地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/04/19
会議録
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 サリン等による人身被害の防止に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中国家公安委員会委員長。
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりましたサリン等による人身被害の防止に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。 最近、サリンと見られる猛毒ガスによって不特定多数の人を無差別的に殺傷するという我が国の犯罪史上例を見ない残虐きわまる犯罪が続いて発生し、社会に重大な不安を生じさせているところであります。 サリンは、化学兵器にも用いられるほどに殺傷能力が強く、しかも人の殺傷以外にその用途が認められない反社会的な毒性物質でありますが、このサリンの発散、製造、所持等やサリンの製造を目的とした原料物質の所持等を人の生命及び身体の被害を防止する観点から有効に取り締まる法規がなく、また既存法令の罰則の適用等によってはサリンを使用する不法事犯を的確に取り締まることが難しいという現状にあります。 また、サリンは強い毒性を有し、かつ極めて即効性の高いものであるため、それが発散された場合等には直ちに所要の措置をとる必要があるところから、その旨の規定を整備する必要が認められるのであります。 この法律案は、以上のような実情を踏まえ、サリン等、すなわちサリン及びサリン以上のまたはサリンに準ずる強い毒性を有する物質の製造、所持等保を禁止するとともに、これを発散させる行為についての罰則及びその発散による被害が発生した場合の措置等を定め、もってサリン等による人の生命及び身体の被害の防止並びに公共の安全の確保を図ることをその内容としております。 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。 まず第一に、サリン等の発散等に関する罰則等の整備についてであります。 その一は、サリン等を発散させて公共の危険を生じさせた場合には無期または二年以上の懲役を科すこととするものであります。 その二は、サリン等の製造、輸入、所持等を禁止し、これに違反した場合には七年以下の懲役を、発散罪の用に供する目的でこれらの罪を犯した場合には十年以下の懲役を科すこととするものであります。 その三は、発散罪を犯す目的でその予備をした場合には五年以下の懲役を、製造罪等を犯す目的でその予備をした場合には三年以下の懲役を科すことにより、サリン等の原料物質の所持等についても一定の場合には処罰することができることとするものであります。 その四は、発散予備罪または発散目的製造罪等を犯した者が発散罪の実行の着手前に自首した場合に刑を減軽し、または免除することにより、サリン等の発散の未然防止を図ることとするものであります。 その五は、発散罪、製造罪または輸入罪に当たる行為に要する資金等を提供した場合には三年以下の懲役を科すこととするものであります。 第二に、被害発生時の措置等についてであります。 その一は、サリン等の発散により人の生命または身体の被害が生じており、または生じるおそれがあると認める場合等においては、警察官等は、警察法、警察官職務執行法、道路交通法その他の法令の定めるところにより、直ちにその被害に係る場所への立ち入りの禁止、その被害に係る物品の回収または廃棄等、その被害を防止するために必要な措置をとらなければならないこととするものであります。 その二は、この警察官等による措置の円滑な実施を確保するため、関係行政機関等及び国民との協力関係について所要の規定を整備するものであります。 なお、この法律の施行日は、罰則については公布の日から起算して十日を経過した日、その他の部分については一部を除き公布の日としております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩崎昭弥君 けさのある新聞の社説に「このもどかしさは何か」というテーマで社説がありました。一部紹介したいと思うんです。 ついひと月前、東京の地下鉄の車内や駅構内からわき上がったサリン疑惑のいまわしい雲は、またたくまに日本列島を覆いつくした。晴れる気配がないところか、ますます、厚くなっているようだ。 このうっとうしさ、もどかしさは一体、どこからくるのだろうか。犠牲者が十二人になった地下鉄事件は、毒ガスを使った無差別テロという点で、世界の犯罪史上に特筆される。疑惑の目はいま、宗教団体であるオウム真理教の一点に、向けられている。 連日の捜索で、教団の施設からは、大規模な化学実験装置やサリンの原料にもなる大量の化学薬品が見つかった。サリンの生成を裏付ける残留物も見つかった。 だが、教団の施設でサリンが生成されていたことはほぼ確かだとしても、生成されたサリンと地下鉄事件を結ぶ証拠は、まだない。だれが、サリンの生成にどう携わっていたかは明らかにされていないのだ。 捜査当局は、すでに百人を超える信者を捕まえた。中には、カッターナイフを持っていたとか、ホテルに偽名でチェックインした、という通常ならば、とても罪に問われないような容疑での逮捕もある。社会不安や疑惑の重大さから、やむをえない面があるとは思う。その半面、これが前例にならないか、と不安も感じてしまう。これも、もどかしさの一因である。 過去にも日常の生活が、ゲリラやテロリストによる攻撃の恐怖にさらされたことはあった。その場合、犯行声明で動機や目的を知ることができた。 しかし、今回は何のためか、何を狙ったのかの意思表明はない。教団は、サリン事件とのかかわりを否定する。膨らみ続ける「なぜ」は、解消されない。 もどかしさは募るばかりなのである。こうあります。これは国民の感情をかなり的確にあらわしていると思うのであります。 そこで、サリン等による人身被害の防止に関する法律に関してお尋ねをしますが、以下、法律の名前をサリン等法と言います。 化学物質を規制する法律はほかにもあるのに、新たにサリン等法を設けなければならない理由は何か。また、この法律が施行されてもこの法律では地下鉄サリン事件の犯人はとらまえられない。しかし、地下鉄サリン事件の犯人がまだサリンやサリンの原料物質を隠し持っていることが判明すればこの法律が適用されることになると思うのであります。これがこの法律を一日も早く成立させる必要があるという理由であると私は思うのでありますが、それはそういうことでいいのかどうか。しかし、君子は拙速をとうとぶと言いますが、せっかくつくる法律に瑕疵があってはいけないので議論は慎重であるべきだと私は思うのでありますが、この点について警察庁の考えをお聞きしたいのであります。
○政府委員(垣見隆君) お答えをいたします。 委員御指摘のように、サリンの規制のためには先般御審議をいただきました化学兵器禁止法があるわけでございますけれども、この化学兵器禁止法は、化学兵器禁止条約の的確な実施を確保し、国際的な平和秩序の維持を図ることを目的として、サリンのほか化学兵器の原料となる化学物質一般について生産及び流通を規制するものでありまして、サリン等による人身被害の防止を図ることを目的として罰則を設けたり被害発生時の警察官の措置等を定めたものではございません。 今回御提案し御審議いただいている法律につきましては、サリン等による人身被害の防止を図ることを目的とし、サリン等に限って罰則や被害発生時の警察官の措置等を定めるために御提案をして、御審議をいただくべくお願いをしているわけでございます。 また、御指摘のように、本法案が成立いたし罰則が適用になりますれば、サリンを所持している者について現行犯逮捕あるいは緊急逮捕等、所要の措置がとれるわけでございます。
○岩崎昭弥君 次に、毒物劇物取締法を毒劇法と言いますが、毒劇法ではサリン等の規制が行われておりませんが、それはなぜかということ。今回の地下鉄サリン事件を踏まえて毒劇法を改正する意思はないのかどうか、その理由を聞きたいのであります。 地下鉄サリン事件は、サリン等は兵器に詰め込まなくてもそれ自体を武器として使用できることを証明をしたと思うのであります。にもかかわらず、化学兵器禁止法はサリン等それ自体を兵器と区別し、兵器に詰め込まなければ罪は軽い、こうなっていると思うんです。これは不合理であると考えるのでありますが、どうして規制が甘いのかを問いたいと思うんです。これは通産省に聞きたいのであります。 また、サリン等法はサリン等の製造、使用の予備行為も処罰することになっていると思います。この予備行為とはサリン等を製造、使用する目的で原料物質を購入したり所持することを言うものと考えておりますが、それでいいのかどうか、お聞きしたいと思うんです。 以上です。
○説明員(植木明広君) 毒劇法の観点から御説明を申し上げます。 まず、毒物劇物法の趣旨、目的の御説明をいたします。 毒物劇物取締法は、日常流通しております有用な化学物質の中で作用の激しいものにつきまして、国民の保健衛生上の観点から、基本的には適正な目的に使用することを前提といたしまして必要な規制を行うこととしております。したがいまして、サリンのように全く流通が予定されず、専ら人を殺傷する目的での使用しか考えられないような物質につきましては毒物劇物法の規制の対象にしていないということでございます。 それから、法律の改正ということでございますが、現時点では事件の全容がまだ明らかではございませんので検討できる段階にはございませんが、警察の捜査の結果を踏まえまして、毒物劇物取締法の趣旨、目的の範囲の中で必要があれば所要の措置を検討していきたいというように考えております。
○政府委員(垣見隆君) 今回御提案している法律におきまして、御指摘のようにサリン等の製造、使用の予備行為も処罰することになっております。 この予備行為とはサリン等を製造、使用する目的で原材料を購入したり所持することを規制するものでございまして、さらに発散に供する容器、噴霧器等の購入や発散直前に調合して製造、発散する場合における原料物質の携行等も予備行為として処罰することができるものというふうに考えております。
○岩崎昭弥君 通産省は担当者がおりませんので、また出席要求しておかなかったものですから、自後にしたいと思います。 さて、予備行為というのは、サリンに即して言えば、サリン等を製造、使用する目的で原料物質を購入し所持しているということであります。しかし、この予備行為は捜査の段階では警察の判断にすぎないと思うのであります。他方で、サリンの原料物質は、例えば一躍有名になった三塩化燐の場合、これは多目的の化学物質であり、毒劇法でも一般毒物にすぎず、その所有が特段の規制を受けるものではないと思うのであります。にもかかわらず、それを購入したり所持することが警察の一方的な判断でサリン等を製造、使用する目的であると疑われてはたまらないということもあろうかと思うのでありますが、そういう不安を生じるおそれがないかどうかを承りたい。 同時に、サリンを製造、使用する目的の予備行為には、サリン等を製造するために直接必要な原料物質を所持することだけでなく、その原料物質を製造し得る化学物質を所持することも含まれると考えるのでありますが、その点ほどうか。もしそうであるならば、原料物質の範囲は極めて広くなると思われるのであります。化学物質の所持に関してサリン等の製造の予備行為が疑われる限界は、そうするとどこまでがそうなるのかということを念のために聞いておきたいと思います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 サリンの原料物質の調達は発散予備罪、製造予備罪等として処罰することとしているわけでありますが、それは法にも規定してございますようにサリンの発散、製造等を目的としてその原料物質を調達することを規制するわけでございます。その種類や量の多寡は問われないわけですけれども、実際の立証上はこの目的を立証するわけでございまして、原料物質のほか製造設備、発散用の器材等の状況を総合的に勘案してこれらの罪の成否を判断することになるというふうに考えております。 それからまた、二点目の御質問にも絡むわけですけれども、御指摘のように、製造するために直接的に必要な原料物質を所持するだけでなく、その原料物質を製造し得る化学物質を所持することも含まれるわけでございまして、そういう意味では原料物質の範囲というのは極めて広くなるのではないかというような御指摘かと思いますけれども、これにつきましても、今申し上げましたように、その種類や量の多寡は問われませんけれども、やはり立証上の観点から、原料物質のほか製造設備とか発散用器材の状況を総合的に勘案してこれらの罪の成否を判断することになるわけでございますので御懸念のような、大変広くなって範囲が明確でないというような、御懸念されるようなことは生じないのではないかというふうに私ども考えております。
○岩崎昭弥君 次に、化学犯罪に対応した捜査体制の必要性についてお尋ねしたいと思うんです。 サリンによって多くの人命が失われるといった事件は、今回の地下鉄の事件が初めてではなく、御承知のように、昨年六月に発生した松本サリン事件があります。この松本サリン事件については初動捜査における不手際も問題になったかと思うのであります。 ところで、あの松本事件の捜査において、オウムがサリンの原料物質になり得る化学物質を大量に買い込んでいたのではないかということを警察はつかんでいたというふうにも言われているのでありますが、どの時点で何をつかんでいたかを公表できたらしていただきたいと思います。 また、化学物質の流通に関し、毒劇法による届け出は捜査の役に立ったのか立たないのか、その点もお聞かせをいただきたいと思うんです。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 長野県警察におきましては、いわゆる松本サリン事件の発生の現場における証拠保全のための措置や付近の聞き込み等による目撃情報の収集に努めるのはもとより、サリンの製造に必要とされる薬品類の販売ルートの解明についても捜査を進めているところでありますが、委員お尋ねのいつぐらいにどのようなことを把握していたかという点につきましては、捜査の個別的な内容にわたる事項でございますので答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。 二点目の御質問、毒劇法による規制、取り締まり等は捜査の役に立っているのかどうかというような御質問がと思いますけれども、毒物及び劇物取締法は毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から、その流通について必要な規制を行うことを目的として定められたものと承知をしておりますが、サリンについてはこれに含まれていないほか、その製造に必要とされる化学物質すべてがこれに含まれているとは言えないところでございます。しかしながら、サリンの製造のための原料物質であって毒物または劇物であるものについては、毒物及び劇物取締法上、届け出等の義務が課せられることになっておりますので、この点、危害防止等に役立つほか、捜査上にも有益な面があるのではないかというふうに考えております。
○岩崎昭弥君 厚生省の多田事務次官は、四月六日の記者会見で、三塩化燐はそれほど毒性の強いものではないが加工すると毒性の強い物質ができる、現行の毒劇法ではこのような毒物の取り締まりはできないのでどのような法体系で受けとめたらよいのか新規立法も含めて関係省庁と検討すると発言をしておられますが、この趣旨はどういうものであったかということを聞きたい。 これに関して、サリンによる殺傷事件再発防止への政府の対応策についてでありますが、政府は今月六日、サリンによる殺傷事件再発防止を目的としたサリン問題対策関係省庁連絡会議(議長・藤井内閣内政審議室長)を設置したとのことであります。その中ではサリン原材料の監視強化や被害発生時の救助、自衛隊との連携、解毒剤の確保などの医療体制の充実などについて早急に検討、整備するとのことでありますが、今後の対応について伺いたいんです。これは内閣です。 また、サリンの原料とも言われる三塩化燐は、毒劇法では単なる一般毒物であって、販売も所持も特段に問題にされない。ところが、何らかの事件に巻き込まれてサリンをつくるつもりだったと疑われると、その販売や所持が化学兵器禁止法では七年の禁錮刑となり、サリン等法では五年または三年の禁錮となります。こうした法体系は、人を殺す目的でサリン等をつくる者の摘発に都合がいいことはもちろんでありますが、産業や研究のために原料物質を扱う研究者にとっては心理的負担を加重するのではないかと心配するのであります。 したがって、省庁別に目的を異にする法律をつくるのではなくて、できるだけ早期に化学物質を総合的に管理する新しい法体系を設けるべきではないか、こう思うんですね。これは本当は総理大臣に聞きたいんですが、適当な答弁があったらお聞きをしたいと思います。
○説明員(植木明広君) 毒物劇物取締法を所管しております厚生省の立場からお答え申し上げます。 毒物劇物取締法の趣旨、目的は先ほども申し述べたとおりでございますけれども、厚生省といたしましては、今回の事件を踏まえまして、保健衛生上の見地から、毒物劇物の適正な保管、管理の点検、それから譲渡手続における使用目的、使用量が適切であること等の確認等につきまして、都道府県及び関係業界に対しまして指導を行ったところでございます。 また、先ほどの多田事務次官の発言に関しましては、現在サリン問題対策関係省庁連絡会議が設置されているところでもあり、警察の捜査の結果を踏まえまして、必要があれば関係省庁間におきまして所要の措置を慎重に検討していく必要がある、そういう趣旨でございます。
○説明員(高橋泰博君) 再発防止につきましての政府の対応策について御説明申し上げます。 政府といたしましては、サリン使用犯罪の発生は社会に重大な不安と脅威を与えており、また市民生活の安全、平穏の確保に著しい支障を来しておりますということから、再発の防止、それから被害の防止ということにつきまして早急に有効な対策を講ずる、そのために四月六日に内閣にサリン問題対策関係省庁連絡会議、これを設置したところでございます。自来、鋭意検討を進めてきているところでございます。 検討項目といたしまして、警戒、警備の強化、サリンの原料となり得るものの管理の徹底、医療体制の整備、また発生時の避難誘導、関係省庁間の連携、協力体制の一層の強化などなど多岐にわたっております。この検討もほぼ煮詰まってまいりましたので、本日夕刻にも再度サリン問題対策関係省庁連絡会議を開催いたしまして申し合わせを行う予定で所要の準備を進めておるところでございます。各関係省庁におきましては、この申し合わせに従い諸対策を展開、推進していくことになります。 なお、この対策でございますけれども、地下鉄駅構内毒物使用多数殺人事件の捜査の進展、またその後のその他の情勢の変化、こういうものにも応じて見直しをまた自俊行い、その一層の充実を期してまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
○岩崎昭弥君 最後に、外国の捜査機関との協力体制の必要性についてお聞きしたいと思うんです。 地下鉄サリン事件発生に対する海外での反応は極めて早く、犯罪発生に対する対応も早急に実施されたとのことであります。このことは外国でもこの事件発生によって同様のテロ活動が行われる危険性が高いことを承知しているからではないかと考えられるのであります。 さらに、サリンのような化学物質は常温であれば瓶に詰めて持ち歩くこともでき、簡単に空港の税関を通り抜けて海外に持ち出すことも可能であり、今後国境を越えた地球規模での化学犯罪の発生する可能性も高いと言われます。 こうしたテロ活動を未然に防止するためには、化学犯罪にかかわる技術、知識の各国間での交換や捜査体制の協力が必要と考えるのでありますが、これに対する国家公安委員長、警察の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 最初に、ちょっと委員各位に御報告を申し上げます。 本日、午後一時ごろ、横浜市内のJR横浜駅西口と、さらに根岸線の関内駅におきまして、市民の方々から目が痛い、変なにおいがするという通報がありまして、直ちに警察及び消防本部から救急隊、特別救助隊あるいは高発泡隊、化学車、普通ポンプ車等が出動をしておるようでございます。 現在のところ、八名程度が病院に行ったが、従来の人がばたばたと倒れるといったような状態ではないということを今報告を受けておりますので、答弁の時間をかりまして御報告申し上げておきます。 今、岩崎委員から海外へのサリンの問題、あるいは今後の捜査協力等についてのお尋ねでございますけれども、外国へのサリンの持ち出しやあるいは持ち込みにつきましては、具体的な情報は現在入手をしておりませんが、これまで治安上の必要に応じまして外国の捜査機関と情報交換を行ってきておるところでございます。特に、サリン等の化学物質が関連する重大事犯につきましては、警察庁といたしまして、係官を派遣いたしますとともに、諸外国の捜査機関と積極的に情報交換を行うとともに、必要な捜査協力を講じてまいる考えであります。
○岩崎昭弥君 終わります。
○続訓弘君 質問に入ります前に、一言申し上げます。 昨年六月二十七日の松本サリン事件では、七人の方のとうとい命が失われ、二百人を超える方々が重軽傷を負われました。そしてまた三月二十日の地下鉄サリン事件では、十二名ものとうとい命が奪われ、五千人を超える方々が重軽傷をされました。これらの方々に対して心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い全快を心からお祈り申し上げます。さらに、警察庁の一番頂点に立っておられる國松長官におかれましても、痛ましい負傷をされました。一日も早い全快をお祈りする次第であります。 私は、昨年六月二十七日の松本サリン事件が発生をし、直ちにその原因を究明してきょうここに提案をされるような法律ができたとするならば、三月二十日のあの痛ましい地下鉄サリン事件は未然に防ぐことができたのではなかろうか、そういうことを思いますときに、対応のおくれ、それらに私は十分反省をしていただかなければならない、私どもも含めて、そう思います。 そしてまた、ただいま公安委員長・自治大臣から横浜駅西口での報告がございました。これに対してどんな対応をとっておられるのか、その辺のこともあわせてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 先般の松本サリン事件、さらに地下鉄サリン事件、あるいは御指摘のように國松警察庁長官襲撃事件等、相次ぐ事件はまことに非人道的であり、かつ私ども犯罪史上経験したことのないサリンが使われるということでございまして、その凶悪性に対して限りない憎しみを感じておるわけでございます。 目下、この一連の事件につきまして、我が国の社会秩序の骨幹を揺るがす重大な事件であるとの認識に立ちまして、その一日も早い解決とともに、この種犯罪の再発防止が何よりも必要であるわけでございます。 今回お願いをいたしております法律案は、サリンそのものの製造や所持はもちろん、それを目的とした原料物質の購入等につきましても厳罰をもって臨むことを内容とするものでございます。今後は警察当局においても、これを最大限に活用いたすことによりまして必要な体制を整備するなど、この種事犯の再発防止に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えておるわけでございます。 ただいま御報告申し上げましたように、まだ全貌はわかりませんけれども、目が痛い、あるいはせき込むといったような状況の報告が横浜駅の西口やあるいは根岸線の関内駅等で報告をされ、数名の方が負傷されたという報告に接して、まことに心の痛む思いがするわけでございます。報告では、硫酸のようなにおいがするということでございまして、いまだ未確認でございますけれども、真相を解明し、第一に関係者の救出・救助、さらに真相解明のために一層努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○続訓弘君 私ども平成会としましては、この法律が一日も早く成立し、そしてまた大臣が今申されるような実効が上がるようなことをやっていただきたいことを特に御要望申し上げます。 具体的な質問に入ります。本法案と現存の他の二、三の刑罰法規との関連について伺います。 その一つは、爆発物取締罰則との関係についてであります。 爆発物取締罰則に言う「爆発物」とはいかなるものを言うのでしょうか。また、本法案に言う「サリン等」はこの爆発物取締罰則に言う「爆発物」とどのような関係にあるか伺いたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 爆発物取締罰則に言う「爆発物」とは、判例によりますれば、その爆発作用そのものによって公共の安全を乱し、または人の身体、財産を害するに足る破壊力を有するものを言うとされているところでございます。 本法の「サリン等」は爆発作用を有する物質ではないことからこの爆発物取締罰則に言う「爆発物」には当たらないものと考えております。
○続訓弘君 次に、毒物及び劇物取締法との関連について伺います。 毒物及び劇物取締法では、毒物または劇物について、同法別表第一もしくは第二に個々の物質名を掲げております。ところが、サリン等は右別表には掲げられておりません。サリン等はなぜ同法に掲げられないのでしょうか。その理由を伺います。
○説明員(植木明広君) お答えいたします。 毒物劇物取締法は、日常流通しております有用な化学物質の中から毒性、劇性の激しいものにつきまして、保健衛生上の観点から、基本的には適正な目的で使用することを前提といたしまして必要な規制を行うこととしております。 したがいまして、サリンのように全く流通が予定されていない、それから専ら人を殺傷する目的でしか考えられない、そういう物質につきましては毒物劇物取締法の規制の対象にはしていないということでございます。
○続訓弘君 次に、先般成立いたしました化学兵器禁止法との関連について二点ほど伺います。 その第一点は、同法ではその規制対象としてサリン等を規定しております。同法が制定されたにもかかわらず、本法がなお必要とされる理由はどこにあるのでしょうか。 その第二点は、同法におけるサリン等の発散、サリン等の不法製造、輸入、所持、譲り渡し、譲り受けに対する罰則と本法における刑罰とは甚だしく異なっており、本法の方が重罰となっております。例えば、発散について同法では三年以下の懲役、本法では無期または二年以上の懲役となっており、製造について同法では三年以下の懲役、本法では七年以下の懲役となっております。二つの法律においてこのように処罰の程度が異なる理由を明らかにしていただきたい。また、同法ではサリン等の不法製造等を目的とした原料物質の購入等を不可罰としておりますが、本法においてはこれを三年以下の懲役としております。この両者の処罰の差異についても合理的理由を御説明願いたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 サリンにつきましては、御指摘のように化学兵器禁止法においてその無許可製造等が処罰されることとされておりますが、この化学兵器禁止法につきましては、化学兵器の禁止を担保するための行政刑罰としての性格上、サリン等による人身被害を防止するために必要な刑罰が定められているとは言えないほか、サリンを製造するための予備行為としてのその原料物質を所持する行為や原料物質を提供する行為等については必要な規制が設けられていないために御提案申し上げているこの法律が必要であると判断して御審議をいただいているものでございます。 二点目の御質問でございますが、ただいま申しましたように、化学兵器禁止法は化学兵器の禁止を担保するためのものでございまして、そのためにサリンのほか化学兵器の材料となる一定の化学物質についてその生産、流通、消費を管理するものであることからその罰則は管理違反としての行政刑罰にとどまりまして、サリンの無許可製造罪等を目的とした原料物質の購入等の予備行為についての処罰はされていないところであります。これに対しまして御提案している本法は、サリン等が人の生命及び身体や公共の安全に著しい危険を生じさせるものである点に着目をして、その発散、製造、所持等をいわゆる公共危険罪として処罰するものであることから、法定刑を重くするとともに、その予備罪としてこれらの罪を犯す目的で原料物質を購入する行為などをも処罰することとしているものでございます。
○続訓弘君 それでは、いよいよ本法律関係について逐条的に問題を、疑問点を御質問申し上げます。 まず、第二条についてでありますけれども、先ほど質問いたしましたところのお答えで明らかになっておりますけれども、現行法制下においてサリンのように毒性の強烈な物質が現在まで法規制の対象となっておりませんでした。このことについて、私を初めほとんどの国民は驚き、かつあきれていると思います。なぜ現在までの刑罰法規においてこのような猛毒のサリンについて製造、所持、発散などの行為に対する規制がなされなかったのかについて伺います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 御指摘のように、サリンは大変殺傷能力が強く、しかも人の殺傷以外その用途が認められない反社会的な毒性物質でございますけれども、昨年六月に松本におきまして事件が発生するまで我が国においてはその名称も含めてサリンについてはほとんど知られていなかったという実情にございます。そういう点も含め、また存在自体もないというか、ほとんど存在しないというか、というような点もございまして現実的な規制の必要性が生じていなかったことにより法的な規制が行われていなかったものというふうに考えております。
○続訓弘君 ところで、本法はサリン以外で取り締まりの対象となる類似物質について第二条で規定しております。第二条では、この取り締まり対象物質については「次の各号のいずれにも該当する物質で政令で定めるもの」と規定されております。 そこで伺いますが、第一号では「サリン以上の又はサリンに準ずる強い毒性を有する」物質を対象とすると規定されています。私は、このような物質はこれだけの要件でそのままサリン等に該当すると考えるべきだと思いますが、なぜこのような有毒物質の場合にも取り締まり対象物質とするためにはさらに二号及び三号の要件が重ねて必要とされるのか、その理由を明らかにしていただきたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 この点につきましては、サリン等に係る罰則におきまして大変重い刑罰が定められていることにかんがみますと、その物質の有する毒性の強さそのものに加えて、実際に当該物質を発散させた場合における被害の程度や我が国における犯罪情勢等、規制の必要が十分に認められる必要があった場合に規制をするという必要が認められるということでこういう規定で御提案をさせていただいている次第でございます。
○続訓弘君 次に、その第二号について次の二点を伺います。 第一点は、人を殺傷する目的に供されるおそれが大きいと認められることがなぜ対象物質となるための要件とされているのかという点であります。サリン以上に強い毒性を有するような物質は、右のような目的に供されるおそれの有無に関係なく取り締まり対象物質とすべきではないのか。言いかえれば、サリンについては右のような目的による限定がないのに、それ以上に強い毒性を持つ類似物質についてなぜ右のような目的が重ねて要件とされる必要があるのかということであります。 第二点は、取り締まり対象物質について「発散した場合の人の生命及び身体に対する危害の程度が大きいと認められること」を要件としておりますが、なぜ発散した場合の危害の大きさだけを要件とするのかという点であります。この物質は発散という方法以外にも、その物質を付着させるとか、土、水等に放出させるなど、発散以外の方法によっても人の生命、身体に対し大きな危害を与えることがあり得ると思います。なぜ本法案においては発散の場合だけに限定しているのかということについて伺います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 まず一点目でございますけれども、この点につきましては、その物質の客観的な毒性だけではなくて、実際にその物質を発散させた場合生じ得る被害の程度という、その物質の機能的な側面をとらえる必要があるという意味で規定がされているわけでございますが、この点は例えて言えば、著しく製造が困難である場合や発散性に乏しい場合には、そういう今二点目に申し上げましたような機能的な側面における、客観的な毒性は仮に強いにしてもその機能的な側面における危険性は減少することになるということでこういう規定が入れられているものでございます。 二点目につきまして申し上げますと、これは「発散」という言葉を使っておりますために若干わかりにくい点があるかと思いますけれども、ここで用いております「発散」という用語は、方法のいかんを問わず外部に拡散をさせることを言いまして、上あるいは水の中へ放出をするというようなことも含む広い概念でございます。 また、固体に物質を付着させる、衣類等に、身体等につけるというような場合につきましても、液体または気体の状態にあるその物質をそのままの状態でやはり拡散をさせることが必要であるというふうに考えられますので、この規定の「発散」の場合を想定することによって御指摘のような危害の生ずるほとんどの場合に適用ができるものというふうに考えております。
○続訓弘君 ところで、サリン等の物質は政令で定めることとなっております。その意味では本条項はいわゆる白地刑法の一つと言えます。サリン等に対する処罰規定が実に重罰であることを考えれば、この政令による取り締まり対象物質の指定は重要であり、かつ慎重でなければならないと思います。 サリン等の指定に関する政令の制定についての政府の方針、見解を伺わせていただきます。
○国務大臣(野中広務君) サリン等の要件につきましては、毒性や殺傷能力等その物質の特性に加えまして、その物質をめぐる犯罪の社会状況等をも勘案することによりまして規制しようとする対象物質の範囲を法律上厳しく限定をしておりますので、この範囲での政令への委任は問題がないと考えておるところでございます。また、サリン以外の物質を政令で定める必要があるかどうかは、我が国におけるその物質に係る事案の発生状況等、今後の社会実態を見ながら慎重に検討してまいる所存でございます。 なお、この機会でございますが、先ほどの報告いたしました京浜東北線、横浜駅西口あるいは関内駅あるいは石川町駅で、現在、男子七名、女子八名の計十五名が病院で手当てを受けておるようでございますが、それぞれ目が痛いとか、せきが出ると訴えておるようでございます。恐らく京浜東北線、根岸線の沿線でそれぞれおりられた方々がこういう状況を訴えられ、病院に収容されておるということでございます。
○続訓弘君 次に、第三条に関連して質問いたします。 第三条に規定する禁止行為の具体的内容について二点ほど伺います。 第一点は「所持」についてでありますが、ここに言う「所持」はサリン等であることを知って所持することに限定され、過失により、サリン等であることを知らずに所持した場合は含まないと思いますが、どうですか。さらに、所持の形態としては、直接的な所持のほかに第三者をして占有せしめる間接的所持を含むと思いますが、どうでしょうか。 また、第二点として、「譲り渡し」、「譲り受け」は有償無償の場合を含む趣旨と思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 今、「所持」についての御質問がと思いますけれども、まず本法におきましては過失犯を処罰する規定を設けていないことから、この所持罪が成立するためにはその所持する物質がサリン等であることの認識が必要であると考えております。 次に、「所持」とは自分の支配し得べき状態に置くことを言うものとされておりますことから、保管を委託する第三者等にサリン等を占有せしめた場合であっても、その第三者を通じてサリン等に対する事実上の支配力を継続している限り、本人はなお所持しているものと言えるものというふうに考えております。 また、「譲り渡し」、「譲り受け」は有償無償を問わないものというふうに考えており、いずれも委員が御指摘のとおりだと存じます。
○続訓弘君 次に、第四条に関連して伺います。 第一項の規定は当然のことを規定したにすぎません。すなわち、ここに掲げる者はここに掲げる法律に基づいてここに掲げられている各種の措置をとることを既に現行法のもとにおいて法律的に義務づけられているのであります。したがって、この第一項の規定は現存法規と重複する不必要な規定と言わざるを得ません。あえて意義ある規定を探せば、末段の「警察官等は、相互に緊密な連携を保たなければならない。」との部分にすぎないと思います。 そこで、私はこの第一項の規定は次の第二項を引き出すためにのみ意義を有するにすぎないと思うのでありますが、なぜこの規定を置く必要があるのか、御説明願いたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 本項、第四条第一項の規定でございますけれども、この規定は、警察官等が警察法、警察官職務執行法等に定められた職権を行使するに際しまして、その要件をサリン等の発散による被害が生じている場合及びそのおそれがある場合として明確化をすることが一つ目的というか、そういう意義を有しているというふうに考えております。また、あわせてその職権を行使すべき義務を有する旨を規定したという点が意義があるものと考えておりまして、その結果、その職権の迅速かつ的確な行使を図ることができるようにする点にその趣旨があるものというふうに考えております。
○続訓弘君 次に、第二項に関して伺います。 政府が関係行政機関として想定している機関とはどのような機関なのでしょうか。この機関の中には自衛隊が入るのかどうか、伺いたいと思います。さらに、政府は関係のある公私の団体としてどのような団体を想定しておられるのか伺います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 サリン等の製造その他の取り扱いについて専門的知識、技術を有する行政機関や事業者、またはその事業者の属する事業者団体などのことを指したものでございまして、御指摘の自衛隊も含まれるものと考えております。
○続訓弘君 ところで、私は、第二項に規定する措置に関し、関係行政機関ないし関係ある公私の団体に協力を求めることについては格別の問題はないと思います。しかし、第二項によれば、警察もしくは海上保安庁が、その中心的職務である犯罪の捜査に関し、関係行政機関や関係ある公私の団体に協力を求めることができるとなっておりますが、私はこの規定の法的妥当性について疑問を持たざるを得ません。 なぜならば、犯罪の捜査は、一方において重要な国家権力の行使の側面を持つと同時に、他方において国民の憲法上の基本的人権の侵害と常に紙一童の関係にあります。それゆえにこそ憲法、刑事訴訟法において捜査と人権との調整につき厳重な制限規定が置かれているのであります。 このように、国家の重要な権力行使の具体的あらわれである捜査に関し、法的知識、経験の皆無もしくは僅少の他の機関に対し協力を求めることは甚だ問題であると言わざるを得ません。協力の意義は重大であります。 政府が考えている「協力」の具体的内容について詳細に御説明願いたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 法第四条二項の規定は、関係行政機関や公私の団体に対する技術的知識の提供や装備資機材の貸与などの行政上の協力要請について規定をしたものでございまして、犯罪捜査そのものを行うことを要請するものではないわけでございますので、私どもとしては御理解を賜りたいというふうに考えております。
○続訓弘君 右に関連し、関係行政機関の中に自衛隊が入るというのであれば、自衛隊は自衛隊法のいかなる条項によって自衛隊としての協力をなし得るのか伺いたい。 この場合、協力の通知を受ける者の立場、資格、協力の可否を決定する者、協力につき現地指揮をする者、他の捜査機関との権限の調整をする者等に関する自衛隊法上の根拠を明らかにしていただきたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えをいたします。 御質問の件につきましては、協力の内容に応じて根拠規定が定まることとなると存じますけれども、まず第一点でございますが、技術的知識の提供、助言のため、自衛隊の化学防護専門職員の派遣を求める場合におきましては、国の行政機関相互の連絡を図り、一体として行政機能を発揮するようにしなければならないこととする国家行政組織法第二条第二項の趣旨に基づく官庁間協力が根拠というふうに申し上げてよいかと思います。 二点目の自衛隊の保有する化学防議機材の貸与を求める場合につきましては、物品管理法第十六条第二項の規定に基づいて管理がえを行うことになろうかと思います。 第三点目の捜索への協力を求めるため自衛隊の化学防護専門職員の派遣を求める場合においては、自衛隊法第六十条第二項及び同法施行規則第六十条第一項五号の規定に基づきまして、警察庁職員と兼職することによりそれぞれ協力を受けることとなるものと聞いております。なお、いずれの場合におきましても、当該警察本部長におきましては警察庁を通じて自衛隊に協力を求めることとなります。 また、これらの場合においては、要請を受けた自衛隊側になるわけでございますけれども、任命権者が必要性を判断し、また物品管理官に対し管理がえを行うことを命ずること、当該職員の職務に支障が生じないと判断し、当該隊員の兼職を認めることなどにより協力を行っていただくことになると承知をしております。
○続訓弘君 次に、第五条の関連について伺います。 第一項のサリン発散罪について二点ほど伺います。 その第一点は、「発散」とはいかなる行為を言うのでしょうか。通常の用語としては、発散とは空気中に物質を散布することを意味すると思いますが、例えばサリン等を液体のまま放出しこれが人体に直接付着するような行為とか、あるいはサリン等を飲料水や海水中に放流するような行為とか、このような行為も発散と言えるのかどうか。もしこれらを発散と言わないとすれば、これらの行為はどのように規制されているのか伺います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 サリン等を発散させるとは、典型的な例を申し上げますと、噴霧器による発射とか、あるいは地下鉄事件でどうもそうではないかというふうに想定をされておりますけれども新聞紙等に含ませて揮発をさせるというようなことなど、その方法のいかんを問わずサリン等を外部に拡散させる行為を言うというふうに考えております。御指摘いただきましたようなサリン等を液体のまま放出して人体に付着させるような行為も発散に当たるものと考えておりますし、また水中へ拡散をさせる行為も発散に当たるものというふうに考えております。
○続訓弘君 第二点は、「公共の危険」とはいかなることを意味するのでしょうか。また、「公共の危険を生じさせた」という場合の「生じさせた」というのは具体的にどのような状況、段階を意味するのでしょうか、御説明をいただきたい。 また、右に関連して、人家から遠く離れており、人の生命、身体に何ら影響のないような山中におけるサリン等の空中散布行為や、また人間、航空機もしくは船舶等と遠くかけ離れた空中や海中におけるサリン等の散布ないし放流などの行為の場合、公共の危険の発生とどのような関係があると言えるのでしょうか。あるいは、このような行為は公共の危険の発生と無関係となるのでしょうか。この点について伺います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 公共の危険とは不特定多数の人の生命及び身体の危険を言うというふうに考えておりまして、この「公共の危険を生じさせた」とは不特定多数の人の生命及び身体に被害を及ぼし、または及ぼすおそれを生じさせた場合を言うというふうに考えております。 御指摘いただきましたような人里離れた山中で空中散布したような場合、あるいは船舶等で人がいない海に行き海中へ放流したような場合は、一般的に言うと公共の危険を生じさせたとは言えない事例であろうというふうに考えております。
○続訓弘君 次に、第二項のサリン発散未遂罪に関して伺います。 サリン発散未遂罪はいかなる場合に、すなわちいかなる行為に着手し、いかなる結果不発生のときに成立するのか。特に、発散させる行為自体が未遂である場合とは実行行為のどのような段階を考え得るのか。また、発散させたが公共の危険が生じなかったというような状況における未遂ということはあり得るのかについて伺います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 発散の実行の着手はサリン等を外に向かって拡散させ得る状態に置く時点で成立するものと考えられますことから、発散未遂罪はこのような状態に置いたところが発散に至らなかったような場合、例えば時限式で噴霧器で発散させようとしたところ、時限装置等の機械の故障で発散しなかった場合には発散未遂罪というか発散の未遂というふうになるのではないかというふうに考えております。 また、御指摘のような公共の危険を生じさせる意図を持って発散させたが実際には公共の危険が生じなかった場合はどうかという御質問がと思いますけれども、この場合には理論上は未遂罪の成立の余地があるのではないかというふうに考えております。
○続訓弘君 次に、第三項のサリン発散予備罪に関して伺います。 サリン発散予備罪とはいかなる行為によって成立するのか。特に、次の者について本項の発散予備罪が成立するのかどうか伺います。すなわち、サリン等を譲り受けた者、サリン等を所持している者、サリン等を製造した者、サリン等を製造するための原料等を購入ないし所持している者。以上です。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 発散予備罪は発散の目的を持ってその準備行為を開始した時点で成立することになると考えております。 御指摘の例につきましては、発散予備罪が成立するには発散の目的が必要であることからそれぞれの行為自体が直ちに発散予備罪に当たるものではないというふうに考えられますが、発散の目的を持って行われた場合には、サリン等を譲り受けた者は発散目的譲り受け罪、サリン等を所持している者は発散目的所持罪、サリン等を製造した者は発散目的製造罪が成立し、これは発散の目的を持って行われた場合でございますけれども、さらにサリン等を製造するための原料等を購入ないし所持している者は発散予備罪が成立するものと考えられます。
○続訓弘君 次に、第六条に関連して二点ほど伺います。 まず、第二項について伺います。 本項によれば、サリン等を発散させる目的でサリン等を製造した者が発散行為の実行に着手する前に自首した場合、刑を免除することができるとなっております。 確かにサリン発散の可能性が消滅したという意味では法益の具体的侵害がなかったと言えますが、しかし発散目的でサリン等を製造、完成させた行為そのものまでも不問に付するということは、法益侵害の程度からして妥当と言えないのではないのでしょうか。あえてこのような免除規定を置いた立法趣旨を御説明願いたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 発散罪の実行行為は着手と同時に重大な被害及び危険を生じせしめることから、発散目的で製造等を行った者についてはその時点で自首減免という発散行為の着手を思いとどまるような誘因を与えることによってサリン等による人身被害の防止を図る必要があると考えてこの免除規定を置かせていただくように考えたものでございます。
○続訓弘君 次に、第四項について伺います。 本項においては、サリン等を製造する目的での予備行為について、自首による免除が規定されておりません。しかし、第五条第三項では、サリン発散の予備行為をした者もその実行の着手前に自首した場合はその刑を免除され得ることになっております。この両者に対する刑の免除規定の差異は刑の均衡を失するのではないかと思いますが、立法に際しての合理的な理由を御説明願いたい。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 予備罪につきましても、発散目的を持って行われたものに限り、サリン等の発散による被害を未然に防止する観点から、政策的に自首減免規定を設けたものでございます。発散の目的の有無によりこのような差異を設けることは、サリン等の発散が人の生命及び身体に及ぼす危害の程度が著しく大きいことにかんがみますと、それを未然に防止するためには必要な措置ではないかと考えております。
○続訓弘君 次に、第七条についで伺います。 列挙されている幇助行為は、直接実行行為ではないとしても、サリン等の製造、所持においては犯罪行為そのものの成否を決定する重大行為であると言わなければなりません。これに対する刑罰は、他の条項に規定する犯罪に対する刑罰に比べて相対的に軽さに過ぎると思われますが、政府の所見はいかがでしょうか。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 法第七条に規定する資金等の提供罪は、製造罪、輸入罪の法定刑が七年以下の懲役でございまして、その幇助罪の法定刑がその二分の一である三年六月以下となる点を考慮すると、規定いたしましたような三年以下の懲役とすることが適当であるというふうに考えて御提案をした次第でございます。
○続訓弘君 以上、私は各条文につきまして疑問点をただしでまいりました。このことは、将来この法律が施行され、その法解釈をめぐっでいろいろと疑問点が出ないためにと思ってあえで御質問申し上げた次第であります。 さらに、サリン事件に関連して申し上げますと、最近警察情報が常に漏れているのではないのかと疑われるような状況がございまして、国民の皆様が大変心配をしておられます。その辺のことについて所見を伺わせていただきます。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 今御指摘いただきましたように、捜査活動におきましては、犯人の逃走を防いだり、あるいは証拠の散逸を防ぐためには秘密裏に捜索なり逮捕行為に着手するというのが鉄則でございまして、捜査に携わる者はそれを厳しく言われているわけでございますけれども、今回の事案、いろいろな事情がございます。いろいろな事情があり、また制約の中で行っているわけではございますけれども、御指摘いただき、またいろいろな方から御批判をいただくような、相手方にどうも察知されたのではないかというような状況もうかがえないではございません。 この点につきましては、今申しましたように、捜査本来のやり方、目的達成のために問題の大きなところでございます。もちろん、相手方もいろいろ手だてを尽くしている面もあるかと思いますけれども、私どもとしてやはり捜査情報の管理、秘密の保持については従来にも増して厳に戒めてまいりたいと存じておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
○続訓弘君 先ほど大臣から本法律案の提案理由の説明もございました。不特定多数の人を無差別的に殺傷するという我が国の犯罪史上例を見ない残虐きわまる犯罪が続いて発生をして社会に重大な不安を生じさせている、そのためにこの法律をつくるんだと、こんな提案理由の説明がございました。一日も早く社会の不安を取り除くために頑張っていただきたい、このことを御要望申し上げます。 そしてまた、先ほど大臣から報告がございました横浜の駅ではもう既に二十七人もの方々が病院に収容されているとの情報もございます。これらにつきましても万全の策を講じられることをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○有働正治君 まず、横浜駅周辺の本日の新たな事件の問題ですけれども、その後の事態、どう掌握されておられるか。防衛庁長官は陸上自衛隊大宮駐屯地の化学防護隊に出動命令も出されているようでありますし、負傷者も百数十人に上っているということでありますが、どのように掌握されておられますか。
○国務大臣(野中広務君) 本日、横浜駅等で発生いたしました事件につきましては、二時三十分現在、病院に搬送されておる方は二十二名でございます。そのほかにそれぞれ異状を訴えておられる方が百名余りあるようでございます。 なお、京浜東北線は、現在、大船駅で停車をいたしまして車内を見分いたしましたが、異物等はなかったということでございます。なお、石川町駅から大船駅までの間に気分が悪くなった人はいない模様でございます。現在のところ、こういうことによって死者が出るような状況にはないと考えられておるところでございます。 ちなみにでございますが、京浜東北線では本日初めて車内に冷房を入れたということ報告されております。 まだ断定することは危険でありますけれども、これまでの状況を総合いたしまして、さらに、二時四十分現在、警友病院で患者を診察いたしました結果、サリンによるものではないと判明をいたしました。 今後、なおその詳細について把握をいたしまして真相究明のための措置をいたしますとともに、念のため官邸に、内閣安全保障室におきまして警察、消防、運輸、防衛の担当者によります対策室を仮設したところでございます。
○有働正治君 第一に救出、人命救助、負傷者の対策に万全を期すようにお願いしたい、第二に厳正、公正、早期解決、これを求めるわけでありますが、いかがでありますか、国家公安委員長。
○国務大臣(野中広務君) お説のように、予断を持たず私どもはその真相解明に徹底して努力をいたしますとともに、人命尊重の意味から、先ほど申し上げましたように、それぞれ関係者の救援・救護のために万全の態勢をとってまいりたいと考えております。
○有働正治君 我が党としても、いかなる団体、個人であれ、暴力やテロ、こうした凶悪社会的犯罪は許されないという立場で厳正に要望しておきます。 次に、今、同僚委員からもございましたけれども、強制捜査が事前にオウム側に情報が漏れていたとの指摘がなされているわけであります。この問題をまず聞きます。 防衛庁、現職自衛官がオウムに協力しているという疑惑が指摘されているわけであります。となりますと、あるいはこれが仮に事実とすれば、犯罪に協力、あるいは手助けするということでゆゆしい問題だと考えるわけであります。これはけさの新聞でも取り上げています。また、各方面、マスコミでもかなり取り上げられでいるわけであります。そういう点で国民もかなり疑問を、疑惑を指摘し、私のところにもいろいろその問題についての提起も出できています。 そういう点で、国民の疑惑等を取り除くべく必要があれば必要な調査も行う、この点についてどう考えておられるか、所管庁からまず求めます。簡潔に。
○説明員(三谷秀史君) お答えいたします。 ただいま御指摘の現職自衛官がオウムに協力しておるという、そのような具体的な記事というものを私承知しないわけでございますが、ただ御指摘のけさの記事ということでございますと、朝刊に報じられました、オウムの雑誌に何かそれをにおわすようなことが書いてあるということでありますとすれば、その記事の内容につきまして現在細部の事実関係を調査中であり、その結果を踏まえましで所要の措置をとってまいりたい、かように考えております。
○有働正治君 私は現物をここに持ってまいりました。あなたは見られたことありますか。まず端的に。
○説明員(三谷秀史君) 拝見いたしました。
○有働正治君 これは四月二十五日発行の「ヴァジラヤーナ・サッチャ」というオウム側の雑誌であります。その中で「オウム真理教職滅のシナリオ」ということで八ページ特集をやっているようであります。そこでは「あるマスコミ関係者から極秘情報を入手した。」云々ということで極秘情報、スクープによるものとして特集をやっています。もちろん、私はこれが絶対的に正しいということを前提にするつもりは毛頭ございません。 そこで、書かれている内容を見ますと、「千葉県習志野の陸上自衛隊空挺団に通常ならぬ動きが始まったのは、三月二十日の夜八時」「「明日、何かがあるらしい。上級部隊で動きがあるらしいから、全員が〇八〇〇に隊内に戻っておくように」という内容の電話連絡が各隊員に回された。」「待機命令は第二種だったが、実質は総員退出禁止令と同じだった。三曹隊員も、宮内者は全員室内で、営外者は全員自宅で待機することが指示された」「二十一日昼、実動部隊である普通科四百名が集められ、化学衣と防護マスクの講習が行われ」「その後、四百名は空挺の屋上に集められて説明を受け」「その日の夕方、五時すぎには待機命令が第三種に変わった。」等々の記述が詳細に時間を追って刻々と、どういう指令が出されたか、どういう命令で、それに対してどういう部隊がどう対応したかということがかなり克明に記載されているわけであります。 自衛隊に詳しい人の話を私聞きましたけれども、内部情報にも通じている人の情報も加味されている疑いがあると。これが事実とすればですよ。つまり、専門的な用語をかなり、部隊その他につきましても自衛隊でなければ使わないこと等々が言われているわけで、そういう点からいったら疑惑が持たれているという、この国民の疑惑というのはそれとして受けとめて調査、今しているということでありますけれども、調査する必要があるし、別の雑誌等には中野にあるオウム附属病院に現職自衛官が出入りしているという指摘もなされているのも拝見いたしました。等々があるわけであります。 そこで、国務大臣として野中大臣にお尋ねしますが、こういう問題についで国民が非常に疑惑を持っている以上、必要があれば調査し、厳正に政府としても対応する必要があるということを感ずるわけでありますが、その点いかがでありましょうか。
○国務大臣(野中広務君) 捜査を迅速かつ適正に遂行するためには捜査上の秘密が厳に守られなくてはならないことは言をまたないところでございます。防衛庁におかれましても、十分御理解の上、必要な配慮がなされるものと考えております。
○有働正治君 厳正に疑惑が解かれるように早期な対応を改めて要求しておきます。 次に、警察の方に捜査状況等についてお尋ねします。 オウム関係者でこの間逮捕した人数、主な逮捕容疑、それから押収した物件の数などどうなっていますか。簡単に。
○政府委員(垣見隆君) オウム教関係者で逮捕した数についでお尋ねでございますけれども、被疑者が黙秘しているような状況もございまして、必ずしも明確な格好では把握できておりません。これまでおおむね百名以上を逮捕しているというふうに承知をいたしております。 逮捕容疑の主なものでございますけれども、逮捕監禁、営利誘拐、毒物及び劇物取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反、恐喝などでございます。 それから、押収した物件でございますけれども、これも一連の捜索において極めて多数の物件を押収しておりますけれども、具体的な数値についてはまだ掌握の段階に至っておりません。 以上でございます。
○有働正治君 オウム真理教の麻原代表は、三月二十四日に明らかにしたビデオの中で、オウム真理教がサリンを製造していたことを否定し、サリンは米軍のものだと言って、オウム真理教の施設が米軍からサリンやイペリットガスの噴霧を受けていた等々を主張し、その内容を印刷物にして駅頭その他で配布しているという状況があるようであります。 そこで聞きますけれども、警察としては米軍の毒ガス攻撃というこの訴え、どういう認識が。結論だけでいいですから。
○政府委員(垣見隆君) お答えをいたします。 犯罪捜査を行うに当たりましては予断を排してあらゆる可能性を考慮しながら行うべきものというふうに考えておりますが、御指摘の点につきましては、これを裏づける資料の入手には至っていない段階でございます。
○有働正治君 次、法務省に聞きます。 昨年七月九日と十五日の二回にわたり、山梨県上九一色村所在のオウム真理教関係施設で強烈な悪臭が発生して地元住民が避難する事件が発生した。この悪臭事件に関連して、ことし一月一日、新聞報道でオウム施設の周辺の上九一色村富士ケ嶺の山林からサリン生成の残留物と見られる有機燐系化合物が発見されたとの警察情報がマスコミとして発表されると、三日後の一月四日、オウム側が廃棄物処理及び有機肥料製造を行っている中央三共有機株式会社代表者を殺人未遂で甲府地検に告訴した。オウム側はその後、最近になりまして施設内で農薬のDDVPを製造したとき悪臭が出たと弁明しています。この弁明自体がオウム側の告訴が虚偽であったことを認めたものであると言わざるを得ないわけであります。中央三共有機株式会社の代表者が、二月九日、甲府地検にオウム側の関係者十八人を謹告罪で告訴、また虚偽の事実を記者会見で発表したりした青山弁護士など四人を名誉毀損罪で告訴したわけであります。これは当然至極だと考えるわけであります。 そこで、この中央三共有機株式会社代表者による告訴を受理しておられるかどうか、これに対する捜査はどうなっているか、簡潔にお答えいただければ。
○説明員(小津博司君) ただいま委員御指摘の件につきましては、甲府地方検察庁が本年二月九日に謹告罪及び名誉毀損罪の告訴状を受理して、現在捜査中でございます。
○有働正治君 この名誉毀損罪の中には青山井議士が含まれているわけであります。青山井謹上については、専門的知識や経験から廃棄物処理業者が毒ガスを噴霧した事実がないことは知っているにもかかわらず、顧問弁護士として虚偽の事実による告訴の手続を行って罪に陥れようとしたり名誉毀損に加担した、こういうことはまことに許しがたいことだと思うわけであります。 そういう点で、名誉毀損罪容疑を含めまして厳正、しかも早期に徹底捜査することを求めるわけであります。いかがでありますか。
○説明員(小津博司君) 御指摘の事件の具体的な捜査の状況につきましては性質上お答えを差し控えさせていただきたいわけでございますけれども、検察当局におきましては法と証拠に基づきまして厳正に捜査処理を行うものと考えております。
○有働正治君 次に、警察の方に聞きますけれども、オウム真理教の山梨県上九一色村所在の施設でサリン製造の原材料となる三塩化燐、イソプロビルアルコール、弗化ナトリウムを初め溶剤として使われるアセトニトリルなど大量の化学物質が押収されたやに聞いているわけであります。また、有機物質の化学合成に使う蒸留器などの器材、排気装置つき実験台などが確認されているようでありますが、これらの大量の薬品類を使い化学物質を製造していたことが明らかとなった段階でオウム側はそれを農薬製造のため、教団の出家修行の生活維持のための必需品などと言っているようであります。 そこでお聞きしますが、オウム側の言うとおりに農薬等を製造していたものと見られておられるかどうか、その点いかがでありますか。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 今、委員御指摘のような状況があるわけでございますが、オウム側のいろんな主張も含めて現在捜査、検証等において実態がどうだったかを慎重に検討、判断するための材料を収集している段階でございます。
○有働正治君 具体的に聞きます。 オウム施設内にクロラールという物質が発見されたかどうか。結論だけ。
○政府委員(垣見隆君) 大変多数の押収物件を入手しておりまして、それを分析しているところでございます。三塩化燐とか大量に押収したものは承知しておりますが、お尋ねの件については現段階で確認をいたしておりません。
○有働正治君 サリン製造の前段階物質からオウム側の言うDDVPという殺虫剤を製造するにはこのクロラールという物質は不可欠であるはずであります。もしオウム側が主張するようにDDVPという殺虫剤を製造していたとするならば、これは東京大学の柴崎正勝先生が、有機化学の御専門のようでありますが、指摘されておられたわけでありますが、クロラールという物質、これが存在しなかったということは説明がつかないと。途中まで亜燐酸トリメチルという物質が出て、その前段階で悪臭が出るわけですけれども、そこから先にDDVPという農薬をつくるにはクロラールという物質は不可欠だと。これが存在しないと。今、局長、今のところ確認できないという点からいうと、説明がオウム側の言うとおりにはいかないと。クロラールというのは、塩素にエタノールを加えでつくることができるようでありますが、原料から生成することは化学的にかなり難しい作業が要るということのようであります。 一方、DDVPについて言えば、農薬工業会等の話によると、安い農薬で容易に購入できるものだと言っているわけで、オウムがクロラールまで内部でつくっていたとは考えられないと。また、現に確認されていないというわけです。 そういう点からいうと、オウムの施設はサリン製造のためのものであるという疑いが極めて強い、またそういうことではないかと思うわけでありますが、この点についでいかがでありますか。
○政府委員(垣見隆君) 御案内のとおり、現在、警察におきましては、上九一色村所在のオウム真理教関連施設において発見をされましたプラント用の施設についで検証作業を進めているところでございます。 これは、先ほども御指摘いただきましたように、大量の薬品類等が押収されておりまして、それらがいかなる用途に使われたかという点について種々の疑念がございますので検討している段階でございまして、現段階でまだその結論というか最終的な結論までに至ってない段階でございますので、その点については御理解をいただきたいと存じます。
○有働正治君 オウム施設内でメチルホスホン酸モノイソプロビルエステルという化学物質が検出されているんじゃないか、それからメチルホスホン酸ジクロリドという物質、これも検出されているのではないかと思いますが、結論だけ。
○政府委員(垣見隆君) ただいま申しましたように、検証の過程で種々の物質を押収し、また必要な検査、検出、鑑定等をしている段階でございまして、現段階ではそれらの中でどういう物質が検出をされ検査をしているかの点については、今後の捜査の問題もございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○有働正治君 そこはもう少しはっきりさせないと、どういう方向で警察が捜索しているかという、私ども委員会としてもやっぱり尋ねたい点については答えるべきだということを言っておきます。 つまり、私がなぜ聞くかといいますと、サリンが水と化合して分解するとさきに挙げました最初の物質、メチルホスホン酸モノイソプロビルエステル、こういう物質ができるはずであります。この物質というのは、一たん生じますと他の物質と反応することはほとんどなく、かなり長期間残ると。この物質というのはDDVP、殺虫剤からは絶対に出てこない物質とされているわけでありまして、オウム施設内にサリンが一定期間あったことが否定できない一つの有力物証になると。また、後に挙げた物質もサリン生成の最終段階で生じるものと私は承知しでいるわけであります。また、麻原代表と化学班なるものとのやりとりを示す実験日誌などによりますと、化学班に対しサリン製造実験について直接指示をしていた記述があることが指摘されているわけで、これも直接関与の有力証拠だという指摘があるわけであります。 そこで、お尋ねしますけれども、私の言っている物質、断定的なことは言えない、答えられないかもしれないけれども、そういう物質の存在を含めて今捜査中ということなのかどうか、まずそれを聞きます。
○政府委員(垣見隆君) 捜査におきましては、事案の真相を究明するためにいろいろな可能性を考えて捜査をしているところでございます。 そういう中でどういう化学物質が検出をされたか、あるいは鑑定をされたか、あるいはそれに関連する日誌等があっなかなかったかというような御質問がと思いますけれども、この点につきましては、委員御指摘のように、一体警察の捜査が今どういう方向にどういう状況になっているかという点についてはまだ国民の皆様も含めて大変御関心の高いという点については十分私どもも理解しているつもりではございますけれども、まさに捜査中でございますし、また捜査によって得られた資料というのは将来事件になれば当然のことながら公判等で証拠として提出をするべきものでございますので、そういう点について、捜査中の事案について個別詳細な点についての答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○有働正治君 大臣にお尋ねします。 サリンの可能性も含めて捜査は当然行われているという認識でありますが、この点だけはいかがでありますか。
○国務大臣(野中広務君) サリンは、人に対する殺傷能力が極めて高いなど、その危険性には著しいものがございます。このような化学物質がオウム真理教施設において製造されていた疑いが強いということを私ども報告を受けておるわけでございます。非常に重大なものと受けとめでいるところであります。
○有働正治君 本当に重大で、早期解決を改めて要求しておきます。 その点で、先ほど情報が漏れた疑いの点ともかかわるわけでありますが、大量のサリン、証拠物が隠された疑いが各方面から指摘されて、彼らの組織内のいわゆる法務大臣名や自治大臣名なるものの通達等も証拠隠滅を文書で指揮していた等々が指摘されているわけであります。 そこで、警察庁、国家公安委員長、お尋ねします。 四月十四日の百数十カ所の家宅捜索などを含めまして、行方不明のサリンもあり得るということで当然捜査していると思うが、この点どうなのか。 再発防止のために全力を挙げるべきだ、最後にこの点については大臣にもお尋ねします。
○国務大臣(野中広務君) 現在、警察におきましてオウム真理教施設においてサリンを製造していたことの容疑で鋭意捜査を行っておるところでございますが、オウム真理教関係者が既に製造したサリンを隠匿所持している可能性も払拭できないところがあるわけでございます。 今後、サリンという極めて危険な物質が犯罪に使用されることが絶対にないよう警察の持てる力を総合的に発揮いたしまして取り組んでいくよう強く要請をし、そして私自身もその責任を痛感して取り組んでまいりたいと考えておる次第であります。
○有働正治君 本当に、第二、第三のこういう事件を再発防止するために、サリンの所在を含めて徹底捜索して隠匿物質の押収に全力を挙げるべきであるということを改めで要求しておきます。 オウム真理教の団体がいかに反社会的な側面を持っているかという問題でありますが、オウム真理教は信者に対して、オウムで修行した者が人を殺しても殺人にならない、善行になる、こう教えているわけであります。八九年九月、オウム東京本部での麻原代表の講演、私どもテープを入手していますが、そこでは明確にそういうことを指摘しています。そして、先ほどこの機関の一連の捜査容疑の内容について局長の方から答弁あったとおり、社会的に許されない犯罪行為が指摘されているわけで、こういう点からいった場合に、国家公安委員長として、国務大臣として、単なる宗教団体ではなく反社会的な団体と国民は本当に怒っているわけですけれども、この点についての認識を簡潔にお願いします。
○国務大臣(野中広務君) 宗教法人たるものが、現在までの捜査で明らかにされておるように、想像もできない化学薬品あるいは器具等をなぜ持っておるのかというのはまことに私どもにとって重大な問題でございます。もしこれが悪用されるとするならば、多数の人命を殺傷することになるわけでございまして、反社会的であり、反国家的であると言わなくてはならないと思うわけでございます。それだけに、警察といたしましては、現在、オウム真理教に係る犯罪容疑の捜査を徹底して全容解明のために努力をしておるものと承知をしております。
○有働正治君 終わります。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。 まず、昨年六月の松本サリン事件、ことし三月の地下鉄サリン事件によりまして犠牲となられました方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。そしてまた、いまだ病院で治療を受けられている皆さん方の御回復をお祈りするばかりでございます。 非人道的で残虐な犯罪を行った犯人グループに言葉では言いあらわせない本当に強い怒りを覚えるわけです。一刻も早く犯人を検挙し、国民の不安を取り除くために政府、警察は全力を挙げで取り組んでいただきたいと思います。 今、時事通信の「参考情報」というのをいただきましたが、本日、横浜駅西口の事故でございます。既に男性十六人、女性二十二人が救急車で市内の病院に搬送されたということでございますが、こちらもあわせましで取り組んでいただくことを強く要望いたします。 改めて大臣に御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のような松本市並びに地下鉄駅構内におきます事件はもちろん、サリンに関係します事件につきましては、委員も御指摘のように、何の関係もない善良な市民が大量無差別に殺傷されるという犯罪史上まれに見る極めて悪質かつ卑劣な行為であります。国民の不安はまことに大きなものがあるわけでございます。 現在、警察におきましては、それぞれの事件につきまして犯人の早期検挙と事件の全体解明のための努力を全国的に取り組んでおるところでございます。政府はもちろん、国家公安委員会といたしましても、一刻も早く国民の不安感を取り除いて、そしてこの事件解明が行われ、かつ再発防止につきまして万全の措置を講ずるように諸対策を推進しでおるところでございます。 先ほど来報じられております横浜駅等におきます問題は、まだその事件の内容を把握するに至りませんけれども、しかし現在寄せられておる情報におきましては、収容された患者の瞳孔が収縮するといったようなサリンに見られるような症状はないということでございますので、これはどういう事情において起きたのかを徹底して解明いたしますとともに、先ほど来の一連の事故等も含めて徹底して解明をいたし、国民の不安を解消してまいりたいと考えておるところでございます。
○西川潔君 どうぞひとつよろしくお願いいたします。 それでは、法案の内容についてお伺いをしたいと思うわけですが、死者七名を出した松本の事件でもサリン自体を取り締まる法律がなく、警察が行った捜査でも殺人容疑であったと思うわけです。殺人用化学兵器として開発され、殺人以外の用途はないサリンについて直接規制をする法律がないとの問題はそれ以来指摘されているわけですけれども、今回この法律によってこれまでに欠けていた部分に網がかぶされることは国民にとって安心感につながることだと思うわけです。 そこで、確認の意味で質問させていただくわけですが、まず毒物といいますと、保健衛生上の見地から、毒物劇物についで必要な取り締まりを行うことを目的とした毒物及び劇物取締法がございます。また、先日、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律が成立しておるわけですけれども、この中でもサリンの不法所持を罰則の対象としています。 これらの法律で十分とせず、特別立法が必要であると判断された理由をまずお伺いします。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 毒物及び劇物取締法は、御指摘いただきましたように、一定の産業流通性を有する物質を保健衛生上の見地から指定して規制するものでございましで、その観点からサリンを規制の対象としていないものと承知をしております。 一方、化学兵器禁止法につきましては、サリンを規制対象としているところでありますが、同法におきましては、化学兵器の禁止を担保するための行政刑罰としての性格上、サリンによる人身被害を防止するために必要な刑罰が定められているとは言えないほか、サリンを製造するための予備行為としてその原料物質を所持したり提供する行為などについては必要な罰則が設けられでいないところでございます。 このように、既存の法令によりましてはサリンによる人の生命及び身体の被害の防止並びに公共の安全の確保の観点から必要な取り締まりを行うことが困難でございましで、またサリンの発生による被害が発生した場合、またはそのおそれがある場合の警察官等の措置を定める必要があるところから特別立法が必要であると判断し御提案をし、御審議をいただいている次第でございます。
○西川潔君 三番、四番は重複をいたしますので割愛させていただきたいと思います。 次に、万が一再びサリンが発散した場合の緊急時の備えについてお伺いしておきたいと思います。 松本サリン事件、そしてまた今回の地下鉄サリン事件の被害を受けられた方々のその後の状況、特にどういった後遺症があるのか、この点についでお伺いしたいと思います。
○説明員(磯部文雄君) まず、患者の状況でございますが、松本サリン事件につきましては、本年三月に取りまとめられました松本市地域包括医療協議会におきます報告書によりますれば、病院の受診者の総数は二百六十四名、昨年十月二十五日現在で死亡者七名、入院一名、通院五名でございます。現在なお入院中は一名と聞いております。 それから、地下鉄サリン事件につきましては、自治省消防庁救急救助課が東京消防庁を通じて把握したところでは、三月二十一日正午現在で死者八名、重篤者十七名、重症者三十七名、中等度九百八十四名等五千五百十名と聞いております。また、その後重症で亡くなられた方がおりますことから、現在では死者十二名、入院患者につきましては厚生省から各都県に照会したところでは四月十二日現在で九名となっております。 サリンの後遺症についてでございますが、厳密な意味での、原因となる一次疾患が治癒して症状がなくなってから後にまた機能障害が起きるといった意味での後遺症はございませんが、松本事件におきまして被害を受けられた方は、呼吸停止時間が長かったために低酸素脳症を起こしており、現在も入院中ということでございます。
○西川潔君 三月の地下鉄サリン事件では、その被害者の治療に当たった医療機関に対して松本の被害者の治療に当たった医療機関からその治療方法について助言がなされたと伺っておりますが、この治療方法については既に確立されているのか。また、アメリカより専門家の派遣を受け入れられました。そのことによってどのような助言がなされたのか。そして、国民の間には万が一全国どこで被害に遭ったとしても各地域の医療機関で適切な対応ができるだろうかと本当に不安でございます。この医療機関の体制についではどういった対応を現在おとりいただいているのか、改めて厚生省にお伺いします。
○説明員(磯部文雄君) 治療方法につきましては、基本的には有機燐中毒のそれと同じでございまして、ハムによる解毒と硫酸アトロピンによります対症療法、呼吸障害のある例では呼吸管理による対応が可能でございます。 アメリカの専門家からは、訪問しました医療機関に対しまして、医薬品の使用方法等の治療法についての助言があったというふうに聞いております。 また、各都道府県に対しましては二十日の時点で、今、先生御指摘のありました治療方法等の資料を信州大学あるいは日本救急医学会、日本中毒情報センター等から資料を得まして、それを東京都及び東京消防庁等を通じまして患者を受け入れられた医療機関に送付したところでございますが、同様の資料を各都道府県に対しまして三月末にお送りしまして、管下の救命救急センター、これは全国で百三十ぐらいありますが、そこへの配付等、活用を依頼しているところでございます。
○西川潔君 今回の事件が発生後、報道によりますと、アメリカでは地下鉄あるいは救急車などに解毒剤の配置の強化が図られた、あるいは韓国では、ソウル、釜山の地下鉄の駅では防護マスクや解毒剤などを常備し始めたということでございます。大きくこれも報道されているわけです。 有毒ガス発生時における我が国の緊急時対策はどうなっているのか、こちらも本当に不安でございます。これは運輸省、消防庁にお伺いしたいと思います。
○説明員(小野山悟君) 地下鉄等で有毒ガス事件が発生した場合の緊急時の対策につきましては、被害の拡大を防止する観点から、避難誘導マニュアルの整備でありますとか、また地下鉄での警察や消防などによる救助の円滑化のための無線通信補助設備の整備など鉄道事業者に対して要請しているところでございます。 これらの整備につきましては、今後とも専門的な知識を有する関連機関とも連絡をとりつつ適切に対処していきたいと思っております。
○政府委員(滝実君) 消防の対応でございますけれども、ただいま御指摘のございましたように、ニューヨークにおきましては救急隊が従来持っておりました神経ガスの解毒剤の量を従来の四倍に増強した、こういうふうに私ども聞いております。もともとニューヨークなんかの場合には、日本と違いまして、救急隊員が医師の指示に従って注射とか薬剤の投与を行うことができる、こういうことになっております。 日本の場合には、先般来、救急救命士の制度をおつくりいただきまして、これが国家試験の国家資格を持つということでそれに準ずるいわば活動が行われることになっておるのでございますけれども、現段階におきましては薬剤の注射というようなところまではいっていないわけでございます。 したがって、私どもの基本方針としては、とにかく呼吸管理をすることがまず第一。これは救急救命士の主たる任務でございますから、呼吸停止あるいは心臓停止ということをとにかく抑えると。これが救急救命士の最大の仕事でございますから、こういうような呼吸管理をしながら迅速に医療機関に送り届ける、これが一番の重要事項だというふうに考えておりますので、この点のさらに充実を図ってまいりたいと考えております。 また、解毒剤の扱いにつきましては、日本の救急救命士はその範囲を超えるわけでございますけれども、具体的にどうしたらいいのか、対応策につきましては引き続き厚生省ともよく相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。 今回のこの地下鉄事件では自衛隊の効果を発揮していただいたと思うわけですけれども、同様の事件が首都圏以外で発生した場合、自衛隊としてどのような対応が可能であるのか、地域的な面、そして具体的な対応について防衛庁にお伺いしたいと思います。 また、自衛隊との連携についで大臣の御所見もお伺いしておきたいと思います。
○説明員(山崎信之郎君) 三月二十日に起きましたいわゆる地下鉄サリン事件に関しましては、同日の十二時五十分に東京都の知事さんから、また十七時には千葉県の知事さんからそれぞれ災害派遣の要請がありまして、練馬の第一師団の化学防護小隊、市ケ谷の第一師団の第三二普通科連隊、大宮の第一〇一化学防護隊及び相馬原の第一二師団の化学防護小隊から隊員計約二百名、除染車約十両等を直ちに派遣いたしまして、これらの部隊は霞ケ関、日比谷、築地、小伝馬町、後楽園及び松戸の各地において検知や除染を行ったところでございます。 防衛庁におきましては、全国に所在する各師団に一個化学防護小隊ないし一個化学防護隊をそれぞれ設置しておりますほか、各地に所在する普通科部隊等におきましても防護マスクあるいは検知機材等を備えておりまして、仮に首都圏以外で今回のような事案が発生しました場合におきましても、これらの部隊により、都道府県あるいは警察諸機関等と協力をしまして、直ちに検知ないしは除染等の活動を行えるものと考えております。
○国務大臣(野中広務君) 今回の地下鉄事件で使われましたサリンは、委員御承知のように、もともと化学兵器として開発された毒物でございます。その除去等には専門の知識や装備を持つ自衛隊の協力が不可欠でございます。今回の事件におきましても、営団地下鉄日比谷線の小伝馬町駅や霞ケ関駅におきまして、消防の化学機動中隊等が自衛隊の有毒ガスの中和作業を支援したとの報告も受けでおるところでございます。また、救助隊員等の安全確保のため、今後必要に応じで防護服等の提供を受けることについても既に了解をいただいておるところでございます。 今後、同様の事件が発生した場合におきましては、人命の救助のために消防機関と警察、自衛隊が相互に情報連絡をさらに密にして活動をしていくようにしなければならないと考えております。
○西川潔君 ありがとうございました。お伺いしでよかったです。 次に、被害者の救助、誘導についてお伺いをしたいと思いますが、仮にサリンが発散した場合、その場所については例えば室内、屋外、地下道等さまざまなケースが考えられると思うわけです。今回の法案の中にも警察官の義務として幾つかの措置が決められておるわけですけれども、場所も含めて発散量などによって危険区域もかなり変わってくると思うわけですが、そのあたりの対応、そして救助、誘導についての対応をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。 御指摘のように、サリンがどの場所で発散したのか、またどの程度の量が発散したのか等の諸条件によりましてサリンの被害が及ぶ範囲も変わってくるとは考えられますけれども、サリンは大変揮発性が高い物質でございますし、やはり避難等の措置を講ずるべき区域は可能な限り広範囲に設定をする必要があると考えております。特に屋内あるいは地下道などの閉鎖空間につきましては、そこで発散されたという場合には立ち入りは厳格に禁ずる必要があると考えております。また、被害者の救助等についても迅速かつ的確に対応ができますよう防護服等の装備資機材の整備に努めるほか、消防、自衛隊等関係機関との協力体制の確保にも配慮してまいりたいというふうに考えております。
○西川潔君 次に、松本事件、地下鉄事件の被害者の方々に対する犯罪被害者給付制度の適用についてお伺いしておきたいと思います。 地下鉄サリン事件の被害者につきましてはこの制度に該当するようでございますが、一方の松本事件の被害者についてはいまだこの制度の適用が見送られているというふうに伺っております。この事件が犯罪なのか事故によるものなのか、警察によって確証が得られていないことがその背景にあると思うわけですけれども、今回の松本サリン事件では労災補償の適用もないわけです。また、被害に遭われた方々の医療費についても一般の保険医療と同じで自己負担があるというふうに伺っておりますが、あの場所で事故というのはどうも考えにくいと私自身思うわけです。 一刻も早い対応をお願いしたいと思うわけですけれども、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(野中広務君) お尋ねの件につきましては、この法律制定の趣旨に照らしまして、できるだけ被害者の救済が早期に図られるよう運用されるべきだと私は考えております。 具体的な問題につきましては政府委員から答弁をいたします。
○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。 先生御指摘のこの制度を定めております犯罪被害者等給付金支給法は、この制度の対象になりますものは人の生命、身体に対する犯罪によって死亡した者の遺族、あるいは重傷害を受けた者ということになっておりまして、事故によるものは除かれているわけであります。また、犯罪の場合も過失によるものは除くという規定になっているわけでございます。 お尋ねのいわゆる松本サリン事件でございますが、これはいろんなことが言われておりますけれども、捜査上はなお犯罪によるものなのか事故によるものなのか、また犯罪による場合であったとしてもそれが故意によるものなのか、あるいは過失によるものかということが必ずしも今のところ明らかになっておりません。したがいまして、鋭意捜査を進めておりますけれども、事実関係がはっきりした段階でできるだけ早く適用の可否について検討いたしたい、このように思っております。 地下鉄サリン事件につきましては、御承知のとおり、目撃者等の証言によりましてこれは複数の犯人による故意犯罪であるということが認定できますので、したがいましてこの制度の支給の対象になる、このように考えて運用をしているところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 サリン等による人身被害の防止に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十四分散会 —————・—————