労働委員会 第5号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1995/02/22
会議録
○笹山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は、去る十七日に終局いたしております。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。寺前巖君。
○寺前委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本法律案が労働者保護とは相反する出向、配転、就職あっせんを、雇用対策に名をかりて労働力流動化のための手段として法律で認知するものだからであります。もともと、出向や配転などは労働条件の大きな変更を伴うものであり、労働者保護の観点からむやみに行ってはならないものであります。それを今回法律で認知することになれば、これまで確立されてきた出向、配転などに関する労働者の権利を大幅に制限することになりかねないのであります。 反対理由の第二は、働く人々が不安を持っている大企業のリストラを支援するものだからであります。本法律案で特定雇用調整業種として指定が予定されているのは、家電やVTR、テレビ製造業などで、既にこうした業種の大企業は大量の出向、再就職あっせん、配転を雇用調整のための主要な手段として活用しているのであります。ところが、大企業にとってリストラの中心施策である出向は、短期間に大量に行う場合、退職金などが莫大となるなど、行き詰まりを見せているとの実情もあります。本法案はこれを打開するためのものであり、下請中小企業にとっては一定の補助金によって、また大量の出向者を大企業から押しつけられることになりかねないのであります。 第三に、政府は財界の進めようとしている規制緩和を雇用の面から保障するものである点も指摘せざるを得ません。財界、大企業は、規制緩和を断行することは当然のことながら痛みを伴うと、大量の失業の発生を当然のこととしております。本法律案は、その受け皿づくりになることを指摘して、反対討論を終わります。
○笹山委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○笹山委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○笹山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○笹山委員長 次に、内閣提出、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桝屋敬悟君。
○桝屋委員 おはようございます。新進党の桝屋敬悟でございます。 労働者災害補償保険法一部改正の内容につきまして、質疑をさせていただきます。 今回、この労災法の一部改正によりまして介護補償給付が創設されるということでございまして、数年前から団体等から強い要望があったものでございまして、介護補償給付の法制化に対する労働省のお取り組みに対しては高く評価したい、このように私ども考えております。ただ、何点か議論をしたいあるいは御指摘を申し上げたい点がございますので、以下、申し上げたいと思います。 最初に、これは当然ながら、今までも労働福祉事業として介護料の支給ということは取り扱いがなされていたわけでございますが、以前から実は議論がございました。私も、特に脊損の方々からいろいろなお話を伺っております。特に労災保険制度が、基本的にはやはり労働災害によって失われたいわゆる稼得能力、これを補てんするんだ、こういう趣旨で、そうしたことを目的として運営されているということは理解はしておるわけでございますが、特に重度の被災労働者の皆さんにとりましては、特に介護という観点になりますと、職場を離れた家庭内におけるいわゆる日常生活能力の喪失、これをどう補てんするかということ、実はこれもあるだろうと思うんですが、そうした点がなかなか法の中で位置づけられていなかったということで、特に立法化あたりを求める声が強かったわけでございます。私は、本日は、重度被災労働者の生活実態から見て、現行の介護料あるいはこれから改正をされます介護補償給付、このあり方について、何点がお話を申し上げたいと思うのであります。 まず最初に、現在行われておりますいわゆる労働福祉事業としての介護料、これを私もずっと見させていただきましたが、被災労働者の生活実態から見てどうなっているのかということが私自身の悩みとしてもございます。現在の介護料の支給実態、これは一般的に家族介護料であるとか他人介護料であるとかという言葉が使われているやに聞いておりますが、この給付水準、それからどういう考え方でこの水準が設定されているのか、その辺を最初にお尋ねをしたいと思います。
○播説明員 御説明申し上げます。 初めに、労働福祉事業の介護料でございますが、御家族あるいはそれに準ずる身近な方の介護に着目いたしまして、毎月、一律定額五万六千円をお支払い申し上げでございます。それを超えまして、外部の家政婦さん等の介護につきましては、その介護に着目いたしまして、上限十万三千五十円、これは本年度の額でございますが、これを限度額にいたしまして、実際に支払われました付添看護料等につきましてお払い申し上げているということでございます。 実態ということで、平成五年度の支給状況はトータルで四千八百人の方に合計で約三十億円をお払いしておる、こういう状況でございます。
○桝屋委員 ありがとうございます。 いわゆる家族の方の介護の場合は、これは一律ということでしょうが五万六千円、それから、外からあるいは他人の方、家政婦さんとかそうした方々に介護をお願いする場合は、さらにそれに加えて上限を十万三千五十円、その実態が四千八百人程度、年間三十億、こういうことのようでございます。 この五万六千円という数字と十万三千円という数字、多分この差が他人介護ということなんでしょうが、まず他人介護よりも前に、家族介護といいますか一律に支給をされる五万六千円、障害等級一級の方で、しかも脊損、じん肺の方については、現在も常時介護を要する方は五万六千円ということのようでございますが、この給付水準というのは何か根拠があるのですか。
○播説明員 この五万六千円につきましては、算定の基礎は、平均的なパートタイマーの賃金の九十三時間分という額ではじき出してございます。これに相当する部分が、実際に御家族でございますので現金の支給はないけれども、御家族に介護のコストとして生じておるという考え方でお払いしてございます。
○桝屋委員 ありがとうございます。 パート九十三時間ということのようでございますが、これが五万六千円ですね。したがって、積算の根拠としてはいわゆる人件費だ、人件費換算をして積算をしておる、こういうことのようでございます。そこはわかりました。 そうしますと、今度は十万三千円と五万六千円の差、恐らく四万七、八千円でしょうか、これもやはりそうしますと今のバートさん何時間、こういうふうに考えられるのでしょうか。
○播説明員 外部のいわゆる家政婦さんなどにお払いする分を国の制度でどれだけ見るかといういわば上限額の問題は大変に難しい問題でございまして、私ども労災保険もやはり一面では社会保障の一つでございますので、この上限につきましては、社会保障制度の中で一番高い現在の水準でございます先生御案内のとおりの原爆法の水準にそろえさせていただいておる。そして、原爆法の考え方は、これもパートタイマーの賃金をもとにして積算されておるところでございまして、先生おっしゃるとおり、外部介護の人件費に着目してお払いしておる、その上限額は原爆法にそろえておる、こういうことでございます。
○桝屋委員 わかりました。 確かに、労災保険の制度、この介護料を含めて労働福祉事業、ある意味では社会保障全体の中では私の今までの経験からいきましても相当な水準にあるということは私も理解はいたしております。今の御説明でもありましたように、この介護料の認定、これが実は今から法の中に入ってくるわけでございますが、そういう意味で、より私は今の時点での議論が大事だと思うのです。 十万三千円ぐらいの上限ぎりぎりの支給を受ける方を一つ例に考えますと、労災事故に遭われた、そして重度の障害をお持ちになった。障害等級一級の障害をお持ちになり、なおかつ常時介護を要する、こういう状態になった方について、全国的には四千八百人ぐらいいらっしゃるという話をさっき伺ったわけですが、そうした方々で家族介護ではなくて他人の介護に頼らざるを得ない、こういう方々にとりまして、実際にこの金額で生活ができるか、実際に介護を確保することができるかということでございます。 当然ながら労働省サイドで、家政婦さん、家政婦紹介所というシステムもございます。この有料職業紹介の制度を活用しますと、協定料金があるのかないのかですが、私も現場でいろいろ昨日も伺ってみたのです。一日何時間の介護になるかわかりませんが、例えば一日七、八時間、実際に常時介護ということですから、それぐらいで考えますと、やはり実際に家政婦さんに来ていただくとなると月にどうしても二十万以上かかってしまうというような実態もあるわけでございまして、そうした方々が実は障害補償年金どこの介護料で、今後は介護補償給付という形になるわけですが、この合算をした額で果たして生活ができるかということになると、私は大変に心配をする部分もあるわけでございます。実際にそれはちょっと難しいという現場の声も伺っております。 そこでお尋ねなんですが、今の四千八百人の中で、実際に家族ではなくして外からマンパワーのサービスを受けなければいけない人がどのぐらいいらっしゃるのか、この実態の数字と、そして実際にお雇いになるとなれば、来ていただく方となれば家政婦さんになるのだろうと思うのですが、そういう家政婦さんに来ていただいて、実際に年金と介護料、今度は介護補償給付、それを一緒にして果たして生活ができるでしょうかという、この二点についてちょっとお伺いをしたいと思います。
○播説明員 現在労働福祉事業で支払っております介護料の他人介護部分の支給状況を御説明申し上げますと、四千八百人のうち九六%の方は家族介護、定額部分でございます。五万六千円が家族介護部分でございまして、残りの四%の方が他人介護の部分の支給を受けておられる。そして、先生お話しの上限の問題でございますが、四%のうちの約半分の方、全体の二%の方が上限額の介護料の給付を受けておられる。これが一方の実態でございます。 もう一点のお尋ねの、大体平均的に介護料を受けておられる方の月収がどういうイメージになるのかというお尋ねでございますが、平均的な一級の方は、年間約二百九十一万円、一カ月に直しますと約二十四万円を一級の障害補償年金として毎月受けられる。これに上限額約十万が乗っかるということで、トータルいたしますと障害年金受給者の一級の方は介護料と合わせて三十四万円で生活を立てていかれる、こういうことでございます。 先生お尋ねのとおり、一日当たり一万円近い介護料、外部の方を頼まれたときにどうなのかということでございますが、最初に申し上げました上限まで使っておられる方が二%であるということで、一つの見方ではございますが、今、重度被災者を抱えられた家族の方は家族介護で介護をしておられるのが実態でございます。しかし、家族の介護力が限界に来ておる、そういう認識も私ども当然持っておるというところでございます。
○桝屋委員 相当実態が明らかになったわけであります。 確かに今課長おっしゃったように、相当給付水準はいい。さらにマックス、上限まで支給を受けている人は、全体の数はそんなにないのだ。我が国はまだまだ同居率が高い、したがって家族のマンパワーが有効に活用されている、こういう実態だろうと思うのです。しかし、数の問題ではなくして、労災補償という観点から、介護が必要になったときも本当に安心ができる、そういう保障が必要ではないかと私は思います。そういう意味で、労災保険の給付水準というものが社会保障全体のレベルも引き上げているわけでございまして、この役割も実はあるのだろうと私は思うのです。いずれにしても、先ほどから話が出ておりますように、この介護料の給付水準のレベルというものは、基本的には人件費といいますか、恐らくマンパワーを確保するためのものだろう、それが積算だということでございます。 せっかく法制度に入る、法の中に入る介護補償給付でございますので、この給付水準についても、数が少ないからいいのだろうということではなくして、やはり本当に一番厳しい方々、私はよく聞くのですが、労災事故に遭われた脊損の方で、とうとう奥様とお別れになった、こういう本当に切なる声もございます。単身で生活せざるを得ない。家の周りも家の中も、住宅も当然改造しなければいけない。そしてさらに、不幸にして常時介護も必要だ。他人の介護、介助を受けなければならない。こういう方については、先ほど、合わせて三十四万ぐらいあるから何とかなるだろう、こうおっしゃるわけですが、実は三十四万のうち二十五、六万、あるいは多い人は三十万くらい介護料で持っていかれる。例は少ないと思いますよ。例は少ないが、そういう方もいらっしゃる。そうした方々の生活実態も十分勘案していただいて、今後給付水準の引き上げ等も御検討いただきたいと思うわけでございます。 私は、労働委員会に来まして随分この労災保険の給付水準は勉強いたしましたが、今御説明があったように、地域のパートの人件費九十三時間分だ、こんな積算根拠になかなか行き当たらなかったわけであります。やはり法になる以上、法で介護補償給付をやる以上、給付水準はこういう考え方でつくるんだ、これは考え方はこうですよというものを明確に打ち出していただきたい、それが今後社会保障給付全体の中で大きな論議を呼んでくるのだろう、私はこのように思うわけでございます。この点はぜひお願い申し上げておきたいと思います。 続きまして、要介護の状態をどのように認定するのかということでございます。 現行の障害等級表の中で、介護というファクター、介護というものが等級表の中にどのように入っているのか、この点を最初にお聞きしたいと思います。
○廣見政府委員 お答えいたします。 現行の障害等級表におきましては、脊髄損傷者等の神経・精神障害、それとじん肺等の胸腹部臓器障害につきましては、常時介護を要する者が一級というふうになっております。また、随時の介護を要する者、これが二級ということにされております。このような形で介護の必要度、すなわち常時か随時かということによりまして障害等級の要件にかかわっているという形になっております。 しかしながら、そのほかの障害につきましては、介護を要するか否かということは要件とはなっておらないということでございます。
○桝屋委員 現行の障害等級表、これは労災法の規則別表というふうに私は理解しておりますが、この中で常時介護、随時介護という表現が出てくるということでございます。脊損とじん肺に限るのだろうと思うのですが、常時介護と随時介護の違いといいますか、イメージが私はよくわからないのですが、認定上の具体的な、実務的なお話をもう少しお聞かせいただけますか。
○廣見政府委員 今、一級で常時介護、あるいは二級で随時介護と申し上げたところでございます。 基本的な考え方あるいはイメージでございますが、常時介護を要するということにつきましては、通常それぞれの人が生活するに当たりましての生理的な基本的な動作、ちょっと言葉がかとうございますが、例えば食事をする、用便をする、入浴する、衣服を着る等々の生理的な基本動作、これに常に他人の手助けを要するかどうか、常にそういったような生理的基本動作に他人の手助けを要する者を常時介護を要する者、このように考えております。また、随時ということに。なりますと、今申し上げましたような生理的基本動作に他人の手助けを要するのが随時である、こういうことで考えております。 したがいまして、より具体的に申し上げれば、常時ということになりますと、日常生活の範囲が病床に限定されている、ずっと寝ておられる、こういうようなことが通常でございますでしょう。また、随時ということになりますと、日常生活の範囲が主として病床にあるということでございますが、食事であるとか用便であるとか自宅内の歩行などの短時間の離床が可能であるか、あるいはそうやって動かれても差し支えない、こんなような場合が多かろうと考えております。そのような考え方に従って認定しておるところでございます。
○桝屋委員 私が今常時介護、随時介護の違いをなぜあえてお尋ねするかといいますと、今回の改正によりまして、新たに障害等級表一級及び二級、これは脊損、じん肺に限るのでしょうが、そうした障害に該当する方々は、常時介護と認定されるかあるいは随時介護と認定されるか、これで介護補償給付の内容が倍半分になるわけでございまして、まさに受益にかかわる非常に関心の強い問題でございます。 実は、社会保険等の認定事務に当たりましては、一番トラブルが起きるのはやはりこの違いといいますか、私は常時介護じゃないか、これだけ苦労しているんだという思いと、客観的に認定されるとどうしても随時介護だ、こういうことになるわけです。やはり受ける方の立場からしますと、そこは非常にわかりやすい方が制度としては徹底されるのだろう、誤解も招くことはないし、トラブルもないというふうに私は思うわけです。 そういう意味では、今の局長さんの御説明はこういうふうに理解してよろしいですか。常時介護というのは、主たる生活は病床だ。横文字でいけば、アメリカなどではまさにベッドバウンドというような言葉を使っておりますが、そうした状態であれば常時介護、こういうふうに考えていいのか。それ以外に、ベッドから離れて日中のうちの一部くらいは何とか車いすには座れる、あるいは部屋の中は自分でいざってでも移動できる、こういう方は随時介護なのか。チェアバウンドあるいはハウスバウンド、そういうレベルは随時介護というふうに考えてよろしいのでしょうか。
○廣見政府委員 じん肺や脊損等、そういったような方々の状態につきましては、今先生お話しのような形で基本的に私ども考えておるところでございます。
○桝屋委員 それで、今後これは法の中に入ってくるわけでございますが、どうなのでしょうか、具体的な認定事務は、一般的に年金あたりは、国民年金あたりは、診断をする先生、いわゆる主治医さんの診断と診断書に基づいて認定をされる。認定する方も、場合によっては認定医がいらっしゃってかなり厳格な審査をされる、こういう実態もあるのですが、今後この法の中に入ってきた場合の認定事務というのは、具体的にはどのようになるのでございましょうか。
○廣見政府委員 私ども、これから介護補償給付の申請等につきましては、一方では、申請される方の事務的な御負担というものを余り多くかけないという配慮も必要であろうと思いますし、また一方では、今先生お尋ねのような形で、きっちりとした認定を行っていくということも必要である、このように思っております。 そのような考え方から、給付の申請につきましては、必要があれば医師等のその状態についての判断、これを出していただくということもあるわけでございますが、私ども、認定する側の方から申し上げますと、今先生もお話しのような形で、認定の基準、それぞれの監督署で認定することに差があってはいけないということが基本でございますので、これはきっちりとやっていく必要があるだろうというふうに考えております。 具体的には、今までも介護料につきまして判断、こういうこともございます。今までのノウハウあるいはその取り扱い、こういうことを参考にしながら、これから我々、この法律が成立したときには、施行までの間に通達等できっちりとした運用基準をつくっていきたい、このように考えておるところでございます。
○桝屋委員 わかりました。恐らくそうした御努力が必要だろうというふうに私は思います。 今の話でもう一点確認なんですが、どうなんでしょうか、ドクターの診断書が恐らく必要になるのではないかと私は思うのですが、そういう理解でいいのか。そして、その場合よく問題になるのは、ドクターの診断書料が、小さい話を申し上げますが、これは安くないのですよ、結構。地域によっては随分、診断書だけで一万円取られたり、こんなこともございまして、その辺の対応は、これは労災保険で適用になるのかということ。 さらには、もう一点。実際に、今の介護料の認定されている方から見ると、新しい制度になると対象者はどのぐらいになるのか、どのように見込まれているのか、あわせてお聞きしたいと思います。
○廣見政府委員 今の先生のお尋ね、申請する側の問題ということが中心であろうかと思いますが、やはり先ほど申し上げましたようなことで、介護の必要度の認定につきましては、一定のきちっとした判断をする必要があるということから、給付の請求書に医師、場合によっては歯科医師ということもあるかもしれませんが、その診断書を添付していただくということを手続の基本というふうに考えております。診断書の中に、障害の状態であるとか、あるいは日常生活動作能力、そういうものにつきましての医師の判断、これを書いていただく、こういうふうにしていく必要があるだろう、このように考えております。 それから、新しいこういう給付ということでやっていった場合、どの程度の申請を考えているのかということでございますが、現在の介護料、先ほど課長から約四千八百人というふうに申し上げましたが、対象範囲が広がるということもございますので、これに五千人程度さらにふえるであろう、プラス五千というふうに私ども予想しておるところでございます。
○桝屋委員 済みません、小さい話で一点漏れたのですが、診断書を添付をする場合は、診断書料、ほかの診断書を利用できればいいのですが、恐らく介護という観点になると特に診断書が必要だろうと思うのですが、診断書料の扱いはどのように、これから検討ですか。
○播説明員 客観性を担保するという点で診断書はぜひ必要でございますが、先生おっしゃられたような問題もございまして、しかも一方で、人数が倍になるということでございまして、実際に監督署の窓口でその請求をお受けするそのときまでに、できるだけ、一方では客観的でないといけませんが、申請される方の立場に立った手続になるようなお勉強してまいりたいと考えでございます。
○桝屋委員 なかなかお答えがありませんが、診断書料、小さい話ですが、ぜひ検討の一つに加えていただきたい。これは、やはり地域医師会あたりの協力、理解が相当必要なものですから、全国的にもそんたに数がありませんから、労災病院あたりの取り扱いをぜひお願いをしたいと思います。 それから、私、盛んにさっきから言っておりますのは、労働省、労働行政にとって、今年度はある意味では介護元年といいますか、一気に介護という問題をお取り組みいただくわけでございまして、そういう意味では大変高く評価をしておりますし、この前の、最初の大臣とのやりとりの中でも、やはり労働行政、厚生行政一体となってというお願いもしたわけでございます。 ある意味では、今回のこの介護補償給付、介護という観点に着目をして、現在まで常時介護、随時介護という、私に言わせれば極めてアバウトな認定があったわけですが、これから法に入る。そうしますと、さっき言いましたように、給付水準をどうするのかという問題と、それから認定をどうするのか。 それはもう常時介護、随時介護、そんなに違いはないだろう、こう言われますが、受益は倍半分遣うんだ、大変に関心がある。数は少ないが、当事者にとっては大変大きな問題になるわけでございまして、さらに私は、社会保障制度全体の中における労災の先導的な役割といいますか、前からそのように思っておりますので、どうか、現在あります施行規則の中の別表、決別表、障害等級、これに加えて、介護の観点をも加味した認定基準といいますか、そうしたものはやはり受益者の立場から見ても、あるいは法を施行する立場から見ても必要ではないかということで、より客観的な認定事務を行っていただくためにも今後のお取り組みをお願いしたい。これは大臣、ぜひお願い申し上げたいと思うのですが、一言お願いいたします。
○浜本国務大臣 委員御指摘のように、これは非常に大切な問題でございますので、介護給付の対象となります常時または随時介護を要する者の要件につきましては、具体的な基準を定めて労働省としては運用することにいたしております。これに基づきまして被災労働者の要介護の状態に応じて適正な認定を行っていかなければならないと思っております。 それから、水準の問題についてもお話がございましたが、これは、先ほどから事務当局でお答えをしておりまするように、介護給付の給付水準は、現時点では、原爆法の制度の介護手当との均衡やこれまで労働福祉事業として支給してきた介護料の実績等を踏まえ、在宅で介護を受ける重度被災労働者の実態を最大限に配慮した内容となっておるわけでございます。 今後とも、介護補償給付施行後の支給実績や他の社会補償制度の動向等を見守りだから、給付水準については適正に検討してまいりたいと考えております。
○桝屋委員 ぜひよろしくお願いをいたします。数が少ないということで御判断いただかないで、逆に言いますと、数が少ないということは予算に余り影響しないということでございますので、ぜひお願いをしたい。 こうした認定基準が明確になってくると、恐らく、労働省さんとしては頭の痛い話でしょうが、現在の障害等級表の世界から、場合によっては、休業補償を受けている方だって介護というファクターはあるわけですから、休業補償中の方も介護補償給付をしなければいけないケースもあるのではないかという気がいたしております。そういう意味だということを私は御指摘申し上げておきたいと思います。 それから、労働福祉事業の整備拡充、これも今回大分お取り組みをいただくようでございまして、この改正は大きく評価をするものでございますが、一点だけ確認をさせてください。 介護機器のレンタルが新たに加わる。私は、介護機器というのは極めてこれから大事だろうというふうに思います。ともすると我が国は、これほどの日本の科学技術がありながら、どうも介護機器が介護をサポートする上でまだまだ十分に使われていないというふうに思うわけでございまして、そういう意味では、このレンタルの制度をぜひ積極的にお取り組みをいただきたいと思うのですが、一点だけ確認ですが、既存の義肢装具の中でこれに近いものがあるように、例えばキャッチベットあたりの話は聞いておりますが、これは今までどおり支給品目として残るというふうに理解をしてよろしいですか。
○堺谷説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおりでございまして、従来どおり支給を続けてまいりたいと考えております。
○桝屋委員 お願いをいたします。 それからもう一点、労災ケアプラザの運営実態でございますが、時間もありませんので、私の方の話に即入りたいと思うのですが、今回労災ケアプラザを、いろいろいただいた資料の中で見ますと、新たにやはり相当、「労災保険制度において実施する重度被災労働者に対する介護サービスの体系」ということでスキームをいただきました。 大変に重要なシステムだろうということでぜひお取り組みをいただきたいのですが、この介護サービスの体系を見れば見るほどどうしても私は理解できないのがこの労災ケアプラザ、全国に何カ所かあるようでございますが、この入所基準が高齢者に限られているということを伺っております。原則六十歳というふうに伺っておりまして、この介護サービスの体系表を見ますと、労災のいわゆる高齢者だけを対象とするような体系ではないんじゃないか、いわゆる重度被災労働者全般が対象になっているのではないかというふうに私は思うのですが、そういう意味では、このケアプラザ、今までは年齢制限をされていたようでございますが、これは今後とも続けていかれるのはいかがかな、場合によっては年齢制限は緩和してもいいのではないか、このように思うわけでございますが、この点をまずお伺いしたいと思います。
○廣見政府委員 労災ケアプラザの入居の問題でございますが、これは私ども、こういったような施設の拡充に基本的には今後とも努力していく必要がある、このように考えておりますが、現在のところ、運営が開始されておりますのは四施設でございます。そういうことで、総体としての入っていただく枠がまだそう多くないということもございまして、やはり、多くおられます重度被災者の中で常時介護を必要とするような方、この中でも特に優先度の高い方から入っていただかざるを得ないだろう、このように基本的には思っておるところでございます。 そういう意味で、確かに今先生御指摘のように、労災の被災者の方には年齢層の若い方もおられるわけでございますが、今申し上げましたようなことで、優先度というようなことから今までは六十歳以上の者を原則として先にお入りいただくという考え方からやっていたところでございます。 あとは、これから逐次また施設の整備も図ってまいりたいということで対応いたしておりますが、収容能力、数と緊急度と申しますか、優先度と申しますか、それとの関係だと思います。今しばらくはそういう形で続けざるを得ないのではないかと思いますが、今後の拡充の状況等とも勘案しながら、今後検討していきたい課題である、このように思っております。
○桝屋委員 優先度というお話がございました。どうしても私ちょっと理解できないのですが、どうなんですか、今労災ケアプラザ、全国で四カ所、利用率はどういう状況になっておりますか。私は、いっぱいではない、あいておるというふうに伺っておるのですが、その実態をお伺いしたいと思います。
○播説明員 御説明申し上げます。 四カ所ございまして、一番先にスタートいたしました千葉にございますケアプラザ四街道、そして二番手でございますケアプラザ瀬戸につきましては、ほぼいっぱいでございます。私の手元のことしの一月二十一日の数字でございますが、四街道で、キャパシティーは九十名でございますが八十九名、そして瀬戸につきましては七十一名という状況でございます。それで、三番手の熊本の宇土につきましては四十名、定員は九十名でございます。そして、昨年の夏にスタートしたばかりでございます岩見沢につきましては三十三名という、そういう状況になってございます。ということで、半分ないしスタート直後のものは三分の一強ということでございます。
○桝屋委員 要するに、現在の労災ケアプラザが六十歳以上を対象にするとなると、まさに地域の特別養護老人ホームと同じようなレベルになるわけでございまして、地域の特養なんというのは、つくりましたら三月ですぐいっぱいになっちゃうのです。どんどんつくっておりますが、すぐいっぱいになってもう待機者があふれるという、これが実態です。 私は、高齢者を対象とするんだったら、これはもっとすぐいっぱいになるんじゃないか。労災だからなかなかならないのかもしれませんが、少なくとも、いつでも入れるようにあいているという状態がいいのではなくして、今のやはりこの労災ケアプラザというのはケアつき住宅というふうに私は理解をしておりますが、大変にいいサービスだと思うのですね。そういう意味では、もう引く手あまた、いっぱいで、いつ申し込んでもなかなか入れないという実態があってしかるべきではないかと思うのですが、なかなかそうなっていないということでございまして、そういう意味では、私は、ぜひ年齢制限をせずに、本当に年齢だけで優先順位を決めるのではなくして、ぜひ必要な方には若い方でも入っていただけるようた、そういう対応をお願いをしたい。 それで、もう一点。どうも単身世帯しか入れないということを伺っておりまして、これも悲惨な戸を聞いております。したがって、労災ケアプラザ、ケアつき住宅に入ろうと思えば、夫婦者であれば、御夫婦でどっちかが、御主人が労災に遭われた、それで奥さんは家に置いて、お父さんだけ、御主人だけ入られる、これは別世帯ですよ。夫婦の仲を裂くようた制度は私はもう本当に人間性のない制度だ、こういうふうに思うわけでございます。しかも二重生活を強いられるわけで、二重のまた生活費が要る。そうすると、ではケアプラザの場合、入所の利用料金の中に、夫婦が別世帯になる場合は利用料を下げるというような、こういう配慮があるのかというと、どうもそうでもないようでございます。 私はこれは、労災ケアプラザというのは、厚生省がやっておる措置の施設ではないのですね。利用施設です。労災に対する、労災被災者に対するサービスの施設だろう、私はこう思うわけでして、だったら、冷たい入所基準なんか持って、措置のような体系を、取り組みをいただくのは私はいかがなものか。やはりニーズに応じたきめ細かな対応があっていいんじゃないか。もちろんそうしたら、だっと来ますよ。大変だけれども、それはちゃんと今度はそれぞれのケースを客観的にアセスメントして、必要性の高い人から入れればいいわけで、そこは私は、国民は理解してくださる、このように思うのです。したがって、どうかこのケアプラザの入所基準等、私は、ケースに応じてきめ細かな対策、柔軟な対策をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○浜本国務大臣 現在の労災ケアプラザは、その入所の枠が限られております。したがいまして、高齢者あるいは介護される方が身近にない単身者を優先的に入所していただいておるような状況だと伺っておるわけです。 委員の御意見のように、今後は柔軟に対応したらどうかというお話でございますのですが、お話のようなことも考えなければならぬと思いますので、設備の充実と入所の状況を見きわめながら柔軟な対応を検討してまいりたい、かように思っております。
○桝屋委員 私も現場を見ておりませんから、これ以上厳しいことは言えないのですが、しっかり現場を見させていただいた上で、入所定員に限りがあるからできないんだよという言い方は、大臣、これからはもう通らないと思うのです。そのためにちゃんとアセスメントすればいいのですから、どうかお考え直しをいただきたいというふうに思います。 時間もありませんので、最後に一点だけ確認ですが、過労死の問題でございます。 過労死の問題につきましては、二月の一日付で労働省の労働基準局長から、その取り扱いについて認定基準の新たなものが相当、プロジェクトチーム、プロジェクト委員会の検討結果を受けて行われたようでございますが、これは実は坂口大臣のときに、過労死の問題、ぜひ新たな基準をということでお取り組みいただいているものだというふうに理解をいたしております。あと、残っております不整脈による突然死の取り扱い、これを今後医学的な研究成果も取り入れてなおお取り組みをいただくというふうに伺っておりますが、その状況だけちょっとお聞きしたいと思います。
○廣見政府委員 お尋ねの不整脈の問題でございますが、私ども昨年、いわゆる過労死の認定基準の問題点の整理をいたしましたときに、これにつきましては、最近の医学の研究の成果も見られますので、やはり積極的に検討していく必要があるのじゃなかろうかと整理したところでございまして、それに基づきまして、医学専門家によります専門家会議を現在つくりまして検討を始めたところでございます。一月二十五日に第一回の会議を開催いたしております。積極的な検討をお願いしていきたい、このように思っております。
○桝屋委員 ありがとうございます。ぜひ引き続きお取り組みをお願いしたいと思います。 以上、時間が参りましたので、質疑を終わります。
○笹山委員長 岩田順介君。
○岩田委員 労災保険法の問題につきましては、浜本労働大臣はかねてより熱心に取り組んでこられたわけですが、今回の法改正を見ましても、前回の平成二年の法改正のときに多角的に議論がありましたが、その課題がおおよそ解決をしたであろうと思いますし、評価をするところであります。さらに、従来はじん肺だとか脊損だとかという部分にのみ介護手当が支給されておったものが、これが広くなったという点でも評価をされる、こういうふうに思うのでありますが、そういった改正を評価しながらも幾つか御質問をしたいと思います。 労災はあってはならぬものでありますが、一たん災害に遭うといわゆる労働稼得というか、これはまあパアになってしまう、しかも、生活も崩壊する、こういう状況になることが大変な問題であります。近年の労災の状況を、障害あるいは傷病等級一-三級の方々を見ましても、昭和五十年が一万七千だったものが平成五年は三万二千と数の上ではふえていますね。私は石炭の町に生まれて育った者として、いわゆる脊損だとかじん肺の方々を多く見てきておりますけれども、こういった方もまだ一万名という数に統計上は上っておるわけであります。 その重度の被災労働者の介護の実態は、おおよそ八割が何らかの形で介護を要しておる、しかもその九割が家族介護という現実をやはり重視をしなければならぬだろうと思います。 そこで、今回のこの改正につきましては大いに評価をするところでありますけれども、今後の重度被災労働者の介護施策というものはまだまだ残されているものが多いと思いますけれども、このことにつきまして、基本的な御認識をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○浜本国務大臣 今回の改正法案につきまして一定の評価をいただいたことについて、心から感謝を申し上げたいと思います。 今後の重度被災労働者の介護問題についての私の考え方をお尋ねになりましたので、要約してお答えをさせていただきたいと思います。 人口の高齢化、核家族化、女性の職場進出等に伴いまして、重度被災労働者が家庭で十分な介護を受けることが困難になってきている状況がございます。労災保険制度におきましても、重度被災労働者に対する介護に関する支援を充実していくことが大変重要た課題であると認識をいたしております。 このため、これまでのさまざまな御要望や重度被災労働者の介護の実態を踏まえまして、介護補償給付を創設することといたしたところでございます。これは、今回の制度改正の最大の眼目であると考えておる次第でございます。 さらに、介護サービスの一層の充実が必要であるとの考え方から、これまで行ってまいりました施策に加えまして、平成七年度からは、労災の特性を踏まえた介護サービスの提供を行う労災ホームヘルプサービス事業、在宅介護に対応した住宅の増改築費用の低利貸付制度及び介護機器レンタル事業を新たに実施することといたした次第でございます。 労働省といたしましては、重度被災労働者が適切な介護を受けながら健やかに生活をしていけるよう、これらの施策の効果的な実施に向けまして最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
○岩田委員 ありがとうございました。 続きまして、今大臣からも御答弁いただきましたが、なお努力をしていただきたいと思いますけれども、ちょっと質問の質が外れるかと思いますが、労災のあるべき姿といいますか、どこまで質を高めていくのかというような議論が労働省であっていると思いますね。これは、その国の富だとか社会構造だとか社会意識だとか、いわゆる成熟度にもよるのだろうと思いますね、財源の問題もあることは承知しておりますが。 私は、一言で言うならば、被災された労働者というのは、さまざまな形態で、さまざまな症状で、さまざまな家庭環境や医療環境の中で生活をしておられますが、いわゆる健常者、もとの体にはなり得ない、もとの心には返れない、完全には戻れないということがあろうと思います。しかし、市民生活ができる、社会生活ができる、参加ができる、これをやはりあくまでも基本に労働省が施策をしていくことが基本だろうと思いますね。どういう御議論がされているか、議論されていると思いますので、お聞かせをいただきたいと思います。 と同時に、もう一つ関連してお尋ねしますが、具体的に進める場合に、一般の民間労働者は今審議しています労災法でやるわけですね。日本の働く人々の法律がどういう形で制定されているかというと、二十四本の法律があるんですよ。例えば地方公務員の現業だとかそれから一般失対、失業対策事業だとかは労災法適用になっていますが、二十一、二本になると思いますね。財源はそれぞれ別にやっているわけです。例えば今度の改正でも、これは労災保険でやるんだから、何も新たに税金を求めるわけではないのだから、労働省は勝手にやれるかというと、大蔵省との関係でなかなかそうはいかないでしょう、二十一本の法律によってそれぞれ財源が別々なんですから。 こんなに多岐に分かれているのは日本だけのようですね。先進諸国では、イギリスは一本であるとか、ドイツも二本なり三本に集約されている。私があえてこれを申し上げますのは、例えば炭鉱労働者は通産省が労災を、労働安全を担当しますね。原子力関係なんという労働者は科学技術庁というふうにこれはまた分かれて、何か複雑なんですが、その辺もやはり、すぐというわけにはいかぬでしょうが、どうでしょうね、レベルを上げる、一緒にする、補償関係も違うのでありますが、この辺も少し検討されていかれるべきではないかとも思うのですが、いかがでしょう。
○廣見政府委員 今先生大変幅の広いまた長期的視野を必要とする大変重要な問題提起であるかと存じますが、私どもでは、例えば今回提案させていただいておりますこの改正案をまとめるに際しましても、労災保険審議会の委員の方々に一年半以上にわたっていろいろな角度からの御検討もいただいてまいりました。 その中で、今先生お話しいただきましたようなさまざまな観点の議論もございました。確かに、労災補償を充実させていくときの基本的な考え方はどうあるべきなのか、これは当然社会復帰のあり方あるいは他の社会保障制度との関係等々幅広く出てまいります。 一言だけ、ポイントだけ申し上げさせていただきますと、労災害議会の委員の方々の中には、やはり被災された方々の生活に着目した補償ということも大変重要な問題ではございますが、さらに労災補償制度として社会復帰を可能な限り促進していく、これも大変重要な観点ではないかという指摘もございます。それから、他の社会保障制度との関連、バランス等々も出てまいります。また、具体的な給付ということになってまいりますと、支給調整等々の問題もございますが、これにつきましても確かに十分ではない面もございますので、問題として指摘されながら必ずしも結論の出ていない、問題が整理されていないものもございます。さらには、今先生ちょっとお触れになりましたけれども、諸外国のあり方、これも十分考えていく必要があるということがございますし、さらに言えば、例えばILOのような国際機関における給付その他の水準の指摘事項がございます。そういったようなものもまた十分考えていかなければならないということであろうかと思います。 そんなようなことで、私どもといたしますと、主として、労災保険審議会の懇談会の場、あるいは審議会そのもの、あるいはさらには他の社会保障制度との関係では社会保障制度審議会の場における検討、こういうようなものをやってきているというところでございます。
○岩田委員 昭和二十二年に労基法ができまして、半世紀たとうとしておりますが、ようやくにして労働者に光を当てようというような潮流になってきたことは大変喜ばしいし、皆さん方の御努力も大いにあったことだと思いますが、一層この問題につきましては御検討を進めていただきたいと思います。 それから、先ほどの質問者の中にもございましたので、関連してお尋ねをして改善方をお願いしたいと思うのですが、いわゆるケアプラザの問題がありましたね、全国で四カ所。その状況は、御説明が先ほどございましたから私も承知をいたしておるわけであります。 ところで、これは率直に言って、余り評判よくないのと違いますか。先ほどの御報告では相当よくやっておられるということですが、例えばどういうことを私は申し上げたいかというと、介護人の数が必ずしも十分でない、それから、年齢がたつにつれて中での生活がしんどくなる、こういう意見を私現実に聞いているわけですが、ぜひ追跡調査というか、現状を一回現場で御認識をいただきたいというふうに思います。 それから、介護補償給付の創設は確かにありがたいわけであります。実際に介護料も既に支給されている脊損患者の方々などの重度被災労働者にとっては、やはり幾らもらえるかという給付水準が最大の関心事になるところであります。これは当然ですね。被災者団体からもこれを機会に従来の介護料をもっと上げてほしいという意見が届いているものだというふうに思います。制度が発足してまたすぐということにはならないかもしれない、しかも同じような制度である原爆被爆者等に対する介護手当の問題もあることは承知をしておりますけれども、実態を踏まえてできる限り水準を上げる、近い将来上げるという方向が望ましいと思いますが、これはいかがでしょう。
○廣見政府委員 今先生からもお話しいただきましたように、確かに私ども、介護補償給付の給付水準につきましては、今回新たな給付を設けるに当たっての一つの大きなポイントであるというふうに考えております。 そういう意味で、先ほども申し上げましたようなことで、他の制度との均衡ということもまた考えざるを得ないという面もございます。また、今までやってまいりました介護料の実績、こういうものを踏まえた上で、介護を受ける方の立場あるいは実態ということも最大限配慮しながら、先ほど来御説明申し上げているような水準でスタートしたい、このように考えているところでございますが、さらに、先ほど大臣からもお話し申し上げましたようなことで、今後とも当然他の社会保障制度の動き、あるいはこれから私どもこの制度を施行していきます。その支給実績、こういうものも十分見ながら、今後とも給付水準については適宜検討を行っていくということも必要であろう、このように考えておるところでございます。
○岩田委員 次に、支給対象者の範囲の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。 先ほどからきめ細かな対応という質問もありました。冒頭申し上げましたように、従来の介護料の対象とされていなかった方々を対象とするという点では本当に喜ばれる法律になっていくのではないかというふうに思いますが、しかし、被災者団体からは、もっときめの細かい内容の介護等級をつくるべきではないか、つくってほしい、これにはまだもう一歩将来の課題が残るのではないかというふうに思っているわけでありますが、この点いかがでしょう。
○廣見政府委員 支給対象者につきましては、基本的には障害または傷病等級一級のうちのじん肺、脊損等により常時介護を要する方、さらにはまた二級のじん肺、脊損等により随時介護を要する者を拡大し対象にしていくというようなことを基本的にとっておるところでございますが、これは基本的には、常時介護を要する方あるいは随時介護を要する方というようなことで、介護の実態に着目しながら補償給付を実施していくという考え方であるわけでございます。 ただ、今先生お話しのように、さらにその介護の実態を等級等に分けて一層きめ細かなことも検討する必要があるのではないかという点でございますが、私ども一応今の制度を申し上げたような形でスタートをさせていただきたい、こう思っておりますので、これから介護補償給付を施行してまいります段階で、いろいろの障害を負った方につきましての介護の必要度の認定の状況、これを十分見ていく必要があるだろうと思いますし、また他の制度の介護手当、これも先生先ほども御指摘になりましたように、幾つもございます。そういうようなものの動向、これもまた考えていく必要もあると思いますし、そういう状況を見ながら、支給対象者の範囲あるいは区分につきましても今後適宜検討する必要があるのではないか、このように思っております。
○岩田委員 これは、当然細かく見ていく必要がありますよね。例えば、頸椎でも四肢が麻痺をしている、この方々は車いすに乗っても必ず介護が要るわけですよ。それから、足だけが、手だけが麻痺をしているという方は、場合によれば電動車いすが可能かもしれないですね。これは介護が要らない、つまり、乗せてもらって出発する準備さえできれば。 ただ、この方々も、フラットの場合と坂道の場合とは全く違いますね。これはもう全然違うのですよ。同じ等級でも違うのですね。それから、自分で車いすに乗れて自分で動かせる、手動の人もおられる。その方の中でも、介護が要らずに自家用車に自分で折り畳んで後ろに入れて運転できる人もおれば、それは全くできない人もいる。これは全然生活の様態が違ってくるわけですよ。いわゆる労災によって被災をする、障害者にたる、そうすると、同じ等級でも生活の範囲は広かったり狭かったりするわけなのですね。これは多様な介護が要る。先ほど、常時と随時の話が出ていましたが、これにも関連する問題ですね。ぜひこの辺をもう少し細やかに、細かくというのはそういったことを私は申し上げているわけで、今局長から御答弁いただきましたが、ぜひお願いをすべきだろうというふうに思います。 次の問題は、これは前後しますが、労働保険料の申告・納付期限の延長の問題であります。 労働時間短縮という問題がありますが、関係者はゴールデンウイークがなかなか休めないということで苦労をされて、関係団体や我々も再三労働省にお願いをしてきたところでありますが、ようやく改善をされましたね。事業主が保険料を銀行に支払う。それだけで済むかというと、その後は日銀にそれが行ってさまざまな処理をしなければならない。コンピューター処理の問題もありましょうね。だからちょっとで、何年間か待ってくれということだろうと思うのです、これは。せっかく喜ばれた法律ですから、どうですか、きょうすぐ御返答ということにはなりませんが、少し短く、実施時期はなるべく早くやるというのが待たれるのではないかと思いますし、精いっぱいやってこられてこの法律を出されたということは私も重々承知をしておりますが、もう一つ御努力を願えませんか。
○伊藤政府委員 先生御指摘のように、この労働保険料の申告・納付、五月十五日を軸にいたしまして、毎年一回概算保険料で納付していただいて、翌年のまた五月十五日に確定で精算するというシステムを既に四十年の労災保険法の改正以来とってきているわけでございますが、この点について、五月十五日を延ばすことについて大変要望も大きい、また非常に関心の高い問題であることは私どもも十分認識いたしておりまして、できるだけ早い時期に改善できないかということでいろいろ検討を行いました。 ただ、技術的な問題でございますが、この五月十五日を軸にいたしまして、前年の早い時期から二百五十万に及ぶ適用事業所に申告・納付書を印字して発送し、この五月十五日までにその申告・納付を受け付ける、また未処理の事業所、滞納の事業所のリスト等もコンピューターで作成いたしまして、そういった整理を行う、年間の適用徴収業務が五月十五日を軸にびっしりと組み込まれているのが現状でございまして、私どもこれを改善いたすために、前年の相当早い段階でこのコンピューターのシステムを更改し、準備作業に入らなくてはいかぬという実情にございます。 私ども、いろいろ検討を重ねた結果、精いっぱいの措置として、九年度から実施することが技術的にも精いっぱいという結論でこういう改正をさせていただいておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思っております。
○岩田委員 いや、そういう御努力があったということを前提に、しかしなおかつもう一歩という相談をあえていたしているわけですから、もうだめだというような態度の回答じゃなくて、ひとつ何とか努力をしてほしい、重ねて私はお願いを申し上げておきたいと思います。 それから、先般来じん肺の問題が問題になっておりまして、例えば筑豊じん肺訴訟の和解の問題等が昨年来地元では大きな話題になりました。労働省もこの問題については予防を含めて対策を講じていただくということは、大変ありがたいというふうに思います。 これについて、どういう状況なのか、どういう対策をされるかということを簡単にお聞きをしたいのですが、時間がありませんから、ついでに申し上げておきたいと思いますが、恐らく健康診断等の問題が重点になるかと思います。例えば地元で、これは数年前ですけれども、じん肺の相談をある医療機関が行った。相当これには高齢者を中心に来られました。いや私は炭鉱をやめるときは管理二だったのだけれども、どうも胸がおかしい、せきが出る、たんが出る、どうも熱が出る、近所の医者に行くのだけれども、老人性の気管支炎だとか、風邪であるとか、循環器系統の損傷であるとかということで、全部いわゆる風邪に集約された。ところが、実際に専門医が診ると、管理二じゃなくて管理四に進んでおったという方々が多い。しかも全国に散らばっておられますね。それから、必ずしも炭鉱だけじゃないですね。さまざまな都市化現象とともにじん肺は多くなっておりますが、若いお医者さんはじん肺を診たことがないのですよ。フィルムを見てもわからないというのが実態です。 そういった状況もやはり念頭に置いて、これまた優しい予防策をとっていただきたいというふうにつけ加えてお尋ねをしたいと思います。
○廣見政府委員 じん肺対策につきましては、私どもも重要な対策と考え努力しているところでございます。 じん肺そのものにつきましては、現に雇用されておる方、これは当然その方の健康管理が大変重要でございますので、職場におきます健康診断等を通じての健康管理、これをもう徹底していくということが基本であろうかと思いますが、ただ、これらの方がむしろ離職された後どのような形でフォローしていくか、これも非常に重要な問題で、また難しい面もむしろそちらの方にあるのではなかろうか、このように思っております。 現在、例えばじん肺管理区分が管理三の方に対しましては、健康管理手帳を交付いたしまして、国が費用を負担して年一回のじん肺健康診断を行うというようなこと等をやっておるわけでございます。 しかし、今申し上げましたような観点から、離職者の健康管理の充実をさらに図っていく必要があるだろうということで、来年度から新たに、じん肺有所見の離職者の方につきましては、健康管理上の留意事項であるとか、あるいはまたじん肺管理区分決定の申請方法などをわかりやすく解説したガイドブックを作成して配付することにしたいというふうに思っておりまして、こういうガイドブックを通じて離職者の方の健康管理を促進していきたいというふうに思っております。さらにまた、今後のじん肺対策の充実を図るという観点から、じん肺管理区分決定状況の実態調査を来年度は実施していきたい、このように思っております。このような実態調査等を踏まえながら離職者の健康管理対策の充実に努めていきたい、このように思っておるところでございます。 さらにまた、じん肺の問題では、ちょっとお触れになりました医師の対応の問題も確かにございます。こういう観点につきましては、例えば日本医師会の協力を得まして産業医学講習会あるいは産業医研修事業を実施いたしておりますが、さらにまた、けい肺労災病院におきますじん肺診断技術等の研修を行うということもやっておるところでございます。 医師等に対しまして、じん肺等の職業病の予防、診断等につきます知識の普及、こういうものにもさらに今後とも努力していきたい、このように考えておるところでございます。
○岩田委員 しかし、これはどういうふうに患者を掘り起こすかと言うのはちょっと悪いのですけれども、相当現役を離れておられる方もおられますので、ぜひそれこそ配慮した実態調査と予防策をお進めいただくことをお願いしておきたいと思います。 次に、労災の遺族年金のことを私も過去何度か要望申し上げたり質問したりしたことがございますが、これは若い方それから年をとられている方を問わず、先ほども申し上げましたように、重度の方の介護者の大体九割は奥さんを初め御家族となっているわけですね。この被災者たちがひとしく心配をしておられるのは、おれが死んだ後、家内はどうなるのか、家族はどうなるのか、万が一遺族年金がもらえなくなった場合には路頭に迷うのではないか。これが一番心配なのですよ、御当人たちの。 長ければ長いほどそうですけれども、介護疲れして先に倒れられるという奥さんのケースは御承知のとおりであります。したがって、こういう介護をしている家族の方は、大小にかかわらず、その期間はパートはおろか働くことができないという状況です。もし本人が亡くなられると、路頭に迷うというのは目に見えているわけであります。 最近、こういう方々への配慮は、いわゆる就職問題を含めて配慮がありますけれども、やはりこれは想定するような回答が返ってくると思いますが、因果関係が医学的にはっきりしなければあかんと。これはやはり何とかそろそろいい方法、他の方法も含めて、労災だけではなくて幅広い方法を考えていかなければならぬのではないでしょうか。 今六十五、六歳を過ぎた方々は、戦後の混乱期を本当に復興のために犠牲にされた方というふうに言ってもいいでしょう。私はそういうふうに思います。だから、これは審議会で進まぬから、研究会で進まぬからだめだということだけでは済まない時期にもう来ているのではないかというふうに思いますが、検討の状況を簡単に御説明し、今後どういうふうにされるのか、お考えがあるならばお聞かせをいただきたい。
○浜本国務大臣 今委員が御指摘のように、じん肺などの傷病によりまして長期間にわたって療養している重度被災労働者が死亡した場合、労災年金の支給が行われなくなることから、その遺族の生活が著しく困窮する等不安定になる場合が見られることは十分私も承知しておるところでございます。 そこで、今般の制度改善に関する論議を踏まえまして、こうした不安定な生活が重度被災労働者の長期間にわたる介護によってもたらされたものと認められました場合には、労働災害による損害の延長としてとらえまして、一定の支援措置を講じていくべきであるとの判断に立ったところでございます。 具体的に申しますと、平成七年度から新規施策として、重度被災労働者が死亡した場合において、長期間介護に当たってきた遺族に対しまして、一定の条件のもとに援護金といたしまして、一時金として百万円を支給することによりまして、遺族の生活の激変を緩和するための援助を行ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○岩田委員 簡単に私は実情を申し上げましたが、さまざまな角度から御検討をされておることは承知をしておりますのでありますがゆえに、今大臣から今般の措置について御答弁がありましたように、そういう努力をしていただいていることも理解をするわけであります。 しかし、なおこれで解決したということを私は理解をいたしません。きょうは御答弁要りませんが、さらなる努力をすべきであろうというふうに私は一言申し上げておかざるを得ないと思います。今般の措置につきましては、感謝申し上げている次第であります。 そこで、時間がなくなりましたが、最後に過労死の問題でございます。過労死というのは、外国にも通用するような言葉になっております。戦後五十年を経て今日の経済大国というふうになりました。しかし、私たちの生活にゆとりだとか豊かさというのを感じるかというと、これはノーと言わざるを得ません。この豊かな日本社会のゆがみとして国際的にも批判を受けているのが長時間労働、過労死問題、こういうふうに指摘することができると思います。 過労死に対する行政の労災認定のあり方は、これは厳しいというふうに一般的に言われておるわけであります。行政訴訟でも、ここに手元に持っておりますが、かなりの件数に上っておりますし、残念ながら大臣も心が一番痛まれているところだと思いますが、国側が負けるというケースも少なくはないわけであります。このままではやはり労災保険制度への国民の信頼感はどうなるのかということも私は危惧をするわけであります。 こうした中で、大臣の強いリーダーシップのもとで、これは社会党の宣伝ではありませんが、かつて永井先輩が政務次官のときから私どもも要請をして積み上げてきた問題でありまして、二月一日に認定基準の改正の通達を出されるというところになったわけであります。本当に一歩前進だというふうに理解をするわけであります。したがって、これが絵にかいたもちで終わってはどうしようもありません。これは徹底方、広報も含めて実効あるように周知徹底を含めてお願いをしたい、職員の研修もまた必要であろうというふうに思います。 時間がなくなりましたから、これを最後にいたしますけれども、御答弁をいただいて終わりたいと思いますけれども、これは単に今回の通達をどうするかということももちろんでありますが、週休二日制の実施、時短問題、学校五日制の問題も含めた早晩の取り組みも、これは当然関連をしていくものだろうというふうに思います。 大臣の御所見をいただいて質問を終わりたいと思います。
○浜本国務大臣 過労死の予防のための施策ということでお尋ねがございましたので、お答えをいたしたいと思います。 ゆとりを実感でき、安心して働ける勤労者生活を実現していくことが労働行政の使命であると思っております。このような点で、いわゆる過労死というような事態を防止することは、労働行政の非常に大切な仕事だと思っております。 このため、成人病に関する検査を含む健康診断の確実な実施をいたしますとか、心身両面にわたる健康づくりを進めるとかいうようなことを実施いたしまして、過労死につながるようなことのないような措置を講じてまいらねばならぬと思っております。また、過労死につながるような過長な労働をなくするよう、労働時間の短縮を推進することが大切であるというふうに思っております。 今後とも、これらの予防対策の徹底に努めまして、過労死と言われるような事態に労働者が陥ることのないように最大限努力してまいりたいと思います。
○岩田委員 ありがとうございました。
○笹山委員長 寺前巖君。
○寺前委員 従来も労災の皆さんに介護料ということを通達でおやりになっておったのが、法律的に介護補償の給付として位置づけられるというのですから、私は非常に喜んでいるわけです。これが、しかし、法律化したことによって悪い方になっては、これはまた皆さんもとんでもないということをおっしゃることになるでしょうから、ぜひそういうことにならないように、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 そこで、私は、これまでに介護料をもらっておられた方々ともらっていない方々の幾つかについて聞いてみたんです。特に、現行の労働福祉事業として介護料を支給しておられるその支給対象を読むと、いろいろ書いてありますが、主にじん肺や脊損によって介護を必要としている人たちということがわざわざ出てくるだけに気になるわけで、あえて聞きたいと思うわけですが、実は、私は、京都のユニチカに二硫化炭素中毒という労災認定が最近随分提起をして、もう既に十数名の方が問題を提起して、何人かの人が労災の認定を受けておられるわけです。 そこで、障害等級一級の方が三人、これは既に認定された人がおるわけです。中村さんともう一人の方は寝たきりの状態で入院をしておられます。それから、福垣さんという方は自宅で寝たきりの状態であって、全面介護が必要で、現在介護料の支給を受けておられる。 ほかに二級の方が三人おられる。二級といってもいろいろで、裕谷保さんというのは、症状としては脳血管障害で、移動するには常に車いすが必要で、奥さんが介助しなければどうにもならない。トイレの介助なども必要になってくる。だんだんひどくなっていくんですね、これは、私初めから知っているんですが。だけれども、今まで二級ということで、本人も介護料の申請はしてこられなかったわけです。 だから私、こういう人たちが今度法改正の中であえてもう一度見直しをやってくれるんかいなと期待をしているんですが、そういうふうに実態に合うようにぜひやってほしいものだというふうに思うわけです。具体的な話で恐縮でございましたけれども、御検討なさっているんだったらお答えをいただきたいと思うんです。
○廣見政府委員 今先生具体的に二硫化炭素中毒の方の問題でお話がございました。 私どもは、まず今回、一般的に申し上げますと、新たに創設いたします介護補償給付の対象となります障害の原因というものを限定しておらないというところでございます。したがいまして、例えば今先生御指摘のような、二硫化炭素中毒により一定の障害あるいは傷病の状況になり、常時あるいは随時介護を要するかどうか、こういうその方の状態で判断していくことになるということでございます。 そういうことで、個別に今お尋ねの件が具体的にどういう形で判断できるかというのは、また詳細に個別のケースについて判断しなければならないわけでございますが、一般的に申し上げれば、今申し上げましたようなことで、原因は限定されていないということから、一級あるいは二級に該当し、常時あるいは随時介護を要するかどうか、こういうことで判断していくということになるわけでございます。
○寺前委員 CS2の方についてもそうやって個別にずっと広げていただくように御検討くださるように、ひとつお願いをしたいというふうに思うわけです。 ところで、最高裁判所の事務総局の調べによると、九三年度の保険給付に関する審査請求処理状況というのをこの間見ていましたら、全体で九百三十八件出されている。そのうちで障害等級の認定で争いをやっているというのは三百六十二件あるというんですから、四割近くはあるわけですよ。障害等級の認定にこれだけの申し立てがあるのだから、介護補償給付の対象者を現在の障害等級に基づくものではなくして、実態に合わせて、介護によって被災者の願いにこたえるようにしてやるということを、私は、最高裁判所の事務総局の調べじゃないけれども、こんなところにまで一々持ち込まぬでもいいように、もっとゆとりを持って認定できるようにできないものなんだろうかというふうなことをちょっとこの数字を見ながら感じているんですが、いかがなものでしょうか。
○廣見政府委員 私ども、労災補償の給付を的確に実施していくということは労災保険制度の基本的に重要な問題である、このように考えておりまして、そのような観点から、当然障害等級の認定に当たりましては慎重に対応しておるつもりでございます。 また、これから実施されてまいります介護補償給付につきましては、先ほど来も御議論がございますが、私ども、今までのノウハウの積み上げ等を基礎にいたしながら、新たな運用基準というものもきっちりとつくって、いろいろな形で個々の具体的な状態に即した認定、判断が行われるように行政として最大限努力してまいりたい、このように考えております。
○寺前委員 実際にこうやって審査請求処理状況が、保険給付に関して随分障害等級の認定に争いを持っていくというのですから、これは私大変なことだろうと思うのです。ぜひよろしくお願いをします。 それから、介護補償給付の額の問題ですが、一九九五年度の介護料は一律に定額が五万六千五百五十円で、それ以上介護に使った場合は上限が十万四千百八十円ということになっているようです。今度の労働者災害補償保険審議会が昨年十二月に検討されて改善についての建議をやっている中身を読んでも、この問題は非常に大事だということを指摘をしているわけです。 そこで、昨日私は、一体その介護につく人はどのぐらいお金を出さなんだら来てくれぬのだろうかということで、社団法人日本臨床看護家政協会のホームヘルパーを雇う場合の資料をいただきました。それを見ると、ホームヘルパーを午前九時から午後五時まで雇った場合の基本給は一日八千六百円、単純計算でも一カ月に二十六万円ということになってくるわけです。それから、住み込みの場合で四時間の時間外手当がついた場合だったら一万三千九百五十円で、一カ月で四十二万円かかる。こうなってくると、これは実際には、介護手当をせっかくおつくりになるわけだけれども、ちょっと実態に合わぬことになるのではないだろうか。 事実、個別に聞いてみますと、月に三十万とか四十万お願いせざるを得ないという人が出てくる。年金分と介護手当をもらっている分で払うと、実は家賃や電話代や電気代、ガス代が払えないという事態も生まれておるので、御親切にやってきてくれるところのお手伝いさんが実は面倒見てくれている結果になっていますのやという人も出てくるし、大変だ。だから、結局こういうことから考えるならば、家族の犠牲で面倒見ざるを得ないんだという実態が、僕は多くの場合の姿になってきているのじゃないだろうか。 こういうことを考えると、せっかくおつくりになるところの介護手当ですから、介護をひとつ面倒見ようということでスタートされたことは非常に大事なことなので、そういう意味ではこれはもう少し現実的に改善をする必要があるのではないか、私そんなことを強く感ずるんですが、大臣、いかがなものでしょうか。
○浜本国務大臣 委員御指摘の、もう少し水準を上げたらどうかということなんでございますが、現時点では他制度の介護手当との均衡やこれまで労働福祉事業として支給してきた介護料の実績等を踏まえると、在宅で介護を受ける重度被災労働者の実態を最大限に配慮した内容となっておるわけでございます。したがいまして、今直ちに議員から御指摘のように金額を大幅に引き上げるということにつきましては、困難な状態ではないかと思っております。
○寺前委員 えらい冷たい返事で、ちょっと私大臣らしくないなというような感じを受けながら今お話を聞いていたんです。先ほど御質問があったときに、家族介護が九十何%だったという話を御説明になっていましたよ。そうなんだよ、実際に人に頼むことができないんだよ、今の事態では。だから家族に犠牲をさせて、家族の手で救ってもらおうというのが現実的な、せっかくな提言ではあるけれども、実態はそうなっているんだ。ここのところに目をつけなかったならば、私はこれからのあり方の問題としてはだめなんじゃないだろうかということを強く感ずるものです。 ちょっとその前に一言お聞きしたいのですが、去年の十月に国民健康保険法が改定されて、その他看護の病院では付添婦が廃止された、こういう問題が基準外病院で出ているわけですね。労災で入院しておられる場合にはこの問題はどういうことになっているのでしょうか。
○堺谷説明員 お答えいたします。 健康保険におきます付添看護・介護の問題につきましては、院内看護を充実させるという方向で廃止されていくことになるわけでございます。したがいまして、労災保険におきましても健康保険と同様の措置をとることといたしております。 しかしながら、労災保険におきましては、その特殊性にかんがみまして、従前から付添看護を受けていた方にありましては、収容されています医療機関が健康保険において付添看護を認められなくなったといたしましても、引き続きまして付添看護を認めていくという考え方でやってまいりたいと考えております。 また、従来から認めております労災の特別看護につきましては、引き続き実施をしてまいりたいと考えております。
○寺前委員 従来やっている人たちに対しては面倒を見ましょうというお話なんだろうと思うけれども、私は、これはやはり必要であったことなんで、引き続きこういう制度はとられる必要があるんじゃないだろうかというふうに思います。 それで、時間も来ましたので、大臣に改めてもう一度お聞きしたいと思うのです。先ほどちょっと冷たい返事だなと言いましたけれども、本当に実態は九十何%が家族の犠牲でやっているんだから、この問題については御検討なさるのが筋だろうというふうに私は思うわけです。 ところが、単に介護の問題で検討される必要があるというだけではないのです。どういうことかといえば、その労災によって家の中が全体としてがたつかされてしまったわけです。それで家族の犠牲において介護を、面倒を見て、介護手当をもらえる人ともらえぬ人が出てきます。いずれにしたって、介護をしないことには労災を受けた人たちはもうもたぬようになっていくことは事実なんですから。 そうすると、その次の問題といえば、今度は、余り露骨に言うのは言いにくい話ですけれども、次にはやはり人生の問題が出てくると私は思うのです。次に人生の問題が出てきたときに、家族の人が長年の犠牲で支えられたのに、ああ、いよいよこれで終わりかとなったときに、後の問題が本当にお先真っ暗だ。精いっぱいもう毎日この人のためにと思ってささげてこられた者が、次にはもうそれで、もうあんたこの話は終わりよということになるのか、あるいはお亡くなりになった後、家族の皆さんに迷惑かけたねということで、その次に問題になってくるのは年金なんですよ。遺族年金の問題にこれはかかわっていく。 犠牲を受けて即刻亡くなられたら、労災の死として遺族年金という話になるかしらぬけれども、何年か面倒見てきて犠牲の上についにということになってきたときに、医者の判定が、これに起因しているというイコールを結ばすというのはなかなか難しい判定でございましてということで、みんな悩むのです。そこがまた私は家族にとっては大きな位置を占めてくると思うのです。 この問題について大臣として、さきの介護料の問題どこれは関連して、後々、あなたは冷たいお方だったなと、こういうふうに言われるのか、それとも、先ほどお話があったように、長年健闘されてきた立派なお方だったと言われるのか、そういう関連性を持っていると私は思う。私は、今すぐ結論を出しなさいと言ったって、そういう結論になっていないことを知っている。だけれども、これは私は考える筋の話じゃないかと思うのですが、大臣のお話を承って終わりにしたいと思います。
○浜本国務大臣 再度の御質問でございますので、誠意を持ってお答えをいたしたいと思います。 今後につきましては、介護補償給付施行後の支給の実績や他の社会保障制度の動向を見守りながら、給付水準について適宜検討してまいりたいと考えております。 それから、もう一つの御質問でございますが、これは先ほどもお答えを申し上げましたように、今般の制度改善に関する論議を踏まえまして、先ほどおっしゃったような、遺族の生活が著しく困窮する等不安定になる場合が見られました場合には、私どもといたしましては、やはりこれは何とかしなきゃならぬだろうという考え方を持っております。したがって、一定の支援措置を講じる必要があるということを判断をいたしております。 それで、具体的には、平成七年度から新規施策として、重度被災労働者が死亡した場合におきまして、長期間介護に当たってきた遺族に対しまして、一定の条件のもとに援護金、一時金として百万円でございますが、これを支給させていただくことにいたしたわけでございます。そうすることによりまして、遺族の生活の激変を緩和することになるのではないか、かように思っておる次第でございます。
○寺前委員 時間が来ましたので終わります。
○笹山委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
○笹山委員長 これより討論に入るのでありますが、申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○笹山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笹山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○笹山委員長 次に、内閣提出、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。浜本労働大臣。 ――――――――――――― 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○浜本国務大臣 ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 中小企業退職金共済法は、中小企業の労働者の福祉の増進と中小企業の振興に寄与することを目的として、昭和三十四年に制定されたものであります。その後、本制度は着実に発展し、一般の退職金共済制度に加入している事業主の数は約四十万、加入労働者数は約二百八十万人に達しており、本制度は中小企業の労働者福祉対策の主要な柱の一つとなっております。 さて、本制度を取り巻く最近の金融情勢は大変厳しいところでありますが、我が国における退職金制度の現状を見ますと、大企業ではあまねく普及を見ているものの、中小企業、特に小規模企業においてはその普及状況及び内容はいまだ必ずしも十分なものとは言いがたい実情にあること、また、我が国が今後本格的な高齢社会を迎えるに当たり、退職金制度は老後の生活の安定を図るため一層重要なものとなってきていることから、本制度に対する期待はいよいよ高くなってきております。 このため、経済社会情勢の変化に対応して、本制度の長期的な安定を図るとともに、本制度への加入を一層促進して、中小企業における退職金制度の普及及び内容の向上に寄与するよう、本制度をさらに充実強化することが必要となってきております。 政府は、このような観点から、本制度について所要の改善を行うこととし、先般、中小企業退職金共済審議会に諮問し、その答申をいただきましたので、ここに中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、退職金の額について、最近における金融情勢の変化に対応して制度の長期的な安定を図るため、掛金月額及び掛金納付月数に応じて定まる基本退職金の額を改定することとしております。 第一、に、掛金月額について、賃金・退職金水準の上昇等を勘案するとともに、退職金給付水準の向上に資するため、現行で四千円となっている最低額を五千円に、現行で二万六千円となっている最高額を三万円にそれぞれ引き上げることとしております。 第三に、退職金の分割支給制度について、現行で十年間のみとされている分割支給期間を、六十歳台前半層の多様な資金ニーズに対応するため、五年間または十年間を選択することができるものとすることとしております。 第四に、共済契約者が中小企業者でない事業主となったときの取り扱いについて、退職金共済契約を解除された際、その共済契約者が、被共済者である労働者の同意を得て一定の要件を満たす適格退職年金契約等を締結した旨の申し出をしたときは、退職金制度の実質的な存続を図る道を開くため、事業団は解約手当金に相当する額の範囲内の金額を契約の相手方に引き渡すことができるものとすることとしております。 第五に、掛金納付月数の通算制度について、現行では二十四月以上必要であるとされている転職前の企業における掛金納付月数について、十二月以上であれば、その被共済者の申し出により通算できるものとすることとしております。 なお、この法律の施行は、退職金の額の改定に係る規定を平成八年四月一日からとするほか、平成七年十二月一日からとすることといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○笹山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会 ――――◇―――――