ですね、規制緩和による中で、また価格破壊の中で、どんなに厳しい状況に置かれているかということを痛切な思いで意見を述べられたのが非常に心に残っているわけです。 青木参考人は大店法の段階的廃止ということをおっしゃいましたね。中小企業が今のまま一〇〇%残るとは思っていないと、そういうふうにも言われましたけれども、中小零細企業、業者に大打撃を与えても大店法を廃止しなければならない理由というのは一体何なのか、そこを伺いたいと思うんです。 そして、もう二十年とかもっと前ですか、スーパーマーケットが出てきた当初は値段も確かに安かったんですけれども、今決して値段なんか安くない、消費者の立場として言えば。だから、本当にそういう大きなお店も小さなお店も共存してやっていく、そこがやっぱり国民の本当の意味の幸せではないかと思いますが、大店法を廃止しなければならないということは一体だれのために何のためにということなのか、お話を伺いたいというのが第一点でございます。 それから富山参考人がアメリカの航空産業のことをお話しになられまして、大変恐ろしく、興味深くも伺いました。やはり規制緩和というところはそういうところに行き着くんであろうと私は思うわけです。 ちょっと横道かもしれませんが、屋山参考人が分割・民営化後に事故が減ったんだという発言をされましたけれども、これは統計のとり方が変わったわけでございまして、国鉄時代は事故として扱われていたけれども、その後五十万円以上の物損の場合は事故として扱わなくなった、五百万円以上しか扱われなくなったために統計上は少なくなったというのが事実だろうと思うんです。十人以上の死亡事故、重大事故が、国鉄時代最後の七年間は平均二・一件だった。八八年から九一年の平均値は六・三件にふえている。運輸委員会では、実態は、新幹線の「のぞみ」の床板が外れるなどちょっと間違ったら大事故につながりかねない事例が頻発しているということが実は大問題になっているというふうにも聞いています。 やはり、航空機の事例をさっきお話しになりましたけれども、もう本当に規制緩和ということがまさに国民の今、安全ということを犠牲にする方向になっているという一つの典型的な例だと思うんです。 それで、富山参考人にお伺いしたいのは、安全という意味で、健康とか命の方ですね。WTO協定の承認に伴いまして、米を初め農産物が世界じゅうから一斉に入ってくる。ポストハーベストの問題も先ほど言われましたけれども、この時点で国民の健康とか傘とか安全、そういうものを守るためにどんな規制が必要だというふうに考えておられるのか。私たちはWTO協定の見直しということも主張しているんですけれども、運動団体としてはどういうことをお考えになっているのかというのが第一点です。 それからもう一点は、企業の情報公開が必要だとおっしゃった、まさにそのとおりだと思うんですが、企業に情報公開をさせるためにはどういう手だてを考えていらっしゃるのか、その二点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(青木辰男君) ただいまの吉川先生の、大店法を段階的に廃止するといっても何のためにやるんだという一番根本の問題でございますけれども、我々の立場から言いますと、やはり消費者のニーズというものが非常に多様化して変わってきている、それに対して本当の選択の幅を与えること、それからいわゆる内外価格差なんかの是正に効果がある、そういうことを通じて消費者、国民生活の向上のためにはやはりこういった規制がない方がいいんだということであります。 それで特に、既に御承知のように、いわゆる昔ながらの消費パターンというのは消費者の方からも変わってきておりまして、毎日の物を駅前の店で少しずつ少量買いするというのが全部の形態ではなくなりました。車社会にもなっておりますし、大型の冷蔵庫も多くの家庭に装置されているということから、まとめ買いであるとか車で郊外の大型のセンターに行くというようなことも一般消費者にとっても一つのパターンとして成立してきていると考えております。そのほかもちろん通信販売なんかもございます。そういう消費者のニーズが変わっているところで前のままの中小小売業者をずっと保護していくということは、私は正直言って非常に難しい、だんだんできなくなるんじゃないかなという気がします。 ただ、問題としては、我々も実は別な面から認識していますのは、高齢化社会が来ると言っている、じゃその年寄りがどこに買い物に行くんだと。自分で車が運転できないというようなときに、やっぱり近くに店がないと困るんじゃないかという意見ももちろんあります。 そういったことで、総合的に言えば、やはり一遍に中小流通業者をなくすんではなくて、それなりのチェーン化であるとか、生きていく面でのサポートを与えながら、順次、先ほどもお話があったように、時間をかけてやっていくということではないかと思います。 ちょっとお答えにならなかったかもしれませんけれども。
○参考人(富山洋子君) 私たちの命と健康を守るためにどんな規制が必要かということからお答えいたします。 今、人間が生み出した人工化学物質は世界で一千万種を超えると言われています。そして、そのうちで世界的に使われているのが七、八万種、日本で使われているのは二、三万種です。それぞれについて有害性をチェックして、それぞれについて厳しい規制を設けることはとても大事ですが、それと同時に化学物質の総合規制ということをしていく必要があると思うわけです。私たちの今取り囲まれている状況から、このことは早急になされるべきことだというふうに考えております。 それから企業に対してどのようにして情報公開をさせる取り組みをするかということですけれども、先ほど不十分とは申しましたが、PL法というものが施行されます。そのPL法を十分に活用いたしまして、私どももどんどん裁判を起こし、その中で企業に情報公開をさせていくということも一つの手だてだと思います。 しかし、私たちが日常的にできるということは、いろいろな中で、もう泣き寝入りをせずにどんなことでも企業と交渉し、その中で情報をとっていく。そして、その中で情報をとれないものは、ワーストテンとか、今は環境に寄与している企業については何かいろいろと列挙するような市民団体もありますけれども、情報公開を求める私たちといたしましては、情報公開をしない企業のワーストテンとか、やっぱりそういうようなリストづくりなどをして広くマスコミ、国民の方々にお知らせしていく中で、情報公開が私たちの健康と命を守るために必須のものであるという世論をまず盛り上げ、その世論を背景にして企業に働きかけていきたいと思います。 行政の情報公開については先ほども少々触れました。
○委員長(小林正君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言お礼を申し上げます。 本日は、長時間にわたり御出席を願い、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。 ―――――――――――――
○委員長(小林正君) これより、規制緩和に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○服部三男雄君 質問いたしたいと思いますが、現下の経済問題で、特に現在金融不況と言われております点について非常に私は問題意識を前から持っておりまして、やっぱり内需振興を図って銀行の抱えている不良債権問題等を早急に解決しなければ日本の経済はだめになっていくのではないかという観点から、内需振興を図るためにもやはり不動産関係の規制についての緩和をすることが大事ではないかと考えているわけでありまして、こういう観点から主に建設省等に質問したいと思います。 まず、宅地開発。これは非常に今、大規模宅地開発するについて長期間を要するようになっておりまして、民間ディベロッパーはその期間が長いために資金コスト等から事業意欲をなくしている。その要因の一つに、各種許認可に係る事務の規制が厳し過ぎる。それから窓口である市町村、自治体における受付がばらばらになっていたりする。その原因として、いわゆる建設省所管の都市計画法、それから農林省の関係の農地法、森林法、それから文化庁に関係する、私どもの地元の奈良県もそうですが、埋蔵物関係の発掘に関する手続が非常に時間がかかる。こういった各省庁にまたがる種々の許認可事務がばらばらに行われている。 どうしても受付窓口を統一したり、その各種許認可の審査を順繰りではなくて同時並行的に行うことによる時間の短縮、手続の合理化ということが要望されるわけでありますが、これらについて建設省、農水省、文化庁等はどういうふうに自治体に対して指導しているのか、報告を求めます。
○説明員(竹村昌幸君) お答えいたします。 私どもは都市計画法に基づきます開発許可制度というのを運用しておるわけでございますけれども、先生今御指摘のとおり、相当規模以上の開発ということになりますと、私どもの法律に基づく開発許可制度以外にいろんな許認可手続が必要になることがあるわけでございます。 建設省といたしましては、都道府県等のそれぞれの部局でそれぞれの法令に基づき審査をしていただくことになるわけですが、開発許可の事務処理の一層の迅速化、合理化を推進するという見地から、手続の期間を短縮する、それから事業者の経済的負担を軽減する、そして円滑な事業の遂行に資するということを目的といたしまして、昭和六十一年より開発許可の事務処理マニュアルというのを策定いたしまして、公共団体の中におきます関係部局間の連絡調整の円滑化を図るための、私どもでは横断的調整組織と言っていますが、そういうものを設置していただいたり、事業者に対する統一的な相談窓口を設置していただいたりということを通達によって指導しておるところでございます。 今後とも、こういう公共団体の中の関係部局の連携のもとに、私どもの開発許可の事務の円滑化、迅速化に努めてまいりたい、かように考えでございます。
○説明員(小畑勝裕君) 私どもの方では、いわゆる農地転用の関係でございますけれども、この農地転用の許可と、今お話にありましたいわゆる都市計画の方の開発許可、これにつきましては、昭和四十四年になりますが、当時の農林省の農地局長と建設省の計画局長の連名の通達を出しておりまして、相互に連絡をとって可及的速やかに調整をしてこの両方の許可を同時にするようにというような指導をしておるところでございます。これによって、双方の許可がちぐはぐになったりあるいは迅速な処理ができないというようなことがないようにということに努めておるところでございます。
○説明員(水野豊君) お答え申し上げたいと思います。 私どもの関係は、周知の埋蔵文化財包蔵地におきまして宅地の造成でございますとか住宅建設の工事を行う場合に、文化財保護法に基づきまして工事を行います六十日前に届けをいただきまして、そして必要な場合は事前の発掘調査をいただくということになるわけでございます。その際、埋蔵文化財の保護と開発事業との円滑な調整ということが必要になってくるわけでございます。 最近におきましても平成五年十一月に通知を出しているわけでございますが、特に各教育委員会におきまして開発担当部局と定期的な連絡会を設けるなど連携を密にいたしまして、なるべく早く開発事業を把握する、また事業者との調整につきましては、できる限り他の事業に関します行政上の指導でございますとか手続と並行して迅速に行うようなこと、さらには発掘調査を実施する場合におきましては、土木機械や測量機械の導入など、調査期間がなるべく知縮化するように配慮するとともに、事業者とも十分連絡をとりまして、発掘調査の工程進行に支障のない限り、工事につきましても並行して実施できるよう指導に努めているところでございます。
○服部三男雄君 文化庁に再度尋ねます。 発掘調査に調査員が一人で大体一年間専従して一ヘクタールしか調査できないと言われております。例えば私ども奈良の文化研究所、祭文研というのがある。調査員の数が少ない。例えば一例として、「そごう」というデパートをつくろうとして十五年間待たされました、文化財の発掘のために。今あなたが言っているのは、抽象論は立派な話だが、実際現地の者にとってはほとんど開発できなくなるんだな、特に奈良のようなああいう千三百年の歴史があるところは。だから、その実務を実際運用する際に、もうちょっと緩和するような方向で考えなきゃいかぬのじゃないか。 総務庁に対して規制緩和の報告をしておるでしょう、文化庁の方から。具体的にどういうことを考えているのか、ここで回答できますか。
○説明員(水野豊君) 平成六年の今後における規制緩和の推進の閣議決定の中でも、埋蔵文化財の関連におきましては、その効率化、迅速化の観点から、発掘調査期間の標準化という問題と、発掘調査体制の整備というようなことが掲げられておるわけでございます。 近年、やはり開発事業が非常に増大をしておるということもございますので、そういう諸課題に適切に対応するため、昨年の十月になりますけれども、学識経験者や関係の行政機関の関係者からなりますところの埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究検討委員会というものを私ども文化庁に設けまして、現在、発掘体制の整備、発掘調査方法の充実、さらには遺物の整理収納方法等の充実につきまして検討を行っているところでございまして、平成八年度を目途に順次改善策を取りまとめたいというふうに考えております。
○服部三男雄君 国土庁は来ているのかな。国土庁の観点で尋ねたいのですが、各役所がそれぞれの法規に従って開発関係の規制をするのは、これは当たり前のことなんです。ところが、それが各省庁にまたがることによって自治体で統一窓口がなかなかしにくい。実際は、書類の受付は一本化しても許認可事務の審査がばらばらにやられるということの欠陥があるわけですから、どうだろう、国土庁の所管の関係になるのかなと思うんだが、国土庁から自治体に対して、そういう単なる受付窓口だけじゃなくて、審査事務そのものを一本化するような横断的な組織を自治体につくるように指導することは国土庁の権限でできないのかなと思って尋ねますが。
○説明員(二木三郎君) 今、各省からいろいろ御説明ございましたように、私どもも実際にこういった土地の関係につきましては、許可等を行う都道府県におきまして、土木の関係部局とか農林部局、環境部局、企画部局、こういったところでやはり横断的な調整が図られる必要があると考えているわけでございまして、私どもといたしましても、引き続き環境及び土木間におきまして十分な連絡調整が図られるよう、事あるごとに指導してまいりたいと考えております。
○服部三男雄君 次に、今回、行政手続法ができたわけですが、許認可に要する処理期間について設定するような努力義務規定があるわけですけれども、国として、地方公共団体に対して開発許可の処理期間の設定についてどのような指導をしているのか、建設省の方でお答えください。
○説明員(竹村昌幸君) 建設省といたしましては、開発許可に係る一連の手続を短縮するということは非常に重要な課題であると考えておりまして、先生今御指摘の行政手続法より以前の昭和六十一年より、通達で標準処理期間というものを公共団体に設けるように指導しておるところでございます。 具体的には、本審査と事前手続に分けまして、事前手続につきましては原則三カ月以内、遅くとも六カ月以内、本審査につきましては原則一カ月以内、開発審査会という調整区域の開発を経る場合においては二カ月以内ということを標準処理期間として設けるように指導をしておるところでございます。 重ねて、行政手続法の施行に伴いまして昨年の九月に、行政手続法の規定は努力義務ではございますが、私どもとしては従来どおり適切な標準処理期間を設定するように公共団体を指導しておるところでございます。 さらに、本年三月三十一日に閣議決定しました規制緩和推進計画にも同様の趣旨が盛り込まれておるということから、なお一層公共団体における標準処理期間を設けた上での事務処理の迅速化について指導してまいりたい、かように考えでございます。
○服部三男雄君 今の問題の一つの船路として事前協議という制度があるんです。これをやりますと、今、課長が答弁した本申請前の話のことですが、都市施設の整備と開発負担金というものがありまして、これのネゴのために実際は六カ月、一年みんなかかっている。今あなたが言っているような通知をしても、それを全然守れないような体制が特にある。それに加えて、各地方によっての特殊性がありますから、指導要綱で建設省なり農水省なりいろんなところから出している通達よりも規制を強くしている部分が非常に多いところが残っている。この二重のバリアというのがあって役所の通達どおりになかなか進まない。そこへもう一点あるのは、自治体の理解不足で各省庁の許認可に関する通達が明確に守られない、誤解して市町村が業者指導をやる、事前申請のときの指導をやるというような三つの隘路がある。 だから、規制緩和をやる以上は許可基準の明確化をまず第一にやらなきゃいかぬということ。第二が、開発指導要綱の、これは前にも尋ねたことがあるんだが、制裁的な措置をとろうとしているところがいまだにまだ残っているということ。それから都市施設の整備開発負担金の拠出をめぐる事前協議をもっと短縮して、できるかできないかはっきりさせるようにする。この三つの指導が要るのではないかと思うが、建設省の民間宅地室はどういうふうに考えますか。
○説明員(竹村昌幸君) 今おっしゃられた開発に当たっての基準の明確化ということは、仰せのとおりだと思います。 それで、私どもとしても数次のいろんな通達において可能な限り基準を明確化するように努めておるところでございますが、先ほどおっしゃられました事前協議というものにつきましては、事前協議というのが一種計画作成上の手戻りを防ぐとか事業者の事業リスクを回避するという観点から、一定の事前協議の合理性はあろうかと考えております。 ただ、それが非常に長くなっては問題であるということでございまして、先ほど申し上げました開発許可の事務処理マニュアルという六十一年に出した通達におきましては、基本的に事前相談、それから基本計画の審査、それから事前審査、それから書類をちゃんと受け付けた本審査というような四段階に分けまして、相談の段階から事業の立地の可否といいますか、この事業が大まかにできるかどうかというような段階、それから細かい例えば道路をどうするかとか公園をどうするかというような段階というように分けて、順次審査をするようにマニュアルをつくって指導をしておるところでございます。 それから開発指導要綱のお話でございますけれども、御指摘のように、開発指導要綱を市町村において定めておりまして、一部の行き過ぎた内容の指導要綱が住宅宅地供給の支障になっているという御指摘がございます 建設省におきましては、そういうことを踏まえて、従来より通達によって行き過ぎた指導要綱の是正に努めておるところでございますけれども、具体的には、昨年の八月に自治省と共同で全国の指導要綱の実態調査を公表して、それに基づきまして通達を出すとともに、ことしになってからは大都市圏を中心に四十の市区町につきまして個別ヒアリングをするというようなことで、その指導要綱の行き過ぎ是正について努めておるところでございます。 これも先ほど来申し上げていますが、ことしの三月三十一日に閣議決定されました規制緩和推進計画というのにも盛り込まれておりまして、今後とも自治省とも緊密な連携を図りつつ、例えばフォローアップ調査を行うとか、それから指導要綱の見直しに関する新たな指導指針を策定するというようなことも含め、引き続き指導要綱の行き過ぎ是正の徹底に努めてまいりたい、かように考えでございます。
○服部三男雄君 農水省の農地転用許可の問題もあるんですが、その前に宅地開発指導要綱の問題で三点ほど尋ねます。 まず、この開発指導要綱が全国一律に大体同じようなマニュアルでなされているということで、大規模開発でやりますと、日本の大規模開発はワンパターン化するんです、ひな壇方式と言って段々畑みたいになっていく。これだけ価値観が多様化してきているわけですから、特に住環境の整備というのは大切ですから、もっと開発設計のフリープラン化を図るべきではないかというのが私の持論でありまして、その隘路となるのに、例えば開発地内の道路幅員はもう六メートルと決まっているわけです。それから計画人口設定というのがあって、設定基準を一戸当たり三・五人にするとか、非常に全国一律にやり過ぎたためにワンパターン化して、宅地開発も全く同じような町並みになっていくという欠陥があるのではないかというふうに思いますので、例えば道路については区域内の道路率、何%を道路にしなさい、そのほかはフリー設計でやっても結構ですとか、こういうふうに変えた方がいいのではないかと思うが、民間宅地指導室長、どういうふうに考えますか。
○説明員(竹村昌幸君) 今の御指摘は、開発区域内の区画道路、幹線道路ではなくて家と家の間の道路のお話だろうと思いますが、私どもとしましては、現在の指導要綱で決められておるそういう家と家との間の道路の中に、従来より行き過ぎだというふうに指摘しておりますのは、六メートルを超えるような区画道路を一律に求めているということは行き過ぎではないかということで指導しておるところでございます。さらに、一律に六メートルということに合わせまして、例えば小区間の道路ですと区画道路についてそういう利用形態ですとか設計上の創意工夫というようなもので六メートル未満の道路でも四メートル以上であれば弾力的に認めるようにというようなことで公共団体を指導いたしておるところでございまして、基本的にはそういう幅員をそれぞれの個々の事情に応じまして弾力的に対応するように指導を引き続き続けたいというふうに考えてございます。
○服部三男雄君 今の関連で、公共施設をディベロッパーがつくって、それで工事完了検査の翌日に都計法に従って自治体に移管するというふうになっておるわけだが、実際自治体が受け取らないで何年も放置したまま、道路とかいろんな設備を放置したままで固定資産税がディベロッパーの方へかかっているという例が全国に幾らでもあるんだが、これをもっと周知徹底して早く移管するように指導をするように努力してもらいたいと思いますが、やっていますか。
○説明員(竹村昌幸君) 今の御指摘は、開発許可で民間の事業者がつくった道路とか公園がなかなか市町村に移管されていないという問題だと思います。 それで、この件につきましては、そういう実態を踏まえて、私どもとしては昭和五十七年に通達を出しております、極力移管を進めるようにということで。それで管理を仮に周辺住民の方がおやりになると、例えば緑地というようなものであればそういう場合もあろうかと思いますが、そういう場合も、少なくとも土地については公共団体の方に移管するようにという指導をやってございます。従来よりはかなりその辺の是正は進んでいるというふうに考えておりますけれども、引き続き指導の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○服部三男雄君 今の関連で農水省に尋ねますが、農地転用の許可の場合に、農水省の指導、通達よりも現地の市町村の方がずっと厳しいんですね。特に過大な書類を要求される例が散見されるんだが、規制緩和の観点から、自治体に対してもっと農水省は基準のマニュアルのようなもので明確に指導しなきゃだめじゃないかと思いますが、その点どうですか。今後改善できますか。
○説明員(小畑勝裕君) 農地の転用に当たりまして、事務処理をするためにややもすると末端に行くほど硬直的になるであるとか、やっぱりいろんな問題が地元では起こってまいりますので、万一のことを考えてちょっと余計な、余計なというと語弊がありますけれども、多目にいろんな書類をとっておくとかというような事例が見られるということはなくはないんだろうと思っております。 それで、常々許可手続を簡素化するであるとか早くするであるとかというような指導はしておるわけでございますけれども、近く具体的に一ついたそうと思っていることを申し上げますと、今、先生おっしゃいましたように、国が添付書類として定めているもの、それ以外に例えば隣接者の同意を持ってこいだとかというようなことが、後でもめないためなんでしょうけれども、行われているわけでありまして、そういうことはしないようにということを近々通達を出して指導しようと考えております。
○服部三男雄君 開発許可に絡む問題なんですが、一番よく今まで問題になっているのは農業振興地域の耕作地の問題、農用地の問題なんですが、実際には宅地開発事業で開発しようとする条件は大体整っている中で、耕作地が実際はそのまま使われていない、耕作されてない、あるいはしているといってもお年寄りの趣味的園芸のような形で菊、バラをちょっとつくったりホウレンソウをちょこちょことやっているというような例が全国至るところで散見されるわけです。本来の農振としての水田とかそういうふうには全然使われていない。こういうのを農用地指定で見直しを行うべきではないかというふうに考えられるわけです。それは完全に農業として大きい水田の真ん中にばらっとずつあるならいいですよ、そんなものはそのまま農用地で進めればいいんですけれども、市街地になっているとかあるいは山間地で例えばゴルフ場適地のようなところにぽつぽつと散見されるわけです。こういったことについて、やっぱり宅地開発を進めて内需振興を行うとなると明らかにこれは邪魔になるわけで、そういうことについて農水省ではいろいろ見直しをやっているようですけれども、どういうふうに進めていこうとしているのか、説明してください。
○説明員(小畑勝裕君) まず、耕作放棄地のことについてちょっと御説明をさせていただきます。 実際、農地の中に耕作をされていないところがあるということは事実でございまして、特に大都市圏で宅地の供給が大切だというところで耕作放棄があるというようなことはいろいろな問題があるわけでございますので、昨年その耕作放棄地につきまして実態調査をいたしました。三大都市圏で私どもの把握したのでは一万六千カ所に五千五百ヘクタール、これは個別の個票として把握をしておるわけでございます。これらにつきまして、今年度はそれぞれの市町村で個票があるわけでございますから個別にそれをどういう方向で利用していくのか、もちろん農業的に優良農地の中が一部耕作放棄されているというようなところはまた農業的利用が必要なんでしょうが、例えば周りがもう住宅地となっているというようなところは都市的な利用をしていくことも必要だろうと考えております。そうしたそれぞれの耕作放棄地についての利用の方向づけを今年度するということで、今建設省や国土庁とも御相談をさせてもらっておりますけれども、今月中にそうした方向での通達を出したいと思っております。 そうした中で、やはり方向づけのされたものにつきましては農用地区域の変更なり除外なりというような手続も追って必要になるし、それはやっていかなきゃならぬと思っております。
○服部三男雄君 建設省民間宅地指導室長にさっきの質問で、ちょっと僕聞き落としたのかな、計画人口の三・五の話は回答してもらいましたか。
○説明員(竹村昌幸君) 失礼いたしました。 先ほどの御下問の中で計画人口といいますか、一戸当たりの人数を何人に想定するのかということで、三・五人前後としておる自治体が多いけれどもいかがかという御下問かと思いますが、私どもとしては、今おっしゃられました一戸当たりの人口というのはこれを指導要綱で各市町村がやっておるわけですが、例えば一人当たり何平米の公園を求めるというときの基本的な単位になりましたり、戸数を出すときに計画人口を一戸当たりの人数で割って戸数が出てくるというようなときにその一戸当たりの人数をベースにしておるわけでございますけれども、そういうものにつきまして私どもの指導要綱は、一般論としまして社会経済情勢の変化に対応して是正をしていただくということは当然のことでございます。 現在、世帯の細分化傾向が進んでおりまして、やはり一世帯当たりの人数というのは三人を切るような状況になっておるというような状況から見ましても、三・五人というような人数は多いのではないかという認識を持っております。したがって、今もそういう指導をいたしておりますが、今後ともそういう社会経済情勢の変化に伴った指導要綱の適切な見直しということについて指導してまいりたい、こう考えでございます。
○服部三男雄君 冒頭申しましたように、宅地開発もそうですし、市街地の中の再開発なんかをやる場合、実際年月がかかる、許可手続が煩雑である、しかもコストが多大な負担がかかるということで、民間ディベロッパーは今時に景気が悪いせいもあって及び腰になっている。なぜなら先行きの見通しがなかなか立たない。いつどれだけ許認可がもらえて、例えばどのくらいの容積率をアップしてもらえるのかとか、いろんなことで先の見通しが、なかなか計画が立たないという欠陥があって及び腰になる。そうすると、ますます内需振興ができなくなるという悪循環に今陥っているわけでありまして、そこへ不動産取引が活発化しないという三重の悪循環に入っているということで、これを何とか打破していかないとだめだろうと。 そのためには、規制緩和と同時に、ある程度の具体的なプランを持ち込めば、役所の方で、自治体の方で例えば総合設計なら総合設計でこれだけの容積率になりますよとか、こういうふうな町並みに変えていっていただければこういうふうに変わりますよという、ある程度の見通しというものを出してやる必要があるんではないかなと思うんですが、実際そういうふうな施策に変えられるかどうか、建設省の方で。
○説明員(澤井英一君) 申すまでもございませんけれども、都市計画といいますのは長期的な観点から町のありようを定める、また住環境もそれで規定されるということですので、住民手続あるいは都計法といったような手続が非常に重要だというふうに考えておりますが、一方で御指摘のように優良なプロジェクトについて事業意欲を喚起していく、そのためにできるだけ早く見通しを与えて実現を促進していくということも非常に大事だと考えております。 一つ具体的な例を挙げて申し上げたいと思いますが、現在、任意の優良な再開発を誘導する手法として、再開発地区計画というのがございます。これは、公共施設なり公共空地といったものの整備とあわせまして、容積率を緩和して民間建築活動を誘導するという仕組みでございまして、昭和六十二年につくられてから既に全国で数土地区活用されておりますが、これまでの制度では、今申しました公共施設の配置とか規模、こういったことを定めないと高度利用の方針を明示するそういう段階に移れない、こういう仕組みになっていたわけでございます。結果といたしまして、プロジェクト全体についてかなり詳細に計画内容を煮詰めた段階でないと都市計画決定に移れない、こういうことで事業見通しが非常に早い段階では立てにくいという御指摘をちょうだいしておりました。 このため、今国会で都市再開発法等の一部改正をいただきまして、この中で公共施設の配置や規模の決定に先行して、先生ただいまおっしゃいました高度利用の見通しあるいは方針といったものを都市計固としてできるだけ早い段階に定めるということを可能にしたところでございます。こういった措置も含めまして、今後とも御指摘の方向で制度や運用の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○服部三男雄君 内需振興に一番いい制度としては、都計法の規定の中に高度利用地区制度というのがあります、民間の優良な建築活動を促進するわけですから、非常にいい制度があるわけであります日もちろん実際高度利用地区の指定は自治体がやるものですけれども、建設省としてこの制度のもっと活用というのをする必要があると思うんです。 というのは、せっかく制度をつくってあっても余り運用例がないんじゃないかなということが一つと、それからどうしても空地の問題だとか公共施設の関連から再開発事業とセットにされる例が多いように思います。そうではなくて、先ほどの民間ディベロッパーの建築活動を誘導するという観点からもこの制度をもうちょっと積極的に活用する必要があるんではないかと思いますので、建設省として目指す方向なりあるいはどういうふうにそれを変えればいいかということを、意向があれば回答が欲しいんですが。
○説明員(澤井英一君) 高度利用地区、現在、全国二度十七都市、面積で千二百ヘクタール指定されておりますが、ただいま御指摘のように、事業とセットというものが多うございます。すなわち八四%、約千ヘクタールが再開発事条等の事業関連で打たれているもの、残りの一六%、約二百ヘクタールが先生御指摘の誘導型のものでございます。 これを誘導型、つまり民間建築活動を誘導する観点から高度利用地区を活用していくということにつきましては、現在私どもでお願いしております都市計画中央審議会でも議論を賜っておりまして、特に都心居住ということに関連いたしまして、住宅に着目した容積率の緩和など、制度の一層の活用を図るべきだという御議論をちょうだいいたしております。 今後、こうした方向で住宅等を中心とした容積率の緩和あるいは弾力化ということにつきまして実施を検討してまいりたいというふうに考えております。
○服部三男雄君 今まで日本の都市景観の悪さとしてビルの形がいびつになるとか町並みがきれいにそろわないとかいうことで、特に諸外国との比較をすると日本の町並みはよくない。それは道路の問題とかいろいろあるんですが、そういう形になった原因の一つとして、いわゆる形態規制と言われている斜線制限とか前面道路幅員による制限とかいろんな形態規制があったわけであります。 この点についていろいろ今まで批判が多かったということで、ことしの大都市法の改正とか再開発法の改正で一部形態規制が緩められてきております。その一例としてのいわゆる町並み誘導型地区計画というものが実現したわけでありますが、この制度、非常にいい制度だと私も思います。この制度をもっと活用するために、今後建設省は、この制度の具体的運用を含めて積極的にどのように対応していくのかという方針を各自治体に対してもっと明確にすべきではないかなと考えているわけであります。 この制度を活用すれば町並みが非常にきれいになるし、内需喚起にも非常に資するだろうと私も思いますので、建設省の都市計画課の方ではどういうふうに考えているのか。
○説明員(澤井英一君) 御指摘の町並み誘導型地区計画でございますけれども、今回、ただいま先生仰せのような改正をしたことによりまして、言ってみますと、地区計画の中で住民参加によるいわば地区レベルの総合的な町づくり計画の策定が可能になった、こういう評価ができるかと思っております。こうした制度をつくった以上、これが実際にその現場の町づくりに生かされて、民間の建築活動を誘導する指標となることが次の段階として極めて重要だと思っております。 このため、特に都心居住のような重要な施策につきましては、モデル地区を事例にとって具体的にその活用方策、いろんな工夫を検討するということにつきまして私どもといたしましても公共団体と一体となって検討を深め、またそういう検討成果を全国の同様な状況にあるところに情報として還元していく、それによって制度の一層の活用を図るという取り組みを今後強力に進めていきたいというふうに考えております。
○服部三男雄君 ちょっとこれは質疑通告から外れるかもしれませんが、今、建設省はもちろん農水省、国土庁は、いろいろ各自治体に対して一生懸命通知、指導をやりますと、こう言うんだが、そうすると、受ける方の自治体にとってはめったやたらに通達が来るという意識がある。特に、建設省の都市の、特に都心居住関係を含めての法律というのはもう数え切れないほどある。そうすると、どの通達がどの部分からきているのかわからなくなって、受ける方の自治体は混乱するわけです。それが結局趣旨を十分理解しないままにいろんな指導、規制になってつながっていって、誤った指導をしているような例は幾らでもあります。 私たちのようにある程度それを勉強していると、自治体に対してそれは違うぞと、建設省にもっとよく問い合わせてみなさいとかあるいは農水省によく問い合わせしなさいよと言えますが、ディベロッパーは許可をもらう側に立つとなかなかそれが言えないということで、ひとつ指導通知体制の周知徹底の方法は今までのやり方ではだめじゃないかということと、整理統合してやる必要があるんじゃないかなと、こう思うんですが、これはどの所管になるのかな。
○説明員(澤井英一君) 町づくりなり都市開発に関連する法規は、御指摘のようにかなり多いといえば多いと思います。それぞれきちんとその立法趣旨等を責任を持って伝えるという場面は一方では極めて重要だと思いますけれども、他方、御指摘のように、現場の目で見てこの現場をいじるときに、あるいは何かするときにどういうものが関係してくるか、法規の方からではなくて現場の方から見て何がどうなっているかということをわかりやすく御説明する。さらに関連して、そのうまい活用事例なんかも紹介する。さらにもう少し広げて言いますと、こういった町づくり関連のいろんな約束事あるいはルールといったものがもっともっと国民一般の皆様方に身近なものに感じていただけるようにするといったあたりが私ども非常に地味ですけれども重要な取り組みの一つのテーマだろうと思っておりまして、最近幾つか工夫を始めておりますが、今の御指摘の趣旨も踏まえまして一層いろんな工夫をしていきたいというふうに思っております。
○服部三男雄君 工夫してもらわないかぬのは当然なんだが、それの根本となる法律が、特に都市関係法規の建設省の法律は各法律を相互に引用し合う例が多いんだな。それが非常にわかりにくくしている。整理統合する必要がぼちぼち来ているんじゃないか。昭和四十年代から法律をつくり過ぎたんじゃないかなという気がするんだが、担当課長じゃなかなか答えにくいだろうけれども、それを要望しておきます。 次に、とにかく日本の国土は狭いわけで、それが太平洋メガロポリスに人口が集中している、都市部に集中していると。そうすると、都市部の面積は小さいですからそれを有効活用しなきゃいかぬ。それが内需振興につながるということで、ことしになってからいろいろ建設省も努力して法改正しているわけですけれども、その中で一番手っ取り早いのが総合設計制度だと思う。総合設計制度の要件も今度緩和したわけだが、これを実際に総合設計制度を制度として緩和していくことは易しいんだが、実務の面ではなかなかそれがいろんな規制や隘路があってできにくいと。建設省はどのように今度この制度を充実していく考えなのか、あれば同答してください。
○説明員(岡本圭司君) 建築基準法の総合設計制度は、敷地内に公開空地を確保しまして、市街地環境に総合的に配慮した優良プロジェクト等を対象としまして容積率の割り増してございますとか斜線制限の緩和等を行うものでございますけれども、一方で、大都市地域での住宅供給促進の観点からも有効な手法であると考えております。 この制度の活用によりまして、例えば東京都の環状七号線の中側で最近五年間で二万戸を超える住宅が供給されてございまして相当の成果を上げてございますけれども、今後、大都市地域の都心部等におきまして良好な市街地環境を確保した住宅の供給を一層推進する、こういう観点から本制度のさらなる充実を図ってまいりたい、このように考えております。 具体的には、現行では住宅比率が四分の一以上のプロジェクトを対象にしまして、公開空地の面積等に応じ都市計画で指定されました容積率の一・七五倍かつ三〇〇%増しを上限に割り増しを行ってございますけれども、住宅の比率が特に高いプロジェクトにつきましてはこの上限を引き上げる、そういった措置を講じますとともに、例えば道路に沿って公開空地を設けた場合に容積率の割り増しを優遇する、あるいは一定の開放性を有する中庭、例えばパリ等の街区に見られるようなタイプですけれども、こういったものを公開空地としまして算入することができるようにする、こういったような方向で運用基準の見直しを早急に実施したいというふうに考えております。
○服部三男雄君 次に、官庁営繕工事についてですが、現在の建物はインテリジェントビル化してきまして建物本体よりも中の設備の方が非常に金がかかるようになってきているわけでありまして、そうしますと、今まで官庁工事の多くは一括受注したゼネコンが全部決めていくというふうになっておったんですが、特にこれは参議院の建設委員会で、昭和四十年代に附帯決議で、本体とそれ以外の電気とか給排水とか冷暖房等の工事は専門業者と分離しろという附帯決議をやった経緯があるんですが、全国的に見ますとその分離発注は進んでいるのかどうか、建設省の方で把握しているならば回答してもらいたい。
○説明員(竹歳誠君) お答えいたします。 建築工事に係ります電気設備及び空調設備等の工事につきましては、先生今御指摘のように参議院の附帯決議をいただきまして、これを受けまして建設省の次官通達を出しまして、これらの設備工事につきましては専門工事業者に対して分離発注するよう努めることと、こういう配慮を求めてきております。したがいまして、多くの発注者におきましてはこの分離発注が行われていると、こう理解しております。
○服部三男雄君 官庁営繕工事ということになると建設省発注じゃなくて、例えば文部省だとかいろんなところが出すわけだが、学校の校舎もそうだが、こういうのはみんなそういう例に倣ってやっていますか。
○説明員(竹歳誠君) 私どもの知っている範囲では、各発注者それぞれ分離発注の努力をしておるところでございますが、幾つかの県におきましては必ずしも設備の分離発注を行われていないところもあると聞いております。
○服部三男雄君 その県はどことどこですか。
○説明員(竹歳誠君) 奈良県ともう一つの県でございます。
○服部三男雄君 以上で終わります。 ―――――――――――――
○委員長(小林正君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、川橋幸子君及び佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として稲村稔夫君及び瀬谷英行君がそれぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(小林正君) 質疑を続けます。
○峰崎直樹君 日本社会党の峰崎でございます。 予算委員会で円高問題に関連をして規制緩和の問題等について触れてまいりましたけれども、きょうは三十五分間という時間でございますので、少し総論にわたった質問になるかと思いますが、大臣、関係当局に質問をしていきたいと思います。 最初に、実は与党の円高調査団が五月一日から七日までの一週間、アメリカに行ってまいりました。その際、ゴア副大統領を初めとして政府当局からいろいろお話をする機会に口々に出てくるのは、四月十四円に策定をした円高対策というのは極めて不十分である、評価に値しない、こういう彼らの主張でございました。 私どもはそれに対して反論をしてまいったわけでございますが、私がそのとき非常に痛感をいたしたことは、どうも日本の政策の宵伝の仕方といいますか、それは非常にやはり弱いのではないかと。たしか三月三十一日の規制緩和に関する五カ年計画は、在外公館などにもいわゆるきちんと説明をするというようなことも持たれたとは聞いているんですが、どうもその浸透度合いが弱いんではないかと。 例えば、有名なブラドリー上院議員と会ったときに、公定歩合が一%に下がったことも全然知らないような状況でございまして、こういう意味で我が日本の政治家のパフォーマン又といいますか、そういった点について少し改善も加えていく必要があるんではないか、こんなふうに考えたんですが、大臣、向こうに行ってみますと、官僚と折衝するのはもうたくさんだと、政治家同士でこの種の問題を話し合いたいというような議論も聞いてきたところでございますが、そういったアメリカ側の反応に対して、規制緩和を取りまとめてこられた責任者としてどのように判断をしておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) これからは議員外交というものが極めて重要な時代に入ったんではないかというふうに認識をいたしております。そういう意味で、今御質問ございました峰崎委員が他の議員の皆さんと一緒にアメリカに参られまして大変な御苦労をいただきましたことに対しましても、心から敬意を表したいと思う次第でございます、 先日、閣議の席上で橋本通産大臣が申しておったんですが、アメリカあるいはカナダに行ってみると、政府が決定いたしました緊急円高・経済対策にいたしましても、その他の施策にいたしましても、なかなかアメリカあるいはカナダ等の大臣がよく承知をしていない。一つは政治家としての努力もあるが、各省庁から在外分節に参事宵あるいは一等書記官等の形で行っている皆さんが大勢おるわけです。そういう人たちが所管の問題に関して相手の国にPRをしているか、日本政府が決定した方針について十分な理解をいただくような努力をしているかというと、どうもその点も欠けているようだと。 したがって、委員の今のお尋ねでございますが、政治家としても私は努力する必要がある。同時に、経済官庁は在外公館に大勢の人たちを出しているわけでございますから、そういう人たちがやはり当該の在外公館の中で大使、公使に我が国の政策を十分理解をいただく、あるいはみずから関係の省庁の人たちにPRをする、そういった両方の努力が必要ではないのかなというふうに思っております。委員御指摘の、政治家としての努力が必要であることは言うまでもないというふうに認識をいたしている次第であります。
○峰崎直樹君 五月のいつでしたでしょうか、総理が横浜に行かれて、帰りにマクドナルドのハンバーガーの店へ立ち寄られた。私、自分で予算委員会のときに二回ばかり、マクドナルドのハンバーガーの値段を内外価格差の一つの模範例としてお話をして、総理にも、行ったことがあるかと尋ねたんですが、どうやらなかったようで、初めて行かれたと。 私、アメリカに先日行ってまいりまして、例のビッグマックというやっを食べてきたんですけれども、一ドル八十九セントでした、中身を、正確に比較するのが本当に難しいと思うんですが、ちょっとレタスの量がアメリカは少ないのかなと思いましたが、あとは大体同じようなものです。 ああいうのは、内外価格差問題や円高対策を打ったとき、あるいはそういう政府側が宣伝をするときに効果的に進めて、そういう国民向けのアピールといいますか、そういった点もぜひ、これ総理もそうでございますが、そういう内外価格差問題、これはまあ経済企画庁等がそれは主管官庁かもしれませんが、物価は。しかし、そういう規制緩和といったような問題を主管されている総務庁長官も、自分はこういう改革に前向きなんだということをぜひとも今後ともとっていただきたいなと。何だか国会の会期末も近くなって、なかなか質問する機会はないわけでございますが、ぜひともそういうことが必要なんじゃないかなというふうに思った次第でございますので、改めて要請をしておきたいと思います。 さて、そこでまた総論的なお話になっちゃうわけでございますが、今の規制緩和という流れは、これは全世界的に規制緩和という流れが広がっているというふうに聞いております。最も早くは一九七〇年代の後半のアメリカのカーター政権のときの航空産業の自由化あたりから始まったと言われておりますが、さて国際的なこういう流れは、総務庁長官としてこれはいわゆるやむを得ざるというか、大きな流れで必然的なんだと。その意味では日本もそういう規制緩和という大きな流れをタイミングを失することなく進めるのが重要であるというふうにお考えなのか。いやいやこれは規制緩和の流れは一つの潮みたいなものであって、京都大学の佐和隆光さんなんかは、非常に自由化、そういうものが非常に高まるときと、そして振り子が有に行くと今度は逆にもとへ戻ってくる、そういうふうにある一時的な一つの潮の流れのものがあるんであって、そういう意味で言えば永遠に続くかのごとき流れではないんだと。こういう意見ももちろんあるかと思うんですが、長官はここの点についてはどのようにお考えでありましょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 冷戦構造が崩壊をいたしまして、東西の対立から東西の対話、協調の状況に変わってまいりました。そういう中で、国境というものが、今までの垣根と申しますか、そういうものが低くなってきた。これが最近の国際的な大きな流れではないかというふうに思っております。 そういう状況になってまいりまするならば、世界各国それぞれ国の成り立ち、歴史と伝統によりまして経済的な制度、法律というものが変わっていることはやむを得ないと思いますけれども、しかし、今申し上げましたように、ボーダーレスの世の中になってまいったわけでございまするから、我が国だけが変わった制度、政策というものをいつまでも守っていていいのかということにはならないと思いますし、我が国のみならず世界各国が同じような状況ではないだろうかというふうに認識をいたしております。 そういう立場から考えますと、お尋ねの規制緩和の問題につきましても、日本が、例えば今度の規制緩和、三カ年計画でJISやJASにつきまして国際基準に合わせるように今回措置することにいたしました。また、そのために通産省等では人員等も必要であるということで、今度の補正予算におきましてこの面における通産省の定員の増についても実は総務庁として認めた次第でございます。そういった形で国際的な指標に我が国の制度も合わせていくという努力は必要である、またそういう意味でお尋ねの点では前者の方向で努力をすべきものというふうに私は認識をいたしております。
○峰崎直樹君 今、お答えを聞いて関連して質問してみたいと思った点があるんですが、今JISとかJASとおっしゃいましたね、国際規格。この国際規格はどこが標準を定めるんですか。 つまり、私先ほどいろいろな参考人への質問を聞いておりましたときに、規制緩和はもう不可避である、いや規制緩和と言いながらも規制を加えなきゃいかぬ分野もあるといろいろ議論をしておったんですが、私はこの規制緩和とか国際的に今お話があったようにずっと流れてくると、何かハーモナイゼーションという言葉がよく出てくるんですが、どうもそのハーモナイゼーションというときに、今指摘をされているさまざまな例えば特許制度であるとか知的所有権の問題などとか、そういうものについて国際的な調和というときにはアメリカのシステムというか、もちろん最も早くそういうことを進めたところがそういうことになりやすいのかもしれませんけれども、今JIS、JASとおっしゃったようなそういう制度、これは各国の法律制度というのは恐らくいろいろ違いがあると思うんです。 そういうときのいわゆる国際的なハーモナイゼーションのあり方といったようなことについて、これは各産業ごとに例えばISOだとかいろいろな取り決めみたいなのがあるんだろうと思うんですが、こういう意味で言うと規制緩和即世界的な規制の統一化といったようなことになっていくものなんだろうか。そこの間には、どうもやはり日米だけ見ても今自動車部品の問題で相当やっておりますけれども、国際的に回ってみたときに、私はそこには規制緩和という大きな流れがある中でそれぞれの国の持っている法律、その法律が規制緩和をするときに各国ごとにいろいろな特徴やある意味では特殊性みたいなものが当然あると思うんです。 そういった点との関連で、これはいわゆる強い国の制度が一般化するんじゃなくて、私はやはり国際的なそういうさまざまな制度を論議する場、そこにおけるある意味では論議というのが不可欠だと思うんですが、そういった点について、長官あるいは当局でも構わないんですが、何らかのアイデアがあったら考え方をお聞かせ願います。
○政府委員(陶山晧君) ただいまの峰崎先生の御意見、極めて含蓄に富む御意見であろうと思います。 私が申し上げるのは実務的な観点で申し上げるわけでございますが、一般論として申し上げれば、今回の政府の計画の中にも国際整合化という観点の個別項目が多々入っておりますけれども、単に米国の要望とかあるいはヨーロッパの要望ということよりは、多くの先進国が同じルールで規制を考えていこうという方向について、日本の場合も多くの先進国と同様のルールで事をしようという観点で具体的な措置項目が定められているというふうに御理解をいただきたいと存じます。 そこで、各園によってそれぞれの分野でいろいろな事情があるのは当然のことでございます。例えば、実態行政を担当する各省庁の立場からすれば、仮に外国からあるいは国際機関から御要請がありましても、日本の事情、国情、特殊性等々から勘案すれば今直ちにそういう方向に合わせるといいますか整合化するということは無理である、そのためには諸般のいろいろな条件整備が必要であるというようなものもまた多々あるわけでございます。 したがって、そうしたものについては日本の状況、条件等々について諸般の観点から総合的に勘案をして慎重に検討していこうという立場になるわけでございまして、すべてについて外国からの要請について直截にそのまま対応すべきであるという観点で議論をしたわけではございません。
○峰崎直樹君 これは恐らく、今、日米の自動車摩擦の問題が続いておりますけれども、引き続き大変に大きなポイントになってくる点じゃないかなと思っておりますので、我が国の利益、そして国際的な調和という二つの課題をしっかりとにらんだ上でやっていただきたい、またやるべきだというふうに思います。 さて、最後にしたいと思いますが、実は先ほど質問した背景には、かつてヨーロッパにおいても社会民主主義勢力と言われている人たちというのはある意味では社会福祉、社会保障制度、さまざまな制度を充実させながら国民の福祉の向上を図っていこうという意味で比較的大きな政府を目指してきたというふうに言われております、 それらの国々も含めて、先ほどヨーロッパの国々、世界的に規制緩和というものが進んでおる、こうお話があったわけでございますが、我々もこの規制緩和について一体どういう態度をとったらいいのかということについて、実は本格的にこれをそういうレベルで議論したことというのは我が党の中でも余りないんですが、これはひとつ我が党から出ておられる大臣に、ヨーロッパの社会民主主義勢力と言われているところはこの規制緩和についてはアプリオリにこれはもうやむを得ない流れなんだ、こういう見方をして、そしてその上で対応しようとしておるんでしょうか。それとも、いやこの流れは変えられる、変えられるというか変えなけりゃいけないというふうに考えながらやっておられるのか。そこら辺、もし御意見なり総務庁でお調べになって一つの傾向が出ておるとすれば私どもに教えていただければと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) イギリス労働党の例でございますけれども、一九九四年一月の議会に、御案内のように現在イギリスは保守党の内閣でございますけれども、規制撤廃法案を提案いたしたのに対しまして、野党でありますイギリス労働党は議会の議決を必要とする一次的法令なしに法律の改正撤廃を行う権限を各省大臣に与えるものだとして批判をして反対をいたしたそうです。結局、一々法律で決めないでこの規制撤廃法案が通れば各省庁にそれぞれの権限を与える、こういうような法律なものですから、議会の自主性というものを軽視する、いわば議会軽視の法案ではないのかという立場から反対したということを承知いたしております。食品衛生あるいは職場の安全基準、あるいは動物の厚生等の低下につながるということで批判をして反対したそうでございますが、これは一つの例だろうと思います。 いずれにいたしましても、ヨーロッパの国々、今EUの国々が日本に対してできる限り規制緩和をやってほしいという要請はいたしております。ヨーロッパのEUの国々を見ますと、結局今、社会民主政党が単独で政権を握っておりますのはスペイン、ギリシャ、スウェーデンでございます。それから、連立与党で政権に参画しておりますのはベルギーでありオランダでありオーストリアでありアイルランド、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルク等でございます。EUに参加している国もあるししていない国もございますが、大部分がEUに参加をいたしておりますが、EUとして日本に対して規制緩和を求めているということは、やっぱりヨーロッパの社会民主政党も方向としては規制緩和は必要である。 ただ、イギリス労働党が議会で態度を表明いたしましたように、議会軽視でこれをやるということはいかぬし、また一遍に、国の制度、習慣というものがあるわけでありますから、それを一気に、先ほど局長もお答えしたようになくしていくということではなしに、やはりその国の実情というものを踏まえて漸進的に解決すべきものは解決すべきだということで対応いたしているのではないかというふうに思います。 私ども総務庁といたしましても、規制緩和の問題につきましてはやはり案件一つ一つを吟味いたしまして、できる限り規制緩和の方向に持っていく。同時に、絶えずこの問題については一つ一つの事柄に対して吟味をし、見直しをし、そうしてこれを進める場合に国民の皆さん方の見ておられるところでよくわかる形でこれを進めていく、透明性を確保した形で規制緩和の問題を進めていくということで対処いたしたい。そういう意味では、私はイギリス労働党の対応あるいはEUの国々に加盟しておられる社会民主政党の考え方と私どもがそんなに違いはないというふうに思っている次第でございます。
○峰崎直樹君 この点は、引き続き我々も規制緩和問題をどのようにとらえたらいいのか検討していかなきゃいけない課題だというふうに思っております。 そこで、今度、規制緩和をこれからいよいよ現実に進めていく場合に、例えば私の属していました大蔵委員会等でも、証券会社と銀行との垣根を相互に子会社方式で参入し合おうと。先日は保険業法の改正で生損保がお互いに子会社方式で参入すると。こういうふうになってまいりますと、例えば大蔵省というところに証券局があり銀行局がある、これはもうそういうふうに相互に参入するようになってきたら、あるいは規制が徐々になくなれば、検査とかルールをつくるとかそういうところは残したとしても、従来のような大蔵省証券局、大蔵省銀行局、銀行局の中のまた保険だとかそういう形のいわゆる規制が徐々になくなれば定数や機構やそういうものは当然改革をするべきだと思うんです。 この点は、規制緩和計画と定数及び機構の動きということについて、現在たしか何か一つの決まりがあって、我々が承認しなくてもいいのはたしか課の数は一定だとかそういうところでかつての法改正で変わったやに聞いておるんですが、そういった点ほどうもほっておくとそこの内部の改革というところに私はメスが行かないんじゃないかという欠陥を持っているように思うんですが、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(陶山晧君) ただいま峰崎先生がおっしゃいました行政機構とか定員につきましては、あくまでも行政需要に対応する形でなければならないということは一般論として当然のことでございます。 ところで、規制緩和との関係でございますが、規制緩和を推進することによって一般的には直接の規制に当たる行政事務とか事業の減少が見込まれるということは申し上げられるところでございますが、個別に見た場合にはいろいろなケースがあろうと存じます。 例えば細かい話で恐縮でございますけれども、一般的に禁止されていた事柄について、その一部について特定の条件を満たせば許可制度を設けて事業活動を認めるというような場合などには、逆に行政事務が増大する場合もあり得るというようなことでございますので、規制緩和による行政事務の増減ということについては個別に精査をしていく必要があろうと思います。 そこで、ただいま先生のお話のように、規制緩和と例えば局が一つ要るか要らないかというようなこととつながりがあるかどうかというようなことはなかなか単純に申し上げられることではございませんが、いずれにしろ、毎年の予算編成におきまして私どもは機構、定員を管理する立場から各省庁の機構定員要求について審査をいたしております。ただいまの御意見のような趣旨は当然のことながら十分留意しながら、厳しく私どもの立場でもチェックをしてまいりたいと考えております。
○峰崎直樹君 証券と銀行とそういう相互の乗り入れというものも出てくるわけですから、本体部門でまだ参入できてないから残っているのかもしれませんが、そこがもう自由になっていつでも本体も参入できるような状況になれば何も銀行局、証券局というふうに二つなくたって構わないんじゃないかとちょっと素直に考えるとそう考えるわけでありまして、ここは行政改革という大変重要な分野でまた、つの課題になるだろうと思いますが、大きな課題として指摘をしておきたいと思います。 もう時間もありませんので、最近の規制緩和と絡んで一番問題だと思われるのは失業問題、雇用問題だというふうに思います。 最新の雇用統計、地域別に見て、それから学歴別、あるいは労識別、年齢別といったように、最近の特徴点、雇用問題で、失業問題でどういう問題が出ているのか。新聞だけによりますと相当な失業者の数が出てきておるというふうに聞いております。その点について、まず事実からお伺いしたいと思います。
○説明員(青木功君) 御報告申し上げます。 最近の雇用情勢につきましては、先生からもお話ございましたが、いわゆる失業率について三・二%、それから私どもの職業紹介の窓口におきます求人倍率、いわゆる有効求人倍率、これが〇・六五というふうになっております。 その内容を私どもなりに分析をさせていただきますと、まず地域別で見ますと、やはり一月に起きました阪神・淡路大震災による産業の崩壊に伴う失業者の方々が非常に、やはり前年になかったことでございますから、大きな寄与をしております。 それから年齢別に見ますと、やはりこういう状況でございますから、就職の機会が少ないと思われます高年齢の方々、それから昨年来非常に厳しかったいわゆる新規学校卒業生の皆さん、そういった方々の中でこの四月に就職できなかった、そういった意味で若い方々、そういった方々がこのような失業率の結果になっているのではなかろうかと思います。 それからまた、解雇等の状況でございますが、実は私どもの雇用保険のデータで見ますると、事業主都合の解雇というカテゴリーかございますが、これに関しては昨年の同じ時期よりも七%ほど減っております、 そういった状況でございますので、震災の影響、それから新規採用の方々が思うように進んでいかないということによる影響が相当大きいのではないかというふうに考えております。
○峰崎直樹君 実は証券会社あるいは銀行の決算が発表になりました。その中で、株式の含み益をぽんと出していますね、相当の金額を出しています。ところが、どうもこれは株式の含み益を出す最後じゃないか。 つまりこの間、あのバブル以降、恐らく民間のそういった証券や銀行といったところは株式含み益を益出しをして、そしてそれをまた買い戻している。そういう意味でいうと、今の株価水準のままであればもう含み益しゃなくて今度は含み損になるかもしらぬ。そういうところまで来ていますから、恐らく今までは日本の雇用慣行として比較的、過剰雇用という表現がいいかどうかは別にして、非常に過剰投資をし、そしてその結果として雇用というものを抱きかかえていた、とりわけホワイトカラーの中でそれが強いと言われているんですが、それももうことしあたりで省み益経済は限界に米でいるのじゃないかというふうに言われています。 そうすると、規制緩和あるいは急速に進む円高といったようなことが今後雇用の問題についてどのような動向を示すんだろうか。そのために私は、労働省が中心になってもあるいは構わないと思うんですが、そういう先行き雇用問題についての緊急アンケートとか、そしてこの含み益がまだそういう余力があるのかないのか、なくなったときはどこから手をつけようとしているのか、そういった点の最新のもし状況等の調査があればお聞きをしてみたいと思うんです。
○説明員(青木功君) 最近の円高にかかわりましては、現在調査を一つ行っておりますけれども、まず三月の末に九十円を切ったという時点で千社ほどの企業アンケートをさせていただきました、 それによりますと、この円高で雇用調整、残業規制から厳しい雇用調整までいろいろあるわけでございますが、五%程度の企業が何らかの影響があるだろう。それから三割ぐらいの企業の方々の御回答としては、このまま円高が進行すると雇用調整に至るかもしれない。それから半分ぐらいの経営者の方々は、とりあえずは大丈夫ですというふうな御回答をいただいております。それ以降、また事情が変わってきつつございますので、ただいまちょうど同じような内容で調査をしておるところでございます。
○峰崎直樹君 我々は、本当にこの規制緩和に伴う雇用問題に対する準備といいますか、そういうものが非常に需要だというふうに考えております。 最後になりますが、長官に、五カ年から三カ年に短縮をされたわけです。それでも不十分だというふうな意見もあります、そして同時に、あの円高があったから五年を三年にしたんだろう、さらに用高にすれば一年になるんじゃないかというような、そういう厳しい指摘をする向きももちろんないわけではありませんが、今私自身が問題にしました今後の雇用問題、そういうことも含めた規制緩和三カ年計画と、それに付随したやはり雇用対策を、これは労働大臣の所管だというふうにももちろん思いますが、ひとつそういったことについての御決意を最後にお伺いして、時間少し余りましたけれども、私の質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 委員が御指摘の問題は極めて重要だと思っております。 実は、労働力調査は総務庁でいたしております。御案内のように、完全失業率が四月は三・二%という数字でございました。三月は三・〇、二月は二・九、一月は二・九でございました。正確に言いますと、三月の三・〇は二・九八でございまして、四月の三・二は三・一六を四捨五入して三・二ということになっております。いずれにいたしましても、二月、三月、四月と失業率が残念なから上がっております点は大変私は厳しい状況であると認識をいたしております。 したがって、規制緩和はこれはやっぱり時の流れである。やっぱり進めるものは進めなきゃいかぬと思っておりますが、同時に中小企業対策はやはり手厚い施策を講ずる。それから雇用対策につきましても、これは内閣全体として雇用対策に努める。特殊法人の整理合理化の問題について閣議決定いたしましたが、その際に、雇用対策については総理大臣を本部長とする雇用対策本部を設けて、特殊法人の整理合理化に当たって、働く皆さん方に不安を与えないようにしようということも実は村山内閣としていたしましたわけでございますので、同じような趣旨でこの規制緩和につきましても、絶えず中小企業対策、雇用対策という問題をにらみつつ私どもは真剣に対処しなきゃならない、それが村山内閣としての重要な課題であるというふうに認識をいたしておるということでお答えにかえさせていただきたいと存じます。
○峰崎直樹君 終わります。
○続訓弘君 一昨日、私は正和タクシーに乗りました。そのときに交わしました運転手さんの生の声をまず総務庁長官に御紹介申し上げます。 私の勤務形態は国が一方的に決めるんです。四年前はニト四時間勤務の月十四日の出番でしたが、今では二日間カットされて月十二日間になりました。近くまた〇・五日カットされる予定です。この国の指示を守らなかった近くの日の丸タクシーは半年ほど前国から厳しく制裁されたと聞いております。売り上げも四年前は一日当たり約八万円だったものが今では不景気のあおりで一生懸命働いてもせいぜい一日半たり六万円です。したがって月給は四年前の二割減で、我々国民のため何もしない村山総理を恨めしくさえ思います。「人にやさしい政治」というならば、私たちタクシー運転手の勤務日数まで制限することをやめてほしいですね。円高対策、規制緩和、内外価格差などすべてかけ声倒れに終わって、景気もさっぱりだし、失業者も二百万人を超えたというではありませんか。 以上が会話の概略でございます。山口長官の率直な御意見を拝聴させていただきます。
○国務大臣(山口鶴男君) 先ほど峰崎委員の御質問にお答えしましたように、私ども村山内閣といたしましては失業の問題には大変心を痛めております。四月の統計では、完全失業者数が二百十四万人でございます。そうして、失業率は先ほどお答えいたしましたように三・二%ということになっているわけであります。私たちは、我が国がヨーロッパの国々、アメリカ等に比べまして完全失業率は極めて低いということは皆承知をしているわけでございますけれども、しかしこういった形で失業率が増加しつつある傾向というものを何とか是正しなければならないというふうに思っております。 お尋ねのタクシー運転手の方々の労働条件の問題でございますが、昭和五十四年の労働基準局長の通達によりまして、一応の指導をいたしておる次第であります。 実は、私、かつて衆議院の地方行政委員のころ、交通安全対策――衆議院は現在交通安全対策特別委員会がございますが、当時はございませんで、タクシー運転手の皆さん方の労働条件の問題等、警察の関係もございますので地方行政委員会で議論をいたしておりました。御案内のように、運転手の方の労働時間というのは極めて他の労働者に比べて長いのであります。したがいまして、ハンドルを握る労働者の皆さん方の労働条件はやはり改善をしなきゃいかぬ。余りにも長い労働時間というものはやはり是正もする必要があるという議論はいたしました。そういう形で、私はハンドルを握る労働者の皆さん方の労働条件を改善するということは必要だと思います。そのために、やはり一つの基準、通達を出すことは必要だと思います。 同時に、御指摘のような問題は景気が悪いところからこういう状況が起きていると思いますしたかいまして、私どもといたしましては、やはり今度緊急円高・経済対策を決定をいたしましたが、そういう形の中でいかにして景気回復を図っていくかということに全力を挙げて、タクシー運転手の皆さん方のそういったお話に対しても、「人にやさしい政治」という形で対処する努力をしなきゃならぬというふうに考えておる次第でございます
○続訓弘君 私は、たまたまタクシーの運転手さんからそういうお話を伺ったものですから御紹介申し上げたわけであります。 緊急経済対策として、政府は、平成四年八月から六年二月にかけて四回にわたり約四十五兆円もの経済対策を実施されましたが、景気回復への効果は残念ながらいま一つの感でございます。今や、有効な解決策は、従来の官主導ではなく、政治主導の大胆な規制緩和の実行以外にないとまで言われております、先ほど、お三方の参考人の意見もまさにそうでございました。 例えば、三和総合研究所や経団連などは具体的な試算まで発表しておられます。所管大臣である山口長官の御意見を伺わせていただきます。
○国務大臣(山口鶴男君) 四月十四日には御案内のように緊急円高・経済対策を決定いたしまして、これは歴代の内閣のもとで平成六年度末までに規制緩和については五カ年計画を立てるということで努力をいたしまして、決定いたしましたものを政治的な決断で三年に前倒しするということもいたした次第でございます。 それに対する十分でないという御批判もあることは承知をいたしておりますが、いずれにいたしましても、村山内閣になりまして、特殊法人の整理合理化の問題にいたしましても、それから規制緩和の問題にいたしましても、閣僚主導で、政治家主導でそれぞれ仕事を進めてきたという点は御理解をいただきたいと思います。 さらにまた、特例公債の発行につきましても、緊急円高・経済対策の中で、今までは赤字公債は出さぬようにしよう、そういった形で大蔵省もやってきたと思いますが、この際はやはり阪神・淡路大震災対策もある、景気対策もあるということで特例公債やむなしという形で決断させていただいた。これも政治家主導で私ども決定したということで御理解を賜りたいと思います。
○続訓弘君 以下、私は大きな広い意味での規制緩和ということで住宅問題についてお伺いしたいと存じます 一昨日、青島都知事は臨海副都心での世界都市博覧会の中止を決定されました。そもそも臨海副都心開発構想は、東京都が昭和六十二年六月、当時狂乱土地高騰を抑えるための手段として実施したものであり、上下水道、清掃工場、道路、モノレール等、インフラの整備に投入した費用は約一兆七千億の多額に上っております。 そこで、せっかくの貴重な投資をむだにせず、雇用促進対策や景気浮揚対策の観点からも、ニューヨーク・マンハッタン計回の先例に学び大胆な都市改造計画を構想し実施すべきだと思います。例えば、マンハッタンと東京都心四区は、広さ、就業人口はほぼ同じでありますけれども、居住人口はマンハッタンの三分の一、五十六万人に対して百五、十万人であります。一方、都心に勤めるサラリーマンの通勤時間は一時間から一時間半が三分の二で一時間半以上が五分の一でございます。 そこで、都心部を居住空間として再生するため、臨海副都心計画の着実な推進が必要となると思いますけれども、国土庁の御見解を承りたいと存じます。
○説明員(林孝二郎君) 東京臨海副都心につきましては東京都において事業が実施されているところでありますが、副都心の一つとして整備するという東京都の考え方を受けて、園といたしましてもその整備を推進しているところであります。臨海副都心における住宅供給につきましては、平成四年に居住人口を従来の計画より三千人ふやすという人口フレームの見直しを行ってきたところでありますが、本年度には約一千三官戸の公共住宅が竣工する予定でありまして、着実な事業の推進が図られているところであります。 国土庁といたしましては、都心居住の推進について首都圏整備上の重要課題であると認識しておりまして、今後の臨海副都心開発の進め方につきましても東京都の考え方を十分踏まえつつ適切に対応してまいりたいと考えております。
○続訓弘君 マンハッタンの容積率は一〇〇〇%から一五〇〇%で、特に住宅系用途地域は高い容積率を設定しているのに対しまして、東京都においては一般は二〇〇%から三〇〇%で、新宿副都心や丸の内の商業系業務地域が一〇〇〇%にすぎません。また、台東区のごときは商業系業務地域が全体の八〇%を占めている実情にあります。 そこで、都心における住宅供給促進の観点から、用途地域及び容積率を見直すべきだと思いますけれども、建設省の御見解を承りたいと存じます。
○説明員(澤井英一君) 都心におきます住宅供給の促進あるいは居住環境の確保というものは、私どもも非常に重要な政策課題だと考えております。 このため、一つには、より住居専用性の高い用途制限を行う、これによって良好な環境を有する住宅地を確保するということが重要と考えておりますが、一方で容積率につきましては、仮に基盤整備などと無関係にこれを一律に緩和するというようなことをするとすれば、これは市街地環境の悪化あるいは交通混雑の増大などの問題を生ずるおそれもあるために、必ずしも適切ではないというふうに考えております。 これらのことを踏まえまして、これまで東京都あるいは関係の特別区など公共団体の要請にも対応しながら一連の法律改正等の制度の整備を図ってきております。最近で申しますと、一つには、平成四年に都市計画法を改正いたしまして住居専用性を高めるために住居系用途地域を詳細化する、あるいは一定の高さ以上を住居の専用地区とするという意味での中高層階住居専用地区制度というものを創設する、こういった内容の法改正が平成四年に行われております。 また、本年二月には、都心居住を一層推進しようということで、例えば優良プロジェクトについて容積率の割り増しを行います再開発地区計画制度、あるいは住宅地高度利用地区計画制度、これの活用の弾力化のための措置、あるいは都心部におきます区画整理事業等の機動的実施を可能とするための措置、こういったことを内容といたします都市計画法、大都市法などの改正をいただいたところでございます。 都心居住の推進は重要な課題ということを前提といたしまして、今後とも公共団体と一体となりましてこうしたさまざまな制度の活用方策、あるいはその充実のために一層検討を深めていきたいと考えております。
○続訓弘君 次に、地価を顕在化させない住宅供給策とあわせて、財源確保策及び大量同時建設の観点から、臨海副都心地区の公共住宅はその大部分を希望者に定期借地権方式で分譲を認める制度を導入してはどうかと思いますけれども、建設省の意見を伺います。
○説明員(山本繁太郎君) 臨海副都心地区は、東京の都心に近い利便性の高い土地ということで、都心肝住を進めるための非常にモデルになる大切な土地であるというふうに住宅政策上受けとめております。 御存じのように、今具体的に持っております住宅供給計画では、東京都の土地の上に公共賃貸住宅を供給しようということで一生懸命仕事に取り組んでおりますけれども、この大切な土地をできるだけ多様なニーズにこたえていこうという観点から、分譲住宅も供給しようという視点に立って東京都がいろいろなことをお考えになるということでありますと、都心居住のモデルとなる分譲共同住宅、それを定期借地権でやるという、範となるようなプロジェクトが遂行できるという意味で政策的に意義のあることと私ども考えております。
○続訓弘君 東京都には都営住宅が二十五万戸、公社住宅が六万戸ございます。その居住者の所得状況を調べてみますと、公社あるいは公営住宅に居住の資格がある人はわずかに二〇%ないし三〇%、所得制限を超えている人が四〇%、そしてお年寄りやあるいは年金生活者が四〇%、そういう所得階層に分かれております。 そこで、今、都の住宅政策について御理解をいただいた御発言がございましたけれども、既設のそういう住宅に対しても、私は新しい今の分譲方式をぜひ御検討賜りたいと、これは要望です。ということは、今申し上げたように、全国では恐らく二万の団地があると思いますし、東京の場合はその一割の二千団地がございます。そういう団地を将来いろいろ活用して、高齢化社会への対応その他を考える際には私は重要なスペースだと思う。そういう意味で、分譲方式ができるようなことを考えていただければ建設の促進にもつながるし、高齢化対策にもつながる、そういう意味でぜひとも分譲方式の御検討を特に御要望申し上げます。 今御紹介申し上げましたように、住宅の所得階層別の入居状況は二〇%、四〇%、四〇%という状況になってございますので、この際、私は高齢社会に対応する住宅のストックを考える必要があるんじゃなかろうかと。そういう意味では、今申し上げたように全国二万、都にニト団地がある。その団地を活用して、到来する高齢社会に備えて地域福祉のサービスの拠点にしたらどうだろうか。そのときには必ず一定の老人ホームを設けなさい、あるいはデイサービスセンターを設けなさい、そういうことを原則化する、そういう住宅政策を展開していただければと思いますけれども、それに対する建設省の見解はいかがでしょうか。
○説明員(山中保教君) ただいま先生御指摘のように、公共住宅団地でも大変高齢化が進展いたしております。したがいまして、こういう高齢者の方々に安定した居住を確保するために、段差の解消でございますとか手すりの設置といった高齢者向けの住宅を積極的に供給していくということと、御指摘のように公共住宅団地の地域に福祉サービス拠点としての位置づけを行いまして、雄でかえに際してデイサービスセンターなどの併設を推進するというふうなことが大変重要な課題だというふうに考えております。 このために、従来からデイサービスセンターの併設でございますとか、あるいは生活援助員によります高齢者に対する生活支援を行いますシルバーハウジング・プロジェクトというものを進めておるわけでございますけれども、今後とも福祉部局と十分連携をとりまして、公共住宅団地の整備を積極的に推進していきたいというふうに思っております。
○続訓弘君 公共住宅の管理の問題で実情を申し上げますと、低所得者は公営住宅、中所得者は公社公団住宅、こういうふうになっておりますけれども、実態は先ほど申し上げたように該当するのはそれぞれ二〇%ないし三〇%、取入超過者が四〇%、そして逆に規格に合わないお年寄りやあるいは年金者が四〇%というのが実態だとすれば、私は、公社公団あるいは公営住宅、そういうものを一元的に管理するシステムをつくって相互に埋め合わせていく、居住者のためにもそういう管理方式に変更すべきではないのかな、こういう感じを持っていますけれども、それに対する建設省の見解はいかがでしょうか。
○説明員(山本繁太郎君) 公共賃貸住宅制度、公営住宅を中心に幾つかの制度を立てておりますけれども、そこに生身の方々が住んでおられて長年住まわれるということがあるものですから、ただいま委員御指摘いただいたような管理上の問題を抱えているということは事実でございます。 現在、住宅宅地審議会で公共賃貸住宅制度も含めまして住宅政策全体のあり方について御議論いただいておりまして、昨年九月に中間報告をいただいております。 その中で、公共住宅制度については、民間賃貸住宅が非常に成長してきている、それから居住者の高齢化といったようないろいろな問題も拡大している、地域の住宅事情もいろいろ区々であるということを踏まえて、各地域においてそれぞれの公共賃貸住宅制度が役割をきちんと果たせるようにする、そういう制度改革が大事だという基本方斜を明らかにしていただいておりまして、そのためにそれぞれの制度間の連続性をきちんと考えていくべきだと。援助の必要な人に的確に援助が行われるように施策対象層の決め方とか供給方法、それから自分の足で立てるようになれば市場へきちんと復帰をする、そういうふうな家賃体系、そういったものを検討しなさいというのが中間報告の考え方でございます。 その後、いろいろ今検討していただいているところでございまして、その検討結果をいただきまして、私どもとして公共賃貸住宅制度全体の改善に取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。
○続訓弘君 東京都の場合は、民間有識者の御意見をいろいろ拝聴しながら実は家賃のあり方について検討してまいりました。そして、その結論として法定限度額を契約上の家賃とした応能応益的家賃制度をことしの一月から実施したわけであります。 国として、市場家賃を契約家賃として、入居者の収入や利便性等を考慮しながら家賃を割り引く応能応益制度を私は導入すべきではないかと思いますけれども、それに対するお考え方はいかかでしょうか。
○説明員(山本繁太郎君) 東京都において公営住宅の管理について長い間いろいろ御検討された上で、ことしから現行法の枠内で非常に意欲的な取り組みをしておられるということにつきましては、ただいま御指摘があったとおりでございます。 先ほど申し忘れましたけれども、住宅宅地審議会の議論におきましても東京都のいろいろな試み、その経験を踏まえまして、特に公営住宅の家賃制度について、昨年九月の中間報告では、「税金による施策対象者への支援額が、入居者及び納税者の双方に明確になるように、例えば、市場家賃を基準としこれは応益性をきちんと考えてという意味でございますけれども、「市場家賃を基準とし、住居費支出の目安を参考に、入居者の負担力に応じて家賃を割り引くという家賃システムの導入を図る」べきといったような指摘もなされておりまして、審議会で一生懸命御議論いただいております。その結果を踏まえて具体的な検討を行っていこうと考えております。
○続訓弘君 私は自分自身の経験から、土地を求めて大量の住宅をつくるということは大都市部では大変難しい状況になっております。 そこで、土地を公が取得をしないで民間の土地を利用しての住宅政策を進める、そういうことを私は考える必要があるんじゃなかろうかと。その一例として、民間土地所有者がみずから優良な賃貸住宅を公社等に借り上げてもらって、そして管理受託を通じて適切な家賃負担のもとで供給する特定優良賃貸住宅を大量に供給すべきだと思いますけれども、建設省の考え方はいかがでしょうか。
○説明員(山中保教君) ただいま先生御指摘ございましたように、新たに土地を取得いたしまして賃貸住宅を供給するということは大変困難な状況になってきております。 そこで、御指摘いただきましたように、新しい土地取得を必要としない民間の土地所有者が良質な賃貸住宅の供給を促進することを考えるということで、平成五年度に東京都の都民住宅制度というものも参考にいたしまして、先と言われます特定優良貨貸住宅制度を創設いたしたわけでございます。平成五年度の供給実績は三万五千戸余でございます。それから、平成六年度は二万七千戸余でございまして、本年度の予算戸数は三万五千戸ということで着実にその供給の促進を図っております。 また制度的に見ましても、本年度から都心肝住の促進を図りますために、都心地域の一定の事業につきましては、この制度の最低戸数の要件が十戸というふうになっておったわけでございますけれども、それを五戸に緩和をするというふうな制度改善も図っておるところでございまして、今後ともこの特定優良賃貸住宅の供給促進に積極的に努めてまいりたいと思っております。
○続訓弘君 法律の改正があって定期借地権の制度が創設されました。ところが、これについては公がまだ活用しておりません。そこで、私は、定期借地権を活用した分譲住宅の供給促進を図るために、住宅金融公庫の融資制度の見直しや公団公社によるモデル的な供給を行うべきではないかと思いますけれども、これについての見解を伺います。
○説明員(山本繁太郎君) 定期借地権でございますけれども、定期借地権を利用しました住宅は、土地所有権を一〇〇%取得する従来の持ち家と比べまして土地取得費が少なくて済むという意味で比較的少ない初期の負担で持ち家が取得できるということで、普通のサラリーマンといいますか中堅勤労者が大都市でゆとりのある住宅を取得しようとしましたり、あるいは職場に近い住宅を実現したいということで努力する際に可能性が出てくるという意味で住宅政策的にも意義があるというのが私どもの受けとめ方でございます。 実際、本年度から、今御指摘がありました住宅金融公庫の融資でございますが、地方住宅供給公社の分譲住宅、それから民間の分譲住宅につきまして定期借地権取得の際に一定の保証金が支払われますが、その保証金に対して融資が可能となるような制度改善を行っております。これが一つでございます。 それから二つ目は、御指摘の住宅・都市整備公団において定期借地権を活用した分譲住宅供給のための制度を導入しております。今年度、具体的に今努力をしているところでございます。地方住宅供給公社につきましても事業化について検討が進んでいるというふうに伺っております。
○続訓弘君 ぜひその方向で御努力方をお願い申し上げます。 最後に、若干宣伝めいた話で大変恐縮でございますけれども、東京都の場合は警察署、消防署、そういう公の施設の上にも実は署長公舎をつくったりあるいは署員の住宅を併設しております。これは強制的にやらせております。そのほか都の公の施設をつくる際には、必ずと言っていいように住宅を併設させております。国においても、例えば郵便局をおつくりになるとか、あるいはいろんな公の施設をおつくりになる際に、建設省が指導的な立場で住宅政策を展開していただきたい。公の住宅をその上に合築をする、そういう方向を打ち出していただければ、それこそ右へ倣えとみんながやるんじゃなかろうかと思いますけれども、建設省がそういう指導をやる考えがあるかないか、ぜひそういう方向で指導していただきたいということの要望も含めましてお尋ね申し上げます。
○説明員(山本繁太郎君) ただいまの問題は非常に政府部内で難しい問題を抱えておりますので若干御説明させていただきますと、国の各省庁が所管しております施設、特に行政財産としての土地でございますけれども、国有財産法で管理、処分のあり方を決めておりまして、特に行政財産たる土地をどういう方にお貸しするかということについて、行政財産を仕事に使うこととの関係でかなり細かく定めて実際の管理を行っているというふうに私ども認識しております。 特に、大きな都市で住宅を供給するということになると、そういう行政財産も含めてもっと住宅のために活用してほしいという気持ちは建設省の住宅局も御指摘と同じ認識に立っておりますけれども、実際の行政財産の管理について責任を持っている官庁ではただいま申し上げましたような考え方で進めておりますので、どういう方法が、指導というようなことは政府部内でなかなか難しいですけれども、どういうことが住宅政策の観点から政府部内でお話し合いができるのかということをもう少しお勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○続訓弘君 積極的な御検討を要望して、質問を終わります。
○小島慶三君 せっかく長官がお見えでございますので何でございますけれども、長官に対する御質問は一番後、いろんな事実の確認をさせていただいた後でしたいと思います。お許しいただきたいと思います。 政策というものはいろんなタイプのものがあると思うんですね。臨床的なもの、あるいは一過性的なものもございましょうし、それからシステムを変えるというもの、中長期的な政策の体系を持つもの、いろいろあると思うんですけれども、規制緩和というのはやはり後者に属するもので、しかも全体のマクロの動き、ミクロの動き、ミクロから積み上げられた問題、個々の問題、そういうものを全部含んだある方向というものを達成していこうという大変困難なプロジェクトだと私は思っておるわけであります。それだけに、現実の動きというものと照らし合わせて、ある観念にとらわれてこだわるのではなくて、その都度やはり状況の変化に対応していくべき、かなり気の長い政策ではないかというふうに思っておるわけであります。 それで最初に、これは平岩委員会である程度理論的なセッティングの上に出された方向でございますので、その辺の理論と現実というものとのギャップといいますか、この辺についていろいろ考えてみたいと思うわけでございます。 平岩委員会のお約束ですと、とにかく規制緩和をやれば新規産業がどんどん出てくるし、雇用もふえるし、それから内外価格差も詰まって消費者余剰が生まれると、そこからまた新しい需要が伸びて経済も拡大する、国際関係もよくなって川高も見通しがつくと、大変至れり尽くせりの理論的な設定であったわけでありますが、それに対して現実はどうなっているか。 きょう通産省お見えでございますか。こういった政策が打ち出されてから後の新規産業それから雇用それから価格差問題、どういう実績が出ているのか、これをまずお伺いしたいと思います。
○説明員(林良造君) 今、先生御指摘ございましたように、規制緩和ということを考えます場合に、政治、経済、社会の活性化あるいはその内外価格差の是正あるいは国際社会との調和といったようなことが一つのメルクマールでございますし、そういう観点から我々としてもやってきたつもりでございます。 例えば昨年の七月、それから本年の三月と二度にわたりまして規制緩和についての計画を出しておりますけれども、昨年の七月に行いました規制緩和のうち、例えば非常に例示的に申し上げますと、大きいもので言えばいわゆる大店法の規制緩和、これの届け出あるいは閉店時間の延長あるいは年間の休日日数の四十四からニト四への減少といったようなことがございます。これにつきまして届け出件数で言いますと、四月に緩和を始めまして五月以降と比べますとほぼ倍の届け出件数になっておりますし、閉店時間あるいは休業につきましては、皆様方の日々ごらんになっていただいておるほぼすべての店でそのような活動が行われておると思っております。 それとあわせて、もう一つ大きなものはガス事業法がございました。ガス事業法につきまして、いわゆる参入規制それから料金規制の緩和を行っております。これにつきましては、本年の三月に施行されたわけでございますけれども、現在その新規参入につきましては約款の作成あるいは導管を引いておるというところがございまして、まだ具体化しておりませんけれども、大口ガスのいわゆる自由料金によります契約は百八十四件と相当数の契約かもう行われております。 ことしの三月にまた引き続き規制緩和の計画を発表しておりますが、その決定に沿いまして行いました規制緩和の具体策として、大きなものがいわゆる特石法の廃止を中心とする石油関係の規制緩和、それから電気事業法の新規参入、卸売電力の参人を容易にいたします緩和などの法改正、それからいわゆる電気用品の政府認証から自己認証への移行、あるいはJISの国際規格への整合性、現在二千品目ほど国際規格と比較し得る規格がございますけれども、そのうち千件につきましてまだ国際規格と整合しておりませんけれども、これを今後三年間で計画的にこの千件について整合化していくというようなことをやったわけでございます。 そういった意味で申し上げますと、ガソリンにつきましてはいわゆる特石法の廃止、ガソリンの輸入の自由化が来年の四月からでございますので、現在直ちに効果があらわれているということではございませんけれども、当然、来年の四月以降、現在の国際価格を前提にいたしますと、国際価格へ寄っていくということを通じましてその価格に規制緩和の効果が浸透してまいりますし、また電気事業法の改正に伴います卸電力の参入が容易になることによってその競争がさらに促進されて、それが料金にも当然はね返ってくるというようなことを期待しておるところでございます。また、国際規格への整合化そのもので言いますと、三年後にいわゆるJISの品目がすべて国際化されていく、そういった意味でこれらのそれなりに大きな産業分野におきまして、我々通産省の管轄しております規制について緩和を行った結果としてこのような効果が生まれてくるものと思っております。
○小島慶三君 今のような規制緩和の効果の評価というものについてマクロ的にはどういうことになりましょうか、経済企画庁にお願いします。
○説明員(吉田高明君) これまでの規制緩和によりまして新規事業に与えた影響ということでございますが、例えば地ビールの規制緩和によりまして新規法人が設立されるとか、あるいは移動電話の売り切り制が導入されることによりまして新規市場が発生するといったような状況が生じておりまして、それに伴って一部に雇用の創出もあったというように考えております。 ただ、現時点におきまして規制緩和による新規産業の創出あるいは雇用の創出につきまして、既存の経済統計でとらえるということが非常に困難でございまして、その影響につきまして定量的に評価するということは非常に難しいのが実情でございます。
○小島慶三君 今お伺いしましたとおり、やはり現実の効果の評価というのはまだそれほどはっきりつかめない、こういう状況で、その間にやはり先ほど来、峰崎さんほかいろいろ委員の方から御心配いただきましたように雇用の問題というのが出てきているわけでございます。したがって、これも規制緩和の効果としての内外価格差のカットとか、あるいはさらにその行き過ぎとしての価格破壊とか、こういうものとも連動しているわけでございますので、やはり規制緩和にはメリットとデメリットと両方あるということだろうと思うんですけれども、その辺についてのかじ取りをぜひ総務庁長官の方でお願いをしたいというふうに思います。 この前、総理にもこういう非常に日本の国難とも思えるような時代で、危機管理というものが出てくるとなかなか規制緩和だけを進めるというのは難しいんじゃないかというお話もお聞きしたわけでありますが、私の友だちに井尻君あるいは西部君なんというのがおりまして、井尻君は「言葉を弄んで国を滅ぼす一という本も書いておるんですけれども、これは一つの極言でございましょうが、そういうこだわりはないと思いますけれども、ぜひその辺のよろしきあんばいを総務庁長官にお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 総務庁は、御案内のように総合調整官庁といたしまして規制緩和の推進に努めております。同時に、統計局も持っておりまして、労働力調査、失業率の調査もいたしております。また、平成七年の三月、個人企業営業状況調査もいたしまして、五月末にこれを公表いたしました。 こういった統計資料を見ますと、労働力調査、失業率の問題は先ほどお答えしたとおりでございますが、個人企業を見ましても、売上高が減ったということを答えたのが平成三年では三〇%だったんですが、平成七年の三月では六〇%に達している。規制緩和の結果、デパートとかあるいはスーパーとかそういうものが各地に進出をする。そうなりますと、どうしても個人企業に影響が出るということをやはりこれらの統計は示していると思います。 したがいまして、総務庁としましては、国の方針といたしまして規制緩和を進めていくわけでございますが、同時に、この統計であらわれました失業率の状況あるいは個人企業の営業の状況、これらの問題もにらみつつ、それではこれに対する対応は一体どうするのかということを絶えず提起をしながらこの問題は進めていく必要があるというふうに認識をいたしております。
○小島慶三君 ありがとうございました。終わります。
○吉川春子君 政府の規制緩和推進計画についての基本指針等の(2)では、計画策定後も引き続き社会経済情勢の変化等を踏まえつつ、経済的規制については本来の政策目標に沿った最小限のものとすると。消費者保護のために行われる規制についても、安全、環境の保全の見地から行われる規制についても最小限にとどめるなどとしております。 山口長官にお伺いしますが、この記述を見ますと経済優先で国民の健康や安全は置き去りにされているのではないか、こういう危惧の念を生じます。長官、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 経済的規制につきましては原則自由とする、社会的規制につきましては本来の政策目的に沿った必要最小限のものとするということにいたしまして、経済的規制と社会的規制とは区別をして対応いたしているつもりでございます。 例えば、具体的に言えば、実は経団連の皆さん方から規制緩和の問題についてお話がございました。そのとき私は申したんですが、私ども規制緩和について、特に経済的規制についてはこれを廃止する方向で今懸命に、当時は五カ年計画でございましたが、五カ年計画を策定していますと。しかし、経済界の一部で最低賃金制を廃止したらどうかというような意見もありますが、そういうことは私どもとしてとるつもりはございませんと。労使の間で話し合いをして、それを踏まえた上で最低賃金制というものはできていると思いますし、それからさらに内需拡大ということを考えれば、最低賃金制を廃止したら一体どうなるだろうかという点からいっても私は問題だと思いますというふうに申しておきました。 したがって、私といたしましては経済的規制と社会的規制を同一に対処しようというつもりはございません。
○吉川春子君 通産省にお伺いいたします。 衆議院での議論を拝見しておりますと、今回の規制緩和計画は千九十一項目しかない。全部で一万件以上もあるのにその一割ぐらいにすぎない、だからやる気が疑われると、こういうような荒っぽい議論がされていますが、通産省、初めに規制ありきとばかりに、国民の健康、安全に深くかかわる規制が撤廃されてはならないと思うんです。 心配の具体的な例としてコンビナートの防災問題があるんですけれども、規制緩和推進計画の中で、「危険物・防災・保安関係」の中で高圧ガス取締法関係で安全点検を自主点検にゆだねようとしている。これは何項目あるんですか。
○説明員(成田公明君) 高圧ガス取締法に基づく都道府県の検査といたしましては、事業所が竣工する際に行われる完成検査と稼働中において年一回行われる保安検査がございます。 規制緩和推進計画におきましては、自主検査能力が十分とみなせるコンビナート事業所については、これらの完成検査及び保安検査の際に、事業所が実施した自主検査の結果を書面で受け入れを行うということを考えております。したがって、お尋ねの項目の数といたしましては保安検査と完成検査の二項目となります。
○吉川春子君 具体的に私は数えてみたんですけれども、十項目あるんですが、ちょっと時間の関係で挙げません。 消防庁に伺いますけれども、三十日に川崎市の石油コンビナートで起きた東燃のガス漏れ事故について伺います。 我が党は直ちに午前議員はか調査に入ったんですけれども、マスコミは、効率化の大号令のさなかに起きた、効率化は安全と引きかえという印象を残したなどと報道していますが、災害の概要を簡単に報告していただきたいと思います。
○説明員(小林恭一君) 先日発生いたしました川崎市のコンビナート事故について御説明いたします。 先日、五月三十日でございますが、九時四十分ごろに川崎市東燃株式会社川崎工場の硫黄回収装置、これは消防法上危険物製造所に該当いたしますが、ここで硫化水素ガスが漏えいいたしまして、死者一名、この方は入院先で六月一日に死亡されましたが、それと負傷者四十六名。そのうち六名が重症という事故でございます。 事故の概要につきましては、定期点検整備のために配管のバルブを外して点検中、同時に行われていました別の作業が原因で圧力調整弁が開いたために、バルブを外した配管から硫化水素ガスが漏えいしたということでございます。火災警戒区域を設定いたしまして消防隊の方で関係者以外の立ち入りを制限するとともに、救出された者に対しまして応急処置を行い救急搬送をいたしました。また、これと並行いたしまして、硫化水素ガスのバルブ閉鎖を指示して漏えいをとめております。 なお、五月三十日十二時に川崎市長から硫黄回収装置関連施設の緊急使用停止命令を発令いたしております。 以上でございます。
○吉川春子君 詳しい事故の原因は調査中だと思いますけれども、これは構造的なものなんですか、それとも単純なミスと言えるんですか。
○説明員(小林恭一君) 今回の事故の発生の原因につきましては、直接監督を行っていた方が入院中でございまして詳しい事情はわかっていないんですが、現在、原因について調査中でございますけれども、事業所の説明では、硫化水素ガスの遮断方法を誤ったこと、ガスが確実に遮断されるようになっているかどうかの確認を怠ったことなど点検作業時に幾つかの失敗が重なったのではないかということでございます。
○吉川春子君 労働省にお伺いいたしますけれども、東燃の事故は多発しているわけです。九四年には火災と漏えい事故が三回起きていまして、ことし九五年は五月だけで三回起きています。九四年の七月にも負傷者を出していますけれども、こういうことについて労働省としてはどういう指導を行ってきたんですか。
○説明員(池田五男君) 昨年二月に発生いたしました火災事故につきましては直ちに災害調査を現地の労働基準監督署で実施いたしまして、その結果を踏まえまして作業規定の整備、それから作業方法の周知徹底のための体制整備など再発防止対策についての指導を行ってきたところでございます。 また、ことし五月には今回の事故以外にも二件の事故が発生しているところでありまして、これを含めて原因等について現在調査検討中でございます。 なお、本件を初め化学設備に係る点検整備等、いわゆる通常の作業ではない非定常作業における災害の発生防止につきましては、現在、化学設備の非定常作業における安全確保対策のあり方について検討しておりまして、その検討結果を踏まえて必要な措置を講じてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○吉川春子君 会社がこういった労働省などの指導を真剣に受け入れずに、その後も三度にわたって事故を起こしているということは非常に重要だと思うんですね。 しかし、一方で企業の自主点検で危険物の防災保安措置にかえようとしている。これが規制緩和ですね。 そこで通産省に伺いますけれども、経団連、石油化学工業協会等が通産省に出した規制緩和の要求の中で、高圧ガス取締法関係ですけれども、「コンビナートにおける高圧ガス設備の停止検査周期の延長」というのがあります。この中で「連続運転の更なる長期化に向けて行われているテストランの結果の評価を踏まえ、三年間及び四年間連続運転可能な制度を早期に実現して欲しい。」としていますけれども、通産省はこれに対してどういう態度をとっているんですか。
○説明員(成田公明君) 御指摘の点につきましては、経団連等七団体から、現行二年間の停止検査期間につきまして、「連続運転の更なる長期化に向けて行われているテストランの結果の評価を踏まえ、三年間及び四年間連続運転可能な制度を早期に実現して欲しい。」という要望が出されたところであります。 通産省といたしましては、先般の規制緩和推進計画におきまして取り上げられておりますように、本件につきましては現在一部のコンビナート事業所で二年を超える連続運転を実証試験的に実施しているところでございますが、この結果を踏まえて、安全性が確認されることを前提に、コンビナート認定事業所の連続運転期間の延長を図ってまいりたいと思っております。
○吉川春子君 山口長官、お伺いいたしますけれども、企業にこういう安全点検を任せていいんだろうか、これで本当に住民やら労働者の安全が守られるんだろうか、そういう心配があるんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 私は、安全性の検討や実態調査というものはやっぱり厳正にやる必要があるというふうに思っております。 ただ、科学技術というのは日々進歩しているわけでございまして、かつては技術上規制が必要であったというものも、科学技術の進歩によりまして規制が必要でないというものも私は当然出てくるだろうと思います。したがいまして、そのときにおける科学技術の水準、安全性の点検、実態調査というものを十分総合的に検討いたしました上で対処すべきものだというふうに私は考えております。
○吉川春子君 今回の事故も、科学技術の進歩云々ということとは関係なく、非常に単純ミスだったんですわ、バルブを閉めなかったとか。そういうことを考えますと、科学技術の進歩が安全について必ずしも寄与するかどうかというのはいろいろ問題があると思うんです。 私は大臣に重ねて質問したいんですが、今回は規制緩和対象にされていないけれども、業界からは厚かましいと思われるような規制緩和要求がいろいろ出されているんです。例えば、夜間の防災要員の配置を緩和せよとか、あるいは石油タンクを規制対象から外せとか、あるいはコンビナート導管規制に係る導管感震装置の設定値の緩和を図ってほしいと。つまり、地震のときの問題なんですけれども、さすがにこの導管感震装置設定値の緩和については通産省も、「コンビナートの導管は、事業所外に設置されるものであり、事故のあった場合は周辺住民等の第三者や他の事業所に甚大な被害を及ぼすため、保安管理上特に注意を要する。かかる観点から、導管感震装置に係る規制は、地震時に災害発生防止の迅速な措置を講ずるため必要不可欠なものである。」といって、さすがの通産省も規制緩和の対象にはできないと、こういうふうにしていらっしゃるわけです。こういう規制まで外せと日本化学工業協会は要望しているわけなんですね。これは驚くべきことなんです。 財界は、そのほかにもさっき大臣が触れられた最賃制の問題とかそういうものも含めて、膨大な規制緩和要求を出しています。国民の安全のための措置を邪魔者扱いにしているとしか、私には思えません。他方で、先日したような、衆議院のようなちょっと荒っぽい議論もあるわけです。いわゆる社会的規制は必要があって行われているものであって、これについては規制緩和を認めるべきではないと思いますが、再度大臣の答弁をお願いして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 先ほど経済的規制と社会的規制は同一に扱うものではありませんということをお答えいたしました。そういう点で御理解をいただきたいと存じます。
○委員長(小林正君) 本日の調査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四分散会