予算委員会 第3号
- 発言数
- 279 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1995/01/27
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 平成七年度一般会計予算、平成七年度特別会計予算、平成七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。海部俊樹君。
○海部委員 村山総理、おはようございます。 予算委員会の総括第一陣でありまして、本来ならば予算の中身についていろいろお尋ねするのが順序だと思いますけれども、御承知のとおりの大変な阪神大震災の後を受けての国会でありますから、冒頭はこの震災関係で二、三御質問をさせていただきます。 第一は、けさの報道によりますと、中国自動車道が開通したとか、いろいろ不幸な中にもせめて希望の持てる明るい話題も入ってきております。ところが、同じテレビの報道でも、昨日の陸上自衛隊の松島総監のあの涙ながらの会見を聞いておりますと、県と県警と自衛隊との間の連携が十分でなかったことはまことに申しわけないと言って、一身のその責任を込めて言っておられる。私は、あれを聞いて、我々政治もそれと同じ考えで、同じ立場で、現場で努力をしていらっしゃる人々にあのような思いをさせないようにするにはどうしたらいいかということを、私も厳しく考えざるを得ませんでした。 今いろいろなことが言われておりますが、私は、きょうここに立って、ああだから、こうだからと言葉じりをとらえたり、責任を追及したりというのではなくて、ひとつ村山総理と私は政治家としてこれらの問題にどう取り組んでいかなきゃならぬのか。例えば、去る二十三日の本会議の私への答弁で、今は最善の措置をとっておるんだ、こうおっしゃいましたが、後で新聞記者に最善の体制であったと訂正をされたということであります。 公の場でお話を求める、質問をするのはこの場が初めてでありますから、どうかその間の経緯と、最善の体制とか最善の措置とかいうことは、こういったものに取り組むときの政治の姿勢としては、私はちょっとそれは高過ぎるのではないか。人間ですから、善意と善意の行動でも、やはりそれは主観は客観に否定されるということもございます。間違いがあったら改めよう、何か手落ちがあるんではないか、いろいろなことを考えながら対応しなきゃならぬと思います。現在の率直な御心境、私に対する答弁がどう変わったのか、その経緯等についてもお心構えをまず述べていただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 きのうも集中審議の中でいろいろ御意見を拝聴いたしましたけれども、五千人を超すとうとい生命が亡くなられた、同時に三十万近い避難生活を余儀なくされている方がおられる。そういう方々の今の心境を考えた場合に、これはもう言葉では言い尽くせないほどの未曾有の大惨事になっているわけでありまして、政府として可能な限りのことはしてきたつもりでありますけれども、しかし、いろいろ御意見を拝聴してその経過を振り返ってみますと、まだああすればよかったこうすればよかった、こういう点が欠けておったというようなことは種々あったんではないかというふうに思われますし、そういうことにつきましては謙虚にやはり聞いて、そして改めるべきは改めるという態度が何よりも必要ではないかということを私は今痛感をしているところなんであります。 今委員からも御指摘がございましたように、本会議における私の発言について、万全の措置で あった、最善の措置であったということの言葉の使い方について、これはやはり誤解を与える問題があったというので後でまた訂正もさせていただいたわけですけれども、改めてここで訂正をさせていただきたいと思いますが、今内閣としてあるいは政府として取り組んでいく体制としては、いろんなことを考えてみてこれがよりいい対策ではなかったかというふうに申し上げたので、やってきたことが最善であったというふうには申し上げていないので、その点はひとつ誤解のないように御理解をいただきたいということを申し上げて、そしてきのうもお話がございましたから、そういう誤解があるとすれば発言について訂正をさせていただきますということも申し上げた次第でございます。
○海部委員 謙虚に反省の姿勢も示されて、今後どうかそういう立場で、被災者のためにどうやって救済と復興を一日も早く確実なものにしていくかという方に眼を向けて議論を進めてみたいと思うのです。 私が最初に首相官邸にお訪ねして、法に基づいた緊急災害対策本部を設置されることによって、総理には最高指揮官としていろいろな権限もそこで法的に付与されるんだ。例えば、緊急物資を運ぶための自動車のための交通が非常に阻害されておる。交通を制限する権限も必要でしょう。予備費を、まだ一千六十六億余りですか、まだ残っておるというのですから、それもすぐに使って、直ちにかゆいところに手の届くような対応もできるようになる。いろいろなことがあるのですから、この災害対策基本法に基づいた本部をぜひ設置されるべきである、こう申し上げたのでありますが、私は今もその気持ちは率直に言って持っております。 政府が出していらっしゃるこの南関東地域震災応急対策活動要領、平成四年の六月二十六日という修正の文書ですが、これにもきちっとこの本部を置いて、そこに、指揮官に権限を集中して対応するんだと出ておるわけでありますから、この問題については改めてもう一回お考え直しをいただきたいと思いますと同時に、官房長官、そのときあなたは横においでになって、大きな声で、それは海部さん、私権の制限が含まれるから、これに対してはちょっと慎重なんですと重ねておっしゃいました。 私権の制限が含まれるからということも、それは一つのお立場としてわかりますけれども、この緊急、異常な災害のときに私権をある程度制限をして公の立場というものを貫くということも、これは必要な判断なのではなかったでしょうか。現に、今方々で議論されております不燃都市の再建、そのための特別立法なども議論されておりますし、その中には私権の制限もある程度はやむを得ないというようなことも出てくるわけであります。 みんなが協力をしてつくり上げていかなきゃならぬ問題でありますから、どうぞそういったことに対して積極的なお考えをお持ちいただくように、この点についても村山首相から改めて今のお考えを聞かせていただきたいと思います。特別立法をするときに私権制限を含むことを認められるかどうかまで含んで、お話を聞きたいと思います。
○五十嵐国務大臣 総理からも御発言あると思いますが、今ちょうど御指摘にもなりましたことでございますので、私の方から先にちょっと御説明申し上げたいと思います。 今回とっております全体の体制の中で、殊に御指摘いただきました災害対策基本法に基づく対策本部を設けてはどうかという点では、これは災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を今設けているわけなんでございます。これは法によらないものではなくて、法に立った対策本部を設けているのであります。そのほかに、総理が本部長として全閣僚が参加する緊急対策本部というものがある。加えて現地対策本部、この三つの体制で今進めているわけですね。 恐らく海部委員のお話は、おいでになりました当日も御意見ございましたところは、このうちの災害対策基本法に基づく対策本部で、今言う非常災害対策本部ではなくて、法で言うと百七条であったと思いますが、そこの緊急対策本部……(海部委員「委員長、委員長、簡潔にしてください」と呼ぶ)
○佐藤委員長 官房長官、簡潔にお願いします。
○五十嵐国務大臣 わかりました。 緊急災害対策本部を設けろということであろうと思うのですね。そうでしょう、そうですね。(海部委員「それを聞いているんじゃないんだ。結構です。いや、もう結構です。結構です」と呼ぶ) そこのところでの私権制限というのは、御承知のようにこれは三つございまして、一つは物資の統制の問題、それから物価の統制の問題、それから貸借関係の一定期間延ばすということ、この私権制限についての内容が含まれたことなわけですね。その他の問題については、先ほど御指摘の道路を制限してやるようにしたらどうかというのは、これは実は今持っている非常災害対策本部でも同じ権限を持っているというもので、これは変わらないのであります。今我々が物資だとか物価だとかということの統制が必要であるかどうかということについて当時判断をいたしまして、そういうことはこの場合必要がないということで現在の体制をつくらさせていただいた、こういうことでございますので、御承知いただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今官房長官から答弁をされたことに尽きると思うのですけれども、先般海部委員を中心にした皆さんからそういうことの申し入れがございました。緊急災害対策本部と非常災害対策本部とどこにどういう違いがあるのかということについても、お話もございましたのでいろいろ精査をしてまいりました。 今お話がございましたように、緊急対策本部をつくるということによって、国会が閉会中の場合は政令事項でできるとかいろいろなことがございますけれども、最大のつくる根拠というのは、今お話がございましたように物価の統制とか借入金の支払いの延期とか、いろいろな強権を発動して私権を制限をするような項目がやはりあるわけですよ。今の事態を考えてみて、その必要があるかどうかということを検討した場合に、そこまで踏み込んでいく必要はないのではないかということで判断をして、そして、今の体制でそれなりの努力をしていけばその役割は果たしていけるのではないかというふうに考えましたので、そういう結論に達して方針をとっておるということについて御理解をいただきたいと思います。
○海部委員 いろいろな問題はこれからも引き続いて起こっていくことで、つい先日のテレビのニュースでも、今物価は、もう大根が一本千円、ソーセージが五千円、いろいろなことを並べて、そういった不安な状況も起こりつつある。私は、多くの、二十九万とも言われる被災地の皆様に心からお見舞いを申し上げ、亡くなった方にお悔やみをするということ、それも大事ですけれども、現在のそういう状況をきちっと安心できるようにしていくこともより大切であろうと思っておりますので、あえて申し上げました。 前向きのことをちょっとお答え願いたいのですが、先ほど例に引きましたけさの自衛隊の松島総監のお話にもあるように、もっと前向きに、今後地方の公共団体、地方の警察、そして自衛隊、常に協議し、相談をし、こういう状況になったときはこのような対応をやってもらおう、いろいろな想定をしながら、絶えず共同訓練し、マニュアルをきちっとつくっていく、このことの必要をお感じになるかどうか。感じられると思うから、感じられたら、具体的に御指示を出すということを言ってください。それをお尋ねします。
○村山内閣総理大臣 現在でも、例えば東京都あたりではそういう防災計画に基づいて、昨年も九月一日に防災計画に基づく防災の日の事業が行われましたけれども、それには消防も警察も自衛隊も全部参加して合同の訓練をしているわけですよね。私は、この経験にかんがみまして、平素からやはりそういう連携と体制をしっかりつくっておくことは大事なことではないかというふうに考えておりますから、今委員発言のように、これからも前向きにそうした体制ができるような指導を徹底していきたいというふうに考えます。
○海部委員 そのように必ず実行して事前の相談、協議が確実に行われれば、陸上自衛隊の総監のように涙を流して、善意でもって第一線で頑張っている人がわびなきゃならぬというような事態は、これはつらくて見てもおれぬことであり、政治の責任でもありますから、ぜひ実行をしていただきたい。 同時に、あわせてもう一つ申し上げさせていただきたいことは、具体的な例で言います。おとといの午後五時ごろ、私のところへ神戸からアメリカ人の二十二名の医療チームとして来ていらっしゃるお医者さんと看護婦さんの代表の一人が訪ねていらっしゃった。御案内いただいたのは、与党のある国会議員の方が、どうしても海部に会わせると言われたから来たと言われました。 結論を言いますと、ぜひここは明らかにしてほしいと言われたのは、二十二名がボランティアでロサンゼルスから来たけれども、日本の医師免許がなかったから患者さんを診ることができなかった。けれども、そのお話は一昨日の夜、緊急の今回に限ってよろしいということになったようであります。けれども、集積所とか病院にある薬を少し出してもらいたいと言ったら、それについてはまだ出ないから、出ないならアメリカから送るから、送ったときにまた検疫その他がないように、スムーズに通関できるようにしてほしいというお話が来ました。 私は、今、この例以外にも、諸外国から日本に対して緊急に援助すると言ってもなかなか返事が来なかったとか、行ったら検疫に時間がかかったとか、お役所で対応が違ったとか、いろいろなことが言われます。国際化時代でありますから、こういったことは今後も予想されるわけでありますから、先ほどの訓練と同じように、外国からのこういう申し出に対しては速やかに、直ちに善意を受けとめて対応すると同時に、できることとできぬことのマニュアルも今からきちっと対応、準備されるように強く希望しますが、これらの問題についてはどうされるつもりですか。
○井出国務大臣 私から先にお答えさせていただきます。 実は、二十五日の夜、海部先生から私もお電話をちょうだいいたしまして、早速担当に問い合わせましたところ、そのお話は既に厚生省の方にも来ておりまして、いろいろ実は現場では混乱もあったことは事実のようでございますが、厚生省といたしましては、医師法上、外国における医師免許を有する者であっても、我が国において医療行為を行うためには我が国の医師国家試験に合格し、厚生大臣の免許を受けなければならないというのが原則でございますが、この医師法は今回のような緊急事態を想定しているものではございませんで、こうした事態のもとでは被災者に対して必要最小限の医療行為を行うことは緊急避難的行為として認め得ると考えまして、これは二十三日の日に通達を健康政策局長として各県の担当者へ出してございます。 そして、現在私どもが把握しております医師団は、今の先生のおっしゃったアメリカの皆さん、それから、フランスから国境なき医師団の皆さんが二十二日に見えておりますし、世界の医師団も二十二日に、それから、近く二十七日には世界救世軍の皆さんがアメリカから来ていただくということになっております。 そして、医療の、薬の方のことでございますが、これも、必要な医薬品につきましては、地方公共団体において管理しているものを、使用方法等について十分御理解の上使用していただいておりまして、また、アメリカなどから輸入をなさる場合には、通関の際必要な協力を行うこととしております。先生のお話のときには少しそこらがトラブっておったようでございますが、厚生省の担当とその医師団の代表の方とお話し合いもいたしまして、この点も解決を見ておるところであります。 もう一つ私、実は、こういうことになった一つの原因に、大変混乱しておりますから、善意でおいでいただくことは大変ありがたいんですが、やはり通訳のこととかあるいは宿泊のこととか食事のこととか、いろいろなことが果たしてやれるかという不安が現場にはあったようでございます。そんなことを考えますときに、そういうボランティアで来てくださる方を受け入れるボランティアの受け皿みたいなものはやはりきちっとしておく必要があるなど、そんなふうに考えたところであります。 いろいろ御心配ありがとうございました。
○海部委員 個々のケースではなくて、私が申し上げたかったことは、これだけ多くの国々から全く善意に満ちた救援の申し出があるわけでありますから、まず、率直にそれを受け入れるときに、できるかできないかということもあらかじめきちっと踏まえた原則をなるべく速やかに、相手国にも誤解なく意思が伝わっておるような対応をこれからもしていただきたいということを申し上げまして、私の地震災害に対する質問はここで終わりまして、後ほど同僚の質問にゆだねたいと思います。 総理、私がきょうここでお聞きしたい二点は、日本の将来の安全保障について大きな影響のある問題であります。 ことしになってから日米首脳会談もやってこられました。創造的なグローバルパートナーシップをうたいとげていらっしゃいました。私は、日米関係とかあるいは対中国関係とかいろいろお聞きしたいこともありますが、ずばり、一番緊急の問題である朝鮮民主主義人民共和国との関係、いわゆる北朝鮮の核開発疑惑について、日本がアメリカとの間で首脳会談されるときには当然それについても触れていただかなきゃならぬし、我々にはよく理解しにくいことですが、私の内閣のときに日朝正常化交渉というものはスタートをして、途中で中断をして、今二年余り中断をしております。北の政府がアメリカとの米朝会談でこれを打開するとこう言えば、当事者として今日本が直接物が言える、意思表示ができるのはアメリカであります。アジアの安全と平和のために核開発の疑惑というものはこれはきちっと解明しなきゃならぬということは、アジア周辺諸国の大きな問題であると同時に、隣国日本の安全保障にも大きな影響がございます。 総理は、日米首脳会談でこの北朝鮮の核開発疑惑の問題について、米朝合意に対して日本の意味のある協力を約束をしてこられました。報道によれば、これが正しいかどうかは別にして、報道によれば、ガルーチ大使の記者会見で、昨年の秋にぼ、日本は、その応分の協力というのは、お金にかえて大体十億ドルプラスアルファ程度ではないかと出たこともありました。どこまでお決めになったのか、あるいはどこまでおやりになるのか。私は、基本的にはこれに賛成なんであります。黒鉛炉から軽水炉にかわっていくこと、安全確保にもなりますし、どの程度まで議論をしてこられたのか。御承知になっていることがあったらお答えをいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 日米首脳会談で北朝鮮の核疑惑の解明の問題、同時に、軽水炉支援の問題等について話し合いがございました。 これは、米朝合意を踏まえて、これは国際的にも、単に日米間だけの問題ではなくて、朝鮮半島から核をなくしていくということはこれはもうまた大きな課題ですから、したがって、そのことが前提になっていることは申し上げるまでもございません。したがって、米朝合意を誠実に履行してもらうということが前提ですね。 その上で、軽水炉を建設する場合に、今申し上げましたように、これは単に日米間だけの問題ではなくて、グローバルな国際的規模の問題だから、いろんな国からも入っていただくKEDOをまずつくって、そして、そこで十分議論もしたりしながらお互いの協力というものをつくり上げていかなきゃならぬというふうに考えておりますから、したがって、そのKEDOの設立についても積極的に協力をしてまいりましょうと。 同時に、その中でどの程度の規模でどの程度の支援の配分というものが決められていくのか、そういう具体的な内容がまだ定かでありませんから、したがって、意味のある協力は日本としても当然しなきゃならぬと考えておりますと、こういうお話を申し上げ、同時に、米朝会談をなし遂げたアメリカの立場というものもあるわけですから、したがって、アメリカもその分における積極的な協力も期待を申し上げたいと。 そして、できることならば、南北の話し合いができるような条件もお互いの力によってつくっていこうじゃないですかと。そのことが、朝鮮半島だけではなくて東北アジア全体の平和と安定のために大きな役割を果たすことになるというふうに考えておりますから、そういう部面で積極的な協力をしていきたいと思うと。大統領も同意をすると、こういう話し合いをしてきたところでございますから、具体的な内容について、踏み込んで、どの程度、どれぐらいするとか、そんなことは一切いたしておりません。
○海部委員 その際、日本の立場として特に言っていただきたかったことは、いろいろな話を聞いてみますと、結局、北にあります施設に新たな軽水炉の建物ができたときに、大体五年程度かかるといいますが、そのときに核査察に応ずるんだというような含みになって、要するに査察が五年間程度先送りされたと言われるいろいろな報道はそこにあったと思います。私は、それなれば日本の立場として、それをもっと早める努力をしてほしい、五年間もほっておくというのはいかがなものであろうかという気がいたしますし、もう一つ、これは厳しくアメリカの立場と日本の立場とを分けて考えてみますと、今、北の政府が改良して持っておると言われるスカッドミサイル、労働一号、労働二号という改良型も出てきておる、実験が成功して、それは日本海へ飛んできたという報道もあります。 そうしますと、専門家に聞くと、日本には届く範囲であるけれども、太平洋を越えてアメリカまで行くミサイルではない。要するに、この近辺諸国だけの極めて大変な懸念材料の一つにもなっております。ただ、核開発がきちっと解明されて、それがないということがわかれば、それで懸念は大半が解消するわけですが、それが五年間先送りになって、核査察を受けるのが五年先であるというならば、どうかその五年間はこの運搬手段であるミサイルは絶対に凍結をする、開発をやめてほしい。 同時に、三十八度線の北に生物・化学兵器が存在しておるということがわかっておる事実があるようでありますから、それなれば、そのことについてもこれは凍結をきちっと約束して、この地域の平和と安全のために、日朝並びに日韓も含めて、これらの問題は共通のテーブルでも置いて話し合うべきではないかと私は思うんです。昨年お目にかかった韓国の金大統領も、このことについては日韓共通の大変な利害関係がある安全保障上の大問題であるから、よく政策協調もし、共同行為もしたい、こういうことでありました。 日本の意思として、この核の査察、そして抜き取った燃料棒が、米朝合意、まさに村山総理おっしゃったように、米朝合意が誠実に履行されて、黒鉛炉が廃棄され、八千本の核燃料棒が外へ移管されて、新しい軽水炉ができるまでの間は、ミサイルは少なくとも凍結、開発中止、これぐらいは日本の声としてきちっと約束を守ってもらうことが、国民の皆さんに対しても、この地域の平和と安定のために大切な朝鮮エネルギー機構に協力し、意味のあるお金を出すんだということを国民に説明するためにも、日本の意見というものも述べて伝えて、アメリカにも協調、協力を求めてしかるべきではないかと私は思いますが、いかがでしょう。
○村山内閣総理大臣 これは日米交渉の中で話し合われた問題ですから、正確にお答えをした方がいいと思いますから記録を読ませてもらいますけれども、今お話がございました、北朝鮮のミサイル開発を放置したままかかる支援を行ってよいのか、ミサイル問題に厳格に対処するよう米国にも働きかけるべきではないか、こういう意味の御質問ですね。 これは、日米首脳会談の中で、私は、朝鮮半島の緊張緩和にとり北朝鮮のミサイル開発問題の解決は極めて重要であり、我が国としても重大な関心を有しており、放置することのできない問題であると考えておると。ですから、先般の日米首脳会談において両首脳は本件についても意見交換を行い、北朝鮮の中距離弾道ミサイル開発についても懸念を共有しているところである。北朝鮮との関係改善のためにはこのような問題の解決が必要であるという米国の立場であり、我が国としては、このような米国の立場を支持しております、ぜひひとつ協力して、この問題の解決に当たっていきたいということを申し上げたので、これはもうお話があるまでもなく、核開発のこの疑惑をどう解明をして朝鮮半島から解消していくかという問題と、今持っておると言われるそのミサイルの問題に対する対応をどうしていくかということは、これは関連をする重要な課題ですから、ですから日米首脳会談でも、今申し上げましたような趣旨のことを私は大統領にも申し上げて、そしてお互いにこの問題についても協力して当たっていくことにしようということについて合意をしているところでございます。
○海部委員 私も、全体の枠組みについては、この地域の安全と平和のために賛成して、米朝合意が確実に守られていくことを日本も韓国もともに協力していくことが大切だと思っておりますから、基本的方向路線については、これは同じであります。 ただ、それをするまでの間、日本だけに大変懸念とされる、運搬手段であるミサイルというものがどんどん開発されて、改良されていくということは、これは少なくともストップしておいてもらいたいということは、安全保障からいっても大問題でありますから、韓国もそれを強く希望しておるわけでありますし、そういったことについても、よく私は、今後の日朝国交正常化の再開のときにも、いろいろな場を通じて日本の意思というものを伝えて、国民が安心できるような対応にしていただきたい、これを強く申し上げさせていただきます。 次に、私は、この間うち出ております平岩レポートの内容をよく読みながら、今、日本の経済全体を眺める中で、一体これは、景気が非常に低迷してきたということは、一昨年の暮れに景気は底をついて上昇したと言われましたけれども、なかなかそういう目覚ましいものが起こっておりませんでした。けれども、また最近は非常に先行きに不透明感も出てきております。 これに対応するにはどうしたらいいか。いろんな意見を聞いておるのですけれども、景気は循環的によくなったり悪くなったりするという波がありますけれども、そうじゃなくて、むしろ構造的なものであって、この構造を改革していかなければ、日本の社会が公正になり、活力を持ってくることはないのではないか。平岩レポートなんかに書かれております趣旨は、そういったことを述べておると思うのです。 景気の現状と見通しについて、どのような判断を今持っていらっしゃるのか、お述べをいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 具体的な指標につきましては、また必要があれば経済企画庁の方から答弁をしてもらえると思いますけれども、バブル崩壊後、内需拡大を基本とした景気の回復に努めるべきである、そのためには、経済をもっと開放していく必要もあるし、そのために規制緩和の必要もあるというようなこともいろいろ議論をされてまいりました。 そうした努力の中で、公共投資もこれは順調な伸びを示しておりまするし、同時に個人消費が上向きになってきておる。こういう景気回復の兆しは、私は確かに数字的にも出てきていると思うのです。 ただ、民間の設備投資は若干低迷ぎみでもございますし、同時に、内外価格差との関係もあって、日本の中小企業あたりが海外に出ていくといったような産業空洞化にも関連をして、雇用問題も深刻になっている問題がある。 こういう問題はやはり、今お話もございましたように、単なる小手先の対策ではこれはもう十分対応できない。もう少し構造的な面にまで足を踏み込んで、そして改革を進めていく必要があるというので、構造改革と雇用問題を踏まえた対策本部を内閣に設置をして、そして今その問題に取り組んでおる状況にあるということについて申し上げておきたいというふうに思います。
○海部委員 結局、日本の経済システムというものが一時期は世界からも注目されて、こういう日本のシステムが戦後の日本の経済発展に役立ってきたんだ。事実、そう言われる側面もたくさんあったと私も思っております。けれども、生産を重視して、輸出に依存をして、行政が主導していくというこの日本型のシステムというものは、追いつけ追い越せと言っておったころには確かに効力を発揮してきたでしょうけれども、今もう追いついて、経済指標に関する限り、日本は肩を並べるところまで来て、本当ならばこれも一番になったよ、これも追いついたよと言えるところで、豊かさの実感がないという不満や批判が国民の皆さんの間からも起こっておる、学者の指摘もあるということになりますと、やはり豊かさの実感できる世の中をつくっていくためにはどうするか。追いつけ追い越せからそちらの方へ目標を変えていかなければならぬという、大きな曲がり角に来ておると思うのです。 それが、今私がお尋ねしておる、この構造をどのように改革していったらいいのか。私が平岩レポートを例に引きましたのは、「内外に開かれた透明な経済社会」「創造的で活力のある社会」「生活者を優先する経済社会」「世界と調和して、世界から共感を得られる社会」、それを目指すんだというあのレポートであります。私は、今日から先の経済政策は、対外的には市場開放、国内的には規制の緩和、自由化の方向、これが非常に大切になってくるし、またそれが目標だと思うのです。 総理は所信表明演説で、言葉だけの行政改革に終わることのないように、不退転の決意と勇気を持って実のある改革を断行すると表明されました。行政改革は内閣の最重要課題だと宣言されました。私はそのとおりだと思いますので、どうかそれを実行していただくとともに、今こういう緊急の問題も起こっておりますけれども、緊急の問題は緊急の問題で最善の体制で解決していくんだ、いろいろなことをやっていくんだとおっしゃるなれば、こちらの行政改革の方も、だからといって方向変えをしないで、そのとおりで、例えばお約束になっておる二月十日の区切りをつけていらっしゃる特殊法人の意見集約の問題なども進めていくんだという基本に変わりがないということを、行政改革全体を含めて決意をお述べいただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 行政改革がこの内閣に課せられた大きな使命であり、課題であるということは、たびたび私も申し上げてまいりました。その決意には変わりはございません。 行政改革と一口に申しましても、その中身についてはいろいろな意見と問題があると私は思います。今私どもが取り組んでおりますのは、一つは、やはり先ほど来議論があります規制緩和ですね。同時に、特殊法人の整理縮小ですね。こうしたものをやはり積極的に推し進めていく。 それからもう一つは、地方分権を推進をして、そして可能な限り地方の自治権というものを尊重していこう、それで国全体の行政の姿を変えていくということも行政改革の大きな一つの柱だ。 もう一つは、できるだけ情報を、情報化の時代ですから、主権者たる国民の皆さんにも提供ができるような、そういう情報公開のシステムというものも十分やはり考えていく必要があるというふうに考えておりますから、その三つの柱を行政改革の主柱として今後取り組んで推進をしていきたいというふうに考えておるところであります。 規制緩和につきましては、今取り組んでおりまして、五カ年計画をつくって、そして確実に推進をしていこう。それから、特殊法人につきましては、年度内に目に見える形で整理ができるような決着をつけていきたいと思っております。それから、先般設置をされました行政改革委員会で十分そうした問題の監視もしていただく、同時に提言もしていただく。さらに、情報公開につきましては、二年をめどに結論を出して、そして情報公開の制度を確立していこう。それから、地方分権の問題につきましては、今議論もしていただいておりまするけれども、これもできるだけ早く立法化して、そしてこの国会に提出をして、行政改革推進委員会というものを設置をして、具体的に地方分権が推進できるような体制をぜひつくっていきたいというふうに考えて今取り組んでおるところでございます。
○海部委員 そのような全体の方向性や表現については、我々とほとんど似通ってくるのです。 具体的なことについてお尋ねします。 その一つの内外価格差の是正ということは、これは物価高に苦しんでいる御家庭の台所経済を預かっていらっしゃる方々の一番関心の多い問題だと思います。この問題については、特に食料品だけとらえると、ニューヨークと日本の場合は六二%もまだ差がある、それから、平均的に言っても三一%から四〇%ぐらいの差があるということがいろいろな角度から報告をされております。 そこで提案ですけれども、円高メリットの還元の問題もありますけれども、もう一つ、製品輸入のときに通関実績で仕入れ価格は製品ごとにわかるわけでありますから、それを定期的に公表をされるということは、もちろんその輸入価格にいろいろな手数料とか諸利益を上積みしなきゃならぬことはわかりますが、非常識な、三割だの四割だの六割だというような、こういった内外価格差を推し進めて、実感として豊かさが実感できないと言われるような全体的な国民の考え方というものを、なるほど努力してここまで来たんだとわかってもらうためには、まずこの物価引き下げに役立つ行動計画というものをつくって、そのときには通関実績で仕入れ価格の公表をするということも非常に大きな意味があると思いますが、この点に関してそれをやろうと決断なさいませんか。
○高村国務大臣 内外価格差が非常に大きいということが生活の豊かさを妨げているというのは御指摘のとおりだ、こう思うわけであります。そして、内外価格差をなくすために一番大切なことは何かといえば、競争条件を整備していくことだ、こういうふうに私は考えております。 まず規制を緩和するだとか、あるいは独禁法を適正に運用するとか、あるいは競争を制限するような取引慣行をなくしていくだとか、そういったことをきっちりやっていくということが一番大切なことだ、こういうふうに考えております。(発言する者あり)
○海部委員 今御指摘もあって、日本の物価は安定しておるぞ、そのとおりであります。物価の上昇率が優等生であることは、私はそのとおりだと思うんですよ。 けれども、上昇率は安定しておっても、基本の価格の差が三割、四割、食料に至っては六割あるということは、これは調査の結果非常に差があることがわかっておりますから、私は、上昇率だけでとらえるのではなくて、この格差を引き下げなければならぬというところに政策の根底を置いてほしいとぜひお願いしたいんですし、それから総理、企画庁長官の答弁のとおりであって、競争を自由にすること、規制を緩和すること、外に向かって開かれた国にすること、これが大きな方向でありますから、その総論は全く同じでありますから、だから具体的に対立点がわからないとか差がわからないとか言われます。 どうか輸入価格を通関実績で、仕入れのときにわかるんですから、これだけで入ってきたんだということがわかれば大体価格押し下げにも大いに役立つと思いますから、そこのところは総理が政治家として政治的に御決断ください。それが非常に規制緩和に役立っていくわけであります。
○村山内閣総理大臣 先ほど私が答弁した中で、行政改革推進委員会というのを申し上げましたけれども、これは地方分権推進委員会の間違いでしたから訂正をさせていただきます。これは言葉の間違いですから、済みません、謹んで訂正をさせていただきます。 それから、今申されました内外価格差、これがやはり日本の物価をぐっと引き上げて、そして豊かさの実感できない最大の原因になっておるということについては、私も十分承知をいたしております。 したがいまして、その内外価格差をどう是正をしていくかということについては、今実態も十分調査をいたしておりまするけれども、またその内外価格差に関連をする関係者のいろいろな意見も聞きながら、どうしてこれを解決していくかという問題については、本当にこれは深刻な問題として真剣に取り組んでおるところでありますけれども、今御提案のございました輸入価格を全部を明らかにするということも、私は一つの方法だと思います。 ただ、どの範囲までどういう具体的な公表ができるのかというようなことにつきましては、もう少しやはり実態も調査しなければならぬと思いますから、前向きに検討さしていただきたいというふうに思います。
○武村国務大臣 簡単に補足いたします。 現在、三十品目については、御指摘の通関のコストと一般の小売価格を添えて発表をいたしております。これがどの程度拡大が可能か、さらに検討をさしていただきたいと存じます。
○海部委員 私は、製品価格等を申し上げておるわけでありますし、特に、御家庭のお台所経済に響くこれらの生鮮食料品とか生活必需品とかいろいろ製品で入ってくるもの、そういったものを対象にと言っておるのでありますから、十分御検討をいただきたいと思います。 同時にまた、規制緩和の問題についても、総理は、たしか原則経済規制は撤廃、社会的規制もありますから、こういった人間生活に必要な社会的規制は必要なものに限定する、こう言ってこられました。 第三次行革審のときだったと思いますけれども、当時の鈴木永二会長と当時の山岸連合会長が来られて、これは国民の利益になることであるから全力を挙げてやろう、これだけある規制は思い切ってやれ、それはやはり経済規制は撤廃――緩和じゃないですよ。社会的規制は、これは必要なものは認めていこう、この仕分けをしてきちっと話してほしいと、こういう力強いお申し出等もございました。 私は、今いろいろ考えますのに、この規制緩和の方向というのが一つの大きな国の流れであり、経済が活力を持っていくためにも、構造改革をやっていくためにも必要なものだと思いますので、この問題についてもひとつきちっとプログラムをつくって、このような体制でやっていくんだと、御指摘になったことはぜひ実行していただきたい。決意のほどを聞いておきます。
○村山内閣総理大臣 先ほどもお話がございましたように、規制緩和については経済的には原則自由、それで可能な限りやはり自由化をすべきものだ。同時に、これは私はいつも申し上げますけれども、社会的には力の強い者があれば弱い者もある、健常者もおれば身障者もおられる、そういう意味では、社会的規制については、社会的な公正を期するという前提に立って必要な規制もあるのではないかというふうに思いますから、そういう観点から十分検討を今いたしておるところでございます。 先ほども申し上げましたように、この年度内に五カ年計画を設定をして、そして今決められておる規制緩和については確実に進めていく。同時に、五カ年計画を設定をして計画的に進めてまいりますけれども、しかしやはり情勢は変わってまいりますから、毎年毎年見直しも行いながら適正な規制緩和というものを推進していく必要があるのではないかというふうに考えておりますから、決意を込めて私どもは取り組んでいかなきゃならぬ課題であるというふうに受けとめております。
○海部委員 次の質問は本年度予算についてのことでありますけれども、これは当然のことながら、この予算書を見せていただきましても、災害復旧関係の予算は六年度も七年度も全く同じ額が計上されております。それは大震災の起こる前のことであり、大震災が起こると予測されないでつくられた予算案でありますから、それは無理もないことだと思います。けれども、予算案をつくって、この予算審議が始まろうとしておるその直前にあのような大震災が起こったわけであります。これに対してできる限り救援、救済をしていかなきゃならぬのは当然でありますが、復興するときには今度は地震に耐え得る、災害に強い復興をしていかなければならぬということになりますと、まだわからないとおっしゃるかもしれませんが、民間の調査機関とかいろいろなところで、いや四兆円だとか八兆円だとかいろいろな被害額のもう想定等も出てきております。 それを復興させるためにどのような予算措置をして対応していく、これも問題になってきます。予備費が千六十六億あるということは承りましたけれども、しかし、それだけで片のつく話ではありません。今既に第四・四半期に入ってしまっておりますから、これから六年度予算の補正、こういったものの補正には我々は協力をし、促進をしていくつもりであります。この間申し入れたように、予算の編成、予算の成立には、この震災には政治全体の立場で対応すべきだと自覚もしておりますから、補正予算を出されるならば、それには賛成もしようと思う。けれども、それだけでは財源措置からいって予備費の残額からいって十分じゃないというときに、もう一歩次の展望として予算の組み替えをお考えになるのかどうか。 予算の組み替えということは、従来私どもも、本予算の審議中にその補正予算の議論をするなんということは不見識だ、本予算が済んでからやるべきであるし、また組み替えをやらなければならない話だというような意見もいろいろありました。けれども、一切過去のそういう経緯とか前例にはこだわらずに、必要なものを必要に組み替えるとおっしゃるなれば、そういうお考えがあるなれば、それをお聞かせいただいて賛成いたしますし、どのような対応をしようとされておるのか、予備費の問題、補正予算の問題、組み替えをなさるのかなさらぬかの問題、その場合にはどういう対応でどれくらいの被害の見積もりを、大ざっぱでも今これくらいにはなるんだという感触を持っていらっしゃるのか、できる限りお知らせをいただきたいと思います。
○武村国務大臣 国民経済的な被害額については、巷間いろいろな専門家等も含めて何兆円というふうな被害総額が発表され始めております。これは御承知のように民間企業、経済活動、個人の分野も全部包含したものでございます。 そこで、政府が緊急に対応をしなければならない分野の被害がどのくらいであり、同時に、被害額だけでなしに、それを復興するためには、個々、今度は耐震性も考えながら復興をしていきますためにはどの程度の資金が必要なのか、この作業に早急に取りかからなければなりません。もう三日前に本部会議で私から各閣僚にお願いをいたしたわけでございますが、目下、まあ当面の緊急救援対策で各省庁、地方団体も追われておりますから、そこへ補正予算のための今申し上げた個々の精査の仕事、さらには災害査定という仕事を終えて、初めて数字が積み上がってくるわけでございます。これを欠かすわけにまいりません。このプロセスをなるだけ通常よりは急いで、地元も各省も協力をいただいて、まず第一次、平成六年度の補正予算を仕上げてまいりたい。 おっしゃるとおり、予備費はもちろん優先的に充当をしていきますが、予備費だけでは対応し切 れないという判断をいたしておりまして、そのために平成六年度の補正予算対応をこの三月までの期間、少しでも早く仕上げて国会にお運びをし、御審議を賜りたいと思っております。 そして平成七年度予算については、今組み替えの考えは持っておりませんが、平成七年度予算、ぜひ年度内に成立に御理解を賜りたいと思いますが、その後、これまたいよいよ復興に向けての必要な事業費を精査をさせていただいて、今平成七年度の補正について触れるのは本当は不謹慎かもしれませんが、こういう異常な事態でございますから、平成七年度につきましても、なるべく早く必要な補正の対応を決意をし、そのための準備も当然心がけてまいりたいと思っている次第でございます。あらゆる体制、手段を講じながら、精いっぱい頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
○海部委員 申し上げたように、言葉じりをとらえていろいろ言おうとか、本予算の終わらないうちに補正の話をするのは不謹慎だというようなことは一切言いませんから。最優先でどのようなことをしていったらいいかという対応策を考える立場に立つと、ただ単に被害を調査しただけとか、例えばけさの新聞にも、一千百万トンでしたか、まだ道路上に放置されておる鉄材を廃棄しなきゃならぬとか処分しなきゃならぬとか、それのみならず、復興のために、国の真ん中が分断されたわけでありますから、ようやく中国道が開通しただけという状況からいくと、いつ完全にこれが復興できるかということについてもわからないというのが当たり前だと思うのです。 けれども、私の体験から思い出すことは、昭和三十四年、私がまだ国会議員になる前のことでしたが、私の郷里愛知県も伊勢湾台風に襲われたことがありました。地震災害と水害との違いはありましたから、水没状態が長く続きました。そのときの初動捜査の段階に、水につかって二階だけしか出ていないあの地帯へ大臣が飛んでこられた。当時の建設大臣ですよ、河野さんのお父さん。ヘリコプターに乗って、どういう手ぬるい計画をつくっておるのか、建設大臣空からしかるという命題で、締め切りを早くつくれ、今の人数、今の機関ではだめだ、締め切りに大動員をして、自衛隊や地元の皆、消防団の協力で締め切って水をかい出しをしたという思いはたくさんあります。佐藤さんも覚えているでしょう。 我々は、あのとき避難所へ行って、災害地の御苦労というものはこういうものなんだ、一刻も早くやりたいんだ。やった後の堤防は、伊勢湾台風で破砕された堤防よりもはるかに立派な防潮堤がきちっと整備されました。おかげさまで、愛知県の尾張平野はその後台風水害に大きな被害を出すことがなくなりました。同じことは今回の阪神大震災でも当然言えることであって、災害に強い大胆な都市防災対策というものを考えていく必要があります。 だから、復旧のときでも、従来のような復旧じゃなくて、どれだけに耐えられるのか。例えば、一年前にロサンゼルスで災害があったときに、専門家も含んだ調査団が行かれて、帰ってこられた報告を読んで、聞いて、日本の高速道路や日本の建築物はいろいろな経験を持って、耐震構造はすぐれておるんだ。高速道路神話というものがあったほどでしたけれども、それだけ善意でもって調査をして、完全、万全だと思っておった常識が今度は目の前で敗れ去ったわけでありますから、従来の固定観念や常識や知識は一遍きれいさっぱりと流して、真っ白な立場で、現に目の前で起こっておるこの問題等を踏まえて、それを乗り越えるような対策をきちっと立てていかなきゃなりません。そのための予算は私は惜しんではいけないと思います。政治全体が、二度と再びこのようなことを起こさないということを決意をして、言葉だけじゃなく実行しようというときは、これは政治全体で協力をし、それを支援していくのにやぶさかではありません。 同時に、最初に申し上げましたように、今回のように、国際的な港でもあり、国際的関心も強いせいかもしれませんが、五十カ国を超える国々からいろいろな応援があるということ、当初のお答えでもあったように、言葉の問題や宿泊所の問題やいろいろな手続の問題があるといろいろ言われますが、そういったことも全部もう一回真っ白に洗い直して、マニュアルをきちっと決めると同時に、こういうときにはこうするという対応は早くおやりになるように。同時にまた、善意で来た多くの人々が、日本へ来て協力してよかったと言えるような、そんな体制を、今度の大震災をせめて反省材料として、将来の日本に災いが及ばないように目覚ましい努力をしていくことが、亡くなられた皆様の霊をお悔やみし、被害者の皆さんに心からお見舞いを申し上げて、政治も頑張っておりますから、どうか元気を出して頑張ってくださいと申し上げることのできるあかしであろうと思います。先頭に立っての御尽力、閣僚の皆さんや議員の皆さんの共通の認識に立っての、この問題については政治の責任としてとらえていく立場を強くお願いいたしまして、私の質問を、時間も来ましたので、終わりといたします。 ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 この際、市川雄一君から関連質疑の申し出があります。海部君の持ち時間の範囲内でこれを許します。市川雄一君。
○市川委員 新進党の市川雄一でございます。 質問に入ります前に、まず被災地の皆様にごあいさつを申し上げたいと思います。 去る一月十七日に発生しました阪神大震災で亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りを申し上げます。また、御遺族の皆様に対して心からお悔やみを申し上げたいと思います。また、負傷された方々、避難生活を余儀なくされておられる方々、衷心よりお見舞いを申し上げたいと思います。私たちも救援、復旧に全力を挙げて頑張ってまいりますので、ぜひ頑張ってほしいと思います。 そして、寝食を忘れて救援、復旧のため頑張っていただいている自治体関係者あるいは自衛隊、警察、消防等の皆様、ボランティアの皆様の活動に心から敬意を表したいと思います。また、今回多くの国から救援の手が差し伸べられました。心から感謝をし、御礼を申し上げたいと思います。 さて総理、私も短い期間でしたけれども与党を経験しました。総理は、その短い与党経験からいきなり総理大臣になられて、しかも戦後最大規模の大震災に遭遇して、さぞ御労苦、御心痛のことだろうというふうに御推察を申し上げている次第でございます。私たちが与党であっても、総理がおっしゃるような最善の措置がとれたかどうかは極めて自信がありません。したがって、地震の救援や復興対策につきましては、我々が納得ができれば、これは対策に与野党はない。全面的に協力する気持ちでございます。 そういうこの気持ちを込めまして、実は二十日の日に、今ここで予算委員会が開かれているわけですが、全閣僚の皆さんがこうやってくぎづけになる。官房長官もいらっしゃる。政府委員の皆さんもいらっしゃる。隣の部屋にはまだ三、四十人政府委員の皆さんが控えていらっしゃる。二十三日の本会議からこの一週間近く、全閣僚と全省庁の主要幹部が全部国会対策に縛りつけられている。これはまだ続くわけです、要するに。したがって、地震の審議は必要があればこれはやる。地震以外の審議は十日間ぐらい先に延ばしたらどうか。それで、皆さんを国会の審議から解放しますから、どうぞ初動態勢でおくれた地震の救援、復旧に全力を挙げてください。本来なら、政府からそういう協力要請があってしかるべきだと思うのです。それを、我々野党の側がそういう申し入れをした。ところが、どういうことなのか、政府、与党ともに断ってきた、できない。 きょうの新聞を拝見しましても、ある新聞社の記者が、中央から派遣されている省庁の職員に同行して現場を取材している。みんな携帯電話を持っている。そこへ中央から電話がかかってくる、中央省庁から。国会の答弁あるいはデータを送れ。ですから、本省の連絡にそのたびごとに追 われて、肝心の被災地で活躍している方の活動が中断してしまう。「国会答弁作りのために、現地の状況や具体的なデータを送れという指令が何度もくる。」「何とかならないものか」、こう言っているわけですね。 どうしてお断りになったんですか。総理、一回ここで正確に、正式にちょっと理由をおっしゃってください。
○村山内閣総理大臣 そういうお話があったことについて、いろんな意味を考えての御配慮に対して、私は当時お礼を申し上げました。 ただ、先ほど来お話も申し上げておりますように、今内閣の中に私が長となる緊急対策本部を設置をして、災害基本法に基づく非常災害対策本部も設置をして、専任大臣も置き、同時に、そのもとに職員も各省から出していただきまして、その陣容を整えて取り組んでおる。同時に、現地についても、これは地方自治体と一体となって取り組んでいき、臨機応変に即決で処理ができるような、そういう体制をとる必要があるというので、現地にも対策本部を設置して、そしてその取り組みの体制をつくっておりますから、私は、そういう体制で救援なりあるいは復旧なり今後の復興を取り組んでいく過程の中で、議会の皆さん方の意見も十分聞きながら、国会も政府も一体となって取り組むことが今は大事なときではないか。 いろんな御指摘もいただきました。そういう点も私どもは謙虚に受けとめて、そして皆さん方の要望にも十分こたえて、国民の全体の期待にこたえられるような、そういう取り組みをしていくためには、むしろこの機会にそうした問題についても御議論をいただいて、そして意見も交換していただくということの方が、実のある中身を推進する意味では大事ではないかというふうに考えましたので、こういう措置をとらしていただいたわけでございます。
○市川委員 提案したのは二十日の日です。地震が起きてから四日目でございました。本会議の総理の演説、各大臣の演説あるいは答弁を伺っておりまして、初動態勢がおくれていると痛感をしました。そして、恐らく与党の皆さんの頭の中には、そんなことをしたら予算の成立がおくれてしまうということが働くだろう、そういうことも私たちは十分に考えまして、十日間地震対策のために取り組んで、国会が地震の審議以外は延びてしまった、予算審議が延びてしまう、その十日間の日程の短縮については協力します、こう申し上げたんですよ、私は。 海部党首と一緒に官邸へ行って総理にお会いしたわけでして、要するに、新進党の党首が視察に行った。総理が来た、まあ総理が一日遅かったんですけれども。各党がまた行った。そういうばらばらではなくて、国会として超党派で、必要最低限の人数を組んで、現地に迷惑をかけないように視察をやる、場合によっては与野党で対策本部を共同でつくる、そのくらいのことをして、政治が十日間予算の審議を延ばすという異例の措置をとって、全国会議員が地震対策に取り組んでいるんだという、こういう政治の姿勢を示すことがやはり全国の国民、なかんずく被災地の皆様に私は安心感を与えるんではないのか。今政治不信が強いんです、地震を政争の具に使うんじゃないかと。ですから、そういう意味のためにも私は提案をしたわけでして、極めて今残念な思いをかみしめております。 与党、お断りになってきましたから、いよいよそれでは予算委員会の準備を続行しようというので、国土庁に簡単なことをお伺いしたい。災害対策基本法と大規模地震対策特別措置法の関係、もう一度確認しておきたい、ここで質問するに当たって教えてほしい、もう一度正確に教えてほしい、五分か十分で結構です。地震対策で人手がありませんのでそれどころではありません、明確にお断りをされました。私は、断られて別に、当然だろうなと思いました、それはそうだろうなと。 それから、防衛庁にもいろいろ資料を要求しましたけれども、私が要求した資料は結果として入ってきませんでした。要するに、防衛庁の出動した日程を出してほしいということを要求しました。ほぼ防衛庁がつくった資料はすぐいただいたわけですが、私が要求したのは、十七日から十八、十九、二十日、日にち別、時間帯によって、どこの部隊がどういう目的で何名どこへ出て、何時間どういう活動をして帰ってきたのか教えてほしいと。これは結果として出ませんでした。だけれども、これ、自衛隊の災害出動がおくれたとかおくれなかったとか議論をするためには、その程度のものがなかったら議論が正確にならない。いずれ用意します、いずれ用意します。待っていたら、防衛局長が部屋にお見えになりまして、いろいろ御説明をいただきました。その誠意を感じましたので、このことはそれでいいと納得をしました。 事ほどさように、さっきも申し上げましたけれども、省庁がやはり国会答弁づくりとか、あしたどんな質問をするんですか、こんな質問です。すると、大臣が答えるための答弁を用意しなきゃならない、つくらなきゃならない。追われているわけですよ、これ。一方でまだ救援活動や復旧が、緒についたとはいうものの、三十万近い方々が避難生活を送っていられる。そういう中で、やはり一般の国民から見ると、何かのんびり国会はやっているなという感じになりませんか。 ですから、私は、今からどうぞ、きょうはもう総理がいらっしゃれば、あとは大蔵大臣、防衛庁長官いらっしゃれば、もうほぼ質問はないんです。だから、局長の皆さんも要らないです、申しわけないけれども。省庁へお帰りになっていただいて結構です。仕事をやっていただいて結構。それから官房長官も、総理がいらっしゃるんですから、官邸へ戻って指揮をとってもらいたい、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。
○佐藤委員長 内閣総理大臣。――小里地震対策担当大臣。(発言する者あり)小里大臣は答弁席で答弁してください。
○小里国務大臣 委員長から説明の許可をいただきましたので、お許しいただきたいと思います。 まず、市川議員、この緊急災害に対しまして、先ほどから具体的な御提言をお聞かせいただきまして、どうもありがとうございます。その中におきまして、一部私の責任官庁の関連におきまして御説明申し上げなければならぬことを感じましたから、お許しをいただきたいと思います。 市川議員がお尋ねいただきました、御指摘いただきました問題は、恐らく一月二十四日の話ではないかと私、思料をいたします。(発言する者あり)ちょっと静粛にお聞きいただきたいと思うんでございますが、実は、ただいまお話がございましたようなことで、私の国会の政府委員室に対しまして、ついては説明を求めたいという連絡をいただきましたのは事実でございます。すなわち、一月二十四日の午後一時に、ひとつ関係者、説明を求めたい、こういう日時を指定した上の御要請であったと承っております。 私は、実はけさほど、先生の質問に関連をいたしまして、先ほど調査をいたしたのです。そのときに、その二十四日の一時には、実は対応できないということをお答えいたしまして、その時間をぜひ改めて先生の方から御指示くださいませんかということを御相談を申し上げたといういきさつでございまして、それらの手違いにつきましては、私の方からおわびを申し上げる次第でございます。今後、そのような手違いがないように、厳しく関係職員に指示をいたしておるところでございます。
○市川委員 何の答弁も求めていないし、小里さんには何も聞いていないのですよ。だからここで長々と貴重な時間をつぶさないでいただきたい。これは厳重に委員長に抗議します。こういう運営は不公平だと思いますよ。 それから、小里さんに一言申し上げますが、一時が都合悪ければ何時でも結構ですよということも申し上げているわけでして、そんなかたくななことを申し上げるわけがないんであって、それから、忙しくて行けないと言うから、それはそうでしょうねというので、僕は納得しているわけですよ、別に。納得しているわけですよ。だから、何もおわびなんかはしていただく必要はないんであって、それよりも、ずっと座っていらっしゃるわけですか、そこだけ決めてください。
○佐藤委員長 委員長から市川委員に申し上げます。 市川委員も長いこと予算委員会にいらっしゃいまして、総括質疑は原則全大臣でというのが従来の慣例になっております。ただし、国際的な会議等があります、国家的利益がありますときには、各位の御了解を得て出席をしないということも、私たちも取り決めております。 市川委員の質問に対しまして、要求大臣は全大臣ということになっておりますので、総括質疑でもあり、ごらんのように全部そろっておるわけでございます。 そのような経過を経て、なお今の御発言のとおり要求なさるのかどうか。委員長としてはどう判断をすべきか。理事会といたしましては、原則全大臣出席のもとで総括質疑をするということで、これはこういう運営で今日まで来ておりますので、ひとつそのようなことでお進めを願いたい。
○市川委員 ですから、地震災害というこういう緊急事態が起きて、いろいろみんな忙しくて国会どころじゃないと、こういう声も省庁の中にあるわけでして、ですから二時間でも、私の、今から十二時までですから、省庁の皆さんお帰りになって、あるいは官房長官は官邸へお帰りになったらどうですかという提案をしたわけで、委員長がそうおっしゃるなら結構です。質問を続行させていただきたいと思います。 それではお伺いします。 今回の阪神大震災で、官邸の危機管理がやはりなってないというかできてないというか、これはもうはっきりしちゃったと僕は思うのですね。きのうの集中審議を聞いておりましても、大変失礼なんですが、総理の答弁は弁解あるいは前に言ったことの訂正に終始しておられて、大変総理には失礼ですが、果たしてこの総理で本当にまた危機管理ができるのかしらという疑問を強く感じました。これは私一人じゃないと思うのですね。テレビを見ていた人はみんなそう思っているのじゃないかというふうに思うのです。 そこで、こういう予兆があったんですね、官邸が恐らく危機管理ができないのじゃないかという予兆があった。昨年の十二月二十八日午後九時十九分ごろ、三陸沖で地震がありました。マグニチュード七・五。今回の地震とマグニチュードでは変わりない。しかも、青森県の八戸では震度六、烈震です。青森、盛岡、むつでは震度五。函館、帯広などでは震度四。 私どもは、これは何も政党の宣伝をするために申し上げているのではないのですが、じゃ自分たちは何をやったんだとすぐやじが飛んできますから申し上げるのですが、二十九日の十一時に我々は対策本部をつくって、二階国土庁担当相が一時には羽田を出発して現地に行きました。八戸を視察して帰ってきたわけですが、このときの総理と官房長官の、官邸の対応なんですよ、官邸の対応。総理はお国入りをしていた。官邸は官房長官不在。二階さんが帰ってきて官邸に申し入れをしようと思ってもだれもいない、空っぽ。これだけの地震が起きていながら、官邸は空つぼ。官房長官もいない。 そして、総理の地元の大分合同新聞、二十九日付朝刊、トップが「東北中心に強い地震 青森二人死亡、数十人負傷 八戸で震度六」。こっちの左肩に「村山総理 初のお国入り」こういう報道がされているのです。それから、社会面には「年の瀬だんらん 一転パニック」。それから今度は、別の、隣の社会面には「トンちゃんお帰りなさい”おらが総理” 実家前に四百人」「わが家はいいのう」と総理がおっしゃった、こう書いてある。 それから、三十日付の大分合同新聞、「村山総理 分刻みのスケジュール」、これは一面トップ。そして左肩には「負傷者二百八十五人に 「M七級の余震警戒を」」こういうふうに出ているのです。 要するに、地震のことを心配できるような総理のスケジュールじゃなかったということです。確かに、現地の首相動静欄を取り寄せて見ても、分刻みのスケジュールですね。一方で地震の被害が進行しているわけです。 それから、今度は三十日付の社会面では、総理の愛称、トンちゃんとおっしゃるのだろうと思うのですが、「トンちゃん最良の日 「思いやりの心を」」今度は、社会面の右の方には「正月目前 懸命の復旧 三陸はるか沖地震 生活マヒ、募るいらだち」。総理は最良の日で、東北の皆さんは正月目前でいら立ち、交通麻痺。 そして三十一日付では、もう現地は「正月どころじゃない 悲鳴を上げる主婦」。今度は総理は海地獄を視察されて、努力すれば地獄も極楽になる、こうおっしゃったのです。 我々は現地へ行った。帰ってきた。官邸に警告を発したのです、そのとき。こういう休日のときの、二十八日に御用納め、休日のときの危機管理をどうするんだ、官邸は空っぽじゃないか。そして、国土庁の課長を頭とする課長級約二十名の調査団が二十九日の夜現地に着いて、三十日活動をした。課長級ですよ、二十名。政治家はだれも行っていない。 そして、もちろん総理が温泉に入っちゃいけないなんということを言うつもりはないのですが、この三十日の日は有名な温泉ホテルに総理はお泊まりになって記者団と懇談もし、翌日は午前中そこで休養されて午後官邸にお帰りになっている。 要するに、やはり一国を預かる、一国の国民を預かる総理、地震があった、被害が出た、心配でたまらないというのが、これが普通じゃないんでしょうか。 そして、同じようなことが今回の大災害のときにも官邸で起きています。十七日の総理のスケジュール、我々は要求しました。まだいただいておりません。まあいいです、新聞に出ている範囲で結構なんです。十七日のスケジュールを見る限り、要するにキャンセルしていいスケジュールがたくさん入っていますよね。普通だったらもう午後のスケジュールはすべてキャンセルですよ。それが総理ですよ。それを、何か新進党を抜けた人と会ったり、そんなのをやっているわけですね、それから学者と会ったり。 それから十八日、もっと決定的なのは、十八日の朝八時から約一時間、ホテルオークラで財界人と朝食会に出席をしている。総理と官房長官は同席ですよ、また、一月の十四日、社会党北海道本部新春の集いに、これも大災害が起きる三日前、総理と官房長官がそろって北海道へ行ってラーメン食べている写真が出ているわけです。 我々は野党の時代から、委員長が外国へ出張した場合は書記長は残るとか、そういうきちっと党としても危機管理というものを考えた行動をとってきた。絶えず総理と官房長官が一緒じゃないと、総理、何もできないのでしょうか。ですから十八日、これは唖然としました、僕は。総理が財界の人と朝食会。前の日大火災が起きている。総理はどういう感想ですか、総理。
○村山内閣総理大臣 昨年の十二月二十八日に私は地元大分に帰りましたけれども、この三陸はるか沖地震は、私が大分に帰ってから夜起こった事件であります。そういうスケジュール、日程がずっと組まれておったものですから、それなりにマスコミの皆さんも帰ったことを主体にした記事をどんどん書いてくれるものですから、今おっしゃったようなことを体して言われますとそういうことになると思いますので、これはもう私は率直におわびを申し上げたいと思うんです。 ただ、今お話がございました十四日に北海道に参りましたのは、十三日にアメリカの日米首脳会談から帰ってまいりまして、たまたま土曜日でお休みでもございますし、前から約束もしてございましたので、これはまあどうしてもやはり行かなきゃいかぬだろうというので北海道に行ったわけでありますけれども、これは常に官房長官と一緒に出なきゃならぬというのでなくて、それは官房長官もたまたま地元でありますし、地元の方からは官房長官も出てくれ、こういう要請があってたまたま一緒になったので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思うんです。 それから十八日の朝は、これは時々こうした懇談会もさせてもらっているわけでありますけれども、とりわけ地震があった次の日ですから、この地震がどういう日本経済に与える影響があるかとか、あるいはそうした問題についてもやはり意見も聞かしてもらいたいと思うし、それからまた今後の地震に対する協力の要請もせにゃいかぬ、こういうこともございまして、朝、早朝の八時からの会食ですから出席をしたわけでございます。 今言われますようなことからすれば、私はきのうも集中審議の中で申し上げましたけれども、危機管理に対する官邸全体の取り組みについては大いに反省もし、見直しもしなきゃならぬ点が多々あるということを謙虚にやはり受けとめて、そして直すべき点は直すという決意で取り組む必要があるということはもうたびたび申し上げているところでございまして、御理解を賜りたいというふうに思います。
○市川委員 北海道行きは、官房長官が地元だった、要望があった。わかるんですが、やはり官房長官ですからね、これは。地元の要望があろうと何があろうと、総理が北海道へ行く以上は私は官邸に残りますというのが政治家ですよ、これは。 それから、十八日の朝財界人にこの地震の経済復興の状況を聞いたとかおっしゃっていますが、そういうのは経済企画庁とか大蔵省で十分なんです、そんなのは。 第一、十八日の日、これは十七日の新聞ですよ、夕刊。「神戸中心に大震災 死者・不明千人を超す」、もう夕刊段階でこうですよ、夕刊段階。もう十七日に全容がわかったはずですよ、総理は、全容が。それから「がれきの下「助けて」都市の機能壊滅状態」、これはすごいですよ、この大見出し。それから、既にこの夕刊段階で「噴き上げる赤い炎 上空ヘリから つぶれた車散乱」、もう真っ赤に燃えている写真がカラーで出ているわけです。夕刊ですよ、これは、十七日の。 それから、十八日の新聞は「死者千六百八十一人不明千十七人」、恐らく、これは新聞ですから、この朝の警察庁発表はもっとふえていたと思うんですが、「延焼、夜も続く」、大火災が起きていたわけですよ。燃えるに任せてあった。消しょうがない、消防車が行っても水がない、車が通らない、緊急車両の整理がきかない。我々も何か、東京大空襲あるいは横浜大空襲を見ているような思いであのテレビを深夜ずっと拝見しておりました、これは大変だなという。 十八日の朝からの総理のスケジュールは、本来なら全部キャンセルして、災害にもう総理は集中する、それが一国を預かる宰相の姿だと僕は思うんですよ。総理の姿を見ていますと、八時から九時まではホテルオークラで財界人に会いました、これはこういう理由で、これはこういう理由でと、何か下から報告が上がってくるのを待っているという姿があるんですね。やはりこういうときは、危機管理というのはトップリーダーの資質ですよ、これは。トップリーダーが判断するしかないんですよ。それを、何か下から上がってくる報告を待っている。その報告も遅い。 したがって、この十八日の、総理が朝、これだけの出来事が前の日と朝報道されているのに、予定どおり、約束しであったから財界人とホテルで会う。ホテルで会ったってどこで会ったっていいんですよ、普通なら。これはもうキャンセルすべきときじゃないんでしょうか。それが総理の行動じゃないんでしょうか。ほかの問題を全部捨てて地震対策に集中したってうまくいかないんですよ、総理。うまくいかないじゃないですか、結果としては。ほかのことなんかやりながらできるゆとりがあるんですか、十八日の日に。おかしいですよ、それは、だれが考えたって。しかも、どこの国も大体二日目には入りますよ、総理が現地へ、二日目には。三日目は遅いですよ。ですから、そういう発想がないんですよ、総理に、申しわけないけれども。 ですから、これでは、危機管理の制度が不備だ、わかります。だけれども、制度を幾らそろえても、動かすのは人間ですよ。人を得なければ、そんな制度とか組織というのは全部絵にかいたもちですから、これは。そういう意味で、十七日のスケジュールといい十八日の朝のこの出来事が象徴的だと僕は思うんですよ、総理どうですか、感想を一言言ってください。
○村山内閣総理大臣 ちょっと日程を申し上げたいと思うんですけれども、私は、きのうの集中審議でも申し上げましたように、六時過ぎにテレビのニュースで一番最初に知りました。すぐ秘書官に連絡をとって、情報の報告をしてほしいということで、七時半に最初に聞いたんです。そしてそこですぐ、これはやはり大きくなりそうだ、したがって非常対策本部の設置も考える必要があるし、同時に、担当大臣は直ちに現地に行ってほしいということも指示をしたわけです。そして十七日には、建設大臣も運輸大臣も自治大臣も現地に入る、それから国土庁長官はもとよりでありますけれども、入るという措置をとっていただきました。 まあ私が三日目に参りましたのは、そうして担当の各大臣がどんどん入ってますから、それにまた行けば現地の方のやはり受け入れも、慌ただしいときに大変だろうというようなことも若干配慮しまして、これは三日目の日にじゃ行くことにしようといって、全体の日程も見ながら考えたことは、これはいいか悪いかは結果はともかくとして、そういう配慮をしたということについても御理解を賜りたいと思うのです。 同時に、これはその日に決められた日程を全部消化したわけではないのですよ。もう不要不急のものについてはキャンセルをして、そして必要なものだけは、これはやはり国政全体を預かっているわけですから、そのために全部を犠牲にするわけにはいきませんので、やらなければならぬことはやらせていただきましたけれども、しかし、当面不要なものについてはキャンセルをしてお断りをしたという事実もあることについてはそれなりの私は配慮をいたしたつもりでありますけれども、欠ける点もあった、こう言われれば、いたし方ないことだと私は思います。謙虚に反省すべき点は反省をさせてもらいます。
○市川委員 官房長官がまた同席して行ってしまうという、この感覚なんですよ、十八日の朝。これはもう大問題ですよ、大問題。私たちの感覚から言いますと、やはり総理がこんな十八日の朝、外へ行くということ自体おかしいので、もし必要なら呼べばいいのですよ、官邸へ。官邸へ来ていただげばいい。それから、官房長官まで一緒に行ってしまって官邸を留守にしてしまう。こういう感覚で危機管理はできないと思いますよ、この感覚では。できませんよ、これは。 それから、自衛隊が自主的な出動をして、十七日の午前七時十四分にヘリ二機が神戸上空を飛んでいます。これは防衛庁に伺ったところ、目視、目で見て状況を把握する。八時十一分、海自の徳島教育航空群からヘリが神戸市に飛んでいます。それから七時五十八分、陸上自衛隊の伊丹から第三十六普通科連隊が四十八名、地上から出動しています。さらに八時二十分、同じ三十六普通科連隊二百六名が地上から救援並びに状況把握に出かけている。これは、恐らく災害出動の中の三つ目の近傍出動というものだろうと僕は思うのです。要するに、知事の要請があって出動する、あるいは防衛庁長官の判断で出動する近傍出動。自分の駐屯地の近くに何か災害が起きた、様子を見に行く。 七時十四分、八時十一分、遅いか早いかというのは後で議論しますが、七時五十八分、八時二十分、地上と上空と両方から自衛隊が見に行っている。大体常識的に、ヘリが三機、プロの人が乗って上空から見た、もうこの時点で全容はわかったはずですよ、どういう災害か全容が。この情報が総理のところに恐らく入っていないと思います。防衛庁に聞いたら、官邸に入るシステムになっていないという。いや、これは防衛庁が悪いわけでもないし、どこが悪いわけでもない。そういうシ ステムなのです。 危機管理というのは、大きな権限を持った人へ全部情報が集中しなければ危機管理はできない。部分的な権限を持っている人のところへ幾ら部分的な正確な情報あるいは総合的な正確な情報が行ったとしても、部分の権限しか行使できない人のところへ情報が行っても危機管理はできない。大きな権限を持っている人、総理です、ここへ正しい情報が入らなければ危機管理なんか成り立たないと思うのです。 それから、今回は兵庫県知事も恐らく被災されていると思うのですね、自宅で。ですから、歩いて県庁に行ったという話も聞いています。恐らく市長も同じ、市の職員、県の職員も同じ状況だったろうと思うのです。このことは今後また起きるわけですよ、もしこういう地震があった場合は。被災地は、電話は通じない、電気も消えてテレビが見られない、防災無線も何か故障、地震のショックできかない。そうすると、現地の情報というのは入ってこない、通常ルートから。それを中央の政治がどうカバーするか、これが危機管理ですよ。ところが、さっきから申し上げておるように、システムはそうなっていない。また、総理は官邸にいない、官房長官もいない。こういうことが最大の教訓ではないんですか。そのために申し上げているんです、私は。 そして、恐らく自治体の情報というのは、消防が地方自治体、県なり市に出す。県や市が今度は国土庁の防災局、防災局長が事務次官、事務次官が国土庁長官、そして恐らく総理、官邸に入ってくるんだろうと思うのです。相当時間がかかると思う。 だから、ここに座っていらっしゃる深谷さんも、この間与党の会議では、与党や政府に情報が遅いと怒っていらしたというのは、新聞で拝見した。本人おっしゃったかどうか知りませんが、新聞にはそういうふうに載っていた。こんなことでは与党の対策ができないと、この深谷さんもおっしゃっていた。 これはやはり、この自衛隊のヘリで飛んだ、二回。それから陸上から行った。相当、もう地震発生から三時間、四時間たっている。たってはいるんだけれども行った。この情報が何で官邸に入らないかということなんです。ですから、そういう問題が、総理、一つある。 総理、この例えは午前七時に入ったものを恐らく後で聞いたのだろうと思うのです。聞いてないでしょう、すぐには、こんな情報。と思いますよ。
○玉沢国務大臣 まず委員御指摘の、自衛隊のヘリコプターが当初三機、陸上自衛隊から二機、海上自衛隊から一機飛びましたが、どのようなところにまず報告したかということを明確に申し上げておきたいと思います。 まず第一に、OH6二機、これが被害の状況を把握をいたしまして、神戸付近から二十カ所煙が上がっていること、淡路島北部における家屋の倒壊、高速道路の倒壊の状況を目視により確認をいたしまして、この情報は中部方面総監部に対して行われております。 それから、海上自衛隊の徳島教育航空群のS61Aによる航空偵察によりまして、一宮付近の被害が大である等の情報が確認をされまして、これは淡路島広域消防本部に対し報告が行われ、また、同じく偵察によりまして、八幡浜漁港周辺において油の流出が確認をされまして、この情報は小松島海上保安部に対して報告が行われました。 そこででございますが、中部方面隊の方といたしましては、この情報をもとにいたしまして、地方自治体、つまり兵庫県庁並びに大阪府、また神戸市、それから芦屋市、西宮市、また周辺の伊丹市その他に連絡要員を派遣をいたしまして、この情報に基づいてできるだけ緊急の対策を講ずべきではないか、こういう手段をとったわけでございます。 そこででありますが、災害対策基本法五十三条によりますと、災害の被害の程度をまず第一に報告をし、徹底をするのは地方自治体が行う、こういうことになっておるわけでありますから、当然この情報は地方自治体に通告をいたしまして、それが直ちに総理に報告をされる、こういうことが現在の状況になっておるわけでありますので、その点も御理解をいただきたいと思います。
○市川委員 要するに、さっきから申し上げているように、大きな権限を持っている人のところへ情報が早く入らなければ危機管理なんかやりようがないのです。裸の王様ですから、情報がないというのは。ですから、それを申し上げているわけですよ。だから、何も防衛庁が悪いということを申し上げているわけではないのです。 それで、例えば防衛庁の方に伺うと、長官、その中部方面総監部で収集した情報を電話したら、電話が通じない。芦屋市とか神戸市とか人を派遣するんだけれども、まだ職員が被災してしまっていて十分そろっていない。だから、なかなか情報が伝わらない。それがようやく伝わったころには、それが上へ上がって、上から今度はようやく国土庁の防災局へ入ってくる。それで、防災局長が次官、国土庁長官と。これはもう全然行きません、情報が。 問題は、私は、自衛隊の出動、要するに自主的には早い出動がある。自衛隊を責める気持ちは全くありません。自衛隊けしからぬとか、そんな気持ちを持っておりません。そうではなくて、自衛隊の災害出動という有効な手段を持ちながら、政治が生かせなかったというところに問題があるということを申し上げているのです。 例えば、もう時間が大分過ぎていますから簡略に申し上げますが、人命救助は四十八時間が勝負と言われていますよね。恐らく、水も食糧もなく、瓦れきや何かの下で耐えられる限度が四十八時間。ですから、そういう意味からいうと、初動、発生から六時間にどういう手を打つかということが非常に重要だというふうに専門家が毎日のようにテレビで指摘をしておられました。 しかし、この場合、知事が悪いという意味ではありませんでして、知事も被災者で、歩いてようやく県庁へたどり着いたという状況ですから、やむを得ない面が多々あって、ぎりぎりの努力をされたのだろうというふうに思っておりますし、知事を責めるとか自衛隊を責めるという意味じゃなくて、危機管理というものを客観的に考える場合に、今後の教訓として考える場合に、五時四十六分に地震が発生して自衛隊出動が四時間十四分後の十時に発せられたという、これはやはり遅かったのじゃないかと思わざるを得ません。これは要請した知事が悪いとかということを言っているわけじゃありません、誤解をしないでいただきたいと思うのですけれども。客観的に見て四時間のロスは痛い、この認識がないと危機管理の発想というのは生まれてこないと思いますよ。 それから、知事が出動を要請した。要請後、自衛隊がどの程度集まることができたか、時間を追って申し上げます。これは、自衛隊から、防衛庁からいただいた資料に基づくものでございます。 十三時十分、二百十五名、第三特科連隊、神戸市へ。発生から七時間二十四分、知事の要請から三時間、二百十五名が神戸に入った。午後二時、百十八名、発生から八時間十四分、知事の要請から四時間。それから二時七分、八十六名、発生から八時間二十一分、要請から四時間七分。十五時、三百六十五名、発生から九時間十四分、要請から五時間。十六時、百名、地震の発生から十時間十四分、要請から六時間。午後四時、もう日没前です、救援できる恐らくぎりぎりの時間。合計して八百八十四名、知事の要請から六時間、地震発生から十時間十四分、自衛隊が出動できたのは八百八十四名。もちろん、これ以外にも自衛隊は、ヘリを飛ばしたり、輸送艦を動かしたり、護衛艦が動いたりといういろいろな活動をもちろんやっているわけです。これは救援に入った人数を申し上げているわけで、そして一月十七日、自衛隊が全部で出動できた人数が二千三百人。二日目、三日目に九千人規模、四日目にようやく一万三千人規模に膨らんでくるわけです。 今も自衛隊の皆さんは現場で御苦労されているわけですから、何か私が自衛隊がけしからぬというふうに言っているようにぜひ誤解をしないでいただきたいんですが、自衛隊の災害出動という強力な手段を持ちながら政治が生かせない、その政治の貧困に問題がある、私も含めて。そういう反省を込めて総理に今申し上げているわけでございます。 そしてこれは、総理、どうですか。どう考えても出動が遅かったし、体制が初日に十分に整っていないということは、救援の体制が十分整っていないということは言えるんじゃないでしょうか。総理、どうですか。――いや、防衛庁長官じゃなく総理に。
○村山内閣総理大臣 今御指摘になりましたいろいろな点をずっと振り返ってまいりまして、これはもうきのうの集中審議でもいろいろな意見も聞かせていただきましたけれども、やはり危機管理体制、そうした災害に即時に対応できるような平素からの取り組みといいますか、そういうことが何よりも必要であるというふうに考えておりますけれども、そういう意味では、この点を振り返ってみて反省する点はたくさんあるというふうに私は受けとめておりますし、これは全く国民の生命、身体に関する、あるいは財産に関する重要な問題ですから、本当に厳しく重く受けとめなきゃならぬというふうに思っておるところでございます。
○市川委員 要するに、今総理の答弁の中に、地震対策は平素の備えが重要だということをおっしゃられた。平素の備えが重要だ、まさにそうなんです。ところが、平素の備えが必要なんですが、平素の備えができないんですよ、災害出動の。なぜか。それは、申しわけないけれども、社会党が、自衛隊は違憲です、災害出動は治安出動につながるからだめです、ずうっと反対した歴史なんです。そこにすべての問題があるとは申し上げません。だけれども、そこにも大きな政治的な原因があるんです。自民党の皆さんは昔そう言っていた。今は与党になって組んでいるものだから言わない。 ちょっと待ってください、まだ発言中ですよ。防衛庁長官には質問していません。それで、自衛隊は違憲だ、災害出動は治安出動につながる、あるいは事前の自衛隊が参加した防災訓練は治安出動の練習になる、だから反対だ。これ、議事録がここにございます。社会党が党を代表して討論をしたり発言した議事録がここにございます。大規模地震対策特別措置法、治安出動につながるから反対だという討論をしていますよ、社会党を代表した方が。 今、この大規模地震対策特別措置法で東海地震の対策をやっておるのです。社会党はこの法律に反対したのです。反対の理由は、治安出動につながるから、予行演習になるからという理由で反対した。ところが、今この法律で、静岡や岐阜の一部や神奈川県、山梨、強化地域に指定して東海地震に備えているわけです。ですから、総理どうしますか、これ。総理はただ本会議で自衛隊は合憲ですと、ある日突然総理になったからと言っただけではこなれないのです、これは。 例えば、神戸市では防災訓練不参加、自衛隊に呼びかけない。それから芦屋市も呼びかけてない、大阪府も呼びかけてない。兵庫県は、県レベルは呼びかけて、九月一日の防災の日には小規模ですが自衛隊の人が参加している。神戸市は不参加、芦屋市も不参加、大阪も不参加。 やはり日ごろ、平素の備えが大事だ、総理まさにおっしゃった、その平素の備えというのは、自衛隊の代表の人が入って打ち合わせもする。災害、地震が起きたときにはどういう行動をとるのか、どういうふうに連絡をとり合うのか、電話が通じないときはどうするのか、自衛隊が得た情報はどういうふうに入れてくれるのか、災害出動要請はどういうふうにやるのか、こういう規模のときは何人くらい出そう、こういう規模のときは何人くらい出そう、いろいろな想定を持って打ち合わせをし、共同の訓練をしてこそいざというときに役に立つ。そういう訓練をしても、いざというときに役に立たないときがあります。 ですから、私は、やはりこの際、地震が起きた、そうしたら自衛隊は合憲ですよと言ったっ放しては済まない。大規模地震対策特別措置法にも反対しているんです、総理。これはできませんよ、総理がそういう考えですと。そうして、そういうものに対する遠慮が長い間あったことは事実なんです、自治体の中に。遠慮が長い間あったことは事実。ですから総理、これに対してどういう手を、総理として、社会党の委員長としてどういう手を打たれますか、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今御指摘のございました大規模地震対策特別措置法ですか、その審議をされるときには、私はその議事録も見ていませんから許しぐわかりませんけれども、それなりのやはり背景と問題点があって議論されたのではないかというように私は思うのです。それを今ここで私が論評する限りではありませんけれども、少なくとも私が政権を担当してから、これはもう自衛隊も合憲として認めますし、同時に三権の長として観閲式にも出て、そしてそれなりの務めをしてまいりました。 私の記憶する範囲では、今自治体がいろいろな防災計画をしたり、あるいは九月一日の防災の日に訓練をしたりする際に自治体も参加をしていただいて、そして自治体、警察、消防あるいは消防団等々、自治体も一体となってそういう訓練をしている場にも私は何回か出てまいりましたけれども、知事やら市長がどういう取り組みをしているかということについて、私がここで、何も私が指示したわけではありませんし、とやかく論評をする限りではありませんけれども、しかし、少なくとも地震とかそういう災害に対して自衛隊が出ていって大きな役割を果たしているということは、もういろいろな数々の経験からしてこれは明らかになっているわけですし、単に国内だけではなくて、これはルワンダに対する難民救援についても、私は自衛隊の派遣については積極的に賛成もして出していただくことにしてもらったわけでありますけれども、そういう経過から考えてみて、どうぞ皆さん、御理解を賜りたい、私はそう思います。
○市川委員 自衛隊の災害出動は治安出動につながるから反対だという、社会党がずっとそういう態度をとってきたことは、これは誤りだった、今後そういう態度はとらない、こう明確におっしゃれますか。
○村山内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、その法案が審議される際には、まだ国際的にも東西対立もございましたし、いろいろな意味で国民の疑念もあったと思うんですよ。そういう国民の疑念を代弁して、これはやはり、憲法の関係もありますから、治安出動に出るような可能性というものが全然、あるのかないのか、そういう問題についてもやはり真剣な議論がされたんではないかと思うんです。 私は、ですから先ほど申し上げましたように、そういう背景があってなされたことではないかと思いますが、少なくとも地震やら災害等に、あるいは救援活動に自衛隊が出ていくことについては何も反対するつもりはありませんし、むしろ積極的にやはり体制を整えてふだんからそういう心がけで取り組むことが大事ではないかというふうに申し上げているところであります。
○佐藤委員長 市川議員にお願いをいたします。 先ほどの御発言で、自衛隊の出動のことについて若干事実関係が違うのではないかと玉沢防衛庁長官が言っておりますので、自衛隊も懸命に今働いているわけでございますし、またこれはテレビに映っているわけでございますので、ひとつ大変恐縮ですけれども、玉沢防衛庁長官の発言をお許しをいただきたいとお願いいたします。
○玉沢国務大臣 まず、県知事の要請がありましてから三時間とか六時間とか、なぜそのような時間がかかったか、その時間がかかったのは社会党の従来からの考え方と関連があるのじゃないか、こういうような……(発言する者あり)ちょっと待ってください。つまり、三時間とか六時間とかということがかかったということ、これは、まず事実を明確にさせておいていただきたいと思います。 そこで、つまり、十七日の十時の要請を受けましてから、第三特科連隊は直ちに、十時十五分に出動いたしました。これは陸で行ったわけでございますけれども、姫路から神戸の市内まで入るまでに六十キロございます。したがいまして、そういう経過を経まして、なかなか道路が通じませんものですから、その時間がかかったということを明確にしておきたい。 それからさらに、大阪からの部隊も、これは百二十キロぐらいあるわけでありますので、所要の時間がかかったということでございまして、これは一政党の物の考え方とか総理の考え方との関連で言われるのは心外である、こういうことを申し上げておきたいと思います。 以上。
○市川委員 被災地の状況から見て、緊急車両でさえも通れない状況ですから……(発言する者あり)
○佐藤委員長 答弁をしているわけじゃございませんから、静かにしてください。委員会の運営に関係することについて、その中身を言っているわけですから。
○市川委員 自衛隊が出動がおくれた、それがいろいろな原因が重なっている一それはよくわかるし、そのことが防衛庁、問題だということを言っているわけではないのであって、ただ、客観的に見た場合にこれでいいのかという今後の問題として問題を提起しているわけでして、防衛庁長官がそこで何も弁解なさる必要はないわけでございます。 自衛隊が出動がおくれる、おくれた、それはやはりいろいろな原因があると思いますよ、いろいろな原因が。ところが総理もおっしゃったように、日ごろの、平素の積み重ねが大事だと総理がおっしゃるから、そのとおりですと私も申し上げているわけです。平素の積み重ねというのは、やっぱり防災の打ち合わせとか、防災の共同訓練というものをやってなければこれはできないわけですよ。 ところが、今はどうか知りませんが、申しわけないけれども、自衛隊の災害出動は治安出動につながる、予行演習になるからだめだというふうに言ってきたのは社会党の歴史なんですよ。ですから、社会党の勢力が強いとか、県の職員や市の職員はそういうものが念頭にあるから、自衛隊に訓練の参加とかそういうのは言えないわけです。そういうことを、社会党の委員長として、やっぱり反省あるいは国民におわびすべきじゃないんですか、本当は、判断が間違っていたということを。今変えましたというならわかりますよ。
○村山内閣総理大臣 これは先ほど来答弁いたしておりますように、その法案の審議をする際にはその法案の審議をされる背景というものがやっぱりあって、国民の中にもそういう危惧を抱く者もたくさんおられた。そういう国民の声もやっぱり代弁をして議論をされたことではないかと私は思うんです。これは、そのときに私がおったわけじゃありませんから論評の限りではありませんけれども、私はそういうふうに思います。 それから、社会党、私が記憶する限りにおいては、むしろ自衛隊は国土保全とか災害の救助とかそういうものに専念できるようなものにやっぱりもっとすべきではないか、こういう主張は一貫してやってきたつもりであります。 ですから、また、私がこういう立場に立ちましてから、これはもう党の方向というものも方針というものも変えてまいりましたし、私はむしろこれまでも積極的に、地震対策とか防災対策とかいうようなものについては、自治体の防災計画の中に自衛隊も組み入れてふだんから一緒にやるべきものだというふうに言ってきたつもりでありますし、そういうふうに考えて現在もおります。
○佐藤委員長 市川委員にちょっと申し上げますが、先ほどの御発言の中で大規模地震対策法の中のちょっと誤解を与える点があるようでございますので、小里地震対策大臣から発言を求められておりますので、許したいと存じます。簡単にお願いをいたします。
○小里国務大臣 大変潜越でございますが、先ほどの先生の御発言の中で、私説明申し上げた方がよろしい、かように判断することがございますから申し上げますが、すなわち大規模地震対策特別措置法を今次の災害で適用しておる前提で先ほど御発言をなさったようでございますが、それは全くそのようなことはございませんので、まず御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)わかりました。
○佐藤委員長 私、誤解を与えるようなと申しましたので……。
○市川委員 今小里さんが言ったようなことはさっき言ってません。東海地震を念頭にということをはっきり指摘してますよ。質問の妨害はやめてもらいたい。 例えば、災害特別委員会の会議録の中では、防災、災害防止を安易に自衛隊に頼ることによって、当然やらなければならない平常の防災事業を怠ることになりますとか、防災という名称で事前に治安出動のおそれがあるとか指摘しておきたいとか、あるいは大地震が起こる最も危険な地域に自衛隊なるがゆえに安易に派遣するという考えはけしからぬとか、要するに防災派遣が治安出動につながるおそれがあることは否定できないとか、こういうことをずっと社会党は言ってきたということを僕は指摘しておるわけです。 それでは、要するに自民党と社会党が政権を組んだ。ついこの間までは、自衛隊は違憲だ、PKOは海外派兵につながる、だめだ、牛歩だ、議員辞職だ、反対した。村山政権が誕生して総理になったら、本会議で急に自衛隊は合憲です、安保条約は堅持です、ルワンダの自衛隊派遣は結構です。要するに、政党と国民の約束事なんですね、政党の政策というのは。それから、政党と政党の間のまたある意味では約束事でもあるわけです。 だから、変えること、政策を変えることそのこと自体がよくないとかという議論をしているわけではありませんでして、変えるなら変えるらしい十分な手順と十分な説明をつけてやるのが政党の本来のあり方だと私は思うのです。私たちも、かつて自衛隊は違憲の疑いがあると言いました。私自身が防衛の責任者として、十四年ぐらいの時間をかけて、最終的にようやく党内の基本的な了解をいただきました。そんな一日で、総理が言ったから、後で追っかけて党大会で変わるというやり方はしてないんです、僕らも。 そこで伺いたいんですが、やはりこの治安出動の問題も問題なんですよ。治安出動があるから災害出動に反対だといった体質が残っているんです。幾ら総理がここで言ったって、それは直らない。ですから、あえてお伺いしますが、そこまでおっしゃるなら、自衛隊が――社会党は自衛隊の憲法上の位置づけが不明確なんですよ、今の社会党のスタンスが。ですから、こういう災害出動にも、いろんなことに私は影響していくと思いますよ。総理、自衛隊が違憲だという、違憲だったという社会党の判断は、憲法の何条において判断されたのか、教えてください。
○村山内閣総理大臣 これは、臨時国会でもそういう私に対する質問もございまして、私はお答えを申し上げましたけれども、憲法の前文ですね、憲法前文の理念を踏まえて、当時日本を取り巻く情勢というのは、冷戦構造の中でやはり一方では軍拡が要請されてくる、こういう状況にもございましたし、そういう国際情勢全体の反映の中における日本の立場というものを考えた場合に、これはやはり憲法の理念が侵されていくんではないかと。憲法の前文の理念に立って、それを阻止するためには社会党が抵抗していこう、こういう立場から、憲法の理念に反するという意味で社会党は反対をしていたわけです。 しかし、自衛権というものは、これは社会党も否定しているわけではないんですよ。ですから、海外派兵とかいうようなことにつきましては、これは今でも反対という立場は変わりませんけれども、しかし、言うならば、国際情勢も変わってまいりましたし、もう今やそういう対立がなくなってきているわけですから、同時に、一定の歯どめをかけた今の節度ある防衛力の、この今の自衛隊の姿というものは、ある意味では国民的なコンセンサスも得ているわけですから、したがって、そうした立場に立って、社会党は、この自衛隊を是認をするというふうに党の方針を変更したというふうに御理解を願いたいと思うんです。 これは、私が総理になってから一夜にして変わったというのではなくて、もう何年も前から、何年も前から党内では議論をしてきているわけですよね。その議論の経過がありますから、したがって、九月三日の党の臨時大会でまたその議論も踏まえた上で結論を出していただいて、そしてこの私が出した方針について御了解をいただいた、こういう経過であることについても御理解をいただきたいと思うのです。 ただ、言われますように、それは、党大会で十分議論をして、方針が変わってから私の方向が変わってきたということになれば、一番手続としてはよかったかと思いますけれども、たまたまこういう立場に急激に立ったものですから、したがって、そういうルール上の問題については若干問題なしとはしなかったということは私も承知をいたしております。ただ、私はそういう立場に立ってこれは決断をしたわけでありますけれども、私が決断をした方針が党でこれは了解をされなければ、私はやはりこれはもうやめざるを得ないので、そういう決意で臨んできたということについても御理解を賜りたいと思います。
○市川委員 憲法前文のどの箇所に照らして違憲でしょうか。
○村山内閣総理大臣 憲法前文というのは、憲法の基本原理などが個々の条文の前に置かれたものであって、憲法の基本原理などが述べられたのが前文だというふうに解釈されているわけです。個々の条文が重要な意味を持つものではありますけれども、他方、憲法前文は、それぞれの条文を解釈する場合の解釈上の指針としての意味を持っておる。この憲法上の解釈の指針としての意味を持っておる前文に照らして、私はこれはやはり憲法に反するというふうに申し上げたのであって、具体的な個々の箇条について、どの条文に反するからということは私は申し上げていないわけです。
○市川委員 この憲法前文のすべての言葉に照らしてという意味ですね。前文全体という意味をおっしゃっているわけですね。ここに前文を持ってきたのですけれども。 そこで、お伺いしますが、総理が恐らくそういうふうにお答えになるんだろうということはわかっておりましたから、憲法学者等の意見も伺いました。 さきの国会で前文とおっしゃっている。どうもおかしいなというふうに僕は思っていたのですが、国の憲法によってみんなこの前文の位置づけが違うのですけれども、日本国憲法の場合は、この憲法に関しては、前文に法律的な性格があるというのが憲法学者の多数意見。法律的な性格を有している。ただ、しかし、ではあるけれども、裁判規範たり得るかというと、裁判規範たり得るというのは少数意見。多数意見は、裁判規範にはたり得ない。九条とか何条という条文とセットで初めて具体的な事件についての違憲、合憲の判断というものは行われるというふうに、大体憲法学者の多数説がそう言っているのです。ですから、前文だけで判断したというのは極めて、憲法を読んでないことになるわけでして、それは指摘をしておきます。 それで、今度は角度を変えて御質問しますが、社会党が発表した文書、日本社会党五十六回定期全国大会、一九九一年一月三十日から二月一日の党大会で採択された「平和の創造 わが党の新しい安全保障政策」、この五番「自衛隊の縮減と改革」「憲法と自衛隊」というところに、これは党の文書ですよ、社会党の委員長、いいですか、総理。「われわれは、国際紛争解決の手段としての戦争、武力による威嚇とその行使、そのための戦力放棄を規定した憲法擁護の意思をあらためて鮮明にする。また現在の自衛隊が憲法に違反する存在であることも明白だと考える。」この文章は憲法第九条ですよ。九条の文章を持ち出しているわけですよ、ここに。「国際紛争解決の手段としての戦争、武力による威嚇とその行使、そのための戦力放棄」、全部これ九条の条文を引用しているのですよ、社会党の文書は。そして、憲法擁護の意思を鮮明にし、今の自衛隊が憲法違反だと、こう言っている。憲法九条を引用して社会党は党大会の席で自衛隊は違憲だと、こう言ったんだ。 さあ、九条に照らして自衛隊が合憲だという、憲法解釈が変わったなら、かつてはこういうふうに憲法を解釈していました、今回はこういうふうに憲法解釈を変えました、僕はそういうふうに言う方が正直だと思うのですよ。それを何か、社会党はさんざん、自民党は憲法解釈を重ね、軍拡を続けてきた、こう攻撃をしながら、自分も何か憲法解釈を変えたんだか変えないんだかわからないような、憲法上の位置づけというものを自衛隊に対して明確にできなければ、さっきの危機管理だって何だってできませんよ、これ。要するに、そんなあいまいなことで、何でできるんですか。 ですから、社会党の文書の中で、九条に照らして違憲だということを言っているんだ。じゃ、何条によって合憲だったのか、総理、お答えいただきたい。
○村山内閣総理大臣 いや、私は、一貫をして申し上げておりますように、憲法の条文に照らしてというのではなくて、憲法の前文に理念として示されておる、憲法全体を貫いておる解釈というのは、あくまでも平和理念に徹している憲法であります。そういう理念に照らして考えた場合に、あの東西対立の中で、これはもう日本の軍拡が要請されて、軍拡の方向に走ろうとしている姿があったことも事実ですし、そうしたものに歯どめをかけて、やはり憲法の平和理念というものはしっかり守るべきだ、こういう立場からこれは私どもは反対してきたのであります。 しかし、先ほど来申し上げておりますように、国際情勢も変わってまいりましたし……(発言する者あり)
○佐藤委員長 静粛に願います。
○村山内閣総理大臣 そういう東西対立というのはなくなってきたわけですから、しかも、ある意味で、いろんな歯どめもかけて、この程度の節度ある自衛力は持ってもよろしい、こういう国民のある意味でのコンセンサスもあるわけでありますから、そういう点も十分踏まえて、そして先般の社会党の全国大会で、これまでの、議論もやってまいりましたけれども、その議論も踏まえた上で、合憲であるというふうに社会党の方針を変えたんです。政策の方針を変えたわけでありますから、その点については御理解を賜りたいと思います。
○市川委員 全然納得できないんですね、この答弁は。憲法前文に照らして違憲だ、こう言ったんだと。今度は、前文に照らして合憲だと言っているんだと、こうおっしゃっているから、ちょっと待ってくださいよと。 憲法前文というものが、憲法学者の多数説は、裁判規範ではない。法的な性格は持つというのは多数説、だけれども裁判規範ではない。要するに、裁判規範ではないということは、具体的に自衛隊が違憲か合憲かというのは前文だけでは判断できません、九条とセットで判断ができるんですというのが憲法学者の多数意見。総理はそれを、前文だ、前文だ、前文だ、こう言う。まあ、それはそれでわかった、置いておきましょう、こう言っているわけです。 ところが、社会党の文書、これは党大会で採択された文書では九条を引用して自衛隊は違憲だ、こうおっしゃっているんです。認めないんですか、これ、社会党の文書。社会党が党大会で採択した文書で九条を引用して自衛隊は違憲だ、こう言っている。ですから、総理は前文だ、前文だとおっしゃっていますが、社会党は党大会で九条に照らして自衛隊は違憲だと、こう決めているんです。ですから、前文じゃないんですよ。前文というのは、あなたが合憲にしちゃった後、憲法解釈を聞かれて困るから前文に直したんであってね。 ですから、じゃ自衛隊が違憲だという根拠が前文だ、条文では示せない。じゃ、合憲だという根拠はどこだというと、前文だ、条文では示せない。こういういいかげんな憲法解釈で――いいかげんですよ、これは。こんないいかげんな憲法解釈ありませんよ、こんなの。前文と本文がセットだなんというのは常識ですよ、これは。何を言っているんですか。こんなことは常識ですよ。常識が通らないというんじゃ、国会の議論できませんよ。ですから、違憲は前文、合憲は何条の解釈で合憲なんですか。はっきりしてください。
○村山内閣総理大臣 これは、憲法学者がどういう解釈をしているかということについては、これは恐らく学者の中によっていろいろ議論は私はあると思いますね。ですから、今あなたが言われたことを一方的に私が受けることはできませんけれども、私自身は、もう先ほど来申し上げておりますように、憲法理念に基づいて、前文の理念に基づいて、憲法全体に貫く精神というのはあくまでもそういうものである、その理念に立って、自衛隊の拡大されていくような姿は、これはやはり憲法には反するのではないかという立場を一貫してとってきたのです。 ですから、この憲法を貫く、国際情勢も変わったし、国民的なコンセンサスも得たし、ある程度の歯どめもかかってきておる、この節度ある自衛力を保持することは、これは憲法に照らして、この理念に照らしても、これは反するものではない、こういう私の解釈から方針を変えたんですよ。ですから、自衛隊に対する政策を変えたのです、方針を変えたんですよ。そのように私は御理解を賜りたいと思います。
○市川委員 だから、自衛隊に対する方針を変えたというのはわかるのですよ。だけれども、あなた方は長い間、自衛隊は違憲だと言ってきたじゃないか。だから、違憲の根拠はどこにあって、今度は合憲はどこにあって、どういう憲法解釈が変わったのですかと聞いているんですよ。答弁になっていませんよ。質問に答えていない。
○村山内閣総理大臣 いやいや、私は私の見解を申し上げておるのであって、あなたの見解のとおりにならないから答弁になっていないなんて言ったって、それは困りますよね。それは私は、あくまでも平和憲法の前文に書かれている理念、これは憲法全体を貫いている考え方である。その考え方に立って、今のような国際情勢の中で軍拡が進められていくことは、これはあくまでも憲法の理念に反するという意味で憲法には反するじゃないか、こういう主張をしてきたわけですよ。 しかし、国際情勢もこれだけ変わってきたし、先ほど来申し上げておりますように、そういう経過の中から、ある程度の歯どめもかけられ、いろいろな制約の中に自衛隊というものがやはり位置づけられておるわけですよ。したがって、節度ある、ある程度の自衛力というものは、これはもう前提として今までも認めてきているわけですから、したがって、この程度の節度ある自衛力については合憲として認めようというふうに方針を変えたんです。したがって、私は、その点についてはそういうふうに御理解を賜りたいというふうに思います。
○市川委員 方針を変えたことを聞いているのじゃなくて、自衛隊の憲法上の位置づけを聞いているのです。何も答えていない。 それじゃ、もう一つ例を挙行ましょう。 あなたは、今総理は、日米安保条約は堅持堅持、この間本会議で答弁を聞いていて、社会党が安保条約廃棄を叫んでいること――自民党の総理大臣が答えているのと全く同じ答弁をなさって、ああ、何かもう異様な雰囲気を感じたんですけれども。 社会党の党大会の文書の中に「60年の安保改定に当たり、わが党は新安保不承認宣言を行ない、一九六〇年六月、「この中で」社会党が新安保不承認宣言を行った中で、「本条約が極東におけるアメリカの軍事目的達成のために、日本の地域及び施設を提供し、日本がアメリカとともに集団的軍事行動することを約しこ、約束し、「約し、さらに戦力保持の義務を食わんとしていることは憲法前文ならびに第9条に完全に違反する」こう言っているのですね。第九条に完全に違反する。日米安保条約、これは憲法第九条に完全に違反すると宣言しているのです。これもまた前文ですか。前文に照らして合憲になったのですと。ですから、社会党が新安保条約不承認宣言、一九六〇年六月です。こう言っているわけです。第九条に照らして完全に。 いいですか、総理、野党の時代ならいいんですよ。野党が野党のままでいて政策が変わった、憲法の解釈がまだあいまいですというならいいんです、これは。許せる。ところが、与党になった。与党になって、なおかつ今度は総理になった。それで自衛隊の憲法上の位置づけが明確にできないとなると、この内閣は訴訟を起こされたとき困りますよ、これ。前文に照らして、前文に照らして、前文じゃ裁判なんかできないんですから。 さらに、もう一つ申し上げます。これは安保条約。あなた、安保条約は、日米安保条約は憲法第九条に照らして完全に違反すると、こう言っていた。本来なら、これも日米安保堅持に変わったのですから、解釈が変更しているはずなんです。解釈を示さない。こんな無責任な内閣総理大臣いませんよ。 もう一つ申し上げましょう。村山総理が国会対策委員長で全面指揮をとったPKO国会。総理が国会対策委員長、国会の最高責任者。そして牛歩をやった。そして議員総辞職を願い出た。こういう問題が何で大事かというと、さっきの災害出動やなんかに関連しているのです。ですから申し上げているので、それから、対立軸がないと今言われていますが、与党になったら野党の時代の主張を実現するというのが政治のルールであって、与党になったら野党の時代の基本政策を百八十度変えちゃうというのは、これは政治が成り立たないですよ、こんなことをやっていたら。しかも、説明をしないから聞いているんです。 そして総理、よろしいでしょうか。あなた方が議員総辞職を願い出た理由書の中には、憲法には九十九条に定める憲法遵守義務がある、国連が行う平和維持活動は、この政府提出法案の違憲性、違憲だと言う、だから我々は、護憲義務が守れないから辞表を出します、辞表を出した。国連のPKO活動は憲法に違憲だ、国会議員として守るべき憲法擁護義務が守れないから議員をやめますというふうに言っているのですよ。かなり、このころの社会党の方が立派なんですな、それなりに。僕らは意見は違うけれども。 ところが、PKO、国連のPKO活動は今の憲法に照らして違憲だ、違憲だから国会議員として憲法が守れないから議員をやめます、その憲法解釈を変えちゃったわけでしょう、合憲だと。これは非常に政治家として恐ろしいことをやったわけですよ。憲法を守る、守るためには議員辞職するんだ、守れないから辞職するんだと言っておきながら、護憲だと言っておきながら、その守るべき中身を変えちゃったわけですよ。そういうことをやりながら、憲法上の位置づけも明確に答えができないというのは、これはやはり問題ですよ、これは。総理大臣として問題ですよ。これは安全保障の危機管理なんかできませんよ、こうなっちゃうと。ですから、さっきから伺っているんです。 それでは、社会党は、国連によるPKO活動は海外派兵ではない、これはもう合憲なんだと、どういう理由で変わったんですか。議員をやめる、そこまで言われたのに、どういう理由で変わったんですか。総理になったからですか、どうなんですか。
○村山内閣総理大臣 PKOが議論をされる背景というのは、ちょうど湾岸戦争もあったときでありますけれども、あの湾岸戦争の中で多国籍軍が編成をされて、そして出動する、こういうものに日本の自衛隊も参加をする危険があるのではないか、こういうことが議論されたときでありますから、私は、それはやはりそれなりの背景があって社会党の主張はあったと思うのです。ただ、議員総辞職を出したことが適切だったかどうかということについては、これは反省もしなければならぬ点は私は率直にあると思います。 問題は、私どもは、武力を行使することが憲法に反するのであって、人命救助とか災害救助とかそういうものに出動する限りにおいてはむしろ積極的に貢献すべきである、こういう立場をとってきているわけですから、そのけじめはきちっとやはりつけなければならぬというふうに思っております。 憲法の理念について、これは何度も私は申し上げますけれども、少なくとも憲法理念を踏まえた立場で、軍拡を進めていくことについてはやはり反するという立場を私どもがとってきたことはもうそれは事実ですから、否定はしません。しかし、先ほど来申し上げておるような経過と情勢を踏まえた上で、合憲というふうに自衛隊に対する方針を変えたということでありますから、その点についても御理解を賜りたいと思うのです。 私は、そういう意味では、もう一つ言わせていただきますると、野党時代に主張したことを政権をとったら実現をさせるように努力するのが、それが当然のことではないか、こういう御意見もありましたね。これは私は、それは、野党時代に主張したことが政権をとったことによって実現で射れば、それが一番いいと思いますよ。しかし、まれにはやはりそれなりの力も必要ですし、とりわけ今のような連立政権の中では、それは細川政権のときも同じような経過をたどっておりますけ打ども、やはりお互いに意見を出し合いながら合意点を求めて運営していくという立場をとらざるか得ないので、その点はやはり私は皆さん方に御理解をいただけるところではないかというふうに思っております。
○市川委員 自衛隊が、社会党の歴史、それから、今社会党から総理が出ている、自衛隊は違憲だ、それで今度は総理になったら合憲だ。違憲だというのは何条によって違憲なんだと聞いたら、前文ですと、条文を示さない。じゃ、合憲の根拠はどうなんだと言うと、また、前文です。要するに、これは憲法の常識的な理解とかなり遠い理解を前提にした総理の答弁なんですね。憲法解釈が変わった。変わったことを問題にしているわけじゃないのです。前はこういう解釈でした、今度はこういう解釈でした、こういうふうに明確に示すべきなのに、総理は、国際情勢のせいに全部かぶせている。国際情勢が変わると憲法の解釈がもうくるくる変わるという話を、総理はさっきから言っているわけです。 それから、日米安保条約は九条に照らして完全に違反だ、こう言いながら、今度はいつ、どういう理由で九条の解釈が変わって合憲になったのかは知りませんが、総理は、いきなり安保条約は今度は堅持するんだ。PKOは、国連の平和維持活動は違憲だ、だからこの法律は違憲だ、違憲だから、我々は憲法が守れなくなるからバッジを外すんだ、総辞職を出した。そこまで政治家にとって重いものと受けとめたからこそ、護憲という旗を立てて、当時は議員総辞職までかけようとした。総辞職はしなかったのですけれども、かけようとした。 それでは、あれですか、もう社会党は護憲の旗をおろして、解釈の改憲をしたのです、解釈が変わったのです、解釈を変えたのですということなのか。そうすると、国際情勢が変わるともう憲法の解釈がくるくる変わっていくということを総理は今ここで宣言しているようなものなんです。これも怖いですね、これも。だから、総理の立場は解釈改憲でしょうか、どうでしょうか。
○村山内閣総理大臣 私は、憲法の解釈が変わったとは言っていないのですよ。憲法の解釈は一貫しておるけれども、やはり国際……(発言する者あり)いやいや、だって情勢が変われば政策の方針が変わるのはこれは当然なんであって、その政策の方針が、情勢がどう変わろうと政策が変わりませんというのは、私は政治にはならないと思いますね。 そんな意味で、憲法の理念に対する解釈は変わっていませんけれども、やはり国際情勢、国内情勢が変わったので政策の方針が変わったのです、こう言っているのです。
○市川委員 政策の方針を変えるのには、違憲とか合憲という政策の方針を変えるには、憲法の解釈を変えなければ成り立たないのですよ。憲法の解釈は変わっていません、政策が変わったのです、そんなばかな話はないじゃないですか。 では、総理が今言った、憲法の解釈は変わっていませんというその解釈とは何を言っているのですか。明確に答えてください。
○村山内閣総理大臣 これは、憲法の前文に書かれている平和の基本原理というものはやっぱりしっかり守っていくものだというふうに考えておりますから、この憲法の貫く理念と精神というものは、これはもうやっぱりしっかり守っていかなきゃならぬ、これはもう今でも変更はないわけです。 ただ、自衛隊というものに対する解釈、自衛隊に対する政策等々は、その理念に立った上で判断をする場合に何を基準にするかといえば、やっぱり国際情勢や国内情勢というものを判断をして、そして政策が変わっていくことは当然私はあり得ることではないか、こういうふうに思っているわけです。
○市川委員 全然議論が成り立ちませんね、そういう議論では。全然質問の答弁になっていないのです……(発言する者あり)
○佐藤委員長 質問者が質問に立っていらっしゃるのだから。質問者がそこに立っていらっしゃる間は、だって答弁といっても、これ……。
○市川委員 だから先ほどから一貫して憲法解釈を伺っているので、私は憲法の解釈は変えてたいとおっしゃるから、その憲法の解釈を言ってくがさいと、こう言っているわけで、そうしたら三原則は変わっていないと言うから、それは当たり前だという話であって、これを変えるというのはこれは革命です、これは。憲法の骨格の原理を変えるというのは革命ですよ。憲法の改変というのです、こういうのは。かつての社会党の古い綱領にはありますけれども、プロレタリア独裁なんというのは。あれは憲法を改変しなきゃできない。ですけれども、解釈を、自衛隊の解釈を私は変えていませんと言うから聞いているのですよ。どういう解釈なのですか。答えになっていないのです。
○村山内閣総理大臣 これは何度聞かれても同じ答弁になるのですけれども、憲法の前文に書かれておる平和の理念、それから憲法を貫いておる平和の精神、この理念や精神に対する解釈は変わっておりません、こう申し上げているわけですね。 そして、しかも自衛権というものは否定はいたしておりません、こういう理解ですね。その立場に立って、ああいう国際情勢の中で軍拡が進められていくことは憲法の理念に反するではないか、これは憲法違反だ、こういう立場をとって運動を展開していたのです。その立場に立って、まあ当時は激しい与野党の抗争もありましたけれども、そういう経過の中から、一応海外への出動はしないとか、あるいは一時GNPの一%以内にするとか、いろいろな歯どめもかかって、そしてある程度の節度というものがこのごろは生まれてきた。この節度ある今の自衛組織というものは国民のコンセンサスも得ている。こういう情勢を踏まえた上で、自衛隊に対する政策を社会党は変更した、こういうふうに私は思っているわけです。 これは私の見解ですから、これはもう一貫をしてそういうふうに説明してまいりました。
○市川委員 全然明快じゃないね、全然。憲法というのは平和主義と国民主権主義と基本的人権の尊重という三原則があって、この三原則が大事だという解釈は変わりませんと総理はおっしゃったわけですね。それは私と一致しているのです。そのとおりなのです。 そうじゃなくて、自衛隊を違憲から合憲に変えたわけでしょう。違憲、合憲というのは憲法の問題なのです。単なる政策の変更で済まない憲法の解釈の変更を伴うわけです。その憲法の解釈は変更していませんと、こう答えているのです、さっきから。 すると、自衛隊を違憲とした解釈と合憲とした解釈が、同じ憲法の中に、総理の頭の中には存在しているわけで、全く答えになってないじゃないですか。同じ憲法の理念に対する解釈は変わってなくて、理念に対する解釈が変わってないのに、何で同じ前文から自衛隊が違憲になったり合憲になったりするんですか。全くわからない。
○村山内閣総理大臣 これはもう幾ら聞かれても同じ答弁になりますけれども、憲法の理念は前文に示されておる、そして憲法全体を貫いておる三原則というのは、今委員も御指摘されたところですね。この理念や憲法全体に対する理解というものは変わっておりません。 ただ、それに照らして、具体的に自衛隊というものに対する対応の仕方、政策、考え方というのは、これはやはり国際情勢や国内情勢や置かれている情勢、条件の中で、政策としては変更し得ることはあり得るので、そういう意味における自衛隊に対する政策を変えたのであって、憲法の理念の解釈を変えたわけではございませんというふうに私は申し上げているわけです。 同時に、自衛権があるということは一貫して社会党も認めてきておるわけですから。ただ武力行使を行ったり、そのために海外に出動したりするようなことは、これは憲法の理念に反するという立場をとってきておるわけです。
○市川委員 お答えに全然なっていませんね。憲法の前文に対する解釈は変わらないと言うんだよね。だけれども、前文に照らして違憲だったと言うのだ、かつて自衛隊は。今度は前文に照らして合憲になった、こう言うのですよ。それでいて前文の解釈は変わっていないと言う。全然答えになっていないじゃないですか。
○村山内閣総理大臣 これはやはり政党として、政策なり方針が変わるということは当然あり得ることであって、ですから私は、憲法の解釈がぐるぐる変わるというのは、それは問題だと思いますよ。ですから、憲法の前文に書かれておる理念、憲法を貫いている考え方等については一貫して変わっておりませんと。ただ、自衛隊の置かれておる今の姿というものは、やはり情勢が変わっていけば、これは一応の位置づけは変わっていくのであって、そういう意味における政策が変わることはこれはあり得ることであって、それは私は御理解をいただけるんじゃないかというふうに思うわけです。
○市川委員 全然答弁になっていないんですよ。こういうあいまいなことを政治家がやっていると、政治不信が増すだけです。自衛隊は違憲だ違憲だ、五十年言い続けた。今度は合憲だ合憲だ。いや、変わることを私は悪いと言っているわけじゃないのですよ、さっきから。政党だから変わることはあっていいと言っているんだ。それだったら、憲法の解釈を、位置づけを明確にしてくださいと。そうすると総理は、自衛隊が違憲だという根拠は前文の理念にあります、こう言うのです。じゃ合憲になった根拠はと言うと、前文の理念から合憲にしたんです、こう言うのです。じゃ前文に対する解釈が変わったのかと聞いたら、前文に対する解釈は変わっていないんだ、こう言う。同じ前文を根拠にして、あるときは違憲、あるときは合憲、それでいて前文全体に対する解釈は変わっていない。これは全然わからないですね。答弁になっていないと思います。 こういう、私が矛盾を指摘をしているのに、明確な答弁ができないのでは、やはり質問を続行できませんですね。
○村山内閣総理大臣 私は、専守防衛に徹し、自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は、憲法の認めるものである、こういう解釈をしているわけですね。いいですか。専守防衛に徹し、自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は、憲法の認めるものである、こういう解釈は変わっていないのですよ。ですから、先ほど申し上げておりますように、自衛権は否定はいたしておりません、こう申し上げているわけですね。 そして同時に……(発言する者あり)
○佐藤委員長 静粛にお願いいたします。
○村山内閣総理大臣 これは、先ほどからも申し上げておりますように、自衛隊を合憲にした理由は、東西冷戦の終結で、歯どめなき軍拡志向の危険性が消えたこと、あるいはイデオロギー抜きの新しい安全保障政策が論議をされる土台ができたというふうに私は思うのですね。戦後半世紀を経て、必要最小限度の自衛力の存在を容認する国民的なコンセンサスもできてきておる、こういう全体の判断をした上で、今の自衛隊は合憲として認めるというふうに、自衛隊に対する考え方、方針を変えたということでありまして、憲法に対する理念や、憲法を貫いておる精神に対して解釈を変えたわけではない、こういうふうに私は申し上げているわけです。
○佐藤委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を起こして。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。市川雄一君。
○市川委員 私は、午前中の質問で総理に申し上げたかったことは、戦後史上初めての大規模な地震が発生して、それが大きな災害に結びついた、五千人を超える方が亡くなっていらっしゃるわけでして、本当に心からもう御冥福を祈るばかりでございます。しかし、一方におきまして自衛隊の災害出動という強力な手段を我々は持っているわけでして、この自衛隊の災害出動という強力手段を災害発生の初動段階で活用できなかった、これは私は与野党含めて、特に行政の責任は重いというふうに指摘せざるを得ません。 国民の大半の方々が、十七日のもうお昼ごろ、どうして自衛隊の顔が見えないのだということをみんなおっしゃっておりました。これは、自衛隊に責任があるとか、防衛庁に責任があるということを申し上げているわけではありませんでして、それを生かせない、活用できない政治の貧困さを我々は反省をしなければならないのではないのか、そういう問題意識から午前中の質疑をしたわけでございまして、やはりどの都道府県にせよ、こういう問題が起きたときは壊滅状態。したがって、都道府県を第一義的に災害救援というふうに考えている体制では、これはとてもでないけれども対応ができない。やはり中央の政治、官邸、総理、ここはもっと機動的に、第一報を入手して速やかに他府県にわたる救援体制というものを指示できなければ、これは同じことを繰り返すことになると思うのです。 自衛隊の災害出動がおくれた、あるいは火災が発生しているのに消火活動が十分にできなかった、いろいろな原因があります。しかし、サンフランシスコでは海水を利用して消火するということも言われているし、あるいは交通規制が、交通を整理する能力が欠如している。緊急車両、救急車も消防車も、緊急物資を運ぶトラックも入れない、交通渋滞に任せっきり。もちろん、鉄道とか道路が破損している状況ではそういう混乱が起きるのは当然かもしれませんが、直ちにそういう交通整理というものができないのかどうか。 災害対策基本法では、緊急災害対策本部を設置すればそれは直ちにできたわけでして、あるいは火災を、燃えるに任せる感じで、外電では、日本人というのは火を消さないのか、こういう感想が漏らされているような状況もありました。あるいはけがをした方に対する医療手当てが極めてまずい。あるいは避難された方に対して食糧、水、防寒用具等がなかなか十分に適切に届かない。そして総理のところへ情報が入ってこない。 十七日、十八日、官邸の動きを見ているとかなり、大災害に遭遇している官邸の動きになっていない。なぜ自衛隊の災害出動が活用できなかったのか。社会党だけを責める気はもちろんないんですけれども、自衛隊の災害出動は治安出動になるから、治安出動につながるから、治安出動の練習になるからやるべきではない、こう言って反対してきた歴史がある。その社会党の委員長が総理でいらっしゃる。 地方の自治体は、その県の各党の勢力比によって共産党を含めた超党派で市長になっている場合もあるし、神戸市の場合のように。そうなってくると、社会党や共産党に配慮して防災訓練に自衛隊を呼ぶことをやはりちゅうちょしたり、事実、神戸市は自衛隊を呼んでない、芦屋市も呼んでないという厳然たる事実があるわけでして、したがって、総理がただ自衛隊は合憲ですと、ずっと違憲だ、災害出動は治安出動につながるからだめだと言ってきた社会党が、総理になったから自衛隊は合憲です、じゃ、こういう災害出動に対して治安出動になるから反対だと言ってきたことに対してどういうけじめをきちっとおつけになるんですかということを申し上げた。 あるいは、そのもっと根っこを尋ねていけば、結局そういう危機管理がきちっとできない根っこには、自衛隊の憲法上の位置づけが不明確だからこそこういう混乱が起きてきている。したがって、事は災害出動でございましたけれども、これが安全保障上の問題になってきますと、もっと大混乱が起きる可能性がある。 そういうことから、中央政府の危機管理という問題から、やはり今後自衛隊の災害出動というものをもっと有効たらしめるためには、中央の内閣総理大臣の自衛隊の憲法認識というものがまず問われるのではないのかという意味において、総理の自衛隊に対する憲法上の解釈をお聞きしましたが、明快な御答弁は得られませんでした。今ここでそれをまた繰り返す考えはありません。総理の答弁には私は納得してないし、恐らくテレビを見た方々も余り納得されてないんではないかというふうに思います。そのことを指摘して、私の質問を終わりたいと思います。 以上でございます。(拍手)
○佐藤委員長 この際、中野寛成君から関連質疑の申し出があります。海部君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中野寛成君。
○中野委員 私は、冒頭、このたびの阪神大震災におきまして被害を受けられた皆様方に心から御冥福をお祈りすると同時に、お悔やみ、お見舞いを申し上げたいと存じます。また、その援護、復旧、復興のために全力を尽くしておられるすべての皆さんに、心から敬意と謝意を表したいと思います。 そこで、質問に入りたいと思いますが、私は、とりわけ自然災害には国境もそしてまた県境もないということを痛感をいたします。そういう意味で、地方分権の問題が現在大きくクローズアップされておりますし、またこの災害対策については地方の、とりわけ県や市の主導権、そのことが大きく取り上げられておりますが、しかし、それを総括的に国全体のネットワークをしっかりと確立をしておくということの必要性を特に今回の阪神大震災は教えてくれた、こういう感じがするのであります。 また、気象庁でつけられました、正式名称と言っていいのでありましょうが、兵庫県南部地震、こういうことになっております。これはその震源地からすればもっともであろうと思いますけれども、しかし、その被害を受けた影響の度合いからいいますと、むしろ阪神大震災というよりも関西大震災というべき広がりも持っていると思います。そういうことを我々は常に念頭に置きながら幅広い対策を講じていかなければならないもの、こう感じるわけであります。 とりわけ、私自身も大阪府下、豊中市に住んでおりますけれども、やはり公共施設に避難しておられます方々が三千人もいらっしゃるわけであります。先般もたびたびお見舞い等にも激励等にも訪れているわけでありますけれども、皆さんが言われるのは、どうしてもマスコミが一番甚大な被害をこうむったところへ集中をする、自分たちは見捨てられているのではないか。行政機関は一生懸命やっているわけでありますけれども、やはりみんながちゃんと見てくれているということは、彼らにとって大きな慰めになり、また励ましになるわけでありまして、そういう意味で、被害の広さというものを常に大きな視野に立って考えていく必要があるであろう、こう思うのであります。 そこで私は、そのようなときにかんがえますと、いろいろ危機管理の問題は先ほど来取り上げられましたが、私はもう少し原点に戻らせていただきたいと思います。 今回感じますことは、何といっても人であります。物よりもシステムよりも、ある意味では人であります。人がきちっと体制を整えておれば、物を緊急に補充することもできましょう。システムはその人を動かすためのものだ、こう感じるわけであります。今回は、やはり人の数とそしてその人を動かすシステムとが極めて不十分であったというふうに考えざるを得ません。そして、その人は、もちろんたくさんいればいいというだけのものではありません。より組織化され、より訓練された人々が存在しなければならぬと思うのであります。 それを考えますときに、行政職員、また消防、警察、公共施設の職員等々、これらの人々の動きを考えますときに、その人たちで被災地の中に居住している人はみずからが被災者となります。また、遠くに居住している人たちは出動がどうしてもおくれてしまいます。こういうことを考え合わせますと、これらすべての欠陥を補うと言ってはオーバーでありますが、どうしても、組織化され、しかも共同生活を送り、緊急に対応するために訓練された組織といえば、これは自衛隊しかないというのが実態であろうと思います。 そう考えますときに、我々は、その自衛隊の組織を中核に織り込み、かつ国からの指揮命令系統、地方自治体との関連というものをしっかりと組み込んだ機構というものを常につくり、かつ訓練をしておかなければならないと思います。 きのう、あの松島総監が、自衛隊の総監が涙ながらにおっしゃっておられましたが、そういう機構と訓練がなかったところに実はその自衛隊の皆さんが歯ぎしりをかむ思いをしていることが、あの中にしっかりとあらわれていたと私は思うのであります。 そういう意味で、今回、そういう機構、訓練というものが例えばきちっと組まれておったらということが今時に言われているわけでありますから、これについて、今回の反省の上に立っていかにするべきか。地方任せではだめであります。やはり、この自然災害に対応するには県境はないという考え方からすれば、国にしっかりとしたその対策と機構が必要である。そして、その人を確保する、ボランティアも含め、住民の組織も含めて。それを、その緊急な状況の中に対応できる仕組みをつくっておく。しかも、その中で多くの人たちが、すなわち神戸市の職員のかなりの人たちが被災者になっているわけですから、そのことを前提に置いて常に何人かが責任者のチームを組む、そういうことをきちっとつくっておかなければいけないと思うのでありますが、今回見ておりますと、国と地方自治体との関係、その中への自衛隊の組み込みなど、随分と私は欠陥が見受けられると思います。これは、先ほど総理の答弁をお聞きしておりますと、例えば関東などではしっかりとやっていた、だから、やっているところがあるというのはわかるのです。しかし、これを全国ネットでやらなければいけない。もう日本は災害列島、だからどこかは大丈夫だということはないという前提に立って体制を組みかえなければいけないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○村山内閣総理大臣 今いろいろな視点から問題の御指摘がございましたが、私は、やはり今回のあの過密な都市に直下型地震という初めての経験もしたわけでありますけれども、御指摘もありましたように、五千人以上のとうとい生命がなくなる、同時にまた三十万近い方々が今なおこの寒さの厳しい中に難儀の多い避難生活をされておる、こういう実態を考えた場合に、これまでのやはり防災対策なり地震対策というものについて、言うならばこれだけ大型な経験というのは初めてですから、したがいまして、この経験と教訓に学んで防災計画全体を見直す。 同時に、広域的にやはり自衛隊から消防から警察から地方自治体から、あらゆるものがチームワークを組んで、そして共同の訓練をやるということも大事ですし、今お話がございましたように、広域的にやはり協力し合うという体制も必要であるというふうなこともこの経験の中に学んだと思いますから、そういう点も十分踏まえた上で今後の対策というものをしっかり立て直し、見直していく必要があるということを痛切に感じておりますから、そういう立場から提言をしていきたい、また取り組んでいきたいというふうに思っているところであります。
○中野委員 そういう意味で、例えば災害対策基本法について、これまた先般来たびたび取り上げられているところであります。私どもは、第百五条の災害緊急事態の布告を行い、第百七条により緊急災害対策本部を設置し、第百八条により総理大臣が本部長となり、第百九条の緊急措置を講ずるべきであった、こういうふうに思いますが、しかし、この法律に基づく緊急災害対策本部は設置されませんでした。これはなぜかという質問、もう今繰り返していたしません、もう先般来やられておりますから。 ただ、問題は、この災害対策基本法の発動がなされなかったというところの理由は、この五十年か百年に一回と称される大災害ですね、大地震、これに国が想定している最大の措置がとれなかった、またはとらなかった。最大の措置とは、もちろんその規模とかいろいろなことがあります。しかし、少なくとも、現在我が国が想定している法律、災害対策基本法が適用をされるということにならなかった。となると、これは逆に言えば、この法律そのものが欠陥法律だったのではないのかというふうに思うのであります。むしろ、こういうことを逆に考えて、今私たちは、この関西大震災、この経験と反省の上に立って法律も体制もシステムも組みかえなければいけないのではないのか、そのように思うのでありますが、いかがお考えでしょうか。
○村山内閣総理大臣 もうこれは委員十分承知のことですから、内容は詳しく申し上げませんけれども、非常災害対策本部を設置した場合と緊急災害対策本部を設置した場合と具体的にやることにどういう違いがあるのかということについては、先ほど来お話がありましたように、例えば物価統制が必要であるとか、あるいは支払い期間を延長するとか、そういう私権を大きく制約して、そして、もしそれに反した場合には罰則もかけるといったような、ある意味では強権が発動されるという事態になるわけですね。したがって、今回の場合に、そういう強権が発動されなければならぬような事態にあったかどうかというようなこともやはり考えてみて、もっと有効に全体が取り組んで一体となってやれる仕組みというのはないのかというようなことを考えた場合に、私が本部長になった緊急対策本部をつくって、全閣僚がそれぞれ任務を負う。 例えば、食糧問題といったって、これは厚生省からいろんな官庁と関係あるわけですけれども、この食糧の問題については農林大臣が一切の責任を持ってやってくれと言ってお願いしたり、ヘリコプターだって、これは通産省の関係やらいろいろあるわけです。しかし、これはひとつ運輸大臣が全部責任を持って統括してくれとか、こういう形で閣僚がそれぞれの分野で責任を持ち合って実際に実践をやっていくというようなことを考えてみたり、それからまた現地に、これは知事からも要請がございましたので、県庁の中に現地の対策本部をつくって、そして各省からそれぞれスタッフが出て、そして常に連携をとり合いながらタイアップして臨機応変に対応できるような、そういう機敏な動きができるような仕組みというものを考えたらどうかというようなこともいろいろありまして、今日のような体制をとっているわけであります。 そういう意味から申し上げますと、そこまで私権を、何といいますか、規制を加えてやるようなことが必要なのかどうか、もっといい方法はないのかというようなことから考えますと、そうした意味における災害対策基本法というものをもう一遍点検をしてみるということも、今回の経験に照らして検討してもいい課題ではないかというふうに思いますけれども、具体的にそれをどう改正するかというようなことは別にして、見直しは一遍やってみてもいい問題だというふうに私は思います。
○中野委員 私は、十七日当日朝、地元に帰っておりましたから、あの揺れで飛び起きました。そして、まず最初にやりましたのは、朝六時前ですから、どうしてもテレビのスイッチを入れる。そのテレビを見て、テレビのニュース、報道内容が時々刻々と変わっていく。 これは大変だということで、まず自分の事務所の連中大丈夫かと連絡をとり、そして大丈夫であったところは何らかの方法でまず事務所に出勤しろと、事務所の中はぐちゃぐちゃでしたけれどもね。それでも、掃除をしながら、その近隣の皆さんの被災状況を見、また市役所に設置された災害対策本部を訪れ、そしてまたより一層ひどい神戸市へまずは行くことだと思いましたから、比較的地理には詳しかったですから、国道二号線などの方ではなくて山手の方の道をできるだけ縫いながら神戸市役所へ、豊中を一時に出て、四時十五分でしたか、神戸市役所へ着きました。 そのときに、まず最初に、自衛隊の動員をお願いしましたか、こう申し上げましたところ、約二百人の方が出ていろいろと御協力をいただいておりますということでありました。しかし、あの伊丹空港の下を抜けて、そして神戸市役所に着くまでの間、随分とその被害状況、私自身が見ながら行っているわけでありますから、自衛隊二百人、何だそれはとまず思ったのが実際の感想でございました。 私は、そういう意味で、もっと全体をしっかり把握する、いっときも早く把握するということが大事だと思うのですね。そのためには、先ほど来申し上げておりますシステムの中に、やはり緊急に組織的に対応できる自衛隊の皆さんをより一層効果的に活用させていただくということが大事。そのためにはこういう御提案をしたいと思いますが、どうでしょうか。 震度三とか震度四とか、またほかの物差しでも結構ですけれども、これは地震が起こりますと、もう一分もたたないうちにテレビでさえ報道しているわけですね。結局それは気象庁からわかるわけでありますから、一定規模以上の地震が起こったら、すぐスクランブルをかける。言うならヘリコプターで飛び上がる。そして、その地域を見る。できればそこにちゃんとテレビカメラを据えつけておく。そして、その指揮の本部でもそれを見ることができるという形にして、即座に対応できる方式をとったらいかがでしょうか。 それともう一つ、私は、今回自分自身が神戸市へ十七日、十八日、二日間入ってみました。思ったことは、あの交通停滞です、今も続いておりますが。まず通過交通をシャットアウトする、それをまず先にやるべきであります。そうしませんと、本当に消防車も何にも動けない。目の当たりに見ました。消防署も崩れている消防署がありましたが。そのときに私が感じましたことは、何としてもいっときも早くその救援対策がとれるような環境をつくることです。そのためには、通過交通をまずシャットアウトするしかありません。そして、緊急を要するものだけを選別する。もちろん、そのシャットアウトするにもまた人手がかかりますが。 しかし、そういうことを私は、私権の制限の一つではありましょうが、しかし早急にやらなければいけない。一つの私権を制限することによって百の私権を守ることができるならば、それを早急にやるべきであろうと思います。私権を制限することは大変慎重を期さなければなりませんけれども、交通信号と同じです。赤信号で一たん三十秒間立ちどまるという私権を制限することによって、多くの私権を守っているわけであります。それらのことが即座に対応できる方途を講じなければいけなかったのではないか。私は、現場におって、まずその二つのことを痛感をいたしました。 命を守ることから始め、徐々に、言うならば生理的に命を守るということから始まって、そして最後は人間的生活ができるようにと発展させていくのが復興だと思いますけれども、しかし、まず私は、その私権の問題については、法律も含めて、システムも含めて考え直さなければいけない、こう思うのでありまして、そういう意味で、先ほど来法律の見直しということ、もしくは、場合によってはこの法律を廃止して、現代社会に合った新しい法律をつくり直してもいいと思うのです。その御決意を改めてお聞きしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今議員が言われた交通規制等については、これは道交法でこの事態に対応していつでもできるわけですから、それは、その私権の規制とかなんとかいうものまでに拡大する解釈は、私はとらない方がいいのではないかという気がいたしますけれども。 いずれにいたしましても、これは今度の災害がこれだけ大きくなったというのは、それはまた地震の規模が大きかったということもありますけれども、しかし、やはり何事も初動のとるべき措置に欠ける点があったのではないかとか、あるいはまた市の職員あるいは県の職員がそれぞれみずから被災を受けてなかなか行動ができなかったとか、あるいは交通が渋滞して消防車が間に合わないとか、あるいはまた消火栓が水道管が破裂して使い物にならなかったとか、いろいろなやはり原因がそれぞれあったと思います。そういういろいろな原因があったことにかんがみまして、今の法体系、今の法制度でもって十分対応できるのかどうかというようなことを洗い直してみるということも必要ではないかというように考えておりますから、そういう視点で検討はさせていただきたいというように思います。
○中野委員 外国からの救援のお申し入れもたくさんいただきました。これについては、日本の仕組みやまたそれを受け入れる人手が足りなかったことやいろいろな理由で、それに対して十分、せっかくの御好意を受けとめることができなかったということはまことに残念であります。このことも私は、人の問題とともに今度は法律の問題があると思います。 救援犬のことや医師の受け入れのことやいろいろなことがありましたけれども、これも新たな学習を我々は今回させられたと思うのであります。これらの問題についてはいろいろな方途を講じて早急に検討をされたとは思いますが、それでも何時間がどうしても検討の間おくれてしまっているわけであります。これらについては即座に受け入れることができる。例えば救援犬の動物の検疫をどうこうとか、そんな国の施設がやっている、それに検疫が必要かどうかというのは、私は常識で考えられることだろうと思うのであります。 これらのことを、しかし私は、法治国家である日本が、憲法解釈は違っても法治国家である日本がこれを超法規的措置でやるということはやはりできるだけ避けなければならない。当然そういうことがあることを想定して、前もって法律を変えておく、または政令で即座に対応できる、または大臣の判断で即座に対応できるというシステムにしておかなければいけない。 それらのことについて、もし省議にかけておったとかどこかの役所の中で検討をしておって時間がかかったんだというならば、このおくれはその役所の責任であります。しかし、制度上できてなかったとするならば、これは我々国会、全政治家の責任であります。よって、我々はそのことも含めて、我々も検討をいたしますけれども、政府としてもいっときも早くその結論を出すように急いでいただきたい。災害は、もう神戸であったんだから、ここしばらくはないだろうというわけにはまいりません。あしたにも災害は起こるかもわからないのでありますから、急いでいただきたい。また、そのことのために協力すべきは我々全力を尽くして協力をしてまいりたい、こう思います。小里さん、何かありますか。
○小里国務大臣 災害対策における自衛隊の位置づけ、システムの問題、ただいまお聞かせいただいたところでございます。 なおまた、後段の、外国の支援あるいはそのボランティア活動に対する臨機応変な対応等々お聞かせいただきましたが、私どもは、今次のこの経過を厳しい教訓といたしまして、そしてこれが対策を急がなければならぬと思いますが、実は、ただいま仰せのとおり、昨日、中央防災会議を開きまして、先生からただいま御指摘いただきましたようなこもごもの多きにわたる要請にこたえるために、防災計画をこの際思い切って再検討しよう、そしてこれを際立って大胆に、ただいまおっしゃるような一つの改革を推進しなければならぬ、そういうような措置をとらせていただいたところでございますが、お聞かせいただきましたことなども参考にさせていただきたいと思います。
○中野委員 さて、この災害を教訓にしながら、災害対策も含めて、我々は日本全体の政治政策を考えなければなりません。そのときに、私は、これまた先日、ある学校に避難をされているお年寄りをお見舞いをいたしました。あるお年寄りがこう言われました。避難生活は不自由です、若い人は特に気の毒ですとそのおばあさんがおっしゃるのです。気の毒です、しかし、私にとってはここの方が日ごろの生活よりも天国ですとおっしゃるおばあさんがいたのです。独居老人の方であります。 日ごろお世話をしてくださるということがなかなかうまくいっていないそのおばあさんにとってみれば、災害からの避難ではあるけれども、その避難先には一緒に生活をしている人がいる、お世話をしてくださる人がいる、そのことが、たとえその避難先が地獄であってもそのおばあさんにとっては天国、まあ天国というのはオーバーでありますけれども、それでもまだましたと思うおばあさんがいたことを私は大変悲しく思いました。そのために、我々は、結局、災害を受けたときに一番最初に被害を受けるのは、今回もお年寄りがたくさん亡くなっておりますが、弱い人たちである、そしてまた、その災害から立ち直るときに一番おくれがちになるのがまた弱い人たちであるということを忘れてはならぬ、こう思うのであります。 元気な人にはその復興のために大いに元気に立ち上がっていただき、そして頑張っていただく。また、その支援を我々みんなが政治を挙げてやっていく、行政を挙げてやっていくということは大事でありますが、守らなければいけないそういう人たちに対しては特に優先的に対策を講じていくというきめ細かな制度、システムというものが必要であります。 私の地元の市では、もう既にすべての被災者にアンケートをとり、聞き取り調査をやって、だれが何を望んでいるかということの把握がほとんどでき上がりつつあります。しかし、神戸となりますと、あれだけの膨大なものであります。すべての人々、生きている人間でありますから、一人一人の人間の尊厳を守るためには、一人一人の気持ち、希望、環境、条件というものを聞かなければなりません。きめ細かな施策が講じられることをお願いをしたいと思うのでありますが、同時に、そのおばあさんのような気持ちにさせないようにするためには、例えばことし、今我々が審議中のこの予算の中においても、ゴールドプランの予算というのは、むしろ我々が予想したよりも十分の一ぐらいにカットされている。これは、財政の問題や減税の問題などがあること、理由は知っております。しかし、こういう状況になったときに、今後何が最優先でなされなければならないとお考えか。その弱い人たちの立場をどうこれから我々が守っていくかという政治の本筋に返ったときに今何が必要か、お答えをいただきたいと思います。
○井出国務大臣 不便で不安の中でも、むしろ一人で住んでいるよりはいいとおっしゃったお年寄りの今の先生のお話、大変私も心して聞かせていただきました。恐らく、いかにふだんのお一人の生活が孤独で寂しいものであられたからかなと、こんなふうに思うところでございます。 政府全体が一丸となって被災者の方々の生活の安定に今全力で取り組んでいるところでございますが、今後、この応急住宅対策等が進む中でも、高齢者の方々の心の問題にも十分配慮していかなければならないということは御指摘のとおりでございますし、これはこの被災地だげじゃなくて、今後日本全国どこでも、社会基盤をきちっとしていく中で、地元の自治体の理解やあるいは民生委員とかボランティアの方々の御協力も得ながら、地域住民の間に連帯感あるいは安心感が得られるような社会を構築していかなくちゃならぬと、こう今お聞きして思った次第であります。 なおまた、今この四月からスタートさせていただきますゴールドプランにもお触れなさいましたけれども、災害の場合、体の機能の弱っていらっしゃる高齢者やあるいは障害者の皆さんの安全と福祉を確保することは極めて重要であると認識しておりまして、福祉施設の構造やあるいは運営においては常に防災対策に努めているところではございます。福祉サービスを利用されている在宅の高齢者の皆さんにつきましては、日ごろからその状況を把握することには努めておりまして、この情報は今回の震災におきましても、例えば民生委員の皆さんとかあるいは保健婦の方々とかあるいはヘルパーさんたちが、それぞれ担当されているお年寄りのところを訪問されてその実態把握なんかも随分してくださって、こういった意味では、そのふだんの状況把握はかなり私は役に立ったとこう聞いておるところでございます。 そして、今度のゴールドプランでございますが、確かに災害について特に取り入れたところはございませんけれども、しかし、災害時に人的、物的な支援をきちっと行えるような弾力的な運用を考えなくちゃいけませんし、またいいアイデアがあったならば、まだあのプランは何もぎりぎりと固定しちゃっているわけじゃございませんから、取り入れていきたいと、こんなふうに考えております。 いずれにしましても、今回のこの震災の教訓を今後のあれに生かしていきたいと、こう考えております。
○中野委員 ぜひあらゆる施策に、例えば福祉政策にも災害に遭ったときのことを織り込んで考えておくというふうに、すべてにわたっての御配慮をぜひ要望しておきたいと思います。 さて、今度の関西大震災が国民生活や国民経済に与える影響を見過ごして経済財政運営を語ることはできないと思います。しかしながら、これは二十日の話でございましたからやむを得ないかもしれませんが、しかしそれにしても、総理の施政方針演説でも、武村大蔵大臣の財政演説も、高村経企庁長官の経済演説も、このたびの大震災の財政、経済に与える影響については触れておられません。 しかし、あれから既に一週間たちました。震災からは十日たちました。既に今日、その日本経済、ある意味では、神戸港が含まれることなどを考え合わせますとアジアにも大きな影響が広がっていると思います。ちなみに、関西の全国に占めるGDPの割合は一七%。東西の経済動脈、新幹線分断もそうでありますが、これは断ち切られたわけでありますから、はかり知れない被害を受けております。ちなみに、神戸の靴の生産拠点が壊滅をして、九州地方の問屋の在庫が底をつくとか、神戸のタイヤ工場が焼けて静岡県のオートバイ工場が生産休止状態に入ったとか、毎日のようにこれらの事例が報道をされているところでございます。 地震からもう十日たったのでありますから、この災害を計算に入れた新しい経済財政指標をつくらなければならないはずでありまして、平成七年度のこの予算審議に当たりまして、平成七年度の予算審議を実際に今やっておるわけでありますが、その中で、その根底となる、基礎となる経済成長率、消費者物価上昇率、個人消費、設備投資、税収など、新しい基礎数字を示していただきたい。 といって、きょう示せと申し上げても、またそれは作業はこれからという問題もあるでありましょう。少なくともその傾向、どういうふうになりそうであるか、どういう感触または感覚を持っているかということを示すことは可能であろうと思います。少なくとも今回の民間を含めた被災総額が十兆円に及ぶであろうという民間の試算はあります。公的な、責任を負える数字を出すことはおくれますとおっしゃられるかもしれない。しかし少なくとも、これからの予算審議の過程の中にあって、我々がその前提となる指標のおおよその数字でも、または傾向でもわからずして審議をすることはできないわけでありますから、それらの指標について、まずは具体的でなくとも結構ですからお示しをいただきたい。
○高村国務大臣 私の経済演説では、不確定要素ということで、あの時点で一言触れさせていただいたわけであります。これだけの大震災でありますから、当面生産、物流等についてマイナスがあることは、これは明らかなことであります。 ただ、速やかな復興努力が既に始まっている、一部は生産が回復した、中国高速道路もまた一部開通した、こういうようなこともあるわけでありまして、これからまさに本格的な復興努力が始まるわけでありますが、その復興需要に対して、日本経済の大きさを考えれば十分こたえていく力がある、それを実際にやっていかなければいけない、こういうことであると思います。 そして、そういう中で、平成七年度の経済見通しとして示した二・八%という数字が直ちに達成不可能になったとは私は考えておりません。現時点で被害総額の見積もりもできていない条件の中で、なかなかいろいろな見通し、具体的な数字を示すことは困難であるということは御理解いただきたいと思います。
○中野委員 先ほど、経済成長率、そして消費者物価上昇率、また個人消費、設備投資、税収等々、どういう傾向をたどるであろうか。まあ、きのう、きょうの新聞報道を見ておりましても、例えば証券会社であるとか保険会社であるとか、いろいろなところが試算をしたものが出ております。政府ですから、民間と違って、余り責任の持てない数字を出すということは、慎重になるということはわかりますが、しかしながら、その方向性、気をつけなければいけないこと、または努力しなければいけないこと、それらの方向性を示すことは、私は可能であろうと思うのであります。それらのことについてお聞きをいたしたいと思います。それによって国民の協力もどうぞ求めてください。
○高村国務大臣 今申しましたように、当面マイナスになることは明らかである、こういうふうに思っておりますが、この復興努力をすることそれ自体がマクロ経済にもプラスの影響を与える、まさにこの的確な復興努力をしていくことが大切である、こういうふうに考えております。
○中野委員 私は、結局、これらの具体的なとまではいかなくても、傾向を考える、または大枠の数字を想定をすることによって、平成六年度の第二次補正、または現在審議中の七年度当初予算、場合によってはもう今から私はその七年度の補正予算もやらなければいけないと思いますが、それはもう今から、我々普通ですと、野党側は、当初予算審議中に当初予算のその補正まで考えるとは何事だと言って文句をつけるのが普通ですよ。普通ですが、こういう事態ですから、私も文句をつけようとは思わないのですよ。しかし本来は、これは当初予算を組み直すべきですね。本当に国民に対して親切に、丁寧にやろうと思うなら、誠意を持って私はやるべきだと思います。 例えば、前例がないわけじゃないのです、組み替えについてというか修正については。これは申し上げますが、あの湾岸戦争の協力のために平成三年度の当初予算が修正された経緯があります。今回と性格は違いますよ、中身の性格は違いますよ。ただ、そういう修正が制度的にあり得るということ、わかりますね。平成三年度予算は海部内閣でありましたが、平成二年十二月二十九日に政府で決定をされて、翌三年一月二十九日に国会に提出をされました。湾岸協力を盛り込んで、二月二十五日に衆議院にその修正を出したということの経緯があります。 私は、今回はその震災復興のための財源についても随分と苦労をしなければならぬと思います。ある意味では不要不急のものを削ってでも、また先延ばししてでも予算の組み直しをしなければならないかとも思います。むしろ、中長期にわたる展望も含めて、出すことによって経済界も国民もこれからの生活設計や企業の計画が立てられるわけであります。それらのことを考えますと、私は、まず早急に六年度第二次補正を出していただくこと、これはもう当然のことながら、本予算、七年度予算の組み替え、そしてどうしてもそれができなければ、もう成立直後にでも補正予算を出すということを含めてやらなければいけない。本来、ここまで大きな被害を受けた今日、私は組み替えをすべきであると考えますけれども、それらのことについてお考えを聞きたいと思います。
○武村国務大臣 この大災害に対する財政対応についての姿勢、御趣旨は基本的に賛成でございます。 ただ、当初予算の組み替えだけは、これはやると仮定いたしますと、組み替えのためにまたかなりの日数を要する。そうすると、そのために予算成立がおくれる可能性も高いわけであります。 もちろん、この予算そのものも、既に御説明してまいりましたように、極めて厳しい財政事情の中で、精査に精査を重ねたがら最大限効率的、重点的な予算編成をしてまいりました。基本的にはそれぞれ構造改善、改革の対策にしましても、減税や公共投資のような不況にかかわるような経済政策にしましても、あるいは科学技術の振興とか、高齢化、情報化に対する対応でございますとか、かなり絞って予算化をしております中ですから、全体の判断からいたしますと、予算をお認めをいただいた後、なるだけ早い時期に当初予算に対する補正措置という、この道を真剣に求めていくことが一番正しいのではないかというふうに思っております。
○中野委員 私も、この当初予算の成立はもとより、補正予算等の成立をおくらせようなどという気持ちはさらさらありません。いっときも早くそれが成立をして、内容のいかんは別でありますが、それがいっときも早く成立をして、そして機能し始めること、そのことが極めて重要であることは、これは与野党を問わずみんなの気持ちは一致している問題だと思います。 しかし、その中でよりよい予算をつくっていきたいという方法論についての熱意の違いまたは方法論の違いがあるということを申し上げているわけでございます。 まず第一点聞きますが、六年度予算第二次補正、これはどのくらいの規模になりますか。
○武村国務大臣 これは先ほど企画庁長官に対する御質問と関連もするわけでございますが、ひときわ、補正でございますから公共事業を中心にした積算の積み重ねによって数字が見えてくるということを考えますと、もう少し時間をいただきたい。 今関係事業省庁が恐らく現地の実態を、それぞれ所管の施設や事業について調査をしていただく、そしてそれに対する、被害の額だけでなしにやはり再建のコスト、経費がどのぐらいかかるかということをはじいていただく、その作業に今かかっていただくさなかでございます。その後災害の査定という手続も急いで得たいと思っております。しかし時期はもう、年度というのはあと二月余りしかございません。年度内に提案をし、成立をお願いしなければいけない、そういう前提で一日も早くこの作業を仕上げるように全力を尽くしたいと思っております。 したがって、今の段階でまだ補正予算の規模をおおよそにしろ申し上げることはできないことを御理解いただきたいと思います。
○中野委員 これは一部予想というか想像の記事だと思いますが、地震で亀裂の入った一般道路、寸断された上下水道、港湾、学校施設を中心に三千億ないし五千億の規模、事業規模では一兆円になるという報道も一部あるのですね。しかし、まさかまかり間違ってもこの数千億円で第二次補正が済むとは思わないのですね、これは。この辺はどうですか。せめてそのくらいのことはわかりますか。
○武村国務大臣 まあ、規模のことを申し上げることはできませんが、姿勢としては、少なくとも災害に対応するこの補正のスケールの面で一定の枠を考えるとか制約を設けるなんということは全く考えません。 ただ、その新聞報道等も、範囲をどうとっているかですね。政策金融の対象になるようなものも挙がっている場合もありますし、それは補正の対象じゃありませんから外しますと金額が変わります。そしてまた、復旧に対する、高速道路なんかの例のように、かなり技術的に議論を重ねて、そして震災なり防災にパスするような新しい技術というものを前提にして、積算をされるのに少し時間がかかるというふうなものも出てくるかもしれません。その場合には、第一次補正、今回の補正でなしに新年度の補正に挙がってくることも考えられる、そういう事業もあるわけでございまして、あれこれ、しかし急ぐべきことは当然でありますし、緊急性の事業はなるだけ六年度の予算に組み込んで全体の姿をそろえさしていただきたいというふうに思っております。
○中野委員 今年度の予備費三千億のうち第一次補正で二千億使う、あと一千億しか残ってたい。まあ確かに二月、三月にすぐ現金が必要だというのではなくて、タイムラグがあると思うのですね、施設のためには。ですから、その辺のことを計算に入れてみるということもあるかもしれませんが、これは私は心理効果として大変危ない話だと思います。 今大蔵大臣前向きの御答弁をされましたので、私はそれをぜひ進めていただきたい、いっときも早く進めていただきたい、そう思いますし、規模についても、これは時期と規模、これは単にそれだけ必要か必要でないかという話よりも、もう一つ政治的な意味、経済効果、心理的な経済効果、また国民への安定感というものが重なるんだということを忘れないでいただきたい。 事務的な話をしますと、もう一たん組んでおいて、年度がかわっても明許繰り越しすればいいんだとかなんとかかんとか、まあいろいろなテクニックは使えるでしょう。そうではなくて、もっと大きな意味での政治判断というものが、ここは思い切った政治判断というものが必要なんだというふうに思うのでありまして、そのことをしっかりと踏まえた予算対策にしていただきたい、こう思うのであります。総理大臣の御決意をお聞きします。
○村山内閣総理大臣 今、大蔵大臣からも答弁がございましたけれども、これはもうこれだけの大きな災害があったわけでありますから、生産を中心にあるいはまた雇用問題を中心に、日本経済全体に与える影響というものは大変大きいものがあると私も思います。 そこで、一日も早く生産が再開できて生活が安定できるような基盤というものを早急に確立していく必要があるというふうに思いますので、今お話もございましたように、できるだけそういう被災者の方々が希望と期待が持てて展望が開けるといったような指針を示すということは大事なことだと思いますから、積極的な政府の姿勢を私はできるだけ出していくということが大事ではないか。 そんな意味では、今お話もございましたように、二次補正やらあるいは一日も早く、この予算というのは国民全体のやはり経済なり生活に関連するものですから、一日も早く成立をさしていただきまして、そしてこの復興の状態に見合った形で財政が誘導できるようなそういう積極的な取り組みというものも大事だと思いますから、新年度の予算に対する補正というものも、大蔵大臣から答弁がありましたように早急に考えていく必要があるというふうに思います。
○中野委員 ぜひその際に、今緊急に迫られております住宅対策など緊急措置とともに、単に避難のための暫定的な住宅ができたからといってそれで終わりではありませんから、人間の生涯にわたっての希望が持てる住宅政策というのがその次に必要になってくるわけでありますから、これは抜かりなく継続した施策が講じられますように要請をしておきたいと思います。 それからもう一つ深刻な問題がありますが、中小企業の倒産多発を防ぐ抜本的な対策を講じてほしいということであります。 兵庫県を中心とした中小零細企業、特に大きな被害を受けております。大阪も同じことが言えます。中小企業は活動範囲も狭いだけに、被害も一たん受けますと壊滅的になります、その企業にとっては。そういう意味で、バックアップ体制も整えにくいということもありますから、公的なバックアップ体制をとるしかないと思うのであります。例えば靴製造関係でも、従業員十人程度の下請業者から夫婦だけの内職業者の孫請まで大半が操業不能に陥っております。 先般、こういうところへの救済策は当然優先されなければいけないのですが、ある大阪の靴の大きなお店なのですが、そこから御相談がありました。資本金四千五百万、従業員四百人、神戸にもお店がある。被害を受けた。自分の会社も被害を受けている。ところが、そこへ納入してくださるところが今申し上げたような被害を受けている。日ごろは手形決済だけれども、何とか現金で払ってさしあげたい。しかし、自分のところにもそんなに現金が常に手元にあるわけではない。いっときも早く融資を受けてやりたいが、今申し上げた規模だと中小零細企業、中小企業扱いしてもらえません。 そうすると、結局私もいろいろな公的機関、この中を大蔵省の御協力もいただいて探したのです。ないのです。どこかの協同組合の加盟をしておられれば、商工中金でもというお話がありましたが、実際言って公的な融資機関がなかなかないのです。それでは銀行く行って借りよと冷たく言ってしまっていいのか。せっかくの善意を持ってやろうとしても、結局そういう措置が現段階で十分とれないという問題等もあるのであります。 そういうことを考え合わせますと、単に中小零細企業に直接的に何か対策を講じたというだけではなくて、そのバックアップするところも、大企業といえどもそこをバックアップする体制がセットでなされなければその復興はできないのであります。それらのことを含めた中小企業対策が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○橋本国務大臣 もう既に講じました措置は委員御承知でありますから、それを長く申し上げるつもりはありません。 そこで、今私の手元にありますこれだけの、実は現実に細かい被害報告が上がってまいっております。そして今委員が御指摘になりましたように、例えばその神戸地域において被災をされた中小企業とお取引があったために、他の地域において、あるいは他の業種において影響を受けておられる方々までを今回対象として、まず激甚災の指定を行いましたこと、御承知のとおりであります。しかし、ここはまずある意味では立ち上がりに対する緊急のお手助けにしかすぎません。そうしますと、ここから考えていかなければならない問題は、私は二点あると思います。 一言で中小企業対策と申しますけれども、工業の系統の中小企業対策、これは先日集中審議の際に、ケミカルシューズのところで私自身が兵庫県あるいは神戸市と御相談をしながらどこかの工場団地を御指定をいただき、そこに例えば貸し工場を建ててでも生産を開始していただくような方法はとれないものであろうか。しかし、これは商圏が固定しております中小零細の商店の場合には、そうした方法ではお客様の場所が変わってしまいますから対応になりません。商店街としての復興を全力を挙げて考えなければならないわけであります。 さらに、融資につきましては、従来から例えば無担保、無保証の制度でありますとか、さまざまなものがございました。これを発展させていくにしても、恐らく私は要綱を改正すればより拡大した対応も可能であろうと思います。 ここで私どもが考えておかなければならないのは信用保証についてでありまして、これは中小の場合、特にこれは商、工両方にかかわることだと存じますけれども、完全に例えば工場あるいは店舗が焼失いたしました場合に、担保に供すべき資産がありません。しかし、今まで私どもの遭遇したケースの中に、無担保、無保証において、しかも立ち上がり時の信用保証を必要とするといったケースはございませんでした。 現在私どもは新たな法制度が必要かどうかまでを含めて検討を急いでおりますが、こうした点につきましても、結論が出次第、国会としての御協力をぜひこの機会にお願いを申し上げます。考えられるあらゆるケースを含め、全力を挙げて努力してまいりたいと考えております。
○中野委員 それこそ先般の総理の本会議での御答弁ではありませんが、初めての経験の人が多いのでありますが、これはそこに制度的な盲点というものが意外に、私が先ほど例を挙げましたようにあるのであります。平時ではなくてこういうふうな状況のときには、考えもできなかったこと、そのことがささいなように見えても、しかし影響が大きいということがあるのでありますから、今あらゆる場面を想定してと通産大臣おっしゃられましたが、まさにいろんな英知を集めていろんな実例を集めて、抜かりなくそれらの対策を早急に講じていただくことが必要であろうというふうに思いますから、そのことも強く要請をしておきたいと思います。 次に、一層の不況、円高対策が必要だと思います。先ほど経企庁長官は、二・八%の成長目標は今のところ変更する必要がないとおっしゃられました。プラス要素、マイナス要素、いろいろありましょう。しかしながら、私どもは、経企庁が言われますように、今日まで言われてきましたように、決して単純な回復基調に日本の経済があるとは思っておりませんが、同時に、生産、消費、設備投資どれをとってみましても、景気回復を牽引する強い力を全く持ち合わせておりません。ちょっとしたことでぐらぐらっとくる、そういう状況の中で円高基調というのは続いているわけであります。 そういう意味で、私はこの二・八%の成長目標というのはもともと不可能だったのではないか。それこそ地震特需を期待するような失礼な話があってはいかぬと思います。もっと私どもは真剣に、政府としても、震災対策ともあわせて緊急の不況対策、円高対策というものをこの機会にやりませんと、実は、福袋が飛ぶように売れ、好調なスタートを切った一月商戦は腰を砕かれというような記事も出ておりました。また、繁華街、そしてまた遊興のちまたも、まさにこの震災によって出ばなをくじかれた形になっていることは事実であります。 これらのことを考えますと、不況対策、円高対策はこれもまた緊急を要すると思いますが、いかがでしょうか。
○高村国務大臣 二・八%という見通しを決めたのは昨年の十二月でありますから、地震特需なども頭予想もしていないときに決めたわけであります。私たちは、ごく自然体で実現可能な望ましい経済の姿を描かせていただいた、こういうふうに思っているわけであります。 先ほど申し述べましたように、確かにこの地震で生産、物流に対して打撃があるわけでありますが、この復興対策を着実にやることが即結果的にはマクロ経済プラスの方向にもなるんだろう、それを今やることが一番大切なことであろう、私はそのように考えております。
○中野委員 現在の経済の認識というのを、ぜひ私は、経企庁はもとよりのことですが、厳しくとらえていただきたいと思います。 日本経済の空洞化、また金融の空洞化など、いろいろな形で空洞化という言葉が使われます。大変恐ろしいことだと思います。ところが、中には、この空洞化が起こった理由は日本の誇りであるというような暴言を吐く人もいるんですね、これは民間人だからいいようなものですけれども。それは、なぜそういうことをおっしゃる方がいるかといいますと、その原因、要因が三つ考えられます。 第一は、現在進行中の円高であり、その原因については諸説がありますけれども、基本的には日本経済の貿易黒字である。言うなら、貿易黒字を生んだ日本人の努力の成果である。さらにその原因を問えば、日本経済の投資と貯蓄の不均衡にたどりつくのでありますが、国際社会には大変混乱を生じさせている。 第二は、東西冷戦の終結により、従来の発展途上国の労働力のみならず旧社会主義圏の安価な労働力が世界市場に参入してきたことである。旧社会主義圏の失敗があったからだ、日本は成功してよかったよかった、こういう見方。 第三は、日本の国内諸物価が他の国と比較して割高であり、したがって生産コストが割高になっている。これは日本が豊かになったからだ、こういう見方を、まあこれは逆説ですよ、見方をして、これはある意味では日本人の誇りだと言う人もいる。しかし、その人だって困っているわけですが、少々やけくそぎみにおっしゃっている。 これをまとめて言えば、日本経済の空洞化は日本経済の成熟化の結果である、だから決して悪いことばかりじゃない。こういう結論を下すとえらいことになるわけでありまして、成熟化はまさに退廃、そして滅亡への道の第一歩であるわけであります。 そこで私は、第一に、国内コストの低減のために規制緩和の徹底的な推進を行う。第二に、内需主導型経済への転換のために公共投資の積極的活用を図るとともに、その公共投資は特に都市部の生活者と産業の環境改善のために集中的に配分する。これは、都市機能の問題は震災対策も加えて考えますとおわかりいただけると思います。また第三に、産業構造の転換のために新規起業の支援と労働力の高度化のための施策を講ずる。第四に、金融などサービス産業の発展環境を整備する。こういうことを急いでやらなければいけないと思うのであります、経済改革そのものでありますが。 時間がないときにこのでかい問題をこの時間に持ち出すのはちゅうちょするのでありますが、しかしながら、これは震災対策も含めます日本経済の全体の問題にとって欠かすことのできない道なのであります。これに対して積極的に取り組むという政府の姿勢があるかどうかによって、日本の経済と国民生活が運命づけられるのであります。これについての決意をお聞きしたいと思います。
○武村国務大臣 新年度の予算で申し上げますと、もう御説明をいたしましたように、引き続き、やはり緩やかな回復基調に入った日本経済が本格的に回復を遂げていくことができるように、景気対策に精いっぱい配慮をさせていただいております。それが基本的には五・五兆円の減税を新年度も引き続き実施をさせていただくということでありますし、一般会計全体はマイナスでありましたし、一般歳出もプラス三・一でありますが、公共事業は御指摘の五・一ということで、この厳しい予算の中でも、新年度当初予算は公共事業の量の面でも精いっぱいの配慮をさせていただきました。 このことで景気対策が足れりとは決して申し上げませんが、私どもは、当初予算の中で財政出動という形で引き続きこういう姿勢をとっておることについてもぜひ御理解をいただきたいし、先ほど来御指摘の大震災に対しましても、おっしゃるとおり、ぜひ迅速に、最大限の対応をさせていただくことによって、当面マイナスのダメージがプラスに、経済全体としてはプラスに転ずるように、その目標で努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○中野委員 まだ一巡目の総括質問ですから、これ以上各論について詰めた御質問を申し上げません。また、続いて同僚議員から具体的内容についての御質問を申し上げると思います。 時間が参りましたので、最後に外交問題について一点だけお尋ねをいたします。 私は、国連改革サミットを日本でやるべきだという提唱をこの数年間たびたび申し上げてまいりました。本当は、国連創立五十周年を記念してことしやってほしいという気持ちで申し上げてき続けたわけであります。しかしながら、ことしやろうとすれば去年の秋の国連総会で決議をしておかなければこれはもうできなかったことですから、手おくれになりました。しかし、今度はもう一年頑張ってみまして、ことしの決議をやって来年、すなわち五十周年はことしで終わり、来年から新しい五十年が始まるが、その新しい五十年の第一年目に国連改革のサミットを日本でやるという提言を今から準備しておやりになったらいかがでしょうか。 すなわち、私は、日本は国連のお客さんではない。国連という国際的サロンの主要なメンバーとして、世界の経営、世界の運営に携わる経営者の一人であるという視点に立ってもっと日本は考えなければいけない。何か国連の決定に従いたどというお客さんみたいな表現が日本のこの我々の政治の土壌の中でもよく使われるのでありますが、そうではなくて、日本が提案して決めさせたというものがもっとどんどんあっていいのではないか、こう思うのであります。 国連改革については、さはさりながら、既に行われている、協議されていることもあります。安保理の改組問題、国連総会改革、経済社会分野や信託統治理事会、行財政改革、それに日本の関心が強い、希望している旧敵国条項の削除、PKOや人道支援、国際司法裁判所の活性化などなど、別々に作業が進められていることは承知をしております。安保理改組問題は、一月中旬より始まった作業部会で九月までに結論を得る方向で作業が始まる。また、旧敵国条項については、二月二十七日から三月十日までの国連憲章特別委員会で検討を始め、その結果を九月からの総会に報告するということになっている。こういうことで、いろいろな作業は始まっておりますし、土壌はできている、できつつある。 よって、我々は、ひとつこの際、日本に皆さんをお招きをして、これらの包括的な国連改革サミットをやりたいという提唱をされたらいかがであろうか、こう思うのであります。 かつて、十年前でありますけれども、安倍晋太郎外務大臣のころです。自民党政治が全部悪かったわけじゃないのでありまして、安倍外相が提案して、国連に行財政改革のための賢人会議を提案して一定の成果を得ました。こういうことも考え合わせまして、私どもはもっと積極的に、日本の提唱で、日本において、また日本においてということにこだわることはありませんが、これら国連改革サミットというものを提唱されてみてはいかがか。いわゆる国際社会における日本の役割を果たす一つの象徴としてやってみてはいかがであろうか、こう思いますが、どうでしょうか。
○河野国務大臣 委員の御提案は御提案として十分検討させていただきたいと思います。 委員も御承知のとおり、ことし国連五十周年ということで、国連におきましては国連サミットが開かれる可能性があるというふうに聞いております。これは委員のおっしゃるような国連改革サミットではなくて、いわゆる国連のサミットでございますが、こうしたことを言われておるところでございますし、この五十周年を一つの節目として、今御指摘になりましたさまざまな改革がここで俎上に上りつつございますので、それらについて我々としては積極的に、新しい国際情勢の中で何が国連に期待をされ、何が現在の国連にできるか、あるいは新しく変わらなければできないかということについて真剣に議論をしなければならない時期だと考えております。それらについて知恵を絞りたい、こう考えておるところでございます。
○中野委員 終わりますが、ぜひ、慎重に検討することがやらないことの代名詞だという国会論議の用語ではなくて、本当に前向きに積極的に真剣に考えていただきたいということをお願いを申しておきたいと思います。 なお、改めまして、関西地方における大震災の罹災者の皆さんが元気を取り戻して、いっときも早く立ち直られますことを、そしてまたそのために我々も全力を尽くすことを改めてお誓いを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 これにて海部君、市川君、中野君の質疑は終了いたしました。 次に、加藤紘一君。
○加藤(紘)委員 私は、自由民主党・自由連合を代表いたしまして、質疑をさせていただきます。 冒頭に、このたび亡くなられました犠牲者の方に、我々の党としてお悔やみ申し上げますと同時に、それから負傷者や被災者の方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。また、この皆さんの支援のために働いておられます人々、政府関係者、自治体関係者、特に自治体関係者の人は、みずからの御家族、御親戚にかなりの被害者がおられる中で、いろいろなものを抑えて仕事をされておると思いますし、それから、全国から無数に駆けつけていただきました有志の人、ボランティアの人、こういう人たちに私たちは心から敬意を表さなければならないと思っております。 私たち自民党は与党でございますから、この対策を今政府と一緒になって考えている立場でありますし、私たちもその本部の責任者の一人でありますから、ここで質疑をするということは必ずしも適切ではないかもしれませんが、与党として今回の、現段階においてどういうことが重要と私たちが思っているかという意味で、二つのことをお伺いしたいと思っております。 一つは、住宅でございます。これから復興に現地の人々がエネルギーを出すには、やはり日々体を休める場所、暖かい場所、そしてプライバシーが守れる場所がなければ、私はなかなかそのエネルギーは出てこないものだと思っておりますし、それから、今避難所におられる約三十万の方々もかなり精神的にも限界に近づきつつあるように思います。その意味で、今住宅対策を必死におやりだろうと思っておりますけれども、小里本部長、今住宅について、仮設住宅をどの程度必要だと政府サイドでは自治体からお聞きになっているのか、その全容、必要戸数はどの程度であるかということについてお答えいただきたいと思います。
○小里国務大臣 極めて緊急、当面の私ども政府としてあるいは現地の対策本部等において講ずるべき事項の最たる問題の一つとして、住宅のお話でございます。 ただいま御指摘いただきましたように、建設省などの関係筋の全面的御協力をいただきまして、まず仮設住宅一万九千戸、その中の一万一千戸は既に契約をいたしましたけれども、諸般の事情によりまして、可能な限りこれが現地調達、そしてできるだけ早期に入居いただく時間帯を求めておりますが、今のところ三千戸前後がもう既に着工した、そういう状況に承っております。 そのほか、公営・公団住宅等々、あるいはもろもろ御協力をいただきました分を合わせて約四万四千戸私どもは見通しを持っておりまして、そういう状況のもとに、鋭意これが調達を急いでおるところでございますが、具体的にはきめ細やかに、そして機敏にこれが取り運ばれるよう、目下作業中でございます。 なお、詳細については、必要があれば事務局から御説明申し上げます。
○加藤(紘)委員 今小里大臣のお答えですと、プレハブを一万九千ぐらいつくりたい、それからうちを失った方々にいろんなところの住宅のあっせん、これを約四万戸ぐらい考えておる、大体六万戸ということだろうと思いますが、大体私たちも新聞報道で見ますと、五万から七万というような感じでありますので、そういう姿かなという感じはいたします。 ただ、これをできるだけ早くという、その時期のめどということが今一番重要でないかなと思っておりますけれども、特に、できるだけ自分が住んでいた場所の近くで住みたいというのは人情でありますから、その意味で、この一万九千のプレハブというのが大体いつごろのめどでつくられそうなのかというあたりを、政府委員の方でいいですから示唆してあげて、少し安心感を与えることができないかという感じですが、厚生大臣ですか、どうぞ。
○井出国務大臣 お答えいたします。 竣工予定でございますが、当面整備を予定している一万九千戸のうち、既に着工は、ただいま小里大臣がおっしゃいましたように三千戸でございますが、そのうちの一次分としての二千二十戸につきましては、一月三十一日の竣工予定でございます。続いて二月の上旬あるいは中旬といったところまでは見込まれております。大体、着工後一週間程度で完成させることが可能でありますので、工事を急いでいるところでございます。
○加藤(紘)委員 プレハブ住宅の日本国内のその業界の、メーカー全体集めての月間の生産能力が五千戸というお話を聞きました。それを今一生懸命フル稼働して、無理をしてもらっているんだろうと思いますが、その際に、プレハブとして一階建てというのが通常だけれども、もしかしたら二階建てというものも、ちょっと違った形も柔軟に対象にしていいではないか。それから外国製のプレハブも、もしかしたらオファーがあるかもしれないから、日本政府がつくるものなんですから、そこはいろんな意味で弾力的に考えて、それも対象にしてできるだけ早くした方がいいではないかという意見が、与党内で議論いたしているんですが、その辺の情報はございますか。
○小里国務大臣 ただいま現地調達という一つの基準でお尋ねのようでもございましたが、その中におきまする月内国内総生産に関連してのお話でございますが、必ずしもそれに限定されず、私どもは、あらゆる方法におきましてこれが調達数をふやしていかなげればならぬ、そういうことで知恵を絞っておるところでございますが、実は、ここにおいでになる議員の方々からも昨夜も貴重な御意見をお聞かせいただきました。生産工場においてはそういうふうに制限があるかもしれぬけれども、実はそのでき上がった商品を受け取っていらっしゃるいわゆる提供メーカーの方々も相当数倉庫に入っているのではないか、そういうようなお話なども出てまいっておりまして、知恵を絞っております。 それから、もう一つこの機会に御紹介しておきますが、全国の市町村から、おれたちの市においては、町においてはこういう公営住宅を提供できるよ、それは家賃は無料でよろしい、しかも、おいでになって、特別な援護を含めた協力措置も講じます、そういうような市町村が無数に出てまいっておりまして、この善意も私どもは具体的な施策として大事にしていかなければならぬな、そう思っております。 実は、けさ方も九州のある県からは、一千六百戸準備をした、ひとつこの配分方を君たちの方ですぐやれ、そういうような御連絡などもいただく等々、非常にそのような全国の各行政団体が、自治省の督励もいただきまして整いつつございますから、急いでまいりたいと思っております。
○加藤(紘)委員 今回の災害というのは、後で触れますけれども、全国の自治体及び市民、個人の皆さんが大変何かをしなきゃいけないという感じでやってくれている。何か日本にも力が少し戻ってきたかなということを感じさせていただける話だったと思いますが、近隣自治体がいろいろなことをやってくださる。それから、今の話のように九州からも声がかかっている、東北からも声がかかっている。そこに、できるだけその好意にこたえる形がこれから生まれてくるように望みたいと思います。 それと同時に、できるだけ、先ほど言いましたように、市民の人としては自分の近間のところにいたいという感じがあるものですから、先日、おとといですけれども、神戸の自民党市議団の皆さんが党本部に無理して来られまして、そして、何とか地元の大きな有力企業に工場敷地等があるんだけれどもその土地に仮設住宅を建てられるように、市役所からも頼ませているんだけれども、先生方、党の方からも声をかけてくれないかということで、昨日、我が党の森幹事長がいろいろな企業や団体に直接お願いの電話をいたしました。 できるだけその近くに建ててあげたいという気持ちは、厚生省の人も市役所の人も同じだろうと思いますが、そうしたときに、それでもやはりそれは緊急には六万戸、七万戸、無理であろうと思いますから、近隣の自治体や、事によったら関係のある遠くの自治体というところにお願いしなければならないと思います。 その際に、野中自治大臣にお伺いしたいのですけれども、やはり自治体は好意でやってくれていると思いますが、かなり大がかりにやった場合には、そうそう豊かな自治体ばかりでもありませんから、非常にこの支援態勢を組むときにそれは当てにしていないと自治体は言っても、やはりその辺は少しお考えいただくようなことがあり得るのかどうか、いかがでございましょうか。
○野中国務大臣 今御指摘ございましたように、近隣自治体では非常に熱心に、全国の範囲に及びまして、住宅あるいは他の収容施設等について自分たちで対応したいというお話をいただきました。私も一昨日、近畿、中国あるいは四国の知事さん、市長さんにもお会いをいたしましてお願いをいたしましたら、昨日、早速事務所を開設を兵庫県の公舎の中につくっていただきまして、テント張りでございますが、ブロックごとに受付事務所をつくり、兵庫県内、西宮あるいはその他の市にも出かけていき、神戸市内には五カ所の出張所をつくって電話で応対をいただきまして、きょう午前中に既に本人から、百五十人、その事務所にお越しをいただきました、電話照会が午前中で五百人でございます。このようにして、ようやく地域への広がりが少し出てきたかなと思うのでございますけれども、委員先ほど御指摘のように、何とか近くで残りたいというお気持ちが強いわけでございます。 私どもといたしましては、それぞれ地方公共団体がこれを受けていただく。けれども、先ほど御指摘のように、今すぐ神戸の近くであるいは兵庫県内でできるわけでございませんので、一時でも他府県に出ていただく。そして、それはその府県が自分たちで連れていくというところまでお願いをして、その費用やらあるいは家賃あるいは光熱水費や食糧等も交付税の中で措置をいたしますということを申しておりまして、ぜひ積極的な支援をしてまいりたいと存じております。
○加藤(紘)委員 野中自治大臣にぜひ指導力を発揮していただきたいと思います。 と申しますのは、大変私は印象に残ったのですが、災害のあった十七日の午後、野中自治大臣は財政局長に、近隣自治体に助けにいくように指示をしろ、そして経費がかかった場合には自治省が見るからということを今からどしっと言ってもいいからと言って声をかけていただいたというのは、私は非常に大きかったと評価いたします。自治体の経験がある野中大臣だからだろうと思いますけれども、やはりこの際、そういうバックアップしてやるからという声をかけていただいただけでも自治体は大変違うと思うので、ぜひその姿勢でお仕事をお続けいただければと思います。 それから次に、私は、今度の不幸な地震でありましたけれども、その際に何か新しいことが起きたような気がいたします。非常に不幸なことですけれども、あの不幸な災害の地で何か新しいものが起きてきたような気がします。それは、ボランティアという人たちであります。 きのうも現地取材から帰ってきたある記者さんに聞きましたけれども、私がこう聞いたのです。新聞によると、西宮北口駅というのですか、一番近くまでの駅がそこだそうですが、そこから被災地まで五キロか七キロか十キロあるところを、そこを五千人近い、数千人のボランティアの人が救援物資を黙々黙々と何も言わずに持って歩きながらずうっと運んでいた、そういう記事を読んだけれども、本当にそんなことがあったのかと言ったら、それは事実ですと。 そして、その歩くところは歩道でしたと。車道は交通制限をしていてもかなり救援物資を運ぶ自動車や緊急車で大変で、歩道を歩くのだが、歩道の石はひっくり返されている、そしてバイクが走ったり自転車が走ったりする。かなり危険な、げがをするような状況でもあるんだけれども、年寄りの人もいたし高校生もいたし、黙々とみんな何も言わずに物を運んでいたと。ある角々には地元の高校生、大学生が地図を配っていたと。どこどこに行けばどういう地域ですよ、この辺にこうなっていますよ。その地図一つもらっただけで、例えば隣の県から来た、また関東から来たボランティアの人は行動ができる。それをだれが命じたわけでもない、一生懸命コピーを配っている人たちがいたという話であります。ヘリコプターからおろされたお握りをバイクで黙々と配って歩く青年の姿は、僕らは東京でテレビで見ました、これは一体何なんだろうと。 私たちは、何か昔私たちが持っていた助け合いみたいなものなんだろうか、それから、もしかしたら、地震が絶対ないと思われていた神戸でああいうことが起きたわけですから、実はあすは我が身かという気持ちでやっているのかというふうにも思います。どういう感じでしたと、そういうのを記者さんに聞いたら、そんなあすは我が身かとかそういう話ではたく、何かせずにはいられないという気持ちでみんな行っていたみたいですと。そういえば、私の友人の息子さんの高校生も、その友人に聞きますと、うちの息子もとにかく何かしなきゃならぬといって神戸に行っちゃった、そして二日ほどして疲れて帰ってきたということを言っていました。 私たちは、日本社会に昔確かに助け合いというものがあったような気がして、それは何か再び復活してきたのかな、そしてそれは経済成長というものの中で人々は忘れていたのだけれども、もう一回取り戻そうとしているのかな、そういうような気持ちがいたしておりますけれども、総理、今度の災害でボランティアの方のそういった活動というものについてどんな感想をお持ちになられたか、お聞きできればと思います。
○村山内閣総理大臣 今、加藤委員るるお話がありましたけれども、お話を聞きながら、私ども子供のときに、向こう三軒両隣とか、あるいは隣組とか隣保班とかいうようなことを思い出したのですけれども、共同で助け合う社会というものは伝統的に日本の社会のやはりいいところだったと思うのです。 これは、農村では今でも共同作業をやっていますし、それからまた、テレビなんかでも、長屋でみんなが助け合ってやっているような生活の場面というのがよく見られますけれども、被災をされて避難生活を一緒にやっている方々の中で、若い人がお年寄りやら子供に力をかしてやるとか、あるいは強い人が弱い人に手をかしてやるとか、そういう助け合いの美しい姿というものが報道されたりなんかしている場面も見ましたけれども、私は本当に日本の心がよみがえったなというような気もするわけです。 同時に、今お話のありましたボランティアの皆さんが、全く個人的にも、あるいは何人か連れ添って全国から駆けつけてきて、そして不眠不休で全く無報酬の活動を続けておる場面というものも、私も現地に行って見ましたし、また同時に、いろいろな報道やらなんかの話も聞いておりますけれども、貴重な、大変価値のある行動だというふうに私は思っております。 できればこういうボランティアみたいな活動がもう少ししやすいような、あるいはまた、その活動によってけがをした場合に何らかのやはり補償も考えるといったような、そういう環境というものを我々政治家としては考える必要があるのではないかということを痛感をいたしております。
○加藤(紘)委員 今総理から最後の方に、私が御質問してお答えいただきたいと思う趣旨を言っていただきまして、大変よかったと思っております。 私たちは、ボランティア、非営利団体、NPO、または海外でNGOと言われているものの波が最近起こり始めているということを薄々感じておりました。そのために我が党も、少し、そういうものをどう位置づけて考えるかの研究会をこの間発足させておるわけですけれども、そういうときにこの災害が起きたわけでございます。 それで、確かに日本社会には昔、青年団というのがありました。それから、もっとさかのぼれば五人組、隣組というのが江戸時代末期等にあったと思いますけれども、そういったものは、ある場合はもともとあった互助、助け合いの組織が制度化、組織化されたものだという見方もあれば、どちらかというと行政の手助けとして育てられたのだという見方もあって、これはいろいろ、これからいろいろな方が分析されることだと思いますが、私たち政党としては、行政とそれから一般国民の中間に立つあるものとして位置づけていくべきではないかという気がいたします。 特に、考えてみますと、ボランティアというと我々自民党は、あれは何か政府と、行政と対決するものだ、すると、反政府ということは反権力だな、すると、もしかしたら反自民党政府かもしれぬというような感じでとらえるときもありました。しかし、ここ数年、行政がなかなか手の回らない部分をやってもらうために必要な組織かもしれぬという意識も少し行政の方に芽生えてきていたように思うのですが、その意味では、自治省はかなり早くから感度よくいろいろな対応をされてきたような感じがいたしますけれども、これまでの経験上、いかがでしょうか。
○野中国務大臣 今御指摘いただきましたように、今回の震災で非常にボランティアの皆さんが全国から来ていただきまして、いろいろな困難な仕事をお助けいただいておりますことは、私どもも感謝をしておりますとともに、それによって地域の被災に遭われた皆さん方に自立の勢いを与えてくださった、これも非常に大きいと思うわけでございます。 地域コミュニティーのこれからの構築のために、今委員おっしゃいましたように、それぞれ府県、自治体におきましてもボランティアをどのようにサポートしていくかというのは重要な課題でございまして、私は、ボランティアそれぞれのグループがありますから、そのグループの皆さんの運動を拘束したり、あるいはそれを自治体が何かをすることはこれはやるべきでないと思いますけれども、一つは、ボランティアが活動をするためには器具が必要であります。したがいまして、市町村とか市に、大きいところにボランティアがその器具を入れる、そういうものをつくってあげる、もう一つは、ボランティア活動が少しでもやりやすい基金をつくる、こういうものには自治省としては協力をしていきたいと思います。 もう一つは、やはりボランティア活動でこれから災害を負われる方が出てまいります。そういう人たちのこれからの補償のために、ボランティア保険などはこれから自治体あたりで考えるべきものでなかろうかと考えておる次第でございます。
○加藤(紘)委員 今ボランティア保険を自治体で考えなきゃならぬかもしれぬというような、大変重要な御答弁をいただいたように思います。 その際に、法人格をどうするかという問題がありまして、民法はたしか三十四条でしたか、社団法人、財団法人というのが公益法人としてあって、それからそれ以外に宗教法人があってと、こう法人格というのは限定されておるわけでありますが、あと最近話題の特殊法人があったり、それだけなんですが、やはり傷害保険に何か入るとしても、またそのボランティアの団体が事務所をつくるために電話を架設するにしても、個人の名前でやるしかないというのは少しやりにくいという声、非常にやりにくいという声が大変聞こえてくるわけです。 ボランティア団体に対する法人格の問題をどう考えるかということを、きのう、きょう、ずっといろいろな省庁にお電話して聞いておるんですけれども、とりあえずのところ担当はないわけですね。法務省、法務大臣からお答えいただけるようですから。
○前田国務大臣 公益法人に属しない非営利団体ということでございますので、法律的には中間法人ということになるわけでございます。 それで、先生御指摘のように、例えばボランティア団体でけががあったとか電話でございますとか、それからもう一つの問題はボランティア団体に対する寄附、これに対する税制上の取り扱いの問題とか、幾つかあるわけでございまして、そういった面からまいりますと、やはり法人格、すなわち中間法人格を取るためにはそれなりのやはり発生する要件というのが必要でございまして、代表者でございますとかボランティア団体の意思決定の機関でございますとか、それから手続、組織の規定、こういうものをつくっていただくということになると、やはりボランティアに関する個別立法の検討が必要になってくるのではないか、そのような見解のもとに現在研究をいたしておるところでございます。
○加藤(紘)委員 ボランティアの法人格の問題につきましては、今御答弁がございまして、そしてやはり一つの立法をして法人格を付与しなければならないという法務大臣の認識でありますけれども、官房長官、この辺、法人格の問題。それからその後、なかなかこれは難しいと思いますが、徐々にでもいいから進んでいくべき問題として、税制上の取り扱いをどうするのか。それについて総括的に官房長官のところで取りまとめをしていただくべきではないかと思いますが、いかがですか。
○五十嵐国務大臣 先ほど加藤委員からのお言葉にもありましたし、総理の御答弁にもありましたように、ボランティアが特に今回の災害をめぐって大変積極的に活動していただきますことに、本当に感謝と感激をだれしも持って見詰めているというふうに思うのでありますが、こういう我が国におけるボランティア活動の成熟というものに対応して、さまざまなことが今必要になっているというふうに思います。まさにその点をいろいろ御指摘をいただいたのではないかと思います。 法務大臣からも今お話がございましたように、民法三十四条の公益法人としての許可を得るということになるわけでありますけれども、この辺につきましても、できれば、難しい許可ではなくて届け出制にしてはどうかという議論も議員の皆さんの中にはあるようでありますが、こういう点等も含めて検討してみなくちゃいけないと思います。 しかし、これらについては、これも今お話ございましたように、例えばそれらに対して寄附をする、その寄附がそれぞれ税の上で控除の扱いになるというようなことの措置も当然考えられていくべきであろうというふうに思いますから、そうなりますと、何でも届け出のあったものはそれで法人を認めていいかということもございまして、そこは、真に公益上の存在であるかどうかということのきちんとした認定といいますか、これも前提としては大事なことになるだろうと思いますので、そんなことも含めてしっかり検討してみたい。その上でまた税の面も、そういう認定の上に立つものについては当然していくべきだろう。 あるいは保険の面では、これは既に国際ボランティアに関しましては、去年の十月以降、外務省で中心になりまして、それぞれ保険に関する二分の一の補助の制度ができまして、たしか一回目、去年の暮れまでにまとめたのでは、五団体で二百万ぐらいでありますか、の補助をしているのですが、今二回目の募集をしているようでありますが、こういうようなことをもっと国内の上でも考えていく方法がないのかというようなこと等も含めて、こういう保険補償の面も考えていっていいのではないかというふうに思います。 これらの問題がいろいろありまして、どうも所管がはっきりしていないと、御指摘のとおりですね。そういう点もございますので、この際、実は企画庁それから総務庁あるいは自治省、法務省、大蔵省等、関係の省庁でひとつチームをつくってもらって、真剣にこの問題についての検討をぜひ進めてもらうようにすべきではないか、こういうぐあいに思いますので、自治体の意見等もいろいろ聞きながら、万全を期してまいりたい、こういうぐあいに思う次第であります。
○加藤(紘)委員 どうもありがとうございました。 災害の一週間後、テレビに兵庫県知事貝原さんが出ていました。自分たち行政がやれることというのは、例えば食べ物でいえばお握り、冷たくなったものを配ることが精いっぱいだったかもしれないけれども、より温かいものをという、細かな、質の高いところになるとボランティアの人に頼るしかなかった、それは災害の現場ではそうだと思います。 これは、災害のことだけではなくて、例えば将来、高齢化福祉社会をより高度の、きめの細かい福祉活動、サービスをするとなれば、行政だけではできないところが出てくると思います。本当にそこまで徹底して行政でやろうとすれば、強烈な高負担社会になるし、またそれが生き生きとしたものでないかもしれない。したがって、これからの福祉社会を考える意味でも、行政、国民、そしてその第三の位置づけの団体というようなものの三つで考えていくということに、発想を我々は変えなければいけないのかもしれぬとも思ったりします。 それで、外国から支援の申し込みがありました。なかなか受け入れるのに戸惑ったわけです。自治体としてはそうだと思います。フランス語をしゃべる団体、それから英語でしか通じないとなったら大変だなというふうにちらっと思ったんだと思いますね。それは無理もないことだと思いますが、そういうときに、ボランティア団体で日ごろから国際関係にちょっと貢献するということを目標にしていた団体があったとするならば、あそこに頼もうというふうにさっとなったかもしれません。 その意味で、いろんな問題を自分で処理をしていこうと考えるというのがボランティア団体の基本のように思いますけれども、それをいろんな意味で温かく育てていくべきでないか。その意味で、きょう御答弁いただいたのは、大変前向きの答弁をいただきましたので、ぜひそれを進めていただければと思います。 次に、外交の問題に移らせていただきます。 この関西の大震災で私たちの頭はいっぱいになったわけですけれども、その間にも国際情勢はまた大きく大きく動いております。 例えば、ロシアのチェチェン共和国では大変な戦いが起きています。私は、あの戦いとは一体何なんだろう。エリツィン大統領が軍隊を派遣し、そして自国民に銃を向けている。一体あれは国と国との戦いなのか、それともあれは内政問題なのか。まあチェチェン共和国というから一つの国のように見えるけれども、エリツィンは内政問題と言う。そしてクリントンも、これは内政問題だかと言いつつ非難をする。 我が外務省としては、あのチェチェン問題というのはどんなふうに受けとめられておるのか。もし隣の国に攻めていくという問題であるならば、我々はそれを非難しなければならない。しかし、もし内政問題であるとするならば、中央政府の意向を聞かないというグループに対して銃を向けるというならば、それは天安門事件とどこが違うのであろうか。天安門事件が起きたときに、我々は強烈に非難をしたけれども、我々はロシアのエリツィンに対してもっともっと強く言わなければならないのではないだろうか。あの死者を見るにつれ、そしてまたその制圧に行っているロシア軍の兵士たちが次々に不満を述べているのを見るにつれ、あれはちょっとどう考えるべきか、非常に深刻な問題を提起しているように思われますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 チェチェン問題は、国際社会が今大きな懸念を持っている、国際的な懸念を持つ問題でございます。それぞれの国がこのチェチェンについていろいろ情報をとろうとしておりますけれども、残念ながら十分な情報がない。つまり、透明性が余り高くないものですから、確かに議員がおっしゃるように、一体あれは何だというふうに見ている人も少なくありません。 アメリカを初めとして欧米諸国は、いずれも一生懸命目を凝らし、耳をそばだてているけれども、結局あれはロシアの国内問題だということに考えをまとめております。 我々もまたロシアに対しまして、一体これはどういうことなのかということを問い合わせておりますが、ロシア側からは、これはロシアの国内問題でありますという返事が来ているばかりでございます。一体これらについて、まあとにかく撃ち合って、殺し合っているわけですから、双方にそれぞれ言い分があるに違いない。言い分があるに違いないのですが、しかし今のところはロシア側からの情報がはるかに多いものですから、ロシア側からは、時に、彼らは武装した犯罪集団であるなどという説明もしてきているわけです。 我々としては、いずれにせよ話し合ってみるべきではないのかということを繰り返し注意を促しておりますが、ロシア側は、いや、もうこれは随分長い時間、長い間話し合ってきたのだ、どうしても話し合いではもう話がつかないということがわかったというようなことを言っておりまして、今大変な悲劇的な状況になっているというのが現状でございます。
○加藤(紘)委員 ロシアの民主化というのは、私たちは支援しなければならぬと思っております。しかし、それは必ずしもエリツィン氏のやっていることを支援することとは同一ではないはずだということも言えると思います。 実は、このせりふは私が言っているものではありません。今から二、三年前からアメリカのキッシンジャー氏がブッシュ政権に対して何度も何度も言ってきたことが私たちの耳に残っているのであります。 私たちがまだ野党であったおととしの十月、エリツィン大統領はロシアの議会に対して制圧のために大砲をぶち込みました。人民の代表の議会に大砲をぶち込んだわけであります。そして、それから十日後、日本を訪問いたしました。そのときに当時の、当時のといっても、今でもそうですが、つまり我が自民党の河野総裁以下の当時の野党の我々は、そのエリツィン氏を歓迎するのかと問題提起をいたしました。 そして、当時の政府は、そのエリツィン氏が天皇陛下に会うことをアレンジいたしました。これでいいのかね、人民の議会に大砲をぶち込んで十日後、その首脳が、エリツィン大統領が日本に来て陛下にお会わせする判断は正しいのかねということを私たちは論じました。しかし、野党であったこともあり、大きな大きな波にはならなかった。しかし私は、あのとき私たちが持っていた危惧は正しかったと思っています。 それで、お聞きいたします。外務大臣にはお聞きいたしません、当時の私たちの議論に一緒に加わった方ですから。外務省にお伺いいたします。エリツィン大統領を天皇陛下にお会わせしたあのときの判断は正しかったでしょうか。
○野村(一)政府委員 お答え申し上げます。 この点につきましては、一昨年の十一月の外務委員会において加藤先生から同じような質問が あったと承知しております。基本的には、あの当時の旧議会派と申しますか、に対する、それが武装した勢力が引き起こした暴力的な行為に対して秩序回復を図るという、そういう観点からやむを得ずにとられた措置であるということ、これはエリツィン大統領が当時日本を訪問したときにも繰り返し強調した点でございます。他方、この点につきましては、極めて当時多くの犠牲者が出たということで、人道的観点から遺憾であるという点もあわせて表明いたしております。 エリツィン大統領の日本訪問につきましては、当時東京宣言それから経済宣言、二つの重要な文書が署名、作成されております。これが新生ロシアと日本との間での新しい関係をこれからつくり上げていく基礎をつくったもの、そういうふうに認識いたしております。
○加藤(紘)委員 今そういう答弁しかないと思いますけれども、しかし、よくこの問題は考えていかなければいけないと思います。 そのロシアに対して、今私たちは復興のための経済援助をしています。それがチェチェンの人々を攻撃する砲弾に消えていくのか、それがチェチェンを攻撃する爆撃機のガソリン代に消えていくのかと考えたら、なかなか説明のつかない問題になります。 一方、私たちは、天安門事件は人権外交上ゆゆしい問題だと思って経済援助をとめました。それを復活するには時間がかかりました。人事の往来もとめました。向こう側からの人を受け入れるのにも時間をかけました。 一方、その一年前、ミャンマーでアウン・サン・スー・チーの事件がありました。現在までも経済援助は正式には復活いたしておりません、若干の変化はありますけれども。 私は、やはり我が国独自の物の判断というのをいろいろな問題でやっていかなければいかぬのじゃないか。中国の江沢民氏が私に天安門の後言いましたけれども、それぞれの国にはそれぞれの事情があるのだから、少し長い目で見てくれと。まあこれも一つの見方であります。 ですから、私は、人権問題についてもそれぞれの国の立場があって、必ずしもアメリカが考えているようなストレートな人権尊重の道だけがあるものでない、違う道があるかもしれない。ソフト・デモクラティック・パスという言葉があるそうですが、人権に至る幾つかの道。人権というのは、政治発言の自由、宗教の自由、目標は同じである。しかし、そこに到達するにはそれぞれの国がいろんな道があるかもしれぬし、そこをアメリカと違った観点で、それぞれの国の状況を判断できるのは日本なんだから、アジアにおいては日本なんだから、我が国自身が独自の判断を持たなければならないし、ロシアという大きな国がやったからといって全部認められるものではない。そういう観点を私たちは持つべきであろうと思います。 同じことをもう一つ別の観点から申します。メキシコのペソの危機であります。 これは大変な今危機に陥っておって、我が国もこの国際通貨の安定、それからメキシコの国際収支の危機を救うために、金融不安を救うために支援を求められているという報道もありますが、その辺はいかがですか。
○河野国務大臣 メキシコが金融不安を引き起こしておりますが、メキシコの外務大臣がいち早く訪日をされまして、私はお目にかかりました。メキシコの外務大臣は、当時、メキシコの現状について説明をし、自分たちはこれから民間の金融関係者に会ってよく考え方を説明をするということを言われたわけでございます。そこで、関係国の金融当局間の協議がございまして、その結果我が国は、日本銀行による国際決済銀行、いわゆるBISでございますが、これをを通じた同国に対する金融支援を決定をいたしております。 この措置が、メキシコ・ペソ相場の安定、ひいては国際金融市場の一層の安定に役立って、多角的な自由貿易体制の強化につながってくれればいいがというふうに考えているところでございます。
○加藤(紘)委員 国際金融不安を引き起こしてはいけませんし、国際貿易及び国際金融が私たちの体の一部になっている日本としては、それなりの貢献をしなければならぬと思っております。 しかし、一回ここで、NAFTAというのは何なんだろう、NAFTAとメキシコというのは何なんだろう。北米自由貿易協定は、あれはある意味では若干、かなり理論的に、自由貿易は正しいことだといって、メキシコも一緒になって加わることをアメリカも声をかけ、そしてやってみたけれども、ちょっと背伸びし過ぎて、結果としては、アメリカにかなり労働力が出ると同時に、アメリカの製品がかなり安価にメキシコの市場に入ってきて、そしてメキシコの経済が今取り返しのつかないことになったのではないか。自由貿易のセオリーどおり、理論どおりやり過ぎた危険性を示しているのではないかという見方が、一方に五〇%ぐらいあると思います。 あと五〇%ぐらいは、非常に証券とかいわゆる金融が、直接金融になったがゆえにその金融の引き揚げというものがもろに響くようになった、金融上の原因であろうというような説もアメリカの中にはあるようですけれども、NAFTA自身、またそういう協定をつくってともに自由貿易にしたことは正しいので、それによってメキシコ自身は力強い経済になっていったんだという、議論が二つあるわけですけれども、通産大臣、いかがお考えでございましょうか。――いや、大蔵大臣ですか。 〔委員長退席、三野委員長代理着席〕
○橋本国務大臣 通商担当の立場からこれを眺めましたときに、今委員が挙げられました幾つかの要因の中で、やはり直接、私は、アメリカの公定歩合の変化というものが域内における短期資金の流れを変えた、これは非常に大きな要素であったのではなかろうかという感じはいたしております。 それ以上に個別に入ることは差し控えたいと存じますけれども、基本的には、あるいはNAFTAが生まれました時点で、メキシコの通貨価値が、ある意味ではそのファンダメンタルズを超えて高く設定されたのではないかという基本要因を述べられる方もあります。 私は、今指摘されるさまざまな要因というものは、それぞれに、大小の差はあれ、それぞれが今日の事態を起こす原因をつくっておったと思いますけれども、やはり直接的には、私は、アメリカの金利水準の変更とともに短期資金の流れが変わったということは否定できない大きな要因であったと考えております。
○加藤(紘)委員 ありがとうございます。 なぜ私がこういうメキシコのペソなどという、我々日本から見ればちょっと遠い、それも国際金融の専門的に見える話をここで議論しているかといいますと、やはりそれぞれの国の状況に応じた経済政策だとか外交政策というのを考えていかなきゃならぬので、私は、もしかしたら、というか、かなりそういう意見なんですが、メキシコを余り早く自由貿易の世界に引っ張り込み過ぎたのではないか、それが今橋本通産大臣のお言葉の中にありますように、ちょっと背伸びし過ぎている部分というのがあったのではないかという感じがいたします。 ですから、ここから私たちが得る教訓は、APECにおける自由貿易の話がこれから出てまいります。インドネシアがそれを提起し、アメリカが当然のことながら賛成し、今アジア諸国が非常に戸惑っていて、日本も、WTO以上のことをやるのかな、ガット・ウルグアイ・ラウンド以上のことをやるのかなといってちょっと戸惑っているわけですけれども、やはりそれぞれの発展段階に応じたきめ細かな外交政策をやるべきで、時にはアメリカは非常に善意で理論的に来られますから、しかしアメリカでさえ判断を誤るときはあると思うのですね。アメリカの金融政策当局、国際金融政策当局者は誤るときだってあると思うのです。例えば、アメリカの中近東政策担当者はサダム・フセインの扱いを間違えたと思います。 ですから、それぞれの国の外交政策にはその国の立場がありますし、その時々の国内政治の状況があります。大統領選挙が近かったからとかいろいろな問題があるし、それから、それを担当する役所の人も、向こうの国のステートデパートメントの人、国務省の人も商務省の人も判断を間違うかもしれない。 だから我々自身、日本が独自の判断を持って、そして意見を取り交わし、そして時にはお互いに、これだけ近い国ですから、こっちの意見と違ったり相手がみすみす間違えているなと思っても、つき合わなければならぬときもあるかもしれない。それが同盟というものかもしれない。しかし一番重要なのは、自分自身に立場と判断を持つということでないかという気がするものですから、この二つのケースをしつこく質問した次第でございます。 そこで、自分の判断があると同時に、自分の立場をひとつ、幾つか持っていないと、日本はアジアの国なのか、アメリカと伴いい国なのかという、最近はやりの二者択一の話になりますと、何となく困ってしまう。私はやはり日本というのは顔の見える国にならなければならぬのではないかという意見に賛成です。それなりに自分の主張と顔がしっかりと見える国になりませんと、あるときに、コウモリみたいに、こっちに、アジアに行ったら私は鳥です、そしてアメリカに行ったら私はけものですというようなことでは成り立たないと思います。 したがって、私たちが独自に持たなくてはならぬ一つの主張として、私は日本の外交が最近やっている、一つの創造的なおかつしっかりとした主張があると思います。それは、一つは核実験、核を持たないように軍縮しましょう、これは当然のことでございまして、それからもう一つ、もう一つは武器の輸出をみんなやめましょう。先進国がいろいろ武器をつくっていろいろな紛争国に輸出してお金もうけしているけれども、あなた武器つくって売ってもうける国、私たちPKOを派遣して国民をけがさせる国、これだったら国民が納得するわけありません。いかなる国でもその国の国情に応じた武器生産能力で戦いをしているというのであるならば、余り大きな紛争にならないかもしれない。しかし、それに対して発展段階以上の武器を送り込んだならば大変な紛争になっていく。 そこで、我が国外務省は、武器をトランスファー、輸出したり動かした場合にはお互いに国連に登録しようじゃないかということを提起して五年ぐらいになるでしょうか。非常に大きな成果であろうと思いますが、私は、外務大臣、これはもっともっと強く言っていいポイントでないかなと思います。 なぜなれば、我々の国は、もし戦後四十年、武器をつくるということを決心したならば、世界一立派な、精度のいい武器をつくったと思います。自動車もつくれたんですから、立派なものを。多分、命中度半数、的中率が高い武器という意味では、我々はかなりの高度のものをつくれたと思います。しかし、みんなそれで貿易したい、お金もうけしたいと思ったけれども、我々はやめたわけです。経済界もしませんでした。政治の方もそれはやめてくれということを暗に言って、控えてきたわけです。だから、私たちは、日本は世界諸国に武器輸出をやめなさいと言う権利があると思っておりますけれども、その辺、最近外務省、いかなる方針でおやりなのか、お伺いしたいと思います。
○河野国務大臣 先般UNHCRの緒方さんと話をさせていただきましたときに、緒方さんが、もし世界の、小火器でもいい、武器の蓄積度がもっと少なかったら、私のやっている、つまり難民高等弁務官事務所、難民の仕事はもっと易しかった、それから、世界にもっと武器が少なければ、武器によって亡くなる人の数はそれはもっとずっと少なくて済んでいるはずだ、何としてもこの地球上から武器の数を減らさなければだめだ、もちろん核兵器は論外です、通常兵器についてもそういうことをやらなければだめだ、それを日本はもっとやってくださいということを緒方さんは私におっしゃいました。 今加藤議員からお話がございましたように、我が国の提案で武器の登録制というものが国連の中で採用をされております。まだまだその品目が少ない。それから、残念ながらこれはそれぞれがそこにみずから入ってきて申告してくれるということでございますから、申告に参加する国の数がまだ少ない。もっと本来からいえば品目をふやす努力が必要ですし、それから、もっとその制度に参加する国の数がふえてくることが必要です。 しかし、考えてみると、品目をふやして難しくすると参加国の数がふえない。品目をふやさずに参加国をふやす方がいいのか、どっちがいいのかという議論から、いろいろぐるぐるぐるぐる回った議論をしているわけです。さらには、登録はした、申告はした、しかしそれが正しいものであるかどうかということをだれによってチェックできるかという問題もあるかと思います。我々は、この問題、しかし効果の上がる問題だと考えておりますから、これを、もっと品目をふやす努力もし、参加国を募る努力もしていかなければならないと思います。 と同時にもう一つ、別の角度からいいますと、ASEAN地域フォーラムでアジアの国々が集まってこの問題についてももっと議論をして、我々の近隣諸国の中だけでももっとこの透明度を高めるという議論をし実行をしていく必要があるのではないか、この点は真剣に取り組んでみたいと考えております。
○加藤(紘)委員 ぜひお願いいたします。 また、外務省でも登録されてない武器の動きについての情報をできるだけとっていただいて、私ら国会議員に教えていただければ、我々といえども国際会議に出ていくときがありますから、そのときに日本の主張として、やめてくださいと。政府はなかなか言えない場合もありますから、我々国会議員は、何というか民間人というか、今政府の側ではありませんから自由に物を言えますから、そこはばしばし言っていきたい、こう思っておりますので、調査はしっかりやっていただければと思います。 そして、その際に、最後に一つまたこの関係でつけ加えて主張いたしますけれども、中国の核実験はやはり正当化できません。中国自身が、これから核実験禁止条約になったら自分も入るし、それで実験はやめると言い、しかし今はやると。私は、昨年中国に行ったときも、首脳にお会いしたときにそれを二度申しました。 理由は、アメリカに比べでこれまでの実験の累積回数は少ないというだけで、これは私、余りしっかりとした議論にならないと思いますけれども、私たちの国は、私は、中国が今心配している、どちらが中国の正統政府が、台湾独立がみたいな話は、ちゃんと中国サイドに立って、唯一合法の政府として認めていくという立場です。しかし、この核実験の問題についてはしっかりと言っていかなきゃならぬ、こう思っておりますし、この間円借を決めましたけれども、その際も、本来ならばもっと強く言っていいことでなかったかなと思っておりますが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 確かに御指摘のとおり、中国の核実験については、我々は甚だ遺憾、そしてこの実験はやめてもらいたいという気持ち、強い意思を持っております。このことは、村山総理大臣が江沢民氏にお目にかかったときにも申し上げておりますし、私からも銭其シンさんに繰り返し申し上げております。また外務省としても、日本国民の、我々の意思ということで、その都度中国政府には申し入れをしているところでございます。 中国側の反応は、今加藤議員からお話があったような説明、あるいはCTBTについても一定期間の後には自分たちは入るつもりがあるのだということを言っておられますけれども、すっぱりと、わかりました、もうやめますという返事になっていないことは甚だ遺憾でございます。引き続き我々は、場面のあるたびにこの問題については注意を喚起してまいりたいと思っております。
○加藤(紘)委員 次のテーマに移ります。 日本は最近、少しみんなの心がたそがれっぽくなったんじゃないでしょうか。何となく元気がなくなって、一仕事終えてあとは高齢化社会迎えるだけだなあというような、夢のない、元気のない社会になってしまったような気がします。これは間違いだと思います。 去年、年の暮れ、十二月三十日、朝日新聞にある社説が出ました。日本、この国午後三時という社説でございまして、なかなかうまい書きっぷりでありました。経済も悪くなったね。銃の事故もふえてきたね。若者は他人のことを構わないで、自分のことだけやるのが一番いいんだとアンケートに答えるようになったね。この国、だめになるかもしれぬ。日はだんだん陰り始めて、今午後三時という話であります。 かなり私は心の中で激怒いたしました。物事の一面だけしか見ていないと思っております。私たちの国は、まだまだこれから一仕事二仕事やるべき国であり、やらなきゃならぬ国で、やれる国だな。かつて、日本の民主主義は十二歳の少年だと言ったアメリカの指導者がいまして、それは民主主義の話ですから、民主主義は今何歳なのか、私はわかりません。結構私はいっていると、いい年齢に達していると思っていますが、しかし、社会の生き生きとした動き、そういった迫力という意味で今日本は人間の人生で言えば何歳ぐらいなんだろう、また一日の時間で言えば何時ごろなんだろうということを年末から年の初めにかけて考えました。総理、日本は今何歳ぐらいの国なんでしょうということをちょっとお聞きしたいと思いますが、お考えください。 何といいますか、亡くなられた天谷さんという通産省のOBの方がいます。日本社会を分析してなかなか鋭いことを書かれた人ですが、天谷さんのせりふに「夢のガス欠を恐れる」、これは亡くなられる直前ぐらいの論文ですけれども、夢というのが息切れしてきた。考えてみれば、日本社会は夢があったんだと思いますね。 それは、明治維新のころ、私たちの目の前に、いや私たちの先輩の目の前にあったのは、力強くて豊かな欧米の国々で、それにキャッチアップしようと思って努力して七十年、あるところまで、いいところまでいったら少し傲慢になったんでしょうか。また、富国強兵、殖産興業、キャッチアップという中に、帝国主義という側面ももしかしたらキャッチアップしようとしたのかもしれません、これは大変な議論の起こるところですけれども。 そういう中で、私たちは七十年やって、太平洋戦争に入って、そして道草を食って、戦後一九四五年から約四十年ほど必死に努力をして、豊かな国になったような気になりました。アメリカ人と同じくらいの自動車に乗り、アメリカ人、イギリス人よりもいい背広を着て、見ているカラーテレビは恐らくアメリカの財界人の見ているカラーテレビよりいいテレビでしょう。主婦は全自動渦巻き式電気洗濯機を持つようになりました。そして、本当に豊かになったと思ったときに、だれかがこの国は成熟したなど言ったのかもしれません。成熟した。それ以来、その後のバブル経済の不況と絡んで、この成熟、成熟という言葉がみんなの言の葉にのるようになりました。 〔三野委員長代理退席、委員長着席〕 みんなが同じことを言う金太郎あめジャパンの特性がここで出てきまして、みんなで同じように成熟経済だ、成熟経済だ、後は高齢化社会だと言っているうちに、だんだん夢がなくなってきたように思いますが、しかし私たちの国は、ヨーロッパ社会やアメリカ社会のように真に豊かになった国ではまだないと思います。都会では住宅、地方では働き場所、非常にアンバランスです。まだまだ仕事をしなきゃなりません。 それから、仮にアメリカ、ヨーロッパ並みに豊かな国になったとするならば、私たちがみずから少し動いていく、自分自身の夢を持たなきゃならないように思います。 考えてみれば、一九四五年、アメリカは世界で一番強い豊かな国、キャッチアップする相手のない一番豊かな国、強い国ということを証明したときに、何をやったかというと、隣の地域、ヨーロッパに助けに行きました。マーシャル・プランです。その後十年して、お月様に人間を送ろうと考えました。スプートニクで追っかけられたということもあったんでしょう。お月様に人間を送ってどうするんだという議論はあったと思うのですが、しかしそれをみんなでやったおかげで、強烈なコンピューター、セミコンダクター、半導体の発達となって、現在世界の産業の最先端はほとんどこのセミコンダクターを原料にしてやっているわけであります。 ですから、我々も一つの大きな夢を持たなきゃならぬ。そして、夢を持つ気になれば、資本もあるし、人材もあるし、技術開発力もあるし、いろいろなことをまだできる国のように思うのですが、総理、今日本は何歳くらいで、何時ごろでしょうか。
○村山内閣総理大臣 今加藤議員からお話がありました、午後三時だという記事に対して、加藤議員がいやそうではない、午前十時だという……(加藤(紘)委員「十時三十分」と呼ぶ)十時三十分、その記事も読ませていただきました。私も同感であります。 バブルが崩壊して、今ようやくこの日本経済も明るさを取り戻しつつある。こういう状況を考えてまいりましても、あるいはまた戦後五十年を振り返って、二十一世紀に向けて日本はこれからまた、今お話もございましたような、尽きることのない人的資源を持っているわけですし、高いレベルの技術をもう少し振興させていって、そして新しい時代を創造していくという力も持っておるということから考えれば、まだまだ青年ではないか。 これは、私はよくウルマンの詩を言うのですけれども、青春とは人生のある時期を言うのではなくて心の様相を言うんだという言葉がありますけれども、私は、日本のいろいろな社会的条件を考えてみて、そして本当に心の中で、いやいや日本はこれからだという気持ちに全体がなっていけば、新しい創造社会をつくっていく力は十分持っておるというように思いますから、もう少しそういう気持ちになってもらいたいと思いますし、今、加藤議員が新聞に書かれておりましたように、日本の国は午前十時三十分というふうに私も思っております。
○加藤(紘)委員 心の中に夢を持ち、心の中にやる気を持っていけば状況を変えられるんだろうと思います。そのウルマンの詩のようなことでないかなと思いますし、政治というのは状況判断するのではない。状況判断するのはジャーナリズムかもしれない、分析家かもしれない。しかし、その状況を見て状況を変えていくというのが政治でなきゃいかぬのかなというふうに思っておりまして、総理がどんな、自分たちの国は若いと思うか思わないかでこの国は変わっていくと思いますので、頑張っていただきたいと思います。 その意味で、科学技術というのは大切です。この間与党三党の政策責任者が、予算をどうつけるべきかということのために、いろいろな大学の研究室なんかを見に行きました。ある大学に行きましたら、一ミリメーターのロボットをつくっていました。一ミリのロボット、顕微鏡の下で、見てください、動いているでしょうと言うのでちょっと見ますと、動いているんですね。驚きました。何に使うんですかと言ったら、それは私たちはつくるんです、おもしろいからつくっているんですと言うだけで。 じゃこれを血管の中に送り込んで、コレステロールの掃除とか心筋梗塞の詰まっているところをかき出しに行くのかと言ったら、医学ではそう使うかもしれませんね、しかし僕らはおもしろいからつくっているんですと言っているわけです。帰ってきて通産省の幹部の人に聞いたら、一ミリのロボットですか、そんなもので驚いちゃ困ります、我々の将来の夢は、千分の一ミリのロボットをできればつくりたい、そのためのモーターとバッテリーとアームを研究するのが課題ですと。これはなかなかいいなと思って聞いておりました。 それ以外に、アルツハイマーの研究、それから人工光合成の原理の研究、至るところに夢のシーズ、種というのは残っておるように思います。私たちは、ここで通産大臣と科技庁長官がいかに心を若くするかがこの国の一つの決め手じゃないかなと思っておりますが、ぜひ頑張っていただきたい。 そのために、私たちは科学技術の予算というのをしっかりとふやさなきゃならぬと思っています。自分たちが今度予算編成の一翼というか、かなりの責任を持って感じてみたことは、やはり道路だとか橋ということですと、我々は何千億の金をぼんと決めてしまいます。六百三十兆なんというものも決めてしまいます。ことしも公共事業は四千五百億か五千億伸ばしました。しかし、科学技術基礎研究のためには三億、五億のお金がなかなかつかない。 そして、全国の学者の人たちが欲しいなと思っておるのが科研費です、文部省の科研費。これが八百二十億からやっと九百三十億にしたんでしたかね、今度。有名ながん研の学者杉村先生に言わせたら、私たち、あれが一千億になるのがこれからの夢なんですと言われまして、ちょっと申しわけないなという気がしました。 そこで、どうしてこういう差があるのかと聞きますと、やはり四条公債の使い方だと思います。基礎科学研究は人件費だから、終わったら後に残らないから赤字国債対象、道路、橋は孫子に財産が残るからこれは四条公債という、この仕分けであるということは、我々政治をやる者はみんな知っているわけですが、知的資産の増加ということで考えていくべきではないかということを今度与党三党は主張し、そして最後の段階で大蔵省の御理解も得て、平成八年から基礎研究を四条公債の対象にしよう、しかしいかなる注ぎ込み方をするかは、これは大切なことだから一年勉強しよう、調査費を五百四十万科技庁に計上する、そういうことで今度決まりました。 ですから、科技庁といっても科技庁だけが使うんじゃないのですけれども、これからこの五百四十万でどういった会議をして、どういう進み方をしていくかということをしっかりやらなければいかぬと思っております。心の若さを持って、そして、どうやって注ぎ込むかということを必死に田中長官に考えてもらわなければならぬと思っておりますが、決意のほどをどうぞ。
○田中国務大臣 私ども、当選しましたときは野党でございましたけれども、この長い時間、加藤政調会長がスピーチなさっているのを伺いまして、やはり自由民主党はすごい人材がたくさんいらっしゃると思いましたし、頑張って自民党に残っていて本当にうれしかったなというふうな思いをいたしました。 殊に、今お話ございましたけれども、このたびの予算づけでも、科学技術振興調整費百五十五億プラス三十億、特段の御配慮をいただきましたし、また建設公債の新規の利用でございますとか、そのほか公共投資重点化枠も三千億のうち三十億円もいただきました。これは本当に目に見える形で、一月十九日の朝日新聞の投稿をなさいました記事も拝見させていただきましたけれども、ただお書きになるだけではなくて、政治家が本当に、実際に予算づけで目に見える形で力づけてくだすっている、そして村山内閣の科学技術は未来に対する先行投資であるということをバックアップしてくだすったことを、大変ありがたいと思っております。 具体的に、例えば新エネルギーでございますけれども、御関心がおありかと思いますけれども、日本の資源を安定的に供給するために、石油あるいは石炭などの化石エネルギーからウラン、そして今度は核融合というふうなことが研究されておりますが、ITER計画でございますが、これについてちょっと簡単に申し上げますと、二〇二〇年代を目途にいたしまして、そのときに原型炉をつくるようにいたします。そのための研究をアメリカ、日本それからロシアとEUで共同開発をいたしておりまして、二十一世紀中葉以降のエネルギー供給をできるようにいたしております。 そのほか太陽の光、熱ですとか、燃料電池それから廃熱利用、これは資源を有効に利用するためでございますが、あとは水素のエネルギー等いろいろと新エネルギー、環境に優しいエネルギー開発というものも研究いたしておりますが、問題は代替コストという問題がございます。それから、水素エネルギーは水の電気分解によって得られるものでございますけれども、輸送とか貯蔵等に問題点がございますが、いただきました予算を上手に使わせていただきまして、これらの実現に使わせていただきたいというように思っておりますので、御指導いただきたいと思います。
○加藤(紘)委員 ありがとうございました。 日本の研究開発費というのは、大体十二兆と聞いております。そのうち民間が約八割、そして一兆がいわゆる基礎研究、理学とかそういう部分、あと一兆は実は政府サイドでやっておりますいろいろな技術開発、どちらかというと通産省の世界だろうと思います。 さあそこで、今本当に困っておるのは、民間の企業が不景気ですから、民間のその八割になるところの研究開発費が今各企業でダウンしているんですね。この辺は非常に心配なことでありまして、これから通産省がどういった対策を立てていくか、我々がどう協力しなければならないかが一つのポイントになると思いますが、その辺について通産大臣、いかがでございますか。
○橋本国務大臣 現在、世界で一番特許登録の多い国、これは残念ながら日本ではありません。アメリカが約九万七千件ぐらいの数字で、世界の一番多い国であります。しかし、日本はなおかつ今たしか八万八千四百件ぐらい昨年あったと思います。そして、実用新案を合わせますと十四万件を超える技術登録がなされておりまして、その意味では、日本は決して私は年とった国だとは思っておりません。そして、これは一度、科学技術庁だけ褒められましたが、工業技術院の筑波もぜひ私は見ていただきたいと思うのです。非常に真剣な基礎的な研究から応用技術に至るまで、幅の広い研究がなされております。 しかし、今委員御指摘のとおり、連続しでこのところ企業の研究投資が減額されております。これは我々としては非常に心配です。それだけに、その研究に対する投資が積極的に行えるような税の仕組みも私は財政当局にお考えをいただきたいと思いますし、同時に、その申請がなされました特許審査というもののスピードがより速く行われることによって、これが利用できる状態をつくり出すことも必要であると思っております。現在、特許庁、ひところ御批判を仰ぎましたが、随分この特許の審査にもスピードが上がってまいりました。近いうちに申請からの期間を非常に短縮したいと、現場は大変な努力をいたしております。 そしてもう一つの問題は、我が国の場合に、実は全く新しい業を起こすときの資金調達について、なかなか民間での資金調達に困難がございますしばらく前から、大蔵省の皆さんにもこうした分野についての検討を繰り返しお願いをしてまいりましたが、その意味では、昨年末、大蔵省が店頭市場の制限を大幅に緩めていただきましたこと、これは私は、新たに業を起こすとき非常に資金の調達が楽になってきた。こういう意味でも、技術を育てる基盤はできてきた、そのように考えておりまして、お互いにやはり夢を持った国家でありたい、そう願っております。
○加藤(紘)委員 農林大臣にお伺いします。 農林省の方のバイオも非常に重要だと思うんです。と申しますのは、私は、世界の中で農家の人の基礎知識レベル、学力レベルが一番高いのは日本だと思っているんです。コンバインだとか複雑な薬品だとか、いろんなことを全部処理できる、あのレベルに新しい技術が入り込んでいったら、農業を変える可能性があると思っています。今暗いことだけが多い農業の世界ですが、やはりそこの決め手は筑波の研究所じゃないかなと思ったりしていますが、現状いかがですか。
○大河原国務大臣 お話のありますように、農林水産業は先端的技術等による技術開発から大変縁遠いような考え方を持たれやすいわけでございますが、多くの困難を持った農林水産業につきましては、やはりその活性化のためには、あるいは後継者を確保するためにも、やはり先端技術による技術革新、何としても必要でございます。 そういう意味では、バイオとかエレクトロニクスとか、そういう先端技術を応用いたしました、現場の生産に直結したような技術開発をどうしても急がなければ相ならぬというわけでございまして、筑波における生物資源研究所その他でも精力的なその研究を行っておるわけでございます。やはり基礎研究から始まった応用技術までは、特に国なり都道府県、農林水産業の性格から試験研究はそこで行われるのが専らですが、今後は、民間に蓄積されておる技術、これも動員してその技術革新を図らなければ相ならぬ、さように思っておりまして、実は、ウルグアイ・ラウンドの国内対策において、生産現場に密着した技術革新ということで、補正予算で五十億の生研機構を利用した技術改革を始めさせていただくというような点がございまして、我々としては一段、二段の努力が必要である、さように思っております。
○加藤(紘)委員 約一世紀前、アメリカの国は今の日本みたいなものだったんではないかと思います。技術開発の面での話です。ヨーロッパ社会でつくられました大変先端的な技術、知識、基礎研究、それを吸収して物をつくり、製造し、そしてヨーロッパの人たちからは、あの国は自分で物の研究をしない、物まねして経済発展しているだけの国だと言われました。 しかし、それを一生懸命やりながら、その中でまた基礎研究をアメリカはしていきました。侮られながらも、ばかにされながらも研究費をつぎ込んでいきました。そして、戦後になってそれが花咲いて、基礎研究に与えられるノーベル賞を一番多くとっているのが御承知のようにアメリカであります。私たちの国も、そろそろそういった基礎研究につき込んできた努力がこれから花開くかもしれない、そういう段階に来ているという見方の人もおります。 ですから我々は、私たちの国に基礎研究する能力がないとか、それから創造性がないんだとか独創性がないんだとか自分たちで決めつけないで、そして若い学者、学生、研究者たちを育てていきたい、そうしなきゃいかぬのじゃないかと思います。 大人たちに夢がなくなったときに子供たちが勉強するとは思いません。大人たちがやる気をなくしたときに子供たちが理科を一生懸命勉強するわけはないと思っています。ですから、できるだけ私たちが未来に向けて夢を描いたときに、この国の力が下から沸き上がってくるのではないかなというふうに思いますので、どうぞ政府の方での御努力もお願い申し上げたい、こう思っております。 次に、時間があと二十分少々となりましたので、行政改革と規制緩和の問題をお伺いいたします。 大地震がありまして、いろんな混乱が今ございますが、いわゆる行政改革についての方針、つまり二月十日までに特殊法人の問題についての政府及び与党の案を決めていくんだという決意には変わりはないということを、この間、二十三日の本会議で村山総理はおっしゃいましたけれども、村山総理、それから大蔵大臣、外務大臣、それぞれ主要な閣僚として、また党のトップとしてその辺を、決意だけを簡単にお伺いいたします。まず、大蔵大臣、外務大臣の順番でお願いします。
○武村国務大臣 これは、内閣の方針は、特殊法人につきましては今年度中、したがって、三月いっぱいに最終の政府の改革案、特殊法人の整理合理化の具体案を取りまとめていこうということであります。それに先立って、二月十日には各省庁それなりにみずから所管している法人に対する具体的な方針をまず内々に決めて内閣に報告をしていこう、こういう姿勢だと認識をいたしておりまして、政府全体としてもそうでありますが、大蔵省としましても、政府系金融機関と塩の専売等を抱えておりますが、ぜひ他省庁におくれをとらないようにこの問題にも、震災のさなかでありますが、内閣の方針に沿って最善を尽くしたいと思っております。
○河野国務大臣 行政改革は村山内閣の最も重要な問題と考えておりまして、既定方針どおり全力を挙げて今取り組んでいるところでございます。政府、与党一体となって、この問題、どうしてもやり遂げなければならぬというかたい決意をいたしております。
○村山内閣総理大臣 今それぞれ外務大臣、大蔵大臣からお話がありましたけれども、官房長官と総務庁長官がこれは中心になりまして各大臣と個別に折衝して、そして話を詰めて、二月十日までに一応の成案を得る、そしてこの年度内に決着をつけて必ずやりますという決意を持っております。
○加藤(紘)委員 総務庁長官、かぎを握っているわけです。一言、はっきりと決意を。
○山口国務大臣 今与党三党の党首から強い決意を承りまして、担当大臣といたしましても大変心強く思った次第であります。 今お話がありましたように、二月十日までに、各省庁、閣僚がリーダーシップを大いに発揮をいたしまして、それぞれの省庁のもとにおける特殊法人の整理合理化について検討した結果を報告をいただくということになっております。 私どもといたしましては、政府としても努力をする、それからまた与党のプロジェクトチーム等とも十分協力をいたしまして、そうして三月末までにはこの特殊法人に対する整理合理化、統廃合あるいはスリム化するとかあるいはサンセットをするとか、さまざまな形があると思いますが、いずれにせよ、この九十二あります特殊法人に対してそれぞれ検討した結果を踏まえて整理合理化の案をきちっとまとめたい、かように考えておる次第であります。
○加藤(紘)委員 ありがとうございました。 私たちも、与党で責任ある立場におりますので、この問題はなかなか難しい問題ではありますけれども、必死に今の決意の線に沿って頑張っていきたいと思っております。 その特殊法人の問題が二月十日、そして三月の末までに我々は規制緩和についての計画を立てなければなりません。規制緩和について一つ、二つ具体的なケースについてお伺いいたします。 アメリカのモンデール大使が、我々与党の規制緩和、行政改革チームの人に会ったときに、こう言ったそうです。国際的な小包、どうして、ヨーロッパ、アメリカの間では一日、二日でさっささっさと通関しながら行っていくのに、日本に来るときに、また日本から出るときには二十日間もかかるんでしょうという不満を言われたそうですが、具体的にそれほど時間がかかっているんでしょうか。担当はどこですか。郵政大臣。
○大出国務大臣 お答えをいたします。 国際小包の発送につきましては、今のお話、時間がかかるというのでございますけれども、小包郵便物に関する約定というのが国際的に取り決められておりまして、これは国際取り決めてございます。ラベルをこう張るわけでございますが、どこの国も中身は同じでありまして、一つは送り状でございまして、一つは税関の告知書でございます。 したがって、これをやりまして、あと送達の、送る、また向こうから送ってくるという意味の送達ですが、これは日本もアメリカも日数は変わりません。同じでございます。同じようなのを逆に送ったりとったりしているわけでございますから。 そうすると、私どもの方は郵便物を引き受けた、つまり国際郵便物、外国郵便物を引き受け た。国外に発送する前に必ずこれは通関検査のために税関に交付しなければならないことになっておりますから、税関に交付する。これも中身いろいろございますから一概には言えません。言えませんが、どこの国もそうしているわけでございますけれども、そこから先は私の所管じゃございませんので、そこまでお答えをいたしておきます。
○加藤(紘)委員 大蔵大臣、どうぞ。
○武村国務大臣 事務当局から説明いたします。
○加藤(紘)委員 今、話は、要するに郵政省としてはちゃんと送るんだけれども、通関に時間がかかるから大蔵省の問題だという、簡単に言えばそういう趣旨でありました。担当者いませんか。――はい。それでは、これ、問題として残しておきます。国際小包に通関上余り時間がかかってはならぬのではないかという問題点です。 それではもう一つ、警察庁長官ないし自治大臣にお伺いしますが、日本で私たちは当たり前だと思っているけれども、外国人から見たらえっと驚くものがあります。えっと驚く高いものがあります。それは、運転免許を取るために使うお金です。十八歳になりますと、二十五万から三十万かかります。毎年二百五十万人がこの試験を受けていますが、アメリカで幾らかかるでしょう、ほかの国で幾らかかるでしょう。調べてみられたことありますか、警察庁。
○田中(節)政府委員 お答えいたします。 外国と日本の法制が違っておりますので、外国に日本と同様のいわゆる技能試験を免除する教習所がほとんどないという状況もございますけれども、例えて申しますと、私どもで持っておる資料でいたしますと、例えばドイツでございますが、これは十八万円ぐらい、日本円にいたしますと。それから、フランスは約九万円ぐらいでございます。ただ、これはいずれも教習所を卒業いたしましても、やはり警察といいますか、運転免許を発行する当局で技能試験も学科試験も両方とも受けなければならないというところは日本とは違っておるところでございます。アメリカは手元にはちょっと資料がございません、州によっても違いますので。ただ、アメリカは基本的には、国情が違いますし、国内状況も違いますので、教習所というような制度が余り見られないというふうに我々は承知をしております。
○加藤(紘)委員 私は、アメリカはよく、詳しく調べたわけでないのですが、いろいろな人から聞きますと十ドルぐらいです。アメリカは十ドルぐらいです。そして大体、高等学校のグラウンドで学校の先生が教えてくれて、そして道路に出て、出るときにお巡りさん、地元の警察の方に乗ってくれと言うと、ああ、おまえまだだめとか、大体いいねと言って、手数料十ドルか二十ドルで合格です。 法制が違うというのは、それは法律は違います。教習所制度があるかないかによって違うんですと言うのですが、教習所制度というのを日本が持っていることが特別だと思うのですね。 今大体、教習所に行かなきゃ受からないようになっていると国民は思っているのです。一発受験というのはありますよ。公安委員会の試験場に行って、直接行って受かる。これは技能のもう徹底した人間でなきゃ、よっぽどでないと受からない。昔は受かった。それでも、難しかったけれども受かった。私はそういうのを、実地試験免除のところでなく公安委員会で堂々と取った本物の免許なんです。でもなかなか難しくて、受かったときには本当に感激したものですが。 しかしその後、教習所に行かなきゃ受からぬものだとみんな思って、九五%の人が二十五万から三十万、それから、四十歳過ぎてから受けに行ったりすると年齢分万円かかる。それで、例えば五十歳の人が受けようと思うと五十万円ぐらいかかる、何度も落ちて。お金だけならいいけれども、それはサラリーマンが五十時間教習所に通ってごらんなさい。出世とまりますよ。 だから、どうしてこんな国になったんだということをアメリカの人に言われて、あっと思って、僕ら当たり前だと思っていますから。しかし、これはちょっと考えなきゃいかぬのじゃないでしょうか。アメリカと日本とどっちが運転免許、丁寧に教えなきゃならない国でしょう。交通局長いかがですか。
○田中(節)政府委員 お答えいたします。 道路事情その他いろいろ異なりますので一概には申せませんけれども、日本の場合、アメリカと異なりまして、道路が一般的に狭隘であるということ、それから混合交通の非常に多い、いろいろな道路、車の種類がまじっているということがございまして、例えばアメリカでは、高速道路というのが非常に発達しております。それにふさわしい技術、あるいは、日本のような混合交通の非常に盛んなところでの交通になりますと、おのずからそれに必要な技能、それから知識というものは異なると思いますけれども、一概にどちらが難しいということは言えないのではないかというふうに考えております。
○加藤(紘)委員 これはいろいろ議論がありまして、日本は狭いから丁寧に教えなきゃならぬ、だから三十時間、そして三十万円かかるという説もある。しかし、一万の意見は、アメリカというのは広いからスピードを出せる。百四、五十キロ、百五十キロで走るなんというのは当たり前なんですね。だから、一回事故を起こしたらもう徹底した事故になっちゃうから、アメリカの方が丁寧に教えなきゃならぬという議論もある。両方の議論があるのですよ。それはそうですね。 どなたにお聞きしてもいいのですが、経企庁長官、突然ですけれども、アメリカと日本とどっちが丁寧に運転免許、教育しなければならぬと思いますか。聞いてましたか。
○高村国務大臣 それぞれ丁寧に教えなければいけない理由があるのだろうと思います。
○加藤(紘)委員 運輸大臣、いかがですか。
○亀井国務大臣 残念なことですが、日本では毎年、今度の大震災の被害に遭われた方の倍の人命が交通事故で失われておるという非常に厳しい現実があると思います。それ以上に、アメリカにおいては御承知のように交通事故が多発をして多数の人命が失われている状況であります。 もちろん、簡単に免許証が取れるということはいいことでありますが、問題は、それだけの技術をやはりドライバーが身につけるという、そのためにどうしたらいいか。それで、もしむだな金がかかっておるのであれば、時間がかかっておるのであれば、これはその点を私は改革をしていかなければならぬと思いますけれども、一概に私は言えない面があるのではなかろうかなと、先ほどから政調会長の話を聞きながらそのように感じておりました。
○加藤(紘)委員 私は、ここで自治大臣に御提案申し上げたいと思います。 それは、それぞれの自治体が河川敷かどこかに運転の練習場をつくるということです。教習所の、経営している私の友人に聞いたんですけれども、何でお金がかかるか、もうかっているかというと、そうもうかりはしない。そうでしょう。それで、ほとんどの経費は人件費だ、運転を教える人の。それから、当然初心者というか、運転できない人が運転するわけですから、めちゃくちゃに車が壊れる。車の償却費と教官の人件費である。 そうなれば、十八歳の息子や娘に親が、運転練習していい場所で、自分の時間を使って、自分の車を壊しでもいいから教えてやればいいんじゃないかと思います。そして、公安委員会の試験場で一発で、また二発でというか、直接行って受ける。それは亀井さんがおっしゃるように、日本は丁寧に習ってもらわなきゃならぬから、それは試験難しいかもしれぬ。試験を難しくしてもいいわけです。学科も、実地も。 だから問題は、そういう練習場をつくれるか。そこは私は、例えば私の地元の山形県鶴岡市だったら、ああ、あそこの河川敷にどれぐらいつくれるな、それで、その費用は五百万ぐらいあればコンクリートブロックを置けるなというふうにすぐ思っちゃうわけで、できるんだと思いますね。ですから、自治体がそういうことの場所をちゃんとつくるかどうかというのは、やはり、一つは実地試験免除の自動車学校に対する気兼ねもあると思うのですが、それからそこに働いている人の問題もあります。 だから、急にはできないけれども、十八歳の子供たちが三十万使わなきゃ運転免許を取れない国は少し異常かもしれぬ、そこを徐々にでいいから直すという発想にならぬといかぬのだと思いますが、私の提案について、自治大臣、いかがでしょうか。
○野中国務大臣 今御指摘のように、我が国の運転免許の取り方は二つあるわけでございまして、一つは、民間のそれぞれ教習所で練習をして、さらにこれが公安委員会の運転免許試験場で取る方法、それから、委員おっしゃいましたように、道路以外の広場で自由練習をして取る方法の二つがあるわけでございます。それぞれの自治体が判断をされまして、例えば自治省のふるさとづくり等でそういう事業をおやりになることは可能でございますけれども、現在公安委員会がやっておりますのは、それぞれ公安委員会がやっております運転免許試験場を一部自由練習に開放をしておる府県があるわけでございまして、運転免許を取るために安価にやりたい人のために、こういう練習場のための広場をそれぞれ運転免許試験場を開放していくというのが今の当面の私どもの仕事ではなかろうか。それぞれ民間で教習所を経営しておられる皆さんのことも考えながら、また、今大体十六万円から三十四万円ぐらいだと私聞いております。まあ、人件費あるいは車代、地域地域によって異なりますから、そう一概に高いとは言えないわけでございますけれども、今委員御指摘のようなこともございますので、先ほど申しましたように、運転免許試験場の一部開放について公安委員会としては積極的に検討をしてまいりたいと考えております。
○加藤(紘)委員 私たちは与党として、この行政改革、規制緩和、そしてこれはアメリカからも大分強く要望されていることであり、国際問題としてもしっかりやらなければならぬと思っています。私は、包括協議よりSII、つまり構造協議の方が正しい道であったと思うし、今そっちの方に少し戻りつつあって、この規制緩和が一番重要なポイントに来ているような気がいたしますので、どうぞ政府としても頑張っていただきたいし、私たち与党もいろいろ申し上げたいと思います。 新しい時代に向かって変化をしていかなければならないことは、大変大きな、難しいことですけれども、私は、村山首相が本当に自信を持ってどしどしと進めていただきたい。我々与党としてしっかりとバックアップいたしますから、御健闘をお祈りして質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 これにて加藤君の質疑は終了いたしました。 次に、池端清一君。
○池端委員 日本社会党・護憲民主連合の池端清一でございます。 私は、冒頭、あの大災害によって無念のうちにとうとい命を奪われましたみたまに対し、心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈り申し上げるものでございます。また今、寒い中、本当に歯を食いしばって頑張っておられる、再建のために頑張っておられる罹災者の皆さんに対しましても心からお見舞い申し上げますと同時に、自治体職員の皆さんや自衛隊の皆さん、消防あるいは警察の皆さん、またボランティアの皆さん、そして他府県からもたくさんの応援をいただいております皆さんの御労苦に対しても心から感謝を申し上げる次第でございます。 昨日の当委員会の質疑におきまして、自由民主党の深谷委員が、今般の阪神大震災という未曾有の災害はまさに国難である、こういうふうに言われました。私も全く同感でございます。この国難をはねのけるためにはどうしたらいいか。それは、政府も国会も、そして自治体も、あるいはNGOの皆さん、ボランティアの皆さんも、心と力を合わせ、知恵を出し合って、もちろん金も出していかなければなりませんが、本当に総ぐるみで、総力を結集し頑張っていかなければならないと思うのであります。 私は、一昨年の八月から去年の九月まで本院の災害対策特別委員会の委員長を仰せつかっておりました。一昨年は、北海道再西沖地震を初め、もう災害に次ぐ災害でございました。我々特別委員会は、本当に東奔西走、南船北馬という連日でございました。 ここで私が学んだことは、この災害、寺田寅彦博士は災害は忘れたころにやってくると言っておりますが、私は、決してそうではない、災害というものは必ず忘れないでやってくる、こういうことを実は学んだわけでございますし、また、災害対策については党派の別を超えて、与党も野党もない、超党派でやはりこれは進めなければならない、いやしくも災害を政争の具に供してはならない、こういうことを学んだわけでございます。 村山総理、大変連日御苦労でございます。御心労のことと思います。また、閣僚の皆さんも本当に御苦労でございますが、我々国会も力いっぱい皆さん方と一体となって頑張ってまいりますから、どうか、不可能を可能とするような、そういう不退転の決意で頑張っていただきたい、このことを心からお願いを申し上げる次第でございます。 昔から、山を治め水を治める者が国を治める、こういうふうに言われておりますが、本当に災害からこのかけがえのない国土を守る、そして国民の大事な生命財産を守るということは、国政の基本、かなめであると思うわけでございます。 そのためには、きのう来いろいろ御答弁ありましたように、第二次補正も組む、あるいは来年度予算においても補正を組む、あるいは場合によっては超法規的措置もとっていく、特別立法も措置をする、こういうような施策を具体的に進めていっていただきたい、こう思うわけでございますが、とりわけ災害に強い国づくり、町づくり、そして、今度被災に遭われた皆さん方も高齢者の皆さんが非常に多いようでございます。こういった高齢者の皆さんや障害者の皆さんに優しい町づくり、国づくりというものがやはり今緊急の課題になっているのではないか、こういうふうに思うわけでございます。 昨年の十月、公共投資基本計画、六百三十兆円という額の公共投資基本計画が閣議で了承をされたわけでございますが、私は、この際、この大震災の教訓に学び、この公共投資基本計画の抜本的見直し、これがあってしかるべきではないか、このように考えるわけでございますが、所信のほどを承りたいと思います。
○高村国務大臣 公共投資基本計画の中には、自然災害を未然に防止するとか、あるいは高齢者、障害者が住みなれた家庭、地域で安心して生活できるよう、そういった基本的考え方が明記されているわけであります。こうした基本的考え方に基づいて、災害に強い、そしてお年寄りに、障害者に優しい町づくりをやっていけるものだ、こういうふうに考えております。
○池端委員 昨日来から縦割り行政の弊害というものがいろいろ各委員から指摘をされております。これは言われて久しいわけでございますが、私は、イギリスの地質学者でありますハッドフィールドさん、三年前に「東京ハ六十秒で崩壊する!」という極めてショッキングな御本を出しております。その本の中に、例えば、日本では地震の場合、 スプリンクラー・システムの機能停止は消防庁の責任だが、それがパイプの破損だけなら、建設省の問題ということになってしまう。また安全な場所に避難する場合、人々は警察庁が立てた避難計画に従うが、避難途中で有毒ガスに襲われた場合、厚生省がなんとかすることになっている。 災害勃発の際には各省庁、各機関は、それぞれのスタッフが立てたそれぞれの計画に基づいて行動することになる。戦略全体を調整したり 引き受けたりする民間防衛計画はない。こういう指摘があるわけでございます。 この指摘をまつまでもなく、やはり私は、今日この日本の縦割り行政、官僚の皆さんは極めて優秀であるけれども、この縦割り行政というものをやはり是正すること、これが大事ではないか、こういうふうに考えるわけでございます。 また、私は、昨年一月の十七日、ちょうど一年前に発生をいたしましたロサンゼルス・ノースリッジ地震の災害調査のために、きのうも御発言がありましたけれども、団長として現地に赴いてまいりました。そして、そこで連邦緊急事態管理庁の皆さんと長い時間にわたってディスカッションをやってまいりました。その結果、実はこういう議員団の報告書というものをまとめてあるわけでございます。これは土井議長に提出してありますので、お暇な折にはぜひ見ていただきたい。 そこには、極めて参考になることが書かれているわけでございます。我々とのディスカッションの中で言われたわけでありますが、対応を素早く行い、地震が起きてから数時間の間に極めてアグレッシブに対応に取り組み、実際よりも状況がひどいという想定に立って対応をすることが肝要である、こういうこと等も述べられております。その他教訓的な事項も幾つかございますので、ぜひこれは今後の対策のために役立てていただきたい。 しかし、私、報告書を取りまとめた段階でそれが生かされなかったということを立法府の一員として自戒の念を持って実は申し上げているわけでございますが、これら縦割り行政の弊害、あるいはきのうから言われております緊急時における対応、こういう態勢について、いろいろお話ありましたけれども、改めてこの問題について総理からお伺いをしたいと思います。
○村山内閣総理大臣 今、池端委員から、こうした大災害に取り組む場合に、個々の所管事項にばらばらで取り組むような縦割り行政では、本当の意味で救援活動なりあるいは復旧、復興活動に大きな支障を来すのではないかという意味の御指摘があったと思います。 これはもう極めて大事なことでありますから、そうしたこれまでの過去の経験をやっぱり踏まえて、今回の場合には地震に対する担当の大臣を決めて、その担当大臣のもとに各省からスタッフを出してもらって、そして一元的に全体として取り組めるような、横の連携が十分とれて一体となって対策が講じられるような、そういう仕組みというものもやっぱり考えてきたわけでありますから、その縦割り行政の弊害は何としても除去しながら取り組んでいかなければならぬ。これは単に災害対策だけではなくて、これからの行政全体のあり方としてもやっぱり是正すべきものはきちっと是正するということが大事ではないか、そういう決意で取り組んでまいりたいというふうに思います。
○池端委員 昨年の六月、自民、社会、さきがけ、三党による連立政権が発足し、村山政権が誕生したわけでございます。当初は、水と油の政権ではないか、野合政権ではないか、こういうような御批判がありましたけれども、三党はそれぞれ合意事項に基づいて、三党のそれぞれの持ち味を生かして、今日まで非常に激動、激変の政局、これに対処してきたと私は思うわけでございまして、その御労苦を私は多とするものでございます。時には痛みを伴う苦渋の選択もあったことも事実でありますけれども、懸案事項解決のために大変なエネルギーを、村山総理以下、閣僚が注がれてきた。その御努力を私は本当に国民が評価をしてくれる、このように思うわけでございます。 私は、先般の施政方針演説で、村山総理、ことしは戦後五十年という節目の年であるということを述べられまして、その戦後五十年に当たっての決意を述べられました。 あの五十年前、廃墟と飢餓の中から立ち上がった。あの混乱の中から立ち上がって、ひたすら人間機関車のように突っ走ってきた。そして、今日の日本の繁栄というものを築いてきたこの歴史というものを私は学んでいかなければならない。しかし、単に学ぶではなくて、そこから新しいものをつくっていく。温故知新という言葉がありますが、この間ある人から、いや、温故知新ではだめよ、温故創新だ、古きをたずねて新しきをつくる、こういう立場でいけ、こういうふうに言われましたけれども、ひとつ戦後五十周年に当たっての総理の改めてのこれからの抱負、所信というものをお聞かせをいただきたい、こう思うわけです。
○村山内閣総理大臣 今池端委員から力強い激励のお言葉もいただきました。 言われますように、村山政権が創立をしてちょうど六カ月経過したわけでありますけれども、私はもう何よりもやっぱりこの連立政権のよさは、今お話もございましたように、これは理念も政策も違う政党が一つの政権を連立して組んでいるわけです。それだけに、お互いに遠慮し合って物事を決めていくというのではなくて、お互いの持っておる持ち味やよさを積極的に反映しながら、そして真剣な議論の中から透明度の高い民主的な運営によって一応の結論を出していく。その結論というのは、ある意味からすると、価値観の多様化した国民の声を反映した一つのコンセンサスではないかというふうに私は思うわけでありますけれども、そういう連立政権の持っているよさというものを最大限に発揮をしていくことが、一つは私はやはりこの政権の使命ではないかというふうに考えています。 今、温故知新ではなくて温故創新だというお言葉もございましたけれども、これからは五十年のこの歴史というものをしっかり踏まえて、二十一世紀に向けて新しい創造の社会をつくっていくという決意でいろいろな部面において取り組んでいきたいというふうに思うのですが、私の施政方針演説の中で四つの創造というものを提起いたしておりまするけれども、その決意で取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
○池端委員 次に、軍縮の推進と今後の防衛力整備のあり方について、一、二お尋ねをしたいと思います。 軍縮を進めるということは三党合意事項でも盛られている内容でございますが、平成七年度の防衛予算の政府案におきましても、当初、去年の夏に与党三党で合意いたしました前年度比〇・九%増というものをさらに切り込んで、〇・八五五%増に抑えた。これはやはり軍縮の問題として、村山内閣の軍縮姿勢を示すものとして、私は評価をするにやぶさかではございません。 時あたかも、来年度は現行の中期防衛力整備計画を終了することにもなっております。したがって、この冷戦後の国際情勢を踏まえ、さらに今般のこの阪神大震災を、この状況を踏まえて、防衛力のあり方そのものについて見直しが必要ではないか、こう思いますけれども、総理の防衛力整備の基本方向についての認識を承りたいと思います。
○村山内閣総理大臣 もうこれは申し上げるまでもありませんけれども、我が国は平和憲法のもとで専守防衛に徹し、他国に脅威を与えないような、軍事大国にはならないということを基本理念にして、日米安保体制の堅持とともに文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ節度ある防衛力を自主的に整備してきたところでございますが、かかる我が国の基本方針を今後ともかたく堅持をしてまいりたいというふうに思っております。 今お話がございましたように、防衛計画の見直しにつきましては、我が国としては周辺諸国との信頼関係の構築を進めながら今後の我が国の防衛力のあり方について検討を行っているところでございますが、これについては、冷戦後の国際情勢の変化、国際社会における軍備管理・軍縮に向けての努力、あるいは将来における我が国の人的資源の制約の増大、科学技術の進歩、さらにまた一層深刻化しつつある財政事情等々も考えながら、全体として国際的にも軍縮の方向に向いているわけですから、そういう心がけで防衛計画大綱というものも見直しをしていく必要があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○池端委員 今般の阪神大震災における自衛隊の皆さんの御労苦に対しては、本当に心から感謝を申し上げるものでございます。しかし、災害救助活動への対応を強化するというためには、現行の自衛隊の装備や訓練のあり方についてもこれは見直す必要があるのではないか、私はそのように考えておるわけでございますが、今度の阪神大震災の経験に照らして防衛庁長官としてはどのようにお考えであるか、所信のほどを承りたいと思います。
○玉沢国務大臣 自衛隊は、災害派遣時におきましては、状況把握に活用し得る観測ヘリ、偵察機等の航空機、人員、物資の輸送に活用し得るトラック、多用途ヘリ、輸送ヘリ、輸送機等の航空機及び補給艦、輸送艦等の艦艇、その他施設作業、宿泊、医療、給食等の各種ニーズに対応し得るドーザー、天幕、救急車、野外手術システム、水タンク車、野外炊具、野外入浴セット等の装備品を保有をいたしております。いざ災害、こういうことになった場合におきましては、都道府県知事の要請に基づきまして、今回におきましても、これらすべてを動員をいたしまして、災害救助のために全力を尽くしているところでございます。 そこで、今後のことでございますけれども、やはり大震災というような今回の災害でございます。この場合は、やはり一つの都道府県のみならず、広範囲にわたるわけでございますから、関東南地域とかそれから東海地域、それに匹敵するような大震災の計画を立てまして、そして、それに応じまして自衛隊も随時訓練をいたしまして、常に即応態勢をとりながら、国民の生命財産を守るように万全を期す、こういうことが必要ではないか、こう考える次第であります。
○池端委員 けさほど来のこの委員会での質疑をお聞きしていますと、自衛隊法八十三条による災害派遣に関して、何か社会党が及び腰であるかのような発言がございました。これはとんでもない考え違いでございまして、私どもは、自衛隊の災害派遣、本当に感謝こそすれ、これを否定したことはございません。社会党の体質が残っているからこういう状況になったということについては、公党の名誉のために、そして我が党委員長の村山総理のためにもあえてこのことを申し上げておきたい、このように思うわけでございます。 特に私は、北海道南西沖地震の経験をちょっと申し上げてみたいのでありますが、平成五年七月十二日の二十二時十七分にあの地震が発生をいたしました。ちょうど我々、選挙の最中でありました、二十二時十七分。それに対して、北海道の横路知事が自衛隊に派遣を要請したのは、その十八分後の二十二時三十五分でございます。これはやはり常日ごろ、これは私、市川委員の発言に賛成なのですが、日ごろから自治体と消防、警察、それから自衛隊が一体となってチームを組んで訓練をしてきた、その成果があらわれたものだ、こういうふうに思うのです。やればできるのであります。やはり、このことを重視して取り組む必要がある、このように思うわけでございます。 そこで、この自衛隊法八十三条に基づく災害派遣に関して、第二項のただし書きによって都道府県知事の要請がなくても自衛隊部隊の災害派遣ができるように、これは法律上なっているわけでございます。しかし、このことに対する、機動的な対応をするための要件整備がない、これはもう事実でございます。したがって、全国規模の防災計画の作成、整備というものが、急務ではないか。それがあれば、仮に都道府県知事の要請がなくても自衛隊の災害派遣ができる、こういう道が法律上あるわけでございますので、この要件整備をぜひ図るべきではないか。これは、与党三党の防衛調整会議でもこのような結論を出しておりますので、その方針に基づいて対応をしていただきたい、私はこう思うのです。
○小里国務大臣 まず、先生も、今次の災害に対しまして、大変大きな規模で、しかも与えられた条件の中で最大の出動態勢を組んでいただいてそして精いっぱいやっていただいた、このことは本当に高く評価いただきまして、また私どもも感謝を申し上げておるところでございます。 しかも、先生がただいま法令に触れましてお話してございましたが、御承知いただいておると思うのでございますが、日ごろ各都道府県のいわゆる防災会議に自衛隊も、陸上自衛隊が主でございますが、委員として御参加をいただいております。そして、日ごろその会議におきまして、貴重な御意見をいただき、防災計画を各都道府県が立てておるわけです。 しかもまだ、日ごろの防災訓練にも参加をいただいておりまして、兵庫県も、例えて申し上げますと、八月の四日でございますが、昨年の防災訓練にも自衛隊が御参加をいただきまして、御協力を賜っております。 今後の問題でございますが、今次のこの貴重な経験を生かしまして、いろいろ先刻議論がございました危機管理の諸問題、あるいは自衛隊がお持ちになっているその組織力を最大に活用させていただく、それらの観点から実は直ちに、防災計画を見直そうというようなことで、昨夜、その議長は村山総理大臣でございますが、中央防災会議が開かれました。そして、先ほど先生が御指摘になりましたその防災計画を見直そうということで、既にその作業に入ったところでございます。 経過からいたしますと、おくればせながらという感じがいたすわけでございますけれども、今次の貴重なこの経験を厳粛に私どもは重大な教訓として、そして際立った対応策を講じていかなければならない、そのような姿勢でございますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
○池端委員 特段の御努力をお願いを申し上げるものでございます。 次に、厚生大臣、少子・高齢化対策について一、二お尋ねをしたいと思うわけでございます。 高齢社会の到来が言われて久しいものがございます。既に我が国の高齢化率は一四%を超えました。二十一世紀に入りますと、四人に一人が六十五歳以上のお年寄り、こういうことでございます。それに伴って、寝たきりのお年寄りや痴呆のお年寄りの介護の問題が非常に重大な問題として出てきているわけでございます。 全国の市町村や都道府県では、ことしの六年度から老人保健福祉計画を作成いたしまして、特別養護老人ホーム等の整備をスタートさせようとしたわけでありますが、予算の関係上、十分市町村や都道府県の要望が満たされなかった。非常にそういうことでの御批判が強いわけでございますが、この点については今度の補正予算なり来年度予算でどのように措置をされているのか、具体的にお尋ねをしたいと思うのであります。 それから、いよいよ平成七年度から新ゴールドプラン、ニューゴールドプランがスタートすることになりました。ただ、この内容でございますけれども、当初厚生省が示した案よりも若干後退している、こういうふうに言われております。 例えばホームヘルパーは、厚生省案では二十万人でございましたけれども今度のプランでは十七万人、こうなっております。さらに特養については三十万人分となっておったものが新ゴールドプランでは二十九万人、こういうふうに数字の間に開きが見られる、乖離があるわけでございます。 果たしてこれで十分なのか、十分市町村やあるいはお年寄りの皆さん方の御要望にこたえることができるのかどうかという、実は危惧、不安の念がございますので、この点についても厚生大臣の見解を承りたいと思います。
○井出国務大臣 お答えをいたします。 まず最初に、昨年、大変各自治体から御要望が強くて、厚生省が最初に考えておったよりはずっと採択数がふえてしまいまして、いわゆる二・八問題といいましょうか、ことしへ、次の年へ継続してやっていただくというようなことをしたわけでございますが、平成七年度の予算編成に際しましては、六年度の補正予算分を含めて公費千九百六十億円の財源が措置されました。これは、このたびの税制改革に際して、最初は与党からお示しいただいた一千億円の約二倍の額が措置されることになり、大蔵、自治大臣の御了解も得たわけであります。この際、大変先生方にお世話になったことを改めて御礼を申し上げますが、これは、各自治体で既に実施に移されております老人保健福祉計画上の事業に伴う大幅な需要増に適切に対応するため、所要額を補正予算で対応することとしたものでございまして、今申し上げました二カ年の継続事業とした特別養護老人ホーム等の施設整備を初め、地方老人保健福祉計画に基づく自治体の御要望はこの額で、今年度分で十分対応できると思います。 ただ、先生御指摘のように、当初厚生省の方からお示しいたしました新ゴールドプランと、今度七年度からの計画、少し満たないものがございます。が、しかし、これは全国の地方自治体で作成をしていただいた老人保健福祉計画に掲げられた整備目標の集計結果を踏まえて策定したものでございますから、この計画に示された地域のニーズには十分こたえることができるものと考えております。今後その着実な推進を図ることによりまして、老人保健福祉計画に基づく地方自治体の取り組みを全力を挙げて支援していきたい、こう考えております。 ただ、今度の税制改革では、御案内のように社会保障等に要する費用の確保についてまた検討することになっておりますから、今後取り組むべき施策の基本的な枠組みに基づくサービス基盤の整備とあわせまして、整備目標のさらなる充実についても取り組んでまいるつもりでございます。ぜひそのときにはまたお力添えをいただきたいと思います。
○池端委員 従来のゴールドプランは、どちらかというと量的な拡充に重きを置いておった。これからやはり質を求めていく時代ではないか。例えば特別養護老人ホームを、四人部屋というようなもの、これではプライバシーを守れません。あるいはホームヘルパーさんについても、ニーズによっては昼間でも夜でも利用できるようなこういう体制をつくっていく、質的な充実というものが求められているのではないか、こう思うのでありますが、その辺の改善の道はどうでしょうか。
○井出国務大臣 御指摘のとおりだと思います。 この七年度からスタートする新ゴールドプランにおきましても、施設・在宅サービスの質の向上あるいは痴呆性老人対策の総合的実施等を内容とした今後取り組むべき施策の基本的枠組みを策定いたしまして、質的充実を進めることとしたところでございまして、これを受けて、今年度予算におきましては、二十四時間対応ヘルパーの創設や個室化を進めやすくするための特別養護老人ホームの面積改善等の施策も盛り込んだところでありますが、まだまだスタートしたばかりでございまして、主としてまだ量的な確保をとりあえず目標としておりますが、これからはまさに、それがある程度見通しがついた暁には今度は質的な充実をしていかなくちゃならぬ、こう考えております。
○池端委員 エンゼルプランについてもお尋ねをしようと思ったのですが、与えられた時間があと六分少々でございます。これは別の機会にすることにいたしまして、最後に部落解放基本法の問題とアイヌ新法の問題についてお尋ねをして、私の質問を終えたいと思うわけでございます。 まず、部落解放基本法の問題でありますが、三十年前、内閣同和対策審議会答申において、許しがたい社会悪である、こういうふうに明確に指摘されております部落問題については、その後四半世紀に及ぶいろいろな取り組みの中で改善は行われておりますけれども、しかしまだなお道遠し、こういう状況でございます。 この問題について、総理の部落差別の実態に対する基本的な認識を承りたいと思います。――官房長官でも結構です。
○五十嵐国務大臣 これは先般、総理が本会議場でもお答えを申し上げているところでございますが、憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題であるという認識のもとで、政府としては現行の地対財特法に基づきまして、啓発等の各般の事業を積極的に推進することで同和問題の早期解決に努力しているところでありますことは御承知のとおりであります。 同和問題の早期解決に向けた方策のあり方につきましては、現在政府が取りまとめ中である同和地区実態把握等調査の結果を踏まえて、地域改善対策協議会に設置されている総括部会で引き続き精力的に審議を進めていただきたい、こういうことになっている次第でございます。 また、与党の人権差別問題に関するプロジェクトチームで、これも与党問で熱心な御論議をいただいていますので、この論議の動向にも十分な関心を持って対応したい、このように考えている次第であります。
○池端委員 ただいま五十嵐官房長官から御答弁がありましたように、現在、与党の人権と差別問題に関するプロジェクトでこの問題は検討中でございますが、私は、やはり部落解放基本法の制定こそが現実的なものである、こういうふうに考えております。ひとつ、「人にやさしい政治」を標榜する村山政権としては、ぜひ英断を持ってこの措置を講じてもらいたいということを強く要望しておきたいと思います。 次に、アイヌ新法問題でありますが、先般、与党の政策調整会議のもとでアイヌ新法検討プロジェクトチームが設置をされました。 十二月二十二日に、五十嵐官房長官に対して、ぜひ官房長官のもとで私的諮問機関である懇談会を設置して、新法の制定を含むアイヌ問題について、ウタリ問題について、ひとつ早急な検討を進めてもらいたいと強く要望したところでございますが、まだ御返事がございません。きょう、実は御返事を聞かせてもらいたい、こう思います。
○五十嵐国務大臣 池端委員を初めとして、プロジェクトチームの皆さんが大変熱心にお取り組みをいただきまして、この前、三党のチームから、お話しのように、官房長官の手元に、この際、アイヌ問題に関する懇話会をつくって、法問題を含めて各般の問題についてしっかりひとつ討議をしてみてはどうか、そしてなるべく早く方向を固めよ、こういうようなお申し入れがございまして、三党一致しての与党のそういうお申し入れでもございますし、私といたしましては、私の手元にそのような懇話会のようなものを設けて、専門家等を中心にしっかり勉強をいたしたい、このように考えている次第であります。
○池端委員 阪神大震災という未曾有の災害に直面して作業もおくれていることは十分理解はいたします。しかし、これは、事は単なる北海道のローカルの問題ではございません。事柄は人権の問題であり、民族の問題でございます。そういうことをきっちり踏まえていただいて対処していただきたいということを強く強く求めておきたいと思います。 どうか村山総理初め閣僚の皆さん、厳しい日々が続きますが、我々もがっちり支えてまいります。ひとつ政府・与党一体となって、この難局を切り抜けるためにともに頑張り合うことを誓い合って、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 この際、佐々木秀典君から関連質疑の申し出があります。池端君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐々木秀典君。
○佐々木(秀)委員 日本社会党・護憲民主連合の佐々木秀典であります。 ことしは戦争を終えて五十年の年に当たります。しかし、その年の正月冒頭に阪神大震災が起こりまして、五十年前の空襲とも見まごうような大変な大災害になり、それに匹敵するような犠牲者の方々が出られたことは本当に残念でなりません。この場から改めまして亡くなられた多くの方々にお悔やみを申し上げますとともに、遺族の方々にも弔意の意を表したいと思います。そして、日夜を分かたず頑張っておられる皆さんにどうか頑張ってもらいたい。そして、救援のために懸命の努力をされておられるすべての皆さんに感謝と敬意の意を表したいと思います。 そこで、昨年の六月、村山政権誕生に当たりまして与党三党間では合意が成立しております。この合意の中では、「過去の戦争を反省し、未来の平和への決意を表明する国会決議の採択などに積極的に取り組む。」ということが明記をされているわけであります。その後、与党三党間では五十年問題のプロジェクトができまして、ここでは、それぞれの各党、いろいろな思いの違いがあることを承知しながら、大変な努力を重ねてこれを調整し、そしてその結果、長年にわたって懸案であった被爆者援護法、この制定を実現させましたし、また、その他の戦後処理の問題についても今大きな前進を見ようとしております。今回の予算の中でもそのことがあらわれておる、このことは私どもとしても評価すべきことだと思っております。 そこで、この機会に、八月十五日を前にして、今度の通常国会においてこの三党合意の趣旨に沿う不戦の決意をあらわす国会決議、これをぜひ採択したいものだ。これは野党の皆さん方の御理解と御協力もいただいて、満場一致で何とか成立させたい、こんなふうに思うところでございます。 つきましては、与党各党の党首であります総理、河野外務大臣、それから武村大蔵大臣にそれぞれ御決意なり御所見を伺いたいと思います。
○村山内閣総理大臣 国会決議につきましては、これは国会御自身がお決めになることでありますから、今行政府におる私の立場から申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、しかし、今お話もございましたように、戦後五十周年を抑えて、私は国民全体が、我が国がこれまでとってきた侵略行為やあるいは植民地等が関係諸国の皆さんに耐えがたい苦しみと悲しみと傷跡を残してきておる、この現実というものはやっぱりしっかり踏まえて、そして、日本は再び軍事大国にならない、平和に徹した国になるんだという反戦の決意を固めていって、平和友好のために一層この決意を固めた立場で努力をする必要があるというふうに思うんです。 昨年八月に私は談話を出しまして、これから平和友好交流計画や戦後処理の問題等にも、そのためにも積極的に取り組んでいきたい、こういう決意を表明いたしましたけれども、その決意でもってこれからも取り組んでいきたいというふうに思っております。
○河野国務大臣 第二次世界大戦が終わって五十年、国の内外でさまざまな行事が計画をされております。国際的にももう随分たくさんの行事が、例えばアメリカの国内でもございますし、ヨーロッパでもございますし、アジアの地域にもございます。 日本の国内でも、この五十年を迎えるに当たって、一人一人がそれぞれさまざまな思いでこの五十年を迎えているというふうに思います。その思いは、その濃淡もあり、また置かれた場所によっても思いに違いもありますけれども、我々は平和に徹していかなければならないというこの誓いは、国民共通のものであるというふうに考えております。それは、国の憲法にもその考え方は明確に出ているところであろうと思います。こうした考え方を大事にしながら我々はきょうまで生きてまいりました。 今、佐々木議員から御提案のありました問題につきましては、総理からもお話がございましたように、まずは、こういう言い方はどうかと思いますけれども、院の御判断というものについて行政の席に座っている者があれこれ指図がましいことを言うことは差し控えなければならないと思いますが、三党の合意の気持ちを大事にしながら、ぜひひとつ十分話し合っていっていただきたいと考えている次第でございます。
○武村国務大臣 五十年という区切りの年でございますから、改めて過去をしっかり見詰めて、そして将来に備える、将来をしっかり考えるということは大変大事なことだと思います。 おっしゃる不戦の決意というのは、先ほど来議論がありました日本の憲法のまさに基本精神そのものであります。我々のこの憲法の一番大事にしていこうとする平和主義の基本理念を改めてかみしめながら、これからの五十年に向かって再出発を決意することは、一国会議員としては賛成であります。
○佐々木(秀)委員 それぞれから御決意のほどを承りました。私たちも、何とか野党の皆さんの御理解もいただきながら、国会としての今お聞きをしましたような決議を体現したいものだと考えておりますので、党首としてのお立場で、また一層の御指導をお願いできればと思っております。 次に、農業についての政策と予算についてお尋ねをいたしたいと思います。 御承知のように、一昨年の暮れ、細川内閣が苦渋のうちにガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意を受け入れましたし、それからまた、さきの臨時国会ではWTOの協定も承認されたところであります。その結果、ほとんどすべての農畜産物が市場開放されて、恐らくそれらの物の輸入は増大の一途を今後たどってくるだろう。それによる影響というのは、生産者に対してはかり知れないだけではなくて、食糧の安全性に大きな関心を寄せる消費者の皆さんにも不安を与えかねないものだろう、こう考えております。 そこで、私たちは、これに対してしっかりした国内の関連対策をつくること、それを実行するような予算を確保すべきことを主張してまいりました。 今般政府は、この関連対策事業費として、今後六年間で六兆一百億円を計上いたしました。初年度分として六年度補正で四千四百七十四億円、七年度当初では一千七十一億円の合計五千五百四十五億円が計上されております。 これに対しましてはいろいろな御意見がありまして、特に消費者のサイドなどから、これは生産者寄りの後ろ向きの予算だとか、あるいはばらまきの政策だとかという批判がございます。確かに、一般会計の今年度の農林水産予算三兆五千四百億ですから、金額的には相当大きなものだという印象があるかもしれない。しかしながら、その一方で、生産者のサイドからも、果たしてこれが農業者の生産意欲をかき立てるのに役立つのかという疑念を呈する方もおられるわけであります。 どうしてこういう批判が出てくるのだろうかと考えますと、この原因は、やはり政府として今後の我が国の農業のあるべき姿というものが必ずしも国民の皆さんの前に具体的に明らかになっていないからではなかろうか。食糧、農業、農村に対する国民のコンセンサスというものがまだ確立されていないのでないかということを考えざるを得ないのであります。その確立のためには、どうしても生産者、消費者、双方に共感を呼ぶような理念と哲学に基づいた新しい視点に立った食糧、農業、農村政策を提起する必要があるのではないか、こんなふうに考えられるわけです。 そこで、具体的な問題につきましては恐らく農林水産委員会でもこれからまた討議が続けられると思いますが、現段階で政府はこうした現状をどのように把握されておられ、そしてまた、今回の対策と予算について国民の皆さんに広く御理解を求めるような努力をどういうようにされようとしているのか、その基本的なところについて総理とそれから農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
○大河原国務大臣 佐々木委員の御指摘の点でございますけれども、昨年のWTOの特別委員会において、国内対策の御論議でも、この点については繰り返し繰り返し御答弁を申し上げているところでございまして、おっしゃるとおり、ウルグアイ・ラウンドの農業協定の受け入れに伴う直接の影響はもちろんのことでございますが、二十一世紀に向けての農業の自立、農村の活性化という点についての国内対策を講じたつもりでございますが、特にその際に、何と申しますか、農業外の各般の御批判もございました。 それについては、やはり農業なり農政が消費者に対する食糧の安定供給、あるいは良質、新鮮、安全、そういうものの供給に対して今後消費者と連携をして発展していくんだ、あるいは農政も目線をそれに合わせるんだというような点についての従来の努力が不足しておったわけでございまして、国内対策では特に消費者との共生ということを強調しておるわけでございます。 そのようなことによりまして、ただいまの御指摘の御懸念を払い、農業が国民全体のものだというような意識をと申しますか、コンセンサスを確立していきたい、さように思っておるところでございます。
○村山内閣総理大臣 今、農林大臣からお話がございましたことで尽きるんではないかと思いますけれども、私は、ウルグアイ・ラウンド合意を受け入れた後の国際環境の厳しさの中で、これから日本の農業、農村をどう守っていくかということは大変やはり大きな課題だと思いますね。 これはいつも言うんですけれども、単に農村、農業だけの問題ではなくて、国民全体が考えなきゃならぬ課題だ。どのような事態になろうとも、安全な食糧を安定的に供給できるような体制というものをつくっていくことは大事なことだし、同時に、それは単に生産者だけではなくて消費者の立場にとっても大事なことだし、同時に、農村というのは単に食糧を生産しているというだけではなくて、やはり自然環境を守るとか水の問題とか、いろいろな意味で公益的な役割も果たしておるというようなことを考えた場合に、その農村をどう守っていくかというのも大事な国民的な課題だというふうに理解をして、そういう立場から私どもはこれからの農業政策というものを考える必要があるというふうに思っております。
○佐々木(秀)委員 ありがとうございました。 ただいまの総理のお話を聞いて、私は大変心強く思っております。農業というのはまさに多面的な機能があります。単なる食糧の生産、提供というだけではなくて、環境の保全の問題もありますし、それからまた、農業がだめになるとその地域がだめになるという問題もあります。それからまた、新たなるリゾートとしての役割もあります。そうした多面的な機能を生かしながら、今生産者が意欲を持って取り組んでいけるようなそういう農業政策の展開でなければならないし、また、それを生かすような私は農業予算でなければならなかろうと思っております。 具体的にはまたこれからも議論をさせていただきたいと思っておりますので、しっかりとこの点を国民の皆さんに、消費者の方々を含めて御理解いただけるようにお願いをしたいと思います。 そこで、時間が余りありませんけれども、地震関連の問題について少しくお聞きをしたいと思います。 きのう、大変に今差し迫った救援の問題でいろいろな対策が立てられている、それについてのやりとりがございました。仮住居の確保の問題というのが一番差し迫っていると思いますけれども、この辺については多少時間がなくなりましたものですから、先に別の問題を一つ質問させていただきたいと思いますが、これが一段落いたしますと、この土地の利用の問題というのは当然出てくることになると思います。再開発の問題とも絡んでまいりますけれども、一つはそれぞれの土地の所有権の問題、それから借地権の問題、借家権の問題。きのう罹災都市借地借家臨時処理法の適用についてもお話がございました。これは確かにそうだろうと思います。同時に、この地域は、お聞きをしてみますと、何といいますか、地境の問題だとか地籍の問題だとか、いろいろな問題があるのですね。こういうことが当然問題になってくる。 それと同時に、これはつい一昨日の新聞でも出ていたのですけれども、この被災者の方々のところに伊丹市内の弁護士さんがボランティアで法律相談室を開いた。そうしましたら、「またたくまに約三十人の被災者に囲まれた。ほとんどが借地・借家に関するものだった。」こういうことなんですね。恐らくこういう御不安をみんな持っているからだろうと思うんです。それにつけ込むようなことが私は出てきやせぬかと思って大変心配しているわけです、どさくさ紛れに。 この間、先ほどもお話がありまして、ボランティアで一生懸命やっている方々などの御努力に比べると、大根を一本千五百円で売るとか、ソーセージを五千円だとか、とんでもないやつがいて本当に腹立たしい思いがしますけれども、同時に、この後の土地だとか借地だとか借家の問題をめぐって、そういう利権が横行しないというおそれがなしとしないんですね。 実は、これはある週刊誌ですけれども、「山口組「救援活動」ぶり」というのがばかに大きく取り上げられているんですね。盛んに救援活動をやっている。それはいいんですよ、それが善意に出てくる救援活動であれば。それは私はどんな人であっても拒むことはないと思います。しかし、それが後の利権絡みの、タイを釣るためのエビみたいなことになってはえらいことになると思うのですね。こういう心配は私は必ず出てくると思うのです。なかなかこのごろの暴力団関係者というのは法律知識を持っていますからね。 そういうことのないように、ぜひこれは真っ当な方々の御相談を、早く体制を整えなければいけない。弁護士だとか司法書士だとか土地家屋調査士、この協力が必要だろうと思うし、一方でそういう不法行為のはびこることを抑えなければならないという治安の問題ですね。この辺はぜひ法務省、それからまた自治省、警察、御協力の上でやってもらいたいと思うのですが、この辺の体制はどうなっておりましょうか。簡単にお願いします。
○前田国務大臣 簡単にお答え申し上げます。 被災の皆様方、大変な苦難、苦しみ、悲しみを乗り越えて復興に取り組んでいらっしゃいます中で、先生おっしゃるとおり、土地家屋、不動産の権利、債権債務、いろいろ法律上の問題が発生をもう既にいたしておるわけでございまして、被災者の方々、大変不安を覚えておられます。 そこで、法務省といたしましても、特に要請をいたしまして、既に昨日、近畿弁護士会連合会、そして法律扶助協会が無料法律相談、また出張相談、それに加えまして電話法律相談、地震一一〇番、これらを実施をいたしておりまして、今後も日弁連また法律扶助協会と緊密に御連絡をとりまして、法律相談が行えますように努めてまいります。また、これらの相談応援、日弁連、扶助協会等の対応に支障が生ずることのないように、法務省としても財政上の措置も含めて検討をしてまいりたいと思っております。 なお、加えまして、司法書士、家屋調査士の御協力も現在得て、既に登記等の情報の提供等も行っていただいておりますが、地震売買等、先生おっしゃいましたいろいろこの地震に便乗した悪徳商法というのが予想されますので、厳重に警戒をしながら、かつまた親切な御相談に努めてまいりたい、かように考えております。
○佐々木(秀)委員 恐縮です。時間がなくなりましたので、自治大臣、法務省とも十分御連絡をとっていただきながら、そういう意味で対処をしていただきたいということをお願い申し上げます。 それから、そのほかにも幾つか用意しておきましたけれども、これも時間がなくなりました。例えば、仮住居の問題として、運輸省で、船を使うというお話で、これがお聞きをいたしますと、客船だとかこういうものを使って現にやっておるという御努力を聞いておりますので、これも引き続きお願いをしたいと思います。 それから、厚生大臣には、周辺地域に各種の官民の保養所がございますね。こういうところに、災害の弱者の方々、例えば高齢者、障害者、妊産婦などの方々が優先的に御利用いただけるような御協力をいただけないか、こういうことについてもぜひ御配慮をひとつお願いをしたいと思います。 なお、ホームステイについても、私の地元の旭川でも、農家の方々が中心になり、これに市が協力をして、それで子供たちをホームステイとして受け入れる準備をしております。私もきのうこのことについて旅客関係の会社に御協力をお願いしましたら、快く前向きに検討しようと言ってくださっております。この運搬の関係ですね。 そんなことで、さまざまな方々の善意に本当にありがたく思っております。大変だろうと思いますけれども、しっかり取り組んでいただきたいと思います。私たちも御協力を申し上げます。 ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 これにて池端君、佐々木君の質疑は終了いたしました。 次に、前原誠司君。
○前原委員 新党さきがけを代表いたしまして、御質問をさせていただきたいと思います。 それに先立ちまして、今般の大震災におきまして亡くなられた皆さん方に対して、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。それから、被災をされた方々、お見舞い申し上げますとともに、復興に向けて最善の努力をされている御労苦に、またこれも心から敬意を表し、感謝を申し上げる次第でございます。また、ボランティアの方、行政の方々、ともに寝食を忘れて頑張っておられることを思いますと、本当に党を代表いたしまして心から敬意と御礼を申し上げる次第でございます。 昨日、我が党の災害対策特別本部長でございます鳩山代表幹事、それから地元神戸の出身で、きのう本当にこちらに質問のときだけ来て、後はずっと張りついて頑張っております高見裕一議員がこの災害の問題については質問をさせていただきましたので、私は一点だけ御質問をさせていただきたいと思います。 医療の問題でございますので厚生大臣にお願いをしたいと思いますが、私も二日間、現地に入らせていただきました。地元の皆さん方の好意のもの、寄せ集められたものをお届けに行ってきたわけでございますけれども、ガレージとかあるいは児童公園とかにいわゆる工事用のシートみたいなのを張って、それで暖をとりながら生活をされている方々がたくさんおられました。また、避難所にいたしましても、暖房が入っていないということで寒い。伝えられておりますように、非常に風邪が流行しております。また、崩れた家あるいはガラスの破片等でけがをされている方々も非常に多いということでございますけれども、病院が半分以上も倒壊をしている、崩れているということで、なかなか正規の病院での活動ができていないということでございます。 そういったところで、今病院外での診療活動というものがされているわけでございますけれども、聞くところによりますと、病院あるいは診療所以外で診断をされた方々については保険が適用されなくて、べらぼうに高いお金を払わなきゃいけないということになっているということをお聞きするわけでございますけれども、その点についての対応策、どうなっているのかということを厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○井出国務大臣 お答えします。 御同様の御質問は厚生省の方へも随分たくさん来ておりますが、今回の震災では、御案内のように、多くの病院あるいは診療所の損壊がたくさんありまして、一方で多くの被災者がまた医療を必要としているわけでございますから、今おっしゃったような場所でやっていただくことはこの際緊急的に結構ですというあれをしておりますし、それで臨時的な措置としては、保険診療が行えるようにという通達を出したところでございまして、今関係機関にその取り扱いを提示したところでございますから、御心配要らないようになると思います。
○前原委員 次に、行政改革の問題に移らせていただきます。 公共事業の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、私は、今この日本の置かれている財政状況というものに非常に危惧をしております。 去年、国債の発行残高が二百兆円を超えた。また、国鉄清算事業団等々の隠れ借金と言われるものを合わせますと、二百五十兆円近い負債を抱えているということであります。昭和五十年の当初を考えますと、ほとんどそういうものがなかったわけで、この二十年間でそれだけの大きな借金を抱えるようになってきた。しかも、これから高齢化がどんどん進んでいく中で、これは大変なことだと思っているわけであります。我々の世代、三十代の世代からしますと、今払っている年金を本当にもらえるのかな、あるいは、これからどんどん借金がふえ続けて、我々の時代が一番損をするのではないか、そういう危惧を持っているわけであります。 そういった財政状況の中で、村山政権が行政改革というものを一番の政策課題に掲げられて、何とか行政のむだな部分をへずらしていこうという御努力をされているということについては心から賛意を申し上げる次第でございますし、新党さきがけといたしましても、行政改革こそが村山政権の生命線であるというつもりでともに取り組んでまいりたいというふうに思っております。 そこで、特殊法人等々の問題が挙げられているわけでありますが、私は、公共事業の問題にスポットを当ててお話をさせていただきたいと思います。 公共事業というのは、国、地方合わせまして年間四十兆円のお金が使われております。土地の収用費が大体四割でございますので、残りの六割が純粋な公共事業発注ということで二十四兆円。建設省がこれは認めたところでありますけれども、アメリカと比べますと三割ぐらい公共事業のコストが高い、そういうことも認めているわけであります。三割をいきなり圧縮するかどうかというのは無理であるといたしましても、仮に一割でも削減できるとしましたら、四十兆円の六割の二十四兆円、この一割でありますから二兆四千億、ちょうど消費税一%分ぐらいが公共事業というものの効率化を進める中で浮いてくるという話になるわけでありまして、私は、ここは特殊法人同様、一生懸命に力を入れていかなければいけない問題ではないかと思っております。 ただ、この公共事業の問題については非常にタブーがございまして、公共事業を執行する建設業界そのものが談合体質であるということが言えるのではないかと思うわけであります。 私は、細川政権、羽田政権のときに、当時の与党の入札制度改革検討プロジェクトチームの座長をさしていただいておりました。北は北海道、南は九州の長崎まで、いろいろな業者の方あるいは団体の方とお話をいたしました。二百を超えるぐらいの団体の方とお話をさしていただいたと思います。その中で、当初はびっくりして、後は全然びっくりしないようになったんですけれども、どなたも、どの業界の方も談合しているということを否定をされない。それどころか、なぜ談合が悪いのかというお話をされるわけであります。談合というのは、日本の一つの美学である。和をもってとうとしとなす。そして、仕事を分配する中で、共存共栄、五十三万社、六百五十万人の従業員の方々が生き残る一つの知恵であるというふうなことを逆におっしゃられるわけであります。 しかし、談合というのは、これは独占禁止法でカルテル行為ということで禁じられた立派な法律違反でありまして、いかに日本の文化がどうかわかりませんけれども、これを看過するということについては法治国家としては到底容認できない。 そしてまた、談合することによっていわゆる予定価格に張りついていることが言われているわけであります。つまり、競争がない。仕事を振り分けるわけでありますから、例えば十社指名をされたということになりますなら、今回はあなたのところが仕事をしてください。そうすると、競争がないわけでありますから、できるだけ高い公共事業に落札をしようとする。予定価格に張りつく。これも建設省から口頭で伺ったことでありますけれども、大体落札率というのが九八%ぐらい。つまり、予定価格を一〇〇とすると大体九八ぐらいで張りついているということを口頭で教えていただいたわけであります。 公共事業というのは、我々が税金を払って、そしてそのサービスとして社会資本の整備をしてくれと委託をしているわけでありますから、こういった高い価格で、それも法律違反で行われているというこの公共事業についてやはり根本的に見直していかなきゃいけない。 まず、建設大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、日本の今建設業界というものが談合構造であるということをお認めになるのか、あるいはそういう認識をされているのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○野坂国務大臣 お答えをいたします。 若い青年議員である前原さんですから、極めて純粋に物をお考えになっておりますし、そのとおりでなければならぬと思う。談合の行為はあると私は認識をしております。その認識の上に立って、どう談合が行われないように措置するかということが我々の課題でもあります。 したがいまして、第一番にお尋ねの、アメリカよりも高いじゃないか。そのために我々は二十一世紀までに標準家屋は現在の価格の三分の二までおりるように努力しよう、これが一つの目標であります。 公共事業の建設費縮減のための検討委員会をつくりまして、アメリカ及びECを調査してまいりました。その内容は、外国の材料を輸入したり、いろいろな手だてをして、二年間でできるだけの建設費の縮減を図ろう、これが二番目です。 三番目には、今お話がありましたそういう認識の上に立って、談合のしにくい仕組みをつくる、これが一つであります。九十年目になって初めて、七億三千万円以上はいわゆる一般競争入札にする。建設省の関連事業のところは二十四億三千万円だ。随分大きく価格は見えますけれども、そういうことは一般競争入札にしますけれども、他の問題については透明度の高い指名競争入札をやろう、こういうふうに考えております。 例えば、御存じかと思いますが、業者にもランクがありまして、ABCDとあります。Bでも、Aに近いBもあればCに近いBもあります。よく投書もいただきますけれども、おれが入らなかったというようなことがあります。したがって、発注をする場合に、私はそれをやる能力がありますということを手を挙げる。その手を挙げた人たちは全部建設省が集約をして、あるいは地方自治体が集約をして、能力があるかどうかを審査をして指名する。したがって、その中で激烈な競争をしてもらう。できるだけ公正な仕方をしていかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。 そういう意味で、これからも談合絶滅に向かって努力いたしますし、公正取引委員会士も十分な連携をとりながら、皆さん方の期待にこたえるような業界をつくっていかなければならない、こう考えております。
○前原委員 談合はあるということを御認識をお持ちであるというふうなことで、一面安心をし、しかし、そういう認識があってなおかつ、ある意味でまだまだ現状としてはそれがまかり通っているというふうな問題については、今後、政府・与党協力して絶滅のために努力をしていかなきゃいけないと思っております。 そこで、私も具体的に、後ろ向きの話じゃなくて建設的な話をさせていただきたいと思うわけでありますが、私は、これは建設業界が憎くてこういうふうなものを申し上げているわけじゃありません。建設業界というのは五十三万社、六百五十万人の方々が働いておられる非常に大きな産業でありますし、特に地方へ行けば主力産業なんですね。そういったところを逆に、いかに国民の目から後ろ指を指されないような形で堂々と、しかも競争をもってやってもらうかということが大切だと思います。 私は、今のままでしたら、建設業界は第二の農業になっちゃうと思うわけです。先ほど大臣から御答弁がございました、国の額にしたら七億ちょっと以上、いわゆる四百五十万SDRという額以上が一般競争入札、それから、いわゆる地方自治体、都道府県、政令指定都市に関しては一千五百万SDR、二十四億三千万以上というものについて一般競争入札を導入するというふうな経緯も、これはアメリカからのクレーム、いわゆる日米包括協議、建設協議の中で出てきた話でありまして、いわゆる自浄能力ではなかった、私はそういうふうにとらえているわけであります。 これから、私はさらに問題になってくると思いますのは、アメリカがいわゆる反トラスト法という日本の独占禁止法みたいなものを持っておりまして、アメリカの企業がいわゆる不利益をこうむった場合については、単にアメリカ国内だけではなくて域外にも適用するというふうなことを一九九二年に発表しているわけであります。つまり、日本の建設業界が市場を開放していない、そしてアメリカの建設業が参入できないじゃないかといった場合には、日本の産業そのものをアメリカのいわゆる反トラスト法によって、それは日本が認めるかどうかは別にして、いわゆる処分をしようというふうな意欲を示しているわけであります。 それから、今国会に提出予定でありますけれども、政府調達というものをWTOにのせるというふうなことになっているわけであります。つまり、より自由な貿易ルールというものに政府調達ものせていこうということでございまして、この談合があるとお認めになった業界というものをこのままにしておくと、国際的なルール、いわゆるWTOの原則に基づいて日本の建設業界というものが制裁を受ける。そうしたら、今回のいわゆる農業と同じような形になって、どんどん日本の建設業界が自然淘汰の波にさらわれてしまう。私は、その前に何とか建設業の健全化、そして中小企業が逆に生き残れるような対策をとっていかなければいけないというふうに思っているわけであります。 そういった意味で、私はちょっと建設的な御提案もさせていただきたいと思うわけでありますけれども、まず、積算総額の公表というものについて御提言をしたいと思います。 これはいわゆる物価版というのがあって、工事の種類によってそれを積算して、そして、それからマージンを乗せて予定価格というものにするわけでありますけれども、その積算総額はもう明示していったらどうかと思うわけであります。 一つ、会計検査院の決算検査報告というものの例を出させていただきたいと思うわけでありますけれども、これは毎年会計検査院が出している報告でございますけれども、いわゆる公共事業が必要以上に高くなった例を毎年毎年挙げているわけですね。 例えば、平成五年の新潟県佐渡のいわゆる橋梁工事について、会計検査院が必要以上に高いというふうな指摘をしている工事がございます。これはいわゆる橋の上のコンクリート、これを単価を、積算を間違っているわけです。いわゆる百平米幾らというふうな単価のところを、誤って一平米幾らというふうな単価見積もりを行って、いわゆるコンクリートのところだけ百倍のお金になっているのですね。それも不思議なことに、六社指名をされているわけでありますけれども、全部間違ったこの積算に張りついているわけです。そして、公共工事が二四%これで高くたっているというふうなことが言われているわけですね。これは平成五年でありまして、平成五年の例はほかにまだありますし、毎年毎年そういう例が出されているわけであります。 つまり、行政も間違いをすることがある。どういった積算をしてその額になったのかというふうなことをやはり明示すべきだと思いますし、また、このごろ建設業界なんかは民間の工事で日進月歩の技術革新をやっているわけです。そういった中で、いわゆる技官の方々が一生懸命に積算をされても、新しい工法を使う、新しい機械を使うということで、十分その価格破壊といいますか、ブレークスルーが可能でもあるにもかかわらず、それが生かされない。つまり、予定価格というふうな古い形での積算をして、そして最低制限価格制度を持っているから、幾ら技術革新をやって、そして低い価格で公共事業をやろうとしても、いわゆる最低制限価格にひっかかって、低い価格で入札をした企業がはねられちゃうということが出てくるわけです。これは、公共事業のいわゆる低価格化、効率化というものに反する行為になっているわけでありまして、こういう部分も含めまして積算総額というものは公表すべきではないかと思うわけでありますが、大臣の御所見を簡単にお願いをいたします。
○野坂国務大臣 お答えいたします。 いわゆる積算総額の公表、予定価格の公表ですね。予定価格の公表をやりますと、大体予定はこれだけだ、そうすれば大体予定価格の近いところでいこうという格好に、むしろ談合を慫慂するという結果になるじゃなかろうか。そして、業者自身が汗をかいて、血を流して一生懸命積算をして、そしてこれだけでできるぞ、こういう自信を持ってやらなげれば技術の革新はできない、私はそう思っております。 そういう意味で、予定価格というものは事前には公表しないで、後から、このとおりの価格であった。現在の基準表というものは全部業者も持っておりますから、そういう点については厳重にした方がいいではなかろうかな、こういうふうに考えております。 それからもう一点は、中小企業の問題を触れられましたけれども、演説の際に……(前原委員「まだ触れてないです」と呼ぶ)いいですか。
○前原委員 まだ質問してない部分までお答えをいただきまして、ありがとうございます。 さっき大臣がおっしゃったこと、ちょっと矛盾するのですよね。談合というのはある、そして、積算総額を公表すると談合を助長するとおっしゃいましたけれども、談合はあって、さっき申し上げたように、建設省さんから聞いているように、九八%という額に張りついているわけですよ。ですから、高い価格に張りつくというふうな意味で積算総額を公表しないというのは、少々説得力に欠けると私は思うわけであります。まあ、そればかりにかかわっているわけにもいきませんので、前向きにぜひ御検討をいただきたいと思います。 それから、やはり指名競争入札というものがそもそも諸悪の根源ではないかと私は思っているわけであります。いわゆる行政の裁量権がある。これは、私は地方行政委員会に入っているときに野中自治大臣にも御質問させていただきました部分でございますけれども、いわゆる地方自治体で指名基準あるいは指名運用基準を持っていない自治体が非常に多い。要は、その首長さんの、知事とか市長さんあるいは町長さんの裁量に任されているというふうなことで、非常に不透明なんですね。だから、地方選挙になれば、そういう町長選挙とかになれば一生懸命に建設業者が選挙の応援をして、自分が立てたその首長を当選させるように頑張るというふうなことになっているわけです。ですから、やはりこれは何とかなくしていかなければいけないと私は思うわけです。 ただ、今、外圧によって一般競争入札に変わりつつありますけれども、これはいわゆる談合あるいは指名競争入札が行き渡った上での一般競争入札でございますので、逆にゆがみを生じた一般競争入札になっているのです。特に下請が泣かされている、孫請が泣かされている。ひどい話を聞きましたけれども、アルミサッシの業界なんかは今定価の二割でゼネコンから泣かされて納めさせられているということになるわけです。 制度を変えてもゼネコンは大丈夫だ。しかし、その下の業界が全部そのいわゆるひずみをこうむっているというふうなことで、一般競争入札にする、指名競争入札は不透明だから一般競争入札に変える、しかしながら、逆に中小企業対策として、例えば、日々働いておられる方々の最低賃金は必ず守らせるようにするとか、あるいは下請保護の法律というものをつくって、例えば正当な価格というふうなものがあればそれ以上たたかないようにするとか、あるいは、そういう不利益をこうむったときには、いわゆる監視機関みたいなものをつくってそこに泣きつけるようにするとか、やはりそういうふうな対策を逆にとっていく必要が私はあるのではないかというふうに思います。 余り時間がなくなってまいりましたので、この点については、ぜひ一般競争入札の徹底、そして、逆にそれによって中小企業が泣かされないような対策というものをぜひ前向きに検討していただきたいということをお願いを申し上げます。 村山総理に一つだけこの点について御決意を聞かせていただきたいと思うわけでありますが、今、特殊法人のことで行革ということで一生懸命頑張られておりますが、公共事業は額が大きい、そして、やはり効率化をすればそれだけ国民の税金というものが浮いてくるという認識で、行革の一つの大きな柱にこの公共事業の見直し、入札制度の見直しというものを入れるということをぜひ御決断をいただきたいと思います。御答弁をお願いします。
○村山内閣総理大臣 今実態に触れたお話もございましたけれども、公共事業というのは、言うまでもなく貴重な国民の税金を使う仕事でありますから、これはもう厳正に対処することは当然でなきゃならぬというふうに思います。 昨年、政府としても一月に閣議了解した「公共事業の入札・契約手続の改善に関する行動計画」というものもつくってありますから、これに基づいて可能な限り一般競争入札が適用される、そしてその入札、契約といったようなものをもっとガラス張りにする、同時に、資材の削減とか、それから、先ほどお話もございましたように、これは技術開発はどんどん進んでいるわけですから、建設コストを削減していくといったような努力もこれからずっと続けて、積極的にやらなきゃならぬというふうに考えています。(前原委員「入札制度は」と呼ぶ)ですから、入札制度は一般競争入札を適用されるように進めていくということは当然であります。
○前原委員 ありがとうございました。 残り時間が少なくなってまいりましたので、外交問題を二つあわせて総理と外務大臣にお伺いしたいと思います。 まず総理にお伺いをしたい――後でまとめて御答弁を賜ればと思いますが、総理にお伺いをしたいのは、APECの問題でございます。 ことしの十一月に大阪で開催をされるということでございますけれども、今般の地震で神戸、大阪は被害が大きゅうございました。それで大阪開催というものが危ぶまれている部分もございますけれども、地元の人間といたしましては、私も京都でございまして、京都府知事もあるいは市長も、大阪の隣の自治体として全面的に協力をしたいということもおっしゃっておりますし、ぜひとも大阪での開催というものを貫いていただきたい。また、神戸もまだ残っているところもあるわけでありますし、それをてこにしてまた災害復興というものに充てていただくというふうなことで、ぜひ大阪会議というふうなものを実現をしていただきたいと思いますが、その点について後でお話を伺いたいと思います。 それから、いわゆる台湾の問題でございますけれども、台湾の招聘というふうなものについて、今まで、韓国で行われたときには、中国とそして台湾と香港をいわゆる加盟をさせるということでございました。それで、シアトルのアメリカがホストになったところには、非公式の首脳会議に台湾のいわゆる首脳も呼ぶということをやりました。しかし、今中国は非常にそこら辺ナーバスになっておりまして、要は、李登輝総統を呼ぶんじゃないかという危惧を持っているわけでありますけれども、やはり日本が、会議をする段に当たって、私は、中国との関係もあるし、できるかどうかわからないんですけれども、いわゆる台湾総統を前例に従ってもう呼ばないんだというふうなことを今から言うべきでは決してない。 幅広い選択肢を持ちながら、最終的にはできないかもしれないけれども、台湾、香港はこれだけアジアの中あるいはアジア・太平洋の中での経済的な非常に大きな力になっているわけでありますから、ぜひ、経済的な問題を話をする会合でありますから、いわゆる非公式の首脳会議に台湾、香港の首脳を呼ぶんだというふうなところで全力の努力を傾けていただきたいと、できるかどうかは 別にしてですね、思うわけでありますけれども、その辺のことも伺いたいと思います。 あとNPTも伺いたいと思ったんでありますが、時間がありませんので、APECのことについて総理にお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○村山内閣総理大臣 APECの大阪会議開催は、これはもう国際的に取り決めていることでありますから、変更はありません。やります。これはもう、この種の国際の会合というのは大阪では初めてのことですから、皆さんの期待も大きいと思いますから、これはまあ必ず、十一月ですから、やりたいと思います。 それから、台湾、香港の問題ですけれども、これは、一昨年のシアトル、それから昨年やりましたインドネシアのAPECの会合を踏襲してやりたい、やることにいたしております。
○前原委員 それでは終わらせていただきます。(拍手)
○佐藤委員長 これにて前原君の質疑は終了いたしました。 次に、志位和夫君。
○志位委員 私は、日本共産党を代表して、村山首相並びに関係閣僚に質問いたします。 阪神大震災は、亡くなった方が五千人を超える戦後最悪の震災となりました。私は、犠牲になられた方々への深い哀悼の気持ちとともに、苦しみに耐え、頑張っておられる多くの被災者の方々に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 政府がまず何よりも優先させるべきことが救援と復興であることは、これは言うまでもございません。この問題については、昨日の集中審議で我が党の穀田議員が、現地の被災者の方々の切々たる声に基づいて政府の姿勢をただしました。この災害の甚大な規模にふさわしく、それから地震災害で経済的な被害を受けた方々に対しては国が責任を持って補償するということも含めて、ぜひ救援と復興に全力を尽くしていただきたいと、強く最初に要望しておきます。 まず私が聞きたいのは、震災問題についての首相の基本姿勢についてであります。 多くの国民は今、一刻も早い救援、復興ということとともに、どうしてあのような甚大な災害が起こったのか、そこに政治の責任はなかったのかという思いを持っております。 本会議の代表質問で我が党の不破委員長は、日本共産党が十四年前に震災対策として、地震に強い都市・国土づくり、消防消火力の抜本的強化、それから観測・予知体制の拡充という問題を提起したことに触れて、この三つの角度に照らして、この十四年間の歴代政府が対策を余りになおざりにしてきたことを具体的に指摘して、総理に国として必要な備えがなかった責任をどう考えるのかということをただしました。ところが、総理の答弁は、国としてこの問題についてはやるべきことはやってきた、これから強めるということで、行政の最高責任者としての反省の言葉が聞かれなかったのは残念でした。胸の痛みが伝わってこなかったのは残念でした。 やはりこれだけの甚大な被害を出しているわけですから、私、この点は、これから復興をどうするか、救援をどうするか、防災都市という問題をどうするかを考える上でも基本だと思うんです。 災害対策基本法は第三条で、国は「組織及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」「すべてをあげて」と、こう言っているわけですから、私は、行政の責任者として反省の言葉がまずあってしかるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○村山内閣総理大臣 言われるまでもなく、今回のこの地震で五千人を超すとうとい命をなくした、同時に三十万近い避難生活をされている方がおられる、その現地の実情を考えた場合に、これはもう言葉では言い尽くせない、本当に重く受けとめた気持ちでこれからの対応を考えていく必要があるというふうな気持ちについては、これは率直に私は申し上げておきたいと思うのです。 それで結果から見れば、昨日のこの委員会でもいろいろ意見もございましたし、指摘される点もございましたけれども、問題点はたくさんあろうかと思います。これは、何といってもやはり一遍にあちこちで火災が多発すると、消防車が行くにもなかなか交通渋滞で行けないとか、あるいはまた水道管が破裂して消火栓が使えなくなって水が出ないとか、もう初期の段階でいろいろな困難があった。その困難の中でも、何よりも大事なことは人命救助だ、同時に消火に全力を挙げてほしいということを私は本当に訴えて、要請もしてまいりました。 しかし、今申し上げましたような現状もあって、なかなか思うに任せず、結果的に本当に残念なことになってしまったわけでありますけれども、これはやはり行政を担当する責任者として、本当に申しわけない結果になったということは、もう言いあらわせないぐらいの気持ちで今おるところでございます。それだけに、今後の救援なり復旧なり復興というものは、全力を挙げて取り組まなければならぬと考えていまするし、同時にまた、この貴重な教訓を今後の防災対策、地震対策に生かしていかなければならぬということを肝に銘じておる次第であります。
○志位委員 結果から見れば問題点があった、申しわけない気持ちだということをおっしゃられましたけれども、備えがどうだったのかという問題ですね。私、今総理も火災の問題を言われておりましたが、幾つかの角度から問題点を究明したいと思うのです。 その第一の消防消火体制の問題なんですが、あの火事の火がなぜ消せなかったか。肉親の方が下敷きになったまま火の手が回ってきてとうとう助けられなかったという、被災地からの声が伝えられました。胸のつぶれる思いで聞きました。 どうしてあの火が消せなかったのかという問題の一つは、水がなかったわけですね。つまり、消火栓が地震による断水で、壊れてしまって水が出なかった。そういうときのためには耐震防火水槽が大事なわけですよ。ふだんから水をためておく、地震のときに消火に使う水槽ですね。ところが、この水槽が足らなかった。これが致命傷になって火事の延焼を食いとめられなかったわけですよ。こういう防火水槽を置くのは自治体の責任でありますが、政府として、地震の際の命綱ともなる耐震防火水槽について、一体どういう基準で置くべきだという方針をお持ちですか、基準をお持ちですか。総理、どうですか。
○野中国務大臣 お答えいたします。 大火用の而立方メートルの水槽につきましては、今御指摘いただきましたように、大震度の震災あるいは火災等に対応するために、地方公共団体からそれぞれ要請を受けまして予算措置をしてきたわけでございますが、昭和五十六年度が一番多うございまして、それから漸次要求が減ってまいりまして、予算が少しずつ減ってまいりました。しかし、最近、六十一年からはまたこの要求がふえてまいりましたので、私どもそれなりの対応をいたしてきておるわけでございますけれども、まだ十分とは決して言えないのでありまして、その充足率は……(志位委員「基準はあるのですか、国の基準」と呼ぶ)国の基準としては、設けておりません。
○志位委員 結構です。今の点が聞きたかったわけなんですよ。国として耐震性防火水槽についての基準がないのですね。基準がない。ですから、結局自治体任せになるわけです、この設置は。 それで、私調べてみましたら、ですから設置状況は自治体ごとにばらばらになるのです。主要な都市を調べてみますと、この防火水槽、百トン、六十トン、四十トンといろいろありますが、東京が革新都政時代に始められて、全国では比較的一番進んでおりますが、九千六十八基、これでも十分ではないというふうに言われておりますが、ほかの都市は、札幌十八、仙台三百五十六、横浜二千四十六、川崎五十五、千葉四十二、名古屋四百、大阪千二百二十六、広島二百四十、福岡三十ということです。ですから、東京の水準からしますと、これと比べてもはるかに低い。そして、ほとんどないに等しい都市もありますでしょう、今の数字を聞けば。 それで、先ほど国庫の補助の問題を言われましたけれども、国庫補助を調べてみますと、これは驚きました。これはそのパネルなのですが、耐震性貯水槽の年間設置数を一九八〇年から九五年までの経年で、国庫補助分ですよ、これをパネルにしたものですが、一九八一年の二百六十四基を最高に、来年度予算では百十九ですよ。半分以下です。これは絶対額が少ないのですけれども、少ない中で減らしてきているのですね。私、これはやはり大きな問題ではないか。 予算の問題も、地震が起きたときの火事に備えるための自治体への予算は、八一年度が総額で約十五億円だったのに対して今十三億ですよ。十三億という数字がどのくらい少ないかといいますと、例えば大企業に技術開発補助金を出してますでしょう。あれは上位十社だけで三百六十一億円、一社平均三十六億ですからね。大企業に一社出している補助金の三分の一ぐらいの額しか地震のときの命綱になる耐震性防火水槽の補助として出てないというのは、私は一つの政治の異常じゃないか、やはり臨調行革ということで八〇年代以降すっと削ってきた、その責任は大きいと思うんですね。 私は、やはり水がなくて火が消せないで命を奪われた方がたくさんいる、こういう事実に照らしてぜひ総理に聞きたいんですが、この耐震防火水槽については国が責任を持って基準を決めるべきだ、こういう基準で置くべきだという基準を決める。そして、補助率もいろいろありますけれども、自治体が置きやすいように、全体の額は大したことないんですから、それこそ補助率の問題もよく検討して財政的にも抜本的措置をとるべきだ。いかがですか、総理、お答えください、これは政策問題ですから。
○野中国務大臣 それぞれ今日までは、その地域、地域におきます地域防災計画を定めまして、これによってやってまいったわけでございまして、神戸の場合、震度五ないし六を基準にいたしまして、大火用を考えて六百、耐震用の防火水槽を持っておったわけでございますけれども、しかし今回のような予想を絶した震災によりましてほとんど消火の機能を果たすことができなくて、多数の犠牲を出したわけでございます。 現地消防本部におきましても、今回の大きな犠牲と教訓に学びましてそれぞれ地域防災計画を見直すと思いますけれども、私どもといたしましても、また今回の犠牲を犠牲としないためにも、まだこれからの日本全土にわたる防災につきまして改めて、このいわゆる大火用の貯水槽のあり方、あるいは防火水槽は年々予算としては二十八億数千万円を組んでおるわけでございますが、両面にらみ合わせまして検討をさらに詰めてまいりたいと存じております。
○志位委員 基準を置くと、総理、どうですか、基準をきちんと決めて、やはりこういう問題は自治体任せじゃだめですよ。やはり、自治体が責任を持っているわけですけれども、火事というのは広域でずっと起こるわけですから、本当にこれは大事な問題ですから、国がきちっと基準を決めてほしい、決めるべきだ。決めて、やはりそういうふうにイニシアチブを発揮しなければだめですよ、火事の問題を。総理、いかがですか、一言これ、検討していただきたい。
○村山内閣総理大臣 今回の兵庫県南部の地震の被害を大きくした、それは今御指摘のような火災というものが大変大きな原因になっておる。しかもその火災は、水道管も破裂して消火栓も使えなかった、消防自動車も行けなかった、こういういろいろな原因があると思いますけれども、そういう意味では、貯水槽というものが果たす役割というのは大変大きいと思いますね。 これはしかし、今お話もございましたように、各地方自治団体が計画をして主体的につくるものですから、国かここで今一方的に決めるというのはなかなか難しいと思います。だけれども、これは重要な課題ですから、したがって、地方自治体等の意見も十分くみ上げながら協議をして検討していきたいというふうに思います。
○志位委員 検討していきたいというお答えでしたので、ぜひ前向きの方向で検討をお願いしたいと思うのです。 いま一つは、消防車の問題なのです。これが足らなかった。それで今回の震災でも、消防車と救急車を同時に動かす要員の数が足らなくて大変だったということも伝えられました。これは国に基準が置いてありますね。これはよく御存じだと思いますが、消防力の基準があります。この基準は、消防に必要な最小限度の施設及び人員について定める、最小限度という基準なのですね。 ところが、この最小限度というみずから決めた基準に照らしまして現状を見てみますと、充足率で見まして全国平均で、消防ポンプ自動車が八八・七%、小型動力ポンプが七五・一%、はしご自動車が六三・八%、化学消防ポンプ自動車が五九・九%、そしてそういう車両に対する必要な消防職員の充足率が七〇・六%。つまり、きちんと定員どおり車両に配備したら三割の車は動かせないという状況になるわけですね。そして、この充足率は八一年当時七七・九%でしたから、逆に下がっているのですよ、この職員の充足率は、車両に対しては。 ですから、やはりここも逆向きの政治になっているというふうに私は考えるわけで、ぜひこれは、消防については首相は努力を図ってきたとおっしゃいましたけれども、みずから決めた基準ですから、これは一〇〇%で当たり前なんです、最小限なんですから。ですから、これは直ちに改善を図っていただきたい。これはぜひお願いしたい。
○野中国務大臣 委員が御指摘になりましたように、現在の車両及び消防職員の充足率を私ども決して満足すべきものでないと承知をしておるわけでございます。ただ、最近救急自動車に対するニーズがふえてまいりましたために、救急自動童につきましては九九・六%と、それぞれ地方公共団体が救急自動車に重点を置いてきたというのが委員が御指摘になったような結果になるわけでございまして、今後この車両の整備あるいは人員の配置等について、財政的支援をも含めて配慮してまいりたいと考えております。
○志位委員 ぜひこれも、財政的支援を含めてということをおっしゃいましたから、自治体任せにせずお願いしたい。 それでこの点でも、消防庁の予算を見ますと、自治体に対する補助金が最高時の八一年度に比べて、こう若干のこれはありますけれども、八四%に落ち込んでいますから、予算措置をきちんとやっていただきたい。この消防、消火という問題は、やはり大きな手落ちがあったことがはっきりしたわけですから、ぜひそういう点で本当に命を大事にするという政治をお願いしたいと思うのですね。 第二の問題は、地震に強い都市づくりという問題なんですが、今度の地震では高速道の落下、それから新幹線の落橋ですね、それから地下鉄がつぶれる、こういうことが相次ぎました。政府が関東大地震でも大丈夫と言ってきた重要な公共建造物が次々破壊されました。押しつぶされて少なくない方が亡くなられたわけですね。地震の時間がもう少しずれたらもっと大変な大惨事になった。私は、この点で、安全神話の崩壊ということが言われますが、政府の姿勢におごりと過信があったんじゃないかと言わざるを得ないんですよ。 都市型の直下型の地震で高速道が落ちるというのは、今回が初めてじゃない。八九年のサンフランシスコ地震、九四年のロサンゼルス地震、相次いで起こったわけですね。そのたびに調査団を出しているわけですが、これはサンフランシスコ地震のときの調査団の記録ですが、これを見ますと、「日本における橋梁の設計等に反映させる点は認められない。」一切教訓はないんだ、簡単に言えば、ということを言っております。我が党も国会で質問しましたが、日本の橋梁というのは極めて安全ということで、そういう答弁でした。これと同程度の地震が起こっても大丈夫だ、これはサンフランシスコ地震のときもロサンゼルス地震のときもそういう態度だったわけです。私は、やはりそういう点では、率直に言っておごりと過信があったということを厳しく反省する必要があるんじゃないかと言わざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
○野坂国務大臣 お答えします。 本会議でも全く同じような御質問がございまして、橋梁が落下したのはそういう意味があるではないか。建設省といたしましては、御指摘がありましたように、関東大震災や新潟地震、こういうものの結果を受けて、漸次それに合わせつつ直してきた、そういう経過があります。 しかし、御指摘がありましたように、現実に落下をしたわけですから、落橋したわけでありますから、これについて十八日からその内容について詳しく調査をしております。したがいまして、その調査の結果に基づいて耐震学界の皆さん、橋梁学界の皆さん、こういう方々にお集まりをちょうだいして既に委員会をつくっておりますが、十分にその原因を調査をして、万全の対応策を考えていかなければならぬ、そういうふうに考えております。 我々内部で話し合っておりますのは、これは学問的ではありませんが、今までは水平でやってきた、今度は鉛直の地震であった、こういうものから考えて、縦と横と振れたという関係から、今までの地震に対する対応策というものがその辺に問題点があったのではなかろうかな、こういうふうにも思っておりますが、いずれにいたしましても、原因を徹底究明をいたしまして、それに対する対応策をつくり、御期待に沿うようにしなげればならぬ、こういうふうに考えております。
○志位委員 建設省の報告書が一月二十三日に出ているんですが、これを読みますと、今度の震災は予想を超えるものだったということが出ています。よくこの言葉は政府関係者から出るんですね、先ほども閣僚でおっしゃった方がいたけれども。しかし、この言葉を使ってほしくないんですよ。 というのは、このサンフランシスコ地震の政府の記録、これを見ますと、サンフランシスコ地震というのは最大の水平震度で一・〇Gを記録しているんですよ。九百八十ガルですよ、大体。それから、ロサンゼルスは一・八二Gを記録しているんですよ。これはもう千八百ガルです。ですから、アメリカの二つの地震というのは今度の地震以上の揺れだったんですね。縦揺れ、横揺れという話もされましたけれども、ロサンゼルスの記録を見ますと、縦揺れの方が横揺れよりはるかに大きかったということも政府の報告書にちゃんと出ていますよ。全部政府は知っての上でのことなんですね。予想もしなかったということにはならないんです、これは。 これは非常に大事な点で、大きな直下型地震が起きれば八百ガルあるいは千ガル、震度で言えば七以上ですね。これはみんな七以上ですけれども、の地震が起きるというのは、これはよく知ったはずのことであって、よく知っていながら、この二つの地震の後、日本は大丈夫、こう言っておいて、そして今度は、落ちれば、予想もしなかった。これは一体どういうことですか。やはりこれは反省が足らないと思うのですよ。やはりきちんとそういうことを反省しないと、今後この問題を本当の意味で前向きに打開していくことにならない。 それからもう一つ、この建設省の報告書で私が読んで驚いたのは、関東大地震の二倍だという報告なんです、これは。そうなっているのですよ。今度の神戸、兵庫の大震災の最大地盤加速度は六百から八百ガル、関東大地震は三百から四百ガル。つまり、関東大地震というのは震度六以内の地震だった、今度は二倍の揺れだ、こういう報告を出したわけですよ。 これを出しますと、全部新聞がそれを書きました。これはもう関東大地震の二倍を超す揺れ、こう言いますと、これを見た方は、これはもうしょうがない天災だ、とても予想がつかなかったと皆思いますよ。しかし、関東大地震が震度六以下だった、三百から四百ガルしか最大なかったというのは、一体どういう根拠に基づいて言っているのですか。建設大臣、どういう根拠があるのですか、これは。
○野坂国務大臣 お答えいたします。 志位委員が御指摘のように、今まで私どもは過去の地震というものを十分に調査をして、その時々に従って整備をし、さらに現在点検をし、整備をしておるさなかであったわけでありますけれども、震度が六ということではなしに、マグニチュードは七・二でありましたけれども、震度は七であったわけです。予想以上の大きな大惨事を起こしたわけですけれども……
○志位委員 関東大地震の震度が六以内だというのはどの根拠ですか、根拠。
○野坂国務大臣 私どもはそういうふうに聞いておりますけれども……。
○志位委員 聞いておるだけじゃ困る。根拠を聞いているんです。
○野坂国務大臣 その内容については事務局に答弁させます。
○佐藤委員長 国土庁防災局長。 時間がありませんから、簡単に。
○志位委員 ちょっと委員長、いいです、時間ないから。 根拠ないんですよ。これは建設大臣、もういいです。指名しているんですから、あなたいいです。根拠ないんです。 一つは、私がきょう持ってきたのは、建設省建築研究所応用地震学室長の石橋克彦さんという方が書いた「大地動乱の時代」、建設省の専門家ですよ、あなたのところの専門家が書かれている。これを見ますと、こう書かれています。「しばしば「大正関東地震にも耐えられる」という言葉を聞くが、これは無責任な言い方である。なぜならば、当時は地震学も地震工学も未熟で観測も非常に不完全であり、震源で何がおこって地表でどんな地震動が生じたかという関東地震の全貌を私たちはまだ知らないからである。」当時の記録を見ますと、地震計はみんな振り切れているんですよ。ですから、最大水平震度が幾らかということは、これははっきりは全貌はわからない、こう建設省の専門家が言っているわけですね。そして、これに耐えられるというのは無責任だと。 ただ、私調べておりましたら、家屋の倒壊状況については綿密な調査を文部省がやっています。その文部省の調査によりますと、家屋倒壊率五〇%以上の地域が広範にありますよ。だから、震度七以上の地震だったということは、もうこれは歴史の事実なんです。 これは「日本被害地震総覧」というものですけれども、これを見ますと、やはり家屋の倒壊状況が詳しく書かれておりまして、推定の最大震度は重力加速度の六〇%、〇・六G、大体六百ガルですよ。神戸と同じもの、なんです。こういう地震だったんです。これは日本の地震の基本資料ですよ。 ですから、二倍なんというのは、本当にこれは何の根拠もないことを流している。二倍と聞けば、これは天災だ、仕方がない、こうだれでも思いますよ。しかし、そうじゃないのです。ロサンゼルスの地震もサンフランシスコの地震も関東大震災も、やはり今度のこの阪神大震災と大体同規模のものが起こっているんですよ、現に。それを私は、何というのかな、予想できなかった、仕方がないんだということで済まされないと思うのですね。 これは本当にそういう点では、私は予想できなかったんじゃなくて、予想していながら、ちゃんとこういう報告書があるのですから、知っていながら対策をとらなかったという問題がやはりあるわけですから、総理、これそうなんですよ。ですから、そこをきちっとぜひ踏まえて対応していただきたい。この政府の報告書の結果に基づいてきちんとした対応がこのときとられていれば、やはり災害の拡大を防げたと思うのですね。 そういうことをやることが政治の役目なんですよ。それを、自分たちがつくった安全神話が崩れると、関東大震災の二倍だ、こういう根拠のないことを流しているというのはやはりよくない。こういう姿勢はフェアじゃない。きちんとした、まさに真摯な態度で原因の究明をちゃんとやり、そして政治の責任をきちんと感じて、災害復興もやるし、救援の子もしっかり差し伸べるし、防災都市のために力を尽くすというのが政治の役割じゃありませんか。これは総理、どうですか。総理大臣、総理大臣。
○佐藤委員長 建設省藤川道路局長。 簡単に答えてください。
○藤川政府委員 今のお話でございますが、私ども橋のいろいろな耐震設計の際に考えております地震の力、地震の力というか地震動ですね、それを関東大震災では三百ないし四百ガル程度であっただろうという推計、当時は確かに観測技術等が発達しておりませんので、当時の被災状況、墓石が例えばどういう形で壊れているとか、そういう被災状況から推計したものが三百ないし四百ガルというふうに聞いておりまして、それをベースにして私ども耐震設計をやってきたということでございまして、だから、三百ガル、四百ガルというのは私どもの耐震設計のベースとして考えていた地震動だということでございます。 今回の地震の力の実際に観測されたデータは六百ないし八百ガルということでございまして、私どもとしては、やはり今回観測されたこういうデータをベースにして、なぜ、どういうふうに被災されたかというのを徹底的に究明したい、そういうふうに考えているところでございます。
○志位委員 要するに、関東大震災のこの問題について、三百、四百ガルだったということを勝手に、官僚の方が勝手にそう考えていただけであって、私は幾つかの具体的な資料を示して、そんなものじゃなかった、この権威ある地震の基本資料だって推定六百ガルぐらいの数字を出しているわけですから、そんなものじゃなかった、それをきちんと反省しなきゃだめだということを言っているわけですよ。 官僚というのはこうなんですよ、総理。自分たちがつくった安全神話が崩れると、またこうやって保身をするわけです。こういうことを繰り返していたら、もう本当にだめですわ。ですから、本当に総理の姿勢として、やはりそういう点をきちんと踏まえて、これから耐震基準見直すでしょう、耐震基準見直す際に、私は、震度七をひとつ想定に置いてほしい。いいですか、震度七。少なくとも重要な公共建造物、新幹線、鉄道、高速道路、病院、学校、高層ビル、こういうものはぜひこの震度七を基準にした耐震設計の見直しをぜひお願いしたい。 そういう点では今の基準というのは、建物の設計水平震度というのがありますね、大体〇・二から〇・三ですよ。ガルに直せば二、三百ガルの対応しかできない。震度でいえば大体震度五までの対応しかできないんですよ、今の耐震基準というのは、鉄道でも、道路でも。ですから、これはやはり、少なくともそういう大事なものですね、大事な公共建造物については震度七でも耐え得るという方向で、耐震設計の見直しをやる際にはぜひそういう検討をお願いしたい。いかがですか。
○亀井国務大臣 志位委員からの御質疑の中で、関東大震災、ロス、サンフランシスコの地震と今回の地震等については、私は素人でございますから、気象庁長官という専門家にどうであったかということを今から答えさせます。
○二宮政府委員 ただいま震度についての御質問がございました。 気象庁で発表しております震度は現在七でございますけれども、気象庁で発表いたします震度七というものは、昭和二十四年か五年がちょっと忘れておりますが、福井地震以後、震度七ということが出てまいりました。関東大震災の当時は、震度階は六まででございました。
○志位委員 そんなこと聞いてないんですよ。そのときは震度階が六だったんだけれども、その後、後の調査に基づいて震度七だということがはっきりわかっているわけだ。 私、本当に、これだけ具体的な、科学的な事実に基づいて皆さんのやり方について反省を求めているのに……(発言する者あり)静かに、黙って聞いてください。これについての反省を求めているのに、やはりこれは総理の、総理としてのこの問題についての対応ですよ。それがしっかりしてなかったら、耐震基準の見直しといったってだめですよ。だから、この震度七に即したものに見直すという上でも、そういう経緯を踏まえてきちんとやってほしい。いかがですか。
○村山内閣総理大臣 国民の生命、身体、財産を守るというのは、国の一番大事な仕事であります。そういう国の基本にかんがみて、今回の兵庫県の南部地震というこの大惨事、私もテレビで見て、あの橋脚が折れている状況を見て、本当にこれでよかったのかという気持ちがいたしましたけれども、その原因を徹底的に究明して、そして地震工学やら、あるいは橋梁工学やら、専門家もおられるわけですから、先ほど建設大臣からも答弁がありましたように、そうした専門家のチームをつくって、そして二度とこんなことが繰り返されないような基準というものをしっかりつくることが大事ではないか。地震に強い都市をつくるということを私は申し上げておきたいと思うんです。
○志位委員 ぜひきょう議論されたこと、直接は資料御存じないことも多いでしょうから、もう一回よくこういうものも総理自身読んでいただいて、その経過ですね、いかにこれまでの政府がそういう点でも無策だったか、これをきちんと反省の上に立って、ぜひこの点、国民の皆さんが安心して高速道路にしても新幹線にしても乗れるような、そういう状況をつくっていただきたいと思います。 さて、第三の問題なんですが、観測、予知の問題です。 政府の地震に対する即応体制にいろいろ問題があったということが先ほどからいろいろ議論されておりますが、私は、そういう点では、災害観測の最前線にある気象庁の測候所の体制がどうだったかというのが非常に大事だと思うんですよ。 これは気象庁長官にお聞きしたいんですが、今度の地震は一月十七日午前五時四十六分に起こったわけですが、地震の震源地である淡路島の洲本測候所から震度の報告が大阪管区気象台にあったのは何時ですか。時間だけで結構ですから、長い答弁要りません、時間だけ。
○二宮政府委員 洲本の測候所におきます計測震度計が、大きな震動でございまして故障をいたしました。そのために、測候所の職員が、かねてから決められているマニュアルに従いまして、従来の体感ということで通知いたしました。そのために、ちょっと今、分は記憶してございませんけれども、二十数分の通報のおくれがあったというふうに考えております。
○志位委員 二十数分じゃ済まないというふうに私は伺ったのですが、七時に通報があった、こう聞いたんですが、二十数分というのは間違いないんですか。はっきりしないわけだから、七時と私は聞きました、気象庁の担当の方に。これ、間違いないんですか。
○二宮政府委員 私、先ほど知っていたはずでございますけれども、ただいまちょっとメモを持ってまいりませんでしたので、申しわけございません。
○志位委員 そのくらいのことはちゃんと調べておいてほしいんですね、特別のことじゃないんですから。それで、七時なんですよ、洲本の測候所からその震度の通報があったのは。地震発生から一時間十四分たった時点での通報なんですね。 なぜそうなったかといいますと、洲本の測候所というのは夜間無人化になっているのですよ。夜間、人がいないんです。ですから、地震が起こったときは、もう早朝ですから人がいないわけですよ。ですから、慌てて職員の方が駆けつけて、行ってみたら、さっき言ったように地震計が壊れている。それから、NTTの専用回線は切れている。仕方がないからVHFの無線を使って、そして大阪に連絡をとった。それが七時ですよ。だから、洲本からの情報が入ったのはそうだと聞いております。 それで、やはりこの無人化という問題ですね。これは非常に大きな問題で、全国九十七測候所があるんですが、八〇年代以降の臨調行革のもとでどんどん人減らしがここで進みました。その結果、今九十七ある測候所で夜間無人化が三十四ですよ。ことしさらに八つやるというのです。夜間無人化というのは、午後五時から次の日の朝の八時半まで、人がいないんですから。十五時間半人がいないんですから、これはもう大変な空白になるわけです。 やはり私は、そういうことが災害の第一報のおくれにつながっている、これは明白な事実ですから。これは数字は、気象庁長官、はっきりわからないのだったら後できちっとしていただきたいけれども、おくれたことは事実ですから、そして人減らしがこうやってやられているということは、やはり一番の災害情報センターを失うことになるわけですから、総理、これはそういう測候所の人減らしはやるべきじゃないと私は思いますが、いかがですか。
○亀井国務大臣 今の委員の御質問の中で、ちょっと誤った点があるから私の方から申し上げます。 洲本の測候所は、御指摘のように地震計自体が壊れてしまいましたので、所員が体感の結果、報告をいたしております。これはちょっと時間がおくれております、御承知のように。NTTの回線も切れておりますから。神戸海洋気象台につきましては、これはNTTの回線が壊れまして、これで連絡がつきません。そこで六時六分です、これは。七時じゃありません、六時六分に。はい、そうです、そういう形で、他の震度計等は自動的に全部作動して、きちっと報告いたしております。
○志位委員 やはり機械は壊れるのですよ、地震になると。今言ったように洲本の回線も切れたわけでしょう、大臣。神戸の回線も切れたわけだ。だから最初、洲本と神戸の震度が入らないのですよ。でも、神戸と洲本というのは一番の震源でしょう。だから、周りの情報からしか最初は入ってこないのですよ、第一報として。一番の震源地が一体震度幾らなのかということがおくれるのですよ。無人化になればさらにこれはおくれるのですよ、いないのですから、体制が。 で、地震のたびに、専用回線が切れて通報がおくれるということが繰り返されております。例えば、昨年の北海道東方沖地震、このときも専用回線が切れまして、職員が体感震度をやはり電話で報告したのです。今回の地震でも、さっき言ったように専用回線が切れる。 ですから、機械の地震計、計測震度計をふやすということは結構ですよ。大いにふやしていただきたい。しかし、最終的に地震の際に震度を伝えているのはマンパワーなんですよ。人間が最後は体感も含めて、おっしゃったように震度を見て、そしてそれを伝えるわけですね。これがおくれればやはり初動のおくれになるわけです。震度が穴なのか七なのかあるいは五なのか、それを正確にまずつかむことによってそれへの対応が全部決まるわけでしょう。本当に甚大な災害だということが瞬時につかめたら、それこそ広域的な消防態勢を一気にとるとか、そういう問題が生まれてぐるわけですよ。 ところが、あなたが言ったように一番の中心の洲本、神戸で専用回線が切れちゃうわけですから。洲本では無人化ですよ。洲本市での測候所の問題は、淡路島に一市十町の自治体がありますが、この無人化のときに全部反対の意見書を上げています、全島を挙げて無人化にしないでくれと。これが淡路島の声だったのです。それを無人化をどんどん進めて、ともかく機械があればいいだろうと。これは間違っていますよ。やはりこれは見直すべきだ。大臣、いかがですか。
○二宮政府委員 今御指摘のありましたように、今回確かに神戸の回線の断がございました。それからまた、洲本の震度計の故障がございました。しかしながら、現在のところ、その他のところではすべて震度計の状況は入ってございます。そのために、むしろ緊急に、非常に急を要する震度のデータあるいは災害に直結するような自然現象のデータを非常に速やかに収集し、国民の皆様にお知らせしあるいは他の防災官庁にお知らせするためには、いわば機械のオートメーションという方式が一番確実だというふうに考えております。 しかし現在、おっしゃいましたように故障がございました。これは技術的にそういうことがないように、これから技術の高度化を検討させていただきたいというふうに思っております。
○亀井国務大臣 このたびの経験、反省を踏まえて測候体制の強化をいたしたい、政府といたしましても、補正予算も考えておるわけでありますから、あらゆる面におきまして全力を挙げて取り組みたいと思っております。
○志位委員 測候体制の強化という答弁がありましたから、ぜひそういう方向で、今までの人減らしの方向を見直していただきたいと本当に思います。 それで、もちろん予知の問題、観測の問題は本格的な体制が必要なわけで、観測強化地域あるいは特定観測地域でも東海地域以外は本当に空白ですから、そういうことの体制もぜひ強める必要がありますし、それから活断層の調査なども、東京直下の活断層などは三千メートルの沖積層があってまだ未発見のものもありますから、ぜひこういう点での調査も必要だ。あらゆる点で、これは観測、予知の体制というのは、未来の世代に対してやはり我々が本当に今ある科学技術の最善を尽くしてそれこそとっていくべき体制ですから、それも含めて強く要求しておきたいと思います。 さて、私、時間があと十分になったのですが、三つの角度から震災問題を見てまいりました。やはり率直に申し上げまして、国民の命を地震災害から守るという大問題に政治の光が当たっていないのじゃないか。やはり今度の地震災害というのは、単なる天災ではなくて、政治の責任が深く問われている、ぜひこのことを自覚して、今後の対応に当たってほしいと思うのです。 そして、光が当たっていないという、この光を当てるためには、私は今度の予算案を見ましても、予算の流れを変える必要がある、このことを最後に言いたいと思うのです。 例えば軍事費はその一つです。これはもう一枚パネルをつくってまいりましたが、これは一九八〇年から九四年までの軍事費と震災対策あるいは防災対策、消防施設設備整備補助金の経年の変化です。この軍事費は、大体一九八〇年に比べて二一〇%、四兆七千億円、巨額です。そして、一般会計の伸び率は一七一%になっているのですが、この震災対策の予算は一五三%、防災対策関係予算は一二七%、消防関係は八四%。これはみんな一般会計の伸び率以下なんですよ。防衛費は本当に突出している。 この問題は、やはり考えてみるべき大きな問題があるわけで、我々地震列島に住んでいるわけで、地震列島における政府の役割というのは、地震災害から国民の命を守るというのは、これはそれこそ大きな、最大の安全保障の一つと言っていいでしょう。 それで、一方が、軍事費がこうやって聖域にして突出するんだが、一方は一般会計の伸び率以下に全部抑え込まれている。やはりこれは、今見直すべき一つの政治のゆがみじゃないでしょうか。総理、いかがでしょう。
○村山内閣総理大臣 これは先ほども申し上げましたように、国民の生命、身体、財産を守るというのは国の基本でございます。その基本に立って、今回のこの地震の大惨事というものの教訓というものはやはり重く受けとめて、そして地震に強い、災害に強い、そういう防災対策というものをやはり確立していくという意味では十分検討されなければならない課題だというふうに思っております。
○志位委員 私、この軍事費という問題を考える場合、首相は抑制されたというふうに言うのですけれども、九四年度予算に比べて〇・八六%伸ばしているわけですよ。やはり、予算を削ったというんだったら抑制という言葉を使ってもいいと思いますけれども、予算を伸ばしながら抑制と言うのは、これは成り立たない。 しかも、中身の中で、戦車、戦闘機、護衛艦、そういう正面装備の新規契約が合計八千二百五十億円ですよ。そのうち九七・七%がわずかの頭金だけで、あとは後年度払いというツケ払いになっている。 一つだけ総理に具体的にちょっと伺いたいことがあるのですが、そういう軍事費、軍事費がまさに浪費的なやり方で支出されているというところに私は問題があると思う。例えば、来年度予算では九〇式戦車を新しく二十両買うというのですね。一両約十億円ですから、二百億円の買い物ですよ。頭金ゼロで、すべてツケ払いですよ。 総理は三軍の最高司令官でしょう。ですから、そういう点で私は、この最新鋭の九〇式戦車を新たに二十両も買い入れなければならない理由は何なのか、一体どういうことに使うのか、どういう具体的事態を想定し、どういう具体的使い道がこの最新鋭の戦車にあるのか、これは最高司令官としての御見解を菊聞かせください。
○玉沢国務大臣 正確を期すために申し上げますが、軍事費ではございませんで、防衛費であります。なおかつ、これは我が国の安全保障に資するものでございまして、その点を明確に委員に申し上げておきたいと思います。 また、戦車を二十両、こういうことでございますが、あくまでも我が国に対して直接侵略また間接侵略、これに対処するために購入するものであります。
○志位委員 私たちは軍事費だ、憲法九条に反する違憲の軍隊の軍事費だというふうに認識しております。そして、私が聞いたのは、何に使うかということなんですよ、戦車を。直接及び間接侵略に使うと言うけれども、どういう事態を想定しているのか。 これは、私きょう持ってきたのは十一月二十九日付の社会新報です。総理が委員長を務められる社会党の新聞ですよ。これは去年の十一月ですから、総理がもう総理になっておられた後の新聞です。 そこの三面を見ますと、「こうすれば軍縮実現できる」、こうあるんです。「硬直化した防衛費」「頭金ゼロで巨額兵器買い込む」「増え続けるツケ払い」、こういうことで今の軍拡の実態を批判していますよ。なかなかこれは的確です。ところがこれを、この硬直化した事態をあなたがやっていらっしゃるんですから、これはちょっとどうかと思うんですね。 私、この記事の中でなかなか興味を持って読んだのは、竹岡勝美さんという元防衛庁官房長が「防衛費は減らせる」という提言をやっている。そして「戦車千二百両まず削る」とあるんですよ。そしてこうおっしゃっています。「すぐ手を付けるべきは千二百両もある戦車だ。陸上自衛隊のシナリオは、上陸してきた敵戦車を戦車で迎え撃つというもの。しかし、沖縄戦を見れば明らかなように、敵が上陸してくる時は、制空権を握り、徹底的な爆撃の後だ。」と言うのです。つまり、日本が焼け野原になった後に戦車がやってくる。そして、こう言っています。「工業化され、原発が四十八基もある日本で、そういう戦争はもうできないということを、政治は判断すべき」ではないか。このとおりですよ。 これは、あなたの党の新聞で公表されている一つの見解で、私、非常に興味深く読んだ。ですから、これはどうですか総理、戦車は何に使うんですか、戦車。総理の党との関係がありますから、どうぞ。
○玉沢国務大臣 東西冷戦構造ということが崩壊をした、こう口では簡単に言いますが、これは極めて長い間の戦後の年月を経て、大変緊張しながら、この間において我が国の防衛というものを守ってきたわけであります。つまり、我々は日米安保体制のもとに、このソ連を中心とする共産主義政権が、共産主義陣営ですよ、世界を軍事的な力によって征服しようとする、こういう世界戦略というものがあって、それに対しまして我々は、自由主義諸国がそれぞれの自由と独立を守るという形でやってきたんです。 日本の中におきましては、例えば北海道の防衛等におきましては非常に大きな潜在的な脅威があった。例えばソ連がこの世界戦略を展開をする場合におきまして……(志位委員「答弁になっていない。戦車の使い道を聞いているんですよ」と呼ぶ)極東の海軍が北海道の周辺でありますところの宗谷海峡、津軽海峡を通過しまして、世界的な作戦を展開する、そういう場合におきまして、もし第三次世界大戦があったとすれば、当然我が国の北海道に対して彼らは侵略をしてくるという可能性があった。そういう、それに対抗するためにこの戦車等が必要であった。 また、東西冷戦構造が自由主義陣営の勝利によって終結をいたしたわけでございますけれども、まだこの世界情勢におきましては、世界大の戦争というものは想定されないことになりましたけれども、いまだに不安定な状況にあるという、そういう認識がありまして、地域的な紛争、民族的な対立、そういうような対立というものがあって、不透明、不安定な状況にあるということはよく御承知のとおりであります。
○佐藤委員長 志位和夫君。
○玉沢国務大臣 そういう中におきまして……
○志位委員 もう結構です。もういいですよ。指名があったんだから、もう結構です。
○玉沢国務大臣 世界の紛争というものはふえておるわけでありますから、我が国の周辺を防衛をするために必要である……
○佐藤委員長 玉沢防衛庁長官、時間が迫っておりますので……。
○玉沢国務大臣 こういう認識のもとで話をしておるわけであります。 以上であります。
○志位委員 いろいろ言いましたけれども、結局、何のために使うか何にも示してないですよ。ソ連の脅威が云々と言ったけれども、そのソ連はなくなったじゃないですか。そのソ連はもちろん、そういう事態になっているわけですよ。 それで、私は、第三次世界大戦ということもおっしゃいましたけれども、前、万々々が一ということを言ったこともありましたよ。軍事費となれば、何に使うか定かでないようなものを、それこそ惰性的に軍需産業をもうけさせるためかどうかわかりませんが、買い込む。しかし、本当に国民の命を守るための防災、震災対策、そういうものには金を出し惜しむというのは、これは政治のゆがみ以外の何物でもない。例えば九〇式戦車一つとっても、いいですか、一台これ約十億円でしょう。さっきの耐震防火水槽にすれば、一台で二百二十六基補助金ではつくれますよ。二十台削れば四千五百二十基つくれる。この二十二年間つくってきた耐震防火水槽を全部合わしても四千二百十二基ですから、その戦車二十台削っただけでも一気に防火水槽の整備は進むんですよ。 ですから、私はそういう点で、今こそ軍事費を大幅に削って、震災の救援と復興、そして防災都市づくり、国民の福祉と暮らしに充てるべきだということを要求いたしまして、私の質問を終わります。答弁は要りません。(拍手)
○佐藤委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る三十日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十二分散会