予算委員会第五分科会 第1号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/02/20
会議録
○桜井主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。 本分科会は、総理府所管中環境庁並びに農林水産省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算中総理府所管環境庁について、政府から説明を聴取いたします。宮下国務大臣。
○宮下国務大臣 平成七年度環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 まず、予算の基礎となっております環境政策の基本的な考え方について御説明申し上げます。 今日の環境問題は、地球規模で、また、将来世代にわたって広がりを持つ人類共通の課題であります。 我々は、経済社会活動や生活様式を問い直し、祖先から受け継いだ美しく恵み豊かな自然と環境を守り続けていかなければなりません。 さて、委員の方々も御承知のとおり、昨年十二月、政府は、環境基本法に基づく環境基本計画を閣議決定いたしました。 この環境基本計画に基づき、人間と環境との間に望ましい関係を築くため総合的施策の展開に全力を挙げてまいることは、村山内閣が目標とする「安心して暮らせるやさしい社会」の創造のために不可欠なものであります。 私は、本年が基本計画に基づく新たな環境政策を展開し始めるいわば環境基本計画元年であり、環境行政の真価が問われる年であることを肝に銘じて、環境庁の企画調整機能を十分発揮しつつ、環境庁の施策の充実はもとより、政府一体となって環境行政を総合的かつ計画的に推進することに全力を挙げてまいりたいと考えております。 このような認識に立って、次に掲げる施策につきまして重点的に取り組むことといたしております。 第一は、環境基本計画を効果的に推進していくための取り組みを強化していくことであります。 昨年末に設置しました環境基本計画推進関係省庁会議などを積極的に活用し、関係省庁が一体となった施策の展開を図るとともに、地方公共団体が行う先駆的な事業への補助制度の創設等の施策を推進してまいります。 第二は、環境基本計画に掲げられた四つの長期的な目標に向けて具体的な施策を推進していくことであります。 すなわち、長期的な目標のその一、循環を基調とする経済社会システムの実現については、大気環境や水環境の保全対策、廃棄物、リサイクル対策などさまざまな分野において、その取り組みを一層充実強化してまいります。 その二、自然と人間との共生の確保については、自然との触れ合いを求める国民のニーズにこたえ、自然公園等を総合的、計画的に整備するとともに、生物多様性の保全等を一層推進してまいります。 その三、すべての主体の参加の実現については、国みずからの行動計画をつくるほか、地方公共団体、事業者、団体、個人等各主体の環境保全活動を推進するため、環境教育、環境学習や普及広報活動の推進等に努めてまいります。 その四、国際的取り組みの推進については、気候変動枠組み条約など地球環境保全に関する各種の国際条約等に基づく取り組みに積極的に参加するとともに、開発途土地域への政策的、人的、技術的な支援等を一層強化してまいります。 施策の重点の第三は、環境影響評価や、社会経済活動に環境配慮を組み込むための経済的手法の検討、環境保健施策の推進など環境基本計画において課題とされた環境保全に係る共通的基盤的施策の推進を図ることであります。 平成七年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、以上のような基本的考え方のもとに計上した環境庁予算要求額は、七百十四億五千六百万円であり、これを前年度の当初予算額六百七十三億千七百万円と比較すると、四十一億三千九百万円、六・一%の増額となっております。 予算要求額の主要な項目につきましては、お手元にお配りしてある資料のとおりでございますが、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○桜井主査 この際、お諮りいたします。 ただいま宮下国務大臣から申し出がありました環境庁関係予算の主要項目の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔宮下国務大臣の説明を省略した部分〕 平成七年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 平成七年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は、七百十四億五千六百万円であり、これを前年度の当初予算額六百七十三億千七百万円と比較すると、四十一億三千九百万円、六・一%の増額となっております。 予算要求額の主要な項目について、御説明申し上げます。 第一に、環境保全の企画調整等については、昨年十二月に策定した「環境基本計画」の推進をはじめ、環境影響評価制度特別総合調査の実施、環境保全のための経済的手法の検討、環境教育・環境学習の推進等環境政策の新たな展開に向けた取組を積極的に推進するとともに、気候変動枠組み条約を踏まえた総合的な地球温暖化防止対策の推進、開発途上国の環境問題への取組に対する支援、砂漠化防止対策の推進、アジア太平洋地域における地球環境共同研究の推進等地球環境問題への取組を積極的に推進することとし、これらに必要な経費として、三十二億六千万円を計上しております。 第二に、公害による健康被害者の救済等については、水俣病問題の早期解決を図るため平成四年度より実施している水俣病総合対策を充実するほか、従来に引き続き、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、公害健康被害補償予防協会に設けられている基金により行う健康被害予防事業や環境保健に関する各種調査・研究を推進することとし、これらに必要な経費として、二百十五億五千七百万円を計上しております。 第三に、大気汚染等の防止については、大都市地域の窒素酸化物対策の推進をはじめ、オゾン層保護対策、浮遊粒子状物質対策、未規制大気汚染物質対策等の推進を図ることとしております。 また、騒音、振動及び悪臭対策についても、引き続き推進を図ることとし、これもに必要な経費として、十五億五千万円を計上しております。 第四に、水質汚濁の防止については、国連海洋法条約に対応した海洋環境保全の対策を推進するとともに、生活排水対策、海域における富栄養化対策及び水質総量規制、湖沼水質の保全、水道水源水域の水質の保全並びに地下水質の保全等の対策を推進するための経費として、十四億七千三百万円を計上しております。 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として、二億二百万円、土壌汚染防止及び農業対策費として、三億千七百万円をそれぞれ計上しております。 第五に、環境事業団については、建設譲渡事業及び融資事業等を引き続き推進するほか、地球環境保全に取り組む民間団体の活動を支援するため平成五年度に創設された「地球環境基金」事業の推進を図ることとし、同事業団の事業に対する助成等に必要な経費として、五十七億二千五百万円を計上しております。 第六に、公害監視等設備の整備については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を助成するために必要な経費として、八億二千九百万円を計上しております。 第七に、環境保全に関する調査研究の推進のための経費については、総額六十六億二千八百万円を計上しております。 この内訳としては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として、十九億千八百万円を環境庁において一括計上するとともに、環境基本計画推進調査費として、二億五千万円を計上し、環境基本計画を推進するための環境保全対策に関連する各省各庁所管の調査の総合調整を行うほか、地球環境研究総合推進費として、二十四億五千万円を計上し、各省各庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種の地球環境保全に関する調査研究の総合的推進を図ることとしております。 また、公害防止等調査研究費として、二十億一千万円を計上し、地球観測衛星アデオス及びアデオスⅡに搭載する成層圏オゾン等の観測機器の開発、環境汚染による健康影響の解明、その他大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する各種調査研究を進めることとしております。 第八に、自然環境の保全対策及び自然公園等の整備事業等について申し上げます。 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理については、生物多様性に関する情報の収集整備等をはじめとする生物多様性保全施策を総合的に推進するとともに、国立公園の保護管理の強化を図ることとしております。 また、野生生物の保護対策については、絶滅のおそれのある野生動植物の保護対策の強化を図るとともに、野生鳥獣の保護等に関する調査検討を推進することとしております。 これらに必要な経費として、合わせて、二十一億四千九百万円を計上しております。 次に、自然公園等の整備事業については、人と自然との豊かなふれあいを確保するため、我が国を代表するすぐれた自然を有する国立・国定公園において、その保全・復元等の事業や自然学習、自然体験の場の整備等を総合的に推進するとともに、身近な自然とのふれあいの場や長距離自然歩道等の整備を推進するほか、国民公園の整備を図ることとし、これらの整備に必要な経費として、百二億九千万円を計上しております。 第九に、環境保全施設の整備については、野生生物保護管理施設等整備、大気保全施設整備、生活排水対策重点地域内の水質浄化施設及び水辺環境の再生等の整備助成に必要な経費として、十一億二千七百万円を計上しております。 第十に、環境庁研究所については、国立環境研究所において、地球環境問題をはじめ環境全般にわたる研究を積極的に推進するために必要な経費として、七十四億三千三百万円を計上し、国立水俣病研究センターの運営等に必要な経費として、四億九千万円を計上し、また、環境庁研究所の施設の整備を図るために必要な経費として、三億五千九百万円を計上しております。 以上、平成七年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
○桜井主査 以上をもちまして総理府所管中環境庁についての説明は終わりました。
○桜井主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今村修君。
○今村分科員 社会党の今村修であります。 私は、三つの点について御質問を申し上げたいと思います。 一つは、平成五年十二月に指定をいただきました世界遺産白神山地の問題についてお伺いをしたいと思います。 この世界遺産自神山地のすばらしい自然環境を保全し、そのまま後世に引き継いでいくために、その管理体制の整備充実及び白神山地世界遺産センターの早期設置についてお伺いをしたいと思います。 御承知のように、世界遺産に指定をされてから、国あるいは県の努力でこの整備計画が着々と進んでいるわけであります。できるだけ早い時期にこの管理体制等の整備、遺産センターの設置をしていただきたい、このことについて強くお願いをする次第であります。 特に、管理体制の点については、国の効果的かつ積極的な保護管理が必要であります。そのためには、保全施設の整備充実、モニタリング調査の実施、また世界遺産センターの早期設置については、同じ時期に指定を受けました屋久島においては、既に建設を予定していた屋久島野生生物保護センターを遺産センターに変える、こんな形で着々進められてきた、こういう経過になっているわけであります。ぜひとも早期に設置をしていただきたい。また同時に、学術調査研究の推進もお願いをしたい。世界遺産に指定をされて、国際協力体制の充実、確立もまた必要だと思っています。ぜひともこうした管理体制、センターの整備についての御見解をお伺いをしたいと思います。
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。 先生御指摘のように、白神山地は世界遺産として登録をされておりまして、大変貴重な自然でございます。私どももその保全、管理に適切に対応していくべきものと考えておるところでございます。このため、現地での定期的なパトロールでありますとか巡回指導や標識等の施設整備、それから地形や地質、動植物などの調査研究、利用者の普及、啓発などのさまざまな活動を行い、その保全に努めているところでございます。 また、先生御指摘のように、管理体制の充実ということが私ども大切だと考えておりまして、平成七年度からこの地域の管理の強化を図るための世界自然遺産生態管理官を新たに配置することといたしますほか、先生御指摘の世界遺産センターの整備を進めることといたしております。世界自然遺産センターは二カ年計画で整備すべく予算を七年度予算に計上をさせていただいておるところでございまして、今後ともさらに管理体制あるいは調査研究体制の充実には努力してまいりたいと考えているところでございます。
○今村分科員 センターの二年間における整備内容、どの程度の規模でどういう内容のものを現在考えているのか明らかにしていただきたいと思います。
○奥村政府委員 世界遺産センターは、先ほど申しましたように平成七年から二カ年かけて整備することといたしておりますが、基本的には地域の保護管理そして調査研究、また普及、啓発の拠点ということでその整備を進めたいと考えておりまして、具体的な内容については、予算が成立し次第、関係県とも相談をして調整をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○今村分科員 予算がまだ成立をしていないという段階でなかなかはっきり言えないということなのでしょうけれども、大体どんな構想になるのか、構想だけでもちょっと明らかにできないでしょうか。
○奥村政府委員 まだ予算が成立していない段階でございますので具体的にはまだ十分詰めておりませんけれども、やはり研究の拠点あるいは普及、啓発の拠点ということでございますので、展示スペースなどを整備いたしまして一定の展示をいたしますとか、研究者のための資料の保管をするスペースでありますとか、それから研究者が会議や打ち合わせをする場所でありますとかそういったスペース、機能を確保したいというふうに考えておるところでございます。
○今村分科員 ぜひとも一定の計画内でこれらの計画が予定どおり進行することを強くお願いを申し上げたい、こう思います。 次に、下北半島に生息するニホンザルの保護管理事業についてお伺いをしたいと思います。 これまでも環境庁にはこの北限のニホンザルの保護管理に大変な御努力をいただいてきたわけであります。ただ、青森県下北半島の脇野沢村を中心に生息をするこの北限の猿、天然記念物に指定をされ、なおかつ鳥獣保護区が設定され保護が図られている、こういう状況になっているわけでありますけれども、猿生息地の自然環境の変化から、猿が人家周辺までおりてきて農作物を食い荒らす、極端な例は人間を威嚇する、こんな状況にまで被害が及んで、その都度その対策を強く求めてきた、こういう経過になっているわけであります。 もともと猿がすんでいた地域を人間が環境を荒らしたということもこんな状況をつくり出してきた要因にはなっているのでしょうけれども、人間が生活をしていく上で、被害を受けるということは大変なことでもあるわけであります。この保護管理事業について、国として、環境庁としてこれまで努力されてきたことはわかるわけでありますが、一層の努力をしていただきたいと強くお願いをしたいわけでありますけれども、七年度を含めてこのためにどのような対策を考えているのか、お伺いをしたいと思います。
○奥村政府委員 先生御指摘のとおり、下北半島の猿は、学術的にも貴重な北限の猿ということで天然記念物にも指定をされているところでございます。環境庁としては、国設の鳥獣保護区を設定いたしまして、管理員を設置いたしますとか野猿監視員の助成などの対応をいたしておるところでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、近年地元における農作物の被害などが増加をしておりまして、青森県及び地元脇野沢村から対策についての強い要望がございます。他方、自然保護団体などからは、やはり保護を大事にすべきではないかという御指摘もございます。そうした状況を踏まえまして、地元青森県とも御相談をして、平成七年度から私どもとしては新たな事業として、野生鳥獣の保護と被害の防止を両々相まった形で行っていくための対策として、えさとなる樹木の植栽や電気さくなどの設置を行うための実証調査を行いたいと考えておりまして、そうした事業の成果を見ながら、今後とも適切な保護管理対策を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○今村分科員 えさの確保が猿そのものの被害を大きくしているという状況にもあるようです。ただ、人間がつくった畑の作物の味を一たん知ってしまった猿は、なかなか自然のものには手を出さなく、畑を荒らすという方にどちらかというとなるようであります。 そういう点では、ちょっとお話がありました畑の周辺に電気さくを回すという形の対策が、今までとってきたいろいろな対策の中では一番有効だ、こう言われて、農作物については農水省の方の協力をいただきながら一定の事業化も進める、こういう形にもなってはいるわけであります。しかし、まだまだこれは対策が一定の範囲に限定をされるということで、全体に及ぶという状況にはないわけでありまして、この被害対策、もっともっと地元が要望するような内容で十分な形で進まぬのか、こういう期待が地元にあるわけです。 この電気さくの関係でありますけれども、具体的に事業化をしていくとすると、これは環境保護という形でどの程度まで進めることができるのかこの点、ちょっと明らかにできるものでしたらお答えをお願いしたいと思います。
○奥村政府委員 先生御指摘のように、電気さくというのはある意味で大変効果があるというようなことで、幾つかのこれまでの事例があるということを承知をしております。 私ども、今年度から、先ほど申しましたように実証調査ということで、電気さくを設置をいたしまして、そしてその効果をいろいろ確かめるというような形で実施をいたしまして、そうした成果を含めて今後の施策の中に反映をさせていきたいというふうに考えておるところでございます。とりあえず実証調査に着手するという段階でございます。
○今村分科員 いろいろな面倒な点もあるし、これは日本全国至るところでいろいろなけものの被害が出ている、こういうことになるんでしょうけれども、二つの、保護しなきゃならぬという内容と、一方では被害を受けるという形と、相反する部分も含めながら、一層対策を強化をしていただくことを強く要請をしておきたい、こう思います。 次に、これは青森県の津軽半島に青森から出発をして北海道に渡る津軽海峡線が延びているわけです。この津軽海峡線、かつては津軽海峡のほんのローカル線であった線路を、海底トンネルができたことによって本線に格上げをして活用する、こういう取り扱いをした線路であります。かつてはディーゼル車一両あるいは多くても二両をつないで、三厩村という外れまで青森から出発をしていたほんの小さなローカル線であったわけであります。ですから、この沿線の住家の軒下を走るという線路でもあったわけです。この軒下を走っていた線路を、津軽海峡にトンネルができた、そのことによって本線に格上げをする、こういう取り扱いにしたわけです。 当時、地元の市長から、本線に格上げをすることによって騒音公害を含む被害が出ないのかと当時の国鉄に質問を出して、当時の国鉄からは、いや路盤改良をしますから一切問題ありません、こういう回答をいただいて、これが本線に格上げになっていわば運行開始をした。開始をした途端に騒音と振動、この騒音というのは、軒下を走られていた住民がびっくり仰天するような状況になったわけです。地元ではこの対策の住民の期成同盟会がつくられ、ちょうど国鉄からJRに変わった時期でもあったものですから、JRに対してその対策を求めた、こういう内容になったわけです。 JRの方でも、レールを、ロングレール箇所を長くする、間ががったんがったんしないようにする、あるいは防音壁をつくる、こういういろいろな対策を講じていただいたわけですけれども、なかなか思うような解決策がないという状況が今なお続いているわけであります。 環境庁を中心にしながら、こういう在来線のいろいろな被害について在来鉄道騒音指針、これをつくって在来線に対応するというお話を聞いてきたわけであります。地元では、一方ではJRに対しての具体的な対策、できれば根本的には新線をつくってくださいという県、地元市町村の要請、同時に一方では、環境庁に対して在来線騒音指針をつくってこの指針の中に当てはめていただきたい、こういう強い要請もあるわけであります。 この在来線騒音指針、これは二年間でたしかつくるという話を聞いておりましたので、もうでき上がったのかどうか、そしてこの指針が具体的に津軽海峡線に当てはまっていくのかどうか、この点についてお答えをいただきたい、こう思います。
○大澤政府委員 御承知のように、私どもが現在検討している在来線の騒音指針でございますが、これは新線の建設あるいは新たな大規模な改良に際して、著しい生活環境の変化が生じて住民からの苦情が発生しやすい、こういうことから、未然防止の観点からこういう環境保全のための指針を設定する必要があると考えて、今検討中でございます。 これは、平成四年度から検討会を設けまして、本年度末、六年度以内を目途に進めていると前に申し上げた経緯がございますが、実は、私どももいろいろな検討をする中で、現在海外において十カ国を超える国に対して在来線についての基準とか指針はどういうものがあるかという調査もしておりますし、それから鉄道事業者に対して、全国の在来線の主たるところにつきまして、鉄道の騒音対策の実態は、どうやっておられるかとか、あるいは地方自治体に対しましても、在来線騒音等に対する問題についての苦情あるいはその対策等についてどういうことをとられているかというようないろいろなことを、総合的にこの検討会の中で年次計画的に調査したり検討しているわけでございます。 今申し上げたような外国に対する調査あるいは事業体に対する調査あるいは自治体に対する調査は、大体回答が今集まりつつありまして、これらを総合的に今後集計、分析していかなければいかぬ。それで、結果的にまた専門家に御検討願うということになるわけでございますが、そんなことで、もう少し、つまり年度内にはなかなか作業は終わらないわけでございますが、時間をぜひお願いいたしたい、かように考えているところでございます。 なお、この指針が津軽海峡線に適用されるかという御質問の件でございますが、これは先ほども申し上げましたように、これ自体は、新線の建設または新たに大規模な改良を行うという場合に、用地の取得を行ったり、あるいは今後を想定していろいろな対策をするということを考えて指針の検討を行っているわけでございます。既存の路線のようなものについては、列車の種類、それから編成の内容、あるいは運行の頻度とか運行時間など、非常に個別に、線ごとに多岐にわたっておりまして、しかも、それに対してとれる環境対策も路線ごとにその条件が異なるというようなことから、全国一律に今私どもが検討しておるような指針を既存のものについて適用するということは非常に困難だと考えておるわけでございますので、その辺のことを十分御理解、御了承賜りたいと存じます。
○今村分科員 それでは、この指針が大体でき上がるめどというのは一体どのぐらいになるのかこの点を明らかにしていただきたい、こう思います。 それからもう一つは、今もう既に走ってしまった線路には適用しない、こういう御回答をいただいたわけです。ただ、そうしますと、今度は苦情を持っていく場所がないのですよね。これは事業主体であるJRの方にはいろいろ話を持っていくけれども、もう九十ホン近い大変な、たしかそのぐらいの音が出ていたと思いますけれども、大変な音が出る、こういう在来線について相談に乗ってもらえるというところがない。これは地元の地方自治体の努力だけで解決をしなさい、こういうことになるのはちょっと酷じゃないのかなという気がするわけです。 かつて、開業前に、夜わずか一両か二両の電車が軒下を四本しか走っていなかったのです。それが現在四十本近い、それも長距離の長い貨物列車、何十両編成の貨物列車などが夜走る、軒下を走る、こんな状況になって、もうこれは家屋の移転、これはどうにもならなくて、JRの方で移転をさせるという形で移転したうちもあります。しかし、全部移転できるという状況じゃなくて、この解決がなかなかできぬという状況で、延び延びのようになっているという状況を見ると、やはり環境庁の段階でも一定の対策を講じていただく、こういう対応ができないものかどうか、改めてその辺お伺いしておきたいと思うんです。
○大澤政府委員 最初の、今の検討の最終まとめはいつごろになるのかということでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたようないろいろな内外の関係の方たちにいろいろ回答をお願いして、それを集計、分析の作業に今着手し始めたところでございますが、そんなことで、相当時間を要するわけでございます。私どもとしては、秋ごろから年内を越えないように、それでも早いにこしたことはございませんので、できるだけ専門の先生方にもお願いして検討を早めていただいて、取りまとめを急ぐようにしたいと思いますが、今の見込みでは秋ごろないし年内ぐらいになるのではないかと考えております。 それから、二点目といいますか、今現在、御議論されております地元の問題、苦情、騒音、振動問題で、大変地元の方たちも御苦労されており、その対策に悩んでおられるということも、私どもも県等からもお聞きして承知しているわけでございますが、先ほど申しましたように、現在検討しているその指針そのものは、これから新たに建設なり、実態的な開業を行うというものを想定して、割と白紙的な形の状態について一般的な指針というのはつくりやすいというか、つくり得るわけでございまして、既存のものについては全国無数の線路がございまして、またそれにかかわる騒音、振動問題、その周囲の地理的あるいは生活環境というのも大変多岐にわたっておるわけでございます。 私どもとしては、しかしそれだからといって放置するというわけにもまいりませんので、個別のことは地元の県とかあるいは関係の事業者等とも十分連携をとって、それぞれについて問題あるものについて十分研究、検討をして、何らかの新しい方向なり方針が出ないか、皆さん、地元の関係の人と一緒に検討してまいりたい、そういう努力は十分してまいりたいと思いますので、御理解願いたいと思います。
○今村分科員 努力をしていただくのは極力お願いをしたいわけですけれども、ただ、せっかくつくられる指針が今悩んでいる人たちと全く関係ないという形になるというのは、これはやはりつくっていく上で何とか救済の方法がないのかな、こんな感じがするわけです。もし大臣のところで何かお考えがあればお答えをいただきたい、こう思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
○宮下国務大臣 今大澤局長の方から答弁したとおりだと存じますけれども、しかし、今お話を承っておりますと、あの地区で軒下を四回しか走っていなかったのが、その十倍の四十回、しかもスピードアップして大量の輸送が行われているという状況は、これは本当なら、私、今お聞きして感じたんですが、事前にやはりそれだけの措置はなされるべきものだったと思います。 しかし、こういう状況のもとで地元が大変御苦労いただいているようでございますから、この環境指針は、在来線の騒音指針というのは、これはもう今言ったように、なるべく早期につくることはもちろんでございますけれども、なるべく在来線として、そんなに各地で問題があるわけでございませんから、現地とよく、局長の方ともまた連絡をとらせていただいて、あとう限りどうすればそれに少しでも、地域住民の方々の苦痛を和らげることができるか、これはもう真剣に当たっていただくようにいたしたいと思っています。
○今村分科員 大変ありがとうございました。我々も、また地元は地元で努力するものはしながら、なおかつJRの方に要請するものは要請をしながら努力をいたします。環境庁としてもぜひとも最大限の努力をしていただきますことを要請して、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○桜井主査 これにて今村修君の質疑は終了いたしました。 次に、矢島恒夫君。
○矢島分科員 先ほど長官の予算概要の説明の中でも、生物多様性の保全とか、あるいは国際条約等に基づく取り組みを積極的に進めていく、こういうようなお話がございました。 そこで、私は、渡良瀬遊水地の問題でまずお聞きしたいわけです。 御案内のとおり、この渡良瀬遊水地というのが、栃木、群馬、茨城、埼玉、こういう四県にまたがっている、首都圏の中央部に残された広大な水と緑の自然環境空間ということは御案内のとおりですが、真冬でも多くのワシとかタカ類が越冬しているのが観察できるわけであります。先日もハイイロチュウヒが目の前を飛んでいくのを私は見ました。このような日本でも有数の湿地、いわゆるウエットランド、これであるこの渡良瀬遊水地をラムサール条約リストに登録すべきではないか、こういう論議が国会でここ数年にわたって行われております。 今まで環境庁は、三つの条件を挙げて、なかなか難しいと消極的な態度に終始しているわけですけれども、ラムサール条約の指定登録地のいわゆる選定基準というもので、「水鳥類の生息する国際的に重要な湿地であること」、具体的には、環境庁の話ですが、二万羽以上の鳥が生息するなど、たくさんの水鳥が生息できる価値のあるウエットランドであるということです、こういうように言っておられます。 そこで、私、ここに建設省からいただいた資料があるんですが、これを長官に資料としてお渡しをしてよろしいですか。――こういうものです。これを開いていただきますと、その中にこういう、赤括弧でくくってありますけれども、「特に鳥類についてみると、チュウヒやコヨシキリ、クイナなどの繁殖が確認されており、五十年前の鳥相が今も存続されていることが調査の結果分かりました。まさに、渡良瀬遊水地は『生きている自然の博物館』」だ。そして、その次のページの方には「水鳥類の生息する国際的に重要な湿地であること」「カンムリカイツブリ・カワウの他に、カモ類、サギ類が集まり、その数は二万羽を越えます。さらには、コハクチョウも時々飛来して、その優雅な姿をみせてくれます。」このように書いてあります。 まさに、建設省もお墨つきを与えてくれたようなもので、二万羽以上は確かに生息しているわけなんですが、この点いかがでしょうか。
○青山説明員 渡良瀬遊水地につきましては、首都圏の貴重な、かつ広大な空間であると認識いたしております。
○矢島分科員 そこで、私は、いわゆるラムサール条約リストに登録すべきではないか、こう思うわけですが、この点についてはどうでしょう。
○奥村政府委員 先生御指摘がありましたように、ラムサール条約に基づく登録に当たりましては、私ども三つの要件を前提としておるところでございます。その第一の要件が、先生御指摘の水鳥類の生息する重要な湿地であるという点が第一点でございますが、そのほか、やはりこれが将来にわたって保全をされていくものでなければならないわけでありまして、その際、国設鳥獣保護区の特別保護地区などの地域指定によりまして保全が図られている場所であるということ、それからやはり地元自治体が保全を志向され、そして登録をされる意向を持っておられる、こういうことが要件になろうかと思います。 御指摘の渡良瀬遊水地につきましては、現在いろいろな事業が進められるというふうに聞いておりますので、そうした点も踏まえながら、また地元の意向も十分聞いてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○矢島分科員 今言われた第二の条件、第三の条件はあるわけですが、これは日本独自の登録を申請する上での自主的条件とも言えるのではないかと思うのです。 この間、釧路の会議のときに五つふやしたと思います。現在九カ所の登録ということになっていると思います。依然としてこの湿地登録が非常に低いレベルにあるのではないかと思うのです。 日本と同じような条件で渡り鳥のルートがある国と比べてみますと、イギリスが八十カ所で三十三万ヘクタール、イタリアが四十六カ所ありまして五万七千ヘクタール、デンマークが三十八カ所ありまして百八十三万ヘクタール、オランダが二十一カ所ありまして三十一万ヘクタールとなっています。やはり、今の条件ですけれども、そもそも何の開発計画もないところでは保護だの保全たのは問題にならないわけで、やはり開発計画がいろいろ出てくるからこそ保護しなくてはならない問題が起こってくるわけです。ですから、イギリスやデンマーク、オランダなど常に湿地が開発にさらされている国では、この登録が進んでいるというのがこの数値からもわかるわけです。 地元の意向という点でいえば、やはり環境庁は、受動的ではなくて積極的な立場で地元に働きかけていく必要があるのではないか。そのためにはやはり登録に至るまでの対策というものも私は重要だと思うのです。この登録をするまでの間に破壊が進められていたのでは、ラムサール条約どころじゃなくなっちゃう、こういう事態も起こるわけです。 昨年十二月に環境基本計画が決定されました。今、この具体化の作業が進められているわけですけれども、一九九一年フランスが策定いたしました国家環境計画、これを見ますと、定量的環境目標を掲げておりまして、現存する湿地の三分の二を保護する、こういうことが明示されております。 また、ラムサール条約は生物多様性の条約とも関連するわけです。こういった点で、渡良瀬遊水地の保全に対してどういった対応をしておられるのか、また今後どのようにしようとしておられるのか、簡潔にひとつそのところをお聞かせいただきたい。
○奥村政府委員 先生御指摘のとおり、我が国の登録湿地は現在の九カ所でございまして、面積は八万ヘクタール強というようなところでございます。私ども、さらにこの登録湿地をふやしていくべきものと考えておりまして、各都道府県ともいろいろ連絡をとりながら、できるだけそうした雰囲気が醸成されるよう努力をいたしておるところでございます。 また、生物多様性の点で御指摘がございましたが、私ども、生物多様性がいろいろなところで進んでまいりますようガイドラインを作成したり、指導したり、こういった点でも努力をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
○矢島分科員 ラムサール条約では、指定登録地の選定基準について、先ほど申し上げたほかに、その土地における代表的な、または特異な価値を有するウエットランドであるということや、もう一つは絶滅のおそれのあるような動植物が生育しているなど、生態的多様性を維持するための特別の価値のあるウエットランドであるというような条件がありますが、まさにこの渡良瀬遊水地というのは、これはぴったりだと思うのですね。渡良瀬遊水地には絶滅危惧種だとか、あるいは危急種だとか、こういうことで認められている貴重な動植物が二十種以上もあるということですから、まさにこの特別の価値のあるウエットランドだと私は思うのです。ぜひそういう方向も含めて積極的に進めていただきたいと思います。 そこで、長官にお伺いしたいのですが、日本の歴史上、公害問題が真正面から政治に突きつけられた最初の土地が、この渡良瀬川流域だ。田中正造翁が亡くなって八十年以上が過ぎました。鉱毒を沈殿させるために一つの村を廃村にした、そして渡良瀬川の川筋を変えて今の渡良瀬遊水地をつくった。多くの農民の貴重な涙がしみ込んでいる、そういう土地が渡良瀬だと思うわけです。 私、ここに、環境庁が二十年を記念いたしまして出した二十年史というのを持ってまいりました。その冒頭のところにこのように書かれているわけですね。 例えば、有名な足尾銅山の鉱毒被害の場合には、山元での対策が不十分な上、廃水によって生じた深刻な農業被害の拡大防止や回復も行わずに、かえって被害民との小額での永久示談、さらには、被害を被っだ下流の谷中村に土地収用法を適用し遊水池化を進めたのである。 このように、日本経済の勃興期であったこの時代には、生産の拡大に高い価値が与えられ、深刻な公害被害が生じてから、被害者の受忍と犠牲の上で問題が「解決」されることとなりがちであったのである。こういう文章がございます。 私お尋ねしたいのは、こういう日本の環境行政の痛苦の教訓として歴史に刻まれているのが、この鉱毒事件だと思うのです。ぜひ環境庁はこの教訓を一層生かしていただきたいと思うわけです。ましてや、今、ガイア足尾計画だとかあるいは渡良瀬遊水地への空港建設問題などが起きております。この公害反対闘争の発祥の地に再びまた騒ぎを起こすようなことがあってはならないと思うんです。 同時に、日本は昔、この渡良瀬の地で鉱毒公害を起こした。しかし、今日を見てください、その土地はこれだけ豊かな自然あふれる土地に変わりましたと胸を張って国際的にできるような意味からも、ラムサール条約のリストに載せることは非常に有意義だと思うわけなんですけれども、ぜひ長官の御意見を……。
○宮下国務大臣 矢島委員の御指摘のとおり、田中正造先生という偉い、本当に熱心に取り組まれた、歴史的にも著名な政治家、今御引用になりましたが、私どもももう政治家になる前からよく承知しております。そういった意味で、この足尾銅山の鉱毒問題というのは日本の本当に戦前から大きな課題であったことは事実であります。 そして、それを克服するための、今御指摘のように渡良瀬川の流れを変えたり、そしてまた調整池をつくるあるいは遊水地をつくるということで今日に至っているわけでございまして、私どもとしては、ここにやはり今二百種以上の野鳥が住みついておるとか、御指摘のような建設省の資料にもありましたように、野生の植物種が相当あるというような豊かな環境がようやく回復してきているわけでありますから、そのことに深く思いをいたしながらこの問題に取り組まなくちゃならぬなという感じを私は強く持っております。 そういった意味で、ラムサール条約に指定する条件は、今三つの要件が指摘されましたけれども、何よりもやはり地域住民の方々がそういうことに思いをいたして、そしてこの地域をそういう歴史的な由緒ある地域として、しかもこれだけ回復してきた自然環境を保全していこうという強い意欲があれば、私は、ラムサール条約の指定もあながち夢ではないし、非常に現実的な話だなという感じがいたします。 ほかの条件は大体満たすようですが、地域住民の方々のぜひ結集した御意思の統一があれば、私どもとしてこれを指定していくことについてはやぶさかではないと私は考えております。
○矢島分科員 今日環境という場合には、単に風光明媚だとかあるいは自然が豊かだとかそういう意味だけではなくて、歴史的な今日までの過程とか伝統とか、そういうものをどう守っていくかということも必要な課題になってきていると思います。ぜひ環境庁としても、また長官といたしましても、その面でも力を尽くしていただきたいと思います。 次に、建設省にお伺いいたします。 今、渡良瀬遊水地には第一貯水池ができていると思います。今あるこの第一貯水池、コンクリートで岸を固めている。そんなわけで、アオコの発生など水質の点で大きな問題があるのではないか。九〇年に、江戸川からとった水道水のカビ臭さが問題になりました。この原因が渡良瀬貯水池からの放流のせいなどの報道もありました。昨年のあの異常渇水時期にほとんど渡良瀬第一貯水池は放流しなかった。あれだけの渇水時でもこういう状況だったわけで、その理由の一つに、水質が悪いということもあったのではないかと思うのです。 今後、第二貯水池をつくるという計画をお持ちのようですけれども、この第二貯水池の計画を取り消すべきだと思うのですが、この点について。
○青山説明員 渡良瀬遊水地につきましては、先ほど申し上げましたが、非常に貴重な空間であると認識しております。それは、歴史的な経緯、また自然環境に恵まれたということに加えまして、洪水調節、また水供給という意味からも非常に貴重な空間であると考えております。 特に、渡良瀬遊水地は、利根川中流部ののど首に当たるところでございまして、洪水につきましても、下流への洪水調節を極めて効果的にやれる場所でございます。水供給につきましても、上流部から放流したときに下流部に雨が降りますと、えてして無効放流になりがちなのですが、それを渡良瀬遊水地でためることによって、結果的に極めて有効な水の使い方ができるという意味でも大切な場所だと思います。 お尋ねのあった渡良瀬遊水地の総合開発事業につきましては、第一貯水池付近におきまして、ヨシ原等を利用しまして水質浄化ができないかということで、現在、鋭意実験研究をしているところでございます。 第二貯水池につきましては、昭和六十三年度から事業に着手しまして、各種調査を進めておりますが、第一貯水池の水質問題の動向等さらに詳細な検討を進めているところでございまして、渡良瀬遊水地の環境に配慮して、広く環境の保全に関する調査検討を進めながら、これらの問題の見通しがついた段階で事業内容を確定してまいりたいと思っております。
○矢島分科員 先ほどの建設省の資料の中にも、関東地方でこれほどの豊かな生物相を維持している地域はごく限られている、大変に貴重な場所となっている、これは遊水地としての機能を保持するために、広大なヨシ原や沼をごく自然に近い形のままにしてきた結果だ、こう書いてあります。まさにそのことが非常に必要なことだと思います。 貯水池を造成するためには、やはり鉱毒で汚染された土地をまたひっくり返す、掘り返すということをやらなければならないわけですし、首都圏の水にも大きな影響が出てくるのではないかと思うわけです。 重ねて、この第一貯水池の水質対策と、それから第二貯水池の計画については慎重を期すということをお願いして、次の問題に移りたいと思います。 次の問題は、六価クロムの大気汚染にかかわる問題なんですけれども、埼玉県の北部の方にあります秩父市のことですが、昭和電工秩父工場から出される六価クロムで、その中心を流れております荒川の水が汚染されたことがありました。高濃度の六価クロムを含んだ粉じんが今でも浮遊しているわけです。大気中のクロム濃度がほかの地域の数倍から十倍近い異常な高さで何年も続いていることが、これは埼玉県の調査でありますけれども、わかったわけです。 私どもも現地を調査しました。工場長から説明を受けましたが、秩父市のこの六価クロム汚染の原因は、今回の大気汚染を含めて、昭和電工秩父工場にあるということを、昭和電工もはっきりと認めているわけであります。 そこで、通産省にお伺いするわけですが、私が工場を調査したときに、鉱滓が無造作に野積みされているところを見ました。工場のそれこそ至るところに鉱滓だとか、あるいはスラグなどが無造作に埋められている。昭和電工は過去数度にわたって六価クロム汚染を繰り返してきました。従業員の鼻中隔せん孔など、いわゆる健康障害も与えてきました。その時点で、会社として、工程の中のどこに発生源があるのか、これを突きとめて対応すべきだったわけです。また、それを通産省としても厳格に指導すべきではなかったのか。通産省の責任も重大だと思うわけですが、この点について通産省、お願いします。
○小島説明員 ただいま御指摘の昭和電工の秩父工場の問題でございますが、この工場では製鋼用原料となりますフェロクロムを生産しております。 昭和電工におきましては、クロム鉱石の電気炉における溶解時の集じん、あるいはスラグ、これは鉱滓でございますけれども、これのクロム分を極小化するためのプロセスの改善、あるいはスラグの破砕のときの散水といった対策をとりまして、大気中にクロム分を含む粉じんが発生しないよう防止対策を講じていると聞いております。特に、スラグ破砕におきます散水ということで、その粉じんの極小化ということに努力をしているというふうに伺っております。 またさらに、同工場におきましては、電気炉回りの集じん能力の増強を実施予定というふうに伺っておりまして、通産省といたしましては、今後とも引き続き適切な対策が行われるよう、必要に応じて指導してまいりたい、こんなふうに考えております。
○矢島分科員 今いろいろとおっしゃられましたが、それでは不十分なんですね。どこにどれだけ古い鉱滓が埋まっているかわかりません、こう工場側は言うわけですよ。そういう事実を隠して、この六価クロムの含有量が高い古い鉱滓が埋まっているだろうと思われるところを掘り起こして、現在新しい工場の建設工事を始めているんですよ。どこにどれだけの鉱滓を埋めてあるかを明確にして、会社の責任で処理すべきだと思うのですが、そういう点でも、私は、通産省の引き続きの対応をお願いしたいと思うのです。 次に、環境庁にお伺いしますが、ほかにも山形だとか富山などに同様のクロム製品を製造している工場があるわけです。そこでも同様の六価クロム汚染のおそれがあるわけですけれども、そこでは県でも調査を行っていません。埼玉県ではたまたま大気の調査を行っていたから、この地域が異常にクロム濃度が高いということを測定したわけであります。このような異常な計測値を示しているのに、県任せで、環境庁としては何ら手を打っていないのが今日の状況ではないだろうか。環境庁みずから精密な検査を行って、この発生源というものを突きとめて、原因を根絶する、そこまで徹底して対処すべきではないかと思いますが、環境庁のお考えをひとつ。
○大澤政府委員 御指摘の六価クロム問題につきましては、私どももかねて地元、県とも連携、連絡もとっており、そういう事態が起きているということは承知しているところでございまして、私どもとしては、これは六十二年から県が地元で測定しているところでございますが、十分環境のモニターをしていくということももちろん大事ですし、大気汚染防止法で直接かかわるところでは、ばいじんの施設については法で規制されておりまして、一定の排出基準を設けて設置するということになっておりまして、当然、これらの工場については、法に基づいてそういう施設が設置され、それがきちんと運用といいますか、操作されていなければいかぬということで、不断にそういう地元、県を通して指導しているところでございます。 いずれにしましても、私どもとしては、こういう一般的に他の地区より高いというものについては十分関心を持って、今後ともモニタリング等について十分注意してまいりたいと考えております。
○矢島分科員 環境庁としてはあれですか、大気汚染防止法に六価クロムやあるいは総クロムの基準がないわけですけれども、法律の谷間がここにあるのではないかと私は思うのですが、それを、基準を決めるという方向についてはどういうお考えですか。
○大澤政府委員 御承知かと思いますが、一般に六価クロムというのは、人の健康に影響を及ぼすおそれがあるというのはWHO等においても指摘されているわけでございます。クロムでは幾つかの種類があるわけでございますが、特に六価クロムについてそういう評価をされておりますが、しかし、大気環境中には量的には非常に少ない量というか、微量含まれているわけでございまして、これらの微量の大気の濃度といいますか、量と健康問題についてのいろいろな研究、知見というものは必ずしも多くない、はっきりしない面もあるということがございます。 しかし、やはり大気の中にはいろいろな物質が入っているわけでございます。微量ではございますけれどもいろいろ有害な化学物質が相当存在しているわけでございますが、私どもは、現在それらについては幅広く検討を始めたところでございまして、これらの六価クロムにつきまして、それも含めて内外の知見の収集等から始まって、健康への影響の評価もこれから総合的にしてまいりたいと考えておりまして、直ちにその基準が必要となるかは、それらの検討結果を踏まえて、そういう必要性も含めて研究、検討してまいりたい、かように考えております。
○矢島分科員 長官にお伺いしたいのですけれども、長官は今国会の所信表明の中で、化学物質による環境リスクを低減させるための総合的な取り組みや大気、水寺における有害な未規制物質への対策を一層推進してまいります、こう述べていらっしゃると思います。 今もお話がありましたとおり、人の皮膚やあるいは粘膜を侵して潰瘍をつくるとか、あるいは肺がんの原因となると言われております毒物である六価クロムが自分の家の近くに埋められているとしたら、だれでも不安に駆られるのは当然だと思うのです。ましてや、たびたびそこから流れてくる水が汚染されたという過去の実態もあるわけです。大気からも異常な高い値が検出された、こういうことになりましたら、地域の住民の不安にとどまらず健康や生活に実際の被害が本当に広がってしまうというおそれも一方ではあるわけです。 そこで、先ほど御答弁いただいたのですが、この六価クロムや総クロムの基準がないために、県としても指導の根拠がないというのでいろいろと苦慮している部分もあるわけです。そういう点から考えて、ぜひこの住民の不安を取り除く上で長官の御決意を承りたい。
○宮下国務大臣 御指摘のような事情でございまして、今大澤局長の方からも御答弁申し上げたとおりでございまして、私もお聞きいたしておりまして、やはりこうした化学物質について、これは大気の場合には、今お話ございましたように、総クロムということでは把握できてもその中の六価クロムだけをどうだという、そういう科学的な、技術的な解明の問題がまだなかなか進んでいないようにもお伺いします。 しかし、新しい化学物質が人体の健康に影響あることも事実でございますから、やはり基準の設定を含めて、そういうことを頭に置いてきちっとここで検討していかなければいけない。基準設定は、やがてこういうものも知見の集積と技術開発によってなされていかなければならぬ、こういうふうに私は承知しております。
○矢島分科員 ぜひひとつ技術的な面での研究も進められると同時に、そういうものを規制する部分についても積極的な対策、対応を今後お願いしたいと思います。 終わります。
○桜井主査 これにて矢島恒夫君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、総理府所管中環境庁についての質疑は終了いたしました。 ―――――
○桜井主査 次に、農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。大河原農林水産大臣。
○大河原国務大臣 平成七年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 まず、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。 農林水産業は、国民生活に不可欠な食糧等の安定供給という大切な使命に加えて、地域経済・社会の安定と維持発展、国土や自然環境の保全など極めて多様で重要な役割を果たしております。また、国土の大宗を占める農山漁村は、生産の場であり、かつ、農林漁業者と地域住民の生活の場であることはもとより、伝統に裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた生活・余暇空間を国民全体に提供するという機能を有する国民共有の財産であります。 こうした役割や機能を持つ我が国の農林水産業と農山漁村をめぐる状況は、我が国経済の国際化、高度化、人口や産業の都市への集中といった諸情勢の変化の中で、従事者の減少、高齢化の進行、山村等における過疎化など近年大きく変貌しております。 特に、本年四月からのウルグアイ・ラウンド農業合意の実施により、我が国農業、農村は新たな国境措置のもとで厳しい環境のもとに置かれることになると認識しております。 このような中で、今後の農林水産行政を推進するに当たっては、長期的展望のもとに、着実に魅力あふれる農林水産業と活力ある農山漁村を実現していくとともに、国土の均衡と特色ある発展を図ることが重要であります。 このため、平成七年度予算においては、農林水産省といたしましては、昨年十月に決定されたウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱に基づき、関連対策の着実な推進を図るとともに、農林水産業の体質強化と活力に満ちた農山漁村地域の建設を図るため、所要の予算を計上したところであります。 まず、その枠組みから御説明します。 平成七年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁分を含めて、三兆五千四百億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆九千五十億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆三千六百二十七億円、食糧管理費が二千七百二十三億円であります。 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。
○桜井主査 この際、お諮りいたします。 ただいま大河原農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――― 〔大河原国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点事項について御説明します。 第一は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。 効率的かつ安定的な農業経営が生産の大宗を担う農業構造を実現するため、育成すべき農業経営への農地利用の集積、経営体の安定的な営農展開のための負債対策、土地改良負担金対策の推進を図るとともに、就農支援のための無利子資金の貸付けによる新規就農者の確保、国境措置の変更に伴う各作物の特色に応じた対策を推進します。 また、効率的かつ安定的な農業経営による生産展開のための基礎的条件の整備を図るため、高生産性農業基盤の整備の重点的かつ加速的な推進を図るとともに、地域の農業生産の高度化等のための諸施設の整備を進めます。 さらに、中山間地域等の農山村地域の活性化のため、新規作物の導入推進のための無利子資金の貸付け、生産基盤と生活環境の一体的整備、地域産品・地域資源等に関する情報の発信拠点の大都市における整備を図るとともに、農地保全活動を推進します。 第二は、担い手に焦点を置いた効率的かつ安定的な農業経営の育成であります。 力強い農業の担い手を育成するための長期資金及び運転資金からなる総合的な融資制度の本格的展開を図ります。 また、意欲と経営能力に優れた青年農業者等の育成確保対策を充実強化するとともに、農山漁村における女性・高齢者対策の充実を図ります。 また、担い手への農地の利用集積に資する農業生産基盤の整備、地域農業の生産体制の確立のための農業構造改善事業等の推進など、担い生育成に必要な条件整備のための対策を強化します。 さらに、畜産、果樹、畑作、野菜生産等の振興のための各種施策を展開するとともに、水田営農活性化対策を着実に推進します。 第三は中山間地域等の農山漁村地域の活性化であります。 山村等の多面的な機能の発揮を通じつつ、総合的な視点に立った地域の活性化と定住の促進のための対策を推進します。 また、地域の特性に応じた生産基盤の整備を図るとともに、都市と比較して著しく立ち遅れている生活環境の整備を図るため、農道、農業集落排水等の整備を積極的に進めます。 さらに、中山間ふるさと・水と土基金について、対象を土地改良施設と一体的に保全すべき農地に拡大し、その充実を図ります。 このほか、グリーンツーリズム等都市との連携による地域おこし活動を支援します。 第四は、新技術の開発普及の推進等であります。 革新的な農業機械の開発・実用化とその利用促進を図るとともに、次世代を担う画期的水稲品種の育成、繁殖技術の高度化に基づく新乳肉複合子牛生産技術の開発を行います。 また、バイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究を推進します。 さらに、農業に関する総合的な普及指導体制を確立するとともに、統計の整備と行政の情報化を推進します。 第五は、環境問題への積極的な対応上国際協力の推進であります。 地域合意に基づく環境保全型農業の導入・推進に対する支援を行うとともに、農業改良資金に、環境保全型農業導入資金を創設します。 また、家畜ふん尿処理施設の整備、堆きゅう肥の利用促進、家畜排せつ物還元用草地等の整備による畜産環境対策の強化を図るとともに、再資源化技術の開発等食品産業における環境対策を推進します。 さらに、森林保全対策、砂漠化防止対策等の地球環境保全対策を推進します。 第六は、食品加工・流通及び消費対策等の推進であります。 食品産業の競争力の強化と国産農産物の利用拡大との両立を目指し、農業生産から加工、流通、消費までの食品の流れである「フードシステム」の全体としての高度化を図ります。 また、日付表示の適正化のための点検指導の実施等消費者対策の充実を図ります。 第七は、林業・木材産業の活性化と緑豊かな森林・山村の整備であります。 国産材の低コスト化を図るため、関係事業者の協定等の推進、住宅資材の標準化等の木材供給低コスト化のための総合的な対策を推進します。 また、良質な水の安定的な供給や豊かで美しい環境の整備、安全で快適な国土空間の創出を図るため、造林、林道、治山の各事業を計画的に推進します。 さらに、国有林野事業については、「国有林野事業の改善に関する計画」に即して経営改善を着実に推進します。 第八は、水産業の振興と活力ある漁村の形成であります。 経営の改善を図る中小漁業者の取組を支援するため、漁協系統資金等を原資として低利の短期運転資金を貸し付ける漁業経営改善促進資金を創設します。 また、漁業生産構造の再編整備を弾力的・効率的に進めるとともに、国内水産物の競争力の強化等を図るための広域的な協力体制、流通加工施設の整備を図ります。 さらに、漁業生産基盤、漁村生活環境の整備を図るとともに、我が国周辺水域の漁業振興を図るため、資源管理型漁業の推進・定着化を進めます。 次に、特別会計について御説明いたします。 食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借入れ等総額八千百六十八億円を予定しております。 これをもちまして、平成七年度農林水産予算の概要の説明を終わります。 ―――――
○桜井主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。 ―――――
○桜井主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仲村正治君。
○仲村分科員 私は、仲村正治であります。 ただいま農林水産大臣から、農林水産業の果たしている役割についての御説明がございましたが、まさに御説明のとおり、やはり農林水産業というのは、国民の食糧生産をする仕事であり、同時にまた国土の総合的な保全をするという立場からも極めて重要な行政であると考えているわけでありますが、ただしかし、我が国の農村、漁村あるいは山村の現状を考えますときに、極めて深刻な状態になりつつあるということはもう申し上げるまでもないということであります。 農村や漁村や山村の過疎というのは今に始まったことではございません。戦後の輸出貿易立国政策によって、農村部の青少年が集団就職などというような形でどんどん都市部に流出して、農村部においては高齢化が進行し、そして過疎化が進行し、有史以来我が国の国土保全の重要な役割を果たしてきた機能が今失われつつあるということについて、毎年毎年それなりの事業の施策は展開しているわけでありますけれども、まずもってこの機会にその見直しについて、思い切った施策を講じていかなければ国土の荒廃を招くおそれがあるという点から私は申し上げたいわけであります。 何と申しましても、若い人たちが都市部に流出するというのは、他産業に比較しての所得が低いということがまず第一点でありますし、今大臣の御説明の中にもありましたとおり、自由貿易の一層の推進によりまして外国産の安い農林水産物に勝てなくなって、結局農業を離れていく人が多い。 そういう状況の中で、子供を産む世代の人たちがどんどん都市部に流出しているために、農村部はまさにお年寄りだけの社会になっている。それを食いとめていくために何をすべきか。今、よく言われておりますように、毎年八万人から九万人の農業リタイア者がおるわけでありますが、新規就農者というのはほとんど、五、六千人しかいない。これは、もうあと十年もしないうちに農業従事者は今の半分以下になるというような感じでありますけれども、その点について農林水産大臣の御所見を承りたいと思います。
○大河原国務大臣 まさに仲村委員御指摘のとおりでございまして、戦後の高い経済成長、それとこの二十年間における激しい国際化の進展によりまして我が国の農業、農村は大変厳しい影響を受けていることはもう申すまでもないところでございまして、特に、言われるところの中山間地帯等においてはその影響が大変厳しいわけでございます。 これに対して、我々としては、今も委員がおっしゃいましたように、それなりの施策をそれぞれ講じてきたところでございますが、さらに、このたびのガット・ウルグアイ・ラウンドの農業協定、合意の受け入れということで、一段と厳しい国際環境に迫られたところでございますので、私どもといたしましては、何と申しますか、足腰の強い農業と申しますか、効率的、安定的な農業経営を主体とした力強い農業構造を確立するとともに、農村地域の活性化のための各般の施策を講じようとするところでございます。 前にもいろいろ御質問にお答え申し上げましたとおり、特に影響の大きい中山間地帯等におきましては、その主産業である農林業の振興はもとより、多様な就業機会、雇用確保をどうするか、あるいは生産基盤と生活基盤の一体となった整備、さらには、単に農林行政の範囲のみならず各般の、例えば道路等の都市へのアクセス条件を改善するとか、あるいは医療とかその他の各般の施設なり、さらには情報通信網等の整備とか、社会、教育、文化施設の強化とか各般の国政としての総合的な対策をそれら地域に重点を置いた施策によって全体として推し進める時期に来ているというふうに私どもは感じております。
○仲村分科員 それは、ウルグアイ・ラウンドの農業合意を一つのきっかけとして、国内の農業を守るためにそれなりの対策を立てて、補正予算にもそれを計上されて、また七年度予算にもそれなりの予算の対応はなされているものだと思いますけれども、しかし、農業従事者がだんだん減っていく。そうなりますと、幾ら金をかけても効果は出ないのじゃないかという懸念があるわけでございます。 そこで、なぜ農村から若い人たちが出ていったか。それはやはり土地利用のあり方にも問題があったのじゃないかなというふうに思って、私は、この際農村地域に若い人たちを呼び戻すためにも、土地利用の見直し、いわゆる農地法の柔軟な運用が極めて重要であると考えております。 戦後の食糧逼迫のときには、国民一人当たり、年間米を百十キロも食べていましたので、その当時は、一坪たりとも食糧生産に必要な土地をつぶしてはならない、そういう考え方で農家の軒下まで農地法の網をかぶせて、農業に従事しない若者は住宅もつくれない、そして農村から追い出す結果になってしまったのではないかというふうに私は思うのであります。 私の地元沖縄では、沖縄が復帰する二十年前までは、農地法がないので、農村の若者たちはたとえ農業をしなくても、若い人たちが分家あるいは独立をするときには、自分の土地がなくても農地を買って家を建てて自分の村に住むことができたわけでありますけれども、しかし復帰後は、農地法の網を全面的にかぶせられて、自由に家がつくれなくなったわけであります。したがって、地元の村の役場とか学校とか農協などに勤めていましても、わざわざ隣の町のアパートに住まなくちゃならない。そして、税金も隣の町に納める。子供たちも隣の学校に行かせる。おまけに、自分の村の学校は児童が減ってしまって学級減をしなければならないという悪循環が起こっているわけであります。 これを考えると、農村社会から若者を追い出し、高齢化社会に拍車をかけたのは、農地法の画一的な運用にも一因はあったのではないかというふうに思っているわけであります。 そこで、私は問題提起をいたしたいと思うのでありますが、まず、農業、農村に若者を呼び戻し、活気のある社会に蘇生させるためには、土地利用の思い切った見直し、もちろんスプロール化はいけないのでありますけれども、効率的な国土利用、農村社会活性化対策としての農地法の見直しを断行し、農業、農村は単に農業者だけの居住地じゃなくて、多様な職業者の共住、共生の社会とすることによって、元気のある農業、農村を呼び戻すことができるのじゃないか、こういうふうに考えますけれども、これについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 御指摘の点については、私も同感いたすところがあるわけでございます。 御案内のとおり、農政の基本は、やはり食糧自給力その他の問題から優良農地を確保するということが基本でございますけれども、他方では、今委員おっしゃいましたように、就業機会の増大とか、その他非農業的需要と申しますか、そういうものに対して弾力的にこたえていく、それは無秩序なものではなくて、土地利用調整をしながらでございますけれども、やはりこたえていかなければ相ならぬと思っております。 農地転用のただいまの考え方も、平成に入りまして、この点については相当弾力的な基準の運用を始めております。まさに委員お話しのとおり、所得機会の拡大とかその他をいろいろ視点に置いた基準で運用しているわけでございまして、一、二申し上げますと、繰り返しますけれども、農村地域の就業機会の増大のための工場なり流通加工施設とかその他の業務施設、あるいは農村と都市との交流あるいは地域間の住民の交流、あるいは国県道等の交通施設に隣接の地域におきます流通施設とか沿線のサービス施設、そういうものについては優良農地といえどもこれを認めるという方向をとっておるわけでございます。 農地転用の基準と表裏いたしますのは、農村の土地利用の計画的運用を図るために農振地域制度というのがございますが、そこでも、農地転用についての基準を今申し上げましたような物差しで、農振地域の農用地区域においてもそれを優良農地の確保を図りつつ他目的での土地利用もなし得るような道を市町村のプロジェクト構想によって進めておる。それから、お話にございました農業集落地域内についても、さような視点を取り入れて、全体として優良農地なるがゆえに門前払いというようなことの画一的な方針のないような弾力的な運用を進めておるわけでございます。 地域によりましてはなかなかそのような方針がケース・バイ・ケースで実行されない、摩擦を起こしておるというようなケースも私自身も時々耳にいたしますけれども、方針はさような方針でございますので、委員の御所論の方向とマッチしているのではあるまいかと思っております。
○仲村分科員 私、先日の委員会でも、食糧の一定水準の国内自給率を維持することは食糧安保という点から重要である、またそれは可能である、こういうふうに申し上げたわけでありますが、それは北海道から九州、沖縄まで、それぞれの地域に適地適作の作物があるし、同時にそれしかつくれないという作物もあります。したがって、これらの農畜産物の一定の国内生産とその自給率を維持するためには、ガット上も認められている価格支持制度、いわゆる不足払いの制度を強化して、ガット・ウルグアイ・ラウンドを受け入れた以上これはしっかり守るべきだ、こういうふうに思います。その点について、この価格支持制度について、どのようなお考えをお持ちであるかお尋ねをいたしたいと思います。
○大河原国務大臣 今般のガット・ウルグアイ・ラウンド農業協定におきましても、米の部分的な受け入れと並んですべての農産物の関税化が行われたわけでございますが、我々としては、内外価格差を前提とした高い関税相当量を農産物関税に確保することに努めるとともに、お話がございましたような内外価格の調整をいたすために、蚕糸価格安定事業団なりあるいは畜産振興事業団等の機能を活用して、これを国際交渉によって国家貿易機関として認めさせまして内外調整をいたすということで、価格安定制度は農政の基幹でございますから、これについては今後も維持していかなければいかぬ、さように思っております。
○仲村分科員 我が国は、南北に三千キロの広範囲に細長く国土が広がって、温帯から亜熱帯の地域にまたがっているのでありますが、作物もそれぞれの地域に適地適作の多様な作物があります。同時に、気象や土質や地勢上の関係で、それしかつくれないという不利性を持ち合わせた地域もあるわけでございます。例えば鹿児島県など南九州のシラス土壌地帯のサツマイモもその一つでありますが、同時に、沖縄や鹿児島の南西諸島のサトウキビも、またそれしかつくれない作物の代表的なものではないかと私は思っております。 といいますのは、南太平洋で発生した熱帯低気圧は、沖縄の南方海上で台風となり、日本列島を北上するのでありますが、大体沖縄までは定期コースで来るわけであります。沖縄に来てから東に行くか、北に行くか、西に行くかを決めるわけでございます。ですから、沖縄までは毎年決まって二、三回は台風が襲ってくる。本土では、東コース、北コース、西コースで、台風が来るといっても恐らく四、五年に一回あるいは十年に一回しか台風の被害というのは受けないわけであります。しかし、沖縄は、毎年二、三回、強弱はあっても決まって襲ってくる。もしそれが来なければ、台風よりも怖い干ばつがまた来るわけですから、台風にしましょうか、干ばつにしましょうかという厳しい気象条件に耐え得る作物はサトウキビ以外にはないということで、私は、サトウキビは沖縄にとっては宿命的な作物である、こういうふうに申しているわけであります。 現在では外国から幾らでも安い砂糖が買えるので、国内甘味資源作物について、まあ厄介者があるなどいう、少し軽視する感を持つ人もいないわけではございませんが、しかし、戦前戦後我が国にとって南西諸島の砂糖というものは貴重な甘味資源であったし、その甘味資源を求めて我が国は、台湾や内南洋群島の統治権の重要性があったことを思い起こさなければならないと思います。したがって、他の主要農産物同様国内甘味資源の一定の自給率を維持することは、食糧安保上重要な政策の一つであると思いますが、大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 この点については、委員のお考え、御主張と私も全く同感でございます。 北海道のビートあるいは鹿児島等の芋でん粉、これは甘味資源の一つでございますが、それと沖縄あるいは鹿児島の南西諸島のサトウキビは、地域にとっても大変大事なものであるし、今国内産糖の自給率が大体三割ぐらいにまでなっておりますが、それはやはり重要な農産物である。したがって、先ほどもお答え申し上げましたように、これに対する価格安定制度については維持していかなければ相ならぬと考えておるところでございます。
○仲村分科員 生産者米価や畑作農産品、そして乳価などの価格を決めるときに、百円上げる、百円下げるで二、三日も徹底議論をして、けんか腰の議論を重ねて決まるわけであります。その百円、二百円がいかに生産農家にとって重要かつ深刻な問題であり、その生産基盤を維持する最も重要な基礎的な条件であるかということを思うときに、沖縄及び鹿児島県のサトウキビの生産者価格は、昨年までトン当たり重量計算で取引をされておったわけであります。生産農家もその価格の決め方が、重量取引が当たり前である、至極当然であると思っておったわけでありますが、四、五年前から、平成六-七年産から品質取引にする、そういう取り組みをしてきたわけでございます。 しかし、サトウキビの生産農家手取り価格を品質取引に移行した現在、どういうふうになっているのかと申しますと、我々は、品質取引の制度改革に当たっては、まず第一点に、サトウキビの生産農家手取りの現行の二万四百十円の価格を保証すること、そのためにはこの二万四百十円が保証される基準糖度帯の決め方、つまり、これは過去のサトウキビの糖度別の割合から試算して割り出したものですが、この二万四百十円が保証される基準糖度帯は、糖度十二・二度から十二・三度までであると強くこれを主張したわけでありますが、結局、政府の主張する糖度十三・一度から十四・三度を従来の二万四百十円を保証する基準糖度帯として決定したわけであります。 その結果、今期の平成六-七年のサトウキビの二月五日までの実績からいたしますと、農家手取り価格は沖縄本島でトン当たり約五百六十六円、宮古地区で七百七十一円、八重山地区で千百五円も従来の一トン当たりの価格二万四百十円より値下がりする計算になります。サトウキビのトン当たり生産費は約二万六千五百円ですから、今までの実質農家手取り二万四百十円をはるかに上回っていて、再生産にも非常に困難をきわめておったわけでございますが、そのような中でこの値下げの状態が起こりましたので、サトウキビづくりの営農を続けていく上で非常に深刻な問題が起こっているわけでございます。 したがいまして、私は、この今回の品質取引に移行して初めての経験でありますが、そのための農家に与える失望感は非常に大きなものがございます。これは本当に沖縄農業の浮沈にかかわる問題でございますので、そのまま見過ごすことのできない問題だと思っているわけでございます。 ことしから初めて実施したサトウキビの品質取引の実施状況をどのようにお考えになっておられますか、大臣の御説明をいただきたいと思います。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 先般も予算委員会において、仲村委員の御質疑等にお答えしたところでございますが、北海道のビートは、御承知のとおり昭和六十一年から糖分取引、本来、糖分によって取引するのが甘味資源作物の価格決定の原則でございますので、沖縄の方にもあるいは南西諸島の方にもお願いして、平成六年からこの品質取引を導入させていただいたわけでございます。 品質取引の導入に当たりましては、我々は基準糖度なりあるいは基準糖度帯等の決定につきましては、平成四年、五年の品質分布調査等を行いまして、さらに平成三年以前の糖度のデータを見まして、さらに、御案内のとおり、品質取引の定着化対策費としてトン二百二十円、このアロケートを十分加味し、配慮いたしまして、実質の糖度帯を広げまして低糖度の農家の所得にも配慮させていただくということで、いわば慎重の上にも慎重の取り扱いをさせていただいたつもりでございます。 遺憾ながら、本年の沖縄のサトウキビをめぐる気象条件は、本島においては暖冬なり製糖期の降雨がございまして、また島嶼部におきましては、御案内のとおり、三回も生育期間後半に台風に見舞われたという非常に厳しい気象条件があったところでございます。それらの結果、糖度が、ただいま委員御指摘のとおり、低い、農家手取りにも響いておるというお話があるわけでございますが、その点については、制度の基準の程度よりも私は沖縄の気象条件が影響したところが大きいというふうに思っておるところでございます。南西諸島のことしの糖度等の例を見ましても、非常に南西諸島は気象条件に恵まれたという点もあるわけでございまして、気象条件のことが大きかったのではあるまいかというふうに思っております。 なお、さらにつけ加えさせていただきますと、委員が二月五日現在のその糖度についてのお示しがございましたが、その後、気象条件の回復その他で、現在のは収穫量の半分ぐらいしか製糖が進んでおりませんが、その糖度分が若干上回っている傾向にあるということも、私どもとしては、実は、二月十日現在の数字と、五日ごとに、私どもも非常に心配でございますので、取り寄せておりますが、糖度が高まっておる。全体に最後の糖度がいかになるかというようなことについても注視しておるところでございますが、いずれにいたしましても、スタートの年でございましたので、今後慎重に見守っていきたい、さように考えております。
○仲村分科員 普通、農作物は春に植えつけて秋に収穫するというサイクルのパターンでありますが、普通、作物が田畑にある期間、いわゆる作物の在圃日数は、短くて百日、長いのは二百日ぐらいが普通であります。しかし、サトウキビは夏植えと春植えと株出しの三つの作付方法があるわけでありますが、夏植えは在圃日数が何と一年半、ざっと五百日もかかるわけであります。そして、春植えと株出しが大体三百六十五日で収穫をできるというような状況でございます。 まことにもって生産効率というか、収益性が非常に低い作物でありますが、沖縄が台風、干ばつの常襲地帯で、その気象条件に耐え得る作物はサトウキビしかないという、まさに宿命的とも言える農作物でございます。もし沖縄でサトウキビ作農家がだめになれば、県内の離島はさらに過疎化が進行し、長らく待たずに無人島になってしまう、こういうおそれがあるわけであります。 私が本日の質問で申し上げましたとおり、国土保全の点からも、沖縄の緑豊かな、青い海、青い空の自然環境のすばらしい島々を守っていくという観点からも、沖縄の基幹作物であるサトウキビ作農業が成り立つような施策の展開をしていただきたい、こういうように思うわけでありますが、先ほども申し上げましたように、急激にトン当たり五百六十六円あるいは七百七十一円、千百五円も下げられたんでは、これはもう農家は失望して、もうサトウキビをつくる気にならぬ、今こういう気持ちでございます。 確かに、私がさきの予算委員会でお示しをしたのは二月五日の数字でありましたが、その後二月十日の資料も私持っております。幾らかよくなっておりますが、それでも基準糖度帯の二万四百十円以下の十二・八度以下のキビがまだ四〇%以上あるということですので、私が申し上げた値下げ価格にそんなに開きが出てこない、非常に心配をいたしております。 またそれは途中でありますので、はっきりしたことは申し上げられないんですが、もう大体値下げになるような方向は決まっておりますので、その激変緩和という立場から、今からやはり検討いただきたい、こういう気持ちでありますので、よろしくひとつお願いを申し上げたいと思います。いま一度、大臣の御答弁をお聞かせいただきたいと思います。
○大河原国務大臣 お答え申し上げますが、品質取引がことし始まったわけでございまして、私どもとしては、その品質取引の基本になります基準糖度なり基準糖度帯、あるいは対策費のトン二百二十円のアロケート、これを低糖度に重点を置いて、沖縄の低糖度問題に対する配慮は、何と申しますか、慎重にやらせていただいたつもりでございますが、気象条件の結果こういうことに相なった。まことに遺憾でございますけれども、糖度取引でございますので、年によっての振れがあることは避けがたい。例えば昨年の北海道のビート、もう既に五、六年やっておる北海道のビート取引においても、昨年は気象条件によって水大根が大変ふえまして、したがって糖度取引等については、前年、前々年度に比べでいろいろな農家所得の減等もあったわけでございまして、糖度によって取引が行われるのが原則でございますので、それによる振れということについては、一年だけの結果ではなくて、今後の状況を見ました上で、基準自体についての検討もなすべきものであるというふうに思っております。
○仲村分科員 今大臣からお話があったとおりでございます。私たちは、この品質取引そのものについて反対をするという気持ちは全くありません。ただ、こういう制度改革で、激変緩和という立場から、この農家に急激な損害を与えないように、またその生産意欲を喪失させないような対策というのが必要である、こういうふうに考えております。 まだ途中でありますので、最終的にどういう結果になるかわかりませんけれども、しかし途中経過を見ておりますと、これは値下がりするのはもう目に見えているわけでありますので、その点についての御検討をぜひお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○桜井主査 これにて仲村正治君の質疑は終了いたしました。 次に、大畠章宏君。
○大畠分科員 日本社会党の大畠章宏でございます。食糧問題、また農業政策等について御質問をさせていただきたいと思います。 私の住んでいます茨城県も、北海道に次ぐ農業県でございまして、ときどきお忘れになる方もおいででございますが、もちろんつくばという、技術を中心とした都市も最近開けてまいりましたけれども、基本的には農業というものが大変大きな産業の一つでございます。そういうことで、農業に従事している方々からも、いろいろこれからどうなんだろうかという不安の声がたくさんございますので、そういうものも含めて御質問をさせていただきたいと思います。 ちょうど昨年の今の時分は、米不足といいますか大変深刻な状況でございまして、日本としても、一生懸命政府としても頑張ったということを記憶しているわけでありますが、昨年の秋の豊作によりまして、もう既に日本国内ではそういう米不足の記憶というのがだんだん薄れつつあります。これほど食糧問題、食糧の確保というのは大変、逆に言えば重要な問題だな、こう思っているわけであります。 最初に、日本の食糧の自給率の推移と、それから今後この自給率というものはどういう形になるのか、そういう政府の方の見通しといいますか、そういう実態についてお伺いしたいと思います。
○高橋(政)政府委員 お答え申し上げます。 まず今までの食糧自給率の推移といいますか現状でございますが、御承知のように、我が国の米の消費が、例えて申しますと、昭和四十年から今までを比較いたしますと四割減少をしてきまして、それにかわりまして畜産消費がえらく増大をいたしまして、飼料穀物の輸入が三倍ぐらいに増加しておりますし、また油脂、油でございますが、そういったものも三倍ぐらい増加するというようなことで、国民の食生活が非常に多様化してきたことが、今までの食糧自給率が低下してきた大きな要因であったと思っております。また、最近では麦、大豆が減少してきたことと、特に水産でイワシが最盛期の半分以下の漁獲量というようなことも大きな原因でございます。 それで、平成五年度のカロリー自給率でございますが、これは三七%ということになっております。これは、冷夏、長雨ということであの年は非常に異常気象のもとでの米の大不作というようなことでございましたから、いわゆる異常年だったと思います。したがいまして、その前年の数値でいいますと四六%、四年度は四六%、三年度も四六%ということで、そこは横ばいであったわけでございます。 それで、このように低下傾向で来たことは確かでございまして、将来これをどんなふうに考えていくかということがございます。特に、ウルグアイ・ラウンド農業合意という新しい農産物貿易の枠組みが設定されたという中で、将来これをどういうふうに考えるのかということが重要な問題でございまして、昨年の農政審議会におきましても、現在主要な農産物について需要と生産がどんなふうになるかという長期見通しを立てておりますが、これをひとつ改定しなさい、見直しなさいという報告をいただいております。したがいまして、平成十七年度を目標年次といたしました長期見通しを今つくろうということで、この秋までにはつくり上げようということで今検討作業に入っております。したがいまして、その中で自給率の見通しも明らかにしていきたいというふうに思っているところでございます。 〔主査退席、志賀主査代理着席〕
○大畠分科員 今、過去の自給率についてはお話があったわけですが、これからの自給率については今後の審議に基づきたいということでありますが、そういう基本的な、昨年の米不足の問題でも、従来百五十万トンぐらいは米の備蓄をしていこうというものが、気がついたら米びつがほとんど底をついていた、そういう状態のときでも豊作ならば何とかしのげるだろうということであったわけでありますが、突然その米びつが空に近い状況のときに不作にぶつかった、日本国民が食糧問題で右往左往したわけですね。 私は、食糧政策というのは、冒頭にも申し上げましたとおり、独立国として大変重要な政策の一つだと思うんです。防衛問題と食糧問題、もちろん教育問題あるいは福祉政策も重要でありますが、まずは食うこと、食糧を確保するということは、独立国としては本当に手を抜いてはならないものだと思います。もちろんその一方で、ガット・ウルグアイ・ラウンド、いわゆる世界の共通ルール、貿易の共通ルールに基づいて貿易をしよう、これも大変重要な課題でありますから、これはこれとしてしなければなりませんが、かといって、一生懸命やったけれどもだめでしたということがきかないのが食糧政策ですね。 今のお話を伺って、これからの食糧自給率の問題については今後の審議をまちたいということですが、そういう姿勢が結局昨年の米不足に結びついたんじゃないでしょうか。私はそう思いますよ。本来であればこの問題、農林省の中でも責任問題が出てきて大変なことになると思うのでありますが、その後金りこの問題で責任問題を云々されたことも聞いておりませんし、この自給率の問題も、今一生懸命やっていますから今後の審議にまちたいというお話でありますが、果たしてそれで農林省として、きょうたくさんの方が、官僚の皆さんがおいででありますが、それでいいんでしょうか。 国民は税金を払っています。阪神大震災でもそうでありますが、こういうときに手を差し伸べてくれないならば、もう税金は払いたくないというところまで阪神の被災地の方は言っておられますね。私自身も政治家の一人として、こういう状況において一体政治家は何ができるんだろうか、本当に責任の重さを改めて実感しているわけでありますが、官僚の皆さんも国民の税金で暮らし、仕事をしているわけであります。したがって、その現在と将来について、平和で安心して住める社会を確保してほしいというのが国民からの、皆さんの要請であります。私は、阪神大震災の現地を訪れて、政治の目的は国民の生命と財産を守ることである、改めて実感したわけでありますが、今のこの食糧自給率の将来の見通しは、審議会で審議してますからという形だけで私は済むと思いませんけれどもね。再度ちょっと、なぜそういうことになっているのかお伺いしたいと思うんです。
○大河原国務大臣 だんだんにお話でございますが、これは今事務当局からお答え申し上げたのは、現在の食糧自給率というのは今改定作業中で、今申し上げましたようにこの秋、その前の現行での自給率でありますが、五〇%ということに相なっておるわけでございます。これも今後の食糧の供給力なりあるいは需要の動向があるから、しかも低下する傾向がある。これでは相ならぬということで、その低下傾向に歯どめをかけた農政として努めよという昨年の夏までの農政審議会の報告を受けまして、ただいま作業を急いでおるというところでございまして、いずれこれについては明らかにいたして、現行では平成十二年の見通しが五〇%ということに相なっておるわけでございます。その点はお含みおきを願いたいと思います。 さて、もう一つ、時間の制約があって恐縮でございますが、特に主食としての米については、委員御案内のとおり、昨年のWTO特別国会において成立いたしました新食糧法、食管制度の抜本改正、これにおきまして、備蓄を制度としてはっきり位置づけまして、そして不良、不作、その他長期の傾向を勘案いたしまして百五十万トンを備蓄をいたすということで、さらに上の幅でもやはり五十万程度は確保いたそう、こういうことで制度としても備蓄制度を、これを確立したということでございまして、今委員からいろいろ御指摘ございましたけれども、この備蓄問題については我々としては一段、二段の努力をいたしたい、かように思っております。
○大畠分科員 大臣からのお話がございました。そういう大臣の、先ほどから大臣の答弁をいろいろお伺いさせていただきましたけれども、ほとんど資料に目を通すことなく、御自分の理念で話しておられますので、私は大変頼もしく感じているところであります。 それから、備蓄問題につきましても、昨年も一昨年も、たしか備蓄の義務づけといいますか、こういうふうにしろと言ったのですが、先ほど言いましたようにいろいろ不作等が重なって非常に米びつが空の状態になってきた。そこと不作がぶっかったわけでありますが、ぜひそこら辺、日ごろから百五十万トンという備蓄、今回は大体倉がいっぱいになっているという話を伺っていますが、常に倉の中にどのくらい入っているかということを見ながら、足りなければ急に百万トンも二百万トンも輸入するといったって、ほかの国の事情もあるわけですから、常に米倉を見ながら、大体備蓄がされているということを確認しながらの運用をぜひお願い申し上げたいと思います。 それから次に、自給率の問題はぜひそういう形でお願いしたいと思いますが、いずれにしても、独立国としてこれからの日本の人口あるいは世界の人口、そして地球上の食糧生産という状況を勘案した場合に、決して安穏としておられる状況ではないと思うのですね。したがって、これからの世界と日本の人口の増加と日本の食糧確保という観点からの農林省としての現状の見方を教えていただきたいと思います。
○高橋(政)政府委員 今先生のお話にございましたように、世界の食糧需給がどんなことかということでございますが、やはり、我々がいろいろな文献なりあるいはそれなりの試算をしたところで見ましても、中長期的に見まして、開発途上国を中心といたします人口増加から来る需要の増加、それから異常気象による生産の変動、あるいは地球環境問題から生ずる生産面での制約というようなことで、今後世界の食糧需給は不安定な局面があらわれてくる、逼迫する可能性もあるというふうに見ておりまして、我々も、そういうことを十分に頭に入れた政策展開をしていかなければいけないというふうに思っておるところでございます。
○大畠分科員 今いろいろな情報がたくさんございまして、本にもなっておりますが、二〇二五年には地球人口八十五億、二〇五〇年には百億を突破する。百億以上には、食糧不足等あるいは環境問題、エネルギー問題から、それ以上の増加はない、こういうことも一つの予測の例としてございます。地球人口を八十五億以下に抑えられればこれからも地球は存続していくだろうし、八十五億を突破して百億に近づいてしまうと地球は大変な時代に入るということも予測をされております。 今高橋さんの方からお話がございましたけれども、日本の農林省としても、世界の食糧難が徐々に深刻になるであろう、人口増加に基づいて徐々に深刻になるだろう。特に、五十五億の国民のうち、四十八億人は何とが食べていけるけれども、あと七億人ぐらいの国民の方が食糧確保が大変だというお話も伝え聞いたところでありますが、そういう中で私は、一億二千万の国民を抱えるこの日本の国として、国家として、やはり今のお話等々を勘案しながら、先ほどのお話ではありませんが、生命と財産を守るのが政治でありますから、まさに十年後、二十年後、二〇二五年というのはあと三十年後ですからね、これに八十五億まで行ってしまうだろうということでありますから、この食糧問題についてもきちっとした長期見通しを立てておかないと、急に方向転換しようとしてもなかなか確保することは私は難しくなると思うのですね。したがって、特にそういうことから、短期的なということではなくて、長期的に日本国民の食糧をきちっと確保するということを踏まえた上で各種の細かな施策をやらないと大変なことになるのじゃないかと私は思うのです。 そういう意味からすると、今のお話を伺っても、先ほどの自給率の問題につきましても、どうもいま一つ先を見通す力というのが日本の農林省には最近欠け始めているのじゃないかという感じもするように感じるのですが、ここら辺大臣、どうお感じでしょうか。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 第一点は、世界の人口の急激な増加、逆に、地球の砂漠化とかあるいは単収の増加の停滞とか、そこら辺の、あるいは環境的な制約とか、各般の面で食糧の供給力、これが低下しているということで、やはり人口と食糧問題、これが大きな今後の課題だということについては我々も十分認識しておるつもりでございます。 したがいまして、我が国の場合は、残念ながら国土資源の制約からなかなか完全自給というのは難しゅうございます、御案内のとおり。一方では、一部で飽食と言われるような、国民所得の上昇を背景とした高い需要がある。二千六百カロリー、非常に高度の需要が一方である。それをどう充足させるか。他方では、御案内のように、畜産物とかあるいは油脂なんかのように、その原料作物は全部外国に依存せざるを得ない。よく言われるように、その農産物を耕地換算すると、千二百万ヘクタール外国の土地を借りているという勘定になるわけです。 したがって、このような食糧問題に対しては、まず国内自給力を強化する、これが第一であります。それから、輸入ソースを多元化して安定的な輸入を確保する。それから、先ほども委員御指摘のような備蓄、これを総合的にやりまして、そして、安定供給、これは国としての最大の責任の一つでございますから、これを達成していかなければ相ならぬというわけでございます。 それからもう一つは、やはりガットなんかの、今度のWTOの大きな流れも、農産物についても貿易を通じて輸出国から輸入国へ順調に流れればいいというような考え方での貿易拡大。ですが、我々は、大輸入国としては必ずしもそうは思っておらない。やはり各国とも、それは日本だけではなくて、開発途上国も国内資源を最大限に活用して、そして国内の食糧供給力を今後高める努力をいたすべきだというふうに思っておるところでございまして、国際的な各種の会議でも我々は人口・食糧問題について、これからもあらゆる場で訴えていかなければならぬ、国際的なコンセンサスをそこに求めていかなければならぬ、私はそう思っておるところでございます。
○大畠分科員 私は、今大臣がお話しされましたけれども、日本の政治は少し官僚に頼り過ぎている、官僚の皆さんも一生懸命仕事をされていますが、やはりそこまでの、長期的にこうしようという決断はなかなかできにくいので、そこら辺は、この食糧問題でも、安全保障問題でも、教育や福祉の問題でも、私ども政治家がもっと汗をかいて、官僚の皆さんも汗をかいていますから、将来も平和で安心して住める日本というものをつくるために一緒に頑張らなければと思います。今の大臣のお話に基づいて、ぜひ御努力をまたお願いしたいと思います。 さて、大臣からも自給率の問題、輸入の問題、備蓄の問題というようなお話もございました。何といってもそれを支えているのは農家でありますが、特に、私の茨城県の北の方の中山間地の農業地帯というのが、一昨年の冷害のときも大変だったわけであります。高齢化が進み、大畠さん、うちの息子にはとても農業を継げとはもう言えないんだという話を受けたりしているわけですね。したがって、極端な話、減反なんかは強制的にやらなくたって、自然と減反になってきて、ちょうどいいところにいくのじゃないのというような話もあります。 その原因は、先ほど仲村さんの方からもいろいろお話がありましたけれども、土地の問題もあるかもしれません。土地の活用という意味で、余りにも制約を加え過ぎたのじゃないかというお話もございました。確かにそれは一つの視点だと思います。もちろん、では自由化すればというと、あちこちに土地が虫食い状態になって非常に乱雑になりますから、ここは市街化にしようとか、ここは農地のまま保とうとか、それはきちっとしておかないといけないと私は思います。 それと同時に、私の友人のお話なんかを聞くと、とにかく収入が少ない。なぜ若者が都会に出ていくかというと、農業よりも安易な仕事内容で農業収入よりも高い収入が得られるから、これは自然の流れなんですね。無理やり若者に、おまえ、日本のためにここで米をつくれと言ったって、あるいは農業をやれと言ったって、これはなかなか実際問題難しいと私は思うのです。 したがって、どうしたら農家の方の二戸当たりの収入、年収が上がるかということに全力を投入しなければならないというのは、もう農林省の皆さんや各関係の団体の方がおっしゃっているのですが、現実問題としてはなかなか上がらないのです。これが上がらなければ、どんなにお金を、一時金といいますか、農家に農業対策として六兆百億円投入するということでありますが、それを投入しても、この後継者対策とか高齢化対策にはならないのじゃないかと私は思うのですね。ここら辺は大変重要な問題だと思います。 そこで、ちょっとお話を伺いたいと思うのですが、広い農地を持つところは持つところとして、広大な面積の大規模経営で、あるいは一つの株式会社といいますか、そういう団体でやろうという方針がございますが、この中山間地農業対策、これも自然保護ですとか、あるいはいろいろな意味で非常に重要な地域だと思うのですね。そこはもういいということにはいかないと私は思うのですが、ここら辺がいろいろな農業政策を伺っても、どうもなかなか理解できない、どういう展望で私どもは農業をやったらいいか理解できないという声があるわけでありますが、ここら辺について現在どういうふうに考えておられるのか、私にというよりも、平易な言葉で、中山間地農業で頑張っている皆さんに対する御説明をお願いしたいと思うのです。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 御指摘のとおりでございまして、中山間地域については各種の自然条件なり社会条件の制約がございまして、御指摘のような条件でございます。これについては、今度のウルグアイ・ラウンドの農業協定受け入れでも一番影響を受けるのは中山間地帯であろうということで、国内対策でも平場地帯と並んで重点を中山間地帯に置こう、置くべきだということで、各種の施策を展開しようとしているわけでございます。 それには一つは、やはり主産業が農林業だから、これを活性化するにはどうするかということだと思うわけでございます。それには、中山間にかなった作物とかあるいは中山間は気象条件の上で、昼と夜の気温差が非常に大きいとか、冷涼な気候を持っているとかそれに適した作物があるとか、高付加価値的な作物が導入できる。現に全国の中でも、中山間でも農業にそういうふうな創意工夫を凝らして十分やっている例もあるわけでございます。 したがって、中山間に適した農業、作物、これはなかなかいろいろの議論もございますが、そういうものを導入するというようなことで、今度も、先般法律を通していただきましたが、新規作物の導入についての助成措置、無利子融資を行うというような制度もとりました。そういう農業関係の施策も強化する。 それからもう一つは、やはり所得の問題、これがいろいろあるわけでございまして、これについては、多様な所得機会をどう確保するかというようなことでございます。一部では、農村地帯の工業導入みたいなことで成功している例もあります。 また、これはちょっときざっぽい言い方なんですが、これは日本語で何と訳していいか私はまだわからないのですが、グリーン・ツーリズムなんて言っている。都市と農村の交流をする。緑と潤いのある空間を都市の人が享受する、交流をする、そこで所得を落とす。ですから、昨年も議員立法で通していただいたのですが、農山漁村長期滞在型余暇活動ということで、やはりそういう所得機会を確保する。交流を活発にする、所得の機会を得る、そういう形ですね。それもまた事例が相当ございます。そういうものに対する支援を国として強力にやる。事実、予算的にも、ことしあたりの予算では、そういうものをあれするとかということ。 それからもう一つは、やはり生活環境でございますね。生活環境については非常に問題だということで、圃場整備、土地改良その他ありますが、そういうものと一体として生活環境の整備をいたすというような施策を講じるということでございます。 それからもう一つは、実はこれからの実行の問題ですが、ウルグアイ・ラウンドの国内対策の際には、農業政策だけじゃない、もっと町への便利をよくする、アクセス的な条件を改善する道路、あるいは上下水道等の整備、これは都市より条件がえらいおくれている、そういうものをやるとか、情報通信網の整備とか、いろいろな社会文化施設とか、そういうものについても各省が一緒になって中山間地帯に重点を置いた施策を展開しろ、一つの政策ではとても片づかない、総合的な政策でこれを推し進めようということになっております。 総論はそうですが、なかなか各論になると地域、地域で難しい問題だと私どもしかと思っておりますけれども、問題の難しさだけを言っていてもおくれるばかりだ、これで思い切った施策を展開したい、さように思っているところでございます。
○大畠分科員 今大臣から、私も申し上げようと思ったことを、もちろん大臣のお話でありますから当然でありますが、いろいろなものを含めた御答弁をいただきました。 私も、林業問題と中山間地はもっと結びつけていいのじゃないかと思っています。特に、林業といいますか、国有林の保安もどんどん予算が大分少なくなって、山がもうしっかりしなきゃいかぬのですが、荒れてまいりました。昔の中山間地の農家の方というのは大体山へ入って、いろいろ下草を刈ったり冬の薪にしたりということをやっていましたけれども、だんだんそれがなくなってまいりまして、そこら辺を今大臣がおっしゃったように林業と農業との共存といいますか、山の仕事というのはなかなかもうからないということで、だんだん撤退が始まっていますが、もうかる、もうからないという話じゃないと思うのですね。 阪神大震災でも地震という大変大きな被害を今度は受けました。山を粗末にすると、いずれ都会の方でも大きな被害を受けると思いますし、そういう意味でも、私はもう時間が参りましたのでこれで質問をやめますけれども、中山間地におきましては、ぜひ農業と林業の併用といいますか、そして、山の予算をもうちょっと国でもつけていただいて、そこに農家の方々が入る、そして合わせると結構な収入になるということも十分考えていただきたいなと思いますし、都会の方にも、やはり山があるから都会の生活があるのだということを十分認識していただきたいと思います。 以上、時間が参りましたのでこれで終わります。大臣、ありがとうございました。農林省の皆さんも頑張ってください。よろしくお願いします。
○志賀主査代理 これにて大畑章宏君の質疑は終了いたしました。 次に、鮫島宗明君。 〔志賀主査代理退席、主査着席〕
○鮫島分科員 先ほどから、今後二〇二五年に人口が八十五億になる、あるいは二〇五〇年には百億になるという問題も指摘されておりましたけれども、我が国においても、大臣がおっしゃるように土地資源の制約があって、生活用の空間の拡大圧力もある、あるいは産業用の空間の拡大圧力もあるという中で、自給率を高目で維持していくためには農地の確保が重要だという背景がありながら、現在の農地を守っていくということもなかなか難しい面があるということは私も理解できますけれども、そのときに農地の守り方といいますか、あるいは社会的認知というか、農地というものをどういうふうに考えるのか。 ただ単純に生物生産の場、あるいは農業という産業を展開する場というふうに考えますと、ある意味では、十分産業として成立しているかどうかという判断との関係で、遊休地あるいは耕作放棄地なんかについては維持することが大変難しくなるのではないかと思いますけれども、農地はただ単純にその生物生産の場ということだけではなくて、ほかにも多面的な機能を有していると思いますけれども、農水省の方では、農地の一般的な機能といいますか、どういうふうに農地というものをお考えになっておられるのか、その基本的な見解を伺わせていただきたいと思います。
○野中政府委員 今回の震災におきましても、都市の過密が災害による打撃を大きくした面があったというようなこと等々、いろいろな反省が行われているわけでございます。そういうわけで、私どもといたしましては、農地につきましては単に食糧を供給するというだけではなくて、緑のオープンスペースとして潤いももたらすような土地として、そういうような多面的な役割を果たすというふうに考えているわけでございまして、その確保は極めて重要であるというふうに認識をしているところでございます。
○鮫島分科員 ありがとうございました。 今構造改善局長がおっしゃられたことは多分そのとおりだと思いますけれども、同じ農地といっても、その置かれている地理的、社会的あるいは経済的条件によって、専ら食糧生産の用に供すべき農地、あるいは、今度の阪神大震災の被災地となったようなかなり都市的な機能の高い地域では、やはり今局長がおっしゃったような防災機能なり大気汚染等の公害防止機能なりがかなり重要になってくる。恐らく、この置かれている条件によって農地の持つ機能の重要性というのが評価されてしかるべきだろうというふうに思います。 今度の震災でも、私は結果がどうなったか知りませんけれども、市街化区域内の農地に仮設住宅を建てられないかということも論議になったようでありますけれども、農村部出身の方も都市部出身の議員もそれぞれ今度の震災を教訓として、自分たちの選挙区の防災機能、あるいは、いざという場合にどういう形で生命と財産を守ったらいいかというのは、みんな心を悩ましているところだと思います。 東京、特に首都圏の場合といいますか、過密度の高いいわゆるDID地区では、市街化区域内農地の問題がかねてより、特に税制との問題でいろいろ焦点になっておりましたけれども、やはりこの市街化区域内農地の持つ重要性というのは、先ほど言った農地の機能からいいますと、特に公害とか災害防止機能、あるいは都市環境の保全、アメニティーの提供といった面から強く評価されるべきではないかという気がいたします。いわば、都市における貴重な環境空間としての農地という性格づけができるのではないかと思いますけれども、恐らくそのような考え方から、平成四年度以降実効を見ましたけれども、生産緑地法の改正が行われたところであります。 これは、それまで、いわば市街化区域内農地が持っていた税制上の特典が非農業者からいろいろな意味で批判を受けて、ある意味ではそういう批判にたえるためにもう少し農地の機能を明確化して、税制上の特典を与えるべき農地と宅地並み課税をすべき農地というふうに区分けしたものだと思いますけれども、現在、東京区部でいいますと、約千五百ヘクタールの農地があって、そのうちの三分の一ぐらいが、一番大きいのが練馬区で約五百十五ヘクタール、そのうち生産緑地の指定を受けているものが約四七%の二百四十二ヘクタールというふうになっておりますけれども、これは東京の区部全体で見ますと、その比率が三五%。東京全体で見て非常に、残された農地としての緑地空間というのが千五百七十ヘクタールしかないわけですから、そのうちの三五%、これを高いと見るか低いと見るか、御議論があるところだと思いますけれども、私はもう少し高目に、少なくとも五〇%程度は生産緑地としての指定が受けられるようにならないかというふうに思っているわけでございます。 これは農水省というよりも建設省に対する質問になると思いますけれども、生産緑地地区に指定された市街化区域内農地は農地課税の対象となるということでございますけれども、相続税については、生産緑地内農地であればやはり納税猶予、免除制度が適用されるものかどうか。これはどなたですか。
○野中政府委員 相続税納税猶予制度は適用されます。
○鮫島分科員 この生産緑地指定、生産緑地法が改正されて新しい生産緑地法の指定を受けた後、現況がどうなったかということをちょっと申し上げておきますと、それまでは批判を浴びていたようにややルーズな管理といいますか、知らない人が見るとそこが農地なのかどうかよくわからない、あるいは栗の木がまばらに植えてあったり、やや農地とそうじゃないところの区別が不明確なところがありましたけれども、この改良の生産緑地法が指定されてからは、ある意味では非農業者の入れない空間というか、いわば営農をするためにフェンスなり鉄条網で仕切って、作物が一応植えられているという状態になっているわけですけれども、耕作者によって多少幅がありまして、大変熱心に耕作しているところもあれば、ある程度家庭菜園的な感じのところもあるわけですけれども、逆に、改正された生産緑地法の指定を受けることによって非常にオフリミット性が強くなったといいますか非農家にとっては共有しにくい空間といいますか、こういうところがいざ震災が来たりしたときに果たして避難地としての機能が十分果たせるのかどうかということがやや気になるわけです。 むしろ私としては、指定の精神を重んじる立場からいうと、もちろん今のような生物生産の場として重用するというのも一つの考え方でしょうけれども、もう一つの考え方としては、防災機能なり公害防止機能、アメニティーの提供ということを重視する立場に立ては、これは前者をAタイプとすればBタイプということになるのかもしれませんけれども、非農家に開放されていること、良好な緑地空間としての管理が行き届いていること、あるいは潜在生産力が維持されていること、そういう条件のもとで、期間は三十年間、こういう条件を維持するということは、ある意味では市街化区域内農地の持つ社会的な有用性を十分満たしているのではないか。これをある意味では生産緑地Bタイプという考え方で、特にこういう震災の危機が不安がられている折には、やはりもう一度今の貴重な都市内の緑地空間というのをどうとらえ直すのかというのを考える必要があるんじゃないかと思います。 私は今、これは問題提起として、今ここですぐ結論をいただこうとは思いませんけれども、市街化区域内農地の社会的有用性ということを考えたときには、特にアメニティー、防災という二点から見ると、鉄条網でくくってオフリミットにして食材を生産するということと同様に、もう一つのタイプとして、非農家に開放されていること、良好な緑地空間として維持されていること、いざというときのために潜在生産力が維持されていること、期間は三十年ということも十分考慮の対象になるのではないかと思うのですけれども、これは生産緑地法を所掌する建設省の方の御意見を聞きたいと思います。
○澤井説明員 都市のサイドから見た場合に、ただいま先生の農地の持つさまざまな機能、やはりおっしゃるとおりだと思います。 私ども、大規模なものだけじゃなくて身近なものも含めまして、さまざまないわゆる緑とオープンスペース、これをいろいろな手法を活用いたしまして保全、創出していくということが、防災性の向上を含めまして都市環境にとっても非常に重要であると思っております。 建設省では、省として、緑の政策大綱という全省的な取り組みを定めた大綱を去年決定しておりまして、その中でも、市街化区域農地について非常に重要な位置づけを与えた上で、いろいろな取り組みを展開しております。 そういう中で、現在、市街化区域農地につきましては、生産緑地制度はもとより、市民農園制度等も拡充しながら積極的に活用、保全を図っているところでございますけれども、先生御指摘の具体的な点につきましては、そういったことを生産緑地制度の適用を拡大していくというアプローチでいくか、あるいは農地に限らず、都市内の貴重なオープンスペースをいかに公共的に保全、活用していくか、そういう少し広げたアプローチで検討するか、いずれが適当かも含めまして、農林水産省ともいろいろ協力、協議しながら今後さらに検討していきたいと考えております。
○鮫島分科員 確かに、私の方の立場としても、都市内に良好な緑地空間が維持されるというのが一番大きい目的ですから、それが生産緑地法のBタイプとして認知されるか、あるいはもうちょっと別の形で保全されるかについては、むしろ行政の方々のお知恵に期待するところですけれども、いずれにしても、最初に申し上げましたように、やや都市部ではマンションが供給過剰だとはいっても、やはり土地に対する生活空間としてのニーズあるいは産業空間としてのニーズは依然として根強いものがありますので、よほどのインセンティブをつけない限り、良好な緑地空間の維持というのは非常に難しいのではないかという気がいたします。ぜひ、建設、農水、関係省庁連携して、なかなか大蔵省の壁は厚いと思いますけれども、ひとつ理念づけをしっかりして、十分な理論武装のもとに、良好な都市空間における緑が守られるように努力していただきたいというふうに思います。 農地の考え方として、先ほど、生産空間としてだけではなく、国土保全的空間なり防災空間ということがあると思いますけれども、私ずっと農水省側の御答弁をいろいろな場で聞いていて、耕作放棄地とか休耕地あるいは遊休地について、割合逡巡したような答弁といいますか、そういう空間というのはやや価値が低いような空間というとらえ方をしているのではないかというのがやや気になるのです。むしろ、現在のような経済情勢のもとでは、大規模営農の難しいところでの農業というのは、採算性なり経済性から見て難しいところがある。そういう場合に、休耕なり耕作放棄されているところをどういうふうに考えるかというのが大事なことではないかと私は思います。 先ほどから備蓄の話も出ていましたけれども、備蓄は穀類そのものを備蓄する以外に、世界の他の国々での立毛備蓄といいますか、例えば南半球での栽培というものも概念的にはある種の備蓄になるでしょうし、それから、やや利用度が低い農地というのもある意味では農地備蓄のような考えで、国民食糧の安定供給ということからいえば、それは積極的にテリトリーとして保全しておく意味があるという、もう一つ積極的な位置づけをこういう遊休地なり耕作放棄地についてもしておかないと、先ほど言ったようなさまざまな土地に対するニーズの前にスプロール化していったり侵食されていくことになかなか抵抗できないのではないかという気がいたします。 ですから、むしろやはり、現在農地が五百二十万ヘクタールぐらいになっているのかもしれません。統計で見ますと十年ごとに東京都と同じ面積ぐらい、二十万ヘクタールずつ大体減っていると思いますけれども、恐らくほっておくとそういうペースでの減少というのはなかなか歯どめがかからない。やはり低利用度の農地についても、いわば農地備蓄的な考え方でしっかり概念づけておく必要があるのではないかと思います。 そういう意味では、むしろ転用は厳しく利用は柔軟にというふうに考える方が今の潜在生産力を保持するという意味では有効ではないかと思いますけれども、これは事前には予告はしておりませんけれども、ちょっと大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。
○大河原国務大臣 鮫島委員の御提言なり御意見は一つの御意見だと思うわけでございます。と申しますのは、ただいま農地の壊廃面積のことをお触れになりましたけれども、五年間で二十万ヘクタール、その中の相当部分が耕作放棄地なんです。いわゆる人工壊廃よりも自然壊廃的なもの。したがって、そういうものの、耕作放棄地等についての見方、これをどうするか。ただ、それについてもやはり保全管理的なものがある程度要るのではないかというふうに私は思うわけでございます。そういう意味で、これを耕地備蓄的な考えとして位置づけろということについては、検討に値するのではあるまいかというふうに思います。 それからもう一つは、昨年の大豊作でまた例の転作面積をふやしました、六十万を八万ヘクタールばかり。この際におきまして、やはり転作手法として水張り水田というような手法をこのたび取り入れて、これは非常に転作の推進を受け入れることを容易にしているようですが、そういう意味の耕地備蓄の考え、水田備蓄というようなこともやはり今後体系としていろいろ考えていってもいいのじゃないかというふうに思うわけでございまして、多様な備蓄方法と農地についての考え方ということの御所論については参考にさせていただきたい、さように思います。
○鮫島分科員 どうもありがとうございました。 大臣はよくその辺はお考えで、深い御認識をお持ちのことはよく存じ上げておりますけれども、この首都圏の市街化区域内の農地というのも、見方によっては中山間地域の農地と似たようなところがありまして、普通地域が大規模営農に適した地域とすれば、もう都市に入ってくれば入ってきたで、どんどん農地は細分化されて、この生産緑地法でも、五百平米以上の空間を指定とするというのは、これは百六十坪ぐらいですから、随分、農地と言えるのか、少し大きな屋敷をお持ちの方が、うちの庭も解放するから生産緑地とみなせと言われるとなかなか難しいぐらいの小さい空間になっていますけれども、やはり冒頭申し上げましたように、その農地を取り巻く社会的、経済的、地理的条件というものをよく考えてその農地の性格づけというのをしておかないと、一度転用して他用途ということになると、いわば商品としての基本的性格が変わるということになりますので、再び農地というのが大変難しくなるのではないかと思います。 そういう意味で、大規模営農に適さない、いわば純粋に生産の場として管理していくことが難しい農地、これは市街化区域内農地も恐らく中山間地域の農地もやや共通するところがあると思いますけれども、そういうところでは、農地という基本的性格の縛りはかけながらも、やはりその利用の仕方についてはもう一段柔軟に構えておかないと、非農家からの共感がなかなか得にくいのではないかということを私は心配するために、こういうきょうのような問題提起をさせていただいたわけです。 あともう一つ、今度のこういう大震災を受けて、首都圏の人はみんな、もし私どものところに来たらどうなるかということをそれぞれ心配したり、想像したりしたと思います。今東京の子供たちなんかでも、昔に比べると田舎を持っている子供が大変少なくて、夏休みになっても、私が小学生のころは八割の子供は夏休みは大体田舎に帰るという感じでしたけれども、今は完全に逆になっていまして、二割いるかいないかというぐらい田舎というものが都会の子供たちにとって遠くなっているわけです。親戚がいたり、身内が背後地の農村にいれば、もし今度のような震災があっても、復興までの間、疎開するというようなことが恐らく可能ではないかと思いますけれども、今ではそういう関係も残念ながら失われてきている。そういう中で、農水省は一貫して都市・農村交流という観点から交流事業を推進しているわけです。 先ほど大臣がグリーン・ツーリズムを日本語で何と言えばいいかとおっしゃっていましたけれども、官僚的な用語の制限がなければ本当は恐らく農村観光とストレートに言っていいのだろうと思いますけれども、何か観光は運輸省ということで、どうも農水省が言う場合は体験事業という言い方が先行するようですけれども、随分そういう体験事業の中で、都市と農村の交流あるいは都市地域と農村地域の交流ということを政策的にもバックアップして推進しておられると思いますけれども、もう一段踏み込んで、私どもの地域でも、都市の家族と農村の家族、ファミリーベースでの交流というところまで持っていかないと、もう一つ相互理解なり親しさなり、いざというときの疎開なり、あるいはその農村地域が壊れるということもあるわけですけれども、そういう、血はつながっていなくても義親戚のような感じが少しできていければ、いざというときのためにも、あるいは未来を担う子供たちが、農村空間がどんなものか、あるいは緑の持つ機能というものを理解する上でも、そういう交流がぜひ必要ではないかというふうに思っておりますけれども、この面についての農水省の、今後ともその施策としてどういうふうなお考えに立っていくかということをお聞かせいただければと思います。
○大河原国務大臣 新しい視点からの御指摘でございますが、実は最近、ある物で読ませていただいたものに、関東大震災のときは四百万人の東京の被災人口、全体で影響を受けた。そのうちの百二十万人が一週間ないし十日以内で地方へ参った、関東周辺を中心として。そして二月以内にまた東京の復興によって四割が戻られだというような記録があると。そこで、今度の神戸で見られたような体育館とか学校に対する避難、避難所、それは余り見受けなかったという話でございます。 それはあの時代でございまして、農村に縁者、親戚、みんなあって、しかも東京周辺の地域にみんなそれぞれ参って対処をしたということだと思うわけでございまして、鮫島委員の御指摘もそれとは機械的に一緒になりませんけれども、我々が今都市と農村の触れ合いというもの、両方の面があるわけでございますな。緑や空間に対する国民的なニーズにこたえるという面と、他方では、それを通じての、農村における所得機会の確保と増大にもつながるというようなことで、我々としては農業政策としては各種の受け入れ施設の整備その他、情報の発信とか各般の努力をしているわけでございまして、それをさらに一段と進めることによって新しい方向が出るのではないかという御指摘だと受け取らせていただくわけでございまして、そういう意味では、今後もその方向の、どう交流事業をもっと質的に高めていくか、活発化するかということにも通ずると思いますので、努力をいたしたい、さように思っております。
○鮫島分科員 どうもありがとうございました。 ぜひ農地の持つさまざまな機能を重視して、自信を持って農政を展開していただきたい、それで都市の農地もしっかり守っていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございました。
○桜井主査 これにて鮫島宗明君の質疑は終了いたしました。 次に、畠山健治郎君。
○畠山分科員 まずもって、このたびの震災に当たりましては、大臣初め、日夜にわたって大変な御難儀、御苦労をおかけいたしておりますことに心から敬意を表したいと存じます。この上は、一日も早い復興を願いながら、今後もさらなる御努力を心からお祈りを申し上げたいと存じます。 そこで、大臣に最初にお伺いをさせていただきたいと存じますが、ガット・ウルグアイ・ラウンド対策では、農水省で六兆百億円、自治体対応で一兆二千億円、合わせて七兆二千百億円の対応をしていただいた。大変な御努力にこれまた敬意を表したいと存じます。しかし、それとは裏腹に、果たして七兆そこいらの金で日本の農業が本当に裸になって国際競争力に対応できていくのかどうか、私からすればまだまだ心もとない気がしてならないと思っております。この上は、ぜひひとつ通常予算の確保に向けてさらなる御努力をお願いを申し上げたいと思っております。 と同時に、マスコミからすれば大変厳しいわけでありまして、今度のウルグアイ・ラウンド対策というのはまさに補助金のばらまきだ、あるいはむだ金遣いだとまで酷評しておる批判もあるように伺っております。私からすれば、彼らこそグローバルな食糧と人口の関係を正しく把握しておるのかどうか、極めて遺憾に思っておりますし、また一次産業の持つ公益性あるいは環境、国土保全の問題等々、当然並行して考えなきゃいけないわけでありますが、分離してあえて議論をしておるというところに彼らの欠陥があるのではないだろうかというふうにも考えております。彼らを批判するというのは簡単ではありますけれども、批判するだけじゃなくて、我々自身にもこの問題について本当に国民に向かってわかりやすくいろんな立場に説明、説得をしてきたかという点からすると、極めて不十分さが残っておるんではないだろうかと反省されるところだというふうに思っております。率直にこの点の大臣の所見を伺わせていただきたいと存じます。
○大河原国務大臣 いろいろな視点からの御指摘については、私は非常に謙虚に受け取らせていただきたいと思います。 確かに、日本農業これでいいのかということで、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意の受け入れを契機として私どもは国内対策を行ったわけでございます。その手法自体についてもいろいろな御意見もございましたが、我々は最善と信じまして、あの十月に決定した国内農業対策、また財政の裏づけも確保したわけでございますが、やはりこれについては農業と他分野との積年の意識のずれ、これが大きく影響してきたというふうにも思うわけでございまして、それは我々は、今委員のお言葉をかりれば、その批判する分野に対する批判は簡単だけれども、こちらの努力も必要だというお話でございまして、そのとおりだと思うわけでございます。 ただ、息長くこれをやらなければ相ならぬ。人口・食糧問題、地球規模の問題とか、あるいは農業問題、食糧問題というのは長期の問題としてとらえて、そういう視点から理解を求めなければならない点が多々あると思いますので、御指摘の点を十分心得まして、私ども現に努力はしているつもりでございますけれども、一層の努力をいたしたい、さように思っております。
○畠山分科員 ありがとうございました。 次にお伺い申し上げたい点は、農業基本法問題についてでございます。日本の農業を守り発展させるためには、国民共通の理念に基づく政策を持たなきゃいけないというふうに思っております。それが基本法の持つ意義だというふうに思っております。現在持っております基本法、農業生産の選択的拡大という点からいたしますれば、一定の成果を上げてまいりましたというようなことでは評価をしたいというふうに思っております。 しかし、今日的に見ますれば、言ってみれば生産対応、生産対策という部分ではそれなりの成果を上げてまいったと思いますけれども、やはり生産と生活の一体化というのが農村に対する政治の機能だというふうに思います。この生活というような部分からすると、現在の基本法はほとんど機能しないというような形になっておると言わざるを得ないというふうに思っております。ぜひひとつこういう観点から、今までの成果はあったというふうに評価をいたしますが、これから先に向けては生産と生活、こういう観点で水と緑と食糧という観点からの新たな基本法が必要になってくるのではないだろうかというふうに考えます。ぜひひとつこの観点からの大臣の御所見を承りたいと存じます。
○大河原国務大臣 お答え申し上げます。 お話しのとおり、農業基本法、三十六年に制定されまして、これについては高度成長期の日本経済社会を背景とした基本法でございまして、今日は大きく諸条件が変わりまして、新たなこれにかわる基本法の制定の検討に我々まさに着手しようとしておるところでございます。その場合に、やはりお話にもございましたが、大きな視点、例えば人口や食糧問題、環境問題、こういうものを背景とした視点も必要でございましょうし、基本法では触れなかった食糧問題、食糧の視点も大事でございましょう。各般の問題でやはり大きな視点から食糧、農業、農村、この問題としてとらえた検討が必要であると思うわけでございます。 それから、お言葉にも申されましたけれども、これは農業のための基本法ではなくてむしろ国民全体の基本法だ、したがって国民的なコンセンサスが得られるような基本法でなければ相ならぬ、さように思って、いよいよこれから検討に入りますので努力をいたしたい、さように思っております。
○畠山分科員 ぜひひとつ、早期に制定を目指して御努力をしていただきますようにお願いを申し上げたいと存じます。 次に、各論の方へ移らせていただきたいと思いますが、御案内のとおり、国際化時代を迎えまして、農業も避けて通ることができない問題だというふうに思っております。しかし、そうは申しましても、日本の農業の特徴というのは残念ながら限られた面積でございます。と同時に、食糧という観点からすれば、日本食ということで穀物中心の食生活の優位性ということは、単に日本だけじゃなくて世界的な観点から証明されつつあるというふうに言っても過言ではないのではないだろうかというふうに思っております。 この二つの観点からいたしますれば、日本の農産物価格をストレートに国際価格と比較するというようなことは果たして一体どうだろうか。内外価格差、他の製造業と一緒に同じような考え方で内外価格差云々ということの議論が成り立つだろうかというふうに問われなければならないと思っております。決して国際競争を無視するとか努力を怠るというつもりはございません。それはそれなりに努力をしなければいけないというふうに思いますけれども、やはり日本農業の持っ特徴というようなことも、これは前提に置かなきゃいけないというふうに思っておるわけであります。 そのような努力をする方向からいたしますれば、引き続きやはり規模拡大には大胆に取り組んでいかなければいけないと思います。特にコスト引き下げという観点からすれば、農地の流動化は避けて通ることのできない大事な仕事だというふうに思っております。それを具体的に進めるためには、農地譲渡の税制対策あるいは農地中間保有あるいは再配分機能機関等、いろいろ工夫され、努力されておるというようなことはよく評価できるわけでありますけれども、さらなる積極的な誘導策がこれから先も大変大事な仕事だというふうに思っております。この点に対するこれから先々の込める決意のほどをお承りをいたしたいと存じます。
○野中政府委員 農地の流動化を加速することが極めて重要である点につきましては、先生御指摘のとおりでございます。このため私どもといたしましても、先般農業経営基盤強化促進法を改正をしていただいたわけでございまして、育成すべき農業経営に対する農地の利用集積を行っております農地保有合理化事業の積極的な推進が可能になりますように、先ほどお話にございました、中間に入ります農地保有合理化法人に対する支援の強化、あるいは農地保有合理化法人によります農地の買い入れ協議制の創設、それに伴います税制の措置等々を講じたところでございます。 さらに、こういう制度と並びまして、何といいましても、農地の流動化には現場、現場で掘り起こし、あっせんといったような地道な活動が必要でございます。そういう意味で、集落段階でこういう農用地の利用調整の活動を行いますような施策の推進を行いたいと思っております。また同時に、担い手に農用地の利用集積を促進をするための奨励措置も講じることといたしておりまして、これらによりまして、農地流動化につきまして、従来以上に力を入れてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○畠山分科員 御案内のとおり、今地方へ参りますと、統一地方選挙一色になっております。この統一地方選挙を見てみますと、考えられないような現象が今起こっておるわけであります。というのは、自治体議員選挙に候補者が足らなくて無競争になる、こういう現象まで今現実の問題として起こっておるわけであります。何が原因だろうか。いろいろ見てみますと、実際に人材不足ではないわけで、優秀な農業後継者で、こういう若い人こそ自治体議会対応をぜひやっていただきたいというような人材が実際あるわけでありますけれども、彼らからすると、立候補どころじゃなくて、議会対応どころじゃなくて、自分の仕事で手いっぱいだ。手いっぱいでとてもとても対応できないというようなことで、本当に残念な人材が眠っておるというような現象が現実の問題として今起こっておるわけであります。 そこで、何で一体そんなに余裕がないのかというようなことになりますと、後継者としての自覚もそうだと思いますけれども、それよりも大事なことは、自立をしたいというようなことから、かなり多額の、悪いですけれども、借金も含めていろいろ頑張っていただいておる。今そんなことをしたら、本体である経営がどうなるのかというようなこともやはり心配になって、とてもとてもそういう余裕がないというような状況が今現実の問題として起こっておるわけであります。それだけ後継者不足に悩んでおるというのが過疎地での実態だというふうに言わなければいけないというふうに思います。 こういう立場から、今まで以上の担い手対策あるいは新規就農者対策、あるいは農業金融対策、きめ細かな対応をしてもらわなければいけないというのが今置かれておる実態でございます。ぜひひとつ、この点の所見をお伺いさせていただきたいと存じます。
○野中政府委員 お話しのとおり、担い手の育成ということが極めて重要でございまして、そのために農業を職業として選択し得る魅力のある、やりがいがあるものにしていくというようなことで、他産業並みの所得あるいは労働時間が実現できるような、効率的、安定的な農業経営を育成をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。 先ほども申し上げましたが、農業経営基盤強化促進法というのがございますが、これによりまして、意欲のある農家の方に手を挙げていただいて、その計画を認定をして、そしていろいろな援助を集中をしていくというような認定農業者制度というのがあるわけでございまして、現在市町村の構想も進みましてその数も徐々にふえてきているところでございます。私どもといたしましては、この認定農業者制度を基本にいたしまして、これらの農業者に対しまして、低利な資金の融通でございますとか、あるいは機械等の投資をいたしました場合の割り増し償却等の税制上の措置でございますとかあるいは先ほども申し上げましたが、これらの農家に規模の拡大が可能となりますような農地のあっせんでございますとか、あるいはいろいろな意味で経営、マーケティング等々でいろいろな知識が必要になってまいりますので、こういう意味での相談、研修活動というようなものを活用いたしまして、せっかくこういう厳しい状況の中で手を挙げて、一生懸命やっていこうというような農業者、これに積極的にいろいろな支援措置を集中をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○日出政府委員 先生、新規就農者対策にお触れになりましたので、ごく簡単に御説明申し上げます。 先般、先生も御案内のとおり、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の一環ということで、青年就農促進法が施行されました。二月十五日付で施行されたわけでございます。これは、補正予算関連法案ということでお願いいたしましたので、私どもは、年度内にもこの法案が実効性あるものというふうになるように、ただいま実は関係都道府県と打ち合わせをし終えたところでございます。 この就農対策は、今までの新規就農対策で抜けておりました資金の貸し付けでございますが、これでようやくメニューがそろいましたので、新規就農対策につきましては、都道府県あるいは関係団体と一緒になりまして頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○畠山分科員 次に、コストの削減の一環策といたしまして、一層の基盤整備事業が必要だというようなことは共通の認識に立っておるわけでございます。農業者も、その意欲は十分にあるというふうに思っております。しかし、人間だれしも同じでありますけれども、先々の展望のないところに先行投資はできないのは当たり前な話であります。農業者も同じ立場でございます。減反政策は、これは置かれておる現状からすればいたし方ないというふうにも思っておりますが、何といっても農業政策、これから先々農業はどうなるのかというようなことへの確たる展望は、残念ながら今現在見えないというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。これが思うように基盤整備事業が進んでいけない、意欲はあるけれども進んでいけない、置かれておる現状ではないだろうかと思っております。ぜひひとつ、見えないながらも精いっぱい努力をしていただいて、これからの農業の方向性をきっちりと示していただく格段の御努力をお願いを申し上げたいと存じます。 と同時に、負担の軽減をしていただく努力も一層していかなければいけないのではないかと思っております。特に問題になりますことは、大型区画整備を今再度やろうとしておるわけでありますから、残余の負担という部分が残っておるわけでありますから、この対策をあわせてやってもらわなければ事業量が思うように進んでいかないと存じます。と同時に、対ウルグアイ・ラウンド対策も思うように進んでいかないということになりはしないかという危惧が残るわけでございます。ぜひひとつこの点の対応をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○野中政府委員 農家負担の軽減は、お話しのとおり極めて重要でございまして、今般、基盤整備事業を格段に拡充を図りました中で、ウルグアイ・ラウンド対策との関連の中で、例えば一つは、事業が早期に効果を発現するような事業形態をとるというようなこと、それからさらには、補助率をかさ上げをいたしました担い生育成型の圃場整備を実施をする、あるいはそういう中の一部につきまして、農家負担部分でございますけれども、無利子資金を活用するというようなことを講じてこの農家負担を軽減をして、事業の円滑な推進を図るということにしているわけでございます。 それからさらに、従来からも実は一部、この事業費につきまして、事業費をできるだけ抑えるような単価を使うというようなこと、あるいはその償還金を一部繰り延べをするというような措置というのを講じてきているわけでございますが、今回のウルグアイ・ラウンド対策におきましても、もう既に着工しているような、お話しのような事業に係る土地改良負担金につきまして、農地の利用集積に積極的に取り組んでいただきますような地区につきましては、負担をさらに軽減するような具体的な助成金を交付するという措置も講じております。さらに、償還金の繰り延べ措置でございますが、これは従来からございましたけれども、それを一層拡充するというような措置も講じているところでございます。 今後とも、これらを適切に運用して負担の軽減を図ってまいりたいと思っております。
○畠山分科員 一層の御支援のほどを重ねてよろしくお願い申し上げたいと存じます。 次にお伺いを申し上げたいことは、御案内のとおり、一昨年未曾有の大冷害に見舞われました。結果として、備蓄米の不足を痛感したところでございます。あの際、的確な備蓄米を持っておればこんな混乱は起こらなかったのだと悔やまれてならなかったところでございます。一転、昨年は大豊作になりました。大変結構なことだというふうに思いますが、そうなってみて初めて気がついてみますと、やはり備蓄米が必要だ。百万トン、百五十万トンあるいは二百万トン備蓄米が必要だというさまざまな議論が今展開されているさなかでございます。ぜひそうあらなければいけないと思います。 一方、観点をちょっと変えてみますと、備蓄米を、例えば百五十万トンにしてもいいです、抱えるというようなことになりますと、たとえ備蓄米であっても、米市場全体からすれば、備蓄米を抱えておる米市場ということになろうかと思うのです。こうなりますと、計画流通米は市場価格を的確に反映しなさいということが答申として出されております。そうなりますと、備蓄米を抱えた米市場ということになると、心理的にマイナス要因に働きはしないだろうかという思いは、ひとり私だけじゃないのではないかという気がしてならないわけであります。ぜひひとつ、この不安を晴らしていただけるような御答弁をお願いいたしたいと思います。
○上野政府委員 今委員お話しございましたように、昨年の新食糧法制定の議論の際に、おととしの不作の後であるということもございまして、備蓄ということを制度の中に取り込むという話が真剣に議論されまして、新制度の非常に大事な一項目として、備蓄の設置、その運用ということが決められたわけでございます。 この備蓄量をどういうふうにするかということにつきましては、いろいろ検討すべき判断の基準といいますか、考えなければならないことがあるだろうと思います。どれくらいの不足に対応するのか、そのときの所要量はどうなのか、あるいは一年古米という形で回転備蓄をする際にうまく回転させられるのかどうか、あるいはコストがどうなのかというような議論がいろいろあるのだろうと思うのでございます。その中の一つに、やはり委員が今御指摘になられましたような、備蓄の量が多ければ、それだけ市況に影響する面があるのじゃないかということがあのときに議論されたわけでございます。 私どもとしましては、そういう具体的な市況への影響、あるいは心理的かもしれませんが、そういうものを考慮に入れた備蓄というものでなければならぬだろう、この点からも、多ければいいという話では必ずしもないのではないかというふうに従来考えてまいっておるところでございます。 現在、基準として百五十万トンくらいのものというふうに考えておりますけれども、おっしゃったようなことにつきましては、十分に意を用いていかなければならぬと考えております。具体的には、生産調整の実施の仕方、計画流通米の具体的な計画運営、あるいは自主流通米の価格変動のあり方というようなことを考える際に、十分そういう気持ちを外しながらやってまいらなければならぬと考えているところでございます。
○畠山分科員 ぜひひとつ、生産者の立場からも消費者の立場からも、心理的な意味で不安が残っておることは間違いないと思いますので、的確な対応をしていただきますように、重ねてお願い申し上げたいと存じます。 次にお伺いを申し上げたいことは、これからの議論の問題かと思いますけれども、米の検査のあり方についてお伺いを申し上げたいと存じます。 食糧に対する安全性を望む声が日に日に高まっておりますことは、今さら申し上げるまでもございません。安全性の問題と規格保証といいますか今までずっと長い間食管法によって検査制度が安定して一定の規格米を供給してきたということからすれば、消費者からすれば同じことを求めるというのは当然過ぎるほど当然のことだと思っております。ところが、昨今からいたしますれば、規制緩和の問題等も含めて、むだな規制はやめなさいというような声も小さくないという事実もございます。そういうはざまの中から、これから先の検査のあり方、これは国営検査、民営検査も含めて検査のあり方がいろいろな意味で問われてくるというようなことは間違いないと思っております。 しかし、今必要なことは、やはり安心して米が供給できる体制をこれから先も引き続き保障していかなければいけないというふうに考えるわけでございます。そういう立場からすれば、これから先も安心して、信用して任せ得る国の検査制度というのはぜひひとつ今後とも確立をしていかなければならない制度ではないだろうかというふうに考えます。 と同時に、消費者も食糧に対する多様なニーズを持っております。とりわけ安全性の観点からすれば、有機米の問題あるいは無農業の問題等々の要求がいろいろ出てまいるわけでありますが、有機米、無農業あるいは減農業であるといっても、信用していいのか悪いのか、不安がいっぱい残るわけであります。その信用を保証するという立場からも、新たな検査制度、生産時点あるいは出荷時点の検査だけではなくて、今も申し上げました有機米の現認をする、あるいは減農業、無農業を現認をするという仕事をも含めて検査制度のあるべき姿が問われてくるのではないだろうかというふうに思われます。 この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○上野政府委員 検査あるいは表示のあり方の問題につきましては、新しい食糧法の制度に移るという制度的な変化の問題、あるいは流通なり消費の実態が変わってまいっている、こういうことにどう対応するか、あるいは今おっしゃいましたような消費者のニーズに対しましてどう対応するかということで、大事な検討課題だと思います。特にまた、昨年のWTOの特別委員会の附帯決議等もございまして、研究をすべしという御意見もいただいているところでございまして、現在私ども、各界関係者の方にお集まりをいただきまして、研究会を開き、勉強させていただいているところでございます。 その中の大方の議論といたしまして、現在検査というのは品質を中心にした内容になっておりますけれども、信頼のおける取引の根拠として、基礎としてこの検査制度というのは非常に大事だということでは大体意見の一致を見ているというふうに思いますし、その際信頼のできる中立的な第三者機関が検査を担当すべきだという意見も大方の御意見だろうというふうに考えているところでございます。こういうような御意見をもとに新しい検査制度というものを、研究会の結論も取りまとめました上で、私どもとしての考え方をまとめてまいりたいというふうに思っております。 特に、安全性の問題につきましては、要するにお米の流通を担当いたします食糧庁という側におきましても、より一層安全性の観点からの対応を強化すべきだという御意見もいただいております。この点につきましては、現在やっておりますサンプリング調査の密度を広げるというようなことやなんかを考えながら対応するというふうになるだろうと思っております。 もう一つ、今お話のございました有機米の関係のお話などにつきましては、実は既に特定JASの制度というものがあるわけでございまして、まさに実現をするとすればこの制度によって対応をするということが適当ではないかというふうに考えております。ただ、お米をこの制度に乗せるかどうかということにつきましては、なお生産、流通、消費の実態、関係者の御意向というようなことを十分踏まえまして検討をしてみたい、する必要があるというふうに現在考えているところでございます。
○畠山分科員 一層の御活躍を御祈念申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○桜井主査 これにて畠山健治郎君の質疑は終了いたしました。 次に、寺前厳君。
○寺前分科員 最近、阪神の災害調査に参加をすると同時に、和歌山、滋賀、京都、一連歩いてきて私の感じた問題を率直に申し上げて、どういう対応をしておられるのかお聞きをしたいというふうに思います。 まず第一は、和歌山県へ行ったときのことです。田辺市、南部川村、南部町、三市町村の梅の生産量及び栽培面積は、全国の梅の生産量及び栽培面積の中でどのような位置を占めているのだろうか。私、現地へ行って初めてこういう事態にあるのかなということをびっくりしましたので、まずその位置づけを御説明いただきたいと思います。
○日出政府委員 先生お話しのとおり、和歌山県は梅の主産地でございます。面積でいいますと全国の二割、生産量では全国の約過半を占めておりますが、中でも先生お挙げになりました田辺市、南部川村、こういったところは大変な主産地でございまして、生産量でいいますと全国の三割を占めるというところと承知をしております。
○寺前分科員 この和歌山県の梅の産業は、和歌山の統計を見ても農業粗生産額の一五%を占め、ミカンに次いで第二位の地位を占めている、経済的にも大きな役割を果たしていることが数字の面からもわかります。また、この三市町村の梅の収穫量は県内のシェアの八割を占めている、こういうふうに教えられました。品種の面でも、この地域の梅の品種はかなり優秀だ。大正時代の後期に、田辺に住んでいた那須というお方が譲り受けた穂木を接ぎ木した中から生まれ、那須氏の屋号をとって名づけられた古城梅、南部高校の教師であった竹中氏が調査研究した結果の南高梅、こういう二つの品種に代表される梅は、全国でも優秀なものだ、こう言われたのですが、そういうものなのでしょうか。
○日出政府委員 先生今お話しのとおり、この地域で栽培されております梅の中心でございますが、いわゆる南高と言われる梅干し用の品種でございます。粒が二十グラムから二十五グラムとかなり大粒のものでございまして、梅干し用として高い評価を得ているというふうに承知をしております。
○寺前分科員 今もお話にありましたように、全国的にも梅の生産で有名になっているこの地域に、近年梅の木の衰弱、枯死の現象があらわれている。私は、案内していただきました。県のパイロット事業といいますのか、わざわざ梅の生産の拡大のために開かれているところ自身もやられてきて、えらいことになっているなと山の中へ入ってつくづく感じた問題です。農水省として実情をつかんでおられるのでしょうか。
○日出政府委員 先生今お話しのように、和歌山県の梅の中心でございます田辺市あるいは南部川村の一部の地域で、平成になりましてから梅の生育不良が見られるということで、現地としては大変心配をしておりまして、和歌山県を中心としまして今原因の究明に取り組んでいるというふうに聞いておるわけでございます。
○寺前分科員 そこで、私も自治体の長の方にもお会いしたし、農協の長の方にもお会いしました。衰弱等の原因はとお聞きしましたら、共通して三つのことをおっしゃいます。一つは土壌だ、一つは病気説だ、一つは環境説。しかし、このいずれの問題提起にしても、住民の方から聞くと、どうも三番目の問題提起のような感じを受けます。私も、さもあろうという感じを強めました。 梅の木の衰弱、枯死問題は、七、八年前から田辺市の上芳養地区の一部の園地で被害が出始め、二年ほど前から顕在化してきている。田辺市当局の調べでも、昨年の被害面積は百八十一ヘクタール、被害農家は二百五十戸、衰弱や枯死した梅の木は一万五千二百本になっている。これは去年の六月時点の調査結果のようです。 今、農水省でも衰弱、枯死の姿が見られるとおっしゃったわけですけれども、一体原因はどこにあるというふうに見ておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○日出政府委員 今先生お述べになりました梅衰弱症でございますが、先ほど申し上げましたように、和歌山県を中心といたしまして関係市町村、農協が連携をしまして、土壌面からの一つの栽培面の問題、あるいはウイルスといったような病理の問題、それから環境面、この三つの方面からの要因の究明に取り組んでいると聞いておるわけでございます。これまでの調査結果では、必ずしも要因が特定されていないということでございます。私どもの方でも、原因究明につきましてはしっかりやるようにということを言っておるわけでございます。
○寺前分科員 原因が特定できなかったならば対応策をつくることはできないということになります。 生産農家の方々といろいろ話をしてきました。田辺市、南部町、南部川村から二十五キロ離れたところに十一年前から操業を始めた関西電力の御坊火力発電所、一号機は八四年の九月です。二号機は十一月です。三号機は八五年の三月です。これ以降の現象だということは共通して言うわけです。 生産農家の人は、梅の木の衰弱、枯死は発電所が操業を始める前にはなかったんだ、被害園地は、発電所に向かって直線上にあり、季節風が吹いてくる北東方向にある、谷に濃い霧が出た後に梅畑の樹勢が衰えていっていること、酸性霧が原因だとしか考えられない、土壌改良も何もしないところで、しかも収量を上げているところでも梅枯れはしていないんだ、こういうことを口々にみんな述べているのです。 しかも、この御坊の発電所からの煙のずうっと進んでいく山の頂上の一帯のずうっと稜線になるところ、それとの関係でずうっと谷間におりてくる。だれが考えたってこれは関西電力の側に問題があるのではないだろうか。最大の疑惑をそこに求める声が出てくるのは当然だろうと私は思うのです。通産省はこの問題について何か聞いておられますか。調べておられますか。
○真木説明員 ただいまの御質問でございますけれども、御坊火力発電所は、御指摘ございましたように昭和五十九年から六十年にかけて運転を開始したものでございます。発電所の立地に当たりましては、通産省の省議決定に基づきます環境アセスメントを実施しております。この結果、硫黄酸化物の排出につきましても環境上支障のないことを確認したものでございます。 なお、今御指摘のございました梅の木の問題でございますが、和歌山県等、関係者の間で原因究明について取り組んでいるというふうに聞いております。
○寺前分科員 私は、これだけ大事な梅のことですからもう少し真剣に考えてほしいと思うのです。 昨年の七月に田辺市の上芳養地区に広島大学の助教授の中根さんという方が調査にお入りになっています。そのときの調査を読みますと、PH、水素イオン濃度の指数の測定値が四・九-五・一という数字を示している。PH七が中性だから、かなり酸性が強いということをうかがうことができるのです。その先生は、「霧だと滴になって根元に垂れ、酸性降下物が樹木を枯らす。酸性霧のPHは三台が予想される。空中に長時間漂い酸性雨の百倍のダメージを植物に与える。」と述べられ、関西電力御坊火力発電所の煙突から出る亜硫酸ガスが原因であるという説について、「断定はできないが可能性は高い。」とまでコメントをしておられるわけです。 ところで、この御坊の発電所に最近第二の発電所を建設しようという問題が出てきているのです。その計画を見ると、百万平方メートルの海面を埋め立てて、そしてオリマルジョンの使用を考え、出力四百万キロワットを新たにつけるのだ。現在の火力発電所の数倍の規模で、これがもたらす影響はどうなるのだろうか。私はオリマルジョンというものについて知りませんので、現場で聞きましたら、発電にはまだ工場外でやったことは日本ではないそうです。硫黄分は原油よりも非常に高い。原油は〇・〇七から〇・一〇だけれども、このオリマルジョンでは約三・〇になりますから、硫黄分は高いですよ。こんなものがやられたらいよいよもってどうなるだろうか。 まだ梅の木の衰弱や枯死の原因についてこれだというふうに科学的に決めたわけではないけれども、素人目にはだれが考えてもそこに求めなければならないという事態になっているだけに、私は通産省としても、これはただごとではないよという調査をやられる必要があるのではないだろうかというふうに強く感じたのですが、通産省は何かお考えになっていますか。
○真木説明員 御坊発電所につきましては、先ほど御説明いたしましたとおりに環境アセスメントを実施して建設をしたものでございますけれども、発電所周辺におきます硫黄酸化物の濃度についても発電所の運転開始後測定をしておりますが、運転開始前と後では格段の変化が生じていないというふうに聞いております。 また、御指摘のございました御坊の第二火力発電所でございますが、これは関西電力が地元御坊市の同意を得て現在環境影響調査に着手をしたところでございますけれども、この第二火力発電所につきましても、現在ございます発電所と同様に通産省の省議決定に基づきます環境アセスメントを実施をいたしまして、使います燃料でございますとか燃焼方式あるいは環境保全のための公害防止施設等について十分チェックをいたしまして、環境保全に万全を期してまいりたいというふうに思っております。
○寺前分科員 私は、何かペーパーを読んでいるだけの感じがして仕方がない。あれだけの天下の梅と言われるところの姿が衰弱し、枯死していく姿、何万本という梅が、本当に。二月、三月になると、いつも梅祭りをやるそうです。それが喜んでやれなくなっていく姿を見ておられる和歌山県の方々にすれば、大変な思いだろうと、単に生産上の問題だけではなくして、我がふるさとの問題として心を痛めるものであります。私は、この梅の木の衰弱や枯死の諸説がいろいろあるけれども、被害が年々ふえていくという事態になってきているときに、先ほど通産省が電力会社の報告を聞いてうのみにしているようなことでは、生産農家の不信感は強まる一万だろうというふうに言わざるを得ないと思うのです。昨年六月にスタートした関西電力の大気環境測定についても、大気汚染の発生源が調査しても、その結果は信用できないと胸を張って堂々と語っておられる方がありました。 したがって、生産農家の要望を聞いて、原因究明のための専門家の派遣、大気環境測定地点をふやして、例えば田辺市について言えば、この上芳養地域の石神、古谷、谷川、竹藪などの低地帯や、被害地域外でも三栖などというところに設置して、本当に真剣に調べてくれというふうに現地の人は叫んでおられました。 これだけの天下の梅の産地であるならば、農水省は真剣にこの問題について直接調査をする必要があるのではないだろうかと私は強く感ずるのですが、大臣いかがなものでしょうか。
○大河原国務大臣 先ほど事務当局からお話し申し上げましたように、その原因の究明については、直接住民に接します和歌山県がそれぞれの関係者について検討しておるところでございます。ウイルス説なり、あるいは土壌汚染、あるいは先生の御指摘の発電所の問題等々でございますが、やはり県が現在調査、原因を究明しておりますので、その結果を待ちたい、かように思っております。
○寺前分科員 県がやっている、やっているということだけでは私は心配なのです。今度の災害だってそうでしょう。あそこで、神戸のところに大きな埋め立てがありました。液状化現象が起こっている。ああいう中で摩耶埠頭第一波止場のところは頑としておるのです。聞いてみたら、そこは運輸省が直接面倒を見て、やってよかったなという結論が出ておるのだ。ところが、ほかのところはそうではなかった。振り返ってみたら、地方任せにしておってはあかんなということがいろいろな分野に出てくるものなのです。 日本の梅の一番重要な名木を含んでいるところで何万本という梅が枯れていくという事態を見るにつけても、そこには病気説というのはもう言う人はなくなりました。そうなってくると、もう話は二つに、どちらかになっていく。だれが考えたって新しい環境汚染をしてきているところに目をつけざるを得ないということになってきたときに、事がどんどん進んで後はどうにもならなくなったでは私は残念でならないと思うのです。 私は、農水省としてもぜひ検討していただいて、県と一緒になって積極的な保護策を打ち出すように考えてほしい、期待をしたいと思うのですが、改めてお願いをいたします。
○大河原国務大臣 県が地元の町村なりあるいは農協等と協議をしながら原因の究明に努めておるということでございますので、我々としても、その意味における協力、連携をして、原因の明確化とその対策という点についてはそれなりの力を尽くしたい、かように思っております。
○寺前分科員 次に、滋賀県へ行きましたら、永源寺第二ダムという問題が起こっていました。 ここは私は秋に行ったことがありませんので、現地の人に聞くと秋においでなさいと言ってくれました。非常にいいところらしいです。また水も、ここの水質は、ぜひ飲んでいただきたいという問題提起もありました。滋賀県としては一つの誇りのようです。そして永源寺のそこにはコンニャクが売ってありました。これをぜひお食べください、いい水でつくったものですよと言われたわけです。 ところで、この永源寺ダムの問題というのは、農水省の土地改良事業のあり方として問題にされているわけです。農水省は滋賀県の永源寺町の愛知川上流に農業用水利ダムとして第二ダムの建設を考えてきた。九二年十月には、第二ダム建設の当該地区である東部区長連絡協議会会長及び七区長連署で住民一同断固反対という決議がなされ、町民大会も開かれてきた。また昨年の四月には、第二ダム計画を白紙に戻すことを公約した町長候補が当選するという経緯がそこにはあります。さらには、住民の異議申し立てに対する農水大臣の却下、棄却という決定に対して、町議会がそれに対する抗議の声明を出すという一連の動きがなされてきたようで、言ってみれば、永源寺第二ダム建設は町長初め議会、住民、さらには自然保護団体こぞって反対するという事態になっているわけです。 このような声が強く広がっている中で、農水省として何がなんでも事を進めるんだという態度をおとりになるのか、そこはどういうふうに進められる気なのか、御説明をいただきたいと思います。
○野中政府委員 お話しの第二永源寺ダムの建設についてでございますけれども、私ども、土地改良事業を進めます場合には、この地区に限りませんが、県あるいは地元市町村、土地改良区などなど、地元の御意向を十分把握をし、お聞きをして計画を定めているということでございます。本地区につきましても、当初から関係の自治体あるいは住民の方々と数多くの協議を重ねてまいりまして、関係者の合意形成を得て事業計画も取りまとめているところでございまして、資格を有する方々の九五%以上の同意も得てこの事業計画を決定をしたというものでございます。 今後につきましても、従来どおり地元の関係者の方々とのお話し合いというのは非常に重要であるというふうに考えておりまして、引き続き地元の方々の御理解、御協力をいただきながら進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○寺前分科員 地元という場合に、永源寺町という直接つくるところの問題を最大限に尊重していただきたいということを私は要望したいと思うのです。地元にもいろいろあります。愛知川の下流の方の人たちはつくってほしいという要望があるでしょう。だけれども、直接のところがこう固まってきた以上は、私はよく話し合いをされることが大事だということをあえて提起をしてみたいと思うのです。 聞いてみたら、ここの町長さんは今の大蔵大臣の秘書さんだったお方のようです。大蔵大臣にもこのお話を私、立ち話ですが、しました。いや私も大臣と違ったらあんたと同じようなことを言いかねんなという話をしておられましたが、それはまあ余談の話です。本当に、地元という場合に、つくられる町の声がやはり一番大切であろうということを無視されないように、あえて大臣に提起をしたいと思います。
○大河原国務大臣 お話を承りました。
○寺前分科員 最後に京都です。 私の家の前にも竹林公園、百種類以上の竹をわざわざ植えてある公園があるわけです。何もいい竹の話をしようというわけではございません。 宅地開発などによって市街地では激減したモウソウチクやマダケの竹林が、京都府の南部の相楽郡山城町内の丘陵で三十年間に十倍から二十倍に広がっている。農水省の森林総合研究所関西支所の調査の結果で、そうなったということがわかりました。しかも、この傾向というのはその地域だけにとどまりません。金沢、小松両市周辺や奈良県内の黒山、瀬戸内の沿岸においても見られました。 この問題について調査をしておられるならば、その結果を聞きたいし、この竹林が猛威を振るった原因に、他の樹木に比べて繁殖力が強いこと、中国産の安い缶詰などが大量に輸入されてタケノコをつくる農家が減ったことなどの理由を言っておられました。輸入問題と後継問題が深刻な中で、竹林の繁茂は生態系にも影響を与えかねないという問題を含んでいると私は思うのです。 それだけに、これに対する対応を今のうちにやっておく必要があるのではないかと思いますので、御説明をいただきたいと思います。
○入澤政府委員 先生からも御質問がありまして、私どもも調べてみました。 森林総合研究所の関西支所によりますと、京都府南部地域で昭和三十年から五十年までの間に竹林が大変増加した。タケノコとか竹材等の生産のためにモウソウチクを植栽したことが、その増加の原因だというふうに言っておりました。その後、この増加は自然に分布が拡大したことによるものではないかということも関西支所は指摘しております。この竹林は地下茎で連結して拡張する性質を備えているということから、今後さらに竹林が拡大した場合には、竹林以外の生態系に影響を与える可能性もあるということを関西支所は言っております。 このような調査結果を踏まえまして、私ども早速京都府、関係のところに連絡いたしまして、実態はどうなっているのかということを調べました。今竹林の繁茂が著しい山城町、それから田辺町の周辺の地域につきましては、大至急対応策をとるようにということで京都府に指示しました。造林事業の中に除間伐の予算がございますから、竹の除去を行って直ちに森林の健全な育成を図るようにというふうに指導しております。
○寺前分科員 ありがとうございました。
○桜井主査 これにて寺前厳君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十一日午前十時より開会し、引き続き農林水産省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会