地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/03/16
会議録
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る七日、大脇雅子君及び風間昶君が委員を辞任され、その補欠として山口哲夫君及び続訓弘君が選任されました。 また、去る八日、中村鋭一君が委員を辞任され、その補欠として小林正君が選任されました。 また、昨十五日、有働正治君が委員を辞任され、その補欠として高崎裕子君が選任されました。 —————————————
○委員長(岩本久人君) 古物営業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は前回既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜四津敏子君 平成会の浜四津でございます。 まず大臣に質問させていただきます。 古物営業法についての基本的な考え方についてでございますが、この古物営業法の目的は「窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資すること」、こういうふうに定められております。しかし、この古物営業法というのはほとんどすべてのあらゆる古物を営業として扱うことを許可の対象としております。原則規制、例外的に自由に認める、こんな法律の体系になっております。しかし他方で、近時、環境問題等の視点からも資源の有効利用、あるいは使い捨て社会ではなくてリサイクル社会を目指す、こういう方向で全体的な取り組みがなされております。 そうした流れの中で古物営業法がリサイクル社会構築の足かせとなってはならない、そういう法律であってはならないというふうに考えますが、大臣、この法律の基本的なスタンス、基本的な姿勢としてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(野中広務君) 委員御承知のとおりに、この法律は昭和二十四年に制定されたという大変古い法律でもございます。制定以来大きな改正がなされないまま今日に至ったわけでございます。 最近の犯罪情勢や古物営業にかかわります業務の運営の実態の変化等を踏まえまして、現在最大の課題であります規制緩和の要請にもこたえますために、許可を必要とする古物営業の範囲を見直すとともに、許可・届け出手続等を緩和するなど、古物営業にかかわります規制の簡素合理化を図ることを目的としたものでございます。 また、委員が今御指摘になりました資源の有効活用という観点から、いわゆるリサイクル社会という趨勢の中でどう考えるかということでありますけれども、今回の古物営業法の改正案におきましては、その法目的でございます犯罪の予防、被害の回復を図りながら、他方で規制緩和の観点から、例えば不用物品を無償で引き取って修理、再生じて販売するいわゆるリサイクルショップ等を対象外とするほか、少額の物品につきましては台帳記載の義務を免除することなどによりまして議員が懸念されておるようなことについて配慮をしておるところでございます。リサイクル社会の足かせにはならないというように承知をしておる次第であります。
○浜四津敏子君 ありがとうございました。 この古物営業法、今回の改正は改正といたしまして、そろそろ抜本的な見直しが必要な時期に来ているのではないかというふうに考えます。 古物営業法は憲法二十二条が保障しております職業選択の自由の一つの内容である営業の自由にかかわる法律でございます。この法律の立法趣旨は、国民の権利と自由を可能な限り尊重する反面、古物営業者の協力によって古物の取り扱いを公正、明朗にして贓物の流れを阻止するとともに、その発見を容易ならしめ、もって犯罪の予防、検挙に一層の効果をあらしめようとするものである、こういうふうに言われております。 したがいまして、この法律の目的は犯罪の防止等の警察目的でありまして、また消極的な目的というふうに言えます。こうした消極目的の場合には、昭和五十年四月三十日、最高裁判決によりますと、目的が重要な公共の利益のため必要かつ合理的であり、かつその目的を達成するのに他のより緩やかな規制手段がないこと、すなわちいわゆる厳格な合理性の基準を違憲審査基準としております。 古物営業法は、先ほども申し上げましたように、ほとんどすべてを許可の対象としております。今回金券ショップがこの法律の対象となるわけですけれども、金券ショップも含めましてこうした古物営業に対する規制がここで最高裁の言う合理的裁量の範囲を超えた規制と言えないかどうか、許可制よりより制限的でない例えば届け出制とかあるいは登録制等ではこの法律の立法趣旨、目的を達成することができないのかどうか、なぜ許可制でなければいけないのか、その理由がどこにあるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。 今、委員お触れになりました金券ショップの問題を含めてでございますけれども、まず金券ショップでございますが、昨今、金券ショップというものが増加している一方で、金券類が財産犯の被害に遭う件数も急増してきております。そしてまた、その被害品であります金券類が金券ショップで換金されるというような事件も後を絶たないわけでございます。 金券ショップはそのような状況でございますけれども、それを含めまして窃盗犯人等が、あるいはそのほかの横領、詐欺もございますけれども、こういうような財産犯を犯した者がその被害品であります物を処分するということを効果的に防止するためには、今度名前が変わると思いますが、刑法で言います贓物故買でございますか、こういうような前科のある者など、やはり一定の不適格者という者が営業を営むことのないように事前に審査をするというのが必要最小限の規制ではなかろうかというふうに考えておるわけであります。そのような観点で今回金券ショップを新たに法の対象に入れさせていただいたわけでございます。 今お触れになりました届け出制あるいは登録制というようなものもあろうかということは承知しております。ただ、届け出制でございますと、これは御案内のとおりでございまして、人についての欠格事由、欠格要件でございますか、これについての事前審査ということができないわけでございまして不適格者を事前に排除するということができないわけでございます。そのようなことで、登録制についてもあるいは同じようなことかと思いますが、古物営業については許可制が憲法上も許される制度じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○浜四津敏子君 それでは、改正法案の意味するところについて少し伺わせていただきたいと思います。 法案第二条第一項で「政令で定めるこれらに類する証票その他の物」と出てまいりますが、これはどのようなものを予定しているんでしょうか。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。 改正後の二条一項の「商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物」でございます。 これの中身でございますけれども、商品券とか乗車券、郵便切手に類するものでありまして、窃盗などの被害やあるいは金券ショップヘの処分事例が多いものを予定しているわけでございます。「証票その他の物」といううちで「証票」というのは金額や物品等の数量が文字で示されたものを考えておりまして、「その他の物」とはこういった事項が文字以外の例えは電磁的方法で記録されているものというような考え方でございます。 具体的には、商品券に類するものとしてはオレンジカードみたいなものがあろうかと思います。乗車券に類するものとしては航空券、タクシーのクーポン券あるいはテレホンカードなどがあろうと思いますし、郵便切手に類するものとしては、証票でございましょうか、印紙、証紙等があろうかと思います。
○浜四津敏子君 同じくこの第二条一項、その次に「大型機械類で政令で定めるものを除く。」と除外例が出てまいりますが、ここで「大型機械類」、大型というふうに限定する理由はどこにあるんでしょうか。小型で重量物でも除外していいのではないかと思われるものがあるかと思いますが、これを大型に限定した理由はどこにありますか。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。 今、委員御指摘の大型の機械類で政令で定めるものとして、私ども今後政令で定めるべきであろうと考えておりますのは、大型の船舶でありますとか航空機あるいは大型の工作機械、あるいはまた工場に設置されている据えつけ型の産業用機械類などの大型の重量物でございまして、こういうものは窃盗等の被害に遭う可能性、蓋然性が低い、またそのような事例もないということから、そのようなものの類型として大型機械類というような名前を、名前といいますか、定義を使ったということでございます。
○浜四津敏子君 そして、「大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)」、こうありますけれども、「これらに類する物」というのは何を、例えばどんなものを意味しているんでしょうか。
○政府委員(中田恒夫君) 先ほどちょっと触れましたように、「類する物」として例えば工場に設置されております据えつけ型の産業用の機械類などの大型の重量物というようなものが考えられるかと思います。
○浜四津敏子君 これは除外例をここで決めているわけですけれども、例えばこの除外例の中にはいわゆるリサイクルショップで扱う物品、家具、家庭用品、雑貨、古着等、これは古物営業法施行規則第二条によりますとこういうものも全部古物に含まれる、こういうことになっているようですが、こうしたものもこの二条で言う除外例には含まれず古物の対象になるわけですね。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。 大型機械類でございますけれども、これにつきましては、大型である、そしてまた相当の重量物であるという観点から抜いておるわけでございまして、今、委員御指摘のようなリサイクルショップというようなことでございますと、古物そのものから抜くか、あるいは古物営業から抜くかという問題がございますけれども、リサイクルショップの中にいろんな形態があろうかと思います。 先ほど大臣からもちょっと触れましたが、無償で、あるいは引き取り料を徴収して引き取った不用品を修理、再生して販売するようなリサイクルショップというようなものは今回の改正によりまして規制の対象外になるわけでございます。単に販売するだけでございますね。そのほか、社会通念上、本来の使用目的での使用ができなくなったいわゆる廃品でございましょうか、こういったものを引き取って、それを修理して販売するような、これもやはりリサイクルショップとあるいは言うのかもしれませんが、こういうものにつきましては、これは従来から法の規制対象外となっておったところでございます。
○浜四津敏子君 除外例を定めるのに古物で除外するか、あるいは古物営業で除外するか、二つあるわけですね。今おっしゃった無償の例えはボランティアのバザー、無償で提供していただいたものを売るというような形のバザーは二条二項で古物営業の対象外とされる、こういうことで規制から外されるわけですね。 ただ、いわゆる無償で提供を受けたものではない、普通に有償で譲り受けて、それをまた売る、いわゆるこれからのリサイクル社会を推進していく中核となるようなお店、リサイクルショップというものは今回のこの二条二項の古物営業の除外例には入ってこないわけですね。そうしますと、少なくとも、いわゆるこういう一般家庭の家具とか古着とか雑貨等のリサイクルを目的とするリサイクルショップは、現在の古物営業法上、その許可の対象事業に入ってくる、こういうことになると思うんですね。 こういうものも許可制の対象とするという理由は余りないんじゃないかというふうに思いますし、またこうした形態のリサイクルショップを営業している人の中にはこういう古物営業法上の許可を受けなければいけないんだということを知らない方々も恐らく多くいらっしゃるんじゃないかというふうに思います。ただ、これは法律理論的な問題であって現実にはそんなことはないんだというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、法律上は無許可で営業した場合に三年以下の懲役または百万円以下の罰金、こういうことになるわけです。 ですから、そういう意味でもこのリサイクルショップ等は対象事業から外すべきではないか、そういう観点も含めて抜本的な見直し、原則全部規制する、こういう古物営業法の抜本的な見直しも必要ではないのかなというふうに意見を申し上げたわけですけれども、このリサイクルショップを許可制とする理由、あるいはそれに対してどう対応されていかれるのか、お考えがあればお聞かせください。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。 古物営業というのはすべてある意味ではリサイクルだと言えるわけでございまして、その中でいろんな形で現在、古物営業といいますか、リサイクル関係の商売が行われているかと思います。 原則論を申し上げますと、営利の目的で反復継続して古物の取引を行っているというような営業形態といいますか、これにつきましてはやはり盗難品等の処分の場として利用されるおそれがあるわけでございまして、やはり一応古物営業法の規制対象とする必要があろうかと思います。ただ、しかしながらそのようなリサイクルショップでありましても、少額物品を取り扱っているものにつきましては今回いろんな義務を免除したいということも考えておりますし、さらには、あるいは許可制そのものでございますけれども、反復継続して行われる営業として本当に行われているのかどうかというようなところで古物営業ではないというようなものもあろうかと思います。 いずれにいたしましても、施行に当たりましてはその辺のことについて落ちのないような指導、広報啓発活動等をしてまいりたいというふうに考えております。
○浜四津敏子君 それでは次に、十六条では第十五条第一項第一号の「対価の総額が国家公安委員会規則で定める金額未満である取引をする場合」等には古物取引の相手方に関して帳簿等への記載を免除しております。 この「国家公安委員会規則で定める金額」というのはどの程度を予定しておられるんでしょうか。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。 今お尋ねの金額でございますけれども、現在のところ一万円とすることを考えております。 この考え方でございますけれども、今回の古物営業法の改正に関する方針の中で、できる限り古物商の身分確認義務などの負担を軽減するという観点が一方でございまして、それともう一方ではやはり犯罪を防止する、被害の迅速な回復を図るということの必要性とのバランスの問題がございます。その中で、例えば刑事司法手続の中で、あるいは委員御案内でございますけれども、微罪処分の関係がございます。あの微罪処分の基準におきましては、おおむね一万円というような金額の基準が示されております。このようなところから判断したものでございます。
○浜四津敏子君 時間がなくなりまして、最後に、第十六条の「当該記載又は記録の必要のないものとして国家公安委員会規則で定める古物」というのは具体的には何を予定しておられますか。
○政府委員(中田恒夫君) お答え申し上げます。 逆の方から申し上げますと、現在のところ、引き渡しの際の帳簿記載等の義務を課す物品、それにつきましては自動車、二輪車、美術品類、それから宝飾品類等を考えておりまして、「定める古物」というのはそれ以外の物品というふうに定めたいというふうに考えております。
○浜四津敏子君 以上で終わります。
○西川潔君 よろしくお願いいたします。 本日はお年寄りの福祉ではなしに、子供のことをお伺いしたいと思います。子供を取り巻く有害環境の浄化という観点から質問をさせていただきたいと思うんです。 まず最初に大臣に、大臣の幼いころの遊びの調査をちょっとしてまいりましたが、一位がめんこ、ビー玉、隠れんぼう、陣取り、戦争ごっこというような時代ではなかったかなと思うんです。 なぜこういうことを申し上げましたかといいますと、大臣、ファミコンについてはどういうふうに思っておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘いただいたような子供の時代を過ごした私でございますから、現在、今、委員が御指摘になりましたようなファミコンについてなじみがあるわけではありません。ただ、ファミコンにつきまして、多くの家庭で普及をいたしまして、またそのソフトにつきましても多数販売をされておることは承知をいたしております。特に、委員御承知のように、私の地元にはファミコンで急成長をした会社があるわけでございますので、私どもそういう意味においての認識があるわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、最近、私もたまに帰りまして、孫がファミコンに向かってじっとやっているのを見ておりますと、何時間もああいうところに座り込んでやっていることが本当に健全な子供の育成にいいのかな、あるいは屋外で伸び伸びと遊ぶような環境を忘れちゃって夢中になっておる怖さというものをつくづくと考えることがあるわけでございます。そういう意味で、大変ファミコンになじみの薄い親たちが十分この操作等についても、あるいはその内容等についても知らないままに子供の遊びから疎外しておるというところの怖さというものを知りまして、また少年や少女がファミコンが欲しいために万引きを行う等のいわゆる少年犯罪、非行等に走りやすい側面を持っておるんではなかろうかなと。 したがって、先ほど局長答弁にもありましたように、十六条で一万円以下という少額を除外しておりますけれども、やはり国家公安委員会の規則等で少額についてもある意味においてこういうものは身分証明書の確認とかこういう必要があるのではなかろうか、このように私は考えて、先ほど申し上げましたように、少年非行やあるいはそれが犯罪につながるようなことを見過ごさないような環境づくりというものを心得ていかなくてはならないと存じておる次第でございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 そういうことでございまして、子供の遊びはテレビゲームが男の子も女の子も一位ということでございますけれども、幼い子供たちが難しい説明書をすぐに把握いたしまして、よくコントロールしているものだなということで本当に感心をさせられるわけです。 ファミコンの普及に伴いまして一部には、今、大臣も少しお触れになっておられました子供の非行にあるいは犯罪にまで結びついているという事態が発生しているわけです。このファミコンのソフトが新品で一万円くらい、中古でも六千円から七千円という相当局価な品物であるわけです。例えばお父さん、お母さんにソフトを買ってもらう、そしてそれが必要がなくなればファミコンショップに行って買い取りをしてもらう、そして幾らかのお金を子供が手にするわけですけれども、これだけでも子供にはよい影響だとは思いません。さらに、現金欲しさにほかの子供をおどかしてファミコンのソフトを取り上げて売ったり、またひどい場合には万引きをする、それらを業者に買ってもらってお金にかえる。 実際に起こっていることがたくさん毎日のように報道されているわけですけれども、こういう現在の状況も含めまして御説明いただければと思います。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。 ファミコンにつきましては、話題のファミコンソフトなどございます。こういったものは子供が金欲しさにあるいは万引きとか恐喝するケースも多いわけでございまして、さらにまた友だちの家などに空き巣に入ったりという事件も各地で発生しております。こういった子供の中には、盗んだファミコンソフトをファミコンショップでございますか、こういうようなところに持ち込んで換金しようとする者も見られるわけでございまして、こういった中にはファミコンショップの従業員の人から名前などを聞かれまして、不審点を追及されたりして売りさばくことができずに補導されたりする事例も数多くございます。 その一方、また逆によく下見をして仲間同士で情報交換するなどして、あれこれ聞かれないような買い取り業者を選んで換金をしたり、また同じ種類のファミコンソフトなどについても一度に大量に換金するということを避けて少量ずつ持ち込んで換金をするというような事例もあるところでございます。
○西川潔君 子供たちが手軽に品物を買って現金を手にできるというところが問題ではないかなと思うわけですけれども、今回の改正案では大幅な規制の緩和策がとられているわけです。このこと自体は規制緩和を推進していく中で当然必要な措置であるということは私も理解できるわけですけれども、その一方でそれぞれの立場でそれぞれの責任が重くなるということもございます。この点、業者の方々に自覚をしていただく必要があるのではないかと思うわけですけれども、当然行政側としてもその点を御配慮していただく必要があると思います。 改正案にございます台帳記載義務及び身分確認の義務の緩和について、少額取引について身分確認の義務及び買い取りの際の台帳記載の免除、ここのところでございますが、このソフトの場合は子供にとっては高価です。数千円ということではございますけれども、こういったケースにはどのようにされるのか。また、実際買い取りをするショップにはアルバイトの高校生等が相当現場では応対に当たっているということも聞きます。この点、しっかりとした応対ができるような配慮についても必要であると思うわけです。 今回の改正案では、管理者に関する規定を整備するというふうにございますが、この点ほどういうことかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。 相手方の身分確認義務あるいは帳簿記載義務の関係でございますけれども、これは盗難品などの混入防止、あるいは被害の回復というような法目的を達成するための重要な義務であるということについては委員御指摘のとおりでございます。 改正案におきましては、少額の取引については盗品などが混入する蓋然性が一般には低いだろうということを考慮いたしましてこの二つの義務については免除することとしておるわけでございますけれども、特に盗難品の混入を防止する必要性のある物品として公安委員会規則で定めるものについてはたとえ少額でもこの義務を免除しないというようなことにしております。 では免除しないものとしてどういうようなものを規定するかということでございますが、窃盗などの犯罪の被害状況、あるいは盗難品の古物商への流入状況ということを勘案して判断することになろうかと思いますが、御指摘のような実態にありますファミコンソフト、あるいはまたさらに、例えば今考えておりますものの中には、同様の実態にありますものは、子供に関する犯罪でございますとオートバイの部品盗難が多うございまして、そのオートバイの部品といったようなもの、こういうものについてはたとえ少額の取引であっても身分確認義務などを免除しない方向で考えてまいりたいと思います。 それから、管理者に関する規定についてお触れでございました。 今回の改正におきましては、全体的に相当程度の規制緩和を進めたわけでございます。そういうことのために、古物営業の適正な実施におきまして、古物商の自主的な努力にゆだねる部分が多うございます。そういうことで、各営業所にきちっと古物商に課せられている義務を確実に履践していただけるように、従業員などを指導監督する管理者を置いてくださいということを言っておるわけでございます。 今お話のございましたファミコンショップなどを含めまして古物商につきましては、買い取りなどの業務一切をアルバイト任せにするというようなことのないように、あるいはまた盗難品の買い取りが行われないように責任を持って従業員を指導監督するしっかりした管理者を置いていただく必要があろうかと考えておるところでございます。
○西川潔君 親としてそのあたりが大変心配になるわけですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、少し年齢層が上がりますが、阪神間で高校生が故買屋の注文に応じましてオートバイを盗んで摘発されたという事件がございました。 このオートバイの場合は、買い取りをする業者にとってはそれが盗品であるのかないのかその見分けが大変困難であるという状況があるわけですけれども、例えば盗難車であることを知らずに買い取りをして販売をする、そしてそれを知らずに買った少年がたまたまスピード違反を犯してつかまってしまう、そこで切符を切られる、そのとき初めて盗難車であることがわかってしまうわけです。例えばお巡りさんにこの単車は盗難車だけれども君とうしたんだと聞かれると、もちろん調べればこれは誤解は解けるわけですけれども、瞬間でも一度疑われた子供の心には傷が残ってしまうというようなケースもあったということでございますし、こうしたことが起こらないようにするためには、業者に売りさばかれる時点で盗難車であるということが把握できるようにすることが必要ではないかな、こういうふうに思うわけです。 そのためには盗難車に関する情報を的確に、また少しでも早く業者に提供していただくようなシステムが必要であると思うわけですけれども、この点についてはいかがでございましょう。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。 改正法案の二十七条に盛り込んだところでございますけれども、古物商が盗品などに係る情報を容易に取得することができるようにする、そして古物屋さんが盗品を取り扱うことのないように、確実にそのような事態が防げるようにということで公安委員会が情報の提供を求める方について情報を提供することができるという規定を設けたところでございます。 御指摘の二輪車の問題でございますけれども、現に二輪車の販売店が盗難車に関する情報を欲しいと言われておるような実情もございます。そういうことで、盗難車に関する情報を的確に、あるいはスピーディーにお渡しすることができるようなシステムを考えてまいりたいというふうに今考えておるところでございます。
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。 最後に、こうした少年を取り巻く有害環境の浄化、あるいは少年の非行、あるいは犯罪を事前に防ぐことは社会の責任とともに我々大人の責任ではないかなと思うわけです。そういった意味で今後とも警察行政には細やかな配慮をお願いしたいと思うわけですけれども、最後に大臣の御見解をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) ただいま議員御指摘のように、少年の非行の誘因となります環境を浄化して少年の非行を未然に防止していくというのは、私ども社会を構成する者の大きな責任であると認識をしておる次第でございます。 今回の法改正につきましても、このような認識に基づいて配慮を加えたところでございますけれども、御指摘にありましたように、警察行政の運営はもちろんでありますが、教育行政、その他行政全般にわたりまして、少年の健全育成の見地からきめ細やかな配慮が肝要であると存じておるところでございます。
○西川潔君 ありがとうございました。
○委員長(岩本久人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 古物営業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本久人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本久人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(岩本久人君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題といたします。 平成七年度の地方財政計画について政府の説明を聴取いたします。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) 平成七年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。 平成七年度の地方財政につきましては、現下の厳しい経済と地方財政の状況を踏まえ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進及び地方交付税の所要額の確保を図り、歳出面においては、経費全般について徹底した節減合理化を図るとともに、住民に身近な社会資本の整備、少子・高齢化等に対応した福祉施策の充実、自主的・主体的な活力ある地域づくりなどを積極的に推進するため必要な事業費の確保に配意する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある行財政運営を行うことを基本としております。 以下、平成七年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。 第一に、地方税については、平成六年に行われた税制改革等の一環として個人住民税の減税を実施するほか、固定資産税の臨時的な特例措置の創設等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等のため所要の措置を講じることとしております。 第二に、地方財政の運営に支障が生じることのないようにするため、所得税及び住民税の減税に伴う影響額について地方交付税の増額及び減税補てん債の発行により補てんずるとともに、所得税及び住民税の減税以外の地方財源不足見込み額についても、地方交付税の増額及び建設地方債の発行により補てんすることとしております。 第三に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、自主的・主体的な活力ある地域づくり、住民に身近な社会資本の整備、農山漁村地域の活性化、文化・スポーツの振興等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることとしております。 以上の方針のもとに平成七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十二兆五千九十三億円となり、前年度に比べ一兆五千八百十二億円、二・〇%の増加となっております。 以上が平成七年度の地方財政計画の概要であります。
○委員長(岩本久人君) 次に、補足説明を聴取いたします。遠藤財政局長。
○政府委員(遠藤安彦君) 平成七年度の地方財政計画につきましては、ただいま自治大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお若干の点につきまして補足して御説明いたします。 地方財政計画の規模は八十二兆五千九十三億円で、前年度に比較いたしまして一兆五千八百十二億円、二・〇%の増加となっております。なお、前年度計画額から特定資金公共事業債の繰り上げ償還金を除いた額と比較いたしますと、三兆三千六百五十億円、四・三%の増加となっております。 まず、歳入について御説明いたします。 地方税の収入見込み額は、道府県税十四兆三百八十億円、市町村税十九兆七千二百五十九億円、合わせて三十三兆七千六百三十九億円であります。前年度に対し道府県税は三千四十三億円、二・二%増加し、市町村税は八千七百八十七億円、四・七%増加しております。 なお、平成七年度においては、平成六年に行われた税制改革等の一環として個人住民税について税率適用区分の見直し、基礎控除等の引き上げ等の制度減税及び定率による特別減税を実施するほか、平成七年度の税制改正として、固定資産税及び都市計画税について臨時的な課税標準の特例措置の創設等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等のため所要の措置を講じることといたしております。 また、地方譲与税の収入見込み額は総額一兆九千八百六十三億円で、前年度に対し六百一億円、三・一%の増加となっております。 次に、地方交付税につきましては、平成七年度の所得税、法人税、酒税、消費税及びたばこ税のそれぞれ一定割合の額の合計額十三兆六千百四十一億円から平成五年度分の精算額五千七百九十七億円を減額した額十三兆三百四十四億円に地方交付税法附則第四条第二項の規定に基づく加算額のうち千八百十億円を加算した額に、返還金九億円及び交付税特別会計における資金運用部からの借入金三兆三千三百九十九億円を加算した額から同特別会計借入金利子四千三十三億円を控除した額十六兆千五百二十九億円を計上いたしました結果、前年度に対し六千五百九億円、四・二%の増加となっております。 国庫支出金は総額十二兆八千十七億円で、前年度に対し一兆三千七百二十六億円、九・七%の減少となっております。なお、前年度の国庫支出金額からNTT事業償還時補助を除いた額と比較いたしますと、四千百十二億円、三・三%の増加となっております。 次に、地方債につきましては、住民税の減税に伴う減収額を含む地方財源の不足に対処するための地方債を含め、普通会計分の地方債発行予定額は十一兆三千五十四億円で、前年度に対し九千百三十九億円、八・八%の増加となっております。なお、地方債計画全体の規模は十六兆三百三十二億円で、前年度に対し一兆二千九百九十二億円、八・八%の増加となっております。 また、使用料及び手数料並びに雑収入につきましては、最近における実績等を勘案した額を計上いたしております。 以上の結果、地方税、地方譲与税及び地方交付税を合わせた一般財源の合計額は五十一兆九千三十一億円となり、歳入全体に占める割合は六二・九%となっております。 次に、歳出について御説明いたします。 まず、給与関係経費についてでありますが、総額は二十二兆六千九百八十四億円で、前年度に対し三千六百八十二億円、一・六%の増加となっております。職員数につきましては、国家公務員の定員削減方針に準じ、定員削減を行うとともに、福祉関係、保健等の関係職員について所要の増員を見込むことといたしております。 次に、一般行政経費につきましては、総額十六兆八千百七十二億円、前年度に対し七千五十九億円、四・四%の増加となっております。このうち国庫補助負担金等を伴うものは七兆三千二百三十億円で、前年度に対し三千二百二十六億円、四・六%の増加となっております。国庫補助負担金を伴わないものは九兆四千九百四十二億円で、前年度に対し三千八百三十三億円、四・二%の増加となっております。この中では、ウルグアイ・ラウンド農業合意に伴う国内対策として農山漁村ふるさと事業に要する経費を新たに計上するとともに、農山漁村対策及び森林・山村対策に要する経費を計上いたしております。 また、少子・高齢化に対応した福祉施策の一層の充実を図るため、社会福祉系統経費を充実するほか、環境保全対策に要する経費、国際化推進対策に要する経費、地域文化・スポーツ振興対策に要する経費、私学の経常費助成に要する経費、ふるさとづくり事業に要する経費、災害等年度途中における追加財政需要に対する財源等を計上いたしております。 公債費は総額七兆六千九百二十九億円で、前年度に対し一兆二千二百七十六億円、一三・八%の減少となっております。なお、前年度計画額から特定資金公共事業債の繰り上げ償還金を除いた額と比較いたしますと、五千五百六十二億円、七・八%の増加となっております。 維持補修費につきましては、前年度に対し二百十五億円、二・四%の増、九千百六十八億円を計上いたしております。 投資的経費は総額三十兆三千六百二十億円で、前年度に対し一兆二千八百九十七億円、四・四%の増加となっております。このうち、直轄・補助事業につきましては十兆八千六百二十億円で、前年度に対し三千五百六十二億円、三・四%の増加となっております。 地方単独事業につきましては、ふるさとづくり事業、都市生活環境の整備、地方特定道路、ふるさと農道・林道の整備、災害に強い安全な町づくりなど、住民生活に身近な社会資本の計画的な整備、自主的・主体的な地域づくり等を推進することができるよう所要の事業費を確保することとし、前年度に対し九千三百三十五億円、五・〇%増の十九兆五千億円を計上いたしております。 公営企業繰出金につきましては、地方公営企業の経営基盤の強化、上下水道、交通、病院等生活関連社会資本の整備の推進等に配意し、総額二兆九千九百十億円を計上いたしております。 最後に、地方交付税の不交付団体における平均水準を超える必要経費については、税収入の状況等を勘案して所要額を計上いたしております。 以上をもちまして、地方財政計画の補足説明を終わらせていただきます。
○委員長(岩本久人君) 以上で説明の聴取は終わりました。 —————————————
○委員長(岩本久人君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。 最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図るため、固定資産税及び都市計画税について臨時的な課税標準の特例措置を設けるとともに、長期譲渡所得に係る個人住民税の税率の見直し並びに住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の税率等の特例措置の適用期限の延長を行うほか、非課税等特別措置の整理合理化等所要の改正を行う必要があります。 以上がこの法律案を提案いたします理由であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。 個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、長期譲渡所得について、特別控除後の譲渡益が四千万円以下の部分に係る税率を引き下げるとともに、土地の切り売りを防止する観点から所要の特例を設ける等の措置を講じることといたしております。 その二は、事業税についての改正であります。 事業税につきましては、生命保険事業を行う法人が厚生年金基金等と締結する保険の契約に基づく収入保険料に係る特例措置の見直しを行うことといたしております。 その三は、不動産取得税についての改正であります。 不動産取得税につきましては、住宅建設の促進を図るため、住宅及び一定の住宅用土地の取得に係る税率等の特例措置の適用期限を三年延長することといたしております。 その四は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。 固定資産税及び都市計画税につきましては、急激な地価の下落傾向にかんがみ、税負担の調整を行うため、平成七年度及び平成八年度に限り、評価の上昇割合の高い宅地等に係る臨時的な課税標準の特例措置を講じることといたしております。 また、日本電気計器検定所等の法人が一定の業務の用に供する固定資産に係る課税標準の特例措置の見直しを行う等の措置を講じることといたしております。 その五は、自動車取得税についての改正であります。 自動車取得税につきましては、電気自動車等の取得に係る税率の軽減措置の適用期限の延長及び拡充を行うことといたしております。 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。引き続いて、議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。地方財政の状況等にかんがみ、平成七年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正に伴って必要となる経費及び地方団体の行政水準の向上のために必要となる経費の財源を措置するため、地方交付税の単位費用を改正し、あわせて、公営競技を行う地方団体の公営企業金融公庫に対する納付金制度を延長する等の必要があります。 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。第一は、地方交付税法の一部改正に関する事項であります。 まず、平成七年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に千八百十億円及び交付税特別会計借入金三兆三千三百九十九億円を加算した額から、同特別会計借入金利子支払い額四千三十三億円を控除した額とすることとしております。 また、平成十三年度から平成二十二年度までの地方交付税の総額につきましては、九千五百八十二億円を加算することとしております。 次に、平成七年度分の普通交付税の算定につきましては、自主的・主体的な地域づくりの推進等地域振興に要する経費、少子・高齢化に対応した福祉施策に要する経費、道路・街路・公園・下水道・社会福祉施設・清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、教職員定数の改善・義務教育施設の整備・私学助成の充実・生涯学習の推進等教育施策に要する経費、農山漁村対策・森林・山村対策に要する経費、自然環境の保全・廃棄物の減量化等快適な環境づくりに要する経費、地域社会における国際化・情報化への対応及び文化・スポーツの振興に要する経費、消防救急業務の充実等に要する経費並びに国民健康保険財政についてその安定化のための措置等に要する経費の財源等を措置することといたしております。 また、農山漁村地域の活性化に要する経費を措置することとし、平成十二年度までの措置として新たに農山漁村地域活性化対策費を設けるとともに、平成六年度の財源対策のための地方債の元利償還金及び個人住民税の特別減税等による平成六年度の減収を補てんするための地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入するため、財源対策債償還費及び減税補てん債償還費を設けることとしております。 さらに、基準財政収入額の算定方法について、平成七年度における道府県民税及び市町村民税の減税等による減収額を加算することとする特例を設けることとしております。 第二は、地方財政法の一部改正についてであります。 公営競技を施行する地方団体の公営企業金融公庫に対する納付金の納付期間を十年間延長することとしております。 以上が地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岩本久人君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 なお、地方税法の一部を改正する法律案に対する政府委員からの補足説明につきましては、理事会で協議いたしました結果、説明の聴取を行わず、本日の会議録に掲載することといたしました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山口哲夫君 大変古くて新しい問題だと思います地方交付税法の第六条の三の二について質問をしたいと思います。 地方財政は最近極度に困難な状態を迎えておりまして、平成六年度では三兆円の大幅な財源不足であります。七年度は何と四兆二千億円という過去最高の財源不足、起債の依存度もこれまた過去最高、そして債務負担行為、いわゆる隠れ借金と言われておりますけれども、翌年度以降の支出予定額が地方債残高に占める割合、これは過去十三年間で最高、金額にいたしますと何と約十五兆五千億、二五・四%、大変な状態でございます。こういう状況を憂慮いたしまして、次の質問をしたいと思います。 まず、自治省にお尋ねいたしますけれども、地方交付税法第六条の三の二の中に「引き続き」という文言がありますけれども、これは二年連続普通交付税総額が不足して三年目も不足する場合のことと私は解釈をいたします。また次に、「著しく異なる」、こういう文言がありますけれども、これは普通交付税総額の一割を超える財源不足のことというふうに解釈をいたしますけれども、よろしゅうございますか。
○政府委員(遠藤安彦君) 地方交付税法六条の三の第二項の解釈の問題については、過去に長い歴史があるわけでありますが、ただいま先生がおっしゃったとおりのように私どもも理解をいたしております。
○山口哲夫君 そういたしますと、自治大臣にお尋ねいたしますけれども、平成六年度普通交付税総額は十四兆五千七百十八億円、そして交付税の、不足総額が三兆六千三百六十九億円で、この「著しく異なる」、この率は約二五%、一〇%の倍以上であります。そして平成七年度、これは十六兆千五百二十九億円が普通交付税総額でして、それに対して交付税の不足総額が三兆三千三百九十九億円、これまた不足の率が約二二%、いずれもこれは一〇%を超えるわけでございますので、三年目も不足する場合ということになりますと、平成八年度も一〇%を超えるということになりますと、これはこの条項からいたしまして当然税率のアップを約束していただかなければならない、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 委員がただいま御指摘いただきましたように、普通交付税の総額のおおむね一割程度以上の財源不足が二年連続して生じるわけでございます。三年度以降も続くと見込まれる場合には、地方交付税法の六条の三の二項に該当することになるわけでございますので、地方行財政制度の改正または交付税率の変更を行うべきものとされておるところでございます。 現時点におきまして平成八年度の財政収支を見通すことは困難でございますので、いずれにいたしましても八年度の地方財政対策に当たっては、御指摘の交付税法の趣旨を踏まえつつ、地方財政の運営に支障が生じないように、地方税、地方交付税等の地方一般財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
○山口哲夫君 税法を読んでみますと、六条の三の二、要するに三年目も一〇%を超える場合には、地方財政もしくは地方行政に係る制度の改正または率の変更を行うものとすると。私どもはこれは当然率の変更でいくべきだと思うんですけれども、よく自治省、大蔵省の方々は、地方財政もしくは地方行政に係る制度の改正もあるので、必ずしも率の変更だけに絞られるわけではない、こういうふうにおっしゃるわけです。 たまたま、これは「地方交付税法の逐条解説」、今度東京都知事に出られる石原信雄さんが事務次官のとき、そこにお座りになっている遠藤財政局長が交付税課長のとき、お二人の共著で出されている本がありまして、それをコピーしてまいりましたら大変いいことを書いていました。「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」とは、「単年度限りの予算措置は制度の改正とはいえず」「構造的に生じている地方財源の過不足を解消できる程のものでなければならないというのが本来の趣旨と解する。」と。 ですから、単年度単年度で特例加算とかいろんなことをやって、悪い言葉で言えば小手先で単年度単年度をしのぐわけですけれども、法律の解釈からいけばそういうものではだめなんだ、構造的な問題をきちっと解決するようにしなければいけない、こういうふうになっているわけでございますので、当然そんな趣旨で、できれば率を改正するというような考え方でこれからも進めるというふうに解釈してよろしいですね。
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘のとおり、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」といった場合に、いろいろな中身が含まれると思います。地方税制の改正でありますとか、国庫補助負担制度の改正といったような根本的なものも含まれてまいると思います。 これについては、実は昭和五十二年度の地方交付税法の改正のときに、単年度限りの措置ということがここの六条の三に定める要件に該当するのかどうかということについて政府見解を求められまして、そのときの法制局の見解があるわけでございますけれども、ちょっと引用させていただきますと、ここにいう地方行財政制度の改正とは、いわゆる恒久的な制度の改正を予想しているようにも考えられるが、同項の規定のしぶりからも窺われるように、いかなる内容の地方行財政制度の改正を行うべきかについては、法律は広い解釈を許しているのであって、例えば経済情勢が変動期にあるため将来に向かっての的確な財政の見通しが予測し難い状況にあるような場合には、さしあたり当該年度の地方交付税の総額を増額する特例措置を講ずることもまた、ここにいう地方行財政制度の改正に該当するものと解される。という見解もあるわけでありまして、解説に言っておりますのは、御指摘のように、単年度限りで単に経費の節約を行うことによってつじつまを合わせる、そういったような対処の仕方では制度改正には当たらないだろう、こういうことを言っているのであります。 いずれにしましても、この六条の三の第二項というのは交付税法の非常に重要な規定であると私ども考えておりますし、その趣旨というのは重く考えなければいけない、そういう事態になったときには、先ほど自治大臣がお答え申し上げましたように、この制度の趣旨というものをよく考えながら地方財政対策を行っていかなきゃいけないというように思っております。
○山口哲夫君 そうすると、局長が交付税課長のときに書かれたこの解釈というのは、今の法制局の解釈からいくと随分甘い。甘いというか、我々にとっては大変結構な解釈だと思うんですけれども、若干食い違いがあるようですね。法制局の方は必ずしも長期を全部展望できなくても、経済的な変動とかそういうことがあるから単年度であっても税財政をきちっと改正して財源を確保すればいいこともあるんだというふうにも解釈できるわけですね、法制局は。しかし、あなたの方はもっとやっぱり構造的な問題として解決しなければだめなんだという長期的な展望を持っているので、私は法制局よりあなたの方の解釈が正しいというふうに考えるんです。 しかし、百歩譲って法制局の考え方に立ちましても、単年度単年度でそれを解決しようということで特例加算のようなことを随分今までやってきているんですけれども、しかしきょうは大蔵省もおいでいただいているんですけれども、この単年度で解決しようというこの特例措置、それを今までやってきておりますけれども、どうもそれすら実際には実現していない。だから、言葉は悪いけれども、大蔵省は信頼できないというのが地方自治体の関係者の大方の意見じゃないでしょうか。せっかく約束したやつが次の年になるとまた法を改正して約束を破るというようなことが何回も繰り返されているわけですね。 そこで、大蔵省にお尋ねいたしますけれども、本来、昭和五十九年度の交付税法の改正によるこの附則第三条、これによりますと、原則として借り入れは行わず、国と地方間で後年度に響かないようにするために特例措置を講ずることによって対処することとされている。「交付税の総額の安定的な確保に資するため必要な特例措置を講ずることとする。」、これが附則第三条の趣旨なわけですね。 ところが、にもかかわらず平成六年、七年度は借入金でもってやっているわけですね。加算してないわけですよ。特例加算をしないで借入金でやっているというのはこの法の精神に全く反すると思いますけれども、大蔵省、いかがでしょうか。
○説明員(三國谷勝範君) 昭和五十九年度におきまして、そのときの地方財政対策の改革におきまして、それまでの借入金残高累増の反省といったものに立ちましてそのときの一つの考え方ができ上がっているわけでございますけれども、平成六年度及び七年度につきましては、一つはいわば減税先行期間における所得税の減税による地方交付税の減収に相当するもの、これについての借り入れを行っているわけでございますが、これにつきましては、税制改革の中で償還財源が確保されているものでございまして、いわゆる歳入公債と言われているものの一部というぐあいに考えることが可能かと思います。 次に、減税による影響を除きました通常収支分につきましては、これは七年度の地方財政の状況を例に見ますと、税収の動向等によりまして御指摘のとおり四兆円を上回る財源不足といった大変厳しい状態にあること、このことにつきましては私どもも十分に承知しておるところでございます。 一方、これも国の財政事情ということになるわけでございますが、国の財政事情もまことに深刻な状況に立ち至っておりまして、例えば定率繰り入れでございますとか、あるいは決算調整資金の繰り戻し、こういったものもなかなか容易に実行できない、そういう大変に厳しい状況にあることも何とぞ御理解賜りたいと存ずる次第でございます。 こういった状況を踏まえまして、平成七年度の地方財政対策におきましては、建設地方債の活用などを行いますほか、地方交付税総額を確保するための手段といたしましては、満額というわけにはまいりませんでしたが、一般会計加算一千八百十億円を行いましたほか、交付税特会の借り入れ、これにもよらざるを得なかったわけでございます。六年度であれば約一兆六千七百四十七億円、七年度であれば二兆九百七十億円を行っているわけでございます。 この借入金の措置は、こういった国、地方を通じますまことに厳しい財政事情の中で地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう行った措置でございまして、いろいろこのような厳しい財政事情の中でまことにやむを得ざる措置であるという形で御理解いただければと思う次第でございます。
○山口哲夫君 法律というのは一たん決めたらそう簡単に変えるものではないと思いますよ。これは自治体側からいたしますと、今度法律でこういうふうに新しい法律改正したということになれば、来年度は間違いなく借金しなくても国の方としては当然加算をしてくれる、地方財政もこれで何とか安定できると、国全体として地方の財政を考えてくれたというように考えますよ、自治体は。そう思っていたら、今度は翌年になったらまたすぐ改正してしまう。そしてまたその次になってまた改正する。これは法律なんというものじゃないですね。 次の質問をしようと思ったら先にお答えになっちゃったので私の考えていることだけ申し上げますけれども、七年度なんかはもっとひどいですよね。この附則第四条によりますと、平成七年度には三千九百七十五億円を加算するときちっと書いているんですね。これは法律ですよ。法律で書いている。ところが、今お答えになったように、この中で、千八百十億円よりことしは交付税の算定基礎を見ておりますと予算化していないんですね。そうすると、その差額二千百六十五億円はどこへ行ってしまったのかなといったら、結局これは後年度に繰り延べということになるわけですね。 それで、さらに大蔵大臣と自治大臣との覚書があるんですけれども、見えなくなってしまった二千百六十五億円及び平成七年度の自治大臣、大蔵大臣の覚書に基づく加算額七千四百十七億円、これは当然来年度、七年度に加算しなきゃならないことを覚書で約束しているんですよ。それが今度は平成十三年度から二十二年度までの各年度分の地方交付税の総額に加算をするというふうに改正をしてしまう。七年度にこれだけ、七千億、両方足すと九千億くらいになりますか、そういうものを加算するという約束をしておきながら、それを簡単に今度は平成十三年度からにするというのですから、これじゃ大蔵大臣と自治大垣が拘束したことは一体何だったのかということになりますよね。とてもこれじゃ大蔵省を信用することはできないですよ。幾ら国家財政だって苦しいんですからと言ったって、法律は法律なんですから、やっぱり何らかの対策を講じてもらわなければいけないと思うわけです。 そこで、もう一つだけ質問しておきますけれども、借入金に対する利子、これは必ず加算をしますという約束されていますよね。これも破られるのではないかなというふうに不安になってくるわけです、こんなことまで。これは絶対、利子は加算を間違いなくいたしますという約束はできますか。
○説明員(三國谷勝範君) いわゆる減税以外の通常収支分に係ります交付税特会借入金の利子相当額につきましては、各年度の大蔵、自治両大臣の覚書によりまして、その発生年度において一般会計より交付税特会に繰り入れるという形で覚書をさせていただいているわけでございます。 今般、七年度に繰り延べましたことにつきましては、これは法定加算として規定しているところでございまして、私どももそのことにつきましては法定という形で規定させていただいているところでございます。
○山口哲夫君 今までの経過から申しますと、法的には平成八年度は当然これは交付税率を上げてもらわなければならない、私はそう考えますけれども、たまたま昨年税制改革が出されまして、それを平成九年度から具体化しよう、こういうことにもなっております。したがいまして、来年度はこれは地方分権ということもありますし、今国会で恐らく通ると思いますし、そういうことを考えたときに、来年度、平成八年度は地方税財政については、これはもう相当根本的な改革というものを議論する、腹を据えて議論をするというときが来るのではないだろうか、こういうふうに私は思うわけです。 どうかひとつそういう意味で、地方分権の流れを踏まえて地方税財源を強化するという立場で地方財政対策を真剣にひとつ考えてもらいたい。大蔵省と自治大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 委員が今御指摘になりましたように、地方分権の推進をしていきますためには、その裏づけとなる地方税財源の充実が喫緊の要務でございます。今、提案を申し上げております地方分権推進法案におきましても、地方公共団体が事務事業を自主的・主体的に執行できるよう、国と地方との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図るものとされておるところでございます。 また、先般の先ほど御指摘ございました税制改革におきましては、地方分権の推進、地域福祉の充実等のために地方税源の充実を図ることといたしまして、平成九年度から消費譲与税にかえまして地方消費税を創設するとともに、あわせて消費税に係る交付税率を引き上げることとしたわけでございます。さらに、地方消費税の税率につきましては、社会福祉等に要する財源や地方財政の状況等を総合的に勘案いたしまして、必要があると認められるときには平成八年九月末までに所要の措置を講ずるものとされておるところでございます。 現時点におきまして、先ほども申し上げましたとおり、平成八年度や九年度の財政収支を見通しますことは大変困難でございますけれども、いずれにいたしましても地方分権の理念や交付税法の趣旨を踏まえまして、委員が御指摘になりましたように、明年度は地方税財政全般を通じて地方税、交付税等を腹を据えて地方税財源の確保のために私どもも真剣に考えてまいらなくてはならない時期であると認識をいたしております。
○説明員(三國谷勝範君) ここ数年、国及び地方を通じまして大変に厳しい財政状況が続いておるわけでございます。平成八年度以降の財政収支につきまして現段階で確たることを申し述べることは困難でございますが、国と地方は公経済を担う車の両輪でございます。両者がバランスのとれた運営を行っていくことが必要ではないかと思いますが、今ほど自治大臣から御答弁がございましたように、先般の税制改革におきましては消費譲与税にかえまして地方消費税が創設されまして、また消費税に係ります交付税率が二四%から二九・五%に引き上げられ、これは平成九年度から実施されることになっているところでございます。 先ほども申し上げましたとおり、平成八年度以降の財政収支を見通すことは困難でございますが、毎年度の地方財政対策におきましては、円滑な地方財政運営のための地方交付税総額を確保しつつ、国と地方の財政事情等を総合的に検討しながら適切な対処をしてまいりたいと考えております。
○山口哲夫君 地方分権時代が間近にやってまいるわけですけれども、財政が確立されていなければなかなかいい仕事はできませんのでぜひひとつ、そういうときが、今、目の前にあるわけですから、真剣にひとつ財政の確立を図るように、小手先で地方財政をやるようなことのないように特に強く要請をしておきたいと思います。 さて次に、地方交付税の特別会計直入の問題について質問をいたします。 前の地方行政委員会で私の方から質問をいたしまして御答弁をいただいたんですけれども、時間がなくてこれ以上詰めることができませんでした。 要するに、地方自治体の立場からするならば交付税の財源というものは特別会計に直入をするべきだ、そういう気持ちを持っておりますし、自治省としてもそれは悲願ですという答弁もされているわけです。ただ、それをやる場合には、第一回目の四月の交付税の配分のときに財源が足りないということにもなるので、借り入れをしてでもやらなければいけないのでないかというような質問をいたしましたら、財政局長は、これは「地方団体全体が総体としてそういうことで一年目は我慢をするというような合意が成り立ては私はできる問題ではないかというように思っています。」と。要するに、借り入れをしてでも四月分は交付をする、その借り入れをすること自体を各自治体が納得してくれるのであればそういう手法もとることができるのではないかというお答えだというふうに解釈したんです。 それでは、四月時点で一体どのくらいの借り入れをしなければならないかということを試算したことがあるかどうか、それからまた借り入れするとすればどういう方法を考えているのか、そのことについてお聞きしたいと思います。
○政府委員(遠藤安彦君) 私どもとしては、交付税特別会計への交付税の直入というのは、やはり地方交付税の性格からいって地方団体共有の固有財源であるという性格をより一層明らかにするという意味から悲願という言葉を使っているわけでありまして、毎年折衝はしておるわけでありますが、これまで実現できていないということであります。 ただいま御質問がございましたが、仮に直入制度になった場合に、確かに四月については交付税の財源がないわけでありますから、今の制度のように普通交付税を四月、六月、九月、十一月というようにやや前倒しで、実際に直入されてくる額よりも前倒しに交付時期を設定できるかどうかということは、これはひとつ交付時期を再検討しなければいけないだろうと思います。 仮に四月に交付をするということになりますと、直入された額が今のところゼロでございますからその分を借り入れなければいけないわけでありますが、平成七年度の普通交付税が大体十五兆一千八百億ほどでございますからその四分の一に相当いたします約三兆八千億円程度が四月の交付額ということになりますので、その部分を交付税特別会計の中で一時的に借り入れるということになります。そうしますと、その一時借入金の利子というものが交付税全体の財源の中から引かれるということになろうと思います。したがって、交付税全体で利子負担をしないということであれば各地方団体で資金手当てをする、そのうち倍入金の利子については地方財政計画に計上をして全体として財源のバランスをとれるように保障していくという方法、どちらかになろうかというように思います。 これはあくまでも仮定の話で、私どもそこまで詰め切ったわけではありませんけれども、頭の中で考えればそういうようなお答えができようかと思います。
○山口哲夫君 そういうことを自治体側と話し合いをしたことはないでしょう。ありますか。
○政府委員(遠藤安彦君) 話し合いといいますか、地方六団体を中心に交付税の特別会計への直入というのは自治体の方からも要請が来ている話でございまして、私どもそういったことは、先生の御質問の趣旨というものは当然前提としてあるとお互いに理解をしているというように思っておりますし、地方団体の代表者が入っております地方制度調査会の答申の中にもやはりこの直入論というものは書いてあるわけでありまして、それを書く場合には委員の皆様方がそういったことは当然起こり得るということが前提になっている議論というように私どもは理解いたしております。
○山口哲夫君 次の問題もありますので余り長く時間をかけられませんが、ただ自治大臣は前のときに、ぜひそういうことを実現するように努力をしたい、大蔵大臣ともよく折衝したいという決意を述べておられるんですけれども、それでは具体的に自治体側とどこまで話し合っているのかなと思えば、余り突っ込んだ議論はしていないようなので、本当にどこまでやる気があるのかなという疑問を持たざるを得ない点もあるわけなんです。これはやっぱりよく話し合いをして、できるだけ自治体側に利子の負担を、面倒をかけさせないような形できちっとした方針を自治体側と話して確立をして、大蔵省と真剣に話し合いをして一日も早くこれが実現するように努力していただくことを強く要請しておきたいと思います。 消防問題についてよろしゅうございますか。 交付税法に関連をいたしまして、消防力の整備状況について質問いたします。 それぞれの地域住民は自分の自治体の消防力がどの程度整備されているかということがほとんど知らされておりません。これは地域防災対策からも県、政令指定都市、市、町村ごとくらいには消防力の基準に照らした充足率というものをやっぱり公表しておくべきじゃないかというように思いますけれども、時間がありませんから簡単に現在の充足率をお知らせください。
○政府委員(滝実君) 最近の充足率を数字で申し上げますと、消防ポンプ自動車が八八・七%、救急自動車が九九・六、はしご自動車が六三・八、こういうような充足率の状況になっております。
○山口哲夫君 これを見ますと、一番基本の消防力になる消防ポンプ自動車が八八・七、それから今度の震災で特に必要だったなというふうに思われる救助工作車、これが物すごく低いですね。五七%しかない。それから消防水利、例えば防火水槽とか消火栓とか井戸とか、これもやっぱり大火災にはなくてはならないもの、それも非常に低い。七六・七%。そして、そういうものを操作する消防職員、七〇・六%。一応これは交付税の単位費用ではこの基準どおりに書かれているわけですね。そしてそれなりの財政措置を講じているわけですけれども、実際に自治体にいくとこんなに低いというのが実態なわけであります。 今度の震災からいきますと、こういうものはやっぱり一日も早く整備して一〇〇%達成しておかなければならない問題だと思うんですけれども、どうしてこんなに低いんでしょうね。消防庁として理由はどう考えますか。
○政府委員(滝実君) 低い理由は、特にはしご章あるいは救助工作車等御指摘をいただきましたけれども、基本的には救助工作車の数値による基準は昭和六十年代に入って定めたものでございますので、そういう意味では年次を追って整備の状況がややおくれている、こういう結果でございます。 ただ、基本的にやはりはしご車あるいは救助工作車、いずれにいたしましてもこういう特殊車両につきましてはどうも使用頻度が低いということもございますし、またその割には非常に高価なものである、こういうようなことから充足率がどうしてもこういう特殊車両についてはおくれをとっている、こういう状況でございます。 私どもとしては、こういうのはやはり現今の社会情勢からすれば緊急の問題でございますので、そういう意味ではなるべく速やかに整備する、こういう方針で臨んでまいりたいと存じております。
○山口哲夫君 今度の震災でこういう消防力こそ何をおいても充実しておかなければ市民の生命を守るということにならないので、これはやっぱり自治体側としてもそれなりの努力をしていかなければならない。どちらかといえばこういうものというのは余り目に見えませんから、どうしても目に見える政策を先にやりたいという感情というのはこれはあると思うんですけれども、それだけにこれはやっぱり努力をしていかなきゃならない問題なので、ぜひひとつ消防庁としても、こういったいかに低いかということを国民にわかるように数字を公表し、そして各自治体に対しても積極的にひとつ働きかけて、一日も早い充足ができるように努力をしていただきたい、こう思います。 次に、自治体の地域防災計画の問題でございますけれども、資料をいただきますと、震災対策が特別にきちっと防災計画の中に盛られているのが全国で四百六十九団体、それから火災、水災など他の災害と同列に扱って節などで記載しているのが千七百八十九、その他の災害に含めて記載しているのが二百八十。そうすると、何にも震災対策がないというのが七百二十もあるわけですね。 それで、地震が一切ないというところがあるのかなと思って消防庁に聞いたら、そんなところは日本じゅうありませんと。日本じゅうはどこでも地震ということをやっぱり頭に置いて防災計画を立てなきゃだめなんだと。そうすると、七百二十も震災対策がないということはこれは大変なことなので、やっぱり一日も早く自治体が地域防災計画をきちっと立てられるようにこれは消防の方としてもよく努力をしていただかなきゃならない点ではないかなというように思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(滝実君) 今の御指摘の状況は、私どももそういうようなことで、できるだけ震災についてはやはり特段の考慮を防災計画の中ですべきであろうというふうに考えております。 やはり地震というのは、その被害が非常に突発的である、あるいは広範囲に広がる、こういう極めて災害としては大きな特徴を持っておるわけでございますので、そういう意味でこの防災計画の中には特に地震の問題を取り上げる必要性を私どもも十分考えて、今後ともそういうようなことをしてまいりたいと思っております。
○山口哲夫君 昭和五十八年七月二十一日に消防庁の方から各知事に通知が出ておりまして、震災対策については他の災害と区分をして震災対策に関する総合的な計画を策定してほしいと、こういうふうに言っているんですけれども、それでもまだ千を超える約二千近いところが独立した震災対策というものを持っていないということなので、今度の大震災を教訓にしてひとつ一日も早く各自治体が震災対策の特別な計画を立てられるように努力をしていただきたいと思います。 そこで、防災計画の達成のためにはやっぱり財政計画というのが相当必要になってくるんじゃないかというふうに思います。そのために、ぜひこれは地方財政計画の中に短期でこういったものがきちっと確立されるように一つの項目を立てて財政計画を立ててみたらいかがだろうか。 例えば、きょう報告がありましたように山村・森林対策とか、いろいろと大きな項目を立てて財政計画をつくりましたですよね。それと同じように、今度の震災を考えたときに、非常に急を要する問題だけに短い期間で実現できるような財政計画の一つの大きな柱にしてこれをひとつ検討していただきたい、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、今回の大震災の教訓を踏まえまして、所要の財源の確保を十分やっていかなくてはならないということはもう委員御指摘のとおりでございます。 したがいまして、いわゆる財源を確保するために地方財政計画の中で位置づけをするようにという御意見はごもっともでございます。その位置づけの検討、さらに今後の地方財政計画の策定を通じまして、十分今回の震災の教訓が生かされるように対処してまいりたいと存じております。
○山口哲夫君 あと一分くらいしかないので急ぎますけれども、建設省にお願いしたいんですが、今回の震災の経験からいきまして、水道、ガス、電気などのいわゆるライフラインの被害が大変大きかった。地下の被害というのは割合少ないですね。ないわけじゃないけれども、割合少ない。 そういうことからいくと、今回、国会に電線共同溝の整備等に関する特別措置法案を出していますけれども、電線だけではなくして、やっぱり水道、ガス、電気などを入れた共同溝というものが非常に私は大事になってくるであろうと。大変なお金がかかりますから自治体としても大変ですけれども、しかしもう既に着実に進めてはいるわけですから、建設省としても補助金をつけて。それで、震度五以上の地域防災計画を持っている自治体から共同溝の申請があった場合にはそれを優先的に扱うということがやっぱり必要ではないかというふうに思います。これが一つ。 それから、この間参考人のお話を聞きましたら、関東大震災の後、小学校の隣に公園を建設するべきであるということが決められていたんだそうでございます。それは、要するに避難所の隣にオープンスペースを確保するということが非常に大事だと。これは確かに今度の経験からいってもそう思いますので、これは防災計画の中にこういうこともやっぱり織り込んでいくような検討をする必要があるだろうというように思いますけれども、消防庁、いかがでしょうか。
○説明員(辻靖三君) 上下水道やガス、電力、電話等のライフラインを道路の地下にまとめて収容する共同溝につきましては、昭和三十八年度から大都市への幹線道路等を対象に、全国で二十二都道府県、四十八市町において約三百三十キロ整備してきてございます。 共同溝につきまして、今回の大地震による被害状況につきましては詳細にまだ調査中でございますが、現在の保ところでは構造に特段の被害がなかったと聞いておりまして、一定の耐震性を有していると考えております。 今回の震災の状況にかんがみまして、災害に強く安全で快適な町づくりのためには、都市におけるライフラインの確保は非常に重要な課題でありますので、共同溝の整備を計画的また重点的に推進していく必要があると考えております。 地方自治体が防災上の観点からこの共同溝事業につきましても行おうとする場合には、補助事業として積極的に支援してまいりたいと考えでございます。
○政府委員(滝実君) 関東大震災の際に、東京市の中で焼けた小学校が大体百ぐらいあったわけでございますけれども、その百ぐらいの小学校を建て直す際に、学校の運動場と一体的に公園をつくって、それでもって建て直す、こういう計画があったようでございます。 結果的には、財政上の理由で五十二校の公園に縮小されたのでございますけれども、要するに運動場を広くとるか、あるいは公園と一体として付近の住民も使えるような格好で初めからセットするか、こういう考え方というのは大変ユニークな構想でございますし、現実にこの近辺でも例えば神田の佐久間小学校、月島第二小学校あるいは浅草小学校、これは現在でも学校の隣に公園が現存して残っております。 そういう意味では、学校と地域のそういうような一般に使えるものとを込みでつくり出すというのは大変貴重な考え方だろうと思いますけれども、私どももそれについては十分検討してまいりたいと存じております。
○岩崎昭弥君 私は、納税者番号制度の関係からお尋ねをしたいと思うんです。 新聞によりますと、自治省は去る一日、住民基本台帳を利用して全国民に生涯不変の十けたの個人番号をつけ、氏名、住所、性別、生年月日の四情報とともに、国と自治体がコンピューターで一元管理をする住民基本台帳番号制度を早ければ九八年度にも導入する方向で検討をしているというふうに伝えておりますが、それはそういうふうに理解して間違いないかということであります。 これは、行政局長の私的研究会がまとめた住民番号制度の中間報告を踏まえたもので、自治省は六月の最終報告を待って、住民基本台帳法の改正やシステム開発に着手する予定と聞いておりますが、既にその体制になっているかどうかということであります。 今日のような高度情報化社会では、住民の番号制度はそれにつながる個人情報をさまざまな行政分野で共通利用し、行政の合理化、効率化を図ることが目的であることは言うまでもありませんが、プライバシー保護の面から議論を呼びそうでありますので、その点の配慮と対応はどのように講ずるのか。また、自治省はこの住民番号制度の早期導入を図りたいという意向でありますが、導入の時期はいつごろになるのか。 以上、承りたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) 今、お話がございました住民基本台帳に基づく番号制度の問題でございますが、これは先般、住民基本台帳の番号に関する研究会の方から中間報告があったものでございます。 この研究会の方は、今回は中間報告でございまして、研究会におきます検討は今年度だけではなくて来年度においても引き続き行うことにしているところでございます。 この番号制度の導入につきましては、中間報告にも指摘されているところでございますが、データの管理や個人情報の保護等、なお検討しなければならない問題がございます。また、住民の理解を得るということも大変重要なことでございますので、引き続き検討を重ねていく必要があると考えているところでございます。 したがいまして、住民基本台帳法の改正でございますとか、あるいはシステム開発に着手するための体制については研究会の最終的な結論が得られた後に検討をすべき事柄であるというふうに考えております。 それから、プライバシーの保護の問題でございます。 これは研究会の中間報告におきましても、番号制を導入した場合には、このプライバシー保護の問題についてデータの管理や個人情報の保護等の問題点を指摘しているわけでございますが、さらにこれを検討する必要があるというふうに述べておられるところでございます。今後、研究会におきまして具体的なプライバシーの保護措置を中心に引き続き検討をしていただきたいと考えているものでございます。 導入の時期はいつかというようなことでございますが、今申しましたように、今回はあくまで中間報告というものでございます。この中間報告をもとにさまざまな御意見もこれから承りまして、それを踏まえて引き続き研究会で検討を続けていただく予定でございます。 住民基本台帳番号制度を導入しようとすれば、やはり今後の状況によりますが、技術面の検討でございますとかあるいは法制面での検討ということもまだございますので、なお三、四年程度は必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○岩崎昭弥君 中間報告は、まずコンピューターを活用した行政の高度情報化を進めるには市町村の区域を越えて的確、効率的に個人を識別できるすべての住民を対象とした統一的な番号制度が必要だと指摘をしておりますし、その番号制度は住民の記録を正確に把握している住民基本台帳をもとに構築するのが適当と提言をしているのであります。 番号制度の概要としては、一、住民基本台帳に記録されている全国民に生涯一つの全国的に重複しない番号をつける。二、番号は住民票の記載事項として市町村が住民に付す。三、付番の正確性確保のため、氏名、住所、性別、生年月日の四情報を番号とともに国、県のセンターに集め、チェックする。四、番号に係る情報には適切な保護措置を行う。五、プライバシー保護に十分配慮し、必要な範囲内でセンターを窓口にして他の行政分野へ番号に係る情報を提供する。六、市町村が番号カードを住民に交付する、の六項目を挙げております。 番号制度の活用については、市町村と国、県のセンターをオンラインで結ぶことで高度な人口統計など政策形成の貴重な資料が得られるほか、住所移転に伴う手続の簡素化や遠隔地での住民票の写しの発行など、さまざまな行政サービスの効率化、高度化、広域化が可能になると強調しているのであります。例えば、災害で市町村の住民基本台帳が被害を受けた場合でも、バックアップの機能は即座に果たせるでしょうから危機管理の側面も持つわけであります。 消費税率引き上げを決めた税制改革で納税者番号制度は、これを採用せよという意見があったんですが、不公平税制を解消するキーワードのように思われました。すなわち、公平性を確保するためには納税者番号は高度情報化時代の共同溝であり、いわばキーワードとなるわけであります。 問題点は社会的条件が日本で熟しているかどうかということであります。この点、自治省は十分な地方の理解を取りつけて、市町村とともに問題点への対応をきちんと示すことで国民の理解を求めるべきだと私は思うんですが、自治省の見解を承りたいのであります。
○政府委員(吉田弘正君) 先ほども申しましたように、今回、研究会の方から中間報告をいただきました。この中間報告においてもプライバシーの保護措置などの問題点があるということは指摘されておりまして、その導入については住民の方々の理解を得るということが重要でございますから研究会においてもできる限り幅広い議論をし、検討を進めていきたいというふうに考えているわけでございます。 今回この中間報告は、研究会において番号制度の概要がある程度まとまったということでこれを公にして、これに対する地方団体も含めて幅広い各方面からのさまざまな御意見もいただきながら、それを十分踏まえながら研究会においても引き続き検討をしていただけるということで、私どもその研究会の結論を待ちながら慎重な対応をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○岩崎昭弥君 さまざまな議論のあるところですから、国民の十分なコンセンサスをとりながらやっていただきたいと思います。 次に、ふるさと寄附金についてお尋ねをいたします。自治省では平成五年度から第二次ふるさとづくりを推進しておりますが、その一環として平成五年度に都道府県、市町村に対する寄附金について個人住民税にふるさと寄附金控除制度を創設し、住民の自主的な参加によるふるさとづくりと個性的な地域づくりの一層の推進を図るとして実施をされました。これは、寄附金の合計が十万円を超える場合について、その十万円超の部分を控除して課税標準を算出するのでありまして、所得の二五%が限度になっているようであります。 平成五年度におけるふるさと寄附金の状況をお聞きしますと、平成五年度に寄附した人の総数が三万五千三百四十二人で、対前年比四〇・一%の増のようであります。また、平成五年度の寄附金の総額は九十九億九千四百万円で、前年度に比較しますと一一・四%の増で大変いい傾向にあるように思われます。 このように、平成五年度はバブル経済崩壊後の景気低迷があったにもかかわらず、寄附金をした人、類とも前年よりはるかに増加しておりまして、ふるさと寄附金控除制度の創設が住民の地域づくりの関心を高めつつある一つの要素になっているというふうに思われるわけでございます。 そこで、このふるさと寄附金控除制度はどのように利用されているか、自治省で把握されている範囲内でお答えを願いたいと思います。
○政府委員(二橋正弘君) お話しのございましたふるさと寄附金控除制度は、ただいま委員御指摘のように、平成五年度に創設されたものでございまして、私どもの方で調査いたしましたその活用の状況は、今お触れになりましたような人数、金額とも平成五年度は平成四年度に比べまして相当大幅な増加になっておりまして、五年度が景気低迷期であったということを考え合わせますと相当な関心を呼んだことであろうと思います。 各県それぞれいろいろPRに努めておると思いますけれども、先ほど挙げられました数字の九十九億のうち大半は市町村向けの寄附金でございまして、やはり身近な地方団体に対する寄附という面での活用が目立っておるようでございます。 私どもといたしましては、なお一層この制度のPRに努めて、さらにこの制度が広く活用されますように努めてまいりたいというふうに考えております。
○岩崎昭弥君 おっしゃるように、十分国も地方もPRして頑張っていただきたいと思います。 次に、今後の地方法人課税のあり方についてお尋ねをしたいと思います。 道府県税におきます法人関係税収入の変化が大きいのは御承知のとおりであります。ここに言う法人関係税は法人道府県税と法人事業税のことであります。 まず、法人関係税の平成四年度における収入割合は、国税が二四・四%に対して道府県税では四二%、市町村税では一三・九%です。道府県税における法人関係税の占める割合は全税収の四〇%以上で極めて大きいのであります。また、この税収の道府県税における年次別の構成比を見ますと、その年の景気動向による変化が大きいのが特徴でございます。 ちなみに、昭和六十一年度は四三・八%、六十二年度が四六・六%、六十三年が四八・七%、平成元年は、バブル経済のときですが、五〇・七%です。二年度が四六・七%、四年度が四二%と、こう下がっております。数字はすべて決算額です。実はこの法人関係税の収入の変化に苦慮しているのが道府県です。まず、収入見積もりが大変でありますし、税収の落ち込むときの対策についても大変苦労しているのであります。これは御承知のとおりです。 こうした事情から、一方で事業税の外形標準課税の導入についても過去何回か検討された経緯があります。 その二、三を紹介しますと、御承知でありますが、昭和五十二年十一月には全国知事会が法人事業税の外形課税の実施に関する報告をいたしております。また、昭和六十二年の四月は、税制改革の中間答申で、消費税の導入に際し、事業税の外形標準課税導入の問題については今後別途検討する必要があると言っているのであります。平成五年の十一月には、今後め税制のあり方についての答申で、事業税の外形標準課税を導入する問題については応益課税としての事業の性格、道府県の税収の安定的確保、赤字法人に対する課税の適正化の観点から引き続き検討が必要と指摘をいたしております。 以上の経緯を見ても、法人事業関係税については外形標準課税を導入する時期ではないかと考えるのであります。 ただし、一つには我が国経済の国際化が進展していること、ひいては経済の空洞化を来さないための配慮が必要であること、二つに安定成長下においても企業の活力を維持する必要があることを考慮した上で、課税ベースを拡大しつつ税率は引き下げるという基本的方向を目指すべきだと私は思うのでありますが、これは答申にもありますが、自治大臣の所見を承りたいと思います。 以上です。
○国務大臣(野中広務君) 安定的な地方の自主財源を確保するために、ただいま委員から御指摘がございましたように、事業税の外形標準課税を速やかに導入をするべきである、その際にはいわゆる課税ベースを拡大しながら税率を下げるということも配慮をしていかなくてはならないということはお説のとおりでございます。この方向に沿ったいわゆる法人所得課税のあり方全体の中で今後積極的に検討をしなければならない課題であると存じております。
○岩崎昭弥君 地方は本当にこのことについて強い関心を持っておりますので、自治省としては前向きで真剣に御検討をいただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。 以上です。
○委員長(岩本久人君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩といたします。 午前十一時五十四分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(岩本久人君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○釘宮磐君 地方財政が大変厳しい状況になっております。これは午前中の議論の中にもあったわけでありますけれども、昨年、史上最大の財源不足というふうに言われたわけでありますが、ことしはさらにそれを上回る財源不足が起こっております。 まず、この現状をどのように認識しておられるのか、大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) ただいま委員からも御指摘がございましたように、地方財政を取り巻く環境はまことに厳しいものがございます。 一つには、地方税あるいは地方交付税の伸び悩みがあることが第一でございます。さらに、所得税、住民税の制度減税及び特別減税が実施をされましたこと、明年度から地方財政はそういう点で大幅な財源不足の状況に置かれて厳しさはさらに加わってくるわけでございまして、平成七年度の未見込みで百十六兆円を超える多額の借入金残高を抱える見込みとなってきておる次第でございます。 一方で、公共投資基本計画等の考え方に沿いまして、住民に身近な社会資本の整備、あるいは少子・高齢化に対応いたしました福祉施策の充実、さらには自主的・主体的な活力ある地域づくり等々現下の重要な政策課題が山積をしており、これを強力に推進していかなければならないという側面を持っておるわけでございます。 地方公共団体が担うべき役割は財政需要とともに非常に大きなものがあるわけでございます。したがいまして、そういう両面を持った状況の中から地方財政は、委員が御指摘になりましたように、まことに厳しい状況であると私どもも認識をしておる次第であります。
○釘宮磐君 認識をしていただいておるだけではこれはらちが明かないわけでありまして、まずこういった状況を踏まえて、今後どういうふうに財政運営というものをなさっていかれるおつもりなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 一つには、先般の税制改革におきましては、地方分権の推進あるいは地域福祉の充実等のために地方税源の充実を図ることといたしまして、平成九年度から、先ほどお話がございましたように、消費譲与税にかえまして地方消費税を創設するとともに、これにかかわる交付税率を引き上げることとしたところであります。 また、現在国会で鋭意御審議をいただいております地方分権推進法案におきましても、地方公共団体が事務事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方の役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図ることとされておるところでございます。 いずれにいたしましても、地方団体が地域の総合行政を主体的に担っていきますためには、住民の多様なニーズに適切に対応しながら円滑な行財政運営を行っていくために地方税、地方交付税などの地方一般財源の確保が極めて重要でございまして、今後とも毎年度の地方財政計画の策定を通じましてその確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○釘宮磐君 今、行財政改革さらには地方消費税の導入というようなことが今後の財政改革の中で重要であるというような話と受けとめたわけであります。 そこで、先般、昨年の暮れの税制改革においていわゆる地方消費税が導入され、税率がひとまず一%と定められました。その際に、附則の検討条項というものが設けられております。それを読みますと、第十二条に「地方消費税の税率については、社会福祉等に要する費用の財源を確保する観点、地方の行財政改革の推進状況、非課税等特別措置等に係る課税の適正化の状況、地方財政の状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとする。」というふうに定められております。 これは私どもがあの税制改革論議のときに指摘をした、このままでは必ず行き詰まる、この際抜本的な改革をすべきだということを申し上げたわけでありますけれども、結果的には先送ったような形になったわけであります。 私は、この中にうたわれております非課税等特別措置等に係る課税の適正化の状況という部分で、今回税制改正の焦点の一つになっている国税の租税特別措置、地方税の非課税措置の見直し問題についてお伺いしたいと思うんです。 特に、先般の税制改革の際に野中自治大臣は、ここに議事録があるんですが、私はやはりここにおいて新たなる税の負担を求める場合に、現在の租税特別措置あるいは非課税措置を含む現行制度の大胆な見直しをしないと、これは補助金にもまさる有利性のある制度であります、そういうところを認識して見直しを根本的にやって、なお行財政改革を行い、その上に立って国民に新たなる負担を求めていくという姿勢は現在の政権において貫かれなくてはなりませんこのように強い決意を込めて答弁をされております。 また、自治省において電力・ガス会社に対する固定資産税の軽減措置、民間企業が設置する公害防止施設への固定資産税の非課税措置等の見直しを検討しており、これらの措置の撤廃によって一千三百億円程度の増収が見込まれるとの新聞報道が当時なされていました。 そこで、今回の年度改正においていかなる方針で非課税等特別措置の見直しを行ったのか、具体的にどの程度の整理合理化が行われたのか、またその結果増収はどの程度図られたのか、まず自治省の説明を求めたいと思います。
○政府委員(佐野徹治君) 地方税におきます非課税等の特別措置につきましては、私ども絶えず整理合理化を図っていかなければならないと、このように考えております。 平成七年度の改正におきましては、具体的に申しますと、例えば厚生年金基金等に係る生命保険会社の収入保険料に係る特例だとか、日本電気計器検定所、日本消防検定協会、小型船舶検査機構、軽自動車検査協会、これらに対します特例の見直しなど非課税等の特別措置の積極的な見直しに取り組んだところでございます。 その結果、平成七年度の税制改正におきましては、廃止が二十二件、縮減が四十件、合計六十二件の廃止縮減を行うことといたしております。一方で、非課税等特別措置の新設拡充につきましては合計十四件にとどまっております。これに伴いまして、税収でございますけれども、平年度ベースでは約八億円程度の増収となっておりますが、なお住民税だとか事業税におきます国税の租税特別措置の影響によります増収額は約百八十四億円程度となっておるところでございます。
○釘宮磐君 今回のいわゆる税源不足といいますか、このことを考えたときに、八億円という数字が一体どの程度の割合になるのかというのは私はあえて申しませんけれども、私は、前回の税制改革の際にあれだけ強調された問題が全く実現されていない、これは責任政党として極めて無責任である、このように言わざるを得ない、このように思うわけでございます。 大臣が、さきの二十一日の衆議院の地方行政委員会の田中委員の質問に対して、こういうふうに答えているんですね。「今回の見直しは、これらの経過を踏まえまして大変評価できるものであると考えております。」と。特例措置に係る課税の適正化が今回織り込まれたということで大変評価できるというようなことを述べておられます。 ただ、その後に、多分これは大臣が少し良心の呵責があるんだと思うんですが、「私個人は、まだ積み残した部分があったと一面思っておる次第でございます。」、こういう答弁をなさっておられますね。これについて、今回の見直しに対する大臣の認識について再度お伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 非課税等特別措置の見直しにつきましては、先ほど委員が御指摘のように、私の答弁いたしました気持ちは今も変わっておりません。けれども、結果として十分それを達しなかったことは私自身ざんきにたえない次第でございます。 一方、政策課題としてこのたびは固定資産税の高い評価に国民から強い問題点が指摘をされる中で、それぞれ与野党を挙げて固定資産税の適正課税のあり方について大きな政策的減税を行うべきであるという要請も出てきたわけでございます。トータルとして増収を得る結果に結ばなかったわけでございますけれども、私どもはなお今後国税、地方税を通じてこの租税特別措置のあり方につきましては大胆に見直していく姿勢を貫いていかなくてはならないと考えておる次第でございます。
○釘宮磐君 この非課税特例措置の見直しは単なる特例措置の検討の問題ではなく、この問題が地方消費税のあり方とリンクしておる、よってこの結果が今後の地方税財政に対して大きな影響を持つ問題であるということを指摘しておきたいと思います。しかしながら、今回の件で業界からの反発もあったというふうに思うわけでありますが、今回の見直しは実質的に私は何らの効果も生んでいないというふうに思うわけであります。 ところで、この附則の中に地方の行財政改革の推進状況、これもやはり同じく検討の項目に入っているわけでありますけれども、地方行革というものが現在どのように進んでいるのか、国の特殊法人の見直しも実際には何かどうも先延ばしになったような嫌いがあるわけですが、地方の公社などの外郭団体の見直しは具体的にどの程度進んでいるのか、このことについてちょっとお伺いをしたいと思います。 特に、このままでは実質的には消費税率の引き上げがもう避けられない、そういうふうなことを危惧するわけでありますが、先般の税制改革自体の合理性すら疑念が生じてくる可能性が高いと思うわけであります。お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) このたびの行政改革の一つとして、今、委員が特殊法人等の見直しで見るべきものがなかったという表現を使われたわけでございますけれども、私は、少なくともこの十年、特殊法人等の見直しについてここまで踏み込んでやった政権はなかったと考えておる次第でございます。少なくとも、特殊法人全体について見直しますとともに、多くの特殊法人について廃止、民営化、さらには統合を行ってまいったわけでございます。今日統合に至らなかった、あるいは廃止に至らなかったものも個別にその内容について総務庁あるいは官房長官のもとで点検をいたしまして、トータルとして金額的にこの結果が出るように鋭意今進めておるところでございます。さらに、政府関係金融機関につきましても、なお困難な中、努力を続けておるわけでございます。そういう点では、私は今までにない結果を出すこともできたし、これからも不断の努力をやっていかなくてはならないと思うわけでございます。 なお、地方はまた地方分権推進のために、今、国会で御審議をいただいておる法案をこれから確立をしていって、そしてその受け皿をつくるためにはみずから進んで行政改革をやっていくべきでありまして、自治省といたしましても先般、御承知のように、行政改革の推進に対する指針を出したところでございますけれども、地方においてそれぞれ住民も参加をした推進本部を設けていただき、そして鋭意外郭団体を含めた地方のリストラに今取り組んでいただいておるところでございます。私どももこれを注意深く見てまいりまして、地方が真に分権の受け皿にふさわしい状況になるように、さらに一層指導をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○釘宮磐君 今の大臣のお言葉に私は言葉を返すつもりはございませんが、昨年の税制改革論議のときに、武村大蔵大臣もそうでありましたし、村山総理はもちろんそうでありましたが、もうとにかく行財政改革をやる、そのことによって相当のお金が出てくるというような、国民のサイドから見た場合にはそういうふうに聞こえるような話をされていたわけですね。ですから、かつてなかった、これだけ踏み込んだことはなかったと言っても、それはそこまでやることは当然であって、それ以上のことをやるということを言ってきたわけですから、私はぜひ今後これは政権政党としていわゆる公約でありますからやっていただかなければ困る、このことを申し添えておきたいと思います。 次に、これは午前中山口委員から質問が出ました地方交付税法の第六条の三第二項についてであります。 これについては私は議論を蒸し返すつもりはありません。このままいけば間違いなく交付税率は上げてもらわなきゃ困るという山口委員の質問、また言葉、私はもう全く賛成であります。しかし、私は先ほどの議論を聞いていて、若干奇異な感じを覚えたんですね。というのは、山口議員は与党であります。与党が大蔵省が信じられないとか、それから法律で決めたことが次々変えられるとか、これは私は全くおかしな話だというふうに思うわけであります。特に、昨年、関根委員、こちらにおられますけれども、関根委員が野党のときにこういうふうに言っているわけですね。「穴をあけっ放しにしておきます、だからこれは政治家の皆さん埋めてくださいよ、連立与党の皆さん、きちっと根本的な税源対策を講じて埋めてくださいよと、」、こういうことを当時の湯浅財政局長に対して言っているわけであります。 私は先ほどの論議を聞いていまして、何か身内が身内を非難している、これはまさしく今のこの連立政権の無責任さをそのまま私はこの委員会であらわしたと言っても過言ではないと思いますが、これについて大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 私は、山口委員の御質問を承りながら、議会のあるべき姿だと感銘を受けた次第であります。 与党だから何でもかんでも何の指摘もしないでやっていくというのは議会政治のあり方でないと考えておりますし、私も時に批判を受ける答弁を申し上げることが多うございます。しかし、私は政府の立場にないわけでございまして、閣僚として一人の政治家として、きちっと政党同士が議論をするときには一人の政治家として議論をしておくべきなんだ、それがまた議会政治のあり方なんだというように考えておりますので、いささか答弁が不規則に過ぎるという御指摘を受ける向きもあろうかと思いますけれども、議会政治というのは私はそうでなければ、何でも大蔵のおっしゃるとおり、自治省のおっしゃるとおりで、議員がそれになびいていくようでは議会政治は崩壊をしていくと思うわけでございまして、これからもこの緊張感あってこそ民主政治は確立をしていくと信じておる次第であります。
○釘宮磐君 いや、それは余りにも私は詭弁だと思いますね。なぜならば、この税制改革の中で、今、与党がいわゆる税の改革についてはイニシアチブを持っているわけですね。これは税に穴があいているということについて政治が責任を持たなきゃいけないわけですよ。ですから、我々はこの穴をあけたことについてやはり責任を持って政治家がやっていかなきゃならぬということを言っているわけですね。私は山口委員が言ったことを私も賛成だと申し上げました。だから、今、立場として山口委員が与党におられるわけですから与党の議論の中で私は大いにそのことを言っていってほしい、このように思うわけであります。 これをやっていますと時間がなくなりますので、次に移ります。 こうした議論が出てくる背景には、やはり抜本的な地方税財政改革が必要であるということであろうと思います。 そこで、今後の地方税財政のあり方について若干質問をさせていただきたいと思います。 最近の地方税収の状況について、例えば平成五年度の都道府県決算によれば地方税収は戦後初めて二年続けて前年度決算額を下回っております。また一方、地方交付税も九年ぶりに前年度決算額を下回っている。この結果、一般財源比率が十五年ぶりに五〇%を下回るという低い水準になったとのことであります。極めて深刻な状況にあると考えるわけでありますが、最近の地方税収の状況について現在把握しているところで説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(佐野徹治君) 平成六年度の地方税収につきましては、最も新しい数値は十二月末現在のものでございます。これによります都道府県税の調定ベースで対前年度の伸び率を見てみますと、軽油引取税につきましては制度改正等もございまして四〇・七%の増ということで、税目によりましては好調な伸びを示すものもございますけれども、法人事業税につきましては前年度を九・四%下回っております。また、個人住民税につきましては特別減税が実施されている影響もございまして一二・八%の城となっております。全体といたしましては、都道府県税関係では前年度と比較いたしますと二・二%下回る状況でございます。 それから、市町村税につきましては東京都の特別区と政令指定市、それから県庁所在市の抽出調査を行っておりますけれども、やはりこれも個人住民税の特別減税の影響等もございまして、全体では対前年度で二・九%の減収と相なっておるところでございます。
○釘宮磐君 今後の地方税収を考える上で最も危惧される点は、先々週来急騰を続けて八日には東京外国為替市場において八十八円台の高値をつけた円高の問題であります。今後このドル安円高が回復の兆しを見せている我が国の景気に対してどれほどのマイナス効果を持つのかが大変心配されるところであります。 そこで、三月十日の朝日新聞に掲載された電力中央研究所のシミュレーションによりますと、円レートが今年度の第一・四半期以降九十円で定着した場合には、相対価格要因から今年度の実質輸出が一・七%減少、これに伴うデフレ効果で内需も減少し、その結果平成七年度の実質GDP、国内総生産は〇・五%程度低下して一・三%程度の成長にとどまる、このように言っております。また、名目でどの程度の成長率の低下が生じるかというと、当初の名目GDPの伸びが二・四%、円高で対ドルレートが九十円で定着した場合はGDPの伸び一・八%、差し引きマイナス〇・六%の影響が出るとのことでありました。 これをもとにして大まかな推定をすると、地方交付税については、成長率に対する弾性値を一・一として計算すると、地方財政計画ベースでは千百六十億円の減少、また地方税と地方譲与税については、ひとまず弾性値を一として計算してみると、それぞれ二千三十億円、百二十億円の減収が生じるとの計算になります。 こうして見ると、地方税収については地方財政計画ベースでの対前年比三・六%というのはかなり厳しいのではないかというふうに考えるのでありますが、自治省の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 御指摘のように、最近の円高傾向は非常に厳しいものがございます。それが国、地方を通じてそれぞれ税収に与える影響も深刻なものがあろうと思いますし、また経済成長率にも陰りをもたらすのではなかろうかと危惧をしておるところでもございます。 今後さらにこの経済情勢が好転をするように私どもも期待をするところでございますけれども、この経済情勢の変化に対応いたしまして、地方の財政等につきましてはそれぞれ補正措置を講じまして、地方財政の運営に支障のないように適正に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○釘宮磐君 自治省にも。
○政府委員(遠藤安彦君) ただいま大臣がお答えしたとおりでありますが、この円高の影響がどのようにまず定着するのかということは今定かでないところであります。したがって、毎年度経済企画庁で設定いたします経済成長率につきましてはそのときのいろいろな経済情勢によって変化を生じてくるということになるわけでございますので、これがただいま大臣がお答えになりましたように、私どもとしては経済情勢というのが好転をするように望んでいるわけでありますが、もしそういう状況にならないというようなことになれば、全体的に地方財政計画も補正措置を講じて穴があきました財源措置について対処をしなければならない事態が来るのではないかということは考えられるところであります。
○釘宮磐君 私はここで経済論議をするつもりはないわけでありまして、まさに地方税源というものがこういったさまざまな要因の中で厳しい状況にあるということを我々は認識をしていかなきゃいけないということであります。 今回の円高に対しては、公共投資の上積みなどによる内需拡大策を盛り込んだ早期補正論、今、遠藤局長もおっしゃいましたが、こういった補正論も浮上してきているようであります。 もしそうなりますと、再び地方財政において地方債の発行による単独事業といったような問題も出てくるのではないか、その結果一層借金依存が強まるのではないか、この点について非常に危惧をするわけでありますが、この点について大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 政府といたしましては、平成七年度予算におきまして平成六年度と同程度の規模の所得税、住民税減税を引き続き実施いたしますとともに、御承知のように、公共投資の着実な推進を図るなど景気の回復に資するように対処をしておるところでございまして、今その予算を参議院において御審議いただいておるところでございます。 また一方、阪神・淡路大震災という予期しない財政需要も起きておるわけでございますので今後補正予算を必要とする場合が想像をされるわけでございますので、そういった時期が参りますれば地方財政の措置のあり方について私どもも適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○釘宮磐君 今ここで私が主張したいのは、今、大臣がおっしゃったように、地方税財源を、今後地方分権も進めていかなきゃならないわけでありますし、そういった中でこの制度をいかに確立していくかということを申し上げたいわけであります。 例えば、都道府県については、景気の影響を受けやすい法人所得税に偏った税収構造を持っているわけでありますし、過去当委員会においても論議をされました、午前中にも岩崎理事の質問にもありましたが、外形標準課税の問題もまだ全く手つかずの状態であります。村山政権で最大の課題の一つが地方分権であることは総理自身も認めているところであり、我が党も地方分権推進法を提出したところであります。 こうした環境の中で、今後地方税制のあり方について突っ込んだ議論をすべき時期が来たのではないか、このように考えるわけでありますが、地方分権に向けた地方税制のあり方、こういった観点から自治大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) お説のように、地方分権が推進をされる上で根本的な地方税財源のあり方というのがこれから議論をされなくてはならないと思うわけでございます。 先般の税制改革も一つの位置づけでございますけれども、それ以上に今日、委員が御指摘になりましたような、また午前中それぞれ御指摘がございましたような深刻な地方税財政の実情を考えますときに、真に実りある地方分権を構築していきますためにはそれを補う税財源の確保というものが必要であるわけでございますので、私どもはさまざまな観点からこの地方税のあるべき方向について政府あるいは与党税調を通じまして議論をいただきたいことを期待しておる次第でございます。
○釘宮磐君 地方分権に向けた地方税制のあり方の中で特筆すべきは昨年の税制改革の中で実現を見た地方消費税の導入であろうと思います。この地方消費税の創設は地方税源の充実を図る上で大きな突破口であったと私も考えております。 ただ、重要なことは、地方消費税導入とこれに伴う消費税に係る地方交付税率の引き上げによって地方財政が得る純粋な増というものが今回社会福祉関係の二千億にすぎないという点であります。 今後、先ほど大臣のお話の中にもありましたが、新ゴールドプランを初めとする高齢化対策や、さらには新公共投資基本計画の実施に伴う事業負担など財政需要は引き続き増大をしていくわけであります。これに対応した安定的な地方税源が確保できないとなると一層地方財政の借金体質が強まる結果となるわけであります。既に御案内のように百十六兆という天文学的数字の地方債を抱えておるわけでありまして、今後地方財政をいかに充実していくか、そのあり方は最大の国政課題となるものであります。 そのためには、事業税の外形標準課税の導入により現行地方税の税収の安定を図ることが私は必要であると思いますし、さらには消費税が今の四%、一%という枠組みでいいのか、また国、地方の間の税源配分の見直し、こういった問題についても議論を煮詰めていく必要があると考えるわけでありますが、この点についてもお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 委員、今御指摘ございましたように、国と地方の税源の配分の問題はこれからも限りなく私ども続けていかなくてはならない問題でございます。特に地方分権を推進する上で、先ほど申し上げましたように、さらに根本的な検討をしなければならない重要な課題であると考えておるわけでございます。 先般御承認を賜りました税制改革に伴う地方消費税はその一つの大きな柱であろうと思うわけでございます。また、今、先ほど申し上げましたように、国会で御審議をいただいております分権推進法案におきましても、「国は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図るものとする。」とされておるところでございまして、今後も高齢化の進展や地域福祉の充実を考えますときに、より安定的でかつ伸長性のある地方税財源の充実強化を図ることは何にも増して地方分権の重要な課題であると考えておる次第でございます。 御指摘の多くの税の観点から今後も国、地方を通じて努力をしていかなくてはならないと存じておるところでございます。さらに、国、地方を通ずる事務配分のあり方等もあわせて、地方分権の推進状況等を踏まえながら、私どもその趣旨に適応できるように税制が構築されるように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○釘宮磐君 それでは次に移りますが、交付税特別会計の借り入れの件についてお伺いをしたいと思います。 昭和五十年代の歳入不足時代には、昭和五十四年の一般消費税導入の失敗により増税なき財政再建路線のもとで国、地方を通じた行財政改革が進められました。その後日本経済は好況期に入ることになり、地方財政は昭和六十二年の財政対策債の発行を最後に通常収支は均衡することになりました。その過程で、昭和五十九年の自治大臣と大蔵大臣との覚書において、昭和五十九年度以降、交付税特別会計における新たな借入金措置は原則として行わないとされたところであります。ところが、バブル不況により国、地方とも税収減に陥り、平成四年度の補正予算、さらには平成五年度の第二次補正予算、そして六年度、七年度は当初予算において交付税特別会計の資金運用部からの借り入れが臨時異例と言われつつ引き続き行われておるわけであります。 ちなみに、毎年自治省財政当局が作成する「地方財政対策の概要」を読むと、平成六年度には「臨時異例の措置」としてされていたのが、平成七年度では「臨時の特例措置」とされております。若干変化をしておるわけでありまして、四年も連続すれば異例とは言いがたいのかもわかりませんけれども、言葉のあやをとるわけではありませんが、この自治大臣、大蔵大臣の覚書について自治省は今どのような認識を持っておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(遠藤安彦君) 今、先生の御質問の中にありましたように、昭和五十年代の国も地方も厳しい財源不足の時代に、地方におきましては交付税特別会計における借り入れと財源対策債の発行ということによりまして五十年代の財源不足に対処してきたわけでありますが、これが昭和五十九年には十一兆円を交付税特別会計の借入金が超えるというような事態になり、五十九年度には国の負担をしていただく部分については国に引き取っていただいて、地方の分五兆七千億ほどを地方がこれから交付税特別会計において返していくということにいたしたわけであります。これまでの反省に基づいて地方交付税法の附則三条という規定を設けて、これ以上交付税特別会計における借り入れというものをやめて、これは法律でお願いするわけでありますけれども、特例的な増減額ということで対処しようということにいたした経緯は先生御説明があったとおりでございます。 平成六年度、それから平成七年度におきましては、しかしながら地方財政、平成六年度において三兆円、平成七年度において四兆二千六百億円という大変大きな通常収支の財源不足があり、本来でありましたらこの三条の規定によって国からの特例増枠、交付税の特例措置というものが期待できるわけでありますが、国の方の財政におきましても、国債整理基金の定率繰り入れの停止でありますとか、五年度の決算上の不足に係る国債整理基金からの繰り入れ相当額について、決算調整資金を通じた基金への繰り戻しを延期するといったような国自体が大変厳しい状況になるというようなことでありまして、先ほど来大臣からもお話がありましたが、法定加算の三千九百億ほどのうちから千八百十億の法定加算を獲得するのに自治、大蔵両大臣の最終折衝まで持ち込むという、そういうような状況であったということで万やむを得ず交付税特別会計における借り入れということでここをしのがなければならなかったという、国、地方を通じてまことに厳しい財政事情のもとにおける臨時特例的な措置であったということで御理解を賜りたいわけでございます。
○釘宮磐君 先ほどの山口委員の話をたびたび出して恐縮ですけれども、法律で決めたことが次々に変えられる、約束が簡単にほごにされると。これは私は本当に、じゃこういう覚書なんというのは全く拘束力がないのかということになるわけでありまして、こういう綱渡り的な、またやりくりをやらなきゃならないような財政事情にしているということは私は逆に言えば政治に大きな責任があるというふうに思うわけであります。この点については、今後こういった本来やるべきではないというものは極力やらなくて済むような、そういう形にしていかなきゃならない、私はこのように思うわけであります。 また、その交付税特別会計の借り入れは、財政状況が悪化したときには歳出面の洗い直しとか、地方財政全体の見直しを十分に行うことはせずに、地方交付税の総額確保のために安易に特例的借り入れを行って、そして景気回復や財政事情の改善を待って借り入れの停止あるいは借入金残高の処理を行ってきておるわけであります。 たびたび議事録を出して恐縮ですけれども、二月二十一日の衆議院の地方行政委員会で遠藤局長が、例えば平成元年度から前後三年度ぐらいの間には、交付税特別会計の借入金を予定よりも繰り上げて償還をしたというような実績もあります。交付税特別会計の借入金は、ピークはたしか昭和六十一年ぐらいに六兆円ぐらいの規模であったわけでありますけれども、平成三年ぐらいにはこれがもうほとんど繰り上げて償還をし終わっていたというような状況もあるわけでありまして、というようなことを言っているわけですね。 これはバブルの時代ですからね。ですから、またバブルを待っているような、ある意味では受け身的なこういういわゆる特別会計の借り入れというのは私はやっぱり厳にやるべきではない、このように思うわけでありますが、そういう意味で、地方団体独自の財政運営を行うべきである、このように考えるわけでありますけれども、これについていかがですか。
○政府委員(遠藤安彦君) 私ども御指摘のとおりであろうというように思っております。やはり厳しい時代でありますけれども、財政は健全性を保っていなければならないということでございます。 したがいまして、地方財政計画を組む場合におきましても、まず第一には、中長期的には地方の税財源、地方税、地方交付税といった一般財源を充実することをまず心がける。それから、歳出におきましては、やはり行政改革その他厳しい中におきまして、効率的な経費の使用ということに心がけていかなければならないというように思っている次第でございます。 それからまた、今バブルのお話がございましたけれども、私ども、財源に余裕がある場合には、過去の借入金といったようなものを繰り上げ償還をする、あるいは実質的に償却をするというような措置をとって将来に対する負担の軽減を図っていくというようなことも頭の中に置きながら健全な財政運営に努めていかなければならないと思っております。 ただ、地方分権が現実のものとなってまいりましたし、地方団体におきましては、住民の大変多様なニーズにこたえてさまざまな行政を展開していかなければならないということもあるわけでございますから、地方の自主性・自立性、あるいは生き生きとした地域づくりといったようなものを実現するための必要な財源というものも私どもは確保していかなければならない、そういった面のことを考えながらこれから地方財政対策というものを講じていかなければならないというように思っている次第でございます。
○釘宮磐君 この交付税特会というのはまさに緊急避難的な要素が私は強いと思うのでありますけれども、できるだけこういったことをやらなくても済むような税財政制度、また改革を進めていかなければならないということを申し上げておきたいと思います。 そこで次に、国の厳しい財政事情を反映して、地方債の交付税代替財源化が進んでいるのではないかということを指摘しておきたいと思います。 地方交付税は基準財政需要額と基準財政収入額の差を埋めるべくして設けられているものでありますが、地方財源の財源不足の補てんのため、地方債に振りかえられる事態が続いております。本来、地方交付税というのは一般財源で使途が自由である財源であります。地方債というのは使途が限られた財源でありまして、これに代替されてしまうということはそれだけ地方団体の財政の自由度を縛ることになるわけで、好ましい傾向とは言えないと思うのであります。また、これまで国庫補助負担率の引き下げにおいて、国は後に一般会計から交付税特別会計に繰り入れることにより手当てをするといった措置をいろいろ行ってきているわけでありますが、最近は、先ほどからの御答弁にもありますように、国の財政事情が非常に厳しいということでこれまた先送り措置がとられております。平成七年度でも同様の措置により九千五百八十二億が先送りをされておりまして、今回の改正案により国の加算額の総額は実に五兆四百一三億四千万円となっておるようであります。地方は国からの交付税特別会計借入金を累増させる、これが十兆七千七百二十五億ですか、国は地方交付税の加算額を、先ほども言いました五兆四百十三億四千万ですか、毎年増加をさせるというようないわば異常な状態が続いているわけであります。 私に言わせれば、ちょっと言葉は悪いですけれども、かなり場当たり的な措置を繰り返しておって、私も今回これで少し勉強させてもらいましたけれども、非常にわかりにくいわけであります。これを抜本的に解消しようとする意思が政府にあるのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 今、委員から御指摘がございましたように、国、地方を通じて非常に厳しい税収の中から財源対策が求められておるわけでございまして、地方もまたそういう中から公債費に頼る比重が非常に多いわけでございます。 ただ、委員から先ほど今日に至る景気対策について厳しい政権への批判がございましたけれども、やっぱりここに至る間、平成六年度の予算編成が年を越えて行われて、そして予算が年度を入ってから六月に成立をしたという、あの昨年の異常な事態というのが今日これだけ大きな足を引きずっておるということをぜひ御理解をいただかなければ、何かにわかに降ってわいたように国の財政が悪くなったような政権批判というのは私は当たらないのではないかと。 一昨年、平成六年度予算編成は、委員も十分御承知のように、もう政治改革をやらなければ予算も何も全部先送りだということで、ついに予算編成が年を越してしまったわけでございます。そして、ようやく二月になって新年度予算が編成をされ、国会に三月に出、六月に成立をするという異常な状態をたどったために今日の経済情勢がまた困難をきわめておるということは十分委員も御認識を賜りたいと思うわけでございます。 しかし、私どもこのことを抗弁するわけではありませんし、謙虚に今の地方財政のあるべき状態を認識しながら、国、地方の役割分担をお互いに分け合い、かつそういう中でお互いに苦しいときにこの選択をしたわけでございますので、これからもこういう地方財政のいびつな状態が続かないようにさらに一層の努力をしていかなくてはなりませんし、先ほど来たびたび申し上げておりますように、先般の税制改革の一つの柱として地方消費税が創設をされましたことを契機に、今後地方分権への大きな足がかりとしてこれからの地方税財源全体のあり方というものを根本的に議論を深めていただく、与野党含めた御論議を賜りたいと期待をしておるところでございます。
○釘宮磐君 もう時間がなくなりましたので質問を終わらせていただきますが、ここで私は今の大臣の答弁を聞きながら思ったのは、やはり今我々政治家はまさに党利党略、そういうようなものを乗り越えて、日本が、この国が今抱えている問題というのは大変大きな岐路に立っておるというふうに思うわけですね。それがどうも責任のなすり合いみたいな形でやっても国民は全く救われない。ましてや、一昨年の政権交代ですべての政治家が与党、野党を一度経験したわけでありますから、これからは本当にそういう意味での責任ある議論をやっていかなきゃならない。 私は、くしくも今回の質問をするのに昨年の地方税、交付税法の議事録を見ました。鎌田委員と関根委員が質問をされているんですね。それは私が今言おうとしていることと全く同じことを言っているわけですよ。全然変わっていないんですね。ですから、そういう意味では野党になったら野党の質問はこうだということじゃなくて、ここのところは自分たちが信じるところをやっぱり大いに議論をしていかなきゃいけない、このように思うわけですよ。その辺のところがまだまだ私はない、こういうふうに思うわけであります。 このことについて大臣の御答弁をお聞きしまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 私も委員と同意見であります。 お互いにどのような立場になりましょうとも、国家と民族の将来を考え、そして私どもはまた地方行政を大切に考えるものとして、これからの一層の地方自治の発展のために五十年ぶりの大きな地方分権への足がかりを、真に地方分権が歴史的な節目を迎えたようになれるように与野党一緒になって取り組んでまいらなくてはならないと考えておるところでございます。
○小林正君 阪神・淡路大震災から二カ月を経過しようとしておりますが、兵庫県も対策本部の看板を復興というふうにかけかえるという状況になってまいりました。 こういう緊急、非常の大災害が発生したときに、平時における対応と有事における対応の場合のさまざまな問題点について、五千余の多くの犠牲を無にしないためにどういう教訓を引き出すのかということは大変大きな課題であろうかというふうに思います。 政府、関係各省庁等も今いろいろ今後へ向けての対応を御検討されていると伺っているわけでありますけれども、先日の十三日付の読売新聞で、消防庁の方針として緊急消防救助隊の創設という問題が報ぜられておりました。十二日までに方針を固めて平成八年度中に創設をするということで、かねてから災害救助隊についてはいわゆる自衛隊と別組織論云々という議論が一方にある中で今回こういうことが発表されているわけでありますけれども、このことについてまず消防庁として、従来の自衛隊との連携という問題もあるようでありますけれども、どのような関係にあるのか、別組織との関係で、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 今回の阪神・淡路大震災のさまざまな経験を通しまして、地震等の大規模災害が発生した場合におきます、消防組織法二十四条の三の規定に基づきまして、消防庁長官の要請により広域な応援体制をつくり上げていくために全国の救助隊が被災地に集結する仕組みを今検討しておるところでございます。 委員が今読売新聞を引用されましたけれども、緊急消防救助隊という仮称で、初期の救助活動を迅速に行うことを目的といたしまして、自衛隊とは全く別に消防の広域応援の組織を行うための仕組みの一つとして現在検討をさせていただいておるところでございます。
○小林正君 現行二十四条の三云々ということを仰せられましたが、そういたしますと、従来そうした形での対応は制度的にはあったということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 制度的にはあったわけでございます。がしかし、一つには国際救助隊として、大都市の消防本部がそれぞれ個人登録をして五百数名おったわけでございます。これを今度はそれぞれ地域にチームをつくってそしてやっていく、そういう体制を今検討を進めておるところでございます。
○小林正君 国際緊急援助隊の活動については、今回の場合でもかなり大きな活躍をされたということも伺っておりますし、やはり日常不断の努力の中から有事に備えた対応ということがあって効果的な対応が可能になるんだろうというふうに思います。現行制度の中で一定の位置づけがあるにしても、やはり非常時、そして混成部隊で有機的に所期の目的を達するということになりますと、日常不断に相当練度を高める努力をしていかないといげないんじゃないかと思いますが、こうしたことについては現行法制上の位置づけの中ではどういう形で行われておられたんでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 今日まではそれぞれ大都市におきます消防本部の救援協定、あるいはそれぞれ消防庁長官の要請に基づく派遣等をやってまいったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、今回の阪神・淡路大震災の経過にかんがみまして、私どももそれぞれの消防本部から招集をしてそれぞれこの災害に救援に当たるわけでございますので、その内容は、特に委員が今おっしゃいましたように、混成部隊となるわけでございますのでその精度を高めていかなくてはならないと考えておるわけでございます。 それだけに、災害現場に早期に到着をし、効果的な救助活動を行うためには高度な救助技術や知識、経験等が特に要求をされるわけでございますので、今後はこの高度の救助資機材の備えつけあるいは習熟訓練、参集訓練、こういうことが十分果たし得るように、従来と異なった対応をしてまいるように今検討を進めておるところでございます。
○小林正君 午前中の山口委員の御質問にも装備の問題が出ておりましたけれども、この中で、やはり救出をする上で必要なファイバースコープの問題だとか音響地中探知機、それから自給自足型で自己完結型のチームとして行動するということになれば、当然テントとかあるいは食料とか宿舎の問題とか、応急的な対応ができる用意もなければその目的は達せられないということになりますと、平成八年度じゅう云々ということになると平成八年度予算の中でそうしたことについての措置をされるということなのか。災害は最近は忘れないうちにやってくるというような状況にもなっているわけでありまして、そういうことからすれば、このことをやはり平成七年度の中で位置づけていくと。 前回も私申し上げましたが、既に地震学者は大地動乱の時代だと言っているわけで、いつどこで起こるかもわからない。それも大規模なものが起こり得るという警鐘を鳴らしているということからすれば、平成八年度じゅうの創設というのが早期の創設と言えるのかどうか大変心もとない気もするわけで、既に位置づけがあるものであるならば、一層予算の充実を、この補正の段階ででも組んでも平成七年度じゅうにスタートをさせるような対応が必要じゃないかなという気もするわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘のような問題点をそれぞれ検討いたしておる最中でありまして、一応のまとまりを得ましたならば直ちに関係団体、すなわち既存のそれぞれ消防本部の機能を生かしながらやっていこうというわけでございますだけに、それぞれ関係諸団体の協議調整が必要でありますので、その調整を行いまして関係団体の意見を十分踏まえた中で、早期にこれが創設ができるように努力をしてまいりたいと考えております。
○小林正君 ぜひそのような御努力をお願い申し上げたいと思います。 それから、二点目の問題としては、本日も本院において参考人を招致しての質疑が行われている問題であります。 東京協和、安全の問題をめぐってはマスコミでもいろんな報道がされておりますけれども、この地方行政委員会という立場でこの問題をどうとらえていったらいいのかということになりますと、やはり一つは国と地方の関係、特に機関委任事務にかかわる問題意識と、もう一つは地方の地方公共団体の主体性、自主性というような問題意識の二点で見ていくことが求められているのかなというふうに思います。 三月十二日付の朝日新聞で、見出しが「都と大蔵のはざまで暴走」というような見出しで出ておりまして、東京都は我々に処理能力がないんだ、大蔵省は都の責任だと、こういうことで大分県知事の平松さんが「自治体の権限を強化せよ」と、こういうようにぽんぽんぽんと見ると出ているわけで、これが象徴的であるなどいう気もいたしますが、この中で「東京都は、二信組の実態が「信用組合」でないことに目を向け、国の責任だと大蔵省にげたを預けた。同省は、「信用組合」の看板を掲げる限り、都の責任と考えた。そのはざまで、二信組は暴走した。」と、こういう言い方であります。 このことから、平成三年に実は地方議会が参考人を呼んでいろいろな問題についての審議を行っていく、そういうシステムができ上がった、これは平成三年に至るまでの長い経過があるわけですけれども、それらの経過を見てみますと、やはり地方自治体が主体的にそうしたことについて積極的に取り組もうという姿勢が、今回東京都議会が示したというその背景にはやはり平成三年における法改正の問題がかなり下敷きにあったんじゃないかと、こういうふうにも思うわけでございます。 そういう意味で言えば、本来国の方では参考人を議会に招いていろいろ事態の究明ができる体制があり、場合によっては証人喚問もできるということに対して自治体の中でそうした対応が平成三年度以降今日出てきた。そのことが東京都議会が今回の大蔵、日銀等々の問題に対して三百億円を白紙撤回するという事態になっているわけで、このことは自治体の一つのありようを示したものとして評価できるんじゃないかというふうに思うわけであります。 このことで実は参考人がどうなったのかということなんですけれども、三月八日付の読売で、閣僚懇で野中自治大臣が、自治大臣というお立場でもあろうかと思いますけれども、都議会が真剣に検討しているんだから参考人として呼ばれたら出ていく努力をすべきではないかということを述べたという話が出ております。 このことについて、以後の都議会に参考人はどうなったのか、それから今後の対応としてどういう動きがあるのかお聞かせをいただきたいと存じます。
○国務大臣(野中広務君) 東京都議会が今回の信用組合の問題について参考人を招致しようとされたというのは私も承知をいたしております。 ただ、それについて打診をしたところ、日程が合わないということで実現ができておらないという報道を知ったわけでございますので、今、委員が御指摘になりましたように、閣僚懇の席上で、やはり都議会が五会派一致して今回の東京協和並びに安全信用組合の処理対策としての問題点として集約をされた中で、それぞれ機関委任事務を受ける東京都としての責任を明確にされながら今回これを財調基金に積むという措置をされたわけでございまして、そういう東京都議会の状況を十分認識をして、そして関係参考人は積極的に出られるべきであるということを申し上げたわけでございます。 東京都議会におかれましては、三月三日、予算特別委員会理事会で大蔵省の銀行局長と日本銀行総裁、日本長期信用銀行の頭取を呼ぶことに全会一致で決められたようでございます。しかし、六日、七日の口頭打診に対しましてはそれぞれ日程が合わないということで困難であるということが回答がされたようでございまして、その後三月六日、予算委員会でこの事情が委員長から報告をなされたと聞いております。その後の特別の動きについては承知しておらないところでございます。
○小林正君 この問題は、やはりこれだけ都民の代表である都議会が論議をして、そして国政にまで大きな影響を及ぼしながらきょうを迎えているわけでありますから、当然、地元の自治体からの要請があれば、みずから出向いていって真相の究明に資するというのが公人としてのとるべき態度ではないかなというふうに思うわけであります。三人が三人とも同じ日に日程が合わないというのも非常に不思議な話でありまして、そうした姿勢そのものが問われるんじゃないかというふうに思います。 本来、信用組合というのが地域に密着した相互扶助の金融機関だということから、大蔵省との関係の中ではいろいろあるようでありますけれども、やはり機関委任事務というものの持っているそのあいまいさというものが結果として今日の事態を招来している。この問題をどうするのかということが今後の課題として課せられた分権上の課題としてのテーマでもあろうかと思います。真相の究明についてはなお引き続き、本日の参考人質疑の御努力、そしてまた背任横領等の問題もあるわけでありますから、明確にしていく必要もあろうかと思いますし、政治改革のそもそもの発端からしてもこのことを避けて通ってはならない、このように考えているところでございます。 それから、次の三点目でございますが、地方分権の推進について質問をしたいと思います。 実は十二月の初めだったと思いますけれども、地方六団体を中心にした地方分権推進の決起大会が開かれて、その後六団体の代表鈴木都知事以下が私の部屋にお見えになりまして、鈴木都知事が、私は今度都知事選挙に立候補しない、勇退するので地方分権という課題が私の最後のお願いです、こういうことを言われてお帰りになったわけです。 実は今、各議員のところにも毎日のように地方議会の決議が送られてきております。連日でございます。これは法案の成立ということについての期待を込めた決議なり要請というものでありますけれども、言っておりますことは、地方六団体が出しております地方分権推進についての意見というものを十分反映したものとして法案の成立を期待している、こういう趣旨が大変に多いわけでございます。 現在、二十八日に閣法で出されて、三月の八日に新進党からも分権推進についての法案が提起をされ、今後衆議院段階からの論議がスタートしていくわけでありますけれども、地方からの要望というものも大変強いわけでございまして、既に出されております閣法との関係で言えば、十分に多角的な論議をして、せっかくの地方の御期待にこたえ得るものにしていく努力というものは立法府としての任務であろう、このように考えているところでございます。 そうした地方からの御要請も受けながら、今、自治大臣としてどのようにお考えか、承りたいと存じます。
○国務大臣(野中広務君) 地方自治に携わる者として、先ほども申し上げましたように、一昨年の衆参両院におきます満場一致の議決を一つの大きな節目といたしまして、自来、地方六団体からの昨年九月の意見書、さらには地方制度調査会の答申、あるいは村山総理を本部長にいたします行政改革推進本部の分権部会の専門員の先生方の御意見等を踏まえまして、十二月二十五日、分権大綱を閣議決定いたしました。後、今お話を賜りました地方分権推進に関する法律案をお願いしておるところでございます。新進党からも地方分権の推進に関する法律案が提案をされておることは私も承知をいたしております。政府案とかなりの部分で一致をしておるところでもありまして、目指すべき方向につきましては根本的な対立点はないと認識をしておるわけでございます。 政府といたしましては、現在御審議をいただいております政府案につきましてぜひとも御理解をいただいて、なるべく早く国会の議決をいただき、地方分権推進の着手が委員会、事務局の設置を含めて早急にできますようにぜひお願いをし、期待をしておる次第でございます。
○小林正君 その分権推進とそれから地方財政、財政自主権というような問題というのはそっくりの関係でございまして、地方六団体の代表の皆さん方もよく三ゲンという言葉を言われまして、財源と権限と人間がそろって完結する、こういう趣旨のお話もされているわけで、分権推進法だけが通って、どちらかといえば中央集権的な構造になっている地方財政というものが改められないということになれば、分権推進というのは画餅に帰するということにもなりかねないのではないか、こういうふうに思います。特に、昨年地方消費税の創設が打ち出されて、地方分権、財政自主権についてはシャウプ税制以来の原点に立ち返った論議がかなり展開をされて地方の期待も高まってきているわけであります。 先ほど来論議の地方交付税制度、昭和二十九年から既に四十年という歩みの中でこのことについてもさまざまな論議が展開をされているわけでありますが、総論的に幾つか御質問したいと思います。 一つは、交付税総額の決定方式の中に地方の意思がどう反映されるのか、あるいは論議の経過の中にどれだけかかわれるかという基本的な問題があろうかと思います。 今までの経過というのは、自治省と大蔵省が折衝をして、そしてつくり上げる。地方団体はその決定過程に参画できない。そして、どちらかといえば自治省の応援団の役割ということで陳情要請行動が展開をされるというのが従来の形でございました。 本来、本当の意味の財政自主権なり分権が確立をして地方自主権というような事態になれば、こうした毎年暮れに展開されるような現象というものはなくなるんじゃないかというふうに思いますけれども、こうした点について、今後の展開の中で地方の方々が東京に足を運ぶ回数が減るようなそうした対応になっていくのか。大分の知事さんのように、毎月何回か東京に来る、その回数が大変に多い、県民への行政サービスという点で言って果たしてどうなのかという疑問を持ちながらも来ないわけにはいかないというような矛盾がそれぞれの自治体の中でも繰り返されてきているわけでして、そのことについては自治大臣としてどんな問題意識を今日時点でお持ちなのか、伺います。
○国務大臣(野中広務君) 委員、御承知のように、毎年度の地方財政対策の策定に当たりましては、例年八月の国の概算要求やその後の国の予算編成の動向、あるいは経済見通しを含めましたその上に立って税収の見込み等を踏まえまして地方の歳出歳入を的確に見積もり、適正な地方財政収支見通しを立てることを柱として来ておるわけでございます。 地方の意見をどのように反映し参画していくかという問題でございますけれども、地方財政対策を策定するに際しましては、委員御承知のように、地方六団体が共同推薦をされます地方財政審議会の御審議を得るわけでございますし、また政府税調にも地方団体の推薦の委員の方が入っておられるわけでございます。また、このほか地方団体の予算や決算の報告を私どもも参考にいたしますとともに、機会あるごとに地方六団体初め、地方団体からの御意見なりあるいは御要望を聴取する機会を設けて、地方のニーズを地方財政の上に的確に生かして適正な反映がされるように努力をしておるところでございます。 今後、地方分権が確立をしていきます上におきましては、委員が申されましたように、一にいわゆる分権の権限移譲であり、二にそれに伴う税財源の確保であり、三にこれをこなし得る人材でございますだけに、その三本柱が確立をするように私どももさらに先生方の御協力、御支援を得ながら努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。 昨年の暮れにおきます予算編成の際には内閣として、例年のような一挙に東京に集中して陳情をするようなことがないように、あらかじめ関係諸団体並びに地方公共団体にもその自粛方を要請したところでもございますし、今後も例年のようなことのないように一層政府としても強く要請をして、今、委員が御指摘になりましたように、わざわざ何回も東京に来なくても事が運べるような状況づくりというものを私どもは整えてまいらなければならないと考えておるところでございます。
○小林正君 それから、交付税の複雑化といいますか、大変に自治省としてきめ細かく綿密に基準財政需要額の算定方式についてもいろいろ工夫をされてやってきている。そのことが結果としてどうなるかというと、外からはこれは第二補助金じゃないのかといったような批判になってはね返ってくるというような結果になっているわけでありますけれども、これらの問題についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(遠藤安彦君) 御指摘のように、地方交付税の算定方法をわかりやすくすべきであるという御意見が大変多いわけであります。私どもも、できるだけ簡素化し、わかりやすいものにしようという努力は続けておるわけであります。 ただ、現実問題としまして、地方交付税の例えは基準財政需要額を算定するということになりますと、個々の地方団体でさまざまな意見がございます。地方団体にとりましては、自分たちのやっておる行政にかかります経費が的確に算定されることが望ましいというように感じておられるところが多いわけでありまして、毎年地方団体から交付税の算定方法の改正について意見をとってお聞きをしているところでありますけれども、これは方向としては地方の行政の実態に合うように交付税の計算をより緻密に細かく計算をしてくれないかという改善意見が圧倒的であるわけであります。 そういった中で、やはり交付税をある程度客観的な要素に基づいて地方団体の標準的な行政経費というものをできるだけ地方団体の実態に合うようように算定をしていかなければならないという基本があるわけでございますので、そういった要望の中から改善意見というものをお聞きしながら毎年度の改正を図りまして、法律として必要なものについてはこの国会にお願いをして法律を改正していくということをさせていただいているわけでございます。 しかしながら、行革審等の答申に示されておりますように、やはり算定方法を簡素化し、わかりやすいものにするように努めるということも大変重要なことでございます。 最近では、例えば単位費用の費目の中で「その他の諸費」というのがありますけれども、これも大変わかりにくいというようなこともありまして「企画振興費」といったようなものを独立させたり、「高齢者保健福祉費」といったようなものを現在の行政需要にこたえて費目を新たに新設してわかりやすくする等の努力も重ねてきているところでございます。 いずれにいたしましても、算定方法の簡素化につきましては重要な問題でもありますし、これからも積極的に取り組んでいきたいというように思っております。
○小林正君 現在の交付税制度について中央官庁である自治省が各交付団体機関との間で調整を行ってきている。しかし、真の地方自治といいますか、地方分権という立場からすると、やはり中央官庁がやるのじゃなくて各自治体によって設立された独立機関がこれを行うというようなことが必要じゃないかという識者の見解等もあるわけでありまして、名実ともに財政主権へ一歩近づける一つの手だてとして、自治省として分権推進という大きなうねりの中で、従来の僕は霞が関の完全主義的なのが結果として災いしているというふうにも思うんですけれども、そのことについて、今御答弁にもありましたけれども、やはり検討していく姿勢というのは必要じゃないかなというふうに思っているわけでございます。このことについては既に御答弁いただいておりますので、ぜひその方向性を追求していただきたいと思います。 次に、地方債の許可制度の問題、これもたびたび出ます。 昨日の本会議でも同僚の続議員の方から質問がございましたけれども、いわゆる許可制度について、きのうの午前中の問題も含んで、一体どういう状態になったときに許可が要らなくなるのかということですね。私の出身のところの実態なんかを見ますと、県知事がいて、県議会があって、それを受け入れる銀行団、シンジケートがあって、その間で十分信頼という裏打ちの中で事ができる体制があるというふうに思うんです。ほかの自治体でも当然そういう形になっているはずなので、どうしてそこに自治省の許可という問題が介在するのがその意味がちょっとわからないので、どういう状態になったときにはこの「当分の間」がなくなるんだろうかということについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(遠藤安彦君) 「当分の間」というのはよく問題になるわけでございますが、これは法令上は不確定の期間をあらわすということで必ずしも時間的には短時間である必要はないというように解されているわけであります。 地方債の許可制度が必要な理由というのは幾つかあるわけでありますけれども、やはり今一番大きな理由というのは、地方団体間の財政力のアンバランスというものがございまして、これを地方交付税制度によって財源保障及び財源調整をしていかなければならないという地方財政制度の仕組みがあるわけでありますが、このことは逆に言いますと、やはり地方財政計画というものをどこかできちっと責任を持って立てて地方団体の財源というものをトータルとして保障をしていかなければならない、そういう制度が望まれているわけであります。 現在、地方交付税の不交付団体は百六十前後でございまして、三千三百のうちのほんの五%程度の団体しかないわけでありまして、その他の団体につきましてはかなり交付税に依存をしているという団体が多いわけであります。そういった中で地方財政計画を立てるということでございますので、地方団体の標準的な歳入歳出というものをこの地方財政計画の中で算定をしていかなければならないということになるわけでありまして、そうなりますとやはり地方債の許可制度をなくして地方債を自由に発行した場合に、その元利償還金というものは一体地方財政計画の中でどのように把握をしていくかという難しい問題が出てくるわけであります。それと個々の地方団体の財政運営ということもつかんでおく必要があるというような意味合いもあって地方債の許可制度というものがあるというように認識をいたしておるわけでございます。 しからばどういう条件になればこの地方債の許可制度は要らなくなるのかという御疑問でございます。現状では、今申し上げましたようなことで、地方債の許可制度というものは私どもは必要だと考えております。これがやはり、仮定の話になって恐縮でございますけれども、地方分権が進み、各団体の地方税財源が充実をし、中央におきまして地方団体の財源保障という手続が要らなくなるというような事態にでもなれば、それは一つの地方債の許可制度というものが不要になるというような一つの対応になり得るのではないかというように頭の中では考えておるわけでありますが、そういうような時代が早く来るように私どもとしても努力をしていかなければならない問題であろうというように思っております。
○小林正君 やっぱり今までの考え方というものをブレークスルーといいますか、概念を打ち砕いて、そして分権という新たな時代の中での対応としてこの問題をどう見直すかという視点が欲しいんですね。というのは、今のお話を端的に言えば、黙ってりゃ目が離せないという、目が離せないから何とかそういう歯どめをかけておくということに尽きるわけで、自治体というのは首長以下議員も選挙をされるということがあるわけです。そして、当然行政の透明性の問題等も含んで努力をされているわけですから、そうしたことにかかわって、それはアメリカの自治体のようにデリバティブに手を出して破産するなんというびっくりするような話もあるわけですけれども、そういうことは日本の場合はないわけですからね。財政自主権といいますか、財源問題についてみずからが主体的に対応できる条件整備ということが分権をしていく場合の大変大きなテーマでもありますから、ぜひこの問題については一歩踏み込んだ御検討を賜りたいというふうに思います。 それから次に、法定外普通税の問題について伺っておきたいんですが、一つの例として、市町村で別荘等所有税というのが一つの団体で、平成五年度ですけれども、あります。それから、文化観光施設税というのを取っていたところが今回ゼロになっていますね、平成五年度で。だから、別荘税とか観光税といったような法定外普通税という形で取って、やはり住民でない人たちが実際にそこでさまざまな受益をした結果について全部その住民に負わせていくというようなことの矛盾をどう解決するかという一つの知恵としてこれが打ち出されてきている要素がありますけれども、私は、それぞれの自治体がこういう問題について、それは千差万別いろんな形でのこうした矛盾点というのがあるわけですから、これをどう住民に転嫁しない形で解決を図るかという知恵を出されていることについては、むしろ自治省としてはどういう立場で臨んでおられるのか、できるだけこれは抑え込もうとしているのか、それともむしろそれを促進する方向でお考えになっていられるのか、このこととかかわって大蔵省はどういう対応なのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐野徹治君) 地方税におきます法定外普通税の制度でございますけれども、これは地方団体の課税自主権を尊重する、こういった立場から、地方団体におきましてそれが必要とされる財政事情がございます場合には、住民の理解と協力を得て通常以上の税負担を求めることができることとされておる制度でございます。 御案内のとおり、法定外普通税につきましては国の許可制になっておりますけれども、これは通常以上の税負担を求めるものでございますことから、国、地方を通ずる税源配分、国民全体の税負担の均衡、それから国や他の地方団体に対する影響、国の経済政策への配慮、こういったこと等の要請と、それから地方団体の課税自主権との調整、これらを図るために設けられているものでございます。許可制になっておりますけれども、法定要件を満たす場合には自治大臣は許可しなければならないと、こういうようにされておりまして、地方団体の自主性に配慮した制度となっております。 私ども自治省といたしましては、法定外普通税につきましては、地方団体がその積極的な活用を図る意向をお持ちの場合には十分その考えを尊重していくべきであると考えておるところでございまして、運用に当たっても適切に対応してまいりたいと考えております。 なお、大蔵省との関係につきましても、私どもはそういった観点からお話をさせていただきたいと思っております。
○小林正君 これは基準財政収入額の算定の基礎には入れないということですよね。これについて大蔵省はどんなことなんでしょうか。アクセルかブレーキか、どっちかでもいいんですけれども。
○政府委員(佐野徹治君) 法定外普通税の許可をいたします場合には、これは地方税法にいろんな規定がございます。ですから、私どもも地方税法の規定にのっとりまして対応いたしておるわけでございますし、また地方税法上、この許可の申請がありました場合には大蔵大臣に通知をするという制度はございますけれども、当然大蔵省におかれましても、この地方税法上のいろんな許可の要件というのはございますので、そういった法律の趣旨にのっとって対応しておるものと、こういうように私ども理解をいたしておるところでございます。
○小林正君 そうすると、大蔵省としては制度的に問題点がなければ当然そのことは認めるということで受けとめておきたいと思います。 それにいたしましても、三千三百自治体がある中で、そうしたことを実際にやっているところが大変少ないわけですよね。これがそれぞれ問題がなくて現在の地方財政計画トータルの中で充足をしている結果なのか、それとも何か抑制的なものが働く結果なのか、このことについて私もつまびらかにしませんけれども、ぜひそうしたことのないような対応をお願いしたいものだと、こういうふうに思います。 それから次に、一般財源化のあるべき姿についてお伺いをしておきたいと存じます。 一般財源化の問題については既にさまざまな論議が展開をされておりますから問題を省略いたしまして、国庫負担金やさまざまな厚生省関係あるいは教育関係の費用が一般財源化されて地方に行った場合に、そのことが目的的に使われるということがなくて結果として、教育で言えばいわゆるナショナルミニマムの達成に支障を来すというような事態、それから厚生省関係についてもさまざまな論議があるわけでありますけれども、そうした過去の一般財源化の事例を踏まえて、これからの地方への一般財源化に臨む基本的な姿勢についてお尋ねしたいと思います。 どちらかといいますと、シーリングの問題が出てきて、一般財源化という方向でやりくり算段をしてそうした位置づけをしていくというような傾向が近年強いわけなので、それが一般財源化の本来の趣旨なのかどうかという問題もあるわけで、これらを含んで自治大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(野中広務君) 国庫補助金等の一般財源化のあり方につきましては、私も委員が御指摘になったような側面なしとしないと存じておる一人でもございます。 今後、しかし地方公共団体の事務事業の同化あるいは定着、こういう問題を考えますときに、地方公共団体がさらに自主的な対応にゆだねることが適切な分野は数多くあるわけでございますので、これらについて地方行政の自主性あるいは自立性を高めて行財政運営の簡素効率化を図るためにはできるだけ一般財源化を図っていくことが望ましいと考えるところでございます。私どももそのために一層の努力をしなければならないと考えておるところでございます。 ただ、こうした一般財源化を行う場合には、所要の地方財源を確保した上で適切な地方財政措置を講じる必要があるわけでございまして、委員御指摘のとおりでございます。このような方針に基づきまして、補助金のさらに一般財源化を積極的に推進してまいりたいと考えておるところでございます。
○小林正君 最後に、冒頭申し上げましたように、地方分権の推進法がいよいよ国会論議にかけられて、そして地方団体からの強い要望もあって内容の一層の充実、改善を図りながらできるだけ早期の成立ということが期待をされている。そうした中にあって、今さまざまな御指摘が各委員からも出ましたように、地方財政についての中央集権的な構造そのものを変えないといわゆる三ゲンの中の問題がまた出てくるわけで、地方分権それ自体が画餅に帰するということになりかねないというふうに思います。ぜひこのことを契機として中央集権的な構造そのものを変えていく踏み込んだ対応というものを求めたいと思います。 総論的に最後に御決意を承って、私の質問を終わります。
○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘になりましたように、地方分権を推進していく上で、地方税財源の確保が伴わなければ画竜点睛を欠くわけでございまして、私ども、委員各位の皆さん方の御協力、御支援を得ながらこの地方税財源の確保を行うことによって地方分権が一層推進をされますように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。 地方団体がそれぞれ地域の総合行政の主体として住民の多様なニーズに適切に対応していき、円滑な行政運営がされていきます場合に、そのためには地方分権の観点から国、地方を通じた事務事業の見直しを積極的に行いまして、財政基盤の整備を図りますとともに、地方税あるいは地方交付税などの地方一般財源の確保が極めて重要でございます。一層その財源充実のために努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○小林正君 どうもありがとうございました。
○委員長(岩本久人君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時五十分散会 —————・—————