予算委員会第一分科会 第1号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1995/02/20
会議録
○菊池主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び総理府並びに他の分科会の所管以外の事項、なお、総理府につきましては経済企画庁、環境庁及び国土庁を除く所管についての審査を行うことになっております。 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算及び平成七年度政府関係機関予算中皇室費について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。鎌倉宮内庁次長。
○鎌倉政府委員 平成七年度における皇室費の歳出予算について、その概要を御説明いたします。 皇室費の平成七年度における歳出予算要求額は五十八億三千十一万九千円でありまして、これを前年度予算額五十二億八千五百二十八万四千円と比較いたしますと、五億四千四百八十三万五千円の増加となっております。 皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。 以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費二億九千万円、宮廷に必要な経費五十二億四千六十六万四千円、皇族に必要な経費二億九千九百四十五万五千円であります。 次に、その概要を御説明いたします。 内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。 宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費六億四千三百六万六千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費四十五億九千七百五十九万八千円でありまして、前年度に比較して、五億四千二百十二万五千円の増加となっております。 皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度に比較して、二百七十一万円の増加となっております。これは、文仁親王第二女子佳子内親王の御誕生に伴うものであります。 以上をもちまして平成七年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。 よろしく御審議くださるようお願いいたします。
○菊池主査 以上で説明は終わりました。 別に質疑の申し出もありませんので、皇室費については終了いたしました。 ―――――――――――――
○菊池主査 次に、国会所管について審査を進めます。 まず、衆議院関係予算の説明を聴取いたします。谷衆議院事務総長。
○谷事務総長 平成七年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成七年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は六百六十九億三千八百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、七億千五百万円余の増加となっております。 次に、その概略を御説明申し上げますと、第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、六百四十一億千九百万円余を計上いたしております。 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し一億三千四百万円余の増加となっておりますが、その主なものは、議員歳費等の増加によるものであります。 第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして、二十八億千百万円余を計上いたしております。 この主なものは、平成九年度に完成を目途とする第二別館の増築費、各所冷房用冷凍機設備改修費、国会審議テレビ中継設備整備費及び本館等庁舎の諸整備に要する経費並びに国会周辺等整備に必要な土地購入費でございます。 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。 以上、簡単でありますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○菊池主査 次に、参議院関係予算の説明を聴取いたします。戸張参議院事務総長。
○戸張参議院事務総長 平成七年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成七年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は三百九十九億七千七百万円余でありまして、これを前年度と比較いたしますと、二十二億九千百万円余の増加となっております。 次に、その概略を御説明申し上げます。 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、三百八十五億円余を計上いたしております。 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し十八億八千百万円余の増加となっております。これは主として、人件費の増加によるもののほか、第十七回参議院議員通常選挙に伴う改選関係経費の計上によるものでございます。 第二は、参議院の施設整備に必要な経費でありまして、十四億七千百万円余を計上いたしております。これは、本館地階傍聴参観者施設改修費、国会審議テレビ中継設備整備費及び本館その他庁舎等の施設整備に要する経費でございます。 第三は、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。 以上、平成七年度参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○菊池主査 次に、国立国会図書館関係予算の説明を聴取いたします。緒方国立国会図書館長。
○緒方国立国会図書館長 平成七年度国立国会図書館関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成七年度国会所管国立国会図書館関係の歳出予算要求額は百五十四億三千百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、二億五千六百万円余の増額となっております。 次に、その概要を御説明申し上げます。 第一は、管理運営に必要な経費であります。その総額は百二十七億九千三百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三億五百万円余の減額となっておりますが、これは主として退職手当等の人件費の減少によるもので、関西館建設準備経費、図書館業務の機械化と国会サービス充実のための経費、図書館資料収集と保存対策経費等につきましては、それぞれ増額計上いたしております。 第二は、科学技術関係資料の購入に必要な経費でありまして、五億五千九百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと、一千万円余の増額となっております。 第三は、施設整備に必要な経費でありまして、二十億七千八百万円余を計上いたしております。これは、本館改修に要する経費、関西館用地の取得に要する経費及び支部上野図書館庁舎の安全性調査経費等でございまして、前年度予算額と比較いたしますと、五億五千百万円余の増額となっております。 以上、簡単でありますが、国立国会図書館関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○菊池主査 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を聴取いたします。中川裁判官弾劾裁判所事務局長。
○中川裁判官弾劾裁判所参事 平成七年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成七年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は一億二千二百六十万円余でありまして、これを前年度予算額一億二千二百五十一万円余に比較いたしますと、九万円余の増加となっております。 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費、庁費であります。 以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○菊池主査 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を聴取いたします。舟橋裁判官訴追委員会事務局長。
○舟橋裁判官訴追委員会参事 平成七年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。 平成七年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は一億三千五百七十万円余でありまして、これを前年度予算額一億三千九百九万円余に比較いたしますと、三百二十八万円余の減少となっております。 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費であります。 以上、簡単でありますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○菊池主査 以上で説明は終わりました。 別に質疑の申し出もありませんので、国会所管については終了いたしました。 ―――――――――――――
○菊池主査 次に、裁判所所管について審査を進めます。 最高裁判所当局から説明を聴取いたします。金谷事務総長。
○金谷最高裁判所長官代理者 平成七年度裁判所所管歳出予算要求額について御説明申し上げます。 平成七年度裁判所所管歳出予算要求額の総額は二千九百五十億四千七百九十四万円でありまして、これを前年度当初予算額二千八百八十三億一千九百七十九万八千円に比較いたしますと、差し引き六十七億二千八百十四万二千円の増加となっております。 これは、人件費において四十三億三百三十九万六千円、裁判費において十三億九千九百七十二万三千円、施設費において六億八千七百六十五万七千円、司法行政事務を行うために必要な庁費等において三億三千七百三十五万六千円が増加した結果であります。 次に、平成七年度歳出予算要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。 まず人的機構の充実、すなわち増員であります。 民事訴訟事件、民事執行法に基づく執行事件、破産事件の適正かっ迅速な処理及び司法修習体制の充実を図るため、裁判官十二人、一般職員五十六人、合計六十八人の増員をすることとしております。 他方、定員削減計画に基づく平成七年度削減分として一般職員三十二人が減員されることになりますので、差し引き三十六人の定員増となるわけであります。 次は、司法の体制の強化に必要な経費であります。 裁判運営の効率化及び近代化のため、庁用図書等裁判資料の整備に要する経費として七億五千四百八十九万四千円、複写機、計算機等裁判事務能率化器具の整備に要する経費として十億四十二万五千円、調停委員に支給する手当として七十八億一千九百六十四万六千円、裁判費の充実を図るため、国選弁護人報酬に要する経費として三十六億二千百七十五万七千円、通訳人謝金等に要する経費として五億九千八百三十一万一千円、証人、司法委員、参与員等旅費として十一億一千五百八十一万六千円を計上しております。 また、裁判所施設の整備を図るため裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百三十一億九千百六十二万九千円を計上しております。 以上が、平成七年度裁判所所管歳出予算要求額の大要であります。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○菊池主査 以上で説明は終わりました。 別に質疑の申し出もありませんので、裁判所所管については終了いたしました。 ―――――――――――――
○菊池主査 次に、会計検査院所管について審査を進めます。 会計検査院当局から説明を聴取いたします。安部事務総長。
○安部会計検査院説明員 平成七年度会計検査院所管の歳出予算について(二)御説明いたします。 会計検査院の平成七年度予定経費要求額は百五十一億二千二百二万六千円でありまして、これは、日本国憲法九十条及び会計検査院法の規定に基づく、本院の一般事務処理及び検査業務を行うために必要な経費であります。 今、要求額の主なものについて申し上げますと、一、人件費として百二十九億一千百五十三万八千円を計上いたしましたが、これは総額の八五・四%に当たっております。このうちには、会計検査の充実を図るため、一般職員十二人を増置する経費も含まれております。 二、旅費として八億七百五万九千円を計上いたしましたが、このうち主なものは、検査旅費が七億一千九十二万七千円、海外検査等外国旅費が二千五百四万二千円であります。 三、施設整備費として二億七千五百八十一万六千円を計上いたしましたが、このうち主なものは、庁舎事務室等改修工事費一億六百六十万九千円、宿舎改修工事費七千七百八十七万三千円であります。 四、その他の経費として十一億二千七百六十一万三千円を計上いたしましたが、このうちには、検査の円滑な実施を図るための会計検査活動費一億五千九十七万八千円、会計検査の充実強化のための経費七千五百九十一万二千円、検査業務の効率化を図るための経費二億九千六百九十二万六千円及び検査要員等の充実強化のための研究・研修体制の整備経費二億五千九百八十五万三千円が含まれております。 ただいま申し上げました平成七年度予定経費要求額百五十一億二千二百二万六千円を前年度予算額百四十八億八千五百三十七万一千円に比較いたしますと、二億三千六百六十五万五千円の増加となっております。 以上、簡単でありますが、本院の平成七年度予定経費要求額の概要の御説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○菊池主査 以上で説明は終わりました。 別に質疑の申し出もありませんので、会計検査院所管については終了いたしました。 ―――――――――――――
○菊池主査 次に、内閣及び総理府、ただし経済企画庁、環境庁及び国土庁を除く所管について審査を進めます。 政府から説明を聴取いたします。五十嵐内閣官房長官。
○五十嵐国務大臣 最初に、今回の阪神・淡路大震災につきまして、亡くなられた方々とその御遺族に対し衷心より哀悼の意を申し上げますとともに、被害を受けられた方々に対し心からお見舞い申し上げるものであります。 内閣といたしましては、総理を中心として、全閣僚が先頭に立って、当面緊急を要する対策に総力を挙げてまいりましたが、これからは、救援策の一層の充実を図るとともに、阪神・淡路復興対策本部を設置し、復興にも全力を挙げて取り組んでいくこととしておりますので、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げる次第であります。 次に、平成七年度における内閣及び総理府所管の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。 内閣所管の平成七年度における歳出予算要求額は百六十七億七千四百万円でありまして、これを前年度当初予算額百六十二億八千五百万円に比較いたしますと、四億八千九百万円の増額となっております。 次に、総理府所管の平成七年度における歳出予算要求額は八兆九千八百九十九億四千九百万円でありまして、これを前年度当初予算額九兆一千二百五十七億三千七百万円に比較いたしますと、一千三百五十七億八千七百万円の減額となっております。 このうち、経済企画庁、環境庁及び国土庁に関する歳出予算要求額については、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外の経費のうち主なものについて、以下、順を追って御説明申し上げます。 総理本府に必要な経費三百七十六億六千五百万円、警察庁に必要な経費二千四百六十億八千七百万円、総務庁に必要な経費一兆七千二百億八千万円、北海道開発庁に必要な経費九千六百三十二億一千五百万円、防衛本庁に必要な経費四兆一千五百五十六億一千百万円、防衛施設庁に必要な経費五千六百七十七億六千三百万円、科学技術庁に必要な経費四千九百二十六億三千四百万円、沖縄開発庁に必要な経費三千百四十一億二百万円等であります。 次に、これらの経費について、その概要を御説明いたします。 総理本府に必要な経費は、政府広報、栄典関係、平和祈念事業特別基金事業、戦後処理の問題等のための経費でありまして、前年度に比較して十六億二千九百万円の減額となっております。 警察庁に必要な経費は、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察費補助等のための経費でありまして、前年度に比較して百九十五億六千七百万円の増額となっております。 総務庁に必要な経費は、総務庁一般行政、恩給の支給、国勢調査等統計調査の実施等のための経費でありまして、前年度に比較して百四億一千八百万円の増額となっております。 北海道開発庁に必要な経費は、北海道における海岸、漁港、住宅、下水道、環境衛生施設、都市公園、農業農村整備、造林、林道、沿岸漁場整備等の事業の経費及び治水、治山、道路整備、港湾整備、空港整備、農業農村整備のうち国営土地改良の事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等の経費でありまして、前年度に比較して一千五百四億一千三百万円の減額となっております。 防衛本庁に必要な経費は、陸上、海上、航空自衛隊等の運営、武器車両及び航空機等の購入並びに艦船の建造等のための経費でありまして、前年度に比較して百三十六億五千八百万円の増額となっております。 防衛施設庁に必要な経費は、基地周辺対策事業、提供施設の整備、補償経費、基地従業員対策、提供施設の移設、在日米軍駐留経費特別協定による負担等のための経費でありまして、前年度に比較して二百六十四億三百万円の増額となっております。 科学技術庁に必要な経費は、創造的・基礎的研究の充実強化と科学技術振興基盤の整備、国民生活に密着した科学技術の推進、科学技術による国際社会への貢献、宇宙、海洋、原子力、物質・材料系科学技術、ライフサイエンス等の先端科学技術分野の研究開発の推進、エネルギーの安定確保並びに原子力安全対策及び核不拡散対応の充実強化等の経費でありまして、前年度に比較して二百九十億二千三百万円の増額となっております。 沖縄開発庁に必要な経費は、沖縄における教育振興、保健衛生対策、農業振興に要する経費並びに沖縄開発事業に要する海岸、漁港、住宅、環境衛生施設、都市計画、農業農村整備、造林等の事業の経費及び治水、治山、道路整備、港湾整備、空港整備、農業農村整備のうち国営土地改良の事業に充てるための財源の各特別会計への繰入金等の経費でありまして、前年度に比較して三百八十二億四千九百万円の減額となっております。 また、以上のほか新規継続費として、防衛本庁において一千七百八十七億四千五百万円、国庫債務負担行為として、警察庁において三十二億二千万円、総務庁において五百万円、北海道開発庁において三百九十億四千四百万円、防衛本庁において一兆五千三百四十六億二百万円、防衛施設庁において一千三十九億二千万円、科学技術庁において一千五百一億六千六百万円、沖縄開発庁において百二十四億二千百万円を計上いたしております。 以上をもって平成七年度内閣及び総理府所管の歳出予算要求額の概要の説明を終わります。 よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
○菊池主査 以上で説明は終わりました。 ―――――――――――――
○菊池主査 科学技術庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻一彦君。
○辻分科員 長官、御苦労さまです。 この前に続いて、限られた時間ですが、少し地震と原発の安全問題について質問したいと思います。 前回の科学の委員会で論議をしたのですが、非常用の電源になぜ関心を持つかといいますと、外部から水が切れたときに、大事な機械は非常用の電源で電力を起こして動かさなくてはいけない、これがとまれば大変なことになりますから。そこで、神戸の病院が随分やられたのですが、病院に備えている非常用の電源が随分とだめになって使えないとかいう例があるのですが、そういう意味で非常電源がどういう状態にあるかということは大変大事なことだと思いますので、重ねて二、三お尋ねしたいと思います。 まず、原発の例を引いていえば敦賀一号というのは、今敦賀が問題のところでありますから伺いますが、非常用電源としてどういう発電機を用意しているのか。それからまた、As対応というけれども、中身としていわゆる限界地震に耐えるにはどういうようにやっているのか、それを簡単で結構ですから伺いたいと思います。
○笹谷政府委員 お答えいたします。 非常用電源装置につきましては、耐震設計指針に基づきまして十分にチェックしたものを使っているわけでございます。その際、Asに対応するようなチェックをいたしております。具体的には、アンカーボルトの勇断力とかそういうようなものを十分にチェックして安全を確認しております。
○辻分科員 まず、ディーゼル発電機なのかあるいはどういう発電機を使っておるのか、それからそれをどういう建物の中で心配のないようにやっているのか、簡単で結構ですから聞かせてください。
○笹谷政府委員 ちょっと御質問にお答えになっているかどうか、恐縮なんですが、ディーゼル発電機を使っております。
○辻分科員 河馬力ぐらい、キロワットは。
○笹谷政府委員 大変恐縮でございますが、後ほど資料でお答えいたします。
○辻分科員 私がいろいろ見たのでは、相当大きな非常用の電源、四千五百キロワットぐらいの、これは同等の発電所はいろいろありますが、かなり大きい発電機を使っておると思うのですね。 それは、空冷かあるいは水冷であるか、あるいはジェットのようなのでやっているのか、どういう種類の発電機を使っているのか。水とも非常に関係があるので伺いたい。
○笹谷政府委員 水冷による冷却を行っております。
○辻分科員 水冷であるとすると、相当な水が要るわけですね。今度の神戸の地震でも水が切れて大変な状況になっておりますが、外部から水が切れた場合に、電気が切れる、そして水が切れる、そのときに水冷のディーゼルエンジンを回して必要な電気を起こすのにどういうふうにやるのか、どこから水をどう確保していくのか、聞かせてほしい。
○笹谷政府委員 補助用電源の冷却につきましては、クラス分けいたしますと、いわゆる原子炉の心臓部に当たるところ、これの冷却を受け持つわけでございますので、Asの耐震設計で十分にやっておりまして、先生が御指摘の冷却という点も、そういうことからいたしますと非常に重要な点でございますので、設計の段階において、給水が確実に耐震性を持っているものかどうかという点についても十分検討を行った上で対策を講じております。
○辻分科員 限界地震のようなのが今度は来たわけですから、ああいう地震に見舞われたとしたときに、今行われている耐震設計とその対策でもってそのディーゼルエンジン、非常用の電源は十分水の面で心配がないかどうか、いかがですか。
○笹谷政府委員 安全審査の段階で十分チェックをしておりますし、その後、指針の改定の際に、各機器の耐震性については十分チェックいたしておりますので、先生御指摘の点につきましても、安全性の点からいって問題ないものと考えております。
○辻分科員 心配ない、心配あるかと聞いても水かけですから、この非常用電源の発電機にかかわる安全確保のためになされている詳細な審査資料、それを後でひとつ提出いただくようにできますか。
○笹谷政府委員 先生御理解いただけるような資料を取りまとめまして、御説明いたします。
○辻分科員 それは、資料を見ていろいろまた検討したいと思います。 そこで、この間長官の方から、災害評価をやるという考え方に変わりはないという御答弁がありました。これは、あれだけの大きな地震が来た場合にどういうことが起こるのか、それがどんなようになっていくのか、こういうことをきちっとやはり評価をして、それに対する対策をきちっとつくっておくということが大変大事だと思いますが、そういう災害評価をやられるという考え方に変わりはないか、もう一度確認したいと思います。
○田中国務大臣 安全評価をするという気持ちに変わりはございません。 それから、今お尋ねございましたような、非常用の電源等につきましても、今までのテストの中では安全だったかもしれませんし、非常電源も確保できるということになっているかもしれませんけれども、現実に起こったわけですから、それが作動しなければ、冷却式で本当に水が調達できなければ作動しないわけですから、そういうことも含めまして、今回のことを奇貨として、あらゆる面で確実に作動するように、それも含めて安全審査を繰り返していきたい、確実に遂行するように指示をしたいと思います。
○辻分科員 それは、手順としていつごろやられるのか、いつごろまでになされるか、聞きたいのですが。
○田中国務大臣 先日の地震のすぐ二日後に検討委員会を設置いたしまして、そして現在、事実関係を分析中でございます。そして、その委員会が十分な検証を行ってから結論を出すということでございまして、何日にというふうなことは申し上げられませんが、正確にまた厳密に審査検討をしている段階でございます。
○辻分科員 前から聞くと、その安全委員会では、今までのことの確認程度でというようなお話も聞いておりますが、そういうものであってはならない。きちっとした検討をやられるということだけれども、いつまでもそれはずっと続いておってずるずるしておってもいかないので、およそいつごろをめどにされておるのか、事務方からもちょっと伺いたい。
○笹谷政府委員 基本的には大臣がお答えした内容でございますが、若干補足いたしますと、この検討会で今回の地震を踏まえて検討する際一番大事なことは、学術的に見て今回の地震がどのようなものであったかということを地震学あるいは地体構造を研究している方とか、また地震が建物にどういう影響を与えたか、こういうことにつきまして学術的な検討がいろいろな学会等で盛んに行われております。こういうものを私ども十分踏まえた上で検討する必要がございます。 そうなりますと、私どもだけで先走って結論を先取りするということは、学術的観点から申しますと非常に問題でございますので、そういう検討結果を待たなきゃいけないという状況にございまして、先生御指摘の点、十分理解できるわけでございますが、やはり安全には慎重に検討を進めるということが大前提でございますので、その点のことを御理解いただければありがたいと思います。
○辻分科員 私もこの間の委員会で申し上げたように、地震学会であるとか建築学会等が本格的な検討をしておるわけですから、基本的にはそういうような検討を十分生かしてなされなければならない。だから、これは非常に大事だと思うのですね。 しかし、限界地震に似た、この間の兵庫はいろいろな表現がありますが震度七、これはいろいろな基準がありますが、ほぼ四百ガル以上が起これは、これは限界地震に該当するわけですから、そうすると、そういうものが起こったときに、現実にまた起きたわけだから、起こったときにどういう状況になるかというような災害評価は、その基準の検討とは別に急いでやるべきであると思うのですが、これはどうなんですか。
○笹谷政府委員 災害の評価という表現でいろいろな見方ができると思いますが、まず一つに、原子力施設の地震時の事故発生、いわゆる地震の発生と原子力施設の事故、こういうものが同時に起きる場合どうなるかという一つの考え方がございます。この場合、まず設計段階でそういうことにどういう考慮がされているかと申し上げますと、耐震設計基準では、異常な過渡変化時あるいは事故時に配管系あるいは機器に加わる荷重、これを地震時の加速度と重畳させて検討することになっておりますので、先生御指摘の地震時に原子炉施設が事故を想定しているかということについては、想定して検討を行って、これも基準となっております。 したがいまして、私どもとしましては、厳重な立地指針から始まりまして耐震設計、これは事故時も含めた耐震設計を行っておりますから、地震時に事故が起きるということは非常に想定しづらいわけでございますが、一方、住民の不安を少しでも解消したいという観点から、機器の安全設計思想とはまた別途に防災ということを行っているわけでございます。 この防災と申しますのは、災害対策基本法に基づきまして地方公共団体が作成いたします地域防災計画、これを基本にいたしております。今回、この地域防災計画が今回の地震で改定されるということも聞いておりますので、こういう災害に強い地域防災計画ができますと、原子力の防災にとっても地域の住民がより一層安心できるようなものになろうか、こういうふうに考えております。
○辻分科員 限界地震が起きたときに、災害評価というものをやっておるんですか、やってないんですか。簡単でいいですから。
○笹谷政府委員 ちょっと説明が長くなるんですが、お許しを。(辻分科員「簡単に言ってください」と呼ぶ)簡単に申し上げますと誤解を受けますので。 あくまでも、先ほど申し上げましたように、機器の設計をする際、耐震設計指針によりまして、限界地震が起き、かつそのときに原子炉の何らかのトラブルが起こったとして、これは一次冷却配管系主蒸気管破断とか、そういうような配管系に応力がかかるような場合を想定しても大丈夫なような設計をしていますので、先生がおっしゃいます災害評価、被害評価というのは、今の安全指針、耐震設計指針では行わないことになっております。 ただ、立地の段階で、想定事故、仮想事故というものが立地の指針の中に決められております。これは、考え方といたしましては、技術的には到底起こるとは予想されないような事故までも想定いたしまして、その際外部に放出される放射能量で被曝評価をいたします。その被曝評価が二百五十ミリシーベルト以下という基準がございますが、実際はもうそれの数十分の一以下になっておりまして、地域住民にそういう評価上支障を及ぼすということにはなっておりません。 しかしながら、防災という観点から、この仮想事故の十倍の放射能量が出たということをわざわざ想定いたしまして、それで防災対策を講じているわけでございます。その防災対策を重点的に講じる範囲が八キロから十キロというふうに決められているわけでございます。あくまでも……
○辻分科員 そういうことはよくわかっていますから。 お話を聞くと、大体限界地震は起きないというような考えなんですよ。限界地震が起きたときに災害評価をどういうようにするかということは、中身としてやられていない。だからこれはきちっと、私も資料を見てもう少し検討しますが、ぜひしっかりやってもらいたいと思うのですよね。 それで、時間が限られているから、私はこの話はこれで打ち上げて、あとの点を伺いますから、後また個別に少しその説明を聞きます。限られた十二、三分で聞かなきゃならぬことがあるから。 それで、具体的な問題で伺いますが、敦賀の一号炉は、S1いわゆる最強地震、S2というのがこれは大体限界地震を意味することになると思いますが、敦賀一号炉は、二百四十五ガルで、S2の方は三百六十八ガルですね。これは資料にもらったものに出ていますよね。ところが敦賀二号炉は、三百六十五ガルで五百三十二ガル。この発電所は同じ敷地の中にあって隣にあるのですが、なぜこれだけ数字が違っているのか。ちょっと簡単に御説明いただきたい。
○笹谷政府委員 先ほどの件、一言だけよろしゅうございますか。限界地震が起きるということを想定して安全審査を行っておりますから、先生、御安心ください。 それから、ただいまの御質問でございますが、指針が見直されたわけでございますが、それまでの考え方と大きく異なる点は、過去の歴史上の地震を細かく調べまして、それで一番大きな影響のものについて評価するというのが旧指針の基本とする思想でございました。もちろん、それより大きい値で設計はいたしております。ただ新指針の場合は、近くの活断層、こういうものを考慮して、これはこの前御説明いたしましたから省略いたしますが、そういうような活断層を考慮したということから値が違ってきたということでございます。
○辻分科員 だから、その敦賀一号炉が審査される時分には、活断層の概念というものがアメリカあたりでは相当はっきりしていたが、我が国ではまだそれが確立していなかった。だから、そういうものは別として審査をやって二百四十五ガルの一・五倍の三百六十八ガル、こうしたわけですね。ところが、活断層を考慮に入れて敦賀の二号炉は、今言いましたように、三百六十五と五百三十二と非常に耐震の問題を重く見ておるのです。 これは一号炉にも適用してやるべきであると思うのですが、一号炉は一号炉で二号炉は二号炉、別というのは、活断層のあるのは、これはここに、二号炉の審査に当たって甲楽城断層、柳ケ瀬断層、木ノ芽峠断層とか、花折断層の位置とか云々とありますね。同じ問題を一号炉にも適用すべきだと思うのです。それはどうなのですか。
○笹谷政府委員 先生御指摘のように、その時点ではまだ活断層についての指針に至るまでの知見が及んでいなかったという背景があったかと思いますが、いずれにしても活断層という考慮がなかったわけでございます。二号炉の安全審査を行ってそういう要素が入ってまいりまして、限界地震S2あるいは最強地震S1という概念が出てきたわけでございますが、この基準地震力に対しても、敦賀一号あるいは科技庁でいいますと「ふげん」、これは事業者あるいは動燃事業団が自主的に再チェックいたしまして、十分その基準地震力に対しても耐えるものであるということを確認し、そういうことを私どもも報告を受けてございます。
○辻分科員 この限界地震で、一号炉は大きなのが三百六十八ガル、それから二号炉は五百三十二ガルと、数字としては随分差があるのですね。ということは、耐震の設計内容にそれを反映すれば随分と中身が違うはずなのですよ、きちっと対応しておるとすれば。それを、新しい知見があればいつも取り入れていながら、なぜその二号炉に取り入れた知見を一号炉に生かそうとしないのか。そんなものを業界だけに任せて、そこの自主的なチェックでそれで結構という、そんなことはおかしいと思うのだが、それはどうなのですか。
○笹谷政府委員 チェックの内容等につきましては詳しくなりますので、また別途御説明する機会を設けさせていただいておりますが、先生御承知かと思いますが、工学的に設計を具体的な部材に置きかえていきます場合、必ず安全裕度を持った材料を使ってまいります。また、そもそも設計の段階で安全裕度というものを、特にこういう安全上重要な施設につきましてはそういうものを十分考慮して設計いたしてまいるわけでございますので、そういう現実的な値を入れてチェックをするということでございますので、既につくったものに対して決して安全性をおろそかにしているということではございません。そういう観点からも十分チェックしているわけでございます。
○辻分科員 それはあなた、これだけの三百六十八ガルというのと五百三十二ガルというのは、これは地震の大きさにどう耐えるかという点からいったら随分開きがあるはずですよ。それに対して安全審査の委員会で検討もせずに自主的に業界の判断に任せるというのは、私はこれは何ともおかしいことだと思う。安全審査で再審査をきちんとやって、心配ないなら心配ないということを正式にやるべきだと思うのですが、いかがですか。
○笹谷政府委員 今回のこういう地震にかんがみまして、私ども、大臣が率先しまして、安全総点検といいますか、運転等についても、また施設等についても十分そこを徹底してやるということで実施しておりますし、また、この新しい指針に基づきますチェックの結果につきましては、それぞれ事業者が積極的に公開をして、その結果について理解を求めるというようなことを考えておりますので、そういう形でこのチェックの安全性といいますか、そういうものを理解していただくということを考えております。
○辻分科員 時間が余りないので詰め切らないけれども、ちょっとわからない。これだけ大きな活断層の要素を取り入れて、数字の上でもこれだけの開きがあれば、やはり一号炉にどうするのかということを業者任せではなしに、これは私は安全委員会あるいは審査の会において検討すべきものだと思いますが、長官、いかがですか。
○田中国務大臣 局長がるる申し上げましたように、今までは確かにその安全審査もしておりますし、幸いなことに問題なく来ておりますけれども、先生がお尋ねになっていらっしゃるのは、今回の震災を受けて、この後も安全であるかどうか、そのほか基本的なことをしっかりと素直な気持ちで原点から見直すべきであるということをおっしゃっていると思いますので、その方向で鋭意努力をするように指示をいたします。
○辻分科員 それは、これだけの数字が違って、前に活断層の概念というものはなしにやって、五十三年以降は活断層の考え方、概念が成立して、それを反映してこの数字の開きがこれだけ出ているのですから、一号炉についてどうであるかということを、それは一号炉は活断層が別だということはすぐ隣の敷地内の原子炉ですからあり得ないので、だからぜひ私はこれは検討してもらいたい。時間の点からこれ以上触れるわけにはいきませんが、機会を見て、どう対応したかについてはまた確認させていただきたいと思います。 最後に、もう一分ほどになりましたが、長官にひとつお尋ねしたいのですが、お願いもしたいのですが、今まで私も原子力の安全性とあわせて防災問題というものも随分国会でも論議をしてきまして、大体、自治大臣と消防庁の長官は、自治省は住民参加の防災訓練等について非常に積極的に物を考えておるのですよ。しかし、残念なことに、科学技術庁、通産省の方は非常に消極的である。これはもう何回も論議をしておるわけですからね。 それは、ある面ではそういう防災の訓練等に住民が参加をしたりすると不安がふえていくということで、それを私は科技や通産は懸念しているのであろうと思いますが、これだけ大震災があり、これに対しての安全に対する不安もある中で、私は、きちっとした防災訓練を住民参加のもとにやはり積極的に進めるべき姿勢に科学技術庁は立つべきであると思いますが、長官、これについての決意を伺いたい。
○田中国務大臣 今、辻先生がおっしゃいましたのは、自治省は住民参加の防災訓練に大変熱心であるけれども、科技庁や通産省は余り熱心ではないということをおっしゃいました。 私は、その経緯は別といたしましても、これだけの震災でもってあらゆる方の、専門家だけではなくて、専門家はもちろん意識を高めていただかなければいけないし、緊張感をより一層持っていただくべきだと思いますけれども、一般の住民、私たち国民みんなが、防災ということ、それから予知もいろいろありますが、予知以前にこういうことが起こってしまうのであれば、そのときにどのような避難訓練をするかということについて、随分意識が高まったというふうに思います。それはジャーナリズム等にも通じていますし、皆様が援助をしながら、あるいはお手伝いをしながら現地をごらんになって、意識が相当高まっていると思いますので、以前よりも今回は国民全体の意識が専門家も素人も高まっておりますので、住民参加ということは、ぜひ私どもも心してそういう方向に持っていけるようにしたいというふうに思っております。 いい御指摘、ありがとうございました。
○辻分科員 ちょっと舌足らずの感じがしますが、終わります。
○菊池主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。 次に、松本善明君。
○松本(善)分科員 長官に伺いますが、阪神大震災の救援復興というのは、当面の政治の最重要な課題でありますと同時に、この教訓を政治にどういうふうに生かすかということが極めて重要な問題であります。 きょうは、もちろん事務当局の答弁は一切いけないとは言いませんけれども、やはり国民の安全性について最終的な責任を持っているのは内閣であり大臣です。そういう点で、大臣に対する質問ということで受けとめていただきたいと思います。 御存じと思いますが、東海地震の判定会のメンバーであります東京大学の名誉教授の力武さんが、「総点検、地震列島」、これはほぼ二十年前の著書ですけれども、原発とか新幹線、高速道路などがひょっとすると大災害のもとになるかもしれないということを二十年前、正確に言えば十八年前になりますか、述べているわけです。それが不幸にして的中をしたわけであります。 これらの施設についての安全性をやはり根本的に見直さなければならない。我が党が、一般に重要な公共建築物は現行の震度五ではなく震度七に対応するようにすべきだということを本委員会でも主張し、議論をし、その方向がいろいろなところで実現しかけているというふうに私どもは思っております。 総理も施政方針演説で、「日本列島全体の災害対策を見直し、再構築する」というふうに言明をされました。国土庁は、震度五の想定は不十分ということで防災計画の見直しを指示し、運輸省も同様。建設省は、最近、耐震基準を防災重要度別にする方向で建築基準法の見直しに入り、危険物を収蔵する施設の安全性は最も高い水準にするというふうに報道をされております。 原発とか核燃施設は、最も危険なものの一つであります。村山総理大臣も、私の総括質疑に答えて、「核燃料の問題や原子力発電の問題というのは、何よりもやっぱり安全性というものが一番大事ですから、今後とも安全性の確認のためには、念には念を入れて、どこまでもこの安全性は追求されるべきものだと思います」というふうに答弁をしておられます。 建築物の耐震設計基準が変更されるということになりますと、一般的にそれはもう当然原子力関連施設の耐震設計基準に反映される部分もあるわけであります。建物だけではなくていろいろな施設の耐震設計審査指針も再検討をして、その結果を公表して各方面の学者の批判を受けるという姿勢で再検討すべきだというふうに思いますが、長官の考えをお聞きしたいと思います。
○田中国務大臣 災害対策の見直しとかそれから防災計画の見直しということは、もうこれは現実に即応して当然なことであろうというふうに思います。 それからまた、原子力施設につきましても、設計基準のことも先生今お触れになりましたけれども、そういうことにつきましては、やはり原点に立ってもう一度素直に、現実にこういうことが起こったわけでございますから、今までは当然安全基準は満たし、そしてもう繰り返しませんけれども、いわゆる岩盤の上で耐震構造であって、いろいろチェック機能があってということでうまくまいりましたけれども、あらゆる最悪の事態を想定してつくってあるものでありましても、やはり今回の見直しの結果の情報の公開ということはあってしかるべきだろうというふうに思います。
○松本(善)分科員 今までもやっているんだということでありますが、例えば、今回の地震の教訓の一つは、日本の耐震対策が、横揺れはいろいろ考えているけれども縦揺れについては非常に弱いということが一つの特徴であります。 六ケ所村の核燃施設についても、三陸はるか沖地震のときの状況を聞いたのですが、地震計は三カ所、ウラン濃縮工場と再処理施設のところに二つと、三つあるようですけれども、縦揺れは測定していないということなんですね。やはりそれは一つの重要な問題点でもあると思います。そういうことも含めて見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○笹谷政府委員 事実関係だけ御説明させていただきますが、三陸はるか沖地震のときに鉛直方向の測定はなされていないというお話でしたが、それは測定しております。加速度で四十三から八十五ガル程度、計測されております。
○松本(善)分科員 科学技術庁に私どもの方で確かめたときには、測定していないという返事なんです。なぜそういうような返事が来るのかわかりませんけれども、そういうようなそごがありますと、ここの論議がむだになるのですよ。その質問をする前には全部一応当たっているわけです。それがここへ来ると逆のことを言うということになると、困るのです。どういう経過ですか。
○笹谷政府委員 大変申しわけありません。私どもの説明員が説明に伺った際、その件については承知していないという返事をしたということでございまして、至急調べて再度御返答すべきところ、そういうことを結果としていたしていないわけでございますので、おわびして訂正させていただきます。
○松本(善)分科員 車ほどこういうことなんですよ、できるだけ公開しないと。この問題についての民主的な討議、それから公開ということが非常に重要だというのは、私どもが聞いてもなかなか資料が出てこない、言っていることが違うということはよくあります。今のは一つの例ですよ。そういうことがあってはならぬのですよ。 先ほども原子力安全委員会の検討会も行われるということが答弁されておりましたが、これは厳格な検討がなされるべきだと思います。そして、例えばそういう地震が発生したときの原子力関連施設ごとに、例えば青森の核燃施設についても、再処理工場と高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設、それぞれ各地にありますね。すべてのところで、地震が発生したときに被害がなくてもその影響をデータで公表する、そして耐震設計審査指針にも反映をさせる、それから各学会の批判にもさらす、そしてやっていく、そういうことのシステムというものをつくらないといけないと思いますが、その点の長官の御意見を聞きたいと思います。
○田中国務大臣 私は、まさしく同感でございます。システムづくり、それからその公開、それから安全審査等もそうですけれども、結局、専門的にまた技術的に大変時間をかけて慎重に調査をなさること、見直しをすること、わかりますけれども、できることであればやはり中間報告といいますか、それがコンクリートなファイナルなものでなくてもよろしいのですけれども、今こういうことについてやっていますというふうなことは、私ども、国民に知らせる義務があると思いますし、そういう方向づけをしてまいりたいというふうに思っております。
○松本(善)分科員 ぜひそういうふうにやってほしいと思います。 それから、高レベル放射性廃棄物の返還について、今国際的な反対運動が起こっていることがたびたび報道されております。長官は、この高レベル放射性廃棄物の危険性についてどういうふうに認識をしているか、まず伺いたいと思います。
○田中国務大臣 現在フランスのコジェマに依頼をしておりまして、ガラス固化体として輸送をされてくるわけでございますけれども、それは専門家によってすべてチェックをされておりまして、安全に冷却期間を持って貯蔵し、そのうちに処分されるということでございます。
○松本(善)分科員 一昨年の一月の末に青森市で科学技術庁が主催をいたしました高レベル放射性廃棄物に関する国際フォーラムというのが開かれました。長官、報告を受けておられるかどうかわかりませんが、この国際会議に参加をしたベルギー原子力エネルギー訓練センター廃棄物処分課長のボンという人が、日本の高レベル放射性廃棄物の処分地の研究について、「社会的研究なのか技術的研究なのかあいまいだ。処分のサイトを特定しないで研究しても役に立たないと思う」という旨の批判的発言がありました。 つまり、最終処分に向けて研究するだけとか一時貯蔵といっても、実際に処分する場所を研究しなければ実際の役に立たないということなのです。実際に役立つ最終処分地を決めてその地層を研究するというのは、科学技術庁の発表でも五年後、二〇〇〇年からだ、こういう話でございます。今、最終処分地が決まらない状況ではその研究に着手できるかどうかもわからないというのが現状だろうと思います。最終処分地が決まらないのですから、そこを決めて研究する。 核燃料開発事業団の元主任研究員で地球科学を専攻しておる土井和己氏が、昨年五月号の「原子力工業」に、高レベル放射性廃棄物の地層処分計画の転換を求める論文を発表しております。長官にも、お会いしたときにその旨のことは新聞記事その他でお知らせをしたのですが、お読みになったかどうかわかりませんが、これによると、高レベル放射性廃棄物とは少なくとも一万年、人の社会から隔離されていることを必要とする廃棄物だ。地層処分された高レベル放射性廃棄物は長期的にいずれ溶け出て、地下水によって地表などに運ばれ人の生活圏に達する可能性は一般に認められ、この可能性があるからこそ、幌延の研究施設で地下数百メートル地点における岩盤の透水性や熱伝導などについて調査研究を行おうとしているんだということです。 土井さんは、この地球科学上の研究は百年では解決し得ないという結論を出している。少なくとも数十年の間にこれがすべて解明されるとまじめに考える人はいまいということまで言って、IAEAの中でも慎重論がふえている、高レベル処分の問題は百年二百年で片づかない、それでも地中に処分してしまうとすれば余りに無責任だ、こう言っている。核燃料開発事業団の元主任研究員ですから、いわばあなた方の側の人です。こういう状況で、最終処分地も決められない。したがって、最終処分地の地下についての研究も開始できるかどうかわからない。研究をしても百年もかかるかもしれぬ。こういうふうに権威のある人たちが言っている。最終処分地が決まっていない。いや決められないというのが私は率直に言って現状だろうと思います。 そういうものをとにかく一時貯蔵だといって青森に運び込むことを認めるというのは、政治の分野の判断として極めて無責任だということになりませんか。あなたは、五十年後、三十年後まだ生きておられるつもりかどうかわかりませんけれども、そういう将来の世代に対する問題をはっきりしないで、極めて危険なものを決定するという権限があるだろうか。そのことについて、長官、どうお考えか。これは政治の問題です。お答えいただきたいと思います。
○田中国務大臣 資源のない日本が原子力政策を推進しなければいけないということは事実でございますし、その結果として廃棄物が出てくるということはやむを得ないことでございます。そして、その地層処理の技術的な安全性については、技術的なことにつきましては明らかにされているわけでございますので、それを信用して安全確保、安全ということを一番最優先にやっていかなければならないというふうに思います。 具体的な経緯につきましては、原子力局長からお答え申し上げます。
○松本(善)分科員 ちょっとその前に、後で聞きますが。 要するに、資源のない日本が原子力発電を進めていかなければならぬという前提にお立ちになっている。そこが安全神話を生み出す原因なんです。私は、危険であれば中止すべきである。私どもは、脱原発と言われる社会党の皆さんに近い方々の言われているのとは違います。原子力の平和利用というのは認めているし、そして、それは自主、民主、公開という原則でやらなければならないし、危険なら中止すべきだ。 特に原子力発電の問題というのは、原子爆弾だとか原子力潜水艦、軍事のところから始まっていますから、安全性の問題は非常に危険なのですよ。だから、今の政策、原発と核燃施設を進めていかなければならないということになれば、結論は必ず安全だということになるのです。そういうような立場ではだめだ。安全でないということになれば一時中止をする、政治がそういうような姿勢に立たなければ責任を持ったことにならぬのじゃないかということを聞いているわけです。 あなたは五十年後の問題について、いや資源のない日本だからと。私はあなたに私どもの政策もお渡ししましたが、原発に頼らないで、今の状況の中でどういうふうにやるかということについての我々の考えもここでは詳しく述べる時間がありませんけれども、やはりそういう姿勢が大事なんだと私は思うのです。そこのところはどう考えるかということをまず長官に伺って、そして、さらに補足をする必要があれば事務当局から言ってもらいましょう。
○田中国務大臣 化石エネルギーは世界じゅうで使っているうちにどんどん枯渇していきますし、片やまた私どもも核融合というような新しいエネルギーの開発研究もいたしております。それから、もちろん先生御存じのとおり、燃料電池とか太陽の利用とかいろいろなこともまた並行して考えていかなければいけないわけでございますけれども、やはり原子力というものは安全に、危険にならないように、平和利用は今先生がおっしゃいましたけれども、もちろん安全ということのために、その研究をしながら併用していくということはやらざるを得ないというふうに思います。
○岡崎(俊)政府委員 高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題の技術的な見通しについて、一点だけちょっと御説明をさせていただきたいと思いますが、地層処分そのものに当たりましてはいわゆる多重バリアシステムということをとろうとしております。それは、放射性物質をまず化学的に安定な形であるガラス固化体というものにし、さらに、その処分に当たりましては、そのガラス固化体の周りにいわゆる鉄製のオーバーパック等を設け、あるいはベントナイト等の緩衝材を設けて水の移動を防ぐ、こういったものを地下数百メートルの安定な地層に処分をする、このような考えに立っておるわけでございまして、今まで動燃事業団を中心に研究開発を進めてまいりました結果、こういったものを総合的に評価する指標であるとか、あるいは具体的な地質環境のデータというのは逐次得られつつございます。 こういった研究の成果を広く公表いたしまして、専門家の評価だけではなくて広く各界に御審議をいただいておる。あるいは今先生も御指摘いただいたように、国際的にもそういう形で今評価をされつつございますけれども、一般的にこういった観点からいえば技術的に安全に処分ができるという見通しがまさに得られつつあろうかと思います。 ただし、土井さんも御指摘のように、この研究開発を進めるに当たっていろいろな御指摘があることはもう事実でございますので、これらについては我々は謙虚に耳を傾けながら、ただし、この処分が安全でなければ確かに何も進みません。したがって、安全確保第一という観点から十分この処分技術の確立を進めた上で、必要な処分予定地の決定等に移っていきたい、このように考えておるところでございます。
○松本(善)分科員 長官、今お聞きになってもわかるように処分技術が確立されていないのです。世界じゅうどこもやっていない。御存じのとおりでしょう。それは確立をされていない技術なんです。にもかかわらず、事は進んでいるのです。危険なものが青森に運び込まれる、そこが問題だ。そういうようなことはやってはならぬということを私は言っています。 再処理施設の安全性の問題についてもお聞きしようと思いますが、これはロシアのトムスクで起こった再処理施設の事故に関する調査報告書、科学技術庁が出しました。 これで一点だけまず事務当局に聞きますが、このトムスク7における爆発したときの溶液温度の実測値は何度であったか。この報告書を見ますと、これはタンク底部付近の温度計が七十八度を示したので、溶液を冷却したら四十五度ないし五十度になったというだけで、それ以外の実測値に基づく温度のデータは全くありません。にもかかわらず、「我が国の再処理施設の蒸発缶等に設けられている熱的制限値百三十五度Cは妥当なものである」というふうになっているんですね。 長官にこの問題について後でお聞きしようと思いますが、実測値、トムスク7の調整タンクが爆発したときの溶液の温度は何度だったか、それだけ答えてください。あとの議論はまた改めてやります。それだけですよ。わからなかったらわからない、それだけ言ってください。
○笹谷政府委員 安全性についてはまだ後ほど御説明させていただくとしまして、結論から申しますと、実測値は私ども承知しておりません。
○松本(善)分科員 長官、そういうことなんですよ。にもかかわらずこういうことなんです。安全性については事務当局いろいろ言いたいことがあろうかと思います。あろうかと思いますが、そういう状況になっているときにはどうするのか。やはり摂氏七十八度から百三十五度までの部分についても再検討しなければならぬのじゃないか。七十八度というところまでしかわからないのですよ。そうすると、全体はわからないということですよね。それを再検討しなければならぬという課題が提起をされたと受けとめるかどうか。いや日本の場合は別のこと、だから大丈夫なんだと、それを繰り返すかどうかということなんですよ。 この方法というのはピューレックス法というプラントで、いろいろ違うといってもやはり同一なんですよ。今まで安全神話と言われているのは、もうロサンゼルスの地震のときでも何でも、あるいはスリーマイルでもチェルノブイリでも、いや日本は違います、それだけを言っている、違うということを。そういう姿勢であってはならない。やはり謙虚に、起こった事態について検討する、その姿勢がなければならないと思う。その安全神話は完全に粉砕するという姿勢を科学技術庁長官はとらなければならない。それが政治家の責任だと思う。その点についての長官の見解を聞きたいと思います。
○田中国務大臣 今おっしゃいましたトムスクの再処理施設と同じような事故が日本で起こる可能性はないというふうに私どもは信じているわけでございますけれども、そうではありましても、やはりこういう事実が起こりましたので、今先生がおっしゃいましたように、教訓から一つでもこぼれのないように、いろいろな状態を想定して多くのことを学び取っていく姿勢は大切だろうというふうに思います。 また、欠落部分がございましたらどうぞ、こういう機会でも、別のときでも、御指摘いただきたいというふうに思います。
○松本(善)分科員 後で事務当局の説明はまとめて聞きます。時間が余りないから、必要があったら私の部屋へ来て説明してください。それで、まとめて聞きたいというのは、時間の中で、これは最後に長官の政治姿勢の問題として私は聞きたいと思うからであります、別に細かい議論に耳をふさぐというわけではないけれども。 もう一つは、長官、同じような問題として考えなければならぬのは、航空機事故の問題なんですよ。皆さんの、事務当局の言っていることは一応勉強した上で質問をしておるのですが、これは六ケ所村の事業所の再処理事業の指定申請に係る安全審査書、平成四年十二月に科学技術庁が出したものです。この安全審査書によりますと、航空機事故に対する防護設計条件で、F16戦闘爆撃機がエンジン推力を喪失して最良滑空速度で滑空しながら施設に衝突するということを想定して大丈夫だ、こういう結論を出しているのですね。 しかし、実際にあの付近の人たちはいろいろな事故を見ています。実際には航空機の事故というのはエンジン推力が喪失するという事故だけではもちろんありません。操縦ミスというのが圧倒的に多いのです。それから操縦系統、油圧系統の故障など、さまざまな事故があり得るのですね。 それから、再処理施設の周辺では模擬爆弾が誤投下をされたり、燃料タンクが捨てられたりしておりますし、三沢の基地の沖にはトラブルを起こしたF16が実弾を投棄した事件もあります。これまで事件がなかったのは、たまたま再処理施設に当たらなかったというだけであります。実弾を積んだF16が再処理施設に衝突する危険性は相当高いと見るべきです。 長官、ちょっと考えてください。あそこはスクランブルをやっているでしょう。スクランブルは実弾を装着しないはずはないわけですよ。模擬爆弾を積んだスクランブルなんてないでしょう。三沢の基地の軍用機は実弾は一切装着しないというなら、三沢の基地は必要でないのですよ。模擬爆弾だけの基地なら、そんな基地は要らぬということになるのです。だから、基地がある以上は実弾装着というのは当然に想定しなければならない。その実弾を装着した航空機の事故ということを想定に入れないということは、これは私は非常に不十分なものだというふうに思うわけです。実際に六ケ所村の村民が日常生活の中でそれを実感しているんです。 その点について長官はどのようにお考えになるか。三沢の基地がすぐそばにあって、スクランブルもしょっちゅうやっている。そういう事故は想定しない安全審査でいいのかどうか、その点を聞きたいと思います。
○田中国務大臣 実弾装着はしていないというふうに私は聞いております。 それから、これはもう全部、先生の方がよく御存じで、資料も役所からもたくさんそろえて持っていらっしゃると思いますけれども、航空機は原子力施設の上空は飛ばないということになっているわけではございますが、規制はされていても、今おっしゃるような心配も想定して、ニューメキシコで実際にぶつかった、衝突とかのテスト、実際の訓練もしているというふうに聞いておりますが、その具体的なことは事務当局でよろしければ……。
○松本(善)分科員 長官、ニューメキシコというのはさっき私が言ったF16のエンジン推力の喪失のものですよ。だから、実弾を装着しないということはあり得ない。今言いましたように、そういうことなら本当に三沢の基地は要らないですよ。模擬爆弾だけです、どんなことがあっても模擬爆弾だけですという基地がありますか。そんなものは常識で考えたってすぐわかるのですよ。その上を飛ばないなんといったって、事故というのはそういうふうになるかもしれぬということです。 それで、事務当局もしゃべりたいこともあるでしょうから、まとめて言ってもらう。ただ、時間がないから簡明に、あとまだ長官に聞きたいことがあるから、簡明に一言だけ。
○笹谷政府委員 どうもありがとうございます。 事故の原因と到達可能性につきましては先生も十分資料等で御存じだと思いますが、故障それから操縦ミス等すべて起こり得ることを想定いたしまして、その結果、施設に到達する可能性がどの程度あるかということで、それぞれ全部チェックいたしました結果、エンジンのトラブルで到達する可能性があるということが第一点でございます。 それから、実弾を搭載した飛行機云々でございますが、私ども外務省に確認したわけでございますが、訓練弾頭は模擬弾で行うということでございます。たまたま昨年の十一月に実弾を投棄する事態が起きたということがございますが、これは鳥島での訓練に向かっための航空機ということで、この地域での訓練機ではないということでございます。
○松本(善)分科員 そういう可能性はないんだという想定そのものがおかしいんですよ。そんなことはあり得ないんだ。それは実際に青森の周りの県民たちが、住民たちが実感として感じているんです。それは起こりません、起こりませんで通りますか、そんなものは。実際に基地があるんだから。模擬弾は装着しません、そこには行きません、そんな事故は起こりません、今のを簡単に言えばそういう説明です。私は、そんなものではとても住民は納得しない。 長官に最後に聞きたいのは、こういうことなんですよ。そもそも、先ほど来簡単にずっと三十分で、本当はとことんまでやるには時間が足らないのですけれども、再処理施設そのものの危険性、それから高レベル放射性廃棄物一時貯蔵所の危険性、あるいは地震の教訓、三沢の基地が近いので軍用機の事故も考えられる。安全性の問題については本当に心配で、私は本当はあそこに置くこと自体が間違っているのじゃないかと思うものであります。この問題については非常に問題点も多い。関係の学者も多いと思います。 この間、長官は「もんじゅ」で意見交換会をやられたようですけれども、この青森の核燃料施設に関しても公開で意見交換会をやらないか。そこにいろいろな住民だとかいろいろな関係の学者だとかを呼んで、意見を聞くべきです。あなたの周辺で、安全だ、安全だと言う人の意見だけ聞いていたのでは、長官の責任を果たしたことにならない。そういう公開の検討会を青森の核燃施設についてやる考えがあるかどうか、長官に聞きたいと思います。
○田中国務大臣 三十分にわたりまして先生が、再処理の問題、高レベルの問題、それから地震、軍用機の問題等おっしゃいましたことは、イデオロギーで闘争していらっしゃるのではなくて、まさしく生活者、日本国民が安全に、心配をしないで暮らせるためにはどうすればいいかという見地からおっしゃっていらっしゃると思いました。そういうことがまさしく本当に大切なことでございますし、私ども政治家もいつも心していなければいけないことですし、一国民としても一番心配な点でございます。 ですから、こういう御質問をいただくことは私どもにとりまして本当にいい機会であると思いますし、そういう意味で先ほど笹谷局長も御礼を申し上げたのだろうと思いますけれども、青森県に関しての公開討論をやれということにつきましては、また関係の方、皆様、いろいろお立場やら主張もおありになると思いますし、スケジュール調整もあると思いますので、一応預からせていただきたいと思います、やるかどうかにつきまして。
○松本(善)分科員 ぜひそれは公開で、そういうことをやることが大事なんですよ。そしてだめならばやめるという姿勢で、ただ説得、基本方針は変わらないというのではなくて、やはりいろいろな批判にたえるようにしないと、将来、日本がもう住めなくなるかもしれないという大問題ですからね。それは今生きている人間が勝手にやっていいことではないのですよ。そういう重大な、核燃施設に勤めている人の安全性の問題でもあるのです。命の問題でもあるのです。 我が党は、高レベル放射性廃棄物の処理処分方針の実施は、現状では未確立な技術を固定化するものであり、将来の研究の可能性を封じる。今だって、もう安全だ、安全だと言ったら可能性は消えていくのです。そういう将来の可能性を封じるものであり、取り返しのつかない危険を冒しかねないものであるから反対だという立場です。当面、使用済み核燃料は各原発のサイトで安全に保管をし、海外への再処理は委託は行わないこと、十分な技術を確立するまで、青森県六ケ所村に建設されている再処理工場や高レベル放射性廃棄物一時貯蔵の施設の建設は中止をし、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の搬入は見直すべきだという主張であります。 今の短時間の質疑でも、決して納得できる答弁ができているとは私は思いません。それを強行していくということはやはりやめるべきだ。一たん中止をすべきだということを強く要求をして、質問を終わります。
○菊池主査 これにて松本善明君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして科学技術庁についての質疑は終了いたしました。 午後一時三十分に本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時三十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十分開議
○菊池主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)分科員 ありがとうございます。 私は、昨年二回にわたりまして、シベリア抑留問題を決算委員会の総括、決算委員会の分科会において取り上げました。日にちは、分科会が五月二十六日でございます。それから総括の決算委員会が、総理大臣、閣僚が皆御出席のもとで六月十四日、当委員会室で行われたわけでございます。私、本件を取り上げるに当たりまして、この過去の経緯についてよく勉強しておくようにということを申し上げたわけでございます。 私が問題にいたしております論点は非常に簡単でありまして、現在、ロシア政府が労働証明書を発行いたしておる、ロシア政府が発行いたしておるということを私が把握をいたしているわけであります。したがいまして、その労働証明書自身の法的性格、これは政府が出しておるわけでありますから当然一つの公文書であるものと私は理解をいたしておるわけでありますが、まずその点につきまして、官房長官初め関係各位にお伺いいたしたいと思います。
○原田説明員 お答え申し上げます。 ロシア外務省が、抑留された邦人の個人の要請に基づきまして労働証明書を発給しているということは、政府としても承知しております。
○佐藤(剛)分科員 ということは、ロシア政府が許可証を発行しておる、その法的性格は公文書でしょう。
○原田説明員 お答え申し上げます。 外務省として、この労働証明書の法的性格について云々することは、これは相手国の文書でありますので、その性格がどういうものであるかということはお答えできる立場にないと思います。
○佐藤(剛)分科員 こんなばかなことはないでしょう。一国の外交文書で来ているんでしょう。外交文書を日本のモスクワの大使館が受け取って、あるんでしょう。ロシア政府は労働許可証を発行しておるということの文書があるんでしょう。もしなんでしたら、それを見せてください。それを、法的性格を外務省が云々じゃなくて、外交ルートを通って出てきた文書というのは外交文書でしょう。
○原田説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、昨年十月にロシア外務省から、ロシア連邦政府の決定に従って個人の要請に基づき抑留されている期間の労働証明書を交付していることを通報するとの口上書が在ロシア日本大使館に届いております。 ただ、その通報に当たりましては、ロシア外務省は、単に労働証明書を交付しているという事実を伝達するだけで、それ以外のいかなる意図もなくて、ロシア側としては日本に何ら新たな措置を求めるものではないというような説明を行っております。
○佐藤(剛)分科員 後段、どういうことですか。私も外交官経験六年やっているけれども、そんなばかな回答はないでしょう。外交ルートを通じて来た文書、労働許可証を出していますと。重要なことなんですよ、労働許可証というもの、これが公文書かどうかということは。わかっていますか。 戦後、日本は第二次大戦の後に、八月十五日、それから六十万人の人が引っ張っていかれたんです。いいですか。それで六万人余りの人が零下四十度、五十度のところで寒さに凍えて、寒いから火をたく、そこでやけどをした人もいる、暁の太陽に向かって死んでいった人もいる。この数が約六万人おるわけです。そういう重大なる問題が、外務省の今の話で、単にそういう文書が来ておると。それで、その後段がどういうことですか。外務省が言ったそれは、その文書に書いてないことなんでしょう。あなた方の在モスクワの書記官が、だれが言ったのか知りませんけれども、ロシアの政府と話し合っている会話だと先ほど言っておったけれども、そんなの外交文書じゃないでしょう。文書があったら文書を見せてください。この分科会に提示してもらいたい。
○原田説明員 繰り返しになりますが、ロシア外務省から口上書で来た内容は、先ほども申し上げましたけれども、ロシア連邦政府の決定に従いまして個人の要請に基づいて労働証明書を交付していることを通報するとの内容のものになっております。
○佐藤(剛)分科員 それは公文書じゃないですか。私の知識ではそう思います。ロシア政府ですよ、政府が出していますということを日本政府に通報している。通報ルートは外交ルート、これが常識。向こうから内閣総理大臣に飛んでくるわけじゃない。手紙が来るわけじゃない。その重大なるものがあったということも私今まで知らなかったけれども。質問をして、これについて返事があったら教えなさいといったって教えてくれなかったじゃないか。あなたには、外務省には誠意がないよ。 六十万人の人たちが連れていかれて、六万人の人たちが亡くなって、今、約三千とも言われますがお墓があって、雨が降ると当時亡くなった人たちの骨が出てくる。いいですか。そういう身内の人たちがどれだけおりますか。そういう重大なる問題について、日本の外務省というのは国民を守るということが義務でしょう、そういうことができなかったら外務省なんて要らないじゃないか。その文書というものをここへ出せますか。出してください。あなたが後半に言った話というのは、あなたが勝手に言っているだけの話なんでしょう。ロシア政府が出した文書、これは、発行していますよということは公文書でしょう。官房長官の御答弁をお願いいたします。
○五十嵐国務大臣 平成六年十月十八日に、ロシア外務省から、ロシア連邦政府の決定に従って個人の要請に基づいて抑留されていた期間の労働証明書を交付していることを通報する旨の口上書が在ロシア日本大使館に届けられたということであります。 今回の通報に当たってロシア外務省は、単に労働証明書を交付しているという事実を伝達するだけで、それ以外のどういうものでもない、ロシア側として我が国に格別の措置を求めるものではないという説明をしている、こういうことを外務省から私どもは承っているところでございます。
○佐藤(剛)分科員 官房長官のお話の後段なのです。単にというところからのくだりです。これは文書にないことを恐らく、私の推察ですが、外務省が、そういう伝聞なのか故意があってなのかわかりませんが、言っているだけの話だと思う。 委員長、私はそのロシアから来ました文書を見せていただきたいのです。この委員会で、外務省にその提出を要求いたします。
○菊池主査 ただいまの問題については、政府において適切に対応していただく、誠意を持ってお答えをいただきたいと思います。官房長官。
○五十嵐国務大臣 しかるべく検討をしてみたい、こういうぐあいに思います。
○佐藤(剛)分科員 ありがとうございました。それではお待ちいたします。誠意のある回答をしていただきたい。 これは、シベリアにおいて八月十五日が終戦じゃないのです。八月十五日から抑留が始まって、そして六十万人の人たちがロシアにおいて過重労働をさせられて、六万人と言われる人たちが亡くなっておる。そういうことを行うのが政治家の義務なのだ。だから私は怒っている。行政官たる者も外交官たる者も、国の国民を守るということの気持ちを忘れたら外交官なんていうのは資格がない。これで終わりにします。官房長官から誠意あるお言葉がありましたから、これで終わります。 次の問題に入らせていただきます。 それでは、きょうは人事院の方をお呼びしておりますが、いらっしゃっていますか。――それでは自治省の方はいらっしゃっていますか。こういう問題の提起なのですが、ぜひ検討していただけないか。 今、地方分権論というのが問題になっておるわけですね。国の権限を地方にあれする。ところが、地方の市町村の数というのは三千二百三十五あるわけですが、この市町村の部門というのは昔の町であり村であり、その中には農林部があったり、建設部があったり、商工部があったり、部ではなくて課であってもいわば縦型。その村、その町の部門だけを考えておる。そして、その横にまた郡という制度があります。郡部と我々は称しております。私は、地方分権を推進するためには受け皿として地方公共団体側で、特に町村側で、市をちょっと外しまして町村側でそういうふうな仕組みが必要だろうという考えてあります。 それで、どういう仕組みにしたらいいのかということの問題提起であり、検討していただきたいのですが、大体、郡というのは四つか五つの町、村なんです。それで、大体見ますと、一つの町の予算というのは四十億か五十億ぐらいです、三割自治だの何だの言われますが。この四つか五つを一つの郡部で、町村吏員、役人ですね、これを共同で採用する形。郡部の職員である。ですから、Aの町へ最初に入ったが、Bの町の課長さんになる、Cの町の部長さんになる、Dの町の収入役になる、Eの町の助役さんになる。 そういう郡部といいますのは、交通圏で大体私の経験では一時間ぐらい、霞が関から来るよりもはるかに近い。ですから、郡全体で何かそういう人事委員会みたいな形をとりまして採用して、あそこのAの町にはいい土木課長がいる、あれをおれのところに置きたいな、あのBのところにはいい商工課長がいるなとか、郡全体を考えてやるというふうな仕組み、職員配置をしないと、単に地方分権、地方分権と言って中央の権限だけを町村にあれしましても、これはいろいろな問題が出てしまうわけです。 もう交通圏が広がっていまして、単に一つの町、一つの村だけではもうやっていけない。そういう形で郡という形を――市町村合併というのはなかなか難しいようです、いろいろと。私は、町長の選挙とか村長選挙はそのまま置いておいてもいいと思うのです。それで、郡としましてその役人の採用をやる。少なくとも二十年たったら、大体二十年たつと年金がつくわけですね。そうしましたら、その委員会が二十年たっている人たちをプールして、プールというか登録制にして、そしてその人の希望も聞いて、どこに行きたいか。Aの人がBに行きたい、Cに行きたいという人もあると思う。そういう一種の野球のドラフト制みたいなもの、そういう形でやっていって、少なくとも郡というような形の経済発展とかそういうものを考える時期じゃないのかな。これは私は中央にも同じことが言えると思っております。 これは簡単に言いますと、大蔵省に入って、通産省の課長で、運輸省の部長で、労働省の局長になって、厚生省の次官になって、そして畜産振興事業団の理事長でいいのですよ。そういうふうな形を、これも中央で言いますと人事院が十九年目ぐらいからドラフトしまして登録しておきます。そうしますと、各省の人事当局が、ああ、あそこにはいい課長がいると。大体二十年たちますと中堅課長です。そうすれば、これは初めから大蔵省にいて最後まで大蔵次官とか、通産省に入ってずっとあれしていく、そうするとどうしても縦型社会になってしまうわけです。 ここに、今、国会においても内閣においてもいろいろな事業団の整理、行政改革の問題というのが出ていますが、根底は、数を減らしたり理事長の部分だけをするというよりも、根本的なメカニズムを中央と地方とで連合してやっていかないと、単に幾ら地方分権の促進法というようなことでやってもお題目になるのじゃないか。そういうようなことで、官房長官、私、かようなことを考えておるのでございますが、いかがお考えか、御見解を賜りたいと思います。
○五十嵐国務大臣 行政の単位、区域が、地方自治体の場合一体これでいいのかどうか、あるいは市町村、都道府県という区分がもう随分長いことこういうことで来ているのですが、この辺で検討すべき時期ではないかというような議論は、これは随分、殊に最近地方分権問題が盛んに言われるようになり、いわゆる受け皿論が議論される中で話されるところであります。 これは私見みたいなことで恐縮なのでありますが、私は、今の都道府県、市町村といういわば二層制はこれでいいのではないかというふうに思っているものなのです。この前、地方制度調査会などがいろいろ議論して、これも二層制ということで提案がございまして、今我が国の場合、地方分権のさまざまな制度改革をこれから進めるに当たっても、一応前提としては二層制というものを前提として作業しているところなわけなのでございます。 もちろん、市町村が住民の発意あるいは住民の合意というものを得ながら、行政区域が経済の区域あるいは生活圏の区域というものとできるだけ一致するように修正されていく、これはつまり合併ということだと思いますが、そういうようなことは私はもちろんあっていいことだというふうに思うのでありますが、しかし、いわゆる従前の道州制であるとか、今委員のお話しの郡というのが市町村と都道府県の間にある新しい一つの制度としての御提案がどうかはよくわかりませんが、仮にそういう提案であったとすれば、私は、むしろちょっとややこしいことになる。むしろ今の議論というのは、市町村をどの程度受け皿の実力のある単位にしていくかというようなことが中心であろう、こういうぐあいに思うのです。 そういう点からも、ちょっとお聞きしておりますと、実は恐らく委員御質問なのはスイスのカントンの例なんかがあると思いますが、スイスのカントンの例も、御承知のようにこれはもう小さいのはたしか一、二万ぐらいで、大きいのは百万ぐらいの単位まであるのですね。私も、実は一遍、世界各国の州というものと我が国の県というものの規模の比較をしたことがあるのでありますけれども、州の単位と県の単位は同じくらいの感じでいいなというふうに判断したことがあるのですが、私はいろいろな意味で、さっき申しましたように、やや今の二層制が妥当で、そういう中でそれぞれの必要な合併等についての配慮をしていくべきであろう。 それからもう一点、人事の流動性の問題でありますが、ある種のプール制みたいなものが人事管理に当たって考慮されるべきでないかということは、これは検討の余地のあるところであろうと思うのです。アメリカなんかでは、ちょっと趣旨が違いますが、御承知のようにシティーマネージャーというのがありまして、いわゆる支配人制度で、これが本当に二年なり三年なりの契約で、あのマネージャーは大変有能だから給料はうちの方は倍出すからこっちへ来ないかというようなスカウトが常時行われる。つまり、通常こっちで言えば副知事だとか助役だとかいうクラスがそういうような流動性を持っているということはございますが、なおまた検討をしてみたいと思います。
○佐藤(剛)分科員 ありがとうございます。 私の言っているのは、郡の組織体、郡に全部入れてしまうというのじゃなくて、郡というのは四つか五つの村とか町を含んでいるわけですが、そういう郡全体で、中央でいいますと人事院みたいな、人事管理みたいな形の異動を各町、A町、B町、C町、こういうふうにするやり方を、今の町をなくせというのじゃなくて、これはこのままにして人事をやって、そこで働いている人が本当に単なる町だけじゃなくて少なくとも郡全体の発展というものを考えていく、こういうふうな仕組みをしてはいかがかということですけれども、自治省、そういう検討というのは、能率安全推進室長ですか、やっておられますか。
○犬塚説明員 地方公共団体の職員の人事交流の状況でございますけれども、平成六年の四月一日現在で一般行政部門の職員相互間で二千九百九十人が交流をいたしております。 自治省といたしましては、地方公共団体の人材の育成は重要な課題と認識しておりまして、昨年の十月に各地方公共団体に対しまして地方公共団体におきます行政改革推進のための指針というものを出しておりまして、その中で、職員の能力開発等の推進について重点事項の一つとして掲げております。その中で、留意点の一つとしまして、「幅広い見識を養うため、地方公共団体間の人事交流の推進も検討すること。」ということを示したところでございまして、今後とも、地方公共団体間におきます人事交流を初めとして、自主的な人材育成の取り組みに対しまして必要な情報の提供などに努めてまいりたいと考えております。
○佐藤(剛)分科員 今自治省のお話は、恐らく市から町、そういう異動なんだろうと思う。町から町相互、これはまずほとんどないのじゃないかと思う、A町からB町へ行くとか。それから、これは御承知のように、県から市に行くとか、県から町に行くとか、助役さんがどうだというのは、これはもう通例になっているんですよね。私が言っているのは、要するに町村の中でこれを動かすというシステムを導入して、それぞれの職員が少なくとも郡部の単位を前提にして、郡部全体の発展ということで思いをいたしながら行政をやるということです。 もう時間がなくなってしまいましたから、この問題、ひとつ自治省の方でも鋭意検討してみてください。そうした方が難しくないやり方なんですね、人を動かすだけ。町をつぶすわけじゃないし、町を合併するわけじゃない。それから、町長、村長選挙はそのままの形に置いておいていいのです。人だけを動かせばいい、そういうことでございます。要望しておきます。私もこれについて私なりの関心を持ち続けておりますので、またいろいろ披瀝するときがあると思いますが、御検討のほどお願いいたします。 では、時間でございますので、ありがとうございました。
○菊池主査 これにて佐藤剛男君の質疑は終了いたしました。 次に、山本拓君。
○山本(拓)分科員 きょうは分科会ということで、三十分時間をいただきまして、官房長官にいろいろ教えていただきたいということで質問に立たせていただきました。 今回の地震で、いろいろと政府の対応、反省すべき点が多いというふうに長官も申されておられるところでございますが、そういう中で、一つちょっと教えていただきたいのですが、長官、安全保障会議設置法というものがございますね。今回、地震が起きたといった時点で、総理と長官の間でこれについて招集をかけようという話はございませんでしたか。
○坪井政府委員 お答えさせていただきます。 先生御案内のとおり、安全保障会議設置法、昭和六十一年にできておりまして、これは、従来国防会議というのがございまして、そこでは国防自体につきまして、防衛力整備を含め防衛出動等々を審議する機関で、内閣に設けられておりました。それを六十一年の時点に改正しまして、安全保障会議設置法ができまして、そこの第二条の二項に、「重大緊急事態」という概念を導入したといいますか、そういう枠組みをつくっていただきまして、それでこれは、「我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがあるもののうち、通常の緊急事態対処体制によっては適切に対処することが困難な事態をいう。」という定義を法律上しております。 そして、その事例としまして挙げられましたのは、例えばミグ25が函館に飛来してきたときの例であるとか、あるいはダッカのハイジャック事件であるとか、あるいは大韓航空機が撃墜された事件というようなことで、主として対外的な我が国の安全にかかわるような問題をトップダウンで、緊急に中央で対処方針を決めて各省庁が迅速に措置をするという仕組みをつくろうということでできたわけです。 その当時、御案内のように災害対策基本法というのは昭和三十六年でございますから、もう既にございましたし、それから国土庁における防災局というのも既にその前にできておりました。したがいまして、行政府の中におきましては、そういった自然災害につきましては、当然、安全保障会議を招集するというか、そこで審議するものではないという前提で国会でも御審議になられましたし、そういうことをやれという議論も、実はその当時はございませんでした。 ただ、関東大震災というのも一つの事例で挙げられたのでございますが、これも、安全保障会議が震災対策をやる、対処措置を審議するということではなくて、御案内のように、戒厳令等がしかれるというような非常に社会的な騒擾事態、大きなパニック状態がございまして、そういう状態であったものでございますから、仮にそういう自然災害であっても、それに伴いまして、そういう治安であるとか大きな騒擾事態というようなものが生じた場合には、その部分につきましては、安全保障会議でいろいろ議論しなければならぬのではないかというような議論はあったわけでございます。 したがいまして、先生御案内のように、このメンバーも、外務大臣以下、大蔵大臣、官房長官、国家公安委員長、防衛庁長官、経済企画庁長官というふうになっておりますが、災害を担当するような、建設省であるとか国土庁であるとかあるいは自治省であるというような所管の省庁はメンバーになっていないということでございます。ちょっと話が長くなりましたけれども。
○山本(拓)分科員 大臣、この安全保障会議設置法の項目を見ている限り、今のお話の中で、関東大震災クラスのものが起きたときには後の治安の問題を想定している、そういうことを考えれば、地震に関連していることですね。 ここに書いてある「重大緊急事態」という項目の中には、今回の阪神大震災は適用されないというふうに認識されておられますか。
○五十嵐国務大臣 今ほど説明ございましたように、安全保障会議設置法二条二項のところにある「重大緊急事態」というところの括弧書きのところでありますが、「通常の緊急事態対処体制によっては適切に対処することが困難な事態をいう。」ということになっているわけでございますが、私は、今ほども説明がございましたように、同じ大震災にいたしましても、関東大震災のときのように、戒厳令が布告されて、特に首都であるという点やあるいは暴動や騒乱等大規模な社会的混乱を伴うなどの事態、すなわち国の安全に重大な影響を及ぼす事態の場合にはやらなければならぬということだと思いますが、今回の場合は、それには当たらないという判断であったと思います。
○山本(拓)分科員 今回は非常に治安はいいのですけれども、しかし、いいか悪いかは発生した時点ではわからないわけですね。だから「緊急」ですから、そういう関東大震災に匹敵する大事態だということは認識しておられますね。
○五十嵐国務大臣 当時は、委員会の審議等でもよく議論になったところでありますが、当初は、どの程度の被害の規模であったかという状況の把握がなかなか困難であった。今度反省すべき一番のポイントはそこであったと僕は思うのですね。ですから、これから我々がどういう点で改革していくかという面でも、やっぱり早期の、被害規模情報をなるべく早く的確につかむということが一番大事で、ここを改革していきたいと思うのです。そういう点では、なかなかちょっと当初わかりづらい点がありましたが、御承知のように、七時半には非常災害対策本部の設置について準備を指示いたしまして、十時の閣議で決めて、十一時半に第一回の対策本部が開催されたということであります。 通常、これが状況によっては、ここでも議論になったところでありますが、その非常災害対策本部を緊急災害対策本部に、つまり百七条の本部に変えていくという場合もあるわけでありますが、今回の場合は、それはそういう形のままにして、一方で、総理を本部長とする全閣僚による対策本部を設けてこれに当たったのでありますが、これらの経過の中で、我々としては、先ほど申し上げましたような状況としての認識を持ったということであります。
○山本(拓)分科員 それでは、長官自身はいつ、どういう形で第一報をお知りになったのか。そして、その内容はどういうものだったのですか。
○五十嵐国務大臣 最初は六時でしたかのテレビで、それから秘書等から連絡は来ておりましたけれども、しかし状況がよくわからないということで、テレビにくぎづけでした。テレビでも災害の規模に関してはなかなか明確になってこないということでもどかしい限りでありましたが、七時半過ぎに一応の情報等も土台にしながら、わからない、不明確な中でも、しかしとにかくこの際非常災害対策本部設置の準備をせいということの指示をしたというようなことでございました。
○山本(拓)分科員 いや具体的に、例えば震度六とか関東大震災並みとか、被害が甚大に広がっているとか、具体的にどういう……。
○五十嵐国務大臣 震度六というのは、テレビで承知いたしました。(山本(拓)分科員「六時の時点で」と呼ぶ)はい、そうです。
○山本(拓)分科員 震度六というと、長官がすべて大体把握されたというのは、どの時点で、どういう情報をもって把握したと言われるのですか。
○五十嵐国務大臣 すべて把握したというのは、残念ながらかなり後であった。すべてというのは、これはとにかくあれだけの規模のものでありますから、すべての把握なんていうのほかなり後だったと思いますが、例えば死者の確認というのは、警察庁の十二時の発表で二百三人ですから、それは、当時はやはりそうだったわけですよ。 それで、今回の大きな反省の一つに、死者による確認というのは、これは被害の規模を測定するのには全く適当でない。そのときになるべく早く確認するという意味では適当でない。それは、警察がその死者というものを確認して報告するのですから、したがって後になるのはまた当然な話で、我々は、それと異なった手法で、なるべく早期に的確に災害の規模というものを確認する手法が必要だということで、この間来検討を続けているところであります。
○山本(拓)分科員 火事だといって第一報が入って、それで要するにすぐ出動するわけですね、消防署は。長官の今おっしゃるのは、火事だといったときに、全部燃え尽きて何人死んだかという、その情報を聞いてから対処しようという話のように聞こえるんですよ。
○五十嵐国務大臣 そうであってはいけないから、早期に被害の状況を把握する手法が必要だ。そこで、この間から、とにかくいつまた災害があるかわからないのですから、そのためには一日も早く、少なくとも初動時の対応のための早期の被害規模の把握の方法を考えるべきだということで、即応体制へのプロジェクトをつくって一応結論を出したところであります。実は、あしたの閣議でこれを改めて報告して、即日実施をしていこうというふうに思っております。
○山本(拓)分科員 時間三十分ですから簡単に聞きますけれども、これによりますと、国土庁の防災局長とか担当者を招集するということですが、こんなことは今さらプロジェクトチームをつくらなくたって、官房長官が電話一本かければすぐ集まってきたはずです。今回こういう人たちを招集しましたか、早期に。
○五十嵐国務大臣 当時は、これらの者が緊急に集まるというよりは、それぞれがもう現地にすぐ飛んだりあるいはそれぞれ情報を集めることに狂奔したりして、もちろん、それはそれぞれの関係省庁から、こういうメンバーとは限らなかったと思いますが、おいでになる方はおいでになっておりましたし、それはてんやわんやの状況であったと思いますね。
○山本(拓)分科員 情報収集で、専門家が研究して、こういう部署の人がいいと報告書を上げたわけでしょう。これは別に今さらこんなことしなくたって、当然こういう人たちはそこでふだんから情報活動を、専門家で災害が起きたらやるわけですから、当然持っているわけですね。今回持っていなかったのでしょうか。だから要するに、こういう人たちを的確に呼ぶ、その準備は今までしていなかったということでよろしいのでしょうか。
○五十嵐国務大臣 一義的には、まず国土庁でやっていたわけですね。御承知のように、国土庁が災害に関する本部所在箇所であって、しかし、とにかくわからない中でも大変だということで、それは官邸の方にも次々においでになったり、いろいろ電話や何かでもどんどん情報交換したり、密接を連携を各省ともとった、こういうことですね。
○山本(拓)分科員 情報がおくれたというのは事実だと思いますが、しかし、どんなにいいシステムをつくったってテレビほど早い情報は、役人さんというか我々はできないはずですね。競い合ってその場へ行くわけですから、それは刻々とやっているわけですよ。だから、その情報で大体のことは把握できるし、ここはもうこんなチームをつくってもいかなる情報が、例えば朝七時半の段階で的確に、結果的に五千四百人の死者を出しましたが、そのぐらいのものがあった、被害だというのがぱっと入ったとしたら、どういう指示をなされましたか。
○五十嵐国務大臣 な言葉ですが、テレビより早くは情報のとらえようがないという考え方を改めたいと思うのですよ、今そういうお話でしたが。 そのためには、例えば今考えているのでは、電力であるとかNTTだとか、あるいはJRであるとか私鉄であるとか、あるいはガス会社であるとか、こういう公共的な仕事をしている民間企業というのは、実は情報は相当なものをそれぞれ持っているのですね。瞬時にして、例えば何々線のどこが故障しているとか、とことこ地域は全部停電中だとか事故があるようだとかいうことはそれぞれ掌握ができますので、これらの民間公共機関の情報というものを政府側で一括して、瞬時にして入れてもらう。こういうシステムにすることで、非常に情報の立体化といいますか、重層化が可能になる。 それと今の、ヘリで見たり、消防なり警察のさまざまな情報等を総合して把握するということによって、我々はかなり早期に地震の災害の規模というもののあらましをつかめるのではないかということで、今実は作業をしているわけです。
○山本(拓)分科員 さっきから早期、早期と言うけれども、早期というのは緊急事態発生から何時間以内のことを目安としておられますか。
○五十嵐国務大臣 何時間なんというものでなくてごく直ちに、それは直ちにといったって一定の時間はかかるでしょうけれども、それはもう今回の反省に立って、今考えているわけです。それで、例えばアメリカのFEMAにも二十一日、あした、関係者を七、八人派遣することになっていますが、いろいろなことの勉強もしながら、ごく初期に把握できるようにしたいと思っているわけです。
○山本(拓)分科員 重ねて聞きますが、そのごく初期というのは二十四時間ですか、十二時間ですか。
○五十嵐国務大臣 二十四時間とか十二時間というものでなくて、もっとずっと早くにということを我々は目標にしているわけです。目標にして、今一生懸命これからやろうとしているのですから、それは何分であるかということを聞かれたって答えられるようなものではありません。
○山本(拓)分科員 十二時間より早くということで安心しましたが、それより早く、具体的に総理大臣官邸としてまず何を、国民の生命財産を守る総責任者の官邸として何を指示をされるのが一番効果的だと思いますか。
○五十嵐国務大臣 それは、そのときの状況によるでしょうね。地震でありましても、地震の状況というのはさまざま、その地域によってまた異なるものがあるというふうに思います。ただ、一般的に言えば、また今回に即して考えていけば、まずそれは何といったって、人命を直ちにどうやって救助できるかということが第一義的なものでありますから、そのためには、今回も大変に御苦労いただきましたが、警察、消防、それから自衛隊等が、それぞれ早期に全力を挙げて支援できるような体制を考えていくということだろうと思いますね。
○山本(拓)分科員 消防、警察、自衛隊ということですが、今回は自衛隊が非常におくれたという認識がございますね。
○五十嵐国務大臣 自衛隊は、かなり早く動いてはいるのですね。しかし、その規模等についてさまざまな意見のあるところで、自衛隊のこの種の問題についての早期の出動態勢等についてあるいは地方自治体との関連等について、今それぞれ自衛隊は自衛隊なりに検討を進めているところであり、全体的に政府が被害対策等についての抜本的な検討をいたしていく中で、これらの問題もしっかり改めるべきは改めていきたいと考えております。
○山本(拓)分科員 今回の反省点で、東海地震を想定していろいろな五万人動員とか計画がありますよね。だから、仮に五万人といわなくても、例えば一万人初日に自衛隊が現場へ入って活動していたら、最低限、今よりは被害を抑えることができたという認識はお持ちですか。
○五十嵐国務大臣 それはもちろんそうですね。なるべく早くたくさんの自衛隊が入った方がよかったということはもう言うまでもないし、これからもそういう態勢をなるべく早期にとるのにはどうしたらいいかということを考えなくてはいけないと思います。 自衛隊の場合も、御承知のように、それぞれ周辺のところに住居も散らばっているわけですから、集中して態勢を整えて出動するというのには一定の時間はかかるわけですね。かかるけれども、それをどう短縮して、いざというときに早期に出動できるような態勢にどう整備していくかということも大事だろうと思いますし、あるいはさっき言いましたように、地震規模を早期に把握することが早期出動につながるわけですから、そのためにはヘリなどの出動態勢なんかも、これは自衛隊に限りませんけれども、それぞれ早期に祭動するにはどうしたらいいかということなどを含めて検討を進めているわけですね。
○山本(拓)分科員 今の大臣の言い方だと、早期に招集したけれども、自衛隊が手間がかかっておくれたというようにとられるような答弁だったのですが、そうではないですよね。いわゆる知事の本格的な要請がおくれた、そういうことでよろしいですか。
○五十嵐国務大臣 これは、知事の要請ももっと早ければよかったということは言うまでもありませんね。全体を通じましてきちんと総括して、そして直すべきところは今後直すように、全体的にチェックをしてみたいと考えています。
○山本(拓)分科員 長官は市長経験者ですよね。自衛隊を使うのは一番よく御存じですよね。そういう経験でいくと、例えば現場は混乱しているわけですから、長官としてはアドバイスしませんでしたか、早く要請入れませんかとかそういうことは。直接、知事なり市長と初日にお話ししましたか。
○五十嵐国務大臣 もう初期のころはなかなか電話がつながらないといいますか、非常に混乱していたのですね。それで、これは現場の一番近くにいる自衛隊の師団長、この場合は中部方面総監ですか、それが御判断になられ、一定の出動は、近傍という立場でのものだとは思いますが、そういうことでの出動なんかもしておられたようでありますね。ですから、その辺は当然また動くべきものであるし、一定の作動はしていたというふうに思います。
○山本(拓)分科員 そうすると、長官はするつもりがなかったということですか。それとも、しようと思ったけれども連絡がとれなかったということですか。
○五十嵐国務大臣 通常、この種のことに関しては、それは今言いましたように、法によりましても知事からの出動要請があって、知事は、まさにもう知事も市長もそうでありますが、そういう被害の中で、そういう連絡というのは中部方面総監と十分になされているものというふうに我々は考えていたということです。
○山本(拓)分科員 ということは、直接連絡をとろうと思えばとれたということですか。官邸機能としてそういうことはとれなかったということですか。
○五十嵐国務大臣 実際には電話等も現地とはなかなかつながりがたい。いろいろな連絡を、どうだ、あそこへかけれ、ここへかけれというようなことは随分みんな言っていたのでありますが、しかしなかなかそういう点でも難しい状況にはあったようだと思いますね。の山本(拓)分科員 難しいのは難しいのですが、しかし技術的に官邸はそれができないのですか、できるでしょう。長官の認識ですよ、長官の認識。
○五十嵐国務大臣 電話以外に直接現地と連絡できる方法というのは官邸にはないですね。
○山本(拓)分科員 そうすると、全く他の方法、例えば向こうにも自衛隊がいるわけですから、自衛隊から無線で直接連絡させるとか、市長のところへ行かせて、知事のところへ行かせてとか、そういうことは技術的にも考えられなかったのか。指示してもできなかったのか。
○五十嵐国務大臣 それが、何にしてみても真っすぐ真っすぐというわけにもなかなかいかぬ。いかぬといいますか、当然、自衛隊は自衛隊で防衛庁があるわけですし、そういうところではそういうところなりに一生懸命やっているわけですから、現地と直接ということには、さっき申しましたようになかなかそういうことにもならなかったということですね。
○山本(拓)分科員 いや、私が言うのは、政治家同士の話ですから、それに市長経験者ですし、市長経験者としてどうだとか知事に対してどうだとか、そのようなアドバイスをするつもりもなかったということでよろしいですね。
○五十嵐国務大臣 要するに、最大限の努力は、もちろん我々はいても立ってもおられぬ気持ちでいろいろやった。初期はなかなか情報の、災害の規模の把握が困難でありました。時間がたつにつれてだんだん状況がわかってきて、非常に我々としてもいても立ってもいられないという状況であった。今の詳細なところはまた……
○山本(拓)分科員 いいです。 私がお聞きしたのは、要するに、状況の把握というのは現場の市長とか知事が一番詳しいのですよ、よそに聞くより。直接電話して聞くなり、電話が通じなかったら何らかの方法で聞けば早いのですよ。そんなもの、周りから集めるよりは。だから、そういうことをお聞きしているのです。そういう必要性を感じなかったのかと。
○五十嵐国務大臣 御承知のように、知事も大体出られたのは十時ごろでしょう。知事と私、電話で話をしたのは、昼ごろでしたかお話しできましたけれども、初期の段階で知事とお話しするということはできませんでした。
○山本(拓)分科員 では、その昼の段階で知事には、自衛隊はこういう施設があるからあなたが要請すればすぐ出ますよということは申し上げましたか。
○五十嵐国務大臣 もちろんそれは知事は、要請をしてある、こういうお話でした。
○山本(拓)分科員 もう時間がありませんからこれ以上は言いませんけれども、では具体的に、総理の危機感、さっきからお話ずっと聞いていますと、官僚サイドというのか事務的な手続で全部動いているようですが、ということは、政治家五十嵐官房長官として具体的な指示というのかそういったものは、特にあなたしかできない指示というのは何かされた記憶ありますか。
○五十嵐国務大臣 振り返ってみて、そういう意味でいえば、まず非常災害対策本部の準備及びその設置、それから、その後総理大臣を本部長とする、全閣僚本部員となる緊急対策本部の設置、それから専任大臣、これは総理でありますが、専任大臣の決定というようなものは、これは全部事務サイドではございません。これは総理あるいは私の方からの指示でやらせている。あるいは、現在の初期の作動について反省の上に立って、これはこの問題だけ直ちにもう結論づけてしまおう、それであしたからでもやるようにしようということでの即応対応のプロジェクトチーム、これも私の指示によるものであります。あるいは、FEMAに二十一日に視察にやるのも私の指示であります。それは全体を通して、今回は政治的な主導というものは行われていると考えます。
○山本(拓)分科員 最後に一点、今回のを振り返って反省点が多いということですが、官房長官として、長官の職務として、点数ですけれども、何点だったと思いますか。
○五十嵐国務大臣 これは、五千三百人を超えるお亡くなりになった方が現におられるのでありますから、そういう点からは点のつけようもないことで、何点ともつけようのないことであるというふうに思います。
○山本(拓)分科員 どうもありがとうございました。
○菊池主査 これにて山本拓君の質疑は終了いたしました。 次に、近江巳記夫君。
○近江分科員 今回の阪神・淡路大震災、大変な被害があったわけでございまして、警察庁からの報告、最も新しい時点におきましては、死者が、今官房長官は五千三百とおっしゃっておりましたけれども、五千四百十三名、負傷者が三万三千二百二十一名、もっと掌握すればさらに数値が上がるのではないかと思います。亡くなられた方々に心から御冥福をお祈りする次第でございまして、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈りしたい、このように思う次第でございます。 今後早急にやらなければならないことは、避難されている方も現在二十万名を突破しておるわけでございまして、そういう方々の支援対策、何といいましても住宅の問題がございましょう。あるいはまた、避難生活者の健康保持のための医療・保健対策の強化、当面の生活問題、また中小零細企業等の方々への援助、さまざまな問題があろうかと思います。そういうことで、今後復興計画及びそれに伴います実施のための立法あるいは施策などの問題があろうかと思います。あるいはまた、大規模災害時の国の危機管理体制の整備、地震に強い都市づくりへの基本対策、さらに救援・救護体制の整備等々さまざまな問題があろうかと思います。 今回の震災に際しまして、はや一月を超えたわけでございますけれども、今官房長官とされまして、どうした反省といいますか、またその上に立ってどうした点に力を入れたいと思っておるのか、率直にお伺いしたいと思います。
○五十嵐国務大臣 今委員お話しのように、五千四百人を超えるお亡くなりになった方々を初め、多くの負傷者、また大事な家屋、財産を失われた被災者の皆さんを考えますと、本当に心からお悔やみ申し上げ、またお見舞いを申し上げたい、このように思う次第であります。 一月余を経過した次第でありますが、政府といたしましても今日まで、これらの方々の救援、また生活基盤を復旧するための最善の努力をいたしてまいったと思います。また、これらのために全国から大変な救援をいただいて、かつてないボランティアの活動もございまして、こういう点につきましても心からお礼を申し上げたいと思うところであります。 やはり、反省してみまして、我が国の防災体制全体について、随分各所にチェックしなければならぬ、見直さなければならぬ点があると、今度の経験を踏まえて痛感をいたしているような次第でございます。端的に言いまして、一つの制度疲労のようなものがあるのではないかというふうに思いますので、この機会にしっかり改めてまいりたい、こう思います。 中でも、初動時における災害の被害規模を早期につかむこと、これをまた官邸はもとより関係のそれぞれの省庁、部署に的確に早期に伝えるという、情報の確立というようなことにつきましては特に痛感をしているところで、これらにつきましては、我々といたしましては他の問題と一応切り離して、この間来、チームを編成して検討作業を続けてきておりまして、その結論も得ましたので、明日の閣議に報告をして、即応体制に関しましては明日から新しい体制をとりあえず組んでまいりたいというふうに思います。 また、引き続いて全体の改革の作業もひとつなるべく早く仕上げて、それぞれその新しい体制で常日ごろ訓練をしているようにしてまいりたい、こういうぐあいに思う次第であります。
○近江分科員 確かに、初期の情報を的確に把握する、非常に重要なことでございますが、あした閣議で決定されるということでございますけれども、どうした方向で考えておられるのか、その辺をひとつお伺いしたいのです。
○五十嵐国務大臣 いろいろなことを今考えているところでありますが、もとより警察、消防あるいは自衛隊、これらの政府関係の諸機関が、災害が発生した直後とにかく一分でも早く、どの程度の災害規模であるか、その予測を取りまとめて、これをそれぞれ関係のトップ、そして官邸にも直ちに知らせてくる、こういうことを進めなくてはいけないというふうに思うわけです。 そのためには、それぞれの持っている機能を最大限発揮して調査に当たるということは言うまでもありませんが、例えば、震度五以上になりますと、それぞれの機関のその地域で所有しているヘリがなるべく早く上空に飛び立って、上空から被害の状況を、これは写真で写してとかいろいろなこともありますけれども、しかし何よりもとにかく肉眼で見て、口頭で下に知らせる。これがまず行うべきことで、今あそこの高速道路がひっくり返っているとか、どこどこの鉄橋が落ちでいるとか、今どこどこのビルが倒れたところだとか、こういうことはそのまま叫べばいいわけでありますから、そういうようなことで、一刻も早くそれを知らせるということが一つであろうというふうに思います。 同時に、JRであるとかNTTであるとか、電力であるとかガス会社であるとか、こういうような民間の公共機関は、実はそれぞれ相当な情報網を持っているわけです。これもこの間来お願い申し上げて、協力しようということになりましたので、その情報も政府がいただいて、そして、ああ、どこどこの地区では電力の上ではどの程度の問題が発生している、あるいはNTTでも、どこから先は線路が不通になっている、あの辺はいろいろな意味から相当なものだなという、立体的な情報の把握というものをできるようにしていこうと考えています。 もう一点、これも今検討をしているところですが、実は東京消防庁にもある程度のシステムがありまして、これをもっと活用してみよう。この前アメリカのFEMAのウィット長官が来たときにもその話がございまして、アメリカでは既にやっていることでありますが、コンピューターに一定のそれぞれの地域の地形、人口、市街地の状況等々を入れて、あるいは断層等も含まれるのかもしれませんが、そうして、震度六なら六の地震が発生する、それは大体何キロぐらいのところで、深さがどのぐらいのところで発生したというようなことをそれにインプットしますと、大体の被害規模の推定が、予測値が出てくるというシステムがございます。そういうこともこの際やってみようではないかということで、この研究も実はし始めているところであります。 今言うようなことなどを総合して、この際、初期の被害状況の把握というものを早期にちゃんとつかめるように全力を挙げて今取り組んでいるところであります。
○近江分科員 きょうは時間が非常に限られておりますので、問題を絞ってみたいと思うわけでございます。先ほど申し上げましたように、今後取り組まなければならないこと、非常に山積しておるわけですが、救援・救護体制の整備という問題でございます。御承知のように兵庫に隣接しております大きな大阪府があるわけでございますが、あの震災がございまして、その後いろいろ関係者の声が出ておるわけでございます。 集約したものといたしまして、震災発生当日は大阪府下の各救命救急センターは病床を用意し、医師、看護婦から成る医療チームを災害地に派遣すべく待機させていたが、ほとんど患者が来院せず、焦り、情報不足にいら立っていた。十八日になり、偶然のように連絡がつき出した被災地内の医療機関との間で患者の転送が少しずつ行われ出したが、陸路の搬送には非常に時間がかかり、ヘリコプターの出動要請にもなかなか応じてもらえなかったり、着陸地、臨時ヘリポートの許可に煩雑な手続が必要であった。 一方、被災地内の病院には地震発生約十五分後から負傷者が来院し始め、畳や戸板に乗せられて家族に連れられてくるケースが相次ぎ、傷病者のトリアージ、トリアージというのは重症度と治療優先順位の決定のことですが、それができるような状態ではなかった。また、大阪など被災地外の病院の状況を知る由もなかった。 大阪には、御承知のように大阪大学病院、大阪府立病院、千里救命救急センター、関西医大救急、近火救命救急、泉州救命救急、大阪市立大学病院、三島救命救急センター、市総合医療センター等々、これらがそうした体制をしいていたわけです。ところが大混乱の中で結局、公式のそうした要請も初日においては何らなかったわけです。これはまさに、政府の危機管理体制がなってなかったと非常に厳しい声が上がっておることはもう御承知のとおりでございますし、また、各地方自治体におきましてもそうした広域災害に対する対応というものが全くなかったと言えるのじゃないかと思うのです。 こういう点を本当に考えてまいりますと、今も三万三千名からの方々が苦しんでいらっしゃるわけでございますが、特に五千四百名以上の方が亡くなっている中で、警察庁にもお聞きしましたけれども、死因はいわゆる圧迫死として統一しておりますが、そのうち約四千六百名、ほとんどが圧死というような状況になっているわけでございます。この圧死の状況というのは、医学的にはクラッシュシンドローム、挫滅症候群、これは官房長官も御承知かと思いますが、これは早くすれば助かるわけです。特にお年寄りとかそういう方々は、圧迫を受けますと、要するにカリウムが非常にふえまして、心臓、腎臓に甚大な影響が出て、そして亡くなっていく、こういう状況でございます。医師団もこれだけの摩滅症候群の手当てをしたのは初めてだとおっしゃっているわけでございますが、初期における救援・救護活動というものがいかに大事なものであるかということでございます。 それで、非常に貴重な調査データがございまして、「救急医学」という雑誌に、一九九二年十一月第十六巻第十二号、通巻第百八十三号、へるす出版というところから出ているのですが、「災害に対する病院の備えについて」、鵜飼さん、甲斐さん、太田さんという三名の先生方で調査されておるんですね。調査の日時は一九九二年六月なんです。どこを調査されたかといいますと、大阪府下の全病院と兵庫県下の二百床以上の病院を対象にされているのです。三週間後の七月十五日にこれは回収されておるのです。 これを見ますと、病院災害対応計画がありましたかという問いに対して、公的病院で二四・二%、なしが七五・八%、私立病院で一三・一%、なかったというのは八五・九%。災害訓練の経験がありますか、公的病院では六・一%、私立病院では九%。医薬品の災害用備蓄がありますか、公的病院で七・六%、私立病院で八%。医療用材料の災害用備蓄がありますか、公的病院で四・五%、私立病院で七%。自家発電装置用燃料の備蓄はどうなっていますか、六時間以内、六時間しかもちませんというのは公的病院で三五・五%、私立病院では六六・二%等々、データが出ているわけですね。 しかも、あれだけの揺れでございますから、恐らく備蓄しております医薬品なんというものは吹っ飛んでいると思うのですよね。ですから、これだけの大量の負傷者が来て、もう恐らく医師団、看護婦さんは必死に、寝ずに、それこそ自分の体力の限界に達する献身的な努力をしていただいた、そのように私は思います。そういう中で、現実に医薬品が足らないというような中で、助かる人だってどうしようもなかったというようなことも多々あったのではないか。その辺の機微に触れることについてはなかなか表には出にくいことでございますが、現実に五千四百名以上の人が亡くなっているわけですね、今なお三万三千名という方が負傷されているわけです。もうそら恐ろしいことでございます。 そういう中で、現実にそういう棚の倒れを防ぐためのちょっとした工夫をすればいいんですけれども、それすらもほとんどの病院でできていないわけですね。ですから、これは厚生省にかかわる問題であろうかと思いますが、内閣挙げて、この非常事態に対してやはりしておかなければいけないと思うのです。 しかも、ヘリポートのある病院なんかはほとんどありませんね。少なくともこれからは公的な病院で、もしも共同部にも設置ができる、また用地的にもできるということであるならば、これは本当に内閣として、少なくとも公立病院にはヘリポートを設置させる、民間にも要請をする、今後新設の病院についてはすべて設置をさせる。 現実には、先ほどもありましたように、とにかくあの阪神大震災のときには車はもう全然動かぬわけですね。私は兵庫県の隣接の豊中市ですから、私のところでもかなりの被害がございました。五百戸近い建物が倒壊しておる、全壊ですよ。死んだ人も四名いらっしゃいます。負傷者も数百名上がっています。それはすごい揺れでした。そういう中で、私も直ちに現地に行こうと思って、車で行こうと思ったけれども、伊丹の辺からもう一寸も動かぬわけですよ。そういう状況の中で、今の救急体制というのは救急車を頼りにしていますね、それは動きようがないわけですよ。しかも、電話も途絶しておる。無線なども各基幹病院には設置させるべきですね。そして救急用には、連絡路が途絶した場合においては、ヘリコプターが最大の仕事ができると私は思うのですね。 西ドイツ等におきましては、交通事故等でも、ハイウエーがあれだけ発達しておるわけでございますから、そういうお国柄もございますけれども、幾ら遅くても十分以内にはヘリコプターは到着します。私もドイツでそれを体験いたしました。そのように救急の体制というものをあらゆる角度から、単に厚生省に任すとか自治体に任すということではなくして、内閣として本気になって取り組み、きめ細かなアドバイスもし、合意を早くつくり上げてこの体制をつくっていく必要がある、このように思うわけでございます。 そういう中で、特に官房長官のところで非常に関係の深いことをされている問題がございます。それは、いわゆる多目的病院船の問題でございます。考えてみますと、こういう多目的な病院船があれば、当然ヘリコプターも搭載している。ヘリコプターで少なくとも数百キロ、五、六百キロは飛べるわけでございますから、そうして運航しながら、そしてまたヘリコプターも発着てきるわけでございます。そして、現地に急行する。 いわゆるこういう被災地における病院というものは、大なり小なりもうほとんど、水道はストップ、電力はストップ、医薬品はそのように飛散しておる。そして医師自身もスタッフも傷ついている。そういう中で、やりたくてもあらゆる面が整わないという中で、本当に献身的な医療関係者の闘いによって辛うじて救済されているという状況です。 そういうことで、政府としては平成三年以来、この多目的病院船の問題について調査検討委員会を置かれておるわけでございますが、平成三年以来、これだけのことが叫ばれておりながら、今現実にどうなっているかということなのです。現時点における状況、ポイントをお願いしたいと思います。
○藤井政府委員 御指摘の多目的船舶につきましては、おっしゃるとおり平成三年六月から検討委員会を設けて検討いたしております。検討の中身は、今先生のおっしゃいました多目的病院船という観点が一つございます。もう一つは、もう少し幅広く多目的船舶そのもの、総合多目的船ですね、災害復旧であるとか応急医療、補給、輸送、情報指令等の多機能の船舶。そういう両面から検討を加えております。 平成三年度は、その総合多目的船、それから先生のおっしゃいました医療多目的船の二類型に分けて、検討整理を行いました。 平成四年度は、その前の平成三年度の検討の結果、医療多目的船の方にやや問題が多いという結論、結論といいますかまだ中途の段階でございますけれども、そういう話もございまして、それでは総合多目的船を中心に利用目的の検討を深めようかと、特に海外における災害とその救助活動ということを重点に置いて調査を進めております。 平成五年度には、もう一度総合多目的船のほかに医療多目的船も検討の対象に加えまして、今まさに先生のおっしゃいました、国内の災害と救助活動等の事例調査も行っております。 平成六年度現在はその引き続きの調査中でございまして、平成七年度も調査を続けるということで予算措置を得ておるところでございます。
○近江分科員 既に平成三年からスタートされまして、今もう平成七年ですね。そういう中で今回の阪神・淡路大震災が起きたわけですね。そして、救われるべき方が、医療体制、こういう緊急、そして大変な混乱の中で、恐らく手が差し伸べられなくて、時間が本当になかったという中で亡くなられた人も随分いらっしゃるのではないかと思うわけでございます。そういう点におきまして、今日まで検討していただいておるわけでございますが、少なくともこれだけ、数年かけていまだに結論が出ないというようなことは、形だけやっておって、それでやっておりますというような姿勢であってはならぬと私は思うのです。 例えば、政府はジャンボ機二機を購入されましたけれども、現実にそれは利用されておるわけでございます。あのときの購入費は二機で幾らだったのですか。また、どれだけの維持費がかかっているのですか。
○藤井政府委員 申しわけございません。ジャンボの価格、私は詳しくは存じませんので答弁を控えさせていただきますが、百数十億かなという、常識的にはそんなものかなという感じがいたします。確かではございません。
○近江分科員 百数十億というのは、一機のことをおっしゃっているのですか。
○藤井政府委員 一機でございます。
○近江分科員 そういうことはすぐにぱっと政府として用意しておくべきですよ。要するに、ジャンボ機一機でもそれだけかかるのですよ。 それでは多目的病院船は、例えば一隻一万トン、二万トンクラスの船でどれぐらいを想定されているのですか。四年も五年もかけて調査されているのですから、大体どれくらいを想定されているのですか。
○藤井政府委員 多目的船のお値段でございますけれども、これは、実はトン数あるいは装備の内容によって非常に大きなばらつきがございます。これもまた調査の検討過程において、まあ常識的にという点で通常数百億というふうに言われておりますが、数百億といいましても恐らく四、五百億には達するであろうというふうに思われます。
○近江分科員 具体的な設計とかいろいろなものが入らなければ幾らかかるかということは言えないと思いますけれども、しかし、現実にこれだけの災害があり、もしもそのときにこの船があればどれだけ多くの人が助かったかわからないわけですね、いろいろな角度から考えましても。もう一月以上経過しているわけですね。そういう点から見ますと、日本は四面、海に囲まれた国でございますし、本当に、急行すれば何十時間の中で到達もできるわけでございます。 したがいまして、目的は、二種類の船をおっしゃっておりましたが二種類づくればいいんですよ、国際協力という面で。やはり一隻は国内に常駐して、いつでも出動できるという体制をとるべきだと思うのですね。ですから、平成三年からこれだけかかってされているわけでございますから、少なくとも今年におきましてそれをもう本当に完結をして、政府として具体的な着手の段階に来た、私はこのように思うわけでございます。その点につきまして、官房長官にお伺いいたします。
○五十嵐国務大臣 この前の阪神・淡路大震災における医療救援活動の問題につきましては、私も実はNHKで、おとといでしたか、非常に詳細な記録を見せてもらいました。 お話のように、実はすごく反省すべき点、今度はこうしなくてはいけないなというような点が随分ございました。しかし、そういう中でも本当に現地の医療活動者は大変な御努力をいただいて、もう大変感銘を深くしたのですが、しかしそうでありながら大きな反省があるというのは、やはり先ほども御指摘ありましたように、大阪で幾つもの病院が受け入れ態勢にあるのになかなか連絡がつかないとか、本当に問題があったという点は認識できるというふうに思います。こういう点につきましては、重大なこれからの検討課題であるというふうに思いますので、御指摘のとおり、しっかり対応してまいりたいというふうに思っているところであります。 今の多目的船あるいは病院船といいますか、これも、お話のようにかなり長く検討を続けていることでございまして、ながながしかし、こういうことでありますから、例えば国連にその種のものが一そうや二そうあっていいように思うのですが、国連にもない。アメリカにも、実は軍の方では医療用の船があるようでありますが、しかし今のような目的のものはない。つまり、世界で前例がないわけですね。しかし、みんなそういうことは認識しながらできていないのはなぜかということも一つあろうというふうに思いますが、我が国は、国際的にもあるいは国内的にも、こういうようなものは一つの活動すべき方向であろうというふうにも思われますので、なおここ四年間検討いたしましたものを積み上げまして、今年しっかり検討を続けてみたい、こういうぐあいに思う次第であります。
○近江分科員 終わります。
○菊池主査 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして内閣についての質疑は終了いたしました。
○菊池主査 次に、総理府本府について質疑の申し出がありますので、これを許します。栗原博久君。
○栗原(博)分科員 私、新潟旧二区の栗原博久でございますが、きょうは、シベリア抑留者の皆さんの関係、あるいはまた恩欠の方々の関係について、政府のお考えをお聞きしたいと思うわけでございます。 ことしは戦後五十年ということで、与党でも戦後五十年プロジェクトチームをつくりまして、数々の成果といいましょうか、その記念の事業を行うということで進んでいるわけでありますが、原子爆弾被爆者援護法も自民党、社会党、さきがけさんがお互いに英知を尽くしてその成立を見ておりますし、また従軍慰安婦の問題につきましても、基金ということである程度のめども立っているわけでございます。 また、旧日赤看護婦の慰労金の問題につきましても合意をいたしておりますし、またその中で、五十年を迎えることで予算措置で、歴史研究事業とか交流事業とか、あるいはODAの問題とか在サハリン韓国人の支援関係とか、あるいはまた台湾の確定債務の支払い等についても前進を見ておるわけです。 そういう中で、対外的には中国の化学兵器の問題あるいは強制連行の問題等の課題も残っておるようですが、国内においてはまず恩給欠格者の問題を、議論といいましょうか、それを考えようということであるようです。 私は、三党の合意の中で、歴史的な政権を生むに当たりまして、過去の戦争を深く反省して未来に平和の決意を表明するということは、これはやはり、このいまいましい戦争によって亡くなられました多くの方に対して心から哀悼の意を表しながら、それに報いるために、我々は国際貢献を誓いながら平和を求めていかねばならぬと実は思います。 今この歴史的な中に、私どもは、今でも未解決でありますこの問題について、もう一度戦後五十年という節目の中で、平和祈念事業ということで解決されております恩給の欠格者の問題、約二百五十三万人おられるわけであります。あるいはまた、一方的に旧ソ連に強制抑留をされました日本人、二十年の八月九日を境にしてのその方々、四十七万三千人おられる。現地では五万五千人の方が亡くなられているということであります。あるいはまた引揚者の方もおられます。これを、戦後五十年の中において、歴史研究支援事業というものを進めようという考えもあるようでありますが、六十三年の五月二十四日、平和祈念事業特別基金等に関する法律が公布されて、そして旧軍人軍属等に対して慰藉の念を示すという事業を規定して今日に至っています。 私も内閣委員会でたびたびこの問題についても触れてまいったのでございますが、一昨年の十月十一日にエリツィン大統領が日本に参りまして、哀悼の意を天皇陛下のもとで表しておるわけです。しかし、それに対して、例えばシベリア抑留につきまして、全国抑留者補償協議会の方々とか全国戦後強制抑留補償要求推進協議会の方々は、やはり皆不満を表明されております。たとえ言葉で哀悼の意を表されても死者はよみがえってこないのだ、抑留者に対する償いをやはり具体的な中で裏づけてもらいたいということ、それが本当の問題の解決である。あるいは、幾ら謝罪してもだめなのだと補償を要求している。ただ哀悼の意を表するとか、気の毒だというような、そんを言葉でこれは解決されないということを声をあらわに申し上げているわけでございます。 そこで私は政府に対してお聞きしたいのでございますが、この五十年を境にしまして、どのようにお考えになっているのか。これはかつての自民党と政府との合意事項の中で解決済みであるからということで、一刀両断でもうだめだというような考えをまだ今でも持っているのか。それとも、こうやって連立政権ができて、歴史的な、社会党と自民党が組む時代になったわけですから、このときこの問題を放置して果たしていいのだろうかということを私は思うのであります。 実は、我が国における恩給の推移を見ますと、今約一兆六千億ですか、平成七年度一兆六千億前後の予算計上がされております。私、先般求めた際の資料でございますが、一般会計に占める恩給費の額が年々低下しているわけです。例えば昭和五十四年は三・五%だった。それから昭和五十九年には三・四%、それから五年後の平成元年には二・八%、昨年は、今の本年度予算では約二・二%、平成七年度予算になりますと恐らく二%を割ると思うのであります。 それで、例えば平成元年度と平成六年度の間では、約六百億円の恩給費の減額であります。あるいはまた、昭和五十九年から平成元年、この間の減額は約三百億円であります。予算も、昭和五十四年から昭和五十九年の間は実は三千七百億円プラスであるわけですが、その後減額になっておる。そして、恩給の受給者は今百八十万人前後ですが、十年後には約百二十万人程度になるということです。ですから、今後、一般会計に占める恩給の額が少なくなってくるわけでございます。 この慰藉事業、平和祈念事業で約四百億の基金を積もって、先ほど申しましたシベリア抑留者の方々、恩給欠格者の方に対して慰藉の念をあらわして、そして書状や懐中時計を差し上げる、あるいはまた銀杯、慰労金を差し上げる、いろいろなランクがあるようでありますが、こんな程度でまだ終わってはならない。戦後五十年を節目に特に記念事業をやるとおっしゃっているのですから、もう一度この平和祈念事業の増額を考えながら、あるいはまたそれ以上に、予算の中における恩給費が低くなっていくわけですから、今このときこそ恩給欠格者の方々、シベリア抑留の方々を救済しなければ、もう救済するタイミングを失ってしまう。私はそういうふうに考えるわけでありまして、政府御当局の御見解をひとつちょうだいしたいと思うのであります。
○平野(治)政府委員 先生御指摘のとおりに、恩給年額が徐々に減っていくということはそのとおりだと思うのでございます。ただ、恩給自身は御承知のとおり総理府の担当ではございません、総務庁でございますので、私の方からお答えするのはあれかと思いますけれども、そういうものにつきましては私どもは当然減みたいな感じで伺っておりますので、その減額された恩給費をとこか別に回すということは特に考えていないというふうに私ども伺っているわけでございます。 ところで、御指摘のいわゆる恩給欠格者の方々につきましては、ただいま先生も御指摘ございましたとおりに平和祈念事業特別基金、御承知のように、関係者の労苦につきまして国民の理解を深めること等により関係者に対し慰藉の念を示す、そういう目的で設立されました平和祈念事業特別基金におきまして、先生も御指摘ございましたような事業を現在行っているわけでございまして、そのような方法で進めていきたいというふうに私どもは現在考えているところでございます。
○栗原(博)分科員 あなたがそれしか答えられぬのは承知しております。 官房長官がおられますので、こういう歴史的意義の中において、どのような御見解が。それは、どうするこうするという答弁は今の審議官の御回答からいって無理かもわかりませんが、官房長官から、今自民党と社会党、さきがけの間で、戦後五十年という節目の中でどのようにこれを歴史的に評価し、そしてまた再び繰り返さないために何をするかということが問われる中において、過去のマイナスの遺産の面をほうり投げて、ただ美辞麗句だけを並べるようなことであってはならないと私は思うのであります。 特に官房長官におかれましては、社会党出身であるということながら、私も大変尊敬しておりますので、この件について本当に政府首脳として取り組む意思があるのかないのか。そして、もし取り組む意思があるならば、どのような方向で検討せねばならぬかということをひとつ御拝聴賜りたいと思うのです。
○五十嵐国務大臣 五十年前を考えますと、本当にたくさんの、それぞれの立場での犠牲になられました皆さん、あるいは大変な御苦労をいただきました皆さんに十分な対応がされているかということになりますと、そういう点では本当に皆さんに御苦労をおかけしていることを痛感せざるを得ないものがあります。いわゆる恩給欠格者、シベリア抑留者、引揚者の方々の問題につきまして、今委員から切々たるお話がございまして、本当にお気持ちのほどは痛いほどわかるのであります。 お話にございましたように、昭和五十九年十二月に、当時戦後処理問題懇談会で御検討いただきまして、一応結論が出され、提言がされているところでございまして、この提言の趣旨に沿って平和祈念事業特別基金等に関する法律を御提案し、これに基づく基金を設立して、関係者に対して慰藉の念を示す事業を行ったところでございます。今後ともこの基金法に基づいた事業を適正に進めていくという考え方でございます。
○栗原(博)分科員 私は、戦後五十年という問題の中で、まだ政府がそのような御見解であるということについて大変残念に思うわけであります。 ただ、ちょっとお聞きしたいのでありますが、与党間の五十年プロジェクトで恩給欠格者の問題について取り組むというような方針もあるようですが、これについて、具体的に政府と何か意見の交換というようなことをやっているのですか。
○平野(治)政府委員 五十年プロジェクトにおきましては、これは政府と、党の方では与党三党でやっているプロジェクトでございますけれども、そちらの方ではいろいろないわゆる戦後処理の問題をやっているのでございますが、その中の一つのいわゆる恩給欠格者の問題についても議論になっておりまして、また近々、そういう問題についてもいろいろ私の方からも実態を聞きたいとか、そういうようなお話も含めてお話があるように承っております。
○栗原(博)分科員 今の審議官のお話ですと、ある程度光明があるというふうに私は解釈させていただきたいと思うのですが、ほんのわずかの日にち、一週間、十日ばかり足りなくて恩給がもらえないという方もたくさんおられるわけですね。ただ、やはりこれは官民格差ということで、官庁に勤めた場合シベリア抑留の年数が加算される、民間に勤めた人は何もない。こういうこと自体も、国家とは何ぞやというふうに実は私は思うのであります。こういうこともやはり改正をしていかなきゃならぬのじゃないかと思います。 そういう中で、恩給の受給者は、下士官等は十二年、それ以上は十三年ですか、昭和八年ごろまでは十一年でもらえたというのでありますが、だんだん恩給の受給者が先細りになるわけでありますから、本当にわずかの日にちのためにもらえない、こういう差別というものは、やはり真剣に政府の中においても議論をしなければならない事態を迎えているのではなかろうかと私は思っております。 今官房長官がおっしゃいましたけれども、たとえ五十九年の十二月にその見解があったといっても、先ほども私申しましたようにこうして自民党と社会党がくっついた時代なんですから、あのころはやはり単独政権の中でやったことですから、ぜひひとつこれをもう一度真剣に議論していただきたい、そしてまた、それを実現していただきたい、私は強く皆様に御要請申し上げたいと思います。 そういう中におきまして、例えばシベリア抑留の問題は、ソ連に連れていかれて強制労働させられた、だからその労働の対価をやはりこれらの方々は求めておるわけであります。日ソ共同宣言の中では、日本及びソ連は、戦争の結果として生じたそれぞれの国、団体、国民の、他方の国、団体、国民に対するすべての請求権を相互に放棄するということになっております。しかしながら、個人と政府の間は、これは放棄というわけにはいかないわけであります。 しかし条約上、政府としてもなかなかこれは持ち出すことはできないと言っておりますが、あれだけの大きな国ロシアでありますから、当然やはり、日本国がこのような取り扱いである限りにおいては、強くロシアに対して、ソビエト連邦の継承国であるロシアに対して強く賠償請求をしなければならないと思うわけであります。 その中において、今残念ながら団体が二つあるということでありますが、こういう団体を一つにまとめるように行政指導をしていただいて、そしてやはり彼らの苦しみというものを一刻も早く救っていただきたいと実は私は思うわけであります。 そういう中で、この平和祈念事業特別基金の件についてお聞きしたいのでありますが、今、特別基金はどの程度積み立てられておるのでしょうか。
○平野(治)政府委員 今年度までで三百億でございまして、ただいま御審議いただいております七年度におきましてはさらに五十億というふうに考えております。したがいまして、予算が通れば三百五十億円ということになるわけでございます。
○栗原(博)分科員 では、四百億ということでございますが、これはいつまでに最終積み立てを予定しておりますか。
○平野(治)政府委員 先のことでございますので予算のことはあれでございますけれども、私どもといたしましては、平成八年度にさらに五十億積んでいただいて四百億にしていただきたいというふうに考えております。
○栗原(博)分科員 今、この基金の運用につきましては、今の三百億の中の運用益と、そしてまた単年度の基金事業運営費の補助金ですか、これで行っているというふうに承っておりますが、今日までの各年度の運用益及び補助金のトータルは大体どのように推移しておりますか。
○平野(治)政府委員 六十三年に基金ができたわけでございまして、補助金のことで申しますと、昭和六十三年度は約五億円、元年度が九億円、二年度が十二億円弱、三年度が十四億四千万、それから四年度が十二億四千万、五年度が十三億七千万、六年度が十三億六千万というふうになっております。 運用益、予算上の運用収入予算でございますけれども、六十三年度はできたばかりですからございませんが、元年度は九千万、二年度は四億、三年度は八億七千万、四年度は十一億四千万、五年度は十億強、六年度は十億四千万というふうになってございます。
○栗原(博)分科員 そうしますと、贈呈事業をやっておるということでございますが、こうした原資が四百億残るわけですね。今、この祈念事業を見ますと、恩欠の皆さんのは請求があれば随時対処するということですが、シベリアの関係はもう期限が到来している。そうしますと、恩欠の方に対しては書状ですか、やるだけでありますから、高齢者に対して銀杯だけれども、もう大して数はこれから出てこないと思うのです。 これから四百億も実は運用原資があって、さらにそこに補助金が出ていくわけですけれども、私はやはり恩欠の方とかこういう方は、むしろ基金そのものが果たしてどういうものかというふうに――では、この基金は、いつごろこの贈呈事業は終わるのか。それから、将来事業が終わった場合、その四百億はどうなるのかということ。それから、要望でありますが、原資を取り崩してでもいいから恩欠とか抑留者にこれは充てるべきじゃないかというのが私の考えなんですよ。 四百億の金を、これはあなた、今特殊法人の整理とかいろいろ言われているから、必ずこれは、基金そのものが余り必要なくなる時代が来るわけですから、そのときこの四百億をどのように処置するかということもひとつお聞きしたいと思うのです。
○平野(治)政府委員 基金の目的は、先生も御承知のとおりに、いわゆる関係者の労苦につきまして国民の理解を深めること等により関係者に対し慰藉の念を示す事業を行う、これが基金法に書かれた基金の目的でございます。それで、その中の一環として、ただいま先生からお話もございました、例えばいわゆる恩欠者に対しまして書状を出したり、あるいは記念の銀杯だとか慰労の品を出す、こういうことをやっているわけでございます。 そういう関係の事業につきましては、おっしゃるようにどのくらいふえるかということでございますけれども、いろいろなことを考えますと、やはり私どもも五、六年ぐらい、まあ数年かなというふうに思っているわけでございますけれども、先ほど申しました基金のいわば本来の目標でございます、関係者に対し慰藉の念を示す事業というのはまだいろいろあるわけでございます。 そういう意味で申しますと、個別のと言うとちょっとあれがございますけれども、例えば恩欠者に対しまして銀杯を出したり慰労品を出す、そういういわゆる慰藉事業は終わりますけれども、ほかに広い意味での慰藉事業というものは残るわけでございます。したがって、現在のところ残った四百億円のいわば運用利益でやろうということを考えているわけでございまして、それを取り崩して何かするというところまでは考えてございません。
○栗原(博)分科員 私があなたに申し上げているのは、これだけシベリア抑留者とか恩給の欠格者の方が何とかしてほしいと申し上げている、あなたたちは関係者の慰藉をやるんだと言うけれども、では今まで具体的に何をやっているんですか、贈呈事業以外に。そして何をこれからやるんですか、具体的に。
○平野(治)政府委員 ただいまの段階では御承知のとおりに、いわゆる恩欠者に対します具体的な慰藉事業、つまり書状を出したり銀杯を出したりあるいは慰労の品を出すということで経費の大半が使われているわけでございますけれども、基金そのものをつくるときの慰藉事業の内容につきましては先生御承知のとおりに法律上明記されているわけでございます。私ども、一般慰藉事業というふうに申し上げているわけでございますけれども、具体的には講演会をやったり展示会をやったり、あるいはそういうものを後世に伝える出版物を出したり、こういうようなことを現在やっているところでございます。
○栗原(博)分科員 今あなたが後段に説明した程度は、何もそんなものをしなくたって国民は全部知っていると私は思うのですよ、そんなことは。ただ私は、それだけの金があるならば、もう少し手厚く恩欠の方々とかシベリア抑留者の方々に、目で見えるもの、実体的なもの、物でやはり措置をしなければならないと思うので、ぜひひとつ今後ともこういうことについて改正を、今ある範囲の中で、一般会計から持ってこれなかったら、四百億、これを何とか組み替えしてもいいから使うようにできないものかと思います。 それからもう一つ、最後ですが、今この慰藉事業についている専従職員は何人おられるかということ、それから、役員はどこから来ていらっしゃるか、役員は何年間勤めているか。本当は私もっと聞きたいのですが、役員の報酬等も聞きたいのですが何かむにゃむにゃ言っていますから聞きませんけれども、やはり多額な報酬を役員がもらっているというふうに承っている。 今この事業費が、聞きますと運用収益と補助金で約二十四億、しかし経常経費が三億以上あるんではないかということ、人件費とか役員報酬があるわけでしょう。そんな金は本当に正しいか。こんな問題は、恩給欠格の方々とかシベリアの方々に少しでもそういうのを低くしてその分を、これは十年間で三十億だ、あるとしたならば。これを目に見えるものとして、実体のものとして、やはりこういう対象の方々に配分するようにしていただきたいのですが、この実態はいかがですか。
○平野(治)政府委員 平和祈念事業特別基金におきます常勤の職員の数は十九人でございます。十九人の数だけではとてもさばき切れないということで、ほかにいわゆるアルバイト的な人もたくさん使っているわけでございますけれども、そういう人々が日夜やってもなかなか、現在申請がございますいろいろな案件の処理がおくれていて、関係者の方々からおしかりを受けているわけでございます。そういった経費、管理費的な、おっしゃるように三億円ほどかかっているわけでございますけれども、そういうことでございますので、ひとつ御理解を賜りたいというふうに思っております。 また、先ほど御指摘がございましたいわゆる常勤の役員でございますけれども、理事長が一人に理事が一人ということで、二人いるわけでございます。総理府を初め幾つかの省庁を経験されまして、最後は総務庁で退官された方でございますけれども、そういう方々の給料につきましても、その業務の重要性等にかんがえまして適正な報酬で行っているというふうに私ども考えております。
○栗原(博)分科員 報酬というのは当然でございますが、ただ私は、恩欠の方、シベリア抑留の方々を見ますと、そういう方が本当に命をかけて戦ってきた、それを後始末している団体等に手厚い支給をされていることについて、私、今額がはっきりわかるから申し上げたいのだけれども、あなたたちに恥をかかせると思うから言わぬだけでありまして、官房長官も総務庁長官もおられるので、ぜひひとつ、そういうところに出す金は欠格者の方とかシベリアに回してくれるように強く要請しまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○菊池主査 これにて栗原博久君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理府本府についての質疑は終了いたしました。
○菊池主査 次に、総務庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。和田貞夫君。
○和田分科員 三十分という貴重な時間でございますので、官僚の方は少なくして、できるだけ大臣の方から御答弁のほどをひとつよろしくお願いしたいと思います。 山口総務庁長官は村山政権の行政改革の推進という非常に重要な課題に取り組んでおられるわけでございまして、敬意を表したいと思います。また同時に、同和対策の責任者として、部落問題を初めとする差別撤廃と人権擁護に向けた取り組みに懸命に努力しておられることに対しまして、深く敬意を表したいと思うわけでございます。 村山総理は、「人にやさしい政治」を掲げ、施政方針演説におきましても、その意味を、いろいろな立場や状態にある人々が、社会全体の中で人権が守られ、差別のない、公正な充実した生活を送ることができる社会を建設することだ、このように説明をしておられるわけであります。 私は、部落差別を初めとする差別を解消し人権が擁護される社会を建設するための法整備や施策を実行することが、「人にやさしい政治」だと考えておるわけであります。 政府の同和対策の責任者であり、また村山政権の中心閣僚として総理を支えておられる山口総務庁長官、「人にやさしい政治」とは一体どのようなものとお考えになっておるか、ひとつお答え願いたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。 委員の御指摘は、私もかつて社会党の書記長として、五年間、和田さんとともに努力をいたしましたので、そういう意味での問題の提起はよく理解をいたしているつもりでございます。また、「人にやさしい政治」とは基本的人権の尊重がなされる政治でなければならないという趣旨のことを日ごろ総理にも申しておったわけでございますが、総理はそのことをよく踏まえて、施政方針演説におきまして「人にやさしい政治」とは基本的人権が尊重される政治であるということを強調されたことは、私は大変よかったと思っている次第であります。 国民一人一人がその人権を尊重され、家庭や地域に安心とぬくもりを感ずることのできる社会をつくり上げていく、それが「人にやさしい政治」の中心をなすものだ。そしてまた、御指摘がございましたように、同和問題の早期解決に向けて努力することが「人にやさしい政治」であり、私も主務大臣といたしましてそのことに力を尽くしてまいりたい、かように決意をいたしている次第であります。
○和田分科員 部落解放基本法の制定のために与党が協議しよう、こういうように社会党が与党に対して呼びかけをしておったわけでございますが、昨年の暮れに、社会・自民・さきがけ、与党三党による人権と差別問題に関するプロジェクトチームというのが設置をされました。同和問題の基本政策を初め、日本における人権政策を協議することを開始したのであります。 現在まで三回の会合が開催されまして、元同対審委員であり地対協会長でございました磯村英一氏、部落解放研究所の友永健三所長、今週は自民党の地域改善対策研究所、あるいは運動体として部落解放同盟、全国自由同和会の意見ヒアリングを行い、我が党としても、提案をいたしております「部落解放基本法案の基本的考え方」のメモ、いわゆる和田メモと言っておるわけでございますが、各党に示しました。これを提案をさせていただくということになっておるわけでございます。 早急に与党が合意を図って、「人にやさしい政治」を具体化するために私たち自身も努力をしてまいりたい、こういうように考えておるわけでございまして、基本的な法制度あるいは日本におけるところの人権政策を確立すべく努力をいたしますが、ひとつあなた方の方も、部落問題を解決するためには部落差別の現実を正確に把握するということが肝要であるというように私は思うわけであります。 ところが、一昨年政府が実施をいたしました同和地区実態把握等調査の中間報告が昨年の九月になされ、来月の末には報告がなされようとしておるわけでございますけれども、これには未指定地区の実態が、調査の対象にされないで含まれておらないわけであります。 私は、かつて富山の方に参りまして、富山市には市内で町名の呼称が、正式につけられておる以外の呼称を通用させられておるという実態を把握をしてまいったわけであります。 ここは約七十世帯の被差別部落住民が長く住んでおられる。古いお堂さんを探しまして、文献を見てみますと、皮屋村という言葉があるわけであります。これは、一つの道路を隔てまして田中町と双代町というのに分かれておる。たくさんの人口がふえてまいりまして、片方では田中町は田中町会という町会をつくられておる。片方は双代町という、その町会をつくられておる。もともとから住んでおられた約七十世帯の被差別部落住民がどちらの町会にも入れないという実態なんです。どちらにも入れてくれないので、田中町の田、双代町の双をとって田双町内会というのをみずからつくっておる。ところが、事もあろうに公安委員会の発行する免許証に田双という言葉が出てくるわけです。これは私は県の方に突きつけました。 そういうような実態があるにもかかわらず、県の方は同和行政をやろうとしない。市の方は同和行政をやろうとしない。そして国自体が、そういう未指定地区の差別の実態というのがあるにもかかわらず、これに対処しようとしない。それは、今の地対財特法が災いをしておると私は思うのです。地対財特法では、これはやはり同和行政をやるについて限界がある、一定の限界があると思うのです。 そこで、総務庁長官にお聞きしたいわけでございますが、総務庁長官としては、現行の地対財特法というのは部落問題を解決するのに難しいということをお認めになっておられるのかどうか、未指定地区の問題についてどのようにお考えになっておるのか、この機会に長官としてひとつお答え願いたいと思います。
○山口国務大臣 私、この場所に立ちまして思い出すことがあります。昭和四十年の同対審答申ですね、あの同和対策審議会の答申がなされましたとき、私の先輩の八木代議士が、この場所で、当時の佐藤総理に向かって、この同和対策審議会答申を踏まえて一日も早く対策の法律を制定すべきであるということを強調しておられた姿を私は忘れることができません。 したがいまして、今御指摘の法律も、同和対策審議会の答申を踏まえて、そしてそのもとに同和問題の解決をすることを目指してつくられてきた法律である、地対財特法もそういう中でつくられてきた法律であるということを私は否定することはできないだろうと思います。しかし、当時の同対審答申の理想というものから見て果たして一〇〇%十分であるかといえば、制度というものにはそれぞれやはり不十分な面というものはあることは避けられないと思うわけでございまして、そういう意味では御指摘のような点は、これはあろうかと思います。 私も、群馬県内におきまして未指定地区のありますことは存じております。問題は、地域の住民の皆さん方、それかも地域の地方自治体が事態を正確に把握をして、そして対処するということが必要だろうと思います。そのために、やはり啓発の仕事というのが重要ではないでしょうか。昨年暮れ、それぞれ関係団体、三団体の代表の方をお招きをし、また研究所の役員の方もお招きをし、関係自治体の方もお招きをして勉強会をいたしましたが、その際、やはり啓発というものが重要だということが、当時の皆さん方から強調された点だと思います。私は、この啓発を通じて、御指摘されたような事態を解決するために全力を尽くしたい、かように考えております。
○和田分科員 同和問題の早期解決に向けた施策のあり方、部落問題の根本的な解決、このためには、今申し上げましたように、やはり未指定地区についてもどういう実態があるかということを把握する必要があると私は思う。 先ほど申し上げました富山の場合は、地区住民が意識をして、同和行政をやってほしいというように、県に対して、市に対して言っておる。ところが、県や市はやらない。ということは、今の地対財特法が災いをしておるのです。地対財特法が災いをしておるために、県がやろうと思ってもできない。市がやろうとしてもできない。そういう現実の姿ということを見据えてもらったら、やはり地対財特法というのは限界がある。地対財特法ではこの問題は解決できない。まして、今日の地対協というこの組織では、どこで何を論議するのかということがわからないというようなことで、真の同和対策事業というのをやるには少し欠けておる点があるんじゃないかと思うわけなんです。 長官の立場上、ここで地対財特法は欠陥があります、地対財特法は限界があります、こんなものはだめですということは言えないことは、私は百も承知であります。しかし私の方は、申し上げておる以上は、総務庁長官として、同和行政を今後進めるに当たって十分に頭に入れながら、地対室の皆さんと、いい案づくりのために、いい対策づくりのために、いい政策づくりのためにひとつ努力をしてもらいたいというように思います。あなたの立場がございますので、これ以上深く申し上げないことにしたいと思います。 そこで、この同和問題の早期解決に向けた施策をやろうと思いましたならば、今申し上げましたように、未指定地区を含む部落の実態を把握するということ。それからもう一つは、三十年前に答申された内閣の同和問題審議会答申、今長官も言われましたように、この答申の基本的な精神というものを踏まえるということが私は必要かと思うわけであります。さらには、人種差別撤廃条約を初めとする差別撤廃と人権確立のためにつくられた国際法、この国際法の諸方策に学ぶということ、これが三つ目の大事なことであろうと思うのであります。 この機会に長官にお尋ねいたしたいと思いますが、同対審答申では、同和問題の早急な解決は「国の責務であり、同時に国民的課題であるこのように言っておるわけです。山口総務庁長官は、この同和対策審議会答申の基本的な認識についてどのようにお考えになっておられるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。 先ほども昭和四十年当時のことを申しました。今から三十年前のことでございます。当時八木代議士が強調されたように、同対審の答申は、これは大いに評価すべき答申であったというふうに私は思っております。 「同和問題は、人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる課題である。」というふうに認識をいたしまして、このような認識のもとに同和対策事業特別措置法が制定されて、昭和四十四年以来二十五年間にわたって各施策の基本になってきたというふうに私は考えておる次第でございます。同和問題の早急な解決が必要であるというこの答申の指摘はまさにそのとおりだと思っておりますし、同和問題の本質に関する国民の理解を得ることが重要であるし、またこの答申はそれに大きく貢献をしているというふうに認識をいたしております。そういう立場から、早期解決に向けて全力を挙げて努力をいたしたいと考えておる次第であります。
○和田分科員 ありがとうございます。 今、まさに同対審答申の基本的な部分について触れられました。この答申によりますと、今も長官が述べられたように、早急な解決が必要であるということ。それから、解決の方法として、生活環境の改善の問題、社会福祉の充実、産業職業の安定、教育文化の向上、基本的な人権の擁護等を内容とする総合対策でなければならない。そして、誤った偏見を払拭した点、この点が非常に基本的な精神であって、その意義というものは今日においても重要なものとして評価すべきであると考えますので、長官が言われたことに基づいてひとつ今後の同和対策事業に取り組んでいただきたいと思っております。 その次に、大阪で条例がつくられたことは御存じでおろうと思います。個人の差別者、個人の不理解者については、これは法的に縛るということでなくても啓発・教育で解決していけると私は思うわけなんですね。 ちょうど私は二十年前に国会で初めて部落地名総鑑というのを取り上げたわけであります。それから二十年たった。ところが、いまだにそういう差別を売り物にしておる。金を取って結婚調査をやる、身元調査をやる、あるいは就職を阻害するような身元調査をやるというようなことについては、これは法律によって取り締まらないと、啓発・教育活動では解決できませんよ。大阪でそういう条例ができれば、大阪で商売やっていたやつが名古屋へ行きよる、大阪で商売やっていたやつが東京へ行きよる。東京に条例がない、名古屋に条例がないから依然として差別を売り物にする商売をやっているわけであります。これはやはり全国どこでも、差別を商売に充てる、そういうことがなされる行為は法律で規制する、法律によって処分する、処罰をするというようなことが必要でなかろうかというように私は思っておるわけでございます。 その点について、直接の担当大臣じゃございませんが、せっかくでございますのでちょっとお答え願いたいと思う。
○山口国務大臣 私も、長官に就任しまして以来、各地に参りました。そこで、ただいま和田委員が御指摘の問題に関して、条例制定に対して一体どうであるかという意見を求められたことがございます。法律の方は私の所管でございませんので、条例制定に関しての意見ということだったのだろうと思いますが、私も長い間地方行政委員をやっておりまして、やはり条例は、いわばこれは当該の地方公共団体が憲法に言う地方自治の本旨に基づいて対処すべき課題であると思うと。したがって、私の方から具体的にこうこうすべきであると言うことはやはり地方自治の本旨からいっていかがか。 差別のない社会を目指すということが私たちの大きな目的であることは言うまでもない、その目的に向かって当該地域の地方公共団体あるいは議会が地方自治の本旨に基づいてやはり大いに議論をし、そうして同対審答申の目指す方向というものを踏まえて賢明な対処の仕方をすべきではないのか、かように私は思っておる次第であります。そういう趣旨で法律の問題も対処すべき課題ではないだろうかというふうに私は思っております。
○和田分科員 ぜひとも法によるところの規制等、主務官庁ではございませんが、閣議の中でも議論していただきまして、ひとつそのように向かって努力をしていただきたいというように思います。 村山総理が参議院におきまして社会党の久保書記長の代表質問に対して、人種差別撤廃条約の早期締結が重要だ、こういうように答弁しておられるわけであります。昨年の暮れに設置をいたしました与党の人権と差別問題に関するプロジェクトチームも、三月に入りますと自民党が提案をいたしました人種差別撤廃条約のヒアリングを行うということが決まっております。人種差別撤廃条約は、日本において同和問題を初めとする差別の撤廃と人権意識の向上について大きな効果があると思うのでございます。同和問題の責任者である山口長官は、この人種差別撤廃条約についてどのようにお考えになっておられるのか。 質問時間の制約もございますので、次に、実態調査の最終報告は来月の木に出されるというように聞いております。その際に、同和問題に対する国民的関心と人権意識の喚起に向けて、総務庁長官の所感あるいは地対協会長の談話等を出していただくことが非常に大きな意義を持つものであるというように思っておるわけでございます。与党のプロジェクトチームといたしましても一日も早い政策合意を実現すべく努力をしたいと思いますが、総務庁長官としてもひとつお力をおかしいただきたいと思います。実態報告を踏まえた長官の所信あるいは会長談話を発表することが、先ほども申し上げましたように非常に大事な問題でございますので、そのようなこともお考えになっておられるかどうかということを、ひとつこの機会にあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○山口国務大臣 お答えいたします。 人種差別撤廃条約の問題に関しましては、私は、閣議後の懇談、閣僚懇談会において国務大臣として発言をいたしました。既に昨年の秋にアメリカが批准を行った、国連加盟のうち百四十二カ国が既に批准を行っておる、先進国の中で批准をしていない国は残念ながら日本とアイルランドだけであるという状況も指摘をいたしまして、私の所管事項ではないけれども、国務大臣として、人種差別撤廃条約早期批准に向かって努力をすべきではないのかということを強調いたしました。私の意見につきましては、閣僚の皆さん方あるいは担当の閣僚の皆さんもある程度理解はいただいたのではないだろうかと思っております。私は今後とも、国務大臣といたしまして、政治家といたしましてもまた、この人種差別撤廃条約の一日も早い批准を行うべきだということは折に触れて強調していきたいと思います。 ただ、問題は、もう委員御指摘のとおり、我が国の憲法の基本的人権の尊重、これと人種差別撤廃条約で決めておりますところの処罰義務との兼ね合いの問題が前から議論の対象であるということは私も承知をいたしておりますけれども、そこは何とか調和する道を求めて、一日も早い批准が必要である、今後とも私は強調していくことをこの際申し上げておきたいと存じます。 また、お話のございました同和地区実態把握等調査の問題でございますが、調査の中間報告は私も受けております。ハードの面におきましては改善は進んだ。しかし、ソフトの面と申しますか、例えば進学の問題であるとか就職の問題であるとか、あるいは結婚の問題であるとか、そういった心理的な面におきましては今なお差別が残っているという状況を私も非常に残念に思っている次第であります。三月末に最終報告がなされるわけでございますが、その際の分析結果等をよく検討いたしました上で、どのような談話を出すべきか、その際判断をさせていただきたい、かように考えておる次第であります。
○和田分科員 時間が参りましたのでやめさせてもらいますが、せっかく審議官お見えでございますのに、あなたの発言の場を与えなくて非常に恐縮でございます。また改めて、時間たっぷりとひとつ議論させていただきたいと思います。 長官、人権を尊重する、部落問題を中心に行われる行政の責任者として、ひとつこれからも十分御活躍いただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○菊池主査 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。 次に、小泉晨一君。
○小泉(晨)分科員 私は、今回の質問に当たりまして、大きく二つのことについてお尋ねをしたいなというふうに思っています。一つは、先ほど聞いておりましたら、近江議員も少し触れられておりましたけれども、多目的船舶調査検討委員会等が設置されて以降のことについてであります。二つ目におきましては、今お話にも出ておりました病院船等の日本のあり方についてということでございます。 私もいろいろ勉強してまいりましたけれども、かつて湾岸戦争の折、日本の医療技術や造船技術等を生かして病院船を建造して派遣する構想、そんなことがあったわけでありますが、その後、日の目を見ることなく現在に至っているというふうに私は認識をしております。 しかし、いろいろ考えてみますと、資金の有効利用あるいは環境保全の面から、これから海のあり方はどうかということも大きな柱になってくるだろうと思いますし、福祉・高齢化の対策としては、今後リハビリ等の病院建設、これも大事なことだと思っています。あわせて、日本の世界にすぐれた日本の技術、その分野では船ということも大変大きなポイントになるというふうに思っています。 海、リハビリ病院、そして船、これらを合わせて私はフローティング・ホスピタル構想というふうに勝手に名前をつけまして、一年有余勉強してまいりました。構想の背景には、地価の高騰による公共事業コストの上昇、乱開発による環境破壊、しかも、その地価の高騰により、例えば建設省関連の公共投資に占める用地費の割合というのは、首都圏、近畿圏ではおおむね五〇%を超え、全国平均レベルでも二〇%を超えている現実を見ますと、国民の大事な税金を用地費に使っている。それは労働需要や資材の需要にもつながらない費用でございますので、内需拡大効果もないというふうに言ってもいいのではないかと思っています。 また翻って、民間設備投資においても用地の取得費の増大は大きな経営上の問題でもありまして、海外移転を別にすれば、国内では比較的地価の安い地方に行くか、あるいは山林への開発にと手が伸びざるを得ないのが現状であります。 山林の開発といいますと、少なくとも一万平米からの山林を伐採し、用地を造成、しかもそのための取りつけのアクセス道路、三キロ、四キロ、道路づけをしなければならないことであります。 これから見ますと、フローティング・ホスピタルは、用地取得費の増大に伴う社会資本整備のおくれを回避し、むしろ豊かさを包蔵した山林を保護するという観点からも、まさにこの海上空間を利用しようとする考え方は、これからの社会資本整備の大きな方向ではないかというふうにも思っているのであります。 最初にも触れましたけれども、まさに高齢化社会を迎える。新ゴールドプランを我々も適宜協議しているわけでありますけれども、二〇〇〇年には老人人口も一五、六%、そして二〇一五年にはおおむね二一%になるだろうという現実を考えてまいりますと、これからの保健福祉施設や公共サービスの基盤整備を早急に進めなければならないのは言うまでもありませんし、そのための消費税導入ということもあるかもしれません。 しかし、この船という限られた空間で、なおかつこれらの施設をつくるということになりますと、そこから出てまいります生活廃棄物や医療廃棄物を船の上で完全にリサイクルしなければならない。この試みあるいはこれらの試しが、研究開発投資の新しい宝庫であるというふうに私は考えているのであります。速く、しかも安く大量に物資を運ぶという従来の造船技術とは全く異なるフロンティアの分野であろう。こうしたプログラムが、在来の規則やあるいは規制にことごとく抵触していくのではないか、あるいは抵触していくだろうということは、むしろ明白かもしれないのであります。 そういった中で、この環境重視、生活重視の時代を切り開いていくときに、どのような規則や規制が有用で、また不要なのか、そのこともこういう試みをすることによってさらにさらに明らかになっていくだろうというふうに思います。 私も議員になって一年半弱でありますけれども、この二年間、公共事業という名のもとに三十兆円にも及ぶ社会資本投資が行われたにもかかわらず、私たちの暮らしに特段の効果をもたらしたとは私は考えていません。むしろ、このような考え方で新社会資本投資を大胆に新しい方向に向けていく、そんな考え方が必要ではないだろうかと思います。来年度予算のあり方についての各ページを読みましても、環境の重視、生活者重視という言葉は出てまいりますけれども、むしろ私は、新しいこのような社会資本の移動を提案すべきだというふうに思っているのであります。 今までの政府は、むしろ動脈産業を中心に制度がつくられ、資本投資が行われてきました。その裏にある静脈産業は、むしろ自然消滅的に消え行く運命にもありました。しかし、これから私たちが世界に対ししっかり主張しなければならないのは、体で言えば肝臓や腎臓の働きを持った肝腎産業をしっかり位置づけていくことだと思っているのであります。 大変前段が長くなりましたけれども、さて、ここで内政審議室に質問をいたしたいというふうに思います。 平成三年だったでしょうか、多目的船舶調査検討委員会がスタートし、どのような話がその中で進み、その委員会の構成員と民間の活力あるいは民間の知恵との間ではどのような話し合いが行われてきたのか。三番目としては、三年有余の中で中間的取りまとめが実際に行われたのかどうか。そして最後には、この平成七年度の予算のどこにそのような継続事業の予算項目があるのか。それらについてお伺いをいたしたい、こう思います。
○梶原説明員 多目的船舶の検討につきましては、先生今御紹介がありましたように、中東湾岸危機を契機として、政府として大規模災害に対する救援とか国際協力とか、そういうことでどういうことができるのか、そういう観点から検討をするということになりまして、平成三年に調査検討委員会を設けたということでございます。 以降、医療関係者とか防災関係者、また船舶関係者、これは建造の面もありますし船員の面もございますけれども、そういう関係者から幅広く意見を聞いております。そういうことを踏まえて、政府が持っ船舶としてどのような機能とか役割が期待されるのか等々の基本的な考え方、また船舶と航空機との連携をどう考えるのか、また民間の船もありますので、政府の船舶と民間の船との連携をどう考え、役割分担をしていくのかというような基本的な部分について検討を深めつつあるところでございます。そのほか、機能、目的に沿った船舶の設備とか、大体の姿を今いろいろと検討しているというところでございます。 民間の方々との関係でいいますと、今言いましたように、いろいろな関係者から御意見を伺うとともに、実はこの検討につきましては、三菱総研という調査会社に一部検討を委託しておりまして、また、そういう総研は総研で関係の委員会を設け、関係の民間の団体の方とか、そういうところにお集まりいただいて意見を聞きながら調査を進めているということでございます。 それから、既に調査を開始してから四年になるわけでございますけれども、多目的船の目的が非常に幅広い。救助の問題とかまた復旧の問題、医療の問題につきましても、緊急医療の問題と長期医療をどう考えるかとか、多々ございます。また、活動の場も、国内、国外ともに検討するということ。そのほか、多目的船というものが世界に今まで例がない、前例のない船でございますので、また技術上の専門的な課題も多いということ。それから、船舶の建造費が大変巨額に上るということと、運用に多数の要員が必要だというようなこともありまして、大分時間がかかっております。 そういうことで、今その中間的な取りまとめということを考えているわけではございません。できるだけ早く結論を出していきたいというふうには思っております。ただ、今言いましたように、検討課題が多いものですから、少し時間を要しております。 それから、平成七年度の予算でございますけれども、大体二千万弱を計上してございます。これは、先ほど言いましたように、委託調査ということで委託調査費と、それから関係省庁集まって会議をしておりますので、その会議費というようなことで計上させていただいております。 以上でございます。
○小泉(晨)分科員 さて次に、病院船、まさにホスピタルシップについて厚生省にお伺いをいたしたいというふうに思います。 さきの阪神・淡路大震災でも、初期の段階で何ができたらいいのだろうかというような問いかけが私たちに日々伝わってくるわけでありますけれども、今明らかになったことは、私の考えでは、三つあるというふうにも思っています。 一つは、日本のインフラストラクチャー、特にこの古く密集した建物は予想以上に耐久性に欠けていたという、まずこの第一点。もう一つは、こういったときの日本の緊急時に対する準備や危機管理というものが大変惨たんたるものであったということ。そして三つ目には、現在の不備状況を全国規模で立て直すには膨大な費用がかかるだけでなく、相当な時間を要さざるを得ないということだというふうに思っています。 私の手元に「海外ニュースガイド」というものが配られてまいりますけれども、その第千百十一号によれば、今度の大震災に対し、外国マスコミの特集が載っているわけであります。 その中のロサンゼルス・タイムズ一月二十四日号では、「被災者たちが一日に一本のバナナで磯じい思いをし、暖房のない木の床の上で寒さにふるえている時、日本政府は二千人のベッドと医療設備を備えた空母インデペンデンスを含む海外からの救援申し出に当惑していた。この政府の態度は、大災害を日本自体で対応できるという傲慢さと混乱している自国を見せたくないという感覚のあらわれだ」と報じています。 いろいろなマスコミが海外に日本を紹介したわけでありますけれども、押しなべて 私は日本の危機管理どうだったろうかと翻ってみますと、あの第一次オイルショックのときにも、国民はその情報の不確かさに不安を感じ、動揺し、一部経営者は将来を案じて自殺をする者まで出ました。湾岸戦争のときは、日本の役割と国際貢献とは何かについて国民は大変動揺いたしました。そして、今度の大震災でもまた、危機管理に国民は同様な動揺を隠せないということだと思っています。 今回の地震の被害者の苦しみを和らげるための懸命の努力が優先的に行われる一方、同様に、緊急を要する課題がある。それは、先ほど申し上げた危機管理システムを改善することであります。もし、同様な規模の地震が半年あるいは一年以内に日本の他の地域を直撃したとしたら一体どうなるのか。今私たちが何をやっていくべきなのか、実践的な手段とは何なのか、それが今求められていると思います。 それは、とりもなおさず災害から発生する国民医療と保健であります。神戸の場合は、幸いにも近隣の地域の医療施設が大きな損害を受けていなかったために、近隣に応援を頼むことができました。しかし、次に同じような大規模な地震が起きたとしたら、どうなるかわからない。近年何度も論争がされてきた病院船や船上の医療施設の建設に関しては、今後もしっかりした見通しを持って研究と開発を続けなければならない、それが私の考えてあります。 しかし、だれもが御存じのように、きょう決めても、病院船を建造するのには大変長い時間を要するのであります。ならばどういう代案が必要かということになるわけであります。一つは、既存の客船を少し改造することによってそれに対応する。でも、私の調べた範囲では、それらの改造でも、恐らく七カ月あるいは十八カ月程度はかかるのではないだろうかと思います。 すぐ実行可能な案は、もう一つありまして、他の国で既に建造している病院船を緊急に一時借り受けてくることであります。最も最先端の設備を備えていると評価できる近代的な病院船を保有しているのは、私は、アメリカ合衆国であるというふうに思っています。 先日の二月十三日のことでありますけれども、私の知人のところに、前太平洋担当海軍提督ジェームス・A・ライアンさんから一枚のコピーが入ってまいりました。 それによりますと、マーシー病院船六万九千トンとコンフォート病院船六万九千トンがあり、この二そうの船は、フィリピン及びその他の南太平洋諸国へ人道的使節船として任務したことがあり、過去の業績では一日千人、九週間で六万三千人以上の人々をいろいろな形で治療したと報じています。もちろん、さきの湾岸戦争のときにもこの船を利用したことは当然であります。そこで、これら二そうは現在それほど使用されていない、しかしいつでも使用できる状態で待機している、二そうのうち一そうでも日本に一年更新の条件で貸与してもらえるよう打診をしてみてはどうか、あるいは日本が病院船の改造を行い、それが使用できるようになるまでの期間、地震国日本が借り受ける方法もあるのではないか、これが彼からのファクスの内容でありました。 日本独自のものが完成し得るまで病院船を借り受け、そこで日本のメンバーが働くことにより、医療スタッフの訓練は当然でありますけれども、それぞれの拠点間で働くために海洋医療活動の救急船の試験や訓練などにも併用できるのではないかと、彼はあわせてレポートを寄せてきました。 また最後には、これらを通してアジア・太平洋地域における医療活動のための国際協力のモデルとしても、日本では十分可能ではないか、こんな提案が私の手元に寄せられてきたわけであります。 こういった点を踏まえて、どうでしょうか、厚生省は病院船の担当だというふうにお伺いをしているわけでありますけれども、これらのことを、借り受ける、あるいは賃貸してもらう、そういうことが今の日本の法の中でどうしたら可能であるのか。また、無理としたらどうして無理なのか、その辺のめり張りについてお伺いをいたしたいと思いますし、私は日本にもこれらの病院船建造は必要だと考える一人でありますけれども、そうでないとしたらその理由をお聞かせいただきたい、これが質問であります。
○磯部説明員 病院船そのものにつきましては、これまで厚生省として独自に検討をしてきておりません。それは、先ほどお話のございました、総理府に置かれました多目的船舶の検討会において、医療活動についても検討していると伺ってきたからでございます。 さて、今回の災害時におきましては、災害救助法等に基づきまして、日本赤十字社や国立病院等からまず救護班を派遣いたしまして、医療救護活動を中心に行ったところでございます。そして、先生も御指摘がありましたように、今回の場合には周辺病院の受け入れが可能であったということもあり、今後につきましても、私どもの現在の考え方といたしましては、被災者の収容等は周辺病院の受け入れ体制、それから搬送の確保、これを基本的に強化していくという方向でやるべきではないかと考えております。 また、平常時におきましては、診療機能を有する船舶を維持するために膨大な経費が必要と考えられることもございまして、こうした二点から、せっかくの先生の御提言ではございますが、実現は困難ではないかと考えておる次第でございます。
○小泉(晨)分科員 今そういうことで必要がない、受け入れが困難ということでありますけれども、検討した経緯があるんでしょうか。
○磯部説明員 最初にも申し上げましたとおり、厚生省として何らかの、例えば委員会を設けてといった検討をしたことはございません。
○小泉(晨)分科員 第一問で船の多目的利用ということについて内政審議室にお尋ねをしたわけでありますけれども、先ほど近江議員もこの病院船について大変熱心に官房長官に質問をされておりました。私もいみじくも同様の質問をしているわけでありますけれども、ただ一点私が違うのは、先ほど申し上げたように、山のてっぺんを削ってフラットにつくりそこに建物を建てて高齢化社会の福祉に対応しようという社会資本の投資のあり方と、フローティング・ホスピタル的構想で海を使うような新しい社会資本のあり方と、これは激甚災害のみならず日常的にどうだろうかという基本的な問いかけについて、内政審議室、お答えい保ただけないでしょうか。
○梶原説明員 私ども内閣といたしましては、関係省庁にまたがる幅広いものを検討する。今回、多目的船について検討の事務方をさせていただいているわけなのですけれども、これにつきましては、多目的だということで、医療以外に災害復旧とか難民輸送、また邦人保護、場合によってはオイルの回収等々、かなり幅広い目的を持った船についてどうあるべきかを検討させていただいているということで、内政審議室において事務方をさせていただいているわけでございます。 今先生がお話しになりましたフローティング・ホスピタル、要すれば病院をどういう形でつくっていくのか、地面の上につくるのがいいのか、海上につくるのがいいのかということの問題だと思いますけれども、これにつきましては、病院のあり方ということでございますので、私どもの検討の範疇からはちょっと外れるのかな、申しわけありませんが、そんな感じがいたしております。
○小泉(晨)分科員 一番主題であります多目的船舶調査検討ということは、単純に見ると一そうで多目的を持った船を建造しよう、こういう理由として考えていいのか。先ほど、近江さんの質問の中でも、目的によって船が二つあってもいいのじゃないかというようなことを最後に議論をされておりましたけれども、その辺はどうでしょうか。
○梶原説明員 多目的船ということで調査をしておりますので、一そうで幾つかの目的を果たすという観点から調査をしているわけですが、船舶の考え方として、単機能なものを幾つか持つということもあり得るのだと思います。ただ、私どもの検討の範疇ではないのではないかというふうに思っております。
○小泉(晨)分科員 官房長官は記者会見だということで席を外されたわけでありますけれども、ぜひ私も近々官房長官に会いまして、ホスピタルシップとまた意味合いの違うこのフローティング・ホスピタルの必要性について話をしていきたいというふうに思っています。 さて、話をまとめたいと思うのでありますけれども、私はかねがね自分の体と社会を対比しているわけでありまして、私の体には動脈と静脈が流れている。その動脈血管と静脈血管のバランスが健康な体だとしたら、社会でも、つくる、運ぶ、売るという動脈産業に力ばかり入れる政策ではなくて、片づけ、処理し、そして整理するという静脈の方にもエネルギーや政策をシフトすべきだというのを長年私の課題にしてまいりました。 しかし、いよいよ考えてまいりますと、それだけではどうも自分の体や自分の都市を健康に守ることはできない。何が重要かということになってまいりますと、先ほど申し上げた、体の中に肝臓や腎臓がある。その肝臓、腎臓の働きを持った新しい産業を日本に提案しないと、産業の空洞化、金融の空洞化に対応できないのではないか、こういうふうに思うわけであります。 私の提案しておりますフローティング・ホスピタルは、そういう意味で新しい社会資本へのシフトということを考えているわけでございますので、両省庁におかれましても十分内容を検討していただきたいというふうに思います。 では、質問を終わります。
○菊池主査 これにて小泉晨一君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総務庁についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○菊池主査 次に、公正取引委員会について質疑の申し出がありますので、これを許します。海江田万里君。
○海江田分科員 私は、公正取引委員会に、現在いろいろ検討されております著作物の再販制度、この見直しの状況がどういうふうになっているのかということをまずお尋ねしたいと思います。
○小粥政府委員 お答え申し上げます。 お尋ねのいわゆる再販でございますが、再販売価格維持行為、これは御案内のように、メーカー等が販売業者の販売価格を拘束するものでございまして、独占禁止法上は原則として禁止でございます。ただ、同法の二十四条の二という規定がございますが、これによりまして、公正取引委員会が指定する特定の商品、これは現在は一般用医薬品の一部それから化粧品の一部でございます。この範疇のもの、それから特にお尋ねの著作物、この二つの範囲につきまして例外的に再販売価格維持行為が許容されている、こういうことになっております。 そこで、この例外的に認められているいわゆる再販問題について公正取引委員会がどのような態度で臨んできたか、こういうお尋ねでございますが、簡単に申し上げたいと存じます。 まず、公正取引委員会が指定する特定の商品、先ほど申し上げました一部の医薬品、化粧品でございますが、これにつきましては、この規定が導入されましたのは昭和二十八年でございますが、それから相当の時間が経過をしております。我が国の社会経済環境は大きく変わってきているわけでございますし、この特に認められた再販制度によりまして流通機構の効率化等が妨げられている、こういう指摘もございます。いろいろな弊害があらわれてきている、こういう現象も認められるところでございますが、そのような状況の中で、公正取引委員会はこの再販制度の見直しを行ってまいりました。 特に、平成四年の四月でございますけれども、先ほど申し上げました化粧品、これは当時二十四品目指定されておりました。それから、一般用医薬品につきましては、ほぼ同数で二十六品目ございましたが、この見直しを行いまして、そのうちほぼ半数に当たります、化粧品については十二品目、一般用医薬品につきましては十二品目を取り消す、こういう方針を明らかにいたしまして、これらを平成五年四月から昨年十二月にかけまして取り消しを行ったところでございます。さらに、残りの指定商品がございますけれども、これは御案内のように、昨年七月五日の閣議決定がございますが、これによりまして平成十年末までにすべての指定商品の取り消しを図ることとしております。 以上が、この再販の中で指定再販と言われる範疇のものでございます。 さて次に、著作物でございますけれども、これにつきましても、平成四年四月、先ほどの指定再販を見直した同じ時期でございますが、全体的に公正かっ自由な競争を促進する観点から、先ほど申し上げました二十四条の二の規定に基づく再販適用除外が認められております著作物の取り扱いを明確化する、こういう考え方で、これは法的安定性の見地から、いずれにしても立法措置によって対応するのが妥当であろう、こういう考え方をまず明らかにいたしました。自来、このような考え方に基づきまして、再販適用除外が認められる著作物の範囲につきまして幅広い角度から総合的な検討を行ってまいりました。 そして、現在、著作物の内容であります書籍、雑誌、新聞等のそれぞれの分野につきまして流通実態調査を行ってきております。この調査、現在行っているところでございますが、これらを踏まえて、公正取引委員会として政府規制等と競争政策に関する研究会という研究会にいろいろ問題の検討をお願いしているわけでございますが、その研究会の中に、学識経験者から構成いたします再販問題検討小委員会、これを設けまして検討をしていただいているというのが現状でございます。 なお、これも先ほど申し上げました昨年七月の閣議決定におきまして、平成十年末までに「著作物の範囲の限定・明確化を図る。」こういうことが決定をされております。 ただいままでの公正取引委員会のこの問題についての取り組みあるいは現状を簡単に申し上げました。
○海江田分科員 ありがとうございました。 今の御説明で、著作物の範囲をまず限定しておるということですけれども、私が考えますところ、著作物というその定義づけ、独禁法二十四条の二の第四項で言う「著作物」の中身が一体どういうことに当たるのかというと、実はもう片一方で著作権法がありますから、その著作権法を当てはめしておったというのがこれまでの考え方ですね。 ところが、著作権法で言うところの「著作物」と、それから独禁法で言うところの「著作物」というのは、言葉は同じでございますけれども、実はそこにそごがあるのではないだろうか。そういう意味においては、この著作物の中身をもう一回仕分けをしておるというのは、今私がお話をした独禁法と著作権法のところのそごの問題から、あるいはそれを安易に当てはめたところから来ておるのではないだろうかという考え方を持っておるのですが、それはいかがでしょうか。
○小粥政府委員 独占禁止法二十四条の二で「著作物」と法律上の規定がございますが、これにつきましては、公正取引委員会のこれまでの考え方といたしますと、今御指摘の著作権法上の「著作物」と必ずしも同一のものと解する必要はない。原則として独占禁止法上違反とされている再販の適用除外が認められた、今申し上げましたその立法の趣旨なりあるいは諸外国の動向、さらに対象となる商品の特性等を考えまして、これはある意味で独占禁止法の適用の実態といたしまして、書籍、雑誌、新聞、この辺は著作権法上の「著作物」と恐らく同一の範囲かと思いますけれども、さらにレコード盤そして音楽用テープ、これが含まれると実は解釈をしてきておりました。 ところで、近年、御案内のように、これは昭和五十年代の半ばかと存じますけれども、レコード盤の世界で、従来のレコード盤にかわりまして音楽用CDが販売対象として非常に大きなシェアを占めるようになってまいりまして、このCDを従来のレコード盤と同じように考えてよろしいかどうか、それにつきましてはいろいろと問題の提起がございました。 私どもも、これを検討しながら、差し当たって音楽用CDはレコード盤の代替商品、いわばその延長線上にあるもの、そういう考え方で対応してまいりましたけれども、これまた御案内のように、このCDのさらに類似商品、あるいはそれが発展して私どもとしても十分にその実態を把握しにくい新商品もあり得るわけでございますから、先ほど、私どもは平成四年に、法的安定性の見地からも、再販適用除外の対象になっている著作物の範囲というものをどう考えたらよろしいか、これはいずれにしても立法措置によって解決をするのが適当であろうという考え方を公表したと申し上げましたが、その背景には、今申し上げました、とりあえずCD、さらにその類似ないし発展商品、この辺を実務上どう取り扱うか、実はそういう問題意識もかなりございまして、いわばそれに触発された形で、著作物の範囲をどう考えるべきかという問題意識を持ってまいりました。 そこへ加えまして、最初にお答え申し上げましたように、全体としてこの規制緩和の大きな流れの中で独占禁止法の適用範囲を広げていく、そのためには適用除外制度というものを一般的に見直す必要がある、そういう大きな流れの中でこの問題を取り上げる必要がある、そういうより大きな、いわば政策的な問題意識を持ってきておりました。 いずれにいたしましても、著作物の範囲、これについては十分に吟味検討して、先ほど申し上げました「限定・明確化」、こう昨年の閣議決定も表現をしておりますけれども、私どももその線に沿いまして、今先生のお尋ねのように、私どもとしては、著作権法上の考え方とは、もちろん大部分は重なると思いますが、必ずしもそうでない面がある。むしろ、再販の適用除外をどの範囲に認めるのが適当であるか、先ほど申し上げましたように、導入以来四十年以上の時間がたっておりますから、今の時点でもう一度これを総合的に検討してみよう、実はそういうスタンスでございます。
○海江田分科員 今のお話の中で、二つ整理ができると思うのですね。 一つは、私もお話をさせていただいた、著作物の範囲を限定して、これを立法化すべきではないだろうかというお話、これは私も全くそのとおりだろうと思います。 そこからさらに進んで、先ほど委員長が後段で触れられました、規制緩和の動きがある、そういう中で独禁法の適用の範囲をもっと広げる必要があるのではないだろうかということで、これは再販制度そのものの見直しをしようという、先ほどの法律できちっと決めようというところからもう一歩進んだ考え方だろうと思うのですけれども、今回の見直しで、再販制度そのものの見直しというところまで行き着くのかどうなのか、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。
○小粥政府委員 この「著作物の範囲の限定・明確化」というところにいわば二つの内容があるということは、先生も御指摘のとおりでございます。私もそう思います。 率直に申し上げますと、先ほど、経緯として平成四年のときの我々の問題意識を申し上げましたが、最初の問題意識はかなりはっきりと、CDないしその類似商品をどう取り扱うのか。それについては、現在の著作物の範囲というものは、もちろん独禁法の適用対象としてですが、従来の考え方の延長線で考えるにしても、いわば商品の実態が非常に大きく変化してきている。そういうところで、実は実務上の必要に迫られたという状況があったことも事実でございます。 しかしそのときに、実は同じ時期に指定再販の見直し・縮小という方向を既に出しておりますから、私ども、それだけではございませんで、やはり著作物につきましても、先ほど申し上げました第二のと申しますか、あるいはより大きな観点から全体的な見直しを図る必要がある。いわば二つの理由が総合されまして、私ども、冒頭に申し上げましたように、この商品の流通実態の調査も現在行っておりますし、それからまた、既に学識者による検討の場も持って検討をお願いしている。その中では、これらの問題意識、二つと申し上げましたが、これがいわば両方総合された形で見直しが行われている、こういうふうに御理解をいただければと存じます。
○海江田分科員 ここからが本当の議論になっていくわけでありますけれども、先ほど委員長がはしなくも規制緩和のところから説き起こして、この再販の問題に行き着くんだというお話でございますが、確かに一般的に言いますと、規制緩和の問題、とりわけこの規制という問題は自由な競争を阻害しますから、それによって価格が下がるはずのものが下がらない要件になる、結果的に消費者が大変な迷惑をこうむるということで、その意味においては規制緩和ということは私はもちろん賛成でございます。 しかし、今回の再販の、とりわけ著作物、書籍でありますとか雑誌でありますとか、それから新聞は、その規模も大きいということもありまして、雑誌や書籍と若干違うと私は思うわけでありますけれども、そういう著作物の再販を外すことによって、果たして本当に著作物の値段が下がって、そして消費者が利益を受けることができるのだろうかどうなのだろうかという疑問を私は持っておるのですね。そこのお考えはいかがでしょうか。
○小粥政府委員 ただいまお尋ねの、そういう大きな流れの中で見直しをする、そのことはいいとしても、著作物、特にその内容の一つであります書籍について再販を見直すことは、これはいろいろと問題があるのではないか、こういう御指摘かと存じます。 再販を見直しをする、例えば極端な場合、再販を撤廃する、つまり原則に戻る、そういう対応はもちろんあり得るわけでありますが、そうした場合に予想される問題点、いろいろなお考えなり御指摘のあることは、これは私ども、それなりに承知をしております。 冒頭にも申し上げましたように、実は現在、流通実態調査を行っておりますし、まだ調査も完全に終わったわけではございません。それから、これまで行っている調査の内容を、先ほど申し上げました、主として学者の方から成る検討の場でいろいろ御検討いただいている、ちょうどその最中でございますから、私どもも、その検討の場でいろいろな議論が交わされている、それを注意深く伺っているというところでございます。 今の先生の一般的な御指摘、見直しの結果、もっともこれは、はっきりした場合には撤廃でありましょうし、あるいは縮小ということもあるかもしれませんが、見直しの結果として、いろいろ問題なりあるいは弊害でございましょうか、それが出てくるのではないかという御指摘に対しましては、私ども、一般論としてそういう御意見がいろいろあり得るということは、これは承知をしております。 ただ、率直に申し上げますと、公正取引委員会として、現在もう一定の方向を既に答えとして用意をしている、あるいは既に判断を持っているということではございません。やはりこの問題は、これも率直に申し上げますと、いろいろな意味で大変難しい問題でもあろうと思いますから、私ども、十分に関係者の御意見も伺っていきたい、いろいろな御意見を伺った上で判断をしていきたい、こういうふうに思っておりますので、現段階では、お尋ねでございますけれども、私どももそういういろいろな方面からのお考えなり御指摘は十分に承ってまいりたい、こういう状況でございます。
○海江田分科員 委員長もよくおわかりになっていらっしゃると思いますが、身近な例ではフランスの例なんかもございまして、アメリカはもちろんこれは完全に自由化をしておりまして、そして実はこの再販制度の見直しという話も日米構造協議のところでも出てきておりまして、そこが一つのスタート点になっておるという経緯もあるわけでございます。 そういう意味では、アメリカは完全に自由化をしておりますからよろしいわけですが、世界的な趨勢を見ますと、ヨーロッパはやはり日本の再販制度に似た制度があって、つい最近の新聞の情報ですと、イギリスでブックフェアをやって、かなり割引をしようとしたところが、裁判所の方が割引セールをやめなさいというような判決を出したというようなこともございます。 それから、先ほどもお話をしましたように、フランスが一たん再販制度をやめた結果、もう書店が売れる本しか置かなくなった。それから、出版社も売れる本しか出版しなくなったというような例もありますので、やはりそういう例をよく参考にして、そして我が国の再販制度の見直しをする上でお考えいただきたいということを私からの要望としましてお話をしておきます。それについて御意見を。
○小粥政府委員 ただいま外国の制度について御指摘がございました。まさにただいまの御指摘のように、アメリカでははっきりと再販適用除外制度はございませんが、ヨーロッパの方では、ドイツとイギリスは確かに法律により再販適用除外が認められているということは承知しております。 それから、フランスの例でございますが、これも今の御指摘のように、あれは一九七九年と承知をしておりますけれども、自由価格制に移行した。これは、私どもで若干調べましたところによりますと、それまでメーカーの希望小売価格制度が認められていた、これが一九七九年に禁止をされて自由価格制に移行したということでありますが、その自由価格制移行のときに、出版社がメーカー希望小売価格、これは同国では推奨価格と称しておるようでありますが、それをつけることも法令で禁止をしたということでございます。 ちなみに、我が国の通常の流通実態、必ずしも書籍に限りませんが、一般的に再販は認められておりません。したがって、メーカーは、販売価格を拘束することは違法でありますけれども、ただ希望小売価格を付す、それが文字どおり希望という実態であれば実際にその販売価格を決定するのは販売業者である、こういう実態があります限り、メーカー希望小売価格を付すことそれ自体は独占禁止法上特に問題とならないわけでございますし、また流通の実態を見ておりますと、いわゆる希望小売価格がどの程度通っているかどうかは別といたしまして、いずれにしても希望小売価格をつけているという実態はかなりございます。 ところが、フランスの場合には、先ほどちょっと申し上げかけましたように、推奨価格、メーカー希望小売価格をつけることも法令で禁止をした。それによって、先ほど御指摘のありましたように、例えば売れ行きの遅い本が店頭から消えてしまったというような問題が生じて、結局フランスでは、二年後でございますか、一九八〇年代に入りまして書籍定価法を成立させて、いわばまた再販に適用除外を認めるという状況に戻ったということでございます。その経緯は、今申し上げましたような我が国の商品一般の場合とはまた少し違った、希望小売価格を付すことも認めないというそんな状況、これも一つの原因だったのかもしれません。 いずれにいたしましても、申し上げようと思っておりましたのは、このように諸外国それぞれ扱いが区々でありますし、また、必ずしも十分ではありませんが、私ども実態を調べてみますと、いろいろな実情の差異があるようでございます。したがって、私どもは今後ともこの諸外国の動向もよく踏まえたいと思います。 先ほど先生御指摘の、私も最近の新聞で見た程度ですが、欧州司法裁判所の判例ということもございました。あれはアイルランドでございましたか、同じ言語の範囲内であるとそういう判断の基礎があったようでございますが、諸外国の制度の実態あるいは流通実態というものも先ほどの一般的な著作物の流通実態の調査の中でできるだけよく調べ、あるいは御意見を伺いながら考えていきたい、こんなふうに思っております。
○海江田分科員 今のフランスの場合は、要するに最初が奨励価格制度でしたから、その奨励価格制度を撤廃をするというところで、日本で言うところの希望小売価格のようなものもなくなった、そして、その後新規にやったのがいわゆる再販制度だ、こういうふうに理解をしておるわけで、恐らくそれでいいと思います。 私は今の書籍の再販の制度が全くそのままでいいとは思っておりません、やはりいろいろ問題がある点もありますから。例えば、時限再販制度の問題ですとか、それから部分再販制度ということ、これについて、こういう制度が導入をされたということでいえば、いろいろな流通の形態というものができる一つのきっかけになったのではないだろうかということで、そういう意味では、再販制度ががんじがらめで、その一つの非常にハードな制度しかなくて、ほかに穴があいていないということではなくて、私はある程度風穴があいてきたと思うのですね。 ですから、こういう制度ももっと積極的に利用しまして、そして再販制度そのものをなくしてしまうのか、それともこういう制度を活用して、利用して、それには出版業界の側も恐らくもっと努力が必要でしょうね。決してこれまで十分な努力をしてきたとは思わないわけです。 そこで、全体としてこの制度は残していって、もちろん先ほどからずっと議論は著作物という中で話をしておりますが、その著作物の中身をきちっと精査するというようなこと、しかも法律で定義づけをするとかいうことは、これは恐らくその方向だろうと思いますけれども、この法律ができました当初の考え方というところへ戻って、そしてこの制度を何とかよりよい形で、それから本当に多くの、出版に携わる人たちだけじゃありませんで、消費者にも満足のいくような形で見直しをしていただくのが一番ではないかなという考え方を私は持っております。 この時限再販、それから部分再販について、もし公正取引委員会としてのお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○小粥政府委員 ただいま時限再販、部分再販についてお尋ねがございましたが、実は大分前でございますが、昭和五十年代半ばでしたが、私ども、当時出版業界の再販制度の実態調査を行ったことがございます。そのときの私どもの見たところでは、出版物はもう再販が初めから義務づけられている、つまり全く例外がなく全部再販、そういう制度になっているという、はっきり申せば誤解が大変一般的である。したがって、運用がどうも行き過ぎているのではないか、当時、もう十数年前ですけれども、私どもそういう印象を実は持ちました。 そこで、当時私どもとしましては、すべての出版物がどうもいわば契約上自動的に再販の対象になっている、その辺もおかしいのではないか。これは当然、あくまで出版社の意思で再販の対象にするかどうか決められるわけでございますから、その意味で、いわば部分再販がもっと認められていいのではないかということ。それから、一度再販の対象になりましても、例えば一定の期間後に再販から外すということも、今の制度の中でもちろん可能なわけでございますが、これももっと行われていいのではないか。ある意味で、そういうことの改善の指導を行った。 それで、その指導が現在まで及んでいるわけでございますけれども、その後見ておりますと、どうもほとんど利用されていない。たまたま私どもも実態調査をしておりますけれども、細かい数字は省略いたしますが、部分再販あるいは時限再販を一体行ったことがあるでしょうかというお尋ねをしましても、お答えをいただいた中でずっと見てみますと、やはりそういう経験をした出版社なり販売業者の方の例は非常に少ないようでございます。 ですから、私ども、こういう部分再販なり時限再販がもっと活発に行われてきますと、ただいま消費者の利益ということも御指摘がありましたが、流通実態なり消費者の受け取り方もそれなりに変わってくるのではないかと思っていたわけでございますが、現実はどうもなかなかそうなっていない。 したがいまして、この問題で先ほどからいろいろ御指摘をちょうだいいたしましたけれども、私ども、再販制度が例外的に認められているというのは、現在の大きな規制緩和の流れの中でやはりもう一度見直しをする必要がある。二十八年当時に導入をされましたときにはもちろんそれなりの理由があったからこそと思いますけれども、そのときの理由が、現在改めて競争政策ができるだけ積極的に推進されるべしというこういう大きな政策の流れの中で、もう一度見直してみて、本当に理由があるのかどうか。それから、まさに今先生から御指摘いただきましたように、ユーザーと申しますか消費者の利益になるためには一体どういう制度が本当によろしいのか。 もちろん、著作物あるいは書籍という商品のいろいろな特性もございましょう。そういうものも十分頭に入れながら、しかし、あくまでも独占禁止法の適用除外というのは、よほどはっきりした理由がなければ、そしてそれが消費者の利益に結びつくものでなければ、やはりこの際大きな流れとしては見直していく、そして本当に必要なものだけに明確に限っていくべきではないか、考え方としてはそういうスタンスで、しかし、先ほど来申し上げておりますように、幅広く御意見を伺いながらこの検討を進めてまいりたい、こんなふうに考えております。
○海江田分科員 最後ですので、私からの要望としまして、今、委員長からも特性というお言葉がございましたけれども、まさに出版は、出版文化という言葉があります。それから、日本の文化ですとか知識ですとか学術ですとか、そういうものを次の世代にバトンタッチしていく非常に重要な役割を果たしていると私は思いますので、そういう特性といいますか、これがまさに昭和二十八年から商習慣としてはずっと長く続いてきたということもありますけれども、わざわざ独禁法ができて、原則これは再販なしだよ、しかし特定のものに限っては例外規定で残しますよというところにまさにその趣旨があると思いますので、そういう制度の本来の趣旨というものをよく勘案していただきまして、しかも片一方ではやはり消費者の利益ということを考えていただいて、そこでしっかりとした答申を出していただいて、しっかりとした見直しをやっていただきたいと思います。 以上でございます。
○菊池主査 これにて海江田万里君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして公正取引委員会についての質疑は終了いたしました。 次回は、明二十一日午前十時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会