運輸委員会 第3号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1995/02/21
会議録
○委員長(大久保直彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 運輸事情等に関する調査を議題とし、運輸行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○河本三郎君 自民党の河本でございます。 大臣、連日御苦労さまでございます。さきの予算委員会に続きまして、よろしくお願いいたします。 あの忌まわしい大震災が発生をしてからようやく一カ月がたちました。私の地元でございます神戸、阪神、淡路では、お年寄りから子供たちまでが生きる気力を振り絞って復興に向けて、一歩一歩を歩んでいるところでございます。私はまず、この御努力に対し心から感謝を申し上げ、そして敬意を表しますとともに、亡くなられた五千四百余のみたまに対し改めて哀悼の意を表したい、このように思います。 大臣も発生後二回にわたりまして地元に入っていただいたわけでございますが、震災のもたらした惨禍を目の当たりにされまして、特に運輸関連施設、鉄道と港湾が壊滅的な打撃を受けておりますことは大臣ごらんになったとおりでございます。さきの予算委員会で私が大臣に強く要望しておりました神戸埠頭公社のコンテナバースの国庫補助につきましては、大臣のリーダーシップのおかげで八割まで国が負担をしていただける、こういうことになりまして、この席をおかりしまして改めて感謝申し上げたい、このように思います。 運輸事業は、陸海空それぞれの機能が十分に発揮されて初めて経済、物流の大動脈となり得るのでございます。一つでも欠けると日本の経済は麻痺をするという事実をこの震災によって改めて痛感したのは私だけではない、このように思います。 そこで、港神戸の復興についてお聞きをしたいと思うのでございます。 一番目の質問でございますが、一月の貿易統計を見ますと、貿易収支の黒字額は前年同月よりも五〇%以上も縮小しておる、こういう事実がございます。これは震災によって神戸港からの輸出がストップしているということであると、このように私は思います。輸出入コンテナの約三分の一を扱う神戸港の機能停止が長期にわたりますと、日本経済の生命力が停滞してしまうということでございます。 神戸港の具体的な復興計画についてでありますが、海運界に実情を聞いてみますと、やはりここ三カ月が勝負であると、このように言われております。この三カ月のうちにある程度港の機能を回復させないと、現在東京や横浜、こちらに流れております荷物、物流が再び戻ってこなくなるという可能性もあるわけでございまして、私も大変心配をしております。 そこでまず、大まかな進め方として、当面の仮復旧計画を策定してできる範囲の機能を回復させることと、次には中長期的にはより大きな力をつけた耐震構造の港を復興させる計画、つまり仮復旧計画と恒久計画、この二本立てで進めることが急務である、このように思います。神戸港の復興のおくれは日本海運にとどまらず、アジア、世界経済に大変大きな影響を及ぼす、このように認識をしております。そこで、まず大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 委員には、震災発生以来、私どもに現地の状況を踏まえて具体的な御指導を賜ってまいっておることに対しまして改めて感謝を申し上げたいと思います。 委員御指摘のように、陸、海ともに大変甚大な被害を受けたわけでございまして、港については御案内のような百五十バースほとんどが、耐震バース三つ以外は壊滅的打撃を受けておるわけでありますが、現在一応六十八バースを仮復旧というような形でどうにか使えるような形にいたし、救援活動その他等に支障のない形で対応しておるわけでございますけれども、今後私どもは、今委員御指摘のように日本経済に対してやはり大変な役割を果たしている港、一日も早い復旧をしなければならない、このように考えております。 一応我々といたしましては、七年度、八年度の二年間で完全復興をなし遂げたい、このように考えておるわけであります。ただ単なるもとに戻すということではなくて、現在もう既に内部で計画を具体的に決定いたしておりますのは、水深十五メートルから十六メートルの大型バースを五バース、これを建設することを含めて上屋の問題、またこの陸上の物流とのアクセスといいますか、そのつなぎの問題等、国際港としての近代的な機能を持った港を、いわばグリエーティブな形でこれを建設する、そういう基本的なスタンスに立って現在神戸市、兵庫県とも協議をいたしておるわけであります。 一応、現段階におきましても、復興計画につきまして県、市との間で基本的な考え方についての合意を見ておるわけであります。それに基づきまして現在当面の対応を申し上げますと、御指摘の非常に重要なコンテナバース二十一のうち八つを応急的に、遅くとも七月までにこれを供用でき得る形で復旧をいたしたいと思います。そして七年度内に大体二十一のうち三分の一を本格的にこれを復興したい、このように考えておるわけであります。 それからフェリーにつきましては、七つのうち四つを遅くとも九月時点までこれらは本格復興をいたしたい、そして残りは七年度内にこれも全部完成をしたい、このように考えております。 さらに、その他の埠頭につきましては七年度内に約半数の復興をいたしたいと、そして全体として八年までかけてこの全体の復興をなし遂げたいという考え方であります。 委員も御指摘のように、とにかく当面応急的でもコンテナバース等を含めて使用可能にいたしませんと荷のシフトが起きてまいりますので、時間がたてはたつほどそれが戻ってこないという危険性もございますので、応急の工事と、それと本格的な復興、この組み合わせをしながら二年間で完成をしたいという基本的な計画を立てておるわけでございます。 そういうことでございますので、このたびの第二次補正におきましても、当面のそうした事業量を施行能力との関係において十分確保できる、その額を確保いたしております。なお、七年度予算の第一次補正におきましてさらに追加をいたし、さらに平成八年度予算において全体の処置を、残余の処置をいたしたい、このように考えております。 そういうことでございますので、復興に要する経費、総額としてどの程度になるかということはまだ計画の細部等を詰めてまいらなければはっきりと確定をするわけにはまいらない。我々としては、現在県、市がはじき出しておるいわゆる被害額、そういうものではなくて、先ほど言いましたように近代港として、国際港としての機能をさらに飛躍的に強化をするという観点から対応してまいりますので、事業量というのは相当被害額を大きく上回っていくと、このように考えておるわけでございます。 なお、財源等につきまして、埠頭公社につきましては現在の法律では国が補助できませんので、これを特別立法をいたしまして八割国が補助をいたす。委員から予算委員会で強い要求があったわけでございますが、そういう形で御要請に従って処置をさせていただきました。あとの二割に対しましては、自治省とも相談をいたしておりますので、起債、交付税等でそれを埋めていくというような処置をとり、実質的に多大な支出を要する現在の神戸市、兵庫県にできるだけ負担をかけないという方向で今後やってまいりたい、このように考えておる次第でございます。 以上です。
○河本三郎君 ありがとうございました。 仮復旧計画と恒久計画と二本立てでやっていただける、こういうことで本当に助かるわけでございますが、大臣、最後に申されました残りの二割の件についてもぜひ御検討のほどよろしくお願いいたします。 そこで、先週の金曜日、二月十七日に自民党の近畿圏整備委員会などで示された具体策というか、単に対策を見ますと、実に不親切で具体的にどのように進めていくのかいま一つ理解できないのでございます。 第一に、対策にある、今大臣から御答弁ございましたように、平成七年六月までにコンテナバース八バースを暫定的に使えるようにするという方針でありますが、神戸港には約百五十のバースがございます。単純計算をしましても、これは仮復旧とは言えない、こういうふうに思います。 この八バースについては、大型船舶、大型コンテナ船も接岸できるバースを含めているのか、どういう取扱量の計算のもとに八バースを決められたのか、具体的なお答えをいただきたいと思うのですが。
○政府委員(栢原英郎君) まず八バースでございますが、これは先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、埠頭公社が持っております二十一のコンテナハースのうち八バースをとりあえず七月までに復旧をするということでございます。これは、各借り受け者に対しましてとりあえず一バースずつを確保することによって船社がほかの港に去っていくのを防ごうという港湾管理者並びに埠頭公社の要望を受け入れて決めたものでございます。 なお、これも含めまして百五十バース、公共岸壁がございますが、これにつきましては現在約九十バースまでとりあえず船が着けられるような状態に戻してございますので、順次その中から本格復旧をしていくということを考えているところでございます。
○河本三郎君 局長、大型コンテナ船はどういうふうに考えておられるんですか。接岸できるのか、できないのか。
○政府委員(栢原英郎君) 八バースのコンテナ埠頭には、大型コンテナ船が着岸することができるということでございます。
○河本三郎君 八バース全部が、大型コンテナ船が接岸できると。
○政府委員(栢原英郎君) はい。八バース全部が、大型コンテナ船の接岸が可能ということであります。
○河本三郎君 わかりました。 次に、対策にあります第一次の復興の基本的考え方を策定するという方針ですが、第一次の復興、これはいつから始まりいつまでに終了するのか、そして第二次、第三次はどういう考え方を想定されているのか。これでは復興の全体像というのがなかなか把握できないのであります。 神戸は港とともに発展をしてきた町でございますので、市民にもわかりやすいように御説明をいただきたいということと、「今後策定される神戸港全体の復興計画に基づきできる限り早く復旧」するとございますが、これも余りにも漠然とした当たり前のことだと私は思います。被災地で死力を尽くして復興に向けて努力をされている方々の士気をそぎかねないということだと思います。全体の復興計画はいつまでにつくるのか、できるだけ早く復旧ということだけではなく、その辺をわかりやすく教えていただきたいと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 私ども、神戸港の復興の基本的考え方を第一次として二月二十日にまとめさせていただきました。この第一次といたしましたのは、今回被災をいたしました港は、徳島県、大阪府、兵庫県に及びます二十四の港が被災をしております。しかし、この中で早期に復旧の方向を明確にする必要のありました神戸港について主として方針を取りまとめましたので、第一次というふうにお断りをさせていただいたわけでございます。 その中では、私どもは、早期復旧とそれから本格的な耐震性を強化した本格復興と二段階に分けておりまして、私どもの運輸省の方針といたしましては、早期というのはおおむね二年以内にこれを復旧するというふうに明記してございますので、近畿圏等の資料でできるだけ早くというのは、それを意訳して書いてあるものというふうに考えております。神戸港の復旧はおおむね二年を目標として実施する考えでございます。
○河本三郎君 局長、それでは第二次、第三次というのは徳島とか大阪がそういう形になっていくのですか。
○政府委員(栢原英郎君) 徳島県下のもの、大阪府下のもの、それと兵庫県下の港についても方針を明らかにいたしますが、同時に神戸港の復興につきましても、ハーバーハイウエー等、臨港交通施設につきましてはその設計を道路橋示方書等によっております。この道路橋示方書等によっている施設につきましては、現在建設省の方でその耐震性のあり方等について検討をしておりますので、その検討結果を待って私どもも復旧方針を明らかにしていく必要があると考えまして、第二次、第三次の余地を残したものでございます。
○河本三郎君 それでは次に、対策にございます港湾施設耐震構造検討委員会とはどのような委員の構成で、どのような権限を与えているのか。いつ発足をして、いつ終了するのか。いつまでに結論を出すのか。その辺の手順をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 港湾施設耐震構造検討委員会でございますが、私どもの運輸省に附属をしております港湾技術研究所の所長であります野田節男を委員長といたしまして、現在当該専門分野の有識者十七名の委員で構成をしております。一月二十八日に発足をいたしまして、既に二回の委員会を開いておりますが、ことしの八月末を目途に検討結果を取りまとめていただくようにお願いをしております。 なお、発足は一月二十八日でございますが、メンバーの大半の方々が発災後直ちに現地に数回にわたりまして入りまして、詳しく現地調査等をしておりまして、現在その解析を急いでいるところでございます。 この委員会の検討の結果、私どもが港湾施設を設計するときに基準にしております港湾の施設の技術上の基準というものについて見直す必要があるという点が出てまいりましたならば、この技術基準を見直して施設の設計等を行いたいというふうに考えています。
○河本三郎君 局長、十七名の委員で構成されていると、これはすべて委員は運輸省プロパーの出ですか。
○政府委員(栢原英郎君) 現在のところ、港湾技術研究所の部長相当の研究職を中心にした構成になっております。並びに、運輸省港湾局の関係課の課長もその中に加えていただいております。
○河本三郎君 今後人数を多少でもふやすような予定がございましたら、神戸市の希望する委員もぜひ検討していただきたい、このように思います。 次に、神戸港の港湾労働者の件でございますが、今、大変心配しているのが雇用問題でございます。労働者の皆さんの事業免許は神戸港だけしか通用しないという方々が大勢おられます。そこで、私はまず事業免許を規制緩和して全国のどの港でも働けるようにお願いをしたい、このように提案をいたします。 また、地元を離れたくない、いろいろな事情があって離れられない、こういう港湾労働者もおられます。神戸市で今復旧事業に関連した雇用機会を公共機関が積極的に創出するようなことが必要だと考えますが、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(豊田実君) 被災地域における雇用問題というのは非常に大きな課題であるというふうに私どもも認識しております。 今お話しのありました港湾運送事業については、御指摘のように手続面では港湾ごとに免許という制度になっております。ただ、ほかの港でやる際に、私ども、この辺の手続面はただいまの状況を十分念頭に置きながら弾力的に対応させていただきたいと思います。現在までまだ具体的なお話は伺っておりませんが、地元局またはその先の局も、今の情勢を十分頭に置いて手続面について十分弾力的に対応させていただくということでやっていきたいと思います。 それから、神戸地区のほかの事業でのいろいろな雇用の確保という点につきましても、私ども地元の局が中心になりまして、関係省庁と連携しながらその辺の職場の確保ということに今取り組んでいるところでございます。
○河本三郎君 きょうは労働省は来られていますか。被災後の、震災発生後の職安の状況、わかりましたら教えていただきたいんですが。
○説明員(井原文孝君) 被災後の職安の状況でございますけれども、神戸には神戸の職業安定所のほかに、私どもの港湾労働法を施行しております神戸の港の出張所がございます。港の出張所の方につきましては、被害で建物が使えなくなりまして現在ほかのところに移って仕事を続けております。 この関係で、当然のことながら、仕事をなくされた方、あるいは私どもいろんな施策を講じておるわけでございますけれども、その関係で非常に仕事がふえておりまして、もちろん数字的なものは申し上げにくいわけでございますけれども、感覚的には、例えばいろんな申請書等につきましてはもうふだんの三十倍ぐらいいろんな相談、申請等が来ておるところでございます。現地の職員も大変でございますけれども、私ども本省の方からも応援を送ったり、いろんな形でこういったニーズにこたえるように現場の職員は頑張っております。
○河本三郎君 ありがとうございます。 神戸港が当面の復旧を果たした後の計画に関連してお伺いしたいと思います。 これはかねてから問題になっております港湾の空洞化についてであります。日本の港は神戸に限らず海外の国際港に比べ港湾使用料が高い、二十四時間の運用をしない、休日は休むという欠点がかねてから指摘をされておるわけでございます。震災が起きる前から既に国際ハブ港が韓国などに移る傾向が生じております。 そこで私は、神戸港を復興させる際、一気にこうした問題を積極的に解決することを提案したいと思います。すなわち、港湾労働者の数は維持をして余剰分は労働者に無理のかからない工夫をする、つまり二十四時間、三百六十五日間眠らない港にしたらどうか、このように思うわけでございます。労使間の問題である、こういうふうに問題を振らずに、ちょっと積極的にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(平野直樹君) 御指摘のとおり、神戸港は我が国の港湾の中で大変重要な役割を果たしているわけでございまして、ただいまのような大災害でございますが、一日も早く復旧をしていただくようにお願いしているわけでございます。 今お尋ねの労働問題につきましては、日曜荷役の問題がございます。これは従来、休日をふやすという観点から日曜日については完全休業日というような労使協定でやってまいったところ、昭和六十二年に例外的な協定として一定の条件のもとに行われてきたということでございます。しかし、平成四年の春闘で週休二日制の導入をめぐりまして労使協定が結べなくなったということで今日に至っているわけでございます。 ただ、今回の震災に関しましては、神戸港から他港ヘシフトする船につきまして、暫定的にではございますが日曜荷役を実施しておるという状況でございます。 この問題につきましては、やはり労働条件にかかわる問題という性格のものであると考えておりまして、労使間で十分話し合って解決をしていただきたいということでございます。ただ、各方面から大変強い要望がございますので、私どもとしても関係者の積極的な取り組みを促してきておるというような状況でございます。
○河本三郎君 やはり最後は労使間の問題だと、こういうお答えですけれども、これが進んでいきますと、私から申すまでもないんですが空港の空洞化ということもかねてから言われておるんです。空港もだめ、港もだめ、こういうことになりましたら日本の経済が成り立たないということになりますので、これは真剣に正面から率直に受けとめていただきたいと私は切望いたします。 最後に大臣、お願いいたします。 神戸港の問題を中心にお尋ねをしておりましたが、神戸全体の復興に際して、もう一つのかぎでございます神戸空港、飛行場でございます。神戸が世界に誇れる防災モデル都市として生まれ変わるためには神戸空港の早期完成が私は不可欠である、このように思います。この際、亀井大臣がさらにリーダーシップを発揮していただいて建設を急がせることが私は急務である、このように思います。冒頭に申し上げましたとおり、運輸事業、陸海空それぞれが機能を十分発揮して初めて経済、物流の大動脈となり得るのでございます。 最後に、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 私ども、神戸空港の重要性については、震災というそうした状況の中においても、さらに活力のある神戸市のよみがえりというような観点、また関西全体の経済に対する将来の貢献等から考えましても大変重要である、このように認識をしておるわけでございまして、七年度予算におきましても御承知のような処置をとらさせていただきました。委員が御指摘のように、震災から神戸市が復興していくその一つの象徴的な姿としても神戸空港を早期に完成させていきたい、このように考えております。
○河本三郎君 終わります。
○櫻井規順君 それでは、短い時間ではございますが、阪神・淡路大地震に関連をして質問させていただきます。 冒頭、この阪神・淡路大地震で亡くなられた皆さんの霊を慰め、負傷された皆さんの一日も早い治癒を心から祈念するものでございます。そしてまた、政府並びに運輸省におかれまして復旧、復興につきまして大変な御尽力をされていることに対して、その労を高く評価するものであります。 最初に、今の河本さんの質問とも関係があるわけですが、鉄道と港湾の関係で質問をさせていただきます。 大変被災者の生活と密着した課題でありまして、まことに重要な問題だというふうに思うわけであります。立法上大変な御努力をされて、経過を逐一御報告を聞いているところでありますし、また御提言をしているところでございます。きょうここでは、予算措置上大蔵省との関係で煮詰まったのかどうか、そこの辺のところをひとつお伺いしたいというふうに思います。 最初に、鉄道の復旧関係でありますが、御案内のように鉄道軌道整備法適用による災害補助は非常に幅の狭いものであります。私もかねて伊豆半島の鉄道が集中豪雨でやられたときにこの適用を勉強したことがあるんですが、これはとても適用にならなかった、大変な災害であったがならなかった。九州の方で事例としては一度、最近では九〇年の七月ですかあるくらいで、ない。しかし、今度の災害はまたけた外れに大きいものでありまして、鉄道軌道整備法の適用、あるいは適用されないものについては日本開発銀行を通ずる低利特利融資、これはぜひお進め願いたいということで鋭意作業が進められているわけであります。 一つは、鉄道軌道整備法に基づく新たな、阪神鉄道になりますでしょうか適用の問題。あるいは、日本開発銀行を通ずる特利の融資の問題は大蔵省との間で煮詰まったのかどうなのか。そしてまた、特に開発銀行の特利融資の方は、返済据置期間あるいは元金完済までの返済期間、通常の年数に対してどのように配慮された措置になったのか。その辺をまず御報告いただけますか。
○国務大臣(亀井静香君) 鉄道、港湾につきましても、ほぼ大蔵省との間では合意に達しておるわけでありまして、鉄道につきましては鉄軌法の省令を改正いたします。そういたしまして、これはそれぞれ事業者の要望を踏まえて対応いたしませんと、私どもの方からお仕着せで支援をするわけにはまいりません。鉄道局の方で具体的に事業者と緊密な協議を重ねてまいりました結果を財政当局に認めさせたわけでございます。 鉄道関係で申しますと、阪急につきましては、これは融資でという希望でございましたので、三・七五の低利融資ということで処置をいたすつもりでございます。また、阪神、それから公営地下鉄等につきましては、これは鉄軌法に基づく四分の一の補助、自治体の四分の一の補助、その他につきましては四・二五の低利融資という形で二本立てで処理を、支援をいたすということでございます。また、新交通システムにつきましては、橋げたの部分等につきましては公共事業でこれを建設省とあわせて対応いたします。上屋の面につきましては、これは鉄軌法等による処置をいたすつもりでございます。 各事業者、また市、県との協議の結果それを実施いたすわけでございますけれども、それぞれ御満足と言っては失礼でございますけれども、これで十分でございますという意思表示をいただいておるわけでございます。 また、港につきましても、これは特別立法で埠頭公社につきまして八割補助をし、残り二割につきましては起債等を行い、それをあと交付税等で処置をしていくというような形で、市の負担が実質的にほとんどない形ていくように現在自治省とも協議をしながら進めておるというところでございます。 以上でございます。
○櫻井規順君 私は、大蔵省との話が煮詰まったかどうかということを聞いているわけです。それから、返済の基準に対してどういうふうに有利なものになっているかと。 それから、ついでですから関連して質問しておきますが、神戸埠頭公社に対する激甚災の適用が今度されるわけでありますが、これはコンテナハースでなくて公社のクレーン、上屋も対象になるのかどうか、このこともひとつ今の質問にあわせて御答弁いただきたい。 時間がないもので答弁も簡単でいいですが、河本さんが私が通告したことを大体やっちゃったものですから、ちょっとはみ出る質問で恐縮ですが、JR貨物が大変な被害を、しかし御案内のように軌道は借りている状況があって、一部、神戸港駅とか大阪貨物ターミナルとかあるわけであります。JR貨物に対する金融支援なり支援措置はどうなっているか、簡潔に御答弁ください。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほど申し上げましたように、大蔵省とはもう基本的には全部煮詰まっておるわけでございます。 それから、JR貨物につきましては、補助対象で処置をいたします。
○政府委員(戸矢博道君) 先ほどの先生のお尋ねの開銀の低利融資の償還の条件でございますが、これは実は据置期間あるいは返済期間についてはこれから各事業者と開銀が詰めるということになっておりますが、今基幹鉄道に対して行われております五年据え置き、十五年償還より悪くなることにはならないというふうに考えております。
○櫻井規順君 悪くはならないのではなくて、少なくとも条件を配慮して借りる方にとって有利になるように配慮してください。 次に、時間が本当にないものですから、地震の予知の関係について、この際、箇条書き的に質問をさせていただきたいと思います。 実は私、初めてこの問題を取り上げるわけじゃありませんで、運輸委員会でも二度ばかり、災害特でも取り上げまして、いかんせん予知行政については行政化してない、要するに学者、研究者の予知の段階にとどまっていて、いかんともその壁が破れなくて今日まで来ているわけでありますが、大きな地震でも起きないとだめかなと思っていたわけであります。しかし、もうここまで来ますと、我が国の予知も行政としてしっかり確立するときに来ているというふうに思うので、気象庁長官を初め関係者に質問させていただきます。最後に大臣には質問いたしますので、有効な御回答をいただければありがたいというふうに思います。 最初に、やはり予知を全国化する必要があるということで、手っ取り早い話が、気象庁も参加しているわけですが予知連で決定をしております特定観測地域、これに対して現在との程度の観測体制がしかれているのか。ここに私は東海大地震並みの観測というのは、言うのは簡単でありますが、地震の性格も異なりますのでまた新たな観測装置が必要になろうかというふうに思うわけでありますが、観測網の整備を強く求めるものでございますが、いかがでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) 特定観測地域でございますが、これは地震予知研究に関する研究の立場から重点的に観測を必要とする地域としまして地震予知連絡会が学術的に選定したものでございまして、関係機関が協力して研究観測を進める領域というふうに理解してございます。 現在、東海、南関東の二地域、これは観測強化地域でございます。それから、そのほかに特定観測地域が八カ所ございます。気象庁におきましては、測地学審議会の建議いたしました地震予知計画に基づきまして、特定観測地域を含む全国の大中小地震、これはマグニチュード三以上でございますが、の地震を対象として観測をすることといたしてございます。なお平成五年度におきまして、この目的のための観測網の大幅な強化をさせていただいております。
○櫻井規順君 気象庁としては、何らかの対策がこの特定観測地域についてはなされているのですか。
○政府委員(二宮洸三君) 先ほど申し上げましたように、気象庁はこの地域を含む全国のマグニチュード三以上の地震の監視体制をとることを任務といたしてございます。
○櫻井規順君 結局、特別に特定というその意味をとらえて何か整備しているということではないというふうに理解しますが、どうぞやはり、特定観測地域として設定した以上、学術研究機関の配置を配慮するという域を超えて気象庁が乗り出して特定観測装置の配置を願いたいと希望をしておきます。 次に、私の地域になって甚だ恐縮でございますが、私は静岡県の出身でございますが、大変我が国の全体の予知行政の中で特段の御配慮をいただいておりまして、感謝をするものでございます。次はいよいよ東海大地震かという声も聞かれるわけでありますが、この東海大地震について、今の予知観測の結果について地震の接近と言いましょうか、どういうふうに確認をしていますでしょうか。 私ども、日ごろ水準点経年変化という観測の結果、確実に地盤沈下を行っており、これがはね上がったときが大変だというふうに思っているわけですが、沈下が年々深化をしております。時々上向きになって危険を感ずるわけでありますが、この傾向をどういうふうにごらんになるか。そして、周辺でこういうふうに大きな地震が起きますと、双子地震とか三つ子地震と言われますように過去も大きな地震が連発して起きてきているわけであります。そういう意味で、東海大地震の震源域は一番危険な大きな空白域があるということでもって大変危機感を募らせているわけでありますが、東海大地震の観測結果についてどんな評価をされていますでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) 大地震発生の前兆と考えられるものが幾つかございますが、その一つが地震活動の異常低下でございますいわゆる空白域でございます。現在も空白域が存在いたしてございます。また、御前崎におきましては、地盤の一定の速度での長期にわたる沈降が続いでございます。一年間に約五ミリでございます。 以上のことを考えますと、非常に厳重な監視が必要な状態が続いているというふうに考えております。気象庁では、いつ異常が発生しても地震予知情報が出せるようにということで常時監視体制をしいて作業をしているところでございます。
○櫻井規順君 どうもありがとうございます。 次に、私は一つの提起をしたいわけであります。 御案内のように中国が非常に活発なんですけれども、宏観異常現象、こういう言葉が実はあるわけでございます。これは中国が使った言葉でありますが、日本の予知学会でもこれは日本語としてもなじむのではないかという評価があるようでありますが、この見解も含めてまたお聞かせいただければというふうに思います。 要するに、近代的な地球科学的な機器あるいは地震の地殻変動のいろいろな精密な機器の配置とあわせまして、人間の感覚によって感知する地震の前兆というものをどうつかむかという問題であります。 それは何のことはない、中身は、これは気象庁の方で私は観測項目を整備願いたいというふうに思うわけでありますが、項目的にいいますと地下水あるいは温泉。要するに湧水量や地下水位の変化あるいは水圧の変化。これは一部は今も観測でやっております。あるいは地下水の色、味等々。あるいは水温、あるいはその噴水状況等々。 あるいは動物の異常現象。夫とかネズミとかは非常に敏感にあらわすそうでありますが、そのほかさまざまな事例が上がっているわけであります。 それからあと、地形、海象の変化、沈下。これも計器でかなり観測をしておりますが、目撃でもできるものが前兆現象としてあるわけでありまして、そういう状況。 あるいは発光現象とか地鳴り、鳴動、そうしたいわば自然現象。 こういうものを住民が国民が感知をして、それを一定の情報機関のルートに乗っけていくというシステムであります。 これは御案内のように、中国遼寧省の海城でいわば宏観異常現象の集約の結果、間もなく五分後に起きる、三分後に起きるということで見事に当てた地震があるわけでありますが、アメリカでも比較的研究が進んでいる、中国ではかなり進んでいる。 これは先ほど言いましたように、高性能な地球科学機器あるいは精密な地殻変動の機器とあわせて、こうした小学生から中学生までどなたも情報を集中するようなネットワークを確立する必要が大ありだというふうに思うわけであります。 そういう意味で、観測項目の整備、情報提供の仕方あるいはその窓口、そしてまた気象庁なりなんなりに、全国くまなくというのはなかなか大変ですけれども特徴的なものをつかむ、あるいは拠点的な地域は観測強化地域というものはつかむ、そういうもう一面の予知の体制というものの確立が非常に必要ではないかというふうに思うわけであります。 これはかねて地震が起きますと、起きた結果多くの人からこういう指摘があるわけでありますが、これを前段のあらかじめ出る地震のあらわれとして把握する必要があろうかというふうに思います。この宏観異常現象による予知体制の確立ということについていかがお考えでしょうか。若干は研究が進められているのでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) 東海地震ということでございまして、静岡県におきましては大変この地震についての関心が深うございます。現在既に例えば、温泉でございますとか地下水位等のデータの異常につきまして、もし異常が見つかった場合には、静岡県が情報を収集いたしまして、地方気象台経由そのような情報が入るということになってございます。 それからまた、御指摘の動物等の異常現象につきましては、現在のところ、その因果関係が学問的にもあるいは統計的にもまだ確立してございませんので、動物等の行動につきまして、それを現在直ちに地震の予知と結びつけることは大変困難な状態にあるというふうに考えております。
○櫻井規順君 どうぞそれをお進めいただきたいというふうに思います。非常に重要なことだというふうに考えます。とりわけ、機器だけの観測では不十分でして、やっぱり市民が参加するという体制のもとに一定の緊張を持って事に当たるという意味においても、これはもう地震対策のイロハのイだろうというふうに思うわけであります。 次に、今予知というものがこれは余り頼りにならないという意見がやや支配的になっている感じがいたします。もちろん応急対策、防災対策に力を入れていかなければならないことは、当然のことであり明らかであります。しかし、予知は予知でやっぱり挑戦していかなければいけないというふうに考えます。 それで、問題はアメリカにおいて、合衆国あるいは州でも結構ですが、カリフォルニア州のパークフィールドの過去二回にわたる予知が失敗したということに関連して、アメリカはもはや予知に対して余り力を置かなくなったとかあるいは防災対策に力点を置いていくようにしたというような情報が流れているわけでありますが、私の知る限りにおいては、アメリカ連邦予算によれば日本よりも予算は多額であるし、本格的な予知をやっているように受けとめているわけであります。 それで、どの程度アメリカの予知行政についてとらえておられるのか御紹介いただきたいとともに、私はこの際、アメリカの予知の経験例、それをどういうふうに総括しているのか、それから、米国地質調査所、全米科学財団等の予知対策というのはどのように進めているのか、気象庁で調査した上権威のある御報告をいただきたいというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) 現在私の理解している範囲でございますが、アメリカにおきましては地震災害軽減法という法律がございまして、これに基づいていろいろな地震対策が行われております。そのうちの一部として、アメリカ合衆国内務省所属でございますが、地質調査所及び大学を中心に地震予知研究を含みます地震研究が進められております。 特に、カリフォルニア州中部のパークフィールドでございますが、ここは先ほど申しました地質調査所が中心になりまして、マグニチュード六級の地震の予知の実験を行っているところでございます。これは実験でございますけれども、カリフォルニア州におきましてはこの実験の予知情報を防災対応に利用することを現に行っております。それから、また一つの特徴といたしまして、地震発生直後の速報に関する研究も盛んに実施されているというふうに理解しております。
○櫻井規順君 それじゃ、大臣に質問いたします。 きょうは割合、答弁も極めてコンパクトでございますが、私の質問もまたコンパクトでありまして、いかんともしがたい感じがしますが、結局我が国の地震予知体制というのは、御案内のように予知計画は文部省の測地学審議会がお立てになる。その具体化を科学技術庁の地震予知推進本部がお立てになる。それを受けとめて研究観測機関として国土地理院、これ建設省所管でありますか、国土地理院の地震予知連絡会がこれに当たるという仕組みになっています。それを受けとめて気象庁がいわば予知を行政化していっているという感じであります。 ですから、実績的にいいますと、この予知連までは学者さんや専門家や行政官があらかじめ知るための予知なんですね。予知されたことをあまねく国民なりその関係地域にあらかじめ知らせるという予知ではない現状ですよ、予知は。ですから、私はあえてきょうは阪神・淡路地震と予知の関係は触れませんが、現状は予知というのは行政化しておりません。気象庁のベースに乗ってこないと、これは行政化されないわけであります。 それで、従来質問をいたしますと、櫻井先生、それは文部省です、それは科学技術庁です、それは建設省ですと、こうきたわけですよ。きょうはそういう煩瑣なことはやめました。仮にここへその関係者がお見えになっても、室長さん、課長さんがお見えになっても、現状の枠を一歩も踏み出る議論はできない現状があるわけであります。ですから、この際、予知行政をつかさどる気象庁がこういうものを一元化して対応することを考えないと、とてもではないけれども予知というものは力を持たないというふうに思うわけであります。 そういう意味で、私はまだ言葉が足りないわけでありますが、運輸大臣、気象庁の主導性といいましょうか積極的な役割というのが非常に大きく問われている課題であるわけでありまして、どういうふうにお考えになるか、ちょっとお聞かせいただきたい。
○国務大臣(亀井静香君) 予知の問題につきましては既に言われておりますように、また気象庁においてもそのように考えておりますように、東海地震については相当の確度を持って予知し得るのではないかということで、それへの懸命な体制をとり業務を推進しておるわけでありますが、その他の直下型等については、委員御承知のように、現在での科学的な解析の水準においては予知できるという自信を気象庁としても持っていない、また、予知連等においても科学的根拠等を踏まえてのそうした確信を持っていない状況であることは御承知のとおりであります。 さはさりながら、私は、委員御指摘のように、人類というのは今後、永遠とはいかぬかもしれませんが、この地球上において大自然のそうした営みとある面では協調し、対決をしていく営みを今から何百年も続けていかなければならぬわけでありますので、今すぐ予知ができないといってその努力を怠ってはならないわけでありまして、これはデータの集積等含めてその時点その時点で真剣に取り組んでいく、その積み重ねが将来において直下型についても予知をし得るところまでいく可能性もあるわけであります。それを我々は努力しなければならないと基本的に私はそう考えているわけでありますので、今直ちに予知が不可能だからそうしたタイプの地震についての研究なりそういうものを怠ってはならない、このように考えます。 そういう面で実はけさ、閣議の後の閣僚会議におきまして委員御指摘の点が問題になったわけでございまして、これは田中大臣からそのことについて問題提起がございました。 そこで、きょうの閣僚懇談会におきまして、一応田中大臣のところで関係各省庁の責任者が集まって、委員御指摘のようにそうした収集といいますか研究といいますか、それを行政ベースに乗せていくというようなことを含めての一体的な一元的な運用を今後していこうと、それについては近々に科学技術庁において関係省庁が集まってどうするかということを協議しようということをきょうの閣僚懇談会で決めましたので、私も積極的にコミットをしてまいりたい、このように考えています。
○櫻井規順君 終わります。
○泉信也君 大臣はさきの所信表明で、日常生活や経済活動の基盤となる運輸の果たす役割がまことに大きいということを今回の地震によって改めて認識をした、こういう所信を明らかにされました。私も全く同感でございまして、今後全国的に技術的な分析の上に立った地震対策を早い機会に進めていかなければならない、このように思っておるところでございます。 さて、今回の地震に際しましては、自衛隊の出動の問題とかいろいろございましたが、海上保安庁は非常に早い時期から出動をしていただいたと、また、航海訓練所の練習船三隻が予定を変更して炊き出してありますとか物資の補給をしてくださったと、その他運輸関係の業界の方々がそれぞれの立場で大変な御尽力をいただいたことを承知いたしておりますし、感謝いたしたいと思います。 先日も、鉄道の代替輸送のところに参りましたが、朝六時前から多くの社員の方々が出られまして、不案内な私どもに懇切丁寧に道を教えていただくとか道筋の込みぐあい等をお話しいただき、大変感謝をしておるところでございます。 今回の地震で、自動車でありますとか海運とか観光とか、運輸界の各分野に大きな被害がございました。いずれまたこれらの対策についての議論もさせていただきたいと思いますが、きょうは、特に鉄道と港湾の復旧、さらに今も議論されました地震予知の問題等についてお尋ねをいたしたいと思います。 鉄道の支援につきましては、私の承知する限り、また先ほど大臣もお答えになりましたように、融資によって対応する企業、それから国庫補助さらに融資もあわせてという二本立てになっておるかと思うんです。恐らく、鉄道軌道法をつくったころは、あるいはつくった当時の背景としては、これほど大きなあるいは質的にも根幹的なダメージを与える災害は想定されていなかったのではないか。 そこで、私の思いとしては、国の助成が四分の一ではなくてあるいは三分の一というような、そうした考え方も必要であったのではないか、こんな思いを持っておりますが、この復旧の基本的な考え方をつくられます際にそうした議論がなされたのかどうか、まずお尋ねをいたします。
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、鉄軌法で想定をしておりますのはこのたびのような事態ではなかったんではないかというように私も認識をいたしております。このたびのような場合は、ほとんどといいますか鉄軌法ではできないわけでございまして、そういう意味では省令自体をそういう形で改正するという処置をとったわけでございますけれども、今後、そうした大規模災害の被害を受けた企業に対して国なり自治体がどういう支援をしていくかということについては、委員がおっしゃるように我々はもっともっと踏み込んでいいんじゃないかということも考えます。 ただ一方、特に私企業の場合、他にも同様な企業が、運輸関係以外の企業が被害も受けておるわけでございます。御承知のように、これあたりが国からのそうした補助ということを受ける道はそういう面ではないわけでもございますから、ただ交通機関の場合は、その公共的性格、そういうところに着目をしてのことでもございますので、我々の気持ちとしては三分の二とかあってもいいんじゃないかというような感じもいたすわけでございますけれども、他の業種とのやっぱり均衡の問題もございますので、その他の分については低利融資等で補強をするという処置をこのたびとったというように御理解をいただきたいと思います。
○泉信也君 恐らく、各企業の自立性ということも当然お考えいただいたことだと思います。ただ、一つ心配になりますのは、今回の地震が将来の運賃料金の決定に際して影響を与えないか、あるいは企業の安定した経営という立場から見たときに、十分という言葉を使うのはどうかと思いますが、果たして支障はないという判断をしていたたいておるのかどうか、この点いかがでこざいましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 震災発生と同時に私も十八日に現地に入り、それぞれ事業者の幹部とも現地でお会いもいたしました。その後、鉄道局がそれぞれ事業者と非常に細かい接触、協議を重ねておりまして、ある意味では経営の中身まで立ち至るような非常に細かい相談に応じてということでやってくれまして、その結果、それぞれ事業者が、この程度のことをしていただきたい、こうしていただければありがたいというような、まさに個々の詰めの中で一つの案を出してきまして、それを大蔵当局に対して折衝して、大体我々の主張どおり財政当局もこれを認めたということでございまして、最初に制度ありきとかそうした財源ありきということはやっておりません。村山総理からも、この際金に糸目をつけるな、できる限りのこと、あらゆることをやれという御指示もございました。 ただ、先ほど申し上げましたように、他の被災を受けている私企業とのバランスの問題とかいろいろなことがございますので、我々としては、また今委員御指摘のような自助努力といいますか、そういう問題を含めてこのようなことになったということを御理解いただきたいと思います。
○泉信也君 鉄道は今大臣の二度にわたるお答えで承知をいたしました。 次に、港湾につきましてお尋ねを申し上げたいと思います。 港湾全体の被災額は一兆円を超えるというふうに承知をいたしておりますが、もし大ざっぱに公共事業あるいは起債事業、こうした事業に分けて被害額がわかりますならばお教えをいただきたいと思います。
○政府委員(栢原英郎君) 現時点での報告額でございますが、阪神・淡路大震災による港湾の被害額は約一兆四百億円というふうに承知をしております。このうち、埠頭公社等も含めまして公的な施設の部分が約八千億円、民間の施設が約二千四百億円というふうに聞いております。また、公的施設八千億円のうち、公共施設と埠頭公社に分かれるわけでありますが、この八千億円のうち、埠頭公社の被害額は一千億円を超えるというふうに報告を受けております。 なお、これは現時点での報告額でございまして、今後災害査定等に入りますと変わる可能性のある数字でございます。
○泉信也君 今お話ございました民間事業を除きますと約八千億という被害額になるわけですが、第二次補正予算の規模は千二百億円というふうに承知をいたしております。先ほど来御答弁もございました二年間の復旧ということを考えましたときに、この千二百億円というのは少し小さいのではないか。もっと大きな補正を組むべきではなかったか。殊に現場が大変混乱をしておる。発注作業が細分化されることは随分労力を食うわけでありまして、できることであれば、繰り越し覚悟と言っては恐縮ですが、そうした覚悟の上で大きな補正予算を組むべきではなかったか。この点いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私ども、できることなら一兆円でもぱっと用意をしてぱっと事業ができれば、直ちに復興できれば、これほどいいことはないわけでございますが、当然のことといえば当然でありますけれども、やはり消化力といってはあれですが施行能力との関係もございます。 これは六年度の補正でございますから、明許繰り越しと保いいましても、直ちに七年度の補正に入っていくということがもう目の前に見えておるわけでございますので、私どもとしてはやはり当面の施行能力を考えて、そうして今直ちに対応しなければならない分、先ほどの河本委員の御質問にもお答えいたしましたけれども応急的な当面の対応と本格的な復興、これをうまく組み合わせていかなければならないというところがございます。そういう意味では、当面はそうした応急的な復興といいますかそういうところに力点を置いたことにならざるを得ないと思います。 そういう点で、私どもの方で具体的な能力との関係でこの程度の予算が必要だということで大蔵の方に要求をして大体そのとおりに我々のベースにおいて認められた、このように御了解をいただきたいと思います。
○泉信也君 大臣のせっかくのお答えでございますけれども、神戸港の復興が施行能力という点で抑えられるということについては、私としてはやや疑念があるわけであります。確かに、狭い場所で幾つもの工事をすることは難しいとは思いますが、しかし、千二百億という数値がそうした理由で妥当だとは私には思いにくいわけです。 鉄道を見ますと、鉄道の所要国費は約四百億ということでございますが、その半分を二次補正で見ていただくということのようでございます。そのありようは港湾とは違いますので一概に比較はできませんが、やはり二次補正ではもっとお金を積んで予算を大きくして、そして復旧に全力を挙げるという姿勢を示すべきではなかったか、こんな思いであります。いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 何度も申し上げますように、例えばまず総額ありきというような、そういうことの中でこのたびの二次補正全体も組んだわけではございません。御承知のように、建設国債と赤字国債という借金でこれは処理をしておるわけでございますから、私は毒食わば皿までなんというそんなことは申し上げませんけれども、当面必要なそうしたあれにつきましては二次補正で十分きちっとやれるということの中で、私どもの方で技術的な検討その他をやった上で六年度の二次補正においてはこの程度のものが必要だということで計上をしたということでございます。 それから施行能力の点でございますが、現在業者に協力を求めまして、私、それをきつく指示をして各港湾局で具体的に詰めてくれということで言っておるわけでございます。平成七年度あるいは平成六年度のそれぞれ工事が全国で行われておるわけでございます。七年度はまだでございますけれども、それが予定されておるわけであります。そのあたりについては、施行能力のある地元の中小、そのあたりに場合によっては直接発注をしていく、肩がわりをして、そうして大規模な施行能力を持っておる業者をできるだけ神戸に集めるという、そういうことも具体的に今港湾局の方で業界と詰めてやってくれておるわけでございます。 何度も申し上げますように、長引けば長引くほどよそに荷がシフトをするわけでありますから、時間との競争という面がございますから、我々としてはそういう形で遠慮して組んだとか怠けて組んだとかいうことではございませんので、御理解を賜りたいと思います。
○泉信也君 ありがとうございました。 今回の復旧に当たりまして、公社埠頭の問題が再三取り上げられております。岸壁につきましては国費八割という、いわゆる高率補助で実施をしようというお考えを承知いたしておりますが、この公社施設全体の復旧費を考えますと、今回第二次補正で約百六十八億円という金額が計上されております。私が概算をいたしますと、全体の復旧費の中で国費が占める率というものは大体六二%ぐらいになるようでございます。 実は、このことが高いか低いかということは大変判定が難しいわけですが、先日も予算委員会でお尋ねいたしましたように、結果的にこれが船会社に使用させます際の使用料にはね返ることになってないか。今でも高いと言われておりますリース料が、今回の災害で手当てがもう一息というところまでいってないためにリース料が高くなるということになれば、施設は復旧しても船会社は他国に逃げていくということがあり得るわけでありますので、この点からの分析はいかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) これは八割じゃなくて一〇〇%にすればいいということもあるかもしれませんが、委員はお役人出身でもございますからそのあたりはよくおわかりと思いますけれども、国の補助制度の体系等からいきまして、このたびの八割というのは最上限であると考えてもいいと思います。残りにつきましては、自治省とも協議をいたしておりまして起債で処理をさせて、あと交付税等によって処置をしていくということを考えておるわけでございますので、実質的には埠頭公社の分につきましても地元自治体の負担がない形で完成できる、私はこのように考えております。
○泉信也君 自治体の負担の件についてもお答えをいただきました。自治省にもきょうおいでいただいておると思いますので、また後で一言だけお尋ねをさせていただきます。 その前に、実は今回の埠頭公社の復旧に当たりましては特別法で処理をいただくということで進めていただいておるようでございます。これは緊急を要することでありますので、こうした次善の策ということも私は評価をさせていただきたいと思っております。 ただ、この埠頭公社の生い立ちのときから考えてみますと、外貿埠頭公団がこの施設を持っておりましたときには災害復旧をその任務とし、また国の補助もいただけるという仕組みがあったわけでありますが、この埠頭公団の承継をいたしました現在の公社になりました際に、任務としては災害復旧を持っておりながら災害に対する国の補助という文言が抜けておる。これは大変大きな課題であったと私は思っております。 今回の災害の手当ては一応方向が見えてまいりましたけれども、今後埠頭公社のそうした所有する施設が、あってはならないとは言いながら再び災害を受けることを想定いたしますときに、むしろ承継法を改正しできちんとした位置づけをしておくべきではないかと私は思うわけです。 参議院の予算委員会で大臣からは、法律改正も含め耐震性はAランクにしてと、こういう御答弁をいただきましたけれども、ぜひ承継法を変えて補助ができますような仕組みを考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 埠頭公社に移行することについては、衆議院も当時いろいろと御腐心をなされたお立場であろうかと思うわけでありますが、結果として見ますと大変大きな穴といいますか予期せざる事態になっておったということでございます。今後の問題もございますので、これは市ともまた県ともよく協議いたしまして、研究会といいますか、そのような形の中で今後どうしていくかということを整備していきたいと思います。 なお、それとの絡みでもう一つ食品コンビナートと民間埠頭の御承知のような問題があるわけでございまして、これあたりも従来のいろんな経緯がございます。これは市に移管することについてどうだ、賛成だ反対だというような今になっての議論がありますが、そこらについてもこのたびきちっと視野に置いて我々は対応したい。それから所有形態、それあたりもどうするか。そんなことを含めまして委員御指摘の問題、もうちょっと広くこのあたりを勉強したい、このように考えています。
○泉信也君 民間施設の問題にも言及いただきましてありがとうございました。御承知のように、兵庫県からも民間施設についての要望が出ておりますので、ぜひ新しい対応ができますように御尽力をいただきたいと思います。 自治省にお尋ねをいたしますが、今御議論をお聞きのように、鉄道の場合も四分の一、港湾の場合も二〇%という自治体の負担をお願いし、ざらに起債のお願いもしなけりゃならないということでございますが、地方自治体の財政支援に対します自治省のお考えはいかがでございましょうか。明確にいただければ幸いでございます。
○説明員(石井隆一君) 鉄道の災害復旧につきましては、今お話にございましたように、地元の地方団体が国庫補助にあわせまして四分の一の補助を行います場合には、この地方負担も含めまして被災地域の地方団体に被災者の援助、災害復旧等につきまして多大の財政負担が見込まれますことから、こうした団体の財政運営に支障が生じないように地方債と地方交付税による適切な財政支援措置を講じてまいる考えでございます。 また、お話のございました埠頭公社の公共岸壁に係る災害復旧につきましても、国が十分の八を補助されまして、残り二割について地元地方団体が補助をするというようなことが予定されているようでございますが、地方団体が補助を行います場合には、同じく地方財政の運営に支障が生じないように地方債と交付税によりまして適切な財政支援措置を講じてまいる考えでございます。
○泉信也君 御承知のような地方自治体の被災の中でございますので、ぜひ手厚い保護をお願いいたしたいと思います。 次に、気象庁にお尋ねをさせていただきます。 予知の問題でありますが、地震予知推進本部の調べですと、七年度予算は百七億ぐらいの大きな予算が組まれておるようであります。そのうち二十億が運輸省の予算だと承知をいたしております。しかし、先ほど来議論もございましたように、どうも本当にだれが責任を持ってやっておるのかというのがもうひとつわからないように思えてなりません。 例えば、地震計の設置箇所は全国で五百ある、そのうち百八十は気象庁が持っておられるわけでありますが、この五百の中で気象庁とオンラインで結ばれておる地震計というのは二百を少し超えるくらいしかない。これで本当に大丈夫なのか。あるいは、民間の企業がそれぞれはかっておりますデータも気象庁には入っていない。こんな状態であると私は理解をいたしておるわけです。また、役所同士の中でも、科学技術庁の深層観測施設でありますとか国土庁の人工衛星による観測記録等も提供がなされていないと私は理解をいたしております。 むしろ気象庁としては、二十四時間体制でありますとか速報体制をとっておられる唯一の機関でありますので、もっと積極的にこの問題に取り組んでいただくということにはならないのか、長官にお尋ねをいたします。
○政府委員(二宮洸三君) 東海地域におきましては既に各機関、これは国土地理院でございますとか科学技術庁、各大学でございますが、観測データをすべてリアルタイムで気象庁に集中いたしまして二十四時間体制で監視を続けでございます。また、南関東地域におきましても、中央防災会議の南関東地域直下の地震対策に関する大綱に基づきまして関係機関の観測データを気象庁に集中し監視する計画でございます。 それ以外の他の地域につきましての観測データにつきましても、集中監視するシステムをつくるため関係機関とも検討を進める必要があるというふうに考えております。
○泉信也君 先ほど大臣がお答えになりましたわけでありますが、もう一度最後に大臣にお尋ねをさせていただきたいと思いますが、その前に一つだけ。 実は、震度という表現がまたいろいろと取りざたをされております。マグニチュードであらわすべきではないか、むしろマグニチュードと震源がわかれば地震の大きさというものはある程度想定できる。これは素人という意味ではなくて、専門家の方々にはすぐわかるはずだ。今回の地震も、六時四分のマグニチュード七・二、神戸付近ということだけで地震学者にはどれほど大きな地震であるかというのは判断できたはずだということすら言われておりますが、何しろ震度という表現が世の中に余りにも通っておりますゆえにやや誤解を受ける。震度七とか六とかというところが必ずしも明確でないという意味でもうひとつはっきりしないというふうに私は思いますが、気象庁としてはこの表現というか発表の仕方等について何か御検討をなさっておられるわけでしょうか。
○政府委員(二宮洸三君) 現在検討中のところは、今までのは震度の階級に関する説明文が現在の社会の進歩に合わないところがございまして、それについては至急に改定する必要があると思っております。また、今まで震度七を計器で観測した例がございませんので、現在の震度計におきましては七が表示されておりません。これにつきましても、今回の地震のデータ等をもとにいたしまして、部外の学識経験者の御意見も踏まえた上で震度その計測を図りたいというふうに思っております。 それから、ただいま御指摘なさいました震度とマグニチュードということでございます。マグニチュードというふうなものはまさに地震そのもののエネルギーをあらわすわけでございまして、非常に大きなマグニチュードの地震がございましても、それが非常に遠方でございましたりあるいは非常に深い場合には地上の揺れ方は少ないわけでございます。一方、震度の方は、地震の規模というよりは、それぞれの構造物がある地域あるいは人の住んでいるその地域の地面の揺れ方あるいは建物等に及ぼす影響をあらわしたものでございまして、一口に申しますと加速度と地震動の継続時間を加味した量でございます。 専門の方から見ますと、マグニチュードがわかり、距離がわかり、深さがわかるならば確かにその地震の震動の様子というふうなものは理解されると思いますけれども、現在、一般の市民の方が広く地震のひどさと申しますかそれを御理解いただくためには、現在の震度というふうな量の社会的重要性もあろうかというふうに考えております。
○泉信也君 最後に、大臣にお尋ねいたします。 先ほどのお話の中で新たな取り組みが始まるというふうに伺っております。私が調べてみますと、本当にこの地震の関係というのは責任の所在がわかりにくいわけでありまして、先ほど同僚議員からもございましたように各省にまたがっておる。そうした中で、田中長官から予知体制の統合による効率化という御意見も既に出ておるわけでありますし、行政監察局からも九二年にこうした問題が指摘されておるわけであります。 一番最初に申し上げましたように、やはり気象庁というところは非常に体制が組んである、そしてまた気象予報を出すということで国民にもなじみがあるというようなこともありまして、運輸大臣がぜひ先頭に立ってこの地震の予知から情報を国民に開示するという仕組みまで立て直していただきたい、こんな思いでございます。いかがでございましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほど櫻井議員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、今我々気象庁が、外れることもありますが、あした雨になるとか雪になるとか、そういうような形での、いわゆる気象予報と同じような形で国民の方が受けとめられるようなことで予報できるのは東海型の地震ということであります。その他について、けさの閣僚懇談会で田中長官を中心に一体化して予知に取り組むということを決めたわけであります。 それは、先ほど申し上げましたように我々の子々孫々のためにも、そうした資料を不断に収集をしそれに検討を加えて予知に挑戦をしていくという観点からも私はやらなければならないことだと思います。しかし、そういう一元化して体制をとったから予知ができるんだというように国民の方が誤解をしていただいてもまたこれは困るわけでございまして、しかし、今申し上げましたように不断の努力を、予知ができることへ向かっての努力をしていくということで私も頑張ってまいりたいと思います。 ただ、そういうことにつきましては、むしろ田中大臣の方が私みたいな非力な者よりも非常に適しておられるんじゃないかと思いますので、私も全力を挙げて協力してまいりたいと思います。
○泉信也君 ありがとうございました。終わります。
○中川嘉美君 このたびの阪神大震災においてとうとい命を失われた犠牲者の方々、また遺族の方々に心から哀悼の意を表するとともに、三十万人を超える被災者の皆様にも心からのお見舞いを申し上げます。 時間に限りがございますので長い前置きは省略したいと思いますが、私も運輸委員の一人として、日本の大動脈と言われる新幹線の橋げたが落下した、こういう事態の重大さにかんがみまして単身で現地に赴いたわけでございます。 ちょうど今津線の門戸厄神という駅がございます。そこまでそのときは当然電車は行ったわけなんですが、あとは十五分ぐらい歩いたわけですが、その地点でどさっと上から落ちていて大変凄惨な状態だったわけです。ちょうど今津線のレールが下を走っている。要するに、もう下から三十センチぐらいのところまでどんと上から落ち込んでいるわけで、のぞいてみても進行方向は全然見えない、そういう非常にすさまじい状態であったわけであります。もしも下を今津線自体が通っていたらこれは大惨事になるだろうということを想像せざるを得なかったわけで、ぞっとしたわけであります。 いずれにしても、早速ここで質問に入ってまいりたいと思いますが、まず今回の地震で山陽新幹線の橋げたの落下、それから高架橋の支柱の損傷、この状況についてまとめられた数字はどの程度のものか。数字だけで結構です。
○政府委員(戸矢博道君) 山陽新幹線は、先生おっしゃったように大変大きな被害だったわけでございますが、高架橋等が落下した箇所八カ所を含めまして、高架橋等の柱が七百八本損壊または損傷を受けております。
○中川嘉美君 確かに強大な地震だったわけですから、耐震構造の限界を超えていたという面があるのかもしれません。しかし、今回の大震災を契機に、鉄道施設そのものの安全性の見直しということを徹底的に今行うとともに、原状回復にとどまらない耐震性の向上そのものを図るべきである、このように私は思います。 私驚いたのは、高架橋の橋脚ですか、木材が混入されていた。これは国会でももう既に多々論議されておるところですけれども、厳しい耐震基準があったとしても、実際の工事がいいかげんであったとしたら重大な事故にもつながるはずである。私が先ほど申し上げた現場で見た橋脚ですが、とにかくぼきっと折れ曲がって、もうコンクリートが崩れ落ちて、現地に行かれた方は御承知だと思いますが、中にいわゆる鉄筋という異形丸棒がたくさんある、しかし帯鉄筋というんですか帯筋というんですか、これが本来あるべきところに全くない、五メートルさかのぼってみても六メートルさかのぼってみてもそういうものは見当たらない、まるでもうあめのようにぐにゃっといっている、そういう状態を私はこの目で目の当たりに見てきたわけです。 このような事例はほかにもあるのではないかと容易に推測されるわけですけれども、新幹線の安全性とか信頼性というものは大きくこのことで損なわれたのじゃないか、損なわれたと言っても過言ではないというふうに私は思います。 運輸省は、開業監査として設計どおりに建設されたかどうか当然チェックをしているはずですが、どのような検査が新幹線施設に行われていたのか、この点をお答えいただければと思います。
○政府委員(戸矢博道君) 山陽新幹線は当時の日本国有鉄道において建設されたものでございまして、新大阪−岡山間は昭和四十二年から四十七年にわたって建設されております。開業は四十七年の三月十五日でございますが、開業に当たりましては、当時の国鉄は国と見なされる機関でございまして、監査についても当時の国鉄がみずから行う、こういうことでございました。
○中川嘉美君 どうも今の御答弁を聞いていますと、当時の国鉄であるというようなことで、責任回避と言い切ってはならないのでしょうけれども、何となくそのような響きがある。したがって、それならそれで、そういったことをもっと事前に、この震災のあった直後から調べるとかということが必要だったんじゃないだろうかと思うんですが、報道によりますと実際は建設会社任せだというふうな報道もあるわけです。今後の開業監査に対して、これからいろんな整備新幹線も含めてあるわけなんで、運輸省としてどのような対応を考えておられるのか、この点もお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 今ちょっとおしかりを受けたわけでありますが、実のところ私ども大変なショックを受けておるわけでございます。やはり過去日本列島を襲った最大級の地震にも耐える、そうした耐震設計のもとで山陽新幹線も建設をされたわけでありますが、このたびの地震が、震度とかなんとかいいましても、人間の体温をはかるようなものじゃございませんから確実なものが出るわけじゃございませんので、そういう意味で、我々の想像を絶する力が働いたためにこうした事態になったのか、あるいは委員御心配されておりますように、設計そのものがちゃんとしておっても施工について問題があったためにそういうことになったのか、そのあたりのことにつきまして、東京理科大学の松本教授を委員長とする鉄道施設耐震構造検討委員会、この方々が現地に三日間入りまして徹底的な調査をされました。 なお、JRの技術者が東日本からも東海からも参りまして、大変大がかりな形での徹底的な点検を引き続いて今やっておるところでございまして、その結論を我々は日にちを区切って出してもらうわけにはまいりません。我々は、本当にこの際徹底的になぜああいうことになったのかということを究明してもらうということでございますから、日にちに制限なんかおつけしておりません。 それぞれお仕事のある方ですけれども、時間をこちらに本当にお割きをいただいてやっていただいておりますが、我々としては復興工事の中でも、それが正式な結論が出てから取りかかるというわけにはまいりませんから、その検討委員会の方々の御判断をいただきながら、ハイレベルの、最高のレベルの復興工事を今やるということで我々としては承認をしておるわけでございます。 委員御指摘のように、従来の新幹線についての総点検、これも各社やっておりますが、検討委員会の先生方の目でそれを具体的に検討してもらいたいと思いますし、新たな新線の建設もそうした検討結果の上に乗って、新しい耐震基準に基づいて建設をしてまいりたい、このように考えております。
○中川嘉美君 震災後のそういう検討委員会のお話がございましたけれども、今後のことも当然あるわけですから、少なくとも報道によって建設会社任せだみたいなそんなことを書かれないように、将来的にひとつしっかりと充実をさせていただきたい、このように思います。 いずれにしても、不十分な工事がもとで橋脚が耐震性を低下させているのではないか、こういう疑いが非常に濃厚になっているわけですけれども、私は今大臣も言われました橋脚そのものの総点検を直ちに行うべきじゃないか、これは容易なことじゃないかもしれませんけれども、これを強く主張したい。例えば新幹線の安全を考えれば、これはできないとか難しいとか、そんなことでは済まされないと私は思うわけです。 このたびの山陽新幹線について現在どのような調査検討、対策が行われているか、今御答弁は大体いただいたと思いますが、さらに山陽新幹線以外の新幹線について今後どのような対応を考えておられるか、この点もちょっと御答弁をいただいておきたいと思います。
○政府委員(戸矢博道君) 大臣から御答弁申し上げましたけれども、被災した施設、それから壊れなかった施設もあるわけでございまして、建造物にどういう力が働き、その力を受けて建造物がどのように動いたのか、そしてまたどういう建造物が耐力があったのかというようなことを今松本委員会におきまして分析しているわけでございます。 その分析結果を踏まえまして、先生おっしゃいましたように、山陽新幹線だけではございませんで、ほかの既存の新幹線についてどういうふうに点検し、どういうふうに対応していく必要があるかということを御意見をいただきながら対応していきたいというふうに考えております。
○中川嘉美君 橋げたが落下した地域は軟弱地盤であるということも実は指摘されています。 山陽新幹線の新大阪と岡山間、一九六五年だったと思いますが、このルート選定があったわけです。そのとき四つの案があったわけですけれども、六甲山の北側の強固な地盤を通過する方、これは営業的価値が低いということで採用されなかった経緯がある。一方、市街地の北側を横断する今のルートですが、これは表六甲案と言うんですか、これは軟弱地盤を通過するにもかかわらず営業的価値が高いということで採用になった、このように聞いているわけです。 新幹線の計画段階でのルート決定に際して安全性は、これは第二義的にとはちょっと思えないんですが、こういったような安全性を二義的に考えても経済性が最優先されるということになるのかどうか、まさかそんなことはないと思いますが、この点についてどんなものか伺いたいと思います。
○政府委員(戸矢博道君) 新幹線のルート選定の考え方についてのお尋ねでございますが、もちろん安全性は非常に大事でございまして、第一義に考えるべきことは当然だろうと思います。 新幹線のルートを決める場合の一般的な考え方といたしまして、地質、地形等の自然条件、それから社会的あるいは経済的な条件というのを考えるわけでございます。自然条件としては地質や地形の問題は当然でございますが、また社会条件といたしましても、鉄道を御利用いただくということがございますので、人口集積でございますとか工場の立地あるいは主要観光地との関係といったようなものを考えるわけでございますし、また経済性という意味では建設費あるいは時間短縮効果、開業後の採算性といったようなものが要素として入ってくるわけでございます。 そういうことを総合的に勘案し、当然のことながら安全はもちろん確保されるのが前提でございますので、そういうことで総合的にルートを検討していくということでございます。
○中川嘉美君 活断層なんということが今盛んに言われておりまして、我が国の場合非常にそれが多いわけだし、やはりそういった点からもこういったことへの取り組みを見せなければならない。 整備新幹線のことも当然これから出てくるわけですけれども、ルート選定の基準を一体どの辺に置くのか。安全性なのか経済性なのか環境問題なのか住民の要望なのか、こういったことがいろいろあると思うんですが、少なくともこれらに対する順位といいますか、そういったことをきちっと明確にしておく必要があるのではないかと思いますけれども、将来的に果たしてどんなものか、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 私どもは、当然のことでございますが交通機関は安全が第一だ、このように考えております。いかに利便になろうとも安全性の面に問題があれば我々は国としてそれを推進するわけにはまいらない、このように考えておるわけでございますし、また文明を享受する以上はそれに対する安全面のコストは当然払わなければならない、このように考えます。 ただ、現実に日本列島は活断層の果といいますか、そういう状況でございますから、活断層を完全に避けて基幹的な交通網が敷設できるかという形になると非常に難しい問題があろうかと思いますから、その場合は安全性を高める耐震構造をうんと強化するというような方法をとりながらそういう面について対応しなければならない、このように考えております。
○中川嘉美君 耐震性を強めるということで、ちょうど次に伺おうと思った質問の内容でもありますので、今お答えいただきましたので次に移ってまいりたいと思います。 これもできれば大臣にと思いますが、東海道新幹線では平成二年から地震早期検知システム、いわゆるユレダスシステムを使用しています。地震対応に非常に効果を発揮しているわけですが、これはプレート型地震には対応できるけれども直下型には効果は余り期待できないというふうにも聞いているわけで、これから直下型にも、そういったことにも適合するような開発研究というものに力を注いでいく必要は当然あるかと思います。 その暁にはというわけではありませんが、こういったシステムを早急にほかの区域、区間にも導入させるべきじゃないかというふうに私は考えます。特に、直下型地震を懸念する首都圏の民間鉄道、これにもこのようなシステムを開発して導入することができないものかどうか。私は、何よりも利用者の安全を第一に考えた経営というものが公共輸送機関の使命であると考えていますけれども、大臣の御所見も伺っておきたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 今、委員御指摘のユレダスでございますが、これは御承知のように震源地から及んでくる時間よりか先回りをして知らせが来て、そして急ブレーキをかけて、地震がそこに及んできたときには速度を落としておくというような、そういうことを目的とした装置でございますが、これは直下型についてはなかなか難しいというのが今の危惧であります。しかし、震源地が遠い場合においてそうした若干の、何秒でも早く列車がキャッチをして、そこに震動が及んでくる前にスピードを少しでも落とす、たとえ〇・一秒であってもそういうことができれば、これはやはり私は安全対策上大きな価値があると思います。 現在、東海だけじゃなくて東日本も西日本も研究といいますか、実用というよりもまだ研究段階でございますけれども、それを取り入れて今やっておりますので、委員御指摘のように、これについては完全なものじゃなくてもやはりそういう努力はしていくように我々としても要請をしたい、このように思っています。
○中川嘉美君 そういったシステム、例えば高速道路なんかでも車がたくさん走っている、例えば等間隔に、二百メーター置きかなんか知りませんが、そういうときに、例えばユレダスそのもののかわりはできないだろうけれども、特殊な光を発するような、何か高速道路にもそんなようなことが適用できないだろうか。このことはき占っテーマにするつもりはありません。そんなことも今連想するわけです。 今、高速道路と言ってしまったので、ちょっと高速道路について二、三伺ってみたいと思います。これは建設省、おられますか。 今、首都圏でも直下型地震そのものが大変心配されているわけですが、特に首都高速道路について徹底した対策が必要じゃないかというふうに思います。 今回の大震災で問題となった段落とし工法、この段落とし工法によって建設された橋脚が首都高の場合七百七十本ある、このように聞いております。段落とし工法は、御存じのとおり本当に分解したのを見るとこれで大丈夫かというような感じの構造になっているわけですけれども、このうち既に三百九十八本が耐震構造の補強工事、これを完了している。残りの三百七十二本についてはまだこれからで、平成九年度までに完了するというふうに聞いております。災害がいつ来るのか、これはもう時期的に全くはかり知れない以上、平成九年度までは安全だというような保証は何にもないわけです。 そこで、これらの三百七十二本の補強工事について一日も早く、九年度までなんて言わないで一日も早く完了させるためにぜひとも前倒してこれらの工事に取り組んでいただきたい、このことを強く要望するものでありますが、建設省から前倒しそのものについての実現を約束できるような、そんなような御答弁がいただければと思います。
○説明員(井上靖武君) 首都高速道路につきましては、これまでの点検によりまして、既設の橋脚に関して平成九年度までの完了を目途に耐震性向上対策の計画を定めまして鋭意対策を進めてきたところでございます。既設橋に関しますこれまでの点検によりまして、今委員がおっしゃいましたように、耐震性向上対策を行うこととして計画されていた橋脚数七百七十基につきまして、これまでに三百九十八基の対策を完了しております。 都市高速道路につきましては、橋脚の耐震性向上対策を進めるに当たっては、通常、その橋脚の立っている一般道路、これの交通規制を伴う場合が多いために、その推進に当たっては道路利用者などの深い御理解をいただくことが必要であるというふうに考えておりまして、今回の地震におきまして阪神高速道路等で落橋を含む大きな被災となったこと、これを非常に重く受けとめておりまして、計画を大幅に繰り上げて平成七年度にこれをおおむね完成させるように公団を指導してまいりたいと思っております。
○中川嘉美君 大変前向きな御答弁と受けとめていいと思います。とにかく、直下型があした来るんだと言ってもだれからも怒られないわけですから、そのようなあらゆる知恵とか工夫を発揮して、ぜひとも今御答弁あったような内容の実現を図っていただきたいというふうに思います。 ところで、この七百七十本ですけれども、東京オリンピックのころに恐らく建設されたものと思われますけれども、首都高全体から見ますと、主としてどの辺の地点というか地域というか、この辺のことが外から覆われているからさっぱりわからないわけで、その辺についてぜひ明らかにしでいただければと。この段落とし工法そのものが使われているところ、これは明らかにできるかどうか。いかがでしょうか。
○説明員(井上靖武君) とっさの質問でございますので、私どこに何本あるかというのはちょっと、首都高速道路公団に一度調べさせたことはございますが、この場では数字を持ち合わせておりませんので、また後はとても御説明申し上げたいと思っております。
○中川嘉美君 そういう御答弁がなと思っていたんですけれども、少なくとも、関係省庁だけは知っている、住民は寝耳に水だということになりますと、いざというときにより大きな被害になってしまうんじゃないかと私は思うんです。ちょっと建設省の方から漏れ聞いた話なんだけれども、何か危険箇所を知らせてしまうとその周辺住民がパニックになるとか不安があるからと、そんなことを耳にしたことがあるんですけれども、具体的なことが住民に知らされないことの方がむしろ問題じゃないだろうか、事前に知らせているならばむしろ冷静に震災等への対応が事前に準備されていくんじゃないだろうか、一人でも二人でも命を救うことができるんじゃないだろうかというふうに思うわけです。 私は、地震対策が実効あるものとして進展するためには、ただいま申し上げたように、多くの国民が認識を共通するものとして持つことが必要だ、このような情報が開示されるべきだということを思うわけですけれども、いま一度、そういうことならこういう努力もしようかというような何か御答弁はありませんか。
○説明員(井上靖武君) この場に数字を持ってきておりませんでしたので数字をお答えできなかったわけでございますが、東京都内の各区からいろんな問い合わせを受けておりますので、そういったときにはあらかじめ調べております数字を首都高速道路公団の方からお答え申し上げております。 それから、先ほど申し上げましたように、平成七年度に前倒しして我々実施しようとしておりますわけですから、そういった箇所につきましては具体的に住民の方の御理解も得る必要がございますので、そういったところをお教え申し上げるといいますか、そういったことでまいりたいと思います。
○中川嘉美君 大分時間もなくなってまいりましたが、ここでもう一つ大臣に伺っておきたいと思います。 それは、日本は地震国であるにもかかわらず公共事業の項目に大地震対策に相当するものがないわけです。各省庁が個別的な対応をしているということを理由に公共事業費にはそのシェアがない。しかしながら、既存の新幹線の安全性が大震災で揺らいでいるというのに、未着工整備新幹線の予算は来年度予算案に計上されている。 大臣の所信表明の中でも、当面の運輸行政の第一に、運輸関係社会資本の整備を通じた豊かな国土づくりとして整備新幹線に触れておられますが、私は整備新幹線に反対な者ではありませんが、公共事業費のプライオリティーというものは、国民の生命、財産に関する事業なのか、経済的利潤なのか。大臣は両方ですとおっしゃるかもしれませんけれども、いずれにしても大地震対策に相当する予算の項目的なものを今後どのように考えておられるか。この点についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、委員御指摘のように、公共事業におきましても、橋をつくるにしても空港をつくるにいたしましても港をつくるにいたしましても、それぞれの公共事業の中で耐震性、またその他の防災的な配慮をした建設をしなければならない、このように考えます。大自然の大きな営みの中で我々は生かされておるわけでありますから、そういう意味では、常に文明を享受するそういう中で自然に対する恐れというものがなくてはならない。そういう意味で、生活の便利のために公共事業をやっていく場合も、必ずそうした観点から私は執行をしていくべきだと思いますので、そういう意味では公共事業そのものが私は耐震といいますか、耐震対策でなければならない、このように思います。 また一方、このたびの経験の中でも、主として自治体が直接対応する形になるかもしれませんけれども、消防力等についても、二軒か三軒の家とか一つ二つのビルの火災に備える程度の消防力で事足れりとしておるわけには私はいかないんじゃないか。やはりそうした大規模の震災が発生をした場合にもちゃんとそれに対応できるような、レスキュー体制を含めて消火活動等をきっちりと日ごろから準備をしておくということが大事なのではないかなと。このあたりもこのたびの反省点ではないか。 特に今度、六甲山系は御承知のように水はたくさんあるわけです、ところが水が使えなかった。そういう意味では私は大きな反省があると思うんです。防火水槽をつくっておりましたが、これは全部破裂しまして使えなかった。しかし、あそこはちょっと井戸を掘れば地下水が無限にくみ上げられる状況にありますから、例えば百メートル四万の区画で一カ所必ず井戸を掘っておいて、日ごろは閉めておいて、いざとなればそこからポンプ消防車がポンプで消火活動をやるというようなことをやれば、このたびの場合も相当消火能力が向上したという面もあったのではないか。 しかし、何も私は神戸市だけを責めているわけじゃなくて、私のふるさとにおいても、じゃそういうようなことを日ごろから消防力の強化というようなことを含めてやっておるかという形になりますと、私は、残念ながら全国のほとんどの自治体がそこまでいっていないという現状があろうかと思うんです。そういう意味で、私どもとしては、やはり備えあれば憂いなしという、そういうことにもっともっと金をかけていくということが必要であろう、このように思います。
○中川嘉美君 私と大臣と発想が若干違うかもしれませんが、このことは改めてまた機会があればさらに議論してみたいなと思います。これはちょっときょう時間がありませんので。 最後に、ちょっと今までのテーマと若干角度が違うんですが、タクシー運賃の仲なんです。タクシー運賃の値上げについて伺いたいと思います。 このタクシー運賃の値上げについては、タクシーの運転手さんたちからの値上げ反対の声、これは多々聞いております。その理由は、前回値上げのときの経験から言えることとして、第一点としては、利用客が激減するということ。それから第二点として、いわゆる新設される遠距離割引制度とかあるいは時間制運賃など非常に複雑な料金体系をとるということです。こうなると利用客との間に非常にトラブルが起きてくるだろう。いろんなこういった理由、懸念があるわけです。 値上げの建前として、これはタクシー業界の従事者の待遇改善が毎回うたわれているわけですが、現実には利用客離れから減収を引き起こす悪循環につながっている。タクシー運転手の待遇改善にはなかなか効果が上がらないというのが実態じゃないかと私は思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 今、委員御指摘のように、値上げをすればそれで直ちに事業者の収益力が向上し、また従業員の待遇改善にすぐつながっていくかというと、これはお客さんあってのことでございますから、委員御指摘のように、それが経済事情等によっては逆に減収につながっていくという事態もあるわけでございます。そういう意味で、私どもとしてはそのあたりの経済の実態、世の中のいろんな動き等をにらみながら個々の申請について審査をし、それで認めておるわけでありますけれども、その中で、私どもは常にドライバー、従業員の待遇にどう還元されていくのか、この点を非常に厳しく事業者に対して具体的に説明を求めておるわけでありますし、またその点のフォローアップをいたしております。 具体的には、労働時間がどういう状況になってきておるか、賃金水準がその後どうなってきておるかということを具体的にその後もフォローアップをいたすということで、何もそれで事業者に対して間接的な圧力をかけておるわけじゃございませんけれども、そういう形で運用をいたしておると同時に、また事業者に対しても、設備の更新等を含めてやはり必要な設備投資について資金を確保できるかどうか、そういう観点も十分入れてやっておることを御理解賜りたいと思います。
○中川嘉美君 もう時間が参りました。 東京都内で四十八万人のタクシーの運転手さんがおられるわけですね。大半の方々が同じような意見を持っておられる。こういった運転手の要望に対して、今後待遇改善が本当に行われているのかどうかということを、御答弁にもありましたけれども、運輸省としてもっと明確にチェックをしていくべきだ、私はこのように思いますので、その方向に向かって御努力されることを切望いたしまして、終わりたいと思います。
○高崎裕子君 このたびの阪神大震災では五千三百名を超える死者を出し、大変多くの被災者を出したということで、最初に心からお悔やみとお見舞いを申し上げ、同時に、本当に復旧、復興、そして抜本的な対策を早急にということが政府の責任として求められているというその立場から質問をしたいと思います。 最初に、港湾についてお尋ねいたしますけれども、これは大臣にお尋ねいたします。 神戸港は、国内のコンテナ貨物取扱量は実に三〇%を占めて、文字どおり国際貨物港としての重要な役割を担ってまいりました。その神戸港の被害というのは想像を超えるものがあり、壊滅的に破壊されて、被害額は伝えられるところでは一兆円を超える、こう言われております。 これ実は運輸省にお尋ねいたしましたら、被害額はつかんでいないと、こういうことで一切お教えいただけなかったんですけれども、これをつかんでいなくて何が補正で何が予算がという点では私は大問題だと思うんです。耐震設計に私は問題があったというふうに言わざるを得ないと思います。 特に、地域別設計震度では、第一地区、つまり一番地震活動を考慮しなければならない地域、こういうふうに定められております。それにもかかわらず、構造物の重要度は特定、A級に次ぐB級クラスと。これは重要度で言うと、特定、A、B、Cと四ランクありまして、Bというのはもう下から二番目なんですね。こういう大変な状態になっている。B級の上のA級の位置づけというのは、まず構造物が震害を受けた場合、多くの人命、財産の損失を与えるおそれのあるもの、震災復興に重要な役割を果たすもの、構造物が震害を受けた場合、関係地域の経済・社会活動に重大な影響を及ぼすもの、そして四として、構造物が震害を受けた場合、復旧にかなりの困難が予想されるもの、こうなっております。 神戸は文字どおりこのA級または特定クラスの港であることははっきりしています。そのため、関西経済圏はもちろん、中国、四国にまで重大な支障を来しているというのはもう御承知のとおりで、しかも地域別震度では第一地区にもかかわらず、なぜ重要度がB級であったのかという点では、これはA級ないし特定であるべきだというふうに思いますけれども、この点大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私どもとしては、港湾の建設、それぞれの地域のいろんな状況等を勘案しながら設計、施行いたしておるわけでございますが、高崎先生から声を張り上げてけしからぬとおっしゃられますと、申しわけないとおわびを申し上げる以外に私はないと思います。現実において破壊をされたわけでございますから、私どもとしては弁解をするつもりはございません。まことに申しわけなかったということでございます。 そういうことで、今後同じ過ちを二度と繰り返してはならぬわけでございますから、現在、第一次の基本的な復興計画を神戸市、兵庫県と協議の上策定をいたしておるわけでございます。その前提として、被害額が問い合わせたけれどもわからぬじゃないかとおっしゃっておしかりを受けておるわけでございますが、これは私は高崎先生ともあろう方がなぜおっしゃるのかちょっとわからないわけでございます。 と申しますのは、被害額ははっきり申し上げまして今も確定をいたしておりません。これは現在いろんな形で調査をいたしておるわけでございます。市、県が一応一兆四百億程度ということを言ってきておりますけれども、この数字は基本的にやはり今後動いていく可能性は私はあると思います。そういう意味で正確には申し上げられないということを言っておるわけであります。 しかし、私どもといたしましては、復旧ということを考えておらぬわけでございまして、被害額が一兆四百億だから一兆四百億の予算で復旧すればいいという立場はとっておりません。私どもはこの際、国際港として近代的な機能、効率的な機能を備えた、神戸市が震災の中から不死鳥のごとくよみがえっていく、その象徴的な港として建設をしたい、このように考えておるわけでございますから、復興に要するその総事業量というのは恐らく二兆円に近いものになっていく、私どもはこのように考えておるわけでございます。 当面は、それの復興とあわせて、コンテナバース等につきましても、荷のシフトが起きてまいるわけでございますから、それを防ぐ面からも応急的に工事をやらなければならない点がございます。それと本格復興とをうまくあわせながら今後スケジュールを進めていくわけでございますので、そういう観点から、このたびの平成六年度での補正につきましては、あとわずかでございますので、当面のそれが十分満たせる、それを予算に計上しておるというふうな状況でございます。
○高崎裕子君 それで、この神戸がB級クラスとなっておるのをA級に、あるいは特定にということではいかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 今のところ検討委員会で鋭意御検討をいただいておりますので、このたびの震災よりももっと強い地震に襲われてもこのたびのようなことがない、港湾機能を十分果たせるようなそうした構造による建設を考えておりますので、Aランクにするか特定にするか、今度耐震構造を持っておる三バースは御承知のように全然破損されなかったんです、このあたりも十分検討いたしましてその建設をしていきたいと思っております。
○高崎裕子君 それで、この際、神戸以外の第一地区の港湾の重要度について、これはぜひ資料を提出していただきたいと思うんですけれども、よろしいでしょうか。神戸以外の第一地区の重要度です。
○政府委員(栢原英郎君) 第一地区についての港湾構造物の設計に当たって重要度を個々に計算しているわけですが、それを明らかにせよというお尋ねだと思います。
○高崎裕子君 資料を後で出していただけますね。
○政府委員(栢原英郎君) 古い埠頭についてはわかりかねると思いますが、できるだけ明らかにさせていただきたいと思います。
○高崎裕子君 それはぜひよろしくお願いいたします。 それから、今大臣からも出されましたが、壊滅的にやられた中で、百五十バースのうち強化岸壁の三バースが破壊を免れている。これは重要な教訓であるというふうに思うんですが、通常の耐震設計よりどれだけ強化されているかという点ですけれども、通常の耐震設計B級は重要度係数が一・〇に対して、強化岸壁というのは特定級で係数は一・五ということで、これは間違いないですね。
○政府委員(栢原英郎君) 特定につきましては、重要度係数一・五で設計をするものというふうに定められております。
○高崎裕子君 次に、今度の大震災のように道路や鉄道が崩壊し、その上港湾まで破壊されたということで、これは物流、輸送に決定的なダメージを受けたわけです。このことが緊急対策としての救援物資輸送とか消火活動、消防車の重大な支障になったということは、もう国民がテレビを見ながら本当に重大な問題だというふうに受けとめたと思いますが、こういう教訓に立って、全国の港湾に対して耐震強化岸壁を必ず備えるということが私たちが運輸委員会として身をもって教えられたことでもあり学んだことだというふうに思います。 そこで、強化岸壁の対象港なんですけれども、平成五年末ですけれども、いただいた資料で全国で百三十七港三百九十二から四百二十二バース、そのうち現在までに整備されているものが三十五港七十三バース、整備中のものが二十四港三十二バースということでよろしいでしょうか。
○政府委員(栢原英郎君) 先生の御指摘のとおりでございます。
○高崎裕子君 ところで、私この資料もいろいろやってやっといただいたんですけれども、これ私は大変重要なものだと思いますが、五十九年八月の港湾における大規漠地震対策施設の整備構想というものでございます。強化岸壁の整備計画を公表しているわけですけれども、これに関連して私は御質問したいんです。 今回阪神大震災ということで、襲われた大阪湾周辺で見ますと、対象七港のうち整備完了しているのが、大阪二バース、神戸三バース、そして堺泉北三バース、尼崎西宮芦屋一バースと、四港のわずか九バースにすぎないんですね。ところがこの計画によりますと、これ十年以内に完了ということになっているんですね。ですから、もう十年過ぎているわけですけれども、九十メートル、この標準水深バースで八十五バースということになっているのに、わずか九バースしか整備完了していないということが私は極めて問題だというふうに思うんですけれども、この点いかがですか。
○政府委員(栢原英郎君) まず、数字の整理をさせていただきたいと思いますが、大阪湾周辺で整備を予定しております八十五バースといいますのは、二千トンクラスの船を対象といたしました岸壁でございます。また、整備をされております九バースにつきましては、これは一万トンクラスのものも含む数でございますので、換算をいたしますと約二倍ぐらいになるというふうにお考えいただきたいと思います。ですから、八十五に対して約二十バース程度が整備されているということでございます。 十年間かかりまして大変整備がおくれておりますのは、一つには通常の岸壁に比べまして五割ほど経費が余計にかかるということが大きな問題でございます。それともう一つは、先ほど来御議論いただいております東海地震対策の地域に急いで整備をしてまいりましたので、東海地域については既に一〇〇%整備が終わっているという状況でございます。
○高崎裕子君 私も資料を分析、研究いたしました。東海沖は今御答弁いただいたようにそれなりにやっておられるわけですけれども、今回の大阪湾ですが、今一万トンクラスも含めて二十バースと、だから九バースではないという寺つに言われましたが、これは要するに施設の能力としてメートルで比較すると一番わかりやすいんです。 標準水深バースは九十メートル幅ですから、要するに八十五バースで七千六百五十メートル整備しなければならない計画になっておりますが、今整備が完了したものはそのうち千七百七十五メートルにすぎないんですね。つまり、これは二三%しか整備されていないという点では、今回三バースが大丈夫だったということで、これがもし予定どおり計画どおり強化岸壁にされていれば、救援物資の輸送にしても、それから港湾労働者が今失業するという大変な状態にもなっております、港湾機能が失われたために大阪や関東の方に代替の港を求めるという点では本当に大変な問題になっているということを考えるときに、やっぱり十年以内にこの計画どおり整備させるということは私は極めて重要だというふうに思っております。 もう一つ、南関東の例で、やはりこの資料で見ますと、南関東というのは直下型地震が想定されているところなんです。ところが大臣、これ完了しているところは横須賀一バース、横浜で合計三バース、東京で七バース、千葉で一バースということで、完了港としては四港十二バースにすぎないんですよね。これは本当にこの計画が計画どおり推進されていないという点でも大問題だということで、これ目標で言いますと六十一バースになっているんです。これが十二バースです。先ほど距離で示しましたので距離でお話ししますと、目標は五千四百九十メートル、ところが千七百三十メートルしか整備されていない。達成率はわずか三一・五%なんです。 直下型で影響が大変大きい、もうこれ大都会で起こったら大変なことになるということははっきりしているわけで、私は、この計画がせっかくあり十年以内ということが達成されていないという事態を本当に重く受けとめて、大臣、ここは早急に強化岸壁ということで整備していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 私どもも今回の地震を具体的に今のような形で予期をし想定をしておったわけじゃございませんけれども、地震国日本でありますから、着実に港湾等につきましても耐震力の強い港湾をつくろうということで、今委員御指摘のように全国的にそうしたことを逐次整備を進めておるわけでございます。 ただ、理想からいえば、日本列島の港という港が一挙に、一瞬にしてはっと一年でそういう理想の形にでき上がればこれに過ぎたることはないわけでございまして、また、港湾だけじゃございませんで、全国の各都市、幸い地震に見舞われておらない都市もいつ地震に見舞われるか、これは神のみぞ知るでございますから、そういう都市の防災面での不備な点、私はたくさんあると思います。理想からいえば、一挙に単年度でそういうものをきちっと防災に強い、地震に強い都市、港湾として仕上げることは理想でございますけれども、しかしそれは現実問題としてなかなか難しい。 そうであれば、我々としては国家予算の中でできるだけそういう面で使う予算をふやしていくという努力を着実にやっていかなければならぬわけでございますので、そういう意味で、今まで運輸省もそういう努力はしてきたわけでもございますし、今後はさらにそういう努力を続けてまいりたい、このように考えております。
○高崎裕子君 これは昭和五十九年から十年以内という構想でしたわけですから、ぜひこの点はこういうことを踏まえて強化していただきたいというふうに思います。 さて、来年度の強化岸壁の整備計画ですけれども、これは二十三港二十七バース、新たに着手するのは二港二バースということで間違いありませんね。
○政府委員(栢原英郎君) 間違いございません。
○高崎裕子君 今度の教訓で神戸は全部で十五バースにする計画ですけれども、東京、千葉、神奈川は、東海地震に備えての対策はもっと早く整備を拡充するということで、七年度の予算で新たに着手というのが二港二バースという点では、これはもう何十年もかかるテンポになってしまうわけで、整備する計画を私は今言ったように早急に見直していただきたいということがあります。 この際、北海道の港湾で、各港ごとの重要度と強化岸壁の整備されている港、これはどこでしょうか。
○政府委員(栢原英郎君) 北海道の港湾の重要度でございますが、重要港湾以上のものにつきまして、大型岸壁については現在の基準に当てはめてA級で整備されているものと考えております。 また、北海道の耐震強化岸壁の整備構想は、釧路、根室、十勝の三港でそれぞれ整備をすることになっていますが、今日まで十勝港で一バース完了しているという状況にございます。
○高崎裕子君 十勝一港一バースだけだという点では本当におくれており、北海道はこれまで三回も大きな地震に見舞われておりますが、釧路港も根室・花咲港も奥尻港も破壊されました。十勝港だけではなく強化岸壁の港湾を拡充すべきですけれども、あわせて対象港百三十七港だけではなく、対象見直し、拡充ということと同時に、耐震設計基準についてもぜひ見直していただきたいというふうに思います。 地域別震度が第一地区から第三地区に分けられておりますけれども、南西沖地震では日本海側が、ノーマークということで第一地区になっておらず、第二地区なんですね。地域別震度というのは地震活動に基づいて決められるわけですから、こういうことを全体としてぜひ見直していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(栢原英郎君) 地域別震度につきましては、河角博士が計算をいたしました七十五年の再帰確率をベースに地域別震度が定まっておりますので、これを見直すというのは大変大きな作業、またデータの蓄積が必要なのではないかというふうに考えております。むしろ、重要度係数をどのようにとって設計をするかというところを今後各港湾の整備に当たって慎重に検討していくという方向で考えてまいりたいというふうに思っております。
○高崎裕子君 次に、鉄道関係に移りたいと思います。 これも大臣にお尋ねいたしますが、輸送機関の復旧というのは、もう焦眉の課題ということで早急に復旧していただきたいんですけれども、特に新幹線の高架橋の落下、崩壊というのは極めて深刻な問題で、時間帯が三十分でもずれていればもうどんなことになっていたかということを考えると本当に私は恐ろしいと思うんです。同じように、これまで地震に強いと言われてきた地下鉄さえ大崩壊をしたということで、たくさんの乗客が利用する鉄道でこれほどの大被害があったということで、皆さん、全国の鉄道利用者の方は大変大きな不安を持っていらっしゃると思います。 予想を超えた地震だったから仕方ないというとらえ方があるとしたらこれは大変なことで、原因の徹底究明と、二度とこういうことを起こさないというのが政治の責任だということで、その立場から、鉄道の耐震設計の基準というのは、五十四年度に震度法以外に係数に割り増しした指針に改めましたが、その以前に建設された東海道と山陽新幹線の対策は本当にこれで大丈夫かという問題があり、そこをきちんとやる必要があると思います。五十四年度に見直して、地盤の種類ごとに係数をつけることになったんですけれども、種類ごとではなくて、問題は一様に見ているというところにあるんですね。しかも、この基準に従って完全に破壊されたわけですから、問題は一層重大になっています。 東海地震、南関東の直下型が予想されており、また施設も老朽化しているというこの際、このほかの鉄道についても早急に総点検をして、少なくとも震度七に耐えられるような基準、それから既設のものは補強するということでぜひやっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 現在、松本委員会におきまして、本当に自分の仕事を犠牲にしていただきましてこれの調査、検討という大変な仕事を精力的にやっていただいておるわけであります。 私どもといたしましては、JR西日本の復興工事にいたしましてもはっきりとした検討結果が出てから取りかかるというわけにはまいらぬわけでありますが、じゃどうすればいいかとなりますと、検討委員会の新しい耐震基準についての答申等が出ても手直しをする必要がない、それにはうんとハイレベルの復興工事をやる以外ないわけでございますから、私どもは今JR西日本にそのような指示をいたしておるわけでございます。 もちろん、これは検討委員会の御指導また点検をいただきながらやっていくわけでありますが、その他の既存の各線につきましても、現在JRのそれぞれの技術陣が総動員で点検をやっております。検討委員会の結果をあわせまして補強をし、あるいはつくり直すところがあればやり直すというようなことを含めまして、これは我々としては、今委員御指摘のように三十分じゃなくて十五分で大変なことになっておったわけでございますから、これはもう誤差というよりか、もう本当に身のものよだつような事態であった、そういうことであったことは間違いないこれは厳粛な事実でございますから、ほかの路線が大丈夫だという保証は何もないという立場に立って我々は今後総点検をやり、また新線の建設についてもそういう観点から取り組んでまいりたい、このように考えております。
○高崎裕子君 それでは次に、障害者問題に移りたいと思います。 これも大臣にお願いいたしますが、障害者が社会参加をしていく上で交通手段の整備と利用の便をいかに図るかということは大変重要で、私も何度も何度もこの運輸委員会で取り上げてもきましたが、きょうは新しい問題ですけれども、大変切実で深刻な問題ということでお尋ねいたします。 ベンチレーター、人工呼吸器をつけて自立して生活している方が、同じ障害者同士で集まりを持つということで大阪に行きたい。ところが、札幌から大阪に飛行機で行くために飛行機代が何と三十万円もかかる。通常の六倍かかってしまうんです。要するに、この方は座ることができなくて寝たままの状態で搭乗するために、今そのものを支えるベンチレーターの場所で約九席分の広さを使うということがその理由にあるわけです。 これは通常の方でも二席以上使う場合、複数の席をとる場合は、二席からは五〇%割引になるんです、お相撲さんとかそういう複数の席をとる方ですね。通常の方でも二席以上は五〇%割引になるわけですから、障害者の方の、介助者も当然これはつかなきゃならないわけですし、複数以上の席については、健常者以上の割引ということについて何とか考えていただけないか。こういうことによって障害者も自由に移動する保障がつくられていくということで、この点はぜひ大臣に検討していただきたいというふうに思うんですが。
○国務大臣(亀井静香君) 私、今まで値段のことについて詳細に知らなかったんですが、今手元に資料を受け取りましたが、正規の場合は五十七万一千五百円、それが現在四五%の割引で三十一万一千六百六十円ということのようであります。 それにしてもやはり非常に高額になるわけでありますので、これは私がまた強権的だと言われちゃ困るわけでありますけれども、航空各社に障害者の方々に対して、いろいろ航空会社も割引等をやったり、プロゴルフの選手に外国行きの無料の航空券を渡したりもしておるわけでありますから、それと一緒にするわけにはまいりませんけれども、やはり障害者の方々の負担を、航空会社としては大変なことであろうと私思いますけれども、努力をしてくれるように要請をいたしたいと思います。
○高崎裕子君 それで、時間が参りましたので、簡単にあと一問お願いしたいのですけれども。 障害者の運賃割引でJRの百キロ以下が対象外になっているということで、むしろ日常的に利用する部分が割引とならないという矛盾があるわけです。これも何度も議論して、三年前の運輸委員会で小笠原前議員に対して運輸大臣が、当然の義務的な形ということで説得し指導していきたいと、時期についても近いうちにという答弁をされながらもう三年もたとうとしております。私もこの委員会で質問もしたんですけれども、こういう経過をかんがみて、運輸大臣にはぜひ決断をしてここで進めていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 歴代の運輸大臣がそれぞれ正面からこの問題をできるだけ少しでも前進をさせたいということで取り組んでまいったわけでございますが、私も、障害者の方々に対してやはり民間企業といえどもできるだけの配慮をしていただくように国としてもお願いをしていかなければならないと。ただ、それぞれの会社にしてみれば、それは障害を持たない方々にその分を広い意味では負担をしていただくわけでございますから、そのあたりのことを含めて制度としてどの程度がそういう意味で納得を得るといいますか、そういう形でのひとつ判断もあろうかと思うわけでございます。 これを見ますと、奥田大臣も越智大臣もいわば前向きに検討したいということも言っておられるわけでございますから、いつまでもそういう状態に放置するわけにはまいりませんので、相手は民間会社のことでございますから強制力でどうこうというわけにはまいりませんけれども、誠心誠意私ども努力してまいりたいと思います。
○高崎裕子君 終わります。
○下村泰君 まず、今回の大震災でお亡くなりになりました方にお悔やみを、そして被災されました方々にお見舞いを申し上げます。 別に高崎委員の肩を持つわけじゃないんですけれども、今の問題はもう既に私も何年も前からやっておるんです、これ。たしか前の大臣、細川内閣のときの大臣だと思いますが、そのときもこの問題を持ち出したことがあるんですが、これはそれからちっとも変わっていないということになるんです。今、大臣がおっしゃったように、前向きに御検討という言葉なんですけれども、前向きというのはどっち向きなんですかね。それから全然進んでいない。何とかしていただけますか、これ。
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども申し上げましたように、指示命令権が御承知のようにあるわけじゃございませんから、また強権的だと言われてもちょっと困るわけでありますが、しかしいいことについて少々強権的なのはお許しいただけるんじゃないかと思います。歴代の大臣が本当に真剣に取り組んできたことでございますから、先ほども申し上げましたように誠心誠意やりまして、運輸省は時間はかかったけれどもやっぱりちょっと前進したなという形をぜひつくって、胸を張って今後御質問に答えたい、このように思っております。
○下村泰君 この問題を取り上げましてから日本航空とか全日空の方々も来まして、私どもではこういうサービスはさせていただいておりますというようなお話はあったんです。あったので、もうそれで私はうまくいっていると思っていたんです。ところが、今の高崎委員のお話を伺うと、まだ全然なされていなかったということなんですね。ですから、どうも私は全日空とJALにだまされたような気がして、合ふんまんやる方ないんですけれども。 さて、本題に入りたいと思います。 今回の地震で非常に交通状態は混乱をしております。この間も私、向こうの障害者とか難病の方々からぜひ見に来てくれという要請がありましたので、震災直後じゃございませんけれども、去る十五日にお見舞いに行ってきました。 驚いたことには、交通の渋滞といいますか動きのとれなさといいますか、ひどいもので、ふだんならタクシーで二十分で行くところが一時間半もかかるというような状態で、まだ私なんかいい方だったと思います。大阪から神戸へ来る方は何時間も待たされたというお話も伺っております。 大臣、これひとつ私基本的に伺いたいんですけれども、こういう災害がありました後に予想外であったとか、とても常識では考えられないものであったという言葉がよく使われるんです。ところが、災害というのは防ごうとする努力をすればある程度は防げるんじゃないかという気もします。 いつぞや岐阜の方で大水が出まして、河川敷の方に、いわゆる下の方につくった新興住宅は全部流された場所があるんです、一つの村なんですけれども。そこに代々住んでいる方は、いつ大水が出るかわからんぞ、大水の出たときには必ずここから上は水は来ないんだと、歴史の中で。しかし、ここから下は必ず来るんだといって、その村に代々住んでいらっしゃる方はある一定の高さから下へおりないんです、うちをつくるにしても。ところが、御存じのように都市が大きくなりまするとドーナツ現象が起きてどんどん住宅が外へ行きますわね、居住地が。そうしますと、そういった新興のおうちを建設会社がつくるわけです。そうすると、その土地の人は上にいるのに、その下の方があいているものですから、そこへうちを建てたわけですね。だから物の見事にそこだけ流されたんです。こういう例は幾らもあります。 山口県の光市というところへ行きましたときに、ちょうど海岸線の防波堤があって、かみそりで切ったようにすぱっと切れておるんです。これわかりますかとタクシーの運転手さんが言うんです。これをちょっと見てください、もなか堤防だと言うんです。こういうふうにコンクリートが固まっていて、中がすっぽりないんですよ、土が。つまり、幾日も置いたもなかみたいに中のあんこがぺちゃんこになっているのと同じように、中の土が全部崩れてコンクリートの枠だけあるんです。つまり、手抜き工事をしたところが押し寄せてくる波で、自然の力というのは恐ろしいものですな、そういういいかげんな工事したところだけがすぱんとかみそりで切ったように切れているわけです。 それから、伊勢湾台風のときも、国の方の建設省でやったのと地方自治体でやった堤防とちゃんと切れ目が切れているんです、あのときも。これはやっぱり手抜き工事です。こういうようなものがあるんです。 そうかと思うと、多摩川で水が出て流されたときも、予想外の雨量であったと、こう言うんです。予想外なんというのはのべつ来るんです、こんなものは。どうしてある程度の対応ができないのか。 今度もある建設会社で、この直下型が今まで少なかったものですからその実験がなされていなかったというので、今度の震災を想定して直下型とそれから横揺れと両方合わせてみたら大変な被害が出るんだということが科学的にもわかった、建築学的、力学的にもわかったということが言われております。こういうことに対して運輸大臣として、今までもこんな被害が出ているんですけれども、これの対応策というのはどの程度に、はかり知れない力に対してどの程度にお考えになりますか。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、我々自身が地球という惑星に張りついて生活しておるわけでありますが、惑星自体が御承知のように大きな自然の生き物でありますから、そういう中で我々がやっぱり生かされているという立場であるということを基本的に認識して、そうして生活をしなければならない。 そういう意味で、今委員がいみじくもおっしゃいましたけれども、常にそうした自然に対する恐れといいますか、そういうものを持って、我々自身が自分たちの生活を守るという意識を持ちながら、家を建てるにしてもあるいは道路をつくるにしても新幹線をつくるにしても港湾をつくるにしても、そういう配慮、気持ちを常に置きながら我々の生活の利便性なりそういうものを求めていかなければならない、このように私は思います。 その場合、どこまでそういうことを工夫すればいいのかということになりますと、天災というのは上限が予測できないわけでありますから、極端な例であれば何をやったってすべて吹っ飛んでしまうということもあるわけでございますから、それに対応するという形になりますと、これはもう自殺した方がいいような気持ちになっちゃうわけであります。そこらとの兼ね合いはありますけれども、やはり先ほど申し上げましたような基本的な気持ちに立って、過去の地球を襲ったいろんな大災害を、我が日本列島を襲った大災害の過去の歴史を我々がやはり常に謙虚に見詰めながらそれにきちっと対応できる、そうしたことを考えながら都市づくりもやっていかなければなりません。 先ほども申しましたけれども、消防力にいたしましても、何も地震だけじゃなくて、とにかく同時多発の火災が発生をした場合に対応するような消防体制をとっている市町村は私は今ないと思います、ほとんど。これなんかやれるんです、先生。そう大した金はかからないんですね。 だから、そういうことについても私は、何も破天荒な災害に対応するということじゃなくても、ある程度そういうことをやっておれば、被害は起きるでしょうけれどもそれを最低限のものに食いとめることができるのではないかな、このように思います。そういう意味で、国も自治体もまた一人一人も、やはりそういうことに備えた心構えを持って生活をする必要が私はあるのではないかな、このように思います。
○下村泰君 本当にこういった自然の力というのは我々の中では計算できないものですから、こうやったら完全にこうなるんだとは言い切れないものだとは思いますけれども、やはりある程度の自衛手段というのは議しなきゃいけないんじゃないかと思います。 その点、今大臣がいみじくもおっしゃいましたけれども、個人個人では結構やっているところもあります、やっている人もいます。それから、東京の下町あたりには、天からのもらい水ではありませんけれども、町内で雨をそのままといから引いて防火用水をためているというようなところもあります。ですから、工夫によっては幾らでも対応できるんじゃないかと思いますけれども、ひとつよろしくお願いをいたします。 この大変な状況の中で、障害を持った人や難病の方、介護を必要とする高齢者だけを取り上げてお伺いするんですけれども、こういった方々に関してどうですかと現場で伺うと、そこまで手が回らないというのが現場の反応なんですね。そこまでと言うのは簡単だけれども、そこまでが問題なんです、実はそのそこというところが。じゃ一体、そこというのはどこを指すんだと、こういうふうに言いたくなるわけですね。 対応できないということなんでしょうけれども、私は、あの状況下では確かにそういう面が現場の担当者にはあっても不思議ではないと思いますよ、それは。思うんですけれども、しかし考えてみるとこれは大変怖いことだと思うんです。災害に対してはすべての人が全部弱いんですから、弱者なんですから、その場合は。被災者は全部弱者なんです。その中から切り捨てられる人が出てくるというのは、これはどうも私には我慢できない。 それから、もちろん健常者は自力ではい上がることはできます。しかし、力のない者はどうにもならない。こういうときに、優しい町づくりとか福祉の町づくりとかということが言われているんですけれども、これはどうも上辺だけですね。今度の状態を見ていると本当にこれは言葉だけのものであって、一つも中身が伴っていないんだなと。 こういう非常時において、運輸省の対応マニュアルとかには障害や高齢の方々についてどう書かれてあるのか、こういった方々に対するマニュアルというのはあるのかないのか、もしなければこれからどうするのか、どう対処していくのかということをひとつ伺わせていただきたい。
○国務大臣(亀井静香君) こうした地震の際の、そうした障害を持たれる方々に対して運輸省としてどうするかというマニュアルまでつくっておらないというのが実態でございますが、ただ私どもといたしましては、とにかくそうした非常事態になった場合、やはり一番困るのは障害者ですね、逃げるにしても。 このたびも海上保安庁のヘリ等を含めて、我々としてそうした被災者の中で弱い立場にある方々、これを何とか安全な場所に移動していただく方法はないか。また、民間のヘリ四十五機を集めまして十そのヘリポートを設置いたしまして、そうした方々をその地域外に移動していただいて、ホテルとかあるいは旅館等に優先的に避難をしていただくというようなことについて、これは対策本部といたしましてもそういうことの行き届かぬところがほとんどであったとは思いますけれども、そういう気持ちで対応してきたということも事実でございます。 今後、復興という面の中で、新しい町づくりの中で、歩道にいたしましても、あるいは交通機関への乗りおり等にいたしましても、委員が前からいろいろ御指摘されておりますエレベーターの問題だとか、いろいろな問題がございます。やはり交通機関を障害者の方が使いやすい形に、今度神戸市が復興していく場合に障害者に優しい新しい神戸市というようなことで私は復興していきたい。復興委員会の中でもそういう形をきちっと運輸省として求めていきたい、このように考えております。
○下村泰君 これはぜひともお願いします。というのも、皆様方も、私も含めてだと思いますけれども、今度の状況のようなときにはいわゆる指揮系統、命令系統がずたずたになるんですね。それはもちろん交通状態もずたずたになったかもしれませんけれども、人間同士の関係までずたずたになっているわけです。どこに、何を、どういうふうに聞きに行ったらいいのかもわからなくなる。それから今度は、上の者は上の者で自分があたふたして自分の立場を忘れて命令も出せないというような状態になるんですね。 これは非常に悲しいことなんですけれども、どうぞひとつ、こういうことは二度三度起きてはいけないことなんですけれども、こういうことに対応できるように準備をしていただきたいと思います。 これから復興に向けた取り組みが始まると思いますけれども、その場合運輸省として本当に安全で優しい交通のあり方を考えてほしいと思います。その場合、例えば路面電車についても過去のものとして無用の長物として頭から否定するのではなくて、そこにあるメリットについてもよく考えてほしいと思うんです。と申しますのは、ヨーロッパやアメリカの都市で路面電車が見直されているんですね。 これはウィーンの例なんですけれども、ここにございますけれども、昔で言うといわゆる安全地帯といいますか、そこへ電車がすうっと入ってくるとこの安全地帯と同じ高さのステップなんですね。この場合には十五センチというからこんなものでしょう。このぐらいのところにステップがあって、それでもう障害の方もお年寄りも、それからお子さんも楽に乗りおりができるというようなことでもって、大変これはウィーンの方ではいいんだそうですな。多くのメリットがある。しかもこれは耐震性もすぐれていると専門家が言っているというのですが、こういう点については、運輸省としては何か考えていらっしゃいますか。 ある旅行をなさった方で、細野徳治さんとおっしゃる方の論説にも出ているんですけれども、向こうでは大変これが有望視されていると。 東京の路面電車は、今さら復権させるなんて交通渋滞を一層激化させるだけだと、だから東京は無理かもしれませんけれども、こういったようなお考えは運輸省にありますか。
○国務大臣(亀井静香君) 広島市は、現在も路面電車が主要な交通機関として大変重宝がられておるわけでございます。ある面無公害でもございますし、都市によっては大変なプラス面の非常に強い交通機関として適当じゃないかと思いますが、神戸市について、地形的なものもあるでしょうし、それがふさわしいかどうか。しかし、委員の御提案は復興委員会の中でも一つの提案として私どもこの検討をするように伝えたいと思います。
○下村泰君 本当は東京都の場合でも、強力な都知事か何かの命令で、山手線までは自家用車を持ってきてもいいが中へは入れるななんということが一時ありましたけれども、じゃモータープールをどうするんだといったら駐車場がないですよね、そうなると。それでとうとうこの話は流れたことがありますけれども、もしああいうことをやっていたら、いまだに東京都は路面電車が走れると思うんですね。なかなかいいものですあれも、のどかで。私は長崎へ行くとよくあれに乗りますけれども、ひとつできればそんなふうにしてみたいなと思います。 これは私自身も何度も申し上げてきましたし、ほかの委員からも言われていることですけれども、平生から難病とか障害、高齢の人々に対する普通の対応があれば、それがノウハウとなって生かされると思うんです。 今回、早朝ということもありまして、駅や鉄道による被災者というのは余りなかったと思いますけれども、もしこれがとにかく通勤時間であったりなんかしたら一体どうなってるだろうかと思うと、身のものよだつような思いがします。駅舎の水平、垂直移動の整備、それから駅へのファクスの設備、視覚的な情報、それから合図、誘導、それから音声による情報、誘導なんていろいろとありますから、高齢の方や子供、ふだん駅を使いなれない人にとっても有効な準備が極めて不十分であったということはこれは否めないと思います。こういうこともおくれておるので速やかに何とかして対応していただきたいと思います。 そこで大臣に伺いますが、今後神戸における交通システムを考えるとき、もともと兵庫県それから神戸市も福祉の町づくり条例を先駆けてつくった県ではあるんですが、二十一世紀の日本の都市の交通システムのあり方として、防災は言うまでもありませんが、すなわち安全という面と、それから障害や難病、高齢の人々、子供などもそれこそ優しく包み込んでバリアフリーという面を基本としたものにしていただきたいと思うんです。 彼ほど触れますけれども、これからの交通システムは単に安全に人や物を運ぶというものでなく、さまざまな機能が求められると思います。すなわち、地域の人々のニーズに合わせたソフト面もあわせ持つシステム、こういうものが必要になると思います。これまで厚生省や福祉が担ってきたようなこともこれから運輸行政の中に取り入れていく必要があるのではないかと思うんです。 大臣、今後の神戸の復興も二十一世紀の日本の、交通システムの中で展望を持っていただきたいと思いますが、どういう対応をなされるのか。先ほども伺ったような点も含めましてどうなんでございましょうか、何かお考えがあったらお答え願いたいと思います。
○国務大臣(亀井静香君) 私は、基本的には都市というのは、何も震災の被害を受けたからとか受けないとかということは別にいたしまして、やはり人間を大事にするといいますか、ここの町に住んでいていいなというそういう実感のわく町でなければ、いかに形の上で立派な建物が乱立をし立派な交通網があっても、そこで生活をする人がいい町だなというそういうものがなければ私はいい町とは言えないと思います。 そういう意味では、障害者の方とかお年寄りとか社会的弱者の方々にとってもそういう町でなければいけませんし、また一方ではエネルギーがあり余っているような若者にとってもそうした町でなければなりませんし、そういう意味では私はあらゆるニーズに応じる都市というのはなかなか難しいとは思いますけれども、一つは、余り機能性だけを求める、効率性とかそういうことだけを求める都市づくりは私はどうかなと。 若干いろんな面でのろまな印象があっても、そうした意味の心の安らぎといいますか、そういうものがあるような町づくり。交通機関にいたしましても、そういう意味で高速性だけが交通機関の果たす役割ではない。先ほど先生からありましたけれども、のろくてもチンチン電車が走っている、それに乗っている心の安らぎというものは猛スピードで走るあれにかえられないものもあるわけでありますから。 そういう意味で、神戸の復興については、神戸市の方々が自分たちのふるさととしてどういうふるさとを、自分たちがふるさとをつくるんだというような立場でまずお考えいただかなければ、それを我々運輸省や建設省がお仕着せで上からこんなものをつくりなさいと言うことは私は基本的にはやっぱり間違っている。地元の方々がお考えになることを我々が国の立場から全力を挙げてバックアップをしていくということでなけりゃいかぬ、このように思います。
○下村泰君 今、大臣がおっしゃいましたけれども、本当に私もそうだと思います。 例えば昔の、各人座った人が座席の横にある窓をぼちぼちぼちとあけますわね、あの窓をあけてホームに立っている人と別れのあいさつをするというあれはいいものなんですね。ところが、今の新幹線なんというのは、こっちでしゃべったって向こうでしゃべったって全然わからぬわけです。電話でも通じないことにはわからぬですよ。だから、例えば送られる方も送る方も腹の中でばかと言ったってわからぬですよね。てめえなんかさっさと死んじまえこのやろうと言ったって、何か送ってくれるような感じがする。ところが、窓をあけたまま話をするというのは何とも言えない、いい情緒的なものなんです。別にああいうふうなことに全部してくれと言うわけじゃありませんけれども、そういった人々のニーズというのは大切だと思います。 今も申し上げましたけれども、具体的な話なんですけれども、大分県大野郡三重町ににこにこ診療所というところがあるんだそうです。ここは、リハビリ、それから障害者、それから高齢者の施設も周囲にありまして、総合的福祉エリアの中で一つの機能を果たしている診療所です。 大野郡は四人に一人が六十五歳以上という過疎の町なんだそうです、ここは。山合いにも多くの高齢の方々が住んでおりまして、そういう人々が通ってこの診療所に来るわけなんですけれども、ここの診療所にしても通うとなるとタクシーやバスを利用しなければならない。ところが、こういう年齢の方は年金生活の人ですから、一回の往復にも多くの費用がかかるわけですね。 そこで、このにこにこ診療所では六台の小型のバンを使っておるんです。六人ぐらい乗れるんでしょうね。地元の十の市町村を巡回する。あらかじめ病院に行きたい人は目印を出すんですね。中には旗を出す人もいるでしょう。その目印を見ると、通っているバスがそこでとまってその人を乗せていくわけです。ですから、当然帰りもまた送ってくれる。一日に七十人ぐらいの人を乗せるというんです。もう高齢の患者さんにとってはこれはなくてはならない足になっているわけですね。 ところが、昨年の十一月に運輸省の大分陸運支局から道路運送法に違反をするという警告を受けたというんですが、これはどうなんですか。今もやめるわけにいかないから続けているんですけれども、この経緯について運輸省に御説明願いたいんですが、どうなっているんですか。
○政府委員(高橋伸和君) ただいま先生からお示しいただきました大分県におきますにこにこ診療所の患者輸送の問題でございます。 にこにこ診療所は、御指摘のように自家用のワゴン車六両を使用いたしまして、日曜祭日を除きます毎日、これはコースを定めて患者さんを中心とした旅客輸送を実施しているところでございます。道路運送法上申し上げますと、反復継続して他人の需要に応じて旅客を輸送する場合には旅客自動車運送事業に当たります。免許等の所要の手続が必要になる、こういうことでございます。 本件につきましては、このような対応がなされていないまま運行されておりまして、地元のバス事業者、これはバスも走っております、あるいはタクシー事業者、さらには地元の医師会、これは医療法上もこういう形態は問題があるんじゃないかというふうな御指摘を私どもいただいておりまして、そこでその是正方につきまして昨年来、今関係各方面と協議をしているところでございます。 この問題、道路運送法上ぎりぎり申し上げますと車両停止処分というふうなこともございますけれども、今先生からお話がございましたように、御高齢の方、障害者、患者の方々の足にもなっておるという点もございます。単に私どもの道路運送法上だけの判断ではまいらない、かように考えておりまして、福祉の観点も含めて検討しなきゃいかぬということで、大分県、それから医療当局、それと地元の市町村、自治体、これを幾つも回っておりますからそういったところの自治体さん、それとバス・タクシー事業者団体、こういったものも含めまして、ことしに入って二回協議会を開いて、どのようにして足を確保していけるかということを目下鋭意検討しているという状況でございます。
○下村泰君 例えばここに社会福祉法人の全国社会福祉協議会、平成六年三月、移送サービス実態調査というのがあるんですね。これを拝見しますと、やっぱり一番の目的というのは、利用目的の一位というのは通院というのが一番多いんですね。今のこの状況を見ても、地元の人たちのいろいろなお考えを伺っても、厚生省の調査も一〇〇%全部同じなんです、状態が。 今言われたように、何かお医者さんの方から文句が出ているというのは、自分のところの患者をとられる、そんな嫌いもあるでしょうし、それからそのサービスをしているとみんなそっちへ患者が行ってしまう、おれの方へ患者が来ないというのでお医者さんが怒っているという話もあります。それからタクシーの方では、お客さんを全部とられてしまって、その地域のタクシー業界にとっては、年寄りがあっち行ったりこっち行ったりする移動が目的のために動かしてくれるタクシー代がばかにならぬと、タクシー業界の方はそういった文句のつけ方をしているんじゃないかと私は思うんですよね。そうしますと、みんな利益追求のための結果がそういう文句になってきているわけですよ。 そうすると、通院している患者さんの立場は一体どういうふうになるんだろうかということになりますわね。一番簡単に言えば、お医者さんもタクシー業界も診療所に行くこの患者さんの奪い合いですよ、早い話が。そんなようなことをほっといて、そしてこちらの方でごちょごちょもめているという姿がどうも私は納得できないんだけれども、何とかこれうまくいくように図れないんですかね。
○政府委員(高橋伸和君) ただいま申し上げましたように、不特定多数の方を継続反復して輸送する、これは旅客自動車運送事業ということでございますが、他人のお客さんを乗せてこのように運行するということはやはり安全上の観点からも問題がございます。それから、この地域は非常に過疎地域でございまして、バス事業者も大変苦しい中経営をしているというふうな状況もあります。 それから、伺うところによりますと、にこにこ診療所自体も何らかの方法で地元の足が確保されるならば、こういった患者さんの足が確保されるならばそれもまた一つの方法じゃないかというふうなことで、今各自治体、先ほども申し上げたように医療機関も、医療法上の観点というのも私どもよく存じませんけれどもあるようでございまして、その辺も含めて本当に地元にとって患者さんなり高齢者の方なりの足となる輸送機関をどうやったらいいか、先ほど申し上げたように今真剣に検討をしていただいておる、こういう状況でございます。
○下村泰君 時間が来たのでやめさせていただきますけれども、大臣、こういうトラブルが起きたときに、運輸省としてやはり時の氏神的な役目を果たすのも大事なことじゃないかと思うんですよ。亀井大臣が何かというと強権を振り回すとか強気の何とかとよく皆さん言いますが、私は決してそんなこと思っていませんよ。力のある者があるときにその力を振るうということは、まさに不動明王の利剣と同じなんですから、だからそういうような役目を大いにこれから果たしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(亀井静香君) 今の点につきましては私初めてお伺いをいたしましたので、また局長ともよく事情を聞きながら協議をいたしまして、そうした患者の方々、お年寄りの方々にとって最上の方法がないか、これを検討いたしたいと思います。また、後ほど先生の方にそれは結果を御報告いたしたいと思います。
○堂本暁子君 堂本暁子でございます。運輸委員会での初めての質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 私も今の下村委員の御質問で、つくづく感じること多々ございました。法律のための人間なのか、人間のための法律なのかと、今自動車、にこにこ診療所のことではちょっと感じました。 それから、私も子供のときには路面電車で小学校に通いました。青山通りはいわゆるチンチン電車が走っていた時代でした。東京オリンピックでなくなりましたけれども、サンフランシスコに行ってもまだ路面電車はずっと走っています。新幹線も急ぐときはとても便利ですけれども、やはりスピードも多様であっていいのかなというふうに思います。高速道路も結構ですけれども、ワシントンは車の道路の横に自転車の道があるし、その向こうに乳母車や何かが押せるような土の道もありますけれども、日本はみんなセメントでいささか道を固め過ぎているんじゃないか。それから、いささかスピードに偏り過ぎているんじゃないかという気がしますので、路面電車のお話、大変おもしろく共感して伺いました。 神戸だけではなくて日本全国、いずれは年をとるということは全員が障害者になるということと変わらないことだというふうに私は思います。高齢化社会を迎えるということは、スピードに対応できない人間がいっぱい日本に出てくることだと。思いますので、今初めての運輸委員会なんですけれども、やはりスピードという感想をいささか持たせていただきました。 質問に入りますけれども、阪神の災害、あの平和な生活を一瞬で奪われた方たち、もう本当に言葉に尽くせない、恐らく悲しみを超えて途方に暮れていらっしゃるんではないかと思いますので、心からのお見舞いを申し上げたく存じますけれども、その言葉も何かむなしく感じるような気すらいたします。 私は、比較的今まで問題になっていなかった点を、できればこれからの問題として前向きにお話ができたらと思います。 今回の震災で、防衛庁の初動の早さ遅きということが非常に話題になりましたけれども、海上保安庁については余り話題になっていません。きのう初めて初動のリストなんかいただいたんですが、実際に地震が起きた四分後にはもうその被害の調査を大阪湾の中でやっていた。それは二十四時間勤務の巡視艇としては当然のことかもしれませんけれども、そういった海上保安庁のこれからの災害に対しての活動の仕方、それもぜひ前向きに御検討いただけたらうれしいというふうに思います。 私も巡視艇には乗ったこと何度がございますけれども、きのう確認させていただいたらば、海上の救助と海上の警備、警備救難業務用船舶というのだそうですけれども、言ってみれば海の警察であり海の消防であると。 今回私があえて伺いたいと思っておりますのは、所が海と陸とで、ここからこっちは海上保安庁、ここからこっちは陸上の警察なり消防なりというふうに線引きがされているようですけれども、今回は、先ほど大臣、地下水を使うことができればというふうにおっしゃいましたけれども、やはり海水を使うこともできたんじゃないかと思うんですね。そういうことで、日常的に海上保安庁と都道府県なり市町村なりと有機的な体制をとっておられるのか、あるいはそういったような訓練をしていらっしゃるのか、その点からまず御質問申し上げたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) 海上保安庁におきましては日ごろから、警察あるいは消防等の関係機関といわゆる総合訓練と申しますか、を重ねておりまして、平成五年度で申しますと件数上は百六十八件あるわけでございます。 今回の地震に際しましても、消防庁の方と共同いたしまして、六甲アイランドあるいはポートアイランドで起こりました火災あるいは石油液化ガスの漏出というものに対しまして共同対応するというようなこともいたしておるわけでございます。 ただ、今回の地震にかんがみまして、私ども一層こうした連携というものを、ただいま先生のお話ございましたように強化していかなければならないというふうに感じておるわけでございます。 私どもの主たる装備は、やはりどうしても海上ということが中心でございますので、消防船にしましてもあるいは巡視艇にしましても、船艇あるいは沿岸部の施設に対応するということが中心になるという制約はあるわけでございますけれども、ただいまお話しのような海水を利用した内陸の消火等々といういろんな面で、今回の震災を大きな教訓にしてさらに訓練なり調整を進めていきたいというふうに考えております。
○堂本暁子君 私は、日本は島国ですから、大いにこれをチャンスに、例えばその装備なりそれから体制、連絡、緊急の場合の動き方のようなものも御研究くだすったら結構いろいろできるのではないか。素人なのでよくわかりませんけれども、その辺も御研究いただけたらうれしいと思います。 もう一つですけれども、これは湾岸戦争のときに多目的船舶調査検討委員会というのが内政審議室にできました。ですけれども、結局四年間何も行われていない。 あえてきょう御質問申し上げたいと思っておりますのは、避難民を収容できるような、運輸省に所属する海上保安庁に所属するのがいいのか、もっと政府専用船のような考え方がいいのかわかりませんけれども、とにかく今回は大変多くの方が小学校や何かにおられた、それから民間の船舶も九百人、三百人というような形で避難民の方を収容した。しかし、こういう大規模なこともございますけれども奥尻のようなケースもあるわけで、そういうときに、例えば海水の淡水化をして水を供給できる装置、医療施設を積んでいる、あるいは食糧や衣料を常備するとか、それからヘリポートをその船の上に載せることによって海から供給できるとか、それから事によったら入浴の施設もつくるというような形で、せめて五千トンから一万トンぐらいの政府専用船をつくってはいかがかと思います。 そのことによって、今回神戸だったせいもございますけれども、つくづく島国日本としては大変に有効な動き方ができるんではないかと思いますので、海上保安庁の陸の方との有機的な関係、そして今の船舶について大臣はいかがお考えか、ぜひ伺いとうございます。
○国務大臣(亀井静香君) このたびは、御承知のように陸路の交通機関が完全に遮断をされたわけでございますので、初動における救援活動等について海上ルートが大変な機能を果たしたわけでございます。 初動におきましては、民間の船をすぐ動員するわけにはいきませんでしたので、海上保安庁の巡視艇がそうした機能を、救援物資の輸送を含めて、また被災者の病人等の運搬を含めて大変な貢献をしたわけでございます。また、消火活動等については、今委員御指摘のように、海上保安庁としてもうちょっと機能を発揮できる余地があったんじゃないかなということであろうかと思いますが、残念ながら今の海上保安庁の装備等ではなかなか内陸部におけるああした火災に対して対応する力が現在はございません。 これは数年前でございますが、飛行艇を使用してそれで海水をばっとぶっかけるという、これは船の火災鎮火、陸上の火災鎮火を含めてそうした飛行艇を購入したらどうかということが一時政府の中に検討をされたことがございました。残念ながらそれは取りやめになったわけでございますが、私は、委員御指摘のように海水を利用しての消火ということになりますと極めて有効なことがもう証明されておるわけでございますから、これは日ごろは船舶の火災鎮火にも使えるわけでございますから、来年度の予算要求等についてこちらとしては検討もしたい、このように思っております。 なお、今、多目的な船舶を持ったらどうかというお話でございますが、このたびも船会社の御協力をいただきまして五隻の客船を使いまして、救援活動に来ておられるお医者さん、看護婦さん、その他のボランティアの方々も含めて御宿泊いただき、また被災者の方も御宿泊いただき、また巡視艇のフロアあたりを避難民の方々にお使いいただくというような形で船が大変な役割を果たしたんです。 ただ、私どもが勇んでやった割に余りそこにおいでたがらないというちょっと私の予想しない事態がございまして、何でかなと首をかしげたわけでございますが、個室でバストイレつきで食事も出るわけでございますから、体育館におられるよりかこちらがいいというように我々いろいろとあれしたんですけれども、なかなか希望者がなかったというようなことも実際あったわけでございます。これはいろいろ事情があったと思うわけでございます。 委員御指摘のようなそうした船を建造してあれば確かに便利がいいんですが、しょっちゅうこんなことがあっては困るわけでございますから、そうすると膨大な金をかけて建造し、日ごろそれを維持するということについて維持費の問題もございます。 そういう面から考えて、そうした船を政府が、いいに決まっておるわけでございますが、費用対効果みたいなことを含めてそうであれば海上保安庁の巡視艇をもうちょっと建造していただいて、委員のおっしゃるようなそういう目的にこういうときにぱっと切りかえて使えるわけでございますから、むしろ巡視艇あたりを建造していただいた方がいいのかなと、その場合は転用するということですね。というような感じもするわけでございますけれども、委員御指摘のように船の役割というのは非常に大変なものが今回あったと思います。
○堂本暁子君 湾岸戦争のときに検討されたのは国際貢献に使うという目的があったと思います。 確かに、国内ですと今度のようなケースは少ないと思いますけれども、それでも今回はいろいろ、自分の家族が瓦れきの下でまだどなたかきっとおられるかもしれないというようなことでなかなか離れられなかった御家族の方もおられるかもしれませんが、例えば地震が続いているようなときはやはり船に逃げたいと思われる方もいっぱいあると思いますし、それからそういった災害以外のときには、例えば若者たちがそこで会議をするときの宿泊に使うとか、それから海洋で訓練をするとかもっといろんな目的に、私はまさに多目的に使えると思います。 やはり一番大事なことは、そういったいろんな機能を持ったもの、特にヘリコプターぐらいまで積めるような大きい船であれば外国での災害があったときに救援に行ける。これは自衛隊の船とは本質的に違うわけですから、海上保安庁がそういった機能を持つということは日本国にとってはとてもいいんではないか、私自身はそう思いますので、四年間そういった内政審議室につくられた委員会が機能しなかった、今回はぜひいろいろ御研究いただけたらうれしく思います。 次は、これまた障害者の問題でございますけれども、資料を拝見いたしますと、去年の十月に高速道路、それからJRなどについて大変いろいろ緩和をしてくだすって、大勢の障害者が五〇%の割引ですかを受けられるようになったという資料をいただいております。 先週ですけれども、障害者、精神薄弱の施設の子供たちが年に一回スキーに行くんだそうです。普通の健常者と同じような雪の上の経験をさせてあげたいということでその施設の方が連れて行かれたわけですね。五十人ぐらいの規模のバスに乗せて連れて行ったところが、中央高速では一切その割引がいただけなかった。一体どうしてなんだろうということなんですが、これはどういうことでございましょうか。
○説明員(井上靖武君) 障害者の方に係る有料道路通行料金の割引措置につきましては、ただいま委員おっしゃいましたように、昨年の十月から対象の範囲を拡大いたしまして実施しているところでございます。 そこで、今非常に具体的な例を挙げていただきまして御質問いただきましたけれども、これについてお答えいたしますと、障害者の方がレクリェーションで貸し切りバスをチャーターされて団体で移動される、こういうことがあるということは私も承知しております。先生もおっしゃったとおりでございます。 ただ、一方、障害者の方に係る有料道路料金の割引措置につきましては、これは団体だけではございませんで、障害者の方みずからが運転される場合があります。そのほかに、重度の障害等のある方が介護者運転で移動される場合にも障害者御本人の料金負担が軽減される、そういうことを目的にしてこれを実施しております。 バスなどの場合におきましては、乗車する全員の方が障害者の方であるという場合もあると考えられますが、一般的には障害者の方以外にも多くの同乗者が考えられるわけでございます。そうしますと、そのような場合に割引措置を講じますことは措置の本来の目的以外の方々にも割引をするということになりまして、他の利用者といいますか、有料道路制度の仕組み上、割り引いた料金はほかの利用者の方々の負担になるということでございますので、ほかの利用者の理解を得るのは困難というふうに考えられます。そういうことで今、バス等については対象としていないということでございます。
○堂本暁子君 建設省、そういうのは私はしゃくし定規と言うんだと思うんですね。それは日本は法治国ですから法律に書かれていることはわかりますけれども、でも重症の心身障害児が一人で動くことができますか。これはもう不可能なことです。そこに介添えの人がいるのは当たり前のことであって、それをそういう自分で運転する人だけを割り引くというのは私はおかしいと思います。 これは、むしろJRの方がこれはほかのお客様に負担がかかる。しかし、高速道路の場合には、その料金は次の建設の費用に回されていくというそういうからくりになっていますよね、少なくとも日本の場合には。幾らでもないです、障害児がそんなスキー場に行くなんというのは年に一回か二年に一回のこと。見ればそれが歩けないような子供たちが乗っているということは一目瞭然とわかることなんです。それが健常者も乗っているから割引はしないとか、車が登録していなければだめだとか、それからチケットがなければだめだとか、乗用車でなければだめだとか、そういうふうにおっしゃるということはやはり非常に私は貧しい行政だというふうに思わざるを得ない。本当に情けないですよね。それはヨーロッパとかそういう国から比べたら余りにも情けないです、本当に。 制度は私もよく存じております。ですから、今お答えになった制度のままであることはよく存じております。でも、見ればわかるでしょう。そうしたらば、それに対して対応するというくらいの幅の広さをお持ちになってもいいんじゃないでしょうか。 私は今、先ほども下村委員がおっしゃいましたけれども、強権的であると大臣はおっしゃいましたけれども、これは強権的ではなくて現実的であるということであって、強権ではない、いかに現実的対応をするかということだと思うんです。もう一回建設省、その面で対応していただきたい。
○説明員(井上靖武君) 先ほどお答えいたしましたように、有料道路制度の仕組みの制約がございまして、割り引いた料金は他の有料道路利用者に負担していただく、こういうことになりますので、割引のあり方については、やはり料金について厳しい目がございますのでほかの利用者の理解を得られるものとする必要がございます。 そこで、ただいま委員のおっしゃいますように、全員の方が障害者の方であるバスなどによる多人数のレクリエーション活動、こういったものに対します助成につきましては、有料道路制度の枠組みを超えまして障害者の方に対する援助措置の一環として、できれば福祉行政全般のあり方という幅広い場で御議論を賜ればというふうに思います。
○堂本暁子君 それは一つの筋かもしれませんけれども、一々そういうところで、あなたは割引の対象、あなたは福祉行政の援助の対象ということを、ましてや精薄の子供たちですよ。そういった行政の都合なのか、先ほども出ましたけれども、子供たちの都合なのか。それは、北欧とかそういうところを旅してみると、そういった行政の都合ではなくて本当に子供たちの都合、老人の都合でみんな助けています。その辺をもっと私はきちっと考えていただきたい。 これからますます高齢者がふえていく中で、こういう問題は起こってくる問題でございます。道路をつくってくださるのは結構ですけれども、私は、有料道路を使う方たちにアンケートをしたら、このケースを出して皆さんそれに不満がおありになりますかと言ったときに、恐らく不満があるというふうな答えは返ってこないのではないかと思います。 これは運輸大臣の所管ではないとは思いますけれども、運輸行政も同じように、先ほどからるる出ているようにやはり弱い者、スピードに耐えられないいっぱいの障害者や、それから老人、赤ちゃん、それから妊産婦も同じです、そういった人たちがやはり安心して歩いたり車に乗ったりできるような、そういうふうに現実的な対応をしていただきたいというふうに思います。 このことは水かけ論になるのでもうこれ以上伺うことはいたしません。お願いだけをぜひよろしく御検討ください。大臣にもお願いしておきます。
○国務大臣(亀井静香君) 今の問題につきましては、一つは、やはり公団といえども組織でありますから一つの基準に基づいてやらざるを得ないという面はあろうかと思います。しかし一方、裁量行為といいますか、一線のお役人、職員がその法律なり制度の趣旨を理解して、その範囲である程度の幅を持った裁量権、運用は私はあってしかるべきだと思います。 法律は一つであっても、制度は一つであっても適用する場合、現場は事情が全部違うわけでありますから、判で押したような同じ現場というのはないわけでありますから、ここはやはり一つの応用動作なり裁量行為というのがあってしかるべきだ。それをちょっとはみ出したら上司にしかられることがあるかもしれませんが、上司にしかられてもやはり場合によってはそういう処置をとる場合があっても私はいいんじゃないかというような感じがいたします。 しかし、そこらを公団として好き勝手にやれというわけにはいきませんが、しかし制度なり法律が何のためにあるのかというその趣旨をちゃんと理解して現場で運用していくということが大事なんじゃないかな、このように思います。 建設大臣にそう言っておいてください。
○堂本暁子君 私の言いたいことを全部大臣が言ってくださいました。ありがとうございました。 次にもう一つ、塗料の問題に入りたいと思いますが、TBTという塗料がございまして、これは船の下に塗る塗料なんですね。地球環境国際議員連盟、GLOBEと申しますが、のメンバーとして私も、行政指導という形ですがこれは日本がいち早く禁止をなすった、大変に誇らしく、日本で会議があったときに、ちょうどこの参議院のもう一つ向こうの四十三委員会室で、日本だけではなくてアメリカやヨーロッパも禁止してほしいということの提案をいたしました。そのときの議長は今アメリカの副大統領をやっているアル・ゴアさんだったんですが、そこではそれも採択してくだすった。フランスではカキが大量死したり、それからアメリカのゴールドバーグという先生は、有機すずば人類が海洋環境に意図的にまき散らした最強の毒物、こう指摘しています。 日本の環境庁の報告によりますと、東京湾なんかでバイガイなんかは雌が雑化してしまって、雌にペニスが生えてきて、その長さを比較している研究があるわけですね。そうしましたら、どちらもが同じ長さになってしまった。結局妊娠できない。お笑いになるけれども、不妊率が一〇〇%になる。ですから、バイガイはもう結局その湾の中では生殖しないという事態が起こっております。これはバイガイだけではなくて人間にとっても大変に怖い事態でございまして、この有機すず、海の中のPCBと呼ばれていますけれども、これは意図的にまき散らしているわけですね、船の下に塗って。 議事録を拝見していたら、櫻井さんが去年このことで運輸委員会で質問をやっていらして、平成二年にIMOに、日本としては全世界でこれを禁止してほしいということをおっしゃいました。しかし、それっきりになっているんです。櫻井議員が質問なすってから後、また運輸省としては世界に向けて積極的な対応をなすっていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(小川健兒君) TBT塗料、これは有機すず系の船底塗料の一種でございますが、これの規制に関する国際的な動向についてでございますけれども、先生今おっしゃいましたように、平成二年の十一月に国際海事機関、IMOでございますが、これの第三十回海洋環境保護委員会で、我が国が他国に先駆けてTBT塗料使用の全面禁止の提案を行ったわけでございます。 そのときのIMOの審議におきましては、まだ代替塗料が広く開発されていないということを理由に、全面禁止は時期尚早とされました。しかしながら、各国政府に対してTBT塗料の使用規制を促進するよう勧告が決議されたわけでございます。 それ以降の海洋環境保護委員会におきましては、日本を初めドイツ等の加盟国からTBTのモニタリングの結果や代替塗料の開発状況、それらの情報が提供されておるところでございます。 我が国としても、IMO及び加盟国に対しまして、TBT塗料の全面使用禁止に向けてこれからも働きかけていきたいというふうに思っております。
○堂本暁子君 大臣、先ほど惑星は大きな生き物だとおっしゃったんですが、私は海の中の生物、これは陸と違ってよく見えませんけれども、トキのように見えないわけですが、バイガイはやはりトキのような運命をたどっている。そのことは、バイガイは魚を食べるわけですね。魚に毒性がたまる。外洋へ行けば早く分解するそうですけれども、それでもやはりアメリカの学者さんが言う世界で最も意図的に人間がまき散らす最強の毒物、こういうものを海に今は船がずっとまき散らしているわけです。 こういう環境のこと、自然の保護のことでは大変後進性のある日本なんですが、このことだけについては本当に世界で一番先に日本が禁止に踏み切った。威張れることなんです、日本が誇れることなんです。ですから、やはり世界の海を守るという観点で、このことに積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀井静香君) おっしゃるとおりだと思います。我々にとってかけがえのない地球でありますから、やはりそれをきめ細かく大事にしていくという努力が必要でありますし、我々人間にとってそれが大事だということもさりながら、地球に生息する生きとし生けるものが、それは食ったり食われたりはするわけでありますけれども、そうした中でのお互いに大事にし合うという基本的な立場というのは、我々は気持ちの上で持たなければならない。私は、人間がおごってはならない、このように思います。 この問題も、おっしゃるように日本は非常に進んだ立場をとっておるわけでございますから、今後世界に対して日本がそれをさらに広めていくということで努力をしたいと思います。
○堂本暁子君 ありがとうございました。
○委員長(大久保直彦君) 本件に対する質疑は以上で終了いたします。 —————————————
○委員長(大久保直彦君) 次に、海上衝突予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。亀井運輸大臣。
○国務大臣(亀井静香君) ただいま議題となりました海上衝突予防法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 船舶交通の安全を図るための海上交通の基本ルールにつきましては、その国際性にかんがみ、一八八九年以来国際規則が作成され、主要海運国はいずれもこれらの国際規則をそれぞれ国内法化してきております。我が国におきましても、明治二十五年に海上衝突予防法が制定されて以来、国際規則に対応して数度の改正を経て今日に至っております。 最近では、一九九三年十一月の国際海事機関総会において、漁労に従事している船舶の灯火及び形象物に関する事項等について国際規則の一部改正案が採択され、本年十一月四日から発効することとなりました。このため、国内法を整備する必要があることから海上衝突予防法の一部を改正しようとするものであります。 次に、改正案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、長さ二十メートル未満の漁労に従事している船舶が表示すべき形象物についてかごを廃止し、すべての漁労に従事している船舶の表示すべき形象物を統一することとしております。 第二に、長さ二十メートル以上のトロールにより漁労に従事している船舶について、他の漁労に従事している船舶と著しく接近している場合に、当該船舶の操業状態を知らせるため、従来任意であった追加の灯火の表示を義務化することとしております。 以上がこの法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(大久保直彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井規順君 ただいま提案されました海上衝突予防法の改正案につきましては、国際海事機関の一九九三年十一月の総会におきまして採択されました海上における衝突防止に関する国際規則の改正、そして本年十一月四日から発効、施行されるという状況を踏まえまして賛成するものでございます。 以下、若干の質問をさせていただきますが、その前に、海上保安庁長官もきょうは御出席でございますので、静岡県の御前崎沖で昨年十二月末、第二十五五郎竹丸が沈没いたしまして、十二月三十日にかけまして、以降正月もかけまして大変救助に御尽力をいただきましたことについて感謝申し上げるものでございます。 それにも関連いたしまして、あと若干質問させていただきたいと存じます。 最初に、海上衝突予防法の改正に関連いたしまして、対象となる船の数ですね、長さ二十メートル未満の漁船というのは三十九万隻ぐらいあるやに聞いておりますけれども、なお装備されていなくて装備すべきものはどのくらいのパーセントにあるのか。それから、トロール漁船で二十メートル以上の対象漁船というのは、これまた新たに追加すべき灯火を装備すべき船の数というのはどのくらいになるのか。簡潔に御答弁願いたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) 今回の改正、二点ございますが、第一点目のかごを形象物に統一する、この対象が約四十万隻でございます。アンケート調査を水産庁の方で実施していただいておりまして、約八割が既に新しい形象物の方を設置しているということでございます。 それから、灯火の方でございますが、対象になりますトロール船が約一千隻ございますが、これも同じく水産庁さんの方でやっていただきましたアンケートによりますと、灯火は約七割が既に設置済みでございます。それから探照灯につきましては約二割強が設置済みというふうに承知しております。
○櫻井規順君 これは、おととしの十一月のIMO総会の決議が今日一年たって法案として提案されているわけですが、準備もなされているというふうに思いますが、その執行の過程につきましては十分な配慮をいただいて進めていただきたいというふうに思うわけであります。 次に、漁船の要救助船舶数が、全体の船舶では要救助の船舶数がここ平成二、三、四、五、六と減っておりますが、漁船につきまして五年から六年にかけてにわかに増加をしておりますが、この原因というのは何なんでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) 平成六年と五年を比較いたしますと、台風あるいは異常気象によります海難を除きますと、約五十件ほど増加をしておるわけでございます。そのうち約二十四件、二十五件弱でございますが、四日市港におきまして漁船の不審の火災がございまして、これはちょっと特異事例として別にいたしますと、残り約二十五件程度が増加しているということでございます。 原因を調べてみますと乗り上げあるいは浸水といったものがかなり多くなっておりまして、その原因は、やはり居眠りですとかあるいは老朽化による船体の構造がかなり劣化しているというようなことがその原因として挙げられておりまして、恐らくそうした乗組員の見張り不適切あるいは老朽化船の使用といったようなことがこうした海難の増加につながっているのではないかというふうに推測しております。
○櫻井規順君 海上保安庁では、海難に備えまして日本近海に航行する船が定期的に位置を保安庁に通報する船位通報制度を行っているわけでありますが、貨物船、客船については八割近くがこのシステムに参加していると言われておりますが、漁船の場合にどのくらい通報され、参加されているものなんでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) 平成六年度のデータでございますが、今お話ございました船位通報制度に加入していただいております延べ船隻数、トータルで約九万五千隻でございますが、そのうち漁船が二千三百五十隻、約二・五%ということで非常に率としては少なくなっておるのが現実でございます。
○櫻井規順君 漁場における漁船の位置というのは特殊な事情があろうかと思いますけれども、安全性ということを周知徹底願う必要があるのではないかというふうに思いますので、これはぜひひとつ今後の行政指導をお願いするものであります。 それから、若干これは御前崎沖の事故に関連するわけでありますが、十二月の本当にどん詰まりに静岡県伊豆の戸田漁協の漁船が沈没いたしまして、駿河湾の海底の構造もありましてその探査に大変手間取ったわけであります。 そのときに大変痛感したわけでありますが、船体が海底に沈没したとき、沈没した船体側から何かシグナルを送るようなシステムが考えられないか。音にしてもあるいは色のついた色素にしても、そういう何か海底から知らせるものがないだろうかということですね、その改善の余地はどうか。 それから、とにかく沈んだ船体の船室には二十人もの船員がいるわけでありますので、救助する場合にかなり迅速に救助できるように船体に何か引き揚げる装置をつけさせるとか、そういうふうな改善の余地というものはないであろうか。 まとめて言ってしまいますけれども、海上から音波でもって探査する。そのとき、素人判断なんですけれども、海上保安庁に潜水艇のようなものがあったならばもっと効率的に探査できるのではないかというふうに思うわけでありますが、そういう探査能力を高度化する上において潜水艇を含めまして改善の余地やいかにと、いかがでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) 船が沈没いたしました場合にその位置を特定するということは、私どもいろいろ改善のための検討をいたしておりますが、現時点では技術的に非常に難しい点が多いということでございます。 例えば電波でございますと、これは空中、地上であればよろしいわけですが、海中の場合は御案内のとおり電波がなかなかうまくいきませんので、結局音波ということになろうかと思いますが、これも現在の技術では、その音波を仮に船が発してそれを海上でもってとらえると、それでその方位なり場所を特定するということには相当技術的な検討が必要であるということでございます。やはり現在最も有効と申しますか早い方法は、油が船から当然出てまいりますので、油によって大体その下の方に船がいるであろうという推定のもとに、今回の五郎竹丸の場合もそうでございましたけれども、いわゆるサイドスキャンソーナー、音波探知機を使って位置を推定するということが一般的でございます。 ただ、海底の地形にもよりまして非常に複雑な場合にはなかなかその形がはっきりとらえられないというような限界もございますので、私どもこれからもいろいろ勉強していかなければならないというふうに思っておりますが、現時点ではなかなか決め手になるところが少ないということでございます。 それから、救助の方でございますけれども、現在御案内のとおり、私ども潜水を専門にいたします者を養成いたしておりまして、これが海底約五十メートル近くまでは実際に潜ってまいりまして船体をあけて遭難者を救助するということはあるわけでございますが、水深が百メートル以上になってまいりますと現実問題としましてはいわゆる酸素中毒というものが起こりまして、極めて生存の可能性、これは時間の関係ももちろんあるわけでございますけれども非常に低くなるというふうなこともあるわけでございますので、そこら辺のことも勘案しながら最も有効な手段というものについてさらに勉強を進めていきたいというふうに考えております。
○櫻井規順君 最後に一つ、日本水難救済会の現状と、この皆さんの待遇、処遇が消防団に比べまして低いものがあるわけであります。これは報酬それから出勤手当、退職報償金、訓練奨励金というのにかなりの差がございます。この改善をぜひお図り願いたい。 今、その辺の水難救済会の現状、それから改善については何か取り組まれていますでしょうか、ぜひお取り組み願いたいと希望しております。
○政府委員(秦野裕君) ただいま消防団との比較で水難救済会の待遇につきまして御指摘ございましたが、水難救済会の特色は、やはり海で働きます者同士、漁船であれ一般商船であれあるいはプレジャーボートであれ、海を活動の場とする者同士が災難に遭った場合にお互いに助け合う、いわばボランティアということでスタートをしているものでございまして、これは日本だけではなくて世界各国とも同じような制度になっています。 そこで、ただ実際に出動していただきます方々に対しまして何かの形でもって処遇するということは当然必要でございまして、災害の補償あるいは賞じゅつ金等につきましては陸上の消防団と同様の措置を講じております。出動手当につきましても若干消防団よりも現在額が少なくなっておりますが、これも極力改善をしていきたい、できれば来年度にも改善したいというふうに考えておりますが、基本はあくまでもボランティア、相互扶助ということがベースになっているということは御理解いただきたいというふうに考えております。
○櫻井規順君 終わります。
○泉信也君 今回の法律改正は国際規則の改正に基づいてなされるわけでありますが、今回の改正に対応すると申しましょうか、灯火、形象物に起因する海難事故というのは大体どれくらいあるものでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) 海難自体いろいろな要素が絡み合って発生するものでございますのでなかなかその判定が難しいわけでございますが、やはり灯火あるいは今申しました形象物等が主たる原因になっているというものは年間五、六件程度ではないかというふうに考えております。
○泉信也君 仮に五、六件程度であるとしますと、この法律改正によって事故を減らすということは、一件でも減らすことに意味があると言えばそれまでですが、それほど期待できないというか余り大きなことではないなという感じもいたします。 しかし、一方でこの法律の改正に基づいて漁船側に負担が強いられるわけでありますが、およそ幾らぐらいであるのか。五十万とか六十万というオーダーなのかもっと高くつくものなのか、どのくらいの負担を漁船に強いることになるんでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) 先ほども申しましたとおり、実はもう既にかなりの数の漁船が設置をしていただいておるわけでございますが、今お尋ねの値段でございますけれども、いわゆる形象物につきましては一個約一万円から一万五千円、それから全局灯、いわゆる灯火でございますが、これが四個合計で約八万円、それから探照灯につきましては一個で約二十七万から二十八万円、これが大体の値段でございます。
○泉信也君 ところで、我が国の周辺で漁労されるのは韓国、中国あるいはロシアというような船籍の船が多いと思っておりますが、こういう国は既にこの条約に加盟をしておるのかどうか。そしてまた、加盟をしていない国は当然遵守義務がないのではないかと思いますが、そういう国の船はこの日本の近海では相当漁労しておるのかどうか、お尋ねいたします。
○政府委員(秦野裕君) 本条約の加盟国でございますが、昨年の十二月現在で百二十四カ国でございまして、加盟国の籍を持っております船舶の総トン数が全世界の船舶の約九六%ということでございます。したがいまして、非加盟国の船舶は残り四%ということで非常に数が少のうございます。 それから、今お尋ねの中国あるいは韓国、ロシアといった日本近海で漁労いたします国々につきましてはすべて本条約に加盟をいたしております。したがいまして、条約の非加盟国の籍の漁船が日本の近海で操業するということは、まず確率としては極めて低いというふうに考えております。
○泉信也君 船腹量から見ますとわずか四%ぐらいの数字でもありますし、また非加盟国の漁船の我が国の周辺海域での漁労がないということであれば、まさに我が国の漁船にこの法律改正が非常に意味を持ってくるということになろうと思いますが、海上保安庁としてはこれをどういうふうに取り締まっていかれるのか。また、あわせてお尋ねいたしますが、漁業者への周知は十分なされておるのかどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(秦野裕君) この国際規則の改正がIMO、国際海事機関の場で議論されましたのがもうかなり前でございまして、その時点から漁業の関係者あるいは水産庁の方と十分協議を重ねて今日に至っておるわけでございまして、そういう意味で、今回の国際規則の改正につきましてはかなりPRと申しますか、が行き届いているというふうに考えております。実際にこの法律が改正されまして、施行は一応十一月を予定しております。あと残り半年強でございますが、この法律を成立させていただきました段階で、例えばパンフレット、これは今十万部程度用意しておりますけれども関係者の方に配るとか、あるいは説明会を各地で開催するとか、いろんな方法によりまして関係者の方々に周知徹底を図りたいというふうに考えております。
○泉信也君 ぜひ周知徹底をしていただきまして、トラブルがないようになお一層御尽力をいただきたいと思います。 少し観点を変えてお尋ねをいたしたいと思いますが、この海上衝突予防法と道路交通法というのは、海と陸の違いということで言ってしまえばそれまでですが、基本的にはどういうふうに我々は考えていけばいいのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) 難しいお尋ねでございますが、道路交通法の方は、いわゆる国際ルールとしましては道路交通に関する条約というものがございまして、これに直接準拠して定められたものではないというふうに伺っております。その条約の精神を酌んでそれに矛盾なく定めるということでありまして、具体的な通行方法なりなんなりはその基本的なルールのもとで各国の裁量に任されているということでございます。 それに対しまして、海上衝突予防法の方は、これは明治以来、世界共通のまさに基本ルールでございまして、その国際規則で定まりましたものを本当に忠実に国内法の方に移しておるということでございます。これは当然のことでございますけれども、海洋の特殊性と申しますか海上交通というものの国際性ということから、余り各国でばらばらの取り扱いになるということは極力避けなければならないということで、完全な統一したルールのもとで行われているというのが実態でございます。 それから、具体的には、例えば道路交通法でございますと左側通行でございますけれども、衝突予防法の場合には右側通航とか、内容的にはいろいろ違いはございますけれども、基本的には今申し上げたことだというふうに理解しております。
○泉信也君 最後にもう一問お尋ねをいたしますが、この法律は五十二年に全面改正がなされておるわけであります。今回の改正の内容を見ますと、果たして法律事項に当たるものなのか、むしろ政省令で規定をしてもいいような内容ではないかというふうに私は思います。経緯があってこういう今回の法律の改正という格好になったと思いますが、いずれその抜本改正ということをお考えいただいて、政令にあるいは省令に落とすべきものは落とす方が効率的ではないか、また本来の法律の意味に合致するのではないか、私はこんなふうに思うわけです。 今、道路交通法との関係をお尋ねいたしましたのも、ややそうした意味を持たせて実はお尋ねをしたわけであります。ぜひ次回の抜本改正というような時期が参りましたときには、今申し上げた趣旨で取り組んでいただけるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) ただいま委員からお話のございましたとおり、衝突予防法は明治以来長年の伝統と申しますか、国際条約をそのまま国内法として取り入れてきたという経緯があるわけでございます。 ただ、今お話しのとおり、大変技術的な内容でもございますし、また先ほどちょっと申し落としましたけれども、道路交通法と違いまして罰則がないというような特色もあるものでございますので、そうした点も踏まえてただいま先生の御指摘について勉強していきたいというふうに考えております。
○泉信也君 終わります。
○高崎裕子君 今回の改正によって漁船同士では衝突防止のための表示がわかっても、先ほども漁船関係者については周知徹底というお話もありましたのでこれはわかっても、一般船舶ではこれがわからないということになると私はやっぱり問題だなというふうに思うので、航行の安全ということであれば、一般船舶に対してもこの点は私は周知徹底させるということがどうしても必要だと思いますので、その点いかがでしょうかということと、それから、一般船舶に対して何らかの安全対策をやっぱりとる必要があるのではないかということがありますので、この点あわせてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(秦野裕君) 今回の改正のうち、灯火に関する部分につきましては、これは漁船同士の問題でございますので一般船舶は直接関係ないわけでございますが、確かに形象物につきましては、これはまさに一般船と漁船との関係を規定しているものでございます。したがいまして、仮にこの法律を成立させていただきました場合には、漁船はもとよりでございますけれども、一般船舶に対しましても十分に同様に周知徹底を図っていくというつもりで対応いたしたいというふうに考えております。 それから、もちろんこの衝突予防法自体、漁船だけではなく一般船舶につきましても交通ルールというものは当然定めておるわけでございまして、それの遵守方については、私ども、訪船指導その他あらゆる機会を通じまして一般船舶に対しても十分指導していくつもりでございますし、また、例えば海上交通センターといったようなレーダーを使いました管制システムというようなものを活用いたしまして船舶の衝突等の防止に最大の努力をしていくつもりでございます。
○高崎裕子君 次に、トロールにより漁労に従事している船舶について、表示の義務づけの要件として著しく接近した場合というふうにこれなっているんですけれども、この著しくというのは数字としてあらわされていないんですけれども、この点基準というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府委員(秦野裕君) これは、実は国際海事機関でこの改正について審議がありましたときもこの点についてかなり議論がございました。結論として具体的数値は決められないということになったわけでございますが、その理由としましては、当然、その船舶の大きさ、スピードあるいは気象状況、こういったようないろんな条件によってそれは変わってくるわけでございまして、これを一律に決めることはかえってその実態に合わないということから、やはり個別の状況に応じて判断をしていくということが基本ではないかという結論で今回の規則の中には入っていないわけでございます。 ただ、現実問題としましては、やはり何か目安というものが必要ではないかということでございまして、灯火の基準というのがございまして、いわゆる視認距離の基準、余り明る過ぎてもいけないし、時過ぎてもいけないということで一海里から三海里というふうになっております。したがって、これが一つの目安ではないか。つまり、一海里ないし二海里程度が著しく接近したということの一つの目安になるんじゃないかというふうに考えておりまして、このような点も含めて各現場において指導していきたいというふうに考えております。 ただ、具体的に海難等が発生しました場合には、当然、その場のケースによって海難審判等の場において判断されるべきものというふうに考えております。
○高崎裕子君 私が心配しているのは、こういう定め方によって安全対策としては個々ばらばらの判断になるので混乱は生じないのかということが一番心配されるんですけれども、一応今のお話では目安を決められるということですので、これはやっぱり関係者に周知徹底されるということが大切だと思いますので、その点よろしくお願いいたします。 終わります。
○委員長(大久保直彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 海上衝突予防法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大久保直彦君) 全会一致と認めます。はって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大久保直彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大久保直彦君) 次に、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。亀井運輸大臣。保
○国務大臣(亀井静香君) ただいま議題となりました船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 船員の雇用の促進に関する特別措置法は、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等により離職を余儀なくされる船員の数が増大していること等の状況にかんがみ、船員の雇用の促進に関して必要な措置を講ずることにより、船員の職業及び生活の安定を図るため、昭和五十二年十二月に制定されたものであります。 現在、この法律の附則第二項の規定に基づいて、事業規模の縮小等に伴い離職者が発生している近海海運業に係る離職船員の再就職を促進するため、平成七年六月三十日までに離職する者に対し就職促進給付金の支給に関して特別の措置を講ずることとしております。 しかし、近海海運業につきましては、日本船の国際競争力の低下等の事情に加え、近年における大幅な円高の影響等を受けて、事業規模の縮小等に伴う離職船員の発生が今後においても引き続き予想される状況にあります。 したがいまして、この就職促進給付金の支給に関する特別の措置を引き続き存続させていく必要がありますが、今後は、これまでの離職船員の発生状況にかんがみ、一般的な就職促進給付金の支給規定であるこの法律の第三条に基づき就職促進給付金を支給することとし、これに伴いまして、附則第二項を削除すること、政令により支給の対象範囲となる船員を限定することなど就職促進給付金の支給に関する規定を整備することとしております。 また、船員雇用促進センターに雇用される労務供給船員に係る船員法の適用に関する特例につきまして、昨年の船員法の改正で導入されることとなりました当初六カ月の連続勤務に対する有給休暇制度を同じく労務供給船員についても導入することとする等、所要の規定の整備を行う必要があります。 以上がこの法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(大久保直彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十三分散会 —————・—————