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132回国会衆議院1995/02/21

予算委員会第一分科会 第2号

発言数
162
登壇者
20
会派数
5
開催日
1995/02/21

会議録

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算中総理府所管について審査を進めます。  警察庁について、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桝屋敬悟君。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 おはようございます。新進党の桝屋敬悟でございます。  連日震災対策で大変お疲れのところ恐縮ではございますが、地元の問題を一点ほど、本日は警察、運輸、消防にかかわる問題でございますので、この委員会でお願いを申し上げたいと思います。  テーマは、民間患者輸送業についてでございます。  最近、人口の高齢化あるいは寝たきり老人や重度の障害者の輸送に係るニーズというものが大変多くなっております。私、山口県選出でございますが、特に山口県のようにモータリゼーションといいますか、ほとんどの移動が車で行われている、そういう実態の中で、タクシー会社と民間事業者によります患者輸送あるいは患者輸送車の導入、こういう実態、事例が大変ふえております。いろいろと私も調べてみたのであります。  本日は、運輸省に説明員で来ていただいております。運輸省におきましては、患者の輸送に限定をした運送事業ということで、免許等も六十三年からお取り組みになっているような状況を伺っております。  最初に、この六十三年、通達が出ているようでございますが、この内容といいますか、運輸省としての民間患者輸送業に対する基本的な姿勢について、お取り組みについてお伺いしたいと思います。

藤井章治運輸省自動車交通局旅客課長

○藤井説明員 お答えいたしたいと思います。  先ほど先生の方からお話がございましたように、民間患者等輸送事業につきましては、昭和六十三年、当時の高齢化社会の到来あるいは身障者、傷病者への対応ということのニーズの高まりに応じまして、六十三年十二月に通達を出して、その導入の促進方あるいは免許等に当たってのいろいろな留意点、こういったものを指導通達をいたしたわけでございます。  区々細かくございますが、一つは、免許に当たりまして、できる限りタクシー事業とは別に一つの需給を見て免許をしていくという、特別な取り扱いをするという点での配慮が一点でございます。  それからまた、免許の際におきまして、こういう民間患者等という特別な御利用の方々を乗せていくということでございますので、第一に、この事業がやはり地域の住民の公共の福祉を増進するものでございますので、会員制度というようなクローズなシステムにはしない、オープンな一般の地域の輸送として使っていただくんだという、差別的な取り扱いをしないということがまず前提でございます。  さらにまた、先ほど申し上げましたように、利用者が身体障害者の方々や傷病者ということでございますので、移動が不自由でございまして、その介護に当たるという意味で、やはり専門的な知識もある程度乗務員が持っておらなければならない。そういう意味で、乗務員等が日本赤十字社等の公的機関できちんと講習を受けておること、こういうことを前提とした配慮をするように通達を流したところでございまして、こういったところが根幹になっておるところでございます。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 ありがとうございます。  そうしますと、六十三年十二月から、運輸省でも、タクシー等とは別途に、こうした移動のニーズにおこたえをするためにお取り組みをされておるようでございます。  一点確認なんですが、タクシーとは別途という御説明が今ございましたが、どうなんでしょうか、タクシーの営業許可と民間患者輸送に限るこの輸送と、基準としてレベルは高いのか低いのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。  それからもう一点は、六十三年以降のこうした患者輸送業なり患者輸送車の実態がどうなっておるのか、お示しをいただきたいと思います。

藤井章治運輸省自動車交通局旅客課長

○藤井説明員 まず第一点目のお尋ねでございますが、この基準につきましては、患者輸送の場合は利用が非常に特定されておるということもございまして、その地域での人口の状況とか、あるいは障害者あるいは高齢者の密度とか、一般のタクシーの需給を見る指標とは別につくっておるわけでございますが、ある意味で、やはり地域でそういう需要があるという具体的な証明がなされれば、私ども、できるだけ弾力的な取り扱いをしておるつもりでございます。  それから第二点目、どれぐらいこれがふえてきておるかということでございますが、六十三年の通達の効果もございまして、私どもが統計をとり始めました元年度末、これが三百七十七事業者、五百七十両でございました。最新のデータでございますと、平成六年三月すなわち平成五年度末で五百五十四事業者、台数が九百八十五台というふうになっております。  ちなみに、この九百八十五台はどんな車が、簡単に申し上げておきますと、寝台用の車両が三百六十七両、それから車いすの方々の専用車両が八十四両、寝台あるいは車いすを兼用できるような車が五百三十四両、こういうような九百八十五両の内訳になっておるところでございます。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 ありがとうございます。  今の数字でも、漸次ふえておる、こういう御報告で曲ございますが、しつこいようでございますが、もう一点、運輸省さんの基本的な姿勢ということでお伺いをするのですが、先ほど、タクシーなんかと違ってニーズがあれば積極的にというお話もございましたが、こうした地域のニーズに応じてお取り組みいただけるところはできるだけ応援していこう、ふやしていこう、こういうことなのかなというふうに私は理解をしたわけでございますが、その理解でいいかどうか、一点お尋ねしたい。  それからもう一つ、こうした民間事業者がふえてまいりますと、お使いになる地域の住民の方から見て本当に安心できる事業なのかどうなのかというようなこと、いわゆる資質、レベルという問題が出てくるだろうと思うのですが、先ほど御説明もありましたが、日赤等でぜひ講習をというようなお話がございましたが、運輸省さんとしてはそういう御指導をされておられるのでしょうか。  その二点、ちょっともう一回お願いいたします。

藤井章治運輸省自動車交通局旅客課長

○藤井説明員 一つ、私どもの基本的なスタンスとしましては、先ほど申し上げましたように、今後、高齢化社会の到来、あるいは障害者や傷病者の方々に対する施策の必要性というのは十分認識しておるところでございまして、これらの方々に対するニーズに即した、いわば個別の輸送サービスの重要性が非常に高まっていくわけでございまして、民間患者等輸送事業はこうした需要にこたえるものとして評価していくべきものと十分認識をしておるところでございます。  ただ、民間事業であります上の問題としましては、やはり経営上の努力の問題もございます。事業の性格上なかなか採算がとりにくいという側面も有しております。そういう面とあわせまして、また事業が、地域のいろいろな福祉の機関、行政機関もございましょうし、医療機関もございましょうし、そうした福祉のシステムとうまく融合しないと十分に使われていかないという面もございまして、私どもとしては、こうした見地から、関係の省庁あるいは関係の自治体等々、諸団体と密接な連携をとってこうした事業の導入をぜひとも進めてまいりたいというふうに思っておるところでございまして、そういう意味で、弾力的に取り扱うという意味はそういう方向づけの中での取り組みということで御理解いただきたいと思います。  それから、これの利用に当たりましては、もちろん安心して乗っていただけるということが大前提であるわけでございます。先ほども申し上げましたように、レベル、資格の問題につきましては、先ほどの指導通達に明記をいたしておるところでございますが、なお関係の事業者団体等もございますので、運輸省としては、その枠組みの中でできるだけ講習、乗務員の資質向上ということで事業者団体の自助努力にもまっていきたい、これを指導していきたい、このように考えておるところでございます。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 ありがとうございます。  本日こういうお話を私が提起いたしましたのは、実は現場で、タクシー会社、それも随分田舎にあるタクシー会社なんですが、地域の病院あるいは老人施設あるいは身体障害者の施設なんかと連携をいたしまして、実際にこの患者輸送車を導入をした。かなり費用がかかっておりまして、五百万ぐらいかかったというように言っておりました。  実際によく使われているのかどうかと伺いますと、地域で大変重宝がられているといいますか、救急車を呼ぶ場合、なかなか救急車までお呼びするというのは難しいところがある。しかしながら、実際に寝たきりのおじいちゃん、おばあちゃんを運ばなければならない、こういう実態、ニーズというのが結構あるようでございます。  中には、県外の病院にお送りするとか、あるいは県外からお年寄りの方をこちらに、山口県内にお連れをする。あるいは、施設の方々と一緒に施設がどうしても運べない部分をお手伝いしている。さらには、そうした輸送車があるということで、地域の寝たきりのお年寄りあるいは重度の障害者の方からもいわゆる福祉タクシーのような形で使われておるということで、大変にきめ細かなニーズに対応されているなということを私も感じたわけです。  ただ、そこでいろいろ話を聞きますと、そうはいいましても、普通の元気な方、健常者の方を運ぶわけではございませんから、大丈夫なんですか、こう伺いますと、いやいや大丈夫なんだ、従業員二人ぐらいに福祉の講習会を受けさせた、あるいは日赤の講習会も受けた、さらには乗る人は、看護婦さんが一人乗っておるとか、たまたま看護婦の資格を持っている従業員がいるというような、相当民間企業の中で一生懸命取り組まれているというこの実態は伺ったわけですが、先ほど最後の話でございましたように、患者輸送という特殊性から考えますと、容体の急変、さらにはどんなことが起きるかわからないわけでございまして、資質の向上といいますかレベルの維持というものが非常に重要がな、こういうふうに思うわけです。  お話を聞きますと、消防庁さんの方でも、こうした運輸省さんのお取り組みと相まって患者輸送事業としての行政指導上の基準等をおつくりになっているというふうに伺っております。この状況をちょっとお聞きしたいと思います。

西村清司消防庁救急救助課長

○西村説明員 私どもの方といたしましても、今先生の方から御指摘がございましたように、平成元年の十月に患者等搬送事業指導基準というものをつくりまして、今運輸省の方から御説明もございました患者等搬送事業者の認定を受けられた方々に対しまして、その自動車の設備ですとか、あるいはそれに乗務する乗務員の知識、技能、具体的には救急処置に対する知識でございます。あるいは自動車そのものの衛生管理あるいは安全管理といったことについて全国的な基準を設けまして、この基準に従って各消防機関において指導をいたしているところでございます。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 もう少し詳しくお聞きしたいのですが、この消防庁さんがやられている全国的な基準では、当然ながら業者の基準、それから具体的にお使いになる車についても自動車の認定をされて、マークを出されているというようなお話も伺っておりますが、そうした内容と、それからそうした指導基準に沿って認定をされた業者、さらには車両が実態として現在とのぐらいあるのか、その辺をお伺いしたいと思います。

西村清司消防庁救急救助課長

○西村説明員 私どもの指導基準といたしましては、例えば典型的な乗務員の安全講習でございますけれども、これにつきましては、消防機関が行います応急手当てについての講習を受けていただく。具体的には、二十四時間のコースがございますので、それを受けていただいた方に乗務していただきたいというような基準を持っておるわけでございます。さらに車両につきましては、例えばベッドが余り振動しないように、そのような車両を使いなさいとか、あるいは消毒をこういう形でしなさいとかいう形の基準を持っておりまして、その基準に従ったものにつきまして、いわばマル適マークと一時言われましたけれども、そのような基準に合格した事業者を住民の方々にわかっていただくための認定というものを行っておりまして、その認定証というものを交付しているというところでございます。  具体的に、このような認定を受けた事業者が全国にどれぐらいいるかということでございますけれども、平成六年の七月一日現在の私どもが掌握しております資料では、全国で百六の会社、事業所の数にいたしまして百七でございますけれども、その中で百九十台の車両が認定を受けているというふうに掌握いたしております。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 ありがとうございます。  消防庁さんの方でも行政指導、基準を設けられてお取り組みになっているということでございます。今、マル適マークというお話がございましたが、まさにお使いになる住民から見れば、ある意味では安心のできるそういうシステムかなというふうに思っております。  ただ、一点気になりますのは、これはぜひお願いなんですが、先ほどの運輸省さんの数字と実際に今マル適マークを受けられている車の数に若干乖離もあるようでございまして、元年ぐらいから始まった動きでございましょうが、運輸省さんとしては徐々にふえておる、こういうこともございます。現に私も現場でそういう実態を見てきたわけでございまして、こうした制度の周知徹底等をぜひこの際にお願いをしておきたいというふうに思います。本県におきましても、私が見た事例ではこうした制度を余り御承知ない。まあ何とか一生懸命自分の努力でおやりになっているわけでございますが、そうした制度の周知方をぜひお願いをしておきたいというふうに思います。  もう一点なんですが、実は私が聞いた事例では、運行日誌をちょっと見させてもらったのですが、中には、病院と病院を運ぶ間に相当距離がありまして、その間に容体がちょっとおかしくなって、一生懸命病院に連れていったのだけれども、着いたら亡くなっちゃった。もちろん、いろいろ医学管理上の問題もあるのでしょうが、そういう事件といいますか、業者の方も大変反省をしている事例も一点あったようでございます。  さらには、田舎のことですから、田舎で数少ない患者輸送車、広域消防をやっていますから消防へ電話してもなかなか来てくれないので、たまたまマムシにかぶられて、ぜひ運んでくれというので近くの町までお送りをした。しかしながら、道路が大変混雑をして、大変に難渋をしたという話を伺いました。たまたまそのときには白バイさんが先導してくれた、こういう話なんでございますが、将来的に、今後の課題ということではないかというふうに思うのですが、運輸省サイドの、こうした民間の患者輸送業をふやしていきたい、地域のニーズに応じて対応していきたい。そして消防庁さんでは、レベルをある程度確保しよう、こういうお取り組みがある。  そうした中で、当然いろいろな業者がいらっしゃると思いますが、本当に地域の中で一定の役割を果たしていただく方々について、赤色灯がぜひ欲しいなという声をいただいております。ただ、これは私は道路交通法上大変難しいことなんだろうなというふうには思っておりますが、今後の将来的な課題として、道交法上の取り扱いをひとつぜひ御検討もしていただきたいな、こう思うのですが、現状の考え方についてまずお伺いしたいと思います。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 お答えいたします。  現在、道交法に基づきまして救急自動車としての位置づけが与えられているものにつきましては、市町村あるいは医療機関等が専ら傷病者の緊急搬送のために使用する自動車でございまして、傷病者の搬送のために必要な寝台等特別な装置を有するもの、そのものにつきましては、使用する者が都道府県公安委員会に届け出ることによりまして、緊急自動車として取り扱っておるところでございます。平成五年三月末現在で、全国で約九千台の救急自動車がございます。  今委員御指摘の一般の民間会社、特にタクシーだと思いますけれども、こういうものにつきましては、その使用の実態、例えば障害者を運ぶ、あるいは高齢者の方を運ぶというような使用の実態が非常に区々であること、あるいは構造、装置がどうなっているのかも実態が区々であります。そういうようなことから、これを一律に緊急自動車として認めることにつきましては、やはり道路交通に及ぼす影響がいろいろございますので、現在は緊急自動車としては取り扱っていないというところでございます。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 ありがとうございます。  現状の認識はよく理解できます。いたずらにふやせばいいというものでもございませんし、基本的には救急車を手配すべきものはやはりそちらで対応すべきだろうと思うのですが、先ほどから申し上げておりますように、民間の患者輸送業が相当きめ細かなニーズで地域の中で展開をされるということが恐らくこれからも私はふえてくるのではないかというふうに思うわけでございまして、今後の状況を見ながら、必要に応じてはぜひ御検討もいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  本日はこのテーマだけでございますが、公安委員長・自治大臣もおいでいただいております。連日、本当に御苦労さまでございます。今現状を申し上げたわけでございますが、相当高齢社会が進む中で、私たちが想像する以上に民間ではいろいろなお取り組みをしていただいている実態がございます。特に民間の患者輸送業、こうした事業に対して、今後、地域のニーズに応じてやはりできるところはどんどんやっていただいてもいいんじゃないか。  ただ、先ほどから申し上げておりますように、資質の向上といいますか、一定のレベルを確保していただきたいというのは利用者サイドから見ると当然な思いでございまして、こうした民間事業所に対する指導、支援、ある意味では支援も今後とも必要なのかなというふうに思っておりますが、ぜひこうしたさまざまな取り組みの中で適切な御指導と、そして必要に応じて、これは例えば全国福祉輸送サービス協会なるそういう団体なんかもできつつあるように聞いております。まだまだ任意団体でございますが、そうした団体あたりに対する支援も、要請があればこれからはぜひお願いを申し上げたいというふうに思うわけでございます。  最後に、大臣のこうした民間救急、民間患者輸送業に対する御所見を一点だけお伺いしておきたいと思います。お願いいたします。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○野中国務大臣 今委員から、民間救急の業に携わっておられます非常にとうとい経験を通し、あるいは見聞を通されました御意見を賜りました。 運輸省が所管される事項であろうと思いますけれども、今後高齢化が進み、また交通事故等非常に煩瑣な事象がよりふえていく中におけるこの問題というのは、委員の貴重な所見を承りながら、私どももその取り組みに当たって十分な配慮を加えていかなくてはならないと考えた次第でございます。  ただ、消防庁を所管する自治大臣といたしましては、当面、消防庁の機能の一つであります各消防本部におきます救急医療業務、救急車の体制整備ということを、私どもは公的な責任として十分その責務を果たしていくように努めていかなくてはならないと存じておるところでございます。

桝屋敬悟新進党

○桝屋分科員 ありがとうございます。  民間の患者輸送業ということで、今大臣も基本的には運輸省所管の業務だろう、こう言われたわけでございますが、基本的に私もそのように思いますが、消防庁さんの先ほどの資質向上のための事業、そうしたものもまだこれからのような気がいたします。  ぜひそうしたきめ細かな御指導もお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これにて桝屋敬悟君の質疑は終了いたしました。  次に、山本孝史君。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 きょうは、原動機付自転車、自動二輪車による事故、特に若い人たちの死亡事故が多いという点について、ぜひお話をお聞かせいただきたいと思います。  この件については、間もなく道路交通法の改正法案が出てくることになっているわけですけれども、その審議に先立ってぜひ御検討をいただきたいと思います。  大臣も御承知のとおり、自動二輪に乗って命を落とす若い人たちが随分たくさんおられます。六十三年が、自動二輪あるいは原動機付自転車乗車中の事故としては千五百人を超えるというピークを記録しております。その後少しずつ減っておりますけれども、昨年、平成六年におきましてもまだ千人を超える人たちが自動二輪もしくは原動機付自転車乗車中に事故に遭って命を落とされている、そういう現状があるわけです。  さまざまな取り組みをなさっておられると思いますが、まず最初に、こういう状況についてどのように御認識をいただいておりますでしょうか、その点をお伺いいたします。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○野中国務大臣 今山本委員から御指摘がございましたように、特に十六歳あるいは十七歳といったような若い方々が原付あるいは自動二輪車の乗車中に死亡される事故が、最近では若干減少傾向にありますものの、依然として多くの人命が失われておる深刻な事態であります。特に今日のように少子・高齢化の進んでいく社会にありまして、将来の我が国を健全に担っていかなくてはならない若者が、このような交通事故で死亡したりあるいは負傷をしていくことは、本人の家族や肉親の悲しみはもちろんのこと、また国家、社会にとっても大きな損失であると考えておるのでございます。  私ども警察といたしましては、今後とも若い人たちに対する交通安全教育をより積極的に推進することによって、この種事故の軽減、できれば絶滅に向かつてより努力をしていきたいと考えておる次第でございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 ぜひよろしくお願いをいたします。  私もできるだけこういう事故を減らしていきたいという観点から御提案、御質問をさせていただくわけですけれども、今回、先ほど申しましたように免許制度の改正が予定をされております。申し上げるまでもなく、今回は、原付五十cc以下のところで切っていたもの、その上の自動二輪車の区分を大型自動二輪免許と普通二輪免許というふうに、四百ccのところで大きくまたラインを引き直すという形でございます。十六歳になったら取れるという免許を、四百一cc以上の大型二輪免許については十八歳というふうに二歳年齢を上げるという形でこの改正の内容が仕組まれているわけですけれども、一つの提案は、こうした排気量による免許区分ということもさることながら、馬力による免許の区分も必要ではないかという点でございます。  大臣も御承知のように、ヨーロッパではこのように排気量だけではなく馬力による免許区分がなされております。現在の原付自転車は七・五馬力まで、非常に高出力の車種まで発売されておりまして、原付免許制度発足時の一九六〇年当時の百二十五ccもしくは二百五十ccの馬力に相当するようなタイプの原付自転車が発売をされております。一般にスポーツタイプと言っておりますけれども、こういったスポーツタイプの原付に事故が多発をしている状況があります。  したがって、一つの提案は、今回の法律としては排気量で区分がされているわけですけれども、申し上げたように、ヨーロッパの例にも倣って、馬力による免許区分を考えてみるというのはいかがなのだろうか、そういう点でございます。いかがでしょうか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 免許の種類は、当該免許で運転することができる自動車の車両特性に応じて定めたものでございます。  現在の我が国の原付、自動二輪車の運転免許の区分の仕方につきましては、委員御指摘のように排気量で決めております。この区分の仕方についていろいろな考え方があるというふうにも存じますし、また委員御指摘のような馬力という考え方もあろうかと思いますけれども、馬力あるいは車両重量というのはおおむね総排気量に比例する傾向にある、それからまた、従来から総排気量により区分をしており、国民にももう相当定着しておる、さらに、国際条約におきましても原付と自動二輪の区分は排気量でやっておるというようなことから考えまして、私どもといたしましては、現在の総排気量で区分する方法が現在のところ適当ではないかというふうに考えておるところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 馬力と排気量が比例しているという御答弁なんですけれども、申し上げたように、七・五馬力までで随分高出力のものがあるというのが現状なわけですよね。確かに、国民の中ではそういう何ccだという話をした方がわかりやすいという点もあるわけでしょうけれども、容易に改造のしやすいようなタイプのものもある。そういうことを考えると、ただ国際条約でどうだから云々という話よりも、もっと考える余地があるのではないかというふうに思うわけですね。  そういう点で、今この原付免許というのは技能試験が免除されています。こういう原付の免許にも技能試験をしてはどうかというふうに思うのですが、その点はいかがですか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 原動機付自転車の免許につきましては、いろいろな変遷を経てきておるわけでございますけれども、原動機の総排気量が小さい、あるいはその取り扱いが比較的容易であるということから、従来から技能試験そのものを課してはいないところでございます。  しかしながら、原動機付自転車にかかわりますところの初心運転者の事故を防止するために、平成四年の道路交通法の改正によりまして、原付免許を受けようとする者に対しまして原付講習の受講を義務づけたところでございます。現在のところ、現在のこの法律に基づきますところの講習を効果的に推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 その受講状況というのはどういう状況ですか。わかったら教えてください。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 お答えいたします。  現在は原付講習の受講を義務づけておりますので、原付免許を受ける者は一〇〇%これを受けているというような状況にございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 今、普通免許を取ると原動機付免許が自動的に付与されてきますね。こういう人たちに対しての受講の義務づけというのはあるわけですか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 委員御指摘のように、普通免許を持っておる者は、道路交通法によりまして、原付も乗ることができるということになっております。問題は、この原動機付自転車に乗ろうとする者に対しますところの講習の問題でございますが、現在は任意になっております。したがいまして、私どもといたしましては、ここに若干の問題があるという認識をしておりまして、体制を整備して、普通免許を持っておる者で、原付を運転しようとする者につきましては、強力に講習を推進するといいますか、講習を受けさせるようにしてまいりたいというように考えておるところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 自動的にもらえるわけですよね。普通免許すなわち四輪の車の講習を受ける。それで、免許証をもらえる。自動的に自動二輪の免許がついてくる。講習は任意である。それを何とか受けさせたいと思う。どうやって受けさせるのですか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 御案内のとおり、今お話し申し上げましたように、普通免許を取得する者は、自動的にと申しますか、法律で原動機付自転車も運転できるという形になっております。したがいまして、その普通免許を取得するその時期に、試験場あるいはその他のいろいろな場所を設けまして、原動機付自転車を講習をするというようなことを考えていきたいというふうに思っております。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 その講習の内容をどういうふうに考えておられますか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 お答えいたします。  講習の中で、現在やっておりますものは、一定の時間、ヘルメットを着用して乗っていただくというようなことでございます。したがいまして、先ほどお話しのように、原付のいろいろな種類が、これからいろいろなものが出てくるということになりますと、その方のお乗りになるようなものに合わせるというようなこと等も今後は考えていかなければいけないというふうに思っております。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 局長、御答弁されておられてもうお気づきのとおり、大臣もお気づきだと思いますけれども、四輪というのは割かし安定性がある。でも、言ってみれば、四輪の自動車には乗れるけれども、自転車には乗れない人はいるわけですよね。そうすると、四輪の免許を取りに行って、そのときに原動機付の免許も一緒についてくるから、ヘルメットをつけさせて二輪に乗させる、それはできますか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 お答えいたします。  現在、一部でやっておるところもございまして、それを拡充強化してまいりたいということでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 何回も歩いてきていただいて恐縮ですけれども、どのくらいの範囲でやっているのですか。もし、二輪のその講習が、乗れなかったらというかパスしなかったら、四輪の免許はもらえないというふうに考えておられますか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 どれくらいの試験場で原付の講習をやっているか、あるいはどれくらいの人間が受講しているかということにつきましては、ちょっと手元に数字がございませんけれども、今お話しのように普通免許を取得した者に対してやっておりますので、原付に乗れなかったということによって、それが普通免許は取得できないということにはならない。むしろ、普通免許を受けた方にそういうことで原付に乗っていただきますので、その辺は制度的には連動はしていないということになっております。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 一つの考え方として、非常にいいと思うのですね。もし普通免許をもらって自動的に原付免許ももらえるという制度を変えない限りにおいては、そういう一つの試みというのでしょうか、二輪の方にも乗っていただく。多分、乗っていただくことによって、交通体系というのか車の流れもきっと理解をしていただけるだろうと思う。四輪に乗っている者からすると、二輪が横を走って非常に危ないというふうにも思うし、二輪の側からすれば、四輪のやつはわしらのことがわからぬというふうに思っているだろうと思いますので、両方体験していただくということは極めていいことだと思います。  そういう意味でも、ぜひ一部でやっているというものをできるだけ広げていただきたいと思います。  ただ、そうしますと、それに関連するのですけれども、今回、自動二輪の免許取得年齢の改正というのが含まれているわけですが、二輪車の教習内容というものをもう少し見直しをしていく必要があるのではないかというふうに思うわけですね。  特に、今もお触れになったように、いわゆる混合交通といいましょうか、町中としては、歩行者がいる、自転車がいる、そして二輪で走っている人がいる、四輪で走っている人がいるという交通体系の中で今動いていますね。我々が、普通の教習所、どのくらいの割合か知りませんけれども、四輪の免許を取るときは四輪の免許だけの教習所の中で動いている。そして、路上で実技講習をする。  そういう中で自転車や二輪車に対する配慮を学びながら四輪の免許を取得していくわけですけれども、そういう意味でいくと、二輪車の場合もそういうふうな、例えば教習所の中で四輪の車と一緒に走っているのか、あるいは二輪の取得の講習のときも実際に路上に出ていく実技講習が教習の中に入っているのか、その辺の現状はどうなのでしょうか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 自動二輪の教習の内容についての御意見でございますが、御指摘のように、二輪につきまして教習所でやっております教習につきましては、基本的には路上での教習をやっておりません。また、これは仮免というものがございませんので、そういうものもないわけでございます。  ただ、お話しのように、路上に出た場合には、ほかの車、例えば普通自動車あるいは大型自動車等が走りますので、その混合した交通の中で走るという体験を身につけさせることが大変必要であるというふうに考えております。したがいまして、昨年、私どもは普通自動車のカリキュラムを全面的に見直しいたしましたけれども、今年はできるだけ早い時期に自動二輪車のカリキュラムを見直してみたい。そしてできれば、今委員御指摘のような混合交通といいますか、そういうものを教習所の中で体験させることはできないかというようなことに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 早い時期に教習内容の改定をしたいということですけれども、混合交通というか実際の車社会の姿を教習所の中に映し出していくという場合に、なかなか難しい問題もあるのじゃないかと思うのですけれども、その辺はどういう御認識ですか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 委員御指摘のように、自動二輪車でございますので、これを免許を取得していない段階で路上に出すということは非常に難しい問題もございます。したがいまして、これはどうしてもやはり教習所の中でやらざるを得ないわけでございますが、現在私どもが考えておりますのは、ほかの教習と同じような形、同じような場で教習することによってそれができる、あるいはシミュレーターのようなものを使うということによってそれも可能ではなかろうかというふうなことを考えておるところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 ハイテクの時代ですからシミュレーターもアイデアとしてはいいのでしょうけれども、実際にやるのはなかなか難しいようにも思うのですね。そういう場合に、どういう形で教習内容を変えていったらいいのか。早い時期の見直しというふうにおっしゃっていますけれども、どのぐらいのめどをお考えになっているのか。あるいは、仮免がないとおっしゃいましたけれども、路上での仮免というような形での教習というのでしょうか、そういったものは考えることができますか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 いつごろかというお話でございますが、私ども、今国会に御提出をし御審議をいただきたい法律、これは平成八年度を目途に施行することを考えております。その施行と合わせた時期に新しいカリキュラムでいろいろなものが動き出すというようなことを考えておるところでございます。  それから、路上の問題でございますけれども、これはやはり自動二輪車という二輪車でございますので、免許取得前に路上でやるということはなかなか難しい問題がございます。したがいまして、むしろ免許を取得した後にいろいろな講習の場を設けるとかいうようなことを積極的に考えてまいりたいというふうに思っております。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 免許を取得した後に講習を受けるというのは何か奇異に聞こえるのですね。大丈夫だといって免許を与えているのに、危ないから後で講習をするというのは話が逆で、きちんとした講習をして、それに通ったら免許を与えるという話が筋ではありませんか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 今委員御指摘のように、運転免許は、その運転免許取得に必要な技能、知識というものが備われば公安委員会が運転免許を交付するわけでございますけれども、その運転免許を取得した後に、運転のいろいろな癖がついたりとか、あるいはいろいろな想像もしなかった場面があったりとかいうようなことがございます。そういうような意味で、いろいろな状態を出現させて運転の練習をさせるとか、あるいは癖を矯正する、正しい姿に戻すというような形で、免許取得後にもそういうような講習というのを現在でもやっておりますし、今後そういう場を生かしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 そういう教習内容というものをチェックしていかなければいけないというか、内容を高めていく、深めていくことが極めて大切であろうと思います。いろいろな手だてを講じてくださっているのだと思いますけれども、四百一cc以上の大型二輪免許については、従来教習制度もありませんでした。十六歳になれば、いわゆるナナハンですとか大きな免許が取れるという形になっていました。今回の改正は、それを十六歳から十八歳に免許年齢を上げる、なおかつ教習制度を設けるという形になるわけですね。  したがって、従来教習制度のなかったこういう大型の自動二輪について教習制度をつくるわけですから、ここのところもなかなか工夫が要るというか、御苦労いただいている部分だと思うのですけれども、こういった点、うまくいっているのでしょうか。とりわけ、教える人の確保というか養成が随分大変だろうと思うのですけれども、そういった見通し、平成八年からの施行ですからまだ時間はあるのかもしれませんけれども、いかがでございますか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 これから国会に御提出し、それから御審議を賜るわけでございますけれども、私どもといたしましては、この新しい案につきましては、現在、この法律をお認めいただければ直ちに作業に取りかかりたい、そして平成八年度にはいろいろ改善を加えたカリキュラムで教習が推進できるようにしてまいりたい、かように考えておるところでございます。そういう意味では、作業は目下順調というようなことがございますので、やはり国会で法律を御審議いただきまして、それが成立ということになれば、その段階で私どもはスタートさせていただきたいというように考えておるところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 ぜひ十分間に合うように努力をしていただきたいと思います。  今回の改正は、十六歳で取れていた自動二輪もしくは原付の免許を、一部排気量の大きいものにについては十八歳に変えていくということで、取得の年齢が二歳上がるわけです。  実は、交通遺児学生の会という会がございます。交通事故で残念にもお父さんやお母さんを亡くした交通遺児の子供たちがみずから、自分たちと同じような境遇の子をこれ以上つくらないようにということで、例えば道路構造の見直しですとかいろいろな自動車の構造のあり方の問題ですとか、そういったところを学生さんたちが一生懸命自分たちの問題として取り組みをされてきました。  彼らの主張の中に、自動二輪の免許年齢を現行十六歳から十八歳に引き上げてはどうかという話がございました。彼らは五十一cc以上という形で区分しているわけですけれども、今回一部主張が通ったというか、実現する形で、四百一cc以上については十八歳に、二歳上がったということですね。彼らの主張とまだ隔たりがあるのは、五十一ccから四百ccまでの間の免許年齢も上げたらどうかという、段階的な免許取得ということを考えてはどうですかというのがこの交通遺児学生の会の皆さんの主張なわけです。  大臣も御承知かと思いますけれども、ヨーロッパ各国はいろいろな免許の取得の方法を取り入れているようです。ドイツでは十六歳から取れる免許は八十ccで、かつ最高速度八十キロまでというような極めて細かな区分がしてあります。  自動二輪の運転というのも、先ほどからの答弁の中でも明らかになりましたけれども、なかなか技術的に難しい問題もある。しかし、あわせて精神のコントロールといいますか、心の成熟もないと、なかなか自動二輪というもの、車もそうですけれども、運転の難しいものがあるんだと思います。  そういったことを背景に、十六、十七歳の人たちには原付免許、そしてもっと大きな排気量のものについては十八歳からというような、段階的な取得というものを提案をしているわけですけれども、こういった提案についてどのように受けとめていただけるでしょうか。

田中節夫警察庁交通局長

○田中(節)政府委員 私どもで、二輪車に係る運転免許上の改正ということで広く国民の皆さんから御意見を賜りました。委員御指摘の交通遺児学生の会からも御意見を承ったところでございます。御指摘のように、五十ccを超えるものにつきましては年齢を十八歳にしてはどうかというお話でございました。  私どもといたしましては、自動二輪免許の取得年齢を一律に、五十ccを超えるもの、これを十八歳に引き上げるということにつきましては、やや問題があるのではないか。一つには、十八歳未満の者の中には職業上自動二輪車を使っている者もいる。仮にこれらの者に免許を与えないということになった場合には社会経済上大変大きな問題が生ずるのではないかと考えられたこと。あるいは、外国におきまして為、今委員お話がございましたけれども、一定の排気量以下の自動二輪につきましては十六歳というような立法例も多々あるというようなことから、私どもといたしましては、自動二輪一律につきまして十八歳に引き上げるということにつきましては、これは問題ではなかろうかというように考えたところでございます。  ただ、委員のお話の中で、段階的取得ということを考えた場合はどうかというお話がございました。これは、一般に二輪車は排気量の大きいものほど車体の重量は当然に重くなりますし、エンジンの出力も大きくなります。これをコントロールして安全に運転するには、バランスの保持とかあるいは方向変換の際の重心移動、さらには安定した制御方法、また高度な技能、そして精神的にも非常に安定したものが要求されるということは、御指摘のとおりでございます。  私どもといたしましても、従来からできるだけ、排気量の大きい自動二輪車を運転できる免許を取得するのではなくて、小さいものから一定の経験を積んだ上で、より排気量の大きなものに進んでいただきたいというようなことを考えておったところでございますし、そういうふうに指導してきたところでございます。  そういう意味では、今回私どもが国会にお出ししようとしている法律につきましては、大体私どもが従来から申し上げてきました段階的取得制度に合ったものというふうな理解をしているところでございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 一段階といいますか、少し進歩をしてきたというか、免許体系の中で事故防止に取り組みができてきたのかと思います。さらに検討を重ねていただいて、より子供たちの命が守れるような、そういう免許体系をつくっていただきたいと思います。  最後に、今のやりとりを聞いていただいていた大臣としてぜひ御所見を言いただければと思うのですけれども、最初お答えをいただきましたように、今の若い人たちの自動二輪、原付乗車中の事故というのは大変に深刻な事態であります。日本の社会にとっても大きな損失である、そのように思います。  しかし、指摘申し上げたように、四輪車の免許を取れば自動的に原付の免許が取れるという状況が続いていますし、四輪に乗れるけれども自転車に乗れない人まで原付免許がもらえるという状況がある。その人たちに別に講習を受けさせているというわけでもない。あるいは、原付あるいは自動二輪の今の教習所の中の教習にしても、少し足りない部分があるのじゃないかなと思うのですね。  原付や自動二輪乗車中の若い人たち、特に十六、十その人たちの事故防止について、お取り組みの決意のようなものをお聞かせをいただいて、質問を終わらせていただきます。

野中広務自由民主党・自由連合自治大臣・国家公安委員会委員長

○野中国務大臣 今、委員のそれぞれ具体的な御指摘あるいは御意見を承りながら、私どもも今回の改正を踏まえまして、さらに今後若い人たちの交通事故をどのようにしてなくしていくかということについて大変示唆に富んだ御意見を賜ったと思うわけでございます。  そもそも、今の車社会の中で、完全に若い人を免許の取得から排除していくということが、無免許運転につなかったり、さらに大きな死亡事故につながることを思いますときに、今回の改正で十分とは言えませんけれども、若い人たちのいわゆる技術向上と、そして身体、精神の充実等をにらみ合わせながら免許取得がそれぞれ行われていくような方向というのは、事故をなくするという前提に立って、ぜひなお濃密な検討をしていかなくてはならないと存じた次第でございます。

山本孝史新進党

○山本(孝)分科員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。  質問を終わります。

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これにて山本孝史君の質疑は終了いたしました。  次に、枝野幸男君。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 連日、長時間御苦労さまでございます。  さて、先日、先週の月曜日だったと思いますが、加納典明容疑者がわいせつ図画の頒布の容疑で逮捕されまして、マスコミ等でこのわいせつ文書の問題について関心が高まっております。そこで、私は、この機会に、わいせつ図画の取り締まり等について警察庁に何点がお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、今回の加納典明容疑者の逮捕に当たって、この問題となっている写真集がわいせつであるという規範的構成要件要素の判断をどなたがどういった場でなさったのか。もちろん固有名詞ということではなくて、どのような立場の方がどういった場で検討をし、わいせつであると判断をして逮捕状を要求したのか。この点について、まずお聞かせいただきたいと思います。

中田恒夫警察庁生活安全局長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  委員御案内のとおり、刑訴法の百八十九条の規定によりまして、「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するもの」とされております。刑法百七十五条に規定いたしますわいせつ罪の重要な構成要件でありますわいせつ物に該当するか否かの判断につきましても、当然のことながら、司法警察職員たる警察官が判断をしているところでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 いや、もちろんそれはよくわかっているのであって、具体的に、例えば現場の課長さんクラスでしているのか、それとも署長さんあたりまで相談をしているのか、それとも本庁で相談をしてやっているのか、そういったことを伺っているので、今のようなお話はお伺いしなくてもよくわかっているのです。まさか、逮捕状に逮捕状請求者と記載をした警察官が一人で判断をしてやっているわけじゃないでしょうから、そのあたり、どの程度のクラスの人たちでどういうふうに議論をしているのかというのを教えてくださいと言っているのです。

中田恒夫警察庁生活安全局長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  犯罪捜査規範というものがございます。この犯罪捜査規範の第五条の規定によりまして、捜査を行うに当たりましては、常に組織捜査によりまして総合的に進めるということになっておりまして、御質問の事件につきましても、警視庁の一連の捜査体制の中で判断しているところであります。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 では、具体的に聞きましょう。  警視総監は、この逮捕状請求について御存じだったんですか、逮捕状請求の時点で。

中田恒夫警察庁生活安全局長

○中田(恒)政府委員 個別具体的にだれがということではございませんが、これは警視庁本庁の、本部の事件でございますので、本部のしかるべき指揮官において判断をしておるということでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 後の御質問でも言うんですけれども、わいせつかどうかというのは、基本的にはかなり主観的な要素が入っている話で、それをだれがきちんと判断しているのかというのがあいまいだからこそ、わいせつじゃないとか、これは芸術だとかという反論にある程度説得力を持たせているのであって、どういった部署でどういうように判断しているのかということぐらいは具体的にお示しになっても別に問題はないんじゃないかと思います。  じゃ質問を変えますが、このわいせつ図画の犯罪の構成要件要素であるわいせつ性というものについては、わいせつ性というだけではなくて、具体的にこれこれこういった場合にはわいせつと判断するとかいうような一般的な摘発基準みたいな内部的な通達等があるのでありましょうか。もしなければ、例えば都道府県警察本部ごとにわいせつ性の判断が余りにもばらつくということが生じてきかねないというふうに思いますが、その点、警察当局として全国的な基準をそろえるための措置をしているのかどうか、お尋ねいたします。

中田恒夫警察庁生活安全局長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  わいせつ性の判断基準というようなものがあるか、またそれを全国に何か示しているかというお尋ねでございます。  これも御案内のとおりでございますが、わいせつ性の判断につきましては、昭和三十二年の「チャタレー夫人の恋人」事件でございますか、この判決におきまして、最高裁が、刑法百七十五条に言うわいせつ文書とは、一つには、いたずらに性欲を興奮または刺激し、二つには、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、三つには、善良な性的道義観念に反するものをいい、この三つの要件については、一般社会における良識、つまり社会通念に従って判断するという基本的な考え方を示しておられます。  また、その後、幾つかの裁判例が累積しております。そこにおきましても、このチャタレー判決を基礎としつつわいせつ性の判断基準ともいうべきものが示されておるわけでございまして、このようにわいせつ性の判断基準につきましては判例によって明確に示されておりますので、各都道府県警察においては、これに照らして的確に判断しているところだと考えております。  そういうようなことから、私ども警察庁におきましては、現時点において、通達等におきましてわいせつ性の判断基準を示す、検挙基準を示すというようなことはやっておりませんし、また、考えてもおらないところでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 今、判例で基準は明確になっていると、お役所の立場ではそういうふうにしかおっしゃれないのかもしれませんが、私も法律家、弁護士でございますが、弁護士という立場から読んでも何を言っているのかわからない。ましてや取り締まりを受ける側の出版社、写真家等にとっては、何を言っているのかさっぱりわからないような基準でしかない。社会通念と言われても、じゃ社会通念とは何なんだという話になるわけでありまして、要するに何も基準がない中でやっていると言われても仕方がないのではないかというふうに思います。  しかも、仮に今おっしゃった判例等の基準がとりあえずの基準としてあったとしても、例えば個々具体的な写真あるいは写真集等が今の基準に照らして社会通念上問題があるとかないとかという当てはめというのは、これまた非常に微妙な問題で、まさに社会通念とは何なのか、一般人の感覚というのはどうなのかということをかなり慎重に世の中の動向等も踏まえて判断をしなければならないと思いますが、こうした判断をするに当たって、こうした取り締まりに当たっている司法警察職員の皆さんが、例えば最近の社会情勢、社会通念というのはこういうものであるとか、あるいは最近の芸術の動向というのはこういうものであるとかいうふうな研修あるいは勉強の機会というものはあるのでしょうか、お答えください。

中田恒夫警察庁生活安全局長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、最終的には司法警察職員たる警察官が判例等の趣旨に照らして的確に判断しなければならないところでありまして、そういった司法警察職員の勉強あるいは研究の機会ということかと思いますが、このわいせつ事犯を担当するような部署におります司法警察職員は、常日ごろから判例や法令の研さんを行うとともに、現在におきます社会常識等についての知識というようなものの研さんにも努めておるところでございまして、そのようなところから、的確な判断ができるようにふだんから努めておるところでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 そうした研さんを積んでいる場において、もちろん警察内部の、そして司法警察職員の皆さんは一生懸命勉強されていると思いますし、社会の常識というものをとらえていこうという努力はされているとは思いますが、ある意味では、警察の組織・社会というのは一種特殊な社会をつくっていて、一般の社会と若干違う内部社会をつくっていると見られないではないところがあるというのは、否定できないと思います。  そこで、そういった研さん等に当たって、外部の意見、例えば芸術家、教育関係者、文化人、そういったところの意見等を聞くとか、それから意見を出してもらってそれを参考にするとかという、そういった機会はお持ちなんでしょうか。

中田恒夫警察庁生活安全局長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  繰り返しになりますけれども、司法警察職員が最終的には判断をしておるところでございます。しかしながら、委員御指摘のように、わいせつに限りませんが、一般的に風俗の問題については時代あるいは社会の変化に伴って変化をするということも当然でございますので、私どもといたしましても、常日ごろから、風俗関係については委員お挙げになりましたような人たちを含めまして、広く有識者の意見を聞いて研究に努めておるというところでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 幾つかお伺いをしてまいりましたが、先ほども少し触れかけたのですけれども、まず私の立場から申し上げますと、私、党内では女性局長という仕事もさせていただいておりまして、こういった風俗関係、それからわいせつの問題、ある意味では古典的な、女性を商品として扱うというふうな思想にもつながる問題でありまして、あるいはまた青少年の健全な育成というような観点から見ても、取り締まるべきものはきちんと取り締まらなければならない、むしろ現状では甘いんではないかというふうな感覚を持たざるを得ない部分も少なくないというふうに個人的には思っております。  しかしながら、現状のこのわいせつ図画の取り締まりの実態を考えまするときに、残念ながら、何がわいせつで何がわいせつでないのかという判断について、必ずしも国民一般、世論の支持を十分に受けているとは言い切れない部分があるのではないか。  例えば、私個人的に思いますけれども、今回摘発をされた加納典明容疑者が出している写真集というのは、私も書店で表紙ぐらいは見たことがありますけれども、いわゆるわいせつ性の高い写真集であるというのが表紙を見れば一目瞭然の写真集であります。こうした写真集をみずから書店で買おうというのには、勇気という日本語がこうした場合適切なのかどうかはわかりませんけれども、ある意味では度胸が要る。  逆に、具体名を挙げませんけれども、例えば一般の総合週刊誌等の中に、わいせつ性の高い、あるいはわいせつと思われかねないような写真が近時たくさん載っております。こうした雑誌等は、まさに一般総合週刊誌でありますから、キオスクあたりでも簡単に買えますし、例えば、小さなお子さんとまでは言いませんけれども、高校生、中学生ぐらいの若い人たちが本屋でちょっと買う、余り心理的な葛藤なく買える雑誌の中にかなりわいせつ性が高いのではないかと思われるような写真が載っていて、そちらは逆に野放しになっている。  あるいは、コンビニエンスストアなどに行きますと、明らかに青少年を販売対象としている写真集のような雑誌が売られていて、例えば青少年が買いやすい状況でかなりどぎつい写真が載っかっているというようなことを考えるときに、青少年の健全な保護育成とかという観点を重視すれば、むしろ加納典明氏の今回の写真集などよりも、そういった今私が申し上げたような雑誌等を放置しておくことの方が問題は大きいのではないかという指摘も十分に成り立つし、現にマスコミ、世論等の中にはそういった声もございます。  私は、そもそも翻って考えまするに、確かに警察の担当の皆さんは一生懸命研さんを積まれて努力をして、何がわいせつで何がわいせつでないか、何を取り締まるべきかということをお勉強されているとは思いますが、そもそも警察という組織が、わいせつかどうかという社会通念、そしてこの社会通念は当然文化とか芸術とかというものと密接に絡んでくる問題でありますし、あるいは青少年の保護育成という意味では、そうした心理学、教育学的な要素をかなり考慮しなければ判断できない問題ではないか。これを、その警察の内部の組織の一部分のところで幾ら研さんを積み、勉強されたとしても、適正公正な判断をしているということはなかなか国民世論に納得をしていただくことが難しいのではないか。  今私が国会の場で、だれがどういった場でわいせつ性を判断したのかというお尋ねをしても、それは捜査内部の問題だということでお答えもいただけない。具体的に顔の見えない人が社会通念に基づいて判断したと言われても、残念ながら、いい意味でも悪い意味でも警察に対する偏見といいますか、そういうものがありますから、芸術なんてわかっていないおじさんたちががん首そろえてわいせつかどうかだなんて議論したところで、ろくな結論が出るわけがないという世論の声というのはなくすことはできないし、ましてやこの直接の相手方、当事者となる写真集等を取り扱っている人間にとって、芸術のわかっていない人間にわいせつだなんて言われたってちゃんちゃらおかしいというふうな反論を可能にさせている状況があるのではないか。  これは警察を責めているというよりも、むしろ逆に警察当局にわいせつかどうかという判断をさせているということ自体が、無理をお願いしているのではないかというふうに私は思っております。  むしろ、文化とか教育とかといった見地から、わいせつであるのかどうか、そしてそのわいせつ性が放置することが許される範囲なのかどうかということは、警察以外の機関にしかるべき機関を置いて判断をしていただいて、そこでこれは許容しがたいわいせつ性を帯びているといった場合に、警察はその勧告なりなんなりを受けてそれを執行するという形で、そのわいせつ性の判断、社会通念などという判断は、国民から顔が見える機関にお預けになった方が、警察も堂々と胸を張って我々は正しいことをやっているんだと、どんな反論にも屈することなく言えるのではないかというふうに思っておるのですが、このあたりについての御見解をお伺いいたしたいと思います。

中田恒夫警察庁生活安全局長

○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。  繰り返しになりますが、刑法百七十五条のわいせつ罪に限らず、刑法上の構成要件に該当するか否かの判断につきましては、現行の法制におきましては、捜査機関たる警察が責任を持って判断すべきものでありまして、その適否は最終的には裁判所によって判断されるものと考えております。  委員御指摘のような考え方につきましては、立法論としては十分あり得るかと思いますが、ただ、現行法の立場から考えました場合、そのような捜査上の責任もないといいますか、そういう立場にない方々が判断をするというようなことは、必ずしもとり得ないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、私ども、風俗環境の浄化のためにいろいろな努力をしておるところでございまして、わいせつ物の取り締まりにつきましても、先ほど申し上げましたように、常日ごろから広く有識者の意見も聞く等の努力もいたしまして、妥当な判断をし、妥当な取り締まりに努めておるというところでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 例えば、わいせつ図画ということでよく裏ビデオなどが摘発をされます。私も司法修習時代に経験がございますが、被疑者、被告人が争わなければいいのですけれども、わいせつ性を争った場合、例えばいわゆる裏ビデオの摘発などの場合、何百本というビデオが摘発をされて、そして証拠として提出をされて、私も、修習時代の裁判官が夏休みじゅうかけてその何百本という裏ビデオを全部早送りで見て、これでなるほどわいせつであるということを認定をして判決を書くという、ある意味では見方によっては笑い話みたいなことを例えば司法の現場ではしているということを知っております。同じようなことを多分警察当局でもやっていて、ある意味では世間から見れば笑い話にされかねないようなことを警察当局に強いているのかなという問題意識を持っております。  これは、検閲みたいな話に行ってしまいますとまた逆の話なんですけれども、警察当局の実力、力というものを無用なところで浪費することのないように、私どももよりよいシステムが立法論としてつくれないかどうか勉強していきたいと思いますし、警察当局としても、こんなわいせつかどうかという、警察でなければできないそのほかのたくさんの重要な仕事に比べれば、別の機関でもできる、そしてある意味では警察には似つかわしくない仕事をいつまでも抱えていない方が、取り締まりという観点からも、警察に対する信頼という観点からもいいのではないかということで、ぜひ検討、研究をしていただきたいということをお願いいたしまして、この点についての御質問を終わらせていただきます。  関連質問といたしまして、一点、公正取引委員会についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  公正取引委員会の職員につきまして、今回の予算案で定員増ということが認められております。具体的にその定員増が何名であって、そして具体的にそのふえた定員をどういった部署に配置をするのか、公正取引委員会の方にお尋ねをいたします。

小粥正巳公正取引委員会委員長

○小粥政府委員 お答えを申し上げます。  平成七年度政府予算案におきましては、独占禁止法違反行為、特に入札談合、価格カルテル等に対する取り組みを一層強化し、違反行為に積極的かつ厳正に対処するため、審査部門の定員を十七名増加させるなど、公正取引委員会事務局の定員を、現年度は五百六名でございますが、これを合計五百二十名に増員する。すなわち、いわゆる定則を差し引きまして純増十四名でございますが、その純増を上回る十七名の人数を違反行為の審査に当たります審査部門の定員に充てる、そういう内容でございます。  それとともに、機構の問題といたしましては、入札談合事件の効率的処理及び未然防止体制の整備のため官房審議官を新設する、こういう機構の増設もございまして、全体として審査体制に最重点を置きました強化拡充を行うことを内容としております。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 公正取引委員会の特に審査部門の皆さんには、非常に少ない定員の中で御努力をいただいているというふうに私は理解をいたしております。しかしながら、今公正取引委員会に求められている役割、特にここ数年来、いわゆる談合というものが大変大きな話題として取り上げられております。しかも、過日の予算委員会で私どもの同僚であります前原誠司議員の質問に答えて、建設大臣みずからが、残念ながら我が国には談合は存在しているということをお認めにならざるを得ないような談合体質というものがこの国には存在しております。そして、それが国民の税金をむだ遣いしているのではないか。  私は個人的には明らかにむだ遣いをしていると思っておりますが、こういった談合体質を改めていくことができる機関というのは、まさに公正取引委員会がその機能を十分に発揮していただくことである。そうした意味では、残念ながら国民が期待しているほどの結果を現在では出すことができないでいる。摘発を受けているのはほんの氷山の一角であるというのは、これは公正取引委員会としてはお認めにはなれないと思いますが、少なくとも国民一般の常識である。  これは公正取引委員会の職員の皆さんの問題というよりも、まさに今回ふえても総定員で五百二十名しかいないという現状の中ではある意味でやむを得ない、この人数の中ではむしろかなり一生懸命やっていただいているというふうに思っております。もちろん、どんなに取り締まり機関の人数をふやしてどんなに一生懸命やっていただいても、違反行為というのはゼロにはなりませんが、少なくとも最低限、国民に我が国の入札制度というのは基本的には信用できる制度であるという信頼を持っていただく、そうした状況をつくるのに必要な取り締まりのための審査の人員というものを確保するためには、果たしてあとどれくらいの人数がいればよろしいのでありましょうか。  もちろん、行政改革ということで、公務員全体の大幅な人員の増は現状ではとり得ない客観的な情勢にはございますが、例えば、今新しい食糧管理システムのもとで、従来の一万人を超える食糧管理事務所の定員を大幅に減らさなければならない。そうした中で、その行き先、雇用対策というものが問題になっている。例えば今問題になっている特殊法人の改革という問題でも、中小企業金融公庫と国民金融公庫と環境衛生金融公庫を三つ合併すれば、管理部門その他で相当な人員が浮いてくる。  そういったところを今求められている公正取引委員会に持ってくれば、総定員の枠をふやすことなく公正取引委員会の審査の部門の人員をふやすことがむしろやりやすい、可能な状況にあるのではないかというふうに理解をしておりますので、あとどれくらいいれば国民から信頼できる入札制度にできるのか、もし可能であればその見通しをお話しいただければと思います。

小粥正巳公正取引委員会委員長

○小粥政府委員 ただいまの御指摘でございますけれども、確かに最近、いわゆる入札談合問題についての社会的な批判と申しますか非難、これは大変高まってきておりますし、私どもも、入札談合事件は申すまでもなく独占禁止法に違反をする典型的な違反行為でございますから、このような社会的な認識の高まりも念頭に置きながら、最近の違反事件の排除の実績の中で入札談合事件の占める割合が非常に大きくなっております。  ただ、私どもとしては精いっぱいこの取り締まりに当たっているつもりでございますし、それなりに違反行為の排除を行っておりますけれども、ただいま委員御指摘のように、残念ながら、経済社会の実態としてなお違反行為が後を絶たないのが実情でございます。  私ども、先ほど平成七年度予算案におきます審査部門を最重点とした拡充ということを申し上げましたけれども、実は近年、例えば平成元年度から平成七年度予算案までの私どもの審査部門を中心にした事務局定員の推移、これは現在、御存じのように、定員・機構あるいは予算面につきまして、要求にもいわゆるシーリングによる制約も非常にございますが、その中におきまして、関係当局の最大限の理解をいただきながら拡充に努めてきております。  一例を挙げますと、審査部の定員は、平成元年度予算では百二十九名でございました。これが平成七年度予算案におきましては二百二十人でございますから、この七年間に、今回の予算案が成立をすれば審査部門の定員につきましては実は七〇%を超える増でございますから、これはそれなりに相当の拡充にはなっております。  ただ、これで十分かということになりますと、私も率直に申しまして、違反事件に対する対応、あるいは公正取引委員会の業務はそれだけではございません。非常に大きな行政ニーズがありますので、それに対応するのに実はなかなか手が回りかねるという実感もございます。  しからば、お尋ねでございますけれども、どのぐらいまで拡充したらいいのか、これは定量的に申し上げるのは率直に言ってなかなか難しゅうございます。ただ、入札談合事件を初めとして悪質な独占禁止法違反行為が後を絶たない状況、それからもっと広く政策的に申し上げますと、規制緩和が現在の政府の経済政策におきまして最重要課題として取り上げられておりますが、端的に言って規制緩和が進行いたしますと独占禁止法の適用範囲はそれだけ広がります。したがいまして、公正取引委員会の総合的な業務量というものはさらに増大をすると考えなければいけないと思っております。したがいまして、公正取引委員会の役割が今後一層大きくなっていきます中で、私ども、定員・機構全体を含めまして、公正取引委員会の業務体制のさらなる拡充強化が今後やはり必要であろうと考えております。  ただ、この点につきましては、現在の予算定員機構等の非常に厳しい状況、そして委員からも御指摘がございましたように、現在、政府は行政コストの節減ということに非常に力点を置いております。これはもう定員・機構を含めまして予算全体がそのような考え方で、各省庁ともいずれも厳しい環境の中でございますから、私どもの体制・機構の拡充強化が必要であるということを申し上げましたけれども、これは私どもだけがこれを願って実現するものではございません。  政府全体としてこれについて格段の理解が浸透し、その中で、今委員から御指摘がありましたような、これからの時代により一層その役割、業務量が増大することが必然と考えられる公正取引委員会の機構・体制はいかにあるべきかということが考えられてしかるべきであろうと思っておりまして、私どもとしましては、従来から進めておりますような着実な努力と、この上とも関係方面の一層の御理解を強く期待するところでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野分科員 もう一問お尋ねしようとしたのですが、先取りしてお答えをいただきましたものですから、今お話にもありましたとおり、行政改革、規制緩和、これはセットの話だと思っております。行政改革、規制緩和、地方分権というのは、今私たちが真剣に取り組まなければならない課題であると思っております。  そうした中で、今お話ありましたとおり、規制緩和をやれば必然的に公正取引委員会の役割というのは重くなる。例えば一面では、規制緩和の受け皿として、安全性の問題については昨年製造物責任法ができて一種の受け皿ができてきている。経済的規制の問題を外す対応としては、これは公正取引委員会が機能を充実していただく。行政改革も一つの大きなテーマであるとはいえ、行政改革、規制緩和というのをセットで考えたときに、規制緩和の結果として公正取引委員会がある程度大きくなるというのは、これは全体の中で行政改革の聖域というか例外ということで当然に認められなければ、規制緩和自体を進めることができないというふうに理解をいたしております。  私どもといたしましても、ぜひともこの公正取引委員会の機能のさらなる充実、しかも大胆な人員増というものを実現するために努力したいと思っておりますが、何といっても当事者である公正取引委員会の皆さんが、この人員ではなかなか思ったとおりの審査ができない、摘発ができないという声をどんどん上げていただいて、具体的にここをこうふやしてほしい、こういうふうにやれればもっと摘発できるんだ、仕事がちゃんとできるんだという声を上げていただかないことには、政治の側だけで、公取大事だ、大事だと言ってもなかなか進みませんので、ぜひ公正取引委員会としても遠慮なくどんどん必要性を主張していただきたいということをお願い申し上げまして、時間が過ぎておりますので、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これにて枝野幸男君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして警察庁についての質疑は終了いたしました。  午後二時に本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時三十分休憩      ————◇—————     午後二時開議

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  防衛庁について質疑の申し出がありますので、  順次これを許します。川島實君。

川島實新進党

○川島分科員 新進党の川島實です。  私は、既に通告いたしております自衛隊の今後の災害に対する救助体制の整備について、以下、お尋ねをしていきたいと思っております。  自衛隊は、「大震災地誌」によりますと、京阪神編の分析が既にできておりました。しかし、今回、これを十分生かすことができなかった。これは、現実に今までのいろいろの議論の中で地方自治体等の訓練等も含めて問題提起がなされているわけでございまして、今後、皆さんとともにこうした問題を解決して国民の期待にこたえていかなければならないことだと私は理解しております。  特に、今回問題がいろいろございまして、例えばヘリコプターの使用公園が十四カ所指定があったにもかかわらず、実際は一カ所しか利用できなかったとか、しかし、今回の被災地における自衛隊の活動というのは被災者の皆さんにも非常に高く評価を受けておりますし、とりわけ医療救助の衛生隊の活動は現地でも、医官一人、ナース二人、この一組で十六チームの活動や、巡回診療が医官六十人、ナース百人、准看護士二百人で行われておりまして、救急車等の活動を含めて極めて有効な活躍であったという評価もなされておるところでございます。  そこで、今回の災害ほど自衛隊に多くの期待や関心が寄せられたことは過去になかったことだと思っておりますし、PKOの出動についても自衛隊の理解が深まってきているさなかでございますので、この機会を逃さずに、これらの国民の期待にこたえて組織のあり方や災害に対する装備の充実を図りまして、今後の自衛隊への若い人たちの希望にかない得るような、隊員が不足をすると言われているさなかでございますので、これらに対しての十分な補強を行う機会ではないか、こう考えるわけでございますけれども、まずもって防衛庁長官の御所見をお尋ねしておきたいと思います。     〔主査退席、関谷主査代理着席〕

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 防衛庁といたしましては既に、私、防衛庁長官を議長といたしまして防衛力の在り方検討会議を設置いたしまして、庁内の検討体制を整えまして、今後の防衛力のあり方について検討してきたところでございます。  我が国としましては、現在、周辺諸国との信頼関係の構築を進めつつ、冷戦後の国際情勢の変化、将来における我が国の人的資源の制約の増大、科学技術の進歩等を踏まえまして、今後の我が国の防衛力のあり方について検討をし、その検討作業の中で、災害救援あるいは国連の平和維持活動への参加のための体制についても十分検討をしてまいりたい、このように考えております。そして、信頼性の高い効率的な防衛力の維持と質的改善を目指して、自衛隊の組織、編成、装備、人的側面を含め、具体的に今検討を行っておるところでございます。

川島實新進党

○川島分科員 今後の自衛隊の課題ということでいろいろな意見がございますけれども、今回のような災害が、万一あってはならないことでございますけれども、今後そういうものが起こるおそれが来たときにきちっと対応ができるかどうかというのが問われるわけでございます。  そのときに、例えば自衛隊に初動能力が本当にあるのかどうかということが一つ。  二つ目は、こういう形で整備をしていって、果たして派遣可能な人員がどのくらい出動ができるか。  三つ目は、現地にいかなる問題があろうとも、道路の損傷等も頭に入れながら、到着までの推定時間は、どのくらいの隊の数がどのくらいの時間でそこへきちっと到達することができるか。  さらに、自衛隊の中身をずっといろいろ見てみますると、そういう災害に対する機材等の能力が十分装備されているかどうか、こういう問題も一つ出てくるわけでございまして、私どもが見ておりますと、民間の解体等の専門業者は、ブルドーザーやユンボやはさみ、そういう近代的な機械の装備を購入するに当たって、中小企業の利子補給で新しい装備が日々整備されていくわけでございますけれども、どうも自衛隊の中身を見ますと、まだまだそうした災害に対する後方支援といいますか、そういう装備が不足しているのではないか、こういうことを私どもも受けとめるわけでございまして、今後これらの予算要求を早急に出していただいて、災害に対する対応の仕方を明確にしていただきたいと思うわけでございます。  その件について御所見をお伺いしておきたいと思います。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 お答えいたします。  災害が発生した場合に、どのくらいの人員が、またどのくらいの時間で被災地に到着てきるかというようなお尋ねでございます。  自衛隊の災害派遣の初動におきまして、どの程度の人員をどの程度の時間で派遣できるかということにつきましては、今回の阪神大震災というようなケースを考えますと、かなりの時間がかかっておる。例えば第三特科連隊は、十時十五分に出まして、約八十キロあるところでございますが、十三時十分に到着している。この間、交通が大渋滞をしているというような状況もございますが、そのように、起こります災害の態様といいますか規模、それから発生した場所がどこであるかというような事柄によってさまざまな要因を考慮しなければなりませんので、一概にお答えすることはなかなかできないわけでございます。  しかし、大都市で発災してこのような交通渋滞等が考えられると、やはりなかなか長時間を要するのではないか。その場合には、今回も東部方面の方から第一ヘリコプター団のヘリをすぐ持ってきたわけでございますが、ヘリが到着するのにやはりまた二、三時間を要している、それからまた部隊を運ぶ、こういうことで、時間的になかなかお答えできませんけれども、そういうことについてふだんから十分留意しておく必要があるのではないかと考えています。  また、お尋ねの資材の方でございますけれども、これにつきましては、自衛隊として現在持っております資材としましては、一つは、状況の把握に活用し得るヘリコプターということで〇H6でありますとかHU1でありますとか、そういうヘリコプター。それから、よく話題になります偵察機RF4ファントムでございますが、そういう航空機。それから、人員、物資の輸送に活用し得る大型トラック等、輸送ヘリ、これはCH47チヌークという人員約六十名を輸送できるヘリコプターでございます。それから、C1ないしC130という輸送機でございます。そういうものを持っておりますし、海上自衛隊が補給艦でありますとか輸送艦というような艦艇を持っておる。その他、先生御指摘の施設作業用の器材のドーザーというものを持っております。  これらにつきましては、私どもとしては、それなりに今回の災害において足りた、満たし得るものであったと思いますが、ただ量的にいえば、やはりそれ専門にやっているわけじゃございませんから、量的な不足というものはあったということで、そういう点についてはこれから災害派遣との関係も考えまして、さらに補正等で必要があれば考えていく必要があるのじゃないかなというふうに考えています。  それからまた、もう一つつけ加えなければなりませんのは、解体とかそういうような作業をする際には、どうしても本来的にそういうことを仕事としておる方々もおられますものですから、そういう人との調和といいますか、自衛隊の国防任務というもの、それから災害任務というものの役割分担、それから民間のそういう事業者との関係というようなことも慎重に考慮した上で整備していく必要があるのじゃないかというふうに考えています。

川島實新進党

○川島分科員 現在の自衛隊の装備の状況等もいろいろ見てみますと、非常に不足をしておるなという感じがするわけですね。特に、今回の場合も考えてみますと、招集がかかって、今の自衛隊は非常に民主的で自宅をいろいろばらばらに持っておりますので、緊急の場合の自衛官の官舎等が基地の近くにきちっと確保されていなければ初動に間に合わないという問題もございますので、そういう官舎の建設も必要でございます。  それから、近代的な偵察能力を備えたヘリコプターも幾つかの、各方面隊ですか、それらに一つずつ必要でございます。先ほど、ヘリコプターは六十人運べる、こういうお話がございましたが、もっと多数を運ぶ大型ヘリコプターだとか、そして救助のための重機までも運搬できるヘリコプター、それからこれは自衛隊の仕事ではないというものの、初期消火の機能を備えた近代的なヘリコプターだとか、飛行機でも救援物資等が投下できるような、そういうものも含めた配慮が必要だと私は思うわけでございます。  そういう点から再度防衛庁長官にお尋ねいたしますけれども、今回の阪神大震災の救助に当たり、予算委員会だとか災害特別委員会で多くの議論がなされてきているわけでございますけれども、国家国民のために今後どのように装備をし、訓練し、組織をつくり上げていくべきか、この件について御所見をお伺いをしておきたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 自衛隊は、まず持っておる装備を活用しまして、災害活動の場合には全力を挙げた。例えば、観測ヘリ、偵察機等の航空機、それから人員、物資の輸送に活用し得るトラック、多用途ヘリ、輸送ヘリ、輸送機等の航空機及び補給艦、輸送艦等の艦艇、その他、施設作業、宿泊、医療、給食等の各種ニーズに対応し得るドーザー、天幕、救急車、野外手術システム、水タンク車、野外炊具、野外人浴セット等の装備品を用いまして、今回も非常に効果的に活動したところでございます。  そこで、ヘリ等におきましても、大体各方面隊にはそれぞれ連絡用を含めたヘリはあるわけでございます。ただ、委員御指摘のような多数の人員を運び込める大型ヘリコプターというもの、また重量においても物をたくさん積めるもの、こういうヘリコプター団は限られた地域にしかないということで、今後どう連携をとるかということは研究する必要があると思います。  それから、初期消火につきましては、都市災害の場合におきましては、火災の場合におきましてはヘリコプターによる消火作業というのはなかなか困難である、そういう地元消防あるいは消防庁の見解が出されまして、今回はできなかったわけでございます。山林火災等におきましては、今までも自衛隊としましてはヘリコプターを提供いたしまして、地方公共団体の器具をあわせ持って消火活動に当たっておる、こういうことでございますので、できるだけの態勢といいますか装備といいますか、そういうものを用意するということは当然のことであると思います。

川島實新進党

○川島分科員 今回、延焼拡大防止を消防が命じられても水の確保ができないということで、こんな悔しい思いをしたことは例がない、こう言って消防の隊員が嘆いておる、こういう言葉を聞くときに、なおさらやはり自衛隊の協力が急務だ、こう考えるわけでございます。  次に、自衛隊の任務についてお伺いをしたいわけでございます。  予算委員会等で聞いておりましても、なかなかはっきり明確に出てこないわけでございますけれども、災害救助に対しては、現行法制度の中でも対応できるという学者の皆さんが非常に多いわけでございます。特に、異常な天災が発生して、国家の政治と行政が機能の停止または停滞を起こした場合に、軍隊がその持てる人的・物的資源を有効に用いて速やかに被災民を救済することは、いささかも文民統制の精神に反するものではない。だからこそ、問題の自衛隊法八十三条もその二項で、緊急時には自衛隊が自主的に災害出動できることを規定している。こうした中で、自衛隊の本来の任務として防衛出動と治安出動に加えて災害派遣も明記しておる、こういうふうに受けとめておるわけでございますが、防衛庁長官の今までの答弁を見ていますと、この辺がはっきり、きちっと答えていただいていないものですから、一遍確認をさせていただきたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 これは自衛隊法第三条を見ていただければ極めて明快だと思うのです。自衛隊の主たる任務といいますのは、我が国に対する直接侵略と間接侵略に対処をすると明記されております。そして、必要に応じまして公共の秩序維持に当たる。必要に応じて公共の秩序維持に当たるということの中に、今御指摘の災害出動であるとか治安出動というものがあるだろうと思います。  災害に関して申し上げれば、災害の場合におきましては、災害対策基本法によりまして、まずもって火事とか水害とかそういう災害が生じた場合におきましては地方自治体が対応する、これは当然のことだと思います。自分たちの町は自分たちで守る、これが防災の基本思想であります。そして、市町村は災害が起きた場合には直ちにこれを県当局に報告しなければならぬ、こうなっておりますし、また県当局は、つまり市町村の災害において市町村の能力の範囲を超えた場合には、県が全体として責任を持ちましてそれに対応する。  しかしながら、県に対応能力がないという場合におきまして、範囲を超えたという場合におきましては、国に対して、内閣総理大臣に報告するということになっているわけですが、私は、そこで自衛隊法の八十三条というものが出てくるものだと思うのです。つまり、災害におきましては、第一義的には地方自治体が責任を負ってその防災のために全力を尽くす、しかしそれが県当局の能力を超えた場合におきましては国に対して派遣要請をする、そこで、都道府県知事の派遣要請があった場合におきまして自衛隊が出動いたしまして防災対策に全力を挙げる、こういうことだと思うのです。  それをもし、いろいろ言われておりますように第三条に災害出動というものを明記した場合におきましては、防衛出動と同じように自衛隊が第一義的に災害に対して責任を負わなきゃいかぬ、こういうことになりますから、水害が起きても火事が起きてもすべて自衛隊は出動しなければならぬのか、こういうことになるわけでありますから、これは自衛隊の持っておる使命からいいますならばいささか的外れではないか、こう思うわけであります。  以上であります。

川島實新進党

○川島分科員 今回の自衛隊の災害出動で、出動ができたにもかかわらず実はおくれた面があるわけですね、指示やなんかの混乱で。そのことを考えますと、地方自治体の方におきましても、例えばヘリを持っている都道府県があるわけですけれども、維持管理費はおのおのの空港の使用を含めて莫大な費用が実はかかるわけでございまして、国の将来のために、やはり自衛隊にそれら分担してもらうものは分担をしてもらった方が国民の税金を使う上からいってベターじゃないか、こういう受けとめ方もあるわけでございますので、自衛隊の施設部隊なり医療隊なり、それらを後方支援部隊として自衛隊の中の部隊の一つにきちっと位置づけをする。  例えばPKOのそういう国際的な災害救助の法律等ができ上がっておりますし、それらについてはきちっと今対応が進んでおる、こう受けとめておるわけでございますので、今後、自衛隊の中に常設の災害救助隊の設置、このことについてどのようにお受けとめをしておみえになるのか、御所見をお伺いしておきたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 自衛隊の中に災害派遣を任務とする部隊を別途設けるべきではないかというお話でございますが、私はその必要はないと思います。  今回の場合におきましても、初動が云々の意見がございました。しかし、自衛隊としましては、いつでも出動態勢が整えられるように発災と同時に準備を整えておったわけでございます。しかしながら、地方自治体との連絡もとるように努力をいたしたわけでございますが、兵庫県からは十時という時点で要請があったようでございます。それからスタートをしておりますので、午後一時十分に神戸の市内に入った、こういうことになっておるわけでありまして、私は、今までのいろいろな災害派遣等のケースを見てまいりますと、発災をいたしましてからの対応の早いところと遅いところといろいろあるわけでございます。こういう点はできるだけ改善をする余地があるのではないか。  今回の場合におきましても、省みてみますと、いろいろそういう点ではもっと早い時点での要請が可能であったのではないか。こういうことを見てまいりますと、仮に災害の別組織をつくった場合でも、それが有効に機能するためには、やはり地方自治体との連携がなければ効果を上げることはできない、私はそう思います。  自衛隊は、先ほど申し上げましたように、我が国の直接侵略、間接侵略に対処することをもって第一義的責任といたしておるわけでございます。国の独立と平和を守る、そして精進、訓練、努力を重ねておるわけでございまして、地方自治体からの要請があった場合には、日ごろの訓練、また装備等をもちまして、それを効果的に災害救援のために派遣する、こういうことになっておるわけでございますので、私は、運用面を改善しながら、自衛隊本来の任務につきながらやっていけば従来どおりの効果ある災害対策も行い得るもの、こう考えるわけであります。

川島實新進党

○川島分科員 お話をお伺いしていると非常にごもっともなんですけれども、自衛隊の組織の実態をこうやっていろいろ検討してみても、国民には災害時に一体どの部隊が、どういう訓練がなされておって専門的な、ブルドーザーの運転にしろユンボの運転にしろ、常に訓練と装備が必要なんですね。今回も非常に評価の高い医療班の医官だとかナースの人たち、准看護士の人たちがやっていただいているわけですけれども、これらの人たちについても、医薬品だとかこれに伴うきちっとした移動用の機材だとか、そういうものも含めたときに、その人たちはどういう形で通常勤務しておって、こういうときにどういう形で一つの隊として組織されて出てくるのか。  防衛庁長官がお話をしているようにやりますと言っても、このことが国民には見えてこないものですから、不安感があるわけでございますので、もし今の自衛隊のままで対応できるということであれば、どの部隊からどういう形でそういうものを組織し、どういう訓練をしてこれらに対応するか、このことをひとつ見えるような形でお示しをいただきたいと思うわけでございます。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 災害対策基本法によりますと、地方防災会議というものを各県でつくることになっております。その場合におきまして、自衛隊からも代表者が派遣されまして地方防災会議の計画策定に携わっておるわけでございます。  今回の兵庫県の場合でございますが、陸上自衛隊に対しましては、兵庫県と連絡をとっておりましたのが姫路の第三特科連隊でございます。したがって、第三特科連隊が執拗に連絡をとろうとしたということはそのためでございます。それから、海上自衛隊におきましては、神戸港にございます阪神基地隊、これが連絡ルートになっております。それから、航空自衛隊に対しましては、伊丹にあります第三師団が代行して行う、こういうことに決められておるわけでございます。  要は、今回のケースを見てまいりますと、陸上自衛隊に対しましては十時に要請がありましたが、海上自衛隊に対しましてはその日の七時過ぎ、十七日の七時過ぎ、それから航空自衛隊に対しましてはその翌日の十八日の夜八時ごろと伺っておるわけでございます。こういうことからいいますと、一応の計画というものはあったようでございますけれども、やはりふだんの訓練というものが行き届いておりませんと、どこにどのような要請をしたらいいかということが十分徹底しておらなかったのではないか、こういうことを反省するわけでございます。  なおかつ、委員のおっしゃられますように、より国民の皆さんに不安を与えないような防災計画というものを確定すべきではないか、全くそのとおりでございまして、大震災というものを想定した場合におきましては、被害は一つの都道府県にのみ重なるということはないと思います。それは相当数多くの都道府県を相手にしなければいかぬと思います。したがいまして、今、南関東大地震とか東海大地震とかということで計画が策定されまして、そして九月一日の震災の日におきましては、相当数の自衛隊も出ましてこの訓練を徹底的にやっておる。しかも、震災が発生した場合には、両震災とも五万大規模の自衛隊が派遣される、そういう計画まで立てられておるわけでございます。  残念ながら、今回の場合におきましては、関東大地震の地誌も陸上自衛隊においては研究されておったわけでございますけれども、全体としての、関西、阪神の地域の大震災の計画というものが策定されておりませんでしたし、また、自衛隊等との訓練も十分行き届いてなかった、こういう点が反省材料として挙げられるのではないか。これを教訓としまして、今後、防災対策というものは大震災も含めて全国的な規模でやはり策定をし、またそれに備えていかなければいかぬ、こういうふうに考えておるところであります。     〔関谷主査代理退席、主査着席〕

川島實新進党

○川島分科員 時間が参りましたので終わりますが、ハイテク装備世界トップクラスというような表題がついて、日本の自衛隊は国際的に高く評価をされている。しかし、こういう災害等の問題で今度はいろいろな問題点を露呈しているわけでございますので、ひとつ近代的な災害対応の装備の充実を心からお願いいたしまして、今の防衛庁長官の決意をお聞きいたしましたので、今後は安心できる、こう受けとめておりますので、ひとつ御努力をお願いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これにて川島實君の質疑は終了いたしました。  次に、今村修君。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 社会党の今村です。  防衛庁長官には先般の予算委員会でも若干御質問した経緯もあり、なおかつ今また川島議員の方からも質問が出ていました、災害時における自衛隊の出動の関係で、自衛隊内部に災害救助隊を創設してはどうか、この問題について若干お伺いをしたいと思います。  先般、防衛庁の内部で災害出動に関する改革案が討議をされ、その一部が新聞に報道されたわけでもあります。内容、いろいろあるようでありますけれども、ただ、本来自衛隊というのは災害出動を目的にするという内容ではないわけであって、私自身も、第一義的には地方自治体、消防、警察が災害には対処すべきだと思っています。ただしかし、今回の阪神大震災を見たときに、本来救助すべき人たち、その人たちが災害に遭ってしまった。二十四時間体制をとっている警察、消防も災害に遭った、地方自治体の職員も災害に遭い出勤できぬ、こういう状況になってしまった。こういう中での対応をどうするか。  危機管理そのものについては政府の中でいろいろ議論をされて、その対策をこれからまとめる、きっちりしたものにつくり上げるという内容になっているようでありますけれども、そういう二十四時間体制をとっている警察、消防が災害で機能しないという状況になったときに、いち早く現場に駆けつけるという体制をどこがとってもらえるのか、これが国民のまた大きな関心でもあると思います。そういう点では、自衛隊の内部に災害救助隊、これをつくるという形ができないのか。  先般の防衛庁のいろいろの検討の中にも、本来災害を目的としない自衛隊そのものは、駐屯地の営内居住者、営内に居住する人たちが現在は少ない、ですから隊員の招集には時間がかかるのだ、こういう課題がありました。また、警察や消防のように地域に密着せず、駐屯地は都市部から遠いという課題を抱えている。ですから、隊員の輸送には時間がかかる、こういう対応があります。また、一般車両もわずかで、輸送の点でもいろいろな課題を抱えている、こういう課題が述べられているようであります。  これらの課題を考えていくときに、器具器材、通信施設を含めた、常時、できれば二十四時間体制をとった災害救助隊、これらが自衛隊の中にあるとすれば、今回のような事態に相当威力を発揮したのではないか、こういう気がするわけであります。国際的に言えば、私も余り詳しくないのですが、オーストラリアの軍隊では、災害救助隊が軍隊にあって、この災害救助隊が国内外の災害救助に常時駆けつける、こういう体制をとっている、こういうお話も聞いているわけであります。  そういう点を考えるときに、改めて防衛庁長官から、二十四時間体制での災害救助隊創設という課題についてお伺いをしたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 自衛隊もまた二十四時間体制をとっておるわけでございまして、営内居住者がかつてよりも少ないということでありますけれども、最低でも四割は営内居住があるわけでございますので、非常呼集の場合におきましてもかなりの動員体制ができる、対応もできる、こう私は考えております。  今委員御指摘のように、災害の別部隊、災害対策要員ですね、別部隊があるとなれば効果があるのではないかというお話でございましたが、別部隊があったとしましても、それが自主的に出動してまいりまして、どのような活動ができるかという場合におきましては、その災害別働部隊に情報がなければいかぬと思うのですね。どこにどのような救助を必要とするところがあるかということについては、やはり地域の警察、消防というところから伝達がなければならない、そことの連携がなければならぬ、こういうことだと思うのですね。  ですからまず第一に、現在の自衛隊におきましても、都道府県知事の要請要件といいますのは、地方自治体との協力関係というものと相まって初めて効率的な救助活動が行い得るという趣旨が込められておると私は考えるわけです。  そうした観点からいいますならば、初動の時期におきましての情報の伝達、それから要請の内容、こういうものがあって、そして出動した場合におきましても、警察、消防との有効なる連携というものをもって行うことができる。そういう点を改善していけば、別組織論にこだわらずとも、現在の体制でも十分効果的な防災また災害対策を行うことができるのではないかと私は考えておるところであります。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 いわば現在の体制でも情報がないと活動できぬ、情報が十分あれば現在の体制でも十分活動できる、こういう内容の長官の御答弁をいただいたわけです。  ただ、今回の震災を振り返ってみると、警察署がやられ、消防がやられ、県庁、市役所も機能的に麻痺をする、こういう状況になったわけですね。こういう状況のときに、どんな体制で崩壊した家屋から傷ついた人たちを救済するか、これが一番大きな課題になっているわけですね。自衛隊そのものに情報を提供できる人たちがいれば、今回のような事態も出なかったと思いますけれども、今回の事態は情報を発信する人たちがやられてしまった、ここが一番問題な気がするわけですね。  これは私見という話にはならぬでしょうけれども、もしこの状況の中で、長官として、それだったらこういう形になっていれば何とかできるのではないか、こういうお考えがあったらお聞かせをいただきたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 大都市における災害の盲点といいますか、これは深夜の十二時から午前六時までの間だと私は思うわけです。つまり、災害に対処する要員もすべて自宅に帰っておるわけでありますから、ここで発災をした場合に、その持ち場所に到達するまでに今回の場合は極めて時間がかかっておる、こう思います。  したがいまして、これは自衛隊の対応もそうでありますけれども、むしろ地方自治体及び大都市の防災体制、危機管理体制というものをどう構築するかということと無縁ではないと私は思います。したがいまして、国におきましては、総理官邸を中心としまして情報体制その他の整備をやる、こういうことで今改革が進んでおるわけでございます。  しかしながら、より一層の効果を上げるためには、地方自治体におきましても二十四時間体制をとりまして、災害が起きた場合におきまして、どのような要員の配置、救出方法、連絡方法というものがあるかということをもっと徹底して検証して危機管理システムというものを構築していくということも大きな課題であるということを申し上げたいと思います。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 今、地方自治体の危機管理体制そのものが大きな課題だ、こういう御指摘をいただいたわけです。私自身も第一義的にはそう思うのですよ。ただ、私も神戸へ行ってみて、あの状況から、地元の市あるいは県だけで本当に対応できるのかなという疑問を感じたわけですね。これは、自衛隊がだめだというのであれば、どこかに大きな形で、いわば常時それに対応できる部署をつくらないと解決できないのじゃないのかなという感を強くしているわけであります。  我々もこれからまたもうちょっと勉強し直しますけれども、ぜひとも自衛隊の内部においても御検討されて、もしいい案があったら出していただいて、自治体だけで対応できないという大きな災害にどう対応するか、その点を御検討いただきますよう要請をして、次の質問に入りたいと思います。  二つ目は、三沢米軍基地の縮小の問題であります。  最近、新聞に沖縄の基地縮小の課題が報道されているわけであります。日米の首脳会談の中でいろいろ話し合いが行われて、沖縄の米軍基地の縮小が課題になっている。この課題は沖縄だけではなくて、全国の基地を抱えるそれぞれの地方自治体の課題でもあるわけです。全国の地方自治体からも基地縮小のいわばいろいろな要望書が国に対しても出されている、こういう状況になっているわけであります。  沖縄の現状と、全国の米軍基地を抱える市町村の要請にこたえることができるという状況になっているのかどうか、その点についての御見解をお伺いしたいと思います。

宝珠山昇防衛施設庁長官

○宝珠山政府委員 在日米軍施設、区域の安定的使用というのは、御承知のとおり、日米安全保障条約の目的達成ということから不可欠のものであります。これについて、整理統合という点につきましては、従来から地元住民などの要望と運用上の要請との調和を図りつつ努力をしているところでございます。  返還につきましては、地位協定上、米側が施設、区域の必要性を絶えず検討しているところでございますので、これまでも必要性がなくなりましたものにつきましては返還をするということで来ております。  三沢飛行場につきましては、現在、米空軍の第三五戦闘航空団、米海軍の三沢航空基地隊などが駐留しておりまして、安全保障条約の目的達成上欠かすことのできない重要な施設と理解しておりまして、この返還を求めるということは困難であると認識しております。  防衛施設庁といたしましては、米軍施設の返還などについて、引き続き運用上の所要、地元の要望などを踏まえて、できるだけ地元要望に沿うように米側と調整をしつつ努力をしていく考えでございます。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 今お答えをいただいたわけであります。  三沢基地についてちょっと言いますと、昭和六十年四月、三沢基地に現在のF16が配備されたわけであります。ただ、地元の人間にすると、米ソが対立をしていた時代、あの時代でも、いわば三沢基地に戦闘部隊が配置されていない時期もあったじゃないか、今米ソ対立というのがなくなった現状の中で、F16戦闘部隊の配置というのがあの当時から見るともう必要なくなったのじゃないか、あの対立していた時代でも配置されていない時期があった、今さら配置しておく必要はないじゃないか、できれば地元で民間航空を含めてもっともっと活用できる方策を考えてほしい、こういう声が出されるわけであります。  そういう点では、あの緊張した時代と今の時代と大きくさま変わりしたこの状況の中で、なおかつ戦闘部隊を配置しておかなければならぬというのは、地元の人間としてなかなか理解できぬ、こういう指摘を受けるわけでありますが、この点について、もしお考えがあればお答えいただきたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 委員御指摘のように、米ソの対立並びに東西冷戦というものは確かに解消いたしました。それによって世界大の戦争というのは確かに可能性は薄らいでおるという認識は全く同じでございますが、しかしながら、冷戦は終了しましたものの、国際社会はなお不安定な要因を持っておるという点を考えてまいりますと、アジア・太平洋の平和と繁栄を確保する上におきましても日米安保体制は今後ともやはり必要である、こういう考えに基づくものでございまして、個々の点についてはいろいろな議論があるかとは思いますが、日米安保体制が必要であるという認識の上に立ってみれば、基地も日本が提供する義務を負っておるわけでございますので、そういう観点からの御理解をいただきたいと思っておるわけであります。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 日米安保体制ということを全く頭の中に置かない、そんな中での話ではないわけです。日米安保体制があり、なおかつ冷戦状態があって、そんな状況ですらあの地域に戦闘部隊が配置されていない時期があったわけですね。そんな状況から見ると、今の状況というのは大きく変わっている。冷戦体制が変わってしまっているという状況じゃないか。とすれば、わざわざあそこに戦闘部隊を配置しておくという状況にはないのではないか。  青森県の状況を言いますと、これは航空自衛隊の大規模弾薬庫を含め三沢基地の状況というのは、見ていると、世界のこういう冷戦状態の解消という状況を受けながら、何か逆の方向に変わっているような感じがするわけです。何かますます強化をされているような感じがするわけですよ。従来なかったアンテナが続々基地にまたつくられる、こういう状況が続いている。訓練だって相変わらず続く、こういう状況。冷戦状態が崩壊したと言われながら、青森県のあの状況を見ている。と、そんな状況というのが一つもうかがえない、こんな感じがするわけです。  ああ、冷戦が終わった、やはり変わったな、こういう状況を形で示すとすれば、やはりそれなりのものが必要じゃないのかなという気がするわけです。そういう点では、一体このF16戦闘機の配置というのはどうなのだろう、こんな認識の中での質問であります。もし御見解があればお答えをいただきたい、こう思います。

宝珠山昇防衛施設庁長官

○宝珠山政府委員 正確には外務省から御答弁いただく性格のものかと思いますけれども、アメリカにおきましても冷戦後の防衛体制というものについては検討が続けられていると承知いたしておりますが、私ども今まで承知いたしております限りにおきましては、その中におきましても、我が国における米軍の配置等につきまして基本的に大きな変化はない、御指摘の三沢基地について、これを返還できるという状況にはないというふうに承っているところでございます。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 冷戦状態が崩壊をしたにもかかわらず、部隊そのものを引き揚げるという状況ではない、こういうお話のようであります。  ただ、一般の人たちから見ると、そう言われても、その認識というのは、理解してくださいというのはちょっと無理なような気がするのですよね。あれだけ北方をにらんでこの基地が必要です、こう強調されてきて、その脅威がなくなった、冷戦自体が崩壊をした、こう言われるときに、形で何らかの、いわば状況の変化があってもいいのではないか、こういう気がするわけであります。ぜひともそうなるように強く要請をして、次の質問に移りたいと思います。  F16戦闘機が配備をされ、それ以来三沢基地を中心とするF16のいろいろな被害が周辺に及んでいる、こういう状況が続いているわけであります。一つは、低空飛行による騒音公害。もう一つは、模擬爆弾や燃料タンクあるいは実弾まで飛行機から落とされる、こういう状況。なおかつ、F16が墜落をする。こういうことで、地元の人たちにとっては、何とかならぬのかと。そして、計器に異常が発生をしたといって緊急に周辺の民間空港に着陸をする、こういう状況が続くわけであります。  そういう点では、これらの対応についてもっと何とかならぬのか、こういう指摘をいつも受けるわけであります。三沢市、青森県、また地元に住んでいる人たちから、その都度、県や国に対してその対策を求められる。しかし、思うように解決をしてもらえない、こういう状況が続いています。  今月十六日の午後にも、このF16戦闘機が、青森県の深浦町の沖合の日本海、ここに燃料タンクを投棄したということで、地元では大変な問題になっているわけであります。ちょうどサクラマスの漁が行われている時期でもあって、地元の漁協はかんかんになっているわけであります。  ただ、この種の事故が発生をしたときに、連絡というのはいつもすぐ行われない。相当な時間が経過してから連絡が行われる。同時に、何でその事故が起きたのか、原因もはっきりしない。しかし、一方では訓練だけは続行される。こんな状況が続くわけです。そういう点では、地元の住民やこれに関係する人たちにとっては、いらいらが募り、不満が募るという状況だけが続く、こういうことになるわけです。  また、インディペンデンスが横須賀に入港すると夜間発着陸訓練が三沢基地で行われる。最近は別な場所に訓練の基地ができたということで、計画は発表されますけれども行われない。そんなことで、周辺住民、行われない方がいいなと、こんなことで喜んでいるわけですけれども、こういう在日米軍を抱える基地の周辺のいろいろな悩みが数多くあるわけであります。  そこで、お伺いをしたいわけでありますが、こうした米軍戦闘機によるこういう被害や苦情が出たときの対応、これは一体どうなっているのか、お伺いをしておきたいと思います。

粟威之防衛施設庁総務部長

○粟政府委員 お答えいたします。  まず最初に、三沢のF16の事故でございますけれども、これについては、先生今概略おっしゃったとおりでございます。  本件につきましては、事故が起きた翌十七日に、仙台の防衛施設局長から米軍の三沢基地司令官に対して、事故原因の究明及び今後の一層の安全対策の確立と再発防止について申し入れたところでございます。  なお、詳細な事故原因についてはまだ米空軍において調査中とのことでございます。  我々、一般的に、在日米軍の行う飛行訓練については、パイロットの練度の維持でございますとか、ひいては日米安保体制の効果的運用のために必要なものと理解しておりまして、米側に飛行訓練の中止を求める立場にはございませんが、訓練に際しては住民の生活に及ぼす影響をできるだけ少なくするように十分な配慮がなされることは当然でございまして、防衛施設庁といたしましては、機会あるごとに米側に注意を喚起しているところでございます。  また、米側もそのことについて十分留意して努力しているものと承知しておるところでございます。  以上でございます。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 例えば今月の十六日に発生した燃料タンクの投棄、これは十六日の午後三時に起きていた。ところが、それが県、市町村に連絡があったのは午後八時四十分。五時間以上たって初めて連絡が来る、こういう状況であるわけですね。そして、何でそうなったのか、この原因は調査中で発表にならない、こういう状況が、これはいつもそうですけれども続くわけです。今回はまだ油が入っていた燃料タンク、こういう内容です。  ただ、前に、訓練中には実弾は積んでいない、こういうお話であったのが、実弾そのものを落としたために発表せざるを得ない、こういうことで、実弾を搭載しながら訓練をしていた、こういうことがかつて明らかになっているわけです。  直接被害を及ぼしていないから、あるいは原因究明にしてもおくれてもいいんだ、これは、一回ならまあそうだろうな、こんなことで納得するのですが、事故が起きるたび、その対応というのは一向変わらないわけですね。そういう点では、地元にしてみると、地元のことは何も考えてくれていないんじゃないか、こんな気すらするわけであります。  そういう点では、米軍の方でいろいろ考えてくれているのじゃないか、こんなお話をされるわけでありますけれども、現状はそうでない、こういう状況でありますので、この点について防衛施設庁として一層の強力な体制をとっていただきたい、このことだけは強くお願いをしたい、こう思います。そのことについて御見解があれば。  なおかつ、通常訓練をするときに実弾は積んでいないということで理解していいわけですね、今は。この点も確認をしておきたいと思います。

宝珠山昇防衛施設庁長官

○宝珠山政府委員 まず、三沢で二月十六日午後三時三十分と承知しておりますが、通常の訓練中に公海上に燃料タンクを落下させたということで、三時五十二分に同機は三沢の米軍基地に帰投したという報告を受けております。その後私どもがとりました措置につきましては、今先生御指摘ございましたように、地元への連絡等が、ちょっとその正確な時間は承知いたしておりませんが連絡を差し上げるとともに、安全体制の確立などについて申し入れたところでございます。このような努力というのは、確かに事故がありますと私ども繰り返さざるを得ないということは残念ではありますけれども、ほかに手法、手段がないということも御理解賜りたいと思います。  一般に、訓練に際しまして生ずる障害の防止あるいは軽減というものにつきましては、私どもに与えられております関係法令の範囲内で懸命の努力を仙台防衛施設局等においていたしているところでございます。

今村修日本社会党・護憲民主連合

○今村分科員 時間が来ましたので終わりたいと思いますけれども、この種の事故の続発は、周辺や県民に与える基地の不安、不満というのを募らせるだけになるわけであります。そういう点では、この対応が毎回毎回同じようにおくれる、こういう状況だけは解決をしていただきたいし、冷戦構造が崩壊したという状況の中で、なおかつ連日のようにいわば低空飛行や訓練を繰り返すというこの状況を一日も早く解消していただく、そのことを強く要請して終わりたいと思います。  ありがとうございました。

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これにて今村修君の質疑は終了いたしました。  次に、山口那津男君。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 大臣にはお疲れのところ御苦労さまでございます。私の方からは、去る二月二日の総括質疑でるる質問いたしましたことに関連をいたしまして、さらにこの問題点について質問させていただきたいと思います。  まず初めに、飛行艇を用いた空中消火体制の整備ということについてであります。  大きな災害が起きたとき、今回の阪神・淡路大震災のように大きな火災が起きたわけであります。さらには、時折フェーン現象等によりまして日本海側で大火が起きるというようなことも過去あったわけでございます。このように、都市部市街地で面的な大火災が起きるという可能性は今後も否定できないところであります。さらに同時多発の都市火災、今回の震災でいいますと百数十カ所でほぼ同時に火が出た、こういうことが起きるわけですが、その場合に地上から車両を用いて消火をするということでは能力の限界を超えているという場合があるわけであります。例えば防火水槽の不足ですとか、あるいは車両そのものの不足、交通渋滞その他もろもろの制約がありまして、地上からの消火能力では限界を超える、こういう前提がございます。  これに対して、ヘリコプターによって空中消火をすることができるか、この私の質問に対して自治大臣は、技術的には極めて困難である、こういう一般的な認識を示されました。ですから、ヘリによる消火はほぼ不可能というのが現状であります。  こうした前提を踏まえますと、要するに、現状では十分な消火体制がないということになるわけでありまして、私は、広い意味で国家の総合安全保障機能がこの面で欠落をしていると言わざるを得ないと思うのであります。こういう認識を私は持っておるわけでありますが、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 まあ広い意味では確かに国家安全保障機能という面でとらえることもできるかとは思いますが、私は、むしろ都市防災の問題だというふうにとらえております。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 都市防災のシステムに欠陥があるのではないかと私は認識しておるわけで、大臣は、都市防災の問題だとおっしゃるだけで、それが現状のままで対応できるというお考えですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 委員が指摘をされましたように、もし貯水槽が完備をされておりますと、地上からの消防車で一分一トンの割合で消火できる。ヘリコプターの場合は、かなりの時間がかかりまして〇・五トンぐらいしか投下できない。しかも都市部の場合におきましては、上空に停止した場合に、そのヘリコプターによるあれによりまして風が起こりますね。それによってさらに火災が広まっていくというようなことを考えた場合におきましては、やはりこういう都市火災の場合には貯水槽を十分用意して地上からの消火というものを重視した方がはるかに効果的である、こう考えます。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 確かに大臣がおっしゃるように、今回の震災のような事態に対して現状は欠陥がある、それを是正するためには都市の防災体制、これは地上からの消防能力の強化ということで対応すべきである、これも一つの選択肢だろうとは思います。しかし、まあこれも予算の関係あるいは量的な関係等ありまして、にわかに整うかどうかは難しい問題があるだろうと思います。  そこで私は、こういう状況に対して、二月二日の質問においては、空中からの消火機能というものを保有する必要性がある、こういう立場で、大型飛行艇、例えば現在の機種でいいますとUS1の活用を考えたらどうか、これは自衛隊で整備する方が費用対効果の面でもはるかに実際的である、こういう立場で質問をさせていただいたわけであります。これに対して、この質問の後、二月九日の公聴会におきまして佐々淳行公述人からも同趣旨の発言があったところであります。  ところで、自治大臣はこの二月二日の答弁で、相当数の消火用の飛行艇を保有管理しておく必要があるので導入には慎重を期してきた、こういう御答弁をされているわけですね。要するに、自治体で機材をそろえるという今の体制では、飛行艇というのは多額のものであり荷が重過ぎる、こういう趣旨だったろうと思います。  そんなことで、自治体消防で無理であれば、この効果のある飛行艇は防衛庁で保有するのがいいのではないかと私は思っているわけですが、その必要性はないと大臣はお考えですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 今までも、他省庁である一定の目的を達成する場合において、機材その他を防衛庁で管理しながらいろいろな調査活動をするという例はあるわけでございます。文部省におきましては、南極観測艦を我が方が管理しながら南極観測をやっている。それから建設省におきましては、国土地理院の測量用の飛行機を、UC90というのでございますけれども、これを自衛隊が管理をしながら国土の調査を行っている。  したがいまして、今委員がおっしゃられたUS1も、そういうような目的で自衛隊、防衛庁が管理しろということであれば、これは管理するにやぶさかではないところでございますが、ただし、飛行艇による消火活動が有効であるかどうかということについては、やはり政府全体としても、また消防庁としての検討も必要でありましょうから、今後の検討課題だ、こう思います。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 消防庁、いらっしゃっていますか。念のために伺います。  過去、昭和四十九年度から五十三年度まで実験をして、これはたしか二種の飛行艇を使って空中消火の実験をされたというふうに伺っておりますが、この結果を踏まえて結局導入に至らなかったということでありますが、この点について、この実験を踏まえてなぜ導入をしなかったのか、そして今後導入をする検討の用意が現状であるかどうか、これについて御答弁をいただきたいと思います。

森村和男消防庁防災課震災対策指導室長

○森村説明員 お答えいたします。  飛行艇による家屋火災に対する空中消火に関しましては、海上自衛隊と消防研究所において、昭和五十年度から昭和五十三年度までの間、飛行特性、消火特性等の基礎的な実験研究が行われました。結論的に申しますと、この実験により、ある程度延焼は抑制されるものの、延焼を阻止するまでの効果は確認されませんでした。  具体的には、昭和四十九年に、カナダの林野火災に使われているCL215という飛行艇がありますが、この飛行艇を用いまして消火実験を行いました。高度三十メートルという低空飛行で、廃材を堆積いたしまして、それに火をつけて消火実験をしたわけでございますが、一平米当たり約二リットルの領域で延焼が抑制されたということになりました。ただ、消火が確認するまでには至っておりません。  また、昭和五十年からは、先生御承知のとおり、海上自衛隊の対潜哨戒艇のPS1による実験を行いまして、そのPS1を改造して実験したわけでございますが、火面から約九十メートルの高さから、平均取水量八・四トンでございますが、八・四トンの水を散布した結果、先ほど申し上げました抑制効果があるという、一平米当たりニリットルの散布面積が約五百平米という結果になったわけでございます。  その結果、その導入について今後どうするかということでございますが、市街地同時多発火災に対しまして、航空機一機による顕著な消火効果というものが確認できなかったわけでございまして、また都市同時多発火災といいますと、近隣に高い建物等もございますし、またそこにいる人的な問題もありまして、多量の水の散布によって物理的な影響はどうなるのかということがいろいろと懸念されることがありましたので、そういうもろもろの諸要素、あるいは航空機自体の安全性ということ等を考慮いたしまして、現在まだ、航空機導入による消火についての新しい題材が今のところ見つかっていないという状況でございます。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 さて、この当時の実験からもう二十年近くたっているわけでありまして、その後、機種も相当能力が向上いたしておりますし、さっき八・四トンの平均取水量という話でしたが、自治大臣の先日の答弁によりますと別な機種を用いて六トンという数字も出ておりますが、これを仮にUS1の改造機を使ってやりますれば一回で十五トン程度の水を取水できる、こういうデータもあるわけでありまして、こうした航空機の能力向上も踏まえた上でこの技術や効果の研究をしていくということも、これは可能性を探る意味で重要なポイントだろうと思います。仮に防衛庁でこの飛行艇を整備するといたしましても、同様の研究というものが必要になることは明らかであります。  さらにまた、幾つか問題点はあるだろうと思うのですね。  例えば、防衛庁長官が二月二日の御答弁で御指摘されましたように、その燃えている物に水がうまく当たるとは限らない、周辺の建物にも被害を及ぼすかもしれない。こういうことになれば一種の破壊消防的な要素が加わるわけでありまして、こういう消火の方法を選択するとすれば、判断基準をどうするか、そしてまた、その被害に対してどういう補償措置をとるかといったような法制面での検討整備ということもしなければいけないだろうと思うのですね。  さらにまた、防衛庁が装備するとすれば、現在の防衛力整備の計画は中期防という五年間の計画を立てて総額明示主義というもとでやっております。そして、この装備は主として自衛隊、防衛庁の主たる任務である防衛任務のために整備をするということでありますから、この消火という今の位置づけでは、従たる任務とされているものについて中期防の中に相当額を計上するということは、これは当否についても検討しなければならないと私は思うわけですね。  ですから、幾つかの検討すべき課題は多かろうと思うのですが、しかし、先ほど前提で申し上げましたように、都市部の面的な大火災に対する対応能力を欠けたまま放置しておくということはぜひとも避けなければならないと私は思うわけですね。いわば、のど元過ぎれば放置せよ、こういう姿勢では困るわけであります。  そこで私は重ねて、国民に安心感を与える政治の決断が必要である、こういうふうに思うわけでありますけれども、大臣の御決断を改めてお聞きしたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 空中消火を行うことによりまして建物に被害を与え、その補償措置をどうするかというような検討、同時にまた、空中消火を行うに当たりましてその機材等の整備をどうするか。これらはいずれも、御指摘をいただきましたけれども、やはり火災による災害といいますのは、何と申しましても、これは消防庁において検討していただいてその結論を得なければ、防衛庁としまして、やはり政府全体の決定になるわけでございますから、防衛庁だけが飛行艇を幾ら欲しいと言っても、消火に関する飛行艇はやはりその面での結論が出なければいかぬ。それからまた、建物の補償措置についての基準その他についても、やはりこれは消防庁において御検討される方が正しい、こう思います。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 大臣の御答弁は、それはそれでよく趣旨もわかりますけれども、しかし大臣の御答弁をいろいろと伺っておりますと、要請主義のもとで、要請がないからできなかった、当方は関係ない、あるいはこの消防の面でも、これは自治省がやるべきことだから当方は関係ない。こういう防衛庁の所管というものをかたくなに守って、他の所管責任官庁に転嫁をするような趣旨に聞こえるとすれば、これはやはり国民に誤解を招く可能性があると思うのですね。  ですから私は、防衛庁が持つかどうかの結論はともかくとして、国務大臣の立場で、これを国家としてどう解決すべきかということをむしろ積極的に御提言いただきたいし、議論していただきたい、こう思うわけですね。ぜひ御期待したいと思います。では、一言お願いします。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 都市火災における空中消火といいますのは、なかなか結論が得られない問題だと思いますね。先ほど来から申し上げておりますように、空中からの消火といいますのはかなり限定されておる、能力も限定されておる。たとえ六トンの能力が十五トンになったとしましても、地上で消防車一台で十五分あれば十五トンの消火はできるわけでありますから、そういう観点からいえば、防災という観点からいえば、地上からの消火の方がはるかに効果がある。そういうふうに考えますので、私は、今後とも空中消火に対しては消防庁の判断を待ちたい、このように思います。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 仮に空中消火体制を整えるとしても、それに投入するお金、予算というものがあります。これを違う手段、例えばさっき大臣もおっしゃられましたように、防火水槽を整える、あるいは車両を整備する、あるいは市街地に延焼防止のための空間を十分とるとか、そういうところに使った場合、どっちが効果的かということももちろん検討しなければいけないことですので、あわせて課題として指摘をしておきたいと思います。  さて次に、自衛隊法八十三条は要請主義を原則としておりますけれども、これで法体制がいいのかどうか 私は、二月二日の時点では、主として運用面で改善すべき点がありということで御質問いたしました。しかし、制度面で問題なしとはしないわけであります。例えば阪神大震災の場合、自主派遣ができなかったのかどうか。この点については、大臣の自主派遣の要件に当たるのかどうかという答弁は今までの議論の中ではいま一つはっきりしてないように思います。  それはそれとして私は、自主派遣の要件を厳格に解釈運用した場合に、要請がなかった場合、制度のすき間ができてしまうのではないか、こう思うわけであります。つまり、客観的には、あるいは主観的にもですが、自衛隊が警察、消防を補完する意味で出る必要があるという場合であっても、要請がないから出たくても出られない、こういう状況が生じてしまう。これは制度の欠陥ではないかと私は思うわけです。  今回の阪神大震災の結果から見ると、被災の当初から相当な家屋が壊れて、そして挟まれて、救援を求める、救護を求める、こういう客観的な状況はありましたし、被災者の側から見ても、警察、消防では間に合わず、自衛隊にも要求したい、こういう気持ちもあったわけでありまして、私は、客観的にも主観的にも自衛隊の災害派遣を求める状況というのは被災の当初から存在したのではないか、こう思います。  そういう前提に立ちまして、要請主義と自主派遣の間、すき間を放置していいものかどうか、この点について、私は欠陥があると思うわけでありますが、大臣の御見解を承りたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 今回の場合において、その後の経過におきまして、私もいろいろ検討してみました。確かに後から見ますと神戸が一番被害を受けております。しかしながら、地震の震度を見ますと、震度五以上のところはもう数県にまたがっております。しかも、最初に、火災の通報その他見てまいりますと、神戸のほかにも京都も大阪もございます。そういう観点から見てまいりますと、被害は、かなり広範囲に甚大な被害がある、こういう認識だったと思います。したがいまして、地方自治体から適切な指摘があって、そしてどこが一番やられているか、そこに派遣してくれ、こういうような要請というものができるだけ早くあればよかったな、こう思うわけでございます。  また、被害が相当範囲に及んでおるということからいいますならば、部隊といたしましても各県からの要請もあるに違いないということで待機をしておるわけでありますから、そういう観点から見てまいりますと、自衛隊といいましても何万人という者をすぐ投入するわけではございませんから、やはりある程度限られた人数があるわけでございますので、第三師団におきましては大阪とか京都とかこういうところも見ながら、知事からの要請あるいは情報、こういうものが当然来るものと思いながらおったのではないか、こう思います。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 今大臣からは実際の情報収集の状況等について御答弁があったと理解しますけれども、しかし、情報収集が十分かどうかというようなこと、あるいは要請が自治体としてできる状況にあるかどうかということ、これは運用上の問題でありまして、法制度の問題ではないと私は思います。  実際の今度の震災では、要請すべき自治体そのものが職員等を含めて被災して、要請すら十分にできる状況ではなかったかもしれません。そうした場合に、今の自主派遣の制度というものは、自衛隊のいわゆる制服の立場の人も判断できる制度にはなっているわけでありますけれども、これを、政治的責任を負う立場で、文民である国務大臣、具体的には総理大臣ないしは防衛庁長官、こういう国務大臣の立場で、命令による災害派遣という制度をつくることを検討してもいいのではないか、こう思います。  この点については、先ほど申し上げました佐々淳行公述人も、総理の命令による災害派遣という制度を創設したらどうか、こういう御主張もされているところであります。この点について、大臣のお考えを伺いたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 防衛庁長官についてはできるわけですから、総理大臣がやれるかどうかということでございますが、やはり現地の状況を一番肌で感じられるのは現地の部隊だと思いますし、そこから情報が内閣総理大臣に来まして、内閣総理大臣が判断する、むしろ迂遠なような気がいたします。時間がかかるんじゃないかと思います。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 要請を前提にして、また自主的な判断も非常に厳格な制約のもとに解釈運用されるということになりますと、結局先ほど言いましたように、要請という手続的なものがない限り、これを柔軟に解釈運用したとしても、やはり出るに出られずという状況が相変わらず存在するわけですね。この点の解決というものは、運用はともかくとして、制度的には残された問題だと私は思うのです。  その点について、大臣の解決すべき案というものが提案されないのは残念でありますけれども、そこは全く検討の余地なし、現行法で十分である、こうお考えですか。運用だけで改善できるとお思いですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 これは、実際に活動する場合のことを考えてまいりますと、自主派遣をしまして、どこでどのような活動をするか。火事のような場合におきましては、もう火が上がっておるわけでございます。煙も上がっておりますから、すぐそこへ行けばいいというようなこともあって、かつては、隊を飛び出して、行く途中において要請を受けたというケースもあるわけでございます。しかし、今回のような場合におきましては、やはり地上における適切な情報というものがございませんと、所番地その他なかなかわからない場合が多いのではないか。  したがいまして、やはり警察、消防との十分なる連絡というものと相まって適切な救出手段を講ずることができる、こう考えるわけでございまして、通信手段が途絶えた、一切もう連絡がとれない、こういうような事態であれば別でございますが、今回の場合連絡手段も途絶えておるわけではございませんし、被災されたといいましてもそれぞれの要員もおるわけでございますから、これは、ふだんの地方自治体との連携、そして防災の計画を打ち立てて訓練をする、こういうことによってかなり、つまり運用でございますけれども、それで改善できる、このように私は考えておるところであります。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 運用面の改善点すら現状ではおぼつかないわけでありますから、まずそれをやるべきだ、こういう主張はよくわかりますけれども、しかし、仮に情報体制あるいは訓練体制がある程度整ったとしても、なおこの制度のすき間というのは存在するのではないか、私はこう思いますが、これは指摘にとどめたいと思います。  次に、今回要請が陸海空まちまちになされて間隔もかなりあいたということがあったわけですね。しかし、例えば海上自衛隊であれば、船が現場近くまで行って、災害派遣命令を受けて直ちに活動する、こういうこともできますが、地上の場合、つまり陸上の場合、被災地へ行くのに相当な時間もかかりますし、器材も運ばなければいかぬということで、これはなかなか準備的な行動というのはとりにくいわけですね。  そうした意味で、私は、要請があったら直ちに効果的な活動ができるように、災害派遣の準備的な行動、これはやはり法制面で位置づけないと、準備だから勝手に出ていいということにはなかなかならないと思いますので、この法的な裏づけというものが必要だろうと思います。八十三条の二というものもそういう趣旨で法制化されているのだろうと思うのですね。  この点、そしてまた、仮に準備的な行動をとる場合にも、器材の運搬、人員の移動のためにさまざまな権限規定というのも整えなければならない。具体的には九十四条の改正ということも考えなければいけないのではないかと思います。この点についての法改正の要否について、大臣の所見を伺いたいと思います。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 災害派遣時におきましては、自衛隊法第九十四条により、派遣された部隊等の自衛官は警察官職務執行法第四条等により規定される権限を認められているほか、必要な器材の運搬や人員の輸送に当たっては、道路交通法第三十九条により、災害派遣に使用する自衛隊の車両について緊急自動車の指定を受けることができ、また、緊急自動車に誘導されている車両も緊急自動車とされているところであり、これらの緊急自動車は道路交通法上優先通行等の特例が認められておるところであります。  他方、災害対策基本法第七十六条に定められておる都道府県公安委員会による災害時の交通の禁止及び制限を行う権限や、道路交通法第六条に定められている警察官による交通規制等の権限については、自衛隊や自衛官は認められておりません。  こうした枠組みのもと、自衛隊は、警察を初めとする関係機関と密接な連携をとることにより、効果的かつ効率的な救援活動を実施するように努めてきているところであります。今回の地震において、警察もその時々でできる限りの努力を行ったものと承知しておりますが、それでも今回の場合には交通渋滞の緩和についていかんともしがたい部分があったというのは実態ではないかと考えておるところであります。  いずれにせよ、今回の地震のような極めて大規模な災害にいかに対処すべきかは、ひとり防衛庁のみの問題ではなく、政府全体として取り組むべきものと思います。したがいまして、自衛隊が災害派遣を行った場合にいかなる権限が必要かという問題につきましても、災害対策全体の枠組みの中で、いかに国及び地方公共団体の関係機関の緊密な連携を図って効果的な災害対策が実施できるかをまず検討すべきであり、自衛隊の災害派遣のみを取り上げ、御指摘のような個々の問題について議論することは必ずしも適当でないと考えるところであります。

山口那津男新進党

○山口(那)分科員 ぜひ縦割りの壁を乗り越えて、効果ある制度、そして運用の体制というものを整えていただきたいと思います。  時間が参りましたので、これで終わります。

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これにて山口那津男君の質疑は終了いたしました。  次に、古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 最初に、沖縄米軍基地返還問題、いわゆる三事案にかかわってお尋ねしたいと思います。  防衛庁長官は、先週末に沖縄へ行かれて、「三事案の具体的解決の方向を沖縄県に提示し協力を求めた」というふうに報道されております。しかし、その内容は、戦後五十年の節目として県民が基地の返還・縮小にかけた願いに反するばかりでなく、基地の再編による新たな押しつけになろうとしています。  昨年、宝珠山施設庁長官が沖縄で、基地との共生共存を求め、県民から厳しい糾弾に遭いました。そのとき、長官、あなた自身が遺憾の意を表明されたのであります。しかし、今回沖縄で示した提示案なるものは、日米安保は堅持する、米軍が必要とする基地は確保するという大前提で、基地と共生共存を求める施策を県民に押しつけ、実行しようとするものになっています。  政府の今回の対応に、圧倒的な県民が一斉に反発を示したのは当然であります。長官は、この県民の反応をどのように受けとめておられるか、最初にお伺いしたい。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 沖縄県に所在する施設、区域の整理統合の円滑な推進に当たりましては、日米安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図りつつ、私としましても、いわゆる三事案を中心に一つでも多く、できるだけ早期に問題解決の道筋をつけられるよう最大限の努力をしてまいったところであります。そのため、私自身、先週、現地を視察するとともに、那覇港湾施設の移設、読谷補助飛行場の返還、県道百四号線越え実弾射撃訓練について、県知事を初め関係者と意見交換を行い、格段の協力方をお願いしたところであります。  これら三事案を解決するためには、地元沖縄県民の皆様や県当局等の理解と協力が不可欠であると思うところでございまして、今回知事さんからも、個別具体的な事案については地元市町村の意向や地域の開発計画、県全体の振興開発等にも十分配慮しつつ、総合的な観点から対応してまいりたいとの趣旨の回答をいただいたところでございます。  今後、米軍、県当局等との調整、協力を得ながら、整理統合を推進してまいりたいと考えておるところであります。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 時間の関係がありますので、三事案について逐一触れることはできませんが、那覇軍港について言えば、マスコミ報道で見ますと、長官は「沖縄県の中部地域に必要最小限の施設を整備する」と提起し、「特定地域の名前を出すと反対が出るから、その辺は知事の方で調整してもらいたい」と大田知事の協力を求めています。  移設には県民が反対するということは承知の上で、わざわざその選定作業を沖縄県側に押しつけたことは、全面返還という県民の願いに反する方向で沖縄県当局を抱き込んで、問題解決の重要な責任を大田知事に転嫁する以外の何物でもない、このように受けとめる。いかがですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 そのように受けとめておりません。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 一九七一年の沖縄県返還協定の審議の際、委員会と本会議で、「政府は、沖縄米軍基地についてすみやかな将来の縮小整理の措置をとるべきである。」こういう決議がなされています。さらに、三次振計でも、「米軍施設・区域をできるだけ早期に整理縮小する。」との方向が明確にされています。その方向を政府自身がゆがめて、実質的には遊休化している施設を、アメリカが必要ということでこれからも引き続き維持しよう、そういう方向で問題に対処する。これは時代の流れに逆行するものであって、県民の認めることにはならないし、私自身もそのことは絶対に認めるわけにはまいりません。  那覇軍港は、たとえ沖縄県内のどこに移設しても根本的な問題解決にはなりません。アメリカ追随、日米安保堅持の立場から県民に基地との共生共存を押しつけるのではなしに、政府の考えそのものを変えて、戦後五十年のこの節目に、県民が、これまであらゆる苦しみを押しつけられた、そういうことに対する振り返りながらの思いを込めて、基地の返還、整理縮小、それを求めている。そういう願いにこたえて、無条件に那覇軍港の返還を求め、それにこたえるような交渉をアメリカとも精力的にやる、それが求められているのではありませんか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 いわゆる沖縄三事案といいますのは、沖縄の県民の皆様の熱望するところであります。それに少しでも近づけて解決をしたい、こういう努力を行いたいということでございますから、これは委員にも御理解をいただきたいと思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 那覇軍港は中部のしかるべきところに移す、読谷のパラシュート訓練はキャンプ・ハンセンに移す、そして県道百四号越えのあの実弾砲撃演習は廃止するわけにはいかぬ、こういうことを表明し、おまけにあの本部町のP3C通信施設、それも既定方針どおりにやるのだということでは、県民の願いにこたえる方向でないことは余りにも明らかではありませんか。県民の反発も当然と申すべきです。  もう一度政府の考えを改めて、この問題についての県民の願いにこたえる方向に考え直すべきだ。もう一度御意見を伺いたい。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 まず第一に、沖縄の那覇の軍港でございますが、同じ機能を持った同じ規模のものを移設するということは言っておりません。最小限の機能を移設することができれば、いわゆる縮小という趣旨が生かされる。  また同時に、読谷飛行場におきましても、訓練を別の基地に移設することができれば、読谷の飛行場全体の相当部分を返還することができる。これは沖縄の方々にとりましてもプラスになるのではないか。  それから、県道越えの実弾射撃におきましても、全面的な廃止というものはすぐは無理でございますよ、しかしながら、工夫をしながら努力をしてまいりますならばこれも縮小と、こういう意味での御理解をいただきながら問題解決を図ってまいりたい。  それから、P3Cの通信基地につきましては、これは沖縄の当該町におきまして、受け入れをよしとする、最初はこういうことで進んでいったわけでございまして、その後、町政の選挙が行われまして、反対の意見の町長さんが当選されまして、その後、町の態度がお変わりになった。そういうことでございますので、私どもとしましては、従来からの線を御理解をしていただくように努力をいたしておるわけでございまして、何か押しつけがましく強制的に物事を進めているかのような御質問でございましたが、そういうことはないわけでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 大田知事も、どこに移すか、その選定などについては国の方でやるべきだ、そういう態度を表明しています。那覇軍港が移されようというふうに言われている浦添地先の問題について、浦添市長を初めとして市議会も挙げてそれに大反対し、いろいろと要請活動なども展開しています。あの読谷補助訓練飛行場でなされている機能を移設しようというその対象となっている金武、そこも町長を初め反対しています。県道百四号、あの実弾砲撃演習、それが廃止できないなどというものに対して、県民はがっかりしていますよ。  本部町のP3Cの問題について、おっしゃったように新しい町長がそれに反対という公約を掲げて町民に選ばれました。ついこの間、社会党の久保書記長その他が行かれて、沖縄であの通信施設はつくらせない、与党として責任を持って対処する、そのようなことを県民に記者会見をもって明らかにされました。その社会党から、政府内でそういう面での話、それは全くないのですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 問題解決についてはできるだけ多くの方の理解を得なければ進まないわけでございますから、やはり地元の方も含めまして理解を求める努力をしておるわけであります。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 次に進みます。  次は、米軍人軍属等の私有車両の自動車税についてであります。  先ほど主査の了解をいただいて資料をお配りしました。それをごらんいただきたいと思いますが、排気量一・五リットルを超えニリットル以下の小型乗用車を例に見ますと、国民の税額は三万九千五百円であります。これに対し米軍関係は、ニリットル以下が一律六千五百円です。実に六分の一という安さです。軍車両ではなくマイカーのことです。  この格差について、長官、どういう感想をお持ちですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 本件につきましては、防衛庁長官としてお答えする立場にはありませんが、前に所管の自治省から御答弁をしているのではないかと思うわけでございますが、米軍構成員等の私有車両に対する自動車税に関する道路損傷負担金的な側面につきましては、地位協定第十三条、第十四条及び第二十五条の規定に基づき、日米合同委員会における合意のもと、特例税率が定められており、現在、昭和五十九年度の自動車税の引き上げ等を踏まえ、特例税率の改正が必要であるとの認識のもと、米側との交渉が進められていると承知しているところであります。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 自治省の方でお答えいただきたいと思いますが、一般民間車の自動車税は、一つには財産課税、二つには道路損傷負担金、三つには奢侈品課税、そういう性格をあわせ持っているというふうに説明もされ、考えられています。外務省は、地位協定の十三条三項の「有体又は無体の動産の保有」云々は「租税を免除される。」そういう規定に基づいて、三つの性格のうちの財産課税分を免除しているというふうに説明しています。  ところで、米軍人軍属、家族等の私有車両の税額は、道路損傷負担金を念頭に、日本車の道路使用と米軍の道路使用の割合で決めたということを伺っておりますけれども、そのとおりですか。

細野光弘自治省税務局企画課長

○細野説明員 合衆国軍隊の構成員等につきましては、いわゆる地位協定の規定によりまして、原則的に、動産の保有に対する租税につきましては一定のものを除きまして免除をすることとされているわけですが、今御指摘の、個人でお持ちの私有車両については、そのただし書きの中で、道路の使用について納付すべき租税の免除を義務づけてはいないとされておりますので、自動車税につきましては、今御指摘の道路損傷負担金的な部分につきまして、いわば道路の使用について納付すべき租税であるというふうに考えまして、特別の税率を決めているところでございます。  特例税率を決めた経緯でございますが、道路の損傷負担金的な部分というのは、必ずしも一義的に幾らと自動車税の中で決まってくるわけではございません。そういう意味では明確でない点がございますので、昭和二十七年に一番最初に決定されたわけでございますが、そのときの日米合同委員会で決定されました税率につきましては、トラックが大体道路を一番損傷するということで、トラックを基準にいたしまして、トラックの標準税率を基礎にしまして、それに、日本の普通トラックの道路使用度に対する米軍の普通トラックの道路使用度のいわば道路損傷の割合、及び乗用車の道路使用の道路損傷に対する割合、こういったものを乗じて算出をされておりまして、その後は、我が国におきます自動車税の標準税率の引き上げ状況を踏まえつつ改定をしてきているものでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 いろいろな経過があるにしても、道路損傷負担分について徴収しているという結論は同じです。  そういうことですけれども、地位協定十三条三項で言う「免除」をされた部分は、税額でいえば幾らになるんですか。国民との税額差は排気量一・五リットルを超え二リットル以下の小型乗用車では三万三千円、八三・五%が免除されていることになると思うのですけれども、そのとおりになりますか。

細野光弘自治省税務局企画課長

○細野説明員 お配りをいただきました資料にも書いてあるとおりでございまして、御指摘の千五百ccを超えまして二千cc以下の自家用自動車の場合には、小型乗用車といたしまして、一台につきまして六千五百円の特例税率が定められております。同排気量の自家用自動車の税率につきましては、この表にもございますが三万九千五百円でございますので、三万三千円免除されているわけでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 長官、お聞きのとおりです。長官がこの問題の直接の所管じゃないですから細かいことをお聞きしようとは思いませんが、政治的な問題もありますから、長官にお答えいただきたいというふうに思います。  排気量一・五リットルを超えてニリットル以下の小型乗用車クラスを例に見ましても、三万九千五百円対六千五百円で、約六分の一です。免除分の方が圧倒的に多いのであります。これが地位協定を理由に実施されている差別的優遇税制の実態であります。税制の属地主義という民主主義本来のあり方からすれば、このような米軍人軍属、家族等の私有車両に対する優遇制度を改めて、国民と同様の自動車税を課することこそ本来の姿でなければなりません。  御存じのことと思いますが、全国十四の都道県で構成する渉外関係主要都道県知事連絡協議会というのがございます。その協議会が、ほとんど毎年、このような大変な格差のある制度を是正してもらおうと政府に要請を続けています。昨年七月にも、「一般民間車両に比して著しく不均衡であるので、早急に是正されたい」との要請書を提出しています。長官、このような要請がなされるのは当然と思いませんか。長官も是正されなくてはいかぬというふうにお考えですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 ここのところが委員と意見が分かれるところでございます。つまり、日米安保体制を認めないという委員の考え方と、日米安保体制を堅持する、そしてまたその協定のもとにおいて行われておる種々の点、そういうものは今後とも維持すべきである、こう考えます。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 本当に驚くべき御答弁ですね。日米安保、それに基づく体制というものがこうなくてはいかぬ、こういうのが実態だということを肯定的におっしゃっているわけです。  自治省にもう一度お尋ねしますが、米軍人軍属、家族等の私有車両の自動車税額は、一九八四年度の見直し後、十年以上も据え置きになっています。政府は格差をなくすための対米交渉を強力に展開すべきだというふうに考えます。それがどうなっているか、やるつもりがあるかどうか、それを伺いたい。

細野光弘自治省税務局企画課長

○細野説明員 先ほども申し上げましたけれども、アメリカ軍の構成員等の私有車両に対します自動車税の特例税率につきましては、昭和二十七年に地位協定に基づき決定されましてから、その後の自動車税の税率改正等を踏まえつつ、何回となく改正をされて現在に至っているところでございます。  特例税率は御案内のとおり、二十五条の規定に基づきまして、日米合同委員会において協議して定めるものでございますので、地方税法の改正による自動車税の税率の引き上げに伴って地位協定上当然に改正をされるべきものではございませんけれども、現在の税率は御指摘のように、昭和五十四年度の地方税法改正による自動車税の引き上げに見合うものといたしまして、昭和五十八年度、五十九年に決定をいたしたものでございます。  その後、昭和五十九年度の改正で、約一五%ほどの自動車税の引き上げがございました。また逆に、平成元年度におきましては、普通乗用車につきまして、引き下げ方向での税率構造の全般的な見直しが行われているところでございます。  特例税率につきましても、これらに見合う改正が必要であると考えておりまして、現在まで幾度となく米側との交渉もやっているところでございますが、引き続き交渉を進めたいと考えておりま す。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 米軍人等私有車両の自動車税額を、一般民間車同様の税率を適用した場合にどうなるかと見ますというと、例えば沖縄に例をとって申し上げますが、米軍関係の私有車両、昨年度で二万三千三百三十五両、それに国民並みの税を課しますと八億七千三百三十七万三千円ということになります。それが、このような差別的税制度に基づいて一億五千三百六十四万九千円しか入りません。その差額七億一千九百七十二万四千円です。  これだけの税額が沖縄県の一般財源として入れば、県の政策展開の面でどれだけ大きなことができるか、御説明するまでもありません。自治省も、今説明のとおり、この特例税率を改めなくてはいかぬということでいろいろとお話も進めている、そういう方向とされています。  長官、安保のもとでそれはそのとおりでなくてはいかぬというふうなことではなしに、改めなくてはいかぬと自治省が実際に今進めている、そういうことについても否定されますか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 私が聞いたのは、今、自治省はさらに軽減する方向で検討、交渉している、こういうふうに聞きました。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 軽減の方向の是正、そういう方向についてはさすがに長官でもそれを認めなくてはいかぬというお考えなんですね。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 交渉していることまで私が云々することはできないわけです。それはそれで進められて結構ではございませんでしょうか。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 自治省にもう一度お尋ねしますけれども、こういう毎年の大きな差額が出ておって、あの十四都道県知事連絡会議、そこからも毎年の要請ということになっております。その要請に基づいて甚だしい格差が是正されて、それぞれの都道府県の財源ということになれば、自治省としても関係する都道府県としても、大きな地方自治体の財源という面で、県民の、都道府県の関係の願いにこたえてそれなりの政策が展開できる、そういう面で好ましい。それが一日も早く実現しなくてはいかぬという立場からすると、その是正というのもやはり要請にあるとおりに早急にということでなくてはいかぬというふうに思うのです。  いつごろをめどにしてその結論を出されようとしておるのか、もう一度。

細野光弘自治省税務局企画課長

○細野説明員 先ほど私が申し上げましたのは、基本的には昭和二十七年の決定という枠組みを守りつつ、自動車税の税率の引き上げに見合う格好で今まで直してきました、ただ、五十九年度の改正による自動車税の引き上げと、元年度のむしろ逆に一部引き下げの方向でのそういった見直し、その二つの部分については、まだ反映ができていないので交渉をしているというふうに申し上げたところでございます。  それで、交渉の成立がいつごろになるか。相手のあることでございまして、米側とは交渉をいたしておりますが、いつごろまでにどうなるということは明確なことはお答えできない状況でございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 長官、もう一度お尋ねします。  そういう甚だしい国民との格差のある安保を前提とした差別優遇税制、そのもとで、仮にそういう制度を前提としたにしても、これほどひどいことになっているということについて、一般常識的にも通用しないそういうものについて、閣僚の一員としての長官の立場からも、これは何とか検討しなくちゃいかぬではないかというようなお考えにはなりませんか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 地方の方で、地方自治体の財政に大きな影響があるというこの委員の御指摘ですね。私は、まあ格差の問題よりも、地方自治体に対しましての財政の面という点においてはまたいろいろな観点から議論をする必要があるだろうと思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 三十秒残っていますから、この問題ではなしに、最初に行いました質問とのかかわりで長官が答えられなかったものについて再度質問いたします。  本部町のP3Cの問題です。社会党から何らかの話し合いがなかったんですか、あったんですか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 あったかないかということでございますが、理解を求めるように努力してまいりたいと思っております。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 なぜ答えないのですか。社会党からそういう話があったにしても既定方針どおりそれは実行しますということなんですか。社会党からそういう話があれば見直すということも考えますか。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 経過をよく話をして、そして御理解を求めるように努力をしてまいりたいと思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 地元の理解が得られないことははっきりしています。理解が得られなければやめますか。

宝珠山昇防衛施設庁長官

○宝珠山政府委員 先ほど防衛庁長官からお答えいたしましたように、この事案を進めるに当たりましては地元といろいろの協議をしてまいりました。スタートするに当たりまして、本部町町長、議会を初め、受け入れ可能であるということから、現在までに既に必要な用地の九六%について手当て済みであります。この九六%を使用することができますれば、一〇〇%ではありませんけれども、既に展開しておりますP3Cそれから受信所等をあわせることによって防衛の任務を達成することができるということで、努力をしてまいりたいということであります。  確かに御指摘のように、町長選等の結果、現在別の決議がなされるなどということはございますけれども、私どもとしては、日本の安全保障上欠かすことのできない施設でございますので、地元の理解を求める努力を続けてまいりたいということで考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 町長はそれをやらせないということを公約に当選した。社会党もいろいろあって、現地で先ほど申し上げたような記者会見をして表明された。与党の一員である社会党の大幹部がそういうことを表明されて、話が持ち込まれているはずです。そういう話があれば検討なさいますか、長官。

玉沢徳一郎自由民主党・自由連合防衛庁長官

○玉沢国務大臣 何回言われましても同じことでございます。理解を求めるように努力いたします。

古堅実吉日本共産党

○古堅分科員 終わります。

菊池福治郎自由民主党・自由連合

○菊池主査 これにて古堅実吉君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして防衛庁についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の格段の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事に終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午後四時七分散会

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