商工委員会 第2号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/02/09
会議録
○委員長(久世公堯君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二月二日、上山和人君及び北村哲男君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君及び村田誠醇君がそれぞれ選任されました。 また、去る二月三日、勝木健司君及び太田豊秋君が委員を辞任され、その補欠として井上計君及び倉田寛之君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(久世公堯君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 前回の委員会において聴取いたしました所信等及び平成七年兵庫県南部地震報告に対し、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉村剛太郎君 自民党の吉村でございますが、質問に先立ちまして、まずもって阪神の大震災、五千名を超える方、がお亡くなりになり、また大変多くの方々が今なお被災の身で厳しい生活を強いられておられます。亡くなられた方々に心から御冥福をお祈りいたしますと同時に、被災された方々にお見舞いを申し上げたい、このように思う次第でございます。 ただ、今回のこの大災害に当たりまして、戦後五十年、日本社会が抱えておりますいろいろのひずみや問題点がある意味では一気に噴き出したんではないかなと、こんな感じがしておるところでございます。 特に、危機管理ということにつきましては、予算委員会、またそれぞれの委員会で論議もされておるところでございますが、確かに一月十七日午前五時四十六分、震災が発生をしております。これは、私は新聞から得ただけの情報でございますが、消防庁を通じまして官邸に第一報が入ったのが九時五十分ごろだということでございまして、まさに四時間たっておるということでございます。 また、別のルートで早目に官邸には報告もあったんではないか、このようにも思っておりますが、いずれにしましても、ちょうど一年前のあのロサンゼルスの大地震、発生後十五分で、言われております米連邦緊急管理庁の方から大統領にこの震災の報告があっておるということでございます。そして、一時間後にはそのFEMAが現地に出動しておる、このように承っておるところでございまして、まさにその迅速な対応と今回の我が国の対応、そのおくれをいろいろと指摘されておるところでございますが、これにつきましてはやはり何といっても否定できない面があるんではないか、こんな感じでございます。 だからといって、だれの責任だとかどうのこうのと言うつもりは私はございませんし、また今だれの責任だというようなことを追及しても始まらないことだ、このように思っております。 国土があり、そうしてそこに人が住み、国家といいますものを形成しておるわけでございまして、その有機体としての国家は、それぞれのやはり当然やるべきものを生理的に私は持っておるんではないかなと、このように思っております。 国家を形成する国民の教育、当然これは国が一生懸命やらなければならないことだと思いますし、責任を持たなければならないことだ、このように思っております。また、治山治水もしかりだと、このように思います。また、福祉もそうだと思います。特に、近年は環境問題、これもやはり責任を持って対応しなければならない問題だと思います。そしてまた、経済運営しかりだと思いますし、また国防、いわゆる間接、直接の外からの侵略に対する防衛といいますものも、これは当然国が責任を持たなければならない問題であろう、このように思う次第でございます。 そういう中で、やはりそれはそれぞれのバランスが必要ではないか、私はこのように思う次第でございまして、例えば福祉において、福祉を充実することは当然大変大切なことでございますが、福祉が行き過ぎますと、かえって財政困難に陥り、また国民の勤労意欲といいますものをそぐというようなことも言われておるところでございます。また、言論の自由といいますものは当然でございますが、これを逆に抑え過ぎますとどこかでひずみが出て爆発するというようなことになろうかと、このように思う次第でございます。 そして、国を守るということ、防衛といいますもの、これもやはりバランスをとった中で必要最小限の防衛力を持ち、また国民一人一人がその防衛に対する心構えといいますものを持っておかなければならない、このように思う次第でございますが、戦後五十年の中で、我が国はもう申すまでもなく日米安保のもとに、ある意味では国防意識といいますものを相当、そぎ落とすと言ったらおかしいんですが、国民意識の中で小さい存在として経済優先で進んできたと言ってもこれは過言ではない、このように思う次第でございまして、今回、自衛隊の出動がおくれたではないか、その他いろいろと言われております。 正直に申しまして、社会党の委員長であります村山総理の、社会党の今日までの体質といいますものについて云々された経緯も私は存じております。しかしながら、そういうものを抜きにしまして、これは我が国全体が戦後五十年やはりそういう体質の中でずっと運営してきた、おかげで経済がこれだけ伸展し、経済大国になったというメリットも大きくあったと。そして、決してこれまでとってきたその道筋といいますものは私は間違いではなかった、このように思う次第でございます。 しかし、その結果として、やはり自衛隊に対する考え方といいますものが国民の間に知らず知らずのうちにアレルギー的なものも浸透させたのではないかなということも私は否定できないものではないかと、このように思いますときに、やはり究極の危機管理といいますものは、これはアメリカでも欧州でも一緒でございますが、すべては軍事を基本にしてスタートしておるんではないか、このように思っております。 先ほど申しましたアメリカのFEMAにおきましても、これは一九七九年ですか、カーター大統領の民間防衛再編成計画を受けて国防総省から独立した機関であって、その根底にはやはり戦争、すなわち短く言えば核に対する防衛からスタートしている。これはまさに一分一秒を争う問題でございます。例えばミサイルが飛んでくる、一秒早くそれを迎撃することによって被害がどうなるかということ、また被弾しても、どう対応していけば、一分でも一秒でも早ければどれだけ国民の生命を救うことができる、財産を救うことができる、まさに究極の危機管理からスタートした組織であるわけでございます。 そういうものをいろいろと総合して考えますときに、やはり戦後五十年の日本の社会、政治を含めまして日本の社会の危機管理といいますものの意識といいますか、そういうものをここで一度大きく見直さなければならない。そして、自衛隊に対する考え方も、私はタブー視するんではなくて、大いに国民間に論議を起こさなければならないんではないか、このように思っております。 私はここで私の考えを述べるつもりはございませんが、やはりタブー視してはならない、このように考える次第でございまして、自衛隊におきましても、これは本当に防衛のための、国土と国民の生命、財産を守る最小限度の実力部隊であるわけでございますが、そういう自衛隊に対するもの、いわゆる外からの侵略に対する考え方と同時に、もうこういう時代になってきますと、自衛隊に対する考え方も、災害とかその他の、幅広い存在としても考えていく、また議論を交わしていく時代になってきておるんではないか、このように私は考える次第でございます。 そういう中で、きょうは通産大臣お見えでございますが、いずれ日本の政治のリードもしていただかなければならないわけでございまして、通産大臣の立場というよりも、政治家橋本龍太郎として今後の危機管理についてどのような所見をお持ちか、まずお聞かせいただきたい、このように思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、吉村委員から大変真剣な問題提起をいただきまして、こうした御質問を受けるに至りましたことを大変恥ずかしく思います。この御質問に対しては、事務方の諸君のまとめてくれましたものではなく、私自身の思いをお聞きいただきたいと思うのであります。 私が危機管理というものを最初に感じましたのは、たしか昭和四十五年であったか六年でありましたか、よど号乗っ取り事件という我が国が経験をしたことのない事態が起こり、そのとき、人質になりました乗客を救出するために当時の山村新治郎運輸政務次官が身がわりを志願するという、本当に生命を賭した対応によってその事態を回避した時点からでありました。それ以来、例えば日航一二三便の事故発生の後の対応、さらには三原山の噴火に対する対応、そして湾岸危機から湾岸戦争に至る対応、それぞれの時期に危機管理の強化が叫ばれました。その中、ほとんどのケースに、ある場合は政務次官当時、ある場合は閣僚として、ある場合はその事後処理を担当する閣僚としてそれぞれ携わってまいりました立場から、危機管理というものについて随分見直し、新たな工夫をそのたびに私は取り入れてきていたと思っております。 ところが、今回この兵庫県南部地震が発生をいたしまして、災害現地からの総理官邸への連絡体制の問題、事後における関係各機関への連携の問題、さらには交通規制その他いろいろな角度から改めてこの危機管理というものが問題となりました。こうした事態を何回か閣僚として内閣の中に身を置きながら想定し得ず、それだけの準備を整えてこなかったという点で、自分自身を含め過去の内閣の一員として恥じております。 そして、今委員からも、社会党委員長が内閣の首班であるがための自衛隊の出動おくれといった批判が世間にある、そういった御指摘もありました。そうではないことを閣内におり知り尽くしておりますだけに、さらに五千名を超える人命の犠牲という重みに村山総理が必死で耐えておられるのを目の当たりにしておりますだけに、村山総理お一人の責任ではなく、閣内にある我々が広く負うべき責任であり、同時に、過去の内閣でそれぞれの場面を担当してきたすべての者がその一半の責任を負わなければならない問題に、それがすべて総理への批判として出てきていることを、村山総理には申しわけない思いでありますし、本当に恥じております。 しかし、それなりに私は今まで準備をしてまいりました対応というものはワークしたと思います。例えば通産省を例にとりますならば、私自身は実は登校前の子供の知らせで慌てて飛び起きてテレビを見ました。その状況の中で、私も親族がおりまして、その安否を確認することをまず実は先にしたんですが、すぐに秘書官と連絡がとれ、状況の把握に走り始めました。しかし、その時点では近畿通産局は既にみずからの意思で午前八時には対策本部を設置し、情報の収集に既に努めてくれておりました。しかも、一割以上の職員が出勤できず、その行方もわからないという混乱状態の中で、私は近畿通産局の諸君はよくやってくれたと本当に手を合わせるような思いでありました。ですから、九時前には既に第一報が入り、十時の閣議の前には第二次の状況の連絡が既に届いておりました。 ただ、私が悔いておりますのは、その情報は当然のことながら消防あるいは警察といったルートから官邸には届いておるものという前提で、あえてその状況を私も実は官邸にお知らせする労を省きました。後でその連絡体制を御指摘を受け、非常につらい思いをいたしております。それだけに、この事態の中で全力を挙げて復旧、復興に努めますとともに、だれがよかった悪かったではなく、システムのどこに問題があったかということは我々は真剣にこれを分析したいと思っております。 と同時に、これは直接危機管理ではありませんけれども、やはり広義の危機管理の一つとしてよく言われます国土軸が一本であったがためのつらさという、今復旧、復興の段階に立ち至って私は痛感をいたしております。これは日本海側あるいは太平洋側に、さまざまな御議論がなされておりますが、どういうルートでありましても国土軸と言われるものがこの細長い日本列島の中に複数存在をしておりましたら、神戸というその結節点に大被害が生じましても、それが東西の物流にまで大きく影響する事態は少なくとも避けられたでありましょう。また、復旧、復興の資材搬入にもそのルートは大いに役立ったであろうと考えております。 今後、復興の段階になりまして、瓦れきの運び出しと復旧のための物資の搬入を同時に行わなければなりません。同時に、その中では市民の方々が少しずつ通常の生活を取り戻しておられる。その市民生活に影響を及ぼさないようにしようとした場合、実はこの輸送ルート、物流のルートを確保することは非常に大きな問題であります。 こうした点まで思いをいたしましたとき、やはり我々は第二、第三の国土軸というものを真剣に検討しておくべきである、用意しておくべきであると。運輸大臣経験者として、また大蔵大臣経験者として、議論をしながら着手をいたさなかったみずからを恥ずかしく思います。 以上です。
○吉村剛太郎君 大臣からは、大変謙虚に反省をされ、また広い見地からの次のステップについてのお話がございました。私も全くそのとおりでございまして、今、だれの責任とか、そういうものを追及するよりも、反省すべき点を反省し、また今後このような震災が起こったときにどうすべきかということ、前向きのことをこれから我々政治に携わる者がやはり真剣に学び、検討していかなければならないであろう、このように思う次第でございます。ありがとうございました。 そして、今大臣もおっしゃいましたように、確かに通産省の対応といいますものは大変迅速であったなと。これは報告を今いただいておるところでございますが、十七日の午前八時には近畿通産局に災害対策本部を設置されております。そして、同日午後四時には本省にも事務次官を本部長とする災害対策本部を設置されているところでございます。その他、現地対策本部との連携も強化されておられるし、そしてライフライン等でございます電気・ガスその他についての復旧に迅速に対応され、また緊急物資の確保などにも大変迅速に対応されたなと、このように私は大変評価もし、また国民の一人として感謝もするわけでございます。 そういう中で、御存じのように、震災直後は総理を頂点といたします兵庫県南部地震緊急対策本部が設置をされました。そして、その後に小里担当大臣を頂点といたします非常災害対策本部といいますものが設置をされているところでございまして、組織的には総理を頂点としておるわけですかね、ちょっとその辺が、私はその組織を迅速につくったのは大変よく評価をするんですが、この兵庫県南部地震緊急対策本部、これは災害直後にどちらかというと救援を主体とした本部であったのかなと、こう思います。そして、小里大臣を頂点とするのが現状対応と復興ということかなと、こう推測もしておるところでございますが、それに対しまして各省が横並びに入っておるのか、どういう形で入っておるのか。 そして、復興については、小里大臣から特命事項もいろいろあると思います。それから、例えば通産省であれば通産大臣からのいろいろな指示もあろうかと思います。これは指示が二本立てにもなる可能性を含めておるわけでございます。先ほどお聞きしましたら、二本立てでもその辺の調整はうまくいっているということで、今は災害復旧、あれだけの震災ですから、それぞれが、国民すべてが心を一つにし、また通産省、各官庁も心を一つにして今対応をしているわけでございますから、それはそれで大変立派なことだ、このように思っておりますが、若干組織的にはいろいろなものができて、今は問題ないからいいようなものの、これはある程度試行錯誤の中から整理をしていかなければならないのではないかな、このように思っておるところでございます。 通産省として、どなたかが代表して本部の方に出ておられる、このように思っておりますが、今はうまくいっているであろう、このように思っておりますが、その辺の、指示が二本立てになったり三本立てになったりするようなおそれはないのかどうか、そういうときの調整機能としてはどうやっておるのか、もしここで答えられるのならちょっと参考までに答えていただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から御心配をいただきましたけれども、結論から申しますならば、今非常にそれぞれの組織が有機的に機能をいたしております。 通産省の場合を例にとって申し上げますならば、まず通産省独自のものとして近畿通産局が本部を設置いたしました。これは当初は、現地の状況を把握し、同時にその被災状況に即応した救援体制、物資の必要なものをリストアップする等々の役割を果たし、これを本省の方につないでまいりました。そして、本省の次官を頂点とする本部がこれを受けまして、例えばそれぞれの工業会等に対し物資の御寄附をお願いする、手配をお願いする、そしてそれを現地に対してできるだけ近いところまで発送する、こうした役割を果たしました。その発送された物資を、今度は通産局で用意をいたしました本部が当初は現地へ次々と運び込んでいくような役割をしたわけであります。 一方、法律に基づきます対策本部は国土庁長官のもとに組織をされまして、これは防災局が事務局をし、総体の事態収拾、情報収集等の役割を果たしておりました。 しかし、それだけでは絶対に対応し切れないということから、村山総理を長とし、全閣僚を本部員とする本部を別途設置いたしました。それぞれの省庁がそれぞれの分担を決めながら役割を果たす体制をここで準備したわけであります。 ところが、その進展の中で、先端でだれかが一人閣僚として采配を振るう必要があり、同時に現地にもそのいわば現地版が必要ということから、小里国務大臣が先端の閣僚として指揮をとられることになり、例えばここには本体の国土庁長官のスタッフとして中小企業庁の次長、また資源エネルギー庁の官房審議官、全体の状況を把握し、本省内においても影響力を行使し得るポジションの人間をスタッフとして配置をいたしました。同時に、若い事務局を担う人間をそこに派遣をいたしております。そして、大きな立場からの復旧その他の指導をここで現実にいたしております。 当然ながら、それは中小企業庁あるいは資源エネルギー庁と連携をとりつつ行動しているわけでありまして、そのいわば現地への出先機関として久野国土政務次官を中心とし、通産省からは近畿通産局の通商部長をそのスタッフとして派遣をしております。現地本部をつくっております。これは、県、市の御要望等をストレートに受け付け、現地で差配できるものはその場で采配し、国ベースの話になりますものは小里大臣のもとにその要望を集約する、こういった形でありまして、今非常に円満にこれらの組織はワークいたしております。 しかしその中でも、本日予算委員会で御指摘を受けました、例えば障害を持っておられる方々のための文字放送の受信できるテレビの手配とか、県、市も気づいておられない、実は我々も気づいておりませんでした、当初お送りしました後の追加を考えておりませんでしたような物資が次々に出ております。こうしたものについては本省が直ちに対応し、その手配を完了した段階で現地本部につなぐといった対応で動いておりました。現在、この組織は非常に有効に機能しておる。 ただ、どこかの時点で、それぞれが役割を終了した段階で整理をしていく必要があるということは御指摘のとおりであると思います。
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。 それでは次に、各論に入りたいと思いますが、物価問題でございます。 いろいろと伝え聞くところによりますと、例えば乾電池二本セットが八百円、通常の約三倍、それから防水シートを屋根に敷いてもらっただけで二十万も取られたとか、そういうようなことをちょこちょこ耳にするわけでございますが、被災地の今日の物価の現状、もろもろ情報は入っていると思いますが、現状はどうなっておりますでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 被災地の物価状況でありますが、神戸市が一月二十三日から二十七日にかけて実施した食料品と日用品の調査では物価は総じて安定しているということであります。また、経済企画庁が一月二十五日に物価モニターに対して調査をしたところでありますが、被災地では一部の商品で価格の上昇が見られるとの回答が約三割あったわけでありますが、物価は全般的に安定している、もしくは従来よりも安く販売しているものもあると回答した方が合わせて七割になったわけであります。 一方で、物価一一〇番等に防水シート工事、家賃等の苦情、問い合わせが寄せられている、こういうことでありますから、さらに一層調査、監視を強めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○吉村剛太郎君 御存じのように一九七三年の石油危機の折には狂乱物価という言葉ができたほど物価が上昇したわけでございまして、それぞれ国民が買いためその値しまして大変な物価の高騰を来したわけでございます。 そういう中で、物価監視ということは当局としては当然しなければならない、このように思う次第でございますが、先般の新聞で兵庫県警が物価統制令を適用したというようなことがちょっと載っておりましたが、その辺の事実関係はどうなっておりますでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 警察の方で物価統制令を適用したということは聞いておりません。多くの選択肢の一つとしてそういうことを発動することもあり得る、こういうことを警察の方では言っているんだ、こういうふうに理解しております。
○吉村剛太郎君 現状は、そういうことで若干の悪徳商人といいますか、そういう人々の災難に乗じて高いものを売りつけるというようなことも発生しているようでございますが、総じて落ちついておるということ、これは大変すばらしいことだな、このように思っております。また、大手スーパーなどがやはり非常にモラル的にもしっかりしておりまして、ある意味では無料で多くのものを配布したとか、そういう非常に美しい面も聞いておるところでございます。 ほかの国から見ましても、暴動一つ起こらなかった、物価においても今次は安定をしておるということ、まさに一つの道義国家としての日本をある意味ではこういう危機にこそ世界に示すときではなかろうかな、このように考える次第でございます。 ただ、今回の震災で大変多くの生産拠点その他、それから高速道路、神戸港の埠頭が被害を受けておるところでございます。そういう中で、これから復興する過程の中でどうしても需給のバランスが崩れていくのではないかというおそれがあるわけでございます。それと、復興のスピードもいろいろ関連してこようか、このように思っておりますが、例えば鋼材一つとりましても、神戸製鋼はほとんど設備は壊滅状態だというようなことも聞いておるわけでございまして、ほかのメーカーがどの程度の稼働率だったか私はわかりませんが、そちらの方にシフトできるのかどうか、今後のそういう物価に対する監視及び対応についてお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、経企庁長官から全体の物価の状況についての御報告をいただきましたが、復旧の関係資材等につきましても、例えばビニールシートが一時品薄と言われ値段を心配いたしましたり、アスファルト合板が多少不足ぎみと言われたりという事態はございましたが、おかげさまで今そのバランスは非常に安定しております。また、それぞれの業界を通産省として聞き合わせ、生産状況等あるいは在庫状況等を調べましても、当面我々として心配をすべき状況にはございません。 今たまたま神戸製鋼の名前が出ましたが、神戸製鋼の工場が立ち上がりがおくれております状況の中で影響が出ておりますのはむしろ特殊鋼分野でありまして、そのための影響というものは、実はこれが余り長引きますと、日本だけではなく、そこから供給されます特殊鋼による生産を予定しておられる他の国々に波及するという意味で非常に深刻な問題を持っておりますし、同時に、ここに連なる系列の下請の方々の生活安定という意味から非常に私どもとして心配をいたしておりますが、復興、復旧のための資材供給という観点からまいりますならば、鉄鋼においても現時点において問題はありません。 ただ、それぞれの分野で共通いたしますのは、現地への輸送路がどれだけ確保できるかということであります。その供給路、復旧のための例えば瓦れきの運び出しのルートとどう調整していただくことができるか。そして、さらにその集積をいたしましたそれぞれの資材が適切に現場に搬送できるかどうか。これは供給量としては問題のない生コンあるいはセメント等を含めまして、復旧資材全体について私どもにとって非常に深刻な問題でありまして、今後はその輸送路がどれだけ確保でき供給を円滑に行えるかが現地における対応のかぎとなる、そのように事態を把握いたしております。
○吉村剛太郎君 次に、新規卒業者の内定取り消し問題ですが、私のところには二月一日現在で二十二社百二十九人の内定取り消しがあっておる、このように聞いております。それからもう数日たっておりますから、恐らく会社数もまた取り消し数も相当ふえてくるのではないか、こう推定をするわけでございます。 せっかく新しい気持ちでこれから社会に出よう、そして就職も内定した、本当に希望に満ちた若者たちがこういう一瞬の災害によって夢を砕かれるということ、これは単にその就職がなくなったというだけにとどまらず、本当にその方々の今後の人生に対するいろいろの思いといいますか、そういうものまでを考えますときに大変胸が痛む思いがするわけでございます。 できるだけほかの企業でそれを受けていただくような御指導もぜひ当局としてやっていただきたい、このように思う次第でございますが、今日のそういう内定に関する数字はどうなっておるか、そして、今この時点でどういう対応をされておるか、お聞きしたいと思います。
○説明員(井原勝介君) お答えいたします。 現在の採用内定取り消し等の状況でございますが、二月七日現在、三十六社二百六十六人の新卒者に係る採用内定の取り扱いについて現在職業安定所の方に相談がなされているという報告を受けております。相談をしながら、その内定取り消しの回避に向けて指導をしているという状況でございます。非常に深刻な事態であるというふうに受けとめております このため、内定取り消しの回避に向けた事業主指導の実施について全国に指示をしますとともに、去る二月六日には、事業主団体のトップの方々に直接労働大臣から内定取り消しの回避、さらには新たな採用につきまして要請をいたしたところでございます。各団体の皆様方からは深い御理解を賜っているところでございます。 さらに、内定取り消しを回避するために新卒者の採用後休業により雇用維持を図る事業主に対しまして、雇用調整助成金の適用を拡大する措置について法的な措置も含め精力的に検討しているところでございます。
○吉村剛太郎君 内定取り消しと同時に、企業主が死亡したり、それから倒壊して全く事業を継続できない、継続できても大きく縮小しなければならない、やむを得ず従業員を解雇しなければならないというような問題もこれから出てくるんではないかな、こんな感じも、また心配もするわけでございますが、まずその辺の情報はいかがでございましょうか。 いわゆる、内定取り消しという以外に、そういう解雇というような、やむを得ず解雇しなければならないというような事例は情報としては入ってきておりますか。
○説明員(井原勝介君) 今回の震災に伴いまして、被災地の事業の継続につきまして深刻な影響が生じているということで、解雇あるいは一時休業を行うといった事態が非常に懸念をされております。 現在、すべての情報について把握しているわけではございませんが、安定所におきましては特別相談窓口というものを設置いたしまして事業主の方々あるいは労働者の方々の相談を受けているところでございますが、二月五日までの状況でございますと、全部で一万七千件の相談を受けている状況でございます。労働者も含む数字でございますけれども、事業主の方々からの相談も多数受け付けているという状況でございまして、非常に深刻な事態になるのではないかということで懸念をいたしているところでございます。
○吉村剛太郎君 相談が来ておるということで、数字的なものはまだ何もないんですか。
○説明員(井原勝介君) 直接、解雇をするというような数字につきましては全容をまだ把握しているわけではこざいません。安定所におきまして個別に事業等につきまして調査を実施しておりますけれども、そういう個別の情報はたくさん把握をしておりますけれども、全体の状況についてはまだ全容を把握している状況には至っておりません。
○吉村剛太郎君 具体的にはまだ発生をしていないということですか。
○説明員(井原勝介君) いろんな企業を実地調査している段階では、解雇をする、あるいはこれから雇用調整をしなければいけないといったような事態にあるということはお聞きしております。
○吉村剛太郎君 まあいいでしょう。 それで、もうやむを得ず解雇ということになりますと失業保険という問題が出てくるわけですが、通常六カ月以上就業した者が失業保険受給の資格があるわけでございますが、こういう突発事故ですから、内定段階とか、また二カ月とか三カ月とか、六カ月に至っていない事例というのもたくさんあるんではないかと思いますが、そういう者に対する失業保険の方の対応ができるかどうか。 また、これは保険でございますからほかとの関連がありますが、それができないならばほかの制度か何かでカバーできるのか。先ほどもちょっと言われました雇用調整助成金あたりでやるのか、そのあたりのお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
○説明員(井原勝介君) 失業給付につきましては、災害が発生しますとともに災害救助法の適用になりました地域におきましては、一時的な解雇をされる場合、解雇の予約がある等の場合におきましても、通常は支給の対象にならないものでございますが、給付の対象にしております。さらに、激甚災害法の適用がされた段階におきまして、解雇ではなく休業する場合におきましても、休業中に賃金が支払われない場合におきましては失業給付を特例的に支給するという措置を講じております。 さらに、雇用調整助成金につきましては、解雇をしないで雇用を維持する場合に災害地域に特例的に適用するということで実施をしておりまして、雇用の維持が図られる場合には雇用調整助成金を通じて事業主に対して助成がされるという形になっております。 さらに、先ほども申し上げましたが、新卒者等につきましては、雇用維持が図られる場合におきましても、雇用保険制度の今までの制度の仕組みから申し上げれば雇用調整助成金はそのまま適用にはならないわけでございますが、法的な措置も含めて、新卒者さらに被保険者期間が六カ月に満たない離職者と申しましょうか、そういう方々に対しましても雇用調整助成金の適用拡大ができないだろうかということで今検討しているところでございます。 さらに、離職をされている方々につきましては、できるだけ職業訓練というような方法も活用いたしまして新たな就職先のあっせんに努めてまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○吉村剛太郎君 失業保険の方は無理だということですね、結論は。
○説明員(井原勝介君) 受給資格、被保険者期間六カ月というのが失業保険の受給要件になっておりますが、これを一律に外しましてすべての方々に保険金を支給するという方法につきましては、保険の仕組みからいきまして少し無理があるのではないかというふうに思っております。
○吉村剛太郎君 本当に大変な思わぬ大震災でございますから、そういうことで職を失う方々に対し本当に手厚くできる限りのことをしていかなければならない、これはまさに政治の責任であろう、このように思います。 一方では、先ほどからこういう災難に乗じて悪徳商法がまかり通るというようなこともあるわけでございまして、こういうものに乗じて故意に解雇をするというようなこと、これもいろいろ人間おりますから、あってはならないことですが、そういうことも十分に留意しなければならないんではないかなと、こういう思いがするわけでございます。 次に、多くの製造設備が全壊したり半壊したりしてもうその場所では再開ができないというような事例もたくさんあるんではないか、このように思っておりますが、いわゆる大中小を含めまして、製造業だけで結構ですが、現状はどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(牧野力君) 大企業、中堅、中小企業を含めまして詳細については現在調査をしている段階でございまして、全体的なことをまだ申し上げる段階でございませんけれども、大企業、中堅企業につきましては、先ほど大臣からお話がありましたような、ほぼ製造設備の全部をやられました神戸製鋼を初めといたしまして、鉄鋼業、それから特にスーパー、百貨店の流通、それが非常に被害が大きいというふうに聞いておりますし、それからなお、その他中堅の食品でございますとか薬品でございますとかあるいは電子部品でございますとか、かなりの被害があると聞いておりますが、今全体を掌握中でございます。 それから、中小企業については中小企業庁からお答えします。
○政府委員(安本皓信君) これまでの近畿通産局、兵庫県・神戸市事業協同組合等から入手しましたところでは、御承知のとおりケミカルシューズについては、長田区にあるというふうなこともございまして相当大きなダメージを受けております。私どもの方に入っている数字によりますと、ケミカルシューズのメーカーは大体五百社くらいあるようでございますが、全壊とか焼失が三百五十社、あるいは半壊が百社、一部被害が五十社というふうな状況。また、ゴム製品についても相当大きな、兵庫県ゴム工業協同組合の加入メーカーで全半壊が十社、一部被害が七社というふうなこと。それからまた、清酒メーカーでも相当な被害がございます。さらに、こういったメーカー、いろんな地場産業とともに、商店街、市場等につきましては、御承知のとおり長田区等を中心にいたしまして相当大きな被害がございまして、長田区におきましては、区内の商店街の六二%、それから小売市場の七六%程度が被災しているというふうに聞いております。
○吉村剛太郎君 いずれにしましても、それぞれの段階で大きな被害を受けておるわけでございます。その場所で再開できるかどうか、またいろいろと問題があろうかと思いますと同時に、他地区にこの際移ろうではないかという気持ちを持つ企業もあるのではないか、このように思います。そういう面では、これは各県そうでございますが、私は福岡県でございますが、非常に多くの遊休の工業団地なんかもございますし、それぞれの自治体は、ある意味ではこういう時期だからこそそういうところに来ていただく、また移っていただくというようなことも考えておるわけでございます。 そういう中で、そういう被害を受けた企業の立ち上がりに対するいろいろな施策、それからそういう他地区への移転の紹介、あっせんその他、また優遇措置その他お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まず、それぞれの被災されました中小企業に対し、各種の御相談を受けられるように中小企業に対する総合相談所を当初三カ所つくり、今、全市区にこれを拡大いたしました。そして、ここには税理士の方、弁護士会の方々にボランティアとして御参加をいただきまして、それぞれのケースについて非常に具体的な指導をしていただいておりまして、我々大変感謝をいたしております。 同時に、ちょうど私が兵庫県に参上しましたときお願いを申し上げましたのが、できるだけ早く立ち上がらせたい、そのためには、まさに今委員が御指摘になりましたように、工業団地等に被害の少ない場所を選んでいただきたい。そして、中小企業事業団の高度化融資事業を活用して仮設工場をつくろうじゃありませんか。ただそれも、その仮設工場でずっとそのまま続けるという方々のためにしっかりしたものもつくらなきゃいけないけれども、整地が済めば自分のもとの場所に帰りたいという方も多分あるだろう。そうすれば、数年の間使用に耐える程度のものと二通りをつくらなきゃいけないんじゃないでしょうかということをお願い申し上げ、現在具体的な適地を探していただきました。動き始めました。 ただ問題は、実はここから、中小企業といいましても工業と商業との施策を分けなければなりません。工業の場合には、多少離れておりましても関係者が合意していただけるならそこに仮工場をつくって営業していただくことは可能です。ところが商業の場合には、おのずから自分の商売のエリアがありますだけに、我々はどこに仮設店舗をつくれば、被災された方々に物資を供給する意味でも、また業として小売商業を続けていただくためにも適当な場所があるのか、これは実はわかりません。これは県、市の方に御相談をしながら、むしろ我々としては高度化融資事業を使い対応したいので、その仮設店舗の場所をどうぞお選びをいただきたいということを申し上げて、今そういう準備を進めているところであります。
○吉村剛太郎君 たまたま今通産大臣は中小企業のことをおっしゃいましたが、まさに弱い立場の中小企業、これを本当に救済していかなきゃならない、こう考えるわけでございます。 そういう中で近年、行革の一環として、特に中小企業と関係が深い国民金融公庫、中小企業金融公庫、環衛公庫、そういうものの統合問題が話題として出てきておる次第でございます。それぞれの機関といいますものはそれぞれの役割を持った機関であるわけでございます。私は、行革は当然我々が推進していかなければならない一つの大きな課題だと、このように思っておるところでございますが、たまたまこういう震災に遭遇いたしまして、特に弱い立場の中小企業をこれから救い、そして育成していかなければならないときに、行革は大変必要なことでございますが、こういう金融機関といいますもの、それなりの役割を背負っておりますし、まさにこの時期、こういう機関が役に立つ時期なんです。そういうことを思いますときに、通産大臣、行革を含めてどういうお考えをお持ちか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 既に御承知のように、内閣としては行政改革というものを一つの主要なテーマの柱として今日まで作業いたしてまいりました。そして、その行政改革と申します一言の中にはさまざまな分野があります。 例えば通産省を例にとりますならば、それこそ製造物責任法に対応する体制をつくる中で、通産省自身から、二十二ありました通産検査所を今回十一カ所に統合し、その中で対応するといったことをみずからの努力でいたしてまいりました。こうしたことも行政改革の一環として御評価をいただきたいと思います。また、規制緩和でありますとかあるいは内外価格差の是正のための努力、こうしたものもやはりその一環でありましょう。そして、そうした中で特殊法人の問題というものが昨年来論議の対象となってまいりました。 通産省といたしましては、所管する全特殊法人の業務を洗い直し、改善すべき点はないのか、業務上是正すべき点はないのか、あらゆる面を点検の対象といたしております。政策金融機関について限定して委員がお尋ねでありましたが、今回の兵庫県南部地震に籍口して特殊法人の見直しを中断することは私は許されないと思います。そして、この大きな被災に対する対応の努力と特殊法人見直しの努力をリンクさせてはいけないと思います。 そうした中で、我々としては今全力を挙げて通産省としての回答を、もう明日がその意味では内閣への意思表明の期限でありまして、その期限内に結論を出そうとして今努力をいたしておるさなかであります。ただ、現時点におきましても事務方の諸君と私の意見は完全に一つになっておる状況ではありません。そして、事務方の諸君としては事務方の諸君から見た考え方としてその議論を進めておりますし、私は政治家としての立場から議論をしております。しかし一両日中に終結しなければならないことは事実でありまして、我々は今回の災害に籍口して特殊法人の見直しを怠るつもりはない、すべてが対象であり、すべての業務を見直しているということだけ申し上げるにとどめたいと思います。
○吉村剛太郎君 だんだん時間がなくなりましたので急いで質問したいと思います。 今回の大震災、震度七を超すというようなことでございまして、実は私はほっとしましたのは、幸いあそこには原発施設がなかったということですね。今、全国に約五十ぐらいの原発施設があるわけでございますが、そこがもし直撃されたときにこれは大変なことが起きたのではないかな、こう考える次第でございます。原発施設は関東大震災の何倍もの強度を持った施設だと、このように言われておりますから、そうそうのことで被害をこうむることはなかろうとは思いますが、しかし大自然のあの威力といいますものはもう人知を超えたものであるわけでございます。そういうものに対して大丈夫なのかどうなのかということ。 それから、核燃料を輸送していますよね。これどんどん輸送しているでしょう。あれ高速道路なんか走っているときにもしああいうものに遭遇したらこれまた大変なことだし、廃棄物をとこか埋めているんでしょう、あれは。どうなんですか、これよくわからないんだけれども、そこを直撃したときどうなるか。 それから、活断層が全国を走っておりますから、その辺にその設備があればこれまたよく考えなくちゃいけない問題だし、まだいっぱい質問したいことあるんですけれども、時間がありませんので、ちょっとそこだけを答弁を願いたいと思います。
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。 我が国は世界でも有数の地震国であることは御承知のとおりで、御指摘のとおりでございます。その点にかんがみまして、原子力発電所並びに関連する施設につきましては、耐震性ということについては格段の努力を重ねてきているところであります。 以下、ポイントについて御紹介をさせていただきたいと思います。 今回の地震は、委員がお触れになりましたように活断層の活動によるものでございますけれども、原子力発電所の地点選定に当たりましては、活断層の存在などを詳細に調査いたしまして、活動性の高い活断層を立地地点として選ぶことは回避いたしております。また、すべての重要な建物、構築物を強固な岩盤に直接固定するということにいたしておるところであります。さらに、調査をいたしました敷地周辺の活断層、過去に起こりました地震などを考慮いたしまして、直下地震を含めて考えられる最大の地震を考慮した上で、これに耐えられるような耐震設計を実施いたしております。 これらに加えまして、建築基準法の三倍の耐震性の確保、大型コンピューターによる地震時の揺れ方の高精度解析などに基づく十分な裕度を持った安全性の確認をいたしておるところであります。発電所に設置をいたしました地震検知器が震度五程度以上の揺れを感知いたしましたら原子炉を安全に自動停止させる仕組みを築いております。こういった設計、運転上の対策を実施しているところであります。さらに、重要な機器等につきましては、実際に大型の振動台で設計上考慮した地震動よりもより大きな力で揺らせまして、その安全性を実証いたしておるところでございます。 このように、原子力発電所は高い耐震設計レベルを有しておりまして、今回の地震におきましても、また最近起きておりますいろいろな地震におきましても、現実の影響は全く生じていないところであります。したがいまして、私ども耐震上の安全性について問題はないものという認識をいたしておるところでございます。 しかしながら、現在の安全に慢心することなく、常に安全確保に最大限努力していくことが必要であると思います。 当省といたしましても、各方面で今回の地震に係る調査などが進められておりますこと、また原子力安全委員会が今回の地震を踏まえた検討会を設置して耐震設計に関する指針の妥当性について確認をすることとされておりますことなどを踏まえまして、こうした調査、検討を注視してまいりますとともに、当省に設置をされております原子力発電技術顧問の専門的な意見を聴取いたしまして、今回の地震により得られる知見から原子力発電所の安全性につき参考とすべき視点が存在しないか確認を行うなど、引き続き原子力発電所の安全確保に万全を尽くしてまいりたいというように思っておるところであります。 なお、お触れになりました原子力発電所に関連する諸施設あるいは輸送などの問題につきましても、考え方としては全く同様で、耐震性について十分な検討を加えておるところでありますし、今後いろいろな論議を参考にしてまいりますこともただいま申し述べたところでございます。
○吉村剛太郎君 まだまだ原発についてはいろいろお聞きしたいんですが、もう時間がありませんので終わらせていただきます。 きょうはせっかく高村長官もお見えでございます。風邪を召されて若干体調が悪いということもお聞きしておりますが、どうぞお大事にと、このように思います。 先般の本会議での所信表明で、実質経済成長率は九四年度が一・七%、九五年度が二・八%ということをお触れになりました。ただ、こういう思わぬ災害に遭いまして大変経済的な打撃も受けたであろう、このように思います。また一方では、復興段階で復興需要といいますものも発生するのではないか。これはマイナスもあればプラス面もあるのではないか、このように思っておりますが、当面この一年間、このような災害を受けまして、当初見込んでおられます二・八%、これが果たして達成可能かといえば、達成可能だから発表になったんだと思いますが、その辺の見通しについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(高村正彦君) このたびの地震の影響というのはやはり確かに非常に大きいんだろうと思います。生産、物流に対して当面マイナスに働くことは必至であります。 それと同時に、先生御指摘のようにだんだん復興需要が出てまいります。既にもう復旧の努力が速やかに始まっておりますし、これから本格的復興努力をしなければならない。そして、それに対しては日本経済全体の大きさから見れば十分こたえていくことができる。そういう状況の中で、この二・八%がこの地震によって直ちに不可能になった、こういうことは考えておりません。
○吉村剛太郎君 もう時間が参りましたので、これで質問は終わらせていただき、また別の機会でいろいろなことをお尋ねしたい、このように思っております。 いずれにしましても、やっと回復の兆しを見せております日本経済、そのつかさに立っておられます両大臣にはぜひとも手腕を振るっていただきたい、このようにお願いをいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○前畑幸子君 ただいま吉村議員が大震災に関してお聞きになりまして、大臣からも大変前向きなお答えをいただいてほっといたしております。 私も、去る四日の土曜日の午後ですけれども、建築業者を一人連れまして自分で歩いてまいりました。新大阪からJRで芦屋まで行きまして、そこでストップでございますので、その後ずっと歩かせていただきました。約三時間四十分ぐらい歩いたわけですけれども、国道四十三号線なども住吉のずっと向こうの方まで歩きました。テレビで見ているよりも現実を見て、音とほこりと、そしていろいろな歩いている人たちの姿、そういう姿を見て、本当に大変なことだということを自分の肌でもって感じることになったわけでございます。 対応がどうだとかいうことは、二度と来てはいけないんですけれども、次の機会には二度とこういうことのないように、今後きちっとシステムづくりに取り組んでいただきたいと思います。今後の方針として、とにかく一日も早くもとの生活に近い状況に戻れるように政府としては対応していただきたい。子供の姿やらお年寄りの姿を見るときに、本当に私どもがこうしているのがつらいような思いがいたしました。 私は、全般的なことよりも、中小企業というものに限って少し細かい面を、大臣の御意見をお聞きしていきたいと思います。 まず、先ほどからも御発言がありましたように、再建へ向かってのいろいろな手厚い支援体制というものはできつつあります。しかし、中小企業といいましても、中小企業事業団の診断が必要であったり、それから組合を組織しなきゃいけないとか事業計画をつくることが前提であるとか、いろいろ手続等の面で条件が厳しい面もございますので、そうしたことをこの際は極力緩和していただいて、一日も早く対応していただきたいなと思っております。 無利子貸付制度の中小企業高度化資金などというものも随分ございますけれども、そこまでにいかない中小企業者がたくさん被災していると思います。これを機会にもう廃業にしようという考えを持っていられる方もあるでしょうし、余りたくさんの借入金を抱えてこれから先何年頑張れるかという年齢的なものもあるでしょうし、はかり知れない先行き不透明を抱えていると思うんですね。 先ほどからいろいろなお話の中で少しずつつかめてはきておりますけれども、例えば一つずつ細かいことからお聞きしていきますと、銀行に借入金がまだ残っている、しかし設備も在庫もゼロになってしまった、これからもう一度その設備にかけるには一千万では到底できないというような業種の場合、自分の年齢が六十近くなっていた場合にこれから先十年でそれがもとに戻れるかという先行きを見ますと、これを機会に廃業して、そしてお勤めをするなり、何か自分のこれからの生活のめどを立てたいという方もございます。それから、これだけ町が再建に向かって、しばらくの間どういう状況になるかはかり知れない中で、商工業を営んでも、それだけの商いができていくのかという商売もございます。 ですから、いろいろな立場立場で一つずつきめ細かく対応していかなきゃいけないと思いますけれども、とにかく三%という中小企業に対する貸付金利、数年の据置期間はあるというふうに聞いておりますけれども、実際はどのくらいの規模で、貸付金額幾らで、据え置き幾らというような概略というものはもうできてきているんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員の御指摘の中で、一つ私から申し上げておきたいと思いますのは、仮工場、仮店舗、これは組合を必要といたしません。どなたでも使っていただきたいと私どもは願っております。 また、委員から細部にわたりまして御指摘がございましたので、専門的には政府委員からきちんとした数字的な御説明をさせたいと思っておりますが、私どもとしては、政府系の中小金融三機関に対しては、十八日の時点で既に既往貸付分の返済猶予の弾力的な措置を指示する、また小規模企業共済の傷病災害時貸し付けの適用を動かしまして、十九日には復旧高度化事業の受け付けを開始するといった手順は踏んでまいりました。 しかし、委員が御指摘のように、なお細かい点についてさまざまな御要望を県、市を通じてちょうだいいたしております。そうしたことにつきましても今関係当局と鋭意論点を整理いたし、できるだけ早くお答えを返したいと思っております。 政府委員の補足をお許しいただきます。
○政府委員(安本皓信君) 被災中小企業の皆様に対する支援といたしましては、中小企業者の方々あるいは県、市等から激甚法によります金利三%を下回る低利融資について強い御希望があるわけでございます。 目下のところ、激甚法の規定との関係でありますとか他の災害における措置とか、そういったものとの関係あるいは公平性等を考えながら、これについて早急に結論を得るべく真剣かつ総合的に検討をしているところでございます。 また、高度化につきましても、大臣に先ほどから御答弁いただいておりますように、貸し店舗でありますとか貸し工場というふうなものについて現在検討しておるところでございますし、例えば貸し工場の場合であれば、組合等をつくらなくてもそれに入れるというふうな、通常の高度化とは簡素化した手続で入れるような措置を、今後また検討することではありますけれども、そういう措置は講じていきたいというふうに考えております。
○前畑幸子君 二月七日の新聞によりますと、復興特別立法が大体固まったということで、この中には中小企業向け融資の最低金利、現行年三%を年二%に引き下げるということも書いてございますが、その辺はまだ大蔵省との詰めがきちっとされていないというようなことも書いてございます。通産省は激甚災害法の指定で中小企業への貸付金利の引き下げを検討しているけれども、大蔵省は苦しいというようなことが書いてございます。 それからもう一つ、一月二十五日の中小企業に対する対策の中では、中小企業支援策としましては、中小企業金融公庫が四・四五、国民金融公庫が四・九、商工組合中央金庫が、これは同じということですから、率としてはそのぐらいですね。それで、中小企業高度化資金に関しては九割は無利子ということです。それから、小規模企業共済は、これは加入者が対象でございますけれども、五%ということなんですね。この辺の金利はいかがなものでしょうか。
○政府委員(安本皓信君) まず、中小公庫、国民公庫それから商工組合中央金庫の激甚災害指定の場合の金利でございますが、これはいずれも四・四五でやっております。特別被災者につきましては三%ということで行っております。それから、高度化融資につきましては、これは九〇%無利子ということでやっております。
○前畑幸子君 四・四五とか五%ではどこでも借りられるわけでございまして、半分被災したと言われても、はっきり言いまして在庫は全部、洋服は水浸しとか、ほとんど商品にならないような状態だろうと思います。私もクリーニング屋ものぞいてきましたけれども、もうみんなだめですし、そういう状況を一つずつ考えますと、やはり四・四五とか五%というものでは私は対応できないと思いますので、ぜひ大臣の御努力をお願い申し上げたいと思います。 それからもう一つ、先ほどもちょっとお話がございましたけれども、関連倒産ですね。初の震災倒産ということで、これは東京の業者のことが二、三日前の新聞に載りました。これは、大体業種自体が売り上げ減少傾向で大変資金繰りもお困りになっていたようで、そこへ社長様が兵庫県に出張中にお亡くなりになったということで、そのことで倒産に至るということのようでございますけれども、現実にそろそろこれから出てくると思います。 一月十七日でございますので、一月二十日、二十五日、三十日、二月という手形を、被災地の業者から他県の業者がいただいている手形があります。今はほとんどどこの業界もかなり苦しいわけですので、三カ月から半年という手形を受け取っているわけでございます。これは九日の新聞にも載っておりますけれども、一月の未決済が二十二億円ということのようでございます。その決済がおくれていけば関連倒産というものが、今ただでさえ不況の中で余力がございませんので、私も愛知県でございますが、取り引きしている業者もございます。今、棚上げ状態になっているわけですけれども、少ない金額のうちはいいんですけれども、それが何枚も何枚も重なってきたときにはやりくりができません。それで、自分の地元の商工中金なり銀行に今申し出ておるわけでございますけれども、被災者だけではなくて、関連したそういう取引先の企業に対する対策というものは大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日決定をいたしました政府系金融機関、中小企業金融機関における融資制度におきましても、今回の災害というものを非常に深刻に受けとめた対応をいたしたわけであります。 従来、例えば指定をいたしますにも市町村単位で行っておりましたものを、今回、大阪府及び兵庫県という府県単位で地域指定をまず行いますと同時に、被災地域内の事業者と一定以上取引があってその影響を受けられる方々も含めて、広範な中小企業者を対象として私どもは今回の特例措置を講じました。 ですから、例えば神戸の市内の業者の方々とのお取引があり、その結果、例えば製品が届かない、あるいは手形が決済できない、さまざまなケースが想定されるわけでありますが、一定以上の取引があればこうした方々も特例措置の対象といたしております。 また、先ほど金利についての率直な御意見をいただきましたが、兵庫県あるいは神戸市等からも御意見をいただいております。そして、新聞記事で大蔵省が難色と言われましたが、多少それは私は事実に相違するように思いますけれども、これは大蔵省及び自治省を含めまして一体どういう形のものが一番望ましいのか、結果としてきちんとしたものをつくるためにも、例えばどういう仕組みが望ましいかということは、実は雲仙・普賢岳災害等の体験からいきましても相当周到な準備が必要であります。 私、たまたまあのときも大蔵大臣だったんですけれども、実はやはり途中で当初考えた仕組みを是正する場面もございました。それだけに、そういった意味で自治省、大蔵省そして通産省も真剣な議論をいたしておるわけでありまして、これは大蔵省が難色を示したという新聞記事は多少私は誤解だと思います。 いずれにしても、そう長くない間にその結論は出し、関係者にお知らせを申し上げ、御利用いただける体制をつくるつもりで努力をいたしております。
○前畑幸子君 難色を示していると新聞に書いてありましたので申し上げたので、それは努力していただいていると思います。 この新聞のデータによりますと、神戸の手形交換所で一月中に決済できなかった手形は二千五百三十九枚ということだそうですけれども、このうち阪神大震災の影響で未決済になっているのは二千二百九十七枚ということで、大半がそういうことのようです。 これに対する対応としては、兵庫県が地元の金融機関にその決済の猶予を求める要望書を出されたということでございますが、ここに書いてあるのでいきますと、要するに手形決済を六カ月間凍結する、それから決済資金の無利子融資をするということのようですけれども、六カ月間の凍結だけで落ちついてくればいいんですけれども、私は大変心配をしているわけです。 六カ月間凍結していただくということは、大体六カ月先までの落ちる手形を発行されているということでそういう時期的なものになったんだろうと思いますけれども、大体中小零細企業というところは、何十万、百万以下の手形を何枚も出し、あちらこちらがそれを受け取り、また今不況の中でほとんどが手形を割り引きましてもう現実に使ってしまっているのが中小企業の現状なんですね。 ですから、はっきり言いまして早く政府の対応をしていただかないと、この未決済手形の問題というものが二次的な災害として中小企業を大変大きく圧迫してくるのではないかなと思いますので、その辺、通産大臣も中小企業の立場からも一生懸命御努力をいただきたいものだと思います。 負債総額というのが、一月の倒産件数というのは四十件と書いてございますけれども、これはこういうものを押さえてあっての四十件ではないかなと私は思うわけで、やはりこうしたことが一時的に関連企業への倒産に結びつき、またそれがひいては、金融機関の不良債権がどんどんふえていくと思いますので、被災地だけの問題ではなく、被災地と関連した企業へのそうした対応も取り組んでいただくことを強く御要望したいと思います。 それからもう一つ、被災者の経済的な面だけではなくて、ここ一日、二日前には新聞にも書いてございましたけれども、災害減免法、これはやはり特別法の制定を早くしていただいて、一月十七日に地震に遭ったわけですけれども、要するに九四年度の所得からそうした被災額を引いていただくということに決まりつつあると思いますが、これは間違いありませんね。
○説明員(福田進君) 今回の兵庫県の南部地震による被災納税者の方々に対する税関係の対応といたしましては、まず喫緊の対応といたしまして、平成六年分の所得税の確定申告の時期が近づいていることを踏まえまして、国税庁におきまして、去る一月二十五日、今回の災害により多大な被害を受けられました神戸市を初め十八市町の納税者の方々につきまして、申告、納付等の期限の延長の措置を講じたところでございます。 次なる対応といたしまして、今回の地震による損害に対しましては、今回の震災の甚大な被害は大変広範な地域にわたっております。かつまた、同時、大量、集中的に発生したものでございます。また、社会インフラの被害も大きいことから、個々の納税者がこうむられました損害に係る所得税上の配慮はできるだけ早い段階で行うことが要請されております。 また、暦年課税でございます所得税制度におきましては、平成七年に発生した被害を平成六年分の所得税に反映させることはできませんが、今回の被害は暦年の終了による平成六年分の所得税の確定後、申告、納税が行われるまでの極めて特殊な時期に発生したこと等々の事情を踏まえまして、緊急を要します所得税の臨時異例の対応といたしまして、今回の震災による被害につきましては、今前畑先生御指摘のように、六年分の所得税に対し雑損控除と災害減免法による所得税の減免の選択を前倒しして適用できることとして、また災害減免法の所得要件につきましてもその引き上げを行うこととしております。 なお、付言させていただきますと、こうした措置は、これから六年分の所得を申告していただくことになりますいわゆる事業所得者等の方々だけではなくて、既に昨年末に年末調整を終了しておられます給与所得者、いわゆるサラリーマンの方々においても確定申告を通じて適用できるものとしております。 さらに、個人の事業者につきましては、店舗併用の住宅の場合などにかんがみまして、店舗等のいわゆる事業用の資産につきましても、損害が生じましたときにはその損害額を平成六年分の事業所得等の金額の計算上必要経費に算入することができることとしております。 なお、これらの措置につきましては法的な手当てが必要であることをあえて付言させていただきます。
○前畑幸子君 今おっしゃいましたサラリーマンに対する還付ですけれども、これはいっときも早く還付して、手元にお金を受け取りたいということだと思いますので、早く対応していただきたいと思います。 還付申告というのはあくまで税務署でするわけですけれども、今回に限っては税務署もかなり大変だと思うんですね。ですから、区役所もそれから県も大変だろうと思いますので、企業で対応するということはできないんですか、確定申告に。要するに、還付請求のあり方ですけれども、サラリーマンに関してだけですけれども。
○説明員(福田進君) 前畑先生の御質問の御趣旨、私解釈させていただきますと、被害の認定を企業にゆだねることになろうかと思います。逆に言うと、企業が被害の認定を行わなければならないというふうなことになりかねないと思いますので、せっかくの御提案でございますが、個々の企業について、その後の仮に認定誤りだったときにどうするか、そういった課税上の責務を個々の企業に負わせることについてはいかがかなと考えております。 もちろん、先生御指摘のように、税務署につきましても相当な被害を受けたところもございますが、今立ち直り、復旧しつつあります。執務に支障がないように万全の体制を整えて、かつ被災者はさっき私が申し上げましたように多数の方に上るわけでございまして、当然還付も多数になろうかと思いますが、税務署における認定の手続を簡便化する等、できるだけスムーズな執行に努めるべく国税庁においても努力しているものと了知しております。
○前畑幸子君 ちょっと私の説明不足でしたのでもう一度尋ねさせていただきますけれども、給与とか年金の源泉徴収の方たちに関してだけは、今おっしゃった被害の状況は、企業でするんではなくて、これはあくまで被害損失届けというか、証明が出るわけですよね。それを持って税務署へ行くわけですよね、源泉徴収票とそれから被害額を。その被害額の算定というものは、これはどこでするんですか、あくまで役所、市役所でするんだと思いますけれども、出すと思いますけれども、それを持っていって税務署でするということが大変な作業じゃないかと。二カ月間とは限らないわけですから、これはおくれてもいいわけですからいいと思いますけれども、やはり手元に早く現金が欲しいだろうということを考えますと、会社で源泉の還付を手続上できないものかと思ったんです。被災額というものはあくまで役所が算定した被災証明を持っていくわけですから、と思ったんですけれども。
○説明員(福田進君) 雑損控除の特例の適用に当たりまして、納税者の方は、これこれの損が生じたと、所得はこれだけだからその所得から控除してこれだけの分を税の還付をしてくださいと、こういう申請をしていただくわけでございます。還付の金額はどこどこへ支払ってください、振り込んでくださいと、こういう手続になるわけでございますので、それを先生がおっしゃっているように、源泉徴収で還付云々ということは、それをもう一度税務署の方から企業に通知をして、企業からさらにそれを還付させる、こういうことでございますでしょうか。
○前畑幸子君 企業で還付申請を受け付けるという言い方が私が間違っていたのかもしれませんね。要するに、税務署に行かなくても還付請求のあり方というものはもっと簡素化できるのではないかなということを思ったんです。 その申請の記載事項となっているような被害の損失額等の算定というものはきちっと短時間の中で査定するということはなかなか難しいでしょうから、全壊しておればこれは簡単でしょうけれども、被害の状況等の記入もある程度の自己申告で済むような簡単な方法で対応していただきたいなという気がいたしております。 それともう一つ、減免措置に対しまして、所得六百万円以下という限界がございますね。これも五十二年ですか、以来ずっと上がっていないと思うんですね。今回、どの程度上がってきますか。
○説明員(福田進君) 二つお答えいたします。 くどいようですが、先ほどの災害によりまして被害を受けられました住宅または家財等の資産の損害額の計算につきましては、被害があったときの時価をもととして個々に損害額を計算することとされております。ただ、大きな災害等がございました際には、国税局におきまして簡易な方法により損害額を計算してもよいとしている例もございます。 今回の地震に際しましては、被害を受けられました資産について一々個々に計算することが困難な場合が多いと考えられますことから、大阪国税局におきまして、専ら納税者の便宜を考慮して、簡易な方法により損害額が計算できるように取り扱うべく今準備をしているというふうに認識しております。 それから、災害減免法のいわゆる所得の限度額でございますが、先生御指摘のように、昭和五十九年に改正したままでございまして、今回、先ほども申し上げましたように、この所得要件につきまして、この間の所得の伸びを考慮いたしまして、現状は所得金額が四百五十万から六百万は四分の一、四百五十万から三百万までは二分の一、そして三百万未満につきましては全額の免除でございますけれども、このおのおのの金額につきまして、六百万につきましては一千万、三百万につきましては五百万、四百五十万につきましては七百五十万ということで、それぞれ引き上げることとしております。
○前畑幸子君 ありがとうございます。 それからもう一つ、所得税の損失の繰り越しについてですけれども、壊滅的な資産の損失を三年で償却ということはなかなか難しいだろうと思うんですね。ですから、せめて七年ぐらいに延長するというような要望も出ておりますけれども、その辺についてはどのようにお考えですか。
○説明員(福田進君) 先ほど御説明いたしましたように、これにつきましては申告で還付するということでございます。そして、還付し切れない場合には繰り越すということでございます。 被害を受けられた方々の被害の額、いわゆる損失の額、それがどれぐらいなのか、その方の収入がどれぐらいなのか、所得がどれぐらいになるか、税額はどれぐらいになるか、ここら辺の比較の問題であろうかと思います。 今、私ども実情について詳細を把握中でございますが、その辺を含めて考えるということでございまして、一般的に考えまして、三年間の繰り越し、当年分を入れますと四年になるわけでございますが、それで本当に不十分なのかどうか、慎重に検討したいと考えております。
○前畑幸子君 土地の譲渡のことですけれども、譲渡とか相続についての土地の税制というものをどのようにお考えになっていますか。 例えば昨年の十月時点で相続が発生した場合、そのときの路線価と今申告する時点とのかなりの隔たりが出てくると思うんです。それから、申告期限というものも多少考えていただいているでしょうか。
○説明員(福田進君) 先ほども御説明申し上げましたとおり、緊急かつ当面の対応といたしまして、確定申告を控えての所得税の緊急対応を決定させていただきました。 御指摘の問題など、いわゆる所得税以外の税におきます配慮等につきましては、被災地域の復旧に関する税制上の措置について、今回の災害の実情をまず十分把握した上で、他の施策との関係にも留意しつつ、今後総合的に検討させていただきたいと考えておりますので、個々のものにつきましての御説明はこの場では差し控えさせていただきたいと思います。
○前畑幸子君 ありがとうございます。 経済企画庁長官にちょっと先ほどの吉村先生の続きでお聞きしたいんですが、昨年九月、景気回復宣言をされまして、年末を楽しみにしていたんですけれども、どうも私ども中小企業を見ております者にしましてはなかなか実感が感じられないのが現在なんです。設備投資にも下げどまりが来たとか、それから消費にも緩やかなる回復基調が始まっているというふうにマクロ的には見られているようでございますけれども、なかなか景況感というものは感じられなくて、むしろ在庫調整など大企業との格差が大きくなってきているというような気がいたします。 大企業はリストラとか海外からの調達とか、いろいろなことをされた中で収益を少しでも出すように努力できるだけの余裕があるんですけれども、中小企業はその波をもろにかぶりまして、受注額もいいときの九〇年の半分ぐらいになってしまっておりますし、だんだんと格差が広がっていっているような気がしてなりませんが、今現在どのようにとらえられているでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 経済企画庁が月例経済報告で出す判断はあくまでマクロ的なものであるということを御理解いただきたいと思うんです。 確かに、中小企業の動向については先生が御指摘なさるようなことがあるわけでありまして、その業況判断を見ますと、全体として改善の方向にあるとはいえ、悪化したとする企業が好転したとする企業を依然上回っているわけであります。特に、中小企業の非製造業で足踏みが見られるということも事実であります。そういったこともきっちり踏まえながら、動向について今後とも特に注視していく必要がある、こういうふうに考えております。
○前畑幸子君 中小企業庁がまとめられた、これ一月十六日の新聞によりますと、「九四年度の設備投資 四年連続の減少に」ということで、特に、中小商業の設備投資は前年度比七・八%、サービス業でも六・八%、ともに四年連続で前年度実績をほとんど下回っているということなんですね。特に、中小企業の商業、サービス業の投資意欲というものはほとんどないに近いと言ってもいいぐらいで、店舗の改装、そうしたものはほとんど今なされていないという状況でございます。そしてまた、衣類とか身の回り品というものは価格破壊という、喜んでいいのかどうなのかわかりませんけれども、大変安いもので辛抱されるという状況が出てきております。 現状、新聞にもきのうかおととい出たと思いますけれども、全国展開しております靴のマルトミというところなどは、九五年度は全国に百二十店舗あったのを半分以下の大体五十店舗に縮小するということなんですね。この企業の今までの経営の仕方というものもありますから一概には言えませんけれども、衣料に関する大手のメーカーもどんどんと縮小の方向にあります。 そういう中で、先ほどおっしゃったように、今回の大震災がマイナス面とプラス面とを抱えて、二・八という成長率を見込んでいらっしゃいますけれども、私はかなり難しい、むしろそこまで行けるのかなというような気がしてなりません。 建築業におきましても、これで関西の方にかなりの人口が行かなきゃならないということで、人口不足も出てきます。それから、私は岐阜でくみ取りとかごみ収集の企業を見ておりますけれども、そこも大阪の方へ三割近い人数を派遣している状況の中で、人数が足らないということで企業の収益にも響いてくるという状況が出てきておりますので、私はなかなか難しい状況じゃないかと思いますが、最後に、今後の方向としてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(高村正彦君) 先ほどお答えしましたように、震災の影響は当面マイナスであることは明らかでありますが、本格的復興努力にこたえていく過程の中で、だんだんそのマイナスを補っていくだろうと考えております。 それから、先生御指摘の価格破壊、喜んでいいのか悲しんでいいのかわからないという、それは人それぞれなんだろうと思います。例えば企業にとってみますれば名目の売上高が減ると企業マインドが悪くなって設備投資等もどうかなと、こういうようなことがあるわけでありますが、一方では、家計にとっては実質所得がふえるわけでありますから、そういった面から全体の消費がだんだんふえていくということも考えられるので、それぞれプラスとマイナスが考えられると。そういう中で、決して私はその二・八%という数字が不可能になったというふうには考えておりません。
○前畑幸子君 九四年度の実績はマイナス幅が縮小しておりますけれども、三年連続のマイナスということは避けられないわけでして、今後景気拡大面では、設備投資などに伴う借入金が大幅に今棚上げ状況になっている企業もかなりございますので、そんなに甘いものではない、収益の低迷というのは中小企業では私はまだ一、二年脱し切れないのではないかな、そう思っております。設備投資が大きかっただけにその負担が大きいということですね。 大変厳しいことばかり言っていても仕方がないんですけれども、愛知の場合は五十二年以来十七年間にわたって工業出荷高が全国一ということで頑張ってきたわけでございますけれども、今産業の空洞化が豊田市を中心に大変進んでおりまして、下請は九〇年の最高のときの平均四割ぐらいの外注高でございますので、大変厳しい空洞化を何とか防止しなければいけないなと思っているわけです。 そこで、今国会に提出されます中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法なども出てきますので、今後頑張ってその法案も一生懸命勉強してみたいと思っておりますので、これからも一層の御指導をいただきたいと思います。 ありがとうございました。
○牛嶋正君 初めに、このたびの兵庫県南部地震で亡くなられました多くの人々にお悔やみを心から申し上げ、あわせて今なお不自由な避難生活を送っておられる方々にお見舞いを申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。 今、前畑さんのお話にもありましたが、私も昨年九月発表されました月例経済報告書をその後ずっと見させていただいておりますけれども、結論部分はほとんどかわりばえがしないわけでございます。個人消費の緩やかな回復傾向と住宅建設及び公共事業の順調な伸びによって我が国経済は緩やかながら回復基調をたどっている、しかし民間企業の設備投資がなお低迷しており、本格的な景気回復が始まったとは言い切れない状況にある、こういった表現ではなかったかと思います。 確かに、総需要の構成比からいいますと、民間企業の設備投資の動向というのは非常に景気に影響を与えます。個人消費需要が約六〇%に対して民間の設備投資は約二〇%ですから、私は総需要を考える場合にかなり重要なファクターである、こんなふうに思っております。 さらに、設備投資は我が国経済の成長力のポテンシャルも決めていくわけでございまして、今後の我が国の経済運営を考えていく場合に、この設備投資というファクターは注目しておかなければならないファクターではないかと思います。そういう意味で、きょうは民間企業の設備投資を取り上げさせていただきまして、現在進行しております産業の空洞化との関係、さらに今回の阪神大震災との関係について若干質問をさせていただきたい、こんなふうに思います。 従来の景気循環というものを見てまいりますと、企業が設備投資を決定してからその設備が稼働して生産物の供給が始まるまでに一定の懐妊期間がございます。実はこの懐妊期間が景気上昇期では過剰投資を生み出すんですね。これはバブルのときにその現象が如実に出たと思います。そして、いずれは景気の転換期を迎えて、そして景気後退期に入っていく。景気後退期に入りますと、この過剰投資が順調に調整されまして、個人消費の回復を待ちながら再び設備投資が始まる。 こういったのが従来の景気循環であったかと思いますけれども、今回の景気後退期では、もう既に四年連続で設備投資がマイナスになっているわけですね。これは景気循環のパターンが大きく変わったのか、あるいは先ほど前畑さんもおっしゃっておられましたように、バブルのときの過剰投資が余りにも大きかったために今なお調整期間であるのか、この解釈が非常に難しいと思うのであります。 〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕 通産省は、この設備投資の低迷がずっと続いているわけですけれども、その原因についてどんなふうにお考えになっているのか、まずそこからお聞きしてまいりたいと思います。
○政府委員(牧野力君) 設備投資の低迷につきましての御指摘でございますが、まさにそのとおりだろうと思います。 若干、原因の説明の前でございますが、私どもが昨年の十月時点で行った調査によりますと、六年度の設備投資計画は、製造業で対前年度比〇・七%の減、非製造業では四・一%の増でございますが、全産業で二・四%の増という計画になっているところでございます。政府のほかの機関、民間機関のいろいろな調査もございますが、私どものこの調査を見ますと、設備投資は一部で下げどまりの動きがうかがえるという面もございますが、今申し上げましたように、製造業は減でございますし、製造業におきましても半導体製造装置等の電子機器の一部に非常に伸びているのもございますが、総じて低迷をしているわけでございます。 そこで、今先生の御質問の設備投資の低迷の要因でございますが、一つは、今御指摘がございましたように、企業の設備の過剰感、これが依然払拭をされていないということで、現在稼働率が非常に下がっておりますので、恐らく七五%ぐらいだと思いますが、多少の需要増には稼働率を上げるということで対応しようという面が非常に強いということと、累次いろいろ御指摘がありましたような調達や生産のいわゆる海外シフト、これが非常に進んでいる。 例えば九三年度でございますけれども、製造業だけとりますと、国内の設備投資が非常に減っておりますが、反面、海外投資が一〇%増。九四年におきましても大体その傾向を助長するような動きがございますが、要するに海外シフトがあるということ。それから、最終需要の動向についてやや不透明であって、設備投資を行うに当たってためらいが非常にある、こういったことが原因だと考えております。
○牛嶋正君 先ほど申しましたように、設備投資というのは需要面でも重要な意味を持っておりますけれども、これからの日本の経済がどういうふうに安定成長をたどっていくかという、それを考える場合は、むしろ成長力のポテンシャルを与えていくような、そういう意味での設備投資を考えていかなきゃいけないと私は思うんですね。 ですから、今のように低迷が続きますと二・八%の成長率はとんでもないことでありまして、私は二%もかなり難しいのではないかというふうに思っております。そして、もし二%というふうな成長率になりますと、日本の経済というのは大変なことになるわけでありまして、企業なんかは将来に対してそれほど大きな期待を持てないというふうな、非常に停滞した状況をつくり出してしまうのではないかと思います。 そういう意味では、設備投資の動向というのは私は真剣に考えなければならないというふうに思っておりますが、今原因を聞いたわけですけれども、これから設備投資はどのように推移していくというふうにお考えなのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(牧野力君) 設備投資が今後の日本の経済成長を確保していくために非常に大事であるという御指摘はそのとおりであろうかと思います。 先ほど申し上げましたように、ただ、生産が回復いたしましても企業の設備過剰感が依然として根強い、稼働率の引き上げで当面対応というようなこととか、円高の進展等によりまして海外シフトが一層進展する、最終需要の本格的な回復には相当程度の時間を要するだろうということが懸念をされますので、こういったことを考慮いたしますと、今後設備投資が本格的な回復過程に入るにはなお相当程度の時間を要するものと考えております。 ただ、おっしゃいましたように、これではやはりなかなか問題があるわけで、私どもといたしましては、いろいろな対策を講じてこれを引っ張り上げるようなことをしていかなきゃいかぬのではないか。適切かつ機動的なマクロ経済の運営を行うことは当然でございますけれども、例えば先般策定をされました新公共投資基本計画に盛り込まれました社会資本の前倒しの整備でありますとか、民間企業における社会資本整備的な設備投資をいろいろ支援する。 それから、ミクロ対策といたしましては、規制緩和推進五カ年計画をできるだけ充実したものにしてこれを実行していく、あるいは内外価格差の是正を図っていくといったようなこと。あるいは新事業の支援、既存産業の合理化、新分野の展開による産業構造の新しい展開を図っていくといったようなこと。 当然のことながら、そういったことを行うに当たっての、例えば資金調達環境をいろいろ整備していただくといったような対策をやはり総合的に講じていくことによって、何とか早く設備投資が本格化することを私どもは期待をし、努力を傾注いたしたい、かように考えております。
○牛嶋正君 今、総合的とおっしゃいましたけれども、私一つの提案をさせていただきたいと思うんですが、例えば第二東名を建設するという場合に、今の第一の東名よりも高規格のものをつくっていく。今、制限速度が八十キロというふうに設定されておりますけれども、例えば百四十キロぐらいまで出せるような高速道路を高規格でつくる。そうしますと、今度は自動車生産がそれに合った新しい技術を開発していかなきゃいけないわけですね。そういう形でやっぱり全体的に公共投資も含めて新しい技術の開発、それに伴うところの設備投資の刺激、そういったものを私は考えていかなければならないのじゃないか。 ですから、通産だけでお考えになっていても、なかなか今おっしゃったような総合的な対策にはならないんではないかというようなことで、ちょっとこれは私の意見でございますので申し上げておきたいと思います。 〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕 それから、従来の貿易構造を見ておりますと、個人消費を中心とする国内の需要、内需が伸び悩んでまいりますと、当然のことですけれども大幅のデフレギャップが生じますね。それを埋めるために輸出ドライブがかかって、そして外需が伸びていく。これまでこういうパターンじゃなかったかと思います。そして、そのデフレギャップが外需によって埋められていく。こういったことの繰り返しであったと思います。 その場合に、輸出ドライブは、主としては自動車とか家電製品などの耐久消費財が中心でありました。ですから、従来の貿易構造というのは、原料輸入、製品輸出、これが日本の貿易構造であったわけであります。そして、そのことがまたいろいろな経済摩擦を生み出してきたように思うわけです。 ところが、最近の貿易構造を見ておりますと、非常に資本財が伸びて、そして耐久消費財の構成比が下落しております。昨年、平成六年度のデータを見ますと、資本財が輸出総額の六〇%を占めております。それに対しまして、耐久消費財は輸出総額の二〇%を下回る、そういうふうな状態になっているわけです。 そういたしますと、我が国の今の貿易構造というのは、原料輸入、これは変わらないと思いますが、資本財輸出というふうに言っていいんじゃないか。そういうふうに構造が変わりつつある。こういった貿易構造の変化というのは、国内の産業構造をシフトさせることは私は当然ではないかというふうに思うわけです。 例えば資本財の中に部品とかあるいは仕掛り品がございますね。これの輸出増というのは、私は産業の空洞化と非常に関連しているんではないか、こういうふうに思うわけであります。すなわち、完成品であります耐久消費財の生産基地が海外へ移っていく。しばらくは海外、特に後進地域におきましては部品の製造はそれに伴いませんから国内の部品が輸出されていく、こういう形で増大をしていくのではないかというふうに思います。 それから、資本財の中にもう一つ一般機械、いわゆる設備投資がございます。これも伸びているわけですね。これは私は、国内における設備投資が低迷しておりますので、機械メーカーが先ほどの耐久消費財と同じように海外にその需要を求めていく、言うならば輸出ドライブが資本財にも及んできておると、こういうふうに見ているわけでございます。 これに関連いたしまして、二つほど御質問させていただきたいと思います。 今、私は部品と資本財に分けて貿易構造の変化とそれから国内の産業構造の変化を関連づけましたけれども、通産省ではこういった貿易構造の変化に対する国内の産業構造の変化をどういうふうにとらえておられるのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 専門家でおられる委員に対して的確なお答えになるかどうかわかりません。しかし、幾つかの例を挙げながら私どもの考え方を申し上げてみたいと存じます。 今、我が国の輸出入の構造の変化というものは委員がお触れになりました。そして先ほど、例えば神戸製鋼の被災による工場の停止がアジアの特定地域における部品産業に影響を与える、部品供給に影響を与えるといった事態が既に想定され、懸念にたえないというようなことを私は申し上げました。 現実に我が国が資本財あるいは中間財輸出というものを行っていきます中で、これがアジア諸国の生産基盤を支えている、生産活動を支えているということは委員が御指摘のとおりであります。そして、今どんどんそういったケースはふえておりますし、それは必ずしも我が国だけの問題ではなく、ある意味ではEU等とのネットワークを組んだケースも出てまいります そうした中で、昨年私どもは、ジャカルタのAPECの総会に向けまして大阪で中小企業大臣会合を初めて開いてみました。大変懸念をいたしましたが、結果としては非常な成功をおさめたわけであります。そのときまさに出てまいりましたのが、すそ野としての中小企業の各国における育成がいかに大事かということでありました。すそ野産業としての役割を我々はこれから先も中小企業対策の一つの柱として国内においても実は大事にしなければなりませんし、進出いたしております我が国の産業がいつまでも資本財、中間財の輸入を現地で続けることを避けますためにも、各国におけるすそ野産業としての中小企業の育成にも我々は手をかしていかなければなりません。 しかし、それは同時に、過度にわたった場合に我が国の国内における空洞化を招くという、いわば盾の両面の関係にあります。そして、それに対して私どもの方向づけというものは、産構審の答申の中に示されました十二分野等でも一つの方向をお示しいたしているわけでありますが、我々自身がいかにして内需中心の経済拡大を、しかもインフレを起こさないようにして続けていけるかということを考えなければならないと思うのであります。 好むと好まざるとにかかわらず、海外と我が国の経済活動というものは相互に関連しながら発展をしてまいります。そして、その中において我が国の企業が海外に進出していくことは、それはその企業の政策としての選択でありますとともに、我々が途上国を支援していく上でも必要なことであることは間違いがありません。 問題は、それにかわり得る国内の産業を我々が興し得るかどうか、すべては実はここにかかっているわけだと思います。そして、今後ともに活力と創造性にあふれた、しかも国際的に調和のとれた産業構造というものを我々はつくっていかなければならない。それはひとり産構審の十二分野のみにとどまることなく、より積極的に今後の対応を我々としては工夫していくべき分野、そのように考えております。
○牛嶋正君 この問題はぜひ大臣にお聞きしたいんですけれども、先ほど申しましたような原料輸入、製品輸出という貿易構造でこれまで日米間あるいは日欧間の経済摩擦が発生してきているわけですが、この貿易構造がだんだん変化していきますと、やっぱり経済摩擦の形も私は変わってくるんじゃないかと思います。 その場合に、だんだんおさまる方向で形が変わってくれればいいわけですが、場合によってはまた新たな、貿易構造が変わったために新たな摩擦が出てくるおそれもあるんじゃないかというふうな気もしておりまして、このあたり大臣の今のお考えをお聞きできたらというふうに思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) たまたま私は大学を卒業し社会人になりましたとき紡績産業に従事をいたしました。ところが、私が卒業しました昭和三十五年は日米綿製品のトラブルの起きた年でありまして、就職をいたしました瞬間から実は私は貿易摩擦の中で暮らすことになりました。今振り返ってみますと非常に複雑な思いがいたします。 そして、私は今委員がお述べになりましたような懸念というものは当然ながら出てくると思います。そして、それは既存の貿易構造の中だけでは私はないと思います。 たまたま昨日、EUのバンゲマン委員が訪日しておられまして、国会が終わりました夜、バイの会談を持ちました。そしてその際、私の方からバンゲマン委員に一つの提案をいたしましたのは、今EUからも日本に対してさまざまな規制緩和が求められております。そして、その中には相当程度今回我々が答案を書き得るものもございました。 それを説明いたしました後で、私の方からEU側に提案をいたしましたのは、今後、例えば情報通信の分野あるいはバイオ分野あるいは医療、福祉の分野における電子化等の中で、新たな市場が確実に生まれてくる分野がある。その新たな市場が生まれてくる分野における規制のあり方というものを最初からお互いに相談をし合って、各国の規制のあり方そのものをハーモナイズすることはできないだろうか。今、起きておるものを一々議論をしている、それはそれで大事でありますけれども、新たな事業分野と想定される部分における規制のあり方というものを事前にすり合わせる努力というものをしてみようではないか。 そのような提案をいたしましたところ、EU側も非常に興味を持たれまして、事務的にそれぞれのレベルでの話し合いが始まることになりました。 私は、ほっておきますといろんな分野で確かにこれから紛争はふえる可能性はあると思います。殊に、今アメリカと中国の間の知的所有権の問題をめぐる議論等を見ましても、どこでそうした問題が起きるかはわかりません。ですから、これはもちろんWTO体制の中でマルチの場における紛争処理メカニズム等もより活用してまいりますけれども、我々としては、今後新たに発生し得ると想定される事業分野における規制のあり方そのものをハーモナイズすることから対応していくべきではなかろうか、そのような感じを持っております。
○牛嶋正君 その場合に、一般機械の場合ですが、生産設備の場合ですが、今輸出額が全体で、アメリカあるいはヨーロッパと、それから中進国といいますか発展途上国といいますか、大きく二つに分けてどれぐらいの割合になっているのか、ちょっと教えていただけないですか。 それは恐らく、例えばアメリカに相当機械が輸出されているとするならば、これは従来型の摩擦だろうと思うんですね。ところが、中進国でアメリカと競合する、競争する、こういうふうな場合ですと、これは今大臣がおっしゃったように新しい競争ルールをそこでつくっていくということになろうと思いますので、これはもうアメリカと対等でルールづくりをやっていけばいいというふうに思うわけですが、そういうことで何か分けられるんじゃないかなというふうな気がいたしますけれども、これについて大臣は。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、必ずしもそれほど簡単には分離はできないのではないかと思います。しかし、あるいは委員が御指摘になるような視点があるかもしれません。改めてちょっとその御意見を踏まえてもう少し考えを整理してみたいと思います。
○牛嶋正君 次に、阪神大震災とそれから設備投資の関係をちょっとお尋ねしてまいりたいと思います。 戦後の我が国の経済を振り返ってみますと大変な経済発展を遂げたわけですが、そのときにはいつもリーダーインダストリーというのがあったように思います。最初はいとへん景気とかかねへん景気とかというふうなことが言われました。どちらかといいますと重化学工業が高度成長のときにはリーダーインダストリーだったわけであります。それがオイルショック以降は組み立て加工型の産業、それからその後は先端技術産業というふうにリーダーインダストリーが移り変わってきたように思います。まだ先端技術産業につきましてはこれからもリーダー的な役割を果たしてもらわなければならないというふうに思いますけれども。 私は、しかしこういった産業がリーダーインダストリーになり得た背景に地場産業の着実な発展があったこと、これは忘れてはならないと思うんです。私はあえて地場産業と申し上げます。中小企業とは申し上げませんで地場産業と申し上げたいんでありますけれども、地場産業というのはやっぱり地域に根差しているというところが特色だと思います。伝統的な技術を守りながら一方で新しい技術の導入に私は努めてきたというふうに思っております。しかも、そういうことでできるだけ技術を集積しながら、そして場合によっては効率的な経営方式の確立も図ってきたのではないかというふうに思うわけであります。 そういう意味では、私は地場産業というのはそれぞれの地域で経済の基盤あるいは土台の部分をなしているのではないかというふうに思いますが、そういう認識のもとで、今回の地震で大きな被害を受けました神戸の経済圏というものを考えてみたいと思います。 先ほどからお話がありますように、災害を受けた地域での地場産業というのは、何といいましてもケミカルシューズの生産ではないかというふうに思っております。しかも、これは戦前からの皮革の産業がずっと続いてきているわけでありまして、したがって長田区とか須磨区といったいわば神戸の中心区に立地しているわけで、都市型の典型的な産業でもあるわけであります。 そういうふうに考えますと、地場産業ではありますけれども、ケミカルシューズというのは靴の生産では全国の七五%のシェアを占めていることから考えますと、私はまさに神戸経済の土台をなしているのではないかというふうに思います。 しかも、かんばん方式というのを採用しておりまして、靴メーカーとそれから部品、素材メーカーとがむだのない形で結ばれて、非常に効率的な産業構造があの中心のところでつくられているわけであります。これも恐らく個々の企業が先ほど言いました伝統的な技術を長年守りながら新たな技術を導入する、こういったことに心がけてきた成果ではないかというふうに思うわけであります。 私は、それだけに神戸の産業、経済の復興というのは、このケミカルシューズを中心とする地場産業がどう再生するのか、これにかかっているんじゃないかというふうに思うわけであります。こういう観点で、最後に二つ御質問させていただきたいと思います。 一つは、先ほどから税の減免措置とか低金利の融資とか、それから変わったところでは仮工業団地の建設とかいうふうなことが緊急対策として出ておりますが、これは私はあくまでも緊急対策ではないかなと思います。やっぱりこれまでの神戸経済でケミカルシューズがその基盤をなしてきた、その状態でもう一度再生するためには、今挙げたような緊急対策ではちょっと心もとないところがあるように思いますけれども、これについて、今お考えになっております具体的な対策がございましたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員が御指摘になられましたような視点を私どもも今回の災害の以前から実は共有をいたしておりました。そして、昨年、中小企業庁の諸君に苦労をかけまして、一つの、中小といいますよりむしろ零細が多いかもしれません、しかしその地域における技術集積の度合い、その今後における状況、こうしたもののデータをとるために、私は実は羽田周辺と頼んだんですが、大田区でこの調査を中小企業庁が実施をしてくれました。そして、その中から、実はある意味では職人国家ともいうべき非常に基礎的な部分を担う本当に小規模の業者の方々、しかし特化された分野における技術の非常にレベルの高い集団、それが同一地域内に層をなしている、その強みというものを私どもは分析いたしました。 そして、これは実は今度の中小企業創造法等の中にも取り込んだ考え方でありましたが、不幸にして今回の地震によりまして、今委員はケミカルシューズを挙げられましたが、ほかにも産地はあるといいながら例えば酒、あるいはこれは私は問題が起きてから知りましたが、真珠に関する八〇%が神戸というような分野がありました。これらは私どもは一日も早い復旧を必要とすると思いますし、今委員が御批判をいただきましたように、従来施策の延長線上のものだけで足りるかどうか、これは私どもも十分自信はありません。 しかし、私自身が現地に参りましたとき非常に切実に言われましたことは、とにかく機械を据えつけて動かせる場所が欲しい、なぜなら我々の仕事というのは人が頼り、その人が働き場ができないために分散してしまったら後からどれだけ立派な対策を立ててもらっても間に合わない、だから我々が、人が現にこの地域の中にいる間に操業できるようにしてほしい。これは非常に私は率直かつ切実な声として承りました。そして、そうした声もありまして、県及び市に対し、工業団地の中で被害の少ない場所を選んでください、高度化事業で仮工場をつくりましょうということを申し上げるきっかけになったわけであります。 これから先もなおこうした分野に対する対策、今委員がお触れをいただきました以外にも信用保証の問題もございます。こうしたことも含めて、我々は当然ながらこれからも検討をいたしてまいりますが、やはり人が散る前に立ち上がりというこの言葉には、我々としてはやれることを今すぐに、法律改正とかいう前に用意はしだい、こういう気持ちでおることは御理解いただきたいと思います。
○牛嶋正君 時間が参りましたので、これはまた私の提案をさせていただきたい、提案としてお聞きいただきたいと思うのでありますが、やはり何といいましても個々の企業あるいは企業主と申しますか、こういう人がもう一度復興させようという意欲を持たなければ、私は幾ら国からいろいろな援助を行ってもだめではないかと思うんですね。 それで、この意欲をどういうふうに持ち続けることができるのだろうかということなんですが、それの関連の提案でございます。やはり地場産業の再建計画を立てるときは、地場産業からも代表の方に出てもらって、そして市、県それから国も加わって、みんなでもう一度そこに地場産業を形成するんだと、こういう将来に対する希望といいますか、そういうものをみんなでつくっていく、そういう場を早くおつくりいただくのが意欲、それから復興に対する意欲を継続させるための、すべてのあれではないと思いますが、一つの方法ではないかというふうに思いますが、その点を申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変適切な御指摘をありがとうございました。そして、私どもは、あくまでもやはりそれは国が押しつけるものではないと思っておりますし、現に神戸市また兵庫県それぞれのお立場で復興に向けての計画づくりに着手をされました。先日は産業復興会議という名前でそれぞれ地場の業者の方々の代表も含めた御論議の末の結論を私どもにお届けをいただきました。こうした声は大切にしていきたい、そのように思います。 ありがとうございました。
○市川正一君 冒頭、今回の災害でお亡くなりになった方また被災者の方に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。また橋本大臣、連日御苦労さまでございます。 実は、私は西宮の甲子園に長く住んでおり、学校は神戸大学で、笹山神戸市長とは同期生の間柄であります。ですから、今度の震災はまさに我が事でもあります。 そういう立場から伺うんでありますけれども、被災者の生活と事業の再建は本当に血のにじむような苦闘の連続になると思います。現地に参りました我が党の調査団に神戸市長田区の日本ケミカルシューズ工業組合の藤本理事長は、この困難を突破するには何と言っても資金だ、超低利融資、無利子掘え置き二カ年、返済期間二十年の低利融資、出世払いで必ず元金返すから何とかしてほしいという切実、率直な訴えも聞きました。 橋本大臣は三日の閣議の後の記者会見で、中小企業への支援策について、特別立法のために時間をむだにしたくない、低利融資などは法改正しなくてもできる、こういう姿勢を表明なされた。さすがはという思いであります。 そこで、今被災地の中小業者が切実に求めている無利子無担保の長期の融資制度、この要求にかみ合って、大臣の政治的決意といいますかあるいは決断といいますか、あえて冒頭お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員から御質問を受ける回数はしばしばございましたけれども、褒めていただいたのはきょうが初めてでありました。光栄です。
○市川正一君 ちゃんと評価するところは評価します。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、委員から御指摘のありましたように、これは中小企業の方々だけではなく、県あるいは市からも激甚法によります金利三%を下回る低利融資について大変強い御要望があることはよく存じております。 今、実は激甚法の規定との関係でありますとか、例えばはるか沖地震あるいは奥尻島、また長崎の雲仙・普賢岳等、他の災害地域が現にございまして、それぞれの制度が動いております。こうした場面における措置との実質的な公平性といったことも考えながら、三%を下回る金利水準ということも含めまして、一体、本当に中小企業の方々の負担を真に軽減するためにどういう手法が一番いいのか、これは真剣に実は関係の各省庁とも議論を続けております。そう長い時間をかけずに結論を出したいということで努力をいたしておりますので、できるだけ早く結論に到達できるように努力をいたします。
○市川正一君 小里担当大臣は、二日の本院災害特別委員会で我が党の上田議員の質問に答えられて、無利子融資の創設に向けて通産大臣とは意見の一致を見ている、今財政当局とかけ合っている、こう述べられました。私はこういう共同歩調はまことに歓迎いたします。 そこで、重ねて大臣に伺いたいんです。 財源的に申しましても、現在の特別融資制度を活用し、無利子で一兆円規模の緊急融資を実現するための財源は三百億円あればできます。その財源もその気になればございます。あえて比喩的な意味で申すのですが、各党が合意して政党助成金三百九億円を充てれば実施できるものであります。先例的にも、今奥尻島のことなどをおっしゃいましたが、私調べてみると、航空機開発では開銀融資で利子補給をして無利子融資を行った前例もございます。さらに、計数的に見ましても九〇年の財投金利は七・九%でした。そのときに激甚災害融資は三%、つまり差し引き四・九%の利子補給を行ったという計算になります。ところで、現在の財投金利は四・七五%、したがって九〇年時の四・九%の利子補給を適用すれば無利子融資はできるという計算になります。 しかし、私はこういう計数的な試算はさておいて、きょうの読売を見ますと、政府部内で急浮上している無利子融資制度の創設構想なるものが出ております。今、大臣は早急にということをおっしゃいましたけれども、ここで私は、ほかならぬ大臣ならではの政治的決意、決断のほどを承りたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 褒めていただきました後が怖いと思っておりましたら、案の定、大変怖いお話をいただきます。 しかし私は、これは冗談抜きにして、本気で小里さんとも手を携えながら、関係当局との議論を続けております。私は、今委員が例示で出されましたような財源措置が適切かどうかということは、率直に申して意見を異にいたします。しかし、必要な財源は何としても我々はつくり出さなければなりません。今までも、例えば雲仙・普賢岳のときには、県がおつくりになった基金というものを組み合わせて、結果としてできる限りの措置をした、いろいろな手法をその時々に講じてまいりました。今回、我々がかつて経験をしたことのない巨大な被害をもたらした災害でありますだけに、従来と同じ発想だけで対応できるとは思っておりません。それだけに真剣な議論を今いたしておりまして、できる限り早い時期にその結論をお示しできるようにしていきたい、そのように思います。
○市川正一君 きょうはここまでにいたしておきますが、いずれにしても無利子融資の実現に向けての大臣の真剣な御努力のほどを被災者とともに注視いたしております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 注視だけじゃなくて、応援してくださいよ。
○市川正一君 もちろん、全力を挙げて。 次の問題でありますが、国民金融公庫、中小企業金融公庫、さらに商工中金、こういう政府系中小企業金融機関の特別融資制度の拡充とともに、国、県、地元の市中銀行を活用した自治体の特別融資が極めて重要になってきていると思うんです。私がここに持ってまいりましたのは、兵庫県あるいは神戸市の国に対する要望書でありますが、国の制度融資とともに自治体が実施する融資への支援措置を切実に求めております。 そこで、お伺いしたいのは、現在の体質強化資金助成制度、不況対策で実施した緊急経営支援貸付制度など、現行制度を活用すれば兵庫県や神戸市あるいは他の自治体負担を軽減する弾力的な措置をとることは可能だと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(安本皓信君) 体質強化資金につきましても、激甚法によります金利三%を下回る低金利の融資について強い要望があるということは私ども承知しております。今、大臣から中小三機関についての融資の際にお答えいただきましたように、ただ、他との公平性とかいろいろな問題がございます。また、中小企業の方々の負担を本当に軽減するためにどうしたらいいかということもございますので、被災地方公共団体と緊密な連携をとりながら、早急に結論を得るべく今検討しているところでございます。
○市川正一君 次に入りますが、国の特別融資制度、自治体の特別融資制度を利用する場合に、被災中小業者は焼失あるいは倒壊などで担保力をほとんど失っております。また、担保力や資産を持つ保証人を探すのも困難であるために、利用したくてもなかなか利用できないという状況に追い込まれております。 こうした被災中小業者が融資を受けられるようにするために、いろいろの報道も聞いておりますが、無担保無保証の信用保証制度を拡大すべきだと、こう思うのですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は、最初私はこの問題を提起いたしましたが、当初の段階におきましては、必ずしもこの問題について関係者の御注目がありませんでした。しかし、最近になりましてこうした点についてもいろいろ皆さんの声が出てまいっております。 これは一月二十日の閣議決定と二十四日の激甚災の指定で付保限度額の倍額化、こうした措置が行えるように特例を講じました。しかし、これから先新たに中小企業信用保険の特例措置を講じることが必要かどうかということ、私は多分必要だという結論になると思いますけれども、立ち上がりの時期、この問題を提起いたしましたときは余り関心がありませんでしただけに、その必要かどうかを含めて早急に結論を得たい。真剣な検討を今行っておるところであります。
○市川正一君 私も必要であるという確信を持っていますし、皆さんがうなずいていらっしゃるのでそうだと思います。 そこで、もう一つ伺いたいのは、今自治体が被災業者の再建、復興のために仮設工場や仮設店舗を建設して一日も早い事業の再開を支援しようとしております。大臣も先ほどお述べになったところであります。私はこれは積極的な挑戦というかアプローチだと思うんです。先ほど緊急対策だけではだめだというような御発言もございましたけれども、地元の人たちがそこに住み続け、営業し、働き続ける町の復興という、そういう願いのもとに、先ほど大臣が論じられたように、まさに再建の土台をそこで築こうとしているわけです。これに我々はやっぱり援助をすべきだと思うんです。 一例を挙げると、神戸市では焼失壊滅被害、そういう工場、商店街の要求にこたえて、長田区のケミカルシューズの地元産業、地場産業と言ってもいいんですよ、これの復興に四百社程度の仮設工場の建設計画を立てております。 そこで、大臣に確認をいたしますが、こういう兵庫県や神戸市その他の自治体が実施する仮設工場、仮設店舗の建設を支援するために、自治体単独あるいは公社などが行う事業について援助対象にするということになると思うんですが、確認をいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどから何度も繰り返して申し上げておりますけれども、高度化事業を活用し、我々はこれを積極的に支えていきたいと考えております。 そして、その上で一点つけ加えさせていただきますと、我々はどこにつくればいいのか、これはわかりません。同時に、そこにお入りいただいて一日も早く業を立ち上がらせられた方々が、もう一度自分の瓦れきを片づけられた後の場所にお戻りになろうとするのかどうか、また神戸市のこれからの復興計画の中で地域をどう整理していくのか、これがわかりません。ですから、本当に二、三年程度の時間をお使いいただくようなものと同時に、ある程度長い時間そこで業を続けられることも想定した工場と、貸し工場にも私は二種類が要るということを申し上げております。
○市川正一君 私は、そういう立場からしても、この援助対象の中に用地確保の問題など、これは大いに現地ともよく話し合って御援助、御協力あるいは御指導を賜りたいと思いますが、その点も確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは用地は我々はわかりません。そして、やはり神戸市、兵庫県がお持ちの工業団地の中で被災に遣わなかった場所、そしてあいている場所、そしてその仮設工場を運営しようという方々が、ここなら我々が通えるとか、製品の搬送はここなら大丈夫だとかいう場所はお地元でお決めをいただきたい、我々はそれを支援する、そのような姿勢をとっております。
○委員長(久世公堯君) 時間になっておりますので、簡潔にお願いします。
○市川正一君 時間が参りましたので、最後にお伺いいたします。 中小企業近代化資金等助成法の第八条、御承知だと思いますが、ここでは貸与を受けた機械、施設が滅失した場合、災害等で借り主の責任でないときは償還免除を規定しております。これは今回の場合直ちに適用すべきであると思いますが、この点が一点。 同時に、機械や設備を滅失したこれらの業者の一刻も早い事業の再開のためには、中小企業設備近代化貸付制度を引き続き新たに利用できるということとともに、今までこの制度あるいはリースを利用していなかった被災業者も新規貸し付けについて実施できるよう支援措置の拡大を検討していただきたいと存じますが、この点の御答弁をいただいて私の質問を終わらせていただきます。
○政府委員(小川忠夫君) 委員御案内のように、設備近代化資金制度は、中小企業者の設備の近代化に資するために、都道府県がこれに寄与する設備の設置のための資金の二分の一について無利子で貸し付けを行うという制度でございます。また、これと同様に、都道府県からの無利子の貸付金等を原資といたしまして、設備貸与機関が低利率で必要な設備を割賦リースするという設備貸与事業もございます。 私どもといたしましては、今回の阪神大震災に遭われた方につきましてこの設備近代化資金貸し付け及び設備の貸与事業が新たな設備を導入する場合に当然適用されるものである、積極的に御利用していただきたい、こういう考えております。 また、話が前後になりまして恐縮でございますが、八条適用の問題がございます。 御案内のように、私どもさまざまな金融措置等につきまして一月二十日に閣議決定をいたしました。その中でこの設備近代化資金につきましても、貸付金等の償還の免除について、この八条について適切な運用を行うという一項を入れております。そういうことで、被災県の方から具体的な要望があれば私どもとしては適切に対処してまいりたいと考えております。 以上であります。
○市川正一君 終わります。
○委員長(久世公堯君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十七分散会