予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/02/21
会議録
○三野主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算中文部省所管について、政府から説明を聴取いたします。与謝野文部大臣。
○与謝野国務大臣 予算案の説明に先立ち、去る一月十七日に発生した阪神・淡路大震災により亡くなられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表するとともに、被害を受けられた被災地の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。 文部省といたしましても、文教施設等の復旧と一日も早い正常な教育活動等の再開に向けて最大限の努力をしてまいる所存でございます。 さて、平成七年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 来るべき二十一世紀に向けて、我が国が、創造的で活力に満ち文化の薫り高い国家として発展し、国際的にも大きな役割を果たしていくとともに、国民一人一人が、ゆとりと潤いのある生活を実感し、多様な個性と創造性を発揮できる社会を築いていくことが求められております。このため、平成七年度予算の編成に当たりましては、教育や学術を未来への先行投資として位置づけ、教育・学術・文化・スポーツの各般にわたり、その着実な推進を図ることとし、所要の文教予算の確保に努めたところであります。 文部省所管の一般会計予算額は、五兆六千三百九十三億七百万円、国立学校特別会計予算額は、二兆五千三百六十四億五千七百万円となっております。 何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付してあります印刷物を、主査におかれまして、会議録に掲載されますよう御配慮をお願い申し上げます。
○三野主査 この際、お諮りいたします。 ただいま文部大臣から申し出がありました文部省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三野主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔与謝野国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、平成七年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、生涯学習の振興に関する経費でありますが、生涯学習社会の実現に向けて、人々の生涯にわたる多様な学習活動の振興に資するための施策を総合的に推進することとしております。 まず、生涯学習の基盤整備につきましては、生涯学習情報提供機能の整備、生涯学習ボランティアの支援・推進、指導者の確保等に努めていくこととしております。 学校の生涯学習機能の拡充につきましては、放送大学について、広く社会人に大学教育の機会を提供するため、放送衛星を利用した全国化を推進するとともに、公開講座や学校開放の促進、専修学校教育の振興を図ることとしております。 また、社会教育の面では、現代的課題等の学習機会の充実を図るとともに、少子化等に対応した家庭教育の振興や青少年の学校外活動の振興を図ることとしております。 さらに、国立オリンピック記念青少年総合センター等国立社会教育施設の充実を図るとともに、大型公民館や図書館等を中心に公立社会教育施設の整備を促進することとしております。 第二は、個性豊かな自立した人間性を育てる初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、公立義務教育諸学校の教職員配置につきましては、第六次教職員配置改善計画の第三年次分の改善を着実に実施することとしております。 次に、教員の資質の向上を図るため、初任者研修をはじめとする現職研修の充実、教員の海外派遣、教育研究団体への助成等を行うとともに、中学校の免許外教科担任の解消等を図るため、非常勤講師配置調査研究補助を拡充することとしております。 教育内容につきましては、学習指導要領の一層の定着を図るため、引き続き運営改善講座等を行うとともに、国際化に対応した外国語教育の充実や、豊かな人間形成に資する読書指導の充実及び学校図書館の活性化を図ることとしております。 理科教育につきましては、一層の推進を図るため、教員に対する観察実験指導力向上講座を開催するとともに、教育センターを含めた理科教育設備の整備を行うほか、市町村単位程度の一定地域に科学学習センターを設置し、児童・生徒の体験的学習活動を促進することとしております。 また、産業教育の振興のための産業教育施設・設備の整備も引き続き充実を図ることとしております。 情報教育につきましては、情報化への対応を円滑に進めるため、教育用ソフトウェアライブラリセンターの設置、学習用ソフトウェアの開発を行うとともに、近年の情報通信基盤の急速な進展に対応し、情報ネットワーク活用推進地域の指定、へき地学校高度情報通信設備活用研究開発事業等を行うこととしております。 高校教育改革の推進につきましては、中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえ、総合学科や単位制高校の設置の奨励、学校関連携の促進等、高等学校の個性化・多様化の推進を引き続き図ることとしております。 学校週五日制につきましては、平成七年四月から月二回実施することとしており、その円滑な定着を図るため、研究協議会等を行うこととしております。 なお、義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上しております。 生徒指導の充実強化につきましては、いじめ、校内暴力、登校拒否、高等学校中途退学などの生徒指導上の諸問題に適切に対応するため、学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図ることが必要かつ有効と考えられることから、高度な専門的知識・経験を有する「スクールカウンセラー(仮称)」の活用等に関する実践的な調査研究を行うほか、適応指導教室についての実践的研究を拡充することとしております。 また、国立教育会館内に「いじめ問題対策センター(仮称)」を設置し、パソコン通信等により全国の学校関係者等に必要な情報を提供するとともに、教育相談員による相談体制の整備を図ることとしております。 環境教育につきましては、一層の推進を図るため、「環境のための地球学習観測プログラム」に参加するとともに、児童生徒の環境への関心を高めるための指導方法等の研究・普及を進めるため、モデル校の指定を行うこととしております。 道徳教育につきましては、引き続きその振興を図るとともに、新たにふるさとの文化と伝統のよさを学び、郷土や国を愛する心を養う伝統文化教育の推進を図ることとしております。 幼稚園教育につきましては、幼稚園就園奨励費補助を充実するとともに、幼稚園教育振興計画を推進することとしております。 特殊教育につきましては、新たに学習障害児等に関する理解啓発リーフレットを作成・配布するとともに、特殊教育就学奨励費補助を充実することとしております。 健康教育につきましては、エイズ教育等の充実に努めるとともに、豊かで魅力ある学校給食を目指して、食事環境の整備充実を図ることとしております。 また、海外子女教育・帰国子女教育につきましては、日本人学校の新設等に対応し、派遣教員を増員するとともに、教育用コンピュータの整備など在外教育施設における教育の充実を図ることとしております。 さらに、公立学校施設の整備につきましては、市町村等の計画的整備が円滑に進められるよう必要な事業量の確保を図りつつ、屋外運動場のモデル的整備に対し、新たに補助を行うとともに、大規模改造事業の拡充等を行うこととし、二千四百七十八億円を計上しております。 なお、定時制及び通信制教育の振興、地域改善対策としての教育の振興など、各般の施策につきましても、所要の経費を計上しております。 第三は、私学助成に関する経費であります。 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、引き続き社会的要請の強い特色ある教育プロジェクトに対する助成を重視するとの観点に立って、平成六年度に対して七十億円増の二千八百三億五千万円を計上しております。このほか、教育研究装置施設整備費補助につきましては、新たに、学内LANの整備を推進するとともに、研究設備整備費等補助につきましても、増額を図るなど、教育研究の推進に配慮しております。 次に、私立の高等学校等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、新たに、四十人学級編制の推進を図るとともに、特色ある教育プロジェクトに対する特別補助の充実を図ることとし、このため平成六年度に対して三十一億円増の六百六十六億円を計上しております。このほか私立高等学校等に対する教育装置等の整備事業につきましては、新たに、教育近代化施設の整備を推進するなど充実を図ることとしております。 また、日本私学振興財団の貸付事業につきましては、九百億円の貸付額を予定しております。 第四は、高等教育の高度化等の要請に応え、その整備充実に要する経費であります。 まず、大学院につきましては、研究科等の新設整備、高度化推進特別経費や最先端設備の充実などを行うこととしております。 国立大学につきましては、大学改革を推進するため、教養部の改組や所要の経費を充実するとともに、工科系学部の創設をはじめ、魅力ある理工系教育の推進を図ることとしております。また、教育研究環境の改善充実を図るため、老朽・狭隘校舎の解消、基準面積の改定など施設の高度化・多様化を推進するほか、教育研究設備の整備、教育研究経費の充実等を図ることとしております。 なお、国立学校の入学料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することとしております。 次に、育英奨学事業につきましては、貸与月額の増額及び大学院学生等の貸与人員の増員を図ることとし、政府貸付金八百十二億円、財政投融資資金四百二十五億円と返還金とを合わせて、二千二百四十八億円の学資貸与事業を行うこととしております。 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることとしております。 さらに、女子学生をはじめとする学生の就職が厳しい状況となっていることにかんがみ、学生や大学担当者に企業の最新情報等を提供する就職ガイダンス事業を実施するなど、就職指導の充実を図ることとしております。 第五は、学術の振興に関する経費であります。 まず、科学研究費補助金につきましては、独創性に富む優れた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための基幹的研究費として大幅に拡充を図ることとし、平成六年度に対して百億円増の九百二十四億円を計上しております。 また、我が国の学術研究の将来を担う優れた若 手研究者を養成・確保するため、特別研究員の採用人数の大幅な拡充等を図ることとしております。 次に、学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、研究施設・設備の充実、学術情報基盤の整備充実、大学と産業界等との研究協力の推進、創造性豊かな世界の最先端の学術研究を推進する卓越した研究拠点(COE:センター・オブ・エクセレンス)の形成など、各般の施策を進めることとしております。 さらに、天文学研究、加速器科学、宇宙科学、核融合研究、地震予知・火山噴火予知研究等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとしております。 第六は、ゆとりある質の高いスポーツの振興に関する経費であります。 広くスポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設の充実を図るとともに、学校体育指導の充実を図ることとしております。 また、生涯スポーツ推進の観点から、地域におけるスポーツ活動の充実など諸施策の一層の推進に努めることとしております。 競技スポーツの振興につきましては、平成十年に長野で開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の準備を推進するとともに、日本オリンピック委員会が行う選手強化事業の一層の充実を図るほか、スポーツ科学の推進、国民体育大会への助成などを行うこととしております。 第七は、豊かな個性ある文化の振興に関する経費であります。 新たな文化創造を目指す「文化発信社会」の構築に向けて、芸術創作活動への支援、現代舞台芸術のための第二国立劇場一仮称)の開場準備の推進、若手芸術家の育成、地域の特色ある文化活動の振興等の諸施策を進めることとしております。 また、時代の変化に対応した文化財の保存と活用を図るため、史跡等の公有化・整備、国宝・重要文化財等の買上げや保存修理、天然記念物の有効活用、伝統芸能等無形文化財の伝承助成の推進などの施策を講ずることとしております。 さらに、国立博物館・美術館・文化財研究所等の施設の整備と機能の充実を図ることとしております。 第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。 留学生交流につきましては、二十一世紀初頭における十万人の留学生受入れを目途に、国費留学生の計画的受入れ、戦後五十周年を契機に策定された「平和友好交流計画」の一事業としての短期留学推進制度の創設、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における教育指導体制の充実など、各般の事業を積極的に推進するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として四百九十七億円を計上しております。 さらに、外国人に対する日本語教育、我が国の義務教育諸学校に在籍している外国人子女への日本語指導等の充実を進めることとしております。また、今年がユネスコ五十周年に当たることから、五十周年記念式典を開催するとともに、識字教育やエイズ教育への協力など、ユネスコ等国際機関を通じた教育協力等の推進を図ることとしております。 学術の国際交流・協力につきましては、諸外国との研究者交流、各種の国際共同研究、開発途上国との学術交流、国連大学への協力等を推進することとしております。 また、文化の国際交流につきましても、青少年及びアマチュア団体の公演等による交流事業、アジア地域等をはじめとする文化遺産に対する保存修復の国際協力など、各般の施策の充実を図ることとしております。 第九は、文教分野全般における情報化の推進に関する経費であります。 情報化の推進につきましては、学校教育及び社会教育を通じた情報教育の一層の推進、コンピュータや学内LANなどの情報通信基盤の整備、生涯学習・学術等に関する情報通信ネットワークやデータベースの整備、文化情報総合システムの整備、著作権施策の展開等、最近の急速な情報化への対応に要する経費を計上し、その推進に努めることとしております。 以上、平成七年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○三野主査 以上をもちまして文部省所管につきましての説明は終わりました。 —————————————
○三野主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大口善徳君。
○大口分科員 新進党の大口でございます。 このたびの阪神大震災におきまして、私も現場を三回ほど見て、また地元の状況を調査してまいりました。お見舞いをしてまいりました。その中で、学校というところが本当に地域住民の方にとって避難所として重要な役割を果たして、その中で、また校長先生を初め学校の先生方が一生懸命に働いておられる。その姿を目にいたしまして、学校の使命というもの、地域社会における役割というものを痛感いたした次第でございます。 そういう中で、学校の建物の耐震性等いろいろと気づいたことがあるわけでございますけれども、今回、この質問におきましては、学校あるいは公民館等が避難施設になっておるわけでございますけれども、この場合、こういう大震災等が起きた場合にエネルギーの代替供給というものがきちっととられていなきゃいけないと思うのですね。都市ガスのところもありますが、そこにやはりプロパンガス等を代替供給できるようなダブルシステムというものを検討すべきじゃないかと今回痛感をいたしました。この点につきまして、通産省いかがですか。
○松永説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、今回の阪神大震災では都市ガスが非常に大きな影響を受けました。これを受けまして、通産省ではLPガス業界に対しまして、代替燃料の供給を都市ガスの復旧が終わるまで行いますように要請をいたしまして、これを受けて現在、仮設住宅あるいはその他の病院、関係施設に対しまして、LP業界は代替燃料としてLPガスの供給を行っているところでございます。 御指摘の燃料供給の多重化といいますかダブルシステムの問題というのは、これからぜひ検討しなければいけないテーマだと思っております。通産省では、都市ガスの復旧が一段落つきましたころ合いを見計らいまして、今回の震災を踏まえまして、新たな検討機関を設けまして幅広く電気あるいは都市ガスの震災に強い形での供給システムのあり方を検討することにしておりますが、その中でもいろいろな御意見を踏まえまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○大口分科員 このことにつきまして、学校、公民館等につきましてのダブルシステムの導入も大臣として御答弁願いたいと思います。
○遠山政府委員 公立学校のガスの供給方式につきましては、当該地域の主たる供給方式に従うのが一般的であると考えられるわけでございます。 今回の震災にかんがみまして、さらにこれを補完するガスの供給手段を備えるかどうかというのは、その学校の設置者の判断によるわけでございますが、通常の都市ガスのほかにプロパンガスを備えるとなりますと、通常使わないガスが学校に通常あるということになりまして、一方、児童生徒の安全ということも考えなければなりませんので、地域の防災計画全体の中で検討されるべき問題であると考えます。
○大口分科員 次に、少子化と学校のあり方についてお伺いしたいと思います。 一九七一年から七四年、第一次ベビーブーム、特に一九七三年には二百九万人の出生数であったわけですけれども、平成五年におきましては百十八万人ということで百二十万人を切ったわけでございます。このような少子化傾向と対応いたしまして余裕教室が出てくる、こういう状況でございます。 このことで、平成五年に生まれた子供たち、これが少子化傾向の一つのピークとなると思うのですが、この子供たちが小学校に入学するのは平成十一年、中学校へは平成十七年、高校へは平成二十年に入学をする。こういう状況で、一番子供の数が少ない学年、そういうことが想定をされるわけでございます。また、平成五年の子供たちが今度親となった場合、その場合にまたお子さんが生まれる。この方は少子化がまた次のピークになるわけでございますけれども、こういう中期、長期の余裕教室の出現ということを想定して、余裕教室の利用についてしっかりと検討していくべきである、そのように考えております。 そういうことから、文部省におきましても、平成五年の四月九日に「余裕教室活用指針」、こういうものが出されておるわけでございますが、その中で、まずは学校の施設としてどう活用していくか次に積極的に社会教育施設等への転用を図る、こういうことで、教育目的ということで優先順位をつけて方針を立てておられるわけでございます。 そのような中で、平成六年十二月十六日に、「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」、こういうものが出ておるわけでございますが、その中で、放課後児童対策の充実ということで、「昼間保護者のいない家庭の小学生(主に一年から三年一を対象に、児童館、児童センターや実情に応じ学校の余裕教室などにおいて、健全育成を行う放課後児童クラブを身近に利用できるようにする。」このように、この余裕教室を放課後の児童クラブにも活用をするということを、文部省も入ってこういう方針を固められたわけでございます。 そのような教育目的外の使用である放課後児童クラブヘの転用について、大臣としてのお取り組みをお願いします。大臣にお願いしたいと思います、そんなに難しいことじゃないですから。
○与謝野国務大臣 先生御指摘のとおり、出生率は減少しております。その反映として、近年、小中学校において学級数が減少し、余裕教室を持つ学校が生じてきております。これらの余裕教室については、積極的にその活用を図っていくことが重要であると考えております。文部省としても、まず学校教育施設としての活用を十分に行い、これらの施設整備が十分図られている場合には、積極的に他の用途に活用するよう市町村を指導しているところでございます。 余裕教室の学校教育以外の目的への転用に当たっては、文部大臣の個別の承認を要するのが原則でありますが、公民館や学童保育施設など一定の場合については、報告をもって文部大臣の承認があったものとして取り扱う事務手続の簡素化を行ってきており、これまで個別の承認を要するとしてきたデイサービスセンターについても、いわゆるパイロット自治体制度の実績にかんがみ、簡素化を行う方向で検討しているところでございます。
○大口分科員 エンゼルプランということをよく言われておりますが、共働きの家庭におきまして、小学校低学年の児童を主な対象に、放課後の児童クラブ、これをどこでも利用できるように全国に普及しようとしているわけでございます。 それで、平成六年十二月十八日に、大蔵、厚生、自治、三大臣合意の「当面の緊急保育対策等を推進するための基本的考え方」というのがございますが、そこに、多様な保育サービスの充実ということで、放課後児童クラブ九千カ所、これを平成十一年度末の目標、こういうふうに立てておられるわけです。平成六年度時点においては四千五百二十カ所でありますので、ほぼ二倍ということになっております。余裕教室の活用というものがそういう点では一つの大きな供給源になるのではないかそう考えておるわけでございます。 少子化に伴う児童生徒数の減少によって、平成十一年までに、小学校、中学校の余裕教室の見通しはどうでしょうか。
○泊政府委員 今、先生からお話のございました厚生省関係の放課後児童対策事業につきましては、御案内のような昼間家庭に保護者がいない小学校の低学年の子供を対象に、放課後から夕方まで、遊びを主として健全育成活動を行うことを目的として実施されていると承知をいたしております。 そして、御案内のとおり、平成六年度ではこれが四千五百二十カ所ということで、先生からお話のございましたように、平成十一年末の目標を九千カ所というふうに承知をいたしております。その計画に従って、いわば計画どおり進行をしていると承知をいたしております。 試みに、いわゆる小学校の余裕教室等がどの程度使われているかということでございますが、データがちょっと古くて恐縮でございますが、平成三年五月現在で、約二〇%弱がいわゆる学校の空き教室と申しますか余裕教室を利用してやっているという状況でございます。
○大口分科員 平成十一年度までどういうふうに余裕教室が想定されるのか、これはしっかりと算出をして対応していただきたい、こういうふうに思います。 静岡県で、開かれた学校推進検討委員会という県の委員会がございます。ここで、平成七年二月十七日、「開かれた学校づくりの推進について」、こういう報告書が出されております。まだ出て間もないわけでございますけれども。ここで、県民の代表の学校に対する要望としまして、「余裕教室等の学校施設を、女性の就業率の高まりに対応した学童保育施設として、あるいは、急増する高齢者を対象としたデイケアー施設として、積極的に活用することを望む」、こういう声が多いということがこの県の委員会の報告書で出ておるわけでございます。 そういうことで、教育目的外における余裕教室の利用というものが大きく取り扱われておりまして、社会全体の公共財産として活用をすべきだ、この委員会においてはそういう答申を出しているわけでございます。 その中で、学校等について、これを教育目的外のこういう施設にするために改造、改築等を行う場合におきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、適化法というものがあるわけでございます。この適化法の二十二条によりますと、補助事業によって取得し、または効用の増加した財産は、補助金の全部に相当する金額を国に返還した場合、あるいは文部大臣が定める期間を経過した場合のほか、文部大臣の承認を受けなければ、補助金の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付けしてはならない、このようになっているわけでございます。 これにつきまして、これは原則としてその財産処分の手続が必要となるが、社会教育施設への転用については財産処分報告書の提出により承認があったものとして取り扱われ、補助金の返還は必要としない、このようになっております。 それに対して、教育目的外への転用につきまして、これは財産処分の手続が必要となり、この場合に相当の国庫補助金の返還が必要となっている、こういうわけでございます。このことが目的外使用についての一つのネックに、障害になってくるわけでございます。 学校施設を学童保育施設へ転用する場合に、建築後十年を経過した建物であって文部省の了解を得たものの場合は、財産処分報告書の提出により承認があったものとして取り扱われ、補助金の返還は必要としない、こうなっているわけでございますが、ここに建築後十年の経過、こういう要件がございます。これを緩和をすべきではないか、このように考えております。 また、補助事業で整備された学校施設を高齢者を対象としたデイケア施設等へ転用する場合は、現状では財産処分の手続が必要であるということで、これについてもその補助金の返還を必要とするのではないかこう思うわけでありますが、これも補助金の返還を必要としないような形で対応を考えるべきではないかこう思うわけでございますが、この二点についてお伺いをしたいと思います。 〔主査退席、今村主査代理着席〕
○遠山政府委員 公立学校施設につきましては、先ほども大臣からお答え申し上げましたとおり、基本的に学校の教育施設としてつくられ、それに対して国が補助金を支出しているわけでございます。したがいまして、当該学校の将来の児童生徒数を勘案して市町村の方ではつくっていただいているわけでございます。 したがいまして、余り建築後短期間しか経過していない場合につきましては、目的外使用につきまして、その当初の児童生徒数の見込みが適正であったかどうかなど、かなり具体的にその事情を個別に判断する必要があるというぐあいに私どもは考えているわけでございます。それが十年以上というのをつけましたのは、十年先というのはなかなかそれ以上は見込みが立てにくいということで、十年を経過したものについては補助金を返還する必要はないだろう、こういうことで一応十年を目安にしているわけでございます。 それから、十年を経過しない場合でありましても、基本的に、社会教育施設でございますとかそういうものに転換される場合は、補助金返還ということはないだろうと思いますし、それから社会教育以外の施設におきましても、そういう公共施設に転換する場合については、よほどのことがない限り補助金返還ということは今までのところはやっていないような状況でございます。
○大口分科員 あとデイケア施設についてお伺いします。
○遠山政府委員 今までの実例では、デイケア施設につきましては補助金を返還した例はございません。
○大口分科員 次に、奨学金制度について質問したいと思うのですが、最近の調査によりますと、学生生活調査ですか、大学生の平均の支出は年間百八十三万円、私立大学では下宿の場合二百四十一万円に及ぶ、またその負担の構成比率は、親元の仕送りが七二%、奨学金が六%、アルバイトが二一%、このようになっているわけですね。例えば私立の下宿の場合、二百四十一万円ということは月に直すと二十万円近いわけで、この七二%が親の負担である、大変な負担なわけでございます。 少子化の問題の一つの大きな要素として、アンケートをとりましても、半分以上は教育費といいますか経済的な負担ということでございまして、そういうことからいきますと、やはりもっと奨学金制度というものを根本的に考えなければいけない、このように思うわけでございます。もっと少子化になってくればますます子供の社会性と自立等もこれは心配されるところでございまして、やはり自分でお金を借りて、そして自分で働いて返す、こういうことのためにだれでも奨学金を借りやすいようにするということ、そして社会人になってそれが返済しやすいように、そういう体制をきちっととるべきだと思いますね。もちろん現在でも日本育英会のほか民間あるいは地方公共団体の育英団体もありますし、また教育ローンというものもあるわけでございますが、まだまだ不十分だ、このように考えております。 こういう点につきましても、文部省においてやはり各関係省庁に働きかけて、もっと借りやすく、そして自立ある子供をつくるためにこの奨学金制度のあり方を考えるべきである、そう考えるのですけれども、御答弁を願います。
○吉田(茂)政府委員 御指摘のように、日本育英会の奨学金につきましては、額の充実ということは非常に大きな課題であろうかと思います。厳しい財政事情の中でございますが、今御審議をお願いしております七年度予算案では、例えば大学、大学院につきましては、貸与月額は三千円増ということでお願いをしておるわけでございますが、基本的には、借りやすくするということを頭に置きながら、貸与人員の増を中心に現在力を入れておるところでございます。例えば、専修学校の専門課程につきましても二百人の増をお願いをしておりますし、特にお金のかかります大学院の博士課程の学生については千六百人の増、こういうような内容をお願いをしておりまして、来年度の予算案では総事業費として百三十七億円の増というような、厳しい財政状況の中でございますが、努力をしお願いをしておるところでございます。 特に、現在のところ、事業の拡充として人員増を中心に努力をしておるところでございますが、そういうものを借りて自分で返すという基本の線の枠組みの中でさらに努力をしてまいりたいと思っております。
○大口分科員 次に、子育ての費用がかかるということで、教育の中の補助教材につきまして考えてみたいと思うのですが、補助教材の教育費に占める割合は、公立小学校の場合一〇・一%、公立中学の場合一二・五%、このように聞いておるわけでございますけれども、学校から指定された補助教材が実際授業でほとんど使われないようなものも現実にあるというふうにも聞いております。例えば、学校が所有してそれを生徒に貸し出すとかそういうことも考えて、やはり物を大切にするというようなことも考えるべきではないかと思うのですね。 補助教材の中には、プラスチックを使っているものも結構あるわけでございますけれども、環境問題ということからいきましても、この補助教材のあり方について、これは見直しを考えるべきではないかそう思うわけでございますが、御答弁願います。
○遠山政府委員 学校におきまして補助教材を使用するに当たりましては、教育上有益なものを選択しまして、その取り扱いにつきまして十分な教育的な配慮を行うとともに、保護者の経済的な負担を配慮するよう、文部省としましても従前から市町村の教育委員会等に対しまして指導をしているところでございます。文部省としましては、各学校におきまして補助教材の適切な取り扱いがなされるよう、今後とも各教育委員会を指導してまいりたいと思います。 なお、先生おっしゃいました一部の生徒が使ってそれを学校に備える、学校の方で貸し出すというようなものにつきましては公費で負担する可能性もございますけれども、大体の補助教材というのは児童生徒が個別に持って、それで家で学習、宿題としてやってくるとかそういうものが多うございますので、基本的には私費負担になるわけでございます。
○大口分科員 平成六年十月の生活環境審議会の「廃棄物の減量化・再生利用の推進等について」、こういう報告書があります。その中で「教育においても、子どものうちから廃棄物の減量化・再生利用の重要性を教えることが重要である。」「子どもたちの再生品に対する理解を深めるとともに再生品の需要拡大を図るため、教科書等の教材には再生紙を使用するべきである。」このように教科書等の再生紙の利用をうたっているわけでございます。 私も昨年六月七日にこの予算委員会の第三分科会で質問をしております。このことについて、教科書、再生紙の利用、どう進捗をしているのかということ、特に文部省著作の教科書の再生紙の利用ということを訴えました。 また、今一部なわけですけれども、本格的に教科書に再生紙を導入する、こういうことも私は必要ではないか、その本格導入の見通し、こういうものをお聞かせ願いたいと思います。 また、補助教材につきましても、再生品を利用するということも大事でございましょうし、あるいは燃えないごみとなるプラスチック製品についても見直しを考えるべきではないか。そのような三点についてお伺いしたいと思います。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 かねてから先生から、教科書あるいは副読本への再生紙の利用につきまして御指摘を賜っているところでございますので、それらについては従来から文部省としてもその取り組みを進めてきておるところでございます。 まず、教科書への再生紙の使用についてでございますが、昨年十月、教科書協会におきまして、教科書の口絵など、その一部に再生紙をできるだけ使用していく旨の申し合わせが行われたところでございまして、また文部省著作教科書につきましても、再生紙の使用に積極的に対応していくこととしているところでございます。 文部省といたしましては、教科書への再生紙使用の趣旨を考慮いたしまして、今後とも関係業界と連携をとりつつ、その推進に努めてまいる所存でございます。 例えば、平成七年度用の教科書について見ますと、平成六年度に比べますと、小学校につきましては平成六年度が〇%であったものが九・四%にふえ、中学校は一〇・九%から二〇・四%、また高等学校については六・三%から一三・七%にふえておりますし、また文部省著作教科書については、平成六年度の〇%から八四保八%というように大幅な改善をしているところでございます。 また、副読本についてでございますが、文部省としてもかねてから、再生紙の使用について日本図書教材協会などの教材関係団体に趣旨を伝えまして協力を求めてきたところでございます。その結果、表紙や環境教育に関する副読本など一部の副読本におきましては再生紙が利用されるなど、徐々に利用が進んできているところでありまして、今後とも関係団体に対して協力を求めてまいる所存でございます。 なお、教科書の本文に再生紙を使用するなど積極的な使用についての取り組みについてでございますが、教科書の本文に再生紙を使用することについては、現在、教科書協会において製紙会社とも協力しながら、教科書用紙としての必要な紙質の確保、用紙の安定的供給、コストの問題等の課題について研究を行っているところでございます。 次に、第三点目は、学校で使う補助教材は最終的には燃えないごみとなるプラスチック製品が多い、そういうものについて是正していくべきではないかというお話がございました。各種資源の有効活用は、地球環境問題の観点からも重要な問題であると認識をしておるところでございます。補助教材の一部に使用されていると考えられますプラスチックにつきましても、地球環境保全の観点から配慮する必要があると考えておりますが、一方、補助教材のコストや使いやすさ、安全性等の観点も十分考慮する必要がございます。 文部省といたしましては、補助教材につきましては、地球環境保全からの観点にも配慮するよう関係団体に対して協力を求めてまいりたいと考えております。
○大口分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
○今村主査代理 これにて大口善徳君の質疑は終了いたしました。 次に、山元勉君。
○山元分科員 社会党の山元でございます。 きょうは同和教育に関してお尋ねをさせていただきます。 御案内のように、一九六五年に内閣の同和対策審議会が最終答申を出しました。その中で、部落問題とは、最も深刻にして重大な社会問題であり、この解決は国の責務であり、同時に国民的課題である、そういうふうに政府に答申をいたしました。それからちょうど三十年がたっわけでございます。六九年に特別措置法が制定されて、同和対策事業が実施をされました。その結果、被差別部落の住宅環境も大変改善をされ、生活の実態も改善されたということは評価はできるというふうに思います。 しかし、被差別部落の完全解放という視点から見ますと、まだまだ多くの課題を残しています。私たちは、この問題を根本的に解決するためには部落解放基本法が必要だというふうに考えておりますけれども、きょうはそのことについては論議をしようとは思いません。現在の部落の実態や差別や格差について少し明らかにして、今後の具体的な教育のあり方について大臣の所見をお伺いをしたいというふうに思います。 初めに、去年九月とことしの一月、明らかにされましたけれども、総務庁が平成五年に行った同和地区生活実態調査中間報告というのを出しました。その中に最終学歴別世帯員数、それぞれの家族の最終学歴についての集計がされております。私はこれは大きな特徴があるというふうに思いますけれども、大臣、どのようにお考えになりますか。見解をまずお伺いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 文部省におきましては、かねてより同和問題は憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な課題であると認識しております。このため、学校教育や社会教育を通じて広く国民の基本的人権尊重の精神を高めるとともに、対象地域の教育、文化水準の向上を図ることを基本に施策を推進しているところでございます。 しかしながら、御指摘の調査の中で依然として高等学校等の進学率や中退率の格差が見られるわけでございます。このため、従来から高等学校等進学奨励費補助事業の充実を図るとともに、研究指定校及び教育推進地域における同和教育の内容、方法の研究や、加配教員の配置による指導体制の強化等の措置を講じ、学力の向上や進路指導、教科指導の充実に努めてきたところでございます。 平成三年十二月の地域改善対策協議会意見具申においても、「学校教育、社会教育のより効果的な推進が必要である。」と指摘されているところでございまして、文部省としてはこの意見具申を踏まえ、今後とも教育上の格差の解消のため施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○山元分科員 大臣、数字で少し申し上げますと、国勢調査で見ますと、初等教育修了者というのは全国で三一%ですね。生活実態調査、この調査によると、部落の人たちのこの修了者というのは五五%を超しているわけです。ということは、明らかに低学歴者が三〇%と五五%という大きな差があるわけですね、多いわけです。そして、例えば高等教育の修了者というのは、全国では二一%の人が大学、高等教育を受けるわけですね。ところが、部落の人たちは七・六%、三分の一しか高等教育を受けていないという状況があるわけですね。この格差については、今大臣がおっしゃったように是正に努めてまいりたいというだけではなしに、もう少しやはりきっちりと、これは大変な格差なんだ、特徴があるんだということを認識をして施策を具体化をしていただかなければならないというふうに思います。 確かに改善はされてきているわけですね。しかし、この十年ほどは、これはすべてのところに言えるわけですけれども、この差というのは平行線になっているわけですね。今までずっと追いついてきて格差が縮まってきたけれども、この十年ほどは高校の進学率あるいは大学の卒業率というのは平行線、格差が縮まらないわけです。 そういう意味で、やはり施策が、今も努めてまいりたいというお話がございましたけれども、私は逆行している部分もあると思うのです。もう七年前になりますか奨学金の問題で、給付から貸与になったわけですね。これはやはり後退した施策だというふうに思うのです。ですから、そういう格差が定着をしているあるいは平行線をたどっているというそういうグラフを改善するというのですか、そういう実態を改善するのにはやはり大きな努力が要るというふうにぜひ御認識をいただきたいというふうに思います。 もう少し具体的にこの調査の結果等でいいますと、大学の進学率がやはり今申し上げましたように改善されないし、例えば文部省の調べでいいますと、大学の進学率は、全国で三〇・五%だけれども部落の人たちは一九・七%、二対三ということにも言えるわけですが、そういうふうに格差がずっとこの十年ほど平行している。高校の進学率も同じことが言えます。 私は滋賀県ですけれども、滋賀県の例でいいますと、全国の高校進学率はおよそれ五%ですね、九〇年代に入って。ところが、部落の人たちは八三%。ずっとこの一一%ほどの差が平行しているわけです。ですから、そこのところはやはりしっかりと目を当てて改善を考えなければならぬ、そういう実態だということをぜひ認識をしていただきたいと思います。 そして、先ほど奨学資金のことを言いましたけれども、例えばそれと大きく関係するのでしょうが、高校の中退率ですね。ここに大阪の例がございますけれども、大阪の実態でいいますと、高校中退率は全国が六・三%、大阪の部落の人たちは一五・九%、およそ一六%が中退をしているわけです。これは大きな差です。中退者が二・五倍あるわけです。ですから、そういう点について、事は重大だということについて認識をしなきゃならぬと思うのですが、大臣、その点どうですか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘がございましたように、大学あるいは高等学校への進学率でございますが、十年前の昭和六十年度で、先ほど先生からお話がございましたように、全国平均で高等学校等への進学率は九四・一%でございますが対象地域については八七・三%ということで、その格差は六・八%ございましたが、平成六年度では全国平均で九六・五%に対して対象地域は九二%ということで、六十年度に比べますと四・七%進学率も増してきているわけでございますが、依然として格差は四・五%というように存在するわけでございます。 また、大学、短大につきましても、昭和六十年度の全国平均の進学率が三〇・五%に対して対象地域は一九・一%と格差が一一・四%とございましたが、平成六年度には全国平均で三六・一%、対象地域は二四・三%と、六十年度に比べますと五・二%進学率が上昇しておりますが、しかしその格差は一一・八%と依然として格差が存在することは先生御指摘のとおりでございます。 また、高等学校中退率の推移を見てみますと、昭和六十年度で全国平均二・二%で対象地域三・五%でございましたが、平成五年度におきましても、全国平均一・九%に対して対象地域三・六%というように依然として中退率も高いということは先生御指摘のとおりでございます。 私ども文部省としては従来から、先ほど大臣からも御答弁がございましたとおり、高等学校等進学奨励費補助事業の充実を図ってきているわけでございますし、また、研究指定校あるいは教育推進地域における同和教育の内容、方法の研究や加配教員の配置による指導体制の強化等の措置を講じますとともに、学力の向上や進路指導、教科指導の充実に努めてきたところでございますが、今後とも教育上の格差の解消のためにそれらの施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○山元分科員 今度の調査は教育関係が非常に少なくてなかなか実態がわかりにくい、残念なんですけれども、あの当時、特に学力の問題については大きな差があると答申でもしっかり指摘をされているわけですね。ですから、今度の調査でも、いろいろと細かい調査がありますけれども、なぜ学力の調査、学力に格差があるということについての調査をされなかったのでしょうか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 対象地域の児童生徒の学力の実態を把握するためには、個々の児童生徒について対象地域の児童生徒であるかどうか判別する必要がございますが、このことは慎重な配慮をもって行うべき事柄でございますし、また実際に調査を行うことが可能かどうか地域の実情によって異なるものでございます。したがいまして、調査の実施につきましては県や市町村におきまして慎重に御判断いただくのが適当であると考えておりまして、新たに全国調査を行うことにつきましては慎重な検討を要すると考えております。 文部省といたしましては、個々の児童生徒の学力につきましては多様な要因がさまざまに絡み合っており、真に学力保障に資する指導を行うためには、むしろ個々の児童生徒に対応した具体的な取り組みの中で、児童生徒や学校などの実情に即しまして実践的に研究を進めることが重要と考えております。 このため、同和教育研究指定校及び教育推進地域における研究実践の中で対象地域の児童生徒の学力実態やその背景となる事情等の実態把握に取り組むように平成五年度から実施要項に明記いたしますとともに、毎年実施されております都道府県・指定都市同和教育主管部課長会議においても指導しているところでございます。
○山元分科員 そこで、文部省が把握している実態というのは、例えば具体的な例で資料はありますか。
○井上政府委員 各県におきまして学力実態調査を実施している県は、私どもが掌握しておりますのでは、例えば滋賀県が昭和五十五年度に調査をいたしておりますし、また奈良県が同じく昭和五十五年度、高知県が昭和六十年度、大阪府は昭和六十年に調査をいたしております。また平成に入りまして、福岡県が平成二年に調査をし、広島県が平成三年、和歌山県が平成四年。このように、それぞれ各県において調査を実施しているところでございます。
○山元分科員 私も、今おっしゃった高知や大阪の資料を少し抜粋したのを持っているわけですけれども、明らかに格差があるわけですね。例えば平均もそうですし、そして分布といいますか全体的なグラフをかいてみるとずっと低い方にシフトをしている。大きな格差が歴然と見えるわけです。 そういう実態は、これは先ほどから何回も言いますけれども、縮まっていくという傾向がとまって平行している。全国と部落との差がグラフでかくとずっと平行しているという状況は、私は今の時点で深刻だというふうに思うのです。これを完全な解放とか、あるいはそういう格差を解消するということを具体的に施策として持たなければ、これは未来永劫といいますかずっと平行のまま行くだろう、大変なことだというふうにぜひこれは認識をしてもらいたい。 確かに、縮まってきた過去の努力というか成果というのはあるわけです。しかし、そこのところを、最後のところを詰めるといいますか完成するためには、学歴の問題も学力の問題もきっちりと見きわめて具体策を出していただきたいというふうに思います。 その次に、これは大臣も御記憶だろうと思うのですが、岡山商科大学の附属高校でテストをやって、こういう問題を出した。「江戸時代には、士・農・工・商・穢多・非人・公家・僧侶などの身分があったが、あなたの祖先の身分は何だったと思いますか。」こういう質問をしたわけですね。現に、社会的に部落差別が存在していることを全くわかっていない先生がいるわけだ。 また、もう四年ほど前になりますけれども、広島県で、部落差別によって女子高校生が自殺をいたしました。その自殺に追い込まれた原因といいますか、追いやった相手というのは、彼女が卒業した中学校の教師であったわけです。 教師によるそういう差別事件というのが後を絶たないといいますか、毎年報告をされるわけですけれども、教員による差別について、大臣、いかがお考えでしょうか。
○与謝野国務大臣 平成五年度におきましては、八件の教職員の発言にかかわる部落差別事象が文部省に報告されております。学校における同和教育の充実を図るためには、教職員が同和問題に関して十分な理解の上に立って同和教育の推進に当たることが不可欠でございますが、その教職員みずからによる差別事象が報告されていることは、大変大きな問題であると考えております。 文部省としては、全教職員が同和問題に対して正しい理解を持つよう、今後とも、研究指定校や教育推進地域を指定し、同和教育に関する研究実践の成果の普及に努めるとともに、同和教育研究協議会等を通じ、教職員の資質向上に努めてまいりたいと考えております。
○山元分科員 教員による差別事件というのは、それが権利だとかあるいは民主主義というものを教える側の過ちですから、これは深刻な問題だというふうにとらえなければいけないと思うのですね。 この今の例で言いますと、そういうふうに本当に子供たちを傷つけるあるいは死にまで追いやるというようなことが教師によって起こされる、これは深刻に受けとめる必要があるのですが、これは考えたら、事件を起こした教師の個々の問題ではなしに、そういう教員を養成している、養成し続けていると言ったら言い過ぎかもわかりませんけれども、そういう問題だというふうにとらえなければいけないだろうというふうに思うのですね。 私も教員であったわけですけれども、将来教員になる人たちの部落問題についての教育、教職課程を持っている大学における講座といいますかそういう教職課程を持っているすべての大学に講座は開設されているのですか。
○吉田(茂)政府委員 文部省といたしましては、全教職員が同和問題に対して正しい理解を持つということは極めて重要な事柄であると考えております。 大学におきます同和教育の充実につきましては、従来から各大学に対しまして、憲法、教育基本法の精神にのっとり、また、同対審答申あるいは地域改善対策協議会意見具申の趣旨を踏まえて、一層の理解を図り、対応するよういろいろな機会を通じて配慮を求めてきているところでございます。 御指摘の教員養成系大学におきます同和教育に関する授業科目等の開設状況は、教員養成系大学、国立、私立合わせて五十一校でございますが、そのうち三十八大学ということでございまして、七五%というような状況になっております。
○山元分科員 その実態はゆゆしいことだと思うのですよ。 最初に申し上げましたように、国民的課題だというふうに指摘されている問題、それをきっちりと教えない教員養成大学というのは考えられぬと思うのですが、どういう指導をされているのか。なぜ全校で教員の免許を渡すまでにこの問題についてきっちりと教育を受けさせないのか、どういうことなんでしょうか。
○吉田(茂)政府委員 御指摘の趣旨を踏まえて私どもも努力をしておるところでございますが、近年の傾向を見ますと、同和教育に関する授業科目を開設する教員養成系大学は増加をしつつありまして、例えば平成元年度では三十二大学であったのに比べまして、六年度には、今申し上げました三十八大学と増加をしておるところでございます。 基本的には、大学における教育と研究に関する具体的事項は、御案内のとおり各大学が自主的に決定するということでございますが、御指摘のような御趣旨も当然踏まえて、同和問題についての理解を深めさせることが文部省としては大変大事だということを考えまして、例えば平成三年十二月の地域改善対策協議会の意見具申、これは各大学に通知をいたしまして、取り組みについての配慮を要請するというような努力を続けてきております。 とりわけ教員養成系大学・学部におきましては、初等中等教育に与える影響が大きいということでございますので、さらに日本教育大学協会の学長・学部長等連絡協議会を初め、各種の機会を通じまして、同和教育についての一層の理解、適切な対応、これを要請してきているところでございます。 さらにこれにつきましての努力をしてまいらなければならないと考えております。
○山元分科員 今まで政府の方から、同和事業とかそういうことについては終わっていく、一般施策へ移行していくという大きな方針があるわけでしょう。私どもはそれについて大きな間違いだというふうに言ってきていますけれども、終わろうというときにやっと五十一分の三十八という、四分の一の大学ではこの部落問題を教えないで教員免許状を渡しているという実態は、これはゆゆしいことだというふうに、今の格差が固定化しているということから考えても、やはりこれはきっちりと全部の学校で教えるというふうにしてほしいと思います。確かに大学の自治の問題、いろいろありますよ、けれども、やはり強力にそのことは指導してもらいたいというふうに思います。 私、おととしになりますけれども、北陸のある県へ行ったのです。その県は、一九三五年ごろは五十カ所近い部落があったのだけれども、今は部落はうちはありません、全部未指定の地域になっているわけです。その県へ行って、副知事さんや市長さんやあるいは教員団体の皆さんにもお会いをしていろいろと話を聞きました。実際に私ら地域を回って、明らかに部落が存在をして大きな格差があるということは見てきた。例えばある部落へ行ったら、河原のところにずっとお墓があって、ぼうぼうの草に埋もれてある。もう何年も前から全部そこを逃げ出してしまってといいますか、隣の町へ行ってしまった。墓にお参りもしていない。明らかにそういう部落があろうし、あったわけです。 そこのところへ行っていろいろ聞いたのですが、地元の大学には教員養成の学部でも同和教育関係の講座や講義は一切ない。副知事さんは、うちには被差別部落はありませんとおっしゃる。そして学校の教師に聞いたら、うちらの大学にはそういう講座は一切ありませんと。 そこでどういうことが起こったのかというと、そこの子供たちの作文で、高校生の作文です、中学校のとき、友達のあだ名がえた非人だった、そのときは、えた、非人の意味は余り知らなかったし、周りのみんなが呼んでいたので平気で友達をえた非人と呼んでいた、こういう作文があるのですね。 あだ名というのは、私は教師出身ですからあれですが、教師だったら、大体あの子は何と呼ばれているかわかっていますよ。私は小さかったからちびと小学校のとき言われたけれども、教師だったらどの子がどういうあだ名で呼ばれているかというのは知らなければ失格ですよね。だから、子供がえた非人とふだんしょっちゅう呼ばれていることを知っていて、教師がそこのところでしっかりと教育をしなかった。だから高校へ行って、恥ずかしいことをしたと思う、こういうふうに作文を書いているのですね。 そういう実態というのはしっかりと、やはり大学で教員免許状を渡すまでにはこの部落の問題についてしっかりと人権の立場に立って教えるということが大事なのだと思うのですけれども、この五十一分の三十八というのはいつ五十一分の五十一になるのです。大臣、どうですかこれは。
○吉田(茂)政府委員 ただいま申し上げましたようなまず大学の自主的な決定という基本があるわけでございますので、いつということはなかなか申し上げるのは困難かと思いますが、私どもといたしましては、同和問題についての一層の理解、適切な対応、これをさらに強く要請してまいりたいと思っておりまして、同和教育あるいは人権教育につきましてはさらに各大学の配慮を促してまいりたいというふうに考えております。
○山元分科員 文部省は各大学から、開設している単位というのですか、講座の一覧表は毎年提出させるわけでしょう。させますね。ですから、そのときにはやはり、これはないではありませんかということの指摘ができるでしょう。ですから、やはりこれは置かなければいけないのだという学校側の認識をつくるためには、文部省が強い姿勢で、今申し上げましたように、差別をされて泣いている子供らが一人もいないようにする。そこで同和対策事業は終わったとか部落差別はなくなったということが言い得るのだと思う。このままだったらいつになっても言えぬではないですか。 ことしは国連「人権教育の十年」最初の年でございます。戦後五十年たった、あるいは同対審答申が出て三十年たった。そういうことを全体で考えますと、やはり完全解放、確信を持って大丈夫なのだと言える、そういう施策を文部省も建設省も通産省も、全部がきちっと押さえなければ、これは事業は打ち切れない、解放された、完全解放が済んだというふうにはならないという認識をやはりしっかり文部省も持っていただきたい。そういうことのための役割というのは文部省は非常に大きいというふうに私は思います。 短い時間でしたから具体的な例を余り申し上げられませんでしたけれども、本当にゆがみもそして差別される人たちの痛みもあるわけですし、このままでは続くというふうに私は思いますので、一層文部省が行政について格段の努力をしていただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○今村主査代理 これにて山元勉君の質疑は終了いたしました。 次に、藤村修君。
○藤村分科員 新進党の藤村修でございます。 災害対策関係で特に文教の中で、今から第二次の補正ということがもう近々に出てまいりますので、その点につきましてお尋ねいたします。 まず阪神大震災の中で、今どうしても神戸あるいは芦屋、宝塚、伊丹、それぞれ兵庫県内がクローズアップされておりますが、私自身は大阪の北部の選出でございまして、例えば私の地元の豊中市でも家屋の全壊が六百二十四、世帯でいいますと二千六百七十二、半壊が二千五百八十六棟、世帯でいいますと七千七百五十八世帯、合わせましても一万四亘二十世帯で、これは豊中市の世帯数の中でも六・七%ぐらいに達するということでございます。阪神の阪、大阪の方でございますが、その大阪の特に北部地域はちょうど断層の延長上でもあり、新聞発表ないし気象庁発表の震度よりは北部の地域は多分一つ高かったというのが我々の実感でございます。 そういう中で、文教施設も相当大きな被害を受けている、こういう現状をお訴えをして、これらの復旧に関しまして文部省の文教施策についてお尋ねを申し上げたいと思います。 まず一つは、この平成六年度第二次補正の中で、これは相当大きな額になると思います。そこで大半が災害の対策、復旧、そういうことにかかわってくると思うのですが、その中で特に文部省では予算づくりにどういう基本の方針をお持ちかということと、それから、公立の幼稚園、小、中での復旧に対してどういう措置が考えられていくのかということをひとつお答え願いたいと思います。
○遠山政府委員 お答え申し上げます。 今回の阪神・淡路大震災によりまして被災しました公立学校施設は全部で約三千校ございます。今回の第二次補正予算におきましては、被災した建物のうち、平成六年度に復旧可能となる建物、それから新築復旧などに伴い必要となります応急仮設校舎の建設に要する経費としまして四十二億円を計上したところでございます。 そのうち大阪府下の公立学校の施設としましては約千二百校が被災をしておりまして、そのうち今回の第二次補正予算におきましては五十校、約一億五千万円を計上しております。これは先ほど申し上げましたように平成六年度に復旧可能となるもの、それから新築復旧などに伴い必要となる応急校舎等の建築に必要となる経費でございますので、全体の中では余り大きな割合となっておりません。
○藤村分科員 私は吹田市が地元でございますが、そこで、例えば小学校でも今カウントをすると復旧費用に二千百六十万ぐらい、中学校でも二千九百八十二万ぐらいかかる、これらが平成六年度内で今おっしゃったように工事がなされるというときに一つの対象になるということだと受けとめまして、さらに今度は平成七年度には、これはもう予算が固まっているわけでございますが、これはどういう対処になるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○遠山政府委員 平成七年度の補正につきましては、平成七年度に新築復旧をする経費を計上することとなると思います。
○藤村分科員 それでは次に、国立の施設でございます。特に、北大阪地域には国立ては大阪大学、これが吹田市と豊中市にまたがっている。どちらも災害救助法が指定され、大分大きな被害を受けております。それから、国立の民族学博物館がございます。ここも聞いてみますと、やはりガラスケースが相当落下したり中の展示物の関係のことやらそれからもちろん建物全体の問題がございまして、一億四千万ぐらいの復旧費がかかるのではないか。 あるいは大阪大学、こちらは被害の方が相当大変でございまして、教官も一人亡くなっていたり、その教官の家族もまた三人亡くなっていたり、学生さんも二人亡くなっていたりということでございますし、施設の方も理学部の一室が七十六平米全焼したりあるいはその他研究所や医学部の中でも火事で焼失したということで、今平成六年度中の補正で十二億円ぐらいどうしても必要だという要望がございますが、これに対してどう受けとめていただいているか御説明をお願いします。
○木村(直)政府委員 今回の地震で国立学校施設でも、近畿地方各府県で約二十二校、被害が発生しているわけです。それで、文部省では地震発生後、被害状況の把握に努めるとともに、人身の安全確保等二次災害の防止のため、教育研究機能の回復のために応急復旧を迅速に行うということを各学校に指示してきているところであります。 そして、大阪大学等の国立学校では、校内の電気、ガス、水道などのライフラインを初めとする緊急復旧箇所の復旧に向け、点検及び応急復旧作業を進めたところでありますが、大体応急復旧は終わったところであります。 なお、本格的な復旧のための被害額の確定には、これから災害査定とかいろいろありましてある程度時間がかかるわけでして、本格復旧のための財政措置と、当面の応急復旧措置のためのその財政措置とは一応分けて考えるという必要があると思っております。 そういうことで、平成六年度の第二次補正予算では、大阪大学初め国立民族学博物館等の外壁や擁壁の修理、そういう小規模のものに対して一応四十四億円を計上しているところであります。 先生のお話にありました、具体的にその大阪大学についてですけれども、大阪大学については、さっきお話がありましたように一部火災が起きたとか、それからライフラインがやられちゃったとか、そのほかガラス等が大分やられたとかあるわけでして、これについてやはり大きなものについては七年度で対応、そして緊急に必要なものについては六年度の補正でやるということで、さっきお話にもありました約十二億円、そういう額を予定しているところであります。 なお、民博についてはそれほど大きな被害はないわけですけれども、それでもまあある程度の被害は出ていますので、五千万程度の経費を予定ということにしております。
○藤村分科員 どうぞよろしくお願いをいたします。 次に、私立学校関係でございます。多分昨日文部省の方にも要望を持参されているかと存じますが、これは兵庫県内の阪神地区被災私立大学・短期大学連絡会というものを急遽組織されまして、それで、「兵庫県南部地震に係る要望書」ということで、こういう要望書が多分昨日にでも文部省の方に届けられていると思います。 私どもあちらにおりまして、私立の大学が学費免除などの措置を非常に素早くとっていただいたことに大変感謝をしているところでございます。ただ、私立は自分の学校の建物の損壊等々があり、かつ学生さんのことをおもんぱかってその学費免除などのことも計画をするということで、大変経費負担の部分では厳しい状況が続くわけでございます。 それで、例えば今の激甚災に係る、私立の場合は補助率二分の一、残り二分の一はまた借り入れということでございますが、この二分の一が何とかならないのかということと、それから、私学財団からの借り入れについての利子補給など、その利子をまたさらに下げることができないかということについて再度お尋ねを申し上げたいと思います。
○吉田(茂)政府委員 御指摘の被災した私立学校施設の復旧につきましては、激甚災害法に基づきまして、復旧に要する工事費等について国がその二分の一を補助するということになっております。激甚災害のこの規定全体のバランス等から申しまして、これをさらに引き上げるということは困難かと思っております。 残りの経費について、日本私学振興財団において長期、低利の貸し付けを行うということでございますが、現在、融資条件の改善ということで、貸付期間を二十五年、据置期間五年ということで、特に貸付利率は最初の一年目から三年目につきましては三・〇%という低い貸付利率をお願いをしております。平均三・九%という非常に低い利率でこの残りの経費の融資については対応してまいりたい。 そういった両サイドの努力によりまして、被災学校施設の復旧に対して取り組んでまいりたい、かように考えております。
○藤村分科員 それでは次の問題、これは最後の問題になりますが、つい先日、私の妻は病院の看護婦をしておりますが、そこでこんな話を耳にしました。ちょっと最近見ないビールス性の感染で子供が来られた、医者のコンファレンスの中でも、いろいろ調べてみると、そのお父さんがバイオの研究所にお勤めであった、そこからの感染があったのではないかという、これは今進行形でございますので確定はできないのですが、これと今回の地震のときのことをふと考えたときに、原子力発電所が心配だというのは、これは国民的関心でもあり、福井県の方の四カ所ですか、原発のことは私も問い合わせたりいたしました。 原発の方は非常にその意味では耐震性あるいはこういう大災害に向けて厳格な基準などがあるわけなんですが、そういうバイオのいわゆるバイオセーフティーの分野、これは案外きょうまで気がつかなかった点でもあり、今の子供が感染してきたというふうなことがあって、今回の震災でそういう、特に国立大学の医学部や理学部あるいは国立の研究所等ございますので、そういうバイオのセーフティーの問題について、多分何もなかったとは思いますが、まずその概要につきましてお教え願いたいと思います。
○岡村政府委員 今回の震災に際しまして、研究用の病原体等が外部に漏れているということがあると大変でございますので、大阪大学あるいは神戸大学等に問い合わせしております。そのようなことはないというふうに私ども聞いております。
○藤村分科員 この前もほかの委員会でお伺いしたのが、神戸大学医学部の病院では棚が壊れてシャーレとか試験管が相当壊れて、直ちにその部屋を立入禁止にし消毒をした、そういう対応をされて、そこで一応封じ込めができたかと思います。先ほどちょっと引き合いに出しました阪大でも、理学部で、これは多分薬品による火災が起こったのではないかと思います。 つまり、そういうことが現に起こっている中で、バイオは大丈夫か、病原性微生物という問題がきょうまで案外ないがしろにされてはいなかったかということで、少しいろいろ聞いてみましたところ、今一番話題の組みかえDNA実験については、これは国際基準を日本がまた受け入れて、ある意味で国としての相当厳しい基準をつくっておられる。 ところが、そのまた前段でありますが、いわゆる病原性微生物等がどういうふうに管理されるかというのは、例えば大学の研究所なども、これは厚生省の国立予防衛生研究所の病原体等安全管理規程というこういう規程を準拠したりしているというにすぎなくて、あるいは日本ウイルス学会の指針に準拠しながらということで、どうも重要な、地震なんかで相当大きな被害、あるいはその地域が感染症まで起こるような危険がある部分が今文部省などでも割に野放しになっていないだろうか。 何か文部省で、これは厚生省の予防研の方の規程はきっちりあるようでございますが、文部省ではそういう規程の制定などお考えなのか、いや、今あるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○岡村政府委員 ただいま御指摘ございましたように、国立の大学あるいは研究機関等におきます研究用の病原体等に係る安全管理につきましては、国立予防衛生研究所の規程や日本ウイルス学会の指針等に準拠しながらやっているというのが現状でございまして、それ以外に特別の法的規制もないわけでございまして、こういう規程に準拠しながら各国立大学等において安全かつ適切な研究の実施ということで研究者等に心がけていただいているというのが現状でございます。
○藤村分科員 与謝野大臣にも今後のこととしてお考え願いたいのは、今のお答えのように、厚生省が出している規程やら日本ウイルス学会が出している指針に各大学が準拠しながらということでよろしいのかどうか。原子力などは非常に地域住民の方々もクリティカルになりますし、いざ震災というときに本当に大丈夫かというのは非常に注目をされるのですが、案外、病原性微生物の問題が忘れられてなかったか。 これは、組みかえDNA実験の指針をOECDの方で議論をして、それを先進諸国はみんな受け入れて取り扱いの指針をつくっているわけですが、そのときに発見されたのは、先進国の中でも日本だけがその前段の病原性微生物に関する国としてのきっちりした安全基準なり規程がなかったということがむしろ他の先進国からは異様に思われたそうでございますし、この辺、震災の教訓でもあるそういうバイオセーフティーの問題を文部省の研究機関でもひとつ国できっちりつくっていこうじゃないかというお考えがないかどうか、これは大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 ビールスを扱う場合、あるいは遺伝子の組みかえを行う場合、これは通常の場合でもそういうものが外部との接触というものがないように配慮をしていく必要がございます。 また、特に災害時に研究室等で、先生御指摘のように、例えばいろいろなものが置いてある棚が倒れるとか、いろいろなことがございます。そういうことでございますから、通常の場合でもやはりそういう病原性のビールス等を扱った研究を行うことも十分注意しながら行わなければなりませんし、加えまして、やはり災害時にどういうことが起きるかということも考えていかなければなりません。 そういう意味では、ウイルス学会の平成五年七月に制定されましたウイルス研究におけるバイオセーフティー指針、簡単に内容を申し上げますと、これは病原ウイルスの危険レベルに応じた安全設備及び運営区分の設定、非常時対策として、特に地震に備えて安全キャビネットの固定、その他滅菌消毒、作業衣等についての規定、こういうものがございまして、やはり大学等で研究を行う場合も通常時の安全性、それから非常時の安全性、この二つは十分考えながら研究を進めていかなければなりませんし、こういうウイルス学会の安全の指針というものもきちんと取り入れて研究を行うべきものと考えております。
○藤村分科員 文部省の方では、大学あるいは研究機関についての安全規程とか指針は厚生省の管理規程やら日本ウイルス学会の指針に準拠することで今後対処してよろしいというお考えかどうか。 何かこれを機会に、例えばこれはバイオハザードマークというマークで、そういうものを研究室にはちゃんとつけることを規定するだとか、あるいは取扱責任者をきっちり決めるだとか、それからもちろん災害のときには対策本部を設置してちゃんと対処するだとか、あるいはさらに、これは今からまだ出てくる可能性があるわけですが、廃棄物、火事で焼失したからよかったというのかあるいは封じ込めてよかったというのかしかし今から水が通り今度はそれが排水されていくと、その排水の処理の問題まで一貫して少しこの際に考えるべきではないかなという提案をしておりますので、これをどう受けとめていただけるでしょうか。
○与謝野国務大臣 文部省としては、研究用の病原体等の震災下を含む安全管理の重要性にかんがみまして、今回の状況を十分踏まえつつ、研究者等大学関係者の意向を聞きながら今後の対応を検討してまいりたいと考えております。
○藤村分科員 時間を四分ぐらい残しましたが、これで終わります。ありがとうございました。
○今村主査代理 これにて藤村修君の質疑は終了いたしました。 次に、藤田スミ君。
○藤田分科員 私は、障害児学校の給食問題についてお伺いをしたいと思います。 大阪市立の障害児学校では、大阪市の統一献立が行われているために健常児の小学校と同じ献立の給食が行われているわけです。したがって、障害のためにかめない、飲み込めないなど普通の食事ができない子供たちに給食が出されて、大変子供たちも苦しんでおりますし、教員や父母がもっと障害に配慮をした給食をしてほしいと訴えています。 どうしてこの統一献立てはこういうことになるのかといいますと、統一献立ては材料も統一したものが購入されるわけです。そして、調理方法も示されていて、時間をかけて障害児が食べやすいようにやわらかく煮るとか細かく刻むとかいうようなことはできません。例えば魚のフライの場合でも、食べる力、かむ、飲み下す、それから食べているものを口の中でしっかりとらえる、そういうことに非常に弱い肢体不自由児にはなかなかフライを食べることは困難です。しかし、その魚のフライを調理室の裁量で煮魚に変えたり、あんかけにしてとろみをつけるということは統一献立ては非常にできない相談になるわけであります。 したがって、大阪市立の肢体不自由児校の場合は、この給食では七割から八割食べることができない子供が出ています。そのために、現場の調理員や先生たちが特別に時間をかけてやわらかく煮てみたり、カッターやミキサーで刻んでみたり、何とか再調理をしようと工夫は重ねているわけですけれども、それでもむせてたんをたくさん出してぐったり疲れ切ってしまう子、給食では全く食べられないということで自宅からおかゆを持参してくる子もいます。食べられないものが出るために、一回の摂取量が極端に減って、栄養にも偏りが出ることは言うまでもありません。誤飲をして肺炎の原因につながるなど命にかかわる問題もありますし、現に、大阪市立の養護学校では、給食中にのどを詰まらせて窒息死するという不幸な事故も起こっております。 本来、学校給食法では、心身の健康な発達に資し、健康の増進を図る、こういうことがうたわれているわけでありますから、これは大変な問題でありますが、大臣は、障害児学校でこのような状況が起こっているということを御承知でしょうか。
○小林(敬)政府委員 お答えいたします。 大阪市の学校給食において統一献立が実施されているということについては、私ども承知をいたしております。 文部省としては、これまでも、学校給食の実施に当たっては、児童生徒の発達段階に応じて指導するとともに、できるだけ一人一人の児童生徒の健康状態や個性を把握しながら、個に応じた対応を行うよう指導してきているところでございます。特に、特殊教育小学校につきましては、さまざまな障害を有する児童生徒が在学しているわけでございますから、献立の作成を含め、より弾力的に対応するよう指導を行っているところでございます。今後とも、そのように指導を徹底してまいりたいと思います。 なお、大阪市におきましては、平成六年十二月から、統一献立の一部について、障害に配慮し献立の変更を行うことができるようにいたしましたほか、ことしに入りまして一月に、大阪市立肢体不自由養護学校給食問題検討協議会を設置をいたしまして、現在、大阪市立の肢体不自由養護学校の給食に関しましてさまざまな検討を総合的に行っているというふうに承知をいたしております。したがいまして、その中におきまして献立のあり方というものも当然検討の対象になっているものと私どもは承知をいたしております。
○藤田分科員 私は、なぜ障害児に十分配慮をした給食が必要なのか、つまり、統一献立から外して独自の食材、献立、調理がなされるように文部省としてもきちっと対応してほしいということのために、くどくなるでしょうが、もう少し子供たちの実態について話をしたいと思うのです。 文部省の資料でも示されておりますが、障害児学校に在籍をする子供たちの障害の状況というのは、年々確実に重度重複障害の子供の在籍率がふえるというふうなことになっています。九〇年は三八・三%、九四年は四三・二%、こういう数字になっているわけであります。 私たちは、意識せずに食べるという行為を行っています。しかし、体に障害のある子供たちの中には、食べることを覚えるために非常に時間がかかる、また個人差ももちろん大きいですが、上手に介助することによってようやく食べることを覚えていく、そういう子供も少なくないわけであります。 したがって、私は、学校給食という場ではあっても、それは障害児にとっては、食べるということを通しての教育を受ける、その点では健常児よりもっと次元の高いところで教育を受けるということになっていると認識をします。 そういう点では、普通の子供たちが食べられるものを当たり前のようにして与えられてしまうということは、これは障害児にとっては、言ってみれば今、健康、人権にかかわる問題ではないかというふうに私は認識をしておりますが、文部省の認識をもう一度聞かせてください。
○小林(敬)政府委員 先生がただいまおっしゃられましたように、私どもにとって食べるということは楽しみであり、日常ごく普通に行っている行為でありますが、障害児の場合に、その障害の種類等あるいは程度によっては大変な努力を要する行為になるということはよくわかるわけでございます。 先ほど、大阪市で統一献立をやっているということでございましたけれども、統一献立というものをやることについて、もちろん全くメリットがないわけではないにいたしましても、私どもの基本的な考え方は、やはり各学校の設置者が地域だとか学校の実情等に応じて自主的に判断すべきものである、こういうふうに考えておりますので、当然学校の実情の中には、先ほど来先生御指摘のようなそうした事柄が含まれていて、そうしたものを踏まえた献立の内容になるべきものである、これが私どもの基本的な考え方でございます。
○藤田分科員 そういうふうにおっしゃいますが、もともと事の始まりは、文部省が市町村単位の統一献立を推進してこられた、ここに問題の根っこがあるわけです。だから、子供の特性に見合った給食にしようとしても、統一献立てはできない実情があるわけであります。 これは大阪市だけの問題ではありません。障害児学校を持つほとんどの政令市で、障害児学校の給食は健常児小中学校の献立の中に組み込まれています。私はこれはぜひ調査をしていただきたい。私の調査では、政令十二都市の中で統一献立だというふうに答えているのが七都市あります。どうぞ一度調査をしていただきたいというふうに考えます。御答弁を求めたいと思います。 この大阪市の方の、平成六年の暮れに変更できるようにしたというのは、これは非常に半端なやり方だという批判があるわけです。つまり、各養護学校の方に連絡をして、そして統一献立の中から見合わないものがあったらその学校の判断で行う。結局根本的には統一献立という上に立って事を進めようとするわけですから、中途半端で、逆に非常に混乱も起こっているわけでありまして、先ほど検討協議会というお話がございましたけれども、私はそのことについて十分承知をしておりませんので、もう一度そこのところ、大阪市の検討協議会とはどういうものを指し、それは父母が望んでいる、統一献立から外して独自の食材、献立、調理がされるようにするということなのかちょっとはっきり聞かせてください。
○小林(敬)政府委員 私どもとしてこれまで統一献立を進めてきたということは、ちょっと記憶にございません。ただ、共同調理場をつくりますとどうしてもそうなりがちである、それは御理解いただけるかと思います。 それから、全国的にどの程度統一献立が行われているのかという点につきましても、詳細、後日調べてみたいと思います。決して多くはないと思います。 といいますのは、各学校に、特に特殊教育諸学校につきましては、学校給食を実施している学校数掛ける一ずつ学校栄養職員を配置する積算になってございます。ということは、各学校ごとにその献立を作成するということを前提にした職員配置になっているわけでございますので、もともと統一献立を前提にしたものではないということは御理解をいただけるのではないかと思います。 それから、大阪市立肢体不自由養護学校給食問題検討協議会の設置要綱によりますと、「目的」として、「協議会は、大阪市立養護学校のうち肢体不自由児童・生徒を収容する養護学校の給食実施に関し、養護教育振興の観点から総合的に検討し、その実現を目指すことを目的とする。」というふうになってございます。それから「組織」としては、「協議会は、会長及び委員で組織する。」「会長は、教育委員会教務部学校保健。課長をもって充てる。」それから「委員は、本市立の光陽養護学校長、西淀川養護学校長及び平野養護学校長並びに教育委員会事務局教務部教職員課長及び同局指導部養護教育課長をもって充てる。」というふうなことになっておるわけでございます。
○藤田分科員 大阪市がやられるその協議会のことに余り私はここでくちばしを、これ以上やりとりして進める気はありませんけれども、文部省も今おっしゃったように、わざわざ養護学校には数のいかんを問わず栄養職員はちゃんと配置をしているのだ、だから統一献立などを前提にして考えたことはない、むしろ各校に配置をした栄養職員の、何ですか、役割で独自の献立を進めてほしい、そういうふうにおっしゃったと受けとめて話を進めたいというふうに思います。実際は、学校給食に対する、特に障害を持つ子供たちの給食に対する文部省独自の基準や指針がないというのが実態ではないか私はそういうふうに考えます。 私は、ここに学校給食実施基準というのを持っておりますが、その四条一号表で児童生徒の一人一回当たりの平均所要栄養量の基準を、小学校低、中、高学年、中学校の別でエネルギー量、たんぱく質、脂肪、カルシウム、ビタミン等については示しています。しかし、食べることに障害を持つ、内臓諸機能にハンディを抱える子供たちは、同年齢の子供たちに比べて体重が大幅に少なく、寝たきりの子供たちもいるわけですが、文部省はそういうところは何の配慮もなく同じ基準でその表を出しているわけです。これは何とも信じられないことであります。 私は、ここに「学校給食指導の手引」というのを持っています。これはとてもよくできていて、なるほどいいことを書いていらっしゃると思いながら何度も読みました。ただ、この中でも障害児に関する項目は全くありません。 東京都は「体に障害のある人たちの食生活ガイドブック」というのをつくっておりまして、そのガイドブックでは、障害を持った子供たちがどのような食べ物をどのように食べたらいいのか、おくれがちな食べる機能を十分に発達させるためにどうしたらいいのか周りの人たちの援助の仕方、それから設備面の整備など環境条件をどう考えていったらいいのかというような指針を非常にわかりやすく示しているわけであります。 したがって、私は、学校現場で給食が子供たちにとって安全で、心と体の発達、成長の糧にしていくためにも、障害児の学校給食に対する指針、具体的方針をつくり、そして文部省は、こういう平均所要栄養量の基準の見直したとか手引の改定だとかいうことを行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○小林(敬)政府委員 ただいま手引に特殊教育諸学校についての記述がないという御指摘でございましたけれども、確かにそのとおりでございます。この手引というのは、基本的には小学校、中学校、特殊教育諸学校すべてに通ずる給食指導の基本的なあり方を示そうとしたものだからそういうことになったのでありますが、やはり御指摘のように、特殊教育諸学校についての記述がもっとしっかりあっていいのではないかなというふうに考えております。 なお、現在の手引は平成四年七月に一度改定をされたものでございますが、これはその当時、例えばアレルギーの問題でありますとか肥満の問題等の健康問題に関しまして新たな対応が求められてきたこととか、学習指導要領が改訂されたとかあるいは学校給食の平均所要栄養量の基準等の改定が行われて、食事内容も充実、多様化してきたというようなことから改定をしたものでございます。 文部省としては、現在、厚生省におきまして第五次の日本人の栄養所要量が出されたことを踏まえまして、学校給食における平均所要栄養量の基準について学識経験者等による協力者会議を設け検討を行っているところでございます。したがいまして、近く新しい学校給食における平均所要栄養量の基準をお示しし、学校給食指導における所要栄養量等の改定を行う予定になっております。それを踏まえまして、学校給食の食事内容について文部省としての考え方をお示しをするという手順を考えておりますが、その中には特殊教育諸学校の食事内容の改善についても触れることとしたいと思います。 ただ、今まで先生御自身も御指摘をされておりましたように、特殊教育諸学校にはさまざまな児童生徒がさまざまな障害を持って在学していらっしゃるので、それをどこまで統一的に基準的にお示しをできるか。結局、要は、その各学校の判断に負うところが非常に多いのではないかな。これは統一献立に対する考え方とも共通するわけでございますけれども、最終的には、やはりその設置者なり学校なりがその実情を踏まえて、よりよい学校給食にしていっていただきたいというところが文部省の基本的な考え方でございます。
○藤田分科員 ただいまの答弁では、その手引の方はこの間、平成四年七月にこれを出したところなので、今すぐに出すということは困難だと。だけれども、次には、そうしたら当然変えていただくわけですね。その次というのはいつなのですか。 もう一つ、文部省が今、基準を見直しましょう、そのときには障害児の実態に見合った給食内容になるように栄養基準もそういう立場で見直しましょう、こういうことですね。
○小林(敬)政府委員 手引そのものを改定したいと考えております。そして、その時期はもうちょっと、今はっきりいついつごろというふうに申し上げるわけにまいりませんが、できるだけ早くやりたいと思います。
○藤田分科員 大臣、こういうことはやはり早くやった方がいいですね。何だかとっても寂しいのですね。障害児の子供を持つ親の立場に立ては、ずっと見ていくととっても寂しくなるんですね。ああ、やっぱり忘れられているのじゃないかという思いを持たざるを得ませんので、大臣、せっかくそういうことで文部省が打ち出しをされるんだったら早く進めるように、ひとつこれはお願いをしておきたいというふうに思います。 各学校の判断なんだということをしきりに強調されるわけですが、だとしたら、文部省は、それにふさわしい養護学校、障害児学校の調理員の配置あるいは学校給食施設の改善等についても当然基準を改めるべきだ。ここも全く一緒なんです、健常児の学校と。皆さんは何かこう本当に逃げの一手のように、それはもう最終的には学校の判断なんだというふうにおっしゃるわけですが、私は、調理員の数も同じではだめだと、独自の基準が要ると思いますし、学校給食の施設についてもやはりそれにふさわしい配慮が必要だと考えます。これはいかがですか。
○小林(敬)政府委員 特殊教育諸学校の学校給食につきましては、児童生徒等の人数、それから障害の内容、程度によって献立の内容も異なるわけでございますから、調理に必要とされる人数も学校によって異なると考えられます。したがって、一律の基準によるというのはなかなか難しいと思いますので、やはりそうした実情に応じて弾力的に配置されるのが適切なのではないだろうかというふうに考えます。 それから施設の関係でございますが、これもやはり基本的な考え方は同じでございますが、ただ人数が、児童生徒数がだんだんと少なくなってくるという一般的な傾向等もございまして、おおむね今の補助面積の範囲内で賄われるのではないかなというふうな感触を持っているところであります。 ただ、なお一言、大分前になりますけれども、昭和三十五年に体育局長通知で、調理員のいわば基準というものをお示ししてございます。例えば、児童または生徒の数が百人以下の場合一人または二人、百一人から三百人まで二人、三百一人から五百人は三人と、こんなふうに順々にいって千三百一人以上が一番上で六人に、児童または生徒の数が五百人を増すごとに一人を加えた数というふうな表になってお示ししてあるわけでございますが、これは、当時こうした職員をPTA等で雇用されるというふうな実態がございまして、これを何とかしたい、公費でしっかりとした雇用形態にしたいというふうなこともありました際に出されたもので、その後昭和六十年の一月二十一日の体育局長通知等によりましてこの三十五年の通知を修正をいたしまして、設置者においては、地域の実情等に応じて弾力的に運用するように御指導申し上げているというふうな流れになっておるわけでございます。
○藤田分科員 私の言っていることにまともに答えていただいていません。障害児の学校に独自の基準をこの際検討するべきだということを申し上げているわけで、弾力的にやれと言っているからこれでいけるんだというようなことでは困るわけです。ぜひとも実態を一度調査してください。調査をして、やはりこの際、障害児学校については、それにふさわしい独自の給食のために人数はこれでいいのかということをぜひ検討をしていただきたいわけであります。 それから、この際私は少し詳しく聞こうと思いましたが、時間がありませんので簡単に言いますが、障害児の学校、盲、聾も含めて、寄宿舎で生活をする子供たちの学校給食以外のときに食べる食事ですね。それは一体となたが、どこが責任を持つのかこの際はっきりしてほしいのです。
○小林(敬)政府委員 これは小学校、中学校などと基本的には同じでございますけれども、寄宿舎に関しましては、例えば施設の整備の問題あるいは定員の問題等につきましては教育助成局になるでありましょうし、その運営全般につきましては初中局と。しかし、この給食の中身等につきましては、これは寄宿舎の給食ではございますけれども、そこにおける学校給食といわば一体的に考えるべきものであろうというふうに思いますので、その分野につきましては体育局において所管をするべきものだというふうに考えております。
○藤田分科員 時間が参りましたので、残念ながらこれで終わらなければなりませんが、今の御答弁もこれは困るわけです。本当に困ったのです。この前の米不足のときに、給食の方は国産米を優先して充てる、寄宿舎のは外米を使わなければならない。だから、一体でとおっしゃいましたが、学校給食に使う米、つまり国産米を子供たちに優先してよとお願いに行ったら、うちは違う、うちは違うとたらい回しにされて、受けとめてくれるところがありませんでした。 私は、学校給食というのは障害児にとって、障害ゆえに非常に大事な位置にある、そのことを大臣はきょうのやりとりの中で御理解をいただいたと思います。時間がなくて恐縮ですが、一言だけ大臣のお気持ちを聞かせていただいて、終わりたいと思います。
○与謝野国務大臣 先生、いろいろ障害児に対して温かい配慮をせよと、こういう御趣旨だと思います。文部省も体育局を中心に先生の意を体して今後ともこういう行政を進めていく、こういうことだろうと思っております。
○藤田分科員 終わります。ありがとうございました。
○今村主査代理 これにて藤田スミ君の質疑は終了いたしました。 次に、池田隆一君。
○池田(隆)分科員 それでは、私は、学校五日制について、それから時間があれば教育費の父母負担の問題と、この二点にかかわって御質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初ですけれども、九二年の九月から月一回、そして来年度といいますか、ことしの四月から月二回に導入されていくこの学校五日制、学校五日制の意義はいろいろ論議されておりますけれども、文部省として基本的にこの学校五日制の意義というものをどういうふうに押さえておられるのか、その点からお尋ねしたいと思います。
○与謝野国務大臣 学校週五日制は、これからの時代に生きる子供の望ましい人間形成を図ることを基本的なねらいとして、学校、家庭及び地域社会が一体となってそれぞれの教育機能を発揮する中で、子供がみずから考え、主体的に判断し行動できる力を身につけるようにしようとするものでございます。
○池田(隆)分科員 基本的には、欧米の流れだとかいわゆる働く者の流れ、そういう形の中にも一方にあるだろうというふうに思いますけれども、子供側にとってみて、学校が五日になるということは、二日間地域社会に帰す、家庭にも帰す、そういう意味で本主言われている学校、家庭、地域社会、この三者が子供の教育にかかわっていくという意味で、学校教育中心からそういう他の、家庭、それから社会へという部分の要素をより強調していこうということではないかというふうにも思っています。 そういう意味で、家庭、学校、地域社会の教育全体のあり方を見直していくという動機づけにもなるだろうというふうに思っています。そこから社会の変化に対応して、これからの時代に生きていく子供たちの望ましい人間形成を図るというのが基本ではないかというふうにも考えているわけですけれども、いわゆるこの五日制は、明治に学制が発布されて、その後、戦後六・三・三制という形で、第三の教育改革ではないかともう一面では言えるだろうというふうに思います。 しかし、月一回、九二年の九月に導入したわけですけれども、残念ながら教育課程そのものを、学校教育のあり方の指針としての教育課程そのものを見直しをしてきませんでした。当面、時数のやりくりでやれという形で来たわけですけれども、この九二年九月から進められてきた月一回の週五日制での成果並びに問題点がどのようなものに整理をされているのか、あればお考えを示していただきたいと思います。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 学校週五日制は、学校、家庭及び地域社会の教育のあり方を見直し、子供の生活にゆとりを持たせ、望ましい人間形成を図ることを目指しまして、先生お話がございましたとおり、平成四年九月から月一回実施をしてきたところでございます。 学校週五日制の導入に当たりましては、その趣旨の実現のため、教育課程の編成・実施や家庭、地域社会との連携協力など、学校運営における工夫に留意することが必要と考えられたところでございます。この点につきましては、これまでのところ各学校におきまして積極的な対応がなされていると受けとめております。 また、学校週五日制の導入の際懸念されました過度の学習塾通いや児童生徒の健全育成上の問題など、休業日となる土曜日における対応についても、これまでのところ特段の問題は生じていないと考えているところでございます。 このように、月一回の学校週五日制につきましては、ほぼ順調に実施されてきていると考えております。
○池田(隆)分科員 実施そのものでは、当初は学力の低下につながるのではないかとか、今言われていました塾通いにつながるのではないかしかし一方、その辺の危惧があったために、地域社会の中で月一回の子供たちのあり方、過ごし方というものが論議されて、いろいろな意味での社会施設の開放だとかそういうこともるる行われていて、地域ぐるみでそのことを解決しようということで進められてきたのが一方に状況としてあると思うのです。 しかし、学校現場を見てみますと、その月一回というものが、まあ学力の心配、低下が心配だという声を反映したのかどうかわかりませんけれども、土曜にある三時間なり四時間の授業時数を他の時間に割り振りをしていくということで、ただに他の曜日に振りかえただけというところも多々あるように聞いています。 そういう中で、来年度、この四月から月二回の実施を迎えるわけですけれども、予想される問題点といいますか月一回の導入のときに相当マスコミ等でも論議されて、今阪神大震災にマスコミが集中されていてという要素もあるだろうと思うのですが、今後への、あと一カ月足らずでございますから、その辺の論議が余り見えてきていませんけれども、どのような問題点があるのか、その辺が現段階でわかっておられれば、お示しください。
○井上政府委員 文部省といたしましては、この四月から実施されます月二回の学校週五日制につきまして、教育界のみならず、国民の皆様方の御理解をいただくために十分趣旨の徹底を現在図っているところでございますが、月二回の学校週五日制の実施に当たりましては、教育水準の維持、子供の学習負担など教育課程上の問題のほか、休業日となる土曜日におきます子供たちへの対応、過度の学習塾通いの問題など月一回の学校週五日制と同様の課題があると考えております。 そのため、各学校や教育委員会におきましては、月一回の実施の経緯を踏まえまして、学校教育の一層の充実のための取り組みが必要であり、また学校週五日制の趣旨につきまして、保護者や地域の人々の理解と協力を得るなどの努力が必要であると考えております。 文部省といたしましても、月二回の学校週五日制が円滑に実施されるように努めてまいりたいと考えております。
○池田(隆)分科員 現指導要領は、週六日制を前提にしてつくられたわけですね。途中でこういうような形で部分的に五日制が導入される、しかし今回も、月二回の導入に際しても、ここにも通知の写しがございまけれども、一つの通知だけで済まされようという感じなわけですね。つまり、基本的な学校のあり方、六日制から五日制に変わっていくという形での教育課程の指針となる指導要領を改正せずに導入しているわけです。 指導要領では年間総授業時数の標準時数は一応三十五週というふうに押さえられていますね。他の休日等を含めまして年間二百四十日ですか、二百四十日強が登校日数だというふうに計算されていると思いますけれども、月一回の導入でそれが二百三十日台、そして月二回になるとさらに二百二十日台という感じになってくるのではないか。そうしますと、学校行事の三十五週との差でいきますと、標準時数でいけばおおよそ二百十日間ですね、これが三十五週での総時数、残り二十日間程度が学校行事等その他の行事という形になっていくわけです。 それで、各現場ではこの三十五週の総枠を確保しなければならぬ。そのために、授業を教科中心にしていく。学校行事を減らしていく。例えば学校行事ではいろいろな儀式的行事や学芸的な、または遠足的な、または修学旅行的なさまざまな行事があるわけです。または、学校によっては子供たちに文化に触れさせようという形で、観劇等も含めていろいろなさまざまな学校行事が行われている。しかし、こういうところを見直していってこれを削減していくという状況が一方ではあるわけです。 学校教育の本来の目的というのは、まず基本的に学校が楽しくなければならぬ、そういう意味合いで、特別活動が三十三年指導要領以降入ってきたというような形もあるわけですので、そういう形の中で今回導入に当たって指導要領を見直さないで実施するのはなぜなのか非常に学校現場では戸惑っていますので、その辺の根拠をお尋ねしたいと思う。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 月二回の学校週五日制は、本年四月から現行の学習指導要領のもとで実施を予定しているところでございます。これは、月二回の調査研究協力校六百四十二校におきます研究成果等を踏まえまして十分慎重に検討した結果、授業時数の運用や指導内容、指導方法の工夫を進めることによりまして、現行の学習指導要領のもとで実施が可能であると判断したものでございます。 文部省といたしましては、今後とも、この月二回の学校週五日制が円滑に実施されるように努めてまいりたいと考えているところでございます。 それからもう一点、先生からお話がございました、週五日制実施に当たりまして、学校行事、特別活動等が削減されているではないかというお話がございました。月一回の学校週五日制の実施通知では、授業時数の運用の工夫の例といたしまして、学校行事やゆとりの時間の活動の精選を示したところでございます。その趣旨は、学校の教育課程全体を見直す中で、教科の学習との関連や、家庭や地域社会との連携を考慮して、学校行事やゆとりの時間の活動のあり方を見直してほしいということでございます。 具体的には、学校の実情や児童生徒の実態に応じ、次のような見直しを図ることが考えられるところでございます。 第一に、学校行事のうち、準備や実施に過重な時間を充てているものについては見直しを図るという点。第二は、教科の学習活動の一環としてとらえた方が教育効果が高いと考えられるものにつきましては、その一部または全部を関連する教科の学習活動として位置づけるということ。第三に、地域の活動として実施した方が教育効果が高いと考えられるものにつきましては、地域との連携を図りつつ精選を図るということでございます。また、もとより、慣行として実施されております行事につきましては、その意義を改めて問い直す必要があると考えております。 学校行事を精選いたしますと、子供の楽しみが少なくなり、学校の個性や活力が失われるとの御指摘もいただきましたが、実施の経験の中で、学校行事等を一律に削減するのではなく、個々の学校行事等の教育的な効果を十分に検討して、必要なものを適切に行う方向に変わりつつあるのではないかと考えております。 このような学校の取り組みが一層進められるよう、文部省としても努力してまいりたいと考えております。
○池田(隆)分科員 学校現場ではその三十五週の総枠、これの扱いが非常に問題になっています。 この通知を見ても、「教育課程の基準に従い、授業時数の運用、指導内容・指導方法の全体にわたる工夫改善を一層進め、教育水準の維持に努めること。」となっていますね。それから、教科の部分にいきますと、「各教科の教材等の精選」という形になっています。決して教科時数の精選も含めてやれとは書いてないのですね。しかし、教科外になりますと、「学校行事や各教科等外の活動の精選、短縮授業の見直し」、こうなっているわけです。これを素直に読みますと、例えばこれを読んだ校長や教育委員会は、授業カット、いわゆる教科、小学校でいえば八教科、中学校でいえば九教科ありますけれども、この時数そのもののカットはだめなんですよ、他のものでやりくりしましょうという形が出てくるわけですね。 この実態を、例えば年間決められている総時数の枠の中で、それぞれこま落とし、今週は国語を減らそうじゃないかだとか今週は算数を減らそうじゃないかだとかということの創意工夫を仮にやったとしても、それが現行の中でいって、各学校に基本的な教育課程の編成権がそれぞれ、今の前段の学校給食の話もあっておりましたが、学校の判断だというところもあるわけですけれども、しかし、それを監督しているところが教育委員会だという形の中で、なかなかその届けを出しても差し戻させられるというような実態があり、そういう形の中で、校長は何とか教科の時数を確保してくれという形で来るわけですね。 そうすると、本来六日制の前提の中で指導要領は全体として要求していますね、指針として。その一万を欠いてもいい、しかし教科を大事にしなさいとなると、指導要領そのものの精神、このことが侵されているのではないのか。文部省みずからがそのことを認めているんではないのか。 やはり総合的に、バランス的に、教科の削減も含めてやれということであればよくわかるのですね、全体がそうですから。それぞれ削減するならそれぞれ削減してください、削減しないで圧縮したりなんかするならそれぞれやってください、バランスの問題としてあるんだというふうに思っています。しかし、一万だけに教科中心、知識中心という形の中で、学力低下、または入試に困るじゃないかだとかというようなことの形が一方であって、現場ではそこの悩みがあるわけです。 学校が、いじめの問題だとかいろいろ言われている中で、登校拒否の問題が出てきたりなんだりして、学校が一面では楽しくないんじゃないかという形の中で、学校では本当に創意工夫してやっていこうという意思を持ちながら、やろう、たまたまその何時間か教科を削減しようとすれば、それはだめだと。では、これは一体どういうことなんだ、五日制の意義との矛盾もそこにあるのではないかというふうに考えますので、改めて聞きますけれども、文部省として、教育課程編成上、学校行事、特別活動が削減されて教科だけが尊重されるみたいな実態をどのように考えておられるのか。また、そういう実態があれば、どういうふうに指導を変えて、バランスよくやろうという形の指導に変えていかれないのかどうか、その辺も含めてお答え願いたい。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 学校週五日制も、現行の学習指導要領も、児童生徒の望ましい人間形成を目指すものでございます。学校におきましては、家庭や地域社会の教育も視野に入れながら、教育活動全体を通じて児童生徒がみずから学ぶ意欲や、これからの社会の変化に主体的に対応できる資質や能力を確実に身につけるようにすることが重要でございます。 月二回の学校週五日制の実施に当たりましては、このような観点から、学校行事や各教科等外の活動の精選のみならず、各教科の教材等の精選、短縮授業の見直し、適切な週時程の設定、個に応じた指導など、指導方法の工夫等を総合的に行う必要があると考えているところでございます。 そういう意味で、先ほど先生から、教科中心の教育課程の編成というお話がございましたが、私どもとしては、全体として総合的な工夫を行った学校週五日制の月二回の実施ということについて、お取り組みを現在指導しているところでございます。 文部省といたしましては、今後とも、各学校において、学校週五日制の趣旨を踏まえた教育課程の編成、実施が行われるように指導してまいりたいと考えております。
○池田(隆)分科員 基本的には、通知にある文章の枠を出ていない答弁なんですけれども、要は、各学校でも悩みがあるわけですね。父母の方から、特に中学校あたりでは、受験の問題等があります。その中でも、悩みながら、学校現場で教育課程を編成をした、それがたまたま教科のどこかの部分が削られていた、さっき言った、僕たち現場の時代には、こま落としという表現をよく使っておったのですけれども、月で変えていくものですね、こういうような形にしてやったときに、これじゃだめだということで、例えば教育委員会から認められない、学校現場で論議しているのはまだいいのですけれども。 また、教育委員会は、そういう内々な指導を、こういう形では認められないみたいな形、教育課程の届け出のときに受理されないみたいな形となってきては、これは本来の趣旨からいって極めて不幸なことですね。五日制を導入するに当たって学校現場が混乱する。ましてやその基本になる教育課程の編成が、六日制を前提にした学習指導要領が一方にあって、その中で現場では苦労しているわけですね。一つの通知しかない、どうしても教科中心的にならざるを得ないという形の中でどういうふうにするか、悩みが本当に尽きないわけです。 そこで、現場で編成されたものが、いろいろな創意工夫されたものが教育委員会に仮に上がっていったときに、当然そのことが学校全体の意見としてそういうふうになっているならば、そういうことで認めなさいという裁量権なるものを教育委員会に持たせるような指導ができるのかできないのか。僕はしてほしいと思うのですね。決して現場というのは、一方的にどこかの教科を削ればいい、そういう形に——親がいますから、その前後の悩みの中でいろいろやっているわけです。それこそ学習指導要領の総枠そのものの精神が基準だというところが、五日制を導入するに当たって編成し直していく上において部分的に変わってきているわけですね。それも、基準に合うとか合わないとかという話ではなくて、おおよそ全体を認めていこうという形で今やっているわけです。ですから、指導要領も見直す必要がないというふうな前提に立って今やっているわけですね。 ですから、そういう意味において、大いに幅のあるものとして、それこそ本当に教育現場が生き生きと編成できるような形のバックアップが文部省としてできないのかどうなのか、その辺、再度お尋ねしておきます。
○井上政府委員 学校週五日制の実施に当たりましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、調査研究協力校六百四十二校でさまざまな教育課程編成上の工夫をしていただきました。事前にそういう取り組みをしてきていただきまして、学校週五日制を月二回実施しても現行の学習指導要領下で円滑に実施できるという実践研究の成果があるわけでございますので、既にそれらの調査研究協力校の実践の成果というものを全国の各学校にも十分お示しし、そういうものを参考にして、その学校、地域の実情を踏まえた教育課程の編成ができるように、私どもとしても十分その趣旨を徹底するように努力していきたいと思っております。
○池田(隆)分科員 では、しつこいようですけれども、仮に教科の部分が力なり週なり部分的に減っていった、総枠の三十五週掛けるその当該部分から若干減ったという形になったとしても、それはいいという理解でいいですか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 先生御案内のとおり、現行の学習指導要領におきまして、例えば標準時数等については学校教育法の施行規則に定められているわけでございまして、そういう標準時数を十分念頭に置きながら調査研究協力校におきましても教育課程の編成をしているわけでございます。 例えば、二週間の週時程を構成したりあるいは四週間単位の週時程を構成したりというようないろいろの創意工夫をしながら、そういう中で円滑に月二回の学校週五日制が実施できるという研究成果もいただいているところでございますので、そういう点もあわせて、週単位のみならず、そのように二週間あるいは四週間というある程度のサイクルを考えながら教育課程を編成すれば、現行の学習指導要領を十分円滑に実施できるものというように考えているところでございます。
○池田(隆)分科員 ちょっとわからないのですね。 要するに、三十五週、例えば四時間の授業をやったとして年間百四十時間ですか、それが例えば百二十時間になった。二十時間減った。これは総枠から減っているからだめだという指導になるのか、それ自体を認めるのかその辺のことなんですよ。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 標準授業時数は、標準ではありますが、学習指導要領に示した内容を指導するに要する時数などを考慮して定めているものでございまして、通常はこのとおり実施することが期待されているものでございますけれども、先ほど申し上げましたような、全体として学習指導要領に示した内容が指導されているというような時数を確保すれば、その範囲で弾力的な運用も可能であるというように考えております。
○池田(隆)分科員 わかりました。 弾力的運用ということ、標準ですから。どうしても学校現場は標準を下回ってはいけないみたいな理解をしているのですね。若干下回ったとしても、基本的にいえば標準で、上下あるわけですけれども、それを下回ってはいかぬというところではなくて、弾力的にやってよろしいという理解でよろしいですね。 それで、現場では、こういう五日制をやる上に、総時数だとかそういうものを、教科の時数を含めまして基準というものが、指導要領が見直されなければならぬという声が片方にはあるわけです。ですから、やっと月二回に入っていくわけですけれども、将来的な五日制への展望という形では、近い将来完全五日制になっていくのではないか、その道筋の一過程だと思うのですけれども、指導要領の改正そのものをどのようにとらえていますか。それと、完全五日制への見通しを含めてお答え願えればと思います。
○与謝野国務大臣 学校週五日制の実施については、月二回までということについてはただいままで議論されてきたとおりでございますが、月二回を超える学校週五日制を実施する際には、学習指導要領の改訂が必要であると考えております。 したがいまして、月二回を超える学校週五日制を実施する際には、月二回の学校週五日制の定着状況や将来の我が国の学校の教育内容等についての基本的な検討を行うとともに、国民世論の動向を含め、総合的な検討を行う必要がございます。
○池田(隆)分科員 文部省の五日制に対する基本的なスタンスとしては、どうも何か社会一般的にそういう五日制のムードになってきているので仕方なくやっているというようなイメージしかないのですよ。どうも積極的にやろうという形が見えてこない。それは、現行指導要領でいきますよというような形の通知だけが一本あって、やっと五日制、全体を含めて教育課程見直しの作業で、中教審も開始しようとしているというような報道もこの間されていますので、やっと重い腰を上げたかなという認識なんです。 これからの時代を担っていく子供たちの教育ですから、そういう意味では、第三の教育改革と言われている学校五日制、本当に本腰を入れて論議をして完全五日制に向けていかなければだめだと思うのですね。 そこで大臣、大変恐縮ですけれども、五日制に対する決意をもう一度お聞きしたいと思います。
○与謝野国務大臣 大きな流れとしては、週五日制の完全実施ということは、遠からず実現されるのだろうと思っております。 しかし、そのためには、現在のように現行の学習指導要領で工夫をして、それができるかと言えば、それはできないと思っております。これは先ほど答弁したとおりでございます。 しかしながら、単純に学習指導要領を改訂し、あるいはその他のものを改定すれば済むという問題ではありませんで、やはり完全五日制に移行する際には、学校、家庭、地域社会の役割等も十分に論議し、五日制の意義が十分生かされるような方向で準備をし、そして導入をする、そういう手順を踏まなければならないと思っております。
○池田(隆)分科員 ありがとうございます。 それでは最後に、教育費の父母負担軽減の問題で一点だけお聞きしたいと思うのです。 学校外教育にかかわる父母負担が大変多いという形で、例えば連合の生活アンケート調査でいえば、毎月平均で、小学生で約二万円程度、公立中学生で二万六千円程度、高校生にいきますと、公立て三万二千円、私立て五万二千円、大学にいきますと、ますますふえて十万円台に入っていく。こういうことがここにあります。 今、少子社会をこれから迎える、本当に子育てをしていこうという気持ちになっていきづらい状況というものもこういう教育費の問題にもあるんではないかと思うのですね。ですから、これはいろいろな要素、学習塾の問題だとかいろいろな要素もかかわるわけですけれども、基本的に教育費の父母負担軽減について、文部省としてどのように考えているのか状況をお知らせしていただきたいと思います。
○雨宮政府委員 先生御指摘のように、教育費の負担軽減というのは大変重要な課題でございます。私ども文部省で実施しております教育費の調査におきましても、学校種別あるいは公私立別で若干の開きがございますけれども、全般として毎年数%ずつ上昇しておるという実態がございますし、また家計全体に占める教育費の割合というのも、これは総務庁の調査でございますけれども、漸増しておるという実態がございます。 こういうような実態に対処しまして、文部省といたしましては、一つには教育の機会均等の実現を図るという見地からの問題、それからもう一つは、今先生も御指摘になられましたけれども、いわゆる昨今論議されております少子化対策というような観点からも重要な課題であるというように思っておるわけでございますが、私どもといたしましては、さまざまな予算措置、育英奨学にいたしましても、あるいは私学助成にいたしましても、幼稚園の就園奨励にいたしましても、さまざまな予算措置を通じ、また扶養控除というような税制面での措置、これらを通じまして、全体として教育費の負担軽減ということに取り組んでいくということになろうかと思うわけでございます。
○池田(隆)分科員 時間ですので終わりたいと思いますけれども、本当に少子社会、子供を産み育てやすい環境という形をつくるというのが大事だと思っています。そういう意味では、文部省としても、子供を直接扱うところの所管でございますので、そういう状況をつくる意味でも教育費の父母負担軽減に努力をされたいということを要望も申し上げまして、終わります。
○今村主査代理 これにて池田隆一君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○三野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 文部省所管について質疑を続行いたします。松田岩夫君。
○松田分科員 きょうはボランティア教育の問題とコンピューター教育の問題について質疑をさせていただきたく思います。阪神大震災にはつらい反省が多いわけでありますが、その中で明るい話題といえばボランティアの人たちの大活躍であろうと思います。そこで最初に、ボランティアの問題について考えてみたい、御意見を伺いたいと思うんです。 震災の前ですが、昨年の十二月に国民生活審議会総合部会で、「個人の自立と社会参加」という報告書が出されて、これからの日本の社会の変革のためにはボランティア活動を育てる必要性が高い、それを強調しておられる報告書が出ておったわけですが、まさにこれから本格的な高齢社会の到来ということになればその必要性は一層高まってくると思うわけであります。 私思いますに、ボランティア、今回この震災を契機に非常に国民の大きな関心、そしてまたある意味で共感を呼んだわけでありますが、これを奇貨としてと言うと言い過ぎかもしれませんが、将来日本にとってとても大事なこのボランティアというものをいかにうまくこの機会をとらえて育て、そして二十一世紀に備えていくか、そんなことが非常に大事だと思います。 政府の方でも各省連絡会議を設けられて、今御検討を始められた、こういうことですが、私、ボランティアに対する支援を積極的にしていきたい、しかしボランティアはやっぱりあくまでもボランティアだという従来の政策の発想の連続線上ではなかなか難しい面もあるのかな。まさにボランティアらしさを残しながら、しかしまた、我々として、政府として、あるいは公的サイドから支援すべきものは支援しなきゃならぬ、そして大いに育てていかなきゃならぬ。そういう意味で、そういう観点から今政府の方でもいろいろ御検討なさっておると思いますが、特に二つの視点といいますか、二つの点が非常に大事じゃないかなと私は思うんですね。 一つは、個々のボランティアの方ということもありますが、ボランティア活動も本格化いたしてまいりますと、いろいろなボランティア団体、日本全国にたくさんあるわけでありますけれども、先進国の例を見ておりますと、例えばアメリカなどではボランティア団体に対する、やはり経済活動もいたしますから、いろいろ取引の主体として法人格の問題が出てまいります。ですから私は、この一つの課題というのは、この法人格を余り政府が関与しない形でいかに与えるか、こういう視点で法人格を安易にというといけませんが、それなりに簡単にいただける仕組みをどううまくっくり上げるか。 今そういう団体は公益法人ということで民法ということになりますが、今の民法の手続でやられるのでは自主性というものが損なわれるおそれが非常にあると思うし、設立そのものが難しいということ、目的を達成していただきながら、かつそれなりの公益性というものも加味したような形で法人格をいかに円滑に与えていくのかという点が一つのポイントだと思うんですね。 それからもう一つは、逆に補助だなんだというのはむしろなじまないので、あくまでも自主的な活動で、かかる経費をいかにうまく税制上カバーしていってあげるか。この二つがそれなりにうまく制度ができますと、日本でもボランティア活動というのは非常にうまくいくのではないかな、また、いく契機を今度の大震災で実は私は非常に感じたわけです。 そういう意味で、今御検討中だと思いますが、大臣、最初に、これから二十一世紀に備えて本当にこのボランティアというものを育てていく、文教行政という意味じゃありません、日本の社会一般にとても大事なことだと思うので、ぜひひとつ政府としても真剣に取り組んでいただきたい、こう思うので、最初にボランティアに対してどんな基本的なお考えをお持ちか、ちょっと伺っておきます。
○与謝野国務大臣 先生からお話がございましたように、今回の兵庫県南部地震の被災地においては、多くの市民や学生がボランティアとして活躍しており、その活動が現地において非常に高く評価されているものと承知をしております。ボランティアの積極的な活動に対して心から敬意を表したいと存じます。 人々が自主的にボランティア活動に取り組むことは、生きがいや充実感を持って生きていく上で有意義でございます。特に日ごろの学習成果等を生かした活動は、生涯学習社会の形成を進める上でも重要であると考えております。 なお、青少年が自主的に被災者救済、募金活動や救援物資の提供等を行うことは、その体験を通じて社会奉仕の精神を涵養し、公共の福祉と社会の発展に尽くす態度を培う上で極めて意義深いものでもございます。文部省としては、学校週五日制の月二回実施等を踏まえ、生涯学習振興の観点から、ボランティア活動の支援、推進を図ってまいる所存でございます。 その際、やはり先生から御指摘がありました、どうやって法人格を付与するかあるいは税制上のインセンティブをどう用意するか、そういうことも検討しなければならない課題であると思っております。
○松田分科員 わかりました。ぜひ検討を進めていただきたく思いますが、今度のボランティアでまた心引いたことは、非常に学生が多かったということですね。恐らく総数、これはわからないのでしょうけれども、一万人をはるかに超えたんじゃないかと言われております。学生諸君がよくぞこの今の時期ですね、避難生活も長引いております、そういう意味で、私は学生諸君が安心してといいますか、勇んでボランティア活動をやっていただく、そのバックアップを今回文部省も適切にしていただいておるなということを感じております。 ここに今、事務連絡ということで文部省の方から出されました通達をこの問いただいたので読ませていただいたんですが、まさに学生が安心してボランティア活動に参加できるように、例えば修学上の配慮、補講であるとか追試の実施だとかあるいはレポートの活用による学修の評価といったようなことを積極的に取り込みなさいとか、あるいはまた授業の一環としてのボランティア活動の位置づけということで、このボランティア活動そのものを学部によっては学科によっては単位として認めてあげなさいというようなことを適切に御指導いただいておられるのを見まして、こういったことがいかにこの震災で社会貢献する学生にとって大きな力強い支援になったことかと思います。 ただ、まだ避難生活も続いておりますし、これからさらに長期化することが予想されるわけであります。これまでは一応授業とボランティア活動の両立ということで今のような御指導もいただく中でそれなりに学生諸君も頑張っておってくれるわけでありますが、さらにこれが長期化するということになりますと、どんなことになるのかなと、実はその先を心配いたすわけであります。文部省としては、どんなふうにさらにこの先お考えでございましょうか。
○吉田(茂)政府委員 先生御指摘のように、阪神・淡路大震災による被災者救援については、多くの学生がボランティアとして参加をしております。そうした学生が安心して参加することができるようにということで、御指摘のような文書によりまして各国公立大学に協力を要請したところでございます。 今後のことでございますが、ここにも書いておりますように、ボランティア活動に参加すれば、もうすべてあとはどうでもいいんだということではなくて、例えば、補講をやっていただくとか、あるいは追試験をやっていただくとか、あるいはボランティア活動の後のいろいろな、教員や仲間の学生との話し合い、こういった、教育としての位置づけが大事であろうかというふうに思うわけでございます。 ただ、現在、学生が多くは期末試験を終えまして春休みに入っておるというような状況で、比較的活動しやすい状況でございますが、そういった、今申し上げたようなけじめはやはりきちんとつけなければならないし、今後、新学期どうするかという問題もございますので、このあたりは、学生の二月から三月にかけての活動状況その他、あるいは大学側の意見も聞きまして、どう対応するか早急に検討してまいりたい、こう思っております。
○松田分科員 休みに入っている学生諸君の場合はいいですけれども、これから長引くといたしますと、心配をいたす面も出てくるわけです。そういう意味で、引き続き、文部省の方で適切にひとつ、もちろんそれは各大学の自主性が根っこですけれども、適切に御指導を続けていただきたいとお願いしておきます。 さて、今度のこの大震災の教訓を学校関係者にも役立ててもらおうということで、これは新聞で知ったんですが、兵庫県教育委員会が、地震の知識と命の大切さに重点を置いた教師用の防災教育マニュアルを作成し、一九九六年度から県内授業のカリキュラムに導入する方向で具体的な検討を始めた。その内容は、実践論から道徳的な内容まで盛り込まれておられる。ちょっと長いんですけれども、非常にすばらしいことだと思うので、ちょっと、読まさせてもらいます。新聞の記事です、これは。 マニュアルは、県内の学校、児童生徒の被害実態を完全に把握した上で、北海道南西沖地震の専門家の研究成果や地震多発地帯の自治体などから地震に対する知恵と備えを収集。外部の専門家や有識者らでつくる編集委員会を来年度初めに設置して作成する。地震の発生メカニズムを科学的に解説するほか頭部保護用のずきんがわりにする座布団や飲料水確保のための水筒携帯を習慣づけるなど、避難訓練的なものも入れる。道徳的分野では、地震のショックで心に傷を受けた児童生徒のための精神的ケアを積極的に授業に織り込んでいく。また、地域とのつながりの大切さを認識させ、社会性を身につけさせるためのボランティア活動や、家族のあり方やきずなの大切さを見直すような内容も検討しているという。 すばらしいことを兵庫県教育委員会は考えられたものだなと思うのです。兵庫県だけに限らず、この経験を生かして、そして、まさに日本、地震地帯であります、どの地域と言わず、私のふるさとで言えば岐阜県も、もちろん地震地帯ですからそれなりの準備もいたしておりますけれども、ここまできめ細かい教育というものは行き届いていないように思うのでございます。そういう意味で、私は、文部省としても、これは兵庫県のことだと思われないで、ぜひ、全国の学校教育や社会教育を含めまして、幅広く活用する方向で真剣に受けとめて、お力添えをなさってはどうかなと思うのですが、いかがですか。
○小林(敬)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、児童生徒に災害の危険について理解をさせる、災害発生時の安全な行動を身につけさせる、いわゆる防災教育は極めて重要だと考えております。 今先生おっしゃられましたように、兵庫県教育委員会におきましては、このたびの震災の教訓を生かして、平成八年度から使用できるように防災教育の教師用指導書を作成するということを承知をいたしております。 文部省といたしましても、このような兵庫県の取り組みというものは大変貴重であり重要であると考えておりますので、兵庫県にはいろいろな形で協力をしてまいりたいと思っておりますし、また、でき上がりましたものは、私どももいただきまして、文部省レベルで行っております防災教育の研修会等にも使わせていただきたいと思います。 なお、この兵庫県の計画では、これから新年度になりまして早速準備に入りまして、来年の、震災からちょうど一年たった一月、ですから平成八年一月十七日に刊行をして、これをすべての県下の教職員に配付をしたいというふうなものでございまして、その中身は、ただいま先生おっしゃられましたように、震災をじかに受けたところでないとなかなかわからないような面、例えば、被災児童生徒の感想文でありますとか、学校現場における実践事例、心のケア等も入っておるわけでございます。それと学校と避難住民とのかかわり、それから教職員、生徒等の支援活動、それから今後の防災教育のあり方、こういうふうなことを盛り込む予定になっております。
○松田分科員 答弁、短くて結構ですから。 それから、これも新聞で知ったんですが、大阪YWCA専門学校は、今春、本格的なボランティア養成を目指す国際関係開発学科を新設する。恐らく、今度のボランティアの経験を通じて、いろいろな方の御意見を伺いますと、いろいろ試行錯誤もあります。文部省としても、私は、このボランティアのリーダー、特にリーダーを養成するような教育課程といいますかそういうものをこれからしっかり充実していく必要があるのではないかと思うのですね。したがって、こうした学科の新設というようなことについても、もちろんそれはそれぞれの自主性のもとにあるわけですけれども、文部省としても慫慂していかれることがいいのではないかと思います。 次の質問も、あわせてちょっと。 今、大学生の諸君がそういうことで大いに頑張っておってくれるわけですが、小学校、中学校、高等学校、この課程における、初等中等教育課程におけるボランティア教育というものも、私は、少しずつながらいろいろな形で、文部省の皆さんの努力で定着しつつあると思うのです。私も実は昨年、ちょうどそのとき与党でございましたが、与党の文部省の予算の責任者として、ボランティア教育というものが大事だということで、皆さんと一緒に、今も思い出しますけれども、予算は小さかったですけれども、しかし趣旨は非常にいいということで、いきいき体験活動モデル推進事業とかボランティア教育研究協議会指導資料の作成とか、中学校進路指導総合改善事業、これは実は平成六年度から新設をさせていただいたボランティア教育に関する新しい事業ということでございます。平成七年度予算においてもそれなりの御努力をいただいておると思いますが、その点も含めて簡単に、さらに一層充実をしていっていただきたいという趣旨でございますが……。
○泊政府委員 お答えいたします。 前段の大阪のYWCA専門学校の件につきましては、私どもも大阪府当局を通じましてそういう計画になっているということを承知いたしております。 この点につきましては、特に専修学校は、一条学校と比較しまして、いわゆる教育課程あるいは教員組織、施設設備等の設置基準が緩やかである。これは、社会のニーズといいますか、時代の進展に弾力的、柔軟に対応してほしいという、そういった意味の学校制度であろうと思います。基本的には各学校で御判断になることでございますが、こういう試みというものを、積極的になるように、私どもとしても期待を申し上げております。 それから、ボランティア関係の予算、どうなったかということでございます。いわゆる社会教育の面、学校教育の面、松田先生御案内のとおり、いろんな各般の施策を講じておりますが、新たに設けた予算その他を若干御紹介させていただきますと、例えば、先生お話にございました初等中等教育関係では、従来からのいろいろな体験学習等の事業をやっておりますが、新たにサイエンスボランティア登録名簿の作成及び提供という事業を実施を新規にいたすことといたしております。 それから、例えば、国立の青少年の施設を使いまして、青少年のボランティアの育成を図りたいということで、青少年ボランティア育成事業というものを新規に実施をするといったようなことも考えております。 それから、先ほど冒頭にございましたように、いわゆるボランティア活動をやる上には、ボランティア相互間の情報交換、あるいはネットワークの形成というのが今後の一つの課題になっているのだろうと思います。こういうことをにらみまして、来年度は特にボランティア活動の先進諸外国と言われるような海外の実態調査も行い、それに基づいて振興方策等の調査に当たりたいといったような点の経費、あるいはネットワークづくりのための全国生涯学習ボランティア活動推進会議といったようなことも新たにいたしております。
○松田分科員 ぜひ充実をしていただいてしっかりとやっていただきたいとお願いしておきます。 さて、残された時間がわずかになりましたが、もう一つのテーマのコンピューター教育についてちょっと御質問申し上げたいと思います。 まず一つは、平成元年三月に告示されました新学習指導要領で、中学校の技術・家庭科の新しい領域として情報基礎というのが設けられまして、コンピューターの基本的な操作能力の習得が選択履修できるようになりました。しかし私は、その後わずか数年といいますか、たって見まずに、情報化の進展というのはすごいものですね。今日では私もコンピューターの基本的な操作能力というものはある意味では必須のものだというふうに思うわけです。 したがいまして、ちょうど英語と同じようなものだ。英語も必須科目で教わったおかげで我々は非常に助かっているわけですが、中学ではこれをむしろ必修科目とすべきだと私は心からかたく信ずるわけです。そんなに時間はとらないと思うのですね。コンピューターの本当に基礎的な、基本的な操作能力の習得だけ、早い段階に全生徒にさせていただくということが非常に大事だというふうに思うのですが、いかがですか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生がおっしゃるように、今日我が国社会の情報化の進展は著しく、これに対し適切に対応していくことはこれからの学校教育の重要な課題でありまして、今後は将来の高度情報化社会に生きる児童生徒に必要な資質を養うとともに、情報手段の活用による学校教育の改善充実を図るという観点に立って情報化への対応を進めていく必要があると認識しております。 平成元年に改定されました現行学習指導要領におきましては、情報化への対応が大きな柱の一つと盛り込まれており、中学校学習指導要領におきましては、技術・家庭科の新しい選択領域として情報基礎を設けたところであります。 そして、この技術・家庭科の領域の一つである情報基礎は、コンピューターの操作等を通じてその役割と機能について理解させ、情報を適切に活用する基礎的な能力を養うことを目標にしているわけでございまして、その内容として、コンピューターの仕組みや基礎操作を知るとともに、簡単なプログラムの……(松田分科員「それはよくわかっています。必修科目にすることを検討するか」と呼ぶ)はい。そして、情報基礎は選択領域でありますが、近年、中学校へのコンピューター導入が急速に進んでいることは先生御存じのとおりでございますので、平成六年度におきましては、情報基礎を選択している学校は全体の九二%という状況になっております。 文部省としても、今後情報基礎の履修の一層の普及に努めますとともに、学校における情報教育のさらなる推進を図っていきたい、このように思います。
○松田分科員 簡単で結構ですから。 ですから、もうほとんど必修科目としていい状況になってきているので、考え方をそっちへ切りかえてほしいということです。どうですかその点。そのことを御検討いただきたい。
○三野主査 井上初等中等教育局長、要点だけお願いします。
○井上政府委員 現行の学習指導要領においては、もう先生先ほどからおっしゃっているとおりでございますので、さらに学校における情報基礎の教育の普及ということについて私どもとして推進していきたいと思います。
○松田分科員 もちろん普及に御指導いただくのはいいのですが、考え方として、必修科目というのですか、必須科目というのですか今のところは選択履修できるようになっているわけです、建前として。そうではないふうにしてくださいというところはよろしいのですね。御検討いただきたいと思います。
○井上政府委員 ただいまの御指摘の点については、今後の検討課題として十分研究させていただきたいと思います。
○松田分科員 その一言だけでよかったのですけれども、ありがとうございます。 それから、そういうことでコンピューターの整備も皆さんの努力で大変進んできておるわけですけれども、今度リース方式といいますか、それも入れて地方交付税で手当てしてということで、平成六年度から五カ年計画ですか、十一年度までの新整備計画というのをおつくりになっていただいたわけですが、平成十一年度までに例えば中学レベルでいえば各学校に一教室できて、その教室に入れば四十人学級だとすれば各生徒全員に行き渡りますということが平成十一年度なんですね。一教室だけということなんですね。 僕は、そんな程度ではいけないのではないか、願わくはいずれ生徒は最低一人一台みんなあるぐらいが日本の姿ではないかな、そんなふうにも思うものですから、まだ六年度から始まったばかりだということでございますけれども、この十一年度に今言ったような程度では足りないと思うものですから、すぐでなくても十一年度までそういうことだからなどと今思っておられないで、これからすぐその繰り上げ実施といったようなことについても御検討を始めていただきたい、御要望いたしておきます。 時間がありませんので、あとまとめて……。 それから、コンピューターは整備されたが、今度は教える人、教えていただく先生が足りない。これも従来から言われてきている。今どのくらいですかとお聞きしたら、平成五年三月の数字ですけれども、操作ができる人が全教員の三四%、指導できる教員は一四%、こういうわけですね。恐らくこれから新しく教員になっていかれるような方はかなり基本的な操作はできる方が多いと思うのですが、問題は恐らく現在の教員だろう。現在既に教員をなさっておられる方々でしょう。ということで、今度の予算で教職経験者研修の中で新しく充実をしていただきました。これは非常にいいことだと思います。 ですから、どんどん研修を広めていただいて、先生方が皆、操作はもちろんできる、指導できる先生もほとんどだという状態にならないと、これまた設備は入れたけれども教師がいないということになってしまうわけです。 そういう意味で、私、当面、これも今やっておられるわけですが、民間企業等の情報処理技術者を学校現場に派遣して活用されておられる情報処理技術者等委嘱事業、いわゆる出前講師制度といいますか、これを積極的に御活用いただいたらいいし、先生方がなれられてもさらに高度な活用を児童生徒に教えていただきたいという意味で、この出前講師制度というものをもっと積極的に御活用になるように御勧奨、お勧めいただいたらどうかなと思います。 ここまでのところで考え方が違っているところがありますか。そういう方向で大いにやっていこう、こういうことでございますか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 教員の研修については、先生おっしゃるように、コンピューター基礎研修を来年度から、十年または二十年経験者研修の一環として三日間の研修を実施するという予算を措置していることはおっしゃるとおりでございまして、今後そういう充実を図っていく方向で取り組んでいるところでございます。 また、情報処理技術者等の委嘱事業につきましては、先生もおっしゃったとおり、平成六年度から地方交付税により措置されているところでございまして、平成六年度の各都道府県における情報処理技術者の活用については、本事業が新しい試みであることから数県で実施されているにとどまっておりますが、平成七年度におきましては大半の都道府県で実施が予定されているというように承知をいたしております。 したがいまして、文部省としては、この事業が情報教育の推進に果たす役割が重要であるということを考慮いたしまして、各都道府県で十分活用されるように指導してまいりたいと思っております。
○松田分科員 済みません、急がせまして。 そこで私は、コンピューター教育というものについて、従来の、ただ教科をコンピューターを使うと理解させやすいとかそういうような意味合いだけで言うわけではなくて、むしろもっと積極的にコンピューターを活用して行われる教育によって、まさに我々がねらう新しい学力観で言うような創造力とか思考力とか表現力とかそういうものを高める、そういうことのためのツールとしてはすぐれたものであるという意味でも、このコンピューターによる教育というものは非常に大事だ、我々が新しい理想像と描く人間をつくり上げる上でも有効なツールだという認識に立って私、申し上げておるわけであります。 同時にまた、まさに今の学生諸君が社会に出た暁には、本当に高度の情報化社会が日に日に迫ってくるわけでございます。そういう意味で申し上げておるわけですが、まさにそういう意味の新しい学力観で言う人材を育てる上でというふうに思いますと、今のソフトウエア、教育用ソフトの開発というのはまだまだ不徹底だ、不十分だ。まさにソフト次第なんですね。ですから、そういう意味で、ソフトの充実というものを心からお願いいたしておくわけであります。 時間が来てしまいましたようですので、これで終えますけれども、きょうもう御発表になりましたか、この「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」ということで、政府全体として、私予算委員会の一般質疑で取り上げさせていただきましたが、文部省のカバーするエリアは非常に広うございます。この高度情報社会を日本に本当に進めていく上で文部省の役割はとても大きなものがあることは、もう大臣御案内のとおりでございます。そういう意味で、きょうはその中の、本当に教育の中のコンピューター教育という側面だけを取り上げて御質問させていただいたわけでございますが、最後に大臣に、これからこの高度情報通信社会推進に向けて文部省として全力を込めてやっていただく御決意だけお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
○与謝野国務大臣 これからのマルチメディア時代に教育としてどう対応していくかということでございますが、一つは、文部省所管の放送大学がございまして、いずれこれは衛星を活用して全国に展開していかなければならないわけです。それから、やはりソフトを使いました教育、いろいろな分野にわたりますけれども、こういう高度なソフトを開発するということは大変大事なことでございますし、こういうものの全国的なネットワークというものをどう構築していくかという問題にも直面をするわけでございます。 いずれにいたしましても、先生先ほどから御指摘をされておりますように、こういうものには、コンピューターの分野もありますし、通信の分野もありますし、また放送衛星の分野もございます。しかしながら、こういうものを自由自在に使うというためには、まず教師がそういうものに対する知識や技術を持っていなければならないという点は、まさに先生の御指摘のとおりだと私は思っております。
○松田分科員 ありがとうございました。
○三野主査 これにて松田岩夫君の質疑は終了いたしました。 次に、濱田健一君。
○濱田(健)分科員 質問に入る前に、阪神大震災から一月余りが過ぎてしまいましたが、この間、与謝野文部大臣を初め各局各課の皆さん方、そして各県の教育委員会、市教委の皆さん方には、被災地にいる子供たち、そして二万三千人という被災地から外に出ていった子供たちの笑顔を一日も早く取り戻すために、さまざまな御努力をいただいておりますことに敬意を表しておきたいと思います。ありがとうございます。 質問に入りたいと思うのですが、いじめの問題とか登校不登校の問題、さまざま教育現場が問題を抱えておりまして、先生たち何をしているのだというような声が全国各地でいろいろなところから出てきているさなかでございましたけれども、今回の大震災の対応について、やはり学校の先生たちが、子供たちをどう助けていくのかということで一番親身になって駆け回っていただいた。ある意味で本当に教師の信頼を取り戻すいいきっかけであったというふうにも思いますし、またそれだけの活動を校長先生初め現場の先生方がされているということを私も強く認識しておりますし、大臣及びその他の関係者の皆さん方もそのようにお感じだろうというふうに思うところで、ある意味では一つのいいきっかけだったなと思っているところでございます。 私の友人も、夜中に学校に出てきて、今から仕事に入るのだというようなことで電話をくれたりしておりますが、今度のこの震災で、学校という施設の持つ施設的な、また人的な機能というものがどのように生かされてきていると大臣としてはお思いですかということと、現在避難所として使われている学校で、もっとこういうところはこうあった方がいいのじゃないか、こういうところでこういう問題が生じているというところをおつかみでしたら、まずは教えていただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 今回図らずも実証されたように、学校施設というのは、大きな災害のときの避難場所という役割も担っていたということを我々実感したわけでございます。先生御指摘のように、一つの学校に五百人、千人という単位の住民の方々が避難をされますと、それ自体が一つの大変大きなコミュニティーを形成するわけでございまして、そういうコミュニティーのお世話を学校の先生が先頭に立ってされたということは、大変意義深いことであったと思っております。 学校施設は、本来はやはり教育の施設でございますので、第一義的には教育にふさわしい施設としてのいろいろな機能を持っていることが必要でございますが、今回の震災の例に照らして、やはり副次的には避難場所として使われることがあるということも、今後の問題として、いろいろな検討の際に考慮に入れていかなければならないと思っております。
○濱田(健)分科員 災害対策特別委員会や文教委員会の中でも数多く触れられたと思うのですが、今寒い時期ですので、学校に暖房の施設があったらな、もしこの災害が暑いときに起きたら、冷房施設があったらな、いろいろな思いが出てくると思うのですね。今の学校をつくっていく建設の基準というものは、何を基準にしてつくっておられるのか。
○木村(直)政府委員 現在の学校施設は、主に建築基準法に基づいて耐震設計等を実施しているわけです。そのほかに、文部省としましては学校施設整備指針というのをつくりまして、それに基づいて、構造上とか、そのほか安全性とか、今先生のおっしゃいました暖房のようなことも一応その指針の中で書いているわけです。 安全性の問題については、これまで整備指針の中では今回のような大規模な地震の想定まではしていなかったので、今回の地震の被災状況を踏まえて、これから、より防災機能の向上に向けたいろいろな検討をして、その過程で、必要があれば整備指針の見直しへの反映、そういうことも考えていかなければいかぬなということを考えております。
○濱田(健)分科員 明治二十八年に「学校建築図説明及設計大要」というものが出されて、これから学校の施設関係についてこのようにつくっていくのが適当ではないのかというスタートだったというふうに私思っているわけですが、その後この「大要」というものが、今説明がありましたとおりに、そのときそのときの災害とかいろいろな状況の中でどのくらい変えられてきているのかこれがもとになっていると思うのですが、その辺がもとになっているのかどうかということと、どれくらい変わってきているのかというのがありましたら。
○木村(直)政府委員 申しわけないのですけれども、その辺の経過というのは私も余りよくは知らないのですが、一つは学校施設として、当時、明治時代につくったときには、木造の建物として、そして、いかに健康面だとか学習するための教室として使いやすいようにするかということが恐らく書かれていたのだろうと思います。 その後学校施設というのは大きく変わらないでずっと来まして、戦後新しい学校制度になった時代に木造の校舎が鉄筋に建てかえられた。その時点では、木造から鉄筋に変わったというだけでそう大きくは変わってないわけですけれども、防災面という考え方からしますと、たしか十勝沖地震とあと宮城沖地震というのがあったわけですけれども、その時点で学校の建物も随分被害を受けたわけですね。そのころから学校施設に対する安全性、耐震性の問題も随分検討されるようになって、その当時の学校設計指針というのがあったのですけれども、それを改善していったという経過があるように聞いております。
○濱田(健)分科員 先ほど大臣の方から、学校という施設は一義的に教育としての場だ、それに適したように学校というのはつくられていくのが適当だというふうに話がありました。もちろんそのとおりでございます。 ただし、こういう災害が全国各地でいろいろな形で起こり得る状況が、何といいますか、私、議員になって一年半なのですが、鹿児島であの大洪水、その後の各地での大きな地震、そして今度の大震災、各地で起こり得るという状況の中では、やはり学校という地域のナショナルセンターがこういう場合の避難所にこれから先もなるだろう。もっと自治体が避難所としての設備の整った部分を金をかけてつくれればいいのですが、なかなかそれができない状況の中で、学校というものがこれから先も同じような機能を果たしていくということは多分続くだろうと思うのですね。そういうときに、先ほどちょっとお話ししましたけれども、これは文部省だけのことではなくて、各自治体と連携をしながらということがあくまでも必要だろうと思うのです。 先生たちに一番言われるのは、官公庁の中で空調設備が一番おくれているのが学校である。これはネクタイをしない人間が生活するところだから空調設備は後からでいいということではないと思うのですが、昨年、平成六年の予算で学校の特別教室管理等々を含めて補助金がつくようになりました。これは一つのスタートだというふうに思っているわけですが、これらを含めて、やはりもっと学校の設備というものを一般の公共の施設並みに高めていく必要が、この災害等に備えても必要でないのかということを一つ感じます。 そして、プールとか地下タンク等の水の問題に対しての備え、水やガスが通らないときの調理室の電磁調理器の問題、今度の災害では電気がやはり空間にあるということで一番早く復旧いたしました。ガスとか水道は地下にあるということでなかなか復旧が難しい。この辺の問題もあると思うのですが、そのような問題。 それと、トイレがなかなか使えなくて、いつでしたか、きのうかおととい大阪の先生と話をしたのですが、やはり私たちがこの国会の場では感じ得ない生活上の、何といいますか異臭が漂ったりして問題があるというふうに言われまして、トイレの問題。それと、学校の体育館に近ごろ大分シャワーなんかもつくようになったわけですが、これらの設備等々、もっともっと、日常的にも使うしこういう災害の場合も使うということも含めての改善方法等をぜひ自治省等との関連の中で対応していただきたいというふうに思うのですが、その辺はどういうお考えでしょうか。
○遠山政府委員 お答え申し上げます。 公立学校の施設のいろいろな設備につきましては、当該学校の設置者が地域の気候条件などを勘案しまして最終的に判断することになるわけでございます。文部省としましては、公立学校の施設に対して補助をする立場にあるわけでございますが、地域の条件等を考えて、必要な暖房施設でございますとかあるいは空調の施設に対して補助を行ってきているところでございます。 その際、先生言われるように、学校の役割というのが、従来のただ子供たちがそこで勉強するという施設から、子供たちだけではなくて子供たちがいないときには地域の一般住民がそこでスポーツ活動をやったりあるいはいろいろなコミュニティーの活動をやる、そういうぐあいに学校の施設の性格が変わってきておりますので、それに応じて文部省の方の補助も、先ほど先生が言われたように体育館に暖房の装置を設けるとか、あるいは特別教室に空調の設備を設けるとか、あるいは図書館に空調の設備を設けるというようなことに対しても補助を行ってきているわけでございます。 ですから、学校をある程度地域住民一般が利用するに際していろいろな設備を補助するということは今後さらに拡大することは考えられるわけですが、災害という万一に備えて学校を緊急避難の場所としてどういう機能を持たせるのかということは、それは学校だけではちょっと考えにくい問題でございまして、国と地域がその学校をどういうぐあいに災害の際に位置づけるかということによってその必要な施設設備が決まってくるのではないかと思いますので、それが検討されてからの問題になろうかと思います。
○濱田(健)分科員 都会で一定の公の避難所というのが決まっているところはいいのですが、地方に行けば行くほど初めから学校が避難所と決まっているところが多いのですよ。何かあったときにはまず学校の体育館にこの地域の皆さんは集まりなさいというところが多いわけです。 ですから、私が言いたいのは、そのような部分を含めて、やはり文部省、自治省を含めて、こういう災害がどこでも起こり得る、そのときに学校にどのような設備があったらいいのか、施設があったらいいのかということは絶えず話をしておいて、今度の災害で学んだ教訓というものを予算の上でも施設設備の上でも生かしていくように御努力いただきたい。これはすぐに簡単にできることではないと思うのですが、そのようなことを先進的にやっている東京の小学校、中学校というのはありますね。それらのモデルというものをいろいろな教宣的な形でも結構ですからぜひ全国各地に知らせていただきたいということも含めてお願いをしているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 質問の観点を少し変えたいと思います。 いじめの問題が昨年の十二月以降再びクローズアップされてまいりまして、文部省としてもさまざまな手を打たれようとしております。平成七年度予算の中に、生徒指導の充実強化の意味で、スクールカウンセラー活用調査研究委託事業という長ったらしい名前ですが三億七百万円計上しておられます。私は、これは当然今の状況に対応して文部省がお考えになるといいますか考えつかれる一つの対応であるというふうには理解をしたいわけです。 翻って、学校の現場というものを見たときに、登校不登校が大きくクローズアップされたときに、特別の要員を配置していただくような予算というものをつけていただきました。その方は自分の職務について一生懸命されるのは当然のことでありますが、問題の生じている直接の部署、学校なら学校、学校と家庭との関係、学校と地域の関係、地域と家庭との関係、これらがうまく機能して、うまく働いていきながらこれらの問題を解決していかなければならないのだけれども、特別要員として配置された人だけにおんぶされていく傾向が非常に強いのです。担任と子供の関係というものがほっておかれておりまして、特に若い先生たちは、その特別に配置された方にお願いをすればいいというような関係で終わっている状況が数多く聞かれできます。 ですから、今回百四十一校という、全国平均すると一県に三校ぐらいですか、これらにカウンセラーが配置をされるということでございます。子供と直接学校にいる先生方、そしてお父さんお母さん方の関係をノーマルなものにしていく、信頼関係を取り戻し、いじめの問題を解決をしていく、そして、さまざまないじめの要因というものをアドバイスされる立場、原因を見つけて、こういうところが原因ではないか、こういうふうにしていったらいいのではないかということを提言される立場としてやはり配置されると私は思うのですが、このカウンセラーの皆さんと先生や子供たちの関係というものをいいものにしていただかなければ、三億七百万というお金がむだになるのではないかというふうに思うものですから、位置づけとしてどのように活用していこうとされるのか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 いじめの問題につきましては、先生がおっしゃいますように、社会、家庭または学校がそれぞれの役割を果たして、一体となった取り組みを行うことが重要であるというふうに考えているわけでございます。そういういじめの問題の解決に当たって、また一方、先生がおっしゃるように、児童生徒の心の悩みに答える適切な相談活動を行うことが重要であるという点もお話のとおりでございます。 このため、来年度予算案におきまして、学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図るという観点から、高度に専門的な知識経験を有しますスクールカウンセラーの活用、効果等に関する実践的な調査研究を各学校で行うスクールカウンセラー活用調査研究委託事業の経費を計上して、いじめ問題の解決に資することとしているところでございます。 このスクールカウンセラーは、日本臨床心理士資格認定協会の認定にかかわる臨床心理士など、児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的知識経験を有する者を配置するというように考えているわけでございまして、具体的な職務としては、児童生徒へのカウンセリング、教職員及び保護者に対する助言、援助、児童生徒のカウンセリング等に関する情報収集、提供、その他児童生徒のカウンセリング等に関し、各学校において適当と認められる者というように、そのスクールカウンセラー等の役割に私どもも大いに期待しているわけでございます。 そこで、スクールカウンセラーの実際の配置は、先ほど先生がおっしゃるように、予算上の措置としては、各県小中高等学校三校ということで、全体で百四十一校現在予定しているところでございまして、具体的にスクールカウンセラーを配置するに当たりましては、各県における学校の実情等を踏まえて、適切な配置ということを私どもとしては指導していきたい、このように考えておるところでございます。
○濱田(健)分科員 筑波大学を出られて、お医者になられ、そして奥さんと二人の子供さんを殺して海に捨てたあのお医者さん、あの人の育ちょっと、いじめをする子供たち、いじめに遭う子供たち、これらの病巣といいますかこういう人間が育ってきている教育のあり方というのは、根は同じだと私は思うのです。一つには、いわゆる勉強をすることによって偉くなっていくということにどんどん輪切りの中でしむけられていく人間、逆に勉強が、「お」をつけたいと思うのですが、お勉強ができないということで切り捨てられていく人たち、スタートは同じだと思うのですね。 教育というものの一番大事なところは、弱い部分を、弱いものをどういうふうに高めていくのかというのがやはり一番大事だと私は思うものですから、学校の中でどれだけ子供たちの思いをしっかりつかんだ教育ができるのか。これは文部省の皆さん方も同じお考えだと思うのですけれども、それができるのかそういう環境づくりというものをこれから先も十分対応していただきたいというふうに思います。 大臣に一言だけ、現場の先生方に、このいじめの問題でこうあっていただきたいというお気持ちがありましたらお願いいたします。
○与謝野国務大臣 やはり、こういういじめが発生するというのは——まあ我々子供のころもいじめっ子、いじめられっ子というのはありました。そういう中で子供は、人間関係についていろいろなことを考え、体験し、たくましく成長していくのだろうと思っておりましたが、昨今のいじめの陰惨さ、陰湿さというのは、従来のものとやはり変わってきたのではないかと思っております。 そういう際に、基本的には、両親、保護者の幼児のころからの教育というものもやはり大変大きな影響もありますし、また学校の先生、現場の先生についてはぜひ、担任あるいは主任、教頭、校長先生あるいは養護教諭もおられるわけでございまして、子供たちの話をよく聞いて、それぞれのケースで誠意ある対応をしていただきたい。何といっても、やはり子供が相談すべきはまず第一に学校の先生ではないか。そういう相談があったときには親身に問題解決に向かって相談に乗っていただきたい。そういうことを現場の教師の先生方にはぜひお願いをしたいと思っております。
○濱田(健)分科員 ありがとうございました。 午前中の質問の中で、北海道の池田議員が学校五日制の件について、授業の問題等にも触れて質問したと思うのですが、今大臣がお話ししてくださいましたとおりに、先生方がしっかりと子供たちの気持ちを受けとめていけるようなゆとりといいますか、指導要領もございますけれども、それらを十分検討していかなくてはならないということを要望しておきたいと思います。 最後に、予算の関係で、現場的な問題について一つお願いをしたいのですが、文部省は国の予算というものを少しでもふやしていくんだということで努力をしていただいております。それで、未来に向けての先行投資だという意味も含めて頑張っていただいているのですが、なかなか地方の自治体の教育予算というのは、ほとんどの自治体が前年度予算マイナス一〇%というような言葉で減らされてきつつあるのです。 昭和三十五年に、文部省の初等中等局財務課第四百七十一号「教育費に対する住民の税外負担の解消について」という通達が出されております。そして、昭和四十九年六月二十四日に、同じところから「地方交付税法における教育費関係の単位費用の改正について」、この二つの父母負担について、学校の中で十分解消に努めるように努力すべきであるという趣旨でこの通達が出されているようです。 先ほど申し上げましたとおりに、なかなか学校の教育予算というのがふえていかない状況の中で、バザーで学校のいろいろな施設設備の道具を買うとか寄附金がさまざま要求されるとか、そういうものが出てきている嫌いが私の県ではよく報告をされております。バザーをやるときに、どういう意味でこのバザーをやるのかと言うと、そういうことは聞かなくていいんだ、とにかく学校にいろいろなものがなくて、それを買うためにやるんだからつべこべ言わずに皆で協力しろというようなことをおっしゃるPTA会長さんとか事業部長さんとかいらっしゃるというようなのが入ってきております。 これらのことについて、この通達の趣旨は現在も生きているのかどうかそして、どのように現在この趣旨にのっとって指導していらっしゃるのかをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○遠山政府委員 お答え申し上げます。 昭和三十五年に地方財政法が改正されまして、PTA寄附と住民の税外負担の軽減を図る趣旨から、市町村につきまして、直接であると間接であるとを問わず、市町村立学校の職員の給与費、それから建物の維持修繕費、これについてはその負担を住民に転嫁してはならない、こういうぐあいに法律が改正されたわけでございます。 御指摘の昭和三十五年の通知は、このような地方財政法等の改正の趣旨を周知するとともに、給与費、それから建物の維持修繕費以外の経費につきましても、先生おっしゃるような教材費とか、そういうものにつきましても、住民の税外負担の解消について努力してくださいという旨の指導を行ったわけでございます。 それから、昭和四十九年の通知でございますが、これは、昭和三十五年の通知の趣旨を踏まえまして、さらに学校経費に係る税外負担の解消に努めるとともに、PTA経費等に学校経費の負担転嫁を行うことのないように求めたものでございます。このときには、地方交付税の単位費用の方で教材費あるいは消耗品、光熱水費等についてかなり引き上げを行って財源の裏打ちをしたわけでございます。 その後、文部省におきましても、地方交付税の単位費用等につきまして、自治省にそれを引き上げるよう年々要望してその実現が図られてきているわけでございまして、文部省におきましては、現在もこれらの通知の趣旨を踏まえまして、学校の経費につきまして、PTA経費等に負担転嫁を行わないように求めておりまして、今後とも引き続き市町村に対しまして指導を行ってまいりたいと思います。
○濱田(健)分科員 これは現在も生きているわけですね。
○遠山政府委員 はい、生きております。
○濱田(健)分科員 ありがとうございました。
○三野主査 これにて濱田健一君の質疑は終了いたしました。 次に、山本孝史君。
○山本(孝)分科員 新進党の山本孝史でございます。よろしくお願いをいたします。 まず最初に、今回の阪神大震災に関連しての御質問でございます。 被災した子供たちへの心のケアが必要であるということが言われています。震災の影響が長く続いていくということが、これまでも奥尻でありますとか、あるいは雲仙のときの子供たちを見ていても、あるいはロサンゼルスの地震の話もそうですけれども、一年、二年たってもまだ心にトラウマが残るということか言われています。その点について、いろいろな皆さんが今お取り組みをしていただいておりますけれども、文部省としてどういうふうな御対応をいただいているのでしょうか。
○与謝野国務大臣 例えば親を亡くされたお子さんというのは大変悲しみの中にありますし、また被災された児童というのは、地震自体の大変なショックもございますし、またその後続きました避難生活の中で、ある種の緊張感を味わいながら生活をしてくるわけでございます。そういうもろもろのいろいろなストレスというものは児童生徒の中に蓄積をされてくるわけでございますから、これに対して適切な対応をしていくということは大変大事なことでございます。 これは、外形的な傷を受けているわけではございませんので、いわゆる心理的なある種の傷を受けている、それを正常なところまで戻すという作業をしなければならないわけでございます。もちろん学校においては、学校の担任の先生を初めすべての先生がそれに対応していくわけでございますし、養護教諭もまたそれに対応いたします。また臨床心理士というものも、例えば今回の兵庫県にはボランティアとして相当数の方が入っておられまして、こういう方に御相談をしていただくというのも一つの方法、しかし全般としては、建物が壊れた、教育施設が損害を受けたということのほかに、目に見えないところで大きなそういう損害と申しますかダメージが生じているということは、今後、我々十分心していかなければならないことだと思っております。
○山本(孝)分科員 大臣には深い御認識をいただいているので、安心をいたしました。 実際のところの対応の問題なんでございますけれども、今おっしゃいましたように、担任あるいは養護教諭の先生、臨床心理士の方たちも随分ボランティアでお入りをいただいている、御指摘のとおりなんですけれども、申しましたように、これは長く続くことがある、あるいは心理的な問題ですから、長期にわたってといいますかケアをしていただく方でないとだめなんじゃないかなというふうに思います。 いじめの問題にも触れて、学校カウンセラーを設置すべきじゃないかという御提案がかねがねございます。アメリカの学校等を見ましても、もちろん国情は違いましょうけれども、学校できちんとそういう担当の先生がおられるわけですね。今回も臨床心理士の皆さん、どちらかというと巡回という形で回っておられる。文部省も各県に三人ですか、配置をするということでおられますけれども、各県三人といえば、これは指導的な方であって、現場の方には実際にはなかなか出ていけないのじゃないかというふうに思うわけですね。 そういう意味で、予算措置が伴うので大変でしょうけれども、ほかの地域のこともありますが、ぜひこの阪神の被災をされた子供たちの在籍する学校に学校カウンセラーというものを配置をしていくということを御検討いただけないものだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 スクールカウンセラーにつきましては、先生既に御案内のとおり、平成七年度予算におきまして三億七百万円ということで予算措置をさせていただき、各県三名ということでございますが、今回の阪神・淡路大震災の状況にかんがみましては、私どもとしては、兵庫県の御要望等も踏まえながら、兵庫県の実情、そういうものを少しでもよくするようにできるだけ御要望にこたえるような方向で弾力的に配置等については考えていきたい、このように考えているところでございまして、また今後の予算の課題としても、これらの実践成果というのも踏まえて、その充実に向かった取り組みをしていきたいとも考えているところでございます。
○山本(孝)分科員 新しい試みに踏み出していただいたことに対して、大変にありがたく思いますし、ぜひその流れを続けていっていただきたいというふうに思います。 大臣冒頭にお触れになりました、親を亡くした子供も多くということで、新聞等で今、涙なくしては読めないような記事がいっぱい出てきていますけれども、文部省として、例えば親を亡くした子供たちがどのぐらいおられるのだろうかということは、数字として把握をしておられますか。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 このたびの震災によりまして両親や家族を亡くした児童生徒数については、地元自治体におきましても十分把握し切れていない状況にありまして、網羅的に把握することは困難でございます。 ただ、各学校における授業再開が進む中での教育指導上の過程で、担任等により個別に把握したケースだけでも、小中学校につきましては、父母が死亡した児童生徒は、少なくとも小学生十五名、中学生十七名の計三十二名でございます。父親または母親の一方が死亡した児童生徒は、少なくとも小学生三十八名、中学生二十一名の計五十九名に上っているところでございます。これらの子供たちの心情を思いますと、まことに痛ましいことと考えているところでございます。 文部省といたしましては、これらの児童生徒の修学に支障が生じないように、修学援助措置の弾力的取り扱いや、授業料の減免措置、日本育英会奨学金の緊急貸与などの措置を講じており、今後これらの措置が効果的に実施されるように周知徹底を図るなど、万全を期してまいりたいと考えております。
○山本(孝)分科員 修学援助あるいは減免措置をするにも、やはりどういう家庭状況にあるのかを把握しないとできないことでしょうから、今後ともに把握を進めていかれるのだろうと思うのです。 大臣、御承知かと思いますが、あしなが育英会という民間の団体がございます。病気で親を亡くした子供たち、あるいは今回のような災害、自然災害等、労働災害も含めて、災害で親を亡くした子供たちに奨学金をお出しして、その進学、高校、大学への進学を援助しているという民間の団体でございます。 そこの推計でいきますと、いわゆる今の範疇でいう今回の震災遺児といいましょうかその方たちが千人は下らないのではないかというような、推計でございますが、出ております。ということからして、もっともっと多分今の数字はふえていくんだろうなというふうに思うのですね、残念なことですけれども。そういったところのぜひ把握をしていただきたいと思うのですね。 あわせて、これはお願いなんですが、そのあしなが育英会の奨学金を受けている子供たち、御自身が親を亡くした子供たちですけれども、その子供たちが、同じ境遇にいる今の震災遺児の方たちに、ぜひ話し相手になってあげたい、あるいは遊び相手になってあげたいというようなことで、今実は、御影工業高校の二階をお借りして、前線本部というような形で、神戸の中、あるいは芦屋、西宮の御家庭を、あるいは避難所を回っておられるという状況があります。しかし、文部省の方でもなかなかこの数字がつかめないように、こういう活動をなさっておられる方たちもなかなか、今どこにこういう遺児の方たちがおられるのかがわからないのですね。 今、学校カウンセラーの話、冒頭させていただきましたけれども、心理療法士の方たちあるいはいろいろな方たちが今後ともに被災地で活動を続けていかれると思うのですけれども、こういう実際に親を亡くした体験を持つ災害遺児あるいは交通遺児の子供たちの活動もぜひ応援をしていただきたいというふうに思うのです。 その具体的な一つの方法として、できれば、そういう災害遺児といいますか、今回の震災遺児の名簿の調査をぜひ、学校が今こういう状況ですからなかなか調査しづらいところもあるのでしょうけれども、再開されるにつれておいおいわかってくるでしょうが、そういう子供たちの名簿をぜひ教育委員会の方でもつくってほしいとあしなが育英会の方もお願いをされているようなんですね。文部省の方もぜひ御協力をいただけないかというふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
○井上政府委員 先ほども申し上げましたように、実際に被災した児童生徒が遺児であるかどうかを詳細に把握するためには、児童生徒から直接聞き取るほかはなくて、このたびの震災によって被災した児童生徒は、避難生活でのストレスも加わって、精神的に不安定な状態にあることでもございますし、学校においても心の問題に十分配慮することが必要であると考えますと、心の傷を負った子供たちに対して学校を通じて一斉に調査することは慎重であるべきと思いますが、先ほど申し上げましたように、学級の担任等を通じた調査が現在各学校においても行われており、小中学生合計五十九名という状況でございますから、そういう点については、兵庫県教育委員会あるいは神戸市教育委員会等でそれらの児童生徒の名簿等については作成しているものと思いますので、地元教育委員会とも十分その点については御相談したいと思っております。
○山本(孝)分科員 いろいろな方面からの心のケアというものが必要だと思います。その一つのパートとして、こういう遺児の方たちの活動があるんだと思います。 やはり担任の先生方とチームを組んでいろいろやっていくのが一番いい方法だと思いますけれども、ぜひ大臣、この辺、応援をしていただけるというか、お力添えをいただけるということを御答弁をいただけませんでしょうか。
○与謝野国務大臣 今初中局長から御答弁申し上げましたように、いずれそういう名簿はでき上がると思いますが、まだ、現段階できっちり調査ができないといういろいろな事情は先生には御理解をいただきたいと思います。 しかしながら、親を亡くした子供たちを励ますということは、これは学校であれ、団体であれ、またボランティアの方であれ、大変貴重なことでございますので、そういう貴重な励ましというものをどのようにして実現していくかということは、今後御相談をしたいと思っております。
○山本(孝)分科員 どうぞよろしくお願いをいたします。 引き続き学校の問題なんですけれども、卒業式、入学式のシーズンを迎えています。大臣も多分やきもきされておられるんだろうと思うのですけれども、大半の学校が今避難所になっているのが現状ですよ。学校再開のめどはどの辺のところに置いておられるのでしょうか。
○与謝野国務大臣 現在、被災地域の多くの学校は被災住民の避難所として提供されているところでございます。住民生活の安定を基本に置きつつ、児童生徒の安全確保や学習場所の確保などを図り、自校だけでの再開が難しい場合には、他校、他施設の利用や二部授業等の工夫も行いながら授業再開が進められてきたところでございます。 この結果、公立の小中高等学校の休校数は、地震発生翌日の一月十八日は五百校を超えておりましたが、既にほとんどの学校で授業が再開され、中学校については二月十三日から、高等学校については昨日から、また小学校については本日から、すべての学校で授業が再開されているところでございます。また、現在休園中の幼稚園一園は二月二十四日、特殊教育諸学校三校も二月二十三日までに再開の予定でございます。 また、自校で平常の授業が実施できるよう、既に仮設校舎の建設が始まっているところでありまして、文部省としても、この件については万全の措置を講じてまいりたいと考えております。
○山本(孝)分科員 現場の教育委員会の皆さんも、あるいは学校の先生方も随分御努力をいただいているんだろうと思います。ただ、再開という言葉を聞くと、本当に正常に再開したのかなと錯覚してしまうのですが、大半のところが二部授業であったり仮の校舎を使ってやっているというのが現状、それのネックになっているのが、実は学校が避難所になっている、被災者の皆さんが教室にも入らざるを得ない状況がある。そういったところで、当然仮設住宅の建設というのが今一番望まれているわけですね。住宅の確保というのが一番大切なことになるんだと思います。 私も厚生委員会の理事をやっておりますもので、災害救助法を持っております厚生省にも随分お願いをしました。厚生委員会で質問をさせていただいて、井出厚生大臣が、校庭に仮設住宅を建てるのもやむなしかなという実は御答弁をされたのですが、与謝野大臣としては、やはりこれは学校は学校として残しておきたいというか使っていきたいので、できれば校庭には建ててほしくないという御意向。最終最後の、最後の最後の御選択として建てていただくのは仕方がないとしても、すぐ再開できるようにしてほしいというふうに衆議院の予算委員会で御答弁をいただいている。 その心情は極めてよくわかるのですけれども、大臣も現地にお入りをいただいていますよね。阪神間の海と山が迫ったあのところですから、ほとんど仮設住宅の用地の確保ができない。そのお話をしたら、厚生大臣としては、これはもうやむなしかな、校庭も考えざるを得ないのだという御答弁だったと私は理解をしているのです。 確かに国有地として兵庫県内で百十カ所百七十九ヘクタール、十四省庁から二百四十三カ所三百二十ヘクタールの国有地の提供をいただいています。どこでどういうふうに確保できているのですかというお話をさせていただいたら、これだけの数があるのだけれども、全部の省庁は実は出してくれませんで、国土庁も自分のところで資料を出さないので各省庁全部聞けというので、私十四省庁全部聞いて回ったのです。 だから、全部は出していただいてないのですが、神戸市内だけで実は十九カ所しかない、提供いただいている国有地としては。広さとしては本当に微々たるもの。そのうち一番大きいのは実は建設省の住都公団の用地が一番大きいのですよね。文部省が御提供いただいているのは、神戸市内で一カ所だけ、五百十一平米。神戸大学の敷地内のものだったと思います。 そういう意味で、極めて用地の確保が今厳しい状況にある。そういう中で、九万平米でしたかしら、確かに文部省も御提供いただいているというのだけれども、一番大きいのは兵庫県の青年の家ですよね、淡路の一番端っこにある。だから、そんなところでいくと、ほとんど神戸市内はないのですよ、用地が。 だから、校庭に建ててはいけないとおっしゃる気持ちもわかるのだけれども、そこのところはいたし方ないのではないかなというのが私、大阪に住んでいる人間としては思うのですけれども、いかがでしょうか。
○与謝野国務大臣 現に芦屋市の一部等では、学校の校庭に仮設住宅を建てている例がございます。先生御承知のように、芦屋というところはなかなか土地がない、オープンスペースがないということでそういうことになったわけでございます。 しかし一般論としては、やはり学校の教育施設は教育施設として最後まで授業の本格的な再開に向けてとっておきたい、私はそういうふうに正直に思っております。しかしながら、地元の地方自治体等が判断をされて万やむを得ないというような場合、また最終最後の選択としてそういうことにならざるを得ないというふうに御判断になった場合には、その御判断は尊重したい。しかしながら、一方ではやはり文教行政に携わる者としては、授業再開に向けての学校施設というものを大切にしたいという気持ちを非常に強く持っております。 なお、避難住民の方々というのは、やはり自分が住み、育ったところ、生活をしてきた場所から余りに遠くには行きたくないという御心情をお持ちでございます。それは私は十分理解できることだと思っております。
○山本(孝)分科員 御指摘申し上げたように、大変に土地がないという状況の中で、十四省庁、何となく聞いていますと、やはり自分のところは出したくないのだ。それは文部大臣としては当然学校用地は最後まで確保しておきたいというのはお立場としてはそうだと思うのですけれども、しかし、実は各省庁がみんなそう思っている。 仮設住宅が建てられると二年、三年はどうせだめだろう。今雲仙だってもう四年、五年というふうに長くなってきていますから、だめだろうと思っている。実はどこも出したくはない。しかし、そういう状況の中でだれが一番割を食うかといったら、実は仮設住宅を待っている被災者が一番割を食ってしまう。その状況があるのですね。 だれも積極的に出したいとは思わないでしょうけれども、そこは、実は何とか対策本部だとか委員会だとかいっぱいできるけれども、各大臣皆さんそこに本部のメンバーとして顔を連ねておられるわけでしょう。だから、それぞれがやはり譲れるところは譲るというか何かそこまで縦割り行政がきてしまって結局何も進まないというのに、現地にいる者としては非常にいら立ちを覚えるのですよ。 国立大学、神戸大学、神戸商船大学、グラウンドはあるじゃないかと思いました。聞いてみましたけれども、残念ながらグラウンドを使える状況じゃない。液状化していたり、あるいはひび割れしているので使えませんということなので、広い土地が残念ながら仮設住宅の用地には文部省としては提供いただけない。だから、神戸市内として五百十一しかないのだろうなというふうに思うのです。 各省庁、それ以外に本当はあるのかもしれない。出さないのかもしれない。そこは僕らにはわかりません。だけれども、ぜひそれこそ本当に大臣の皆さん方を合わせて、出せるところは出そうよというか、それぞれが融通し合おうよというようなことでないと、仮設住宅三月末で三万戸絶対無理ですよ。四万だって僕は建たないと思う。そういう状況があるのだということをぜひ御理解をいただいて、うちも出すけれども皆さんもというか、お互いに融通し合おうよという形で、それぞれのいろいろな場があるのでしょうから、ぜひ交渉していただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 文部省が提供を申し出ました九万平米というのは、文部省が持っております当該地域の利用し得る土地を全部提供したわけでございまして、何か手元にいいものを残したということではございませんので、その辺はぜひ御理解をいただきたいと思います。 ただ、学校の校庭は住民の子弟がやはり今後使っていく場所でございまして、これはもう住宅も大事でございますが、やはり学校の教育施設というものもまた住民のために大変大事な施設でございますので、もちろん万やむを得ない場合ということについては私は了解をいたしますけれども、いずれにいたしても、最終最後の選択として御利用なさる場合以外は、ぜひ学校の教育施設としてとっておいていただきたいという気持ちが非常に強いということは御理解をいただきたいと存じます。
○山本(孝)分科員 大臣の予算委員会での御答弁を受けて、兵庫県の教育委員会が、別に文部省と打ち合わせをしたわけではないけれどもという前置きがついていますが、文部大臣の答弁を教育事務所を通じて各学校にお送りになった。建ててはいけないよというふうに各現場としてはやはり受け取っておられる。最終最後の、最後の最後の判断だと言われても、こういう文書をもらってしまうと学校としてはやはり建てられない。何か後でまた意地悪されるのではないかと思ってしまうのですよね。というふうに僕が勝手に思うのかもしれないけれども。でも、そういう状況を許さない状況だということ。 だから、大臣、現地に行っていただきましたかと僕が申し上げたのは、本当に見ていただいたらわかる状況でしょう。これは質問したら失礼なんですけれども、最近いっ現地に行っていただいて、被災所を見ていただいたですか。
○与謝野国務大臣 一月の二十八日でございます。
○山本(孝)分科員 ぜひもう一度行ってください。小学校で学校の先生方が物すごい苦労をしておられる。僕は被災したら学校へ逃げようと思いました。本当にそこでちゃんとシステムが動いている。 二十八日からまた大分日にちがたってきますので、こういう文書が出ていることを前提に、教育委員会から教育事務所あてに文部大臣の答弁の写しというのをつくって送っていますので、ぜひよろしくお願いをします。多分文部省として教育委員会と相談したわけではないと言っています。向こう側も別に言われてやったわけではないと言っているけれども、大臣の発言はそれだけ重たいということで、ぜひよろしくお願いをします。 時間がなくなってしまいますので、一つだけ、子ども図書館という今構想が進んでいます。上野の国立国会図書館の支部を今回子ども図書館という形に切りかえをしようということで運動が進んでいます。国会の中の建物ですので、文部省としては所管外とおっしゃるのかもしれませんけれども。 まず一つは、大阪に大阪府立国際児童文学館という建物が一つあります。このことについて文部省は御存じだと思うのですが、まず御存じかということと、今回の国立子ども図書館というものについてどういうふうに認識をしておられるか、その点をお聞かせください。
○泊政府委員 前段の大阪の児童図書館につきましては、お名前等は承知をいたしております。 それから、後段の、国立子ども図書館の設立構想についてでございますが、このことにつきましては、国立国会図書館において、同館の支部の上野図書館の今後の活用方策の一環として検討が行われるものと私どもとしては承知をいたしております。したがいまして、国会あるいは国立国会図書館における今後の検討の動向を関心を持って見守っているというところでございます。
○山本(孝)分科員 動向を見守るというのは、他省庁の話というか、ほかの話だからということなんでしょうけれども、事は、図書館というかしかも国立子ども図書館という名前でもってつくろうという動きになっているわけですね。 本来的に、子供図書館というか、子供に図書を貸し出すということであれば、これは地域の図書館がやればいいことであって、日比谷にもありますし、あちらこちらにある。でも、そこに国のお金をかけて、国立という形で上野につくって、上野に来る子供たちに本を貸し出すということであれば、これは、言ってみれば、地方の人間からすれば、なぜ国立の、上野のところだけいいのができるんだという思いも実はするのですね。 実際のところ、日本の図書館行政というか、こういう児童文学の中で何が今必要かといえば、実は、子供に本を貸し出す図書館をつくるということではなくて、今、国会図書館の児童図書も、実は図書館間貸し出しができない。それは、国会図書館の分類が悪いから、地方から出してくれと言われても、国会図書館所蔵の児童文学書は実は図書館間貸し出しができないというような状況にある。 そこのところをやはりきちんとしてほしいだとかあるいはちゃんとネットワークで結んで、児童文学の研究が進むように、そういうむしろ研究センターをまずつくって、それに附属の子供図書館はいいだろう。しかし、子ども図書館をつくって、そういうような、単に貸出機能しか持たないものをつくって、お添え物的に研究センターをつくるということでは、これはちょっと逆なんじゃないかなという声が実はいろいろなところから起きているのですね。 国会の図書館の機能の改善というか改良だから、それは国会でやらせておけばいいやということじゃなくて、行政改革という流れの中でも、同じお金を使うのならもっと有効な使い方があるんじゃないかというふうに思うわけです。 そういう意味で、ぜひ子ども図書館の動きについても、文部省としてもフォローしていただきたい。それで、同じお金を使うならもっといいものができるようにしてほしいというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○泊政府委員 国会あるいは国立国会図書館における検討の動向については、私どもも大きな関心を持ってその状況をフォローアップしてまいりたいと思っております。 ただ、文部省といたしましては、子供の読書活動の振興という観点から考えますと、まずは、それぞれの身近なところに本を整備をし、そして子供らが継続的にそういうものに触れられるということが大事であろうということを基本に考えております。 そこで、学校における読書指導でありますとか学校図書館の整備の問題、あるいは学校外での子供の読書活動ということで、いわゆる公立図書館における例えば児童室の整備、蔵書の整備といったようなことをこれまでも推進してまいっておりますけれども、今後ともこれらの施策を推進をしてまいりたいというふうに考えております。
○山本(孝)分科員 子ども図書館の方の話は、ぜひフォローをしていただきたいと思います。 御答弁にあるとおり、学校図書館の整備あるいは蔵書の拡充ということであれば、あわせて、従来から問題になっています図書教諭の配置の問題。議員立法でつくられた法律の附則に書かれた「当分の間」というのが実はずっと生きている。議員立法でつくられたものというのは、何か僕は、お役所の人たちというのは割と冷たいような気がするのですよね。だから、議員立法であれ、あるいは閣法であれ、できた法律なんですから、そこに「当分の間」と書かれている、それが、やはりいつまでも当分の間が続いているというのはおかしいので、ある意味でいけば、違憲状態が続いているというか、違法な状態が続いているわけですね。 何回も答弁を求められて恐縮な問題なんですけれども、ぜひ、学校図書館、本当にその充実をしたいとおっしゃるのならば、図書教諭の配置という問題についてももっと前向きに取り組むべきじゃないかと思うのですけれども。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 司書教諭は、学校図書館法第五条に基づきまして、学校図書館の専門的職務をつかさどるため、司書教諭講習を修了した教諭の中から校務分掌の一つとして発令されるものであることは先生御案内のとおりでございます。 文部省におきましては、昭和二十九年以来、毎年司書教諭講習会を実施いたしまして司書教諭の養成に努めておりますが、平成四年の文部省調査によりますと、司書教諭有資格者のいる学校は二、三割にとどまっているというのが現状でございまして、司書教諭の発令数も極めて少ないという現状になっております。したがいまして、できるだけ早期にすべての学校に司書教諭の有資格者が配置され、その司書教諭の発令をしゃすい状況をつくっていくことが必要であると私どもも考えているところでございます。 このため、文部省としては、引き続き司書教諭講習会におきまして有資格者の養成に努めますとともに、学校図書館の新しい時代のあり方について検討するために、現在文部省に設置しております児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議におきます審議も踏まえながら、今後一層、司書教諭の発令を促進するような施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○山本(孝)分科員 質問時間が尽きてしまいましたので、大臣には、この震災で被災された御家族あるいは子供たちのために、今申し上げたカウンセラーの問題あるいは仮設住宅の問題も含めて、ぜひ政府の中で、一省庁の権益の話じゃなくて、全体としてのお取り組みをしていただきたいとお願いをして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○三野主査 これにて山本孝史君の質疑は終了いたしました。 次に、中島章夫君。
○中島(章)分科員 質問の最初に、通告をしてないことで恐縮なんでございますが、もしお差し支えなければ、過日、日曜日の朝日新聞に、中央教育審議会を開くというお話が出ていたのでございますが、私、日ごろ、やがて本格的な学校五日制時代を迎えるに当たって、長期の、学校あるいは家庭、地域の教育のあり方あるいはカリキュラムのあり方ということを検討することを従来主張してきておるわけでございます。そのこととも関連して、大変深い関心を持っているものでございますから、あの記事について、本当かどうかについてお伺いをさせていただきます。
○与謝野国務大臣 中教審を本当に再開するのか再開するのであればどういうことを勉強していただくのか、こういう御質問でございますが、与党質問にも中教審を再開すべきだという意見もございましたし、文部省の事務当局の中でも、いろいろなテーマがあるので、そろそろ中教審を再開すべきだという空気も広がっておりました。 そこで、先般、事務当局に対しまして、中教審再開に向けてのいろいろな検討、準備をしてはどうかという指示をいたしたところでございまして、そろそろ準備がスタートする段階でございます。
○中島(章)分科員 本来の文部省の取り組み、中長期の教育の方向を考えるに当たって極めて重要なことでございますので、ひとつ積極的かつ慎重にお進めをいただければと思う次第でございます。 さて、きょう、私は、私自身が住まいをしております神奈川県の教育の国際化に関連をしました総合研究大学院大学と、それから国際バカロレアについて少しお話を聞かせていただきたいと思います。 まず、実は、昭和六十三年にたしかスタートしたと伺っておりますけれども、総合研究大学院大学という構想がございまして、既にそれは始まっているわけでございますが、いよいよその本部の施設が葉山町と横須賀市の境の湘南国際村に完成をしたということで、あと一カ月ほどしますとその開設の記念の会が開かれるようでございます。 そこで、これは既に設置が決まりました前後には何度か本委員会あるいは文教委員会等で議論のあったことかと存じますけれども、博士課程三年だけ、学部を持たないという非常にユニークなこの大学院構想の理念と設立以来今日に至ります経緯を簡単に教えていただきたいと思います。
○吉田(茂)政府委員 大学共同利用機関のすぐれた研究機能を活用いたしまして、我が国の学術研究の国際化の進展と従来の学問分野の枠を超えた学際領域の分野など学術研究の新しい流れに対応しようということで、幅広い視野を持つ創造性豊かな研究者の養成ということを目的としております。現在、全国の国公私立大学修士課程修了者、外国人留学生あるいは企業からの派遣学生など、多様な学生を受け入れ、国立民族学博物館など十一研究機関との連携協力によりまして教育、研究を行っているというのが現状でございます。
○中島(章)分科員 特にこれからの二十一世紀に向けての我が国の国際貢献の面から見ましても、立ちおくれてまいりました大学院というものに力を入れていくというのは国として極めて大事なことかと思っております。 そこで、この総合研究大学院大学の本部、湘南国際村のところにできます教育研究交流センターというのがあると伺っているわけであります。これは今お話がありました全国の十一の大学共同利用研究機関との連携は当然なのでありますが、この湘南国際村にはそのほかにも社会経済生産性本部の生産性国際交流センターとか、国際生態学センター、いずれも財団法人でありますが、こういったものも建ってまいりますし、その他の民間研究・研修施設群が入ってくる。さらに、地元の神奈川県だけをとってみましても横浜国立大学とか慶応大学とか多くの大学等があるわけでございますが、こういうものとの交流というのはどういうふうに進めていかれるのでありましょうか聞かせていただきたいと思います。
○吉田(茂)政府委員 御指摘の教育研究交流センター、今までにも国際シンポジウムであるとかサマースクールを開催しておりますが、今度新しい施設を得まして、新たに合宿方式によります短期集中型のセミナーを行う湘南レクチャーというような新たな事業をやる、そういった事業を実施する場合には、御指摘のような近隣の横浜国立大学あるいは慶応義塾大学あるいはそのほかいろいろの研究・研修機関、こういうところの連携協力のもとに進めてまいりたい。もともと各種研究機関との連携協力によって成り立っておる大学でございますので、そういったものをさらに推し進めてまいりたいというふうに考えております。
○中島(章)分科員 今お話のありました交流等、情報を私自身も今まで十分フォローしていなかったからかもしれませんけれども、このPRというのは総合研究大学院大学自身がなされるのか、あるいは湘南国際村を通じてなされるのかあるいは文部省がそういう連携のPRをされるのか、この辺はどういうふうになっているのでありましょうか。
○吉田(茂)政府委員 いろいろな方策があろうかと思いますが、第一次的には、独自のキャンパスを今度は得ますので、大学がやっていくということであろうかと思います。
○中島(章)分科員 この点についてもう一つだけお尋ねをしたいと思いますが、このパンフをいただきますと、外国人若手研究者体験フェローシップという国際交流のプログラムがあるようでございます。これは我が国の最先端の学者にとりましても非常に有意義なことかと思うのでありますが、この国際交流の面についてどういうビジョンをお持ちなのか伺わせていただきたいと思います。
○岡村政府委員 外国人若手研究者体験フェローシップと称されておりますものは、米英あるいは仏独等の先進国の博士号取得後の若手研究者を総合研究大学院大学に主として夏休みの期間を利用して二カ月程度受け入れまして、我が国の若手研究者と研究面での交流等を進めることによりまして国際化あるいは大学の研究水準の向上に資そうというもので、平成七年度より新たに開始する事業でございます。 員数は十五名程度を予定しておりまして、渡航費は先方負担、滞在費を我が力負担、こういう構想でございます。
○中島(章)分科員 ありがとうございました。 この総合研究大学院大学の構想というのは極めて私は意義深いものだと思っておりますし、せっかく本部施設が今回全部整ったわけでありますから、ここで改めまして我が国の内あるいは外にその存在を知らしめて積極的な活用を図っていただきますようお願いを申し上げたいと思います。 さて、そこで次の話題に入らせていただきたいと思いますが、実は、それは国際バカロレアの問題でございます。 このことを私が申し上げますのは、実は一昨年、同じ横浜市の戸塚区に公文国際学園というのが誕生いたしました。私ごとで恐縮ですが、四年余り、これを例の臨教審が提案をいたしました本当の意味での国際学校に育てようということでか、かわった経緯もございました。 国際バカロレアというのは、十一学年、十二学年、高校でいいましたら二年生、三年生のところに取り入れられますカリキュラムでございまして、既に大体一九六二年ごろからこの準備が始まりまして、今日まで、特に一九七〇年ぐらいからはカリキュラムを世界にございますインターナショナルスクール、国際学校で活用しておりまして、極めて優秀な人材がここで先端的なカリキュラムを学習して、世界のオックスブリッジとかあるいはアイビーリーグの大学とかに入学を果たしているわけでございます。 このIBを今採用しております学校の数でございますね、世界で今どれぐらいになっているのか、あるいはIBの資格を得た者、IBディプロマを大学入学資格として採用しております世界の大学の例、どういった大学があるかできましたら日本の大学での受け入れ状況について教えていただきたいと思います。
○岡村政府委員 国際バカロレアの関係の御質問でございますが、最初の二つについて、承知している範囲でお答え申し上げます。 国際バカロレア資格を取った者の扱いについては、国ごとに具体的な扱いは異なるというふうに思いますが、国際バカロレアの事務局に聞いたところ、現在これを大学入学資格として認定している国、これは日本のように法令できちんと認定しているものもございましょうし、あるいはその国の多くの大学が一般的に入学資格として認めている、こういう国も含めてと思いますが、これは日本を初めイギリス、アメリカ等六十五カ国あるわけでございます。 それから、国際バカロレアを採用しているインターナショナルスクール等につきましては、国際バカロレア機構の年次報告書によりますれば、平成六年十一月現在、七十六カ国、五百四十五校というふうになっております。これは、いわゆるインターナショナルスクール等、そのほかのハイスクールという名称のものも、特にアメリカにつきましてはかなり多数あるわけでございますが、これらを含んだ数字でございます。
○吉田(茂)政府委員 日本の大学の受け入れ状況でございますが、平成五年度に国際バカロレア資格を取得して日本の大学に入学した者は、十大学で受け入れて十九名ということに相なっております。
○中島(章)分科員 ありがとうございました。 このインターナショナルバカロレアというのは、本来もっと文教委員会等で深めて議論をする機会を持ちたいと思っておるのでございますが、極めてユニークなカリキュラムでございます。御承知の方も多いかと存じますけれども、それは大きくは四つの領域から成り立っております。 一つは、言うまでもなく教科群でございます。もう一つは、認識論、知識論ともいうべきものでございまして、ヨーロッパのバカロレアシステムの中に従来から根づいていたものがここにございます。セオリー・オブ・ノレッジという部分。それから三番目には、生徒にとっていろいろ創造的な、あるいは芸術的な、あるいはボランティア等の活動というものがこの年代で大事だということから、CASというカリキュラムがございます。グリエーティビティーとアートとそれからサービスであったと思いますが、これはその最後の二年間の毎週半日はこれに充てる。先ほどの認識論というのは、一週間に一時間ずつ持つ。そして、それに加えて四千字ないし五千字という長文の論文、卒論のようなものです。 こういうものが総合されておりますので、生徒の大学での作業能力というのでしょうか、ただ物を覚えて知っているということだけではなくて、そういうものが広くついているということで、先ほど申しましたオックスブリッジなり、あるいはアイビーリーグの大学でも、アメリカの場合などで見ますと、非常に高い評価をしてこの資格者を採用しているわけでございます。 特に、教科群の中でユニークなのは、六つの領域がありまして、母国語、それから第二群が外国語、三番目が人文科学と社会科学、人と社会、四番目が実験科学、五番目が数学、六番目が選択教科、こういうものを設けまして、しかもそれを上級と普通のクラスに分けて、上級は二年間の学習、普通のクラスは一年間の学習ということにして、それぞれ三つずつ、つまり上級三つと普通のものを三つとるようになっている。そうしますと、例えば理科系が得意な者は理科系を中心としたもので上級クラスをとるというふうな多様性がございますと同時に、この学習はカリキュラム内容も、例えば歴史について見ますと、我が国の場合と違いまして、二十世紀がほとんど九割という学習内容にもなっております。その評価のあり方、その他も含めまして、極めてユニークなものでございます。 今日、多様な教育課程、特に高等学校においては教育課程の多様化が求められている時代でございますから、当然こういうものを我が国の中にも採用していくということが大事かと思っておりますが、残念ながら我が国の場合には、現在、聖心インターナショナルスクールその他、八つの各種学校に属するインターナショナルスクールでしかこれが認められていないということでございます。いわゆる一条学校においてこれを取り入れることの問題点というのは、どういうところにあるのか伺わせていただきます。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 高等学校の教育課程は、先生御案内のとおり、国の教育課程の基準であります学習指導要領に基づいて適切に編成する必要がございます。しかしながら、インターナショナルバカロレア課程は、伝統的ヨーロッパ型の教育を想定してつくられた制度でございまして、基本的理念も含め、我が国の学習指導要領との整合性については何ら考慮されていないところでございます。また、各学校がみずからの教育課程を編成するに当たりましては、学習指導要領上高等学校教育の目標及びその水準の維持に対し十分な配慮が求められ、ゆとりある充実した学校生活が送れるよう、生徒の学習負担が過重にならないという面にも十分配慮することが必要でございます。 したがって、インターナショナルバカロレア課程を我が国の高等学校に採用することにつきましては、我が国の学習指導要領との間で調整を図ることが可能か懸念されている点で問題が生じないかどうか、慎重な検討を行うことが必要でございます。そのため、文部省といたしましては、現在このような観点も含めまして、インターナショナルバカロレアの最近の全体像、制度、課程の内容等について調査研究を行っているところでございます。
○中島(章)分科員 文部省の公式の見解は今のようなことがずっと続いているわけでございます。 実は、文部省はこのインターナショナルバカロレアの理事会に理事をずっと長く送っております。同理事会から、日本もこのIBを国のいわゆる一条学校的なものの中に取り入れることを勧めてきていると思うわけでございますが、今初中局長のお話がございましたような対応を、昨今どういうふうにIB理事会に対してやってきているのか、その辺の経緯について伺わせていただけないでしょうか。
○井上政府委員 先生の御指摘の点につきましては、私どもも事実関係について調べてみたわけでございますが、インターナショナルバカロレア理事会において正式に議題として、文部省もそういうインターナショナルバカロレアを国の正規の学校のカリキュラムとして受け入れるようにというように議論されたことはないというように聞いているところでございます。 しかし、先ほど申し上げましたように、国際バカロレアについては調査研究を現在行っているところでございまして、この調査研究においては、現行の学習指導要領と国際バカロレア教育課程との比較及び両教育課程間の相違点の検討作業に取りかかっているところでございまして、一応の検討結果を平成七年度には報告していただく予定で検討しているというのが現状でございます。
○中島(章)分科員 今の点については、ぜひその研究の成果を、できましたところで聞かせていただきたいと思うのですが、このカリキュラム、実は私自身も我が国の高等学校の教育課程を担当した経過もございまして、発想が違っている部分がございます。 今の特殊法人の見直しとよく似たところがございまして、従来の経緯でまいりました発想と、それからこの国際化時代の、古い話でありますけれども、もともと国際連盟がジュネーブにできましたときに、その連盟本部の子弟の教育ということの必要からジュネーブ国際学校がスタートし、特に第二次大戦後では国連関係の機関がたくさんできてまいりましたし、コングロマリットの進出ということで国際化が一層進んだということで、先ほどヨーロッパとおっしゃいましたが、ヨーロッパ、特にアメリカの双方を中心に全世界で国際学校というものがたくさん出てきた、そういう中でこのカリキュラムが考えられてきたわけでございます。 そして、ヨーロッパ型のバカロレア形式の試験システムと、アメリカのカレッジ・エントランス・エグザミネーション・ボードの関連の試験システムの考え方を双方合わせて、ある意味で世界で最も進んだカリキュラム構造と内容を持っているものでございますから、ぜひそのフォローをしていただきますと同時に、これを我が国の高等学校の多様化の中に積極的に取り入れていくという姿勢でひとつ御対応を願いたいというふうに思うのでございます。 最後になりますが、大臣、このようなインターナショナルバカロレアというのが我が国の中でもインターナショナルスクールを初めとして取り入れられ、そして大阪にできました千里国際学園では、一条学校には入れられないということで、付設をしました各種学校の中にIBカリキュラムを置いて一条学校がそれを活用するというような形にしております。世界五百校余りの高等学校、そして、先ほどの七十六カ国、まあ代表的な大学の名前は教えていただけませんでしたけれども、一流の大学が全部これを取り入れるようになってきております。 私は、これは今までの経緯と発想から、文部省には、あるいは我が国には学習指導要領というものがありますから、それとの関連でこれは入りませんという答え方では大変寂しいという気がいたすのでございます。 そういう意味で、この国際バカロレアの研究をし、そしてもとに戻りますが、二十一世紀に向けまして、来年度ですか教科構成のあり方についての研究について、たしか二千万の予算がついたはずでございます。こういう長期的な見方の中で、こういうものもひとつ検討していただきたいということをお願いをいたしたいのでございますが、最後に大臣の御感想をいただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 先ほど井上局長から答弁を申し上げましたとおり、カリキュラムという話になりますと、日本の従来の学習指導要領の考え方と果たしてなじむのかどうかという基本的な問題がございます。 しかし、いずれにいたしましても、先ほど局長が答弁いたしましたように、現在この問題について調査研究をしております。いずれの日か先生に御報告できるときが来ると思っております。
○中島(章)分科員 ありがとうございました。 この問題は、特に高等学校におきましては九五%も進学をしております生徒に、一つの基準だけで済むとは私は基本的には思っておりません。そういう意味で、多様化という基本方針はあるわけでございますし、それぞれの研究機関なりあるいは学校なりというものが非常に長い期間をかけて、あるいはこの国際バカロレア、世界の国々が、ユネスコも認めた活動でありますから、知恵を絞ってつくっているものでございます。そういうものを取り入れるというときにすべての学校の基準の中にそれを無理にはめようと思うから難しいのでございまして、しっかりした研究と準備をしたものについては例外を認めるという形でこれを取り入れていくことをぜひ早急に御検討をいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○三野主査 これにて中島章夫君の質疑は終了いたしました。 次に、金子徳之介君。
○金子(徳)分科員 金子徳之介であります。 連日大臣には、阪神大震災も含めて、その対応、そしてまた予算委員会で御精励をいただいておりますことに敬意を表したいと存じます。 早速質問に入りますが、私は、この予算につきまして、養護学校教育が義務化してから以降の問題点について、平成七年度についてはどのような基本的な方向づけがなされてきているのかということについて若干お尋ねをいたしたいと存じます。 私から申し上げるまでもなく、学校教育法に基づいて、二十二条、三十九条あるいは七十四条、特殊教育を含む養護教育についてのそれぞれ義務化が進められてまいりました。とりわけ五十四年には具体的な政令が施行されました。養護学校の設置義務ということでその施行が進められて現在に至っているわけであります。この養護教育については、各県とも非常に熱を入れてまいったと思うわけですが、多少温度差があったとしても、全国三千三百の公共団体、それぞれ平等な、憲法に保障された教育を、義務教育を受けさせようという積極的な取り組み、そういった伝統が文部省にあったと確信をいたしておるところであります。 さて、今義務学校の荒廃ということが、昨年来よりいじめという問題が出てまいりました。この養護教育の問題につきましても、就学前のそれぞれの指導審議会を、委員会をつくりなさいというような御指導をなさってまいりました。それぞれ末端の自治体ではそのような形で教育委員会の諮問機関としての審議会等をつくってまいりました。そこの中で、本当に文部省の意図しているとおりになっていたかどうかということについて、幾つか疑問に思う点が出てきているのではないかなと思っている点がございます。 申し上げますと、これはごく一部分だとは思いますけれども、その一つは、身体あるいは知的障害、体と心に障害を持つということで普通学級で耐えられるかどうかという判断をするわけでありますけれども、そこの中で、養護教育は学校が設置され、義務化されたのだから、特殊教室のある場合にはでき得る限り特殊教育に積極的に進ませよう、それから養護学校のあるものについては、多少の問題は別にいたしまして、最初からそうしたラウフバーンをとらせよう、言うならば、進路を、養護学校が義務化されているから、普通教育を受けられる可能性のある者まで就学指導という名目で隔離された、そうした経過が全くないとは言えないわけであります。文部省としては大きな指導を各県に対して、教育委員会に対してやっておりますから、これは問題がないわけでありますが、末端の受けとめ方の温度差というものがあると思うのです。 この点について、一番重要な、心を育てる教育の義務教育、本当に思いやりが醸成され、そしてともに生きていくという共生の心を芽生えさせる大事な時期に、でき得る限り普通学校、学級に多少の障害を持つお子さん方を入れることができないか。学習指導のいろいろな先生方の現場の声を聞きますと、とりわけ、車いすの子供さんに対してはごく自然な形で普通教室の中でも共存できますよというようなこと、そしてまた知的障害の多少ある子供さんについても、これもやってやれないことはないんだ、むしろ思いやりの心がと。 そんなことで、一応この養護教育の義務化の問題について、もう既に十五年以上たっているわけでありますから、大臣、どうかその辺、今後、部分的にしろ、いろいろ洗い直しをされる考えがないかどうか、今のところをお示しいただければと思います。 〔主査退席、今村主査代理着席〕
○与謝野国務大臣 障害のある児童生徒のうち、通常の学級における指導によっては十分な教育効果が期待できない方につきましては、その能力を最大限に引き出し、社会的な自立及び参加を可能な限り実現するため、障害の種類、程度等に応じ盲、聾、養護学校等において特別な配慮のもとにより手厚くきめ細かな教育を行うことが大切であると考えております。 なお、盲、聾、養護学校や特殊学級の児童生徒が、学校行事やクラブ活動等において小中学校の通常の学級の児童生徒と活動をともにする、いわゆる交流教育については積極的に推進しているところでございます。
○金子(徳)分科員 ただいま大臣からお話があったとおり、そうした面での交流を文部省は大変積極的に進めておられるわけでありますが、社会復帰というお言葉がございました。私は、言葉じりで物を申し上げるわけではなくて、隔離教育になってしまわないような方法をきちんとこの就学指導の委員会なり審議会なりでやるような通達は出せないものかな。私は、できる限り普通の教室でもって学ばせて社会復帰をさせる、そうした教育がこれから必要になってくるのではないかなと思うわけであります。とりわけ、最近のいじめの状況というものは全く思いやりがない形で衝動的なものが多くなっているだけに、余計そのように感じるわけであります。 この単独の養護学校をいっぱいつくるという、膨大な公共投資をしながら、そのことが将来にかけていいことかどうか、これは事務方の局長さんのお考えなどをお聞かせ願えればと思うわけでありますが、そういう隔離した教育コロニーをつくることは、私は基本的に誤りではないかなと思いますので、その辺の兼ね合いというものについてのお考えを伺いたいと思います。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 ただいまも大臣から御答弁申し上げましたように、やはり通常の学級における指導によっては十分な教育効果が期待できない児童生徒について、その能力を最大限に引き出していくという観点から、障害の種類あるいは程度等に応じて盲学校、聾学校、養護学校において、特別な配慮のもとにより手厚くきめ細かな教育を行うということが大切であるという観点から、養護学校の義務化につきましても、先ほど先生からお話がございましたように、昭和五十四年四月一日から学校教育法の規定に基づきまして実施されているところでございます。 そこで問題は、障害のある就学前の子供につきまして、その保護者等の疑問に答え、不安を解消しつつ障害の早期発見、早期対応に努めることとして、教育委員会に対する指導あるいは担当教職員の研修を行っているところでございます。 特に、障害の程度の重い子供については、盲、聾、養護学校の幼稚部への就学を進めているところでございますが、そういう事前の教育相談、就学指導一般について申し上げますと、障害児に対する適切な教育的対応を行うためには、障害の種類、程度等を的確に判断いたしますとともに、その必要性について保護者等の十分な理解を得るために、教育相談や就学相談を通じた就学指導を適切に行うことが重要であると考えております。 このため、市町村及び都道府県教育委員会におきましては、教育相談を通じて保護者の疑問に答え、その不安を解消しつつ、就学時健康診断の結果等に基づきまして障害児の障害の種類、程度等を判断いたしまして、就学指導の適正化に努めているところでございます。 また、市町村及び都道府県の教育委員会には、このような就学指導を適正に進めるため、医師、教育職員、児童福祉施設職員等各方面の専門家から成る就学指導委員会が置かれていることは先ほど先生からもお話があったとおりでございまして、そういう就学指導委員会の御意見を聞きながら適切な判断を行っておるところでございます。
○金子(徳)分科員 今局長がおっしゃられたこと、そのとおりなんですね。 ただ問題は、障害の程度、これはIQでそれぞれ見ていくのかあるいは偏差値等がどういうふうになっているかというようなことで見ていくのか、養護学校に進むべきであるというような基準というものが、明確に全国画一的にはなされていないような気がします。 といいますのは、それぞれ個々の就学指導委員会、これはある自治体の一例で私はこの条例を持ってきているわけでありますが、どうもその辺がちょっとあいまいで、ある県では、この程度の人までは何とかもう社会復帰可能な、ベターな選択肢としては普通学級に入れましょう、あるいは、これはちょっとひど過ぎるから専門に手厚くきめ細かく、先ほどおっしゃられたような措置をとった方がよろしい、ベストだというようなことの選択肢がそれぞれあるかと思うのですが、親としてはできる限り社会復帰を望んでおる。そのために、幼児教育から一生懸命苦労して、IQが低いとかあるいはまた体に障害があった場合には、何とか普通の子供たちと一緒に育てたい、本当に絶えず祈るような気持ちでいるわけですね。そうしたことにこたえていく方法がないものだろうかということで伺っているわけであります。 御所見があれば伺います。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 一応客観的な規定といたしましては、学校教育法の施行規則に、先生も既に御案内のことと思いますが、盲者、聾者または精神薄弱者、肢体不自由者もしくは病弱者の心身の故障の程度につきましてその表で定めているわけでございまして、例えば先ほどお話がございました精神薄弱者については「精神発育の遅滞の程度が中度以上のもの」あるいは「精神発育の遅滞の程度が軽度のもののうち、社会的適応性が特に乏しいもの」というふうになっておりまして、具体的には、昭和五十三年十月六日の初等中等教育局長通達によりまして「教育上特別な取扱いを要する児童・生徒の教育措置について」ということで、実際の運用についてはその中で取り扱いを示しているところでございます。 いずれにいたしましても、専門家から成る就学指導委員会の御意見を踏まえ、また事前に保護者とも十分御相談をし、御意見を伺いながら、そこで適切な判断をしていただくというような取り運びを現在していただくようにお願いをしているところでございます。
○金子(徳)分科員 盲、聾の方々、言葉としては差別用語みたいに言われでなかなか使いにくいわけでありますが、それ以外の方々についてはでき得る限りやはり普通学級、学校教育を受けさせたいという親権者なりの気持ち、あくまで社会復帰のことを合目的性にした特殊学級の運営なりあるいは義務学校の運営、こういったことにもどうか目を通していただきたい。温かい心の通った姿に、今まではないとは言ってないのです、あってもより以上お願いをいたしたいわけであります。 さて、昨年末には、あれは十一月二十七日でしたかいじめの問題があれほどクローズアップされ、また常任委員会の中でも論議された経過を議事録で見させていただきました。私は、このいじめ問題というものは社会問題として取り上げなければいけないというふうに前々から、自治体の経営に一時携わったことがあるだけに、健全育成問題としての進め方をいたしてまいりました。とりわけいじめ問題についての特質というのは、陰湿な、そして非常に精神的に重圧がかかるような、そのようないじめの形態に変わってきているわけであります。 今回、予算の中で、スクールカウンセラー活用調査研究委託費というものをとっていただいたことは、まことに時宜を得たものというふうに大いに私は敬意を表しているわけであります。また、そのほか新規の問題としては、いじめ問題の対策事業費等も御考慮なさって頭を出していただいたわけでありますけれども、このいじめというのは非常に幅が広い。暴力問題、そしてまた登校拒否問題にもつながってきている問題があり、私は、これはこれからの教育にとっては絶対等閑視できない問題であるというふうに思っております。 ところで、いじめ対策緊急会議の緊急アピールというようなことを読ませていただいております。一生懸命に御尽力されている局長通達の内容、それからケースワークの問題、こうしたそれぞれのチェックポイントをしっかりと御指導なさっている内容はわかるわけでありますが、今回予算化を図ったスクールカウンセラーの活用の中で、いわゆる臨床心理士をフルに活用していこうというような内容になっているわけであります。私もこれは当然賛成なわけでありますが、この臨床心理士というものが四千人、既に福祉等のさまざまな場において臨床心理に当たっているということでございまして、長寿高齢化社会になって、ぼけ老人対策やあるいはそのほかもろもろの社会問題に対処をする、そうした分野を担っておられるだけに、これで間に合うのかなという感じがいたすわけであります。 この点について、今後どのようにこの臨床心理士を、資格を新たに与え、展開をしていかれるのか、これについて伺います。
○小林(敬)政府委員 ただいま先生御指摘の臨床心理士でございますが、比較的まだ歴史の浅い団体といいましょうか資格でございまして、これからだんだんと実力を蓄えていってほしいなというふうに思っておるわけでございます。 一言で臨床心理士というのは臨床心理学の知識や技術を用いて心理的な問題を取り扱う心の専門家のことであるというふうに彼ら自身が定義をいたしておるわけでございまして、この臨床心理士は最初から、学校での心の問題というものを手助けしていただこうという趣旨で、文部省がその資格認定等について協力をしてきた団体でございます。現在、これは全国で約四千人程度でございまして、絶対数としても非常に少ない。したがいまして、今後学校におけるカウンセラーという場合に、臨床心理士にばかり頼っているわけにはもちろんまいりません。 将来これがどんどんふえてきて、そうした臨床心理士の方々が中心になって学校カウンセラーをカバーをしていただく時期がやがて来るかもしれませんけれども、それまではやはり学校医でありますとか精神科医の方、それからさらに心理判定員といいまして、これは児童相談所において相談でありますとか指導助言を行う方々でございます。それからさらに、社会福祉士の方々、これも約四千人いらっしゃるわけですけれども、社会福祉事務所や施設等で、障害のある方に対し相談、指導助言を行うというふうなことをやっていらっしゃる方々でございますので、こういった方々にも御協力いただければ非常にありがたいと思っておるわけでございます。 したがいまして、今専門のカウンセラーといいましても、職種としては臨床心理士ばかりではなくて、お医者さんがあり、今申し上げたような職種の方々を私どもとしては念頭に置かなくてはいけないのではないかなというふうに考えている次第でございます。
○金子(徳)分科員 このカウンセラー、カウンセリングの運用というものは、本当に縦割りだけでいくとかそういったことでなく、幅広くソーシャルワーカーとかあるいはそのほかの専門家の力を大いにかりていかないと、もう物質万能社会が大分長く続いて、子供たちは社会的弱者に対して余計いじめをするというようなことが現にあるだろうと思うのです。とりわけ身体障害児・者に対するいじめの問題というものは、決して等閑視できない。この心身障害児・者に対するいじめの問題が、逆にそれが社会的不安の材料の根源にもなるというようなこともございますので、どうか御留意の上、御活躍をいただきたい。これからこの新しい予算を中心にしながら大いに大臣以下、御尽力を賜りますならば幸いでございます。 時間が大分経過しましたので、これからの問題として、今度の阪神大震災についてのその後の経過を伺っておきたいと思いますが、この問題についてはさきに文教委員会の中で同僚議員から、それぞれ障害児の児童生徒についての被害の状況等の質問があり、そして政府からそのことの答弁がございました。特殊教育学校の児童生徒のうち、現在までに三名の死亡が判明した、この前の二月七日の時点でありますが、報告があったわけであります。その後どのような経過になっているのか。 それから、阪神地区の特殊教育諸学校、これは十九校のうち四校が休校中であるということでありますが、どれぐらいそれが機能を回復しているのか、教えていただきたいと思います。
○井上政府委員 お答え申し上げます。 今回の大震災によりまして、被災地区の盲、聾、養護学校二十二校のうち、特に被害の大きなものは神戸市立友生養護学校一校でございますが、その他の学校につきましても、窓ガラスの破損、壁面の亀裂等の多少の被害が出ている状況にございます。神戸市立友生養護学校の平成六年五月現在の幼児・児童生徒数は百十一人でありまして、また、被災地区二十二校の合計の児童生徒数は千八百五十六人という数になっております。 被災地区の盲、聾、養護学校のうち、四校に寄宿舎が設置されておりますが、これらにつきましては大きな損害はなく、現在も使用されているところでございます。なお、寄宿生については、被害は出ていないという報告を受けているところでございます。 特殊教育諸学校の児童生徒につきまして、二月十六日現在で、そのうち九十二名の児童生徒が転入学しておりますが、文部省としては、兵庫県教育委員会に対しまして、国立久里浜養護学校や他の都道府県の学校へ転入学のあっせんを申し入れるなど、転入学希望者の円滑な受け入れが行われるように努めているところでございます。 なお、被災により困窮している特殊教育諸学校の児童生徒の学用品の購入や通学用品の購入等につきましては、特殊教育就学奨励費の支給等について、弾力的、迅速な対応を図るように、各都道府県教育委員会に対して指導をしているところでございます。
○金子(徳)分科員 局長から力強い御回答をいただきまして、ありがとうございました。迅速に、そして現実的な対応ということをぜひお願いをいたしたいと存じます。 ところで、養護学校に通ってきている子供たち、どちらかというと、心と体に障害があるだけに、非常にいろいろな環境に対して敏感でございます。普通の人には考えられないほどの過剰反応をする、また、心も情緒不安定な状況が続いているわけであります。この大震災の体験というものは大きな恐怖となって一般の子供たちにも当然心の傷として残り、時間がたっても、突然がばっと夜中に飛び起きてその恐怖を思い出すというようなことが往々にしてあるということを阪神地区にいる方々から私ども伺っているわけであります。 具体的には通告していなかったかもしれませんが、時間も大してありませんので、これらについては、これこそ本当の意味で心のリハビリテーションをしていかなくてはいけない。アメリカのロス地震のときは、もう既にそうした心理的リハビリといいますか、カウンセリングを十二分に行ってきたわけですね。そうした意味で、これもさきの関連質問等で出ているかと思いますけれども、大臣に、こうした分野についての温かい今後の心理的リハビリテーションあるいはカウンセリングのシステム化ということについて、ぜひ御考慮、御高配をいただかなければならない。 とりわけ養護学校等については、先ほど申し上げたとおり繊細な心を持った子供たちがおります。特に脳性麻痺、分娩障害等で脳性麻痺になった子供たちの心というのは、普通のIQを持っているだけに、体がきかない、逃げ場がない、その大きく揺れた中で、親と一緒にどうすればいいかということを悲痛な叫びとして、言葉にならない、もう母音しか発言できないのです、あの脳性麻痺の子供たちは。そうした子供たちに対して、その恐怖心を心理的にリハビリテーションによって和らげてやる。今後も継続してのカウンセリングというものを、一般の普通児童生徒も含めて、今後どのようにこれも教育行政の中で大きくこれから御指導をしていただけるか。また、地方の教育委員会も、もう既にそうしたことについては準備いたしておると思います。 国際ボランティアも最近ではそちらの方に大きく目を向けて、協力できないかというような話も来ておるということを伺っているわけでありますが、大いにそうしたものは受け入れていかれて、そして日本の最も高就学率である義務学校というものを、養護教育も含めて充実していただくように最後にお願いし、大臣の御答弁をいただくならば幸いでございますが、よろしくお願いしたいと思います。
○与謝野国務大臣 今回の大震災の被害というのは、単に人命あるいは建造物だけではございません。やはり子供たちの心、とりわけ障害を持たれた子供たちの心に大きなダメージとして残っているのではないかと思います。児童生徒の中には親を亡くされた方もおられるでしょうし、また、長引く避難生活の中で、あの大きな地震の記憶が残っている。また、避難生活の中でいろいろなストレスがたまり、目に見えないところで心に傷を持っているわけでございます。 こういうことに対しまして、文部省は地震発生当初から、いずれこういう問題にきちんと対処していかなければならないと考えてきておりました。これは、もちろん学校では担任の先生あるいは教頭、校長先生の仕事でもありますし、養護教諭の仕事でもありますし、また学校医の仕事でもあるわけでございますが、そのほかにやはり臨床心理士、すなわちサイコセラピストの先生方の知識と経験も十分生かしていただいてそういうものに対処しなければならないと思っております。障害を持たれたお子様に関しましても、やはりパラメディカル的な愛情を持った対応というものが大 変大事だというふうに考えております。
○金子(徳)分科員 どうもありがとうございました。頑張ってください。 終わります。
○今村主査代理 これにて金子徳之介君の質疑は終了いたしました。 次に、月原氏晧君。
○月原分科員 新進党の月原です。 きょうは大臣御出席のもとで、分科会で国民体育大会のことと地方大学の理工系学部の新設、この二つについて文部省のお考えを、大臣のお考えをお聞きしたい、このように思います。最初に細かいことは事務当局に答弁させていただいて、あとは大臣が大局的にお願いしたいと思います。 私の方の県も国体で優勝し、私も音ある地方の県にいたときに、そこももちろん優勝したわけでありますが、私は、優勝することは非常にいいことだと思っておりますが、開催県と優勝、その関係というのは、最近の実例、この十年くらい私が見たところでは全く一致しておるということなんですが、局長、どうでしょうか。
○小林(敬)政府委員 私が調べましたところでは、昭和三十九年の第十九回の新潟国体以降、ずっと開催県が優勝を、総合優勝でございますが、しているというふうに承知をいたしております。
○月原分科員 そこで、その優勝のメカニズムというかそれは各県一生懸命努力して優勝しているわけですが、どういうところに優勝の原因があるんだと。それはもちろん後で聞いていきますが、組み合わせの問題がある。それから、もちろん開催県に有利なような、ほかの参加する点数がある。そのほかにやはり選手がすばらしいということだと思うのですが、そこらのことについて、まず組み合わせについて、現在はどういうふうなことで組み合わせ、これは文部省の仕事ではないと思いますけれども、体育協会とかもろもろのところでやっておるんだと思いますが、どこが責任を持ってそういう組み合わせをしておるのか。そして、組み合わせについて今どういうふうな問題点があるのだろうかということをお尋ねしたいと思います。
○小林(敬)政府委員 いわば優勝のメカニズムとでも申しましょうかその一つは、やはりその組み合わせも今まではあったかと思います。比較的ポイントをとりやすい組み合わせに主催者があうんの呼吸でやっていく。これは体育協会が中心になって競技団体で協議しながら決めてくる。ただ、これが現在では、今回から公開抽せん制度に切りかわりました。したがって、このことから、特にその組み合わせによって高得点を開催県が得られるということはちょっと期待できなくなったということが言えようかと思います。 しかし、なぜ三十年近くも開催県が優勝しているかということになりますと、一つには、やはり何年もこういうふうに開催県が優勝を重ねてくるといういわば伝統のようなものがありますと、うちの県もぜひ優勝したいということから、何年もかけて選手強化を図ってくるというのが基本的なところでございます。 しかし、非常に規模の大きい県も小さい県も皆そうでございますので、そのほかにもいろいろな工夫をいたしておるわけでございます。例えば有力な選手をスカウトしてくるとかそれから得点源になりそうな体育系の先生を開催年度に合わせてふだんより多目に採るとか、そういった各県でできるさまざまな工夫をして、それなりの努力をして優勝にこぎつけてきたというのが実態であろうかと思っております。
○月原分科員 今御答弁された中に、組み合わせについて、今までと異なった制度を今回から採用していく、公開でやっていくというお話ですが、これはやはり何らかの反省に基づいて今回からそういうことにされたのですか。どういう根拠というか考え方でなったのか教えていただきたいと思います。
○小林(敬)政府委員 スポーツの世界の一つの大きな理念というのは、フェアプレーなのだろうと思います。ですから開催県が、やはりほかの県も今までずっと勝っているのだからことしも勝ってほしいというような希望があるにしましても、抽せん等で皆さんの見える前でフェアに組み合わせを決めて、それでなお優勝する、こういうことであれば本当に祝福できる優勝になってくる。もしそうでありませんと、ポイントを上げやすいような組み合わせができるのではないかというような一般国民の受けとめられ方、そういうことにも配慮してきた結果であろうかと思っております。
○月原分科員 今局長がお話しになった点ですが、私も耳にするのは、かつて、これからそういうことが起こらないようになると思いますけれども、各地域から出ておるすばらしい選手が、優勝戦というか上位の試合で白熱した試合をする、それを地元の人たちが見ることができる、これも体育大会としては非常に好ましいことなのです。しかし、強い者同士先にぶつけて、地元の方に高度に配慮した結果、優勝戦はもう最初からわかっておるのだ、こんなことになることも多いと聞いておるものですから、あえてその点を御質問させていただいたのです。今局長のお話のように、その点が是正されたことは非常に喜ばしいことだと思います。 そこで次に、スカウトしてくるというお話がありました。昔、よくジプシー選手とか言われたことがありますね。その点はどういうふうに是正されつつあるのでしょうか。
○小林(敬)政府委員 この問題は、日本体育協会の大会開催基準要項細則によりますと、幾つか参加資格の条件があるのですけれども、その中の一つに、原則として前回大会に他県の代表として参加した者でないことという条項を入れることによりまして、いわゆるジプシー選手を排除しよう、こういうふうな工夫が既になされておるところでございます。
○月原分科員 今おっしゃった参加資格のところでそういうふうな規定がありまして、一年ごとに移ることはできない、こういうふうなお話でよくわかりました。それでも、私たちの県で一、二の例を見ると、試合が終わったらもうその選手はおらなくなった、どこかの県に行ってしまった、次のときには出られないにしても、そういうふうな例もあります。 ジプシー選手の結果、地元で試合に出たいと思って高等学校に入ったときから、中学校のときから一生懸命、今度国体があるときはひとつ出してもらいたいと思っている人が、えらいうまい人がぱんと来てしまって出られない。若い人の希望の芽を摘むというか、そういうことがあるだけに、開催県の意欲もあって急にはなかなか難しいと思うのですが、徐々にこういう点を解消するように御指導をお願いしたい、このように思います。
○小林(敬)政府委員 その点につきましても、既に体協自身がこういう参加資格を定めておるわけでございますので、今後さらにそれを脱法的に破る人が出ないように、その趣旨の徹底を私どもとしても図ってまいりたいと思っております。
○月原分科員 次に、外国選手といいますか過去の卓球の件でちょっと調べてみたのです。 そうしたら、例えば四十八回国体を見ると、男子の部もあるのですが、女子の部に典型的にあらわれておるのです。香川県、岐阜県が三人のうち二人が外国人選手である。それから愛知県は三人に一人が外国人選手である。そして、香川県が第一位、岐阜県が第二位、そして愛知県が第三位、こんな結果が出ておる。これはたまたまかもしれませんけれども、こういうふうな結果になっておるのですね。 私は、いろいろな物の考え方があると思いますけれども、文部省の方にこの間ちょっと教えていただいたら、附則というのがあって、これはいろいろな反省に立ってつくったのだというふうに言われておりますが、この附則そのもののっくられた趣旨、そして今私が申し上げたように、それを無理に解釈して外国人選手がたくさん入ってくるという結果にならないように私はお願いしたいわけです。 この附則をつくられた趣旨と、現在それをどういうふうに解されておるのかということを教えてください。
○小林(敬)政府委員 外国人選手につきましては、体協がおつくりになっておりますところの参加資格の中で、日本国籍を有する者であることということがあるわけでございます。 学生生徒のことについてまず申し上げますと、これは原則としては今申し上げたように大会に参加することができないわけでございますが、特例として、学校教育法第一条に定める大学、高等学校及び中学校に在籍する生徒は大会に参加できるというふうに決めております。これはどういうことかといいますと、学校の運動部活動及びその成果を発揮する対外運動競技が学校教育の一環として行われているのであるから、その教育上の意義にかんがみたときに、これらの学校の生徒については外国人であっても参加を認めるというのが基本的な考え方でございます。ただし、大学生につきましては留学生を除くとなっております。したがって、ただいま先生が御指摘になられたような問題は、高等学校が現状では一番多いわけであります。 これは、もともとは、ずっと日本に在学して国内の子供たちと同じように机を並べて勉強しているのに国体に出られないというのはおかしいということからこういうふうな定めになっておるわけでありますが、実はこのことをいわば利用してポイントを上げていくというふうに使われているケースがある。先生が先ほど御指摘になられましたような第四十八回大会というのは、特にその数が多かったわけでございます。その四十八回大会のときにはかなりそういった点についてスポーツ界でも批判がございまして、まだ四十九回の細かい数字が整理されておりませんが、次の回ではかなり減ったのではないかというふうに考えているところでございます。 したがいまして、こういった点も、もともとの原則的な考え方は私どもとしても是認できるわけでございますので、その趣旨というものをよくよく御理解いただいて、今後の国民体育大会のいわばフェアな運営に努力していきたいなというふうに思っておる次第でございます。
○月原分科員 大臣、いろいろお話をお聞きになったと思うのですが、もう一つ。 その結果、集中的に教員を採用したりすると、生まれた年によって、大きくなったら体操の先生になりたいな、私のところへも一人か二人、話をしてみたら本当に純真な気持ちで体育学校に進んでおる、しかし国体があったものだからしばらくは採用せぬ、その数が非常に絞られてくる、こういうような実態があるように聞いたわけですね。最近のデータをとるのもいろいろ問題もあろうかと思ったので、非常に古いデータですが総務庁の調査の結果によると、ある県においては国体後四年ぐらい体育の先生を採用するのはゼロが続いておる、そんな場合が過去にあるのですね。 そういう点、大臣、優勝したい、この気持ちはわかるのだけれども、やはり新たに毎年毎年体育学校を出て県の中学とか高校の先生になりたいという希望の人たちを、その芽を摘まないように今後何らかの指導をしていただきたい。余り急激に変化、極端に、今まで採っていて、もうちょっと早く生まれておったら先生になれていたのだ、それはいろいろな情勢によって、経済情勢によって就職の問題は幅があると思いますけれども、この国体という問題でそういうぶれが出ないように、そういう点ひとつ御指導をお願いしたいと思うのですが。
○与謝野国務大臣 国民体育大会も昭和二十一年に始まって以来大体一巡をしまして、今はもう第二巡目に入るわけでございます。開催したいというところ、開催地争いというのもなかなか熾烈でございまして、また、開催地になった県では、今度は優勝したいという大変強い希望が出てくるわけでございます。 先生が今数々事例を挙げられて御指摘になったように、優勝するためにやや不自然な行動をとっているという御指摘だろうと思いまして、その点は、自然な形で優勝するのはともかくとして、余り不自然なことをやって優勝してもやはり余り価値のあるものではないと私は思っております。しかし一方では、開催という時期に合わせまして県内の体育振興あるいは競技スポーツの振興ということを図ろうという、そういう県、地元のお考えもまた理解できないわけではありません。 しかし、その結果、先生御指摘になりましたような人事管理等で将来行き過ぎだというようなことがありますれば、それはやはり是正をしていく必要がありますし、文部省としては、余り無理なことをしてということはいかがなものかという立場は当然我々の立場でございます。
○月原分科員 大臣からそういうお答えをいただいたので、ありがとうございました。 大臣もお話しのように、ずうっと過去から開催県が大体優勝するようになっておるのだ。そうすると、知事ももうやらなければいかぬなと思うし、だれも声をかけることができぬですね。もう実力で、二位でもええじゃないか、三位でもええじゃないか、こういうふうなことがなかなか言えなくなって、そして今日まで来ておる点もあると思うのです。 もちろん長所もあります。しかし、文部省、そこの最高の責任者である文部大臣がそういうふうにおっしゃっていただいたので、これからやはり自由にもっと国民体育大会のこと、選手の養成から始まっていろいろ自由に判断できるようになると思いますので、ひとつ大臣、今の御答弁のように指導していただきたい、このように思います。 続きまして、これは実は私の地元の方で、今まだそこまではいっておりませんけれども、国立大学で八つばかり理工学部がないということで、文部省の方でその中から今、島根、そして和歌山というようなところでその充実という方向で進んでおるというふうに聞いておるわけですが、今どういう状態であるのか、どういう進捗状態であるのか、そのことを簡単にまず局長の方から御説明を願いたいと思います。
○吉田(茂)政府委員 お尋ねの件は、島根、それから和歌山の状況はいかん、こういうことであろうかと思いますが、それぞれ、島根大学については理学部、農学部を改組いたしまして総合理工学部と生物資源科学部を設置する、それから和歌山大学ではシステム工学部を設置するという方向の中で、現在国立学校設置法を国会審議をお願いするに至っているという段階でございます。
○月原分科員 そこで、大臣、しばらくそういう新しくつくるということがとまっておったわけですが、新たに日本の将来を考えて文部省がそういう方向に動き出しておるわけであります。そういう新しくつくる、動き出した、理工系をつくろうとする理念というか、それをどういうふうな理念のもとでつくっていったらいいのだろうかというようなことを、大臣の個人的な見解でも結構ですが、お教え願っておきます。
○与謝野国務大臣 近年、学術研究が大変高度化しております。それと同時に、技術革新が急速に進展する。また、日本としては産業空洞化というものが顕在化して、我が国の産業発展の基盤となる創造性と広い視野を兼ね備えた技術者、研究者の養成が大変重要だ、これが私どもの課題であるというふうに考えております。 したがいまして、文部省としても、先端的分野や学際的分野のニーズに対応できるよう、既設国立大学の学部・学科の再編、大学院の整備充実、社会人の受け入れなどに積極的に努めているところでございます。 国立大学の理工系学部の設置については、現下の厳しい行財政事情及び十八歳人口の減少という動向等を踏まえつつ、二十一世紀を展望した科学技術の発展をリードするとともに、地域の発展に寄与するなど、創造性と広い視野を兼ね備えた人材養成に資する魅力的な理工系学部の充実に努力してまいりたいと考えております。 したがいまして、先生の御質問は、地域の発展に寄与する創造性と広い視野を兼ね備えた人材養成、それと同時に、日本の産業空洞化に対応する人材、こういうことになると思います。
○月原分科員 まさに大臣の言われるとおりだと思います。そしてまた、国民の税金といったらあれですが、それを投入して新しくつくるという以上は、大臣のおっしゃったような理念のもとで本当につくっていただきたいな、こういうふうに私は思っておるわけです。 ところが、なかなか行財政改革も今そういうところもありまして、学部の中でいろいろプラス・マイナスをしたり、それからまた大学の自治というのですか、いろいろ大学の中でおれのところはこんなものをつくりたいのだというようなことでも、そこで大臣の今言われたような視野で、全体の地域をにらんで、そういうふうなものがやや欠けるところが出てくると私は思うのですね。そういうのはむしろよそから見れば、文部省は余り強く指導し過ぎると言われるかもしらぬけれども、今はそんなことを言われてもそれを乗り越えて、今大臣の言われたような、同じ学部をつくるならそういう方向で検討を進め指導していただきたいな、このように思うわけであります。 そこで、これはちょっと各論みたいになりますが、私の方も今文部省の方に非常にお願いしておるわけですが、中・四国全体を眺めて、新しく岡山にこの間環境の関係ができたわけですが、中・四国の方を考えて今どういうふうな分野のものをつくったらいいのかというようなことを、吉田局長お考えの点があったらお教え願えたらと思います。 というのは、私はかつて大学生のころよく私がいた大学のことを言われたのですが、本多光太郎さんがいて、全国で、その学部だということで、ほかにもいい大学はたくさん帝大であるのだけれども、むしろそのためにのみ来る学生が非常に多かった。このごろそういう特色がなくなってきたのですね。ただ頭のいいやつはここの大学に行けというような、順番で行ってしまうようなことになってしまっている。私は、今度つくるときは、全国でそういうものに意欲を持てる人が来れるような学部をつくってもらったらな、こんな感じがあるものですから、あえて中・四国の方ではどういうところが指導していただけるのか、局長、お話し願いたいと思います。なかなか今すぐは言えないと思いますが。
○吉田(茂)政府委員 この問題は基本的には、例えば一つにはその県の圏域におきます国公私立大学の学部の設置状況あるいはその入学定員、それから既設国立大学の学部・学科構成、あるいは圏域の高校卒業生の大学進学希望状況、どういう学部に入りたいかも含めての希望状況、あるいは既設の国立大学におきます例えば理工系なら理工系の学部についてどう考えるかというような検討状況、こういったものを勘案しながら対応していくということでございまして、必ずしも中・四国においてどういう学部がということをなかなか判断しにくいわけでございます。 いずれにしても、こういう非常に厳しい行財政状況の中で、入学定員をふやすなりあるいは組織を改編するなりということになりますれば、やはり社会的要請の強い分野、地域において要請の強い分野、あるいは先端分野の学術研究の推進のためのものということがやはり検討の課題のプライオリティーが高くなってくるのではないかというふうに考えております。
○月原分科員 まだ具体的になっていませんから、なかなか答弁されるのも難しい、こういうふうに思いますが、私は、今局長の言われたとおり、もう一つはその地域における発展にも寄与するというようなこと、地域の開発そのものにも寄与できるというのは私立大学ではなかなかできない、国立大学であるがゆえにそういうこともできる、こう思いますので、そういう点も配慮していただきたいと思います。 時間が参りましたので、最後でございますが、大臣にお願いしたいのですが、二十一世紀を乗り越えるだけのそういう立派な、あと新設の学部、理工系の学部というのは少ないわけですね、もうそんなにたくさんつくられることでないわけですから、つくる以上は先ほど大臣のおっしゃったような理念に基づいて、そして地域にも寄与する、大臣もおっしゃっていただいたように、そういうことでむしろ文部省が強力な指導をしていただきたい、このように思うのですが、最後に大臣の決意を。
○与謝野国務大臣 先生の御出身の香川県は、国立大学の工学系学部未設置県の一つでございまして、県知事初め国会議員の方々も熱心にこの設置に関する運動を展開されております。いずれ時期が来ましたら先生方の御熱意におこたえをする、またしなければならないという時期もいずれやってまいりますし、その場合には、先ほど先生が言われましたように二十一世紀をリードするような理学、工学、そういうものを御担当いただかなければならないと思っております。
○月原分科員 大変強力な発言、ありがとうございました。 以上をもって私の質問を終わります。
○今村主査代理 これにて月原茂晧君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして文部省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後四時三十六分散会