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132回国会衆議院1995/03/15

法務委員会 第4号

発言数
99
登壇者
15
会派数
6
開催日
1995/03/15

会議録

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律案並びに被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。  まず、両案について順次趣旨の説明を聴取いたします。前田法務大臣。     —————————————  阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会   社の最低資本金の制限の特例に関する法律案  被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法   案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、阪神・淡路大震災による被害の状況にかんがみ、被災した会社その他の法人等の存立に資するため、当該被害により債務超過となった法人の破産宣告に関する特例を設け、また、当該震災が発生した日に大阪府及び兵庫県の区域内に登記された本店が所在していた株式会社及び有限会社の最低資本金の制限に関する経過措置の特例を設けようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。  まず、法人の破産宣告に関する特例につきましては、阪神・淡路大震災による被害により債務超過となった法人に対しては、その法人が清算中である場合、支払い不能である場合または破産の申し立てをした場合を除き、平成九年一月十六日までの間、破産の宣告をすることができないこととするとともに、法人の理事等については破産の申し立てをする義務を負わないこととしております。  次に、最低資本金の制限に関する経過措置の特例につきましては、平成二年の商法等の改正により、株式会社につき一千万円、有限会社につき三百万円の最低資本金制度が設けられたことに伴い、改正法施行前から存在する会社について設けられた増資または組織変更のための平成八年三月三十一日までの五年間の猶予期間は、阪神・淡路大震災が発生した日に大阪府及び兵庫県の区域内に登記された本店が所在していた株式会社及び有限会社について一年間延長することとしております。  以上が、この法律案の趣旨であります。  次に、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、阪神・淡路大震災による区分所有建物の被害の状況等にかんがみ、災害後の区分所有建物の再建等を容易にし、もって被災地の健全な復興に資するため、大規模な火災、震災その他の災害によって区分所有建物の全部が滅失した場合に、その敷地の共有者等が特別の多数による決議に基づきその敷地上に建物を再建することができることとする等の措置を講じようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。  まず、政令で定める大規模な災害により区分所有建物の全部が滅失した場合には、その敷地の共有者等は、集会を開き、その政令の施行の日から三年以内に、共有持ち分等の価格の割合による議決権の五分の四以上の多数により、その敷地上に建物を再建する旨の決議をすることができることとした上、その決議に基づきその再建を実現することができることとするための措置を講ずることとしております。また、その決議を容易にするため、その政令の施行の日の一月後から三年後までの間は、その敷地の共有者等は、原則としてその敷地について分割の請求をすることができないこととしております。  次に、その政令で定める災害により区分所有建物の大規模な一部滅失があった場合において復旧または建てかえの決議がされないときに、各区分所有者が他の区分所有者に対して建物等の買い取りを請求することができる時期について特例を設け、これをその政令の施行の日から一年を経過した後とすることとしております。  以上が、この法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。     —————————————

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤斗志二君。

斉藤斗志二自由民主党・自由連合

○斉藤(斗)委員 自由民主党の斉藤斗志二でございます。  本日は、二つの法案について審議をいたすわけでございますが、その前に、最近ニュースで報道をされました入管の問題についてお伺いをいたしたいというふうに思います。  大手新聞の報道によりますと、法務省においては、二つの任意団体を特別扱いすることによって入管の審査に手心を加え、または便宜を与えたのではないかというような報道がなされたわけでございます。もしこれが事実ということになると、大変ゆゆしき問題であると指摘をせざるを得ないわけでございますが、まず、その事実関係についてお伺いをしたいというふうに思います。  このニュースによれば、入管は、ブラックリストのチェックを外国人芸能人招へい業者協会の職員に負わせていた、そういったことが報道されているわけでありますが、そのような事実関係があったかどうか、まずお尋ねをいたしたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 現在、正確には調査中でございますが、一部、報道のとおり行き過ぎた事実が認められる状況にございます。かかる、まさに先生おっしゃるとおり、ゆゆしき取り扱いは行ってはならないということで、改めるべく指示をいたしたところでございます。

斉藤斗志二自由民主党・自由連合

○斉藤(斗)委員 そうしますと、数日前の報道では、それがあったような疑わしい状況だということで報道があったわけでありますが、今の大臣の答弁では事実としてあったんだということで、これは大変な問題だというふうに思うわけでございます。その責任の重さということを考えましたときに、しかるべき対応、処分等々が行われなければならないというふうに思っておるわけでございますが、その点、法務省の方といたしましてはどのような対応を考えておるのか、お答えいただきたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 現在調査を継続中でございますが、その途中で、先ほど申し上げましたような一部行き過ぎがあった事実ということは認めるに至って私もおりますので、調査をし、その改める指示とともに、当然処分等についても考えていかなければならないと考えております。

斉藤斗志二自由民主党・自由連合

○斉藤(斗)委員 今司法界というのは、いろいろな事件が発生する中で、国民の目が大変厳しい状況にあって、私どもみずから襟を正すということ、これを最優先になされなければならないというふうに思っています。ぜひ、私どもの法の鏡でありますところでございますので、一段の厳しい対応で、このような事態が起こらないように臨んでいただきたいというふうに思います。  関連して、次に、業者協会では、入管に提出する書類の事前点検、こういうような表現が使われておるわけでありますが、事前点検を行っているという指摘がございます。同協会において事前点検を受けたものについて特別優遇扱いをされているのではないかという疑問がこの報道からもされるわけでありますが、この事前点検についてお答えいただきたいと思います。

塚田千裕法務省入国管理局長

○塚田政府委員 御指摘いただきました団体は、公益法人ではなくて民間団体でございますけれども、私ども、外国人芸能人招聘業者の質的向上を図りたいと考えておりますので、この団体の目的が実現されるならば入管行政にとっても有意義であろうと考え、これまでこの協会の求めに応じまして必要な助言等を行ってきたものと承知しています。また、事前点検を受け、申請書類に不備のないものにつきましては、審査期間が短時間で済む等の実態はございましたが、同協会は一民間任意団体でございまして、法的に特別の地位、権限を有しているものではありませんので、審査上特別の便宜を与えているものではございません。  ただ、いずれにいたしましても、この団体の性格や実績を重視し過ぎたということはございますので、今般報道されたような誤解や指摘を招いたのだと思います。したがいまして、今後は他の団体等と全く同一に取り扱う所存でございます。

斉藤斗志二自由民主党・自由連合

○斉藤(斗)委員 今御説明いただいたわけでありますけれども、この入管事務というのは大変多くの、膨大な量を扱わなければならないという背景があるかと思います。したがいまして、それにスムーズに対応するためにいろいろな協力体制が必要なのではないか、その一環としてそのようなことが暗に行われてしまったということを思うわけでありますが、この入管事務の合理化というものに法務省サイドからも積極的に取り組むことによって、ビザ等々、サービスを受ける側がより楽になる、そのような点も講じていただきたい。予算措置が必要であれば、そのような前向きの建設的な対応もこれから検討していただきたいことをお願いいたしておきます。  時間がなくなってきたので、きょうの本題であります、通常マンション法と言われる問題について御質問させていただきたいと思います。  今回の阪神・淡路大震災、大変多くの方が亡くなられました。心からお悔やみ申し上げ、また数え切れないほどの方が被災をされたわけであります。お見舞い申し上げ、一日も早い復興と復旧を願っているところでございます。  その中の一環として、そのようなマンションにお住まいの方が、壊れてしまった、そしてそれを建て直すにはどうしたらいいか、それぞれの権利を主張し合ったのではなかなかうまく前へ進まない、こういうような背景の中でこのようなマンションの関連する被災区分所有建物のこの法律が準備されたわけであります。  時間の関係で、まず第一点、この法律第一条において、この法律は「被災地の健全な復興に資することを目的」とされていますが、この法律がどのように被災地の復旧に資するのか。また、被災した区分所有建物、分譲マンションでありますが、この再建に資金面を含めてさまざまな問題があるというふうに聞いております。この法律はその再建にどういう形で役立つのか、国民にわかりやすいように御答弁いただきたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 お答え申し上げます。  この法律案は、大規模な災害によって区分所有建物の全部が滅失した場合に、政令施行の日から三年以内に敷地の共有者等が集会を開いて、この法律で定めております議決権の五分の四以上という多数決で建物の再建を実現することができるということにしているわけでございまして、これによって全壊した建物の再建を容易にして、司法の面から被災地の健全な復興に寄与しようというものでございます。  御指摘いただきましたとおり、マンションの再建に当たりましては、まだ残っている建物の撤去、あるいは残っている抵当権等との調整、それから、何よりもまず新しく建てるという資金の調達、そういった非常に大きなさまざまな問題があるわけでございますが、この法律はこれらの問題のうちの権利者間の権利関係の調整ということを目的とした法律でございます。  いろいろな支援策が講じられつつあるわけでございますが、そういう支援策を得て再建をするというためのいわば基礎を与えるものとして、全員の同意が必要であるというところを緩和して、この特別の多数決議でその多数の関係者の意思調整をすることができるということにしようとするものでございまして、いわばいろいろな施策を実施していただくための基礎を与えるものである、そういう意味で再建に寄与するものであるというふうに考えております。

斉藤斗志二自由民主党・自由連合

○斉藤(斗)委員 そうしますと、一人でも反対者があった場合物事が進まない、そういった事態は避けなければならない、こういうようなもとでこの新しい法律を用意したというふうに理解してよろしいわけでございますね。  次に、今回の法律で、分譲マンションが全壊した場合、多数決で建物の再建をすることができることとしておりますが、他方、これに反対する人々の権利の保護という立場も重要視しなければならないわけでございます。この観点から、この法律ではどのような手当てがされておるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 いわゆる分譲マンションが全壊した場合には、一般的には法律上敷地の共有関係になるわけでございますが、極めて重要な財産であります土地の所有権の問題でございますので、御指摘のとおり、多数決によって再建するという場合にも、これに反対する少数の人の権利の保護ということにも十分な配慮が必要でございます。  そこで、この法律はそういった観点から、まずもってこの多数決要件を五分の四という現行にあります建てかえの場合と同じ非常に重い要件、いわば圧倒的な多数の賛成があるということを要件としております。  また、再建の決議に賛成する者から反対する者に対する土地の共有持ち分等の売り渡し請求を認めることとしておりますが、これは、反対する少数者に自己の権利の適正な価格を確保することができるということを担保しようとするものでございます。  さらに、決議が乱用されるということを防止する観点から、決議をしたにもかかわらずその日から二年以内に再建の工事に着工しないというようなときには、一たん買い取られた者がまた改めてその権利の買い戻しをしてもとの共有関係に戻ることができるという措置も講じております。  さらに、分割請求の制限におきましても、政令施行の日から一カ月間の考慮期間を設けておりますし、また、再建の決議ができないという顕著な事由があるときには分割請求ができるというような規定も設けております。  このように、反対者の権利が不当に抑えられることのないように十分な配慮をしているつもりでございます。

斉藤斗志二自由民主党・自由連合

○斉藤(斗)委員 時間が参りました。終わります。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 佐々木秀典君。

佐々木秀典日本社会党・護憲民主連合

○佐々木(秀)委員 短時間でございますので、私は法人破産、会社の最低資本金特例法に絞ってお尋ねをしたいと存じます。  今度の震災に関しまして、法務省、さまざまな御配慮の上で今度の特例措置を考えられてこの法案を提出された、その御努力に対して敬意を表したいと思います。  まず第一条関係ですけれども、債務超過法人、債務超過というのは法人にとっては破産原因になるわけですけれども、しかし、今度の債務超過になった原因が今回の震災によるものだということが明らかな法人については、自己破産の申し立てたとかあるいは支払い不能のある場合を除いては破産宣告を留保する決定をすることができるということで、法人の再建を期するという配慮をされたということだろうと思います。  私は、これは大変適切な処置であろうと思うのですが、そこでこの内容について、特に第一条の三項で、裁判所が破産については決定をするわけですけれども、裁判所は法人が支払い不能となったときは破産宣告をしなければならないことになるわけですね。それからまた、破産の宣告を留保すべき事情について変更があったとき、これは申し立てたけではなくて職権でも留保決定を取り消すことができるということになっているわけですし、それから、この決定に対しては不服申し立てができない点で大変厳しい処置になるわけですね。  そこで、債務超過、支払い不能も債務超過が前提になるわけですけれども、特にこの破産の留保についてこれが変更される、あるいはそれが認められないことになる支払い不能ですね、これはどういう場合に支払い不能となるのか、その判断の基準といいますか、そういうものがあったら具体的にお示しいただきたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 委員に対しましては釈迦に説法かもしれませんが、破産原因でありますところの支払い不能といいますのは、債務者が弁済能力が欠乏しておりますために、今すぐに支払わなければならない債務について、その債務全般にわたって、しかも、今時点だけではなくて今後継続的に弁済することができないという状態を言うわけでございます。  債務超過というのは、申し上げるまでもなく、債務の額の総計が財産額の総計を上回るということでございますが、債務超過の状況に陥っておりましても、融資を受ける道があるとか、あるいは、またこれから業務を継続しあるいは仕事を継続して、その得られる収入で支払っていける見通しがあるとか、そういう場合は、そういうことで弁済していく能力があれば支払い不能とはならないということでございまして、融資を受けたり、あるいはこれからの収入で払っていくこともできない、そういう状況になった状態が支払い不能という状態であるというふうに考えております。

佐々木秀典日本社会党・護憲民主連合

○佐々木(秀)委員 そこで、債務超過の原因が、今回の場合には、阪神・淡路大震災によるものなんだという条件がなければならないわけですね。  一方、これは後でお尋ねするわけですけれども、会社の最低資本金の制限に関する特例措置、この場合には、これは震災当時に震災地域内に登記された本店が所在している株式会社、有限会社に限るわけですね。こっちの第一条の方の破産宣告の猶予の対象となる法人ですけれども、これは第二条のような震災地域内ということでなくてもいいわけですね。その点はどうですか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 そのとおりでございまして、本店がどこにありましょうとも、震災の被害によって債務超過の状況になったということであれば適用されるわけでございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲民主連合

○佐々木(秀)委員 そうすると、震災の被害により債務超過になったということの因果関係、これはどの程度の疎明で足りるのでしょうか。疎明の方法なんかについては、何か基準なり、ございますか。疎明で足りますか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 これは、疎明という観念で扱っておりませんで、破産手続は職権主義という世界でございますので、この点についても証明ということになるわけでございますけれども、その証明の程度はどの程度か、どの程度すればいいかということの問題でございます。  この関係につきましては、被災によって例えば工場が壊れた、それによって債務超過の状況になっているわけでございますので、そういう被災に遭ったということの証明があればあとはおのずから推定されるということで、それほど難しい証明が必要であるというふうには考えておりません。裁判所の方で適切に判断されるものと思っております。

佐々木秀典日本社会党・護憲民主連合

○佐々木(秀)委員 実際にはいろいろなケースがございますから、裁判所の判断によるんだろうと思いますけれども、裁判所としても弾力的にその辺は運用していただけるように、せっかくこれをつくったんですから、配慮していただけるように要望したいと思います。  時間がございませんから、今度は第二条の関係ですけれども、これも平成二年の商法の改正で、株式会社については資本金一千万、有限会社については三百万ということで手続をするようにということになっているわけですね。これが期限が明年の三月末ですか、ところが、その手続ができていない会社について、これを平成九年の三月三十一日まで延長するということになったのですね。  ただしこれは、先ほど申し上げたように、今度の震災地域内に本店登記をしている会社に限るということになるわけですけれども、これは実際問題、平成二年の法改正から今日まで、震災地域内にある株式会社、有限会社で既にこういう組織変更などをやった会社、達成した会社というのはどのぐらいになるのか、したがって未達成の会社数はどのぐらいになるのかを大体掌握されていますか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 全国の株式会社、有限会社の総数は三百万社を超える数がございまして、その調査はなかなか大変なのでございますけれども、実態を申し上げますと、既に平成三年の四月一日から施行されて現在まで、これまでのところはそれほど多くの会社が適切に対応していただけているという状況にはないわけでございます。  この猶予期間も間近に迫っているということから、一年前になりますが、六年三月現在で調査してみましたところ、一年前のことでございますけれども、全国的に見まして、株式会社では五〇%近くの会社がまだ一千万に達しておらない、有限会社でも四〇%くらいの会社がまだ最低資本金を達しておらないという実態がございます。ただ、この会社の中には、いわば実際企業活動をしていない、いわゆる休眠会社というのもある程度含まれていようかとは思っております。

佐々木秀典日本社会党・護憲民主連合

○佐々木(秀)委員 恐らく、そうすると、被災地の会社についても同じようなことが言えるのではないかと思うわけですね。  それで、本来ならばあと一年しかないわけですから、それについても特例をしなければ、きちんとした処置をしなければ解散とみなされてしまうというような厳しい処置になってしまうわけですね。そういうことで、ぜひその点について、一般的な特例もされると同時に、今回のこの趣旨も徹底される方法をぜひお考えいただきたいと思うのですけれども、その徹底させる方法などについてのお考えがありますか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 御指摘の改正の周知徹底でございますが、ポスター、パンフレット等、法務局、地方法務局には配布いたしたりしておりますし、先般も新聞の一ページ全面広告をやっていただきまして、その中に、多少活字は小そうございましたが、特例措置についても書かせていただいたというようなこともいたしております。特に特例措置については、兵庫県あるいは大阪府を中心とした地元紙を特に周知徹底に利用させていただきたいと考えております。  それから、いずれにいたしましても、一般には来年の年度末でございますから、大量の駆け込みが予想されるわけでございまして、なるべくそういうことを避けたいということもございまして、これから特に広報活動をやってまいりたいと思っておるところでございます。また、加えますと、大量駆け込みに対する対応というのも、事務処理能力の向上を今考えておるところでございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲民主連合

○佐々木(秀)委員 時間が参りましたので、ほかの質問も用意しておりましたけれども、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 枝野幸男君。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野委員 さきがけの枝野でございます。  私は、区分所有法関係で二、三の質問をさせていただきたいと思っております。  先ほど、全壊の場合の五分の四で足りるという点につきましては斉藤先生の方から御質問がございましたが、区分所有法関連では、もう一点大きなポイントがあるかと思います。  それは、第四条に書かれました全壊した建物の場合の敷地の分割請求を二年間停止するという条項だと思います。この停止することの意味というのは、私も弁護士でございますから、弁護士としての立場から考えればわかるのですが、なかなか一般の国民の皆さんあるいは委員の皆さんにはわかりにくいかと思います。  分割請求を二年間とめることによってどういった意味があるのか。それからついでに、これが施行の日から起算して一カ月を経過したところから分割請求できないということになりますが、この一カ月の意味、あわせて御説明をお願いしたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 既に委員御案内のところでございますが、共有物、共有という所有関係に伴う基本的機能として分割請求権が与えられておるわけでございまして、共有状態でうまくいかないときにはいつ、だれでも分割の請求をして現物を分割する、あるいは現物を分割できない場合には競売をしてその代金を分配する、そういう機能が民法上認められているわけでございます。  今回、特別の多数決議をもって再建をすることができることとしたわけでございますが、この多数決議をするまでには、すぐに決議ができるというわけではございませんで、これだけ、五分の四以上という多数意思を形成するために、いろいろそれに至るまで、今ある敷地を前提としていろいろな計画を立案し、その上でさまざまな協議を繰り返して計画案を立てていく、その上で決議をするということでございます。  そういう手続を設けたわけでございますが、それにもかかわらず、各自が自由に分割請求をすることができるということになりますと、せっかくある計画を立てておりましても、分割した結果敷地が狭くなってしまうというようなことでまた計画を練り直さなきゃならぬ。そういうことになりますれば、せっかく用意した多数決議による再建という手法も実際には使い物にならなくなってしまうおそれがある。そういうことで、今次の被災の実情といったものを考慮しまして、やはり分割請求権については圧倒的多数意思による再建の実現ということの前に一歩譲歩してもらう必要があるだろうということで、この再建の決議に基づく再建を容易にするという観点から制限をしたわけでございます。  ただ、最初に申しましたように、共有という形での所有権の持っている基本的機能、これを制限するということでございますので、やはり法律が施行されることになってから一定期間の周知期間といったものが必要であろう。そういう基本的機能に対する制約ということに配慮いたしまして、一カ月程度のいわゆる周知期間というものを置くということにした次第でございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野委員 その猶予期間も含めて大変よく配慮していただいた条項だと思いますが、これに関連してもう一点、ここでただし書きで分割請求ができる場合というのが二点書かれております。  このうち、「五分の一を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合」、これについては今の御説明のとおり、五分の一が分割請求をするということは、逆に言えば五分の四の建てかえの決議ができないということでございますので、分割請求に基づいて分割していくということでよくわかるのですが、もう一つ、「その他再建の決議をすることができないと認められる顕著な事由がある場合」、これについては具体的にはどのような場合を想定されているのか、御説明をお願いいたします。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 これは、三年間決議をすることができるということにあわせまして、三年間は原則として分割請求を制限することにしたわけでございますが、三年間というのは相当長い期間でございます。したがいまして、どう考えても、だれが見てもその五分の四の多数の賛成が得られそうもないという状況にあるにもかかわらず、三年間はそういう基本的機能を抑えつけるということではいかがであろうかということから、今申しましたように、どう見ても再建の決議をすることができる見込みがないと認められるような、そういう顕著な事由がある場合にその適用除外をすることとしたものでございます。  具体的に言えば、一度再建の集会を開いたけれども、それが全然賛成者が足りない形で否決されてしまった、その反対者数とか議事の進行の状況だとか、あるいはあと残りの期間だとか、そういうものを考えてこれはもはやその可能性はほとんどない、極めて少ないと認められるような場合が考えられようかと思います。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野委員 ありがとうございます。  さて、今の四条の点も含めまして今回の区分所有法の特例措置というのは、私ども与党という立場からもいろいろとこのマンションの建てかえ問題については勉強させてもらいましたし、また、法務省においてもいろいろと御検討いただいたということを承知しております。そうした中で、現時点で考え得るマンション建てかえを何とか容易にするためのベストの案であろうというふうに理解をいたしております。  ただ、しかしながら、現在考え得るベストの法案をつくった、法律をつくった上であっても、なおかつ被災したマンションの建てかえ、特に五分の四建てかえのためにそろえるというのは現実問題として相当厳しいものがあろう。それから、五分の四で建てかえができたときであっても、残り五分の一反対者があれば買い取り等をしなければならない、その資金調達等の具体的な問題もあろうかと思います。  現実に動き出しますと、現地の方はとても再建というよりもまだ地震の傷跡をいやす段階だと思いますが、もう間もなくして実際に建てかえ等の問題が具体化してきたときには、現実問題として、なかなか難しい点が多々出てくるというのが現実ではなかろうかというふうに思っております。  そして、これは銀行の救済問題なんかと同じで、余り大きな声で言うこと自体が実は問題なので難しいのですが、ここでマンションの建てかえがスムーズにいくのかいかないのかということは、全国のマンション価格、マンションの供給と需要の関係、こういったものとの兼ね合いで、もしこれで神戸で壊れてしまったマンションの建てかえはなかなかうまくいかないのだというような空気が広く伝わってしまいますと、恐らくマンションの価格等に対して悪い影響が出てきて、ひいては現在日本の経済、ある意味ではマンションの販売というのが引っ張っているところがございますので、悪い影響を与えかねないというふうに大変憂慮をいたしております。  恐らくこれから出てくる現実の問題、特に五分の四を集めていく過程での組合員の、共有者の皆さんの会議等の中でさまざまな問題が出てきて、何とか行政あるいは法律の方で対応ができないかという問題がたくさん出てきて、それにいかに政治が行政が対応していくかということがこれから問われていくのだろうというふうに思っております。  現時点で、具体的にどんなことが対応として必要になるのか、それがわかれば、逆に言えば今対応できるわけですから、そこが問題だと思いますが、例えば弁護士会等が、恐らく弁護士さんなどが入って五分の四集まるか集まらないかというようなことをなされるのでしょう。あるいは、場合によっては裁判所等が絡んでくるということもあるのでしょう。さらには、独自に法務省としてそうしたマンションの建てかえについての状況について積極的に情報を集めていって、どこが問題点なのかということを調査していただく必要もあろうかと思います。さらには、そこで出てきた話によっては法律の改正が必要な場合もあるかもしれませんし、逆に例えば住宅金融公庫等、これは建設省になりますか、他省庁に積極的な動きを法務省として求めていくというような動きも必要になるかもしれません。  いずれにしろ、このマンション建てかえ問題についてきちんと窓口として対応し得る役所というのは、これは法務省ということになろうかと思いますので、法務省の性格としてなかなか、中長期的な経済問題とも絡んでくる話、なかなかふだんはおありじゃないかもしれませんが、そうした意味ではふだんの法務省のスタンスとは別に、今回は相当積極的な形で今後の成り行きを調査していっていただかなければならないというふうに考えております。そのあたりの点について、法務大臣の御見解を伺わせていただければと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 この御審議いただいております法律で、とりあえずは基本的な権利関係というものが確定をするという効果を生み、新たな再建に向けていわば一歩前進するわけでございますが、先生御指摘のとおり、この法律だけでマンションが容易に再建されるというわけではございませんで、融資等、あるいは住宅公団等、あるいは少し大げさに言えば建設省等々の協力が必要でございます。  かつまた、その前提としてこの法律を含めて弁護士を初めとした関係の各位の皆様によく周知徹底ということもこれまた大事でございますし、特に、市街地再開発事業との絡みでございますとか、非常に複雑な問題を絡めている上に、マンションそのものの、これからだんだん、老朽化をしておるマンションもございまして、権利関係が極めて複雑でございますが、法務省としては、一日も早く復興をしていただくという観点からも全面的に協力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。

枝野幸男新党さきがけ

○枝野委員 前田法務大臣初め、法務省の皆様方の御尽力をお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 富田茂之君。

富田茂之新進党

○富田委員 新進党の富田でございます。よろしくお願いいたします。  まず、阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律案について、何点か御質問させていただきます。  破産宣告に関する特例におきましては、債務超過法人の救済を図っているわけですが、実際問題としまして、債務超過の事実を証明する資料を債権者が入手するというのはほとんど不可能ではないか。私も弁護士時代に債権者破産の相談を受けたことがありますが、債務超過を理由にということはほとんどありませんでした。現実に、債務超過法人に対して、それだけの事実で債権者側から破産申し立てをしている事例というのはまれではないかなと思います。  最高裁の方に、債権者による破産申し立ての中で、債務超過と支払い不能を、その理由ごとに統計をとっているのかとお尋ねしたんですが、そういう統計は出していないということでしたので、どの程度、債務超過を理由として申し立てがされた場合、救済しているこの法案が施行された場合に、実際救済できる企業というのは本当に出てくるのかどうか。  先ほど佐々木先生の方から、支払い不能と債務超過はどう違うんだ、メルクマールはどうなんだという御質問がございまして、民事局長の方から、現時点また将来的にももう支払いができないんだというのが支払い不能だ、現時点では債務の方が多いけれども、融資を受けたりそういうことによって何とか立ち直りができるような場合が債務超過だというお話ございましたけれども、この法案では、裁判所、裁判官が最終的には判断するようになっていると思うんです。  そのあたり、現在の神戸の方の事情としては、銀行の方の扱いなのかもしれませんが、地震が原因で不渡りになった場合に、その旨記載して、銀行の方でお互い返還の手続をしているということで、不渡り処分の報告書とか、取引停止の報告書に載せないような配慮を今現実にはしているということなんですが、そういう事実も裁判所の方では判断されて、この場合は債務超過の範囲に入っているんだというようなことをこの法案というのはそもそも予想をされているんでしょうか。そのあたりはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 御指摘のとおり、一般に債権者からの破産申し立てが債務超過を理由としてされるということは、それほど多くないであろうと私どもも推測しております。  したがって、今次の立法をしなければどんどん債務超過を理由とする破産の申し立てがされるということは考えておりませんけれども、しかしながら、そういうことも、場合によっては申し立てがされる場合もあるであろうし、そういう状態であれば、やはりそういう状態に至っている会社にとりましては、安んじて復旧に専念することができない、場合によっては破産の申し立てがいわば濫用的に使われて、それをおどしにして特定の優位な地位を確保しようとする、そういう破産の申し立てもあるように聞いております。  そういうことで、こういう手当てをすることによって安んじて企業の立て直しに力を注いでいただけるのではないか、そういうことを期待してこの立法をしたわけでございます。  それから、支払い不能の判断の問題でございますけれども、今委員御指摘のように、手形交換所の取り扱い、非常に柔軟な取り扱いがされておるということは私どもも聞いておりますし、また、中小企業に対する融資の面でもいろいろな施策が講じられつつあるわけでございます。そういういろいろな支援を受けることによって、当面債務の弁済はしていけるという状態にあるということであれば、当然、これは支払い不能の状態には至っていないという判断がされることになるだろうというふうに思っております。

富田茂之新進党

○富田委員 次に、最低資本金制度に関する経過措置の特例についてお尋ねしますが、この法案の対象企業が「大阪府及び兵庫県の区域内に登記された本店が所在していた株式会社及び有限会社」とされておりまして、震災の影響を受けない企業までが救済措置の対象になってしまうというふうに思われるんですが、これは他の地域の企業との公平を失することになりませんか。その点ほどのようにお考えでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 御指摘のとおり、この範囲といたしましては、大阪府、兵庫県ということで、かなり広い区域をとっております。したがいまして、個々の会社ごとに考えてみますと、たまたまその地域に本店があったというだけで一年間猶予されるという恩恵を受けるということになる、それが不公平という見方をされる懸念もあろうかと思います。  この最低資本金の問題は、これは、最低資本金というのは、申し上げるまでもございません、会社が保有すべき財産の最低限を画する基準となるものでございまして、猶予期間が満了しても最低資本金基準を満たすあるいは組織変更等の措置を講じない会社は解散したものとみなすという一律の取り扱いをする問題でございますので、同じ区域内にある会社の間で最低資本金の基準が異なっておる、あるいは解散とみなされる時期が異なっておるということになりますと、これはまた取引先等の関係でもむしろ混乱を生ずるおそれがあるのではないか、そういった債権者の利益を害するおそれもあるのではないか、こういう点を考慮いたしまして、これはやはりある区域内に本店があるということで仕切らせていただくほかはない、その際にある程度地域は幅広にとらせていただいた、そういうことで、これはそういう形で一律の取り扱いをさせていただくほかはないということで、御了解いただきたいと思います。

富田茂之新進党

○富田委員 あと、本来、平成八年三月三十一日までだった最低資本金に関する猶予期間を平成九年三月三十一日まで一年間延長するというふうに法案ではなっているんですが、今回の震災で、企業の存立基盤すら揺らいでいるような中小企業が本当に多いと思うんですね。こういう企業が一年間だけ延長していただいて、あと二年、約二年ということになりますけれども、その二年で本当に資本金の上積みが可能なんだろうか。  そもそも最低資本金制度の改正があったのは平成二年だと思うんですが、この商法改正の際に五年間の猶予期間を設けたという趣旨は、そのくらいの期間があれば、一千万、三百万に至っていない企業でも、一生懸命努力して、上積みしてもらえるだろうということで設けられた猶予期間だと思うんですね。  そうしますと、今回の震災で、もう全く何もなくなってしまったような企業が、あと二年でそこまで到達できるのかなという、ちょっと不安もあるんじゃないかなと思うんですね。この一年猶予を設けたというのは大変いいことだと思うんですが、この一年で本当に大丈夫なんだろうかという点が一点。  あと、この猶予期間中に資本金の上積みができなかった場合に、解散の方向に、法務大臣の方で解散の公告をされて、解散の手続がとられていくわけですけれども、その運用面について、この阪神地域の企業に関して何か現時点で考えられていることがあるかどうか、その点お聞かせ願いたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 今回この地域に本店のある社につきまして猶予期限を猶予することといたしました趣旨は、これは、そういう被災地を営業の本拠地とする会社にとっては、当面は営業活動の正常化ということに力を注いでいただかなきゃならぬ状況にあって、最低資本金を達成するための方法、新株発行によるのか、利益や準備金の組み入れによるのか、その方法、あるいは組織変更するという道を選ぶのか、そういう判断をする、その判断に基づいて必要な株主総会等の法定の手続をとる、そういう余裕がないだろうということから猶予期間を延長するということにしたわけでございます。  それはあと二年でございますが、その間に増資ができる状態になられる会社もあるでしょうし、そうでない会社もあられるだろうと思いますが、それは組織変更の措置も講じられておるところでございます。そういう手続をとっていただく時間ということであれば十分ではないだろうかということで、この立案をさせていただいたわけでございます。  それから、運用の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、その一年猶予した分については大阪、神戸の会社ということでございますが、大阪、神戸だけでも二十数万の会社がある、そういう会社について一律に適用せざるを得ないものでございますので、個別の会社ごとに運用を異にするということはなかなか困難であろうというふうに考えております。  なお、委員御案内のとおりと思いますが、そういうことでやむなく解散したとみなされた会社につきましても、なお三年間は継続の決議をすることによって会社を続けていくことができるという措置も講じられているところでございます。

富田茂之新進党

○富田委員 ちょっとこの関係で大蔵省にお尋ねいたしますが、最低資本金の経過措置の特例を受けて、最低資本金を満たすまでの利益の資本組み入れに係るみなし配当の非課税措置とか、増資登記等に係る登録免許税の軽減措置がとられておりましたが、この適用期限も、この法案が成立することによって一年間の延長措置はとられる予定なのでしょうか。

竹内洋大蔵省主税局税制第三課長

○竹内説明員 お答えいたします。  今回の阪神・淡路大震災による被害が、広範な地域にわたり、同時かつ大量、集中的に発生したこと等を踏まえまして、私どもといたしましては、臨時異例の、かつ税制上の対応として、できる限りの措置を講ずるという考え方のもとに、御指摘の内容も踏まえまして、そうした内容を含んだ法案を検討しているところでございます。  具体的には、今先生御指摘の、商法の関連の法律が一年延長されるということを受けまして、最低資本金を満たすまでの利益の資本組み入れに係るみなし配当の所得税の非課税措置及び増資登記に係る登録免許税の軽減措置につきまして、その適用期限を平成九年三月三十一日まで一年間延長しようとするものでございます。  こうした措置を盛り込んだ関連法案でございますが、今国会にできる限り早急に提出するよう、現在、準備作業を進めているところでございます。

富田茂之新進党

○富田委員 それでは、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案について何点がお尋ねいたします。  先ほども枝野委員の方から、五分の四の同意取りつけというのはかなり難しいのじゃないかという御質問がございました。本来の建物の建てかえの方も五分の四でできるというような規定に、全部滅失の場合でもできる限り建てかえがしやすいようにということで、その五分の四の数字というのが出てきたのだと思うのですけれども、そもそも、本来の建物建てかえの方の五分の四の数字でさえちょっと厳しいのではないか、もう少し建てかえを容易にしてほしいというような要求があったと思います。  今回、特にこういう震災の中で、その五分の四の同意を取りつけるのはほとんど不可能なのではないかと。この五分の四、本来、全部同意から五分の四の同意まで、五分の四以上の同意というところまでこの法案でされるわけですから、それである程度容易になるというふうに思いますし、先ほどの局長の御答弁で、いろいろな施策の基礎を与える法案なんだというお話でしたので、ああ、なるほど、確かにそのとおりだなというふうにも思うのですけれども、本当にその五分の四がこういう時点で合理性があるのかどうか。  建物のこういう倒壊状況で、建てかえていかなければいけないという社会的要請と、個人の財産権を保障しなければならない、個人の財産権対財産権の調整という機能でその五分の四という数字が出てきたとは思うのですけれども、今この状況で、その五分の四が、これまでの老朽建物の建てかえの際の状況と同じような状況下にあるのかなというふうな素朴な疑問を持っているのですが、その点については法務省の方はどのようにお考えなのでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 御案内のとおり、現行区分所有法の五分の四の多数決による建てかえという制度は、昭和五十八年の区分所有法の改正で、それまでは全員の合意がなければどうにもならなかったものをそういうことにしたわけでございます。  そのときは、私どもの内部、あるいは法制審議会の審議、あるいは国会の議論でも五分の四というのはきつ過ぎるという御意見もございましたし、他方、五分の四でも、まだもう少し高いハードルにすべきだというような御意見もございました。そういうことの中で、実現可能性のある数字で、かつ反対する少数者の権利の保護という観点から、五分の四という多数決議要件になったわけでございます。  今回の法案もこれをいわば参考にしているわけでございますが、御指摘のとおり、現在の建てかえについても、それから新しく立法する特別法についても五分の四では厳し過ぎるからもう少し緩和すべきではないかという意見もございました。しかしながら、やはりこれは私権の相互間の調整の問題でございますので、どうしても少数者の権利ということを考えなければなりません。  それからまた、建てかえにしろあるいは全壊した場合の再建にしろ、やはりこれは非常に大きな費用を要するものでございますので、例えばこれを大幅に緩和して、過半数というようなことにして、たくさんの反対者があるという状況の中で果たしてそれが実現できるかということを考えますと、資金面から考えましても、またそれから反対者が多ければそれだけ紛争が大きくなるというようなことを考えましても、やはり実際問題としてもある程度の圧倒的多数の賛成者があるという状況でなければ難しいのではないかということも考えまして、五分の四という基準を維持させていただいたわけです。  確かに、その五分の四の賛成者を形成するまではなかなか大変な御苦労があろうと思います。区分所有者で大変御苦労をいただく必要があると思いますし、建てかえ、再建という大事業につきましては、やはり専門の業者、専門家というものの助言といったようなこともどうしても必要になってこようと思います。建設省の方でもいろいろ、公団、公社等の積極的参加というようなことも検討されているように伺っております。そういう専門業者、専門家の力添えもいただいて、その合意形成に御尽力をいただくということを期待している次第でございます。

富田茂之新進党

○富田委員 今の御答弁の中にもありましたけれども、この法案が成立しても、実際に再建するに当たってはやはり資金問題がすごく関門として立ちはだかると思うのですね。質問に当たって、法務省や建設省の方にこれまでのマンションの建てかえ事例をどのぐらい掌握されているのかお伺いしたのですが、具体的な数字は承知していないということで、やはり建てかえの事例までいったというのがなかなかないのじゃないかなと思います。  私の弁護士の先輩で、まだ司法試験に受かる前からマンションの協同組合の理事長をやられておりまして、これは絶対建てかえが必要だということで、かなり建てかえ資金の積み立てに積極的な方がいらっしゃいまして、弁護士になられて十年ぐらいたって、建てかえというときに、かなり強力的に指導力を発揮して、積み立てていた資金が相当になったのでできたという事例を教えていただいたことがあります。そういう場合か、あるいは建てかえに当たって容積をふやして、そのふえた分を分譲してそれを資金に充当するというようなことでもない限りは、建てかえというのは現実問題としてちょっと難しいのじゃないかなと思います。  そこで、この震災地域に関して、建ぺい率とか容積率の見直し等がないと、実際にこの同意が得られても、資金的なところでとんざしてしまうんじゃないかなと思われるのですが、建設省の方では、こういう法案ができるということに当たって、建ぺい率や容積率の見直し等は検討されてこられたのでしょうか、その点をお聞かせいただきたい。

岡本圭司建設省住宅局市街地建築課長

○岡本説明員 建築基準法におきましては、例えば敷地の中に公開空地を設けますような、それとも市街地環境の整備改善に資するプロジェクトに対しまして、容積率等を緩和する総合設計制度という制度を設けでございます。  具体的に申しますと、住宅の部分が全体の四分の一以上、こういったようなプロジェクトにつきまして、通常の容積率に対しまして一・七五倍、三〇〇%増し、これを限度としまして、公開空地の面積に応じまして割り増しをする、こういった内容になってございます。それから、防火地域内の耐火建築物、大体分譲マンションは耐火建築物に該当しますが、こういう場合の建ぺい率につきましては、最高二割緩和するというような制度がございます。  御指摘のように、土地利用につきまして、その有効利用を図るということは大変重要であると考えておりまして、こうした観点から、先ほど申し上げましたような特例措置を的確かつ積極的に運用するように今後関係地方公共団体を指導してまいりたいと考えております。

富田茂之新進党

○富田委員 ありがとうございました。  この二法案とは離れるのですが、実は二月の末に日本司法書士会連合会の方から何点かにわたり陳情を受けまして、この大震災に当たって、司法書士さんの専門的な立場からこういう点を検討してもらえないかという陳情がございました。その点に関しまして何点か御質問させていただきたいと思います。  陳情の中で一番問題にされていたのが、登記済証の再発行制度というものを何とか考えてもらえないだろうかという点でございました。震災で倒壊したり焼失してしまった家屋が相当数に上るわけですが、その被災者の方たちは家財道具と一緒に登記済証、いわゆる権利証をなくしてしまった。  この権利証は、有価証券のように権利を化体するものではありませんから、登記を受けたという事実を証明するだけのものですから、なくしても実際に所有権を失うとかそういうことはないというのはわかっているのですけれども、実際に被災に遭われた方々の立場に立つと、そういうわけにはいかない。司法書士さんやあるいは弁護士さんが被災地で相談に当たって、いや、大丈夫ですよと幾ら説明してもなかなか一般の方は納得されない。自分の土地、自分のものの権利証なんだから何でもう一回もらえないんだ、そんなプロの説明を聞いてもなかなか納得できないんだというような思いがかなりあるようであります。  また、ダブルローンになるけれども、建物をもう一回建て直そうというようなときに、権利証を見せてくださいと言われたときにどうすればいいんだというような素朴な質問もあるようであります。  司法書士会の方でも、法務省さんの方と何度か打ち合わせをされたようですが、保証書の制度があるんだから、その制度に乗っていただきたいというような回答だった。権利の設定や移転が必要になった場合には、権利証がなくても法務局に登記したことのある成人二名が保証人としてその物件の所有者であることを証明すれば権利の設定、移転が可能になるわけですね。  法の改正があって、本来は、もともとは同じ法務局の管轄内に登記されている方二名だったのが、全国どこでもよくなったということで、この保証書の制度は利用しやすくなったと思うのです。この利用しやすくなったのがなかなか一般に知られていないみたいでして、今回の報道を見ますと、まだ同じ法務局内に二人の保証人を見つけてこなければだめなんだというような、ほとんどそういうふうな記事になっております。法務省さんの方に具体的に尋ねていないんだなと思うのですが、何かを見て書かれたのかと思うのですけれども、一般の人が見たら、その中でまた探さなければならないということになると、皆さん被災されていますので、これは本当に大変だと思います。  実際にこれまで保証書での権利の移転というのを私も弁護士時代に何度かやりましたけれども、保証人さんを探すのが本当に大変なんですね。何でそんなのになるのかという説明をすることも大変ですし、なっていただける方がいても、実際にただでやってくれないとか、何らかの金銭が必要になってしまうというような実情もあるようで、本当に保証人を見つけるのが難しい。  そういうことを考えますと、今回、神戸地域ということで被災地域は限定されているわけですし、大震災によって登記済証がなくなってしまったんだという、原因もはっきりしているわけですから、特例として登記済証の再交付の制度を何とか設けられないのかな。再交付すると権利証が二重に転々流通する可能性があるということで、そうなると権利の保全ができなくなるという心配もありますけれども、登記簿に今回の震災によって再交付したんだというような記載をするとか、二重の転々流通の部分に関しては防止措置がとれるんじゃないかと思うのですが、その点について法務省の方はどのようにお考えでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 委員既に全容を御案内で、今の話の中で尽きていると思うわけですが、登記済証を再発行するということになりますと、どうしても災害でなくされたということを確認する手続、あるいはもう既に交付済みの登記済証を失効させるための手続、そのために重い手続を考えるとすれば、民事訴訟法による除権判決の手続に似たような手続を設けなければならないかというような複雑な問題がございますので、今御説明ございました現行の保証書制度と比べてかえって当事者に負担を負わせることになるのではないか。そういうことでございますので、現在のところ、これまでも御説明してまいりましたとおり、保証書制度の適正な運用ということでやっていく方がよろしいのではないかというふうに考えているところです。  ただ、今委員から御指摘がありましたような当事者の安心という面、ごもっともなところがあるように思いますけれども、この点につきましては、これまでも司法書士会あるいは法務局での相談で制度の趣旨を登記をした人にわかってもらうような努力をしてきたつもりでございますけれども、御指摘をいただいて、改めてその点、特に登記した者の権利は登記簿自体によって公証されているんだということ、それから保証人は、その登記所に登記した者でなくても、どこでも登記したことがある人であればいいというようなこと、そういったことをそういう方々に十分理解していただくための広報活動ということについては、一層努めていかなければならぬなというふうに思っております。

富田茂之新進党

○富田委員 そのような広報活動は一生懸命していただきたいと思うのですけれども、本来、保証書の制度自体にもかなり問題があるんじゃないかなと僕は思っております。  実際に訴訟を担当したこともあるのですが、保証書を悪用して当事者本人が知らないうちに権利の移転とか、そういうこともできる、やろうと思えばできなくもない。保証人が二名、本人であることを間違いないという証明書を出して、本人確認のはがきが参りますね、その本人確認のはがきを盗用したりして実際に権利の移転がされたというような事件を担当したこともございます。  そういうことから考えると、その保証書の制度が本人の権利保全にとってパーフェクトなんだというふうにはとても思えませんので、そういう点も考慮をしていただいて、再交付制度について今後の検討課題にしていただければと思います。  続きまして、滅失登記の点について、我が党の冬柴理事の方から、二月七日の当委員会で、職権発動をもう少し積極的にされたらどうだというような御質問がありまして、民事局長の方からも今一生懸命調査しているというような御回答がされておりました。この点について、一カ月ぐらいたったわけですけれども、滅失登記の積極的な職権発動ということがどの程度合検討課題となって、どのくらいの調査が進んでいるのか、もしおわかりでしたら教えていただきたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 今回の震災による滅失登記につきましては、冬柴委員の御質問に対しても御答弁したとおりでございますが、できるだけ被災者の負担が軽くなる方法について検討しているところでございます。  その中で中心になりますのは、今御指摘のありました職権で滅失の登記をするということでございます。ただ、職権で滅失の登記をするということになりますと、これはやはり外形的に滅失状態が明確であること、それから、その建物の特定ということについて全く問題がないというようなこと、そういうことを考えなければなりませんので、今回の震災によって滅失したと認められるすべての建物についてということはなかなか難しいのではないか。  現在、なお引き続き調査中ということでございますけれども、滅失した建物の分布状況、どういうふうに分布しているか、とりわけ、職権でやれる範囲を見きわめるという観点から、区画全域にわたって建物が滅失している地域、その地域の分布、それからその区画の範囲、そういったことの把握に現在努めているところでございます。  今後、さらに関係市町村の調査状況や所有者らなどの意向も踏まえて、関係機関とも協議して、できるだけ負担を軽減される方向で考えてまいりたいと思っております。職権でできない分につきましても、運用の中においてできるだけ当事者の負担が軽く済むような方法をあわせて考えていきたいというふうに思っております。

富田茂之新進党

○富田委員 よろしくお願いいたしたいと思います。  大蔵省にもう一点、ちょっとお尋ねしたいのですが、これも司法書士会からの強い要望があったのですが、罹災証明を添付する被災関連の不動産登記あるいは会社登記の登録免許税を減免してもらいたいというような御要請がありました。会社関係の登記とか全部減免してくれというような申し出だったのですが、私ども新進党の方で検討しても、建物新築に伴う所有権保存登記や新築に伴って融資してもらう際の抵当権設定登記については、やはり今回の震災がなければもともとこういうことはなかったわけですから、この登録免許税をそのまま取るということになりますと、何か国の方が焼け太りみたいな、震災でもうけてしまうみたいな、庶民から見るとそういう思いがすると思います。この点について、先ほども御説明いただいた法案の中で準備されているというふうに聞いているのですが、この点ほどうなっているのでしょうか。

竹内洋大蔵省主税局税制第三課長

○竹内説明員 先ほども御説明申し上げましたように、今回の震災対策といたしましては、税制上としてできる限りの措置を講ずるということを考えておりまして、今先生からお話がございました、阪神・淡路大震災により自己の所有する建物に被害を受けた者が、新築または取得する建物の所有権の保存または移転の登記、及びその建物の新築または取得のための資金の貸し付けに係る債権を担保するために受ける当該建物を目的とする抵当権の設定登記につきましては、一定の要件のもとで免税措置を講ずることという考えでございまして、今国会にできるだけ早急に法案を提出できるよう、先ほどの経過措置の一年延長同様現在作業を進めているところでございます。

富田茂之新進党

○富田委員 よろしくおねがいいたします。  最後に、紛争処理機関のことについてちょっとお尋ねいたします。  報道によりますと、政府は、阪神・淡路大震災の復旧、復興が進むにつれ増大することが予想される法律紛争の解決を図るため、公的な紛争処理機関を設置して、まず一点目として、法律・行政相談を通じて紛争が生じそうな地域と問題を把握する、二点目として、特別立法などに関する被災者への説明や相談窓口業務を行う、三点目としまして、規模の小さな紛争などについては処理機関で判断を下すなどを検討しているというような報道がございました。この点、こういう事実があるのでしょうか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 御指摘の新聞報道でございますが、政府あるいは法務省の発表に基づくものではないと思っておりまして、いささかちょっと、記事自体についてどういうことから出たのかなという率直な感じを持っておりますが、いずれにいたしましても、これから被災地の皆さんの権利関係の保全を図り、かつ、紛争のできるだけ未然防止、利害調整、これらのためにはいろいろな工夫を図っていかなければならぬ、こう思っておりまして、そういう工夫は我々も常に頭で考えなければいけないと思っております。  強いて申し上げれば、法務省関係では法曹三者震災対策連絡協議会を設けておりまして、裁判所、弁護士会ともいろいろ意見交換の場を持ち、また手早な、適切な処理をしていこうということで連絡をし合って対応しておるところでございますし、現在建設大臣にも実はお願いをいたしておりまして、昨今の法律相談等におきましても弁護士の先生だけでもう対応できる状況にない、市街地再開発の問題それから建築基準法でございますとか、先ほど御質疑がございましたが、税務の関係でございますとか、非常に多岐にわたっておりまして、とりあえず私どもとしても、建設省の関係の皆さんと弁護士会、司法書士会などの皆さんにお集まりいただいて説明会を開くとか等々、今企画をいたしておるところでございます。

富田茂之新進党

○富田委員 今大臣から御説明いただきましたけれども、大臣が積極的に動かれて、法曹三者で震災対策連絡協議会を設けられて今稼働を始めているというのは伺っております。なかなか素早い動きだったなというふうに野党としても評価したいと思うのですが、今建築の専門家とか税務の専門家等もその相談の対象に入れたいというお話でしたけれども、司法書士さんの方からも、自分たちは登記の実務の専門家なので、全部どんなふうにも対応しますというようなお話がございました。司法書士会の協力も得ていただいて、被害者の相談に当たっていただきたいなと思います。  一昨日、新進党の新災害対策基本政策検討プロジェクトで神戸の方に行ってまいったのですが、復旧から復興に向けて今どういうふうにしていこうかということで、県や市は本当に悩んでおられました。国からのバックアップが欲しいということを盛んにおっしゃっておりましたので、法務省の方でも相談窓口を設ける際に当たって、いろいろな各機関に大臣の方からも御配慮いただきたいと思いますし、大阪の方の新聞を見ましたら、法律相談なんか全部今電話相談なんですね。新聞に、ここにかければこういうことがわかりますということで、かなり細かい広報はされておりましたけれども、最初電話で済んでも、次は直接弁護士や税理士や建築士さんから聞きたいというふうにこれから被災者の方たちもなっていくと思いますので、そのあたりについて法務省の方でもできる限りの御配慮をいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 倉田栄喜君。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 新進党の倉田でございます。私は、まず破産宣告等の特例の法案について何点かお伺いをさせていただきたいと存じます。  まず最初に、もう既に法務大臣からもお答えがありましたけれども、いわゆる今回の震災によって被害を受けられた、会社の再建について大変な御苦労をなさっておられる会社、事業主体の方々について、法務省としてもできる限りの対応をする。そういう意味ではまた、法務省だけでもできることではない。一番問題になっているのは、資金の手当てであり、あるいは仕事の確保であり、雇用をどうしていくか。大変困難な状況の中におられるんだろうと思います。そういうところも各省と連携をとり合っていただいて、ぜひとも積極的に対応していただきたい。  また、そういう意味で、今回の法案も、法務省として過去の例に倣いながら早急につくられたことは大変いいことだと私も思っておりますが、何点か、この法案の適用に当たっていろいろ問題も出てくることもあるかもしれませんので、その視点から質問をさせていただきたいと思います。  まず、先ほどからも既に出てまいりましたけれども、破産申し立て原因としての債務超過で、利害関係人としての債権者が申し立てをするということは、現状、なかなかそんなにあり得ることではないと思うのですね。  それは、債権者の側としては、債務超過、それは貸借対照表等、そういう資料をなかなか入手することは困難であって、その会社が果たして債務超過なんだろうかということがわからない。一方で、本当に債務超過で支払い不能という状況になってしまえば、破産管財人をつくるとか、そういう手続費用、予納金さえもなくなってしまう。そういうおそれをあえてしてでも債権者がいわゆる利害関係人として破産の申し立てをするということは、やはりそれなりに、例えば、単にその債権の回収を目的とするにとどまらず、会社の経営や、任務懈怠とか、そういうことに何か落ち度や不正があったのではないのか、あるいは財産の隠匿や一部の債権者に対する一部優先弁済が行われているのではないのか、そういうことを破産管財人の調査を通じてやはり明らかにしなければならないな、そういうことで利害関係人としての債権者のいわゆる破産の申し立て制度というのがあるんだと思うのですね、いわゆる整理的な部分として。  今回これが凍結をされるという状況になるのですが、この法案をつくるに当たって、この部分の債権者の視点というのはどういうふうに配慮されておられるのか、この点をまずお伺いをしたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 今申されました、債権者の側からする債務超過を理由とする破産の申し立ての視点という御指摘、まことにもっともであろうと思います。そういう点もあるわけでございますけれども、他方、今次被災によって一時的に債務超過の状態に至ったという状態でそういう申し立てがされるということになりますと、裁判所としては、債務超過と認めれば、事情のいかんにかかわらず破産宣告をせざるを得ない、しなければならないということになるわけでございますので、それはやはり、そういう債権者の立場と、それから今回被災によって債務超過に陥った法人の立ち直りの機会を確保するということとの均衡上ということを考えまして、これは後者の方を今回の震災の実態にかんがみて優先すべきであるという判断で、このような立案をさせていただいたわけであります。  なお、今御指摘のありました、債務者たる会社の取締役等がいろいろ債権者の利益を害する観点からの不正、不当な行為をやっているというような問題についての御指摘がございましたけれども、今回設けました法案は、破産の申し立てを却下してしまうわけではございませんで、宣告を猶予するという状態で事件を置いておくということでございます。したがいまして、財産の散逸のおそれが非常に著しいといったような悪質な事案に対しましては、破産宣告前の保全処分、これは発動できないわけではございませんので、そういう特別に悪質な事案に対してはそういうことによって対応することも可能であるというふうに考えております。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 私は、債権者による破産の申し立てというのが、今言った本来債権者が必要とする場合というのは、そんなに実際上は、確かに例もない、そんなに多くはないんだろうと思うのですね。実際には、債権者による破産の申し立てが、いわゆる再建をしようとする会社を困惑させる目的で、あるいはその一部に、自分のところが有利に債権回収を図る目的で、債権者による申し立てがいわゆる不正に、不当に使われているケースも多々あるんだろうと思うのです。  そういう意味では、今回の大震災に関する事業再建をできるだけ手助けをするという意味で、この措置をとられることは評価すべきことなんだろうと思いますが、一方で、法の視点からいけば、そういう必要がある債権者の視点もあり得るわけでしょうから、ぜひその点も御判断の中に入れていただけたら、こう思います。  そこで、これは既に質問も出ておりますが、もう一度確認の意味で、今回の法案は、「阪神・淡路大震災による被害により」債務超過に陥った法人、この「被害により」の解釈は、既に出ておりました質問の中で、法人の所在地が被災地域内でなくても、例えば北海道に本社があり、あるいは熊本に本社があったとしても、いわゆる因果関係の問題ですけれども、阪神大震災の関連によって債務超過に陥った場合も、これは解釈として当てはまるんだろうと思うのです。  例えば、今回の被災地、ケミカルシューズをたくさんつくっておって、それが実際つくれなくなった。そこから品物を熊本のお店が仕入れていて、広く販売をしていたんだけれども、その品物が入ってこなくなって、仕事ができなくなって債務超過に至った、これも阪神・淡路大震災によると。この「より」という因果関係の解釈の問題だろうと思うのですが、確認の意味でもう一度お伺いをさせていただきます。それも、北海道であろうと熊本であろうと、「より」という解釈の範囲の中であるというふうに理解をしてもよろしいわけですか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 御指摘のとおり、今回の法案は、いわば震災被害によって債務超過になったということでございますので、震災被害と債務超過に陥ったこととの相当因果関係の問題でございます。したがいまして、その相当因果関係があるかどうかということは、個々の事案ごとに裁判所が判断される問題でございます。  御指摘がございましたように、どこに本店があるかということは関係がないことでございまして、例えば、事務所や工場、あるいは倉庫が震災によって損傷を受けて資産が減少したという場合も入るわけでございますし、あるいは取引関連会社が倒産をして、それに対する債権の回収が不可能になったというようなことによって債務超過になった場合も含むわけでございます。  ケミカルシューズの例がございましたけれども、これは具体的に相当因果関係の範囲内かどうか、それは個別の事案によって変わってくるかと思いますが、そういう相当因果関係の判断の問題でございます。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 今お答えいただきましたように、この被災地の会社がもう支払い不能で倒産をした、そこに債権があって、結局回収できなくて超過に至った、そういうことはやはり全国至るところに出てくる可能性はあると思うのですね。  あくまでも相当因果関係の範囲内であろうかと思いますけれども、こういう特別立法、ある意味では被災地だけの法律ではないのか、こういうふうに思われる部分もありますので、これは、先ほど大臣御答弁をいただきました、いわゆる広報、周知徹底の問題、特に大臣の御答弁では、兵庫、地元、そういうところを中心にやっておる、こういうお話ではございましたけれども、少なくとも裁判所とか弁護士会とか、そういうところは、今度こういう法案ができてということはやはりきちっと周知徹底していかないと、こういう法律があるということは、それぞれが主張して運用関係になっていくんだろうと思います。  単にそれは、やり方というのはいろいろ、やはり被災地中心にということはそのとおりだろうと思いますが、その必要性においてはやはり全国あるわけでしょうから、必要なところにおいてはぜひ広報、周知徹底は図っていただきたいと思いますので、この点、大臣もう一度お答えをいただきたいと思います。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 御指摘のとおり、この震災の因果関係によって被害を受け債務超過となった法人、この法人は被災地の遠隔地にある法人も含めてということでございますから、こうした被害によって債務超過となった法人が安心して営業活動をしていただけるという観点からも、全国的な広報誌、マスメディア等々を通じ、またもちろん法務省、法務局等々にも掲示をして徹底を図りたいと思っております。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 それでは次に、区分所有建物の再建等の特別措置、こちらの方について何点かお伺いをしたいと思います。  まず、今回の法案は、区分所有法に規定をされていない全部滅失についての特例措置でございます。そうしますと、私はこれからの運用、解釈の中で一つ大きな問題になるのは、一部滅失なのか全部滅失なのか。確かに、一部滅失でもそれは区分所有法の現行法でいくのであって、全部滅失の場合は今回の特別法でいくのであって、その内容においては変わりないのだろうと思うのですが、現場の問題として、この建物は一部滅失なのか全部滅失なのか、この解釈の基準というのは結構皆さん心配をされておられるのだと思うのです。それは、建物が半分残っていても、半分残っているから全部滅失ではないよと、単純にこう言えるかというとそうではなくて、やはり基本は、その建物が修理をして使えるのか、あるいはやはり全部取り壊さなければもう全然使えないのか。だから、いわゆる残骸が残っていて、残骸ということはおかしいかもしれませんけれども、骨格が残っていても、やはり取り壊さなければだめだということになればそれは全部滅失ということに私はなるのだろうと思うのです。  そこで、一部滅失と全部滅失の大体基本的な基準、そして、ではこの建物が使えるのか使えないのかという基準になったときに、ある人はこれは使えるよと言う、ある人はもうこれは取り壊さないと使えないよ、こう言う。そこは、まさに建物のケース・バイ・ケース、いろいろあるのだろうと思うのだけれども、できる限りで、今法務省の立場でどういう判断基準をお考えになっておられるのか、お答え可能な限りで、できるだけ明確にお答えを願えればと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 全部が滅失しているのか一部滅失にすぎないのか、これは、その区分については大方今委員がおっしゃったようなことに尽きるのではないかというふうに思っております。  さらに敷衍して申し上げますれば、要するに建物が一部滅失している、あるいは大幅に損壊している状況の中で、これをもとに復旧して使う、建物として使うということが、これは物理的のみならず、社会的、経済的観点から考えても考えられることなのであるかどうかということによって判定されるべき問題であろうと思っております。  もちろん、今御指摘のありましたように、客観的に建物の形骸が残っておりましても、これは物理的のみならず、社会的、経済的に考えて、もう取り壊すほかはないと判断されれば全部滅失であるということであろうと思います。それ以上に具体的な基準というのはなかなか難しいわけでございますけれども、これはやはり素人の判断としては大変難しいことかと思いますけれども、やはりその判断というのは専門家の判断というものによるという運用にならざるを得ない問題であろうと思っております。  この点については、行政上の支援としての損壊建物についての判定といったようなこともこれから検討されるものだと思いますし、それから、当事者が任意に選んだ専門家の判断を伺うということで、おのずから関係者の了解というものができていくのではないかというふうに思っております。  それから、最終的にはこれは区分所有者が、建物が一部滅失であるということで建てかえの決議をされたということ、あるいは全部滅失というふうにみなして再建の決議をされたということであれば、それは実際問題としてはその区分所有者の判断が事実上尊重されるという運用がされる、解釈がされるのではないかというふうにも考えております。     〔委員長退席、中島(洋)委員長代理着席〕

倉田栄喜新進党

○倉田委員 今回の法案が、区分所有法には全部滅失の場合が規定されていないから結局民法の一般原則に戻れば全員の同意が要る、それはとても大変だということで、滅失の場合についても再建しやすいようにということで五分の四ということを設けられた。基本は、マンション等にしても、できるだけスムーズに居住をされておられる方々が再建できるものであれば、いろいろな問題はあるのだと思いますけれども、資金であるとか関係者の同意であるとかいろいろな問題ありましょうけれども、何とかもとの住環境に帰していただきたい、こういうことなのだろうと思うのです。  そういう意味からすれば、でき得る限り話し合いはするのだけれども、話し合いをする中でトラブルというのかそういうものが少なく、できるだけ話が何とかまとまっていくようにという思いも込められているのだろうと私は思うわけです。  ただ、例えば今回の区分所有の権利、持ち分権にしてもあるいは所有権にしても、持っておられた、しかし震災で、例えば全部滅失の場合にお亡くなりになっておられる方もおる。そうすると、当然相続の問題が起こってくる。あるいは、五分の四以外の五分の一の人たち、なかなか話し合いがまとまらなくて、もうこれは譲渡してしまおうということで譲渡をしてしまう。そうすると、五分の四ということも確かに根拠をいろいろ先ほど御説明ありましたけれども、難しいかなという気もするのです。  それに、新たに第三者の方々がこの利害関係の中に入り込んでくる可能性も非常にあり得るのだろうと思うのです。そうすると、それは必然的にそうなってしまう場合もやむを得ないことだけれども、逆に、いわば病理的なということを申しますか、こういうトラブルに介入をしてひとつ利潤、もうけてやろうではないか、こういうことも予測されないわけではない。  例えば、じゃ私がともかく、お金に困っているのだったらその権利を私に売りなさい、私が買ってあげるからということでそこの再建の関係者の中に入り込んで、本当に再建をするそういう人たちの中に入っていって、いかにもうまいように言いながら、最終的にはまた高く売り抜けてしまうような、こういう混乱の中ですから、そういうトラブルというのですか、紛争、第三者の不当な介入によって逆に紛争がますます長引いてしまう、あるいは解決しにくくなってしまう、私はそういうこともあり得るのではないのかなということを心配をいたしておりますが、その点について法務省は何か対策なりお考えなりございますでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 これは委員に申し上げるまでもないことでございましょうけれども、やはりそういう状態になった区分所有者の中には、もうこうなった以上は権利を譲渡して幾ばくかでもお金にかえて別の再建の道を図りたいという方も少なくないと思われますので、そういう方々は自由に第三者に譲渡していただくという道、それを閉ざすわけにはまいらないだろうと思います。  そういう譲渡がされれば、その譲渡を受けた人が再建の決議をすべきメンバーになってそこの中に参画してくるということになるわけでございますが、そういうものの中にいわば悪質な人が入ってきていろいろな混乱を生じさせる、あるいは利得を得ようとするというような行動、これは全く心配がないかといいますと、こういう複雑な権利関係でございますので、ないわけではないわけでございます。  ただ、これはやはり私どもの法律というのは当事者間の権利関係の調整ということでございまして、積極的にこの建てかえに私ども法務省当局が介入してどうこうするということができる問題ではないわけでございます。  そういう多数の適正な意思形成がうまくやっていけるようにということについては、弁護士さんを初めいろいろな建築関係の専門家とか、そういう方々の適切な助言ということ、あるいは先ほども申しましたけれども、公的なあるいは私的な開発専門業者がいろいろ入ってきて助言をするというようなこと、そういう運用の中で、そういう人々によって、生ずる混乱を排除して実施していただくということに期待しているところでございますが、私どもとしてもそういう問題について、今次震災の地域が限られた問題でございますので、十分注視して関心を持っていきたい、また、必要に応じて、私どもとして考えるべきことがあれば考えるという態度で臨んでいきたいというふうに考えております。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 お答えいただきましたとおり、私的自治ということが基本でございますので、無用、不当な介入は基本的にはやるべきではない。しかし、こうしたトラブルが起こることについてもやはり何らか考えておかなければいけないだろう、その意味で申し上げさせていただいた次第でございます。  そこで、次に、第三者が介入をしてくる、あるいは自分は再建ではなくてこの権利を買ってもらおうということになれば、いわゆるその評価が問題になると思うのですね。これは時価で基本的には買ったり売ったりということになるのだろうと思うのですが、その時価というのは、どういう基準で、だれが評価をするのか。それはいかがでしょうか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 時価というのは、現行の建てかえの場合の売り渡し請求の場合でも使われているわけでございますし、民法ではあちこちで使われているわけでございますが、これは法律的に言えば、その時点におけるそのものの客観的取引価格ということでございます。  これは、第一次的には当事者の協議で定められるということでございましょうが、実際上はそういう評価の専門家の助言あるいは鑑定意見、そういったことによって決定されていくものだというふうに思っております。また、最終的には、法律的に言えば、それについて争いがあれば訴訟の場で裁判所によって判断されるということでございますけれども、実際問題はそういった専門家の助言、鑑定意見等によって定まっていくものではないかというふうに思っております。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 それでは、これはちょっと確認の意味でお答えいただければと思うのですが、よく分譲マンション等々の登記簿謄本を見ますと、大体敷地利用権とかそういう形で、敷地利用権何分の何みたいな形で登記してある場合が多うございます。その敷地利用権というのは、御説明いただいた、あるいは私の理解によれば、土地が所有権であればいわゆる所有共有持ち分、建っている土地が借地権であれば借地権の要件ということ、そういうことでいいのかどうか、それをちょっと確認の意味で聞かせていただきますが、簡単にお答えいただければと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 御指摘のとおり、一般的には所有権の共有持ち分ということでございますが、借地権である地上権または賃借権の準共有持ち分という場合がこれには含まれるわけでございます。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 そうしますと、担保権との関係でいけば、これはもう時間がなくなりましたので問題点の指摘だけにとどめさせていただきたいと思いますが、敷地権が所有権の共有である場合については担保権は敷地権にも残っていくけれども、下の建物が賃借権の場合は債権ですから担保権が消えてしまう、そういう状況になっていくわけですね。  それでは、時間も参りましたので、質問を少しやったのですが、最後に、いわゆる区分所有法と民法の一般原則、その間に今回の法律、こういうことになるわけです。今回の法律はあくまでも大震災、全域的に被害を受けたような場合について五分の四でもいいというふうになるわけですけれども、個々の例えはあるマンションががけ崩れによってつぶれてしまったとか火災によって焼けてしまった、なくなってしまった。区分所有の建物はその存在を前提にしているわけですから、これは適用されない。今回の法律も、被災地域ということを前提にしているから適用されない。  そうすると、やはり民法の一般原則、全員同意ということになるわけですけれども、これは立法政策の問題になろうかと思うのですけれども、私はもうこの点も、この部分も見直すべきではなかろうか、こう思っておるわけでございますが、この点について大臣の御所見をちょっとお伺いできればと思います。     〔中島(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 今回の大規模な災害によって地域全体の多くの区分所有建物が滅失したという、いわば特殊な状況下における法的措置でございますが、先生御質問の、例えば火事などで区分所有建物のある一棟のみが滅失したといった場合とは、やはりおのずとその前提条件といいますか、別個の配慮が必要になる、局地的、局所的なものであろう、こう解釈をしておりまして、火事などで一棟のみ滅失したという場合は、先ほど先生おっしゃったとおりの民法原則で取り組んでいき、関係者各位の十分な話し合いで解決を図っていただくのが適当であろう、現在はそう考えておるところでございます。先生の御意見をよく踏まえまして、また考えさせていただきます。

倉田栄喜新進党

○倉田委員 確かに周りの経済状況等は、被災に遭った場合とは違うのだろうと思いますけれども、マンションを建てかえるということについては全員の同意を得なければならないという場合と五分の四、それは同じような状況にあるんじゃないのかなと思いますので、今後の課題としてぜひ御検討をいただきたいと思います。  最後に、これはお答えをいただかなくても結構でございますが、今回の大震災でがけ崩れが起こる、あるいは区域ごと滅失してしまった、そうすると、いわゆる境界と申しますか、境目が非常にわかりづらくなっているんだろうと思うのですね。これは今後非常に大きな紛争の原因になるのだろうと思うのです。この境目をどう確定をしていくのか。大臣、この点についても裁判所等とも非常に連携をとられながら、この問題のできるだけ早期な解決が図るように、ひとつ御努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。     —————————————

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 この際、お諮りいたします。  本日、最高裁判所涌井総務局長、堀籠人事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 質疑を続行いたします。正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 私は、まず最初に、阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告の問題について伺います。  債務超過と支払い不能の違いとか、あるいは認定等についてはさきに質問通告しておりましたが、前に同僚委員が相当お聞きになりましたので、その点は省略させていただきます。  ただ、民事局長でよろしいから一言伺いたいのですが、関東大震災のときに破産宣告猶予令というのがたしか出ました。それを見ますと、記載の仕方は、「大正十二年九月一日以後二於テ法人ノ財産ヲ以テ其ノ債務ヲ完済スルコト能ハサルニ至リタル法人ニ対シテ八大正十四年八月三十一日ニ至ル迄ノ間破産ノ宣告ヲ為スコトヲ得ス但シ」云々という規定になっております。  今度のは、私の理解するところでは、破産宣告猶予令のときと違って、破産宣告できない法人については破産宣告を留保する決定をしなければならないというように思われるのですが、これは前の関東大震災のときとどのように違うのか、あるいは違わないのか、あるいは違えたとしたらその理由は何かについて、お答え願いたいと思います。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 一定の期間破産の宣告をすることができないということは、共通の条文になっているわけでございます。  ただ、今回破産宣告をすることができないという場合に、それでは申し立てを受けた裁判所としてはその手続をどうするのかということが、関東大震災のときの規定だけでは必ずしも明確でない、それを明確にする必要がある、その方がベターであるということで、破産の宣告をすることができない場合に、それは直ちに申し立てを退けてしまうのではなくて留保しておく、留保して、その間その件の審理は中断するという手続をとるということを明確にする、その方がいいだろうということでそういう手続を設けたわけでございます。  したがって、実質において違うものであるというふうには考えておらないところです。

正森成二日本共産党

○正森委員 実質的に違うものでないと言われる、そのとおりだと思いますけれども、しかし、留保する決定を義務づけるということになりますと、破産宣告はしないけれども債務超過であることは間違いないということを裁判所が公権力的に、対外的に認定するという意味もある意味では持ち得るので、ある意味では裁判の中間判決的な意味をも持つので、そうすると企業にとっては、破産宣告はされないけれども、債務超過で物騒だということは裁判所が認定しているのだということになって、関東大震災のときとは少し意味合いが違ってくるのではないですか。

濱崎恭生法務省民事局長

○濱崎政府委員 もとより委員も御理解いただいていると思いますが、留保決定をしたからその中に債務超過の状態に陥っているという認定を含むわけではもちろんございません。債務超過に陥っているかどうかという審理自体を留保してストップするということになろうと思います。  それからなお、三項におきまして、留保決定をした後に第一項に規定する事情についての変更があったときは、申し立てまたは職権で決定を取り消すことができるとなっておりますが、その事由の一つといたしまして、債務超過に至っていないことがはっきりしたという場合もこの事情の変更というふうに考えておりますので、その場合には、留保決定を取り消して申し立て自体を退けるということも可能である、そういうように考えております。

正森成二日本共産党

○正森委員 最高裁来ておられますか。——伺いたいと思いますが、本日の新聞によりますと、大阪地裁の堺支部の判事補が「震災対策に裁判所が殻破る時」という見出しで「論壇」に投書をしております。それで、この内容は、やはり広い意味では本法案に関係がありますし、裁判所がどう対処するかという司法行政的な問題を含んでおりますので、全部ではありませんが、そのうちの二、三点について質問させていただきます。  この投書をした判事補は、裁判所の現場では人ごとのように感じられる風潮がないではない、今度の震災の対処についてそういう感想を述べた上で、裁判所法の二十八条の二項には「特別の事情」というのがあるけれども、これを弾力的に解して、大阪高裁管外からも職務代行を認めるなど工夫をして全国から裁判官を工面すべきではないかとか、あるいは、まず研修裁判官を一部でも引き揚げてはどうだろうか、これは、現在東京で官庁や民間企業に裁判官が研修目的で派遣されている、それをこの緊急事態で引き揚げてはどうかという提言をされているのですね。まず、この点についてどうお考えになるか。  それから、短い時間で結構ですが、現在研修裁判官は何名ぐらいで、主としてどういう方向で研修しているのかをお答え願いたいと思います。

堀籠幸男最高裁判所人事局長

○堀籠最高裁判所長官代理者 阪神・淡路大震災による事件増に伴う裁判所の体制づくりについてでございますが、最高裁判所といたしましては、震災直後から、関東大震災の例を参考にしながら、大阪高裁とも協議して鋭意検討しているところでございます。  関東大震災の例によりますと、調停事件が大幅に増加したところでございまして、最高裁といたしましては、今後の事件の動向を見ながら適時適切に対応できるようにしたいという検討をやっておりまして、現在のところそれほど多くの申し立てがされている状況ではございませんが、必要が生じた場合には直ちに対応できるようにするため、委員御指摘の大阪高裁管外からの職務代行の発令の点を含めまして、検討を整えつつあるという状況でございます。  委員御指摘のように、裁判所の現場におられる方についてはあるいはそういう検討の状況を知らない方もおるかと思いますが、そういう状況でありますので、協力態勢はかなりできているという点は御理解いただきたいと思います。この事件直後には、周辺の高裁から応援に行きたいという申し出も最高裁判所の方にございまして、現在のところ、事件がふえた場合には直ちに行けるようにという、具体的な裁判官の名前を含めた検討を行っている状況でございます。  なお、裁判官で外部で研修している者についてでございますが、民間会社に長期ということで、一年でございますが、研修のために行っている者が四名ございます。そのほか、各省庁に研修を兼ねて出向している者が十四名という状況でございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 それから、被災地裁判所職員ですね。これは恐らく兼務で発令されるのだと思うのですが、この前もちょっと伺いましたが、当該職員等の間から、兼務ではもとの仕事がやはり残るので何とかしてくれないか。この投書した裁判官はOB活用や外部委託も必要かもしれない、司法に関することを安易に外部に委託しますと問題がありますが、事務的なごく限られた仕事ではそういうこともあり得るかもしれないし、あるいは臨時の増員とかそういうことの提言がここにあるのですが、その点はどう考えておられますか。

涌井紀夫最高裁判所総務局長

○涌井最高裁判所長官代理者 事件の増加がどの程度になるかという見通しがなかなか難しゅうございます。ただ、我々の方としては、最悪の事態が生じた場合にもそれに対応できるだけの人的な態勢はとっておこうという、場合によりましては、数千件単位の事件がふえましてもそれに対応できるような態勢を組みたいと思っております。  一般職の関係の人員の応援といいますか、これはほかの庁に御迷惑をおかけしない形で、いわば恒常的にといいますか、神戸の方だけに専属に人をふやすということも、十数名程度四月からやりたいと思っております。それで足りない場合には、さらにほかの庁からもということを考えております。

正森成二日本共産党

○正森委員 それでは、区分所有建物の再建に関する問題について質問をさせていただきたいと思います。  それで、今同僚委員がいろいろお聞きになりましたが、今度は、全壊した場合に五分の四の多数で再建についていろいろできるということの場合に、残る五分の一の権利がどうなるのかという質問がございまして、民事局長からお答えになりました。だから、重複するのは省きたいと思いますが、お答えは、主として法律的にこういう対策が立てられておるよということなんですね。  それは結構なことなんですが、私などが政治家として現地で聞きましたら、それは建てかえをしたいとかいうのはもうだれしも思っていることだけれども、問題はその資金がないのだということで、それに対して国なり地方自治体のどういう援助が受けられるか、それが受けられればできるだけ再建したいというふうに、異論のある人はほとんどないのですね。  ところが、それが十分に行われないと、区分所有権について、売買自体は禁止されておりませんから、それを貫い取る者ができる。その中には多少いかがわしい者がおって、そういう者が主導権を持つということになりかねないのです。  それで、建設省来ておられますか。——では、建設省に伺いたいと思いますが、今申し上げましたような趣旨、これは法務省の管轄というよりはむしろ建設省がどういう支援対策をとるか、まあ大蔵省も関係するかもしれませんが、まず建設省が考えることが必要だと思うわけであります。住宅金融公庫等について、例えば貸付限度額を引き上げるとか、金利を多少下げるとかということは新聞紙上でも拝見いたしました。  それで、きょう特に伺いたいのは、特定優良賃貸住宅等について供給を促進するために、今度の震災についてやはり一定の対策をとっておられるということを聞いておりますが、それについては世間一般に知られておりませんので、少し詳しく説明していただきたいと思います。

坂田隆史建設省住宅局民間住宅課長

○坂田説明員 御説明申し上げます。  特定優良賃貸住宅供給促進事業、これは優良な賃貸住宅を建設する場合に、土地所有者等に対しまして建設費でありますとか家賃の補助を行う制度でございますが、これを、兵庫県または大阪府の区域内で被災者向けに建設される場合につきましては、共同施設の整備費に対します国、地方公共団体による建設費の補助率を従来の三分の二から五分の四へ引き上げる、それから建設戸数の要件を従来の十戸から五戸へ引き下げるというような拡充措置を講じまして、支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 今簡略に言われましたが、三分の二を五分の四というのは、国が三分の一から五分の二へ、それから地方公共団体が三分の一から五分の二だから、合わせて三分の二が五分の四になる、こういう趣旨ですね。——はい。  特に法務大臣に申し上げておきたいのですが、これは必ずしも法務省の管轄でないということはわかっておりますが、政治家として、法務省がこういう法律を整備しても、資金の手当てがされなければ、結局において、建てかえをやろうという資金力を持っておる多数の人はいいかもしれないけれども、それのない少数の人の権利が事実上侵害される場合があり得るということを御理解いただいて、建設省なり大蔵省に、閣議で問題になったときに御配慮を願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

前田勲男自由民主党法務大臣

○前田国務大臣 先生御指摘のとおりでございまして、この法律も基本的な法律関係を定めるということでございますので、実質効果を上げるには建設省あるいは大蔵省の御協力なくしてあり得ないことでございまして、今日までもその方向で建設省あるいは大蔵省が取り組んでいただいておりますが、なお引き続き私どもも努力をしてまいりたいと思っております。

正森成二日本共産党

○正森委員 時間が参りましたので、最後ですが、本日の朝刊にその点の参考としてこういう記事が載っているのです。  これは朝日新聞ですが、「兵庫県は、「定期借地権を利用したマンション建て替え支援制度」を創設する方針を打ち出した。住民は敷地を県の住宅供給公社にいったん売却したうえで、その敷地について公社との間に五十年の定期借地権契約を締結。土地の売却代金を建て替え費用に充てるという構想だ。」。こうしますと、資金は何とかできるのですが、今までは所有者だったのだけれども、土地については逆に定期借地権者になる。五十年たてば——五十年先のことですからどうなるかわかりませんが、引き払わなければならないという制約はありますが、資金面の相当部分は解決できるわけです。  それからもう一つ。ある大学教授は、「住宅地区改良事業の適用を」ということで、「収用権限を与えられた市区町村が被災マンションを不良住宅と認定し、区分所有権を買収して撤去する。跡地に改良住宅を建設して、元の居住者に賃貸に出そうという事業である。補助率が高く、家賃も低額に抑えられる。」という提言をしておられるのです。  それで、これは建設省の管轄だと思いますが、こういう提言について、大蔵省と相談して、資金面の手当てを含めて考慮をする必要があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。

坂田隆史建設省住宅局民間住宅課長

○坂田説明員 御提言のありましたいろいろな事項につきまして、被災マンションの建てかえ、種々のケースがあろうかと思います。定期借地権を活用する、あるいは住宅地区改良事業等で対応する、いろいろなケースが出てくると思いますので、今のところは、融資面でありますとか優良建築物等整備事業の補助制度の拡充、それから県、市と連携いたしました分譲マンションの復興相談センターなどの整備をいたしておりますので、相談に幅広く応じてまいりたいと思います。  それから、いろいろなケースにつきましては、公的住宅等による生活支援策もあわせまして、必要に応じまして、公団でありますとか公社でありますとか、そういう公的主体による建てかえ事業の積極的な協力でありますとか、実態に即した支援方策を検討してまいりたいと考えております。

正森成二日本共産党

○正森委員 終わります。

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、阪神・淡路大震災に伴う法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

金子原二郎自由民主党・自由連合

○金子委員長 次回は、来る二十八日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十九分散会

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