選挙制度に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 35 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/03/08
会議録
○委員長(上野雄文君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二月十五日、岩崎昭弥君が委員を辞任され、その補欠として岩本久人君が選任されました。 また、去る二月十六日、野別隆俊君及び星川保松君が委員を辞任され、その補欠として会田長栄君及び萩野浩基君が選任されました。 また、昨七日、萩野浩基君が委員を辞任され、その補欠として井上哲夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(上野雄文君) 阪神・淡路大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野中自治大臣。
○国務大臣(野中広務君) ただいま議題となりました阪神・淡路大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案につきまして、提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。 この法律案は、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた地域について、平成七年四月に予定されている統一地方選挙の期日を延期する等の措置を講ずるものであります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容の概略につきまして御説明申し上げます。 第一に、選挙の期日の延期につきましては、阪神・淡路大震災により被災した地方公共団体で、統一地方選特例法の規定により平成七年四月九日または二十三日に行うこととされている選挙の期日においては選挙を適正に行うことが困難と認められる市町村またはその市町村を包括する府県の任期満了による選挙の期日は、平成七年六月十一日とすることといたしております。なお、これらの市町村は、自治大臣が指定し告示するものとし、この指定の際には、自治大臣は府県の選挙管理委員会の意見を、府県の選挙管理委員会は市町村の選挙管理委員会の意見をあらかじめ聞くものとすることといたしております。 第二に、任期満了による選挙を平成七年六月十一日に行うこととなる地方公共団体の議会の議員または長の任期は、同月十日までの期間とすることといたしております。 第三に、この法律の規定により平成七年六月十一日に行われる各選挙については、同時選挙の規定を適用するものとして選挙管理事務の簡素化を図る等必要な特例を設けております。 以上が阪神・淡路大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由及びその内容の概略であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(上野雄文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下栄一君 平成会の山下でございます。 ただいま大臣の方から、阪神・淡路大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案、これの趣旨説明があったわけでございます。私も今回の大震災の被害の甚大さを見まして、昨年の臨時国会で制定されました統一地方選特例法の中に、兵庫県の県会議員の選挙、その他特定市の市会議員の選挙、長の選挙も入っておりまして、とてもじゃないけれども今の状態では統一地方選挙のときには選挙ができないという状況はわかりますので、何らかの処置が必要であるということでもう法案につきましては賛成であるわけでございますけれども、何点かやはり心配な点がございますので確認させていただきたいというふうに思います。 まず、冒頭確認しておきたいことは、今回の特例法案が特定地域に適用されるということで、憲法九十五条の地方自治特別法の規定との兼ね合いでそれに触れないか、そういうことをまず確認しておきたいと思うわけでございます。 と申しますのは、憲法九十五条によりますと、地方自治特別法を制定するときには住民の投票が必要になってくるというわけでございますけれども、その場合に、国会で最後に議決した議院の議長がその法律を添えてその旨を内閣総理大臣に通知して、その後、関係地方公共団体の長が選挙管理委員会にそのための住民投票を行わせることになっておる、こういうことでございます。もし今回の法案が地方自治特別法というものに万が一なる場合には、参議院が後議の議院となるということでこうした手続を踏むことが必要になるわけでございます。 そういう観点から、この法案の憲法適合性を審査した内閣法制局に対しまして確認しておきたいと思うわけでございます。 まず、今回の法案のポイントは、選挙の期日を延ばすということ、それからもう一つは、議員と長の任期を四年ではなくてその四年の任期を引き延ばす、そういう二点が中心になっておるわけでございます。こういう選挙期日を延ばしたり、またこの任期を延長するということにつきましては、これは地方自治の組織と運営の根幹にかかわることでございますので、まさに九十五条に言う特別法に該当するものではないか、こういうことでございまして、法制局の見解をお伺いしたい。 もう一つは、九十五条に言う一つの地方公共団体に適用される特別法ということで、一つの地方公共団体に当たるのではないか。すなわち、今回の法案にも書いてございますように、自治大臣が指定する特定市になるわけでございますけれども、その特定の市は災害救助法の適用地域ということになっております。そうしますと、おのずとどこの市に今回の法律が該当するかというようなことはもう明らかになるわけでございまして、そういう意味でも、この憲法九十五条に言う一つの地方公共団体に適用される法律に当たるのではないか、こういう懸念がございますので、以上二点につきまして法制局の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(大出峻郎君) この法案とそれから憲法第九十五条との関係についての御質問でございましたが、憲法第九十五条は、地方自治を尊重する立場から、すなわち地方公共団体の自治権ないし自主性を保障する立場から、特定の地方公共団体に係る法律の制定につきましては、特にその地方公共団体の住民の投票を必要とすることとしたものであります。 この九十五条に言う「一の地方公共団体のみに適用される特別法」ということの意味でございますが、これは「一の地方公共団体」とありますが、それは特定の地方公共団体という趣旨に理解をいたしております。そして、「一の地方公共団体のみに適用される特別法」といいますのは、その特定の地方公共団体の組織、運営、機能について他の地方公共団体とは異なる特例を定める法律をいうものと解されております。 ただいまお話がございましたように、個々具体の法律が憲法第九十五条に該当するかどうかを最終的に決定する権限は、その法案を審議された後議の議院の議長にあるとされておりますが、法案を提出いたしております政府の立場からその考え方を申し上げますと、現在御審議をいただいております阪神・淡路大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案は、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた区域にある地方公共団体においては選挙事務に支障を来すおそれがあると考えられることから、その被害の程度により対象となる可能性のある地方公共団体の範囲を法律で定め、この範囲の地方公共団体から自治大臣が具体的に選挙を適正に行うことができる地方公共団体であるのかどうかということを御判断をされまして、そして指定をするということとしているものであります。その自治大臣の指定によって初めて地方公共団体が特定的に定まる、こういう形のものであります。 したがいまして、この法案は、法案それ自体によりまして地方公共団体が特定をされるというものではございませんで、したがいまして憲法第九十五条に規定する「一の地方公共団体のみに適用される特別法」に該当するものではない。したがって九十五条の規定によるところのいわゆる住民投票というものを必要とするものではないというふうに理解をいたしておるところであります。 ただいまお話しの中に、選挙の期日を延期したり、議員あるいは長の任期を延長するということが定められているけれども、これらは地方公共団体の組織、運営にかかわるものではないか、こういう御指摘もございました。その点について申し上げますれば、選挙の期日を法律によって延期したり、あるいは議員、長の任期を延長するというようなことは、地方公共団体の組織、運営にかかわるものではないかという点を言われれば、それは地方公共団体の組織、運営にかかわるものではないかというふうに私どもも考えているところであります。ただしかしながら、先ほど申し上げましたような意味合いで、特定の地方公共団体、具体的なある地方公共団体というものをこの法律が法律自体で定めまして行われているものではなく、自治大臣が指定をすることによって初めて地方公共団体が特定をされるという仕組みになっている法案でございますので、繰り返し申し上げますが、憲法第九十五条に言うところのいわゆる地方特別法と言われるものではない。したがって、住民投票というものが必要だということにはならないというふうに私ども理解をいたしているところであります。 以上でございます。
○山下栄一君 九十五条が適用されるかどうかですけれども、憲法によりますと、一つの地方公共団体のみに適用される特別法は住民投票が必要であるということなんですけれども、この構成要件としまして、一つの地方公共団体に当たるかどうか、もう一つ特別法に当たるかどうかということでいいますと、特別法ということにはなるけれども一つの地方公共団体には当たらない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(大出峻郎君) いわゆる通常使われておりますところの特別法といいますのは、これは一般法という法制度がございまして、これに対して特別な定めをするという内容のもの、これを広く特別法といっておるわけであります。ただ、憲法九十五条に言うところの特別法といいますのは、その前に「一の地方公共団体のみに適用される」という言葉が入っておりますので、そういう意味から、九十五条で言うところのいわゆる特別法といいますのは特定の地方公共団体だけに適用されるそういうものを指しておる、そういう意味での特別法、こういう意味合いであるというふうに理解をいたしております。 それからもう一つ、組織、運営ということだったでしょうか。
○山下栄一君 いや、もうそれは結構です、先ほどいただきましたから。 長官、もう結構でございます。ありがとうございました。 次に、今回の法律をつくる立法形式の問題なんですけれども、去年の臨時国会で成立しました統一地方選特例法、これを一部改正または追加するという形で行ってもよかったのではないか、こういうふうに思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(谷合靖夫君) 今回の措置の中身をどういう形で法案化するかという問題につきましてはいろんな考え方があろうかと思いますけれども、いわば阪神・淡路大震災という未曾有の大災害により統一地方選挙の期日においては選挙を適正に行うことが困難と思われる地方公共団体について、選挙の期日の延期のほかに任期の延長というような特例措置を講じようとするものでありまして、あくまでも大震災に伴う臨時特例のものである。こういうことから、むしろ単独法によって措置をすることが法形式上も可能でありますし、またわかりやすいのではないかというようなことから、このような単独法にさせていただいたということでございます。
○山下栄一君 同じような感じの質問ですけれども、今回提案されております法律案は今回限りの、阪神大震災限りの特例法ということになっているわけでございますけれども、同じような大規模な災害が発生しては困りますけれども、万が一発生したときにも適用できるような形で、一般法という形でつくってもよかったのではないか、このように思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(谷合靖夫君) 公職選挙法におきましては、選挙の期日の告示後に災害等が発生をして投票ができなくなったというようなケースの場合には、繰り延べ投票の規定でありますとか投票所の変更の規定でありますとか、そういういわば災害を想定いたしました一般的な規定は置かれておるわけでございます。ただ、今回の阪神・淡路大震災は告示前の出来事で、しかも未曾有の大災害であった。こういうことのために、特例法により選挙の期日の延期や任期の延長の措置を講じようとしているものでございます。 御提案のように、むしろ今回のような大災害に適用する一般的な規定を例えばあらかじめ公職選挙法等に規定をするということにつきましては、当然公選法なり地方自治法の原則に対する特例措置の具体的ないわば内容、例外ですね、これをあらかじめ規定をしていくということになりますと、例えば公選法では任期満了前三十日という原則がありますが、一体、こういう災害の場合は任期満了後に選挙をするのか、いつまで選挙の期日を延ばすのかというような問題、あるいは任期の特例がその際必要なのか、つくるとすればその幅をどのようにするのか、このようなことはやはり個々のケースによって判断せざるを得ないのではないだろうか、こういうふうに考えておりまして、いわば今回のような大災害に対応するための一般的包括的な規定を公選法等に設けておくということは極めて難しいのではないだろうかというふうに考えております。
○山下栄一君 次に、任期の問題なんですけれども、今回の法案第二条では、地方公共団体の議会の議員または長の任期は、地方自治法の九十三条や百四十条の規定にかかわらず、平成七年六月十日までの期間とすると。すなわち、任期そのものを四年じゃなくて四年数カ月にするんだ、こうなるわけですね。したがいまして、これは読みようによっては、地方自治法で任期を四年と定めているのに大原則を変えるんだというふうな規定内容にしてしまっている、このようにも読めるわけでございます。 従来、任期を延長するということにつきましては、今までもごくわずか例があるわけでございますけれども、非常に慎重な表現をしてきたような経緯があるというように思うわけです。戦前の関東大震災の場合におきましても、あの場合は勅令でございましたですけれども、任期そのものを延ばすというんじゃなくて在任期間を延長するんだ、こういうような形になっておると。 昭和三十年の地方議会の議員及び長の選挙期日等特例法、この場合も特に市町村議会の議員または長の任期が延びる形になっているんですけれども、昭和三十年の特例法第七条によりますと、当該議会の議員または長は、地方自治法の規定にかかわらず、途中略しますけれども、引き続き当該議会の議員または長として在任するものとする、こういう形になっておりまして、とにかく在任期間を延長するのであって任期そのものを変えるんではないというふうに表現しているのではないかと。そういう意味では、任期の延長については非常に慎重な扱いをしてきたのではないかと思うわけです。 在任期間の延長と任期そのものを延ばすということは、私は法的効果において違いがあるように思うわけですね。この点についていかがでしょうか。
○政府委員(谷合靖夫君) 任期についての規定の仕方の問題でございますが、ただいま御指摘がございましたように、いついつまで在任するというような書き方というものも当然考えられるというふうに私どもも考えておりますが、例えばでございますが、憲法四十五条の「衆議院議員の任期は、四年とする。」というような規定の仕方等も含めて、いわば端的に任期はということを主語にした方がよりわかりやすいのではないだろうかというようなことから今回このような規定にさせていただいておるわけでございます。御指摘のように、在任するという規定の仕方、過去こうした例があったというのも承知しておりますけれども、このような規定の仕方であっても、また今回のように、任期はを主語にいたしまして何々までの期間とするという規定の仕方をとったといたしましても、その内容については相違はないというふうに私どもは考えております。
○山下栄一君 相違があるように思いますので質問しているわけですけれども、その在任期間延長の途中でいろんな事由で補欠選挙をしなきゃいかぬようになった場合なんかは違ってくるんではないかと思うわけですよ。在任期間の延長という場合は、個々の議員その人たちの問題ですから補充する必要がある。ただ、任期延長という場合はまた別の内容になってくるのではないか、こういうように思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(谷合靖夫君) 確かに、主語の問題として、在任するものとするという場合については、その在任をされる議員の方々が在任をするということで、ある程度そうした対象の特定性ということがあろうかと思います。 さらに、任期は何々までの期間とするという場合については、むしろそうした特定の方々というよりも、現在いわゆる任期を持っている方全体の抽象的なグループとしての任期がそのまま延びる、そうした形での差があるいはあるのかなという感じはいたしますが、実態論として、そうした区分けをしてみてもそこにおける内容の意味がそれほど変わってくるのかなと。それならば、むしろ端的に任期はということを主語にして書いた方がよりわかりやすいんではないだろうか、こういうようなことからこのような規定の仕方をしたということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○山下栄一君 時間がございませんので質問を次に移らせていただきたいと思います。 要するに、これが立法化されますと六月十一日に延びることになるわけですけれども、肝心の今回の特例法が適用される地域は延ばしても果たして選挙ができるのか、そういう現実が大変あるように思います。 まず、投票所の確保なんですけれども、例えば神戸市におきましては、前回の選挙におきましては三百三十九カ所投票所がある。そのうち今百六十一カ所が避難所になっておる。さらに四十六カ所は全壊等で使用不能であるというふうな状況があるわけでございまして、投票所そのものの確保も非常に難しいし、投票所を変えることになりますと、またそれをどういう形で通知するのかということも非常に難しい問題になってくるわけですが、こういう投票所の確保の問題。 それから、職員の確保につきましても、神戸におきましては選挙管理委員の方が百五十六名いらっしゃるそうですけれども、そのうち百四十二名が兼職で専任じゃない。現在、震災対策で毎日超激務の中で仕事をされておるという。これはずっと二年も三年も続くのではないかというぐらいの仕事にもなっておるわけでございまして、そういう職員の方が一時その仕事をストップして選挙管理の仕事に従事するということになりますと、震災対策の業務が滞るというようなことにもなってくるわけでございます。そういう意味では、選挙執行のための職員の確保につきましても格段の対応、応援体制とかというようなことも考える必要があるのではないかな、こういうふうに思うんですけれども、職員確保、投票所確保につきましてお願いいたします。
○国務大臣(野中広務君) 委員御指摘のように、今回の深刻な被害を受けた被災地における選挙の執行でございますので、投票所を含め御指摘のようなさまざま困難な体制があることは私どもも十分承知をしておるところでございます。 そんな意味におきまして、兵庫県選挙管理委員会におかれましては、神戸市を初め関係被災市の選挙管理委員会とそれぞれ十分協議を進められました上、去る二月二十七日に、今回の被害の甚大でありました神戸市、西宮市、芦屋市において統一地方選挙を予定どおり執行することが困難であるわけでございますので、三市では六月十一日に執行がされれば選挙体制を行うことが可能であるという前提に立ちまして要望書が出され、任期の延長をしていただきたいという要望が行われたわけでございます。こうしたことから、政府といたしましても、延期されることとなります選挙期日につきましては、現地の判断を踏まえまして六月十一日とすることにしたものでございます。六月十一日におきましては、困難ではございますけれども選挙の執行は可能であると考えておるのでございます。 しかし、現時点では御指摘のようなさまざまな問題点もあるわけでございますし、特に選挙の執行事務を行う職員につきましても問題が出るような状況でございますれば、現地とよく連絡を密にいたしまして、その人的支援につきましてそれぞれの地方公共団体から要請がありました場合は、今後選挙の準備を進めていく中でそれぞれ万全の体制を行いまして、他の関係地方公共団体とも連絡をとりまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 前回のこの委員会で、選挙経費にかかわる改正法案が審議されたわけでございますけれども、ポスターの公営掲示板なんですけれども、六月十一日投票になりましても、今こんなポスターの公営掲示板を設置できるような状況じゃない、こんなの設置したらかえって大変なひんしゅくを買う。今、一生懸命解体工事で処理している状況の中で、公営掲示板を設置してまた撤去するなんというようなことは考えられないことでございますので、ポスターの公営掲示板、これについてはこういうやり方を今回はやらないとか、何かそういう見直しをする必要があると思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(谷合靖夫君) ポスター掲示場につきましては、県議会議員の選挙あるいは三市の関係選挙については条例でそれぞれポスター掲示場制度を設けておるというふうに聞いておるわけでございます。 確かに、兵庫県から出されました要望書におきましては、御指摘のように、従来のポスター掲示板の設置箇所の多くが倒壊または地権者の所在不明により確保できず、その後の再点検なり交渉というものがなかなか大変で日時を要する。こういうことが予定どおり選挙を実施できないいわば理由の一つとして挙げられておるわけでございます。六月十一日ということを前提にいたしまして、その後このような状態がどの程度改善されてくる見込みなのか、またその際どうしても条例の規定どおりできない場合にはそれを少し減らすというような形で対応することになるのか、そこらの点につきましては選挙管理委員会ともよく協議をしながら、今後の推移の状況を見きわめながら対応を考えていくということになろうかと存じております。
○山下栄一君 だから、掲示板については減らすとか確保できないとかいう問題じゃないということを申し上げているわけでございまして、設置することそのことがもう大変なひんしゅくを買うのではないかという問題提起です。 ちょっと時間なくなってしまいましたけれども、大変いろいろと課題が多い。選挙はいつまでも引き延ばすわけにもいきませんけれども、かといって六月十一日にとても選挙ができる状態ではない。非常に難しい問題であると思います。 いずれにしましても、住民の方々にとりましても重大な関心のある、だれを議員に選ぶかというようなことは大変重要な問題でもございます。そういう意味で速やかに、また感情を害することのないように、また投票率がむちゃくちゃ激減することが予想されますけれども、よく配慮して地元と連携をとりながら手を打っていただきたい、このようにお願い申し上げまして、質問を終わります。
○橋本敦君 被災地の甚大な災害の実情を考えますと、現地の自治体から要望があって選挙期日の延期ということは、これはまあやむを得ない処置であるというように私どもも考えておるわけですが、法律は法律として問題点はただしておかなくちゃならぬという問題がそれ自体としてはあるもんですから、ひとつ最初に伺いたいんです。 先ほど憲法九十五条との関係の議論がございました。内閣法制局の御意見を伺ったんですが、自治省としてこの問題についてはどのように検討され、どうお考えになっておるかということを伺っておきたいわけですね。 とりわけ、この法律では特定の地方公共団体は自治大臣が指定する、こうなっています。しかし、実際上は阪神大震災被災地域という大枠の特定があり、実際に要望が出されているのは神戸市ほか三市、そういう具体性がある。したがって、この法律で特定の市の、自治体の名前を書いて出そうという手続をとろうと思えばできないわけではないだろう。それを自治大臣の指定にした。こういうことはまさに憲法九十五条の関係でそうしておく必要がある、こう考えられたのではないか。言ってみれば九十五条を意識している、そのためにそういう手続を迂回的にとったのではないか、そういう考え方も一面においてはあるんですね。そこらあたり、自治省の見解を最初に伺っておきたいと思います。
○政府委員(谷合靖夫君) 御指摘のように、今回の延期の措置あるいは任期の延長という措置を講ずる実態的な背景としては、兵庫県からの要望等を踏まえてのことは事実でございます。 ただ、こうした災害一般という、今回の大災害ということを前提にいたしまして、そうした特別の措置を講ずるという必要があるところは、やはり枠としては抽象的に災害救助法の適用団体というものを一定とらえておいて、その中で選挙の執行は困難であるということを一定の手続のもとで大臣が指定をして決めていく。こういう手順を踏むことが、いわば客観的なそういう選挙執行の困難な団体ということに限っでこのような特例措置を講ずるための法の手続としては適切な手段ではないだろうかというふうに考えて、このような法案をつくらせていただいたというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○橋本敦君 九十五条との関係。
○政府委員(谷合靖夫君) 済みません。 御指摘の九十五条との問題につきましては、特定の「一の地方公共団体のみに適用される特別法」ということでございますが、その特定ということについては、やはり具体的などことどこというある地方公共団体を指すということでございますので、むしろ大臣が枠の中で指定をするということで結果的には各団体が特定をされていくということでございますので、この法律そのものの仕組みとしては、その特定の地方公共団体にのみ適用される特別法というようなことには該当しないんではないかというふうに私ども考えておりました。
○橋本敦君 議論はいろいろあるんですが、時間がありませんので先へ進みます。 どちらにしても、有権者である市民の皆さんの選挙の権利ということを大事にしていかなくちゃならぬというのが基本ですね。そういう点で考えますと、被災地の皆さんは仮設住宅あるいは区域を越えて県外にも行っていらっしゃるという方もたくさんいらっしゃいますね。そういう方が、しかし自分はもとの住んでいた地域で選挙をしたいんだ、こういう意思をお持ちになっていらっしゃる方もあるでしょう。そういった有権者の意思を確認して、それらの皆さんの投票の権利を保障していくためにもう大変な御尽力が要ると私は思うんですが、そういったことを徹底するためにどういったことに重点を置いて指導されますか。
○政府委員(谷合靖夫君) 確かに、御指摘のように、今回の選挙の期日を延期するというケースのいわば要請の背景には、特に有権者の把握というものが非常に困難であるということが兵庫県の要望書の中にもるる記されておるわけでございます。したがいまして、一時的に仮設住宅や体育館等に避難している方につきましては、一般論を申し上げれば、従前の居住地に住所があるということが基本になると考えております。現実には住民基本台帳あるいは選挙人名簿自体は今回の災害でも損傷がないというふうに私どもは聞いておりますので、今申し上げました一般的な考え方に基づきまして、いろんな形の避難先におられる方々が選挙期日に自分の属する投票所で円滑に投票できるように、これから把握をし周知をし、そうした努力を重ねていただけると思うわけでございます。 なかなか大変な時間のかかる作業だと思いますけれども、やはり円滑な投票というのが何よりも大事でございますので、特にそうした面については六月十一日までには選挙の執行は可能であるという御判断もされておるわけでございますので、最大限の努力を払って、そうした有権者の適正な投票ができるような努力をしていただけるのではないだろうかというふうに考えております。
○橋本敦君 大変困難な中で選挙の執行を適正にやるために、今回は初めての重大なケースなので自治省としても特段の指導と援助を強めていただきたいと思います。 統一地方選挙を目前にしてもう各地で選挙活動も始まっておりますが、この機会に私は選挙の公明、公正を確保するという観点からどうしてもただしておきたい問題があるので伺うんですが、一つはいわゆる企業ぐるみ選挙と言われているものであります。 一つの例として、私は中部電力の選挙の例を取り上げたいんですが、中部電力岐阜支店の営業開発担当課長のNさんという方が県議選に今度立候補される、それをめぐって大変な企業ぐるみ選挙があるというので、この問題で一一〇番を設置して意見を聴取しましたところ、大変多くの苦情が寄せられたんですが、その中でいろんな実態がわかってきました。 そういうことの中で、一つは、中部電力の支店長が各職場の係長クラス百二、三十名を三回に分けて会社の梅林荘という施設に集めまして、そこで懇親会という名目でいろいろ話をしているんですが、議事録を見ますと極めて露骨なんですね。 その支店長が、最近の最大のニュースは阪神大震災だということから話を始めて、最大のこと、それは今度の統一地方選挙であります、その選挙は組合がやっているんですけれども、組合もそうですが会社にとっても物すごく重要なことなのですと。こういうことで中部電力関係の議員がこれまで出ておった、そのためにどれだけこの岐阜で中部電力が仕事がやりやすかったか、そのことを痛感しております、ということですね。 したがって、今度の県議選でもどうしても当選をさせなくちゃならないということを訴えて、次のように言っているんですね。 私も今度の選挙に危機感を持って燃えています、そういう意味で皆さんお一人お一人が頼りだ、部下はそれぞれ上司の顔を見て仕事をする、そういうわけですから、ぜひそういうことも酌み取って皆さんは部下にそういうことを十分言い聞かせて、四月に笑えるようにしてほしい、こういうことですね。この集会の招集文書は総務部総務課で各支部あてに出されておりまして、会社の公式の要請によるものであるということが明白なんですね。 こういうことでやりまして、その上今度は各職場で、これは変電技術課の勤務表というのが手に入っているんですが、職員十八人全員の勤務日程表があって、そしてその中で何月何日にだれがそのNさんのところの選挙の支援に行くかということを具体的に書き出して、そういうスケジュールまでつくって、まさに特別にそういう割り当てをするということまでやっているわけですね。こういうことをやりますと、私はまさに選挙の自由の公正を害する、そういうことはもう疑いないと思うんですね。現にそこの職場で働いている人たちは、そういう勤務に繰り入れられることを拒否できないでしょう、事実上。そしてまた、そういうことをやらされるということについて自由な意思を表明し得ないことも力関係からいって明らかですね。 だから、こういった問題についてはまさに選挙の公正を害するものとして、これは私は厳しく批判されなくちゃならぬと思うんです。しかも、電力会社というのは公益事業ですから、御存じのように一九七四年、いわゆる電力会社の企業献金をやめようといった自粛が国民世論の中で行われて、公益事業としてふさわしいやり方ということが考えられなきゃならぬということが指摘されてきたわけでしょう。そういうところでこういう企業ぐるみ選挙が会社の強力な体制のもとで進められるという問題については、選挙の公正を害するという意味で私は無関心でおられないと思うんですね。こういった企業ぐるみ選挙について自治省としてはどうお考えですか。
○国務大臣(野中広務君) ただいま御指摘の件につきましては、事実関係は承知はいたしておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、個人であれ企業等でございましても、また団体でありましても、選挙運動や政治活動を行うに当たりましては、関係の法令を遵守して行わなければならないことは申し上げるまでもなく当然であると考えておる次第でございます。
○橋本敦君 今、大臣がおっしゃった関係法令ということでは、選挙法それ自体の中で選挙の自由妨害罪もあり、あるいは特定の利害誘導の禁止があり、あるいはまた利害関係利用で威迫、これもいけないということになっていますから、そういう労使関係を一体として企業ぐるみでやるということは、そういったこととの関係でも問題があるわけですね。 ヤマハの場合もそうなんです。私は手元にヤマハの豊岡工場のある県会議員の支援をする職域会組織という表も持っておりますけれども、これでは会社の取締役クラスが職域会の会長、副会長には各職場の部長クラスが就任をする。そして、その事務局長には会社の課長が就任し、労働組合の執行委員がともに入る。そして、組織としては各職場で職制は各課長、組合からは代議員、執行委員が入って、全職員に対してそういうダブルシステムで選挙活動を進めていく見事な組織図があるんですね。これなんかもまさに選挙の自由を侵害することは明らかです。 それだけじゃなくて、今度は自治会ぐるみの選挙ということも地域で行われている。これは浜松のある地区の自治会連合会長が自治会長にあてた文書で、Tさんという方の選挙対策についてという文書ですが、これはもう大変なことで、この地区からどうしても出そうというわけで、集会をやるので男子は二千円、女子は千円を持って集まりましょう、そして出席の方の名前を書いていただいてきてください、自治会長は手前上必ず御出席ください、こういうことをやっているわけですね。しかも、回覧板に候補者のリーフやパンフを載せて回す地区もあるという情報も企業ぐるみ選挙を告発する市民の会に出されてきているわけです。これは静岡新聞にも載りました。 こういった問題は、まさに公職選挙法が言っているところの「選挙が選挙人の自由に表明せる意思によって公明且つ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的とする。」という法の根本目的と精神に反すると私は思うんです。だから、こういった問題については、自治省としてもあるいは選管としても、目に余るこういった問題があれば調査を行う、そして不当な行為があればそれを是正することを勧告する、こういったことも含めて毅然とした対処をしていただいて、選挙が公平、公正な、自由な選挙民の意思により執行されるということを強く指導していただきたいということをもう一度重ねて大臣に要望して終わりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(野中広務君) 個別具体的なお話があったわけでございますが、一昨年以来選挙制度の改正を含めまして、公正、公明な選挙のあり方につきましては国を挙げての問題として取り組んだところでございまして、よりその趣旨が生かされるように、私どもも今後選挙啓発を通じて一層努力をしてまいりたいと存じております。
○橋本敦君 終わります。
○委員長(上野雄文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 阪神・淡路大震災に伴う地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野雄文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前九時三十一分散会 —————・—————