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132回国会参議院1995/03/17

大蔵委員会 第6号

発言数
221
登壇者
24
会派数
7
開催日
1995/03/17

会議録

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、大森昭君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。     ―――――――――――――

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 去る三月十四日、予算委員会から、本日一日間、平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。     ―――――――――――――

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日、参考人として国民金融公庫総裁尾崎護君、日本開発銀行総裁吉野良彦君及び日本輸出入銀行総裁保田博君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ―――――――――――――

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) それでは、委嘱されました予算について大蔵大臣から説明を聴取いたします。武村大蔵大臣。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 平成七年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関收入支出予算について御説明を申し上げます。  まず、一般会計歳入予算額は七十兆九千八百七十一億二千万円となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十三兆七千三百十億円、雑収入は四兆三千百八十七億九千六百万円、公債金は十二兆五千九百八十億円となっております。  次に、当省所管一般会計歳出予算額は十六兆二千百五十九億二千六百万円となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れは一兆二千八百十二億二千六百万円、国債費は十三兆二千二百十三億円、政府出資は三千五百四十九億円、予備費は三千五百億円となっております。  次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。  造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも二百八十二億一千七百万円となっております。  このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。  最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。  国民金融公庫におきましては、収入五千八十九億六千三百万円、支出五千四百八億四千万円、差し引き三百十八億七千七百万円の支出超過となっております。  このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。  以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。  なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録におとどめいただくようお願いいたします。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 以上で説明の聴取は終わりました。  なお、お手元に配付いたしております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいたいと存じます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 自由民主党の佐藤泰三でございます。保険業法の改正と、消費税と二点につきまして御質疑をお願いします。  日本が昭和初期の経済混迷期、また戦時中という時期に、昭和十四年、現在の保険業法ができてちょうど五十五年になるわけでございますが、五十五年ぶりのこの保険業法の改正は金融の自由化、国際化の流れに沿った改革と聞いておりますが、その保険業法の改正につきましての概要について御説明をお願いいたします。

山口公生大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(山口公生君) お答え申し上げます。  保険制度改革は、金融の自由化、国際化等の保険制度を取り巻く環境の変化に対処するために、規制緩和、自由化による競争の促進、事業の効率化を図るとともに、保険契約者保護の観点から保険事業の健全性を確保すること等を目的とした改革でございまして、国民の信頼にこたえる新しい保険制度を構築しようというものでございます。  具体的な中身を若干御紹介させていただきますと、規制緩和、自由化の推進に関するものといたしましては、生損保の相互参入、商品、料率についての届け出制の導入、生命保険募集人の一社専属制の一部緩和、保険ブローカー制度の導入。また、保険会社の健全性の維持に関するものといたしましては、自己資本比率基準の導入、契約者保護のための保険契約者保護基金を設けるなどの経営危機対応制度の整備、保険計理人制度の拡充。また、公正な事業運営の確保といたしましては、少数社員権の行使要件の緩和などの相互会社における経営チェック機能の強化、ディスクロージャーについての規定の整備等でございます。  このような保険制度改革を実現するための保険業法案及び保険業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を近々今国会に提出させていただく予定でございまして、その際に何とぞ御審議を賜りたいと考えておる次第でございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 金融の自由化、国際化、また内外の経済社会情勢の変化に対応したということでございますが、現在、生保が三十社、損保が二十五社、外資系三十社と聞いております。これらの各会社は長い間いわゆる護送船団方式という形で相互に保護されてきたわけでございますが、急に自由化されまして、果たして健全経営という形でその点がどうかと懸念するものでございます。その辺どのように指導してまいる予定でございましょうか。

山口公生大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(山口公生君) この保険制度改革を進めるに当たりましては、新しい保険制度への移行によりまして混乱が生じ、契約者等の保護に重大な影響を与えることのないように漸進的に自由化等を進めてまいりたい、また着実に進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。  今、委員のおっしゃいましたように、規制緩和、自由化を進めてまいりますと経営の健全性ということが問題になってくるわけで、その確保がより必要となってくるわけでございますけれども、保険会社の経営の健全性を示す指標として、経営悪化を早期に防止する自己資本比率、ソルベンシーマージン基準の導入とか、あるいは万が一経営が破綻したような場合には、保険契約の移転等を円滑に進めるための資金援助のスキームも制度改革の中に盛り込んでおりまして、契約者保護に努め、また経営の健全性をより高めるよう配慮してまいりたいと思っておるわけでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 今までこれは認可制でございましたが、今度は届け出制になる。当然、約款とか保険料率も届け出でございますから各社それぞれに多様化してまいることが考えられるのでございますが、当然インフレ的商品、あるいはまたばかに低廉なものも出てくるかもしれませんし、現に、今審議中でございます東京協和信用組合、常識を超えた融資がございますが、このような懸念がないか。その体制と、ブレーキと申しますか歯どめというんですか、それはどのように対処するんですか。

山口公生大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(山口公生君) 今回、認可制をとっておった現行の制度に届け出制を一部導入するわけでございます。したがって、そういう形で自由化ということは進められるわけでございますけれども、先般の保険審議会の報告でも御指摘がありましたように、契約者保護の面で問題が少ないと判断されるものから順次届け出制へ移行するという御指摘を賜っておりまして、一挙に自由化をして混乱を生じるということのないように、そうした考え方のもとに進めてまいりたいと思っております。  具体的に申し上げますと、まず大企業の分野、例えば船舶とか貨物とか航空保険というようなものにつきましては約款も自由化してまいるわけでございますけれども、大衆の物件につきましてはもう少し様子を見ながら慎重に、契約者保護に欠けることのないように、また健全性の観点からも問題がないような運営になるようにしなければならない、そういう運営をしてまいりたいと思っておるわけでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 今度創設されます保険契約者保護基金ですか、やはりこの保険者保護ということが大きな問題になると思うんですが、今までは幸いにして、日本では護送船団方式ですか、余り保険者がそういう被害をこうむらなかったんですが、アメリカ等において非常に保険会社の倒産等もあると聞いておりますが、その点は自由化になってどうでございましょう。

山口公生大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(山口公生君) 自由化を進めてまいりますと健全性ということの堅持がより必要となってくるわけでございますけれども、万一の場合の備えということもまた必要になるわけでございます。  現行の制度を申し上げますと、昭和十四年の法律でございまして、大蔵大臣の権限でもって破綻会社の契約を救済会社に引き取ってもらう、それを強制移転という形でかなりの強制性を持って命令でもって移転をしておったわけでございます。必要であればその保険契約の削減を命ずることができるというふうになっておったわけでございます。  ただ、現在の法制におきましてそれほどの強い強制力を持たせてやるのはいかがなものかという問題がありまして、今回その面についての強制性というのを緩和しまして、いろいろ大蔵大臣もあっせん等必要なことは最大限やりますけれども、その強制的な命令で移転決定までしてしまうということを改めまして、そこはスムーズに契約が移転できるように今度は契約者保護基金、今委員のおっしゃった基金を設けましてその足らず前を補てんする形でできるだけスムーズに契約の移転が行われるように、そういったスキームを整えることによって契約者が保護されるということを今回ねらいとしているものでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 我が国でも過去において損害保険の倒産があったと聞いておりますし、また現在でも下社、C社、経営不安のある会社もあるとうわさを聞いておりますが、その保険会社の救済が保険契約者保護基金の第一号になっているのではないかといううがった見方もされるのでございますが、東京協和、安全の例もありますので、その点について御見解はどうでしょう。

山口公生大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(山口公生君) 具体的に会社を念頭に置いてこのスキームができ上がっているわけではございません。制度を大きく変えるときに、今までの大きな救済のスキームをより現代的な法制のもとに位置づけるということで改革をお願い申し上げたいと思っておるわけでございまして、こういう形でもって契約者保護に万全を期したいということでございます。  なお、戦後、損害保険会社で倒産というお話がございましたけれども、倒産一歩寸前という例が一回ございまして、それはキャピタルというフィリピンの会社の支店がございました。これが経営悪化によりまして昭和四十四年に契約の全部を国内の損害保険会社に移転しまして、それで保険契約が引き継がれ救われたという例がございます。そういったことがこれから皆無というわけではございませんので、委員の御指摘の点については万全を期してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 世界の趨勢で自由化も当然かと思うんですが、その自由化に伴いましてまず我々懸念するのは、今まで余りにも温室的でございましたからその弊害が心配されるのでございますが、保険会社の引き受け拒否あるいは差別的な引き受け、料率の乱高下、保険金の支払い遅延等の弊害が発生していないかどうか。米国ではかなり散見されるわけでございますが、我が国ではその見通しとしてどのような御見解等を持っておられますか。

山口公生大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(山口公生君) 保険は、その契約の性質上かなり公共的な色彩を持っている、公益的な色彩を持っているわけでございます。したがいまして、自由な経済のもとにおきましても、保険会社の方が契約者を遊んでしまう、あるいは引き受けを拒否してしまうということがありますと、本来の保険の社会的な役割というものが果たせなくなるわけでございます。したがいまして、そういったことにならないように気をつけながらやっていかなきゃいけない、また、保険会社におきましても非常にリスクが高いということで引き受けを拒否してしまうということが余り頻繁に行われるようなことがあってはならない、また、それが仕組みとしてそうならざるを得ないような形に持っていくことも行政としては避けなきゃいけないということでございます。  現在、例えば自動車保険等におきましては、引き受け拒否をしないようにということで指導しておるわけでございます。少なくとも、こういった保険は被害者の救済という側面もあるわけでございまして、本人のための保険であると同時に、また気の毒な被害者のための制度でもございますので、そういったものについて引き受け拒否等がないように指導しているところでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 指導は当然でございますが、アメリカの例で、引き受け拒否や保険料の高騰でアメリカで千七百万人のドライバーが保険に入っていないという数字が出ておりますし、また、一九九二年のハリケーンでフロリダ州で保険会社が新規契約の引き受けを拒否した、また、出産のためのいわゆる医療の過誤保険の保険料が急騰して、出産が診療報酬の高い保険料を払うため出産に医者がタッチしなくなったというような三点のことも聞いておるのでございますが、このような極端な例もないという保証もございませんし、現に、問題になっているあのような大幅な枠を超した融資までするんですから、その逆も当然あり得まずし、その点の懸念はどうでしょう。

山口公生大蔵省銀行局保険部長

○政府委員(山口公生君) 今、委員が御指摘になりました米国の例等は、私どもの今回の制度改革におきましても大変参考にしなければならないものでございます。  例えば、御指摘いただきましたハリケーン、一九九二年にハリケーン・アンドリューというのがフロリダ州を中心に大変な被害をもたらしたわけでございますが、その結果、保険料の大変な高騰、それから危険性の高い地区の契約が解除されるというような動きも見られたわけでございます。そうした事態を重視しました州政府は、保険会社の契約解除を禁止するという立法までやっておるわけでございます。  それから、今お述べになりました自動車保険でございますが、賠償事故が非常に多発しまして保険成績の悪い人々に対する料率が急騰すると同時に、また、若年層とかあるいは非常に貧しい方々の層を中心に引き受けが拒否されているという現象も生じているやに聞いております。アメリカの方も一生懸命努力をしてそういうことのないようにやっておるわけでございますけれども、御指摘のように、全米で千七百万人が保険を掛けないで車を運転しているという事態に立ち至っているということでございまして、かなり社会問題になっているわけでございます。  それから、もう一つ例を挙げさせていただきますと、カリフォルニア州で保険料の自由化でかなりダンピングが起きまして、そのダンピングの結果、採算が悪くなって今度は猛烈な保険料の引き上げが起きたわけでございます。その結果、消費者運動が巻き起こりまして自由化から事前認可制へ戻ってしまった、せっかく自由化の方向に持っていこうとしたのがまた認可制に戻ったという苦い経験も持っているわけでございます。  そういったことを十分に私どももよく考えまして、あくまで料率、約款等の自由化につきましては、基本的には自由化の方向、規制緩和の方向に持っていくわけでございますけれども、漸進的にやっていく。また、そういったものを防ぐために算定会制度というものの基本は堅持しながら、その自粛度を増すことは努めていきますけれども、その算定会による客観的な料率によるダンピング防止あるいは引き受け拒否の防止というようなことに努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 要は、この制度が改正になった後の運用でございますが、現在、自動車保険が日本は米国の三分の一、ドイツの二分の一と非常に保険料安くなっております。また火災保険におきましてもニューヨークの十分の一、ロンドンの五分の一と、非常に日本の現在の生保あるいは損保の保険料が安いという恵まれた境遇でございますが、自由化になりましたらなかなかこれも難しいんじゃないかと思いますし、またこれは監督指導する大蔵省におきましても、現在保険都と金融検査部で百四十八人だそうですが、アメリカの保険監督者は九千七百人。膨大な人員を抱えていてもこのあれでございますから、現在の百四十八人というのは非常に手不足と思いますので、その点も考慮しまして、どうぞ国民の保険者保護という意味でこれに当たりましては慎重に、前向きにひとつやっていただきたいと要望申し上げまして、終わりにします。  次に、医療におきます消費税につきましてお尋ねをしたいと思います。  委員会のたびに毎回質問申し上げてまことに恐縮なんでございますが、なかなか消費税問題につきまして納得のいく答弁が得られなくて、非常に各地区の医師会、医療界で毎度これは論争のもとになります。ゆうべも実はさんざんやられたんですが、難しいんでございますが、何かひとつすっきりわかるような御答弁をいただければと思うんでございます。  保険診療におきましては、消費税が薬価の中に三%含まれてよろしいという答弁をいただいておるんですが、薬価のほかに材料費もございますから、結局仕入れと消費税とその間に非常に差額が出ておるということを言われております。日本病院協会の調査によりますと、消費税は売り上げの一・五%に達しているという調査が出ております。また、日本医師会の調査によりますと、日本医師会は割合小さな診療所が多いんでございますから、売り上げの〇・五ないし〇・六%が大体損税として計算されるという詳細な調査結果が出ておるんですが、厚生省でもこのような実態調査をしたことがございますかどうか。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) ただいま委員が御指摘になりましたいわゆる損税と言われる部分でございます。医療関係団体におきましては、最近の課税仕入れに三%を掛けまして、その額と社会保険診療報酬の収入に元年度の改定率、これは〇・七六%であったわけでございますが、それを掛けました額と比較をいたしまして不足をしている、これが損税になっておるといったことを言っておるわけでございまして、このことについては厚生省も承知をいたしておるところでございます。  しかしながら、診療報酬、薬価基準というものはこれは公定価格ということでございまして、実際に医療機関が購入した額とはこれは乖離がある部分がございます。したがいまして、この消費税につきまして厳密に申し上げるならば、そのときそのときの仕入れ物品等の価格動向をきちんとつかまえて、そしてつかまえていく必要があるんだというふうに認識をいたしております。  そうしたことからいたしますと、現在の物品仕入れの部分につきまして単に三%を掛けまして、それから消費税導入時の平成元年当時の消費税動向等を比較いたしまして損税云々ということを単に論ずることはできないのではないか、このような認識を持っておるところでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 ただいまの御答弁、ちょっと払うなずけない点があるんです。薬価は公定価格で決まっている、三%の消費税が入っている、それより安く買っているから問題はないんじゃないかと。自由社会ですから、定価を引いて買うのはこれはその人の器量であって、それを税に考えるのは、ちょっとその今の答弁は私いただけないと思うんです。薬価より高く買っているものもございます。ワクチンはそういう傾向がございます。定価でもって三%掛けていりゃいいんじゃないか、実際買うときは割り引いて買っているじゃないかと、これはちょっと自由主義経済を御存じない御答弁でございますよ。いかがですか。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) 薬価につきましては、平成元年のときに決めました価格のその後の動向でございますが、四回にわたりまして診療報酬改定を行っております。その都度、考え方といたしましては、まず薬価調査を行いまして、消費税を含まない実勢価格を報告いただいておりまして、その部分に三%を乗せまして消費税を入れた形の加重平均値をまず出しております。  さらに、現在ではそれに一定価格幅の上乗せを行っておるということでございまして、いわゆるRゾーンというふうに申しております。そういったものを含めまして価格を決めておるということでございますから、消費税は適正に転嫁されているというふうに考えておるところでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 時間もあれでございますから端的に申しますが、消費税が平成元年に始まったときは〇・七六%を診療報酬に加えてあると。その後、平成二年、平成四年、平成六年と改定がございましたが、それは一体何%オンコストしたのかということ。  いま一点、各病院協会の大きな問題は、最近の医療機器は非常に高価でございます。何億の機械がございます。それは大変な消費税でございます。これは、医療が社会保険中心にしていますし、税が取れませんから、一般企業ですと仕入れ税額控除という特典がございますが、医療に関してはございませんので、設備投資に関します消費税が還付をされない点が各病院の大きな負担になっています。  ゆうべも話しましたが、消費税五%でも一〇%でもいい、国の方針だから我々は喜んでそれは受けると。もっとはっきりしてほしい、できればオール外税にしてくれという意見もかなり強うございました。不明朗な金一銭も払うのは嫌だ、はっきりすれば一〇でも二〇でもいいよ、欧米並み消費税でもという意見が強いんですが、非常に不明朗で、それでいつでも論争のもとになって、最後は執行部が責められるんでございます。  そんなことでございますので、この一般の仕入れ税額控除ということがございませんから、設備投資に対する消費税問題、それから今どんな形でオンコストしておったか、その点をひとつ一般人にわかるように簡単に何か御答弁できませんか。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) ただいま御指摘の医療機器、あるいはそのほかの建設等にかかわります減価償却資産の部分だと考えておりますが、この部分につきましては、消費税導入によりましてその部分が乗せられるということは御指摘のとおりだろうと思います。  しかしながら、現在までやってまいりました診療報酬改定におきましては、これらの減価償却等を医療経営実態調査の中で把握するということといたしておりまして、それをも踏まえまして、中医協で御議論いただきまして改定幅を決めておるということでございます。したがいまして、四回の改定におきましては消費税を込みとした改定幅を行っておりますので、そのうち消費税が幾らであったかということは数字としては出てまいりませんが、適正に転嫁しておるというふうに考えておるわけでございます。  また、この医療機器等につきまして具体的に申し上げますと、例えばCT等の非常に高価な医療機器等がございます。こういったものにつきましては、コンピューター断層撮影といった診療報酬の点数がございますが、こういったものの撮影料といった中で消費税を評価するという形で手当てをしておるということでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 ただいま何かちょっとあれですが、結局消費税もある程度定着しまして、最初のころは内税がいいという意見があったんですが、最近は定着して、さらに明後年度ですか、五%になる。そうすると、当然外税も考えられてきております。  ゆうべも論争があったんですが、老人負担が今まで一カ月一千円だった、それが一千十円に上がった、千十円もらうのは大変だと、点数が。しかししょうがない、法律だからと。その思いをすれば消費税何でもない。ですから、消費税は外税にしてもいいんじゃないかというふうな意見もかなり出ましたけれども、その点御見解どうですか。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) 医薬品等につきましては、一般の商品と同じように消費税が課税されるということになっておることでございますけれども、消費税を円滑に転嫁するといった観点から外税方式を当初から取り入れているところでございます。価格の表示というものにつきましては、基本的には事業者の選択によるというふうに考えておるところでございまして、厚生省としてこの部分を統一的に内税等にするように指導するといったことは難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 最初この薬価に対する内税というのは医師会側の要請だったんですが、時代が変わってくると、またそれも話し合いによって外税ということも考えられるということですか。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) 先ほど申し上げましたように、内税、外税といった問題につきましては、これはあくまでも事業者の選択によるというふうに考えておると申し上げたところでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 現在は内税になっておりますけれども、毎度毎度質疑して恐縮なんですが、何かすっきりしない。というのは、社会保険がいわゆる税外であると思うんでございますが、その点を保険分はこうで、これはこうと、何かこう明快なあれが出せないものかなあと思うんです。  今の日本の国情を考えますと、行く行くは将来はこれはもう五にも一〇にもならざるを得ぬだろうと思います。このままでとてもいかないと思います。それを考えますときに、一般にわかるような明快な方法をぜひ切望するんですけれども、いま一点、何かございましたら御答弁願いたいと思います。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) 平成九年の四月には消費税の税率が引き上げられるというふうに今お聞きしているわけでございますが、その際には仕入れにかかわります医薬品でありますとか医療材料等は当然上昇するといったことでございます。こういったことに対応するために、現在中央社会保険医療協議会というのがございますが、その中で消費税問題についても議論をしようということになっております。  また、診療報酬改定のときの基礎資料となります医療経営実態調査というのがございますが、本年六月に実施する予定でございますけれども、その中でも、医療機関におきます消費税の実態把握、より詳細な実態把握に努めようというような議論が出ておるといったところでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 この問題は非常に論争の種になってなかなか我々も困るんですが、ぜひひとつ明確にしていただきたいと思います。  それからいま一点は、今、大抵医療機械というのはリースが多いんです。ほとんど八割がリースと思います。この医療機械、高いリース料を払うんですが、リースの場合に消費税はどんなふうになっているんでしょうか、ちょっと不勉強で申しわけないですが。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) この部分につきましては、診療報酬改定等におきましては、消費税の課税対象ということで手当てをしておるということでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 そうすると、リースに関しましては、もう消費税の課税対象として徴収されているわけですね。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) その部分を勘案いたしまして診療報酬の点数上評価をしたということでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 それではどうもちょっといただけないんですが、実際調査してないわけでしょう、実態調査を、平成元年以来。このような細かい調査してないと思うんですよ。それで調査して加味している加味しているとおっしゃるんですが、まことにその答弁がいただけないんですけれども。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) 平成元年のときに〇・七六%の手当てをしたと申し上げましたが、この部分につきましては、昭和六十二年のときの医療経営実態調査をもとにいたしまして、人件費あるいは非課税品目、こういったものがどれくらいあるのか、実際に課税される物品関係はどれくらいあるのか、こういったものを勘案して〇・七六%が決まったものだと考えております。  その後につきましては、この医療経営実態調査は二年に一回行っておりますけれども、そのときには消費税等を細かく分けて調査をしたということはやっておりません。したがいまして、消費税を込みにした医業収益、医薬支出というものを勘案して改定幅が決められてきたということでございます。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 平成元年にやって、その後この経済変動が激しい中で、してなくて込みにしているというのはちょっとおかしいですね。その点が論争の種になるんでして、その点をもっとひとつ、病院協会、医師会だって、立派な調査をして出していただきたい。五年間もほっておいて込みにした込みにしたと、それがどうしてもうなずけないんです。私はこれ四度目の質問ですよ。まことに失礼ですけれども、その点をぜひひとつ実態調査をしてやっていただけるということを確約願いたいんですが。

下田智久厚生省保険局医療課長

○説明員(下田智久君) 現在、中央社会保険医療協議会におきまして消費税問題が上がっておるということは申し上げました。また、来年度におきます診療報酬改定におきましての基礎資料とするための医療経営実態調査も六月に行いますが、その時点におきまして、さらに細かく消費税等がわかるような調査項目がつけ加えられておるというようなことで議論が進んでおるということでございますので、さらにいろいろ御議論をいただくということになろうかと存じております。

佐藤泰三自由民主党

○佐藤泰三君 くどいようでございますが、この点も、いずれ五%、一〇%になることは当然もう明らかでございますから、それに対応しまして十分ひとつ対応していただきたい。  どうもありがとうございました。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 大臣に答弁をいただくところから始めましょうかね、きのう幕切れに質問だけしておきましたので。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 今回の特殊法人の見直し、中でも政府系金融機関の見直しに政府・与党真剣に取り組んでいるところでございます。  過般、輸銀と基金の統合を御報告申し上げたわけでありますが、これで政府系金融機関の統合は終わりというわけにはならないというふうに思っております。当然今の作業の中におきましても年度末までの努力が問われておりますし、私はむしろ、今回の特殊法人の見直しが集約されたその後、もう少し時間をかけて公的金融のあり方、そのことは財投のあり方と表裏一体でありますが、そのことに政府全体としても目を向けていく必要があると認識をいたしております。できれば総理の御判断をいただこうと思っていますが、専門家の意見も聞くような形をとりながら、全体についてもう少し奥深く議論を進めて将来に備えていく必要があるというふうに思っております。  ただ、財投そのものは、御承知のようにいわゆる有償資金によって公的な仕事を進めていくという考えでございます。有料道路にしましても、中小企業、個人事業対策にしましても、これは国民の期待するところでもありますので、財投そのものを基本的に否定するという考えは恐らく将来ともないんではないか。しかし、その基本に立ちながらも、今までのあり方を反省しながらこれからに備えていく必要があるというふうに認識をいたします。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 私も、政府系金融機関のありよう、突き詰めて言えば統廃合の問題に少し首を突っ込んだんですが、それはもちろん金融機関そのものが、補完といいながら実態を見ると補完よりも主体になっておるという部分もあったり、あるいはまた、そこまで国の仕事がなと思うような部分もあったりといろいろあります。  金融機関だけ見ていっても、情報公開するとかあるいはリストラするとか、くっつけるとか離すとか、そういう議論だけで終わると随分レベルの低いスケールの小さいものになってしまう。この多くがやっぱり財投機関でもあるし、そうなりますと財投のありよう、公的金融、政策金融のありよう等々がを総合的にとらえて問題点の整理をしないと、ただ金融機関のところだけ見ておったってこれはろくな解決にならないということをしみじみ感じたものです。  そうなれば、大蔵省が一つ減らせとか二つ減らせとか、厚生省の分をどうせいとかというレベルじゃなくて、財政金融当局としての大蔵省がしかるべく問題点を整理して見解の表明あってしかるべしという気がしたものですから、きのうあのような質問を申し上げた。  しかしそれは、今大臣が言うように少し時間をかけて、しかるべき専門家の意見も聞いて、政治判断も加えてということなんですから時間がかかるんです。しかし、何か行革という枠の中で特殊法人、金融機関というようにずっと絞られてきたものですから、何かそれだけやると消費税にかわるような財源でも出てくるのかなという、そんな雰囲気の中で進めるから大山鳴動ネズミ一匹みたいな答えしか出なくて、何のこっちゃという評価を受ける仕組みになっているんじゃないかなということをちょっと反省を込めて質問したわけです。  ところで、財投についていえば、とにかく資金が膨大で、今財投の原資になっております郵便貯金にしましても、あるいは保険にしましても、年金にしましても、別にあれ財投資金として集めているんじゃないんで、本来、一方は貯蓄とかあるいは社会保障とか、そういう目的を持って仕事が始まっていて、たまたまそこにお金があるから、有償の資金として活用させてもらうという仕掛けなんでしょう。  しかし、それにしても諸外国には割合例の少ない仕組みで、しかも一般会計の三分の二を超えるような相当膨大な量だと。この量の大きさがまた一つ問題にもなるようだし、資金の入り口としての郵便貯金のありようとか、あるいはこの出口における民業、民間との競合というんですか、あるいは民間から見ると圧迫というのかもしれませんが、そういう問題とか、あるいは財政秩序の観点では、特に最近景気対策として財投機関がフル回転するせいもあるんでしょうか、財政と金融との関係がどうもあいまいで、秩序が乱れているんじゃないかとか等々指摘を受けておるんです。  今ちょっと私が規模の大きさ、あるいは資金の入り口、あるいは出口、あるいは財政秩序、幾つかの問題をちょっとあげつらいましたけれども、何かそれについて所見がありますか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおりであると思っております。  財投をめぐる入り口の問題もございますし、出口の問題もあります。いずれにしましても、いわゆる税負担は国民の世論としては極力抑制をしていかなければならないと。そこに金融手段といいますか、金融手段による政策選択ということから、いわゆる有償だけれども、その有償資金が償還されることを前提にしてさまざまな政策金融措置、財投措置がなされているわけでありまして、それはそれとして一定の国民の合意を得ながら有効に機能している面も大きいわけであります。  ただ、あえて替えば、政策的な意図のもとに低利融資というふうなことになってきますとかなり、かなりといいますか、それにプラス財政から支援をする、さらに利率を下げるというふうなこともありますし、また、出口の金融機関やあるいは公団、事業団等においてもそれぞれいろんな悩みを抱えてくる、そのことに対して経営的に財政支援を要するというふうな事態もかなりあるわけでございまして、財政の側から見て財投をどう考えるかという、まさに財政改革、財政健全化の努力の中での視点も一つ必要になってくるんではないかというふうにも思っております。この問題は行政改革というよりも財政改革の中の大きな柱だと、そんな認識を持っているところでございます。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 これは局長のレベルでいいんですが、金融機関、政府系金融機関はもちろんですが、財投機関というのは幾つありますか。

田波耕治大蔵省理財局長

○政府委員(田波耕治君) 現在、財投の対象となっている機関の数は六十でございます。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 そこに一般会計から補助金、補給金、あと貸付金とも言うかな、いろんな形で出ているお金の総額はどれぐらいになりますか。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 今、財投機関に限ってという数字がちょっと手元にはございませんが、特殊法人全体で、七年度予算で補助金等といたしまして二兆三百六十九億円、出資金七千二百九十四億円、それらを合計いたしますと二兆七千六百六十三億円でございます。  ただ、これは今申し上げましたように特殊法人全体でございますので、その点御了解いただきたいと思います。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 私も素人ですから予算の見方もわかりにくいんですが、なかなかそれ探しても出てこないのよね、この予算書見ていますと。それで、ある者は政府系金融機関だけ見ていまして八千億だろうと言う者もおるし、いや三兆も四兆もあると言う者もおったりしまして、どこをどう探したらそれが出てくるのか、これ財政民主主義に反するなど僕は思っておるんですがね。こんなことを言っては悪いんですが、大蔵委員何年もやっていてわからぬのですから、まあ普通の国民はこんなものわかるわけないわな。  しかし、今も聞きましたように大体三兆近いですね。近年特に景気対策などの役割を担ったということがそれにつながっておるのかもしらぬけれども、そうなってきますと、それは相当の額だということで、財政の秩序とか財政金融のあいまいさとかという話が出てくるんだと思うんです。少々時間がかかるでしょうけれども、もとに戻りますが、特殊法人の整理とかという話はその辺から解きほぐしながら答えを求めるのが本筋だろうということだけは指摘をしておきたいと思います。    〔委員長退席、理事楢崎泰昌君着席〕  さて、きょうは大蔵省においで願っているんですが、やりくり――やりくり法案じゃない、繰り入れ法案ですね。どうも済みませんでした、ちょっと言葉が似ているものですから。私はやりくり法案と言うんですが、きのう大蔵大臣の説明を聞いて、また法案も読んで、すぐわかる人はよっぽどのプロか財政のやりくりにかかわってきた者だけではないかなという感じを深くしているんです。  世間では、足りない分はここから借りるとか、ここに借りて返さなきゃならぬのだけれどもしばらく待ってもらうとか、そういう言葉なんですね。大蔵省はわけのわからぬ繰り入れとか繰り出しとか何とかかんとか、停止とかと言うものだから何のことかわからなくなるわけですが、これからはやっぱりできるだけ世間様のわかる言葉で扱うことをちょっと工夫してもらえないか。  大蔵省が好んでわかりにくい言葉を使っているとも思いませんが、役所は大体わからぬ言葉を言うんです。自分の都合の悪いときはなおさらわからぬ言葉を使うというのがあるんですが、よく言われますように、金融は市場原理だ、財政は民主主義の原理で動くんだ。これが大原則だというんですが、どうも民主主義の原理には反するかなというような感じがします。  ところで、そうは言ってもあっちこっちから借りているんだから、これを人様呼んで隠れ借金だろうと十把一からげに言うんですが、ここで関連を一つだけ聞いておきたいんです。赤字国債というと借金といえば借金ですよね、足りないから借りるんですから。それから返すものを返さぬのも借金だし、待ってもらうのも借金だし、もう何もかんも借金なわけですが、これどうでしょう、この赤字国債というのと隠れ借金というのは性格はどのように違うのか。それを赤字国債で賄うのと隠れ借金で賄うのとの間にメリットとデメリットはどこにあるのか。これちょっと財政上の見地で少し説明してくれませんか。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 今委員御指摘の、まずわかりにくいという話がございました。  おっしゃいますように、今回、特例公債の発行を回避するためにいろいろぎりぎりの工夫をする中で、まさに国の会計間の措置でございますので、委員が今言われましたように繰り入れとかそういう言葉を使っておりまして、それがそもそもなかなかわかりにくい一面が基本にあるかと思います。これまでも、いわゆる繰り入れ特例法等に基づきましたこの特例的な措置につきましては、まさに国会における審議等を通じまして私ども一生懸命御説明を行ってきておるわけでございます。また、これと関連いたしまして、「今後処理を要する措置」という資料の形でも整理させていただいているところでございますが、やはりこれをわかりやすくという御指摘は、その意味では当然のことと思います。  今言われました、このような特例的措置と、むしろ財政の実態を明らかにするために赤字公債というか特例公債、これがどういうぐあいに異なるか、またそのメリット・デメリットという御質問でございますが、特例公債の発行につきましては、歳出は経常的な収入で賄うという財政のやはり基本原則に著しく反するという点とか、二番目には、後世代に資産を残さずに利払い費等の負担だけを残し、結局、世代間の負担の公平という観点からも大きな問題があるという点とか、三つ目には、一たび特例公債を発行いたしますと、歳出の増加圧力に対するいわゆる歯どめがなくなりまして、財政状況の急速な悪化への道を開くこととなりかねないというような、これらのような問題点が指摘されているわけでございます。  一方、特例的な措置、今回も検討せざるを得なかったわけでございますが、これはそれぞれの制度、施策をめぐります状況を私どもといたしまして十分検討した上で、それぞれ特別会計、基金等運営に支障を生じない範囲内でやむを得ずとられているものでございまして、私どもといたしましては、その性格及び金額の点でおのずと歯どめを有しているというぐあいに考えているわけでございます。  いま一つ、先ほど先生も言われましたんですが、特例公債は広く市中から資金調達を行うわけでございますが、今回のような特例的な歳出削減措置は、基本的には最初に申し上げましたように国の内部における措置にとどまるものでございます。そういう意味では財政資金の効率的使用という側面も有しておるわけでございます。私ども、今委員が言われました意味でのどう異なるかというのはそういうぐあいに理解しておるところでございます。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 やりくりの方は歯どめはきいているんだし、赤字国債の方は歯どめがきかなくなるという財政運営上の原則を言っているようですが、それも自分が設けておる原則なんで、原則を変えればどうってことはない話になっていくわけです。  ちょっとそれに関連をしますが、今も言いましたが、後世代に赤字を残さない、借金残さないという意味では同じことですよ、建設国債も赤字国債も。民間の会計なら、例えば一億円の借金があると、それに見合う学校が建っているといえばこれは合うんですが、お役所の会計じゃ、学校が建っているからといって別にそれちっとも見合ってなんかいないんですよ。必要なときに学校をつぶして売れるかといったら売れやせぬし、金にならぬのですからね。そういう意味では、五十年、三十年の担保になるようなものがあるといっても、余り官庁会計でいえば説明にもならない。  そういう意味では建設国債も特例国債も似たようなものじゃないかという議論がよく出まして、なるほど法律では国債は発行しちゃいかぬという国債不発行主義をとっておりまして、ただし、公共事業と出資金と貸付金は例外だというふうにして、そういうふうに自分でのりをつくっているものですから、それ以外のものはもう何かえらい悪いもののように扱って、皆さんは、財政当局はそれを一生懸命守る。それが悪いと言いませんよ。皆さんのお仕事ですからそれは構わないんですが、外から見ると案外こっけいな部分もあるということを申し上げておきたいんです。  そこで、何か財政当局は一つのりを外すともうとめどがなくなるのでとばかに頑張るんですが、むしろその辺は少し融通をきかしてあいまいにして、あいまいと言ってはおかしいんですが、総量規制でびっしりやったらどうだと。ことしの予算を見ますと、予算の約七割が租税及び印紙収入になっていますが、これじゃちょっとあれなんで、例えば八割ぐらいで総量規制にしたらどうかという意見は根強くあるんですが、これは今検討の対象になっていないんですか。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 今、委員のお話は大きく二つに分かれるかと思います。一つは赤字公債と建設公債の違いの話と、いま一つは全体としての、委員のお言葉で申し上げますと総量規制という話なんだと思います。  最初の点で申し上げますと、まさに委員が言われましたように、財政法は、国の歳出は公債等以外の歳入をもってその財源としなければならないと定めておるわけでございまして、公共事業費等の財源につきましては、まさに例外として第四条一項ただし書きで建設公債の発行を認めているわけでございます。  これは、考え方といたしましては、公共事業費等につきましては、先ほど委員も言われましたんですが、その経費の支出により資産が形成され、その資産からの受益も長期にわたる、次の世代にもわたることから公債発行によることを認めているものでございます。  したがいまして、建設公債以外は財政法第四条の特例を定めて発行される公債、ですから特例公債と言っておるわけでございますが、まさにこの特例公債は先ほど申し上げましたような問題があるものですから、今回も特例的な措置ということでお願いしているわけでございますが、まさに委員が言われましたように、建設公債につきましてもそれはやはり多額の利払い費を伴います。それから、公債残高の累増を通じまして財政の硬山化要因となるという点では特例公債と基本的には同じ問題があるわけでございますから、その発行についてはやはり可能な限り抑制すべきものと考えているわけでございます。  今回の七年度予算編成は、緩やかな回復基調にある経済情勢に配慮いたしまして、公共投資を推進するというためにやむを得ず、やはり厳しい財政事情のもとでやむを得ず建設公債の発行によりその財源を確保したわけでございますが、いずれにいたしましても、両方合わせてという意味での公債依存度は引き下げなければならないわけでございまして、またそういう努力をしなければならないわけでございまして、公債残高が累増しないような健全な財政体質をつくり上げるべく努力していかなければならないわけでございます。  二番目の、今委員が言われましたいわゆる税収の方で賄われているのを、これを私どもは一般会計の中の税収比率というぐあいに言っております。七年度予算では七五・七%というぐあいに試算されているわけでございますが、具体的にこれは統計的に私どもはそういう数字を出しておりますが、これを目標とかそういうことで今現在予算編成をやっているわけではないわけでございます。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 今のにもちょっと関連するんですが、税収比卒の話がありましたが、武村さんのみならずですが、歴代の大蔵大臣の財政演説というのをここ十年ぐらい読んでいるんですが、決まった言葉があるね。財政の対応力の回復。何かわかったようでわからないんですが、これはまさに呪文というか念仏みたいになっていつも書いてあるんですね。話は余談ですが、念仏というのは自分が納得するんでして、人はちっとも納得しない。  それで、財政の対応力というものは一体具体的に何なのかという議論を前にも私――抽象的にわからないわけではありませんよ、何かあったときにほっと対応できるとか、余裕がなきゃならぬとか、柔構造を持ってなきゃならぬとか、意味はわかるんですが、それにしても何か具体的な指標のようなもので、せめてここまで行きたいとか、このようにしたいとかというふうな、数値目標でもいいんですが、何かそういう指標のようなものを掲げて財政改革をやるならやると。  ただ、皆さんの方がお示しになっているのは、中期展望というので示しますが、中期展望が当たったことは一遍もないしね。何かあれで納得しておるのかもしれませんが、ただこうやっていけば何兆足らなくなると言っておるだけで、だから何しようとも書いてはないわけですが、指標として掲げるとすれば一体どういったものが指標になりますか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) それがなかなかないのでありまして、国際的なそういう物差しもないんですが、私どもがこれですと言ったら国民の皆さんがすっと納得してくださるようなものがないという意味でございます。  今、七年度末の公債残高のGNPに対する比率は四三ぐらいになると推計をしておりますが、G7の会合でも絶えず各国の財政体質というか赤字体質の比較の論議が出まして、冒頭にIMFの専務理事が来まして各国のレビューしたものを、概括的に日本はこうだとやるものですから、それ黙って聞いているんですが、私はまだ三回ぐらいですが、財政赤字というのは大体アメリカの問題だと我々は思っておりました。あるいはヨーロッパにもそういう国が多かったんですが、ヨーロッパはかなり努力していますし、アメリカはまだ成果が明確に上がっておりませんが、日本の経済全体の説明の中で日本財政の赤字体質というのはぐんぐん浮上してきているという大変肩身の狭い状況になってきております。志苫議員からも大変鋭く大事なところに目を向けてお話をいただいておりまして、各議員からもそういう声を今議会でも随分伺いました。  結局、私も初めてこうして手真編成を預かって、率直に感想を申し上げると、財政需要とそれから歳入の能力とのギャップ、すさまじく大きいギャップ。これは、財政需要というのは国民の皆さんの日本財政に対する御期待、これもやってほしい、あれもやってほしいと。そのことは、直接的に国会議員の先生方はそれを受けとめて真剣に議論をいただくし、大蔵省へも各省へも持ち込んでいただく。そういう需要の大きさと大蔵省が掌握している税を中心にした財政能力の限界というか、そのことをまざまざと痛感をした次第であります。  片方は、やっぱり将来のことを考えて、赤字国償だけはもう二度と出すまいという思いが我々財政当局には強いわけでありますが、それはああいう経験をしたからでございまして、その一点を守って新年度の予算も編成してみますと、結局入りと出のギャップが数兆円という大きさになってくるものですから、それがこういう特例措置という形になっているというのが現実でございます。  これは私どもの責任でございますが、しかし率直に語れば、国民の皆さん全体の財政に対する需要をどういうふうに整理をして、申しわけありませんがこれもやめさせてもらいます、これも半分にします、こういうことができなければどんどん財政は悪化をしていくのではないか。  事務当局も、原稿を幾ら見ても基準は書いてないんですが、おっしゃる物差しが出てこない。これは時々のあれによって違うとかいろいろ書いていますが、事務当局も恐らく頭の中では何かもう歯どめをかけなきゃいけないということはみんな知っていると思うんです。しかし、政治の状況とか国民の長年の日本財政に対するかかわりから見たら、大蔵省がそんなことをぼんと打ち出したって、とてもじゃないが簡単に御了解いただけないだろうという思いがあって事務当局がそういうものを言うのを抑えているような感じもします。  そうかといって、私どもも今ここで大臣だけの判断でそんなことが言える問題ではありません。大変大きな問題であります。根の深い問題でありますだけに、こういう議論の中からそれなりのやっぱり真剣な物差しというか歯どめの目標というものを打ち出していくそろそろ時期に来ているというふうに痛感をいたしている次第でございます。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 赤字国債も責めて国債がようけあるからといっても、それが全部悪でもないんでして、国債というのは国は借金だけれども買っているやつは自分の財産ですからね。それがGNPの大きさから比べてどの程度のウエートになっているかというあたりが恐らく比べ方になってくるんでしょう。赤字国債二百兆円あるといったって、GNP六百兆もあればそれは大した心配はないわけですから。  という意味で、例えばGNPと国債残高の比率であるとか、もちろん予算にあらわれる公債比卒、国債比卒、あるいは建設国債の話がありましたが、それも一体すき間がどれだけあるのか。何かことしの予算はすき間もないそうですが、すき間がどれくらいあったら健全だとか、あるいはさっきちょっと話が出ました税収比率が何とか八割ぐらいまではいきたいものだとか、何かそういう指標を示して、専門家はたくさんいるわけですから、そうやって努力目標が出ると、財政状況少しよくなっているな、やっぱりよくなったなと。それを単純に二百兆円超す借金があるということだけでは財政を説明していることにもならぬわけであって、そういう意味で、せっかく財政の対応力の回復というようなことを毎年おっしゃっているんですから、もうちょっと具体化した財政再建目標とでもいうようなものを掲げるようにするべきだろうということを申し上げておきます。  ただ、さっきの国債の方にまた戻りますが、私は総量規制という主張をしたんですが、赤字国債か建設国債かという境目のあたりになりますと随分グレーゾーンもあるわけです。私はその辺は少し融通をきかせた方がいいという立場なんですが、そして総量を見た方がいいという立場なんですけれども、例えばことしの科技庁の予算でしたか、試験研究費が国債から回っているじゃないの、わずか七百万ばかりだったけれども。そういう形で相互乗り入れというのはだんだん出てくるという傾向にあるんじゃないですか。橋つくったり道つくったりすることだけが国債というものでもあるまい。将来に備えるというんだったら、人づくりだって何だってみんな将来に備えているんですよ。ちょっとその辺どうなんですかな。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 今の最後のお話にお答えする前に、対応力のお話を答えさせていただいてよろしいでしょうか。それともう一つは財政審の指摘もありますのでそれを答えさせていただきますと、一つは、先ほど委員が言われました財政の対応力の回復という言葉を私ども使わせていただいておりますが、これはなぜそもそもそういう言葉が出てくるかといいますと、やはり公債残高の累増に伴いまして、先ほど委員も言われましたが、国債費が一般会計の約二割ということで、この国債費の重圧がいわゆる政策的な経費の圧迫要因となっている現在の硬直的な財政構造、これを改善しなければならないという意味で対応力という言葉がまず出てくるわけでございます。  その対応力の回復ということになりますと、締局はこれは、常に議論されているところでございますが、本格的な高齢化社会の到来に備えまして、福祉の充実とか社会資本の整備とか国際社会への貢献等いろいろな国民のニーズにこれから的確にこたえていくことができるような、そういう意味での財政の対応力という言葉を私どもは使わさせていただいているわけでございます。  それからもう一つは、先ほどの委員のお話の中に関連する話といたしまして、平成六年二月の財政審におきましても、公債残高が累増しないような財政体質を目指すに当たっての公債依存度の具体的な水準としては、現在の公債残高の水準等を勘案すれば、既に報告で示されております五%を下回る水準がなお中期的な一つの目途として適当であると考えられようという指摘もいただいているわけでございます。  いずれにいたしましても、大臣から答弁がありましたように、どれをひとつ目標値としてというのはなかなか難しいわけでございますので、その点御理解いただきたいと思います。  今、委員の最後の御質問にありました、基礎研究充実のための出資金の活用方策に関する調査費ということで、平成七年度予算で科学技術庁予算に五百四十万円が調査費として計上されております。これは、基礎研究の一層の充実につきまして重要な課題であるということはかねて御指摘いただいておるわけで、財政当局といたしましてもその必要性は認識しているところでございます。七年度予算におきまして一体どのような施策をとり得るかにつきまして、研究法人に対する出資金の活用を中心に勉強するために、新たに科技庁に調査費五百四十万円を計上したところでございます。    〔理事楢崎泰昌君退席、理事竹山裕君着席〕

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 時間も来ましたからそろそろ最後にしますけれども、近年特に総合経済対策で財政が出動をするわけですが、一次、二次、三次という総合経済対策を見ていきますと、膨大な資金が出動した割には果たしてその効果は疑わしいんじゃないかということです。いつでも金融緩和と公共投資の増額というこの二つを常備薬のようにして用いますけれども、常備薬の効き目というのは随分薄れたんじゃないかなという議論がよくあります。今また円高で、いずれいろんなことをまた議論されるんでしょう。  いろいろ原因もあるんでしょう。公共投資の内需誘発効果が薄れたのは、例えば一番効き目のある素材型産業が日本経済のわき役へいっちゃったとか、土地でみんな食われちゃうとか、そのお金は何か株とかあっちの方をぐるぐる回っていてちっとも役に立たぬとか、あるいは原材料に相当部分回ってしまえばそのお金はすぐ国外へ行っちゃって内需効果にならぬとか、いろんなことを言っているようです。  それはそれとして、同時に、制度面でいきますと、省庁別の配分がちっとも変わらないというところにもその制約が――大体建設と農林で七、八割食っちゃうじゃないの。それに何かどこかくっつくと、あと残りの省庁十幾つが集まって五%ぐらいを分け合うみたいなことになっています。  それが一体間尺に合うのかどうかは別としまして、問題があるんでしょうが、同じことは予算編成にも言えるわけでありまして、しばしば公共投資の配分比率の問題がありますが、そういう意味で少しなじみの深い縦割り省庁システムというふうなものを、省益、システムというものは牢固として根づいておるわけですが、この予算が終わりますとすぐまた新しいシーリングとか予算編成になりますね。これは大蔵大臣、少し枠組みを改善することに目を向けないとやっぱり似たようなことになっちゃうんじゃないかという気がしますので、そのことだけお答えいただいて。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) おっしゃるとおり、公共事業のシェアの見直しは大変大事な課題だと思っています。昨年どことしとそれなりに努力をして少しずつ変化を示しておりまして、ぎりぎりと少しずつこうやって五年、十年やればかなり変わると私どもは思っておりますが、容易なことではありません。  シーリングも、シーリングそのものをやめるということはますます青天井になっていきますから、より厳しいシーリングはこの財政の再建という視点で言うならむしろきていると認識をしておりまして、その骨格の中でどういう工夫をするか、新年度に向かっても真剣な努力をさせていただかなければならないと思っております。

志苫裕日本社会党・護憲民主連合

○志苫裕君 終わります。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 三月一日の予算委員会で我が国財政事情について質問をいたしましたけれども、時間の制約もありまして消化し切れなかった部分がありますので、きょうはその続きをやらせていただきたいと思います。  なお、そのときのテレビ放映を見た人の反響として、日本の財政はそんなに悪化しているのか、硬直化しているのかとか、財政事情が逼迫しているのになぜ整備新幹線を着工するのか、あるいはWTO国内農業対策費六兆円をつけることによって本当に生産性が上がるのかとか、あるいは財政インフレの心配はないのかというようないろんな反響が寄せられていることをまずお伝えしておきます。  ところで、平成七年度予算編成上のやりくりにつきましても、三月一日に質問をし、また私も若干述べさせていただきましたが、数字事でわかりづらいので、私なりにまとめをしてみましたので、これでよろしいか大蔵省てちょっと確認をしていただきたいと思います。――お手元に行っていませんですか。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 「平成七年度一般会計の歳入・歳出(実質)」という表のことかと思いますが、私ども、実質の歳入という言葉とか実質の歳出という言葉、これは実質が何かというのを厳密に定義することがなかなか難しい問題でございまして、したがいまして、実質歳入と実質歳出の差ということもなかなかこれは難しい定義の問題等あるかと思います。  ただ、御指摘のようなとらえ方につきまして、ある意味ではわかりやすくというような御趣旨もあろうかと思いますが、今言いましたように定義がなかなか難しいものですから、いろんなまた別の角度からの御意見とか御議論はあるかと思いますが、一つの委員の御見識としてお示しになられたものとして見させていただいておるところでございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 多少定義のあいまいな部分はあるかもしれませんが、素人が見てもわかるようにということでつくりましたので、これをベースにして以下の質問をさせていただきたいと思っております。  三月一日の予算委員会で、主計局長から公債発行の限度についてこういう答弁がございました。つまり、毎年の国債のネット償還額は三兆数千億円である、したがって、この範囲内での新規国債発行ならば公債を累増させないと。理屈の上ではそのとおりなんですけれども、事実はそうなっていないから問題なんで、言うまでもなく公債は累増しているわけでございます。  いつの議論のときも、歯どめ歯どめということを大蔵省も言われるわけでありますけれども、歯どめ策というのはどういうふうにお考えになっているのか、改めてお尋ねしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 先ほど志苫議員との論議でも出ましたが、絶対的な物差しはまだ見出しておりませんが、財政審の答申は予算規模の五%以内が望ましいということになっておりまして、ことしの予算でいえば三・数兆円ということになりましょうか、ちょうど主計局長の答弁前後の数字と合うわけでございますが、この辺を中期的な努力目標にしていくべきだという考えでございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 私は、五%程度ならというのもかなり緩やかな歯どめ策だと思いますし、もちろん償還というのは毎年毎年違うわけですから、先までならして考えるのか、直近の何年か分の償還額を考えるのかによっても国債の新規発行高というのは変わってくる性格のものだと思いますし、決してそれが歯どめだと言っていいのかどうかという疑問はございます。  ただ、現実に国債がふえている事情を考えてみますと、やはりこれは予算編成上に欠陥があるんじゃないか、あるいは仕組みの上で欠陥があるんじゃないかということも考えざるを得ないわけでありますけれども、なぜこういう財政需要の圧力を防ぎ切れないのか、大臣はその辺いかがお考えでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) なぜなのか、ぜひ議員の方からもそれなりにお教えをいただきたいと思いますが、私どもは率直に言えば、国民の財政に対する御期待は大変大きいものがある、財政能力からいえば無限に近いぐらい大きいものがあるわけで、それに対して政治があるいは行政がどうおこたえをしていくのか。有限の歳入の枠の中で本当に厳しい選択をさせていただいて、これは措置をいたしますがこれはできませんというときに、なぜこれはだめなのかという当然反発を買うわけでございますね。それに対してどう関係者に納得がいただけるか、いただく努力ができるかということになってこようかと思っております。  昨今、根本にまでさかのぼって見直しをするというふうな表現をたびたび使っておりますのも、法律で義務づけられているような財政措置、これはもう最優先という認識が今までございました。しかし制度の根本というのは、その法律を改正してでも財政出動を抑制していくことが避けられないという意味で申し上げているわけであります。これは大変な選択でございます。  よく不急不要という言葉がございますが、そういうものがたくさんあるなら非常に財政再建はしやすいわけでございますが、全く不急不要が入っていないとまで言い切れるかどうかわかりませんが、でも、これだけ精査をしている中で、やはり国民の皆さんにとってはみんな必要なものであります。その中でさらに削り込むということの難しさを私ども大蔵省としても痛感をいたしますし、一政治家という立場に返りましてもこれは大変なことだなというふうに言わざるを得ません。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 歯どめ策の問題については後ほどまた議論させていただくとして、この際、四条公債を発行する際の論拠について若干大蔵省の見解を伺いたいと思います。  昭和四十年度の補正予算を審議する際に、当時の福田大蔵大臣は四十一年度以降の財政政策にも触れられております。その中で、財政政策の基調を転換して、公債政策を導入することによって新しい政策手段を装備する、そして政策課題にこたえていきたいという趣旨の演説をされているわけであります。つまり、建設公債を積極的に発行して社会開発投資や大幅減税や経済の安定成長に資するための財源にしたいということを述べておられます。  このうち私は、建設公債と減税を結びつけて考えるということには大変疑問があるわけであります。もちろん福田大蔵大臣も、多分、建設公債を発行して、それで景気を刺激し税収をふやすことによって減税財源を得るという、そういう道筋のお話をされたんだろうとは思いますけれども、この際、公債を減税財源に関連させて考えることの是非についてお伺いしたいと思います。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 現在のように建設公債をほぼ満席発行しているもとにおきましては、減税財源として公債を発行する場合には特例公債ということになってしまうわけでございますが、特例公債の発行につきましては、先ほども申し上げましたが、財政節度の観点から、歳出は経常的な収入で賄うという財政の基本原則に著しく反するとか、後世代に資産を残さず利払い費等の負担だけを残し世代間の負担の公平という観点からも大きな問題があるとか、一たび特例公債を発行すると歳出増加圧力に対する歯どめがなくなり財政状況の急速な悪化への道を開くこととなりかねないというような問題があるわけでございます。  昨年の秋の税制改革におきまして、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立った個人所得課税の負担軽減と消費課税の充実を一体として行うということでお願いしたわけでございますが、また当面の景気に配慮いたしまして、所得税減税等を消費税の引き上げに先行して実施したところでございます。したがって、その間の財源という問題が出てまいるものですから減税特例公債法に基づいて公債を発行させていただくことにしたわけでございますが、この公債は、減税の先行期間における租税収入の減少を補うという限られた目的のために、限られた金額についてまさに法律に基づいて発行させていただくというものでございます。  税制改革に伴う財政収支を考える中でのこの公債は、したがって、通常の国債より短い期間で償還するための財源が確保されているという意味では、またこれはこれの位置づけがあるかと思います。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 減税と公債の関係はぜひその範囲にとどめていただきたいと思っておりますが、なぜ私がこういう質問をしたかといいますと、大蔵省はいろいろ財政テクニックを駆使されるわけです。例えば平成七年度予算においても、建設国債を発行してその分NTT事業貸付金の繰り上げ償還をさせるということで財源をつくっております。こういう玉突き的なテクニックを使えばいかようにも財源が生み出せるんではないかということを懸念しているので質問させていただきました。減税財源と公債との関係については、今次長がおっしゃられた範囲にぜひとどめていただきたいということを強く要望しておきます。  それから、四十一年度から建設公債を、本格的と言っていいんでしょうか、発行したわけでありますけれども、そのときの趣旨説明というのは、社会保障の充実と社会開発投資である。それから二つ目は、財政安定の基盤というのは企業と家庭の貯蓄にあるんだ、そのためには大幅な減税をしなければいけないというのが二つ目でした。それから、財政も経済の動きに対しては受け身じゃなくて積極的な役割を果たす必要がある、そのために財政の弾力化が必要だ。おおむねこの三つの理由を挙げて建設公債の大量発行の道を開いたわけでありますけれども、今日二百十三兆円という公債残高を考えてみますと、改めて公債政策の今日的な意義というんでしょうか、あるいは目的というものを整理してお示しいただくことが必要じゃないかと思います。大臣いかがでしょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 財政法では、財政の健全な運営という視点から原則として公債発行は行わないということを書いているわけですね。やはりその年度の税を中心とした収入との見合いで歳出を考えていくべしと、こういう考えだと思うのでありますが、建設国債あるいは特例公債の道が開かれ、道を歩み出して、特例公債も十数年かかってやっと脱却をしたという状況でありますし、片方の建設国債は、何となく将来に資産を残すんだ、これはいいんだというお互い認識を持っておりまして、そういうところから始まったわけであります。  こういう景気対策等ではかなり大胆な措置をとってきまして、今回の震災対策でもそういう議論が当然出てくるわけでありますし、円高対策になりますと、また円高対策のために公共事業、そのための建設国債という議論が当然起こってこようかと思っておりますが、こういうことの結果が二百十三兆円であります。今年度の予算も建設国債が充当可能な事業はすべてと言っていいぐらい国債を充てているわけでありまして、そのことももう相当限度きりぎりいっぱいまでという中でさらに研究費まで、調査研究をせよというふうな意見もありまして先ほど御指摘のようなそういう調査費が組まれているというのは、さらに建設国債の対象を少しでも広げようということにもつながるわけであります。  先ほど志苫議員のお話にもございましたように、国債をどう見るかということについてはいろんな見方があろうかと思います。今これだけ公債残高がふえた時点でもなお、国債は国民の国に対する債権であるとか、千兆円も国民の預金があるんだから国債はそういう意味でも国民の預金を吸収するための有効な手段であるとか、いろいろ言われ方はございます。  しかし現実には、その二百十二兆の利払いだけでも十兆円を超えるという事態になっておりまして、貴重な税収の二割以上が借金の金利だけに目をつむって充当しなければならないという姿になってきておることを考えますと、財政の立場を無視してどんどん国債を発行していけばいいという考え方は、これまた大変安易にも映るわけであります。  そういうはざまに立っておるわけでありますが、改めて公債の意義を定義する用意はしておりませんが、初めて公債を発行する時点での福田さんの考え方と、今これだけ大きな残高を抱えた今の財政事情の中での考え方とはかなり違うものがあるというふうに思っております。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 今日の公債政策というんでしょうか、そういったような考え方をもっともっと明確に出していただけば、これも一つの歯どめになるんではないかと期待している次第でございます。  それから、今大臣の答弁の中に、公債の考え方についていわゆる負担の後世代配分説に立ったようなお話がございましたが、いろんな学説があるようですけれども、例えば内国債の場合には、租税の収入と公債費の支出という財政の過程を通じて国民所得が一方から他方へ移転するだけなんだということを主張する学者もおられるわけでありますけれども、こういうピグーだとかサミュエルソンとか、そういう学者の見方については大蔵省はどうお考えですか。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 今言われました公債発行とどの世代が負担するかという負担の関係、所得の再分配との関係でございますが、現在のような構造的にますます厳しさを増している財政状況のもとで、今ずっと委員がお話しになってこられました公債残高の累増をこのまま放置してまいりますと、結局それは本格的な高齢化社会を支えるための重い負担を背負います後世代にさらに追加的に重い元利払いの負担を残すこととなるわけでございまして、これはやはり私どもの現在の世代と後世代との間の負担のバランスという点からは問題があるわけでございます。  また、もう一点の話で委員が言われました所得の再分配の関係でいいますと、いわゆる税金を納めております納税有と公債の保有者は必ずしも同一ではないわけでございますので、元利の受け払いは結局納税者の負担の偏重をもたらすこととなるわけでございます。これは結局、元利が税を財源としていることから、税負担を負う納税者から公債を保有する保有者へのいわば意図せざる所得の再分配が行われるわけでございまして、これは財政が本来担うべき所得再分配機能とは異なるものでございます。異質のものでございます。  したがいまして、まさにこれは公債の残高が累増していくところに問題があるわけでございまして、今後の中期的な財政運営に当たりましては、本格的な高齢化社会の到来時におきます国民の負担率の上昇を極力抑制することが基本でございます。このためには、やはり当面の公債依存度の引き下げ等によりまして、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げるとの財政審からも示されております。そういう努力目標に積極的に取り組んでいかなければならないと考えている次第でございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 それでは再び国債発行の歯どめの問題に戻りたいと思いますが、これまで大蔵省の御答弁を聞いておりますと歯どめについては余り具体的なお考えを示されるに至っていないように思われます。これまでも公債依存度を五%以下にするということを努力目標として示されておりますけれども、先日の答弁では、政府の統一意思ではない。あるいは返済計画についても、六十年返済というだけで、毎年幾ら返済するというような計画にはなっていない。それから、ことしの例がそうであるように、国債整理基金への定率繰り入れというものについても、その年の財政事情に応じて繰り延べてしまう、停止、先送りしてしまうというようなことをやりますと、まさに歯どめなしで公債がどんどんふえていくんではないかということを心配せざるを得ないわけであります。  先ほどの志苫委員の質疑の中にもございましたけれども、その上、例えば建設公債を発行してその財源で研究費を賄おうというような動きがあるやに新聞等で報道されており、日経新聞なんかによりますとこれは村山内閣の目玉だというようなタイトルまでつけられているのを見ますと、この先どうなってしまうのかということを心配せざるを得ないわけであります。  確かに、先ほど御説明がありましたように、科学技術庁関係で五百四十万円のそのための調査費をつけられたということでありますが、私も新枝術や基礎技術を開発するために国費を投入するというのは大事だとは思いますけれども、しかしそのために財源をどこから持ってきてもいいというものではないんだろうと思うんです。  これまでも、理化学研究所だとかあるいは新技術専業団といったところに一般会計や産業投資特別会計から毎年出資金を出し、これをもとに研究を進めているという実績はありますけれども、しかしながら、財政法四条に出資金の財源として建設国債を発行してもいいんだ、認められるんだということがあるからといって、実質的には費消されるような経費を建設国債で充当するというのは財政法四条の精神を著しく歪めた考え方であるし、これを許してはならないんではないかと思うんです。万一こういう研究費だからいいんだということになりますと、例えば公務員の給料だとか教育だとか文化だとか、際限なく適用範囲が広げられるんではないか、そういうことを恐れているわけであります。  ぜひ節度とか歯どめというものをきちんと持ってもらいたいと思うんですが、もう一度この科技庁の予算の問題について答弁いただけますか。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 七年度の科学技術庁の予算に、基礎研究充実のための出資金の活用方策に関する調査費として五百四十万円が計上されているわけでございます。  これは先ほどもお答え申し上げましたんですが、一方で、まず基礎研究の一層の充実につきましては科学技術の振興を図る上での重要な課題であるとしてかねてから各方面から指摘をいただいているわけでございます。財政当局といたしましても基礎研究の充実の必要性につきましては強く認識しているところでございます。このため、基礎研究推進のための既存の各種施策について七年度予算におきましてそもそも拡充を図ったところでございますが、今後これに加えまして一層の充実強化を図るためにどのような施策をとり得るかにつきまして、研究法人に対する出資金の活用を中心に勉強するため計上したものでございます。  今まさに委員が言われましたように、財政法は基本的にはまず公債の発行を認めないという立場で、ただし例外的に建設公債の発行を認めているわけでございまして、その考え方は、この公共事業費、出資金、貸付金等はその経費の支出によりまして、公共事業費等につきましてはその支出によって資産が形成され、その資産からの受益が長期にわたる、次の世代も受益できるということで公債発行を認めているわけでございます。この財政法の考え方はきちっと維持していかなければならないと考えております。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 一般会計がパンクして、パンク状態だから金が出せない、だから先ほどのような玉突きによって財源を見出すとか、あるいはたまたま言葉として出資金は容認されるというのが財政法四条にあるからといって、実際には研究費としてなくなってしまうものにこの建設国債を充てることには大変問題があると思いますし、私は研究するまでもないんではないかと思うんです。研究すればどうせいろんな理由を考えるだろうと思います。そうするとまた国債発行の新たな歯どめなき道を歩まざるを得なくなるんではないかということを強く懸念しております。  それから、歯どめにかかわって、少し財投資金等の関係についてお尋ねしたいと思います。  財投による国債の引き受けという経過を見てみますと、七〇年代は全体として見れば債券市場の補完的な役割にとどまっていたように思いますけれども、八〇年代以降というのは、国債が大量に発行されたこと、しかも継続的に発行されたという事情の中で相当資金運用部による債券の引き受け、保有というのがふえてきているわけであります。債券の引き受けたとか売却というのが市場の原理によらないで政策的な必要性によって行われるとすれば、そしてそれが資金運用部に求められるとすれば、これはいろんな財政需要の圧力の中でますます財政需要の膨張にブレーキをかけづらくなるんではないか、あるいはそれをやることによって財投資金の硬直化ということが心配されるんではないかというように考えるわけであります、  したがって、これは歯どめという観点から、例えば国債、公債の発行の引き受けあるいは保有については、財投の限度はここまでだ、全体の何%までを限度にするというようなことを考える必要があるんではないか。これはあくまでも歯どめという観点から申し上げているんですが、そんなことも考えてみるわけでありますけれども、いかがでしょうか。

田波耕治大蔵省理財局長

○政府委員(田波耕治君) 委員御指摘のように、例えば平成七年度におきましては借換債を含めまして全体で約三十八兆弱の国債発行を予定しておりますが、そのうち二兆円を資金運用部で引き受けるという予定にしております。この資金運用部引き受けそれ自体につきましては、私どもといたしましては、歴史的に見ましても資金運用部資金本来のある意味で重要な役割であるというふうに思っております。  そこで、歯どめとの関係でございますけれども、国債発行はあくまで市場のニーズを中心といたしまして、発行条件につきましても市中消化という原則のもとで、例えば資金運用部資金における引き受けについても条件を同じにするというようなことで発行をしておるところでございまして、委員御指摘の、一律に資金運用部資金のどこまでというような決め方をするのではなくて、市場のニーズ、あるいは資金運用部資金がその年々においてどういう役割を果たすことが必要であるか、そういうことを総合的に勘案して決めていくということがより望ましいのではないかというふうに思っております。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 今、発行引き受けのことでお話しございましたけれども、例えば保有ということでいいますと、日銀の保有というのも相当の金額になっているわけであります。もちろんこれは、発行引き受けは財政法五条で禁止されておりますからすぐは持たないわけでありますが、一年たつと日銀が結構それを買い入れるというようなことで保有がふえていると思うんですが、これも少し財政法上の精神とは違う結果になっているんではないでしょうか。いかがでしょうか。

田波耕治大蔵省理財局長

○政府委員(田波耕治君) 私どもの所管とも必ずしも言えないということでございますので、やや個人的な見解も含めて申し上げますと、日銀が国債を保有していることは事実でございますけれども、これは今季負御指摘のように、直接引き受けは五条で厳格に否定をされております。したがいまして、あくまで日銀が保有している国債というのはマーケットとの相対の関係において買い入れたものが結果的に残っておるという意味におきまして、財政法五条の考え方とは背反するものではないというふうに我々は考えておるところでございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 法律に違反しているかしていないかということではなくて、精神を踏みにじってはいないでしょうかということを申し上げたわけであります。  ところで、赤字財政に苦しんでいるのは何も日本だけではなくて、この三月三日にもアメリカで、憲法改正を含む財政均衡に係る憲法改正というんでしょうか、これが否定されましたけれども、相当強力な歯どめ策を持たないと財政赤字がとまらないということの証左でもあると思うんです。中身についても提案のやり方についてもいろいろ論評はされておりますけれども、大蔵省から見ますと、この憲法修正で財政均衡を図ろうとする方法や修正案、あるいは投票の結果僅差で否決されたわけでありますけれども、どう評価されているのかお尋ねします。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 米国の財政赤字につきましては、やはり財政赤字の削減が米国経済が中長期的にインフレなき持続可能な成長を実現するという観点等から非常に大きな課題とされておるわけで、今までもさまざまな努力がなされてきたわけでございます。また、今委員も言われましたように、その方策についてもさまざまな検討が行われてきたと聞いております。  米国におきましてはこれまで、まず一九八五年のグラム・ラドマン・ホリングス法とか、九〇年に包括財政調整法などによりまして財政赤字削減努力がなされたわけでございますが、結果としてはなかなか実効が上がったとは言いがたいと言われておるところでございます。現在のクリントン政権下におきましても、九三年に包括財政調整法が制定されまして増税及び歳出削減による財政赤字の削減策がとられ、近年の米国の景気回復に伴います税収増等によりまして財政赤字は九二年度以降減少しているところでございます。  そういう中におきまして、今委員が言われました米国における財政収支均衡のためのこれは憲法修正条項案ということでございますが、これが先般議会に提案され、最終的には委員が言われましたように否決されたわけでございます。その詳細につきましては私どもいまだ承知していないわけでございますが、今申し上げましたような米国において検討されてきました財政赤字削減に向けての一つの方策として、まさに真摯な議論がなされたものと考えているわけでございます。  御承知のように、我が国と米国では予算制度が極めて大きく異なっているわけでございます。今委員が言われました意味では、我が国は財政法におきまして、財政運営の健全性の確保等の観点から、先ほどからお答え申し上げておりますように原則として公債発行等は行わないこととされており、例外的に公共事業等に係る費用について公債発行、建設公債が認められているわけでございます。  この我が国におきましても、極めて厳しい財政事情のもとで、こうした財政法の趣旨を踏まえまして、各年度の予算編成におきまして特例公債の発行を回避するためいろいろな歳出削減、合理化努力を行っているところでございますが、今後とも、何といっても大事な財政運営の健全性を確保するために財政改革をさらに一層強力に推進する必要があると考えているわけでございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 投票結果については詳細に報告されませんでしたけれども、憲法改正に必要な定数の三分の二にわずか二名足りなかったという僅差でこの問題が取り上げられていたということを重く見るべきだと思うんです。いろいろな判断のほかに政治的な駆け引きがあったのかもしれませんけれども、もしこの法案が通っていれば、これに当然拘束されるわけですから、日米関係だって随分と変わってくるぐらい大きな問題なんだろうと思うんです。  赤字で悩んでいるのは何も日本だけじゃなくて、外国でもこういう措置までやって何とか財政の健全化というんでしょうか、それをやろうとしているだけに、ぜひ今後は拘束力のある返済計画であるとかあるいは明確な財政運営ルールをつくっていただきたいな、国民から見てもわかりやすい運営をしていただきたいなということを要望しておきます。  時間があと二、三分でございますので、最後に財投の問題について若干伺います。  先ほども財投に関する諸問題の議論がございましたけれども、昨今、財投の硬直化であるとかあるいは財政化ということがクローズアップされているわけであります。いわゆる財投の財政化、あるいはそれから派生じている諸問題について大蔵省はどういう認識をお持ちなのか、それを包括的にお伺いいたします。

田波耕治大蔵省理財局長

○政府委員(田波耕治君) いわゆる財投の財政化という言葉でございますけれども、この財政化という言葉が論者によって必ずしも定義がはっきりしているということではないと思いますけれども、私どもとしては、財政投融資の運用の一部が本来租税負担で賄われるべき分野に投入されまして、先ほど来委員の御指摘のような特例的な歳出削減措置などの実行ができるようにしている、そういうことを指して財投の財政化というふうに言われているのかなというふうに思います。  そういう前提で申し上げますと、こういった特例的な歳出削減措置などにつきましては、財政審の建議でも指摘されておるところでございますけれども、財政体質の歯どめない悪化につながりかねない特例公債を発行するという事態を回避するという観点からこういった措置を検討せざるを得ないという御指摘もございます。また、広く市中などから資金調達を行う特例公債と異なりまして、こういった特例的な歳出削減措置というのは基本的には国の内部における措置にとどまるものでございまして、ある意味では国の資金の効率的な使用という側面も有しているといえるのではないかということから、そういった点を考えますとやむを得ないものであるというふうに考えております。  それから、先ほど来の歯どめという点に若干関係すると思いますけれども、こういった措置等につきましては、今まさに御審議をいただいておるわけでございますけれども、法律であるとかあるいは予算という形で国会の御審議あるいは議決を得ておるところでございまして、財投を預かるものの立場から申しますと、償還確実性という面においては問題がないというふうに考えておるわけでございます。

竹山裕自由民主党

○理事(竹山裕君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      ――――◇―――――    午後一時開会

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  平成七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

池田治新緑風会

○池田治君 まず、輸銀の総裁にお伺いいたしますが、総裁おいでになっていますか。ちょっと簡単に御所見を伺いたいと思います。  政府・連立与党は三月十四日、政府系金融機関の統廃合問題について、大蔵省所管の日本輸出入銀行と経済企画庁所管の海外経済協力基金、OECFを四年後に統合し、新法人は経企庁が主管するということを発表されました。  もともと輸銀というのは財投資金を運用する純商業ベースで営まれる銀行でございます。これに対しまして経済協力基金は海外の援助、特に発展途上国に対する援助を目的とした資金の運営をやっております。これが一緒になって、しかも大蔵省の所管から経企庁の所管へ移るということにつきましては、何かと総裁の胸の中には複雑なものもあると思いますし、またこれは海外との関係もございまして、特に途上国向けの、海外の受けている国がどう判断するかという国際的な問題もあると思いますので、ひとつ総裁に統廃合に対する御所感を簡単にお述べ願いたいと思います。

保田博日本輸出入銀行総裁

○参考人(保田博君) 去る三月十四日に、日本輸出入銀行と海外経済協力基金とを統合するという政府・与党の御決定をちょうだいいたしました。これを我々は、従来まで果たしてまいりました輸出入銀行の役割、機能、あるいはまた平たく言えば、仕事ぶり等について十分な御理解をちょうだいした上でのものというふうにこれを受けとめたいと思っております。  平たく申し上げますと、我々は、日本輸出入銀行法の定めるところによりまして、まず第一に、銀行としての経営の健全性の確保ということを堅持しながら、かつ第二に、変化の激しい国際情勢に対応いたしましてその持てる金融手段を有機的かつ機動的、効率的にこれを運用してきたつもりでございますが、この統合に当たりましても、そういうことについての御配慮をぜひお願いいたしたいと考えておるわけであります。  四年後の統廃合によりまして、輸銀のこの銀行としての健全性がいささかも損なわれることがないように、そしてまた第二に業務の機動性、効率性が損なわれることのないように、立法面その他におきまして関係方面の十分な御配慮をお願いいたしたいと思っておるわけであります。  御指摘のように、援助を商業的取引に利用してはならないということから、ODAと我々の純商業ベースでの金融取引というものはこれを峻別するということが国際的な理解でございますので、そういう面につきましてはいささかも世界からそういう疑惑の目を向けられないような組織をつくっていただかなければならないと思いますし、御指摘のような、後進国等から自分たちへの援助の配分が結果として縮められるんではないかというような御懸念もあろうかと思いますけれども、そういう方面につきましては、政府とともに我々も今後とも国際的な御理解を得べく努力を続けるつもりでございます。どうかよろしくお願いをいたします、

池田治新緑風会

○池田治君 もっと詳しいことを聞きたいんですけれども、きょうは時間もございませんので、大変御苦労さまでございました。今後頑張ってください。  次に、開発銀行総裁おいででございますか。  今回、開発銀行について業務を縮小するという方向が打ち出されたと伺っております。そうしますと、官は民を補うという言葉がございますが、民業の補完という立場が開発銀行の大きな使命になってくると思いますが、これについての総裁の御所見を賜りたいと思います。

吉野良彦日本開発銀行総裁

○参考人(吉野良彦君) ただいまお話しございましたように、私どもいわゆる政策金融の実施機関の一つといたしまして、民間金融の補完ということが一つの大きな基本的な性格になっております。昭和二十六年に私どもの銀行は設立をされたわけでございますが、設立以来、そういった銀行の基本的な性格を踏まえまして、その時々の経済あるいは社会の御要請にこたえながら、その時々の政策課題にできるだけ重点的かつ能率的に対応をするということでずっと努力を続けてまいったつもりでございます。  先般、お話がございましたように、今後与党におかれまして政策金融機関のあり方の検討が引き続き行われ、特に私どもの銀行につきましては、今お話がございましたように、四月中にスリム化について結論をお出しになるということでございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、従来から極力重点的かつ能率的にやってきておるつもりでございますが、今後与党におかれて検討がされるということでございますので、私どもといたしましては、その検討の推移並びに結論をよく踏まえながら今後対処をしてまいりたいと存じております。

池田治新緑風会

○池田治君 ありがとうございました。時間の制限もございますので、わざわざおいで願って一言で恐縮ですが、大変ありがとうございました。  次は、国民金融公庫総裁にお伺いします。  国民金融公庫は中小企業金融公庫との統廃合が政府・与党で検討されてきましたが、今回はそれを取り消すということでございます。私は、行政改革の一環としてこの統合もなされてよかったんではないかと思っておりますが、統廃合問題が取り消しになった所感をひとつお述べ願いたいと思います。

尾崎護国民金融公庫総裁

○参考人(尾崎護君) 国民金融公庫は、御承知のとおり、中小企業の中でも特に小規模零細な事業を対象といたしております。小規模零細事業はなかなか民間からの資金融通が受けられませんので、私どもはそういうところに過去四十年余にわたりまして資金の融資を安定的にしてまいりました。結果として非常に貸付件数が多くなるわけでございます。  一例を申しますと、今度の阪神・淡路大震災におきましても、この二カ月の間に、私どもの窓口で扱っております環境衛生金融公庫の分まで含めまして一万五千五百件、既に貸し出しの申し込みを受けておりまして、そのうち既に約一万件の貸し出しを行っております。  このように、小規模で、金額一つ一つは小さいのですが非常に多くの貸し付けを取り扱う、そのようなことをいたしてまいりました。そういう私どもの独自の融資ノウハウあるいは独自の対象分野、そのようなところを中小企業金融といいましてもはっきり御認識いただいたのではないかと存じておりますし、私どももさらに適切な役割を果たす努力をしてまいりたいと存しております。

池田治新緑風会

○池田治君 ありがとうございました。時間の関係もございますのでこれで質問を終わりますが、大変御苦労さまでした。  そこで、今度は大蔵大臣にお尋ねいたしますが、政府系金融機関の統廃合というのは行政改革の一環でありまして、武村蔵相がかなり強い立場でお臨みになったと私は敬意を表しております。これは統廃合すること自体が目的でなくて、統廃合することによって政府の大きな歳出を抑制して、午前中議論がありましたような、歯どめなき国債を発行しなきゃいけないような財政では困るので、何とか財政健全化に資しようというところが究極の目的であったと思っております。  そうしますと、消費税の見直し問題とも関連してくるものでございまして、今度の統廃合が一歩といいますか、半歩ぐらい進んだことになっていることは非常に喜ばしいと思っております。  そこで、今回の輸銀と経済協力基金との統廃合によりましてどの程度の歳出削減効果が見込まれるのかも含めて、統廃合についての大蔵大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 今、村山内閣が取り組んでおります行政改革は、沿革をさかのぼりますと、第三次行革審の答申が一昨年ございましたか、秋ですね、それを受けて、当時細川内閣でございましたが、規制緩和、地方分権、特殊法人の整理というようなテーマについてそれぞれタイムスケジュールを設定して努力をしてきたわけであります。村山内閣もその細川内閣の姿勢を受け継いで今日を迎えておるということであります。  どちらかといえば行政改革という視点から始まったという経緯もございまして、御指摘のように、最近は行財政改革という言葉を使ったり、また財政改革という言葉も使わさせていただいておりますが、表裏一体の問題であります。統廃合という言葉に象徴されますように、特殊法人をどうして数を縮小していくか、そういう視点からの取り組みであったようにも思います。  しかし、当然、財政効果がどうなのか、どれだけ削減できるのかということも大変大事な点でございまして、私ども統合という方針をまず政治的に決断をして、四年後に統合実現ということでございますから、国際的な理解を得るための努力も真剣にしなければなりませんし、今御指摘のような、どういう財政面で効果が上がるのかというところもこれから真剣に詰めていきたいと思っております。  輸銀そのものも、いわゆるプラント輸出なんかはもう途上国だけに限るというふうなスリム化をぜひやりたいと思っておりますし、当然、二つの機関、ODAと非ODAという別の役割を担うわけでありますから、ここは誤解がないように峻別をして明確に役割分担をして進めていきたいと思っておりますが、それでもいわゆる共通の分野は統合の実を上げることができるだろうし、支店についても今まで並列的に出していたものを極力統合できるものは統合していくというふうな形で、ぜひ効率化の面でも成果を上げていきたいというふうに思っております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 二信組問題をめぐる大蔵省へのいろいろな疑惑を解明することは大蔵行政にとっても重要なことだと思いますので、私は十日の委員会に続いて幾つかお尋ねします。  まず、官房長、三月十日のこの委員会で、田谷氏の問題の海外旅行を大蔵省はいつ知ったかという内容の問題についてはっきりした答弁がなかったのでお伺いしますが、いつ知ったんですか。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 大蔵省の事務方といたしましては、司法当局のような尋問とか調査権限はございません、ただいま一生懸命調査をしておりますということを申し上げ、一つ一つの行為についてまだ細かく聞いておりませんし、細かく確かめる権限もございませんというような感じのことを申し上げた記憶がございますが、さらに三月九日、田谷氏本人の名前入りの週刊誌等が出ましたものですから、大臣がその事実に基づいて調査をするようにということで、その指示に基づいて調査をしていたわけでございます。  いずれにいたしましても、私ども精いっぱいこの事実関係について努力してまいった次第でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 いつ知ったかの日付さえ言ってもらえばいいです。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) あのときにも、たしか三月九割の記事や証人の発言等もございました、それに基づきましてさらに事実関係について本人から確かめてまいりたいと、ちょうど本人出張中でございましたので、そういう御答弁を申し上げた記憶がございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そうすると、田谷氏は無断、無届けで海外旅行をしたのですか。  私が大蔵省からいただいた資料によれば、大蔵省では、国の用務以外の目的で海外に渡航しようとする場合でも、あらかじめ海外渡航の申請書を大蔵大臣に提出し、その承認を受けなければならないということが今お配りしました資料の中にもありますけれども、きちっとした書式まで述べてその手続を規定しているわけです。  つい最近、まだ調べ中だというような答弁だとすると、田谷氏は事前にあらかじめ申請して許可を得るということなしに海外渡航したんですか。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 事後的に調べましたところ、たしか八月の四日から六日だと思いますが、その間、休日も挟んでおりますが、五年前の平成二年でございますが、休暇届は出ておりますが、海外渡航承認申請は出ておりませんでした。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 これは非常に重大な問題だと私は思います。  大蔵省の訓令に違反していたということがはっきりしたわけですが、大臣、この訓令に照らして、届け出なしで海外渡航した、これは訓令違反だということをお認めになりますか。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 前回、本人から事情聴取いたしましたところ、その旨も聴取いたしました。それも踏まえまして今回の処分に踏み切ったわけでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 処分の話の前ですよ。無届けで、無承認で海外渡航していたということを認めるわけですね。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 本人の言によりますと、うっかりしてその手続は忘れたということであります。休暇届は出ておりまして、その点について事実確認を行っております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 今、答弁のとおりです。  海外渡航については、公務以外の者でも各省庁とも非常に厳しい基準を設けております。私、大蔵省だけでなく各省庁のをもらいました。海外渡航が自由である省庁はありません。ところがうっかり忘れてなどということは言えない。  この書式によっても、渡航目的から同行者から経費から全部具体的に明記して届け出しなくちゃいかぬ。私は、こういういかがわしい海外渡航だから出さなかったものだとしか言えません。こういう訓令違反を行った者に対する処分がそういう訓告ということで厳正な処分というふうに言えるんですか。大臣どうですか。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 確かに形式的にはそういう問題がございますが、私どもとしては、海外渡航承認申請につきまして、これをもって直ちに法律上の処分をするということにはならないというふうに判断いたした次第でございます。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 官房長お答えいたしておりますように、私どもは、このことも含めて、五年前の香港行きの事態を本人にヒアリングをしながら、十分認識をして今回の措置をとらせていただいたものであります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 念のために官房長、この通達が存在することは、私もらったものですけれども、これはお認めになりますね。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 提出したとおりでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そうすると、大蔵省は、こういう非常に具体的な訓令、こういうものに違反することが訓告程度のものという認識だというふうに受け取らざるを得ないわけですが、これでは私は、マスコミも、この国会論議でも、余りにも甘過ぎる、そういう甘さがあるからこの田谷氏のような事件も起きだと、こう言わざるを得ないと思います。  じゃ私一つ官房長にお伺いしますが、十六年前、鉄建公団の不正経理事件に端を発した公費天国問題という大問題が起き、大蔵省でも処分者を出しましたが、これ以来、接待、宴会、原則禁止の官房長通達が省内に出ているはずですが、お認めになりますか。同時に、それを国会に提出していただきたいと思います。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 御指摘の点につきましては、昭和五十四年十月二十九日に、当時の大臣官房長松下康雄の名において「綱紀の厳正な保持について」という通達を出しております。御要求でございますので、御提出いたしたいと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そういう訓令、いろいろな通達が出ていても、それの執行に当たってまことに甘い。  私は注目すべき声明を読みました。それは、大蔵省の内部の二つの労働組合、全税関労働組合、全国税労働組合の今度の事件についての三月十六日の声明ですけれども、この中にこう言っているんですね。「正当な組合活動である「リボン」「プレート」を胸につけた賃上げ闘争で、今回の大蔵官僚の癒着に対する処分と同等の「訓告」処分をたくさんの者が受けたと、こういう声明です。  田谷氏が行った問題の海外渡航、こういうものは、私もここの声明どおり当然の権利だと思いますが、労働組合が要求をリボンやプレートで胸につける、その程度のことだと、そういう認識ですか。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 今回の田谷氏の行動はあくまでも私的な交遊に基づくものでございます。先ほど申し上げました昭和五十四年十月の官房長通達は、これは当時の鉄建公団事件、いわゆる職務上の関係者からの会食等の問題でございました。これとは若干ニュアンスが違うということでございます。  それから組合関係の問題につきましては、これは職務規律の問題として適正に処理をなされているものと承知しております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 個人的渡航だと、またその個人的ということが出ました。プライベートな旅行だということを何回も聞きました。用務以外の目的での海外渡航についてこういうきちっとした訓令が出ているんでしょう。それを踏みにじっている行為を個人的な行為だから云々という答弁では、これは答弁にならないじゃないですか。大臣どうですか。個人的な旅行だから甘くてもいいと言わんばかりの答弁ですよ。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) いろんな理解の仕方があるかと思います。訓令であれ何であれ、いささかも違反したりすれば懲戒処分をすべきだという御主張もあるかもしれませんが、人事院にも問い合わせてみますと、この渡航の届けをしなかったために懲戒処分を受けた例は今までないということであります。だからいいという意味ではありません。  四十一年の通達でございますが、国際化がこれだけ進んできたときに、こういう訓令が今後も必要かどうか。私は余りこの背景は詳しく知りませんが、感じとしては、新婚旅行その他随分一般公務員の海外旅行もふえてきている中で、こういう日程まで全部明らかにして大臣に届け出て承認を受けるというのは、いささか時代が変わってきていることから、このこと自身も再検討を要していいのではないかというふうに、私は率直に言ってそんな感想を今抱きました。  いずれにしましても、届け出をしていなかったことは事実でございますから、このことも含めて、私は任命権者として訓告の処置と配置がえの処置をとらせていただいたものであります。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 もう一つお伺いしますが、マスコミの内部に、日本IBMの社員だった窪田という人物が高橘氏と連絡して官庁内その他の人脈づくりの対象としてつくったものと言われるリストが流れています。私もここに持っています。そのリストの中には大蔵省の人の名前も十二人ぐらい出ております。通産省その他も出ています。通産省はこのリストに基づいて、名前が挙がった人について調査したと報道がありました。  大蔵省、こういう名簿が出ていることを御存じかどうか、また、通産省がやったと言われるようにそういう名前が出た人を、名前が出たからといって悪いことをやっているという意味じゃありませんけれども、しかし、そういうものが出たという時点で調査なさったかどうか。

小村武大蔵省大臣官房長

○政府委員(小村武君) 吉岡委員、どういう名簿をお持ちかわかりませんが、御指摘のリストと思われるもの、私ども同様のものを最近入手いたしました。果たしてこれが、だれがつくったものかというものもよく確認をしておりません。一個人がつくったと思われる性格のわからない名簿について一々調査するのもどうかと思いましたが、こういう事態に至っているものでございますので、あえて本人に事情を聞きました。  今回処分をした者を除けば、高橘氏とは面識がない、あるいは面識はあるが会食等のつき合いはないという者がありまして、また、若干のつき合いがあるとしても、これについては節度を越えたものとは考えていないということで、私ども社会通念上何ら問題がないというふうに考えております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 今度の阪神大震災で被害を受けた神戸港の早期復興に向けて通産省、大蔵両省は神戸港全域を輸入促進地域、いわゆるフォーリン・アクセス・ゾーンとしての指定を検討しているというふうなことでありますけれども、この問題は具体的にどのように進んでいるか、まず両省の担当者の方から御説明を願いたいと思います。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 特定の地域において貿易関連施設の集積を図り、輸入の拡大を図るための制度として輸入促進地域の制度がございまして、通産大臣等の所管大臣によって輸入促進地域の指定を受ければ各種の支援措置が受けられることとなっております。  それから、当該地域を関税制度の面から助成するのが総合保税地域制度でございまして、同制度のもとでは、輸入促進地域などにおいて貿易関連施設が設置された場合、これら貿易関連施設において蔵置、加工、展示等を関税を留保したまま総合的に行うことができる、こういう制度でございます。  神戸港地域における輸入促進地域の指定につきましては、後ほど通産省の方から説明があると思いますが、既に平成五年三月にポートアイランド地区や六甲アイランド地区を含む地域が輸入促進地域の指定を受けていると承知しております。  神戸港地域におきます総合保税地域制度の活用につきましては、総合保税地域が貿易関連施設などが整備された段階でその業務内答等を勘案して許可されるものでございまして、現時点ではまだ神戸港地域において総合保税地域の申請はなされておりません。  地元において、神戸港地域の貿易関連施設などにつきましてこの総合保税地域の制度を活用したいという御意向があれば、大蔵省としても地元とよく相談して、施設整備の計画段階から必要な助言を行うなど、積極的に対応していきたいと考えております。

上野裕通商産業省貿易局輸入課長

○説明員(上野裕君) 御説明をさせていただきます。  神戸港地域につきましては、ただいま関税局長の方から御説明ありましたように、平成五年の三月に、私ども四省庁が所管をしております輸入・対内投資法に基づきましてFAZ地域に指定をいたしております。この地域におきましては、航空及び海上貨物の荷さばき保管施設、それから冷蔵保管施設などの輸入の基盤施設を整備いたしております。具体的なFAZの地域といたしましては、神戸市内の須磨区、長田区、兵庫区、中央区、灘区、東灘区の全域、すなわち神戸港地域全域を指定いたしております。  さらに、このFAZ地域における貿易関連施設につきましては、関税法上の総合保税地域に許可されますと、輸入原材料を使用して製品を製造して輸出する場合に関税が免除されるほか、同地域内に置いている間は関税が留保されるなどのメリットが生じることとなっております。  この総合保税地域制度につきましては大蔵省の担当でございますので、我が省としては、このFAZの制度の所管官庁として、今後地元とかあるいは大蔵省と十分相談をしてまいりたいと考えております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 今度の大震災による神戸港の被害状況、そして関税業務の被害状況を育めて、今後の復興見通し、つまり、こうした輸入促進地域に指定することによって神戸港の早期復興にいかに効果をもたらすのであるのか、そういったことについて御説明を願いたいと思います。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 現在、政府におきましても、復興委員会あるいは復興対策本部とかそういったものを設けて、神戸の復興に向けてどういうことがなし得るかという検討がなされておるわけでございます。  それから、神戸市及び兵庫県においても地元でそういった御検討をなされておりまして、神戸税関も地元のそういう各種委員会に参加をして、そういった御議論につきまして積極的に貢献しているところでございます。  御地元の方で総合保税地域を用いてどうやって復興を図るかということについては、まさに今検討されているところと伺っておりますので、それが神戸全体の復興計画の中でどういう役割を果たすかというふうなことはこれから徐々に答えが出てくるんだろうと思いますが、私どもとしても、そういった御地元の方でいろいろと助言等を求められる場合には積極的に意見を申し上げながら、復興について積極的に御相談に応じていきたいと、そのように考えております。

上野裕通商産業省貿易局輸入課長

○説明員(上野裕君) 先ほど申し上げましたように、現在神戸港地域におきましては、私ども担当しておりますFAZの地域に指定をいたしまして、具体的な施設整備はいわば整備途上でございます。したがいまして、当面この整備途上の施設整備をさらに円滑に進められるように、私どももこれを注視してまいりたいというふうに考えております。  さらに今後、現在の指定以上のいろんな形での施設整備等具体的な要望がこれから神戸市あるいは兵庫県等々から、地元の方から具体的な提起がなされてまいりました場合には、もちろんこれに積極的に対応して、どんな形で進めたらいいのかということにつきまして、大蔵省はか関係省庁と十分相談しながら積極的な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 私は、被害状況などについて詳しく述べてほしかったわけでありますけれども、もう時間がありませんので次に進めたいと思います。  この輸入促進地域は、輸入・対内投資法、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法に基づき、輸入の促進のため、港湾、空港及びその周辺地域において輸入に関する施設、事業活動を集積させる地域を通産省等の所管で設定するもので、大蔵省所管の総合保税地域制度とあわせて、輸入の円滑化に資する制度ということになっているわけでございます。  そして、平成四年には大阪府の関西国際空港地域を初め六地域、平成五年には北海道の新千歳空港地域を含めた六地域、本年度は既に石川県の小松飛行場地域が承認されているわけでございます。本年度にはあと五地域が承認される予定と承っております。  かなりの地域で設定されているわけでありますけれども、これまでこの輸入促進地域の承認を受けた各地域では所期の目的を達成していると思われますか。また、これについて問題があれば御指摘を願いたいと思います。

上野裕通商産業省貿易局輸入課長

○説明員(上野裕君) ただいまの御質問でございますけれども、委員の方から御紹介がございましたように、平成四年度に大阪府はか六地域、平成五年度に北海道ほか六地域、それから平成六年度には石川県ということで、現在十三地域につきまして計画の承認を行っております。  この進捗状況でございますけれども、いわばこの法律制度が輸入を促進するための基盤的なインフラ施設を整備するという目的でつくられております制度でございまして、平成四年度あるいは平成五年度に承認をいたしました後に、現在具体的な施設整備を進めているというところが大多数でございます。具体的に施設が稼働しております地域はまだ数カ所でございまして、この制度全体の成果というのは、むしろこれからもう少し時間をいただいて、その上で成果が発揮されていくというふうに考えております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 さきの神戸港の被害状況、そういうふうなものの具体的なデータはありますか。もしありましたら御説明願いたいんですけれども。

上野裕通商産業省貿易局輸入課長

○説明員(上野裕君) 御質問の内容が港関係のハードの港湾の被害状況という御趣旨であるとすれば、ちょっと私ども直接港を担当しておりませんので、現在手元には資料をお持ちしておりません。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 関税業務の被害状況、そういった面について御説明願います。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 神戸におきましては神戸税関がございますが、神戸税関管内の施設につきましては幾つかの支署等の施設が被害を受けて使用不可能になっておりまして、これにつきましては現在取り壊しを行い、あるいは建物の修復等を行っているところでございます。  そのほか、通関業務につきましても、そういうことで使用不可能な庁舎につきましては本館にその業務を移したり、あるいは外郵の事務につきましても大阪へ移したりして通関業務に支障のないようなやり方でやっておりました。また、最近施設の仮復旧が行われたりなんかしておりまして、そちらに業務を戻したりして通関業務全体が円滑にいくように行っております。  またその際に、種々の迅速な手続、例えば外国からの救援物資等につきましては迅速通関を図るとか、種々その運用上におきましても神戸の復興、災害の状況を勘案しながら、復興に役立つような形で迅速通関に努めているところでございます。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 神戸港は今日まで相当な貿易溶として発展を遂げてまいったわけでありますけれども、今回の大震災で壊滅的な打撃を受けていると私は思います。  そこで、いわゆる完全にもとの貿易港として復活するというふうな状況になるためはどれぐらいの期間を要しますか。もしおわかりになりましたら、

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) これは神戸の港を担当するところからお答えすべきものだと思いますが、私どもそういったところから話を承っているところですと、現在神戸港に二百数十バースの岸壁があるわけでございますが、現在そのうち半分弱のところが仮復旧が行われております。それで、この五月、六月のところで、コンテナバースにつきましても、大型船が入れるコンテナバースも一バースないし二バース仮復旧をさせて、それをフル回転させることによってかなりの業務量がさばけるようになる、そういう仮復旧と並行して本格復旧を図り、全体として二年程度で本格復旧を行いたい、こういう計画にあるというふうに聞いております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 できるだけ早目に復興してもらって、そして、せっかく神戸港全域にわたってこういった輸入促進地域として指定するわけですから、検討されているというふうなことですから、それが総合保税地域制度ですか、そういったふうなところまで発歴させていければというふうに願っております。ぜひ早目の復興を期待しております。  終わります。

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 以上をもちまして、委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 次に、関税定卒法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は前回聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 この大蔵委員会で質問いたしますと、どうも東京二信用組合の問題について触れたくなってしまいますので、監督責任の問題について簡単に質問させていただきますので、お許しを賜りたいと思います。  きのう参議院の予算委員会におきまして堀江長銀頭取の供述がなされまして、一九九〇年十一月から一九九三年七月まで長銀の広義の管理下にあって支援をしてきたと。そして、支援打ち切りに際して東京都に事情を報告して善処を要望したという事実が出てまいりました。これについては、ひょっとすれば大蔵省の方には異論があるかもしれません。しかし、一九九三年の夏に東京都が検査を終えたという事実は客観的な事実であるというふうに思います。  私が質問をさせていただきたいのは、そのころ、東京都が検査を終わったしかるべき段階でどのような監督権を発動したらよかったのかと。これは今から考えてですよ、今から考えてどのような監督権を発動したらしかるべきであったかということを御質問したいわけでございます。  といいますのは、その後に高金利でどんどん預金をふやしていく、また、回収不能の貸し会もどんどんふえていって大変傷口が大きくなったわけでございます。そして、そういうことについても東京都はもう事実関係を知っておったわけでございますから、検査が終わった後、東京都はどのような処置を、監督権の発動をしたらよかったのかということをまずお尋ねしたいと思います。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 信用組合の日ごろの検査、監督には各都道府県が当たっておられます。そして、その日ごろの検査、監督に基づきまして何か指導すべき事態が生じた場合には、それはまた各都道府県において適切な指導をしておられるわけでございます。  この二つの信用組合におきましても、従来から東京都はこの二つの信用組合の経営健全化のために指導を続けてこられたわけでございますが、特に一昨年、私どもが検査に協力をしました段階においては非常に著しい経営の悪化状況でございましたので、東京都は従来以上にこの信用組合に対する指導を強化されたわけでございます。その段階では私どもは東京都の指導の成果を見守っておったわけでございますが、残念ながらその成果が必ずしも十分でなく、昨年の検査において一層経営状況の悪化が見られましたので、私どもも力を合わせてそれに対応したということでございます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 私は事実経過を聞いておるんじゃなくて、今から考えると、その段階で東京都はどういう監督権の発動をしたらよかったのかということを聞いているわけですね。  というのは、あんな事態が起こったわけですから、これでいい、これでよろしいということになれば、今同じような金融機関が他にもあるわけですから、東京都とか大蔵省が監督に入ってきても、もう一年や二年なんか引っ張り回してもいいじゃないか、そういう風潮が出てくると思うんですよ。大蔵省の田谷さんとのつき合いの問題もあわせて出ておるわけですから。そうなったら困りますから、だから今から考えてどのようにすべきであったかということを聞いているわけです。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 私どもが承知しております限りにおきまして、一昨年の検査に基づく東京都の御指導の内容というのは非常に広範にわたっておりますし、もしその御指導を実現しておれば、二つの信用組合がその指導に基づいて業務の改善を実施しておれば昨年の状況のようにはなっていなかったと思います。  したがって、指導の内容そのものについては、私は東京都も努力をされたと思いますし、適切な指導をされたと思いますが、それが必ずしも実現されていなかったというところに問題があるのではないかと考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 私の質問に答えていただけませんので次の質問に変わらさせていただきたいと思います。質問して答えてくれないわけですから、何遍答えたって時間のむだですから、次の質問に移らせていただきます。  結局、いわゆる介入権というものを東京都は持っておるわけですけれども、これを行使しないまま、行使しないということは場合によっては都民が大変な被害に遭うということもあるのだけれども、それを行使しないままだらだら来てしまったというわけです。私は、そういう監督側のもっと強力な、機敏な体制づくりというものをやはりこの際考えていかなくちゃならぬじゃないかというふうに思うわけでございます。  監督権の発動は、これは一つの銀行を場合によってはっぶすことになるわけですから、受け入れ体制とか、これは非常に大事であるというふうに思います。またその受け入れ体制づくりが、倒産寸前の銀行をうまくリードするわけですから、そういったものをすぐ引き取ろうなんという銀行がすぐ出るわけじゃありませんから、容易ではない。また、時間がかかることは十分理解ができます。  しかし、言われているようなモラルハザードの拡大が容認されるようなことがあったらいけないわけでありますし、また重ねて言いますけれども、監督責任なんかは、もう一年や二年引っ張り回すのはちょろいぞということになってしまったら、何のための監督権か、何のための法律がということになってしまうわけですから、私は個人的には、東京都の担当部署のトップの方の責任問題もこの際考えるぐらい、もっと監督側が適切に、例えば検査の結果これはいけないということはわかるわけですから、だから半年なら半年以内ぐらいにちゃんと介入権を行使するというくらいの毅然たる体制をつくらないと、いつまでたっても大蔵省や監督官庁に甘えてしまって、結局、経済が健全化しないという事態になっていくと思うんですけれども、その辺はいかがでありましょうか。答えてください。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 私、先ほどからそういう趣旨でお答えしていたつもりなのでございますが、信用組合については、協同組合による金融事業に関する法律第六条によりまして銀行法が準用されております。そこにおきましては、信用組合が処分に違反したとき、業務の命令をしたがしかしそのような命令に服さなかったときという場合には、最終的にはその業務を停止する権限だとかあるいは取り締まり……

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 それはわかっています。よう知っています、法律に書いてあるんですから。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) したがって、そういう権限を行使していればよかったのではないかという御指摘であると私は理解いたしますが、一昨年の検査に基づいてはそのような措置はとられませんでしたが、最終的に昨年の検査に基づきまして昨年末に業務改善命令が発動されたということでございます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 私が聞きたいのは、それはうまくいかなかったわけですから結果論になるので、結果責任をどうこうするのはたやすいことではあるんですけれども、しかしこういう非常に世論から非難されるような事態になっているわけですから、もっと早く打つべき手があったんじゃないかというのが一番目の責任ですね。  二番目の責任は、監督体制の方をもう少し考えて強力な機敏な監督権の発動をやらないと、不健全な経営者から何といいますか、恐れられない、監督権者として恐れられていない、なめられてしまうと。言葉は悪いんですけれども、そんな監督官庁になったらいけないと。だから、もっと機敏な強力な体制がいるんじゃないかと。一年数カ月もほっておかないで、今後は半年ぐらいにはそうしないと、同じような状態の金融機関があるというふうに言われているわけですから、そういった方々から監督権の発動について非常に甘いものと見られてしまうと困ったことになりますから質問をしておるわけでございまして、答えられないかもしれませんが、私の言わんとすることはおわかりだと思いますので、そういう方向で全般的な検討をよろしくお願いしたいと思います。  それからもう一つは、東京都の立場なんですけれども、第一次的な責任は言わずもがな東京都にあるんですけれども、どうも非常に引っ込み思案のような感じがいたします。東京都の責任は、これは場合によっては、仮に預金者に大変な迷惑をかけるとすれば損害賠償責任も発生するぐらい大変なことなんですから、ですからもっと東京都は資金を出すとか積極的な対応をこの際すべきではないかというふうに思いますけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 今御指摘のような考え方が先日の各会派の決議の中でも述べられていると思いますし、また都知事の声明の中でもそのような考え方が述べられていると存じております。したがって、そのような都の責任を踏まえた方策が今後とられるものと私どもは確信しておるところでございます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 大臣もせっかくいらっしゃるわけですからちょっとお答えをいただきたいんですけれども、東京都の検査が終わった段階ですぐに、適切な命令を出せって、それは簡単にできることじゃないのはよくわかります。しかし、やはり監督官庁としてしかるべき対応を、もっと強力な対応をしたらよかったんじゃないかというお考えは大臣もお持ちじゃないかと思うんですけれども、今後この問題についてどのようなお考えであるのか、簡単で結構でありますから御感想をお聞きしたいと思います。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 東京都も、私も詳細は知りませんが、精いっぱいの努力をされたとは思うのでありますが、結果としてはあの時点でもう少ししっかりした措置をとればという思いはないわけではありません。これは東京都を非難する意味では申し上げていません。  今後、やはり事態をなるたけ早期にきちっと掌握をして早目に手を打つということがどうしても大事だということを学ばなければなりませんし、各都道府県それぞれ御苦労いただいていますが、ややもすると余り経験しないことを初めて経験するケースが少なくありませんし、また、地方自治体にお任せしておりますから、率直に言って、いろいろ政治家が理事長であったり、いろいろ身近であるためにかえってびしびしできないというふうな側面もあるのかもしれません。そんなところも反省しながら、国と都の検査に対する一層の緊密連携とか、あるいは第三の機関による検査の可能性とか、そういうところも真剣に目を向けて学んでいきたいと思っております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 次に、関税割り当て制度に関連して、今風丸粒トウモロコシについて無税の飼料用トウモロコシの輸入が拡大できたということで非常に酪農民からはありがたがられておるわけでございますけれども、この関税割り当てを具体的にどのようになさっていかれるのか。事前割り当て方式とか先着順方式とかいうのがありますけれども、具体的な関税割り当ての方法について、きょうは農水省の方もおいでかと思いますけれども、お聞きしたいと思います。

北原悦男農林水産省畜産局流通飼料課長

○説明員(北原悦男君) お答え申し上げます。  まず、丸粒トウモロコシの関係での関税割り当て制度の具体的な割り当て方法につきましてでございます。関税割り当て者の要件といたしましては、割り当てを受けましたトウモロコシを飼料として畜産経営者に直接販売する方であるか、あるいはみずから飼料として使用する方であれば対象となるように検討してまいりたいと思っております。  また、単体飼料用の丸粒トウモロコシを新規に取り扱おうとする団体あるいは個人から関税割り当ての申請がなされた場合におきましては、トウモロコシが確実に飼料用に使用されることを確認した上で新たに関税割り当てを行うことを考えております。  個々の申請者に対します具体的な割り当て数量につきましては、団体の場合、利用希望農家から丸粒トウモロコシの取り扱い希望数量を取りまとめたその数量を、また個人の場合につきましてはその希望数量を農林水産大臣の方に申請してもらうということを考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 希望者にできる限り行き渡るようにお願いしたいと存じます。  それから、この丸粒トウモロコシにかかわります関税割り当て制度ですが、でん粉用に横流れしたらいけないということもあるわけでございますけれども、横流れ防止策はどのようになさるんでございましょうか。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) お尋ねの横流れ防止策でございますけれども、関税暫定措置法の施行令におきまして、単体飼料用丸粒トウモロコシの輸入者及び使用者、これは畜産農家になりますが、に対しまして受け入れ状況等に関し記帳義務を課すること。それから二つ目に、税関長に輸入者及び使用者に対し業務報告の提出を求めることができる権限を付与すること。この二つによりまして、このトウモロコシが飼料用として適正に供されたかどうか税関が確認できる仕組みをつくることとしたいと考えております。  それからまた、用途外に使用された場合には、関税が追徴されるとともに、一定の罰則、これは一年以下の懲役または二百万円以下の罰金が科されることになっておりますので、こういった罰則もございますものですから基本的に横流れを防止できるんではないかと考えているわけでございます。  なお、こうした税関の横流れ防止担保措置に加えまして、財団法人日本穀物検定協会が流通の過程で当該トウモロコシが農家に確実に搬入されたことを確認することもあわせ行うと、このように考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 酪農あるいは畜産農家からの要望を聞きますと、特に養豚農家が多いようでありますけれども、環境問題などがありまして大体山奥のへんぴなところで営業しているようでございますが、そういった中小の農家が例えば十軒ぐらい集まって一つの工場をつくって配合飼料をつくるというようなことが少なからずあるようでございますけれども、そういった場合に、農家へ直接搬入しないで工場の方へ持っていくことを許していただけたら非常にありがたいんだがなと。  といいますのは、養豚農家などは山奥に散在しているわけですから、例えば十軒の農家がそれぞれ受け取ったトウモロコシをトラックに積んで工場まで持っていく、そこで加工してまた持って帰るというのは大変運賃が高くなるので、コスト低減のためには養豚農家でなくて製造工場の方へ直接運搬することを認めてくれたら非常にありがたいという要望もあるんですけれども、これはなかなか難しい相談なんでしょうかね。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 従来は配合とかあるいは加熱圧扁とかいう形で飼料化していたわけでございまして、そういう意味では横流れが行われないようにしたわけでございますが、今回、丸粒のままで農家の方に直接購入していただける。その際、農家の方が共同施設をつくってそこで共同に配合するというふうなことであれば、先ほど申し上げましたような横流れ防止策を講じつつ農家の需要にこたえるという道を開いたわけでございますが、先ほど来申し上げました横流れ防止策がうまく実効的に働くかどうか、こういったところも見ながら、今先生がおっしゃったような直接共同利用施設へ搬入するというふうなことについては、さらにそういった運用状況を見ながら検討すべき課題ではないかなと考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 現在、養豚農家の状況を見ますと、外国から安い豚肉が非常に入ってくる。しかし、国内の養豚農家のえさとかその他のコストは、外国の競争対象の方々に比べて非常に日本国内の場合はコストが高くなっているというふうなこともありますので、今後とも一層の御配慮を賜りたいというふうに思います。  それから、今もちょっとお話を聞きましたが、穀物検定協会の封印でしょうか、そういったものが必要だというようでございますけれども、この検定協会の手数料が高い金額になりますとコスト低減の理想に反するわけでございまして、この手数料の額について非常に養豚農家の方々は関心を持っておりますけれども、その点はどのような取り扱いになるでしょうか。

北原悦男農林水産省畜産局流通飼料課長

○説明員(北原悦男君) 御質問の単体飼料用丸粒トウモロコシの関係での手数料の件でございますが、横流れ防止措置の一環といたしまして、港湾サイロにおきまして畜産農家に搬送するための運搬車にトウモロコシを積み込む段階でその都度、財団法人日本穀物検定協会の職員が数量あるいは引き取り者を確認いたしまして封印を行いますとともに、農家段階での封印解除に際しましても同協会の職員が不定期に立ち会うこととしております。  このような確認業務の手数料につきましては、日本穀物検定協会におきまして、確認を行う場所への交通経費あるいは確認に要する所要時間などにつきまして、技術的に見積もりを行いました上で実費として計算されるという性格のものでございます。  手数料の算定につきましては、現段階で確定はしておりませんが、農林水産省といたしましても手数料の水準が適正なものとなりますように指導しているところでございます。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 トウモロコシにつきましてはコスト低減の方向に向かいまして農家も大変ありがたく思っておるところでございますが、もう一つ、飼料とすれば麦がございます。今回は麦については取り扱いの変化はなかったわけでございますけれども、飼料用麦は国家貿易の対象でありまして、何とか今回のトウモロコシについて活路が開かれたのと同様に新しい方法を御採用いただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

北原悦男農林水産省畜産局流通飼料課長

○説明員(北原悦男君) 飼料用の麦、その大宗は大麦でございますが、外国産の飼料用麦が供給の大部分を占めております。  外国産の飼料用麦につきましては、飼料需給安定法に基づきまして政府が買い入れ売り渡しを行っておりまして、低廉な価格での安定供給に努めているところでございます。また、売り渡しに際しましては、主食用への横流れ防止を図るため、圧扁や挽砕などの加工を行うことを条件としております。  特に飼料用の大麦につきましてこのような加工を条件とせずに丸粒の形態のままで畜産農家へ流通し得るようにできないかというお考えに関しましては、大麦とトウモロコシとは状況が必ずしも同じではないという点を踏まえまして慎重に対応、検討していく必要があると考えております。  具体的には、第一点といたしまして、トウモロコシからコーンスターチを製造した場合の価格と二次税率が課されました場合のコーンスターチの価格の差よりも、大麦に関する飼料用と食用との価格差の方が大きいという状況が一つございます。また第二点といたしまして、大麦の場合はトウモロコシとは異なりまして国内でも生産されております。そういう状況がありますために、飼料用として売り渡されたものが食料用の国内産大麦として政府に還流するおそれもございます。そういう問題もございますので、どういう対応方策が可能かを慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 例えば養鶏農家などは、日本でつくった卵と外国から輸入した卵は、国内でつくった卵の方が安いぐらい激しい競争を展開して生き残っているわけです。ですから、日本国内でそういう激しい競争に打ち勝って努力している農家が引き続き生き残れるようにやっていけるような方策をお考えいただくように要望を申し上げたいと思います。  それから最後に、関税一般の問題でございますけれども、財源確保の目的と国内産業の保護の二つの目的があるということが教科辞などに書いてありますけれども、最近は大体関税というものは保護関税の目的が一般化しているというふうに言われておるというふうに思います。  ウルグア・ラウンド交渉後の関税率を見てみますと、鉱工業製品の平均関税率が一五%ぐらいという非常に低い率になっておるわけでありますけれども、他方、保護関税が必要だというふうに思われる、例えば森林・林業は我が国の国土保全とか緑の環境を保持するために非常に大切な目的でございますけれども、林産物の関税は二%程度というふうに非常に低くなっております。  我が国にはもう保護関税というふうな、国民が生きていくため、あるいは日本の自然環境や国土を守るために必要である、そのために保護していこうという保護関税の思想がなくなっているんじゃないかというような心配もするものですから、大蔵省はこの関税について統括する権限があるわけでございますので、大蔵省の関税についての御見解というものを最後にお伺いしたいと思います。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 御指摘のとおり、関税には財源確保と国内産業保護という大きく分けまして二つの目的がございます。  一般的に我が国を含めまして先進国におきましては、さきのウルグアイ・ラウンドとか数次のラウンド交渉を経て関税が趨勢的に引き下げられてきたことに伴いまして、租税収入の中に占めます関税収入の割合も低くなっております。これに伴って、関税の機能としては財源確保よりも国内産業保護にウエートが移ってきているということが言えると思います。  関税政策の運営に当たりましては、我が国市場へのアクセス改善の要請と国内産業保護の要請とを勘案して適切に行う必要があると思いますが、そのほかにウルグアイ・ラウンドの関係で整備されました特殊関税制度もございまして、貿易の不公正化をこの特殊関税制度によって防ぐというような用途、あるいは農産物については、自由化を行うに際しまして、高い内外価格差に基づく関税率を設定しつつ自由化を漸次進めていくと、こういった諸機能がございますものですから、こういった諸機能を総合的に勘案しながら、関税のあり方を今後ともいろいろと考えながら適切に対応していきたいと思っております。

一井淳治日本社会党・護憲民主連合

○一井淳治君 結構です。終わります。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 今回、関税定率法の改正案には石油化学製品製造用の原油や揮発油等の関税について減免措置が講じられているわけでありますけれども、その際に、このところの円高というのは織り込まれたのか織り込まれなかったのか。円高によって石油化学製品の相対的な競争力が強まっているんではないかという見方もありますので、その辺についての検討経過をお尋ねいたします。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 石油関係の関税の免税還付制度のうち、石油化学製品製造用原油の免税及び石油化学製品製造用揮発油等の還付制度につきましては、今御指摘がございましたように、石油化学産業が国民生活に不可欠な物資を供給する産業でありまして、その国際競争力の維持向上を図る必要がある、及び、原油が原料として使用される場合には、エネルギーとして使用される石炭と競合しないことなどの理由から設けられているわけでございます。  円高によりまして、確かにこういった産業が用います原料が安くなることは事実でございますが、他方、競合する外国製品も同様に安く入ってくるわけでございまして、そういう意味では競争が激化するという要因もあるわけでございます。  そういった中で、近年の景気後退の中で、石油化学製品の需要の減退によりまして我が国の石油化学産業は厳しい状況にあること等にかんがみまして、引き続き本制度が必要ではないか、このように考えている次第でございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 それから、原油関税については平成十四年度以降無税になるということが決まっておりますけれども、その関係で言いますと、例えば製品輸入の格好で輸入されているものがありますね、揮発油だとか灯油だとか軽油だとか、そういったようなこともこの際には見合いで引き下がると考えていいんでしょうか。見合いというのは、石炭対策費等を考えた分ということです。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 石油製品にかかる関税率は、原油関税と異なりまして、財政関税という側面のほかに国内の石油産業の保護関税としての機能も持っております。  したがいまして、原油関税については十四年度以降無税とするという方向でございますが、灯油、軽油等の石油製品にかかる関税につきましては、その原油関税相当分の軽減については今後段階的に行うような考え方にはなっておりますが、保護関税そのものとしての製品輸入に対します関税につきましては、これを今後どうするかというようなことにつきましては、十四年度以降、石油製品の関税率についての環境がどうなるかも現時点ではまだ見通すわけにまいりませんものですから、現時点でこれを原油と同じような取り扱いにするというようなことは考えておりませんで、将来、諸情勢を勘案しながら検討していくべき課題ではないかなと思っています。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 それでは、規制緩和の中間報告における関税に関する措置、これについて質問いたします。  三月十日に発表されました政府の規制緩和中間報告には、関税に関するものとして、航空貨物及び小口急送貨物について、輸入貨物を保税地域へ搬入することなく貨物の到着と同時に輸入許可を行うことができる制度を平成八年ぐらいから導入したいというようなことを含めておられますけれども、これは現状に比べると具体的にどの程度改善されると考えていいんでしょうか。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) やや込み入った制度でございますので、制度の概要から御説明させていただきたいと思います。  近年、航空貨物、やはり航空貨物はスピードを争う貨物でございますのでその迅速な処理が強く要請されてきたわけでございます。このようなニーズに適切に対応するために、従来から予備審査制という制度を導入して迅速化すべく対応してきたわけでございます。    〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕  この予備審査制と申しますのは、貨物が到着する前に予備的に輸入申告を受け付けであらかじめ税関の審査を受けておくと、このような制度でございます。  しかしながら、その予備審査制を利用した貨物が着きましてそれを輸入申告する場合でも、この貨物がけん銃、麻薬等の社会悪物品が入っていないかいつでも検査可能な状態になった上で輸入申告をしていただく、このような取り扱いをしておりまして、そういう意味で貨物が保税地域に搬入後に輸入申告をしていただく、このようなやり方をとっておりましたものですから、貨物が空港に到着してから輸入許可までの間に時間がかかるという問題があったわけでございます。  この時間を短縮するために、予備申告の結果、検査が必要ないとされた貨物につきましては、わざわざ保税地域への搬入をして検査可能な状態にするというふうなことなく、貨物の到着が確認され次第、輸入申告が行われれば直ちに許可をする、このような制度を導入したいと考えておるわけでございまして、貨物でも検査を必要としない貨物の率は非常に高こうございますものですから、この制度の導入によりまして、迅速通関の点で相当の効果があるのではないかと考えております。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 規制緩和はぜひ進めなければならないと思いますが、そうした中で、例えば通関に当たり即時許可になるのはこういうケースであるとか、これはだめだというような情報をできるだけ早目早目に関係者にPRしておくことが大事だと思いますので、そういったことの要望にとどめておきます。  それから、税関業務の問題でありますけれども、この一年間の出入国者というのは三千万人を超えておりますし、また輸出入の申告件数もこの十年で二倍ぐらいに急増していると伺っております。そのため税関の職場というのは大変多忙をきわめているというのが実態でありますけれども、今後の税関の執行体制の強化、あるいは職員の定員確保のための措置等について十分な手当てをしていただきたいと思いますが、当面の対応策等がございましたら見解を伺いたいと思います。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 今御指摘がございましたように、税関の業務は、輸出入貨物や出入国旅客が増加する中で、銃だとか麻薬、覚せい剤等のいわゆる社会悪物品等の取り締まりの要請も高まっておりまして、年々増大かつ複雑・困難化してきております。  他方、先ほどお話がございましたように、円滑な物流を阻害しない迅速な通関を行う規制緩和を行っていく、こういうような要請もあるわけでございます。これらの要請にこたえるためには、従来から事務を重点化し、機械化し、業務運営の効率化というようなことに努めてきているわけでございまして、電算化を進める等の努力をしてきているわけでございます。  ただ、こういう努力をしてもなお必要となる要因につきましては、厳しい行財政事情のもとではございますが、国会からもたびたび附帯決議もちょうだいしておりますので、その趣旨も踏まえて相応の配慮を行ってきたところでございます。  今後とも、今申し上げましたようないろんな要請にこたえつつ、この税関職員の定員の確保が必要だということで関係方面の理解を得るべく努力をしていきたいと思っております。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 関税定率法の問題につきましてはひとまずおきまして、午前中の質疑に続いて、財政問題について若干質問をさせていただきたいと思います。  午前中の質疑の最後に、財投の現状について運用上何ら問題はないという趣旨の御発言がございましたけれども、私の見るところ、むしろ問題や課題というのが累増しつつあるのが現状ではないかというように考えるものですから、以下具体的な問題を取り上げまして質問をいたします。  その第一は、平成七年度予算で一般会計において承継した債務の処理の問題ですけれども、この債務については償還予定額が八千五十四億円だったと思いますけれども、これが延期されたわけであります。したがって、その分を財投が肩がわりするという措置になるわけでありますが、これはとりもなおさず財投の財政化という問題にもなるんではないかと思いますし、また、これを繰り延べれば将来確実に償還できるという担保はあるんでしょうか。この辺についてお尋ねします。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 今委員が言われました一般会計の承継債務等と申しますのは、過去におきまして一般会計が地方交付税特会、それから国鉄及び国鉄清算事業団からそれぞれ承継いたしまして、現在は一般会計が資金運用部に対して負っている債務等でございます。  この一般会計の承継債務等につきまして平成七年度予算におきましては、特例公債の発行を回避するためのぎりぎりの措置といたしまして、四年度、五年度及び六年度に引き続きまして、まさに先ほど委員が言われましたように、七年度の元金の償還、八千五十四億円を延期することとしたところでございます。  今御質問の、延期したものの償還がどうなるかということでございますが、まず、延期した分につきましての具体的な償還条件は、正式には法律を成立させていただいた後に資金運用部との間で定めることになるわけでございますが、現在のところ、四年度、五年度及び六年度における延期分と同様に、五年据え置きの後、五年間で均等償還する予定でございます。  償還を延期した分を含めました今後の一般会計承継償務等の償還に当たりましては、資金運用部との間の償還条件に従いまして適切な償還に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 一般会計承継債務の返済予定という試算がありますけれども、これを見ますと平成八年度以降およそ一兆円前後が返済される計算になっております。ことしの場合ですら八千億円を延期しているわけですが、これが本当に償還されるのかということが大変危惧されるので、そういう面からもお伺いいたしました。  それから、やはり財投の問題ですけれども、特別会計の赤字補てんに使っていいのだろうかという問題もございます。例えば国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定ですけれども、平成七年度ベースでは繰越欠損金が約一兆五千億円あります。それから債務残高が三兆三千億ぐらいあると言われております。これに対して借入金で何とか賄っているわけでありますけれども、一般会計から四百五十九億円、財投からも千九十億円借入金をして何とかしのいでいるんだと思うんですが、有償資金の財投をこういうところで使ってもいいのでしょうかという疑問はなかなか解けないわけであります。  またもう一つは、この勘定の持つ累積欠損というのはどうやって消すつもりなのか、これをお尋ねしたいと思います。

田波耕治大蔵省理財局長

○政府委員(田波耕治君) 国有林野事業特会への貸し付けの問題でございます。  委員御指摘のように、現在、国林野事業特会は、沿革的に高度成長期に大量に伐採し、植栽をした人工林がまだ生育途上にございます。したがって売却がなかなかできない、そういう状態になり切っていないということから、特別会計の経営は厳しい状況にあることは御指摘のとおりでございます。  しかし、この人工林は生育し、将来的には相当の林産物の収入が見込まれるわけでございます。またこの特会は、国有林野事業改善特別措置法第二条というのがございまして、それに基づきまして平成三年に国有林野事業の改善に関する計画を御承知のように策定しております。  その計画の内容でございますけれども、要員の縮減であるとかあるいは組織、機構の合理化を進める。それによって経営全体として採算性の向上を図る。また、平成十二年度までに経常事業部門の借入金依存からの脱却をします。平成二十二年度までに国有林野事業全体の収支均衡を目標として経営改善を鋭意図っております。こういう自主的な改善努力を片一方で行いつつ、他方、一般会計からの繰り入れの拡充も近年図っているところでございます。  したがいまして、長期的には事業の採算にめどが立つというふうに考えられるところでございまして、償還確実性にも問題がないというふうに認識をしております。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 赤字を抱えている特別会計というのはこの林野会計に限らずほかにもあるわけであります。そういうところに有償の財投資金を投入してもいいんだろうかということを問題にしているわけであります。    〔理事竹山裕着退席、委員長着席〕  この赤字補てんの問題は、何も特別会計だけじゃなくて、例えば事業団にもあるわけですね。国鉄清算事業団を例にとりますと、平成六年度末の財務状況というのは、固定負債が二十二兆円、それから繰越欠損金が十九兆円以上あるわけであります。これに対して債務償還が平成六年では三兆一千億円。平成七年は二兆二千億円ぐらいが予定されていたわけでありますけれども、平成七年度について見ますと、自分で消せる、あるいは借金を返せる財源というのは、土地の売却が一兆二百億円、株式が約三千七十八億円程度しか見込まれていないわけであります。こういうやりくりを何で埋めているかというと、もう言うまでもなく事業団債の引き受け、つまり財投による引き受けということでしのいでいるんだと思うわけであります。  先ほど来申し上げておりますように、有償資金である郵貯だとかあるいは年金資金、そういったものを赤字補てんに使っていいんでしょうか。つまり、一般会計では補い切れないから財投に回すというような、そういうことをやってもいいんでしょうかということを問題にしているわけなんで、この国鉄清算事業団についてもお答えいただきたいと思います。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 理財局の答弁の前に、まず今委員の言われました国鉄の長期債務の問題について答弁させていただきますと、国鉄の長期債務の残高は七年度首におきまして二十六兆四千億円と見込まれておりまして、この債務残高を前提といたしますと、七年度予算においては土地等の売却収入がまさに今委員が言われましたように一兆二百億円、それからJR株式収入三千七十八億円及び国庫補助金六百二十五億円等の収入を見込んでおりまして、平成七年度末における債務残高も二十六兆円となるものと考えているわけでございます。  この土地の処分につきましては、昨今の不動産市況等マーケットをめぐる状況等には厳しいものがあるわけでございますが、今までの既存の売却方法に加えまして、多様な土地処分方法を最大限活用することにより売却促進を図ることとしており、またJRの株式につきましても、市場の動向に配慮しながらできるだけ早期の処分を進めてまいりたいと考えているわけでございます。  いずれにいたしましても、今後とも土地及びJR株式の早期かつ効果的な処分を進めまして、長期債務をできる限り減少させるように一層努力してまいりたいと考えております。

田波耕治大蔵省理財局長

○政府委員(田波耕治君) 国鉄清算事業団に対する貸し付けの妥当性でございますけれども、御存じのように、昭和六十二年に日本国有鉄道清算事業団ができたわけでございます。そこに対して財投貸し付けを行っておりますけれども、これはそのときの国鉄改革法第十六条という法律によっているところでございまして、すなわち、国は事業団に対する助成及び資金融通等の必要な措置を講ずるという立法が行われております。  国鉄民営化という大変大きな国の政策を円滑にやっていくというためには、この財投による事業団への貸し付けは私どもとしては、と申しますよりも、その当時の政策決定のあり方として不可欠であるという認識があったということだと思います。逆に言えば、この財投資し付けを行わないとしたならば国鉄の民営化に大変大きな支障が生じるものと考えられるわけでございます。  そこで、問題はいわゆる償還確実性ということだと思いますけれども、ただいま主計局の方からお話がありましたように、現在事業団において土地の売却あるいはJRの株の売却等を鋭意進めておりますけれども、いずれにいたしましても、昭和六十三年一月の閣議決定が御存じのようにございまして、「土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団の債務等については最終的には国において処理する」ということになっております。また、資金の返済に当たりましては、政府保証が付されておりますから、償還確実性については問題はないというふうに認識をしておるところでございます。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 土地を売ったり株を売ったりして、それでも足りないときには最終的には国において処理するということは、これは税金で処理するしかないということだと思うんです。土地がどれくらいの値段で売れるのか、株が幾らで売れるのかということともちろん密接な関係にあるわけでありますけれども、だれに聞いても十兆円ぐらいは最終的に国の負担になるのではないかというようなことを言われます。それなので私は、この赤字を何とか消すためにいろんな方法を早目早目に講じたほうがいいんじゃないですかということもこれまでに申し上げてまいりました。  それから、財投のもう一つの問題として、構造的な赤字を財投で埋めていいんだろうかという問題もあります。  具体的に言いますと、海外経済協力基金というのがありますけれども、平成六年度末の繰越欠損金というのは九百二十五億円あります。既に平成七年度の収支について予定が発表されておりますけれども、その中では資金運用部からの借り入れ五千二百二十五億とか、簡保からの借り入れが三百十億とか、政府保証債が五百億とかその他書いてあるわけであります。  言うまでもなく、これは開発途上国向けの低利融資に伴う基金の受け取り利息と、それから資金運用部等に対する返済、つまり支払い利息との逆ざやというのが恒常的に起きているわけであります。本来だったらこの逆ざやというのは一般会計で埋めるべきものなんでしょうけれども、埋められないために財投が使われている。それも恒常的に使われているというのはおかしいんじゃないかと思うんですが、もっと有償資金であるという重みを受けとめた財投の運営をしないと、今の一般会計だけではなくて財投自体も硬直化し、もういずれ回らなくなってしまうんじゃないかというぐらいの心配をしているんです。  この海外経済協力基金に恒常的に出すことの意味というか、判断はどの辺に置いて行われているんでしょうか。

伏屋和彦大蔵省主計局次長

○政府委員(伏屋和彦君) 今委員が言われました恒常的に逆ざやを生じている構造ではないかという点でございますが、我が国のODAの一つの大きな柱でございます円借款の執行機関である海外経済協力基金は、一般会計からの出資金等と財政投融資の組み合わせによりまして、まさに委員言われましたような、途上国に対する譲許性の高い、グラントエレメントの高い貸し付け等を行っているわけでございます。このような仕組みとする以上、赤字が生ずることは当然予想されることでございまして、まさにそのために基金法上、政府が予算の範囲内において交付金を交付することとされているわけでございます。これを通じまして、赤字について適時適切に手当てが行われてきているわけでございます。  ODAの大綱では開発途上国の自助努力を支援することを基本理念に掲げておりまして、ODAの中で円借款が今後とも引き続き重要な役割を果たすことが期待されているわけでございます。したがって、やはりその財源としては、今申し上げましたような考え方から、一般会計と財政投融資の組み合わせを用いることが適当だと考えております。  現に、海外経済協力基金への一般会計の出資金は、基金の財務状況を見ましても、出資金と借入金の比率が法定限度の一村二の水準よりも格段に出資金が現段階でも多いこととなっていることを考えますと、私どもとしても、一般会計としてもできる限りの努力をしているということを御理解いただきたいと思います。

寺崎昭久平成会

○寺崎昭久君 終わります。

池田治新緑風会

○池田治君 関税収入の使途についてお尋ねをいたします。  ウルグアイ・ラウンドの農業合意によりまして、米を除く、麦、でん粉、落花生、コンニャク、繭、生糸、豚肉等につきましては輸入数量制限が関税化されます。関税率についても六年間で平均三六%、最低でも一五%引き下げられることが合意されております。  この合意によって、安価な輸入農産物が我が国に流入して、国内農業に対する影響が懸念されております。農業の生産調整も必要になるんではないかと農家の人たちは心配しておりますが、農産物が関税化され、関税が引き下げられることによる影響も大きなものがあると思いますが、大臣はこの点についてどのような御所見でございましょうか。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策につきましては、我が国農業・農村を取り巻く内外の諸情勢の中で、いわゆる新しい政策に即して農業の将来展望を切り開いていきたいと考えます。六年間で六兆百億円の事業を講じていきたいと考える次第であります。  いずれにせよ、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策を含め、この新しい政策の方向性を基本として重点化を図り、適切な予算編成に努めてまいりたい、その結果、目標の力強い農業構造の実現を図ってまいりたいと考えております。

池田治新緑風会

○池田治君 このウルグアイ・ラウンドの合意に先立ちまして、六十三年の日米合意に基づいて平成三年度には牛肉が自由化されました。これまでの数量制限が関税率に置きかえられるようになりました。関税率は、平成三年度に七〇%に設定され、年々引き下げられて平成六年度の関税率は五〇%であります。さらに、今般のウルグアイ・ラウンド交渉により六年間で三八・五%にまで引き下げられる合意ができております。  関税率が毎年毎年引き下げられ、円高も重なって牛肉の輸入の値段は大分落ち込みました。それで国産の牛肉生産者の経営を圧迫するようにまでなっておりまして、今、輸入量は国産の牛肉量よりも上回った、こう言われております。大臣の地元であります近江外もかなり打撃を受けているんじゃなかろうかと思っております。  そこで、関税率が引き下げられることは、全農の予測によりますと二〇〇三年の牛肉自給卒が四五%から三七%にまで落ち込むんではないかと、こういうことが言われておりまして、国内対策を一層充実しなければ日本の畜産農家は壊滅状態に陥るんではないかと、こういうことまで懸念されております。  そこで、我が国では、肉用子牛生産安定等特別措置法という長い法律がありまして、畜産振興事業団による肉用子牛等の対策を平成三年ごろからやっておるのは承知しておりますが、この対策の財源には牛肉の関税収入を充ててきましたけれども、今後とも自由化以後の牛肉に係る関税収入はこのような特定財源として使えることができるのかどうか、この畜産対策の財源について大臣にお伺いしたいと思います。大臣がわからなかったら局長でも結構です。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) わかりません。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) お話しのように、現在のところ牛肉等の関税収入がこの財源として充てられているわけでございまして、この収入はこの制度が設けられました平成三年度で千四百十六億円、平成五年度では千百二十四億円となっております。

池田治新緑風会

○池田治君 今後とも肉用子牛対策にこれが用いられることができるのかどうかということをお尋ねしておりますか。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) そういうことでこの制度ができ上がっておりまして、平成六年度及び平成七年度予算におきましてもこの関税収入を見込んでいるところでございます。

池田治新緑風会

○池田治君 今度は関税化農産物、いわゆる愛やでん粉、乳製品等でございますが、関税割り当て制度が導入されたことにより、現行の輸入数量制限が廃止されて、輸入数量を基準にした一定数量を超える輸入についても、内外価格差をもとに算出した高率関税を納めればだれでも自由に輸入することに今度はなるわけでございますが、この高率関税というのはどの程度の水準になるのか。また、税率によってどの程度の輸入がふえたり下がったりするかという見込みがわかれば教えてください。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) まず、今お話がございました、従来輸入数量制限を行っておりました農産物につきまして内外価格差相当の関税率を設定しているわけでございまして、この水準は六年間で一五%引き下げられるということになっているわけでございます。  例えば小麦で申し上げますと、平成七年度の関税がキログラム当たり六十三円三十三銭でございますが、これが六年後の平成十二年度にはキログラム当たり五十五円になるというようなことになっております。そのほか、例えば乳製品のうちの脱脂粉乳につきましても、キログラム当たり四百五十四円三十三銭プラス二四・四%ということになっておりますが、これが十二年度にはキログラム当たり三百九十六円プラス二一・三%、こういうようなことで関税率が設定されているわけでございます。  このように内外価格差に相当する高関税率が設定されておりまして、六年間で一五%下がるわけでございますが、当面の価格水準の中では、これだけの高い関税率が設定されているので輸入量がそれほど生じないではないか、現行のアクセスを超えて輸入量がそれほど生じないんではないか、こういうことで関税率が設定されておりまして、さらにこの関税率のもとでも輸入が急増したりした場合には、セーフガードということで関税率を三〇%以内で高く設定することができるというような措置も講ぜられることになっております。今後の需給動向、それから商品市況等によりますものですから確たることは申し上げられませんが、一応そういうことを念頭にこの関税率が設定されているということを申し上げておきたいと思います。

池田治新緑風会

○池田治君 そうしますと、関税率の推移によっても輸入量についてはさしたる変化はないだろうというお見込みでございますか。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 商品市況等あるいは為替レート、いろんな要因がございますものですから輸入量がどうなるかということは確たることは申し上げられませんが、いずれにしましても、輸入が急増するような場合にはさらに高い関税率が設定できるという措置も講ぜられることになっておりまして、そういったこともあわせ行いながら輸入の急増には対応できる、こういうような内容になっているわけでございます。

池田治新緑風会

○池田治君 そうして、万一輸入量がふえて関税が高くなった場合、国家収入としては随分多くなるわけですから、こういった関税収入を財源として国内産業対策を行うことも必要ではないかと思いますが、農産物の関税は、六年間で均等に引き下げられるだけでなく、七年度以後もさらに引き下げられる可能性はないのかあるのか、お伺いします。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) この六年間の関税率、六年間で関税化品目につきまして一五%引き下げるというのはウルグアイ・ラウンド全体の交渉の中で行われた合意でございますが、さらにそれ以降どうするかにつきましては、ウルグアイ・ラウンドではそこまで議論が行われていないわけでございまして、それ以降の関税率全体をどうするかという話につきましては、今後新たに国際交渉等の場が開かれてそこで議論が行われるのではなかろうかと思いますけれども、現段階ではその先行きにつきましては申し上げられない、こういう段階と考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 さっきの質問の続きがもう一つ残っていますので。  きのうの予算委員会で三重野前日銀総裁は、平成五年八月の合同検査について、率直に言ってその検査の後真剣に処理していれば違った形になったと思う、こう述べています。そこでお尋ねしますけれども、東京都の両信用組合に対する示達書の内容というのは、大蔵省は事前に協議を受けるとか報告を受けるとか、何らかの形で内容にタッチされたのか。それは全くなくて、これ完全に都の独自のもので、内容は後から知ったというものなのかどうなのか、お伺いします。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) この両信用組合の検査につきましては、一昨年、昨年と二回にわたりまして……

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 検査じゃない、示達書。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 検査につきましては協力してきたところでございます。  示達と申しますのはその検査の結果を相手方に伝える行為でございますけれども、一昨年の示達、検査報告書の作成につきましては、その段階における経営問題の解決については都の御方針というものを主として尊重してまいりましたので、その検査の示達につきましても基本的には東京都の御判断により行われたものと理解しております。  しかしながら、その後、東京都の御指導の実効が必ずしも上がらず、昨年の検査において両組合の資産内容がさらに悪化いたしまして到底自力再建が困難な状況に至ったことが判明いたしましたことから、昨年の検査結果の示達については、その後業務改善命令というものが予想されておりましたことにもかんがみまして、当局としても適宜相談に応じたところでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 理解しているとかなんとかおっしゃるからわからなくなってしまうんで、あの内容は大蔵省の意向を反映したものではないということですか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 検査そのものは東京都の主任検査官のもとに行われているものでございまして、私どもも御協力は申し上げておりますけれども、その主任検査官の責任において取りまとめられるものでございます。したがいまして、その内容については私どもも承知しておりますけれども、その場合の示達書の書き方等について私どもが最終的に責任を負って作成するという性格のものではございません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 東京都が独自に調査してやったものだということですけれども、だからといって私は大蔵省の指導監督責任が免除されるものではないと思います。  というのは、示達書を読んでみますと、銀行法第二十五条第一項の規定に基づき検査した上での示達だと、そういうふうにはっきり明記してあるわけですね。そうしますと、これは機関委任してあるわけですが、両信用組合の調査というのは大蔵大臣が必要であると認めたときの立ち入り検査になるわけですね。そうすると、機関委任をしたからといって、その場合に大蔵大臣、大蔵省の責任が免除はされないと私は思うわけです。  この点は、国家行政組織法によっても、「地方公共団体の長のなす国の行政事務に関し、その長を指揮監督すること」が定められているし、地方自治法でも主務大臣の指揮監督を受ける、こういうふうに規定されていますから、だから機関委任はしても指揮監督はあるわけで、都を尊重したということを幾ら強調されても大蔵省の指揮監督の責任というものは残ると思うんですが、その点はどうですか。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 今、銀行法というのを御指摘になりましたが、恐らくそれは協同組合による金融事業に関する法律によりまして銀行法が準用されていることをお指しになったものと理解しておりますけれども、そのことと信用組合の指導監督に日常的にどこが当たるかということとは直接関係がないわけでございまして、日ごろの信用組合の指導監督に当たりますのは今申し上げました法律等によりまして都道府県知事が、都道府県をまたがるものにつきましては大蔵大臣、一つの都道府県の中にあるものについては都道府県知事が第一次的には監督に当たっており、大蔵大臣も指揮監督をするということはございますけれども、第一次的には都道府県が監督に当たっているということでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そうしますと、立ち入り検査やその結果の示達についても大臣の指揮監督という責任は私はあると思いますが、それはどうおっしゃるんですか。特に、協力とあなたらは言うわけですけれども、大蔵省も一緒になって行った検査、それについても、今のようなあるかないかわからぬようなことじゃなしに、きちっとしてもらいたい。

西村吉正大蔵省銀行局長

○政府委員(西村吉正君) 信用組合に対する監督に関する事務につきましては、中小企業等協同組合法等に基づきまして、信用組合のうち、その地区が都道府県の区域を越えないものに係る事務が国の機関委任要務として都道府県知事により執行されていると、こういうことでございます。したがいまして、示達をいたしましたり、それに基づくいろいろな指導を行います事務は都道府県知事が行うわけでございます。  一方、大蔵大臣は、主務大臣といたしまして、都道府県知事が当該監督事務を適正に管理し、及び執行するよう必要な指揮監督を行う責務を負っておるわけでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 これまでの答弁は一貫して東京都に責任があるということを一生懸命に強調されている。  時間がないからこれ以上論議ができないのが残念ですけれども、一般的に指揮監督の責任が法律的にも定められているわけですよ。そして、地方自治法で機関委任を受けた側も指揮監督のもとで行うということが規定されており、しかもあの立入検査というのは、これは法律的にはいろいろあなたがおっしゃるわけだけれども、いずれにせよ大蔵省も要請を受けて一緒にやったわけですね。一緒にやった、その結果としての示達、それにあたかも大蔵省は責任がなくて東京都に責任があるという言い方というのは、私は、三重野さんもやり方によっては違った形になったんじゃないかとおっしゃっているように、その後の問題についての大蔵省の責任逃れの答弁だとしか思えません。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) 三重野前総裁がおっしゃっているのは、東京都の真剣な経営改善指導に従っていれば結果が違ったことになっていたんではないかと、恐らくそんな意味が込められているのではないかと私は拝察をいたします。  指揮監督権の問題につきましては局長がお答えしたとおりでありますが、要するに機関委任をされておりますから、その範囲内で都道府県知事さんがすべての権限行使をして御苦労をいただいているわけであります。しかし、その機関委任された職務を都知事が、あるいは都道府県知事がきちっと処置されていないようなときには大蔵大臣の指揮監督権が働くということだと思います。  その示達書の中身まで大蔵大臣に責任があるとおっしゃると、決して責任逃れで言うわけじゃありませんが、機関委任する意味がなくなってしまいます。手とり足とり全部大蔵大臣が、大蔵省がかかわっていかなきゃならないということになりかねないわけでございますから、そういうふうに御理解いただきたいと思います。     ―――――――――――――

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として肥田美代子君が選任されました。     ―――――――――――――

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 輸入促進地域と自由貿易地域について、先ほどに引き続きお伺いしたいと思います。  我が国の輸入を促進することと地域の振興を目指すという二つの目的をあわせ持つという点では、輸入促進地域と内的貿易地域は同じではないかというふうに言われております。もちろん、両者は根拠法や制度上も異なっておりますので、厳密に言えば違うわけでありますけれども、沖縄振興開発特別措置法に基づきまして我が国で唯一のフリーゾーンとして設定されております沖縄自由貿易地域が、必ずしも所期の目的を達成しているとは言えない状態になっております。  原因はいろいろ指摘されておりますけれども、最も大きな原因は制度上の制約がかなり指摘されております。それは、自由貿易地域の根拠法である沖縄振興開発特別措置法の二十五条で、自由貿易地域で、関税法の範囲を出るものではないというふうに明記されているからであります。自由貿易地域が現行法規制中の保税倉庫の枠内にとどめられていることだと指摘されているわけでございます。要するにフリーゾーンがフリーゾーンになっていないということであるかと思います。  自由貿易地域の名に値するように、IQ品目、その設定等も含めて制度の改正が必要だと言われておりますけれども、そうした面も踏まえて沖縄開発庁から自由貿易地域の現状と将来展望を報告していただいて、その後に大蔵省や通産省から、沖縄の自由貿易地域の問題、それから各地域で今設定されています輸入促進地域についての将来展望、その問題についてお伺いしたいと思います。

襲田正徳沖縄開発庁総務局企画課長

○説明員(襲田正徳君) 自由貿易地域の活性化についてのお尋ねでございますが、沖縄開発庁におきましては昭和六十二年に自由貿易地域の那覇地区の指定を行ったわけでございますが、施設整備につきまして補助を行うなど、自由貿易地域の振興のための支援を行ってきたところでございます。また、平成四年の沖縄振興開発特別措置法の改正に際しましても、税制上の特別措置の拡大であるとか、総合保税地域の活用を可能とすること等の制度改正が行われたところでございます。  現在、沖縄県におきましても、この那覇地区の状況とか、今後の社会経済情勢の推移等を踏まえまして同地区の活性化、拡大等について検討いたしますとともに、中長期的には、中城湾港新港地区につきましても、立地特性を踏まえた自由貿易地域の設置につきまして検討を進めていく意向を持っているわけでございます。  現在、県と私ども沖縄開発庁におきましては、自由貿易地域の振興の方策の一つといたしまして、新規企業の入居あるいは既存企業の増床等、既存区画の有効利用による当該地域の活性化に取り組んでおるところでございます。  今後の自由貿易地域の活性化、振興のためには、まずもって関係企業あるいは沖縄県等の主体的な努力、さらには創意工夫が重要ではないかというふうに考えておりますが、沖縄開発庁といたしましても、県との連絡会議を開催するなど密接に連携をとりますとともに、さらに関係省庁とも相談しながら振興方策について勉強してまいりたいと考えております。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 今お話もございましたように、沖縄の自由貿易地域は、沖縄における企業立地を促進するとともに、貿易の振興に資するために設けられた沖縄のみの特別措置でございます。それから、先ほど来御質問ございました総合保税地域制度は、輸入促進地域などの貿易関連施設が集積した地域について関税制度の面から助成することを目的とするものでございます。  関税制度の面から見ますと、総合保税地域は、地方公共団体などが一体のものとして所有または管理する貿易関連施設において、従来個々に認められてきた外国貨物の蔵置、加工、展示等の各種保税機能を総合的に活用できるものでございまして、沖縄の自由貿易地域においても、沖縄開発庁長官の認定を受けた事業者等が一体のものとして所有または管理する施設などで蔵置、加工、展示等の機能を総合的に活用する場合には、総合保税地域制度を活用することは可能でございます。ただし、現時点におきましては、沖縄の自由貿易地域におきましてはそうした一体的な所有または管理といったことはなされておらず、各事業者が個々に保税蔵置場あるいは保税工場等の許可を受けてその機能を行っている、こういうふうに理解しております。  それで、御指摘のように、自由貿易地域制度につきましてさらに関税面でメリットを与えてはどうかという御要望があることは承知しております。しかしながら、現在認められている沖縄復帰特別措置としての関税面の特例措置につきましては、むしろ本土復帰後の年月の経過に伴い徐々に縮小していくこと、また、自由貿易地域における関税面の特例措置の拡大によって安価な輸入品が沖縄を経由して本土に入ってくるとなれば、関税の国内産業保護機能に悪影響が生ずるおそれがあることから、新規の特例措置を認めるということはいかがかなと考えているわけでございます。  なお、総合保税地域につきましては、現在、大阪でこの総合保税地域が利用されておりまして、展示を行い、多くの方にその保税工場で生産したものを展示し、その展示したものの売れ行きあるいは人気の度合いなんかを見ながらまだ生産を変えていくというような形で総合保税地域が活用されている例もございますし、そういった総合保税地域の活用につきましては、いろいろと御要望があれば私どもとしても積極的に対応していきたい、このように考えております。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 関税率体系の見直しについてお伺いします。  従来、関税定率法に定める基本税率と関税暫定措置法に定める暫定税率の関係で、その区分が明確でないという論議があります。ウルグアイ・ラウンド交渉の決着で暫定税率はかなり整理されたと思いますけれども、今回の改正によって関税率体系の整理はどうなっておりますか。また、暫定税率数は現時点で何件ほど残っておるか、お伺いします。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 御指摘のように、従来、基本税率と暫定税率との区分けが明確でないという御指摘をいただいていたわけでございますが、ウルグアイ・ラウンド交渉の決着を受け昨年十二月に成立しました関税定率法等の一部を改正する法律におきましては、暫定税率の大幅な整理を主なねらいとしまして、原則的に現行の実行税率を基本税率とする整理を行ったわけでございます。  それで、暫定税率は、先ほど来お話がございましたように、農産物の関税化品目のように高い基本税率と、それから現行のアクセスを確保するための低い一次税率、このように二つの税率を設けなきゃいけないようなものにつきまして暫定税率の設定を行っているわけでございまして、これは昨年十二月の成立した法律では三百六十九に整理されたわけでございます。  今回の改正におきましては、従来お願いしていたように多数の暫定税率を単純に延長するというようなことは、したがいまして含まれていないわけでございます。ただ、暫定税率の中には、制度導入当初の目的を終えている軽減税率二品目につきまして、今回暫定税率を廃止するなど一層の整理を進めておりますが、他方、今回の改正の一つの目的でございます国際的な商品の分類の変更に伴う品目の分類がございまして、これが技術的に暫定税率数を若干増加させる、こういう効果がございますが、原則としましては先ほど申し上げましたような原則の中で、暫定税率をできるだけふやさない、整理をしていく、こういう方針の中で改正をお願いしているわけでございます。

島袋宗康二院クラブ

○島袋宗康君 件数は何件ですか、暫定税率数。

鏡味徳房大蔵省関税局長

○政府委員(鏡味徳房君) 暫定税率数は、先ほど申し上げました三百六十九マイナス二、それからこの商品分類の仕分けの細分化に伴いますものが十幾つ、こういうような形で基本は暫定税率全体としましても四百を下回るような税率になっているわけでございます。全体としましては三百七十九に暫定税率の税目がなっております。

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 日本共産党を代表して、ただいま議題となっています関税定率法等の一部改正案に対して、反対の討論を行います。  我が国の関税負担率は主要先進国中最も低くなっており、これ以上の引き下げは国内の中小企業に深刻な影響を与えることになります。本改正案は皮革・革靴の関税割り当ての一次税率枠の拡大を図っていますが、これは昨年末のWTO協定に伴う税率の引き下げと相まって、関連中小企業に深刻な影響を与えることは必至であります。  さらに、自動車部品用繊維製品の関税撤廃は、アメリカの一方的な要求を受け入れたものであり、国内関連産業への影響も無視できません。  また、石油関係の関税の免税還付制度も、石油大企業に対する減税制度となっており、これらを何の見直しもなく期限延長することは問題であります。  以上の理由から本改正案には反対であります。

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  楢崎君から発言を求められておりますので、これを許します。楢崎君。

楢崎泰昌自由民主党

○楢崎泰昌君 私は、ただいま可決されました関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、平成会、新緑風会及び二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    関税定卒法及び関税暫定措置法の一部を     改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢に対処するとともに、国民経済的な視点から、国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分配慮しつつ、調和ある対外経済関係の強化及び国民生活の安定・向上に寄与するよう努めること。  一 著しい国際化の進展等による貿易量及び出入国者数の伸長等に伴い税関業務が増大、複雑化するなかで、その適正かつ迅速な処理に加え、銃砲、麻薬・覚せい剤、知的財産権侵害物品、ワシントン条約物品等の水際における取締りの強化が国際的・社会的要請として一層強まっていることにかんがみ、税関業務の一層の効率的、重点的な運用に努めるとともに、税関業務の特殊性を考慮して、今後とも、中長期的展望に基づく税関職員の定員の確保はもとより、その処遇改善、職場環境の充実等に特段の努力を行うこと。  有決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) ただいま楢崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 全会一致と認めます。よって、楢崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、武村大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武村大蔵大臣。

武村正義新党さきがけ大蔵大臣

○国務大臣(武村正義君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なししと呼ぶ者あり〕

西田吉宏自由民主党

○委員長(西田吉宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十分散会      ――――◇―――――

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