労働委員会 第11号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/04/28
会議録
○笹山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案及び松岡滿壽男君外四名提出、介護休業等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 本日は、特に、松岡滿壽男君外四名提出の法律案について審査を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長勢甚遠君。
○長勢委員 おはようございます。私から、新進党側提出の介護休業法案について質問させていただきます。 これから高齢社会を迎えるに当たって、介護の問題が極めて重要な問題である。そういう中で、家族介護ということも在宅介護の一環として必要なことである。その場合に、職業を継続しながら家族介護ができるようにする方向も考えていかなければならない等々、介護休業制度を法制化するという方向について我々も一生懸命取り組んでまいりましたが、新進党さんにおかれましても、同じ方向で大変真剣に御検討いただき、そして法案を提出をされて、互いに一生懸命論議をする、こういうことは大変いいことであり、また、そういう御努力に対して私も心から敬意を表しておる次第でございます。 そういう意味で、ほとんど私どもと基本的な姿勢において変わるところはないというか立場におられるであろう、こう思っておるわけでございますが、ただ、同じ発想におりながら、こういう形で介護休業法案という政府案とは別の法案が提出をされ、そういう努力をされたことについては大変敬意を表しておるわけでございますが、そのことが、この法案審議においていろいろな、何といいますか、別の雰囲気も醸し出しておるということを私は実は大変残念に思っております。 もちろん、内容等について意見の相違があるということは、いろいろな案件について当然起こり得ることでございますが、ややもすると、別の法案を出されたことによって、新聞等で本国会で唯一の対決法案であるといったような雰囲気が出されておって、そのことが介護休業制度そのものについての議論とはかかわりのない議論になったり、あるいはそういう方向に引きずられたりというようなことがあっては、これは大変申しわけないことになると私は心配をしておるのであります。 そういう意味で、大変御熱心な御議論の末にすばらしい介護休業法案を提出されたということについては、何度も繰り返しますが、敬意を表する次第でございますが、こういう法案を提出しなければならないということに至った経過その他を少し御説明いただいた方が誤解がないのではないか、こう思っておるわけであります。特に、今申しましたように、対決というような表現で、いかにも、介護休業制度そのものではなくて、そのことが政争の具に供されるようなことがあっては、労使間の問題でもありますし、私は大変残念なことである、この問題が政争の具と言われるようなことのないようにしなければならない、こう思っております。 そういう立場で、お互いスタンスがそんなに違っておるわけではございませんから、現実を踏まえた冷静な結論をお互いに見出していくという姿勢が私は大事だと思いますので、いわゆる対決であるとか政争の具にされるといったようなことのないようにしなければならないということについて、ぜひ御提案者の方々の御見解をまず伺わせていただきたいと思います。
○松岡(滿)議員 ただいま長勢議員の方から御意見を拝聴いたしたわけでありますが、我が党といたしましては、高齢化社会に向けてのあるべき福祉政策を独自に検討してまいりました。昨年末に、当時の改革時代、プロジェクトチームをつくりまして、一定の結論を得たわけです。それを明日の内閣の方に引き継ぎまして、せっかく積み上げてきた今回の介護法案に対する姿勢というものを議員立法として明確に主張することが、やはり国民の負託を得て政治家として活動している政党としてのあるべき姿であろうという立場から、今回提出をさせていただいたわけであります。 もとより、ここ数年間、政治改革を叫びながら、いろいろな角度で政治の活性化に努めてまいったわけでありますが、国会改革の観点から見ましても、議員立法を行っていくということは、国会における相互の意見を活発に出し合う場におきまして、国会の活性化にもつながるという観点から、我々の政策そして法案というものを国会の場で議論することによって、それぞれの政策を競い合うということが国会における本来のあるべき姿であろうという角度であることを、ひとつ御理解をいただきたいというふうに思うのです。 もとより、高齢化社会が急速に展開しておる、また、それぞれ、介護休業につきましては、公務員あるいは大企業の労使協約の中でいろいろな形での実現を見ておるわけでありまして、勤労者の多くを占める中小企業は確かに経営の状況から見ましても厳しい環境にありますが、それに対する適切なる助成、対応ということによって、これから高齢化社会に向けてのあるべき介護のあり方ということにつきまして、私どもは、目的は確かに同じでありますが、導入の時期とか、介護の期間でありますとか、中小企業に対する助成策でありますとか、所得保障の問題、あるいは介護要件の問題等々幾つかの相違点がございますので、そういうことに基づきまして提出をさせていただいておるわけであります。 もとより、政争の真とかそういうことに我々は、この提案によって一つの題材として提供しておるわけではありません。しかしながら、昨今、イデオロギーの対決がなくなりましてから後、いろいろな面での対立点といいましょうか、政策の主張というものについて、国民の方から見ましてもわかりにくい状況になってきておることも事実であります。そういう状況の中で私どもは、長いこと主張してまいりました地方分権の推進に関する法案と介護休業等に関する法案、この二つを新進党として独自の提案をさせていただき、国会の論戦にゆだねておるという経過でございます。 その辺の背景をひとつ十分に御理解いただき、意義ある議論を展開してまいりたい、かように考えておりますので、よろしくひとつ御協力のほどお願い申し上げます。
○長勢委員 国会が審議の場でございますし、各党いろいろ検討結果を、意見を闘わせる場でございますし、また、議員立法を考えていくということも当然のことでございますから、今松岡先生のおっしゃったこと、私、一般的にはそのとおりであると思っておりますし、そういう意味で、大変御検討されて御努力の成果を法案として提出されたことについては、最初に申しましたとおり、敬意を表しておるわけであります。 ただ、今松岡さんからもそういうふうにおっしゃっていただきましたので、大変安堵いたしておりますが、ややもすると、先ほど言いましたように政争の具に使われる、あるいは対立点を明確にしていくことは国民に対して私どもの義務でございますが、そのあり方としていろいろな方法があるわけでございまして、それを明らかにするために場合によって国会の駆け引きに使われるというようなことがあっては、これはやはり本末転倒の話になりかねないということを私は危惧をしておるわけであります。 そして、現実に法案が二つ出ているということだけを、形式だけをとらえて、今松岡先生のおっしゃったこととは全く関係なく、そういうふうに誤解をするということがあったとすれば、これはまことに我々にとっても不本意なことでございますので、ぜひ、この介護休業法制度は早期に成立をさせていただきたいということが国民全体の願いであると思いますので、そういう立場で与野党一致協力していい結論を出すように努力をしていきたいと私自身も思っておりますし、ぜひ御協力をお願いいたしたいと思う次第でございます。 さて、具体的な意見の相違点は幾つかあるわけでございますが、どうも全般的にこの問題、この法案を考える基本的な姿勢というか、考え方についても若干展開が違う部分があるのかなという思いが若干しますので、その点を最初に二、三点御質問させていただきます。 まず一つは、介護休業という制度は、もともとはこれは労働条件の話であります。したがって、労働時間にしても安全衛生にしても、一般的に労働条件に関する法律はたくさんございますけれども、基本は、労使合意が基本であると私は思っております。 したがいまして、これを法制化をするということは、労使合意を踏まえて、それをより実現をさせていくということが基本であろうと思いますし、国会の場として、労使合意が社会的にまことに不公正であるといったような場合には当然審議が必要でございますが、基本的には労使合意を尊重した法制化を図っていくことが一番社会的コンセンサスが得られる、法秩序を守れる、そういう法制化の姿勢でなければならないのではないか、このように私は思っております。 そういう観点において、今回いろいろ労使間で、審議会の場を通じあるいはいろいろな各種会合を通じて一定のそれなりの合意を踏まえたものとして政府案は提出されていると私どもは思っているわけでございますが、基本的に労使合意を余り逸脱するようなことを考える場合は相当慎重でなければならぬ、これが労働条件に関する規制を強化するというか、規制を行っていく上での基本的な考え方でなければならない、こう思っておりますが、いかがでしょうか。
○松岡(滿)議員 長勢議員が御指摘のように、個別の労働条件につきましては、労使がやはり自主的に決定していくべきものであるということは言えると思います。しかしながら、労使合意では不可能な部分、例えば昭和二十二年の労働基準法の制定がまさしくそうでありましたように、労働条件の最低基準についての法的な規制というものにつきましては、社会的な必要性等を勘案しながら最終的に国会において判断すべき事項というふうに私どもは考えておるわけであります。 また、審議会の問題に言及をなさいましたが、確かに一つの社会的な合意、そういう意見を交換する場ではありましょうけれども、昨日も同僚議員の意見もありましたように、そういうとらえ方につきましては、いろいろな意見もあろうかというふうに考えております。
○長勢委員 基本的に考え方が違っていないんだと私は今お話を聞いて理解をさせていただきたいと思います。 もちろん、労働条件にかかわる事項が、当然そのこと自体が社会全体にもかかわりのあることでございますから、労使合意を踏み出してはいけないということであれば、国会の場が意味がないわけでございますから、そんなことを私も申し上げておるわけではございません。ただ、まさに今最低基準というお言葉もございましたが、社会的な公正が労使合意では守られない、対応できないというようなケースの場合に、国家全体を国会として考えていかなければならないのは当然でございます。 同時に、それをいかに現実のものとして実行させ得るかということを考えますと、今言ったような観点からのものは最低基準として考えるべきことを念頭に置かなければならないことであって、労使のそれなりの合意というものを相当尊重しなければならないということも一つの大きな視点であろうと私は思っておるわけでございまして、そのことについて特段の相違はそれほどないというふうに理解をさせていただきたいと思います。 次に、介護休業制度を今法制化をしようということを議論しておるわけでございますが、いろいろな意見の相違の流れる中に、介護休業制度の介護政策全体における役割というか、位置づけというものについて少し論点を整理しておいた方がお互いに議論がわかりやすいのではないかなというような気が実はいたしております。 介護という範疇になりますと、当然相当長期にわたるということが予想され、その中で、社会システムとしての施設介護を含め、あるいは在宅介護におけるいろいろな公的なサービス、そういうものも含め社会全体として整合性のある、また総合的に国民が安心できる制度をつくり上げていかなければならないわけであります。 そういう中で、介護休業がその家族による休業の中でのすべてを賄うあるいは考えるということではなくて、むしろその一部をなす、またそれなりに必要な部分を家族で賄える、しかもそれを休業という形で賄うという観点に立って議論しないと少し議論が散漫になっていくのではないか、こう思うわけであります。つづめて申しますと、家族による介護ですべてを対応しようと考えるとか、あるいは家族による介護をすべて休業という形で対応しようとすると、少し意見の違いが出てくるような気もしますし、また社会的にもあり得る姿なんだろうかということを疑問に思うわけでございますが、全体の、法案を提出された立場から、この問題についてどのような整理をされてこの法案を提出されておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○松岡(滿)議員 高齢化社会に関する介護福祉施策は、自助、共助、公助のバランスのとれたものとして構築されるべきものと考えております。 この点については、本法案の趣旨説明の中でも、「高齢者等の介護体制の整備は総合的に取り組むべき課題であります。要介護者の介護については、福祉施設の整備によって施設介護の体制を整備するとともに、他方では、社会保険制度の拡充や介護サービスの充実により在宅介護を支援する体制の確立を図らなければなりません。」と述べておりますように、公的介護と在宅の家族介護とはまさしく車の両輪という認識を持っております。したがって、公的介護を在宅介護で代替するというような考え方をとるものではございませんし、また、家族介護のすべてを本制度によって実施しようとしているものでも決してないということを御理解いただきたいと思います。
○長勢委員 もう一点、基本的な観点について意見のすり合わせといいますか、お伺いさせていただきたいと思いますが、今回、政府案あるいは新進党案におきましても、介護休業を形成権として権利化をするという法案でございます。したがって、私は、権利を得る方にとっては相当有効な手段であり、また逆に、義務を負う方にとっては大変に負担になるという法案であるということになると思います。 一般にこういう権利義務関係をきちんとしたものにするということは大変大事なことでございますが、それだけに、それがもたらす弊害というか、別の観点も慎重に考えて、総合的に妥当な線でっくっていかなければ、そういう法律というものは法的な妥当性を欠く、社会でも受けられない、守られない、別の弊害が極めて大きくなる、いわゆる悪法というものになりかねない危険をいつも持っておると思います。 そういう意味で、現実にどれだけ目的が正しいとしても、それが実現不能なものであったり、あるいはその他の方々から極めて強い、何といいますか、過大な社会負担が生ずるというような意味も含めて大きな不満がある、あるいは別の反応が起こるということが予想される場合には、そこら辺を総合的に勘案をした形で実現可能な合理的な範囲内でおさめざるを得ない、これが法律というものの性格であろう、こう思っておりまして、権利義務の立法に当たっては、そういう意味で総合的に、また慎重な部分がなければ、目的が正しいからそれをそのままやればいいというものだけでは済むものではないという姿勢であるべきだと考えておりますが、その点について御見解をお伺いをさせていただきたいと思います。
○松岡(滿)議員 御指摘のように、労働者の権利を法制化する場合には、一方では法制化を求める労働者側のニーズとともに、他方では事業主の雇用管理上の負担等に配慮しつつ、その調和を図っていく、さらに、現実社会の実態とあるべき姿を総合的に判断しながら決定されるべきものであることは、議員の御指摘のとおりだというふうに思っております。 このような観点から現状を見ますると、まさしく老親等の介護についての過大な負担が労働者に負わされているというのが現状でありますし、これが年間八万人とも言われております介護退職者を生み出しておるこの原因になっておるわけであります。本法律案において具体化した介護休業制度は、このような労働者の過大な負担を解消して事業主の負担との実施可能な調和点を図ったものというふうに考えております。いささかも法的妥当性を欠くとか社会のバランスを失することになるものではないということを確信をいたしております。
○長勢委員 以上、二、三点にわたって、法制化をお互いにしようと今回じ立場で議論しておるわけでございますので、その基本的考え方についてお伺いいたしました。 労使合意を尊重することも基本、また、介護休業制度で在宅介護をすべて賄うというわけにもいかないだろうという点、あるいは権利義務の立法に当たっては総合的に慎重であるべきであるという点等々基本的に、私と提案者の方々との基本的スタンスにおいて大きく変わるところはないというふうに私は今理解をさせていただいたわけでございますが、そうは言いながら、それでは、具体的にこの法案の内容が今の申し上げましたような基本ラインに沿った妥当な内容のものであるのかどうかという点については、私は極めて大きな疑念がある。今松岡先生も、社会的妥当性は欠かないと確信をしている。確信しておられるのはそのとおりでございましょうが、私としてはいささかどうかなと思っておるわけでございまして、そういう意味で、以下具体的に法案の内容について、今申し上げました原則から少し違うのじゃないかなと思っておる点を御質問させていただきたいと思います。 何といっても、この両法案で一番大きな違いは、介護休業期間の問題であろうと思います。政府案では権利として三カ月を考える、新進党案では一年ということになっておるわけでございますが、どうしてこんな大きな開きが出るのでしょうか。私は、先ほど申し上げました基本原則にのっとれば、とても一年という話にならないのじゃないかな、こう思うわけでございますが、皆様方の御見解をお伺いしたいと思います。
○桝屋議員 介護休業期間についてのお尋ねでございます。 介護休業期間をどのくらいのものにするかということは、今御指摘にありましたように、大変に今回大きな違いでありまして、これを決定するにつきましては、一方では、介護を行うこととなる労働者のニーズ、これが一つ、それから他方では、委員も御心配をされておられますように、事業主の雇用管理上の負担、これを配慮しなければならない、この二つを勘案いたしまして、まさに高度な政治的な政策判断が必要であろうというふうに私どもも考えております。 こうした観点から実態を見ますと、これは本会議でも申し上げておるところでございますが、労働者側のニーズにつきましては、要介護状態になってからの年数というのは、これは連合さんあたりの調査を見ますと、平均で五・八年、中央値をとりましても三・六年、大変長いわけでございます。あるいは労働省の平成三年の調査でも、平均介護期間は三十一・八カ月、こういう数字もあるわけでございます。 他方、事業主側の負担につきましては、労働省の女子雇用管理基本調査によりますと、現に今導入されている介護休業制度につきましての期間でございますが、期間の最高限度を定めている事業所のうち、三カ月未満としている事業所はわずか一〇・四%、一年以上としている事業所は六一・二%に上がるわけでございます。さらに、期間に限度がない事業所もあるわけでございまして、ただ、こうした数字というのは、介護休業制度を現に導入している事業所というのが比較的大規模な事業所に多いというのは事実であろうというふうには思っております。したがいまして、これをもって直ちに中小零細企業まで含めた政策判断をするわけにはいかないわけでありますが、これらの中小零細企業に対する特別の配慮あるいは支援措置と相まって、実現可能な限りでの労働者のニーズに最大限に配慮した結果が、私ども新進党案の最大限一年の介護休業期間というところになったものでございます。 なお、この一年の範囲内での労働者の介護に対する多様な選択肢を認めたものでございまして、すべての介護休業者が丸々一年休業しなければならないというものでは決してございません。あくまでも最長一年間というふうに私どもは考えております。
○長勢委員 老親その他が倒れられて介護に要する期間が大変長期にわたるということは、それは当然というか、だれでも知っておることであります。ただ、先ほどから申しておりますとおり、そのことを在宅介護あるいは特に介護休業というごとで対応する考え方、あるいはそれの、今先生もおっしゃられましたとおり、企業の負担という観点等々を総合的に勘案したらどういうことになるのだろうということが今この議論の焦点であります。したがいまして、今介護年数が何年にわたるということを大変優先的に考えるというのは、ちょっとこの議論においてはやや均衡を失するのかなとまず思います。 それから、現実の介護休業制度が一年が多いというのは事実でございますが、先生もおっしゃられたとおり、大企業においてが中心でございますから、現実に今実行可能な範囲で考えるときに、その最上限である一年を中心に考えるということでいいのだろうかと私は疑問に思います。また現実に、連合の調査によりましても、休業期間が一年とされておるにもかかわらず取得期間は三カ月というのが多いというふうに報告をされておるわけでございまして、これはいろいろな理由があるだろうとは思いますけれども、これが実態である。この実態を踏まえて、特に法律で権利義務という形で形成をする以上、やはりその実態から余りかけ離れた話を決めることは社会的混乱を招かざるを得ないということを私は大変に危惧をするわけであります。 今、一年といっても一年までとれということではないよというお話でございましたが、それはそのとおりでございますけれども、しかし、一年までとれるということがいかがなものかということについて、今までいろいろな長い議論があり、審議会の場でも労使間にいろいろな議論があってこういう形で政府案が出されていると伺っております。少しすれ違いの話になり過ぎているのではないかなという気がいたしますが、もう一度御答弁をいただければありがたいと思います。
○桝屋議員 介護休業期間の問題でございますが、確かに政府案三カ月、新進党案一年、相当大きな開きがございます。 先ほどから先生も御指摘のように、三カ月がいわゆる最低基準、現在の労使の状況の中で実行可能な数字ではないか、こういうお話も一面では私どもも理解できるわけでございますが、しかしながら、やはり二十一世紀へ向かって今まさに国民的な最大の関心事であるこの介護の問題を検討するときに、私どもはどうしてもこの部分は実に重要な部分であろうというように思っております。 労働省さんあたりからもお出しいただいている例えば「脳血管性疾患に関する必要とされる世話の概念図」あたりも私どもも見させていただいているわけですが、いわゆる三カ月までで家族の状態は一応動揺期を経て安定期に入るというような、こういう考え方は、今二十一世紀へ向かって介護を検討しなければいけないときに、現実の姿として余りにも認識に差異があるのではないか。 例えて申し上げますと、脳卒中で入院をされまして三カ月で一応落ちつくかといいますと、これは労働行政と厚生行政の実ははざまの問題もあるわけでございますが、三カ月たっても、余り御承知ない話でありますが、例えば脳卒中で倒れられた方は半年あるいは一年たたないと身体障害者の手帳が交付されない、こういう厚生省サイドの考え方もございまして、そういう方は、この労働省さんがお示しになった世話の概念図で果たして福祉施設を使えるかといいますと、現実に身体障害者手帳がないために使えないわけですね。そうすると、安定期どころか、一番混乱をするのが、三カ月を経て四カ月、五カ月、六カ月ぐらいが一番介護される方がお苦しみになる、お悩みになるときではないか。 そういう意味で、やはり三カ月では足らない、せめて一年ということを私どもは考えておるわけでございます。御理解いただきたいと思います。
○長勢委員 ほかに論点もありますのでこの議論だけするのをちょっと差し控えさせていただきますが、大企業においても休業期間は一年ということにはしておりますけれども、内容を詳細に見ますと、介護が必要な場合に無条件に一年というものは極めて少なくて、条件つきで一年ということになっているのが多いと思うのです。例えば同居だとか扶養だとかという条件、あるいはほかに介護者がいないといったような条件等を付されていることが極めて多いわけでございまして、そういう意味では、新進党さんの案はこれらの一般的に多い大企業の協約以上の内容になっているのではないかなと私は思っております。 また、当然、今お話のありましたようないろいろなケースがございますから、三カ月ですべてがみんなうまくいくということでないケースは多々起こるだろうと私も思います。しかし、ほかを総合的に考えたときに、最低限三カ月ぐらいだけは何とか権利として認めて守ってもらう、それをまずやろうということについて労使間の厳しい対立があったわけで、もともと権利義務として、形成権として法定化をすること自体にも強い反対がある中で、我々としても政府を通じてそれを認めさせる努力をしてきたわけであります。 また、三カ月では、最低基準として法律の権利として認めるのはそれだけであるとしても、それで済むわけではありませんから、わざわざ努力義務としてそれを上回る内容をつくる法内容にするように我々与党として政府に働きかけ、またそれも法案の中に盛り込ませることができたと私は思っておるわけでありまして、一年が介護休業としてあってはならないということを私は申し上げているわけでは。なくて、形成権として認めるには、先ほど申しました法制化の基本的考え方を踏まえれば、一年というのはちょっと問題が多いのではないかな。むしろ実態に合った形でそれのぎりぎりのところである三カ月を権利義務として確定をし、さらに、それを努力義務として企業の方々にもできる限りの努力をしてもらう、政府も援助をしていくという方が、現実に介護休業制度を二十一世紀に向けて普及発展をさせるベターな姿ではないかな。これは意見の相違であろうと思いますので、私の考え方として申し述べさせていただきます。 次に、家族の範囲についても両法案には相違があるわけであります。新進党の案では、要介護者としての範囲に、配偶者、子、父母、配偶者の父母のほかに「同居の親族」というものを含ませようというふうにお考えになっておるわけでございますが、親族ということになりますと、どういう範囲をお考えになっているのか。多分というか法律上は、民法にいう六親等以内の血族、配偶者、三親等以内の姻族ということになるのだろうと思うのでございますが、そうなりますと大変に広い範囲になるわけですね。 今の範囲をちょっと調べさせましたらこれだけのメンバーがあるわけで、この方々に介護の状況が起こるというのはふくそうして次々起こるわけで、そうなると、これはますますもって権利義務として企業側の負担というものはどういうことになるのだろうということを私は大変心配をいたしますし、また「同居」という定義についても、これは際限なく広がる可能性がある条文だな、やはり権利と義務という形で法制化をする以上は、そんなことにならないだろうなというぐらいの話でやるわけにはいかないので、紛争を巻き起こさない、あるいは極めて不公正なことが起きないようにやはり慎重でなければいけないと思いますが、ここら辺はどうしてこのようなことを法文化をしなければならぬとお考えになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大野(由)議員 介護休業の対象となる家族の範囲をどうするかということにつきましては、今回の法案の中で介護休業の期間とか回数をどのようにするかということとあわせまして大変重要な要点ではないかと思っております。実際に家族の介護を行う労働者のニーズ、実態というものとそれから先ほどのお話がいろいろ出ております事業主の雇用管理上の負担をどう調和をさせるかという大変重大な、重要な政策的な判断に関する事項であるわけですけれども、現実社会の実態とあわせまして、円滑な介護休業が実施、施行されるという観点から決定される問題だ、このように思っております。 配偶者とか子供、そして父母、配偶者の父母というのが一番ニーズとしては多いということは承知しておりますが、今家族の形態というのも非常に多様化をしております。そういう意味で、不公平というものがあってもいけませんし、「直系血族及び同居の親族は、互に扶け合わなければならない。」このように民法七百三十条に規定もされておりますので、そういった意味で、血族の六親等、姻族の三親等というものを想定をしているわけですけれども、御質問のように、事業主の負担が過大にならないように、親族すべてじゃなくて「同居の親族」という要件を課しているわけでございますので、「同居の親族」となればこれはおのずと限定されるわけでございます。そういった観点で、「同居の親族」という対象にいたしました。
○長勢委員 親族が助け合うというのは当然のことでございますが、今問題は、介護休業制度という権利義務の行使として助け合うことを法律上強制をするかどうかということが基本でございますから、私は何も助け合うのがおかしいと言っているわけではないわけでありまして、法律上強制をすることが法的な妥当性という観点からいかがなものかと申し上げておるわけであります。 今回居のお話がございましたが、具体的に同居ということが今先生も御理解いただいておりますような企業の過大な負担等について歯どめになるのかどうかと申し上げますと、例えば介護のために呼び寄せられた介護者は同居になるんだろうかな、あるいは介護のために親族が同居するようにそっちの方へ移ってという場合は同居になるのかなというようなこと、いろいろなケースが起こると思うのです。そうなると、際限なく同居の範囲が実態上広がるわけですから、同居であるからいいじゃないかということで果たして済むのだろうか。 私は、こういう基準でやっているケースは現在休業制度を設けているところでも極めて少ないと思いますし、これは権利義務として認めることが、社会的な妥当性の最低基準のものとして考える以上は、現実にあるもの以上の内容を法制化をしよう、そういう意味で余りに現実と遊離をしているような内容にならざるを得ない、現実に運用すればそうならざるを得なくなる、社会的混乱をもたらすということになるんじゃないかと心配をしますが、いかがでしょうか。
○大野(由)議員 いろいろなケースがあるかと思いますが、同居をして介護をしているという現状、当初は離れて住んでいたけれども、どうしても老親を一人で置いておくわけにいかない、すぐに入院手続をいろいろしても、先ほどからもいろいろお話がありましたように、三カ月以内に収容できるところが確保できない、そういう場合もあるかと思います。それは、どうしても一人住まいの老親の面倒を見なければいけない、ほっておくわけにいかない、その介護をするために同居をするということは当然あろうかと思います。 しかし、同居して老親の面倒を見ているという事実がついて回る状況でございますし、これからの大変な高齢化社会に向けて、労働者が家庭生活と仕事を両立てきるための法案というものをつくろうとしている、そういう状況でございますので、その辺はやはり当然労働者に対して守っていく法案にしていくべきではないか、このように思っております。
○長勢委員 今の御答弁でございますと、まず、同居という要件が社会的実態に合った形での制限というか、そのことによって範囲が不合理に広がることの歯どめにはならないということを明確にされたと私は理解をします。 それから、今回居の老親というお話を盛んに言われますけれども、親の場合は同居であろうがなかろうが、もともと対象にしようという法案でございますから、同居の老親をほっぽるわけにいかないというのは、私が質問申し上げたこととは関係のない話だと思うのです。むしろ六親等目の、いとこ、はどこに至るまで同居という実態をつくり上げて、それを権利義務として行使させるようにしようというのが皆様方の案になっておることを、私は少し広過ぎるのではないかなということを申し上げたわけでございます。ちょっと次の問題に移りたいと思いますので、今の御答弁についての私の考えを述べまして、終わらせていただきます。 次に、介護休業の回数についても、一人一回という案と一つの継続する要介護状態ごとに一回という案とで意見の相違が見られるわけでございます。これも、権利義務として認める以上、解釈をめぐっていろいろな反論が起こることは法的安定性を欠くことになりますから慎重でなければならないと思います。特に、事業主にとって、は、与えるか与えないか、法律上の義務がどうかということが極めて深刻な問題にかかわるわけでございます。そういう中で、介護休業制度に関する専門家会合においてもこの問題について議論をされ、「再発・併発の場合など一要介護状態が継続しているか否かの判断が困難な場合もあり、難しい問題を含んでいる。」こういうふうに指摘をされておるわけであります。 このような皆さん方の案のような場合に、これは一遍治って次の病気になったのかどうかとか、そこら辺の判断は極めて難しいと思うのですが、事業主がどういうふうに判断をすればいいのかということについてどういうふうにお考えでしょうか。
○桝屋議員 介護休業の回数の問題でございます。 私ども新進党案は、委員御指摘のとおり、一つの継続する要介護状態ごとに一回、一人一回という政府案と大きく違うところでございます。これは、要介護者一人につき一回というのではやはり現実の介護休業のニーズに十分対応できないということと、ではいつ介護休業を利用するのが適当かという点において労働者も大変お悩みになるだろうということから、一要介護状態ごとに一回というふうに私どもはしたわけでございます。これは、御承知のように、国家公務員の介護休暇制度においてもそのようになっておると思います。 確かに病気というのは再発、併発があるわけでございまして、そのような事態に対処して、介護休業の必要性に配慮するためにこそ、やはり一要介護状態ごとに一回ということは私どもはぜひとも必要であるというふうに思っているわけでございます。 御質問がございました要介護状態にあるかどうかの判断でございますが、特に、それぞれの要介護状態ごとにということですから、より政府案に比べて判断が難しいわけでございますが、これにつきましては「労働省令で定める期間にわたり日常生活を営むのに支障がある状態」にあるかどうかということになるわけでございますが、この判断は医師等の公的な資格を有する者によって行われるべきであろうというふうに思っております。これは医師に限らずということでございます。このような医師等の判断に対する行政上の一般的な指針というものはやはり必要ではないかというふうに考えております。 介護休業を申し出る労働者は、その申し出の際に、当該休業申し出に係る家族が要介護状態にあることを明らかにするというふうにされておるわけでございますから、このような医師の診断書等の添付を要求することによって、事業主においてその判断に迷うことはないのではないかというふうに思っております。
○長勢委員 要介護状態にあるかどうかの判断は、医師の証明等で十分できると思いますし、しなければこの制度は動かないわけです。 今問題は、一遍倒れられて介護休業をとった、それからしばらくたってまた要求があった、そのときに、その申請があるときに要介護状態にあることは明らかだろうと思うのですけれども、その二つは継続するものであるのかどうかということが議論であります。これは医師といえども、継続するかどうかというのはそうそう簡単にわかるのかなということは私は疑問に思いますし、また、それを指針、労働省令等で決めることはそんなに簡単な話ではないのではないかということに私は危惧を持っておるわけであります。 そうなれば当然、何かよくわからないけれども休業をもらいたいという人と、それは法律上の義務じゃないよという人とが争うことになるわけでございまして、現実に法律の権利義務として書くときに、そこら辺が非常にあいまいな形にすれば、労使紛争なりあるいは裁判といったようなことで、かえって社会的な混乱をもたらすということが大変心配をされる。必要性が私はないとは申し上げませんけれども、必要性のゆえに別のそういった問題を頻発するような話であれば、私は少し慎重であるべきじゃないかな、こう思っておるわけであります。 今の御答弁の中に国家公務員の話もございましたけれども、国家公務員の場合は根本的に承認制という形になっておりますから、そこは同列に論ずるのはいかがなものかと私としては思わざるを得ないというのが私の今のお伺いした感想でございますが、いかがでしょうか。
○桝屋議員 委員御指摘の問題は、やはりこの制度の一番難しいところではあろうというふうには思っております。 やはり最近の老年医学といいますか、あるいは在宅医療、保健、福祉という世界ではリハビリということが非常に重要視されておりまして、私の地元、山口県でも、脳卒中で入られた方は四割ぐらいが社会復帰をされている、こういう実態があるわけでございます。ましてや寝たきり老人等につきましては、御承知のように、各都道府県、市町村において当然ながら台帳をつくり、最近は、新ゴールドプラン、政府がお進めになっているこの案では、中学校区に一カ所在宅介護支援センターなるものもできる、そうしたところでしっかり処遇、管理をしていこう、こういう時代でございますから、当然それは医療も連携をしてやっていくという時代が来つつあるというふうに私は思うわけでございます。 そういう意味では、現在の労働者が申し出をされたその要介護状態が一たん回復をしたものかどうかということは、私は医師等の資料が用意できる時代が来たのではないかというふうには思っております。
○長勢委員 先生の御見解はわかりましたが、どうも専門家会合等の方々の見解とも違うと私は思いますし、これは意見の相違と言うしかないのかもしれませんが、先ほど申しましたように、私はちょっとこれは問題を起こしやすい条文になるなどいう気がしてならないのであります。 次に、両法案の違いの中で一つございますのは、介護休業が認められる要介護の状態というのはどういうものかという点についても違っておるわけであります。 政府案は「常時介護を必要とする状態」という定義になっておりますし、新進党案では「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、労働省令で定める期間にわたり日常生活を営むのに支障がある状態」、こういう定義になっております。これは具体的に大変広く書かれておるように読めるわけで、したがって、先ほど来期間の問題、あるいは親族の範囲の問題、あるいは回数の問題、さらにその介護の範囲もここまで広げるとなると、少しぐあいが悪くなるとほとんど無制限に介護休業が法律上の権利として生ずるかのように読めるわけであります。服のボタンが自分ではつけかえられないというのも、介護が必要といえば必要になるわけでございます。そういうことも含めた日常生活に多少とも支障があれば要介護状態となって休業を権利とすることができるという条文になっているように読めますが、そのような内容の条文なのでしょうか。
○大野(由)議員 「日常生活を営むのに支障がある状態」、このように新進党案ではなっております。この「日常生活を営むのに支障がある状態」というのは、他人の介護を必要とする、他人の介護がなければ年齢に応じた正常な日常生活を本人が行うことができない、日常生活と押しますと、移動とか、食事とか、入浴とか、着がえとか、また排せつどか、こういう身の回りの問題が他人の介護がなければできない、そういうものを想定をしております。 「常時介護を必要とする」、介護を必要とする状態ということに関しては政府案と同じでございますが、「常時」というふうに政府案が規定しているところに比べると、確かに若干幅広いものを想定をしておりますが、他人の介護がなければ要するに日常生活を送ることができない人が目の前にいる、しかし介護する人がいなければ仕事をやめなければいけないという、そういう現実を伴うわけでございますので、これが、その「常時」じゃなくて「日常生活を営むのに支障がある状態」というふうにしたのは、そういう理由でございます。
○長勢委員 日常生活について他人の介助がないとやれないというレベルの話だと思うのですね。だから、常時そういう状態にあるというのが政府案であり、新進党案ではその範囲が非常に不明確であります。ですから、先ほど一つの例として申し上げましたが、ボタンがつけられない、ボタンをつけるということは日常生活ですから、それについても介護が必要であるというものも読めるような条文になっておるのではなかろうかということを私は大変心配をしておるわけであります。 その途中で、途中というか答弁の中で、そのためにやめなければならない状態かどうかというような趣旨のお話があったように思いますが、しかし、やめなければならないかどうかというのは、この法律に基づいて権利を申請したときにだれが判断できるかということになるわけで、ボタンをつけるのに手伝わなければならないので介護休業を請求をされれば、この法律では自動的に権利が生ずることになるのではないのでしょうか。それはその程度の話だから法律上の権利はないよというのはだれが決めるのか、そういうあいまいな法律にはできないんじゃないでしょうかということを私は申し上げたいのであります。いかがでしょうか。
○大野(由)議員 ボタンをかけられないことをもって「日常生活を営むのに支障がある状態」というふうに拡大解釈をするのではなくて、移動、食事、入浴、春がえ、排せつ等々の日常生活を、介護がなければ、他人の介添えがなければできないということでございますので、政令だとかいろいろそういうものでもって、介護が必要な状態であるということは医師等の判断が必要なわけですから、医師等の判断のもとになるものは、通達なり政令なりいろいろな形できちっとそういうものは一定の指針は出すわけでございますので、そのように無制限に拡大解釈がされる可能性はない、このように思っております。
○長勢委員 今、努力義務の話であれば、指導その他十分にやる必要があるし、また実態に応じたことも十分可能だと思うのです。しかし、これは権利と義務にするわけですから、裁判上争われることになるわけです。それを指導だとか通達だとかという形で権利義務を確定することが本当に可能なのか、また、そのことについて大変困難な作業があって、社会的コンセンサスも十分得られている状況でないときに、そこまで権利として書き込むことが本当に社会的に妥当なものか、今御答弁をいただきましたが、私はそう思うわけであります。 ほかにも申し上げたい点がございますが、時間が来ましたので、最後に一つだけ御質問させていただきます。 るるお聞かせいただきましたが、最初に松岡先生から法案作成に当たっての基本的な考え方についてお伺いいたしました。その点について私はほとんど見解を異にすることはなかったような気がいたしておりますが、そういう考え方に立った上での法案としては、今申しましたようにたくさん疑問があるような、疑問を払拭することは正直言ってできなかったというのが私の実感であります。 やはり早急に、これからの二十一世紀に向けて介護の問題が大変大きいわけでございますから、その一環をなす介護休業制度も早期に成立をさせる、そして円滑に施行に持っていくということは大変大事なことでございますから、それだけに、現実に合った形での法案の成立というものを私どもとしてはやっていかなきゃならぬなという思いを深くしております。そして、施行期日につきましても、そういう観点からしますと、やはり十分それなりの時間をかけなければかえって混乱だけが生じてしまう、労働者にとっても大変迷惑な話が起きかねないということを危惧するものであります。 私どもとしては、本来、法制化に反対をする意見も大変強くありました、もっとゆっくり準備期間を置けという話もありました。しかし、この問題はゆるがせにできない問題でありますので、社会的にそれなりにこの問題の意識が高まってきてからそんな長い時間がたっていないにもかかわらず、早急にやるべきだという観点から、平成十一年にはやろうというところまで早期に実施する方針を私どもとしても努力をしてきたつもりでございます。皆さん方が先ほど来おっしゃっておられるように、こういうことがどうしてもこれから必要じゃないかということについてはよくわかるわけでありますし、私ども全く異存はございません。 最後にお聞かせをいただきたいと思いますが、権利として認める範囲と、それからそれを超えるものを法律上も努力義務として規定をし、そういう意味で皆さん方の方向に向けて努力をしていこうという社会的コンセンサスのための法律としておるのが政府案だと思いますが、そういうことではどうしてもうまくいかないというか、そういうことでなければならないというのは私はどうしても解せないのでありますが、このことについて最後に御質問させていただきまして、終わりたいと思います。
○松岡(滿)議員 先ほど来長勢議員からいろいろな角度での御質問がございました。 私どもといたしましては、今置かれている我が国の状況からいいまして、やはり介護休業の実施というものは早急に取り組んでいかなければいけない課題だというふうに考えています。 特にここのところ、急速な円高と、そして厳しい経済環境というものができてきております。政治の基本的な責任というものは、私は、最終的には国家と国民生活の安全と豊かさをいかに確保していくかということにあろうというふうに考えております。 したがいまして、経済運営、こういうものの運営を過つと大変な事態が生じかねない。昨日の議論の中でも、アジア諸国と我が国との賃金格差の問題等、そういう論点からの話もありました。我々新進党といたしましては、今後の日本の産業構造のあるべき姿、そういう角度からもきちっとした提案をしていきたいというふうに考えておるわけであります。 その中におきまして、介護休業につきましても、やはり現状をきちっととらえながらも、将来の産業構造の転換の中で労使が果たしていくべき役割、立場等についてもきちっとした対応が必要であろうというふうに考えておりますし、現在の労働側のニーズあるいは今我が国が置かれている福祉の現状、そういう点からいいましても、介護休業に対するニーズというものほかなり急いで対応していかなければいけない。 しかし、それについては、当然、構造的な我が国の特殊性の中で、中小企業に働く人たちのウエートというものが非常に大きいわけでありますから、それに対する助成もしなければならない。そして、御指摘のように、労働基準法の改正、あるいは時短、さらには育児休業、さらに今の円高不況、こういう厳しい経営環境の中で努力しておられる事業主に対する対応もしていこうということが私どもの議論でありまして、それを集約して提出させていただいたのが今回の介護休業法案等に関する議員立法ということでございますので、いろいろと意見交換の中で、若干の問題点、そういうものにつきましても十分な意見交換をしながら、この法律の実効ある実施に向けて私どもも頑張っていかなきゃいかぬという思いでありますので、よろしくひとつ御理解のほどをお願いいたしたいというふうに思います。
○長勢委員 どうもありがとうございました。
○笹山委員長 上田勇君。
○上田(勇)委員 新進党の上田勇でございます。 本日は、新進党提出の介護休業等に関する法律案につきまして、政府案との相違点を中心としまして提出者に何点か御質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。その政府案との相違点につきましては、論点がかなり集約されてきていますので、若干論点が重複するような点もあるかと思いますが、ぜひとも御了承いただきたいというふうに思います。 新進党案と政府案とを比較しますと、休業の期間、取得回数、施行時期など多くの点において相違がございます。 新進党の案は、労働省の婦人少年問題審議会の答申の中でも要約されておりますけれども、そうした労働者側の考えを十分踏まえたものというふうに、いわば働く者の立場を尊重した内容というふうになっておりますので、その点は十分評価できるものであるというふうに思います。 しかし一方では、同審議会などでも経営者の立場からの意見もあったというふうに思いますし、また、先月の本会議におきましても村山総理から、企業の負担との調和を図られるよう配慮して政府案を作成したという答弁がありましたように、政府・与党としてそうした企業側の立場を強調されることも理解はできるところであります。 そこで、本法案が企業に対しまして過剰な負担となり、かえってこの本法案の趣旨が損なわれる、そういう懸念が果たしてあるのかどうか、提出者の御見解をお伺いしたいと思います。
○松岡(滿)議員 上田議員の御質問にお答えしたいと思います。 新進党が介護休業制度の導入を決定した理由は、介護休業に対する切実なニーズが存在しているからであることは、先ほど来御説明申し上げておるとおりであります。すなわち、社会の高齢化が進展する中で、介護退職者が女性を中心に年間八万人にも及ぶ状況を改善して、一定期間は安心して介護に専念できる状態をつくることによりまして、公的介護体制の整備が完了するまでの経過措置としてだけではなく、さまざまな介護体制の選択の余地を拡大することが必要であると判断をしておるわけであります。 もとより、高齢化社会に関する負担は、自助、共助、公助の調和の原則から、共助の観点に立って企業の負担もお願いをしなければならないわけであります。介護休業制度の法制化に当たっては、事業主、とりわけ中小企業者の負担増加があることはよく認識しておるわけでありますけれども、介護休業後の、導入によって企業そのもののイメージアップや、また将来的には有用な人材の確保などさまざまなメリット、これがあることも事実であります。 我々は、可能な限り中小企業者に対する支援措置をとることによりまして本制度の円滑な運営が確保されるように配慮しながら、介護休業への切実なニーズにこたえるとともに、介護休業制度導入によるメリットを生かしていきたい、このように考えておるわけであります。
○上田(勇)委員 ありがとうございました。 それでは、以下順次法案の内容につきまして何点か質問をさせていただきたいと思います。 まず、介護休業の期間についてでありますが、これは先ほど長勢先生からの御質問もありまして、新進党案と政府案の違いの理由につきましては、先ほど現実の問題を踏まえました具体的な答弁がありましたので、これは省略させていただきたいと思います。 次に、介護休業の取得回数について、法案で、介護を必要とする一つの継続する状態ごとに一回というふうにされております。これは政府案とは異なる規定なわけでございますけれども、このように定めた理由をお伺いしたいと思います。また、このことについて、現行の国家公務員の介護休暇制度、それから今回政府案の中にもあります現業国家公務員や地方公務員に関する制度、そういったものとの整合性についてどのようになっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
○北橋議員 新進党がこのたびの法案を提出するに当たりましては、中小企業の事業主の方々のお立場も大変に重要でございますし、それと同時に、やはり立法府としましては、この介護の問題で大変苦しんでおられる皆様方の切実な状況というものを踏まえて議論を尽くしてきたところでございます。 この中で、介護休業の回数につきましては、政府案ではとても現実に介護で苦労されている皆様方の御要請におこたえできない、いつ介護休業を利用するのが適当かという点について、働いている皆様にとりましては予測不可能な事態への対処を強いてしまうことがあります。そういったことで、私どもとしましては、今回提案をした対応にしたわけでございます。 また、委員御指摘のように、現に国家公務員の介護休暇制度におきましても、一つの継続する要介護状態ごとに申し出ができる、そのようなこととされておりまして、政府案でも、現業国家公務員及び地方公務員につきまして同様の措置を講じているところでございます。これらの制度との整合性を確保する点にも考慮いたしまして、介護休業の取得回数を本法案のようにしたところであります。
○上田(勇)委員 先ほどの長勢先生の御質問にもございましたけれども、この一要介護期間ごとに一回という規定になりますと、この一要介護期間について、これはやはり、一回介護を要するという状況になった後、一回治癒、治った後でまた再発したり、他の病気等を併発する、あるいは合併症というのでしょうか、状況が好転したり悪化したりというようなケースというのも考えられるのじゃないか。そうすると、こうしたケース、ここで言う一つの要介護状態が継続しているかどうか、これを判断するというのは場合によっては難しいケースもあるのじゃないかというふうにも考えられるわけでありますけれども、それについての御見解、また、それをどういうふうに判断していくのかについて再度確認させていただきたいと思います。
○北橋議員 介護休業の対象となる家族が要介護状態にあるかどうかの判断につきましては、「労働省令で定める期間にわたり日常生活を営むのに支障がある状態」にあるかどうかということになるわけですが、その判断は、医師等の公的な資格を有する者によってなされることになると考えております。そして、このような医師等の判断に対する一般的な指針として、行政上一定の様式を示すことが適当であろうと考えております。 したがいまして、委員御指摘のとおり、治癒後の再発や他の病気の併発の場合など要介護状態の継続の有無についての判断が難しい場合もあろうと思いますが、一定の指針、基準のもとで、しかも専門家の判断を前提にすることになりますので、法施行の現場において混乱するようなことにはならないものと考えております。 さらに、介護休業を申し出る労働者はその申し出の際に、労働省令で定めるところにより、当該休業申し出に係る家族が要介護状態にあることを明らかにするものとされておりますから、このような医師等の診断書等の添付を要求することにおきまして、事業主におかれましてもその判断に迷うことはないものと考えております。
○上田(勇)委員 次に、本法案の第十条におきまして、解雇その他不利益な取り扱いが広く禁止されております。これは政府案では解雇だけが禁止されているというような規定になっておりますけれども、やはり現在、職場や家庭の状況を踏まえるときに、この不利益な取り扱いを禁止するというのは非常に重要な規定ではないか、解雇だけではこの介護休業制度を十分に活用していくに当たって若干不十分なのじゃないかというような感じがいたします。 とりわけ、現実には女性が家庭での介護の多くの部分を負担しているということから考えまして、本当に女性が安心して意欲を持って働き続けられる、そういう職場をつくっていくことがこれから必要でありますし、そのためにはこうした禁止規定を設けることが不可欠ではないかというふうにも思います。 そこで、この不利益な取り扱いを禁止した理由、それからまた、その内容については、これは「労働省令で定める」というふうになっておりますけれども、どのようなものを想定されているのか、具体的な御客分をお願いいたします。
○大野(由)議員 不利益な取り扱いを解雇だけではなく加えましたことは、やはり解雇だけでは不十分である、労働者の権利を確保するために不利益取り扱い禁止を入れるべきであろう。この具体的な内容につきましては、労働省令で定める不利益な取り扱いにつきましては、婦人少年問題審議会に諮問の上決定される、そのようになっておりますが、具体的には停職とか減給とか降格とか不利益な配置転換というものを想定しております。
○上田(勇)委員 この介護休業制度が設けられて、せっかくそういう制度が設けられても、その制度を活用することによって解雇されたり、また、その職務上不利益な取り扱いをされるということであっては、労働者としての権利も守られないし、この制度が十分活用されないという懸念があります。そういう意味では、この介護休業制度を活用することによる不利益な取り扱いを禁止しているこの条項は極めて重要な規定であるというふうに考える次第でございます。 それで次に、本法案の第四十一条でございますけれども、これで、国は介護休業給付を支給するということで、休業中の所得保障の制度を定めております。また、同第四十二条では、休業期間中の健康保険、厚生年金保険等の社会保険料を免除するということに定められております。これらはいずれも政府案には規定がないという条項でございますが、このような規定を設けられた理由についてお伺いしたいというふうに思います。
○河上議員 委員御指摘のように、政府案にはこの規定はないわけでございますが、新進党案といたしましては、介護休業中の所得保障は介護休業中の労働者の生活保障のために必要である、さらには、現実に介護休業の取得を選択することを容易にするためにもぜひとも必要なことであると考えております。 介護休業中の社会保険料につきましても、賃金の支払いを受けていない場合についてまで社会保険料を、個人負担の義務を負わせるということは酷であると思いますので、育児休業の場合と同様に、労働者本人の負担分についてはこれを免除する必要がある、このように私どもは考えた次第でございます。 もう一点のお尋ねでございますが、介護休業給付及び介護休業期間中の社会保険料の免除の具体的な内容につきましては、別に法律で定めるものとしておりますので、来年四月一日の介護休業制度本体の施行に間に合うように、本法成立後直ちに当該の法律の制定に向けて作業に取りかかりたい、このように考えておる次第です。
○上田(勇)委員 次に、本法案の第四十八条になりますが、介護休業に関する規定は国家公務員及び地方公務員に関しては適用しないということになっております。 現在、非現業の国家公務員につきましては、先ほどもちょっとお話がありましたが、介護休暇制度が導入されております。しかしながら、その他の国営企業に勤務する国家公務員、いわゆる現業の国家公務員や地方公務員については、現行においては同様の制度がないにもかかわらず、本法案では適用の除外とした理由をお伺いしたいと思います。介護を必要とする一つの継続する状態ごとに一回というふうにされております。これは政府案とは異なる規定なわけでございますけれども、このように定めた理由をお伺いしたいと思います。また、このことについて、現行の国家公務員の介護休暇制度、それから今回政府案の中にもあります現業国家公務員や地方公務員に関する制度、そういったものとの整合性についてどのようになっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
○北橋議員 新進党がこのたびの法案を提出するに当たりましては、中小企業の事業主の方々のお立場も大変に重要でございますし、それと同時に、やはり立法府としましては、この介護の問題で大変苦しんでおられる皆様方の切実な状況というものを踏まえて議論を尽くしてきたところでございます。 この中で、介護休業の回数につきましては、政府案ではとても現実に介護で苦労されている皆様方の御要請におこたえできない、いつ介護休業を利用するのが適当かという点について、働いている皆様にとりましては予測不可能な事態への対処を強いてしまうことがあります。そういったことで、私どもとしましては、今回提案をした対応にしたわけでございます。 また、委員御指摘のように、現に国家公務員の介護休暇制度におきましても、一つの継続する要介護状態ごとに申し出ができる、そのようなこととされておりまして、政府案でも、現業国家公務員及び地方公務員につきまして同様の措置を講じているところでございます。これらの制度との整合性を確保する点にも考慮いたしまして、介護休業の取得回数を本法案のようにしたところであります。
○上田(勇)委員 先ほどの長勢先生の御質問にもございましたけれども、この一要介護期間ごとに一回という規定になりますと、この一要介護期間について、これはやはり、一回介護を要するという状況になった後、一回治癒、治った後でまた再発したり、他の病気等を併発する、あるいは合併症というのでしょうか、状況が好転したり悪化したりというようなケースというのも考えられるのじゃないか。そうすると、こうしたケース、ここで言う一つの要介護状態が継続しているかどうか、これを判断するというのは場合によっては難しいケースもあるのじゃないかというふうにも考えられるわけでありますけれども、それについての御見解、また、それをどういうふうに判断していくのかについて再度確認させていただきたいと思います。
○北橋議員 介護休業の対象となる家族が要介護状態にあるかどうかの判断につきましては、「労働省令で定める期間にわたり日常生活を営むのに支障がある状態」にあるかどうかということになるわけですが、その判断は、医師等の公的な資格を有する者によってなされることになると考えております。そして、このような医師等の判断に対する一般的な指針として、行政上一定の様式を示すことが適当であろうと考えております。 したがいまして、委員御指摘のとおり、治癒後の再発や他の病気の併発の場合など要介護状態の継続の有無についての判断が難しい場合もあろうと思いますが、一定の指針、基準のもとで、しかも専門家の判断を前提にすることになりますので、法施行の現場において混乱するようなことにはならないものと考えております。 さらに、介護休業を申し出る労働者はその申し出の際に、労働省令で定めるところにより、当該休業申し出に係る家族が要介護状態にあることを明らかにするものとされておりますから、このような医師等の診断書等の添付を要求することにおきまして、事業主におかれましてもその判断に迷うことはないものと考えております。
○上田(勇)委員 次に、本法案の第十条におきまして、解雇その他不利益な取り扱いが広く禁止されております。これは政府案では解雇だけが禁止されているというような規定になっておりますけれども、やはり現在、職場や家庭の状況を踏まえるときに、この不利益な取り扱いを禁止するというのは非常に重要な規定ではないか、解雇だけではこの介護休業制度を十分に活用していくに当たって若干不十分なのじゃないかというような感じがいたします。 とりわけ、現実には女性が家庭での介護の多くの部分を負担しているということから考えまして、本当に女性が安心して意欲を持って働き続けられる、そういう職場をつくっていくことがこれから必要でありますし、そのためにはこうした禁止規定を設けることが不可欠ではないかというふうにも思います。 そこで、この不利益な取り扱いを禁止した理由、それからまた、その内容については、これは「労働省令で定める」というふうになっておりますけれども、どのようなものを想定されているのか、具体的な御客分をお願いいたします。
○大野(由)議員 不利益な取り扱いを解雇だけではなく加えましたことは、やはり解雇だけでは不十分である、労働者の権利を確保するために不利益取り扱い禁止を入れるべきであろう。この具体的な内容につきましては、労働省令で定める不利益な取り扱いにつきましては、婦人少年問題審議会に諮問の上決定される、そのようになっておりますが、具体的には停職とか減給とか降格とか不利益な配置転換というものを想定しております。
○上田(勇)委員 この介護休業制度が設けられて、せっかくそういう制度が設けられても、その制度を活用することによって解雇されたり、また、その職務上不利益な取り扱いをされるということであっては、労働者としての権利も守られないし、この制度が十分活用されないという懸念があります。そういう意味では、この介護休業制度を活用することによる不利益な取り扱いを禁止しているこの条項は極めて重要な規定であるというふうに考える次第でございます。 それで次に、本法案の第四十一条でございますけれども、これで、国は介護休業給付を支給するということで、休業中の所得保障の制度を定めております。また、同第四十二条では、休業期間中の健康保険、厚生年金保険等の社会保険料を免除するということに定められております。これらはいずれも政府案には規定がないという条項でございますが、このような規定を設けられた理由についてお伺いしたいというふうに思います。
○河上議員 委員御指摘のように、政府案にはこの規定はないわけでございますが、新進党案といたしましては、介護休業中の所得保障は介護休業中の労働者の生活保障のために必要である、さらには、現実に介護休業の取得を選択することを容易にするためにもぜひとも必要なことであると考えております。 介護休業中の社会保険料につきましても、賃金の支払いを受けていない場合についてまで社会保険料を、個人負担の義務を負わせるということは酷であると思いますので、育児休業の場合と同様に、労働者本人の負担分についてはこれを免除する必要がある、このように私どもは考えた次第でございます。 もう一点のお尋ねでございますが、介護休業給付及び介護休業期間中の社会保険料の免除の具体的な内容につきましては、別に法律で定めるものとしておりますので、来年四月一日の介護休業制度本体の施行に間に合うように、本法成立後直ちに当該の法律の制定に向けて作業に取りかかりたい、このように考えておる次第です。
○上田(勇)委員 次に、本法案の第四十八条になりますが、介護休業に関する規定は国家公務員及び地方公務員に関しては適用しないということになっております。 現在、非現業の国家公務員につきましては、先ほどもちょっとお話がありましたが、介護休暇制度が導入されております。しかしながら、その他の国営企業に勤務する国家公務員、いわゆる現業の国家公務員や地方公務員については、現行においては同様の制度がないにもかかわらず、本法案では適用の除外とした理由をお伺いしたいと思います。 また、現行の国家公務員の介護休暇制度とこの法案で決められている制度との整合性をやはりとっていくということは重要ではないかというふうに考えるのですが、その整合性についてどのように考えられているのか、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。
○桝屋議員 国家公務員、地方公務員を適用除外とした理由等のお尋ねでございます。 現行の公務員制度につきましては、短期の休暇と区別しまして、長期にわたる休職につきましては、公務員としての身分関係に影響を及ぼす事項ということで、公務員の身分保障の観点からある程度細部に至る事項についてまで法律で定めるべきものとされております。 休業期間が三カ月にとどまる政府案の場合と異なりまして、私ども新進党案は最長一年としている法律でございまして、介護休業者は単に職務専念義務が免除されるということにとどまらず、職務系列から外れるものが一般的ではないかというふうに考えております。 したがいまして、本法律案の介護休業制度は身分関係に影響を及ぼす休職類似の事項と考えられますことから、国家公務員につきましては現業、非現業を含めて現行の国家公務員の育児休業等に関する法律の場合と同様の単独立法、そして地方公務員につきましても同様の単独立法を制定するのが適当、このように考えておるところでございます。 二点目の、現行の非現業国家公務員についての三カ月の介護休暇制度につきましても、このような観点から、新しく制定される国家公務員の介護休業等に関する法律の中で最長一年間の介護休業制度へと改組されることになり、法制度全体の整合性が確保される、このように考えております。
○上田(勇)委員 現状において、非現業に限っておりますけれども、国家公務員についてはこういう制度がある。それの公務員の制度とやはり民間労働者の制度との整合性をとっていくということは重要なことであると思いますし、公務員だけがこういう制度があって民間にそういう制度がないというようなことというのは、ある意味では非常に不公平でもあります。 ひとつ、やはり公務員と民間労働者とのそういう権利の公平性といったものについては十分御配慮をいただいて、さらに、今お話にもありましたように、その内容について十分な公平性が確保されるような取り組みを今後お願いしたいというふうに思います。 その内容について、そのほか幾つかありますが、ちょっとこれは順番が逆になりますけれども、本法案の第十三条、介護のための休業だけではなくて、時間短縮についても規定されております。 政府案ではその期間が休業と合わせて三カ月以上となっているのに対しまして、本案では一年以上ということになっております。その理由についてお尋ねしたいと同時に、また同条の第二項におきまして、政府案にはない不利益取り扱いの禁止規定が設けられているわけでございますが、その理由についてお伺いしたいと思います。
○河上議員 介護のための時間短縮等の措置を一年以上の期間といたしましたのは、この時間短縮等の措置は介護休業の補完代替措置であるために、少なくとも労働者が介護休業をすることができる期間については時間短縮等の措置も利用できるようにすることが適当であると考えたからでございます。 そして、この介護のための時間短縮等の措置が介護休業の補完代替措置であるという同じ理由によりまして、介護休業制度の場合と同様、不利益取り扱いの禁止を規定することによりまして時間短縮等の措置を利用することも容易にすることが適当である、このように考えた次第でございます。
○上田(勇)委員 今回のこの新進党案と政府案とを比較しますと、今幾つか御質問させていただいたのですが、幾つか非常に重要な点におきまして差異があるというふうに思います。 その一つが、昨日来何回か御質問の対象になっておりますが、休業の期間であるとか取得回数、またこの法律の施行時期、そういう非常に法律の根幹にかかわる重要な事項について相違点があると思います。とりわけその中でも、最初にちょっと触れさせていただきましたが、介護休業の期間、これが政府案では三カ月ということになっているのに対して、実にこの新進党案では一年、その差が四倍であります。 これは、もちろん単純に期間の長短ということだけではなくて、期間を決めるに当たって、家庭における介護あるいは介護全体についての考え方の基本のところで差があるんじゃないか、基本認識に差があるんじゃないかというようなことも考えられるわけですが、その点について、そこで、この期間を新進党案では一年、政府案では三カ月に対して、一年とした理由についてお伺いしたいというふうに思います。
○桝屋議員 期間に関しまして、政府案それから新進党案で大きく違っている、基本的な在宅介護なり認識が違うのではないかという、こういう御指摘もございました。 先ほど長勢先生からのお話もあったわけでございますが、私どもとしては、それほど三カ月と一年で大きく基本的な認識が異なるというふうには余り考えていないわけでございますが、いずれにいたしましても、今後の高齢社会における介護福祉施策の基本というものは、これは二十一世紀福祉ビジョンでも明確になっておりますが、自助、共助、公助のバランスのとれた重層的な地域福祉システムといいますか、こうしたものを二十一世紀へ向かって整備していかなければいけない、こういう思いでございます。 本法案の趣旨説明、これは松岡代表から本会議で申し上げたとおりでございますが、「高齢者等の介護体制の整備は総合的に取り組むべき課題であります。要介護者の介護については、福祉施設の整備によって施設介護の体制を整備するとともに、他方では、社会保険制度の拡充や介護サービスの充実により在宅介護を支援する体制の確立を図らなければなりません。」このように申し上げているとおりでございます。私どもとしても、公的介護システム、それから雇用システム、家庭生活、介護の生活と仕事を両立させるような雇用システム、これはまさしく車の両輪であるというふうに考えておるわけでございます。 この委員会の一番最初の一般質問でも私、大臣にもお伺いしたんですが、大臣の方からも、国や地方自治体のみならず、企業も個人もそれぞれの立場で介護の問題に取り組み、少子・高齢社会を担う一員として社会的役割を果たすことが必要、こういうふうにおっしゃっていただいたところでございまして、意を強くしているところでございます。 そうした基本的な認識に立ちまして、三カ月と一年というこの期間でございますが、私ども新進党案の一年というのは、先ほど申し上げましたように、この期間につきましては、労働者の介護ニーズとそれから事業主の雇用管理上の負担に配慮する、この二つの観点をいかに調和させるかというまさに高度な政治、政策的な判断であろうというふうに思っております。 こうしたことから、労働者側のニーズ、これにつきましては、非常に長い介護生活、平均で五・八年というような数字もございます。それから他方、事業主の負担につきましても、現在導入されておる介護休業制度でも、先ほども申し上げましたが、三カ月未満というのは一〇・四%にすぎない、大部分が一年以上という事業所が多い、こうしたことから私どもは、もちろん中小企業、中小零細企業まで含めた問題については大変難しい問題がありますから、特別の配慮、支援措置等を十分行いまして、実現可能な限りでの労働者のニーズを最大限に酌み取った結果、一年というふうに私どもは考えておるところでございます。
○上田(勇)委員 この介護休業制度、今回政府案、新進党案、両方出ているわけでありますが、この制度自体、これからの少子・高齢化社会に向けて必要不可欠な制度というふうに私も認識している次第でございます。 それで、これまでもいろいろな場で、労働省の婦人少年問題審議会等いろいろな場におきまして、さまざまな代表の方々からいろいろな形、いろいろな立場を代表しての御意見があったと思います。しかし、やはりこれはどうしても労働者の権利あるいは事業主の立場、企業の経営というような、いわば場合によっては相対立するような事項もございます。 そういった意味で、実際に婦人少年問題審議会の答申においても、ある意味では、労働者側の意見あるいは使用者側の意見といったものが添付されるというような形で、なかなか意見の本当の意味での集約というのは難しかった経緯というのは十分理解するものであります。この平成七年一月の答申におきましても、わざわざ別紙が設けられて「労働者委員の意見」、あるいはさらに別紙が設けられて「使用者委員の意見」ということで、そういう意味では意見の収れん、集約といったものがやはり権利や義務にかかわることなので難しかった面というのが、このことからも明らかであるというふうに思います。 そこで、そういう意味で、今回のこの法案、基本的に新進党案が、この答申の中でも「労働者委員の意見」で述べられているものについてある程度考慮して法案をつくったという形になっているというふうに思いますし、また、この答申が出るまでの中にさまざまな形での議論の場がありまして、その中でも、本当に今現実に介護のニーズがある、そして現実に家族の介護をする、しなくてはいけないがために、とりわけ女性を中心として年間八万人を超える方々が離職せざるを得ないという現状がある、そういう労働者側の切実な二i。ズを背景といたしまして、この介護休業制度の議論が進められてきたものというふうに思います。 ところが、やはりこれには、そういう制度化するということになれば、使用者側の意見もある。ここで、答申の中でも「使用者委員の意見」ということで、これもやはりなかなか収れんできないものもわざわざここで書いているというような状況があったわけであります。 そこで、そうした、なかなか必ずしもいろいろな立場で意見が一本化しにくいという法案であったわけでありますし、その結果として、これまで何点かにわたって御質問させていただいたように、いろんな幅広い意見があって、新進党案と政府案では重要な点で多くの相違があるということであります。これはやはり新進党と政府・与党との間でこの在宅介護という問題について基本認識に差異があるんじゃないかというような感じがいたしますけれども、そうしたその基本認識、それから、それが今回その両法案にどういう形で反映してきているのか、その辺を提出者の御見解をお伺いしたいと思います。
○松岡(滿)議員 今回の介護休業制度に対する最も重要な問題意識というものは、社会的に急速な高齢化が進んでおる、そういう中で介護退職者が女性を中心として毎年八万人にも及ぶ状況にどう対処するかという問題と、先ほど御答弁申し上げましたように、産業構造が大きく変わっていく中で、そういう働く人たちの環境、条件、そういうものもきちっとやはり整備をしていかなければ、これからの厳しい国際経済の中で日本の経済というものが十分に活力を持った状態で対処していくには不十分だ、そういう点でも可能な限り今回の介護休業制度の導入を急がなければならない、それを基本的に今考えておるということであります。 また、高齢化社会に対する介護福祉施策の基本は、自助、共助、公助のバランスのとれたものとして構築されるべきでありまして、本法案の趣旨説明の中でも申し述べましたとおりでありまして、この福祉関係の施設の整備によって施設介護の体制を整備するとともに、他方で、社会保険制度の拡充や介護サービスの充実によりまして在宅介護を支援する体制の確立を図らなければならない。高齢者の介護体制の整備は総合的に取り組むべきであるということを述べておるわけでございます。 また、日経連の平成五年十二月のアンケート調査を見ましても、最も適切だと思う介護場所につきましては、やはり公的介護施設と自宅がほぼ半々、若干自宅が上回っているというような状況であります。公的介護と在宅介護とはまさに車の両輪というふうに認識をして対処していきたいというふうに考えております。 このような問題意識と基本的認識に基づきまして、本法案では、来年四月一日からの施行と、それに伴う中小企業に対する可能な限り手厚い支援措置、労働者のニーズにこたえた介護休業の対象となる家族の範囲や期間、回数などの仕組みを構築しているのであります。それとともに、本法案の施策とともに、繰り返して申し上げますけれども、公的介護体制の充実にも過去、細川内閣時代から積極的に取り組んできた経過につきましては、議員御承知のとおりであります。
○上田(勇)委員 今回のこの新進党の法案について、この法案が介護を家庭の問題として、いわゆる在宅介護が中心で、公的な介護についてはなおざりにするものであるというような批判も一部にあるように承知しております。私は、今のこの介護の現状、実際に施設において介護をすぐに受けられるかというと必ずしもそういうふうになっていない現状、そうしたことを考えるときに、そうした批判というのは当たらないものというふうに思いますし、また、今松岡先生の方からも、在宅介護と公的な介護というのは車の両輪だというようなお話があったので、まさに私もそのとおりであるというふうに認識しております。 そこで、ちょっと今申し上げたように、この新進党の法案をもとに、介護のあり方について、基本的にどのような姿、ビジョン、方針を持たれているのか、そのことを最後にお伺いしたいというふうに思います。
○桝屋議員 大変に大きい話題を最後にいただきまして、これは現在の政府も恐らく大変にお悩みになっているだろうというふうに私は思います。 私ども、連立政権時代に二十一世紀福祉ビジョンをつくりましたけれども、先ほどから申し上げておりますように、これからの高齢社会、特に介護という問題を中心にまさに国を挙げて総合戦略を進めなければいけないというふうに私は思います。 そういう意味では、この雇用システム、それから公的介護システム、どちらが先だということではないのだろうというふうに思っております。現在の公的介護システムが不十分であるがゆえにこの雇用システムを導入しなければいけない、現在の貧困な福祉を補完するためにこの雇用システムが必要だ、介護休業は必要だということではないのではないかというふうに私は思っております。まさに双方相まって進んでいかなくてはいけない。 そういう意味で、新ゴールドプランが発表されましたけれども、あれは少なくとも平成十一年ですか、ゴールが目前に見えますし、それから先の姿というのは福祉ビジョンとしてぜひとも必要であろうというふうに私は思っているところでございます。私どもも一生懸命その部分については考えていきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○上田(勇)委員 多少時間がありますけれども、以上で質問を終わらせていただきます。
○笹山委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ————◇————— 午後一時五分開議
○笹山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岩田順介君。
○岩田委員 松岡先生を初め新進党の提案者の皆さんには、御苦労があったと思いますが、敬意を表する次第であります。 こうしてお顔を拝見いたしますと、松岡先生は、かつて労働省の政務次官もなさって、そしてつい最近までは労働委員会の委員長として私どもに御指導なさった、こういう経験を持たれております。それから河上先生は、かつてパート労働法を提案をしたときには一緒に苦労をして、そちらに座ったという経験もございますが、その後政務次官の要職も綴られまして、ある種の感慨を覚えるわけであります。 昨日の質疑、さらにきょうの質疑を聞いておりまして幾つか思うことがありますが、それは何といっても、老親介護というのは大変な問題である。女性の問題としてこれまでは取り扱われてきましたけれども、果たして男性がとれるのかどうか、いや女性も果たして今の議論だけでとれるのかどうなのか、実態はどうなのか、非常に興味があるところでありますが、関心の高さは、きょうたくさんの女性の方々を中心に傍聴に来られておることでもって極めて象徴的だろうというふうに思います。 きょうの議論の中でも松岡委員長の、いわゆる実効ある法律としてこれをぜひ完成というか成立させたい、こういう意向がありましたが、我々もその誠意にこたえていく必要が極めてあるのではないかということが一点。 それから、先ほど申し上げましたように、女性の立場をどう尊重できるかどうか。この法律で本当に女性の社会進出を助け、そして本当に家庭といわゆる職場、社会が両立できるような、真の女性のいわゆる権利といいますか立場が保障されていくかどうかという問題を二点目には感じた次第であります。 その中で、私も身近に老親介護の状況をつぶさに見てきておりますが、私の地域などは旧産炭地でありまして、ですから、高齢化率が二〇%を超えているところなんというのはざらにあるわけですよ。選挙などで家庭訪問をしますと、立派な大きな家があるけれどもお年寄りが一人でしか住んでいない、お二人で住んでいる、やがてこれも大変な状況になるわけでありますが、そういうことを身近に感じておるところであります。 先ほど桝屋先生が御答弁の中で、脳血管性疾患の方のことを言われておりましたが、あれは比較的わかりやすいケースなんですよね。いわゆる倒れられる、そして一定の期間大変な介護を要する期間がある、その後は寝たきりになられるのか、痴呆症になるのか、それとも比較的安定した症状で安定するのか、こういう症状ですから。 ところが、痴呆症の場合も、徘回をするとか火をつけて回る、それから家出をされるとかそういった場合に、果たしてその要介護者が求めている希望というのは一体何なのか。それから、介護をする子供がそういう状態の親に対してどういう愛情を示すのか。これは精神的なものも非常に大きいだろうというふうに思います、その人がいなければ安心できない、一人では置けないという状況だってあるわけですから。これもどういうふうに症状を見ていくのか、基準を定めていくのかというのは大変大きな問題だろうというふうに思います。 それから、もう一つ感じましたのは、家族の介護ということを考えた場合、改めて、家族の責任というのは一体何なのか、これはるる議論されてきたところでありますけれども、家族の範囲、家族の関係、家族の政策の対象をどこまでとするのか、これは今議論されているのですが、さまざまな問題提起がなされているわけであります。 我が国の家族政策というのは、歴史は古いのですね。歴史は古いというよりも、明治四年の廃藩置県以降戸籍が新たにできる。その戸籍をつくる際の中心は、天皇制ですから、家族を中心にする。今の憲法ではそれは廃止になったのですけれども、しかし連綿として残っている、核家族になったけれども残っているという状況もあるわけですね。したがって、家族介護にぐっと比重が置かれていくということを考慮しなければならない問題点であろうというふうに思います。 労働省は今まで何をしたのかというおしかりをきのうは大変受けましたけれども、これは、この問題だけではなくて、例えば憲法で廃止された家族制度の問題が現在の法律にはたくさん残っているわけですよ。したがって、一九七三年だったと思いますけれども、尊属殺人にかかわる判決で、最高裁はこれは違憲だというふうに言いましたね。あれから随分時間がたっているわけですが、今国会で尊属殺人の二百条を含めて削除するという議論がされた。時間がかかったのですが、ようやくここまで来たということもありまして、日本国憲法によって廃止された家族制度の問題どこの介護の問題がどう関連をしてくるのか、きのうからきょうの議論で痛切に感じたわけであります。 さて、そういうことを感じてきたわけでありますが、まず第一の質問は、基本的な問題として、いわゆる介護休業を取得できる期間を一年というふうにされておりますが、しかも政府案は育児休業法の一部改正といたしておりますけれども、新進党案は単独立法でありますが、この辺はなぜ単独立法にしたのか、お尋ねしたいと思います。 それから、お断りしておきますが、長勢先生の御質問とダブる点があると思いますが、恐らくこの質疑をもって終わるわけではないと思いますので、重複いたしますけれどもその辺は御勘弁をいただきたい、お許しを願ってまずその点の御質問をしたいと思います。
○桝屋議員 最初に、育児と介護をなぜ別物にしたかというお話でございますが、育児と介護の対象とそれから性質の違いに着目をするとともに、制度のあり方を国民にわかりやすくするために私どもは単独立法としたものでございます。
○岩田委員 非常に単純明快な御答弁ですが、それはそれとして答弁は受けとめます。しかし、午前中の質問からも、この老親介護を含む介護休業の法制化という問題はさまざまな角度から検討しなければならない、さまざまな要件を整備していかなければならない、例えば新ゴールドプランのいわゆる進展ぐあいも大きな一つの問題ですが、それだけでは済まないでしょうね、こういう御答弁もあるのですよ。わかりやすいのですが、ちょっと理解に苦しむのですね。単独法の方がわかりやすいのですが、その辺は私の疑問として残しておきたいと思います。 それから基本的問題の二点目でありますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、休業期間を一年とした理由ですね。 新進党案と政府案が出されておりまして、要介護者の範囲、休業法案の骨格となる部分については大きな隔たりがございます。それは明らかになりました。それから、介護にかかわる各種統計からも、現在の介護状況を見るとき、長寿社会である、高齢化社会である、そしてこの介護期間も大幅に拡大していることがわかるのでありますが、しかし、ただ単に単独法で行った方が進みやすいという御説明ではちょっと説明が足りないのではないかというふうに思いますと同時に、一年とされておりますが、老親介護というのは一体どれくらいの期間を必要とするのか。一年と述べられておりますが、その理由と老親介護における必要期間というのはどういうふうにお考えなのか、お尋ねをしたいと思います。
○桝屋議員 介護休業期間一年ということで、これで老親介護をどの程度カバーできるのかという質問がと思いますが、私ども一年で老親介護のすべてがカバーできるというふうには考えていないわけでございます。 午前中もお話がありましたように、当然ながら、寝たきりの期間というのは長い方で三年、五年というケースもあるわけでございますから、この介護休業一年ということですべてが完結するということではないわけでございまして、当然ながら、公的介護システムとまことに密接な連携のもとに介護というのは進められていくんだろう、このように考えております。
○北橋議員 桝屋議員の答弁に補足いたしましてお答えいたします。 岩田先生の方からは、最初に単独立法とした理由、そして休業期間を一年とした理由についてお尋ねでございます。 私ども、基本的には先生の立場と基本的な考え方について隔たりがあるとは思っておりません。といいますのも、御堂からは一九九二年七月に家族の介護のための休業等に関する法律案要綱が提出されておりまして、単独立法とされておりますし、また、ここでも一年を上限とするというふうに書かれていることもございます。 ただ、私どもは、それ以上に、きょうも多くの方が傍聴にお見えでございますけれども、中小企業のお立場というものも我々は十分さまざまな角度から検討いたしましたけれども、とにかく介護のために切実な御苦労をされている方々の思いというものから出発せねばならない、それが私どもの立法の原点にございます。 釈迦に説法になるかもしれませんが、連合のアンケートやヒアリング調査でもはっきり述べられておりますが、休業期間は三カ月では短いという声が圧倒的だと言われております。介護を取り巻く環境は大変厳しく、介護期間も長期化しています。施設になかなか入れない、あるいはホームヘルパーを頼みたいけれども見つからない、あるいは病院から退院を迫られているなどの切実な訴えに対して、休業期間三カ月では余りにも短過ぎます。精神的、肉体的、経済的に負担が集中しがちな現実の中で、病人を抱える人は有給休暇を使い果たし、それからせっぱ詰まって介護休業を取得しているのであります。せめて休業期間の上限が一年あれば、多くの労働者が仕事をやめなくて済むのですと、これが御苦労されている現場の方々の切実な声なのであります。 私どもはその声を十分尊重して、そしてまた中小企業のお立場も十分加味しながら今回の法案提出に至ったところであります。
○岩田委員 確かに我が党がかつて介護労働法に対する見解を一定のものとしてまとめたのは、先生が評価していただいたそのとおりであります。それから、何といっても介護する側の切実な状況を考慮しなければならないというのは、これはいわゆる同一の認識でもあるわけであります。 それが果たして実効ある法律として現在どのようなものであるべきか。これは理想は高い方が私はいいと思いますが、しかし、かつて私も労働運動をした経験から、月一回のいわゆる生理休暇さえもままならないという事態を経験をしました。それが、大変な苦労をして、長期にわたってそれこそ闘いをして産前産後の休暇も延長させたということがあるし、例のつわり休暇だって認めさせることができた。大変な苦労があったのですよ。なかなか進まない。だれの責任かというのは、それはきょうの議題ではありませんが、まだまだ世の中はこの種の問題で全部が、認識はしているのだけれども、いざ実行というふうになるとさまざまな障害があるだろうと思うのですね。冒頭申し上げましたように、既に導入されている一年の介護休業の契約をしている組合が十分とれるか、とれてないのが現状ですよ。その実態はおわかりのとおりですね。 したがって、次の質問に移りますけれども、逆に、働き続けようとする労働者に、仕事を休んでまでも老親介護に従事させるべきかどうかという問題もあるわけであります。 連合の調査を今言われましたが、例えば長寿研究会が行った常用の労働者を対象にした実際に介護を行った期間、これは三カ月以下が二八・七%、一年以下が五五・六%、一年以上三年以下が二二・五%、三年以上というものが二二%あるわけですが、一年以下というのが圧倒的に多いですね。そういう意味では、皆さんの提案する一年というのはその理由になっていると思いますが、しかしこの数字は、実際に介護休業を取得して、休業の契約を取得して勤務を休んだ期間ではないですね。休業の有無にかかわらず、労働者が家族を実際に介護した期間としてこういう数値が一つ出ております。 それから、要介護者のいた社員、従業員で実際に介護に当たった方々の調査を見ますと、例えば男子のこのアンケート調査を集約したものを見ると、自分の妻が介護したというのが五一・五%あるわけです。それから自分の親が、例えばおじいちゃんであればおばあちゃんが見たんでしょうけれども三一・三%、比較的多いですよ。そして、自分が見たというのは三・八%しかない。逆に、女子の対象者のアンケート集約では、自分がやった、面倒を見たというのは四三・五%、非常に高いですね。やはり女性に集中をするはずですよ。親が見たというのは四〇・三%。夫は何もしていない、ゼロである。この両者の食い違いは若干あるでしょうけれども、大体こんなものではないかというふうに思うわけであります。女性に集中をしているわけでありますが、これは厚生省の調査でも九割が女性というのははっきりしているわけでありまして、この認識は一致しているのですね。 したがって、介護休業一年となると、家族の中の働く女性に一層負担が加重される。働きたいと思っても、働き続けようとする女性労働者を中心に、仕事を休んでもこれはもうしょうがない、老親介護すべきだというふうに一層なりはしないかというふうにも考えるのでありますが、女性の職場と家庭の両立が果たしてうまくいくかどうか、この辺についてお尋ねをしたいと思います。
○北橋議員 女性のお立場に御配慮されての御質問でございますが、本法の成立によりまして働く女性の皆様方にしわ寄せが一段と集中するとの見解に私どもは立っておりません。逆に、もしこの法律が成立しなければ、例えば三カ月を超える介護休業をとるためには退職せざるを得なくなる方が出てくるのではないか。 この法律は男女に対して平等に取得の道を開いておりまして、それでもなお介護休業を実際に取得するのが女性の労働者に集中しているという点につきましては、確かに御指摘のとおり十分に留意すべき現象でございますが、それは今後、男女の役割分担意識の変化等を粘り強く進めていくなどの努力で対応すべきだと思っております。 これが一年ということでなければ、やはり断腸の思いで仕事をやめざるを得ない女性たちがたくさんいるということに御留意をいただきたいと思います。
○岩田委員 再三申し上げておりますように、我々も、できるものであれば長い方がいいだろう。それには、午前中の質問も、コンセンサスというのが要件だという御答弁も御質問もありましたが。 戦後五十年たちます。労働基準法ができて四十八年になりますね。既に古くなった労働基準法の条項もありましょうが、戦後二年目にできた労働基準法でさえも、その基準に達してないという日本の労働条件、雇用の状況を考えたときに、私はそれはいいことだと思いませんよ。我々も本当にいろんな局面でいろんな立場で労働者の生活向上のためにやってきた者の一人でありますから。しかし、それでもなおかつこういう状況である。最近はぐっと労使関係も変わりまして、進んできたという評価を私はしておりますが、しかし余りにも長かった。したがって、この介護法は、できたものは、やはり本当に、いわゆる実態的にその要件があれば労働者が自由にとれる、抑制されるものではない、何ら阻害されないという環境はつくっていかなきゃならぬと思いますね。 それで、審議会の問題も御指摘ありましたが、それは今後の問題として、問題提起の一つとしてはありましょうが、今この問題に当たってこれを議論したって私は余り意味はないんじゃないかというふうに思いますね。肯定せざるを得ない。そういう状況に立って考えますれば、一年というのは、本当はできればいいんですけれども、実際にできるかどうかという疑問を持っているからお尋ねをしているわけであります。 それで次に、高齢者介護に責任を持つのは一体だれなのか、社会がそれとも家族か、さらには、先ほども言いましたように物理的な面もあるし経済的な面もあるし精神的な面もありますが、一体どうお考えか。はっきりしているのは、現在の段階では介護問題というのは一企業では解決つかない、一個人では解決つかないんですよ、これは。個人の努力というのは及ぶ範囲はもう限定されていますよね。それもよく共通していると思いますが、そういう中でつくっていこうとする今努力をお互いにしているわけでありますが、一体だれが高齢者介護に責任を持つのかという点についてお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
○松岡(滿)議員 介護労働の責任は社会と家族が共有するものと考えております。ここで言っております責任は、財政的負担も含めてのことであるわけです。すなわち、介護については社会的介護の体制を整備し、希望すればそれを享受できるようにすべきでありますけれども、その場合には当然、税、社会保険料を含む負担を家族は共有しなければならないということになるわけであります。 また、現在のように社会的介護の体制が未整備な状況でありますので、やむを得ず家族が介護労働を提供せざるを得ない場合もあるわけでありまして、その場合に退職という事態が、そういう問題が生じないようにするのが介護休業制度の考え方でございます。
○岩田委員 先ほど、北橋先生の方から我々社会党がまとめた要綱案について触れていただきましたが、その中でやはり最も議論が集中をしたというか問題になったのが、家族による介護の必要性、労働者の雇用の継続の必要性、さらに企業の要員管理等の負担というのは、どうしても柱として議論せざるを得ない重要問題であったわけです。今松岡先生から御説明、御回答がございましたが、やはりこの辺が調和がとれたものというか、コンセンサスが得られるものとしてどう調和をとっていくのかというのが大きな問題であります。 ですから、長い方がいい、それから選択の幅も広い方がいい、これは当然でありますが、こういう問題をどうクリアしていくのか、調整していくのかということがあるので、しかも我々は、この介護休業制度は本来社会サービスで賄うべきであるという観点に立っていますから、その辺は若干の差異があると思いますが、そういった観点で、結局は今介護休業の法制化に求められている内容の柱として、介護休業の期間をどう扱うか、老親等の介護における介護休業の位置づけについてもう一度御答弁をいただきたい、考え方を御答弁いただきたいと思います。
○松岡(滿)議員 昨日の池田委員の御質問、ただいまの岩田先生のお話を伺っておりますと、すべて社会サービスという面からの御主張だというふうに承るわけですけれども、私どもは、公的介護体制とそれから在宅介護、こういうものにつきましては車の両輪というふうに考えておるわけです。 先ほど日経連のアンケートの結果もお話し申し上げましたが、片方で、じゃ介護の場所はどこだということについては、ほとんど半々の意識なんですね、公的介護施設と。しかしやはり、できたら家庭で、これは恐らく受ける方もあるいは介護する方の立場も似たような意識があるだろうと思うのです。 そういう状況を背景として今回私ども御提案しておるのですけれども、我々も細川内閣のときに国民福祉税導入につきましてさまざまな議論をいたしました。あのときに、国民に新たな福祉の推進について御理解、御協力いただくためには、まず前提として、やはりゴールドプランというのはきっちりつくらなければいかぬよ、あるべき福祉の姿というのはどういうものだということと、もう一つは、もっと歳出面で行政改革、いろいろ今特殊法人の問題、その他規制緩和の問題も出てきておりますが、そういう世の中のいろいろなものを少し変えて新しくして、ぜい肉のついた部分についてはある程度軽くしていくという血の出るような努力が片方で要るだろう、あるいはまたもう一点は、不公平税制の問題とかそういうものについてもろもろの見直しをしていかなきゃいけないという前提を含めて議論したことを記憶いたしておるのですけれども、細川連立内閣から改革に至る期間に行われた税制改革協議会における議論で、福祉ビジョンの推進を我々新進党としては表明をずっと継続してきておるわけであります。 ここで明らかなように、公的介護の推進、我々はこれは必要である、これはやはり一つの基本であるというふうに考えておるわけでありますけれども、しかし老人ホーム、そういう公的な施設について、実際に我々の田舎の方でも入りたいという要望があっても、一年以上待たされるという現実があるわけですね。そういう福祉の現状におきまして、やはり在宅介護は現実的な必要性が出てきているわけです。 現にもうそういう状況の中で八万人の方々が職場を去っておられるという現実があるわけでありますから、将来的に公的介護体制が整った場合においても、そういう今の大きな労働側のニーズ、あるいはまた非常に困難な状況に現在我が国の経済は置かれておる、これをどう乗り切っていくかという中におきましても、人材確保とか、企業のイメージアップであるとか、これからの厳しい競争の中で生き残れるような条件をきちっと企業が整備しておくということも、これは必要なことであろうということでありますので、そういう公的福祉を増進しながらも、介護休業によって在宅介護ができるような状況を選択肢としてやはりきちっとつくっておく。 そのためには、できるだけ早期の導入をしなければいけないし、期間も今までの実績の中から見て、いろいろ議論が先ほど来、社会党案その他を通じて北橋先生と岩田先生とのお話もあったわけでありますが、そういう経過から見て、私どもはやはり一年は最低限必要だろう。三カ月ということになると、それによってみすみす職場を去らなければいけないという御婦人の方々も出てこられるという状況が現実にあるわけでありますから、そういう点を踏まえて、こういう二つのきちっとした条件を整えることによって選択肢を確保するということが必要であろうと思っておるわけです。
○岩田委員 私どもは、すべて社会サービスで行うべきだと現状を考えているわけじゃないのですね。それが望ましい。しかし、それはもうとにかく汗を流していかなければならぬ。松岡先生の提案理由の中にも、ある意味では新ゴールドプラン、社会サービスの整備というのは遅々として進まないとおっしゃっていましたので、あえて私はお尋ねしたのですが、私どもも家族介護というのは将来とも重要な問題だと思いますよ。一方で、やはり本来は社会サービスであるべきだろうというふうに思います。家族の概念や実態はヨーロッパと違いますが、ヨーロッパではこの種の法律というのはないことも説明をされておりますが、私は家族介護というのはだめだと言っているわけじゃないのです。やはりより社会サービスを充実させていかなければならぬ、これは先進諸国に比べてみてもはっきりしているわけですから、そういったつもりでお尋ねをしたわけであります。 残された時間がもうあと三分の二になってまいりまして、予定が進んでおりませんので、なるべく簡単に聞きたいと思います。 次に、要介護状態の定義、これは内容はもう説明をするまでもなく言葉上はっきりしていますね。どう違うのかというと、立場によれば違わないのかもしれませんが、しかし、どうも新進党案の方はかなり緩和されて広くなっていくのではないか。それは、医者が、医師の免許を持った者が労働省令で基準を決められたもので判定をしていくというふうにおっしゃっていますけれども、我々の実とどういうふうに違うのか、なぜこういうふうになさったのか、もう一度御説明をいただきたいと思います。
○大野(由)議員 午前中の質疑の中にも出てまいりましたけれども、新進党案では「日常生活を営むのに支障がある状態」と定義づけておりまして、政府案が「常時介護を必要とする状態」、「常時」が入っているか入っていないかの違いではないか。 どちらも介護を必要とする状態を指しているということについては共通をしておりますが、新進党案では、必ずしも常時である必要はない、しかし他人の介添えがなければ日常生活が送れない、移動とか食事とか入浴とか、また着がえとか排せつ等々が他人の介添えがなければできない、そういう状況を考えておりまして、「常時」というのがどういうことを言うのかということはありますが、二十四時間べったり介護を必要とするのであれば、これはたとえ家族であっても、またほかのヘルパーさんであっても、とてもこれは一人で対応できる問題ではないと思いますし、そういう意味で「常時」というものが入っていないということを言っております。 しかし、これは幾らでも拡大解釈されるということのないように、行政上で一定の指針を出しまして、お医者さんとか公的機関で要介護状態であると認定されたものが対象である。全介助が必要な場合、一部介助が必要な場合、いろいろあると思うのですが、一部介助の場合は何項目これに該当するかとかというような細かい規定が、行政上の指針が必要ではなかろうか。当然そこで、きちっと行政上の指針の中でこれは明記されるべきである、このように思っております。
○岩田委員 これにつきましては、大野先生、後段におっしゃいましたように、老人福祉法の施設入居の場合の基準が今おっしゃったようなことで出ていますよね。それから、労働省の法関係でいきますと、労災保険による給付の認定基準にも同種のことが書いてありますので、あえてそれと違ったことを書く理由があるのかという趣旨でお伺いしたわけであります。 次に家族の範囲の問題であります。 新進党案は家族の範囲を「同居の親族」というふうにされておりますが、これも午前中御答弁があっておりますけれども、いわゆる民法親族というふうに解釈できるのだろうと思います。いわゆる親族、血族、配偶者、かなり広くなっていきますね。そういう幅の広いものというものが社会政策上同居ということであればいいようになっておりますけれども、私はちょっと難題ではないかと思う。難問というか、難しいのではないかというふうに思っておりますけれども、これは、これじゃないと絶対いかぬ、これを奨励していこう、推進していこうというふうにお考えだと思いますが、いかがでしょうか。
○大野(由)議員 今まで介護休業をとられた実態調査によりますと、配偶者、父母、子供、配偶者の父母、こういう関係が一番多くて、それで九三%を占めている、そういう状況がございます。ですから、「同居の親族」にまでこれを拡大いたしましても、そのことによってべらぼうに人数がふえるということは到底考えられないわけでございます。 ただ、家族の形態が非常に多様化している現状がございます。例えば、例を挙げますと、父母が早く亡くなって祖父母が親がわりになって面倒を見たという、親がわりに面倒を見てもらった祖父母の面倒を見なければいけないとか、また、自分の兄弟、年いった兄弟、しかも独身の兄弟がひとり暮らしている、その兄弟を見殺しにすることはできない、唯一の親族として兄弟である自分が面倒を見なければいけないとか、そういう場合もあるわけでございます。 そういった意味で、「同居の親族」というふうにすることによって、労働者の方がそれによって仕事をやめなくて済むという、家庭生活と仕事を両立てきるという、労働者を救済するという観点で設けた規定でございまして、これによって大幅に事業主の負担がふえるというふうには到底考えられない、このように思っております。
○岩田委員 そんなにふえないと言われましたけれども、その同居例というのは、そういう例というのはどれくらいあるのだというのが何かありますか。それが一つ。 それから、幅が広くなってはいかないのだろうけれども、しかし、読む限りは、法律上は広くなっていきますよね。フーテンの寅さんのあのとらやを考えますと、同居ではないのですが、さくら夫婦と子供がしょっちゅうあそこで生活していますよね。おばちゃんとおじちゃんがだんご屋をやっている。もしおばちゃんかおじちゃんか倒れますと、さくらの御主人が同居をして面倒を見るということはあり得るのですね。
○大野(由)議員 初めに数について御質問がございました。 今回の法案、議員立法を目指しております法案でございまして、実態というものの詳細な数まではこちらでは掌握をしておりません。しかし、家族に多様な形態がありまして、そういう実態があるということは紛れもない事実ではないか、このように思っております。 それから、今寅さんの例を引かれて御質問がございましたけれども、それは例えばの例として、別々に住んでいた兄弟であっても、面倒を見る人がその本人しかいないということで、実際には同居して介護をするような状態になれば、その時点でこの法律の要件を満たす、このように思っております。
○岩田委員 あの寅さんのさくら夫婦は、おじちゃん、おばちゃんに対して扶養の義務もないのですよね。今御説明になりましたように、何かあったらば同居して面倒を見るということになりますが、扶養関係も問われない、同居すればいいということになれば、やはり企業側というか、使用者の負担もかなり莫大になっていくのではないかというふうに思われますが、その辺はどういう経過でこういう法案になったのか、お尋ねをしたいと思います。
○大野(由)議員 実際には、同居して介護をするということが条件でございますので、だからといって、そういうレアケースが非常に数が膨大にふえるということは想定をしておりません。しかし、それぞれの状況に応じて、そういう状況に追い込まれる労働者がないわけではございませんので、そういう労働者の人たちの救済と申しましょうか、継続して労働ができるという労働の権利を保障するための法案である、このように認識をしております。
○岩田委員 冒頭のところでもお尋ねをしましたが、実際にどれくらい労使の契約で制度を導入しているところが実施をしているか、取得をしているかということも現実の問題であるわけですね。今大野先生が、こういう想定をしてこういうことを法律で決めているけれども、そんなには数は多くないだろう、しかし、それを法律で決める必要性もあるだろう、こういう御説明でありますが、しかし、やはりそこには客観性も必要でありますね。それから、法整備をするわけですから、社会的な認知も必要であるわけですね。そういう立場からお尋ねをしたのであります。 改めてお伺いしますけれども、こういう新進党案でまいりますと、先ほど松岡先生も社会サービスの拡充は否定はされておらない、推進していかなければならぬというふうにおっしゃっていますけれども、どうも結果的には社会サービスの整備の拡充に水を差すような結果になるのではないか、こういうおそれがするのでありますが、これはどういうふうにお考えでしょうか。
○北橋議員 これは社会保障政策全体の方向性の問題だと考えておりまして、介護休業法の制定は、先ほど述べましたとおり、社会保障サービスの低下を意図するものではないと考えております。財政的にも、一般会計、すなわち税をほとんど用いておりませんし、社会保険料を引き上げることもございませんので、その面からも他の社会保障政策を圧迫はしないものと考えております。 なお、先ほど先生の方から、家族の範囲につきまして現実にどうなのかという御指摘がございました。労働省の調査にもございますけれども、現実に要介護者の範囲について制限を設けている事業所のうち、配偶者、父母、子及び配偶者の父母、それ以外に祖父母、兄弟姉妹を含めている事業所がそれぞれ四二・三%、三〇・七%に上っておりまして、それ以外の者も含めている事業所も一四・一%ございます。
○岩田委員 同様の質問をもう一度させていただきます。 各調査によりますと、もう既に明らかになっておりますが、現在までに介護のために休んだ労働者は、その大半というかほとんどが女性である。新進党案のように、労働者の選択の幅が広がることになる、それから、女子労働者への介護の期待も当然高まってくるだろうと思います。 子育てが終わって、職場の中での立場もしっかりするころに老親の介護の必要な時期が訪れてくるわけでありますが、これは配偶者の両親、自分の両親も含まれてくるわけですね。一時期にどんと来るわけです。休業をとる、そして一定期間介護をしてまた職場に復帰をする。そうすると里の親が倒れる。家族の範囲が何人も何人も介護休業法が適用される職場にいるということであれば少し緩和できるのでしょうが、特定の女性労働者に過度に期待が集中することも当然考えられるだろうと思います。二〇二〇年に向かってどんどん進むわけですから、そういうケースはまれではないだろうというふうに思います。これはあってはならぬことですね。 労働者の意思とは別に、また新進党の皆さんの意思とは逆に、男女雇用平等の精神や男女平等の思想といいますか精神に逆行するということは、やはり配慮していかなければならぬ問題ではないかと私は思うのですが、いかがでしょう。
○北橋議員 先生の御懸念されていることにつきましては、極めて重要なポイントだと思っております。 御見におかれましても、かつて、今回の新進党の案と同じような趣旨で法案要綱をおまとめになっておられます。すなわち、私ども思いますのは、そういった御懸念をする事態ということはありましても、やはり切実な労働者のニーズとしてこういったものの法制度を図る必要があると考えられたのだと思いますが、女性の方にさらにしわ寄せになるのではないかという問題につきましては、お答えが重複するようになりまして恐縮でございますけれども、やはり男女の役割分担意識というもの、それを少しずつ変えていく、粘り強くそういったものを変えていく努力で対応すべきではないのか。 やはりこの制度がなければ、八万数千人、そのうちの多くの女性の方々が本当に困るわけでございますから、そういった意味におきましては、憂慮される点は私どももよくわかるわけでありますけれども、それを乗り越えていかねばならない、このように思っております。
○岩田委員 最初の方で、日本の家族というのは一体どういうふうに変化をしているのかということをお話し申し上げましたが、私も経験をしておりますけれども、老親の一人が倒れますと、遠くに住んでいようが一緒に住んでいようが、家族はもう一時真っ暗になるのですよ。やっぱり女性に集中する。北橋先生の配慮はもっともだと思いますが、現実そういうふうにならないようにどうするかということで、我々もそれを考慮して、配慮してこの政府案を評価をしているわけであります。 次に、休業期間の考え方でありますが、さっきは基本的な認識の問題として一年を聞きましたが、もう一度お尋ねをしたいと思います。 三月二十四日、衆議院の本会議で新進党の石田美栄議員が質問をなさっております。「子育ては、一年たてば一歳に、二年たてば二歳にと確実に見通しが立ちます。しかし、高齢者などの介護では、要介護状態になってからの年数が五年から九年が最も多く、一年未満はわずか三%、平均して五・八年という調査結果もあります。政府案、新進党案それぞれに三カ月と一年が基準になっておりますが、この提案の期間で十分であると本当にお考えになっておられるのかどうか、また、そのようにお決めになった根拠をそれぞれお聞きしたい。」こうあるのですね。 それで、新進党の御答弁は、先ほど桝屋先生がおっしゃったように、連合の調査、三カ月では介護じゃなくて看護である、それから、実際に導入している企業が一年というのが多いということを挙げられておりますけれども、しかし介護についてのお尋ねとしては、石田議員の質問というのが非常に基本的問題だと思います。やっぱりここがポイントだと思うのですね。 だとすれば、一年では足りないのではないですか。そのことについての提案者の御説明は僕にはちょっとよくわからないのですね。一年以上でなければならぬのではないかというふうに思うのですが、それはどういうことでしょうか。一年になさった根拠をもう一度お尋ねしたいと思います。
○桝屋議員 お答えをいたします。 介護休業の期間でございますが、石田美栄先生の本会議でのお話も引かれての御質問でございます。 確かに、寝たきり、要介護の期間というのは、大変個人差もありますが、長い方では三年、五年という方がいらっしゃるのは事実でございます。しかも相当の割合でいらっしゃるというふうに私どもも考えております。 それで、先ほどから岩田先生、我々新進党案を、在宅の家族の介護はすべて一年で勝負をしようというふうに御理解をされているようにも見えるのですが、その意味では私どもも政府案と立場は違わないだろう。この介護休業制度で全部カバーできるものでは決してないわけでございまして、そういう意味では、介護全体をこれでカバーできるとは考えておりません。先ほどから松岡代表も申し上げておりますが、当然ながら公的介護システムとの密接な連携ということは車の両輪として必要なわけでございますから、そういう意味では、私どもは家族介護中心主義ということではございません。 しかしながら、やはり最低の期間としては三カ月では足りないのではないか。家族の方が安心をして介護もできるし、そして社会的な介護サービスに乗っけていける、そういう期間ということを考えますと、やはりどうしても一年が必要だ、このように考えているわけでございます。
○岩田委員 その辺を再三お聞きしますのは、やはりこの法案の骨格になるわけですからお聞きをしているわけであります。 提案者の側の御意見は、今松岡議員からははっきりされましたが、我々と共通している部分もたくさんあるのですね。いわゆる緊急避難的な措置であると我々は思っている、そういう思想なのですが、それもいわゆる容認される部分がある、それは一致していると思うのですね。 かつて、家族基盤の充実論というのが一九七九年ぐらいからありまして、老親の扶養と子供の保育としつけは第一義的には家族の務めであるというようなことが言われたことがあるし、ちょうどそのころ政府の最高責任者の一人が、福祉というのは、富士山に例えると日本の福祉は三合目でいい、ヨーロッパのように、頂上を目指したので破綻した国もある、これはスウェーデンを指されたと思いますね。パルメという首相が「そのときそういうことで新保守主義の台頭で落選をされる、それで政権を投げ渡す。しかし、やはり福祉は富士山の頂上がいいということで、あの国の方々はもう一回パルメを首相にするわけですよ。どちらに立つかというと、後者の方に立っておられるという認識は一致するわけでありますが、そういう疑問がありましたのでお聞きをしたわけであります。 もう一度お尋ねをしますが、本来ならば介護は必要な期間、全期間を保障したいというふうにお考えになっているのかどうか、今の流れで最後にそのことをお聞きしたい。
○桝屋議員 何度もお話をいたしますが、私ども新進党案でも、介護の全期間を介護休業でカバーしていくということは私は不可能であろうというふうに思っております。したがって、全期間介護休業が必要というふうには考えておりません。
○岩田委員 新進党の皆さんの案は一年、ある意味では、私の言葉で言うと部分保障ということになるので、一年という根拠についてもう一つすっと私に入らないからお尋ねをしてきたわけであります。 石田議員は、本当は五年くらい必要じゃないかというようにおっしゃっているのかもしれないし、連合の調査などにもあらわれているのでありますが、できるものならば長い方がいいというふうに思っていることは間違いないだろうというふうに思うのであります。三カ月か一年かという非常に明確な、期間としては対照的な部分になっているわけでありますから、客観的な根拠は説明はちょっと乏しいと思うのでありますが、お答えがあればどうぞ。
○北橋議員 今の御指摘につきましては御通告がなかったように思います。したがいまして、私ども提出者全員であらかじめ協議をして合意を得た上での答弁ではございませんが、お許しをいただきます。 あらゆる角度から議論をしてまいりまして、私どもは最終的に、八百万人の方々が結集されておられます連合の皆様方のぎりぎりの御決断、切実なこの政策制度要求というものに十分配慮をして立法をまとめた経緯がございます。これは八百万人の方々が加盟をされているわけでございますが、この介護休暇の問題にかかわらず、働いている皆様方の、未組織の方も含めてそういったすべての方々の代弁をする、そういうことで連合の皆様方は鋭意、政策制度闘争に取り組んでこられている、そのように私ども敬意を表しております。 そういう中で連合の皆様方がこのたびアンケートをとられたことは、内容につきましても先生十分御案内のとおりだと思いますが、その中で、労使の話し合いで介護休暇の制度があるところでもなかなかとれないという生々しい声も幾つか出ております。例えば、介護休暇が制度化されたけれども、無給のために取得できない、有給にしないと食べていけないので介護休暇の意味がない、まず所得保障というものが大変ネックになっているという声が紹介されております。それからもう一つ、自分が職場に復帰したときに何があるかわからないと思うと心配だ、つまり、職場の補充の問題であります。ほかにもいろいろあると思いますけれども、介護休暇をとりたい、そうすればやめなくて済む、そういう切実な思いと同時に、今の状況では、とれば大変なことにもなる、経済的にも大変に苦しくなる、そういうさまざまな悩みなり議論があったのだと思います。そして、連合の皆様方は、さまざまな角度から議論をされて、どうか国会におきましても上限一年にしていただきたいというふうに結論が出てまいりました。 そういった意味におきまして、私どもは、連合の中でのさまざまな議論を集約されて一年はどうしても必要だという切実な声は十分拝聴したところでございます。
○岩田委員 これは強制的な法律になるわけでありまして、今北橋先生御自身のお気持ちをお述べになりましたが、全く同じです。であるからこそ、社会的なコンセンサスが得られる、とりわけ使用者の認識も少し高めてもらって老親介護ができるように、しかもこれは経営責務ですから拒否できない、そういうものを含めて、ようやくここまで来たというのが政府案ではないかというふうに思っているわけですね。連合の要求は私どもは百も承知しております。しかし、実効性のないものを法制化したって意味がありません。これは大変な混乱が起こるわけであります。 私は、中小企業や零細企業、企業側の立場にだけ立っているわけではない。この長い戦後の日本のいわゆる労働法制の関係を見ただけでも、これは大変な状況である。すっといける問題ではない。我々は、三年間、没頭したと言っていいほどこの問題、この法案に真剣に取り組んできたわけであります。 この法案が出てきたのは、労働省の努力もあります。先ほど言った河上先生や松岡先生の御努力も、政府の一員として御努力されたことも、私はそうだと思います。それから、我が党の永井孝信議員も、政務次官として、この問題に熱中したというふうに言われるくらい努力をしてきた。そして、我が党の浜本労働大臣、こういう条件があったからこそ、いや、こんなものはだめだという意見がありました、労働者の権利としてどうするのだと。労働者の権利として確立をしたいと思うからこそ、そういう努力があったのです。ようやくここまで来たわけであります。これはひとつ認識をしていただきたいと思いますし、認識するにかたくないというふうに思うのでありますね。ですから、あえて私は質問をしているわけであります。 次の問題でありますが、休業の回数の問題をお尋ねをしておきたいと思います。 一つの継続する状態ごとに一回というふうに新進党案はなってございます。この問題につきましては、これはいわゆる医師の判断というふうなことが午前中の答弁でもございましたが、もう一度この判断基準をお聞かせをいただきたいというふうに思うのであります。 桝屋議員の方からは、先ほども申し上げましたが、脳血管性疾患に関する問題についてちょっと認識が違うというような御答弁じゃなかったかと思うのでありますが、私はそうは思わないのであります。もう二度御答弁願っても結構なのでありますが、先ほどは、現実性には差異があるというようなことをおっしゃったのではないかというふうに思っておりますけれども、どういう状態をイメージしたらいいのかということをもう一度御答弁いただけませんか。
○桝屋議員 私が午前中申し上げた脳血管障害の方については、これはむしろ、私が午前中申し上げたのは期間の部分で、三カ月では家族の方が落ちつくという状態は大変に難しいという事例でちょっと申し上げたわけでございます。 今委員御指摘のお話は介護休業の回数でございますので、回数のイメージで申し上げますと、当然ながら、ちょっと午前中申し上げた事例で言いますと、脳卒中等でお倒れになっても、入院をしまして、そして退院をされて、リハビリの後に社会復帰をされるという事例は結構最近はケースもありますので、そうした事例を想定しているわけでございます。
○岩田委員 ですから、まず脳血管性の疾患にかかわる部分、これは長寿研究会が報告書を出しておりますが、つまり、発病して一カ月から三カ月の間は、本人の病状は回復期に入る、このころから在宅の療養が始まるのですね。これはもう絶対に世話が必要になってくるわけであります。それから、発病後三カ月から六カ月は慢性期だ。個人差はあるのでしょうけれども、安定期に入る。そこから寝たきりと痴呆症、それから軽い症状で安定期というか固定化するという症状になるかもしれませんが、問題は、一番最後はいいのですよ、痴呆症になった場合はその症状にもよります、寝たきりになったときには、もっと長く要りますね。三カ月や六カ月や一年では、これは治癒しないですね。最後まで面倒を見なければならぬという状態も、かなりケースとしては多いのであります。 これはとにかく一年以内は、新進党案ではよろしいようになっていますね、本当はより長く持っていきたいというお気持ちがあるのでしょうけれども。その場合を想定しても、一回安定期に入り、また次の症状が短期間の間にぶり返す、もしくは併発して重症になる、その場合も、何度も、そういう患者の、要介護者の状態が変化すればその都度休業を取得することができるという法案だと思いますが、そういうことですか。
○桝屋議員 私ども新進党案につきましては、継続する要介護の状態に着目をしているわけでございます。委員御指摘のように、例えば脳血管障害でいいますと、その要介護の状態を脱する状態、基本的な日常生活動作が自立をするという状況、そして社会復帰を果たしていくという形であれば、その後にまた新たな、原疾患は問いませんが、そういう状態になった場合は、別途の要介護状態というふうに考えているわけでございます。 委員御心配されるのは、非常に期間が短い、ほぼ継続をしている要介護状態なのか、あるいは別個の要介護状態なのか、その見きわめはどうなのかということでございましょうが、極めて短期間の間に、その自立をされる状態が短期間であれば、やはり私は、ケースにもよりますが継続する要介護状態ではないか。なお、これについてはやはり医師等の公的な資格をお持ちの方が御判断をされるものだろう、このように認識をいたしております。
○岩田委員 何度もお尋ねをいたしますが、中小企業への配慮というのがもう一つお聞きしたい点です。 「同居の親族」であればよろしいということ、それから、今御答弁のありましたように、複数繰り返し取得することができる。これに対して新進党案でいきますと、中小企業に対する、事業主に対する給付金の支給を含む各種援助を行うことができることとしている、こう説明をされておりますけれども、これは同法案十七条の規定になっているのではないかと思います。これはちょっと説明を求めたいと思います。 それから、導入に当たっての困難が大きいと考えられる中小企業に対しては、特別の配慮をするものとしています。こういう説明になっていますが、これはどういうものなのか。 寅さんの事例を出しましたが、さくらが倒れる。そうしたら御主人の、あのとらやの裏にある、印刷工場か何か知りませんが、あの中小企業の企業主は、いつもとらやに来ては、手形がどうだとか、それから賃金がどうだとか払えないとか、ボーナスは大変だとか、一度ぐらいは海外旅行に行ってみたいとか、いつも苦情を言っておりますが、ああいう状態じゃないでしょうか。同居しようとすまいと、さくらの御主人が休業することになると思うのですが、あのイメージ、私はよくわかると思いますね。中小企業では、あの御主人が一年休むと、ローテーションが大変だと思いますよ。 それは若干時間がかかってもきちんとできる体制をとっていきたいというのが我々の考え方なんですが、十七条の御説明と、それから特別の配慮をするというのはどういう特別の配慮なのか、お尋ねをしたいと思います。
○河上議員 十七条の内容並びに特別の配慮とは何かという先生の御指摘でございます。 私どもは、国による事業主等に対する援助についてこれを定めるとともに、所定の規定の整備を行いつつ、中小企業に対しては配慮規定を定めているわけでございます。 国は、家族の介護を行う労働者、家族の介護を行うこととなる労働者及び介護退職者の雇用の継続あるいは再就職の促進その他これらの者の福祉の増進を図るために、事業主、事業主団体その他の関係者に対して、雇用管理等の措置に係る相談及び助言、給付金の支給その他の必要な援助を行うことといたしておるところでございます。そして、国が特に必要な援助を行うに当たりまして、事業主のうち中小企業者として労働省令で定めるものに対しまして、特別の配慮を定める。このような考え方に基づいて、中小企業の実態、今御指摘がございましたけれども、私どももそれらに十分配慮しつつ、今回の新進党案としての骨格をつくったわけでございます。
○岩田委員 お答えをいただきましたが、最後の部分ですね。河上先生御説明いただきましたが、中小企業に対する特別の配慮を規定するものとするという具体的な中身のイメージをちょっと教えていただけませんか。
○河上議員 今申し上げましたように、具体的には支援措置を大企業よりも手厚くするということが基本でございまして、介護休業取得者が生じた企業に対して助成金を支給することを予定しております。これは、今年度中は奨励金としての性格を持ちますけれども、来年度、実施以降となりますが、来年度からは介護休業を労働者に取得させる企業に対して激変緩和の助成金としての性格を持つもの、このように位置づけております。 助成金の存続につきましては、中小企業の実態等をよく見る必要がある、このように考えておるわけでございますが、制度の円滑な運営が労働慣行の中で定着するまでの間は維持する必要がある、私どもとしてはこのように考えておるところでございます。
○岩田委員 奨励金の話も出ました。助成金の話も出ました。そうすると、中小企業への配慮という問題は、導入時に困難な状況があるわけですから、そこで一つ考えられている。 それから、提案の中にもありますが、平年度二百五億円という金額が出ていますね。この二百五億円の金額の中身は今御説明されたものだろうとは思いますが、いかがでしょう。つまり、奨励金だけではなくて、ずっと助成金で保護していこうというか。よくわかるんですよ。それだけに難しいということでしょうね、中小零細企業というのは。それでもなおかつ難しいと思われますよ。そういうことかどうなのか。
○河上議員 ただいま御説明をいたしましたように、中小企業の実態を考慮いたしますと、極めて厳しい負担というものは考えられなくはございません。したがいまして、私どもは、今申し上げましたように、今年度中は奨励金としての性格を持ちますけれども、来年度からは介護休業を労働者に取得させる企業に対して激変緩和の助成金としての性格を持つもの、このようにして対処をしてまいりたい。 その上で、その助成金の存続という御指摘もございましたが、中小企業の実態をよくつぶさに見ていく必要がありますけれども、制度的な円滑な運営が労働慣行の中で定着するまでは維持をする必要があるだろう、このように考えております。
○岩田委員 来年度から入れる場合に、奨励金というのは間に合いますか、役に立ちますかという問題が一つありますね。そういう疑問を私は持ちます。来年からやる、あと何カ月もない。この問題はその一点を最後にして、次に行きたいと思います。 大企業、中小企業ともに四年間待たせるという、準備期間を四年間、政府案は置いています。その置いた理由はきのうの議論でもさまざま説明をされておりますから、私からは申し上げません。ただ、昨年行われました高齢者雇用安定法の際には四年間待ってもらったのですね。今度はこれと違うお立場に立たれている。 高齢者の雇用安定は問題でないかというと、はかりがたいほど問題だと思うのですよ。それは内容は違いますね。違うんだけれども、五十八歳の定年というのは失職を意味するわけですね。二年間延長の六十歳定年が入ってくることを多くの労働者が待ち望まれたわけですよ。それでもやはり大企業、中小企業、分けて出発するのは大変問題であろう、労働団体もそういう意見であったろうと思いますが、泣く泣く四年間待ってもらったという経過がある。 今度は、さっきの奨励金の話もそうでありますが、来年四月からずっと行けというのは、諸般の環境がそろえばそれは否定するものではありませんが、なかなか困難であろうと私は思っているわけであります。中小企業の負担に配慮したということもございますが、四年間待っているということに対して、なぜ高齢者雇用安定法のときと違う態度をとられたのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○松岡(滿)議員 岩田先生の先ほど来の御意見、確かに介護休業について、岩田先生や永井先生、浜本大臣が御努力をなさって、労働者側の立場にも立ち、また現在の厳しい経営環境の中にさらされている事業主の立場にも立ち、そういう労働側のニーズと雇用面の両面を配慮されながらここまで御努力をしてこられた、それに対して私どもも心から敬意を表する次第でありますけれども、結局私どもが考えておりますのは、そういう御努力、これはもちろん敬意を表しながらも、今我々が置かれている高齢化、これは非常に急速に来ておりますし、年間に八万人の方々が介護のために職場を去っておられるという現実があるわけです。四年間に、単純に計算すれば、三十万人の方々が職場を去られる可能性があるという厳しい現実にどう対応していくのか。 それから、大企業の皆さん方は労使協約で、あるいはまた公務員の方々は法律によってそういう形のものが保障されておるとはいいながら、現実にやはり日本の場合は法律というものによって守られないとなかなかとりにくいという状況がある。さらに一番大きな問題は、四千万人以上の中小零細の皆さん方も同じように高齢化の窓口の中で介護の問題に直面しながら、全然そういう条件というものが、環境が整備されていない。こういう現状を踏まえたときに、これはやはり早期に実現すべきであろう、四年の時間というのはもう待てないという感じが一つございます。 それともう一つは、経済の状況が大変大きく変わってきているという現実があるわけですね、これはくどく申し上げておるわけでありますけれども。その中で確かに現在の円高対策、政府案の方も、例えば貿易収支の黒字を、千二百億ドルを五年間で半減するとかいろいろの計画も立てておられる。我々新進党案としても、何とか百円ぐらいまでに戻すために全力を挙げたいと、いろいろな議論があります。しかし、千二百億ドルの貿易黒字を、例えば半減させるということは大変なことになるわけですね。輸出はとにかく徹底的になくしてしまって、輸入はどんどんふやす。そうすると、生産活動というのは一体どうなるんだ、これはもう完全に失業の問題が出てくるわけですよ。 だから、そのために我々としては、これからの産業構造の転換をどうするかということについての具体的な提案をしていきたい。そのときに生き残れる部分については、きちっとした介護休業その他によって人員の確保ができるような条件をつくっていくということが大変緊急な課題だという意識が実はあるわけなんです。そういう点につきまして、今回、介護休業の法制化を一刻も早く進めていきたいということで、早期、すなわち来年四月一日からの実施が必要だというふうに考えておるわけであります。 そのために必要なことは、先ほど来、岩田議員からも中小企業対策等につきましていろいろ御質問もあり、河上議員からのお答えもあったわけでありますけれども、各事業主が介護休業の導入に対応した代替要員の確保等の体制を整備することがこれまた必要でありまして、そのために政治のなすべきことは、事業主の行う体制整備への支援措置を講ずることであるというふうに考えておるわけであります。 新進党といたしましては、介護休業取得数に応じた事業主への助成金の支給、代替要員の募集等の業務を行う中小企業団体等への助成金の支給等を行う根拠となる規定を設けて、その実現を図るとともに、とりわけ中小企業に対しては、特別の配慮を行うべき規定を設けて、可能な限り手厚い支援等を講じることとしたわけであります。さらに、代替要員の確保については、職安の機能を十分に活用していかなければならない、このように考えておるところでございます。
○岩田委員 最後の質問になると思いますが、私どもも、今松岡先生が御説明になりましたよう。に、政治のなすべきことは中小企業への配慮である、この問題、法案については。それは全く同感であります。きのう、どなたかがおっしゃっていましたように、育児休業法のときは好景気であった、介護労働法を議論する今日は非常に低迷をしている、こういう経済の背景は、インパクトは大きいものの、基本的なところにこれが大きな作用をするものではなかろうというふうに思います。 最後の質問でありますけれども、今松岡先生が御答弁いただきましたけれども、本会議での松岡先生の提案理由説明は、「労働者の所得を保障するため、別に法律で定めるところに従い、労働者に介護休業給付を支給するものとしております。」この介護休業給付は雇用保険制度から支給するというふうに想定をしておりますが、一体どれくらいを想定されるのか。育児休業法のあれを上回るのか下回るのか。その前後という御説明もどこかであったような気がしますが、イメージがあると思いますね、そうしないと、平年度二百五億円要るということなどは出てこないはずですから。ちょっとそれはこの際ですからお聞かせいただいておいた方がいいのではないかというふうに思います。 と同時に、何回も申し上げますように、新進党案は、環境が整っていれば短いよりも長い方がいい、狭いよりも対象範囲は広い方がいいのでありますが、相当莫大な財政を要するものであろうというふうに思いますけれども、これを雇用保険の中で処理をするということになると、果たして雇用保険が出発したその思想、雇用保険の枠内にとどまることができるのかどうか、あわせて御質問をしたいと思います。
○河上議員 先生お尋ねの件でございますが、私どもとしては、御指摘のように、介護休業中の所得保障は、介護休業中の生活保障のために第一点目は必要であるばかりでなくて、現実に介護休業取得を選択することを容易にするためにぜひとも必要なものだと考えておるわけでございます。 そして、ただいま御指摘がございましたように、民間労働者につきましては雇用保険から、そして国家公務員、地方公務員の皆さん方につきましては共済組合から給付を想定しているわけでございます。ただいま申し上げましたように、このような雇用保険あるいは共済組合等を前提としておりますので、別途の法律の体系の中でこれは具体的に定めることになると思いますし、御指摘の点につきましては、その過程で検討し、決定されることになる、このように考えております。 なお、最後の御指摘にございましたように、イメージはどうなるのか。それらの問題につきましては、その際、概に給付されております育児休業の給付水準を踏まえつつ、老親等の介護を必要とする世代が同時に子供の教育の負担をする世代であること等も考慮して決定することが必要であろう、私どもはこのように考えておるところでございます。
○岩田委員 御質問をさせていただきましたが、いわゆる日本が迎えている高齢化社会における介護問題の意味、その重要性、政治がどうかかわらなければならないかというそのあり方等々については、多くの部分で認識は一致していると思います。 要は、具体的な強制力を持つ法律としてこれをどういうふうに当面出発させるかという点については、法案の中身で随分食い違いがあったこともはっきりいたしました。これらについては、これで終わるということではないと思います。後日の質問にゆだねたいというふうに思います。 なお、今の最後の質問の中で、雇用保険と新進党が考えておられる財政問題、給付やその他、中小企業の保障の問題についてもお尋ねをしておったのですが、後日に譲りたいと思います。 これで終わります。
○笹山委員長 佐藤謙一郎君。
○佐藤(謙)委員 新党さきがけの佐藤謙一郎です。 実はきょうは、朝からの質疑の中で、通告を申し上げておりましたかなりの質問の部分が重なってしまっておりますので、通告を申し上げていない質問も幾つかさせていただきますことをお許しいただきたいと思います。 実は、最初に私は白状しなければいけないことがございまして、私自身も当初、介護休業の問題を勉強する前は、一刻も早く、しかも踏み込んでという考え方をずっと持っておりました。しかし、いろいろと私なりに勉強する中で、例えばきのう議論がありました、ILOの百五十六号や百六十五号の採択が一九八一年、そして二年後に発効したわけでございますけれども、これだけ時間をかけてきたのだから早く法律にすべきだ、時間がかかったのだからというような、そういう考え方もあるのですけれども、なぜこれだけの時間がかかりながらこうした法律が日の目を見なかったのかということを、冷静に分析をすることは必要なのだろうと思います。 一点目に、どうしてこれだけの時間がかかりながらなかなか法案化ができなかったのだろうか、その辺の御認識をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○河上議員 今先生の御指摘でございますが、ILO百五十六号条約がかなり早い時点で批准されたにもかかわらず、なぜ今日までこれがなかなか進まなかったのか、こういう御質問、新進党はどのように考えるか、こういうことだと思っております。 私どもとしては、鋭意努力しつつ、そして一日も早い時点でこの実体を整えるべきであると、私個人はそのように考えておりますし、そのように努力をしてまいりたい、このように思っております。
○佐藤(謙)委員 必ずしも新進党さんにお聞きする質問ではなかったのかもしれませんが、一つの共通の認識として私なりに考えてまいりますと、私、実はショックを受けたことがございます。 それは、私は、こうした重要な法案のときに必ず私の周りにいる人間百人にとにかく聞いてみよう、こういう法案が両方出てきているけれどもどうだろうかということで百人に聞きましたということをずっとやっているのですけれども、そうしたら、非常にショッキングだったのですけれども、ほとんどの人が知っていない、そういう介護休業というものの認識に乏しいのですね。 確かに、先ほど八百万人の連合の御努力ですとか、いろいろなそういう当事者の方々にとっては、非常にこれは関心のあることなんです。しかし私は、この介護休業法を成功させるかどうかというのは、いかに多くの国民にこれを認識させるかということにかかっているのだろうと思うのですね。 我々が議論していることは、差はありますけれども、進んでいる方向は絶対間違っていないと思います。恐らく同じ気持ちで、正しい方向に向かっている。しかし、それを実現する実現の仕方についてこうやって悩み苦しみながら議論をしているのだと思うのですけれども、その答えというのは、使用者と労働者との権利関係としてのみとらえて議論をする、つまり当事者だけが議論をしていってしまったら、未来永劫この介護休業というものはうまく理解をしていただけないのじゃないか。つまり五五年体制というものを議論の中に残してしまってはいけない、つまり労働委員会というこの場を超えた議論というものが必要になっているのだろうというふうに考えています。 その辺は、育児休業のときとえらい違いなのです。育児休業のときは、本当にみんなが拍手をしてくれて、頑張りましょうで、我々が百人に聞いても、いい答えが返ってきたのですね。それは、やはり一つには、育児休業というのは、働く人の固有の権利として国民一般が認知をしている。それはもう認めているということですけれども、介護する権利というのは、やはりある種の人たち、大多数の人たちにとっては聞きなれない権利で、介護を受ける権利というのは憲法の中にはっきりと読み取れますけれども、介護をするという権利を新しく認めていくためには大変大きな努力が必要だと私は思います。 そこで、御質問させていただきますが、果たしてこの介護休業に対する議論というものが十分国民的な議論として行われてきたという認識をお持ちでしょうか。
○松岡(滿)議員 今の佐藤議員の御指摘は非常に重要なことだと思うのです。 ただ、過去を振り返ってみますと、この労働問題の中で、私自身がちょうど労働政務次官のときに労働基準法の改正ということ、もう九年前ですか、いわゆる時間短縮と定年制の導入ということがありまして、それから引き続いて、今の御指摘の育児休業の問題、それから年金の改正、労使ともにかかわる大きな問題点がずっとこのところ続いてきていることも事実なのです。 そういう中で、今回の介護休業につきましては、連合の皆さん方、また、婦人少年問題審議会等での議論を通じまして、私どもも今回の統一地方選挙を通じましていろいろな議論を実はしてまいりました。そういう中で、確かに今までの労働案件というものが、大きな塊があり過ぎたものですから、それに対して今回の介護休業についての取り組みはどうかという点につきましては、取り組みの当初に多少私自身も戸惑いもありました。しかし、このところいろいろな角度で急速に関心が強まってきているというふうに思います。 ただ、御指摘の問題の背景には、過去、我々も細川内閣時代から社会福祉のあり方は基本的にどうだという議論をしてまいりましたね、現実の中で。そのときに財源問題をめぐっていろいろな議論があって、社会党さんの先ほど来の岩田先生の御主張の問題については、かなりゴールドプランができ上がってはいるものの、十分な体制というものが社会保障の面ででき上がっていない。 しかし同時に、家族制度の問題につきましてもいろいろな御議論はありながらも、我が国の場合は、例えば、どんなことがあっても親の面倒を見るという青少年の意識調査、平成五年度の総務庁の資料を見ますると、我が国の場合はそういう若い人たちは二〇%台ですね。韓国とかアメリカは六〇%台、その他先進諸国は者かなりそういう親の面倒を見ていくというのがあるのです。しかし、今核家族の中ですから、これもやむを得ない。 そういう中で、そういう公的な施設というものが充足されておればそちらで何とかそれを充足していくということもできるわけですけれども、それも不十分で一年以上待たなければいけないという状況の中で、高齢化はどんどん進んでいく。そうすると、そういう法的な保障がない限り、一年間に八万人の方々が職場を去っておるということもこれは現実だし、その九割が御婦人であるということも事実なわけですね。 だから、何らかの対応をしなければいかぬという機運は現在のところ出てきておりますし、連合の皆さん方も組織的に各地でいろいろな運動の中でアンケートをとられたりして、そういう意識は随分と高まってきておるというふうに私は受けとめております。
○佐藤(謙)委員 随分高まってきているという話ですけれども、私の知る限り、これは私を含めて反省をしなければいけないのは、やはりもっと努力をすべきことなんだろう。いろいろと話をして、休みをとらなければ親不孝と言われるだろうし、そして家に帰っても何をやっていいかわからないと自嘲的に我々に言ってくる人が大半であります。中には、あの息子が介護に戻ってこなければ長生きできたのになんということを言われるようになっては、何のための介護休業法がということになってしまうわけであります。 そこで、今そうした世論をきっちりと高めていかなければいけないという方向に立って、認識として、また今のお答えをもう一度確認をさせていただきますけれども、この介護休業という思想というものをまず認知させるというか、国民全体が認知をしていく、そういうための今時代なのだと思います。つまり、定着度を高めるためにそういう認知をさせることが今第一義的に大事だと思いますけれども、そうした御認識でよろしいですか。
○松岡(滿)議員 今、私どもがあえて新進党案としてこの介護休業等に関する法律案を提出いたしておるのも、そういう意図があるからです。 だから、政治の責任において国民の関心をきちっとここに集めていくということもこれの導入について必要でありますし、いろいろ御議論の中で労使が決めることではないかという御議論もありましたが、今の我が国の置かれている状況を見ますると、先ほど来私は申し上げておりますように、やはりきちっとした法律でこれは対処していくということが政治にまさに求められておることであるというふうに考えております。
○佐藤(謙)委員 そういうことであれば、私なりに考えると、やはり法律は義務という強制力を持っているものですから、私は、定着率、普及率が全体で三〇%、四〇%、五〇%にいったときに一気に一〇〇%を達成するために新進党案というものはある種の意味を持つのかなというふうに思っているのですけれども、現実に普及率を見ますと、平成三年の二月で一三・七%、五年で一六・三%、これは三十人以上の企業ということですけれども、これだけ、二年半かかって二、三%しかふえていないのですね。 これは、だからきちっとした法律をびしっとつくって達成させようという考え方と、まず認識というものをとにかくスタートラインに立ってつくっていこう、介護休業という権利がいかに大切かという国民的なそういう合意をつくっていこうという、両者の立場の違いのようなものが政府案と新進党案ではないかなというふうに僕は考えているのですけれども。 ここでお聞きしたいのは、つまりこの両案、同じ思想をベースにして、同じ認識をベースにして今両案が成り立っているとお考えですか。つまり、完成度は違うけれども、同じ延長線上にこの法律があるのだというふうに考えてよろしいということでしょうか。
○松岡(滿)議員 目指している基本的な方向というものは、ほぼ同じ方向を示しておると私は思っております。 しかしながら、このところの厳しい経済情勢と相次ぐ労働関係のいろいろな制度、法律の変革というものがあるわけでありまして、経営サイドの負担ということも非常に大きなものになってきている。それが非常にある面では、政府案は恐らく、小さく産んで大きく育てようということになってきていますね。だから我々は、しかしこの八万人の方々が職場を去っているという現実を全く看過できない状況だと、確かにいろいろな問題はあるにしても、まず早期にこれを実現することが必要である。そのために障害になる部分があれば、そういう中小企業に対する助成とかそういうもので思い切って乗り切っていかなければならない。 それで、三カ月、一年の問題につきましても、実態的に介護を要する期間というのは、昨日も松原局長の答弁にありましたように三十一・八カ月という実績もあるわけでありますし、やはり一年ぐらいをめどにすることが妥当であろうという考え方で私どもはこの問題に取り組んでおるわけでありまして、その辺の考え方がかなり違っている。 だから、四年先の導入ということであれば、確かに所得保障とかあるいは中小企業対策とか、それはもうしばらくして決めていけばいいよという感じになっていくわけでありますが、我々は来年からとにかく実施すべきだという立場に立っておるところがやはり違うのではないかという感じがいたします。
○佐藤(謙)委員 今話があったように、小さく産んで大きく育てるというような考え方は、私の周りの多くの人の支持を得ております。ウサギとカメとか、北風と太陽とか、いろいろととる手だてというのは微妙に違ってくるわけですが、どれが一番実現に向かっていいものなのかということは、これはもう我々悩みながら、真剣にとにかく誠実に考えていくしかないことだろうと思います。 もう一つ、先ほども議論が出ておりましたけれども、私からも一つ重ねて申し上げたいのは、介護休業が女性にとって非常につらいものになってしまっては趣旨というものを我々は損なうわけであります。 本来介護という問題は、歴史的には権利として語られていたのではなくて、家族制度の中で女性の義務として、無償の労働として語られてきてしまっていたわけですね。これを職場での権利ということだけ強調し過ぎると、女性の義務が不当に固定化し、正当化してしまうという、それは先般来からいろいろと議論があるわけですけれども、こうしたことをやはり我々は必死で考えていかないといけないと思うのです。 そこで、介護や育児に追われる女性の能力というのを社会で開花させる、そういう方面では非常な努力を今までしてきたのですけれども、仕事に追われる男性の能力を今度は家庭においても開花させるもう一つの仕掛けというものをきっちりつくっていかないと、これは最後は女性にツケが回っていってしまう。一生懸命いい法律をつくろうとしたのに、ごめんなさいねで終わってしまって済む問題ではないと思うのですね。こうした女性に一方的にツケが回らないような支援の仕組みというのをどういう形で考えておられるか、もう一度お願いいたします。
○桝屋議員 委員御懸念の点でございますが、先ほども出た話題でございます。この介護休業制度が女性にだけ介護を押しつける結果になってはいけない、まさにおっしゃるとおりでございます。 したがいまして、私どもも、まさに新進党案、政府案もほぼ同じでございますが、男女共同参画型の社会を目指しつつ介護休業制度を定着させる、こういう目的を考えているわけでございます。委員が言われましたように、今までの経緯からしましても、介護というものが本当に女性の肩だけにかかっているという実態は確かにあろうかと思います。そういう意味では、御指摘のように男性がまさに介護という問題をしっかりとらえていくような、そういう仕組みといいますか、システムというものをぜひとも考えなくてはならないというふうに思います。 これは日本医師会が前から言っておりますけれども、ケアリングソサエティー、すべての人が、ノーマライゼーションと同じように、やはり生涯のうち一度は、男性であろうと女性であろうと介護というものにしっかり取り組んでいく社会といいますか、そういう意味では男性も介護技術を身につけるようなシステムが私はぜひ必要であろうと思います。 そういう意味では、昨今やはりいろいろな仕掛けが、例えば介護実習普及センターのようなものが地域にできて、そして介護の勉強もできる、あるいは企業の中でもそうした研修なりが取り組まれる、介護という問題を本当に社会を挙げて考えていく時代を、この法案を機会にぜひ取り組まなければいけないと私どもも思っております。
○佐藤(謙)委員 私の周りの人たちに聞きますと、先ほどの中小企業の支援も含めて、やはりそっちが先じゃないか、少なくとも同時並行でやってもらえる、不安を打ち消すようなそういう具体的な策があって、初めて介護休業というものに我々国民も納得していくんだというふうな意見が大変多かったということを申し上げておきます。 それから次に、新進党案のいろいろな答弁などを聞かせていただいて、ちょっと説得力にいま一つ欠けるなという部分は、先ほど来から車の両輪論が出ていますね。公的な社会サービスの問題、そうした問題で、提案理由説明の中にも「現在なお公的介護体制が十分とは言えない状況のもとで、介護を要する家族を抱える勤労者にとって介護休業の権利の速やかな確立は緊急の要請であります。」ということなのですが、それと同時に「介護休業は、自助・共助・公助の重層的な介護システムを構築するための、介護の方法について国民の選択肢を多様化するという観点からも、制度化する意義があると考えます。」と述べております。 確かに選択肢を与えるという役割はここで担わされていると思うのですけれども、私が心配しているのは、公的な介護の仕組みづくりをこれから本格的に議論してつくり上げていくというときに、新進党さんの案というのは先行し過ぎてしまうのじゃないか。公的な介護制度の自由な議論をそれが著しく制約とまではいかないにしても、やはりある種の制約のようなものになってしまうのじゃないか。選択肢というものを我々はこれからつくっていかなければいけない。そうした選択をフリーにさせていくために、車の両輪ということであるならば、もう少し自動車の右と左の車輪がやはり同時に動かなければ意味を持たないわけでありますけれども、そうした考え方についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○北橋議員 御質問の通告が十二分にされておりませんでしたので、私ども十分協議をして統一見解というわけではございませんが、お許しをいただきたいと思います。 この公的介護サービスの問題につきましては、先生も一年前は細川政権のもとで私どもと一緒に作業をしてまいりました。そして、これから二十一世紀に向けまして中長期的な福祉のあり方、それを国民がどのように負担していくかという問題については、細川政権にとりましても最も重要な課題の一つと位置づけまして、先生を初め岩田先生たちと一緒になって議論をしてきたわけであります。 その中で、私どもは、ゴールドプランを改定する必要がある、そして地方自治体の皆様方に、一体どれだけのサービス水準があればいいのか全部出してほしいということで、膨大な作業を政府の方からお願いをして自治体が全部積み上げたわけです。そうしますと、私どもは、消費税を幾らにするかという議論がありましたけれども、六%か七%ぐらい財源が必要がなと議論をしておるときに政権が終わってしまいました。その後、政権がかわりまして、消費税が五%、そして新ゴールドプランも出てまいりました。 私どもが一番懸念しておりますのは、その税率がどうのこうのではなくて、あのとき地方自治体の皆さんにとりまして、我が町、我が村におきましてはこれだけの介護者が要るんだ、これだけの人とホームヘルパーが必要だと全部積み上げた数字の根拠からいたしますと、半分ぐらいに減ったのではないか、このように思っております。 そういった意味におきましては、私ども今現在野党の立場にはございますけれども、先生の御指摘の点は極めて重要な超党派的な問題だと思っておりますので、我々も最善を尽くしてまいりますけれども、どうぞ与党におかれましても御一緒に議論を深めさせていただきたい、こう思っております。
○佐藤(謙)委員 どうもありがとうございました。 先ほど来、バランスのとれたものという言葉が何度も使われる。バランスというのは、二つ以上のものが明示されて初めてバランスという議論が成り立つんですけれども、全く一方が明らかにされてなくて、それでバランス、バランスとか車の両輪と言われても、なかなかこれは国民には理解しづらいんじゃないかというような、そんな思いがしております。 最後に、私は、今度我々の政府案、我田引水ではありませんけれども、育児休業法の一部改正という形で我々は出させていただいたわけでありますけれども、育児休業と介護休業の双方を対象にして、特に支援システムというんですか、支援の仕組みというのは一緒にしていくことの方がいいんじゃないか。それがこういうふうに介護休業法だけということになりますと、育児休業との間にアンバランスが生じてくるんじゃないかなということを私は懸念しております。 例えば、具体的に政府案では、この後、勤労者の家庭支援施設の設置、これは「働く婦人の家」というようなものはまさに介護問題にも転用されていくという仕組みがあるわけですし、そのほかにも支援の仕組みは、育児・介護費用助成金ですとか、それから両立支援セミナーについても、地域密着型の支援施設についても、再就職希望登録者の支援事業等々についても、やはり雇用の継続という点でいけば、育児と介護というものはそれぞれ別の思想から生まれてきたものであったにしても、労働者にとっては同じような悩みというものを抱えるわけでありますから、こうした支援の仕組みというものを、より政府案の方がきっちりとそうしたことに配慮しているような思いがありますが、そうした支援の仕組みについて育児と介護が切り離されていくわけですね、この介護休業法ですと。その辺についてはどういう手だてをお考えですか。
○桝屋議員 新進党案では育児休業と介護休業を別建てにいたしておりまして、そのアンバランスの御指摘でございますが、介護休業を独立した法律とするということにつきましては、先ほども申し上げていますように、育児と介護の対象分野や性質の相違に基づく判断でございます。また、そのことによって国民にもこの制度内容が明確になるというふうに考えておるところでございます。 御指摘をされましたような諸点、例えば「働く婦人の家」の機能の問題でありますとか、制度、法律を別にしたためのいろいろなアンバランスの問題につきましては、本法案が成立すると同時に、育児休業法の改正案を作成、提出し、介護休業法案と同水準の措置を行うこととしているところでございます。いずれにいたしましても、法律は別物でも、しっかり連携ということで私は対応が可能であるというように考えております。
○佐藤(謙)委員 これで質問は終わりますけれども、統計を見ますと、例えば女性の非労働力人口二千六百六十四万人のうちに七百八十七万人が就職を希望されている。我々は、こういう方々に対しての啓発というものも大事でしょうし、あるいはみとられる側の人たちの意思というものが本当にこの法律論争の中でどこまで語られているのかというと、私も含めて実はそうした議論というのが希薄なんじゃないかなという思いも今しております。 例えば、道路行政に例えて言いますと、道路を管理するあるいは道路をつくる人たちと運転をするドライバーだけで議論をしていっては、私は、これは誤った議論になってしまう。その道路が通られる、通される側の、そういう人たちの考え方というものも、この法律の中に色濃く我々は反映させていかなければいけない。 そうしたときに、まだ十分にそうした人たち、つまり国民一般の言ってみれば無党派層というくくり方で最近よく言われる人たち、つまり当事者じゃない人たち——当事者の認知度というのは恐らくかなり高いと思います。当事者でない人たちの認知度を高めてから我々はこの法律にもっと大きくアクセルを踏み込む必要が出てくるんじゃないかと思います。そのときに公的な社会の介護サービス体制というものがきっちりとでき上がっておれば、私は、この介護休業というものは実に見事な権利として国民生活の中に定着するんじゃないかということを一言申し添えて、質問を終わらせていただきます。
○笹山委員長 寺前厳君。
○寺前委員 簡潔に聞きたいと思います。 四点ほど聞きたいんですが、まず第一点。介護休業の制度そのものについて、朝からの論議を聞いていますと、どうも認識にいろいろの違いがあるように発言がありましたけれども、私は、政府案も新進党案も共通している土台があると思う。それは、ILO百五十六号に基づいて労働者の権利として休業を保障しよう、この点においては私は一致していると思う。問題は、執行時期はいつからやるかとか、あるいは対象をどうするかとか、期間をどうするとか、そういう点における問題点はいろいろ違いがある、私はこういう認識で話を聞いております。これが一つです。あえて答弁は要りません。 それから第二点に、朝から、長勢さんでしたか、質問を聞いておりましたら、随分新進党案に対して詰めておられるところがありました。それは、要介護状態についてというところをめぐってやっておられました。それは国家公務員の規定と同じようにせいという、そこの話だと思う。すなわち、今かけられているところの案では常時介護状態というふうになっているけれども、新進党案ではそこが日常生活を営むに支障がある状態、もう少しゆとりがあるんだという提起であると思うのです。そこで詰めておられる話を聞いておったら、権利を保障するのにあいまいな状態であるのはいわば無責任であると言わんばかりの提起を自民党さんはおやりになっておった。私はそうじゃないと思う。むしろ新進党案の態度の方が正しいと私は確信を持っています。 それは、大臣の所信表明にこういうことが書いてある。二十一世紀に向けて我が国の社会経済の活力を維持し発展させるために、次の事項に重点を置くとわざわざ括弧事項で書いてある。そこを見ると、「安心、ゆとり、活力に満ちた社会の実現」だ。「安心、ゆとり、活力」を目指して二十一世紀に行くんだというならば、ゆとりのある家庭生活というのは当然のことだ。しかも、今度の政府案の提案内容を見てもこう書いてあります。「介護休業制度は、労働者が介護のために雇用を中断することなく家族の一員としての役割を円滑に果たすことのできる制度」だ。円滑に制度を生かしていこうというんだったら、余裕を持った、ゆとりのある生活を保障してあげなければいけない。私は、権利から出発するならば、この政府案の書かれている内容というのは、重要な要介護状態の規定としては問題だというふうに認識をしています。これは別に答弁要りません。 三つ目に、そこから考える問題として、したがって権利を取得しようという労働者に対する保障、それは一定の休業保障というものを確立してあげにゃいかぬ。別途法律で検討したいと先ほどからの答弁がありました。別途の検討の中身はきょうはさておきたいと思う。 それから、もう一つ考えなければならないのは、中小企業の皆さんに、この事態に呼応するように速やかにしていくというためには、特別な国家的な助成が要るという位置づけをしておられると思うのです。私もこれは賛成です。そうすると、その国家的助成の場合に、介護のために労働者が抜ける、抜けた後を保障する労働者の問題に対して中小企業に面倒を見てやる。それは私は、働く人に対する一定の賃金保障という問題を考えにゃいかぬのじゃないか。本人に対するところの保障問題と、それから後埋めするところの人の問題とを考えてあげなかったらそこは進まないのじゃないか。だから、そこの保障問題というのを私は考えることが必要じゃないかと思う。そこがもう一つ法案の中で不明確に感じますので、そこはどういうことをお考えになっているのか、そこを御答弁いただきたい、これが一つです。
○北橋議員 先生の御指摘のように、極めて重要なポイントであると思っております。 そこで、休業される方の所得保障の水準についてでございますが、ことし四月より実施されます育児休業の給付金の、休業開始時賃金の二五%という水準を踏まえつつ、老親等の介護を必要とする世代が同時に子供の教育費負担等も負っている場合が多いことを考慮いたしまして決定する必要があると考えております。また、その財源につきましては、育児休業給付と同様、雇用保険特別会計から支出することを考えております。 さらに、代替要員の確保につきましてお尋ねがございましたけれども、基本的には私ども職業安定所の皆さん方に頑張っていただきたいという思いがございますが、これまでるる申し上げてまいりましたように、事業主への給付金の支給、募集業務を行う中小企業団体への助成金の支給などによりまして代替要員確保を行う、そのための体制整備についてこの法律の中に規定しているところでございます。そして、職安、職業安定所を活用するなどの施策を推進してまいりまして、代替要員の確保に万全を期したいと考えております。
○寺前委員 賃金保障の問題は今別におこう、こう言って代替要員の問題だけを聞いたわけです。 二番目に、対象の家族の問題、どこを対象にするのか。提案者の松岡さんは、さっき聞いておりましたら、お名前はおじさんにつけてもらったと。ということになりますと、これはなかなか意味がある話で、今もう亡くなっておられるから直接おじさんの面倒を見られるということはないです。ないけれども、もしも生きておられたときにおじさんの問題ということになったら、同居しておられなくたって、これは名前をつけてくれるまでの関係だから、さぞかし面倒を見にゃいかぬなという話になると思う。そうすると、おじさんといったら三親等ですか、その場合に松岡さんは三親等のおじさんは面倒を見るんだろうか見ないんだろうかと私はちょっと考えておったのです。それは余談な話です。 そこで、提案を見ておりますと、新進党案では、「配偶者、子、父母若しくは配偶者の父母又はその他の同居の親族」となっておる。そうすると、おじさんはこれはどういう扱いになるのかなというと、ここをずっと全体を見ると、「同居の親族」じゃないということになると、世間では、同居をしなくてもその場合に面倒を見に行かなければならないという問題が出てくるんじゃないだろうか。私は、そうすると、同居していない祖父母、孫、兄弟姉妹は対象から外れるというようなことにしてはまずいんじゃないだろうかという感じをするのですが、いかがなものでしょうか。
○大野(由)議員 委員の御指摘はもっともであろうかと思いますが、しかし、やはり事業主の負担が過重になるという、過重になり過ぎますと、この法案が実現性が乏しいものになって現実離れになってしまう、そういうことにもかんがみまして、新進党案では、直系の血族もしくは姻族三親等まで「その他の同居の親族」というふうになっておりまして、先ほど例に挙げられましたおじさんでございますが、そのおじさんがどうしても介護をする人がいないというおじさんであって、例えばひとり暮らしであったりして倒れられたという場合は、施設なりなんなりに入られる前、やはりほっておくわけにいかないわけですから、その場合はほかに面倒を見る人がいなければ同居をするという形になろうかと思います。そういう意味では、私たちの案では、当初は別々に暮らしていても申請の段階で同居をして介護していれば条件を満たすということでございますので、その点は御理解いただきたいと思います。
○寺前委員 まあおじいさんの問題は面倒は見んならぬ、二親等は私は見んならぬやろうなというのが社会常識であろうと思うのです。一親等だけじゃないと思う、それは同居があろうとなかろうと。おじさんの段階は、今おっしゃったようなこともあろうから。それでもおじさんまで気はつけんならぬなと、しかも夫婦のことですから両方の親御さんの問題がありますから、考えてみたら、そこの範疇は考えんならぬやないかな、私はそんな感じをしましたので、率直に申し上げたわけです。 それでは、次に行きます。 今度は、介護休業の期間について、政府案では、連続する三カ月、家族一人につき一回では、これは私は現実的にもちょっと現実離れになるんじゃないだろうかという感じをします。そこで新進党案を見ると、連続する一年の期間、一つの継続する状態ごとに一回というふうに書かれています。これは政府案とは僕はやはり違うというふうに思います。 そこで、私は聞きたいのは、一つは一年の限度問題。これはもうきのうも質問しましたけれども、労働省の資料を見ておっても、実践しているところを見ると圧倒的に一年という問題になっているのは、これはもう経験の到達点です。実質的におやりになった到達点だから、それは権利として保障するのは当然じゃないかということで、私は賛成です。 それから二番目に、この皆さんの提起された案は、対象者ごとに、また疾病ことに介護休業はとれるのだというふうに私は読むのですが、その読み方は間違っていますか、そのとおりですか。
○桝屋議員 回数の問題でございますが、今、疾病ごと、こう御指摘がありましたけれども、私ども新進党案では一つの継続する要介護状態ごとに一回ということでございまして、先ほども話が出ましたけれども、原因疾患が別であるからどうぞということではございませんで、あくまでも要介護状態に着目をした判断であるということでございます。(寺前委員「ということは、疾病が変わればいいわけ」と呼ぶ)いえ、ですから、その要介護の状態が継続をしていることに一回ですから、したがって、同じ疾患であっても、原疾病に限らず、その要介護状態が一度は寛解をするという状況になれば、また改めて要介護の状態、このように判断をする、また改めてとれる、こういうことでございます。
○寺前委員 それから、一年という期間をせっかく設けられたのだったら、断続的にやっていく方が現実的なのではないだろうか。何で一回に絞らんならぬのだろうか。一年のあり方というのは家族の間でもいろいろあろうかな、私はそういうふうに感ずるのですが、なぜそこを断続的にとらさないようにしているのだろう。御説明いただきたい。
○桝屋議員 断続的にというお話でございますが、当然ながら、期間が長くてそして回数を断続的にもとれるという選択の可能性が広いほど制度としてはいいわけでございますが、しかしながら、やはりこうした介護休業制度は、午前中から申し上げておりますように、私どもも労働者の介護ニーズ、それからやはり使用者側の雇用管理上の負担、こうしたことの調和ということが制度を定着させるためには必要であると思うわけでございまして、無制限な拡大というのはやはり事業主に過重な負担を強いるのではないか、このように判断をするところでございます。一人につき一回よりは緩和をしておるということで、断続する介護休業ということは、やはり事業主の負担を考えますと、私どもの新進党案がぎりぎりの線ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○寺前委員 政府の話でも、三カ月の範晴で労使の間で話がついたら時間的にとってもよろしいよという解釈をしようということを、きのう説明がありました。私は、実態的にはそうだと思う。とすると、そんなことにこだわらずに断続的にやった方が、私は、かえってスムーズに執行できるんじゃないだろうかというような感じをしますので、あえて聞いてみたわけです。 最後になります。 新進党案では、不利益な取り扱いの禁止について、解雇その他の不利益取り扱いをしてはならないと規定されています。解雇に限らず、不利益取り扱いを禁止することは、これは私は賛成です。問題は、労基法のときでもそうだけれども、男女平等を侵すような場合には許されないよということで罰則規定をつくっている。 皆さんおっしゃるように、これほど国際的にも認知されたのが十二年前、まして、これから先四年もかけてこれを社会に徹底させようなどというようなのんびりしたことをやっていてはならないんだ、早急にやりたい、この姿勢は非常に大事な姿勢やと私は思う。労働省自身が平成二年からシンポジウムをやってやり出したというような、一体、世界であれだけ論議をしたときに何をしていたのかと私は本当に憤りにたえないのです。その点では、新進党案が一年先にはやるんだ、私はこれは賛成です。 だけれども、それほどの大事な権利問題について、何で罰則を提起されないのだろうか。罰則を提起する以上は、そのかわり中小企業の皆さんにやりやすいように保障するという国家的責任も同時に持たなけりゃならない。僕は、相関連する問題だというふうに思うだけに、罰則問題どこの対策問題とはもう不可分の問題として、何で罰則を提起されないのかお聞きしたいと思うのです。
○桝屋議員 不利益取り扱い禁止の罰則の問題でございます。御指摘ございましたように、新進党案では、介護休業、介護時短を取得したことによります不利益取り扱いの禁止を規定しておりまして、政府案における解雇のみに限定せず、広く取得労働者の保護を図ることとしております。 御指摘の罰則規定でございますが、やはり労働政策上の問題もございまして、今までの経緯等もございまして、さらには罪刑法定主義における構成要件、これをいかに整理するか、大変難しい問題もあろうかと思います。さらに、制度導入時であるということからいたしますと、刑罰により担保することは適当ではないと考えたからでございます。 今御指摘がありましたように、中小企業等につきましては、やはり積極的なインセンティブを図るという方向で事業を進めていきたい、このように考えている次第でございます。
○寺前委員 時間が来ましたのでやめます。
○笹山委員長 次回は、来る五月十一日木曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十六分散会