労働委員会 第3号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1995/02/15
会議録
○笹山委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件につきまして調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。
○赤城委員 おはようございます。自由民主党の赤城徳彦でございます。先週二月七日の委員会に引き続きまして、大臣の所信に対しまして幾つかお伺いをしたいと思います。 大臣、ちょっと予算委員会の都合がおありのようですので、できるだけ先に大臣に対する御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 前回の委員会では、兵庫県南部地震の質疑が中心となりました。私も改めて、大地震で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 前回のお話を伺っていまして、大臣初め労働省の皆様、各方面の御尽力を非常にいただいているというふうに承りました。私も、自分なりに何かできないかな、こう思いまして、先日、義援金の街頭募金をさせていただきました。当日は雨も降っていまして、また兵庫県から遠い茨城県の方でしたので、それほど集まらないのではないかなと思いましたところ、非常に関心が高い。特に若い人や学生さんから率先して協力をしていただきました。改めてこの全国的な関心の高さというものを痛感したわけです。また、現地におきましてもいろいろな方が活動されていますけれども、その中でも自主的にボランティアで活動をされている方々、大変御努力をいただいている姿を拝見するわけであります。 今回のこういう地震とか災害に限らないわけでございますけれども、私も、こういう街頭での活動や現地の様子を見ていまして、今日本人全体がお互いに協力をし合い、力を出し合い、助け合っていく、そういう姿が大変大事だなというふうに痛感したわけです。 このボランティアに関しては非常に幅広い概念でありまして、以前私カンボジアヘ行ってまいりまして、そのときにカンボジアで活動しているボランティアの方々にお会いしてまいりました。その中にその後亡くなられた中田厚仁さんがおられまして、中田さんのお話も伺う機会があったのですが、ボランティアとしてぜひともカンボジアで活動したかった、ところが、それまで会社勤めをしていましたけれども、ボランティアで行くためには会社をやめなければいけなかったのだ、それでもカンボジアでボランティア活動をしたかった、だけれども私はカンボジアから戻ってももう会社に戻るところはないのだ、そういう話をされていたのが大変印象的でございました。 ボランティアというのは自発的な活動ですから個々人の自発性に任せればいいのだという時代ではもうないのではないかな、むしろ積極的にボランティアに対して理解をし、また政策的な対応もしていかなければいけないのではないかな、そういうことを痛感するわけでございます。 そこで、大臣にお伺いしますけれども、ボランティアのこうしたさまざまな活動に対して労働省としてどういうふうな対策を立てていかれるか、特にボランティア問題に関する関係省庁連絡会議というのが設けられたと伺っていますけれども、そこのことも含めてどういう方針で臨まれるかお尋ねいたします。
○浜本国務大臣 先ほど議員からお話がざいましたように、予算委員会の方にも呼ばれておりますので時々そちらに出席させていただきますので、あらかじめ御了承いただきたいと思います。 ボランティア問題につきまして今お尋ねがございましたのですが、私も、先日現地に参りまして、ボランティアの方々の真剣な活動ぶりを目の当たりに拝見をいたしまして大変感激をした一人でございます。ボランティア活動の必要性を改めて痛感をいたしました。また、ボランティア活動をしていられる従業員も出勤扱いにするなど積極的な支援を行っている企業もあると聞いておりますので、その企業に対しましても敬意を表しておる次第でございます。 労働省といたしましては、従来から、勤労者がその希望に応じてボランティア活動に参加できる環境の整備を図りますために、ボランティア休暇制度を初めとする企業における各種支援方策を啓発いたしますとともに、勤労者がボランティア活動に参加するきっかけづくりのために、シンポジウムの開催でありますとか、あるいは勤労者のボランティア活動に関する情報の収集、提供、相談等をこれまで行ってきたところでございます。 私といたしましては、今回のボランティアの方々の活躍ぶりに先ほど申したように心を打たれておりますので、さらに心を新たにいたしまして、労使が話し合いを通じましていろいろな工夫を出し合って、ボランティア活動が行いやすいような環境を整備することが非常に大切だと思っておるわけでございます。希望といたしましては、労使がボランティアに関する協定等を積極的に締結していただきまして、その支援、また活動ができるように期待をいたしておるわけでございます。
○七瀬政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございますけれども、関係省庁連絡会議の件でございますが、この連絡会議は、今回の震災に対するボランティアの方々の積極的な活動を頭に入れながら、こういった団体に対して法人格を与えるとか、その他社会的な盛り上がりを積極的に推進するために設けられた連絡会議でございます。 労働省といたしましては、関係労使でそういう盛り上がりがございますし、そういう窓口でございますので、そういう労使の考え方なり現在動いている状況をこういう連絡会議に御報告をする、あるいは逆にそちらの方の全体の動きをまた十分把握して労使関係者にお伝えをするなど、盛り上がりを図るための一つの方法として活用していきたい、このように考えているところでございます。
○赤城委員 私も、先ほどお話ししましたカンボジアでの中田さんの不幸があって、それからいろいろ議員同士で勉強会をつくって勉強させていただいた。労働省の皆様には大変御協力をいただいて研究してまいったわけでありますけれども、各企業でも自発的にそういうボランティアの休暇制度を設けたり、あるいは労使が協調してそういうものを推進しているというふうな話も伺っています。ぜひとも、将来的にはこれをきちっと制度化できればいいな、ボランティアというのは非常に幅広で、また自発性というのを尊重しなければいけないものですから、難しい面もあろうかと思いますけれども、そういうことも考えておりますので、ぜひこれからも推進方よろしくお願いをしたいと思います。 では、せっかくの機会でございますので、ちょっと大臣に、今の村山内閣の性格と絡む話ですけれども、伺いたいと思います。 村山政権といいますと、「人にやさしい政治」、これがトレードマークでございます。また大臣の所信の中でも、安心やゆとり、活力に満ちた社会を実現していくんだということでございます。この「人にやさしい政治」というのは、簡単な言葉でありますけれども、かみしめていくと非常に奥の深いといいますか、今の村山内閣の性格を端的にあらわしている言葉ではないかと思うのです。私なりに解釈させていただきますと、一人一人の個性を大切にして、弱者に対しても温かい手を差し伸べるような、そういうみんなで支え合う温かな社会というふうなイメージでございます。 今の国際的に、政治的に見て、大きな思想的、理念的な流れというのがございます。それは、一つは、規制や何かを少なくして、社会はもっと自由で、その競争の中から豊かさを実現していくのがいいんだ、そのためには政府は小さいほどいい、規制も少ないほどいいというふうな考え方、保守主義というんですか、それともう一つは、いやいや、そういう自由競争というのはどうしても弱者を生む、切り捨てられる人が出てくる、そういう人を温かく支えていかなければいけないんだ、結果の平等というのは大切である、ある程度そのためには競争も制限しなければいけないだろうし、政府の役割も大きくなるんだというふうな、これをリベラルと呼ぶんですか、そういう保守とリベラルという大きな流れがあろうかと思います。 今の内閣、ちょっと単純に考えますとこの二つの流れのうちのリベラル派かなという気もいたしますし、しかし、内閣の大きな課題としては、規制緩和や流通改革とか内外価格差是正とか、自由競争型の政策もやらなければいけないなということを掲げておられます。 大臣として、この村山内閣は一体どういう基本的な性格があって、そのもとに今言いましたような二つの流れ、あるいはその流れの中から出てくる政策、これをどうとらえるのか。また規制緩和というふうな、この三月にもまとめることになっておりますけれども、そのことから、特にこの労働行政に関して、競争を進めることによって流動化する労働力あるいは縮小する産業分野、そういうところの労働者にしわ寄せが来るのではないかという非常に大きな問題があろうかと思います。そのことを含めて大臣のお考えを伺います。
○浜本国務大臣 村山内閣の場合には、規制緩和につきましては、経済的な規制はできるだけ緩和していこう、社会的な規制は必要に応じてやはり実施していかなければならないという基本的な姿勢を持っておるわけでございます。 この点から労働行政の問題にかかわってお答えをいたしますと、産業の空洞化や雇用の環境の変化に対する懸念が先行き大変心配されるということになると思います。特に、状況が非常に不透明でございますので心配な点があると思います。今後、しかしそうはいっても、自由で活力のある経済社会を創造していきますためには、内外価格差の是正でありますとか縮小でありますとか、あるいは経済フロンティアの拡大、雇用の安定といった構造的課題に積極的に取り組んでまいる必要があると存じます。 このために、昨年の暮れに、先生御承知のような、産業構造転換・雇用対策本部を内閣としては設置いたしまして、政府は一体になって経済構造改革の推進に取り組んでおるところでございます。 そういう中で、労働省といたしましては、今後の経済・産業構造の転換が雇用に不安を生じさせることのないように、円滑に労働移動を推進してまいりますために、人材の育成でありますとか、失業のない労働移動の支援を初め、各般の施策を着実に実施していかなければならないと思っております。私もそういう決意で今後の労働行政を推進してまいりたいと思っております。
○赤城委員 大臣、もう質問はこれで大臣には終わりますので、いつでも予算委員会の方へどうぞ。 ただいま大臣から基本的なお考えを伺いましたけれども、大きく保守とリベラルという二つの流れを一つの政策の中へどう体現していくのか。具体的には、構造転換とか規制緩和とか内外価格差是正、それに伴っていろいろ雇用の方へも影響が出てくる。結局のところ、これらの政策の究極の目的は、国民の福祉を向上させていく、そこに住む一人一人が豊かになっていく、それはもう老若男女すべての人がひとしく救われるといいますか、それぞれの個性に応じて豊かでゆとりある生活を送れるというそのためにあるんだ、決して一部が切り捨てられたりしてはいけないんだということでありますから、これら二つの要請をいかに高いレベルで調和させていくのかというのがこれからの政治の大きな課題ではないかなと私は思うのであります。 ちょっと話はもとに戻るのでありますけれども、ただいまも大臣から、大変今経済情勢が厳しい状況だということの認識も示されたわけでありますけれども、先般、月例経済報告で、ここらの経済情勢についてもこういうふうな報告がありました。 我が国経済については、需要面では「個人消費は、緩やかな回復傾向」「住宅建設は、高い水準」「設備投資は、一部産業で堅調な動きがみられるものの、総じて低迷」「公共投資は、総じて堅調」、産業面は、鉱工業生産が「一進一退ながら緩やかな増加傾向」、企業収益は「総じて改善の動きがみられる。」企業の業況判断は「改善がみられる。」ここまではおおむね回復の局面に入ったな、緩やかだけれども回復局面だな。しかし、雇用情勢でありますけれども、有効求人倍率は横ばい、〇・六四、完全失業率は「二カ月連続で低下したものの高い水準で推移しておりこ十月三・〇%から二・九、二・八と下がっておりますけれども、まだ二・八というのは高い水準である。個々に見てみますと「引き続き製造業を中心に厳しさがみられる。」こういうふうな状況報告がありました。 このことについて、今の雇用情勢、これから先の見通し等時にありましたら、さらに御報告をいただきたいと思います。
○征矢政府委員 雇用失業情勢でございますが、御指摘のとおりでございます。 最近の雇用失業情勢、有効求人倍率は最悪期の〇・六二倍から〇・六四倍にはなっておりますが、ずっとそこで横ばいになっております。完全失業率は三%が続いておりましたが、現在二・八%まで来ているということでございます。今後の見通しはなかなか難しい面もございますが、なおかつ引き続き注意していかなければならない状況にはございますが、景気の回復基調がこのまま本格化していくとすれば、いずれ雇用情勢も徐々にであるにしろ改善していくのではなかろうか。 やや先行的な指標で見ますと、御承知のように、いわゆる残業時間はふえておりますし、あるいはパートタイム労働者の有効求人倍率は一を超えて一・一倍台で推移しているというようなことでございまして、そういう意味ではやや明るさが見えてくるのかなという感じもいたしております。ただ、これに、御承知のような、一月十七日の阪神・淡路大震災の関係がやはり短期的には影を落とす可能性もございまして、その辺の心配もしているところでございます。 中長期的な見通しにつきましては、これはなかなか難しい面もございまして、新しい経済計画の策定作業と合わせまして雇用対策基本計画の準備作業を始めております。その中で、二十一世紀に向けた労働力の需給見通し等につきましても検討を始めているところでございますが、当面、急激な円高等に伴う製造業の海外シフト、いわゆる空洞化問題、こういうような心配もございます。そういう課題にも取り組んでいかなければならないということで、ただいま大臣からお話し申し上げましたように、内閣総理大臣を本部長といたします産業構造転換・雇用対策本部を設置いたしまして、こうした構造問題について政府全体として取り組んでいるところでございます。
○赤城委員 雇用の回復というのは経済の回復よりもおくれるというのが常でありまして、今の状況は、数字であらわれているところを見てもまだまだ厳しいな、そう思うわけであります。 実はきのう、これは新聞情報でありますけれども、雇用支援トータルプログラムを打ち切るというふうな報道がございました。もちろん、今すぐということではなくて、この記事を見ても、二月末に最新の雇用指標が出そろうのを見て、どのくらい回復するのかを見て判断する、こうなっておりますけれども、つい二月十日の月例経済報告ではまだまだ雇用は厳しい、こういう方向でありますし、先般の大臣の所信の中でも、引き続きこういう雇用対策を強力に推進していく、こうなっている中で、加えて今御答弁いただきましたように、阪神の大震災の影響もある、その中でこの雇用緊急対策を打ち切るとなると、こういう話が出るだけでも大変影響が大きいと思うわけであります。また、実質的にも助成率が大きく変わるわけでありますし、対象業種も絞られてくるということは、これはまだ時期尚早ではないかな、これはまだ新聞情報でありますので、この点、確認をさせていただきたいと思います。
○征矢政府委員 先日の新聞記事につきましては、私どもが責任ある立場で申し上げたものではございませんで、ただ他面で、恐らく景気が回復している中での背景がありまして、そういう中での一定の取材記事として出たものと思われます。 これにつきましては、予算的にも当面継続実施ということでお願いをしているところでございまして、三月いっぱいまで現在の雇用支援トータルプログラムを実施するわけでございます。新年度についてどうするかにつきましては、なお御指摘のように、諸般の事情を見ながら、これは具体的には三月中旬ぐらいに検討することになろうかと思いますが、基本的にはこれを打ち切るというようなことは考えておりません。
○赤城委員 お話を伺って安心をいたしたわけです。やはりきっちりと雇用情勢が回復をして、経済全体が回復軌道に乗るというところまで我々は責任があるわけでございますので、よろしくお願いをいたします。 それから、先ほど来これは大きな課題として出ております産業の空洞化の問題、これは今当面の問題ではなくて、非常に長期の問題として日本の、我が国経済に重くのしかかってくるのではないかと思います。それは労働省で、去年の秋ごろでしたか、緊急ヒアリングをやったのがございますね。それによりますと、海外生産を拡大するとかそれを予定している企業が七割あって、製造業の四六%はそのために従業員を減らしていくのだ、その空洞化、海外へ移転する、その影響が非常に雇用へ直結しているという調査が出ております。 なぜそういうふうなことが起こったのかというのにつきましては、直接的には円高だからということなのでしょうけれども、私はもうちょっと根が深いのではないかな。日本が経済成長を続けて、いろいろな面でコストが上がってくる。これは生活が豊かになったということだと思うのですけれども、そのことがどうしても国内での生産がコスト高になる。海外の安い資材、労働力、土地、そういったものを使う、そのために海外へ出ていかなければいけないという、ある程度豊かな国に不可避の現象が起こっているのではないか。 経済学でプロダクト・ライフサイクルというのですか、国の栄枯盛衰みたいなものをあらわしたものですけれども、日本も日が出る国から、いよいよもう太陽は斜めになってきたのじゃないかということが前から言われておりました。その一つのあらわれなのかなという気もいたすわけですけれども、この空洞化は、どういう事情で、今後どういうふうになっていくのか、お尋ねします。
○征矢政府委員 ただいま先生御指摘の、私ども昨年公共職業安定所を通じましたヒアリングで調査いたしましたものは、これは実際海外移転している企業あるいは予定している企業等のヒアリングでございまして、そういう意味では、数字は高目に出ております。現状でいきますと、製造業全体での海外移転率は六%台でございまして、これはアメリカが三割近く、あるいはドイツが二割ぐらいというのに比べますと、数字的にはまだ、それから、経企庁あたりでのヒアリングの予測ですと、平成八年度でもまだ八、九%程度ということでございます。 それで、空洞化問題は二つあると思います。先生御指摘のように、これは経済が高度化する中で避けられない、いわゆる生産性の低いところについて、いわば国際分業のような形で開発途上国に移っていく、そういう面での空洞化、日本もそういう道を通ってきたわけでございます。そういう意味で避けられない課題であるという面と、それから急激な円高等その他の事情によって、本来日本におることが望ましい産業についてまでも、そういう契機で海外に移転していく、こういうようなことがスピードアップがされる。これは非常に問題であるということでございますが、そういう面もあるわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、企業活動のグローバル化の進展あるいは最近の急激な円高などを背景にいたしまして、製造業等を中心に生産拠点が海外に移っていく、それがふえてきている、あるいは今後もふえる見込みであるというような状況でございまして、そういうことが予測される中で、これは中長期的に見まして、我が国製造業が縮小を余儀なくされる、あるいは経済の停滞が起こる可能性がある、あるいはそれが失業問題の深刻化というようなことになるとすれば、これは非常に重要かっ心配であるわけでございまして、そういう観点から私どもとしても必要な対策をとっていくことが重要であるというようなことで、この一環といたしまして、今国会に特定不況業種雇用安定法の改正法案をお願いしているところでございます。
○赤城委員 その空洞化の対策として、いろいろなものが考えられると思うのですけれども、日本で、国内で何とか付加価値の高い、産業構造それ自体を高度化していくということも必要でありますし、円高対策としては、できるだけ内外価格差を縮小して、資材の価格を下げていくとか、あるいは内需を拡大し、新規事業を起こしていくとか、いろいろなことが考えられるわけでありますけれども、その中で、新産業分野を起こしていく、それによって雇用が相当ふえみのだ、こういう話をよく聞くわけです。ですが、福祉とかサービス分野とか、ある程度労働集約的な分野は、これは人手がかかるというのはわかるのですけれども、先端産業分野を次々に開拓をしていく、あるいは通信とかマルチメディアとか言われるこういう分野も、いずれは海外へ移転していくとか、その競争に見舞われるのではないかな。 さっき言いましたように、どんどん日本が豊かになっていく。そうすると、各国もまたそれに追いついて競争をするわけであります。そうすると、不断の競争にさらされる。常に先端を追い求めるということが本当に可能なのかどうなのか、新産業分野で何百万の雇用が出ますという数字が楽観的に過ぎるのではないかなという気がいたしますけれども、そこら辺は労働省としてどういうふうに見ていますか。
○征矢政府委員 御指摘のとおりでございまして、これは国際経済的に見ましても、競争は常にあるわけで、そういう中で、より生産性の高い、付加価値の高い産業の育成、これが国として重要課題ということでございますが、そういう中で当面、ちょうど大きな転換期にある我が国経済が今後成長を特に見込まれる分野として言われておりますのが、情報通信分野でありますとか、住宅分野でありますとか、医療福祉分野、教育分野、あるいは環境分野というようなことで、それぞれ見通しとして、どのくらいの雇用創出がそこで行われるというような見通しがございます。 ございますが、今一番重要なのは、それに対して具体的に、それじゃどういう手だてでそこまでいけるのかというのがはっきりしておりません。それが、今後の非常に重要な課題になるわけでございますが、私どもの立場で、雇用面でいきますと、そういう具体的なものが出てきませんと具体的な雇用につながらないという問題がございまして、一方で空洞化がどんどん進んで、そちらで雇用が減少しますと、トータルでの雇用の需給バランスが崩れる、合わない、こういうことになりますと非常に失業が深刻化するという心配があるわけでございます。 ただ一方で、比較的中小企業が堅調な分野もありますし、あるいはサービス業関係で相当拡大していくという面もありますので、そういうこともにらみながら、当面の雇用対策を進めていかなければならないというふうに考えております。
○赤城委員 私は、今の日本の経済、特に雇用関係をめぐって、大きく二つの要因がのしかかっている。その一つが空洞化でありまして、どこかから降ってわくように新しい分野が出て、それで雇用が回復するということは必ずしも期待できないのではないかな。だんだん国内の雇用機会が減少していくおそれが非常に大きい。それからもう一つ心配なのが、高齢化で、働く人の方も少なくなってくる。二つの要因が相重なって、このままいくと、働く人も働く場も少なくなっていくという縮小均衡に長期的には陥っていくのじゃないかなという、私がちょっと悲観論なのかもしれませんけれども、非常に心配をされるわけです。だからこそ、これらの対策が大事なわけでございます。 そこで、高齢化、少子化の問題でありますけれども、もうこれは何度も繰り返されている話でありますが、六十五歳以上の人口が二〇二〇年には二七%ぐらいですか、生産年齢人口は九五年ピークで減少していく、いわゆる四人に一人がお年寄り、働く人二・五人で一人を支えるとよく言われることになるわけであります。 そこで、六十歳定年とか、あるいは高齢者の雇用継続をしていくとか、再就職の道をいろいろ探していったり、シルバー人材センターみたいな、とにかくもっとお年寄りに社会で働いていただく、そういうふうないろいろな対策をとっているわけです。それがどういう方向を目指していくのか。 つまりこれは、先日の日経新聞の「経済教室」では、高齢化が進んでも、その高齢者をもっと活性化することによって、具体的には六十歳から六十四歳の労働力率を現在の七六%から九三%へ、六十五歳から六十九歳までの労働力率を五五%から六一%まで引き上げていく、それに女性の社会進出、これらをあわせて雇用労働者数はそれほど減らないというふうな見通しをしています。 ただ、高齢化するからお年寄りに働いていただくのだ。だけれども、相当この日本はもう高齢化が進んでいますし、諸外国から比べてもお年寄りが働く社会に今なりつつあるのじゃないかな。六十歳定年の次は六十五歳だ、七十歳まで働いていただきましょう。お年寄りでも元気な方はおられますから、元気な方には大いに社会へ参加していただいて、その能力を活用していただきたいのですけれども、一つのビジョン、方向性としてどのくらいのものを目指すのか、本当にお年寄りが働く社会がいい社会なのか、それとも高齢化しているから、これはしょうがないのだ、支える側が重だくなって困るからしょうがないのだというふうに考えるのか、一体どういう方向を目指していくのか、お尋ねします。
○征矢政府委員 御指摘の点も、今後の非常に重要なかっ難しい課題であるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、今後の我が国の労働力人口は、出生率の低下に伴って伸びが鈍化し、二〇〇〇年以降は減少に向かうと見込まれております。また、その構成を見ますと、若年層のウエートが低下する一方で、高齢者のウエートが拡大する、あるいは女性の職場進出も、これは需給両面の要請がありまして一層進展するものというふうに考えているところでございます。 こうした中で、どうするかということでございますが、これは基本的には、希望する高齢者あるいは女性がそれぞれの意欲や能力を十分に発揮し、社会に貢献できるような環境の整備を進めていくことがこの働く面、雇用面から重要であるというふうに考えるわけでございます。 それじゃ具体的にその辺の見通しがどうかということになりますと、これは一つには、今後の我が国の経済成長がどういうテンポでいくかということとも密接に絡む問題でございますし、どういうところにどんな需要が出てくるかという問題もございます。そういう意味での需給両面の、ある程度の二十一世紀に向けた見通しを立てることが重要であるわけでございますが、この点につきましては、新しい経済計画を政府といたしまして検討を始めておりますし、これと合わせまして雇用対策基本計画、八次のものでございますが、これの検討にも着手しているところでございまして、そういう中での重要課題として、労働力の需給の見通しの問題あるいはそれを踏まえたやや中長期的な対策の方向等を考えていく必要があるのではなかろうかというふうに思っております。 当面の対策につきましては、もう先生御指摘のとおりでございまして、六十歳定年を前提とした六十五歳までの継続雇用の推進、あるいは高齢者が多様な形で希望に応じて働けるようにするための対策の推進、あるいは改正雇用保険法に基づきまして四月から高年齢雇用継続給付を支給することによって、六十五歳までの雇用機会の確保をしていくというようなことで対策を進めているところでございます。 ただ、現状からいきますと、六十歳定年、これは一般化しているわけでございますが、一律に六十五歳までの定年延長ができるかということになりますと、これはいろいろな要因からなかなか難しいというふうに考えております。
○赤城委員 ここら辺の問題は、働く側の人生設計に立って、これからのライフスタイルがどういうふうになっていくのかというものを考えていかなければいけないと思うのです。今言われたように、一律に定年をどんどん延ばしていけばいいというわけでもないし、じゃ六十歳でやめて再就職をして七十歳まで働くとか、画一的には決められないと思うのですけれども、どういう姿が国民一人一人にとって望ましい人生なんだろうかということからも考えていかないと、単純に高齢化したからどんどんこっちの方へ行くんだ、お年寄りは働くんだとばかりも言えない。そういう意味では、いろいろなそれぞれに応じた機会を提供するというのが確かに解答なのかもしれないと思います。 そういう人生設計の方から見ても、今雇用のあり方、雇用システムというのですか、日本型の雇用システムそのものが大きな転換点に来ているんだ、これはよく言われることであります。今回のバブル、その後の不況、そして今、回復局面にある。単純に景気の循環の一過程だ、いずれは雇用も回復するんだと考える立場もありましょうけれども、私はやはり、これがさっき言いました空洞化の問題や人口構成の変化や、大きく日本の経済構造が変化している、その中で雇用のあり方も変わらざるを得ないんだという気がいたします。 このことは労働省の方でも中期雇用ビジョンでそういう認識が示されていまして、終身雇用と年功型の賃金制度、これが結びついて長期雇用システムをつくってきた、それは雇用の安定とか、労使の協調とか、これまでいい面があったわけでありますけれども、どうしても高齢化や労働移動に対応できない部分があるという問題点も指摘されています。ただ、この中期雇用ビジョンでは、ではどうなるんだろうかというところは、労使あるいは国民の意思によって決められる問題であります、こういうことで、ちょっとそこで終わってしまっているので、さまざま学識経験者やマスコミやいろいろなところからこれからはこうなるんだというふうな考え方は出されています。 ここらでもう少し具体的に踏み込んで、これからの雇用のあり方、日本型の新たな雇用システム、これを提示する時期じゃないかと思うのでありますけれども、いかがでしょう。
○征矢政府委員 いわゆる日本型の雇用のあり方、これにつきましては、もう先生御承知のように、これは日本型、日本的な雇用慣行として、戦後経済が成長する中で、労使関係の積み上げの中で、あるいは企業経営の必要性の中で慣行として行われてきたものでございます。私ども、最低基準としての法規制あるいは需給面からの職業安定関係の法制、そういうような法制はございますけれども、労働市場の中でできるだけ柔軟に雇用関係のあり方について対処していく、こういうことで積み上げてきたものでございます。 私自身は、そういう日本的な雇用慣行、長期雇用制度、これが崩壊あるいは大きな転換期に来ているという御指摘がございますけれども、これはゼロか否かの議論は避けなければならないというふうに考えております。大きな転換期には来ておりますが、国全体にとっての雇用の安定という面から見ますと、やはりこの長期雇用制というのは非常に重要な仕組みであるというふうに考えております。これはやはり、国土が狭くて人口が多くて、かつ資源、原材料のない国としては、基本的には製造業で付加価値の高いものを生産しながら国全体が成り立っていく、こういう仕組みの中で、先生おっしゃるように、労働者が自分の将来設計も立てながら安定した雇用で働くという意味でいきますと、長期雇用というのは非常にそういう意味ではメリットも大きいと思います。 ただ、他面で賃金論がありまして、年功序列賃金が問題だという御指摘があって、その見直しもしなければならないという指摘もあるわけでございまして、そういう意味では避けて通れない課題もあるわけですけれども、そういう面がある。 ただ、一方で、非常に経済が複雑多様化する中で、いろいろな雇用のあり方がある。それもまた、需給両面からの要請でそういう雇用がふえてきておる。そういう面からいきますと、そういう長期雇用だけで対処できるわけもない、これは従来もそうであったわけでございますが。 そういう意味で、いろいろ一な全体像を見ながら、そういう中で雇用のあり方というものを考えていく必要があるのではないかというふうに考えておるところでございまして、それじゃ、長期雇用とそうでない雇用が全体の中でどれだけの割合がいいのかということになりますと、これはなかなか難しい問題で、経済の枠組みの中で、あるいは労使間の話し合いの中で対処していかなければならない課題ではないかというふうに考えております。
○赤城委員 私も、おっしゃるように、長期雇用というのは非常にいい面があり、またこれからも続くであろうし、労働者自身もそれを多くが望んでいるということでありますから、すぐにどうこう変えるべきだということではないのでありますけれども、現実に今、空洞化問題でも触れましたように、大きな産業構造の転換をしなければならない、そのために失業なき労働移動をしなければならないという、これは大きな政策課題であります。 ところが、一つの会社をやめてほかへ転職するときに、今のシステムがその大きな壁になっている。途中で退社したら退職金が大きく減ってしまう、だからどうしてもそこで勤め上げたいというふうな、今起こっている政策課題にとって障害になる部分、マイナスになる部分、これも出てきているわけで、だから、やはり今の要請とこれまでのシステム、慣行とどこかで調和をとるような、個々具体の問題にこれはかかわってくると思いますので、ちょっとこれは時間がないので、また大変大きな課題ですので、引き続き考えてみたいと思います。 最後に、介護休業について二、三お伺いします。 今回、介護休業制度、これを創設するということでありますけれども、介護というのは働く人だけで支えられる問題ではなくて、非常に大きなテーマであります。高齢化が進むと要介護状態の期間が非常に長くなる。一方で少子化で、それを手当てする方も少ない。その中で在宅ケアを中心としてもっと充実をさせていこう、公的な介護システム、これを充実していこう、これがゴールドプラン、新ゴールドプランの一つの底流にあると思います。そういう大きな介護全体の政策と、今回の休業制度で労働者が家庭に戻って介護をするというそこの関係ですね、位置づけ、これはどういうふうに理解したらいいんでしょうか。
○松原政府委員 先生先ほど来御指摘のように、我が国が非常に急速に高齢化社会へ向かっているということは御指摘のとおりです。そういう中にあって介護の問題が非常に大きな問題になってきているわけでございます。 労働省では、この介護の必要性、特に家族にそういう介護しなければいけない方を抱えた労働者がどういう状態にあるかということを幾つかの資料で見たところ、年間約八万人の方が家族の介護のためにやめているというような実態もあるわけでございます。そういう中にあって、平成四年から介護休業制度についてのガイドラインをつくるなどして、企業に介護休業制度の普及を進めていたわけでございますけれども、高齢化社会が急速に進展するということ等を一方に見まして、これを早急に多くの企業に導入させるために有効な手だてを講じなければいけないというふうに考えたわけでございます。そういうことで審議会の中で介護休業制度の有効な普及対策というものを検討していただいたわけでございますけれども、実はそのときには法的措置のあり方も含めて検討をするといったようなことになっていたわけでございます。 ただ、審議会の中の議論では、介護というのはさまざまでございますので、休業制度を特に法的整備を念頭に置いて検討する場合にはどういうような位置づけでこの介護休業制度を考えるのか、先生が御指摘なさったところでございますが、それに加えて、要介護状態といったようなものはどういうふうにその法的整備を念頭に置くと考えるべきなのかといったようなことを、少し幅広く技術的に検討する必要があるのじゃないか、専門家の御意見を十分聞く必要があるのじゃないかといったようなことで、専門家会合なども設置をし、そこでの議論を重ね、そしてまた審議会で議論しということで、今回の法案提出をさせていただいたわけでございますが、御指摘の介護休業制度の位置づけということにつきましては、いろいろなところで議論がございました。 それらを踏まえて、私どもが現在考えておりますのは、やはり介護の問題というのは社会全体で取り組まなければいけない問題だというふうに考えておりまして、その具体的な対応策は、やはり基本は特別養護老人ホームですとか、デイケアセンターとか老人保健施設などの施設ケアですとか、ホームヘルプサービス事業などの在宅介護サービスを充実するということなのではないかと。 ただ、現状においては、やはり家族が相当の範囲で介護を担っているというような実態もございますし、また医学的な見地がち検討していただきますと、急性期を脱した後、例えば、病気になって入院した後、症状が安定するまで退院後かなり家族が見なければいけない時期もあるといったような専門家の御意見もありまして、そういう施設サービス等に至るまでの間、家庭で見なければいけない時期、こういったものがあるのではないかということから、やはり休業制度の必要性というのも考えたわけでございます。 そういうことから、介護休業制度といいますのは、この介護サービスの充実、そういうものと相まって、家族による介護がやむを得ない場合の緊急的な対応措置として機能するものだというふうに私どもは考えているところでございます。
○赤城委員 この介護休業というのは、育児休業とちょっと性格が違う部分があると思うのです。育児の場合は、これは何といっても肉親が子供の世話をするということが当然というか、必要なことなのですけれども、介護の場合は、本来は施設や在宅のホームヘルパーやそういった公的なサービス、そういったものがもっと充実しておって、本当は労働者にそういう負担をかけなくても済むという社会が理想で、しかし現実はなかなかそうもいかない、だから緊急避難的にこういう制度が必要なのだ。そういうふうな位置づけなのかな、こう思うのです。 そのことがこの具体的な制度を仕組むに当たって、では、期間はどうするのか、急に倒れて、それで施設や何かのそういうことが決まるまでの三カ月間にするとか、では、その対象家族はどの範囲にするかとか、そういったことへ影響してくるのだと思います。 ちょっと時間がないので、そういうことでもう一点ですけれども、では、そういう介護をしなきゃいけない、労働者が会社を休んでしなければいけない、そのときに直面するのは、休んで介護するのか、それとも勤務を続けて、その給与でだれかをお願いするのか、現実にはそこで一つ岐路に立たされるわけです。そうすると、休んでいる間の手当、給付、そういったものがどうなるのか、大きくは介護保険というような制度もこれから考えなきゃいけないと思いますし、あるいは育児休業のときのようなシステムも考えられましょうし、やっぱり労働者にとってはそこら辺が非常に大きなポイントになると思います。 その点についてのお考えを伺います。
○松原政府委員 介護休業期間中の手当につきましては、昨年十二月、この問題を検討していただいておりました婦人少年問題審議会から建議が出たわけでございますけれども、その建議におきまして、「休業期間中の経済的援助のあり方については、今後、介護休業制度が適用される時期を念頭におきつつ、更に十分に議論することが適当」であるというふうにされたわけでございます。 私ども、今回提案させていただいております法案の介護休業制度に係る部分につきましては、平成十一年ということにいたしているわけでございまして、その平成十一年の施行時期を念頭に置きまして、この介護休業をとる方についての経済的援助の問題については検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○赤城委員 今後の検討ということでありますけれども、実際にその介護休業をとるかとらないかに当たっての大きな一つの判断指針になる、そういう給付、手当があるということで安心して介護に専念できるということであろうかと思います。この介護休業、これは非常に介護全体の制度とかかわりますから、なかなか労働省だけでこうだと一概に決められない部分もありましょうから、各省との連携の上で推進をしていただきたいと思います。 もうちょっと時間がありますので、最後に一問、時短の推進状況は今どうなっているかということ、それと一方で、過労死の認定基準を改正したり、過労死の問題はいまだに大きく取り上げられています。これは全体としては四十時間労働制が進んだ、週休二日制も浸透してきた、労働時間は少なくなってきている。ところが、一部の分野でそういう過労死という問題が起こる。それはそういう特定のところで、そういう世界で起こっているんだというふうに片づけられる問題ではなくて、この労働時間制度の中で何か欠けている部分があるのじゃないかな、なぜそういう過労死をするような労働者が出てしまうのだろうかというふうに思うのです。これは別の問題ではなくて、時短と過労死とは相関連した問題だと思うのですが、そこら辺はどういうふうに考えますか。
○廣見政府委員 今先生お尋ねの過労死と時短の関係ということでございますが、時間短縮につきましては、私ども、年間総労働時間千八百時間に向けまして、各種の方策によりまして時間短縮を促進するということでやってまいっております。 傾向といたしますと、総実労働時間は比較的順調に減少してきているのではなかろうか、こう思っておりまして、平成六年の平均では千九百四時間というところまでになりまして、千八百時間台を目前にしているというところまで来ておるところでございます。 ただ、内容を見てまいりますと、やはり中小企業では労働時間の短縮のおくれもある。もちろん、中小企業は厳しい経済状況に対応しまして、いろいろ難しい問題も抱えておられるということもあり、これからは一つのポイントになるだろうと思っておりますが、もう一つ、今先生のお尋ねの関連で、業種別に見ますと、やはりアンバランスがございます。そういうようなことで、時間短縮も必ずしも一律に進んでいるわけではないという点に我々は着目いたしまして、これからさらにきめ細かく進めていく必要がある、このように思っております。そういう中で、確かに御指摘の、いわゆる過労死というような状況もあるわけでございます。 それで、いわゆる過労死をなくしていくための基本的な大前提は、当然のことながら、無理な労働がない、すなわち、労働時間というものにつきましても合理的な範囲内で行われるようになる、労働時間の短縮を進めるというのが基本的には必要だ、それは基本的な前提条件であろう、こう思っております。 ただ、働いている一人一人を見てまいりますと、残念ながら例えば脳の疾患、心臓疾患等の基礎的な疾患を持っておる方がおられまして、こういったような方々は何らかの要因で働き過ぎるとそういう問題を起こすということがございますので、労働時間の短縮だけではなく、やはり個々の健康管理ということも非常に大切なのではなかろうか。 したがって、一つの条件としての労働時間の短縮を進めるのとあわせまして、特にこういったような疾患を持っている人たちを中心といたしまして、自己の健康管理をより徹底してやっていただくための対策、具体的にはやはり健康管理のマニュアル等も我々はつくってお示ししながら、個々の労働者にも、個々の働いている方々にも十分御注意いただく、そういったようなことも取り組みとして進めていく必要があるのではなかろうか、このように思っております。そのような条件を進めることによって、いわゆる過労死というようなことが起こらないような取り組みをさらに一層進めてまいりたい、このように思っておるところでございます。
○赤城委員 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
○笹山委員長 桝屋敬悟君。
○桝屋委員 それでは、新進党労働・雇用・政策政務補佐官の桝屋敬悟でございます。 私、初めて労働委員会に出席をさせていただきますので、今まで国会に来て以来、厚生行政にずっと関心を持って取り組んでまいりましたので、そういう意味では、きょうは名刺がわりに、厚生行政と労働行政、このかかわりを中心にいろいろと議論させていただきたい、このように思っております。 大臣がいらっしゃらないから、おいでになってから本題に入りたいと思うのですが、最初に、今赤城先生の御質問でも出ました最後の部分、特に介護を取り巻く話を中心にさせていただきたいと思います。 二十一世紀の少子・高齢社会、これから政府にとりましても実に大きな課題が横たわっているというふうに私は思っております。そういう意味では、これは育児、介護両方ありますが、きょうは特に介護を中心に、介護問題を取り巻く社会保障のシステム、こうしたイメージというものをできるだけ明らかにしていきたい、このように思っております。 社会保障と申し上げましたけれども、雇用保険あたりも当然社会保障の範疇だろうというふうに私は理解をいたしております。そういう意味では、社会保障のイメージをしっかり国民に、今政府を挙げて大きな課題になっておりますので、国民の前に具体的に明らかにしていく必要があるだろうというふうに私は常々思っております。 特に介護問題、先ほど赤城先生の話でも出ましたけれども、家族のいわゆる介護、それから社会的な介護サービス、いわゆる公的介護サービス、このように言ってもいいでしょうが、家族の介護といいますと、特にきょうは労働委員会ですから、介護をしながら家庭生活をするという側面、それと職業生活を何とか両立をするという、その両立を支援をする雇用システムということになるだろうと思うのですが、この公的介護システムと両立を支援する雇用のシステム、この位置づけといいますか、イメージといいますか、私は厚生委員会から労働委員会に変わってまいりまして、いろいろな書物を読みましたが、いまいちこのイメージが私の中ではっきりしてきません。そういうことで、きょうはぜひその辺のイメージを、私自身も労働委員会に来て頑張るわけですから、すっきりさせたいというふうに思っております。 大臣がおいでになる前に、私が了解しておりますのは、実は厚生サイドでは二十一世紀福祉ビジョンなるものがビジョン懇で発表されました。この中にいわゆる公的な介護システムと、それから仕事と介護が両立し得るようなそういう両立支援の雇用システム、この位置づけがかなり論議されたように私は思っております。 きょうは厚生省にも来ていただいております。最初に、この二十一世紀福祉ビジョンにおける両者の位置づけはどのようになっているのか、まず最初に確認をさせていただきたい。それから話に入りたいと思います。
○堤説明員 今先生お話しの二十一世紀福祉ビジョンでございますけれども、高齢化が急速に進展をしていきます中で、高齢者介護の問題について施策の充実が求められているわけであります。 二十一世紀福祉ビジョンにおきましては、施設や在宅サービスの介護基盤の強化、二十一世紀に向けた介護システムの構築などを社会福祉施策面では触れておりますし、雇用システムの面では高齢者、障害者あるいは女性が働く意欲や能力を十分発揮できるような雇用システム、あるいは育児と介護と両立し得るような雇用システムの確立が必要であると、両面にわたって提言をいたしておりますし、この社会福祉の関係の施策と雇用システムが両者相まって効果を発揮するものである、そういう認識のもとに、ビジョンにおきましても、相互に連携のとれた施策を進めるべきであるというふうにうたっております。
○桝屋委員 今御説明がありましたが、私もこの二十一世紀福祉ビジョンを非常に関心を持って見ておりまして、やはり公的な介護システムと、それから仕事と介護が両立し得るような雇用のシステム、これはまさに車の両輪といいますか、この両方が相まって動いていくのが、今後の二十一世紀の少子・高齢社会を考えますときに必要なことではないかというふうに私は思っております。 先ほどの赤城先生のお話の中で、局長さんの御答弁で、これから寝たきり老人あるいは痴呆性老人等の要介護老人がふえてくる、第一義的にはという言い方でしたでしょうか、基本的にはというお話でしたでしょうか、公的な介護サービス、先ほどの説明では特養であったり、あるいは老健施設であったり、こういう施設サービスあるいはホームヘルパーや訪問看護のような在宅保健福祉サービス、まずこうしたものがあってほしいというような、あっていただきたい、まずそれがあるんだ、それがあれば——あればということではないのでしょうが、それがまず前提としてあって、その上で、現状はそうはいいながら必ずしも十分でないので、両立を支援する雇用システムを考えるのだ。こういう位置づけだと、何か先に公的な介護のシステムというものがあって、それがどうしても不十分だから、それじゃそれを補完する形で雇用システムを考えるのですよ、こういうことなのかどうなのか、ちょっと私はどうしてもこのイメージがいまだに判然といたしません。もう一回御説明をお願いしたいと思います。
○松原政府委員 公的な介護施設サービスと企業が設ける介護休業制度というものをどういうふうに考えるか、その前に、家族がみずから介護するということを公的介護システムの中にどういうふうに位置づけて考えるかということではないかというふうに思うのでございますけれども、やはりこの介護の問題というのは、社会全体で支えるということが基本だろうというふうに考えております。そのためには、国も努力しなければいけないし、個人も努力しなければいけない、そして、企業も応分の社会的貢献という観点から負担することになるだろうということであろうかというふうに思います。 そして、先ほど基本的にはと申し上げましたのは、やはり私どもは基本的には社会的な福祉施設サービスの充実があるべきだというふうに考えておりまして、家族みずからが介護するということをどう考えるかということにつきましては、一つはやはり公的な介護の施設サービスが十分でないということから、家族がやむを得ずやっているという場面が現状ではあるのではないか。そのために年間八万人余りの方がやめざるを得ない状況になっている。こういったことはやはり国家的な損失なので、休業を設けることによってやめなくて済むようにするということが必要なのではないかというふうに一つは思うわけでございます。 それからまた、医学的な見地からこの介護の問題を検討していただきました私どもの介護休業制度に関する専門家会合におきましては、高齢者の方が介護が必要になる状況を、幾つか症状といいますか、それをパターン化して検討していただいたわけでございます。具体的には、六十五歳以上の長期入院患者が最も多い脳血管性疾患とその後の状況、それから代表的な傷病として、精神障害の中からアルツハイマー型痴呆、慢性進行性疾患の中からパーキンソン病、さらに近年問題となっております骨粗鬆症、この四つを取り上げていただきまして、家族による介護というのが、実際こういった状況によって介護が必要な場合に、どの程度必要なのかということを検討していただいたわけでございます。 その結果、病気の場合には、入院をしてまず治療を受けて、それから退院してその後介護ということになるわけでございますけれども、その病院から退院した後、じゃ、仮に社会的な福祉施設サービスが十分に整ったとしても、すぐそういう公的サービスに依存できるかというと、必ずしもそうではない。やはり、症状が安定して、固定する時期というのはかなり家族が見なければいけないというか、在宅で見る必要があるのではないかといったような結論をいただいたわけでございます。また、アルツハイマー型痴呆のように、いつ始まったか明確にわからないような場合でも、例えば先ほどの家族が必要な時期というのはそういうことで三カ月程度というふうな結論をいただいているわけでございますが、今申し上げましたアルツハイマー型痴呆のような場合でも、三カ月あれば今後の恒常的な介護の方針が家族の中で立てられるといったようなことから、介護休業の中身に入ってまいりますけれども、三カ月程度あればそういったことに十分対応できるというような結論もいただいているわけでございます。 そういうことから、やはり介護休業制度というものは、前提として、介護に関する社会福祉サービスが充実するといったような方向と相まって検討していかなければいけない問題だろうというふうに思っているわけでございます。
○桝屋委員 大臣もおいでになったようでございまして、大臣、新進党の桝屋でございます。ひとつよろしくお願いをいたします。私は、労働・雇用政策政務補佐官を新進党でやっておりまして、ひとつよろしくお願いいたします。 このたび厚生から参りましたので、今し方から一貫して厚生労働、この連携の問題をきょうは取り上げさせていただこうということで、特に、介護という問題を中心にしてお話をさせていただいております。 先ほどから、新ゴールドプラン等の説明をいただきながら、公的な介護システムとそれから今まさにこの国会で議論になろうとしております雇用のシステム、介護と仕事が両立できるようなそういう支援の施策、これがこの国会にかかるわけでございますが、きょう法律の内容までやろうとは思いません。その前提の問題として、私は、イメージをできるだけはっきりさせたい、こう思っているわけでございます。 先ほどから、二十一世紀福祉ビジョンの中で、仕事と介護が両立し得るような雇用システムということについては、当然ながら公的介護システム、これを拡充していく、充実をしていくということは当然なわけでございます。しかしながら、今後二十一世紀の少子・高齢社会を考えたときには、どこまでも公的介護をふやせるのかという問題が実はあります。大きい意味では、国民負担率、前国会で年金の問題がありましたが、あの年金の問題をやるときにしても、私どもはどうしても国民負担率が五〇%を超えることはやはり好ましくないだろう。我が国のとるべき道として高福祉高負担の社会というのは、これはやはり選べないだろう。かといって低福祉低負担なのか、それもやはり違うだろう。本当に我が国の実情に応じた公平な負担に基づく適正な社会保障システムといいますか、こうしたものを考えるべきだ。そういう意味では、二十一世紀福祉ビジョンでは、自助、共助、公助、この重層的な社会福祉システムといいますか、こうしたものを考えていこう。 そういう意味では、位置づけとしてはやはり雇用システムも、先ほど局長さんからは企業の応分の負担、こういう話がまさにございましたが、私も、まず公的介護はきちっとやりなさい、それは将来どこまでも伸ばしていいのだ、こういうことではなくして、これはやはり限界がある、したがって、企業は企業で、やはり企業福祉という観点から企業も取り組みをいただく、こうしたことだろう。そういう意味で、今まさにこの国会にかかろうとしている雇用システムについては、私は、どこまでも公的介護の補完ということではなくして、積極的に一定の役割を果たしていくということで雇用システムを考えていくべきだろう。その辺のイメージを国民にきっちりとやはりお話をしていただくべきだ、私はこのように思っております。 そういう意味では、まさに公的介護サービス、公的介護システムと、それから今から検討しようとしている雇用システム、この関係について大臣の御所見といいますか、お話しをいただきたいと思います。
○浜本国務大臣 もう委員も御承知のように、労働省の介護システムというのは、お説のように、社会福祉全体の中でまだ一体のものになってはいないと思います。これはいずれ、私も全体の社会福祉政策の中で相当重要な位置づけをしなければならぬというふうには思っておるのですが、まだそこまでは完全に一体のものになってないのじゃないかと思っております。 しかし、労働省としては労働省の役割として、できるだけ介護制度を充実させていきたい、こう考えておるわけでございまして、その意味から今お尋ねの点についてお答えをいたしますと、言われるように、急速に少子化、高齢化社会が進展をしております。そういう中で、介護の問題というのは今や社会全体の問題として取り組まなければ解決できない重要課題になっておるというふうに理解をしております。この問題を乗り切っていくためには、国や地方自治体のみならず、企業も個人もそれぞれの立場でこの問題に取り組み、少子・高齢化社会を担う一員として社会的役割を果たすことが必要ではないかと思っております。 こうした観点から、労働省といたしましては、介護休業制度の法制化を初め、労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための施策を総合的、体系的に推進することにいたしておる次第でございます。こうした施策と公的介護サービスの充実等々と相まって、初めて高齢化社会に向けての介護対策が十分行われるものだと思っておる次第でございます。そういう意味で、労働省の役割をこれからも果たしていきたいと思っております。
○桝屋委員 ありがとうございます。 私の見解と違わない御答弁をいただきまして安心をいたしました。どうか、二十一世紀の少子・高齢社会、特に介護という問題を取り巻くこの問題は我が国にとって大きな課題でございまして、これはやはり厚生省の公的な介護システムがまずきっちりやられなければいかぬということが前提としてあるのではなくして、それぞれがやはりしっかり一定の役割を果たしていくという、こういうこれからの議論だろうというふうに私は思っております。公的介護システムと雇用の支援のシステムはまさに車の両輪だ、このように大臣、理解をしてよろしいですかね。一浜本国務大臣「そのとおりでございます」と呼ぶ)ありがとうございます。 そうしますと、もっと具体的な話に入りたいと思うのですが、厚生行政では例のゴールドプラン以来、相当国民に、二十一世紀を展望した上で具体的なイメージをお出しになっております。きょう、ちょっと厚生省に来ていただいておりますから、ゴールドプランのイメージといいますか、今新ゴールドプランになっておりますが、どういうふうに国民にアピールされておるのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○堤説明員 今回、新ゴールドプランということで今までのゴールドプランを見直したわけでございますけれども、そこでは各市町村につくっていただきました老人保健福祉計画、これを集計をしてみましたら、今までのゴールドプランと比べまして相当整備目標の水準が上がっているということでございますので、平成十一年末までにここまで行きますよということを市町村の計画をベースにして整備目標をきちんと明らかにし、それを引き上げたということでございます。 それから、今問題の介護の問題につきましては、新ゴールドプランの中でも三大臣で合意をしたわけでございますけれども、国民がスムーズにいつでも介護のサービスを受けられるようなそういう新しいシステムについての検討を進めるべきであるということも新ゴールドプランの中で明らかにしたところでございます。
○桝屋委員 済みません、質問の仕方が悪かったのですが、私がお尋ねしたかったのは、新ゴールドプランと今は言うべきでしょうか、新ゴールドプラン、平成十一年が目途であるというふうに私は了解をしておりますが、そうした場合、この十一年の新ゴールドプランができると、国民、まあきょうは労働委員会ですから勤労者、例えば勤労者で老親介護をされているような、そういう国民の立場に立ったときに、在宅三本で結構です、ホームヘルパー、ショートステイ、デイサービス、あるいは訪問看護ぐらいまでいきましょうか、どの程度のサービスが公的サービスとして受けられるのか、そのイメージ、サービスのレベルをお話しされていると思うのですが、その辺の御説明をいただきたいと思います。
○堤説明員 今のお話の標準的なイメージで申し上げますと、ホームヘルパーのサービスでございますが、程度に応じまして週三回ないし六回ぐらいの間、それからデイサービスの場合であれば二回いし三回、あるいはショートステイであれば年に六回程度は入れる、それから訪問看護であれば週一、二回、それは程度に応じてそれぞれだと思いますけれども、標準的なイメージではそういう程度は保障といいますか、確保したいということでございます。
○桝屋委員 ありがとうございます。 大臣、お聞きになったと思いますが、厚生省さんは、新ゴールドプラン、これは各県も市町村も老人保健福祉計画を平成十一年を目途にお立てになっています。 このイメージは、例えば勤労者が、自分の家で、夫婦共働きで、たまたまおばあちゃんが寝たきりになっちゃった、この場合受けられるサービスのレベルとしては、厚生省の公的サービスは、平成十一年ですよ、そこから先はわかりません、十一年のイメージで申し上げますと、ホームヘルパーさんは週三回から六回、だから場合によってはほとんど毎日来ていただける。それからデイサービスは週二回から三回、デイサービスは、おばあちゃんは朝十時から夕方三時ぐらいまで面倒を見ていただける、おふろも入れる、食事もとれる。それからショートステイというのは、大臣、これは物すごい便利な制度で、年六回、大体一回七日です。だから二月に一回ぐらいは、七日間程度はいざというときに入っていただける、その間に介護者はお休みができる、こんなイメージです。それから訪問看護は、これはまさに医療、保健面でのサービスでございまして、週一、二回訪問看護に来ていただける、こんなイメージなんです。 かなり、従来の厚生行政からしますと考えられないような一つのイメージというものを国民に与えていただいている、そんな旗を立てながら市町村、県と一緒になって今進めているというのが厚生行政のイメージです。 今度は雇用システム、私は雇用システムのイメージが労働へ来たばかりでよくわからないわけでございますが、今回、実は、育児休業法の一部改正の法律がありますので、労働省さんから御説明をいただきました。野党ですから余りきっちりはないのですが、概要をいただきましたら、この資料を見ておりますと、さっきも御説明がありましたけれども、年間八万一千人の勤労者が仕事をやめている、介護のために。このイメージが私わかりません。八万一千人というのは多いのか少ないのか。 この資料を見ますと、毎日約二百二十二人の雇用者が家族の介護、看護のために職を失っている、このように書いてあるから、これは大変多いというイメージで言われているのかなと私は理解をします。先ほどの局長さんの御答弁も、八万一千人もの人が仕事をやめざるを得ない、こんな状況にあると言われているのですが、私は、これは多いと読まれるのか、全体の労働者の実態からするとどういうことになるのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○松原政府委員 この八万一千人といいますのは平成四年の就業構造基本調査の結果なんでございますけれども、その結果によりますと、一年間に離職した方のトータルは二百三十四万三千人でございます。そのうち家族の看護や介護のためにやめたという方が八万一千人、割合でいいますと三・四五%ということでございます。 それ以外の理由はどういった理由でやめておられるかということをちょっと見てみますと、例えば、収入が少なかったとか、労働条件が悪かったとか、自分に向かない仕事だったというようなことから、転職のためやめた方が四十万人強おられます。それから、多いのは、定年などのためやめたという方が約三十万、それから病気や高齢のため引退するということでやめられたのだと思いますが、そういう方が約三十万といったような数字になっておりまして、それから結婚のためという方が二十四万といったような数字でございます。 こういった数字をこう見ていきますと、八万一千人が多いか少ないかというのはなかなか評価するのは難しいのでございますけれども、みずからの意思もあろうかと思いますけれども、家族の看護、介護ということになりますと、結婚のためとか転職のためというよりは、むしろやむにやまれずやめたといったようなことではないかと思います。そういう観点から見れば、この数字は確かに全体の離職者の三・四五%ではございますけれども、必ずしも少ないとは言えないというふうに判断をいたしているわけでございます。
○桝屋委員 大体イメージはわかりましたが、それで、いただいた資料は、これは既にマスコミ等にも出ているのですが、現在、一九九三年時点では、要するに百万の要介護老人、これは寝たきり、痴呆を含みます、百万の要介護者に対して今八万一千人ぐらいの人が仕事をおやめになっている。したがって、二〇二五年には恐らくこの数が、要介護者が二百七十万人になります。したがって、仕事をこれでやめる人も、介護、看護による退職者も恐らく二十一万九千人ぐらいになるのではないか。 これは非常に乱暴な掛け算でございまして、随分ためにする資料だなという気もしないでもないんだが、ただ、国民の皆さんあるいは企業の雇用主等に対して、こういう実態なんだ、将来は大変ですよ、こういう数字では確かにあろうと思うのですが、その辺は理解できるのですが、乱暴というのは、ある意味では、現在百万要介護者がいらっしゃるが、私は、恐らく百万のうち半分ぐらいの五十万ぐらいは入所なり入院をされておられる、あと五十万ぐらいが在宅でおやりになっている、こういう実態ではないかなと思うのです、この一九九三年時点では。それに対して八万一千人ぐらいの方が仕事をやめて介護の生活に入っておられる。これは在宅か入院かはわかりませんが、ただ、この辺の状況は私定かでないということ。それから、将来に向かってこれがどうふえていくのかというのは、恐らく単にこの分母をどんと掛け合わせて、私も電卓をはじいてみましたが、八万一千を二十一万九千にしたのは、要介護者がこれぐらいふえるからこれぐらいだということですね。恐らくそうだろうと思います。 そういう意味では、例えば今後、さっき局長さが言われました公的介護がふえれば、ある意味ではこちらの役割も一定のものが、役割がちょっと下がるかもしれません。 これは厚生省、どうでしょうか。将来的に公的介護サービスというのは、平成十一年までしか私見えませんが、そこから先というのは見えるのですか、どうでしょうか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○堤説明員 私どもで寝たきり老人等あるいは要介護老人等と推計をいたしておりますけれども、平成五年で先生おっしゃるとおり百万でございます。二〇〇〇年までいきますと百四、五十万近くなるだろう、二〇一〇年までいきますと二百万近く、こういうふうになってまいります。 ただ、この中には、私どもも例えば寝たきり老人ゼロ作戦などを進めておりますので、そういう効果は入れておりませんので、従来のトレンドでいけばそれぐらいということでございますので、そういうふえていく状態にどう対応していくか、これはこれからまた考えていかなければいけない問題だと思いますけれども、そういうニーズがふえるということは先生御指摘のとおりだと思います。
○桝屋委員 ちょっと厚生省がお答えできない内容をお聞きして申しわけなかったのですが、これは十一年以降はまだ見えてないんですよね、実は。恐らく、私が知っている限り、平成九年ぐらいで、もう一回税制の抜本的な見直しの中で——今回も随分議論がありました。私ども新進党としては、村山総理がお出しになった新ゴールドプランも満足はしてない、あるいは福祉ビジョンもまだ明確に見えないわけですが、これは平成九年がブラックホールのように全部吸い込んでいますから、私は平成九年の検討まで我々は我々で頑張らなければいかぬと思いますが、どうでしょうか、もう一回確認しますが、この八万一千というのは、労働省さんとしては、やはり全体の労働力、将来へ向かっての話等を考えますと、これは大変な数で、これはやはり何とか対策をしなきゃいかぬというふうにお考えになる数字なのか、その辺の認識、そして、将来に向かってこれがふえていくということを大きな危機感としてお持ちなのかどうなのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○松原政府委員 この数字はともかくといたしまして、労働省といたしましては、やはり意欲、能力のある方が仕事をしたいというふうに思っておられれば、それができるような環境というのをつくっていくというのが基本であろうかと思います。 先ほどの八万一千ですが、どういう意図でやめられたかということはわかりませんけれども、やはりどうしても仕事を続けられなくなって、やむを得ずやめた方がこれの相当部分ではないかというふうに思うわけでございます。そういうふうに考えますと、やはり仕事と家庭が両立できるように、特に介護が両立できるように、そういったような雇用システムといいますか、そういう環境整備というのは極めて重要だというふうに考えておりまして、我が国経済社会を支えるためにも、こういう方々がやむを得ずやめるといったことのないような社会をつくるということが基本であろうというふうに考えているわけでございます。
○桝屋委員 それともう一つ、私のイメージを整理するためにこの資料の先を見ていきますと、今は年間八万一千人の人が介護のために仕事をやめている、毎日二百二十二人だ、大変ですよ、こういう資料があって、何ページかめくりますと、介護休業制度の利用者は、百人規模の事業所で十年に一人だ、一期間は三カ月だ、こういうデータをいただいております。 これを見ますと、当然、これはPR版に使われるのかどうかわかりませんが、事業主が見た場合、百人の事業所で十年に一人おとりになるかどうかの介護休業だ、余り大したことはないな、私が社長だったらそう思いますよ。百人の事業所の社長で、十年間に一人だ、まあ大したことないな、こう思うのですが、これは今までの労働省さんが随分努力をされて、シンポジウムをおやりになり、そしてガイドラインもおつくりになって、随分介護休業の普及に努めてこられた、これはよく存じております。そのせいか、今まで定着をしてきた介護休業制度、既存の制度の中でのデータはこうなっているということではないかなと思うのですが、先ほどは、介護のために仕事をやめる人が大変多い、こういう資料と、それから、ただし介護休業をとる人はそんなにいませんよ、十年に一人ぐらいです、こういう説明は、私、どういうふうに理解していいかよくわからないのですよ。この辺をちょっと御説明をいただきたいと思うのです。
○松原政府委員 まず、十年に一人、百人の事業所で十年に一人ということでございますけれども、これはかなり、やや乱暴な推計もあるわけでございまして、もとになっておりますのは平成五年度の調査でございます。これは抽出調査でございますので、抽出率を掛けて復元しました結果、介護休業制度がある事業所の割合はこの調査結果で一六・三%なんですが、その事業所におきましては、一年間に介護休業を取得した常用労働者数は約五千五百人、その事業所の常用労働者数は約七百九十一万人という結果になっておりますので、常用労働者のうち介護休業を取得した人の割合が〇・〇七%ということになっているわけでございます。これを丸めまして約〇・一%というふうに丸めたわけでございまして、そうなりますと、千人の規模で一年に一人、したがって百人の規模では十年に一人というのが、単純な数字をはじいた結果、出てきたわけでございます。 ただ、これは一部の事業所に導入されている介護休業制度をもとにしての結果であるということ、この介護休業制度、どういうものが多いかといったようなことを見ますと、どういう評価をするかですけれども、企業においては、その人でなければ介護できないというような、単に介護する人がいないといったような条件をつけて介護休業を認めているといったようなケースもあるわけでございます。ですから、例えば兄弟が何人かいる場合に、その人でなければといったようなことになるのかどうか、その辺まで運用はなかなかわからないところがありますけれども、かなりいろいろな制限がある中での介護休業の取得者の割合からはじいたものでございます。 これが、公的介護サービスの充実がどの程度進むか、また今回私どもが提案させていただいております介護休業制度の法制化、それがそのままの形で成立した場合に、ではどうなるかといったような、さまざまの条件の変化を考えますとどうなるかということは、また別の問題でございます。この数字は、現状、他の条件が変わらなければといったようなことで推計した数字でございまして、それこそ本当に若干のイメージがこれによって出てくるかなといった程度の数字というふうに受けとめていただければと思う次第でございます。
○桝屋委員 意地の悪い質問をして大変恐縮なんですが、ただ、私も本当に初めてこの資料を見たときに、おやっ、一体どうなのかな、二十一世紀を展望すると非常にこれから介護のために大事な労働力が失われていく可能性があるかもしれない、その数は大変な勢いでふえる可能性がある、こういう資料を見て、ただ、介護休業を導入しようとする、新しい雇用システムを考えようとするときには、介護休業という一つの制度をとってみても、百人事業所で十年に一人くらい、これは今までのデータでそんな意図的なものじゃありません、こうは言われましたが、非常にきれいにできておりまして、私は、さっきの話に戻りますが、これからはやはり企業も一定の役割を果たしていく。二十一世紀の高齢社会、介護者、要介護者がふえる、そういう意味では、公的介護だけではない、雇用システムも一定の役割を果たしていくんだ、私の言葉で言えば、積極的に役割を果たすという時代を私はつくるべきだろうと思っているんですが、そういう意味では、十年に一人だからいいやみたいなことで今回の介護休業制度が雇用主やいろいろな企業家の中で語られるのであれば、私はちょっと疑問なのではないかなという気がいたしております。 そこで、お尋ねするわけですが、どうなんですか、百人ぐらいの事業所で実際に、私はデータがないので非常に悩んでいるんですが、百人と言わずに全勤労者の中で、どれくらい老親と暮らしをされていて、しかも老親介護という問題に直面をされている、そういう勤労者がいらっしゃるのか、その辺のデータというのはございませんか。
○松原政府委員 先生お尋ねの件に直接お答えできるようなものが必ずしもあるわけではないのでございますが、例えば平成三年の社会生活基本調査、総務庁統計局が実施した調査でございますが、これによりますと、十五歳以上人口の男女すべて、労働者にかかわらずですが、すべての人をこの調査でとらえられての調査の結果ですが、約一億なんですが、そのうち介護をしている方が三百五十六万人というふうに出ております。そのうち有業者が二百二十二万人という結果でございます。この有業者は、必ずしも雇用労働者だけではなく、自営業種の方とか家族従業者の方も入っておられますけれども、いずれにしても有業者の方が二百二十二万人というふうになっております。 ただ、この場合の介護、看護をしているという定義が、在宅で介護している場合も病院で介護している場合も両方入っているといったこと、それから、日常生活における入浴とか衣服の着脱、トイレ、屋内の移動、食事等の動作をする際に何らかの手助けをするといったような定義のようでございます。 また、その結果出ております平均の介護時間というのは一日三十四分という結果が出ておりますので、この二百二十二万人中雇用労働者が約七割と考えますと、雇用労働者は、これもまた推計が入りますが、大体百五十九万人くらいかなと思いますが、その百五十九万人の方がもうほとんどつきっきりで介護しなければいけない状態では必ずしもない。みずから主体的にやっている方もいれば、手助け程度にやっている方もいる、また病院に入っているお年寄りをちょっと訪ねるといったようなことだとか、そういったかなり幅広く入っている数字ではないかというふうに思います。 ただ、探してみましたらこれぐらいのものしかないわけでございますので、これでお許しいただきたいと思いますが、そういった結果でございます。
○桝屋委員 私は何を申し上げたいかといいますとこやはり将来に向かって、これは世論調査をしてもわかりますけれども、国民の皆さんの一番大きな危惧はやはり介護、高齢になりまして介護という問題は非常に危惧をされておられる。これがやはり今、日本国民の大きな意識だろうというふうに思います。 そういう意味では、先ほどから言いましたように、公的介護をこれからも拡充をしなければいけない。それとともに、雇用システムもというときには、この雇用システムを新たに仕掛けようというときには、やはりイメージとして将来は、今までは百人事業所で十年に一人ですよということではなくして、恐らく二十一世紀の初頭、二〇二五年ぐらいにはこういう姿になるのではないかというようなことはイメージとして、ある意味では乱暴かもしれないけれども、出していくような必要があるだろう。今後、二十一世紀の少子・高齢社会を考えるときには、ある意味では、政府もそうですが、いろいろな団体がある意味の割り切りをしなければいけない。どういうことかというと、ある程度想定をして、こういう時代を考えていくんだというようなイメージが大変大事だろうというふうに私は思っております。そういう意味では、お答えは要りませんが、ぜひそういう御努力を労働省さんもお取り組みをいただきたいというふうに思います。 そんなところが一番やはり国民は関心を持っているわけでございまして、今後の平成九年の税制改革、またもう一回ありますが、そのときにもやはりそういうものがしっかりと議論されるような積み上げをしていただきたい。いつも見えない、将来の状態が見えない。確かに社会保障の基本政策というのは、諸外国も余り先を見ていないのです、大体三年ぐらい。先を見ないで、見えない、つくれないということは確かにありますが、しかしながら、私は想定でもいいと思うのです。こういう条件のもとだったらこうなりますというようなことを、やはり私は出していただきたいというふうに思います。 そこで、難しい話は抜きまして、もっと極めてファジーな言い方をしますと、イメージということで申し上げますと、厚生行政は公的介護、これはどんなキャッチフレーズでやっているかといいますと、厚生省来られていますが、私の理解しているのは、いつでも、どこでも、だれでも、こういうようなことがずっと議論されております。これは厚生省、どうでしょうか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○堤説明員 今まさに先生がおっしゃったとおりでございます。新ゴールドプランの中でも、国民がだれでも、どこでも、スムーズに受けられるようなシステムを検討すべきであるということでありますし、そういう理念に沿って今検討を進めております。
○桝屋委員 今、だれでも、どこでも、スムーズにと、この三つですか、何かスムーズというのは私も知らなかったもので。こんなキャッチフレーズでどんどん公的介護を拡充していこう、こういうイメージです。 したがって、車の両輪である労働行政、雇用システムも、こんな言葉が要るのではないかと私提案を申し上げます。だれでも希望者には安心して休んで介護ができるような雇用システム、こんなことも御提案申し上げたいと思うのですが、これは大臣、ちょっと御所見を。
○浜本国務大臣 委員そうおっしゃいますが、労働省は雇用、労働ということを前提に置いて物事を組み立てておるわけでございます。したがって、先ほど八万一千人の問題も出ましたが、多いか少ないかよりも、私はやはりもったいないというように思っているわけですよ。要するに、これから少子化、高齢化社会に進展をしますから、どうしても六十五歳まではだれでも働ける世の中をつくっていかなければならぬ、こういう立場でいろいろな政策をこれから推進していくというのが労働省の重要な職員になっておるというふうに思います。 そこで、私はことしの予算編成のときに秘書団の皆さんとも相談いたしまして、何か労働省のキャッチフレーズといいましょうか、ことしの予算のキャッチフレーズはないだろうかということをいろいろ相談をいたしました結果、次のような言葉が出たわけです。それは、働く人一人一人が職場でも家庭でも生き生きと輝いて生活を送ることができる社会を実現したらどうか、こういう意味の言葉が出ましたので、政策のスローガンのような形になったのですが、「職場で家庭で一人ひとりが輝くために」というようなキャッチフレーズをつくりまして、ことしの重要政策を樹立したような次第でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、委員が言われることがよくわかりますので、そういう考え方のもとに、少子化、高齢化が進む中で育児や介護の問題は国を挙げて取り組むべき重要な一つでございます。したがって、労働者が育児や介護をしながら働き続けられるような雇用関係の整備を図ることが非常に重要だというふうに思って、一生懸命この政策を進めておるような次第でございます。
○桝屋委員 趣旨は私も賛成でございます。ただ大臣、これは長いですね。私、今書き取ろうとしたけれども、すぐ頭に入りませんですね。ぜひ一言で。だから今整理すると、職場でも家庭でも輝く、何だったですかね。(浜本国務大臣「輝くように」と呼ぶ) 今笑いながら私申し上げておりますが、実はやはり本当にこういうイメージというものを、村山政権が「人にやさしい政治」と言うならば、私はぜひどんどん出していただきたい。そして今から、具体的には育児休業法の一部改正についてはまだ国会で議論いたしますが、私はその前提として、環境、づくりとしてそうした取り組みが必要だろうというふうに思っております。 それで、余り時間もなくなってまいりましたが、一つだけ大臣、非常に気になることを、これはどこまでお答えできるかわかりませんが、できる限りということで、それともう一つ、今大臣が言われた、六十五歳まではだれでも働ける時代という言葉に対して、私も一つ御提案申し上げたいのですが、人生のうちにだれでもどこかでケアをする、介護をするという人生局面があるんだ、いわゆるケアリングソサエティーという、こういう発想、勤労者であっても学生であってもどこかで介護をするという、こういう時代を考えるということもひとつお考えいただきたい。常に女性の肩にかかってしまって終わっておりますので、その辺をお願いしたいと思います。 それで、さっきの話に戻りますが、平成九年に、先ほど赤城先生のお話でも出ましたが、公的介護保険、介護保険という言葉はまだございません、もう既に公的介護システムということがマスコミに出ておりますが、これが何年かは、私も恐らく九年ではないかと思っているのですが、今回のこの育児休業法一部改正、施行が平成十一年、ある意味では新ゴールドプランができ上がってからということなんですが、その前に公的な介護を、介護保険、介護システムというものを九年に検討しようとされている。その辺の位置づけですよね。 それはもう先の議論だということでは済まないわけでして、平成十一年がこの今から国会でやろうとしている法律のスタートですから、それまでに社会がどう変わっていくのかということが見えずに我々は議論できないわけでして、その辺の流れ、厚生と労働がどういうつながりを持って検討されているのか、その辺の背景を御説明いただきたいと思います。
○松原政府委員 厚生行政とはこの介護の問題と非常に深いかかわりがございますので、私ども日常さまざまな場面で意見交換をさせていただくなど連絡をとらせていただいておりますが、先生御指摘のその介護保険絡みの話については、まだ私どもも十分承知をいたしておらないところでございます。 なお、その介護保険ということをお取り上げになった視点が、介護を行う労働者なりについてのいわばコスト負担といいますか、経費の負担といいますか、費用の負担といいますか、そういう観点から考えますと、この介護休業について言えば、介護をするのは労働者でございます。したがって仕事を休むということになるわけでございますが、今回の法律案では給与の支払いを事業主には義務づけていないということで無給ということでございますが、では、その介護をしている期間の所得保障といいますか、経済的援助というのをどう考えるかというのは、労働行政のサイドで検討しなければいけない問題だろうというふうに私どもは認識をいたしております。 つまり、労働者が仕事を休んで介護をする、その間所得がない、それをどうするか、こういうことであろうというふうに思っているわけでございます。その点につきましては、平成十一年が今回提案させていただいております法律の施行期日といたしておりますことから、その時期を念頭に置きまして、今後、介護休業を取得する労働者についての経済的援助を検討してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○桝屋委員 理解できるようなできないようなお話なんですが、わかりました。 大臣、先ほどから何度も私この問題ばかりしつこくやっておりますが、先ほどから申し上げておるように、車の両輪であるこの公的介護システムと雇用システム、私こういう議論をするときにいつも思い出すのですが、平成五年九月、例の年金の引き上げのときがありましたね。高年齢者雇用の問題と年金の支給開始年齢の引き上げ、あのときに我々与党でございましたけれども、あのときにどういう対応をしたかといいますと、年金年齢の引き上げと雇用の確保を一体的にやらなければいけないということで、両大臣の協議の場をたしかあのときは持ったのではないかというふうに私は思います。そして、合意事項を基本的な考え方として国民に発表し、まさにトップダウンでこういう両省の絡みの施策を展開していただいた、私はこういうふうに理解しておりますが、そういう段階に来ているのではないか。 これから平成九年あるいは平成十一年というようなこと、施行は十一年だとおっしゃるが、それまで随分議論することもあるわけでして、どうかそういうお取り組みをこの村山政権においてもトップダウンでやっていくんだ、両省の協議というものをやっていく、本当にスムーズにやるためには、円滑にやるためには、そういうお取り組みも必要だろう、私はこのように思いますが、いかがでございましょうか。
○浜本国務大臣 先ほどお話がございましたように、厚生省と労働省が連携をして仕事を進めるということは非常に重要だというふうに思います。介護の問題につきましても同様でございますので、これまでも厚生労働両省間で相互に連携を図りながら一応仕事は進めてまいりました。今後とも密接な関係を保持していかなければならないというふうに存じております。 両大臣のトップダウンでの仕事の推進という御提起がございましたのですが、もっともな御意見だと思いますので、今後、両省間でよく相談をいたしまして、重要なときには話し合いができるような体制をつくってまいりたいと思っております。
○桝屋委員 ありがとうございます。ぜひ、節目節目にそういう舞台をつくっていただきたい。 と申しますのは、私もこちらへ来まして、労働委員会に入りまして、まず二つの書物を読んだのですが、高齢者介護・自立支援システム研究会の報告、これが厚生省のいわゆる介護システムを検討する報告書でございます。それから、労働省さんの方は、先ほどお話がありましたが、介護休業制度に関する専門家会合ですか、この報告書を読みました。やはり私は、両省に共通する介護問題に取り組むいろいろな部分が相乗りしていないのではないかという不安を非常に持っております。 それで、お聞きするのですが、例えばこういう介護休業制度に関する専門家会合、こういうのは大概、専門家、有識者に入っていただくわけですが、私が知る限り、やはり厚生省さんの意向をしっかり踏まえた有識者、あるいは労働省の意向をしっかり踏まえた有識者がいらっしゃるわけで、こういうものはどういう人を入れるかで決まるのですね。労使の問題でいつも大臣もお悩みになっているだろうと思いますが。そういう意味ではどうでしょうか、この厚生省の高齢者介護・自立支援システム研究会報告では、労働省に協議がありましたか、どうかいい先生を紹介してくださいと。労働省から、いやぜひこの先生をということで御紹介をしたとか。逆に、介護休業制度に関する専門家会合あたりは、これは厚生省に御相談されましたか、こういう先生をぜひ、厚生省の意向といいますか流れがよくわかっている先生に入っていただきたい、ついては、どなたかいい古いらっしゃいませんかと。こんな相乗りといいますか、こんなことはあったんでしょうか。まず労働省さんから。
○松原政府委員 私どもの専門家会合は、先ほどちょっと目的等も申し上げましたけれども、介護休業制度の法的措置のあり方を検討するというその前段階といたしまして、要介護者や要介護者を有する労働者の置かれた状況がさまざまだということから、例えば介護が必要な状態というのをどこまでの範囲とするか、どのように特定できるか、専門的、技術的見地からの検討が必要だということでお願いした会合でございます。 ですから、介護そのものもさることながら、法的な整備を念頭に置くということでございますので、法律的な見地からの御意見もいただかなければいけないというようなことでメンバーを私どもはお願いしたわけでございますけれども、その専門家の方々は、今申し上げました法律の専門家に加えまして、病院の院長さんですとか、実際に特別養護老人ホームに携わっておられる院長さんなど、また、老人問題についての専門家の方ですとか、それからこういったことを研究しておられる学者の方などにお入りいただいたわけでございまして、厚生行政にも十分通じた方にお入りいただいているわけでございます。 もちろん、この研究会の報告につきましては、先ほど来申し上げておりますように、そういう医学的な見地、厚生行政の見地もさることながら、介護休業制度ということになりますと労使の間の問題になってまいりますので、そういう点も踏まえなければいけないということから、先ほどのようなメンバーにさせていただいたわけでございます。
○桝屋委員 厚生省、どうでしょう。
○堤説明員 私どもの研究会の委員の人選に当たりまして、特に労働省さんと特段御相談をしたということではございませんけれども、委員の中には労働経済の専門の学者の方にも入っていただいたりいたしておりますし、逆に、今労働省の方から御答弁がございましたように、専門家会合のメンバーにも厚生行政に詳しい先生方もいらっしゃるということでございます。また、私どもの研究会を開いてまいります過程で、労働省の所管課とは情報連絡をとりながら進めてまいったところでございます。
○桝屋委員 この点はぜひお願いをしておきたいと思います。やはりしっかり連携をとりながら進めていただきたい。もちろん、それぞれの委員会の主たる目的はあろうと思うのですが、私は、その主たる目的の中で、関連分野がどうしても双方置き去りになっているのではないか、こういう危惧を持ちます。これはお願いをしておきたいのですが、時間もございませんので、さらに具体的な話に私は入りたい。 両省の協議の場ということで、もう少し突っ込んだ具体的なお話を申し上げたいと思うのですが、平成七年度新規事業として、育児・介護費用助成金の創設というものが労働省サイドの予算として仕込まれております。実は私はこの事業に大変関心を持っております。予算的にも、十六億ですか、平年度ベースで三十二億ぐらいの規模かなというふうに伺っておりますが、まさに育児・介護の費用を助成しようというこのスキームあたりも見させていただきましたが、どうもちょっとイメージがいまいちよくわからない部分がございます。ちょっとこの事業のイメージを御説明いただきたいと思います。
○松原政府委員 御指摘の育児・介護費用助成金は、育児や介護のために家政婦さんとかベビーシッター、ホームヘルパーなどを利用する従業員に対しまして、それに要する費用を補助した事業主に対して助成を行うというものでございます。それによりまして、育児や介護を行う労働者が安心して働き続けられる環境整備に向けた事業主の自主的な取り組みを促すというものでございます。 具体的には、育児や介護を行う労働者に対して家政婦、ベビーシッター、ホームヘルパー等の費用の一部を負担する旨を就業規則などに規定しているといったこととか、またはベビーシッター会社とかシルバーサービス会社などと契約している事業生そういう事業主に対しまして、労働者が実際に負担した経費があるわけでございますが、その経費の一部を補助または負担した事業生そういう事業主に対して、その費用の一定割合を支給するというものでございます。
○桝屋委員 これはどうでしょうか、具体的に今回の育児休業法の一部改正の法律との絡みはございますか。
○松原政府委員 ちょっと直ちに具体的な条文が出てまいりませんけれども、この助成金の支給についての根拠規定といいますか、そういったものですとか、この支給自体は国みずからではなく指定法人に行わせようと思っておりますが、そういった関連の規定は今回提案させていただいておりますものの中にございます。
○桝屋委員 この事業に私は大変関心を持っておりますのは、今局長さんからイメージのお話がございました。企業が、従業員が家政婦さんあるいは保育ママあるいはシルバーサービス会社等から育児・介護のサービスを受けた場合、その対価について一部費用負担がなされる。これは財源はどこからでございましょうか。
○松原政府委員 これは雇用勘定から出すことにいたしております。
○桝屋委員 予算的に十六億という数字、これは十月実施だろうと思うのですが、予算を計上されるについてどれぐらいの事業量を見込んでおられるのですか、事業量の枠をちょっとお教えいただきたいと思います。
○松原政府委員 この助成金は、助成割合として、まず中小企業につきましては事業主が補助した費用の五分の四、当面三年間でございますけれども五分の四を補助する、大企業につきましては二分の一を補助するということにいたしております。事業所当たりの年間限度額は百万円ということにいたしております。総額、御指摘の金額という状況でございます。
○桝屋委員 済みません、もう少し詳しく言ってください。年間百万でどのくらいの事業所を想定されているのですか。
○松原政府委員 恐縮ですが、今資料が手元にございませんので、後ほど……。
○桝屋委員 では、その数字を待つ前に、制度の仕組みとしてちょっと私わからないのですが、介護クーポン券制度がたしか平成六年からですか、五年だったかな六年だったかな、クーポン券制度が動いていますが、このクーポン券制度との関連はどうなりますでしょうか。
○松原政府委員 助成金は今申し上げたようなものでございますけれども、介護クーポン制度は、まず目的が、高齢化を迎える中で、企業の従業員の家庭における介護需要に対応して民間の良質な介護労働力を供給するというのが目的になっているわけでございます。 制度の仕組みは十分御承知だと思いますので、御説明は省かせていただきますけれども、この助成金制度と介護クーポンの制度との関連でございますが、介護クーポン制度を利用している企業におきましては、クーポン価格を割り引いて従業員に売り渡すということになりますと、従業員は通常よりも安価にそういう家政婦さんを利用できるということになるわけでございますので、そこで企業からの補助が行われたということになってまいりますことから、この育児・介護費用助成金の対象にするということにしているわけでございます。したがって、介護クーポン制度を利用し、かつ購入したクーポンをさらに割り引いて従業員に売った場合は、両方対象になるということでございます。
○桝屋委員 もう一つお聞きしたいのは、先ほどの予算の数字がちょっと知りたいのですが、この事業が対象としておりますのは、企業の従業員の方が介護あるいは育児が必要だということで、家政婦さんなり保育ママ、家政婦さんと簡単に書いてありますが、これは家政婦紹介所を通じてやるようなことにも多分なるでしょう。保育ママあるいはシルバーサービス等ですが、シルバーサービスというのは、労働省さんどうでしょうか、どのぐらいあるというふうに実態をお考えになっていますか。それと、私は事業の規模をあわせてお聞きしたかったわけでございますが、わかるところで結構でございます。
○松原政府委員 シルバーサービスと言われている事業所はいろいろあるというふうに承知しております。つまり、在宅介護サービスをやる事業所、在宅入浴サービスをやる事業所、介護用品や介護機器のレンタルサービスをやる事業所といいますか企業、それから有料老人ホームなど、こういったものを総括してシルバーサービスというふうに言われていると承知いたしておりますが、今回私どもが育児・介護費用助成事業において対象といたそうと思っておりますのは、あくまでも労働者の就業の継続を助けるということでございますので、主としてマンパワー関連のサービス、シルバーサービスの中でもマンパワー関連のサービスが中心になるというふうに考えているわけでございまして、シルバーサービス全体が今回の助成事業の対象になるかどうかは個々に判断していかなければいけないかとは思いますが、とりあえずはマンパワー関連をやりたいというふうに考えておるところでございます。
○桝屋委員 局長、マンパワー関連というのはどういうことですか、ちょっと私わかりません。では、シルバーサービスの中でどういう業種がマンパワー関連なのか教えてください。
○松原政府委員 これは個別にその事業の実態を判断することになろうかと思いますが、ただ単に用具を貸す、介護用品を貸すといったようなことですと、実際には労働者みずからの介護負担がそれによってなくなるというわけではありませんので、労働者みずからが介護することにかわってだれかがそれを担ってくれる、そういったものを援助するということを想定しているわけでございます。
○桝屋委員 わかりました。したがって、実際に労働者の介護にかわってマンパワーを提供するというサービスはそういうものだということですね。これが今現実とのぐらいあるのかというのは非常に気になるところですが、それと事業規模をまた後で教えていただきたいのです。 厚生省さんにちょっとお聞きしますが、こういうある意味ではまさにマンパワーのサービス、介護サービスを受ける者について、ある意味ではこれは公費が流れるわけでございまして、雇用勘定でしょうが、公費が流れるということになるわけですが、こうした事業について厚生省さんの評価、どういうふうにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
○堤説明員 厚生省といたしましては、公的な育児あるいは介護サービスの充実を図ってきたわけでございますけれども、国民の中には、こういう公的サービス以外に、今お話しのシルバーサービスあるいは子育てサービスを利用される方もいらっしゃるわけでございます。 介護問題は、先生初めからずっとおっしゃっておりますように、やはりいろいろな立場で、国民総がかりでやっていかなければいけない問題でございますので、そういう意味で、勤労者の皆さんが育児や介護を行いながら働き続けることができる環境づくりを進めるという意味では、私どももこの労働省の新しい事業を評価できるものというふうに理解をいたしております。
○桝屋委員 厚生省としては全くうかがい知らなかったという返事ではなかったので、安心をいたしましたけれども、大臣、私は先ほどから何を申し上げたいかといいますと、まさにこのいただいた育児・介護費用助成事業のスキーム、全体のフレームというのは、ある意味では厚生行政が今進めている介護システムとまた密接に絡む問題だろう。労働行政の中にもこういう直接マンパワーに対する費用の助成というのがあるということを私は一つは認識をしたわけでございまして、ある意味では私は結構なことだというふうに思っております。 そこで問題なのは、せっかくこういう事業を予算を組んでおやりになるわけですから、やる以上は私はいいものにしていただきたい、これはぜひ定着をさせていただきたい、こういうふうにお願いをするわけですが、どうも大臣、現場に行きますと厚生と労働行政の間に深い谷間がありまして、私が見えないくらい深い谷間がありまして、こうやって例えばシルバーサービス会社あるいは家政婦紹介所、保育ママさん等が企業の労働者にかわってマンパワーを提供しましょう、サービスを提供しましょう、こういうシステムを考えますときに、いいサービス、いい商品にするためには、介護、育児もそうですが、その先のやはり厚生行政と密接にかかわっておかないと、商品を買う側としては不安なのですよ、まあ商品と言っていいかどうかは疑問ですが。 例えば、家政婦さんに来てもらった、その部分をこの育児・介護費用助成事業で展開をした。ところが、さっきの話ではありませんが、そこから先どうしてもやれなくなった、これはやはり施設入所しなければいけない、こういう判断ができたときに、では来ていただいている家政婦さんを通じて公的サービスにつながるのかというと、なかなか現場でつながっていかないのです。そこら辺の連携が果たしてうまくいくのかどうか。あるいは介護という問題で一番国民が考えますのは、やはり病院です、医療です。医療と保健、それから福祉がしっかりつながっているということが大きな魅力といいますか、サービスを受ける側からすれば安心になるわけでございまして、そういう意味では、しっかり現場でこの辺をつなげていただきたい、こういうふうに私は思っております。 これは事業が始まったばかりですから、今後どういうふうになるかですが、そこのところに対する局長さんのお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○松原政府委員 先生おっしゃったとおり、これは始めようとしているところでございますので、そういった民間の各種サービスと公的サービスがどういうふうにつながっていくかということは私どももさらに勉強しなければいけない点は多々ございますので、今後の検討課題として受けとめさせていただきたいと思います。
○桝屋委員 お願いします。ぜひそこまでお考えいただきたい。それが嫌だったら厚生省に任せてしまえばいいのです。いや、そこまでやりますよというお取り組みの姿勢をぜひいただきたいと私は思います。でないと、現場で仕事をされる人が苦労します。現場がいつも悩みます。 厚生省にちょっとお聞きするのですが、こうした事業、さっき評価をするとおっしゃったわけですから、そういう意味では、厚生省の基本戦略である在宅介護支援センター、中学校区で一カ所、どんどん地域のニーズを吸い上げて、そこでいろいろなフォーマルなあるいはインフォーマルなサービスを提供する、その提供の援助をしようという仕組みがございますが、そうした中にこういう情報をしっかりインプットしていただきたい。インプットして、相談があれば、例えばシルバーサービスから相談があれば、あるいは家政婦さんから相談があれば、続いてそのケースは、厚生省は恐らく今から介護サービスに関する評価というものをしっかりお考えになるだろうと思うのですが、そうした対象にしっかり入れていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。いかがでしょうか。
○堤説明員 労働省さんとよく御相談をいたしまして、そういう方向で対処したいと思います。
○桝屋委員 続きまして、さらに具体的な問題ですが、今の問題に絡むのですが、家政婦対策、家政婦紹介所対策というふうに申し上げた方がいいと思いますが、昨年の十月に医療保険制度が大きく改正になりまして、家政婦さん方はいよいよ病院での就労がかなり難しい実態になっております。私ども、与党時代にこれを進めたわけでございますから、大変心配をいたしております。 ただ、これにつきまして大変ありがたかったのは、これは大臣、厚生省と労働省の共管ということで対策を取り組んでいただきました。これは高く評価を申し上げたいし、現場の家政婦紹介所、家政婦さん方からも評価をされているところでございます。その後、そうした協議会等をつくっていただいて取り組みをされておられると思いますが、最近の状況は、家政婦さん方の仕事が、紹介所の業務、紹介量あたりはどのくらい減っているのか、家政婦さん方が今どういう状況になっているのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○征矢政府委員 昨年十二月に、社団法人全国民営職業紹介事業協会が会員であります全看護婦家政婦紹介所を対象といたしまして、健康保険法改正後におきます付き添い解消の実態を把握するために調査を行ったものでございますが、これによりますと、一般求人で紹介所の六二・二%が減少したという結果になっております。それらの平均求人減少率は三一・六%でございます。また、臨時・日雇い求人におきましては六三・九%が減少したとなっておりまして、それらの平均求人減少率は二二・三%となっております。
○桝屋委員 今お聞きしたのですが、全体の六割ぐらいの紹介所で仕事が減っている。その減りぐあいが平均して三〇%。私が現場をずっと歩いてみますと、半分近く、五〇%減ったというケースも聞いておるわけでございますが、こうした状況に対して労働省として今どういう対策を講じられているのか、あわせてお聞きしたいと思います。
○征矢政府委員 こうした事態に対して私どもも大変心配いたしているわけでございますが、当面の対策といたしましては、家政婦及び家政婦紹介所を対象といたしまして、特定介護労働者雇用助成金の創設によります病院における雇用の確保、介護クーポン制度の普及促進によります企業と紹介所団体の連携促進、家政婦に対する職業講習の充実による資質の向上等の対策を講じているところでございまして、今後ともこれらの施策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○桝屋委員 先ほど評価をしているというふうに申し上げましたけれども、確かに今回のこの改正に伴う家政婦対策、私は相当努力をしていただいているというふうに評価をいたしております。 そこで、ちょっとお聞きするのですが、先ほども話が出ましたが、介護クーポン制度、この状況はどんなですか、ちょっと現状を。 特に現場で聞いておりますのは、介護クーポン制度は始まったばかりだからまだ評価してくれるなという話もありまして、私も期待をしながら見ているわけでございます。ただ、都市部においては今後相当の効果も期待できるんだけれども、私、山口県選出でございますが、山口県あたりでは、まず企業がない、人がいないわけでして、余り期待できないという実態もございます。そういう意味で、地方、地域別の特性も踏まえてどういう状況になっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○征矢政府委員 この介護クーポン制度におきましては、提携先であります企業及び利用者であります勤労者が都市部にやはり多く集中している、こういうことがございまして、おっしゃるように、地方に比較しますと、都市部において果たす役割が大きいのではないか、こういうことにならざるを得ない面もあるのではないかというふうに考えております。 当面、この介護クーポン制度は、将来在宅介護の分野への家政婦の職域を拡大するための有効な施策として普及したいということでございまして、現在、全国的にこの提携促進のための周知を図っているところでございます。 介護労働安定センターの支部におきましては、制度周知のために、昨年十二月五日現在で、全国で八千五百二十二人の企業関係者を集めまして、百四十九回にわたりまして説明会等を開催し、周知に現在努めているところでございます。
○桝屋委員 ぜひ積極的なお取り組みをお願いしたいと思います。 それで、あわせまして、先ほど局長さんからお話があった例の新規事業、育児・介護費用助成金の創設、これなんかの抱き合わせのPRも、十月からでしょうから時間がある、これも一緒にやっていいですよね、局長。ぜひ、あわせてPRをお願いしたいというふうに思っております。 それで、きょうは厚生省さんも来られていますのでお伺いするのですが、実は、いろいろな現場で声を聞いております。特に今回、厚生省さんの特別のお計らいで、臨時短期雇用、その診療報酬上の評価に特例の取り扱いをしていただいているというふうに思っておりますが、かなり周知をされてまいりましたが、特に老人病院において、いまだ社会保険に加入していない者は診療報酬上の評価をしないというような話もあるやに聞いておりまして、その辺のPRをしっかりお願いをしたいと思いますが、状況はいかがでございましょうか。
○下田説明員 十月以降、付添看護の解消につきましては、厚生省におきましても調査を行っておるところでございます。現在、取りまとめの段階でございますので、確定した数字は申し上げられませんが、先ほど先生の御指摘のような、登録者数でおおむね六割程度、求人状況で三割程度減っておるという状況はつかんでおるところでございます。 それから、実態といたしまして、付き添いをつけていいその他看護病院、これらが十月から変わってきておるわけでございますが、いろいろな診療報酬上の制度を使いまして変わってきておりますが、特に注目をいたしておりますのは、その他看護病院から新看護等、これはつまり付き添いをつけてはいけない病院でございますが、八百十一病院に移行したということでございまして、その他看護病院の約二割が移行してきつつあるというふうに考えておるところでございます。
○桝屋委員 御答弁がなかったのですが、老人病院等のPRもしっかりお願いをしたいと思います。 それで大臣、時間もありませんからここもまとめて申し上げますが、家政婦紹介所あるいは家政婦さん方について、昨年の十月の医療保険制度の改正で、実は両省で協議をして、平成八年三月三十一日まで暫定期間があるのでその間ソフトランディングをしようという発想でいろいろな手当てを考えたわけですが、実は診療報酬の改定がかなりいいものだったので一気に医療機関が、今もお話がありましたように新介護、看護基準に移行してしまった、あっという間に家政婦さん方は、今まで八割、九割方が病院に入っている、これが就労の実態だったのですが、そこで仕事がなくなるという実態が今出てきております。 全国で十五万あるいは十三万と言われております。大変な介護マンパワーでございまして、ある意味では私は、厚生省さんは今あのようにおっしゃっていただきましたけれども、ある時期までは、つい最近までは基準看護の病院には家政婦さんなんかいない、実態はありながらいないという見解、そういう中で大変苦労して、まさに未整備の、いまだ整備が十分でない段階における医療保険制度の下支えをしてこられたのは、私はこの家政婦さん方だろうというふうに思っております。 ただそこが、大変な国民に対する保険外負担ということで大きな議論になってきたわけでございまして、私は昨年の十月の制度改正はやむを得なかったというふうに思っておりますが、残念なのは、やはりこうした家政婦さん方の介護マンパワーをいかに有効に活用するか。もうお年を召された方はいいわけですが、相当の数で介護サービスのアテンド土、労働省が認定をされている技能士あたりの資格をお取りになって、公的なヘルパーさんなんかに比べて本当に遜色のない、それ以上の実績と見識をお積みになっている、そういう家政婦さん方もたくさんいらっしゃる。そうした中には、仕事がなくなったがためにこの後生活保護を受けなければいけないというような実態も聞こえてくるわけでございまして、私は、ぜひ、今まで下支えをしてこられた介護マンパワーですから、今後とも有効に活用できる方途はないのかということで実は私なりに随分頭を痛めてまいりました。 それで一つは、正直申し上げて有料職業紹介事業というこの形態、これが家政婦紹介所ということで全国に相当数あるわけですが、ある意味では病院に入って仕事をするという実態はもう無理だろうというふうに私は思います。ある意味では、山口県なんか十二の紹介所がありますが、恐らく二つか三つに収れんをするだろう、あとはリストラされるのではないか、こういう声さえあるわけでして、将来を展望した上で、この家政婦紹介所あるいは有料職業紹介事業というものがある意味では兼業という形でもいいから、私は質的な改善をしていくべきではないかというふうに思っております。例えば、二、三の紹介所が集まって新たな介護サービスの民間会社を起こすとか、そうした努力も私はやっていくべきだろう。 ところが、家政婦紹介所の所長さんというのはもう本当に女性の方が多くて、なかなか時代を見据えた質的変換というのはできないわけでして、あるいはまた零細企業といいますか、大変小さな紹介所も多くございます。そうした実態の中で質的改善を図るためには、ぜひともこれも厚生労働両省でいろいろなお取り組みを今後いただきたい、私はこう思っておるわけでございます。 そこで、一つ山口県の実態で、家政婦紹介所が民間の福祉サービス会社を有限会社でつくってしまった。これが今から公的サービスの担い手になり得るかというと、ちょっといろいろ問題があるようなんです。ここら辺、厚生省どうでしょうか。そうした展開を図る二枚看板を掲げて地域のニーズにこたえていこう、こうしたときに問題があるやに聞いておりますが、厚生省さんのお考えをちょっとお聞きしたい。
○堤説明員 今先生御指摘の、例えば家政婦紹介所がそういう会社をつくりまして、ヘルパーなどを抱えてそういうシルバーサービスの場に進出をしたいという動きは全国にもございます。具体的にそういうシルバーサービスの業者につきまして、私どもの方で国民の方が安心して利用できるようにシルバーマークを付与するというような制度をやっておりますけれども、家政婦紹介所が企業体をつくってシルバーマークを取得したというところまでいったのが一件ございますし……(桝屋委員「一件ですか」と呼ぶ)はい、一件ございます。まだそこまでいきませんけれども、いずれそういう方向を目指してということで、そういうシルバーマークを得ている会社が集まった協会がございます。全国在宅介護事業協議会というものがございますけれども、そこに、家政婦紹介所が会社をつくった、そういう会社がもう何社か既に準会員として入っておられます。いずれは、そういうシルバーマークの基準を満たせば、先ほどの一社のように正式のメンバーにもなっていかれるのではないかと思います。
○桝屋委員 準会員でどのぐらい入っているのですか。
○堤説明員 準会員が三十一社ございます。
○桝屋委員 紹介所絡みが いいです、いいです、もう時間ありませんから。
○堤説明員 三十一社のうちの二十五社がもともと家政婦紹介所がつくられた会社ということのようでございます。
○桝屋委員 時間がありませんのでまとめたいと思います。 これは有料職業紹介事業が今のような取り組みをする場合に、厚生省はシルバーマークを取れと言うのです。ところが、シルバーマークのハードルは極めて高いのです。一年ぐらい実際に転がして仕事をして実績を積まないとなかなか認可をいただけない。これはこれで私は、ハードルが高いのはそれなりに意味があるだろうと思います。では、家政婦紹介所がそこを越えられるか、新しい展開をするときに。ところが、なかなかそういう資力もないし、設備投資も大変だ、シルバーマークのレベルは高いですから。行政がそこのところを支援をしてあげるというようなことが私はあってもいいのではないか。これはどちらかというと労働行政のお役目だろうというふうに私は思っているところでございます。 時間もありません。大臣、今の点は要請を申し上げておきたいと思います。 本日、ずっと一貫して私は厚生と労働にかかわる問題を申し上げてまいりました。先ほど大臣からは、適宜適切に両大臣が会ってトップダウンでいきたい、こういうお話もございましたが、どうか、これからの二十一世紀の少子・高齢社会を考えるときに、この両省の連携は極めて私は大事になってくるだろう、そこのところを大臣に再度お願いを申し上げたいと思います。この両省の連携ということで、最後に大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○浜本国務大臣 委員が御指摘のように、両省の連携はますます重要になってくると思いますので、よく協議をしながら進めてまいりたいと思います。
○桝屋委員 きょうは大変にありがとうございました。
○笹山委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○笹山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。初村謙一郎君。
○初村委員 午前中も熱心な論議がされたようでありますけれども、労働委員会に私も初めて所属をさせていただきまして、しかも私どもの新進党の諸先輩方の御配慮をいただきまして質問の機会まで与えていただきました。初めてでありますので、何だそんな質問がと言われるような初歩的な質問もあろうかと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。 まず、大臣に、働く、労働する、あるいは労働者の意味合いといったものを、基本的なお考え方といいますか、特に大臣におかれましては、社労族といったらおかしいですけれども、特に労働行政に対しては本当に精通をされた方でありますので、ぜひ人生観も含めて、働くという意味合いのことをちょっとお聞きをしたいなというふうに思っております。 〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕
○浜本国務大臣 大変難しいお尋ねなんですが、労働ということは文字どおり働くことを意味しておると思うのでございますが、ただ、働くことを通じまして自己を高めるとともに豊かな生活を送り、ひいては経済社会の発展に寄与するものであるというふうに理解をいたしておる次第でございます。 したがって、労働行政といたしましては、こうした考え方のもとで、働く方々すべてが働きがいがあり、またゆとりを実感できるような、そういうような気持ちを持っていただき、そのためには雇用の安定や福祉の向上を図ることを重視していかなければならないというふうに思っておるような次第でございます。
○初村委員 政治体制が変わってまいりました。保守革新と言われる時代から、労働組合の持つ意味合いも恐らく変わってきたのではないかな。特に、戦後から日本の今日の高度成長、バブルの崩壊、景気の低迷を含めて、少子化時代、高齢化社会というものを迎えようとしておりますけれども、その中で、今大臣の御答弁の中で、自己を高め、豊かさを求め、そして経済の発展にということでありますけれども、私はむしろ、特に三十年代、四十年代というのは経済発展を主眼に置いていたのではないかなというふうなことを感じております。 むしろ逆だったのではないかなというふうな感じがいたしておりますけれども、その中で、恐らくもう確実に予測がされておりますけれども、少子化社会、今子供さんの数が夫婦一人当たり一・四二とか四六とか、よく詳しくはわかりませんけれども、そういう時代を迎えております。この数値は、もし日本人同士が結婚するとすれば、約八百年後には日本人がなくなるような数値だそうです。あるいは高齢化社会、もちろんその比率も高まっておりますし、私が生まれ育ちました長崎県におきましては一六%という今数値が出ておりますけれども、その中で、要するに勤労者と経済の生産力との関係といったものをどのようにとらえておられますか。
○浜本国務大臣 我が国におきましては、先生御指摘のように、出生率の低下、逆に言えば平均寿命の伸長を背景に、高齢化が急速に進展をしております。こうした少子・高齢化の進展が我が国の経済社会の発展を停滞させるのではないかという見方も一方にはございますが、しかし、我が国の高齢者の就業意欲というものは非常に高いものがございます。こうした高齢者に働く意欲、能力を十分発揮していただくことで我が国社会経済の活力を維持していくことができるのではないかと思っておる次第でございます。 そのため、労働省といたしましては、希望されれば六十五歳まで現役として働ける社会の実現を目指しまして、六十五歳までの継続雇用の推進でありますとか、また高齢者が多様な形態により働けるようにするための施策を充実させるとか、例えば高年齢雇用継続給付というようなものを支給いたしまして、各般の施策を積極的に取りまぜて推進することによって、高齢者の皆さんに働いていただける環境をつくるこどができるのではないかと思っておるような次第でございます。
○初村委員 労働意欲の問題が出てきました。ちょっとあれですけれども、私が今よく就職を頼まれたり、どこか仕事がないですかと、こういうふうなお話をよく受けます。そのときに、労働意欲はありながら、なおかつできればいいところに、できれば自分が希望するところにというふうな、むしろ労働意欲というよりもその職種を選ぶ意欲の方が高いような感じがするときがあります。 そういう認識の中で、これはちょっと通告をしておりませんけれども、三十年代、四十年代あるいは五十年代と違って、特に政治体制が変わった中で、要するに保守革新がなくなってきた今、労働運動、労働組合の持つ意味といったものは変わりつつあるというふうに思いますけれども、その辺の所感を大臣としてお聞かせをいただければというふうに思っております。
○浜本国務大臣 私も労働運動に携わってまいりました一人でございますので、これまでの経緯を考えてみますと、日本の経済社会が戦後崩壊をいたしまして、非常に問題がある時代には労働運動もそれだけ先鋭化いたしまして、とにかく自分の経済的な条件を高めようという運動が積極的に展開されたというふうに思います。したがいまして、非常に争議の件数も多かったというふうに思いますが、今日では日本の経済社会が発展をいたしまして、比較的戦後の状態に比べますといい環境になってきたというふうに思います。 そこで、労働者の考え方も多様化いたしましたし、また労働者の要求の内容も相当変化をいたしておりまして、最近では経済構造の変化が進む中で、雇用の安定というところに大変大きな比重を置かれて労働運動を展開されるというふうになっておると思います。 したがいまして、従前の労働運動の姿と今日の労働運動の姿というものは相当変化をしておるのではないかというふうに思っております。
○初村委員 労働大臣はたしか経済対策の閣僚会議にも、正式名ちょっと私わかりませんけれども、出ておられるというふうに思いますが、今の雇用状況、それから失業率の数値を示していただきながら、要するに、経済対策について労働大臣としてどのように今のところお考えでしょうか。
○浜本国務大臣 まず、我が国の経済というのは緩やかな回復基調をたどっておるというふうに言われておりますが、雇用面におきましては製造業を中心に依然として厳しい状況にあると思います。最近の数字を申し上げますと、有効求人倍率はここ数カ月〇・六四倍というふうになっておりまするし、また完全失業率も最近は三%を切りまして二・九から二・八だというふうに言われておるわけでございまして、依然として厳しい状況にあるということを私は理解をいたしておるわけでございます。 雇用の回復がおくれますことは景気の回復にも悪影響を及ぼしかねないというふうに思いますので、私といたしましては、景気の回復を支えていくためには、どうしても雇用の確保あるいは雇用対策を積極的に推進していくことが大切ではないかと思っておるような次第でございます。 したがって、労働省といたしましては、当面、雇用支援トータルプログラムの継続実施など、雇用情勢の変化に即応いたしました対策を機動的に実施をいたしておる次第でございます。
○初村委員 労働省の持つ意味合いというのは、僕は非常に高くなってきているといいますか、必要性というのを非常に感じております。そういう面では、雇用対策も含めて経済対策にもぜひ大臣としてやっていただきたいというふうに思っております。 さっきの大臣の要するに労働組合の認識の中で、私ももう確実に変化をいたしておるというふうに認識をしております。例えば私は、一昨年の七月に初当選をさせていただきましたけれども、もう政治の中はちょうど洗濯機の渦の中にぽつんと入れられたような状況でありますし、それから世界ももちろん八〇年代の後半から変わってきております。 その中で、日本人というのは、恐らく三十年代、四十年代、要するに高度成長の中では我が国は一億三千万人のことを考えておけばよかった時代から、地球上の五十億、むしろ六十億ぐらいおるんではないかというふうに思っておりますけれども、五十億、六十億人の人間のことを心配しなきゃいけないような、そういう世界的な地位も占めてまいりましだ。 そして、もう一つの考え方として、先ほど大臣からもお話がありましたように、人生五十年の時代から八十年、九十年の時代になってきた。ひょっとすると全員がきんさん、ぎんさんまで、百歳ぐらいまでいくような時代が来るかもしれませんけれども、要するに人生五十年から八十年になったというふうな、二つの国内的な問題とそれから世界的な問題があるというふうに思っております。 そういう認識の中で大臣は、要するに労働行政として、あるいは一政治家として、世界の中での日本の役割、そして高齢化社会を迎えるに当たっての労働行政のあり方といったものをどういうふうに御認識でございましょうか。
○浜本国務大臣 二つの御質問がございますので、まず第一の問題からお答えをいたしたいと思います。 我が国が国際社会との調和ある発展を図っていきますためには、開発途上国に対しまして技術、技能を伝えるなど、人づくりの面で積極的に協力することが最も大切であるというふうに考えております。 そのため、労働省といたしましては、開発途上国に対しまして職業能力開発分野の専門家を派遣したり、それらの国から外国人研修者を受け入れ、さらには技能実習制度を推進するなどいたしまして技能の実習に努めておるところでございます。 今後とも、これらの施策を積極的に実施することによりまして、人づくりの面で国際協力を強力に推進いたしまして、国際社会において先進国としての重要な役割を果たしていかなければならないと思っております。 それから第二番目は、労働省の基本的な考え方といたしましては、働こうと思えば六十五歳までは働けるんだというような環境を整備していく必要があると思っております。そのためには、高齢者の雇用確保、それに対する高齢者継続雇用助成金制度などを活用いたしまして、できるだけ高齢者の方が職場の中で働いていかれ、日本の経済社会に貢献していただくような環境を積極的に整備していかなければならないというふうに思っております。そのための法案も今国会には提案をさせていただきまして、皆様の御審議を賜りたいと思っておる次第でございます。
○初村委員 もうまさに今の日本の役割といいますか、特に労働省の関係する技術あるいは技能、大臣がおっしゃられた人づくり、もちろん教育の方もあると思いますけれども、日本に課せられた使命といいますか、そういったものはあるというふうに思っておりますが、実は私の生まれ育ちました長崎県には昔から出島というところがございまして、外国人、異国人がたくさん交流をされた場所であります。スペイン、ポルトガル、ロシア、それからもちろん中国もそうでありますし、韓国もそうでありますし、最近に至っては、貿易風に乗りましてベトナムや中国からの移民といいますか、難民を抱えているところであります。 そこで、ふっと思うのでありますけれども、これは長崎県の活性化だけではなくて、先ほど大臣がおっしゃいました、海外に出て技術協力をする、あるいは技能を教えるということも非常に重要なんでありますけれども、どうでしょうか、日本に、我が国に外国人に対する職業訓練校といったものをつくるお考えはないでしょうか。 といいますのは、日本につくるという意味合いは、恐らく今までも各企業に外国人の方を入れてというふうなことがあろうかと思いますが、やはり規制が非常に厳しゅうございます。むしろ、民間で働くことが一番ある面では技能を高める、あるいは技術を高めるという上では非常に重要だと思いますけれども、国の施策として外国人のための、あるいはそういった国際協力の中で外国人のための職業訓練校あるいは能力開発センターみたいなものを設置されるお考えはないか、この点をちょっとお聞きしたいと思います。中井局長からお願いします。
○中井政府委員 今大臣がお答え申し上げましたように、国際協力ということで、一つは、外国人の研修生に私ども労働省が援助をしながらやっておりますものは、生産現場の中核となる人あるいは生産現場のリーダーとなる人の研修をやっております。それから技能実習制度、具体的に仕事をしながら技能を覚える、そういう制度で外国人の方を受け入れております。また、それ以外にも、来年度の予算では、職業能力短期大学校というところに留学生を受け入れて、それぞれ職業訓練の、それぞれの国の、発展途上国の中核になるような人の養成をしよう、そんなことをいろいろな形でやっております。
○初村委員 そういうことをやっておられるということでありますので、ちょっとお聞きをしたいと思うのですが、局長、開発途上国と言われる国々のどういう国々から何名ぐらい毎年お見えであるのかというのを具体的にちょっと教えていただければというふうに思っております。 大臣におかれましては、私は実は、先ほどの答弁の中で、要するに世界の中の日本の役割といったものは、ある面では、例えば国際経済力がトップから突然三位になったとか、アメリカが一位に復活したとか、あるいは東南アジアの国が二位になってきたという世界の変わり方もありますけれども、私も、要するに資源のない日本がこれからも世界の中で貢献していけるのだろうかという実は危惧を持っております。かつて繁栄した国、日本ではなくて、やはりこれからも世界の中でリーダー国として、あるいは指導できる国としてある面では繁栄を続けるべきではないかなというふうに思っております。そういう認識の中で私は先ほどから質問しておりますので、御理解をいただきたいと思います。 局長、よろしくお願いします。 〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕
○中井政府委員 私どもが援助をしております研修につきましての数字でございますけれども、各途上国の生産現場のリーダーとなるような国際技能開発計画の研修は、大体毎年百八十名程度でございます。それから、生産現場の中核になるような基礎的な研修を内容とする研修につきましては、大体六百人ぐらい毎年入れておりまして、その半数ぐらいが大体中国の方でございます。それから、あとはインドネシア、タイというようなところが多い国です。それからあと、技能実習制度でございます。これは、現在のところ、今の実績は大体二千人ぐらいがそういう形で入ってきております。
○初村委員 そういったかなりの数なんですが、要は中国やインドネシア、タイといった国々の方がその技能を学ばれます。確かに現地に帰られたら、すばらしい日本の技術を持って帰られますけれども、恐らく私は、中国なんというのは市場の大きさからいいますと、ある面では、日本が資源を輸入してその国々に逆に経済的な圧迫をかけてきたというふうな問題もありますけれども、そういった国々の方が一番大事なことは、技能を学ぶことも大切なんですが、その後、やはり日中関係であるとか、日イ関係であるとか、日タイ関係であるとかといったものを大事にしていただくということが非常に大事だというふうに思っておりますので、その辺も留意しながら、ぜひそういった外国人に対する技能につきましては御配慮をいただきたいというふうに思っております。 それから、自治省からきょうはお越しをいただいておりますけれども、ラスパイレス指数というものがございます。ラスパイレス指数というのは、言葉が古いといいますか、久しぶりに私自身も使いました。実はこの前もへ大体高い自治体はわかっておるのですが、講演をしましたときにラスパイレス指数どうちの田舎で言いましたら、パールライスと間違うぐらいに実は行革という言葉も死語になりつつある。そういう意味で、もう一回ある面では日本がやっていかなければいけないことの中に行革というのがあると思うのですが、どうでしょうか、高い自治体の順番を、高い自治体のベストテンをどうぞ挙げていただけませんでしょうか。
○伊藤説明員 平成五年四月一日現在におきますラスパイレス指数の上位十団体を申し上げます。 まず、一番高いのが大阪府の枚方市であります。以下、岸和田市、四條畷市、東京都の武蔵野市、大阪の箕面市、この五団体が一一〇以上でございます。それから、大阪の高石市、東京都の立川市、昭島市、大阪の寝屋川市、大阪の門真市、以上が十団体でございます。
○初村委員 これは、県民所得が一位から四十七位まであるように、高いのは当然ベストテンというのはあるわけですけれども、要するに、自治省がこれまで行革行革と言ってきましたね。そのころからこれまでの間、私は十年か十五年ぐらい前だと思うのですけれども、この間にどういう御指導をされたのか。要するに行革といったものは忘れられているんじゃないかなという感じがするのですが、どういうことをやってこられたのか、教えてください。
○伊藤説明員 お答えいたします。 給与関係についてのお答えをさせていただきたいと思いますが、地方公務員の給与水準を示しますラスパイレス指数は、昭和五十年以降、十九年連続で低下しておりまして、平成五年四月一日現在で、全地方公共団体平均で一〇二・四となっております用地方公共団体の努力によりましてその適正化が着実に進展しているものと受けとめております。 しかし、御指摘のような一部の地方公共団体、なお一層の給与水準の適正化に取り組む必要のある団体もありますので、自治省といたしましては、昨年十月に地方公共団体に通知いたしました「地方公共団体における行政改革推進のための指針の策定について」におきまして、行政改革推進のための重点事項として給与の適正化を取り上げ、さらに給与水準の是正、給与制度及びその運用の適正化を要請したところでありまして、今後ともその指導助言に努めてまいりたいと考えております。
○初村委員 自治体のことですから、ある面では、私は実はこれは労働省の方に聞こうと思いましたらば、いや、これは違います、自治省に聞いてください、むしろ自治省の所管ですというふうなことでございまして、わざわざ労働委員会にも自治省から来ていただいております。 その中で、大臣、どうでしょうか、質問通告はございませんでしたが、ラスパイレス指数が高いところと低いところと、大分是正されておりますけれども、要するに行革に対する、あるいは地方公共団体の取り組みについてどのように評価をされておられますか。
○浜本国務大臣 行革全体の問題につきましては、積極的に現村山内閣が取り組んできておるところなんですが、今のラスパイレスの問題につきましては、国の平均給与を一〇〇とした各自治体の給与水準を示したものだというふうに伺っておるのですが、労働省といたしましては、自治省を指導する立場ではございませんので、この問題について直接私の見解をお話しすることはできないと思います。したがって、やはり自治省として適切に処理されるべきものだというふうに理解をいたしております。
○初村委員 自治省は地方公共団体を指導できると思うのですね。あめとむちを持っておられますので、ある面では指導できると思うのですが、むしろ、村山内閣が命運をかけてやろうとされたこの行革について、要するに総理の決意があれば自治省を指導できるという立場にあるというふうに私は逆に思っております。 そういう面で、今大臣が言われました、村山内閣が積極的に取り組んでおられる行革についてちょっとお聞きをしたいと思いますが、厚生省の方にもお見えをいただいておりますが、社会福祉・医療事業団、それから年金福祉事業団の役割というものについてお聞きをしたいと思います。それから、もしよければ役員構成をお教えをいただきたいと思います。
○吉武説明員 社会福祉・医療事業団でございますが、高齢化社会の到来を控えまして、社会福祉、医療の普及向上を総合的に図るという見地から、昭和六十年に社会福祉事業振興会と医療金融公庫とを統合いたしまして発足いたしました特殊法人でございます。この社会福祉・医療事業団は、ゴールドプラン等の国の施策と一体となりまして、保健、福祉、医療の基盤整備を図るために、民間で実施をしております社会福祉施設でございますとか、あるいは民間の医療施設に対しまして低利の融資事業を行いますとともに、民間の社会福祉施設職員の方々の退職手当の共済事業等を実施しているところでございます。 役員の構成でございますが、常勤役員が理事が六人でございます。それから、監事は非常勤でございまして、非常勤監事が二人でございます。 以上でございます。
○初村委員 年金福祉事業団は。
○井上説明員 年金福祉事業団は、厚生年金、国民年金の被保険者のための年金還元融資の専門機関として設立されたものでありまして、厚生年金及び国民年金という公的年金制度の加入者や受給者の福祉の向上のために、住宅融資、貸し付けなどの積立金の還元融資を行いますとともに、将来の年金財政の基盤強化という観点から資金運用事業を行っているところでございます。 役員の構成でございますが、常勤の役員四人、それから監事は非常勤でございますが一名、以上の構成でございます。
○初村委員 その役員の構成は大体聞いておりますが、厚生省から行かれている方——OBを含めて医療事業団の場合は六名、二名、それから年金福祉事業団の場合は四名、一名ということでありますけれども、それは何人ぐらいおられますか、そこをお聞きしたいのです。
○吉武説明員 社会福祉・医療事業団でございますが、先ほど申し上げました理事が六名でございますが、就任前でございますね、理事に就任前厚生省に勤めておりました者が三人でございます。それから監事でございますが、監事につきましては厚生省のOBはございません。
○井上説明員 年金福祉事業団でございますが、常勤理事四名のうち、前あるいは元という者を合わせますと、三名が厚生省の関係でございます。非常勤監事につきましては、厚生省出身ではございません。
○初村委員 これは説明と数値をお聞きしただけでございますので、どうぞお帰りください。結構ですよ。ありがとうございました。 労働省の方にお聞きをしたいのですが、労働福祉事業団、中小企業退職金共済事業団、雇用促進事業団の役割についてお聞きをしたいと思います。
○廣見政府委員 労働福祉事業団でございますが、労働福祉事業団は、労災病院やリハビリテーション施設の設置運営を行うこと、あるいはまた社会復帰資金の貸し付けを行うこと、さらには未払い賃金の立てかえ払いを行うことなど、こういうことによりまして労働者災害補償保険の労働福祉事業を適切かつ能率的に行うということが役割でございます。そういうことによりまして労働者の福祉の増進に寄与することを目的として設置されている法人でございます。
○七瀬政府委員 中小企業退職金共済事業団について御説明申し上げます。 この事業団は、独自に退職金制度を持つことが非常に難しい中小企業の事業主から毎月掛金を、現在最低で四千円、最高二万六千円となっておりますが、その掛金をお預かりしてその加入者に、働いている労働者の方がおやめになったときに退職金を支給するということで、現在、事業所の数にして四十万、対象労働者数といたしまして二百八十万人の方が加入している実情にございます。
○征矢政府委員 雇用促進事業団でございますが、これは雇用保険法に基づく雇用保険制度の中の職業能力開発事業及び雇用福祉事業につきまして、その一部の業務を国にかわりまして実施する事業団でございます。 具体的には、離職者に対する職業訓練を初めといたしまして、雇用の安定と労働者の福祉の増進という観点から、雇用管理相談援助等の業務、職業能力開発促進業務あるいは建設雇用改善法に基づきます建設雇用改善業務、移転就職者用宿舎の設置運営、勤労者福祉施設の設置運営など公益性の高い業務を、かつ採算性から民間部門では対応できない事業を実施しているところでございます。
○初村委員 ありがとうございました。 私がこれを大臣に申し上げたかったのは、要するに一般的に、例えば文字だけ見ますと厚生省の社会福祉・医療事業団と労働福祉事業団というのは統合できないのだろうか。文字だけですよ、中身ではありません。それから、年金福祉事業団と中小企業退職金共済事業団の統合があり得ないのかというふうに思うのであります。今みたいに詳しくわかりますと、なかなかそれぞれ頑張っておられるということがわかるわけでありますが、そこで大臣、どうでしょうか。大臣に就任されて、こことここは一緒になってもいいのじゃないか、特に社労と言われた先生でありますので、その辺長く見ておられて、例えば各事業団の下部組織あるいはほかの省庁との、これはなかなか言いにくいことでありましょうけれども、例えば厚生省のあそこは労働省のあそこと一緒になっていいのになというふうなところがありませんでしょうか。その辺どうでしょう。
○浜本国務大臣 それぞれ特殊法人は生まれた歴史と経過がございますので、なかなか統合とかいうものは難しいと思います。したがって、労働省と他の省庁とのやや名前が似通った特殊法人を一緒にするとかしないとかいうことはなかなか申しにくいところでございます。 したがって、村山内閣が発足をいたしまして、総理の積極的な特殊法人の統合、見直しという意思に基づきまして、私は私の所管である労働省内の見直しについて一生懸命取り組んでまいりまして、既に先生御承知のような特殊法人の合体というところにたどり着いたような次第でございまして、それが、いろいろやってみまして難しいものですから、精いっぱいの見直しの作業になったというふうに思います。
○初村委員 村山政権が命運をかけてやっておられますので、私はたしか昨年には出てくるのかなという気がしましたら、何か今年度中というふうなことになっておりますし、今年度中からことしじゅうにならないようにぜひ、同じ党におられますので一緒に頑張っていただきたいというふうに思っております。大体、今新聞報道で三月末ごろというふうなことが聞かれておりますけれども、大体そのころでよろしいのですか。
○浜本国務大臣 先般の閣僚懇談会におきましては、大体総理の意思で今年度末までに見直しの成果を上げよう、こういう御指示をいただいておりますので、それに向かって今努力をしておる最中でございます。
○初村委員 大いに期待をしております。 それでは災害の関連につきまして、ちょっとお聞きをしたいと思うんですが、私の住んでおります諌早市というのは雲仙・普賢岳から山が見えますし、もう既に百四十メーターぐらいですか隆起をしておりまして、月に二、三回、風向きによっては灰をかぶっております。「島原大変肥後迷惑」と言われるくらいに熊本県までその灰は届いているらしいんですが、要するに生活の根幹というものの中に衣食住がありますけれども、特に住の問題というのは、雲仙・普賢岳の災害のときだけではなくて奥尻のときもそうでありました。体育館で、島原の場合も、何カ月も電気をつけたまま、仕切りもないまま暮らしておりました。 関西でちょっと進歩したなと思うのは、要するに兵庫の体育館の中に仕切りをつくるぐらい、あるいはこういう仮設住宅は厚生省の所管でありましょうけれども、仮設住宅も雲仙の場合は二戸を二つに仕切って使っていた。それが神戸の場合は、かなり設備もそうでありますし、広さも大分、前の災害とすると勉強されているなというふうな感じがいたしておりますけれども、しかし、もう四年も五年もたっております。雲仙・普賢岳に対しては五年間もうそのまま、実はいまだに被災中であります。 そういう認識の中で、要するに住の部分ですね。仮設住宅の問題は厚生省であるというふうなことを言われますけれども、労働省が実は雇用促進事業団の中で雇用促進住宅を持っておられますけれども、雲仙のときも対応が非常に少し違うございました。むしろ民間のホテルが県や市町村に言って、ホテルを営業しないで被災者の方々を住まわせたらどうだということでやったこともございますけれども、労働省として、要するに住の部分で、大臣、どのように被災地の方々に提供できるのか、お考えはどのようなものがあるか、お聞かせいただきたい。
○浜本国務大臣 お話しのように、被災者が生活の根幹であります衣食住について不自由することは、非常につらく苦しいことであると思っております。中でも、委員御主張のように、住について避難所という限られたスペースの中で生活をすることは、非常に厳しいと思います。これは一日も早く解消されなくてはならないことであると思っております。 今回の震災に際しまして、労働省といたしましては、雇用促進事業団が設置運営しております兵庫県及び近隣府県の雇用促進住宅の空き家と申しましょうか、約千七百戸を被災者の当面の居住の場として提供することにいたしております。現在のところ、十九名担当者を派遣いたしまして、いろいろお世話をさせていただいておるわけでございますが、千七百戸のうち入居いただいておるのが四百八十八世帯、千三百名ということでございます。もう少しあいたところがございますので、積極的に御案内を申し上げまして、ぜひ御利用いただくようにお願いをいたしておるところでございます。
○初村委員 職安局長さん、今大臣の答弁の中で、要するに災害の前もあいていたという問題もあるんでしょうけれども、災害前に使われていなかった雇用促進住宅は大体どれぐらいあるのか。それから四百八十八カ所、要するに千二百十二カ所はまだあいているという状況の中で、要するにどういう広報体制を持ってやっておられるのか、あるいは家賃がどれくらい、通常と変わらないのかどうか、それからなぜ入れないのかという分析をどのようにされておられますでしょうか。ちょっと突然で申しわけございません。
○征矢政府委員 いわゆる空き家につきましては、これは雇用促進住宅の趣旨からいきまして、大体一割程度はあいているわけでございます。今回たまたま兵庫県内が約千戸、それ以外の大阪を含めた近隣県で約七百戸あいていたわけでございますが、特に兵庫県につきましては、そういうあけておるということとあわせまして、狭くて古いところについては改装する予定で出ていただいておりまして、そういうのが相当ございました。そういうことで、それを今回、今までの経験にもかんがみまして、できるだけ早く提供しようということで、これは緊急避難ということでございますので、一応半年間入居料無料で提供いたしております。 そういうことでございまして、それから、この相談につきましては、各公共職業安定所の相談窓口あるいは市役所等でも相談をいたしているわけでございますが、特に神戸につきましては、なかなか地元の対応が難しいということで、大臣がただいまお話し申し上げましたように、こちらから直接向こうに人員を派遣しまして、現地で相談をしながら入居いただいているということでございます。 兵庫県内につきましてはそういうことで、あいているところの修理に多少入れるようにするための時間がかかるものですから、段階的にやっておりまして、さらに当面、五百五十戸につきまして、これからまた入居を募集して入っていただこうというふうに考えているところでございます。 広報体制につきましては、今言ったようなことでできるだけ広くこういう雇用促進住宅について提供いたしますということで現地で対応しているところでございますが、なかなかその周知が行き届かないという面もございます。それから一部には、やはり今まで住んでいたところと遠いという面から、そういうところにはなかなか行かれないというケースもございます。一方で、遠隔地で、例えば新潟県とか九州とか、もともとそういうところからおいでになっている方がその地元の方にとりあえず戻るということで、そちらの方でお入りいただいているケースもございます。
○初村委員 雲仙の場合は、島原の場合はまだいまだに被災中で、五年目に入っております。復旧にじゃああしたから入りますよということができないわけでありますけれども、例えば兵庫県の場合、確かに大震災でありましたけれども、次の日から復旧に入れるということでありますので、内装も含めて早急に対応していただきたいというのと、半年間無料で、しばらく住まれるわけでしょうから、その広報体制、役所だけではなくて、やはり住民の皆さん方に本当に周知徹底をしていただきたいというふうなことをお願いをしたいというふうに思っております。 それからもう一つ、雇用安定対策についてお聞きをしたいんですが、特に平成四年四月一日から平成九年の三月三十一日までの間、実は島原のときは雇用機会増大促進地域として指定をされております。その概要と、実績を上げられていると思いますが、その実績数、それから今後関西での対応として同じように指定されているのか、あるいは指定されるのか、その辺をお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○征矢政府委員 島原の災害に当たりまして、地域雇用開発促進法に基づきます雇用機会増大促進地域の指定をいたしたわけでございますが、これに当たりましては、過去五年間の雇用情勢の推移あるいは過去六カ月間の雇用情勢の変化等を見まして、雇用開発の必要性を判断いたし、かつ島原地域におきましては、平成四年の指定当時におきまして、過去五年間の雇用情勢が全国平均と比べ相当悪く、また直近六カ月間の雇用情勢が急速に悪くなったというようなことから、この地域に指定したところでございます。 現在、この地域におきましては、雇用開発のための施策といたしまして、地域ぐるみでの雇用機会の開発に向けた取り組みに対する援助あるいは地域の求職者の雇い入れに対する助成金の支給等を行っているところでございまして、この助成金の支給実績につきましては、平成四年四月から平成六年十一月までの間で二十一件、雇い入れ労働者二百六人、支給額は一億六百万円というような実績になっております。 今回の阪神・淡路大震災の被災地につきまして対応をどうするかという点につきましては、これは島原とややそういう意味では情勢が異なっておりまして、もともと我が国有数の産業集積地域でございます。これにつきましてこの被災を受けた後の復興計画、これをできるだけ早く立て、かつ復興に向けた努力がなされていかなければならないわけでございますが、ストレートにはなかなか同じような地域指定にはなじまないのではないかという感じもいたしておりますが、いずれにいたしましても、今後のこの復興の動きを見ながら必要な対策をどうするか検討してまいりたいというふうに考えております。
○初村委員 島原の場合は災害が特殊なために、政令、省令、あるいは規則、基準といったものを非常に協力をしていただきまして、弾力的に運用をしていただいております。住民生活の安定確保に万全を尽くされておりまして、特に、各省庁二十一分野九十八項目による対策を推進しておられますけれども、雇用調整助成金、それから、被災離職者に対する職業訓練での受講者への訓練手当支給、地域雇用開発助成金といったものがあると思いますが、その実績はどれぐらいあられるのでしょうか。
○征矢政府委員 雲仙関係の噴火の災害に関します雇用調整助成金の利用状況でございますが、これにつきましては、平成三年八月一日から平成七年四月三十日まで十八回、期間延長いたして今日に至っているわけでございますが、雇用調整助成金の支給状況といたしましては、休業の延べ事業所数といたしまして二百三十六事業所、支給額で一億六千万という金額でございます。 地域雇用開発助成金につきましては、これは地域雇用奨励金及び地域雇用特別奨励金を合わせまして約一億五百万円程度でございます。 それから、訓練手当、職業訓練の関係につきましては、この対策分について手元にデータがございませんので、申し上げる資料がございません。 そんな状況でございます。 今回の阪神・淡路大震災に伴いまして、これにつきましても、対策につきましてはできるだけ適切にかつ迅速に対処するということで、災害救助法が発動されました一月二十三日に、雇用調整助成金の当該地域への適用、あるいは雇用保険の失業給付の特例につきまして、これも雇用予約つきで一たん離職した場合にも失業給付を支給するというような手当て、さらに翌日、激甚災害法が指定されましたことに合わせまして、失業給付については休業を失業にみなして特例的に支給する、こういうようなことで対策をとってきているわけでございますが、これにつきましては、現在、地元の公共職業安定所で労働者あるいは事業主の方々から相談を受けている最中でございまして、その相談実績で見ますと、雇用調整助成金につきまして、現在まで約六千件の相談がございます。これを考えますと、今後、相当程度申請が出てくるのではなかろうかというふうに考えているところでございます。
○初村委員 要するに、災害というものは、ある面では繰り返し起こってまいりますけれども、その後の対策といったものは、繰り返し同じようなことをやっていても一緒なんですね。 例えば、さっきも言いましたけれども、この平成二年の十一月に始まりました雲仙の噴火で避難をされた方も、やはり体育館なんです。何が変わったかなというと、すし詰めに電気のこうこうとする中で寝ていただく、あるいは泊まって避難をするということは変わってないんです。何が変わったかというと、そこにベニヤの仕切りをするぐらいなんです。日本の技術でこれほどお粗末なものはないんじゃないか。もちろん、急なことでありますから、対応というのは本当に大変だと思います、その数も大変だと思いますけれども。 そこで大臣、海部内閣総理大臣の時代に島原に行かれましたときに、その惨状を見て特別立法というものを言われました。細川内閣総理大臣を除いて村山総理までやはり島原の現地を見ていただいておりますし、この関西の問題も、私どもの海部党首よりは一日おくれて村山さんにも見ていただきましたけれども、この現地を見られて、あるいは現地の話を聞いて、今の災対法では対応できないということを私ども、委員会でも何度も何度も言っているのでありますけれども、一向に見直しもできないし、また新法もできないというふうな状況でありますけれども、どうでしょうか、労働大臣として、これは個人というよりも政治家として、労働大臣というよりも政治家として、現地のことを思うときに、災対法の見直しあるいは特別立法を立てるべきである、出すべきである、つくるべきであるというふうにお考えでありましょうか。
○浜本国務大臣 阪神・淡路大震災に際しまして、現在、政府が一丸となりまして、災害対策基本法等に基づきまして対策に万全を尽くしているところでございますが、政府としては、今回の被害の甚大性にかんがみまして、災害から復興に至る特別立法について今検討をしておるところでございます。もちろん、労働省としても、特別立法の必要性を痛感いたしておりますので、必要な準備をいたしております。現在、政府の方では、二十四日ごろ特別立法をまとめて準備できるという状況に参っておる次第でございます。 それから、御指摘の災害対策基本法につきましては、今回の震災を初め、これまでの災害の教訓を十分踏まえまして、まず現行法にどういう問題点があるのかについて整理することが必要でございます。その上で、見直しについての検討をしていくことが必要であると考えておりますが、例えば、今問題になっておりますのは、政府の情報収集体制の不備というものが指摘をされておりまするので、その体制の明確化などが今後の重要な検討課題になってくるのではないかというふうに思っております。
○初村委員 先ほどの所管局長さんからの答弁の中にも、法律を十八回延長しなければいかぬ、十八回といいますか、期限を十八回延長されたということであります。ある面では、特別立法が、関西だけではなくて、奥尻もそうであります、島原もそうであります、地元の皆さん方は地域立法でも結構だ、あるいは時限立法でも結構だ、やはり特別に被災をされた方に対する思いというものをやっていただかないと、行革も期待をしておりましたけれども、時間がたっておりますし、少なくとも二月二十四日に出されるときには、関西だけではなくて、これから起こるであろう災害も含めて、これまでの災害、島原あるいは奥尻だってまだ立ち上がっていないわけでありますから、そういう意味ではやはり政治の光といいますか、それこそ優しい政治をやっていただきたいというふうに思っております。 それから、もう時間がありませんので、労災の認定についてお聞きをしたいと思いますけれども、最近、労災の認定基準が変わってきたように思っております。昔としたらハードルが低くなったような気がしておりますけれども、認定基準が変わってきたのかどうか、それから、変わっていればどこが変わったのかお教えをいただきたいというふうに思います。
○廣見政府委員 お尋ねの労災の認定基準でございますが、私ども、いわゆる過労死の認定をめぐりまして、いろいろの方面から各般にわたる御意見もあったというふうに承知しておりました。そういう状況も踏まえまして、内部に委員会も設けまして、その問題点についての整理を行ってまいりまして、その検討結果を踏まえて、二月一日にこの認定基準を改正したところでございます。この改正いたしました認定基準にのっとりまして、より適切な認定に努めていきたい、このように思っております。 主な内容点につきましては、第一は、業務の過重性の評価につきまして、年齢であるとか経験等を考慮することによりまして、より合理的な認定を行えるようにするというようなことが第一でございます。 第二点は、発症前一週間より前の業務につきましては、従来は付加的に考慮するということにとどまっておったわけでございますが、今回の改正で、より積極的に評価するというふうにいたした点でございます。 第三点は、継続的な精神的ストレスの評価、これにつきましては、なかなか個人的な差もありまして難しい点もございますので、その対応は必ずしも明確になっていなかったという点もございますので、手続を明確にいたしまして、積極的な対応を図ることにしたという点でございます。 以上が主な改正点でございます。
○初村委員 本当に難しい評価であり、認定というのも非常に難しい。裁判というものも過去にかなり争われたように思いますが、今の局長が言われたような基準の変わり方で、過去に、この問題は実は今までは、認定がなかった前までは、要するに基準が変わる前までは認定されなかったのだけれども、今度の認定基準では認定されていたのではないかという事例がたくさんあると思うのです。 そこで、これは非常に答弁しにくいことでしょうけれども、過去の問題で、この部分は、この労災は認定されてよかったのではないかなということがあったのではないかと思うのですが、その辺はどうでしょうか。
○廣見政府委員 労災の認定に当たりましては、私ども当然一定の基準に従いまして、それぞれのケースごとにばらばらにならないように、きちっと判断をしていかなければならないというふうにしてやっているつもりでございます。そういう意味では、今まで認定してまいりましたものは、当然そのとき最大限いろいろな事情を考慮し、判断をしているということでございます。 それはそれといたしまして、しかし、一般的には、今もちょっと触れましたようなことで、いわゆる過労死の認定基準につきましては、いろいろな御意見もあったということを踏まえて、より合理的な、より適切か判断が行えるように基準を改めるということでございますので、例えば年齢、経験をより考慮の対象にしていくということになってまいりますと、そういう個々の状況についてより踏み込んだ、より客観的な、より適切な判断が行えるようになってくるだろう、このように思っておりまして、これからは、改正いたしました認定基準によって適切な判定をするように努力してまいりたい、このように思っております。
○初村委員 以上で質問を終了させていただきます。本当にありがとうございました。
○笹山委員長 赤羽一嘉君。
○赤羽委員 新進党の赤羽一嘉でございます。 本日は、与えていただいた時間、阪神大震災に関する雇用の問題について質問をさせていただきたいと思います。 実は私も、地震当日は神戸市にある自宅で被災を受けまして、以後、避難生活及び救助活動をさせていただきました。私も被災者の一人として、今被災者の皆様が抱えている本当に大きな問題、不安をここでお伝えすることが私自身に与えられた使命であり仕事であるという自覚に立ちまして、一時間半質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず、きょうで実はちょうど地震発生後三十日を迎えるわけでございますが、まだ二十万人の人が避難生活を続けておる。そして、要するに、定数三百名程度の小学校、中学校の避難所に一千名以上避難して、ひざ詰めで避難生活を送っているところが兵庫県に一千カ所以上あるという事実。これは予算委員会の集中審議を初めとして各委員会で質問もし、お願いもしながら、一月たっても全くその辺が改善されない。先ほど、間仕切りがあるような例のお話も前の質問者の方からありましたけれども、ほとんどプライバシーは守られないような状況でございますし、食事も、いっときボランティアの方がやっていただいたときは炊き出しもありましたが、今はほとんど給食で、朝はパン一個、夜はお弁当、冷たいものしが食べられない。トイレも、小学校を使っているときはほとんど男女の別がないというような、およそ人権が守られているとは言えないような状況が、この国民総生産世界第一位の豊かな国、日本で放置されているという現状は、本当に政治の責任は重いと言わざるを得ないと私は思います。 そしてこの一カ月間、要するに最初は今からがら逃げた、お互い助かってよかったとか、そういった形で避難生活をしていた。だんだん時間がたつ。応急仮設住宅の計画は聞こえてくるけれども、いつ入れるのかわからない、神戸市に至ってはまだほとんど入れていない。計画も、恐らく七万戸、八万戸必要ではありますけれども、四万戸程度の応急仮設住宅の計画しか与えられていない、その四万戸は実質まだ発注もされていないというような状況の中で、かなり被災者の方のフラストレーションというのは高まっている現状でございます。 そして、だんだん交通のアクセスが少しずつ回復することによって会社に行ってみると、これまでは荘然として会社のことなんかもう考えられない、ようやく足の手段もできたので会社に行ってみると、会社が全部つぶれている。社長に連絡をとりたくても、社長の家もつぶれていて、どこに行ったかわからない。ふとそのときに初めて、今後生活がどうなるのかなと。出費はどんどん出ていく。しかし収入は絶えてしまっている。 今まさしく被災者の多くの方が抱えている不安というのは、一つは住宅の問題であり、もう一つは雇用の問題、この二つの問題が、今本当に兵庫県の被災者の方の一番大きな不安材料になっていることをまず御認識していただきたいと思います。 そして、ここに一つ資料があるのであれなんですが、ある組合が労働・雇用ホットラインというのを開設して、実は二月五日、六日、七日の三日間、これは神戸ではなくて尼崎という比較的災害が軽かったところで相談会を開催した、電話を受け付けた。そしたら、この三日間で百八十件の深刻な相談が相次いだということでございます。その中を、ちょっときょうは時間もありますので御紹介させていただきます。 一つは、製造業に勤める女性ですね。四十人の会社である。女性は全員解雇と言われ、解雇手当〇・六カ月、せんべつ五万円が支払われた、一体こんなことでいいのだろうかという問題ですね。 あとは、四十代の女性で大手スーパーに勤めている方がおりまして、三宮の店にアルバイトで十二年間働いてきた。正社員は違う店へ回されたのに、私自身は会社に電話すると仕事の世話はできないと告げられたというような対応が実態はされている。 また、三十六歳の女性が、これは震災をきっかけに、一月末に二月いっぱいで解雇と言われた。解雇は二名で、あとの社員は休業補償をされる、なぜ自分だけが解雇されるのか、その理由が納得できない、会社側は退職金を上乗せするからと言っているが一体どうなのだろうかといった差別解雇の実態があります、実例がございます。 また、同様に女性なんですが、仕事ができないので女性社員五人が常務に呼ばれ、何人がやめてもらわねばならないと言われた。自分には一昨日、次の日から来なくていい、自宅待機してくれと言われた。明らかに解雇だと言われずに、自己退職を迫るような形、自宅待機をせよという指示、これも女性に対してだけ行われている。 また、これも女性なんですけれども、神戸のそごうで働いている。パートでもやめずに失業保険がもらえるのだろうか、パートで失業保険がもらえるのだろうか、また、そごうの再開時に解雇にならないのかどうか心配だという相談ですね。 あと、次はまた女性なんですが、家が全壊したので出社できなかった。それで、会社に行ってみると、会社が困っているときに来ないような者は要らないと言われ、二月末で解雇を言い渡された、雇用保険の手続はどうしたらいいのでしょうかという相談。言いがかりというか、まさしく便乗解雇。 また別の人は、長田区の会社が焼けて、社長と連絡がとれない。失業保険がかけられていなかったが、どうすればよいのだろうかという相談があります。 もう一、二例ですので話します。園田競馬場の清掃の仕事をしている。開催がないので休業中である。会社は、県から金が出ないので休業補償は支払えないと言っている。 また、別のレントゲン技師の男性は、地震で病院がつぶれた。三年間レントゲン技師として働いてきたが、やめてほしいと言われた。病院は再開する気はなく、新しい仕事を見つけてほしいと言われた。退職金は請求できるのだろうか。 こういったような例がここだけで三日間で百八十件あった。 それで、私も実は先日、神戸の職安に二カ所行ってまいりまして、本当に人が殺到しているわけでございます。まず、役所の方で結構ですけれども、職安の今の相談件数とその主な内容がわかれば、教えていただきたいと思います。同様の内容だと思いますが。
○征矢政府委員 公共職業安定所、特に被災地中心に特別相談窓口を設けましていろいろ相談に応じているわけでございますが、特に失業給付の特例支給あるいは雇用調整助成金に係る申請が多いわけでございますが、現在のところ、支給事務等の対策を優先しておりますので、個々にどれぐらいこの適用対象者がおるかというのは把握いたしておりませんけれども、先生御指摘のような相談状況につきましては相当たくさんございまして、地元の労働者の方々あるいは事業主の方からの相談件数は、二月十日現在で、失業給付の関係につきまして約一万七千件、雇用調整助成金につきましては約六千件に上っておるところでございます。
○赤羽委員 ありがとうございます。 それで、今お話がありました雇用保険についてちょっと具体的に聞きたいのですけれども、まず雇用保険は、雇用している会社が手続をされている事務所と手続をされていない事務所があると思います。まず、いわゆる手続をされていない未手続事務所の場合で、事業主が行方不明というか連絡がとれない、この場合、そこに勤めていた人たちというのはどう救済されるのか、答弁願います。
○征矢政府委員 御承知のように、雇用保険制度は全面強制適用でございます。ただ、事業主の方がこの手続をしていない、そういう事業所は特に中小零細企業においてかなりございます。これは本来、私ども行政といたしましても、きちんと手続をしていただくように努力もしてきているわけでございますが、なかなかいろいろな事情で手が回っていない面もあるわけでございます。 したがいまして、失業者の方々が、あるいは労働者の方々が公共職業安定所の窓口においでいただきまして具体的に相談いただきますれば、遡及適用をする制度がございまして、雇用関係を一定の方法で確認できれば、これは遡及適用ということで給付をいたします。 それから、時効になるまでの間の二年間の保険料は、これは事業主の方に後ほど納めていただかなければならないわけでございますが、これも一定の猶予措置等を考えて、いずれにしましても、雇用保険制度を適用するという考え方で対処いたしております。
○赤羽委員 雇用関係が確認されればそれだけでよろしいのですか。例えば、賃金の認定というのですか、どのくらい給料をもらったかというようなことは問われないのでしょうか。
○征矢政府委員 まず、雇用関係の確認をしなければならないわけでございますが、ただいまお話がございましたような、具体的には賃金も確認しないと、賃金に基づきまして失業給付をやるということになるわけですが、これがまた、賃金台帳等が、あるいは労働者名簿等関係書類が火災等によって紛失して存在しない、こういうような場合につきましても、これは代替書類、これがどんなものがあるかというのはケースによりますが、例えば健康保険の被保険者証等の雇用関係の事実判断の資料となるような書類、そういうような書類あるいは関係労働者の方々にお話を聞くとか、いろいろなやり方で確認をしまして、弾力的に対処して支給決定をするというふうに対処をします。
○赤羽委員 それは給与明細なんかを持たれていれば、それも証明になると考えてよろしいですね。遡及はいつまで、その期限は。
○征矢政府委員 一応遡及は二年間にさかのぼります。
○赤羽委員 二年遡及される。そうすると、何日分の失業給付がされるのですか。
○征矢政府委員 これは、雇用保険は御承知のように年齢と勤続年数で給付日数が変わっておりますので、一律には給付日数は出ないわけでございますが、一定の計算方法で給付日数を算出するということでございます。
○赤羽委員 どちらが正しいかわかりませんが、未手続事務所であることだけ確かで事業主が不明だ、その場合、雇用関係等々が確認された場合に、私が確認したときには、遡及は一年前からだと。よって、九十日分ですかの失業給付がされるというようなお話もありましたが、私の方が間違っていますか。
○征矢政府委員 その辺につきましては、不正確なお答えを申し上げると恐縮ですので、事実関係を確認いたしまして、後ほどきちんとお答え申し上げます。
○赤羽委員 それと、普通、失業保険の場合、失業認定までの一カ月間ですか猶予期間がある、一カ月後が失業認定日となるというふうに聞いておりますが、今回の大震災につきましては、失業認定日というのはいつとされるのでしょうか、今のようなケースでは。
○征矢政府委員 失業給付の支給につきましては、待期期間というのがございまして、事業主都合による解雇につきましては一週間、七日間、それから自己都合による退職ですと現在は三カ月間の待期期間があるわけでございますが、個別具体的な事情によりましてどう対処するかということでございますが、今回の震災の事例、これはいわばそういう意味では異例の事態でございますので、この雇用保険の事務の取り扱いにつきましては、事業主の方あるいは労働者の事情等をよく聞きまして、弾力的な取り扱いをしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○赤羽委員 七日間と自己都合では三カ月ということですか。できれば弾力的な運用と言わずに、もう一律七日なら七日とか、一月十七日当日ということでも構わないと思うのですけれども、そういった早急な対応をお願いしたいと思います。 続いて、今度は事業主が確認できた場合、未手続事務所で事業主はいる。ですから、保険料を支払えば遡及されるというような話のときに、多くの事業主それ自体も被災者であるわけでありまして、会社がつぶれてしまった、とても保険料を遡及してまで払えないというケースが多いと思いますが、こういった場合、どういうような措置を考えられていますか。
○征矢政府委員 まず、給付につきましては、確認をいたせば給付はいたす、労働者に対しましては給付をするわけでございます。後の処理としまして、保険料を払っていただくということになるわけですが、おっしゃるように、事業主の方も被災者であるということで、これは支払えないというケースが多いわけでございますが、こういう方につきましては、個別の申請によりまして、納付できない保険料の範囲においてその納付を一年以内の期間で猶予することができることと現在されております。この期間内に猶予された保険料をすべて納付することができない場合には、さらにその納付できない額について、これもまた個別の申請によりまして、一年以内の期間を限りさらにまた猶予する、こういうことで対処しているところでございます。
○赤羽委員 計二年間の猶予があり、かつ失業者に対する対策が優先するという認識でよろしいわけですね。 それでは続いて、雇用保険がかかっている手続事務所について——よろしいですか、もし確認されれば。
○征矢政府委員 失礼しました。猶予期間は、そういうことで通算しまして二年ということでございます。
○赤羽委員 それでは続きまして、手続事務所に関して、会社が全倒壊したり事業主が死亡して連絡がつかない等々の理由から離職証明を発行できないといった場合に、休業補償にかわるような失業給付の特例措置等々はございますでしょうか。
○征矢政府委員 雇用保険の失業給付等につきましては、現在の雇用保険法に基づいて支給しているわけでございます。したがって、これにかわる給付というのを支給することはできないわけでございますが、関係書類がない場合について、先ほども申し上げましたように、いろいろな方法で確認をして、それで手続をとっていただく、こういうことで手続の弾力的な運用をしているところでございます。
○赤羽委員 それでは、ちょっと済みません、失業給付の特例的支給というのは、どういうことを指すのですか、今回の大震災における特例的な支給というのは。
○征矢政府委員 一月二十三日に災害救助法が発動されまして、この災害救助法の発令された地域につきましては、失業給付の特例としまして私どもが対処いたしましたのは、これは一たん離職をしていただくわけですが、それは将来また雇用します、こういう約束をして離職をしていただく、これは一般的に言いますと、その間は失業給付の対象にはならないわけですが、今回は特例でその期間中は失業給付の対象にします、こういう考え方でございます。 それから、激甚災害法に基づく地域指定が行われました。これにつきましてはその法律に基づく特例がございまして、これは、解雇しなくて休業を失業とみなして失業給付をする、こういう特例でございます。したがって、これは雇用関係が継続した上で休業について失業給付を払う、こういうことでございます。
○赤羽委員 ですから、本来会社が支払うべき休業補償にかわって国が失業給付というか、特例の失業給付を支払うという了解でよろしいわけですね。 それでは、あとパートさんの場合、この失業給付を受けられないのではないかという御心配が殺到しているわけですけれども、パートについての措置というのはどうなっているか、御説明願えますか。
○征矢政府委員 現在の雇用保険制度におきましては、パート労働者につきましても、週の労働時間が二十時間以上の方については雇用保険の対象になります。ただ、これは実際に手続をしておられないケースが相当あるかと思いますが、これも先ほど申し上げましたようなことで、手続をしていただければ対象になる。あともう二つぐらい要件がありますが、これは省略します。 過労働時間が二十時間に満たない方というのは、これはなかなか保険の現在の制度では対象にはならないわけでございますが、そういう方は、恐らく長年勤めている方では少ないのじゃないかと思います。
○赤羽委員 実際、三宮の周辺というのは神戸唯一のというか繁華街、飲み屋街でございまして、そこに夜だけ勤めている人たちが今本当に途方に暮れている。それは事業主も含めてなのですけれども、それが週二十時間を超えないケース、あと年収九十万というような、クリアできない人をどうしたらいいのかというような話がありますので、心にとめていただきたいと思います。 もう一つは、例えば請負で仕事をしている場合、なかなか賃金認定みたいなのが難しいと思うのですけれども、この辺に対してはどういう措置を考えられていますか。
○征矢政府委員 雇用保険制度は、雇用保険法に基づきまして、労働者に対する給付ということで構成しておりますので、そういう意味で、労働関係のない方をこの制度の対象にするのは困難でございます。
○赤羽委員 それは、請負契約はそれに入らないわけですか。請負契約は入らない。トラックは自分で持ち込んで、それは入らないということですか。——わかりました。 職業安定所に行きますと、要するに、この失業給付の特例に関する情報がマスコミとかでぽんと出る、それが全文細かく出ないで、極端な話、だれでも行けば何とか金がもらえるみたいな形で、職安が駆け込み寺みたいな形になる。それで、その通達すらまだ窓口に届いていないというようなケースも多いやに聞いているのです。それで、来る方は何か救済してもらえるのじゃないかという思いで来て、窓口の皆さんは法のもとで対処しなければいけないということで、その辺のあつれきが物すごく多い。一件一件すごい時間もかかっているというような実例も目にしてきましたので、今後ますますふえてくるのじゃないかと思うのですが、その辺の情報伝達に関する措置というか、対処というか、あればお聞かせいただきたいと思います。
○征矢政府委員 御指摘のとおりでございまして、なかなか出先窓口で苦労しているわけでございますが、制度の説明をしたリーフレット等については十数万部用意しまして、関係のできるだけ広い範囲でお配りもしているのですが、なかなか行き渡らない。あるいは、マスコミ関係につきましてもできるだけ制度の周知をしていただくようにも努力もいたしておるわけでございますが、それとあわせまして、相談窓口の体制としましては、兵庫県下におきます比較的災害と関係のない安定所からの応援で窓口を強化するとか、あるいは今後、来週ぐらいからは特に失業給付の特例等に関する手続を重点的にやる窓口を別に設けまして、そこに県外からの応援、当面三十名ぐらいですが、あるいは県内からの応援で、全体四十名ぐらいでいわば特別職安みたいな形の窓口をつくって、そこで対処していくというようなことも考えております。あるいは場合によって、さらに足りなければ、行政OB等についても応援を頼むというようなこともいろいろ検討しなければなるないというように考えております。
○赤羽委員 ありがとうございました。 続きまして、雇用調整助成金についてお伺いしたいと思います。 これは、これまでは不況対策というのですか、オイルショック以来の不況対策として指定業種別にとられてきた措置と聞いておりましたが、今回、被災地域ということで御決定をいただいたということをありがたく思っているわけでございます。実際、平成五年一年間で千三百九十四件だったのが、私が県の方で聞いたのでは、県下でもう四千五百八十六件、先ほどの話ですと約六千件程度の相談が実際にあるというふうに聞いております。 この助成率なのですが、今大企業が二分の一、中小企業は三分の二ですか、これの助成率の引き上げ、今暫定で三分の二、五分の四となっておりますけれども、この引き上げを、さらに大企業四分の三、中小企業五分の四というふうに引き上げをしていただくこと、また教育訓練の場合も含めての助成率のアップについてのお考えはどうなのか。できれば大臣に答えていただけますか。
○征矢政府委員 現在の助成率につきましては、雇用支援トータルプログラムという形で現在実施しておりまして、特別高率助成ということで、不況期の、まあ一番高い助成率でやっているわけでございまして、休業の場合は大企業三分の二、中小企業四分の三、教育訓練の場合につきましては、大企業三分の二、中小企業五分の四という形のところでございます。これは、助成金の助成率としてはいわばぎりぎりの高率助成でございまして、これをさらに高くすることは難しいというふうに考えております。 ただし、この雇用支援トータルプログラムは、一応本年度いっぱいの対策ということでございますが、これについて当該地域における諸般の事情を考えてどうするかということにつきましては、これはよく考えて検討しなければならない課題であるというふうに考えております。
○赤羽委員 あと、これは現場のサイドから言われたのですが、先ほど申しましたように、今回のこの雇用調整助成金は、もともと不況対策のためにつくられたものだ。申請書類もそのような形式になっておる。今回は、こういった大震災の特例ということで地域指定もされたわけでございますけれども、申請フォーマット自体は同じものを使われている。ここに入手しているのですけれども。 これは、過去三カ月の業績が前年同期間の三カ月間の業績と比べて著しくダウンしているとか、そういうようなことをかなり事細かに求めているのですよね、この書類自体が。今回のように、零細中小企業の人たちに、今の何もない、書類も何も焼けてしまっているような状況でこれを求めているということがどうなのかということが一つと、これをつくって受け入れる職安の窓口自体が、一つ一つチェックするのが大変だ、これをチェックするのに時間がかかる。結局は、職安の職員の方たちはくたくたになる。処理の時間がかかるので、申請はしても現金化されるのは物すごい時間がかかる。これは何とか、これこそ政治の力で何とかしていかなきゃいけないんじゃないかと思うのですが、その点、大臣にその改革の……。
○征矢政府委員 現状を申し上げますと、お気持ちはよくわかるのですが、これは、助成金を国の制度の中で支給するわけですから、やはり一定の要件をきちんと押さえなければいかぬということがございます。ただ、手続について、できるだけ簡素化すべきであるということから、従来から御指摘もございまして、個別の労働者についての賃金を全部チェックするのは非常に大変なものですから、総額で対処するとかいうことで一定の簡略化の努力はしてきております。 また今回、特に、先ほど来申し上げておりますように、書類等の紛失の場合において、なかなか難しい問題については、手続の簡略化により迅速な対応ができるようにいたしておりますし、あるいは地域指定後一カ月間については休業等の事前届け出を猶予するとか、あるいは被災によって事務処理がなかなかできない事業所のかわりに、その被災地外にある本店、支店等でも手続ができるとか、そんなことはいたしておるところでございますが、それ以外の措置につきましても、今後の状況をいろいろ見ながら、なお引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○赤羽委員 昭和六十二年度に、もっと前からあるのかな、それから平成五年度までだんだん申請手続自体も簡素化されているという御説明を受けました。受けましたが、それは通常の中で簡素化しているという話であって、今回、これを簡素化してくれというのは職業安定所の職員の皆さんから一様に出た声なんですね。本店、支店というような、そういう規模の会社だけではなくて、本当に零細企業と言ってはばからないような小さな個人商店みたいなところが多いわけです、今回被災を受けたところというのは。ですから、役所の建前とかあれはあるかもしれないけれども、今回は何とかこの点だけは、大臣、政治の力でよろしく変えていただきたい。
○浜本国務大臣 こういう非常事態でございますので、議員がおっしゃることはよくわかりますから、もう少し現場の方々と相談いたしまして、簡素化できる点があれば検討してみたい、かように思います。
○赤羽委員 ぜひお願いします。相談というのも、もう本当にこちらの相談が、現場の声を聞いて中央に届くまでに時間がかかり、そこで相談をされて戻ると、一週間、十日かかって、その中で疲弊し切るというような、その繰り返しがこの一カ月間だと思いますので、総理のきのうの発言にもありましたリーダーシップというのは大事だと思いますので、こんな何でもないように見えるようなことは即断してぜひお願いしたいと思います。 次に、労災対策について伺いたいと思います。 労災は、普通、天災とか地震というのは免責となるところを、今回は、今回の大震災の被災者に限り、特例として労災保険の請求を受け付けられるようになったと伺っておりますが、この労災適用の審査基準はどうなっているのか伺います。
○廣見政府委員 労災につきましては、今先生御指摘いただきましたように、確かに一般的には、大きな天災地変によります災害は、業務中でありましても不可抗力により発生したということでございまして、労災保険の対象としない、こういう考え方が原則ございます。 しかし、従来、例えば伊豆沖地震のときにとりました考え方、あるいは今回の地震の現状を考えた上で、私どもといたしまして、被災された方が作業方法あるいは作業環境あるいはその場におきます施設の状況等々から見まして危険な環境下にあった、こういうふうに認められる場合には、労災の対象、すなわち業務上の災害として取り扱う、こういうふうに解釈いたしております。 その趣旨につきましてそれぞれ一線の機関に通達いたしまして、関係者の皆様方に誤解の生じないように、迅速かつ適切な対応をするように、こういうふうにして努めているところでございます。
○赤羽委員 給付について、被災した本人や遺族が被災の状況を立証することが必要と言われておりますけれども、会社が全半壊した事業所、経営者が亡くなった会社に勤めていた社員の遺族が被災の立証をするのほかなり厳しいものがあるんじゃないかと思いますが、その辺の緩和措置とかはどうでしょうか。
○廣見政府委員 御指摘のとおりであると思います。こういったような大変な災害の状況でございますので、通常は労災給付の申請に当たっては事業主の証明を要するということにいたしておりますが、いろいろな状況の中でございますので、事業主の証明を求めるのは無理ということも多々あろうかと思います。そういう場合は、労働者、被災された方本人の申し立てあるいは同僚の方のお話も聞くというようなことなどを通じまして、私どもとしては可能な限り状況を把握した上で判断してまいりたいということで、既にそういう弾力的な、迅速な対応を行うように指示もいたしております。
○赤羽委員 よろしくお願いします。 とかく労災というと、なかなかハードルが高くて実施されないというふうな話を数多く聞きますが、何とかその点も、今御答弁があったように緩和措置をとられ、速やかな処理をお願いしたいと思います。 また、これから復興というか復旧、壊れたビルの解体作業とか、その中で、今もう既に粉じんなんかもすごいわけですが、そこで労働災害がこれから起こる危険性というのは物すごいと思うのですね。今、一日人夫みたいな形で、アルバイト形式で集めて、見ていても結構危ないなと思うようなビルの解体作業を町じゅうでやっている。その中でこの労働災害が起こる確立というのがかなり出てくるんじゃないかと思いますので、その辺の御指導をよろしくお願いしたいと思います。その点一言。
○廣見政府委員 その点につきましても、御指摘のとおりであると思います。私ども、これから復旧、復興工事が本格化してまいる、またそれがかなり長期間を要するということも考えられますので、そこで二次的な災害が起こることを防止する、これに全力を挙げなければならない、このように考えております。 既に、専門家によるパトロール等をしながら関係者に安全の徹底を呼びかける、あるいはまた今先生御指摘のございましたような粉じんの発生の防止、また、やむを得ず粉じんが出るような場合には粉じんマスクの着用、こういうものにつきましても、私ども、関係団体の協力も得ながら粉じんマスクの無償配布というようなことも行ったりして、関係者の意識とそれへの注意ということが大変重要だと思いますので、そういう形で全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
○赤羽委員 よろしくお願いいたします。 続いて、先ほどちょっと出ました便乗解雇と新卒の内定取り消しの問題に移りたいと思います。 阪神大震災で採用内定を取り消された学生は、関西経営者協会のまとめを見ますと、兵庫、大阪で三十六社、二百六十六人に達したと言われ、雇用不安の拡大が懸念されております。業種では港湾関係、食品製造メーカー、印刷、卸売など広い範囲に及んでおりまして、実数は恐らくまだふえ続けているのではないかと思います。 一部の大企業が追加採用に名乗りを上げられて、今回の大震災関連で内定取り消しの通知を受けた学生の救済に当たっているようでございますが、今は関西経営者協会のまとめによる数字でありまして、政府が掌握されている実態をお知らせいただきたいと思います。
○征矢政府委員 先生御指摘の数字は、実は私どもが特別相談窓口で相談を受けている数字でございますが、その後の状況、最新状況で見ますと、採用内定の取り扱いについて相談を受けている件数は、二月十四日現在で、九十社、五百三人の新卒者に係る相談がございます。このうち八社、五十八人につきましては、入職時期の繰り下げの相談が行われているところでございます。 私どもといたしましては、既に新卒者支援についての通達を出しまして、採用内定取り消しの回避に向けた事業主指導に努めるよう全国に指示しているところでございますが、二月六日には労働大臣が、日経連、日本商工会議所、中央会の三団体のそれぞれ会長、会頭さんと直接お会いし、内定取り消しの回避あるいは新卒者の雇用確保につきまして要請して、かつ御協力をいただくというお話をいただいているところでございます。 先生御承知のように、関西財界におきましても、関西経営者協会等で御協力をいただけるというお話もいただいているところでございます。
○赤羽委員 ありがとうございます。 例えば新卒の内定者、これはまだ全然労働していないわけですけれども、この新卒の内定者に対して、先ほどの休業補償というか、休業補償に該当する失業給付の特例措置をとられるお考えはございませんか。
○征矢政府委員 内定者の方々はまだ大学に在学中でございまして、三月三十一日まではそういう形でございますので、会社に正式に採用されますのは四月一日以降、こういうことになります。したがいまして、それまでの間、私どもが対策をとることはできませんけれども、ただ、こういう厳しい情勢の中で、四月一日に採用していただいても、なおかつ事業所が全体としてあるいは一部休業していかなければならないというような場合に、雇用調整助成金の対象に現在新卒者はならないわけでございますが、これについてやはり雇用維持という観点から、雇用調整助成金にカウントして対象になるような仕組みを検討すべきであるということで、現在、立法措置を含めて検討しているところでございます。
○赤羽委員 それは恐らく県から要望が出ていると思うのですが、新規学卒者雇用確保助成制度の創設、これに対応する新規立法措置の方向というふうに考えてもよろしいわけですか。
○征矢政府委員 地元の要望等も踏まえて、そういう方向で対処したいと思います。
○赤羽委員 その中に、新規学卒者の内定者及び、御存じのように大変な不景気が続いておって、新卒ではあるけれどもまだ内定が確定していない未内定者、この未内定者を雇用調整助成金というのもちょっと矛盾があるかと思いますが、未内定者も何とか救済できるような方向というのは考えられないのか、そこはジャンルの外と認識されているのか、その点。
○征矢政府委員 四月一日以降未就職のまま卒業された方につきましては、これは直接の対策を雇用調整助成金等でとることはできませんけれども、ただ、そういう方につきましても、引き続き公共職業安定所で就職についての御相談がある方については、これは集団面接会等を継続的に実施するとか、あるいは場合によっては、一般的にはなかなかホワイトカラー志向あるいは大企業志向が強いというようなこともございますが、相談する過程で、例えば中小企業の現場の作業等でもいいというようなことであればそういうところへ体験的に入っていただいて、それでうまくそこに行けるのならそのまま行くというようなことの仕組みを別途考えるというようなことも検討いたしております。
○赤羽委員 ありがとうございます。 あと、新規学卒じゃなくて失業者が、今回の大震災で突然失業して全く違う職業につかなければならなくなるケースというのもかなり出てくると思うのですね。ホワイトカラーだった方がやむを得ずブルーカラーになり、逆のケースがあるとは思えませんが、その失業者に対する職業訓練の対策と、またその費用については何らかの措置を考えられておりますか。
○中井政府委員 今般の震災に伴いまして離職を余儀なくされた方々に対しまして、その再就職の促進を図るということで、公共職業能力開発施設におきまして特別コースを設けるとか、あるいは事業主への委託訓練を実施するとか、いろいろな機動的な職業訓練を行っていきたいと思っております。また、その離職者が職業訓練を受ける場合には、職業能力開発促進法に基づきましてその費用は無料ということになっております。
○赤羽委員 あと、各所の職業安定所に来る求人の状況はいかがなものか、教えていただけますか。
○征矢政府委員 率直に申し上げまして、兵庫県内の被災地におきます求人の情報につきましては、現状では特別相談窓口でいろいろ相談している方に追われておりまして、そちらの方の状況の把握はできておりません。ただ、推測されることは、御承知のような状態ですから求人も相当減っている、激減しているものというふうに考えております。
○赤羽委員 私が行ったとき聞いたのは、もちろん建設、土建関係、それから保安関係ですか、そういったものが中心に幾つか来始めている。あと引っ越しですね。要するに一時的なというか、チンタティブな求人じゃないかなというふうに思うわけですけれども、大企業の中途採用というのは基本的にはほとんどない。 大臣、いろいろな方面でお願いをされていただいているというふうなお話がありましたけれども、私思うのですが、神戸には神戸市がやっている工業団地が幾つかございます。西区の西神工業団地、ここには百三十仕入っている。あと、北区にハイテクパークとか流通工業団地というのが相当な規模で入っております。こういったところ、ここ自体も実際は被害を受けてなくても、得意先が三宮周辺にあってダメージを受けているというのは事実ではありますが、実際、西区、北区自体は物質的にはそんなにダメージを受けていない、かつ優良な企業が多い、市の工業団地に入っているというようなことを考えますと、こういう西神工業団地に入っている、中小企業もありますけれども、こういうところは、今回このような緊急事態に際して、各社三名とか五名ぐらいの緊急採用をするべきではないかと私なんかは思うのですが、その点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○浜本国務大臣 雇用の確保につきまして経営者団体の方に六日の朝お願いをしましたことは、先ほど局長から御答弁を申し上げました。同時に、六日の夕方、関西経営者団体の代表者の方が震災対策でお見えになりましたので、その際、内定の取り消しをしていただかないように、また雇用の確保について御協力をいただくようにお願いをしたところでございます。その結果、関西財界の代表者の方々は、内定取り消しについては極力しないようにする、さらに新規雇用については各会社の方にお願いをします、できるだけ雇用確保について御協力をいたしますというお約束をいただいた次第でございますので、その善意を期待をしておるということが一つです。 もう一つは、何といっても、やはり再就職への機会を支援してあげるためには職業安定機関の職員が最善の努力をしなければならぬ、しかもそれは地域的な問題だけではなしに広域的にも努力をしなければならないということを私どもよく理解をいたしておりますので、そういう立場でこれからも再就職の支援をやってまいりたいと思っております。
○赤羽委員 そういう大臣の御努力をお願いしたいのですが、今特定して申し上げた市の工業団地に入っている優良企業がございまして、そこにも、資本主義社会になじむかどうかは別にしまして、市の土地である程度恩恵を受けて立派な大型の工場を構えている企業が、神戸市がほとんど全滅しているようなときに被災者を採用するというのは、これはあってしかるべきではないかなというふうに思うのですね。ですから、その点を県並びに神戸市の当局にぜひとも大臣から御要請いただきたいのですが、もう一度。
○浜本国務大臣 せっかくの議員の御希望でございますので、機会があると思いますので、さらに自治体の責任者の方にお願いしてまいりたいと思います。
○赤羽委員 あともう一つ、関西経営者の方にお願いする際に、要するに足が今ほとんど神戸の真ん中が途切れておりますので、社宅つきの応募とか、そういった形を考えないとなかなか、応募はあるけれどもそこまで行けないというような、現実、別の話で、被災した、神戸はだめだけれども大阪支店ならいいよと言われるけれども、とても大阪には西の方に住んでいて行けないというようなケースで会社をやめざるを得ない場合が多々ありますので、具体的に社宅つきというような形の応募を考えていらっしゃるかどうか。
○征矢政府委員 御指摘のとおりでございまして、私どももそういう形で住宅とセットの求人の確保にも一生懸命努めております。全国的規模でできるだけそういう求人を開拓しまして、御要望に沿えるような努力をしたいというように考えております。
○赤羽委員 それと、あと雇用の創設ということなのですけれども、恐らく瓦れきが徐々に片づいていくと、今度は町づくりの復興の公共事業というのが出てくると思うのですね。今私たちが恐れているのは、もちろん今かなり地元の神戸市の企業というのはやられているところが多いわけでありますが、このまま公共事業を発注される、それが全部大阪だ、東京だというゼネコンが入ってやる、町は数年後にでき上がった、しかし地元の企業は全部倒れた、言葉は悪いけれども、うはうは喜んだのは東京、大阪のゼネコンだけだったみたいな話だと、何のための町づくりかという思いがするのですが、復興にかかわる公共工事の発注の際に、そこの場所で働く被災者をある程度、一定割合雇うべきだというふうに私は思うのですが、その点について大臣にお願いします。
○浜本国務大臣 今おっしゃいましたことは、非常に重要な対策だと思っております。 罹災者の方を優先雇用させること、また罹災者の方が率先して自分の町を復興するということ、二つの面から、二十四日には労働省といたしましては特別立法をつくりまして、被災者の方の優先雇用制度をつくりたいと思っております。それによりまして、罹災者の方を一定率、事業の発注主にも、それから受注する企業にも雇用を確保していただくようにお願いをいたしたいと思っております。
○赤羽委員 ありがとうございます。 その点ですけれども、一時的な採用だと、何というか、それはありがたいのですが、残念でもあるわけですね。一時的ではなくて、採用したらその後も正社員として雇っていただきたい。アルバイト採用ではなくて、正社員として雇っていただけるような動き、それからもう一つは、ゼネコンが入ってくるときに、下請でもいい、ジョイントベンチャーでもいい、必ずパートナーを地元の会社、企業を採用するようにという、ここもぜひ歯どめを入れていただきたいと思うのですが、その点どうでしょうか。
○征矢政府委員 ただいま御指摘の、公共事業についての吸収率を設けて、一定の割合、地元の希望する失業者の方に働いていただく、こういう枠組みにつきましては、これは立法措置が必要でございまして、現在検討しているところでございます。 ただ、この仕組みにつきましては、正社員との関係でいきますと、この仕組みとの関係ではなかなか結びつかない面もございますが、いずれにしましても、そちらの問題はそちらの問題として、別途、求人開拓する際にそういうことも頭に置いて対処してまいりたいというふうに考えております。
○浜本国務大臣 事業の発注方式の問題につきましては、関係閣僚会議もございますので、御希望はお伝えいたしたいと思います。
○赤羽委員 ありがとうございます。 あと一点、先ほどちょっと申し忘れたのですが、要するに今は自宅待機というような形で恐らく三月の年度末に解雇みたいな形でされるケースがふえるのではないかと思うのですね。そういった意味で、先ほど御答弁もございましたけれども、職業安定所の応援体制というのが非常に大事だ。かつ、今は窓口相談とか電話相談で追われていると思いますが、これからは追跡調査というのですか、雇用関係の確認みたいなことで外回りにも出てくるということでありますと相当な仕事の量が待っている。当然神戸の職業安定所の職員の皆さん自体も被災をされているわけでありまして、この点は本当に重々、ぜひとも大臣に御答弁願いたいのですが、先ほどもう一カ所、別の、多分旧庁舎で構えられているのだと思いますが、そこも人数は厚くしてしっかり仕事が機能するような応援体制を構えていただきたいと思いますが、よろしく。
○浜本国務大臣 お説のように、これから大変仕事量がふえると思います。先般私が参りましたときに、ただやみくもに人員を派遣いたしましてもなかなか問題がございますので、どういう人員が応援体制として必要なのかということを常に打ち合わせをいたしまして、本省からも、それから付近の事業所からも応援を出させていただきまして、スムーズに地域の安定業務ができますように努力してまいりたいと思います。
○赤羽委員 よろしくお願いいたします。 先ほど私が復興の公共事業の発注でそのようなことを確保すべきだと申し上げましたのは、要するに、職員の方も言われましたけれども、かなりの数の失業者が出てくるであろう、それをすべて雇用保険、失業給付で賄うのは財源的にもかなり厳しいものがある。失業給付にしても、永遠のものではなくて、それは半年であり三百日である、そういったたぐいのものであるわけであります。恐らく、兵庫県の中小企業なり零細企業が立ち上がって、そこで労働者を吸収しないと、本当にこの状況は大変なことになるのじゃないかというふうな思いがございますので、何とか地元零細中小企業の御支援に一層の御努力をお願いしたいと思います。 続いて、まず中小企業対策ということで、最初に通産省の方だと思いますが、私が認識しているのは、一月十九日から二十六日まで、中小企業金融公庫には九百三十九件の御相談があった、返済猶予が約五十件、計千件程度の相談があったように聞いております。その相談状況、今もう二月の十五日でございますが、これはちょっと事前には言ってなかったのですが、おわかりになる範囲でお答え願います。
○玉木説明員 お答え申し上げます。 中小企業金融公庫、国民金融公庫及び商工組合中央金庫、いわゆる政府系中小企業金融三機関と申しておりますが、この機関の合計で、全国の支店におきまして、平成七年一月二十日から二月十三日までの累計で六万四千七百六十二件の相談を受け付けております。これの相談を受けた後、貸し出し等を行っておるものもございます。
○赤羽委員 全国ですか。
○玉木説明員 全国でございます。
○赤羽委員 兵庫県のをお聞かせいただけますか、特に震災後という形でわかれば。
○玉木説明員 申しわけございません。金融機関の兵庫県の分については、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、後ほどお答えをいたします。
○赤羽委員 よろしくお願いします。 中小企業、零細企業に対して通産省がこの前発表されましたいわゆる八項目の支援策について、ボリュームがかなりあると思いますが、その要点を御説明いただけますか。
○玉木説明員 簡単に御説明を申し上げます。 二月九日に被災中小企業支援対策ということで発表いたしましたが、これは今回の地震による災害が言うまでもなく戦後例を見ないほど甚大かっ広範な被害をもたらしたものであることから、現在国として考え得る最大限の措置を時期を失することのないように取りまとめたものでございまして、具体的には地震発生翌日の一月十八日の金融措置等緊急措置の発動に続きまして、一月二十日の閣議決定及び一月二十四日の激甚災害指定によって講じた災害融資制度などの措置に加えまして、今御質問の八項目というのがございます。 八項目と申しますのは、一番目に資金調達の円滑化、二番目に操業の早期再開の支援、三番目に既往債務の負担軽減、四番目に税制上の措置、五番目に経営相談等の実施、六番目に下請企業対策及び官公需確保対策の実施、七番目に倒産防止対策の円滑な実施、八番目に転廃業対策の円滑な実施、こういう八本柱になっております。 主要なところだけさらにコメントをさせていただきますと、資金調達の円滑化と申しますのは、低利融資の充実強化、無担保無保証人貸付制度の充実、無担保無保証人による資金調達のための信用保険の拡充等でございまして、具体的には、いわゆる直接被害を受けました特別被害者、被害の著しい方でございますが、当初三年間三・〇%の金利を二・五%、これは先ほどの中小企業金融三機関を通じまして融資を行うということで、二・五%に引き下げる、それから貸付限度額も、現行の激甚法にいいます一千万を三千万に引き上げる、さらに現行の貸付期間十年、うち据え置き二年を、トータルで十五年、うち据え置き五年に延長するといったようなものを内容にいたしております。 また、地元自治体とのいわゆる協調融資といいますか、応分の資金供給によって行われる被災中小業者の経営安定のための特別融資といたしまして、いわゆる中小企業体質強化資金と言っておりますが、これを五千万まで十年間にわたりまして全期間二・五%の金利で貸し出す、据え置きはうち三年ということになっております。 それから、無担保無保証人での資金調達ということでございますが、中小企業信用保険法の特例をつくりまして、無担保無保証人保険を一千万円の枠を追加をいたしておりますし、また、無担保無保証人貸し付けてあります小企業等経営改善資金融資の貸付限度額を七百万円に引き上げるところでございます。 さらに、操業の早期再開の支援ということで、いわゆる仮工場といいますか、仮設工場、仮設店舗等の整備の促進ということで、神戸市等地元公共団体が仮設の工場、店舗を設置してこれを賃貸するといったようなことで、事業者の一刻も早い操業再開を支援するために中小企業事業団の高度化融資制度を活用して行うことといたしております。これは必要額の九〇%を無利子で二十年間貸し出す、こういう制度でございます。 さらに、経営相談でございますが、先ほどの金融機関の窓口相談とは別に、県、市、それから中小企業関係団体の協力を得まして、中小企業総合相談所ということで、一月二十二日から緊急に相談を受け付けております。経営、金融、法律、その他総合的に受け付けるということでございまして、一月二十五日から二月十四日の間に約六千百件の相談に対応をしているところでございます。 主なところは以上でございます。
○赤羽委員 仮設の工業団地、工場についてなんですけれども、要するに、いろいろな御提案があっても、めどがいつかというような情報が出ないと、かなりもう実際は、みずから畳んで、一月の給料を払って倒産だ、申しわけないけれどもここでおしまいにしたいというかなり善意の事業主もあらわれておるのか、長田区のケミカルシューズなんかの業界では一部出ておりますので、仮設工業団地はいつごろ実施ができるのか、そのめどを具体的にいただけますか。
○玉木説明員 お答え申し上げます。 仮設の工業団地につきましては、現在私どもと神戸市当局等関係自治体ともう既に具体的な場所等につきまして御相談を始めております。これはいつまでにできるかというのは、土地の手当て等のいろいろな細かい問題もございますけれども、とにかく一日も早く実施をしたいということで努力をしております。
○赤羽委員 めどは。
○玉木説明員 もう一つは、二十四日と言われております補正予算、これで若干の手当てをする必要があろうかと思いますので、いずれにいたしましても、補正予算に向けて現在財政当局とも必要な裏づけ予算を折衝中でございますけれども、具体的な計画は一応私どもの案が実現をするという前提で準備作業を進めておるところでございますので、一日も早く実施をしたいということでございます。
○赤羽委員 それで、一番早いのは、今の御説明で、いつぐらいと予測されるのですか。
○玉木説明員 お答え申し上げます。 いつごろといいましても、そこは本当にもう一日も早くやらせていただきますので、補正予算あるいはその関連の必要な措置が整い次第建設に入れるよう努力をしてまいりたいということでございますので、それほどの時間を置かずにできるものと期待をしております。
○赤羽委員 わかりました。 室長のお立場ですとそのぐらいなのかなと思いますが、要するに、今回、この問題に限らずすべての情報が、確定的な情報が被災者の人たちに流れない。それに伴う口コミによるデマ、うわさのたぐいが本当に不安を呼んで、そして先ほど話したようにみずからの会社を畳んでいるというようなところまで出ているのが現状でありまして、一日も早くということであればそうなのですけれども、大体いつごろめどがつきますよと言っていただけることが本当に被災者の方の不安を解消し、希望を与えて、勇気を出して再建しようという気持ちになるわけでありますから、何とかその辺具体的に出していただきたいと思います。それはきょうは求めませんが、商工委員会等々でよろしくお願いします。 また、先ほども低利融資の充実強化ということでお話がありましたけれども、実際問題現場の人たちの話を聞きますと、まだまだいわゆる政府系中小企業金融の三機関に行っても担保がないからといって借りられない。事業主もめども立たず、先ほどお話ししたような形でみずからもう再起ができないというような形で倒産宣言している企業もかなり多いものです。その点もいろいろ御努力をお願いしていると思いますが、私が地元中小企業からの陳情も随分受けております無利子無担保で無保証というのはかなり虫がいい話かもしれませんけれども、どうかそのくらいの勢いで御尽力をお願いしたいと思います。 労働省の方でも恐らく県の方から、こちらは融資ではなくてもっと踏み込んで助成について陳情が出ていると思います。雇用確保支援助成金、これの助成内容についてと、かつその対応の進捗状況をお願いしたいと思います。
○征矢政府委員 御指摘のように、兵庫県から雇用確保支援助成金制度についての要望が出されているところでございます。 今回の震災に伴いまして事業の継続が困難となった事業主の方々ができるだけ早く事業を再開することによりまして、労働者の雇用の維持、確保を図ることは、これは今後の被災地域の復興のための最重要課題であるというふうに考えております。 しがいまして、このため当面は、雇用調整助成金の活用等により、事業主の方々が被災から復旧し事業を再開できるまでの間、できる限り雇用を維持できるように支援していくとともに、失業給付制度の特例によりまして被災労働者の生活の安定を図っていくこととしているところでございます。 さらに、これに加えまして、今後事業主の方々が本格的に事業を再開し、雇用維持拡大を図ることを支援するための新たな助成金制度を創設することについて、ただいまのように、地元から要望を受けているところでございます。この点につきましては、御要望の趣旨を踏まえ、また今後の被災地における復興状況、雇用情勢等も見ながら、新たな支援策が必要かどうかについてさらに検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○赤羽委員 この要望自体は、恐らく大臣が二月五日に御来県いただいたときに、県の方から出されたことだと思います。もう既に十日たっておるのですね。いろいろ難しいことだとは思うのですけれども、いわゆる通産省からは低利融資が精いっぱいだというようなお話も出ておりますし、地元企業からは、この労働省の助成金の新設ということに対する期待というのは物すごく大きいものがあります。それがこの十日間で何らかの進捗状況がないということは、非常に寂しいというか期待できないのか、見込みはかなり難しいのかどうか、これも私自身も含めて非常に不安をかき立てるような御答弁であったのですが、その辺大臣、率直に言ってどうなのでしょうか。
○浜本国務大臣 検討していることは間違いないのです。誠意を持って検討をしておるのですが、やはり予算上の問題もございまして、もう少し検討させていただきたい。やはり事情が非常に厳しい状況になれば、私はこの必要性もあるのではないかというふうに思っておりますので、真剣に検討をしておるところでございます。
○赤羽委員 恐らく財源の問題ということですから大蔵との問題だと思いますが、御検討されて、そして大蔵に本当にどんとプッシュして何とか引き出す、目先の額がどのぐらいになるかわからないかもしれませんけれども、要するに、企業が倒れたら大変な状況が出てくるのではないかというのを危惧しているのです。 今国会でもまだ本格的議論は始まっていないかもしれませんが、分譲マンションの崩壊というのがかなり多いのです。皆さん大体分譲マンションというと、生涯の賃金から三十年ローンとかを何のアクシデントもないという前提で組まれている。ところが、途中でこんな大災害に遭って、考えられないような被害を受けてマンションが使えなくなった。しかし借金は残った。区分所有法などでやると今のままですと五分の四の賛成が必要でなんというと、基本的にはマンションについてはもう手の施しようがないのではないか。 逆に言うと、毎日一生懸命働いて税金の捕捉率も一〇〇%のサラリーマンが、一生涯の買い物としてマンションを買った。しかし、これがこういう状況に遭遇してダブルローンになった。今のローンは三年間ぐらい猶予されるのかなという気がしますけれども、職業も会社もなくなったなんという話になると、自己破産を宣言する人がいっぱい出てきたり、三年後には連鎖倒産が起こったりとか、かなり悲惨な状況がこれから出てくるのではないかというふうに本当に真剣に心配をしているものでございます。 そういった意味で、今回県から出していただいた労働省の助成金の新設というのは、本当にこの助成金の新設ができれば大変な効果があると思いますので、何とか大臣頑張っていただいて、二月二十四日、特別立法の中には組み込めないのですか。盛んに首を振られていますけれども。
○浜本国務大臣 特別立法では少し難しいと思うのですが、いずれにしましても委員のお気持ちはよくわかりますので、努力させてもらいたいと思います。
○征矢政府委員 お気持ちはよくわかるのでございますけれども、御承知のように、ただいま産業政策面での緊急融資等が無利子無担保等でどういうふうにするかの問題、あるいは今後復興計画をどんな形でどんな手順でやっていく、そういう中でどう再建されていくか、そういう問題との兼ね合いもございますので、真剣に検討はいたしますけれども、ただいま大臣が申し上げたとおりでございます。
○赤羽委員 事情はよくわかります。真剣に検討した結果、実行はできないというような寂しい結果にならないように、全力で闘い取っていただけるよう、よろしくお願いします。 あと残された時間を使いまして、ちょっと労働委員会とは違うかもしれませんが、罹災証明について、きょう自治省の方とか建設省の方に来ていただいていると思うので聞きたいのです。 要するに罹災証明、罹災をしたという証明で実はかなりパニックになっている。毎日行列で、私自身も実は地元の秘書に代理で並んでもらった。二月七日に行って、二月二十七日の整理券をもらったのです。罹災したという証明がこんなにかかる。何のための罹災証明なのかも余りはっきりしないのです。要するに、何かそれを持っていないとこれからの融資を受けられないのではないかということで、私自身も余りよくわけがわからずに並んでもらって、そんなに時間がかかるのかと。実際もう既に消化されたのも何千件とあるようですが、罹災証明を発行してもらえる人もいれば、それは発行できないという、かなり発行基準があいまいというか、よくわからないのですけれども、かなり厳しい。罹災して被災民として一カ月避難していたにもかかわらず、あなたは罹災証明は出せませんと言われて愕然としているという人がかなり多いわけですね。 罹災証明は何のために使われているのかということと、その罹災証明の出せる、出せないという発行基準について、ぜひ、まず神戸市と芦屋市の場合でお願いしてありますので、教えていただきたい。 何でこんな二つの市のことを言うかというと、市によってかなり違うという事実がはっきりしているのですね。尼崎では、かわら一枚飛んだということで罹災証明が出されております。神戸市では、マンションが危険だから入るなという、これは建設省の別の安全基準の調査なんですけれども、黄色紙を張られたところについても罹災証明を出してもらえてないところがある。私自身のマンションも黄色紙なんで、出していただけるかどうかわからない。まあそれはどうでもいいんですが、その辺の罹災証明の基準についてと、罹災証明というのは何に使われるためにやっているのか、教えていただきたいと思います。
○川村説明員 罹災証明でございますけれども、これは罹災証明について特に定めた法律というのはないということで、市町村が住民の利便、福祉の増進のための仕事、いわゆる公共事務と称していますけれども、その公共事務として行っているということでございます。 これにつきまして、そういう証明事務ができるのか、こういうふうな照会も一月下旬に来たわけですけれども、私どもとして、申請に係る事実の確認ができる限り証明ができる、こうお答えしたような経緯がございます。 そこで、こういう証明書は、それぞれの市町村の判断でもって市町村の事務としてやっているものではございますけれども、どういう用途かということなんですが、やはり公私の関係で自分が災害を受けた、こういうことを微に入り細にわたって説明しなくても、やはりそういう証明があればいろいろな局面で便利だろう、こういう観点からなされているのではないかと思います。 そこで、その際、基準がまちまちである、こういうようなお話も今ございました。罹災証明の際には一般的に、それぞれの市町村が罹災の場所とか罹災の状況とかあるいは程度とか罹災者名とか、そういうものについて証明しておりまして、御指摘の神戸市、芦屋市においてもこうした事項が罹災証明の内容となっております。ただ、例えば全壊、半壊というのはどの程度なのか、あるいは事実の確認の具体的方法はどうかということになると、確かに団体によって違いが出てくる面もあるのが実情でございます。 そこで、兵庫県におきましては、兵庫県の生活文化部長名で各市町村あて通知を出しまして、災害の被害認定基準については、昭和四十三年に内閣総理大臣官房審議室長の通知として「災害の被害認定基準の統一について」というのがございますが、これに則して行うよう、県の方から市町村に通知がなされている、こういうふうに聞いております。 ただいま申し上げました内閣総理大臣官房審議室長の通知そのものは、罹災証明についてこうせよ、こういうものではなくて、災害の報告等について関係各省庁の災害の認定の基準がまちまちだったという経緯を踏まえまして、それを統一しようとして各省庁あてに投げた通知でございますけれども、県においては、ひとつこれに則して各市町村ともやってくださいよ、こういうことで指導している、こう聞いております。
○赤羽委員 今実態は、例えば神戸市や芦屋市はどういう基準で罹災証明を発行可の人がいて、不可の人がいるのか、その基準となるものは何かということを聞いたわけであります。
○川村説明員 申しわけございません。 今神戸市、芦屋市についてちょっと触れ落としましたが、神戸市におきましては、ただいま申し上げました「災害の被害認定基準の統一について」という官房審議室長通知で示された統一基準に則して被害認定が行われていると聞いております。 また、芦屋市におきましても、当該基準に基づく被災状況の調査が行われていると聞いております。震災直後の非常事態の中で、芦屋市としてこの基準に基づく被災状況の調査を行った上で罹災証明書が出されたかどうかということになりますと、なかなかその事態下の中で市としても苦悩があったかと思いますけれども、現在改めて、その辺の調査が当該基準に基づいて行われている、かように伺っております。
○赤羽委員 ちょっと要領がよくわからないんですが、芦屋市は未審査扱いてすべて出されているといううわさもございます。神戸市の統一基準というその統一基準というのはどういうものなのか、後で御開示願えればいいのですけれども。 そこで、ちょっと状況をややこしくしているのが、建設省、いらっしゃっていますか、建設省で、この家に入ったら危ないよとか、安全基準ですか、全戸大変な作業をしていただいて、いわゆる赤紙、黄色紙、緑紙という形でざっと張っていかれたと思います。これの基準と罹災証明発行はリンクしていないですね。
○磯田説明員 先生今御指摘の赤紙、黄紙、緑紙を張りましたのを、今回行われましたものを応急危険度判定と私ども言っております。この判定は、建物がどれぐらい被害を受けたかということでなくて、本震の後の余震が来たらどのように危ないかというような観点から、二次災害の発生を防止するために緊急的に被災建築物の危険性に着目して判定したものでございまして、その判定結果を表示して住民の方々に注意を喚起していただく、そして住民の方々の安全の確保を図ることを目的としたものでございます。したがいまして、その判定結果の表示がその他の目的に用いられるということを想定して我々行ったものではございません。
○赤羽委員 要するに、私は、建設省の余震対策による安全基準チェックというのは大変な作業だと思っている、非常にありがたいものだというふうに評価、認識しているわけなんですよ。ただ、あんな労作業をしておいて、せっかく、三段階でいいですよ、緑、黄色、赤と分けてくれた、それを使わずに、どういう基準がわからないけれども、罹災証明はまた全然別の基準で、あなたの家はだめですよとか、あなたの家は罹災証明を発行できますよという、その二度手間をしているこの縦割りの感覚というか実態が、何でそんなことをしているのかなというのを本当に驚くのですよね。 どうせなら、たしか一級建築士ですよね、そういう方がずらっと入り込んで、時間はないからかなりラフな調査になったと思いますけれども、罹災証明を発行する際に、単純に非とか黄色だったらすべて罹災証明を出す、緑だったらそれは勘弁してもらうみたいな話で済ませれば、それで済むんじゃないかなというふうに思うわけですよね。これがすごい混乱しているわけです。黄色紙で、当然、注意、マンションに入る際には余震に気をつけろみたいなことが書いてあって、自分は当然危ないから避難所でずっと一月も生活して、半日ぐらいかけて並んで罹災証明をもらいに行ったら、おたくのマンションは大丈夫ですみたいなことを言われる、罹災証明は発行できません、こんなばかな話はあるかと。義援金の交付についても罹災証明というのは必要なわけですよ。全然、自分にはそういった一切の資格がない。 これはやはり根本的に罹災証明については考え方を変えた方がいいのじゃないかと思いますね。実際、緑の人だって全員安全だったかというとそうではなくて、家具だってほとんど壊れているわけで、その災害規模というのは大変なものがあったというのはよくわかっていると思いますから、それは神戸市の地域を特定して、例えば東灘区、灘区だったらJRより南とか一様に地域指定をして、そこに住まれている方はすべて罹災証明を発行するとした方が、余計な住宅地図で一軒一軒やって、おたくはどうですと言って再調査させて、再調査を認めると言ってまたそれを再調査しに行って、ただでさえもうパニックになっている市の職員の仕事を自分たちでふやしているみたいな、そんなことまでして罹災証明を一つ一つ出すようなことなのかということなのですよ。一体これは何なのか。あの地域にあのとき住んでいて被害を受けたというのは事実なわけですから、それはそれで罹災証明は発行していただければいいのじゃないかと思うのですね。その辺は答弁を聞いてもしょうがないのですけれども。 それと、罹災証明を担当している担当省庁というのはないというふうにも聞いているのですけれども、それはどうなのでしょうか。
○川村説明員 罹災証明については法律はございませんけれども、私どもで県の方の照会にお答えしたり、必要があれば県の方と相談、指導する、こういうことで臨んでおります。
○赤羽委員 所管ではないということなのですか、所管ではないけれどもやっているという。じゃ、ここで言ってもしょうがないのかなという話にはなりますけれども。今一番市民相談というか問い合わせが殺到しているのが、うちは何で罹災証明をもらえないのかという極めて素朴なところでありますので、そのトラブルが一番、市職員の仕事もふやしているということでもありますので、何とかこの部分を明快にしていただきたいというふうに思うわけであります。 時間になりましたので、労働大臣、もうこの一時間半使ってどれだけ意が尽くせたかどうかわかりませんけれども、要するに、住宅の不安がある、まだ正常な状況じゃないというのが一月も続いていると、もうかりかりしているのですね。今地元に帰って、本当に政治家が何もしてくれないみたいなことを、すごい大変なお怒りをいただいているのですけれども、そういった住宅の問題があり、職場につかなければ新しい人生というのは再建、再開できないわけですから、その雇用確保、雇用創出については現行法というような今までの常識ではどうしようもないと思いますので、抜本的な対策をとっていただくようによろしくお願いしたいと思います。一言真、最後に、その御決意のほどだけ聞かせていただいて、質問を終わります。
○浜本国務大臣 被災者の皆さんの生活の安定のために雇用確保をするということは非常に重要なことでございますから、労働省といたしましては全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
○赤羽委員 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○笹山委員長 池田隆一君。
○池田(隆)委員 それでは、何点がありますけれども、地震関連の問題からお尋ねをしたいと思います。なお、大臣があと二十分少々しかおられないということですので、大臣に関係するものを中心にしながらまず最初に進めたいと思います。 地震の関係ですけれども、二月七日の当委員会で我が党の永井先生の方から集中的に論議がされましたので、私の方からは一点についてのみお尋ねをしていきたいというふうに思っています。 この間、労働省としては緊急対策をさまざまに進められてきておると思います。雇用調整助成金の特別な適用支給だとか、雇用保険の同じような特例的支給、さらには新採用者に対する就職の支援、自営業者への支援、さらには、先ほどもありましたけれども、住宅に対して雇用促進住宅の開放等々あるわけですけれども、出先では大変御苦労なさっているのではないかというふうに思いまして、深く敬意を申し上げたいと思います。 このようなさまざまな対策が緊急にとられているわけですけれども、被災者にとってやはり、復興ということになってきますと、あすの生活、つまり自分の就職、仕事がどうなるのかということが一番心配になってくるのではないかというふうにも考えます。そうしますと、さまざまな労働にかかわる、雇用にかかわる相談事項が出てくるのではないかということで、この職業紹介だとか、例えば各種の雇用保険の関係の対応など、働く者にとってもそうですし、小さな自営業者にとってもさまざまな相談窓口がふえてくる。これは日本人ばかりじゃなくて、外国人労働者もたくさんおられるわけですから、それらを含めてさまざまな形の相談事項が出てくるのではないかというふうに考えられます。 そこで、相談窓口の体制が現状どのようになっているのか、県外からの応援はどのようになっているのか、その現状と今後の対応についてお尋ねをしたいと思います。 〔委員長退席、河上委員長代理着席〕
○征矢政府委員 兵庫県におきましては、県下十その公共職業安定所におきまして、一月十七日の大震災発生以来、災害を受けられました事業主の方あるいは求職者の方に対する相談、これは特別相談窓口を設置いたしましてやってきておるわけでございます。最新時点の状況ですと、二月十二日現在で二万五千八百八十八件の相談を受け付けております。これにつきましては、内容は、事業主の方からは雇用調整助成金、あるいは求職者の方からは失業給付の相談が相当多数に上っているところでございます。 また、この応援体制としましては、被災地の安定所に関しまして、本来の職員に加えまして県下の職員で応援できるところからの職員を派遣しまして、一緒になってやっていただいているということでございます。 ただ、今後この具体的な相談の結果、失業給付の特例措置等の業務処理が非常に増大をいたしますので、その辺につきましては兵庫県とかねがね相談をいたしておりましたが、県の職業安定課の要請を受けまして応援体制を組むということで、神戸公共職業安定所の旧庁舎がございますので、そこに新しく窓口を設置いたしまして、この失業給付の特例措置等の業務処理を行う、これにつきましてはコンピューターのネットワークも必要でございますから、コンピューターも三台ほど入れまして窓口を設置したところでございます。これにつきましては、近隣県の職員の方三十名ほどの応援あるいは県内の職員十名、合計四十名ぐらいの体制で、求職者の方あるいは事業主の方に対するサービスを来週から実施する方向で対処しているところでございます。 なお、今後の情勢によりまして必要があるということであれば、さらにまたいろいろ検討してまいりたいと考えております。
○池田(隆)委員 この相談窓口というのは、これからますますふえていくのではないかというふうに思います。いろいろな報道なんかでは、組合側も積極的に進めているところもありますし、自治労なんかも各県から進めていますし、教職員組合の方もボランティアだということで、学校に向けて避難民の応援や、それぞれ進めています。 そういう意味でいきますと、人数についてどうなのかなという感じもしますけれども、やはり専門的な知識を持ちながらきちっと相談に対応していくという部分もあれだし、本当に苦情処理だとか、先ほどお話もありましたけれども、急に自宅待機を命じられるとか、るるあるだろうと思いますね。本当に、悩みだとか不安だとか、そういう意味での相談があるのではないか、それを聞いてあげることが、今後、不安解消を含めても積極的な面として見えてくるのではないかと思いますので、この辺の充実をより以上やっていただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。 それでは、大臣にお尋ねしたいと思うのですけれども、ILOの百五十六号条約の批准問題でございます。 この条約は、いわゆる家族的責任を有する労働者条約として、一九八五年の国連の女子差別撤廃条約批准以来、懸案になっていた課題だというふうに思っています。 この批准問題については、私も昨年、雇用保険法の改正の問題での代表質問でこのことにも触れさせていただきまして、当時の総理や外務大臣の方から、前向きに検討したい、国会に提出したいという答弁をいただいたところでございます。 問題の所在というのは、家族的責任で解雇してはならないという精神でございますので、その国内法を整備していく意味が一面にあるのではないか。それが育児休業法や今後の介護休業制度の法案化も出てくるということになれば、そういう環境整備ができてきているのではないかというふうに思います。 そういう意味では、今国会にこの批准問題というものがきちっと解決できるというふうに期待しているところですけれども、これは外務省の問題だというふうに考えますけれども、やはり労働者の問題として、労働省としてその辺のところをどういうふうに考えているのか、大臣としての御決意をお伺いしたいと思います。
○浜本国務大臣 ILO第百五十六号条約の批准に関しましては、私も就任以来積極的な検討を事務方に指示し、検討をさせていたところでございます。ILO条約の批准に関しましては、先ほど委員からお話がございましたように、国内法制との整合性が図られることが前提となっておりますが、昨年来、関係省庁との間で積極的な検討作業が進められてまいりました。そして、現在の段階は、最終的な詰めの作業に入っておるというように理解をしていただいて結構だと思います。 したがって、私といたしましては、ぜひとも本条約の批准承認案件が本国会に提出されますように、引き続き努力をしてまいりたいと思います。
○池田(隆)委員 ぜひとも今国会に提出されるようにお願いをしたいというふうに思います。 次に、JRの不採用問題についてお尋ねをしていきたいと思います。 JR発足時に採用を拒否された当時の旧国鉄労働者、これについて、当時は社会的問題にもなったのではないかというふうに思っています。その後、採用されなかった職員は、清算事業団に一時的に送り込まれたといいますか、採用されたといいますか、そういう形になったわけですけれども、最終的にはそこも解雇されてしまうという形の中で、一方では、各地労委の方、地方労働委員会の方にこの問題の扱いが提訴されたわけです。そして、御承知のとおり、全国各地二十その地労委では、早く採用すべきだという形の基本的な考え方で救済命令が出されたことは大臣も御承知のとおりだというふうに思います。 さらにこの問題は、そこの中では解決できずに、中央労働委員会に持ち込まれて、北海道事案には和解勧告も出されるというようなこともありましたけれども、九三年の十二月末には北海道、大阪、九四年の十月には福岡、熊本、そして昨年末の十二月二十日には鹿児島、宮崎の事案に中労委命令が出されたという経過になっています。 その命令の内容というのは、九三年十二月二十四日に出された中労委、北海道や大阪に出されたものを継承していることですけれども、基本的には不当労働行為の存在を認めた、それから当時の国鉄からJRに変わっていった、しかしJR各社にも引き続きその責任があるというようなことも含めながら救済を求めていたわけです。しかし、これも残念ながら不調に終わって、今裁判に持ち込まれているというのが実態だというふうに思います。 この間、採用されなかった組合員といいますか、労働者の皆さんは、長年の間、みずからいろいろなアルバイト等もしながら、不当だということで、将来何とかJRに戻りたいという形の中で闘っておられるのも御承知のとおりだと思います。 それで、昨年の十二月二十七日に、一九七五年のスト権回復を求めた八日間のスト、これに対する二百二億円の損害賠償請求の裁判が取り下げられたという事態を迎えています。取り下げた背景には、いろいろ言われていますけれども、例えば、国労として、本部の会館の明け渡しをするとか、分割・民営化された事実は認めるとか、こういうような形の合意もなされているとも聞いております。そういう意味で、現段階になってきて、この不採用問題の障害が一つ取り外されたのではないかということから、解決に向けて大きく前進するという期待感もあるわけです。 そこで、この問題は、やはり当時のことを考えて見ますと、分割・民営化が政府主導で行われたという事実を考えていきますと、やはり政府がこの問題について積極的にかかわってくるということ、この姿勢が必要だろうというふうに思います。運輸省も積極的に進めていると思いますけれども、労働省としても、労働者保護という観点から、差別が行われた問題を事実として認めながらこの問題を解決していくということが今近々に求められているだろう。裁判という事実もありますけれども、何とか当事者間で解決ができるような形に労働大臣としても汗をかいていただきたい、そういう思いで大臣の御所見についてお伺いしたいと思います。
○浜本国務大臣 JRの不当労働行為事件にかかわる中労委命令というのは、委員御指摘のように、これまでに四回出されておると思います。労働省といたしましては、労使、関係労使といいましょうか、関係労使が命令を真剣に受けとめていただきまして、一日も早い紛争の解決に向けて努力されることを強く期待をしておみわけでございます。 本問題の解決のためには、何と申しましても、まず両当事者がこれまでのいきさつにこだわらずに、立場を超えて率直に話し合って解決をしていただくことが非常に重要ではないかと思っております。最近、委員が御指摘になりましたように、二百二億円の訴訟事件並びに会館明け渡し問題も労使の自主的な話し合いによって解決をいたしましたので、状況は労使の話し合いにとって好転しつつあるというふうに私も思っておる次第でございます。 したがいまして、労働省といたしましては、今後とも関係労使の努力や対応を見守りながら、運輸省とも密接に連携をいたしまして、関係労使からも話を聞くなどいたしまして、紛争の早期解決に向けてさらに努力をしてまいりたいと思っております。
○池田(隆)委員 この問題に深くかかわってこられた浜本大臣でございますので、いろいろなアイデアもあると思いますし、いろいろと労使の意見を聞きながら一日も早い紛争解決に向けて御努力いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは次に、空知炭礦の閉山問題について、何点がお尋ねをしていきたいというふうに思います。 これは、一月二十六日に突然会社側から、三月三日をもって閉山すると労働組合に提案をされました。そして、労使交渉を進めているときに、また親会社である北炭とともに、二月三日に極めて抜き打ち的に会社更生法の申請をしたというような事態になっています。 労使の閉山交渉を本格化させようというやさきでのこの会社更生法の申請については、経営者自体としての放棄であり、社会的責任というものも強く追及されなければならないのではないかというふうに考えていますし、今までのいろいろな閉山なんかでは労使が最終的には決着をしながら閉山をしていくということで、そういうことでは無責任きわまりない態度であるというような感じもいたします。 基本的に、会社側は当然労使交渉に全力を挙げて、解雇する職員の退職金や再雇用への努力、さらに七千人台と言われる全国一ミニの市ですけれども、歌志内市の地域振興対策、また、そういう形での会社側の努力というものが最低限なされてから更生法を申請するなら申請するという形がとるべき姿ではなかったかなというような思いをするわけです。したがって、こういうふうに更生法を申請した現在、この閉山問題は一段と不透明になっているという実態ではないかというふうに思っています。 実は私も党の調査団として、今ここにおります岩田理事ともども歌志内市の方に調査に行ってまいりました。いろいろるるお話を聞いてまいりましたけれども、会社側、組合側、地元自治体、そして地域の代表の方々、いずれも共通しているのは、こういう時期の中で国の援助というものを強く期待しているところでございます。そういう視点に立って、四点ほど質問させていただきたいというふうに思います。 まず、通産省が来ていると思いますけれども、さきに新石炭政策の方針が出されて、先に縮小や閉山という形ではなくて経営の多角化や新分野の開拓を促進する、そして雇用を創出していって、地域の振興を図っていくというのがこの新石炭政策の精神ではなかったかなというふうに考えているところです。 しかし、この間、九二年には三井芦別、九四年には住友赤平が閉山されたわけでございます。そして、今回の空知の閉山ということです。三井芦別や住友赤平では、あらかじめ若干の対策があって、随分再雇用の問題についても対策がそれなりにできたと思っていますけれども、今回の空知の問題については、歌志内市ではガラス関係の工場があるというようなことくらいで、まるっきりあらかじめ対策がゼロであったと言っても過言ではないなという感じがしたところです。 そこで、こういうふうに新政策の目玉としてのあらかじめ対策がなされないままに閉山が進行している状況を通産省としてはどのようにお考えになっているのか、また、このあらかじめ対策が進まなかった原因をどのようにとらえているのか、その辺のところをお尋ねしたいと思います。 〔河上委員長代理退席、委員長着席〕
○島田説明員 御説明申し上げます。 御指摘のとおり、平成四年度を初年度といたしますいわゆる新しい石炭政策におきましては、石炭鉱業の合理化安定化対策に加えまして、石炭鉱業の経営の多角化、新分野開拓を援助するとともに、構造調整に先行します地域振興対策を積極的に推進するということになっております。 空知炭礦の属します歌志内市及び周辺地域におきましても、これまで北炭グループの新分野開拓事業に対する助成措置、あるいは地域振興整備公団による文珠団地の造成、あるいは高齢者健康センター建設事業等に対する産炭地域振興臨時交付金による支援等を行ってきたところでございます。 ただ、残念ながら、歌志内が存在します地域というのは大変に狭隘な山岳地帯であるという地理的制約条件、あるいはグループの中核企業であります北海道炭礦汽船が、ただいま御指摘ありましたように会社更生手続に入らねばならないというような非常に厳しい財務状況にあったということ、さらに昨今の景気低迷等の要因がございまして、対策に限界があったものと考えられます。 通産省としましては、今後とも北炭グループの新分野開拓事業に対する支援を引き続き行いますとともに、仮に閉山の事態に至った場合には、産炭地域振興関係各省庁等連絡会議の場を活用しつつ、空知地域におきます雇用、地域対策に万全を期すところでございます。
○池田(隆)委員 そんな本当にあらかじめ対策が進まない中での閉山ということで、極めて国の責任が重いという思いでいっぱいです。 今進められている労使交渉の課題は多くありますけれども、最大の問題は退職手当の問題ではないかというふうに考えています。しかし、会社更生法が申請されたことから、資金調達能力は当然限界があるとも言われています。当然会社側はさらなる自助努力をしなければならないでしょうし、親会社を含めて三井グループの支援なども必要でありますけれども、政府の支援が大変重要になってくるのではないかというふうに思います。 そこで、現段階で通産省及び労働省としてこの資金援助、財政面での支援をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
○島田説明員 御説明申し上げます。 一般的に石炭鉱山の閉山に当たりましては、通産省として従来から、石炭鉱業構造調整臨時措置法に基づきます閉山交付金制度によりまして、所定額の交付を行ってきているところでございます。仮に閉山という事態になりますれば、交付金を規定に基づきまして交付するということになります。 ただ、空知炭礦におきましては、ただいま御指摘のありましたように、現在、保全管理人、経営者と会社、組合側との間で退職条件を含めて閉山に関しまして話し合いが進められているところでございます。何よりも、閉山に関する合意が達成されますことが最優先の課題でございまして、通産省としては、その推移を注視しているところでございます。
○廣見政府委員 今先生お尋ねの、特に退職手当等の関連でございますが、これは本来、退職手当等の不払いということは申し上げるまでもなくあってはならないことでございまして、私ども労働省といたしましては、通産省あるいはその他の関係行政機関とも緊密な連携を図りながら、親会社でございます北炭本社それから空知炭礦に対しまして、労働債務の支払いについての指導に努めている、また努めていきたいということでございます。 今お話もございましたようなことで、更生手続開始の申し立てがなされているということではございますが、なお、関係者の方々は大変に厳しい状況の中でいろいろと話し合いもされているという段階でございます。私どもといたしましては、今申し上げましたような基本的な考え方に基づきまして、なお事態の推移を見守ってまいりたいと思いますし、関係者が最善の努力をされることを強く期待しているところでございます。 ただ、状況は大変厳しいという点もございます。私ども労働省として、仮に今最終的な話し合いがつき、閉山となった場合にとるべき措置、こういうことについてはまた十分検討もいたしながら、関係者の方々の話し合い、状況の推移を見守ってまいりたい、このように考えているところでございます。
○池田(隆)委員 現在北海道内に二つある炭鉱のうち一つがなくなっていく、太平洋炭礦しか残らなくなっていくというような状況なわけです。この歌志内でも、当初は大小含めて最大十五の炭鉱があった。最後まで頑張っていたこの地域で、この空知炭破が閉山をしていく。閉山していく過程において、一生懸命頑張ってきた、最後まで頑張ってきた労働者の手当が、先に、以前に閉山をしてしまったところよりも少ない、半額程度しか出ないのではないかというような形もあるわけですね。こうなると、何のために最後まで頑張ってきたのかというようなことが怒りとなっているわけです。当然だろうというふうに思います。 そういう意味で、やはり国の財政支援というものが極めて重要だと思いますので、積極的な支援をお願いしたいと思います。きょうは通産省の石炭部長が調査に行っているというようなお話も聞いておりますので、その状況を把握しながら積極的な対応をお願いしたいというふうに思います。 それから、閉山後の問題として、再雇用の問題というのが出てくるのではないかなというふうに思います。これも重要な課題だというふうに思います。再雇用していかなければならぬ直接の炭鉱の従業員、さらには下請の従業員を含めると、炭鉱従業員という形では八百数十人にも及ぶとも言われています。しかし、閉山に向けての交渉の提案の内容としては、四百二十五人の枠しかない。半数以下なわけですね。住友赤平、三井芦別、これらのときには従業員数を上回る職種を紹介しているという実態があるのですけれども、ここでは残念ながら約半数しかいっていないということで、ここにも怒りがあらわれています。 この雇用確保は、北炭グループの自助努力と三井グループの支援は先ほども申し上げましたが当然ですけれども、やはり国も含めまして道や近隣自治体の積極的な支援というものも期待されているだろうと思います。先ほども質問しましたけれども、阪神大震災は自然災害でございますけれども、こういうような閉山を迎えるということは、職がなくなるということは極めて人災的なものでございますし、そういう意味では労働省としても積極的な雇用対策を進めていかなければならぬというふうにも思います。具体的にどのような施策を考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○征矢政府委員 御指摘のように、仮に閉山の事態に至れば、要対策者が八百人を超える状態であるということでございまして、直轄の方が五百八十名余、下請関係者が二百八十名余というふうに聞いております。これにつきましては現在いろいろとお話し合い中でございまして、仮に閉山という事態になった場合に、労働省としては、やはり地元北海道とも密接な連携をとりながら、まず会社に対しては、炭鉱労働者雇用安定助成金の活用等によりましてできるだけ円滑に職業の転換を図れるようにお願いしていくということが基本でございますが、現実には、ただいま御指摘がございましたように、なかなか難しい事態にあるとすれば、離職された方々について、これは炭鉱労働者雇用安定法に基づきまして炭鉱離職者求職手帳を発給し、各種援助措置を活用しながら再就職の促進に努めてまいらなければならないというふうに考えております。 具体的な年齢構成等は承知しておりませんが、これはきめ細かく相談に応じながら、高齢の方については、あるいは地元にそのままとどまりたいというような方が年金との関係でおられましょうし、あるいは若い人については、積極的に能力開発をしながら広域的な職業紹介の中で考えていかなければなりませんし、そういう中で職業訓練をどういう形で組み込むか、そういうことも考えていく必要があろうかとも思います。 いずれにしましても、従来いろいろ対処してきましたきめ細かな対策、そういうものを頭に置きながら、今後諸般の状況を見守りつつ対処してまいりたいというふうに考えております。
○池田(隆)委員 よろしくお願いしたいと思います。四百二十五人の枠といっても、地元は百九十七社しかないというようなことで、当然地元志向が多いという形の中では本当に不安を抱いているわけですので、よろしくお願いをしたいと思います。 そこで、地域支援の関係でお尋ねしたいと思いますけれども、この歌志内市は、芦別市、赤平市、砂川市そして土砂川町と炭鉱地帯に囲まれている真ん中にあるというような感じでして、本当に地域産業がなく、本当に炭鉱に依存してきたという地域でございます。昭和二十三年に四万六千百七十一人あった人口も、先ほども言いましたけれども、昨年の十二月末では七千四百五十九人ということで、本当に過疎な町でございますし、だからこそ炭鉱に依存ということが強い町でもございます。 炭鉱依存率は、市税で見ますと、市の財政はおよそ六十億ぐらいありますけれども、市税は四億ぐらいです、歳入としては。その五〇%、約二億円ぐらいが炭鉱関連という状況になっているわけです。また、これは大変な問題がございまして、こういう市税状況の中で歌志内市が、市から会社に貸出金といいますか、お金を貸している。これが二億円ほどあるわけですね。こういう状況があるわけでして、これが回収不能、そして閉山ということになってきますと、市税そのものがもうゼロみたいな形になってしまいますので、布そのものが赤字団体に転落していくというような本当に大きな危機感になっているのではないかというふうに思っています。 また、地域の商店などもおよそ炭鉱に依存してきた、会社に依存してきたというのが実態でございます。それも、会社更生法が申請されましたために、今月の支払いがもうなされていない、来ない、負債になっている。そうすると、地元の商店の人たち、雇用している人たちにも賃金が払えないということで、本当にパニック状況に陥っているというのが実態でございます。 そういう意味で、これを解消するためには積極的な国の支援というものは当然必要ですし、直接自治体に対する支援というものも重要なわけですので、自治省としてはその辺のところをどう考えているのか、また、通産省としても地域振興という形の中で当然支援をしていかなければならぬと思いますので、自治省、通産省に対してこの辺のところをお尋ねしたいと思います。
○北里説明員 空知炭礦が閉山された場合、人口流出あるいは税収の落ち込み等によりまして歌志内の市の財政に深刻な影響が生じることが懸念をされておりますことは、自治省としてもよく承知しているところでございます。 自治省におきましては、従来より、産炭地域の市町村に対しまして、普通交付税の算定に当たりましても産炭地特有の事情に係る財政負担を考慮してきたところでありますし、地方債につきましても、元利償還について交付税措置のある過疎債等を適切に配分するなどの配慮を既にしてきておるわけでございます。また、特別交付税につきましても、特別な財政需要につきましてこれまでできる限りの配慮をしてまいったところでございます。 今後、仮に閉山という事態に立ち至った場合、歌志内市が地域活性化のための事業の推進も含めまして閉山対策等を進めるに当たりまして、自治省としても、地元の御要望を十分踏まえながら、その財政運営に支障がないよう適切な財政支援措置を講じてまいりたいと考えております。
○後藤説明員 空知炭礦の存在します歌志内市は、委員御指摘のとおり炭鉱に関連した人口も多く、また市の税収も炭鉱への依存が高い。空知炭礦が閉山するという事態に至った場合、市への影響も相当大きいものと承知しております。 これまで、歌志内市の地域振興に関しまして、地域振興整備公団による歌志内文珠工業団地、これが昨年十一月完成をいたしまして、ことしの一月から団地の分譲を鋭意努力中でございます。また、市の地域振興のための事業に対しまして産炭地域振興臨時交付金による市への財政支援など対策を重点的に行ってきたところでございます。また、今回会社更生法に基づく更生手続の開始の申し立てが行われたことを踏まえまして、地元関連中小企業の連鎖倒産防止対策も講じているところでございます。 今後、仮に閉山という事態に至った場合に、地元歌志内市及び北海道と十分連絡をとりまして、また産炭地域振興関係各省庁等連絡会などを通じて関係各省庁とも密接な連携をとりまして、地域振興対策に努力を傾注する考えであります。また、通産省として、今後とも、歌志内市の地域振興事業に対しまして産炭地域振興臨時交付金などにより可能な限り支援していきたいと考えております。
○池田(隆)委員 地域全体として本当に困惑していて、パニックに陥っているという状況なわけです。炭鉱に直接働いている者、下請の者、関連の商店、そして自治体という形全体がそうでございます。本当に国の支援ということが、先ほども言いましたけれども、人災という形での閉山問題というふうにとらえているわけですから、積極的な支援をお願いをしておきたいというふうに思います。 それでは、次の問題に移っていきたいというふうに思います。 季節労働者の冬期雇用援護制度の問題でございます。冬期間建設業を中心にして離職を余儀なくされる季節労働者は、全国で約二十九万人いる、私の住んでいる北海道では十八万人もいるという状況でございます。これらの季節労働者が季節的に失業するということを防止することは極めて重要なことだというふうに考えています。本年度末でこの季節労働者の冬期雇用援護制度が期限切れになるというところを、労働省の皆さんの御奮闘によりまして継続、三年間延長ということになったことに対しましては、深く御礼を申し上げたいというふうに思います。 この問題は、季節労働者は、季節的に失職することなく、本来であれば通年雇用されていくということが基本的には原則だろうというふうに思います。しかし、事業主にとって、仕事がないから季節的に冬期間雇用を打ち切らざるを得ないというのが実態だろうというふうに思います。したがって、まずこのような事業主といいますか経営者に対して労働者を通年雇用する政策を推進することが極めて大事だというふうに考えているのですけれども、労働省としてどのような対策を講じてきておられるのか、また今後どのように進めようとしておられるのか、お考えをお示しいただければと思います。
○征矢政府委員 北海道、東北等のいわゆる積雪寒冷地におきます建設業等におきましては、御指摘のように冬期間離職を余儀なくされる季節労働者の方が多数おられます。これらの方につきましては、基本的には通年雇用という形で年間を通じて雇用が継続、維持されることが望ましいわけでございますが、現実にはそこまでなかなかいかない事情があるというようなことでございまして、そういうことを踏まえまして、これら季節労働者の冬期間の雇用の確保あるいは年間通年雇用の促進を図るために、冬期雇用援護制度といたしまして通年雇用奨励金あるいは冬期雇用安定奨励金、冬期技能講習助成給付金制度という三つの制度を設けてきているところでございます。 今後の冬期雇用援護制度につきましては、季節労働者が多数おられるというような状況を踏まえまして、冬期雇用安定奨励金制度及び冬期技能講習助成給付金制度を平成七年度以降三年間延長すること、通年雇用奨励金制度につきましては、その魅力度を高め事業主の通年雇用の意欲を喚起すること、この二点を柱といたしまして、より通年雇用化が進む方向で助成内容を改善することを予定いたしているところでございます。
○池田(隆)委員 基本的には、先ほど言いましたように通年雇用していく、この政策が実現されてこういう季節的に失職する方がなくなれば一番よろしいわけです。しかし、残念ながらそういう実態になっていないというのは先ほど言ったとおりでございます。しかし、そういう失職をしている労働者にとってみれば、三年ごとに切られてきた、そして三年ごとに継続をしてきたといいますか、そういうことで、二年たったら来年どうなるんだろうという心配があるのが実態なわけです。 ですから、当然、こういう全国で約二十九万人もいるという実態であれば、通年雇用を求めていくということが第一でございますけれども、その間、完全にそういうことがなされるまでは、この援護制度そのものが三年間という期限つきではなくて、まあ十年間なりだとか、または期限を設けないとかいう形の中で、そこに働く労働者に心配のないような形で政策を転換していくべきでないかというふうに考えるところですけれども、見解をお聞かせいただきたいと思います。
○征矢政府委員 季節労働者の通年雇用の促進を目的といたしました恒久措置として通年雇用奨励金制度が設けられているわけでございます。そういうことで季節労働者の雇用と生活の安定のための基盤整備、これが進むまでの間の暫定措置といたしまして、冬期雇用安定奨励金制度と冬期技能講習助成給付金制度を設けて通年雇用の促進に努めている、こういう全体の仕組みでございます。 そういう仕組みの中で、平成六年度いっぱいで切れます。その暫定措置の二つにつきまして、平成七年度以降これをどうするかということで昨年の夏の予算要求時以来いろいろな議論をし、かつ地元の関係者、先生を初め大変御要望も強く、そういう中で対処してきたところでございますが、そういう中で、したがいまして、来年度予算編成の際に一部制度の改善を加えた上で三年間の延長を行うこととしているところでございます。したがいまして、これは平成七年度以降三年間この制度を継続することになるわけでございまして、今後の制度のあり方につきましては、新制度の活用状況あるいは効果を見きわめながら、その時点でまた検討すべきものと考えておるところでございます。 ただ、この制度につきましては、御承知のように、昭和五十年代初期以来の経過の中で見直しもしながら継続してきているということにつきましては、先生御指摘のような問題点もある、そういうことも背景にあって継続してきているわけでございますが、基本的な考え方としましては、今申し上げたようなことで制度を組み立て、実施しているところでございます。
○池田(隆)委員 そういうことで本当に、過去、三年ごとに、働いている者が、今度は切れるのではないか、ああ継続された、こういう思いなわけですね。本当にそれも通年雇用がなされていないという実態の中でそういう形になっているわけですので、労働省として大いに研究をしていただきたいというふうに御要望も申し上げておきたいというふうに思います。 それでは、雇用対策について何点がお尋ねをしていきたいと思います、あともう時間もないので。 きょうもるる雇用対策全般についてお話がされました。特に雇用というのは景気と表裏一体だとも言われています。日本の景気は緩やかな回復過程にあるというふうに現在言われています。今回の不況というのは、別な言葉で言えば、消費不況という言葉があるとおりでございます。そうしますと、大方働いている労働者の財布が緩むという形が消費を回復していくという形につながっていくわけですけれども、不況という形の中で雇用不安が起き、現実問題として失業率も三%がやっと二・九%に、三%を切った。実際の人数としては二百万人以上も失業者がいるという実態の中で、さらにはリストラという企業の生き残り作戦の中で解雇者が出てくるという状況で、転職も含めていろいろあるという状況が現在ではないかなというふうに思っています。 また、この不況の要因としては、円高の問題、さらには産業の空洞化の問題等も言われています。基本的には、やはり今の景気を回復していくというのは、雇用の回復が消費回復につながっていくという視点で極めて重要だろうというふうに思っています。そういう意味で、所得税についても減免をしていくというような制度も取り入れていって消費回復を何とかしようというのも国の政策として進めてきたわけですので、この雇用回復というのをどうしていくのかということが極めて重要だろうというふうに思っています。 景気自体がこの阪神大震災でどういうような影響を及ぼすのかということはそれぞれ見方によって変わっていますけれども、しかし、地域の復興には五年以上かかるだろう、復興に伴う需要も即座に出るかといえば、建築そのものも一年以上、二年以上にかかるのではないかというようなことで、いろいろ見方も出ていますけれども、このような状況の中で労働省として最近の雇用情勢をどのように分析されているのか、景気情勢とあわせてどう認識されているのか、その見通しも含めて認識についての見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。
○征矢政府委員 雇用情勢の現状、雇用失業情勢の現状についてでございますが、ただいま先生お話もございましたように、経済全体は緩やかな回復過程にあるということでございまして、今後の見通しにつきましては、これは政府経済見通しで来年度二・八%成長という見通してございますが、これにつきましてはかなり確率の高い方向ではないかというふうに考えているところでございます。 そういう中で、当面の雇用情勢につきましては、有効求人倍率が現在〇・六四倍でございまして横ばい、完全失業率は三%から二・九、二・八というところまで来ておりまして、失業者数も二百万人から二百万人を割りまして現在は百七十八万人ぐらいにはなっておりますが、そういうことで、一進一退とはいえやや明るさも見えるのかなという状況になっているのではなかろうか。 したがいまして、景気が着実に回復することとあわせまして雇用情勢も改善されることについて私ども大いに期待しているところでございますが、御指摘の兵庫県南部地震の雇用への影響につきまして、これはなかなか確かな影響がどの程度あるかどうか、確実なところはわからないわけでございますが、恐らく、短期的な影響と、ある程度長い目で見た影響と、二つあり得ると思いますが、短期的な面で見ますと、やはり雇用への悪影響も心配されるところでございます。しかし、もう少し長い目で見ますと、やはりこの深刻な災害についての復興、これがどういう形で積み上がっていくかというところの中で、これが雇用へどう影響するかという点につきましては、これはプラスの影響として考えられるわけでございまして、その両面があろうかと思います、
○池田(隆)委員 あと六分ほどしか残っていませんので、何点か聞きたかったのですけれども、この雇用の中でどうしても聞いておきたいことで、平成四年に策定された第七次の雇用対策基本計画、これが労働環境の変化に伴って、本年度、第八次という形で基本計画を策定されると聞いております。労働省としてはどのような基本認識に立って策定されていくのか、その手順、時期、閣議決定をいつごろにしていこうとしているのか、現段階で明らかにされるものがあるとすれば教えていただきたいというふうに思います。
○征矢政府委員 雇用対策基本計画の関係でございますが、国際化の進展等によります産業構造の変化等労働市場を取り巻く環境は、現行の雇用対策基本計画、これは第七次でございまして、平成四年七月に閣議決定したものでありますが、それが想定した以上に大きく変化しております。こうした中で、今後の経済・産業構造の変化あるいは少子化、高齢化の急速な進展等に対応しつつ、国民生活にとって最も重要な課題である雇用の安定を図り、豊かな勤労者生活を実現するための対策を盛り込んだ第八次雇用対策基本計画の策定に着手したところでございます。 今後につきましては、これは御承知のように、新しい経済計画、これにつきまして経済審議会におきまして検討が始まっておるわけでございまして、これとの整合を図りつつ、またそれの進捗状況に合わせまして、雇用審議会におきまして新しい雇用対策基本計画の検討を進めていただくことにいたしておりまして、これの閣議決定等の時期等につきましては、現段階ではまだ未定でございます。
○池田(隆)委員 では、雇用対策ではもう一点だけお聞きしておきます。 産業の構造変化が行われていくという形で、これから製造業からサービス、情報通信、福祉分野という形で比重が高まるというふうに考えられています。こういうふうな形の中では、労働移動という形が当然出てくるのではないか。そうしますと、中高年の労働者がこういう労働移動、新しい分野に移動していくという形の中では非常に不安があるのではないかというふうに思います。 そういう意味で、労働省として、中高年労働者に対して将来起こり得る対策についてどのように考えておられるか、お聞きをいたします。
○征矢政府委員 先ほども申し上げましたように、当面の雇用失業情勢につきましては、今後経済の着実な回復と合わせまして改善していくことが期待されるわけでございますが、御指摘のようにいわゆる構造問題を抱えておりまして、例えば製造業におきます海外移転の問題であるとか、急激な円高による空洞化であるとか、こういうことで構造問題を抱えており、かつ大きな変化を迫られている、そういうところにおきましては、できるだけ失業がない形が望ましいわけですけれども、産業間、企業間におきます労働移動をせざるを得ない、そういう事態がふえていくことも予測されるわけでございます。 したがいまして、そういう状況の中で、その場合に御指摘のように中高年労働者の問題が最も心配なわけでございますけれども、そういう移動をする際にはできるだけ失業しない形で動けるような対応策、そういうことも今後の新しい方向として政策展開を行っていく必要があるのではないかということでございます。 この点につきましては、ことしの六月末で期限の来ます特定不況業種労働者の雇用安定法、これについての枠組みを今言ったような考え方で広げまして、新しい支援策を入れた形での改正法案を今国会に提出し御審議をお願いしているところでございます。そういう中でこの法律の成立をお願いし、その成立後、実施する段階でまたいろいろ対応策を考えてまいりたいというふうに考えているところであります。
○池田(隆)委員 最後に、来年度の予算で「女性の歴史と未来館」、仮称ですけれども、そういうのが建設されるということについて、好景気のときには女性の社会進出も大変行われてきて、ところが、こういうような不況の形になっていくと、同じ就職でも女性がなかなか困難だという形の中で、仕事につく段階から女性差別的なものが行われているんじゃないかということの意味合いからいって、また男女雇用機会均等法が施行されて九年目になるという時代、これが経過をしてきている中で、「女性の歴史と未来館」を建設していこうということについては大変時代の要請にこたえられているのではないかと思っていますけれども、この「女性の歴史と未来館」について、どのような構想を事業として進めておられるのか、具体的に、もう時間もありませんけれども、そういうことで最後のお尋ねをしたいと思います。
○松原政府委員 「女性の歴史と未来館」でございますが、これは私ども、二十一世紀に向けて、女性が働くことなど積極的に社会参加をしていく上での必要な能力を開発向上させるとか、また急速な少子化、高齢化社会の中でやはり活力ある社会を実現する上でもそういった女性の社会参加が必要だろう、そういうためのノウハウの提供ですとか情報の提供、そういったことを、いわば社会参加を支援する拠点施設としてぜひ建設したいというふうに考えまして、来年度の予算案に盛り込んでいるものでございます。 事業内容でございますが、大きくいいまして三本の柱がございます。 一つは、女性が働くことへの支援事業でございますが、具体的には、実践的な能力を習得するためのセミナーとか研修などを実施しまして女性の能力の開発向上を支援する、また仕事を始める場合ですとか、また最近はみずから企業を起こす女性もふえておりますけれども、そういうことに当たっての相談や助言、それから仕事を継続するために必要な健康管理に関する情報提供ですとか、また女性の企業家や管理職、異業種で働く男女労働者間の情報交換や交流の促進、こういったことを一つは考えたいと思っております。 それから二番目の柱は、女性の経済的自立等に関します国際交流の促進事業でございまして、開発途上国の女性の経済的自立を支援するためのセミナーを開催するとか、技術協力について関心を持っている方、国際協力に携わりたいという方について情報提供を行うといったようなこと。 それから三番目の柱は、資料等を収集整備し展示するという事業でございますが、これは視覚的、体験的な要素を取り入れた女性労働の歴史とか、女性と仕事、女性と家族、世界の女性などテーマ別の展示を行って、こういった展示を使って女性の社会参加についての啓発を行うとか、女性労働についての資料の収集と整備といったようなことを考えているわけでございます。 ただ、この件につきましては、多くの女性が関心を持っておられますので、いろいろな方々の意見を聞きながら本当に女性のニーズに合ったものをつくりたいというふうに考えておりまして、先ほど申し上げましたような柱をもとに、皆さんの御意見を伺って具体的な内容を詰めていきたいというふうに考えているところでございます。
○池田(隆)委員 ありがとうございました。時間が来ましたので、終わります。
○笹山委員長 佐藤謙一郎君。
○佐藤(謙)委員 私は、このたびの震災によるボランティアの登場というものが労働の概念を大きく崩したというところから、冒頭御質問をさせていただきたいと思います。 ボランティアといいますと、例えば労働省では、所管する労働の概念とは違うんだというお答えがきっと出るに違いないと思いますが、現実にあの被災地を歩いたときに、リュックサックをしょってひたすら被災地に向かう人たちの波、波、波、そしてそれが時間がたつにつれて、あたかもテーマパークのようになっていってしまい、傷口がおさまると同時に、我々はそれが過去のものであったというふうに、そんなことになってはならないわけでありますけれども、ああしたボランティアの行動を見ますと、ボランティア・イコール福祉イコール一部の思い詰めた人々といった、そうした概念を超えて、労働の環境が激変するという予感が感じられてなりません。企業と行政と地域をつなぐ新しい社会システムが、こうした不幸な出来事でありましたけれども、これを一つのきっかけとしてでき上がるのではないかなという予感を私は持って帰ってまいりました。 まず第一問目は、先ほど赤城議員の質問の答弁で浜本大臣の方から、ボランティアの情報収集、提供ということがいろいろと答弁としてあったわけでございますけれども、私自身が例えばある人に、とにかくボランティアで被災地に行って、何でもいいから手助けをしたい、どこに行って何をしたらよいかと問われたら、一体どう答えたらいいのか、冒頭お答えをお願いしたいと思います。 そして、先ほどのボランティアの情報収集、提供といいますが、だれが具体的に収集をしてだれに提供をする仕組みができ上がっているのか。神戸市では、ある時点まで七千人の登録があったけれども六百人しか対応できなかった、つまり、さばくシステムができ上がっていなかったということでありましたけれども、まずお答えをいただきたいと思います。
○七瀬政府委員 ボランティア、特にボランティア休暇制度その他について、情報の収集、提供をやってきておるというお話を先ほど大臣から申し上げておりますけれども、今回の具体的なボランティアの方々がどこでボランティアをしたらいいのかというようなことにつきましては、率直に申しまして、現地の市あるいは県、そういったところの関係部局に情報提供を求めるという以外に、今それ以上のお答えを私自身は持っておりません。 私どもとしては、今後ボランティア休暇制度を定着させていくという普及、啓発をしていく中で、そういうシステムづくりみたいなことについても十分検討しなければならない課題であろうかと思っておりますが、今回のこの痛ましい大震災の中で、具体的にどうこうということを今労働省としてはっきりお答えできないことは率直に申し上げざるを得ないと思っております。
○佐藤(謙)委員 一般市民はすぐ、ボランティアというとどこに行ったらいいのか、まず労働というのが頭にありますから、私なんか労働省をすぐ考えてしまうわけでありますけれども、そこで、今回の震災というのは全体把握の速度が問われたのだろうと思います。いかに全体の把握ができるかというのは非常に大きなテーマになったわけであります。 次の質問は、こうしたボランティアに企業や労働組合といったそういう方々が積極的に活躍をしているというふうに聞いておりますけれども、労働省としては、こうした労働組合の具体的に災害救援活動を継続的に展開をしているという実例を把握しておられるかどうか。今のをお聞きしますと、例えば自治労では延べ三万人、ごみ処理センターや下水処理施設が損壊をしているので、バキュームカーや清掃車を出して持ち帰りを今進めているという、そういうお話もありました。 そうした実態というようなものをどこまで把握をしておられるのかということと、それから今お答えにありましたボランティア休暇制度を具体的にとっている企業というものがどのぐらいあるのか、そうしたことについて御答弁をお願いいたします。
○七瀬政府委員 最後の点から申し上げますと、全企業規模で見ますと〇・五%という非常に低い数字でございますが、五千人以上でとりますと、ちょっと数字が古うございますが、その時点でも五千人以上の企業規模で考えますと一五%強という数字になっておりますので、本当に今回痛ましい事件でございますけれども、これを契機に伸ばしていくということができるのではないかというふうに思っております。 さて、ボランティア活動、先生労働組合のことをおっしゃいましたけれども、例えば連合あるいはその加盟の各単産につきましては、発生時以来精力的にボランティア活動をなさっているというふうに承知いたしておりますし、最近の連合がおっしゃっておられる数字では、もう五千人を超える方々が連合のいわばシステムの中でボランティア活動に従事しておられる、恐らくそれまた一部であって、本当はもっと数が多いんじゃないかという感じもいたしております。 それから、各具体的な単産の名前は断片的になりますので申し上げませんけれども、連合傘下の組合の中には、ライフラインあるいは市町村とかいろいろとそれぞれの各産業分野にまたがっている特性を生かしながら、例えば輸送部門であればそれぞれが専門のお仕事をなさっている方がボランティア活動をなさっているわけでございますし、また時々刻々変化するニーズにこたえるべく積極的に対応をしておられるというふうに承知いたしております。 それから、私どもも、私どもがボランティア休暇制度をいろいろと普及、啓発する中でいろんな関係の方々と接触しておりますので、そういったボランティアセンター等の活動を通じて企業からも情報を集めたいと思っておりますが、何せ現実にボランティアが動いている中でございますので、情報の収集というのにちょっと時間がかかるんじゃないかというふうに思っております。 それから、もう一つは、ボランティア休暇制度はなかったけれども、今回の震災に関しては労使で話し合って、いわばきちんとした協約の制度ができる前に緊急避難的にボランティア休暇的な制度が動き出しているという事例もいろいろな形で聞いております。具体的な数字までお答えできなくて申しわけございませんけれども、積極的に把握に努めているところでございます。
○佐藤(謙)委員 ここで、ボランティアをどう位置づけるかという問題になると思うんです。 先ほど申し上げましたように、ボランティア・イコール福祉という、そういう考え方が非常に強いわけでありますけれども、もっと広い、善意の労働というようなものが今度我々の目の前で展開されたわけであります。政府や企業に対して第三の民間ファクターの登場として、例えば現実にはNPOですとかNPSとかフィランソロピーといった、そうした非営利団体が命全国的な展開を、世界的な展開をしているわけでありますけれども、こうした新しい動きというものが現実に、例えばNPOをとってみますと、アメリカなんかでは十分な専従スタッフを抱える資金力を持っていて、一九九〇年の統計では、国民総所得の七%、三千百五十九億ドル、雇用者数にしましても全算定雇用者の七%、ボランティアの時間を雇用に換算して加えれば一〇・四%、千四百万人を雇用するセクターとして、一つの大規模な産業分野に匹敵する経済的な存在になっているわけであります。 こうした震災でのボランティアがこれから日本にどういう形で定着するか、それはこれから我々が、ボランティアというものは自発性と無償性というものが一つの条件でありますから、側面からどういう形で支援をしていけるのかということにかかってくるわけでございますが、こうした民間ファクターの登場というものが労働行政の中でどういうふうに位置づけられるべきなのか、その辺をお答え願います。
○七瀬政府委員 先生ただいま御指摘になりましたように、例えばアメリカにおいて営利企業ではない非営利企業がいろいろと活躍する場面がふえてきているし、そこでかなり大きな雇用吸収力を持って、いわば雇用対策の一面も担っているということは御指摘のとおりでございますし、我が国の場合にもそういう非営利法人における雇用あるいはそういう場所で働くという形は、これからやはり同じパターン、アメリカと同じパターンをとっていくとすれば、今後さらに重要になってくるという認識は持っております。
○佐藤(謙)委員 そうしたことに対して具体的に研究をされているのでしょうか。そうであるならば、その方向性をちょっとお示しいただきたいと思うんですけれども。
○七瀬政府委員 ただいま申し上げた非営利的な活動の中における雇用という点、これはあくまで雇用ということでございまして、ボランティアという意味で申し上げたわけではございませんが、ただ、私ども、例えば今後の雇用の方向、どういう面で雇用がふえていくかという議論をしている中で、例えば文化的な分野であるとか生活重視型の分野であるとか、そういった新しいいわば生活を向上させていく分野の中に雇用がふえていく要素があるのではないかというようなことは、中期雇用ビジョンなどでも御指摘をいただいているところでございますが、先生がただいま焦点を絞っておっしゃっている問題について研究がなされているかということについて、率直に申し上げるならば、これから考える課題ではないかというふうに思っております。
○佐藤(謙)委員 我々ボランティアといいますと、先ほど自発性、無償性と申し上げましたけれども、何か旧来の日本のボランティアといいますと、家庭を犠牲にして、暗い忍耐、途中でやめられない、あるいは義務としてやっているんだというそういう重いものを引きずっているわけでありますけれども、したがって、例えば今回の震災でも、例えば炊き出しに行っても、寝食が自己負担、自分がつくったものを食べてもだめ、弁当は自分でというような、そうしたボランティアもたくさんおられるわけでありますけれども、これからそういう発想から、例えば、堀田力さんのボランティア切符制などというそうした考え方が、なぜボランティアという言葉を使うんだということで、さわやか切符制に変えられてしまうというような、そうした旧来の考え方から、もっとおおらかに、広く、多くの人たちが参加できる、そうした新しい概念でのボランティアを創造していくまさに今がタイミングだろうと私は思っております。 例えば、介護などでは、社会性に見合った報酬のある仕事として認めてほしい、まあ有償ボランティアあるいはボラバイトといったような、そういう新しい発想で若干の報酬をもらう、それは決して悪いことではないんだ、そういうことがさらに分厚いボランティア活動につながるんだというそういう傾向があるわけでありますけれども、こういういろいろな各種情報を、例えば職業安定所とかそういうところはこうしたものを対象にはしていないとは思いますけれども、そうしたものをこれからどういう形で取り込んでいけるか、またどういう形でそうしたボランティアというものを把握し支援をしていけるか、その辺についてお答えをお願いします。
○七瀬政府委員 国民に豊かな生活をというようなこと、あるいは福祉サービスとかそういったことを考えたときに、基本にあるのは、雇用という形でシステム化された労働の提供によってそういうサービスを提供していくというのがやはり中心になると思いますけれども、同時にボランティア、これも有償の場合もあれば無償の場合もあるだろうし、その辺をどう組み込んでいくかというのは非常に大事なことだろうと思っております。 ちょっと直接のお答えになるかどうかわかりませんが、かつて、現在もそうですが、シルバー人材センターが普及していく過程の中で、高齢者の方々が働きがい、社会参加の気持ちを持ち、同時にある程度の報酬を受けながらやっていく、こういう形が日本的なボランティアとして推進していっていいのではないかというような議論がございまして、例えば有償であるか、あるいはわずかながらの有償であるか、無償であるのかというのは、日本と諸外国の場合とちょっと違うところもあるかもしれないし、あるいはひょっとすると共通な点があるのかもしれないというようなことで、こういった点はいろいろな形で広く議論を重ねながらコンセンサスの方向性を見出していく必要があるのかなとお聞きして思った次第でございます。
○佐藤(謙)委員 企業市民という言葉があるわけですけれども、企業の社会貢献、フィランソロピーについて御質問申し上げます。 今、各企業に社会貢献部というのができている。これがいわゆる利益の社会還元、地域社会への貢献といったようなそういう問題意識から、あるいは働く人の価値観の変化といったものにこたえるためにこうしたものが自発的にできているわけですけれども、どうも私がこれを実態をいろいろと調べてみますと、社長室に置かれているアクセサリーのようなものであって、例えば秘書の女性が一人そこにいて社会貢献部長と名乗っていたり、なかなかそうした実態というものがどこまで本当にこれからの我々が目指す新しい社会のボランティア、フィランソロピーなのかな、疑問符をつけざるを得ないようなところもあるわけです。これが一つは、社会貢献部が社長室ですとか、総務部ですとか、そうしたところに上から置かれている、そうしたものが多くて、一方では労働組合のフィランソロピーというのは入り口のところで逡巡しているという、そんな傾向にあります。 中には、労働組合自身が社会福祉法人をつくって障害者問題に正面から取り組んでいる、適所授産施設ですとか就労援助センターといったものをつくって積極的なそうしたフィランソロピーに乗り出している労働組合もあるわけですけれども、こうした労働組合あるいは未組織労働者あるいは企業といった、そうした社会に参加をしようというそういう人たちに対する支援の仕組みというものを考えてみなければいけないと思うのですが、これはあくまでも自主的なものでありますから、我々がそう簡単に指導という形ではいかないと思います。 それでは、こうした地域参加のできるような仕組み、一方では時短ですとか、週休二日制ですとか、フレックスタイムですとか、時間でのいろいろな支援の仕組みというのはあるわけですけれども、これからそうしたものをさらに誘導していくためにはどんな手だてを考えておられるのか、そういう議論が内部であるとするならば、お答えをお願いしたいと思います。
○七瀬政府委員 ただいま先生がおっしゃいました、社長室のようなところにそういう担当のグループがあるというお話もございましたけれども、私どもがこれまでボランティア休暇制度を普及するために関係労使の方にいろいろ接触した場合においても、いろいろな御意見があって、例えば、会社の存在感を高めるためにそういうことをやっていく、それでもいいではないかというような意見もあったし、そういうやり方じゃなくて、もっと下から盛り上がった、いわば余り表に出ない形で着実にやっていった方がいいのじゃないかとか、そういういろいろなやり方について御意見があるし、あるいはボランティアというものに余りかたく考え過ぎない方がいい、枠をはめない方がいいというようなこともあり、あるいは国なりなんなりから余り型にはまったような指導なんかしてもらわない方がいいんだという意見もあるし、あるいはそうではなくて、中身まである程度とか、いろいろな議論がございます。 それで、私どもは片方で自由時間というものをふやしていく、余暇時間をふやしていく、労働時間短縮に積極的に取り組むと同時に、その時間をどういうふうに利用するのかということについてはなかなか画一的にできない部分がございますので、ボランティア休暇制度の普及等の場を通じて広くいろいろなところで議論をしてもらう、そういう呼びかけをしていくというのがとりあえず先決なのかなと思ったりしているところでございます。
○佐藤(謙)委員 非営利の発想ということで、私は先ほど労働環境の激変という予感、企業と行政と地域をつなぐ新しい社会システムということを申し上げました。 ある方がこういうふうに書いておられます。「中高年のホワイトカラー層を中心とする「企業内失業者」は、百万人から三百万人と推定されている。」「一方、地域の問題に対処するためのマンパワーは極めて不足している。たとえば介助者だけで、現在四百万人、二〇〇〇年までには六百万人が必要とされると言われている」こうした人材の、「一方では人材が余り一方では不足しているという状態がある。このミスマッチは市場原理や行政主導の施策だけでは解決できそうにない。従来の発想を転換、企業の経験豊かな人材を社会に「還流」するなどして、地域に基盤を置く非営利組織を育成するという問題解決のアプローチができればこ例えば「中小企業による、地元密着型の新たなビジネスチャンスが各地で生まれてこよう。」というふうなそういう提案でありますけれども、これからそうした企業をさらに支援するために、例えば「体質改善のために当然必要なコストとして、人材の再教育と非営利組織運営支援のための基金を用意するなど、それぞれ責任ある方策をとることが前提である。ここで再教育といっているのは企業人が社会的な価値創造のリーダーとして体験したり、自覚を持つことなどを目的とするものである。」 ひとつこうした非営利団体、フィランソロピーですとかNPO、NPS、そうしたものがこれから確実に地域の中に、日本の中に重みを増していくわけでありますので、労働行政の中にそうした問題を何とか議論の一つとして加えていくべきであろうというふうに考えております。 それから、最後になりましたけれども、論点を変えて女性の社会進出の問題をひとつ質問をさせていただきたいと思います。 これは地方自治体の方からのこんな御意見があるのです。「女性の解放、労働の男女平等の実現」が単に「企業への被雇用だけでの平等」という裏返しの企業主義に落ち込んではいけない、そういう言い方で、どうも地方自治体が一生懸命やっているけれども、女性の雇用問題について企業に十分にまだ働きかけができていないんじゃないのか、企業を巻き込んでいかなければこうした問題というのはうまくいかない、そうした問題意識から、例えば職業選択の自由、再雇用制、企業内保育制、そうしたものをこれからどうやって企業に働きかけていくべきかというような議論の中で、こうした女性政策というものの中で企業が聖域になってしまっている、それは男女雇用機会均等法等が、こうした労働法そのものが「国の仕事」という現在の法体系の限界をこの方は挙げておられるわけですけれども、そうした中の限界の一例として、「労働省の出先である婦人少年室が均等法違反事件の調停を成功させた例をほとんどきかない。」というふうに言っておられます。 このことに関して、婦人少年室というものがどういう形で機能しておられるのか、それから機会均等法の違反事件の今までの件数と、これはどういう形で調停をして、どこでやっておられるのか、そして何件扱って成功した事例を教えていただきたいというふうに思います。 そして最後に、こうした問題解決の手だてとして、「地方自治体が独自に差別的な企業に対して罰則を含む厳しい指導」をしてみるというのもあるのでしょうが、「また育児・介護・ボランティア休暇制度・再雇用制度をつくるなど女性に働きやすい職場をつくった企業に、自治体が率先して補助をしたり税制上の優遇措置をするとかいう積極的な発想」もあるというふうに結んでおられるわけですけれども、こうした問題について労働省としてどういう取り組みをされておられるのかをお答え願いたいと思います。
○松原政府委員 非常に広い論点を御指摘になりましたものですから、すべてにお答えできるかどうかわかりませんけれども、私どもの出先機関でございます婦人少年室は、雇用機会均等法の施行機関としてこの法律の趣旨徹底に努めてきているわけでございます。もちろん集団指導、個別指導などをやってまいっておりますけれども、それ以外にも、女子労働者の方々からの訴えがあれば、それをもとにして調査をし、必要ならば助言、指導をやるといったようなこともやってきているわけでございます。 まず、婦人少年室がこれまで法施行以降扱いました雇用機会均等法に関します相談件数をちょっと御紹介させていただきたいと思うのですけれども、大体毎年九千件から多いときで一万一千件ぐらいの雇用機会均等法に関する相談がございます。そういった相談を端緒として、法律にどうも反しているようなことがあるのではないかといったようなことで、雇用機会均等法三十三条に基づきまして助言、指導、勧告をすることができる、こうなっておるわけでございますが、それに基づく助言、指導等が法施行以降年々、毎年の数字はちょっとばらつきがございますけれども、多い年で三千五百件程度、少ない年でも二千件を超える件数の助言、指導をやってきておりまして、その結果、九割以上の企業で雇用機会均等法に合致するような仕組みに変えていただいておりまして、改善がなされているわけでございます。 また一方、個別の女子労働者と企業との間で雇用機会均等法をめぐりまして紛争が生ずるということがあるわけでございまして、その場合には婦人少年室長のところに紛争の解決の援助を求めるということができます。そういったもので援助の申請があり、それに基づいて個別の労使間の紛争の解決をやったというケースも、これも年によって違いますけれども、少ない年で二十数件、多い年では七十件近くございまして、これについてもほとんど解決を見ているわけでございます。 また、最初に御指摘になりました調停でございますけれども、調停につきましては、機会均等法施行以降これまで、十一社に勤務する女子労働者百三人からの調停の申請がなされました。そのうち一社に勤務する七人の女子労働者につきましては、調停が昨年開始され、現在調停委員会において扱っているわけでございます。また、最近、一社、関係労働者八人でございますけれども、二月になりまして調停の申請が行われました。これについては、調停事案なのかどうか、調停することが必要なのかどうかについて現在調査をいたしているところでございます。 したがいまして、残り九件につきましては調停の不開始を決定いたしております。 その内訳でございますけれども、そのうち三件につきましては、女子労働者と事業主との間で、婦人少年室が調停することが必要かどうかということを調査するわけですけれども、その過程で労使間の話し合いがなされまして解決を見て、労働者の方から調停の申請を取り下げているというケースでございます。それ以外の件数のうち二社に関するものにつきましては、この調停というのは、婦人少年室が調停が必要だというふうに判断いたしました場合には、一方申請による調停申請の場合には他方の同意を得ることによって調停が開始されることになっておるわけでございますが、調停の同意が得られなかった、事業主の調停の同意が得られなかったというのが二社のケースでございます。それ以外につきましては、調停対象事項に該当しないということで、婦人少年室が調停の必要性がないということで、これは調停の不開始をしたというものでございます。 したがいまして、必ずしもこの調停というのは、積極的にこちらから出ていくというよりは、むしろ受け身で、申請があって初めて、それがしかも雇用機会均等法上調停対象事項だというふうに判断されて初めて取りかかれるものでございますので、調停の件数が多い少ないということだけによって婦人少年室が十分機能していないとかそういうことにはならないというふうに考えておりますし、調停制度があることによって、例えば婦人少年室長が援助するとかまた必要な指導をするということが促進されている面もあるというふうに私どもは判断いたしておるわけでございます。 その他、先ほど御指摘になりました再雇用制度ですとか事業所内の託児施設の設置の促進などにつきましても、婦人少年室において事業主に対する指導をやっているわけでございます。 また、都道府県との関係につきましては、もちろん婦人少年室だけですべてがやられるわけではございませんで、都道府県との連携も十分とっておりますし、特に法律の周知徹底など、周知といいますか、いわばPRといいますかそういうことについては、都道府県にも随分手伝っていただいているということはございます。
○佐藤(謙)委員 どうもありがとうございました。 ————◇—————
○笹山委員長 この際、内閣提出、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案及び労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。浜本労働大臣。 ————————————— 特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案 労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○浜本国務大臣 ただいま議題となりました特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 最近の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にありますが、景気回復に伴い循環的な雇用問題は今後改善していくものと考えられます。しかしながら、製造業の海外シフト等に伴ういわゆる「産業の空洞化」等の構造的な問題が大きくなる懸念もあります。政府といたしましては、これらの懸念を解消し、中長期的に国際的に開かれた、活力ある経済社会を実現していくため、産業構造転換・雇用対策本部を設置し、産業構造の転換と雇用対策を一体的、総合的に進めているところであります。 雇用面で見ますと、今後中長期的には、円高、国際化の進展等による産業構造の変化により、産業別の労働力構成は大きく変化することが見込まれております。このような変化に伴い、趨勢的に雇用量の減少が余儀なくされる業種に属する企業においては、産業間・企業間の労働移動が避けられない場合が増加することが見込まれることから、これらの業種においては、できるだけ失業を経ることなく労働移動すること等による失業の予防及び労働移動前後の能力の開発及び向上を中心とした雇用の安定のための施策を積極的に進めていくことが重要な課題となっております。 また、現在特定不況業種として指定されている業種等においては、設備廃棄等を余儀なくされることに伴い、一時に多数の離職者が新たに発生することも予想されるところであります。このため、これらの構造的不況に陥った業種については、失業の予防のための対策のみならず、離職者に対する再就職の促進のための特別の対策を引き続き講じていくことが求められています。 政府といたしましては、こうした課題に適切に対処するため、特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法について、その廃止期限の延長を図るとともに、雇用調整を余儀なくされている業種において、産業間・企業間の労働移動による雇用機会の確保、労働移動の前後の能力開発等の措置を講ずる事業主に対しての支援を拡充することとし、その案を関係審議会にお諮りした上、この法律案を作成し、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、本年六月三十日までとされている特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の廃止期限を六年間延長して、平成十三年六月三十日までとすることとしております。 第二に、従来からの「特定不況業種」に加え、内外の経済的事情の著しい変化により、その製品や役務の供給が相当程度減少しており、その状態から長期にわたり回復しないことが見込まれることに伴い雇用量が相当程度減少しており、または減少するおそれがある業種を「特定雇用調整業種」として労働大臣が指定することとしております。 第三は、特定不況業種や特定雇用調整業種に係る事業主の雇用する労働者等の失業の予防、雇用機会の増大その他の雇用の安定並びに能力の開発及び向上を図るため、事業主その他の関係者に対して相談その他の援助を行うとともに、公共職業安定所長の認定を受けた計画に基づいて、事業の転換による雇用機会の確保等の措置を講ずる事業主等に対し、必要な助成及び援助を行うこととしております。 また、これらの助成及び援助に係る事業の一部は雇用促進事業団において実施することとしております。 以上のほか、職業訓練施設の設置・整備に係る資金の貸し付けの対象範囲の拡大、公共職業安定所長の認定を受けた計画に基づき移動を余儀なくされる労働者への宿舎の貸与、労働大臣と関係行政機関の長との相互に緊密な連絡及び協力等を定めることとしております。 なお、この法律は、一部の規定を除き、本年七月一日から施行することとしております。 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案の提案理由説明を申し上げます。 ただいま議題となりました労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 労災保険制度を取り巻く状況を見ますと、人口の高齢化、核家族化、女性の就業率の上昇等の社会経済情勢の変化により、家庭で十分な介護を受けることができない重度被災労働者に対する支援を大幅に拡充するとともに、世帯人員の減少等の実情にある被災労働者の遺族について、より一層の生活の安定を図ることが重要な課題となっております。さらに、我が国企業の事業活動の国際化が進展する中で、現地法人の代表者として海外に派遣される者が増加していること、また、我が国の労働災害は、全体としては減少傾向にあるものの、依然として中小企業での災害が多数を占めている状況にあること等の実情を十分踏まえ、こうした状況にふさわしい内容の労災保険制度に改善していくことが必要となっております。 このような中で、一昨年より、労働者災害補償保険審議会において、労災保険制度の改善についての検討が行われてきたところでありますが、昨年十二月にその検討結果が取りまとめられ、今日の社会経済情勢の変化にかんがみ、当面実施すべき制度の改善について、同審議会より公労使全員一致による建議をいただきました。 政府といたしましては、この建議を踏まえ、法律改正を要する部分について改正案を作成し、労働者災害補償保険審議会その他関係審議会の審議を経て成案を得ましたので、ここに労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案として提案いたした次第であります。 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。 まず、労働者災害補償保険法の一部改正についてであります。 第一は、年金たる保険給付について、現行では二月、五月、八月及び十一月の年四回支払うこととしておりますが、これを二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の年六回支払うこととしたことであります。 第二は、障害補償年金または傷病補償年金を受ける権利を有する重度被災労働者が、これらの年金の支給事由となる障害により、常時または随時介護を要する状態にあり、かつ、常時または随時介護を受けている場合に、当該被災労働者の申請に基づき、当該介護に要する費用を考慮して一定の金銭給付を行うことを内容とする介護補償給付を創設することとしたことであります。 第三は、遺族補償年金を受けることができる子、孫または兄弟姉妹の範囲について、現行では満十八歳未満の者とされておりますが、これを満十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者とするとともに、遺族補償年金の給付額について、現行では五人以上とされている最高給付日数の支給対象となる遺族数を四人以上とすること等により、その引き上げを行うこととしたことであります。 第四は、労働福祉事業として、被災労働者の介護に対する援護を行うことができることを明示することとしたことであります。 第五は、海外で行われる事業が中小事業に該当する場合には、当該事業について事業主その他労働者以外の者として派遣される者を、新たに特別加入者の範囲に加えることとしたことであります。 次に、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正について申し上げます。 第一は、事業場ごとの災害率により保険料を増減させるいわゆるメリット制度について、中小事業主が労働者の安全または衛生を確保するために一定の措置を講じた場合には、当該事業主の申告により、現行では最大百分の四十とされている保険料の増減幅を最大百分の四十五とする特例を創設することとしたことであります。 第二は、労働保険の概算保険料及び確定保険料の申告及び納期限について、現行では保険年度の初日から四十五日以内とされておりますが、これを五十日以内に延長することとしたことであります。 次に、船員保険法等の一部改正について申し上げます。 船員保険制度においても、労災保険制度と同様の趣旨から、介護料の創設、遺族年金の給付額の引き上げを行う等の改正を行うこととしたことであります。 以上のほか、この法律案においては、その附則において以上の改正に伴う経過措置を定めております。 なお、施行期日は、遺族補償年金の給付額の引き上げ、労働福祉事業の改善寺及び船員保険の遺族年金給付額の引き上げにつきましては平成七年八月一日、年金の支払い期月の改善につきましては平成八年十月一日、特例メリット制度の創設につきましては平成九年三月三十一日、労働保険料の申告及び納期限の延長につきましては平成九年四月一日、その他の改正事項につきましては平成八年四月一日としております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 以上で提案を終わります。
○笹山委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る十七日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 ————◇—————