商工委員会 第10号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/06/06
会議録
○委員長(久世公堯君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨五日、川橋幸子君及び吉田達男君が委員を辞任され、その補欠として前畑幸子君及び及川一夫君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(久世公堯君) 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○沓掛哲男君 最初に、通産行政にかかわる重要な政治経済課題についてお尋ねしたいと思います。 第一に、日米の自動車・同部品協議についてお尋ねいたします。 去る五月十六日、米国政府は、日本の補修用自動車部品及び自動車装飾品市場における障壁に関して、通商法三〇一条に基づく制裁候補リストを発表いたしました。具体的には、我が国の自動車メーカー、本田、トヨタ、日産、マツダ、三菱の五メーカ一で生産している十三車種について一〇〇%の輸入関税を課すというものであり、六月二十八日を最終決定日とし、本関税賦課は五月二十日にさかのぼって適用するというものであります。過去二年間にわたり日米間でこの自動車・同部品問題について協議に協議を重ねてきた結果が、米国のこの一方的措置であることはまことに残念であります。 通産省は、五月十六日、橋本通産大臣談話で、候補リストの発表は我が国の米国向け貿易に多大な悪影響を及ぼし、我が国に与えられたWTO協定上の利益の侵害になるものと判断し、米国に対しガット第二十二条に基づく協議申し入れを行い、WTOにおける紛争解決手続を開始することとするとされておられます。もちろん、今後ともOECD閣僚理事会、サミット、首脳会談、APEC閣僚会議、WTO理事会等、あらゆる場所を使って今回の米国の行為の不当性について各国の理解を得るよう努め、他国と一致協力して米国が国際ルールにのっとった良識ある行為をとるよう説得に努めると伺っております。 そこで、橋本大臣にお尋ねしたいんですが、橋本大臣には、先般開催されたOECDにおいて精力的に各国大臣と会談を重ねられ、日本の立場について支持が得られたとのニュアンスでマスコミが報じておりますが、どうだったのでしょうか。 続いて大臣にお尋ねしたいので、質問を一括して申させていただきたいと思います。 二番目に、米国の通商法三〇一条に基づく制裁についてWTOに提訴され、これに関して六月十二、十三日にジュネーブで橋本大臣とカンター通商代表の二国間協議が行われるとテレビ、新聞が報じておりますが、今後どのような方針で臨まれるのか。大臣の外国へ行かれる日程をちょっときのうお聞きしたら、この日がうまく合うのかどうかなというふうな気もするのですが、そこも踏まえて教えていただければと思います。 それから三番目に、六月十五日から開催されるカナダ・ハリファクス・サミットにおいて自動車・自動車部品問題に関してどのような対応をなされるのか。外務省はサミットではこの問題を取り上げたくないような報道もしておりますが、以上三問は関連いたしておりますので、一括してお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般、IEA、OECD閣僚理事会のためにパリに参りました際に、OECD加盟各国の通商関係閣僚並びにOECD、WTOの事務局長等多くの方々との間で意見交換を行う機会を持ちました。その会談の際には、いずれの場合におきましても、日米自動車協議というものが非常に大きな関心を持たれておりまして、私の方から日米自動車協議の現状については詳細な説明をさせていただきました。 アメリカがとりました一方的措置、これに対しては一致してどの国もまた国際機関も反対であります。そして、数値目標や管理貿易的な手法による問題の解決というものについても重大な懸念が表明されておりました。殊にEUからは、アメリカの圧力のもとで日本企業が仮に自主的部品購入計画に対する立場を変えるようなことがあれば、EUとしてはWTOへの提訴も真剣に考えるという立場が表明をされております。 また、我々として非常に残念でありますけれども、補修部品市場に対する規制を含めまして日本の市場閉鎖性というものにつきましては、アメリカの主張に漠然とした共感を覚える、特に一層の規制緩和を望むという空気はどこにもございました。 我々としては、いずれにしてもこの協議をWTOの場で国際ルールに基づいて解決しようという姿勢をとっているわけでありますが、これについては私は支援が得られたと考えております。 この五月十六日に制裁候補リストを発表しましたのに対し、我々はWTOの二国間協議というものを要請したわけでありますが、現在、六月十二日からジュネーブで協議を行うということでは合意をいたしております。ただ、恐らくカンターUSTR代表と私が最初の会合に出席をし議論をする場面はないと考えております。恐らく、第一回は相当事務的な法律的な手続論争等が行われると想定されまして、これはやはり専門家ベースで対応することになろうかと思っております。 しかし、いずれにしても我々としては、WTOの紛争解決手続というものを活用しながら、多国間の枠組みの中で国際ルールにのっとった適切な解決というものを目指してまいりたいと思います。 また、ハリファクス・サミットあるいは日米首脳会談につきましては、これらの場面で自動車及び補修部品市場の問題が取り上げられるとも取り上げられないとも現時点では決まっておりません。 ただ、これに関して一点この機会を拝借して御報告を申し上げたいと存じますのは、昨日の夜、私からカンターUSTR代表あてに書簡を発送いたしました。ワシントンでアメリカ側に手渡しました。 このポイントは、我々はできるだけ早く協議に入りたいと考えているが、アメリカ側の要望というものを踏まえて十二、十三の開催に同意する。ただし、我々はあくまでもガット二十二条に基づく協議を申し入れていることであって、包括協議のもとの自動車協議ではない。そして、アメリカ側の声明の中には、第二回目の会合をワシントンで行うことについて私が同意をしたような発表がなされておりますが、第二回目の会合は第一回目の協議の際に日程等を決めることであって、いずれにしてもその協議の場としては、この協議がWTOの協定に基づくプロセスであるからジュネーブが適当ということを主張いたしております。また、EUあるいは豪州が第三国として協議への参加を希望しておりますことにつきまして、日本としてはこれを歓迎する。アメリカがこれを受け入れることを強く希望している。そして、既にアメリカによる一方的措置、特に関税額決定の留保の措置が我が国の産業界に悪影響を現実に及ぼしておりますことから、緊急案件として処理すべきことを引き続き要求する。 このような趣旨の内容を持ちます書簡を発出いたしたところであります。 これに対してアメリカがどういう回答をしてくるのか、現時点では定かではございません。ただ、アメリカもサミットあるいはその他の場所でこの問題がクローズアップされることを必ずしも好んでおらないと思われますことから、協議は軌道に順次乗っていくのではなかろうか、そう期待をいたしております。
○沓掛哲男君 ありがとうございました。 さて、先日この自動車・同部品についてのアメリカの制裁に対し我が国がWTOに提訴することについてテレビでアンケート調査をしておりましたが、その結果は賛成が八〇%であったことを見ましても、戦後初めて米国に対し正論を主張することについて、もちろん今までも正論を主張されてはいたんだと思いますけれども、なかなか最後まで続かなかった点が多かったと思いますが、その正論を主張することについて国民は大きな支援を送っているのだと思います。 私は、初めて国政に参加した九年前、決算委員会で当時の粟原祐幸防衛庁長官が、日本は自分で自分の国を守れない国です、したがって時として我慢が必要ですと言われるのを聞いて大きなショックを受けました。それから十年、今や新しい日米関係が橋本大臣によって幕開くのかなという感がいたします。大臣のますますの御活躍をお願いする次第でございます。 では次に、円高について質問させていただきます。 円高を時系列的に見ますと、一九八五年九月のプラザ合意のころは一ドルが約二百四十円でありました。その後、急速な円高が生じ、一九九三年三月、二年ちょっと前には百二十五円となり、ことしの三月初めから異常な円高が起こり、現在は八十円台前半となっております。 そこで、経済企画庁に質問をまずしたいんですけれども、十年前のプラザ合意後の急速な円高のとき、百八十円を超えたら我が国の経済は大打撃を受ける、百六十円にもなったら壊滅的打撃を受けると、経済界もマスコミもそう言っておりました。そういう中で、二年前には一ドル百二十五円となりましたが、我が国の経済はこの円高によって破滅するようなことはありませんでした。もちろん、政府の経済政策、中小企業対策が適切であり、企業や国民が大変努力した成果であるとは思います。 そこでお尋ねしますが、プラザ合意後から二年前までの八年間で一ドルが二百四十円から百二十五円となった円高、倍になった、強くなったわけですが、その円高と、この二年間で起こった一ドル百二十五円から八十五円となった円高とには、我が国の経済に及ぼす影響に差異があるのでしょうか、あるとすればどういう点なのでしょうか、経済企画庁にお尋ねします。
○政府委員(大来洋一君) 今の御質問に対してお答えをいたします。 プラザ合意以降の円高につきましては、まずそのプラザ合意の前の時点におきましてドルが高過ぎたという点があったかと思います。その後、ドルがドル安という形で、つまり円の全面高ではないという形でドルが減価した。円について申しますと、欧州通貨に対する上昇幅は小さかった、こういうことがプラザ合意からの円高については申し上げることができるかと思います。 最近の円高、二年ぐらいの間の円高につきましては、これは期間によりまして円高、つまり欧州通貨に対しても円が増価するという場面もありますし、そうでない場面もあるということで、若干細かくなりますが、九三年におきましては、経常収支の黒字の拡大を背景に思惑的な取引がありまして、急激な円の独歩高という局面を見せたわけでございます。 九四年になりますと、ドルが欧州通貨を含めたその他の国の通貨に対しても安くなるという動きが出てまいりまして、この欧州通貨と円が両方ドルに対して増価をする、切り上がるという局面になってまいりまして、この間、円の欧州通貨に対する上昇幅は小さいという局面になったわけであります。 本年になりますと、メキシコ情勢やドイツを除く欧州主要国の政治情勢の変化をきっかけといたしまして、当初マルクとの連れ高という現象が生じましたが、その後マルクを含む欧州通貨に対しても全面高の様相を示すようになったということでございまして、ことしに入ってからは、一時円の欧州通貨に対する連れ高であったわけでございますが、最近は円が全面高という感じも出てきているわけでございます。 最近の動きにつきましては、やはりこれは経済の基礎的な諸条件を反映していない思惑的なものであるということを特に申し上げたいと思います。 以上でございます。
○沓掛哲男君 そこで、その円高が我が国の景気にどういう影響を与えているのかをお尋ねしたいんですが、我が国の景気は一九九三年十月を底にして緩やかな回復局面に入っていると企画庁、政府は言っておりました。その根拠として、鉱工業生産指数が上向いていることなどを挙げておられました。しかし、四月には前月比マイナスとなり、五、六月の予測もこの鉱工業生産指数も下落と言われております。また、四月の完全失業率が三・二%と過去最悪の水準となっております。 円高の進行で、企業は部品を海外から調達したり、工場を海外に移したりする空洞化現象も心配です。また、不良債権処理が進まず、金融不安につながる危険もなくなっておりません。 これらを踏まえ、経済の現況を企画庁はどのように見ておられるのでしょうか。
○政府委員(大来洋一君) 我が国の経済の状況を見ますと、需要面では、個人消費につきましては、一時阪神大震災の影響などがございまして引き続きやや弱い動きが見られておるわけでございますが、総じて見ますれば、消費については緩やかな回復傾向にあるという状況でございますし、それから設備投資につきましては、低迷している業種がございますが、全体として見ますと下げどまりの動きが見られるという状況でございます。 こうした需要面の動きを受けまして、生産でございますが、先ほど委員御質問の中でおっしゃいましたように、四月は若干のマイナスとなっておりますが、五月、六月の予測指数を入れまして四−六月の決算をしてみますと、〇・二%とほんのわずかでございますが増加をしております。 こういった状況でございますので、雇用情勢につきまして少し、四月の統計については今御指摘のありましたような動きがございますが、基調としましては、企業設備等の調整が進展する中で我が国経済は緩やかながら回復基調をたどっているというふうに認識をしております。ただし、最近の急激な為替相場の変動によって景気に悪影響が生じるおそれがあるということも同時に認識しているわけでございます。 この円高の影響につきましては、生産指数などを見ますとかなりもう影響がはっきりあらわれてきているという感じもお持ちになるかと思うんでありますが、この生産の動きについては、アメリカ経済が年初から減速という感じが出てきておりまして、その影響もありまして、円高の影響がどの程度かというのは現時点ではまだはっきりと把握することが難しいというふうに考えております。 それから、もう一点申し上げたいのは、近々日本銀行の企業短期経済観測といったような統計も発表されてまいるわけでございますので、その結果も今後注視していかなければならない、そういうふうに考えておるところでございます。
○沓掛哲男君 経済企画庁はいつも非常に景気については楽観的過ぎるというふうに私は思います。 バブル景気崩壊後において不況が来たときも、いつまでたっても、みんな不況感を感じていても、経済企画庁はいや大丈夫だ大丈夫だと言って、そして不況が来てなかなか対策もできなかった。そういうことが、この不況が非常に長引いて、一昨年の十一月から上向きだというけれども、そういう実感がなかなか肌で感じられない、そういうことに私はあったというふうに思います。 経済企画庁ももう少し、マクロマクロじゃなくて、やっぱりそれぞれのミクロの問題についてもよく検討して的確な経済対策をしてもらいたいというふうに思います。今回のこの異常な円高が続けば、私は必ずこの不況感が浸透してくるというふうに思います。 そこで、今のこの時点で経済企画庁として総合対策は何か必要と考えておられるのか、今おっしゃったように緩やかに回復なんだからそういう対策も要らないんだというふうに考えておられるのか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(吉川淳君) 今、企画庁の方ではもっとミクロに配慮してというお話がございましたけれども、また少しマクロ的な答え方で大変失礼でございますが、お話しさせていただきたいと思います。 今年度の経済運営、とりわけ需要の問題につきましては、景気の緩やかな回復の中で、在来、財政支出とかあるいは政策に支えられた住宅の投資とか、そういうものから、次第に設備投資とかさらに民間消費といったものに緩やかに主役が交代していく、こういうふうな姿を描いて経済運営を始めたわけでございます。 ところが、今もお話がございましたように、とりわけ円高が、想定しておりましたよりも、現状におきましてもほぼ実質ベースで一〇%ぐらいの円高の影響がある、こういうことで私どもは四月に対策を立てさせていただいたわけでございます。 現状におきまして、この予想しておりました設備投資が円高の影響等でやや下振れのおそれがある、こういう点は否めないわけでございまして、そういう意味で、四月の対策におきましては、これは投資の種類は異なりますけれども政府投資を追加しようということで、これは総額で中央政府ベースで二兆七千億円程度、これに地方の投資がやはり一兆強を私どもとしては見通しとしてしておりますので、略々、民間投資の円高による減少はある程度カバーできるのじゃないか、こういうふうな感じを持っておるところでございます。 ところが、今調査局長からもお話がございましたように、近々日本銀行等から新しい情勢を受けてことしの設備投資がどうなっていくかということでまた情報が加わる予定でございます。したがいまして、これから夏以降の経済運営という観点から申しますと、この辺の特に民間の投資の意欲といった点について情報を得ながら、なおこの一次補正等で措置いたしました政策が十分であるのかどうか、この辺を検討してまいりたいと今考えているところでございます。 なお、経済対策の折に、財政を中心といたします運営といたしましては常に機動的な運営を心がけるということでございますので、とりわけ円高の推移、ドル安の推移につきましては大変私どもも懸念を持ち続けているところでございまして、この辺につきましても、もう夏ごろになりますと一年も半分ぐらい過ぎてまいりますので、ことしを通じてのある程度の円高のレベルといったことも想定していかねばならないかなと思ったりしておるところでございます。 —————————————
○委員長(久世公堯君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大河原太一郎君が委員を辞任され、その補欠として石井道子君が選任されました。 —————————————
○沓掛哲男君 景気の変調を速やかに的確にとらえて、いろいろな政策運営が後手に回らないようにぜひひとつしていただきたい。経企庁が大丈夫だ大丈夫だと言えば大蔵は補正を渋り渋っていくという、そういうことであっては私は経企庁というものが国民から支援されないというふうに思えてなりませんので、ひとつ政策が後手に回らないようにぜひお願いいたします。 それでは、通産大臣にお尋ねしたいんですが、このたびの急激な円高により中小企業の一部では大きな痛手を受けていると思いますが、その対策について大原にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、経済企画庁の方から御答弁がありましたものを一部補足するような形になるわけでありますが、昨年就任直後に、通産省として輸出型の中小企業の実態把握のための調査をいたしましたとき、その時点における平均の採算分岐点は百十三円でありました。そして、この三月に入りまして急激な円高がもう一周進行いたしました中で、三月八日の時点をとらえて緊急調査を行いましたところ、八カ月間の間に採算分岐点を三円向上させておられる。今回の調査では百十円まで改善されている。しかし、それだけの改善をされましても、九十円台から八十円台へというこの十円の壁というものは極めて厳しいものであり、中小企業にとりましては非常に命がけの状態になっておると私は思います。 そうした状況の中で、円高に苦しむ中小企業対策として、七年度の補正予算におきまして追加予算、規模として六百七十五億円、貸し付けに係る規模の拡大が約一兆円に上る対策を講ずることといたしました。主な対策としては、政府系中小企業金融機関による低利融資制度の創設、保険限度額が倍となる中小企業信用保険の特例制度の創設、中小企業者の円高への対応を支援する新たなコンサルティング事業の創設といったものでございます。 さらに、円高により深刻な打撃を受けておられる中小企業が新たな事業分野に進出されるといった、そうした対応をされるまでの応急的、一時的な対策を講ずるべく、中小企業新分野進出等円滑化法を本院にも御協力をいただきまして改正をいたしました。 我々は、今政府として個々の中小企業の置かれたさまざまな状況というものを想定し、可能な限りの措置を盛り込んでまいっております。今後ともに、内外の経済情勢変化に細心の注意を払いますとともに、これらの施策の着実な実施に努めてまいる所存であります。
○沓掛哲男君 次に、円高差益の還元についてお尋ねしたいと思います。 最初に企画庁にお願いします。 最近の急激な円高に伴う差益還元については、経済企画庁を中心に関係省庁によって円高メリット浸透状況緊急調査が行われ、二日の閣議で報告されています。輸入価格が下がったにもかかわらず、円高メリットが流通段階で吸収されて値下がりしないもの、例えば香水、ライター、ブラジャー等があります。全体で見て円高差益の何%ぐらいが小売価格の減少となっているのでしょうか。平均的なものでも結構ですし、つかまえておられるもので結構ですが、一体円高差益の何%ぐらいが小売価格の減少となっているのか。 それから、消費者への還元率の低い商品、恐らくその中でも非常に還元率の高いものから低いものがあると思いますが、その消費者への還元率の低い商品について企画庁として還元を促進するための対策として何かを考えておられるのかどうか。この二点についてお尋ねいたします。
○政府委員(谷弘一君) ただいまの先生のおっしゃいました円高メリットの物価への浸透状況という場合には、実態の経済の上では、まず輸入段階で為替が変わりましても、輸入の実務上為替の契約が円ベースであるかドルベースであるか、それから先物予約をしているかというようなことで円レートと輸入価格の間の変化に時間的な差が生まれます。それから、輸入価格が動いたといたしましても、その後加工、流通という段階がございまして、これがまた時間的なおくれが実態として伴うということでございます。 我々、価格調査と同時に、物価全体で輸入物価というのが小売物価にどう響くのかという実態上の時間的なおくれを測定いたしましたところ、大体平成五年から六年と円高が続いておりますが、この二年間の円高につきまして平成六年の段階で大体円高の六、七割が消費者物価の方に反映していく、そういう測定をしております。 そういう意味で、まだ一段と円高のメリットを消費者物価の方へ還元させていくということが重要であるということで、我々は今、一つはこういうメリットの還元調査をいたしますことが、業界の方あるいは消費者の方々にとりまして、これだけのものは出ておる、あるいはこういうものは出ていないというような実態を把握していただいて、それが市場におきます還元の促進に果たすかなりの効果があるというふうに期待しております。 そういう意味では、今円高還元の緊急調査をいたしたわけでございますが、これをまだ必要なところに一層的確にやっていこうというふうに考えております。
○沓掛哲男君 それでは通産省にお尋ねしますが、通産省として国民生活とのかかわり合いの強い電気やガスについて円高差益の還元をどのように考えておられるのか、今後の方針もありましたらお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の秋、暫定引き下げを行っておりました電力並びにガスの料金引き下げを継続し延長する措置を決定いたしておりますことは御承知のとおりであります。そして、電気で言いますと標準世帯において大体毎月七千円ぐらいの支払い額になるわけでありますが、百円前後の差益還元が行われていると承知をいたしております。ただし、これは各会社の経営状態が違いますからあくまでも平均値でございます。 そして、本年の三月末までの段階では、実は為替の差益よりも原油価格の上昇幅の方が大きく、差損が生じておりました。そして、現在も実は私は原油価格について決して楽観をいたしておりません。しかし、為替の状況が八十円台半ばというところでボックスに入ったような感じ、そしてバレル十九ドル台の原油というものが、六月の途中であるいは十九ドル九十ぐらいまで振れることはあるかもしれませんが、平均すれば大体この辺、となれば、ごくわずかではありましてもその差益還元は可能という判断をいたしまして、先般、電力業界に対してここで生ずる差益還元の実施方についてのお願いを申し上げました。 現在、電力各社は七月一日からの実施を前提に現在の暫定引き下げ措置の上乗せを検討していただいております。恐らく、金額的には標準世帯ベースで十三円から四円ぐらい引き下げ幅が広がる程度であろうと存じますけれども、少なくとも差益が生じている以上一円でも二円でも還元をしたい、そのような考え方で電力については対応をいたしております。 ただ、ガスにつきましては極めて深刻な状態がLNG及びLPG価格の方で発生をいたしております。この値上がり幅というのは我々の想像をはるかに超えるものでありました。そして、この状況を考えますとき、これ以上の引き下げをガス業界については、電力ほど規模が大きくないということもありまして、求めることは難しいのではなかろうかと、今そのように判断をいたしております。 いずれにいたしましても、電力、ガスともに新たな料金体系を来年一月以降できるだけ早い時期に実施をいたしまして対応していくつもりでありますが、電力につきましては、それまでの間の時間差を視野に入れまして、大体標準世帯に対して百十三円から百十四円ぐらいの還元というものを維持できると考えております。
○沓掛哲男君 次に、規制緩和に関連して質問したいと思います。通産省にお願いします。 去る三月三十一日に規制緩和推進五カ年計画が閣議決定されました。これに沿って今後強力に進められる規制緩和は、内外価格差を縮小し、また大幅な貿易黒字を是正する上において欠かせないものでありますが、他方、市場に変化が起こり、それに適応できない部門は縮小あるいは廃止に追い込まれることとなります。 この構造調整についてどのように通産省として取り組まれるのか、お尋ねいたします。
○政府委員(河野博文君) 御指摘のとおり、規制緩和推進計画が三月三十一日に決定されまして、またその後の緊急円高対策におきまして五年計画を三年に前倒しをするということで決定を見たわけでございます。通産省関係でも、エネルギー、あるいは輸入拡大に寄与いたしますJIS関係、大幅な規制の緩和に全力を挙げて取り組もうという状況でございます。 ただ、御指摘のように規制緩和は一面におきまして競争を激化する要素を当然持つわけでございますので、商業関係あるいはマクロ経済全体として景気の拡大を十分図りながら進めていく必要があるというふうに考えているわけでございます。
○沓掛哲男君 我が国の均衡のとれた成長を維持していくためには新たな産業の創出が重要であると思いますが、その具体的な対応策についてお尋ねします。 次も関連しますので一緒に質問させていただきたいんですが、その際技術開発や情報化が大事だと思います。特に先般、産業構造審議会と産業技術審議会報告が発表され、二〇〇〇年までに研究開発投資を倍増すべき旨求めておりますが、今後、通産省としてこれらの課題にどのように取り組んでいかれるのか、質問いたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から御指摘がありましたとおり、我が国の経済・産業構造の改革をさらに推進してまいりますために新たな産業の創出というものが極めて大切であるということは我々も十分認識をいたしておるつもりであります。そして、そうした考え方のもとに、先般の緊急円高・経済対策におきましても、七年度補正予算におきまして新しい産業の創出につながる情報通信及び科学技術の画分野に対する思い切った重点配分を行う、同時に、中長期的な対策としては、企業の事業革新の支援、新規事業の育成、知的資産の創造といった経済フロンティアの拡大策を盛り込んでまいりました。 通産省の立場から申しますと、従来から情報通信関連あるいは住宅関連さらに医療・福祉関連といった有望な十二の分野を提示いたしましてその育成を強く主張してきたところでありますし、その実現に向けまして、今回の緊急円高・経済対策に盛り込んだ施策とともに、店頭公開市場の活性化などを通じた民間における資金調達の環境の整備、来春期限切れを迎えます新規事業法の改正など、新規事業の育成に向けた根本的な対策というものを進めてまいりたいと考えております。 その際、委員から御指摘のありました産構審並びに産業技術審議会の報告というものは私は大変重い意味を持っておると考えております。今も申し上げましたように、技術開発や情報化というものが新規産業の創出の原動力であることは御指摘のとおりであります。そして、我が国の経済構造の改革を進める上で大きな柱であります。 今回のその合同会議の審議結果をちょうだいしてみますと、そのポイントというのは、政府研究開発投資の抜本的な拡充、研究開発をめぐる我が国の制度、仕組みの改革の二点であると考えております。 前者につきましては、平成四年に科学技術政策大網を閣議決定いたしまして政府研究開発投資の早期倍増がうたわれている一方で、その進捗は必ずしも十分と言えないことにかんがみますと、中期的な計画のもとで、例えば二〇〇〇年という目標達成時期を設定してその実現に向けて努力することは極めて大事なことだと思います。また、後者につきましては、産学官の連携協力や個人の能力が十分に発揮できる環境というものが重要であることから、これらの制約要因となっておりますようなさまざまな制度や仕組みというものを見直していくことが必要であると思います。 通産省といたしましては、今後これらの課題の解決に向けて最大限の努力を払ってまいりますとともに、我々のみでは解決のできないものにつきましては関係省庁と協力をしながら施策の推進を図りたい、そして科学技術創造立国の実現に向けて尽力していきたいと考えております。
○沓掛哲男君 では次に、APEC、アジア政策に関連してお尋ねいたします。 日米関係と並んで、成長の著しい我が国近隣のアジア諸国との関係も極めて重要であります。昨年九月、マニラで開催されましたAIPO、ASEANインターナショナル・パーラメンタリー・オーガニゼーション、ASEAN議員機構総会に私も出席させていただきました。その体験を踏まえてお尋ねしたいと思います。 この会議のメーンは、ASEAN六カ国の国会議員とオブザーバーとして呼ばれている国の国会議員が意見交換をするものです。日本からは参議院から二人、衆議院から一人、三名出席させていただきました。議論の主題は経済問題かと思いましたら、経済問題、政治問題、社会問題が同じような比重で取り上げられておりました。政治問題ではEAEC関係、社会問題では麻薬、エイズ、エンターテインメント。エンターテインメントというのは私余りよくわからなかったんですが、これがなかなかすごいいろいろな話でございました。確かにASEAN六カ国のうちマレーシアとかシンガポールはことしからODA対象国でなくなることなどを考えてみれば、いつまでもアジアヘ行けば経済問題かなと思っていた私がおくれていたのだなというふうに思いました。そういう体験を踏まえまして、二点質問させていただきます。 一点は、会議の最後にこの六カ国が共通の問題として強く日本に要請したのは、留学生、技術研修生をもっと多く日本で受け入れてほしいというものでした。 私は、この会議後、マレーシアのマラッカ市で日本企業等の営業を見たり、あるいは中国の深切でもそういう日本企業の方々ともいろいろ話してみました。上場へ行ってみると確かにラインリーダーは現地の人ですけれども、工場長その他はみんな日本人がやっているわけですから、アジアの人たちにしてみればそういういわゆる工場長クラスまで自分の国の人でやりたいと願うのは当然かと思いますが、そういう点からいわゆる技術研修生などをもっと日本で積極的に受け入れてほしいという要請がございましたので、これについての通産省の御意見を。 また、ASEAN初めアジアの諸国はこれからも経済成長を続け生活水準を向上していくでしょう。それに伴ってエネルギーの消費も飛躍約に増加すると思います。日本が歩んできたと同じような公害、環境問題の発生が危倶されます。日本が蓄積した公害対策や環境保全の技術等をアジア諸国に移転し、地球環境の保全に貢献することについてのお考えもいただきたいと思います。専ら会議では熱帯雨林問題が取り上げられておりましたが、全体としてこの二問について通産省にお尋ねいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、アジアからの留学生、技術研修生の受け入れについてでございますけれども、委員も今御指摘になられましたように、技術力あるいは経営管理の能力を有する人材育成、これはアジアを初めとする発展途上国の産業育成のためには大変大事な課題でございます。 こうした観点から、通産省としては財団法人で海外技術者研修協会というものを持っておりますが、ここなどを通じまして発展途上国の民間産業技術者の受け入れ研修事業に積極的に取り組んでまいっております。平成六年度を調べてみますと、全世界で約四千五百人、そのうちアジア諸国から受け入れておりましたのが約三千七百名でありまして、この受け入れ研修を実施してまいりました。今後ともにこうした発展途上国の人材育成というものに対して積極的に協力をしていくと同時に、途上国の経済発展基盤の構築に努めてまいりたいと考えております。 また、その会議でもいろいろ議論があったと委員からお話がございましたけれども、確かにアジアの発展途上国におきましては、経済発展、都市化の進展、これは当然のことながらエネルギー消費の増大というものに結びつき、これらを背景として環境問題というのがどんどん表にあらわれてまいっておりますし、深刻になってまいっております。そして、持続可能な経済成長というものを実現していく上で早急な対策をとらなければなりません。そして、過去の公害克服といった努力の中からすぐれた環境技術を有しております日本が途上国に移転することは重要な役割だと思います。 途上国に対する環境技術の移転に当たりましては、まず第一に相手国の各種の環境基準の整備、環境対策設備への投資といったその自助努力も促しながら、これらと一体的に進められることが必要だと思います。また、相手国の経済発展段階、技術水準、ニーズなどが国によってさまざまでありますからきめの細かい対応が求められる、こうした点にも留意をしなければなりません。 こうした認識のもとで、通産省といたしましては、アジアの発展途上国を対象とし、各国との緊密な政策対話を踏まえまして、人づくりの協力、研究の協力、調査協力、脱硫技術の実証など各種の政策手段を効果的に組み合わせながら、途上国のエネルギー環境問題に対する自助努力を総合的に支援するグリーンエードプランと申しますものを平成四年度から実施をしてまいりました。今後もこうした方向に向けてより充実強化のために努力をしたいと考えております。
○沓掛哲男君 では、橋本大臣にお尋ねしたいんですが、本年十一月には大阪で、我が国最初になると思いますが、APEC閣僚会議が開かれます。また、非公式首脳会議も予定されていると聞いておりますが、このAPECの会議に臨む大臣の所信をお差し支えない範囲でお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) アジア・太平洋地域というものが世界の成長センターとして大変ダイナミックな経済成長を遂げているわけでありますが、この地域の持続的成長というものを維持していくということは、我が国を含め世界の安定的な経済発展のために非常に大切なことだと思っております。 昨年、インドネシアが議長国として主宰をいたしましたAPECの非公式首脳会議で発出されましたボゴール宣言、この中では域内の貿易・投資の自由化、円滑化及び経済技術協力の推進について、首脳レベルで長期的視野に立った政治的な意思を失明されました。 アジア・太平洋地域というものは、私は、経済あるいは社会上の多様性というものを維持しながらこれからも持続的な経済成長を維持していこうとすれば、APECにおきまして域内の貿易・投資の自由化、円滑化と経済技術協力というものを車の両輪として推進していくことが不可欠だと思います。そして今年、日本が議長国として、大阪会合におきましてはボゴール宣言の具体化のための行動指針、アクションアジェンダというものの策定に取り組むことになろうかと、そのように考えております。
○沓掛哲男君 次に、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案について質問させていただきたいと思います。 社会経済活動が大量生産・大量消費・大量廃棄型となり、高度化するにつれ、廃棄物の量の増大、廃棄物の質の多様化が進み、最終処分場の残余容量の逼迫が生じております。これらに伴い、資源採取から廃棄に至る各段階での環境への負荷も高まってきております。我が国の経済社会を持続可能なものとするためにも、廃棄物の減量化、廃棄物の再生利用や適正処分に向けた本格的な取り組みが急務とされております。本法案はまさに時宜を得たものだというふうに思います。 そこで、最初に通産省にお尋ねしたいんですが、今回の容器包装リサイクル法の提案理由は昨日本委員会で承りましたが、廃棄物の減量化、リサイクル化やこれらによる環境保全効果等についての御認識等も踏まえ、もう一歩踏み込んだ提案理由をいただければと思います。最初に通産省にお願いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 現在、我が国におきましては、家庭などから排出されます一般廃棄物が増大をいたしまして、首都圏の一般廃棄物の最終処分場の残余年数は五年弱と言われております。それぐらい最終処分場が逼迫化してまいりました。その一方で、主要な資源の大部分を輸入に依存しております我が国にとりまして、廃棄物を再生資源として利用していくことは極めて大事だと思います。 多少古い語を申し上げて恐縮でありますが、今我々が非常にその先見性のなさを恥じておりますのは、昭和四十五年の秋に公害国会と言われます臨時国会が開かれましたとき、我が国の環境関係の法律の大半はこのときにつくられたわけでありますが、そのときに厚生省の当時の若い課長さん二人だけが廃棄物問題というものを環境問題としてとらえなければ大変なことになるという警告を発しておりました。しかし、国会もそうでありましたし、マスコミもそうでありましたし、学者もそうでありましたし、一般の消費者皆含めて、肝心の厚生省の上層部も含めまして、何を言っているんだというのでその意見は取り上げられなかったわけであります。その後の状況を考えてみますと、もしあのとき彼ら二人の警告に我々が耳をかしていた場合どれだけの変化を生じただろうか。そう思うと、内心じくじたるものを覚えます。 そんな状況の中でいろいろな試みが、あるいは企業段階においてあるいは地域単位で繰り返されてまいりましたが、なかなか定着をいたしませんでした。今回、消費者、市町村及び事業者の適切な役割分担のもとにおきまして、一般廃棄物のうち、容積ベースでは約六割という大きな割合を占めている、しかもその利用が技術的に可能になっているにもかかわらずリサイクルなどが三%程度にとどまっている容器包装というものにつきまして、リサイクルの抜本的な推進を図ることが喫緊の課題だと私どもはとらえたわけであります。 今回、この法律案を提出させていただいたわけであります。この法律案によりまして、国民全体がリサイクル社会の担い手という意識を持っていただき、廃棄物の減量化と資源の有効利用が進められることを心から願っております。
○沓掛哲男君 今の同じ質問について厚生省さんの方からも、特に厚生省としてこういう点があるというところを限定してでも結構でございますから、お願いいたします。
○政府委員(小林秀資君) 今、通産大臣がお答えされましたとおりでございますが、厚生省として特に考えておりますことは、一般廃棄物の最終処分場の残余年数が平成三年現在で全国では八年未満、特に首都圏では五年未満と著しく逼迫をいたしておりますし、その最終処分場の今後の用地確保ということも非常に困難であるということから、何としてもこの法案の一日も早い成立を待って、一般廃棄物で特に量の多い、六割というのを容器包装廃棄物が占めておりますが、これへの対策に取り組みたい、このように思っておるところでございます。
○沓掛哲男君 厚生省に続いてお尋ねいたしますが、我が国のごみの排出最及びその処理費の推移やごみ質についての特徴などについてお尋ねいたします。
○政府委員(藤原正弘君) 平成三年度におきます一般廃棄物の排出量は五千七十七万トンでありまして、最近五カ年では年平均で約三%というふうに一貫して増加傾向を示しております。排出量の増大、質的な変化に対応しまして一般廃棄物処理経費も年々上昇しております。最近五カ年で約五〇%以上増加し、平成三年度では約一兆六千億円となりました。 生活様式の多様化や消費意識の変化、生産・流通・販売の変化による紙ごみ、プラスチックごみの割合が増加しておりまして、これを発熱量で見ますと、十年前の約千五百キロカロリー・バー・キログラムから約千九百キロカロリー・バー・キログラム、約一・三倍に上昇しておる、こういう状況でございます。
○沓掛哲男君 厚生省に続いてお願いします。 現行制度のもとでの一般廃棄物及び産業廃棄物の処理状況について、簡単に説明をお願いします。
○政府委員(藤原正弘君) 一般廃棄物につきましては、市町村が処理責任を有し、市町村により収集、運搬及び処分が行われております。 一般廃棄物の処理フローの概略につきましては、平成三年度における排出量は約五千百万トンであり、そのうち約八〇%に当たる三千九百六十万トンが焼却等の中間処理により七百九十万トンまで減量化されて最終処分されております。一方、リサイクルにつきましては、排出量の三%強に当たる百七十万トンがリサイクルされるにとどまっております。 この結果、最終処分量は、中間処理を経て減量化された量七百九十万トンと直接最終処分された量八百五十万トンを合わせた千六百四十万トンとなっておりまして、これは排出量の三三%に当たっております。 次に、産業廃棄物でございますが、排出事業者に処理責任がございまして、排出事業者はみずから処理するか、または許可を受けた処理業者に委託して処理することとなっております。 産業廃棄物の処理フローの概略につきましては、平成三年度における産業廃棄物の排出量は全体で三億九千八百万トンでありますが、そのうち六一%に当たる二億四千百万トンが焼却等の中間処理されることにより、二三%に当たる九千三百万トンが直接リサイクルされまして、残りの一六%に当たる六千四百万トンが直接最終処分されておる、こういう状況でございます。 この結果、リサイクルされた総量につきましては、直接リサイクルされるものと中間処理後にリサイクルされるもの合わせまして一億五手八百万トンでありました。これは排出量の三九%に当たっておるということでございます。また、最終処分量につきましては全体で九千百万トンでありまして、これは排出量の二三%に当たっておると、こういう状況でございます。
○沓掛哲男君 続いて厚生省に。 今の説明の中でもいろいろわかりましたけれども、廃棄物の減量化を図っていくために厚生省はどのような措置を今まで講じられてきていたのかを簡単にお願いします。
○政府委員(藤原正弘君) 平成三年の十月に廃棄物処理法を抜本的に改正しまして、法律の目的の中に廃棄物の排出抑制、それから分別、再生というふうなことを明確化いたしました。また、市町村の一般廃棄物処理計画におきまして排出抑制や分別収集に関する事項を定めることといたしまして、廃棄物の減量化、リサイクルの推進を図ってきておるところでございます。 具体的には、厚生省によりましてごみ減量化推進全国大会というのを開催したり、また市町村におきます廃棄物減量等推進審議会、それから廃棄物減量等推進員の設置の促進を指導したり、またクリーン・リサイクルタウンというふうなものを選定し、それを表彰するというふうなこと、市町村の先進的モデル的な減量化の取り組みに対する助成をする、それからリサイクルセンター、リサイクルプラザなどのリサイクルのための施設整備に対しまして国庫補助をするというふうなことの取り組みをやってまいりまして、廃棄物の減量化に対しまして促進をしておると、こういう状況でございます。
○沓掛哲男君 次に、通産省にお尋ねいたします。 一方、生産サイドにおいても、廃棄物を減量化し、リサイクルが容易な製品づくりの努力が求められていると思います。通産省は、製品アセスメントやLCA、ライフサイクル・アセスメントにどのように対応しておられるのか、もし実施されておられるとすれば実施状況も御説明していただきたいと思います。
○政府委員(齊藤眞人君) リサイクルの推進には、製品が使用されました後に再生資源として利用が進むよう、製品の設計段階におきまして材料、構造等の工夫を行うということが非常に重要なわけでございます。現行の再生資源の利用の促進に関する法体におきまして、自動車、テレビ、電気冷蔵庫といいますものを第一種指定製品ということにしておりまして、こういうような製品をつくります事業者に対しまして材料、構造等の工夫を行うように定めております。 さらに、これら自動車、テレビ、冷蔵庫に準じまして材料、構造等の工夫を行うべき製品につきましても、その工夫を推進しますために、製品の設計段階におきます事前の評価の実施体制、評価項目等に関します事前評価ガイドラインというのを定めて提示しているところでございます。
○沓掛哲男君 では次に、これは通産、厚生になるのかあれですけれども、紙のリサイクルの現状と今後のリサイクルの課題についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(齊藤眞人君) 古紙の利用の現状につきましては、官民関係者の積極的な取り組みの結果、平成六年度の古紙利用量は一千五百三十八万トンに達しておりまして、製紙原料に占めます比率は五三・四%といいますように世界最高の水準になっております。 これには既存のリサイクルシステムが非常に重要な役割を果たしてきているわけでございますが、この法律案によりまして新たに紙を使いました容器包装廃棄物といいますのがリサイクルの対象になるわけでございますが、既存のリサイクルシステムとの調整を図りつつ、古紙利用率をさらに高めていくという努力とともに、家庭等におきます初期段階の分別収集の徹底と効率的な回収システムの確立、コンクリート型枠など古紙の製紙原料以外での新規の用途の開発、さらに再生紙等の古紙利用製品の利用の拡大といいますのが重要な課題となります。
○沓掛哲男君 次に、瓶のリサイクルの現状と今後のリサイクルの課題についてお尋ねしたいんですが、昨年瓶をどれぐらい使ったか調べてみますと約百六十五億本で、そのうち回収しているのが約四割の六十六億五千万本という大変大きな数字なんですが、これについてのリサイクルの課題などについてお尋ねいたします。
○政府委員(齊藤眞人君) ガラス瓶のリサイクルの現状につきましては、瓶の年間使用量が約九百八十万トンでございまして、そのうちリターナブル瓶として再使用に回されるものと、ガラス瓶の原料としまして再生使用されますものを合わせますと約八百五万トンでございます。ですから、これを九百八十万トンで割ってみますと、リサイクル率は約八二%ということになります。 さらに、ガラス瓶をつくります際のいわゆる回収されましたカレットからの使用率というのを見てみますと、これが五六%ということになってございます。 ガラス瓶のリサイクルをさらに一層進めていきますためには、先ほど申しましたカレットの利用率の向上、リターナブル瓶の使用促進を図っていくということが重要でありますが、あわせてタイル、人工軽量骨材等、いわゆるほかの分野での利用の拡大というのを図っていくことも非常に重要でございます。
○沓掛哲男君 次に、缶のリサイクルの現状と今後のリサイクルの課題についてお尋ねしたいんですが、缶も清涼飲料水ではアルミ缶が三十五億万本、スチール缶が百五十一億七千万本、そのほかビール缶が年間七十五億八千万本と大変多くなっておりますし、傾向としては瓶の方がだんだん少なくなり、ワンウエー容器である缶、こういうものがふえつつあるというふうにこのデータで読めるんですが、缶のリサイクルの現状と今後のリサイクルの課題についてお尋ねいたします。
○政府委員(齊藤眞人君) 金属缶のリサイクルにつきましては、自治体におきます分別収集、ボランティア等の集団回収、さらに鉄鋼メーカー、アルミの圧延メーカーによります再資源化によりまして、再資源化率はスチール缶で六一%、アルミ缶で五八%というようなことで、近年着実に進展しております。 スチール缶につきましてはあき缶処理対策協会、アルミ缶につきましてはアルミ缶リサイクル協会におきまして関係事業者によります積極的なリサイクルに対しての取り組みが実施されております。また、これらの団体におきましては、関係事業者みずからの発意によりまして今後の具体的な方策につきましてもいろいろ検討が行われております。 政府といたしましても、税制・金融上の支援、モデルリサイクルシステム事業の実施等の措置を講じまして、これら関係事業者の努力を側面から支援しているところでございます。 金属缶につきましては、適切に分別収集されました後、市場で取引されますため、今後、分別収集が進展していきますと一層リサイクルが進むというようなことになります。
○沓掛哲男君 次に、プラスチックのリサイクルの現状と今後のプラスチック製容器包装のリサイクルの課題について、また油化技術開発の現状と見通しについてもお願いいたします。
○政府委員(齊藤眞人君) プラスチックの廃棄物は、一九九二年で見ますと、一般廃棄物と産業廃棄物両方合わせまして約六百九十万トンであります。そのうち約三割が単純に焼却され、約二割が焼却によるエネルギー回収、約一割がプラスチックとして再生されておりまして、全体としますと約三割が有効利用されているというような現状でございます。 このプラスチックのうち一般廃棄物といいますのは約三百九十万トンでございますが、現在その三割は市町村による焼却によってエネルギー回収が行われております。また、PETボトルや発泡スチロール製のトレーにつきましては一部プラスチックとして再生されているものもございます。 今後の課題といたしましては、リサイクル技術の高度化、リサイクルコストの低減、リサイクル施設の普及促進、リサイクルされましたものの信頼性の向上、さらに需要の拡大ということが挙げられます。 さらに、先ほどプラスチック油化の技術開発につきましての御質問がございましたが、一般的に可燃性廃棄物を焼却しエネルギーを回収利用しますいわゆるサーマルリサイクルはエネルギー政策上も非常に重要なものでございまして、従前より市町村においてこれを推進してまいりました。また、今後とも市町村におきましてこういうようなエネルギー利用というのは推進されるものと期待しておるわけでございます。 一方、焼却施設につきましては立地上の制約があることも事実でありますため、プラスチック容器包装につきましては、これを分別、油化しまして燃料として活用しつつマテリアルリサイクルを目指していくということを想定しているわけでございます。 こうしたプラスチックの油化処理技術は廃プラスチックの有効利用に大きく資するものと考えておりますが、従来の技術では、処理できます樹脂が限定されるとか、連続運転に限界があるとか、あるいは処理効率が低いとかいうような弱点がございます。このため通産省では、平成七年度から現状の油化プロセスを抜本的に改良し、処理可能樹脂の汎用件の拡大、エネルギー効率の向上、さらに生産性の向上、設備の簡素化、出てまいります油の品質の向上等を図るということによりまして一層経済性のある油化技術の開発を促進する計画でございます。
○沓掛哲男君 このプラスチックについてですけれども、いわゆる分別収集率が三〇%の時点におけるプラスチックリサイクルのためのコストというのが九百七十一億円というそういう試算も出ております。その点で、今いろいろ考えている瓶や容器その他も含めても全体で千五十一億円ですから、このプラスチックのリサイクルコストがなくなれば他のものでは単に八十億円ぐらいしか要らないということで、プラスチックのリサイクルのコストが非常に大きいのが私は問題だというふうに思います。 もともとナフサをプラスチックにするということはいわゆる非可逆的な反応ですから、それをまたもとのナフサに戻していこうというには大変なエネルギーが要るわけでございまして、いろいろなものを読んでみますと、百キロのプラスチックを油化する、そうすると。五十キロできるけれども、そのためにエネルギーがまた二十キロ要るというような試算も出ていたようにも思います。 そういうことを考えると、プラスチックというものはいわゆるコンパクトにしてこれを全部生だきしてみたらどうなのか。そういうふうな生だきできるような火力発電所を東京なら東京湾のどこかに一つつくって、プラスチックを全部コンパクトに、いわゆる段ボール箱に入れて、そのままぽんとほうり込んで、そして燃焼して火力発電ができる、何かそういうようなことが一番手っ取り早いんじゃないか。また、リサイクル面でも、プラスチックからできる油の量というのは我が国の今使っている量から見ればそんなに大きい数値でもないわけですから、何かそういうことも考えられてならないんです。 これについては、また後でごみ発電のところがございますので、そこでもし何か御意見があったらおっしゃっていただければいいし、そうでなければ、またそういう意見もあるということを頭の隅に入れておいていただければというふうに思います。 さて、次に厚生省さんにお願いします。 容器包装廃棄物をリサイクルに回すためには分別なり選別が必要です。かかる観点から、国民の協力と理解が必要であり、同時に市町村のストックヤードや設備に対する支援も必要でございます。厚生省はどのような施策を展開しようとしておられるのか。分別収集量とリサイクルできる量とがある程度バランスがとれていないと、せっかく分別収集したものがストックヤードに滞留するとかストックヤードに入らないとか、そういうような問題も出てまいります。ミスマッチにならないようにしてほしいという意味も込めての質問です。
○政府委員(藤原正弘君) 分別収集された容器包装廃棄物が事業者により引き取られるまでの間一時的に保管しておくためのストックヤードというふうな施設につきましては、市町村による分別収集や保管を円滑に進めるために不可欠なものであるというふうに認識いたしております。 今後、厚生省といたしましては、廃棄物の循環型処理への転換に向けて、市町村が分別収集を行うために必要なストックヤードなどの施設の整備につきましては、重点的な補助を行うことによりましてその整備の促進を図っていきたいと考えております。また、この国庫補助等の機会を通じまして、市町村の地域の実情や周辺の再商品化施設の状況を勘案しまして、各市町村において整備すべきストックヤードの適正な規模等につきまして積極的に情報提供を行うなどしてまいりたいと、このように考えております。
○沓掛哲男君 次に、通産省にお尋ねしたいんですが、この法案ができることによって、例えばリサイクルは再生資源利用の商品コストと市場価格の差である逆有償額を特定事業者が負担することになるわけですが、そういう特定事業者が負担するからリサイクルコストは幾らかかってもいいというものではないというふうに思います。効率のよいリサイクルもあわせて追求する必要があると思いますが、この逆有償額の限度というものをどんなふうに考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 委員御指摘のようになるべく低いコストでリサイクルが進むことが期待されるわけで、本法案についてもそのような仕組みを導入しているところでございます。 すなわち本法案は、義務対象事業者に対し、一たん義務の履行の費用を内部化していただきまして、市場メカニズムの中でその義務を履行していただくという仕組みをとっているところでございます。このため、義務対象事業者は答器包装の減量化、あるいはリサイクルしやすい容器包装の使用を行うことが期待されるわけでございます。また、関係事業者もリサイクルしやすい容器包装の開発、製造、販売等、あるいは新規用途の開発等に努めていただくことが期待できると。これによってリサイクルの効率が高まり、再商品化のコストも低減していく。言うなれば、委員御指摘のように逆有償の額もそれだけ小さくなるということかと思います。 このことは、義務対象事業者が義務履行の方法として指定法人に委託する場合においても、指定法人が競争入札にかけるということで、できるだけ効率的な業務を実施していただける再商品化事業者に委託するということを通じてコストの低減が図られていくものと考えております。 政府としても、新規需要開拓も含め、効率的なリサイクルの推進のため、これまでも財政・金融上さまざまな措置を講じてきたところでございますが、今後とも一層の努力をしていきたいと考えております。
○沓掛哲男君 次も通産省にお願いしたいんですが、ごみ発電の現状について。また二番目として、市町村においてごみを焼却し、その際の熱を回収、利用して発電を行うことは、ごみ行政、エネルギー行政両面にとって重要であり、今後高効率化を図るとともに、その一層の普及のための施策が必要であると考えますが、先ほど私の言ったプラスチックの生だきなどについても何か御意見がありましたらあわせてお願いいたします。
○政府委員(齊藤眞人君) 我が国におきます廃棄物発電は、平成五年度末現在、一般廃棄物と産業廃棄物を含めまして全国で百七十カ所におきまして総計約五十万キロワットの出力規模で行われております。 廃棄物発電は、エネルギーの有効利用を図るということからエネルギー政策上重要な分散型電源というふうに考えられておりまして、昨年、総合エネルギー対策推進閣僚会議で決定されました新エネルギー導入大綱におきましては、二〇〇〇年に二百万キロワット、二〇一〇年に四百万キロワットの導入目標が示されております。 このため通産省といたしましても、廃棄物発電の効率化や廃棄物の固形燃料化等を目指した技術開発を実施しますとともに、廃棄物発電の導入促進を支援しますために、地方公共団体、民間事業者等に対しまして建設費補助制度を平成七年度に創設したところでございます。さらに、昨年の電気事業審議会の報告書では、廃棄物発電に伴う余剰電力を電力会社が購入する場合の単価の問題につきまして、廃棄物発電の環境特性にかんがみまして他の電力よりも高く設定するという方向で現在検討中でございます。 通産省としましては、今後とも各種の支援策を講じることによりまして積極的に廃棄物発電の導入促進を図ってまいりたいというふうに考えております。 さらに、先ほどいわゆるプラスチックを固化して生だきというようなことをおっしゃったわけでございますが、プラスチックを分別して集めるというところにかなりのエネルギーと経費がかかるわけでございます。そことのバランスをどう考えるかということが一点ございます。 さらに、プラスチックを固化しました場合と油化の場合のエネルギー効率といいますのは、現在の技術では余り大して変わっていない。今後、技術が開発されますといろんな場合が考えられるかもしれませんが、現状では変わっていないということで、現在のところ、その辺をよく検討してからでないと何とも言いがたいという感じがしております。
○政府委員(藤原正弘君) ごみ行政を担当する立場から、ごみ発電についての厚生省の考え方を述べさせていただきたいと思います。 厚生省では、ごみ発電の促進の観点から、発電能力のうち焼却施設の場内での消費量相当分につきましてその整備費を国庫補助対象にしているところでございますが、さらに平成七年度から、場内での消費量相当分に加えまして、施設外にある市町村の他の公共施設へ直接電力を供給するいわゆる特定供給分でございますが、こういうふうなものについての発電をする場合につきましても補助対象にするというふうなことでごみ発電の促進を図っておるところでございます。
○沓掛哲男君 それでは、次に移らせていただきます。 この法律の第八条におきまして、「市町村は、容器包装廃棄物の分別収集をしようとするときは、厚生省令で定めるところにより、」何々を定めなければならないというふうになっております。要するに市町村は、分別をしようとするときであって、したくないときはしなくてもいい、やりたければやればよく、やりたくなければやらなくてもいいということなんでしょうか。 全市町村に分別収集の努力義務を課し、人口の少ない町村等、分別収集の必要の少ないそういう町村もたくさんありますから、そういう町村は適用除外とすればよいのではなかったかなというふうにも思います。ごみ処理という属地性の強いものだけならばこういうふうに、したければやり、したくなければやらなくてもいいんでしょうが、リサイクルとかあるいは環境といった広域的な課題にも対応しようとする本法の適用については、何となく物足りない。一生懸命やろうとするのに、やりたい市町村はやればいいし、やりたくなければやらなくてもいいというようなこの第八条の規定の仕方というのには、何となく意欲を欠く感がするんですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 一般廃棄物の処理につきまして、先生のお考えも一つの考え方であろうと思いますが、今回政府案のとりました考え方を御説明させていただきたいと思います。 一般廃棄物の処理は市町村の固有事務でありますので、地方自治の本旨に照らせば市町村に分別収集を義務づけ強制することは適当でない、このように考えたところでございます。また、容器包装廃棄物を全量受け入れ再商品化することができなければ、高いコストをかけて分別収集を行ってもストックヤードに保管をしておくということだけの結果になってしまうわけでございます。これらの理由によりまして、市町村に分別収集を義務づけることは適当でないと考えた次第でございます。 しかしながら、現在かなりの市町村において最終処分場が逼迫している状況にあることにかんがみますと、多くの市町村において分別収集が行われるものと考えておりまして、厚生省としても再商品化施設の整備、分別収集の実施について積極的に指導と支援をしてまいりたい、このように考えております。
○沓掛哲男君 それでは次に、容器廃棄物が市場において売却可能な場合は市場価格により売却すればよいが、売却が不可能な場合は一定の金額、逆有償額と呼んでおりますが、逆有償額を再資源利用メーカーに支払う必要があります。その負担者について質問いたします。 再商品化義務履行に要する費用の負担者は、法第十一条で、「特定容器利用事業者は、毎年度、主務省令で定めるところにより、その事業において用いる特定容器が属する容器包装区分に係る特定分別基準適合物について、再商品化義務最の再商品化をしなければならない。」ということですから、この特定容器利用事業者も入るんでしょう。 それからまた、法第十二条で、再商品化義務量の再商品化をしなければならない特定容器製造等事業者、それと法第十三条で規定している特定包装利用事業者、この人たちがいわゆる再商品化義務履行に要する費用の負担者なんですわ。 そこで具体的に、きょう皆さんのところにお配りさせていただきました一枚紙があると思います。 これは、自動販売機で皆さん方ジュースを買おうと思うと百十円を入れてジュースを買うわけです。この百十円のコスト、どんなふうに分けるかというと、まず工場出荷額、これが容器の利用者に私は当たると思うんですが、この工場出荷額が五十八円なんです。そして缶代が二十五円ですから思っていたよりもかなり高い。原料代が十二円。私たちはこの十二円のジュースを飲むために百十円払う。その原料代が十二円だというんです。工場経費は四円、その他いわゆる運賃、広告費等十七円はわかるんですが、さて、それから後はまさに流通経費なんです。卸、小売の流通マージンが五十二円ということになります。まさに四七%がこの卸、小売の流通マージン。流通業者、まあイトーヨーカ堂であるとかダイエーであるとか西友とか赤札堂、そういうところが一貫してやりますから、そこがいわゆる流通業者としてこの四七%のお金を取るわけです。 そうすると、ここでこの缶に対していわゆるリサイクルのための義務を果たすために負担しなきゃならない、義務履行に要する費用を負担しなきゃならない人は、この工場出荷額、この五十八円を出す人と、そしてこの中に含まれる缶代二十五円を出す人、この人たちだけ。上にある五十二円をもらっている流通業者はこれには一銭も出さなくていいということなんでしょうか。そのことをまずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 今の御質問に直接お答えするとすれば、卸とか販売されている流通業者の方は義務者となりません。
○沓掛哲男君 この流通業者に持たそうと思ったら非常に複雑怪奇で難しくなるんだというふうに思います。しかし、この流通業者についても、私は流通業者が悪いんだとは言いません。今申し上げたような人たちの力で、本当はもっとこれが百五十円にもなるのが、そういう一貫的な作業によって百十円でいただけるんだとは思います。しかし、消費者のニーズや再生利用の難易を勘案して容器の素材や形状の選択に大きな力を持っているのは販売も一貫して行う流通業者であって、そこが容器のリサイクル費用を持たないのでは、過剰な容器の減量化へのインセンティブも少し落ちるんではないかなと。 この業界をずっと調べてみると、思った以上に意外にメーカーというのは力がなくて、この流通業者というのが非常に大きな力を持っているんですね。この人たちが価格形成にも、また直接消費者とも対峙していて、そちらからいろんな要請が出てきていろんなことが決められていくんであって、そういう点を考えると、具体的にこの人たちにするのはなかなか難しいにしても、何かメーカーは、流通業者からいじめられていると言ったら語弊がありますが、非常に値引きを強く要求されている。また、当然メーカーは苦しいですから缶業者にも値引き要請している。そういうところだけが持っている。ただ、一般的にいろいろ経営状況というか決算等を見てみると、先ほど申し上げたような流通業者は非常にいいんですね。メーカーは余りよくないんですよ。 そういうことを考えると、今この法律上するのはなかなか難しいと思いますが、これから運用していく、将来の課題としてこの流通業者についてもう少し何か考える、一工夫しなきゃならないのかなという気もするんですが、それについて所感を一言お願いします。
○政府委員(太田信一郎君) 今回の法案において特定事業者として義務を負担していただく方は、委員御指摘のように特定容器の利用事業者、いわゆる中身事業者、それから特定容器の製造事業者、メーカー、それから特定包装、包装紙とかラップとかフィルムとか、これは一応利用事業者の一形態でございますが、そういう方々に負担をしていただく、義務者になっていただくと。 その趣旨は、御質問の中にもございましたように、なるべく容器包装の素材をリサイクルしやすいものにする、あるいは重さとか形状を負担を軽くするということで、そういう決定というか選択をしている方々は、私どもいろんな議論をした結果、中身事業者であり、あるいは容器メーカーであるということから、今回の法案はそういう方々に特定事業者となっていただいておるわけです。 ただ、今回の法案で、システムで期待される利益、一般廃棄物の減量、それから資源の有効利用という大きな目的、これは国民全体が享受をするものであるということで、一たん先ほど申し上げた方々に費用を負担していただく、義務を履行していただくわけですが、そのコストは最終的には国民一般に転嫁されてしかるべきということで、法三十四条でも、そういう形で国として費用負担をしていただいている方の費用が流通業者等を通じて国民に円滑に転嫁されるような規定を置いているところでございます。 国としてもこの規定にのっとって周知徹底をするとともに、事業者団体を通じていろいろと指導をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○沓掛哲男君 わかりました。 次に、法十一条、十二条、十三条に規定する特定事業者の再商品化義務量と、十八条の自主回収の認定にかかわる質問をしたいと思います。 特定容器利用事業者は再商品化義務量の再商品化をしなければなりませんが、第十八条第一項の自主回収の認定を受けたそういう容器については、これは適用除外となっております。 これについてお尋ねしたいんですが、まず第一、法十八条の規定の自主回収はさらに増加させた方がよいと考えておられるのかどうか。例えばリターナブル容器をふやした方がよいのかどうか。しかし、こういうものは現状は減少しておりますが、その理由をどう考えておられるか。 いわゆるリターナブル、回収のものは自分で全部自己完結的にやってしまうんです。そして、現在ワンウエー容器の方がふえているんですね、ぽんと捨てていく缶とかそういうものの方が。そのものは今度はいわゆる市町村が税金を使って処理するんですね。ですから、いわゆる競争条件が一致していないんです。自主回収の方は、みんな商品出すと、それをまた自分で回収してすべて自分でやっている。しかし、ワンウエー容器がふえているというのは、缶を使ったらぽんと捨てる、そうすると市町村が税金を使ってやっていくわけですから、そこで競争条件が違えば私はやっぱりワンウエー容器の方がいろいろふえていくんじゃないかというふうに思えてなりません。 このことの解決としては、最後にまたひとつごみの有料制を話したいんですが、ごみの有料制なんかもこのイコールフッティングには寄与するんではないかなというふうに思いますが、このことについてお答えをお願いします。
○政府委員(太田信一郎君) リターナブル容器については、今委員御指摘のように、国民全体のライフスタイルの変化に伴いワンウエー容器、使い捨て容器の利用がふえておりまして、相対的に残念ながらリターナブル容器が減少する傾向にございます。 例えば炭酸飲料について見ますと、昭和五十六年度には六割強であったものが平成三年度には一割弱にまで減少しております。しかし、委員御指摘のように、リターナブル容器については廃棄物の減量化あるいは資源の有効利用の観点から大変望ましいものでございまして、本法案においても、リターナブル使用の義務づけは困難でございますが、第四条において事業者及び消費者のリターナブル容器使用努力の責務を定めているところでございます。また第十八条で、御指摘のように、リターナブル容器等の自主回収が行われるものとして認定された容器包装については再商品化義務の対象外とする等、リターナブルの使用を積極的に位置づけているところでございます。
○沓掛哲男君 そこで、時間の関係もありますので、この問題について少しまとめて質問をさせていただきたい。 まず、この法十八条の「主務省令で定める回収率」はどのように定めるのか。これは一律何十%とするのか、あるいは特定容器ごとに何種類かが定められるんでしょうか。それ以上であればちゃんと自主回収として認めるというその数値をどうして決めるのかということが一つ。 それから二番目に、自主回収していても、その回収率がいわゆる主務省令で定める回収率以下だから認定されないとした場合、十一条の規定による再商品化義務量は丸々課せられるのか。今何十%と決めた、それよりも一〇%低いとすれば、例えば四〇%やっていてもこの義務量は丸々全部課せられるのか。この二つについて先にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 第一点の回収率については、今後法案が国会を通った場合に、施行までの間に十分その実態を精査いたしまして、例えばビールとか清酒とかいろいろございますが、そういう中身を勘案しながら、容器ごとにやるかどうかも含めてきちんと調査した上で結論を出したいと考えております。今のところはっきりした見通しを持っておりません。 二番目に、その率が仮に定められた場合に、それに達しない場合においても、集めた限りにおいではその分は義務の外になります。
○沓掛哲男君 わかりました。その義務の外になれば結構だと思います。もし義務の中に入るというのならばその辺も考慮していろいろやってほしいというのが次の質問だったんですが、それはわかりましたので、次の質問に移ります。 次は指定法人について質問いたします。 私たちが商品を使用した後の容器をリサイクル化する方法として本法では三つ、一つは第十八条で規定する自主回収、二番量として特定容器利用事業者等が再商品化義務量の全部または一部について主務大臣の認定を受けて再商品化をすること、独自ルートですね、三番目は特定容器利用事業者等が法二十一条の規定で主務大臣が指定した民法第三十四条による法人に再商品化の全部または一部を委託することができるとなっております。 そこでお尋ねしますけれども、この十五条の「再商品化の認定」の第一項第三号の「当該再商品化に係る次項第五号に掲げる量が、主務省令で定める特定分別基準適合物の地域に関する基準に適合していること。」、そうしないと今二番目で申し上げたような独自ルートができないんです。自分でリサイクル業者に直接頼むためにはこの認定が必要になるわけです。 今申し上げた文章の中の「地域に関する基準」とはどういうものですか。それからこの中で、次項第五号は市町村別の量を対象にしていますから、市町村単位で特定分別基準適合物ごとに基準を定めておくということなんでしょうか。三千二百の市町村、そしてそれにまたいろいろな特定容器等があるわけでしょうから、それらごとにそういう数値を定めようということなのでしょうか。まず質問いたします。
○政府委員(太田信一郎君) 御指摘の第十五条の認定の基準の中に欠格要件等々の認定の基準があるわけですが、当該認定を受けようとする事業者が再商品化をしようとする特定分別基準適合物の量が地域に関する一定の基準に適合しているという基準がございます。 この場合、当該認定を受けようとする事業者が、その再商品化義務量のうち大部分をこの認定に基づきみずからまたは他の事業者に委託して再商品化をしようとする場合には、その再商品化をしようとする特定分別基準適合物の市町村別の量と、実際の容器包装の販売されている市町村別の量がバランスすることを求める予定でございます。ただし、この場合であっても、事業者が合理的な方法によりみずから推計した値に基づくものでもよいということで、定型的、規則的に実施したいと考えております。 さらに、その再商品化義務量の総量のうち、この認定に基づきみずからまたは他の事業者に委託して再商品化をしようとする特定分別基準適合物の量が占める割合がより小さな場合は、市町村別ということではなく、都道府県やブロックごとにバランスを求める予定で、この場合であっても、みずから推計した値に基づくものでよしとするということで、決して煩雑あるいは負担となるようなことにならないように規則的、定型的に運用していきたいと考えております。
○沓掛哲男君 特定容器利用事業者等は皆様方と違ってそういう事務的能力は余りない、少ないわけですから、こういう人たちが自分で直接リサイクル事業者とあれしてリサイクルしたいというときは、この認定が障害にならないよう事務的に速やかにやれるようにいろいろ御検討をお願いしたいというふうに思います。 そこで、この指定法人についてですけれども、特定事業者の多くは指定法人に再商品化を委託することになると思います。行政改革を強力に実施しているときに指定法人をつくるのかという一部の批判もありますが、私は、必要なものはつくり、必要なくなったというか、その大半の役割を果たしたものはなくしていくことだというふうに思います。そこで、この指定法人の必要性についてお尋ねしたい。 また、時間もないので次の質問もあわせていたしますが、この指定法人については、私はその経営に当たり透明性を重視していただきたい。特に、特定事業者からの委託料の決め方は公表するぐらいの透明性を図っていただきたいということのお願いが一つ。 それからもう一つは、この指定法人に付随業務として、全国にたくさんの特定事業者がいるわけですが、これが法律やその他の運用で、ほかのところもなかなかわかりにくいですから、あるいはリサイクル事業者もそうでしょう、市町村もそうでしょう、したがって特定事業者やリサイクル事業者、市町村等を対象としたこういうリサイクル等に関する講習とか、あるいはそういう情報の収集、伝達、そういうこともこの指定法人で付随的な業務としてやってもらえないかどうか。 さらにもう一つ、リサイクル関連施設整備や分別収集に関する技術的な支援もやってもらえないかどうか。三千二百の市町村にみんなこういう施設をつくったりするのは一時的ですから、一時的にそういう技術者を雇うこともできませんから、必要があればまとめてそういうところへの技術的な支援もできる、そういうところとしてこの指定法人に付随業務としてこのものを追加できないかどうか。この点も含めてお尋ねいたします。
○政府委員(太田信一郎君) 四点について御質問がございました。 第一点目の指定法人の必要性でございますが、御案内のように、今回の特定事業者、約十九万の事業者が対象になるかと思いますが、そのほとんど大部分が中小企業と。恐らく、こういう中小企業の多くの方はなかなか再商品化能力を有する事業者へのアクセス等が困難な方が多いということが予想されるわけでございまして、そういう方々にとって、委託先が実際に再商品化を行ったかどうかを担保、確認する必要のない、義務履行をかわって行う代行機関としての法人が必要だということで指定法人の規定が設けられているところでございます。 ただ、あくまでも指定法人は委員御指摘のように民間が主導でつくられる法人でございますので、委託業務以外にどういう業務が行われるかというのは、その指定法人の中で議論がされることになると思いますが、例えば調査とか情報収集等は再商品化事業の付随業務として行われる可能性が高いものと考えております。 それから、透明性の確保についてはこれは言うまでもないことでございまして、委託料金を決める算定方式、これは業務規程で決められます。それから委託料金自身は事業計画で決められますが、これは主務大臣が認可をする。それから料金については当然公表をされると。それから認可をするに当たっては、法律上、必要に応じ関係事業者等、消費者等の御意見を聞くということで透明性の確保を図っているところでございます。
○沓掛哲男君 ちょうど時間でございますので、ごみの有料制など、また最後に大臣に環境管理制度などについてもお尋ねしたかったのですが、また次回にさせていただきたいと思います。 本日は本当にありがとうございました。
○委員長(久世公堯君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ————◇————— 午後一時開会
○委員長(久世公堯君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藁科滿治君 法案の質疑に入る前に、午前中に引き続きまして、私も現下の景気動向を大変心配しておりますので、この問題への対応について橋本通産大臣に若干質問をさせていただきます。 昨年十月に底をついて景気は回復の軌道に乗った、緩やかに回復に進んだと、こういうふうに言われてまいりましたが、最近になって大変険しい問題が幾つか出てきております。大変心配しております。 一つは鉱工業生産指数、これは景気を下支えしてきた要素でございますが、四月には三カ月ぶりにマイナスに転ずる、しかも経企庁の予測によりますと五月、六月もそういった傾向が続くのではないか、こういうふうに分析をされております。 一方、雇用問題は、既に数字が発表されておりますように、完全失業率は三・二%、失業者は二百十四万人と、まさに史上最悪の状態でございます。しかも、今までとちょっと構造的に違う状況が幾つか出ております。 一つは、若年就業者の失業率が非常に高い。四月は六・六%、これは先進国の悪い方のレベルに近寄ってきている。日本では余り過去に見られない状況であるということ。加えて、流通・サービス部門の就業者が減少の方向に向かっている。これも今までにない状況でございます。これが短期的なものなのか構造的な問題なのか即断は許されませんけれども、私どもは大変重大な問題点ではないかというふうに考えております。 あわせて、株価は御案内のようにきょうもまた下がっておりますが、年初の最安値を更新する、こういう状態でありまして、昨年来の緩やかな回復軌道という、そういう分析にもかかわらず幾つか極めて重大な兆候が出ております。 私どもは、一方で期待感を込めまして、一次補正の発動の効果がだんだん出てくるであろうという問題、それから五月末には、我々が大きな期待を持って注目しております日米欧のドル安に対する統一行動、これは大変熱い視線を持って注目しているわけでございますが、しかし、若干の影響は出たように思いますけれども、その後も超円高の基調は変わっていない。加えて、残念ながらこの春の賃上げも史上最低、消費は停滞をしている。さらに加えて、午前中の質疑にもありましたように、橋本大臣が大変御苦労されております日米の自動車問題についてもこれからの展望は予断を許さない。さらに加えて、東京都の世界都市博覧会、これはいい悪いは別といたしまして、この中止も景気の足を引っ張る要素になることは間違いない。こういうことで、私どもは現下の情勢については大変危機感を持っておるわけでございます。 そこで、閣内で大変経済面で影響力をお持ちの、なおかつまたサミットを直前とするこういう状況の中で橋本大臣に、こういう情勢をどのように認識されて、願わくば追加的な景気対策の施策が必要な段階になっているんじゃないかと私どもは思うわけでございますが、そこらの展望について少しお考えを聞かせていただきたい、このように思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 藁科委員が御指摘になりましたとおり、このところの経済指標には、四月速報値の鉱工業生産指数が前月比マイナス〇・二%と三カ月ぶりに低下をしている、また四月の完全失業率が三・一五、まあ三・二%と申しておりますけれども、昭和二十八年以降で最も高い水準、こうした景気回復が弱含んできたことを示すものが多くなっておることは御指摘のとおりです。 また、昨日通産省におきまして発表いたしました産業経済動向調査の結果を見ましても、企業マインドの下振れが見られまして、これが生産設備等企業活動をさらに萎縮させるおそれがあります。特に、私ども気にいたしておりますのは、この第四回の産業経済動向調査を見てみますと、業況について製造業は前期に比べて好転の度合いが大きく鈍化、そして非製造業は前期に引き続き悪化、そして全産業では平成六年四月から六月に行いました第一回調査以来マイナスになっております。 こうした状況を考えますとき、まさに景気回復に万全を期すことは現下の最重要課題でありますし、私どもとしては七年度補正月算の着実な実施を図ることが極めて大切だと考えております。同時に、これにとどまることなく、さきの緊急円高・経済対策でも決定をいたしましたように、景気回復の動向を踏まえながら、引き続き適切かつ機動的な経済運営に努めてまいらなければならないと考えております。 当初、私どもは阪神・淡路大震災というものを受けまして、その復旧ではなく復興の計画が兵庫県、関係市等でまとめられましたとき、それを受けて大型の補正予算を編成しなければならない、そのように考えておりました。ところが、三月に入りましてから急速な円高が進行している中で、まさに緊急の円高・経済対策というものを実施せざるを得ない状況になり、当初の考え方を変えまして、第一次補正予算を先般御審議いただいた次第であります。 ここの中に盛り込みました考え方というのは、当面の緊急の円高に対応する手段と考えられるものは一通り我々としては組み込んでおるつもりでありますし、これを使えるだけ駆使していかなければなりません。 また、本院におかれましても非常に積極的に法案の御審議をいただいたわけでありますが、関連の法律の公布を急ぎまして、それぞれに対応の準備をいたしております。 また、最後にお触れになりました世界都市博につきまして、昨日、青島東京都知事がそのてんまつの御報告に通産省へ見えました時点で、私の方からは、特に関連する中小企業、さらにその下請、一次下請、二次下請の影響というものに対して、東京都としては誠意を持って補償すると育っておられますけれども、それがきちんと流れるようにぜひお願いしたいということを繰り返しお願いを申し上げました。東京都とされましては、副知事さんのどなたかをヘッドにしてまさにその対策のための組織を今考えておられるようであります、 ただ、昨日も具体的なケースとして出てまいりましたのは、例えば特定の機械メーカーが都市博関連で発注するからと言われて既に資材を購入してしまった、ところがその都市博がとまってしまった、こういうケースは補償の対象になるのかどうか。具体的にそうしたものも出てきております。さらに雇用の面での影響は覆うべくもありません。 こうしたことも含めまして、私どもとしては全力を尽くしていきたい。そして、とりあえずこの第一次補正予算を御審議いただき、当面の対応策として考えられるものは一応組み込んでまいりましたので、これらを使って全力を挙げて努力をしたい、そのように考えております。
○藁科滿治君 ありがとうございました。ぜひ積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。 それでは本題に戻りまして、今回の提案の基本理念について、特に私はまず最初に、ごみの発生抑制という根幹にある問題について質問をさせていただきたいと思います。 今回の立法措置は、環境政策さらには産業政策、そういう面からも画期的な立法措置である、こういうふうに考えております。あわせて、現在の地球環境の問題や資源問題を真っ正面からとらえていく、また我が国を大量消費社会からリサイクル社会に転換させていく、こういう観点に立っているわけでありまして、消費者や企業に意識改革を求める、こういうような各面から考えましてこの法案の意義は極めて大きいというふうに私どもは期待を込めながら受けとめております。 しかし、環境問題、ごみ問題は、改めて言うまでもなく、ごみそのものの発生抑制ということをまずもって基本に置かなきゃならないということが言われてまいりましたし、また一方で、ビール瓶など再利用可能容器の拡大が非常に重要である、こういうようなことが言われてきております。 今日、いろいろな努力をしているにもかかわらず、相変わらず過剰包装という状況が見られますし、また輸送や陳列を効率化する、こういう観点から新たなパッケージなども開発されておりまして、要するに商品生産と消費行動がますますごみを拡大する、こういう構造になっていることは否定できません。 今回の立法は、顕在的なインセンティブを課することによってごみの再資源化を促進しよう、こういうことが趣旨になっておりますけれども、冒頭で触れましたように、ごみそのものの発生を減らすことが、またそのことこそが根幹の問題ではないかというふうに考えるわけでありまして、ごみの発生の減量効果というものを今回どのように前提として組み込んでいるのか、事前評価しているのか、まずこのことのお考えを聞きたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 先生が今御説明されましたように、本法案は、ごみの減量化とリサイクルを進めるために、消費者、市町村、事業者の三者が責任分担をし、容器包装を減らせば経済的な利点が得られる仕組みを社会システムに組み込むものでございまして、ごみの減量化に著しく寄与するものと考えております。 また、本法案第四条におきまして、「事業者及び消費者の責務」といたしまして、リターナブル容器の使用、容器包装の過剰な使用の抑制などの容器包装の使用の合理化により容器包装廃棄物の排出を抑制するよう努めるべきことといたしておるところでございます。 本法案は、このような方策により、廃棄物の排出抑制を含め減量化対策を飛躍的に進めるものになると確信をいたしております。
○藁科滿治君 それでは次に、対象事業者の範囲と負担の公平化といったような問題から質問をしたいと思います。 今回の措置で、最終的には容器を製造する事業者も含む、こういうことになったわけでありますが、リサイクルの負担を公平にするという視点からこの措置が妥当であるかどうかの判断は大変難しいと思います。 しかし問題は、容器製造メーカーにおいてこの負担の転嫁が公平に行われるかどうかというところがポイントではないかというふうに私どもは考えております。容器包装材を最終出荷するメーカーはほとんど中小事業者ということになるわけで、この負担が素材メーカーにまで順次転嫁されていくのか、あるいは取引先のメーカーへの納入単価を引き上げてもらって消費者に転嫁していくのか、その辺の確かな保証がないわけですね。明確ではないわけであります。 一般的に、取引の力関係から見まして、容器利用メーカーはコストを価格に転嫁しやすいと言えると思いますけれども、容器製造メーカーは簡単には転嫁できない。実際は容器製造メーカーみずからが負担を強いられる、全部かぶることになるのではないかという懸念が強いわけであります。 この特定容器製造事業者の段階における負担の公平化というような問題について、当局としてはどのようにお考えになっておられますか、伺っておきたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 本法案におきましては、容器包装の特性を選択し最終的に決定しているものとして中身事業者それから容器メーカー、この両者に再商品化義務を課し、一たんその費用を負担していただくことによって、容器包装廃棄物の減量化、リサイクルしやすい容器包装の選択を促すことにしております。 そういうことによって得られる一般廃棄物の減量化、資源の有効利用というメリットは最終的に国民全体が享受するものでございますので、法案の三十四条でも、一たん負担していただいた費用が円滑に転嫁されるように、国としても周知徹底等を図ることが責務として義務づけられております。 具体的には、国民への周知広報、あるいは事業者等に対する再商品化費用の表示の自主的な基準等に関するガイドラインをつくって、これを提示する等々の方法によって、再商品化費用を円滑に転嫁し得る環境を整備していきたいと考えております。 なお、容器メーカー、中身事業者それぞれ共通でございますが、小規模企業については一定の基準に基づいて適用除外、それから情報とか人材といった経営資源に劣る中小企業については平成十二年の三月三十一日まで義務猶予をするということにより、中小・零細事業者に対する配慮を行っているところでございます。
○藁科滿治君 それでは次に、現存のリサイクル業者の役割といったものについて質問をさせていただきます。 きょうは谷畑政務次官も御出席で、こういった部面にかなり専門的に勉強されているように伺っておりますので、できれば後ほど御答弁いただければありがたいと思います。 現在でも地域によって、自治体、住民、リサイクル業者の努力によって缶や瓶などの独自のリサイクル事業が行われております。とりわけ、リサイクル関係業者は、回収、運搬、分別、再資源化、処理、こういう幅広い工程を担っているわけで、言われるように、人間体内の不要物を運ぶ血管である、俗に静脈産業である、こんなことも言われております。 そこで、今回の立法措置によってこれらのリサイクル事業者は新たなシステムの中でどのような役割が期待されているのだろうか、また現存の地域独自のリサイクルシステムはどのような影響を受けていくのだろうか、こういった展望と見通しといったものについてお考えを聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(谷畑孝君) 藁科先生には、私が答弁をする機会をいただきまして、この場をおかりして本当に感謝を申し上げたいと思います。 藁科委員が質問の中で指摘をされてきましたように、今回のこの法案は産業政策上あるいは環境政策上、またリサイクル社会を実現するためにも非常に画期的な法案である、このように指摘がございましたし、まさしくそのとおりだと思います。その中で、やはりこれは末端でリサイクルを支えておられる業界の育成ということも非常に私は大事なポイントだと、このように思うわけであります。 今回の法案で、分別収集というものが都道府県ごとによってさらに拡大をしていくわけでありまして、従来なら五万都市だとかあるいは十万都市だとかそういう市町村においては分別収集もされておったわけでありますけれども、政令都市など大規模になってきますと分別収集というのは非常に困難でございまして、そういう意味では、本法案に基づきまして非常に分別が可能になりますし、またやらなければならない。ごみが分別されることによってリサイクルということが非常に可能になっていく一つのスタートが始まる。そういうことによってリサイクル業者の参画が可能になりますし、また事業としても成り立っていく。ここに私はこの法案の大事なポイントがあるのではないか、このように思っています。 そういう中で、私どもはぜひひとつ、この法案の趣旨でもございますように、リサイクル事業の新規参入を可能にして、しかも説教だとか観念ではなくて、やはり経済的市場の中においても参入ができて、そして経済にも乗っていくということがリサイクルを可能にしていくのではないかという立場で、リサイクル業者に対してもさらなる支援を展開していきたい、このように思っているところでございます。 また、本法案におきましては、再商品化を伴う事業者に対して義務対象者から費用補てんが行われるため、これら再商品化事業者の発展や参入が期待されているわけでございまして、そしてまたそういうことの中で、リサイクル設備の導入に対する特別償却だとかあるいは政府系機関の低利融資だとかあるいは税制という状況の中でさらにリサイクル産業として成り立っていくように私ども支援していきたい、このように思っておりますので、ぜひひとつ各委員方の御協力をお願い申し上げたいと思います。 ありがとうございました。
○藁科滿治君 それでは次に、コストにかかわる問題について幾つか質問をいたしますが、第一に分別収集コストの問題についてです。 これは午前中の質疑でも問題になっておりますけれども、ごみの再資源化を前提にした分別収集のコストをどうするか、個々の自治体にとってもこの問題は大変深刻な問題であるというふうに認識をしております。 当然のこととして、個々の住民の協力やボランティアの協力によって低コストで分別収集を実行できるところもありましょうが、例えば従来燃えるごみと燃えないごみの二つの分別収集を行っていた市町村が再資源化にたえ得る厳密な分別を行う場合、ごみ収集車をふやしたり集積場を確保したり、行政へのコスト増は当然避けられない、こういうふうに考えます。一部では現在の倍ぐらいかかるのではないかという話もあるわけでございます。 もちろん、ごみの総量が減るわけでありますから、特に大都市においては最終処分場の確保にかかるコストは大きく減少するというふうに考えておりますが、これを差し引いたとしても、標準的な例でどの程度市町村の負担がふえるのか。概算的な状況見込みで結構でございますが、厚生省としてはどのような分析をされておられましょうか。
○政府委員(藤原正弘君) 市町村は、一般廃棄物処理経費としまして平成三年度現在で約一兆六千億を支出しておりまして、この費用は毎年相当の増加を示しておるところでございます。 今回の施策の実施に伴いまして、御指摘のとおり市町村にとりましては分別収集の費用は増加いたします。しかし、焼却や最終処分に要する費用等が減少いたしますので、全体の費用は、今後最終処分場の確保が一層困難になるというふうに仮定した場合で、今後も焼いて埋める処理を続ける場合に比べまして、例えば分別収集率が三〇%となる段階で収集、運搬にかかる経費は約九百億円増加するというような試算であります。しかし、最終処分等にかかる経費が約千八百億円減少するというふうな見込みをしておりまして、差し引きまして約九百億円ほどコストはトータルとしまして減少するというふうな見込みでございます。 この場合、人口二十万規模の、標準的といいますかそういう都市に設置される施設の建設コストというのを比較いたしてみますと、焼却施設のみを設置する場合は約百四十億円であるのに対しまして、分別収集を行うこととし、リサイクルセンターと焼却施設をあわせて設置する場合には、これは処分するごみ量が減りますので約百三十億円程度にとどまる、こういうふうに見ております。
○藁科滿治君 コストの負担のあり方について、私の意見も若干交えながら質問をしたいと思います。 今回の立法措置は、ごみの問題、資源の問題に正面から取り組む、そういう面で画期的な措置であるということは冒頭に申し上げたとおりでありますが、この再商品化にかかるコストについては結局はその大部分は国民、住民が負担をする、こういうことになっているわけであります。 まず、リサイクルコストが商品価格に反映され、分別収集のためのコストを住民税として負担する、さらに場合によっては余った分別ごみの処理コストまで負担しなければならない、こういう理屈になるわけであります。そしてさらに、今回の法案では、容器包装廃棄物以外の一般廃棄物の収集手数料の徴収に関する努力規定、これは法律の第十条第四項にうたわれておりますが、今でも打ち出されている。 基本的に一連のごみ処理コスト、リサイクルコストは受益者負担の原則が貫かれている。これは決して悪いこととは思いませんけれども、そういう状況になっているわけであります。ここからが問題なんです。紙パックやPETボトルにしても、昔は再利用可能な瓶で済んでいたものが最近はいろいろ変わってきております。商品経済が発展して、より便利なもの、よりコストの低いものがある面で生産者の論理から提供され続けるんですね。結局、消費者は常に受け身の立場にならざるを得ない、それを利用せざるを得ない、そして結果的にそこから出てくる環境にかかわるコストを利用者が負担する、こういう状況になっていると言えるわけであります。 こういう構造自体が私は一つの大きな問題点ではないかというふうに考えておるわけでありまして、環境問題、資源問題はこういったむしろ基本的な枠組み、構造そのものを変えていく、すべての経済主体がコストを公平に平等に負担していく、むだな消費、資源浪費型の消費を極力下げていく、こういう総合的な各面の努力が必要ではないかというふうに考えるわけでございますが、ここらの事情についてどういうお考えを持っておられましょうか、伺いたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 本法案によりまして市町村が分別収集し事業者が再商品化することにより、一般廃棄物のうち容積ベースで約六割の割合、大きな割合を占める容器包装廃棄物のリサイクルが進展するわけでございます。これによりまして一般廃棄物の減量化と資源の有効利用が図られ、その便益は国民全体が享受するということで、先ほども御答弁申し上げましたように、その費用も最終的には国民全体が負担すべきということで転嫁のための規定も設けているところでございますが、一たん費用を負担する中身事業者あるいは容器メーカーもまさに引き取りをして再商品化をしなくちゃいかぬという義務を負うわけです。大変重い義務だと思っております。 そういう義務を通じて、今まで使っている例えば素材を変えたり、あるいは形状だとか重さを工夫してよりリサイクルしやすい容器包装に転換していくことが期待される、それを狙うものがまさに特定事業者である義務者ということになるかと思います。 それから、特定事業者ではございませんけれども、再商品化された製品がより多く市場で用いられる、利用される必要がございます。そういうことで、本法案でも、現行の再生資源利用促進法という平成三年度に施行された法律がございまして、再商品化製品を利用できる者についてこれをきちんと利用しなさいという義務をかけることにしております。 以上のようなことを通じて、全体として循環型の経済社会ができるように、それぞれの立場でそれぞれの主体が協力して努力していただくような仕組みにしているつもりでございます。
○藁科滿治君 次に、民間のリサイクル業者の育成について通産省としてのお考えを伺っておきたいと思います。 一般に廃棄物処理産業は三兆円産業であるというようなことが最近言われております。特に、今回の立法でリサイクル関係の産業の大きな発展がより強い形で期待をされるというふうに思います。 一方、今日雇用情勢が大変厳しく、冒頭の質問でも指摘をいたしましたが、産業の空洞化というような問題が指摘をされております。そういう面からも、雇用吸収力を持つ新たなサービス産業あるいはベンチャービジネス、こういった産業の成長が非常に重要な時期に来ているんではないかというふうに考えております。 しかし率直に言って、これまでこれらの産業が有望視されると言われるほどに政治的にも経済的にも余り温かい配慮がなされていない、こんなふうに私は思うわけでございまして、リサイクル技術の発展も関係者の自己努力で達成しているというのが現状ではないかというふうに考えております。 そこで、廃棄物処理施設やリサイクルプラントの建設には大変大きな資金が必要になるわけでありまして、今日まで公的金融機関からも民間の金融機関からもこれらの産業に対して、事業者に対して資金的な提供という話は余り聞かなかったわけでございますから、またもともと我が国ではリスクを負ってまでベンチャービジネスに投資するというような風土が非常に弱い伝統を持っているわけでございますから、繰り返し指摘しているような背景的事情からして、今後ぜひ通産省としてはこういった産業の育成に向けて、例えば金融、税制両面で積極的に支えていく、包み込んでいくというようなお考えがあるのかないのか、この際ぜひ積極的なお考えを聞かせていただきたいというふうに思っております。
○政府委員(太田信一郎君) ただいま委員御指摘のように、リサイクルが進むためにはその担い手であるリサイクル産業の健全な発展が必要不可欠であることはもう論をまたないわけでございます。それから、今回の法案によるシステムが円滑に動いていくという観点からもリサイクル産業の発展が期待されるところでございます。 通産省としては昨年八月に、平成七年度の通商産業政策の重点ということで、それ以前からもいろいろ力を入れていたわけでございますが、特に大きな重点を置きまして予算折衝等を行いまして、かなりの成果を得まして、本年度以降、環境関連分野の新規産業としてのリサイクル産業の育成に向けていろんな努力をしていきたいと思っております。 具体的には、委員から御指摘ありまして、今まで余り聞いたことがないというおしかりもいただいたわけですが、省エネ・リサイクル支援法と通称そういうふうに呼ばれている法律が平成五年からこれも施行されておりまして、その法律に基づいて試験研究費の税額控除あるいはその特別償却や政府系金融機関による融資といった財政・金融・税制上の支援措置を講じてきているところでございますが、これらに加えて、先ほど触れました再生資源利用促進法を活用し、また施設整備等に対する一層の支援を検討してリサイクル産業の育成を図ってまいりたいと思っております。 それから、今回の法案によって費用補てんが特定事業者からなされるわけでございまして、仮に三〇%の分別収集量のときには約一千億の費用補てんがなされる、そういうものは結果的にはリサイクル産業のまさに基礎として回っていくということになるかと思っておりますので、そういうことも含めてリサイクル産業の発展が図られるというふうに考えております。
○藁科滿治君 冒頭から申し上げておりますように、この立法措置は環境政策、産業政策各面から大変重要な意義を持っていると申し上げてまいりました。しかし、この立法から外れる問題を我々は慎重に丁寧にあわせて考えていく必要があるというように思っておりますが、そういう観点からいわゆるデポジット制度について質問をしたいと思います。 今回のリサイクルに関する法律が施行されましても、リサイクルの対象となるごみはあくまでも市町村で分別収集されたものに限られるわけです。しかし、我々が町やあるいは観光地で目にするのは、捨てられた空き缶とかあるいは空き瓶、ビニール袋、こういうたぐいで、これらは決してリサイクルされず、土にも帰ることがなく、永遠にごみで残っていくわけです。そこで、消費者にこみ処理のマナーを徹底させ、リサイクル意識を生んでいくためには、我が国の一部で試みられておりますデポジット制度をこの際検討する必要があるのではないかというふうに私は考えます。 例えば、缶ジュースに一定の賦課金を課し、回収施設に持ち込めば一部を還付し、残りは回収リサイクルコストに回す、こういう仕組みをつくれば市町村の負担は減少いたしますし、ボランティア団体などの空き缶への回収に回れば、これも活動資金として、表現は悪いんですが多少の救いにはなる、こんなふうに考えるわけでございます。町もきれいになり、住民の意識も変わって、まさにさっき大臣がおっしゃったように国民全体の環境問題、こういう状況が醸成されてくると思うのであります。 この制度については、一方で商品価格が上がる、あるいは運用面で幾つかの問題点があるということなどなどあって抵抗も強いわけでございますが、この問題について通産当局としてはどのようなお考えを持っておられるのか、この際伺っておきたいと思います。
○政府委員(藤原正弘君) デポジット制度はビール瓶や牛乳瓶の一部に従来から機能しておるものでございます。リターナブル容器包装の回収率を高めるためには有効な方法でございます。一方、カップラーメンの包装などを例として考えますとわかりやすいのでございますが、あらゆる容器包装を対象とすることは困難であることなどの問題点がございまして、全国的、標準的な制度として一律に導入を行うことは困難であるというふうに考えております。 委員御指摘のような散乱ごみ対策ということには大変効果があるものでありますから、厚生省としましては、事業者が自主回収を積極的に行うためにデポジットを行うことは廃棄物の減量及び資源の有効利用の観点から望ましいものであるというふうに考えておりまして、本法案におきましてもデポジットが有効に働くように措置したところでございます。 すなわち本法案では、一定の回収率等の基準を満たす容器包装については再商品化義務を免除し、たとえその一部が一般廃棄物として市町村に排出されたとしても事業者は負担の必要が全くないものとするとともに、この基準を満たさない容器包装につきましても、回収率に応じて再商品化義務量が控除されるものとしておるというふうなことがございます。 このように、本法案は自主回収される容器包装について特別な位置づけを与えておりまして、デポジットはこの、自主回収を推進するものである、こういうふうに考えておるところでございます。
○藁科滿治君 次に、リサイクル対象品目の問題について御質問いたしますが、今回のリサイクルの対象となる容器包装材については、特に廃棄物に大きな比重を占めております紙とプラスチック、これが法律公布の日から五年以内という猶予期間が設定されております。これは再資源化にかかわる技術的な問題や採算上の問題からというふうに伺っておりますけれども、この紙とプラスチックの再資源化を一日も早く処理することが重要であるというふうに私は考えております。こういった面から、技術的な展望を含めてその見通しについて伺っておきたいと思います。
○政府委員(齊藤眞人君) 今おっしゃいましたように、紙及びプラスチックにつきまして五年以内の猶予期間というのを設けているわけでございますが、端的に言いますと、リサイクルの基盤がまだできてないということが理由でございます。 具体的には、飲料用容器以外の紙製包装容器につきましては再商品化システムの導入を慎重に行う必要がございます。年間千五百万トンという既存の古紙リサイクルシステムへの影響というのが懸念されるためでございます。このため本法案の施行に伴いまして、既存のシステムへの影響を慎重に精査しつつ、この猶予期間を利用いたしまして建設資材等に利用するというような用途開発を行う予定でございます。この用途開発のめどが立ちますとリサイクルは円滑に拡大するというふうに考えております。 また、PETボトルを除きますプラスチック製容器包装につきましては、技術のより一層の高度化、さらに施設整備を行い、加えまして効率的な運搬と油化プラントの最適規模等につきまして検討を行いまして、プラスチックリサイクルの社会システムの検証を行うというのがまず不可欠でございます。したがいまして、法公布後五年以内の猶予期間中にこれらをきちっとやりまして、その後のリサイクルの拡大をしっかりしたものにしていきたいというふうに考えております。
○藁科滿治君 分別収集計画の策定問題について次に質問をいたします。 市町村が作成するこの分別収集計画については、再資源化を容易にし、分別収集の効率を上げるような具体的、技術的内容に踏み込んだモデル的計画あるいはガイドラインといったようなものを国として作成されるというふうに私は思いますけれども、特に今までの質問に関連いたしまして、ごみの再資源化の成否を決すると言われている消費者のごみの出し方、これが大変問題であります。 当面の分別取集率は三〇%程度と見込まれておりますが、例えば住民のごみの出し方が一〇〇%ルールどおりで、これを前提に分別、再資源化のために最大効率を上げるシステムをつくった場合、仮にルールを無視してごみを出す一部の非協力者、そういう住民がいたとすればすべては台なしになってしまうわけでございます。 そこで、住民に対するある程度の強制力、こういったものを考えざるを得ないんではないかと思うわけでございますが、ただ自治体やボランティア団体に頼ることなく分別収集を徹底する技術あるいは行政上の有効な手段があるのか、ここらを国としてどういう指導をされるのか、お考えを伺っておきたいと思います。
○政府委員(藤原正弘君) 委員御指摘のように、本法案に基づく容器包装リサイクルシステムの効果が上がるためには住民が適切に分別排出を行うことが必要不可欠でございます。 このため、本法案におきましては、分別収集を行う市町村は、住民が容器包装廃棄物を排出するに当たって守っていただくべき分別の基準を定めるとともに、これを周知徹底させるために必要な措置を講じなければならないこととしております。この分別の基準に極端に違反するような場合につきましては、市町村としましては、それを収集せずに注意事項を記した指導書を置くなどの手段をとったりしまして、非協力的な住民に対する注意を喚起していくというようなことが考えられるわけであります。 また本法案は、容器包装廃棄物以外の一般ごみの収集手数料を従量制に、また容器包装廃棄物の分別取集を無料または低い額の手数料とすれば、住民は容器包装廃棄物を一般ごみとして排出することをやめ、適正に容器包装廃棄物として分別排出を行うほど廃棄物の取集にかかる住民の費用負担が低減されるという仕組みを示しているわけでありますが、これによりまして適正な分別排出の徹底を推進することとしております。 また、住民からの分別収集は地域性に応じた方法で行われるべきでありますことから、その徹底を図るための方策についても各市町村の創意工夫により講じられるべきものでありますが、厚生省といたしましても、各地の成功事例を紹介するマニュアルを作成するなどいたしまして市町村の取り組みについて支援をしてまいりたいと考えております。 さらに国は、教育活動、広報活動等を通じて広く容器包装廃棄物の分別収集に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めることによりまして適正な分別排出の徹底を支援してまいりたいと考えております。
○藁科滿治君 私はあと三、四点質問を用意しておったのですが、沓掛先生の質問とかなり重複しておりますから割愛いたしまして、最後に質問をして締めくくりにしたいと思っております。 数日前、ある新聞の人物紹介で「元気なごみ仲間の会」、これは女性の松田美夜子さんが紹介されているんですが、大変敬服しながら松田さんの発言を読ませていただきました。我々にとって非常に心強いのは、この会を設置した動機は国会にこの促進法が提出されることを契機にした、こういうことをおっしゃっているわけで、なおかつ悩みとして、最新情報がなかなか入ってこない、こういうことを訴えられているわけでございます。 私は、政府がこういった末端の生活住民の心をどうやって大きく温かく包み込んでいくか、そういったところにこの法案の今後の最大の問題点があるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。大変こういう心強い、ありがたいボランティアの皆さんや住民一人一人の気持ちというものをぜひひとつ行政面で、もちろん地方自治体と連携をとりながら包み込んで、そしてより大きな成果をおさめるようにしていただきたいということを強く要望しながら、このことについて何かお考えがあれば、この松田さんに対する激励も込めて、ひとつ一言お考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその記事を見落としておりましたので、大変失礼をしたなと今思いながら委員の御指摘を拝聴いたしておりました。 今までに各地で、ある場合は地方自治体が音頭をとり、ある場合は企業がみずからの製品の容器包装の回収に踏み切る、何回かリサイクルというものが試みられながら常にうまくいかなかったという歴史をたどってまいりました。私はそこに、今委員が御指摘になられましたような市民グループというものに対して適切な情報を流し協力をお願いするというものがあるいは欠けていたのかなと思います。 この法律案が成立をいたしますと市町村にも御努力を願わなければなりませんし、まず消費者たる国民から分別排出という御努力をお願いするわけでありますから、当然ながらさまざまな角度で広報活動はいたすことになると存じます。そうした際に、その広報活動の中で、どうすれば地域に根づいた市民グループ、ボランティアの方々と連携がとれるか、そうしたことも今後に向けて考えてまいりたい、そのような印象を持ちました。
○藁科滿治君 どうもありがとうございました。
○牛嶋正君 私は、昨日、本会議で問題を、五つ提案させていただきましたが、きょうは時間の関係もございますので、その中から、通産大臣にお尋ねいたしました容器包装リサイクルシステムが円滑にかつ効率的に機能していくための条件、そしてその条件と市場メカニズムとの関係について御議論をさせていただきたいと思っているわけであります この問題を議論するときに、通産省からいただいております資料の中で、一般廃棄物のリサイクル率が三・四%、それに対して産業廃棄物のリサイクル率が三九%とあります。十倍の開きがあるわけですが、私、なぜこれだけ乖離するのかというこのあたりに今私が議論しようとしている容器包装リサイクルシステムが円滑に機能していくための条件が隠されているんじゃないかというふうに思いまして、まずこの差がどういうふうな要因によってもたらされているのか、お聞きしたいと思います。 あわせて、一般廃棄物の中で、容器包装だけを取り上げた場合にリサイクル率がどうなっているか、これもお教えいただきたいと思います。
○政府委員(齊藤眞人君) まず、問いの前半のところをお答えいたします。 産業廃棄物は工場あるいは店舗といいますような反復、継続して行われます事業に伴って排出されるわけでございますが、そのプロセスを見ますと同種同質のものがまとまって多く出てくるわけでございます。鉄鉱の又ラグあるいは石炭灰といったような副産物や、生産工程、建設現場で発生します端材というのが相当な割合を占めるわけでございます。このため用途開発が行われますとリサイクルされやすいというような状況にございます。さらに、産業廃棄物につきましては、それを排出した事業者が処理責任を負うということになっておりますために、廃棄物処理費用の上昇等が進めばおのずとリサイクルが選択されるというような仕組みになります。 これに対しまして、一般廃棄物に係ります再生資源につきましては、個別の家庭等で発生します再生資源を分別収集し、一定の量や質を確保して資源としてリサイクルにつなげるというような仕組みが十分機能していないというような事情にございます。こういうために一般廃棄物は産業廃棄物に比べましてリサイクルが進んでいないというような状況でございます。
○政府委員(藤原正弘君) 一般廃棄物は、新聞、雑誌などの古紙、空き缶、空き瓶、古繊維を中心にリサイクルされておりますが、各家庭から排出される時点では多種少量であり、選別、収集、運搬に多大な労力、コストを要します。また、分別収集しても、逆有償が生じたり引き取り手がないなどの問題がありましてリサイクル率が低かったものと考えます。 一方、産業廃棄物は、動物のふん尿、金属くず、鉱滓、繊維くずなど、一つの排出源から比較的同一性状のものが多量に排出されまして、選別等が不要または容易なためリサイクル率が高いということがあったと思います。 また、産業廃棄物の処理は排出事業者の責任であり、処理費用を削減するためにリサイクルできるものは極力リサイクルしようということになるのに対しまして、一般廃棄物はそのような経済的インセンティブがなかったためにこれまでリサイクルが進まなかったというようなことも考えられるわけでございます。 それから、御質問の容器包装のリサイクルの量でございますが、容器包装全体の量が千七十一万トンで、そのうち六十五万トンがリサイクルされているということで、率で言いますと約六%がリサイクルされているということでございます。
○牛嶋正君 今その原因について御説明いただきましたが、その一つは、廃棄物の物理的な性質と申しますか、それから出方の問題等々だと思います。それから、同じ性質を持ったものがまとまって出てくるというふうなこともわかりました。それに対して、一般廃棄物の方は各戸から出てきて、しかも非常に多種少量であるというふうなことがあったと思います。 もう一つの理由に、産業廃棄物の方は最終処分地まで自己責任原則が貫かれているということなんですね。これは経済学的に申しますと、それはずっと私的財でいくわけであります。私的財ですから市場メカニズムに乗りやすいわけであります。先ほどおっしゃいましたように、処分したコストが高ければ町利用の方へ回していく。そこで市場メカニズム、価格の調整機能が働くわけですね。私はこれが大きいんじゃないかと思うんです。 ところが、一般廃棄物は排出しますとその時点で私的財が公共財になります。後は市町村が収集して処理をする。全部責任を持つわけであります。そうすると公共財になっちゃうわけです。ですから、公共財だからなかなか市場メカニズムに乗りにくいんではないかということを私は考えるわけです。 市場メカニズムにもう一度乗せるためには、公共財をもう一度私的財に戻さなきゃいけません。今度のこのリサイクルシステムというのはそこがポイントだというふうに思っておりますけれども、この考えについてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は、御質問をいただきますまで、廃棄物というものにつきまして公共財、私的財という区分から議論を組み立てて考えたことは私はございませんでした。そして、なるほど委員の御指摘のような形を考えることは確かにできるなと思います。 ただ、その場合におきましても、私は、一般家庭から排出されます廃棄物が公共財の形で市町村に分別収集をされました時点で全く市場メカニズムが働かないかといえば、必ずしもそうではないんじゃないかという気がいたします。 この法律案は、市町村が分別収集をして得られたものについて特定の事業者にリサイクルを義務づける、そして一たんその費用を内部化させることによって市場メカニズムに乗せていくことを目的としているわけでありますから、私は、その分別収集されましたものが資源として利用されるようにするために、量あるいは質について基準を設ける、不合理な運搬を回避する、そのために保管施設についても基準というものを必要とし、基準に合ったものを指定するものになるであろうと思います。 そして、再商品化の際にその能力を超えて過大なミスマッチが発生しないようにということを考えつくり上げた仕組みでありますから、私はこの場合におきましても、市町村によって分別収集されました容器包装は事業者の負担によって資源としての形で市場メカニズムに乗っていく、そう考えるんですが、いかがでしょうか。
○牛嶋正君 そうなんです。 僕は、一般廃棄物がリサイクルシステムに乗っていくルートとして三つあるんじゃないかと思うんですね。三つのタイプが考えられると思うんです。 一つは、私的財のままでリサイクルシステムに乗っていく場合であります。先ほどから御議論ありますように、例えば容器を販売店へもう一度戻して、そしてその分だけまけてもらって新しい中身を買う。これはリターナブルと言っていますね。これは私的財のままでリサイクルに乗っていく場合ですね。 それから、もう一つは有価物でありまして、古紙の場合がそうだと思います。これは古紙、古新聞などを集めに来る業者がおりまして、私的財のままそれを出しますとティッシュペーパーなんかをくれますね。これは古紙が一種の有価物だから対価をくれるわけです。それが再商品化事業者の方へ移されていく。これはそのまま私的財としてリサイクルシステムに乗っていく場合であります。 あとのもう一つは、分別排出いたしまして公共財になりますが、公共財のままずっとリサイクルされていく場合であります。これは、市町村が今の一般廃棄物の焼却工場を持つと同じように再利用工場を建ててそこで再利用をしていく、そして町利用原料をつくり出していくという場合ですね。この場合はですから公共財のままでいくわけであります。私は、ここでは市場メカニズムは全然働かない、効率的には絶対なれない、こういうふうに思っております。 ですから、今大臣がおっしゃった三番目のタイプ、排出して公共財になりますけれども、もう一度義務量を割り当てて私的財にして、そして後の再利用化事業者の方へ移していく、そこで市場メカニズムに乗せていく、こういう三つのタイプがあると思うんです。だけれども、私は今問題にしようとしているのはタイプ三、こういうふうに考えていただいたんですけれども、どうだろうか、うまくいくだろうかという懸念があります。 それで、きょうはここを中心に御議論させていただきたいわけであります。 その前に、やっぱりタイプ一が一番いいと思うんです、これは先ほどからも議論がありましたように。ですから、行く行くはこういうタイプ一の方に全部移していく。そうすれば非常に円滑にかつ機能的に動いていくシステムが私はできるんではないか、こんなふうに思っているわけであります。 なぜタイプ三に問題が幾つか想定されるかということですが、私的財を公共財にもう一度戻すというのはこれは大変なことなんです。ですから、ここで議論されておりますようにやっぱり義務量を割り当てていかざるを得ない、強制性がここに伴うわけであります。これは一種の税だと思いますけれども、この考えについてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨日もこの点について委員から一種の税だという御指摘がございました。そして、私は必ずしも税だとは考えませんという答弁を申し上げました。答弁をいたしながら上から拝見しておりまして、委員は全然納得した顔をしておられませんでしたので、大変失礼なことを申し上げたのかなと思います。 ただ、失礼でありますけれども、仮に税としてこれをとらえた場合に、一体従量税としてとらえるのかあるいは従価税的な考え方でとらえるのか、それによっても私はこの問題の答えは違ってくるだろうと思います。そして、むしろ私はその部分についてなお委員のお教えをいただきたい、そのように率直に思います。
○牛嶋正君 これは非常に消費税に似ているんです。間接税的な性格を持ったものだと私は思っております。ですから、今大臣が御指摘になりましたように、負担を配分するときの基準としては従量税とそれから従価税という二つの基準が今までも用いられてきたわけです。お酒などは従量税ですね、一リットルについて幾ら。それからほかの、今の消費税はほとんど従価税ですね、売り上げに対して何%というんですから。それは私はどちらを使ってもいいと思います。それぞれの基準、一本の基準でいくならばそれはそれでいいと思います。 今回のものは使用量それから製造量、量で配分基準を決めておられますので、これは従量税ですね。ですから、従量税の持っている幾つかの欠陥はありますけれども、一つの基準で決めていけばそれで私はいいんではないかというふうに思っております。 ただ、ちょっと気になりましたのは、特定事業者のうちの容器を用いる事業者とそれから製造する事業者の間で配分されますね、そのときには販売額を使われるんです。これは従価税なんです。私、気になりますのは、どちらでもいいんです、どちらでもいんですけれども、そういった負担を配分するときの基準としては一つの基準を用いなければ、こっちでは従価税、こっちでは従量税ということになりますと、ちょっと配分基準としては問題ではないかというふうに思っておりまして、この点についてちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) ただいまの御指摘でございますが、本法案の特定事業者、義務を負う方は、特定容器の利用者、中身事業者と、特定答器の製造事業者、容器メーカーの両者が再商品化義務を負うことになるわけでございます。 基本的に個々の事業者の義務量は、おのおのが用いたあるいは製造した容器包装の排出量に応じて決めることとなっておりますが、ある容器がつくられて、それが用いられるということになりますと、中身事業者と容器メーカーとの間の義務量をどういうふうに案分したらいいかということが出てくるわけでございます。その場合、やはりその両者の間の実質的な負担の公平性、最終的には国民に転嫁されるにしても、一たん費用を負担していただくということになりますと両者の間の実質的な負担の公平性を確保する必要が出てくるということで、特定容器製造事業者と中身事業者の義務の分担について、容器を用いた商品の販売見込み額の総額と容器の販売見込み額との割合を算定の基礎として決定することとしたということでございまして、基本的には使用量に応じたものと。ただ、その両者の間の分担について、便宜販売の見込み額をとらさせていただいて負担の公平性を図ることとしたということでございます。
○牛嶋正君 いろいろお聞きいたしますとやむを得ない措置だろうと思いますが、しかし私は、決して最善の措置ではなくて、少なくとも次善の措置じゃないか、セカンドベストじゃないかというふうに思っております。これは、私が租税の方をずっとやってきた関係で、そういうふうな基準設定につきましては非常に厳密に議論してまいりましたので、そんなことを言わせていただきたいと思います。 もう一つは、義務量の割り当てに当たりまして中小企業に配慮されるわけでございます。これは、先ほど申しましたように、消費税について言うならばいわば簡易課税制度の導入というふうにも考えることができます。これは中小企業対策としては、租税政策をそれに使うわけですからそれはいいと思いますけれども、こういった中小企業対策に使いますとどうしても負担の公平という面からは若干問題が出てくる。そして、私がきのう大臣にお尋ねいたしました市場メカニズムが適用される段階で自由な競争にゆがみが生じるのは、こういうふうに義務量の割り当てに当たって中小企業に配慮するというところから、中小企業対策としてはいいんだけれども、負担の公平という点から競争にゆがみが生ずるのではないかというふうなことで御指摘させていただいたわけでございます。 問題は、こういうふうな中小企業に対する配慮をすることによりましてどれぐらいリサイクルに回される資源が落ちていくのかということが非常に気になるわけでございます。一定規模の事業者、小規模の事業者については免税、免除でございますが、その分どれぐらい落ちていくのか。それからまた、三年猶予されるわけですけれども、そこでまたどれぐらい落ちていくのか。ちょっとそのあたりの数量的なことをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 御質問の点で、第一点の小規模企業を適用除外するということで、小規模企業は百十万ぐらいの数になるかと思いますが、小規模企業を適用除外することによって一〇%強の部分が外れることになると思います。それから、中小企業については平成十二年の三月三十一日まで義務猶予でございますが、この間、全体の義務量の約三割が中小企業の義務猶予に係る部分どお考えいただければと思っております。
○牛嶋正君 そこで、いよいよこの義務量の割り当てが行われまして、私的財へ戻るわけでございます。 この後、タイプ三の場合はどういうふうに再商品化されていくのか、リサイクルされていくのか。そのシステムをもう一度私なりに整理させていただきますと、再商品化事業者がいるわけでございまして、そこに向かって、もう一度私的財となりました分別収集された容器包装がダイレクトに再商品化事業者に行く場合と、それから指定法人を通して行く場合とがございますね。いずれにしましても、ここは一つの市場を形成していると思います。その市場は、私なりの呼び方をさせていただきますと、いわば原材料市場と言ってもいいのかもしれませんし、またやっぱりそのまま廃棄物市場と言ってもいいかと思います。そして、その市場を通しまして再商品化事業者の方へ移ってまいる。そこで再商品化される。これが次に再商品市場に行くわけですね。 ですから、再商品化事業者を挟んで前と後ろにマーケットがあるわけです。このマーケットがどういうふうに機能するかということが非常に問題になるわけでありまして、そのマーケットで市場メカニズムがうまく働けば、私はこのシステムというのは非常にスムーズに動いていくと思うんですけれども、果たして動くのかなという気がいたします。 その問題を議論する前に、まず全体として、その分別収集された量と、それから再商品化事業者のキャパシティーといいますか再商品化の可能量、これがマッチしていなければなりません。そうでないと、せっかく再利用しようとしてもどこかに滞留してしまうということになるわけでございますが、現状はどんなふうになっているのか、ちょっとまずお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) お答えいたします。 金属のスチール、アルミについては再商品化能力は十分あるわけでございまして、特段の問題は生じておりません。逆に言えば、市町村が分別収集したものは有価で引き取られてマーケットに出ていっておるということでございます。 それからガラスについては、一部白い瓶あるいは茶色の瓶については有価で回っておりますが、色の濃いものについては、委員御指摘の後の方のマーケット、要するに需要の方のマーケットが必ずしもまだ十分育っていないということもあって、仮に多く集まった場合にそれが処理できないという状況にございます。 それからプラスチックについては、PETボトル、これは現在年間五千トンの処理能力のある工場が一つございますが、全体、毎年出る量が十五、六万トンということでございますから、多くの分別収集がされた場合に対応できるかといえばなかなか難しい。それからその他プラスチック、PETボトル以外のプラスチックについては、現在のところ処理能力はないということもあり、公布後五年以内にその他プラスチックは、あるいは紙箱についてもそうでございますが、おくらせるという状況にございます。
○牛嶋正君 そういたしますと、分別収集量とそれから再商品化可能量の間にちょっとギャップがあると。もちろん物によって違いますけれども、あるということになると思います。 もう一つ気になりますのは、このシステムで特に廃棄物市場のところで問題になりますのは輸送費なんですね。輸送費が問題になる。ごみの問題というのは、処理コストともう一つ重要なのは輸送コストでございます。処理コストを下げるために規模を大きくしますと、サービスエリアを広げなきゃいけませんから輸送コストがかかってくると。だからその兼ね合いが非常に重要なんです。ですから、全体としての量も問題ですけれども、分別された収集量、これがどういうふうに、どういう地域で発生しているのか、それから今の再商品化事業者の立地、これはどうなっているのか、これがちょっと問題なんですけれども、これはおわかりになりますか。
○政府委員(太田信一郎君) 輸送費の点でございますが、本法案におきましては、市町村と事業者の役割分担として、社会的に非効率で過大な費用を避ける観点から、一定の人を対象に保管し得ること、また再商品化施設への輸送距離が効率的なものであること等を保管施設の基準として定め、これを満たす保管施設で保管するということになっております。また、分別基準においても、一定量程度以上集められていることを基準として定める等の仕組みをとっておるところでございます。 こういう措置によりまして、民間の広域的、全国的で自由な事業活動として再商品化事業が行われれば、分別基準適合物をまとめて運搬することによる運搬コストの低減化、効率的に再商品化事業を行うための施設の適正規模等が確保されるものと考えております。 それから、再商品化施設の分布状況でございますが、鉄、アルミについては全国的に存在しております。ガラス瓶については偏在しておるということでございます。建設資材については、これも全国的に分布しておるというふうになっております。 —————————————
○委員長(久世公堯君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、前田勲男君が委員を辞任され、その補欠として河本三郎君が選任されました。 —————————————
○牛嶋正君 今ずっと聞いておりますと、やはりこのシステムがうまくいくかどうかのポイントは、これから再商品化事業者がどう育っていくかということに私がかっておるんじゃないかなというふうな気がいたします。言うならば、これはいわば新産業ですね。ですから、新産業ということになりますと、どれぐらいこの新産業に新規事業者が入ってくるか。入るためには、それなりの魅力がなければなかなか入ってこないというふうに思うわけであります。 先ほども藁科先生の御質問にもありましたように、私はもちろん金融面、融資の面あるいは税制面の措置というものも大切だと思いますけれども、やはりこういったベンチャービジネスと申しますか新産業に入ってくるためには、やっぱり企業のそういったインセンティブを引きつける何か魅力みたいなものがなければ私はなかなか育っていかないんではないか、こんなふうに思っておりますけれども、その点はどんなふうにお考えでしょうか。
○政府委員(太田信一郎君) リサイクル産業を育てていく、再商品化事業者が育っていかない限り本システムが円滑に機能しないというところ、まさに委員御指摘のとおりだと思っております。財政・金融・税制上の措置は、言うまでもありませんがこれまでも講じてきて、今後ともこれを強化していきたいと思っております。 それから、分別収集率が三〇%になった場合に約一千億の費用補てんが行われるということで、私どもが聞いている限りでは多くの企業がこの分野を新しい発展の分野として意識し始めておりまして、いろんな計画を現に立てつつあるということも聞いております。 そういうことを通じて、我々はまさにいわゆる環境産業というものが育っていき、このシステムを支えていくことになるということを強く期待しておるし、そういうふうになるものと確信しております。
○政府委員(藤原正弘君) 厚生省の立場で再生事業者の育成の方針につきまして御答弁させていただきたいと思います。 本法案によりまして、今後は産業界において再商品化のための施設の設置などを行って再商品化事業を拡大していく、あるいは再商品化事業に新たに積極的に参入するという強いインセンティブが働きまして再商品化事業が拡大、発展していくことになるというふうに考えております。 本法案に言う再商品化は廃棄物処理法上の廃棄物の再生に当たるものでありまして、厚生省としても容器包装廃棄物の再商品化を行う再生事業者に対する積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。このため厚生省といたしましては、例えば本法案の円滑な実施のために、その普及が最も期待されていますプラスチック油化技術につきまして実用化のための調査に取り組んできたところでございますが、今後はこの成果を活用して、通産省とも協力しながら油化施設の整備促進に努めてまいりたいと考えております。また、廃棄物処理法においては登録廃棄物再生事業者の制度が設けられておりますが、税制上の優遇措置などにより優良な再生事業者の育成を図ってきたところでございます。 今後とも、本法案におきまして重要な役割を担う再生事業者に対しまして、環境の保全に配慮しつつ、適正な再商品化事業が行われるよう、その健全な育成、振興に努めてまいりたいと考えております。
○牛嶋正君 先ほど申しました再商品化事業者の前後にありますマーケット、そこで市場メカニズムができるだけ作用するようにどういうふうな条件が整えばいいのかということでありますが、この分別収集によって義務量が割り当てられて私的財になりまして、ここから再商品化事業者へ移されていくときに、私、一番問題になりますのは輸送コストじゃないかと思います。ですから、全部をダイレクトに再商品化事業者に委託していくということになりますと、やはり大企業が一番近くのところで集めて、それを一番近くの再利用者の方へ持ち込むというふうなことで輸送コストを一番下げようというふうにすると思うんですね。 〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕 そうしますと、ここでの競争ではやっぱりそういう力のないのがそのままでは遠いところから集めて輸送コストをかけてその義務量を委託していかなければならない、こういうふうになると思うんです。そういった廃棄物市場での輸送コストを下げようというそれぞれの特定事業者のそういった競争、これをうまく調整しなければならないと思いますが、その調整の役割が指定法人ではないかと思いますけれども、そういう解釈でいいのか、指定法人の説明をちょっとお願いしたいと思います。
○政府委員(太田信一郎君) 指定法人は、民間の特定事業者が恐らく中心となって、その方たちの発意でできる義務履行代行機関ということになるかと思います。 どういう役割かといえば、今の委員の御指摘のように、自分でみずから義務を履行しない者が指定法人に義務の履行を委託すると、ある程度集まったところで指定法人がその義務の履行の委託を受けて再商品化事業者に対して競争入札を行って、まさに委託されたものをさらに委託をして専業者に再商品化をやっていただくということになるわけでございますが、当然そのときには指定法人はかなり大きな量を例えば地域ごとブロックごとに委託することができますわけでございますから、輸送コスト等の問題も勘案しながら合理的な発注、入札を行うことができ、全体としてコストの低下を図ることができると思っております。 それから、前段で御指摘になられました事業者がみずからやる場合、自分で再商品化事業者を見つけてきてみずからの義務を果たすことも十五条の認定を受ければできるわけでございますが、その場合は要件がありまして、ある一定以上の量をみずからやる場合は、地域ごとのバランスを考えてもらわなくちゃいかぬ、自分で便利なところから持ってきてやりましたというわけにはいかないと。そこは認定という手続を踏んでやることになっておりますので、大きな事業者がいわゆるいいところ取りをして義務を果たしたということにはならないように、そこは公平性を保つようにしております。
○牛嶋正君 私は、ここでの競争性も、やはり再商品化事業者間の競争がなければならないと思うんですね。例えば、委託料を競争して下げる、あるいは場合によっては一定の値段で買い上げる。そういうふうに再商品化事業者の競争が行われるためには、その後の再商品市場が非常に、まあ言うたら売り手市場にならなければならないというふうに思うわけです。 そういうふうに考えますと、先ほどから再商品化事業者の育成というのが非常に大事だというふうに申しましたけれども、それは言うならば再商品市場を非常に売り手市場のような形に持っていかなければならない。先ほどお聞きいたしますと、金属原料あるいはガラス瓶原料等々分けて御説明いただきましたけれども、まだまだ再商品化されたものがうまく利用されていないというふうな面があります。どちらかといいますと、再商品化したものを義務的に使わせるというふうな面があるわけでありますけれども、そうなりますと、ここの市場をどういうふうに育てていくか、これは非常に大事なことだろうと思います。これは単に再商品化の過程で技術開発をしていいものを、いい原料をつくっていくということも必要でしょうけれども、同時にまた、それを使う側も技術開発してそういうものをうまく使っていくようなことをやっていかなきゃいけないと思うんです。 この再商品市場の育成ということについてどんなふうにお考えなのか、ちょっと伺いたい。
○政府委員(太田信一郎君) 御指摘のように、町商品化されたものがマーケットでどんどん使われることがないと、このシステム全体がどこかで詰まるというか回っていかないことになるわけでございます。例えば、ガラス瓶なんかは瓶から瓶に戻ればそれはそれでいいわけですが、なかなか戻り切れないものがあると予想されるわけでございます。例えば、現在のところ人工の軽量骨材だとかあるいはタイルといったようなそういう新しい製品に一部需要が出てきておるということもございます。そういうことで、私どもとしてはそういう製品の技術開発あるいは例えば国みずからがそういうものを積極的に使うという需要の拡大等を考えていきたいと思っております。 それから、今回の法案でも規定されておりますが、平成三年度に施行されました現行の再生資源利用促進法を活用いたしまして、そういう再商品化製品を利用できる事業者に対して利用を義務づけるということを考えて、そのマーケットの拡大を図っていきたいということを考えているところでございます。
○牛嶋正君 義務づけるということは、これは必ずしも市場メカニズムといいますか、価格の調整機能が働いたと私は考えないのであります。やっぱりここで市場メカニズムが働いて、そしてガラスの場合ですと、残留物が全部なくなって本当の新資源と同じような形で再商品化されていく。こういうふうなことで、それは新製品、新資源よりももっと高い値段で引き取られていく、こういうふうなことにならなければ、今おっしゃったような義務化というふうなことでいつまでも市場メカニズムに乗っていかないんではないかというふうに思います。 そういうふうに考えますと、私は先ほど新産業と申しましたけれども、やはり技術開発というのがポイントになるんじゃないか。ですから、今まで省力化というふうなことで技術開発が行われてきたけれども、ここで改めてこういったリサイクルのための技術開発というふうなものにやっぱり力を入れていかなければならないのではないかと思います。 そして、先ほど申しましたように、このマーケットにおいてむしろ売り手市場というふうなことになりますと、それは再商品化事業者を通してその前の廃棄物市場におきましても廃棄物が有価物として引き取られるというふうなことも起こってくるわけですね。そうしますと、ここでもまた市場メカニズムが働き出す。そうなりますと、一番最初に申しましたタイプ三ですけれども、タイプ一に戻ることもできるわけであります。こういうふうに考えますと、やはりこの再商品化事業者の育成、そしてそれに伴いまして再商品市場の育成ということになろうかと思います。 今申しましたように、技術開発がポイントだということについてどんなふうにお考えでございましょうか。
○政府委員(齊藤眞人君) リサイクルの分野、私どももだんだん力を入れてはきているわけでございますが、御存じのように経済性に乗るところがリサイクルされるというような現状でずっときたわけでございまして、確かにそこに企業の経営資源を大量に投入しながらやるというようなことには今まで若干乏しかったんじゃなかろうかと思っております。 ただ、こういうような法律を成立させていただきますと、そこに参入するという経済的なベースができてまいります。そして、おっしゃいましたように、確かに新しいマーケットを開拓する、あるいは新しい商品を開拓するというのは技術を通じてしかできぬだろうと思います。といいますのは、もともとこの廃棄物といいますのは、原料として同じ原料がもともとあるわけでございますから、もとに戻るとしますとまたその原料になりますから、そこと競争するわけでございます。ですから、そういうような条件を乗り越えて新しいマーケットというのを開拓しながら、かつその途中の工程というのをできるだけ経済的なものにしていくというのがぜひ必要でございます。そのためには技術開発というのが非常に重要でございますから、私どもなお一層力を注ぎたいと思っております。
○牛嶋正君 再商品化事業者の規模を考えた場合、やはり技術開発ができるぐらいの規模というふうなものを考えていかなければならないのではないか。そうしますとかなりの大きな規模になるんじゃないかと思うんですが、そういったものが最初からかなりの大きな規模で再商品化事業者としてこの産業に参入できるのかなという、そこが非常に難しいところだと思うんですけれども、私はやはり技術開発が可能なぐらいの規模を持つ必要があるんじゃないかと。もしそうでなければ、研究開発のところは公的な研究所で行うというふうなことになると思うんですれども、そのあたりのこれからの研究開発の方向について何かお考えがありましょうか。
○政府委員(齊藤眞人君) 確かに、ある一つの生産プロセスというのを開発しようと思いますと、例えば油化の技術の高度化を図ろうとしますと、いろんな分野の技術的能力というのを結集する必要がございます。そういう能力というのは既存の産業の一社の中にあるわけではございません。ですから共同してやっていくというのがぜひ必要でございます。それをバックアップするための政府のいろんな手段というのが、補助金であるとかいろんな財政的な支援とかあるだろうと思います。 また他方、新しい商品といいますか、新しいマーケットを開発するといいますのはアイデアというのも非常に重要でございます。ですから、そこは量的には少なくても、いろんな方が参加していただくというのが非常に重要じゃなかろうかなと思っております。そういうようなアイデアを支援できるようなことというのも当然考える必要がございます。 また、そういう中で、いわゆるリサイクルといいます仕組みをもうちょっとベーシックなところで考えるということも必要じゃなかろうかというふうに考えております。たまたま私ども筑波に研究所もございますから、そういうような研究者の能力も活用しながら、その辺もきちっとやっていきたいというふうに考えております。
○牛嶋正君 私、非常に市場メカニズムというのを強調してこれまで論議をさせていただいたわけですが、資源の適正な配分と申しますか有効な利用、これは今のところやっぱり市場メカニズムが一番うまく誘導してくれるという信念があるからでございます。ですから、できるだけこのシステムを、そういう市場メカニズムと申しますかあるいは経済的採算性と申しますか、そういうものに乗せていく。そうすることによってこのシステムというのは効率的かつ円滑に動いていくだろうというふうに考えるわけであります。 これまでは経済学で取り扱わなかった廃棄物、これはいわばグッズに対してバッズというふうな取り扱いをしていたわけですけれども、これは無価値なもの、あるいは処理するためにコストがかかるようなものなんですけれども、それを資源化していくということは経済のこれまでのシステムの中ではなかったものですから、今回は容器包装だけでございますけれども、それをここでそういうシステムに組み込んでいくということでございますので、これは先ほどから御議論ありますように非常に画期的なことだと思います。 ですから、私は容器包装というのはいわばやりやすい対象だと思います。ですからこれでもって、今回非常に研究されてつくられたシステムがうまくいかなければ、しばらくまたこのリサイクルシステムというのはとんざするんではないか、こういうふうに思いまして、この問題について御議論をさせていただいたわけであります。 そして、私の結論としましては、やはりポイントは新産業の開発ということでございますので、技術開発がポイントであるということなんです。技術開発がポイントだというわけですけれども、これは一企業では開発のための投資というのはなかなかできません。そうしますと、このあたりでやっぱり公共投資みたいなものが要求されてくるのではないか、求められてくるのではないか、こんなふうなことで御質問をさせていただきました。 これにつきまして最後に通産大臣のお考えをお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に鋭く掘り下げた御質問をいただいたことにお礼を申し上げます。 先ほどから御論議を拝聴いたしながら、スケールメリットという言葉がありますが、今まで廃棄物のリサイクルというのはスケールがそろわないためのデメリット、供給が不定であったりということが非常に大きかったのではなかろうかということを改めて感じておりました。 これは本来なら厚生省の諸君が話された方がいいと思うんですけれども、昭和四十年代の後半に、浜松市が中心になりまして周辺の町村と地域全体でのリサイクルを本気で考えられたことがございます。すなわち、例えば厨房、台所のごみは堆肥として土に返す、そして土の活力を起こす。古紙あるいは金属さらに白物等のガラスは既にでき上がっているルートに乗せていく。結局、それがうまくワークしなかった最大の原因は、私は、量的に限られたものしか収集ができなかった、だから採算がとれる状況にはならなかったということが一つあろうかと思います。 また、特定名を挙げて恐縮でありますけれども、ヤクルトがヤクルトの容器の回収のために特殊な車を開発いたしました。これをペレット状にして再生するという試みをやはり昭和四十年代の半ばに行いました。しかし、これは全国に散らばっている量は大変なものでありますけれども、一定のエリアで集められる量には限界がある。結局スケールがメリットではなくてデメリットになった。 こうしたことを考えてみますと、私は、この法律案は一つはスケールメリットを保証する点も大きな役割を今後に残すものではなかろうかと思います。 さらに、これは大変脱線をいたしますけれども、私は、昭和四十年に初めて沖縄に行きましたときに沖縄の方々がつくっておられる吹きガラスを拝見し、それほどの思いがなくこれを買いました。ところが、後でわかりましたのは、米軍の捨てたガラス瓶の町生利用、それを沖縄の方々の生活の糧として吹きガラスに応用された。そのためにちょっと通常では見られないような特殊な色合いのガラス器が大量に生産された。今もこれは一つの産業として定着をいたしております。 私は、先ほど来局長が御答弁を申し上げましたような油化技術あるいはその他のものもこれは大変大事なことだと思います。そして、工業技術院の中にそうしたいわば種になるものが随分眠っておるという感じがいたします。しかし、そればかりではなく、その地域で収集できる範囲内、例えば沖縄の吹きガラスのような一つの業というものをつくり出すことはできないものか、そういうものがあるならば積極的にその立ち上がりを支えていくことが我々の役目ではなかろうか、そのような印象を持ちました。 ありがとうございました、
○牛嶋正君 もう一つだけちょっとお伺いしたいんです。 これはきのうの議論の中で、再利用化あるいは再商品化の過程で随分とエネルギーを使うものがあると思うんです。油化の場合がそうかなと思うんです。そこで、そのエネルギーということでトータルを見ますと、せっかく再利用してもう一度資源化をするとしても、その過程でかなりのエネルギーを使いますと環境の面でまた問題が出てくると思うんですけれども、今の油化には相当エネルギーが要るんでございましょうか。その点、最後にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(齊藤眞人君) 油化そのものだけちょっと御説明させていただきますと、触媒を使いまして熱を加えまして、プラスチックという分子量の大きいものを分子量の小さいものにしてやるわけでございます。その過程でどうしても多量の熱を使います。その熱といいますのは、大体自分で生産しました油を使ってやっているわけでございますが、そのためトータルとしますと、エネルギーの回収量といいますのは普通の発電所で例えばごみを燃して発電するのと同じ程度の効率というようなことになってしまいます。かなりその過程でエネルギーを使って、マイナスではございませんが、プラスではございますけれどもかなり使うということは確かでございます。
○牛嶋正君 まだ十分ほどございますけれども、これで終わらせていただきます。
○小島慶三君 初めに、この法律は廃棄物をつくる人、使う人、それから市町村、非常に関係の多い、なかなか調整の難しい法律でありますし、また関係する役所も非常に多岐にわたっておるわけでありますから、これをおまとめになるのは大変御苦労が要ったと思うのでございますが、関係者の皆さんに、リサイクル社会の第一歩といいますか、そういう象徴的な意味も持つ法律をまとめられたことに対して感謝申し上げたいと思います。 それで、初めに大臣にお伺いしたいんですけれども、この法律、さっきからお伺いしていましてもなかなか難しいことも多い。しかも、大臣は大変難しい問題をいろいろ抱えておられる中でこの法律をお出しになる、その抱負もお伺いしたいわけでありますが、もう一つ最初に私が気になりますのは、やはりこれはあくまでもクリーンな、環境に優しい社会をつくる第一歩ではないか。 この資料で見まして全体の廃棄物の量が、産業廃棄物三億九千万トン、それから一般廃棄物五千万トンということでありますし、その五千万トンの中で容器という対象になるのは、これは重量でいいますと二三%、容積でいいますと五七%ということですからこれは限りがありますし、さらに法律の効果として期待できるものも、フランスの例なんかで百万トンというふうな数字が出ておりますが、なかなか所期どおり運ぶのは難しいと思うのでございます。 そういう点に関連しまして、やはり非常に御苦労の多いあれだと思うんですが、私はこの法律が生まれたゆえんというのは、根本的には現代の大量生産・大量消費・大量廃棄物というマスシステムといいますか、これが限界に来たということではないかと思うのでございます。 そういう点から見ますと、法律をつくってもなかなか効果が上がらないということもあったかと思うんですが、かなり辛抱強く、一般の意識を初めとして省エネルギー、省資源として物を大切にするといったようなそういう感覚の養成、成熟というものが必要だろうと思うのであります。その根本には、従来の高成長になれた我々としてはやはり低成長時代に向かう心構えといいますか、そういうものがないとなかなかこの法律はうまくいかないと思うのでございますが、そういう点につきまして大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻、厚生省の方から御答弁がありましたように、今我が国におきましては廃棄物の量の増大に伴いまして最終処分地の確保が非常に困難な状況にあります。全国を平均いたしました場合は八年弱、首都圏を考えた場合は五年弱という数字か言われております、一方では、フェニックス計画のように私が厚生大臣のころから計画が存在しながら現実のものにならないといったようなものもあるわけでありまして、いかに廃棄物問題というものが深刻化しているか、これはその証左ではないかと思います。 その中で、先ほど来もお話がありましたように、我が国の中で従来からリサイクルのシステムというものが確立しておりましたのは新聞、雑誌等についての古紙のリサイクルシステムでありました。そして、これは大変見事な業績を残しております。 しかし、容器包装というものを見ましたとき、今委員からもお話がありましたように、一般廃棄物の中で容積ベースで約六割、重量ベースで約二割ということでありますし、素材ごとに分別をすることが可能なものでありますし、再生資源として利用することも技術的に可能と今考えられております。また、容器包装はそれ自体が消費の対象ではありませんから、消費活動への影響が小さいということも申し上げられるのではないかと思います。そうした中から今回私どもはこの容器包装というものをとらえてリサイクル法を提案させていただきました。 生ごみを含む可燃性の廃棄物につきましては、私はやはり引き続き市町村によるサーマルリサイクル、むしろ熱としてエネルギーを引き出していただく、こうした考え方による努力をしていただかなければならないと思いますし、あわせて、多くを占めております生ごみについては、これは重量ベースで約三割でありますが、堆肥化に向けた取り組みといったものもしていただかなければなりません。 また、大別上電気冷蔵庫、大型テレビなど市町村による処理が困難と言われておりましたものについて、本年三月から廃棄物処理法に基づく事業者の協力制度がスタートをいたしました。この制度の活用によってこの部分はリサイクルを進めていこうと考えておるわけであります。 また、産業廃棄物については、既に排出者たる事業者がその責任によって処理しなければならないということになっており、既に約四割がリサイクルのルートに乗っている。 私どもは、こうした各制度を組み合わせながら、まさに今委員が御指摘になりましたようなリサイクル型のシステム、リサイクル型の社会というものの普及、展開に努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○小島慶三君 ありがとうございます。 それで、先ほども申しましたように、経済成長とそれから環境負荷と申しますか、そのトレードオフという問題があるだけに、政策としてもどういうふうな定量的な目標でこれをやるか、進めるかということはなかなか難しいと思うんですけれども、そういう点につきまして、この法律によってどの程度の廃棄物の減量が期待されているのか、もしそういう作業がございましたら伺いたいと思います。
○政府委員(小林秀資君) 本法律案によるリサイクルシステムが実施をされますと、市町村により分別収集された容器包装廃棄物は事業者により町商品化されることになります。こういうことによりまして、まず市町村で直接埋め立てされる容器包装廃棄物が減少をします。それから、これまで焼却処理されていました容器包装廃棄物が減少することにより焼却能力に余力が生じるため、これまで直接埋め立てをしていた廃棄物も焼却できるようになりますなどによりまして一般廃棄物の最終処分量が削減できます。 我々の計算によりますと、例えば分別収集が九〇%実施をされたと仮定をいたしますと、最終処分量が現在より約五五%減量する、こういうふうに計算をしておるところでございます。
○小島慶三君 ありがとうございました。 それで、今のお話に関連して、後でコストとベネフィットの関係もお伺いしたいと思うんですけれども、ここで本日の主題とは直接関係ないんですけれども、産業廃棄物の構成といいますかそういうことについてちょっと申し上げてみたいと思うのでございます。 産業廃棄物には化石系の廃棄物、それから農水産系のいわゆる生命系の廃棄物と両方あると思うのでございます。 それで、生命系の廃棄物というのは農産物、林産物、畜産物、水産物、そういったものでありますけれども、これはいずれも有機物であります。植物は御承知のようにまず光合成によって有機物をつくる、それからそれを動物、人間が食べる、こういう関係でありますけれども、そのいずれもやがては死滅する、やがては廃棄物をそれ自体が出して死滅するという関係になる。植物もいずれ落葉とか倒木とかそういうことで大地に帰するわけであります。動物もまたそういうこと。人間もまたさようであります。しかし、これはいずれも死にましても全部有機物でありますからほかの生物の食糧になるということで、最終的には微生物が全部死骸とかそういったものを処理するという関係になる。 したがって、こういった生命系の世界というのは必ず、例えば農産物が畜産物の製造に使えるとか、あるいは畜産物の竹とか皮がバイオメディカルに使えるとか、それから水産物の内臓や何かがいろんなものに全部使えるとか、とにかくリサイクルのきくものなのであります。そういった意味において、こういう農産物、生命系の資源が中心であったときはこういった廃棄物の問題というのは起きなかったんです。 しかし、化石系が利用されるようになって、その資源的な限界ももちろんでありますが、廃棄物としての利用というのがなかなか困難であるということで環境の汚染という問題が始まったんだというふうに私聞いております。 そういう点から見ますと、できるだけ生命系の資源の活用ということをやはり考えていく必要がある。今、鉄とかプラスチックが使われているものも前は木であったわけでありますから、そういう点でかなり今の時期でも、そういう化石系の影響といいますか廃棄物の影響といいますか、そういうものを減らすためにももう少し生命系の資源の活用というものは必要になるのではないかというわけであります。 〔理事沓掛哲男君退席、委員長満席〕 それで、いただいた資料の二十三ページを見ますと、これは下の右の欄で見ますと下水汚泥のウエートが四二%、動物のふん尿のウエートが一九%、合わせて六〇%。それからこれに木くずを入れますと、これが一・七%、小さいですけれども、鉱物とか化石系のものよりもこちらの方のウエートが高いんですね。こういった下水汚泥なんかについては、最近では微生物を利用してこれを堆肥にする、それから農産物、林産物の増産に使えるということが可能になってまいりました。 したがって、全体のクリーン戦略を考えるときに、農林水産資源の活用を考えるということは非常に大きな意味を持つのではないか。この容器包装に関しては直接そういうふうな農産物が使われるというのは、これは紙とか木以外にないわけでありますが、これもこういった観点からいろいろもっと注目をしていく必要があるのではないかというふうに思っておりますが、農水省の方おられましたらそれについてのお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(鈴木久司君) 農林畜水産物の廃棄物をリサイクル資源として利用することにつきましては、環境保全あるいは地域の未利用資源の有効利用、こういった観点から非常に重要であると考えておりまして、それぞれの廃棄物の特性に応じた方法によってこのリサイクルを実施してきているところでございます。 具体的には、稲わら等の農産物の廃棄物あるいは家畜ふん尿等につきましてはコンポスト化して土壌に還元する。屠畜場等から廃棄物として排出される畜産物残渣につきましては動物油脂と動物たんぱく質等を抽出しまして油脂や飼肥料として利用する。また、水産加工業から排出される魚の腸とか骨、こういったものにつきましては魚粉、魚かすに加工しまして飼肥料として利用する。また、本質系の廃棄物につきましては製紙原料とか燃料等として利用する。こういったような方法によりましてリサイクルを行っているところでございます。 農林水産省としましては、今後とも資源の有効利用を一層推進するために、リサイクル施設の整備に対する助成、低利融資、技術の開発等を通じまして、農林畜水産物の廃棄物のリサイクルを積極的に進めてまいりたいというように考えております。
○小島慶三君 ありがとうございました。 それから次に、この法律を実行するに当たっての考え方でありますが、これはやっぱりコストとベネフィットという観点から見るとなかなかバランスがとれないという感じがするわけであります。コストは市町村にもかかりますし、メーカーにもかかりますし、それからいずれそういうものが転嫁されて消費者にもかかるということでありますから、コストはかなり幅広くいろんな層のいろんな分野にかかってくる。 それによるメリット、ベネフィットというのはどういうものかといえば、これはやっぱり環境、この法律なかりせばもっと悪化すべき環境というのをクリーンに保つという一般的な国民経済的なメリットでありましょうし、もっと具体的にいえば、先ほどから議論がありましたようにリサイクルを担当する業者のメリットということになるのかもしれませんが、それに加えて、そういったメリットというのはかなり抽象的で計量できないかもしれませんが、何かその辺のバランスは一体どうなんだろうということが気になるわけであります。 牛嶋先生の議論で市場経済的ないろんな観点からの御質問があったわけでありますが、そういった市場経済的な観点に加えて、やはり環境保全というか、そういうふうな市場の欠陥をカバーするような要素というものを加えないとどうもバランスがとれないんじゃないかという感じがするわけであります。 それから、仮にこれを燃焼して利用するという場合でも、果たして得られるエネルギーとそれからそれに費やすエネルギーとの間でバランスがとれるのか。恐らくとれないと思うんです。そういった点で、やっぱり何かある種の環境約なメリットといったようなものを国民全体として大局的に考えないとなかなかうまいことのみ込めないということになるのではないかと思うんですが、これもひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来数字を申し上げておりますけれども、この法律案によりまして一般廃棄物の中で大きな割合を占めております容器包装廃棄物のリサイクルが進展すると見込まれるわけでありまして、私はこれによって廃棄物の減量と資源の有効利用ということが図られることになり、これは国民全体の便益だと思います。 さらに、こうしたコストは市町村における清掃事業の合理化努力及び事業者による再商品化しやすい容器包装への転換などの努力、こうしたものによって将来的には低減されていくでありましょう。私どもは、この法律案によるコストというものは、例えば分別収集率が三〇%の時点で、分別収集にかかる実質的に九百億円の減、及び再商品化にかかる約一千百億円の費用、そのような試算をいたしているところであります。
○小島慶三君 あといろいろお伺いしたい点もありますが、時間の関係もございますので私の質問はこれで終わらせていただきますけれども、やはりこの法律の関係するところは非常に多いし、従来の価値観の転換とかそういったものを必要とするような画期的な法律でございますので、各省庁ここまでまとまってこの法律をまとめ上げられたわけでありますから、今後の実施に当たりましても、その辺上手にまた弾力的に問題に対応して、できるだけこの効果を高めていかれるようにぜひお願いをしたいと思います。 以上で終わります。
○市川正一君 本法案は、容器包装廃棄物について、不十分ではありますがリサイクルさせる仕組みをつくったという点で一歩前進と言い得ると思います。しかし、廃棄物問題の抜本的な解決あるいは資源の再利用促進という観点から見ますと、なお多くの問題点を内包しております。そこで、幾つかの基本点で政府にただしたいと存じます。 まず、法案の枠組みの問題でありますが、本法案は、大量に容器包装廃棄物が排出されている現状を所与の前提としてその再資源化を図ることを目的にしております。もとより、再資源化の重要性は言うまでもありませんが、重要なことはその前提として、大量の容器包装廃棄物が排出される背景になっている大量生産・大量消費、こういう社会的なシステムをつくってきた大企業のあり方というものを、ここにメスを入れる必要があると思うんです。そのためには、まず安易な包装容器そのものの開発、製造段階からこれを抑制し、容器包装廃棄物をその発生源から絶つという立場を目的の中に明確に規定すべきではないか、こう考えるのでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) 先生、お手元の資料にもございますと思いますが、本法案の第四条におきまして、「事業者及び消費者の責務」といたしまして、リターナブル瓶の使用、それから容器包装の過剰な使用の抑制など、容器包装の使用の合理化などにより容器包装廃棄物の排出を抑制するよう努めるべきであるということを明示しております。ですから、消費者にも事業者にも努力をしてくださいということをまず申し上げております。 それから、これは何回もお答えをしていると思いますが、このリサイクルを進めるために、消費者、市町村、事業者の三者が責任を分担いたしまして、容器包装を減らせば経済的な利点が得られる仕組みを社会システムに組み込むものでございまして、両方あわせましてごみの減量化に大きく貢献をするものと、このように考えておるところでございます。
○市川正一君 言うまでもありませんが、廃棄物処理法の第三条第二項で「事業者の責務」を定め、その製品や容器が廃棄物になったとき処理が困難にならないよう事前に評価する、アセスメントを行う、これを求めているわけですね。そういう規定も日本の法体系の中で明記されている。さらに生活環境審議会は、製品アセスメントの結果を踏まえ、事業者に製品の材質、処理方法の表示や、適正処理が困難な製品の製造の抑制、これを求めてもおります。 こうした廃棄物処理法の立場を一歩進めて、今度はまさにリサイクル法なんですから、容器包装の利用それ自体についても、それがどうしても必要なものかどうかを評価する、仮に必要であったとしても必要最小限にする、あるいはリターナブル化を促進させる、こういう措置が必要だと思うんです。これは事業者としての当然の社会的責務の一部に属すると思うんです。こういうことを明記すべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(小林秀資君) リターナブル答器の拡充を図るべきでないかというおただしてございますが、本法案では、容器包装廃棄物の排出抑制のために、事業者及び消費者によるリターナブル容器包装の使用の責務を規定いたしております。 それから、一定の回収率等の基準を満たしたリターナブル容器包装につきましては再商品化の義務を免除をするということでリターナブルであることを優遇いたしております。そして、その一部がたとえ一般のごみの中に、市町村に排出されても事業者の負担は必要ないとするとともに、その基準を満たさないリターナブル容器包装についても回収率に応じて再商品化のための負担が低くなるようにしておることから、現行のシステムに比べますと、ワンウエーの容器包装に比較してリターナブルの容器包装は有利な位置づけが与えられておると考えておりますし、今後もその推進を図ってまいりたいと思います。
○市川正一君 これはやっぱり大臣に言ってもらわぬとおさまりません。 私が言うたのは、例えばということでリターナブル化の例を挙げて、要するに廃棄物処理法でもこう言っているじゃないか、例えばリターナブル化の問題。あなたはリターナブル化の問題だけに矮小化して、そこのところを一生懸命ほじくっているけれども、もっとゼネラルな問題として聞いているんですが、大臣お聞きになってどうですか。あの答弁でいいんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 厚生省所管部分について、厚生省の担当局長として責任を持たれた御答弁だと思います。
○市川正一君 一応前へ進みましょう。厚生大臣を呼ぶ連合はあしたでしたな。 そこで伺いますが、今日の容器包装廃棄物の激増は、決して自然発生的に起こったものではないんですね。もとはといえば、商品の製造や流通にかかわる大企業が、従来リターナブル容器などを使用していたものを、流通コストの削減のためにワンウエー容器に変更して、その処理のための自己の経費負担を消費者や地方自治体に転嫁したのが事の始まりです。また、そのことによって従来から機能してきた容器の回収システムまで破壊して今日の事態に至っております。もちろん、現在のような容器あるいは包装廃棄物のはんらん状態が一般化したことについては、大型店の進出によって地域に密着した小売店が減少したことや、共働き、核家族化、通勤の遠距離化など、社会の変化がこれを定着させたことも事実です。 しかし、大企業が経営効率化のツケを消費者や地方自治体に転嫁して利潤追求をすべてよしとする企業行動のあり方は、これはやっぱり適切な規制を行うべきだし、こうした容器包装廃棄物の処理のための費用は、当然これは発生させた大企業に負担させてしかるべきじゃないんですか。いかがでしょうか。
○政府委員(太田信一郎君) 今回の法案の仕組みは、特定事業者、中身事業者と容器メーカーに特定義務者となっていただきまして一たん費用を負担していただく、そういうことを通じて中身事業者、容器メーカーはよりリサイクルしやすい容器を使うとか、あるいは形状とか重さを考えていただくということで、そういうことを通じて一般廃棄物の減量化、資源の有効利用が図られるわけでございます。こういうメリットは最終的には国民全体が享受するものであるということで、一たん費用を負担していただきますが、そういう費用は最終的には国民全体が負担をしていくことが適当であるというふうに考えております。
○市川正一君 そこが問題なんですよ。だから、一般国民に、消費者にということでそこへしわ寄せをしていく。私は、その具体的なあらわれとしての第三十四条の規定を指摘せざるを得ません。 容器包装廃棄物の発生源である大企業の社会的責任との関係で、この第三十四条の規定は、廃棄物の処理費用は従来その容器を使用した事業者の内部費用であったものを、今度はこれを外部費用化してきているわけですよ。本来的に言えば、その事業者がこれは負担すべきものです。その結果、製品の価格をどのように決定するかは事業者自身がみずからの責任と判断で行うべきものです。その価格のあり方が適切であるかどうかはその商品の消費者が最終的には評価するものです。政府が今まで言ってきておった市場原理というのはそういうものであったはずです。 ところが、この三十四条の規定では、大企業が再生利用しやすい製品の開発や再商品化技術の開発の努力を促進するものにこれはなるんですか。三十四条では、これを「国民に周知を図り、その理解と協力を得るように努めなければならない。」と上乗せすることを認めているじゃないですか。これはどういうことですか。
○政府委員(太田信一郎君) 今回の仕組みでは、市町村が分別基準に従って分別収集されたものを、有価なものは別にいたしまして、今まで逆有償で引き取られなかったものを特定事業者に新たに引き取らせて再商品化するということで、その分だけ当然のことながらコストがかかるわけです。その特定事業者、およそ十九万事業者になるかと思いますが、その大部分は中小企業が占めることになると思います。そういう中小企業の方に一たん費用を負担していただくわけでございますが、そういう部分については、先ほども御答弁申し上げましたように、最終的にメリットを受ける国民が負担する、決して転嫁等が容易ということもありません、ということで、国が広報活動等を通じて今回のシステムの意味等を周知するということで三十四条の規定を設けさせていただいたところでございます。
○市川正一君 指定法人、これは再商品化のための事業をみずから実施するものではなしに単なる再商品化のマネジメントをするだけの機関ですね、そうでしょう。そうでなければ後で断ってください。 それで、いただいた「再商品化単価及びリサイクル委託単価」の試算資料を見ましても、極めてその経費は微少なものになっております。一円以下あるいは〇・五円以下などでございます。ということは、対象になる容器包装廃棄物の再商品化に要する経費は、単価的には商品の販売価格を変更しなければならないほど高額にはならないんですね。そもそもこの経費は大企業がみずからの責任で負担すべきものですが、仮に消費者に負担を求めるとしても、その額は求めようのない額なんです。それはまた企業努力で吸収できるものです。ですから、この三十四条で言う再商品化を理由にして値上げをするということは明らかに便乗値上げと言わざるを得ぬと思うんですが、この点どうお思いですか。
○政府委員(太田信一郎君) 指定法人の役割がマネジメントということは、一部そういうことは当たっているかと思いますが、義務履行代行機関でございます。みずから再商品化の事業をやるわけではございませんが、委託を受けて、再商品化をするために競争入札によって再商品化事業者に再商品化専業を実施していただくというのが指定法人の役割でございます。 それから、特定事業者が再商品化をすることに伴い新たにコストを負担する、容器包装の種類によっていろいろとそのコスト、額は違ってくるかと思いますが、実際、最終的にどういう形でコストが転嫁されるか、それは市場メカニズムの中で決まってくるかと思います。例えば、その額が小さい場合においても、中身を工夫するとかあるいはラベルを工夫するとかいろんな形があるかと思います。それはそれぞれの特定事業者の創意工夫の中で行われると思いますが、いずれにいたしましても、繰り返しになって恐縮でございますが、今回のシステムのメリットを享受する者は国民全体でございますので、そういう意味で最終的に国民が負担をするということでこの規定が設けられているところでございます。
○市川正一君 だから、国民という名のもとにそこへ全部しわ寄せをしていく。この三十四条によれば、国がそういう便乗値上げのお先棒を担ぐ宣伝をやるということにまでなってしまうんですよ、極言すれば。そもそも、この容器包装廃棄物の再商品化のコストは本来は事業者がみずからの経費として負担すべきものです。それは消費者や地方自治体に転嫁すべきものであってはならぬということを私は強く主張し、こういう第三十四条のような規定は削除すべきであるということを重ねてここで要求いたしますが、いかがですか。
○政府委員(太田信一郎君) こういう規定を設けることによって決して便乗値上げ等があってはならないことは言うまでもありませんが、負担したその費用が円滑に消費者に転嫁されるということは必要だと考えております。
○市川正一君 この問題は必ず大きな社会的あるいは政治的問題になるだろうということを指摘して、次の問題に移ります。 政府の資料によりますと、一般廃棄物の年間排出量は約五千百万トン、一般廃棄物のリサイクル率は三・四%になっております。この一般廃棄物の発生量について、二十一世紀を展望して、例えば二〇〇〇年とかあるいは二〇一〇年とかの時点で、こういういわば節目の時点でどのような予測をなさっているんですか。 具体的には、現状で推移していった場合と、今度の法案によるシステムが機能した場合の二つのケースで対比的に示していただいて、その差がどれぐらいなのかというデータを、節目は二〇〇〇年、二〇一〇年で結構ですが、ちょっとお示し願いたい。
○政府委員(小林秀資君) まことに済みません。先生の御質問を取り違えているといけませんが、もし取り違えておりましたら再質問でお願いしたいと思います。 この容器包装廃棄物の分別収集をして、それを特定事業者が再商品化の義務を負って処理していくというパーセントですが、現在、全国で約四割の市町村が何らかの分別収集をしているということからいきますと、私どもは、この法案が通ったときには、大体四割程度のところの市町村はすんなりこの分別収集に協力をしていただいて進むものだろうと思っておりますし、数年を経て大体六割程度ぐらいにはいくのではないかなと予想をいたしておるところでございます。
○市川正一君 私は、これを取り上げる自治体の比率がどうかということではなしに、さっき申したように、年間排出量が一般廃棄物で今五千百万トンになっている、これがどういうふうにいわば改善されるのかと、トータル的な数字を問い合わせたんですが、もうこれは時間がないのでよろしゅうございます。 一般的な概略的数字で聞いているのでは、九〇%の分別収集で廃棄物の量が現在の半分になるというようには聞いておるんです。聞いておるんですが、それをいつの時点で達成するのかという点になるとまことに大ざっぱなんです。 だから私が言いたいのは、いつまでにどういうテンポで、どういう施策によってどの水準まで持っていくのかという、そういう目的意識を持って施策を講じないと政策効果というのは上がらない。こういう施策を前提にして、それぞれの事業者が達成すべき目標を年次を区切って策定してそれを遂行させる、必要な援助措置なり、場合によってはペナルティーも明示するというようなことが求められているんじゃないか。だから、この法案の規定もそういうようなことと結びついてやっていく必要があるんじゃないかと改めて問いただしているんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小林秀資君) まず、新法におきましては、市町村が分別基準に適合して収集した容器包装廃棄物、分別基準適合物の全景については最終的に事業者側の再商品化義務が発生することから、その再商品化率は全量、一〇〇%行われるということがまずあります。また、分別収集は市町村の固有事務でありますことから、市町村に対し容器包装廃棄物の収集率を義務づけることは地方自治の本旨から照らして適当でないと考えております。 それで問題は、先生先ほど御指摘になりましたように、リサイクル率が九〇%になった場合、最終処分量が現在より五五%減少すると推計していることは先生のお話に出てまいりました、それが何年までにできるのかというおただしてございますが、排出量の増大、それから焼却能力の低下、最終処分場の逼迫など、一般廃棄物処理をめぐる状況が極めて困難になった市町村の自主的な判断により順次新たに分別収集が行われていくものでありますから、いつの時点で九〇%になるかわからない、こういう問題があると思います。
○市川正一君 要するにわからぬということでしょう、わからないと。それでは困ると言っているんだ、先ほどからね。だからもっときっちりしたプランをつくりなさい。 時間が迫ってまいりましたので、この際この法案との関係で、廃棄物処理法第六条の三で定めるいわゆる適正処理困難物の問題で厚生省の対応をお伺いいたしたいと思います。 厚生省は、一九九二年の秋に各市町村に対して適正処理困難物の処理状況についてアンケート調査を実施されましたが、調査結果はどうなったかお伺いしたい。
○政府委員(藤原正弘君) 廃棄物処理法第六条の三に基づく指定一般廃棄物、いわゆる適正処理困難物につきましては平成四年の十一月に調査をいたしました。 その調査結果から指定廃棄物を指定したわけでございますが、その場合に、処理している市町村が多いもの、処理困難との回答割合の高いもの、販売店等による引き取りルートを整備することにより適正処理の確保に有効なもの、指定により引き取りルートの整備が促進されるものを指定するとの基本的考え方によりまして四品目を指定しました。つまり、大型テレビ、大型冷蔵庫、廃タイヤ、スプリング入りマットレスでございます。これが第一次指定品目でございます。 今後、厚生省におきましては、他の品目も含めまして、市町村において排出禁止物として扱われている品目の種類及びこれらの品目の処理ルートの状況等の実態調査を行うこととしておりまして、この調査の結果等を踏まえまして、必要に応じて追加の指定の検討を行ってまいりたいと思っております。
○市川正一君 今お話があったように、その調査結果に基づいて四品目を指定なさった。しかし、処理が困難だと回答しておりますのが、プラスチックとかあるいは小型ガスボンベですか、それから使用済みの乾電池等々、まだ十九品目のうち十五品目が未指定になっているわけですね。なぜそれが指定されなかったのか。 実は私、本委員会で数年前でありますが使用済み乾電池の問題を取り上げたことがあります。また、プラスチックの問題は非常に深刻で、各自治体とも共通してこの問題を提起しておりますが、今度のこの法案による再商品化計画の対象となるプラスチック製の廃棄物は容器包装廃棄物だけなんですね。それ以外のプラスチック製は対象になっていないし、しかもそれが非常に大量に排出されていることも周知のところです。 そこで、各市町村のアンケートでも共通して悩んでいるものの一つでありますが、そういうことも含めて、この未指定の十五品目について今後早急に適正処理困難物に指定する必要があると思うのでありますが、今後どのように対応なさるのか。その対応をお聞きして、時間が参りましたので、大臣にはまたあさってお会いしますから、そのときに譲らせていただきます。
○政府委員(藤原正弘君) この指定廃棄物の追加指定の点をおただしてございますが、これは先ほどお答えいたしましたように、調査を現在全国的にやるということで検討しておりますので、それに基づきまして、この実態調査の結果を踏まえまして必要に応じて追加の指定の検討を行っていきたいということでございます。
○市川正一君 プラスチックも含めて。
○政府委員(藤原正弘君) はい。それも含めて検討していきたいということでございます。
○市川正一君 終わります。
○委員長(久世公堯君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(久世公堯君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律案について、厚生委員会、農林水産委員会及び環境特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾し、明七日午後一時から開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(久世公堯君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十六分散会