地方分権及び規制緩和に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 10 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1995/04/24
会議録
○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を開会いたします。 地方分権推進法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山口総務庁長官。
○国務大臣(山口鶴男君) ただいま議題となりました地方分権推進法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国民がゆとりと豊かさを実感できる個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現が求められております今日、地方公共団体がその実情に沿った個性あふれる行政を展開することができますよう、その自主性及び自立性を高めていくため、地方分権の推進が不可欠であります。 このため、政府は、地方分権の推進を当面の重要課題の一つとして位置づけ、各方面の御意見を踏まえつつ、昨年十二月二十五日に「地方分権の推進に関する大綱方針」を閣議決定いたしました。本法律案は、この大綱方針の基本的方向に沿って取りまとめ、ここに提案申し上げる次第でございます。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明いたします。 第一は、地方分権の推進に関する基本理念並びに国及び地方公共団体の責務であります。 地方分権の推進は、各般の行政を展開する上で国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本として行われるものといたしております。また、国及び地方公共団体の責務につきましては、所要の規定を設けております。 第二は、地方分権の推進に関する基本方針であります。 地方分権の推進は、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務など国が本来果たすべき役割を重点的に担い、地方公共団体においては地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を広く担うことを旨として行われるものといたしております。 また、地方分権の推進に関する施策として、国は、地方公共団体への権限の委譲を推進するとともに、地方公共団体に対する国の関与、必置規制、機関委任事務、補助金等の整理及び合理化その他所要の措置を講ずるものといたしております。 このほか、国は地方税財源の充実確保を、また、地方公共団体はその行政体制の整備確立を図るものといたしております。 第三は、地方分権推進計画であります。 政府は、地方分権の推進に関する基本方針に即して地方分権推進計画を作成し、当該計画を国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならないことといたしております。 第四は、地方分権推進委員会であります。 委員会は、地方分権推進計画の作成のための具体的な指針を内閣総理大臣に勧告するとともに、同計画に基づく施策の実施状況を監視し、その結果に基づき内閣総理大臣に必要な意見を述べることを任務としており、委員会の勧告または意見につきましては、内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないことといたしております。 委員会は、すぐれた識見を有する者のうちから両議院の御同意を得て内閣総理大臣が任命する委員七人をもって組織することとするとともに、委員会の事務を処理させるための事務局を置くことといたしております。 また、委員会は、行政機関及び地方公共団体の長に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができることとしているほか、特に必要があると認めるときは、みずから行政機関及び地方公共団体の業務の運営状況を調査することができることといたしております。 なお、この法律は、政令で定める施行の日から起算して五年を経過した日にその効力を失うことといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところでございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願いいたします。
○委員長(小林正君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、衆議院地方分権に関する特別委員長代理由本拓君から説明を聴取いたします。山本拓君。
○衆議院議員(山本拓君) ただいま議題となりました地方分権推進法案につきまして、衆議院における修正の理由とその内容について御説明申し上げます。 第一に、地方分権の推進に関する国の施策に関する修正についてであります。 政府原案では、国は、「国と地方公共団体との役割分担の在り方に即して、地方公共団体への権限の委譲を推進するとともに、地方公共団体に対する国の関与、必置規制、地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務及び地方公共団体に対する国の負担金、補助金等の支出金の整理及び合理化その他所要の措置を講ずるもの」とされています。 この修正では、地方分権の推進に当たっては、地方公共団体の自主性、自立性を確保する必要があることにかんがみ、地方分権の推進に関する国の施策として講じられるこれらの「整理及び合理化その他の所要の措置は、「地方自治の確立を図る観点からの整理及び合理化その他所要の措置」とすることといたしております。 なお、この修正の趣旨には、機関委任事務制度の廃止について具体的結論が得られる場合にはこれを廃止することを含むものであり、政府側もその旨を確認いたしております。 第二は、地方分権推進委員会の勧告等についての修正であります。 政府原案では、政府が作成する地方分権推進計画の案は内閣総理大臣が作成することとされており、内閣総理大臣は、地方分権推進計画の作成のための具体的な指針に関する地方分権推進委員会の勧告を尊重しなければならないこととされております。 この修正では、地方分権推進計画の作成に当たり、その指針が持つ重要性にかんがみ、内閣総理大臣は、地方分権推進委員会から地方分権推進計画の作成のための具体的な指針の勧告を受けたときは、「これを国会に報告するものとする。」といたしております。 以上が衆議院における修正の理由とその内容であります。
○委員長(小林正君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑はこれを後日に譲ることといたします。
○委員長(小林正君) 次に、地方分権の推進及び規制緩和に関する調査を議題といたします。 規制緩和推進計画について、政府から説明を聴取いたします。山口総務庁長官。
○国務大臣(山口鶴男君) 規制緩和の推進につきましては、内閣の最重要課題の一つとして取り組んでまいりましたが、去る三月三十一日に「規制緩和推進計画について」を閣議決定いたしました。 本計画は、規制緩和に関する内外からの意見、要望、行政改革推進本部に設置されました規制緩和検討委員会の意見報告を踏まえまして、政府が推進すべき規制緩和方策等について定めたものであります。 なお、本計画は、平成七年度から十一年度までの五年間の計画として策定いたしましたが、去る四月十四日の経済対策閣僚会議において決定した「緊急円高・経済対策」において、平成九年度までの三年間の計画として前倒し実施することといたしました。 計画では、今後の規制緩和に取り組む観点と計画の見直しの基本指針を示すとともに、規制の新設審査等の仕組みを明記する、規制緩和白書を毎年度、作成、公表するなど、規制緩和の取り組みの基本的な方針を明らかにいたしております。 特に、本計画では、計画策定後も規制緩和に継続的に取り組んでいくことといたしまして、内外からの意見、要望、行政改革委員会の監視結果等を踏まえ、計画を毎年末までに見直し、毎年度末までに改定することとし、その際、その検討状況を公表する、行政改革委員会において所要の体制を整備し、政府への提言機能を十分に発揮をしていただく、行政監察機能を積極的に活用するなど、計画の見直し、改定のシステムを明らかにいたしております。 また、具体的な緩和措置といたしまして、国民生活の質の向上、内需の拡大、輸入の促進や国民負担の軽減などを図る観点から、「住宅・土地等関係」を初めとして、十一分野にわたり一千を超える事項を盛り込んでおります。その際、極力、措置内容の具体化や実施時期の明確化を図ったところであります。 本計画の概要につきましては、後ほど行政管理局長から、補足的に説明させます。 今後は、本計画を着実に実施するとともに、内外の意見、要望等を踏まえ、さらに規制緩和の推進に積極的に取り組んでまいる所存でございます。 委員長を初め、理事、委員の皆様の格段の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第であります。
○委員長(小林正君) 陶山総務庁行政管理局長。
○政府委員(陶山晧君) 規制緩和推進計画の概要につきまして、補足的に説明させていただきます。 本計画は、計画全般の考え方などを記述した本文と、個別の規制緩和措置事項を記述した別紙により構成されております。 本文では、規制緩和の目的として、消費者の多様なニーズに対応した選択の幅の拡大、内外価格差の縮小等による国民生活の質の向上を目指すこと、内需の拡大や輸入の促進、事業機会の拡大等を図り、対外経済摩擦の解消等に資すること、国民負担の軽減、行政事務の簡素化を図ること等を掲げるとともに、「住宅・土地関係」、「情報・通信関係」などの主要行政分野別に今後の規制緩和に取り組む観点を挙げております。 さらに、計画策定後も、引き続き社会経済情勢の変化等を踏まえつつ計画を見直すこととし、競争的産業における需給調整の観点から行われている参入・設備規制、公共料金等価格規制、消費者保護のために行われる規制、基準・認証制度及び表示制度などについて見直しの基本指針を示しております。 また、先ほどの大臣の御説明にもありましたように、今後も規制緩和に継続的に取り組んでいくこととし、特にこのための規制緩和の見直し、改定のシステムを明らかにいたしております。 具体的には、計画は、内外からの意見、要望、行政改革委員会の監視結果等を踏まえ、毎年末までに見直し、毎年度末までに改定することとしております。計画の改定に当たっては、行政改革推進本部において内外からの要望を聴取するとともに、その検討状況を公表することとしております。 各省庁においては、計画を推進し、見直すための体制を整備するとともに、内外の意見、要望の受付窓口を設置することとしております。 また、行政改革委員会において所要の体制を整備し、政府への提言機能を十分に発揮していただくこととしたほか、フォローアップを充実するため、行政監察機能の積極的な活用を図ることといたしております。 このようにして改定作業を行った結果、意見、要望に対し、現行の制度、運用を維持することとなったものにあっては、その必要性、根拠等を明らかにすることとしております。 規制緩和白書も毎年度作成することとしております。 また、規制の新設審査や新設された規制の見直し等のシステムを明記するとともに、規制緩和に関する広報、啓発活動を積極的に進めることとしております。 競争政策については、独占禁止法適用除外カルテル等制度、再販売価格維持制度、持ち株会社問題などについて今後の計画を明らかにしたほか、公正取引委員会の組織、人員等の面での体制の強化を明記しております。 なお、現在外国政府との交渉に係る案件については、交渉がまとまり次第軍期に措置することとし、また地方公共団体に対しても、規制の見直しが進められることの期待を述べております。 別紙につきましては、具体的な緩和措置として「住宅・土地等関係」、「情報・通信関係」など、十一分野にわたる一千九十一事項を盛り込んでおります。この中には、これまで閣議決定した方策について内容の具体化や実施時期の明確化などを行ったもの約三百七十事項のほか、新規事項を約七百二十事項盛り込んでおります。 個別事項の記述に当たっては、内容を具体的に記述するとともに、実施時期や実施までのプロセスを極力明らかにするようにいたしております。 具体的に、主なものを御紹介いたしますと、「住宅・土地等関係」では、豊かさを実感できる住生活の実現に向け、土地の有効利用、良質な住宅宅地の供給促進、住宅建設コストの低減等を図るため、関係諸規制の緩和等を進めることとし、具体的には、住居系用途地域において、幅員が一定以上の道路に面する建築物について道路斜線制限を緩和すること、住宅の増改築によるホームエレベーターの設置に係る個別認定を一般認定化し手続の簡素化を図ること、河川立体区域制度の創設により河川上部空間の建築制限を緩和することなど、八十六事項の緩和等を行うこととしております。 「情報・通信関係」では、技術革新の急速な進展と利用可能性の拡大等に対応し、社会全般にわたる情報化の推進、新規事業の創出等のため、関係諸規制の緩和等を進めることとし、具体的には、第一種電気通信事業の認可対象とする料金の範囲を見直し、国民生活、国民経済にかかわりの深い基本的な料金以外は事前届け出制とすること、音声系の専用線と公衆網の接続を段階的に可能とすること、国際VANサービスにおける音声サービスについて段階的に可能とすることなど、五十三事項の緩和等を行うこととしております。 「流通等関係」及び「運輸関係」では、真に豊かな国民生活と内外の変化に対応した経済構造の実現に向け、事業機会の拡大、新規事業の創出や内外価格差の縮小等による消費者利益の向上を目指すとともに、物流コストの低減、旅客輸送サービスの向上、国際輸送の競争力の確保等を目指す観点から、関係諸規制の緩和等を進めることとし、具体的には、塩専売制を原則三年以内に廃止すること、新食糧法に基づく米の流通制度を改革すること、トラック事業について経済実態等に対応して営業区域の拡大を進めること、自家用乗用車の六カ月点検の義務づけを廃止するとともに、その他定期点検項目を簡素化すること、車齢が十一年を超える自家用乗用車、車齢が十年を超える大型特殊自動車等の自動車検査証の有効期間を現行一年から二年に延長することなど、二百八十八事項の緩和等を行うこととしております。 「基準・認証・輸入等関係」では、国際的に開かれた経済社会を実現するため、規格・基準の国際的整合化及び相互承認制度の導入を図るなど基準・認証等制度の見直しを進め、また、輸入手続の一層の簡素化、迅速化を推進することとし、具体的には、日本工業規格、日本農林規格の国際規格への一層の整合化を図ること、化粧品の並行輸入手続を簡素化すること、航空貨物について到着即時輸入許可制度を導入すること、輸出検査法を廃止することなど、二百四十事項の緩和等を行うこととしております。 「金融・証券・保険関係」では、市場の活性化を図るとともに、利用者ニーズにこたえる新しい商品、サービスの提供や新たな業務への展開を促進する等のため、関係諸規制の緩和等を進めることとし、具体的には、固定金利型定期預金の預け入れ期間の上限制限を廃止すること、保険ブローカー制度を導入すること、保険の商品・料率の認可制について届け出制を導入、拡大することなど、八十三事項の緩和等を行うこととしております。 「エネルギー関係」では、エネルギーの安定供給を確保しつつ、エネルギー供給体制の柔軟化、効率化を図るため、関係諸規制の緩和等を進めることとし、具体的には、特定石油製品輸入暫定措置法を廃止すること、卸電気事業に係る許可を原則撤廃すること、ガソリンスタンドの指定地区制度について指定数を段階的に減らし、最終的に制度を廃止することなど、二十六事項の緩和等を行うこととしております。 「雇用・労働関係」では、労働者の福祉や雇用の安定を図りつつ、経済の活性化や国際的調和を推進する観点から、関係諸規制の緩和等を進めることとし、具体的には、労働者派遣事業の適用対象業務について中央職業安定審議会の審議を踏まえて見直すこと、社内預金の下限利率について市中金利の実勢を考慮した設定方式とすることなど、三十事項の緩和等を行うこととしております。 「公害・廃棄物・環境保全関係」及び「危険物・防災・保安関係」では、国民の生命、身体、財産の保護、環境の維持、保全を図りつつ、技術水準の向上等を踏まえ、関係諸規制の緩和等を進めることとし、具体的には、産業廃棄物処理業の許可を要しないものの範囲を拡大すること、スプリンクラーヘッドの同時開放個数の基準を見直すこと、液化石油ガス充てん所を給油取扱所に併設できるよう、安全性等を検討した上で技術上の基準を整備することなど、百四十六事項の緩和等を行うこととしております。 このほか、一般旅券の有効期間を十年とすること、社会福祉法人の資産要件に係る規制を緩和すること、外国弁護士による国際仲裁代理を自由化することなどの規制緩和を行うこととしております。 以上、規制緩和推進計画の概要を御説明申し上げました。 なお、本計画策定に当たり、内外の団体等から意見、要望をいただきましたが、措置困難なもの、誤解に基づくものなどのため、現行の制度、運用を維持すべきものであるとするものについては、三月十日までに各省庁で中間的に公表した際、その理由などを明らかにしており、特に外国の団体等には二回にわたり説明会を行ったところであります。 これら意見、要望のうち、措置困難等として本計画に盛り込めなかったものについては、計画策定後の最終的な整理として、今月末までに各省庁において改めてその理由等を公表していただくこととしております。
○委員長(小林正君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十九分散会 —————・—————