地方分権及び規制緩和に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 276 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/05/10
会議録
○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十八日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として釘宮磐君が選任されました。 —————————————
○委員長(小林正君) 地方分権推進法案を議題といたします。 本日は、同案の審査のため、三名の参考人の方々から意見を聴取することといたします。 御出席いただいております参考人は、早稲田大学政治経済学部教授寄本勝美君、地域活性化研究所代表川島正英君及び自治体問題研究所常務理事池上洋通君、以上三名の方々でございます。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。参考人の皆様から忌憚のない御意見をいただきまして、本委員会における審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 それでは、議事の進め方について申し上げます。 まず、寄本参考人、川島参考人及び池上参考人の順序でお一人二十分程度の御意見をお述べいただき、その後二時間ほどの間、委員の質疑にお答えを願いたいと存じます。 なお、意見の陳述、質疑及び答弁とも、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず寄本参考人に御意見をお述べいただきたいと存じます。寄本参考人。
○参考人(寄本勝美君) ただいま御紹介をいただきました寄本でございます。大学では地方自治を専攻いたしておりますが、本日は、地方分権推進法案について意見を述べる機会を与えていただいたことに心より感謝いたしております。 さて、地方分権の推進は、我が国の政治や行政の改革にとってはもちろんですけれども、文化ですとか経済などさまざまな分野におけるもろもろの活動を活性化し、あるいは充実発展させていく上で今や必須の課題になっており、それゆえに、私は地方分権推進法案が参議院で可決されますように強く願っております。 以下、法案の内容と今後の動きをめぐりまして私の意見を述べさせていただきます。 第一に、国と自治体との協力と役割分担についてであります。 法案の第二条によりますと、国と自治体は国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係にあること、そのため、国と自治体が分担すべき役割を明確にすることと規定されております。国と自治体との協力とかパートナーシップの重要性はだれにとっても異論のないところですが、ただしその内容については二つの異なった意見があります。 その一は、国と自治体との協力については、現状における両者の関係が既に協力そのものになっているのではないか。したがって、事改めて両者の役割を明確に分けることを両者の協力の条件とする必要は必ずしもないのではないか。国庫補助事業ですとか機関委任事務にいたしましても、それぞれ国と自治体の機能が融合するもとで両者の協力が実現しているのではないかというものであります。 もう一つの意見は、国と自治体との協力すなわちパートナーシップは、両者の役割をできるだけはっきりと分離し、そうした分離に立った役割の明確化に基づいて相互に協力し合うものでなければならないというものであります。 私は二番目の意見をとるものであります。国と自治体との協力は、両者の役割をできるだけきちっと分けてその上での協力でないと、行政責任は国と自治体との間で常にあいまいですし、自治体の自主性、自立性も損なわれます。行政の簡素化や効率化にとっても支障になります。さらに、パートナーシップとは基本的には対等の関係にあるパートナーが互いに協力し合うことを指すのであって、自治体が国庫補助に過度に依存したり、国から不要なあるいは場合によっては不当な関与を受けている状況のもとでは、とても真の意味でのパートナーシップが築かれているとは言えません。その点法案は、国と自治体との間において役割を明確にすることと、そして両者の協力を進めることを一体的に考えており、高く評価できると思います。 第二に、それでは国と自治体の役割をどのように分けるのか、つまり役割分担の明確化をどのように行うかについてですが、法案の第四条は、国の役割とすべき範疇を限定するとともに、住民に身近な行政については自治体が自主的かつ総合的に実施すべき役割を広く担うべきであるとしています。このような役割分担の基本的考え方は、内容面での多少の相違こそあれ、最近の地方六団体・地方分権推進委員会の報告や第二十四次地方制度調査会の答申などでも提起されており、私も異論はありませんが、次の点に留意する必要があろうかと存じます。 すなわち、一つ一つの事務事業について、まず市町村がその政策主体及び実施主体となることができるのかできないのかという基準で見ていくこととし、市町村にとってできるものは市町村の事務とし、できないものは都道府県の事務とし、都道府県でもできないものは国の事務とします。この場合、できるかどうかは市町村ごとのあるいは都道府県ごとの行財政能力によってある程度異なってきますが、ここでは市町村レベルの行政区域、都道府県レベルの行政区域、そして全国レベルの行政区域という、専ら行政区域の違いだけで判断することにいたしたいと思います。 そこで、現状を見ますと、市町村あるいは都道府県でできることに関してまで国は随分と細々とした関与をしたり、あるいは補助金を出しております。できる事務事業に関しては政策の形成から実施に至る権限は市町村ないし都道府県のものとし、それに対する国の関与や財政的措置は、法案の第四条、第五条にありますように、全国的な統一やナショナルミニマムの実現に必要な範囲あるいは程度に限るべきであります。ただし、それぞれの事務についてのできるかどうかの判断は必ずしも容易ではなく、時代の変化によっても変化しがちであります。 ちなみに、清掃事業といいますか、ごみの収集処理を例にとりますと、この仕事は住民ないし地域社会にとって非常に身近なことから、昔から市町村の典型的な固有事務の一つに挙げられてまいりました。けれども、最近、御案内のように、ごみのリサイクルが大きな社会的関心事になってまいりますと、ごみの分別収集ですとか選別は今でも市町村レベルでできるものの、集められ選別されたごみの中の再生資源を企業が引き取り原材料として利用するよう義務づけるような政策に関しては、市町村レベルでできることは非常に限られ、都道府県レベル、ひいては国レベルの対応に期待せざるを得なくなってまいります。 つまり、住民の生活ないし地域社会にとって最も身近に見えるごみ処理事業ですらも、リサイクルという新たな社会的要請にこたえていくためには、法案第四条で規定されているような全国的な規模もしくは全国的な視野に立って行わなければならない施策及び事業の実施としての側面を急速に帯び始めているのです。 この例から私たちが理解すべきことは、かつてとは異なり今日では、ごみの収集処理や清掃行政は市町村の仕事といったような大きな分け方は適切ではなくなってまいります。分別収集は市町村の仕事でも、集められた後の再生資源のリサイクル政策は国の全国的機能に求めなければならないとするような役割分担を考えなければならなくなっているのであります。 今国会には容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案が提案されていますが、それを見ますと、国は、容器包装廃棄物の分別収集やリサイクル事業の促進のための資金の確保、基準の設定、科学技術の振興や国民の理解を得るための教育・広報活動などの責務を新たに担うものとされています。けれども、分別収集や選別作業は市町村で依然できることであり、この容器包装法案でもそうみなされているわけですから、この面での市町村自治を守るとともに、新たに都道府県と国の役割とされる事業につきましても市町村サイドの自主性や選択の幅をできるだけ尊重される仕組みとすべきことは言うまでもありません。 以上のように見てまいりますと、国と自治体との役割分担を明確にする、明確に分けるということは、必ずしも自治体の役割を量的にふやすということではないのであります。 日本の自治体は、あたかもデパートがあらゆる商品を用意しておりますように実に多種多様にわたる仕事をしており、その量も世界の先進諸国と比べても屈指のものがあります。これからの問題は、量というよりも質だと思います。市町村、次いで都道府県にとってできる仕事は国とは分離して分権と自治を徹底することとし、できないこと、できがたいことについては国がそうした役割を積極的に果たしていくべきであり、その結果、国の役割が今よりも増大する分野ないし事業もあり得るわけであります。こう申しますと語弊があるかもしれませんが、国はこれまで自治体でできる事項に関してあれこれ関与をしたり補助金をつけたり、そして国しかできないことあるいは国がやるべきことにつきまして必ずしも熱心でなかったといったような点に問題があろうかと思うのであります。 さて、法案について申し上げたい第三の点は、機関委任事務についてです。 機関委任事務について法案では第五条で整理合理化をすることがうたわれており、この整理合理化には廃止することを含んでいると解されているように思われます。けれども、機関委任事務は国と自治体との協力をもたらす手段となっているとの考え方があり、また、たとえ廃止を原則とする場合でも、国政選挙の実施のように、その一部は今後も機関委任事務として残してもよいという主張があるように思われます。しかし私は、機関委任事務はこの際全廃すべきであり、国の事務の遂行に当たってどうしても自治体の実施にゆだねざるを得ないような事務につきましては、事務委託方式をとるなど別の形式をとればよいというふうに既に多くの識者から指摘されているのではないでしょうか。 機関委任事務制度というのは、機関委任事務に関しては自治体の長を国の機関とみなし国の指揮命令下に置くというものですから、国と自治体との間の権力的上下関係をつくり出すものであります。この制度が存続する限り、自治体の長は、一方では直接公選された住民の代表であり自治のリーダーでありながら、他方では国の機関でもあるという二つの帽子をかぶり続けることになるわけです。 今回の法案をめぐりましても、機関委任事務を一部存続するのはやむを得ないとする向きがあるようですが、どんなにわずかでも機関委任事務が残りこの制度が存続する限り、自治体の長は二つの帽子をかぶり続けることになるわけで、今回の地方分権の推進の意義や成果が大きく減退することになってしまいます。 なお、多くの機関委任事務については自治体の長も職員も実際には機関委任事務として意識しておらず、この点で他の自治事務や団体事務と比べてほとんど差異がないという指摘がありますが、それならばなおさらのこと機関委任事務を廃止してしまえばよいと思われます。他方、どうしても国による統制が必要な事項に関しては、何も機関委任事務という制度をとらずとも他の方法でそれを行うことができるはずであります。この際、長年議論されながら実現されないできたこの制度を廃止し、このたびの地方分権推進の成果を歴史に刻んでいただけますよう心から願う次第であります。 第四は、地方分権推進委員会についてです。 法案によりますと、本委員会は、地方分権推進法に沿って地方分権に関する基本的事項を調査審議すること、その結果に基づいて地方分権推進計画の作成のための具体的指針を内閣総理大臣に勧告すること、さらにこの地方分権推進計画に基づく施策の実施状況を監視し、必要な意見を総理大臣に述べることとされております。 このように地方分権推進委員会は、本法案が成立して実施に入るや、それ以降の動きについては、地方分権推進計画の作成に始まって、その実施をチェックし必要な意見を述べるという、まさに最初から最後までの動き全体にかかわる機能を持つことになり、今回の改革の成否が本委員会の活動にかかっていると言っても決して過言ではありません。それだけに、五年間という期間内に果たしてこれらの仕事を終えることができるのかどうか心配がないわけではありませんが、これについては委員会の頑張りと事務局体制の整備に期待しておきたいと思います。 他方、七名の委員には、自治体や国民の代表を加えることはもちろんのこと、委員会関連の情報の提供、公開あるいは公聴の採用、ひいては活動の透明性などの確保をお願いしておきたいと思います。 第五は、個々の自治体の改革についてであります。 法案では、地方分権の推進に合わせて、各自治体は行政運営の改善と充実、行政の簡素化、効率化、ひいては行政の公正の確保、透明性の向上並びに住民参加の充実を図ることが求められております。こうした課題はまず自治体サイドの姿勢と努力に求められることは言うまでもありませんが、こうした課題に取り組むためにこそ地方分権が必要となってくるわけであります。 さらに、現行の地方自治法などの関連法におきましても、こうした自治体の努力が多様な制度改革を実現することができるようにやがて改正されてよい時期になるのではないかと思われるわけであります。 第六に、これが最後でございますけれども、地方税財政についてでございます。 国と自治体との間の役割の明確化や国庫支出金の整理などに伴って、私は、現在の地方税と国税の配分割合を少なくとも五対五にすべく地方税を拡充し、自治体間の財政格差などの問題は地方交付税などの財政調整制度でもって補うべきだと考えます。 なお、地方交付税あるいは地方債については、地方分権推進の観点から見まして改善されるべき問題があり、それに対する地方分権推進委員会の活動に期待いたしたいと思っております。 以上、御清聴まことにありがとうございました。
○委員長(小林正君) ありがとうございました。 次に、川島参考人にお願いいたします。
○参考人(川島正英君) 御紹介いただきました地域活性化研究所の川島でございます。 まず最初に、この地方分権推進法について参議院の審議の場で発言の機会をいただいたことに感謝いたしたいと思います。 と申し上げますのも、私は、この地方分権推進法の法制化の過程において幾つかの場で私の意見を述べる機会を得てまいりました。一つは、地方六団体が設けました地方分権推進委員会、高原須美子さんを委員長にした委員会がございますが、ここで内閣に対する意見書を出す、そういう場に参加させていただきました。また、第二十四次の地方制度調査会でもその答申を出すに当たって委員の一人としていろんなことを述べてまいりまして、さらに民間政治臨調、これは政治改革推進協議会で、亀井正夫さんを会長にいたしました会でございますが、ここで一昨年「分権革命」というような表現でその委員会の意見をまとめるに当たって主査という立場で参画させていただきましたし、さらにはこの二月、現在審議されております地方分権推進法に対する緊急提言というふうな形でも意見を述べる、そういう場に参画させていただいて、この地方分権推進法というものについては、後でまた申し上げますが、非常に格別の思い入れを持っているわけでございます。そういう意味で、国会審議の最終場面と考えていいと思いますけれども、そこで意見を述べさせていただくということについて非常に感謝申し上げたいと思います。 私なりに論点を三つばかり整理して申し上げさせていただきます。 第一は、この地方分権推進法の今日的な意義でございます。それから第二点は、この法案の内容について私なりの考え方を申し述べさせていただきたい。第三点は、この分権推進法が成立した後の課題といいますか、そういった点についても今から考えておくべきではないかという点でございまして、この三つについて述べさせていただきたいと思います。 まず、地方分権推進法の法制化の今日的な意義ということでありますが、これはまずもって、地方政治、地方行政の歴史の中で極めて画期的なものであるという点について、私はそれを評価することでは人後に落ちないというような点を強調させていただきたいと思います。 地方分権推進法の意義については、法案づくりの過程で、先ほど申し上げました地方六団体の委員会とかあるいは地方制度調査会、さらには政府の中に設けられました地方分権部会とか、あらゆる場でいろんな形でその意義というものが語られてきております。地域づくりとか、あるいは町おこし、村おこし、そういったものにとって今や分権というものが全く欠かせない条件であるというようなことを初め、あるいは東京一極集中を多極分散型の国土づくりに変えていく、そういった意味でもこの分権というものの意味合いというものが非常に強調されているところであり、さらには国の省庁の枠組みというものを外向きに、世界の政治経済情勢の中で外向きに変えていくためにも、やはり内政については地方自治体に任せるということが必要である、国家的な命題としても必要であるということは、これはもういろんな形で言われてきておりまして余りここで申し上げる必要はないかと思います。 さらに、この国会審議が始まった後も、阪神大震災とかあるいはオウム真理教の問題とか、そういう中で地方自治体にとっても危機管理というものが改めて中央政府との関係で非常にその役割なり機能が問い直されているというようなことがあります。 さらには、第十三回の統一地方選挙の結果も、私たちジャーナリストの立場で言えば、これはやっぱり国民、有権者が三つのノーというような形で結果をああいう形で出したのではないかというふうに考えておりまして、一つは、これは皆様方に申しわけないんですが、政党ノーということであって、ただこれは新聞、雑誌などでも非常にそこの点だけが強調され過ぎているようですけれども、私は、今回の統一地方選挙の結果は、その政党ノーに加えて官僚ノーであり中央ノーであったのではないかというような見方をいたしておりまして、そういういろんな要素からいっても地方分権というものが非常に緊急の課題である、これをどうしても実現しなきゃいかぬという、そういう重要性というものがますます高まっているというふうに、ごく今日の問題をそういうふうにとらえながらこの問題を見詰めているわけです。 私は、今ジャーナリストと申し上げましたが、二年前まで朝日新聞に勤務しておりまして、政治部記者、あるいは論説委員、編集委員といたしまして、この地方分権の問題にオーバーに言えば三十数年ずっと取り組んできたといいますか、見詰めてまいったつもりでございます。 美濃部知事が東京都政で、例えば地方の政府というような言葉を初めて公の場で使って話題になりましたけれども、そのときには私は東京都庁のクラブにおりました。それからさらには論説委員として最初に書いた社説が、神奈川県の長洲知事の地方の時代という、こういうものを取り上げて書いた者でありますし、さらには編集委員として、竹下政権のふるさと創生政策というものを、政権が崩壊する直前に至っても私は一面の記事の中でこのふるさと創生政策というものを非常に積極的に評価して書いてきたという思いが残っております。 地方自治体が環境とかあるいは福祉とか情報公開とかそういったことで先導的な役割を果たしてきた、そういうものをずっと眺めながら、一方で地方分権というものがたびたび論議されながら、さらには押し戻されて、寄せては返すといいますか、繰り返し繰り返し勢いを得あるいはまた押し戻されるというような、そういう流れをずっと見詰めてまいったわけでして、今、地方分権推進という私がずっと書き続け論じ続けてきたものがこの推進法というような形でここに至ったということに対しては、非常に感無量というような気持ちを持っておりまして、そういった意味で、この地方分権推進法というものが現在最終過程にあって成立目前にあるということに対して非常に感動を覚えているということを最初に申し上げさせていただきたいと思います。 それから第二の論点でございますが、これは地方分権推進法の中身、内容についてでございます。 これをどう見るかということについては、これはもう衆議院、参議院を通じましていろんな形で、法案そのものが簡潔であるということもあって、中身については多方面に論じ尽くされております。今また寄本教授から六点にわたって非常に詳細にお話がありまして、その大部分の点で私は寄本先生と同じ考えに立ちたいと思います。したがって、この中身については、私なりに、民間政治臨調の二回の提言の中からさらに強調しておきたいという点だけを申し上げさせていただきたいと思います。 一つは、国と地方の役割の明確化といいますか、これは寄本先生もお話しになりましたけれども、その点について地方六団体は、十六項目に限定して国の仕事を列挙すべしということでありましたし、地方制度調査会も、三つのカテゴリー別ではありますけれども、国の役割を極めて限定的にとらえようという考え方でありました。民間政治臨調もその意味では全く同じ考え方でありまして、この役割の明確化というものが非常に重要な意味合いを持っているということを第一に申し上げたいと思います。 そして、もう一つそれに絡めて非常に象徴的なのは、機関委任事務の廃止、そして許認可の廃止あるいは必置規制の廃止、こういった点を民間政治臨調としてはたびたび強調してきておりまして、そのほか国の出先機関の廃止とかあるいは補助金の原則廃止といったようなことを取り上げてきておりますけれども、こういった点を今回の法律の中で具体的に書き込むということは非常に難しいということについては重々承知しておるわけでございますが、さらに最後の審議の中で、こういった方向を具体的にしていくという点で一層の審議の充実をお願いしたいということでございます。 さらにもう一つは、民間政治臨調として強調してきたのは時限立法という性格でありまして、五年で失効するという点については、むしろこれを非常に強い一つの意思表示として五年間でやり遂げるんだというためにわざわざ五年という期限を設けたんだという説明が一方でありますけれども、一方で、この五年間、非常になし崩し的にずるずるとなっていってそれで消えてしまうというような点についての心配、不安というような考え方がありまして、そういった点でこの五年の時限立法ということについて疑問が出ている以上、ここはもう一度考え直していただく余地はないだろうかということはつけ加えておきたいと思います。 この地方分権推進法についていろんな、もちろん政党の皆さん方それぞれの立場から、あるいは政党の中でもいろんな温度差があるというようなことを聞いておりますし、そういう中で新しい合意を得ることが非常に難しいということは私も承知しているつもりですけれども、さらに一層の内容的な充実という点についてむしろ国会での合意というものをお願いしておきたいというふうに考えております。 それで、最後の論点は、この地方分権推進法が成立した後の課題という点について、これについてもやはり国会でもう一度思いを新たにしておいていただきたい点があるのではないかというふうに考えます。 その一つ目は、都道府県と市町村の政府間関係をどうするかという点であります。今度の地方分権推進法がこういう形で今日成立目前のところまで至っているその非常に大きな一つの要素として、いわば中央と地方の政府間関係の中で都道府県と市町村の関係をどうするかという点については棚上げにしてきた、凍結にしてきたという点が非常に大きいのではないか。つまり、中央政府と地方政府との間の垂直的な分権という点に中心を置いて、地方政府の中の都道府県と市町村の関係というものについては後に譲ったと。 むしろ、これまでこの分権の問題では絶えず受け皿論議というものが言われてまいりまして、中央省庁としては地方分権をするにはやぶさかではないけれども、そのためには府県、市町村の力というものを強化してからでなければだめなのではないかというようなことで、都道府県については連邦制とかあるいは道州制といったような機能強化論というのが絶えずつきまとってきましたし、市町村についても大規模な町村合併というものが前提になければならないのではないかと。これは私たち民間政治臨調の中でもそういう意見がかなり強いわけでありまして、そういった受け皿論議というものが絶えずつきまとっていたわけでありますが、ここを、現行の二層制自治というものは大前提にして、とりあえず地方は一くくりにして中央と地方の関係を考える、そこに今回の分権推進法が飛躍的に展開してきた一つの大きな要因があったと思います。 ただし、これが成立した後、この府県と市町村の関係をいかに考えていくかということは非常に大きな問題でありまして、特に府県と市町村の、私は水平的な間隔というふうに、水平的な移譲関係というふうにとらえているわけですけれども、府県と市町村の間で補完あるいは支援体制というものがきちんとつくられなければ、この分権というものが実現するということもおぼつかないであろうということを一つ考えておきたいと思います。 二つ目は地方議会の問題でございまして、地方議会、地方選挙についてこれまでの分権論議ではまさにアンタッチャブルな領域でありました。今回の地方分権推進法、ここまでに至るまでもこの地方議会についてはなかなか触れられずに、本格的な論が高まらないまま今日に至っているわけですけれども、国の後見的な役割というものが分権を進める中で消えていくということになりますと、これはむしろ都道府県内あるいは市町村内におけるみずからのチェックというものが非常に重要な意味合いを持ってくるわけでありまして、地方議会の役割、機能というものが比較にならないほど大きなものになってくるのではないか。 そういう中で地方議会あるいは地方選挙について、地方の行政が分権的になるのであれば、地方議会、地方選挙についても画一的じゃなくて非常に多様なあり方があってもいいのではないか。地域ごと、市町村ごとあるいは府県ごとに議会のあり方、選挙のあり方を選択できる、法律によってじゃなくて条例でみずからの議会のあり方、選挙のあり方を選択していく、そういうことが必要になってくるのではないかということを、これは民間政治臨調の最初の「分権革命」という提言の中でも非常に強調して触れている点でありますけれども、そういった点について、やはり画一的な法律というもので地方議会、地方選挙を縛っている現状について、これは国会でも改めて考えていただく側面があるのではないかというふうに思います。 三つ目は、中央省庁の再編成と国家公務員の再配置というものをどう考えていくかという点が非常に大きな課題として残されておりまして、これはまさに、これまで地方六団体にいたしましてもあるいは地方制度調査会にいたしましても地方制度を論じるということであって、これまた中央省庁についての再編成あるいは国家公務員の再配置について触れるということについては非常にためらいを持っていたというふうに受けとめておりますが、これもまたむしろタブー視されてきた点ではないかと思います。 しかし、この地方分権というものを進めていく上で、中央省庁の役割、機能というものがむしろ相対的に非常に縮小化されていくのではないか。国家公務員というものがどういう立場でどういうところに再配置されるかといったような点は、これはまさにこの分権推進法が成立した後の展開としては最も重要な課題となってくるのではないだろうかというふうに考えます。しかも、この中央省庁あるいは国家公務員をいかに考えていくかという点については、内閣府では全くその成果を期待できないわけでありまして、ここで非常にこれまた国会の皆さん方の御努力に期待する以外にはないのかなと思っております。 私は、ことし一九九五年を地方分権元年というような言葉で表現してまいっているわけですけれども、先ほど申し上げましたように、いろんな形でことしは地方分権についての動きが高まっていくわけですし、何よりも地方分権推進法というものが成立して、地方分権推進委員会というものが大変な役割を担ってスタートする。しかし、これも第一歩にすぎない。まさに元年でありまして、この幾つかの課題をこなしていかなければならない。 しかもそこには、先ほど申し上げましたように、国会の役割というものが非常に期待されているというようなことを感じるわけでありまして、特に、先ほどは申し上げませんでしたけれども、政治改革というようなものがやはり地方分権の意義として非常に大きなものがありまして、衆議院で小選挙区制が実施されるということになれば、分権が実現しない限りその利権誘導政治というものがもっともっと一層激化していくであろうというようなことが言われております。 こういった面で、これは参議院の問題ではございませんけれども、小選挙区制の実施というようなことから、国会としてこの分権というものをやはりもう待ったなしという形で進めざるを得ないというところに至っているのではないかという気がいたします。 いろいろと国会の役割について口幅ったいことを申し上げましたが、まさにこの地方分権推進法というのが平成五年六月の衆参両院の国会決議から非常に一つの形をとって事ここに至ったということもありますし、この地方分権推進法そのものをむしろ議員立法にしていただきたいというような声が国民の間から起こっていたことも非常に象徴的だと思います。非常に国会に対して期待を持っているということを一ジャーナリストとしてつけ加えさせていただきまして、私の話を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(小林正君) ありがとうございました。 次に、池上参考人にお願いいたします。
○参考人(池上洋通君) 参考人として発言をさせていただく機会を得まして、大変ありがたく存じております。 私が属しております自治体問題研究所と申しますのは、今から三十二年前に、当時自治体の労働者のつくっておりました労働組合、今日もちろんございますけれども、自治労の中で地方自治の研究を進めようという意欲のある自治体の職員たちがあらわれまして、自治研運動が大変活発になったわけでございます。そして、その職員の有志たちと、それからそれを指導していた研究者との間で研究所づくりの話が持ち上がりまして、三十二年前に結成された、そうした研究所でございます。 これまで大変自主的な研究機関としていろいろな仕事をやってまいりました。今日、機関雑誌、月刊誌で「住民と自治」というのを二万部ほど出版しておりまして、全国に広がる会員の数がちょうど今九千人ほどでございます。そうした自主的な努力で我が国の地方自治の研究を行ってきた団体でございまして、私は今、常務理事としましていわば所長のような仕事をさせていただいております。 それから、私、三年前まで東京の日野市役所の職員でございまして、日野市役所の中で、企画行政、財政行政、財政事務ですね、それから社会福祉、文化行政などに実はかかわっておりました。今の仕事につくために中途退職いたしまして職務についておりますけれども、そうしたいわば自治体職員としての経験も長くございます。なお、現在、千葉大学の教育学部で社会教育概論の講師を実はしておりまして、そうした面からも地方自治行政にかかわりを持って多少勉強させていただいている、そういうふうな関係でございます。きょうはせっかくの機会でございますので、率直なお話をさせていただければというふうに思っておるところでございます。 最初に、基本的な立場のようなものを申し上げておきたいと思いますが、私は今度出されております、そしてここで御審議なさっていらっしゃいます地方分権推進法案には基本的に賛成でございます。私、憲法が定めております「地方自治の本旨」というものを実現するためには、本当にこういういわばそれに基づくところの分権が必要であるとかねて思っておりまして、そうした意味では今度の法案の成立と、あるいは今後の展開に大変期待をしておるわけであります。 それからあわせて申し上げたいことに、四月十三日に行われました衆議院におきます特別委員会で参考人の皆さんが御発言なさっていらっしゃいますけれども、私はそれを拝読させていただきまして、ここには大変傾聴すべきものが多く含まれているというふうに思いました。そういう意味では、院は違いますけれども、御審議なさる折の一つの参考になさっていただければというふうに私の方から申し上げておきたいというふうに思うわけであります。 本日は、私は、先ほど申し上げました経験もございまして、地方自治体の現場から見るとどんなふうにこうしたテーマが見えているのか、それから私自身、実は私の住んでいる町の中だけでも三十ほどの住民団体にかかわっておりまして、福祉の活動や文化の活動などを長い間続けております。そして、いわば主権者といいましょうか、そうした市民の立場から見るとこうしたものがどんなふうに見えてくるのかというふうなこと、そうした立場をあわせながら発言をさせていただきたいというふうに思っておるところです。 最初に、まず大変基本的なことをお願いをしておきたいわけでございますが、今後、法案が成立をいたしまして分権の推進作業のようなものが行われていくだろうと思うんですが、その際にまず第一番目に申し上げたいなと思いますのは、第二条の基本理念を文字どおり具体的に生かした分権の推進作業が必要だということを強調しておきたいわけであります。 それはどういうことかと申しますと、一つ一つの自治体といいますのは本来独立した存在でありまして、分権の推進といいますのは多数決をもって決定できるようなことではないというふうに私は実は考えておるわけであります。個々の自治体の個別の事情に立脚して行われるということがどんな場合にも貫かれるべき性質のものではないかというふうに考えているわけです。 私は、一昨年百十回ほど、昨年百二十回ほど実は全国の各地の自治体に呼ばれましていろいろな研究会や講師などを務めておりますけれども、全国各地をお訪ねすればするほどそれぞれの自治体の持っている歴史的な伝統や生活的な事情の違いというものが明らかでありまして、この法案にあり、また法案の御審議の中でも触れられておりますように、本来の自治体の自治というものを言葉どおり実現するとなりますと、そうしたいわば文字どおりの個性を本当に大切にするような、そうしたものでなければならないというふうに思っておるわけであります。その点では、都道府県はもちろんのことでございますけれども、基礎自治体でございます市町村のすべてが具体的に参加できるような推進計画づくりをぜひしていただきたいというふうに思うわけです。 その前提となりますのは、地方自治体と国、都道府県と市町村、市町村同士の間における自由な意見交換が大事だろうというふうに思っています。これにつきましては私は、ほかのことと違いましていわば拙速ということは許されないんじゃないかというふうに思っておりまして、文字どおり、じっくり時間をかける、そうしたことが必要だというふうに思うわけです。 委員の先生方、既に十分御承知のことと思いますが、今日我が国のとりわけ中山間地域などの自治体に参りますと、お話をお聞きするだけで涙の出るような行政の努力が重ねられているわけでありまして、そうしたことを抜きに分権が語られてもそれは力にならないというふうに率直に思うわけです。その点をまず第一に率直にお願い申し上げたいと思います。 そういう意味では、先ほど申し上げました衆議院のやりとりの中で例えば成田参考人などが、都道府県と市町村の関係をつけるときには本当に市町村の一つ一つの力をよくはからなければならないというようなことをおっしゃっておられますけれども、そのとおりだなということを思いました。 それからその次に申し上げたいと思いますのは、言うまでもありませんが、そうした個々の自治体の独立性を担保しておりますのは自治体の首長や議会を選出しております主権者、住民でございます。そうした主権者、住民の直接選挙があるからこそ基本的に独立性が担保されておるわけでありますので、そうした意味では、主権者である住民の皆さんが直接的に意見を表明できるようなさまざまな条件を整えていただきたいということであります。 後でも時間がございましたら触れようと思いますが、先ほどちょっと申し上げましたけれども、私は障害者運動のボランティアを長い間やっておりますが、例えば目の見えない人にとって行政に参加するとか政治に参加するというのはどういうことなのかということを一つ考えましても実に多様なことがあるわけでございます。例えば具体的に申し上げれば、点字で意見が出されてくるというふうなそれくらいの迫力を持った推進計画がやっぱり必要なのではないかというふうに思っているわけでございまして、その点では、思い切って開かれたそうした機関として推進委員会が働いていただきたいということであります。 そうしたことを考えますと、先ほども寄本教授も触れられましたが、推進委員会の体制をよほどしっかりしたものにしていただかないとならないだろうと思います。委員の人数は七人ということでございますが、それはそれでよいといたしまして、当然地方自治体の代表者に当たるような方が入っていただくことといたしましても、私が特にお願いしておきたいなと思いますのは、事務局の構成におきましても地方公共団体からの直接的な参加をぜひいただきたい、そして実務面においてもいろいろな声をきちんと受けとめることができるだけのそうした組織体制を整えていただきたいということであります。 それから次に、大きなテーマに移ります。 地方自治体の単位でございますが、これについてもさまざまな御議論がございました。私は、衆議院でおっしゃっている皆さんが大方そうでございましたように、また先ほどお話しなさいましたお二人の参考人のお話もそうでございましたように、現在の都道府県、市町村といいますのは長い間の歴史の中で定着をしているものであるというふうに思っておりまして、そういう意味での二層制というものは当面非常に大切にしていく、そしてこの上に立って個々の自治体の自立的な発展を促す政策を展開するということが大変大切ではないかと思います。 その場合に忘れてならない一番基本的なこととしまして、自治体の自立的発展に欠かせませんのは住民参加制度のメニューが豊富化することでございまして、先ほど私は障害者のことをお話ししましたが、そればかりではございません。どんな立場におられる住民の方も具体的に参加できるようなそうしたメニューが求められているということであります。 次に、このことと大変関係することでありますが、市町村合併との関係でございます。私は、市町村合併に一概に反対するものではございませんけれども、安易な市町村合併というものにはやはり赤信号をともしておいた方がよいのではないかということを率直に考えております。 まず第一番目にこのことで申し上げたいと思っておりますのは、いわゆる受け皿論議から発する市町村合併論というのは、私はやはり地方自治の本旨からして正しくないということを率直に申し上げておきたいと思います。国が今日まで持っていた事務を受けるために地方自治体があるのではないということでございまして、先ほどからお話の中でも出ておりますように、むしろ地方自治体の自主性において決定すべきことでありますから、そういう意味では、受け皿が必要だから市町村合併は当然だといったような議論は事柄がひっくり返っている議論だというふうに思いますし、先ほど申し上げました今回の法案の基本理念にそもそももとるものではないかということを私は率直に申し上げておきたいと思うわけであります。 そして、先ごろ選挙がございましたけれども、選挙における投票率をずっと見てまいりますと、もうお気づきだろうと思いますが、一般的に自治体が大規模化していくと投票率が下がるという傾向を実は持っておりまして、これは多くの論者が指摘しておりますけれども、このことが何を意味するかといいますと、自治体の大規模化が住民参加をしがたくするという非常に明確なあらわれであります。私たちはそうではないことを目指さなければならないのではないだろうかということであります。 それからこの関係で二つ目は、これはもっと率直なことでございますけれども、自治体行政と申しますのは申し上げるまでもなく国民、住民の生活単位を確保するものでございますから、生活感覚的に納得できるものでなければならないということがございます。 具体的に申し上げます。 高齢社会ということが盛んに言われておるのでありますが、ゴールドプランを作成するときに東京の中野区でお年寄りの行動調査というのを実はやっております。その結果を読んでまいりますと、七十歳前後のお年寄りが一日に歩ける距離というのが出てまいりまして、それは大体一キロだという調査結果が出ているんです。一キロということはどういうことかと申しますと、おうちを出ていって五百メートル行ったら戻ってくるという距離なんです。つまり、出かける距離は五百メートルだということなんです。 そのことを考えたときに、一人一人の生活圏を単位にどのような行政をつくるかがやはりこれからの行政の基本でなければならないことは明らかだというふうに思うわけです。それにこたえるような行政単位をどうつくるかということが二十一世紀に向かって求められておりまして、その意味では安易な大規模化はどうしても避けなければならないということになってくるわけであります。 それからさらに、先ごろ起きました阪神・淡路大震災を経験いたしましたが、あそこで改めて見直されておりますのは、地域社会的な人間関係がどんなに重要であったかということでございます。もうよく知られておりますように、バケツリレーで火を消しとめた地域がございましたけれども、そうしたことができるような人間関係が形成できる単位を自治単位の基礎にするということを本気になって考えませんと、これまた高齢社会のもとで安心とか安全とかということを得ることはできないわけであります。 それからさらにまた環境型社会という問題もございまして、手ざわりのできるような生活圏でお互いのプログラムをつくるということでございませんと、町を愛する、地域を愛するということにはならないわけでありまして、すぐれた環境条件を形成することになっていかないという点はございます。 いずれにしましても、そうした点から考えますと、二十一世紀型の地域社会を展望したときに、狭域行政、広域でなくて狭域、狭い範囲での行政をどうするかということがむしろ重大な課題になっていることは明らかなわけです。 先ほど申し上げました中野区の例で都市計画的にそれを計算してまいりますと、五百メートルを行ったり来たりということで考えられる人口想定といいますのは、都市計画上では最大規模で一万人であります。そうしたことを考えた場合に、私たちがそういういわば生活の願いにこたえることのできる地域社会組織をどうするかということを創造的に選択できるようにしなければなりません。 この点では既に努力も始まっておりますけれども、住区協議会のような努力であるとか小学校区の協議会であるとかといったふうなものが既に始動している自治体もございますが、そうしたものを基礎にした自治体の展望をどうつくるかということになっていくのではないでしょうか。 さらにまた、機能別の地域組織についても自主性を確保する方向で考えなければならないかもしれません。保健医療であるとか福祉であるとか教育であるとか、あるいは防災であるとかという単位でございますけれども、これはアメリカで行われている地方自治体の形に、いわば機能別の地域組織をそのまま地方自治体として認めていく、そうした制度がございますけれども、そうしたことを私たちは本気になって研究してみなければならないのではないかというふうに考えているところであります。 また、これに関連しまして、政令指定都市におきます行政区に対する住民参加を本気になって考える時期だろうというふうに思います。区長の公選ないしは準公選、あるいは議会の設置のようなものを考えないといけないのではないかということです。 神戸に伺って震災の後のさまざまなお話を伺ってみますと、行政区単位で何かができなければならないということを皆さんが口々におっしゃるのでありまして、そういう意味では、ああした重大な経験から私たちはもっと真剣に学ぶ必要があるかなというふうに考えておるところであります。 それからさらに、非常に大きくなってしまっている、既に大きくなってしまっている行政単位につきまして、むしろ分割も検討をしなければならないのではないかというふうに思っておりまして、いわゆる大都市になり切れなかった、合併をしたけれども大都市になり切れなかった実は自治体があるわけでございまして、むしろ積極的に単位の分割を考える必要が今出てきているのではないかというふうに思っているところであります。 もちろん、交通・情報・通信システムの発達を背景にしまして広域行政が必要になってくることも事実でございまして、これにこたえるためには、私はやはり都道府県行政をどう活性化していくかということを第一に考えるべきだというふうに思います。また第二には、一部事務組合あるいは個別課題の協議組織としてこれまで自治体の間で大変努力をして積み上げられているシステムがございます。これを一層活性化していくこと、それから新たにできました広域連合などの方法を組み合わせまして、自治体ごとの自主的な意思に依拠したところの広域行政を展開することが最も現実的ではないかというふうに思っておるわけであります。 申し上げておきたいと思いますのは、千人ぐらいの単位の自治体もあり何十万人という単位の自治体もあって、基礎自治体であってもそうした単位があってそれぞれの個性というものを語ることができるのでございまして、一律に人口規模で発想するような考え方からははっきりとやっぱり我々は脱する必要があるということを申し上げておきたいわけであります。 それから次に、先ほどからお話が出ております委任事務の処理、役割分担のようなことについて申し上げておきたいと思います。 まず第一に、先ほどから御意見ございますように、私も機関委任事務は廃止すべきであるという意見を持っております。そして、その後の委任事務の処理、役割分担につきましては、いろいろな方法が考えられると思いますけれども、国と都道府県、市町村が文字どおり対等の立場で十分な話し合いを持って行われなければならないというふうに考えておるところであります。 それからさらに、これも自治体にとっては大変大きな関心事でございますが、財政の問題がございます。国からの事務移管が財源の確保を伴うものでなければならないことは言うまでもありませんし、また財源の確保の上で国が果たすべき責任があることはこれまた言うまでもございません。 その点でまず第一番目に申し上げたいと思いますのは、個別の事業におきます国庫支出金の一般財源化がこの間ずっと進められてきましたけれども、私は安易な一般財源化はやはり行うべきではないというふうに率直にこの際申し上げておきたいと思います。仮に委託関係のようなものを機関委任事務において置きかえるようなことがあったにしても、その関係は国の責任として明確にしておく必要があるだろうというふうに思っておるわけであります。 それから二つ目に、この間の問題で申し上げておきたいと思いますのは、先ほど寄本教授もおっしゃいましたけれども、東京一極集中によります著しい経済格差を考慮しますと、地方交付税制度の抜本的な改善、思い切った規模拡大、財源規模の拡大を行わない限り地方分権は実質的なものになることは考えられません。 先ほど私、中山間地域の自治体のお話を申し上げましたけれども、いろいろその場所に行って財政についての組み立てのお手伝いまでするわけですが、本当に来年度の予算は組めるのかなというところまで切羽詰まった思いで組んでいる自治体が少なくないことをぜひ御理解ください。そういう意味では、私たちは今、財政調整制度という大変すぐれた制度を持っておるわけですから、これの抜本的な改善によって手当てをするということは欠かすことのできないテーマであるというふうに確認をしておく必要があるというふうに思うわけでございます。 それから次が、地方自治体で今、大変頭を悩ましていることでございますけれども、昨年の十月に自治省からいわゆる行政改革指針という新しいものが出されました。しかし、事務の移管といいますのは直接的に事務量の拡大を意味しておりますから、職員の増大はもう必然のものになっているわけです。今、地方自治体の長あるいはまた担当者たちはその板挟みに遭っておりまして大変苦しんでいるわけです。 もちろん行政改革指針は一般的に直ちに職員を削減しろなどということを提起しておるわけではございませんけれども、しかし同時に、いわば通達として出されました職員の適正配置というふうなことについての通達を読みますと、やはり削減と思わざるを得ないということになっておるわけでありまして、今の自治体の現場は大変混乱の中にあります。 私たちは、簡素な行政をつくるという原則は原則としまして、同時に事実において必要な職員の配置についてためらってはならないと思っておるわけでございまして、その点では、先ほど申し上げました二十一世紀社会が高齢社会であり、かつ環境型の社会を目指す、そして大震災に見られるような安心、安全ということを求められる社会であるということを考えたときに、私たちが公務労働あるいはまた公務員の配置ということについてはもっと積極的な観点を持つ実は必要に迫られているというふうに思っておるわけであります。 それからこのことに関連しまして、民間委託をどんどん進めるというふうな議論がございますけれども、そして私は民間委託に一概に反対するものではございませんけれども、安易な民間委託の拡大が自治体行政をゆがめておることも事実でございます。 率直に申し上げますと、これまでいわば直接的に経営していた部門を民間委託いたしますと、その民間委託をした部門を管理する部門をまたつくらなきゃならないということになりまして、これまで直接経営だったらそんな管理部門は要らなかったのに、余計ないわば財政負担がかかっておるという例が実は少なくございません。 それからさらに、そればかりではなしに、民間委託をしてしまいますとその委託をしたところでまた職員を採用したりしますから、事業を縮小しようにもしようがないという場面がいっぱい出てくるんです。これがもともとの直接経営でしたら職員異動で縮小が幾らでも自在にできたものを、できないということになっているのでありまして、実はこれが物件費としてはね返っておりまして、今日の経常収支比率を引き上げる要因になりつつあります。実は財政的にも重大な問題になってきておりまして、その点では私は、ぜひ民間委託についてもこれからのいわば分権ということを考えるときに真剣に考えなければならないテーマかなというふうに思っているところであります。 時間が参りましたので、あと実は政策的条件、例えば産業政策であるとか地方分権の基礎になる問題であるテーマ、それから先ほどちょっとお話の出ました地方議会についてどう考えるかというふうなテーマがございますけれども、一応発言を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(小林正君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井道子君 自由民主党の石井道子でございます。 きょうは、大変お忙しい中を本委員会のためにお出かけをいただきまして本当にありがとうございました。特に地方自治に長い間関心を持たれて研究をされた、また地方分権に対しても積極的な御意見を承ったわけでございまして、大変貴重な御意見をありがとうございました。 まず寄本参考人にお伺いしたいと思いますが、この地方分権の問題は平成四年の宮澤内閣のときの決議から始まりまして、細川内閣、羽田内閣、そして村山内閣に至りましていよいよ法案の提出というところまで参りました。そして、大体機が熟してきたというふうに思いますが、この地方分権が行われた場合には地方の受け皿というものが大変重要であると思います。 この分権に当たりましての役割分担のあり方についても先ほど御意見を承ったわけでございますが、一口に地方自治体といいましても、市町村においては二百人足らずの村から始まりまして三百万人以上の政令指定都市がある、また県においても鳥取県のように六十万人ぐらいの県もあれば東京都のように千二百万人以上の地方自治体もあるというような形でございまして、それぞれの市町村においての、また都道府県におきましてのいろいろと中身が違ってくると思います。 そういう点で、できるだけ地方がそれぞれの持ち味を生かしながらその権限を十分に行使し、責任と義務を果たさなければならないというのがこの地方分権であろうと思いますが、今まではとかく地方が中央に依存している体質であった。これは長年の習慣でやむを得ないと思いますが、自立とか責任というものをむしろ回避してきたという面もなきにしもあらずではないかというふうに思っております。ですから、それぞれの地方自治体がこれから地方分権を実行するに当たりましてはそれぞれの当事者能力を高めていくということが大変重要でございますから、そういう面で地方自治体の規模とかあるいは受け皿づくりについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思います。 先ほど廃棄物の問題、ごみの問題についてのお話がありました。この問題も地方の市町村でやっていることもありますが、しかし国でやらなければならないこともあるというふうにおっしゃいましたけれども、今、当然国でやるべきものなのにやっていないという何か事例がありましたら教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(寄本勝美君) 明治の二十年代に入るや否やと言ったらいいんでしょうか、新しい近代的な地方制度がつくられたわけですけれども、その際に明治政府は、当時七万以上あったといわれております自然村を合併などで整理いたしまして一万七、八千の市町村に整えていったという経過があります。その後、何度かの改革がございまして、今三千二百余りの市町村と四十七都道府県になっているわけです。 池上参考人のおっしゃいましたように、今、市町村はかなり定着しているのは確かだというふうに思います。都道府県も同じようなことが言えるかもしれませんが、定着するまでにおよそ百年、あるいはそれ以上かかっているわけであります。これから受け皿づくりのためということで思い切った合併などが行われて、仮に数百くらいの市町村になったといたしましても、定着するためには百年とは言わないまでも数十年ぐらいかかるのかもしれません。数十年たった後は、あのときよくやった、現在のさまざまな条件から見れば三千二百余りよりも数百の基礎的な単位の方がマッチしている、また意識的にもかなり定着してきたといったようなことがあるいは言えるのかもしれません。 しかし、私の現在の選択は、そういった大きな見通しといいますか、非常に遠い遠い将来を考えた上での改革志向というものを持たないわけではありませんけれども、池上参考人がおっしゃいましたような、今を大事にする、今の制度改革を思い切った形にすることによって住民なり地域社会なりに大きな問題をもたらすというのはやはりどうかなというふうに思うわけでございます。 基本的には現在の二層制を軸にしながら、それぞれの地域の事情と自主性と独自性をまず尊重しながら、現代的な条件に少しでも合った形にしていく。そのために、広域的な仕組みも一応制度的には用意されているわけですからそれを利用してもらうとか、あるいは都道府県が山村地域など規模の小さな自治体に関してはもう少し積極的な役割を演じてよろしいわけでございまして、そういう形でカバーしていくということの方がより安定的ではないか、あるいはそれがいろいろな意味で望ましいのではないかというふうに考えております。ですから、この受け皿論に関しましてはそのようにおとらえをしていただければと思うわけです。 それともう一つ、受け皿論に関しまして先ほど少し指摘をさせていただきましたが、私は必ずしも政府間、地方自治体を含めての政府ですが、政府間の関係というのは、量でもってというのではなくて、やはり質でもって考えていくべきだと思うわけでございます。規模の小さな市町村の扱い得る事務事業の内容がやや限定されておりましても、その限定されている事務事業に関してはやはり基本的には自己完結型の、つまり政策自身を選択できて実施をもどういう実施方法にしていくかということをまず自分たちが決めることができるという、そういうふうな質をまず大事にしていくべきであります。したがって、量的にさらに多くのことをしょっていくということのための受け皿を必ずしも考える必要はないのではないかというふうに考えているわけでございまして、それは都道府県なりあるいは国なりが必要なものに関してはより積極的な役割を担っていただければいいのではないかというふうに考えているわけでございます。 そういう観点から見ますと、国は外交ですとか国際問題ですとか等々に主眼を置いた活動をもっと積極的にやっていくために国内の諸問題に関してはもう少し身軽になるべきだという説がございますけれども、私は今申し上げたような観点からすれば、必ずしも無条件に賛成できる御意見ではございません。国内の諸問題においてももっと国がさまざまな地域社会の、あるいは自治体そのものの要望にこたえるような行政をより積極的にやっていただいてもいいわけであります。 その点についてそれではどういうふうな事例があるのかという御指摘でございますけれども、私は、池上参考人のおっしゃったような現場という意味でいえば、主として環境問題なりリサイクル、ごみ問題で活動してまいりましたのでその領域しか必ずしも自信を持って言えないんですけれども、廃棄物の処理などはまさにそうでございまして、収集した後のものはどうしても処理せざるを得ない。焼却などは個別ないしは幾つかの市町村が協力して共同処理をするという仕組みで対応できるでしょうけれども、埋立処分地を探すといったような問題になってまいりますと、例えば二十三区で果たしてできるんでしょうかとか、あるいは三多摩の三十二の市町村が埋立処分地をそれぞれ持たなければならないとなりますと、本当はそれの方が望ましいのかもしれませんが、現実には非常に難しい問題があるわけであります。 そうなりますと、やはり都道府県がこれは市町村と十分に連携をとりながら広域的な処分地を確保する。しかし、広域行政には御案内のようなマイナス面もございますから、そういった面はできるだけ抑え込むような仕組みを十分に考えながら都道府県の役割の増大を期待せざるを得ない。 それから、集まったものをできるだけ再利用する。処分地がなくなってきているわけですから減量というものが大変大切になりますが、集めたものをどう利用するかとなりますと、これは例えばリサイクル型の経済の仕組みを考えていかなければなりません。 それから例えば個々の市町村からいたしますと、行政区域の外にある企業に対して、メーカーに対して、直接条例をつくってあれこれ規制をするというのは今のところできないわけであります。どうしてもその区域の外にある産業界に対する政策的な対応というのは都道府県なり国なりに期待せざるを得ない。しかし市町村は、従来どおり収集したものを処理するという面で努力をしながら、再利用なりリサイクルという面から見ますと全国的なレベルでそういったシステムをきちっと考えていただくことがどんなにか市町村にとって心強いことであるか。ごみを集めるあるいは分別収集をするというこの作業においてどんなに勇気づけられるものであるか。 今は、どんなに一生懸命分別収集をしましても時にはそれをメーカーは引き取ってくれない、ごみにせざるを得ない。分別の努力が生きないということでありまして、そういう観点からすると、そういったものを今度は全国的な視野からきちっと受けとめる、そして産業界に対してさまざまな協力をお願いする、こういう責務を国がきちっと果たしてくれれば、それは自治の減退ではなくてむしろ自治の拡大であります。 池上さんの言われたような意味でいえば、市町村の職員はどんなにか元気が出るかということになるわけでございまして、そういう観点からすると受け皿というものは、必ずしも広域的な仕組みを地方につくっていかなければならない、合併がそれであるというわけのものでもないような気がするわけでございます。こういったようなことは、リサイクルや環境問題に限らず、都市計画でも福祉でも多々言えるのではないかというふうに思っております。 それから御質問から少しずれるかもしれませんが、私この間、自分の町の自治体の職員とずっと町を見ておりましたら、その職員がこんなことを申されました。ここに公園があります。公園の中にごみ箱がある。ごみ箱を公園に置くのは一向に構わないんですが、ところがそのごみに関しまして、缶と瓶と分けて入れることができるようなごみ箱をつくろう、それはリサイクルにつながるということになるわけですね。その場合に、集まってくる缶とか瓶をごみにしないでリサイクルにする。リサイクルというのは、当然、集めてきたものをもう少し選別をし直して業者さんに引き取ってもらう。そのときに市場の価格がよければそれは自治体に多少の収入になるんですが、収入になるとその分別のためのボックスは公園に置けないんです。ごみ箱だったら置いてよろしい。要するにお金になるようなものの道具を置いてはならない、こうなるわけです。 リサイクルしないでごみにした方がいいといいますか、結果的にはそれを強いられてしまって、新しくクリーンボックスの仕組みを変えていこう、ごみを減らすように持っていこうという努力が生かされないわけです。 こういうことを考えますと、この収集作業とかごみの問題と公園の問題は決して無関係ではありません。限られた地域の中でどのようにごみ箱という受け皿を用意していくかとなれば、公園や廃棄物やその他のものを一緒に考えて全体的にいい仕組みを考えていくというのがまさに市町村レベルの総合行政なんですが、それができないわけです。 こういったことが地方分権という意味で非常に大きな意味を持つというふうに考えているわけでございまして、受け皿というのは必ずしも空間的な意味での受け皿というだけじゃなくて、法律を変える、仕組みを変える、これもまた別の意味での受け皿であります。こういうこともぜひともいろいろの機会のところでお考えになっていただければ大変ありがたいと思います。 石井先生の御質問に十分お答えできなかったのではないかと思うんですが、どうも失礼しました。
○石井道子君 時間がもう余りなくなってしまいましたが、川島参考人にちょっと簡単にお伺いをいたします。 地方分権になりますと、今度はやはり地方の首長さんの責任と権限の増大といいますか、強さが問題にもなります。既に知事とか市長さんにおきます汚職問題も起こっているところでございまして、そのようなことを防止する意味では、地方議会との車の両輪といいますか、チェック機能が十分果たされなければならないというふうにも思います。最近は非常に首長さんの多選が多うございますし、議会もオール与党化という形が、共産党さんは違うかもしれませんが、そういう形が大変多うございまして、そういう面での心配もあります。 先ほど、地方議会のあり方についていろいろと新しい選択の道があるというふうにおっしゃいました。そのことをもう少し具体的にお話しいただけないでしょうか。
○参考人(川島正英君) わかりました。お答えします。 先ほども申し上げましたように、地方分権が進展していきますと、やはり行政府といいますか首長部局と議会との関係というのは本当に大変重要な問題になってくると思うんですね。 多選問題も含めまして、私は、地方議会のあり方そして地方選挙のあり方も、それぞれの地域で選ぶべきだと先ほど申し上げたんですが、多選問題について申し上げれば、これは我々民間政治臨調の場合ですが非常に検討いたしまして、やはり地域の考え方としては大勢は多選というものに対して非常に批判的であるという意見が出ました。私は、これすら必ずしも法律によって多選を禁止するという道をとるんではなくて、逆に地域の選択にすべきじゃないだろうか。あるいは外国人に選挙権を与えるとか、あるいは低年齢層に選挙権を拡大していくかとか、そういう問題もやはり地域ごとに違った選択があり得るのではないかという、まあ非常に極端な意見を申し上げるんですけれども。 そういう延長線上で行けば、地方の議会、特にそういう条例をつくるというような意味合いもあってその地方議会の重要性というのは非常に大きくなるんではないか。地方議会だけではなくて、例えば監査の制度とかそういったものもそれぞれ非常に強めていかなければならないのであって、首長さんあるいは行政部局に対する批判あるいはチェック、監視の機能をどうするかというのは非常に重要だろうと思います。 今お話しになった汚職といいますか、そういう腐敗の構造というものがまさにここ数年、地方行政部局、行政府の中で非常に大変なスキャンダルが幾つか出てきておるわけですけれども、これに対しては、この地方議会とかあるいは監査の制度とかあるいは住民の目がもっと行き届くことによって、しかも権限が身近なところへ移されることによって住民自身の目もそちらに非常に向き始めるんではないか。いろんな意味合いで、地方の首長さんたちのそういう腐敗の構造もむしろ分権によって改められていくんではないかというのが私の見方でございます。
○石井道子君 どうもありがとうございました。 時間でございますので、終わります。
○沓掛哲男君 自由民主党の沓掛でございます。 本日は、参考人として大変貴重な御意見を聞かせていただきましたので、それを踏まえながら質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、三人の方の中で意見の違っているところがありますので、それについてお尋ねしたいと思います。池上さんが最後に言われたわけですから、池上さんは前の二人の御意見を聞いた上でしたから、池上さんはまず最初の質問は結構ですが、お二方、寄本さんと川島さんにお尋ねしたいんです。 池上さんは、この地方分権の推進はじっくり時間をかけてやっていくべきだ、一つ一つの市町村のそれぞれの個性とかいろんなものがあるんですから、そういうものを踏まえながらやっていくべきだということでした。寄本さん、川島さんは、緊急性、千載一遇のようなチャンスなんだから、いわゆる五カ年の時限立法の内にきちっとできなくても、それを踏まえて急いでやるべきだというようなことを言われたんですが、それについてちょっとお二方、もう一度御意見をいただきたい。 私自身は、五千円札の肖像画に出ている十和田出身の新渡戸稲造先生が非常に愛した言葉としてアイレ・ニヒト・バイレ・ニヒトという言葉がありまして、急ぐな、しかれどもぐずぐずするなというのがあの十和田の新渡戸記念館に行くと出ていますが、そういう気持ちだなと思うんですけれども、そこが非常に違っていたので、先にお二方の御意見を聞きたい。 それからもう一つまた違っていたことは、池上さんは、町村合併については余りそう積極的に必ずしも受け皿論的な意味でのそういう合併的なものは必要じゃないんじゃないか、人口千人の村でもそれなりのいろんな歴史的な意味もあるんだからそのままでいいじゃないかというような御意見でございました。これについては私は、私もいろいろ行政を実際やってきた人間として、もうちょっとやっぱり広くないと、千人未満の町村が議会をつくり、そしてこういう同じようないろいろなことを議員を選挙してやっていく、それは今のこの時代にはなかなか合いにくいなという気持ちを私は強くするんですが、このことについて寄本参考人と川島参考人にお伺いしたい。 ただ、池上さんにもお伺いしたいんですが、この本文の第七条第二項で、「国は、前項の地方公共団体の行政体制の整備及び確立に資するため、地方公共団体に対し必要な支援を行うもの」としているんですね。この支援は何かというと、去年の暮れにつくった地方分権の大綱の中で、市町村の自主的な合併の支援を国はすべきだということを言っている。国は市町村の自主的な合併の支援をすべきだというこのことを受けてここで支援という言葉が出てきているので、大綱としては、やっぱりある程度小さいものはまとめて、ある程度機能的にできるところまで持っていこうというような意味が含まれている文章だということなんですが、これについてどうお考えか、最初このことをお尋ねして、次に財源についてお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(小林正君) 大変恐縮ですが、限られた時間ですので簡潔な御答弁をよろしくお願いします。
○参考人(寄本勝美君) 地方分権推進法をめぐりましては、ぜひとも今国会で可決、成立していただきたいというように強く願っております。 御質問の内容に関しましては、実は第二条におきまして、地方公共団体が分担すべき役割を明確にするとともに、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本とする、こういうふうに書いていただいているわけでございまして、例えば池上さんのおっしゃったようなこともこの中で十分に御考慮をお願いしていただくということになるのではないかと思っております。
○参考人(川島正英君) 第一点につきましては、そのじっくりとというのが推進法そのもののことであるかどうかということについては、私ちょっと受けとめが違っているのかなと思います。地方行政全体への、地方自治へのステップとしてはもっともっとじっくりやらなきゃいけないことがあるんではないのかというふうに私は池上参考人のお話を承ったんです。それで、地方分権推進法については、むしろ先ほど申し上げましたように、全く急務である、今国会での成立というものがぜひ必要であって、この場を逃すと再びこういう機会がないのではないかというぐらいの危機感を私は持っております。 第二点の町村合併については、私、先ほどは一つの背景として二層制自治というものが、今回の地方分権推進法をつくる過程で二層制自治を守っていくということが非常に大きな合意になってここまで進んできたということを申し上げましたが、私自身はもっと積極的に都道府県の道州制、連邦制に対しても反対でありますし、市町村合併というものもこういう受け皿論議の中で論ずるのはどうも賛成いたしかねると。 先ほど千人ぐらいの村でというお話がございましたけれども、私が市町村、地域ごとに選択すべきだと言うのはその点も含めてでありまして、議会をつくらないというのも一つの選択ではないかと。現行法の中でも町村総会という制度が決められておるんですけれども、これは今まで過去一回だけ少し実施されたというふうに聞いておりますけれども、この町村総会といったような制度とかあるいはそれに類似した考え方、議会にかわってそういうこともあってもいいのではないか。 つまり、市町村それぞれがそれぞれの考え方で議会なり選挙なりを選んでいけばいいのであり、そして市町村の力が弱いとすれば、先ほど申し上げましたように、府県との関係において、むしろ市町村が背負えないものは府県がどこまでバックアップするか、補完するかという、そこの関係が非常に重要になってくるんだろうということを先ほど申し上げたわけなんですけれども、お答えになっていますかどうか。
○参考人(池上洋通君) 私、発言がちょっと舌足らずだったかもしれませんが、先ほどの発言の冒頭に申し上げましたように、私も今度の法案には基本的に賛成しておりまして、今国会でぜひ成立をさせていただきたいと実は願っております。そのことをまず申し上げます。 それからお話のございました市町村合併のことでございますが、これも私、かなり丁寧に申し上げたつもりだったのでございますが、どんな場面でも市町村合併絶対いかぬなどということを申し上げているつもりは全くございません。しかし、今、川島参考人がおっしゃいましたように、いわば分権に必要だから式の市町村合併はいかがなものだろうか。そしてまた、市町村合併を行うにつきましても、本当に二十一世紀型の社会をどう展望するつもりなのかということを真剣に考えなければならないときに来ているのではないかということを率直に現場からの発言として申し上げさせていただいたわけでございます。
○沓掛哲男君 私の申し上げたのは、この法案を審議することをじっくりゆるゆるやれと言ったのでは決してありませんで、この法律を通した上、これを実施していく上において余り拙速をすべきではないのではないか、そういうことを申し上げたのでございます。 次に、私は地方分権をしていく上で一番ポイントというのは財源だというふうに思います。国と地方とのある程度税源を分けていくということはそう難しいことではないと思います。ただ、これから私、二つのことを申し上げたいと思います。 一つは、ともすると国民負担率が物すごく上がっていくんではないかというふうに思います。現状は、地方公共団体がいろいろやろうということについてもある程度制約、規制をしております。しかし、それがちゃんとできるような、それぞれの地方公共団体でナショナルミニマムが達成できるような、そういうことを頭に置いて地方交付税でちゃんとこれを処置している。国が財源を取って、そしてそれを地方公共団体でそれぞれの基準財政需要額が満たされるようなそういう形で今実施しているわけです。 さあ今度はそうじゃなくて、個々の市町村ができるだけ自由に自主自立でいろんなことをやっていくようになれば、選挙で選ばれた市町村長さんですから、制約が極端に何もなくなれば、あれもやりたいこれもやりたい、どんどんやっていく。しかし、自分の市町村のところではなかなか財源が集まってこない。それを国なり県なりそういうところからどんどんよこせよこせということは、もう今よりももっと激しい突き上げになる。 今の市町村長さんは住民から言われても、いやこれは県がなかなか厳しいんだよ、中央に悪いやつらがおってさせてくれないんだよといって、そういう悪さをみんな転嫁しながらうまく逃げているわけですね。ところがそれが、いやそうじゃない、市町村長さん、あなたがすべてできるんじゃないか、なぜやらないということになれば、これはもういろんなことをやらざるを得ない。そうすれば、金よこせよこせと。結局そうなれば、やっぱり国全体として国民負担率がどんどん上がっていく、そういうおそれはないか、それに対する歯どめとしてはどういうことが考えられるのか、そういうことをお尋ねしたいのが一つ。 それからもう一つでございますけれども、今度は同じ市町村の間の争いというか、間には大変財政力の差が出てきますから、その財政力の差をなくするために今のような交付税があったわけです。しかし、これは国が取ってやっていたからできて、今度は地方分権で地方にだんだん権限を多くし、地方に財源を多くすれば、国はそれだけ財源が少なくなってくるわけです。 これは寄本さんの本にも、いわゆる地方分権の特徴の一つは、住民へのサービスと住民の負担の関係が見える行政にあると言っておられます。確かにいわゆるサービスと負担との関係が見えることは一番望ましいけれども、そういうものを透明にしていけばしていくほど、今度は今までのナショナルミニマム的な配分はできなくなってきて、できるだけ自分でそういうものを調達し、そして災害があったとか何か異常なときにはそういう調整機能を国が発揮してくれるということになると、その町村間においていろいろな行政等においてのサービスの差ができてこないのかどうか。 そういう差はもうやむを得ないというふうに考えるのか。いやいやそうじゃない、やっぱり行政のサービスは隣の県、隣の町村でも差をつけないんだということになると、やっている内容が別々なのに差をつけないということはこれはなかなか難しいし、本来の自主自立という地方分権にもなかなか問題が出てくるんではないかというように思いますが、そうかといって、私は石川県出身ですが、石川県のような貧乏な県は、地方交付税等で得ていた財源が来ないとなったらこれまた大変なことになるんですよ。 ですから、そういう点に対してはどういう考え方で、どういうふうな配分ができるのか。あるいは今のように、いやそれは、石川県は海にも近いし空気もいいし山も多いから、総合的に見ておまえら我慢せいと、そういうことなのか。その辺についてのまた御指導をいただければと思います。お三人の方にさっとお願いします。
○参考人(寄本勝美君) 今、先生のおっしゃったことは大変ごもっともな面がございまして、私はアメリカの小さな町にかなり長い間住んだことがありますけれども、そこでは日本と比べますと市町村レベルの自治の仕組み、分権の仕組みは相対的に進んでいるんですが、しかし他方では、そのことのゆえに隣の市町村との間の財政格差ですとか、あるいは場合によっては財政的に破綻するかもしれないとか、あるいは行政サービスの水準がいかにも違うとかということが常に常に話題になっておりました。 分権と自治というのはある意味では違いをもたらすものですから、ある程度のことはやむを得ないのではないかというふうに考えております。どの程度が許容できるものなのかどうかという点につきましては、これはまたこれからの我々の議論といいますか、国民のある種の理解のもとで考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。 財政の面に関しましては、私、必ずしも詳しくはないんですけれども、ナショナルミニマムという点でいえば国庫支出金の中の主として国庫負担金でもってカバーされる。国庫負担金というのはかなり全国的な視野から財政的な措置をするという性格のものですから、そちらの方は必要に応じてやはりきちっと維持をしていかなければならないのではないかというふうに思います。 問題は奨励的補助金の方に多少あるような気がするわけでございまして、奨励的な意味がなくなっているにもかかわらず、ずっと続いているがゆえに御案内のような問題をもたらしているとか、いい面での奨励はいいんですけれども、その使われ方が現実に適切でないとか整理をする必要があるとかといったあたりがあるわけでございまして、まずこの面から考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。 あとは財政調整制度の仕組みをきちっとお考えになってくださいまして、御指摘のような格差をできるだけある一定以上にはもたらさないように、そしてある違いはやむを得ないとはいいましても、それをどう考えるかという点につきましては、住民自身が自分たちの町の行政と財政の仕組みが勉強できるように、もっと考えていただくように、要求するだけではなくて、みずから負担者でもあるんだといったようなことを考えていただいて、自治体の運営などに関しての参加の仕組み、こういったようなことを考え直すことがもちろん必要になってくるのではないかというふうに思います。
○参考人(川島正英君) 今度のこの地方分権推進法がここに至る幾つかの背景があるわけですけれども、一つはやっぱり市町村の社会的基盤がある程度、戦後いろんなアンバランスがあったのがほぼある水準に達してきたということが非常に大きな要因としてあると思うんですね。したがって、下水道とか若干のものは残されているにしろ、ほとんど社会的基盤ということにとっては市町村それぞれほぼある水準の幅の中におさまってきたということが、こういう地方それぞれ自主性を持って自立的に行政をやっていこうという考え方に至る一つの大きな要素になっているんじゃないかというふうに思うわけです。 したがって、あれもこれもという形というものではなくて、先ほどお話がございましたように、市町村それぞれあらゆるものを隣近所と同じにそろえるということでなくて、そこに格差があるということは、選択する行政によって格差ができてくるということは、私としてはこれはある意味でやむを得ないのではないかというふうに考えます。 ただ、国が今やっておりますような地方交付税にかわる何らかの財政的な調整措置というのは、都道府県間で行うのか、とにかく何らかのそういう制度というものはかわって必要にはなってくるだろうと思いますが、だからといって市町村が今のようにあれもこれもとその市町村長に要求してそれで市町村長が動くということじゃなくて、おのずと市町村と府県あるいは市町村と国との関係というものがだんだんに地方分権というものが進む中で意識が変わってくるのではないだろうかというふうに考えるわけです。
○参考人(池上洋通君) 今のお二人の参考人の御意見に全く賛成でございますが、私は違った角度から一点だけ申し上げたいと思います。 それは実はもう申し上げるまでもございませんが、財政力の問題はそれぞれの地域における経済産業力に実は依存しているのでございまして、基本的には。ですから、地域における産業計画をどうするか、経済計画をどうするかということを抜きにこの問題を語ることはできないということになるわけでございます。その点で、東京一極集中の是正ということが実は地方分権との絡みで申し上げますと全国の地方自治体にとって一番のやはり願いでございまして、何よりも産業的な力を持ちたい、経済的な力を持ちたいという強い願いを持っているわけでございます。 その点で申し上げますと、私は、これは寄本教授がおっしゃったことでもございますが、国の果たすべき役割としまして、いわばナショナルな産業計画の転換というものを本気になって考える。そして、地域経済、地域産業をどう発展さすかということについて、これまでも御努力をいただいておるのでありますが、第一次産業から第三次産業に至るまでの本当に調和のとれた産業計画をつくって打って出るということがございませんと、結局分権の問題は絵にかいたもちになる。つまり、基礎的な経済的力をどう発展さすかという政策抜きに分権はやはり語ることはできないというふうに思うのです。 そういう意味では、先ほど私が申し上げました、先生がおっしゃいましたいわばゆっくり急げというテーマでございますが、なぜ私が拙速はというふうに申し上げたかという一つの背景にはこの産業経済計画があるからでございます。これについて、本当にやはりみんながそうだと、力を合わせて汗を流していこうじゃないかということを自治体ごとに考えていくような方向を私たちが創造し見出していく、それがやはり非常に求められていると思うのです。 そういう意味では、国の支援のお話が出ましたけれども、国は何よりもその方向を支援する、財政的にもしできるならば支援をする、システムで支援するなら支援するということをもっと明確に政策化する必要があるというふうに私は考えております。
○沓掛哲男君 どうもありがとうございました。終わります。
○山口哲夫君 日本社会党の山口哲夫と申します。大変貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとう存じます。 まず最初に寄本参考人にお尋ねしたいと思います。 参考人は、例えば清掃問題を取り上げまして、一つの行政の中でも市町村がやるべきもの、あるいは都道府県、国がやるべきもの、いろいろと分類されるのではないかと。確かにそのとおりだというふうに私は思うわけですけれども、今度の地方制度調査会のこの地方分権に対する考え方が述べられましたけれども、その中で例示として、これは国がやるべき仕事であるという例示をしている中に、逆に地方でも行えるようなものも入っているわけですね。 例えば公的年金を一つ例にとってみたいと思うんですけれども、公的年金の中でまず基準の作成というものは、これは確かに国がやらなければならない。基礎になる法律ですから、それは国がつくらなければならない。しかし、それに基づいてあと幾つかの業務がありますけれども、例えば掛金の計算をするとか、それから賦課をするとか徴収をするとか、年金の支給をするとか、そういった問題というのはこれはすべて地方自治体で行えるわけです。しかし、財政全体をどうするかということになると、これはやっぱり国がやらなければならない。ところが、今の状況を見ておりますと、これは国がやるべき仕事だというそういう考え方に立ちまして、今言った地方自治体で行えることも全部国家公務員という形でやらせてしまうというように一つの行政が中央集権化されてしまうということになるわけです。 ですから、逆にこういうものも一つの法律の中で、これは国がやるべきこと、これは自治体がやるべきこと、それから先ほど先生がおっしゃったように、本来地方自治体がやるべき仕事だと思っている清掃のようなものでも国がやらなければできないようなものもあるわけですから、そういうものは一つの法律の中で一つ一つ役割分担ということを決めていかないといけないんでないかなというふうに感じるんですけれども、それについてお教えいただきたい。それが第一問です。 それから二つ目の質問は税財政の問題でございまして、せめて国が五、自治体が五、半々の財源というものをやはり与えるべきではないだろうか、こういうようなお話がございました。あとは交付税でやればいいじゃないかというようなことだったと思いますけれども、私はむしろドイツのように、税というものは地方自治体が全部徴収をする。やっぱり住民から身近なところで税を徴収することによって、仕事と住民の関係、不満もそこで全部出せるわけですね。そういうことからいくと、税というものはすべて自治体が徴収をして、逆に国が必要とする財源というものを国の方に納付をする、まあ逆交付税とでもいうんでしょうか、そんなようなことを考えた方が私はいいんでないだろうかなと思うわけです。 大体、国と地方自治体との財源と仕事の関係を見てみますと、財政は地方自治体が三割自治と言っていますが、今四割に近づいておるようですけれども、しかし仕事は七割くらいやっているわけですからそういうことも可能になるんでないだろうか、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(寄本勝美君) 教えていただくところが多くて、大変ありがとうございました。国と自治体との役割の分担というのは大きな範疇では事実上困難であるというあたりのところに関しまして御理解をいただいたことは、大変うれしく思っております。 清掃なら清掃、福祉なら福祉の幾つかの大きな分類の中で、さらに中分類、小分類と分かれていくと思うんですが、その個々の仕事についてきちっと役割を分担するところは分担するということになっていかざるを得ないのではないか。そしてまた、そのときに国がやるべき、やるべきというそのべき論よりも、できるかできないかという可能性論といいますか、客観的な可能性といいますか、これが非常に私は大事だというふうに思っております。 国の方々も、国がやるべきだとおっしゃるときにはやはり使命感を持って言われる場合もあるわけですね。自治体の希望を受けて我々はやっているんだ、国がやっぱりこういうことをやるべきなんだと。それは本当にそういう一人の公務員としてお考えの上で言われることもあるわけでございますが、しかし自治体ができるのにということが他方にあるわけでございまして、これからの分担というのは、できるかできないかということにもう少しポイントを置いてお考えになっていただくということがあろうかと思います。 それから五対五のことでございますが、これは個々の市町村、都道府県も含めまして自治体対国の財源配分ではございますけれども、個々の自治体のことを申し上げたわけではございません。今、全体として地方税は四〇%近くということになっているわけです。それを全体として五〇%ぐらいに引き上げる。したがって、個々の自治体にとってはそのパーセンテージはかなりの変化があろうかと思いますが、それは別の制度で補うしかないだろう。御指摘のようなドイツの財政制度を私も時々勉強させていただいておりますけれども、そのような可能性もその委員会の方で御議論をまずいただいて、国会の方にお出しをしていただければというふうに思うわけでございます。
○山口哲夫君 ありがとうございました。 川島参考人にお尋ねをいたします。 まず二層制の問題ですけれども、今度の法案は、原則として国の権限を都道府県にまず移譲しよう、そしていずれ都道府県の方から市町村に移譲していくようにしようという、そういう考え方に立っているというふうに思うわけです。しかし、きのう私ども富山県に参りまして地方公聴会に参加いたしました。富山県の知事のお話を聞きますと、もう既に自分たちは二十五項目、二百くらいの事務については市町村に移譲していますと、こういうお話もありましたし、大分県でもそういう計画がもう立てられて実行もされております。恐らく全国的に調べたらもっと多いんではないかと思うわけです。 やっぱり一番問題は、基礎自治体が直接仕事を行うわけですから、権限移譲というものは都道府県ではなくしてむしろ市町村に直接移譲するべきが一番いいんでないだろうかと思うわけです。これは都道府県に移譲しますと、今まで建設省に陳情に行ったのが今度県庁に行くのに変わるだけでありまして、余り大したことではないと思うわけですね。 しかし、なかなか市町村にいきなり移譲してもこれは大変かとも思いますので、条件をつけまして、都道府県に移譲をするんだけれども、後は都道府県と市町村の間で必ず協議をして、できるものはすべて市町村に移譲するようにするべきであるとか、これから推進計画を恐らく立てるわけですから、あるいは推進委員の方々が勧告するわけですから、そんなようなこともきちっと整理をしておいてもらわないと、何か都道府県に権限移譲してそこでとまってしまう危険性も出てくるんでないだろうか、そう思いますので、そんなような方法がとれないものかどうなのかということをお尋ねしたいと思います。 それからもう一つは時限立法のことでございます。五年間でやる気持ちはよくわかるけれどもなかなか大変だろうというお話でなかったかというふうに聞いておるわけですが、この間、分権委員会で質問いたしまして山口長官がはっきりお答えされたのは、推進委員の方々に勧告をしていただくのは二年間の間、後の半年でそれを受けて政府が計画を立てる、後の二年半で分権を実行する、こういう考え方でいきたいと。大変積極的なお考えを示されまして心強く思ったわけですけれども、しかしなかなかこれは考えてみますと大変な問題だと思うわけです。 その場合に、これは今から延長するということではなくしてその時点で延長をしていく。今までも時限立法を幾らでも延長しているわけですから、その時点で延長をする。しかし、当面は五年間でやるという決意でやらなければこういうものはなかなかできないと思いますので、そういう手法でやってみてはどんなものかなというふうに思うんですけれども、その二点についてお教えいただきたいと思います。
○参考人(川島正英君) お答えします。 最初の点なんですが、都道府県と市町村の間の関係というのは、先ほども私は分権推進法が成立した後の第一の課題だろうというふうに申し上げたんです。 それで、先ほど富山あるいは大分の例をお話しいただいたわけですけれども、そのほかこれまでも、かつて広島の宮澤知事がああいう形で府県から市町村への権限移譲を始めて以来、ずっといろんな形で府県と市町村の間というのはある程度の権限移譲というのは進められておりますし、今回の分権推進法が論議になってから、府県と市町村の間の関係調整というようなことでいろんな審議会なり市町村と府県との間の話し合いなどが始まっておりますけれども、私はむしろ、まず真っ先に市町村にというその原則というのは、非常に私もそのとおりだと思いますし、シャウプ勧告以来、一番身近なものは市町村にというそういうことは私自身も賛成なんですけれども、先ほど申し上げましたように、市町村にとって、能力として、機能として、そこまでなかなか現時点でそういう権限を全部担い切れないというような問題をどう考えていくかということが一番ポイントになるんじゃないか。 したがって、今、山口先生が府県と市町村との協議とおっしゃいましたけれども、私もその協議は賛成でございますが、その協議というものをむしろ府県と市町村が、特に市町村で担い切れないものがあるんじゃないか、それをどうするんだというところにポイントを置いて、府県からの補完とか支援という考え方を今はやっぱりとっていかざるを得ないんではないか、一挙に国から市町村へという理想的な形というのは非常に無理なのではないだろうかというふうに考えます。 第二点の時限立法については、まさに期限を切ってできるだけ早くというのは、むしろ地方制度調査会なんかでもそういう論議になりまして、最初は十年というようなことを言っていたのが、もっと早く期限を切るべしと。それはいろんな地方自治法の本格的改正まで考えれば大変長い年月を必要とするけれども、そういうことを言ってはいられないんだ、とにかくできるだけ急いでやる必要があるということで五年というような数字が出てきたわけで、今お話しのとおり、まさに急いでやるべしということは非常にわかります。 それで、二つの考え方がこの時限立法についてはあるということをさっき申し上げたんですけれども、そのうちの不安な考え、つまり悪い言葉で言えば、何か五年間中央省庁がサボタージュしてしまって、あるいは推進委員会がかなりいろんなことを立案して考えていっても中央省庁が動かないという、そういうことに対する不安なわけです。 だから、そういうものは大丈夫なんだと、政府の答弁がそういう形で大丈夫だという非常に心強い発言が出てきているんだという先ほどのお話でございましたので、そういうことで皆が納得してそういう合意の上で、時限立法でいいじゃないか、むしろその方が望ましいんだということになれば、私はそれで非常に結構であろうと思います。
○山口哲夫君 池上参考人にお尋ねいたします。 まず第一は、地方自治体は今でも人員が非常に不足している、しかし分権になって仕事がふえればなお一層不足してくるだろうというような職員の定数に対する御心配がありましたけれども、今の場合、特に政府の方から地方行革に対していろいろと定数の適正化等についての指導というか、そういうものが出されているわけですね。 しかし、これから分権になりますと、今まで直接国の財政が補助とか交付税とかいろんな形で出されているために国の方でそういった介入をするわけですけれども、しかし財政的にある程度自治体に自主性を持たせられるということになりますと国のそういった介入というものは恐らくできないだろうというように考えたときに、余りそういった定数問題とかそういうことは心配することなく自治体の独自の考え方でできるようになるんでないだろうかと私は割に安易に考えているんですけれども、それについていかがでしょうか。 それから交付税は抜本的な改革が必要だということは当然で、この制度そのものはやっぱり残して、どういう形にせよやらざるを得ないと思うんですけれども、その場合に一番問題なのは、交付税の民主化を図るという意味で地方自治体の関係者が参加する第三者機関をつくるというような形をとっていくことによって交付税制度を残すというような形をとるべきでないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(池上洋通君) 第一点目でございますが、今、山口さんがおっしゃいましたように、そうなればいいなと実は私も思っておりまして、一番率直に申し上げますと、全国のほぼどこの地域でもやはり頭を悩ませておりますのは例の新ゴールドプランへの対応でございまして、正直言いまして私の知り合いでノイローゼになってしまった職員がいるぐらい実は深刻になっておるわけであります。そして、このいわば職員配置について、分権になるとそうした介入がなくなるのではないかというお話でございまして、本当にそうしたことがきっぱりできるような分権であってほしいなということを率直に願っておるわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、その場合に、それぞれの自治体における行政需要とそれぞれの自治体における産業経済的能力、財政担保能力はイコールではございません。そのことをやはり同時に直視しておく必要があるということから、私は二点目の地方交付税についても率直な触れ方をさせていただいたものです。 私は、先ほどは財源ということとして、もっと思い切って財源を拡大するということを申し上げましたが、今お話しございましたように、第三者機関の設置というようなものは私も大賛成でございまして、似たような構想を私の方もかねて持っておりました。その点では、そうした公正な財政調整制度が望ましいというふうな観点からも、これはぜひ実現をしていただきたいと思います。 ただしその場合に、今、地方交付税制度は大変すぐれた制度でございますが、最大の欠点はわかりにくいということでございまして、例えば地方交付税はどうなっているかということについてほとんど今の状態では住民参加はできないわけです。もっといわば簡明なわかりよい地方交付税制度のようなものができないものかということも、あわせてこの際、住民参加の観点から申し添えておきたいというふうに思います。
○山口哲夫君 終わります。
○渡辺四郎君 社会党の渡辺です。三人の先生方から大変貴重な御意見を賜りまして、まずお礼を申し上げておきたいと思います。 先ほどから若干議論になりましたが、川島先生もおっしゃったように、本年を地方分権の元年としたい、そう位置づけたいというようなお話もありましたが、私ども長年分権を求めてきた一人として全く同じ気持ちをしておるところです。三人の先生方も、ぜひひとつこの法律案は今国会で成立をさせてもらいたいという強い御意見もございました。 その中で、問題として幾つかありますが、一つは、先ほども沓掛先生からお話がございましたが、受け皿論の問題としていろいろと今日まで各党間でも議論がなされてきました。私は、この法律案が通過をすれば急がなければならない問題というのは、まずは第一番に委員の任命問題、そしてこの委員会を強力に進めていくための強力な事務局体制を急いでやっぱり確立をしなきゃならないというのが第一点でありまして、その中で、やはり先ほど山口委員からもお話がありましたように、総務庁長官もおっしゃっておりますが、二年ぐらいかけて具体的な方向を提起していただいて推進計画を樹立する、これまでを急いでやらなきゃいけないんじゃないかというふうに私自身は思っておるところです。 そういう中で、具体的な実施の問題については、方向が決定していく、権限移譲が決まるということになりますと、もう先生方も御承知のとおり、今各自治体で大変問題になっておるのは、やっぱり権限の関係がありまして余りにも許認可問題で行政が進まないというのが現状であるわけですから、私は権限移譲が明確になってくる、推進計画ができ上がる、確立をする、そうすれば許認可問題で大幅な移譲ができるわけですから、そういう段階が来ればかなり自治体の行政運営もスムーズに行くんじゃないかということをまず一点は理解をしておるところです。 そういう点で、今の点は三人の先生方に、私の考えはそういうふうだが、それでよいかどうかお伺いしたい。 それから川島先生にお伺いをしたいわけですけれども、大分の平松知事がこういうことを言っているわけです。まず自治体に任せることが先決だ。中央省庁が言うように地方自治体の行政能力向上を前提にする限り、分権は永久に実現しません。混乱が少し起きる覚悟でどんどん地方に仕事を任せるべきだということで分権国家に向けてのハンドルを切ろうではないかということを大分の平松知事がおっしゃっているわけです。 私自身も、確かに御心配があります受け皿論から見れば若干の混乱はあると思うんです。これはいたし方ないと思うんです。百二十年ばかり続いてきた中央集権国家を分権国家に大変革するわけですから、そういう若干の混乱はあると思うんですけれども、これもやはり都道府県とそして基礎自治体であります市町村と十分協議をして進めていく部分については若干時間をかけてやってもいいんじゃないかという気がいたしますが、先生の御意見をお伺いしたいと思うんです。
○参考人(寄本勝美君) 私は、先生の御指摘ございました、権限移譲が進めばそれだけ許認可の事務、許認可事項が少なくなるという御指摘はそのとおりだと思います。本法案の骨子でもございまして、ぜひともその辺のところを大切にしていただければと思います。
○委員長(小林正君) 川島参考人、二項目めの質問もあわせて。
○参考人(川島正英君) はい、わかりました。 第一項目については全く異論があるはずもないわけでして、私もそういう考え方でぜひ進めていただければというふうに考えております。 第二点につきましては、大分県の平松知事の言葉を引用されてのお話でございましたが、そういう考え方というのは、分権推進法をここまで持ってきてこれを進める以上、もうそこのあたりの考え方は恐らく大勢を占めているのではないだろうかというふうに私も考えておりまして、私が地方制度調査会におりましたとき、今もですけれども、調査会で前の自治大臣、佐藤大臣とお話ししたときにその受け皿論でどちらが鶏か卵かという話がございまして、分権を進めるか自治体の機能を強化するかというようなお話がございましたときに、私は、自治大臣としては鶏か卵かというような論議はもうしないでいただきたい、分権ありきであると。まず分権があって、それに沿って市町村の体制なり府県と市町村の関係なりというものがつくられていくのではないか、そういう新しい発想の中でつくられていくんじゃないかということを申し上げた記憶があるんですけれども、今もその考えは変わっておりません。
○参考人(池上洋通君) 先ほどございました許認可事務などを含めた権限移譲にかかわる問題、いわば受け皿の力量の問題にかかわりましては、先生のおっしゃるとおりかというふうに私も認識しております。
○牛嶋正君 平成会の牛嶋正でございます。 二十分という限られた時間にもかかわらず、それぞれの立場から非常に密度の高い御報告をいただきまして、私はいろんな御質問をさせていただきたいんですが、実は二十五分しかいただいておりません。それで、まず三方に一つずつ質問をさせていただきまして、もし時間が余りましたらまた次の第二問をさせていただくというふうにしたいと存じます。 まず寄本先生に御質問させていただきたいんですが、大体私の考えと非常によく似た考えをお持ちですので、少し御説明がなかったところでお聞きしたいのでございます。 行政を行っていく場合、先生もおっしゃいましたように、その企画立案の部分、それからもう一つはそれに基づいて実施していく部分と、こういうふうに二段階にどんな行政も、先ほどおっしゃいましたごみ行政の場合もそうだと思うんですけれども、ごみ行政で申しますと、週何回収集するか、あるいは分別収集をやるのかやらないのか、分別したものを再利用するかどうか、処理に当たりましても埋め立てでやるのかあるいは焼却にするのか、こういったことは私が今申しました企画立案の部分、先生はそれを政策主体とおっしゃいました。私は実はそれを計画主体と呼んでいるんです。もう一つは、それに基づいて毎日のごみの収集をし処理をしていく、これは実施主体とおっしゃいました。私もその言葉を使っております。 問題は、協力してやるというけれども、その計画主体と実施主体が国と地方に分かれているときが問題なんですね。 先生もおっしゃいましたように、ごみ収集、処理、これは大体どちらも地方自治体が行っております。ですから固有事務と呼ばれているわけですね。もう一つは、極端な場合は機関委任事務です。計画主体、政策主体は国で、それから実施主体は市町村あるいは都道府県ということになる。こういうふうに計画主体と実施主体は実は並列には並ばないですね。どうしてもやっぱり計画を立てたり立案するところが主導権をとるわけでありまして、それに従って実施が行われていく。そこが地方分権の一番問題な点であると思うんです。ですから、先生は機関委任事務に関しては今のような制度ではなくて委託方式がいいだろうと、横に並べると、上下じゃなくて横に並べるということをおっしゃったんだと思うんですね。 問題は、形の上では実施主体も計画主体・政策主体も地方自治体が受け持っております団体委任事務なんです。これが私は問題だと思うんです。団体委任事務は法律や政令でもってナショナルミニマムを決めます。それに対して地方自治体は若干の上乗せをしたりなんかしてシビルミニマムを決定するわけですけれども、大半はナショナルミニマムで決まってしまうわけです。そうしますと、実質的には団体委任事務というのはやっぱり国が計画主体であり、地方が実施主体ではないか。そうだとしますと、やっぱり上下の関係はここで残ってしまいます。 団体委任事務に関しましてどういうふうに検討を加えていくか、これは私の考えもありますけれども、その点について先生の考え方をちょっとお聞きしたいのでございます。 二番目は川島先生に、成立後の課題で四点問題を挙げられました。いずれも非常に興味のある問題で、そしてまた極めて重要な問題でございますけれども、その中から、だれも御質問がなかったものですから国家公務員の再配置の問題をちょっと御質問したいと思うんです。 やはり事務が下へおりてくることを考えますと、その再配置に当たりましては受け皿として都道府県とか市町村というふうなことになろうと思いますけれども、私もその線がいいと思うんですね。ただ、モラールの点で、今までの地方公務員の方とそれからそういうふうに再配置で移ってきた方の間、今でも国から地方への出向等々でいろいろな問題が起こっておりますが、そういう問題が起こるのではないか。そこのところを両方のモラールを高めてそして行政能力をアップすれば、これはもう非常に地方分権、私はどれぐらい権限が下におりるか知りませんけれども、大成功だというふうに思っておりまして、ここのところがポイントだと思うんですね。ちょっとその点で十分な御説明がなかったものですからお聞きしたいんです。 もう一つ私が懸念しているのは、実は推進委員会の事務局は国家公務員ですね、全部これは。そうだとすると、ここでブレーキがかかるんじゃないかという気がするんです。だから、ここのところ川島先生はどういうふうにお考えになっているのか、ちょっとそれをお聞きしたいと思います。 それから三番目は池上先生にです。 池上先生は受け皿論で市町村合併のことをおっしゃいました。そしてまた、あれは中野の実態調査でございましたでしょうか、高齢者の日常行動圏が五百メートル半径で、そのあたりが一つの行政単位としては考えられるあれではないかとおっしゃいました。 私は、行政単位を考えていく場合に、二十一世紀の高齢社会を考えた場合に、おっしゃいましたように、高齢者の生活単位といいますか生活圏といいますか、日常行動圏と申しますか、そういうものをやっぱり念頭に置いて考えていかなければならないと思うのであります。 その場合に、行政単位というのは二つ意味がありますね。それは人口、その生活単位の中で何人住むかということと、それから先生がおっしゃいました、もう一つは面積です。人口密度の高い中野区あたりですと非常にそれが、一万人ぐらいですか、ですからある程度社会として成り立っていくと思うんですね。でも、高齢社会で高齢者の単位を考えますと、高齢者がやはり介護も受け、それから医療も受け、それからある場合はレクリエーションもしたりというふうなことを考えていく場合に、やっぱり五千人ぐらいが一つの単位になる。これはお聞きしたいんですが、私の考えでは、今までずっと議論をしてまいりましてそれぐらいかなと思っているんです。そうすると、中山間部じゃ五千というと村ではないわけです。町でもそんな大きなところはないわけで、そうするとちょっと問題がそこへ出てくるかなというふうに思います。 そこでお聞きしたいのは、そういった高齢社会を迎えて、高齢者の生活、日常行動圏などを考えて、一つには面積の問題と、それからもう一つはそこで何人住むのかという社会を構成するメンバーの数、それをどういうふうに調整していったらいいのか、これをちょっとお聞きしたいと思います。 以上です。
○参考人(寄本勝美君) 先生の御質問にお答えする前に、先ほどの先生の御質問についてちょっと言い落としたことがございますので一言つけ加えさせていただきますが、権限が移譲すれば許認可の面が少なくなる、これは異論のないところでございます。ただ、形式的に市町村長の権限あるいは都道府県の知事の権限になりましても、その過程におきまして、よく主務大臣に相談をするとか知事に相談するといったような文言が加わる場合もございます。これはある種の協力的な仕組みとして一種の知恵としての部分もあろうかとは思いますが、ただ現実には権限は知事に移っても実際上はやはり国がというふうな側面も従来見られたわけでございまして、この辺のところの丁寧な取り組みが必要になろうかと思います。 それから今、牛嶋議員の御指摘の点でございますが、事務配分をめぐりましては計画主体と実施主体がどちらも分権化されるということが最も基軸であることは御指摘のとおりでございます。 ただ、機関委任事務などをめぐりまして、私は必ずしも詳しいわけではございませんけれども、御指摘のようなごみ問題でいいますと、産業廃棄物の処理計画は都道府県知事がつくる、つくらなければならないとなっているんですが、この場合まさに計画をつくるわけですね、産業廃棄物の処理計画を。しかし、これは機関委任事務だと言われているわけです。したがいまして、機関委任事務とはいいながらも計画主体を一応知事にゆだねているといったような事務が少なからずあるのではないかと思うんですが、こういうような事務に関してはやはりこの際きちっと自治体の事務の方に移して、そして移した上で、もし国の方が何か都道府県知事なりに産業廃棄物の計画を立てていく上でお願いをしたいところ、あるいはある種の基本的な事項について尊重してもらいたいところ、こういうふうなことを反映するような仕組みは別に考えられるのではないかというふうに思っているわけでございます。 それ以外にも、もちろん国の事務として維持しながらその実施主体としては市町村なり都道府県知事にゆだねざるを得ないといったような機関委任事務も中にはあろうかと思います。こういう場合も、とにかく今のような機関委任事務という仕組みそのものを廃止していただきまして、その上に立って委託方式かあるいは別の方式が考えられると思いますけれども、別途の手段で国と都道府県なり市町村との間の一種の有機的な連携を図るように御努力をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
○牛嶋正君 団体委任事務について。
○参考人(寄本勝美君) 団体委任事務に関しましては、例えば福祉の面で最近団体事務に変わりましたが、その結果、自治体の方での自由裁量がふえたんですけれども、しかしかえって自治体の方から国の方に対してモデル条例をつくってもらいたいとか指針をつくってもらいたいといったような要望が出てまいりまして、団体事務としての特徴を自治体側が十分に生かし切っているとは言えないといったような批判があったり、あるいは逆に、国の方が機関委任事務から移したにもかかわらずある種のコントロールを依然としてし続けているといったような御指摘があろうかと思います。 ただ、団体委任事務に機関委任から変わってまだそれほど年限がたっているわけではございませんから、こういった試行錯誤を積みながら、本来の変化を生かせるようなところにやはり変えていく努力をもう少し時間をかけて続けていかなければならないのではないかというふうに思っているわけでございます。
○参考人(川島正英君) 私への御質問は国家公務員の再配置の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、恐らく地方分権が本格的に進展するということになれば、もちろん中央省庁の縮小再編成ということは必至でございまして、その中で国家公務員は大幅に余剰が生じるであろう。 寄本教授がおっしゃったように、新しい国の仕事としても幾つかの分野でそういった需要が出てくるかもしれませんけれども、基本的には大変な国家公務員が余剰を生ずるということに対して、私は、もちろん都道府県で新しいそういう人たちを求めるそういう需要が出てくるでしょうし、あるいはこれはこの規制緩和という中で非常に慎重であらねばならないんだけれども、やっぱり公社公団というような形で国から地方へ権限が移譲されたことに伴う新しい事務事業というものが何かいろんな形で出てくるんではないか。そういうものを担っていく公社公団というものがあるいは必要になってくるかもしれない。 そういったいろんなことを含めて、これは推進委員会だけでは背負い切れないような大変な、それこそ国会がバックアップしてやっていただかなければいけないようないろんな国家公務員の移動、移転の問題というものをどう考えていくかということが非常に大きな問題になってくるのであろうというふうに思います。 そういう中で、具体的に二つ御質問がございましたが、そのモラールの問題ですね。これは今でも地方事務官について身分として都道府県の職員であるよりも国家公務員でありたいというような、そういったことはこれまで言われてきたわけですけれども、この分権というものが本格的に進展するということになれば、そこらあたりのモラールというか意識も私は変わってくるんではないか。それこそこれまで中央省庁が担っていた仕事がほとんど外向きに目が転じられることになって、内政面については都道府県なり市町村の役割というものが大変に大きくなってくるということであれば、そういう配置転換、配置転換というんですか、つまり国家公務員から地方公務員へのそういう移動もある程度スムーズに、スムーズではありませんけれども、意識の上でそれほどの抵抗がなくなる時期がやってくるんではないかという気がいたします。 もう一つ具体的な御質問で、そもそも推進委員会の事務局に国家公務員が入っていった場合、そこがブレーキになるんじゃないかというお話でございましたが、これは地方六団体の地方分権推進委員会の論議の中でも、つまりその職員に地方から、都道府県なり市町村なりから入っていく、その事務局の構成を半分ぐらいは地方で受け持つべきじゃないか。極端には、その財政的な負担も国の機関であるにもかかわらず地方六団体側で受け持つというような考えもあり得るのではないかといったような意見も出たりいたしておりました。 ただ、その意見は意見として、私は地方分権推進委員会というのは、その構成についてはいろんな考え方があり得るでしょうけれども、それがブレーキになるかどうかというところまで余り考えなくてもいいのではないだろうかというふうに思っております。 以上です。
○参考人(池上洋通君) 先ほどお話しございました行政単位のことでございますが、最初に申し上げたいことは、先ほど私が東京中野区の例を挙げまして申し上げた一万人ということの根拠をちょっと説明申し上げておきます。 これは先ほど申しましたように、お年寄りが出かけていって往復でいわば五百メートルの行動距離であるといった場合に、私たちは都市計画的に想定いたしますとメッシュを想定いたしますから正方形になるわけでございますが、一辺を一キロメートルと考える地域を想定するわけです。そうしますと一平方キロメートルという面積が出てくるわけでございまして、これはヘクタールに直して百ヘクタールになるわけです。一般的に都市の人口計画を立てますときの基準と申しますのは一ヘクタール当たり百人を想定いたしますので、そこで百ヘクタールイコール一万人という数字を実は申し上げたわけでございます。 実は、一万人と申しますのは御承知のように小学校区でございまして、そしてまた厚生省が児童館を設置するときの基準にも多分これを用いているんだろうというふうに思いますが、つまりほぼそういうふうな感覚のものでございます。そういう単位を私は先ほど例として申し上げました。 言うまでもなく、御指摘のとおり、これは都市の計画においての考え方でございまして、私が先ほど来強調しております山間地域その他ではそのまま当てはまるものでは当然ございません。実は農村計画の理論が別に当然ございまして、どのような人口配置が適切であるかの研究も進んでおるところでございます。それについて全部を申し上げることは今できませんけれども、特に農村計画について申し上げますと、自然環境との関係が極めて大きいということに当然なるわけでございまして、ここではいわば上空から見て人口を配置するというような発想にはなりにくいというか、あり得ないというふうに考えるべきだということでございます。 そして、数百人という単位の自治体が可能かという議論でございますが、自然環境と社会環境との組み合わせによっては可能であるというのはむしろ今日出されている結論でございまして、その点は私たちはむしろ積極的に考えるべきだというふうに考えているところでございます。 一々の例をとても挙げ切れませんので申し上げませんけれども、この場合一つ参考になりますのは、もちろん我が国におけるそれぞれの自治体の努力でございますが、あわせて高齢社会を我々より先取りしましたヨーロッパ各国においてどうなっているかも参考になるのじゃないかと思っておりまして、例えばフランスの例で申し上げますと、基礎自治体、コミューンと申しますが、コミューンの大半は人口が千五百人から二千人でございます。三千人だともうちょっと大きいコミューンでございまして、イタリアではコムーネと申しますが、イタリアでもほぼ同じような状態でございます。 そういう意味で申し上げますと、私たちは、人口の単位というものにつきましてもう少し事実に立っていろいろな調査をして、学び合って考えていく必要に迫られているのじゃなかろうか、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○牛嶋正君 もう時間が三分ほどしかないのでございますけれども、寄本さんにもう一問だけお伺いいたします。簡単に答えていただきたいと思います。 先ほど国と地方の財源配分を五対五とおっしゃいました。これをやりますと今の税制のもとでは非常に地域格差が広がりますね。それは恐らく計算されていると思うんですけれども、だとすると、これをやるためには今の地方税の主要税目を見直さなければいけない。その中でも私はやっぱり法人事業税だと思うんです。あれは御承知のように分割法人が多いですから、分割基準の決め方で私は何とかなるんじゃないかというふうに思っております。 そういう意見を持っておりますが、地方税の改革について何か御意見がございましたらお述べいただきたい、こんなふうに思います。
○参考人(寄本勝美君) 実は私などは牛嶋先生の地方財政の御本から随分教えていただいている者の一人でございまして、先生に何か御意見を申し上げるというのは本当に恐縮でございます。 五対五というのは、私個人の意見でもありますが、一応これまでの地方財政関係の間でコンセンサスが得られやすいといいますか、地方と国との財源配分を一応五対五ぐらいに変えていくということのもとで具体的な財源配分などとか財政調整制度などの仕組みを見ていくべきだというのが大方の同意が得られるところではないかということで、きょうはお答えをさせていただいたのでございます。
○牛嶋正君 それでは、もう一つだけ川島先生に。 地方議会のあり方ですが、私はこれが非常に地方分権にとって重要な意味を持っているんじゃないかと。これはよく聞くことですけれども、例えば行政側から議会に対して単独事業と補助事業を提案しますと、単独事業というのは、市民あるいは住民の意見を聞いて独自の判断でプロジェクトを進めようとしても議会でそれが通らないんですね。やっぱり国から何ぼかもらってこられる補助事業の方が優先されるわけです。 これまでの国と地方の財政関係を考えればそれでもよかったんじゃないかと思いますけれども、これだけ住民の間で価値観の多様化が見られる、行政に対するニーズも違う、町づくりの考え方も違う、そういう住民の多様なニーズとかあるいは価値観、そういったものを今の地方議会で集約して行政に反映できるのかという心配が私には実はあるわけです。ですから、もちろん一人一人の資質の向上も問われると思いますけれども、何か仕組みの上で少し大きな改革をしなければならないのじゃないかなというふうな気がしております。 先ほど池上先生は、住民の参加という形、そういう形で何かもう一つの仕組みをお考えのようでございますけれども、川島先生、地方議会のあり方について何か一言で結構でございますが。
○参考人(川島正英君) 一言ということになると非常に難しいのですが、全く御心配のとおりであろうと思います。 ただ、地方議会の構成そのものも、今、全国的に府県、市町村の議会の平均競争率というのですか、これが一・一倍というような非常に低い段階で、そう言っては申しわけないけれども、議員になってくる人自身の問題もあるだろうと。だから、地方議会の議員の選び方自体、私自身は大変いろんな考え方を持っておりますけれども、今は時間がありませんので、そこらあたりから分権というものが進めばそういう意識の変化が必ず出るだろう、したがって地方議会の構成の仕方、議員の選び方、いろんなことが違ってくるであろうという非常に期待を僕は持っているわけです。
○牛嶋正君 どうもありがとうございました。
○星川保松君 先生方の貴重な御意見ありがとうございました。私の持ち時間は十分ということになっておりますので、御三方に一問ずつ御質問をいたしたいと思います。 私は、国会議員になる前はずっと地方自治の仕事をやってまいりまして、地方の権限のなさ、それに比べて国の権限の大きさというものをひしひしと感じながらやってまいりました。 今日の国の権限のできたもとは、いわゆる明治維新にあった。特に明治維新の際の版籍奉還です。それまでは三百諸候が六十余州をそれぞれ分けて自治を行っておったわけでありますが、それが藩札を出すということは発券銀行を持ち、また武士団を持つということは武力まで持っておったわけでありますが、そういうのを根こそぎ取り上げたというところに今日の日本の国家の権限の大きさの基礎ができたと、こう思っておるわけであります。そうしますと、百三十年ほどにして、地方分権ではなくて地方に権限を返還しなくちゃいけないというふうな立場でこのたびの分権の仕事には取りかからなければならない、こう思っておるような次第でございます。 そういう立場からいろいろと、特に機関委任事務について論じられておるのでありますけれども、先生方もほとんどこれはもう原則全廃ということで臨むべきだと。私どももそういうつもりでおるのでございますけれども、担当の大臣の皆さんはこの原則全廃ということはなかなかおっしゃらないんです。困っておるのでありますが、特に寄本先生にお伺いしたいのは、先生はこれを全廃してもう事務委託制度というものにはっきり置きかえろということでありますが、これは国が直接やるべき仕事もありましょうし、それから地方に権限を移譲してやるのもありましょうし、それから先生のおっしゃるような事務委託制度というものを取り入れて、原則全廃でその後はこういう処理をするんだということをきちんと見通しをつけないから私どもの原則全廃という方針になかなか沿っていただけないのではないかと思いますので、先生からその全廃の後の方法についてひとつお伺いしたいと思います。 それから川島さんには、小選挙区制のこともちょっとお触れになりましたので、私は小選挙区制について以前から心配をしておりましたのは、小選挙区ということになりますと、その小さな選挙区にいわゆる国会議員が一人ということでワンマン体制ができるわけです。そうしますと、これが市町村の首長と非常に似ているわけです、ワンマンということについては。現在のような利権の政治がかなり行われておるという中で、今度首長の方には大幅な権限が移譲されるということになりますと、この小選挙区から出てきた国会議員と大幅な権限を移譲された首長とがもし結託などしたら、これは大変なことになるなということを心配しているわけなんです。それについてどのようなお考えをお持ちか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。 それから池上さんには、私は自治大臣、総務庁長官ともここで何回も天下り人事について論じてまいりました。今回、権限を移譲した、自治体にボールを投げてやったはいいけれども、今度は人がさっとそっちへ回ってそのボールを受け取っていじくり回すというふうなことをしたのでは権限移譲も何にもならないということになるわけなんです。それで、自治大臣は人事交流だと。私は、人事交流はそれはもう盛んにしなきゃならない。人事交流とは言えないいわゆる権限のあるところ、例えば副知事なんというところですね。知事は外回りが忙しくて、たまたま帰ってくると決裁書類が山積みになっている。それにぱんぱん判こを押さなくちゃならないということで、中身についてはもうほとんど副知事がやっておるというような、そういう部署に天下りをするということはやはり地方自治を妨げることになるのではないかということを論じてきたのですが、このことについてお伺いをしたいと思います。
○参考人(寄本勝美君) 機関委任事務のとにかく一番大きな問題は、自治体の長を国の機関としてみなし、その事務に関しては上下的関係を実際上維持してしまうというところにあろうかと思うんです。ですから、機関委任事務として残るものがどんなにわずかに制限されても、それがある限りは二つの帽子をかぶり続けるということは建前としておかしい、理念としておかしいと。実際上の問題よりも、そこの考え方の問題という面があろうかと思います。 そこで、さまざまな改革の方法は先ほど指摘をさせていただいたわけですけれども、国の事務として維持しながらもどうしても自治体に実施してもらいたいという事務も中にはあろうかと思います。名称のいかんはともかくといたしまして、ある種の委託方式をとり得るのではないかというふうに思うわけです。 委託の場合、仮の話ですけれども、それは断る方に断る権利があるといったようなことで混乱をもたらすかもしれないといったようなことがあり得ると思います。しかし、こういうふうな問題に関しては法律などによってある種の強制法的な仕組みをつくればよろしいわけでございまして、一種の仕事を自治体が履行することを強制される、義務づけられるということは中にはあってもいいのかもしれません。しかし、その場合に、その長を国の機関としてみなしているわけではないわけでございます。 アメリカでもこういうふうに命令法とかあるいは強制法といった名称がありますけれども、自治体のメイヤーが連邦法によって何々しなければならないといったような事務は少なからずあるわけですが、そのメイヤーをして国の機関だというふうにみなしてはいないわけでございます。そこのところの整理をこの際していただくことが大変大きな意味を持つのではないかというふうに感じるわけでございます。
○参考人(川島正英君) 先ほど、分権の背景として政治改革というものが非常に大きな意味合いを持ったということを申し上げましたが、衆議院の小選挙区制度が実現いたしました場合、それが実施された場合に、今、星川委員が御指摘のように、現在の中央と地方の関与とか規制とか、そういった関係をそのままにして行われるということになれば、行政区画と選挙区画との違いというものは少しはありますけれども、その利害誘導といいますか利益誘導といいますか、そういった現行の政治の弊害というのはもっともっと今より以上に強いものになってくるのではないかという、まさに御指摘のとおりでございます。そういう意味で、小選挙区制度が実現される前にといいますか、むしろその実現ということと並行してこの分権というものが実現に移されるということが望ましいという考え方でありまして、まさに御心配のとおり、私もそう思っております。 以上です。
○参考人(池上洋通君) 天下りについての御指摘は全く同感でございます。私は、確かに分権の課題の中で最も大きな課題の一つにあるいは現場ではなるかもしれないというふうな危惧を抱いておるものでございまして、たとえ人事交流といえども明確でわかりやすい基準をこの際きちんとつくるべきである、そしてそれは分権推進の委員会の中でもきちんと議題にしていただくようなそうした課題でなければならない、そんなふうに考えておるところでございます。
○有働正治君 どうもきょうは御出席、御意見、本当にありがとうございます。御三方の著作の中から幾つか論文も拝見させていただきまして、それぞれの御専門での御意見も非常に参考になる点が多々ございました。ありがとうございます。 限られた時間でございますので、私は、意見の中にもございました地方の議会のあり方の問題でまず御質問したいと思います。 まず、寄本参考人、川島参考人、お二人に質問させていただきますけれども、私どもからいえば、地方自治の拡充というこの地方分権という問題を考えた場合、その推進の上で地方議会のあり方をそれにふさわしいものに当然していく必要があるのではないかと考えるわけであります。 その点で、地方議会の定数削減というのが全国各地で今かなり大きな問題になっているわけであります。この点は、住民の意思の反映なり行政に対する監視機能、つまりチェック監視機能が重要だという御意見もございましたけれども、私としてはこの点から問題ではないかなという問題意識も持っているわけであります。 憲法の規定を受けた自治法の精神に基づいた定数と実際の定数の差を調べてみますと、九二年四月現在で都道府県が百四十九人少ない、市町村が一万九千八百九十六人少ない、特別区が五十五人少ない、合わせまして全国で二万百人少なくなっているという状況で、定数と実際の減員比率と申しましょうか、比率にしますと二三・三%、約四分の一の減員という状況に今置かれているわけであります。 御専門で御承知のように、法定定数が定められていると同時に条例による減少ということももちろん認められているわけでありますけれども、やっぱり条例による減少というのは私から言わせればあくまでも例外規定ではないかと考えるわけであります。 ところが、同じ九二年四月時点で調べてみますと、三千三百六の全自治体の九六・三%に当たる三千百八十三の自治体で定数よりも少ない議員定数になっている。つまり、自治法の原則と例外が逆転しているという状況にあると言っても過言ではないと思うんです。 そこで、お二人にまず御意見をお伺いしたいと思います。 私は、こういう定数削減というのは、住民の意思の反映なり行政に対する議会としての監視機能という点から見まして、その低下が当然起こり得るし、問題ではないかと。マスコミの中でも、これは朝日新聞でも指摘され、ほかの新聞でもございますけれども、議会が我が党を除いてオール与党化している中で、自分たちの思いのままに運営したいという党利党略的なことで議員削減も行われている。あけすけに幾つかの自治体では唯一の野党である私ども共産党を減らせということまで公然と語られるというようなことが現実にあるわけですよ。 こういう議員の定数問題を党利党略というのは、ましていわんや問題ではないかと私は思うわけでありますが、この議員定数の異常な削減問題につきまして、地方自治の本来のあり方、地方自治の本旨等々から見ましてどのようにお考えなのか、まずお二人にお伺いいたします。
○参考人(寄本勝美君) 私は、主として財政問題から議員の定数を削減すべきだという考え方には余り賛成できません。 日本の場合、議会費用というのはおおむね一般会計の二%ないし三%でしょうか。デモクラシーにはそれくらいのお金がかかるというのはやむを得ないのではないかとも考えております。また、アメリカのように議員の数が非常に少ないケースがよく紹介されますけれども、一人一人の議員は二人なり三人なりの秘書を持っておりまして、調査活動などにかなりお金をかけることができるような仕組みになっている。そして、予算を見ますと、三、四%ぐらいは議会に使っているというケースが多いんですね。 しかし私は、この定数削減に関しましては、したがいまして財政だけの問題で見るのではなくて、要するにどういう議会をつくっていきたいかということで判断されるべきだと思います。 議会に関して期待されるのは、いろいろの地域の住民のニーズを伝える、そしてチェックをする、こういうふうな議会を望むのでしたら定数は比較的多い方がよろしいのではないかと思いますが、そうではなくて、少人数の議員が徹底的に議論をする、議員もほぼ常勤的でありまして、そこで徹底的な議論をしていくといったような議会を望むのでしたら、これは必ずしも数が多くなければならないというものではないわけでございます。 そういう観点から見まして、要するにどういう自治体をつくっていくかということ自体、これからもう少し多様な仕組みが望まれるわけですが、三百万の横浜市と三百人ぐらいの小さな村とが同じ仕組みでなければならないというわけではないはずでございまして、そういった変化がこれからは可能になるということを期待するんですが、そういうもとでどういう議会を我々は望むかということによって定数の問題を考えていくべきだというふうに思います。 ただ、誤解をされないように申し上げておきますが、財政的な面から議会のことについておっしゃることがだめだと申しているわけではございません。それも一つの観点ではございますが、それだけで判断されるという傾向が従来ないわけではなかった。この面に関しては私はちょっと考え直していただきたいというふうに思うわけでございます。
○参考人(川島正英君) 私も基本的には大体今の寄本教授のお考えのとおりですし、有働委員の御発言、つまり定数問題というものが議会のあり方からいって原則的にどうかという意味では、定数削減というのは余り好ましくないという考え方でありまして、これまでも定数削減の動きというのは、行政改革というような形で、そういう中で一つの住民運動の中で取り上げられてきましたけれども、私自身はそれに対しては絶えず反対の立場をとっておりました。 ただ、私は、現在条例によって削減していくという考え方、これは先ほど申し上げました地方議会も国の法律一本で決められるのではなくて条例によって選択していくという、そういう考え方からいけば、あり方としてはむしろ条例によって考えていくという考え方自体は結構なのであって、これからは一層むしろ議会の機能、立法機能とか監視機能とか、そういう機能のあり方とかみ合わせて定数というものはおのずと地方議会あるいは地方の住民自体が選択していく、それを条例によって決めていく、そういう方向に行くのが望ましいというふうに考えております。
○有働正治君 どうもありがとうございました。 次に、池上参考人にお尋ねいたしますけれども、今の地方議会での議員定数削減問題についての考え、私はあえて言えば、これは地方自治法の精神に沿ってもとに戻すべきだというぐらいの毅然たる対応が必要ではないかと考えるわけです。 この問題についてのお考えと、準備してきた先ほどの発言の中で、実は分権推進の上で政策的条件整備の問題、これが重要だと考えると。たしかその後の発言の中で、東京一極集中の問題、それから地方自治体の産業政策の確立の問題、その点での国の指導の問題等々は御発言がありましたけれども、政策的条件整備にはそのほかにもいろいろお考えの点が多々おありかと思いますので、その点もあわせお聞かせいただければと思います。
○参考人(池上洋通君) 時間がございませんので、ごく簡単に申し上げます。 まず第一点目でございますが、お二方の参考人がおっしゃいましたように私も全く同意見でございまして、今日、分権のために議会の力量が向上する方向で発展をしなければならない重大な時期だというふうに考えております。こんな時期になぜ定数削減が議論になるのか、私、正直言いまして理解ができないわけです。まずそのことを率直に申し上げたいと思います。 私、議員定数の削減で大変重大だと思っておりますのは、住民の意思の反映もさることながら、住民の投票権の幅を狭めること、それから住民主権者はすべて被選挙人、被選挙権者でありますから、被選挙権を狭めていくのではないか、この危惧を大変私は持っております。 といいますのは、分権を本気になって実現しようと思いますと、申し上げるまでもなく、例えばよく議論になりますように、女性議員の比率を高めることや、あるいはまた青年層の参加を促すことや、ある場面では、私が先ほどから申し上げておりますが、障害者のようなお立場の皆さんが議員として参加することなどは欠かせない課題であるはずです。だとするならば、議員定数についてむしろもっと積極的な展開をすべき時期ではないだろうかということを率直に思っておりまして、その点では事柄は全く逆行しているなというのが私の率直な意見でございます。 その点では、今後の分権の論議の中で、先ほど川島参考人もおっしゃいましたようないわば仕組みの問題も含めまして、積極的な方向に動く試みが願えればということをお願いも申し上げたいわけでございます。 それから政策のお話がございましたので、ごく簡単に二、三点を見出しだけ読むような感じで申し上げてみたいと思います。 一つ申し上げたいというふうに思いますのは、住民参加のことを私は繰り返し申し上げましたが、住民参加を現実に実現しようと思いますと、実は労働時間、通勤時間を短縮しなければならないわけでございまして、実はこの社会政策を急がないと、分権をいかにやっても実は参加する住民がいない町ばかりということになりかねません。週休二日になっただけでもかなりいわば町の中は実は変わってきておるのでありますが、しかし何といっても、例えば都心から東京の三多摩地域に帰りますと、帰るだけで夜の八時、九時でございます。そうした人々がどのようにして地域社会に参加するかはもうほとんど絶望的でございまして、こうしたことを抜きに私たちは分権を語ることはできないのではないかということを思うわけです。 それともう一点、やはり情報行政を思い切って豊かにする、このことがないとやはり参加できないのではないかということを申し添えておきたいというふうに思います。 それから繰り返し議論になりました受け皿論もあわせまして、自治体の能力の問題でございますけれども、私は、分権を確かなものにしていくためにはどうしても人を育てていく観点がやはり必要になるだろうと思います。分権社会をつくる第一はやはり人でございますから、その意味では、学校教育、社会教育全体を含めた教育の体制の中で、その内容を思い切って分権型に切りかえる手だてが必要になるだろうというふうに思っております。その点で、小学校教育、中学校教育、高校教育、すべてでございますが、一体地域社会や地方自治についてどのようにこれまで教育してきたかについて総点検をしまして、学び直しをするということをしなければならないだろう、これが一つでございます。 もう一つ大至急実は実現していただきたい問題がございまして、国公立大学のすべてに地方自治をめぐる学科を設けてほしい、あるいは学部を設けてほしいということです。専科、例えば工業大学のようなものを一応除くとしましても、それ以外の大学のすべてにこれを実現するというようなことをぜひ求めていただきたいわけであります。 あわせて私立大学も当然でございまして、学部や学科を積極的に新設していく、そこから人が育っていくということが望まれていると思います。地方自治専科大学のようなものもぜひ設立を検討していただきたいということをこの際申し上げておきたいというふうに思うわけです。 しかし、もう一つ現場から申し上げますと、実は先ほど御指摘いただきました自治体職員の人手不足というのはかなり深刻化しておりまして、例えば現場の職員の研修教育時間がとれないという現実がどんどん今現場では広がっております。これでは人は育ちません。やはりそうしたことができるような人間の配置がどうしても求められているのだということをあわせて申し上げておきたいというふうに思います。 以上でございます。
○有働正治君 どうもありがとうございました。終わります。
○委員長(小林正君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、長時間にわたり御出席を願い、貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 これにて参考人からの意見聴取は終わりました。 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 —————・————— 午後一時三十分開会
○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、有働正治君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。 —————————————
○委員長(小林正君) 地方分権推進法案を議題といたします。 この際、派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、第一班富山班の御報告を願います。山口哲夫君。
○山口哲夫君 第一班富山班につきまして御報告いたします。 派遣委員は、小林委員長、服部理事、上野委員、峰崎委員、小島委員及び私、山口の六名で、昨九日、富山県において地方公聴会を開催し、三名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。 まず、公述の要旨を簡単に御報告申し上げます。 最初に、富山県知事中沖豊君からは、真の民主主義の確立、特色ある地域づくり及び地域の均衡ある発展のために地方分権が必要となっていること、地域づくりのための必要十分な権限は本来地方にあるべきであり、地方集権という考え方を提唱していること、したがって、国は国の存立にかかわる事務に限定し、地域づくりにかかわる権限は包括的に地方団体が所管すべきこと、機関委任事務は問題が多く廃止すべきこと、国の関与は技術的助言等非権力的なものとすること、財源については地方団体の役割に見合った財源をみずからの責任で確保できる仕組みを確立すること、地方自治体のあり方については、県、市町村の二層制を前提とすべきこと、広域連合等の広域施策を積極的に進めるべきであること、本法案は分権を総合的、計画的に進めるもので評価するが、その早期成立とあわせ地方分権推進計画の早急な作成、国の役割の限定と権限・関与・財源の一括見直し、機関委任事務制度の廃止の明確化を図ることなどの意見が述べられました。 次に、富山市長・富山県市長会会長正橋正一君からは、地方分権は住民ニーズに対応した主体的、自立的な行政システムの確立と住民自治、団体自治の具現化のために必要であること、地方自治体は分権の受け皿として実績も能力も有していること、法案は長年の要望である分権の具体化への大きな前進であり、成立後委員会の勧告が計画にそのまま反映され実施されること及び五年以内に実行されること、権限移譲については事務は包括的に移譲し、態勢が整った市から段階的に移譲すべきこと、機関委任事務は廃止すべきこと、移譲に際し地方税源を充実確保すべきこと、富山市では行政改革、職員の能力開発、広域行政への取り組みに努めていることなどの意見が述べられました。 次に、城端町長・富山県町村会会長川田哲三君からは、町村は住民に身近な行政について計画を自主的、主体的に策定し施策を行う必要があること、具体的には迅速性、総合性を要する事業の権限はできる限り地方に移す必要があること、機関委任事務制度については多くの問題があり、早急に廃止されるよう検討を求めること、町村への権限移譲に当たっては、規模や財政力にかかわらず十分な財源が安定的かつ円滑に確保できる仕組みが必要であり、交付税制度、地方債制度の充実を図りつつ地方債許可手続の一層の簡素化を図ることなどの意見が述べられました。 公述人の意見に対し、各委員より、地方分権の阻害要因、地方の行財政運営のあり方、県、市町村の二層制に対する考え方、市町村の基礎的能力整備の必要性、中央、地方間の人事交流のあり方、段階的権限移譲の是非、地方分権推進委員会への地方公共団体首長経験者の参加、地方交付税制度のあり方、地方債の起債の許可制度の是非、地方税体系のあり方、小さな政府構築に向けたボランティア等の位置づけ、ふるさと創生一億円事業の効果、道州制の是非、人材のUターン対策など、多岐にわたる質疑が行われました。 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。 以上で第一班富山班の報告を終わります。
○委員長(小林正君) 次に、第二班大分班の御報告を願います。斎藤文夫君。
○斎藤文夫君 第二班大分班につきまして御報告いたします。 派遣委員は、溝手委員、吉村委員、岩崎委員、釘宮委員、吉川委員及び私、斎藤の六名で、昨九日、大分県において地方公聴会を開催し、三名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。 まず、公述の要旨を簡単に御報告申し上げます。 最初に、大分県知事平松守彦君からは、地方都市を活性化するため、若者が定住できるよう社会資本整備を全国的に平準化すべきこと、地方分権の受け皿づくりとして市町村優先の原則を確立すべきこと、権限移譲と連動して自主財源充実のため税財政制度の抜本的改革が必要であること、分権への戦略的・段階的対応策としての「九州府」構想の提唱、地方分権推進法の早期成立への期待、地方分権推進委員会の人選や指針に地方の声を反映することが必要であること、地方自治とは教育であり、地方自治体の能力を不安視することなく、国が思い切った分権を決意すべきことなどの意見が述べられました。 次に、津久見市長・大分県市長会会長岩崎泰也君からは、総合的行政課題への対応には地方分権の推進が必要であること、機関委任事務は原則として地方に移管し、自主的処理の方向性を確立すべきこと、補助金制度の簡素化、許認可権限の改善が必要であること、国と地方の役割分担に応じて税源配分を見直し、自主財源確保のため新たな税体系を構築すべきこと、分権の受け皿となる市町村が国や県への依存体質から脱却し、職員意識も含め自立すべきこと、地方の声を取り入れた地方分権の具体化と地方分権推進計画の早期策定の必要性などの意見が述べられました。 最後に、武蔵町長・大分県町村会会長正本秀雄君からは、推進委員会には、一定数の地方関係者を加え、独自の事務局を備えるべきであること、都道府県と市町村の役割を明確にし、町村に課せられた役割を計画的かつ着実に実行できる権限移譲のあり方を確立すべきこと、福祉サービスの水準確保のためのマンパワー及び財源の十分な確保が今後の課題であること、農地転用と開発許可等に係る権限は身近な市町村に移譲すべきこと、地方債の許可制度のさらなる弾力化、簡素化を図り、国の関与は最小限とすべきことなどの意見が述べられました。 公述人の意見に対し、各委員より、「九州府」構想の具体的内容と新選挙制度におけるブロック選出議員との関連性、多選首長のもとでの議会のチェック機能、地方分権の阻害要因と分権実現のための具体的戦略、地方公営企業を含めた地方公務員の非効率性、当面二層制を維持した市町村優先の地方分権を行う必要性、地方交付税等を含めた地方財源のあるべき姿、機関委任事務の原則廃止を明文化する必要性、地方分権特例制度に対する認識と評価、地方リストラが福祉の後退を招来する懸念、住民自治を尊重した行政サービス実現のための自治体の適正規模など、多岐にわたる質疑が行われました。 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。 以上で第二班大分班の報告を終わります。
○委員長(小林正君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 —————————————
○委員長(小林正君) これより、地方分権推進法案について前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○石井道子君 自由民主党の石井道子でございます。何点か質問をさせていただきたいと存じます。 日本は、明治維新以来、大変長い間にわたりまして中央集権的システムの中で政治が、行政が行われました。そして、先進国への道を歩み、世界的にも経済大国となり、また世界一の長寿国となったわけでございます。 ことしは戦後五十年という節目に当たります。既に政治改革法案が成立をし、行財政改革が求められている中で、これからはゆとりと豊かさが実感できる国民生活を創造し、そして活力ある福祉社会づくりを進める必要があるわけでございまして、ここで地方分権システムづくりが大変求められている、そういう時代になったわけでございまして、地方の自主性、主体性を生かした中で地方自治が行われるというまさに転換期を迎えたというふうに思っております。 地方分権を推進するに当たりましては、単に地方に権限を移譲すればよいということでは足りないということを感じますし、国と地方がそれぞれの果たすべき役割を行い、そしていわば車の両輪という形で行政を進めていくことが重要であると思います。 法案の第四条の国と地方の役割分担についての考え方をお伺いしたいと思います。 今後、地方分権推進委員会の指針及び政府が作成する地方分権推進計画におきまして国と地方の役割を明確にしていくべきであると思いますし、その円滑な運用が図られていくべきであると思いますが、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) お答え申し上げます。 御指摘のございましたように、国と地方の役割分担につきましては、国といたしまして内政に関する役割は思い切って地方自治体にゆだねまして、国が本来果たすべき役割を重点的、効果的に担うとともに、地方公共団体は地域における行政を自主的、総合的に担うように行政システムの変革が求められているものと認識をいたしております。このため、昨年十二月の地方分権大綱におきまして、「国が本来果たすべき役割を重点的に分担することとし、その役割を明確なものにしていくものとする。」ということを明記いたしているところでございます。本法案の第四条におきましても、この趣旨にのっとりまして基本方針を定めているものでございます。 御指摘のように、地方分権推進委員会におきましては、本法案の基本方針に沿いまして十分審議を尽くしていただきまして、充実した内容の具体的指針を勧告いただけるものと期待をいたしている次第でございます。政府といたしましては、委員会の勧告を最大限に尊重いたしまして推進計画を作成する所存でございます。 こうした地方分権推進委員会の指針や地方分権推進計画を通じまして国が分担すべき役割が具体的に明確になっていくものと考えておる次第でございます。また、国の役割の明確化とあわせまして、地方公共団体は地域における行政を広く担いまして、企画立案、調整、実施などを一貫して処理していくべきものである、またそのような体制を整備しなきゃならぬ、かように考えておる次第でございます。
○石井道子君 国と地方がいわば車の両輪としての行政を進めていくことでございまして、その点のいわゆる機関委任事務の問題も個々に具体的なケースに基づいて見直しを行うべきであろうと思います。一部には機関委任事務を全廃すべきであるという御意見もあるわけでございますけれども、必ずしもすべてがそれに当てはまるとは思わないのでございまして、その点の総務庁としての御見解はいかがでございましょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 機関委任事務につきましては、政府といたしましては積極的に整理合理化を推進することにいたしたい、かように考えているところでございます。 事務自体の必要性を吟味いたしまして、不要と認められるものにつきましては事務そのものを廃止する、また事務自体の必要性の認められるものでございましても、地方公共団体の事務とすることが適当なものにつきましては積極的に団体事務化を図ることによりまして機関委任事務という形ではこれを廃止していくということになると思います。 また、最終的に国の事務として残らざるを得ないものもあると思います。たびたび指摘しているのでございますが、例えば旅券の発給でありますとか戸籍事務でありますとか、あるいは国の選挙の執行でありますとか、こういったものにつきましては残らざるを得ないものも当然あり得ると思いますが、問題は、これを機関委任事務制度として残すか、あるいはそうではない違った形を考えるかということはいろいろ御議論があろうと思います。したがいまして、機関委任事務制度そのもののあり方につきましてもこれは検討していくということでよろしいのではないか、かように認識をいたしている次第でございます。
○石井道子君 厚生省に伺いたいのでございますが、保健・福祉分野におきましては、今までも福祉八法の改正が平成二年に行われまして、老人ホームへの入所措置権限が町村に移譲されております。また、平成六年には地域保健法が改正になりまして、母子保健サービス等の地域保健関係の事務を市町村に移譲するということも行われておりまして、住民に最も身近な市町村において保健・福祉サービスを一元化して総合的に行うという体制を整えているところでもございます。 今後は、高齢者に対します介護サービスの提供体制の整備を図ることが大変重要な課題でありますし、保健、福祉、医療の連携を図って、そして総合的なサービスを提供するために国と都道府県と市町村の間でどのような役割分担があるべきでしょうか。その点についてお伺いをいたします。
○説明員(江利川毅君) 厚生省の分野におきましては、先生御指摘のとおり、住民に身近なサービスにつきましては都道府県の権限を市町村に移譲するなどして、住民に身近なサービスは住民に身近な自治体が実施できるようにということでやってきたわけでございます。 御指摘のありました福祉八法あるいは地域保健法の改正によりまして、市町村が保健・福祉サービスを一元的かつ総合的に住民に提供できる体制が整えられたところでございます。 介護制度の御質問でございますが、新しい介護の仕組みをどうするかと、今、高齢者にとりましては最大の不安事項でございますが、この制度の検討を関係審議会でやっているところでございます。具体的にどういうふうな制度が仕組まれるかはこれからでございますが、今まで厚生省が取り組んできましたような基本的な立場に立ちながら、住民に身近な自治体において総合的なサービスが行われるようにということも念頭に置きながら、この審議会の議論を踏まえながら制度を考えていくということになろうかと思います。
○石井道子君 次に、地方分権を進める場合に、事務事業の地方への移譲ということだけではなくて、やはり税財源の地方分権を進めなければならないと思うわけでございまして、そのことが伴いませんと本当の意味での地方分権にはつながらないと思います。 今後、地方が自主的に主体的に自立的に財政運営を行う上で、地方分権にふさわしい税財源の充実強化のあり方についても真剣に検討していくべきであろうと思います。 今、国でも公債残高が二百十兆円を超すような数字と聞いておりますし、地方においても百兆円を超すような残高があるということも聞いております。このようなこととか、地方税源の確保という点については課税の自主権をどのように見ていくか、そして地域地域の地方自治体の格差是正についての問題をどのように税制の面で財源の面で配慮していくか。そしてさらに、そのことが国全体の国民負担率、税金とか保険料とか、そういう面での国民負担率の問題についてどのように関連を持っていくべきであるか、その点についての自治省の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) ただいま石井委員から御指摘ございましたように、地方分権を進めていきます上におきまして、事務事業の地方への移譲だけでなく、それに伴います税財源の地方への分権が進まなければ本来の目的を達することができないとおっしゃいますことはそのとおりでございまして、先般、国会におきまして税制改革をしていただいたわけでございますが、この際にも、地方分権の推進に大きな道筋をつける一つといたしまして、地方税の税源充実を一つの柱といたしまして地方消費税の導入をお願いすることができたわけでございます。 また、今御審議をいただいております地方分権推進法案におきましても、先ほど総務庁長官からも御答弁がございましたように、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図るものとするとされておるところでございまして、石井委員が日ごろ熱心にお取り組みをいただいております今後の高齢化の進展、あるいはおっしゃいましたようにゆとりと豊かさを実感できる地域福祉の充実や生活関連社会資本の計画的な整備等を考え合わせてまいりますと、地方税源の充実強化ということはますます重要な課題であると考えておるところでございます。 今後、今おっしゃいましたように国、地方を通じまして公債残高等を含め財政状況はまことに厳しい状況にあるわけでございますけれども、先ほど御指摘のように、さらに幅広い観点からこの財政のあり方を考えていただき、政府税制調査会はもちろんのこと、地方制度調査会等のそれぞれの御審議を煩わせながら分権の趣旨に沿いました地方税財源の充実強化が図られるように適切に対処してまいりたいと存じておるところでございます。
○石井道子君 地方分権の推進によりまして、地方公共団体に国の権限が移譲されることによって国の関与の整理合理化が進められてくるわけでございますし、地域行政の主体であるべき地方公共団体の責任というものがますます重くなってくると思います。 地方行政の公正さを確保するためのチェック機能の強化とか、あるいは人材の確保の問題また人材育成の問題などによって、地方の基盤整備が今ほど重要になってくることはないと思うのでございまして、今後そうしたチェック機能を強化したり、また人材の確保育成に対して積極的に取り組む必要があると思います。そのような地方自治体の行政体制の整備について、自治省はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 地方分権の推進につきましては、地方がそれぞれその地方の実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開できますように、国と地方の役割分担を本格的に見直しながら、権限移譲や国の関与等の廃止あるいは緩和、そして委員が御指摘になりましたように地方税財源の充実強化を進め、かつ地方公共団体の自主性、自立性を強化していくことが一番肝要なことであろうと存じておるところでございます。 このような地方分権推進の成果を上げていきますためには、もとより地方公共団体への権限移譲などの国の側における努力が必要ではありますけれども、同時にそれ以上に、地方公共団体みずからにおいて行政の公正の確保と透明性の向上、また御指摘ございましたようにチェック機能や情報公開あるいは監査の充実等、それぞれの機関の強化を図ってこれの透明度を増していかなくてはならないと存じておるところでございます。 また、御指摘ございましたように、分権にふさわしい人材の確保育成につきましても積極的に取り組んでまいらなくてはなりませんし、新しい地方公共団体の役割を担うにふさわしい地方行政体制というものの整備確立を図ることが地方分権を進める上に一番重要な課題であると存じておるところでございます。
○石井道子君 地方分権を推進するに当たりましてやはりそれぞれの地方自治体が、どのような規模であるかとか、あるいは内容がどうであるか、政策立案能力があるかどうか、また執行能力があるかどうかというふうなことがかなり重要な問題になってくるかと思います。そのような点では、余り小規模な自治体でありましてはそれが不可能ではないかということも考えられるわけでございまして、あるいは市町村の合併も必要になってくるのではないかと思います。 適正な行政を行う規模の面では、できるだけこれからも政令指定都市の権限をもっと強化していくことも必要ではないかと思いますし、さらに中核市制度の活用も図っていくべきではないかということを感じるわけでございまして、その点についての自治省の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) 地方分権を進めて、それぞれの地方公共団体が適切に行政を運営するためにいろいろ仕組みを考えていくべきではないかという御指摘でございます。 まず、市町村の合併の問題でございますが、これは地方分権の推進の観点からも、住民に最も身近な地方公共団体である市町村が自主的な合併によって地域づくりの主体として行財政能力を強化していくということは大変重要なことであると考えております。 ただ、言うまでもなく市町村の合併はやはり関係いたします市町村や住民の自主的な判断ということが尊重されなければならないものでございまして、市町村の合併の意義や効果を住民がよく理解した上で合併を選択できるようにしていくことが必要であると考えております。 こういうような考え方に立ちまして、先般、市町村の合併の特例に関する法律の一部改正をこの国会に提案させていただきまして既に成立をさせていただいておりまして、この四月一日から施行をさせていただいておりますので、この法律を適切に運用して自主的な市町村の合併を推進してまいりたいと考えているところでございます。 それから次に、政令指定都市なり中核市についてのお話がございました。 政令指定都市制度は、御案内のように、大都市特有の課題を一元的に処理することによって大都市の行政運営が合理的にできるようにするということと、その規模、能力に応じて住民に身近なところで事務権限を行使できるように、社会福祉ですとか保健衛生ですとか、都市計画、土木行政等の市民生活に直結した行政、そういう事務について事務配分の特例を設けているものでございます。 今後、国と地方公共団体の役割分担に応じた権限移譲が進んでいく中で、第二十三次の地方制度調査会の答申にもございましたが、現在都道府県の事務とされているようなもの、あるいはこれから国から都道府県に移譲されるような事務についても、規模、能力に応じた事務移譲という観点にも十分留意をしながら、可能な限り指定都市に移譲する方向で検討することが必要であろうと考えているところでございます。 また、中核市制度についてもお話がございましたが、これも第二十三次地方制度調査会の答申がございまして、これを踏まえて、指定都市以外の都市で規模能力が比較的大きい都市について、その事務権限を強化するという見地から、昨年六月地方自治法の改正をさせていただきまして、本年四月から施行されている制度でございます。 この中核市の要件としては、人口要件あるいは面積の要件、さらには中核性の要件というものもございますが、それらの要件に該当する市につきましては、市の申し出に基づきまして政令で指定がなされるという仕組みになっているわけでございます。 そういう中核市の指定に関しましては、重要な事務権限が都道府県から中核市に移るということになるわけでございますので、事務の引き継ぎですとか事務処理体制の整備をしっかりしていただきたいと考えておりますが、地方分権の推進を図る具体的な方策として設けた制度でもございますので、ぜひこの制度を広く活用していただきたいというふうに考えている次第でございます。
○石井道子君 かつて竹下内閣当時だと思いますけれども、ふるさと創生事業というものがありました。そして、昭和六十三年と平成元年にわたりまして地方自治体に一億円の予算をつけたということでございまして、これはひもつきでなくて自主的に自治体が事業を考えていくという点では大変画期的な予算であったというふうに思っておりますが、この事業についての実績と評価をどのように考えていらっしゃいますでしょうか。 そして、第二次ふるさとづくりという点で平成五年から平成七年まで事業がまた行われているわけでございますが、平成八年度以降、地域振興施策についてはどのように推進をされるお考えでございましょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘ございましたように、自治省では昭和六十三年度から自ら考え自ら行う地域づくり事業を、また、平成二年度から平成四年度にかけましては地域づくり推進事業を展開してきたところでございます。さらに、平成五年度からは、ふるさと創生の着実な浸透あるいは定着を図っていく上におきまして、引き続き第二次ふるさとづくりを展開しておるところでございます。 地方公共団体におきましては、これら一連のふるさと創生関連施策の制度を活用いたしまして、ハード事業といたしましては、健康・スポーツ・レクリエーション施設あるいは学習・文化施設の整備、快適な環境の整備、さらに保全等各般にわたる事業を実施いたしております。またソフト事業につきましても、文化の振興、地域経済の活性化、さらに人材の養成などさまざまな事業を積極的に講じてきたところでございます。 これらの取り組みを通じまして、地域の創意工夫によります独自の地域づくりの推進が図られますとともに、地域づくりに対する住民皆さんの参加意欲の増進や市町村の企画力の向上などに大きな成果が上がっておると存じておるところでございます。 今、委員から平成八年度以降の取り組みについて御指摘がございましたけれども、今日までの実績を十分踏まえまして、また、それぞれ関係地方公共団体の意向をも把握した上で、国会初め関係機関の御理解、御支援をいただいて今後のあり方を検討してまいりたいと考えておるところでございます。 私自身、地方行政に長年かかわってまいりました一人の政治家といたしまして、昭和六十三年のふるさと創生事業以来この政策の一端にかかわり、かつ地域がみずから考えみずから地域づくりをやってまいりましたそのインパクトの大きさを実感してまいりましただけに、今後さらに、一人の政治家といたしまして地方に対する熱い思いを持って、この事業がさらに継続され、かつ拡充されるように努力をしてまいりたいと存じておるところでございます。
○石井道子君 この法案は五年間の時限立法になっているわけでございまして、この限られた期間の中で地方分権の道筋をきちんとつけていけるかどうか、その辺の御決意のほどを総務庁長官にお伺いいたします。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 御指摘のように、五年間の時限立法でございます。したがいまして、前半におきまして地方分権推進委員会で十分な御議論をいただいた上で勧告をいただきまして、それを十分尊重いたしました形で政府におきまして地方分権推進計画を策定する。そうして、策定されました計画にのっとって、後半におきましては、必要な法律改正案を国会に御提示をいたしまして、逐次これを成立せしめ、地方分権の推進を確実に図ってまいりたい。 この五年間という時限立法で一体どうかという御懸念もあるわけでございますが、やはり期間を決めまして、そこで集中的に作業を進めるということが私は地方分権を確実に推進するゆえんである、かように確信をいたしております。 衆参両院において地方分権推進の国会決議を提唱いたしまして、これを実現させることができました。そういう意味で、この国会決議をいただきました上で、それを実行するためのこの法案が提案できましたことを私も本当にうれしく思っている次第でございます。熱意を持って、五カ年間にこれを実施するために全力を挙げたい、かように考えておる次第でございます。
○石井道子君 ありがとうございました。
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。地方分権推進法の制定意義についてお伺いをいたしたいと思います。 日本国憲法九十二条には、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と規定しておりますが、明治憲法にはなかったことでございますけれども、ここで言う「地方自治の本旨」とは何か、自治大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 憲法九十二条に規定をいたしております「地方自治の本旨」とは、地方公共団体の運営を住民自身の責任におきましてみずからの手で行うといういわば住民自治と、地方公共団体の自主性、自立性が十分発揮できるよう地方自治の制度を定めまして運営するという団体自治をともに実現することであると私は考えておるところでございます。 地方分権を推進していく上におきましては、このような地方自治の本旨を尊重していくことが極めて重要であると考えておるところでございます。
○野沢太三君 この憲法が施行されましてから既に半世紀近くを経過したわけでございますが、ただいまお話のありましたような地方自治の本旨がいまだ十分生かされているとは申せない状況にあると思います。 地方自治制度に関して、これまで多くの国会審議が重ねられまして数々の法律も制定されてまいりましたが、今回改めて地方分権を推進する法案が提起されました背景と意義について、総務庁長官の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 御指摘いただきましたように、憲法九十二条の「地方自治の本旨」、これを定着させるためにお互い努力をしてまいったと認識をいたしております。 しかし、世界は今や歴史的な変革期を迎えております。国といたしましては、内政に関する役割は思い切って地方公共団体にゆだねまして、国が本来果たすべき役割を重点的かつ効果的に担う体制を確立することが現代の情勢に適合したものである、かように考えておる次第でございます。 政治危機を迎えつつあります今日、東京への一極集中を排除して、国土の均衡ある発展を図るとともに、各地域がそれぞれの個性を生かした多様で活力あふれる地域づくりを進めることができますように、地域の主体性を重視した行政システムの変革が求められていると認識をいたしております。また、国民がゆとりと豊かさを実感できる社会の実現を目指すことも重要であると思います。 以上の観点から、地方分権に対する要請がかつてないほど高まってきているという認識のもとに本法案を御提出いたした次第でございます。
○野沢太三君 大変大事な節目に今当たっているということかと思いますが、戦後の日本の発展の経過を見ますと、中央集権の制度のいわば活用等によりまして今日経済大国としての地位を築いたという側面もあったかと思うわけですが、その結果出てきたことが地方の過疎あるいは大都市の過密、人口の流出流入問題、雇用機会の偏在その他もろもろの問題点であり、これを克服するためにもこの法律は大変大事な役割を負うと、大臣の今おっしゃったとおりかと思うんです。 そこで、本法の制定によりまして、それでは地方の所得格差の問題とか人口の流出問題であるとか雇用機会の偏在等が克服できる可能性があるのかどうか、これについての御所見について、自治大臣ひとつよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘の点につきましては、先ほど石井委員の御質問にも総務庁長官からお答えがございましたように、一昨年の六月、衆参両院の国会決議に見られますように、東京への一極集中を排除して国土の均衡ある発展を図りますとともに、国民がひとしくゆとりと豊かさを実感できる社会を実現していくためにも地方分権の推進が必要であるとされておるところでございます。 また、昨年十一月の地方制度調査会の答申におきましても、地方分権推進の背景といたしまして、東京圏への諸機能の一極集中によります地域格差の拡大等の弊害が指摘をされておるところでございまして、各地域がそれぞれの歴史、文化、自然条件など個性を生かしながら多様で活力ある地域づくりを進めていくこと、いわゆる分権型行政システムへの転換が求められておるところでございます。 これらを踏まえまして今回の法案がまとめられたわけでございまして、第一条におきまして、国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することの緊要性にかんがみ、地方分権を総合的かつ計画的に推進することを目的とすること、第二条におきまして、国と地方公共団体の役割を明確にし、地方公共団体の自主性、自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図っていくことを基本として地方分権を推進していくこととされているところでございます。 御指摘の趣旨を踏まえまして、地方分権の推進が十分行われるように対処していかなくてはならないと存じておるところでございます。
○野沢太三君 この法律一本ですべてが解決するとは思いませんが、さまざまな合わせわざを重ねながらなお理想を追求する、かようなことかと思います。越えるべき幾山河がたくさんあるということで、引き続きの努力をみんなでこれは進めなきゃいかぬ、かように心得るわけでございます。 そこで、具体的に国と地方公共団体の役割分担でございますが、地方自治法の二条には地方公共団体の仕事がさまざま書いてございます。しかし、今日の自治体業務の実態を見ると、国の仕事の下請業務に忙殺されて地方自治本来の仕事がおろそかになってきているんではないか、こういう指摘がございます。 東京都の調査が手元にございますが、これを見ますと、都が国から受けております関与事務が八百十二件、関与数が千二百七十二件ということになっておりまして、このうちの機関委任事務が五百五十件、四三%、自治事務が七百二十二件、五七%となっております。 この数もさることながら、問題点としてございますのが、事実上自治体が判断し処理する事務となっておって国の関与が形骸化しておるものが実に三百十六件、二七%もあるということ、また、本来地方で処理すべき分野まで国が関与をしてくるというのが三百十三件、二七%もある、こういった調査がございます。両者合わせると半分以上ということになります。 このような国の関与のあり方は他の自治体も同様な状況ではないかと思われるわけでございますが、この状況を改善するには思い切って整理をする、あるいは統合をする、あるいは地方に任せる等の措置が要るだろうと思うんですが、これにつきましては総務庁長官の御意見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 御指摘ございましたような東京都の地方分権検討委員会の答申につきましては、私も拝見をいたしました。ただいま委員が御指摘いただいたような数字がずっと並んでいることも承知をいたしております。 問題は、地方分権を推進して地方公共団体の自主性、自立性を高めていきますためには、地方公共団体への権限移譲はもとより、国の関与の整理合理化も積極的に取り組む必要がある、かように認識をいたしております。 このため、地方分権大綱におきましては、国の関与につきましては、必要最小限のものに整理合理化を図るとともに、存置する場合におきましても事前関与から事後関与、権力的関与から非権力的関与への移行を基本とするということにいたしているところでございまして、この考え方に沿いまして委員の御指摘も十分念頭に置きまして整理合理化を積極的に推進してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○野沢太三君 地方公共団体は今の段階では県並びに区市町村という二層制と言われておるわけでございますが、都道府県自身がいわば地方において一極集中を起こしているという嫌いがございます。 そこで、都道府県の仕事と区や市町村の役割分担という課題が住民本位の地方分権をするためには大変大事ではないかと思うわけでございますが、現段階で都道府県と区あるいは市町村との関係もあわせて見直して、権限、財源の移譲を行う必要があろうかと思うわけでございます。今回の分権推進の行く先はどこにその着地点を求めるのか。県段階へとりあえず移すのか、あるいは思い切って市町村まで持っていこうと考えられるのか。この点、自治大臣、御意見いかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) このたびの分権に当たりましては、今御指摘ございましたように、地方がその実情に沿って個性あふれる行政を積極的に展開して、地方の自主性かつ自立性を強化いたしまして、住民に身近な行政はできるだけ身近な地方公共団体が担っていくことを基本として分権を推進していくこととされておるところでございます。 しかし、市町村は基礎的な自治体といたしまして、また都道府県は委員御承知のように地域におきます総合的、広域的な行政主体として、それぞれ自主的かつ自立的な行政が展開できるよう権限移譲や国の関与等の廃止、緩和はもちろんのこと、地方税財源の充実強化を進めていく必要があると考えておるところでございます。 国から地方への権限移譲を推進するに当たりましては、第二十四次地方制度調査会の「地方分権の推進に関する答申」におきまして、当面、都道府県により重点を置いたいわゆる現実的な進め方をやることが効果的であろうと言われております。その上で、住民により身近な存在であり地域づくりの主体である市町村への移譲を進めることが適当であるとされておるところでございます。 いずれにいたしましても、市町村あるいは都道府県、それぞれ自主性かつ自立性を強化していくことが肝要でございます。自治省といたしましては、今後とも一層地方分権を進め、真の地方自治の実現に努めてまいらなくてはならないと思うわけでございます。先ほども御指摘がございましたが、それぞれ市町村は規模が異なり、そしてまた分権を担うにふさわしい能力を持ち合わせておるかどうかという問題は常に議論の的となるわけでございまして、そのために私どもは、より市町村の合併あるいは広域連合、中核市等の施策をあわせ進めてまいらなくてはなりませんし、また市町村がその分権を担うにふさわしいような能力を持ち合わせるまでに、第一義的に都道府県を重点的に権限移譲の受け皿にしていかなくてはならないと考えておるところでございます。
○野沢太三君 そこで、一つ考えなきゃいけないことなんですが、市町村には非常に小さな市町村もございまして、能力が十分でないために権限もいただけない、こういうところもある反面、例えば東京都の特別区というようなものを見ますると、私の住んでおります六十三万の足立区は鳥取県よりも人口が多いわけでございますが、これは東京都の一部の機関ということで、内部機関ということでございまして、十分な権限を与えられていない、能力はあるにもかかわらず仕事をもらえないという問題がございます。 この辺につきまして、これは地方自治法の改正を必要とすることかと思いますが、もう少し福祉とか清掃とか、あるいは今議論しておりますリサイクル法の実施等については、どうしてもやっぱりそういった身近な自治体の力を活用せにゃいかぬ、かように思いますが、この法律だけでなくて地方自治法自身の見直しも必要ではないかと思いますが、自治大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 今御指摘ございましたように、東京都のそれぞれの区のあり方につきましては地方制度調査会におかれましても議論をされてまいったところでございます。また、東京都におかれましても、これを受けまして、今御指摘ございましたように、清掃の問題等を含め、かつそれぞれ労働団体との関係等も整合を持っていくようにより努力をされておるところでございまして、私どももそういう努力の成果を見きわめながら、東京都の区のあり方につきましては地方自治法の改正をも視野に入れながら検討をしてまいらなくてはならないと存じておるところでございます。
○野沢太三君 その中で特に問題になっております機関委任事務制度の見直しでございますが、既に石井議員からも御指摘がございましたし、他の議員からも問題が提起されておりますが、問題は、これを廃止するか整理合理化するかという議論だけでなくて、事務総量を減らすということが非常に重要ではないかと私は考えておるわけでございます。 その意味で、お役所同士の間の規制緩和業務あるいはサンセット法案のような考え方で一遍やめて考えてみるというのはどんなものか、さらにもう民間に任せてしまっていいような仕事もあるのではないか、こういった視点が考えられるわけでございますが、事務総量を減らしていくという観点から機関委任事務制度その他の仕事量を見直していく、これが大事かと思いますが、総務庁長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 御指摘のとおりだと思います。したがいまして、機関委任事務につきましては、事務自体が果して必要性があるのかどうかということはやっぱり個々の事務にわたりまして徹底的に吟味をする。そういう中で、これは不要であるという事務につきましては事務そのものを廃止していく、事務全体についてこれをスリム化していくということが必要であろうと思います。そしてまた、そういう中で、事務自体の必要性を認められるものにつきましても、これは地方公共団体の事務として処理することが適当だというものにつきましては積極的に団体事務化していくということであろうと思います。 そしてまた、どうしてもこれは国の事務として残さにゃならぬというものもあろうかと思います。先ほど石井委員の御質問にもお答えいたしたわけでございますが、国政選挙の執行でありますとか旅券の発給でありますとか戸籍事務でありますとか、そういった国の事務として残らざるを得ないものがある。しかし、これを国が出先機関をつくってやるというようなことになりますと行革の趣旨に反することにもなります。したがって、どういう形でその仕事をやっていくのかということにつきましては、機関委任事務制度そのものをどうすべきかということを検討いたしまして、それに対する答えを出していく必要があるというふうに思います。 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、事務自体が必要であるかないかということをまず吟味し点検するということが重要である、御指摘はそのとおりであろうと認識をいたしております。
○野沢太三君 地方財源の確保について、三点ほどお伺いしたいと思います。 現在、国と地方を合わせた租税収入の総額が、国と地方の割合が六五対三五、あるいはもうちょっと細かく言えば六三対三七とか、そういった数字が言われておりますし、反面、歳出の総額の比率が三五対六五と逆転をしておるということからいわゆる陳情政治その他が生まれてくる、まことにまずいということで、この比率が近い方が望ましいということが午前中行われました参考人の先生からも御指摘をちょうだいしておるわけでございます。これをどうしたら近づけられるか、この点が第一点。 それから、交付税が大変これ有効に機能しておるわけでございますが、交付税決定は国の方で自治省、大蔵省で御相談いただいているわけでございますが、地方自治体の意見が十分反映されているかどうか。さらには、基準財政需要額の算定がどうも画一的で地方の実情が入らないんじゃないかという問題も言われておるわけでございます。これをどうしたら交付税がさらに有効に、地方自治体のいわゆる経済力格差その他の是正のために有効に使えるか、先ほどの財源比率の改善ともあわせて大事なポイントかと思います。 もう一点は、地方債の発行の許可制度でございますけれども、これにつきましても分権大綱に指摘されておりますが、思い切ってこれを弾力的に運用し、手続を簡素化して、これの発動が機動的にできるようにしていただきたい。 この三点について自治大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(野中広務君) 今、野沢委員から御指摘ございましたように、国と地方の税収の割合と実際の歳出規模が逆転をしておる、この内容を改善しない限り本当の分権というのはでき得ないという御指摘はそのとおりでございます。 私ども、地方分権の推進や今後の高齢化の進展等を考えて地域福祉の拡充等をより充実していかなくてはならないときに、地方税におきまして安定的な税体系を確立することはもちろんでございますが、より自主的、主体的な行財政の運営が可能となるように歳出と税収の割合のギャップを埋めていかなくてはならないと考え、地方税を拡充強化していくことはもちろんでございますが、これから税、財政両方を踏まえまして重要な課題であると考えておるところでございます。今後、地方分権の推進状況等も踏まえながら、分権の趣旨に沿った税・財政制度が構築されるように適切に対処してまいらなくてはならないと考えておるところでございます。 なお、ただいま地方交付税の総額の確保につきまして御質問があったわけでございますけれども、御承知のように毎年度の地方財政政策を通しまして行われておるところでございますけれども、その策定等に際しましては、御承知のように地方六団体が共同推薦をしておられます委員等で構成されております地方財政審議会の御審議を得ることにしておりますことはもちろんのこと、地方団体の予算や決算の報告を参考にいたしますとともに、機会あるごとに、地方六団体を初めとし地方団体からの御意見さらには御要望を聴取する機会を積極的に設けまして、地方のニーズを地方財政対策に的確に反映をさせていくための努力をしておるところでございます。今後とも、地方団体の実情等が地方財政対策により一層反映をされますように十分な配慮をしてまいりたいと存ずるところでございます。 交付税の基準財政需要額の問題等につきましては、御指摘のように地域の特性を十分反映していくようにしてまいりたいと考えておりますが、内容にわたりましては財政局長から答弁をさせていただきます。 なお、地方債の発行につきましては、たびたび御指摘のあるところでございますけれども、私どもは、委員が御指摘になりましたように、それぞれ今日まで地方債の発行を枠配分にいたしまして、そして、よりこれが弾力的に行えるように手続を簡素化して努力してみたところでございます。 あわせまして財政局長から御答弁をさせていただきます。
○政府委員(遠藤安彦君) 技術的な問題も含んでおりますが、簡潔に御答弁をさせていただきたいと思います。 一つは、交付税の基準財政需要額の算定方法等、画一的な面もあると思われるし、地方の実情にもっと合うような形で算定をすべきではないかという御指摘でございます。私どもは全くおっしゃるとおりであろうと思っております。 そのためにいろいろ工夫をしているわけでありますが、やはり一つは基準財政需要額等を算定するときに客観的かつ合理的に算定しなければならないという枠組みがあるわけでございまして、人口や面積といったような客観的な指標に基づいて計算をする。それから、やはりおっしゃったように、それでは地方の実情が的確に反映されないということで、できるだけ地方の実情に合わせるようにこれらの数値で算定したものをいろいろ補正措置を講じているところでございます。内容が細かくなりますので省略をさせていただきたいと思いますけれども、段階補正だとか寒冷補正だとか、それぞれの地域の実情が計算の中に入るように工夫をいたしておるところでございます。 一方で、そういった面で余りにも交付税の算定が細かくなり過ぎているので、もう少し簡素化すべきではないかという意見も片方ではあるというようなことでございますので、私ども地方団体等の意見も十分聞きながら、地方団体の実態それから財政需要、そういったものが客観的な算定の中で簡潔にしかも的確に反映されるように今後も工夫をしてまいりたいというように思っております。 それから、地方債の発行の問題につきましては、弾力的な形にすべきではないかということで私どもも努力を重ねてきたところでありまして、平成四年から地方債を一件一件許可するということではなくて枠配分という形で非常に包括的にやってきております。したがって、現在では地方団体についてかなりの自由度を持って、要望される、想定される地方債については最終的に許可されるというような実態になっていると思うわけでありまして、私どもこういった方向を今後さらに追求をしてまいりたい、努力をしてまいりたいというように考えている次第でございます。
○野沢太三君 以上で終わります。
○竹村泰子君 中央集権的なシステムを改めて地方分権を進めていくということで、国と自治体相互の役割分担について、できるだけ国の役割を限定的に考えて、そして自治体の役割を重視するということが基本だというふうに思いますけれども、衆議院からずっと議論が積み重ねられておりまして、かなりダブる部分があるかもしれないと思いますけれども、しかしその反面、果たして本当に実現できるんだろうかという、いわゆる長い間縦型システムで来たものを水平型に変えていかなければならないというこの大事業が、果たしてうまく五年の準備期間でもってスタートできるんだろうかと非常に心配な部分もございます。 そういったことで、きょうは時間の関係でそんなにたくさんのことをお聞きできないと思いますけれども、地方分権推進委員会自体のあり方と申しますか内容、そのメンバー、それから役割分担のあり方、あるいはずっと問題になってきております機関委任事務の具体的な検証と申しますか考え方、それから地方税財源のあり方などについて少しお聞きをしてみたいというふうに思います。 役割ということでいいますと、国が国家間の外交、安全保障、政府内部の組織的な管理事務とかそういうことを行う、そして原則として内政事務はすべて自治体が担う、そういう体制をつくり上げていくべきであると私どもは思うのですけれども、長い間の議論の中にも出ておりましたとおり、我が国の自治体で処理している事務のうち、自治体が自主的に運営をしている事務は本当に四割程度というふうに言われて、残りの六割ないし六割強は機関委任事務の仕組みを通して仕事をさせられているというか、そういう形になっている。そして、財源もやっぱり四割程度にとどまっている。残りの多くは国庫支出金などの依存的な財源になっているというふうなこともございます。 まず、きょうは最初に、たくさんの問題がありながら、この地方分権推進委員会というのが非常に大きな責任と重みを背負うことになるというふうに私は思うんですね。この推進委員会自体がよくわからないというと変ですけれども、例えばこの推進委員会が総理にいかなる権限事務を地方に移譲するかを勧告する。このための三つぐらいの視点があるかと思うんですけれども、自治体の理念からして何を分権化するべきか、それから自治体がいかなる権限事務の分権化を望んでいるんだろうか、それから三番目に、国の機関は分権化にどんな考えを持っているんだろうかというこの三つの視点を推進委員会がどう考えて総理に勧告をしていくかということだと思うんですね。 例えば、分権推進委員会が現実的に実現可能な案を策定して総理に勧告していくためには、やはり国の機関の協力が不可欠なのではないかというふうに、これは非常に微妙で難しいところだと思うんですけれども、したがって、地方分権推進委員会としては国の機関の意見を聞く場を設けなければならないと考えますけれども、その手法はどのようなことを考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 法律にも規定しているわけでございますが、「委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。」、こう書いておるわけでございまして、委員会として必要と認めるときには、この規定に従いまして説明を受けるとか、意見を開陳させるとか、協力を求めるとか、これはもう委員会が積極的に対応いただけるというふうに考えております。 そしてまた委員会は、「必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の業務の運営状況を調査し、又は委員にこれを調査させることができる。」、こういう規定もございます。また、委員が御指摘のように、このような議論をいたしました上で内閣総理大臣に対して必要な勧告も行える。まさに地方分権推進委員会は十分な権能と機能をお持ちの委員会であるというふうに私ども認識をいたしております。また、そういうような形で御提案を申し上げた次第でございます。
○竹村泰子君 その場合に、国の機関、政府機関からの意見をお聞きになり、また状況を調査されるということですけれども、例えば推進委員会がほかに有識者ですとか地方団体などからも平等に意見を聴取して、そして原案をまとめて調整を行うというようなことももちろんあるわけでございますね。
○政府委員(陶山晧君) ただいま大臣から申し上げたとおりでございますが、竹村先生のお話につきましては、いずれにしろ運営の仕方は委員会自体の御判断になることでございますけれども、一般論として申し上げますならば、必要に応じいかような対応も可能であるというふうに考えております。
○竹村泰子君 いかようにも委員会がお考えになることだけれども、まだ現在はどのような条件も具体的に柔軟に考えられるということでございますね。できるだけ平等に意見を聞いていただくようなそういうことに心がけていただきたいとお願いを申し上げておきます。 次に、総理大臣は、推進計画の策定に当たって地方分権推進委員会の勧告と関係省庁の意見が対立をしているときどんな対応をなさるんだろうか。 私も各省庁のいろいろな課題を具体的に考えてみますと、現実の問題として省庁間の課題と対立をしていくことが非常に多いと考えられるんですね。建設省なんというのは特に、この問題この問題と考えただけでわあ大変だと思ってしまうんですけれども、そういう省庁の意見が対立をしているとき、推進委員会はどのような方法をおとりになるんでしょうか。できるだけ具体的にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 昨年十二月の地方分権大綱を決定いたします前に地方分権部会を開きまして、そこでは各省庁を代表する閣僚の皆さんも出席をしておられまして意見の開陳がございました。そのときには、やはり各省の立場に立ってこういった事務は国としてやるべき事務であると考えるというような意見も随分ございました。 しかし、そういう議論はありましたけれども、最終的に村山内閣総理大臣が、地方分権の推進は村山内閣として重要課題である、したがって地方分権推進のために議論をいただく地方分権推進委員会というものはどうしてもこれは設ける必要があるということを閣議後の懇談でも強調せられまして、そういう総理大臣の意向を踏まえました上で今回の法案というものは作成された次第でございます。 したがいまして、委員御指摘のように、確かに各省それぞれ意見もありましょう。また、意見が対立する場合もなきにしもあらずだと私は思います。しかし、いずれにいたしましても、この法案を作成する過程で総理大臣がリーダーシップを発揮されたわけでございますから、さまざまな意見がありましても、政府として地方分権推進計画を策定する場合は総理大臣がリーダーシップを発揮せられて、そして地方分権推進のための確固たる計画を策定いただけるものと、私はかように確信をいたしている次第でございます。
○竹村泰子君 総理の責任で各省庁と推進委員会が話し合う場を設定するなりなんなりしてリーダーシップをとっていかれるということですね。これは実際には非常にぶつかり合う、大激論になるようなこともあるかもしれない。個別行政分野においてはそういう大激論をしなければならない、またそれが大事であるというような課題も少なくないというふうに考えます。 総務庁長官は非常に意欲的に、先日の国会での答弁で、五年間の時限立法でやるけれども、二年間の計画を立てたら後はもうできるだけ早く実行に移したいというふうにお答えになっておられますけれども、この推進計画の策定期限の二年にこうした課題が、省庁からの猛烈な反撃があったりして間に合わないとか、一括法の策定に間に合わないとか、そういう理由で結論が見送られるようなことがあってはならないと思いますけれども、御決意をお聞かせください。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 確かに私は、先ほどお答えいたしましたように、各省庁がそれぞれの立場からさまざまな意見がある、また場合によっては対立することもあり得るだろうと申しました。 しかし、いずれにいたしましても、衆参両院において地方分権の推進というものは重要であるという立場から、国権の最高機関として衆参両院それぞれで地方分権推進の国会決議をいただいたわけでございます。国会決議を尊重してこれを実行するのが政府の役目であることはもう言うまでもございません。また、そういう中で今回このような法律を政府といたしましては、御案内のように閣議は全会一致ということになっておるわけですから、全会一致で閣議で決定いたしましてこの法案を提出いたしました。まさにそういう意味では私は地方分権は時の大きな流れであろうと思います。 したがいまして、各省庁それぞれお立場はありましても、地方分権の推進という立場では私は政府一体となってまとまって立派な計画を策定する、まさにそういう機運はできていると思いますし、また国民の皆さん方もそういった方向を強く支持いただけるものと考えておるわけでございまして、そういう意味では私は不安というものは持っておりません。必ずそういった方向で私はこの地方分権推進計画も策定されるし、その計画を実行するための法案も衆参両院において立派に成立をさせていただいて、そして五年の間に地方分権が大きく前進をしていく、地方分権が実施されていくというふうに確信をいたしている次第でございます。
○竹村泰子君 委員について、法案では識見を有する人というふうになっておりまして、七人の委員を選ぶということになっておりますけれども、この識見を有する人というのはどういう人を考えておられるんでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) 審議会等の委員の属性と申しますか資格についての法律上の規定ぶりにつきましては、必ずしも明確な基準があるわけではございません。いろいろな規定ぶりが見られるところでございます。 地方分権推進委員会の場合、その検討対象範囲が極めて広いということもございまして、委員が備えるべき属性とか資格という面について、専門分野等余り固定したイメージを付与することは不適当と考えられるということから、ただいま先生御指摘のような規定ぶりになったところでございます。 ところで、この委員会の審議事項の性格からいたしますれば、端的に申し上げますが、国、地方の行政について高い見識を有する人というふうに理解をいたしております。
○竹村泰子君 行政についてということなんですか。 私がなぜこだわるかといいますと、七人というのは決して多い数ではないんですね。それで、これまで私どもがよく不満に思いますのは、審議会の委員とかそういった国の選ばれるいろいろなメンバーを見ておりますと、これはどうしてももっと生活面のことが生活感として、生活者としてわかっていなきゃいけないというような、審議会や委員会においてもとても肩書の立派な方たちがたくさん並んでおられまして、そういうことが多くありますので、識見を有するということはそういう行政に対して識見を持っているということだけで考えておられるのか。 非常に答えにくい質問だと思いますけれども、たった七人の委員ですから、どういうふうにしてその委員会の構成をつくっていかれるのかなということで私はもうちょっと具体的にお聞きしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 いずれにいたしましても、地方分権の推進に非常な熱意を持ち、しかも高い識見を有するという人たちで、しかも国民各階層の要望もあるわけでございますから、バランスというものも十分考慮した上で選任されるべきものというふうに思っております。 いずれにいたしましても、衆参両院におきまして、この委員の問題につきましては各委員から御意見を含めた御質問がたくさんございました。こういった国会での御議論というものも十分私は尊重いたしました上で、内閣総理大臣がこれならば衆参両院の御同意をいただけるにふさわしい方だという認識のもとに私は選任をしていただけるものと、かように考えておる次第でございまして、竹村委員のお考えというものも国会の議事録の中にきちっと残されるわけでございますので、そういったお考えも十分踏まえた上で総理は御判断されるというふうに思います。
○竹村泰子君 長官おっしゃるとおり、衆議院の議事録を見ますと、この推進委員会にどういうメンバーを選ばれるのかということで、事の性格上、官僚、OBの選任は避けていただくことが必要ではないだろうかというふうな質問がありまして、村山総理が、一概にOBを排除するというふうなことを断定的に申し上げることはできない、OBは絶対だめだといって排除してしまうのではなくて、というふうなお答えをしていらっしゃるんです。 これは国民感情としても、しかも地方自治を民主化していくという意味においても、私も官僚のOBの方は絶対にだめだということは言えませんけれども、しかし、やっぱりできるならばそうじゃない形で選んでいただきたい。それから、地方自治体出身の方などの参加はもちろん必要だと思いますけれども、そのようなことをぜひお願いをしておきたいというふうに思います。 事務局体制などについても、その規模、予算、自治体からの出向などなどいろいろとお聞きしたいことがありましてあれなんですけれども、時間がありません。 この委員会でも以前に同僚の議員から質問があったと思いますが、この七人の委員の構成、そしてやはり事務局体制がかなり大きくなると思うんです。臨調・行革のときのような大きな事務局体制になるのかなと思いますけれども、その事務局長の役割ということが、やはり七人の委員の方たちは多分ほかに職業をお持ちでしょうから、そうそうこのことばかりに詰めるわけにはいかない。そうすると、事務局長の責任というのが非常に大きく重くなるというふうに考えるのですけれども、それにつきましては何かお考えがありましたら聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(陶山晧君) 事務局の体制の問題につきましてお尋ねがございましたが、今国会で法案を成立させていただきますならば、私どもとしてはできるだけ早く委員会設置に向けての具体的な準備作業を発足させたい、スタートさせたいと考えております。 具体的に事務局長というお話でございましたが、いずれにいたしましても事務局は委員会の業務に支障がないような体制を組みたいと考えておりまして、そういう意味でも事務局長としてはそれにふさわしい人材が充てられるものと考えているところでございます。
○竹村泰子君 どういうふうにふさわしいと判断なさるのかわかりませんけれども、さっきから言っておりますとおり、七人の委員会構成で決して多くはない。広範な国民の意見を聞くためには少ない数だと私は思うんです。そういう意味からいって、例えばアドバイザー会議のようなものをお持ちになる気持ちがおありになるかどうか、ちょっと聞かせてください。
○政府委員(陶山晧君) いわば委員会の内部体制と申しますか、運営体制にかかわるような内容のお尋ねであろうと存じます。 いずれにしろ、どういう運営の仕方をなさるのかは委員会発足後いろいろな議論を経て委員会自体で御判断になる課題でございますけれども、過去の例として申し上げますならば、臨調とか行革審とかあるいは現在活動しております行革委員会におきましても、正規の委員のメンバー以外に専門員であるとか参与であるとか、あるいは小委員会とかというふうな形で実質的な審議を重ねる場を設けて、その議論を詰めた上で正規の委員会、審議会で議論をさらに重ねて結論を出されるというような例が普通であったというふうに承知をいたしております。
○竹村泰子君 分権推進委員会で勧告をなさいますね。その勧告は、一回だけで終わるのではなくて、第二次勧告、第三次勧告、任期中はいつでも追加勧告というものができるというふうに考えておられるかどうか。 それから、総理がその勧告を尊重して策定する推進計画ですから、これに対して意見を述べる権限をつけていますね、法案には。その意見申し出権と追加勧告権、この関係はどうなんでしょうか。
○政府委員(陶山晧君) 法律上、委員会の勧告は限定されているわけではございません。したがって、委員会の御判断次第で、ただいま竹村先生が御指摘のようなことをなさるのかどうかというのは委員会自体の御判断であろうと思います。法律上の限定はございません。
○竹村泰子君 それは最初の質問ですね。ですが、もう一つの意見申し出権と追加勧告権の兼ね合いについてはどうですか。
○政府委員(陶山晧君) 委員会が内閣総理大臣に指針の勧告をされ、それを受けて政府が計画を策定して具体化を図っていくわけでございますが、その過程で委員会としての監視という機能に基づいて逐次意見が出されていくという関係でございます。したがって、まず勧告があり、その勧告に基づいた政府の具体化施策について委員会は意見を述べられるという関係でございます。
○竹村泰子君 これまでの審議で、推進委員会の審議状況の公開ですけれども、推進委員会自体が考えることだと思いますが、しかしこの辺は非常に重要なところでして、あらかじめ考えておいていただいた方がいいのではないかと思うんですけれども、一般論として情報公開は時代の趨勢としても非常に望ましいと思うんです。 けさほど、私どもは参考人から意見をちょうだいしまして、非常に大胆な御意見もありました。情報公開は必ずきちんとやるべきだと、そのときには視覚障害者のための点字のそういった意見も公開するべきではないかというふうな、そのような御意見もありました。 この情報公開について最も必要なのは、恐らくは有識者や地方団体と政府、省庁との意見の相違なんだろうと考えますけれども、政府はこのような意見対立の状況下において積極的に情報公開に応じるべきだと私は考えますが、いかがでしょうか、長官。
○国務大臣(山口鶴男君) お答えいたします。 御指摘のございますような情報公開は私は必要なことであるというふうに認識をいたしております。ただ、委員会がどうするかといういわば問題であり、この扱い方をどうするかということは委員会が委員会自体として規則としてお定めになることでございますので、今ここで私がこうあるべきだということを断定的に申し上げることは、これは控えさせていただきたいと存じます。 いわば委員会運営自体の問題は委員会がお決めになるということだと思いますが、しかし地方分権の推進は国民の皆さん方の理解と協力なしに進むものではございません。国民の皆さんの理解と協力を得るためには、委員会がどのような議論をやっているかという中身を十分国民の皆さん方に知っていただく、これが国民の協力を得るために重要な課題であるということは私が申し上げるまでもないことだと思います。また、国会で今のような御意見もございました。こういった国会での御意見も十分踏まえた上で委員会が規則としてお決めになることだと思いますが、私は、必ずや国民の皆さんの協力を得るために委員会の議論の骨子についてはこういうものであったということは、これは委員会の後、委員長が記者会見をして詳細を御説明されるなり方法はいろいろあろうと思いますが、必ず国民の皆さん方に議論の骨子がわかるように私は対処いただけるものだというふうに思っている次第でございます。 また、国会でそういう御議論があったということは委員会も十分尊重せられるはずだと思う次第でございます。
○竹村泰子君 後でまとめて骨子だけを報告するのではなくて、できればこういう意見があって対立をした状況であるというふうなことまで知る権利があるというふうに思うんですけれども、今のお答え、長官は意欲的に情報公開をした方がよいと考えるが、まあそれは委員会がお考えになることだからというふうに受け取ってよろしゅうございますね。 推進計画が推進委員会の勧告と異なるものとなった場合、総理はその理由及びその間のいきさつなどについて説明する義務があると考えるんですけれども、きょうは総理がいらっしゃいませんからかわりにお答えいただきたいと思いますが、その説明はもちろん国会に対しても行われるべきだと思いますが、推進委員会や国民に対してもきちんと行われるべきだと考えますが、当然そうでございますね。どうでしょう。
○政府委員(陶山晧君) 法案の上でも明記いたしておりますように、委員会の勧告につきましては、内閣総理大臣はそれを尊重しなければならないという規定を設けているところでございます。当然のことながら、委員会の勧告を最大限に尊重して計画を政府は策定するということになるわけでございます。 いずれにしろ、政府としての計画ができましたときに、それが委員会の勧告とどういう関係にあるのか、あるいはそれを受けた形としてきちんと政府の計画ができているかどうかといったような観点の議論につきましては、当然のことながら国会を初め各方面で十分な御議論があろうと考えておりまして、そういういわば過程を通じて国民一般の方々にも竹村先生の御指摘のような関係が明らかになるであろうというふうに考えております。
○竹村泰子君 それでは、財政の方にちょっと移りたいと思います。 地方自治体の税財源は、中心的には地方独立税で賄われるべきである、国から配分される財源、依存的な財源はできる限り抑制する方向ということが言われておりますけれども、現在の国税中心の租税制度の枠組みを変更して、少なくとも国と自治体がそれこそ水平の対等な税源配分となるような税制とするべきではないかと思います。 自治体の行う事務事業の経費は、当該自治体が地方税の上でも全額負担する原則が確立される必要があると思いますし、自治体の課税権は原則的に保障されなければならないというふうに考えますけれども、この地方税について自治大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思いますのと、地方税の充実強化に対する大蔵省の御決意を承りたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 先ほどもお答えをいたしましたように、委員が御指摘されますように、地方公共団体の自主性を強化していきます場合には、どうしても地方税並びに地方財源の充実強化を進めていかなければ地方分権は確立をしないと考えておるところでございます。 先般の国会において御承認をいただきました税制改革におきまして、地方分権の推進の大きな柱として地方消費税の導入をいただきましたことが、いわゆる地方分権への道筋をつけたものであると私は認識しておるわけでございます。 今後も、特に都道府県の税は法人税の課税に偏っておりまして景気に左右されるところが多いわけでございますので、より安定した税財源が得られるような道は、それぞれ地域の多くの課題を抱えておるわけでございます。わけても高齢化、地域福祉の充実、さらには社会資本の充実等さまざまな課題を解決していきます場合には、地方税の自主的な課税のあり方を今後さらに政府税制調査会、さらには地方制度調査会の審議を経ながらより充実強化を図ってまいるとともに、自主性を確立していかなくてはならないと存じておるところでございます。
○説明員(竹内洋君) 今お話がございました地方税源の充実でございますが、昨年末閣議決定されました地方分権推進大綱方針及び今現在御審議いただいております地方分権推進法案の考え方に沿って着実に推進してまいりたいと考えているところでございます。 ちなみに、今、自治大臣の方からもお話がございましたけれども、先般の税制改革におきましても、地方分権の推進等のため地方税源の充実を図る観点から、現行の消費譲与税にかえまして地方消費税を創設することとされたところでございます。また、国と地方の税源配分の問題につきましては、国と都道府県、市町村の事務配分の見直し、地方交付税や国庫支出金等のさまざまな制度のあり方にかかわる問題でございまして、今後とも幅広い観点からの検討が必要であると考えているところでございます。
○竹村泰子君 自治大臣にお答えいただきましたけれども、地方税で列挙されている税目のそのほかに個別事情に応じた課税をする場合、自治大臣の許可が必要だというふうに今なっているわけですけれども、この許可制はどうなんでしょうか。これは廃止するべきであるとお思いでしょうか、そうではないでしょうか。
○政府委員(佐野徹治君) 今お話がございましたように、法定外普通税、こういった制度がございまして、この法定外普通税を創設いたします場合には自治大臣の許可が必要になっております。 この制度は、地方団体の課税に関する自主性を尊重する立場から、財政需要の特別の必要があると認める場合に法定外普通税を課税できる、こういう制度でございまして、自治大臣の許可は制度では定められておりますけれども、許可をいたします際のいろんな要件は法律で決められております。 したがいまして、法律の要件に定められておるそれに合致いたします場合には自治大臣は許可をしなければならない、こういう規定もございますので、私どもこの規定につきましては、今後制度の趣旨を尊重いたしながら、地方公共団体の自主性と申しますか、そういった観点から適切な運営を行ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○竹村泰子君 自治体の税源の再配分というか、国と自治体との配分ですけれども、この再配分は段階的に行われていくと考えていいのかなと思いますが、当面する課題として自治体の税財源の安定化を図るためにはどのようなことを考えておられるのか。さっきちょっと自治大臣お触れになりましたけれども、具体的に法人税の問題だとか引当金、それから租税特別措置の改革だとか、いろいろお考えがあるかなと思いますけれども、そのことをちょっと聞かせていただけますでしょうか。
○政府委員(佐野徹治君) 私ども基本的には地方税源の充実強化、地方税全体を見た場合に地方税のウエートを高くする、こういうことは重要であると思っておりますけれども、一方で、地方財政を安定的に運営いたします際には安定的な税源、これがやはり必要であろうと考えておる次第でございます。 したがいまして、これは先ほど大臣の方からも御答弁ございましたけれども、先般の税制改革におきまして地方消費税の創設が図られたわけでございますけれども、地方消費税は比較的地域的な普遍性に富む、そういった安定的な税源であるというように私ども理解をいたしております。 こういった線に沿いまして、今後地方税におきましても所得、消費、資産等の間でよりバランスのとれた安定的な税制が確立されるように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○竹村泰子君 時間が参りましたので終わりますが、機関委任事務については触れることができませんでした。 けさほど参考人の皆さんから御意見をお聞きいたしましたが、機関委任事務につきましては皆さん即廃止するべきだというふうな御意見が多うございました。 これは、住民によって選ばれた自治体の長に対して国の機関とするものであって、二つの帽子をかぶり続けなければならないのはおかしいのではないかというふうな御意見が非常に多くありましたことをお伝えしておきまして、私の質問を終わります。
○釘宮磐君 この特別委員会もかなりの審議時間を重ねてまいりました。衆議院から含めますと相当量の議論があったわけでありますけれども、その議論を私も議事録等で読ませていただきました。 ここにきょうおいでの委員の皆さん、そしてまた昨日地方公聴会で意見を述べられた皆さん、さらには午前中の参考人の皆さん、いずれもやはり分権は何としてでもやらなきゃいけないという気持ちは変わらないと思うんですね。 しかしながら、この問題がどうも今までのようにまた総論で終わってしまって、実現をするのにはなかなか困難な状況になるのではなかろうかという危惧を実は多くの方が持たれている、私はこのように思うわけであります。 今回、きのう地方公聴会で平松知事が、地方分権についてはもう議論をするときは終わった、もう実行するだけだというようなことをおっしゃっていました。私はまさにそのとおりだと思いますし、実行するためにこの地方分権推進法というのが、今これをつくろうというふうにしているわけであります。 私どもが一番心配をするのは、やはり今までこの分権という問題を議論していくと、最後に突き当たるのがいわゆる霞が関の官僚の皆さん方とのあつれきでありまして、いわば地方分権に関して私は与野党の対立軸はないというふうに確信をいたしております。したがって、言葉は悪いかもわかりませんが、これは政治家と官僚とのある意味では闘いである、私はこのように言っても過言ではないというふうに思うんですけれども、この点についてまず両大臣聞かせてください。
○国務大臣(山口鶴男君) 私、国会に籍を置きましたのは一九六〇年、昭和三十五年であります。 地方行政にまず籍を置きまして、その際、地方自治法に自治体側の任務が書いてございますが、それは短くて、その自治法の一番最後の方に別表第一から第四までございまして、そこに機関委任事務、団体委任事務がずらっと書いてある、そちらの方がはるかに長い、このようなあり方というのは私は間違っているというふうに思いました。したがって、私は政治家として国会に籍を置きました以上、地方分権を推進する、これを政治家としての私の一つの政治理念として今日までやってまいりました。 そういう立場で、一昨年、地方分権推進に関する国会決議を行うことを提唱して、そしてこれが衆議院において議決をされ、参議院において議決をされたことを私は非常にうれしく思っております。 また、その一年前に国会等移転に関する法律の提案者となってこれを成立せしめることができました。そこに、地方分権と的確に関連づけてということを私は入れたのであります。御案内のように、地方分権という言葉のあります法律は、その法律と今回の地方分権推進法であります。 そういう意味では、私としては、地方分権は、これを推進するということは政治家としてあくまでもこれをやり抜きたい、そういう決意のもとに今日までやってまいりましたし、今回の法案を提案させていただいたということで御理解を賜りたいと存じます。
○国務大臣(野中広務君) 先ほど、地方分権にかかわりまして釘宮委員がおっしゃいましたように、まさしく戦後五十年を経まして今日までの我が国の足取りを考えますときに、また一方、地方自治法が施行されまして四十八年の歳月を振り返りまして今日の行政システムを考えますときに、この節目に地方分権を行わなければ、私は、また我が国は中央集権への足取りをたどらなくてはならない最大の重要な危機に立っておると考えるわけでございます。 そういう意味におきまして、まさしく国会におきまして与野党を超えて、我々はこの節目にお互いに会ったことを最大の誇りとし幸せとしながら地方分権を推進し実現をしていかなくてはならないと存ずるわけでございます。いろいろ今日まで中央集権的システムの中で培ってまいりましたしがらみは多うございましょうけれども、それを決断するのが政治家であるわけでございますので、一緒に私どもはこの大きな節目を我々の最大の、また分権への情熱を傾けたものとして成功せしめていきたいと存じておるところでございます。
○釘宮磐君 今の野中自治大臣の、いわゆる政治の決断だという話を私は大変印象深く聞きました。私があえて与野党の対立軸ではないと申し上げたのは、御案内のようにこの推進法案は本当に大丈夫なんだろうか、何か推進委員会にすべて白紙委任をしてしまって、またそこで霞が関の役人が徹底的にこの委員を論破して、そして骨抜きの案を出してくるんではなかろうか、こういうことを我々はある意味では心配しているわけでありまして、こういう問題についてこれから私は一つ一つ質問をさせていただきたい、このように思います。 まず地方分権論議でありますけれども、これは国会また政府、地方、いろんなところで熱心に論議をされてまいりました。しかし、一方では国民に余り関心が持たれていないということがよく言われております。分権推進については、これはもう衆参で国会決議をしたわけでありますから国会議員は全員望んでおりますし、政府も少なくともこれまでにない閣議決定を行いました。推進法、その内容については私は大変不十分な面があるというふうに思うわけでありますけれども、提出したこと自体は私は画期的なことであろうかと、このように思うわけであります。 それなのに、過去の大制度改革に比べて国民世論の盛り上がりがなかなかない。問題が地味だから、また中央集権になじんだ結果、その改革の意味するところが伝わりにくい。それとも、何年も続いている行政改革や税制改革あるいは政治改革といった国家の根幹をなす制度の大改革が続いたために、徹底した地方分権を推進せよというような国民の声がなかなか聞こえてこない。そんなふうにも思えるわけでありますけれども、政府としてはこういった地方分権に対する国民の世論が盛り上がってこないということについてどのような認識を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 衆参両院において国会決議がなされたということは、やはり国会は国権の最高機関であり唯一の立法府でございますし、また国民の皆さんから選ばれた議員をもって構成するものでございますから、国会決議がなされたということは国民の間に地方分権推進の機運がみなぎっていると、そのあらわれであるというふうに私は認識をいたしております。また、そういう観点から私は国会決議を提唱いたしました。 そしてまた、御指摘のように今日まで数々の改革がなされてきましたけれども、真の政治改革を実現するためには公選法改正だけでは実現するものではない。やはり地方分権というものを推進いたしまして、そうして住民の身近な行政については企画立案、調整、実施まで一貫して自治体が担っていくという体制をつくることこそが本当の意味での政治改革であるという考えを私は持っております。 したがいまして、私は、国民の考え方がどうあるかということについては、あるいは人によってさまざま認識の違いはあるかと思いますけれども、国民の皆さん方はやはり地方分権を熱心に希望しておられる、またそれにこたえるのが我々政治家の任務である、私はかように思います。
○釘宮磐君 政府の認識はともかくとして、私はその原因をずばりと言えば、改革の具体的な姿が見えてこない、雲をつかむような話ばかりで果たして何が実現するのかが見えない、こういったことに原因があるんではなかろうかというふうに思うのであります。 昨日、平松知事が、地方分権とかけてUFO論、地方分権UFO論ということを言っていました。話は聞くけれども姿を見たことがないというような話をしていましたが、私はUFOであってはならないというふうに思います。 先ほど野中自治大臣が政治の決断だというふうにおっしゃいましたけれども、私はかつての各改革というのは政治の決断というものが余りなかったように思えてなりません。したがって、今回は何が何でもこれをやり上げるんだという並々ならぬ決意が必要ではないのか、このように思います。 そこで、推進委員会にかなりの権限を与えているように思えるのでありますけれども、ここであえて私はお尋ねしますが、この法律案は、基本認識として、地方分権に関する基本法としての性格として考えているものなのか、分権推進委員会の勧告を受けて計画を策定する内閣が中身を自主的に決めるようなものだから、審議会設置法としての意味合いが強いと見るべきなのか、この辺については、あえてお伺いしますが、いかがですか。
○国務大臣(山口鶴男君) 私ども予算委員会におきまして同じような御質問をいただいたわけでございますが、私は、この法律を提案いたします前にも、地方分権推進に関する基本的な法律を国会に御提案申し上げたいというふうに答えてまいりました。 御提出いたしました法案につきましては、ごらんをいただけばわかると思いますが、第一条で「目的」、第二条で「地方分権の推進に関する基本理念」、そして第四条では「国と地方公共団体との役割分担」等規定しているわけでございまして、この地方分権推進に関する基本理念、基本方針というものはこの法律案では明確に提示をいたしていると思います。 同時に、地方分権を推進するために手順を一体どうするかという問題もあるわけでございますので、国が地方分権推進計画を策定する、その場合におきましては指針を地方分権推進委員会が御論議の上で勧告もいただく、そうして推進に関しては監視もしていただく、そしてその都度意見の申し出もやっていただくという形のいわば権限を含めた地方分権推進委員会というものもあわせ御提案申し上げまして、基本理念、基本方針をうたうと同時に、地方分権推進の手順、方法につきましてもあわせ御提案申し上げているというふうに私どもは理解をいたしている次第でございます。
○釘宮磐君 これはあえてもう一度聞きますが、私がここであえてこういう質問をしたのは、推進委員会というのがこの法案の中では非常に大きなウエートを占めているんですよ。したがって、推進委員会の設置というものに対して非常に重きを置いた法案なのか、いわゆる地方分権を進めていくための基本法なのか、そこのところをもう一遍答えてください。
○国務大臣(山口鶴男君) 両方であります。基本理念も基本方針もうたい、また手順を進めるための推進機関としての地方分権推進委員会もあわせ御提案申し上げているということでございます。
○釘宮磐君 わかりました。そういう今の答弁の中でこれから私も質問をしていきたいと思います。 私があえてこのことにこだわったのは、衆参の論議を私もかいま見ましたけれども、政府の一貫した姿勢の中に、地方分権は必要である、しかしそれをどのようなものにするか具体的な中身は推進委員会での議論にゆだねる、こういう答弁をずっとしてきているんです。そこのところに私は非常に大きな問題がある。結局、我々国会議員はどこでそれならかかわり合いを持っていくのか、意見を述べていくのかというところが全然見えてこないわけです。あるべき姿、こういうふうにすべきだというのは、もう行革審や今までの累次の地方制度調査会の答申において十分その方向性は出されているわけです。ですから、後はとにかくこれをどう実現していくのかというところが我々にとっては一番大きな問題なのであります。したがって、この推進委員会の審議の内容というものがこれから地方分権が実現できるかできないかということにつながっていくということを私としては一番申し上げたかったわけであります。 そこで私は、総務庁長官、そして衆議院の委員会での村山総理の答弁を見まして、これは村山政権がこれから五年間続くのなら、私は総務庁長官と村山総理の決意にある意味では賛意を送ってもいいと思うんですけれども、正直申し上げてそれまでやっているということはまずないですね。ですから、そういう意味からした場合に、私は、分権を具体的に担保するのはやっぱり法律の一つ一つの文言だと思います。希望的観測のような答弁が非常に多かったわけですけれども、立法府というのは政府の口約束を信じるためにあるのではない、法律が実効性あるものかどうかを吟味する責任があるわけでありますから、これから、時間がもう大分たちましたけれども、一条一条少しお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。 そこで、第一条の推進法の必要とされる理由について見てみますと、「この法律は、国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することの緊要性にかんがみ」とあります。国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することこそがその目的であるかのようにここには書かれてあります。 しかしながら、国会決議ではたしかこのような表現をとってはおりますけれども、その言葉の前に、「さまざまな問題を発生させている東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに」という言葉がありまして、その後に続いたものだったわけであります。この「国土の均衡ある発展」という言葉は一体どこに行ってしまったのか、この前段の言葉がなくなったことには何か意味があるのかどうか、その辺をちょっと教えてください。
○国務大臣(山口鶴男君) 先ほども申し上げましたように、私は、国会等の移転に関する法律、いわば首都機能の移転法案と、こう言っておりますが、これを提案して成立をさせていただいた経験者であります。 したがいまして、私は、東京の一極集中、そして国土の均衡ある発展、そのためには、国会等首都機能の移転ということも断固政治家の決断としてやるべき課題であるという認識のもとにこの法案を提出させていただき、それを成立せしめたわけであります。その考えは、今回の法案提出についても変わりはございません。御指摘の「東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図る」との言葉も、そういった考え方、そういった背景説明の一つとして意味ある内容であるということは十分承知をいたしております。 ただ、法律案ということになりますと、やはりおのずから簡潔に記載をするということも必要だろうと思いますので、お話のございますような考え方を排除するということではなしに、そういった意味も十分踏まえました上で、法律の目的としては簡潔にこのように記載させていただいたということで御理解を賜りたいと存じます。
○釘宮磐君 私は、このあたりにも霞が関ペースで事が運ばれているなという感じを持つわけです。両院の国会決議で並列的に「国土の均衡ある発展」ということが入っているのは、中央集権のもとではどうしても発展にゆがみが出るという認識を示したものであると思うわけです。 政府案はこのような決議、答申、意見書等から考えを引いてきているような答弁を行っていますけれども、その中にあった中央官庁に対するネガティブな表現、概念に当たるものは皆注意深く排除してしまっている、このように思うわけであります。この問題についてこれ以上は申し上げませんが、精神としてそういったものがもしあるとすればこれはゆゆしき問題ではないのかなと、このように思うわけであります。 次に、今回の法案の中で一番議論になっております役割分担の明確化を規定した第四条の問題についてお尋ねをしたいと思います。 政府案で大きな問題だなと思うのは、国と地方の役割分担について規定をした第四条が非常に読みにくい文章だということであります。この国と地方公共団体の役割分担の規定は、その後に続く地方分権の推進に関する国の施策、地方税財源の充実確保、地方分権推進計画、地方分権推進委員会の所掌事務のすべてのよりどころとして明確に規定されております。いわば地方分権推進法という形式の中心に位置する条文であります。その文言は一字一句おろそかにしてはならないと思うわけでありますが、どうも私頭が悪いせいか何度読んでもよく意味がつかめない。これは大変残念なことでございます。もう時間が余りありませんのであえてここで四条は、私は読もうと思ったんですが、もう読みません。 そこで、この条文で国、地方の役割についての規定が本当に明確になっているというふうに御認識をしておるのかどうか、その基本認識についてお伺いしたい。
○国務大臣(山口鶴男君) この法案を提案いたします前に、我が総務庁として所管しております問題では、規制緩和、さらには特殊法人の整理合理化の問題がございました。私は、この二つの問題よりも霞が関に対する震度は地方分権推進法の方がはるかに大きいということを常に言い続けてまいりました。そういう認識で私はこの地方分権推進法を提出いたしたつもりでございます。 そして、御指摘の点でございますが、具体的な役割分担の見直しは地方分権推進計画を立案する過程において具体的には検討していくことになると思いますが、少なくともこの法案の四条でこの基本的な考え方は明確にされている。また、具体的な計画をつくります際の物差しとしては十分この四条で示されておるというふうに考えております。
○釘宮磐君 それでは、確認をいたしますので、国と地方の役割分担についてちょっと答えていただけませんか。四条で言っているところの国と地方の役割分担はどういうことなのかということを答えていただけますか。
○政府委員(陶山晧君) 基本的な考え方といたしまして、国の役割をできるだけ明確化する、その国の役割以外の事務については極力地方公共団体の事務として考える、そういうスタンスに立ってこういう規定をつくったわけでございます。
○釘宮磐君 私がここでお聞きしたいのは、この四条の規定で、どうも私は国と地方の役割分担が明確化されてないというふうに感じるものですから、ですから今そのことをお尋ねしたわけであります。まあそれ以上申し上げません、これからこの後の質問でその辺を明らかにしていきたいと思いますけれども。 ちょっと見ただけでは何となく見過ごしそうなそれらしい表現が実はあるわけでありまして、きちんと意味をとろうとするとよくわからない、これが私の実感であります。例えば「その他の」という言葉がもたらす意味であります。御承知のように、「その他」と「その他の」とは法令用語としては使い分けがなされることを皆さんに対して私は注意を喚起したいというふうに思うわけであります。 第四条の役割分担について、地方制度調査会と同じように、国の事務三項目が重要であるという観点に立って、山口長官はさきの四月二十六日の本委員会での吉川委員の「その他の」というのはどういう意味かという問いに対して、「その他」というのは立法技術的に必要だからつけたのであって、これにウエートを置いて作成したわけではない、このように答弁をしております。これが非常に非合理的な無意味な発言だというふうに思うわけであります。 内閣法制局に尋ねるまでもなく、長官を長く務められた林修三氏の見解、これは日本評論社の「法令用語の常識」十七ページにあるんですが、「その他の」が使われている場合は、「その他の」の前に出てくる言葉は、後に出てくる一層広い意味の言葉の一部をなすものとしてその例示的な役割を果たす趣旨で使われているとしております。これに対し、「その他」という言葉が用いられるという場合は、「その他」の前にある言葉と後にある言葉とは並列関係にあるというのが原則であります。 結局、この「法令用語の常識」に照らせば、今問題にしている第四条の国の役割というのは、政府案では「その他の」の前の事項は単なる例示的な事項であって、本体は「その他」の後にくる「国が本来果たすべき役割を重点的に担い」に係っているということが言えると思います。ということは、主語と述語をつなげますとこの文は、国においては国が本来果たすべき役割を重点的に担うというだけの意味しかないことになるのではないかということであります。前の三つの例示で何となく限定がなされているように見えるわけですけれども、ここには例示ではあっても限定の意味はない。ほかのどんなものでも国が本来果たすべき役割だということになれば、それは国の事務だということになってしまう。どこまでいっても「国が本来果たすべき役割」以外には国の役割を限定する言葉は見当たらない。 我々はその役割分担が明確にできる言葉を必要としているのですが、政府案の文言はその期待に背くものではないかというふうに思うわけですけれども、政府の再度の見解をお聞きしたい。
○政府委員(陶山晧君) ただいま釘宮先生御指摘のございました「その他の」という法令用語の意味、内容につきましては、私どもも御指摘のとおりと理解をいたしております。ということは、国の役割として記述をいたしております三つのケース、これはいずれも例示としての意味を有するものであるということでございます。 ただいま御指摘の点でございますが、複雑多岐な行政事務につきまして、それを法案の規定の上ですべて厳密に仕分けをするというのが必ずしも現実的ではないと考えております。また、大臣からも御答弁がたびたびございましたように、国会の審議権との関係におきましても誤解を招く要素があり得るというふうにも考えております。 いずれにしても、法案の国の役割の具体的な例示として掲げておりますことにもちろん限るわけではございませんけれども、個別具体的に例示以外の事務については吟味をし、検討した結果、国の役割あるいは地方の役割ということの結論が得られるものであるというふうに考えているところでございます。
○釘宮磐君 そうすると、今まで答弁をしてきたことと違ってくるんですね。 同じく二十六日に、これも吉川委員が質問をしたわけでありますが、何を移譲するかを法文に書かなければ委員会に白紙委任的にゆだねることになり、それ自体は大変なことになるんではないかというふうに質問をいたしました。そのときに長官は、そう思う、だからこそ二条、四条で記述しているのであって、こうしたことを踏まえ、委員会が有識者で議論し、政府が計画を策定するのだということで、二条、四条でこれはある程度限定的に言っているんだというふうに答弁しているんですね。 これは、三月十六日の衆議院での委員会の答弁、社会党の畠山委員の質問に対して答えているんですが、「国の存立にかかわる事務は、これは国の事務、それから統一的ルールを示した方がいいものについては、これも国が扱うべきもの、国が統一的な一つの方針を示して対処すべきものについても、これは国が扱うべき事務でいいのではないか。」「明確にお示しをいたしました。」、こういうふうに書いてあるんですね。これはどういうふうに理解をすればいいんですか。
○国務大臣(山口鶴男君) 第四条に三つ項目がずっと書いてございます。これを例示的に示したということでございます。
○釘宮磐君 例示的に示したということになると、これは全く委員会にそれでは白紙委任で出すということになりかねないというふうに私は思うのでありますけれども、再度申し上げますけれども、先般の同僚議員の質問に対して、白紙委任はしない、だからこそ二条、四条で記述しているのであってということを言っているわけで、二条、四条に国と地方の役割をはっきりとこれは言っているんだということを言っているわけですね。だから、ここのところは非常に矛盾があるというふうに思う。私はこういった問題が実は、長官のその気持ちはわかりますよ。だけれども、これは役人が非常に頭がいいですから、こういうところを最後は盾にとってまたこれは押し戻されてしまうということを私は心配しているんですよ。だからそこのところを長官に、もう一度答弁をしてください。
○国務大臣(山口鶴男君) これは、二条で基本理念、そして第四条では具体的な物差しを示したわけでございまして、私はこれは地方制度調査会が答申をいたしましたものをやはり踏まえている。そしてまた、地方六団体から私どもにいただきました意見というものも十分参考にいたしまして、政府内で議論の結果、このような条文でもって御提案を申し上げた。したがって、国が行うべき事務というものはおおむねこういう事務ではなかろうかということをやはりこの四条は示している。そうして、そういったものを踏まえて村山内閣としては地方分権を推進する。そうして、村山総理は地方分権の推進に大きな熱意を持って対処しておられる。私もその意を受けて、特に地方分権推進委員会というものを設置いたします場合には、この委員会の権限を十分明確にしなきゃいかぬ。 分権大綱では、御案内のとおり「意見」という言葉だけしかなかったのでありますが、これではやはり十分ではない。この「意見」の中には勧告もあるし、そして監視もあるんだということを私も自治大臣も強調いたしました結果、条文としてはこのような形の条文を御提案申し上げたということでございまして、熱意はわかると、こう言っていただいて大変うれしいわけでございますが、そういう熱意で私ども提案いたしておる。そうして、地方分権の推進に熱意のある方がこの委員にもなっていただく。また、政府としては地方分権推進に熱意を持って計画を策定しようということでございますから、私はこれらの問題を総合的に判断いたしました場合、御懸念は承りましたけれども、我々としては地方分権の推進はこれでもって全力を挙げて進めることができるのではないか、またそのように考えておる次第でございます。
○釘宮磐君 これは非常に大事なことなんですね。私は、正直なところ多分ここにおられる委員の皆さん方も、こういう文言で、今も実は局長と長官の認識は私はもう明らかに違っているというふうに思うわけです。この辺のところは、やっぱりこれから委員会等で当然この推進についての計画案を審議し、また答申をしていくわけでしょうけれども、その中で十分この議論を私は踏まえていただきたい、このように思います。 こうして見ると、第四条は非常に問題が多いというふうに思います。政府に問いたくなるわけでありますけれども、法文として読み方すらわからないようなものを出していいんだろうかというふうに思うわけです。少なくとも義務教育を受けた人間が一義的にそれを読めなければ法文としては私は失格ではないか、このように思うわけであります。この第四条は、先ほど述べましたように推進法全体のかなめの位置にあるにもかかわらず言っていることが非常に超自然的で神秘的である、秘術的だと、私はこれは大変な問題だというふうに思うわけでございます。 私は四条があいまいだという指摘を申し上げたわけでありますけれども、四条があいまいだったらどうなるのかということであります。 例えば第五条「地方分権の推進に関する国の施策」では、四条の役割分担のあり方に即して、権限委譲、国の関与、必置規制、機関委任事務及び国庫支出金の整理合理化、その他所要の措置を講ずるものとすることになっています。もし四条の役割分担のあり方が今のように不確定なものであるとするならば、こうした整理合理化の基準は失われてしまうことになるわけであります。 例えば地方税財源についても、役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図ることとされていますが、役割分担があいまいでは財源確保も見通しが暗くなる。あるいは推進計画は四条をベースとする分権の基本方針に即して定められるということだから、それがあいまいだということはあってはならないというふうに思うわけです。 地方分権推進委員会は、その推進計画の具体的指針のために調査審議し、総理に勧告をするのでありますから、あいまいな規定をほとんど唯一の根拠としてこれから霞が関の省庁の理論武装に対して対峙していかなければならないということであります。 ですから私は、そういう中での結果が非常に心配になるわけでありますけれども、ある意味ではこの法案でそれなりの道しるべ、また限定できる部分については限定をして、そして推進委員会にこれをゆだねるということにすべきだというふうに思うのでありますけれども、その点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 第四条では、「住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理するとの観点から地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を広く担うべきことを旨として」ということを明確に規定いたしている次第でございます。 したがって、国と地方の役割分担のあり方につきましては、国としては内政に関する役割は思い切って地方公共団体にゆだねまして、国が本来果たすべき役割を重点的、効果的に担うとともに、地方公共団体は地域における行政を自主的、総合的に担う行政システムの変更が求められているということを法律で明らかにいたしていると認識をいたしております。 第四条はこうした考え方に立っておるわけでございまして、先ほどお答えもいたしましたが、地方制度調査会初め各方面の意見を十分参考にして、閣議において決定をいたしました地方分権大綱、それを議論する過程でこの法律案を作成したということで御理解をいただきたいと思います。 したがいまして、先ほど御指摘のありました権限の委譲、国の関与、必置規制、機関委任事務、これらの問題は、今申し上げた第四条の役割分担をきちっと踏まえました上で我々としては整理合理化を積極的に進めていくということでございます。
○釘宮磐君 どうも議論がかみ合いません。今の議論の中で私が申し上げたいのは、ある程度国と地方の役割を限定的に大まかでもいいですから道筋を決めて、そしてそれでいわゆる推進委員会にゆだねないと結果的にまた霞が関の官僚の皆さん方にこれを論破されてしまう、このことを私は一番心配をしているわけです。これはもう私は質問の最初からそのことを言っているんです。 私は、ここに一九九二年、平成四年一月十日付の自治日報というのがあるんですけれども、例のパイロット自治体制度のときのいわゆる豊かなくらし部会の報告書というものが、これは幻の報告書としてここに出されているわけですね。この中には「国の機関に配分すべき事務」、「パイロットに移管する権限」、「パイロットに一般財源化する補助金」、こういうようなものを権限五十八件、補助金八十五件をリストアップして、そしてこれをパイロット自治体へ移管するという報告書を出していたんですけれども、これが結局は省庁の反論が強くて幻に終わっているということがあるわけです。 私が申し上げているのは、推進委員会が霞が関の官僚と対等に論議していく、そしてそれを実現していくということが担保されるためには、やっぱり法律でそれなりのものをつくってやらないとそれはなかなかできないということを私は申し上げたいわけであります。その点についていかがですか。
○国務大臣(山口鶴男君) 私は、衆議院でもお答えしたんですが、地方分権推進の担保は一体何かと問われましたので、国権の最高機関たる国会、衆参両院における地方分権推進の国会決議、これが最大の担保である、この国会決議というものの政治的な意味はこれは法律よりも重たい、こう言って差し支えないと思うんです。また、そういう立場で私は今日まで議会人として国会で対処いたしてまいりました。 したがって、お話がありますように、これから地方分権推進委員会がさまざまな議論をするでしょう。そして、勧告もするし監視もするでしょう。その場合、国会はただ座して見ているということではなくて、その都度やはりこの分権推進委員会の議論のあり方について当然国会で、このような特別委員会も引き続き存置するかどうかはこれはまさに院がお決めになることですから私がとやかく言うことではありませんが、特別委員会が存置されれば特別委員会で、あるいは特別委員会がなければ関係の常任委員会等で十分御議論をする機会というのはあると思いますし、そういう際には国会決議というものを踏まえて国会はさまざまな御意見、御指摘をされるに違いないというふうに思います。 したがいまして、今御懸念についていろいろお話がありましたけれども、少なくとも国会決議が現存する限り、そしてまたその上に立って国会が国権の最高機関としてきちっとした御議論をされる限り、私は地方分権の推進というものは必ず推進される、かように政治家として議会人として確信をいたしている次第であります。
○釘宮磐君 今もまた委員会が決めるという言葉をいみじくも言われましたね。要は、地方分権を推進していくのはこの推進委員七人だけですべてを決めていくんですか。そうじゃないでしょう。そういう意味で、国会とのかかわりであるとか、そしてまた我々政治家。委員七人というのは、これは国民が選んだ人じゃないんですよ。そうでしょう。我々は国民から選ばれているんです。だから、我々が実はある意味ではそのイニシアチブをとらなきゃいけないんですよ。にもかかわらず、委員会でのいろんな報告をまた国会にしてもらうことになる、まあそれは委員がお決めになることですがと。これはすべて委員が決めます委員が決めます、これで本当にできるとお思いですか。 もう私は時間がありませんので、この問題を指摘して終わりたいと思いますが、最後に、この委員会が公開になるのか非公開になるのかということ、これもまた委員会が決めるんですか。 きのう地方公聴会で平松知事が、この委員会の地方公聴会をやってくれという話をしていました。これは絶対に私はここであえて言っておきたいと思うんです。これがやっぱり委員会の七人の人たちと、そしてそこに取り巻く霞が関の皆さん方だけで密室の中でやられたら、我々はこれは絶対できないと思いますよ。 ですから、これを広く公開をしていくことと、我々がどこでこの委員会との接点を持つのか、そして地方の人たちの意見をこの委員会はどうくみ上げていくのか、そういうようなことを私は絶対に明確にしていただきたい、このように思うんです。これは最後に野中大臣、ちょっと答えてください。
○国務大臣(山口鶴男君) これは私は、先ほど強調いたしましたのは、まさに国会が国権の最高機関として地方分権推進委員会の活動に関しても十分な議論をすることができるでしょうし、また政府が策定する地方分権推進計画についても十分な御議論をし、御指摘もいただくでしょうし、またその結論については法律案として国会に提案するわけですから、まさに国会がその法律をどうするかということでは御議論の上決定をいただく。すべてやっぱり国会というものが、まさに国民の皆さんから選ばれた我々国会がこれらの問題についてはきちっとした監視監督をやっていくんだという原則は、これは議院内閣制としてきちっと踏まえてよろしいんではないでしょうか。私はそれが一番の担保だということを申し上げている次第であります。 決して地方分権推進委員会にすべてお任せするというようなことを私は言っているわけではございません。政府としては計画を立てる、そして国会はさまざまな監視、御議論をいただくということだと思います。そして、地方へ行って地方のさまざまな御意見を承るという運営は、必ず私は地方分権推進委員会はやっていただけるものというふうに確信をいたします。
○星川保松君 いろいろと今まで論議をしてきたわけでありますが、どうもだんだんかすんできたようで、具体的な姿が見えてこないような気がしてならないわけでございます。それは、我々が立法府としてやらなければならないことは、具体的な地方分権の作業を進めていく推進委員会の少なくともはっきりした向かうべき方向、それと作業のプロセスの中でとるべきいわゆる原理原則、これだけはきちんと具体的に示して、そして推進委員会の皆さんに仕事をしてもらわなければならないのではないか、こう思っておるのでありますが、その向かうべき方向ととるべき原理原則がどうもはっきりしてこないわけでございます。 それで、この地方自治、どういう地方自治を我が国で打ち立てるかということでありますので、これは極めて具体的な作業になるわけなんですね。具体的な作業の目標と原理原則というのはやはりもっと具体的でなければいけないんじゃないか、こう思うわけです。 地方自治というのは世界各国にいろいろな形で現存しておるわけでありますので、その現存する各国の地方自治の大体どこの国の地方自治のあたりを目指しておるのかということでもお二人の大臣に示していただければ、もう少し我々もはっきりした向こうが見えての論議ができるんじゃないか、こう思うわけなんです。 それで、私は二つの例を申し上げたいのでありますが、いわゆる大きな国としての地方自治、それはアメリカだと思うんですよ。地方自治と国のあり方というのは国の成り立ちに関係がある、こう思うのでありますが、アメリカの場合はいわゆる開拓者が植民地をつくった。一七三三年までに大西洋岸に十三の植民地をつくったわけですね。それで、独立戦争をやって、その後にいわゆる十三州が連合規約をつくって連邦国家をつくったという歴史があるわけですね。 それでこの際に、この連合規約の第二条に、各邦、州とも言いますが、それがそれぞれ主権を持っているんだと。その主権をお互いに譲り合ってこの連邦国家をつくったということで、主権を持っている地方の団体がお互いにその主権の一部を譲り渡してそして連邦政府をつくったということで、いわゆる国の、その連邦国家としての権限というものは初めから限定されているわけです。ですから、地方分権じゃなくてその逆の、国への分権のような形でできたわけですね。それがいわゆるアメリカの地方自治の特徴なわけなんです。 そして、今度は小さな国の例としてはスイスの例があるわけでありますが、アメリカの場合はまだ二百年ちょっとしかならないわけですけれども、スイスの場合はもう七百年ほど前に、原始三邦、三つのいわゆるカントンと言うんだそうですが、これが主権を持ち合って、その原始三邦で永久同盟を結んで連邦国家をつくったんですね。その後にどんどん入ってきて、一三一五年に八邦が加盟して八邦同盟をつくった。その後に十三邦にこれがふえていった。それで十九邦になって、現在は二十三邦になって連邦国家をつくっているわけですね。このスイスの憲法を見ましても、各カントンが主権を持っているんです。そして、その主権をお互いに出し合ってスイス連邦共和国をつくっているわけです。 これは連邦国家の場合で、我が国の場合とは全く歴史的に違うわけでありますけれども、やはり地方が主権を持っているというのがいわゆる地方自治の最も何といいますか徹底した形なわけですね。だから、我が国が今、明治維新から百三十年たって、地方が主権を持っているような地方自治、それにいかにして近づくかということだと思うんです。 ですから、どの国のどういう状態のあたりを両大臣が想定しているんだよということをお話し願えれば、私たちの具体的なイメージもああそうかということになって、それでUFO論まで出ているような、声は聞こえるけれども姿は見えないということはよほど解けるんじゃないかと思うんですよ。そういう意味でお二人の、大体こういう国のこういう自治体と似たものとか、それに近づくとか、そういうことをひとつお示しを願いたいと思います。
○国務大臣(山口鶴男君) 明治維新のときはその前に二百三十ばかりの藩がございまして、廃藩置県という形で明治政府が近代化を進めるためにまさに世界でも類例を見ない中央集権的な国家をつくり今日に至ったという歴史があろうと思います。したがいまして、今日までの我が国の歴史を見ますと、アメリカ、イギリスのような、初めに州ありき、初めに邦ありきと、そこから権限を出し合ってそして連邦政府をつくったという形とはやはり我が国の場合は違っているということは認識しなきゃならぬ、かように考えておる次第であります。 しかし、私どもといたしましては、今までの歴史はともかくといたしまして、これからはやはり、これだけ成熟いたしました社会、そういう中で住民に身近な行政は、企画立案、調整、実施に至るまで一貫して自治体が担うということが必要であると思いますし、そういう意味で各自治体がそれぞれ多様な住民の意向に沿った自治体づくりに励んでいただくということが今必要な時代であるというふうに認識しておりますので、できる限り自治体の自主性というものを尊重し、先ほど申し上げたような自治体の自主性、総合性というものを尊重した形の国づくりをいたしてまいりたい。 やはり国は、それぞれの歴史を踏まえた上でそれぞれの国民が選択する問題でありますから、どこの国をというのは私としてはいかがかと思います。我が国は我が国として、今申し上げたような本当に住民の幸せを守るための自治体を中心とした国づくりをやるべき段階に来ているし、そのことに我々は邁進をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から、アメリカ及びスイスの例をお引きになりながらそれぞれ地方自治制度のあり方についてお話があったわけでございますけれども、もちろんそれぞれの国には国が成り立ってきた政治、経済、社会状況などさまざまな制度があり、一国の制度がそのまま他の国のそれぞれの制度に当てはまるものではないと思うわけでございますけれども、それぞれ世界の諸外国が先進的に歩んできた制度というのは今後も十分参考としながら我々の地方自治に生かしてまいらなくてはならないと思うわけでございます。 先ほど釘宮委員からそれぞれ具体的な御指摘がございまして、そして国会の両院の決議を初めとして、分権が大きな具体的な像として、今日、法案審議まで至ってまいったわけでございますけれども、先ほどの御指摘のように、本当にこれが革命的な地方分権として実現し得るかどうかということについて、一人の政治家として、過去を振り返りながらなお私自身不安を覚えておる一人であります。 それは、かつて米の市場開放において国会決議が三度なされました。けれども、一瞬にして何一つ手続、手順を踏むことなく葬り去られたことをむなしく思い返すときに、私は今回のこの事象を、分権についての手続を考えますときに、衆参両院における決議を初めとして、さらに行政改革推進本部の分権部会の答申、地方制度調査会の答申、あらゆる手続を踏んで大綱が定められ、今回の法案の御審議になり、さらに衆参両院における特別委員会の設置を経てこの法案審議へとまいったわけでございまして、その意味におきましてはこれほど手順、手続を踏んだ法案はないと思いますだけに、これをより実りあるものにしていかなくてはならないと思うわけでございます。 今、星川委員がおっしゃいましたように、そういう中におきまして各国の制度自身をも十分参考にしていかなくてはならないと存じておるところでございます。
○星川保松君 世界の先進的な地方自治の制度をひとつ十分に学んでいただいて、立派な地方自治制度を目指していただきたいということを要請しておきます。 次に、具体的な地方分権の仕事は推進委員会の方で進めていくわけでありますが、この作業を進めていく上において環境整備をきちんとやりませんと、思ったようにこれが進まないという心配があると私は思います。先ほどからもお話が出ておりますように、既得権限としてそれを守り抜いてきた中央省庁の霞が関の抵抗というものは、これはやはり侮りがたいものがあるというふうに思います。これは推進委員会ではどうにもならないことでありますので、やはり政府としてもきちんとこの抵抗を排除する、そういう作業をやっていかなければいけないと思うわけでございます。 ただ、排除すると言いましても、これは例えば国の権限が地方に移譲される、権限が縮小されるわけでありますから、それによって自分たちの仕事がなくなる、職場がなくなるということの心配は当然出てくるわけでありますから、それに対する配慮も十分していかなくちゃいけないと思うわけです。 それで、例えば地方に権限も行く、当然それに基づいて国家公務員が今度地方公務員としてそっちの方に人材が移動するということも考えていっていいと思うのでありますが、そういうふうになった場合、この間国土庁ですか、何か調査をした。そうしたら、地方に行ってもいいけれども給料が安くなるんじゃないかとか、いろいろな心配をしているということが出ておりました。 ただ、私は今、国家公務員の皆さんの中にも都市の生活などに疲れを覚えてむしろ地方に行きたいという方もかなりいるんじゃないかと思うんですよ。例えば家族の中にアトピーとかぜんそくとかあって、ぜひ地方に行きたいなんという有能な国家公務員もいっぱいいるんじゃないかと思うんです。だから、そういう人は権限とともに地方に移っていただくということを制度的に考えていけば、そうすれば私はいわゆる要らざる抵抗は余りしないのじゃないかというふうなことも考えるわけです。ですから、そういうこともいろいろ施策をやりながら抵抗しないようにしていくということが大事だと思うんですが、これについてはいかがでしょう。
○国務大臣(山口鶴男君) 御指摘のことは十分考えなければならぬ問題だと思います。 当然、中央政府は私は小さくなっていくと思いますが、権限を移譲された地方公共団体の方はより役割は重たくなっていくということであろうと思います。そうなれば、現在中央官庁にお勤めの国家公務員の皆さんが地方へ行って、そして懸命に働くということはあってしかるべきだと思います。ただ、地方へ行ったらそれを足がかりにまた中央へ戻ってというようなことではなく、そういう人が幾らかあっても私は差し支えないとは思いますけれども、できれば中央官庁から自治体へ行きました方は、その地域にやはり骨を埋めるような決意で地域の振興のために全力を尽くすというような方があってしかるべきではないだろうかというふうに考えております。
○星川保松君 それから権限の移譲に当たっては、今のままで考えますとやっぱり国と地方というのは完全に上下関係になっているわけですね。それで、市町村の場合は、何か難しいことがあると自分の頭で考えようとするよりはそれはもう県の方に問い合わせをした方がいいわけです。余計なことを自分たちで考えて後でまた文句を言われたんではたまらないわけですから、どうでしょうかと聞くわけですね。県は県でまた国の方に聞いてやっているわけですよ。だから、完全に縦型の上下支配関係が今でき上がっているわけですね。 こういう観念の中にすっぽりと入ったままいわゆる権限の移譲ということになりますと、片方はこれやるよ、受ける方は何をくれるんだろうというような上下関係で、これはやっぱりいろんな不信感があるんですよ。地方の方は、私が自治体の関係者の皆さんに、今私ら一生懸命分権の仕事をしていますよ、論議をしていますよと、こう言いますと、本当に権限をよこすのかと半信半疑なんですね。それからもう一つは、それはよこすのはいいけれども、自分たちで厄介なものばっかり押しつけてよこすんじゃあるまいかとか、それから仕事だけよこして金つけてよこさないんじゃあるまいかとか、いろんな不信感があるんですよ。 ですから、まずこの上下関係というものをここで一切御破算にして、それで対等の立場で国と地方の権限の分け方についてひざを突き合わせて話し合いましょうという場をつくっていかないと私はうまくいかないと思うんですが、このことについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のとおり、現在、今日まで歩んできた中央集権的な制度の中におきましては、委員が御指摘になりましたような市町村は県を向き県は国を向くという、そういう形態があることは否めないと思うわけでございますけれども、そういう中におきましても、今日、私は着実に地方公共団体の能力が向上をしてきておることは正当に評価をするべきであると考えておる一人でございます。 それに加えまして、今回、地方分権が推進をされていく上におきましては、確かに委員がおっしゃいますように、また先ほども釘宮議員から御指摘がございましたように、この分権が具体的にどのような形であらわれてくるのかというのがまだ国民には伝わっていきません。それだけに、国民の中にある意味においては肌に伝わってくる熱意がないじゃないかと言われたら、私はそのとおりだと思います。 それは具体的な像が見えないからでございまして、私どもは分権推進委員会の勧告を得ながら、なお国会のまた御支援を得ながら、具体的な像がそれぞれ税財源を含め、機関委任事務の整理統合を含めて、そして真に地方が地方の課題を担い得る体制というものができ上がるようにしてまいらなくてはならないと存じておるところでございます。
○吉川春子君 法文の七条関係についてお伺いをしたいと思います。 七条には「地方分権の推進に応じた地方公共団体の行政体制の整備及び確立を図るものとする。」となっていますけれども、これは地方分権による国の事務の地方移譲の受け皿として、地方自治体の合併とリストラ、地方の行政改革の推進も含むものと解せられますけれども、これが地方分権を推進する前提であってはならないと思うんです。こういうことをしないと分権をしない、権限移譲をしないということであってはならないのではないかと思うわけです。 地方公共団体の行政体制の整備及び確立を図るという仕事は、地方公共団体に対する行政の介入とか強力な指導のもとに行われるものではないと思うわけです。もし地方公共団体においてそれらのことが行われるにしても、あくまで団体自治、住民自治の立場が貫かれなくてはならないのではないかと思いますが、まずこの基本的な問題について、そういうふうに法文も解せられるのではないかという点について確認をしたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) 分権推進法の七条の関係でございますが、御案内のとおり、地方分権の推進ということにつきましては、もとより地方への権限移譲等国の側の努力ということが必要でございますが、あわせて地方公共団体におきましても、そういう新たな地方公共団体の役割を担うにふさわしい地方行政体制の整備、確立を図るということが必要であるということからこの法文が置かれているわけでございます。 そこで、この法七条で地方公共団体の行政体制の整備、確立について規定をしておりまして、ここにございますような行財政改革の問題とか行政の公正の確保と透明性の向上、住民参加の充実のための措置その他必要な措置ということに規定しているわけでございます。
○吉川春子君 質問に答えていただきたいんですけれども、要するにリストラとかあるいは合併とかそういうことが先にあってそして権限移譲が行われる、そういう体制の確立というその内容ですね。自治体リストラの推進とか自治体の合併とか、こういうことを国のというか、行政の強力な指導のもとにまず行ってそれから移譲だと、こういうことであってはならないと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(野中広務君) おっしゃるとおりだと思っております。
○吉川春子君 それで、昨年の十月、自治事務次官の地方公共団体における行革推進のための指針の策定について、それから自治省行政局長名の地方公共団体における定員適正化計画の策定について、二つの通知文書が出されましたけれども、国が地方公共団体にこういう指導をするということ自体、私は地方自治への介入だと思うんですね。どういう根拠に基づいて発せられたものなのか、あるいはこの二つの通知、通達ですか、これの法的な効果はどういうものなんでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(吉田弘正君) 昨年、私ども地方公共団体の行政改革のための指針について各地方公共団体に通知をいたしたわけでございますが、これは地方分権の推進が時代の大きな流れとなっておりまして、そして地方団体の役割がますます重要になっているということにかんがみて、さらには現下の地方行財政の状況が非常に厳しいというようなことを踏まえて、自治省といたしましては、地方公共団体がみずからの問題としてそのことを自覚して、各地方公共団体が簡素で効率的な行政の確立に向けて自主的、積極的に行政改革を進めていくことが必要であると考えまして、そういう指針を策定いたしまして地方公共団体に通知をいたしたところでございます。それぞれみずからの問題として自主的に取り組んでいただきたいというふうに考えているところでございます。 そして、この根拠といたしましては、地方自治法二百四十五条にございますように、自治大臣は「普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に資するため、普通地方公共団体に対し、適切と認める技術的な助言又は勧告をすることができる。」という規定がございますので、この地方公共団体における行政改革推進のための指針についても、この規定を根拠に地方公共団体に通知をいたしたものでございます。
○吉川春子君 こういうことをやりなさいと強力に行政指導をするということですね。
○政府委員(吉田弘正君) 二百四十五条の規定がございますが、助言、勧告をすることができるわけでございますが、法的にはそういうことでやりまして、先ほども申しましたように、地方公共団体が新たな時代を迎えて役割が非常に重要になるわけでございますので、そういうことをみずからの問題として自覚して、自主的、自立的にこの問題に取り組んでいただきたいということで通知をしたものでございます。
○吉川春子君 この通知に先立つ六月十三日に自治省は、「新しい地方行革の推進について—地方行政のリストラ素案—」を発表しているわけですね。 ここで言うリストラというのは、民間企業が盛んに行っております人減らし、賃金抑制、工場海外移転など、こういうことをリストラと称してやっているわけですけれども、地方公共団体も民間企業に倣って職員を削減し、残業を抑制し、公共料金の引き上げや民間委託による増収を図るということだとすれば、それは地方公共団体の役割を忘れた、結果として住民犠牲につながりかねない問題だというふうに私は思います。 私は埼玉県に住んでおりますけれども、埼玉県下の市町村でもリストラが盛んに行われていますが、幾つかの自治体では時間外勤務手当削減のために、時間外勤務手当の支給を受ける係長以下にかわって手当の支給を受けない部課長に休日出勤などを行わせているわけなんです。 それで、これは幾つかの市でこういう案を出しているんですけれども、実際に新座市においては実行しておりまして、市税徴収対策班、公共料金見直し対策班、民間委託見直し班、こういうものを設けておりまして、超過勤務の削減及び管理職による臨宅徴収が昨年の四月から実施されております。 そして、市税徴収対策班では、管理職が五月と八月の土曜日と日曜日、それからことしの二月十一日の土曜日にそれぞれ班を六班か七班つくりましてそして滞納のところを回って、昨年は千三百二十七軒を回り五百二軒から三百三十六万五千円を徴収した、ことしは五十九名で六百九十五軒、百二十七万四千四百円を徴収した、こういうことがやられているわけです。 そしてまた蕨市では、残業代を年間三百万円浮かすために、日曜日のいろいろな業務をやはり時間外勤務手当のつかない人たちにやらせている。こういう実態があるわけなんですけれども、これは要するに、時間外手当を支払わない、ただ働きをさせて経費節減を図ろうとするもので、地方公共団体としてあってはならない大問題だというふうに思います。 そこで、自治省に伺いますけれども、管理職手当が支払われる、時間外手当を支払わなくてもよい地方公務員の管理職の範囲について、昭和三十六年八月十六日付の大阪府総務部長あて自治省公務員課長回答の行政実例は、労働基準法四十一条第二号に規定する「監督若しくは管理の地位にある者」とすべきものと解するとしていますが、こういうことで間違いありませんか。
○政府委員(鈴木正明君) お話のございました管理職でございますが、地方公務員における管理職につきましては基本的には労働基準法と同じ考え方でございまして、国家公務員と同様に、管理または監督の地位にある職員が一般的には管理職、こういう考え方でございます。
○吉川春子君 労働省に伺いますけれども、労働基準法で言う管理監督者について労働省は、企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上の役付者であればすべてが管理監督者として例外的な取り扱いが認められるというものではない、それから役付者のうち、労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限って管理監督者として認められる、そしてまた個々の労働者の職務内容により実態的に判断すべきものである、こういうふうにされていますけれども、こういうことですね。
○説明員(石川透君) ただいま先生が申されましたことは、私どもの行政の解釈通達に書いてあるとおりでございます。
○吉川春子君 自治大臣、今のことをちょっと踏まえましてお伺いしますけれども、今自治省と労働省から答弁されましたように、結局、管理職について、自治省、労働省の解釈でも個々に判断することになっていますけれども、具体的な職務内容について判断すべきであるとなっているわけですね。 結局、時間外手当を払いたくない、それを浮かせたいということで、すべて管理職手当が払われている人たちを日曜日に動員して、そして本来違う人がやるべき職務につける、こういうようなことは非常にゆゆしい問題だと思いますけれども、私はこういう問題についてぜひ是正をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(鈴木正明君) 大臣御答弁の前にちょっと事務的な御説明をさせていただきたいと思いますが、管理職は、今お話ございましたように、その職務の特殊性あるいは勤務形態の特殊性ということで、職員の指導監督に当たる、あるいは業務の運営管理を行うということで、また仕事の仕方も必ずしも勤務時間というものにとらわれないで仕事を行う、みずから決めて仕事をする、こういうような特殊性がありまして管理職ということが言われるわけでございます。そういった面での実態を反映するという考え方でございます。 それで、地方公務員法上の管理職は基本的には国家公務員の取り扱いに準ずるということで来ておりまして、今お話しの支給対象範囲の問題とか支給率等も含めまして、国家公務員の場合は俸給の特別調整額、こう言っていますが、それとほぼ同じような考え方で定めるのが適当である、このように私どもは指導しているところでございます。
○吉川春子君 大臣、実態は今申し上げたように自治省がリストラせよという通達を出した、その前から自治体としてはそういう時間外手当の削減ということでそういうことをやっているんですけれども、それが今指摘したような問題点があるんです。こういう実態をぜひ是正していただきたい、そういう質問を申し上げたんですけれども。
○国務大臣(野中広務君) 自治体経営について吉川委員から一つの側面だけを御指摘になったと私は理解をするわけでございますけれども、しかし、今日、地方財政が非常に厳しい環境にありますときに、残念ながら、地方公共団体の給与そのものを眺めてみましても、比較的衛星都市等におきまして国家公務員を超える給与を支払っておるところもあるわけでございますので、私どもはやはり国において、地方財政を適正に確保するためには地方公共団体みずから適正な運営をしていかなくてはならないということを基本にして今日まで地方公共団体の指導にも当たってきておるところでございまして、先ほど御指摘がございましたように、管理職の諸君がそれぞれまた滞納等を徴収するために頑張ってきてくれておるということは、地方団体を経営する上において非常に私はむしろうれしいことであると考えておるのでございます。 それは単にいわゆる管理職手当をもらう人を使うことによって超過勤務手当を払う職員の労務をなくするということでは私はなかろうと思うわけでございまして、地方公共団体を担うべき責任ある立場の者ができるだけ休日等を利用しながら徴税等を行うというのは、非常にこれからの地方団体のあり方としても私はやっていかなくてはならないことであると思うわけでございます。 もう三十数年前になりますけれども、私も小さな町の首長をやっておるときに、年末の休暇のときに私自身町長としてその先頭に立って管理職の諸君とともに滞納の家庭を回ってお願いをした経過もあるわけでございます。善良な納税者にこたえるために、滞納をしておられる方に我々が先頭に立ってお願いをしていくというのは、地方公共団体のこれからのあり方としても私はやはり進んでやっていくべきことではなかろうか。 ただ一面、職員の給与については適正に支払っていかなくてはならないということも自治体経営のまた責任の一つとして認識をしていかなくてはならないと存じております。
○吉川春子君 地方公務員の残業を減らすということは大切なことなんです。つまり、夜九時十時まで明かりがこうこうとついて残業が行われている。そして、非常に在職死も多いし過労死も多いということも委員会でも指摘されていると思います。だからこそ、国の政策として時短という問題と取り組んできたと思うんです。 そして、土曜日も休日になって、週休二日という制度も内閣を挙げて、外圧という問題もあったかもしれないけれども、内閣を挙げて取り組んできた。それを土曜日や日曜日に出勤させて、そして管理職だから時間外手当は払わなくていいからということでそういう徴税の仕事をさせる、あるいはその他の仕事をさせる、こういうことが、山口長官、果たしてよろしいんでしょうか。あるいは自治大臣、果たしてよろしいんでしょうか。私は、これは内閣の時短の方針とも反するというふうに思うわけです。そして、本当に残業をなくすというんだったら、それは仕事があるのに職員の数が少ないから残業になるし日曜出勤もしなきゃならないわけだから、やっぱり適正なる人員配置というのが必要なんじゃありませんか。 それで、今後地方にたくさん権限を移譲する、仕事の量もふえるんだと先ほど来お話がある中で、しかしこういう形でないとその業務が消化できないとすると、本来の意味で権限を移譲する気持ちがあるのかどうか、そういうことにもつながっていくんじゃないでしょうか。 これはいろんな問題が含まれていますけれども、徴税問題についてきちっとやるということと、時間外を浮かせるために管理職を日曜日、土曜日も動員させてやるということを肯定的に答弁されるということ、ここは絶対に納得いかないと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(山口鶴男君) 総務庁は、国家公務員の人事行政全般について責任を持っております。そういう中で、時間短縮、週休二日、それを推進するために総務庁としては今日まで努力をいたしてまいりました。 地方公共団体の問題につきましては、これは自治省の方で取り扱っておるわけでございまして、私の方でとやかく申し上げることは差し控えたいと存じます。
○吉川春子君 要するに、仕事がたくさんある、それで残業料を払わないようにするために管理職をそういう形で使うということがいいのかどうか。本当に仕事があってそれを消化しなきゃならないとすれば、適正に人員を配置してやらない限り分権推進ということもできないのではないかと思います。その点については、山口長官、これは地方公務員の問題というよりは、そういう問題についていかがですか、勤務体系の問題としてではなくて。
○国務大臣(山口鶴男君) まさに憲法で言う地方自治の本旨の問題だと思います。 私どもといたしましては、国家公務員ではそういう時間短縮、週休二日、その推進をやっているわけでございまして、そういった趣旨を踏まえて自治省は適切な指導をやっていただけるものと確信をいたしている次第でございます。
○吉川春子君 最後に、自治省もそういう指導で、そういう立場で時短とかそういうことも踏まえてやっていくということでは、野中大臣、御異議ないんですよね。
○国務大臣(野中広務君) 今、総務庁長官もお話しございましたように、地方公共団体の職員の時間外勤務の縮減とか、あるいは定員が少ないためにオーバーして勤務をさせ、かつその手当を縮減するために管理職にしわ寄せをさすというようなことを私どもは適正なあり方とは考えてはおりません。 今後、しかし地方公共団体の現在置かれておる厳しさの中に、それぞれ今御指摘になったような事実を私は事実関係としては確認をしておりませんので、これを正確にそういうものがあるという前提に立って御答弁を申し上げることはできないわけでございますけれども、それぞれ厳しい中に、地方公共団体の職員もまたその厳しさに耐えて、地方分権を受けるにふさわしい勤務体系はみずから確立をしていただきたいと望んでおるところでございます。
○吉川春子君 終わります。
○委員長(小林正君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会 —————・————— 〔本号(その一)参照〕 ————————————— 富山地方公聴会速記録 期日 平成七年五月九日(火曜日) 場所 富山市 富山第一ホテル 派遣委員 団長 委員長 小林 正君 理 事 服部三男雄君 理 事 山口 哲夫君 上野 公成君 峰崎 直樹君 小島 慶三君 公述人 富山県知事 中沖 豊君 富 山 市 長 富山県市長会会 長 正橋 正一君 城 端 町 長 富山県町村会会 長 川田 哲三君 ————————————— 〔午後一時開会〕
○団長(小林正君) ただいまから参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会富山地方公聴会を開会いたします。 私は、本日の会議を主宰いたします地方分権及び規制緩和に関する特別委員長の小林正でございます。よろしくお願いいたします。 まず、私ども一行を御紹介いたします。 自由民主党所属で理事の服部三男雄君でございます。 日本社会党・護憲民主連合所属で理事の山口哲夫君でございます。 自由民主党所属で委員の上野公成君でございます。 日本社会党・護憲民主連合所属で委員の峰崎直樹君でございます。 新緑風会所属で委員の小島慶三君でございます。 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。 富山県知事の中沖豊君でございます。 富山市長・富山県市長会会長の正橋正一君でございます。 城端町長・富山県町村会会長の川田哲三君でございます。 以上の三名の方々でございます。 さて、地方分権推進法案につきましては、目下、本委員会において審査中でございますが、本委員会といたしましては、本案の重要性にかんがみ、国民の皆様から忌憚のない御意見を賜るため、本日、当富山県及び大分県においてそれぞれ地方公聴会を開会することにいたした次第でございます。何とぞ特段の御協力をお願い申し上げます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 中沖公述人、正橋公述人及び川田公述人におかれましては、御多忙中のところ、本日は貴重な時間を割いていただき、本委員会のために御出席賜りましてまことにありがとうございます。派遣委員一同を代表いたしまして心より御礼を申し上げます。 次に、会議の進め方について申し上げます。 まず、公述人の方々にお一人二十分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、一時間四十分ほどの間委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。 なお、御発言はいずれも御着席のままで結構でございます。 また、この会議におきましては、私どもに対しての質疑は御遠慮願うこととなっておりますので、御承知願います。 傍聴の方々にも、会議の進行に御協力くださいますようお願いいたします。 それでは、これより公述人の方々から順次御意見を承ります。 まず、中沖公述人に御意見をお述べいただきたいと存じます。
○公述人(中沖豊君) 富山県知事の中沖でございます。 新緑輝く大変さわやかな季節を迎えておりますが、本日は、参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会の皆様方には、大変お忙しい中ようこそ富山県へおいでいただきました。心から歓迎を申し上げます。 日ごろは、地方行政の推進につきまして格別の御指導、御協力をいただき、また地方分権推進法案につきましてもいろいろと御尽力をいただいておりますが、深く感謝申し上げます。本日は、本県におきまして、地方分権に関しまして意見を申し述べる機会を設けていただきまして、まことにありがとうございました。 実は、本日の五月九日は、明治十六年五月九日、石川県から分かれまして富山県が誕生いたしまして百十二周年という日に当たります。まことに意義深いことであると思っております。 それでは、日ごろ考えておりますことにつきまして申し上げたいと存じます。 最近の地方分権をめぐる動向を見ますと、このたびの地方分権推進法案の国会への提出を初めといたしまして、戦後五十年目にしてようやく地方自治の実現に向けた本格的な取り組みが始められたものと深い感慨を抱いております。この五十年間を振り返りますと、シャウプ勧告に始まり、地方分権の実現に向けた幾多の取り組みがなされてきたにもかかわりませず、十分な進展がなかったと考えられるのでありまして、今まさに正念場を迎えておると思っております。 そこでまず、今なぜ地方分権かということにつきまして私の意見を申し上げたいと思います。 第一は、真の民主主義の確立が図られるからであります。 行政が住民により近いところで行われることによりまして、行政への住民の参加と監視のもとで民主的な施策の展開が図られます。なお、住民の身近なところで事務が処理されることによりまして、許認可事務などの簡素化、迅速化が図られることになります。 第二は、地方の役割が増大し特色ある地域づくりが求められているからであります。 情報化や国際化、さらには高齢化が進展するなど、社会情勢が急激に変化している中で、真の豊かさが実感できる地域社会の形成が求められておりますが、画一的、縦割り的な行政の弊害が排除され、地域の実情に即した施策が行われることによりまして特色ある地域づくりが可能となります。 第三は、東京への一極集中を是正し地域の均衡ある発展を図る必要があるからであります。 現在、東京に集中しております政治、経済、教育などの機能を地方に分散することによりまして、若者の流入や定着を促し地域の活性化を図ることが極めて重要であります。 以上申し上げましたように、地方に権限と責任を移し、より住民に近いところで行政が展開され、特色ある地域づくりや地域の均衡ある発展を進めることが必要であります。まさに住民が主役であり、地方が主役である行政をぜひとも実現することが重要でありまして、地方分権を進める必要があると考えております。 以上、地方分権についての私の基本的な理解を申し上げましたが、これらを集約いたしまして、私はかねてから地方集権という考え方を提唱いたしております。このことにつきまして若干説明をさせていただきます。お手元にも「住民と地方が主役のくにづくり(中央集権から地方集権へ)」という資料をお配りしておりますのでごらんいただきたいと存じます。 地方自治は、御案内のように、住民自治と団体自治から成っておりまして、真の地方自治の実現には住民自治と団体自治の確立が根本であります。そしてそのためには、行政は住民の身近なところでその参加と監視のもとに行われなければなりません。また、地方団体がみずからの責任と権限によって各般の施策に取り組むことができるようにすることが重要でありまして、地域づくりに必要かつ十分な権限は本来地方にあるべきであります。 地域づくりのための権限は本来地方にあるという考えからすれば、分権の進め方につきましては、中央省庁から恩恵的に権限が分け与えられるということではなくて、地方団体の本来の権限を戻す、いわば権限返還とでも言うべきものであると思っております。 現在、地域づくりなどに関する権限は中央政府に集中しておりますが、これらの権限は本来地方団体に集中してあるべきであります。したがいまして、これを端的に申し上げますと、中央集権から地方集権へと発想を転換すべきであると考える次第であります。 次に、地方集権という発想に基づく国と地方のあり方、正確に申しますと中央政府と地方団体のあり方につきまして私の考えを申し上げます。 中央政府と地方団体の関係では、権限、関与、財源の三つの観点から発想を転換すべきであると考えております。 まず第一に、権限につきましては、中央政府の権限は外交や安全保障、司法など国の存立にかかわる事項に限定することとし、地域づくりにかかわる権限は包括的に地方団体が所管すべきであります。また、機関委任事務制度につきましては、地方議会の関与が制限されること、行政責任の所在が不明確になることなど多くの問題が指摘されておりまして、早急に廃止すべきものと考えております。さらに、地域にかかわる中央政府の計画や法律等につきましては、中央政府と地方団体との協議を義務づける協議システムを確立することが必要でありまして、また条例制定権につきましても拡充が図られる必要があります。 第二に、関与という観点からの中央政府と地方団体のあり方について申し上げます。 これまで中央政府は、許認可権限等により地方行政に対して広範に関与してまいりました。しかし今後は、中央政府は国家の存立にかかわる事項についての権限を、地方団体は地域づくりにかかわる事項についての幅広い権限をそれぞれ分担し、両者は対等な協力関係にあるべきであります。したがいまして、中央政府は地方団体に権力的に関与するのではなく、地方行政に協力していくこととすべきでありまして、これまで中央政府の権限とされてきた全国的に統一して行うべき事項などにつきましても、中央政府は権力的な関与ではなく基準の設定などの技術的な助言にとどめるべきであると考えております。 第三に、財源という観点からの中央政府と地方団体とのあり方について申し上げます。 財源につきましては、地方団体がその役割に見合った財源をみずからの責任において確保できる仕組みを確立することが肝要であります。したがいまして、国税が約三分の二を占める現行の税源配分を抜本的に見直すなど、地方財源の確保を優先する仕組みへの転換が必要であると考えられます。なお、当面は、地方消費税や地方交付税の充実などにより一般財源の拡充を図りますとともに、国の補助金の一般財源化を進めるべきであります。 次に、このような地方集権を推進するに当たりましての地方自治体のあり方について申し上げます。 まず、地方制度のあり方につきましては、これまでも府県合併論、道州制論、連邦制論などさまざまな議論がなされてまいりましたが、いずれの議論につきましても国民のコンセンサスが形成されるまでには至っていないと理解しております。私は、今後とも、現行の都道府県と市町村の二層制のもとに、市町村は基礎的自治体として福祉の向上などの住民に密着した行政を行い、都道府県は市町村を包括する行政主体として高度で先導的な機能、広域的、総合的な機能、市町村に対する支援、調整、補完機能を果たすこととすべきであると考えております。 また、府県、市町村の規模のあり方につきましても、住民意識の状況、行政実績などを踏まえて判断されるべきでありまして、その拡大は地域の自主性に基づいて行われることを基本とすべきであります。ただ、広域行政は積極的に進められることが必要であります。このため、広域連合や一部事務組合、広域市町村圏などの制度の活用を図るなど広域施策を積極的に展開することが必要であると考えております。 さらに、地方自治体の行政運営につきましても、一層簡素で効率的な体制を整備する行政改革を推進いたしますとともに、県と市町村、市町村相互間などの職員交流や技術職員等の職員研修の充実を図る必要があります。また、行政全般にわたるチェックシステムの充実を図りますとともに、入札制度の改善や行政手続の適正化など行政運営の公正、透明性の向上に努めていくことも重要であります。 次に、富山県における地方集権への取り組み状況について申し上げます。 私は、知事に就任しまして以来、県民が県政の主人公であり、県づくりの主役は県民であるという強い信念のもとに、県民に奉仕する県民本位の県政、県民が参画する開かれた県政を積極的に進めてまいりました。特に、平成五年六月には県庁内に富山県地方集権推進検討委員会を設置いたしまして、地方集権の基本的な考え方を初め、国と地方とのあり方、地方集権の推進方策等について検討してまいりました。昨年七月には検討事項の主要な点について基本的な考え方を報告試案として取りまとめたところであります。 また、県から市町村への事務移譲につきましても独自に検討を進めてまいりまして、適当と思われる事務につきまして市町村への移譲を進めてまいりました。現在まで、都市計画事業に係る建築の許可事務や商店街振興組合の設立認可事務など二十五項目にわたる二百余りの事務について、財源を付与しながら既に移譲を行ったところであります。今後とも、事務の移譲につきましては積極的に取り組んでまいる所存であります。 また、県単独補助金の統合につきましても、市町村が自主的、主体的に実施する先導的な町づくり事業を総合的に支援する制度といたしまして、平成六年度に各部にまたがる六つの補助制度を統合・メニュー化したまちづくり総合支援事業補助金を新たに設けております。 最後に、真の地方自治の実現に向けた今後の諸問題について私の意見を申し上げます。 まず、このたび参議院において御審議いただく地方分権推進法案についてでありますが、この法案は地方分権を総合的、計画的に推進することを目的とするものであり、また法案の内容につきましても、政府による地方分権推進計画の策定や勧告・監視権限を持つ地方分権推進委員会の設置が盛り込まれるなど、地方分権の推進が期待できる内容となっております。こうしたことから、地方自治本来の姿に向けた第一歩として、また私が提唱申し上げております地方集権の推進に向けたものとして高く評価しているところであります。しかし、今後は国におきましてその具体的な実行に向けてさらに力を入れて取り組んでいただきたいと思っております。 その第一は、地方の意見を十分反映した地方分権推進計画を早急に作成いただき、それを着実に実行していただくことであります。 第二は、国の役割を限定的なものとして、各行政分野ごとに権限、関与、財源を一括して見直すことを基本として進めていただくことであります。 第三は、機関委任事務につきましては、制度の廃止を明確にしていただくことが挙げられます。また、推進委員会の体制、人選につきましても、委員は地方自治に関する学識経験者の中から任命いただくとともに、地方六団体が推薦する方を含めていただくことをお願い申し上げます。 いずれにいたしましても、今後はこの法案を一刻も早く可決いただきまして、これに基づき勇断を持って地方分権が具体的に実現されることが最も重要であると考えます。 それからさらに、地方分権の推進に当たりましては、住民のコンセンサスづくりをすることも非常に大切であります。 昨年八月に県民を対象に実施いたしました県政世論調査におきましても、地方分権につきまして、積極的に進める、行政内容に応じて進めるなど推進すべきという意見が大多数を占めまして、反面、進める必要はないとする意見はわずか二%にすぎませんでした。さらに地方分権に期待するものといたしまして、東京一極集中の是正と地域の活性化や地域の実情に応じた多様で特色ある地域づくり、住民が行政に参加しやすくなるなどの回答が多く、地方分権に対する県民の期待の大きさを示す結果となっております。 以上、いろいろと申し上げましたが、県政世論調査の調査結果が示しますような県民の大きな期待を背景といたしまして、本県を初め多くの都道府県が提言を行うなど、地方分権推進の熱意は全国的に十分高まっておりまして、今や実行の段階に至っております。 特別委員会の委員各位におかれましては、このような熱意の高まりを十分お酌み取りいただきまして、ぜひとも法律案の早期成立とその着実な実行につきまして御尽力をいただきますようお願い申し上げます。 以上、私の意見陳述をさせていただきましたが、まことにありがとうございました。
○団長(小林正君) ありがとうございました。 次に、正橋公述人にお願いいたします。
○公述人(正橋正一君) 富山市長の正橋でございます。 本日は、参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会富山地方公聴会の場におきまして、私ども地方自治に直接携わっております市長の意見をお聞きいただけますことは、まことにありがたく心より感謝申し上げる次第でございます。また、今通常国会における法案の審議など、地方分権の推進に向けた国会関係各位の御尽力に対し、深く敬意を表する次第であります。 本日は、富山県内の九市を代表いたしまして、地方分権をめぐって常日ごろ考えておりますことの一端を申し述べさせていただきたいと存じます。 ことしはちょうど戦後五十年の節目の年に当たりますが、この間、我が国はあらゆる面において大きく変貌してまいりました。戦後の復興期において、経済の再建そして国民生活の安定は最大の課題であり、このため、欧米諸国並みの生活水準に追いつくためにとられた中央主導型の高度経済成長政策は、それなりの有効性を持っていたことは否定できないものであると認識しております。一方、中央官庁が広く地域開発を進めるために行った政策は、結果として機関委任事務の増大や補助金行政の拡大となってあらわれ、地方はその実施の受け皿としての対応に追われざるを得なかったのであります。 しかし、今日のいわゆる成熟社会を迎え、国民の意識、価値観は多様化し、物の豊かさから心の豊かさへと大きく移行し、ゆとりのある心豊かな生活へのニーズの高まりは、住民に最も身近な存在である地方自治体の役割への期待となってその重みを増しております。 申し上げるまでもなく、それぞれの都市には歴史と自然環境にはぐくまれた生活、文化、経済の独自の営みがあり、より個性的で人間性豊かな、安らぎと活力ある地域づくりは、国の政策の画一的な押しつけでは実現し得ないものであります。このため、各都市がその地域特性を生かし、住民のニーズに対応したきめ細かな行政サービスを迅速に提供するため、主体的に施策を実施できる自立的な行政システムの確立、つまり地方分権の推進が強く求められているわけであります。その主役は、基礎的地方自治体としての市町村がその役割を担っていかなければならないと考えているところであります。 さらに、地方分権の推進は、東京一極集中を排除し、地方都市への定住を進めるために地域産業の振興を図るほか、教育、芸術、文化など幅広い分野においても過度の東京一極集中から地方分散へと方向転換を図り、歴史的伝統のある地方文化を掘り起こすことにつながることになるものと考えます。 また、地方分権は主権者である住民に対しても大きくかかわってまいります。後ほど申し上げるような権限移譲などが行われることにより、事務が簡素・効率化し、住民の多様なニーズに迅速かつ的確に対応でき、住民の福祉の向上に資することになり、さらに地方の権限が拡充されることにより今まで以上に住民の地域行政への関心を高め、自治意識の向上が図られ、憲法に定める地方自治の本旨である住民自治、団体自治を具現化していくことになると思うのであります。このように、地方分権の推進は、二十一世紀に向けて我が国に新しい創意と活力をつくり出す源となるものと確信いたしております。 ここで、地方分権を論じる際に何かと論点となる地方の受け皿能力について申し述べたいと思います。 地方分権に対する慎重論として、一部に地方自治体における行政運営能力について懸念される向きがあります。しかし、福祉や環境行政などの分野において新しい施策が地方で発想され、発信された例が数多く見受けられるなど、地方自治体は創意と工夫により住民主体の個性的で魅力ある町づくりに積極的に取り組んできております。 例えば、私どもの富山市では、近年の出生率の低下による保育所への入所児の減少に伴い、空き部屋を活用することにより高齢者の方々が子供たちと異世代交流を図るため、高齢者生きがい学級を既に十年ほど前から実施いたしております。これは、高齢者が陶芸や手工芸などの活動を行うとともに、子供たちとの心の触れ合いを通じて老後の健康と生きがいを高めるための事業であり、多くの高齢者の方々と子供たちに利用されております。 また、若者が集う芸術文化の薫り高い町づくりのため、舞台芸術パークの整備を進めております。この事業は、本市の芸術文化環境をさらに向上させるため、ここに芸術系の高等教育機関を誘致するとともに、富山市民芸術創造センターを設置し、舞台芸術に関する教育、創造、発表の場として、さらには国内外から集う著名なアーティストと市民の交流の拠点として総合的に整備する全国に例のない特色のあるものであります。 また、ガラス工芸を富山の産業として根づかせるため、富山ガラス造形研究所を設立してガラス造形作家を養成するとともに、富山ガラス工房を設置して創作活動と普及活動を行っております。このような事例は、他の都市においても新しい行政課題に対応するために主体的、積極的に取り組んでおられることは御案内のとおりであります。 このように、私は、地方自治体は分権の受け皿として実績も能力も有していると確信いたしているところであります。 次に、現在審議されております地方分権推進法案について申し述べたいと存じます。 この地方分権推進法案は、我が国の地方自治の歴史上画期的なものであり、私ども地方自治に携わる者が長年にわたり要望してまいりました地方分権の具体化に向け大きく前進したものと高く評価しているものであります。 この法案では、地方分権推進計画の案を作成するに際し、内閣総理大臣は地方分権推進委員会の勧告を尊重することになっておりますが、この委員会の勧告がそのまま地方分権推進計画に反映され、かつ速やかにその計画に基づき必要な法制上及び財政上の措置が実施に移されることを要望するものであります。 次に、地方分権推進委員会の委員の人選につきましては、ぜひとも地方自治の経験が豊富な方を任命していただくようお願い申し上げます。 また、五年間の時限立法につきましては、二十一世紀までにぜひともやり遂げるという重大な決意のもと、必ずや実行されるものと御期待申し上げております。 次に、権限移譲の基本的な考え方について申し述べたいと思います。 権限移譲を進めるに当たっては、まず第一に、現行の事務の必要性を精査していただき、必要性の認められるものについても事務の簡素・合理化に努めていただきたいこと。 第二に、地方自治体の自主性、創造性にゆだねて自己完結的に事務を実施できるよう配慮され、細部にわたる関与はやめていただきたいこと。 第三に、地方の総合的かつ効果的な行政を確保する観点から、地方自治体が推進する政策課題について相互に関連する権限を包括的にとらえて移譲していただきたいこと。 第四に、権限移譲の進め方についてでありますが、各市は人口規模や行財政能力などの面で差異があると思われますので、各市一律、画一的に権限移譲を行うよりも、その受け皿が備わっている市から段階的に移譲を進めるのが適当でないかと考えます。 次に、機関委任事務についてでありますが、これは市町村の事務の約三割から四割を占めると言われておりますが、その執行については、実態として地方自治体が処理している事務にもかかわらず主務大臣の指揮監督を受けるなど、地方自治体の自主性、主体性を阻害しており、原則としてこれを廃止し、これらの事務と権限を財源とともに団体委任事務としていただきたいと考えます。 さらに、地方分権の実現のためには地方自治体がその役割に見合った財源を十分に確保できる制度の確立が重要であります。このため、自主財源である地方税源の充実確保、地方交付税の総額の確保、国庫補助負担金の可能な限り廃止または整理統合による地方一般財源化、起債対象事業の拡大、充当率の引き上げなど、地方債の起債条件の弾力化や簡素化などが必要であると考えます。 次に、権限移譲が必要な具体的な事例について申し述べたいと思います。 まず、都市計画決定についてであります。 市町村が行う都市計画決定にはいろいろなものがありますが、しかしその内容を見ますと、線引き、県庁所在市または人口二十五万以上の市における用途地域、主要幹線道路、大規模公園など、都市の骨格を形成し都市の姿を決める主要部分は知事が決定することになっております。さらに、知事決定には建設大臣認可が、また市町村決定には知事承認が必要であり、その承認に際しては建設省が作成、監修する通達やマニュアルが基準とされております。 私は、やはり町づくりというのは住民の最も身近な存在である市町村が主体となって、創意と工夫によりその地域の特性を生かして行っていくものであると考えております。したがいまして、都市計画決定は、広域的な見地からの調整などが必要とされるものを除きすべて市町村の権限とし、認可、承認などは廃止されるべきものであると考えます。 次に、農地の転用の問題であります。 農業振興地域に住宅団地や企業団地を造成しようとする場合には、まず農振地域から除外することが必要であり、それには県知事の認可を必要としますが、二ヘクタール以上の場合は事前に地方農政局との協議を要することとされております。これが終わりますと、今度は農地の転用許可が必要であり、これも二ヘクタール未満は県知事の許可が、それ以上は農林水産大臣の許可が必要となります。 当市の企業団地の造成の例の場合、この期間は短くて一年、普通は二年程度を要しておりますが、できましたら、これらの許可は、広域的な見地からの調整などが必要とされるものを除き、市町村に権限を移譲していただきたいと考えるものであります。そのほか、例えば民生委員の委嘱の方法については、厚生大臣の委嘱、そのための都道府県知事の推薦や都道府県の地方社会福祉審議会の意見聴取などといった形式的な手続は廃止し、市町村長が民生委員推薦会などの意見を聞いて委嘱することとすることが適当であると考えます。このような例はほかにもいろいろありますが、可能な限り速やかに権限移譲を進めていただきますよう御要望申し上げます。 次に、私ども富山市における取り組みについて若干申し述べたいと思います。 地方分権を担っていく地方自治体は、市民の負託にこたえ自立的な行政運営を確立するため、時代のニーズに的確に即応できるよう絶えず自己変革を遂げていかなければなりません。このため本市では、従来からも、事務事業や組織機構の見直し、定員管理の適正化などを実施してまいりましたが、現在、社会経済情勢などの時代の変化に対応し、新たな視点に立った行政改革に取り組んでいるところであります。また、人材の育成とその確保は自立的な行政運営を確立する上で重要な課題であることから、職員の市政参画意識を高揚し、職員の意識改革と能力開発を推し進めるため、政策課題研修を初め各種の研修を実施してまいったところであります。 次に、中核市制度について申し述べます。 昨年、中核市制度が創設されましたが、本市もこれに該当するため、その早期指定に向けて現在鋭意取り組んでいるところであります。このため、昨年、内部組織として中核市推進対策室を設置いたしますとともに、知事さんの御理解と御協力により県と中核市指定推進会議を設置し、現在、市立保健所の設置やスムーズな権限移譲などについて鋭意協議を進めているところであります。中核市の指定は明年四月以降行われることになっておりますので、その指定に当たりましては国の積極的な御支援をぜひお願いしたいと存じます。 また、広域行政への取り組みについてでありますが、御案内のように、今日、生活圏域の拡大により市町村の区域を越える広域的な行政需要が多様化しつつあり、これに対し効率的、多元的に対応する必要があります。 本市は、富山地区広域圏、これは十一市町村で構成いたしておりますが、その一体的な発展と効率的な行政運営に寄与するため、ごみ処理、救急医療、観光などの各分野において構成市町村と共同して事業を推進しておりますが、さらに昨年の法改正により創設された広域連合も視野に入れ、その中心的な役割を果たしていく所存であります。そのほか、さらに北陸自動車道の開発型追加インターチェンジの設置につきまして、県及び経済界の御協力を得て、周辺市町村と一体となってその実現に向けて取り組んでいるところであります。 最後に、この場をおかりいたしまして一点御要望申し上げたいと存じます。 それは、東京一極集中の是正と多極分散型の国土形成を図るため、例えば首都圏などでは、大学の新設はもちろん新しい学部や学科の新増設につきましても当分の間承認しないものとし、地方へ分散して配置されるような施策をとっていただきたいということであります。都市が魅力ある町として発展するためには、その時代を担う若者が集い、また、その都市から新たな芸術、文化が創造されるような環境が必要であります。このような地域の活性化を図ることも地方分権を実り多いものにするために大切なことではないかと思っている次第であります。 終わりに当たりまして、二十一世紀に向けた個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現するため、この地方分権推進法案が一日も早く可決され、本年をぜひとも地方分権元年と呼べるような年にしていただきますようお願い申し上げまして、私からの意見陳述を終わらせていただきます。 御清聴まことにありがとうございました。
○団長(小林正君) ありがとうございました。 次に、川田公述人にお願いいたします。
○公述人(川田哲三君) 私は、富山県城端町長の川田哲三でございます。 我が富山県で公聴会が開かれまして、私どもの意見をお聞きいただける機会が設けられましたことに対しまして厚く御礼を申し上げます。富山県町村会長を務めさせていただいておりますので、県下二十六町村を代表して意見の発表をさせていただきます。 我が富山県は、先生方御案内のとおり、まことにコンパクトな県でございます。道路網などの整備が積極的に進められまして、また町村合併も進んでおりまして、中沖知事さんが就任当初もくろまれたとおりの、どの町村からも県庁まで一時間以内で到達できるという、まことに恵まれた環境にございます。 ちなみに、私が町長を務めております城端町は、人口一万一千人、面積約六十五平方キロで、県の南西部に位置しております。石川県境に近い町でございますが、平成四年に一部開通いたしました東海北陸自動車道から全面開通いたしております北陸自動車道を通りまして県庁まで一時間足らず、詳しくは五十分で到着することができます。 現在、関係町村でも、また我が城端町でも、東海北陸自動車道の福光インターから上平インターチェンジの間が鋭意建設中でございます。この間に城端サービスエリアが計画もされております。この東海北陸自動車道の整備によりまして、中京圏とのアクセスが非常に強化されます。山間地の観光の付加価値を高めるなど、さまざまな地域資源を最大限に活用することも可能となってまいります。 我が町では、城端サービスエリアに隣接する自然景観に恵まれた桜ケ池周辺におきまして、観光、保養、レクリエーション等の拠点として、また中京圏からの玄関口としての情報発信拠点地域の重要性にかんがみまして、サービスエリアにおける人の出入りを確保した一体的な整備を図りまして、交流人口の拡大、地場産品の販売、就業機会の確保等に努めまして、人口減少傾向にある本町の活性化とともに地域の振興を図りたいと考えまして、今、各種事業の推進に努力いたしておるところであります。他の県内二十六町村におきましても、それぞれの特色を生かした魅力ある地域づくりに努めているところでもございます。 このように各町村は、規模の大小にかかわらず地域の特性を生かしまして個性的な施策の推進に努めておりますが、今後さらに、住民一人一人が真の豊かさを実感できる地域社会をつくり上げていくために保健福祉やごみ処理、上下水道の整備を初め生活に直結した課題に的確に対応するとともに、地域の歴史や文化を生かしたさまざまな施策、個性的で魅力ある地場産業振興、住宅、都市計画など、地域の特色ある多様な分野で積極的に取り組んでまいることが大切であることは言うまでもございません。そのためには、住民に身近な行政については、地方公共団体が住民とともに実情に即した計画を自主的、主体的に策定いたしまして、これらの計画を基本といたしまして各種の施策に取り組むことが重要でございます。 現在、農業振興地域整備計画や山村振興計画など、計画策定に関しまして国や県の認可や事前協議が必要なため、町村の自由裁量が制約され、多くの時間と費用を要するものは枚挙にいとまがございません。また、これらの計画を実施するための財源につきましても、どうしても補助金等に頼らざるを得ないために、地域の創意が生かされないのが実情でもございます。 例えば、今ほど富山市長さんからも申されましたので重複すると思いますが、農地転用の申請でございます。現在、二ヘクタールまでは知事において許可権限がございますが、実際には二度三度と北陸農政局に足を運び、さらに農水省にも事前に協議するなど、早くて半年の日数を要するのでございます。また、二ヘクタールを超えた農地転用は農水省の許可を得るまでに一年以上の長期日数を要するために、いよいよ完成したころには、工場用地等の場合は企業誘致の機会を失うということにもなりまして、事業進行の遅延の原因になることもしばしばございます。 したがいまして、農地転用の許可や農振計画の変更など迅速性を要求される事務事業の権限はできる限り地方に移す必要がございます。 冒頭に本県の道路事情について申し上げましたが、私どものような農村部におきましては、国県道はもちろんでございますが、スーパー農道が実質的に地域の基幹道路としての役割も果たしております。しかし、道路法上の国道、県道、町道と農道、林道などはその種類ごとに所管省庁が異なるために、設置管理に際しましてそれらの調整が必要となってまいります。特に本県のような雪国では、道路ごとに管理者が異なると住民のニーズに合わせた計画的な除雪が非常にやりにくくなっておるのでございます。 このような事例で最も不思議にさえ思われるものに下水道がございます。住民の快適な生活環境を整えるためには、下水道の早急な整備は言うまでもございません。しかし、この下水道は、公共下水道、農業集落排水、コミュニティープラントなど、事業によってそれぞれ異なる省庁に所管されておるために、整備区域に関する制限や処理施設の共有が非常に難しいといった問題がございます。住んでいる住民にとりましてはどの事業で実施しても下水道は下水道でございますから、これらの事業は一体化することが単純明快で効率的であることは申すまでもございません。 現在、町村では老人保健福祉計画、俗に新ゴールドプランなる事業を策定いたしておりまして、住民と一体となって高齢化対策に取り組んでおるところも御承知のとおりでございます。また、平成九年度から母子保健に関する事務が県から町村に移ることにもなっております。保健福祉サービスの提供は、住民に最も身近な町村がこれまで以上に責任を持って取り組んでいかなければならない課題でございます。小規模市町村にあっても実情に応じた住民サービスが必要でありますので、県との協力、市町村間の連携が不可欠であるというふうに考えておりますが、国におかれましても地方団体の自主財源の強化に積極的に取り組んでいただきたいと存じます。 地方分権の推進は、これまで長い間地方が常に求めてきたところであります。また、各方面でさまざまな議論もなされてまいりました。平成五年六月に国会で地方分権推進の決議がなされて以来、第三次行革審や地方制度調査会から答申がなされまして、我々も地方六団体として初めて国会、内閣への意見提出権を行使させていただきました。このたび地方分権推進法が国会で審議されるに至りましたことは我々地方自治に携わる者としてひとしお感慨深く、関係者の方々に深く敬意を表するものであります。 今後、この法案が速やかに審議され可決されることをお願い申し上げるところでありますが、去る四月十四日、衆議院におきまして一部修正可決されました法案は五年間の時限立法であります。歳月は人を待たずということわざもございますが、法案成立の際には速やかに地方分権の施策を実行いただきたいものと改めて強く御要請を申し上げる次第であります。 また、現在、機関委任事務制度の取り扱いにつきまして国会におかれましても議論がなされておると伺っておりますが、先ほど中沖知事からもお話がありましたように、この制度には多くの問題もございますので、早急に廃止されるように御検討をお願い申し上げます。 特に、昭和六十一年に第二十回地方制度調査会によりまして機関委任事務の整理合理化の推進について答申がなされまして、これを受けまして機関委任事務の整理合理化法が制定されたにもかかわらず、例えば、民間のバス会社から見放されました過疎化が進んだ地域における町村営のバスの運行などは、まさに住民の利便性を考えて町村長がみずからの責任において行うことが当然と思っておりますので、停留所や運行ダイヤ、料金等の設定まで陸運事務所の御厄介になることはいかがであろうかと思っております。 富山県では、これまで全国に先駆けて全県域下水道化構想に取り組まれるなど、国の縦割り的な施策の総合化に努められております。また、町村職員の研修や地域づくり総合支援事業に尽力されるなど、町村のためにさまざまな御支援をいただいておりますが、町村は人口や財政規模が異なることから、地方分権を進めるに当たりましては、こうした町村の実態に十分な配慮を行い、広域行政の推進を図り、規模の小さな町村の意見も十分踏まえて対応をお願いしたいと存じております。 いずれにいたしましても、まず国から県へ権限移譲を早急に進めていただくことが至上の命題でございまして、県と町村の役割分担はそれぞれの実情に応じて役割を担っていくこととすべきであると考えております。市また町村への権限移譲に当たりましては、十分な財源手当てもいただきますようにお願いしたいと存じます。 例えば、近年、市町村は下水道などの各種の社会資本整備や地域おこしに力を入れておりますが、その財源として地方交付税と地方債の持つ意味は大変大きくなってきております。このような中で、さまざまな状況にある町村が多様な住民のニーズにこたえていくためには、規模や財政力にかかわらず十分な財源が安定的かつ円滑に確保できる仕組みが必要でございます。特に、小さな町村にとりまして交付税制度の充実強化、許可制度に裏打ちされた地方債制度の拡充、これは住民福祉の地域間格差を是正するためにも大変重要でございまして、今後ともこれらの充実を図りながら地方債許可手続の一層の簡素化等に努めていただきたいものと考えております。 これまで地方団体の能力不足を理由に地方分権に反対される向きもございましたが、これからの地方分権の流れを確実なものとするためには、その担い手として町村みずからが行財政改革を行いまして、行政手続の公平、透明性の確保、職員の資質向上等にこれまで以上に努力を行いまして、危惧されることのない町村行政の確立に努めてまいりたいと思っております。 中沖知事は、「住民と地方が主役のくにづくり」と題して、地域づくりに関する権限は本来地方にあるべきという観点から地方集権の考えを提言されております。我々も、国から権限を譲り受けるという意識でなく、主体的に権限を担っていくという意識で県と一体となって地方分権を担ってまいる決意でございます。 以上、まことに雑駁な発言をいたしましたが、このような貴重な機会を与えていただきましたことに重ねて深く感謝を申し上げまして、私の意見とさせていただきます。 ありがとうございました。
○団長(小林正君) ありがとうございました。 以上で公述人からの意見の聴取は終わりました。 これより公述人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。 なお、質疑及び御答弁は御着席のままで結構でございます。
○服部三男雄君 自由民主党の服部でございます。 きょうは、中沖知事さんのお話ですと、石川県から独立後百十二年ですか、大変富山県にとっては記念すべき日に偶然にここへ寄せていただきまして、公述人お三方から地方集権という非常にいい言葉を伺いました。また、県自身が市町村に権限を大幅に移譲しておられるという、むしろ国よりも富山県では地方集権が進んでいるんだなというお話を伺いまして非常に感銘を受けました。敬意を表したいと思います。 時間が余りございませんので概括的な質問をさせていただきたいんですが、もう衆議院でこの法案は通っておりまして、全党一致でございます。参議院も十二日までに通したいと思っておるんですが、今までの経済効率一辺倒の国づくりから、いよいよ豊かになった日本が本当に真の豊かさを享受するための地方分権あるいは集権、これは時の流れだろうと思います。 国会の多くの方々もみんなそれに賛同しているわけですが、その中身は、この法案が通った後、七名の推進委員会の皆さんで詰めていっていただくというのが法案の骨子でございますが、五年の時限立法でございますので、その間に、今、中沖公述人がおっしゃったように、どんどん地方の声をその委員会に反映していただくのが最も大事ではないか。きょうこういう地方公聴会を開かせていただいたのもその趣旨にのっとったものでございますが、分権は流れですから当然そういうふうになっていくんですが、その分権の中身を詰めるに当たって一番大事なことは人と財源、お金と、そして権限のこの三つだろうと思うのでございます。 正橋公述人と川田公述人からは具体的な例、例えば農振の問題だとか農地転用の問題だとか保養所の設置だとか、あるいは学校の設立の問題だとかいろいろおっしゃいました。主にそれは、お金の問題では多分補助金の問題をおっしゃっているんだろうなと思います。事実、私ども予算編成の際に、地元から知事さん初め市町村長さんがたくさん来られますのも皆すべて補助金の問題に絡むんだろうと思います。 中沖公述人からは補助金の一般財源化という話もございました。おっしゃるとおりだろうと思います。地方から中央へ陳情にお見えになるのは非常に煩わしい話だろうと思いますのでもっともだと思うんです。補助金にしましても、「権力的な関与」という言葉を使っておられました、対等な協力関係なんだから権力的な関与ではなくと。「助言」という言葉も公述人は使っておられますが、これはすべて補助金にしても権限にしても法律に基づくわけでございまして、実は私も中央官庁の元役人だったんですが、中央官庁の役人にとりますと、分権をしますと自分の権限が減っていくわけですから、だれしもが一つのいい仕事、国のため地方のために仕事をしようと思うと権限がないとできないわけで、中央官庁の役人たちにとってはその権限をそぐわけですから非常にやりにくい面もあるんではないか、こう思うんです。 ですから、このようにせっかくいい御意見をおっしゃるならば、どの法律が分権あるいは地方集権にとって阻害要因なんだ、こういう法律が困るんだと、県の立場、市の立場、町の立場からごらんになって、こういう法律は何とか具体的にこういうふうにしてほしいとかいうふうに言っていただくことが、五年間の時限立法期間中に濃密な議論をし法案を策定していく上で最も大事ではないかなというのが私がいつも思っていることでございます。 そういう意味で、きょうは具体的な例、水道、下水道の問題、確かに所管庁が異なる、補助金が細かく分散される、いろんな問題があると思うんですが、日々地方自治の現場で住民ニーズに対応しておられる皆さん方にこういった生の実態を教えていただくのがいいだろうなと思っております。私ども国会におりまして法案審議をやっておりますが、どうしても地方自治の生の実態というのは確かに肌では感じておりませんので、こういう意見をどんどん出していただきたいなというのが私の要望でございます。 それから次に、正橋公述人から、地方自治体は十分住民自治に対応できる体制を持っているんだという生の話をいただきました。でも、私たちが日々見るのは、例えば市町村にこういうことをやったらどうだと言うと、すぐ県庁の地方課に聞かなきゃわかりません、県庁にどうしたんだ、あれはどうなったんだと言うと、いや自治省に聞かなきゃわかりません、あるいは建設省に聞かなきゃわかりません。大体、予算の多いところというのは建設省と農水省とそれから厚生関係でしょうか、三つぐらいになるだろうと思うんです。学校関係もあるから文部省かもしらぬ。どうしても中央集権体制のもとでのそういう隘路というのはあるわけですけれども、そういうのを見ていますと本当に大丈夫なのかなと。 というのは、今ジャーナリズムがまいておりますイメージというのは分権はいいことだと。いいことには違いないんですが、分権をやるということは、地方の行政をやる人は責任が物すごく重くなるわけです。今だったら、いや自治省がだめだと言っています、農水省がだめだと言っていますという、言葉は悪いですが逃げ道もあったんですが、今度は全部自分でやらなきゃいかぬ。 そうすると、私が非常に危惧しますのは、今ここに、地方自治の中に民主政治のことが出ていますが、民主政治というのは選挙というものをクリアしなきゃいかぬ。選挙となりますと、住民自治のエゴというものとの常に相克があるわけでありまして、それに対して的確に対応していくというのは非常に難しいだろうと思うんです。その観点の危惧がやっぱりちょっとある。これは中央官庁の役人たちは口には出して言わないんですけれども、心ではみんな思っているんですよ、大丈夫かなと。あの住民自治のエゴにかき回された場合に予算が膨張していく、地方自治体の職員の数が膨張していかないか、本当に簡素な行政ができるんだろうかというような危惧も持っているのは否めない事実だと思うんです。私の要望はその二点です。 予算の配分というのは、確かにそれは大きな税制の仕組みから変えていかなきゃいかぬということで、これはなかなか難しい問題はありますけれども、それは国家の方の仕事ですから私どもでやるんだろうと思うんですけれども、人と権限を、どの権限が欲しいのか、どの法律が邪魔だからどこをどういうふうに変えてほしいかということが一点と、人の養成の問題と住民自治のエゴにどのように今後ブロックをかけて、自主財源を自主的に適正に運営していっていただけるその歯どめはどこにあるのかという二点について、ちょっと長くなりましたが質問させていただきたいと思います。 短くて結構ですから、お三方。
○公述人(中沖豊君) まず、どの法律を権限移譲したらいいかという点でございますが、これにつきましては、皆さん御案内のように、昭和六十三年五月十八日の第二十一次地方制度調査会から「地方公共団体への国の権限移譲等についての答申」というのが出ておるわけであります。ここに非常に詳しく法律名も列記して並べられておりますので、大変恐縮でございますが、先生方にはこの二十一次の地方制度調査会の答申が実現できますように御尽力をいただきたいということを基本的にまず申し上げておきます。 具体的にその中で私どもが特に申し上げたいと思いますのは、先ほど正橋市長や川田町長も申し上げましたが、やはり農地法の農地転用許可の問題でありますとか、あるいは都市計画法における計画区域や計画決定の問題でございますとか、あるいは水道法、下水道法における水道事業、下水道事業の認可の問題でございますとか、こういうようなことなどが挙げられるというふうに思っております。 こういうような個別の法律の問題がありますが、私は、しかしやはり一番問題になるのは、機関委任事務の問題を整理しないと根本がはっきりしてこないのではないかという意見を実は持っておるわけであります。 ちょっと長くなりますけれども申し上げたいと思いますが、機関委任事務は御案内のように都道府県や市町村の首長、つまり知事や市町村長が国の機関とみなされまして、そして主務大臣の指揮監督を受ける、こういう制度であります。 私どもは、端的に申しますと各省の課長などのようなポストにみなされるわけでありますが、率直に申しますと、私どもは住民から選ばれて知事や市町村長になったわけでありますから、まことにもってこの制度は基本的に考え方としておかしいという考え方を私は持っておるのであります。中央政府、中央省庁の皆さん方にとっては知事や市町村長を国の機関としてしまう、国家公務員としてしまうわけでありまして、これは非常に大変便利な制度であるかもしれませんが、地方自治を担当しておる者から言うとこれは極めて不都合な制度だと私は思っております。 それから、機関委任事務ということになりますと、これはもう国の事務でありますから、住民から選ばれた地方議会が関与することは当然制限されることになる。それからさらに、これは国の事務ですから画一的あるいは縦割り行政の弊害も出てくる。さらには行政責任が不明確の問題も私はあると思うんですね。東京都の信用組合で一体どこが責任をとるんだという点が必ずしも明確でないということが言われておりますけれども、やっぱり行政責任が機関委任事務の場合には正確に、明確になっていないように実は思ったりいたします。 ですから、私はこの機関委任事務という問題は地方自治の根幹にかかわる問題だと思いまして、私自身もいろいろ考えておりましたが、実はずっと昔から機関委任事務制度の廃止論者でございまして、大分前から機関委任事務を廃止すべきだということを申し上げてまいりましたけれども、余り皆さん耳を傾けていただけなかったのであります。ところが最近になりまして、機関委任事務制度を廃止するという話が非常に強く出てまいりましたので、私はまさに我が意を得たという感じでおるわけであります。 この機関委任事務を廃止いたしますとどういうことになるか。まず、機関委任事務で不要な仕事はこの際行革の立場からやめてもらわなきゃならぬというふうに思いますが、それでは残った事務をどうするかということになります。機関委任事務を廃止しますと、それは中央省庁の事務か地方団体の事務かどちらかに決めなければなりません。 中央省庁の事務にした場合には、これはもう地方支分部局をふやして仕事をするしかほか方法がないんだと私は思います。しかし、地方支分部局を、国の出先機関を増強するというのは、現在の行革の方向に私は反すると思っておりますし、もし地方支分部局をふやさないでやれるというんならそれはぜひやってもらいたいが、それなら余裕はあるんだということを言わざるを得ません。 それから一方、地方団体の方は今機関委任事務といたしまして実際に仕事をやってきておりますから、その仕事についてノウハウがある。また、きちっと今対応をしてきておるわけであります。ですから、機関委任事務の制度を廃止いたしますと、端的に言えば現在仕事をしてきておる地方の仕事の範囲にして、そしてそれについては議会や住民の監視もさせる、こういうことにすればいいのじゃないかというふうに思うわけであります。 また、現在、機関委任事務の制度は、私正確にはわかりませんが、約六百近くあると言われておりますが、六百の事務配分が一挙にできるという効果的な地方分権の進め方ができるわけであります。つまり、機関委任事務を廃止すると地方分権を進める一番効果的なやり方ができるのではないか。六百の法律事務というものをどうするかということを決めることになりますので、私は非常に効果的な地方分権の進め方になるというふうに思っております。 今までも、例えば地方制度調査会でいろんな仕事を答申されましても、具体的にいよいよ実行ということになりますと、各省庁が常に反対意見を述べておられます。やっぱりそれぞれの理由があるわけでありまして、一つ一つそれに反論しておりますとこれはもうとても切りがない。中央省庁の皆さん非常に頭もいいわけでありますから、いろんな理屈がある。 ですから、一つ一つそれを議論するんじゃなくて、むしろ根本の制度の機関委任事務制度そのものを一たん廃止してしまえば、それが中央政府の仕事か地方団体の仕事か、どちらかを決めなきゃならぬということになるわけでありまして、今までの機関委任事務として地方団体がやってきておった実績からいえば、地方団体の仕事にすればいい、またそれができるわけでございます。このように思いますので、ぜひ地方分権の効果的な進め方としても機関委任事務制度は廃止していただきますようにお願いを申し上げたいというふうに思っております。その点ひとつよろしくお願いいたします。 それから、住民エゴの問題についてのお話がございました。 しかし、端的に申しまして、やっぱり住民の意見、住民の要望、ニーズをもとにしてこれからの行政は進めるべきだというふうに実は私は思っております。そして、住民のエゴとおっしゃいますけれども、住民としましては行政改革も実は希望しておるわけであります。そんなむちゃくちゃに金を使って機構を拡大して、そしてむだなことをするということは決して希望しておりません。ですから、今の住民は非常によく考えて私どもに意見を言うというような立場になってきておるというふうに思います。 それからまた、多少いろいろな強い要望がありましても、いろいろ途中の審議の過程で、私どもは余りにも住民のエゴに傾き過ぎておる場合にはこれはもう率直に住民の皆さん方と話も申し上げておるわけでありまして、それは十分コントロールできるという状況であろうと思っております。地方団体は非常に成熟をしてきておるということを私は申し上げたいと思うわけであります。 国の方でもそれはいろいろな要望をしておるかもしれません。国の方でも住民のエゴというのはあるかもしれませんが、国会は国会できちっと整理しておられるわけでありまして、地方団体でも、住民のニーズをもとにしながら、しかし余りにもエゴイスティックな要求に対してはこれはコントロールしておる、そういうような機能も私はできておるというふうに実は思っております。 非常にきれいごとのような感じがいたしますが、住民はやっぱり行政改革についても強く要望しておるんだ、したがって余りむちゃくちゃにいろいろなむだなものに金をかけたり機構を拡大し過ぎたりすることについては絶えず批判がある、我々はそれに素直に耳を傾けているんだということを申し上げておきたいというふうに思っております。
○公述人(正橋正一君) 今、知事さんからいろいろお話がございましたが、私も基本的には同じような考え方を持っておるわけでございます。 一つは、これまで地方の関係のいろいろな各種の答申等が出ているわけでございますが、それがいざ実施の段階ということになりますとどうもしりすぼみになっている嫌いが多い。例えば、行政改革の問題につきましてもそうでございますが、やはり立派な先生、学識経験の豊かな先生方がお集まりになりまして長時間かけて審議された答申等は、これは尊重していただかなきゃならぬ、基本的にはそのように思っているわけでございます。 しかも、内閣総理大臣が地方制度調査会の場合は諮問されているわけでございますし、恐らく税調なんかにも、ああいう関係を見ますと行政改革にいたしましても、大変なその道の権威の方々が長時間かけて立派な答申をいただいておるわけでございますが、基本的にはそれをぜひひとつ尊重していただきたいということでございます。 細部につきまして今知事さんがおっしゃられましたので、私は余り詳しく申し上げませんが、ただ申し上げたいのは、地方に対する信頼度、こういう点につきまして、先ほども申し上げましたが、現在地方も随分私は力をつけているんではなかろうかと思っております。まさに昭和二十年代、三十年代、あの二十年代には地方の関係につきましても財政破綻を来しまして、いわゆる地方財政再建促進特別措置法なんというような法律ができまして、大変国からの強い指導を受けたわけでございます。そういう経験を経て、地方団体も今日まさにそういう意味におきまして国と対等に論議できる立場にまでみんな成長いたしていると私は思っておりますので、地方を信頼していただきたいと思っております。信頼できないとおっしゃるかもしれませんが、ぜひひとつ国の皆さん方には信頼していただきたい。 私の率直な感じで申し上げますと、今まで各省庁へ行きますと、先ほども知事さんがおっしゃいましたように、私どもは、担当の係長から課長代理、課長補佐といいましょうか課長さん、そして場合によっては最後は局長さんのところまで行かなきゃなかなか話は通じなかったわけでございますが、今は大体課長ぐらいのところに我々が名刺を出しますとよく話を聞いてもらえるようになりました。大分そういう意味において中央官庁もサービスがよくなったと思いますが、しかしまだまだそうでないところもたくさんあります。 それから、住民エゴの問題でございますが、今までもお話がございましたように、首長もそれぞれ選挙で選ばれているわけでございます。地方にはそれぞれの議員もおります。そして、議員もやはり大変な選挙の洗礼を受けてお出になるわけでございます。今日の情報化社会におきまして勝手なことをやっておりますと直ちに住民にそういうことがわかるわけでございますので、勝手な行動はできないわけでございます。私どものいろいろな施策というものは常に住民に対して明らかにしておるわけでございますので、住民からの批判に対しましても堂々と各市町村も頑張って仕事をやっておるのではなかろうか、私はそのような自信を持っておるわけでございますので、ひとつ御了承をいただきたいと思います。
○公述人(川田哲三君) 知事さんと市長さんからいろいろお答えになりましたので私から申し上げることはないようですが、一つ二つ申し上げてみますと、まずどんな権限が必要かという御質問に対するお答えですが、各自治体にはそれぞれの特色があることは御承知のとおりでございます。それぞれの悩みを持っておりますし、それぞれのいろいろな権限に関して悩んでおるということでございますが、しかし大きな権限に関しましては大体それぞれ各県、各町村ともほとんど同じ問題で悩んでおるのではなかろうかというふうに思います。 それで、ひとつ国会の各先生方には、それぞれの地元の市町村長または特に市町の担当者から直接お聞きになれば本当に生の声がお聞きになれると思いますので、服部先生にもぜひそのようにお願いできればありがたいというふうに思うわけでございます。 しかし、私からも一つ二つ申し上げてみますと、まず土地利用に関しましては、先ほど市長さんもおっしゃり、私も申し上げました二ヘクタールを超える農地転用許可の問題でございます。これはやはり権限を移譲してほしい。それから、町づくり等に関しましては都市計画区域、都市計画の決定、それから事業の施行への国の関与というものを何とか廃止してもらいたい、都市計画法に関することであろうかと思いますが。それから、市町村の水道事業、下水道事業の認可、それから水道法、下水道法による監督事務というふうなことも我々の方へいただければありがたいのではなかろうかというふうに思うわけでございます。産業関係から申し上げますと、商工会議所、商工組合の設立認可、監督事務の問題、これも商工会議所法で決められておるようでございますが、そういったものについて権限移譲をしていただければありがたいのではなかろうかと愚考するわけでございます。 しかし、先ほども申し上げましたように、もっと足元の問題につきましては、それぞれの先生方の地元におかれましては特に詳しく皆さん方に申し上げることができるんじゃなかろうかというふうに思っております。 それから二番目の、地方に非常に責任が重くなる、市町村長は選挙とかエゴとかのそこら辺で大丈夫かというふうな御質問、それに受け皿としての能力の問題も含んでおるんじゃなかろうかという御質問と思いますが、これにつきましては、我々市町村長だけじゃなしに議会にも相当責任が重くなってくると思うわけです。議会も選挙で選ばれております。ですから、議会ともどもこの問題について取り組んでいかなければならないというふうに思っておるわけでございますし、それから能力的な問題として少しの御疑念があるとおっしゃれば、広域行政によって対応するとかあるいは広域連合制度の活用をするとか、場合によれば自主的な合併をも我々は辞さないと思ってもおります、あくまでも自主的な合併でございますが。 私、実は十数年前に経済関係から突然この自治関係にくらがえさせられましてちょっと面食らったんですが、しかし一番私がびっくりしたのは、国家公務員はもちろんのこと、我々地方公務員でさえも非常な能力を持っておるな、企業とはちょっと違うなと申しますのは、例えば税務課から土木課へ突然かわらせても本当に立派にその仕事をやってのける。これは私は本当に実はびっくりしたわけでございまして、意外と能力は持っておる。先生方御心配のような点につきましては能力がある、私は個人的にはそういうふうに思っております。 以上です。
○服部三男雄君 どうもありがとうございました。
○上野公成君 自由民主党の上野でございます。 まず、地方分権といいましても、先ほど中沖公述人がお話しされましたように、地方にも県と市町村という二層制があって、実際は三層制になっているわけですね、国と。やはり本来はいろいろなちゃんとした実力があれば市町村が、これは中沖公述人が言われた理由にも、行政がより近いところにあるというのも市町村が一番近いわけですし、それから特色ある地域づくりができるということもこれは市町村ができるわけですし、一極集中という問題はちょっともう少し違う問題だと思います。 そこで、やはり今までの県と政令都市のような、政令都市の方が非常に権限を持っているといいますか、そういった形の方がいいんじゃないか。県の権限というのもやっぱり小さくして、国も小さくする、県も小さくしていく、そして市町村が中心になっていくというのが本来の地方分権ではないかなと思うわけでございますけれども、これは市長さんとそれから町長さんにこの点をまずお伺いしたいと思うわけです。 そして、本来はそういう市町村がちゃんとした力を持っていればいいわけでございますけれども、それはやはり地方分権も、今の市町村のような状態ですべて権限を移譲するということにはなかなか無理があるんじゃないかと思うんです。先ほど正橋公述人が段階的に力のあるところからやっていけばいいじゃないかということは、これは正橋公述人自身も、富山市は大丈夫だけれどもほかのところはちょっと大丈夫じゃないんじゃないかなという御懸念ではないかと思うわけでございます。 私はよく、デンマークは高齢化社会の先進国でありますからデンマークへ毎年のように行っているわけでございます。デンマークは高齢化の先進国でありますけれども、数年前に高齢化対策を大いに変えまして、その大前提として地方分権を行ったわけでございますけれども、その地方分権の前提に市町村合併を行いました。そして、市町村というものの能力といいますか大きさとか、そういうものを大体そろえて同じような力のあるところにする。そういう合併をして、そして市町村の数を少なくしまして、そこへ権限を大幅に移譲したわけでございますけれども、やはりそういうことが必要なんじゃないか。 地方分権というのは、権限はそういうことでございますけれども、大きな話は、先ほどからありますように財源の問題、これが一つ出ています。そしてもう一つは人材の問題があるわけでございますけれども、そういった意味で基礎的な整備をきちっとやる必要があるんじゃないか。できないんであれば、やはり先ほど正橋公述人が言われたように段階的にやるということが非常に現実的じゃないかと思うわけでございますけれども、そういった基礎整備の必要性について、これはお三方にお伺いしたいと思います。 それから最後に、人材の問題につきまして、これは中沖公述人にお伺いしたいわけでございます。 もう地方公共団体も十分な実力があるというお話であるわけでございますけれども、しかし現実には中央からの天下りの人事というのを受け入れているわけでございまして、それは交流という意味もあると思いますけれども、多少はやはり人材ということに何らかの危惧を考えておられるということで現実にやっておられるんじゃないかと思うわけでございます。 天下りという言葉がいいかどうかわかりませんけれども、最近は市の方にもかなり中央官庁から行っている、こういうわけでございますけれども、人事交流ですか、これをどういうふうにお考えになっているか。今後の地方分権が進む段階でどういうふうにお考えになっていったらいいか。 それは知事さん、中沖公述人にだけお伺いして、以上、三つの質問をお三方に二問ずつ。
○団長(小林正君) それでは、それぞれの公述人に対する御質疑は三項目にわたってございましたが、中沖公述人から順次御発言をいただきたいと存じます。
○公述人(中沖豊君) 地方自治制度は、御案内のように、都道府県と市町村の二層制になっておりますが、私は現在のこの制度が継続されていいというふうに思っております。やはり県と市町村というのは地方自治を担う車の両輪であります。これからもやっぱりお互いに力を合わせて努力していくことが大事だというふうに思っております。そして実は私は、市町村は基礎的な地方団体でありますから、市町村の発展なくして県の発展はないというのが私の強い信念でありまして、そういう面で市町村の発展に県といたしましても一生懸命に取り組んでおるということを申し上げておきます。 今申し上げましたように、市町村は住民に密着した福祉行政などを行いますそういう基礎的な団体でありますから、市町村に事務能力がふえていくということが非常に大事であるわけでありますし、市町村にこれからも権限が広まっていくということを特に期待いたしております。今回の地方分権においてもやはり市町村を重視していただきたいということをお願い申し上げておきます。 ただ、県は市町村を包含する広域的な総合的な団体であります。したがいまして、そういう面からの支援、調整、補完のそういう仕事も行うべきでありますし、また先導的ないろいろな仕事についても県としては仕事を進めていくべきだ、こういう気持ちも実は持っておりますので、その点も触れさせていただきます。 そこで、現在の地方団体の行政能力につきましては、私は大変成長してきたという実感を持っております。やはり戦後、地方自治制度が随分成熟いたしまして、地方団体の行政能力が非常に育ったという感じを持っております。環境政策などにつきましても先進的な事務をやりましたし、地方団体は非常に事務能力も成長したというふうに思うわけであります。ですから、まず都道府県や市については全く問題はないというふうにお考えいただいていいというふうに思います。 問題は、小規模の町村の問題を心配される向きもあるのではないかというふうに思いますが、これにつきましてもいろいろと町村で努力もし、いろんな手だてを講じてきておるというふうに思うわけであります。例えば富山県内で申しますと、富山県内には今八つの村がございますけれども、どの村も非常に生き生きとしておりまして元気印であります。 例えば富山県の利賀村でございますが、ここは利賀フェスティバルという世界演劇祭をやっておりまして、これは非常に、過疎対策、それから国際化政策、いろんなことを進めておるわけであります。また、富山市の郊外に下村という村がございますけれども、ここでは下水道は一〇〇%もう既に整備されておるというようなことで、富山県内の村に限って言えばみんなが知恵も汗も出して頑張ってきておるというのが現状でありますので、その点は御心配は余り要らないというふうに思います。 それから、仮に全国的にいろいろ小さい町村で問題があるといたしましても、例えば広域連合であるとか一部事務組合であるとか、あるいは広域市町村圏であるとか、広域政策ができるわけでありますし、また今お話ありましたが、合併につきましても、特例法がさらに改正されまして自主的に合併が進められるという措置もできておる、こういうことでありますから、全国的に見ましても小さい町村に対していろいろな手だてがあるんだということを申し上げたいというふうに思っております。 それから、そういう小さい町村に対しまして県はまた、例えば技術的な助言でありますとか、それから職員の交流でありますとか、あるいは仕事の代行でありますとか、いろんな制度を実は持っておるわけでありまして、そういう面でもカバーをしておるということを申し上げておきたいと思います。 先ほど正橋市長が地方団体を信用していただきたいということを申し上げましたが、やはり現在の地方団体は行政能力が育ってきておる、ですから中央政府の皆さん方は信用していただきたいということを申し上げたいというふうに思います。もしどうしても心配だとおっしゃるなら、先ほど正橋市長が申しましたように、一括して県に仕事をおろしていただく、そして県が町村の整備状況などを見ながら段階的に仕事をおろすというような、そういうやり方も可能であろうかというふうに思うわけでありまして、それはいろんなやり方が考えられるというふうに思いますが、やはり地方団体を信用していただいて、地方へ権限を移譲していただくということがまず先決ではないかというふうに思うわけであります。 それから、三番目の人材の問題でございます。 まさに仕事は人でありまして、これから地方自治体が発展するためには優秀な職員を確保し養成することが根本である、このように実は思っております。そのようなことから、これは県は市町村とも一緒に職員の能力、資質を高めるためのまず研修をやるということが根本であろうというふうに思いますので、技術、福祉、いろんな面を含めての研修を今積極的に進めておるということを申し上げておきます。 ただ、今、人材を確保するという問題について、一挙になかなか整備できないという問題もあるわけでありまして、特に先端的な非常に難しい仕事につきましては、これは市町村相互間の人事交流、あるいは県から職員を出向させるというようなことなども必要であろうかというふうに思いますが、現に私どもは、井口村という村がございますけれども、そこに下水道担当の職員を派遣いたしまして、そして下水道事業をさせておるという実績がございます。 それからまた、県といたしましては、非常に先端的な事業もふえておりますし難しい事業もありますので、中央省庁からも優秀な人材を招くということも行っておりますが、しかし、いずれにいたしましても、市町村が県から職員を招く、あるいは地方団体、県が中央省庁から職員を招くという場合には、あくまでも我々が自主的に判断をして要請をする、こういう立場からの交流が行われておるんだということを申し上げておきたいというふうに思います。ですから、天下り的な人事というのではない、あくまでも県や市町村の自主的な判断に基づいて要請があり、それに基づいて技術職員などの派遣などが行われておるということでありまして、その点についても申し上げておきます。 いずれにいたしましても、やはりこれからの地方自治の発展のためには、優秀な人材を確保、養成することが根本だというふうに思いますので、これからも努力をしていきたいというふうに思います。
○公述人(正橋正一君) 委員からの御質問にお答えいたしたいと存じます。 まず、市町村の力をもっともっと強化する方向で検討してはどうだろうか、こういうことについてお答えいたしたいと存じますが、私も現在の市町村をもっともっと強化していかなければならぬと思っております。そのためには、財源はもちろんでございますが、人材の育成、こういうような関係もこれからもっと私ども勉強していかなければならぬし、そういう意味におきましてさらに先生方の御指導もいただきたいと思っているわけでございます。 そこで、先ほど来いろんなお話が出ている中で、住民の最も身近な行政と申しましょうか、日常業務、これはやはりどうしても市町村が主体になるわけでございます。恐らく、皆様方が市町村の市役所とかあるいは役場へ朝八時半に行ったらおわかりだと思いますが、大体市民の方々は、印鑑証明でございますとか、納税証明でございますとか、住民登録、ちょうど転勤時期になりますと子供たちの学校の通学の手続、そういうような関係で八時半に皆さんたくさんいらっしゃるわけですね。殺到するわけですよ。それからまた、お勤めの方はお昼の時間にいらっしゃるとか、この非常に身近な業務というのは私ども市町村がお預かりしているわけでございますので、そういう意味におきまして、私はいつも住民サービス、市民サービスの向上に努めてほしいということを職員に申し上げるわけです。親切な応対をしていただきたい、何かありますと必ず文句が出てくるのは私どもにすぐはね返ってきますので。今はそういう時代じゃないものでございますから、基礎的な地方自治体は一番やはり住民に対してもそういう面でよくわかるわけでございますので、これからも強化していかなければならぬと思っております。 そこで、府県と市町村の関係、これは御承知のとおり明治二十二年でございますか、現在の市町村制ができてからずっと今日まで百年以上も続いているわけでございます。その間、世の中というのは随分変わってまいりました。通信網にいたしましても、あるいは交通網にいたしましても、随分整備されてきまして、かつて私ども富山から東京へ行くといったら半日もかかって、時間もかかったような時代がございましたが、今やもう飛行機で一時間ぐらいで行ってしまいますし、それから、JRにしましても三時間か四時間足らずで行ける。それでもまだまだ、住民はもっと早く行きたいというような願望も持っているわけでございます。 そういうふうに時代が変わってきているわけでございますので、やはり私どもの行政もそれに対応したようないろんな組織でありますとか行政能力、そういうものを身につけていかなきゃならぬと思っているわけでございます。時代の変遷に対応したような、広域行政をつかさどる県、それと選挙業務もやっている基礎的自治体の役割というのはそれなりに分担してやっているわけでございますので、私はこの制度というのは、二層制と先ほどおっしゃいましたが、この制度は私ども全国の市長会でも論議いたしている際に、そういう必要性は現段階では必要じゃないだろうか、こういう認識に立っているわけでございます。ただ、市町村を強化するということについては、基本的には十分私どもそういう意識を持ってこれからも行動していかなきゃならぬと思っています。 それから、デンマークの例をおっしゃいましたが、私は非常に勉強になったわけでございますが、まさに西欧諸国は非常に高齢化対策というのが進んでおるわけでございます。私どもの富山市は全国平均よりも高い高齢化率でございます。一五%でございます。あと二十年もたつと四人に一人という時代になっておるわけでございますが、どうなんだろうかということを私ども市民全体、国民全体でやはり考えていかなきゃならぬ極めて大きな問題であると思っておるわけでございます。 医療、福祉、保健、こういうようなことを簡単に私ども今日口にいたしておりますが、極めて重要なことでございますが、こういうような関係につきましても市町村が本当に主体になってやっていかないとなかなか目標達成ができないんではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございます。 そこで、お話のありましたデンマークの方では、分権の実施に当たりましては、まず第一に、一定規模の市町村にまとめるといいましょうか、そういうような市町村、そこに中央からの分権といいましょうか、権限の移譲が行われている、こういうことでございますが、私は、先ほどもちょっと思っておったのでございますが、まず市町村の合併のお話じゃないかと思っているのでございます。合併の話はあくまでこれはやっぱり住民が主人公になって判断すべき問題であって、人口とか面積とか、そういう一つの尺度をもってやるということは必ずしも適当ではないんじゃないだろうか、私はこういうふうな感じを持っているところでございます。 それから人材の育成は、例えば私どもの市の例で申し上げますと、今、公務員の採用試験、市役所の職員の採用試験は、大体私ども県と市と一緒の日にやっております。今までは県と市が違っておりましたから、例えば、相当前でございますが、県の方の試験を受けましてもし仮にだめだったら市役所も受けてみようかと、そういう職員がおりましたが、今は同一の試験日でございますので選択になっておるわけでございます。応募した職員の方々に聞いてみますと、私どもは一線の自治体におって市民サービスの仕事をしたいと。例えば福祉の仕事をやってみたいとか環境の仕事をやってみたいとか、こういうふうな職員が非常に最近多くなっております。私はある意味においてはやっぱり随分変わったなと、今の若者を見てそういう感じがいたすわけでございます。 そういう方々に私どもこれから将来を託していかなければならぬわけでございます。人材の育成ということは非常に大事でございますので、例えば政策課題研修なんかもどしどしやらせているわけでございます。いろんないい意見が出てきます。本当に私どもそれを予算に反映して、そして市民サービスの向上に資したい、そういう努力をいたしておるわけでございますので、これからもそういう意味におきまして十分勉強して頑張っていきたい、このように考えておる次第でございます。
○公述人(川田哲三君) まず、県と町村の二層制のことについての御質問ですが、また国と県をできるだけ小さくして市町村を大きくするべきでなかろうかというような御質問だったと思いますが、これはやっぱり究極の目標であろうかと思いますけれども、我が富山県におきましては、かねてから知事は、県と市町村は地方自治を担う車の両輪であるということをおっしゃっておりまして、またそういった政治理念で行政を進めてきておられます。また、県と市町村から成るこの二層の自治制度につきましては県民の中にも広く定着しておりまして、これは我が県におきましては当面維持されるべきであろう、我々町村においては特にそういう感じを深くしておるところでもございます。 それから、デンマークの問題につきましては、今、市長さんのおっしゃられたとおりでございますが、高齢化につきましては我々町村にとりましてはこれからの非常に大問題でございます。見習うべき点も多々あるかと思いますが、権限の移譲の問題につきましては市長と同意見でございます。 それから、知事さんだけに御質問であったかと思いますが、我々にも非常に問題がございますのでちょっと申し上げておきたいと思いますのは、職員の配置転換といいましょうか、天下りというようなこともおっしゃっておられましたが、我々町村では職員数が非常に少のうございます。特に専門的な知識や高度の技術を必要とする事務につきましては、皆無といった町村も多いわけでございます。そういったことで、専門の職員を配置することが非常に困難でございます。 しかし、そのような場合でも、先ほど言いましたように、広域連合の活用、あるいは共同施設等による事務の共同処理、あるいは近隣の市等を含めた他の地方公共団体への事務委任、あるいはまた、天下りでなく本当にお願いしての県からの人材派遣ということによって対応することができるというように思っております。またさらに、事情によっては県が該当事務について代行する仕組みをつくっていくという方法もあろうかと思うわけでございますが、しかし、あくまでも住民に身近な行政にかかわる事務はあらゆる手法を用いてでも町村に移譲するように努めていくべきであろうかというふうに思うわけでございます。 以上です。
○山口哲夫君 日本社会党の山口哲夫です。 知事さんの方から先ほど、富山県地方集権推進検討委員会というのをもう既に発足をさせて、その報告の試案も出されているというお話を承りまして、大変先進的に地方分権を進めていらっしゃることについて敬意を表しておきたいと思います。しかも、各市町村の方へ二十五事務、二百五十項目くらいの分権もされていらっしゃるということをお聞きいたしまして大変心強く思っておるところでございます。 そこで、具体的に質問をしたいと思いますので、お三人の方々からなるべく端的にお答えいただければ幸いでございます。 今、一つは二層制の問題が出てまいりましたけれども、今度の分権法が通りますと、国の権限をまず当面県に移譲しよう、それでその次に県から市町村に逐次移譲していこう、こういうのが今回の分権法の精神になっているんではないかと思いますけれども、しかし、今申し上げましたように、既に県知事から市町村長に独自に権限の移譲が進められているのは富山県のみならず大分県そのほか幾つかあるわけでして、そういうことから考えますと、むしろ基礎自治体である市町村に国の権限を直接移譲するということも一つの方法ではないだろうか、こう思いますけれども、それがいいのか、それとも、まず当面は県に移譲をしておいて県が独自に市町村の方に逐次移譲をしていくという方がいいのか、どちらをいいとお考えなのか、端的にひとつお聞かせいただきたいと思います。 二つ目。地方の意見をできるだけ地方分権推進計画の中に取り入れさせるためにも推進委員になるべく地方自治体の経験者をという、そういう御意見がございました。これは市長さんからでございました。知事の方からは、六団体の推薦する者という、六団体からも出されている意見をお述べになったわけですけれども、地方自治体の経験者と申しましても、首長もいらっしゃるし議員の方々もいらっしゃるし、地方自治の知識に大変明るい方々というそういう言い方もありますが、そうなると学者の方もいらっしゃるんですが、私は、できるだけ権限を直接受ける側という立場に立って推進計画をつくるという作業を進めるためには、これははっきり、むしろ知事の経験者、市町村長の経験者、そのお二人を入れるべきだろう、実は私はそういう意見を持っているわけですけれども、そういうふうにはっきりもうおっしゃった方がいいんではないだろうかなというように思うんですけれども、いかがなものでしょうか。 それからもう一つ、財源問題ですけれども、分権に伴いましてそれに必要な財源というのは、独自の税源というものも当然これは移譲されるようになってくると思うんですけれども、どんな新しい財源を仮に自治体に与えても、大きな都市とそれから小さな町村では財政のアンバランスというのは何としても出てくるわけでして、そういうことから考えますと、交付税制度というものは当分これは続くものだというふうに私は思うわけです。 そこで、交付税制度そのものをもっと民主化をしていく、簡素化もしていかなければならない、そういう御意見ももう既に述べられておりましたけれども、そういうふうにするためには、むしろ自治体の関係者も含めた第三者的な機関というものをつくって交付税の配分というものを行うべきだ。今のように、自治省がそれを行っているわけですけれども、そうではなくして、分権時代にはそういう自治体の関係者も含めた第三者機関で行った方がいいんではないかなというように思いますけれども、いかがでしょうか。できるだけ簡潔にお答えいただければありがたいと思います。
○公述人(中沖豊君) まず、市町村へ直接事務移譲をしてもいいのではないかという御質問でございますが、私は、直接移譲できるものと、一遍県へ移譲して逐次移譲するのと、やっぱり二つの性格のものがあるんじゃなかろうかというふうに思います。 詳しいことはちょっとわかりかねますけれども、非常に簡単なようなもの、現在、市町村がやって十分その目的を達成しておるようなものにつきましてはすぐ市町村へ事務移譲していただいていいように思いますが、技術職員を確保しなきゃならぬとかいろいろな体制整備をした上でおろしていいというようなものについては、やはり府県を一度経由して、ある程度整備しながら移譲するという方が適当ではないかというふうに考えたりいたします。 それから、地方分権推進委員会の委員に知事経験者、市町村長経験者をじかに入れろという御意見でございますが、もしそういうふうに政府、国会においてお決めいただければ私は大変ありがたいというように思います。 現在の地方分権推進委員会につきましては、いろいろな性格を持たせることをもっと検討してもらっていいのではないかというふうに私は思います。現在は、勧告権限でありますとか監視権限でありますとか意見を申し述べる権限ですとか、そういうようなものはありますけれども、もっと実動的な機関になることが考えられないだろうか。これは三番目の御質問にも関連するわけですけれども、国の機関ではあるが地方団体が構成員になるようなそういう委員会、これは言葉がちょっと適切ではないかもしれませんが、つまり地方六団体と自治省が一緒になったようなそういう機関に本当は育ってもらうと非常にいい組織になるのではないかというふうに私個人は実は思っておりまして、もっと地方分権推進委員会というものが実動的な行政機関になるということが私は望ましいというふうに個人的に思っております。 地方交付税制度の配分の問題につきましても、そういうものとの関連などで将来さらに研究されるべきではなかろうかなというふうに個人的に思います。
○公述人(正橋正一君) まず、市町村に直接移譲してもいいのか、あるいはまた県を一回、ワンクッション置いてやった方がいいのかという点でございますが、私は、先ほどもちょっと申し上げましたように、受け皿といいましょうかそういう点につきましては段階的にやった方がいいんではないだろうか、基本的にはそのように考えております、準備の関係もありますでしょうし。 それから、委員会の委員の人選につきましては、私が申し上げたかったのは、地方自治の経験豊かな方という観点から、今、先生お話しのございましたような、知事あるいは市町村長の経験者であれば地方自治に関する経験が非常に豊かでございます。現場の体験もお持ちでございますので、そういう意味におきましてまさに非常に適切ではなかろうか、こういう観点から私は地方自治の経験豊かな方、こういうふうに思っている次第でございます。 それから、財源問題でございますが、これはやはり私ども市町村でも、県でも恐らく同じお気持ちだろうと思いますが、我々は安定的な税源が一番よろしいわけでございまして、安定的でしかも普遍的な税源であればなおさらいいわけでございますので、そういう観点から独自財源、税源の充実強化が一番好ましいわけでございます。 しかし、それを補完すると言っては言葉がなんでございますが、別途に地方団体の財源機能を調整する形におきましての地方交付税制度があるわけでございます。それはそれなりに私は十分な役割を果たしてくれるものだと思っております。かつての地方財政平衡交付金は、まさに財源不足額を財政平衡交付金として予算化して、これを地方団体に配分したわけでございますが、これが現在の地方交付税に変わった経緯等も考えますと、今の交付税の方が非常に有効でなかろうか、このように考えております。 そこで、その配分の仕方につきましては、確かに先生お話しのございましたように、非常に技術的に細分化されておりますので、今の交付税の仕組みにつきましても、特に基準財政需要額の算定につきましてはなかなか一般にわかりにくいという我々のところの議員さんあたりの発言もございまして、この勉強会というのはたまにやっているわけでございますが、もっとわかりやすい制度にしたらいいなというような感じを持っております。 以上でございます。
○公述人(川田哲三君) まず、国から県へ、そして市町村へ、国から直接市町村へ、どちらがという御質問でございますが、知事はケース・バイ・ケース、それから市長さんは段階的にとおっしゃいました。私は、富山県の実情から見てあくまで国から一時県へおろしていただいて、すべてそこで取捨選択していただきまして、市は別として町村は必ずそういうふうにしていただければありがたい、また、そうしなくてはいかぬのじゃなかろうかという意見の持ち主でございます。 それから、推進委員会の問題につきましては、知事さん、市長さんのおっしゃるとおりの私も意見でございます。 それから、財源問題の御質問ですが、交付税制度につきましては、これもお二方のおっしゃるとおりでございますが、地方債制度についてちょっと一言申し上げますならば、地方債も地方団体の財源として非常に大きな位置を占めておりまして、良質な資金が安定的に確保されるということが極めて重要でございます。そのために現在の地方債の許可制度を廃止するということは絶対反対でございます。しかし、地方債の許可制度を弾力化して、その運用に当たっては枠の配分や許可手続の簡素化など個々の関与を最小限にすることは必要ではなかろうかというふうに思っておるところでございます。 以上です。
○山口哲夫君 もう少し持ち時間がありますので、もう一問質問したいと思いますけれども、起債の許可権の問題です。 今、起債の許可というのは、当分の間、国の許可を得なければならないということで、県の場合には自治省の許可をもらう、それから市町村の場合には今、県知事の許可をいただいて起債をするということになっているわけですけれども、分権の時代になってもなかなかこれだけは今の体制から変わらないんではないかというようなことが特別委員会の質疑の中でも明らかになっているわけです。 その理由としては、政府の方に言わせますと、起債は自由にする、しかしその起債を返すための金は政府が一部面倒を見るということになると、どうも筋が通らないんではないか。もっと端的な言い方をすると、勝手に起債をやっておいて返す方だけは政府で面倒を見ろというようなことでは、これはおかしいんじゃないかというお考えかと思うんです。 しかし、分権ということになりますと、どうしても財政的な問題が非常に重要でございますし、しかも個性豊かな仕事をやっていこうということになりますと、どうしてもやっぱり起債を自由に起こせるようにしなければなかなか思い切った個性豊かな仕事が進められないんではないだろうかというように思うわけです。ある一定の枠をはめた中でも自由に起債というのはやらせるようにするべきではないかなというのが私の意見なんですけれども、お三人の起債の許可権に対するお考えについてもお聞きしておきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○公述人(中沖豊君) 現在は、こういうふうに経済が非常に厳しい状況で税収もなかなか大変でありますし、今また低金利になっておりますから、起債を活用していい仕事を進めるというのは非常に大事だというふうに思います。当然それに関連しまして、良質な資金を確保して償還をするというような問題も出てまいりますので、私は今の地方債の許可制度というのは継続していいんではないかというふうに思います。 ただ、地方債の許可制度についても、むしろ地方団体の財政状況を考えた枠配分の許可でありますとか、それから一件当たりの許可制度にしましても、一件の許可額が非常に膨大な難しいようなものに限るとか、そういうようなものにもっと限定していっていいんではないかなというふうに思ったりいたしますし、起債の手続についてももっと簡素化されると大変ありがたいというふうに思います。
○公述人(正橋正一君) 私どもいろんな事業をやる際に、それは独立財源でいろんな仕事ができれば最高の理想の姿だと思っておりますが、財源ということになりますと税ということになるわけでございますが、今税源につきましては国家財政も地方財政も必ずしも十分カバーできない面があるわけでございますから、いろいろな事業等につきましても、私ども地方もそうでございますが、国家もやはりある程度起債というものを発行されていろんな事業をおやりになっているわけでございます。こういうふうな現状を私は無視することはできない、基本的にはそのように考えているわけでございます。できましたらそれは独立財源で全部いろんな仕事ができるような税源の強化、財源の強化をお願いしたい、こういうような気持ちでおるわけでございます。
○公述人(川田哲三君) 知事さんのおっしゃったとおりでございますが、返済のための財源を政府にお願いしておる以上は、これはやはり起債の許可につきましては現状どおりでいたし方ない、この制度は極力ひとつ存続していただきたいという意見でございます。
○峰崎直樹君 日本社会党の峰崎でございますが、大分時間も経過していますので、私の方から端的にお聞きしてみたいと思います。 まず最初に、県の中沖知事にお聞きしてみたいと思うわけです。二点でございます。 一つは、私はこの間、税制改正、さらには現在の円高問題等でいろいろと対応したときに非常に気になっているのは、法人事業税というものが非常にウエートが高い、そして日本のいわゆる法人税というのは現在実効税率で四九・九八%いっておりますが、その中で地方税のウエート、今申し上げました法人事業税でございますが、これが非常に高くなっております。しかも、これは景気変動で非常に上がったり下がったりする。そういう意味で、シャウプ以来の税制からすれば余り望ましい税源ではないんじゃないかなと。 今も山口議員の方からも財源の問題でお話しございましたけれども、特にこの法人事業税のウエートが高いことについて、今度地方消費税というものが創設をされてきたわけです。私もそれは地方税源の充実という点では大変高く評価をする一人なんですが、その点で法人事業税というものが今都道府県にとって非常にある意味では今申し上げたような問題を持っているので、これをどうしたらいいんだろうか。やがて法人税の税率論議、秋から始まってくると思いますが、必ず焦点になるのはこの法人事業税だと思います。その点で、もしこれを安定財源としてどのような税源が求められるべきなのかということについて、非常にちょっと細かいお話でございますが、この機会にお聞きさせていただければと、こういうふうに思います。 それから、もう一点知事にお聞きしたい点は天下り人事の問題でございます。これは私の今住んでおります北海道の実例でございますが、例えば総務部長はもうここ二十年近く自治省から参っております。それから、財政課長もそうであります。そういう意味でいうと、先ほど来優秀な人材をある意味では地方としては確保したいと。そうすると、こういうふうに同じポストが歴代ずっとそういう中央省庁からの人材で占められているということについては、地方にはそういう人材は育っていないのかということをどのように我々は考えたらいいんだろうか。 実は、先ほど来ずっと、地方自治体にはいわゆる行政経験というものがだんだんついてきた、実力もだんだんついてまいりました、お任せくださいと。とすれば、このような年中行事化といいますか、指定ポストのようになっているそういう人事のあり方については、これからはできる限り、もう結構ですと、都道府県、市町村もそうでございますが、我々は人材の面でも自立して十分やっていけるということであれば、それはどんどん減らしていって当然じゃないかなというふうに思うんですが、この点知事はいかがお考えであるかということについてお聞きしたいと思います。 それから次に、富山市長の正橋さんにお聞きしたいわけでございますが、これはちょっと最近、神戸の大震災以降、ボランティアの動きが非常に実は活発になってきているわけでありまして、国も十八省庁で今ボランティアの法制化に向けて進んでおります。与党も現在いわゆるNPO、非営利団体ということで進もうとしておるわけですが、今ずっとお聞きしていて、国と地方という二つの、いわゆる国の権限を地方へとこうなっておるんですが、そうすると地方の権限が大きくなる。つまり、小さな中央政府、大きな地方政府と、こういう分け方に今どうもなりつつあるんですが、私は、国の小さな政府、それから大きな政府じゃなくて、その地方自治体でもそういうボランティアであるとかNPOとか、そういうさまざまな団体が動き始めると、そうすると地方自治体自身も非常に権限を小さくする。つまり、ボランティアの方々やそういうNPOの方々に法人格を与えながら充実をさせていくという方向が考えられてもひとつしかるべきかなというふうに思うわけでございます。 きょうは地方分権ということでなかなかなじみにくいかもしれませんが、やがて中央政府から地方政府に権限が移行するだけでなくて、地方政府自体も、ある意味ではそういう個性的な行政をやろうと。町づくりをやる、環境の問題がある、そういうものを地方自治体ではないボランティア的な運動やNPO的な運動に任せていくということについてはどのようにお考えになっているのかお聞きしてみたいと思います。 それから、町村会長の川田さんにお聞きしてみたいわけですが、実は今から何年前でしょうか、ふるさと創生一億円の基金がございましたですね。一九八八年だったか八九年だったでしょうか、竹下内閣のときのあれでございます。実はあれは一回限りじゃなくて、毎年ずっと続いているというふうに聞いています。金額は一億円を上回っている市町村もあれば、それを下回っているところもある。最初に、第一回目に提起をされたときはこの一億円の使い方はどういうふうに使われるんだろうかということで随分脚光を浴びたんですが、今ああいう基金をずっと使われてみて、なるほど自分たちが自由に使えるお金で、そして自分たちの知恵を使ってみてこんないい行政ができているという点で何か評価できるような結果があらわれているのかどうか、もしその点わかりましたら教えていただきたいというふうに思います。 以上でございます。
○公述人(中沖豊君) 税源配分というような趣旨のお話があったわけでありますが、地方団体がその役割に見合った財源をみずからの責任において確保できる仕組みというのがやっぱり基本であるわけであります。ところが、現実には国税が約三分の二を占めておりますが、仕事は地方団体が逆に三分の二をしておるということでありますから、そこのところは仕事の役割に応じて税源がもっと地方団体に配分されるようにすることが必要ではないか。この際、ですから税源を根本から見直すということがあるべきではないかなという感じを深くいたしております。 現在の地方団体に対する税源配分は、国税がまず非常に有利な税源を確保して、あと地方団体にそのほかの税源を渡す、こういう感じが強く、しかも税額の総額においても十分ではない、こういう感じがするわけでありますから、やっぱり根本から見直していただきたい。 そこで、府県の場合の一番中心になりますのは、御指摘ありましたように法人事業税でありますが、景気の変動の影響を非常に受けやすい税目でありまして、私どももこういう景気変動に伴って非常に財政運営上苦労しておるわけであります。今度、地方消費税が入りますとか、いろいろ自治省などでも地方団体の税源について大変御尽力いただいた、また国会の先生方にもいろいろと御尽力いただいたというふうに思いますが、やっぱりもっと地方団体にいい税源が配分されないであろうかというふうに思います。 所得税などのような非常に安定的な財源がまず国に徴収されるというわけでありますけれども、ある意味ではもういろいろな税の徴収というものを府県にお任せいただいてもいい時期がだんだんそのうち来るのではないか。地方でそういう税金を全部一括して納めて、そして事務に応じてその総額が配分されていくというような仕組みが逆にいつかあった方がどうもいいのではないかというふうに思ったりいたします。 そんなことで、地方、特に県に対してはさらに安定的な税源配分がなされますように一層御指導をお願いしたいというふうに思います。 それから、天下り人事についてのお話がございました。 先ほども申し上げましたが、実は私どもは地元の職員の登用が原則であるというふうに思っておるわけであります。県、市町村とも地元職員を登用していくというのが原則でありまして、現にそのように地元職員で優秀な職員については積極的に登用もいたしておりますし、一生懸命に頑張っておる職員についても処遇をいたしておるわけでございます。ただ、非常に先端的な事業でありますとか、非常に困難な事業などもございます。研究職を招聘するというようなことなども必要になってくるわけでありまして、そういう場合には私どもの方が地方団体に自主的な立場で要請をすると、こういうことであろうかというふうに思っております。また、そういう中央から来ておる職員も県や市町村の職員になり切って地域の発展のために頑張っておるというのが現実であります。 ですから、天下りのお話でございますけれども、あくまでも地元職員の登用を原則にしながら、非常に重要な難しい事務については地方が主体的な立場に立って招いておる、招聘をしておるということでありまして、天下りというような感じはないということをこの際私からも強く申し上げておきたい。中央から来ておる職員も、本当に県職員に、県民になり切って一生懸命に頑張っておるというのが現状であるということを申し上げておきます。
○公述人(正橋正一君) ボランティアのお話が出ましたが、まさに先般の阪神・淡路大震災の際に多くの方々がボランティア活動を展開されたことは十分御承知のとおりでございます。私どもの市の方からも、お役所だけじゃなしに民間の諸団体もやはり随分応援に行かれました。一つ二つ例を挙げますと、魚商組合でございますとか福祉関係の団体の方々が、富山の魚をなべと一緒に現地に持っていって現地の人にみそ汁を一杯配っておる。こういうことは非常に好評でございまして、私の方に市長さんからもお手紙をいただきましたし、関係の皆さんの住民からも手紙をいただきました。 こういうふうなボランティア活動というのは非常に方向性として好ましいことでございまして、私どももいろんな機会を通じてボランティア活動の推進、普及、拡大に努力いたしているわけでございます。 ちょうど昨年、富山県で全国高校総体がありました。あの際に、全国からたくさんの高校生の諸君あるいはまた関係の皆さん方がお見えになったわけでございますが、やはりホテル等がなかなか確保できなくて、一般の応援団体の方々が例えば市の方の公民館等を利用したいと、こういうようなお申し出があったわけでございますが、私どもも地区の皆さん方の協力を得て、公民館の宿泊、夏でございますので余り寝具等も要りませんもので、非常に多くの方々に利用されたわけでございます。その際に、地区の方々がやはりボランティアで食事だとかなんとかお世話になって、公民館ですから食事ができないものですから、そういうようなことで大変これまた好評であったわけでございます。 そういうことで、私どもは福祉関係のボランティアというのは非常にやっぱり要望が強いわけでございますので、そういう関係でも市の施策の重点事項として取り上げておるわけでございます。社会福祉協議会あたりとも連携をとりながらいろんな事業を展開いたしておるわけでございますが、こういうような関係につきましては、これからももっともっとやっぱり高齢化社会へ向けて充実強化していかなきゃならぬ必要性を痛感いたしているわけでございます。 以上でございます。
○公述人(川田哲三君) ふるさと創生基金の一億円はどういうふうに使われたか、それからまた、その後交付税の中に算入されていただきますふるさと創生金につきましてはどういうふうに使われておるかというような御質問だったかと思います。 まず、当初のふるさと創生、これは基金ということで一億円、大小にかかわらず市町村は軒並み一億円いただいて、全く完全なひもつきでないお金をいただいて、各市町村挙げてびっくりもいたしましたが、それぞれ各住民が集まって知恵を絞り合いまして何をやろうかということで、それぞれ知恵を絞ってやったわけでございます。富山県では残念ながら話題になるような、純金のカツオをつくったとか、やれ温泉を掘ったとかいうような話題になるようなとっぴなものはございませんでしたが、それぞれ各住民の皆さんと知恵を絞り、相談し合いながらそれぞれの事業に使っていただいたようでございます。 例えば一つ山田村の例をとりますと、山田村の顔と言うべきスキー場があるんですが、このスキー場の人工雪装置にも使われたやに聞いておりますし、例えば井口村におきましては、ツバキの村の定住構想ということで土地建物をつくって、都会の皆さん方から若い人の定住定着を図って、土地建物つきのものを三棟、五棟とつくって、そこで募集されて、たくさんの応募があって今現在そこへ定住をいただいておるという事例もございますが、押しなべてやはり文字どおり基金として積み立てた町村が多かったように思います、当初は。 私の町も全町民からアイデアを募ったのですが、残念ながらこれという皆さんの納得されるアイデアが出ませんでしたので、一応もう一億円積み足して二億円の基金として積んで、現在それを人材養成といいましょうか中学生の国際交流の資金に使っております。国際的な視野を広めるということで、そういったことで使っておりますが、いいアイデアがあればいつでもその一億円、二億円を使う予定でおります。 そして、その後交付税に算入されていただきますふるさと創生資金でございますが、これもいいアイデアがあって各住民からこういう事業をということになれば交付税に算入されて、これもひもつきでないお金でございます。非常にありがたいお金でございます。これも各町村いろいろ知恵を絞って使わせていただいておるようでございます。 これも全国にひけらかすような派手な事業はございませんが、我が町で申し上げますと、町の顔と言うべき文化財的な蔵がございましたが、土蔵づくりの蔵が何棟かそろっておりますが、これを大改造させていただきまして、これを町の顔づくり事業とも関連させていただきまして、町の史料館、町史館として再生させていただきまして、非常にたくさんの観客も来ていただいております。町におけるいろんな歴史、あるいは保存しております文化財をかわるがわる展示させていただいておりまして、その都度たくさんの観客が来ていただいておるようでございます。 こういったことで、各町村はいろんなものに使わせていただいておりますが、いずれにいたしましても、この基金によりまして非常に各町村が活性化してきた、あるいは積極化してきたと申しますか、町民に非常に活力を与えたことは事実であったというふうに今深く感謝いたしておるところでございます。今後もこの制度は続けていただきたいというのが私の希望でございます。 以上です。
○小島慶三君 新緑風会の小島慶三でございます。 御当地とは、黒四ダム、神通川のダム、そういう仕事の関係でいろいろ関係がございましたし、それから最近では、テクノポリスそれからテクノマート、あるいは頭脳立地といったようなことで、いろんなそういった新しい地域おこし関係でお世話になっているわけでありますが、そういった地域立地につきましても富山県というのは非常にアグレッシブといいますか、創造的といいますか、そういうことでいわば優等生であった、全国の地域おこしの模範と言ってもいい、外国にはそういうふうに私どもは紹介しているわけであります。今後ともますますそういう線でこの蓄積をふやしていただきたいというふうに思っております。 技術立国の要点は、そういうふうにある集積が各地に生まれるということが大変重要で、それが伝統とか歴史とか風土とかそういうものを踏まえた非常に個性的なプロジェクトとして進められる、これがもう全く肝要だと思っておるわけであります。 そういう点から見まして、私はこういうことが大変気になっているんですけれども、この地方分権の一つの大きなねらいというのは、中沖知事のおっしゃるような地方集権というか、そういうことで地域における統合、中央の縦割り行政を地域では統合すると、これが大変大きなねらいだと思うんです。そういうことから見ますと、いろいろ中央で出されるプロジェクトというものは今二十幾つあるそうですけれども、そういったものがばらばらに出てくるということでは大変地域はお困りになるだろうと思うんです。 だからそういう点で、中央に対して今度は逆に地方に分ける仕事ももっと総合性を持てとか、あるいは地方から見れば逆選択というか、そういうことがいろいろ必要になってくるだろうと思うんですが、地方分権ということとちょっと違うかもしれませんので、そういう点の議論というのが余り我々の方に聞こえてこないんですけれども、これはどういうふうにお考えになっておられるか。パイオニアとしての中沖知事さんのお考えを伺いたい、これが一つでございます。 それからもう一つは、今の富山県のようにどんどん先に進んでいきますと、地方分権の場合に、ますますそこに追いつけないほかの県とのギャップが出てくる、格差が非常に大きくなるということがあると思いますし、何とかその格差に追いつくというのがいわば後進県の努力目標でなきゃなりませんが、そのギャップが大き過ぎる。それからもう一つ、先進県のそういったポテンシャルが県の限界ということで生かされない。 そういうことが起きてまいりますと、やはり道州制とかそういった問題がどうしても出てくると思うんですけれども、例えばその場合、私どもは道州制といっても従来のような地理的区分ではなくて、ここは日本海を抱えているわけでありますから環日本海圏とか、あるいは九州で言えば中国本土圏とか、そういう大きな国際的な感覚、視点、そういうものを入れて考える必要があると思っているんですけれども、そういう道州制についてはどういうふうにお考えになるか。この点も知事さんにお伺いをしたい。 それから、先ほど来、人材の問題がたくさん出ておりますが、地方の空洞化とかいう問題が最近いろいろ我々の方にも聞こえてまいります。その場合に、人の流出というか、そういうことが御当地で問題になっているのかどうか。問題になっているとすれば、人材のUターンとかこういう点についての何か手をお打ちになっておられるか。これは正橋さんにお伺いをしたいというふうに思っております。 それから第三点ですけれども、やはりこれから非常に中山間の問題というのが大きくなってくるというふうに思っておるんですけれども、その一つの問題は中山間に付加価値が落ちないということだろうと思うんですね。 ところが、農産物にしても林産物にしても、水産物にしても畜産物にしても、これは全部有機物であります。とにかく太陽と水とそれから空気があれば、永久に資源的に困ることのない産業であります。私はこういうものを生命系産業と言っているんですけれども、それが農村で流通過程に売り渡すということで終わるのでは農村に価値はたまらない。だからそういったものを、例えば林産物ならば木炭をつくるとか、水産物ならば内臓を利用するとか、畜産物ならば骨とか皮をバイオメディカルに利用するとか、いろいろその付加価値のつけ方がある。そういうこともやる。 そして、さらにそれを例えば農産物なら食品としてサービスするとか、畜産物もそうでありましょうが、そういうものにサービスするとか、サービス産業まで手を出す。そうすれば、当然そういったプロジェクトに対して都会の人が見に行く。あるいは、観光農場、観光牧場、いろいろ手助けをしてくれる。そうすると、農村と都会の間でお互いに顔が見える、そういう関係ができるということでいろいろと知恵も生まれてくる。農村と都市が結ぶ知恵も生まれてくるというので、一次産業から五次産業まで全部やることができるということが一つあると思うんです。 そういう村づくり、都市と農村の結び方というのをこういった地方分権の機会に農村の側から主体的に考えてみるという必要があると思うんですが、これはひとつ川田さんにお答えをお願いしたいと思います。 以上です。よろしくお願いします。
○公述人(中沖豊君) これから地方がもっと中央に対して総合性を求めたり、あるいは逆選択をしていくようなことがあっていいのではないかという御意見でありますが、全く私もそのとおりだというふうに思っております。やはりこれからは地方がみずから努力をして、知恵も汗も出して発展をしていかなければならぬというふうに思うわけであります。地方がみずからいろいろな創造的な事業も実施いたしまして、そして住民と一緒になって発展していくことが大事であるというふうに思っております。 そのような立場に立ってまいりますと、現在の中央省庁、それぞれ画一的あるいは縦割り行政を地方におろしてきておるわけでありまして、非常に重複があったりむだがあったりいたします。そういう点については、中央省庁同士の間でもっと総合性が考えられなきゃならぬということで、やはりもっと注文をすべきだというふうにも思いますし、地方としては中央からの押しつけに対しましても十分地方の自主的な判断で選択するということがあってしかるべきだというふうに思うわけであります。全く小島先生の意見に同感であります。そういう自発性、自主性というものがこれからの地方分権の場合にはその根本になってきておるように実は思っておりまして、今後ともそういう面で努力をしていきたいというふうに思います。 それから、道州制などについての御意見がございました。交通も発達いたしまして、まさに県境も越えて経済が進んでおりますし、またいろいろな人の交流もあるわけでありまして、やはり現在の県境の規模を越えたいろいろな行政というものが非常に必要になってきておるという認識は持っております。 ただ、その場合におきましても、やはりすぐ道州制というようなことではなくして、今、広域連合でありますとか、あるいは一部事務組合でありますとか、あるいは協議会組織でありますとか、そうしたいろいろな広域施策を活用するということを私どもは考えなければならない。府県が自主性を持って、そして広域施策を活用しながら広域行政を進めていくということが大事ではないか、このように実は考えております。広域連合などはそういう面ではまさに一つの画期的な制度だというふうに思ったりいたしておりますし、今後とも各県の間でそういう広域制度の活用を努力していきたいというふうに思います。 なお、現在の情勢からいいますと、例えば今までは県境が一つの障壁になっておりましたけれども、逆に県境に立っていろんな地域全体を見回してもらうと発想が全然違ってまいります。ですから、昔の古い県境にとらわれないで、むしろ県境を中心にしていろいろなものを考えるというような、そういうようなことなどもあってもいいんじゃないかというふうに思ったりいたしますし、いずれにいたしましても、もっともっと県、市町村が広域行政というものに取り組む必要があるというふうに思うわけであります。
○公述人(正橋正一君) 地方からの人材の流出対策、こういう点についてお答えいたしたいと存じます。 私は、地方に若者が定着するような施策というのは非常に大事だと思っておるわけです。知事さんも非常にそういう点において積極的に取り組まれておるわけでございますが、一つは、やはり私どもも各自治体も、例えば企業誘致でございますとかそういうような関係についても力を入れておりますし、それから先ほど申し上げましたような高等教育機関の誘致、こういうような関係につきましても努力をいたしておるわけでございます。そういう点から、若者対策というのは非常に地方にとりましても重要な施策であるわけでございます。 それから、例えば東京方面の大学に進学した若者がこちらへUターンすることにつきましては、私も市の職員の採用等につきましては各大学の方へパンフレットを送ったり、あるいは願書を一緒に送ったりしておりますし、それから御家庭あるいは出身高校の方にもそういうふうな紹介等をいたしておるわけでございます。そのほかに企業関係の皆様方の御理解を得て就職ガイドブック、こういうようなものをつくって学校等に配付いたしております。さらに、県の方では東京あるいは大阪等にUターン対策本部ですか、そういうようなものをおつくりになっておるわけでございますので、そちらの方へ進学した若者もたくさん相談に来ているというふうに承知いたしておりますので、そういうような点も利用させていただいておるわけでございます。 また、高等教育機関の誘致の問題でございますが、これは県の方にも県立大学ができておりますし、それから既存の国立大学の定員の増加あるいはまたそのほかに私立大学等も最近は随分富山の方にふえておるわけでございます。そういうような点におきましても若者対策、流出対策についてはそれなりの施策が講じられておるものと、このように考えておる次第でございます。 以上でございます。
○公述人(川田哲三君) 中山間地の問題で先生からの御質問でございます。特に、中山間地における農産物、畜産物、林産物、いわゆる有機物、先生は生命産業とおっしゃいましたが、そういったものにつきまして付加価値をつける意味で一次産業から五次産業までやって村づくりをやったらどうかという御質問だったかと思います。 もちろん我々はやっております。いわゆる直販すれば一番いいわけです。最終製品までつくって、もちろん付加価値をつけて消費者に直販すれば一番いいわけでございますが、御存じのように、日本のあらゆる産業は問屋制度を初めとする分業化というものが非常に進んでおるわけでございまして、農産物におきましてもその例をまたないわけでございまして、その殻を打ち破るのはなかなか難しい。いろいろやっておるわけでございます。県もいろいろやっていただいております。東京、大阪におきましてもいろんな宣伝もやっていただいておりますが、これにはやはり最終製品までつくって付加価値をつけて直販するということにつきましては、貯留する必要のある製品もありますし、新鮮さが必要であるというような産物もございますし、それにいろんな資金も要りますし、設備も要ると。 それからまた、一番大事なことは販売ノウハウといいましょうか、そういうことがなかなか我々自治体には不足いたしております。しかし、何とかしてこれをやらなきゃ中山間地の農業、林業はこれから危ないということで努力いたしております。現に、富山県のある農協では富山のすばらしい米を神戸の農協さんに直販しておる。その縁で、この前の震災でもすぐに水を何千本と連絡とって、その日にお送り申し上げたということもございますが、直販に成功しておる例もございます。 そういったことで、一つ一つこれからやっていかなきゃならぬし、やっていくべきであろう、先生のおっしゃるとおりであろうというふうに思っております。頑張っていきたいというふうに思います。
○小島慶三君 ありがとうございました。終わります。
○団長(小林正君) 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。 この際、公述人の方々に一言御礼を申し上げます。 おかげをもちまして、我々が遺憾なく初期の目的を果たし得ましたことは、ひとえに本日御出席くださいました公述人の皆様の御協力のたまものと深く感謝申し上げる次第でございます。 また、本地方公聴会のため種々御高配、御尽力を賜りました関係者各位に厚く御礼を申し上げます。 傍聴の方々にも長時間にわたり御協力をいただき、まことにありがとうございました。重ねて厚く御礼申し上げます。 これにて参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会富山地方公聴会を散会いたします。 〔午後三時五十一分散会〕 —————・————— 大分地方公聴会速記録 期日 平成七年五月九日(火曜日) 場所 別府市 ビーコンプラザ 派遣委員 団長 理 事 斎藤 文夫君 溝手 顕正君 吉村剛太郎君 岩崎 昭弥君 釘宮 磐君 吉川 春子君 公述人 大分県知事 平松 守彦君 津久見市長 大分県市長会会 長 岩崎 泰也君 武 蔵 町 長 大分県町村会会 長 正本 秀雄君 ————————————— 〔午後一時七分開会〕
○団長(斎藤文夫君) ただいまから参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会大分地方公聴会を開会いたします。 私は、本日の会議を主宰いたします地方分権及び規制緩和に関する特別委員会理事の斎藤文夫でございます。よろしくお願い申し上げます。 まず、私ども一行を御紹介申し上げます。 自由民主党所属で委員の吉村剛太郎君でございます。 自由民主党所属で委員の溝手顕正君でございます。 日本社会党・護憲民主連合所属で委員の岩崎昭弥君でございます。 平成会所属で委員の釘宮磐君でございます。 日本共産党所属で委員の吉川春子君でございます。 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。 大分県知事の平松守彦君でございます。 津久見市長・大分県市長会会長の岩崎泰也君でございます。 武蔵町長・大分県町村会会長の正本秀雄君でございます。 以上の三名の方々に公述人として御出席をいただきました。 さて、地方分権推進法案につきましては、目下、本委員会で審査中でございますが、本委員会といたしましては、本案の重要性にかんがみまして、国民の皆様から忌憚のない御意見を賜るため、本日、当大分県及び富山県においてそれぞれ地方公聴会を開会することにいたした次第でございます。何とぞ特段の御協力をお願いいたします。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 平松公述人、岩崎公述人及び正本公述人におかれましては、御多忙の中、本日は貴重なお時間をお割きいただきまして、本委員会のために御出席をいただき、まことにありがとうございました。派遣委員一同を代表いたしまして心から厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます。 次に、会議の進め方について申し上げます。 まず、公述人の方々にお一人二十分程度順次御意見をお述べいただき、その後、一時間四十分ほどの間委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。 なお、御発言はいずれも御着席のままで結構でございます。 また、この会議におきましては、私どもに対しての質疑は御遠慮願うことになっておりますので、御了承をお願い申し上げます。 傍聴の皆様にも、会議の進行に御協力いただきますようお願いを申し上げます。 それでは、これより公述人の方々から順次御意見を承ります。 まず、平松公述人に御意見をお述べいただきたいと思います。
○公述人(平松守彦君) 本日はわざわざ御来県賜りまして参議院の地方分権及び規制緩和に関する特別委員会の公聴会を開いていただき、私どもに発言の機会を与えられたことを大変光栄に存じております。 それでは、座ったままで失礼させていただきます。 お手元に私の地方分権に関する意見の要旨というのが参っておると思いますので、その要旨に従って御説明をさせていただきたいと存じます。 その前に、私は大分の出身でございますけれども、昭和二十四年から昭和五十年までは東京の通産省という中央官庁で勤めさせていただきまして、昭和五十年に大分に帰って副知事になりまして、五十四年に知事になりまして、現在ちょうど先般の統一地方選で五選ということでございます。したがいまして、前半の二十四年から五十年の二十六年は中央の、国の政府の中で行政をいたしまして、昭和五十年から二十年間はこの大分県で地方行政を担当させていただいておりまして、ちょうど高度成長から今の安定成長になるこの過程でやはり地方分権ということが地方住民の福祉、地方住民の生活の向上には一番必要なことではないかというのを実感いたしましたのでそういったことについて、体験的な地方分権論でございますが、お話をさせていただきたいと思っております。 その前に、私の大分県のことでございますが、一言申し上げますと、私は、GNPからGNS社会へと、こう言っております。 大分県の一人当たりの県民所得は、平成四年に発表されました経済企画庁の統計では一人当たり二百五十一万五千円。県民所得というのは一次産業、二次産業、三次産業の純生産高を人口で割ったのでございますが、三十二位でございます。東京が四百三十万円でございますから七割以下、六割ちょっとのところでございます。しかし、一ドル百円で換算すると二万五千ドル、八十円で換算すればもっと大きくなるわけでございまして、アメリカの一人当たりの国民所得が二万一千ドルから二万二千ドルと言われておりますので今はもう、九州各県はもちろんでございますが、県民所得からいえばアメリカの一人当たりの国民所得並みに来ているわけで、GNP、グロス・ナショナル・プロダクションからいうと、我々のところも県民所得からいくとまあまあのところでございます。 問題はやはりこれからは一人当たりの豊かさ、グロス・ナショナル・サティスファクション、物的満足じゃなくて一人一人が生きがいを持って、お年寄りの方が安心して暮らせる、子供が安心して育つ、こういった満足度、豊かさ、こういうGNSという社会を求めるべきであると。一人一人が生きがいを持って暮らせる豊かさを実感できる地域づくりが県政の目標でございます。 先般、五月一日に発表されました経済企画庁の「豊かさ指標」というのが出ておりますが、これによりますと、いろいろ指標がたくさん出ていて、総合指標でいきますと大分県は全国で十九位、九州の七県ではトップになっておる、こういうことでございます。一人一人の公園の面積でございますとか下水道でございますとか住宅でございますとか余暇時間でございますとか、そういうGNSの指標でいくと全体の十九位、十八位ぐらいというところでございますので、これからやはりGNP、一人一人の物的豊かさと同時に心の豊かさを大分県の中の地域が実感できるということをやる行政をしておりますが、そのためにも地方分権が必要である、こう思っております。 まず、地方分権の必要性について申し上げますと、今言いましたように、これからは物の豊かさと同時に心の豊かさ、真の豊かさということであり、生活者という立場でみんなの生活水準を上げていく、また福祉の水準を上げていく、こういったことをやるような時代になってまいりますと、日本の今までの画一的な行政、また縦割り行政というものが地方に住んでおる生活者としての住民の皆さん方のニーズに合わなくなってくる。 例えば農業一つとっても、北海道の農業と大分県の農業は面積も地形も、またつくる産品も違うわけでございますので、やはりその地域に合った農業をやっていかなきゃならぬ。画一減反、画一補助金ということで、高度成長のときには一人一人が全体の国民という一つの規格品でとらえて国民総生産を上げるということでございましたが、これからはやっぱりそれぞれの地域という視点で地域農業、地域福祉、また地域医療、こういったことで地域に住んでいる住民に合うような行政をやっていくということになると今までのようなやり方のシステムを変えていかなければならぬのではないか。 日本の役所も皆、通産省にしても物をつくるという側、建設省も道路をつくるという側、また運輸省は鉄道や飛行機で運搬を供給する、供給官庁は多いんですが、消費生活、生活という立場からの役所というのは経済企画庁の国民生活局という局があるぐらいのもので、いわゆる生活者主権というか、生活者の立場に立った行政ということは日本の中央官庁はできておらない。 地域住民のニーズに合う行政というのは地方の役所が、一義的に市町村なり県がやるというようなことになっていかないとこれから二十一世紀において国民の満足度を高めていく行政はできないんじゃないかということが一番大切なことではないかと思っているわけでございます。 それから第二番目に、ここに書いてございますが、もう一つの大きな問題は東京の一極集中。東京は今、大変大きな問題でいわゆるサリンとか地下鉄の事件等が起こっておりますし、また阪神の大震災で都市に集中した大災害が起こったときの問題も如実にあらわれておりますから、やはり今はまさに東京におる人も自分の生活について不満を持っておる。地方の方は若い人がどんどん都市の方に流出していって、例えば日本の一番大切な森林資源、水資源を守る森林、これを保全する若手の労働者がいないということになって、台風が来ると非常に大きな災害が起こる。日本の森林を守る、また自然環境を守る地域の若者がいないということでございますので、現在の日本を一言で言うと東京不満、東京におる人は不満であるし、地方の人は不安である、このまま町がなくなるんじゃないかというような時代に現在はあるわけでございます。 これはやはり東京に住んでいる人も東京満足、地方の人も安心して地方に住めるというようになっていくためにはこの東京一極集中をどうやって是正するかということでございますが、これには三つありまして、一つは先生方が今やっておられる規制緩和。許可認可のために東京の役所に行っていろいろ陳情しなきゃならぬ、こういうことが非常に多いために東京一極集中になる。 私の例を申し上げて恐縮でございますが、知事になった昭和五十四年ごろは二月に三回ぐらい東京に行っておりまして、ですから月平均一・五回ぐらいは東京に行っております。最近は月に三回ぐらい東京に行っておりますので一年に三十六回東京に行く、一泊二日で帰ると七十二日東京におることになりますから二月半は東京におる勘定でございます。ちょうど戦国時代の江戸詰め城代家老みたいなもので、東京におる期間がそのくらい、これは私だけじゃない、もう熊本の知事も北海道の知事もみんな、地方の知事は大体七十二日ぐらいは皆東京におると思います。 予算時期にでもなると陳情で各省を回って歩いたり、また国会の先生を回って歩くようなことになりますので、こういうことを繰り返しておると、これは私だけじゃない、隣におられる市長さん、町長さん、みんなこうやって行くことになりますから、やはり東京に飲み屋ができ、ホテルができ、会議室ができ、どうしても東京に人間が集まる。なぜ集まるかというと、これは霞が関という中央官庁があそこにありまして、そこに行かないと、昔はバスの停留所を一つ変えるのにも運輸省まで行かなきゃいけなかったわけでございますが、そういうことで許認可権限というのが集中しているからどうしても東京に行かなきゃいけない。それから、最近は会社の本社が皆東京に移っていますから、企業誘致なんかをお願いするにしても社長さんに会うには皆東京に行かなきゃいかぬということで問題がある。 第二番目の問題は、それじゃひとつ東京を移転したらどうかという東京の移転問題、霞が関を移転してしまえという議論があるわけでございますけれども、私はこの議論にはちょっと意見がございまして、東京の中央官庁、また国会、最高裁判所、在外公館、六十万人を首都から六十キロのところに移すのに十五兆円、これは堺屋さんがそう言っていますが、今のままで東京から六十キロのところへ移してみても、これは第二の東京ができるだけで我々としてはかえって、例えば宇都宮の先に東京が移れば便利が悪くなるわけでございまして、今のような中央集権のままで東京から移したらこれは意味がないわけでございます。 したがって、やはりそのためにはまず規制緩和、それから地方のことは地方でやれる、もう大分県のことは大分の県庁で話が済む、九州のことは九州で全部話が済むというような姿なき転都といいますか姿なき遷都、いわゆる地方分権というのを行わないと東京への一極集中は直らないんじゃないか。これだけじゃございませんけれども、地方分権というのはそういう意味で今の東京への一極集中というものに対する一つの大きな決め手になる、こう考えておるわけでございます。したがって、日本の均衡ある国土の発展、それから人口等の分散、若者の地方定住、そういったことをやる意味においても地方分権というのを考えていかにゃいかぬということで、今まさにそういうことをやるべき時期である、このように思っておるわけでございます。 しかし、それについてはまたいろいろ問題がございまして、特に中央官庁からいうと、例えばゼネコン汚職が起こると地方に任せるとやっぱり同じようなことが起こるのじゃないかとか、また神戸の震災なんかのときでも、国会の議論は最も自衛隊が早く都道府県知事の発動要請を待たずして出るべきではないかとか、東京の信用組合が二つございますが、ああいう監督権は今都道府県の機関委任事務になっておりますが、あれじゃだめなのでまた大蔵省に戻せとか、最近はそういう議論が非常に出ております。やはり住民の消火活動、防災活動というのは地方自治の原点でございますから、まず市町村、都道府県が消防活動、また震災への安全対策はやるべきであって、その上で自衛隊にもお願いし、また国にもお願いするという原点でいかないと、地方に任せておるとだめだから国が現地で対策本部をつくって、自衛隊も市町村長、また都道府県知事の要請なくして出るようにするという言い方は本末転倒ではないか、このように思っております。やっぱり地方自治というのはいつまでも地方不信と考えてやるとこれは進みません。地方自治は教育ということでございますので思い切った、初めに分権ありきということで地方自治体を教育していく、若干混乱は起こるかもしれませんが、それを進めていかないと地方分権はできないのではないか、このように思っておるわけでございます。 そこで、地方自治のこれからの進め方でございますが、その前提として、第二ページに書いてございますが、私は地方分権は目的ではなくて手段であると考えております。地方分権をすれば全部片づくというものじゃございません。地方分権というのはあくまでも手段でございまして、目的は何かというと、地域に住んでおる住民の生活水準が上がる、また住民の福祉なり住民が安心して暮らせる豊かさが実感できる生活が送れるということをやるのには、今のような中央集権的な画一的、縦割り的行政よりも都道府県及び市町村において行政を行った方がそういう目的にはベターではないかということで地方分権を進めるわけでございますから、地方分権をすることによってかえって能率が悪い、かえって問題が起こるということでは地方住民からすれば中央集権の方がよかった、こういうようなことになるわけでございます。地方分権を行うためにはどうしても地方自治体に優秀な人材を得てその役所が政策能力を持っておる、東京都の知事にしても大阪の知事にしても、また地方の知事が皆政策能力を持っておる、また職員が住民にこたえるだけの行政執行能力を持っておるということでありますから、そういう勉強をしておかないと中央集権をやった方がいいということになるわけでございます。 このことを一番最初に言った人は、大分県で幼年期を過ごした福沢諭吉先生が「分権論」というのを明治十年に書いておりますけれども、福沢諭吉さんはその中で国権、国の権力を二つに分けろと。政権と治権、ガバメントとアドミニストレーション、国権を二つに分けろと。政権というのは国が集中して持つべきである。ガバメントというのはいわゆる外交、通貨、国防、これは国の権限である。それから治権、アドミニストレーション、いわゆる公共事業、衛生、教育、こういったことは全部地方に任せるべきである。政権、治権というのに分けて、一つに全部まとめるべきではないと福沢さんは書いております。福沢さんは、それをやれば混乱が起こるけれども、思い切ってそれをやらなければいつまでたっても地方分権はできない、恐らく自分の目の黒い間にはできないとその本には書いてありますが、今もって、明治から百年たってもまだできていないということでございます。 したがって、第一番目は、地方分権を進めるときにはこの一方で若者が地方に定住して、いい人材が役場に、市町村なり県にいるという若者の地方定住という政策を一つとらなきゃなりません。 第二番目は、ただ権限だけを移譲することが地方分権ではありません。 今、地方は三割自治であります。大分県も一般財源、いわゆる自主財源と依存財源の比率は、バブル景気のころには二年ぐらい自主財源が三三%、現在は三〇%をちょっと切っておりますが、おおむね自主財源三割、国からの補助金、交付税が七割ということであります。したがって、幾ら権限をもらっても財源がない、財源を全部国に依存しているとこれはお釈迦様の上にいる孫悟空みたいなもので、いつでも国が生殺与奪の権を握っておるわけですから、やはりこれからは権限移譲をしたときにはそれに必要な自主財源を持つということが一つのポイントであります。 その証拠に、細川政権のときにパイロット自治体という、いわゆる中央集権に風穴をあけるということで地方自治体に思い切った権限移譲をするので手を挙げなさいと言って手を挙げさせたところが、三千三百の市町村で手を挙げたのは十五自治体であります。九州では那覇市だけでございました。したがって、市町村に権限を移譲するとしても、県に移譲するにしても税源培養、地方消費税等思い切った財源もできましたけれども、まだまだいけません。 ドイツやアメリカのような地方分権が徹底しているところでは、私もアメリカやドイツの市長さんにそれぞれアンケートを出しまして、おたくはどのくらい地方の財源がありますかという手紙を大分出してみたんです。例えば、テキサス州にオースチン市という市がありますが、ここは大分市と姉妹都市でございますのでそこの市長さんにテキサス州や連邦から来るお金は支出の中のどのくらいですかと言ったら、オースチン市の一九九三年の連邦と州の補助金は千八百七十万ドルであって、市の歳入予算に占める割合は一・五%であります。テキサスの首府でございますオースチン市でそういう状況でございます。 したがって、アメリカはユナイテッド・ステート・オブ・アメリカで、やっぱり初めに州があって州が強くて、その上に連邦政府が州の調整をするということは日本とまるきり違っておるわけです。日本は中央政府が先にあって、地方はその出先だったわけですね、明治時代は。それが最近公選制になっただけであります。そういった意味で、地方分権を進めていく上では税源の自主財源というところが大変大切でございます。 それから、先ほど言ったように、やはり若者が地方に定住して各市町村に有為な人材がいなきゃいけません。地方分権のまず一義的には何といっても市町村が単位であります。県というのはいわば中間層でございまして、私は行く行くはこの県というものももう一回見直すとやっぱり道州制の方にいかなきゃいかぬと思いますが、何といっても市町村に力がついていないと住民の身近な行政は行えません。したがって、市町村、いわゆる地方都市に若者が定住するようなインフラストラクチャーの整備を並行して行わなきゃいけない。 今の日本の例えば道路一つとっても、東京から大分までは飛行機で一時間半。東京から秋田までも一時間半。東京から長崎もそうです。長崎と大分は三時間以上かかる。秋田と盛岡も時間がかかる。松江と広島も時間がかかる。こういうことで全部東京を中心とした放射線状の交通体系でございますから皆東京に物を出す、東京を中心とした放射線状のいわゆる江戸時代の参勤交代型交通体系であります。東京に行くのは全部便利がいいというようなことでございますが、そうじゃなくてやはり九州は九州で一つの循環的な交通体系をつくる、また瀬戸内海に循環的な交通体系をつくる。東京と福岡を結ぶ一極一軸、いわゆる東海道・山陽道だけ一本をつくっておくと今度の阪神の震災のように地震が起こったときにこれがもう全然使えない。 だから、やはりこれからは第二国土軸、いわゆる豊予海峡を通って紀淡海峡を通っていくような、こういう多軸多極、第二東北国土軸、日本海を結ぶ日本海国土軸、こういったような国土計画でそれぞれの地域に若者が定住していくように、今までは東京に、大都会に若者が住んで時々土曜日曜に湯布院に来たり別府に来たり大分に来たりするようになっていますが、これからは地方に若者が住んで時々東京に行ったりするような、ドイツやアメリカのような地方自治体型、地方分権型都市をつくっていかなければなりません。 例えば、西独時代のボンは人口二十万、ワシントンは人口六十万であります。東京は一千万人であります。したがって、そういった国土計画も並行して地方分権を進めないと、分権の目的が地方住民の生活水準を向上させていく、いわゆる生活者主権というのが地方分権ですから、そこをやらなきゃいかぬ。しかし、それを待っておったら分権はできませんので、分権とそういった地方都市の若者の地方定住政策を並行して進めていかなければならないと思っております。 それからもう一つは、これからはやはり地域、九州なら九州が一つの地域になって地域国家といいますか、そういうことでアジアとの外交を、これからやはりアジアというのは日本にとって大きな問題になりますから、九州が一つの経済国家になって各アジアとの交流をやる、こういったことをやっていかないと、日本とアメリカとの間のAPECというようなことでやっているとアジアの経済圏というのがなかなか確立しない。したがって、これからは地域と地域がお互いに経済の交流、人材の交流、いわゆる地域間外交、私はローカル外交と言っておりますが、外務省が一元的に経済圏をつくっていく、APECとかこういったアメリカを主導としたようなアジア対策じゃなくてやっていくためには地域と、例えば日本の大分県と韓国の道州、また香港、シンガポール、インドネシア、それぞれの地域の知事さんとの交流、こういったこともこれからはやっていく、こういうようなことでこれからの分権国家をやらなきゃなりません。 では、どうやればよいかというと、私の考えは、「九州府」構想と言っておりますが、一遍に国から都道府県に全部権限を任せるといってもなかなか中央官庁の不信感がありますから、まず国の出先、例えば九州で言えば福岡に九州通産局、財務局、農政局、建設局がございますから、国の出先を全部一つに束ねて「九州府」というものをこさえて長官を一人置く。現在の機構をそのまま束ねるわけですから権限も人もふえるわけではありません。ただ一人長官を公選する。その長官が九州の中で各県知事と相談して、九州の中では公共事業の中で道路を優先するとか、九州の国際空港をどこに決めるかというようなことはそこで長官と相談して決める。また、関東圏の長官は関東圏の各知事と相談して、関東地域ではもう道路はいいから今度は下水道とか公園を優先するとか、それぞれ公共事業も国が一律に道路はもっと減らして公園をふやせというような公共事業の重点枠なんかをこさえるんじゃなくて、地域別にそれに必要な公共事業の重点枠をこさえてやっていくというようにしていく、これが第一段階。 第二段階は、「九州府」に各県知事の権限を全部入れて一つの道州制、そして「九州府」に「九州議会」。ちょうどヨーロッパのECにEC議会があるように、ヨーロッパにおいてもヨーロッパの各国は独立しておりますが、ECということで共通事項はECが行う。そのECをコントロールするEC議会、ストラスブールというところにありますが、私も行ったのですけれども、そういう「九州府」と「九州議会」というような形でやっていくのが一つの行き方ではないか、こう私は提案をしておるわけでございます。 そこで、最後に地方分権法に対する私の考え方を言わせていただきます。 地方分権法につきましては、我々はかねがね地方に住んで地方で行政をやっておる者の本当に必要なものとして地方分権を申し上げておりましたが、平成五年の六月に国会の決議が初めて行われましてこのたびの分権法になったわけであります。 いつも私は冗談めかして言うんですが、地方分権はUFOであると。UFOというのは宇宙を飛ぶなぞの物体でありますが、地方分権UFO論というのがありまして、地方分権とかけて何と解く、UFOと解く、心は、いつも話題になるけれども見た人がいないと。こういうことでこれはもうこの十年ぐらい地方制度調査会、また臨調、行革審、いろんなところで地方分権はもう山ほど答申が出ておるわけですけれども、遅々として進まない。ですから、今度の地方分権法案はこのUFO論を破砕して、これから五年間の時限立法にもなっておりますから、その間に具体的な地方分権を進めていく絶好の機会であります。したがって、この分権法を私は非常に高く評価をいたしております。 もちろんその中には、後ほど御質問もあるかもしれませんが、例えば機関委任事務でございますとか、また地方事務官制度でございますとか、いろいろな点についてまだまだあいまいな表現がございますけれども、それをいろいろ議論しているとまたそこで時間がかなりかかるわけでございますので、まずこの法案を通していただいて、そして地方分権推進委員会で今までの分権法で議論されている枠を超えるような新しい地方財源の確立のための税制の抜本的な改革、道州制の検討、また市町村の合併問題、こういったようなことで分権の受け皿づくりもあわせて地方分権が進んでいくような具体的なことをこの分権委員会の中でどんどん答申していくということにしていった方がいいのではないかと。また、法案の条文を今から修正等をやっておるとまたそれで時間がかかっていくおそれがありますので、私は早期成立を望むものでございます。 それから、問題点は今言ったような機関委任事務等ございますが、それはその中でまたさらに議論をしていって、そして実質上必要な法律的な措置をとっていただきたい。それから、時限立法というのは今言ったように時間を切ってやるわけでございますから、非常に有意義であるということでございます。 要は、私がこの法律及び地方分権についてぜひ申し上げたいことは、第一点は思い切って地方に任せると。どうしても地方に任せると問題が起こる、今の信用組合の問題でも神戸の震災でも、何か全部地方でやるとまどろっこしいから全部中央が取り上げてやるというのは、国会の議論をテレビで聞いておってもそういう議論にすぐなるわけでございますが、それは非常に本末転倒でございますので、少々不安があっても思い切って任せていくというやり方をする前提で分権を進めていただきたい。 それから第二番目は、自治の原点はやはり市町村でございますから、後ほどお話があると思いますが、市町村の財政基盤なり有為な人材なり職員の質を向上して行政執行能力を強く持たせることをこれから一緒に考えて、そこを原点とした地方分権を始めていきたい。まず一番最初には、都道府県の行政執行体制がしっかりしておると私は思うので、まず国から都道府県がもらって、都道府県から市町村にという手順で今までの考え方はあるようでございますけれども、基本はやはり市町村が一番中心で考えなきゃいかぬ。そうなりますと、今の三千三百の市町村がいいかどうか、もっと広域的な行政というのをやる必要があるんじゃないか。大分県は、まず隗より始めよということで、昨年全国でも一番大きな地方分権を市町村にいたしました。件数として二百件ぐらいの分権をいたしました。市町村長さんからはやっぱり予算も要るというので、予算もつけて分権をするということで始めたところであります。したがって、まず県が市町村に分権する。また、国はまず思い切った分権を都道府県に行って、都道府県がまた市町村におろす、こういう順序でいきますが、原点はそういうことであろう、こういうように考えております。 以上でございます。
○団長(斎藤文夫君) ありがとうございました。 次に、岩崎公述人にお願い申し上げます。
○公述人(岩崎泰也君) では、座ったまま失礼させていただきます。 津久見市長の岩崎でございます。 本日は、参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会地方公聴会の場におきまして、地方自治に直接携わらせていただいている市長の意見をお聞きいただけますことを、まずもって感謝申し上げますとともに、まことに光栄に存ずる次第でございます。 これから、大分県の十一市を代表して、意見を述べさせていただきたいと思います。 一口に十一市と申しましても、県庁所在地でもあり、人口が四十万人を超える大分市から二万程度の市まで自治体としての規模や地域の状況は異なりますが、いずれの市におきましても、それぞれの地域の実情に応じ、その特性を生かした町づくりを積極的に進めているところでございます。 そうした中、私は、津久見市長として、また大分県市長会の会長として、これまで微力でございますが都市行政の進展に努めてまいったところでございますが、本日は津久見市の実情等に即して地方分権についての考えの一端を述べさせていただきたいと思います。 私どもの市は鉱工業と水産業、かんきつ類の生産を中心とする町でございます。またスポーツの町でもございます。これまで、これらの産業の育成とともに、住環境の整備を初めとする生涯を託せる町づくりに国、県の御支援を受けて行政を進めてまいりました。また、昨年の九月に大分県南地方拠点都市に指定されましたので、県南十一市町村が一体となりまして、職・住・遊・学の機能の充実と交流環境の整備を推進してまいりたいと思っております。 現在、中心拠点地区として津久見港湾の埋め立てを進め、背後地には都市再開発用地として新市街地を形成し、県南地域の副次的な中核都市として都市基盤、産業基盤の整備を進めております。また、環境共生都市を目指し、我が国初めてのごみ固形燃料化施設を平成八年度完成に向けて取り組んでおります。家庭から出る残飯やごみを燃料として再利用するもので、これからの地球環境を考えた画期的な事業として全国的に注目をされているわけでございます。 このように、津久見市においてはこれまでの権限に基づいて積極的な事業展開を図ってまいっているところでございますが、現状を振り返ってみますと、市民生活に関する行政は、広域的な観点で国や県の調整を要するものを除いては、地域の実情を最も承知している市にできる限り任せていただきたいということでございます。すなわち、事業実施に当たって必要となる判断の材料は住民と日常的に接している市が最も多く有しているのであり、市民の要望に対して迅速かつ的確に対応するためにも、改めて都市自治体への積極的な権限移譲をお願いする次第でございます。 今日まで市町村、とりわけ都市自治体は、市民に直結する地方自治体として、国や都道府県に先駆けた施策を積極的に展開してまいりました。これらの町づくりの実践の中で培ってまいりました行政能力は、今後国や県からさまざまな権限の移譲を受けた場合においても、それらを的確に遂行できる能力を十分に備えているものと確信いたしております。 現在、全国で六百六十余の都市自治体にありましては、時代に即応した都市政策のあり方について、これまでも全国市長会等の場において議論を交わし、自主性・自立性に富んだ都市自治体の実現を目指して種々取り組みを進めてまいりました。全国市長会では、現在、都市政策研究特別部会におきまして「権限委譲を中心とする地方分権の在り方について」をテーマに調査研究を行っているところでございます。 昨年、地方自治法の一部改正によりまして中核市が制度化されたところでございますが、これも平成元年に全国市長会で提唱いたしました「第二政令指定都市」構想が実を結んだものと存じております。この中核市は、従来の政令指定都市に加えまして、一定の要件を満たしている地域の中核的な都市に対して大都市特例を認め、権限や財源の移譲を行おうとするものであり、全国の限られた都市が対象ではありますが、これまでの都市自治体が果たしてきた役割というものを認めていただいた結果であろうと意を強くしている次第でございます。 今日、日本の置かれている社会経済情勢を改めて見渡してみますと、高齢化、国際化、高度情報化の進展といった時代の流れの中で、国内情勢はもとより国際社会との関係においても大きく揺れ動き、また成熟した社会がもたらす価値観の多様化やこれまでの経済成長優先から生活重視への意識の転換に伴い、今までにも増して住民に最も身近な地方公共団体である市町村の役割というものが高まってまいりました。そのような状況のもとで市町村にありましては、特にそれぞれの歴史、文化、自然条件等を生かした町づくりを初め高齢者福祉対策、文化行政の進展など総合的行政課題への的確な対応が強く求められることになりました。 そのためには市町村、とりわけ人口の七四%が集中する都市自治体が主体的に諸施策を実施し、自立的な行政を確立することが必要であり、その意味合いからもそれらの住民生活に密着した行政に係る権限についてはできる限り市町村にゆだねられるべきであると考えております。まさに地方分権は、地域の自主性・自立性に基づき、個性豊かで魅力に富んだ社会を築き、住民福祉のより一層の充実を図っていく上におきまして欠かすことのできない要素であると考えております。 このたびの地方分権推進法案では機関委任事務の見直しが掲げられているところでありますが、私も機関委任事務制度はいろいろな問題を抱えていると考えております。機関委任事務と申しましても、その実質は地方自治体の固有の事務と基本的に変わることのないものと考えますが、それにもかかわらず機関委任事務は法制上は国の事務として位置づけられ、地方自治体の機関は国の下部機関としての事務の処理に当たるべきものとされております。したがって、機関委任事務という処理方式のもとではこれらの事務が大幅に国の監督のもとに置かれるため、地方の自主性が圧迫され、地方の創造性が発揮しにくい状況になっております。地方自治体の自主性を発揮し、個性ある町づくりを実現するためにも、この際、機関委任事務を洗い直し、原則としてこれを地方自治体に移管し、自主的な処理に任せるという方向性が確立されることが必要ではないかと考えております。 私ども津久見市におきましては、生涯を通じて健康で安定かつ充実した人生を送れるようにと県下に先駆けまして高齢者保健福祉計画を平成五年三月に策定し、現在、早期にその実行を図るための推進協議を行っております。しかしながら、人口が二万六千の市といたしまして福祉行政の充実を図ることは、財政の圧迫等を来し、その上職員から機関委任事務に関する問題として国、県の指導及び調査、報告等の事務量が多いとの意見がありまして、この意味合いからもこの制度における問題点を指摘することができると思います。 さらに、国による地方へのかかわりにおける問題点の一つとして国庫補助金の制度が挙げられると思います。国は補助金を交付しようとする場合には補助要綱を作成し、補助の対象、単価、補助率等を定めて行いますが、このためどうしても全国画一的な基準にならざるを得ないことになります。同時に、地方自治体が補助金の交付を受けるまでには、事前協議から内示、申請、交付決定、請求、事業終了後の精算、報告に至るまで煩雑な事務手続に多大の時間を要するわけでございます。 また、いずれの自治体においても所管の省庁に対しまして陳情といったことを繰り返しているのが現状ではないかと思います。私の体験から申しますと、また先ほど知事さんからも申し上げましたように、私ども陳情のために月に平均十日は県庁に足を運んでおります。東京出張も三回程度となり、許可認可権限、補助金制度の改善の必要性を痛感するものでございます。 住民の幸せと魅力ある豊かな町づくりに向けて知恵を絞り、アイデアを発揮すべき地方自治体の職員が現実にはそうした機関委任事務や国庫補助金に関する事務処理に多くの時間と労働力を費やすことを余儀なくされていることは、地方自治の本旨から見てもやはり問題があると言わざるを得ません。 同時に、地方自治体の事務が機関委任事務のように全国一律の基準によっていたのでは地域の実情に応じたきめの細かい町づくりを進めることはできません。町づくりのような一定の区域に限定される行政分野は本来的に地方自治体で行えるようなシステムでなければならないと考えております。また、社会福祉の分野のように一人一人の高齢者が必要としている個別的なサービスを提供するためには、地域住民の声が迅速かつ的確に反映できるように地方自治体に権限と財源を移譲し、住民に身近な行政はできる限り地方自治体において処理するという市町村優先の原理が貫かれるべきであると考えております。 ただ、ここで特に申し上げておきたいのは、幾ら権限が市町村に移譲されても、その権限に伴う財源の裏打ちがなければ自主的・自立的に事業が執行できないということでございます。移譲された事務を適切に執行するためには、その事務権限に応じた財政措置を講じていただくことが必要でございます。その際、市町村が個性豊かな町づくりを自立的に進め、国と地方の役割分担に応じまして現行の税源配分を見直し、自主財源確保のために新たな税体系を構築することが必要ではないかと考えております。また、財政上の措置だけでなく、職員の定数や組織のあり方についても市の自主性・自立性が尊重されるよう十分な配慮をお願いいたしたいと存じます。特に、今後の急激な高齢化社会の到来に向けて老人保健福祉計画を着実に実施していくに当たっては職員の確保が不可欠であります。市みずからが効率的、効果的な人員配置等に努めなければならないことはもちろんでございますが、その上でそれぞれの市の地域特性に応じ、実態に即した柔軟な対応を認めていただきますようお願いいたしたいと存じます。 これまでの市町村の職員の意識や体質の中には、国や県を頼りにし、言われただけの仕事をしていればよいという傾向があったことは否めない実情でございます。そういう意識や体質がある限り本当の意味での地方分権はおぼつかないと言わざるを得ません。また、地方分権はその推進を国にお願いするというだけでは決して実現するものではなく、実現したといたしましても、その受け皿となる市町村がこれまでのように国、県に依存する体質のままであっては本当の意味での分権改革にはつながらないと思っております。今こそ我々市町村も、地方自治が住民の権利と責任において主体的に形成されるべきという基本的な観点に立って、その責務を果たすためにより足腰を強め、みずから自立することが肝要であります。みずからが実施するというこの自立的な行政運営に向けての取り組みを進めていくに当たり、住民に直結する行政は我々が行うのだという強い決意を持ってこの分権改革に臨むことが何よりも大切であり、そのためには職員自身の意識改革ということがこれからの課題になることだと思っております。 また、職員の意識改革とあわせまして、市町村に権限が移譲された場合においても、それを的確に処理し得る実力を備えるため職員一人一人の資質の向上に努めることが肝要であり、その取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。そして、地方の時代にふさわしい簡素で効率的な行政システムを確立するため、都市自治体もみずからの変革を積極的に進めるとともに、今後とも行政改革等の継続した取り組みを進めていくことが必要であると考えております。 一方、地方分権が実現した暁には、まさに地域間、都市間の競争が新たに始まり、市民の要望に迅速、的確にこたえ、他の自治体に先駆けたユニークで積極的な事業展開を図らなければならなくなると思います。その意味合いでは、地方分権は市の意欲と力量が試される場であり、各都市がお互いに切磋琢磨いたしまして、市民の共感を得られる行政運営により一層努めることによりそれぞれの都市の個性をつくり出していくことになるものと痛感している次第でございます。 地方分権に関しましては、これまで長年にわたり議論が繰り返され、各界各層からいろんな提言や意見等がなされてまいりましたが、とりわけここ数年の動きは目覚ましいものがあり、このような状況のもと、地方分権推進法案が参議院で精力的に審議が行われている段階となっておりますが、地方分権を推進するためにはまずもって法律の制定が不可欠であります。 いずれにいたしましても、この法律が制定されることによりまして分権改革は大きく一歩を踏み出すものと確信いたしております。この法案が一日も早く成立されますとともに、法律に基づいて地方分権推進委員会が速やかに設置され、地方の声を取り入れた分権の具体化に向けて早期に推進計画が策定されますよう切に希望するものでございます。 最後になりましたが、本日御出席の委員の皆様方のますますの御活躍を心から祈念申し上げまして、私の陳述とさせていただきます。 本当にありがとうございました。
○団長(斎藤文夫君) ありがとうございました。 次に、正本公述人にお願い申し上げます。
○公述人(正本秀雄君) 私は、大分県武蔵町長の正本でございます。この機会に大分県町村会を代表してこういう発言の機会をお与えいただきましたことを心から感謝を申し上げ、お礼を申し上げます。ありがとうございました。 では、座らせていただきます。 大分県は古くから「豊の国」と呼ばれ、瀬戸内海を通じて中央文化を、また北九州を経て大陸文化を吸収し、我が国の歴史の中で大きな役割を果たしてまいりました。 我が武蔵町は、大分県の東北部、石仏の顔のように突き出した国東半島の東部に位置し、その昔、六郷満山霊場としていにしえの仏教文化が花開いたところでございます。 昭和四十六年、東九州の空の玄関として大分空港が開港、昭和五十九年には県北国東テクノポリスの地域指定を受け、空港所在地という地の利を生かした臨空産業の振興を推進しておりまして、ハイテク産業の誘致とともに、フライト野菜あるいはフライト花卉などの産地拡大に努めておりますが、いずれにいたしましても農業等一次産業を基幹とする海、山、里、豊かな自然環境に恵まれた人口六千人足らずの小さな過疎の町であります。 さて、現在、中央と地方の新しい関係を目指す地方分権推進法案を御審議いただいておりますが、これは中央集権型のもと、画一的な行政運営を余儀なくされてきた我が国の地方自治に新しい歴史を開き、地方に視点を置いた行政の枠組みを大きく前進させるものでありまして、長年地方自治に携わってきた者の一人としてひとしお感慨深く、本日御出席の議員の皆さん方を初め関係の方々に対しまして深甚なる敬意を表するものでございます。 地方分権の基本は、成長優先から生活重視への価値観の転換などを背景に、住民に身近な課題については地域の実情に即して地方自治体が自立的・総合的に政策を決定し執行することのできる仕組みを確立することにあると考えております。そのために、国と地方の役割を見直し、国から地方へ権限を移譲すること、そしてそれに要する税財源の確保を通じて地方自治体の自主性・自立性の強化を図り、二十一世紀に向けた時代にふさわしい地方自治を確立することが肝要であると思います。 そのような基本理念の実現に向けた法案の中で特に重要と思われますものは調査、勧告の権限が付与された地方分権推進委員会の設置であります。この委員会の権限は、政府が分権推進計画を作成する際に具体的な指針を勧告すること、施策の実施状況を監視し必要な意見を述べることとなっております。 昨年末の大綱方針で示された推進委員会の権限は、具体的指針並びに同計画の策定及び推進について意見提出を行うことができるというものでありましたが、我々地方自治体等から地方分権を具体的かつ着実に推進していく上で十分な権能を備えた地方分権推進委員会の設置を強く意見具申する中で委員会の権限が強化されましたことは大きな前進と評価しておるところでございます。 また、地方の意見が十分反映されるような委員会とならなければ従来の中央集権の枠組みや仕組みを転換していくことが期待できないようなことにもなりかねません。地方分権推進委員会の委員にはぜひ一定数の地方関係者を加えていただき、地方の意見を十分反映できる推進委員会とするとともに、独自の事務局を備えたものとすることが必要と考えております。 次に、国から地方への権限移譲のあり方についてでございます。 行政の最先端とも言える我々町村は地域住民に最も身近なところにあり、おのずと地域住民から期待されている役割もあるわけでございます。そうしたことを踏まえ、また地方分権が目指している住民が主役となった行政を構築していくためにも国と地方、また地方の中でも都道府県と市町村の役割というものを明確にした上で、我々町村に課せられた役割を計画的かつ着実に推し進めることができるような権限移譲のあり方を確立していただきたいと考えております。 また、国と地方自治体の関係で長年課題となっております機関委任事務につきましても、住民に対する行政責任の明確化などの面から当然見直しをすべき制度であり、推進委員会で十分な論議を賜りますように切にお願いをしたいと思います。 さて、せっかくの機会でありますので、我々地方自治体の実情を申し上げましてお聞き取り願いたいと思います。 まず、福祉部門について申し上げます。 市町村は、現在、地域の実情に即したきめ細やかな福祉サービスを計画的、継続的に提供すること、そのための早急な体制整備を強く求められております。特に高齢者対策は、これから高齢化社会を迎えるに当たって、高齢者の身近に接する我々町村が最優先に取り組まなければならない課題であり、高齢者福祉施策の推進に当たっては、町村が地域的な状況の違いと住民のニーズを的確に把握し、責任を持ってきめ細かい福祉サービスを提供することが必要であると考えております。 しかしながら、押しなべて財政基盤が弱いと言われる町村が多い中では、個々の町村の財政事情により福祉サービスの水準に格差を生ずることが懸念されるところであり、福祉サービスの水準確保という市町村の基本的な役割と権限に見合った十分なマンパワーの確保及び財源の確保が今後の課題となっております。 次に、権限移譲についてでございますが、緊急に工場誘致やあるいは住宅団地の開発などを計画するときに、第一に農地転用の問題、第二に里道・水路などの国有財産の問題で、申請から許可まで最低一年は費やしているのが現状であり、事業の遂行そのものに大きな影響を及ぼす問題が生じかねません。地方公共団体が実施主体となる事業で特に急を要するものについては迅速かつ効率的な実施が図られるよう、こうした許認可等に係る権限をできるだけ住民に身近な市町村に移譲されるよう強くお願いをするものでございます。 私事にもなり大変恐縮でございますが、昭和三十三年に町長に初当選して以来今日まで、十期三十七年間にわたり地方自治行政に携わってまいりました。 振り返ってみますと、我が国は戦後、経済の再建と国民生活の安定を最大の課題とし、一貫して中央集権的なシステムのもとで社会資本の整備を推し進めてまいりました。我々町村も、農林事業や道路、港湾、河川、住宅事業などのハード面の基盤整備事業を中心に、国や県の指導を受けながら住民の生活環境整備を推進してまいりました。そのためには、国や県の補助金獲得のための要望や陳情も随分と行い、公共下水道事業を除き、今日では一定の行政水準を達成することができたと思っております。 さらに、我が武蔵町では、豊かさとゆとりを実感できる魅力ある社会、居心地のいい臨空都市の建設、快適な生活環境の整備、農工商観の均衡ある発展による輝かしい二十一世紀を迎えるため、夢多き未来の創造に取り組むことといたしております。 しかしながら、町村はどこも同じと思いますが、近年、社会の進展に伴って社会構造が大きく変わってきております。産業構造、就業構造は年ごとに都市化傾向が進んでおり、農家の兼業化、担い手不足、後継者不足、若者のサラリーマン志向、共働きの増加など行政に対する要望も多様化してまいっております。そうした中で、今後ますます住民が何を望んでいるかを見きわめ、地域がみずから考え、工夫して地域の実情に合った事業を展開していくことが一層強く求められている時代になってくると思います。 今日まで財政の脆弱な町村では一つの事業を行うにも町村長自身が関係省庁に日参し、多大の時間と費用を費やして初めて補助金の獲得、事業の実施ができるといった事情にありましただけに、地方分権の推進によりこうした時間と費用のむだが少なくなれば、費用のことはさておきましても、町村がこうしたことに煩わされずに地域の実情に応じた行政に専念できることになり、町村行政の一層の充実強化につながるものと大いに期待をいたしております。 また、財源としての地方債についてでありますが、地方債は大都市に比較して低い水準にあります町村の社会資本の整備を図る上で有力な財源として大きな役割を果たしており、財政基盤の弱い町村におきましては、起債の許可制度の持つ政府保証的な機能により、安定的でより有利な条件で民間資金等の調達が可能となっております。しかしながら、財政の健全性は地方自治体が自主的な判断で行うべきであると考えておりますので、許可制度自体は従前に比して枠配分方式の導入や手続の簡素化などが図られておりますが、地方分権を推進する観点からさらなる弾力化、簡素化を図り、その運用に当たっては国の関与を最小限とするなどの措置が必要であると考えております。 ところで、権限を移譲される地方自治体についてでありますが、自治体自身の中央に対する依存体質についてもこの機会に大いに反省すべきであろうと考えております。また、これまで政府は地方自治体の行財政能力の不足を理由に地方分権に対して前向きでなかったところがございますが、この際地方自治体は職員の意識改革とより一層の資質向上を図り、もはやそうしたことを指摘されないよう精いっぱいの努力をしていくべきであり、またそれは可能であると考えております。 地方分権の実現に当たっては、国と地方の役割分担のあり方、財源の再配分、行政規模の適正化など基本的な課題が山積みしておりますが、我々町村においても国や県の動きを十分見きわめながら、行政手続の公平性や透明性を確保し、事務事業の総点検と組織・機構の合理化などにより、健全で効率的な行財政運営の確保と行政能力の向上を実現するため最善の努力をいたすべきであると決意を新たにしているところでございます。 大分県では、平松知事さんが提唱されております「風格ある町づくり」、あるいは「一村一風運動」が進められております。新しい広域的な生活圏を構築するためには、それぞれの町村が風格ある町づくりを推進するとともに、風通しのいい町づくり、すなわち各町村が意思統一を図り、連合して効率的に社会資本の整備を行うことが必要であります。 私ども東国東地域では、下水道事業を実施するに当たって、杵築市、安岐町、武蔵町、国東町、国見町、姫島村の一市五町村が連合して、いわゆる船団方式により事業の促進を図っております。広域行政の一つのあり方として自主的に連合自治体方式で基盤整備を進めており、地方分権を先取りした行政を進めておるところでございます。 まさに、地方分権推進法案が審議され、地方分権が具体的な段階に入った現在、地方自治史上歴史的なこの機会にぜひとも早期に法案を成立させていただきますよう切にお願いを申し上げます。 我々町村も、地方分権の主役は地方であるという認識のもと、各市町村が連携を深めながら、分権を地方みずからの課題とし、分権をしっかりと受けとめる体制を整えていくことに最善の努力を傾注いたす所存でありますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 以上、まことに意を尽くせませんが、これをもちまして地方分権に関する私の意見陳述を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○団長(斎藤文夫君) ありがとうございました。 以上で三公述人からの意見の聴取は終わりました。 これより公述人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。 なお、質疑及び御答弁は御着席のままで結構でございます。
○吉村剛太郎君 福岡県選出の吉村剛太郎でございます。 お隣同士でございまして、かねてから県境におきましては経済面、また人の交流面で大変緊密な関係を持たせていただいております。心から御礼を申し上げる次第でございます。 福岡県は、御存じのように、人口四百九十万になんなんとしております。大分県はたしか百二十五万程度ではないかと、このように思っておりますが、ただ市部が約四分の三、福岡も大分も大体同じようなウエートではないかと、このように思っております。そういう相似た面もあれば、また随分と違った面、今の人口の問題とか、また福岡県は政令市を二つ持っておりまして、そういう面では若干違う面もあるのではないかなと、このように思っておるところでございます。 そういう中で、きょう、こうやって当地にお邪魔をさせていただきまして、公述人御三方には大変参考になるお話をいただきまして、心から御礼を申し上げる次第でございます。 大分県といえば、先ほど平松知事からもお話しありましたように、まず何といいましても福沢諭吉を思い出すわけでございます。その他、相撲の双葉山とか音楽家の滝廉太郎とか、それから大蔵大臣、日銀総裁、大蔵大臣をしました井上準之助とか。不思議なことに大分県は日銀総裁をたくさん生んでおられるようでございまして、一万田さんから三重野さんも大分県出身だと。大変日銀に直結した地域だなと、このように思っております。総理ももちろんおられるわけでございますが、それに劣らず高崎山の猿も有名だと、このように思う次第でございます。 そういう中で、知事もおっしゃいましたように、福沢諭吉翁がもう既に明治十年に分権論といいますもの、分権の必要性といいますものを述べておられるわけでございます。そういう伝統をくみまして、まさに平松知事が今日の地方分権の旗振り役として活躍されておりますこと、心から敬意を表する次第でございます。私も福岡で県会議員を務めまして、予算時期など執行部と一緒に中央に行って陳情などをしておって、こんなことでいいのかなということをつくづく感じながら、まさに分権の必要性といいますものを私自身も身をもって感じておるものでございます。 明治の開国以来百二十年間、中央集権、東京一極集中でやってまいりました。それはそれなりにその当時の国際情勢の中で選択した道としては決して間違っていなかったろうと、効率の面からいって。戦後の荒廃の中からここまでまた豊かにもなってきた、そういう中央集権的な面の効用といいますものも十分私なりに理解をしておるところでございますが、我が国も御存じのように欧米に追いつき、そして追い越そうとしておりますときに、この中央集権の形といいますものがむしろ足かせになって閉塞状況になっておると。これからさらに我が国が大きく発展するためには一億三千万の国民の総意をもって、いわゆる英知をもって新しい二十一世紀を迎えなければならない、このように思いますときに、やはり地方の英知といいますものを活用しなければならない、またそれなくして二十一世紀の日本はないのではないかと思うぐらいの私は地方分権論者でございます。そういうことで、今、中央でも、国会でも論議しておりますが、私もそのような心構えでこれから論議も進めていきたい、このように思っておる次第でございます。 かねて知事が道州制、特にきょうは「九州府」というものをおっしゃいました。 さらにちょっとお聞きしたいんですが、「府」に長官を置く、これは当面の考えは中央から派遣するというような長官でございますか。その辺が一点。 それから、「府」の議会を持つということは、これは公選の議員ということなのか。いわゆる公選、九州の中で選挙するのか各地区で選挙するのか、その辺のこと。 それから、今度の新しい選挙制度によりまして衆議院は比例代表がブロック制になりました。私は、これはもしかしたらけがの功名かもわかりませんが、一つのそういう道州制の中で、ブロック単位の中で出てくる議員といいますのがブロック単位の発想をするということは非常に有益ではないかな、こんな感じもしておりまして、その辺のさらにもう少し突っ込んだ御説明と知事のお考えをお願いしたい、このように思っております。 それから、岩崎公述人にお願いしたいと思いますが、津久見市といいますのはどちらかというと第一次産業主体の市ではなかろうかな、このように思っております。人口が過去五年なり十年なりどのような推移をしておるかわかりませんが、第一次産業主体の地域であれば減少傾向にもあるのではないかなと。これは私の推測でございます。そういう人口減少を食いとめる策としてどのような策を今日まで講じられておるのか、また講じようとされておりますか、そういう面。 それから、先ほど地方財源確保のための新しい税制ということをおっしゃいましたが、もうちょっと具体的に市長が端的に望んでおられるような税のあり方といいますものをお聞かせいただければと、このように思っております。 もう時間がありませんが、正本公述人は十期三十七年でございますか、本当に御苦労さまでございます。 大変失礼な言い方でございますが、権力の座に長くおるということはある意味では大変厳しいことであろうと思いますし、また住民から見ても飽きがくるというようなこともあるのではなかろうか、このように思う中で、十期間をこうやって本当に御自身が身を律せられて今日まで来られたと思いますが、まさに生まれたときが町長さんで、ずっと町長さん、議員も生まれる前、生まれたときから町長さんで、議会に来られても町長さんというようなことがあるのではないかと。そういう面で、議会と執行部、町長さんとのいわゆるチェック機能といいますものがスムーズにいっておるんだろうと思いますが、その辺のコツ、また御自身で反省される点があればそういうものを含めましてお聞かせいただければと、このように思っております。 最後にもう一つ、町長さんですが、竹下政権時代にふるさと創生資金、一億円が出ました。これは賛否両論ありましたが、私は非常にあれを評価しております。ただ、自治体によっては、特に小さいところではもてあました自治体もあるのではないかな、このように思っておりますが、その点につきまして正本町長さんにおかれましてはどのような活用をされてどうPRをされておるかお聞かせいただければと、このように思っております。 大変時間がございませんで申しわけございませんが、以上、お尋ねしたいと思います。
○公述人(平松守彦君) 「九州府」でございますが、出先を束ねるわけでございますから長官は公選制。つまり、今は日本の国会は議院内閣制、地方は知事は公選制、議会も公選制。だから地方の方がむしろアメリカ型になっておるわけですね、大統領型。 したがって、「九州府」の場合も議会は各県からそれぞれ人口比、またその他地域面積に応じて人間を割り当てて、ちょうどヨーロッパの欧州議会が各国から五百六十七人出ていますけれども、それと同じように議員はそれぞれ割り当てを県にする。それは選挙にすると選挙がやたらと大きくなるので、その場合には職能別に分けて、そして知事が推薦するとか地方の県議会の承認を得て推薦する。つまり、例えば家庭の主婦とか農業代表とか市町村代表とか、それから教育関係とか、そういう職能別に人数を割り当ててその代表を議会の構成員にする、これがいいんじゃないかと私は考えております。 したがって、今度ブロック制で衆議院のああいう制度ができたことは一つの「九州議会」のひな形をブロック別にも示したことになるので、あれが一つのモデルになるだろうと。「九州府」長官が行う国の予算の配分等はその議会がチェックをする。ちょうどECとEC議会との関係ということで考えていいんじゃないかと思っております。 だから、第一段階と第二段階が「九州府」にございまして、まず最初は出先を束ねて、各局はそのまま縦割りのままで束ねて長官を置く。その長官と各県知事で国の予算をどうやって決めるか、また県境を越えた例えば産業廃棄物の処理の問題とか水利権の問題とかというような話は全部そこで長官と各県知事で決める、七県知事で決めていく、これが第一段階です。 第二段階になると、今度は各県の権能が全部「九州府」に集まってもう県境がなくなって、その「九州府」と九州の中の各市町村という形でいくのか、それとも今度は「九州府」の権限を全部各県にして今の県でいくのか、これは選択肢ですけれども、私はもう県境はなくして一つの九州ということになって、長官とあとは各市町村、こういう形にいくべきじゃないかと。そうでないと、県境をまたがる例えば中津と豊前市とか、熊本の荒尾と大牟田とか、こういう問題が非常に多くて、また最近のように県と県をまたぐ問題、水問題、例えば福岡の水問題における水利権の問題とか産業廃棄物等、こうなると地方分権の受け皿としてやっぱり今の四十七の都道府県の範囲でいいのか、また市町村も三千三百でいいのかという議論がもう一つあるわけですから、地方分権委員会はそういうところまで踏み込んだ議論をやるべきだろうと考えております。
○公述人(岩崎泰也君) 私の町は第一次産業は農業、その農業の中でもミカンと花卉、最近は平松知事さんも非常に花卉に熱を入れていただきまして、私どもも大体一億近くの水揚げをしております。水産の方は今ヒラメの養殖をやっておりまして、これも順調にいっております。特に水産業は遠洋マグロで、保戸島という離島がございまして、ここには約三千人の方が住んでいるわけなんですけれども、主にマグロを中心として、水揚げするところは和歌山県の勝浦でございまして、年間大体百三十億の水揚げをしております。 私どもの町というのは第二次産業の石灰石、小野田セメントの工場がございまして、全国の二〇%の石灰石を埋蔵しているわけなんです。だからそういうことで税収入はそうしたものを中心として今後も伸ばしていきたいということでございます。 やはり、人口が減少になる原因は、非常に土地面積が少のうございまして、私たちの隣の町、臼杵市の方にサラリーマンの方が家を建て、そこから津久見の方に約五百人の方々が通っているような状態でございます。 大体以上でございます。
○吉村剛太郎君 税制のことで何か御意見ございましたら、地方財源を確保するために新しい税の制度をとおっしゃいましたが、具体的にざっくばらんにどういう御意見をお持ちか聞かせていただければと思います。
○公述人(岩崎泰也君) 財源は、私どもも非常に近年は厳しゅうございますけれども、やはりそうした第一次産業を中心としたものも努力していく必要があるんじゃないかということで努力をしております。
○公述人(正本秀雄君) 昨年の四月に十期目の町長選挙をやりました。それまで過去九回が全部無投票だったんですが、十期目に初めて選挙をやってみました。やっぱり選挙というのはやるものだなと思いました。 そして、何でそう長く続いたか、あるいはチェック機能がどうかという御質問でございますが、私はもともと寺の一人息子で学校を卒業して家におったら、町長がぜひ助役で加勢してくれと助役に懇望されて、三十四歳で助役になったんです。町村合併前三年間助役を務めて次の町長選挙があったんですが、私どもが推した現職の町長が落ちて反対した人が通った。その反対した町長からぜひ助役にと私懇望されたけれども、反対したんだからあんたの下で助役はせぬと言ったんですが、その下で助役を務めました。 それで四年たって町長選挙があって、その人が立候補しようと思ったらドクターストップで町長選に出られなくなった。私を呼んで、ちょっとおまえピンチヒッターで出よ、そして四年たったら次はおれに返せやと言うから、すぐ返しますという約束で私はなったんですよ。とうとう九期、ピンチヒッターがいまだにこう続いておるわけです。 しかし、なぜ無投票が続いたかということを考えてみますと、例えば三十三年に町長になって、三十六年に大集中豪雨がございました。死者が出たとか高崎山で電車が埋没したとか、ああいう大集中豪雨がありました。それから四十六年に大分空港が我が町に開港したわけです。新産都の邪魔になるというので大分市から国東半島まで空港を移転した。そういう大きな事業が選挙の前に必ず出てきて、やっぱりなれた現職がいいということでずっと無投票が続いてきた。ただ、小さな田舎町ですから、別に議会となれ合いでも何でもありませんけれども、やっぱり議会は議会なりにチェック機能を果たしておりますし、中学校の子供が武蔵というのは町長選挙がないところだなと言うというからもういいかげんやめなきゃとは思っておりますけれども、まあそういうことで謙虚に反省をしてやっていこうという気持ちでやっております。 それからもう一つのふるさと創生事業、これは御指摘のように、それまでは町政に対して冷ややかな考えしか持っていなかった連中が、みんな知恵を出してくれ、それで使うからと言ったら、いろいろな人がいい知恵を出してきて、そういうものから取捨選択をして一億を、一つは貯金をして利子で学資の補助をしたり、あるいは先進地視察するときに補助をしたりとか、いろんなことでやっておりますが、ああいう制度で大小にかかわらず平等に一億やった、しかもそれを皆さんの知恵を集めて使ったというところであの制度がよかったと思っております。
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。 総意で知恵を絞り合ったところにまさに地方自治の確立があるんだろうと、このように思っております。 本当にきょうはありがとうございました。 以上で終わります。
○溝手顕正君 自民党の溝手顕正でございます。 私は広島県出身でございまして、瀬戸内の造船所の経営者から三原市の市長を二期やらせていただいておりまして、まさに地方出身ということでございます。そういった意味で、地方分権には大変関心を持っているところでございます。きょう、お三方にそれぞれこれから質問をさせていただきたいと思いますが、そういった私なりの地方の時代の経験から申させていただきたいと思います。 まず、平松知事でございますが、地方分権の必要性であるとか手順の問題、その他さまざまな問題点についてはかねてより随分議論をされ尽くしているだろうと思います。ですから、現在、私の受けとめですが、問題点の把握というのは既に終わったんだ、実行あるのみだというようなとらえ方をいたしているところでございます。 しかし、この地方分権という問題はまさに改革、これは新進党がおっしゃっている改革、私は改革というのは新進党の専売特許ではないと思っておるんですが、中央集権から地方分権へということで、どういう形態をとるかは別にしましても、あらゆる法律というのはすべて改正をしなくちゃいかぬだろう、そういう膨大な作業がこれから伴うわけでございます。そうした場合に、どうも私が今申し上げたことを前提に考えますと、地方分権というのは既に政治的には決着がついた問題だ、あとは作業があるだけだ、こういうように考えるべきではないかと思っております。 そうなりますと、与野党の対立軸とかなんとかそういう問題ではなくて、もしこれを阻害する何かがあれば、それは総地方対総中央の戦いではないか、こういうふうに考えているところでございます。そう考えますと、三千三百以上の自治体が本気でやれば国会議員なんてわけがないんだろうと思うんです、コントロールするのは。それをなぜできないんだろうかというような思いも持っております。 そう考えますと、これから具体的に、その中身もさることながら、どうやって実現していくかという具体的な戦略が必要だろうと思います。その点で、むしろ我々サイド、自民党としては、改革実現のためにお手伝いもしていただきたいし知恵もかしていただきたい、そんな気持ちも持っておるわけです。そういうことを考えますと、どうやって実現をしたらいいんだろうか。これは政治的な問題でございます。それで、何が問題になるんだろうか、何が阻害させているんだろうか、そのあたりについての御見解を聞かせていただければと思っております。
○公述人(平松守彦君) 過去に私が言ったように、UFO論ではありませんが、もう何十回と地方制度調査会から始まって臨調、行革審、もう議論は出尽くしておるし、また今、議会でもこの分権法をめぐっての議論が出ておるわけですから、問題点は全部出ておるわけですけれども、なかなかそれが進まないというところに今問題があるわけで、一番問題は、中央官庁の不信とかなんかいろいろ言いますけれども、要はまず権限移譲についてどれだけ地方と国との間で話し合いがついてやっていけるかというところにポイントがあるわけですね。 ですから、そこはどうしても政治で決断をしていくしかないわけですから、いわゆる行政改革もそうでございますけれども、存在するものは皆合理的だという議論があるぐらいで、現在の機構を二つのものを一つに統合するのだって、理屈を言えば現在存在理由は皆あるわけですから、なかなかそれはできない。そこをやっぱり踏み切っていくのは政治の力ですから、村山総理自身にも私は申し上げた。ここはどうしてもやっぱりリーダーシップで決断でやっていかないと、議論はもうみんなあるわけで、それについては反論もみんなあるわけですから、それをやっていく方向ですから、ちょうど明治維新の廃藩置県を今度はひっくり返して廃県置藩になるわけですから、それをやっていくことは御一新という改革、まさに革命をやらないとこれはできないという、そこがひとつ大きな政治的な決断が私はやっぱり要ると思っております。 それから第二番目は、したがってそうなると、ただ権限の移譲だけが地方分権だというのは私は非常にこれは困るんで、先ほど言ったように、受け皿づくり、例えば一番分権のあるべき姿は、それぞれの県なら県が自分のところで上がった財政で自分の力で住民からもらった税金に値するサービスを行うことが地方自治の原点ですね。したがって、全部それぞれ、例えば九州が一つの独立国になって、九州で上がる税源で九州の地域の福祉から医療から全部やっていくというのが本当のあるべき姿になるわけで、私はシミュレーションをやってみたんです。 九州がもし独立国になって、九州におる法人も国税じゃなくて全部そこで取って、九州七県の地方財政需要のトータルと合致するかどうかというのをやってみたんです。そうすると、やっぱり九州の場合は一兆円ぐらい足りなくなるんですね。それから関東七県が全部一つになって、関東の税金で関東七県の財政支出を賄えるかというと、これは若干余剰が出るということになるわけです。そうすると、もし完全な地方自治に分権が進んでいって自分の財源で自分の住民サービスが行えるということになった場合には、九州の場合は住民税を上げなきゃいかぬ。東京の場合は税金を下げることができる。こうなっていくと、ますます人間は東京に行くようになる。 したがって、もし地方自治の完全な地方分権を進めていくためにはインフラストラクチャーを全部同じにしておかないと、ちょうど国鉄の七分割と一緒で、JR九州と東日本というのを十分なイコールレベルで発足させないと、東日本はどんどんどんどん発展していって料金が下げられる、JR九州は料金を上げなきゃいかぬようになる。 したがって、地方分権を徹底していくと、やはり同じような、交通体系でも全部東京の周辺の交通体系と九州の交通体系、東京における下水道の普及率と地方の下水道の普及率というのは同じレベルにして同じようにスタートして、一生懸命努力したところはそれだけ税収が上がってそれだけのサービスが受けられるというようになっていかないといけないわけです。 地方分権論をやるときには必ずこういった、私が第二国土軸と申し上げたように、いろんな地方のインフラストラクチャーというものは東京とは余りにも差がありますから、それをやっぱり平準化していく努力というのを同時に進めていかないとこの分権はいつまでたっても実現しない。したがって、税金もいつまでたっても中央に依存していくと。こうなっていくものですから、この中央委員会はぜひともそういうところも一緒に考えた、いわゆる受け皿づくりの方も地方都市の整備なり地方に若者が定住していくような政策を並行していくような議論でやらないと、ただ権限の移譲をもって地方分権に足れるというような委員会であってほしくないと、こう思っております。
○溝手顕正君 ありがとうございました。 実は、私の懸念していたポイントを突いていただいて大変ありがたいと思うんですが、地方分権議論をされておりますが、どうも真剣味が足らない。というのは、全国の六百六十の市がシミュレーションを果たしてやられたことがあるんだろうかというような印象を持っておりましたし、実はこれは先ほど言いました総中央対総地方ということになるにしても、地方の防御というんですか、いわゆる地方の戦闘態勢いまだしの感という印象を持っておりますので、これは要望になりますが、ぜひそういう突っ込みをよろしくお願いいたしたいという印象を持っております。 特に、平松知事さんは五選を無事悠々と果たされたわけでございますが、大阪、東京では大変ショッキングな問題が起きております。これをどう見るかはいろいろ問題があると思いますが、私の一つの見解として、世の中、いわゆる一般市民、一般国民の間の中に、自民党をたたいた後に例えば社会党が伸びたり、自民党をたたいて日本新党があらわれたりしたそういう現象からもう一歩進んで、中央官庁の、いわゆる日本の現状の社会組織というか官僚組織というのが初めて白日のもとにさらされた事件ではないかというような印象を持っております。これは極めて重要な転機にあるんだろうと思うんです。そういう意味で地方分権推進の絶好のチャンスではないかと思っておりますので、ひとつ御健闘をよろしくお願いいたしたいと思います。
○公述人(平松守彦君) 今の話は、小選挙区制になるとますます政党と政党の党派別の戦略が皆違って対立するから、地方の首長は無党派である方が私はベターじゃないかと思っています。推薦を受けることは政権の安定上必要で、私も各党の御推薦いただきましたけれども、本人自身が中央の政局のような党派に分かれていくことは、地方行政にはそういうイデオロギー的な対立は余りないんですね。国の場合は、外交とか国防とか通貨とかいうことになるとこれはいろんなイデオロギー的な対立もあるでしょう。しかし、地方行政というのはちょっと対象は違うものですから、私はそういう見解でございます。
○溝手顕正君 岩崎市長にお尋ねいたしたいんですが、いろいろお話がございますが、私の経験から申し上げますと、市は国から権限が欲しい、あるいは県から欲しいと、そういう話になるわけですが、市民としては、役所は一緒なんですね、国だろうが県だろうが市だろうが。本当はもう面倒くさいことはみんなやめてほしいと思っている。そういうような自戒を持ちながら私もやってまいったわけで、規制緩和と地方分権の問題をどう考えるかというのが一つの問題だろうと思います。それに対する御見解が一つ。 もう一つは、実は地方の公営事業の問題でございます。 今、地方公務員というのは約三百三十万人おります。国家公務員というのは八十六万人ぐらい。約四倍いるわけですが、行政改革の一つのねらい、地方分権の一つのねらいは効率化というのが当然あるわけですが、果たしてその地方公務員というのは効率的であるかどうか。これは私が言える立場であるかどうかわかりませんが、極めて問題があると思うんです。 特に公営企業、市営バスであるとか給食の問題、保育所の問題、あるいはし尿処理の問題、ごみ処理の問題、これは民間委託するともうほとんど三分の一ぐらいの経費でできるだろうと。これはいろいろ問題がある発言かもしれませんが、私は社会党、自治労の動きというのは極めて問題あると思っておるわけです。 このことが地方分権を阻害していることにならないんだろうかどうだろうか。というのは、そういう地方の公営事業がふえればふえるだけかえって効率的でなくなってくるんじゃなかろうか。こういう意見に対してどういう反論をされるんだろうか。この点について岩崎市長からお答えをいただきたいと思います。
○公述人(岩崎泰也君) 地方分権と規制緩和というのは、規制緩和ということに対しましては割合に一般市民も理解しているわけなんですが、地方分権というとなかなか市民にはまだ定着していないし、何だろうかという不安もあります。先ほど知事が言われたように、例えば規制緩和の中で、バスの停留所だってわずか十メートル先に移動するのにもわざわざ運輸省に行かなきゃいけないとか、そういうややこしい面もある。だから、そういう面に対して、もう少し県あたりにおろしていただくことも我々非常にやりやすい面が出てくると思います。 ただ、地方分権についても、これから市民のサイドに何かメリットがある、あるいは地方分権になってよかったなという点、ただ国、県の荷物が軽くなるというような現状では困るわけですね。そういう面でもう少し地方分権の件につきましても、今参議院の委員会でやっておりますし、我々もできるだけそれをバックアップしたいんですけれども、特にこういう問題も県と十二分に話してまいりたいと、このように思っております。なかなかまとまりにくいお話でございますけれども。
○溝手顕正君 地方の受け皿論の問題になってくるわけですが、先ほど申し上げました地方の公営事業の効率化というのが地方分権の阻害にならないかというのは大変な課題だろうと思います。 それにつけ加えまして、先ほど正本町長さんがおっしゃった中で、いわゆる高齢者福祉対策は果たしてできるんだろうかどうだろうか、統一的な基準でやれるためにはどうしたらいいんだろうかというような懸念をお持ちになっている。これもよくわかるわけですが、果たして六千人の規模で地方分権の受け皿となり得るんだろうかどうだろうか、その自信をお持ちになっているのかどうだろうか。合併についてはどうお考えになっているんだろうか。それから規模はどういう、一市五町村という話がございましたが、広域連合という考え方もございますが、このあたりはどうお考えになっているんだろうかということが第一点です。 それからもう一つ。地方分権というのは、裏を返しますとありのままの姿をさらすという問題で、知事さんはインフラの問題をおっしゃいましたが、それ以外に人材もありのままということですから、ある面では格差をより拡大される極めてもろ刃のやいばの面を持っていると思うんですね。それで、過疎の町で三十七年間大変頑張っていらっしゃるんですが、地方分権の拠点としての自信をお持ちでしょうか。それとも何か具体策、抱負等についてございましたら伺わせていただきたいと思います。
○公述人(正本秀雄君) 自信があるかと言われても困るんですけれども、町村合併促進法が出た二十八年ごろ、我々も一生懸命町村合併の旗を振ったわけです。そして、あの当時の町村の人口、適正規模というのは八千人だった。そのころ私の町は八千百五十四人で合併して適正規模だなと言っておったら、だんだん人口が減って今六千ということです。 だから、その場合にやはり受け皿が、片っ方で地方分権が進んでいく、そうするとそれに伴って受け皿も大きくならにゃいかぬけれども、ただ大きくなっただけでいいかというと必ずしもそうじゃない。時々私は言うんですけれども、スモール・イズ・ビューティフルという場合もあるぞと、こう言うわけです。しかし、分権を進める上では権限、財源、人間の三ゲンが必要だと言われるように、やはり財源がないといずれにしてもうまくいかないということは当然のことであります。 だから、六千人でいいと決して私は思っておりませんけれども、ただ三十年ごろの経験からいうとなかなか簡単に町村合併というのはいかないわけで、旧町村意識、対抗意識というのは非常に強いものがあって、合併四十周年記念行事などやっておって、四十年たってみて、ああやっぱり合併してよかったなと今ごろわかったということですよ。だから、今度やはり地域住民が一緒になって、合併した方がいいと。 例えば、これはまだ発表したことはないんですけれども、空港が東国東郡の中に我が町にあるわけで、空港を中心にして市をつくるといいなと私は思っているわけです。しかし、それはやはり地域住民が本当にそういうものが必要だと、そして空港を中心にして東国東郡約四万幾らが活性化するといいなという、そういう地域住民が盛り上がってこないと、我々行政が旗を振って、合併するぞ、ただ交付税がふえるとか議員の任期が長くなるぞというだけでは住民はついてこぬと思うんです。 だから、こういう今の時代の流れですから、そういうことをこれから十分説明しながら、どうすることが我が町がよくなるか、あるいは地域がよくなるかということをこれから話を進めていきたいと思っております。
○溝手顕正君 いろいろ御意見ありがとうございました。 特に大分県は村山総理を出しているところでもございますし、また平松知事を中心に分権論の極めて盛んなところでございますので、大変困難はございましょうが、ぜひ大分から地方分権の声がもっと広がりますことを心から念願いたしております。 きょうはありがとうございました。
○岩崎昭弥君 私は出身が岐阜県です。前歴は市会議員もやりましたし、県会議員もやってきましたので、そういう立場からちょっとお尋ねしたいと思うんですが、きょうは、まず地方自治の先進的な大分県へ参りまして大変喜んでいるところでございます。 さて、知事さんのお話にもありましたように、前置きはさておいて、地方分権ということになりますと町村の果たすべき役割が重要でして、地方分権はまず市町村から、これが私は原則であるというふうに思うんです。ところが、一方で知事さんの場合は「九州府」構想というのを持っていらっしゃって、これもユニークな説で大変おもしろく拝聴をいたしました。それからもう一つは、正本町長さんの町村合併論というか、町村のあり方論というのも大変おもしろいというふうに思ったんです。 そこで、仮に地方自治を町村に、下におろす、こういった場合にやっぱり小さい市町村ではやりにくい、例えば保健所行政一つとってみてもやりにくいという部分が私は出てくると思うんですね。つまり、住民の健康管理をする場合にもそういうことが出てくると思うんですが、そういうときにどうするかという問題があります。 私は社会党ですが、これは社会党の考えではないですけれども、地方自治に二層制をとったらどうかと。都道府県もある、そして市町村もあるというふうにするんですね。例えば今の正本町長さんの話のように、自分のところでできぬ仕事は今度は逆に県に委託する、わしのところの仕事はこの部分は県でと。例えば土地改良、まあ土地改良ぐらいは問題はないでしょうが、大きな砂防工事とかいろんな事業が出てきた場合に、これは県にやってくださいと、こう言って県に委託するという方法があると思うんですね。そういう意味で私は、府県というのは、地方自治が完全に理想的な形になるまでは府県が中間的にあってもいい、つまり二層制ですね、それがあってもいいんじゃないかというふうに一つは思っているんです。 この考えについて、確かに将来はなるほど「九州府」構想というのも大変おもしろいと思うんですが、それに触発されて今そういうことをお聞きするんですが、このことについて、これは知事さんにも、それから岩崎市長さんにも、正本町長さんにもそれぞれ聞きたいと、こう思うんです。
○公述人(平松守彦君) 私は、大体ヨーロッパのECを頭に置いておるんですよね。ですから、いきなりヨーロッパがECになっても、ヨーロッパは国が全部国境を取っ払って一つの国になるんじゃなくて、各国はみんなあって、そして共通事項、例えば関税とかそういうような問題をECでやっていくわけですね。 ですから、「九州府」構想も初めは県が全部残って、そして今の国の予算の配分とか、それから今の水利権の問題とか、それから産業廃棄物の問題、福岡だったら福岡の産業廃棄物を福岡市で処理することはできない。東京都の産業廃棄物なんて青森まで持っていっておるわけですからね。ですから、やっぱり広域行政というのが出るわけですから、そういう形でだんだんだんだん広域行政になっていって第二段階と、こう考えないといけないので、第一段階はそういうことだと思うんです。 ですから、やっぱり時間はかかるんですけれども、今、正本さんが言ったように、例えば下水道なんかは船団方式で一市五町村で全部共同でやっていく。ですから、いきなり市町村合併ではないんで、私は今、「一村一品」じゃなくて「一村一風運動」というのを言っておるんですけれども、それは何かというと、それぞれの町が風通しのいい自治体と。例えば一つの郡の単位で共同でホールをつくる。一つの大野郡なら大野郡の真ん中に三重町という町がある、そこに各町村が金を出して大きな文化ホールをそこにつくる。ですから、その大野郡の一番大きなイベントはそこで皆やっていく。今度はそういうことをやるようになりまして、一種の町村連合みたいになるわけですね。 それから県と県の間も県連合というのをつくって、今度は共通に水利権なりいろいろなことをやっていく。これはこの前の行革審の答申に出ているいわゆる新しい連合自治体という、一部事務組合みたいなことですから必ずしも今の合併という問題とちょっとニュアンスは違いますけれども、そういうことでだんだん市町村も広域的な事務組合をつくって、それが一つの自治体になっていく。県は県で大分と宮崎なり九州の北部四県で一つの連合体をつくっていくということから、だんだんそういうことをやっていくようなことをしていくようにもうならざるを得ない。 例えば小学校なんか、過疎地域ではもう三つの町で一つ。これからますます子供が減っていくわけですから、小学校が一つずつ町村にあったのがもうみんな一つになるわけですから、やっぱりだんだん過疎の地域は学校を中心に三つの村が一つにならざるを得なくなってくるという問題があります。大分県なんか非常に過疎の地域が多いわけですから、そうなると一遍に三つが合併する前にまず三つで一つの学校の単位をつくって、学校をどこに置くか三つの村で相談をして決めていくというようなことにならざるを得ないわけです。 だんだんそういういわゆる生活圏構想ということでいろんな共同の事務組合みたいなものをつくってやっていくということはもう大分進んでおりますから、そういうことからいって将来は一つの町なり村にしていくというような段階を踏んでいくのかなと。今度の合併法が新しく延長というか改正延長になっていますから、そういうものをつくりながら、さっき言ったようにいきなり合併というのはなかなかいきませんから、だから府県もそういうことでステップでいかにゃいかぬ、こう思っています。
○公述人(岩崎泰也君) 市町村を重視すべき点の考えですが、市町村優先の原則から、基礎的な自治体である市町村が中心的に担い手となっていくことは私は当然だと思います。しかしながら、当面は県、市町村という二層制を前提にして段階的に移譲していくことが現実的ではないかと思っております。 以上でございます。
○公述人(正本秀雄君) 受け皿として合併することは決して反対をしませんけれども、今現実に知事さんも言われたように、うちの方では国東半島東側五カ町村ですが、四万ちょっとありますが、そこで、ごみ、し尿、消防、それから病院から火葬場まで持っておるわけです。広域圏で結構うまくやっております。ただ、負担がだんだん高くなるからこれは合併した方がいいぞという意見がないことはないけれども、それは必要があっていよいよ合併した方がいいなということがいろんな面で考えられればそういうことはある。 それから、そういう広域圏でなくて、さっき公述いたしましたように、今、下水は、市は割合進んでいるけれども、町村の下水事業というのは非常におくれておるわけで、全国的には一〇%ぐらいしか進んでいませんから、そこを杵築市を含めて一市五カ町村で船団方式、同じ船に乗って同じ方法で共通の問題あるいは共同でやれるもの、そういうもので経費の削減あるいは効率化を図っていこうということを今やっておるわけで、平成九年供用開始ですからまだ具体的に幾らメリットがあるかはっきりしませんけれども、そういうことでやりながら、やがては住民がもういっそのこと本当に一緒になった方がいいということになれば、そのときに受け皿としての資格を兼ね備えたものをつくればいい。それまでは広域圏だとか連合とかそういうことで結構いけるんじゃなかろうかと思っています。
○岩崎昭弥君 二つ目の質問ですが、先ほど知事さんもお触れになったんですけれども、財源論の問題があるんですね。そうすると、地域によって税が偏在します。それはもう大都市圏はよくなりますし、過疎地域ほど財源がないわけです。そういう場合に、さっきの話のように、税金を高うするというわけにいかぬです、また人口が流れますから。そうなると、当面、今ある地方交付税みたいなものを残さなきゃしようがないと思うんですが、その点について、知事さん、町長さん、それぞれ財源論についてちょっとお聞きしたいんですが。
○公述人(平松守彦君) 現在の交付税というのが、まさにあれは平衡交付金のような形で基準財政需要というのを皆はじいて、その基準財政需要に対して県税の収入の八割を充ててみて不足の分を分配するというのが基本構想ですよね。したがって、国税で皆取っておいてその三十数%をまとめて分配する。だからどこの住民もみんな一応同じような行政サービスが受けられるというのが現在の財政構造ですね。 地方分権というのは、財源を、国税と県税を別々に税務署があって取るというのはこれはばからしいことですから、全部地方の税務署が取る、そして法人税も皆地方税にする、その中で一定比率を国税に納めるというようなやり方、ドイツがやっておるわけですが、だからそこまで徹底していかないとまさしく本当の分権は私はできないと思うんです。しかし、それをやると、さっき言ったように大変厳しいことになる。地方分権というのは本当はそれだけ厳しいことなんですね。 地方の自立というのは、地方で稼いだ金で、地方の住民が払った税金に合うようなサービスを受けるというのが地方行政でございますから、その税金が上がらぬときにはサービスはそれだけ低下するわけです。そのために我々地方の首長は、一生懸命企業誘致をしたりまた農業を振興したりして県民所得を上げて、税金を取ってそれで行政サービスするということですから、地方分権というのは突き詰めていくと非常にこれは厳しい自立を県民に、住民に要請することになるわけですね。ですから、そういうことをやるところまで考えないといけないと思うんです。 そうなると、今言ったように、東京はなぜ何も、そう言っちゃ悪いんだが、歴代の東京都知事が一生懸命企業誘致して会社を誘致して、あれだけの産業が集まってあれだけ税金を集めたのか、そうじゃない、あれは反射的な利益なんです。東京にたまたま霞が関があるから人がみんな集まって、料飲税がふえて、人間がふえて住民税がふえておるだけのことで、我々は一生懸命企業誘致して、または農業を一生懸命振興して、それから税金を取ってやっている。どうしても足りぬから国からもらっている。 ですから、やはりインフラストラクチャーを絶対的に整備しておかないと、共通の条件で走らせないと、地方分権というのは地方競争ということですから、一生懸命努力したところはそれに値するサービスを得られる、それに値してないところはそれだけのサービスしか得られないというのが地方分権の本当の姿になるわけですから、そこはアメリカでも同じことになっておるわけです。 アメリカの南部の州と北部の州は所得格差が非常にありますけれども、これはもう住民が全部それぞれ州で賄っておるわけですから、国から財源は、さっき言ったように、ほとんどもらってなくてやっているわけですからそれだけの格差がつくわけですね。だから、そこはスタートのときに考えないと旧国鉄の七分割と同じようなことになるんじゃないですかと。 だから、地方分権の委員会で議論すべきことは、ただ権限の移譲じゃなくて、地方都市に若者が定住して、地方に住んでいる人の少なくとも下水道とかいうインフラストラクチャーは、これは今の市町村や県で全部それを東京までのレベルに追っかけろと言ったってできないわけですから、まず地方分権をやる前提としては、東京の下水道の普及率が今八八%、大分県が二〇%、全国平均は四四%ですから、やっぱり一応全部平準化しておかないとそれはスタートしたって若者は地方に住みませんわね。地方に住まなきゃそれだけ税金は上がらないわけですから、そういう非常に大きな問題を一緒に並行してやっておかないとこの税制問題はできない、こう思うんです。 そこで私は、やっぱり国土計画とか地方分散とか人口の分散とかそういうことをやっておかないと、今のような過疎地域の市町村で全部、地方分権で税源も何も全部独立しろと言ってもこれはなかなかできない、そう思います。
○岩崎昭弥君 最後に、むしろお願いをしたいと思うんですが、これも知事さんがおっしゃったように、明治時代は廃藩置県で思い切ったことをやりました。あれは権力を徳川幕府がもともと持っておって、極論するなら島津藩以外は全部握っておったと一緒の状態だったと思うんです。それでぎゅっとやったら皆お手上げして、泣く泣く中央集権に従ったわけですね。 ところが今度は、百年以上にわたってその権力を一手に引き受けた中央官庁が自分の持っておる権限を地方の皆さんに渡すかといったら、これは容易なことではないわけですよ。それで、地方制度調査会が答申したものもほぼ途中で骨抜きになった。これはいかぬということになって我々が六団体に要請して、そしてむしろ地方から国を攻めるような格好でやったら、ちょっと揺り戻しで分権法がまあまあの格好になってきたわけですよ。 この法律は一応今月の中ごろ通りますが、問題は通ってからのことですね。これまた中央官庁がやっぱり権限を渡すのは嫌だと言ってこれから大抵やると思うんですよ、表には出ませんけれども。そうした場合に、これはやっぱり知事さんを初め全国六団体の皆さんがまた中央を攻める格好で国会議員の後押しをしてもらわにゃいかぬと思いますので、その辺の決意のほどもひとつ伺っておきたいと思うんです。
○公述人(平松守彦君) おっしゃるように、これは先ほども申し上げた革命なんですね、明治維新のように御一新ですから。やはりあのときも御一新で、江戸幕府が倒れて江戸城に天皇陛下が入って、それで明治維新ができたわけで、これも御一新ですからやっぱり革命だと思いますね。 だからそこがないと、今言ったように、あらゆる存在するものは合理的であるという哲学で言えば行政改革は何一つできないし、もう中央官庁から言えば皆それなりの理由で、機関委任事務の理由もあるし必置規制の理由もあるし、みんな理由があるわけですね。だから、それを一々反発するといったってなかなか、それは五〇、五〇なんですね、絶対値ではないわけですから。そこの判断はやはりこれは決断になるわけで、そこは総理の決断になる。総理の決断は何かというとやっぱり世論だと思うんです。 ところが世論は、先ほど岩崎市長が言ったように、住民の方には必置規制とか機関委任事務なんと言ったってわからないわけです。要は自分たちの暮らしが、中央集権のようなやり方よりもやっぱり地方に任せてもらった方が暮らしがよくなる。農業でも今のような農水省がやっているような農業でこれ以上よくなるのか。どこも皆一律減反、一律補助金じゃなくて、大分県は大分県の特色ある農業政策を大分県がやる、北海道は北海道でやる、その方が農業の人にもいいんだというようなことになっていってだんだん権限と予算を地方が持っていくわけです。 やっぱり国民全体がそういう意識になっていかないと総理の決断もできなくなるので、世論というものをよくわからせるというのは、なかなか地方分権が今まで進まなかったのは一般住民の方がそこまでまだ意識がいっていないところに非常に問題があるわけで、東京とか大阪とか、やっぱり自分たちの行政は自分でやらなきゃならぬということでオンブズマンとかそういうものがだんだん出てきておりますから、そういう意識が高まっていって、地方分権というものが本当に自分たちにベターである、その方が、分権の方がベターである、マイナスが少々あってもその方がいいんだというところまでいかないといけないんだろうと。 そこは我々も県民の方によくわかってもらいたい。市町村の方にも、分権をしていけばそれだけ仕事がふえて、そんなことならもう県でやってくださいと言われる人もおるんです、正直言うと。ですから、そこはやっぱりそういうことをやっていかないと本当の住民の幸せは確保できないんだというところまで行くまでには大分意識の改革が要るんだろうと思っています。
○岩崎昭弥君 終わります。
○釘宮磐君 地元でこの機会をいただきましたことを大変光栄に思っております。特に平松知事には、県議会の時代、まさに地方分権の必要性を教えていただいた私にとりましては、きょうこの地方分権推進法に伴う地方公聴会で知事の意見をお聞きできたということを大変光栄に思っております。 私、知事の先ほどからの公述を聞きながら、もう全く異論を挟む余地はない、このとおりにやればこれは間違いなく地方分権というのはできるわけであります。とりわけ私はその中でも感じたのは、地方自治とは教育だというお話がここに書かれてございますし、先ほどのお話の中にもありました。地方に任せることはどうも危なっかしい、こういう教育ママ的な中央官僚の発想が私は地方分権を阻害してきた一番大きな原因ではないか、このように思いますし、その下にあります「政治的決断によってのみ推進される」、これはまさに我々に今問われていることではなかろうかというふうに思うわけです。 実は、きょうここに参りました委員は大半が県議会の出身者、また溝手委員は首長さん、市長さんの出身であります。したがいまして、先ほどいみじくも与野党の対立軸ではないというお話がありましたが、私はもう本当にそのことで意見は一致をいたすわけであります。 とりわけ地方公聴会というのは形式的な傾向が非常に強いんですね。ですから、私は平松知事がいるから大分を選んだのだろうというふうに思いますので、これからこの推進法が審議され、どういう形で参議院で採決をされるかわかりませんが、これが通った暁にはぜひいろんな意味で意見を述べていただきたい。また、きょうの公聴会の席でも言われたことが大いに今後の委員会審議の中で議論をされていくものというふうに私は期待を申し上げているわけであります。 そこで私は、推進法のこれからの審議、そしてこれが実現する過程において一番問題になるのは、やはり中央の官僚からいかに地方分権の意義というものを我々が引き出し、そしてそれを地方におろしていくかという、そのプロセスが非常に大事だというふうに思うのであります。いわゆる中央集権の弊害の象徴的な問題として取り上げられている機関委任事務、よくこの機関委任事務が廃止されれば地方分権の大部分は成就するんではないかと言われているぐらいこの問題というのは、権限を地方におろしていくということについては中央省庁の大変な抵抗があるわけであります。 知事は、先ほどもおっしゃっていましたように、中央官僚と地方の知事と両方経験なさっているわけですから、一番よく官僚の気持ちもわかるでしょうし地方の気持ちもおわかりになる。 そこで、お尋ねをしたいのは、今回の推進法の中で、私どもは機関委任事務については原則廃止をすべきだというふうに申し上げ、これを法律上明確にして、そしてなお何らかの方法で残すべきものがあればそういうようなものについては推進委員会の中でその作業を進めてもらう。ある意味では道筋はやっぱり法案でつけるべきではないのかということを提案も申し上げたわけでありますけれども、今回の政府案では、機関委任事務の権限をどう移譲していくかということはすべて推進委員会と内閣の作業にゆだねてしまった部分があるわけですね。そうなりますと、委員会がこれからつくられるわけですけれども、その委員会が交通整理をしていく際には、御案内のように、大変な省庁からのこれはもう洗脳にまで似たいわゆる反論があります。 実は私ども、昨年、当時与党でありましたけれども、そのときに地方分権のプロジェクトチームに私は参加をしておったんですけれども、その際には、一言言えば十口ぐらい返ってくるぐらい大変な、向こうは冷徹なまでに法律についての専門家ですから、そこをどんどん押してこられる。これは委員さんがよっぽどしっかりしていなければまた全部流されてしまって、最終的には骨抜きになってしまうのではないかなという危惧を実は持っておるわけであります。 そういうことを我々は今大変危惧しているわけですけれども、その点について両方を御経験されておる知事に御所見をいただければと思います。
○公述人(平松守彦君) 今、大分県なんかでは仕事の七割は機関委任事務の事務量から成るわけで、いわば国の事務を知事がかわってやっている部分が相当多いわけですよね。本当の地方自治でやればそういうものでも、私は地方公務員と国家公務員とは全然そんなに大きな行政能力に差があるとは思いません。ですから十分やっていけると思いますけれども、ただ機関委任事務の中でも例えば国政選挙というのは機関委任事務で我々やっておるわけですけれども、そういうものは全部もう完全に地方自治で独立してやれる自主固有権限になるのかというような問題とかいろいろありますから、やはり機関委任事務の中をもう一回やりかえにゃいかぬと思っております。 そうすると議論がまた紛糾して出るから、今回は条文が若干軟化しているけれども、条文は条文でこれはこれでやっておいて、そしてまた今のようなことで、要するに議論はすべて最後は五〇・五〇になっていくので、もう何回も私もやりましたけれどもね。全部それぞれ理屈を言うと、中央官庁の理屈と地方官庁の理屈は五〇・五〇。だから最後は一つのこの委員会で判断をとって、そのときはもう地方分権の方向で判断をしていくという、ここはもう決断になっていかざるを得ぬと私は思うんです。ですから、やっぱりそこは強力な政権が出て、そこで行政を引っ張っていく。この前の土光さんのときも、国鉄分割について反対論とあれは全部五〇・五〇だったわけですよ、最後はね。しかし、やっぱりそれは一応それでやったわけですね。 ですから、そこの判断は政府、政治の判断といいますか、そうなっていくわけですから、そこはもう一回機関委任事務を議論しようということで法案が若干修正になったということはやむを得ないと私は思っておりますし、方向はあくまでもやはり地方に任せる方向でもう一回ここで洗い直して委員会でやってもらおうということだろうと思っております。
○釘宮磐君 おっしゃるとおりだと思います。特に、私は地方分権を実現するためには政治の復権が不可欠だというふうに思いますので、我々としてはここで踏ん張らなきゃいけない。きょうは与野党皆さんおられるわけですけれども、ここにおる方たちは少なくとも何が何でもやるんだという意思はあると思うんですけれども、これがひとつまた流され始めると骨抜きになってしまう、その辺を非常に危惧しております。 特に、推進委員会の委員の選任については、先ほども御意見がお三人の方からありましたけれども、やはり地方行政の代表をぜひ入れていっていかなきゃいけないんじゃないのかなというふうに思います。特に私は、推進委員会の委員というのは国民が選んだわけじゃありませんから、逆に言えばこの人たちに白紙委任をするのじゃなくて、ある程度国民から選ばれた我々が最低限の道筋だけはつくっていかないと、これは無責任のそしりを免れないというふうに思いますので、私どもはそういう主張をさせていただきたい、このように思います。
○公述人(平松守彦君) そこで問題は、この基本法はいろいろまだ不十分な点もありますけれども、私の考えを通していただいたらあとは委員会の問題になる。委員会も人選は恐らく地方の人を、反映した人が入るでしょう、入ることは間違いない。 ただ、議論の過程でやはり地方の実情をどうしてもやらなきゃいけませんので、こういった地方の公聴会方式を、我々がしょっちゅう東京へ行って議論を述べようと思いますけれども、なかなかそういっても皆制約があって、だからこういうことをやっていただくのは非常にありがたいことなので、参議院とか衆議院ではこういう公聴会方式がありますけれども、今度の新しくできた分権委員会の中においても極力こういうのを過疎地域なんかで開いていただいて、選ばれた委員の方が直接地方の現地に赴いて、現地の人の実情から話を聞くということをできるだけたくさんやっていかないと、東京で議論をしておるといつの間にか東京的になるんですね、不思議なことに世の中は。ですから、東京の中で議論していると地方分権論というのはいつの間にか中央官庁の人の言うとおりになっていくことがあるので、できるだけこれは地方で開いていただきたい。 本当を言うと、地方分権委員会の事務局は地方に置いておくのが私はいいと思うんですけれどもね。そうやると、また東京でやっていないと便利が悪いからでしょうけれども、本当は九州あたりに事務局を置いて九州に委員会をつくってやるようなことをやった方が、東京でやるとどうしても東京志向になると思いますので、ぜひとも団長として、これからできる委員会の議論の過程でなるべく頻繁に地方の公聴会を開いて地方の意見を吸いながら委員の人はやっていただく、こういうことをぜひお願いしたい。
○団長(斎藤文夫君) 御提言大変ありがとうございます。私たちも心して今後努力をしていきたいと思います。
○釘宮磐君 今の知事の御提案をぜひ委員会の中で、また理事会等でも審議をしていただきたいというふうに思います。 それでは岩崎市長にお伺いしたいんですが、先ほどの知事のお話の中にもありましたけれども、いわゆるパイロット自治体制度、これはいわゆる地方分権特例制度として平成四年六月に法改正を要しない特定の事項について地方分権の試行的なものをやろうということで行ったんですけれども、これが余り評判がよろしくないですね。このパイロット自治体制度に対する市としての、市長としての認識、どういうふうに評価されているか、ちょっとお伺いしたいんですが。
○公述人(岩崎泰也君) 先ほど知事さんが申し上げましたように、三千幾つの市町村の中で手を挙げた地域は十五市町村だったんですね。それだけやっぱり一つのロマンを持たせたような感じがありましたけれども、非常に期待感がない。それはなぜかというと、これは各省庁の段階的な検討をする中に全部骨抜きにされているわけですね。だから、特例制度がありながらその趣旨が十分生かされていないという感じを受けるわけなんです。 そこで、やっぱり市町村のアクションに対しまして検討段階でも前向きの姿勢があってしかるべきじゃないか、こういうふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
○釘宮磐君 結局、私が今回危惧をしているのは、ここに一九九二年、平成四年一月十日付の時事日報の中に、いわゆる幻の報告書といってパイロット制度の対象となる自治体に特例として移管すべき権限等と題するペーパーがあるんですけれども、これが実質的にいわゆる豊かなくらし部会で議論されたそのたたき台として出されたんですけれども、これが省庁の反論によってつぶされているわけです。これは全く出てこなかったんです。だから、結局、今回も下手をするとこういう形になりかねない。ましてやこの中には国の機関に配分すべき事務とパイロットに移管する権限、こういうものをある程度明確にもう出しているわけです。しかし、今回の推進法の四条の中にはそれは一切入っていないんですね。 ですから、ますますそういう意味ではこのパイロット自治体制度をつくったときよりもまだ後退した形でこの法案ができているというところに非常に私どもは危惧を抱くんです。ですから、先ほど知事さんがおっしゃったように、やっぱり地方の意見をどんどん言う場面をつくっていく、そしてこれを機会にやらなかったらもう未来永劫できないぞというぐらいのものを我々も持っていかなきゃいけないんじゃないのかなというふうに思います。 それでは最後に、正本町長さんにお伺いをしたいのでありますが、いわゆる中央における地方分権論議の盛り上がりとは裏腹に、先ほどからもお話がありますように、地方においてはその熱意がなかなか伝わっていない。特に、政治改革法案だとか税制改革法案のときはもう国民的に盛り上がりがあったんですけれども、地方分権については非常にその熱意が伝わってこない。これについては私ども大変危惧をしているわけであります。 昨年の十一月に地方自治学会が地方分権に対するアンケートを各自治体にしているんですけれども、六二・五%がその必要性を余り感じていないというような結果が出ています。地方分権が成果を生み出すためには、自治体及び地域住民の分権に対する情熱がなければ実現が難しいというふうに思うのでありますけれども、この点について町長さん、いかがでございましょうか。
○公述人(正本秀雄君) 御指摘のように、特に地方自治でも町村の熱意が少ないと言われております。あのアンケートの結果にしてもそういうことが出ておりますが、しかし考えようによっては、特に大分県の場合は平松知事さんが頑張ってやっておるものですから、もう既に幾らか分権が進んできたというか、直接町村が今、分権しなきゃ困るという差し当たっての問題が割合少ないものだからのんきでありますけれども、これはしかし我々の怠慢でもあったわけですから、これからやはりもう少し徹底をさせて、きょうも私は午前中の会合で、午後こういう会合があるから出ていくと言ったら、絶対負けぬように頑張れやと激励をされたんです。 だから、やはりわかっておる人はそういうことを、釘宮さんが今言われたように絶対骨抜きにならぬように、釘宮さんは大分県の代表ですから今度はこっちから陳情を申し上げて、やはり中央も地方も一緒になって絶対これを通すように頑張らなきゃならぬ、そう思っております。
○釘宮磐君 私が一番危惧をしているのは、選挙制度が小選挙区制度になりましたので、これは地方分権をもしやらないと、一人の政治家が国と地方の橋渡しをするというようなことになると非常に恐ろしい結果が出てくるんじゃないのかな。それだけに、やっぱり国会議員は国の本来やるべき仕事をやるのであって、地方の細々した問題と言ったら語弊がありますけれども、道路をつくったりそういうような問題についてはもう地方に任せるんだというふうな形にしていかないと、選挙制度と地方分権というのは私は連動しているというふうに思いますので、我々としてはこれを何としてもやり上げなきゃいけないだろうというふうに思います。
○公述人(平松守彦君) そういう意味で、私のところはやはり市町村の教育、地方自治は教育ですから、思い切って県の権限を地方にまずやるということで全部洗い出して、今二百六十件ぐらい、全国で一番多い件数を二年に分けて、去年の暮れにやりましてまたやりますけれども、いろいろあるんですよ、細かいのがたくさん。 そういうことはもう地方へ任せていいというものがたくさんあるものですから、例えば一、二例を言うと、例えば墓地、納骨堂、火葬場の経営許可というのがあるんです。これは今まで県がやっておったんですね、これは地方にやっていいわけです。それから、保安林の緊急伐採に係る届け出の受理というのがあるんですね、これも市町村に任せていく。それから、有害鳥獣の駆除のための捕獲許可、こういうやつですね、禁猟区、禁猟日ですね、そういうようなのをずっとやっていくとまだたくさんあるわけです。 ですから、どんどんそういうのはもう県は市町村にやってもらう。ただ市町村にやりますと、やはり人が要る、事務がふえる、予算がない、すぐこうなるんですよ、今の市町村は。だから、これは皆お金をつけておるんです。私の方はお金をつけて渡す。そうやってまず県が市町村にやっていくと、本当に市町村も、しかしそれでまた人間がふえていくと先ほど委員が言われたような問題が起こりますから、それはやっぱり人間もできるだけふやさないようにしてそれをやっていくような訓練をやらなきゃならない。いわゆる行政の効率化というのをやらなきゃいけませんね。 ですから、そういうことでまず県と市町村がやっていく、それから今度は国と県との間も機関委任事務をどんどんこっちがもらっていって固有事務にしていく、こういうことをやりながらやっていくわけですから、やはりどうしても一定の時間は要ると思うんです。ただ、いきなりやれといったって明治維新みたいに革命を起こしてやるわけにはいきませんから、時間が要る。 それは、だから計画的にやらなければいけませんから、今度の法律も五年間になっていますから、その間につくった計画を今度は何年の計画で確実にやっていくというフォロースルーをずっとやっていけば、時間がかかっても必ずでき上がっていくわけですから、それが逆戻りにならないようにやっていく必要があるんじゃないかと、私はそう思っています。計画をつくったら、もとに戻らないようにそれはちゃんと内閣がかわろうとかわるまいとどんどんそれを進めていく方向をはっきりとこの委員会でやっていただきたいと、こういうことです。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子と申します。 私は比例代表の選出ですが、現在埼玉県に住んでおります。生まれと育ちは東京です。市会議員を一期といいますか、三年間やったことがあります。 地方自治制度というのは、言うまでもないんですけれども、基本的人権を担保する制度として日本国憲法に初めて取り入れられたものであるわけで、やっぱり団体自治、住民自治と、こういうことが非常に基礎になっていると思います。 地方公共団体の役割というのは、自治法の二条にもありますように、地方の住民の安全を守り、健康や福祉、こういうことに資する仕事をするというふうになっておりますし、今論議の行われております地方分権もまさにこの観点から行われるべきであるし、私たちも機関委任事務の全廃ということも主張をしているところです。 それで、先ほど正本公述人とそれから岩崎公述人が言われましたけれども、成長優先から生活重視へ価値の転換ということ、そしてまた高齢化社会でお年寄りの福祉の問題、介護その他を含むと思うんですけれども、そういう問題に今一番直面して御苦労されているのではないかと思います。そういうときにお金がかかる、そして人員もかかる、しかし一方、自治省の方からは自治体でリストラをやれ、その計画を一年以内に出せと、こういう通知が来ているわけですね。 そういう中で、本当に地方公共団体の一番身近な仕事、いろいろありますけれども、例えて言えば今申し上げた高齢化社会の中でのお年寄りの介護やら、さまざまな問題ですね。そういう問題についてどうやって取り組んでいくかというのが非常に重要だと思うんですけれども、地方分権を進めるということは即民営化が進むと、こういう懸念もあるように思うわけです。私の住んでおります埼玉県でも民間委託が物すごく盛んでして、人員削減と民間委託と、こういう二つの車じゃないけれども、そういうような計画をつくっている自治体があるし、現にやられているわけなんですね。 そういう中で、まず一番身近な問題としてお二人にお伺いしたいのは、要するに福祉の後退を来さないで分権の受け皿づくりということでリストラをやれということと、それからやっぱり一番地方自治体の役割であるそういう福祉の充実と、人員を削減せず、せずというかむしろふやさなきゃならないんですね、埼玉なんか現実にふやしている自治体が多いんですけれども。それからやっぱり民営化、民間委託をしない、そういうようなこと、どういうふうにその辺をやられているのか、ちょっと具体的に最初にお伺いしたいと思います。
○公述人(平松守彦君) 例えば福祉の問題で言いますと、ゴールドプランというのを今度は厚生省がつくりまして、大分県もそれに基づいて地域福祉計画をつくりまして、したがってホームヘルパーの数なんというのはあと十年ぐらいすると非常に多くふやすことにもう計画は全部できておるわけですね。それからデーサービスの回数もふやしていく。 ですから、そういった福祉の介護の要員というのはふえていくことは間違いないわけです。これはもう計画でふやしていくわけです。これは国の措置費をもらって、県も出して、これは国家公務員とか県の公務員じゃありませんけれども、福祉の事業団の要員として人間をふやしていくわけです。そういうところはまさにふやしていかないと高齢化社会に対応できませんから、計画によってホームヘルパーの数は倍増ぐらいになっていくわけです、これから十年後には。 だが一方、今度はでは全部ふやしっぱなしでいいかということになると、やはりこれからもう一回見直して、できるだけ人員の少ないところは少ないなりにやっておかないと財政が破綻することになりかねませんから、そこら辺はスクラップ・アンド・ビルドをやっぱり考えていかなければいかぬ。しかし、福祉の面においては、これから県の権限を市町村に移していく方針を国が出しておりますから、それは非常に結構なことなんで、予算もつけて福祉の事務は全部市町村がやっていく。それに伴うそういう人員はゴールドプランによってふやしていくということは、これは当然の方向だと思っております。
○公述人(岩崎泰也君) 私の方の町はやっぱり高齢化が進んでおりまして、一つはホームヘルパー、これも人員、県の支出を県にお願いしてふやしていっている状態でございます。ただ、半島部はリアス式海岸に沿って細長い地域でございまして、だから公民館とかあるいはそういったものを過疎債でずっと年に二つ建てているわけなんです。それは平屋建てで階段がなくてお年寄りがすっと入れるような、あるいはそういう中でお年寄りに急遽いろいろなデーサービスができるような体制づくりができるような体制を今、我々行政として考えていっているわけなんです。これは割合に地域の住民の人たちに非常に好評を得まして、できればそういうものを多く早くつくってくれという要望が出ております。 ただ、私の方も平成五年から十一年までオレンジプランという計画を立てて各地域にお年寄りが入れる施設を現在二つつくっているような状態でございまして、割合に市民の間から好評を得ているわけなんです。 これからはやっぱり市民の皆さん方とそれを我々がどうやってやっていくかということは、基本的には県、国にお願いをしなきゃならないし、市の財政だけではどうしてもできないのがあるわけで一つの壁があるわけでございますので、今おっしゃるように、できるだけそういう体制づくりで我々は努力しているような状況でございます。
○公述人(正本秀雄君) 老人がだんだんふえてくるというのはもう非常に速いテンポでふえてくるわけですが、私はやはりこういう時代になるだろうと思って、今から二十五年ぐらい前に大分県で初めて町立の特別養護老人ホームをつくりました。 ところが、二十年たって大分おんぼろになりましたので、釘宮参議院議員などにも大変お世話になって先般建てかえをいたしました。そのときに、ただ施設に年寄りを収容するだけではなくて、デイサービスセンター、重度のセンター、それから在宅老人の支援センター、そういうものをつくりました。今、ただ施設に年寄りを収容する福祉から在宅福祉というふうに方向が大分向いてきております。 そういうことでホームヘルパーをふやしたりしておりますが、年寄りというのは割合にしかし元気なんですね。だから、今、老人福祉法で老人は六十五歳というのは、六十五歳は老人じゃないぞ、こう言っておるわけですね。だから、六十五歳でなくてもう七十歳でいいんじゃないかと思うんです。そして、そういう老人パワーをある程度活用するということがこれから町づくりに大きな力になってくれると思うんです。 やっぱり長い人生経験もあるし、そういうものを生かしてもらうとか、いろんな面でお年寄りに加勢などしてもらっておりますが、ただお話のように、財源が必ずしも十分でありませんので、そういう点が困るところがございます。ただ、施設に収容するとそれは措置費である程度賄えますが、もちろん町の持ち出しもかなりありますけれども、やはり自分たちもやがて行かにゃならぬところですから、そういうふうに今頑張っておるところであります。 議会で問題になりますのは、そういうお年寄りと、今、少子化で子供が少なくなってくる、年寄りでなくて子供をどうするのかということを議会でいろいろやかましく言われておりますが、いずれにしても、少子化の問題と高齢化の問題というのは二つの大きな柱であろうと思っております。
○吉川春子君 二つ目の質問は、平松公述人が盛んに強調されております将来は道州制であるということなんですけれども、道州制となりますと地方自治の概念も変わってくるし改憲にも結びつくし、いろいろ複雑な問題がありますので、きょうはそこまでは私は踏み込むつもりはないんですが、自治体の規模が大きくなればいいのか、こういう問題が一つあると思うんです。人口がふえて面積がふえる、それはその地域の発展である、イコールそうなるのかという問題がありまして、お三人の公述人の方にそれぞれ自治体の規模はどの程度が好ましいと考えられているのかという点をお伺いしたいと思うんです。 例えば、関東地方でいろいろ町村合併で大きな自治体ができますね。最近もできましたけれども、その目的は大規模プロジェクトを効率的に推進する、都市基盤を整備する、だから幾つかの自治体の財源を一つにまとめてある特定のところへつぎ込む、そういうようなことを目的に行われた例があるんです。 ということは、結局財源というのは限りがありますから、まとめて一つのところへつぎ込んじゃうとほかの方はお留守になる。ほかの方というのは、つまり福祉や教育や生活に密着した部分がお粗末になるんですけれども、そういうことのための合併。しかも、合併しますと首長は一人でいいわけです。議員の数も物すごく減らせるわけです。最大のリストラの境地というか、そういう効果も期待できる。期待できるというのは皮肉的な意味で私は言っているんですけれども、しかしそういうことになると反面、じゃ住民自治ということはどうなるんだろうか、こういう懸念が非常にあるわけですね。 そして、例えばヨーロッパなんかは、めったに行かないんですけれども、たまたま旅行しますと、一つの自治体の規模はうんと小さくて五万とか、スウェーデンなどは自治体が大きくなり過ぎたから見直しといって、聞いてみたら二万になったと。それでも大き過ぎるから見直しということで、非常に小さい規模の中で行き届いた住民サービスをしている。 民主主義の基礎というのはやっぱり地方自治だということをヨーロッパやアメリカを見て感じるんですけれども、そういうことを考えたときに、ただ中核都市三十万集めて自治体の規模を大きくして、それで地方分権の受け皿にするんだという考え方は私は賛成できないんです。それは考え方の違いとして公述人の皆さんの考えとは一致しないかもしれないんですが、ともかく高齢化社会で、じゃ例えば市の庁舎、村役場がもうとんでもない遠いところに一つにまとめられちゃったと。村役場に行くにもバスもないし、いろんな点で不自由になる。 そういう具体的な例をとっても非常に不自由になると思うんですが、本当に自治法の二条に言うような住民の福祉や健康や安全、それを面倒見る自治体の規模というのは大きければいいのかと。最後はもう県の枠も取り払って、九州を「州」という一つのあれにするというのが平松公述人の構想かもしれませんが、ちょっと私はもう恐ろしさを感じるんですね。民主主義という点からも、それから地方自治という点からも恐ろしさを感じる、率直に申し上げるんですけれども。 そういう点で、本当に住民の皆さんの福祉とかそういうものの向上、民主主義を守るための自治体の規模というのはどの程度のものがいいというふうにそれぞれの公述人はお考えなのか、その点最後にそれぞれお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○公述人(平松守彦君) 現在の三千三百という市町村も、この前の合併法では初め一万ぐらいあったのが三千三百になったわけです。だから、現在は現在でこれで一つの適正規模だといえば適正規模になっているわけで、それじゃ昔の一万にまた戻した方が行政はうまくいくかというと、必ずしもそうでもないわけです。 私は、やっぱりある程度の広がりというのは、地形的な広がりもありますから、何も全部大きければ大きいほどいいとは言いませんけれども、おおむね言いますと、最近は非常に都市化が進んで、過疎地域は今言ったように子供が少なくなっていくんで小学校も統合していかなきゃならぬ、これは現実なんですね。 そうすると、三つの小さな村が大分県にありますけれども、その村で一つ学校をつくるということになると、その三つの村が一つの機能の中でどこに置くかということをやらぬと、三つの村が独立していると学校一つどこにするかだけでも大問題でなかなか決まらない。子供が非常に困るというような問題が起こりますので、これからそういう地域でどんどん人がふえていけばまた別でしょうけれども、そうなると、そういう過疎地域は過疎地域なりに三町村が一つの運営をしていく方が行政サービスとしてもベターではないかという問題が起こるわけで、そういう点ではやっぱり合併に向かっていった方がいいようなところもあります。 それからまた、北海道みたいのが道州制の典型だ、北海道を二つに分けたらどうかという議論もあるわけです。現実に北海道分州論というのもあるわけです。しかし、北海道という一つの大分県よりはるかに大きいところに一人の知事さんで行政はできておるわけですから、九州は北海道と同じぐらいの面積で、人口も同じぐらいになれば、一つの州になってもそれは行政単位としては成り立ち得るということもできるわけでございます。 最近のように、マルチメディア、情報通信網が発達して、交通網が非常に発達していくと、やっぱり広域的な見地で、ヨーロッパにもECができたように、地域と地域が一つの経済体として成っていくような行政の方が効率的だということでヨーロッパにもああいうECというのが生まれてきているわけで、そういう広域化、広域行政ということはもう避けられない現実ですから、それに対応して合併がいいのか連合がいいのか、いろんな形は考えていく必要があると思いますけれども、やっぱり行政は広域化していって、それがかえってまた小さな町村にもプラスになっていくという方向に私はあるんじゃないかと思っております。
○公述人(岩崎泰也君) この合併問題というのは、やっぱり住民の意思を基本的に尊重することも必要だろうと思います。そして、地域の産業、面積とかあるいは地理的条件を考えて、適正な人口としてどうしたらいいだろうかということを基本的に考えてやることが私は基本になるんじゃないか、このように考えております。
○公述人(正本秀雄君) 合併が喜ばれるかどうかというのは、合併することによって財政規模は大きくなるから仕事ができますと、こう言うけれども、問題は地域の土地の広がりなんです。周辺に取り残されたところは、中央だけがよくなって我々は取り残された、サービスが悪いという批判が出てくるわけです。そういうのが今度でも問題になってくるわけです。だから、やはり人間が何人が適正かとか、あるいは土地の広さはどのぐらいがいいかとか、そういうところでは本省はどこに置くのがいいかとか、いろんな小さな問題が派生してくるものですから、なかなかうまくいきません。 ただ大きいことだけがいいことじゃなくて、逆にさっきも言ったようにスモール・イズ・ビューティフルという場合もあり得るわけですから、本当にその地域のよさというものは皆さんが知恵を出して議論し合って、そして決めればいい。 具体的なことを何ぼぐらいかというならば、私はやはり、昭和三十年ごろのときには適正規模は八千人だったのが、今なら一万人ぐらいが適正規模かなとは思っております。
○団長(斎藤文夫君) 以上で公述人に対する質疑は終了いたしました。 この際、公述人の方々に一言御礼を申し上げます。 おかげをもちまして、本委員会の大分地方公聴会、所期の目的を果たすことができ得ました。これひとえに本日御出席をいただきました公述人の皆様の御協力のたまものと深く感謝申し上げる次第であります。 特に、御地御出身の村山総理が不退転の決意で地方分権に臨んでおられます。五年の時限立法で、私どもも先ほど来それぞれの委員から御質問も申し上げ、また三公述人からも御意見、御提言をちょうだいいたしましたが、全力を挙げて地方分権が達成できるようにこれからもさらに真剣な論議を進めてまいりたい、このように思っております。 つきましては、大変きょうすばらしい御意見、御提言をちょうだいいたしまして、今後の審査の糧にしてまいりたい、このように存じた次第でございます。 また、本地方公聴会を開催するに当たりまして種々御高配を賜りました御関係の皆様に厚く御礼を申し上げます。そして、それぞれ御関係の傍聴にお出ましをいただきました方々につきましても、長時間御協力をいただきましたことに感謝を申し上げる次第であります。 重ねて厚く御礼を申し上げ、これにて参議院地方分権及び規制緩和に関する特別委員会大分地方公聴会を散会いたします。 〔午後三時五十二分散会〕